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128回国会衆議院1993/11/19

文教委員会 第1号

発言数
187
登壇者
24
会派数
7
開催日
1993/11/19

会議録

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  文教行政の基本施策に関する事項  学校教育に関する事項  社会教育に関する事項  体育に関する事項  学術研究及び宗教に関する事項  国際文化交流に関する事項  文化財保護に関する事項以上の各事項につきまして、本会期中国政に関する調査を行うため、議長に対し、国政調査承認要求を行うこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ――――◇―――――

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。赤松文部大臣。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 来るべき二十一世紀に向けて、我が国が創造的で活力ある文化の薫り高い国家として発展し、世界に積極的に貢献していくため、また、国民一人一人が多様な個性と創造性を発揮できる社会を築いていく上で、文教行政の役割はますます重要になっております。  私は、このような文教行政に課せられた使命に思いをいたし、国民の多様な学習要求にこたえ、一人一人が豊かな自己実現を図ることができるような生涯学習社会の実現と、教育・学術・文化・スポーツを通じた福祉文化社会づくりを目指し、教育改革の積極的かつ着実な推進に努めてまいりたいと存じます。  以下、文教行政についての私の基本的な考えを申し述べます。  第一に、人々が生涯のいつでも、自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が適切に評価されるような生涯学習社会を築くため、昨年七月の生涯学習審議会答申において提言されたリカレント教育の推進やボランティア活動の支援・推進、青少年の学校外活動の充実、現代的課題に関する学習機会の充実などに重点を置きながら、生涯学習の基盤整備、多様な学習活動の振興、学習成果の評価の促進などの施策を積極的に推進してまいります。  特に、放送大学については、放送衛星を利用した全国化のための準備を進めてまいります。  また、男女共同参画型社会の形成に向けて、男女平等の意識変革及び女性の社会参加を支援するための幅広い学習機会の提供と、その環境整備に積極的に努めてまいります。  第二に、初等中等教育については、新学習指導要領に沿って、みずから学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの能力の育成を重視する新しい学力観に立った教育の実現に全力を挙げて取り組んでまいります。その際、時代の要請に応じた環境教育、ボランティア教育などの充実を図るとともに、道徳教育や国旗・国歌の指導についても、引き続きその充実に努めてまいります。また、登校拒否や高校中退、いじめなどの課題に対応した生徒指導の充実を図るほか、健康教育の一層の充実、特にエイズ教育の推進を図ってまいります。  学校週五日制は、子供の生活にゆとりを持たせ、学校、家庭及び地域社会が一体となってそれぞれの教育機能を発揮し、子供の望ましい人間形成を図ることを目指すものであり、実施の過程で出された課題の解決を図りつつ、その円滑な定着に努力してまいる所存でございます。  高等学校教育については、生徒の選択の幅を拡大し、個性の伸長を図る観点から、総合学科や単位制高校の設置など魅力ある高校づくり、入学者選抜の改善などを進めてまいります。また、業者テストの偏差値を用いた入学者選抜が行われないようにするとともに、中学校における進路指導の改善充実に鋭意取り組んでまいります。  教育諸条件の整備については、個に応じた教育の実現のため、チームティーチングなど指導方法の一層の充実等を図る第六次公立義務教育諸学校教職員配置改善計画と四十人学級の実現等を図る第五次公立高等学校学級編制及び教職員配置改善計画を本年度からスタートさせたところであり、その円滑な実施に努めてまいります。  また、義務教育教科書無償制度を堅持し、初任者研修等の充実、学校へのコンピューターの整備、ゆとりと潤いのある学習環境づくりや生涯学習活動を積極的に支援できる学校施設の整備等を推進してまいります。  さらに、学校運営に関しては、校長のリーダーシップのもとに全教職員が一致協力し、活力と規律ある学校運営が行われる体制の確立に努めてまいります。  第三に、高等教育については、各大学等がそれぞれの教育理念・目標を明確にし、それに沿った教育研究の個性化、高度化及び活性化に向けて、不断に改革を進めることが重要でございます。このため、大学設置基準の大綱化、自己点検・評価システムの導入などの制度改正を行ったところであり、これを受けて、現在、各大学等において、新制大学発足以来最大の大学改革が進められているところであります。今後とも、大学審議会の審議を踏まえつつ、高等教育の充実と改革に積極的に取り組んでまいります。また、大学院学生を初めとした育英奨学の改善充実についても、努力してまいります。  国立大学については、基礎研究の推進と有為な人材の養成を図るため、カリキュラム改善、大学院を中心とする教育研究条件の整備、社会的要請の強い分野に係る人材養成等の充実、教育研究環境の改善のための施設設備の充実等について、一層の努力を重ねてまいります。  大学入試については、本年九月の大学審議会報告を踏まえ、大学入試センター試験の円滑な実施と有効な利用、活用の促進を図るとともに、推薦入学の改善を含め、各大学において多様な入試が適切に実施されるよう、関係者の御協力を得ながら着実な改善に努めてまいります。  第四に、私学の振興については、我が国の学校教育において果たす私立学校の役割の重要性にかんがみ、その教育研究条件の維持向上と修学上の経済的負担の軽減等を図るため、私学助成の確保等に努めてまいります。  第五に、学術研究は、人類の知的共有財産を創造し、国家・社会の発展の基盤を形成するものとして、その振興は極めて重要であります。近年、我が国における独創的・先端的な学術研究の推進による世界の学術研究の進展への積極的な寄与が求められている一方、大学の研究施設設備、研究費などの研究環境の劣化が各方面から指摘され、今後の学術研究推進についての懸念が生じております。  このため、昨年七月の学術審議会答申を踏まえ、学術研究基盤の計画的・重点的整備と世界に開かれた学術研究体制の整備を目指し、科学研究費補助金の大幅な拡充、大学の教育研究施設設備の改善、若手研究者の養成確保、宇宙科学、加速器科学等の基礎研究の重点的推進など、学術の振興のための総合的な施策の推進に努めてまいります。  第六に、スポーツの振興については、いつでも、どこでも、だれでも気軽にスポーツを楽しむ生涯スポーツの機運の高まりにこたえるため、また、長野オリンピックなど我が国で開催予定の多くの国際競技大会に向けた日本選手の競技力の向上を図るため、スポーツ施設の整備充実やスポーツ指導者の養成確保などの諸施策の一層の推進に努めてまいります。  第七に、芸術文化の振興については、我が国古来の伝統文化を継承しつつ、すぐれた芸術文化の創造発展を図るとともに、その成果を積極的に海外に発信し、文化を通じた国際貢献を図ることがますます重要となっております。  このため、芸術家等の人材の育成や芸術創作活動の助成、各地域の特色ある文化を生かした多様な文化活動の推進、国民の貴重な財産である文化財の保存と活用のための諸施策の推進、国立博物館・美術館等の整備充実、我が国の現代舞台芸術の拠点となる第二国立劇場(仮称)の開場に向けての諸準備等を着実に進めてまいります。  また、芸術家、専門家の派遣や招聘、展覧会・公演等による交流、優秀な舞台芸術の海外公演等の促進、海外の文化遺産保護に関する国際協力等を積極的に推進してまいります。  最後に、国際交流・協力の推進については、アジア・太平洋地域における識字教育協力や開発援助に携わる人材の養成など、人づくりに重点を置いた途上国への協力を推進するとともに、研究者の交流や国際共同研究、留学生交流、外国人に対する日本語教育、海外子女・帰国子女教育の充実に努めてまいります。  特に留学生に関しては、二十一世紀初頭における十万人の受け入れを目指し、渡日前から帰国後までの幅広い施策を総合的に推進するとともに、我が国からの海外留学についても、その援助に努めてまいります。  以上、文教行政についての私の基本的な考えを申し述べました。  文教委員各位の一層の御理解と御協力をお願いいたします。(拍手)     ―――――――――――――

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲葉大和君。

稲葉大和自由民主党・自由国民会議

○稲葉委員 御質問の機会をお与えくださいまして、まことにありがとうございます。  今ほどは赤松大臣から文教行政の理念につきましてお話をちょうだいしたわけでありますが、このことを踏まえながら、なおまた若干の私の考えを申し述べさせていただきながら、文教行政一般について御質問させていただきとう存じます。  そもそも我が国の文教行政は、明治五年学制施行以来着実な歩みを続け、特に教育基本法等々の施行により、義務教育あるいは新憲法下における子女の育成について目覚ましい発展を遂げてきたと思うのでありますが、先般大臣が御就任の当初、記者会見においてコメントをされましたのを含めながら、大臣御自身の教育の理念と申しましょうか教育の原点について、特に小中学校教育を中心としてお尋ねさせていただきとう存じます。  私ごとで大変申しわけないのですが、私自身も中学生の子供を頭に目下教育の真っ最中というところなのでありますが、昨今の小中学校のカリキュラムを含めて学校教育というものが、私どもの子供が頭が悪いせいかわかりませんけれども、どうも詰め込みに追われているというような感がしてなりません。  そこで、先般細川総理御自身が個性と自立を目指す教育、そういうことを申されておるそうで、私、大変不勉強で申しわけないのですけれども、そのことに大臣御自身が共鳴されておるということでございますので、そのことを若干敷衍していただきながら、大臣御自身、小中学校の生徒に対しましてどういうようにあったらいいのか、どういうふうに教育していったらよろしいのか、そのあたりを少し御指導いただきたいと思うのです。よろしくお願いします。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 私の基本的な考え方を述べよ、こういう御趣旨かと存じます。  小中学校に限らず一貫して考えておりますことは、ただいまの教育、我が国の制度、そして今までに達成しました水準、ともに世界的に非常にすぐれたものとして評価をされているというふうに基本的に考えております。  しかし一方、いろいろな弊害も出てきている。つまり、先生が先ほどおっしゃいましたような詰め込みというような、知識を与えることに専ら重点が置かれて、自由な精神、自発性、個性、そういうものを育てるという点については幾分不十分なところがあったのではないか。その結果、いろいろ知識は豊かに知っているけれども、持っているけれども、人を思いやる心だとか自発的なクリエーティブな能力だとか、そういう点ではやや問題が出てきているというふうに指摘もされ、私自身もそのような弊害はあるのではないかというふうに思っております。  そこで、我が国が築き上げた教育制度のよい点を維持しながら、そのような不足の面を改善をしていきたい。そのためには、いろいろなレベルにおいてゆとりを持たせ、個人の個性あるいは自発性、そのようなものを尊重して、心の豊かな、温かい気持ちを持った人間を育てるということを目指して教育をこれから進めていくということが必要なのではないか、そのように考えております。

稲葉大和自由民主党・自由国民会議

○稲葉委員 大変ありがとうございます。ただ、もう少し具体的に突っ込んだお話を聞きたいのです。  と申しますのは、私の子供のころというと大分前になりますけれども、よく学校へ上がる前から、幼稚園あるいはその以前から、父親や母親から厳しくしつけられたとは決して思いませんけれども、やはり家庭の生活の中で親の背中を見ながら、やっていいこと、やってはならないこと、言葉には出さなくてもおのずと体得できてきたと思っているのです。  特に、どなたが申したかはわかりませんが、小学校のときにはまず体力をつくること、そして中学校になったら、その体力をもとにして自分の幅を広げていくようにというような意味合いを含めまして、小学校時代にはよく遊びよく遊べ、中学のときにはよく遊びよく学べ、高校になりましたらよく学びよく遊べ、大学は本当に高等専門教育の場所ですから、よく学びよく学べ、そう熟語的に頭の中にたたき込まれてきたわけなんです。  このことが果たして今の義務教育課程においてそのまま妥当するかどうかわかりませんが、これから将来、それこそ国づくりが人づくりと言われる世の中がますます必要になってきているような時代において、ちょっと運動すればすぐ骨折してしまうようなお子様方を拝見するにつけて、やはり小さいときには体だ、それから徳育だ、そして知識だ、そう私は受けとめているのですが、この点について大臣は御同感でしょうか、それとも異をお唱えなさるのでしょうか。そこのところもちょっとお尋ねしたいと思うのであります。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 私自身の記憶をたどってみますと、小学校のときからよく学びよく遊べというふうに教えられたような記憶がいたします。  でも、今おっしゃいましたように、ちょっと正確でないと思いますが、小学校のレベルではこう、中学のときはこう、大学になればこうというふうにいろいろ細かく言い分けていただいて、ああなるほど、そういう言い方もあるのかなというふうに伺っておりました。それについて非常に感銘を受けましたが、特に異議を申し立てるようなことはございません。

稲葉大和自由民主党・自由国民会議

○稲葉委員 ありがとうございます。非常にくどいお話で申しわけないのですが、場面を変えます。  今、私どもの子供たちには塾に通わせていません。そのせいで落ちこぼれるのかもしれませんけれども、本来、義務教育課程の中においては、わざわざ塾等に通わせなくても十分子供たちが学校の授業についていけるような授業内容であるべきだと思うのですが、現実の授業内容、授業時間がどれぐらいのものかわかりません。  また、それと同時に、小さい子供のころには、うちの中で勉強することよりも極力外に出て自然と親しみ、自然を慈しみ、動物を慈しむ。そういった自然との対話の中で自然に物事を尊重し、生き物を尊重し、そして自分自身の考え方、生き方をおのずと身につけてもらえるような自然な教育のシステムというのが今こそ必要じゃないかと私は思うのであります。  担当の方にお尋ねしたいのですが、現在の小中学校の授業内容について若干コメントいただきたいですし、また校舎を離れた校外活動といいますか、課外授業についてどの程度行われているのか、少し教えていただきとう存じます。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 お答え申し上げます。  今先生の御指摘をお聞きいたしておりまして、私どもは今学習指導要領の改訂をいたしました。これは平成元年に改訂をいたしまして、小学校が平成四年、中学校が平成五年、高等学校が平成六年から動くわけでございますけれども、まさに先生が今御指摘ございました、そういう理念というものをもとにしまして改訂を進めたつもりでございます。  特に小学校では、小学校低学年、一年生と二年生のところでございますけれども、従来理科と社会という教科で構成されておりましたが、それを生活科という形に統合いたしました。これは単に理科と社会の教育を統合したということではなしに、今先生御指摘ございましたようなそういう体験的な学習をそこでやっていただく。例えば野原に行って植物を見、それに感動する、あるいは町の中に出ていって実際に世の中がどう動いているかということを勉強していただく、そういうようなことを私どもは重視しておるわけでございます。  そのほか、いろいろな地域におきますボランティア的な活動とか校外に出ましての活動、こういうものはいわゆる特別活動というような形で各学校で現在積極的に取り組んでおりますし、また、文部省もそういうものを指定校などを設けながら研究を進めさせていただいておりますが、私どもとしては、総じて先生の御指摘のあったそういう線でこれからの教育を進めていきたい。特に、知識の詰め込みではなしに、子供たちが自分たちで考えて、そして学ぶ意欲というものを持っていく、そういう教育を重視したいと思っているわけでございます。  学習塾の話も出たわけでございますが、私ども、今の小中学校の教育内容が厳しいから学習塾に行かないとついていけない、こういうものではないと思っているわけでございます。つまり、学習塾に行くというのは、あるいは私立の中学校の受験のためとか、あるいはさらに高等学校受験、あるいは大学受験というようなことから、低学年の段階からいわゆる受験勉強のために学習塾に通っている、こういうようなことがあるのではないかと思うわけでございます。  これは世の中の社会全般の考え方もあるわけでございますけれども、少なくとも学校教育の場におきましては、子供たちの学ぶ意欲なりそういうものを重視する教育を通じて、そういう学習塾通いというものがだんだんなくなっていく、あるいは学校教育の場で教育をすれば足りる、そういう確信を世の中の多くの方々に持っていただく、そういうような方向で教育を進めていきたい、このように思っているわけでございます。

稲葉大和自由民主党・自由国民会議

○稲葉委員 ありがとうございます。  ただ、私どものところでは、特に父兄から言われているのですけれども、本来あってはならないことかもしれませんが、例えば隣の子とだべった、あるいは一日学校を休んでしまった。これはサボりとかそういうことではなくて、病欠のときもそうなんですが、一日学校を休んでしまうと授業におくれてしまう。つまり、前の日やったことがわからなくなってしまう。これは極端な事例かもしれませんけれども、決してこれは現実とそうかけ離れているとは思えないわけです。  私たちのころは、予習復習もきちっとやらなければならないとは言われながら、きのうの授業について若干の復習も含めながら、またきょう新たなカリキュラムというか授業をしていってくれたと思っております。ですから、現場の教育体制、指導体制がどうあるのかわかりませんけれども、子供たちの話を聞きながら、また父兄の話を聞いてみると、もう少しゆったりとした授業をしてもらえたら落ちこぼれもないのではないかというような現場の、特に若いお母さん方のお願いが届いているのですけれども、その点についてコメントをいただきたいと思います。  また、極端な提案になりますが、小中学校教育において、高等学校あるいは大学を目指して進む過程で、あるいは社会に出る方々、そういったさまざまな多様性を授業内容に持たせなければならないと思いますが、今、中学校の生徒が学んでいることが果たしてどれだけ役に立つのか。現実問題としてはそう役に立たないのではないかなという気もするものですから、ここのところはそうではない、こういうふうに中学校義務教育の授業内容が将来に向けて方向づけを与えて指導されているのだということも若干教えていただければと思いますが、よろしくお願いします。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 お答え申し上げます。  今、初めに御指摘ありましたことについては、個々の学校におきます授業の進め方ということもあろうかと思いますので、私どももその実態というものを必ずしも把握しておるわけではございません。私どもが学校を指導している考え方は、今先生御指摘ございましたように、まさに一人一人を大切にした教育を実施していただきたい、こういうことでございまして、特に最近、子供たちの多様な個性とか、そういうことをもう少し見詰めた教育が必要になってきている、こういうふうに私どもも考えておるわけでございまして、常々学校あるいは教育委員会に対する指導につきましては、そういう点を重視しておるわけでございます。  それから二点目のことでございますけれども、現在、特に中学校段階におきましては選択教科の拡大、高等学校になりますとまさにそれをもう少し多様化していくというようなことで、子供たちの個性あるいは適性というものが多様化している中で、学校教育もそういう多様なものになっていかなければいかぬだろう、こういうのが基本でございます。  もちろん、国民として必要な基礎、基本というものは私どもとしてしっかり踏まえなければいかぬと思っておりますけれども、その上に立って、子供たちの個性なりそういうものに応じられるような教育内容、そしてまた教職員定数につきましても、いろいろなチームティーチングのための定数とか、そういうような形で整備を進めているというのが実情でございます。

稲葉大和自由民主党・自由国民会議

○稲葉委員 ありがとうございます。  それと同時に、特に柔軟性を持ったお子様たち、小中学生は創造性に富む子供たちでありますが、まず私たちが求めていきたいのは、先生そして父兄、生徒、一体となって小中学校の教育に取り組み、また学び、これから二十一世紀の日本を背負って立っていく気概を持った子供たちに育っていっていただきたいわけであります。  それには、まず父兄の方から子供たちに対しまして先生を尊敬できるようにしつけていくことが、家庭教育から始まることが肝要かと思っております。と同時に、それを求めていくためには、先生においても尊敬してもらえるような、そんな先生であっていただきたいわけでありますし、その教員の現実といいますか教師像といいますかそのことについて若干お尋ねしたいわけであります。  私たちはいつも過去の思い出に、ノスタルジアみたいな表現で申しわけありませんけれども、自分たちが子供のころをどうしても思い浮かべて御質問申し上げるわけです。自分たちが子供のころには、まず父、母から、先生を尊敬することだ、古い言い回しになりますが、三歩下がって師の影を踏まず、このようなしつけをされてきたわけでありまして、また同時に、そのしつけに対しまして、自然と抵抗なく私どもは受け入れられてきたと思うのです。  それはどういうことかと申し上げれば、やはり学校の先生がそれなりの教養とそれなりの知識と、また子供に対する愛情を持って学校の教育に邁進してきてくださったその情熱と意欲が、今翻って考えますと、私たちに対して向けられていたと思うわけです。ですから、なおさら学校の先生に対しまして、PTAに尊敬してもらえるように、慕われるように、またPTAはPTAで学校の先生から子供さんのことについて相談を受けてもらえるような、そういった、対立関係でなくて、両者が一体となって子供たちの教育に取り組んでいけるような教師であってほしいと私は思っているわけです。  ところが、昨今、教員の受験者数が大分減少しているというようなお話も承っておりますし、また教職員の待遇についても、当時よりも若干処遇か改善されたとはいえ、まだまだ追いついていないというようなことも仄聞しているわけです。でありますので、つい最近のもので結構でありますが、教職員の受験者の推移、また、多分減少していると思うのですが、なぜ教職員を希望される方が少なくなってきたのか。それと同時に、あれは四十九年だったでしょうか、人材確保法案が通って、そして教員の待遇が改善されたと思いますが、その当時の教職員の給与体系と現在の給与体系についてどのぐらいの食い違いがあるのか、若干コメントいただきたいと思います。

井上孝美文部省教育助成局長

○井上政府委員 お答え申し上げます。  まず、教員の採用試験の受験者数の減少についてお尋ねがございましたが、学校教育の成果については、先生が先ほどからおっしゃっておられるとおり、実際に指導に当たる教員の資質、力量に負うとこうが大きいわけでございまして、教員に優秀な人材を確保するということは極めて重要な課題と考えているところでございます。  近年、教員採用試験の受験者数が減少して、競争率も低下する傾向にあるわけでございまして、平成四年度の公立学校の教員採用試験の受験者数について見ますと、小学校が三万四千名でございまして、競争率が三・二倍、中学校が受験者数が三万九千人余りで、競争率が五倍ちょうどでございます。高等学校が受験者数が二万八千人で、競争率は六・四倍というような状況になっているわけでございます。  受験者数減少の原因といたしましては、近年、好景気によりまして民間企業の採用意欲が高かったことや、教員の採用数が減少傾向にあることなどの影響にもよるのではないかと考えているところでございます。受験者数の減少によって優秀な教員の確保が全体として困難な状況になってきているわけで、このことが教員の質の低下につながることを私どもとしても懸念しているところでございます。  このため、既に任命権者である都道府県、指定都市の教育委員会では、採用内定時期の早期化など、採用試験の改善やポスター、パンフレットの作成などの受験者に対する広報活動を初めといたしまして、教員の人材確保のためにさまざまな対策を講じているところでございます。  また、基本的には、先ほど先生からお話がございましたように、人材確保のために、昭和四十九年に制定されたいわゆる人材確保法に基づきまして、一般の公務員の給与水準に比較して必要な優遇措置を講ずるために、昭和四十九年から昭和五十四年までに計画的な改善が行われたところでございます。しかしながら、教員の給与水準は、人確法に基づく教員の給与改善の一環として設けられました義務教育等教員特別手当が低額であること、また一般の公務員につきましては、昭和六十年に職務の複雑、専門化に伴いまして従来の八等級制が十一級制となり、新たな級が設けられましたが、教員は四級制のまま据え置かれたことなどから、一般の公務員と比較した場合、相対的に低下している状況にあるわけでございます。  具体的に教員の給与水準を一般の公務員と比較した場合に、校長は、給与改善後、昭和五十三年当時は本省の課長と部長の中間水準でございましたが、平成五年の現在では本省の課長と同程度というようになっております。また教頭は、昭和五十三年の給与改善後は本省の課長を若干上回る水準でございましたが、平成五年では本省の室長を若干下回る程度、それから一般の教員につきましては、昭和五十三年の給与改善後は本省の課長補佐と課長の中間水準ということでございましたが、平成五年では本省の課長補佐を若干上回る程度となっているところでございます。  私どもとしては、このような状況にかんがみまして、毎年人事院に対し義務教育等教員特別手当の改善についても要望をいたしているところでございまして、教員の給与改善を行うことによってさらに優秀な人材が確保できるような努力をしていきたい、このように考えているところでございます。

稲葉大和自由民主党・自由国民会議

○稲葉委員 ありがとうございます。  ただ、私が申し上げたいのは、お願いしたいのは、確かに教職員の給与体系を通常の公務員の方よりも若干優遇していただきたいということばかりでなく、何ゆえに優遇されなければならないのか、優遇するのか、そこのところに尽きるわけです。  今までくどくどと申し上げてまいりましたが、やはり私たちは、学校の先生は、一般の勤労者あるいは公務員、こういう方々とは若干ニュアンスが異なるところにその職務があると思っているわけです。  と申しますのは、学校の先生は、型にはまった勤務時間、朝の九時から夕方の五時まででもよろしいですが、そういった型にはまった勤務時間を外して常に子供と一体であってほしい。家庭の教育の延長線と言っては語弊があるかもしれませんが、御自分のお子様に対するのと同じような気持ちですべての学校生徒に愛情を注いでいただきたい。そして、それによった形の指導をしていただきたいと願えば願うほど、通常の勤労者とは違った形で学校の先生に教育の情熱と意欲を持っていただきたい。  ただただそのお願いだけでは学校の先生に対して申しわけが立たないので、たまたま給与体系を若干アップしてお願いするという表現方法しかとれないということだと思うのです。あくまでも私たちは、学校の先生は尊敬できる存在であってほしい。また学校の先生は、正々堂々とよそのお子様に対しても自分のお子様と同じように厳しくしつけていただきたいと思いますし、そうあってほしいと私は願っているわけでありますが、この願いは私ばかりでなく、今現実に子育て真っ最中の方々、皆さんそうお考えだと思うのです。  ところが今、学校の職員の方々は、教職員組合の運動方針といいますか、例えば週休二日あるいはノー残業、ノー部活、そういった運動方針と呼応するような形で、勤務時間外のことにつきましてはトラブルに巻き込まれたくないというようなお考えはないとは思いますが、極力日教組の運動方針案に沿ったような教育の現場におられるような気がしてなりませんので、この日教組の運動方針の中にありますノー残業、週休二日あるいはノー部活デー実施、こういう点について、突然で恐縮ですが、いかがお考えなのか、ちょっと大臣にお尋ねしたいと思うのであります。

井上孝美文部省教育助成局長

○井上政府委員 お答え申し上げます。  まず、教員の勤務時間関係でございますが、これは先生御案内のとおり、地方公務員法あるいは教育公務員特例法等に基づきまして、各都道府県におきまして勤務時間条例等を定めているわけでございますが、特に教員につきましては、昭和四十六年に教職員の給与特別措置法が制定されまして、勤務時間外におけるいわゆる超過勤務につきましての従来のいろいろな学校現場における争いと申しますか、裁判所に提訴された事件等もあったという経緯もあって、それを踏まえて時間外の勤務につきましては、公立学校の教員については四業務、例えば教職員会議とかあるいは学校行事あるいは非常災害等、そういうような四業務に時間外勤務につきまして限定をしたわけでございまして、そういう意味から、教員の勤務時間について、その際に勤務時間内外を包括的に評価して、それで教職調整額四%を支給するという取り扱いが人事院の報告によってなされたところでございます。  したがって、学校における先生方の勤務態様は、一応勤務時間の範囲内でその教育活動について全力をもって取り組んでいただき、その教育活動の効果というものを学校教育法に基づく教育目標、目的に基づいて人格形成に大いにその役割を果たしていただきたいという、そういう本来の職務を遂行するためには、今申し上げましたように、勤務時間全体についての法制が既に整備をされているところでございまして、そういう範囲内で時間外についての、先ほど申しました教特法、教員の給与特別措置法に基づく各都道府県における勤務時間条例、それに基づく活動をお願いしているところでございます。  したがって、そういう中で、私どもとしては勤務時間管理というものを適正に行うように都道府県教育委員会等を通じて校長等に指示をしているところでございまして、そういう意味で、教育活動が円滑に行われることを期待しているところでございます。

稲葉大和自由民主党・自由国民会議

○稲葉委員 ありがとうございます。  ただ、先ほどから申し上げておりますように、大臣のお考えと恐らく一致するとは思っておりますが、教師像からしますと、ただ単純な勤労者ではない、そう私は教員の方々に期待するわけでありまして、それと相反するような、ただ単純な勤務時間に終始するようなこの教育体系について、何とかお改めいただけますように大臣にお願い申し上げながら、これから文教行政になお専心取り組んで教育にお当たりくださいますように心から大臣にお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 小野晋也君。

小野晋也自由民主党・自由国民会議

○小野委員 当委員会初質問に先立ちまして、教育問題と申しますと、殻を植うるは一年の計、木を植うるは十年の計、そして人を育てるは百年の大計と申しますように、国家の大本をなす大切なお仕事でございます。今回御就任になられました赤松文部大臣を初めといたしまして文部省の皆さん方には、ぜひともこの大事な仕事に当たりまして、大いなる御尽力を賜りますように私の方からお願いを申し上げまして、これから質問を始めさせていただきたいと存じます。  今回は、衆議院では赤松文部大臣初答弁の日になられるのじゃないかと思いますから、教育の原点からまずお尋ねをさせていただきたいと存じます。  まず、それに先立ちまして、私の教育への思いということについて少しばかり述べさせていただきたいと思うわけでございますが、実のところ、私は父も母も教員でございます。小学校、中学校で教職に当たっていたわけでございまして、幼少のころから教育一家という雰囲気の中で育ってまいりました。その私が教育という問題を本当に考え始めたのはいつのころだろうなということを振り返ってまいりますと、中学、高校の時代だったような気がするのでございます。  私は、四国にある、ある私立学校に学ばせていただきました。ミッション系の学校でございましたけれども、この学校の設立と申しますと、初代の校長でございます田中先生という方がおられたのですが、この方が昭和二十八年設立をしたわけでございます。  その思いがどういうものかと申しますと、当時はまだ日本は復興のつち音の高く響いていたころでございます。まだまだ国民生活は貧しく、日本の前途が明らかにならない。その状況の中で田中先生が考えられましたのは、この日本の国の復興のためにはどうしても教育から始めなくてはならない、きちんとした立派な人材育成を行うことなしに日本の復興はあり得ない、そして、できるだけその教育は早い時期から始める方がいい、これが田中先生の信念でございました。  当時、田中先生はある大学で教授職を務めておられたわけでございますが、この信念に立って、みずから資金を集め、みずから教員を集め、校舎等の準備を進め、そして開校したのがその学校でございます。その中で私も学ばせていただいたわけでございますけれども、まさにそういう思いを持たれた校長先生のもとで学んだ関係がございまして、教育の魂ということについていろいろと感じさせられたところがあったような気がするわけでございます。  田中先生がよく言っておられたのは、教育に大事なものに四つの要素があるというお話でございました。  重要なところから申し述べますと、第一に必要なものは教育者である、立派な教育者を得ることなくしていかなる教育も成り立たない、これが先生の信念でございまして、開校時に当たりましては、立派な先生がおられると聞けばみずから走っていって、そこでじっくりと話し込んで教育の思いを語り、その先生に愛光の、学校は愛光学園というのですけれども、私の学んだ学校の教職についていただいた。  そして、第二番目に大事にされていたのが何かというと、生徒だということでございます。教える者と生徒、この両者が呼応し合ってこそ初めて立派な教育ができるわけでございまして、立派な生徒がいるとなれば、教職員がまた走り回って、その建学の思いを説いて、生徒を集めるということも最初の時期には随分やられたようであります。  そして、第三番目に必要なものが父母であります。いかに生徒に対して立派な教育を施そうといたしましても、家庭の不和が教育の中に存在する限り、生徒は落ちついてその教育の中に邁進することができない。だから、生徒に指導を行おうとするときには、必ず父母も一緒にそこに呼び集めて、生徒に指導するのと同じことを、むしろもっと厳しいことをその学校では父母に指導をしておりました。私どもも学校に学びながら、自分たちに厳しく当たってくるその先生方が、親にもきちんとその趣旨を伝えていただいているということに非常に安心をして学んだことを思い出すわけでございます。  そして、最後に大事なものは何かというと、できれば整備した方がいいというのが施設であるというお話でございまして、教育者がおられ、そして生徒がいて、父母の教育もなされ、そして施設が整えば、これで初めて立派な教育が展開できるというような考え方で、信念を持って教育に当たられた方でございます。  私がこの田中先生を本当に尊敬した事件というのがあったわけでございますけれども、それはどういう事件であったかと申しますと、私どもが中高の時代と申しますと、この東京でも数多くの大学で学園紛争が起こっていた時代でございます。そういう大学紛争の影響が地方都市にも波及をしてまいりまして、私どもの学校の方にもやってまいったわけでございますけれども、朝、学校に行ってみると、窓ガラスが割られ、ペンキが投げ込まれてみたり、登校しようとすると入り口でアシビラを配っているようなことがあったり、教育現場が大変混乱をいたしました。  そのときに、先ほど来御紹介申し上げております田中校長先生が、学内の混乱を見るにつけて全生徒を校庭に集めまして、こんなことを言われたのでございます。  今回のこの学園内におけるさまざまな問題というのは、それぞれに理由を持ってやっていることであろう。しかしながら、この学校の建学の精神というのは、世界的な教養人を育成しようとするものであって、ミッション系の学校であるにつけても、その諸君が取り組んでいるマルクス主義とは絶対に相入れないものである。したがいまして、皆さん方がマルクス主義を信奉され、この運動を進めるというのであれば、ここで、この場で皆さんは去っていってほしい。皆さんの中に、生徒たちの中に、経営上の問題で、学園を経営するにはみんなにやめられたら困るんだという御意見もあるだろう、私もその意見を聞いた。しかし、教育というものは決してそのような安易なものではない。ここで仮に皆さん方がこの学園を去って、皆さんの中のたった一人だけでもこの学園に残る者がいるとすれば、私はその一人の生徒のために全力を尽くして教育に当たる決意である、こういうことを宣言されたわけでございます。  不思議なものでございまして、その宣言がありまして後、学園が一糸乱れず、その混乱状態がうそであったかのような状況を取り戻したわけでございまして、私は、教育者というものの偉大さをこのときほど痛感したことはございません。一人の人間の偉大さ、一人の人間が人を育てるということのとうとさをこのときは本当に心にしみて感じました。  ですから、私もこの場に立ちながら、教育の場に最も必要とされるもの、それは先ほど申しましたとおり、やはり教育者である。教育は人なりというのはまさにそのとおりだと信ずるものでございます。  そこで、赤松大臣に御質問をさせていただきたいのでございますが、その偉大なる教育者の、教育界のトップに立っておられます赤松大臣でございますけれども、その人生観についてお教えをいただきたいと思うのでございます。教育に対して座右の銘のようなもの、また、これが教育に対して自分が抱いている信念であるというようなお言葉がありましたら、ぜひともお教えを賜りますようにお願いを申し上げたいと存じます。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 大変心に触れるお話を承りまして、ありがとうございました。  昭和二十八年というのは、私、大学を卒業した年でございまして、そういう年に先生の今お触れになった学校が設立されたということを伺って、大変興味深く感じた次第でございます。  いろいろ人生観などありますが、もし教育に関して言えとおっしゃるならば、先ほどお触れになったように、教育は百年の大計だということを常に思って今の仕事に励みたいというふうに思っております。  と申しますのは、まず教育についての基本的な理念は何かとおっしゃるならば、これはやはり教育基本法にまずさかのぼってと申しますか、教育基本法に書かれていることが最も、もちろん基本法でございますから基本であるのは当然でございますが、基本だというふうにお答え申し上げたいわけで、教育は、教育基本法にあるように人格の完成を目指して行われるもので、このような目標を実現するためには知徳体の調和のとれた教育が重要であり、その際、個性の尊重や創造性の伸長に十分配慮することが必要であると述べられているのは、これが四十数年前に書かれた文言であるにもかかわらず、今日なお十分に生きている言葉だと思う次第でございます。

小野晋也自由民主党・自由国民会議

○小野委員 ありがとうございます。  実のところ、先ほど教育は百年の大計であるというのを信条にしながらやられたいということで、私も非常に共感を覚えている次第でございますが、このしばらく、国会の中で政治改革論議をめぐりまして非常に慌ただしく動いてまいります中、私も先ほど申しましたとおり教育に関心を持ちながら取り組んでいる一人でありながら、この期間、振り返ってみると、実はこの文教委員会があることもすっかり忘れ、教育問題というものを頭の中から外して生きていたということを感ずるわけでございます。  どういうことかと申しますと、どうも教育というのは、慌ただしい世相の中にはなじまないんじゃないかという気持ちがする次第でございまして、今稲葉先生の方からも教育にゆとりが必要なんじゃないかという御指摘がございましたけれども、私もこのしばらくの体験を通しまして、やはり教育というのはじっくり腰を据えて取り組むべきものだな、そして、大地を耕し、そこに種を植え、それが大きく実ることを楽しみにしながら、長い年月というものを考えながら取り組む必要があるものだな、こんなことを感じているような次第でございます。  さらに加えまして、大臣にお尋ねを申し上げたいのは、先ほど教育に関してその信条をお話しをいただいたわけでございますけれども、さらに人生についてどういうふうなお考えをお持ちなのかな、座右の銘があればぜひともお教えを賜りたいと思う次第でございます。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 先生率直に、この数週間と申しますか、大変政治改革で慌ただしい時期をお過ごしになったということでございますが、私ども教育制度の歴史を振り返ってみますと、百二十年前にただいまの教育制度の基本ができたというふうに承知しておりますが、小学校が全国に二万を数えるような数のものがつくられた。これは明治の初めの、非常に慌ただしいといいますか、大変な時期であったと思います。  それからまた、現在の六・三・三・四の制度がしかれたのは終戦後間もない昭和二十二年、先ほど教育基本法に触れましたが、この法律ができたのも昭和二十二年というふうに記憶しております。そういたしますと、これまた戦後の大変混乱した慌ただしい時期につくられたものでございます。  そう思いますと、そういう大変な時期だったにもかかわらず、経済的にも非常に困難な状態にあったにもかかわらず、今日なお生きているような制度がつくられ、教育の基本が打ち立てられたということに大変私は意義を見出しているわけでございまして、教育というものはそういうものでなければならない。日本人の賢明さといいますか、ほかに比べてというわけではありませんが、日本人が一生懸命教育のことを考えて、そういう大変な時期にやったればこそ今日の社会があるというふうに思うわけでございまして、混乱にあっても教育の重要さというものはいささかも忘れてはならないというふうに思います。  先ほど最後のところで、教育じゃなくてもう少し人生観のようなことをお聞きになって、何か座右の銘とおっしゃいましたので、もじつけ加えさせていただくならば、私は伝記と申しますか、そういうのがちょっとございます。自伝ではないのですが、伝記と言えるものがございまして、その表題は「志は高く」という表題をつけさせていただいております。  これは先生御承知のように、明治時代の教育者、アメリカから来られて、北海道の現在の北海道大学の前身である農学校に働かれて、教育に携わられたクラーク博士のボーイズ・ビー・アンビシャスという言葉が、まさに日本語でいえば志は高く、大志を抱けというふうに訳されているかと思いますが、私なりに言えば「志は高く」だというふうに思っているわけでございます。残念ながら私はボーイではございませんが、男女平等という信念もともに持っておりますので、ボーイに対して言われたビー・アンビシャスという言葉は、私も子供のときから、アンビシャスであろう、志を高く持とうというふうに思って今まで生きてきた次第でございます。

小野晋也自由民主党・自由国民会議

○小野委員 ありがとうございます。  何だか男女雇用平等法案を促進された方らしくて、ボーイズ・アンド・レディース・ビー・アンビシャスじゃないかと思いますが、ぜひその思いで教育行政にお力添え賜りますようにお願い申し上げます。  そこで、教育者の問題、先ほど来一人の教育者を取り上げてお話をさせていただいたわけでございますけれども、このあたりについても、これからいろいろと問われてくる時代がやってきているんじゃ在かろうかという気がしてならないわけでございます。  ことしの十月二十二日、大臣は国内最大の教職員組合でございます日教組の横山委員長とお会いになられた。これが六年ぶりのことだというふうにお伺いをするわけでございます。  この日教組は、随分合路線を転換をしておられ、従来は、反対、粉砕、阻止、どうも教育者らしからぬスローガンを掲げながらやっておられたそうでございますが、今は、参加、提言、改革というような形に転換をされながらやっておられると聞くわけでございます。しかし、一方ではストライキを行う闘争路線を決して放棄はしていない、そしてまた労働者イデオロギーと言われるようなものから決して離脱ができていない、こういうようなところを私は感じてならないわけでございます。  実は、また私の父の問題になるわけでございますけれども、もう二十年くらい前に教職の中に殉職をいたしました。一生を教職にささげた男であったわけでございますけれども、この私の父はもともと日教組の活動家であったそうです。ところが、あるとき日教組の幹部の方と論争をして、そしてこの活動から決別をした。  それはどういうことかと申しますと、私の父が持っておりました考え方というのは、教職というのは決して労働者ではない、やはり聖職であり天職である、こういう一線を持たないことには教育活動というのはできない。今稲葉先生もそのあたりの話に触れておられましたけれども、このあたりで議論をしたときに、組合幹部の皆さん方はそうではないということを言われる中で、これではとても教育はできないということで日教組を出た。それが愛媛における教育が随分転換した時期がございましたけれども、その一つの火種になったということを私は聞いているわけでございます、詳しいことはもちろん知らないわけでございますけれども。  そういう中で、私は子供時代から教育一家の中で育ったというお話を申し上げましたけれども、父がいつも言っていたのは、教育者はいつも子供の方をきちんと向いていなければだめだという言葉だったと思うのですね。  私も小さいころから家の中の様子を見ておりますと、毎日毎日夜になると子供さんが来られるのです、生徒が来られるのですよ。学校のおくれた部分を取り戻すための指導をするからといって父がいつも呼んできて、夜中に特別授業をやっているわけですね。そして、日曜日になると子供たちが毎週のように遊びにやってきておりました。そしてまた、盆や正月になると、就職した教え子たちが毎日のように家に来まして、あのときはどうもいろいろとお世話になりましたというような形で来るような、そんな父だったのですね。  本当に教職というものに誇りを持ち、喜びを持ち、そして、これこそが我が天職であるという思いを持って命をかけてやってきた一人の男だと思います。もちろん、名を残したわけではありません。ただの一介の教師でしょう。しかしながら、その人間が本気になって取り組んだ教育というものは、やはり私はすばらしいものだと思うのです。  今、日教組の問題を取り上げてまいったわけでございますけれども、ストライキ権を保留している状態、そしてまた労働者イデオロギーと言われるような中で、勤務時間の問題だとか、これも稲葉先生の質問と重なった形になってしまいましたが、何か妙に形に入れたがり過ぎる部分というものを感じてならないわけでございますけれども、私は、そういうものを超えて、教師の情熱だとか教育への魂だとか、こういうものが必要なのじゃなかろうかと思っている一人でございます。  そこでお尋ねを申し上げたいのは、大臣は今話題になっております山田洋次監督がつくられました「学校」という映画、これをもう既にごらんになられましたでしょうか。いかがでしょうか。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 この映画、文部省の特選になっておりまして、特選映画というのは数少ない、ことしはまだ一つかと思いますが、そういうものでございますので、せんだって、非常に長い予算委員会の審議の後、遅くなりまして八時ごろからでございましたが、拝見をいたしまして、大変感銘を受けました。

小野晋也自由民主党・自由国民会議

○小野委員 さすが文部大臣、その見識には深く感銘を受けた次第でございます。  学校の管理者に盾突くこともある一人の教師が主人公になっているわけでございますけれども、いろいろな暗い人生を背負いながら、その人生と格闘しながら夜間中学に通う生徒たちを囲んでいろいろなドラマが展開されるわけでございます。私も涙を流しながらあの映画を拝見させていただいて、教育の原点ここにありという思いを強くしたものでございます。  文部行政を批判するわけではございませんけれども、どうも教育現場が見失ってきたものをあえて山田監督がこの映画を通して訴えようとしたのじゃないかなというような思いがするところでございまして、どうかこういう思いを持てるような教育現場の実現にお力を注いでいただきたいと存ずる次第でございます。  なお、大臣には教師像について御質問させていただきたいわけでございますが、教師というのは一体どういう仕事だと考えておられますか。そして、その教師の採用に当たりまして、成績でありますとかその出身大学でありますとか、こういうことではなくて、教職に対して抱いている志というようなものをどのように御評価されながらその採用に当たっていかれようとしておられますでしょうか、このあたりについてお教えをいただけたらと存じます。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 教師といいますか、先生が尊敬に値する方でなければいけないという点につきまして、先ほど稲葉委員からも御指摘がございました。それを伺いながら、全くそのとおりだというふうに聞いておりました。  また、今先生からも、田中校長先生のお話あるいは御自身が教育者であられたお父様のお話を伺いまして、先生の大切さというものは全くそのとおり、同感と言うほかはございません。学校教育の直接の担い手であり、日々児童や生徒に接して、そのにじみ出る人格が生徒に大きな影響を与えるものだというふうに思っております。  戦前でございますと、親が師を敬えと言えば師を散ったというような時代でもございましたから、比較的敬ってもらうのには難しくなかったのかもしれません。今日の社会では、ただ敬えと言ったからといって敬ってくれない。敬われるに値する人格でなければ、なかなか現在の子供は敵わなくなっている。これはいい点も悪い点もあると思いますが、人から敬えと言われて敬うのではなくて、敬うに値する方だと思えば敬うという感じではないかと思いますのでございますから、敬われるに足る先生であっていただきたいと思う次第でございます。  ですから、そのような方を採用するというのは非常に大事なことでございまして、もし詳しいデータなど必要でございましたら政府委員がお答えいたしますが、私は基本的にそのように考えております。

小野晋也自由民主党・自由国民会議

○小野委員 それでは、採用について。

井上孝美文部省教育助成局長

○井上政府委員 お答え申し上げます。  ただいま教師のあり方については大臣から御答弁がありましたが、教員採用に当たりましては、単に知識や学力だけでなく、教育者としての使命感や児童生徒に対する教育的愛情を持った、真に教員としてふさわしい人材を確保することが大切であると考えております。  このため、文部省といたしましても、従来より各都道府県、指定都市教育委員会に対しまして、筆記試験のほかに面接試験や作文、論文試験などの実施や、また奉仕活動やクラブ活動の経験を評価の対象とするなど、選考方法の多様化を図り、教育者としての使命感や児童生徒に対する教育的愛情についても十分評価するように指導してきているところでございます。

小野晋也自由民主党・自由国民会議

○小野委員 それでは、ちょっと微に入った質問も準備していたのですが、これについては時間がないようですから、また改めまして御質問させていただきたいと存じます。  最後になりますけれども、君が代問題を、入り口に当たりましてちょっと一言、意見を交え御質問も申し上げたいと思うわけでございます。  新学習指導要領が制定された中におきましては、児童生徒に国旗・国歌の意義を理解させるとともに、入学式や卒業式における取り扱いを明確にして、国旗を掲揚し、国歌を斉唱させるものとするというような記述になったということでございます。  こういうことで、教育現場におきましては国旗・国歌が公認された形で、式典においては必ずこれを掲揚し、また歌うというような形になってきているようであります。  ちょっとうがった質問になるようでございますけれども、学校現場において、その学校の責任者がみずからの信念において君が代を歌わないというような事態が起こったといたしましたときに、文部省としてはいかなる御指導をなされるおつもりでございましょうか。

井上孝美文部省教育助成局長

○井上政府委員 お答え申し上げます。  新学習指導要領の趣旨は、入学式や卒業式などにおきます国旗・国歌の取り扱いを明確化したものでございまして、文部省といたしましては、各学校の入学式、卒業式において国旗掲揚、国歌斉唱が適切に行われるよう指導しているところでございます。  万一教員が、入学式や卒業式におきます国歌斉唱の指導についての校長の職務命令に従わないなど違法な行為を行った場合には、懲戒処分の対象となり得るのは当然でございまして、文部省としては、教員の服務規律の確保が徹底されるように努めてまいりたいと考えております。

小野晋也自由民主党・自由国民会議

○小野委員 そこで先日、一つ気になりましたことがありましたものですから、これは文部省と直接関係はございませんが、ここで御披露して、御提言させていただきたいと思うところでございます。  実は先日、愛媛県の方で豊かな海づくり大会の開催がなされました。その大会会長がどなたかと申し上げますと、現在の衆議院議長の土井たか子さんが、恐らく議長職の充て職としての大会会長に御就任されたのでございましょう、天皇、皇后両陛下をお迎えして海づくり大会の式典を進めたわけでございますけれども、その中で国歌斉唱というところがあった場面で、土井議長が、これは社会党を代表して来ているわけではございません、あくまで衆議院を代表して来ているという形の中にあって、君が代斉唱をする場面で、きっと口を結んで少しも君が代斉唱の対応をしようとなされなかった。  これは委員長さんもぜひ聞いていただきたいところでございますけれども、こういうことが果たしてあっていいんだろうかというのが私どもの気持ちでございまして、周りの皆さん方の御意見も聞いてみますと、その場に対して非常に違和感を感じてしまったというのが率直な気持ちだったようでございます。  そういう状況の中で、これからいろいろな国事行事が行われる中、閣僚の皆さん方が式典に参列をなされて、その中で君が代斉唱ということも多々ございましょう。そういうときに、みずからの信念において君が代は歌わないよというものが果たして通用するものかどうか。先ほど御答弁いただきましたように、学校現場におきましては、その学校を指導される皆さん方が君が代斉唱というときにそれに従わないときは、懲戒処分の対象にもなるというほどに厳しい指導を徹底している一方で、主催者たるべき方々が、その行事の中で君が代を斉唱というふうに参加者に指導をしておきながら、みずからはそれに従わないというようなことでは、この趣旨の徹底ができないのではなかろうかという危惧を抱く次第でございます。  先ほど提言と申しましたけれども、赤松文部大臣におかれましては、非常に厚かましい言い方になるかとは存じますけれども、文部行政の責任者のお立場といたしまして、もしも閣僚の皆さん方がそのような場面で歌われていない姿を見られましたときには、我が国歌・国旗というのは大事なものなんだよ、こういう場面はあなたは主催者の一人なんだから歌わなきゃだめですよ、こう一言ぜひとも申し述べていただきたいと思う次第でございます。  持ち時間が終了したようでございます。きょうはちょっと大ざっぱなところの議論だけをさせていただいた次第でございますが、先ほど申しましたとおり、教育行政というのは国家の大本であって、日本の国にとって、これから未来永劫にわたる発展を遂げるためには一番大事な基礎だろうと思います。皆さん方のこれからの御活躍をとりあえずお祈りさせていただいて、次回以降もう少し厳しい質問もさせていただこうと思いますが、とりあえず今回の質問を閉じさせていただきたいと存じます。  どうもありがとうございました。

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 岸田文雄君。

岸田文雄自由民主党・自由国民会議

○岸田委員 私は、自由民主党の岸田文雄でございます。先ほどの稲葉議員、そして小野議員、そして午後に質問をさせていただきます三人の議員とともに、自由民主党初当選組ということで、質問の機会をいただきましたことを心から感謝申し上げます。  先ほど稲葉委員、そして小野委員の方からは、教育という分野を中心に質問をさせていただいたわけでございますが、私は少し切り口を変えさせていただきまして、まずもってスポーツという分野につきまして質問をさせていただければと思っておる次第でございます。  先ほどお伺いいたしました大臣の御発言の中にも、六番目でございましたが、スポーツに関しましても、「諸施策の一層の推進に努めてまいります。」という力強い発言をお聞きしたわけでございます。そのスポーツの中で、国際スポーツ大会に対すみ国の支援強化ということで、少し御質問をさせていただければと思っております。  大臣も御案内のとおり、平成六年には広島アジア大会、また七年には福岡ユニバーシアード大会、また十年には長野オリンピックということで、国民の期待も大きい国際スポーツ大会が次々と予定されておるわけでございます。  そういった中で、私の地元、広島におきましても、きょうからちょうど三百十七日目に当たりますが、来年十月二日から十五日間、第十二回アジア競技大会が開かれるわけでございます。これは大臣も十分御認識していただいておると思うわけでありますが、あえてもう一度繰り返させていただきますと、アジア競技大会、これはアジア地域の相互理解を図ることを目的としまして、アジア・オリンピック評議会、OCAに加盟する国や地域が参加して行われます、オリンピックの中間年に開催されておりますアジア地区の総合スポーツ大会でございます。  これは単なるスポーツ大会にとどまらず、この大会におきましては、公式プログラムとしまして、建築、絵画、彫刻の展示ですとか、音楽、伝統芸能の公演など芸術展示も含まれておりまして、文化交流ということも大いに進めていこうというイベントでございます。首都以外での開催は今回が初めてということでありまして、地域も挙げての大イベントとなっておるわけでございます。  そして、そういった盛り上がりがある中で一つ大変気にかかっておりますのが、アジア競技大会の準備、運営に当たる組織委員会、これが運営資金の調達に現在大変苦労しておる現状でございます。一番新しい数字で言いますと、協賛金等の収入と事業収入とを合わせまして、収入計画といたしましては二百八十九億の計画を持っておるわけでございますが、現在のところ収入見込みが二百六十五億七千万ということで、差し引き二十三億三千万、二十数億の金がまだ不足しておるという現状でございます。これは、これからもう三百十七日の間に、企業協賛金等を上積みするなどまたさらなる努力を積み重ねて、何としても調達しなければいけないという状況でございます。  このアジア大会の運営資金、財源につきましては、昭和六十一年三月二十八日の閣議了解におきまして、「国によるいかなる負担も助成も行わないこと。」という了解があるわけでございますしかるに、その六十一年以降、その後の日本経済の厳しい環境を考えるとき、当初の想像をはるかに超える財政上の苦労があるわけでございます。  またさらには、こうした景気変動に伴う財政的苦労を除いたといたしましても、昨今の国際スポーツ大会というのは大変規模が大きいものになっております。この広島アジア大会ということだけ考えましても、三十四競技、七千三百人の選手、団体が世界各国から集まるわけでございますが、これはかっての東京オリンピックが二十競技、七千四百人の選手、団体であったことを考えましても、一地方で行われますアジア大会が、規模においてはかっての東京オリンピックの規模を超えるという状況でございます。  そういったことを考えましても、あるいは人材の確保、それから施設面、運営、PR、いろいろな面で、一地方におきまして国際スポーツ大会を実施するということは大変厳しい昨今の状況であるわけでございます。  スポーツの振興を通じた青少年の健全育成等の観点から、一層こういった国際スポーツ大会、日本でも招致がこれからも続くと思うわけでございますが、まずもってこの地方都市における国際スポーツ大会の開催に関しまして、国の支援ということ、基本的な考え方はいかなるものか、ちょっと確認させていただければと思います。よろしくお願いいたします。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 広島アジア大会に関しまして非常に詳細なお話がございましたので、それを繰り返す必要はないと思います。また、昭和六十一年の閣議了解についてもお触れになりましたから、これまた申し上げるまでもないことでございます。一方、私どもは、広島でアジア大会が持たれるということは大変よいことで、これが成功するようにということを願っているものでございます。  しかし、その閣議了解にそのことは――これはできないのではないかと思うので、簡素な中に充実した大会が開催されるようにという基本的な考えで、国としても必要な協力を、できる協力をいたしてまいりたいと思うわけでございます。例えば、民間資金を調達するという場合のお口添えといいますか、資金確保に御協力のできることはいたしたい、基本的にはそのように考えております。

岸田文雄自由民主党・自由国民会議

○岸田委員 大臣、そういう基本的なお考えということでございますが、六十一年の段階での閣議了解ということを守ってということでございます。その御意見も理解できるわけでございますが、その後の状況の変化等を考えますと、何か支援等は必要ないかなという思いもぬぐい切れないわけでございます。  それで、この支援ということについて一つ私が思うことを申し上げさせていただきますと、このアジア大会、アジアの国々ということを改めて考えるわけでございますが、アジアというのも大臣御承知のとおり本当に広い地域でございます。本当に多くの国が含まれておるわけであります。今回のアジア大会でも、今のところ四十二の国や地域が参加の予定でございますが、その国の事情というのは本当にさまざまなわけでございます。  例えば中近東におきますと、スポーツというのはもともと王侯貴族のものという意識がございますので、こういった国から選手団等が参りますと、選手等も王子様であったり貴族様であったりということがございまして、広島もアジア大会に向けてリハーサル大会等、今までも国際大会をいろいろ開いておるわけでございますが、そういった中でこういった国々から来た選手団の様子を見ておりますと、大変大勢のおつきを連れ、コックも八名、九名を引き連れ、それこそ広島では高級と言われるホテルに入りましても、こんな狭いホテルの部屋でどうするんだということで、たちまち部屋をぶち抜け、金は幾らでも出すからというようなことをおっしゃる選手団もおられるわけであります。  ところが、こういった国はごくまれでございまして、アジア諸国におきましては、本当に貧しい、財政的に苦しい国が大変多うございます。  これは一つの例としまして、国の名誉もございますのであえて国名は伏せさせていただきますが、一つの具体的な例として御理解いただくために申し上げさせていただきますと、ある中央アジアの国は、先日アジア大会のリハーサル大会、カヌー競技のリハーサル大会であったわけでありますが、この大会が開かれます際に、船で新潟に上陸いたしまして、陸路広島に入る予定にしておったわけでありますしかるに、財政上大変厳しいものですから、京都で旅費が尽きまして、京都の体協の方に旅費を立てかえていただいて広島に到着された。到着されてから後は、それぞれ選手がオールを十本以上持ってまいりまして、それを広島で売って、その資金でもって帰っていかれたというような話も聞くわけでございます。  また、さらに今注目を集めておりますのは、カンボジアがOCAに今度参加する問題に絡みまして、カンボジアがアジア大会に参加するのではないかということも前向きに検討されておるわけでございます。  そういった貧しい国が大変多いこのアジア地域の状況を考えますとき、日本の円もますます円高が進行して、苦しい参加の条件がますます厳しくなっておるところでございます。  大臣も先ほど御発言の中で、一番最後の部分で「国際交流・協力の推進」という部分をおっしゃったわけでございます。識字教育の協力ですとか人づくりですとか、それから留学生の受け入れですとか、これは間違いなく大変な国際交流・協力の推進であると思いますが、やはり目先を変えまして、こういった厳しい財政状況にあるアジア諸国の国際スポーツ大会に対する参加、これは財政援助ということになりますと運営費の中に含まれてしまうわけでありますが、この国際協力、国際交流の推進という見地から、こういった厳しいアジア諸国に対する何らかの支援というのは考える余地はないものでありましょうか。御意見を聞かせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

奥田與志清文部省体育局長

○奥田政府委員 お答え申し上げます。  先生お話しのように、アジア大会が来年に迫りまして、関係者の方が必死に御努力をいただいておりますし、先生御自身も随分御努力をいただいておると承っております。  お話しのように、今は厳しい財政事情にございます。そのため、運営資金につきましても閣議了解、先生先ほどお挙げくださいましたように、政府としては御援助することはなかなか困難であるということを十分御理解いただいた上で広島の方では招致をなさった、それを受けて閣議了解もさせていただいたという経緯がございます。そして今お話しのように、特にアジアの開発途上国に対する関係でございますけれども、そういうことで、今のようなことからいいますと、そのことは非常に厳しいことでございます。  文部省としましては、一般的にこういう開発途上国の競技スポーツの向上等につきましては、非常にこれは意義深いことだというふうな観点から、例えば関係団体が行っております事業に対しまして、限られた分野ではございますけれども、これまで御援助をいたしております。  例えば、申し上げますと、受け入れということにつきましては、財団法人の日本体育協会におきまして、海外青少年スポーツ振興事業によりまして、東南アジア諸国等から青少年スポーツ関係団体の育成等を行う指導員を受け入れるというふうなことをやっております。また、派遣につきましては、財団法人の日本オリンピック委員会、JOCにおきまして、いわゆる技術援助と申しましょうか、JOCオリンピックソリダリティー推進事業と申しておりますけれども、アジア諸国の国内オリンピック委員会の組織づくり等のための技術援助等を行う人材派遣を行うなどの事業をJOCがいたしております。  文部省といたしましては、ただいま申し上げましたように非常に厳しい財政事情でございますけれども、これらの事業につきましては御援助を申し上げまして、そういう事業が展開されるようにお力添えをさせていただいておるという状況でございます。

岸田文雄自由民主党・自由国民会議

○岸田委員 御努力されておられることは理解いたします。そして、閣議決定もあるわけでありますし、その後の財政負担、これは覚悟の上で広島アジア大会誘致が行われたわけでありますので、建前としてはこういった形での援助ということもわかるわけでありますが、今後も国際スポーツ大会、引き続きましていろいろ予定されております。また、それ以外にも将来どんどんと招致が考えられるわけでありますので、ぜひその点に関しましては柔軟な対応を期待しております。そして、できましたらその具体的な支援、もう一度前向きに検討していただけるような雰囲気をつくっていただければと思うわけでございます。  大臣は今度を外されておられるようでありますが、引き続いて次へいってもよろしゅうございますか。  それでは、関連するわけでございますが、スポーツにおきます競技団体の基盤強化ということで少し質問させていただきます。  御案内のとおり、アルベールビル、バルセロナ・オリンピック等での日本選手の活躍は大変目覚ましいものがございまして、記憶にも新しいわけでございます。広島、福岡、長野等々、日本で行われる国際大会におきましても、国民の期待は大変大きいわけでございます。  こうした期待にこたえるため、選手の活躍に対する期待にこたえるためには、単に日の丸を揚げろ、日の丸を揚げろというかけ声だけではだめだと思うわけであります。やはり底辺を含めた息の長い競技力向上対策が必要であり、そのためには各競技団体の組織、なかんずく財政基盤の強化が不可欠であると思うわけでございます。  私もお聞きするに、文部省としましても、日本体育協会あるいは日本オリンピック委員会に対する国庫援助をされておられるとか、またスポーツ振興基金の設立等で、いろいろこういった競技団体の基盤強化について努力されておることを聞いておるわけでありますが、まずもってこういった競技団体の基盤強化という面に関しまして、財政的な文部省の支援、援助ということについて、数字的な面でその御努力の中身を教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

奥田與志清文部省体育局長

○奥田政府委員 お答え申し上げます。  先生今おっしゃってくださいましたように、競技スポーツの向上を中心にいたしまして JOC、日本オリンピック委員会がその努力をいたしておりますし、国民のスポーツという点に力点を置きまして体育協会が努力をしていただいておるわけでございます。それぞれ自助努力によりまして、民間からのいろいろな資金の調達等をしていただいておるところでございますけれども、私ども文部省におきましても、その中で特に重要と考えておりますものにつきましては助成をさせていただいておるという状況でございます。  今年度、平成五年度の予算で申し上げますと、日本体育協会の補助といたしましては五億三千万弱計上をさせていただいております。さらに、日本オリンピック委員会に対しましては十六億二千万強の助成をさせていただいているところでございます。

岸田文雄自由民主党・自由国民会議

○岸田委員 そういった数字を教えていただいたわけでありますが、要は、そういった資金的な援助の中身が大変問題になってくると思うわけであります。  これは体協あるいはJOC、こういった組織の自主性に任されている部分が多いかと思うわけでありますが、現場でいろいろ話を聞きますと、スポーツ競技団体の基盤強化ということに関しまして、えてして指導員ですとか指導者に対する援助、要はソフトの部分に関する支援ということではいろいろ話を聞くわけでありますが、やはり現場の声としましては、ハードの面、施設面での援助をより一層拡充してもらいたいという声をよく聞くわけであります。  文部省におきましては、先ほどおっしゃいましたような予算、御支援をされておられるというわけでございます。その中身につきまして、これはその援助をした後のフォローでありますが、その辺について御指導とか方針とかいうものはございますでしょうか。

奥田與志清文部省体育局長

○奥田政府委員 お答え申します。  社会体育施設につきましては、現在、都道府県あるいは市町村におきまして体育館、武道館等々を整備される場合に、国としてお手伝いをさせていただいているところでございます。  また、先生お話しのように、それが適切に使われるようにというふうなことにつきましては、こういうことについて精通しております、先ほど申し上げました体協であるとかJOCであるとか各競技団体であるとか、地域における指導者であるとかいったような方々の知識をかりまして、それぞれの県、あるいは市町村におきましては任意設置でございますけれども、スポーツ振興審議会を設置いたしておりまして、創意工夫を凝らしているところでございます。  また、施設の整備につきましても、これは体育施設協会という任意団体がございますけれども、その団体におきまして、今後のスポーツの多様化あるいは高度化に対応してどういうふうな設計がいいかとかいったような研究もしているところでございます。

岸田文雄自由民主党・自由国民会議

○岸田委員 施設に関しましても御研究をされておられるというわけであります。  これは今までもたびたび話題には出てきた問題であると思うのですが、いわゆるナショナルトレーニングセンター、これはヨーロッパにおきましては取り入れておられる国が多いかと思うわけであります。国としましてナショナルトレーニングセンターの建設、設立というようなことにつきましては、基本的なお考えはいかがなものになっておるか、お伺いできればと思います。よろしくお願いします。

奥田與志清文部省体育局長

○奥田政府委員 先生お話しのように、競技力の向上ということは、これはひとり選手だけではなくて、国民にとっても非常に栄誉なことでございます。  そういうことから、競技力の水準を高めるということは非常に重要でございまして、特に、先ほどもお触れになりましたけれども、昨年のオリンピックのアルベールビルあるいはバルセロナ、随分選手が活躍されて、その結果、従来我が国の競技水準は上がっておりますけれども、世界の競技水準の方がそれにも増して上がっている。したがいまして、相対的には競技水準は低下しているのではないかという御指摘がございました。しかし、今申し上げましたような選手の活躍で、国民の大方の評価は、いわゆる相対的な低下傾向に歯どめがかかったのではないか、しかし、まだ国際水準を上回るような勢いはないというふうな評価でございまして、私どもも今後そういう方向に向けてできるだけの努力をしていきたいと考えております。  そういう状況のもとで、お触れになられましたナショナルトレーニングセンターというものは非常に重要な役割を果たしております。外国の例を拝見いたしますとそういうふうなことでございまして、我が国におきましても、平成元年でございますが、保健体育審議会におきます答申で、「競技用トレーニング施設等の整備充実」の一環といたしまして、ナショナルトレーニングセンター等の設置を長期的な目標としつつ、当面、その機能の一部を持つものとして国立スポーツ科学センター、仮称でございますけれども、その設置計画を推進することが提言されております。  これを受けまして、文部省といたしましては、国際競技力向上のためのスポーツ科学の研究や科学的トレーニングの場の提供などの機能を持つ中核的機関といたしまして、国立スポーツ科学センターを設置する計画を今推進いたしているところでございます。これまで基本設計、実施設計等を終えまして、来年度の予算要求におきましても解体調査等の経費を要求いたしているところでございます。

岸田文雄自由民主党・自由国民会議

○岸田委員 ありがとうございました。そういった施設面におきましても、ぜひ前向きな御努力をお願いしたいものだと思います。  質問の時間をいただきまして、スポーツに関しては大体以上のことをお伺いできればと思っておったわけでありますが、せっかく時間をいただきまして、まだ時間が少し残っておりますものですから、ちょっと分野を変えまして、もう一つお伺いさせていただきたいと思います。  といいますのは、図書館というもののあり方についてでございます。  図書館というものの役割、従来も大変重要な役割を果たしてきたわけでありますが、昨今の社会状況、児童の読書離れが特に中学段階からは顕著であるという話を聞きます。あるいは長寿社会が進行する中で高齢者の方々の利用が大変目立つ、あるいは自己学習などの学習活動で図書館に対する期待が大変高まっている、それから、労働時間の短縮で成人の利用が大変ふえている、それからまた、地域におきましても図書館が憩いのスペースとして機能しておる等々、昨今の社会状況の変化の中で、図書館のあり方というものが随分変わっておるというような気がするわけでございます。言ってみれば、地域社会にとりましては、図書館というのは重要な文化的資源と言っても過言ではないような役割を果たしておるのではないかと思うわけでございます。  そうやって考えていきますと、特に気になりますのが図書館、施設におきます地域間の格差という問題であります。市町村立図書館初め各地に公共図書館ができておるわけでありますが、まだまだ地域によって利用できるサービス、格差が大きいのではないかなと思うわけであります。まずもって、各地方、市町村におきます公共図書館の設立状況、この辺が今どういう状況になっておるのか、ちょっと教えていただければと思います。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 お答えいたします。  ちょっと先生の御質問のとり方が悪かったようで、学校図書館の関係であれしたものですから、担当の局長が今おりませんので申しわけございません。  私ども聞いているところによりますと、公立の図書館が千九百、ただ、今御指摘ございましたように、市町村ではまだ二、三割というような状況のように伺っておりますので、確かに御指摘のように、これから地域におきます学習意欲を向上するという意味でも、公共図書館を整備していくことは大事なことだ、このように思っております。

岸田文雄自由民主党・自由国民会議

○岸田委員 市町村におきましては二、三割ということで、大変心もとない思いをするわけであります。  そういった中で、今学校図書館とおっしゃいましたが、地域におけるそういったサービスの補完という意味から、学校図書館の開放ということが言われるわけでございます。実際行われておるというふうに聞くわけでありますが、この学校図書館の地域への開放につきましては、文部省の御方針としまして今後どういった方向へ持っていかれるのか、お聞かせいただければと思います。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 お答え申し上げます。  最近調査をした結果によりますと、学校図書館の地域住民への開放の状況、学校図書館の施設を利用でき図書の館外貨し出しも行っている、あるいは学校図書館の施設は利用できるけれども図書の館外貨し出しを行っていないというような形態がございますが、この二つを足しますと、大体二、三割というようなところが住民開放をしているという状況でございます。  そのほか、学校図書館につきましては、まだいろいろな利用の状況等につきまして十分進んでいないという面もございますので、調査結果を受けまして私名の通知を出させていただきまして、その中で、今御指摘の地域住民への開放の問題につきましても努力をしていただくように、指導を行ったところでございます。

岸田文雄自由民主党・自由国民会議

○岸田委員 ぜひ引き続きまして努力をお願いしたいと思います。  そして、図書館におきますサービスの向上ということを考えますときに、やはり司書の養成というのが、これまた一つ前々から言われておることでございます。図書館をより充実したものにするという見地から、図書館に司書を配備すること、これは大変重要なことだと思うわけでございます。今この司書の配備、図書館といいましても公共図書館、学校図書館、大学図書館、いろいろあるわけでございますが、そういった図書館に対する司書の配備の状況、今どの程度の状況になっておるのか、ちょっと教えていただければと思います。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 どうも的確な質問のとり方ではなくて申しわけございませんでした。  公共図書館につきましては、現在その司書養成の大学の養成課程をふやしているという状況でございます。それから、学校図書館はなかなかこの学校司書という配置が進んでおりませんけれども、実際上学校図書館で事務をとりますいわゆる事務職員、こういう関係につきましては、現在定数改善で措置を講じている、こういう状況でございます。

岸田文雄自由民主党・自由国民会議

○岸田委員 ありがとうございました。  時間も参ったようでございますが、図書館につきましても、今お伺いしたように大変数字的にも心もとない限りでございます。  最初に御質問しましたアジア大会も、またそれによって町づくりが行われる、最後にお伺いしました図書館におきましても、また地域におきまして重要な文化的資源になっておるということを考えますと、文教行政を推し進めることによって、またある意味では地方社会の発展に直接的に資するというような気もするわけでございます。そういった認識に立たれまして、大臣、引き続きまして文教行政、さらなる御努力をいただければと思う次第でございます。  どうも長時間ありがとうございました。

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時一分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。熊代昭彦君。

熊代昭彦自由民主党・自由国民会議

○熊代委員 私は、岡山一区選出の熊代昭彦と申します。新人の議員でございます。赤松大臣とは、大臣お忘れになったと思いますけれども、ニューヨークに厚生省から国連に出向しておりましたころにお世話になりましたことがございます、比較的短期間でございましたが。  きょうは大臣の御発言がございまして、教育の重要性につきましては言うまでもないことでございますけれども、我が国の、あるいは世界の将来の幸せのために、次の世代を教育するということは大変に重要なことだと思います。次の世代だけではなくて、生涯教育をというお話もございました。いずれにしても大変に重要なお仕事でございまして、文部大臣初め文部省の皆様方のこれまでの御努力に対しまして、心から敬意を表する次第でございます。  我が国の教育は、恐らく草創期のはつらつとした気概を失いつつありまして、円熟期に達して、あるいは円熟期を通り過ぎまして、やや下降期に向かいつつあるのじゃないか、そのような気もするわけでございます。ここでひとつしっかりと見直しまして、教育のあり方を変えて、新しい発展期を迎えなければいけないというふうに感ずる次第でございます。  まず第一に、公立学校によります教育と私学によります教育、これはいずれも重要なことでございまして、経済がミックスドエコノミーでありますように、公立の教育と私学の教育というのはお互いにミックスドエデュケーションで、いい意味で競争し合うということで大変に大切なことだと思います。  最近、一般に言われておりまして、私も何となく感じ始めているところでございますが、最近は、経済的に余裕があれば私立の高校にやりたいとかいう方が大分多くなった。それも結構なことでありますが、私立の方が教育水準が高いとか、あるいはいじめがないというようなことで、そういうことを考えられる方が多くなった。いじめがあるかないかというのは、公立学校における管理能力の欠如の問題に関係するのではないかと思います。  それで、第一に、公立学校の地盤沈下を言われておりますけれども、それについて文部大臣はどのように認識しておられるか、もしそのような御認識があれば、それに対してどのような対策を講じられるおつもりであるかお伺いしたいと思います。特に高校、中学校での管理能力、これはマネジメント能力のことでございますが、その向上についての今後の対策を含めまして、大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 公立の学校と私立の学校とで水準が違うのかどうかというお尋ねかと存じますが、先生、むしろ私立の方が高くて、公立が低いのではないかという御指摘だったかなと思いました。  私はこの分野では新しいあれでございまして、ニューカマーでございまして、よく具体的に承知しておりませんが、一概にそのように言えるのかどうか、伺っておりまして必ずしもそうでもないのではないかなという気もいたしました。でも、それは認識不足だということであれば、具体的にお教えいただければ、それについて考えたいと存じますが、今の時点では余り公立の方が悪いとも言えないのではないか、いろいろあるのではないかという気がいたしております。

熊代昭彦自由民主党・自由国民会議

○熊代委員 公立と私立と比べて公立が悪いというわけでもないのです。要するに、我が国の教育というのは基本的には公立が非常に優勢であったということでございますが、それがだんだん地盤沈下しまして、肩を並べるのか、やや抜かれつつあるのか、そういう状況になりつつあるのじゃないか。  公立を中心に進められてきました文部省の行政も、中心は公立だと思いますけれども、その膨大な、特に中高、まあ大学もそうでございましょうけれども、膨大な分野を覆っている公立教育がやや何となくなるんできたのではないか、そういう印象を持っておるのでございます。事務当局の方でも結構でございますが、そういうふうな論評はあるのかないのか、一般的に文部省の中でそういう御議論があるのかないのかそのあたりを伺わせていただきたいと思います。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 お答え申し上げます。  そういうことがいろいろな雑誌、週刊誌等で言われているということは私どもも聞いたりするわけでございますけれども、しかし、具体の、それぞれの学校の先生方というのは。大変一生懸命にそれぞれの学校の教育のために取り組んでおられるわけでございまして、今大臣お答えありましたように、何をもって教育水準ととらえるかという点もあろうかと思いますけれども、一概に公立と私立の間に差があるというような認識は持っておりません。  やはり公立と私立がともに、まあ車の両輪というのも変でございましょうけれども、学校教育を支えるものとして両方ともに充実をさせていかなければならない、このように思っている次第でございます。  必ずしも先生の御質問に対する的確な答弁にはならないかと思いますが、そのような認識を持っております。

熊代昭彦自由民主党・自由国民会議

○熊代委員 まあ質問自体が漠たるものでございますから、漠たる御回答で結構だと思いますが、いずれにいたしましても、私学も我が国の教育の中に一つの重要な要素として入ってまいりました。私学として確立された上は、やはり私学に対する援助とか強化をしていただきまして、教育の機会均等に資していただきたいと思います。  片や公立学校も、マネジメント能力の向上を長期的課題として図る必要があるだろう。校長、教頭以外は管理職はいないとか、我が国の大学卒業生、高校卒業生は、普通の職場でありますと、職場で職域訓練をされまして一人前になってくるということでございますが、教師の現場は直ちに一人前で、教頭になるまではもう管理職はないということでございますから、新しい課題と、新しくもないんでしょう、古くから言われていることでもございましょうが、今後の課題として御検討いただければというふうに思います。  少し次の、やや具体的なことに参りまして、具体的だと申し上げましても相変わらず抽象的なことでございますが、大臣の御発言の言葉そのものではございませんが、個性や創造性を伸ばす多様な教育の実現ということを教育の進むべき道の一つとして文部省ではとられていると思います。豊かな人間性を育てる教育というふうに換言してもよろしいかと思います。  まず大臣にお伺いいたしたいことは、どうすれば個性や創造性を伸ばす多様な教育の実現ができるとお思いになるか、所信の一端をお伺いさせていただきたいと思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 どうすれば豊かな人間性を育てられるのかと、まさに大変基本的な問いかけだろうと思います。  まず、知識を余りにも偏重する教育から、個性や豊かな創造力というものは育ちにくいんじゃないか。もちろん、必要な知識や技能を教えることも教育の重要な部分であることは間違いないと思いますが、それにゆとりを持たせる、あるいは自由な精神を培うということが基本的に必要なのではないかというふうに考えております。  文部省といたしましては、個性を重視するということ、それから、いつでも、一たん中断をしていてもまた復帰できる生涯学習というものの体系をつくっておく、一度ドロップアウトしたらもう二度と浮かび上がれないということでなくする。それから、今の時代は大きな変化をしている時代でございますから、その変化に対応できるような広範な対応が必要であろう。大体そのようなことを基本にして取り組んでいけばよろしいのではないかと、大変アバウトで恐縮でございますが、そのように考えております。

熊代昭彦自由民主党・自由国民会議

○熊代委員 どうもありがとうございました。  私は大臣のおっしゃったとおりだと思いますけれども、一つ反省しなければならないことは、マスコミや一般の方々の御意見、いわば、こう言っては失礼でございますけれども、俗説に迎合した調子のよい言葉や政策が教育をだめにしている面があるのではないかという気もいたしております。  そうしますと本音の議論がされないということでございまして、例えば学歴偏重、受験戦争の過熱化、偏差値偏向教育が悪いとか等々言われております。それはもっともな面もありますけれども、建前論でありまして、そればかり言っても本音を言わないと何も改善されないということでございます。  マスコミに迎合してはいけないと言いましたけれども、私自身はマスコミを高く評価しておりまして、事実を報道し、悪を暴くということでは自由主義社会の宝であると思います。マスコミを批判することを政治家とか知識人が恐れるということでは、逆にマスコミは一種のお化けになってしまう、過大な影を持ったお化けになってしまうということでありまして、そういう俗論に対してもしっかりした考え方を持っていかなければならないのではないかというふうに考えております。  例えば、何が学歴偏重であって何が学歴偏重でなくて学歴尊重なのか。学歴を全く無視してやるということも、個人の能力の推定というようなことで使っているのでございましょうから、これもなかなか世の中の秩序はしっかりしない面もございます。しかし、推定が余りに過重になると、確かに学歴偏重になるということもございます。  それから、何が受験戦争の過熱であって何が適切な受験勉強なのか。やはり勉強してもらわなければ知識が入らないし、競争するから知識が入るのでありまして、そういうことがありました。  それから、偏差値偏向と言いますが、偏差値というのは名前が悪いんだと思うのですね。標準偏差なんですけれども、その標準を取っちゃって偏差。そして偏差値と言うものですから、何か偏向教育のような悪い印象を与えるけれども、偏差値そのものは、単純なる平均とか単純なる差よりも、標準偏差ですから、極めて合理的なものであるというふうに思います。ですから偏差値を使う。普通の場合はいいはずですよね。いいはずですけれども、それが悪い。なぜ悪いんだろうかということでございまして、そういう反省が必要ではないかというふうに思います。  平等ということ、これは我々のあらゆる徳の王様になることであると思いますが、片や個性の尊重と言っておられますけれども、本来、単純に平等と個性の尊重というのは調和しないというふうに思います。それを十分意識しなければ、平等といい個性の尊重といい、調子のいい言葉でございますけれども、いずれも何もやっていないということになるのではないかと思います。  そういうことで、私が主張したいことは、学力偏重という言葉で恐らく合意されていることだと思いますけれども、勉強ができるということ、学力がよいということも本来一つの個性であるというふうに思います。個性であるから、学力を伸ばす者はどんどん伸ばしてやればいいというふうに思います。それをどんどん伸ばすことは善であると思いますが、ただ、学力ができる子が全面的に学校で評価される、できない子が評価されない。  教師の方々とか、特にお子様方のお母様方とか、そういう評価になりますと、学力が一つの個性ではなくて全人格に近いものになってくるというようなことでございまして、一番生徒たちに理解させてあげたいことは、勉強ができなくても、少なくとも我が国では豊かに将来の成功の可能性があるんだということでございまして、勉強ができないというようなことで子供の自尊心とか価値意識を奪わない、そういうことが一番教育の基本ではないかと思います。  教師も母親も子供も、勉強ができるというようなことは単純な一つの個性にすぎない、多くの全人格的ないろいろな個性の中の本当に一つにすぎないんだ、そういうものがなくたって豊かな成功の可能性はある、そういうような考え方を徹底させることが非常に大切なことじゃないか、ゆとりある教育にしましても個性の尊重の教育にしましても、必要じゃないかというふうに思っております。  そういう考え方を普及させるためにこれまで施策を講じられたかと思います。あるいはこれまで講じられたか、今後そのようなことを普及させるための施策を何か御検討いただけるかどうか、お伺いいたしたいと思います。事務当局で結構でございます。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 今先生から学力についてのお話ございまして、私どもも学力というものを決して否定をするような施策をとっておるわけではございませんで、学力を大いに伸ばしていっていただきたいというのが我々の考え方です。  ただ、その学力についての物の考え方というのが、従来どうしても一定量の知識量、つまり、たくさんのことを覚えている者が高い得点を取る、それが頭がいいというような形につながっていく、これは私どもとしては改めていかなければいかぬ。そういう意味で、今、新しい学力観というような言い回しで私ども学校にもお願いをしておるわけでございますけれども、平成元年に告示いたしました学習指導要領、これも全くそういう考え方でございまして、恐らく先生がお考えになっている方向で私どもも今施策を進めている、このように思っておるわけでございます。  いずれにいたしましても、子供たち一人一人それぞれいいところがあるわけでございますので、子供たちの長所を伸ばしていく、そして、単なる知識量としての学力じゃなしに、学ぶ意欲なり関心というものを重視する、こういう方向にぜひ私どもも持っていきたいということで、学校では指導要録というのをつくっております。  これは子供たちのいろいろな日常の活動の記録なわけでございますが、従来はどうしても知識、理解の量、このあたりをまず第一に置いたわけでございますけれども、新しい指導要録におきましては、興味、関心というのをまずトップに置きまして、子供たちがどう学習する意欲を持つか、これを重視していこう、それから、子供たちの短所を強調するのじゃなしに、できるだけ子供たちのいいところを強調することによってそういう面を将来とも伸ばしていこう、こういうような方向で考えておるわけでございまして、今先生の御指摘も受けながら、さらにそういう方向での努力を重ねていきたい、このように思っております。

熊代昭彦自由民主党・自由国民会議

○熊代委員 ありがとうございました。  さらに、重ねてお伺いして恐縮でございますが、勉強ができなくても日本の社会では将来豊かな成功の可能性があるのですよ、こういうような、学力を伸ばせ伸ばせというと学力ばかりになります。学力を伸ばすのも大切ですけれども、伸びる子が伸びればいいという面もあるのですね、ある水準には達しないといけませんが。しかし、本当に豊かな成功の可能性があるのだ、そんな心配はするな、そういうような教育はどこかでやっておられますでしょうか。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 学校ですと、どうしても一つの基本的なものを修得させなければいけないという使命がございますから、そのあたりはもちろんそれぞれの子供に身につけることができるように、まず基本としては指導しなければいかぬと思っておりますけれども、さらにその上に、子供たちの、まさに今御指摘のような特性とかそういうものがあるわけでございますから、そういうものをやはり学校で十分生かしていただきたいというのが私どもの気持ちでございます。  したがって、高等学校段階などはいろいろな面で多様化し、そしてまた個性化していかなければいかぬ。高等学校が皆同じようなものであってはいけないので、それぞれ特色を持った教育を行ってほしい、こういうようなことで私どもやっておりますけれども、どこでやっておるかということよりも、むしろそういう姿勢で学校を指導している、こういうことでございます。

熊代昭彦自由民主党・自由国民会議

○熊代委員 ありがとうございました。  それでは次に移りまして、少し具体的なことに移らせていただきます。  奨学金についてでございますけれども、奨学金というのは経済的に家計が豊かでない場合に極めて大切なものだと思います。  特に現在、子供の数を何人にするかという調査をしまして、二人以下にする、本当は三人欲しいのだけれども現実には二人以下だというふうになりました。合計特殊出生率一・五そのときに一・五七ショックと言われましたが、単純に現在の死亡率で一・五七で計算してみますと、百年で我が国の人口は六千万人ちょっとになるということでございました。  現実にも厚生省の推計しております人口推計、昭和六十一年推計ですか、いや、一回後でございます、最新の推計でございます。中位推計ではそう下がるようになっていませんが、低位推計が本当に心配した傾向を伸ばしたものでございますから、それですと、やはり六千百万か六千万ちょっとになってしまうということでございました。  人口をふやしたり減らしたりするために子供を持つわけではないわけですけれども、とにかく苦労は多いけれども子供を持って、いい家庭をつくって本当に幸せであった、そのような経済環境、社会環境をつくらなければならない。我が国の将来はそれにかかっているのじゃないかという気もいたしております。  その子供を二人以下に制限する大きな理由が、やはり教育費がかかるということでございました。先進諸国の多くは、大学以上になりますと奨学金で、親がかりでなくて、あるいは自分の働いた金で教育ができる、そういう現状だと伺っております。  政党助成金三百九億円が衆議院段階で可決されましたけれども、私個人は、あれは極めて愚行であると思っておりまして、つまらぬ金を政党に補助するよりも、奨学金にでも使ってもらった方がよっぽどいいというふうに思っております。幸か不幸か自民党案は既に否決されましたので、大っぴらにこれから批判してやろうかなと思っておるわけでございます。  それはともかくといたしまして、奨学金の現状、個々人に対して十分であるのかどうか、そして、総量として希望する人に対しまして十分であるのかどうか、そのようなことにつきまして現状の御認識と、将来それを抜本的に改善していくおつもりがあるのかどうか、お伺いいたしたいと思います。

遠山敦子文部省高等教育局長

○遠山政府委員 奨学金に関するお尋ねでございますが、国の育英奨学事業は、御存じのように日本育英会において行われておりまして、その目的は、国家社会に有為な人材の育成に資するとともに、教育の機会均等に寄与する重要な教育施策ということでこれまで努力が続けられております。  先般、日本育英会の五十周年の記念事業がございました。五十年間にわたりましていろいろな人たちの努力によって今日に及んでいるわけでございますけれども、今年度の日本育英会の育英奨学事業は、大学、大学院について申しますと、合わせて三十一万六千人を対象に貸与をいたしております。貸与月額につきましては、大学学部について、国公立自宅通学の場合三万五千円、自宅外の場合四万一千円、私立大学に関するものにつきましては、自宅からの場合四万四千円、自宅外五万四千円ということでございます。大学院につきましてはもう少し高くなってございまして、修士課程七万八千円、博士課程十万九千円となっております。  この額が十分であるかどうかということになりますと、それぞれの学生の置かれた立場によりまして、これで十分である人もございましょうし、また十分でない人もあろうかと思います。客観的に申しまして、すべての貸与を受けたい人が十分受けているかということになりますと、どうもそこまではまだいっていないような気もいたします。しかし、これは全体の国の財政状況あるいは予算のいろいろな要求の中で逐次改善が図られてまいっているところでございまして、私どもとしては、できるだけこの充実について今後とも努力をしたいと考えております。

熊代昭彦自由民主党・自由国民会議

○熊代委員 ありがとうございました。ぜひとも五割増し、倍増ぐらいに近い将来改善していただきたいと思います。  次に、もう少し具体的な、極めて具体的なことを二つ、三つお伺いしたいと思います。  一つは、現在の高校生の女子生徒の健康状態についてでございますけれども、四人に一人は貧血であるというふうに言われている。過剰なダイエットがその一つの原因ではないか。やせていることが極めて流行になっているということでございまして、格好いいということで過剰なダイエットもあるのではないか。原因は定かではございませんが、四人に一人は貧血であると言われております。これは将来結婚して子供を産むというようなときに、一人でもうすっかり参ってしまう。もう体力がない、一人のときでも、初産でも入院しなければならないような大変な状況になるということでございまして、そういう現状に対する心配がございます。  この実態についてどのように認識しておられるのか、それが事実に近いとすればその対策についてどのように考えておられるか、お伺いいたしたいと思います。

奥田與志清文部省体育局長

○奥田政府委員 お答えいたします。  先生お話しの貧血でございますけれども、文部省といたしましては調査はいたしておりませんけれども、例えば財団法人東京都予防医学協会におきまして平成三年度に実施しました静脈血による貧血検査の結果によりますと、高校女子の二・二五%が医療を必要とする貧血だというふうに判定されているデータがございます。  学校におきましては、生涯を通じまして健康な生活を送るための基礎を培うというふうな観点から、貧血の予防も含め、心身の健康に関する知識について理解を深めるとともに、実際の生活におきましても、これが実践できるような能力や態度を育てるということを重視しているところでございます。  文部省におきましても、新学習指導要領におきまして、生活行動と健康のかかわりを重視し、健康の保持増進のために、運動、休養、食事の調和のとれた生活を送るということが重要であることを強調いたしておりますとともに、専門家の協力もいただきまして、貧血の予防等についても解説をいたしました「高等学校保健指導の手引」というものを作成し、指導の充実に努めておりまして、今後ともそういう努力をしてまいりたいと思います。  ただ、先生御案内のように、高校生の女子、この年齢段階になりますと急速な成長期にありますので、どうしても他の年齢に比べまして貧血の子供が比較的多いというふうなことも言われているようでございます。

熊代昭彦自由民主党・自由国民会議

○熊代委員 ありがとうございました。さらに御調査及び対策について御検討いただければ大変ありがたいと思います。  次に、さらに具体的な話でございますが、食品成分表というのを科学技術庁さんでおつくりになりまして、文部省さんも御採用になりました。学校の現場で使っておられるということでございますが、一九五〇年、五四年、六三年、八二年というような作成になっております。八二年ですと、既に十一年前であるということでございます。食物もやはり時とともに移り変わるということでございまして、成分も移り変わるということで、学校の現場で大変に困っていると栄養士会に属する栄養士の方からの訴えが来ております。早急に改訂版を出しまして、現在の実態に即したものにしていただくように科学技術庁さんに申し入れしていただくとか、対策を講じていただきたいと思いますが、いかがでございましょう。

奥田與志清文部省体育局長

○奥田政府委員 お答えいたします。  先生お話しのように、学校給食におきましては、学校給食実施基準などによりまして、子供が一回当たりにとります平均の所要栄養量の基準などを定めておりますし、その基準量を確保するためにどういう食品をどの程度とったらいいのかということを学校で判断してもらうために、食品構成表というのも示しております。  この食品構成表におきましては、御指摘ございましたように、現在使用しておりますものは、昭和五十七年に科学技術庁から出されました四訂日本食品標準成分表、これをもとにしているわけでございます。お話もございましたけれども、現在、科学技術庁におきましてこれの改訂について検討していると聞いておりまして、改訂がなされれば、これに従って学校給食の必要な改訂もしたいと考えております。

熊代昭彦自由民主党・自由国民会議

○熊代委員 ありがとうございました。ぜひお願いいたします。  次に、先ほどちょっと触れました業者テストに関してでございます。業者テストを使わないといういわば追放の方針に踏み切られたようでございますが、これはどのような実態があって、何が問題であって業者テストの偏差値を排除することにしたのか、お伺いいたしたいと思います。  大臣の施政方針演説といいますか御発言でも、入学者選抜に使われていたものを排除と書いてございますが、入学者選抜に使われていたのか進路指導に使われていたのか。いずれにしましてもこれは偏差値でございますので、余りに早急に排除したので、現場では大変に混乱が起きているのではないかと思います。  いい面と悪い面が確かにあったと思いますけれども、標準偏差値を使うというのは、これは合理的なものでございますから、単に業者がそれをやるからいけないというのじゃなくて、どことどこがいけなくてどこがよかったのか、それが果たしておりました客観的な学力、アチーブメントといいう意味での学力の評価の物差しをかわりにどのように確保されるのかお伺いいたしたいと思います。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 確かに今お話ございましたように、偏差値というのは標準偏差ということでございますので、一つの統計学的な数値として出されておるわけです。したがって、これを学問的に使うという意味におきましては、私どもも十分意味があると思っておるわけでございますが、それが同時に、今お話にございましたように大変便利な指標である、少なくとも子供たちを横並びに並べることができるわけでございますので、大変便利であるということで、これは一部の私立学校でございましたけれども、選抜そのものの資料としてこれを使って、これによって事実上合否を決めてしまうというようなことがございました。  それから中学校におきましては、本来はこれは進路指導をする際の一つの資料というような形で使われておったのではないかと思いますけれども、大変便利な指標であるということで、むしろそれが進路指導の全部と申しますか、そう言いますとちょっと言い過ぎかもしれませんが、そのことによって進路指導を行ってしまう。  それで、どういう弊害が出てくるかといいますと、子供たちがそれによって、自分は何点だからもうあの高校しかないんだとか、そういうことで子供たちも横の並びになると同時に、高等学校もある意味では並んでしまうということで、その辺のところに、ある意味では余りにも便利な指標であるがために弊害が出てきた、私どもとしてはこう認識をしておるわけでございます。そういうことで、高等学校は中学校にこの業者テストの結果を求めない、中学校も提供しない、そして中学校の先生はこれに関与しないということで指導したわけでございます。  かわるべき指標がないのに性急だったではないかということでございますけれども、現在の私どもの中学校なり高等学校教育の進め方というのは、まさに子供たちの個性に応じた教育を実施していただきたい。中学校の進路指導も、まさに子供たちが何を望んでいるのかということで指導していただきたい。そして高等学校も多様なものを用意していただきたい。  平成六年からは総合学科という、従来の普通科と職業科のほかに、それを総合したような総合学科というようなものも全国で七校ほど新設されることになっておりますけれども、そういういろいろな取り組みの中で子供たちの能力というものを多様に評価をしていただきたい、こういうことを考えておるわけでございます。  そういう中で、もし業者テストだけが走っておりますと、どんな制度をつくっても、それをメルクマールにして入試が決まってしまう。私どもはやはりそういうことを避けたい。したがって、そのかわるべきものというのは何か、こう言われますと、高等学校が入試のいろいろな多様な方法をとるように今工夫をしております。そういういろいろな方法をとっていただく、それがかわるべき方法である、このように思っておりまして、業者テストがなくなったから、それじゃ今度は公的テストで偏差値を出していいのか、これはやはり同じような弊害が出ますので、私どもはこれは避けなければいかぬ、こう思っております。  かわるべきものというのは、まさに高等学校がいろいろな形で変わっていただく、そして中学校も、そういう業者テストの結果ということじゃなしに、子供たちが何を望むか、そういうことをよく保護者の方と話し合って進路を決めていただく、こういうことが大事だということで指導しておるわけでございますので、確かに今までのやり方が変わるわけでございますから、不安等があることは事実でございますけれども、中学校の進路指導の先生方あるいは都道府県の進路指導を担当している指導主事の方々を集めたりしながら、そういう趣旨につきまして十分私どもとしては指導を行っているところでございまして、今の段階におきましては各学校ともそういう方向で努力をしている、こういう状況なわけでございます。

熊代昭彦自由民主党・自由国民会議

○熊代委員 便利な指標も使いようでは悪くなるということかもしれませんが、さらに日を改めてお伺いしたいと思います。  質問時間がオーバーいたしましたので、これで終わらせていただきます。  ありがとうございました。

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 塩崎恭久君。

塩崎恭久自由民主党・自由国民会議

○塩崎委員 自由民主党の塩崎恭久でございます。  きょうは、午前中に引き続きまして大臣御臨席で質疑ができますこと、大変うれしく存ずる次第でございます。私も一年生議員でございまして、どうぞひとつよろしくお願いいたします。  物への投資よりも人への投資こそが国づくり、そしてまた国際貢献に役立つのではないかということで、文教委員をあえて希望させていただいて、ならせていただいたわけでございます。  最初に、文教マターでありますけれども、大蔵省に対しましてちょっと御質問をしたい件がございます。オリンピックの報奨金に対する所得課税についてでございます。  昨年、アルベールビル、バルセロナ・オリンピックがございました。日本選手の活躍ぶりは大変なものがございまして、皆さんテレビにかじりついておったわけでございますが、最近はスポーツが大変国民的な人気を得て、Jリーグもあるのだろうと思います。  けさは岸田議員からもスポーツ関係の質問をさせていただきましたけれども、このオリンピック大会のメダリストに対して、JOC、日本オリンピック委員会の方から報奨金が出るようになりました。この報奨金に対しまして、所得税法上、一時所得として課税が行われるということになりまして、このことについて今いろいろと議論があるわけでございます。  学術あるいは芸術の分野では、民間団体が自主的に支給いたしております賞金に対して、大蔵大臣の告示によりまして非課税が認められている。そういうことを考えますと、このメダリストたちの業績にこたえる意味でも、学術、芸術分野における特定民間団体の賞金との均衡からも、オリンピックの報奨金に対して非課税の扱いをしてもしかるべきでないだろうかというふうに思うわけでございますが、大蔵省の御見解をお伺いしたいと思います。

大武健一郎大蔵省主税局税制第一課長

○大武説明員 お答えさせていただきます。  オリンピックの報奨金につきまして、国民的な快挙であるから、これについて所得課税を免除してはどうかという御意見を多々いただいております。  ただ、御存じのとおり、所得税というのは、所得に応じた負担を求めるという意味では、税の公平の観点からは、やはり相応の負担をしていただくというのが原則であろうかと思います。そういう意味で、今引用されました学術ですとか芸術に関します報奨といいますのも、実は長年にわたる功績に対して報奨しているものでございまして、例えば、その意味ではスポーツ関係でも、文化功労賞というような方についての文化功労者年金のようなものは、所得税法上非課税になっているわけでございます。  そういう意味で、一回といいますか、そういう競技で優勝された等々によりましてそれを非課税にするというようなことにいたしました場合、一体どういうスポーツを対象にするかという一種の線引きといいますか、そのあたりが実は非常に難しいわけで、例えば世界陸上ですとかサッカーのワールドカップですとか、そういうような基準みたいなものもやはり必要だろうと思います。  さらには、税制上そういう議論をするとなりますと、国としてそういう特殊なオリンピックメダリストに対する報奨をどう位置づけるかという仕切りというようなものもないと、やはり税の公平上合意されないだろうというふうに思っているわけです。  ただ、いずれにしましても、文部省の方からことしも制度改正要望が出されております。したがいまして、また議論はさせていただきたいと思っております。

塩崎恭久自由民主党・自由国民会議

○塩崎委員 今、学術、芸術分野については長年の功績というお話でございます。長年というと、例えば六十年とか七十年頑張ってこられたということでありますけれども、六十年、七十年たってオリンピックに出るわけにはいかないわけでありまして、短期の間に頑張ってそこまで到達する。四年に一遍の世界のスポーツの祭典ということで、かなりその特殊性があるのかなという気がいたしますので、大蔵省におかれましては、ぜひ前向きに御検討いただけたらと思うのでございますが、いかがでございましょうか。

大武健一郎大蔵省主税局税制第一課長

○大武説明員 文部省からも種々御説明はいただいておりますが、今申し上げましたように、例えば川上哲治さんですとか織田幹雄さんですとか、やはりスポーツに長年貢献された方には、今申し上げたような文化功労賞に係る年金というものも非課税になっているわけです。  そういう一回限りのといいますか、オリンピックという、その優勝に関してそういう特別な扱いをするということになりますと、それは今までのとは実は違うスタイルのものでございまして、そのあたり十分議論させていただかないとならないのではないかと思っている次第でございます。

塩崎恭久自由民主党・自由国民会議

○塩崎委員 こちらといたしましても、ぜひこれは真剣に検討してまいりたいと思いますので、今後ともひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。大蔵省の方、どうぞもう結構でございます。ありがとうございました。  けさほど来、初等中等局長、大分お答えのようでございますけれども、高校教育に関連をいたしまして少し御質問をさせていただきたいと思います。  平成元年の三月に学習指導要領が改訂をされたということでございます。社会の変化にみずから対応できる心豊かな人間の育成というふれ込みであるわけでございまして、順次実施に移されている。高校につきましては来年の四月からこの指導要領が導入をされる、こういうふうに理解しているわけでございます。  先ほど業者テストの話もございましたけれども、これはことしの四月から先ほどのような施策を行った。去年の九月からは月一回の学校週五日制を導入した。こういうようなことで、いろいろな施策が今導入されつつあるわけでございます。  文部省の中にも、初等中等局の中に高校教育改革推進室というのを特別に設けて、今頑張っておられるようでございまして、我々も大いに期待をするところではあるわけでございます。生徒の個性を伸ばして、学習の選択の幅を拡大というようなことで、いわば個性化、価値観の多様化にふさわしい教育を目指そうということだろうと私も理解をしているわけでございます。  こういう中で、ことしの二月に「高等学校の入学者選抜について」という通知があったようでございまして、けさほどの大臣の御発言の中にも言及されておったわけでございます。この点について、その通知の精神といいましょうか、考え方の基本的な理念、そしてまた今後の展望と方針について大臣のお考えをお聞きさせていただきたいのと、実施状況、具体的にどのようなことが行われつつあるのか、あるいは計画をされているのか、この点について御担当の方にお伺いをさせていただきたいと思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 お答えいたします。  高等学校の入学者選抜の改善につきましては、中央教育審議会の答申及び文部省に設けられました高等学校教育改革推進会議の第三次報告を踏まえまして、二月に実はただいま御指摘のように都道府県等に対しまして次官の通知を出しました。  この通知におきましては、高等学校教育の個性化、多様化、生徒の実態の多様化などに対応する高等学校入学者選抜の選抜方法の多様化、選抜尺度の多元化を図ろうという観点からのものでございます。  具体的には政府委員から答弁させます。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 この二月の通知を受けまして、現在、各都道府県におきまして、平成六年度の入学者選抜の改善に向けまして検討を進めているところでございます。各都道府県におきましては、今の選抜方法の多様化あるいは選抜尺度の多元化という観点から、さまざまな工夫を凝らしているわけでございまして、私どもの通知も一つのやり方というものを示したわけではございませんで、いろいろな工夫をしてほしいということで示したわけでございますので、私どももそういう各県の努力を見守っているという状況でございます。  来年度の入学者選抜につきましては、実施要綱が各県で定められるわけでございますけれども、まだ公表されていない都道府県が多いわけでございます。  そういうことで、現段階で全国的な改善状況というものを十分把握しているわけじゃございませんけれども、幾つか例示をいたしますと、推薦入学を積極的に活用してこれを全高等学校で実施をするというところ、あるいは推薦入学の実施校をふやしたり定員枠を拡大をする。  それから、入学者選抜の資料でございます調査書、いわゆる内申書と言われているものでございますが、それと学力検査の比重の置き方を各学校がその特色に応じて変えるということで、内申書を重視するところとあるいは学力検査を重視するところ、いろいろな形の工夫をしようというようなところもございます。  それから、学力検査につきまして傾斜配点を導入する、それから生徒の個性を多面的にとらえる、あるいは優れた点を評価するということで、校内外のボランティア活動等を積極的に評価していこうというような、そういういわゆる教科の面だけじゃなしに、いろいろな活動までも評価していこうというような改善例が見られるところでございます。

塩崎恭久自由民主党・自由国民会議

○塩崎委員 まだ各都道府県でしっかり決まっていないというお話でございますけれども、今幾つか挙げられた具体例をお聞きする限り、方向としては大変いい方向に行っているかなという気がするわけでございます。  やはり先ほどの大臣の御答弁の中にも、多様化とか多元化とか、要するに今個性化の時代だということのあらわれだろうという言葉がたくさん入っておられましたけれども、それに見合ったような改革をぜひしていってもらいたいし、また文部省としてもそういう指導をしてもらいたいと思うわけでございます。  私事で恐縮でございますが、私も二十数年前に一年間、高校のときにアメリカに留学をさせてもらいました。アメリカの余りにも自由で多様な教育にびっくりいたしまして、帰ってきてから生徒会長になって、私なりに学校を何とかよくしようという努力をしておりました。そのときは恐らく何もできなかったんだと思うわけでございますが、今まさにそのような方向に教育が進んでいるという意味で、遅過ぎるぐらいかなという気はいたしますけれども、ぜひ進めていっていただきたい方向性かなと思うわけでございます。  その入試に関連をいたしまして、東京都の例を今局長さんコメントされませんでしたけれども、来年から東京都の入学選抜制度が変わるようでございます。人口の十分の一を占め、学校も集中している東京でございますから、東京都が何をするのかということがかなり大きな日本全体への影響力を持っているというわけでございます。  ちょっと私なりに御説明させていただきますと、これは何と戦後今回で五回目の制度の導入ということでありまして、最初は単独選抜。実は今度導入するのが単独選抜で、結局終戦直後の制度に戻るというような感じではあるのでございますが、四年間単独選抜というのがありました。その後、昭和二十七年から十五年間学区合同選抜、これは自分の行きたい学校を受けて、一応ブロックはありますけれども、自分の受けたいところを受けて決まるという制度でありました。昭和四十二年に学校群というのが導入をされました。  今回この質問で、学校群についてちょっと申し上げたいと思うのですが、その後グループ合同選抜という制度が導入されていますけれども、学校群というのは、二つか三つぐらいの高校の群を選んで、自分がどこに行きたいかということは言えない。順番に割り振られて自分がどこかに当てはまるだけで、自分のチョイスはないという制度だったわけです。これがやはり十五年間続きました。  その後十二年間、グループ合同選抜というのがありまして、これは自分で部分的に選べるといいましょうか、なかなか複雑な制度のようでありますけれども、結局今度、来年から単独選抜という制度にまた逆戻りをするということになるわけでございます。  この昭和四十二年に導入をされた学校群制度がなぜ採用をされたかその理由と目的について文部省としてどのように把握をされているか、ちょっとお話しいただけませんか。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 この学校群制度につきましては、東京都の教育委員会がこれを決定したわけでございますけれども、当時の状況について東京都の教育委員会の方に聞きますと、昭和四十一年当時、都立高校の学校間格差が問題とされておった。これに起因いたしまして、進学競争が過熱化して中学校教育をゆがめるようになってきた。このような状態を直すために、学校間格差を是正し得る効果が期待できる制度として学校群制度を採用したというのが当時の教育委員会の判断、このように伺っているところでございます。

塩崎恭久自由民主党・自由国民会議

○塩崎委員 今の御答弁によりますと、学校間格差の是正とそれから受験競争の緩和、この二点が学校群制度の導入の目的だった、こう理解をしたわけでございますが、では、その二つの目的が達成されたかという問題でありまして、私はむしろこれはネガティブに考えざるを得なかったのかなというふうに思っているわけでございます。  一番目といいますか、まずこの入試制度の変更によって、かえって受験競争は全国的に見て過熱をしてしまったんじゃないだろうかというふうに思っているわけでございます。受験地獄のあしき象徴といいましょうか、毎年大学の入試発表シーズンになりますと、各週刊誌がいろいろなランキングといいましょうか、学校別のランクを出します。  例えば東大とかを初めとする国立大学、早稲田、慶応とかいわゆる俗称一流大学などのランキング、高校別のランキングが出てくるわけでありますけれども、これで見ますと昭和四十二年、まだ学校群制度が導入されていないときです。ちょっと早稲田、慶応はわからなかったので、これは東大のデータですが、トップテンに入っている学校を見ますと、私立が二校、国立が二校、公立が六校で、うち都立が四校あったんですね。それがことしになりますと、私立が七校、国立が二校、公立が一校で都立高校がゼロ、こういうふうになっているわけであります。もちろんこれがいいとか悪いとかいう問題ではなくて、恐らくほかの大学でも同じような傾向が出ているのではないか。  すなわち、先ほども熊代議員だったと思いますが、私立、国立への偏りというお話が出ました。結局この学校群制度がもたらした結果というのは、公立学校よりも一握りの有名私立・国立高校の受験に熱心なお母さんたちが入れたいという熱がむしろ高まってしまった。  そしてもう一つは、高校入試の際のリスクといいましょうか、うまくいかなかったときのリスクを考えて、小学校や中学校の段階で早くから私立に入れたり国立に入れたりすることによって、場合によっては大学までずっと行けるところもあるわけでございますから、結局受験競争が低年齢化してしまったんじゃないだろうか、こんな気がするわけでございます。  それまでは、例えば都立高校に行っても、先々どこかにはまた行けるという期待が大きくあったわけでありますから、普通の公立小学校、公立中学校と行って、公立の高校に行く人もたくさんいたのだろうと思うのです。ところが今、先ほどちょっと公教育のレベルの低下というお話がありましたけれども、特に東京あたりのお母さん方の話を聞くと、むしろ私立に入れたいという熱の方が強いわけでございます。こういうような受験競争の低年齢化ということについて、文部省としてはどんなふうにお考えになっておられるでしょうか。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 私どもとしては、子供たちが遅くまで塾に通わなければならないとか、そういうような事態というのは決して望ましい状態とは思っていないわけでございます。特に、私立中学校を受けるというようなことで小学校の段階からいろいろな勉強をする、これはある意味では学校教育の場以外で保護者の判断でされていることでございますから、なかなか私どもとして物を言いづらいところがあるわけでございます。  しかし、試験問題で例えば学習指導要領を逸脱するような問題を出すことによって、学校で勉強する以上のことを学習塾かどこかで勉強しなければいかぬというようなことがありますと、これはまさに過重な負担を課していく形になるわけでございますので、そういう意味で、私立の中学校の入試あるいは高等学校における入試なども学習指導要領上問題がないかというようなことも、私ども専門家にいろいろ調べてもらったりしておるわけでございます。  御指摘の低年齢化ということについて、決して教育の姿としていい状態というふうには認識していないところでございます。

塩崎恭久自由民主党・自由国民会議

○塩崎委員 今の東京都の学校群の制度で、結局受験競争はむしろ全国的に激化してしまったと私は思いますし、学校間格差の是正という意味で、確かに有名大学と称せられるところに行く。ランキングでは格差がなくなって、みんなドングリの背比べということになったのかもわからない。  そういう中で、恐らくそれぞれの学校のカラーというものがまた新しく生まれつつあるのだろうとは思いますけれども、恐らくナンバースクールだった都立高校あたりの卒業生は、昔のカラーがなくなっちゃったなというようなことで、この学校間格差が是正された以上にダメージもあったかな。  昔の校風とかあるいは学校ならではの伝統みたいなものがなくなってしまったということで、先ほど御指摘のあったこの学校群制度の導入の二つの目的というのが達せられないで、今度は学校群ではない、一つの学校を受けて、その学校に受かるか受からないかという制度にまた逆戻り、こういうことになるわけでありまして、結局、三十年近くの制度によって一体何がもたらされたのかよくわからないなという気もするわけであります。  そういう意味では、教育制度の変更というのは、目的達成に本当に有効かどうかということを十分考えた上で導入をしなければ、特に教育は生身の人間を扱っているわけでありまして、その大切なプロセスで失敗は許されないと思いますので、今後とも制度改正に当たっては慎重に御検討の上に、また先ほど東京都の問題でも、文部省の問題ではないというお話がありましたけれども、そうはいっても、やはり各都道府県の教育委員会等々にはしっかりと方針を御指導いただいて、誤りなきようにしていただきたいなと思うわけでございます。  これは大臣にお伺いしたいわけでございますが、これからの教育というのは、恐らく正解がある事柄を覚えるという今までのような教育ではなくて、むしろ正解がひょっとしならないかもわからないけれどもベストに近い答えをどうやって探すか、その探し方というようなものを教えるような教育というのが大事なのじゃないか。  冷戦構造が崩壊をして新しい秩序ができ上がりつつある中で、いわば海図なき航海というふうによく言われるわけであります。そういう中でしっかりと生きていける、そういう対処の仕方を身につける教育をしなければいけないなと私は思っているわけでありますけれども、その点についての大臣の御所見はいかがでございましょうか。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 私もそのように考えております。どういうことを覚えるかということではなくて、自分でどういうふうに考えることができるかというのが大事なのではないかというふうに思っておりますが、そのために何をどう変えればよろしいかということは、先ほど来いろいろと局長の方からもお答えしたとおり、今大きな変革を迎えておりまして、これまでのやり方をいろいろ変えながら、新しい人間づくりということに努めてまいりたいというふうに考えております。

塩崎恭久自由民主党・自由国民会議

○塩崎委員 昨日、政治改革法案が衆議院を通過したわけでございます。私は、選挙に出るときにもずっと言い続けてきたことでありますけれども、政治改革というのは制度だけを変えてもだめだ、やはりこれは政治家、そして有権者双方の意識改革を通じなければ、本当の意味の政治改革はできないだろうと言ってきたわけでございます。  私、子供が高校二年と中学三年でございまして、高校二年の子供に、政治についてどんなことを勉強しているのか、ちょっとノートを見せてみいと言って見たところが、我々が子供のときと全く同じような、例えば今の日本の国会は二院制になっているとか、議院内閣制とは何かとか、そういうことがいっぱい書いてありまして、何も変わっていないなということでびっくりしたのです。  例えば環境問題のコスト負担をどう考えるかとか、消費税を上げるべきかどうかとか、あるいは福祉問題について、これから高齢化社会を迎えるに当たってどう考えるかというようなことを、おまえ勉強しないのかというふうに聞いても、そんなことは全然やってないよという話を聞いて、学校で、多分小学校ぐらいから考えなければいけないだろうと思いますけれども、制度とかそういうものを覚えるのでなくて、政治というのは何をすることなのか、政策づくりというのはどんなことなのかということを教えるような教育をしなければいけない。ロールプレーイングを含めていろいろ考えているというようなお話でありますけれども、そういうことをやらなければいけないと思います。ちょっと時間がないので、もうその件については御答弁は結構でございます。  次に、ちょっと話題を変えまして、留学生の問題でございます。  文部省からいただきました「我が国の留学生制度の概要」というのがありますけれども、この中にも「留学生政策は、その文教政策、対外政策の中心に捉えてしかるべき重要国策の一つであるといっても過言ではない。」こういうふうに書いてあるわけでございます。中曽根内閣のときに留学生受け入れ十万人計画というのをおつくりになられまして、二十一世紀初頭までに十万人を受け入れようじゃないかということで今頑張っておられるようでございます。御説明を聞いたところでは、当初のペースよりは早いペースで受け入れが進んでいるということであります。  しかし、パーセンテージ、全学生に占める留学生の割合というような数字で見る限りでは、先進五カ国の中でこの比率は、イギリスで一〇・二五%に対して日本がまだ一・五二%、つまり、百人の学生の中で一人半ぐらいしか留学生が大学、大学院レベルではいないというのが日本の現状だということかと思うわけでございます。確かに、数字の上では四万八千五百六十一人という平成四年度の数字が出ておりますけれども、まだまだという感じが否めないと思います。その点いかがでございましょうか。

佐藤禎一文部省学術国際局長

○佐藤(禎)政府委員 ただいまお話ございましたように、五十八年度からスタートいたしました十万人計画は、計画が平成四年度ベースで四万人であるのに対しまして四万八千人という実績でございますから、計画を上回ったペースでおかげさまで進行しているわけでございます。しかし、これから後期の計画に入ります。平成五年以降平成十二年度までの間に後期の計画を進めてまいるわけでございますが、それに先立ちまして、おととしから去年までの一年間に、私どもの文部省の中に検討会議を設けまして、今までの計画のレビューをしていただいたわけでございます。  その中に幾つかの要素がございますけれども、一つの要素は、今の十万人計画というものがそのままでよいかどうか、総量としての計画の妥当性について御議論いただきましたが、結論といたしましては、今の十万人の計画を維持をするように、ただ後半の計画を進行させるに当たってはその質の充実というところに重点を置くように、こういう御注文をちょうだいをした、こういう段階にあるわけでございます。

塩崎恭久自由民主党・自由国民会議

○塩崎委員 四万人のところが四万八千人ということでありますので、できればもっとふやしてもいいのではないかなと私は思っております。先ほど御指摘させていただきましたような、まだ百人に一・五人ぐらいしかいないということであって、イギリスでも十人いるわけです。それでアメリカなどでも五人、フランス八人、ドイツで六人ちょっと、こういうことでありますので、質も確かに大事でありますけれども、量的にももっともっとやってもいいのではないか。  国別に見てみますと、アジアがやはり一番多いわけです。ところが、その中で多いのは、中国、韓国、台湾が抜群に多いわけでありまして、きょうから細川総理もAPECに行かれるわけでありますけれども、ASEANからの留学生がまだ九・五%のシェアしかない。私は、ASEANの国々からもっともっと受け入れるべきではないかな。我が国の対アジア政策、もちろん中国、韓国、台湾、今まで同様にたくさんおいでをいただいて結構であるわけでございますが、加えてASEANからの留学をふやすべきではないかなというふうに思うわけでございます。  追加して申し上げますけれども、じゃ、どういう形がいいのだろうかという話があるわけでございます。私は、大変個人的なことで恐縮ですが、かつてサラリーマンをやっていたときに、二年間アメリカに留学をさせてもらいました。ハーバード大学のケネディスクールというところに行っていたのでございますが、そのときに、ミッドキャリアという一年間でマスターのディグリーをくれるプログラムがありました。私はそうではないのですが、今でも大体一年間で百五十人、それで半分ぐらいが留学生というような制度があります。  日本にASEANから来てもらおうと思ったら、やはり日本語の勉強をしてからでは間に合わないのだろうと思うのですね。そうなると、英語で授業をやってもらって、十分価値のある留学体験ができるようなコースがなければ、これをふやそうと思っても無理なのだろうと思うのです。ということは、英語でやってくれるしっかりとしたプログラムのあるところをもっとふやさなければいけない。  先ほどのこのパンフレットの中を見てみますと、今英語で特別コースを持っている国立大学というのは一ページしかない。これだけしかないのですね。それもほとんどが理科系でありまして、文科系といいましょうか、社会科学系に近いのは埼玉大学の大学院に政策科学研究科というのがあって、これは何か聞いたところによりますと、お役人がここの霞が関から講師にも行っていらっしゃるというお話でありますけれども、ここは二年間でディグリーを、ちゃんとマスターを与えて帰す。来ていらっしゃるのは、ASEANを中心とした国から、官僚であるとかあるいは企業の幹部候補生とか、そういう人が来ているようなのです。  こういうような英語のプログラムをふやさないと、なかなかASEANからも来ていただけないのじゃないかなという気がいたします。ちょっと一緒になってしまいますが、いかがでございましょうか。

佐藤禎一文部省学術国際局長

○佐藤(禎)政府委員 二つのお尋ねでございますが、まず、国別の観点につきましても、先ほど御紹介をいたしました。委員会の中でも御議論がございました。現在アジア地域から九二%来ていただいているわけでございますが、御承知のように、先ほど御指摘のような実態でございます。  そこで、これからのことを考えます場合には、世界各国との相互理解と友好を深める姿勢というものを考えますと、そういったアジア地域の重視という姿勢を持ちながらも、なお世界じゅうの国との留学生交流という観点も加えていく必要があるだろうということが、抽象的でございますけれども、言われているわけでございます。  いま一つのお尋ねでございますが、先ほど質の充実と申しましたが、この観点の一つに、留学生のニーズに多様にこたえていくということがあろうかと思います。今までの留学生は、どちらかといえばフルタイムの留学生を受け入れるという形で進行してまいりましたけれども、お話しのように一定期間、アメリカの大学ではジュニア・イヤー・アブロードというようなプログラムを持っておりまして、一年ないしワン・セメスター出かけるというようなプログラムもあるようでございますが、我が国ではそういう形での受け入れはまだいたしておりません。  しかし、そういった多様なニーズにこたえた留学のシステムというものを考えていったらいいだろうという御指摘がございまして、これはまだ今のところ制度化しておりませんけれども、重要な課題として検討しているところでございます。

塩崎恭久自由民主党・自由国民会議

○塩崎委員 もう時間も大分なくなってきたのでございますが、御案内のように、この留学生受け入れの予算というのはODAにカウントをされるわけでありまして、これから国際貢献が問われる時代でありますので、今のところこの予算を見てみますと、大体二けた増で毎年ふえておるようでございますけれども、なおこの点については、財政厳しき折ではありますけれども、国際貢献という立場から、もっとどんどんふやしていくべきではないかなと思っております。  そのためには受け入れ態勢の充実とか、いろいろなことが必要になってくると思うわけでございますが、引き続いて、これは各省挙げて頑張っていかなければいけないかなと思っております。  時間のようでありますが、最後に一点だけ、高校生の留学ということであります。  今のは大学、大学院の留学生でありましたけれども、さっき申し上げたように、私は高校のときに一年間アメリカに行っておりました。今私の子供がたまたままたアメリカに留学しているのですが、一度その国に、一年間ぐらい家庭に入ってかまの飯を食いますと、やはりその国に対して悪い感情を抱く人はほとんどいないし、むしろその国にもう一回戻りたいとか、そういう愛情が芽生えてくるわけでありまして、ぜひ日本ももっともっとたくさんの留学生を高校ぐらいから受け入れなければいけないかな。  それで数字を見てみますと、日本人の高校の海外留学生が平成二年で約四千五百人ですね。逆に受けているのが千人。ですから、四分の一ないし五分の一ぐらいしかない。そのうちアジアから来ているのはせいぜい百五十人とまりということであります。  先ほど全世界からというお話がありました。確かに全世界ではありますし、そうしないといけないわけでありますけれども、どうも先進国からの受け入れが多いようでありますので、お隣を大事にするという意味で、アジアからの高校生の受け入れというものを何らかの形で、文部省ももっともっとインセンティブを与えるなりなんなりして進めるべきではないかなと思っております。コメントございましたら、一言だけでもお願いします。

佐藤禎一文部省学術国際局長

○佐藤(禎)政府委員 留学生の制度は、主として学部、大学院を中心にこれまで発達をしてきたわけでございますが、我が国におきましても高校生の留学というものが大分ふえてまいりまして、御承知のように、昭和六十三年以降、現在の高等学校の制度の中でも留学を制度化するというような形で行っているわけでございます。  出かけていく数、徐々ではございますが、ふえているという状況でございます。今後、その受け入れということが一つの課題になろうかと思いますが、当面、そのような交流活動を行っていらっしゃいます十ばかりの民間団体がございます。そういった団体の活動の支援等を通じまして充実に努めてまいりたい、このように考えている次第でございます。

塩崎恭久自由民主党・自由国民会議

○塩崎委員 やはり国民の意識改革がなければ、家庭の中になかなか外国人を受け入れるというのは難しいと思いますので、その辺の啓蒙も含めて今後ともよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 田野瀬良太郎君。

田野瀬良太郎自由民主党・自由国民会議

○田野瀬委員 質問を許可いただきました自由民主党の田野瀬でございます。早速質問に入っていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたい、かように思います。  まず、私学助成ということについてであります。  今や日本における政治、行政の世界で、やがてやってくる大変な高齢化社会、これにどう対応していくのかということが大きな問題として取り上げられておることは、もう私から言うまでもないことでございますが、しかし、私は、この問題と比較してまさるとも劣らない非常に大事な問題であるのが出生率がどんどん低下していく問題である、かように考えておるところでございます。  戦後この方、欧米に追いつき追い越せということで、見事にその目標を達成したわけでございますけれども、それにはやはり優秀な、しかも豊富な労働力があったからこそである、こんなふうに確信をいたしておるところでございます。  現在、私もその世代の一人でございますけれども、団塊の世代、四十歳代、五十歳代、これは今社会の中心で大いに活躍、活動しておりますので、そういう心配はついつい忘れられがちでございますけれども、我々の世代が終わって、いよいよ小学生であるとか今の幼稚園の園児が三十歳代、四十歳代、五十歳代になってきて、社会の中心で働くような時代に突入したときの日本の状況を考えたときに、私は本当に危機感を覚えておる一人でございます。  そんなことで、出生率をいかに高めるか子供を女の人にどうして産んでもらうか、これが大きな世論として盛り上がってくるということが、私は何度も申し上げますけれども、非常に大事でありますし、それが盛り上がってこないのが本当に不思議でならない。これほど出生率が低くなって、だんだん日本が衰退していくんじゃないかな、そんな心配を本当に切実に覚えておるものでございます。  そこで、私は自由民主党の婦人局の次長をしております。そんな立場で過日、党の本部で全国の婦人部の中心的なメンバーの皆さん方、大体四、五百人おったと思うのですけれども、その方々との懇談会を持つ機会に恵まれました。私、そのことをかねてより頭の中で思いめぐらしておりましたので、早速聞きました。どうしてあなた方、子供を産んでくれないんですか、こういうふうに聞きましたら、それは田野瀬さん、何ぼでも産んであげますよと言うのですね。この条件さえ満たしてくれたら産んであげましょう。それは教育費をもっと軽減してもらいたい、一人か二人しか産めないじゃないかという話でございました。  さらに、具体的な話として、ここで申し上げる問題ではないかもわかりませんが、保育園、これがとにかく高過ぎる。例えば三歳児未満ですと大体五、六万ですね、一人の保育料。共稼ぎしておりましたら、二人預けますと十万。保育園の園児を抱えておる御家庭の御夫婦は大体三十から三十保過ぎでしょうか、手取りにして二十万か二十五万。十万も要るというのですから、これでは産めないじゃないですかという話でしたね。  幼稚園もしかり。幼稚園はちょっと安いですけれども、大体平均一人二万五千円かかると言いますよ。都会で高いところでしたら三万も四万もかかるところがありますね。これを二人預けますと約五万から十万かかるということで、それを体験するととてももう二人目、三人目と産めませんわ、実はこんな話でございまして、私もどうして子供を産んでもらえないかということについてかねてより疑問に考えておりましたが、まさにここにあるかなということを、そういうことはおおよそ想定はいたしておりましたが、さらに確信をしたところでございます。  その中で、さらに御婦人の皆さん方、女性の皆さん方が申し上げておるのは、公立はその中にあってもまだしも、私学が非常に高い。しかし、私学の教育の世界で果たす役割は非常に大きいのですね。ちょっと払お聞きいたしますと、大学生では私学に通っておる学生が約八割、公立が約二割、高校生は私学の負うところは約三割、幼稚園では実に八割が私立の幼稚園に通っておる、こういうことでございます。  そこで、さらに調べてみました。それでは公私問の格差がどれぐらいあるかどれぐらい公立と私学で授業料の差があるのか調べてみますと、大学では公立に比べて私学の授業料が約二倍、初年度の納付金と言ってもいいかもわかりませんが約二倍、高校では実に五・七倍、公立に比べて私学に通わしておる父兄の負担が五・七倍、幼稚園では四・一倍、こういうデータが出ておるところでございまして、これは女性の皆さんがなるほど言うはずであるな、こういうことをつくづくと痛感したところでございます。  私は、むしろ義務教育に近いところからその格差を縮めていくべきじゃないか、こんなふうに思うのですが、大学は二倍、幼稚園は四・一倍。幼稚園からその格差を二倍ぐらいにまず持っていくべきじゃないかな、こういう思いを持っておる次第でございます。  そんなことで、昨今の文部省としての私学助成について、今私が申し上げたことを踏まえて、今の私学助成の状況、現況について、あるいはこれからの目標についてひとつ御答弁をいただければありがたい、かように思います。

泊龍雄文部省高等教育局私学部長

○泊説明員 幼稚園の園児数が長期的には減少傾向にあるという御指摘がございましたが、私どもも、今後の学校教育全体、特に私学等における場合のいろいろな意味での影響が出てくる大きな要因ではないかというふうに思っております。  また、お尋ねの幼稚園あるいは高等学校等におけるいわゆる学校納付金の状況につきましても、御指摘がございましたように、高等学校、幼稚園、それぞれ公立の場合と比べまして五・七倍あるいは四・一倍という諸状況がございます。  こういった状況がございますので、私どもとしては、一つは今御指摘のございました御父兄の修学上の経済的な負担を少しでも軽減したいということ、それから、それぞれの学校における教育条件の維持向上も図っていきたいといったような観点から、従来から私学助成の確保ということに努力をしてまいっておりますが、引き続きそういった大きな観点から、厳しい財政事情下ということもございますけれども、私どもとしてもできる限りの対応を考えていきたいというふうに考えております。

田野瀬良太郎自由民主党・自由国民会議

○田野瀬委員 そこで、文部省もこの件については鋭意しっかりと努力をいただいておるということはわかっておるつもりでおるのですが、現状のままでいきますと、先ほどから申し上げておりますように、幼稚園にしろ高等学校にしろ、これは一概に言えませんが、授業料で職員の給与を払ってちょんというのが大体大方であると私は見ておるところでございます。  そうしたら何で運営しておるのかというと、おおよそこれも国だとか地方公共団体の補助金で細々と運営しておるという現場の実態にある、こんなふうに認識しておるところでございまして、私学助成が停滞したり、間違っても助成金が下がっていく、しかし、幼稚園ではちょっと下がっておりますね、ここ四、五年前から助成率が。こういう状態が続くと、ますますもって授業料を上げていかざるを得ないという現状にあるわけでございます。  そんなことにかんがみて、ひとつ大臣、大臣も女性の立場で、女の人に子供をたくさん産んでいただかなければならぬという観点から、あるいはまた女性の立場として、この現状をどんなふうに見ておるのか、ますますもってこれから私学助成に力を入れていくのかどうかというようなことを含めて、ひとつ御答弁いただければ大変ありがたい、かように思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 私学助成のことはまた後で触れさせていただくとして、一番初めに先生おっしゃったことについて感想を述べさせていただきますと、前の御質問にもございましたが、三年ほど前でございましたか、一・五七ショックというのがございました。これは大変だというので、政府でも各省、一省だけでなくて、多くの省でこれに対する対策を協議する機関を設けて、一生懸命取り組まれたというふうに記憶をいたしております。  その際にいろいろ言われた、なぜこんなに下がってしまったのかという原因については、先ほど先生がおっしゃったことも一つの原因だと思います。つまり、教育費が高い、だから、たくさん産んだらお金がかかって、家計を圧迫してやっていけなくなるというのも確かに一つだと思うのです。でも、そればかりではございませんで、たくさんな原因があるというふうに指摘されたように記憶をしております。  そして、その後、対策はいろいろと考えられましたけれども、この出生率の低下はとどまるところを知らず、一・五七から一・五四、五三、そして最近の発表された数字では一・五〇まで下がってしまいました。  それで、このままでは本当に大変という実感がしているわけでございまして、どういう対策がとられているかと申しますと、これは文部省の所管ではございませんけれども、例えば育児休業法というのが成立いたしました。これは、女性が非常に多く働くようになって、そして、それをとどめるということは政府の方針ではない。女性がますます多く働くということを前提にして、でも、働きながら子供を育てることができるような対策が必要だ。それで、一つは保育所もあり、そして子供が満一歳になるまでは休んで子供をうちで面倒を見ることができる、それも母親だけでなくて、父親がそれを選択するならそれでもよいではないか、こういう新しい考え方で育児休業法もつくられたというふうに承知をいたしております。  そのほか、例えば住宅事情が悪い、子供をたくさん育てるだけのスペースがないんだというようなこと童言われたというふうに記憶をしております。  たくさんな原因があるわけでございまして、必ずしも教育費のみということではございません。しかし、教育費というのが、挙げられていた原因の中でかなり大きなパーセンテージを占めていたようにも承知いたしております。  文部省の所管といたしましては、教育費が余り上がらないようにするということは確かに大事なことで、それが私学に対する助成ということにつながるということは御指摘のとおりだと思いますので、私学の助成について、今後ともその率が下がっていかないようにいたしたいというふうに思っております。

田野瀬良太郎自由民主党・自由国民会議

○田野瀬委員 どうぞその点、大臣におかれましては、ぜひ私学助成が停滞あるいは逆戻りしないように、ひとつ御配慮をお願い申し上げたい。  そこで、私、最近お聞きしたことなんですが、この大事な私学助成について、政府の財政制度審議会におきまして、私学助成の抑制や、私学に対する国庫補助の一般財源化等についての検討が行われていると聞き及んでおるところでございまして、これは、先ほどから申し上げておりますように、実に時代に逆行したことである、考え方である、こう思えてならないわけでございまして、日本の将来を見据えたときに、この私学助成についてはいささかも後退があってはならない、こんなふうに思うものでございます。  橋や道路をつくることも大事ですけれども、この出生率が低下するということはもっと大事なことであると思いますので、私はこのことについてはもう断固反対する立場のものでございますが、きょうは大蔵省からお見えいただいておりますので、確かに財政制度審議会の答申があったにせよ、ひとつ前向きな答弁を期待して、一言お答え願いたい、かように思うわけでございます。     〔委員長退席、松田委員長代理着席〕

田村義雄大蔵省主計局主計官

○田村説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生からるる御指摘がございましたように、学校教育におきます私学の果たす役割の大きなこと、重要性について、私ども当然認識しておりますし、それに伴いまして、私学助成の意義というものも当然認めているわけでございますが、今先生の御質問にもありましたように、私学助成自体につきまして、累次の、財政審ばかりでございません、臨調あるいは行革審答申におきましても、総額抑制という方向が示されているところでございまして、財政当局としては、これらの指摘等を踏まえながら、重点化、効率化につきまして努めてきたところでございます。  また、御指摘の高校以下の私学助成でございますが、助成の主体はあくまでも都道府県でございますので、財政審報告におきましても、私立高等学校等の経常費助成費補助につきましては、そもそも当面の誘導措置として発足した経緯等を踏まえながら、国と地方の機能分担あるいは費用負担のあり方の観点から見直しを進めるべきであるという答申は確かにいただいておりますが、何も私学助成の額全体を削れとかいうようなことではありませんで、国と地方の機能分担、費用負担のあり方の観点、ここら辺を十分わさまえろという報告は確かにいただいておりますし、また、そのような議論は現に行われていることは事実でございます。  財政当局としては、こうした指摘とか厳しい財政事情、あるいは今先生がるる御説明された私学の果たしている従来の役割、ここら辺を総合的に勘案しながら適切に対処してまいりたい、そのように考えております。

田野瀬良太郎自由民主党・自由国民会議

○田野瀬委員 それでは、どうぞひとつよろしくお願いしておきます。大蔵省の方、どうもありがとうございました。どうぞお帰りいただいて結構でございます。  次に、大臣にちょっとお聞きをしたいというか要望したいというか、過日の、ここに私コピーしたものを持っておるのですが、九月三日ですね、ある近畿の中学生のグループの投書でしょうか要望でしょうか、これが大臣の方へ届けられまして、その内容は、丸刈りの即時停止と体罰の厳禁を訴える、そういう内容であった。  それに対して大臣が閣議の後の記者会見で幾つか述べられた中で、丸刈りを見るとぞっとすると。こっちの新聞の方の見出しをちょっと申し上げますと、これは毎日新聞ですね。「丸刈りは兵隊を思い出しぞっとする」というタイトルで、「赤松文相」のタイトルとして出ておりますね。それから、これは朝日新聞ですね。これもタイトルで「丸刈り見るとぞっとする」、上の見出しに「兵隊さん思い出す」、こういう記事が載せられておりまして、ほかの新聞も幾つか出ていたように聞いております。  私自身もこれをちょっと読んだときに、待てよと、ちょっとおかしいぞと、こう思った次第でございます。しかし、まあまあそれで受け流しておりましたところ、早速、明くる日かその次の明くる日に柔道の道場主からの電話で、電話ではない、お会いしたときの話でございまして、ほとんど柔道の世界は中学生も高校生も全部丸刈りでやっておる。部活も町道場でも全部丸刈りでやっておるんだ。この大臣の言葉でみんな非常に沈んでしまった、非常にショックだった、こういう話でございまして、これはひとつ田野瀬さん、何とかならぬものだろうか、こういう話でございました。  機会があったら大臣に言っておこうかな、こういうことにしておいたのですが、さらにまた二、三日たって、今度は少年野球のチーム、奈良県では約三百チームほど少年野球があるのです。私は奈良県全県の出身でございまして、例えば奈良県の例を申し上げますと、三百ほどのチームがあるのですが、それを束ねておる連盟の事務局から電話がありまして、赤松大臣発言が非常に子供たちの心に傷をつけておるんだと。あの夏の暑い炎天下しで、子供たちが帽子がぶって練習するときに、どうしてもやはり衛生的に、医学的に丸坊主の方がええんだという話ですね。医者からも、それはそっちの方がええと、こう言われて我々はこれが最適だと思ってやっておるんだ、こういう話でございまして、そこで、なるほど、そういう見方もあるなど。  その父兄の方々が言うのには、ひとつ大臣に署名運動を起こそうかなと思っておるんだ、こういうことでございましたので、ちょっとそれは待ちなさいと、私は一遍機会があったら尋ねてみましょう、こういうことできょうのこの委員会で大臣のお考えを聞またいのです。  これは例えば奈良県からちょっと推しはかっていきますと、少年野球は大体三百チームで大体一万人ぐらい、小学校一年生から六年生の間やっておりますね。中学の野球も、これはほとんど丸坊主ですね。中にはたまに長髪がおりますけれども、大体丸坊主でございます、中学も高校も。中学で丸坊主で野球をやっておるのが大体三千人、高校で大体千七百人、奈良県で一万五千人ぐらいは丸坊主です。これは野球だけですよ。ほかのスポーツは別として、野球だけで一万五千人。大体奈良県は人口が百四十万、日本の人口が一億二千万、まあ百倍として百五十万人ぐらいの少年野球、中学野球、高校野球が日本じゅうにおるのかな。この子供たちが非常に落ち込んでおると想定できるわけでございます。  私は、奈良県のお話で今これを申し上げておるのですけれども、そんなことでぜひひとつ、この丸刈りを見るとぞっとするという表現ですね、これを何とか訂正してもらえないかと、実はこういう要望でございます。  それでまたその父兄たちか言っておるのには、そうしたら赤松大臣は甲子園へ始球式に行かないのかな、あの甲子園に出てくる選手は全部丸坊主やから、あれにぞっとしながらボール投げるのかいなと、こういう話もありまして、こういうことで、そういう丸刈りを良として、正しいということでやっておる子供たち、生徒がいっぱいこの日本国じゅうにおるということをひとつ踏まえて、その発言はどんなふうに今大臣お考えになっておるのか。できることなら、ひとつここで一遍それを正していただけたらと、こんなふうに思うわけでございます。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 大変よい機会でございますから、私の真意を述べさせていただきます。  丸刈りを見るとぞっとするというふうに言ったのでは必ずしもございませんで、丸刈りを見ると、私は戦争中に育った人間でございますから、戦争中のことを思い出してぞっとすると、こう言ったわけでございます。  これは本来は丸刈りという校則があって、それに従わないからといってごりごりバリカンを持って追っかけて刈る、そういうようなことはよくない。それから体罰はよくない。校則は、つくるのはもちろん結構だけれども、なるべくその地域の実情だとか父兄の方たちの意見だとか子供たちの考えとか、そういうものも取り入れて見直すということが望ましい、ここまでが正規の発言でございまして、その後、今申し上げた、私個人は戦争中の教育を受けて、その当時のことを思い出してぞっとするのですよと個人的な感想を申し上げたにすぎないわけで、丸刈りをして、いる人すべてが嫌だなんて言っているわけでは決してないわけでございます。  先ほど先生がおっしゃった、この方がいいという方、あるいは好きだという方、もちろんなさったらいいわけで、そんなことに対してとやかく言うつもりは全くございません。  それだったら、そんな余計な個人的な感想なんか言わなきゃよかったじゃないかとおっしゃるかもしれません。それはあるいはそうかもしれませんが、ここのところは私の、昭和一けたでございまして、戦争の記憶というのが非常に、何といいますか、それこそぞっとするような記憶があるわけで、毎日のように隣のお兄さん、友達のお兄さん、自分自身の親類が召集令状一枚で戦争へ行かされ、そこではもちろん丸刈りで、そして多くの方が若い命を無残にも散らされてしまったというつらい記憶がございます。  これは関係ないじゃないかとおっしゃるかもしれませんが、私にとっては関係ないわけでもなくて、私どもの世代はこの戦争中の重い思い、戦争の悲惨さ、その非人間性というものを後世に伝えなければいけないという気持ちがずっとしております。  これが先生、先ほど最初に、自分たちの世代は大丈夫だが、後の世代になったら心配だということをちょっと別の問題でおっしゃいました。それは私は戦争に関して、私たちの世代は戦争を歴史としてではなくて実感として味わったわけですから、繰り返したくない、繰り返してはならないという気持ちが非常に強うございます。それを次の世代に、先生は次の世代かなと思いますが、お伝えしたい、むしろ伝えなければならないという気持ちがいつもしております。  だから、機会があればそういう戦争の悲惨さ、非人間的であったということを言うべきだというふうに思っているものですから、余り関係のないところでそういうことを言って、もし結果として丸刈りの純真な方たちに悪い影響を与えた、あるいは心を傷つけたなんということがあったら、それは大変申しわけないことで、そういう丸刈りをしている方を非難するものでももちろんない、自分の好き嫌いを押しつけるものでも絶対にございません。  ただ、そういう先ほど申し上げたような気持ちがありますので、時に触れてそういうことが出てくる。これからもひょっとしたら出てくるかもしれませんが、そういう次第でございますので、御理解をいただけると大変ありがたいと思います。

田野瀬良太郎自由民主党・自由国民会議

○田野瀬委員 大臣が今御答弁いただいたのをちょっと簡単に要約いたしますと、こういうことでしょうね。  がりがりと校則で丸刈りで締めつけていくというのはいかがなものか、それが主題であったのに、ついついちょっと後でサービスしてしまって、リップサービスでちょっとぞっとすると、そのときにはもう戦争が頭の中でリンクしておったと、こんなところでしょうかね。  そんなことで、私も大臣のそのときの心情、心のうちはよく理解できるのですが、ただ、このぞっとするという言葉が世間にずっと流れておるのですよね。丸坊主を見たらぞっとする、これもまた一方では表現したのは事実でございまして、関係のないところで大臣がおっしゃった、こんなふうにも大臣は今御答弁されたこともかんがみて、このぞっとする、丸刈りを見るとぞっとする、戦争中を、兵隊さんを思い出すということは、ひとつ前言取り消し、このことはなかったことにすると、こういうふうに受けとめておいてよろしいですか。  傷つけたことは申しわけない、こう今大臣もおっしゃいましたので、そういうふうに受けておいてよろしいですね。これはなかったことにしようと。それによって何百万の子供たちが非常に救われるわけでございまして、それを一言ぜひ言っていただきたいというのが私のきょうの質問の趣旨でございまして、その点とうでしょうか。それでよかったらもうよろしいですし、もし御発言があったらどうぞ。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 先ほど申し上げましたように、適切な表現ではなかったと思います。

田野瀬良太郎自由民主党・自由国民会議

○田野瀬委員 はい、わかりました。それでは、そういうことでひとつ私も、質問を受けた者に、あれは適切じゃなかった、こんなことで説明をしておきたいと思います。  これに時間をとってしまいまして、ちょっと時間がなくなって、あと二つの点についてお聞きしたいと思っておりましたのですけれども、もうあと三分、簡単に要望だけ、私の意見だけ申し上げておきたいと思うのです。  先ほど塩崎さんの質問の中に、留学生の問題が取り上げられておりました。私もきょうはその留学生を取り上げてみたいと考えておりましたのですが、とにかく米ソの冷戦構造が終わって、もうこのことについて多くは語りませんが、日本はこれから大変な国際分担、国際貢献を世界各国から求められる時代に突入した、このように認識をいたしております。  そんな中で、もちろん日本から出ていって、日本を理解してもらうという努力も非常に大事でありますけれども、百聞は一見にしかず、外国から日本に来ていただいて、そして日本を理解していただく。それが我々がこれから応分の国際分担、国際貢献をするときに理解をしてもらう最大の方法じゃないかな、手段じゃないかな、私はこんなふうに確信をいたしておりまして、私も塩崎さんと同じように、もっと思い切って留学生をふやす。  先ほども話が出ておりましたが、アメリカでは四十万人、イギリスで七万人、ドイツで十万人、フランスで十四万人、日本はまだたったの五万人。それもこれから十年ほどかかって十万人にするというこの話は、私はいささか時代おくれな話じゃないかな。  これは昭和五十八年に策定した十万人計画ですね。これも米ソの冷戦構造が終わって、世界が今大きく変わっておりますので、私は、当然ここでこの十万人構想を見直す必要があるんじゃないかな、倍ぐらいにする必要があるんじゃないかなというふうに思えてならない一人でございまして、そんなことで、もう答弁を求めておりますと時間がございませんので、言いっ放しになってしまいますが、ぜひひとつこの五十八年度につくった留学生十万人構想は修正して見直していただきたい、かように考えるところでございます。  ちょっとデータを見ておりますと、確かに国費留学生は非常に文部省も御健聞いただいている。これについてはアメリカも日本もドイツもほとんど変わらないですね。私費でもっての留学生が非常に少ない、そういうふうに思えてならないわけでございまして、特に私費の留学生を受けるのにどないしたらいいのかということですね。これはひとつぜひ御検討をしていただいて、一遍見直していただぎたい、かように強く要望を申し上げておきたい。  それで、一つ疑問に思うのですけれども、留学生をふやすというのはひとり文部省だけの担当じゃなくて、私は外務省の仕事でも大いにあるのではないかなと思うのです。これは文部省の仕事だと聞いたのですが、そんなことで大臣、閣僚会議で、外務省もしっかり力を入れるように大いにひとつ督促をしていただければ大変ありがたい、このことを要望申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

松田岩夫新生党・改革連合

○松田委員長代理 濱田健一君。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 質問の機会を与えていただきまして感謝申し上げたいと思います。濱田健一でございます。  赤松文部大臣におかれましては、就任されまして約三カ月、非常に厳しい激務を過ごされてこられたと思うのですけれども、細川連立内閣の中で文部大臣として民間から、そして女性という立場、また森山前文部大臣に引き続いてという意味も含めまして、新しい抱負といいますか、きょうの大臣の発言の中にはほとんど抽象的なことしか書かれておりませんので、ぜひビジョンや抱負というものを大臣のお言葉でお知らせ願えたらというふうに思います。     〔松田委員長代理退席、委員長着席〕

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 けさ方針として読み上げましたのは、私の気持ちとちっともかけ離れているものではないわけでございまして、そのようにお受け取りいただければと思います。  自分の言葉でもう一回言ってみろとおっしゃるのでございましたならば、教育は百年の大計でございますから、政権がかわったからといって猫の目のように変わるべきものではない。したがいまして、前政権から、大きな枠というようなもの、教育がどうあるべきだというようなことは受け継いでいってもおかしくないのではないか。これは民間からだ、あるいは女性だからだということで、そうどんがらりと変わるものではないのではないかというのが基本的にございます。  そして、個性化とか自分で考える能力とかそういうものが大切だということは、これは実は文部省に参りましていろいろな方針だとか援言だとかそういうものを読んだときに、近年文部省はこの方針を言い続けてきているのだということがわかりまして、それならばそんなにけしからぬというような話ではございませんから、それを発展させていけばいいのだなというふうに実感をした次第でございます。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 今おっしゃるとおりだろうと思うのですけれども、ぜひこういうこともやってみたいなとか、こういうことを子供たちやお年寄りに学校教育や社会教育の中で、大臣なりの個性を持ってやってみたいなということなんかはございませんか。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 就任をいたしましたときにすぐに記者会見がございまして、そのときにお話しいたしましたのは、あれは文部省のレクの前といいますか、自分で考えていたことを申し上げたわけでございますから、あれはまさにこういうふうにしたいなということでございました。  繰り返させていただくと、文化による国際貢献ということで、具体的には二つ申しまして、開発途上国に対してより大きな貢献をする。特に字の読めない方たちが多いということは非常に問題だと思いますので、識字教育に力を入れたいということ。それから、我が国の中で質の高い、世界に誇れるといいますか、そういうような文化を生み出して、それを外の方、世界じゅうの方にエンジョイしていただきたいということを申したと思います。  そういう質の高い文化を生み出すためには、教育というのは非常に大事なわけでございまして、その教育のあり方というのが余りに知識を偏重して、あるいは成績を重視し過ぎて、あるいは学歴を大事にし過ぎているところでは、自由な精神というのは育たないのではないか、物を考える力というのは育たない、押しつぶされてしまうのではないか。  そういたしますと、先ほど申し上げました個性の尊重とか自主性の確立だとか多様性だとか、そういうことと結びついてまいりますから、私の考えていた質の高い文化が創造できるような人間を育てたいということとよく結びつくわけでございまして、ほっと安心をした次第でございます。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 ありがとうございました。  けさほどから教育は百年の礎だ、そしてそれに大きな志を持って取り組んでいかれるということでした。  今お話しくださいましたさまざまな観点について、きょうの発言の中にありますように「福祉文化社会」という言葉がございますね。やはりここの中に、今申されましたとおりに、今の政治のキーワードであります人権とか環境とかというものをぜひ織り込んでいただきながら、文部行政というものが日本人すべてに対して本当に優しい社会づくりといいますか、物すごく抽象的ですけれども、担えるように頑張っていただきたいなというふうに思います。  二点目ですけれども、子供たちによりよく育ってほしいというふうに願っているのは私たちすべての大人なのですけれども、いじめや登校拒否、不登校というものが、数の増減はあるにしましても陰湿な形でやはりふえ続けている、残っていく、なかなか一掃できないという状況の中で、宗像誠也という学者が教育とは人間の尊厳を確立していく過程であるという言葉を残しております。  私は、この言葉は非常に自分の仕事をしていく上で大事にしている言葉なのですけれども、大臣としましては、今申し上げたこの言葉をどのように理解されるかということと、現在の子供たちの成長の姿をどのように認識していらっしゃるか、ちょっと抽象的な質問になるかもしれませんけれども、お答えいただければ幸いだと思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 教育の基本的な考え方は、午前中に教育基本法を引用して申し上げたと思います。これは、個人の尊厳を重んじ、人格の完成を目指して行うべきもの、簡単に言えばそういうことになるかと思いますが、これは今先生御指摘の、宗像誠也先生の教育とは人間の尊厳を確立していく過程であるとおっしゃった言葉と大いに精神が一致しているのではないかというふうに理解をいたしております。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 子供たちの成長ぶりというのが、一人一人の子供個人の尊厳がなかなか確立てきない、非常にふらふらし、いびつな状態になっているということを、私だけではなくて多くの大人たちが心配をしております。これは文部行政だけではなくて、さまざまな世の中の動き、生活の状況でそうなってきているとは思うのですが、やはり教育という大事な仕事をしていく私たちとしては、この言葉を大事にしながらいろいろな政策、施策をつくっていかなくてはならないというふうに思います。私たちもぜひ文部省にも提言をさせていただきたいというふうに思っておりますから、お互いに協力し合って頑張っていきたいというふうに思います。  さて、時間がありませんので、少し具体的な質問を一点の部分に絞ってさせていただきたいというふうに思います。学校現場というのは、そこで仕事をする多くの仲間の皆さんが共同して仕事をしているわけですが、義務教育費国庫負担制度の学校事務職員、栄養職員の問題について、基本的なところだけ質問させていただきたいと思います。  もうここにいらっしゃる委員の皆さん方は既に御存じのとおりに、義務教育費国庫負担制度は、負担法の第一条に明記されておりますように、「義務教育について、義務教育無償の原則に則り、国民のすべてに対しその妥当な規模と内容とを保障するため、国が必要な経費を負担することにより、教育の機会均等とその水準の維持向上とを図ることを目的とする。」として、今日まで日本の義務教育の根幹をなす制度として定着してきたことは周知のことだというふうに思います。  そして、この制度に学校事務職員が昭和二十八年、学校栄養職員が昭和四十九年に制度適用となり、今日学校現場において教員とともに、そしてほかの職種の皆さんとともに、子供たちの教育のために重要な職員を担っていることも周知の事実だというふうに思います。  それで、公立小中学校の学校事務職員、栄養職員の皆さんが、学校現場で子供たちとのかかわり合いとして、実態として、本務を含めてどのような仕事をこなしているのか。さまざまな仕事をやっていると思うのです。文部省として、こういうこともやっているよというようなことを各県の教育委員会や学校現場からお知りになっていらっしゃいましたら、幾つか御披露願いたいというふうに思います。

井上孝美文部省教育助成局長

○井上政府委員 お答え申し上げます。  まず、学校事務職員でございますが、学校教育法に学校の事務に従事する職員とされていることは既に先生御案内のとおりでございまして、学校におきまして教育活動が円滑に行われるようにするための諸条件の整備を行う役割を担っているわけでございまして、学校運営の全般にわたる種々の事務に従事しているというように認識しております。  具体的に申しますと、学校運営にかかわる庶務、人事、会計、教務等、広範多岐にわたる重要な職務に従事しているわけでございまして、その職務のどの程度を把握しているかというお尋ねでございますので、若干細かくなって恐縮でございますが、庶務関係では、校務運営に関する連絡調整、文書の接受、発送、整理保存、調査統計、渉外に関すること。また人事関係では、職員の任免、分限、服務、懲戒、給与旅費、共済組合その他福利厚生に関すること。それから会計関係でございますが、予算の策定、執行、金銭出納、備品、消耗品の出納管理、施設設備の保全に関すること等に携わっておられます。また教務関係では、児童生徒の学籍、転出入、就学援助、教科書給与、給食に関すること、このような非常に広範多岐な事務に携わっているというように認識しております。  また、学校栄養職員については、学校給食法におきまして、「学校給食の栄養に関する専門的事項をつかさどる」こととされているわけでございます。具体的には、学校教育活動の一環でございます学校給食において、給食を実施するための基礎である献立作成から、適切な給食の実施、また児童生徒が健康な生活を送ることができるための基本である食生活と健康に関する指導等を行うなど、児童生徒の健康教育を推進する上で極めて重要な職務を担っているわけでもございまして、このような学校栄養職員の主な職務につきましては、昭和六十一年の体育局長通知で「学校栄養職員の職務内容について」や、平成四年七月に改定いたしました「学校給食指導の手引」において明確化されているところでございます。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 所轄の官庁ですから今の中身は当然わかっていらっしゃるわけで、私が言いたかったのは、そういう本来の職務はもちろんそうなんですけれども、これは回答をいただかなくて結構なんですけれども、とにかく学校というところが多くの人たちで運営されているという事実、そして、その中で学校事務職員、栄養職員が本務以外にも大きな職員といいますか、仕事をやっているよということをぜひ多くの皆さんに知っていただきたい。これは本務じゃないから、それは仕事じゃないよと言われてしまえば仕方がないのですけれども、そういうことでお聞きしたわけです。  私のおります鹿児島県、沖縄をのけて日本の一番端っこなんですけれども、漁村、山村、農村が多いところです。事務職員の先生方が自分の抱えていらっしゃる需用費あたりから材木を買ってくると、それでもって教材をつくったり作業用具をつくったりするような仕事も多くされておりますし、クラブ活動とかスポーツ少年団の指導なども先生方の片腕になってやっていらっしゃるというような現実もあります。また、学校栄養職員の先生方は、辺地のところに行きますと家庭の栄養指導とか地域の栄養教室等々も自主的に開かれて、一生懸命頑張っていらっしゃる。  そういう意味を含めまして、文部省が従来言ってこられました、学校の中で基幹職員であるとともに、本当に地域にとっても家庭にとっても大事な仕事をされているということを申し上げておきたいというふうに思うところでございます。  そういう意味で、ここ十年来、義務教育費国庫負担制度から事務、栄養職の先生方が適用除外になるのではないかという厳しい状況が続いてきておりますけれども、御案内のとおりに、各都道府県議会を含め市町村議会等々から、意見書や請願というものが日本国全体を合わせて六割から七割毎年上がってきているということは御存じだろうと思います。そういう意味で、今後とも文部省はこの制度をしっかりと維持していただけるように頑張っていただきたいなというふうに思っております。昨年までの姿勢と全く変わらないというふうに私ども思っておりますけれども、その辺の態度を教えていただけないでしょうか。

井上孝美文部省教育助成局長

○井上政府委員 お答え申し上げます。  義務教育費国庫負担制度は、義務教育の妥当な規模と内容とを保障するための重要な制度でございまして、その対象となっている今先生から御指摘いただきました事務職員、学校栄養職員は、学校の基幹的職員であると認識しておりまして、今後ともそういう意味で適切に対処してまいりたいと思っております。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 どうも力強い決意を述べていただきましてありがとうございました。文部省のこの力強い姿勢でもって、今後とも頑張っていただきたいというふうに思います。  しかしながら、私たちの耳に入ってきますのは、厳しい財政状況を理由としまして、来年度予算に関しても、大蔵省は新行革審、そして財政審の答申や報告を背景に、財政の立て直しを理由として概算要求基準を設定し、事前規制等、補助金等の風庫負担金の抜本的見直しというものを考えてきておられるようです。  教育というのは日本の将来への投資であるというふうに私は思っておりますし、文部省としても全く同感でいらっしゃるというふうに思うわけです。そういう中で、今まで考えられてきた経常経費として押さえるのではなくて、やはり投資的な経費としてとらえるべきであるというふうに私は強く訴えたいのであります。  そういう意味で、けさほど教員採用試験といいますか、学校現場で働く皆さん方の受験率が落ちているのではないかというような話等もありましたが、やはり人材を確保する、すばらしい皆さんに学校の中で安心して仕事に励んでもらうというような意味で、この制度のいわゆる給与部分等については手をつけないという方向性での取り組みというのが、今すぐできないかもわかりませんが、基本的に考えていかなくてはならないというふうに思っているところでございます。  時間がありませんので、もう少し聞きたいところもございますけれども、いわゆる負担法について文部省の姿勢というものを、先ほども決意を述べていただきましたが、私たちとともに、ここにいらっしゃる文教委員の皆さんとともに、そして多くの国民の皆さんとともに堅持をしていただきたいということをお願い申し上げまして、少し時間が早いですが、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 松沢成文君。

松沢成文新生党・改革連合

○松沢委員 新生党の松沢成文でございます。新生党の新生議員ですので御無礼があるかと思いますが、文部大臣初め文部省に幾つかの質問をさせていただきます。  実は、私はこの国会に送っていただく前は、神奈川県で県議会議員を六年務めておりました。その中で、三年間文教常任委員会でお世話になりまして、神奈川県の教育問題に携わってきました。  御承知のとおり、都道府県というのは、主に高校教育を中心に教育委員会あるいは文教常任委員会が扱っているわけですけれども、私も三年間委員を務める中で、神奈川県あるいは全国的にもさまざまな教育現場に足を運びまして、先生方あるいは生徒の皆さんともお話をさせていただいたり、いろいろ教育の内容を見せていただきました。その中で、私は高校も私学の出身なのですけれども、今の公立高校、神奈川県立の高校が抱えるさまざまな問題に直面して、果たしてこのままで公立高校がいいのだろうかという大きな危機感を持ったわけなのです。  例えば、高校選抜の過程においては、偏差値主義による輪切り指導ですとか、あるいは進路指導への不満、塾が過熱をしている、さらには選択性を狭めている学区制に対する不満もありました。また、教育現場では、高校間格差が拡大をしている。トップ校といわゆる底辺校と言われる高校が存在して、かなり大きな格差になっている。さらには校長先生のリーダーシップがない。教職員組合と校長先生との不毛な対立が続いている現場もある。そして教育。高校に来て教育をしたいと思った若い先生が、教育どころではない、高校生の生活指導に毎日追われている、こういう先生たちも多い。さらには、全く授業についていけない生徒たちもいる。そして学校は非常に汚い。そして今スポーツの話も出ましたけれども、クラブ活動もかなり停滞をしていて、特に体育系のクラブに入る生徒も少なくなっている。  こうした問題を集約するように、現在、全国的に見ると、約十二万人の高校生の中途退学者が毎年生まれている。そして私の出身の神奈川県においても、年間三千人前後、つまり、神奈川県には百六十五校の県立高校がありますけれども、年間二つ分の高校生が卒業を待たずに高校を去っている、こういう状況なんですね。  私もいろいろ調べてまいりましたけれども、なぜこういうことが起きるのか。さまざまな原因がございます。  しかし、一つは、やはり高校選抜の制度に問題がある。つまり、中学生が高校を受けるとき、自分の受けたい高校、自分の意思あるいは親とか先生と相談して自分の行きたい高校に行けるというよりも、偏差値主義による輪切り指導で、それも進路指導の中で、行きたい高校よりも偏差値が合っている高校、行かされる高校に行かざるを得ない。つまり、学校が好きになれないわけですね。自分の行きたい学校じゃない不本意入学が多いわけです。そういう中で、学校が好きになれない、学校でうまくいかない、学校を後にする、こういう生徒が多いのではないかここに一つの理由があるのではないかそんなふうに思ってまいりました。  この選抜の中での偏差値偏重主義といいますか、これについては、一昨年になりますか、埼玉県での業者テストの横行、これが発覚をして、当時の鳩山文部大臣が、中学校現場から業者テストは追放していこう、そしてさらに、偏差値に過度に依存した進路指導というのは改めていこうという文部省の事務次官通達を出して、文部省は今その方向で指導をしているというふうに聞いています。  これは鳩山前々文部大臣がリーダーシップをとって、音頭をとってやったことですけれども、まず最初に、赤松大臣もこの方向については踏襲をするのか、あるいは御自身違った考えを持っているのか、その点を伺いたいと思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 お答え申し上げます。  偏差値教育の弊害につきましては、先生が今るるお述べになったとおりだと思います。前々文部大臣のお出しになった方針というのは、内閣がかわりましても受け継ぎたいものの一つでございます。

松沢成文新生党・改革連合

○松沢委員 この高校の選抜制度というのは、各都道府県が独自な形を持っているわけであります。先ほど塩崎委員の方からも、東京都の高校選抜制度が時代とともに何回も変遷をしてきて、その弊害を説いておられましたけれども、実は私の出身の神奈川県は、この高校選抜において神奈川方式と言われる極めてユニークな制度を導入をしているわけなんです。  つまり、普通の都道府県ですと、いわゆる調査書と言われる内申書と高校の入試、この二つを選抜資料としてその合否を決めているのですが、神奈川県では中学二年時にアチーブメントテスト、通称アニアストと呼んでおりますが、このアニアストをやる。そして、内申書五〇%、アニアスト二〇%、高校の入試三〇%、この三つの資料によって高校の合否を決めていく。公、教育委員会主催でやるテスト、それを選抜資料の中に組み込んでいるというのは全国的に見ても神奈川県だけなんですね。  このア・テストには神奈川県の中でもここ数年かなり賛否両論が出てまいりまして、例えば、中学の二年生に受験資料に関係するテストをやるということは、受験を中学の一年生から長期化させて、アニアストのために塾に行く中学一年生、二年生がいる、こういうことも言われております。  しかし、教育委員会の中では、一発受験はプレッシャーがかかる。ですから、中学校の平素の態度を見る調査書とあわせて、中学の二年時にも学力検査に近いアチーブメントテストをやって、その資料も使おうじゃないかということで、できるだけいろんなところから多面的に資料を集めようという方向もしいのです。ただ、これも、神奈川県はアニアストがあるために業者テストはなかなか入り込んでいませんけれども、業者テストと同じように進路指導で偏差値を使うということが非常に批判になっているのですね。  まず、このアニアストについて伺いたいのですが、文部大臣になられる前に、神奈川県には神奈川方式というユニークな選抜制度があって、それは全国で唯一、教育委員会が主催をするアニアストというものを受験資料の中に組み込んでいる制度であったという、この存在と内容を知っていたかどうか、お聞かせいただきます。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 私は、この分野は初めての分野でございまして、教育の大方針、そういうことはともかくとして、県で今おっしゃったテストがあったというようなことは、寡聞にして存じませんでした。

松沢成文新生党・改革連合

○松沢委員 それでは、この先の質問は専門の方にお尋ねする形になるかもしれませんけれども、実はこの非常にユニークで賛否両論があった神奈川方式というものが、県の教育委員会の諮問機関であります高等学校教育課題研究協議会、通称高課研と言うらしいのですが、そこでそのあり方を検討しておりまして、最終の答申が十二月に出される予定なんです。それがどういうわけか事前に漏れまして、今神奈川県の教育界では、このア・テストがなくなるということで、ハチの巣をつついたというのは大げさですけれども、大変混乱が始まりまして、新聞紙上でも毎日にぎわっているわけなんです。  アニアストというのは、今何度も言いましたように、公、教育委員会がやっているわけなんですね。ですから、業者テストじゃないのです。文部省の方針では、業者テストは偏差値中心主義になっていけない、それも公の中学校現場で業者テストを先生がやる、こんなことがあってはまかりならぬということで、その廃止を訴えているわけなんですが、このアニアストというのは公がやっているわけです。県がやっているわけなんです。  しかし同時に、県がやっていますから、全中学生対象にやっていますから、分母は完璧です。業者テストというのは、できるだけ多くの人に受けてもらって、その中で偏差値を出してやってきた。ところが、アニアストは全中学生が受けていますから、もうこれよりも精度の高いテストはないわけですね。偏差値が全県的に出てきます。そういうことでこの偏差値が過度に進路指導に利用されて、要するに、そのアニアストの点で高校が決まるというような進路指導がされているわけなんです。  今回、神奈川県はアニアストを選抜資料から外すという決断をするようなんですけれども、業者テストではない公がやっているア・テスト、これを偏差値主義になるからといって選抜資料から外すというこの決断について、文部省サイドではいかがお考えでしょうか。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 アチーブメントテストの関係でございます。  私ども、まだ神奈川県で決定をしたというふうには聞いていないわけでございますが、各都道府県で現在高校の入試制度についていろいろ検討が進められておりまして、神奈川県におきましてもその一環でいろいろな検討を進めておられるのだ、このように思います。  確かに、今御指摘がありましたように、アチーブメントテストは業者テストと違いますし、まさに選抜の資料そのものとして使う話でございますので、別次元の話であるわけですが、実は高等学校教育改革推進会議の議論の中でも、入学者選抜が余り早い時期に行われるのはいかがかという意見もございました。  そういうことで本年二月の、先ほどお話がございました同じ通知でございますけれども、その中で「入学者選抜は、あまり早い時期に行われないようにするとともに、中学校の教育活動の成果を十分評価することができる資料及び時期により行われることについて特に配慮する」旨全国に通知をしているわけでございます。このような観点から神奈川県におきましてもいろいろ検討されているのではないか、このように承知をしているわけでございます。

松沢成文新生党・改革連合

○松沢委員 そんな方向になるのではないかと思っていまして、私も以前からそれを訴えていましたので、その方向性は是とするものなんですけれども、先ほども議論になっていましたが、偏差値の是非があるわけで、非の部分だけじゃない。偏差値をうまく利用すれば非常にいい部分も出てくるというものだと思うのです。  このアニアストをもし選抜資料から外していきますと、神奈川県にはこれまでアニアストがあるために、民間の業者テストが余り入り込んでなかったわけですね。ところが塾の方では、アニアストがなくなっていくのならば、今度自分たちが、塾が合同して業者テストを広い範囲でやっていこう。要するに、公でやっているアニアストを選抜資料から外すために、今まで入り込んでいなかった民間の壁あるいは民間の業者テストにますます頼っていくという非常に難しい方向になっていくと思うのです。  やはり進路指導には幾らかの偏差値を参考にするということは必要だと思うのですが、もし業者テストやアニアストを廃止した後の進路指導というのはどういう方向がいいとお考えか、その点について伺いたいと思います。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 業者テストにつきましては、先ほども御指摘ございましたが、大変便利なものでございますから、恐らく当初は、それを進路指導の本当の一部の資料として使おう、あるいは生徒にしてみれば肝試しのつもりというようなことで始まったのだと思うわけでございますが、やはり数値として明確に出てくるものですから、それが大変大きなウエートを占めてしまう。しかも親を説得する際にも、説得材料としては、数字で明らかに出てくるということで大変説得力がある。  そういうようなことで、この業者テストがそういう形で蔓延いたしますと、もうそれだけで入試、受ける学校も決まってしまう。そんなことで、先ほど先生も御指摘ございましたように、本来余り自分が希望しないのに、その学校しか受けられないというような事態も出てくるわけでございますので、私どもとして、学校がそういう業者テストの結果というものに進路指導の際に頼らないでやるということが一番大切だということで指導しているわけでございます。  メルクマールは何かということでございますが、実はその業者テストが始まる前、私どもの時代などは、学校の進路指導の先生方が、そしてまた担任の先生方がまさに汗をかいて、恐らく各先生方の間で情報交換などをしながらやっていたと思うのですね。そういう原点に返った進路指導の姿勢ということが大事だし、それから先ほど御指摘ございましたように、生徒が一体何を本当に望むのかというあたりを的確に進路指導の先生が把握していく、こういうことが一番基本になるのじゃないかということで現在指導しているところでございます。

松沢成文新生党・改革連合

○松沢委員 この点に関連してもう一問伺いたいのですけれども、高校選抜において中学校側の出す資料と高校側の資料の割合、これはどれくらいの割合がいいと文部省では考えているのか。  といいますのは、これまで神奈川県では、ア・テストと内申、中学校側が用意する資料が七割、高校の二月にやる受験、要するに高校側の裁量というのが三割、七対三の割合だったのですね。もう少し特色のある高校をつくっていこうというのであれば、高校側にも特色のある生徒を選ぶ権利といいますか今はすべて中学校側が七割決めてしまっているのですね、神奈川県では。そうではない、やはり五対五ぐらいの割合で、選抜資料の中の中学校側のウエート、高校側のウエートを考えてはいかがかと思うのですね。  昨年の東京都の選抜の改革では、東京都が柔軟性を持たせて六対四から四対六までの間で、それは学校の裁量で選んでいいという非常に柔軟性を持たせた、自由化した改革をしているわけなのですけれども、神奈川県でも、今七対三ですから、中学が七、高校が三ですから、これはどの程度まで改革をするかというのは当然議論になると思うのですが、文部省ではこの高校選抜において中学校側と高校側の資料の割合、どの程度がベターだと思われているか、お聞きしたいと思います。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 端的にお答えしまして、私どもとしては、その割合がどれがいいかというようなことは特に決めたものもございませんし、また、そういう意味で各県を指導しているわけじゃないのです。  内申書というのは、先ほど御指摘ございましたように、中学校の平素の成績を見るということには大変いい資料なわけでございますが、一方、爆発的に勉強して最後の学力検査でいい成績をとるということもあるわけでございますから、一機に何割と何割というふうな形で決めるのが本当に妥当なのかどうかというような気持ちを持っております。  先ほどの通知の中では、「生徒の選択の幅の拡大等のため、各学校・学科等、あるいは定員の一部ごとに異なる方式で合否の判定を行うことについての工夫がなされるよう配慮すること。」というような指針を示しておりまして、むしろ一律ではなしに、定員の一部については内申書重視型あるいは学力検査重視型とか、いろいろな形のものが各学校で工夫されていいのじゃないか。これは中学校側が工夫するというのじゃなしに、受け入れる高等学校側がそういう特色を持っていただきたい、このように考えているわけでございます。

松沢成文新生党・改革連合

○松沢委員 実は私、昨年、神奈川県の高校教育の改革案としてこういう一冊の本を出したのですね。「どこへゆく高等学校 これでいいのか公立高校」という本を書いたのです。それで、正直言うと余りこの本は売れませんでした。というのは、内容も悪い、著者も悪いからかもしれませんが、実はこれは、今言った神奈川方式の改革案について、私の三年の経験をもとに書いた本なんですね。  これを、今質問が終わりましたら、ぜひとも文部大臣に謹呈をさせていただきたいと思います。眠れないときは一発で眠れますので、読んでいただければなと思うのです。また委員室の皆さんにもぜひとも読んでいただいて、今の高校教育の問題点について一素人の提言ですが、本屋さんで買おうと思えば買えますので、本当は皆さんに差し上げたいのですが、それをやると選挙法も違反でしょうし、またお金もありませんので、ぜひとも宣伝をさせていただきます。  実はこの本の中で、私は、高校教育を改革するには四つの自由化が必要だという提言をしているのです。  まず第一が、先ほどから問題になっております選抜制度の自由化。例えば受験機会を複数化する、多元化する。一回だけじゃなくて二回、二つの高校を受けられる。あるいは試験の内容の多様化ですね。面接やあるいは推薦も組み合わせて、偏差値だけではない人間の総合的なものを見てあげる。脱偏差値をねらったものです。  二つ目が高校内容の自由化。例えば今各県でやっております学年制を外した単位制高校、こういったものを目指してみる。あるいは特色ある高校をつくるために、その学校、学校でコース制なんかを導入して、自分たちの学校はこういういいところがあるから生徒集まってこいというような、そういう学校をつくっていく。さらには小集団学習や、いろいろな今までの画一化した教育ではないものを目指す教育内容の自由化が必要だ。  三つ目が学校施設の自由化なんです。学校というのはとかく税金でつくっていますから、教師のもの、特に高校になりますと学区が広いですから、地域との密着性がない。その中で非常に敷居が高いのですね。要するに学校聖域論みたくなっているのですが、学校というのは地域のコミュニティーセンターであるべきだ。今よく企業市民論と言われておりますけれども、学校こそ公の税金でつくっているのですから、学校市民論とでもいうべき感覚で、どんどん空き教室は開放していく、図書館も開放していく、運動場もプールも使っていないときはどんどん市民のために開放していく、そういう町のコミュニティーセンターになるべきだ。学校施設の開放ですね。  そして四番目が人事政策の自由化。私はいつも訴えているのは、校長先生のリーダーシップがなさ過ぎる。校長先生は教育委員会と学校現場、教職員の皆さんの間に入って右往左往して、本当に言い方は悪いですが中間管理職の立場になって、上を向いてはしかられ下を向いてはしかられる。こういう中では特色のあるいい学校は絶対生まれない。  その原因は何かといいますと、神奈川県でも、恐らく全国でもそうなんですが、校長先生が大体二年から三年の任期なんですね。それも退職直前です。退職直前に二、三年ということであれば、自分の在職中は事なきを得でうまく退職金もらえればいいや、こういうふうに保守的になっちゃうのですね。ですから、人事政策上非常に難しいけれども、四十代ぐらいの若いやる気のある、教育理念を持った人をぼんと校長に抜てきするような、校長先生社長論ともいうべき方向をとっていただきたい。  それと、先生についても、ようやく今文部省では初任者研修が軌道に乗ってまいりました。しかし、初任者だけではない、五年、十年してから特に学校外に出て、民間で半年、一年研修してくる、これくらいの制度があってもいいのではないか。さらには一芸先生をどんどん登用して、先生になる受験の資格、年齢制限も上げていく、こういう人事政策の自由化もあっていいのではないか。  こういうペレストロイカともいうべき自由化政策を抜本的にとっていかなければ、今の高校教育の荒廃というのは救えないと私は確信をしているところであります。それがこの本の内容なんですね。  今長く申し上げましたけれども、私のこの公立高校教育ペレストロイカ論について文部大臣いかが感想をお持ちになったか、お聞かせいただきたいと思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 大変雄弁にお述べになりまして、感銘深く伺わせていただきました。四点についてそれぞれ感想を述べるべきかと思いますが、時間もございませんので、その御本をぜひ読ませていただきたいと思います。

松沢成文新生党・改革連合

○松沢委員 どうもありがとうございました。  終わります。

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 西博義君

西博義公明党

○西委員 公明党の西博義でございます。よろしくお願いいたします。  時間もございませんので、早速質問に移らせていただきたいと思います。  初めに大臣にお伺いします。  赤絵文部大臣は、労働省の婦人局長、さらにはウルグアイ大使、さらには私立大学の教授などを務められた経歴の持ち主で、とりわけ男女雇用機会均等法の制定をその中核となって果たされ、女性の地位の向上に大変尽力されたと伺っております。  まずその中で、ウルグアイ大使を務められた国際派の大臣ということでございますが、世界から見た日本の教育、また二十一世紀を展望する国際社会の中での日本の教育のあり方等について、御所見がございましたら一言お伺いを申し上げたいと思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 ただいまウルグアイについてもお触れでございましたが、ウルグアイという国は大変教育水準の高い国でございます。そして、大学はたった一つ国立大学があるだけでございましたが、人口三百万と小さい国で、しかし小学校から一貫して大学へ行くまで全く無料でございます。これは向こうへ参りまして大変驚いたといいますか、非常に印象深く見たわけでございます。  それは、かなり前、もう今世紀の前半のことでございますが、大変教育に熱心な大統領が出て、そういうことに取り組んだ。その結果、識字率も、開発途上国という位置づけがそもそもおかしいのかもしれません、経済的には今開発途上国としてのカテゴリーに入れられているようでございますが、その中では識字率という点から見れば途上国の水準をはるかに抜いている国でございまして、その国で自分たちの国を非常に誇りに思っているという点をとても感銘を受けた記憶がございます。教育が非常に進み、そして国民が自分たちの国に愛着を持ち、誇りに思っている、この間には関係があるのかなというふうに思えるわけでございます。

西博義公明党

○西委員 先ほども御紹介申し上げましたけれども、大臣はまた長年労働行政に携わられておられまして、女性の地位の向上に尽力をされてこられたわけでございます。そして、男女共同参画型の社会の実現を目指した教育が今文部省の行政の中で取り組まれておるわけでございますけれども、一つここで実例を挙げてみたいと思います。  国公私立の小中高の先生方、教員、教頭、校長の女性の教員数の割合を調べたわけでございますけれども、小学校の先生の場合は、六〇%が女性でございます。教頭が二〇%、校長になりますと七・八%が女性となっております。同様に、中学校の場合は、先生が四〇%、教頭が四・三%、校長が一・二%、高等学校は約二〇%が女性の先生で、二%の教頭、二・六%の校長、こういうふうになっているという数字を拝見いたしました。  女性の職場進出という観点からは、女性の教員は多いわけでありますが、管理職である教頭、校長の割合は非常に少ないように思います。もちろん、教頭、校長になるための試験もございますし、女性の場合は家庭の主婦という立場もあるわけでございますけれども、女性の地位向上という観点から、教頭、校長の女性の割合がもっと多くてもいいのではないか、こういうふうに思っているところでございます。  また、全国の教育委員会における教育長さんですね、これは四十その都道府県ではいらっしゃいません。それで、三千二百余りの市町村の教育委員会で調べますと、十三人という数字が出ております。そこで、都道府県、それから市町村の教育委員会の教育長さんにも女性を登用する機会がもっとあってもいいのではないかこういうふうにも思いますが、大臣、いかがでございましょうか

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 私は長い間、女性の地位の向上という行政に携わってまいりました。また最近も、総理府にございます婦人問題企画推進本部の参与という地位で、女性のあらゆるデシジョンメーキング、政策決定参加への参画ということを言い続けてきたわけでございまして、そのような観点からは、教育の現場で女性が管理職に進出するということももちろん非常に重要なことだと考えております。  具体的にどういう数字でどういう動向であるかというようなこと、必要でございましたら、政府委員の方から申し上げさせます。

井上孝美文部省教育助成局長

○井上政府委員 では、私から補足して御説明を申し上げます。  先ほど先生からお話がございましたとおり、小中高等学校の教員、教頭、校長の女性の割合は、先生がおっしゃるとおりでございます。ただ、近年はその比率が徐々に高くなってきているというように私ども調査結果から把握しているところでございまして、従来から文部省といたしましては、女性管理職の登用の促進について、各都道府県、指定都市の教育委員会を指導してきたところでございますが、今後とも、そういう女性管理職の登用について適切に対処してまいりたいと考えているところでございます。  また、教育長につきましても、先生がおっしゃるとおり、まだ都道府県の女性教育長は実現を見ていないわけでございますが、市町村の教育長につきましては現在十三名と、これも毎年増加の傾向にあるわけでございまして、教育長についても、教育に関する専門的な識見を有し、行政的にも練達した人材を確保することが必要であるという観点から、今後とも、女性教育長の登用の促進など人材の確保に努めるよう各教育委員会を指導していきたい、このように考えているところでございます。

西博義公明党

○西委員 大変心強いお言葉、ありがとうございました。  次に、内容が変わりますが、今私たちは二十一世紀の新しい時代を迎えようとしております。この新しい時代に向けて、政治、経済ももちろんでございますけれども、教育に関しましても、先ほども大臣から国家百年の大計というお言葉がございましたとおり、激動の教育施策がこれから展開されていくと思います。  御存じのように、世界の中で〇・三%しか日本は面積がございません。また、資源もない我が国が世界のGNPの一五・六%、さらに貿易額の九・三%を占めるような大国になりましたのは、教育の力に負うところが大変大きいと思います。もちろん、今後幾つかの教育的課題はございますけれども、この教育の力を新しい時代に向けてさらに大きくしていくことが大事ではないかこう確信しております。  しかし一方、文教関係の予算を拝見いたしますと、人件費、物件費の比率の推移というのを見てみますと、昭和五十四年度では人件費が六二・二%、物件費が三七・八%の比率でございましたけれども、直近の平成五年度では人件費が七七・二%、物件費が二二・八%となっております。また、投資部門と経常部門の比率も、昭和五十四年度は経常部門が七九・三%、投資部門が二〇・七%でありまして、平成五年度では経常部門が九〇・六%、投資部門はわずか九・四%の低い比率でございます。  これでは、大臣が考えておられる「一人一人が豊かな自己実現を図ることができるような生涯学習社会の実現と、教育・学術・文化・スポーツを通じた福祉文化社会づくり」、先ほどもお話がございましたように、この内容では、社会の国際化、現代科学技術の高度化、社会の価値観の多様化などの新しい時代の具体的な教育課題や、芸術、文化、スポーツの振興といった課題に十分に対応できないというふうに思うわけでございます。  そこで、この議論は前々からあるわけでございますが、文教予算をシーリングの枠外に置くべきであると考えますが、大臣、いかがでございましょうか。どなたでも結構でございます。

吉田茂文部省大臣官房長

○吉田(茂)政府委員 概算要求の際のシーリングでございますが、御指摘のように、現在、各省庁統一的に概算要求基準の経費の性格に応じまして、統一的な基準によって概算要求を行うということでございまして、これは近年の財政事情が厳しい状況の中では、引き続き一つの役割を担っているのではないかというふうに考えるわけでございます。  御指摘のように、文教予算の獲得につきましては、大変大きな課題でございます。例えば、今指摘のように、約七七%を占めます人件費でございますが、これにつきましては、別途別枠の概算要求の基準に相なっているということでございます。今年度でいいますと、そのほか、投資的経費についてはプラス五%でございますが、経常的経費についてはマイナス一〇%、このあたりが非常に現実問題としては厳しい状況でございます。  こういった基本的な枠組みの中ではございますが、さらに枠あるいは最終的な予算のつくりの段階の額の確保に最大限の努力をすることによりまして、御指摘のような問題の克服に努めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。

西博義公明党

○西委員 具体的には文教の予算だけをシーリングの枠外に置くということはなかなか難しいようでございますけれども、この数年間の推移を見ますと、大変先行きを心配をしております。人件費がどんどん上がってくる、一方ではシーリングがかかってくる、この辺をどう打開していくのかということに今後とも精いっぱいの努力をしていただきたいし、また私どももその応援をしてまいりたいと思っております。  続きまして、時間が余りありませんので、放送大学のことについて一言お伺いをさせていただきます。  放送大学につきましては、テレビ、ラジオという放送メディアを活用して高等教育の機会を提供するという全く新しいタイプの大学として設置をされ、ことしで十年を迎えようとしております。卒業生の諸君も既に三千七百人に達しているというふうに伺っております。講師陣にも我が国の第一線の学者が顔をそろえ、質の高い授業番組が電波に乗って放送されており、それをテレビ、ラジオによって各家庭のお茶の間で気軽に聴取できるというまさしく生涯大学にふさわしい大学であり、これまでいろいろな事情で高等教育の機会に触れられなかった方々が容易に放送大学を通して学問にアクセスできるという点で、大変大きな期待を集めているというふうに私は認識をしております。  しかしながら、その対象地域が、現在開学十年を経たわけですけれども、関東地域に限られているということで、放送大学にとっては今後大変大きな課題であると思います。  これまでもビデオ学習センターを放送エリア以外に全国的に設置をし、放送大学の教育機会を提供するといった努力をなさっているというふうにお伺いしておりますけれども、関東地域の方々でなければ見れないというのでは、教育の機会均等という点でも大きな問題がございましょうし、また、関東地域のように大学が集中しているところより、むしろ高等教育の機会に恵まれない地方の方が、私も和歌山に今おるわけですけれども、この放送大学に対するニーズは高いのではないかと私は考えております。  放送大学では、次期放送衛星を使った全国化について現在いろいろと検討を行っており、また電波監理審議会の答申でも、放送大学は次期放送衛星の事業主体として適当であるという指摘も行われております。次期放送衛星を使ったこの放送大学の全国化は、さまざまな文教施策の中でも大変ロマンのある内容だと思います。全国に高等教育の文化の光を当てるという大変画期的な施策であるというふうに私は思っております。この放送大学の全国化に向けての大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 先生御指摘のように、放送大学が設立されましてちょうど十年たったわけでございまして、先週そのお祝いの会がございました。それに出席するに先立ちまして、実地を視察するという意味で放送大学を見学してまいりました。まさにこれは二十一世紀に向けてのロマンのある事業だという実感を強くいたしました。  私は、最初、業務説明を部内で聞いておりましたときに、関東地域だけにしかそれが放送されなくて、益を受ける人が非常に地域的に限られている。関東も全域ではなくて、例えば前橋まで行きますと、これは届かないそうでございます。それでは先生おっしゃったように、機会均等という点からおかしいのではないかというふうに思って質問をいたしました。そういたしましたところ、ビデオ学習センターの話、そして、衛星を打ち上げた暁には、それを利用しての全国での放送ということが可能になるという説明でございましたので、ほっとした次第でございます。  平成六年度の概算要求では、地上系教育施設の整備など、全国化の準備のため所要の経費を要求しているところでございまして、実現のために全力を挙げたいと思っております。

西博義公明党

○西委員 ぜひともよろしくお願い申し上げます。私ども和歌山は、一番近いところで大阪大学にビデオセンターがございますけれども、随分遠いものですから、同じ機会均等という意味におきましても、ぜひとも放送衛星のシステムをよろしくお願いしたいと思います。  次に、義務教育の教科書の件について御質問を申し上げます。  この教科書の無償給与制度は、国が直接義務教育の児童生徒を施策の対象とする制度として、昭和三十八年度以来実施されております。国公私立のすべての義務教育諸学校の児童生徒に対して、全教科の教科書が全額国庫負担により給与されております。この制度は、国民、児童生徒の中にすっかり定着しており、新聞社等による各種の世論調査を見ても、制度を存続すべきだという意見が大勢を占めております。  憲法二十六条には、「義務教育は、これを無償とする。」こういうふうにきちっと明記されております。この精神の上からも、また昭和三十八年の義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律により、国の方針として義務教育諸学校の教科用図書の無償を定める法律が制定されておるわけでございます。教科用図書の無償は法律事項でありますので、当然義務教育教科書の無償給与を継続すべきである、こう確信しておりますが、いかがでございましょうか。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 先生御指摘の教科書の無償の制度というのは非常にすぐれた制度でございまして、今後とも、臨時教育審議会答申などを踏まえまして、適切に対処してまいりたいと考えております。

西博義公明党

○西委員 先ほどのウルグアイにおける大学までの無償という話をお聞きしまして、このこととも相まって大変心強く思っております。  続きまして、学校の米飯給食について、もう時間もございませんので、一言だけ御質問をさせていただきます。  私は、今衆議院の災害対策特別委員会に所属しておりまして、十月二十九日、その場で、戦後最悪の米の凶作で学校の米飯給食への影響が今心配されているというところから、農林省にその対応をお尋ねをいたしました。そうしたところ、鶴岡食糧庁長官は、給食の米の安定供給に努めるという答弁をしていただきました。しかし、現在政府米の確保が厳しい状況で、価格の高い自主流通米を政府米として供給しなければならないという状況にございます。  たまたまけさの新聞報道によりますと、私も今持ってまいりましたけれども、来年度の小中学校の給食用の米がほぼ全量自主流通米になる、こういう見通しでありまして、家計の給食費負担は児童一人当たり年間一千四百四十円程度ふえる、こういう記事が出てございました。先ほど、たしか田野瀬議員だったと思いますが、教育費の負担が大変家計を圧迫しているというお話もございましたけれども、この点について財政当局は、米を学校給食に使う場合に国が助成している制度について、ばらまき補助である、こういうふうに言われたという新聞報道が載っておりました。この記事について御存じでしょうか。

奥田與志清文部省体育局長

○奥田政府委員 お答えいたします。  記事を拝見いたしまして、早速食糧庁の方に照会をいたしておりますけれども、現在のところ、こういうふうな話がまとまる方向で議論がなされているというふうな話は聞いておりません。

西博義公明党

○西委員 先ほども申しましたように、父兄の家計というのは、急激な円高、さらには冷夏、長雨の影響で景気が停滞色を強めております関係で個人消費も落ち込み、長引く厳しい不況が続いておりまして、大変苦しいものとなってきております。さらに、雇用情勢に関しましても目を離せない状況でございます。  こんな状況でありますので、どうか父兄の義務教育費の負担をふやさないために、米を学校給食に使う場合のこの国の助成制度を堅持をしていただき、学校の米飯給食費に転嫁しないようにしていただきたい、こう思いますが、一言だけ最後に御答弁をお願いいたします。

奥田與志清文部省体育局長

○奥田政府委員 先生御指摘のように、米飯給食は日本人の伝統的な食生活の根幹をなすものでございまして、未来を担う子供にとって非常に大事なものでございます。そういうふうなことを含めまして、教育上も非常に有意義でございますので、御指摘ございましたように冷害等不幸なことがございますけれども、これはぜひ継続をし、さらに充実を図りたいということで食糧庁の方にもお願いを申し上げておりまして、現在食糧庁とも連携をとりながら、米飯給食の実施に支障のないようにしてまいりたいと考えております。  特に、御指摘ございましたように、これが父兄負担に転嫁されるというふうなことがないように、先般、御案内だと思いますが、政府米の売り渡し価格におきましても据え置くということにされていることもございまして、米価が学校給食費に直接与える影響が大きくならないように極力努力をしてまいりたいと考えております。

西博義公明党

○西委員 どうもありがとうございました。

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 中島章夫君。

中島章夫さきがけ・日本新党

○中島(章)委員 日本新党の中島章夫でございます。  実は私は、今ここの後ろに控えておられる方々と同じように、長くこの文教委員会に顔を出しておりまして、時々委員諸公頑張ってほしいなという思いをしたことがございます。今、席をこちらにかえてみまして、大変その責任の重さを痛感をいたしております。  朝からこもごも皆さんのお話がございまして、それぞれの委員の方々の教育にかけます情熱、見識、それらを見まして、私も本当に身の引き締まる思いをいたしております。  行政が時代を経るに従って大変専門的になってきておりますので、日々に文部行政に携わっているこの後ろに控えている方々のようには、情報その他は追いつくのはなかなか難しいかと思いますけれども、私自身は戦後五十年を経てきましたこの教育の流れを、今いろいろ問題点の指摘がありましたように、大きく枠を変えていく、いい方向に変えていくということには大いに力を出して頑張ってみたい、こう考えております。  そこで、きょうは二十分余りという大変短い時間でございますので、一つだけに問題を絞りまして、少し質問をさせていただきたいと思います。  そのテーマは、もう最初から申し上げておきますが、戦後何度も、今まで大きくは五、六回になりましょうが、およそ十年ごとに教育課程の見直しがなされてまいりました。学校五日制ということが、今はまだ月に一回土曜日休みという状況ですが、やがて二十一世紀に近づくに従いまして、完全五日制ということも予想されるわけでございます。  教育課程の見直し、またそれを実施していくというのは大変時間がかかるものでございますので、今からそれへの準備という態勢が必要であるし、今までの教育の量的発展を中心にしたときの見直しの態勢とは違った態勢が必要なのではないかということで、年来の、国立のカリキュラムセンターをつくって、教育課程審議会との連携の上での改訂方式ということを提案をしてみたい、こう考えております。  そこで、基本的な認識でございますけれども、私は、戦後教育界の動きを見ておりまして、特に教育の動きは二十年ないし二十五年の流れの中で見ていく必要があるといつも思っております。特に今、教育は量の時代から質の時代に入ったと思っておりますが、およそ昭和五十年ごろがその境になると私は認識をいたしております。  今話題に出ました高等学校の進学率が九割を超えたのが昭和四十八年でございます。五十年と考えておいていいことかと思います。それと、中学校はことしから、小学校は昨年から変わりましたが、今の教育課程、ゆとりと充実という標榜のこの教育課程が、実は昭和四十八年から五十一年の教育課程審議会で議論をされたわけでございます。当時の教育課程審議会の会長の、亡くなられました高村象平さんが、コペルニクス的転回、こういう言い方をされたように、非常に基礎、基本に絞って多様化をしていく、そして学校の主体的な取り組みに任せていこう、こういう大きな方針の変換がございました。  教育の質の時代というのは、それまでの建物とかあるいは定数とか予算とか、こういうものに動かされてきたものではなくて、実際の日々の運営なり教育の目標をどこに置くのか、あるいはカリキュラムの編成、その指導方法のあり方、あるいは国際的な比較というような、比較的地味な問題を中心に展開をされていくわけでありますし、当然のことながら、国際的な比較ということも大切になってくるわけでございます。  日本の教育が今日ここまで発展をしておりまして世界からうらやましがられているのは、その基本的な水準の高さ、平均的な質の高さ、それから実質的な機会均等ということが欠きにあずかっている、こういうふうに考えております。こういうふうなものをもってきたのは、私は教育課程の基準があったからだと思っておりまして、教育課程の基準がある、特に初等教育の段階でそれがきちっと整っているということは、私は極めて大事なことだと思っております。  先ほど来幾つも問題がございましたが、時代の流れに従って、実は教育課程の問題は中等教育へと移ってきているということでございますので、学校段階によって、そしてまた教科によって問題点は随分変わってきているというふうに思っておるわけであります。特に、それが学校の五日制ということを前提にいたしまして、これから大きく変わっていかなければならぬのではないかというふうに私は思っております。  そこで大臣に伺いたいのでございますが、学校の五日制は、昨年の九月から月一回が始まり、今、月二回の実験が行われていると聞いております。先に申し上げて恐縮ですが、私の考えでは、月二回の土曜日の休みぐらいなれば、その部分をほかの週に積み上げるという部分的な調整で済みますけれども、これが月三回あるいは完全五日制というふうになってまいりますと、学校が持っております今のカリキュラム構造そのものを変えていくというような根本的な見直しに迫られているように思うのでありますが、大臣の学校五日制への予測ということについて、お考えを伺わせていただきたいと思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 御指摘のように、学校の五日制は、ただいま月一回の実施でちょうど一年たちました。調査などもいたしまして、定着をしているという結果が出ていると存じます。ただ、格差が少しあるという点が気になるわけでございますが、月一回ということで見ればうまくいっているのではないかと思います。  そこで、次の段階として月に二回ということでございますが、これはまだ月一回ということが必ずしも一〇〇%できているわけではございませんので、もう少し時間がかかるのではないか。月二回にすればどうなるかということを、調査研究協力校という学校に協力していただきまして、これは六百四十二校あるわけでございますが、その中で研究をしている。それからまた実践研究地域という地域でも、これは十一地域でございますが指定いたしまして、研究を行っているところでございます。  これ以上になりますと、先生御指摘のように、もう少し基本的な点で変えなければならないということが起こってくるかと存じますが、現在はとにかく一回の定着、そして二回については研究という段階でございます。

中島章夫さきがけ・日本新党

○中島(章)委員 今大臣から、三回以上というふうになってくると根本的な見直しが必要だろうというふうにおっしゃっていただいたのですが、私もそのことは大変大事なことだと思っております。  そこで、戦後の教育課程の基準の改訂の歴史を見てみますと、戦後のものをまとめたのは大体昭和二十六年なんですが、小学校だけで見てみましても、昭和三十三年、四十三年、五十二年。それからこの間の平成元年というふうに、およそ十年あるいは十数年の期間を置いて見直しをしてきているわけです。  これは非常に時間のかかることでありまして、どこから発意するのか。文部大臣が教育課程審議会に諮問をされて、二年ほどの審議の期間を経て、その結果に基づいて、学校教育法施行規則なり、あるいはここにありますようなこういう学習指導要領の見直しが行われて、それが全国各都道府県、ブロックに分けて研修会をし、それが末端に伝えられていくのに三年ないし五年かかる。また、それに基づいた教科書も編さんされるのに時間がかかるということで、ワンサイクル十数年はかかる。特に高等学校は、新しい学習指導要領が来年から学年進行で行われるわけですけれども、発意されたときから全学年にしみ渡るのが十年ぐらい、その結果も見ないで次の教育課程の諮問が行われたというのが大体今までの状況であったわけです。  特に先ほど申しました昭和五十五年から小学校で始まった教育課程の改訂、これは、多様化、弾力化ということで、学校現場の創意工夫ということを前面に打ち出して標榜しているものですから、本来これは十年というようなことではなくて、もっと実験の結果、現場に近いところのことをフィードバックしながら次の教育課程改訂に結びつけていく、そういう意味では十五年とか二十年とか長い時間かかってもいいのではないかと私はむしろ思っていたわけです。  今回の場合は、たまたま臨時教育審議会が昭和五十九年から六十一年にわたって行われまして、それとの関連で教育課程審議会が開かれたということで、十年そこそこで新しいことが行われたのですが、十年に一度見直すという、今までの量的発展時代とは違った教育課程の検討の仕方というものが大事なのではないかというのが私の申し上げたい趣旨でございます。  御質問をしてお答えをいただきながらにしたらよろしいのですが、教育課程審議会の委員がたしか大体六十人おられて、学校段階別に初等教育、中学校、高校というふうに分かれて基本的な審議をした上で、これが教科別に分かれる。戦後できました教育課程の構成、小学校については、例えば八教科、その時間的な編成というのはほとんど変わっていないのです。  それは教育課程審議会に来られる方々がそのときだけ集められるわけでありまして、大学の先生なりあるいはマスコミの方々なり、教育関係者も来られますけれども、そういう教育課程の流れとか、あるいは現場でそれがどのように実施されているかという分析結果というものを身近に考えてフォローしておられる方ではない。それが臨時に呼び集められて審議をされるものですから、言うなればパッチワークでございます。今回も、中学校の多様化ということで選択科目を選び出そうとして、実は各教科が血を流したのであります。  つまり、構造的な見直しができないようになっているというのが今までの経験であると私は思っておりますが、教育課程審議会の次回というのでしょうか、今ちょうど来年から高等学校ということですから、次の教育課程の改訂のための審議会の招集というのは、今からいつだと問うても正確な答えは返ってこないと思いますけれども、その点、次の教育課程改訂というのはおよそどれくらいに予測をしておられるのか、伺いたいと思います。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 長年教育課程関係御専門にされておったわけでございますので、手続関係はすべて御存じのことでございますけれども、現段階では、いつということをまだ決めているわけではごいません。私どもとしては、やはり今度の教育課程の改訂というのは、当然学校五日制というものを念頭に置いて改訂をしていかないと意味がないことになりますので、それとの兼ね合いということも十分考えなればいけない。  それから、現在の学習指導要領というか、平成四年から小学校が起きまして、ことしから中学校、来年から高等学校、この新しい学習指導要領の実施状況ということも見なければいかぬということで、この実施状況調査につきましては、平成四年度から平成八年度までかけてこれを行うというふうに考えておるわけでございまして、そういう調査の結果なども十分考慮しながら、そして、御指摘のように学校五日制の実施というのは従来にない課題を抱えておるわけでございますので、そういうことも十分念頭に置きながら次回の改訂時期というものを決めていかなければいかぬ、こう思っているわけでございます。

中島章夫さきがけ・日本新党

○中島(章)委員 今お話がありましたように、学校がもし五日になる、これがたとえ二十一世紀でありましても、私は今から準備をしないとだめだと思うのです。先ほども申し上げたとおり、大変時間がかかる問題です。  特に、今までよってきたものではない構造的な変化ということになりますと、医学とか心理学とか近隣の学問の協力も得なければなりませんでしょうし、それから土日を休みにしていくことによって、今まで公教育に余り預け過ぎていたものを地域なり家庭がどれほど持っていくのか。小学校なら小学校、中学校なら中学校で、学校でしかできない教科というものをどのように絞っていくのか、時間が少なくなっていくわけですから。  そしてまた、実験的に言いますれば、例えば今話題になっております国際化の時代で、小学校で英語をやれぬかという話が結構あるわけであります。こういうことについてはいきなり教育課程審議会に投げ出してみましても、これはサロン討議になるわけでして、こういうことは事前にいろいろな教育上の仮説に基づいて実験をしていく、そしてその成果を教育関係者に全部均てんをしていきながら、多くの人たちの認識を深めながら次の改訂に臨んでいく、私はこういう態勢が必要であろうとかねがね考えているわけでございます。  教育課程審議会というのが十年に一遍呼び出されまして、それで仕事が終わった後は開店休業しているというのは、私は大変もったいないことで、いけないことだと思っておりまして、私の提案は、教育課程審議会に常設の、これは仮称でございますが、企画評価委員会というものを設けておくべきではないかと考えております。そして、毎年たくさんの、今のこの学校五日制の実験校あるいは実験地域以外にも、教育課程の研究指定校等は物すごい数になるのです。これをやはり年々分析をして、ためていくという機能が私は必要なのではないかと基本的に考えております。  こういうふうに、教育課程の構造を大きく変えていこうとするためには、日常的に科学的、実証的な分析結果を教育関係者に渡していく。先ほど教育の質の時代の到来ということを申し上げましたけれども、教育の質の到来ということは、非常に大事なことは、教育の最前線におられる教員の方々等のインボルブメント、その人たちがやはりその中に参加をしていく。  一つかみの役人が法律をつくって、予算をつけるという時代はもうとっくに過ぎているわけでありますから、そういう人たちを巻き込んでいく。そういう人たちに教育課程の構造とその評価のあり方ということを事前に知らしめながら、徐々にそういう基本的な考え方が広がったところで、今は随分そういう意味で地方の教員の方々の意識は高まっておりますから、そういう人たちを巻き込んでいくために、私は最後に申し上げたいのは、国立の教育課程カリキュラムセンターというものの必要性についてでございます。  実は、教育課程審議会は第三者機関であるに違いないのですが、文部省が直接扱っているということで、私も文部省を離れて外から見ておりますと、文部省というものが割合一枚岩というのでしょうか、大変もうかたくなに見られている側面がございます。そのためにも、中間的に教育課程審議会との連携はとりながらも、国立カリキュラムセンターというものをつくって、こういう分析を今から始めなければならないというふうに考えております。  こういう同種のもの、今私が申し上げたことと全く同じものがたくさんあるとは思いませんが、スウェーデンとかイスラエルとかあるいはマレーシア、タイ、特にお隣の韓国にはKEDIという大変立派なその種の機関がございます。やはりそういうものも見ながら、国立カリキュラムセンターというものをつくって、日常的なそういう分析をする必要があると思うわけでございます。  このことについては、本当にこの短い時間でやれるとは思っておりませんので、私が考えております基本的な機能だけ申し上げまして、最後に大臣の御感触を伺わせていただいて、私のきょうの質問は終わりたいと思います。  このカリキュラムセンターという機能は、まずカリキュラム開発研究の総合的な企画調整という機能を持つものでありますけれども、まず大事なのは、今文部省が第二回目でありますけれども、やられようとしております教育課程の実施状況調査、これはぺーパーに載るもの以外のものもたくさんあるわけでありますから、総合的にそういう実施状況の定着度に関する調査。  それから二番目には、教育課程に関する新しい実験研究。これは、学校五日制のときの構造変化というものを仮説を設けて次々と実験をしていく、あるいは小学校に英語を入れたときには、小学校の教科構造というのはどういうふうに変わっていく必要があるのか、こういう実験、あるいはカリキュラムに関します先ほど申しました近隣科学を入れての原理的な研究、それから特に大事な教育課程の評価方法に関する研究、それから例えば教科書とか副教材、そういったものに関する研究。  それから、今でもやっておりますけれども、教育課程の基準ができたときに、それをどのように教員に広めていくかという研修のあり方、それから教育課程等望ましい指導方法の研究、最後には、世界の各国に教育課程がたくさんありますので、それの比較研究。  こういったものを日常的、事象的にやりながら、その成果を教育関係者に均てんをしていく、そして多くの人たちの参加を得て次の教育課程改訂を考えていく。  私は正直申し上げまして、もうこの時代でありますので、幼稚園から高校に至るまで、十年に一遍あらゆる教科が教育課程の全面改訂ということでお祭り騒ぎするのはやめてもらいたい、こう考えております。むしろ社会の発展に従って急速に変えなければならない、対応しなければならない、あるいは中等教育の理科なりあるいは社会科なりというものは、部分的に変わっていってもいいのではないか。  そういう意味で、きょうは第一回でございますので入り口だけで終わりますけれども、教育課程の構造的な対応、変化ということに対する準備を、今までの教育課程審議会にかければいいという安易な考え方ではなくて、ぜひお考えをいただきたい。そして、私自身としては、そのことのために、正直まず意識を変えなければいけませんので、これは大分かかると思うのですが、そのための調査費というものを例えば来年度予算からでも少しでもとって、世界の比較研究とか基本的な研究から始めていくべきではないか、こんな気持ちを持っております。最後に大臣の御感想をちょうだいしたいと思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 国立カリキュラムセンターを設置すべきだ、そしてその中でこういうことをすべきだという非常に具体的な御提案で、傾聴させていただきました。先生御自身がおっしゃいましたように、きょうはまだ第一回の問題提起である、こういう御趣旨だと存じますので、承って研究をさせていただきたいと存じます。

中島章夫さきがけ・日本新党

○中島(章)委員 引き続きよろしくお願いをします。  以上で終わります。ありがとうございました。

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 石田美栄さん。

石田美栄民社党・新党クラブ

○石田(美)委員 民社党・新党クラブの石田美栄でございます。  戦後五十年近く大きな経済発展を遂げ、経済大国、金持ち日本と言われるようになった我が国が二十一世紀に向けて今求めているものは、国民一人一人が豊かさを感じることのできる生活、人生だと思います。  今、日本の政治も大きく変わろうとしておりますが、社会もまた、建設といったような物を中心にしたハード面、大きなものをどんどんつくっていくということに偏りがちだったことから、もっとソフトな精神面、心にかかわる方向をより求める時代となっていると思います。それはまさに文教政策にかかわる教育、学術、文化、スポーツの果たす役割がこれから非常に重要になってくるということだと思います。  私自身は、幼稚園に入ってからのことを考えますと、五十年間学校生活をしてまいりました。それで、教師になりまして三十年余り教育を担ってまいりました。その間、子育てを通しても学校教育や地域にかかわり、また社会活動においては、特に女性を中心にした社会教育、生涯学習にも大いにかかわってまいりました。また、アメリカやイギリスの留学経験、国際交流などを通して、将来に向けての日本の教育、学術、文化、スポーツに対してさまざまな問題意識を持ってまいりました。そうした立場から、幾つかの点について私の考えを述べさせていただきたいと思います。そして、そうした私の考えに対しまして、文部大臣あるいは関係の方々のお考えをお聞かせいただければ幸いに存じます。  まずは学校教育でございますが、学校教育の改革と申しましょうか、ただいま中島委員が教育課程の見直し、カリキュラムセンターといったようなことを御提案なさいました。それは学校五日制ということだけでなく、新しい時代に向けて、今の日本の教育、知育偏重、偏差値教育が、今の教育現場で登校拒否だとか高校の中退、子供のいじめといったいろいろな問題をはらんでおります。  先ほど文部大臣の発言の中にも、「みずから学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの能力の育成を重視する新しい学力観に立った教育の実現」という言葉がございましたが、こうしたしっかりとした自分の考えを持って、それを発表できるような個人を育てていくということは、健全な民主主義社会、国家に非常に重要なことであります。  また、発言の中にも、ボランティア教育、そして環境教育といったようなものも盛り込まれておりますけれども、それにもその実践活動とか体験を伴う内容が求められると思います。そして私は、こうしたことが日本の教育の大きな質を変え、また教育の内容の中にそうしたことがしっかり位置づけられて、またそうした教育の質が評価される、評価の制度にも導入されるといったようなことも含めて、新しい時代へのカリキュラムの大きな検討、学習指導要領の見直しといったことを、中島委員と同じことを考えております。  さらに、それに加えて、こうした教育の改革を実現し、幅広い教育を実現するためには、教師の、先生の質、登用、育成が非常に重要だと思います。朝から先生の教師像等についていろいろな発言がございました。そしてまた、松沢委員も人材の自由化といったような言葉でおっしゃいました。  私自身も、例えば採用に当たっては年齢制限をなくして、一度社会に出た人がまた教師になるとか、あるいは子育てを終えて再就職といいますか、再び職場に戻りたい人、こうした生活経験豊かな女性の先生への登用といったようなことを考えているのですが、こうした考えについてどのような御感想をお持ちか、お伺いしてみたいと思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 お答えいたします。  御自身長い間教育に携わられた御経験から、大変有意義な御示唆をいただきまして、ありがとうございます。  学校教育におきまして教員の資質が重要であるということは、まさに御指摘のとおりでございまして、そのためにいろいろ豊富な経験が必要ということも全く同感でございます。その豊富な経験を得るための方法としていろいろなことがございしょうが、年齢の制限を厳しくするというのはまさにそれに反した考え方だと思います。豊かな経験というために、余り若い時点で制限をするということでは、豊かな経験を有した先生が得られないということは全くそのとおりでございます。  また、いろいろ奉仕活動をした経験というのも大変貴重なものだというふうに思います。学生がいろいろボランティア活動をするということがとてもこれからは重要な要素になっていって、単なる試験の成績だけではなくて、ボランティアをして、どの程度人に貢献をするということが重要であり、いいことだということを学び取ったかということが、生徒の成績でない別の要素としてカウントされてしかるべきではないかと私、個人的に思っているわけでございますが、そういう生徒に対して、先生の方が全くそういう経験がなければ、教える立場として足りないところがあるのではないかというふうにも思えるわけでございまして、その点も、ぜひ奉仕活動の経験があるということを積極的に評価したいものだというふうに思います。

石田美栄民社党・新党クラブ

○石田(美)委員 ありがとうございました。きょうは第一回ですので、お考えを聞かせていただきまして、ありがとうございました。  続きまして、やはり教育の中で大学教育についてお話ししてみたいのですけれども、一般的には、受験勉強に疲れて、大学に入ったら遊ぶのだといったような風潮は困ったものだと思います。受験競争にも問題がありますけれども、それ以上に大学の授業、講義がおもしろくないというふうなことが問題かと思います。学生に興味ある大学教育の内容にするためには、改善しなければならないことがたくさんあると感じてまいりました。教授陣の積極的な人事交流、特に国立大学等は問題だと思いますが、そういう人事の交流も必要です。また、文部大臣も発言の中でおっしゃっておりましたけれども、自己点検・評価システム、シラバスといったようなものの導入などで大学教育のことを述べられております。  こうした大学教育の導入の中で、多分これは一年か二年かたっていると思うのですけれども、その後の状況、様子を文部省の方でどのように把握していらっしゃいますか、お伺いできればと思います。

遠山敦子文部省高等教育局長

○遠山政府委員 御指摘のように、大学における教育、研究活動をより生き生きさせて、日本の高等教育というものを発展させていく必要が大いにあるわけでございます。  そのような観点から、先生既に御案内のように、平成三年の夏に大学設置基準の大綱化等を行いまして、それぞれの大学がみずからの理念、ねらいに照らして、個性的な、あるいは特色を持った教育を展開していただくようにいろいろ制度の緩和を図ったりいたしました。その後、各大学での取り組みが積極的に行われ始めておりまして、いわば今日、戦後新制大学ができて以来の最大の改革が進行しているというふうに思っております。  御指摘の点、幾つかございましたが、その改革のときに、規制を緩和するだけではなくて、それぞれの大学がみずからの教育、研究活動について自己点検、自己評価もしてほしいということで秀力義務も規定したわけでございます。それにのっとりまして、各大学で今日かなり積極的に自己点検・評価の実施が行われております。  その状況をちょっと御紹介いたしますと、全学的な実施体制を既に整備している大学といたしましては、本年七月現在で、国立大学では九十八校、これは一〇〇%でございます。それから公立大学で三十校、これは全体の約七三%、私立大学では二百七十四校、これは約七一%でございます。それの実施体制を整えて、かつ報告書等を公表している学校について言いますと、国立大学につきましては全体の七〇%を超えているわけでございます。公立、私立はいまだそこまでいっておりませんで、かなり率は低いわけでございますが、またおいおいにそれぞれの大学で努力されることと思います。  そのほか、先生お話しございました人事の交流の活発化等につきましても、大学審議会で目下議論が進んでおりますし、先般の中間まとめにおきましても、その必要性が指摘されたようなことがございます。  ということで、今日、大学教育の個性化、それから教育、研究の高度化、大学運営の活性化ということをねらいといたしまして、それぞれの大学で努力が進んでいるという段階でございます。

石田美栄民社党・新党クラブ

○石田(美)委員 ありがとうございました。相当に効果が上がってきているように拝聴いたしました。  私自身もそのシラバスを書くという立場にこの三月までおりまして、こういう指導のもとに評価システムとか、特に学内で率先してシラバスをつくる科に指定されまして、実際に毎時間の一年の計画を細かくつくりました。それによって授業をしましたところ、やはり一年間安心して進められるとともに、学生も一年間の進んでいく講義内容が把握できて、学生との信頼関係も強くなり、私自身としてもよりいい講義ができたと満足して、次の年にはもっとそれに手を加えていいものをと思っておりましたところ、こんな身分になりまして、一年しか使わないで終わったということでございますが、確かにそういう実績が上がっているのではないかと思います。  さらに大学教育でございますが、そうした業績評価ということで、学位授与ということも大学教育、研究の高度化あるいは活性化、そして授業をおもしろくするのにも重要なことだと思います。日本での学位授与、特に文系などは、私、文系でございまして、いろいろ問題を感じておりましたけれども、こういう制度がどうなっているのか、文部省でどういうふうに把握しておられるのか、お伺いしてみたいと思います。特に、そういう学位授与課程の透明化が求められているのではないかというふうなことも私は感じております。

遠山敦子文部省高等教育局長

○遠山政府委員 お答え申し上げます。  学位授与のことにつきましては、先生御指摘のよつに、日本の大学におきます特に文系の学位授与につきましては、なかなか進んでいないという実態が確かにございます。  このことを制度面で申し上げますと、大学院については、博士課程なり修士課程という課程を修了すれば、そして特に博士号の場合には、独立した研究者として研究を遂行する能力、そういう高度の研究能力を持った場合には博士号を出していくという制度の改正、いわゆる課程制大学院の制度は既に昭和四十九年にとられたところでございます。しかし、にもかかわらず日本では、博士号につきましては、いわゆる碩学泰斗という人に出すという慣習のような考え方があるわけでございます。そのためになかなか博士号を出す機運にならなかったというようなことがございます。  しかし、今日、国際化時代を控えておりまして、そのようなことはいろいろな悪影響を及ぼすというようなこともございます。そのようなことを受けまして、大学審議会の議論の中で、学位の取得をより容易にするために積極的な施策を講じるべしというふうな答申もなされたことがございまして、これを受けまして、文部省としましても、平成三年七月に若干の制度改正をいたしました。  それは、これまで文学博士あるいは法学博士というふうに名称をきっちり決めていたわけでございますけれども、新しい制度としましては、専攻分野ごとの博士の種別を廃止するということによりまして、博士(文学)とか博士(法学)とかいうような、それぞれの大学で工夫しながら出し得るような緩やかな制度をつくったわけでございます。  そのようなことも契機としまして、次第に各大学におきましても、文科系の学位授与についても積極的な対応の兆しが見られるというふうに感じております。幾つかの例はございますけれども、そのような動きが今出始めたということでございまして、これからさらに積極的にその方向に進んでまいるのではないかなというふうに私どもとしては考えているところでございます。

石田美栄民社党・新党クラブ

○石田(美)委員 さらにそういった方向が進むことを希望したいと思います。  先ほど留学生の問題のときにも、国費で留学生を受け入れる数はかなりになってきたけれども、私費留学生の数はよその国と比べて、こういったところにも、日本に留学してもそのアカンプリッシュメントといいますか、評価されて、国に持って帰る学位授与といったようなことが難しいということも大きくかかわっているように思います。かつては、今でもそうかもしれませんが、学位を取るためにアメリカに行く人が多かったし、多い、これもそういったことにかかわっていると思いますので、兆しが見えていることがさもに進むように希望したいと思います。  次に、社会教育の充実発展についてですが、生涯学習については文部大臣の御発言でもしばしば強調されておられましたけれども、国民の多様な学習要求にこたえるために、例えば生涯学習支援総合プログラムといったようなものをつくってはいかがでしょうかというふうに思います。  地域でのさまざまな文化施設や学校施設を活用しての学習や一般の文化教室などいろいろありまして、いわゆるおけいこごと、趣味的なもの、またいろいろなところで開催される講座とか講演会に参加する、そういったことは行われておりますけれども、もっと高度化した、多様化した生涯学習のニーズにこたえられるような、価値ある社会資本であります大学教育あるいはその施設、図書館などがもっともっと一般に開放されることを願ってやまないわけです。  聴講生だとか講座の公開とか、例えば昼夜開議など、もっと容易に大学教育に参加できる、高度な知的財産の恩恵に浴することができるようにしたいものだと思います。特に地方都市などにおきましては、大学の図書館、蔵書といったものは本当に貴重な知的財産でございます。  実際には、私もアメリカの大学院におりましたときなど、本は必ず図書館に、特に貴重なもの、高価なものは置かれていたように思います。そして、教授の先生たちも必ず図書館で調べ物をされる。学生もそうです。ところが、日本の大学の場合、例えば特に国立大学なんかに行って貴重な本を探して、ファイルでは見つかっても、聞くとそれがどこにあるのかわからない。恐らくこの本だとこの先生の専門だから、その先生の研究室にあるのではないかといって、結局は見ることができない、こういうこともございます。もっとそういうものをみんなで共有できないものかと思います。  こういう大学の、いろいろな面での生涯学習に対して、社会教育に対して、公開していくという方向について何かお考えが例えたらと思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 先生が、一年でございますか短い期間の御経験で、もう少し時間があったらというようなことをおっしゃいました。  私も実は一年半女子大で教えておりましたところ、こういうふうになって、経験を十分生かすほどの時間がございませんで、もっとちゃんと長い間教職についていれば、きょうなどももう少しましな答弁ができるのではないかというような気がいたしておりますが、ゼロよりはましかなと。一年半ではございましたが、女子大で教えておりましたときに、ちょうど大学の大きな改革という時期に差しかかって、自己評価とか自己点検だとかという言葉を盛んに耳にする時期でございまして、その点では、短い経験でもないよりはよかったなというような気がいたしております。  御指摘の、大学をもっと地域に公開するあるいは図書館を公開するというようなことにつきましては、全く同感でございまして、そういう方向がよい方法だと思う次第でございます。

石田美栄民社党・新党クラブ

○石田(美)委員 きょうは第一回目でして、まだスポーツ等についてもお伺いしたいのですけれども、時間がございません。スポーツだけ少し触れさせていただきたいのです。  スポーツのことも朝からいろいろな方がおっしゃっていましたけれども、スポーツもまた国際競技というものも視野に入れて、さらに文部大臣の発言の中にも「いつでも、どこでも、だれでも気軽にスポーツを楽しむ生涯スポーツ」という提唱がございますが、日常的に本当に身近にジョギングをしたりボールけりを楽しんだりするような、緑のある広場というかスポーツの場がないということを、私は外国から帰ったときに一番痛感するのが日本の状況でございます。地方のように実際に土地があるところの方がといいますか、こういう場がなかなかございません。そうしたことが国際競技でも国民全体の土台が浅いといいますか、いろいろな問題があると思います。  このことについては、本当に大きな財源の要る問題でございまして、本当に長期的な展望を持っていかなければ、国民の健康、そして豊かな生活を満たすという点でも大事だと思いますので、また次の機会にこの点についてもいろいろと発言してまいりたいと思います。  きょうは時間がございませんので、ここでとめたいと思います。どうもありがとうございました。

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 大臣、遅くなりまして大変恐縮ですが、大臣の所信表明につきましてはまた改めて質問をすることがあると思います。きょうは当面する幾つかの問題についてお伺いしたいと思います。  一つは、高等学校の入試改革の問題です。  来年から高等学校入試が大きく変わるわけでございまして、今、父母、教師、子供たちの間に不安とか混乱とかいうものが起こっております。これは、御承知のように本年二月二十二日の次官通知によりまして、入試改革が父母や教師のいわば納得もなしに押しつけられたということから起こった問題だと思います。  私も先般、茨城県がどういうふうな状態になっているかを調査したわけですが、この中で、調査書、いわゆる内申書の中に、行動の記録、運動の記録、そして観点別学習の記録というのをすべて点数化しましてコンピューターに入力し、合否の判定に使うということで、いろいろ問題が起こっています。  人格も点数化するのかというような意見も出ておりまして、教職員、父母の運動で、行動の記録や運動の記録というのは点数化させないということになったようですが、関心、意欲、態度など観点別学習とともに、ボランティア活動の点数化やあるいは部活で表彰を受けたかなどというものが点数化されまして、合否の判定に使うということが大きな問題になっているようであります。  そこで、文部省として、現在、来年度以降の高等学校入試で、観点別評価を高等学校の合否判定の材料にしているところがどの程度あるのか、また、ボランティア活動などその他の特記事項や特別活動の記録などを入試判定の材料にしているところがあるのかどうか、調査されておると思いますが、お聞かせいただきたいのです。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 平成六年度の入学者選抜につきまして観点別学習状況を取り入れるかどうか、あるいはどのように活用するかということなどにつきましては、現在、入学者選抜の実施要綱等がまだ公表されてない県が多いわけでございまして、全国的な状況を把握するという段階までいっておりませんけれども、幾つか聞いている中で総合しますと、多くの県が観点別学習状況の欄を平成六年度から新たに導入する方向で検討を進めている、あるいは総合的な判定の資料や参考としてこれを活用するところが多い、あるいは定員の一部について、特に観点別学習状況を重視したり点数化して活用する県もある、このように聞いておるところでございます。  それで、今観点別学習状況についてお話ございましたけれども、これはまさにこれから私どもが求めております、そして恐らく皆さん方もそのように考えると思うわけでございますけれども、みずから学ぶ意欲とか思考力、判断力、こういうものを重視するということからしますと、一回の学力検査とかそういうことで判定できない、こういう評価を導入していくということはやはりそれ自体意味のあることだ、このように考えておるわけでございます。  そしてまた、入学者選抜の客観性、公平性という観点から、何もかも点数化するのがいいのかどうかということにつきましては十分な慎重な検討が必要かと思いますけれども、点数化して活用するというようなことにつきましてもそれ自体一つの活用方法である、このように認識をしているところでございます。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 学校現場にはかなり異常な事態が起こっているのですね。私も十分にはわかりませんけれども、例えばボランティア活動の意義も十分わからないままにお年寄りの施設で何か手伝わせてくれとかあるいは野球部のキャプテンを月ごとに交代するとか、また生徒会の役員の立候補者が異常にふえるとが、逆に生徒会役員になりたかったけれども点数稼ぎだと周りから言われたために役員に立候補しなかったなど、中学校教育に新たなゆがみをもたらしていることが報告をされているのであります。  茨城の場合、例えばボランティア活動に参加した者二点、ボランティア活動または善行などにより校外の公的団体より表彰された団体の会長または副会長であった者十点、クラブ活動で県大会に出場した者十点、クラブ活動で関東大会、全国大会に出場した者二十点というぐあいになっているのですね。ボランティア活動あるいはクラブ活動、生徒会活動が高校入試のために行われるものなのかどうか、そういうことまで疑問になっているのですが、これはどうお答えになりますか。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 これから中学生の段階におきましてもボランティア活動を積極的にしていくということは大変大事なわけでございまして、そういうボランティア活動等の実績を何らかの形で評価をしていくということも考え方としてはあり得るもの、このように思っておるわけでございます。  いずれにいたしましても、こういうものを、特に調査書に書かれた各項目をどのように用いるか、あるいはどのように点数にするかということは、各都道府県の実情等に応じまして、慎重かつ種々の配慮が求められると思うわけでございますけれども、やはり客観性なりそういうものを考えると、そういう点数化というようなことも一つの工夫としてはあり得るのではないか、このように思っております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 一昨年、これは参議院の議事録でありますけれども、平成三年六月十九日の会議録を持っております。今の事務次官ですが、坂元当時初中局長が次のように答えています。むしろ、私どもとしては、クラブ活動とか生徒の性格、行動の記録というのは、教科以外の分野について生徒を積極的に評価してやろうという場合に使うべきであって、一律に五点満点で五、三、四点とか点数をつけるべきではないのではないか、そういう指導をしており、今後とも趣旨の徹底を図りたい、こういうふうに答弁しておりますが、この立場は変わっているのですか。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 先ほどもお答えいたしましたけれども、調査書のすべての項目について、細部にわたり安易に点数化することは十分慎重であるべきであるということは、かねてから通知でも述べているところでございます。  そういうことではなしに、各都道府県あるいは学校において、いろいろな工夫の中でしかも入学者選抜の客観性、公平性を図りたい、こういうようなことから、そういう点数化についても工夫をするということはあり得ることでございまして、私どもの方からそれを推奨するとかそういうことではございません。あくまでもこれは各都道府県あるいは各学校で御判断いただくことだ、このように考えております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 文部省がよいと思っていろいろやるのだけれども、現場へ行ったら、本当に教育じゃないことになっていくのですよ。例えばクラブ活動、生徒会活動、ボランティア活動などを点数化するなんということ、これはまことにいじましい文部省的な考え方ですよ。こんなものは教育の現場にはそぐわないのです。それを現場に任すとかそういう形で、教育そのものをゆがめているのですよ。  私はこの点で、例えば観点別評価のことをちょっと触れてみたいと思いますが、茨城の場合、三年間の観点別状況の評価を記入して、それを点数化することにしています。例えば意欲、関心、態度について、Aだと五点、Bだと三点というぐあいに、その観点別評価というのは、どこまで到達したかを見る絶対評価なのですね。そうすると、教師によっても学校によっても評価の基準が違うものではないかと思います。もともと個々の児童生徒の特性を見るということのために導入したわけですけれども、こういう形で、むしろ子供の個性というものが点数化ということでゆがめられていくのですよ。そういう問題が一つ。  それからもう一つは、観点別学習の評価について、実際に調べてみますと、例えばA中学校で国語への意欲、関心、態度がAの場合二二・五%、ところが、別の市の中学校の場合はそれが三二・二%というぐあいに点数の配分が行われるわけですね。絶対評価だから当然こうした結果が生まれてくるわけですが、こうした学年でも学校間でも割合の違うものを入試という公平さが求められているものに利用できるのか。これは学校現場や父母、生徒に混乱がもたらされるばかりか、こうしたことはもうやめなければならぬ問題だと私は思うのですが、この点について意見を聞いておきたいのです。

野崎弘文部省初等中等教育局長

○野崎政府委員 先生の御質問でございまして、お言葉を返すような形になっては大変申しわけないのでございますが、もしそういう評価をすべて入試から外すということになりますと、ある意味では学力検査のような、皆さんが同じ問題を受けて何点をとったか、その点でしかもう判定ができないというようなことにもなりかねない。まさに今までが、そういう客観性を重視する余り、いわゆる業者テストの結果とかそういう形が多く用いられてきた。  我々はもう少し子供たちの個性というものを尊重してほしい、こういうことで、まさに子供たちの意欲なり関心というものを指導要録の中でも書き、そしてまた内申書でもそういうことを恐らく各都道府県でも記入するようにしているのだと思うわけでございまして、その辺をどうやって入試選抜の中で生かすかということは、それぞれ学校の設置者、つまり、各都道府県の教育委員会あるいは学校というあたりがいろいろ工夫をしてやっておられることだと思いますので、そういう努力というものを十分尊重していかなければいかぬ、このように思っております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 すべてを点数化することによって合否の判定の基礎にするなどということは、これはもう明らかに行き過ぎですよ。私はそう思っております。もっとも、きょうそれだけの時間がありません。  そして同時に、各自治体の議会でも、入試改革を延期せよという意見書も今出始めているのですね。教育の問題で地方議会が意見書を出すなどということはなかなか難しいことですよ。でも、それでもやはり地方議会の議員がいろいろ研究しまして、これが本当に子供の成長に役立つかどうかということを地方議会の皆さんも一生懸命考えているのですよ。  それだけ学校の現場にもいろいろな問題が起こっておりまして、全部を点数化するという、いかにも客観性があるようだけれども、むしろこれは人間の成長をゆがめる結果にもなりかねないという面があるわけでございますから、そういう点で、なお文部省としては十分な検討をしていただきたいというふうに思います。また適切な指導もしていただきたいと思うのです。  それからもう一つの問題は、高等学校の入試の問題は、これは際限なくこれから続くと思いますよ。子供たちは際限なくこの入試の問題でさいなまれるのですよ。  今、全国的に生徒は急減期を迎えておりまして、客観的にはもう高等学校希望者を受け入れる条件はあるのですよね。それを計画的進学率などと称して行政的に進学率を設定しまして、あくまでも学校選抜を温存し、競争原理の維持を図ろうとするところに文部省の姿勢があると思います。しかも、高等学校の多様化政策がとられまして、子供の能力に応じた高校に入学させるという政策を貫かれようとしているわけですけれども、それなりにまた問題があるのですね。  そういう意味から考えまして、今大事なことは、九六%という進学率を持っておりますまさに義務教育というべき今の高等学校への生徒の入学状況、それから考えまして、ここで本当にこの今の入試問題の弊をなくするためには、高等学校への教育を希望する生徒には全部保障すべきだ。これはできぬことはないです、やろうとすれば。私は過去において高等学校全入制というのをしいた一員でありますけれども、学校が生き生きする。  それから、もうずっと計画的進学率などというものをつくりまして、九四%だ、九三%、八五%、各県によって違いますが、これから子供たちがどれほどいじけてきたか、どれほど今の進学問題がそこから発生したかということを考えますと、新しい文部大臣に今これを返事をせよというのは無理かもしれませんけれども、本当に子供たちの成長のことを思えば、希望する子供たちを高等学校へ全部入れるというくらいの方針を持っていいのではないかと思いますが、赤松文部大臣にこの点について今の考え方をお伺いしておきたいのであります。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 ただいまの先生の御指摘と政府委員の初中局長との交換を聞いておりまして、これまでの制度のもとでいろいろなひずみがあらわれ、それについての問題点が指摘された中で、今日の新しいやり方というものが試みられている時点なのではないかというふうに認識をしております。  一つの制度を変えるということになりますと、それに伴っていろいろな問題がまた別の方面からあらわれてくるということは、どんな改革についてもやはりそれは起こってくるのではないかな。  しかし、だからといって何も変えないというのでは進歩がないわけで、前の制度をよりよくするために一生懸命考えて、新しい方向を打ち出したのだというふうに私は理解しているわけでございます。  例えば、ボランティアの問題で点数化をすること、それがいいというふうには必ずしも思えませんが、ボランティアを評価するという方向は、これはよかったのではないかな。どういうふうにしてそれが評価されるのがいいかということは、研究の余地があろうかと思います。それは点数化ということになじまないものなのかもしれません。しかしそれは、今までのような知育偏重という制度よりも、人に対してサービスをする、社会に貢献をするということのよさというものが生徒にわかってもらえるというような方向でいくならば、悪い点ばかりではないのではないかというふうに考える次第でございます。  最後におっしゃいました高等教育の義務化という点でございますが、高校に行く段階の青少年の能力、適性、興味、関心あるいは進路への希望などは非常に多様化しているわけでございまして、それぞれにふさわしい進路選択が行われることが大切であると考えております。一律に高等学校就業義務を課すことが適当かどうかという点については、まだそこまで踏み切れないというのが現在の私の感想でございます。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 今日はこれ以上申し上げませんが、この入試問題、選抜問題というのは、これはもう何というかアリ地獄みたいなものでして、業者テストはやめたけれども悩みは次から次へ出てくる。本当にその中で日本の子供たちが成長できる条件があるのかということを考えますと、本当に今考えなければならぬときだと思いますよ。競争原理とかいうようなことだけで子供たちは決してよくならぬという意味を含めて、私はまた折を見てこの問題では御質問申し上げたいと思いますので、よろしくお願いします。  次に、科学研究費の問題ですが、十一月三日の東京新聞を見ますと、税収不足のために科研費を留保し、場合によって返却を求める可能性もあるというふうに出ておるわけでありますが、これはそういう事実がありますか。

佐藤禎一文部省学術国際局長

○佐藤(禎)政府委員 科学研究費でございますが、育てていただきまして、五年度七百三十六億円という大きな金額でございまして、今や大学を中心といたします我が国の基礎研究を支える基幹的な経費にさせていただいております。  それだけに大変大きな期待が寄せられるわけでありまして、執行につきましてもいろいろ工夫をさせていただいておりますが、同時に、できるだけ早く補助金を執行してほしいという早期執行の要請が強いわけでございます。そのため、私どもこれまで工夫を重ねまして、現在のところ、年度当初近くに多くの内定ができるというところまで進んでいるわけでございます。しかし、一方で補正予算の編成等に際しまして節約もこれまで行われてきておりまして、この補正、節約というものを見越しながら、ぎりぎりできるだけ多くの経費を早く執行しようということに努めているわけでございます。  五年度の予算の執行につきましては、歳入減等の厳しい財政状況がございまして、予想以上の補正減、補正措置ということがとられることになったわけでございますので、私どもといたしましては、一般研究等には手をつけておりませんけれども、大型の重点領域で後年度負担等の年次計画を持つものについては、あるいはそういうお願いができないだろうかという相談をしたことはございます。  ただ、一方で、あわせて財政当局に対しまして、これについてはぜひ対応をお願いをしたいという要望を重ねてきておりまして、例年、科研費については節約の、半減等の措置がとられているわけでございますが、この措置も含めましていろいろな工夫を重ね、最終的には実質的な支障が生じることのないように私どもとしても最大限の努力をしてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 これは昨年、一昨年どこの委員会で随分問題になりまして、私の質問に対しても文部大臣が倍増するという答弁をしているのですね、昨年の三月六日の文教委員会でありますけれども。それを使わずに留保して、また返却せよというようなことまで出てくると、これは大変なことでございます。  きょうの文部大臣のごあいさつの中にも、「大学の研究施設設備、研究費などの研究環境の劣化が各方面から指摘されこということで、これは大きく伸ばさなければならぬというあいさつがあったわけですが、これは大臣、頑張りどころですね。大蔵省がどのように言ってきても、これは確保する。もちろんそれを留保したり、あるいは科研費を返却するなどということは許さないという決意を今文部省として持つ必要があると思いますが、この点について大臣のお考えを伺っておきたいのです。

佐藤禎一文部省学術国際局長

○佐藤(禎)政府委員 科研費全体の確保につきましては、大臣からあるいはお話があろうかと思いますが、私どもも事務的にも頑張らせていただきたいと存じますけれども、今お話しの節約ということにつきましては、これは政府全体として補正予算を組む財源を確保する観点から協力をする必要があるわけでございますので、これに一切協力できないということはできないわけでございまして、しかし、協力をする過程の中でできるだけの配慮を要望し、そして実質的な支障のないような形で節約し、既に交付した科研費の凍結等の事態が起こらないような努力を重ねさせていただきたい、こういう御答弁にさせていただきたいと思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 午前中申し上げましたように、大学の研究施設の老朽化、狭隘化など、学術研究環境が劣悪化していることについて、各方面から御指摘があることはよく承知いたしております。財政事情非常に厳しい中でございまして、ただいま政府委員が申し上げたような状態でございますが、大学の研究条件の改善充実のために最大限の努力を払ってまいりたいと存じております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 最後の一問ですが、国立大学の学費の問題です。今回これが一〇%値上げ、また文理間のいわゆる格差導入、これが大蔵省から出ているわけでございます。  これはもう御承知のように、学生、父母の大きな怒りを買っているわけでございまして、今でも国立大学の初年度納付金が六十四万千六百円、このうち授業料が四十一万千六百円になっておるわけです。そして、学費を払うためにアルバイトずくめの日々を送らなければならぬ学生がどれほどおるかわかりません。中には、借金をして学費を払ったけれども、その借金の返済ができずに学業を断念するというような生徒たちも出てきておりますし、御承知のように今の不況、そして今度の冷害、いろいろな条件が重なりまして、これはもう大問題なんです。こんな高い学費を払っている国は恐らく世界じゅうないわけでございますし、きょうの新聞によりますと、国立大学協会も反対の声明を発表しております。  そういう点から考えまして、これは今まで政府の方では、いわゆる社会的、経済的情勢を総合的に勘案してということで、次々と学費の値上げをしてきたわけですね。その社会的、経済的情勢というのは、まさに長引く不況、今回の冷害、そういうものが重なっているわけでございまして、そういうことを今まで言って値上げをしてきたその立場からしましても、実際にこの授業料値上げは阻止すべきだと私は思っているわけでございます。  生活者重視とかさまざまなことが言われているわけですけれども、本当にこれはもうここで打ち切りにするということで頑張っていただきたい。国立大学の授業料値上げは、学費の値上げはしないという決意を文部省として持っていただきたいと思いますが、この点について意見を伺っておきます。

遠山敦子文部省高等教育局長

○遠山政府委員 国立大学の授業料、これは最近ほぼ隔年に改定が行われてまいっておりまして、今かなりの水準に達しているところでもございます。したがいまして、その改定に当たりましては慎重に対処すべきものと考えております。  また、学部別授業料を導入するということになりますと、進学の機会に経済的な要素が加わることになりまして、結果的には高額を要する学部への進学を阻害するおそれもあるわけでございます。そのようなことになりますと、現在進行中の理工系離れというようなことをより決定的なものとする等の問題があるということは、私どもも認識しているところでございます。国立大学協会においても、このことについての危惧を持っておられるようでございます。私どもとしましては、度重な検討を要する問題だというふうに考えております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 民間から来られた大臣として、やはり独自の御見解を持っておると思いますが、また、大学にもおられたわけでございますし、そういう意味で学費の問題は日本の教育の非常に重大な問題で、次から次に値上げをしていくということがやられたのでは、これはもう教育の機会均等の面からいいましても、余りにも行き過ぎた値上げ案だと思います。  そういう意味で、これを抑制するという決意をお聞きしたいと思いますし、学部間の格差をなくするということも随分長い懸案の問題でありまして、ここでこれを許してはならぬというふうに私は考えておりますが、これについてのお考えを伺いたいと思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 ただいま遠山高等教育局長が意を尽くして答弁をいたしたというふうに聞いておりましたので、それを繰り返させていただきたいと思います。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 時間が来ましたので、終わります。

嶋崎譲日本社会党・護憲民主連合

○嶋崎委員長 次回は、公報をもってお知らせす ることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時二十八分散会

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