大蔵委員会 第2号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1993/11/09
会議録
○宮地委員長 これより会議を開きます。 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。米田建三君。
○米田委員 おはようございます。神奈川四区選出の米田建三でございます。同じ神奈川選出の議員として、藤井大蔵大臣の御活躍に敬意を表しながら質問をさせていただきます。 去る十月十四日、私は衆議院の本会議で、政府から上程されました政治改革の関連法案に関し質問をさせていただきました。その中で、無所員地方政治家への配慮という観点から、特定公職の候補者と同様の税制上の優遇措置というものを無所属地方政治家の後援団体に対する個人献金についても適用すべきであるという主張をさせていただいたわけであります。総理の御答弁が、率直に申し上げて的外れで釈然としない、そんな印象であったものですから、大蔵大臣に重ねてお尋ねをする次第でございます。 本会議におきまして私は、今回の政府案では企業・団体の政治家個人並びに政治家の資金団体への寄附が禁止をされる、こういうことになっているわけであります。そういたしますと、政党への公費助成の制度が導入をされましても、政党の地方組織や政党に所属をする地方議員には政党の内部におきまして何らかの措置が講ぜられる余地があるわけでありますが、実際には大半の地方議員が無所属であるという現状を主張させていただきました。 ちなみに、平成四年の十二月三十一日現在の市区町村議員数が六万二千四百六十四人おります。そのうち無所属議員は実に四万九千八十一人でございまして、七八・六%を占めているのです。また、市区町村長につきましては三千二百五十一人でございますが、そのうち無所属は三千二百三十四人と九九・五%になっております。この皆さんは企業・団体からの政治献金が閉ざされる上に、もし無所属であるという意思を貫こうとすれば政党助成の恩恵も受けられないわけであります。個人献金にのみ頼ることとなるわけでございますが、特定公職の候補者と実は著しい差別があるわけでございます。 すなわち、現在政令指定都市議員以上の特定公職の候補者につきましては、その後援団体に対する個人献金は租税特別措置法の第四十一条の十六によりまして税制上の優遇措置が受けられることとなっております。寄附金控除でございます。年間総所得の二五%を上限とし、特定寄附金から一万円を差し引いた額を総所得から控除できるという制度でございます。御承知のとおりかと思います。 しかし、この優遇措置については一般の市区町村の長及び議員に関しては対象外となっているわけでございまして、この点につきましても、新しい改革案が導入された事態において無所属の地方政治家に対して著しく不公平な事態が発生するのではないか、ぜひとも特定公職の候補者と同様の優遇措置を講ずるべきではないかというお尋ねを総理にいたしました。 総理はその答弁で、その政治活動の広域性、さらには適正な執行の確保という観点を踏まえてその対象範囲が定められているものと承知をしておる。したがって、こうした制度創設の趣旨にかんがみ、そのような事情にない一般の市町村の首長さんあるいは議員にある者の後援団体などに対する寄附についてまでこの特例を拡大することは適当でないと考えているとお答えになりました。私は、予測される新たな事態への対応についてお尋ねをしたつもりでございますが、現行制度の御説明に総理の御答弁はとどまったというふうに理解をしているわけでございまして、この優遇措置を私は導入すべきであるというように考えているわ けでございます。政治改革論議が今大詰めでございますが、ぜひとも大蔵大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
○藤井国務大臣 今の米田委員の御質問でございますが、所得控除の制度は御承知のように昭和五十年からあるわけです。昭和五十年以来所得控除制度というものが個人についてずっと行われてきた。そのときは、限界が今御指摘のように国会議員と県会、政令都市、実は政令都市は五十三年から追加になったわけでありますが、そういうふうにして一つの仕組みができていたわけです。今回の改正というのは、政党に対して個人がした場合の税額控除をしようという全く違った次元の話だと私は思うのです。 そこで、こういう中で考えてみるといろいろ市会の問題等々もあるので、この昭和五十年から始まった所得控除をこれらに加えたらどうか、こういう次元の議論だと思うのですね。 その点につきまして、今回の政治改革の中でのいろいろな、国会議員の皆さんあるいは都道府県会議員の皆さんに対する取り扱いと市会の扱いに一つの差をつけているというのは、これは公費助成の問題等々もそういう面を持っているわけであって、ワンパッケージのように思っているのです。税だけが飛び出して今のような御指摘、つまり昭和五十年来やっていることをここで取り込むというのはちょっともう無理だ、大蔵省だけが飛び出す話ではないと私は考えております。 あえて大蔵省の立場を申し上げますと、今米田委員御指摘のように六万五千という方々のチェックでございますね。これは選管に全部届け出てそこの選管のチェックのもとに税が執行するわけでございまして、執行上も非常に難しいということがあります。しかし、これは大蔵省サイドの話でございまして、それより、基本において今申し上げたような所得控除制度というのは昭和五十年以来ある。そして、そういう仕組みができていた。今回この政治改革の中で政党に対する寄附をどう扱うかというときにこれが入ってきた、この議論が出てきたわけでありますが、私は今回の政治改革の中でのワンパッケージの問題として取り扱わせていただきたいというふうに考えておりますので、側理解をいただきたいと思います。
○米田委員 政治家は個人からの献金に頼ることとするというのが今度の政治改革の大きな方向性ではないかと思います。そういう意味では大臣の御答弁にはいまだ釈然としないものがありますが、私どももこのあり方についてはもちろん考えてまいりますが、ぜひ大臣におかれましてもまた当局におかれましても、ひとつ念頭に置かれて研究を重ねていただきたいというふうに思います。 次に、景気の現状についてお尋ねをいたします。 ただいまの平成不況は一九九一年の三月から既に二年半以上を経過をしております。戦後最長の不況と言われました第二次石油ショックによる不況も一九八〇年から三年間、三十六カ月間続いたわけでありますが、もし現在の不況が来年の三月まで続きますと、それを超える長期不況、こういうことになるわけでございます。現状では、その可能性が大と言わざるを得ません。 あわせて、雇用情勢も一段と厳しさを増しております。希望退職の募集に踏み切った有力な企業も出始めておりますし、また有効求人倍率の低下も著しいわけでございます。完全失業率も上昇をしておりますし、解雇者の増加という傾向も見られ始めました。加えて、企業内失業者が増大しているという状況もあるわけでございます。 ちなみに有効求人倍率でございますが、九月は〇・六九倍でございまして、六年二カ月ぶりに〇・六倍台に落ち込んでおります。昨年十月に一倍を割り込んで以来、月を追って低下をしておるという状況であります。また、完全失業率も九月は二・六%に上昇をしておりますし、五年一カ月ぶりの高い水準でございます。そして、完全失業者数でございますが、百七十二万人に達しております。これは労働省の調査でございますが、ことしの四月から八月の間に事業主から解雇された人が全国で二十四万人に達しておりまして、前年の同時期に比べますと三〇%も増加をしております。 こういうまことに厳しい状況の中で、政府は景気の現状をどう認識をしておられるか、また、景気の先行きそして回復の時期をいつごろと読んでいらっしゃるのか、これは経企庁にお尋ねをしたいと思います。
○塚田説明員 ただいまの景気の現状及び見通しに対する御質問でございますが、我が国経済は現在、公共投資や住宅投資は堅調に推移しておりますけれども、個人消費は総じて低迷が続いておりまして、設備投資も製造業を中心に減少しております。このように我が国経済は調整過程にございまして、円高等の影響もあって総じて低迷が続いている現状でございます。 政府といたしましては、厳しい経済の現状を踏まえまして、累次にわたる経済対策等を通じて今次の景気低迷に鋭意対処してきたところでございます。加えて、今般緊急経済対策を策定いたしまして、経済の先行きに対する不透明感を払拭するとともに、景気回復への動きを確固たるものとするよう努めることとしているところでございます。今回の対策に含まれております規制緩和の推進、円高差益の還元、生活者・消費者の視点に立った社会資本の整備等の施策等を早急に実施に移しまして、その効果を経済の各分野に速やかにかつ十分に発現させることにより、全体として相当の経済効果を発揮させると考えております。 このように経済情勢の変化に細心の注意を払いながら、適切かつ機動的な経済運営に努めることによりまして、我が国経済を内需を中心とするインフレなき持続可能な成長経路へ円滑に移行させてまいりたいと考えておる次第でございます。
○米田委員 今後相当な経済効果を発揮するだろうというお答えでした。 これについては後ほど意見を申し上げますが、その前に、政府は昨年の八月に十兆七千億円、さらに今年の四月に十三兆二千億円の刺激策を決定いたしまして、そして九月十六日の緊急経済対策の発表に至ったわけでございますが、これまで過去において政府が行った景気対策の当初の効果予測と実際の結果はどうであったのか。政府の見通しどおりですと、景気は本来回復軌道に乗っているはずでございますが、この現状でございますから、見通しが外れてしまった原因は何なのかお尋ねをしたいと思います。経企庁。
○藤井国務大臣 企画庁のお役所ですと、どうしても型どおりの話になるので、ざっくばらんに私が申し上げた方がいいと思います。 前政権のときに、四、五月ごろに、景気は循環サイクルとして一つの底をついてきていると言ったのは当たっていたと思うのです。確実に当たっていたと思うのです。ところが、その後の冷夏、長雨というのが相当水をぶっかけているのは事実ですし、急速な円高がそれに加わっております。私はG7に行ってこれを一番強く主張いたしました。本来景気は一つの軌道に乗りつつあり、かつ数回にわたる経済対策というものは大分意味のあることをやったのだけれども、全部水をぶっかけられてしまったのだ、こういうことを言ったわけであって、それが私は一つの延びた理由だと思います。 もう一つは、やはり構造問題というのがあるということを今度の景気の現状において考えていかなければいけないと思っておりますし、先ほど企画庁が申したとおりでありまして、この規制緩和とか内需中心への切りかえとか、そういうことに今一生懸命取り組んでいるわけです。同時に、大蔵省の立場だけで申しますと、金融構造だと思うのです。金融システムが非常に機能してない、ここに一つの大きな焦点を置いて私どもが今やっているのが現状であるということを申し上げたいと思います。
○米田委員 大臣から答弁をかわっていただきましたので、ついでにもう一点大臣に伺います。 公定歩合の問題ですが、二月四日に三・二五から二・五、そしてまた九月二十一日に二・五から一・七五、日銀としては史上最低水準にまで引き 下げたわけでございますが、この効果について大臣はどのように認識しておられますか。
○藤井国務大臣 これは一・七五%が出る前から申していたのでございますが、私は、金利、公定歩合を下げても今までのような即効的なものはなかなか難しいのではないかということを端的に申し上げてまいりました。それは、今の金融システムが絡んでいるからだと思います。しかし、景気対策という意味から考えて、一・七五にするということの意味は当然あるわけでございまして、それなりの効果が出ているのは事実であるし、また、今着々と長期プライム、短期プライムそしてまた実際の貸出金利というのは下がってきているわけであります。 しかし、それだからといって、過去の何回かあったような即効的な効果が出ていないというのは、システムの問題あるいは先行きに対する企業家の皆さんの気持ちとかいろいろなものが複合的に絡んでおりますから、そこにはおのずからの一つの限界があるということは事実だと思いますが、効果がないものではない。明らかに心理的効果があるのみならず、金利は着実に低下してきているということはもう御承知のとおりと考えております。
○米田委員 公共事業の執行状況はどうでしょうか。
○藤井国務大臣 八月末現在で六九・二%というのは平成五年度当初予算の数字であります。この平成五年度の当初予算を上半期七五%に持っていくというのが前内閣以来の一つのめどであったわけでありますが、間もなくその発表があると存じます。私はこれは達成されることは間違いないのではないかと考えております。一部には、いわゆるゼネコン問題等でこれがうまくいかないのではないかという観測もあるようでございますが、私はそういうことはない、着実に達成されるというふうに考えております。 それから、もう一つは六月の補正でございます。六月の補正がそれの後を追って今執行されているわけでありますが、これについても着実に現在執行が始まっているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○米田委員 先般、九月十六日に政府が緊急不況対策を発表いたしました。これを読ませていただきますと、私はこれではやはり効果が薄いだろうと思うのですね。住宅建設促進関係の対策について言えば、これは一定の効果がございましょうが、実際にGNPの六割を占める国民の消費需要が萎えてしまっていることは、これは大臣も御承知だろうと思いますし、また、経済成長の原動力とも言える民間の設備投資、これが一向に盛り上がっていないことも事実であろうと思うのです。 ですから、GNPの二割程度を占めております政府や地方自治体の公共投資をふやしていきましても、総需要の刺激は難しいのじゃなかろうか。その公共投資も、生活関連投資が中心となりますと波及効果も当然そう大きいものではないでしょう。そしてまた、ゼネコン汚職等の影響は余りないというふうな今のお話でもございましたが、実際には各地方自治体等の公共事業発注も足踏み状態にあることは、これは間違いないと私は見ておるわけでございます。そうしますと、この面からの不況対策も期待薄ということになります。 さらに、先ほどの経企庁のお話の中で規制緩和という問題が出てまいりましたが、規制緩和が果たして緊急対策になるのか。これから議論をしてまいる問題でございますし、非常に大きなタイムラグがある。あれやこれやと考えてみますと基本的に、大臣の御認識は御認識としておありでしょうが、まことに先の見えない状態であることは間違いがないと思うわけであります。 そこで、今回のこの政府の対策の項目ごとのGNPへの乗数効果、これをどう見ておられるのか。また、トータルとしてGNPを何%ぐらい引き上げるお考えなのか。当然そういう数量的な見通しをお立てになってこの不況対策を決定しておられるであろう、そうでないとこれは話が見えてこないわけでありますから。以上二点をお尋ねをしたいと思います。
○塚田説明員 今回の緊急経済対策の効果いかんというお尋ねでございますけれども、御指摘がございましたように、今回の緊急経済対策においてはこれまでなかなか手をつけられませんでした規制緩和や円高差益の還元を大きな柱としておりまして、これらだけでも相当の効果がある、定量化は難しゅうございますけれども、こう考えております。これに加えまして、今回の対策中に金額が示されておるものを単純に合計しただけでもおよそ六兆円と計算されます。この限りでも、相当思い切ったものになっているというふうに考えております。 この部分につきまして、これまでの対策と同様の方法で波及効果も含めた一年間の効果をあえて試算いたしますと、名目GNPのおよそ一・三%程度になるというふうに考えております。したがって、対策全体といたしましては経済の活性化に大きく寄与するものと期待しているところでございます。
○藤井国務大臣 むしろ補足みたいになるのでございますけれども、今回の緊急対策の六兆円というのが過去の十三兆とか十兆に比べると小さいという話もあるのですが、それは上積みなんですね。今までこれだけやってこられたそれの上積み部分だということはひとつ御理解をいただきたいと思います。十兆なり十三兆で効果が余り出なかったじゃないかというのは、先ほど申し上げたように、異常な事態がことしの春から夏にかけて起こったということが大きく原因しているということを申し上げておかなければならないと思います。 また、おっしゃるとおり、規制の緩和ということは目先の緊急対策ではないではないか、これはそのとおりだと思います。しかし、今こそこういうことをしっかりやって、将来の経済構造に対して見通しをつけておくことは大変大事な施策であるということもあわせて御理解をいただきたいと思います。
○米田委員 我が党は、十一月五日に、九月十六日に発表された政府の緊急経済対策の見直しを求めながら、第二次補正予算案の早期国会提出に関する要請を政府にいたしております。 冷え切った消費需要を喚起するための大型所得税・住民税減税の実施回高齢化、情報化等に対応した新社会資本の整備。地域経済に配慮した公共事業の追加。異常気象・冷害による地域経済の予想以上の落ち込みへの対応策。公定歩合引き下げが市中金利の引き下げに必ずしも連動しないことによって資金繰りに苦しんでいる中小企業対策。失業率にあらわれない企業内失業者の問題等きめ細やかな雇用対策。また、建築基準法や容積率緩和等による住宅建設促進策。八番目として、農業については、冷害に対する農業共済対策や就業機会確保のための公共事業の重点配分等々の八項目を強調しながら、大型の第二次補正予算案の編成と早期の国会提出を強く要請をしたところでございますが、補正予算の編成状況はどうなっておりますか。また、いつごろ提出をされるおつもりか。さらに加えて、補正予算の柱をお伺いしたいと思います。
○藤井国務大臣 補正予算の柱は、既に発表いたしておりますように、九月十六日の緊急経済対策の中で予算に伴ってくるものが一つの柱だと思います。それから、過般決定をいたしましたこの冷夏に伴う農業対策というものがもう一つの大きな柱だと思います。それから、これは言わずもがなかもしれませんが、やはり景気が思わしくないことから来る歳入の減というものもこれに加わるということではなかろうかと思います。大きく分ければ三つの柱だと存じます。 現在、最終的な詰めをやっておりまして、当然のことながら国会で御審議を賜るわけでございますから、その御審議の期間が十分確保できるような時期に提出しなければいけないと考えております。 ただ、ではその間手をこまねいているのかということについて申し上げれば、この冷害対策につ きましては、既に金融措置は例の天災融資一・五%というようなものがどんどん実効上できるわけでございますし、また景気対策でいえば、財政投融資の弾力条項等は既にもう使ってやっておるわけでございます。遺漏なきを期してまっておるつもりでございます。 特に申し上げておきたいことは、当初予算と六月の第一次補正、これが大体第三・四半期にどっと出てくるんだと思うのです。そして、今度の九月対策は第四・四半期に出てくるものだということもあわせ御理解をいただきたいと思います。
○米田委員 早期の提出をぜひお願いをいたしまして、次の質問に移らせてもらいます。 所得税の減税の問題に関しまして何点か御質問を申し上げます。 不況もぎりぎりの段階に入っていると思いますが、私は、対策としては思い切った減税しかないのじゃないか、そんなふうに考えるところであります。我が党は、戦後最長、最大規模となることが確実な今回の不況対策として、五兆円以上の所得税また住民税の減税を行うべきであると再三政府に提言をしてまいりました。ところが、細川総理は、景気対策としての減税ではなく、所得、資産、消費等のバランスのとれた税体系をつくる一環としての所得減税だというふうにかねがねおっしゃっているわけであります。今やこの景気回復の最後の切り札が所得減税であるというふうに私は思いますが、細川内閣はあくまで景気対策としての減税はやらないということなんでしょうか、大臣にお伺いします。
○藤井国務大臣 総理のお言葉をそのまま私が解釈するのはいかがかと思いますが、私がお答えを予算委員会等々でいたしておりますことは、今米田委員御指摘のようにいろいろな政策を講じてきた。経済政策としての手法は、公共投資政策はやっている。あるいは住宅を中心、あるいは中小企業を含めたところの政策減税もやっている。公定歩合政策も今史上最低のところまで来ている回そうすると、残るのは減税ではないか。これはごく自然の私は発想だろうと考えております。 ただ、現在この時点で減税だけを先行するということは、これまたごく常識的に考えますと、垂れ流し的な赤字国債を出す以外に方法がない。これはごく常識的にそうだと思います。しかし、そのことはあくまでも避けなければいけないということは私どもの基本的な姿勢であるということも御理解をいただきたいと思います。 当然、将来の財政負担をふやすということもあるわけでありますが、もう一つ、垂れ流し的赤字国債を出すことの悪さをぜひ御理解いただきたいのは、経済体質の中にそういうものがはまり込みますと非常に不健全な経済体制になる。現にG7で、我が国の一番の経済問題は何かというのをおのおのこもごもに語ったのですが、アメリカのベンツェンはヘルスケアだと言っているわけです。赤字対策だと言っているわけです。そして、カナダの大蔵大臣も赤字財政削減五カ年計画だと言い、ECが挙げて財政体質の改善だと言っている。このことは、言葉はちょっと悪いのでありますが、財政エゴというような次元ではなく、財政を悪くすることはその国の経済体質を悪くする、こういうことと関連しているということをあらわしているのではないかと考えておりまして、私は垂れ流し的な赤字国債をもととして目先減税をするのには反対である、これが総理の御意向でもあろうと考えております。
○米田委員 税制論議が、所得減税イコール消費税増税とセットで論議をされているというふうに思います。政府税調の論議は現在報道されているとおりなんですか、大臣。
○藤井国務大臣 これは税制調査会のことでございますから、私がとやかく申し上げるのはいかがかと存じますが、私が国会なりでお答えしていることをもう一度繰り返すならば、税制調査会は、今後の経済社会あるいは福祉のあり方等々を見渡して、我が国の税制のあり方の基本的理念を御議論になっていると考えております。
○米田委員 新聞報道によりますと、所得減税を先行実施して、タイムラグを置いて消費税の増税を平成六年三月に行う方針と言われておりますが、これはどうでしょうか。 また、消費税を上げれば当然消費が落ち込むことが予想されるわけでありまして、今回の不況の要因の一つが、先ほどからの論議のように消費支出が伸びないことと言われているわけでありますから、所得減税を行っても、景気が回復しないと思えば、将来の生活への不安からかなりの部分が貯蓄に回ることになるとの各所の試算も行われているわけでございます。現に大蔵省の従来の主張はたしか、減税をしても貯蓄に回るので景気対策としては減税は効果がないという御主張であるというように理解をしておりますが、仮に五兆円程度の所得減税を行った場合に、政府としてはどれだけが消費に回り、どれだけが貯蓄に回る、こんなふうな試算はされておられますか、大臣。
○藤井国務大臣 細かい数字の話は、もし必要であれば事務当局から答えさせますが、私はさっきから申し上げているように、所得減税というものが経済に全く効果がないということはあり得ないわけです。ムード的にもいいことはもう間違いないわけであります。 ただ、御指摘のように減税をしたらどれだけ消費に回るかということについては、今先行きの見通しが非常に難しい段階においてそんなに多く消費には回らないだろうという一部の議論というか、相当の議論は、これは正しい面を含んでいるように思っております。しかし、減税論者が言っておられるように、やらないよりやった方が非常にムードが明るくなるという、そのアナウンスメント効果を否定してはいけないと考えております。
○米田委員 タイムラグを置いて消費税率のアップを図るというのは、これは間違いないですね。
○藤井国務大臣 そのようなことは一切承知をいたしておりませんし、私の国会の議事録をお調べいただいても、そういうことは一切申しておりません。
○米田委員 今そういう大臣のお答えでございましたが、ここでひとつ政府と政府税調の関係について、改めて確認の意味でお尋ねをしてみたいわけであります。 政府税調とはそもそも何を行う機関でありますか。
○藤井国務大臣 政府税調は内閣総理大臣の諮問機関でございます。内閣としていろいろな税制の方向を御議論いただくときに、有識者として税制調査会の御意見をいただくことは極めて大事なことだと考えております。しかし、物を決定するのは政府であり、また連立与党を中心としたこの国会の各党の皆様の御意見のもとに決定するものと考えております。
○米田委員 細川総理は、所信表明演説や我が党議員の代表質問あるいは予算委員会等での質問に対する答弁で、政府税調の検討結果を尊重すると再三発言しておられますが、大臣、そのとおりですね。
○藤井国務大臣 そのとおりでございます。ただ、総理が言っておられますように、税制調査会で基本的な物の考え方を御討議いただき一定の御結論をいただこうという段階において、お願いした立場の者が、自分たちはこう思うということを余り軽々に言うことはいけないというのが総理の御意向だと思っております。
○米田委員 そういうお答えをしていただいているわけでありますが、重ねてお尋ねしてまいります。 新生党の愛知議員は政策幹事というお立場だと聞いておりますが、その役割はどういう役割なのでしょうか、党内で。大臣も新生党の所属でいらっしゃるので伺いたいのです。
○藤井国務大臣 私は実は連立与党の中のいろいろな細かいお役割については承知をいたしておりませんので、お答えできないことをお許しいただきたいと思います。
○米田委員 十一月五日の新聞報道によりますと、政府税調は専門的、技術的に調査をして意見 をまとめるのが役割で、その答申で政策的方向づけまですべきでない、それは政治の仕事だと、はっきりと政策幹事である愛知議員が政府税調の事務局であるところの大蔵省に注文をつけたという報道がございました。細川総理は政府税調の総会で、所得税減税を含めて直間比率の是正等税制の抜本的改革について十分な審議をいただき、適切な指導を賜ることをお願い申し上げる、私は税制調査会での検討の成果を尊重してまいりたいと。いわば政府税調に全面的にげたを預けている、こんなふうに理解できる発言をしておられると思うのですね。この政策的方向を示すべきでないとする愛知政策幹事と総理の発言のどちらを大臣はおとりになるのか。
○藤井国務大臣 私は、それは同じことを言っておられるように思います。当然のことながら、総理が諮問されるに当たっては、繰り返しになりますが、今後の経済社会の中において、また活力ある福祉国家を築いていくためにどういう税制がいいのかということを聞かれた。そして、聞かれた以上その御結論を尊重するというのは、これは当然のことだと思います。したがって、そういうことを総理が国会でたびたび答弁されていると思います。 しかし、同時にまた、その税制調査会の今の御議論というのは、物の考え方の基本を今議論されているように思いますが、その中で、具体的にどういう仕組みというのでしょうか、それを取り込んでいくか。例えて言えば数字など、これは政府が責任を持って、国会に対して責任を持って決めていくものであると考えております。
○米田委員 大臣の解釈は承りましたけれども、それにしても、政府税調の幹部が減税規模や消費税率について、あたかも所得税減税と消費税率アップが既にセットで決まったかのような、私見とはいえ、予断を与えるような発言をいろいろな場所で、あるいは雑誌等でも報道関係におきましても繰り返しておられるわけでありますが、これについてどう思いますか。ちょっとしゃべり過ぎではないですか。
○藤井国務大臣 私は、個々の方がどういう意見を言っておられるか全く承知をいたしておりませんもので、その点については一切責任を負いかねます。しかし、最終的に国会に対して責任を持っているのは私であるということを改めて申し上げます。
○米田委員 景気回復の先行きが見えにくいとき、もし仮にこのタイムラグを置いたところの消費税の引き上げと引きかえの所得減税が行われるとするならば、その効果が半減されるばかりか景気回復の足を引っ張ることになりかねないというふうに考えます。したがって、消費税の引き上げと所得減税のセットの議論について反対の意見を申し上げておきたいと思います。 次に、この際、私見でありますが、私案でありますが、ちょっと大臣に提言をしてみたいというふうに考えておるわけであります。 一回限りの金券による所得減税を行ってはどうか。一世帯十万円なら約五兆円規模としまして、金券には三カ月程度の使用期限をつける。そして、この金券は買い物、旅行、飲食等あらゆる消費に利用できるけれども現金との引きかえはできない、こういう仕組みをつくれば、限られた期間内に全額が消費に回り、確実に消費拡大、GNPプラスに貢献すると思うのであります。財源は、すべてが消費に回るため、短期償還の国債でも容認されるのではないでしょうか。本格的な所得減税と税制改革は一年間経済の情勢を見ながらさらに検討を行うということで、減税の実施は担保しておく。 この方式ならば、後から消費税の引き上げがついてくる所得減税よりはるかに景気対策として有効ではないかと思うのです。詳細は承知しておりませんが、かつて米国政府が小切手をもって今申し上げたような減税を実施したという話も聞いているわけでございますが、ぜひ検討されたいわけであります。大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
○藤井国務大臣 貴重な御意見だと思うのでありますが、一種の戻し税だろうと思うのです。戻し税というのは昭和五十二年と五十三年と五十六年と三回やったと思うのですが、いずれもこれは総括して評判が物すごく悪いのですね。すごく評判が悪いのです。 そういうことなどを考えますと、しかもこれは残念ながら一過性なのですね。そういう意見を私は持っているということをあえて申し上げさせていただきます。
○米田委員 せっかくの提案でございましたが、一蹴されました。私も研究をいたしますが、大臣ももうちょっと真剣に考えてください。 次に、相続税についてお尋ねをいたします。 ここ数年というよりもバブルの崩壊後、相続税の延納、物納が急激にふえていると思いますが、どのくらいふえているのか、またふえた要因をどうお考えかお尋ねいたします。
○藤井国務大臣 私は、基本的には一部の地域において土地の価格が暴騰したことによって、一部の地域に非常に納税者がふえた、このように認識しております。
○米田委員 延納を申請して認められるのはどういった場合でしょうか。
○小川政府委員 相続税における延納が認められる場合は、基本的に現金納付であるにもかかわらず現金をもって納付することが著しく困難である場合でありまして、しかもこの債務についてきちっとした担保の提供ができることが条件になっているわけでございます。
○米田委員 この延納の許可率は大変低いですよね。どうですか、許可率。
○小川政府委員 ただいま直近の申請状況等の細かいデータは持ってございませんが、延納の申請がございますと、その状況を審査いたしまして、基本的には許可がされるわけでございます。 ただ、ただいま申し上げましたように、相続税の基本原則は他の税と同様に現金納付でございます。しかし、財産に対して課税をされるということから、例外として延納が認められているわけでございます。そういう意味におきまして、特段これが大変厳しい、実情から離れて低いということではございません。
○米田委員 許可率が実際には低く、かつなかなか時間がかかるという話を体験者からしばしば伺っているわけでございます。 この延納から物納への切りかえは、現行税制では不可となっております。しかし、バブルの崩壊によりまして土地の資産価格が大幅に下落し、とりあえず延納して、土地を売った金で相続税を納税しようとする人が、土地は売れない、相続税は納められないという状況になっております。延納から物納への切りかえが行われるようにすべきだと考えますが、いかがでございましょうか。
○藤井国務大臣 事務局では答えにくいと思いますので……。 私は、もう予算委員会でお答えしておりますように、ある特定の時期についてはそういう措置が必要ではないかと考えております。
○米田委員 ある特定の時期と申されましたが、どのような時期を想定しておられますか。
○藤井国務大臣 土地価格が急騰したときだと申し上げられると思います。
○米田委員 そうしますと、平成元年前後あたりと申しますか、その辺の具体的な年度についての想定は、大臣、おありなのですか。
○藤井国務大臣 現在検討中でございますので、その点はお許しをいただきたいと思います。
○米田委員 検討中というお答えでございましたが、早ければ来年度あたりの改正でも特例をお認めいただくというふうに理解をしてよろしいですか。
○藤井国務大臣 通常国会に提出させていただきたいと考えております。
○米田委員 日本の相続税は諸外国と比べて高いのですね。取り過ぎではないかと思われるくらいでございまして、昨年の国税収入全体に占める相続税の割合は四・八%かと思いますが、ドイツの 〇・五%、イギリスの〇・八%、アメリカの一・八%などに比べますと圧倒的に高いわけであります。しかも、大都市に集中をしておりまして、これは平成三年分の国税局別相続税の課税割合でございますが、東京国税局の管内が一三・三、関東信越国税局が六・三、大阪国税局が八・八、名古屋国税局が九・三、あとその他の地方につきましてはすべて五%以下というふうな状況で、明らかに大都市圏に集中をしておることが想定をされるわけであります。また、さらに昨年の死亡者数に対する相続税の納税件数、全国平均が六・八でありますが、東京都区部では一七・八、死者五人から六人に一人の割合に達しているわけであります。 こういう状況の中で、今東京を初めとする大都市を中心に、お店等の中小企業の経営者の皆さんが土地をお売りになる、そしてこの廃業の跡が空き地となって点々としているという状況があちこちに散見されるようになりました。たしか、かつて新聞報道で、大臣も個人的に大分相続税ではお悩みになったという報道があった、そんな記憶があるのですが、相続税を納税するために先祖伝来の土地を手放したり商売ができなくなるということは大変な問題ではなかろうかと思います。 相続税を大都市問題としてとらえ、何らかの大きな見直しと申しますか対策を行うお考えを、私も同じでありますが、神奈川という都市出身の議員として藤井大臣のお考えを聞きたいと思います。
○藤井国務大臣 米田委員の今の御指摘は全く正しい御指摘だと思っております。したがって、私がさっき、何で相続案件がふえるのかというお話に対して、特定の地域の特定の土地が急騰したからであるとお答えしたのは、まさにそのことでありまして、そのために、税の理論からいうと必ずしも正当理論でないかもしれませんが、二百平米を限定いたしまして居住用財産及び事業用財産について大幅な評価減措置をとってきているところであります。このような方向は正しいことと考えております。
○米田委員 最後にお尋ねをいたしますが、最近のマスコミ報道、すなわち十一月三日TBSにおきまして、二十一時から情報スペースJという番組が報道されました。この中で、新生党さんが前回の衆議院総選挙立候補者に二千万円から三千万円の選挙資金を渡したという報道がされましてびっくりしましたが、実際に札束の数を勘定しているような場面も放映されたわけであります。そしてしかも、党本部の指示で五百万円だけを公認料として届け出るように言われたというふうにその候補者御本人が何人か登場してテレビのインタビューに答え、そして重要な点は、選挙に使った旨の発言をほとんどの方がしておられる。しかも、選挙費用の収支報告の中に金額のすべてが届け出されているわけではないという事実も報道の中で明らかにされたわけであります。 自治省にお尋ねをしますが、これが事実とすれば公職選挙法に触れませんか。公選法違反ではございませんか。
○山本説明員 お答えいたします。 一般論で申し上げますと、公職選挙法上におきましては、候補者に対する寄附等につきましては、それが選挙運動に関してなされたものであればすべて選挙運動費用の収支報告書の対象となるというぐあいに定められておるところでございます。公職選挙法の百八十五条並びに百八十九条に定めがございます。したがいまして、具体的な問題につきましては、そういったような事実があったのかどうか、あるいは仮にあった場合に、それが実際に選挙運動に関するものであったのかどうか、こういったことにつきまして具体的事実に即して判断がされる必要がございます。 私ども自治省といたしましては、具体的な事実を調査する立場にございませんので、お尋ねの公職選挙法に違反するかどうかということにつきましては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。 以上でございます。
○米田委員 自治省としては調査をするお立場にはないということですが、実際に御当人方が登場してそういう発言をしておいででございました。 そうしますと、これは、どういう形が整いますと自治省なり関係当局が事実の究明に動くことになるのでしょうか。
○山本説明員 公職選挙法の定めは先ほど申し上げましたとおりでございます。したがいまして、具体的な事実が公職選挙法に違反するかどうか、そういう事実があったかどうかということにつきましては、それぞれ関係当局におきまして適正に対応がなされるべきものというぐあいに考えます。
○米田委員 この番組を見ておりましたら、新生党の候補者の皆さん全員がお出になっていたわけではないのですが、例えばこんなケースも考えられるでしょう。 これは政治資金であるという形で答えられた方もおられるかもしれない。ならば、これは当然来年の一月から三月末までの間に報告せねばならない政治団体の選管に対する収支報告にあらわれてこなければならないわけでありまして、こういうケースもあり得るのでございますから、ぜひこの辺を当局としては注目をしていただきたいというふうに注意を喚起したいと思います。 また一方、政治資金でもない、また選挙資金でもないということになりますと、これは課税の対象ともなるわけであります。また、原資が一体どうなっているのかという疑問も当然わいてまいります。 国税庁にお尋ねをしたいわけでありますが、この点につきどうお考えか。また、必要な調査をする御意思はないのかお尋ねをしたいと思います。
○若林政府委員 個別にわたる事柄に関しましては答弁することを差し控えさせていただくことをお許しいただきたいと思うわけでございます。あくまで一般的に申しますと、国税当局といたしましては、あらゆる資料、情報の収集ということに努めまして、そういうことを初めとしていろいろやりまして、その結果として適正な課税の実現に努めるということで従来から対応してきております。 そういうことで、今後ともこの考えに基づいて適正に対処してまいりたいと思っております。
○米田委員 今後の事態の進展によりましては関係各当局が厳正な対応をなさいますように期待をして、私の質問を終わります。
○宮地委員長 岸田文雄君。
○岸田委員 私は、広島一区から参りました岸田文雄と申します。先ほどの米田議員と同じく自由民主党初当選でございます。どうかよろしくお願いいたします。 それでは、私もいろいろお伺いしたいものがあるわけでありますが、まずもって大変興味の中心であります景気対策から始めさせていただきたいと思います。 今回の不況、一説には通常の景気循環、平均十五カ月という説もあるようでございますが、そういった見地から考えましても大変深刻なものがあると思うわけであります。加えて、ことしは冷夏、災害、そして円高、公共事業の発注、施行のおくれ等々特殊な要因がたび重なりまして、先行きの方は大変暗いものを感じるわけであります。 そういった中で、政府は九月十六日、緊急経済対策を発表されましたし、また九月二十一日には公定歩合一・七五%、これは史上最低水準であるわけでありますが、そういった決定をされたわけでありますしかるに、その後の状況を見ておりましても、平均株価二万円割れ等々の現象を見る限り、顕著な効果はあらわれていないのではないかなというふうに思う次第であります。そういった状況の中で国民の不安は大変大きいものがあると思うわけであります。 そこで、先ほど米田議員の方からも所得税減税について御質問があったわけでありますが、私も多少表現を変えまして、このあたりをお伺いできればと思う次第であります。 やはり、こういった厳しい状況の中で、私自身 としてはアナウンス効果のある景気対策の目玉としまして大幅な所得税減税、これは必要であると思うわけでありますが、これにつきまして細川総理も再三その答申を尊重するとおっしゃっておられますようでございます。政府税調におきましては、この場合、予算単年度主義あるいは減税食い逃げ防止の見地から所得税減税と消費税税率アップとを確約する形でセットで行うという説があるようでございますが、私自身はそれについて疑問を感じておるわけでございます。 そもそもこの議論を聞いておりますと、直間比率の見直しというあるべき税体系という問題と景気対策とを何かごちゃまぜにしておられるのではないかなというふうに思うわけでございます。景気対策という見地から考えました場合、この所得税減税と消費税税率アップはセットで考えるということに関しては、二つの理由から疑問を感じるわけであります。 一つは、景気対策における心理的効果という面から、また一つは、この所得税減税と消費税税率アップを仮にセットで考えてみました場合、その結果としまして高所得者層には大幅減税が結果として出てくると思うわけでありますが、中あるいは低所得者層に関しましては結果として減税効果は小さい、あるいは負担が大きくなるという結果があるのではないかと思うわけであります。 そもそも景気対策ということから考えますと、消費の拡大を主な目的にこういった議論が行われておることから考えますと、もともと高所得者層はどちらかというと貯蓄性向が大きく消費性向の方が小さい。逆に低所得者層の方が消費性向が大きいということが言えると思うわけであります。そういったことから考えますと、この所得税減税の財源を消費税の税率アップに求めることにますます疑問を感じるわけでございます。景気対策として、消費拡大の目的のために所得税減税の財源を消費税税率アップに求めるのではなくして、財源の方は時限立法による国債の発行あるいは経費節減等の政府の自助努力あるいは景気回復時の税収アップ等々に求めるべきではないかというふうに思うわけであります。 もともと大蔵省の方は、先ほども米田議員のお話にもありましたが、所得税減税の効果については疑問を感じておられる、反対であるというような意見ではなかったかと思うわけでございますが、そういった中で、重なる部分もあるかもしれませんが、もう一度政府税調の論議等も踏まえた上でこの辺のお考えをお聞かせいただければと思うわけでございます。よろしくお願いいたします。
○藤井国務大臣 今岸田委員のお話のように、あるべき税制の姿と景気対策としての減税は違う、これはもうそのとおりだと思います。 そこで、景気対策としての減税はどうかということについて、もう一度繰り返しますけれども、今まで各種の施策を講じてきて、やはり次は減税だなという話が出てくるのはこれはもう当たり前のことだと思っています。また、大蔵省が言っておりますのは、公共投資政策と減税対策はどっちが経済効果が大きいか。あれは世界経済モデルで持ってきたんだと思うのですけれども、世界経済モデルからいうと公共投資政策だということから、前政権もそちらに力を入れてこられた、こういうことですね。私がさっき申し上げたのは、それはさりながら心理的効果があるでしょうということを申し上げたわけです。 しかし、この財源を垂れ流し的赤字国債でやるということはとても受け入れられないことだ。私は過去の、十五年間かかったわけですね。昭和五十年度補正予算のときは私は大蔵省の役人やっておりまして、このとき赤字を初めてやったんです、大平大蔵大臣の時代なんですけれども。十五年間かかった。しかも昭和五十四年度というのは経済が物すごくいいんですよ。いいにもかかわらず四〇%の国債依存度になり、そのうちの半分以上が赤字国債だったのです。これは一たんやってしまうといかに難しいかということの証左なんですよ。このことを考えますと、私はどうしても垂れ流し的赤字国債には反対であると申し上げざるを得ません。
○岸田委員 大蔵大臣の御意見を承りまして、所得税減税に心理的効果はあるというのはおっしゃるとおりだと思うわけでありますが、ぜひその心理的効果、より効果的に現出できるように一層の御努力、工夫をお願いしたいものだと思うわけでございます。よろしくお願いいたします。 そして、今所得税減税の話の中で消費性向のより大きいのは高所得者層より低所得者層の方であるということを申し上げたわけでありますが、景気対策として、消費拡大の見地からいいますと、低所得者層の消費を促す対策、これはまた別途考えなければいけないのではないかと思うわけでございます。例えばこういった層に一番効果があると私自身思いますのは教育減税等、このあたりが中心ではないかと思うわけでございます。こういった低所得者層への消費拡大の見地から、教育減税等といった分野に関しまして一層の御努力等必要ではないかと思うのですが、御意見を例えればと思います。よろしくお願いします。
○藤井国務大臣 これをどういう形でやるかというのは非常に前から議論されまして、特定扶養控除という制度で十六歳から二十二歳というお子さんのある方について措置をしよう、こういうことになったわけです。そのことは、教育というのを表に出さない、しかし同時に扶養控除のところで、非常にお金のかかるお子さんのところだということでやっているわけであります。ある特定の目的を持ち出しますと全部あるのですよ。理由は何でもあるのですよね、教育とかなんとか言えば。そうではなく、そこいらのお子さんをお持ちの方にお金がかかるだろうということから特定扶養控除という仕組みをつくったわけであります。そういう中で考えていくべき問題であって、教育控除という形については、私は税の物の考え方から必ずしも納得することはできないということを申し上げたいと思います。
○岸田委員 今一つの例として教育を申し上げたわけでありますが、それでは低所得者層の消費拡大、大きな意味での消費拡大という意味から、何か目玉となるようなお考えがあればお聞かせいただきたいのですが、いかがでございましょうか。
○藤井国務大臣 今の岸田委員のお話に入っていくと、一体減税はどういう内容だという話になるわけでありますが、今申し上げましたように、景気対策としての減税は財源を考えるととても難しいということを申し上げている段階において、減税の中身がどうこうということを私の立場で申し上げる段階ではないと考えております。
○岸田委員 ありがとうございました。 それでは、もう一つ景気に関してお伺いしたいと思うのですが、これは先ほどの所得税減税にせよ、今申し上げましたようなその他の減税にせよ、これから実施されだとしても効果としてはやはり来年度以降ということになるかと思うわけでございます。そういった中でも、現在の状況は本当に厳しいものを感じておりまして、より即効性のある対策、何か考えられないもめかなというふうに思っております。 それで、先ほど大臣の方から米田議員の質問に対するお答えの中で、戻し税等の減税、これは大変評判が悪いという話があったわけでありますが、私も実を言いますと、年末調整時に戻し税タイプの減税等即効性のあるものとして何かできないかなと考えてはおったわけでございます。より早い時点での効果ということを考えて、何か大臣の方にお考えがあればと思うわけですが、いかがでございましょうか。
○藤井国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、私はこの経済の現状というのは一つの循環サイクルがあることは間違いないと思います。経済である以上、当然循環があるのですね。しかし同時に、構造問題というものが非常に深くかかわっている。しかも、資産インフレ期のいろいろなひずみが残っている。 こういうことを考えますと、今のようなものを地道にやっていくことが大事であって、構造政策 を無視してお金たけ注ぐ、つまり総需要政策ですね。総需要政策だけで景気が立ち直るというような、しかも即効的にですね、そういう状況でないということだけは素直に我々は考えながら、地道にやるべき底固めはしっかりやらなければいけないと思います。底固めはしっかりやりながら、地道な対策もあわせてやっていくという時期ではないかと考えております。
○岸田委員 ありがとうございました。 大臣の誠意あるお答えをいただきまして感謝しておりますしかるに、先ほど大臣自身も所得税減税のところで心理的効果云々もおっしゃっておられたように、やはり国民の心理的な不安といいますか、景気に対する先行きの不安感、これは大変なものだと思うわけでございます。地道な努力ももちろん大切かと思いますが、ぜひそういった心理的な部分に働きかけるような対策、ぜひ何か目玉になるようなものがあれば引き続き努力をお願いしたいものだと思います。よろしくお願いいたします。 それで、次に為替の円についてちょっとお伺いさせていただきます。 一時期大変な円高の勢いがつきまして、一ドル百円に迫る時期があったわけでございます。その後、調整局面というのでしょうか、一休みという感もするわけでございますが、まずもって本日の午前の寄りつきはどのくらいであったかお伺いしたいと思います。お願いできますでしょうか。
○加藤(隆)政府委員 本日の東京市場における寄りつきは百七円七十銭でございます。
○岸田委員 ありがとうございました。 そういった水準でありますが、こういった円高の水準、いろいろな見方もあるかとは思うのですが、四年近くも減益を強いられている多くの輸出産業においては、この水準自体本当に耐えられないものがあると思うわけであります。私の地元広島におきましても、自動車産業マツダを初め地域を支えている多くの自動車関連産業、これが悲鳴を上げて、地域経済自体が大変沈滞しておるような現状でございます。 そもそも政府のこの円高に対する方策、九月には大蔵大臣もG7に御足労なすったわけでございますが、景気対策、緊急景気対策における円高差益の還元等、そういった方策を見ておりますと、現在の円高の水準そのものを容認した上で対策を考えておられるような気がしてならないわけであります。 我が党におきましては、この夏、不況、冷害に関しまして各業界からヒアリングを行ってまいっております。そういった中で、各業界の発言をもう一度振り返ってみますと、例えばこれは八月二十四日の段階でありますが、鉄鋼業界の方からは一ドル百二十円から百三十円でなければ競争力は持てないというような意見もございました。また、これは十月二十一日の段階でありますが、日本経営者団体連盟、こちらの方からは一ドル百十五円プラス・マイナス五円を希望するというような話も出ておるわけであります。そういった意見もあるわけでありますが、その一方で、海外の方、アメリカの方からは、高官筋の話としまして一ドル八十円というような発言まで飛び出しているということを考えますと、米国の方からは貿易不均衡是正のため一層の円高圧力もかかってきておるのではないかということを感じるわけでございます。 こういった中で、政府の対応を見ておりますと、日本政府としてその与えられた円高水準、実際にあらわれた水準に対して泥縄式に対応をとっておるのではないか。要するに、後手後手に回るような感がしてならないわけであります。この辺は、投機等の関係でいろいろ難しい問題があるかとは思うわけでありますが、現在の日本経済の状況として、あるいは国際状況においてあるべき日本政府として考える為替水準、これはある程度の信念、考えは持っておくべきではないかと思うわけであります。その辺について御意見を聞かせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○藤井国務大臣 今、岸田委員の御指摘の九月二十五日からのG7では、私はこう言いました。さっきもちょっと言ったのですが、経済政策はいろいろやっているのだ、また、一時はサイクルとしては一つの底があったのだけれども、こうだめになった中には急速な円高があったのだ。このことが日本経済に水をかけた、そのことは世界経済にとってもマイナスなんだということを私はG7で申しました。 しかし、水準は幾らがいいかということについては、これは私としては触れるべき立場にはないということもあえて岸田委員には申し上げたいと思いますが、今毎日一兆ドルから九千億ドルの金が世界の市場を回っているわけでございますし、その中で日本の外貨準備は九百億ドルちょっとですから、もうけたが違うわけですね。そういう中で、私のような者であっても、その発言でどちらへ振れるかわからないような振れ方を目先するわけです。したがって、私どもは今の為替レートがどうだということについては触れるべきことではないということをひとつ御理解をいただきたいと思います。 そこで、対策は何か。今ここいらが理想的な姿だということではなく、まず何よりもこのように円高になってきた根幹というのは、恒常的に大きな経常収支の黒字がたまり過ぎでいるということ等々なわけです。それには、やはり内需拡大をしていかなければならない等々のことがやはり基本的な対策であって、それにしっかり取り組んでいくことが、やや迂遠のような御印象を持たれるかもしれませんけれども基本的な円レート対策であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○岸田委員 ありがとうございました。 これは、確かに今大臣もおっしゃったように大変微妙な問題でもありますし、影響も考えますと難しい問題ではあるとは思いますが、やはり先ほども申しましたように、ぜひその中で主体的にこの為替の動向について方策をしていただければと思う次第でございます。よろしくお願いいたします。 続きまして、金融機関の金融の円滑化ということで少しお尋ねさせていただきたいと思います。 先ほども言いましたように、大変なこの不況の中で景気回復ということを考えますと一金融機関の責任、役割は大変大きいものがあると思うわけでございます。九月二十一日、公定歩合史上最低一・七五%が決定されたわけでありますが、一方で、地元、地域の方でいろいろ話を聞いてみますと、金融機関の貸し渋りといいましょうか、または金利を下げるに当たってもやはりタイムラグがあるということから、統計としまして、金融機関の利ざやというのは公定歩合を史上最低にしたにもかかわらず拡大しておる、要は金融機関にお金が残っておるような状況にあるわけであります。これは、こういった景気回復を促すという意味から大きな問題ではないかと思うわけであります。 その原因はどこにあるのか。これはいろいろな原因があるとは思うわけでありますが、一つの大きな原因としまして金融機関にあります不良債権の存在、これが貸し出しにおいて大きなネックになっているのではないかなと思うわけであります。資金の流れを円滑化するという上からも、この問題を放置することはいかがなものかなと思うわけでありますが、都銀、長信銀、地銀あるいは住宅専門会社、ノンバンク、いろいろな金融機関があるわけでございます。そういった金融機関におきます不良債権の残高、現在との程度把握されておられますか教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○寺村政府委員 本年三月末現在の金融機関の不良債権の状況について申し上げます。 都銀、長信銀、信託二十一行の破綻先債権及び六カ月以上延滞債権の合計額は十二兆七千七百四十六億円でございます。地方銀行六十四行の破綻先債権は約五千六百九十二億円、第二地銀六十六行の破綻先債権は三千八百六十三億円でございます。 なお、ノンバンク等につきましては、業種が非常にさまざまでございまして上場企業も少ないことから、経理基準の統一がされておりませんことで、不良債権額についてはディスクロージャーは行われていないという状況そございます。
○岸田委員 ありがとうございました。 今数字の方教えていただいたわけでありますが、この不良債権、これは基準がいろいろ難しいと思うわけであります。例えば、今把握されておられる数字の中には、貸し出しでも金利のみを現在支払っておって、それで元本の支払いは到底不可能な状況のものとか、あるいは返済のためにさらに貸し増しをしておるとか、そういった部分は含まれていないと思うわけであります。今十二兆少々の数字が出たわけでありますが、そういったものを含めますと、一説には五十兆から六十兆という不良債権があるのではないかというようなことも言われておるわけであります。 そこで、その数字の方は、恐らく当局の方は基準が難しいということで数字を把握されてはおられないと思いますので、あえてお伺いするべきではないと思いますので省略いたしますが、一説にはそういった莫大な不良債権があるという中で、これは昨年でしたでしょうか、共同債権買取機構が発足したわけであります。不良債権の整理を目的としてこういった機構が発足したわけでございますが、この共同債権買取機構は現在十分機能しておるのか、実績等もし教えていただければと思うわけでございます。
○藤井国務大臣 今の岸田委員御指摘の金融の構造の問題、特に不良債権の問題は非常に重要だと思って、先ほどから構造問題という中にいつもそれを含めていたわけです。そういう中で共同債権買取機構をことしの一月につくったわけです。 あえて一月からの数字で申しますと、ほぼ一兆九千億買ったのです。そして、それを一兆一千億にして買ったわけですね。だから、八千億は金融機関の損が立っています。それは当初の予定からいくと、私は順調な数字だと考えておるのでございますが、問題はその次でありまして、その買った一兆一千億なり一兆九千億のうち、担保処分して回収したのが四十四億円なんですね。一兆に対して四十四億円でありまして、これが非常に機能してないということが問題だと思います。 それが、担保がほとんど不動産でございますから、要するに不動産処分ができないということで御理解をいただきたいと思うのでありますが、最近になりまして、債務者の秘密の保持ということもあって、それがどういうものかというものを余り公表してなかったのですが、これをなるだけ、もちろん債務者の了承をいただいて公表しているわけですね。公表して、例えば地方団体だとか住都公団だとか、非常に土地を必要とするところに情報として提供しております。 そういうことを通じてこの流動化を図っていきたいと思っておりますし、特に、九月十六日対策の中にも書いてございますように、監視区域の緩和でございます。これもあわせてやることなどによって、少しでも不動産の流動化を図って不良債権の解決という方に向けて進んでいきたいというのが私どもの姿勢でございます。
○岸田委員 ありがとうございました。せっかくの機構でありますので、より一層活性化していただきたいと思うわけでございます。 何はともあれ、金融機関、いろいろ言われております。バブル発生の責任等々が言われておるわけでありますが、金融機関そのものを助けるという見地からではなくして、金融資金の円滑化ということにより中小企業を助けるという見地から、この不良債権の整理をより一層進めていかなければいけないと思うわけでございます。 それで、さらにそのために方策を講じるということから、例えば不良債権整理のために公的資金、これは共同債権買取機構発足の際にもいろいろ論議があったわけでありますが、ここで思い切ってさらなる方策としまして、公的資金の導入等々あるいは償却促進のために税制上の措置等々を講じる必要があるのではないかと思うわけでございます。その辺大蔵大臣、いかがでございましょうか。
○藤井国務大臣 これは、この問題の第一歩を踏み出したときいろいろ議論のあったことはもう岸田委員も御承知のとおりであります。ただ、公的資金ということに対しては、今お話の出たような、まず自己の責任において、過去のいろいろな経営の間違いもあるわけでありますから、それを解決すべきであるという基本方針は崩せないということで、公的資金導入は見送っております。 ただ、税制上の措置につきましては償却を促進できるような措置を各般講じておるところでございまして、現在金融機関の自己努力によって相当な償却が進んでいることも事実でございます。
○岸田委員 ありがとうございました。より一層資金の、金融の円滑化という見地から御努力をお願いしたいと思う次第でございます。 そして次に、この証券市場の活性化という見地からひとつお伺いさせていただければと思います。 まずもって本日の株価、どの程度か教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○日高政府委員 本日の日経平均株価は、前日比十二円五十銭高の一万八千六百三十七円で寄りつきまして、その後若干下がりまして、前場の引け値は前日比四十三円安、一万八千五百八十三円でございます。 なお、東証株価指数、いわゆるTOPIXでございますが、寄りつきは一・四八ポイント高でございましたが、前場の引け値は前日比六・八ポイント安という状況になっております。
○岸田委員 ありがとうございました。やはり低迷と申していいかと思うわけでございます。 それで、まずもって大臣、証券市場が大変低迷しておる現状、いろいろな要因があるとは思うわけでありますが、大きな要因としてはどのあたりにあるとお考えでありましょうか、お考えをお聞かせいただければと思います。
○藤井国務大臣 個々の水準については余り申し上げる立場にはございませんが、原因を少し言え、こういうことであれば、企業業績についてまだ先行きが、見通しが立っていない、これが一つ大きくあることは否定できないと思います。
○岸田委員 ありがとうございました。 そういったことでいろいろな要因はあると思うわけでありますが、そういった中で、先日JR東日本の売却が行われたわけでございます。当初六十万ほどに上がったというふうに聞いておるのですが、その後下がっていったということの中で、本日このJR東日本はどういった状況にあるか、お聞かせいただけれはと思います。
○日高政府委員 JR東日本株式の本日の寄りつきは、前日と同じレベルの四十七万九千円でございましたが、前場の引け値は前日に比べまして一万六千円安の四十六万三千円、そういう状況でございます。
○岸田委員 そうしますと、引き続き低落傾向にあるということを考えますと、思いますに、タイミングですとか価格の設定ですとか、要はこの売り方自体に間違いというのはなかったのだろうかなと思うわけでございます。NTT株のときもさんざん言われたわけでありますが、その失敗を多少繰り返しておられるのではないかなという気がしてならないわけであります。 今年度はJTの上場予定、あるいは来年度はJR東海ですとかJR西日本もというような話も聞くわけでございます。これから政府保有株の放出、いろいろ出てくる予定がある中で、この辺についてその売り方に間違いはなかったということについて御見解をお伺いしたいと思います。
○藤井国務大臣 NTTのときのいろいろな状況を見ながら、今回のJRの株についてまず一審変えましたことは初めの入札でございます。NTTのときには一割を入札にかけたわけでありますが、今回は三割を入札にかけたわけであります。それが三十八万円という値がついたわけであります。それに対して初値が六十万というふうになったわけでありますが、このときはその三十八万が 安過ぎたのではないかとかいう意見もあるぐらいで、この相場そのものについての水準は私ども語るべきことではないと思っております。 それで、その三十八万に対して六十万がついた。今は落ちつくべきところへ落ちつきつつある状況ではないかと考えておりまして、基本的には私はJR東日本の株式上場の仕方については誤りがなかったように思っております。
○岸田委員 誤りはなかったという話でありますが、私自身思いますに、民営化に伴う政府保有株の放出を行うに当たりまして、どちらかというとひたすら財源の確保の部分に力点を置いて、財源を確保するということに余りに力を入れ過ぎておられるのではないかと思うわけであります。 もちろん財源の確保、これも大切だとは思うわけでありますが、やはり政府としましては、証券市場の活性化あるいは投資家の育成という見地から、もう少しそういった配慮も必要ではないかなと思うわけでございます。ですから、証券市場に対する不安は、一説には十一月暴落説などという話がちまたに出ておるような状況でございまして、景気回復に逆に足かせになっているような気もするわけでございます。 そういった中で、九月十六日の政府の緊急経済対策、読ませていただきますと、何かこの証券市場対策は入っておられないのではないかというような気がするわけでございます。その点も不十分ではないかと思うとともに、証券市場の活性化という見地から、より具体的なその育成策等を打ち出していくことが必要だと思うわけであります。ぜひその辺、御意見を聞かせていただければと思います。お願いいたします。
○藤井国務大臣 この証券問題を経済対策の表に出したのは昨年の八月対策だと思うのです。経済対策第一回目でございますね。そのときは何がきっかけだったかというと、御承知と思いますが一万四千円に暴落したときだったわけでありまして、そういう意味からいうと、一つの柱として証券市場対策があのとき取り上げられたと思います。 しかし、あの施策はその後着実に実行しているわけでございます。株の売買単位を百株にする問題とか、あるいは累積投資制度を入れるとか着々とやっておりまして、それらは今全部実りつつある。実ってきているというふうに考えておりますので、今回は、あえてそういう言葉で九月十六日には触れておりませんけれども、昨年の八月の対策を着実にやるということが一つの証券市場対策であるという前提でやってまいったことは事実であります。
○岸田委員 昨年の八月の対策を着実に進めておられるという話でございましたが、最初の景気対策の部分でもありましたけれども、やはり現状を見ますとなかなか厳しい状況が続いておるのは間違いありませんし、投資家等その心理的な部分を考えますと、本当に不安が大きいと思うわけであります。着実な努力はもちろん引き続きお願いしたいと思うわけでありますが、ぜひ昨今の今申しましたような状況を勘案いただきまして、より一層証券市場の活性化に御努力いただきたいと思うわけでございます。よろしくお願いいたします。 次に、これは先ほど米田議員の質問にもありましたので多少重なるかとは思いますが、相続税に関しまして二言、私も非常にその厳しさを痛感しておる身でありますので、改めてお伺いさせていただきます。 相続税につきましては、ちまたの大変厳しい声を受けられまして、政府におきましても平成五年度、今年度の税制改正で延納利子税の一部引き下げ等御努力もされておられますし、また、国税当局も一相続税申請時に土地の評価を路線価と時価のいずれか低い方で評価することを認められるとか、それぞれ努力はされておられることには敬意を表し申し上げる次第であります。 しかるに実際、現在のちまたの声を聞きますと、本当に相続税に押しつぶされてしまうという悲鳴が多く聞かれるわけでございます。先ほど米田議員のお話にもありましたけれども、日本の税収入全体に占める相続税の割合は、各国に比べましてもけた外れに大きいという事実もございます。特に東京を中心とする大都市では、土地の相続はかなり困難という状況でございます。いろいろな立場の人間がいろいろな形でこの状況を嘆いておるわけでございますが、特に大都市圏におきます事業継承という見地から、この相続税は大変大きな問題になっておると思うわけであります。この事業継承の見地から、やはり一層の努力、配慮が必要ではないかなと思う次第でございます。 御意見をお聞かせいただければと思います。
○小川政府委員 ただいまお尋ねの事業承継に係る相続税、とりわけ今お尋ねの点は土地の高騰に関連しての問題であると存じますが、御案内のとおり一定の小規模宅地、二百平米以下のものでございますけれども、これにつきましては相続税の課税の上で特別の減額割合を設けております。現在のところ、居住用地について六割減額に対しまして、事業用地、お店をやっているような場合については七割の減額をするという措置をとっております。 それから、今おっしゃいましたように、五年度の改正におきまして遺産に占める不動産等の割合が七五%以上の場合には延納利子税の引き下げといったような措置もあわせて講じているわけでございます。 こうした形で大都市における中小企業の事業承継の円滑化措置を図っているところでございます。
○岸田委員 そういった御配慮をされておるということは認識しておるわけでありますが、今お話があったのは、現在そういったことで対応されておられるということだと思うわけでありますしかるに現状、まだまだ厳しい声があるわけであります。ですから、これからさらにということで何かそういった相続税に対する国民の悲痛な声にこたえる方策を考える必要があるのではないかと思うわけでありますが、その点はいかがでございましょうか。
○藤井国務大臣 私は、相続税というのは資産再配分というが、世代交代のときにその資産を再配分することによってなるたけ次の世代の人がイコールフッティングにならなければいけない、こういう一つの理念に基づいてできているのだと思うのですね。しかし同時に、政治には健全な中堅資産家というものを育てていくという大事な仕事があるわけでありまして、その調和の問題だと思うのです、今の話は。 そして、さっきから申し上げているように、特に大都市について土地の高騰があったためにその物の考え方が崩れて、いわゆる健全な中堅階級というのでしょうか、そういう方にまで高い相続税がかかってきている。こういうのが実態だと思いますから、そこいらの是正を図ることは重要な政治課題だと私は思っております。 具体的に、では来年何をするのかについては今検討中でございますのでちょっと差し控えさせていただきたいと思いますが、その方向でやらなければいけない課題であると考えております。
○岸田委員 ぜひ一層の御努力をお願いしたいものだと思います。よろしくお願いいたします。 以上、景気から始まりまして、為替あるいは金融問題、それから証券市場、相続税といろいろお伺いしてまいったわけでありますが、基本的には今の日本の経済状況、そして国民一人一人の生活は本当に厳しい状況で、苦労しておる、そういう声がいろいろな問題を通じてわき上がっているということをつくづく私自身思って、いろいろとお伺いさせていただいたわけであります。 これ以外にもいろいろな分野で御努力をお願いしたいと思うわけでありますが、こういった厳しい時代の中で、国民一人一人、本当にあすの自分たちの生活について不安を持っておるわけでございます。大臣そして当局におかれましても、国民のあすに対して指針を与えてもらえるような力強い政策、方針を打ち出していただければと思うわけでございます。 と申しましたのは、例えば政府税調が十六日に 中間答申を出されるというようなことに関しましても、一部言われておりますのは、細川総理訪米前に何かお土産をつくるために答申を急いでおるというような話も聞くわけでございます。これは、そういったことはないとは思いますけれども、そういった声が出るというのは、国民の政権に対する不安感のあらわれではないかと思うわけでございます。そういったことで、より一層気持ちを引き締めて、そして国民にあるべき姿を打ち出していただければと思うわけでございます。 以上、大変稚拙な質問だったかもしれませんが、質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○宮地委員長 佐々木陸海君。
○佐々木(陸)委員 日本共産党の東京十区選出の佐々木陸海でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 三十八年間続いた自民党の政権が終わりまして新しい政権が発足して、この委員会としては最初の質問の機会になるわけですけれども、時間も限られておりますので、大蔵大臣に二、三基本的な点をお伺いしたいと思います。 新政権はこれまでの国の基本政策を継承するということを宣言して発足しておりますし、政権の中枢も大蔵大臣を含めまして、つい最近まで自民党にいた方々が占めているわけですから、そんなに新しい政策が出てくるはずもないというのが常識でございますけれども、ちまたでは、新しい政治の流れが始まるのだというようなことが随分喧伝されているわけでございます。 そこで、大臣にお聞きしますけれども、大臣の担当される分野で、これまでの自民党政権では到底なし得なかったような新しい方向、新しい施策というものが既に実行されつつあるのか、これから実行される可能性があるのか、あるかないか、あるとすればどんなことがあるのか簡単にお答えを願いたいと思います。
○藤井国務大臣 私は、ただ変わればいいとは思っておりません。しかしながら、今お話しのように、政権がかわれば当然のことながら変わる分野があるのも事実であって、総理が言っておられる質の高い実の伴った国をつくっていくのが基本であって、それが前の政権と同じところもあると思います。同じところも随分あると思います。変わったところもあると思います。 そういう観点に立つならば、経済的に言うならば、今まで以上に内需を中心にして、輸出中心の産業構造を変えていかなければいけない。内需中心の経済運営を図って、それも生活の充実感というものに結びつくような形の内需中心の経済運営をやっていくということであろうと思います。
○佐々木(陸)委員 そんなに大きく変わることは私もあり得ないと思っているのですけれども、去る十月五日の予算委員会の答弁の中で、自民党のこれまでの政権は、自分の政権の間には消費税の税率アップはやらないと言ってきましたけれども、新政権は、自分の政権の間にもあり得るということを、言ってみれば宣言されたという点では、これは新政権の新しい方向だ、新しい変化だというふうにも受けとめているわけです。 そこで、税制問題についてちょっと聞きますけれども、これまでの自民党政府は税制の基本的な考え方の問題として、総合性、累進性、そして生計費非課税といった考え方が今も有効であるという立場をとってきました。例えば去年十二月八日の参議院大蔵委員会で、当時は自民党の大蔵大臣だった羽田孜さんがそういうことを確認されているのですが、新政権はこの自民党政権の立場を継承されるかどうか伺っておきたいと思います。
○藤井国務大臣 まず何よりも連立与党の合意というのがありまして、その中では国民の合意を得た税制改正をやるということがはっきり書いてあります。しかも、その中にコメントとして直間比率など資産、所得、消費のバランスのとれた税制改正をやるんだということが書いてあります。そういう私も連立与党の一員として今この場にあるわけでありますから、連立与党の皆様のそういうお立場、御意向に沿って今後行動していくつもりであります。
○佐々木(陸)委員 ちょっと今直接お答えがなかったのですが、総合性、累進性、生計費非課税という考え方は今も有効であるという立場をとられるのかどうかという点について、端的にお答え願いたいと思います。
○藤井国務大臣 今お話しになったのは、これは一般に税全部の話でございますね。これについては、税のあり方として当然の原則だと考えています。
○佐々木(陸)委員 細川首相は去る九月三日政府税調に、大蔵大臣の言葉によりますと、実質的な諮問をした。その後記者会見の席上や経済界との懇談の席上などで、これまでの首相は政府税制調査会の答申を尊重すると言うだけで実行してこなかった、私は文字どおり最大限に尊重して実行していくということを何度か強調しておられるわけですが、これは政策の中身という問題ではありませんけれども、政治の手法の問題として新政権の新しい特色であるというふうに見てよろしいのでしょうか。
○藤井国務大臣 政府の税制調査会にお願いしている以上、そういう方々の御意向というものを十分踏まえて、そして政治の場で決定していくべきものであると考えております。
○佐々木(陸)委員 大蔵大臣自身、十月五日の予算委員会で、私の消費税の税率アップをするつもりかどうかという質問に対しまして、税制調査会に税制の基本的なあり方を諮問している段階で余り個別の税目のことには触れたくない、触れることはむしろ不見識だというふうに言われました。細川首相も、税調の御審議に予断を与えるようなことを今申し上げるべきではないというふうに言っておりますが、一諮問機関である政府税調がまるで国会や政府の上に立つものであるかのような、こういう絶対化の扱いは私は正しくないのではないかと思うのです。その点はどうでしょう。
○藤井国務大臣 法律上の位置づけは諮問機関でございます。しかし、政府が諮問機関を尊重するということはこれまた当然のことだと私は思っておりますから、絶対視という言葉がありましたが、この御意向というものを尊重することは当然であり、最後の決定は政治であるということを重ねて申し上げたいと思います。
○佐々木(陸)委員 先ほど話も出ましたけれども、政府税調が政策的な方向づけをすべきではないという主張が連立与党の中にも出ておりますし、与党の中でも、今の税調は自民党政権時代にできたものであって細川政権の税調ではない、したがって、この税調の答申などには拘束されないという主張をする者もあるということが新聞にも報道され、これに対して税調の側は、それでは約束が違う、総理は税調の答申を十分尊重して実行すると言ったではないかというようなことも新聞に出ておりますけれども、大臣としてはそういう中でどういう立場をとられるのでしょう。
○藤井国務大臣 今のことの繰り返しになるわけでありますが、正規の諮問機関である以上その答申は尊重して物を処していかなければならないと思っております。恐らく基本的な物の考え方をお出しになるのだと思いますが、それをどういうふうに取り扱うかというのはあくまでも政治の問題であるというふうに考えております。
○佐々木(陸)委員 消費税の税率アップというような、本当に国民が関心を持っている重大な問題については、税調の答申に予断を与えるから政府が述べられないというようなことではなくて、まず政府として上げるか上げないかということをきちんと決めた上で、それではそれをどうするかというのを答申するのが筋というものではないでしょうか。
○藤井国務大臣 私どもは逆に考えておりまして、今後の福祉社会、そして経済構造が違ってくる社会の中で、日本のあるべき税制はどうかということを専門の分野の方々に白紙で意見を伺うことは極めて大事なことだと考えています。
○佐々木(陸)委員 もう時間がありませんからこれだけにしておきますけれども、最後に、これは 全く仮定の問題ですが、所得税減税と消費税の税率アップがあわせてやられた場合についての試算が幾つか出ていて、新聞などでも報道されております。所得税減税が所得一千万円前後の層に配慮した新税率に沿ってなされ、かつ消費税は、消費は落ち込まないという前提での試算が発表されておりますが、この場合、減税と増税が同規模だったとしても低所得者層は結果として増税になるという試算がなされております。増税が上回ればその結果は一層著しくなるわけですけれども、そういう結果は当然だと私は思うのですが、いかがでしょうか。このことを聞いて終わりにします。
○藤井国務大臣 一つの試算でございます。いろいろな試算というのは、大蔵省においてもあらゆるそういうものの考え方は勉強すべきものだと思っております。
○佐々木(陸)委員 時間が限られておりますから詰めた議論にはなりませんけれども、政府税調の中間答申が出されますけれども、これを絶対化することなく与党としてもしっかり論議をし、やってもらいたいと思いますし、我々もその答申を絶対化する態度に対してはきっぱりとした態度をとっていくということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○宮地委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 国の会計、税制及び金融に関する件、特に財政及び税制等に関する問題について調査のため、明十日、参考人として経済団体連合会副会長齋藤裕君、経済団体連合会経済調査委員会企画部会長水口弘一君及び筑波大学社会工学系教授宮尾尊弘君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○宮地委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 次回は、明十日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 正午散会