商工委員会 第1号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1993/10/20
会議録
○中井委員長 これより会議を開きます。 この際、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、理事に大畠章宏君を指名いたします。 ————◇—————
○中井委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 通商産業の基本施策に関する事項 中小企業に関する事項 資源エネルギーに関する事項 特許及び工業技術に関する事項 経済の計画及び総合調整に関する事項 私的独占の禁止及び公正取引に関する事項 鉱業と一般公益との調整等に関する事項 以上の各事項につきまして、議長に対し、国政調査の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。 ————◇—————
○中井委員長 通商産業の基本施策に関する件並びに経済の計画及び総合調整に関する件について調査を進めます。 この際、熊谷通商産業大臣及び久保田経済企画庁長官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。熊谷通商産業大臣。
○熊谷国務大臣 第百二十八回国会における商工委員会の御審議に先立ち、通商産業行政に対する私の所信の一端を申し上げます。 最近の我が国経済は、個人消費や設備投資が依然低迷しており、急激な円高や冷夏の影響も加わり、まことに厳しい状況にあります。 一方、世界経済も、我が国及び西欧の景気の低迷、旧ソ連での経済的混乱等により、その回復は極めて緩慢となっており、その中で我が国の経常黒字の拡大に対し懸念が高まっております。また、東西冷戦構造の終結という歴史的地殻変動の余震の中で、地域紛争の多発等国際社会はますます流動化する傾向が強まるとともに、各国の政策の内向化が懸念されております。 我が国としては、世界経済に対する主体的責任を果たすためにも、できる限り早急に景気の本格回復を図るとともに、中長期的に活力と豊かさに満ちた経済社会を構築するため、従来の経済社会システムを見直しつつ、さらなる発展のための変革と投資を行っていくことが不可欠であります。また、世界経済の長期的繁栄の基礎となる多角的貿易体制の維持強化と世界経済の本格回復、冷戦構造終結後の安全保障、さらに、顕在化しつつある地球環境問題等の地球的課題への責任ある対応と指導的役割が強く求められております。 このような状況を踏まえ、私は、以下の諸点を中心に、通商産業政策の推進に向け、全力を尽くす所存であります。 第一の課題は、適切な経済運営であります。現在の我が国経済の低迷は、循環的な要因のみならず、バブル経済の崩壊の影響や市場の成熟化といった複合的な要因によって引き起こされたものであります。したがって、これに対処するためには、当面の緊急対策と中長期的に我が国の経済構造を変革していく対策とを組み合わせていく必要があります。 かかる認識に立って、政府は先般、規制緩和、円高差益の還元のほか生活者・消費者の視点に立った社会資本整備の推進、設備投資減税の拡充等財政金融措置を伴う幅広い施策を盛り込んだ緊急経済対策を決定したところであります。 一方、今回の対策は、国民が豊かさを実感できる経済社会の構築を目指した中長期的経済政策の第一歩として位置づけられるべきものと考えております。当面の景気の低迷に対応するためだけでなく、真に豊かさを実感でき、国際社会とも調和のとれた活力ある経済社会を構築するためには、ミクロ経済改革、適切な中長期マクロ経済運営、産業構造調整を三位一体とした総合的政策を推進していくことが必要不可欠であります。 このため、まず内外価格差に象徴される我が国経済の非効率な制度やシステムを自己責任の観点から徹底的に見直し、民間による投資や新たな事業機会を創出するとともに、海外の事業者による投資や貿易の面での市場アクセスの一層の改善を図ってまいります。 また、本格的な高齢化社会の到来に備えつつ、国民生活の質の向上を高めるとともに、将来の経済発展の基盤を整備するために必要な社会資本を計画的に整備していくことが極めて重要であり、ひいてはこれが、新たな需要の創出、対外不均衡の是正にもつながるものと考えております。 さらに、こうした対策の円滑な実施を図るために、各企業や産業界の主体的努力を支援しつつ、あすの我が国経済をリードする新たな産業の発展基盤の整備に努めていく必要があります。かかる観点から、情報化を一層推進するとともに、技術開発の強化に努めてまいります。 第二の課題は、新たな国際秩序の形成に向けた主体的取り組みであります。世界経済の長期的繁栄を確保するためには、その基盤となる多角的貿易体制の維持強化が不可欠であり、各国の協力を得て、ウルグアイ・ラウンド交渉を年内に成功裏に終結させるよう全力を挙げてまいります。また、内需主導の持続的経済成長、市場アクセスの改善等を通じて円滑な対外経済関係の構築に努めてまいります。 特に、日米フレームワーク協議においては、我が国としてこのような自己改革努力を進めつつ、経常黒字の十分意味のある縮小という方向を目指すとともに、米国にも財政赤字削減、国際競争力強化等の改善を求めてまいります。 さらに、発展途上国に対し資金協力、技術協力等の実施により産業高度化を支援するとともに、APECの枠組みを活用してアジア・太平洋地域の貿易・投資の自由化等に向けて貢献してまいります。ロシア等市場経済移行諸国についてもその自助努力を支援するほか、中東地域における平和の実現に対し、和平交渉の画期的な進展を踏まえ、積極的に貢献してまいります。 加えて、平和国家を標榜する我が国として、安全保障分野における国際貢献を果たす観点から、諸外国と協調しつつ実効ある輸出管理体制を構築してまいります。 第三の課題は、エネルギー環境問題の克服であります。かけがえのない地球を将来の世代に引き継いていくためには、環境に調和した社会構造の構築を推進していくことが必要であります。かかる観点から、第一次石油危機から二十年を経た今日、エネルギー政策全般の再構築を図り、地球環境問題の顕在化に対応しつつ、エネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保に努めてまいります。 このため、まず安全性に万全を期しつつ原子力の開発利用を引き続き推進するとともに、新・再生可能エネルギー、天然ガス等環境負荷の少ないエネルギーの導入を一層促進してまいります。また、分散型電源の開発導入等、柔軟なエネルギー供給構造の確立を図りつつ経済成長の持続を実現してまいります。さらに、革新的なエネルギー環境技術の開発、発展途上国への技術移転を積極的に推進してまいります。 加えて、地球温暖化等の地球環境問題や廃棄物問題等深刻化する都市型・生活型環境問題に的確に対応するため、企業、国民の省エネルギー、リサイクル等に向けた自主的な努力を引き続き支援してまいります。 第四の課題は、我が国経済の活力の源泉たる中小企業の活性化であります。中小企業は昨今の厳しい不況に加え、大企業等の国内生産の縮小、部品生産の内製化等の構造的な問題が顕在化することにより、多くの克服すべき課題に直面しております。 こうした状況に対処するため、先般の緊急経済対策においても、経営安定対策等に加え構造的な環境変化への対応の支援を行うこととしており、中小企業の新たな事業分野への進出等を円滑化することを目的とする法律案を今国会に提出し、総合的な対策に早急に着手してまいります。 第五の課題は、ゆとりと豊かさを実感できる生活の実現であります。このため、消費者利益の増大を図る観点から、総合的製品安全対策について、産業構造審議会において進められている検討の結果を踏まえ、これを推進してまいります。また、東京一極集中の是正と地域の活性化を図るとともに、高齢者、障害者に優しい社会の確立に向けて、引き続き諸政策を推進してまいります。 以上、今後の通商産業政策の基本的方向についての所信の一端を申し上げました。 私は、国民各位の御理解のもとに、通商産業行政の遂行に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○中井委員長 久保由経済企画庁長官。
○久保田国務大臣 当委員会が開催されるに当たりまして、我が国経済の当面する課題と経済運営の基本的な考え方について、所信の一端を申し述べたいと思います。 我が国経済は、公共投資が堅調に推移し、住宅建設にも回復の動きが続いておりますが、設備投資や個人消費は低迷を続け、企業収益や雇用情勢も依然厳しい状況にあります。加えて、急激な円高や天候不順の影響もあって、回復に向けた動きに足踏みが続いており、今後の本格的回復には予断を許さないものがあります。 また、経済の先行き不透明感や閉塞感を払拭するためには、新しい時代にそぐわなくなった制度、慣行を見直すことにより、生活者・消費者が豊かさを肌で実感でき、また、民間企業が旺盛なダイナミズムを発揮できるような環境を整えることが不可欠となっております。 こうした状況を踏まえ、政府は、このほど緊急経済対策を策定いたしました。 本対策は、規制緩和と円高差益の還元の両施策のほか、文化の薫り豊かな質の高い生活に係る社会資本や豊かで美しい生活環境の実現を肌で実感できる社会資本の整備、災害復旧や住宅投資の促進、輸入の促進等の幅広い施策から成っております。これらは、国民が直面する厳しい経済情勢に速効的に対応するものであると同時に、生活者・消費者が豊かさを実感できる経済社会の構築、活力ある社会を創造するための経済発展基盤の整備、調和ある対外経済関係の形成といった、我が国の中長期的な課題の解決に向けての新たな一歩を踏み出すものでもあります。 政府は、本対策を早急に実施に移すとともに、本年度予算や今年四月に決定された新総合経済対策の着実な実施にも引き続き努めてまいります。 先般の公定歩合の〇・七五%の引き下げにより、市中金利、貸出金利の低下も一層促進されるものと期待されます。私は、政府が、引き続き、内外の経済情勢に細心の注意を払いつつ、適切かつ機動的な経済運営に努めることにより、民間部門の自助努力と相まって、景気回復の動きは本格化してくるものと考えております。 我が国は、これまで、経済の力を高め、産業の発展を図ることを最優先の課題としてまいりました。こうした過程で築き上げられた生産者・供給者重視の経済社会の仕組みや慣行は、戦後の我が国経済の飛躍的成長や国民所得の向上をもたらす上で重要な役割を果たしてまいりましたが、現実の国民生活を見ますと、一人一人が経済力に見合った豊かさやゆとりを必ずしも実感できない状況にあります。 バブル経済の崩壊により、経済成長の中身がこれまでになく真剣に問われている今こそ、生活者・消費者重視の視点に立って既存の経済社会システムを見直し、質の高い生活の実現に向け、腰を据えて対応すべきと考えます。 こうした観点から、私は、まず、ゆとりある居住空間の形成、充実した生活時間の確保、生活者重視の社会資本の整備、内外価格差の是正に重点的に取り組んでまいります。このため、現行経済計画に掲げられた勤労者世帯の平均年収の五倍程度を目安とした良質な住宅の取得、年間総労働時間千八百時間の達成、利用者の視点に立った社会資本の整備などの目標の一層確実な実現を図ってまいります。 内外価格差問題につきましても、経済的規制の緩和の推進、流通面における競争条件の整備、輸入促進や生産性の向上、消費者への情報提供など、その是正・縮小のための各種施策の充実強化を図ってまいります。 また、物価の安定は、国民生活安定の基礎であり、経済運営の基盤となるものであることから、今後ともその維持に最善の努力を尽くしてまいります。 これらに加えて、男女共同参画型社会の実現や自由時間の充実、環境と調和した簡素なライフスタイルの確立などのための施策にも積極的に取り組んでまいります。 安全かつ豊かな消費生活を実現するためには、消費者自身も主体的な役割を果たしていくことが重要です。政府は、こうした消費者を支援するため、消費者保護会議で決定された各般の施策の総合的な推進や、国民生活センター等を通じた積極的な情報提供など、消費者行政の一層の充実を図ってまいります。 特に、製造物責任制度を中心とした総合的な消費者被害の防止、救済のあり方につきましては、昨年の国民生活審議会答申の趣旨を踏まえて、同審議会において、年内に実りある検討結果を取りまとめていただくべく、精力的な検討をお願いしているところであります。 対外経済関係につきましては、ウルグアイ・ラウンド交渉の年内終結に向けて、引き続き努力を傾注してまいります。また、我が国の大幅な経営黒字の縮小に向け、国民生活の向上という観点も視野に入れつつ、内需の持続的拡大やOTO(市場開放問題苦情処理推進本部)の機能強化等を通じた市場アクセスの一層の改善、さらには規制緩和、内外価格差の是正等各般の施策を積極的に推進してまいります。 さらに、発展途上国への経済協力につきましては、政府開発援助大綱の理念、原則を踏まえつつ、今後五カ年間の援助総額を七百から七百五十億ドルとする政府開発援助の第五次中期目標に基づき、我が国の経済的地位にふさわしい国際貢献を図ってまいります。 以上、我が国経済の当面する主な課題について私の所信を申し述べました。 この新たな時代に臨み、私は、持続的な内需中心の成長を図りつつ、国民生活の向上と地球社会との共存をともに目指した二十一世紀に向けての新たな我が国経済の姿を実現するため、全力を尽くしてまいります。 本委員会の皆様の御支援と御協力を切にお願い申し上げます。(拍手)
○中井委員長 次回は、来る二十二日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時二十分散会