厚生委員会 第2号
- 発言数
- 320 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/11/09
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。持永和見君。
○持永委員 きょうは、厚生大臣の所信表明に対する一般質疑ということで、自民党が初めての野党の委員会でございますが、この後自民党の論客をそろえて厚生大臣に御質問を申し上げますから、ひとつ明快な、そして誠意のある御回答をよろしくお願い申し上げたいと思います。 私は、まず初めに総体的な、基本的な問題について幾つかお尋ねを申し上げたいと思います。 御案内のとおり、我が国での社会保障を取り巻く環境というのは、今極めて大きな激しい変化をいたしております。高齢化ということで、日本人の平均余命が世界一になった。世界一の長寿国というのは、国民にとって大変喜ばしいことではございますけれども、やはりこの長寿を本当に健やかな、安心して暮らせるような、そういう社会のシステムをつくっていくことが我々政治家の務めではないかと思っております。本当に日本人として長生きできてよかったなというような社会をつくり上げていかなければならないと思っております。 反面、そういうことで大変高齢化が進んでおります。今、八人余に一人という六十五歳以上人口が、二十一世紀になりますと四人に一人ということになりますし、また、片一方では合計特殊出生率というのが一・五ということで、極めて低下をしている。これは、人口の再生産の面から見ても大変大きな問題を含んでおります。 一方、就業構造、産業構造の面でも、一次産業が急速に減って、二次、三次産業が多くなるとか、あるいは家庭の形態でも、核家族化が進行して、そして特に女性の方々の働き場が多くなり、特に配偶者の、家庭の奥さん方の、共働き世帯が非常にふえているというような状況にあります。 そういう社会経済状況が非常に大きく変化している中で、これから長期にわたって、未来を見据えて、厚生省の持っておる保健とか医療とか福祉とか年金とか、そういった分野について国民の期待にこたえられるような社会保障制度を構築していくということが、今当面、これは日本の国としても、内政としても非常に大きな、重要な問題ではないかと思います。 そういった点について、厚生大臣はさきに私的懇談会として高齢社会福祉ビジョン懇談会を設けられた。たしか十四日ではなかったかと思いますが、最初の発足をされたようでございます。この長期ビジョン懇談会、これに対してどのようにお諮りになって、そしてまた大臣としてどういう見解をお持ちになって社会保障に取り組んでおられるのか、その点をまずお伺い申し上げたいと思います。
○大内国務大臣 おはようございます。今持永先生御指摘の諸状況が、今日本の社会経済体制の中で進んでいるわけでございます。 実は、昭和六十三年に消費税の論議が行われました際に、この消費税の財源というものを、これからの高齢化社会を見据えて社会保障関係あるいは福祉関係の費用として充当したいという当時の自民党政府の側からの説明がございました。 当時私どもは野党でございましたけれども、そうであるならば高齢化社会の福祉ビジョンといったようなものを明確に国民に示す必要がある。私自身もその交渉の当事者になりまして、六十三年十月のたしか二十五日であったと思いますが、「長寿・福祉社会を実現するための施策の基本的考え方と目標について」、俗称福祉ビジョンというものの提示をちょうだいしたのでございました。 しかし、その中身というのは定性的な幾つかの方針が出されておりまして、定量的には、例えばホームヘルパーといったようなものについて数字が示されたのでございますが、それはごく一部でございまして、その数字すらも実は今日と非常にほど遠いものになってしまった。そして、先生御指摘のように、特にこれから社会保障に対する財政需要というのが高齢化社会の進展や少子社会の進展に伴ってますます要求されてくる。 したがって、そういう中では、財源問題も含めて、つまり定量的な問題も含めて、かつ他省庁にもまたがる面もございますので、総合的、立体的な高齢社会の福祉ビジョンというものを、この辺で与野党の皆さんと本当に話し合って構築していくことが後世代に対する政治の責任ではないか、こういうふうに考えまして、私は大臣就任早々、そうしたビジョンというものについてなお検討すべき課題がたくさん残っている、こういう見地から、事務当局に命じまして、今御指摘のような高齢社会福祉ビジョン懇談会、宮崎先生を座長といたします私的懇談会を発足させたのでございます。 それは、これからの二十一世紀、その以降を見据えまして、国民の期待にこたえるような社会保障の全体像といったようなものを、ある程度財源的な問題も含めて問題を提起してまいりたい、こういう考え方に立ってこれを発足させたわけでございます。 ただいま持永先生の御指摘のような諸点についても、同じような考え方に立ちまして、私どもこれから責任ある政策というものを厚生行政の中で提示してまいりたい、こう思っている次第でございます。
○持永委員 先般、社会保障研究所が我が国の社会保障給付費の調査を発表いたしております。これによると、社会保障給付費が五十兆円という大台を超えたという発表になっております。国民所得比一四%、国民の社会保障給付費が一人当たり四十万を超える、こういうような状況でございますが、諸外国との対比でいうと、これはまだ決して多い数字ではないと私は思います。人口がこれから高齢化するに従ってふえてはいきますけれども、諸外国との対比で決してそう極端に多い数字ではない。 我が国の社会保障給付費を見てみますと、その特徴的なことは、どちらかというと医療、年金に偏り過ぎているのじゃないか。我が国の社会保障給付費は九割が年金とか医療でございます。諸外国を見てみますと、福祉サービスとかあるいは児童対策、そういったものが大体三割ないし四割ぐちいありまして、日本の場合にはそういった面が非常に、一割ぐらいしかないというような状況になっております。 これからやはり、大臣も今お話しになりましたように、高齢化社会に対する介護対策の問題あるいは少子社会に対する、いろいろな児童に対する、子供たちに対する保育だとかそういったサービスの問題、そういうことを考えますと、こういった面にもう少し社会保障として、厚生行政として重点を置いて、そして社会保障全体がもっとバランスのとれたシステムを構築する、そういう方向を目指すべきじゃないかというふうに考えますが、これについて大臣の御所見をお伺い申し上げたいと思います。
○大内国務大臣 今先生御指摘のように、平成三年度におきまして社会保障の全体の総額が五十兆円を超えたわけでございます。うち年金が何と五二%の二十六兆円、医療が三九%の十九兆円、これに対しまして福祉等の「その他」と言われる分 野が一〇%、五兆円という状況でございまして、厚生行政の主たる柱が年金、医療、福祉と言われておりますが、諸外国に比べましても、その福祉の分野というものが非常に小さいことは御指摘のとおりでございます。 まして、これから超高齢化社会が到来する、あるいは先ほども申し上げたように少子社会が進んでいる、そして介護や育児といったような問題が社会保障の重要な問題として提起されているということを考えますと、先生御指摘のように、確かに社会保障給付のバランスというものが必ずしも日本ではとれていないし、これからの時代の要請にこたえるという面では、その辺をやはり相当考え直していかなければならないというふうに考えております。 そのためにこそ実はさっきお答え申し上げたような福祉ビジョンの懇談会というものをつくりまして、これから国民の側からあるべき社会保障のあり方、こういうものについて一つの方向性を出していただき、社会保障のこれからの施策についてもバランスのとれた施策の構築を図ってまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○持永委員 そういった意味で、ぜひこれから施策を強化していただきたいものの一つが、子供たちを健全に産み、育てるための環境づくりの柱となります保育対策ではないかと私は思います。 保育対策についてはいろいろ議論がありまして、今保育問題検討会というのを厚生省に設置されていろいろと検討をおやりになっているようでございます。 大臣も来年度の予算要求としては児童対策を最重点にするんだというようなことをおっしゃっておるようでございますけれども、この保育対策についてどういうような考え方でこれから強化されようとしているのかまた保育のニーズが乳幼児保育、障害児保育、夜間保育、延長保育といったふうに大変な多様な保育ニーズがこれから出てまいりますけれども、そういった問題について来年度の予算要求の中でどういうような対応をされているのか。 もう一つは、保育所の徴収基準といいますか、保育所負担について、特に共働きの中堅階層の負担が大変重い、そのために保育所に入れようと思ってもなかなか入れにくいというような声をよく町の中で聞かれるわけでございますが、こういった保育料の徴収基準について、もう少しなだらかな形での徴収基準というものをこれから工夫してもらえないだろうか、そういった点。 それからもう一つは、先般新聞に出ておりましたが、育児休業について厚生年金の保険料を育児休業期間中は減免するやに年金審議会の方で検討され、それを来年度の制度改正に入れたいという希望もあるというふうに聞いておりますけれども、そういった点についてお答えをいただきたいと思います。
○大内国務大臣 子育てと仕事の両立という面から保育所のあり方について非常に多様なニーズが生まれてきている、また保育料につきましても、中堅サラリーマン等に対して過重な負担になっているのではないかといったような問題も出てきております。 したがいまして、保育所に関しましては利用者から、特に保育時間のあり方、保育料負担のあり方、それから入所手続等について非常に具体的なさまざまな要求が出ておるのは御指摘のとおりでございます。 したがいまして、私どもはそうした多様なニーズにこたえるために、利用しやすい保育所というものを確立することが一番大事であるという観点から、事務処理の簡素化等につきましてもいろいろな対応を合しているわけでございますが、保育所の保育料の負担の問題も含めまして今保育問題検討会で最終の段階に入っております。 したがいまして、この結論についていろいろお願いをしておりますので、先走っていろいろ申し上げるのもいかがかと思いますので、これらの検討結果を踏まえまして、今先生御指摘の諸点に前向きに取り組んでまいりたいと思っております。
○瀬田政府委員 持永先生の方から、延長保育、夜間保育、乳児保育、障害児保育など保育ニーズが非常に多様化しているけれども、来年度要求の中ではどうしているのかという御質問がございましたので、その点にお答えを申し上げたいと思います。 近年、共働きの家庭の増加や就業形態の多様化が進んでいることは先生御指摘のとおりでございまして、このために多様な保育ニーズに対応いたしまして従来から乳児保育、延長保育等の充実に努めてきているところでございます。 平成六年度におきましても、子供が健やかに生まれ育つための環境、づくりを進めるということで、私たちとしてはエンゼルプランプレリュードという名前で総合的な児童家庭対策の推進に取り組むこととして、きめ細かな保育サービスの提供について予算要求をさせていただいているところでございまして、一つは、保育時間の延長に係る施策の充実、また乳児保育の一層の普及というふうなことを重点に予算要求をさせていただいているところでございます。
○山口(剛)政府委員 育児休業期間中の厚生年金の保険料負担の問題についてお答えをいたします。 この問題につきましては、先生御指摘のような事情を背景にいたしまして、次期年金制度改正の基本方向について御議論をいただいておりました年金審議会においても大変議論のあったところでございます。 育児休業期間中につきましては、現在、被保険者資格は継続をいたしますけれども、休職直前の標準報酬をベースにいたしまして労使折半で保険料をいただいているということでございますが、これにつきましては審議会におきましても、「労働行政や企業の対応状況も考慮しつつ、検討すべきである。」という御指摘をいただきました。 現在、育児休業中の給与保障のあり方について労働省でも検討が行われていると聞いておりますし、先生御指摘のように大変御要請の強い事項でございますので、私どももこの問題につきましては次の改正の大きな課題として、今後の企業の対応の方向あるいは関係者のコンセンサス等を得ながら検討してまいりたいと考えております。
○持永委員 次は、もう一つの社会福祉の面での大きな問題であります介護対策についてお伺いを申し上げたいと思います。 今いろいろな調査によりますと、国民の八割が老後に不安を覚えている、その中で特に一番何が不安かというと、将来寝たきりや痴呆になったときの介護問題ではないかということが調査の結果出ておりますが、こういった深刻な介護問題については、従来の施策の延長線上だけでこの介護対策をやろうといってもなかなか無理があるのではないかなという感じがいたします。 現に、ドイツでは介護保険というものを公的な形としてつくるやに聞いております。今、国会の方でも議論がされているというふうに聞いておりますけれども、そういった形で新しい何か介護のシステム、あるいはサービス体系を日本でもぜひ検討をして、そういった意味で介護対策を前進させる時期に来ているのではないかなという感じがいたしておりますが、この点についての大臣の御所見をお伺いいたします。
○大内国務大臣 ゴールドプランの中で介護の問題を非常に重視し、また予算につきましても、五%というシーリングの中で来年度につきましても相当の要求をしていることは御案内のとおりでございます。 今御指摘のような介護保険といったような問題も、実は私どもの党においてかってそれを提起いたしまして、いわゆる一般財政の中だけでこの問題を解決することが果たして可能であろうか、これからの介護のニーズの増大というものを考えますときに、今先生御指摘のような、ドイツで先行しております介護保険といったようなものを検討する必要があるのではないかという問題も提起し ております。 現在私どもの中でその問題も含めまして検討をしている、まだ結論は出ておらないのでありますが、いずれにしても検討させていただいておる、こういう状況でございます。
○持永委員 ぜひその検討をお進めいただきたいと思います。 次は、余り時間がありませんので大きな問題を取り上げさせていただきますが、一つは診療報酬の問題でございます。 ことしの九月に厚生省で病院経営緊急状況調査、そういったものをおやりになって、その結果を見ますと、今民間病院の赤字経営というのが三割にもなっているというような、極めて病院経営は悪化しているという状況にあります。 このままでいくならば、病院経営側の、医療の供給というものについても支障を来すのではないかというようなことまで言われておりまして、そういう意味で、恐らく病院側からは厚生省に対して大幅な診療報酬の引き上げ要望が出されているかと聞いておりますが、こういった要望についてどういうふうに対応されようとしているのか、その点が一つ。 それから、診療報酬の改定の問題でございますが、従来、診療報酬の改定は、どちらかというと薬価の引き下げを財源として、その財源を中心に医療費の改定を行ってまいりました。したがって、薬価の引き下げが小幅であれば医療費の改定がなかなか行われないというような、これは国の財政の問題もありますけれども、そういった形で行われてきた嫌いがあるということは否定できないと思います。 例えば、技術料を適正に評価する、あるいは最近盛んに病院なども新規の設備あるいは整備の投資を行っておりますから、そういう整備なり設備投資に対する減価償却をどうする、あるいは人件費の問題も、診療報酬は二年に一遍の改定でございますけれども、国家公務員の人件費あるいは勤労者の人件費、給与というのは毎年上がるというような状況にあるわけでございます。 そういった意味からいうと、診療報酬の体系そのものに私はやや理念が欠けている嫌いがあったのではないかなという感がいたしております。これからますます医療に対する国民のニーズは多様化、高度化をしてまいることは事実でございます。 そういった中にあって、来年の診療報酬改定、そのぐらいからそろそろそういったはっきりした考え方を打ち出す診療報酬の改定が行われてほしいなという感がいたしておりますけれども、この二点について、大臣の御所見をお伺い申し上げたいと思います。
○大内国務大臣 先般来、医療機関の経営の実態調査をやりまして、私もその報告をちょうだいしておりますが、御指摘のように、約三割の医療機関が経営が非常に苦しいという状況にあることは御指摘のとおりでございます。 その理由は、特に人件費の上昇あるいは材料費の上昇、薬価差の減少といったようなものが主たるものになっておりまして、これは診療報酬のあり方としてこれからその改善が図られなければならないというふうに考えておりますが、もちろん診療報酬の問題だけで解決できる問題ではないわけであります。 御指摘のように、先般の診療報酬の五%の引き上げの際にも、その半分の二・五%が薬価の引き下げ分を充当したという事実関係があるわけでございます。本来は、薬価の引き下げという問題と診療報酬の引き上げというような問題。改定という問題は、それぞれ別個の問題であるわけでございますが、財政が非常に窮迫しているという状況の中でそういうことも念頭に置きながらやられたという経緯があることは事実だと思うのであります。 しかし、先生が御指摘のように、それらは本来別個に考えるべきものであって、したがって、これから薬価の引き下げ分を財源として充当していくという考え方に立って診療報酬の改定の問題が行われるべきではない、こういうふうに考えておるわけでございます。 御指摘のような整備費や人件費といったようなものも、実は医療サービスの対価の中に含めて考えているわけで、本来は技術料というものを別個に考えていくべきものであると考えるのでございます。 しかし、この方法は今広く受け入れられるような状況になっていることも事実でございまして、御指摘のように別枠とする方法に変更するということについては、直ちにこれを実行に移すということはなかなか困難な面もあると私どもは考えておりまして、今後、中医協等の御議論を踏まえつつ、技術料重視の観点も含めまして、合理的な体系になるように私ども努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
○持永委員 次に、年金の問題についての基本的な考え方だけお伺いを申し上げたいと思います。 いずれ年金の問題は各委員からもそれぞれ御質問があろうかと思いますが、来年度は五年ごとの年金の財政再計算ということで、年金の改正が今大きな社会的な、そしてまた政治的な課題になっていることも事実でございます。しかし、年金というのは、長い将来にわたって揺るぎのない安定した制度でなければならない。それによって初めて国民が信頼し、そしてまた期待する年金になるわけでございます。 我が国は、先ほど来申し上げているように、大変な高齢化が進行し、そして片一方では高齢化社会を支える若い人たちがどんどん少なくなるという深刻な少子社会を迎えておりますが、こういった中にあって、長期にわたって本当に国民が安心して頼れるような年金制度の確立のために、厚生大臣としてどのようにお取り組みをなさっていかれようとしているのかその点が一つ。 それからもう一つは、問題になっております支給開始年齢でございます。 前回の、たしか平成元年の制度改正のときに政府が出した案によりましても、六十五歳というのは段階的に引き上げるのだ、それで、六十一歳になるのが平成十年、平成十年でございますからあと五年後、そして六十五歳になるのは平成二十二年、二十二年でございますからあと十七年ぐらい後、そういうようなシステムになっているかと思います。 もちろん今の状況で、六十歳から六十五歳までの間の弾力的な対応、雇用等の問題、そういった問題についての弾力的な仕組みというのはもちろん私どもも必要であろうと思いますけれども、長い将来を考えた場合に、やはり私は支給開始年齢というのは六十五歳というのを仕組んでおいて、そしてその間のいろいろな雇用の問題なりについては弾力的な対応を考えていく、そういうような仕組みが来年度の改正に向けても必要ではないかなという感がいたしております。 この点について、年金審議会の答申もあったようでございますけれども、大臣の御所見をお伺い申し上げたいと思います。
○大内国務大臣 御指摘のように、年金は老後の所得保障の最も根幹をなす問題でございますだけに、来年の年金財政の再計算を契機にいたしましてこの問題の抜本的な改革を図りたい、こういう決意で今臨んでいるわけでございます。 さきの年金審議会の御意見については、もう先生よく御存じのとおりでございますが、私が大臣就任早々特に強調してまいりましたのは、国民の生活保障という面では、あらゆる世代においてその生活保障の断絶を引き起こしてはならない、これがやはり国の施策の基本的なスタンドポイントでなければならない。 そういう見地から、年金と雇用という問題は連動する問題である。したがって、私は、労働大臣ともこの問題について意見の交換を行いながら、この問題について国民の皆様の御理解を広範にいただけるような、そういう結論を得るようにいろいろ今考えているところでございます。 それで、考える一つのポイントといたしまして は、昭和二十九年に年金の改正が行われまして、昭和四十八年にこれが五十五歳から六十歳への移行が完成したわけでございます。したがって、今その一つの方針に基づいて国民の皆さん、働く皆さんが保険料をお納めになり、そして六十歳になれば年金がもらえるんだ、こういうつもりで保険料をお納めいただいているわけでございまして、これは国のこれまでの一つの大事な約束事である。したがって、これを軽々にほごにするようなことがあってはならない、そういう視点が一つは必要だと思うのであります。 しかし同時に、これからの超高齢化社会というものの進展に伴いまして、その年金に対する需要というものが不可避的にふえてくる。そうすると、保険料の負担、場合によっては国庫負担といったような問題のあり方についても相当大きな変化が求められてくる。そして、今の保険財政の状況からしますと、六十歳給付で今までのような給付を保障しようとします場合には、相当の御負担をお願いしなければならぬという事態が生まれてきている、これが二つ目の視点であろうと思います。 そして三つ目には、言うまでもなく男女ともに世界一の長寿国になりまして、いわゆる六十歳を超えてもまだ働きたいという人が全体の七割以上を超える、こういう事態が生まれてきている。したがって、それらの要請にもこたえる必要がある。 こういう三つの視点からこれからの年金のあり方というものを考えていくといたしますと、やはり六十歳前半の年金というものとそれから六十五歳以降の年金というものを分けて考えていく必要があるのではないか。そういう意味から、私自身の言葉といたしましては、年金の二段階構想というものによって中身で国民の皆様のコンセンサスを得る努力をしなければならぬ、こう思って今取り組んでまいったのでございます。 年金審議会の御意見におきましても、六十五歳支給開始というものが大勢的な意見であった、しかし同時に、他方、現行どおり六十歳からの年金支給を維持すべきであるという強い意見もございまして、それらを勘案しながら、特に「六十歳台前半期の年金の在り方については、就業から年金生活への円滑な移行や個々人の多様なニーズにも対応できるような弾力的な仕組みが必要である。」こういう御意見をちょうだいいたしました。 具体的には、「早期から繰上げ年金を支給し、早期支給に応じ一定率の減額を行う方向、又は六十歳台前半期について、六十五歳以降の年金とは別個の給付を支給する方向が考えられ、その水準や給付の仕組みについては、高齢者雇用の実態と展望、受給者の公平性や諸外国の例等を勘案しつつ、具体的な在り方」を検討せよ、こういう意見書をちょうだいしているわけでございます。 私自身の考えとしましては、今までの経緯は経緯として十分、これはそれぞれにあるわけでございますから、それぞれのメンツで争うような形ではなくて、六十歳前半の年金と後半の年金という問題を雇用問題というものと十分連動させながら、中身の問題で国民の皆様の御理解を得るように努力をすることが必要ではないかという意味で、今鋭意検討に入っているところでございます。
○持永委員 ぜひひとつ将来にわたっていい改正だなと思われるような、そういう改正を大臣のもとで仕上げていただきたいと思います。 もう時間になりましたので、お答えは結構でございますが、一言だけ申し上げさせていただきます。 いよいよ来年度の予算編成が十二月に入りますと本格化いたします。来年度の予算編成、厚生省が予算要求いたしております十三兆九千億円の額は満額、厚生大臣あるいは厚生省の力でぜひひとつ確保していただきたいということが一つ。 その中に、特に来年度は大幅な所得税、住民税の減税が行われる、そういう状況にございます。住民税、所得税の減税が行われる中で、課税最低限の引き上げもやろうじゃないかということがきょうの新聞にも出ておりますけれども、そういったことになりますと、課税最低限以下の所得の人たちについてはそういった減税の恩恵が全くない、こういうことになりますから、厚生省としては、そういう人たちに対してもひとつ思いやりというものをお示しをいただきたい。 それは、例えば福祉年金とかあるいは各種手当とか、そういう問題についてやはり厚生省として、政府として、こういった低い所得の人たちに対しても、減税に合わせて思いやった予算をつくったよと、歳出面でのそういった思いやりをぜひお願いしたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○加藤委員長 田中眞紀子さん。
○田中(眞)委員 このたびの選挙で初当選をさせていただきました田中眞紀子でございます。 議席を得ましてからまだ百日しかたっておりません。ついこの間まで本当に専業主婦でございましたし、不勉強でございますが、九年前に私の父が脳梗塞になりましてから、その在宅介護を通じましていろいろな問題にぶつかりました。多くは厚生省にかかわる医療と祖祉の問題、まあそのすべてであると申し上げてよろしいかと思います。 その中で、今回、三十八年ぶりでございましょうか連立内閣というものができ上がりました。そして、大内厚生大臣は、昭和三十五年に民社党ができ上がって、それ以前の社会党のころから長いこと政治に携わっていらっしゃって、殊に民社党の立党の精神は福祉であるということを承っております。 細かい問題をお尋ねする前に、総論として、大内厚生大臣御自身が、もちろん厚生行政というものは医療と福祉、年金ということになっておりますけれども、国全体の中で厚生行政というものの特質は何かということをどう認識していらっしゃるかについて、まず総論を伺わせていただきたいと思います。 そして、連立内閣の中での厚生省の厚生行政というものの使命、意義について、まずお話を例えればありがたいと思います。
○大内国務大臣 私は、御指摘のようなキャリアを持っているわけでございますが、今から三十二年ほど前に、これからの日本の社会の大きな目標、国づくりの目標としては福祉国家というものを目指すべきである。当時はまだそういう言葉が余りはやっておりませんので、ウエルフェアステーツという言葉を翻訳しながら、そういう問題を提起したのでございますが、そのときは皆さんからむしろ御批判をいただいたのであります。 しかし、十年、二十年、三十年たった今日、これを否定する政党も政治家もほとんどいなくなったということは大変うれしいことでございまして、これからの一つの大きな日本の目標というのは、生活水準、つまりGNPではなくて個々人の生活水準において先進国にならなければならないという視点から、六年ほど前に、日本のこれからの目標は生活先進国というところに置くべきである、こういう一つの政策を提示してきたのでございます。 そして、今、日本の中には、実は二つの大きな社会的な流れが進行しておりまして、一つは、御指摘いただいているような超高齢化社会が諸外国に例を見ないスピードで進行している、もう一つは、少子社会というものが進行している。この二つの大きな流れの中で、これから日本の社会保障のあり方というものを考えていかなければならない。 私は、これから二十一世紀に向かって、生活先進国と言う以上は、社会保障の水準においても先進国をつくり上げる、その哲学と思想というのは、この日本の中に生をうけた一人一人の人間の人権あるいは生活というものを何よりも重く考えていくという思想、哲学に立たなければならぬ、こう思っておりますので、これから日本としては福祉国家というものを一つの土台にしながら、生活先進国、社会保障先進国、特に医療という面での先進国を形成することによって、世界的な貢献に寄与する国家にならなければならないのではな いか。 厚生省は、約十四兆円近い予算をちょうだいする大きな省であり、しかも年金、医療、福祉といったような国民の生活にまさに直結する省であるだけに、この厚生行政のよしあしというものが国民の将来の生活に大きな影響を与える、そのような自覚に立ちまして責任を遂行してまいりたいと思っている次第でございます。
○田中(眞)委員 ありがとうございました。 私は、厚生行政とは一体どんなものであろうかということをこの九年間ずっと自分なりに考えてまいりました。大臣がおっしゃるような、生活先進国になるためというふうなことも十分わかりますし、ウエルフェアステイツを目指していらっしゃるという哲学も正しい方向で、まことにありがたいことであるとは思っております。 しかし、現実の状況を見ますと、厚生省というのは、ほかの省庁に比べて、一般歳出四十兆円ですかの中から約十三兆円、三三%を厚生省が、たくさん予算を獲得している省庁でございますけれども、その中で、厚生省というところは、医療も福祉もそうですが、人間の心の痛みといいますか、目に見えない部分、フィジカルな面ももちろんでございます、メンタルな面もございます、そういう人間としての尊厳にかかわるような目に見えない部分、それをカバーするのが厚生省ではなかろうかというふうに私は考えます。 それは、人間としての責任、それから他人の命を大切に思うこと、生をうけた人間というものの尊厳をどうやって守り抜くかということに裏づけをされていないと、厚生省の仕事というものは十分に機能しないというふうに思っております。 実際問題といたしまして、父が障害を得てから、もうたくさんいろいろな問題が具体的にございます。 一番切実に感じておりますことは、マンパワー不足でございます。社会福祉士さん、看護婦さん、介護福祉士さん、いろいろ制度もできております。こういう福祉士という制度は、二年ほど前からでき上がったというふうに聞いておりますけれども、そういう制度が、介護と医療というものが別に機能してしまっていて、一人の人間あるいは複数の患者さんを診るときに、ここまでは看護婦さんがやることで、あとは弁護士さんがやることであるというような区分というのはなかなかできにくくなっているというのが現実でございます。 ですから、なかなかその辺の縦割りのことがはっきりしているというか、あいまいといいますか非常にわかりづらくなっておりまして、殊に最近高齢化が進んでおりますと、疾病構造も随分変わってきております。そういう変化に対応できないような硬直した行政といいますか指導がなされている、基準があるということを一番感じました。 それから、細かいことになりますれば、装具とか、福祉機器といいますか、そういうものも規制ばかりがございまして、こういう規格がある、その規格に人間が体を合わせていけというようなことが実態で、実際に行われている。そういうことを大臣は御存じでいらっしゃいますでしょうか。 あとは、ちょっとぐあいが悪くなりましたときにも、高齢者に限らず、障害者に限らず、一般、私ども健常者もでございますけれども、都会におきましては開業医が非常に少なくなっておりまして、一々大病院に駆け込まなければいけない。 手術をしなければいけないとかCTスキャンを使うような、大きな機械を駆使してもらわなければわからないような病気ではなくて、本当の風邪のようなことであってもなかなか開業医が不足してしまっている。身近な私どもの生活から、どんどん医療も福祉も遠くなってしまっているという現実を感じております。 この辺のことにつきましては、大臣はどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。日常の御認識で結構でございます。
○大内国務大臣 厚生省としては最大限の努力はしているのでございますが、一人の国民の立場、サイドから見ますと、例えば今日の病院のあり方、あるいは医療を受ける場合のいろいろな諸条件の整備については、非常におくれている分野が多いし、また不満を感ずる分野がたくさんあるというような御認識については、私も同様なことを実は実感しているわけでございます。 もちろん施設とか、医療の内容について、よい中身のものを提供するということは一番大事でございますが、私も時間がないのでそこまでは申し上げませんでしたけれども、厚生行政の中で非常に大事な分野が御指摘のようなメンタルなあるいはフィジカルな、そういう面で国民の皆さんに満足していただけるような状況をつくり出すということが非常に大事でございます。 単に数の、数字の競争だけではなくて、中身の問題として、本当に国民の皆さんが、いい医療、その他を提供しているという実感が持てるようなものをつくるためにはなお相当の努力が必要であると考えておりまして、御指摘の点については、我々自身の反省の問題でもございますが、最大限の努力を傾注して事態の改善に取り組んでまいりたいと思っております。
○田中(眞)委員 それから、常に日本の全体の状態を見ておりまして、殊に連立になりましてから、これは私の認識不足かもしれませんが、どうも大蔵省が非常に強い力を持ってきている。特に、連立が不安定とは申しませんけれども、この時期ということもあるかもしれません。 常に財源ということで、この間も政府税制調査会で消費税の引き上げをするというようなお話がございまして、高齢化社会の公共サービスを受けるためには国民皆が応分に負担をする必要があるということを加藤会長が言っておられる。そして、そういうことが消費税アップの一つの、かなり前面に出た理由であるというふうに私は聞きましたけれども、あのゴールドプランも消費税を三%にするときに抱き合わせでつくられたというような印象を持ちました。 今回もまた税金を上げるときに、大蔵省というところはいつもいつも財源を探しているわけでございますから、そういうときになぜこういう福祉みたいな問題が、国民に密着して一番わかりやすい、みんなが、ああなるほどね、これならいいと賛成しそうなことが前面に出てくるわけですから、これは福祉目的税ではないわけでございますから、こういう問題を閣内でどういうふうに議論をなさるのか、そういう問題も伺いたいと思います。 それからさらに、先ほど持永先生がおっしゃった診療費の引き上げの問題もございます。これも大蔵省は難色を示している面もあるかと思います。現実問題、障害者を抱えている人、年寄りとともに暮らしている者、一緒にいる私たち自身の、高齢者とか、障害者の人権もあるのですが、言ってみれば非生産人口にならざるを得なかった、かつては生産人口だったわけですが、そういう方々を支えている私どもの世代といたしましても、消費税というものが上がることは大変な負担、困難がございます。 それは単に車いすに税金をかけられるというだけのことではないんです。例えばケアハウスをつくるのであれば、その建築物に対しても税金はかけられるわけでございますし、病院でも老人が今一人ずつテレビを見ています。そのテレビにもかかってくるんです。そういうことは本当に私ども一般に生活する人間全体の生活を非常に圧迫すると思っています。 それから、病院食の自己負担という問題もこの間、医療保険審議会で言われ始めております。これはこれから議論が起こることかと思います。これについても大臣がどう考えていらっしゃるかも伺ってみたいと思います。 また、祝日法の改正ということがこの間出ました。一、二兆円の経済効果がある、私はこれは全く安直な発想であると申し上げたいと思います。祝日が三日、三連休になったらそんなに日本人が喜んでレジャーに行くんでしょうか。そういうことで経済効果があるというような発想は本当に私はイージーであると思うんです。 そうではなくて、弱い立場にいる人間としてみれば、その間に、例えば医療の現場で申し上げますと、今の二連休でも看護婦さん、お医者様は当然の権利としてお休みなさるんです。そうすると、患者はそのときにぐあいが悪くなったらどうしようかという問題があって、早く休みが済んでくれないか、通常のウィークデーになってくれないだろうかということをいつもいつも願っております。 それから、緊急医療はどうなりますか。そういう不安もございます。また、緊急医療を受け付けている病院にパニックのように人が行ったときにどうやって対応ができますか。単に休みがあればいいとか、そういうことが経済効果に、収入に結びっくとかいうような発想自体が私はもう時代おくれであると思います。 そういう閣僚が現在の連立内閣の中にいらっしゃるという中で、本当に先ほど申し上げたような国民の痛み、そういう弱い立場の人に愛情を注ぐ立場、弱い立場の人たちを守るためには厚生省は強くならなければならないのでございます。 その厚生省の厚生大臣がどういうスタンスで連立内閣の中で今のような諸問題について立ち向かわれるのか、ぜひこの消費税の問題について、また祝日法改正につきましても御所見を伺わせていただきたいと思います。
○大内国務大臣 連立内閣になりまして大蔵省が殊さら強いわけではなくて、常に大蔵省は強かったのでございます。 私は、大蔵省当局にも国の政治が行う施策の重点について一定の時代認識を持っていただきたいと思いまして、折に触れて大蔵大臣とも会話をし、これからの超高齢化社会や少子社会の中にあって、やはり介護といったような問題は非常に大きな問題として登場してきている、あるいは各論で言えばがんの克服とか、今日本では少ないのでございますが、今後のエイズ蔓延等を考えますと、これらは看過できない非常に大きな問題なんだ、全体の外交、防衛とか国の大きな施策から見ますと、そういう問題はちっぽけのような問題としてとらえるべきではないということを実は折に触れて申し上げておりまして、細川総理にもそのことを御理解いただくように実は努力をしているわけでございます。 というのは、さっき申し上げたような国民の生活を改善するという面で厚生省が果たすべき役割は非常に大きいし、その厚生省の果たすべき役割というものが政府全体の施策になってこそ効果があるのである、こういう見地からそういうふうに申し上げているのでございます。 そしてしかも、これから高齢化社会の中の御老人の介護一つをとりましても、あるいは少子社会における児童、家庭対策一つをとりましても、単に厚生行政だけで問題解決はできないので、それは他省庁にまたがる住宅や雇用、その他のさまざまな問題が出てまいりますだけに、私は、政府全体としてそういう考え方、視点というものを持っていただくように私が努力することが厚生大臣としての仕事、任務である、こう考えまして日夜努力をしているのでございます。 そして、御指摘の消費税につきましても、政府税調の方から、減税をやる、その見返りに消費税率のアップといったような問題も提起されておりますが、私はそれはもう全く別の問題である、こういうふうに考えておるわけでございまして、したがって、そういう問題を連動して、取っかえ引っかえ、交換条件としてそういうものを要求されるということについては私は納得できないものを持っております。 したがいまして、消費税につきましても、減税をやり消費税を取れば、その減税効果というものはほとんど失われてしまうわけでございますので、恐らくこれから直間比率の見直しという問題に手をつけざるを得ない状況にはございますが、その場合でも、その国民の皆様からちょうだいする税金というものが確実にこれからの日本の福祉に投入される、こういう保証がなければならないのでございます。 しかし、じゃ、それを目的税にしたらいいかというと、私は目的税にすることは賛成しません。それは財政の硬直化をもたらすだけではなくて、その限界において福祉がとめられてしまうということすらもあるわけで、別の弊害も生じてまいります。 しかしながら、日本の必要なそういう施策については、予算全体の編成の中で確実にその財源を保証するが、仮に消費税という問題に手をつける場合には、それが、その相当部分が確実に福祉に投入されるという保証なしに国民の理解を得ることは困難なことではないか、そういう視点に立ってこれからも消費税の問題については議論してまいりたいと思っている次第でございます。
○田中(眞)委員 今大臣のおっしゃった、福祉目的税に限らない方がいいとおっしゃる御意見に私も同感でございます。 ただ、全体の、まず厚生省内部の問題からまいりましても、やはりかなりほかの縦割り行政が進行しておりまして、労働省やら文部省やら、あるいは建物に関すれば建設省とか、横の省庁と相当話し合いをしていかないとならないという実情があるのではないかと思います。 役所の統廃合とは申しませんけれども、もう機能が硬直化しておりまして、もちろん日本のシンクタンクと言われる優秀なお役人の皆様が控えていらっしゃる中、大変に僭越でございますけれども、やはり政治家がやるべきことというのはそういうことの見直しではないでしょうか。 役所が、厚生省に限りませんが、各省庁に言われたものを、法案等を通す、規制をそのまま見ていくということではなくて、総合的に遠くからレンズを引いて見てどうあるべきなのか、今の時代と百年、二百年後、そして世界の動きの中で厚生行政がどうあるべきかということを考えるのが政治家ではないかと思います。厚生省内部においての問題もいちいろと具体的に御検討いただきたいと思います。 また、これは予算委員会でも何でもございませんから、こんなことを申し上げるのは逸脱するかと思いますけれども、やはり財源、財源と言う前に、これは主婦でございますから、私ももしも赤字になった場合には家計はどこがむだだろうかということを見ます。 そのときに、例えば防衛費の場合はどうだろうか、今あんなに陸上自衛隊の費用が必要だろうかという問題とか、あるいはODAも、これは対外援助で喜ばれておりまして、国際貢献はしておりますが、機能していないという面も多々あるやに見受けております。 それから、今の時期になりますと、予算を消化するためといって、なぜか日本じゅうで道路がほじくり返される。なぜ無理に消化をしなければならないんですか。来年度予算にそれが本当に必要なんでしょうか。それからまた、企業の優遇税という問題についても、いろいろ企業から問題が起こっておりますし、抜本的な問題はやはり見直してむだをまずやめるという発想を政治家がしないと、この硬直化した、時代に対応できない行政というものはなかなか前に出ない、新しい柔軟な発想は出ないというふうに考えております。 あと時間がございませんから、具体的な問題をちょっとだけ申し上げさせていただきます。 ここに一冊の本がございます。片岡稔恵さんとおっしゃいます方が残留孤児の問題についてつい最近出版された本でございます。これは後ほど大臣のお手元にお届け申し上げたいと思っております。 残留孤児と残留婦人の問題がいろいろ話題になっております。厚生省は現在、当時十三歳未満の方々は残留孤児として、そして十二歳以上だった方を残留婦人、要するに自己認識があったということで区分けをしていらっしゃるわけでございますけれども、昭和四十七年の九月に日中国交が正常化されました。戦後四十八年たっております。 そして、この孤児の問題を厚生省が取り上げられて十二年間、十二年間もたっているわけでございますが、その中で、この残留婦人は、一つは親族の同意がなければ帰国ができない、そして最近は、二年前になりますのでしょうか、厚生省は特別身元引受人制度というものをつくられて、身元引受人がいなくても帰国はできるんだという制度をおつくりになったというふうに承知しております。 ですが、十三歳以上であっても身元の確認率は三十数%、三四・八%でございましたか、大変低いというのが現実でございまして、なかなか名のり出られない、それから現実に親族を見つけることができないという状態であると思います。 そういう受け入れ側、帰国したがっている側、それから中国で結婚なさって残っている子供さんたち、中国にいる家族の問題、いろいろが全部連動しているわけでございますけれども、そういう方々が、現実に自分の身元もはっきり特定できない状態なのに、身元引受人をどうやって捜すことができるかという問題でございます。これも痛みの問題であると思います。 私の父は、ぐあいが悪くなりましてからも、テレビを見ていまして、どんな娯楽番組を見ていても、どんなに人と会っていても、テレビで残留孤児の報道がされますとすぐにそちらへ回して、ややっと言ってそちらを見ます。父はずっと、日中国交回復をいたしましてから、中国とのかかわりの中で起こったあらゆる痛み、悲しみ、そういう問題を深く深く今現在も胸に刻んでいるわけでございます。 特別身元引受人制度というのは立派に聞こえますが、これも大変硬直していて、現実に対応はできないと私は思っております。国策で満州へ送り込まれたわけです。そして、昭和二十年にソ連が入ってきてから追われたわけです。逃げ盛って、そしてそこに置かれてしまった、残されてしまった人々なんです。そういう方々が、望郷の念があって、日本人が日本に帰りたいのに身元引受人がいなければ帰れないという、これはまことに貧しい、悲しい現実であると思います。 私は、ここで政治家がやるべきことは、制度をつくることではないと思うんです。引き受けられるのではないでしょうか。先ほども申し上げたような税金のむだ遣いは、厚生省内だけではなくて、いっぱいあるはずですから、ほかの役所ともよく本質的な見直しをしていただいて、どうすれはこういう問題が片づくか、それはもう制度とか規則をつくることじゃないのです。 入れないように入れないように、先ほど冒頭に申し上げたような福祉器具の問題もそうですが、制度に人間を合わせると言う。今回の問題も、この制度に、規格に合わない人は入れない。なぜ入れないのですか。入れる方向を示さないという基本的なスタンスがあるのではないか、意地悪だというふうにさえ私は感じます。 もう一つ手紙がございます。これは、八十二歳の群馬県に住んでおられる女性でございます。電話でお話もさせていただきました。この方は国債のことを言っておられます。もちろんこちらは厚生委員会でございますけれども。 この方は陸軍少佐の未亡人でございまして、昭和十五年発行の国債を買った。ずっと持っていて、そして再婚のために自分は恩給を受けていないんだ、そして、自分はずっとずっと国を愛して、国を信じてだんな様を戦場に送り、未亡人になった。今日、まだこの国債を持っているといってコピーを私に下さいました。 そして、今ひとり日本は大変黒字の、豊かな国になったと言われるけれども、日本の国を信じて生きてきた私たちは、本当にこのまま長生きしていていいんだろうか長生きし過ぎたのではないかと思っているんだ、しかし、自分はそういう思いを持ちながらも、自分の残された人生を大事に、無傷で生きて、献体をしたい、自分は医療の面で国家に役立ちたい、そういうことをお手紙でいただきました。 この方は何も国に求めていないんです。ただ国家に本当に殉じて、国のことを信じておられた方です。そして、この片岡稔恵さんの本の中にあります残留孤児の方々も、ここにも書いてございますが、本当に素朴で辛抱強く誠実に、国策として送り込まれた方たちの最後の姿でもございます。その一族の姿でもございます。 細川総理大臣は、あれは侵略戦争であったとおっしゃいました。そして、ついこの間は一泊二日で、慶秋の秋はさぞ美しかったであろうと思いますけれども、御夫婦で、四千万円ぐらいのお金が多分かかったのではないかと思いますが、ああやって過ごしてこられました。そして、慰安婦問題を謝罪したり、改名問題をおっしゃったりいたしました。 それはしないよりかもいいかもしれませんが、これも私はむだ遣いがあった面もあるのではないかと思います。いらっしゃることはいいことです。ですけれども、これだけの費用を投じるのであれば、そのお金をなぜほかの面に投入なさらないのか。痛みというものをはっきり感じていただきたい。 末端の中に、福祉行政の中で、国の国策の中で、こうやって黙って静かに我慢している方々がおられるのです。そういう方々を救済するためにこそ連立内閣は、特に厚生大臣には胆力をぜひ発揮していただきたいと期待申し上げております。どうぞよろしくお願いいたします。
○大内国務大臣 中国の残留婦人及び孤児の問題は、先生御指摘のとおりでございまして、九月五日に残留婦人十二名が成田に来られたときも、関係者の報告を受けまして私が指示いたしましたのは、この人たちというのは歴史的な最も悲惨な被害者である、したがって、できるだけ親切に対応してもらいたい。 親切という意味は、丁寧な言葉で応対することではない、相手の要請に対してどうすればこたえることができるかを真剣に苦悩し、努力し、工夫するのが親切な行政なんだと言って成田に行っていただきまして、即刻センターの方にお入りをいただいたのでございます。 これまで、本籍地主義とかあるいは親族の同意とか、いろいろな問題がございましたけれども、私は、これらの人々に対しては、国が最終的な責任を負うというぐらいの決意で問題を処理しなければならない。今御指摘の特別身元引受人等の問題につきましても、実は実際によく検討してみますと、そういう人力も非常に必要なのでございます。 ですから、それらのあっせんについても、国が全責任を負って、一人も漏れがないようにそれをあっせんするということが国が責任を負うことなんだということを申しておりまして、十二名の方々についてはそれが一応全うできたのでございますが、今大体千八百人ぐらいまだ中国にはおられるであろう。そして、この間も、住所のわかる方にいろいろな調査をいたしました結果、大体その半分ぐらいの方々から御返事をいただきまして、五百名近い人が日本に帰りたい、こういう切実な要請を持っておられるのでございます。 したがいまして、私は、余り手続とか制度という問題に拘泥しないで、これらの人々に対しては、本当に相済まないという気持ちを持って、最大限の措置を国の責任においてとるということが私ども厚生省の責任である、こう思っておりまして、閣議においてもそのような決意を細川総理以下に申し上げている次第でございます。
○田中(眞)委員 どうもありがとうございました。
○加藤委員長 次に、住博司君。
○住委員 持永理事、そして田中眞紀子委員に引き続いて質問させていただきます。 冒頭、年金の問題について少し触れたいと思います。 公的年金制度というのは、これなしてはまさに老後の生活が成り立たないほど大きな役割を担っていると思います。子供の世代が親の世代を世話する形の世代問扶養の考え方というものも定着しつつあると思います。 しかし、公的年金というのは、長期的に財政の収支均衡というのが図られなければならないし、そして同時に、時々の社会経済の変動に対して柔軟に対応できる仕組みでもなければならない。さらに、世代間、制度間を通じて、給付と負担が著しく不公平であってはならない、こういうふうに思うのです。 大臣は、来年の財政再計算に合わせての制度改正について、先ほど持永理事の御質問にお答えになられた。これから若年、中年層の人口が少なくなってくる、それによって労働力供給の制約要素というのはふえてくる、そういうことが予想されますから、当然、大臣がおっしゃったように、高齢者雇用の促進と、それと連携のとれた年金制度、これはどうしても考えていただかなければなりません。 先週行われた労働委員会でも、私、坂口労働大臣にお尋ねをいたしまして、厚生省とよく連動をとって老後の生活の保障ができるようにということでおっしゃっておられた。 しかし、やはり財政の問題を考えますと、今のまま厚生年金、例えば支給の水準を同じままにして、そしてしかも六十歳支給をやっていけば、これは財政状態は破綻するということはもう目に見えておるわけですし、年金審議会でもそのことは指摘しておられる。 先ほど大臣は弾力的な運用についても少し触れられました。ちょっとそこのところでお尋ねをしたいのですけれども、大臣は、民社党の公約として、今まで、六十五歳支給は反対だ、こうおっしゃっていたのです。それは事実上考え直す時期に来ているというふうにお考えなのかどうか、そのことをお答えをいただきたいと思います。
○大内国務大臣 私は、年金問題について一貫して申し上げておりますのは、国民のあらゆる世代において生活保障という面で断絶を引き起こすような施策を国や自治体がとってはならない、なかんずく国はそうした老後の生活保障に対して責任を負わなければならないということを一貫して主張いたしまして、したがって年金と雇用問題というものは連動している、こう申し上げているわけでございます。 平成元年に六十歳から六十五歳への年金の開始年齢の引き上げという問題が提案されたときに、国会の御論議の中でこの問題が実現することができませんでしたのは、やはり雇用問題と年金の連動という面で実は明確な保証がなかった。したがいまして、私どもは当時そういう一つの基本的な考え方に立って、年金を直ちに六十五歳に引き上げることについては反対であるということを申し上げたのは、一つの一貫した理由を持っていたわけであります。 しかし、先ほど申し上げたとおり、六十歳から年金を支給するという問題は、これは国家の法律の裏づけを持った約束事なんでございまして、これを軽々にほごにするというようなことをやってはならない。しかし同時に、今委員御指摘のように、今の給付水準を維持しようとする場合にはこれから相当の御負担をいただかなければならぬ。 例えば国民負担率でも、今は日本は三七・五%という先進国の中では低い水準にあります。しかし、北欧三国のように、もう七五%から七六%に近いという国民負担率もございまして、こうなりますと逆に勤労意欲をそいでしまうというような問題もございまして、年金財政の今後の見通しという問題もこれは無視はできない。加えて、さっき言ったように、六十歳を超えてもなお働きたいという方々がふえている。 こういう三つの要請というものを、全体のバランスをとって考えていくべき時期に年金問題は到達したのではないか。ですから、雇用はどうでも構わない、年金の財政だけが悪くなるから、それはもう切り上げるのだという議論で国民は納得してくれない。 ですから、労働大臣ともお話をして、何とか六十五歳まで雇用が保障できるように、国も自治体も企業もそういう裏づけを出すようにお互いに努力しようじゃありませんかと申し上げたのもそれでございまして、その進展いかんによりましては、これからの年金のあり方というものを相当弾力的に考えていくことができる。 つまり、生活の保障の断絶を引き起こさないで済むという保証があるならば、私はいろいろな考え方があっていい、前の考え方が間違っていたのではない、その時点においては正しい一つの理を持った主張であった。しかし、これからいろいろな情勢が変わり、また条件が整備されていくならば、年金問題についてもいろいろな考え方をとっていい、そういう意味で、私は、六十歳前半の年金というものと後半の年金というものを区別して考えてみたらどうか、こういうことを皆様に申し上げているわけでございます。 これは、与党だけで何か押し通すとか、そういう問題ではないと思うのですよ。むしろ私は、社会保障制度とか年金とか医療という問題は、すぐれて与野党の合意の中で、これまでたくさんの法案がつくられてきたと思うのです。ですから、与野党の皆さんで本当にあるべき年金のあり方というものを真剣に討議して、国民の皆様にも理解していただくような年金というものをつくり上げるために努力したいと思っておりますので、ぜひいいお知恵をかしていただきたいと思っている次第でございます。 公約との関係という問題、私、もう既に述べているつもりでございますが、質問者以外の方から御質問が出ました。 これは、公約の問題は、一つの理を持った主張であった、そういうものについては、情勢の判断や条件の整備いかんによってはいろいろ弾力的に考えていいのではないか、今までの公約どこれから考える年金との間には十分接点がある、こういうふうに考えております。
○住委員 大臣のおっしゃることは、まさに私どもも、社会経済変動に大変柔軟に対応できるということがやはり一つ必要だと思いますので、連立与党もたくさんの会派が集まっておられますから、余り頑迷に言われるようなところがありましたら、大臣もそういうお考え方をぜひお示しをいただいて、そして立派な年金制度をつくるために御努力をいただきたい。 私どもも、そのためには本当に一致協力して将来の姿を描いていきたい、こんなふうに思っているところでございます。どうぞこれからもしっかりとした取り組みをしていただきたいと思います。 次の問題に移りますけれども、我が富山県でこの十月、一人の若い医師がみずから命を絶ちました。三十七歳だった。この人に何が起きたのか。 この医師の所属していた郡の医師会というところは、先月の二十八日、県に対しまして、この問題で文書を提出している。 その文書を読みますと、自殺の原因というのは、県の保険課によって行われた個別指導が原因だったのではないかと指摘しているわけです。家族や従業員の証言によれば、個別指導の後、この医師は、報告書の提出のことなどで悩み、「今後の診療に希望と自信を失い、精神的にも心理的にも、次第に窮地に追い込まれ、自ら死を選んだと思われます。」抗議文書はこう結論づけております。 私も、このことで、この個別指導に立ち会った医師を含めて、いろいろとお話を伺いました。 当の本人にとっては、開業後、開業というか先代の義理のお父さんの後を受け継いで三年目で初めての個別指導であった。その際の担当の技官の言動はかなり厳しかった、そういう感じだったと立ち会いの医師の方はおっしゃっておられるわけです。 厚生省として、このてんまつ、報告を受けているかどうか、まず、その点をお伺いしたいと思います。
○多田政府委員 先生お尋ねの件につきましては、本年八月二十七日に富山県による個別指導を行って、そして十月四日に指摘事項に対する改善報告が出されたということを報告を受けておりま して、その後、十月十一日でございますか、その医師が自殺をされたということも報告を受けております。
○住委員 それは、事実としてそういうことが報告されているということで、例えば技官のその際の個別指導について、その当の医師と取り交わした発言の内容についての報告は受けていますか。
○多田政府委員 県の方から概要について報告を受けておりますけれども、指摘事項が幾つかございまして、それについて指摘をしたということでございますが、それに対してこの医師の方は、わかりましたということをおっしゃいまして、そして十月四日に改善報告書と自主返還申し出書というものを県の方に提出したというふうに聞いております。
○住委員 それは、要するに個別指導に対して答えをどう出したかということであって、つまり、個別指導の内容について把握をしているのかという質問にはちょっと答えておられないのではないですか。 要するに、どんなやりとりがあって、そしてどういう自己査定を行って自主返還に応じていったのか。その技官と担当の当のお医者さんとの間のやりとりの内容についてまで詳しくお聞きになっていますか。
○多田政府委員 様子につきましては、これは個別指導でございますので、指導的な発言ということでございますから、ある程度の厳正さみたいなものも当然あるわけでございますが、そういうものについて度を過ごしていたかどうかという評価については、これは受け取り方もなかなか難しいものがございますので、一応、状況については私どもも報告を受けております。
○住委員 そのときの言動を、同行した人たちからお聞きした内容を私も承りました。この中には、やはり指導とはちょっと違うのではないかな、こう思えるようなところがある。 例えば、厚生省の監査にならないとは私は保証できないとか、私が帰ったらすぐ知事に知らせますからとか、あなた、こんなことをしておられると医者を続けられぬようになるかもしれぬな、こういうことは果たして指導と言えるのですか。
○多田政府委員 県からの報告では、巷間言われている発言の中で、それはその席では言っていないのではないかということも幾つか指摘をしております。例えば、その厚生省の監査がというような話は、どうも出ていなかったように報告を受けております。
○住委員 これは当の、前途あるお医者さんが亡くなられていますし、そして本当はよくわからない部分があるのだろうと思います。しかし、もしそういうことがあるんだとすれば、私は、それは指導に当たらないのではないかというふうに指摘をしておきたいと思います。 同時に、個別指導というのは、強制力のある監査とは明らかに違うはずだと私は思います。個別指導というのは一体何のために行うのか。厚生省の指導大綱によれば、保険医療の質的向上、適正化を図ることを目的にしている。そして、「懇切丁寧に、懇談、指導を行なう。」としている。その懇切丁寧に個別指導をする指導医療官、技官はどのように選はれているのですか。
○多田政府委員 指導医療官は、各都道府県知事から候補者の内申を受けまして、厚生大臣が発令して採用しているということになっております。各都道府県におきましては、保険医療の指導を行うにふさわしい医師を候補として選定してきているというふうに考えております。
○住委員 その技官の持つ権限とは一体何なんでしょうか。それから、技官は、つまり保険医療機関や保険医の方々にどんな薬を使えとか、そういった指示も、指導もするわけでございますから、その方々に対する研修というのはどんな形で行われているんでしょうか。
○多田政府委員 指導医療官は、保険医療の適正な執行ということで各保険医あるいは保険医療機関を指導するということを任務としているものでございますが、この訓練につきましては、まず指導医療官の採用時といいますか新任時に研修を行いますとともに、その後、全国で指導医療官会議あるいはブロック別の指導医療官会議というようなものを開催をいたして、その段階で公平性あるいは統一性ある指導を行うように努力をしておるわけでございます。そのほかに、診療報酬改定等変化がございましたときには、その都度説明会を開催するというような形で任務の遂行に支障のないように研修を行っているという状態でございます。
○住委員 懇切丁寧な懇談というのは、一体どういうことをすれば懇切丁寧な懇談というふうに局長はお考えですか。
○多田政府委員 懇切丁寧というのは態度の問題であろうと思いますけれども、したがって内容についてはしっかりしたものでなければなりませんが、その指導の態度につきましては、相手側がよく納得し受容できる、そういう雰囲気の中で指導していくというのがこの懇切丁寧という意味ではないかと思います。
○住委員 そこのところが非常に重要だと思うのですね。そして、要するに受け取る側がどう受けるかということも考えて指導というのはやらなければならないという分野であろう、私はそう思うのです。 そして、このケースですと、技官の方は大変高齢だったと聞いているのですね。私は担当の技官の方の責任を追及するなんというつもりはありません。しかし、何でこんな高齢の方が技官になっておられるのですかとお尋ねをしたら、なり手が余りないんだ、こう言うのですね。なり手がない。なぜですかと言うと、給与が少ない、また時には言いにくいことも言わなければならないし、同じ仕事をしている仲間としては余り好かれる識とも言えないからなり手がないんだ、こう言うのですね。給料の内容を聞いたら、これは特に嘱託だということもあるかもしれないけれども、大変安い給与でおやりになっている。これは待遇の問題で、何とかそういうなり手がいて、本当に懇切丁寧に、本当にきめ細かくやっていただけるような方を全国に配置できるほどの、そういう配慮というのはできないものなんでしょうか。そのことをちょっとお尋ねしておきます。
○多田政府委員 指導医療官の給与でございますが、一般職の職員の給与等に関する法律に基づく医療職俸給表の(一)、これによって定められているということになっておりまして、公務員としては一応それなりの待遇という、これは常勤の場合でございます。それで、常勤の場合は六十五歳を一応定年にいたしますが、三年間は延長を認める、こういう扱いに今なっております。 本件の指導医療官は八十歳ということでございまして、大変高齢でございますが、大変熱心に職務を遂行していただいておったというふうに考えております。 先生おっしゃるように、確かに余り歓迎される職場ではないかもしれません。それだけに、容易になり手が見つかるということでなく、各県でもこの充足には大変苦労をしているというのが状況でございますが、これはどうも、もちろん待遇の面も多少はないとは申し上げられませんけれども、主としてやはり仕事の内容が心理的には大変きつい仕事であるということも非常に大きな原因になっているのではないかというふうに思っております。
○住委員 この個別指導は、言ってみればお医者さんにとってみれば保険審査会の審査、これは内容は違うかもしれませんけれども、その審査を通っている内容について指摘をされ、時には改善をさせられるということがある。そうなると、きのうまで行ってきた診療行為が否定されちゃうんじゃないのかということが一つあるのではないのかな、こう思いました。 そこで、いろいろなお医者さんにお話を聞いていたら、こんな例を聞きました。 例えば休日の診療が多いという指摘に、このお医者さんは、ほとんどが初診の人だ、開業医は急 愚を断れない、そう答えると、急病でなければ休日加算はとれないと技官がおっしゃった。時間外加算にしなさいと指導された。ところがこの先生は、急病であるか救急やむを得ない場合であるかどうかは患者を診てみなければわからない、こう言ったというのですね。 そういっていろいろ議論になったけれども、最終的にはなかなか反論できなかった。そして、結局休日に患者さんを診ることが嫌になっちゃった、地域医療ができないんじゃないか、こういうようなことをおっしゃる方がおられました。投薬の内容についても言われる。つまり、とどのつまり診療の内容について当の技官とお医者さんとの見解が異なったらどうなるのかというところに行き着いてしまうのではないのかな、こういうふうに思うのです。 例えば、技官が自己査定をして返還せよと指導したときに、それを返さない、拒否する人はなかなかいないというのですね。なぜかというと、返さないと主張したことを指摘事項として特記するぞ、こう言われる、こう言うのです。指導でなく監査されたら困る、こう思うから、どうしても納得はしがたいけれども技官の指導に従わざるを得ない、こういうふうにおっしゃる先生もおられました。実態は懇切丁寧とはとてもなっていないのではないかな、そういうふうに思えてならないのです。 そこで、お尋ねをしたいのですけれども、個別指導によって自己査定させる、つまり指摘して返還させたとすれば、その物差しは何なのか。それは技官の判断ということになります。そうすると、診療内容について、どの薬を使っていいのか、どんな検査をしたらいいのか、基準がなければならないということになるわけですが、その基準はあるんでしょうか。基準があるとすれば、それは各保険医や保険医療機関にきちっと提示されているんでしょうか。
○多田政府委員 個別指導につきましては、社会保険医療担当者指導大綱というのが決められておりまして、これに基づいて保険診療の内容が適正であるか否かということについて、個別医療機関ごとに診療録等関係資料に基づいて行うということになっております。 その指導の基準でございますが、これにつきましては厚生省令及び厚生省告示で定めておりまして、それが改正されるたびに都道府県あるいは日本医師会等の関係団体あてに改正の趣旨、内容を通知いたしまして、あわせて各傘下の保険医等に対して周知するように指示をしておる、こういうことになっておるところでございます。
○住委員 つまり、診療報酬の改定の際の内容については当然わかるわけだから、そこで学んでくださいということなんだろうと思うんです。私なんかは素人だし、当のお医者さんというのはそれなりの専門家ですから、それは見方を知っておられる、こういうことになるのかもしれないけれども、あの分厚い診療報酬の点数でどこが変わったのかとか、それを本当に細かくわかるのだろうかということがある。 今回のケースみたいに、例えば新規開業ではなくて義理のお父さんがやってきたことを継続してやられるなんということになりますと、例えば新規開業に対する講習というのは受けなくても、引き続き仕事ができるようになってしまうわけですよ。この方は、結局そういう講習等を受けておられなかったわけですね。 そうすると、今まで大学の勤務医をやっていて、そういう繁雑な事務作業というのはほかの方がやっていたかもしれない、そういう人がいきなり開業医になって、そして何もわからなかった。そこでいろいろなことを指摘されて、自分がやってきた診療がもしかすると違っていたかもしれない、こう思うようなことになれば、やはりそれは心理的な負担というのは大きくなるのではないかと思うのですね。 私そこで思うのですけれども、例えば大学の中で学ぶ中で、保険医というもの、保険制度というもの、そして保険医で生きていこうとすればこういうルールに従わなければならないとか、この範囲はここまでなんですよということくらいの講習、勉強をしてもいいと思うのです。 どうも聞くところによると、余りそういうことを大学では教えておられないようだ。これは文部省の管轄になるかもしれませんけれども、どうでしょうか局長、この問題についてよく文部省と相談をして、学生の時代から保険医療というものについてきちんと学んでいただくという姿勢をとることができないのか、その点お答えをいただきたいと思います。
○多田政府委員 我が国の場合には、皆保険体制をとっておりまして、医療に従事する場合には大半保険にかかわってくるという状況もございますので、そういう点についての知識というものをきちっと身につけていただくというのは、大変大事なことだろうと思います。 そういう意味で、いろいろな角度から何とかそういうことが定着できるように努力をしてまいりたいと思っております。
○住委員 それから、この内容についてなんですけれども、先ほどもそういうことは言ってはいないのではないかみたいなことを、その指導の中で、例えば監査が入るか入らないかみたいなことは言っていないのじゃないかということも、局長はまだ報告も受けておられないし、もしかすると県もそのことをしっかり把握していないのかもしれません。 しかし、この個別指導については、その内容についての記録性がないのですね。けれども、同じことが二度と起きないようにするためには、また、言った言わないという水かけ論を起こさないようにするためには、テープを持ち込むとか、記録性を持たせるというようなことも時に考えたらどうなのか。書類に書いて残したからそれでいいのですよという話ではないのではないかな。この事件を通じて私は考えたのですけれども、それについての御見解はどうでしょうか。
○多田政府委員 現在、指導中に改善すべき事項が指摘されますと、その都度それについては記録をとるということでございますが、その言動の細部まで一々について記録をとるということは行っておりません。 この点についてはもう少し研究はしてみたいと思いますけれども、いずれにしても、これを今度は公開をするという話にもしなりますと、大変プライバシー等にかかわってくる問題もございますので、そういう点も含めて、どういう扱いをするのがいいか、もう少しよく研究をしてみたいと思っております。
○住委員 それから、個別指導の立会人ということについて、そのことがよくわからない部分があるのですね。どんな役割とか権限を持っているのか、どうもわからない。個別指導を受ける際に、自分の希望する医者、例えば小児科の先生だったら専門のお医者さんにお願いするとか、そういう方法はないんでしょうかということですね。 それから、個別指導する技官というのが本当にそんなにオールマイティーなのかな。さっき講習の話もありましたけれども、そういう分野分野について本当に詳しい知識があるのだろうかということがありますので、そういう立会人の問題というのはもっと考えてみる必要があるのではないか、私はそう思うのです。その辺についての御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○多田政府委員 個別指導を行う場合に、法律で、診療または調剤に関する学識経験者をその団体の指定により指導に立ち会わせるという規定になっておりまして、この規定を受けて立会人を求めておるということで、県の医師会なり歯科医師会からの指定による立会人ということが今の状況でございます。 この趣旨は、指導をより円滑に実施するということにあるわけでございますが、こういうことにつきまして、特定の方の立ち会いというのをその対象者、指導を受ける方の指定によってという形までするということについては、多少、医師会その他の団体との関係のようなものもございます。 で、相当慎重に検討しなければならないというふうに思います。 いずれにしても、関係者の立ち会いを求めながら指導中に必要な助言をいただくというシステムは、これを維持していきたいというふうに考えております。
○住委員 この問題については、それぞれの立場の方もいらっしゃるし、団体の方もいらっしゃるし、そう簡単に解決できないことはよくわかりますけれども、やはり受ける側が納得してその個別指導を受けられる体制というのを考えていく必要があるのではないかな、こういうふうに私は思うのです。 それから、テレビや新聞が保険医療機関などの指導及び監査の内容について報道することがある。私自身もそうなんですけれども、そのとき、返還金の額の面ばかりに目が行ってしまうのですね。平成四年度分について見ますと、個別指導は七千二百機関、一方六百人の保険医、そして、返ってきたお金が二十五億五千五百十三万円だ。監査は五十八機関、七十七人の保険医で、返ってきたお金が二億九千五百七十三万円だ、こういうふうになっているわけですね。個別指導で返ってくる金というのは本当に大きいのだなということがわかるわけです。 保険医療制度というのは、先ほども言いましたように大事に守らなければいけない、これは私たち国民の健康を守るためにどうしても必要な制度だと思います。ですから、不適正なことがあれば当然厳しく対処しなければなりませんし、したがって、個別指導、監査は必要なものである、こういうふうに私は思います。 しかし、返還させることを目的にしてしまってはならないというふうに思うのですね。そのようなことは決してないとは思いますけれども、やはり権限を持っている行政庁としては、その権限を行使するに当たって、注意してし過ぎることはないということを強く指摘しておきたい、こういうふうに思うのです。 この問題、これからもいろいろと議論があるかもしれません。私は、そういう意味で、どうぞ本来の意味での個別指導、懇切丁寧に懇談をするという個別指導、この本来の意味をぜひお考えいただいて、各県にも御指導いただければありがたい、そのことをお願いいたしまして、この問題についての質問を終わらせていただきます。 次に、精神保健の問題に移らせていただきます。 さきの第百二十六国会で、精神保健法の一部改正が成立しました。くしくも衆議院の解散、六月十八日に公布された法律であります。 精神保健法は、精神障害者の人権に配慮した医療及び保護を確保するとともに、その社会復帰の促進を図ることを主な目的としている。私は前から言っておるのですけれども、精神保健法の第一条に社会復帰を目的に掲げていることを、ほかの医療関係法に見られない特色だと思っています。つまり、人権を擁護して社会復帰、社会参加を促進することは、厚生行政の非常に重要な課題の一つである、私はそんなふうに思っているのです。そして、精神障害者に適切な医療をし、最終目標として地域社会に帰っていただく。そのためには、医療施設や社会復帰施設などにそれぞれの立場でこれまで以上の取り組みが求められていると思うのです。 それで、今回改正では、まさに保健所や精神保健センター、医療施設、社会復帰施設が相互に連携を図らなければならないということを特につけ加えているわけですけれども、具体的にどのようなことをその目的に従ってやっておられるのか、これからどう進めていこうとされているのか、そのことについて伺っておきたいと思います。
○谷政府委員 精神障害者の社会復帰対策の問題につきましては、今先生お話ございましたように、精神保健対策あるいは精神障害者対策の中で非常に重要な課題だということは、私どもも認識をしております。 先ほどお触れになりましたように、さきの国会において精神保健法の改正を成立させていただいたわけでございますが、その中でも特に精神障害者の地域社会への復帰を促進するという観点から、従来予算事業としてやっておりましたグループホーム、精神障害者地域生活援助事業を法定化いたしましたし、また精神障害者の社会復帰をさらに促進するというようなことから、厚生大臣の指定法人として精神障害者社会復帰促進センターを創設するといったような法的な措置も講じさせていただいたわけでございます。現在この改正法の、来年の四月に施行する予定でございますが、具体的な準備をしているところでございます。また、この改正法の内容につきましては、既にこの夏に、都道府県の担当課長を集めまして具体的な内容については説明をしておりますが、さらにこの改正の直前に改めてこういったような具体的な内容について指示をしていきたい、このように考えている次第でございます。
○住委員 今局長が言われたように、グループホームなどというのは特に重要な要素だと思いますので、できるだけ積極的に展開をしていっていただきたい、こういうふうに思っているところでございます。 そして、同時に、精神障害者の人権を尊重して社会復帰の促進をするということになれば、やはり医療の面というのは絶対不可欠、まさに根幹になければならないのですね。精神医療に携わるマンパワーの充足とそれに伴う経済的裏づけというのは、これは絶対に忘れてはならない観点だと思います。 この六月の法改正のときにも、私ども衆参ともに附帯決議をしたわけです。その中には「精神保健におけるチーム医療を確立するため、精神科ソーシャルワーカー」、PSWですけれども、それとCP、「臨床心理技術者の国家資格制度の創設について検討するとともに精神保健を担う職員の確保に努めること。」この一項があったわけです。 私は、以前にもこの厚生委員会で指摘したことがありますけれども、精神障害者の問題につきましては、医師、看護人を中心とした治療、療養上の世話はもちろん、社会適応のための訓練、指導、あるいは心理面でのサポート、そういったものがどうしても必要だと思います。つまり、専門的な知識や技術を持った人たちが一体となって機能的に働く、いわゆるチーム医療をしていかなければならない、そう指摘しました。 そこで伺いたいのですけれども、PSW、CP等の国家資格制度について、今どんな取り組み状況にあるのか、そのことを伺っておきたいと思います。
○谷政府委員 まず、臨床心理技術者の国家資格の問題でございますが、検討会を設置して検討を行ってきているわけでございます。 具体的には、臨床心理技術者としての業務といいますか、その範囲をどういう形にするのかということについて、検討会の下に小委員会を新たに設けまして、その業務分析ということをやっております。その結果がまとまった段階で、関係者、いろいろな方の御意見も伺いながら、この国家資格化ということについて対応していきたいというふうに考えております。 それから、ソーシャルワーカーでございますが、この問題についてもかねてから議論をしてきているところでございますけれども、関係者の理解をさらに得ていかなければならないというようなことから、現在関係者の間での意見調整ということをやっております。率直に申し上げまして、いわゆるメディカルソーシャルワーカーという方と精神科ソーシャルワーカーと申しますか、そういう方との調整というようなことも含めて議論をいろいろしているという段階でございます。
○住委員 MSWとPSWの問題についてはいろいろと議論があることはよく承知しておりますけれども、まあこれは時と場合によっては分けてしまってもいいぐらいではないのかな、こんなふうに私自身は考えております。それから同時に、こ の国家資格化がおくれても、こういう仕事に携わっている人の業務の経済的な評価を今のうちにきちんとしておくべきではないのかと私は思うのです。 精神科医療というのは、今後外来活動の充実や地域でのサポートシステムの確立というのが、先ほども言いましたように、重要になってくると私は考えています。今は訪問看護やデイケア、社会復帰施設のマンパワーとしての評価はあっても、チーム医療の確立という視点はまだないのではないかな、こういうふうに私は思うのです。 例えば、さっき言ったPSWの福祉相談とかCPのカウンセリング、こういったものを診療報酬へ取り込む、社会復帰を目的としている面に厚みを増す方向というのはないのかな、私はそう思いますし、あるいはデイケア、訪問看護というものへの評価を高めることができないのか、それを考えられないのか、ぜひ考慮してもらいたいと思うのですけれども、その点の所見をぜひ伺っておきたいと思います。
○多田政府委員 診療報酬の扱いにつきましては、基本的には、先生御承知のとおり中医協の御議論を踏まえて適切に対処するということになるわけでございます。先生御指摘のありました中でも、特にチーム医療の話につきましては、今のところチーム医療はほとんど評価されていないというお話でございましたが、若干かもしれませんけれども、それなりに評価の芽は出ている、出しているつもりでございます。 例えば、医師、作業療法士、看護婦、精神科ソーシャルワーカー、または臨床心理技術者等の従事者がチームで個々の患者にふさわしいプログラムに沿った医療を在宅患者のグループに対して行った場合には、精神科デイケアを算定できるとかあるいは精神科医と臨床心理技術者等で構成される二人以上の従事者がアルコール依存症や精神分裂病等の通院患者のグループに対して集団精神療法を行った場合に、所定の診療報酬を請求できるといったようなことで、やはり医療サービスでグループ的に対処した方がいいものについては、これを評価をしていくという姿勢で臨んでいるつもりでございますが、今後ともこういった点には十分配慮してまいりたいと考えております。
○住委員 今局長は、評価の芽を出した、こういうふうにおっしゃっていましたが、芽を出しただけではだめなんで、ちゃんと育てていただいて花を開かせていただかなきゃいけない、こういうふうに思っております。そして、そのことが医療従事者にとっての、実に言ってみればそこに対する仕事に対する熱意、誇りというものをさらに生み出していく要素になるんだ、私はそう考えているところです。 先ほど持永理事からも御質問がありましたけれども、六月の医療経済実態調査の結果については、まあいろいろと立場によって見解は違うかもしれませんが、やはり民間の病院というのはかなり経営的に厳しくなっているぞ、こういうふうに言われている。そして精神科医療は九〇%は民間病院が担っているわけですから、その民間の精神病院の経営実態も相当悪化しているというふうに伺っておるわけです。 原因は何ですかと聞きますと、先ほども大臣おっしゃったように、いろいろと人件費の高騰であるとかあるいはいろいろな要素が絡んでいるのですけれども、精神医療の場合には、要するに一般の医療体系と比べて低い体系にあるんじゃないか、入院費の問題とか。そういったことで大変厳しいんだ、こうおっしゃる。 しかも通常の医療のほかに行動制限にかかわるような保護的な治療というものもあるわけですね。それがなかなか評価されてもらっていないんじゃないかというふうな御指摘をよく精神科の先生方から受けるわけでございます。同時に、看護婦さんを確保することはこの面では大変難しい、給与面での改善をやってもそれでも来ないぐらい大変厳しいんだ、こういうふうに言われる。つまり、先行き大変不安だということを何回も何回も聞かされております。 そこで、この前もお聞きしたのですけれども、長期入院患者の医学管理料の逓減制というのがやはり響いているのじゃないのかなと私は思うのです。私は、もちろん患者に望ましい医療を提供して早期退院をし、早期社会復帰を目指すことというのは大切なことだと思うのです。しかし、一方で入院の必要な人にはそれに対応した加療ができるようにもしておかなければならないわけですね。 長期入院の適正化といっても、精神医療の場合、長期入院者は言ってみれば難治性というのでしょうか治りにくい、こういう方が多い、処遇困難者も多いということですね。ですから、いわゆる社会的入院というのは少なくなっているのではないかと私は思っているのですけれども、この問題で逓減制についての見直しについて考え方はないのか、もう一度伺っておきたいと思うのです。
○多田政府委員 精神科医療は、いろいろな面で一般医療とは別の特殊な部分もあるということについては、私どもも理解しておるつもりでございます。 御指摘の逓減制の問題につきましては、これは患者の早期退院とかあるいは社会復帰を促進するという趣旨から導入されたものでございまして、この点について逓減制を見直すということは今のところ余り考えておらないのでございますが、しかし精神病院全体がその経営が円滑にいくように、ほかのところでいろいろとまた点数設定が考えられるのではないかということも含めまして、中医協で全体的な検討を行っていただくということになろうと思います。 特に、先生御指摘の重症者の問題なんかにつきましては、加算の問題として既に応急入院の場合や隔離室に収容した場合など所要の評価を行っているところでございますけれども、これらの評価につきましても、今後どういうふうに扱うべきかということについて広く中医協で御検討をお願いしたい、こう考えているところでございます。
○住委員 これは私の考え方でもあるのですけれども、何でもかんでも長期入院だからやってくださいというのも、もうそれはなかなか難しいことかもしれないが、やはり今おっしゃったように処遇困難みたいな重症の患者の方については、病院だけでお決めになることはできないかもしれぬけれども、例えば第三者機関みたいなものをつくられて、そこで判定をして重症加算みたいなものを考えるというような方針もあるのではないのかなということを思うのです。その点とうでしょうか。答えにくいかな。答えにくいですな。じゃ、そのことについてはまあいいですよ。それはまたいずれ聞かなければいけない時期が来ると思いますので、そのことは……。 要するに、そういったことも考えて、よく経営の内容について、人数で、頭割りで考えるみたいなことだけはおやめをいただきたい、もっと内容に踏み込んできちんと評価をしてあげて、そしてその医療の従事者が本当に誇りを持って仕事ができる、その内容にしていただきたいというふうに思う次第でございます。 それから、もう一点ここで伺っておきたいことがあるのです。 先ほども田中眞紀子委員がお触れになっていましたけれども、この一日、新聞に医療保険審議会の小委員会報告案が出ていました。それによると、今は全額が保険の対象となっている入院中の患者の給食費のうち、材料費を自己負担にする方針を打ち出したとなっている。実際にどのように作業が進んでいるのか私はわからないのですけれども、給食用材料費の自己負担問題というのは波紋も広がっているようです。 作業の進展状況、結論はいつ出すのか、まずそのことをお聞かせいただきたいと思います。
○多田政府委員 これは入院給食だけに限らず、幅広く今医療保険制度全般について、時代が随分変わった、人口の高齢化、疾病構造の変化あるいは医療に対する国民のニーズの変化といったようなものを踏まえて、これからの医療保険というも のをどういうふうに考えていくべきかということを医療保険審議会で全体的に検討していただいておる、それで審議の進め方として、最初に保険給付の範囲、内容のあり方といったようなところを焦点にして御審議が進んでおる、こういう状況でございます。 昨年九月から審議が始められまして、本年の六月に一応中間まとめということで、保険給付の範囲、内容のあり方に関しての中間まとめが公表されております。 そこでは、例えば入院給食の問題に関して言いますと、「在宅・施設間を通じた負担の公平、給付の重点化、給食の質の向上を図る等の観点から、給食に係る給付の在り方を見直す必要がある。」という指摘がなされておりまして、この中間まとめを踏まえまして、九月からさらに掘り下げた議論を進めるという状況に今審議会の方でなっているわけでございます。 一応、小委員会というものでたたき台をつくりましょうというお話で、その小委員会からのたたき台が一応まとまっておりましたが、これについてはまだいろいろ御意見も委員の間にあるということから、そのたたき台について今の段階で公表するのはいかがかということで、不公表という扱いにしようというのが審議会の御意向でございまして、そういう形で、今はそのたたき台をさらに議論を進めている、こういう状況になっているわけでございます。 審議会の方の今の流れからいきますと、大体十二月初めぐらいには意見を取りまとめて、意見具申なりなんなりにつなげていこうではないかという動きになっているところでございます。
○住委員 不公表のものが出てしまった、こういうことになるのかもしれませんけれども、この問題では、やはり皆さん非常に関心が高いわけで、特に材料費を自己負担にすることについては異論を唱える人も私は多いと思うのです。 きょういろいろと述べてまいりました長期入院患者の場合、家族の経済負担は大きいと私は思うのです。しかも、自己負担に応じられない人だとか、自己負担ということについての認識がないような人というのはなおさらだと思うのですね。その家族に対する負担というのは大きくなると思うのです。処遇困難だとか、どうしても長期にならざるを得ない人、そういう人に配慮をしていただく必要はあるのではないのかな。私は、あの新聞記事を読んで思ったということを指摘しておきたいと思います。 最後にもう一つ。先ほども言っていましだが、私どもは、いろいろと国会で法案を審議いたしますと、附帯決議というのをつけているわけですね。ところが、その附帯決議が一体守られているのかということが、実を言うともう問われなきゃいけない時期に来ているのではないのかな、こういうふうに思います。 例えば、きょう取り上げました精神障害者に対する民間の医療機関の経営の安定という問題については、この法改正のときにも私どもは附帯決議でつけたはずでございます。そうなると、民間病院が例えば処遇困難者に対して処置ができないということが起きて、そんなものはみんな国公立病院でやりなさいよというようなことがあってはならないはずなんですね。 お互いに両方で、車の両輪としてこれは進んでいかなきゃいけない問題だと思いますので、私は、その点をよく配慮して、国会の附帯決議ということもよく吟味していただいて中医協の方々にも御議論をいただきたいということを最後に申し添えておきたいと思います。 そして、きょうもう一つ、どうしてもお聞きしたいことがあったのですけれども、ほんの短い時間になってしまったので、かいつまんで聞かせていただきたいと思います。 エイズや難病対策ということは、やはりこれから私ども、どうしても取り組んでいかなけばいけない問題ですし、大内厚生大臣もさきの所信表明の中でしっかりとそのことを訴えていただきました。 例えば、医薬品の開発というのは大変な開発時間、お金がかかる。しかも、本当に開発できるかどうかというリスクもありますよということがあります。そこで、新しい法律をつくって、いわゆるオーファンドラッグの開発研究ということに乗り出すんだということになるのですけれども、その取り組み状況というのは一体どうなっているのかということを伺っておきたいと思います。 それと同時に、一緒にするような話ではないかもしれませんけれども、エイズについて全国的な広がりというのが心配されている。近い将来には感染爆発というのを心配しなければならないかもしれないということまで言われているわけです。 前の丹羽厚生大臣も一生懸命この問題に取り組まれ、そして今度の大内厚生大臣もそういう立場でおやりいただけると思うのです。しかし、エイズに関する正しい知識、理解というもの、これをわかってもらう啓発普及というのはとまることはないんだと思うのですね。いつでもやっておかなければいけない、いつでも体制をとっておかなければいけないと思うのです。 ところが、どうも最近私が見るに、何となくその関心が薄れつつあるのではないかというふうに思います。ぜひこういった普及啓発活動について、これからも積極的に取り組んでいただきたいと思うのですけれども、そのエイズ対策の特にPR活動、正しい知識、正しい理解、そういったものの取り組み状況についてもぜひこの際伺っておきたいと思います。
○大内国務大臣 日本を取り巻く国際環境の状況からして、エイズ問題はまことに憂慮すべき状況でございまして、ある日突然に非常に大爆発的にその感染問題が登場してくる懸念がございます。 それだけに、今先生御指摘のようなエイズに対するPR活動というのは物すごく重要になってまいりまして、もちろん、御存じのようにパンフレットやポスターや、あるいは成田空港におけるビデオによる啓発であるとか、あるいは十二月一日に世界エイズデーを設置していろいろなキャンペーンをやるとか、あるいは保健所における青少年に対する教育活動等もやり、また明年は八月に国際エイズ会議といったようなものも開催いたしまして、極力PRに努めているのでございます。 やはり一番エイズストップ作戦で大事なことは、まず正しい認識を持っていただくということが出発点でございますので、委員御指摘の点についてはなおこれから一生懸命頑張りまして、来年度予算編成につきましてもこの問題を一つの目玉にしたい、こういうふうにして考えてやっている次第でございますので、御期待に沿うよう努力したいと考えております。
○田中(健)政府委員 いわゆるオーファンドラッグに対する研究開発促進制度でございますが、ことし四月の薬事法の改正によりまして創設をされたわけでございまして、十月一日より施行いたしたところでございます。 今年度のオーファンドラッグの指定申請状況でございますが、医薬品につきましては二十九社から四十品目、それから医療用具につきましては二社から二品目、合計で三十一社から四十二品目について申請が出されております。 申請品目につきましては、オーファンドラッグとしての指定の可否についての審議を目下中央薬事審議会にお願いをいたしておりまして、近くその審議を終えて答申がなされる予定、こういう運びになっております。
○住委員 オーファンドラッグの問題については、ぜひともこれからも開発のリスクをともに担うというような立場でやっていただきたいと思いますし、大臣は今、エイズの問題について、まさに来年度の予算の大きな項目の一つとしておやりになる、こういうふうにはっきり言っていただきました。 これはどういう立場の人間であっても、どうしてもこのエイズの問題を避けて通ることはできま せんし、必ずやその問題に打ちかっていかなければいけない、こう思っておりますので、大臣の先頭に立っての御活躍を心からお願いをいたしまして、私の質問を終えさせていただきます。 ありがとうございました。
○加藤委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時九分休憩 ————◇————— 午後一時二分開議
○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。根本匠君。
○根本委員 根本匠でございます。 まず高齢社会福祉ビジョンについてお伺いしたいと思います。 大臣は、就任時に、就任の抱負あるいは厚生行政へ取り組む姿勢としまして、厚生省はこれから超高齢化社会を迎え、文字どおり福祉を推進する重要な省としての役割を果たすべきであると申されました。私も全く同感であります。 民社党は、これまで福祉国家の建設を政策の大きな柱として位置づけ、いわば党是として推進されてこられました。大内厚生大臣には厚生行政の確かなかじ取りをぜひよろしくお願いしたいと思います。 さらに、大内厚生大臣は、就任時に社会保障のあり方と財源問題を中心に高齢社会福祉ビジョン懇談会の設置を明言されました。それで設置されたところでございます。先ほど持永先生の質問にもありましたけれども、私は、これまでの旧野党、どちらかというと負担は軽く、そしてサービスは高く、限りなく高く、こういう御主張だったように思いますが、この高齢社会福祉ビジョンの中で大臣が財源対策について触れられているところを評価するものであります。 よく大きな政府、小さな政府と言われております。例えば国民負担率の問題につきましては、民社党が理想のモデルとして想定されておられた北欧諸国、特にスウェーデンでは国民負担率七七・四%になっております。また、行革審答申の中では高齢化のピーク時、二〇二〇年においては負担率を五〇%を下回ることを目標にするとされているわけであります。 高齢社会福祉ビジョンの策定に当たって、大臣はこの国民負担率の問題、どのような負担率を想定されて、そしてこれを視野に入れながらの財源確保だと思いますが、これには思い切った制度あるいは政策の改革が必要であります。国民負担率の想定も含めまして、ビジョン策定に当たっての考え方、これを改めてお伺いしたいと思います。
○大内国務大臣 国民負担率を第二臨調で五〇%以下に抑えるように、こういう貴重な示唆を賜りまして、私ども何とかこの線を維持するために努力してまいりたいという決意ではおりますが、これからの年金、医療、福祉という各面での財政需要というものも、これは相当大きくなってまいります。 したがいまして、今大きな政府、小さな政府というお話もございました。私どもは当初、福祉国家が相当開花いたしました北欧三国というものをモデルにしながら、我々の国もああいう福祉国家といったようなものをつくっていかなければならぬと思っておりましたのですが、その後、北欧三国においては、特にスウェーデンを中心に国民負担率が御指摘のように非常に上がってまいりまして、ために勤労意欲というものが非常に阻害される、また経済社会の活力も失われるという事態も起こりまして、一時政権が交代するという事態も起こったわけであります。 私どもは、そういう教訓も踏まえまして、高福祉高負担ということでいいだろうかそれからもう一つはアメリカ式の自助努力型、つまり公的な支援というものはできるだけ最小限にするというやり方も果たしていいだろうかというようないろいろな研究をやりました結果、先生御案内のとおり、ドイツでは大体基礎的な国民のニーズについては公的機関がこれを責任を負う、多様なニーズについては民間の活力も活用するといったような、ちょうど北欧とアメリカの中間的な方向を歩んでいることは御存じのとおりでございまして、この方向をとった場合にはある程度国民負担率についても一定の枠の中でおさめることができる。 したがって、どちらかといいますと、日本がこれから目指すべき社会保障、その中における負担というのは大体ドイツ型式の中間的なものというものを目指していくのがよいのではないか。そして、現実に日本のいろいろな社会保障制度も大体今そういう方向で動いているわけでございます。 私どもが高齢化の福祉ビジョン懇談会を作成いたしましたのも、多々ますます弁ずではらまき福祉であってはならない、やはり国民負担にたえるものでなければならない。したがって、単なるバラ色の福祉社会のイメージ、政策を羅列していただけるのではなくて、財源的な裏づけについても一つの方向性を打ち出していただきたい、こういう点で今、懇談会に御検討をお願いしている、こういう状況でございます。
○根本委員 私は、高齢社会福祉ビジョンの策定に当たっては、これから年金、医療、社会福祉サービスの増大に伴う行政的財政負担の増加、あるいは老壮青、世代間の負担の公平をいかに図るかあるいは国民負担率をどう想定するのか、私は国民負担率はやはり五〇%を上回らない水準でやっていくべきだと思っておりますが、いずれにしても長期的視野からの政策の確立が必要でありまして、具体的なビジョンが明らかになってから、さらにこれらの問題については議論をさせていただきたいと思っております。 次に、子育ての問題についてお伺いしたいと思います。 子育ての問題につきましては、大臣は所信表明で、次代を担う子供が健やかに生まれ育つための環境づくりに向けた本格的な取り組みが求められるとして、平成六年度に向けて児童環境づくりや保育に関する総合的な対策を検討するとされております。私も、これからは子供の少産化傾向に対処をするための子育て対策が大変重要だと思っております。 高齢化社会の進展の中で最も大きな柱は、当然のことながら高齢者が安心して暮らすことのできる高齢者対策であります。高齢者対策については既に「高齢者保健福祉推進十か年戦略」いわゆるゴールドプランのもとで着実に進展を見ております。ただ、これからの二十一世紀を展望いたしますと、少産化に象徴されますように、確実に労働人口の減少が見込まれるわけであります。 従来の我が国の高齢化対策は、高齢者がふえるという状況の中で、当然と言えば当然だろうとは思いますが、高齢者対策に偏っていたんではないか。やはりこれから出産の奨励や子育ての支援、女性の就労支援を怠ると、我が国の将来は一段と厳しさを増すだろうと思われます。特に、この少産化傾向につきましては、九二年で一・五〇、戦後の一九四七年、これは四・五四であったわけでありますので、この半世紀の間に三分の一に減少しております。 この少産化傾向に歯どめをかけませんと、少産化は子供同士の触れ合いや家族関係をゆがめかねないとともに、将来の我が国経済社会の活力の維持あるいは社会保障制度にも深刻な影響をもたらすものと憂慮されるところであります。 少産化の原因はさまざまであります。核家族化の進展やあるいは高学歴化に伴う女性の初婚年齢の上昇、晩婚化、女性の社会進出、あるいは大都市圏を中心に都市化の進展、それに伴う居住環境の問題、さまざまな問題が複合しております。私は、やはり要因を明らかにしながら、きめ細かな総合的な対策が必要であると考えております。特に、子供を安心して産み、次代を担う子供たちを健やかに育てる環境づくりが急務だろうと思われます。 問題は、高齢化社会を迎えまして、高齢者の対策につきましては、介護問題を含め、社会的な合意が形成されております。ただ、残念ながら、子育てについては必ずしも進んでいないのが現状であります。やはり子育てを社会的に取り組む必要がありますし、子育ての母親に対する社会的なサービス、その仕組みづくりが求められると思っております。 このように出生率が低下いたしまして、子供の少産化傾向が進む中で、大臣は、この少産化傾向、これをどう受けとめ、そしてそのための対策をどのように考えておられるか、改めて御所見をお伺いしたいと存じます。
○大内国務大臣 根本先生御指摘のとおりでございまして、もちろん超高齢化社会という問題も日本にとって大きな問題でございますが、それと並んで、少子社会の進行という問題は看過できない重要な問題だと考えております。したがいまして、来年度の予算要求のトップに実はこの少子社会対策というものを掲げまして、特に児童家庭対策についての広範な実は施策を要求しているわけでございます。 特に、きめの細かい保育対策といったような問題は、御婦人が社会的な進出をする上で欠かすことのできない問題でございまして、特に保育時間の延長、乳児保育あるいは駅での保育事業、さらには児童館の整備や放課後児童対策といったような一連の問題が必要であるとともに、厚生省以外の各分野におきましても、子供を産み、育てられるような住宅対策、あるいは塾というものが最小限で済むような教育対策、あるいは御主人や奥様が家庭で十分くつろぐことができ、子供と接触できるような労働時間の短縮といったような総合的な実は施策が必要でございます。 その意味で、厚生省分野としましては、エンゼルプランプレリュード、まずその第一段階という形で今回発表させていただきまして、このゴールドプラン、エンゼルプランというものはこれからの厚生行政の双壁である、こう考えている次第であります。
○根本委員 私は、エンゼルプランの試みは大変貴重な、しかもこれからぜひ必要なプランだと思っております。今お話にありました延長保育、乳児保育について多少詳しく御質問させていただきたいと思います。 女性の社会進出が進みまして、仕事と子育ての両立を図る、そういう観点から、延長保育、乳児保育へのニーズが高まっているのは御案内のとおりであります。女性の雇用者も約二千万人に達しておりまして、これは一九六〇年に比べますと二・七倍になっておりまして、このような働く女性の数の増加とともに保育に対するニーズは非常に高まっております。 先ほど出生率が一・五〇と申し上げましたが、ここで問題なのは、仕事を持っている女性の出生率で見ますと、これは〇・七五というところで、私はここのところが一番大きな問題だろうと思っております。共働きの夫婦にとって、仕事と育児の両立、これは非常に頭が痛い問題で、悪戦苦闘している状況だろうと思われます。 例えば、いろいろなアンケートによりますと、仕事と育児の両立のために何が必要か、育児休業中の所得保障あるいは労働時間の短縮、職場の同僚の理解、あるいは事業所内保育所の拡充、こういうところが声として出されますし、さらに、安心して預けられる保育、学童施設が足りない、こういう声も依然として大きいわけであります。 保育所は、一九八〇年代に急速にふえまして、量的にはほぼ充足しております。しかも、最近の少産化に伴いまして、中には定員割れも生じております。これからの保育所は、これまでの量的充足を受けて、量から質、具体的には乳児保育、時間延長など、多様化しております。保育所の時間延長につきましては、一九八一年に制度化されておりまして、国公立、私立を含めまして二万三千カ所の保育所のうちの五%、千百施設において現在七時までの時間延長、これが実施されております。 来年度の予算要求の中で、厚生省は、延長保育あるいは乳児保育などのニーズの高まりに対して施策を講ずるという御答弁でありましたけれども、中身を少し具体的にお伺いしたいと思います。 それから、乳児保育に関連してでありますが、仕事を持っているお母さんが一番困るのは、子供が病気になったときであります。子供が病気になると当然家庭で介護することになるわけでありますが、家族で看護、あるいは病気が治って病院に通う必要がなくなった段階でも、ほかの子供にうつさないように適所を敬遠する保育所も多いわけでありまして、その対策につきましてもよろしくお願いいたします。
○瀬田政府委員 先生御指摘いただきましたように、共働きの家庭の増加や就業形態の多様化が進んでおりまして、このため、多様な保育ニーズに対応して、私たちも従来から乳児保育、延長保育等の充実に努めてきたところでございます。 ただいま大臣からも御説明がございましたが、平成六年度には、子供が健やかに生まれ育つ環境づくりを進めるための第一段階として、エンゼルプランプレリュード、総合的な児童家庭対策の推進に取り組むこととしているわけでございます。保育対策は、先生もおっしゃいましたように、その重要な柱でございまして、保育時間の延長、乳児保育の一層の普及等のきめ細かな保育サービスの提供に特に力を入れていきたいというふうに思っております。 特に、乳児保育の実施箇所数につきましては、毎年度特に力を入れて予算要求をさせていただいておりますが、平成六年度におきましては特に約八千カ所というふうな要求をさせていただいております。また、延長保育、長時間保育の実施箇所数につきましても、特に来年度につきましては力を入れて要求をさせていただいている、そういう状況でございます。 それから、先生が最後に御指摘をいただきました病後児の保育でございますけれども、入院をして治療を行うというほどでもない軽度の病児ですとか、病後の回復期にある子供を持つ共働きの家庭に対する子育て支援のニーズというものが非常に高まっているということは御指摘のとおりでございます。平成四年度からこういった病児または病後児につきましてパイロット事業を実施してきておりますけれども、来年度につきましては、特にその本格的な実施に向けまして、エンゼルプランプレリュードの中で予算要求をさせていただいている、そういう実態でございます。
○根本委員 次に、保育所による、地域における育児支援方策についてお伺いいたします。 核家族化や都市化の進展に伴いまして、子育てに不安を持つ母親が増加しております。以前は、家族、あるいは近くに親族がいる、あるいは地域の近隣社会の中で子供が育つ、そういう環境が整備されておりました。ただ、最近、核家族化に象徴されますように、昔に比べますと家族関係は大きく変化しておりまして、子育ての責任がすべて母親に帰する、そういう傾向が増大しております。 来年は、国際家族年であります。家族サービスとは、外国では、家族を支えるもろもろのサービスをいうということでありますが、我が国も、これから家族を支える社会的なシステムづくり、これが必要だと考えております。 地域全体として、子育ての基礎づくりが重要でありますが、その中で、保育所の果たす役割は極めて大きいわけであります。保育所も、これまでの子供を預かり保育する役割から、子育てのノウハウが蓄積されているわけですから、いわば社会的な資源として、地域において育児を積極的に支援する必要があると思います。 この点におきまして、保育所の機能の活用、あるいは役割の拡充について、御所見をお伺いしたいと思います。
○瀬田政府委員 先生御指摘のように、子育てに対しまして不安を持つ両親が多くなっているということが特に今日では指摘をされておりまして、 保育所の持つ児童養育のノウハウというものを地域住民のために活用することが要請されているということでございます。 このため、これまでにおきましても、保育所におきまして、例えば育児講座等を開催する事業を実施してきたところでございますけれども、今年度からは、特に保育所の創意工夫によりまして地域活動の一層の促進を図るために、保育所において、子育て家庭に対する育児不安等についての相談指導、または地域の子育てサークルヘの支援活動、そういったものを保育所に行ってもらいたいということでございまして、そうした予算措置を伴う保育所地域子育てモデル事業というものを実施しているところでございます。 御承知のように、保育所は地域住民に最も身近な児童福祉施設でございまして、地域の子育て支援への期待も現時点では非常に大きくなっているということでございますので、エンゼルプランプレリュードにおきましては、これらの活動の普及に特に力を入れていきたいというふうに考えております。
○根本委員 今まで質問してまいりました延長保育あるいは乳児保育等の保育所の充実、あるいは子育て支援などの保育サービスの拡大、これはいずれも子供が健やかに育つ環境づくりを図るために重要でありまして、ぜひこれは推進する必要があると思います。 ただ、一方で、実際の保育の現場ではさまざまな悩みを抱えておりまして、具体の施策展開に追いつけない施設もございます。例えば、現在の体制では午後七時までの受け入れが精いっぱいであるとか、夜の食事や保育内容、ゼロ歳児を預かる場合の看護婦の配置、現場の問題や悩みも多いわけであります。 私は、ぜひ保育所の充実、保育サービスの拡充、これは進めるべきだと思いますが、厚生省が今想定されている計画が現場段階で十分可能か、あるいは問題があるとすればどのような問題点、その対策はどのような対策を考えておられるのか、現場の受け入れ体制の問題につきまして御質問したいと思います。
○瀬田政府委員 先生御指摘いただきましたように、乳児保育や延長保育につきましては、現場の保育所においてこれらのサービスの必要性というものを強く御認識をいただきまして、さまざまな工夫を凝らしていただいて実施が図られているというのが現状でございます。 私たちといたしましては、保育時間の延長や乳児保育の一層の普及等のきめ細かな保育サービスの提供に特に力を入れていきたいというふうに考えておりまして、エンゼルプランプレリュードの中では、特に現場の要望等を十分に踏まえながら、できるだけ実施しやすい形、または利用しゃすい形というものを追求していきたいというふうに考えております。 特に、現在保育問題検討会におきまして、今後の保育所のあり方につきまして種々御検討をいただいておりますので、それらの結論も踏まえながら、エンゼルプランプレリュードを充実させていきたいというふうに考えております。
○根本委員 私は、保育対策につきましては、特に現場の体制を万全にすることが大切であると思っております。特にエンゼルプラン、これは本当に必要な施策でありますから、このエンゼルプランをぜひ強力に推進していただきたいと思います。 次に、年金改正につきまして御質問いたします。 年金改正の基本的なあり方、考え方につきましては、持永先生初め御質問がありましたので、これは省略いたしまして、私は、特に六十五歳に引き上げる場合の六十歳から六十四歳の雇用対策、これは大変重要だと思っておりますので、その六十歳から六十四歳までの雇用対策につきまして質問させていただきたいと思います。 先進諸国につきましては、フランスを除いて六十五歳支給が主流で、退職年齢もそれに見合う状況になっております。我が国では、以前は五十五歳であった厚生年金の支給開始年齢を一九五四年から二十年かけて六十歳に引き上げました。これが現在の六十歳定年制の普及につながったと考えることもできるわけであります。 年金制度を六十五歳受給開始にソフトランディングさせるためにも、六十五歳まで働ける環境づくりを促進させる必要があると思います。雇用面からの担保がない場合には、六十歳代前半で失業が発生し、それが雇用保険にツケが回り、現役の年金、雇用保険の負担の合計が余り減らないケースもあり得るわけで、その意味では、この六十から六十四歳の雇用対策、これが大変重要なわけであります。 実は、これは本来労働省に質問すべき内容でありますが、現在の六十歳から六十五歳の雇用状況、それから今後の雇用対策、これは労働省と十分連携をとりながら進めていくべき問題でありまして、厚生省が、現在の六十から六十五歳の雇用状況につきましてどのように認識され、どう対処していこうとするのか、その中身をお願いいたします。
○山口(剛)政府委員 六十歳から六十四歳の雇用の状況でございますけれども、まず、先生御紹介いただきましたように、我が国におきましては、六十歳の定年制度を普及するということで労働行政としてもかなり力を入れてまいりまして、平成五年の時点で八〇%の企業が六十歳定年の制度を設けている。また、今後この制度を導入しようとしているものも入れますと九四・四%ということで、現時点で六十歳定年はほぼ定着をしてきたという認識でございます。 問題は、六十歳から六十四歳でございますが、制度的にその後勤務延長あるいは再雇用制度がある企業は七一・七%ということで、かなり普及はしてきておりますけれども、まだまだこの辺には課題があろうかと思います。 労働政策におきましても、御承知のとおり、政府全体の計画といたしまして平成五年度までに六十歳定年を完全定着をさせる。その六十歳定年を基盤として、これからは働くことを希望する高齢者全員が、六十五歳まで継続して働くことのできる雇用システムを確立をするという大きな目標のもとに施策の充実を図っていこうということでございます。 御指摘のように、年金制度の将来を考えます場合にもこの点は大変重要だということで、先般、厚生大臣、労働大臣にもこの問題について御協議をいただきまして、共通の理念のもとに施策を進めていこう、この連携をとって高齢者の雇用の場の確保と年金の改革をあわせて進めていこうということで確認をしていただいたようなことで、私どももそういう線に沿って努力をしてまいりたいと思っております。
○根本委員 時間がなくなりましたのでこの辺で終わりたいと思いますが、私は六十から六十四歳までの雇用対策、これが非常に重要だと思いますし、それから、現在の六十歳から六十四歳までの年金と賃金との関係についても雇用促進の観点から問題がある。現在六十から六十四歳までに就労している者については、賃金水準によって、例えば賃金が十万円の場合では、年金と合わせて二十四万円、賃金が二十五万円の場合であっても、年金と合わせて二十五万しか取得できないという状況にあります。 この辺の問題もこれから雇用促進の観点からの見直しが必要だと思っておりますが、ぜひ六十から六十四歳の雇用対策につきまして万全を期されるようにお願いして、私の質問を終わります。
○加藤委員長 山口俊一君。
○山口(俊)委員 久しぶりに質問の機会をいただきました。しかも、今回は野党という立場での質問に相なったわけでありますが、実は私、県議会に在職しておりました折に、数年間野党の経験がございます。今回も、それならばというふうなことで、いろいろと調査をさせていただきました。 大内厚生大臣の過去の発言といいますか、大臣になられる前の、あるいは連立与党を組まれる前 の御発言、それと今の大臣としての御発言の間に果たしてそごはないのかどうか、あるいは連立与党の中で若干の矛盾はないのか等々、いろいろと調べさせていただきましたが、少なくとも新聞紙面で調べた範囲では、大臣はかつて福祉に関してほとんど発言がなかったというのが実は現状でございました。 しかも、我が党の政調の方で、先般の選挙でそれぞれ各党の政策というのを調べさせていただきました。これは我が方の調査力不足というのもあるのでありましょうが、その一覧表によりますと、特に高齢者福祉からいろいろあるのですけれども、いわゆる障害者の福祉に関しましては、新党のさきがけと民社党の欄が空白になっておる等々のことで、よくわからないなというのが実際の感じであります。 そうしたこともありますので、きょうは時間の関係もありまして、障害者福祉に限って御質問をさせていただきたい。どうか主として大臣の方から積極的に御答弁をいただいたら、お話を聞かせていただいたらと思いますので、よろしくお願いを申し上げる次第であります。 さて、御存じのとおり、一九八三年から国連障害者の十年が始まりましたが、この国連障害者の十年というのは、我が国における障害者施策推進に当たって大変重要な役割を果たしてまいりました。この間、我が党としても、政府と一体となって障害者施策の推進を図り、例えば障害基礎年金制度の創設等、いろいろと実現を図ってきたわけであります。 この国連障害者の十年は昨年で終わりました。ことしから新しくアジア太平洋障害者の十年が始まっております。これまでの十年間の成果を踏まえて、新しい一歩を踏み出す時期に来ておるわけであります。 政府は、こうした状況を踏まえて、本年三月には障害者対策に関する新長期計画というものを策定をして、今後十年間の障害者施策の方向を示して、引き続き積極的に施策の充実を図っていくというふうな宣言をなさっておられます。 また、本日、恐らく後ほど厚生委員長の方から、さきの国会では解散のあおりで結局廃案となってしまいましたが、心身障害者対策基本法の一部改正、これが提案をされる予定と聞いております。この法律も実に二十三年ぶりの大改正ということであって、今後の障害者施策推進に当たっての枠組みを法律で定めていこうというものであります。 申し上げましたように、障害者施策の推進を図っていく上で、本年というのは重大な節目の年であり、完全参加と平等を目指した新たな施策展開が求められておるというふうに思うわけであります。 そこで、まず大臣にお伺いをいたしたいのが、今後の障害者対策を推進していくに当たってどのようなお考えで取り組んでいかれるおつもりなのか、先ほど申し上げました障害者対策に関する新長期計画というものは果たしてどのようなものだろうか、高齢者対策に関してはあのゴールドプランというのがありますが、やはりそうした障害者版というのも必要じゃないか、そのようにも思いますので、そのような点も含めて御答弁をいただきたいと思うわけであります。 また、さらに、申し上げましたように国連障害者の十年が大きな成果を上げて終わったわけでありますが、この十年間の成果をどのようにお考えなのか、国内における諸施策というのはもちろんでありますが、例えば国際社会の中にあって日本の立場というのはどのようなものであったのか、どのような役割を担うことができたのか。 そしてアジア太平洋障害者の十年には、そうした経験を踏まえていかなる立場で臨んでいかれるのか。特にアジア・太平洋といった場合には、恐らく日本がリーダーシップをとってやらなければいけないことがたくさんあるんじゃないかと思うわけでありますので、そこら辺も含めてお話しをまずいただきたいと思います。
○大内国務大臣 今日本では、全国で障害者が約三百万人ぐらいいると言われておりまして、その中にもいろいろな方々がおられるわけでございますが、御指摘のように本年の三月に障害者対策に関する新長期計画というものを策定いたしまして、これからの十年間の障害者施策の基本的な方向が示されたところでございます。 ゴールドプランのように一つの具体的な数値の目標というものは定めてはおりませんけれども、国連の障害者の十年におけるいろいろな成果、これは障害者対策について、各般の国内施策的な努力と、それからこの問題に対する国際協力の前進という面では相当大きな成果があったと思うのでございます。 それに続いてアジア太平洋障害者の十年、この決議等の動向も踏まえまして、そうした多様な障害者の多様なニーズにこたえるような施策を総合的に推進してまいりたい、こう思っておる次第でございます。 特に、この新長期計画に基づいて障害者の自立と社会参加の促進を図るために、特に在宅福祉サービスの充実、また、地域で利用しゃすい施設の整備といったような諸問題についても積極的に取り組んでまいりたい、こう考えているところでございます。
○山口(俊)委員 お考え自体はよくわかるのですが、今回のアジア太平洋障害者の十年というのは、恐らくかつての国連障害者の十年とは日本としては相当趣を異にしてくるのではないか。国連障害者の十年にあっては、いわゆる外に対して目標となるべきものも多々あった。アジア太平洋障害者の十年の中では、やはりアジアの諸国、太平洋の諸国を引っ張っていくというふうなこともまた国内施策と同時に必要になってくるのじゃないか。 そのようなこともお考えになられておるとは思いますけれども、どうかきちっとしたお考えのもとに取り組んでいただきたい。そして、アジア・太平洋が本当に福祉の進んだといいますか大変すばらしい地域になるように、経済的のみならずそうした面でもすばらしいというふうになるべく、御努力もお願い申し上げたいと思うわけであります。 ところで、身体障害者福祉について引き続いて取り上げてみたいと思いますが、平成二年に行われましたいわゆる福祉八法の改正、これによって身体障害者福祉法が改正をされて、身体障害者援護施設への入所措置の権限等、いろいろな権限が町村、市町村に移譲されました。 本年四月一日からはこの改正が施行をされ、身体障害者福祉行政においては市町村が在宅福祉サービスと施設福祉サービスの一体的な実施主体として位置づけられ、各種の権限が付与されております。このいわゆる措置権移譲については、一部の関係者からは町村、市町村への権限の移譲により行政サービスが低下をするのではないかと心配する声も聞かれていたところであります。 私も、実は初めて国会議員としての質問をさせていただきましたのがこの福祉八法案の改正についてといったことで、当時、市町村の格差がそのまま福祉の格差になって出てくるのではないかというふうな心配から御質問もさせていただいたわけであります。 そこで、この措置権移譲によって負担がふえる市町村に対してこれまでにどのような支援を行ってきたのか、市町村格差は大丈夫か、また、現在までのこの実施状況についてお聞かせをいただきたいと思います。
○土井政府委員 ただいまお話がありましたとおり、平成二年に福祉八法の改正がございまして、身体障害者の措置権につきましては町村に権限を移譲するということが決まりました。そして、この四月から実際にその事務が町村に移行されたわけでございますけれども、その準備といたしまして、一つには町村職員の計画的増員ということを図ってまいりました。平成三年度二百三十人、四年度二百三十人、五年度二百九十二人という人数を地財計画において増員を図るということにいたしております。 それからもう一つは、円滑な事務処理の実施ということで、マニュアルを作成したり各種の研修を行いまして、町村職員の実務能力の向上といったような点について十分準備をしたところでございます。また、具体的に町村が措置に伴う財政負担というものを生じますけれども、これにつきましても、町村の負担分につきまして地方交付税における財源措置を確保いたしております。 まだ実施後半年強でございまして、詳細な状況は把握をいたしておりませんけれども、これまでのところはおおむね順調に推移してきている、そのように伺っております。 今後さらにいろいろな状況につきまして、私どももよく実情をお聞きしたり勉強したりしながら、この円滑な事務の実施に向けまして、さらに努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○山口(俊)委員 おっしゃるとおりの方向でお願いをいたしたいわけでありますが、確かにまだ半年しかたっておらないといったことで、十分な傾向というのがつかめておらないのではなかろうかと思います。例えば財源の措置にしても、いわゆる交付税で措置をしても、それが何に使われるかよくわからないというふうな現況もあるわけでありまして、十分指導を行いながらやっていただきたいと思う次第であります。 体に障害のある方々が、地域や家庭の中で多くの人々に支えられながらも、障害のない人々と同等の生活をしていくというノーマライゼーションの理念を達成するためにも、住民に最も身近な行政機関である市町村が福祉施策推進に当たって中心的な役割を果たしていくことがぜひとも必要であります。今回の措置権移譲は、こうした観点から市町村が第一線に立って身体障害者福祉行政を進めていく体制を整備するに当たっての第一歩であると思うわけであります。 しかしながら、身体障害者の方々の立場に立ては、市町村が本当に自分たちのために必要な施策を行ってくれるのか、また、実施主体が変わったことに伴って、これまでに受けられておった施策が受けられなくなるのではないかというふうな心配があるのも十分理解のできるところであります。 町村格差で、例えて言いますと、徳島県には那賀川町という町がございます。この町では、ひとり暮らしの老人に一年三百五十九日毎日給食が行われておりますが、町によっては月一回の給食さえ行われておらないというふうな現実もあるわけでありまして、どこにいても同じような福祉サービスを受けられるといったことが最も望ましい方向であろうと思いますので、ぜとも今の方向でよりきちっと御指導願いたいと思う次第であります。 そして、身体障害者福祉法と同様に措置権移譲が行われました老人福祉法におきましては、市町村や都道府県に老人保健福祉計画を策定することが義務づけられ、各市町村や都道府県が必要なニーズを把握して、これにどうこたえていくかを計画の中に反映をさせようとしておるわけであります。身体障害者福祉においては、障害者の障害の程度や種類が多様であるといったことから、こうした計画の策定は非常に困難な点も多いかと思います。 しかしながら、本日提案をされます心身障害者対策基本法の改正案におきましては、都道府県や市町村に対して障害者基本計画の策定を行うよう、これは努力義務規定でありますが、これが盛り込まれております。この改正は大変よい機会でもありますので、この規定を活用して都道府県や市町村がこの計画を策定し、障害を有する方々が必要とする施策が行われるように強力に指導をしていただいたらどうかと思うわけでありますが、お考えをお伺いいたします。
○土井政府委員 ただいまお話にもございましたが、議員提案で本日予定されております基本法の改正法案の中におきまして、お話のように、都道府県、市町村に対して障害者のための基本計画の策定について努力義務の規定が設けられるというふうに私どもも伺っているところでございます。 大変重要な、意義のある規定ができるというふうに認識しておりまして、改正法案が成立した後におきましては、私どもにおきましても、各都道府県に対しまして改正の趣旨をよく外しまして必要な指導、取り組みを十分指導してまいる所存でございます。
○山口(俊)委員 ぜひとも必要なことであろうと思っておりますので、御期待をさせていただきたいと思います。 また、市町村が第一線の実施主体となってくるというふうなことである以上、今度は市町村が実施をしゃすいような制度をつくっていくことが必要であろうと思います。特に施設事務費対策について考えてみますといろいろと改善をすべき点があるのではないかと思われるわけであります。 例えば、身体障害者の施設に入っている方々の数を人口で単純に平均をしてみますと、人口三十万の市で身体障害者が各種施設に入っておられるその数というのは約三百名程度、単純に出てくるわけであります。また、身体障害者の方々の障害の程度や種類はもうさまざまであり、これに対して施設もまたさまざまなものを整備しなくてはならないわけであります。 そこで、これまでのいわゆる最低定員というものにとらわれずに小規模な施設の設置を認めていったらどうかと思うわけであります。またこの場合、施設運営の効率性が確保されないというのであれば、幾つかの種類の施設を組み合わせて整備をするという方式も検討したらいかがかと思うわけであります。 具体的には、小規模の身体障害者療護施設、授産施設やデイサービスセンター、ショートステイ等の在宅福祉の施設をあわせて整備をすることをこの際認めて、各市町村がその必要に応じた施設を整備できるようにしたらどうかと思うわけであります。市町村がこの施設を一つ持てば身体障害者の方々のさまざまなニーズに十分こたえることができる、そんなものをつくれるようにしたらどうかと思うわけであります。これについてお考えをお伺いいたしたい。 さらにまた、最近身体障害者団体からの要望が多い段差の解消等の福祉のまちづくりについても、車いす等を利用する障害者などから見れば、面としての連続が確保されることが必要不可欠であり、個々の施設の改善だけではなくて、市町村としてその地域全体としての取り組みがぜひとも必要であろうかと思うわけであります。これについてもどのように取り組んでおられるのか、あわせてお伺いをいたしておきます。
○土井政府委員 第一点目でございますけれども、町村に措置権限を移譲するということに伴いまして、お話がありましたとおり、人口規模が小さくなるものですから一つの施設に入ってくる障害者の方々の人数も少なくなる、そういう状況が今後出てまいると考えております。従来、最低規模として五十人の入所定員というものを私ども考えておりましたが、もっと小さい入所定員のものを将来的には考えていくべきではないかというふうに私どもも考えております。 ただ、その場合に施設の運営が経済的に見て成り立つかどうかという別の問題も生じますので、そういったものをあわせ両立させるためには複合化というようなことがどうしても避けて通れないということを考えておりまして、今お話しのように、中核になるような、例えば療護施設とその他の授産施設等々の幾つかのものを複合的に整備をしていくということを私どももできれば検討してまいりたい、実現してまいりたいというふうに考えているところでございます。 それから二番目の点でございますけれども、福祉のまちづくりにつきましては、障害者の社会参加という観点からどうしてもこれは進展をさせたいテーマであると考えております用地方団体におきましてもいろいろな形で積極的に取り組んでいただいておりますけれども、また先ほど大臣がお答え申し上げましたように、新しい計画の中でも このことを重視をいたしております。今後実効あるまちづくりの推進のために努力してまいりたいと考えております。
○山口(俊)委員 障害者福祉というのは本来的に、よりきめ細かさといいますか、柔軟さというものが求められてくるのではないか。ですから、そうした方向でお願いをいたしたいわけでありますが、例えば小規模作業所にしても、定数に満たないがために措置が受けられない等々、そうしたことも多々あるわけでありますので、そうした細かいところにも配慮をした、行き届いた福祉行政といったものを目指していただきたいと思う次第であります。 時間も余りないのですが、実は私、徳島県の精神薄弱者育成会の会長を長らくやらせていただいております。 実は、十年ほど前からこの精神薄弱者、精薄という言葉が果たして適当なのかどうか、いろいろ議論をさせていただきました。これは、精薄というのをそのまま英語に直訳しますと、一つの言葉しかないわけでありますが、大変ひどいことになるわけであります。事実、障害を持つ御本人あるいは御家族あるいは関係者の皆さん方に大変不快な気持ちを与えておるものであります。 同時に、このいわゆる精神薄弱という言葉からくる古いイメージ、これがためにいろいろな誤解を招いておるというふうなこともあるわけでありますし、しかも、昨年ですかJRの割引制度等の導入に見られるように、ここ数年、精神薄弱者の福祉の進展というのは目覚ましいものが実はあるわけであります。まさに新たなスタートを切った精神薄弱者福祉というふうな意味からも、この際、精神薄弱者という言い方、この用語を見直してはどうかと思うわけであります。 恐らく御案内と思いますが、先般、関係団体においてもこの名称を改めることを決めたというふうに聞いております。厚生省としても前向きに、より具体的な検討をこの際行うべきではないか、このことについてお伺いをいたしたいと思います。
○瀬田政府委員 精神薄弱者という用語の問題につきましては、先生今御指摘ございましたように、国際障害者年以来さまざまな議論がございました。特に本年五月には、精神薄弱者の関係団体の連合体でございます精神薄弱者福祉連盟の用語問題検討委員会というのがございますが、そこにおきまして精神薄弱者にかわる用語につきまして、障害の区分としては知的障害という言葉を用いたらどうかという中間報告がまとめられたわけでございます。 現在この中間報告を受けまして精神薄弱者育成会、いわゆる親の会等の関係団体におきまして、団体自体の名称等も含めましてさらに議論が行われているわけでございますけれども、現段階におきましてはさまざまな議論がさらにございまして、まだ特にこれだという一致した意見はないという状況と伺っております。
○大内国務大臣 今の用語の点については、先生御指摘のような問題がございますので、前向きに対処してまいりたいと思っております。 ちなみに、今英語では一つの言い方しかないというようなお話がございましたが、先生よく御存じのとおり、英語ではメンタルリターデーション、つまり精神おくれというふうに訳しましょうか、そういう訳語がございますので、確かに精薄と言った場合には国際的には非常に悪い印象を与えてくる。 今申し上げたような知的障害といったような言葉の方がいいのかどうか、これは各般の法律で使われている言葉だけになかなか難しい面がございますが、先生御指摘の方向で検討してまいりたいと思っております。
○山口(俊)委員 先ほどから大臣せっかくうなずいておいでになっていたのですが、答弁は局長の方からばかりになっておりましたので、今の件、大臣にお伺いしようと思いましたら、先にお答えをいただきました。 おっしゃるとおり、実際精薄という言葉を、この日本語を英語に直したらそれこそ誤解を招くようを言葉になってしまう等々ございますし、実態として、例えば徳島県にあっては、もう既にマスコミ等においても知的障害者というふうな言い方にほとんど統一をされてきております。 厚生省も以前からこのことについて御検討をいただいておるということは承知をいたしておりますが、いよいよそこら辺本格的に乗り出していただく時期ではないかと思っておりますので、大いに御期待をいたしておく次第であります。 まだ数分ありますので、最後に一点だけお伺いをいたしたいと思いますが、実は先般来、自民党の方でも厚生省の関係についてもいろいろな規制緩和について検討させていただきました。詳しくは後日また明らかにさせていただきます。 その中で、いわゆる規制というものではないのですが、事務処理あるいは手続の簡素化によって随分と対象になる皆さん方が助かる、便利になる、そして経費負担の軽減にもなるということも大変多いのじゃないかというふうなことにも気がつきました。 例えば、被爆者の皆さん方のいろいろな手続、あるいは障害年金の障害程度の判定についての手続、あるいはまた自動車運転のできない障害者の皆さん方が所有をする自動車税などの減免申請についてもそのとおりであります。ちょっとした思いやりで障害者の皆さん方はそれこそ革命的に助かるというふうなことも数多くあるわけであります。 その中でも一つだけお伺いをいたしておきますが、精神薄弱者の療育手帳についてであります。現状では、申請をしても交付あるいは再交付までにそれこそ三カ月以上かかる等、余りに長期間を要する場合が少なくありません。また、都道府県におけるばらつきも相当あるようであります。 この際、この手続を簡素化して、かつ全国的にも規格というのを平準化していく必要があるのじゃないか等々、ともあれ、そうした手続の迅速化を図っていくべきではないかと思いますので、その点について最後にお伺いをいたしたいと思います。
○大内国務大臣 御指摘の手続の簡素化の問題は、今度の規制緩和の一環として私ども既に検討をしております。先生御指摘の方向ができるだけ早く実現するように、厚生省としても全力を尽くしてまいりたいと思っております。
○山口(俊)委員 終わります。
○加藤委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○加藤委員長 速記を起こして。 木村義雄君。
○木村(義)委員 まず、このたびの連立政権におかれましては、どなたが提案しているか知りませんけれども、大臣と政務次官に御答弁はいただいて政府委員を廃止する、そういう提案がなされているようでございますので、きょうの私の質問は、大変恐縮ですが、大臣と政務次官からお答えをいただきたい、そのかわり余り細かいのはできるだけ質問をしないように努めていきたいと思っております。 まず最初に、先ほど住先生が個別指導の案件についてお尋ねがあったわけでございますけれども、実は個別指導とともに大変重要な問題として共同指導というのがございます。これは国と県とが一緒に共同指導するわけでありますけれども、特にこれは各自治体によって非常に頻度において差があるわけでございます。 例えば歯科に限って言いますと、東京都は八千人の歯医者さんがいるのですが、これは毎年行われておりますけれども、人数的に小さい県、三百人か四百人ぐらいしかいない小さな県は二年に一度になっているわけでございます。大体十対一ぐらいの格差が存在している。この格差是正を大臣はどのようにお考えでございましょうか。
○大内国務大臣 今、木村先生御指摘のような格差が現実に存在するということは事実でございます。今、各都道府県におきまして、レセプト一枚 当たりの点数が平均して著しく高いものを中心として選定していることにしているわけでございますが、にもかかわりませず今御指摘のような状況があることは事実でございますので、今後実質的に格差是正につながるよう検討してまいりたい、こう思っております。
○木村(義)委員 早急に検討を終了していただき、できれば平成六年度から実施をしていただきたい。
○大内国務大臣 平成六年度ということが実現できるように、懸命に努力を傾注したいと思っております。
○木村(義)委員 それでは次に移ります。 次には、産業廃棄物の問題でありますけれども、特別管理産業廃棄物の処理に当たりましては、要するに、そういう廃棄物を出すところが運搬業者と処分業者に委託することになっております。そして、この両者を決定していかないと捨てられないというのが今度の法律でなっているわけでございます。 これは我が県を例にとりましても、実際には運搬業者も処分業者も存在しない、こういうことになっているわけでございまして、要するに近県の人に頼まなきゃいけない。四国全体から見ても、例えば一カ所しか運搬業者がないとか処分業者がないとか、そういうような現状になっているわけでありまして、法律が余りにも現状を無視して先行し過ぎているのではないか。 そして、しかも委託をするところの業者が一つしかないわけでございますからそこに頼らざるを得ない。もしそこで断られたらどうするんだ、また、不法な料金を押しつけられたらどうするんだ、こういう問題で今実際に多くの方々が困っておるわけであります。 こういう現状について、至急に改善をしていただきたいと思うのでございますけれども、お考えをお持ちでしょうか。
○大内国務大臣 先生の香川県の場合においてもそういうケースが見られるわけでございますが、特別管理産業廃棄物の処理業者につきましては、その数を別に制限しているわけではございませんで、一定の要件を満たしていれば許可を行うという方針で許可をしております。したがいまして、全国的には漸次その数はふえていることは事実でございます。 しかし、御指摘のように、今後ともその処理施設の整備に対する融資や税制上の特別措置あるいは業の許可に必要な講習会などの実施を通じまして、その業者数の増加を図っていくことがもう緊急の課題になってきております。 先生御指摘の点は全くの事実でございますので、その改善に努めてまいりたいと思っております。
○木村(義)委員 ぜひ早急に改善をしていっていただきたい。何か余りにも法律が先行し過ぎている。また、どちらかというと、それ以外の県も、何でこんなのつくったんだというようなことも考えられるわけでございまして、今後やはり現実というものをしっかり踏まえてこういう行政等を行っていっていただぎたいと思うわけでございます。 産業廃棄物じゃなくて、これは一般のいわゆる家庭から出される廃棄物でも実は言えることでありまして、特に大臣の御地元であります東京都二十三区で、何か東京都が、黒いこみ袋は使ってはいかぬ、半透明あるいは透明の、しかも名前を書いた袋でない限りごみを収集しないぞ、こう言ってPRをしたかしないかあれですけれども、そういうような風潮をマスコミ等で流した。 多少の延期はされたようでございますけれども、しかしいずれにしても、黒い袋で出したらもう収集しないんだ、こういうような風潮が都民の間に広がっていると思います。しかし、これは都民の問題だけではなくて、東京都がやることはいずれ全国に広がっていく問題でございます。 ところが、廃棄物処理法によりますと、市町村あるいは二十三区はごみを収集する義務があるわけでありまして、透明な袋じゃないとごみをほっておくぞ、これは明らかに法律違反ではないかと思いますが、大臣はこの点に関してはどのように御案内でございましょうか。
○大内国務大臣 もちろん先般の東京都の措置等については我々は関与しているわけではございませんが、先生の今の御指摘は、廃棄物処理法上の法律違反ではないかという御指摘でございます。 先生もよく御存じのとおり、この処理法の第六条の二におきましては、土地または建物の占有者、そういうものを使っている者というのは、市町村等が行う一般廃棄物の収集、運搬及び処分に協力しなければならないというふうに規定されておりまして、そのごみを出す方におきましても、市町村のそうした行政指導等に対してできる限りの協力をすることが実はごみをうまく分別、処理していく上で非常に重要な課題になってきておりまして、各都道府県、市町村におきましても、この問題についてはいろいろな工夫が行われているところでございます。 東京都の場合もそういう一例であったかと思うのでございますが、ごみの収集などをどのようにして行うかという問題は、すぐれて各地方公共団体が住民の皆さんの理解を得て行うべき問題であって、したがって、各市町村の中でどういう方法が一番住民の皆さんの御理解を得られるか、いろいろお悩みになっているんではないかと思うのでございます。 したがいまして、先般のような例が直ちに法律違反であるというふうに決めつけることはなかなか困難ではないか。しかし、先生が御指摘のように、廃棄物処理法においてはごみを集めて処理するというのは地方自治体の重要な行政責任でございますので、やはり住民の理解のもとにそういう問題が円滑に推進されるよう期待している次第でございます。
○木村(義)委員 住民の協力と理解が必要だという大臣の御答弁ではございますが、これはやはり納得のいける協力でなければいけないわけでありまして、通産省なんかでも、東京都が言っている、要するに高密度なポリエチレンを使った袋はかえってこれは熱量が高くなる、つまり、これは東京都の理由と全く逆の結果が出ている。 しかも、ごみというのはリサイクルをやることによって減らすことができるわけでございます。東京都のこの高密度ポリエチレンは、炭カル等を三〇%入れるという関係もあって、今までの低密度ポリエチレンは、どちらかといったら、ビニールのくず等を集めてきて、それを再生して使っていた、そのゆえに色がっくわけでありますけれども、そういうリサイクルの一つの大きな手段であった、これによって何万トンというごみをある意味では焼却できているわけでございますから、今度の東京都の半透明のごみ袋はこういうリサイクルにも反している。 しかも、これによってリサイクルを業としてきた本当の零細企業の雇用にも悪影響を及ぼし、要するに路頭に迷わせてしまうようなことになっているわけでございまして、なぜ東京都が新しいごみ袋を強引に押しつけてきたのか、全く理解しがたいところであります。例えば、透明でないとけがをするといっても、透明になるまでに何か袋に入れてそれをまた透明袋に入れられた場合には、これは全く見えないわけでありまして、こういう理不尽なことを理解しろと言っても、これは理解しがたい。 特に、また中身が見えるということは、プライバシーの侵害にも当たります。隣の人が、あなた、こんなのを捨てているじゃないかとか、また、アパートとかなんかで、隣の人があんなものを捨てている、言ってみれば大したものを捨てていない、あそこは相当貧乏なんだとか、プライバシーをのぞくことになる。 特にこれがひどいのは官庁の宿舎とか民間の企業の宿舎とかあるいは団地なんかはこういうことから見えを張っての犯罪につながりかねないことも、過去に例のあったことであります。そういうプライバシーの点からしても、ぜひこの新しい ごみ袋は撤回をするように大臣の御指導をいただきたい。
○大内国務大臣 ごみの分別収集という問題は、ごみの的確な、かつ効率的な処理という面で非常に重要でございまして、各自治体がいろいろな工夫をしているわけでございます。東京都の場合もその一例でございましょう。そして、その間にいろいろな試行錯誤もあると思うのであります。 しかし、廃棄物処理法が期待しておりますのは、やはりそういう分別収集におきましても住民の理解と協力というもとに行うべきものであるということが書かれているわけでございますので、東京都の場合におきましても、やはり東京都民の理解と協力が得られるという方法について一層の努力をされるよう期待しておりますし、また、機会があればそういうふうに申し上げたいと思っております。
○木村(義)委員 私は、もう少し積極的な指導をする必要があるのじゃないかと思います。というのは、私は、一番今回のこの中で問題点になるのは、リサイクルができないとか結局発熱量が高いとか費用負担がかかるとか、そういうこともありますけれども、やはり中身がのぞかれる、先ほどから言っているようにプライバシーが侵される、これはやはり私は現代の民主社会において一番大切なことではないか。 というのは、中身をのぞくということをあえて奨励するようなことをやっていきますと、要するに住民の相互監視、密告社会等に通じてくるわけでございまして、これはひいてはファシズムにもつながってくるわけでございます。笑いの声が出ましたけれども、事実、近所の人から、あなたのところのごみは余計なものを捨てているといって投書が来るそうであります。 しかも、もっと昔をたどりますと、東条英機という人が戦争中おりまして、その方は、毎日の日課としてごみ箱をのぞいて歩いていたそうでございます。そして、こんな立派なものを捨てるのか、これだったらまだ戦争は継続することができると言って、戦争継続の一番の理由にこのごみ箱のぞきをやったそうでございまして、このようなファシズムに通じる。しかも、これに協力しないのは、ぜいたくは敵とか非国民とか、そういうような風潮を今の連立政権は何か盛り上げてきているような気がいたしてならない。私は、それを助長しているような感じがするわけであります。大臣はいかがにお考えになりますか。
○大内国務大臣 透明な袋がファシズムにつながるかどうか、いろいろな議論があるところでございますが、ごみの収集といったような問題は、すぐれてやはり地方自治といいますか、地方分権にかかわる問題である。そして、その地方分権というのは、住民の理解や協力によって初めて支えられる。 地方の行政が評価されたり拒否されたりするのも、その住民の理解と協力いかんにかかっているわけでございまして、それを国の方針によって、君はこれを使え、君はこれを使うなというような問題にしてしまっていいかどうかということについてはいろいろな問題点がございまして、やはりそういう問題は、地方自治において責任を持って処理すべき問題であるし、その処理の仕方が住民の理解を得るか得ないかによってその首長というものは変わってくるのである。 細川連立政権が、別にそういうファシズムの方向を指導したり奨励しているわけでは決してないことは、これは強く申し上げておかなければなりません。
○木村(義)委員 今細川政権のファシズム性云々の話がちょっと出たわけでありますので、話をちょっとそちらへ持っていきたい。 その前に、私はやはり東京都二十三区がこういう指導をするということは、先ほどから言っているように、日本全国に非常に影響が大きいのです。特に大臣の地元でもありますけれども、これは影響が大きいわけでありまして、余りにも理不尽な、東京都が言っている発熱量を抑えるためとかなんとかというのは全部ごとごとく否定されているにもかかわらず、こういうことを強行しようという態度というのはやはりファシズムにつながっていく、私はそのように思っているわけであります。 その侵略戦争というとすぐにまた細川さん、こういうことになるわけでございますけれども、厚生省は、大臣が八月十五日に戦没者追悼式にお出になりました。あのときに総理もお越しになって追悼の意をあらわしていられるわけでございますけれども、あの追悼式と、そして総理の侵略戦争発言との両者を比較して、今大内大臣はどのようにお考えになっておられるでしょうか。
○大内国務大臣 細川総理は、一番最初発言されたときには侵略戦争という言葉をお使いになっていたと思います。しかし、あの八月十五日の戦没者の追悼式の際にはそういう言葉をお使いにならないで、侵略行為という言葉に言い直されたと記憶をいたしております。 それは、当時やはりいろいろな内外からの意見も出されまして、細川総理なりにお考えになり、そういう整理をされたものである、こういうふうに理解をしております。
○木村(義)委員 今度の連立政権の特徴として、私は何か世論迎合型とか人気取り型とか、そういうような風潮が非常に強い。今、総理も当初侵略戦争と言っておいて行為に変えた、大臣はこうおっしゃったわけでありますけれども、どこかの政党の方が、自衛隊は憲法に違反する、こう言っていて、政権に入ったら、当初はそう言っていたのですが、だんだん変えてきたり、何かくるくる目まぐるしくて全然筋が通ってない、都合によって猫の目のように変わっていく。 これで果たして国民から信頼をされるのでありましょうか。私は非常に不思議でならない。テレビ朝日みたいなマスコミが支えているので、当面はいけるのかもしれませんけれども、これも本当に不思議な話であります。 私は、細川総理の侵略戦争発言というのは、厚生省が所管しております遺族等に大変大きな影響を与えているのではないか、大きな失望とまた怒りを与えているのではないか、そのように思えてなりません。 そして、私はこの間「諸君」という雑誌を見たら、その中である大学の教授が、天皇陛下から総理が認証式のときにほとんど頭を下げなかった、こういうような記事を読みました。小学生でも卒業証書をもらうときには校長先生にしっかり頭を下げるのに、総理は天皇に対して非常に不遜な態度をとっていたというような記事を見たわけであります。 何か私は、細川さんのおじいさんが近衛に当たるわけですが、そういう近衛さん、それから細川家に通じるものと天皇家とはあの戦争を前後して非常に意見のそごとか何かがあったのかなというのを調べたら、やはり当時の天皇は平和を追求していたそうでありますけれども、結局細川さんのおじいさんであります近衛さんが、まさに大政翼賛会、ファシズムの方向に流れを変え、そのときにも今の総理と同じように国民の圧倒的な支持を得ていたそうであります、そして戦争に突入した。天皇はこれに対してやはり大きな失望があったのではないかな。 そういうような気持ちが、今度は終戦後、いわゆる戦犯として近衛さんが逮捕されるときに、そのときにやはり木戸さんも一緒に逮捕状が出たそうでありますが、木戸さんだけを食事に誘って近衛さんを誘わなかった、それでその晩に近衛さんが自殺をした、こういうようなことが言われているわけでありますけれども、私は何か天皇家と細川総理との間にはそういう第二次世界大戦にまつわるいろいろな感情が錯綜しているのではないか。それが非常に天皇の政治責任とかかわってくる侵略戦争発言につながっているのではないか。 そして、この間の韓国も、何かざんげするというか土下座外交みたいにして韓国に謝っているというか、なぜ五十年もたった今ここまでするんだろうかという考えがするわけでありますけれど も、遺族の方々の気持ちを思うとき、これはやりきれないものがあると思うのです。その辺も大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○大内国務大臣 私は侵略戦争問題について衆議院の予算委員会あるいは参議院の予算委員会等でもいろいろ答弁を求められまして、私はこういう見方をとっているのでございますが、あの太平洋戦争の中で日本のとった行為の中に侵略的行為とみなされるような局面があったということは否定しがたい事実だろうと思うのでございます。 というのは、例えば戦争状態にない国に対して日本が進駐するというような事態等々、そういうふうなみなされ方をする行為があったことは否定できないと思うのでございますが、日本があの太平洋戦争に突入していく中で、単に日本の責任のみならず、その他のいろいろな要素もあったことも否定できないし、したがってそれらの点についてはやはり歴史的にしっかりした考察がなされるべきである。 特にあの東京裁判におけるインドのパル判事の所論、これは相当の説得力があるわけでございますし、それから東京裁判が終わりまして五年後にキーナン主席検事が、あの東京裁判は失敗であったというあの述懐にも相当な真実がございますし、それと相前後いたしましてマッカーサー総司令官がアメリカの上院の軍事委員会で述べられました、日本の行動は日本の安全保障のためであったという議論についても相当真実性があるわけでございまして、そういう総合的な判断の中から、あの過去の歴史というものは説かれなければならない、こう思っている次第でございます。 この歴史的な見方については、政治家であってもあるいは個人であっても若干の相違があると思うのでございますが、細川総理も今私が申し上げたような方向で大体お考えになっておまとめになってきているのではないか。 今木村委員御指摘のように、遺族の皆さんにとって、あれは侵略戦争でみんな侵略のためにやったというような見方をされるということは、これはなかなか耐えがたいことでございましょう。やはりそれらの方々は祖国を守る、あるいは日本の民族を守る、我が同胞を守る、この一心に立って行動したものであろうと思いますけれども、その行動の一つ一つにはいろいろな評価がなされる、全体的には私はそのような見方をとっている次第でございます。
○木村(義)委員 もっと続けたいのでありますけれども、残念ながら、この席に総理を呼ぼうとしたのですが、大分抵抗が強く、それで大臣にちょっとかわっていただきました。細川さんの私ごとを何か侵略戦争に結びつけるような懸念が私は非常に強かったもので、大臣にお聞きしたわけであります。 ところで、次の問題に移らせていただきますが、ここに先般の総選挙における各党の公約があります。その中での年金部分の一覧表を私今見ているわけでありますけれども、要するに年金では支給開始年齢の六十五歳の問題と、また基礎年金の国庫負担の引き上げとが、これは大きな問題であります。 自民党はこれに関しては具体的な公約を避けております。なかなかお見事でありまして、社会党は、六十五歳引き上げに反対、それから基礎年金の国庫負担を引き上げ、こういうふうに公約しております。公明党さんは、六十五歳に関する記述はありませんが、国庫負担の引き上げを言っておられる。 それから、民社党さん、これは大内大臣が党首であります。最高責任者であります。雇用との関連でということを書いてありますけれども六十五歳支給には反対、それから給付水準は現役平均賃金の七割保障とかそんなことが書いてあります。それから新生党は、給付と負担のバランスのとれた公的年金制度にする必要、日本新党さんは六十五歳定年制に合わせて六十五歳にする、こういうことであります。さきがけは書いていない。 こういうことでありますが、公約と実際との乖離が、今回の連立政権ではよく、まさに木の葉のように軽々しく論じられてきた。これは今回の連立政権にとって一番国民を欺くものである。選挙では国民の人気取りばかりしてきて、実際に今度は政権をとったら、まさに手のひらを返して態度を豹変して、都合のいいことをまた言い始めている。私は、こういう連立政権側の態度に非常に大きな問題があると思います。 そしてまた、それを御答弁では、連立政権側では今検討中であります、時間をいただいてこれに統一見解を出す、出す、いつもこう言っていながら、常に出されてきていない。緊急経済対策も、これは結局統一見解が出ませんでした。税制においても、統一の税制調査会をつくることなく何か政府の税制調査会にゆだねるという、まさに議会制民主主義を放棄するようなことを平気で言っておられるし、やっておられるわけでございまして、議会人として恥ずかしいな、私はそのような気がいたすわけであります。 そこで、まず大臣に、これは先ほど住先生からもお話があったわけでありますけれども、大臣が党首であります民社党におきましては、六十歳支給を堅持し、六十五歳には反対だ、こうはっきり述べてありますが、大臣の先ほどの答弁ですと、公約と今の大臣のお考え方に接点がある、こういうお話であります。どういう接点なのか、具体的にお聞かせいただきたい。
○大内国務大臣 今の木村委員の御指摘は相当はしょって申されておりますので、必ずしも私どもの選挙に向けての公約を正確に表現しておられない面もあるわけでございます。 私どもの場合は、六十五歳に反対する理由といたしまして、年金と雇用は連動されるべきであるとの見地から厚生年金の六十五歳支給開始には反対である、こう述べているわけでございまして、私がかねがね申し上げておりますように、雇用と年金というものは連動しなければならない。あの平成元年に自民党の皆さんから出されたときには、その問題が全く連動していない状況の中で年齢の引き上げという問題が提起されましたので、これに対して反対という方向をはっきり打ち出したのでございます。 国庫負担については、私どもは選挙公約では触れなかったのでございますが、年金審議会の十月十二日の意見書については、先生も十分お目通しをいただいたと思うのでございます。六十五歳以前の年金は一切支給してはならないということは言っておられないわけで、労使も公益も、三者ともに、六十五歳以前の六十歳から六十四歳の年金についても二通りの方向で考えたらどうかということをおっしゃっているわけでございます。 もし年金審議会の意見はどうでもいいということなら別でございますし、また年金審議会は、国庫負担率のあり方についても今後検討すべきだという意見が付せられていることは御存じのとおりでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、この年金審議会の意見を踏まえまして、その方向で六十歳前半の年金、それから後半の年金というものを分けて考える必要があるということから今鋭意検討をしているわけでございまして、六十歳から年金を支給せよ、こう言ってきた今までの野党の主張とこの年金審議会の意見との間には当然オーバーラップしている点がたくさんあるわけでございます。 その点についてこれから一つの意見をまとめていきたいということでございますので、その辺について御理解を賜りたいと思っている次第でございます。
○木村(義)委員 今の御発言の中で国庫負担のお話が出ましたけれども、委員長、今、選挙公約では述べておられない、こう言いましたけれども、民社党さんの基本的な公約として国庫負担のことに関しては述べておられませんか。
○大内国務大臣 大会の政策ではそれは指摘しているのでございます。ところが、あのときの経済財政情勢というのは、御案内のとおり、ことしでも補正を含めまして八兆円程度の財政の歳入欠陥が起こってきた、平成四年度においては三兆円と いう規模になってきた、こういう不況が深刻化し、財政が悪化しているという状況の中で私どもは選挙に突入しているわけでございまして、したがって、そういう悪化の状況の中で直ちに明年度国庫負担の増額を求めるということはなかなか難しい問題であろうと思いまして、選挙公約から意識的に外したのでございます。
○木村(義)委員 今まさに委員長がおっしゃったように、公約としては入れていたわけですな。
○大内国務大臣 選挙公約として外したのでありまして、入れていたのではありません。
○木村(義)委員 私は、民社党の方針として入れていたかどうかを聞いております。
○大内国務大臣 かつてそういう方針を打ち出したことがございますが、政策というのは生き物でございます。私も四十年くらい政策ばかり書いてきている人間でございますが、やはりそのときどきによって政策というものは手を加えられるべきものである、こう思っております。
○木村(義)委員 お変えになったのはいつごろでございましょうか。
○大内国務大臣 選挙政策の立案というのは選挙に向けての政党の重要な行事の一つでございまして、各機関の議論を経まして選挙の前に書いたのでございます。
○木村(義)委員 これは、ある意味では民社党さんも、この国庫負担の話を、今委員長みずからがおっしゃったように、ずっとしてきた、こういうことは認められるのですな。
○大内国務大臣 今三兆円とか五兆円とか八兆円という歳入欠陥というものが起こらなければ、こういう問題も十分検討の対象になったのであります。 また、今の年金審議会におきましても、今のような財政悪化の情勢においても、今後の国庫負担率の引き上げ等については相当前向きに考えるべきであるという意見を出されているわけでございまして、これは私は他の委員会でも御答弁したのでございますが、どの政策を優先的に採用すべきかということによってそういう問題も解決できるわけでございまして、この問題はまだ結論が年金問題としても出ていないのでございます。 ですから、公約に違反したとか違反しないとか、そういうような決めつけは現段階においてはできるような性格のものではありません。
○木村(義)委員 選挙公約もさることながら、要するに党の基本政策というのがおありになると思いますが、その党の基本政策にはどういうぐあいに書いてあるのですか。
○大内国務大臣 基本政策においては国庫負担率の増額という問題を打ち出しているのでございますが、さっき申し上げたように、この基本政策というのは、例えば党の大会におきまして、そして党の内部の議論として決定するものでございます。 そして、国民に対してこの問題をどう公約するかというのは、選挙政策、例えば重大政策というような形で打ち出していくものでございますし、また、党によりましては選挙政策大綱という形で打ち出されるものでありまして、国民に対して責任を負うのはその面の政策である、こう理解しております。
○木村(義)委員 実は、私ここに先般の参議院で行われました予算委員会の平成五年十月八日の会議録を持ってきております。この中で大臣は、我が党の大浜委員の質問に答えましてこういうふうに述べております。 今、社会党、公明党、民社党というお話がございましたのですが、ここに各党の基本政策の比較がございますが、民社党の場合は、年金の支給開始年齢等についていろいろな意見を申し上げておりますが、国庫負担率の問題については申し上げておりませんので、誤解のないようお願いしたいと思うのでございます。こう言っておられますけれども、今大臣は、基本政策については話をした、書いてあった、こう言っているじゃないですか。
○大内国務大臣 基本政策というのはいろいろな言い方があるわけでございまして、大会に盛られている基本政策もございますし、選挙公約として盛られている基本政策もあるわけでございまして、私は、あのときには選挙政策の一覧表を持っておりまして、その選挙政策に書かれている基本政策にはそういうことを打ち出してはおりません、こう申し上げたのでございます。
○木村(義)委員 私、ここに平成五年二月に民社党さんが発行されました政策ハンドブックのコピーを持ってきております。ここに、 六 今後の課題と民社党の方針 平成六年は国民年金・厚生年金の財政再計算の時期にあたり、年金制度一元化と厚生年金支給開始年齢の問題など大きな課題をかかえています。 民社党は、今後の公的年金制度の長期的安定と適正な給付を確保するために、以下の政策を推進します。(一)基礎年金の国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げるとともに、こう書いてあるじゃないですか。基本政策でしょう。書いてあるでしょう。それじゃ、大浜先生の質問に対しては、これは食言じゃないのですか。
○大内国務大臣 何回も申し上げておりますように、大会の基本政策、それから国民に向けての公約である選挙公約としての基本政策、それぞれあるわけでございまして、先ほど申し上げたような日本の財政状況の変化あるいは不況の深刻化というものを踏まえまして、選挙に当たって国民に対してどういう公約をすべきかということを検討した段階で、その段階ではなかなか無理であろうということから、選挙の基本政策としてそのことを削除したということを申し上げているわけでございまして、別に食言でも何でもありません。
○木村(義)委員 今私はここに民社党さんの選挙公約を持っておるのですが、これは政策ハンドブックと違いまして非常にはしょって書いてありますな、さっきの大臣の言葉で言えば。わずか二枚の紙でございます。もしそのように重大な変更というものがあるのだとしたら、それはまさに党の間で党員の方々に説明がなかったのですか。
○大内国務大臣 政党というのはそういう大事な問題については各機関において相当論議を尽くすのでございます。例えば、政策審議会の厚生部会で論議し、それを政策審議会の正副会長会議で議論し、それを今度は政策審議会全体会議で議論し、そしてそれを中央執行委員会において承認し、それを大会の議案として提出するわけでございますから、その間におきましては党内で十分議論をしているわけでございます。
○木村(義)委員 党内で十分議論をしたにもかかわらず、国民の皆さんにその議論の効果が出ていませんね。
○大内国務大臣 これは各党とも同じではないかと思いますが、民社党の特殊事情でも何でもござ、いません。各党もやはりそういう大事な問題については各党内の機関において十分議論し、そしてそれを一つの政策として集大成し、それを新聞、テレビ等マスコミを通じて国民の皆様に訴えるということでございまして、どこの党でも同じことをやっているものだと考えております。
○木村(義)委員 私が大臣にさっきからお尋ねしているのは、連立政権になった途端にどんどん発言を変えていく、さっきの公約と六十五歳の点に関しても考えに接点がある、こういう話でございましたけれども、何というか、各党ばらばらであり、また党内においてもどういう議論がされているのかわからず、しかも、実際に接点があると言いながら御答弁では具体性が全然わからない。 まずその具体性をお聞きしたいと思うのですけれども、その前に、政務次官もお越してございますので、新生党さんにおいては、この六十五歳の問題と国庫負担の問題というのは、具体的に余り書いておられませんが、どのようにお考えか、簡単にお願いします。
○岡島政府委員 新生党としては、先ほど選挙公約の内容については木村委員からお話があったと おりでございまして、具体的な支給開始年齢については触れておりませんが、考え方としては、年金審議会の意見書にもありますように、六十五歳支給という考え方を党内でいろいろ議論をしているのが実情であります。 国庫負担の問題につきましては、今大臣からもいろいろお話がございましたが、一つには、税制の問題等を含めながら考えていくべきだ、このように思っております。
○木村(義)委員 政務次官の御答弁によりますと、六十五歳というのをはっきり打ち出されたわけでありますけれども、大臣はその六十五歳のこの打ち出し方については、先ほどから非常にあいまいな答弁であります。 しかも、国庫負担に関しては、何か基本政策において、選挙向けの基本政策と豊からの基本政策と二つあって、それを使い分けているような話をされておられますけれども、そこがやはり今回の連立政権の一番の問題点でありまして、何でも使い分ければいい、大臣であるときには賛成であるけれども、大臣をやめたらまたもとに戻るとか、こういうことを平気で言っている社会党の大臣がおられましたが、どうかそういうようなことを言ってほしくない。はっきりとその辺、どういう接点があるのか、もっと具体的なお話をしていただきたい。
○大内国務大臣 私は年金担当大臣でございますが、やはりこの年金問題というのは、国民全体にかかわる重要問題でございますし、また内閣としても非常に重要な問題でございまして、厚生大臣の一人の意見だけで決めるわけではありません。したがって、年金審議会等の御意見も賜りまして、これからその意見を踏まえて議論を詰めている段階でございます。したがって、今の段階で全部はっきりしろと言われましても、それはどだい無理な注文でございます。 接点がある、ないという問題は、私は、もう先ほども明瞭に答えていると思うのでございまして、普通だったら大体おわかりいただけると思うのでございます。というのは、六十五歳以前の年金は一切支給してはならぬなどということは、年金審議会のいかなる委員も披瀝していないのでございます。六十から六十四歳までの年金についても、何らかの形でこれを支給することを考えよう、その方法というのは二つぐらい考えられるので、その辺を検討せよと言っているわけでございますから、完全に接点がそこから生まれている、私は、年金審議会の意見においても大勢はそこにある、こう理解しております。
○木村(義)委員 先ほどの住さんへの答弁では、大臣はこのようにおっしゃっているのですね、今は何か二つあると言った、その二つをまたお聞かせいただきたいのですけれども。 二つあるというのはこういうことなんですか。六十歳前半と六十五歳から上以降を分けて考える、そして年金はいわゆる二段階の構造にする、こういうことですか。
○大内国務大臣 私は、年金審議会で二つぐらいあると指摘しましたのは、さっきその年金審議会の文言までお読みして実は申し上げたのでございまして、これを詰めて申し上げますと、一つは、六十歳前半の年金については減額年金という考えがあるではないかという考え方と、もう一つは、六十五歳の年金とは全く別に年金を考えたらどうか、こういう二つの意見が指摘されているということを二つある、こう申し上げている次第でございます。
○木村(義)委員 すると、二つあるというのは、減額年金と別個の年金どこの二つ、こういうことでありますね。 そうすると、先ほど大臣がおっしゃった六十歳前半の年金と後半の年金とを分けて考える二段階構想というのは、これは具体的にはどういうことなんですか。
○大内国務大臣 これも大変明瞭なことだと思いますが、六十歳前半の年金というものを一つの年金のあり方、六十五歳の年金、この二つを二段階の構想として考えたらどうかというのが私が申し上げているわけでございまして、その二段階の前段階、つまり六十歳から六十四歳という問題について年金審議会は二通りの考え方を意見書の中で出しておられるということを指摘しているわけでございまして、同じ二つといいましても次元が幾らか違うことを申し上げているわけであります。
○木村(義)委員 問題はその中身なんですよ。大臣が今考えておられるその二段階構想にしても、どの程度の水準のどの程度の中身、給付を持った年金をお考えなんでしょうか。
○大内国務大臣 これは木村委員よく御存じのとおり、実際にこれを法律案化する場合には、年金審議会の答申もいただかなければならぬわけです。 私どもの今考えといたしましては、ことしじゅうにその構想、つまり御指摘のような中身を固めまして、そしてその中身をもとにして、年金審議会について来年度以降の年金のあり方について年初に諮問を申し上げ、そして二月早々あるいは二月中にでもその答申を賜り、そしてこれを法案化していく、これが一つの手続であろうと思うのでございます。 したがいまして、私どもがそういう手続を経て来年度以降の年金の中身というものについては決定していくわけでございまして、今直ちに厚生省だけで問題をすぱっと決めてしまうというような状況にないことは、委員御案内のとおりでございます。
○木村(義)委員 要するに、ここでまたもとに戻るのですけれども、六十歳支給を前提としたそういう年金を残していくのか、あくまでも六十五歳支給という将来の年金制度の維持を目的とした、つまり花見酒にするのか、あるいは制度の存続を考えて支給開始年齢を変えていく、どちらの観点に重点を置いて大臣は制度改正を行おうとしておられるのですか。
○大内国務大臣 年金と雇用の問題は不可分の問題であり、これは連動している、雇用保障のないままに年金が全く切られてしまうということになれば生活保障の面で断絶が起こる、それは国の施策として避けなければならぬ。ですから、今後雇用保障というものが、国、自治体、あるいは企業、あるいは労働組合の努力によってどのような見通しが得られるかということによりまして、私は、その六十歳前半の年金のあり方というものはおのずから決まってくるのではないか。 ですからこそ、先般来、労働大臣との間にも、この問題を労働省としてはどのようにお考えいただけるでしょうかまた、国全体としてもどういう施策が確立されることが必要でしょうかということをお話しを申し上げ、また、私のこの数年来の国会における代表質問におきましても、この六十五歳までの雇用の重要性というものをいつも指摘してきたところなのでございます。 したがって、それらの問題を見きわめて六十歳前半の年金というものが決まってまいりますし、そして、それを基本にしてまた六十五歳の年金というものが決まってくる、そういう意味で前半と後半の年金を二段階で分けて考えたい、起点争いはしたくないというのが私どもの考えでございます。
○木村(義)委員 すると、今度は大臣は、雇用保障の方にある意味で責任をすりかえられたように見受けられるのでございます。 大臣は、先ほどおっしゃった国庫負担に関しても、これだけの大きな財政赤字を抱えている段階ではとても不可能だから、とにかく来年ぐらいはそういうのは難しいから選挙公約からは国庫負担の問題は外した、こうおっしゃいました。このような大不況下で、雇用調整も大幅に起ころうとしている段階で、大臣が考えておられるような、どういうものか具体的にはわかりませんけれども、雇用保障というのはこれから改善をしていくんでしょうか。 むしろ私は、新しい定年制度を設けるようなことはとてもできないんじゃないか、つまり定年制度を六十歳から六十五歳にしていくような、とて も現在そのような状況にないんじゃないか、それは大臣の発言のとおりであります。その中で、ではもし仮に大臣、雇用保障ができないとしたならばどうされるんですか。
○大内国務大臣 新しい年金というものは来年直ちに全部を実行するわけではありません。自民党が平成元年に出された案におきましても、六十五歳のスタートは平成二十二年という先でございまして、きょうあしたの今の雇用情勢を見ておりますと、まあ今までの政策の積み重ねの失敗というものもございまして、そう容易なことではない。 しかし今、平均寿命が延び、そして六十五歳ぐらいまではぜひ働きたいという人々が七〇%を超えるという事態を迎えた中で、国の政策といたしましても、企業の経営のあり方といたしましても、その要望にこたえる努力をするということは当然のことでございまして、中長期的に見れば雇用保障というものを何とかやり遂げる、その中で年金問題を考えていく、これが一番建設的な姿勢ではないか、こう考えております。
○木村(義)委員 今の御答弁で二つお聞きしたいんですけれども、一つは政策の積み重ねの失敗というのはどういうことかということが第一点。それから、大臣は急に長期的な話を持ち出されましたけれども、先ほど国庫負担の点に関しては来年度の話をされました。その辺の整合性をお聞かせいただきたいと思います。
○大内国務大臣 私は既に党を代表して何回も代表質問をしておりまして、経済、財政、金融政策の運用について大変な手おくれがあった、また政策の小出しによって今日の不況というものが深刻化した、そういう意味で政策不況であるということを一貫して主張してまいり、そのデータも出してまいりました。 そして、これに対して当時の宮澤総理も本会議場で、そのような事態があったということについてはそのとおりでございますと認められた経緯もございます。つまり、政策的な遅滞等があったという意味はそういうことでございます。 二つ目の国庫負担の問題につきましては、このような税収欠陥が相当の規模で出ているという状況の中で、年金審議会が国庫負担についても検討せよとはおっしゃっておりますが、恐らくその意味するところは、来年度国庫負担率の引き上げというものをやれという意味でおっしゃっているのではないのではないか。 しかし中長期的にはその問題を考えよと御指摘になっているわけでございまして、今の財政状況の中で、これはまあ政策判断の問題になりまして、国庫負担を引き上げるということがこれは国民生活、生活者の生活を守るために絶対に必要だと考える考え方ももちろん決してないわけではございませんが、来年度の状況の中で国庫負担率を引き上げるということはなかなか難しい状況にあるのではないか、先般来連合の皆さんからその御陳情を賜りましたときにも、そのような見通しを私なりに申し上げたという経緯はございます。
○木村(義)委員 まずこの国庫負担の点に関しましても、やはりこれ大蔵省で、先般大臣も御出席になった予算委員会でも、十年はとても変えられるという可能性はない、中長期的にも大蔵大臣が答弁をしておるわけでありまして、今の連立政権が国民の皆さんの人気取りばかりに走っている、そういうのは本当にこれは大きな問題である、これで政権が続くと思ったら間違いだ、私はそのように思えてなりません。 しかも、この現在の不況の原因を宮澤内閣の政策失敗に責任転嫁する、これも許しがたいことでありまして、もう政権がかわって数カ月が経過する、むしろ政権がかわったことによって大きく景気が下降しているわけでございます。 二番底になったのは七—九ですよ、四—六、七—九なんだから。七—九でもって恐らくもっとマイナス成長が厳しい状態になってくるし、これは特に本年度もマイナス成長になってくると思うわけでございまして、これは宮澤政権とか自由民主党の手おくれではなくて、連立政権のまとまりの悪さ、また先ほど言いましたように、選挙公約、人気取りの公約と実際の政策とが乖離をしている、ここが今回の不況をもたらしているもので、これはもう連立政権不況と言ってもいいくらいなわけでございます。 私はこの点十分反省をしていただきたい、これを御要望しまして、時間が来ましたので質問を終わらせていただきたいと思います。
○加藤委員長 土肥隆一君。
○土肥委員 私は厚生委員会にずっと所属いたしまして、福祉中心に仕事をさせていただいておりますが、身体障害者福祉法に身体障害者の補装具の交付、修理という事業がございます。総額百三十五億を超えるこの補装具の交付事業でございます。 その中でも特に人工肛門造設患者と申しまして、オストメードと英語で読みますけれども、この方々の補装具として、パウチと申しまして、おなかのところに直腸から直接便を取るあるいは膀胱患者であれば尿を取る袋をつけておられるわけであります。 この数が非常にふえているということと、それからもう一つは、そのすべての補装具の交付事業には費用徴収というのがついているわけでありますけれども、その部分でかなり高目の費用徴収をしているということで、何とかこのオストメード、つまり人工肛門造設患者さんの負担を軽くできないものかということで繰り返し質問をしているところでございます。 御承知のように、オストメードをつけていらっしゃる方は、その八五%が直腸がんの結果でございます。そして毎年約九千人がこの造設の手術を受けまして、そして毎年約五千人が死亡していらっしゃる。こういう極めて厳しい環境に置かれていらっしゃる、状況に置かれていらっしゃる皆さんでございます。そういう生命も危ういと思われるような方々が八万人から十万人いらっしゃるというのが今日の推定でございます。 その費用面を見ますと、この自己負担とそれから交付事業の負担、公費負担額を比較いたしますと、四一・八%というかなり高い負担をしていらっしゃるわけです。公費負担と自己負担の部分の割合でございます。ちなみに全部平均しますと一四・六%の費用徴収の平均率が出ておりまして、そういう意味では何とかこのオストメードの皆さんの負担を軽くするような方向でやらない限り、これは身体障害者の補装具というところに入れること自体に問題があるのではないかと思えるくらいの問題を感じております。 私、何回も質問いたしましたが、どうでしょうか、少しは進展してもらえるようなそのような方策は考えられているんでしょうか、御答弁をお願いいたします。
○土井政府委員 ストマ用装具の給付でございますけれども、お話がありましたとおり、月ごとに交付券を発行しまして、その交付券ごとに費用徴収を行っているという形でやっております。 この費用徴収についてでございますけれども、補装具の他の品目における費用徴収との均衡などを考えながら、御指摘の趣旨を踏まえて、引き続き検討してまいりたいと考えておるところでございます。
○土肥委員 引き続きという答弁でございますが、引き続きまた引き延ばされるという可能性もあるのかと、引き続きという局長答弁の意味が十分はかりかねるわけでございます。 どうでしょうか、例えば、諸外国の例を見ますと、スウェーデン、フランス、ドイツ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカなど、すべて無料であります。オーストラリアなどは、オストミー協会を通じて支給が行われる、このような状況でございまして、私は、ぜひともこの補装具交付の中で、二カ月、三カ月というふうな、まとめて取ることによる、まとめて支給することによる費用軽減を図るべきだと思います。 今、努めて前向きにとおっしゃる、その中身についてもう一度御説明いただけませんでしょう か。
○土井政府委員 ただいま外国における取り扱いのお話がございましたが、私どもも、いろいろ御指摘を受けて、外国の例も勉強しております。ただ、補装具の給付、あるいは更生医療の給付といったような身体障害者に対する諸施策の中におきまして、今お話しのストマ用装具の取り扱いの問題も、やはり費用徴収制度という形でその取り扱いをしていくというのが、全体の中の公平という観点からも必要であるという基本的な考えに立って考えておるところでございます。 先ほど、引き続き検討ということを申し上げましたが、ただいまの時点ではまだ検討を続けているという意味でございまして、他の補装具の費用徴収との均衡ということ、もよく見ていきながら、今後結論を出したいという趣旨でございます。
○土肥委員 そうおっしゃるだろうと思います。 そうすれば、私は、均衡論でいけばそういうことかな、しかし、均衡論では打ち破れないとするならば、これは新たな対応をしなければならない、このように思っております。 きょうはこれ以上ちょっと詰めることができない、二十五分しか質問時間がございませんので、引き続き検討というところで詰めさせていただき、もしこれで解決できなければ、厚生省の中でこの枠組みを根本的に変えてもらわなければならないのじゃないかというふうに思っております。 それでは、次に進ませていただきます。 ことしの予算にも出ておりますけれども、いよいよ戦没者追悼平和祈念館というのが九段会館の横に建設されることになりました。予算もつきまして、総経費百二十三億、うち、建設費百十億、事業費十三億、そして平成五年度の予算では二十一億円を執行したい、そういう希望を持っていらっしゃいます。 それで、その受け皿をだれがやるのか、受け皿はだれなのかということも問題になっているわけでございまして、厚生省援護局としても急いでいらっしゃるようでございます。 そこで、きょうはこの戦没者追悼平和祈念館について、皆さん、大臣及び関係局長の御意見を聞きたいと思います。 この戦没者追悼平和祈念館、これは仮称でございますけれども、この設立の経緯を少し歴史的に見ますと、当局から話してもらってもいいのですが、時間がかかりますから私が申し上げます。 昭和五十四年十二月に財団法人日本遺族会から戦没者遺児記念館(仮称)建設の要望が提出されました。厚生省は、これに調査費をつけまして検討委員会をつくります。そして、昭和五十九年十月に基本構想案なるものが提出されます。そして、昭和六十年七月に厚生大臣は、私的諮問機関である戦没者遺児記念館懇談会、座長は向坊隆さん、諮問機関を置きまして、六十二年十二月に中間報告を取りまとめます。 そして、六十三年から平成元年まで調査費もつけまして、平成二年十月、戦没者遺児記念館基本計画案というものが検討委員会から提出されます。八本委員会というふうに呼ばれております。これにも予算がついておりまして、そして平成五年、戦没者追悼平和祈念館の建設の認可をするわけであります。 この歴史に間違いありませんか。
○土井政府委員 お話がありましたとおりであると思います。
○土肥委員 戦没者追悼平和祈念館、これはあくまでも仮称でありますけれども、この名前を聞いたときに、名は体をあらわすといいますが、中身は何だろうかといろいろ書かれたものを読んでおりますけれども、やはり戦没者追悼平和祈念館という中にいろいろな意味合いがあるというふうに考えます。 これはすべて国の税金を使ってやる国立の、言ってみれば戦争記念館でございます。戦争博物館と言ったらよいでしょうか。国がつくるわけでありまして、したがいまして、国家が、国自体が一つくる戦争記念館、私はメモリーの方の記念を言っておりますけれども、それが本当の意味で、国際化の今日の状況の中でたえ得るものであって、諸外国の人がその記念館、当館を訪れても、なるほどと思われるような、そういうふうなしっかりとした建物に、あるいは記念館にしなければならない。どんな人にも、どんな批判にもだえ得るような、そういう高潔な思想で建てられなければならないというふうに考えるわけであります。 しかし、今やもう予算がつき、そして、その建築を始めなければならないという今日、大臣は、この戦没者追悼平和祈念館について今どういうお考えでおられるのか。新聞によりますと、大臣が一時期、もう一度再検討してみるというような御意見も承っておるわけでございまして、だれもが共感できるものにしたいと表明したということでございますが、今の大臣の基本認識は、この祈念館についてどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。
○大内国務大臣 この戦没者の追悼平和祈念館につきましてはさまざまな御意見があることを伺っております。したがいまして、できるだけ国民の総意に基づきましてこのような祈念館が建てられるべきであるというふうに考えておりまして、できるだけ多くの皆様の御意見を吸収したい、こういうことには変わりはありません。 この祈念館を建てるに当たりましての基本的な考え方としましては、戦後五十年近くを経過いたしまして、戦後生まれの世代が国民の過半数を占めるに至った。さきの大戦に関する記憶についてもだんだん風化をしてまいりました。 そうした中におきまして、本施設は、第一には、戦没者追悼の意をあらわす施設であるとともに、二つには、戦争に関する歴史的な事実というものを後世代に客観的に伝えることが必要である。そして、そのことを通じまして第三には、国民の平和を希求する心を内外に伝えようとするものである、また、そうあるべきであると考えております。 したがいまして、本施設につきましては、以上のような性格のものとして、その公正かつ中立的な運営が図られるように十分な配慮をしてまいりたいと考えておる次第でございまして、その面で何か御注意があれば、どうぞ聞かせていただきたいと思っておる次第でございます。
○土肥委員 大臣に聞きます。戦没者というのはだれでしょうか。
○土井政府委員 八月十五日に戦没者追悼式を行っておりますけれども、それと同じ内容で戦没者ということを考えているところでございます。
○土肥委員 それじゃ、数は何人ですか。
○土井政府委員 三百十万人と理解をいたしております。
○土肥委員 そうすると、これは日本人戦没者、その人たちの追悼をする祈念館だ、こういうふうに理解していいでしょうか。
○土井政府委員 戦没者の範囲につきましては、今お話しのとおり、日本人または当時日本人であった者、日本国籍であった者というものが三百十万人というふうに理解をいたしております。ただ、この施設の趣旨は、先ほど大臣が申し上げました三つの趣旨のもとにこの施設をつくるという考え方で取り組んでいるところでございます。
○土肥委員 さてそれじゃ、この内容については、本当は一時間も二時間もかけてやらなきゃいけないことかもしれませんけれども、私は、きょうは限られた枠組みたけ質問させていただきます。 この計画、九段会館の横に建てる。これは中間報告によりますと、総額百二十三億、運営費毎年度十三億、そういうふうに考えていいんでしょうか。
○土井政府委員 私どもの方で考えております事業規模でございますけれども、総経費百二十三億でございます。そのうち、建設費が百十億、それから事業費十三億というふうに考えております。
○土肥委員 それには、どうですか、中身の展示だとか特殊な設備などは入っているんでしょうか、百二十二億には。
○土井政府委員 ただいまの十三億の中に入っております。
○土肥委員 それは事業費ですよね。事業費が毎年大体十三億円と考えていいんでしょうかね。どうでしょう。
○土井政府委員 説明が不十分で大変失礼いたしましたが、建設費は、建物の建設費でございます。十二億というのは、いろいろな展示その他の事業を行うための経費ということでございます。したがいまして、この百二十三億というのは、全体としての総事業費という意味でございまして、完成した後の運営費については、これとは別でございます。
○土肥委員 それはどれぐらいの額なんでしょうか。
○土井政府委員 その運営経費については、まだ具体的には決まっておりません。
○土肥委員 どういうふうな運営をするのか、それに対して運営経費がどれくらいかかるのかということもまだ決まっていないということでございますが、この戦没者追悼平和祈念館を委託業務にしたい、委託先は財団法人日本遺族会にしたいというふうに聞いております。これは間違いございませんか。
○土井政府委員 この施設の運営についてでございますけれども、その効率的弾力的運営ができますように、財団法人を含む民間法人に委託することが適当であるという考えのもとに検討をいたしました。 そして、この施設が、御案内のとおり、設置要望が日本遺族会から出されまして、この施設の検討に長く参加をし、その趣旨を御理解いただいているという点、さらにまた、建設用地の確保の面でも多大な協力をいただいている、そのような経緯がございます。 それからまた、日本遺族会は、戦没者遺族の代表的な団体でありますし、本施設が必要としている資料についても会員遺族から収集が可能であるといったようなことから、この施設の委託先といたしまして日本遺族会を予定しているところでございます。
○土肥委員 先ほどの向坊懇談会が出しました中間報告によりますと、「行政改革推進の折から、国や特殊法人にこだわらず、国民各界各層から幅広い参加と本施設の弾力的運営の観点から財団法人を含む民間法人が行うことが適当と考える」、これを読みますと、広く受け入れ主体を探しなさいということにも聞こえますし、「国や特殊法人にこだわらずこというときは、もう国はやらないんだ、国の手を離れて、そして最後の方では、「財団法人を含む民間法人」、初めから日本遺族会に要望書が出た段階からもう決めておられたんじゃないですか。どうですか、幅広く検討なさったんでしょうか。
○土井政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、この施設の設置経緯、それから用地の協力等をよく考えまして、日本遺族会に運営を委託する予定であるということを申し上げた次第でございます。
○土肥委員 そうすると、特殊法人あるいは第三者、新しい法人をつくるというようなことは検討なさったんでしょうか。
○土井政府委員 昨年の暮れに予算案としてこの事業を政府の内部で決めていただきましたが、その時点におきまして、日本遺族会に運営を委託するという予定で事業を組ませていただいたということでございます。 それまでの間には、先生おっしゃるようないろいろな選択肢は十分あったと思いますけれども、先ほど来申し上げているような経緯を踏まえまして、日本遺族会に運営を委託する予定ということで取り組んだ次第でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
○土肥委員 この計画が前政権の間でつくり上げられ、そして、新しい政権ができた、そして、もう既に遺族会が、これを受け皿として、委託先として厚生省もその意思表示をして、遺族会もその受け入れ態勢に入っている、こういうふうに理解いたします。 日本遺族会の目的は、英霊の顕彰並びに戦没者遺族の福祉の増進云々、事業は、英霊の顕彰に関する事業云々と極めてはっきりとした意思表示をしていらっしゃる、一つの歴史観を持っていらっしゃる。そして、今話にも出ましたように、平成五年十月一日には遺族会の名前で細川総理の侵略戦争の発言に対する抗議声明が出た。 つまり、前政権で企画されたものを今政権である細川さんの名前でこの平和祈念館をつくっていく、そしてその責任は今政権、今の細川政権に全部あるわけでありまして、そういうことを申し上げることについて、この遺族会が財団法人としてどういうお考えを持とうとそれは構わないんです、しかし、その遺族会がいわば一〇〇%国立のこの祈念館を運営する主体になるというときに、それはやはり私は危惧の念を持たざるを得ない。 そういう中から、どうでしょうかこの日本遺族会に対して何か客観的に国が、国がですよ、公正中立な運営を行わせる担保の手段はあるんでしょうか。
○土井政府委員 この施設は国が設置するものでございまして、一つには、厚生省において有識者から成る委員会を開催をいたしまして、幅広くこの施設の運営につき意見を伺うことにいたしたいと考えております。 それから二つ目には、ただいま御質問の点でございますけれども、遺族会と国との契約の中におきまして、この施設の公正かつ中立的な運営を確保すること、これを明記したいと思っております。また、運営委託先に第三者による運営委員会を設置をいたしまして、その意見を聞きながら運営することを義務づけいたしたいと考えております。 なお、その際、運営委員会の委員の選任につきましても、公正中立な人選が行われますように十分配慮してまいりたいと考えているところでございます。
○土肥委員 今二つの委員会、そして委託契約関係で押さえるとおっしゃいました。 私は、なお希望をつけ加えさせていただきますと、館長はだれにするのかそして、特にその中で、展示などの学芸員といいましょうか博物館で言えば学芸員ですけれども、必ずそこには学芸員あるいは担当者の歴史解釈や解説が伴うというのがこの種の記念館、博物館の特徴でございます。 そのことを考えると、やはりよほど厚生省としてもあるいは国としてもきっちりとした対応をしていただかないと、別に遺族会がどうこう言うのではございません、かなり思想的なあるいは歴史解釈を伴う重要な建造物、施設であるゆえに、しかもそれが国立の建物であるゆえに、慎重の上には慎重を期して、一年に一回ぐらいの報告なども求めたいというふうに思っております。 最後に、今のやりとりを聞いて大臣の答弁をお願いいたします。
○大内国務大臣 この運営についていろいろな御懸念があるようでございますが、先ほど申し上げましたように、いろいろな手だてを講じまして、公正かつ中立的な運営ができるように十分配慮して、御懸念のないように運営してまいりたいと考えております。
○土肥委員 終わります。
○加藤委員長 吉田公一君。
○吉田(公)委員 大内大臣の所信表明要旨の中に、厚生省としての今年度の事業計画を初めこれからの日本の福祉づくりについてそれぞれ計画が入ってございまして、高齢者福祉推進十カ年計画あるいは障害者対策に関する新長期計画が入っておりましたが、これらの財源については大臣としてはどう確保してこれからいかれるかお伺いをしたい、こう思っております。
○大内国務大臣 御案内のとおり、財源の確保に つきましては、これからの税制改革による国の税収というような問題に深くかかわっているわけであります。 今、直間比率の見直しという問題が論議されておりますように、私どもの一定の見通しといたしましては、直接税を財源としてこれからも過大な評価をするということはなかなか難しい、そういう意味でやはり間接税に対する比重というものがだんだんかかってくるのではないかというふうに見ております。 これまでのいわゆる福祉ビジョンにおきましては、午前中も申し上げましたように、定性的な政策のある程度の方向というものは示されてきたのでございますが、肝心のその政策を進める定量的な、つまり財源等の問題についてはほとんどネグレクトされてまいりまして、わずかに仮定計算といったようなものが出てくるだけでございました。 したがって、その財源問題の考え方がはっきり出ないと社会保障の全体像は決まってこない、こういう観点から高齢社会の福祉ビジョンの懇談会というものを設置いたしまして、明年の三月ぐらいまでをめどに使途の財源問題について答えを出していただきたい、こう申し上げておりまして、その検討結果を待ちたい。また、恐らく平岩委員会等におきましてもそういう問題が出てくると思いますので、それらを十分参考にさせていただきたいと思っているわけであります。
○吉田(公)委員 当然、福祉を増進、前進をさせていくためには財源の確保が必要でございますし、財源の伸びと福祉の増進とは当然比例してくるわけであります。 大臣の今御答弁にございましたように、直間比率の見直しあるいは福祉政策を推進していくための税制改正等によって財源を獲得するという御趣旨でございますが、それは今後の課題といたしまして、福祉の増進をしていくためにはどうしても財源が必要ということになれば、大蔵省と折衝するわけであります。つまり、日本の福祉政策は、極端をことを言えば大蔵省のさじかげん一つ。財源の配分はこれしかできませんよと言われれば、厚生省として最も大事な事業も予算編成のときにカットされてしまう。 そういう例がたくさんあるわけでありまして、特に大臣の所信表明演説にもありましたように、「保健、医療、福祉の充実を図る」ということが、大蔵省の予算折衝で国のこの大きな問題をカットされていいのかとか、そういうことも含めまして、大臣として今後大蔵省との折衝なりあるいは御自分の御提案で財源を確保していく、そういうことはいかがでございましょう。
○大内国務大臣 来年度の予算編成におきましても五%というシーリングがかかっておりまして、この中で厚生省としても目いっぱいの予算要求を出しているわけであります。したがいまして、例えばゴールドプランのような重要政策につきましては、そのシーリングの五%にもかかわりませず、実際には概算要求では一二・三%の概算要求を出しているわけでございます。 したがいまして、厚生省予算の中でもめり張りをつけまして、これはどうしても拡大強化しなければならぬという問題につきましては、そこに予算の重点を置きまして、これを何とか大蔵省に承認していただくように努力をしているさなかでございまして、決して予算の折衝というのは十二月の段階だけで行われるべきものではなくて、日ごろからそのことについて大蔵省についても理解を賜り、また、内閣としての姿勢というものをはっぎりする意味でも、その問題について総理の理解を求めるように日夜努力を続けているところでございます。 〔委員長退席、網岡委員長代理着席〕
○吉田(公)委員 厚生行政というのは、国民全般にかかわる、しかも、弱者という立場の方々を救済するという意味も含めているわけでありますから、厚生省だけの問題ではなくて、つまり私から申し上げれば、政府全体の問題だ、そう思っているわけであります。 したがって、厚生省の問題は厚生大臣だ、大蔵省の方は機械的に五%だ、概算要求でカットだ、こういうやり方については福祉国家のやり方ではありませんで、このことについても大臣から大蔵省に対して厳しく、福祉国家という大きな我が国の進むべき道をやっていくわけでありますから、予算獲得につきましては大臣の御努力をぜひお願いをしたい、そう思っている次第でございます。 我が国の福祉については、よくスウェーデン、北欧三国を見習え、三十年我が国よりも福祉が進んでいるではないかということを私どもよく言われてまいりました。 しかし、スウェーデンの福祉国家が行き詰まりを感じておりまして、最終的には高福祉高負担になってしまったというところがスウェーデンの福祉の行き詰まりでありますが、最終的には国民の税金で高福祉を維持している。したがって、個人所得の五〇%も六〇%も福祉予算に回さなければならない。したがって、高福祉高負担の福祉国家というものは先行きがどんどんどんどん続いていくわけじゃありませんで、限界が来たと。 我が国の場合はまだ高福祉高負担までは行っていません。しかしこの辺で、我が国の福祉政策というものを、ただ限りなく無料に近づけるということが福祉ではありませんで、高福祉高負担にしていくのかあるいは低福祉低負担でいいのか、その中庸をとって、そこまで極端に言うことはありませんけれども、中福祉中負担程度にとどめておくのか、その三つのうちどれかを選択しなければならないわけであります。 大臣として、我が国の福祉国家を建設するについて、今三つ申し上げましたけれども、どこを目標にして今後の社会福祉国家の建設に当たっていくのか、御所見があれば伺いたい、そう思っている次第であります。
○大内国務大臣 スウェーデンを初めとする北欧三国の福祉国家づくり、社会保障については学ぶべき点がたくさんございまして、私どももかって随分研究をしたのでございますが、今委員御指摘のとおり、実際には高福祉高負担ということになりまして、これが国民の勤労意欲を減殺しただけではなくて、社会経済の活力についてもいろいろな悪影響を与えることになったことは御存じのとおりでございます。 他方、アメリカにおきましては、そうした公的支援という問題よりか、自助努力を中心にして社会保障というものを維持し発展させていこう、こういう考え方に立っております中で、日本は今示された三つのうちでどの道を歩むかということになれば、その折衷的なあり方、つまり、国民の基本的なニーズにかかわることについては大体公的支援によってこれを解決し、国民の多様なニーズに係る分野については民間の活力を活用する。 そういう意味で、いわゆる北欧型ではなく、またアメリカ型ではなく、ドイツが実際にやり、また日本もある程度その方向を歩んでまいりましたが、適正な給付、適正な負担、その適性なというところを那辺に考えるかということについては、これは、これからの経済成長がどのぐらいの速度で伸びるであろうか、あるいはこれからの社会保障の財政需要がどのぐらいふえてくるであろうか、それらの点を国民の皆様に示して、国民がどういう社会保障というものを実際に求めるのか、これによって、その負担の中身、つまり現世代とそれを受ける側の負担のあり方等も決定されてくる。 分類の仕方がいいかどうかわかりませんが、先生が三つに分類された中では、三番目といいますか、適正負担適正福祉というようなところを求めていきたい、こう考えております。
○吉田(公)委員 先ほど保育園の問題が出ました。大臣の所信表明の要旨にも、保育に関する総合的な対策を検討してまいるということでございますが、一つの例を申し上げますと、保育行政にいたしましても、老人福祉行政にいたしましても、これは国だけでできる問題ではありませんで、地方自治団体がかなり財政負担をいたしてい るわけでございます。 大臣も私と同じ東京都内の出身でございますけれども、例えば大臣のお住まいでございます大田区と練馬区は大体人口が同じぐらいでございます。一つの例ですけれども、公立の保育園が五十九、人口六十二万で五十九、私立は十三、そして在園の児童が六千七百二十一人、練馬区の職員になっております保母さんの数が千四百六十六人。そして、それぞれ国の負担、都の負担、地元の区の負担、これは市政もそうだろうと思うのですが、そうなっているわけでございます。 問題は、運営費についてかなり地元が負担をせざるを得ない。そして超過負担、用地は国が出してくれませんから、建物、運営費、そういうものについて、それぞれ措置費等についてはかなり地元の地方自治団体が超過負担をしている。こういうことも福祉政策を進める上においてよく考慮に入れていただきませんと、何かやる、そうすると地方自治体が自動的に負担をしなければならぬ、こういう問題が起こってくる。 例えば、特別養護老人ホームは、用地費は国が負担をしてくれません。建物の二分の一を負担する。東京都がその四分の一、地元の区がその四分の一。それで建物をつくって運営していくわけでありますが、そういうときに、国は二分の一の負担をしますよ、こう言っていながら、建築費に仮に百万かかったとする、そうすると国は五十万しか見ない、それの二分の一だから実際は二十五万しか見ていない。 こういうことが地方自治団体で、これは厚生行政だけじゃなくて他の行政でも、地元負担というのは教育行政でもあるわけでありますが、厚生行政を進めていく上で、できるだけこういう超過負担というものを地方自治体に押しつけないように、できるだけ国の方針でやっていただきたい、そう思うのです。これについて御答弁ございますでしょうか。
○大内国務大臣 御指摘のように福祉関係は、だんだん地方自治体、なかんずく市町村に移管されていく過程におきまして、地方の財源の裏づけなしに、地方が中央の一つの政策を遂行するためには相当の負担が強いられるという状況にあることは御指摘のとおりでございます。 したがいまして、先生御指摘のような諸点については改善をしていかなければならないのでございますが、基本的には、今話題になっております地方分権という考え方に立ちますと、やはり国民生活に密着している福祉等の行政はできるだけ地域社会でこれをこなしていただく。しかしそのかわりに、その地方分権を促進していくような地方財源の確保という問題が根本的に解決されませんと、今の先生の御指摘は基本的に解決されないのではないか。 当面の制度の中で、例えば地方の負担をもっと軽減せよということを仮に言ったといたしましても、なかなか難しい面がございますので、これは、地方の自主財源の確保を今後どうするかという問題に深くかかわっている問題だと考えております。
○吉田(公)委員 高齢化社会を迎えて、特別養護老人ホームというのが各市町村、区市町村で建設をされているわけですが、そのことについても非常に超過負担が強いられている。 まことに簡単な計算でありますが、用地費を含めて建設費を含めますと、お年寄り一人を特別養護老人ホームへ入れますのに約一億円かかる、その特別養護老人ホームにお年寄りが仮に約十年在籍をしたとして約一億円かかる、こう試算が出ております。お年寄りを特別養護老人ホームに入れるのに合計約二億の予算が必要だ、こういうことになりますと、もうこれは地方自治団体や国の財政の枠を超えてしまうわけであります、これから高齢化社会へ向けて。 そこで、施設福祉というのを今後改めていかなければならない、できるだけ在宅福祉にしなければならない。保育もそうです、高齢者問題もそうなんです。つまり、そういうふうにしていかないと全部の国の予算を使ってもまだ足りない、こういう事態になるわけでありますから、施設福祉、何でも施設をつくってそこへ入ってもらうということは、これからの日本の財政からいっても地方自治財政からいっても不可能でありますから、その辺を今後どう検討されていくかぜひお答えをいただきたい、そう思うのです。
○横尾政府委員 ゴールドプランの特色の一つは、従来の福祉政策の流れを超えまして、御指摘のような在宅福祉を強力に推し進めるという計画を持っていることでございます。 在宅福祉は、例えば特別養護老人ホームのような入所型の施設に比べますと歴史が浅いために、定着の度合いとしてはまだ十分なところへ行っておりませんが、私どもの心づもり、具体的な政策目標としてはおっしゃいましたような方向で取り組むつもりでございます。
○吉田(公)委員 次に、住民訴訟制度、これは地方自治法でありますから、本来なら自治省の所管でございますが、現実に一つ起きた問題がございますので、この委員会で御答弁いただきたいと思うのです。 インフルエンザの予防接種をした、そうしたら住民団体から接種についての賠償を求めるということで住民訴訟が起きた。これは具体的には練馬区でありますが、区長が訴えられたわけであります。 しかし、職務執行に当たった職員個人を被告とする地方自治法第二百四十二条の二の第一項というもので請求されたわけでありますが、この場合には、そのインフルエンザは勝ったのです、勝訴した。勝訴したのだけれども、要するに個人が弁護士費用を払わなきゃいけなくなった。 つまり、国の機関委任事務で都知事から区長がやって、それで区長が訴えられて自分で弁護士費用を払わなくちゃならない。これがその地方自治法になっているわけです。 もともと地方自治法というのは、戦前はありませんで、戦後アメリカ占領軍によって、中央集権を排除する、地方自治体制を強化するということで、その趣旨に沿って地方自治法というのは昭和二十二年にたしかできたと思うのでありますが、その地方自治法ができたときにこの住民訴訟というアメリカ式の住民訴訟制度が地方自治法の中に組み入れられた。 しかし、区長として機関委任事務でやったのだから、個人として訴えられても困るわけでありますね。インフルエンザを個人でやれといったってできっこない。だから、区長としてやったのだから、裁判で負けたのならともかく、勝った以上は、法廷でやるわけですから当然弁護士費用というのはかかるわけで、それは公費で払うべきじゃないかということがこの趣旨でございます。 その辺は厚生省としては、インフルエンザという具体的な例で申し上げましたが、見解はどうでございますか。それと自治省に対する今後の働きかけについてどう考えておられるかあわせて伺いたいと思っております。
○谷政府委員 ただいま御指摘のいわゆる住民訴訟、これは今お触れになりましたように、地方自治法第二百四十二条の二第一項第四号に基づくものでございます。 この訴訟の性格は、住民が地方公共団体、この場合には練馬区でございますけれども、それにかわってその職員に損害賠償を請求するというものでございますので、したがいまして、その訴えられた職員の弁護士費用等の費用につきましては、既に判例も出ておりまして、地方公共団体はその費用を支出できないということになっているわけでございます。 したがいまして、この事案についてもこの取り扱いに従ったものだというふうに私どもは理解をしております。 そもそもこの訴訟のきっかけになった事例は予防接種にかかわるものではございますけれども、この訴訟そのものは、先ほど申しましたいわゆる住民訴訟ということでございますので、国の立場でこれを支払うというようなことはあり得ないというふうに考えております。 なお、この問題の所管そのものは先生もお触れになりましたように自治省でございますので、こういったようなお話があったということについては、私ども自治省の方には伝えさせていただきたいと思います。 〔網岡委員長代理退席、委員長着席〕
○吉田(公)委員 被告職員が勝訴の確定判決を得た場合には、右職員の行為が適法であったということを司法機関で認めたわけでありますから、その職員が弁護士費用等を個人負担することは適当ではないということは明らかだ、こう思っているわけです。 したがって、このインフルエンザ予防接種の仕組みについて、どうやれば区へ来るのか教えてもらいたいと思うのです。
○谷政府委員 インフルエンザあるいはインフルエンザを含みます予防接種につきましては、現在予防接種法に基づくいわゆる機関委任事務という取り扱いになっているわけでございます。 今先生の方から提起をされておりますこの訴訟そのものは、先ほど来お話のありますような地方自治法に基づくいわゆる住民訴訟ということでありまして、その住民訴訟のきっかけになったものがインフルエンザの予防接種であったということでありますので、あくまでもこの住民訴訟という形の中でこの問題は考えていかなきゃいけないのではないかというふうに私どもは考えております。
○吉田(公)委員 現行法で解釈をすれば、今おっしゃったとおりですね。しかし、このインフルエンザというのは練馬の区長が発案をして練馬区民だけにやらせた問題ではなくて、恐らく全国的に、国の機関委任事務ですから全国的に予防接種をした、こう思うのですよ。 したがって、国がインフルエンザの予防接種をしなさい、拒否はできないんだからやらざるを得ない。そうすると、最終的には国の責任じゃないかと思うのですよ。現行の法律ではそうですよ。だけれども、道義的には国の責任じゃないですかね、区長が発案したわけでもないのですから。 国の機関委任事務として、その機関委任の事務そのものは拒否はできないというのだから、やらざるを得ない。そうしたら、代理でやった区長が訴えられて、そして勝ったけれども、弁護士費用は住民訴訟制度に基づいてあなた払いなさい、こう言われているわけですから、現行法の解釈でいけば区長が払う、やむを得ない、しかし道義的にはこれは厚生省の責任だ、私はそう思っていますが、どうですか。
○谷政府委員 インフルエンザについては、確かに先ほど来申しておりますように予防接種法に基づく機関委任事務でございますが、この訴訟そのものは、先ほどから申しておりますような住民訴訟であり、またこの内容につきましては、予防接種の実施に係る医師会への委託費が高かったか否かという、練馬区の予防接種を行うに際してのそういったような問題を契機として起きたものでございますので、この地方自治法二百四十二条の住民訴訟の問題につきましては、機関委任事務であるかどうかということを問わずに、こういう問題として整理をされているということでございますので、先ほど来申し上げているような解釈をせざるを得ないということでございます。
○吉田(公)委員 また自治省の方でやらせていただきますが、これをもちまして質問を終わります。 ありがとうございました。
○加藤委員長 桝屋敬悟君。
○桝屋委員 それでは、質問させていただきます。新人でもございます。時間に制約もございますので、簡潔かつ明確な御答弁をお願いしたいと思います。 最初、一点目でございます。高齢者対策における医療、保健、福祉の連携という点でございます。現在、来るべき二十一世紀に向かって各般の施策の拡充が行われております。今後の高齢者対策はあらゆる分野を動員する総合戦略が必要である、このように感じております。特に当面します高齢者、寝たきり老人等の高齢者の切実なニーズというものを考えますと、医療、保健、福祉の各分野の総合的、一体的な取り組みが強く求められているところでございます。 私は、ゴールドプラン等に沿いまして施策が拡充すればするほど、現在地域においては、縦割り行政の弊害の中で、この三者の連携をする上でためらいでありますとか、もっとひどいところは混乱、こういう状況がある姿を見るにつけ、高齢者対策の基本を明確にしていく、そういう法整備の必要も感じているわけでございます。 そこで、大臣にお伺いしたいと思います。 今後の高齢者対策を進めるに当たりまして、医療、保健、福祉の連携をいかに確保されようとされるのか、基本方針をお伺いしたいと思います。
○大内国務大臣 御指摘の三つの問題は、それぞれ独立している問題ではなくて、深くかかわり合っている問題だと思っております。 したがいまして、これは各省庁にまたがる場合もございまして、やはりこうした社会保障の根幹にかかわる問題は、内閣全体の責任としてこの問題を処理する、そしてその中で厚生省の役割は非常に大きいわけでございますから、それらが総合的、立体的に推進されるようにその先導役を果たしてまいりたいと考えております。
○桝屋委員 時間もございませんので余り申し上げませんが、大臣、ぜひお願いをしたいのは、まずは厚生省の内部におきましてこの保健、医療、福祉の連携を、しっかり取り組んでいただきたいという点でございます。 本当に保健と福祉、このサービスを拡充しようと思えば、健全な医療のバックアップなくしてはできない、このように思うわけでございまして、今後の検討にぜひその点を十分踏まえていただきたいというふうにお願いをしたいと思います。 したがいまして、その医療の問題でございますが、民間病院の経営の健全化という点でございます。午前中もお話が出ましたけれども、厚生省には去る九月、病院経営緊急状況調査の結果を公表していただきました。その結果、六割近くの病院で経営悪化している、こういう実態が浮き彫りになっているわけでございます。この調査は我が党の市川質問、これを受けて実施していただいたというふうに認識をいたしております。 この結果を踏まえ、厚生省内に医療機関経営健全化対策検討委員会が発足されたというふうに伺っております。この検討委員会におきまして、具体的にどのような検討項目が挙げられているのか、明らかにしていただきたいわけでございます。 またさらに、最近の話でございますが、民間病院が経営の安定を図るために事業協同組合を全国規模で結成しよう、こういう動きもあるやに聞いております。こうした動きにつきまして、厚生省としてどのような認識をお持ちなのか、あわせてお伺いしたいと思います。
○寺松政府委員 先ほどの先生の御質問の一つでございますけれども、医療機関経営健全化対策検討委員会の具体的な項目という御質問がございました。それからお答えを申し上げたいと思います。 この私どもの検討会におきまして、緊急調査をやりましたそのデータに基づきまして、その結果について検討するということにいたしておるわけでございますが、有識者等から成ります委員会を設置いたしまして、そしてその中で検討していただこうと思っておりますのは、一つは資金調達を含めます収入、支出対策、それから二番目といたしまして公的な助成、それから三番目といたしまして経営管理方策というものにつきまして検討をお願いしようということでございます。 現在まで二回御検討いただいたわけでございまして、これからそれぞれの項目につきまして審議が進んでいくものと考えております。 もう一つ御質問ございました。全国的に病院経 営に関連いたしまして事業協同組合結成の動きがある、こういうようなお話でございますが、私ども厚生省につきましては、幾つかの中小企業の協同組合を認可いたしておりまして、各種の共同事業が行われているところでございます。 現在医療機関経営健全化対策検討委員会におきまして、経営健全化対策の一つの方向といたしまして検討いたしておるところでございます。基本的には、御承知のように中小企業対策という限界がございます。その辺を含めまして、経営努力の一つのあり方として考えておられるようでございます。いずれにいたしましても、検討委員会の検討結果を待って対処してまいりたい、このように考えております。 今先生の御指摘の全国的な動きがあるというふうには私ども承知しておりませんで、個々のことにつきましては若干お話もあるようでございますけれども、この問題につきましては、今の段階ではコメントは差し控えたいと存じます。
○桝屋委員 検討委員会で検討を進められるということでございます。検討の状況を見守ってまいりたいと思います。先ほどの事業協同組合、このお話につきましても、民間病院の経営の安定化という点では大いに検討課題であろう、このように思っておりますので、引き続き御検討をお願いしたいと思います。 二点目でございますが、診療報酬における地域差についてでございます。 大都市における病院経営の悪化の原因というものは、いわゆる人件費とそれから地価による地域差ではないか、こういう指摘がございます。御承知のように、国家公務員の給与あるいは社会福祉施設の施設職員、いわゆる措置費体系の中における職員給与の評価というものについては、都市部と地方とで人件費による格差がございます。何ゆえ医療の分野において格差がないのかという点でございます。 中医協の診療報酬基本問題小委員会でも、医療費の地域差については論議されているというように聞いておりますが、今回の診療報酬の改定に当たりまして、当然この人件費の地域差ということについて検討していく必要があるのではないか、このように思うわけでございます。この点についてお伺いしたいと思います。
○多田政府委員 診療報酬におきまして、過去において地域差というものを考えて採用されたという時期もあったわけでございますけれども、これにつきましては、医療機関に大都市集中という傾向が促進されてはいかぬのではないかというような御議論もありまして、昭和三十八年に全国一本ということの点数に統一をされているという流れになっているわけでございます。 しかし、御指摘のように、最近の都市部における人件費、物件費、それぞれコストは非常に上がっておるというようなこともまた一方で指摘をされているわけでございます。 中長期的な観点から論点整理をしようという目的で先般取りまとめられました中医協の診療報酬基本問題小委員会の報告におきましては、「明らかに差のある施設整備のコストなどについて、一律点数設定の際の考え方を十分踏まえつつ、地域差に対応する方途を検討していくことが必要である。」というふうに指摘をされておるわけでございます。 人件費につきましては、一方で看護婦の人件費だけに着目すると全く大都市の方が高い、逆に医師の人件費ということになりますと実態的にはむしろ地方の方に高い現象も見られるというような、いろいろな現象もございます。これら全体をどういうふうにとらえて診療報酬上の配慮ということにすればいいのかというようなことにも、いろいろ検討しなければならない問題もございます。 いずれにしても、この基本問題小委員会の報告でも問題として指摘されておりますので、十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○桝屋委員 小委員会の検討課題にも挙がっているようでございますので、ぜひお願いをしたいと思います。 最後に、民間病院の経営の健全化ということで大臣にお伺いしたいわけでございますが、今回の調査結果を踏まえた上で、民間病院の経営健全化についてどのような御決意を持って今後取り組まれるのか、お伺いしたいと思います。
○大内国務大臣 いろいろな今報告が上がってきておりますが、御指摘のように医療機関の三割近くが非常に経営が困難な状況にあるという状況でございます。特に病院の約八割を占めます民間病院を含む医療機関の経営の健全化、安定化というものは非常に大事なものでございまして、今御案内のように検討委員会でその結論を得ようとしているところでございます。 そして、その経営の健全化を図るためには、その阻害要因となっております人件費の高騰、材料費の高騰それから薬価差といったような問題が実は医療機関の経営を大きく圧迫しているという状況が見られますので、今後の全体の診療報酬のあり方にも深くかかわっておりますので、この検討委員会の結論も見きわめながら、来年度の診療報酬のあり方という問題と絡めて、抜本的な対策を講じたいと考えております。
○桝屋委員 医療機関、病院経営の問題につきましては、我が党としても今後とも関心を持ってまいりたいと思います。よろしくお願いをいたします。 次に、エイズ対策でございます。 まず、基本的な認識として、我が国のHIV感染は未曾有の薬害事件の側面を持っている、このことであろうと思います。その上で今切実な問題は、血友病患者に対する告知のおくれからその配偶者及び子供が感染してしまったという事例が出ていることでございます。いわゆる二次感染者に対しまして政府は今なお何らの手当てもしていないわけでございまして、悲惨な生活を強いられているわけでございます。 この惨状から一刻も早く政府は救済をすべき責務がある、このように考えるわけでございます。二次感染者に対し、政府は今後どのような救済措置をとるおつもりか、お伺いをしたいと思います。
○大内国務大臣 今御指摘の二次感染者の方々、これは大変お気の毒な状況であると考えておりまして、特に二次感染者のうちエイズを発症された方々につきましては、御案内のように、HIV救済事業におきまして血友病患者と同様に特別の手当が支給されていることは御承知のとおりでございます。 また、平成六年度予算におきまして、エイズ発症前で免疫能力が低下している二次感染者につきましても、発症予防のための健康管理費用といったようなものを支給するよう、今概算要求という形で大蔵省に要求をしているわけでございまして、それらの点が入れられますれば、発病者以外の方々に対しても健康の維持管理という面で相当の救済措置が講じられるものと考えておる次第でございます。
○桝屋委員 六年度予算概算要求の中に二次感染者救済措置が盛り込まれているということでございます。我が党としても、ぜひこの部分については強く支援をしてまいりたいと思います。 あわせてのお尋ねになるわけでございますが、健康管理手当のみならず二次感染者の医療費の負担ということもあるわけでございまして、この負担もぜひなくしてあげるべきではないか、このように考えます。 また、先ほどお話がございましたけれども、現在我が国において実施されている血友病患者、発病者の救済制度でございますが、いわゆる発病基準が厳しいために感染者の多くが特別手当の支給対象とされていない、こういう実態があろうかと思います。 発病後、特別手当を支給されてから平均十二・三カ月しか生きられない、こういう人たちでございます。せめてCD4リンパ球が五百を切った場合には特別手当の半分でもいいから支給をする等の改善について、政府としてもぜひ検討すべきで はないか、このように思うわけでございます。 以上二点、お伺いしたいと思います。
○田中(健)政府委員 血友病患者の方々に対しましては、現在、これは自己負担分でございますが、医療費の公費負担を行っているところでございます。 この血友病患者に対します医療費でございますけれども、これは、血友病が先天性の重篤な疾病でございまして、健康上の特別の状態にあることから、HIVに感染しているか否かを問わず血友病という疾病に着目して医療費の公費負担を行っているものでございます。 一方、今お話にございました二次感染者の医療費でございますけれども、この公費負担につきましては、二次感染者もそれから一般のHIVの感染者もHIVに感染しているという点では同様でございまして、一般のHIVの感染者との均衡がございまして、医療費を支給するというのは難しいところでございます。 それから、感染者あるいは発病者の基準のお尋ねでございますけれども、HIVの救済事業の特別手当は、これは、エイズの発症者は日常生活に支障があるということに着目をいたしまして、医薬品の副作用被害救済制度の障害年金に準じまして特別手当を支給いたしておるというものでございます。 一方、エイズを発症していない感染者の多くは、日常生活に支障があるような特別な症状が見られないという状態でございますので、特別手当を支給することは困難な状態でございます。 それから、T4リンパ球、CD4が五百以下になって免疫機能が低下している感染者につきましては、発症予防が非常に重要でございまして、今年度からこれらの方々につきましては発症予防のための健康管理費用、月額三万三千円を支給いたしたところでございます。
○桝屋委員 時間もないのでエイズの問題はこれくらいにしますが、冒頭申し上げましたように、一般のHIV感染者と血友病患者、この違いというものを我が党としてはやはり訴えてまいりたい、このように思います。 時間もございません。最後の質問にさせていただきたいと思いますが、これは大臣にお伺いしたいと思います。 高校在学中の各種年金、児童扶養手当の給付期間の問題でございます。 従前から指摘されているとおりでございまして、満十八歳に達すると支給が打ち切られるという問題でございます。全国津々浦々、この声が聞こえてまいりまして、平等の保障という観点、さらには生活者重視の立場から、満十八歳に達した日を含む年度末まで延長する、ぜひともこういう法改正を行うべきである、このように考えますが、いかがでございましょうか。
○大内国務大臣 御指摘の、十八歳までとなっている問題でございますが、先般の年金審議会の意見書におきましては、子の加算の年齢につきましては、遺族等に対するきめ細かな対応を図るために、加算の対象となる子の年齢などについて所要の改善を図れ、こういう御指摘がなされていることは御案内のとおりであります。 したがいまして、厚生省といたしましても、この意見書を踏まえまして、次期年金制度の改正に向けまして、国民の皆さんから御要望の強い事項についてきめ細かな対応を検討していくことが必要だと考えておりまして、御指摘の問題については予算での対応の必要もございますが、御質問の趣旨を十分踏まえましてこれから前向きに検討したい、こう考えておる次第でございます。
○桝屋委員 年金審の意見書にもあるようでございます。その方向で、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。 以上、質問を終わりますが、最後に、我が公明党、連立政権をしっかり支えて、数多くの難問を抱えております厚生行政、真剣に取り組みをしてまいりたい、このように決意を申し上げて質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○加藤委員長 山本孝史君。
○山本(孝)委員 山本孝史でございます。さきがけ日本新党を代表して、質問をさせていただきます。 私が今手にしております「おとうちゃんをかえせ」と題しました作文集でございますけれども、これは私が大学三年生のときに、大阪で交通遺児を励ます会という会をつくりまして、仲間と一緒に一軒すっ交通遺児家庭を訪問して、そのお母さん方あるいは交通遺児の子供たちに作文を書いていただいた、それを小冊子にまとめたものでございます。 以来、この二十五年間、私、財団法人交通遺児育英会の職員として、あるいは事務局長として、あしながおじさんと呼ばれるたくさんの御支援者と一緒に交通遺児の進学を援助してまいりました。おかげさまで、これまでに四万人の交通遺児を高校、大学に進学をさせることができました。 あわせて、救済運動の取り組みをする中で、先ほど公明党の桝屋先生からも御質問がございましたけれども、その間にお会いした多くのお母さん方あるいは子供さんたちが声をそろえておっしゃることが、子供が十八歳になった途端に遺族年金が打ち切りになってしまう。 例えば四月生まれの子供を持っていますと、高校三年生になった四月にもう打ち切りになってしまって、残り、来年の高校卒業、三月まで十一カ月間年金の支給を受けずに子供を高校を卒業させなければいけない、この間教育費も生活費も大変なんで、何とかならぬだろうか、何とかしていただけませんでしょうかと、お母さん方に何回となく言われるわけでございます。 この問題につきましては、先ほども厚生大臣お触れになりましたように、この十月に出されました年金審議会で、国民年金、厚生年金等の制度改革について、加算の対象となる子の年齢などについて所要の改善を図るべきであるという答申がなされたわけでございます。 申し上げましたように、遺児家庭が大変に強く要望しております問題でございます。また、この国会でも何度となく取り上げられてまいりまして、私が厚生委員会の調査室の方からいただきました資料でも、五十三年の十月の十九日に社会労働委員会で社会党の大原先生がこの質問をされておられる。五十二年ですからもう十五年間ずっと実はこの子供の十八歳の年齢問題については、各党、皆さんから御質問が国会の中で、委員会でなされている、あるいは質問主意書が出されたり、法律案をつくろうというような運動があったわけでございます。 大臣もお触れになりましたように、今回の年金審議会の答申は、ようやく改善に向けての一歩が踏み出されたのか、この十五年間の遺児家庭の気持ちが、ようやく冷たいと言われていた政治にも届き始めたのかというふうに受けとめられているわけでございます。 死別の母子家庭だけではなくて、生別の母子家庭を対象にします児童扶養手当という制度がございますけれども、こちらの方も同様の改善の要望がこれまで何度となくなされておりますが、これまでの議事録を見せていただきましても、年金の制度を改めない限り対応はできないという、常に同じような厚生省の答弁が見受けられるわけでございます。 その意味でも今回の年金審議会の意見書に盛り込まれた子供の加算年齢要件の問題というのは大変に大きな意味合いを持っておりまして、次回の年金制度の改正が五年先ということになりますと、また五年間母子家庭が待たされてしまうということになるわけでございます。 全国に母子家庭、今八十五万世帯というふうに言われておりますけれども、この八十五万世帯の母子家庭のお母さん方が安心して子育てに打ち込めて、そして、子供たちが安心して無事に高校を卒業できるように、途中で年金が打ち切られたがために高校を退学してしまうということのないように、ぜひ十八歳になった翌年の三月末まで支給をするように制度の改善をしていただきたい、こ のように思うわけでございます。 先ほど大臣の答弁があったわけでございますが、少し細部にわたってお伺いをさせていただきたいと思います。 夫に突然死なれてしまった母親が子供を一人あるいは二人抱えて生活をしている、育てている場合に、その子供が十八歳になったとしますと、現行の遺族基礎年金は最大で年額幾ら減額されてしまうのか、まずその数字を教えていただきたいと思います。
○山口(剛)政府委員 先生御指摘のような改善をした場合と現行制度で、御指摘の母親が一人のお子さんを抱えておられるケースと二人のお子さんを抱えているケースでどれくらい差が出てくるかということでございますが、これは、御指摘がございましたように、お子さんの生年月日で、四月生まれのお子さんと三月生まれのお子さんとの間で最大十一カ月の差が生じます。 お子さん一人のケースにつきましては、お子さんが十八歳に達しますと遺族基礎年金そのものが失権をしてしまうということでございますので、これは影響が大きくて、十一カ月分で八十七万六百五十円。それから、お子様一人が十八歳に到達することによって加算の対象から外れるといったケースにつきましては、お子さんの加給の十一カ月分で十九万四千七百八十八円の差が出てくるということでございます。
○山本(孝)委員 そうしますと、子供を一人育てていて、その子が十八歳になったとしますと、その翌月から、毎月七万九千円ぐらい、約八万円ぐらいの年金の支給が突如なくなってしまうわけですね。高校三年生の四月に、来年三月末卒業させなければいけないのに、毎月八万円余りの年金がどんと減ってしまう、ゼロになってしまう、これは遺児家庭にとっては大変に大きなショックのような形で受けとめられているわけです。 今回の年金審議会の意見を受けて、厚生省としてはどのような対応をお考えになっておられるのか、児童扶養手当の方も含めて、それぞれお答えをいただきたいと思います。
○山口(剛)政府委員 先ほど大臣からもお答えを申し上げましたように、年金審議会におきましても御議論がございまして、検討課題として指摘をされております。私どもといたしましては、次の年金制度改正でぜひこの問題についても解決の方向で努力したいと思っております。 ただ、大臣から申し上げましたように、この問題は予算にかかわる問題もございます。それから、先生御指摘のように、他の手当、制度等にも関連をいたしますので、御指摘の点、十分踏まえまして検討をさせていただきたいと思っております。
○山本(孝)委員 児童扶養手当の方はいかがでございますか。
○瀬田政府委員 児童扶養手当につきましては、先生御指摘いただきましたように、離婚による母子世帯等に対しまして、その所得の低下による経済的な困難に着目して支給されるものでございまして、現在十八歳未満としている子の支給年齢の延長問題につきましては、他の公的な年金制度等とのバランスをとりながら検討をしていくということになっております。 したがいまして、ただいま年金局長からも御説明ございましたが、遺族基礎年金の取り扱いにつきましては、年金審議会の意見書を踏まえて現在検討が進められているということでございますので、児童扶養手当の年齢延長の問題につきましても、この年金制度の改正と歩調を合わせて対応すべく検討してまいりたいというふうに考えております。
○山本(孝)委員 今の御答弁ですと、年金の方が改正されれば児童扶養手当も後を追って改正されるというか、同時に改正をされるというふうに理解をしてよろしゅうございますね。
○瀬田政府委員 そのように措置したいと考えております。
○山本(孝)委員 お伺いしておる範囲でですと、児童扶養手当は本年度予算では二千百億円出しておられる、この制度改正によって百十億円、約五%ふえるというふうにお聞きしておりますけれども、年金の方は、改正をしますと幾らくらい新たな負担がふえるのでしょうか。
○山口(剛)政府委員 年金におきましては、御指摘のような改善をいたしますと、満年度ベースでございますが、給付費で百七十億、国庫負担で約四十億と見込んでおります。
○山本(孝)委員 国庫負担で四十億の増加ということですけれども、資料を見ますと、基礎年金での国庫負担額、本年度三兆六千億ですから、それに比べれば四十億というのは大変に少ない金額のように思います。もちろん、保険料の負担もありますので国民の皆さんの御理解も必要なこととは思いますけれども、ぜひ改正に向かって取り組みをしていただきたいと重ねてお願いをするところです。 厚生大臣には先ほど御答弁をいただいたところですが、実は、交通遺児たちが私たちと一緒になって開催をしております遺児と母親の全国大会に、厚生大臣、かつて二回御出席をいただきました。遺児家庭の皆さんの声を直接に聞いていただいて、会場で大変に温かいお言葉をいただいたことをはっきりと私も記憶しております。 重ねての質問で恐縮でございますけれども、ぜひ母子家庭への大臣のお気持ち、この問題に関する大臣の御所見をもう一度お聞かせをいただきたいと存じます。
○大内国務大臣 交通遺児家庭の問題、御指摘のとおりでございますが、ちょうど来年は年金の再計算のときでございますので、年金制度そのものの抜本改定をやることになります。したがって、今の十八歳の問題もちょうどいいチャンスを迎えている。加えて、年金審議会におきまして所要の改善を行えという非常に力強い御指示もいただいているわけでございますから、来年何とかしてこの問題の解決を図り、先生御指摘の御要望にこたえる努力をしたい、この決意でおります。
○山本(孝)委員 どうぞよろしくお願いをいたします。 少ない時間ですので、次の質問に移らせていただきますが、今の日本のまちづくりというのが、障害者や高齢者など弱い立場の人々にとって大変につらい町になっている、そんなふうに思います。先進諸外国に比較して、この日本のまちづくりにはどのような問題や課題があるというふうに厚生省としては御認識をいただいておりますでしょうか、お願いいたします。
○土井政府委員 我が国における公共的建築物でありますとか道路、駅などにつきましては、出入り口に段差がある、あるいは階段が多くてエスカレーターが設置されていないといったような状況がございまして、障害者やお年寄りの方々の移動に大きなハンディキャップを与えているというふうに認識しております。 これは、諸外国といろいろな条件が違うものですから直接比較することはどうかと思いますけれども、障害者の団体などからもその改善の要望が出ておりまして、私どももできるだけこういう問題を改善するために最大の努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○山本(孝)委員 私の選挙区でございます大阪府には、中川府知事の御尽力によりまして、福祉のまちづくり条例という条例がございます。障害者や高齢者の住みやすいまちづくりに大変大きな力が注がれております。これは全国初めての条例なんだそうでございますけれども、厚生省はこの条例についてどんなふうにお受けとめでいらっしゃいますか。
○土井政府委員 大阪府が昨年暮れに制定をしました福祉のまちづくり条例でございますけれども、私どももその内容についていろいろお話を伺っております。この条例はまちづくりに関する先駆的な取り組みというふうに私どもとしても高く評価をしているところでございます。
○山本(孝)委員 そこでお伺いなんですが、全国の自治体にも同様の条例を設けていただきたいというふうに思うのですけれども、厚生省では何か 施策を持って指導等を行っていくようなお考えはございますでしょうか。
○土井政府委員 障害者や高齢者が住みなれた地域で安心して生活をし、社会参加ができる、そういう環境をつくるということは大変重要な課題でございますけれども、ただいまお話しの、条例でございますので、これは各地方公共団体において制定すべき、あるいは判断すべき性格のものと考えております。 私どもとしてはできるだけの支援をしてまいるという考え方はございますけれども、条例化自体の指導はいかがなものかというふうに考えているところでございます。
○山本(孝)委員 今いろいろなことをお考えになっておられるというふうにお伺いしておりますけれども、平成六年度の予算の中にあります障害者や高齢者に配慮したまちづくり推進事業というものについては、厚生省はどんなふうなお考えでお取り組みでいらっしゃいますか。
○土井政府委員 従来から私どもで講じてきております事業を飛躍的に拡大したいということで、新年度の予算要求の中に今お話しの点を盛り込んでおります。ぜひとも実現したいと思っておりますので、御支援のほどを賜りたいと存じます。
○山本(孝)委員 どうぞ頑張ってやっていただきたいと思うのですが、きょうは実は、この後心身障害者対策基本法の一部改正についてというのがこの場で諮られることになっております。 この法律にうたわれています障害者の自立と社会への完全参加というものを進めていくためにも、国で何かそういった福祉のまちづくり条例が、条例をつくれと言えぬのならば、国がそういう法律をつくればいいじゃないかというふうに思うわけですけれども、きょうのこの障害者基本法のことも含めて、今後省として何か御検討していただけるのでしょうか。その辺のお考えをお聞かせください。
○土井政府委員 本日、議員立法で心身障害者対策基本法の改正案が御審議されるというふうに伺っております。その中におきまして、公共的施設の利用に関して国、地方公共団体が講ずべき施策、あるいは民間事業者に対する努力義務規定といったようなものも盛り込まれていると伺っているところでございまして、私ども大変ありがたいと思っている次第でございます。 ただ、それとは別に新たな法律をつくるかどうかという点については、現時点ではまだ検討すべき課題が多いのではないかと思っているところでございます。
○山本(孝)委員 わかりました。 時間が来てしまいましたので質問を終わりにさせていただきますが、どうぞ私が申し上げました母子家庭のお気持ちを、生活者に顔を向けたといいますか、弱い立場の人々にぜひ御配慮いただいた政治をつくっていくためにも御尽力をいただきたいと存じます。 ありがとうございました。
○加藤委員長 笹木竜三君。
○笹木委員 民社党・新党クラブの笹木竜三です。すべて大臣に御質問したいと思います。 まず第一点なんですけれども、大臣は先般福祉ビジョン策定のために私的な懇談会を設置するという方針を表明され、既に第一回の会合も開かれております。あらゆる分野での受益と負担に関して今国民的な合意をつくっていくことが非常に重要になっている、そういった面からも福祉ビジョンの策定は非常に重要かと思っております。この懇談会の設置の目的について、いま一度御説明をいただきたいと思います。
○大内国務大臣 去る十月十四日にこの高齢社会の福祉ビジョンの懇談会を発足させました。宮崎氏を座長にいたしまして、来年の三月ぐらいまでに結論を得たいと考えております。 その理由というのは、これまでもある程度福祉ビジョンといったようなものがつくられてまいりましたけれども、それは定性的な政策のアウトラインが示された。定量的な面、特に財源対策等についてはほとんど触れられていなかった。しかし、これから超高齢化社会を迎えまして、医療、年金、福祉と各面で大変社会保障費用がふえてくる。なかんずく、福祉の費用というものが今までの比率でいいかという問題も出てまいっております。 したがって、今後のこれらの社会保障の全体像というものを、この際、定性的な面だけではなくて、財源といったようなものも含めながら定量的な面でもその方向性を示すということが国民に対する行政府、政府の責任であろう、こう思いまして、今まで御研究いただいた成果の上にさらに積み上げまして、もっと総合的、立体的な福祉ビジョンというものを国民の皆さんに提示し、御理解、御批判を賜りたい、こういう意味で発足させた次第でございます。
○笹木委員 今後の審議について、議論について、平成元年に策定されているゴールドプラン、これについてはいろいろな成果も出ていると思うのですけれども、足りないところあるいはフォローアップすべきところ、いろいろあると思うのです。ぜひそういったことについても成果を踏まえて議論いただければと思うわけですけれども、ゴールドプランに従って、それに沿って、幾つか御意見をいただきたいと思います。 第一点は、マンパワーの確保について。例えば在宅福祉推進十か年事業において、ホームヘルパーを十万人にする、こういったマンパワーについての人数は示されているわけですけれども、その質の向上、養成ですとか研修、あるいは福祉のマンパワーに対する社会的な評価の向上、そういったことについて、ゴールドプランの今までの成果をどういうふうに認識されておられるか、御意見をいただきたいと思います。
○大内国務大臣 御指摘のように、ゴールドプランにおきましては、十年間で六兆円の予算を投入いたしまして、特に介護問題を重視しながら、ホームヘルパーを十万人確保したいとかいろいろな数字を掲げておるわけでございます。 特に、これから看護職員やホームヘルパーなどの社会福祉事業従事者の確保を促進するということは非常に重要なことでございまして、そのための看護婦等の人材確保の促進に関する法律、あるいは社会福祉事業法及び社会福祉施設職員退職手当共済法の一部を改正する法律といったようなものがつい先ごろ整備されたことは御存じのとおりでございます。 この法律改正によりまして、看護婦や介護福祉士の資質の向上のために、実習指導者の養成講習会の実施等を推進しているところでございまして、単にマンパワーの数だけを確保するという問題にとどまらず、今後とも、その資質の向上という問題に対しましても鋭意努力を傾注してまいりたい。質のいい、そして一定の量を確実に確保ずみ、それがマンパワーの課題だと考えております。
○笹木委員 もう一つ、今お聞きしたことで、社会的な評価の向上、これは今後の福祉のマンパワーの確保にとって非常に重要だと思っているわけですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○大内国務大臣 御意見のとおりでございます。
○笹木委員 それともう一つ、このマンパワーの確保に関しても、常にボランティアということが出てくるわけです。ゴールドプランでも、在宅介護相談協力員、地域ボランティアとして八万人の確保ということが出ております。 私自身も、この二年間、事務所のスタッフの者と一緒に、例えば入浴に対する協力、朗読のボランティアあるいはイベントでのお手伝い、そういったことを通じて福祉施設でのボランティアを、回数は少ないですけれどもやっているわけです。そういった体験を通して常々感じるのは、ボランティアに対してはよほどきめ細かな対応がないと、結果的に非常に社会的な労働の損失になるのではないか、そういうふうに思っております。 極端な例で考えますと、例えばお医者さん、あるいは理髪師の方、そういった方がボランティア で福祉施設に行く。それで、そこで用意されているボランティアに対する仕事が、イベントの手伝いあるいは入浴の手伝い、そういったものでしかなかったりする。 年金のことを考えましても、社会保障のことを考えましても、すべて社会的な労働、我々はいろいろな労働をしているわけですけれども、すべて社会的な労働の蓄積として、国の富がそういった年金についても、社会保障についても支えているわけであります。 ですから、そういったいろいろな得意分野、能力のある方がいざボランティアにかかわろうと思った場合に、きめの細かさが足りないとかえって損失になる。お医者さんがボランティアに行って入浴の手伝いだけをやって、疲れて次の日の勤務で非常に能率が悪くなる、こういったことが出てきますと、何のためのボランティアか、そういったことになる。 ですから、よほどきめの細かい対応、具体的に言いますと、ボランティアを受け入れて、その仕事の割り振りあるいはいろいろなメニューを多くすること、それをコーディネートする方、指導する方という意味で、逆に受け入れスタッフの充実、これも非常に重要かと思っております。 あるいは、ボランティアの中でも、単に趣味ですとか生きがい、そういったレベルで参加される方と、とことん継続的にやって資格も取ろうというような方、いろいろおられる。それに対する受け入れ態勢あるいは研修とか資格も取っていただく、そういった体制、メニューをたくさんにしていく、そういったことがないと、ボランティアというのは言葉だけ美しくて非常にむだをやっていく、そういう結果にもつながりかねない、そう思っております。 そういうことについての、例えばゴールドプランに対する総括、今後の課題といったことについても、私的な御意見で結構です、ぜひ御意見をいただければと思います。
○大内国務大臣 これから高齢化社会のみならず少子社会に入っていく中で、ボランティア活動というものの重要性は非常に大きいだけではなくて、多種多様のボランティアというものが要請されてくると考えております。したがって、委員御指摘のように、ボランティア活動というものを有効に機能させるためには、その受け入れ側においても相当きめの細かいいろいろな対応が必要であるということはもう御指摘のとおりでございます。 したがいまして、厚生省といたしましては、本年の四月に福祉活動参加指針、つまりボランティア活動に参加するに当たってはどういう指針というものが踏まえられなければならないかということを告示いたしましたし、また七月には、中央社会福祉審議会から「ボランティア活動の中長期的な振興方策について」、非常にきめの細かいいろいろな対策を示していただきました。 要は、それらの指針あるいは振興方策、対策というものを着実に実践に移すということでございますので、厚生省といたしましても、そういう線に沿いまして、ボランティア活動のきめの細かい振興のために一層努力をしたい、こう考えておる次第でございます。 具体的には、ボランティア活動推進会議による全国民的な啓発活動というものが必要でございましょうし、また、ボランティアセンターの事業の推進を図るほか、地域福祉基金の積極的な活用などを通じまして、さまざまなボランティア活動を推進してまいりたいと考えておる次第でございます。
○笹木委員 最後にもう一つ、ゴールドプランの中で「ねたきり老人ゼロ作戦」、寝たきりは予防できるということで、リハビリの普及ですとか、住環境あるいは健康の指導、そういったことが挙げられております用地域で活動しておりましても、よく高齢者の方から、デンマークとかでは非常にリハビリとか地域での介護、病院での介護の体制が充実していて寝たきりが少ない、そんなことを地域の住民からも言われます。 こういったことに対する、「ねたきり老人ゼロ作戦」に対して、今後の課題あるいは今までの成果等をお願いいたします。
○大内国務大臣 御指摘の点は全くそのとおりでございまして、特に寝たきり老人の増大あるいは痴呆性老人の増大というものは相当の数で増大してまいります。したがって、御指摘の趣旨に沿いまして、この面においても万全の体制をとってまいりたいと考えております。
○笹木委員 以上はゴールドプランの中で特に関心があるものについてお伺いしたわけですけれども、それ以外で、特にそのことには限らずに、ゴールドプランに限らなくて結構なんですが、懇談会で今後特に、先ほどの財源の問題、定量的な問題、そういうこと以外で、重点的に議論していこうとされている内容ですとか、その内容について、提案について、行政の中でどういうふうに生かしていかれるおつもりなのか、可能な範囲で結構ですから、お話しいただけたらと思います。
○大内国務大臣 発足いたしました高齢社会福祉ビジョン懇談会、これは社会保障全体でございますので、相当たくさんの項目について御検討を要請しております。 しかし、それは厚生省の分野にとどまらず、住宅問題であるとか教育問題であるとか、あるいは労働行政の分野についても総合的、立体的に施策の確立が必要であるという観点から、その分野についても御提言をお願いしているところでございまして、まさに厚生行政の域を超えた政府全体の福祉ビジョンという形で今御検討をお願いしている次第でございます。
○笹木委員 次の質問で、エンゼルプランについて、特に児童環境基金の目指すものと、それともう一つ、特別保育対策、時間延長型保育サービス事業の拡充方針についてお伺いしたいと思います。
○大内国務大臣 具体的な問題でございますので、政府委員から細かいことをお答えさせたいと思います。
○瀬田政府委員 次代を担う子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくりというものは、二十一世紀に向けて我が国が生活先進国を目指す上で、高齢化対策と並びまして重要な政策課題だというふうに考えております。 私たちといたしましては、平成六年度にこのための第一段階として、エンゼルプランプレリュードと銘打った総合的な児童家庭対策を考えておりまして、まず保育時間の延長または乳幼児保育の一層の普及、また、きめ細かな保育サービスの提供といったことを考えております。また、民間の子育て支援サービスの充実を図るための児童環境基金の創設といったことを考えておりまして、これらをあわせまして、総合的な児童家庭対策の推進に取り組んでいきたいというふうに考えております。 エンゼルプランというのは、これをさらに発展させて、できましたならば政府全体で取り組む総合的な対策として位置づけられればと考えておりまして、現在検討を進めているところでございます。
○笹木委員 三つ目の質問ですけれども、障害者対策に対する新長期計画についてです。新しい長期計画で厚生省の障害者対策の基本方針についてもう一度お話しいただきたいのと、特に障害者や高齢者に配慮したまちづくりを推進するために、まちづくりに関する総合計画、これは他省庁と連携してもということですけれども、できればその具体的な進め方についてお伺いしたいと思います。 特にお伺いしたいのは、障害者に対しても高齢者に対しても、理解するとか共感するとか、その前提はまず実態を知ること、日常的にも見聞きすることができること、これが非常に大事だと思うわけです。できれば町の中心部で高齢者の施設あるいは障害者の施設、一階などは例えば一般の方も出入りするようなレストラン、そういうようなものであってもいいと思うわけですけれども、そういった計画の可能性についても言及いただけれ ばと思います。 こういったことをお話ししますと、常に役所関係の方からは予算がないからという答えがあるわけですけれども、自治体関係、厚生省関係の関連の施設で町の中心部に位置しているものはたくさんございます。そういったことも踏まえてお答えいただけたらと思います。
○大内国務大臣 先日も実は徳島におきまして障害者のスポーツの祭典が行われまして、それにつけまして、身体障害者、障害者に対するいろいろなまちづくりの問題等についても議論をしたのでございますが、今一番必要なのは、在宅福祉サービスの充実という問題が障害者対策にとっては非常に重要になってきております。 以前は、何か施設をつくって、そこに行っていただくというような政策が主になっておりましたが、これからは普通の方と同じように、一般の社会の中で在宅しながら福祉サービスが受けられる、こういう状態をつくり出すことが非常に大事でございます。 もう一つは、今御指摘のようなまちづくりという観点から、地域の中で障害者にとって利用しやすい施設というものを一層整備するということが非常に大事になってきているわけでございます。したがいまして、お尋ねのまちづくりにつきましては、高齢化の進展あるいは障害者の社会参加の機会が増大する中にありまして、障害者や高齢者が住みなれた地域社会で生きがいを持って安心して暮らすことができるような全般的な生活環境の整備というものが国、自治体の協力のもとに進められ、これによってノーマライゼーションの推進というものを実現してまいりたいと思っている次第でございます。 厚生省といたしましては、今、住みよい福祉のまちづくり事業といったようなものを各種考えておりまして、今後ともそれらの事業を推進していくわけでございますが、特に厚生省だけではなくて、建設省、運輸省といったような関係各省との間に緊密な連携をとりまして、縦割り行政ではなくて、そうした横の連携の中でまちづくりの推進を図ってまいりたいと考えております。
○笹木委員 どうもありがとうございました。 本当に今は厚生行政にとっては大事な時期だと思っております。我々も頑張りますので、ぜひ頑張ってください。ありがとうございます。
○加藤委員長 岩佐恵美さん。
○岩佐委員 きょうは大臣所信に対する質問でございますけれども、まず医療費の自己負担の問題についてお伺いをしたいと思います。 今、医療保険審議会で病院給食の自己負担が検討されているということですけれども、厚生省としてどのような方向で進めるということなのか、伺いたいと思います。 医療保険審の保険部会長であり、厚生省の事務次官を務められた幸田正孝氏はことし八月のセミナーで、国の財政は差し迫っており当局には金がないと言う、そこで健保法を改正して給食については国民にある程度負担してもらおうという方向で出ている、基準給食は現在千八百九十円で材料費がその三分の一程度なので平均で六百六十九円である、どの部分を給付外として制度改正できるかと、給食の材料費分の有料化の必要を述べているわけですけれども、どうでしょうか。この点いかがでしょうか。
○大内国務大臣 新聞等で御指摘のようなことを読んでおります。しかし、この入院給食の保険給付除外や自己負担増といったような問題につきましては、今、医療保険審議会で審議の途中でございまして、まだ結論は出ていないわけでございます。 したがいまして、その答申等をこれから十分吟味いたしまして、厚生省としてはこの問題については慎重に考えていきたい、こう考えております。
○岩佐委員 栄養士さん、看護婦さんたちは、成人病の治療には食事指導が最も大切だとか、病気の回復、自然治癒力というのはあくまで食事が源、また薬物だけで回復が望めないことは患者本人がよく知っています、それは食べることによって体力がつくからですと、病院給食が治療の一環であることを強調されています。厚生省も、病院給食は治療の一環として位置づけていると思いますけれども、その点いかがでしょうか。
○多田政府委員 治療の一環と言ったり医療の一環と言ったりいろいろな言葉を使われておりますけれども、基本的に、病院給食というものは入院医療に不可欠な重要な要素になっているということについては、全く異論のないところでございます。
○岩佐委員 在宅患者とのバランスということで、治療の一環である給食を保険で見ない、こういう議論が今あるわけですけれども、もし仮にこういう議論をとるとすると、治療行為の保険で見る範囲を縮小することになりますし、治療そのものを否定することになります。入院中の治療を切り捨てるということになってしまい、診療報酬から病院給食を外すということは医療から外すということになると思いますけれども、まずこの点いかがでしょうか。
○多田政府委員 病院が給食を提供しないということになればこれは大変なことでございます。ただ、給食の経費についてどういう分担関係をとるかということについては、これはいろいろ別途の検討が行われているというのが今の議論の焦点だろうと思います。
○岩佐委員 現場の栄養士さんは、在宅で安定期に入っている食事療法と入院中とは精度管理が違う、病院の食事はたくさんの栄養士と専門の調理士が力を合わせてつくっているものであり、食べるということでは同じであっても、かかわっている人員や技術は全く家の食事と違うと言っております。まさに今、給食は治療の一環です。しかもそれを有料化するということは、患者さんにとって、お金がかかるから入院できないという状態をつくり出すことになります。 ここに幾つか私どもの手元に患者さんの直接の声が届いております。 この方は月四万円から五万円の国民年金ですが、国民年金のみで生活している者にとって、入院費が上がる、給食が実費、これは材料費だけが実費ということになると、先ほどの計算から、もし一日七百円であれば二万一千円、八百円という数字も出ていますから二万四千円、それだけの負担になるということは、病気になっても入院ができなくなってしまう、お金のない人は入院するなということか。 あるいは、入院費だけでも大変、その他入院すると雑費が大変なのに、この上給食費も自己負担とは老後が心配、これは別の、五十代で入院の方です。それから、お金持ちと貧乏人を差別するのか。あるいは、病気になってもお金が心配で病院にかかれない。また、医療費がどんどん上がっていく、税金も高い、生活が苦しくなるばかり、こういう実情を訴えておられます。 これでは、病状の違いを無視して、経済力で患者を振り分け、貧乏人は入院するなということになりかねません。 病院給食の有料化、これは病状によって医者が必要と判断する入院医療を否定することにつながります。患者にとっては、平等にいつでもどこでも安心して受けられる医療体制、これが崩されてしまうことになり、生存権を奪われる重大なことだと思います。国の医療費の負担を減らすために入院中の治療の自己負担を拡大する、このことは、国の責任で支えてきた社会保障を根底から覆すことになると思います。 病院給食の有料化、これは社会保障の根幹にかかわる重大な問題だと思います。わずか三千億から四千億の材料費を浮かすために社会保障の根幹にかかわる大改悪、これは決してやってはならない、そういうふうに思いますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○大内国務大臣 病気療養の中で栄養管理という問題は、御指摘のように非常に大事な問題だと思います。また、どのような低所得者、収入の少ない人においても良質な医療というものが提供され るということも大事なことであるというふうに考えておりまして、先ほど局長が申し上げましたように、その給食について、質、量の低下を引き起こすような体制はもちろん我々としても排除をしていかなければならぬと思っているわけでございます。 ただ、給食等につきましては、国民の間に多様なニーズが起こってきていることも事実でございまして、画一的な給食だけでは容認できないという声も上がっているわけでございますので、それらも踏まえまして、今、審議会の方でいろいろな角度から検討されていることは先ほど申し上げたとおりでございます。 したがって、私どもといたしましては、それらの審議会の結論が出るのを一応待ちまして、その上に立って慎重にこの問題を取り決めたい、こう思っております。
○岩佐委員 国民の医療に対するニーズの多様化というお話がございましたけれども、五年前に導入しました一品追加による有料の特別注文食、これを実施している病院が、全国一万病院の中でわずか十六です。昨年実施した特別材料食を使った選択メニューによる差額徴収、これを導入している病院も全国で大病院という実態にあります。この点について、厚生省としてどうとらえておられるでしょうか。
○多田政府委員 御指摘のように、特別注支給食、それから特別材料給食、いずれもそれほど普及は進んでいないということは事実でございます。制度の趣旨の周知徹底という点についても、まだ我々の努力不足もあろうと思いますし、医療機関側の体制のつくり方もなかなか一朝一夕にいかないというところもあろうかと思いますが、いずれにしても、次第に普及が進むのではないかというふうには思っております。
○岩佐委員 五年もたってこれだけの数字というのは、これは制度が間違っているということからくることは明らかだと思います。 この給食の有料化の問題について、結局医療費をだれが負担をするのか、こういうようなことから発生をしているのだと思いますけれども、国民医療費に占める国庫負担というのは、この十年で、八三年が三〇・六%ですから、九三年、二四・五%と大幅に低下をしてきています。 国の財政が大変だ、財源がない、そういうことであれこれ患者負担ということを考えているのだというふうに思います。しかし、国民の側からすれば、このようなことというのは到底納得がいかないことなのです。 今、政治改革が大きな問題になっておりますけれども、例えば大手ゼネコン、政治家への膨大な献金があります。この公共事業は四十兆円を超える、そういう膨大な公共事業です。その事業にかかわってたくさんの政治家がたくさんのお金をもらう、あるいはつい最近新聞に出ていましたけれども、大手ゼネコン幹部の人がそうしたいわゆるピンはねをしたお金で豪華な海外旅行をする、こういうことが行われています。このような問題を放置をして国民負担だけ求める、こういうことは決して国民が納得しないと思います。 先ほども指摘がありました。軍事費はどうなのか。アメリカに対して五千六百億円以上の、いわゆる思いやり予算を含めた膨大なお金もあります。ODAの問題もあります。そうした問題を本当に直視して、そして私たちの大事な社会保障、この制度の根幹にかかわる医療費の有料化は軽々にすべきではない、そういうふうに改めて思います。 その点について、大臣は先ほどからいろいろ審議会の意見を踏まえて判断をしていきたいというふうに言っておられましたけれども、ぜひ有料化をしない、そういう判断をしていただきますように私は強く要望をしたいと思います。もしあればどうぞ。
○大内国務大臣 この問題につきましては、各方面から多様な要請が来ております。したがって、審議会でもそれらを総合的に判断するために今鋭意審議をやられているわけでございまして、御指摘の要望については十分承っておきます。
○岩佐委員 次に、医療関連サービス基本問題検討会で給食等の外部委託について検討されているようですけれども、給食センター方式についてどう考えておられるのでしょうか。
○寺松政府委員 今、先生御質問の病院給食の外部委託ということにつきまして、センター化というお話でございますが、ちょっと経緯等も含めて御説明を申し上げたいと思います。 病院給食の委託については、平成四年十月の医療審議会の答申におきまして、そのあり方につきまして検討を行うこととされたわけでございます、これを受けまして、先生に御指摘いただきました医療関連サービス基本問題検討会というところにおきましてこれまで三回ばかり議論が行われました。 この議論の中で、一つは、まず関係の専門団体の方々あるいは関係業界の方々のヒアリングが行われました。いろいろ実情を把握されたわけでございますが、その中で御意見が出ましたのは、半調理済みの加工食品の利用が非常にふえておるということ、また調理員の確保が特に中小病院におきましては困難であるというようなお話、それからまた、病院外の調理については衛生の管理あるいは治療食への対応というような問題について課題があるというようなことが指摘されております。 先生のセンター化のお話でございますが、私ども、病院給食の外部委託につきましてセンター化ということを考えておるわけではございませんで、むしろその議論の中でいろいろ出ておることはございますが、すべてセンター化というようなお話ではございません。 そのようなことで、これからまだ議論を進めていかれることだと存じます。その検討の結果を踏まえまして私ども慎重に対応してまいりたい、このように考えております。
○岩佐委員 病院給食は、医学、栄養学に基づいた個別対応が必要なものです。私が伺ったある病院では、二百八十床の病院ですけれども、八十種類もの給食をつくっています。患者さんの症状に応じた、自己治癒力を引き出す、心の通った温かい食事を非常に努力してつくっておられます。もし、これを一カ所で幾つかの病院の分をまとめて大量につくる、そういう給食では対応できないことは明らかだと思います。 今、センター化は検討していないということでしたけれども、そういうことよりも、むしろ名実ともに治療の一環として病院給食がさらに大きな役割を果たせるように給食部門の位置づけを強化する、患者さんたちに密に触れ合うことができるような、そういう人的配置をする、そういう病院給食の現状をもっと改善すべきことがたくさんあると思います。この辺についていかがでしょうか。
○寺松政府委員 今、先生御指摘のように、病院給食の外部委託につきましてはいろいろな問題がございます。そこで私ども、専門家によります医療関連サービス基本問題検討会におきまして多角的に、総合的にいろいろ御検討いただいています。 したがいまして、私ども、そういう御専門家の方々の御意見も踏まえながら慎重に対応してまいりたいと思っておるわけでございます。
○岩佐委員 大臣にお伺いいたします。 お米の自由化、関税化、これに反対のお立場は今も変わらないかどうか、伺いたいと思います。
○大内国務大臣 ずっと変わっておりません。
○岩佐委員 実は今、病院給食現場でお米の確保が困難になり、キロ当たり百円から百二十円もの値上がりとなっています。これは二五%から三〇%以上の値上げとなっています。 きょう、農水省に来ていただいておりますが、こうしたお米の異常な暴騰の実態を把握しておられるでしょうか。
○梅津説明員 お答えいたします。 私どもは、病院給食用ということで特定して調査はいたしておりませんが、一般に、病院給食も 含めて業務用需要につきましては、一部に高い良質の米も使用しておりますけれども、概して比較的低価格のお米を購入しているケースが多いというふうに聞いております。 そうした中で、ことしは十月十五日現在の作柄が七五と非常に悪かったということもございます。それから、その出回りがおくれたということもございまして、病院給食用を含め業務用需要につきまして、地域によっては一時的な手当て難、あるいは価格の安いものから高いものへのシフトを余儀なくされているというようなことは聞いております。 こういった状況を踏まえまして、ことしはどうしても政府米から自主流通米の供給が主体となりますので、これはやむを得ない面もございますけれども、供給につきましては十一一二月期、これは対前年比八%増の供給を確保するということが一点。それから、先般の作柄の発表を踏まえまして、主食用についても必要な量を輸入するということを決めたわけでございます。さらに、米の価格につきましても便乗値上げを防止する等の監視をやっております。 こういったことを通じまして、病院給食を含めた業務用につきましても、米の安定供給に万全の努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○岩佐委員 このようなお米の値上がりというのは、病院がその分を負担するか、あるいは食事の質を落とすか、そういうことを迫られる重大な事態だと思います。厚生省としても、お米の確保と、そしてこういう負担に対してどうするのか。調査をされ、対応を真剣に考えるべきだと思いますけれども、この点大臣にお答えをいただければと思います。
○大内国務大臣 ことしが米の大変な不作ということで、政府としてもこの問題を重視いたしまして、米の自由化並びに例外なき関税化にはしたがって反対するという基本的方針を堅持しながらも、米不足による米の高騰というものを防ぐために若干の緊急輸入を図ろうとしていることは御存じのとおりでございます。 私どもとしては、かって四、五年前に韓国から輸入をしたという経緯もございますが、これは米の自由化や例外なき関税化の承認に結びつくものではなくて、それとは別個の緊急措置としてそれはやらなければならない、それを通じましてお米の高騰についても抑制するという方針を実践してまいりたい、こう思っております。
○岩佐委員 実態を調査して具体的に把握をされ、対応していただくという点についてはいかがでしょうか。
○大内国務大臣 実はお米の、例えば米作地帯における米の不足とかあるいは大都市消費地における米の消費者価格の上昇といったようなものにつきまして、閣議でも相当真剣な論議をいたしております。 したがって、そういう問題をなくするためには、お米が不足するんだというような心理的な影響を与えることを一刻も早くこれは解消しなきゃならぬ。お米の供給については不自由をかけませんということの心証を消費者に与えることが重要であるというふうに考えておりますので、そういう観点から緊急輸入という問題も考えているわけでございます。
○岩佐委員 大臣、緊急輸入もいいのですけれども、今申し上げているのは、個別具体の、病院給食の対応について厚生省としてどうされるのでしょうかということで伺っているわけです。何か対応される部門が現在のところないというふうにちょっとヒアリングの段階では伺ったものですから、ぜひこの面についてはきちんと対応していただきたいというふうに思うのですが。
○大内国務大臣 御指摘のような点が部分的に発生していることも聞いておりますが、そういう事態が起こらないように、厚生省としては万全の体制を今講じつつございます。
○岩佐委員 それで、お米の輸入の問題です。輸入検査についてお伺いをしたいと思います。 厚生省は、輸入米について事前にサンプルを送らせて、それを検査して、また輸入時にも検査をする、そういうことですけれども、私の調べたところでは、例えばタイの場合で見ると、稲作で使用される可能性のある農業は三十五種類あります。そのうち日本で基準があるのは十三種類。二十二種類は日本では残留基準は決められていません。 また、アメリカの場合、これも農業使用の実態について厚生省は今のところつかんでいないということですけれども、消費者団体の調査によりますと、残留農薬基準五十二種類、そしてそのうち国内基準は七種類しかないということです。うちポストハーベスト農業は十三種類です。それから、きょう農水省からもらいました資料によりますと、三十五種類アメリカでは農業を使っている、こういうようなことで、数字が合わないという問題もございます。 それから、アメリカの場合には、日本の基準では米から一切検出されてはならないパラチオン、人畜に対して毒性が非常に強いものですけれども、この残留基準が一ppmと決められています。稲作にこれが大量に現在使用されているという実態があります。また、マラチオンの残留基準でアメリカでは八ppm、日本は〇・一ppmですから、日本の八十倍という状況にあります。 本当に日本の基準を厳守した安全なお米の輸入ができるのかどうか、その点について私は大変不安を持っていますし、消費者の皆さんも不安を持っています。 といいますのは、今輸入検査官というのは、植物防疫が七百四十五人いらっしゃるのですけれども、二百人ぐらいしかいらっしゃらない。化学的検査というのは全体の一・四%ぐらいしかされていないという実態ですし、その中でも違反が一千件以上出るという実態にあります。 ですから、本当に厚生省がこういう安全問題について対応し切れるのかどうかということで私たちは不安を持っているのですけれども、この点について大臣のコメントをいただきたいと思います。 それから、米不足について、これは二百万トンとも二百五十万トンと査言われるわけですけれども、大消費国である日本がこうした事態というのは、今アジア、アフリカなど途上国で非常にこういう日本の輸入について、輸入が決まった段階で国際的な米市場が二〇%もはね上がっています。 全世界では毎年三万五千人もの方々が飢餓のために死亡している。ですから、国際貢献ということからすれば、自給率を向上させること、このことこそが国際貢献だというふうに思います。この点についても改めて大臣のお考えを伺いたいと思います。
○大内国務大臣 残留農薬につきましては、これは国民の健康を守るという面で極めて重要な課題でございますので、我が国が他国からお米の緊急輸入を行う場合には、米に残留する農業の検査基準の遵守等については、安全確保という見地から、厚生省としては万全の体制を講じているところでございまして、御懸念の御心配がないようにしたいと思っております。 その万全の対策とは何かといいますと、一つは、食糧庁がお米を買い付ける場合に、商社等を指揮いたしまして、買い付けるに際しまして倉庫単位にあらかじめ検査を行いまして、食品衛生法に基づく残留農薬基準に合致しているもののみを輸入させる、こういうことを第一にとっております。 それから第二には、検査に合格した倉庫から船積みを行うに際しましては、一船を単位といたしまして検体を採取いたしまして、例えばタイでございますとタイ側で検査を行うとともに、そのサンプルをあらかじめ日本に空輸させまして、厚生省、もちろんこれは検疫所でございますが、及び食糧庁それから穀物検定協会といったようなところが本船の貨物の到着前に検査を行いまして、先行のサンプル検査を行っているところでございます。 そして、この船が到着いたしたときには、言うまでもなく検疫所におきまして船から検体を採取いたしまして、これを検査をいたします。そして、その検査の結果が食品衛生法に適合することを確認した上でその輸入を認めるという、三段階にわたりまして厳正なチェックをいたしておりますので、国民の皆さんに御心配をかけるようなことのないように、厚生省としては万全の対策を講じているところでございます。
○岩佐委員 時間になりましたので、これで終わりたいと思いますが、最後に、先ほど住議員が指摘をされた富山のお医者さんの自殺の件ですけれども、あの論議を伺いまして、やはり立ち会った医師会の会長さんなどからもきちんとヒアリングをされて、そして、二度と再びこういうことが起こらないようにしていただきたい。 特にこの地域、保険医協会の声明にもありますけれども、千五百七世帯、五千六百一入の方々が住んでおられる地域でした。この方が亡くなられたことによって無医村地域になってしまうということですので、ぜひ厚生省にこれからのきちんとした対応を私からもお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 ————◇—————
○加藤委員長 心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来、自由民主党・自由国民会議、日本社会党・護憲民主連合、新生党・改革連合、公明党、さきがけ日本新党、民社党・新党クラブ、日本共産党の七会派間において御協議いただきました結果、意見の一致を見ましたので、委員各位のお手元に配付いたしましたとおり起草案を得たところでございます。 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から簡単に御説明申し上げます。 国際連合においては、昭和五十八年から、昨平成四年までの十年間を国連障害者の十年と宣言し、各国において行動計画を策定し、障害者の福祉の増進を提唱してきたところであります。 我が国においても、この提唱に基づき、昭和五十七年三月に障害者対策に関する長期計画を決定し、この十年間に、身体障害者福祉法の改正、障害基礎年金の創設、障害者の雇用の促進等に関する法律の改正等、障害者に関する施策の着実な進展が図られてきたところであります。 さらに、昨年四月には、本年、すなわち一九九三年から二〇〇二年までの十年間をアジア太平洋障害者の十年とすることが国連アジア・太平洋経済社会委員会第四十八回総会において採択され、政府においても、本年三月に新たな障害者対策に関する長期計画を策定し、これまでの理念及び目標を受け継ぎながら、新たな時代のニーズにも対応できるよう積極的に取り組んでいくこととしております。 しかしながら、障害者の完全参加と平等を目指すためには、今後も引き続き施策の一層の充実強化が求められております。 本案は、このような国連長期計画の節目の時期に当たり、障害者を取り巻く社会経済情勢の変化等に対応すべく、心身障害者対策基本法を大幅に改正することとし、障害者の自立と社会参加の一層の促進を図るため、同法の題名を改め、障害者のための施策に関する基本的理念を定めるとともに、障害者の日及び障害者のための施策に関する基本的な計画に関する規定を設けるほか、雇用の促進、公共的施設の利用及び情報の利用等に関する規定の改正等、障害者のための施策を総合的かつ計画的に推進するための措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、法律の題名を「障害者基本法」に改めるとともに、障害者の自立と社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加を促進することを法律の目的とすること。 第二に、法律の対象となる者の名称を障害者に改めるとともに、身体障害、精神薄弱または精神障害が法律の対象であることを明定すること。 第三に、基本的理念として、「すべて障害者は、社会を構成する一員としてあらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるものとする」を加えること。 第四に、十二月九日を障害者の日とすること。 第五に、政府は、障害者基本計画を策定するとともに、都道府県及び市町村も同様の計画を策定するよう努めること。 第六に、政府は、毎年、国会に、障害者の施策の概況に関する報告書を提出すること。 第七に、国及び地方公共団体は、障害者の医療、施設への入所、在宅障害者への支援及び雇用の促進等について、必要な施策を講ずることとし、事業者に対しても所要の努力義務規定を設けること。 第八に、心身障害者対策協議会の名称を障害者施策推進協議会に改めるとともに、中央協議会の委員を障害者及び障害者福祉事業の従事者のうちからも任命すること。 第九に、この法律は、公布の日から施行すること。ただし、障害者施策推進協議会及び障害者基本計画等に関する規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内で政令で定める日から施行すること。 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。 ————————————— 心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○加藤委員長 本件について発言を求められておりますので、順次これを許します。衛藤晟一君。
○衛藤(晟)委員 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となりました心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案に対し、賛成の立場から発言を行うものであります。 一九八三年から始まった国連障害者の十年は昨年で終了いたしました。この十年間において、我が党は政府と一体となって障害者の施策の拡充について積極的に取り組んでまいりました。こうした努力によって、障害者に関する施策の着実な進展が図られたところであります。 しかしながら、障害者を取り巻く社会環境には、依然としてさまざまな障壁があり、克服しなければならない課題も多々残されているものと考えております。また、本年はアジア太平洋障害者の十年の始まりの年にも当たり、これまでの十年間の成果を踏まえて、引き続き施策の充実を図っていくことが求められております。 このため、今後は、障害者が社会、経済、文化等あらゆる分野の活動に参加できる社会づくりを目指し、障害者の完全参加と平等という目標の達成に向けてさらに努力していくことが必要となっております。 本改正案は、こうした観点に立って、関係諸団体の意見を踏まえながら取りまとめるに至ったものであります。 以下、本改正案に賛成する立場から、その主な理由を申し上げます。 まず第一は、法律の題名を「障害者基本法」と改め、障害者の自立と社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加を促進することを法律の目的とする改正を行い、障害者の完全参加と平等を目指すことを法律上明らかにした点であります。 第二は、障害者の定義を改正し、身体障害、精神薄弱または精神障害が法律の対象であることを明定し、従来から議論のあった精神障害者が本法律の対象となることを明らかにした点であります。 第三は、十二月九日を障害者の日とし、広く一般に障害者福祉について啓発に努めることを定めた点であります。 第四は、障害者施策を総合的かつ計画的に推進するため、障害者基本計画の策定に関する規定を 設けたことであります。これにより、一層の施策の充実が期待される点であります。 第五は、公共的施設の利用、雇用の促進、情報の利用等障害者施策に関する具体的な規定の整備を図り、特に公共施設を設置する事業者等に対して所要の努力義務規定を設けたことであり、極めて重要な意義を有するものであると考えております。 以上、本法律の改正案に賛成する主な理由を申し述べました。 障害者の方々がその持てる能力を十分に発揮し、有意義な人生を営むことができるような障害者のための優しい社会づくりが、今回の改正案によって着実に前進することを強く期待して、私の賛成の立場からの発言を終わらさせていただきます。(拍手)
○加藤委員長 網岡雄君。
○網岡委員 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案に対し、賛成の立場からの意見表明を行います。 我が国の障害者運動や障害者行政に大きな影響を与えた国連障害者の十年は昨年で終了し、本年からは新たにアジア太平洋障害者の十年が始まりました。政府は本年三月、障害者対策に関する新長期計画を策定するなど、障害者施策は二十一世紀に向けてさらに大きく前進しようといたしております。 こうした時期に心身障害者対策基本法が制定以降二十三年ぶりに抜本的に改正されることは極めて意義深いことであると存じます。今回の改正案は、障害者団体の従来からの要望を取り入れており、関係者からはその早期成立を強く望まれているものであります。 特に、本改正案は次の点で評価されます。 第一に、法律の題名が「障害者基本法」に改正されたことであります。 第二には、障害者の定義については、これまでの定義を整理し、できるだけ幅広くとらえるとの観点から、身体障害、精神薄弱または精神障害と大きなくくりで規定いたしております。 なお、関係者から具体的な要望のあったてんかんについては精神障害とし、自閉症については精神薄弱とし、また、難病患者のうち身体または精神上の障害がある者については身体障害または精神障害として対象とするものであります。 これら障害者に対してもきめ細かな対応をしていくことが必要であり、この点特に政府において検討を加え、実施に向けて速やかな対応をしていただきたいと思います。 第三に、障害者施策の基本理念として、完全参加と平等の理念に基づき、障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化などあらゆる分野の活動に参加する機会が与えられるものとする旨のノーマライゼーションの考え方が規定されております。 第四に、障害者基本計画の策定を国、都道府県及び市町村に求めることとしており、また国会に対して年次報告を行うこともあわせて規定いたしております。 第五に、雇用、公共的施設の利用や情報の利用に関して、国及び地方公共団体が構ずべき施策を規定するとともに、民間事業者の責務もあわせて規定いたしておるところでございます。 第六に、十二月九日を障害者の日として、広く障害者福祉についての啓発に努めることを定めております。 なお、一方では残された課題もまたあります。特に教育については、障害者が可能な限りその居住する地域の通常の学級で教育が受けられるようにしていくことが必要であり、今後体制づくりに努めていくことが必要であります。 また、車いすの障害者が公共交通ターミナルを利用できるようにするなど、障害者に配慮したまちづくりを進めることは、障害者の完全参加と平等の理念を実現するための基盤となるものであります。 今回の改正においては、国及び地方公共団体や民間事業者の役割を明確にしたものでありますが、この理念を具体的な形で実現していくのはこれからの課題であります。 今回の基本法の改正は、障害者施策推進に当たっての基本的なフレームワークを定めたものであり、いわばスタート台に立ったものであります。今後の具体的な施策の推進について、次の三点を政府に対して特に要望したいと考えます。 第一に、政府においては予算措置も含めた積極的な取り組みを行うこと。 第二には、障害者施策は、福祉だけでなく教育、雇用や生活環境の整備など幅広い取り組みが必要であり、厚生省だけでなく関係省庁が相互に密接な連携をとり、政府全体として取り組んでいくこと。 第三に、障害者施策の推進に当たっては地方公共団体が果たすべき役割は大きく、今回の改正の趣旨について地方公共団体に対する周知をあわせて要望いたします。 以上、今回の法律改正が障害者施策の強力な推進役となることを期待して、私の賛成の立場からの意見表明といたします。(拍手)
○加藤委員長 井上喜一君。
○井上(喜)委員 私は、新生党・改革連合を代表して、ただいま議題となりました心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案に対し、賛成の発言を行うものであります。 一九八三年から昨年までの国際障害年の十年は、我が国にも大きな影響を与え、政府も障害者に関する長期計画を策定するなど、障害者対策を大きく前進させてきました。 さらに昨年は、国連アジア・太平洋経済社会委員会でアジア太平洋障害者の十年が決議され、政府も本年三月、障害者対策に関する新長期計画を策定し、国連障害者の十年終了後の障害者対策を一層推進していくこととし、リハビリテーションとノーマライゼーションの理念のもとに完全参加と平等の目標に向けて一層の努力をすることといたしております。 本改正案は、このような方向に沿って障害者対策をさらに一歩を進めるものと評価するものであります。 すなわち、第一に、法律の題名を「障害者基本法」と改め、障害者対策の理念と施策について明確にしていること、第二に、法律の対象となる者の名称を障害者とし、身体障害、精神薄弱または精神障害を法律の対象としていること、第三に、障害者の日を設定するほか、国及び地方公共団体に障害者基本計画を策定することの努力を義務づけ、施策の普及と推進を図っていること、第四に、障害者の医療施設への入所、教育、雇用の促進、公共施設や情報の利用等について明確に規定していること、等々であります。 しかし、障害者対策の現状を見ますと、研究、医療、社会復帰施設の整備、ショートステイ、ホームヘルプ、グループホーム等の福祉サービス等のいわゆる地域生活の支援、就労の支援、権利の擁護、障害者の住みやすいまちづくり等々に至るまで施策の充実が図られなければならない多くの分野があります。 この法律の制定を契機に障害者対策の一層の充実推進の必要性を付言いたしまして、私の賛成発言を終わります。(拍手)
○加藤委員長 久保哲司君。
○久保委員 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案について、賛成の発言をさせていただきます。 心身障害者対策基本法が制定されましたのは昭和四十五年でございまして、当時私自身も障害者の方あるいは老人の方等々の福祉の仕事に携わっておりましたけれども、まさに隔世の感を持っております。 当時は、高度成長による産業構造の激変の真っただ中にあり、既に地域社会の崩壊と核家族化の傾向が明らかになってきておりました。こうした変化は、社会への適応力の弱い障害者やお年寄りの福祉のあり方に大きな影響を与えてきたのでご ざいます。 その後の国際障害者年における主張は、我が国の福祉に見られた施設中心主義に重大な反省を求めるものであったと思います。 障害者施策は、この十年間で大きく進展してまいりましたが、障害者の自立と社会参加という点からは、我が国の現状は、あるべき姿からいまだばるかに距離を置かれていると言わざるを得ません。 今回の改正は、障害者施策のこれまでの積み重ねと反省の上に立って行われるものであり、心身障害者対策基本法の制定から実に二十三年ぶりの抜本改正でもございます。そうした意味で、私は、この改正によって障害者の自立と社会参加の推進について大きな前進が図られるものと期待をするところでございます。 以下、改正案に賛成する主な理由を申し述べたいと思います。 第一は、法律の名称を「障害者基本法」と改め、法律の目的、また、基本的理念の改正を行うこととした点でございます。 第二は、その基本理念の部分に、「すべて障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるものとする。」との表現で、障害者の完全参加と平等を新たに規定したことでございます。 第三は、障害者基本計画の策定を国及び都道府県、市町村に求めることとしたこと。 第四は、雇用の促進や公共施設の利用について、国と地方公共団体だけではなく、事業者に対してもその責任を明記したこと。 第五は、十二月九日を障害者の日とする規定を設け、啓発広報活動を一層活発に行うとしたこと。 以上の五点であります。 ただ、本法律改正案第二条、障害者の定義の障害の範囲に関しては、なお検討課題を残しておると言えます。障害者の定義については、国際的な動向も踏まえながら、今後も積極的に検討を進めていくべきであろうと思います。 また、あわせて、障害者施策をめぐる状況の変化に的確に対応していくために、改正法施行後五年後の見直しを行うよう提案をしたいと思います。障害者施策をめぐる状況の変化は、逐一変化をいたします。そのためにも、五年のスパンでもってこれを見直していくということを提案をしたいと思います。 本年は、アジア太平洋障害者の十年の始まりの年でもございます。したがって、これまでの十年間の成果を踏まえて、思い切った予算措置を行うなど、引き続き施策の充実を図っていくことを強く要請いたしまして、私の賛成の立場からの意見表明を終わります。(拍手)
○加藤委員長 矢上雅義君。
○矢上委員 私は、さきがけ日本新党を代表して、ただいま議題となりました心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案に対し、賛成の発言を行うものであります。 昭和五十八年から始まった国連障害者の十年に続き、アジア太平洋障害者の十年がことしより始まります。この十年の間に障害者の雇用数も十五万人から二十一万人に増加し、それに呼応して障害者の社会参加を促進するまちづくりの推進も行われるなど、各種施策の充実が図られてきました。 しかし、国民の意識から見ますと、老人福祉には関心があっても、精神薄弱者、精神障害者等の福祉に対しては関心が薄く、広い意味での障害者の自立と社会参加を促進する意識が高いとは必ずしも言えません。そのために、老人福祉に比べれば包括的な対応をより必要としているのが現状であり、今後十年間に責任ある対応が期待されているところであります。 ところで、今回の改正案が障害者の概念を広く定義し、かつ障害者の自立と社会参加を促進する立場に立つことは、国民の間に広く障害者の福祉についての関心と理解を深めることにつながり、障害者の福祉を大きく前進させるものであります。 具体的に見ましても、政府及び地方自治体の責任を明確にしており、障害者基本計画の策定に当たっては、学識経験者のみならず障害者の生の声をも反映させ、その公表、年次報告等を通して各種施策を確実に推進することになっております。 また、社会連帯の理念に基づき、事業者にも雇用及びその安定を要求し、その他施設の改善等の努力義務を規定しており、これらは重要な意義を有しております。 いずれにしましても、人がこの世に生を受けた以上、ひとしく教育を受け、働くことができることが社会の一員としての当然の権利であります。その実現のためにも教育、雇用、交通、情報等の分野で一層の努力が必要であることを強調し、この法律案の賛成の発言といたします。 以上です。(拍手)
○加藤委員長 塚田延充君。
○塚田委員 私は、民社党・新党クラブを代表して、ただいま議題となりました心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案に対し、賛成の立場から意見表明を行うものであります。 障害を持つ人々が、その能力を最大限に生かし、健常者とともに生きることのできる社会を築いていくことは、今後の我が国に課せられた大きな課題であります。 もとより、昨年までの国連障害者の十年の間にさまざまな施策が行われ、一定の前進はあったものの、障害者の完全参加と平等を実現するに至る道のりはいまだ遠いのであります。 政府においては、これまでの成果を踏まえ、本年三月に障害者対策に関する新長期計画が策定され、今後十年にわたる施策の基本的方向と具体的施策が明らかにされたところであります。 このような時期に本法律案が改正され、障害者基本法が制定されることは、我が国の障害者政策の新しい時代を開くものと評価するものであります。 今回の改正案では、名称を「障害者基本法」に改めるとともに、目的に、障害者の自立とあらゆる分野への参加の促進をうたい、障害者基本計画の策定など、国及び地方公共団体などの行う責務を定めており、従来の法律から大きく前進しております。 この法律と新長期計画及びそれを具体的施策として推進する裏づけ、すなわち予算の重点的配分がなされるとき、初めて障害者政策の具体的前進が図られ、法律の「障害者の自立と社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加を促進する」という目的が実現されるのであります。 新長期計画に「障害者対策は、福祉、保健医療、教育、雇用、生活環境等幅広い分野にわたるため、関連施策の連携を図るよう努める。」と記載されているように、本法律成立を機会に、関係省庁間の施策の連携を図り、政府一体となった取り組みを強く期待して、私の賛成の意見表明を終わります。(拍手)
○加藤委員長 岩佐恵美さん。
○岩佐委員 私は、日本共産党を代表して、心身障害者対策基本法改正案について発言します。 心身障害者対策基本法が成立してから二十年余りが経過しましたが、この間、国連障害者の十年の取り組みを初めとする障害者運動の前進と世論の高揚の中で、心身障害者対策基本法の改正を求める声が高まってきました。この要望を受けて、さきの通常国会で衆議院の厚生委員長提案の改正案が可決されましたが、解散で廃案となりました。 その後、自閉症等がこの改正案で障害者の範囲に入るのかどうかが問題になりましたが、自閉症及びてんかん、疾病を伴う障害を有する難病患者は障害者の範囲に入ることを確認しておきたいと思います。 日本共産党は、この改正に当たっては、心身障害者対策基本法改正についての提案を発表し、国連の諸決議、日本国憲法の生存権保障などの理念に照らして障害者の定義を見直し、障害者の全面 参加と平等を保障する、障害音の権利擁護機関の設置等を提案してまいりました。 今改正では、法律の名称を「障害者基本法」とすることや障害者基本計画の作成、全面参加と平等の趣旨が法律に盛り込まれたこと、十二月九日を障害者の日と定める等の前進がありました。 しかし、障害者団体等から、改正に当たってもっと意見を述べる機会が欲しかったとの要望もあり、また、多くの課題が残されています。今後も関係者の意見を十分に取り入れて見直しを行うことが必要だと考えます。 特に、障害者の定義については、障害者の権利宣言で述べているように、「障害者とは、先天的か否かにかかわらず、身体的又は精神的能力の不全のために、通常の個人生活並びに社会生活に必要なことを自分自身では、完全に又は部分的にできないものをいう」と改めるべきだと考えます。 さらに、この法律を一歩進めて、一九九〇年アメリカ障害者法に見られるように、障害者の権利保障を明確にし、雇用、教育、福祉、年金、公共的サービス、交通通信等あらゆる分野で障害者に対する差別を禁止するものとし、障害者に関連する法制を一本化することが求められます。 これらの課題実現のため、日本共産党は、全国の障害者、家族、関係者の皆さんとともに今後とも努力する決意を述べて、発言を終わります。(拍手)
○加藤委員長 以上で発言は終わりました。 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております草案を心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立総員。よって、そのように決しました。 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○加藤委員長 次に、参議院提出、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を求めます。参議院厚生委員長会田長栄君。 ————————————— 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○会田参議院議員 参議院厚生委員長の会田長栄でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ただいま議題となりました保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。 我が国における急速な高齢化の進展、保健医療を取り巻く環境の変化等に伴い、地域における保健指導の業務は、重要性が著しく増大しており、これを担う質の高いマンパワーを確保していくことは、極めて重要な課題であります。 しかしながら、現状では(この地域保健業務は、保健婦として女子にしか開かれていないことから、これを男子にも門戸を開き、地域保健の専門的な担い手を確保することが求められております。 このため、男子においても、厚生大臣の免許を受けて、保健士の名称を用いて、保健指導に従事することができることとし、法律案を提出した次第であります。 改正の内容は、保健士の名称を用いて保健指導に従事することを業とする男子について、保健婦助産婦看護婦法の保健婦に関する規定を準用することとするものであります。 なお、この法律は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行することとしております。 以上がこの法律案を提出する理由及びその内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○加藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○加藤委員長 本案に対しましては、質疑、討論ともに申し出がありませんので、直ちに採決をいたします。 参議院提出、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○加藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時六分散会 ————◇—————