政治改革に関する調査特別委員会 第2号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1993/10/14
会議録
○石井委員長 これより会議を開きます。 本日付託となりました内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案並びに河野洋平君外十七名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案、政治腐敗を防止するための公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案の各案を一括して議題といたします。 順次趣旨の説明を聴取いたします。佐藤自治大臣。 ————————————— 公職選挙法の一部を改正する法律案 衆議院議員選挙区画定審議会設置法案 政治資金規正法の一部を改正する法律案 政党助成法案 〔本号(その二)に掲載〕 —————————————
○佐藤国務大臣 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案、以上四件につきまして、提案理由とその内容の概略を御説明申し上げます。 初めに、公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 この改正法案は、政策本位及び政党本位の選挙の実現を図るため、衆議院議員の選挙について、小選挙区比例代表並立制を採用し、総定数を五百人とするとともに、候補者を届け出ることができる政党の要件や政党が行う選挙運動等に関する規定を整備し、あわせて、連座制の強化その他所要の改正を行おうとするものであります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。 まず第一に、衆議院議員の選挙制度に関する事項であります。 その一は、選挙制度の基本的仕組みとして、小選挙区比例代表並立制を採用することといたしております。 その二は、衆議院議員の定数について、総定数は五百人とし、そのうち、二百五十人を小選挙区選出議員、二百五十人を比例代表選出議員とすることといたしております。 その三は、選挙区等についてであります。小選挙区選出議員は、定数一人の各選挙区において選挙することとし、その選挙区は別に法律で定めることといたしております。比例代表選出議員は、全都道府県の区域を通じて選挙することといたしております。 その四は、投票についてであります。投票は、記号式投票の方法により、小選挙区選出議員の選挙については候補者一人に対して、比例代表選出議員の選挙については一の名簿届け出政党等に対して、それぞれ、投票用紙の記号を記載する欄に○の記号を記載して行うことといたしております。 その五は、立候補についてであります。小選挙区選出議員の選挙における候補者の届け出については、所属国会議員五人以上を有することまたは直近における衆議院議員の総選挙もしくは参議院議員の通常選挙の得票率が百分の三以上であることのいずれかに該当する政党その他の政治団体が行うことができるほか、本人届け出または推薦届け出もできることといたしております。 比例代表選出議員の選挙における候補者名簿の届け出については、小選挙区選出議員の選挙において候補者の届け出ができる政党その他の政治団体及び名簿登載者を三十人以上有する政党その他の政治団体が行うことができることといたしております。 なお、小選挙区選出議員の選挙において候補者の届け出ができる政党その他の政治団体は、その届け出に係る候補者を名簿登載者とすることができることといたしております。比例代表選出議員の選挙における名簿登載者の数は、この重複立候補者を除き、当該選挙において選挙すべき議員の数を超えることができないことといたしております。 また、一定の要件に該当する政党その他の政治団体の候補者の選定の手続の届け出、名称の届け出等に関し、所要の規定を整備するほか供託に関する規定を整備することといたしております。 その六は、当選人についてであります。小選挙区選出議員の選挙については、有効投票の最多数を得た者をもって当選人とすることといたしております。ただし、有効投票の総数の六分の一以上の得票がなければならないとするものであります。また、比例代表選出議員の選挙については、有効投票の総数の百分の三以上の得票があった名簿届け出政党等に限り、ドント式によりその当選人の数を定めることといたしております。そして、重複立候補者で小選挙区選出議員の選挙の当選人とされたものを除き、名簿登載者のうち、当選人となるべき順位に従い、当該名簿届け出政党等の当選人の数に相当する数の名簿登載者を当選人とすることといたしております。 その七は、再選挙等特別選挙についての規定を整備することといたしております。 その八は、選挙運動についてであります。小選挙区選出議員の選挙においては、候補者個人のほかに、候補者届け出政党についても選挙運動を認めることといたしております。具体的には、候補者届け出政党は、原則として候補者を届け出た都道府県ごとに当該都道府県における届け出候補者の数に応じて、自動車の使用、文書図画の頒布及び掲示、新聞広告、政見放送等を行うことができることといたしております。 また、比例代表選出議員の選挙においては、名簿届け出政党等に選挙運動を認めることとし、原則として名簿登載者の数に応じて、一定の選挙運動を行うことができることといたしております。 さらに、小選挙区選出議員の選挙に係る選挙運動が、この法律において許される態様において比例代表選出議員の選挙に係る選挙運動にわたること及び候補者届け国政党である名簿届け出政党等が行う比例代表選出議員の選挙に係る選挙運動が、この法律において許される態様において小選挙区選出議員の選挙に係る選挙運動にわたることを妨げないことといたしております。 その九は、政党その他の政治団体等の衆議院議員の選挙における政治活動に関する規定を整備することといたしております。 その十は、選挙訴訟及び当選訴訟に関する規定を整備することといたしております。 その十一は、候補者の選定権限の行使に関し、請託を受けて、財産上の利益を収受した者等について罰則を設けること、その他罰則に関し所要の規定を整備することといたしております。 第二に、戸別訪問の自由化に関する事項であります。 午前八時から午後八時までの間に限り、選挙に関し、戸別訪問をすることができることといたしております。 第三に、あいさつ状の禁止の強化に関する事項についてであります。 候補者及び立候補予定者は、当該選挙区内にある者に対し、答礼のための自筆によるものを除き、慶弔、激励、感謝その他これらに類するもののための電報等を含むあいさつ状を出してはならないことといたしております。 第四に、連座制に関する事項であります。 立候補予定者の親族並びに候補者及び立候補予定者の秘書を新たに連座制の対象とするとともに、親族、秘書が禁錮以上の刑に処せられたときは、執行猶予の言い渡しを受けた場合でも、連座制の適用があることといたしております。 また、連座制の効果について、当選無効に加えて、連座裁判の確定等のときから五年間、立候摘制限を科することといたしております。なお、この立候補制限については、連座制の対象となる者の行為がおとりまたは寝返りによるものであるときは適用しないことといたしております。 このほか、二・五倍以上の罰金額の引き上げ等所要の改正を行うことといたしております。 なお、この法律は、原則として、衆議院議員の選挙区を定める法律の施行の日から施行することとし、衆議院議員の選挙については施行日以後初めてその期日を公示される総選挙から適用する等の経過措置を設けております。 次に、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案につきまして御説明申し上げます。 この法律案は、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定等に関し、調査審議等を行うため、総理府に衆議院議員選挙区画定審議会を置こうとするものであります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。 まず第一に、設置に関する事項であります。 総理府に、衆議院議員選挙区画定審議会を置くことといたしております。 第二に、所掌事務に関する事項であります。 審議会は、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関し、調査審議し、必要があると認めるときは、その改定案を作成して内閣総理大臣に勧告することといたしております。 第三に、改定案の作成の基準に関する事項であります。 改定案の作成においては、各選挙区の人口の均衡を図り、人口の格差が二倍以上とならないようにすることを基本とし、行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行わなければならないものとするとともに、各都道府県への定数の配当においては、まず、各都道府県に一ずつ配分した後、残りの定数を人口に比例して配当することといたしております。 第四に、勧告の期限等に関する事項であります。 勧告は、原則として十年ごとに行われる国勢調査の結果による人口が最初に官報で公示された日後一年以内に行うことといたしております。 なお、公職選挙法の一部を改正する法律による改正後の公職選挙法の規定の施行に係る画定案の勧告については、委員が任命された日から六月以内に行うことといたしております。 第五に、勧告の尊重に関する事項であります。 内閣総理大臣は、審議会から勧告を受けたときは、これを尊重し、かつ、これを国会に報告することといたしております。 第六に、組織等に関する事項であります。 審議会は、委員七人をもって組織することとし、国会議員以外の者から、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命することといたしております。 委員の任期は五年とすることといたしておりますが、このほか、審議会への資料の提出その他の協力等に関し、所要の規定を整備することといたしております。 なお、この法律は、公布の日から施行することといたしております。 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 政治資金制度について、政治資金と密接な関連を有する選挙制度の改革と軌を一にして、政党その他の政治団体及び公職の候補者の政治活動の公明と公正を確保するため、会社その他の団体のする政治活動に関する寄附の制限の強化等を図るとともに、政治資金の透明性を高め、あわせて、政治資金についての規制の実効性を確保するなどの措置を講じようとするものであります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。 第一は、会社その他の団体のする政治活動に関する寄附の制限の強化のための改正であります。 選挙制度の改革に伴い、選挙や政治活動が政策本位、政党本位となりますので、政治資金の調達を政党中心とするため、また、近年における政治と金とをめぐる国民世論の動向等にかんがみ、会社、労働組合その他の団体のする政治活動に関する寄附については、政党に対するものに限りこれを認めることとし、政党以外の者に対するものはすべて禁止することといたしております。この場合における政党は、所属国会議員五人以上を有すること、直近における衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙の得票率が百分の三以上であることのいずれかに該当する政治団体といたしております。 なお、この法律の施行後五年を経過した場合には、団体献金のあり方について見直しを行うことといたしております。 第二は、公職の候補者の政治活動に関する寄附の制限の強化を図るための改正であります。 公職の候補者の資金面における公私の峻別を徹底するため、公職の候補者は原則として金銭等による政治活動に関する寄附を受けてはならないものとし、公職の候補者の政治資金は、その者のために政治資金の拠出を受けるべき政治団体として指定した資金管理団体で取り扱うことといたしております。 なお、資金管理団体は、公職の候補者がみずからその代表者である政治団体のうちから一つに限り指定することができるものといたしております。 これに伴い、指定団体及び保有金の制度は廃止することといたしております。 第三は、寄附等に関する公開の強化のための改正であります。 政党以外の政治団体に対する寄附の公開基準は、現行の年間百万円超から年間五万円超に引き下げることといたしております。 また、政治資金パーティの対価の支払いの公開基準については、一の政治資金パーティー当たり現行の百万円超から五万円超に引き下げることといたしております。 第四は、政治資金の規制の実効性の確保のための改正であります。 その一は、政治資金の規制の実効性を確保するため、二・五倍以上に罰金額の引き上げを行うとともに、企業等の団体の役職員または構成員が、政治資金規正法違反をしたときは、その行為者のほか、その団体に対して刑罰を科することといたしております。 その二は、政治資金規正法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられた者は、公職選挙法に規定する選挙権及び被選挙権を一定期間有しないことといたしております。 以上のほか、政党の名称を保護するため、これと同一の名称またはこれに類似する名称を他の政治団体が使用することができないことといたしております。 また、個人が政党に対して寄附をした場合においては、当該寄附については所得税の課税について新たに税額控除を導入することといたしております。 なお、この法律は、選挙制度の改革と一体のものでありますので、原則として、公職選挙法の一部を改正する法律の施行の日の属する年の翌年の一月一日から施行することといたしております。 次に、政党助成法案につきまして御説明申し上げます。 議会制民主政治における政党の機能の重要性にかんがみ、選挙制度及び政治資金制度の改革と軌を一にして、国が政党に対する助成を行う制度を創設することとし、これにより政党の政治活動の健全な発達を促進するとともに、その公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発展に寄与しようとするものであります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。 第一は、助成の対象となる政党についてであります。 政党助成の対象となる政党は、国会議員を五人以上有する政治団体または国会議員を有し、かつ、直近における衆議院議員の総選挙もしくは参議院議員の通常選挙のいずれかの選挙の得票率が百分の三以上の政治団体といたしております。 また、政党交付金を受けようとする政党は、その年の一月一日現在で、名称、主たる事務所の所在地、所属国会議員の氏名等を届け出ることとし、あわせて、綱領、党則等を提出することといたしております。 なお、その年中において衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙が行われた場合も同様の届け出を行うことといたしております。 第二は、政党交付金に関する事項であります。 政党交付金の総額は、直近の国勢調査の確定人口に三百三十五円を乗じた額を基準として予算で定めることといたしております。 なお、この法律の施行後五年を経過した場合には、政党交付金の総額について、見直しを行うことといたしております。 各政党に対して交付すべき政党交付金の額は、各政党の所属国会議員数及び国政選挙の得票数に応じて一月一日現在において算定した額とし、総選挙または通常選挙が行われた場合には再算定することといたしております。 また、各政党に交付すべき政党交付金は、毎年、四月、七月、十月及び十二月に交付することといたしております。 第三は、政党交付金の使途の報告及び公表等の措置であります。 政党交付金については使途を制限しないこととし、その使途を記載した報告書を公表することといたしております。 このため、政党の会計責任者は、会計帳簿を備え、政党交付金による支出等について記載するとともに、十二月三十一日現在で政党交付金の収支に関して記載した報告書を、支部から提出された支部報告書等とあわせて、自治大臣に提出しなければならないことといたしております。 この場合において、政党の会計責任者は、政党の会計監査を行うべき者の監査意見書とともに、公認会計士等が行った監査に基づき作成した監査報告書をあわせて提出しなければならないことといたしております。 また、報告書等については、その要旨を公表するとともに、届け出書、報告書等の関係書類は五年間保存することとし、また、何人も、五年間、これらの関係書類の閲覧を請求することができることといたしております。 第四は、政党の解散等に関する措置であります。 政党が合併または分割により解散する場合には、当該政党に対する未交付の政党交付金については、当該合併により存続しもしくは新たに設立される政党または当該分割により新たに設立される政党に対して交付することといたしております。 また、政党が政党の要件に該当しない政治団体になったときは、当該政党でなくなった日の属する月まで、政党交付金を月割りで交付することといたしております。 第五は、政党交付金の返還等の措置であります。 政党がこの法律に違反して政党交付金の交付の決定を受けた場合、政党が提出すべき報告書を提出しない場合などには、政党交付金の交付を停止し、またはその返還を命ずることができることといたしております。 その他この法律の規定に違反する行為については、所要の罰則を設けるとともに、偽りその他不正な行為により政党交付金の交付を受けた場合には、その行為者のほか政党に対して刑罰を科することといたしております。 なお、この法律は、選挙制度の改革と一体のものでありますので、公職選挙法の一部を改正する法律の施行の日の属する年の翌年の一月一日から施行することといたしております。 以上が、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案の提案理由及びその内容の概略であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○石井委員長 次に、三塚博君。 ————————————— 公職選挙法の一部を改正する法律案 衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法案 政治資金規正法の一部を改正する法律案 政治腐敗を防止するための公職選挙法及び政治 資金規正法の一部を改正する法律案 政党助成法案 〔本号(その二)に記載〕 —————————————
○三塚議員 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案、政治腐敗を防止するための公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改正する法律案、政党助成法案、以上五件につきまして、提案理由とその内容の概略を御説明申し上げます。 初めに、公職選挙法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 この改正法案は、我が国における政治の現状にかんがみ、安定した政策遂行能力を備えた政権の確立と、国民の信頼と負託にこたえ得る活力ある政治を実現するため、政策本位、政党中心の選挙制度として、衆議院議員の選挙について、小選挙区制に比例代表制を加味した小選挙区比例代表並立制を導入するとともに、総定数を四百七十一人とし、投票方法に関し記号式一票制を採用するほか、候補者を届け出ることができる政党の要件、政党が行う選挙運動等に関する規定を整備し、あわせて、政治活動用ポスターの規制の強化等を行うものであります。これが、この法律案を提出した理由であります。 次に、その概略について御説明申し上げます。 第一は、衆議院の選挙制度の改正に関する事項であります。 その内容は、選挙制度の基本は、小選挙区制に比例代表制を加味した小選挙区比例代表並立制とすること、議員の総定数は四百七十一人とし、そのうち三百人を小選挙区から、百七十一人を比例代表から選ぶこと、比例代表の選挙単位は、各都道府県の区域とすることであります。 投票は、いわゆる記号式一票制であります。すなわち、新しい選挙制度は政策本位、政党中心とするという観点から、政党届け出の小選挙区候補者に投ぜられた票は、同時に、当該都道府県で比例名簿を届け出た政党に対して投ぜられた票とすることといたします。 その政党による小選挙区候補者の届け出及び比例名簿の届け出の要件を申し上げます。 まず小選挙区で候補者を届け出ることができる政党その他の政治団体の要件は、国会議員を五人以上有すること、直近の国政選挙における得票率が百分の三以上であること、全国を通じて小選挙区候補者を三十人以上擁立していることであります。 次に、比例名簿を届け出ることができる政党等の要件でありますが、ただいま申し上げた、小選挙区で候補者を届け出ることができる政党の要件を満たした政党、政治団体に限っているところであります。この比例名簿には、小選挙区候補者を同時に登載できることとし、かつ順位も同一にすることができることとしております。小選挙区で反映できなかった比較少数意見を、政党の名簿を通じて国政に吸収するという観点からであります。 候補者の選定の手続の届け出、政党等の名称の保護について所要の規定を設けているほか、供託については、各政党は小選挙区候補者一人につき三百万円、比例名簿単独登裁者は六百万円、重複立候補者は三百万円を供託しなければならないものとしました。 当選人については、小選挙区の場合は、最多得票者でありますが、法定得票数は六分の一以上であります。比例代表の場合は、まずドント式によって各党の当選人数を定めますが、重複立候補者が同一順位を付されている場合の当選順位は、小選挙区当選人にその候補者がどれだけ得票において肉薄したかの割合、すなわち善戦率の高さに従って順次定めることといたしております。 選挙運動期間でありますが、現行期間は指定都市の長と同じところであるので、この際、人口規模においてほぼその半分となることから、四日間短縮の十日間を提案しているところであります。 選挙運動については、候補者個人の選挙運動に加え、候補者を届け出た政党が、小選挙区、比例代表ともに全面的に選挙運動ができることとしております。なお政見放送ができるのは候補者を届け出た政党のみであります。 次に、第二の小選挙区と都道府県議会議員の選挙区の調整に関する事項であります。このたびの小選挙区の平均人口は約四十一万人であり、場合によっては、都道府県議の選挙区とされている一つの郡市の区域が二つ以上の小選挙区の区域に分かれることが生じますが、この場合は、小選挙区の区域を郡市の区域とみなすことができることとしております。 第三は、公職の候補者等及び後援団体の政治活動のために使用されるポスターの掲示の禁止に関する事項であります。これらポスターについては、従来より政治活動費用の増大の一因として挙げられたり、街の美観を著しく損ねるとの問題点が指摘されてきました。そこで、ポスターの掲示を選挙前の一定期間禁止することにより、これらの問題の解消を図るとともに、滑り込みポスターなどもなくして、選挙を公平に戦おうという趣旨で盛り込んだところであります。 掲示の禁止期間は、衆議院議員総選挙においては任期満了の日の一年前から、それ以外の選挙においては、任期満了の日の六カ月前からとしました。解散による総選挙の場合は、解散の翌日からであります。 なお、この法律は衆議院小選挙区選出議員の選挙区を定める法律の施行の日から施行することといたしておりますが、政治活動用ポスターについては、この法律の公布の日から起算して三月を経過した日からといたしております。 引き続き、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法案について御説明申し上げます。 衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定及び衆議院比例代表選出議員の選挙区における議員数の改定に関し調査審議し、その改定案を作成して意見を提出させるため、衆議院に衆議院議員小選挙区画定等委員会を設置しようとするものであります。これが、この法律案を提出した理由であります。 次に、その概略について御説明申し上げます。 まず、設置及び所掌事務に関する事項であります。 この委員会を衆議院に置くものとし、委員会は衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定及び比例代表選出議員の選挙区における議員数の改定に関し調査審議し、必要があると認めるときは、その改定案を作成して衆議院に意見を提出することといたしております。 その改定案の作成に当たっては、小選挙区選出議員の定数を、まず都道府県に一人ずつ基礎配分し、残りを人口に比例して都道府県に配分することとし、また、各選挙区間の人口の格差が一対二以上にならないようにすることを基本に、行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行うこととしております。 比例代表選出議員の選挙区における議員数の改定案の作成に当たっては、都道府県に一人の基礎配分の上、残りを人口比例により都道府県に配分いたします。 なお、十年ごとの国勢調査の結果が公示された日から一年以内に行うこととしております。 次に、組織及び委員に関する事項であります。 委員会は、委員七人以内をもって組織することとし、委員は、国会議員以外の者のうちから、衆議院の承認を得て、衆議院議長が任命することとしております。任期は五年とし、委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならないことといたしております。 また、資料の提出その他の協力等について所要の規定を設けております。 なお、この法律は、公布の日から施行することとし、最初の衆議院議員の小選挙区の画定に係る意見の提出は、委員が任命された日から六月以内に行うことといたしております。 引き続き、政治資金規正法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 この改正法案は、議会制民主政治のもとにおける政党の機能の重要性にかんがみ、政党その他の政治団体及び公職の候補者の政治活動の公明と公正を確保するため、政党の定義を改正し、政党以外の者に対する政治活動に関する寄附及び政党以外の政治団体間の寄附の制限の強化等を図るとともに、寄附に関する公開の強化等を行い、あわせて、政治資金を調達できる政治団体の数の制限その他の措置を講ずることといたしております。これが、この法律案を提出した理由であります。 次に、その概略について御説明申し上げます。 まず、政治資金の調達を政党中心とするための改正であります。選挙制度の改革と相まって、選挙や政治活動が政策本位、政党中心となることに伴い、政治資金の調達も政党中心とするため、企業等の団体の寄附については、政治家が指定した二以内の資金調達団体に限り年間二十四万円を限度とした小額の寄附ができることとするほかは、政党に対するものに限ることといたしております。この場合における政党は、所属国会議員五人以上を有すること、直近における国政選挙の得票率が百分の三以上であることのいずれかに該当する政治団体といたしております。 なお、政党の名称を保護するため、これと同一の名称またはこれに類似する名称を他の政治団体が使用することができないこととしております。 寄附等の公開基準については、透明性強化の観点から次のとおりとしております。 政党以外の政治団体に対する寄附の公開基準は現行の年間百万円を超えるものから、資金調達団体については、企業等の団体の寄附にあっては年間五万円を超えるものに、その他の寄附にあっては年間五十万円を超えるものに、また、資金調達団体以外の一般の政治団体については年間一万円を超えるものにそれぞれ引き下げることといたしております。 なお、政党に対する寄附の公開基準については、事務処理の簡素化を図るため、現行の年間一万円を超えるものから年間五万円を超えるものに改めることとしております。また、政治資金パーティーの対価の支払いの公開基準については、一回の政治資金パーティー当たり、現行の百万円を超えるものから五十万円を超えるものに引き下げることといたしております。 次に、寄附等の制限の強化等についてであります。 会社、労働組合その他の団体は、政党及び政治資金団体並びに資金調達団体以外に対しては寄附を行えないこととしました。資金調達団体に対する寄附は年間二十四万円が限度であります。 また、政治家の資金面における公私の峻別の徹底のため、政治家は選挙運動に関するものを除いて、金銭等による政治活動に関する寄附を受けてはならないものとし、政治家の政治資金はその資金調達団体で取り扱うこととしております。これに伴い、指定団体及び保有金の制度は廃止することといたしております。さらに、政治家の資金調達団体とそれ以外の政治団体との間の資金提供を禁止することなど、政治団体間の寄附を制限しているところであります。 次に寄附の制限の区分等の改定についてであります。 政治資金の調達を政党中心とするため、寄附枠の区分を改め、政党に対する寄附枠を独立させるとともに、企業等の団体の政党に対する寄附枠の限度を現行の一・五倍としております。また、政党以外の者に対する寄附枠については、その限度を、個人の寄附にあっては政党に対する寄附枠の二分の一、企業等の団体の寄附にあっては政党に対する寄附枠の三分の一としております。 寄附に関する税制上の取り扱いについては、まず個人が政党または政治資金団体に対して行ったものについては、所得税の課税について特別の措置を講ずることとし、会社等の政党等に対する寄附についても法人税の課税について特別の措置を講ずることとしております。 この法律は、原則として改正公選法の施行の日の属する年の翌年の一月一日から施行することといたしております。 なお、寄附の拠出制限の経過措置として、会社、労働組合等は三年間に限り、政党及び資金調達団体以外の者に対して寄附ができることとするとともに、資金調達団体に対しても年間二十四万円を超えて寄附ができるものとし、それぞれその限度額を逓減する措置を講ずることとしております。さらに、これら寄附のあり方については五年後に見直すこととしております。 続いて、政治腐敗を防止するための公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 本法律案は、公職選挙法及び政治資金規正法の規制の実効性を確保すること等により政治腐敗を防止するため、公民権の停止措置の強化、連座制の強化及び罰則の強化を図るものであります。これがこの法律案を提出した理由であります。 次に、その概略について御説明申し上げます。 まず、公職選挙法関係では、まず公職にある間に収賄罪を犯し、刑に処せられた者について公民権の停止を強化したところであります。昨年の緊急改革では、公民権停止の期間は、執行猶予の場合はその期間中、実刑もやはりその期間でありましたが、今回はさらに一歩進め、実刑期間とその後の五年間を公民権停止とし、執行猶予と実刑の場合とで予想される逆転現象を解消したところであります。 連座制については、これを強化拡大し、さらに当選無効に加え、立候補制限を科すこととしております。 まず、立候補予定者の親族または立候補者・立候補予定者の秘書が、一定以上の者と意思を通じ、なおかつ執行猶予を含む禁錮以上の刑に処せられた場合、連座の適用があるものとしたところであります。 立候補制限は、連座裁判確定等のときから五年間、同一選挙、同一選挙区で立候補ができないことを内容とするものであります。 次に、政治資金規正法関係でありますが、政治資金規正法の罪を犯し、罰金の刑に処せられた者は、裁判確定の日から五年間、執行猶予はその期間中、公民権を停止することとし、また同法の罪を犯し、禁錮以上の刑に処せられた者は、実刑期間とその後の五年間、執行猶予はその期間中、公民権を停止することといたしております。 また、企業等の団体の役職員または構成員が政治資金規正法違反をしたときは、その行為者のほか、その団体に対して刑罰を科することといたしております。 なお、公選法違反、政治資金規正法違反の罰金額を、両者ともおおむね二・五倍引き上げているところであります。 この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行することとしておりますが、連座制に関する改正は、改正公選法の施行の日から施行することといたしております。 最後に、政党助成法案につきまして御説明申し上げます。 本法律案は、議会制民主政治における政党の機能の重要性にかんがみ、国が政党に対する助成を行う制度を創設することとし、これにより政党の政治活動の健全な発達を促進するとともに、その公明と公正を確保し、もって、民主政治の健全な発展に寄与しようとするものであります。これがこの法律案を提出した理由であります。 次に、その概略について申し上げます。 まず、助成の対象となる政党についてであります。 政党助成の対象となる政党は、国会議員を五人以上有する政治団体または国会議員を有し、かつ、直近における国政選挙の得票率が百分の三以上の政治団体であります。 政党は、政党交付金の受付を受けようとする場合、その年の一月一日現在で、所定の事項を自治大臣に届け出ることとし、その年中において衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙が行われた場合も同様の届け出を行うこととしております。 次に、政党交付金に関する事項であります。 政党交付金の総額は、直近の国勢調査の確定人口に二百五十円を乗じた額を基準として、予算で定めることとしております。 各政党に対して交付すべき政党交付金の額は、各政党の所属国会議員数及び国政選挙の得票数等に応じて一月一日現在において算定した額とし、総選挙または通常選挙が行われた場合には再算定することといたしております。 政党交付金の使途の報告及び公表等の措置については、政党交付金については使途を制限しないこととし、各政党は政党交付金の使途を記載した報告書を提出し、これを公表することとしております。 なお、収支報告書には、公認会計士または監査法人が行った監査報告書を添付しなければならないこととしております。 政党が合併、分割、解散等を行った場合には、所要の措置を講ずることとしております。 政党交付金の返還等の措置についてでありますが、政党がこの法律に違反して政党交付金の交付の決定を受けた場合、政党が提出すべき報告書を提出しない場合などには、交付すべき政党交付金の交付を停止し、またはその返還を命ずることができることとしております。 その他この法律の規定に違反する行為については、所要の罰則を設けるとともに、偽りその他不正な行為により政党交付金の交付を受けた場合には、その行為者のほか、政党に対して刑罰を科することとしております。 なお、この法律は、改正公選法の施行の日の属する年の翌年の一月一日から施行することといたしております。 以上が、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案、政治腐敗防止のための公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案の提案理由とその概略であります。 何とぞ御審議の上、速やかに御可決賜りますことをお願い申し上げます。(拍手)
○石井委員長 以上で各条の趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○石井委員長 次に、政治改革に関する件について調査を進めます。 去る七月に行われました第四十回衆議院議員総選挙及び第十六回最高裁判所裁判官国民審査の結果の概要について政府から説明を求めます。佐藤自治大臣。
○佐藤国務大臣 この機会に、第四十回衆議院議員総選挙及び第十六回最高裁判所裁判官国民審査の結果の概要について御報告申し上げます。 御承知のとおり、今回の選挙は、六月十八日に衆議院が解散されたことによる総選挙でありまして、選挙すべき議員の数は五百十一人でありました。 選挙当日の有権者数は九千四百四十八万人で、前回の総選挙に比べ四百十五万人増加しております。 次に、投票の状況について申し上げます。 七月十八日の投票日は、全国的に曇りないし雨のすぐれない天気でありました。投票率は六七・二六%で、前回と比べまして六・〇五%低く、残念ながら、これまでの総選挙の中で最も低いものとなりました。 次に、立候補の状況について申し上げます。 今回の立候補者数は九百五十五人であり、前回に比べ二人増加し、その競争率は一・八七倍でありました。 次に、当選人の状況について申し上げます。 党派別に申し上げますと、自由民主党は二百二十三人、日本社会党は七十人、新生党は五十五人、公明党は五十一人、日本新党は三十五人、日本共産党は十五人、民社党は十五人、新党さきがけは十二人、社会民主連合は四人、諸派・無所属は三十人となっております。 また、婦人の当選人は十四人で、前回に比べて二人増加いたしました。 次に、全有効投票に対する党派別得票率は、自由民主党三六・六%、日本社会党一五・四%、新生党一〇・一%、公明党八・一%、日本新党八・一%、日本共産党七・七%、民社党三・五%、新党さきがけ二・六%、社会民主連合〇・七%、諸派・無所属七・一%でありました。 次に、選挙違反の状況について申し上げます。 投票日後三十日の八月十七日現在の今次選挙における検挙件数は二千八百十件、検挙人員は五千五百十三人となっております。これを前回と比較いたしますと、件数で四百九十三件(一四・九%)、人員で千四百五十二人(二〇・八%)の減少となっております。 最後に、最高裁判所裁判官の国民審査の状況について申し上げます。 今回の国民審査は、前回の国民審査以降に任命されました九人の裁判官について行われたものであります。 国民審査の結果は、いずれも罷免を可とする投票が、罷免を可としない投票の数より少なくしたがって審査に付された全裁判官が国民の信任を受けました。 以上をもちまして、今回の衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査の結果の御報告を終わります。
○石井委員長 次に、第四十回衆議院議員総選挙違反検挙・警告状況について説明を求めます。警察庁垣見刑事局長。
○垣見政府委員 ただいま大臣から、本年七月十八日に施行された第四十回衆議院議員総選挙における違反行為の取り締まりについて概略御説明がございましたが、引き続きまして、取り締まり状況について報告いたします。 選挙期日後三十日現在で集計しました数字は、お手元に資料としてお配りしてあります表に示したとおりでございます。 検挙状況は、総数で二千八百十件、五千五百十三人となっておりまして、前回における同時期の三千三百三件、六千九百六十五人に比べますと、件数で四百九十三件の減少、人員で千四百五十二人の減少となっています。 罪種別に申しますと、買収二千五百六件、四千八百七十二人、自由妨害三十七件、四十一人、戸別訪問八十六件、二百六十人、文書違反百二十八件、三百三人、その他五十三件、三十七人となっておりまして、買収が検挙事件のうち件数で八九・二%、人員で八八・四%と最も多くなっております。 また、警告状況を申し上げますと、総数で一万二千七百四件でございまして、前回と比べ九千七百二十六件減少しております。 なお、警告事案のほとんどは文書関係についてのものでありまして、総件数の九四・四%を占めております。 以上、御報告申し上げます。
○石井委員長 次回は、来る十月十八日月曜日午前九時委員会、正午理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二分散会