P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
128回国会衆議院1993/10/20

運輸委員会 第2号

発言数
290
登壇者
23
会派数
7
開催日
1993/10/20

会議録

近江巳記夫公明党

○近江委員長 これより会議を開きます。  陸運、海運及び航空に関する件等につきまして調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村田吉隆君。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 野党になりまして初めての質問をさせていただきます。光栄をちょうだいいたしまして、大臣に対しまして幾つかの質問をさせていただきたいというふうに思うわけであります。  運輸行政というのは、国民の安全な輸送にかかわることでございまして、生命にもかかわることでございますから、大変重要な任務におつかれになったと私も思っているわけでございます。古くは自由民主党でも山村新治郎政務次官がよど号事件のときに人質となって北朝鮮まで行くというような、重い責任があるポストだろうというふうに思うわけであります。  私は、きょう、今から大臣に対する質疑を始めたいと思うわけですけれども、大臣とこうやって直接お話をさせていただくのは今回で二回目でございます。一回目のことは、多分覚えておられないと思いますが、覚えておられますか。実は、ちょうどバブルのときに私は東京国税局の直税部長をしておりまして、私の部長室に伊藤先生がおいでになりました。御陳情に来られたわけでございますけれども、その中で、当時のことですから、消費税のことについて多少の議論をさせていただいたわけでございます。したがいまして、消費税の問題については、私も大臣の意見というものを十分心得ているつもりでございます。  以下に質問することは、運輸行政とは直接のかかわりがないかもしれませんが、先ほど申しましたように、これから重要な職務を遂行されるに当たりまして基本的な事柄でございます。かつまた、閣僚の一員として判こも押される立場にありますから、幾つか質問を連ねたいと思うわけであります。  ところで、大臣、就任されてから一カ月ちょっとおたちでありますけれども、大臣の席の座り心地はいかがですか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 野党になって最初の御質問というお話がございましたが、私も、大事な仕事を拝命いたしまして、大臣としてこの委員会で御答弁を申し上げる最初の機会でございます。  大臣のいすの座り心地はというお話がございましたが、気持ちとしては、わずかな期間でございますけれども、ああ、この分野は本当に大事な仕事なんだという思いを日々新たにしているというふうな気持ちでございまして、特にこういう大きな転換期でございますから、やはり精いっぱいこの仕事をしなければならないという思いでございます。野党時代に陳情に行ったお話もございましたが、いろいろな意味で、やはり新しく変わらなければならないということを痛感いたしております。私どもも長い長い万年野党でございましたが、そしてまた、その中でも政策責任者として、あるいは影の内閣などを通じまして、政権を担える政党に本当に思い切って変わらなければならないという気持ちがございましたが、そういう気持ちの延長と申しましょうか、新たな段階と申しましょうか、という気持ちで努力をしてまいりたいという気持ちでございます。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 ありがとうございました。  それでは、大臣がその席にお座りになられているその理由といいますか、何で座っておられるとお考えでしょうか。社会党が今回の選挙におきまして勝利をおさめたからその席にお座りになっているのでありましょうか。自民党が今度の選挙で敗北を喫したということでは決してないと私は思います。ただ、自民党が分裂をいたしまして過半数をとれなかった、そういうことなんだろうと思うのですね。それで、勝ち負けでいったら、一番負けたのは社会党なんですね。その社会党が何で政権与党に加わっているかというのは、山花大臣もいろいろなことをるる言われておりますけれども、今大臣がいみじくもおっしゃったように、社会党が今まで、今万年野党とおっしゃいましたけれども、そういった立場から変えて、もう少し国民に受け入れられやすい政策を取り入れよう、すなわち、自民党の政策も取り入れようという形で御意見をお変えになろうとしたから政権に参加しているめじゃないかというふうに思うのですが、大臣、いかがでしょうか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 お話がありましたように、政権交代、三十八年ぶりというわけでございますが、まあ、直接になぜということは言うまでもございませんけれども、非自民の勢力が多数を占めるということになった、多くの国民の皆さんが政権交代を望んでいる、その期待にこたえなければならない、さまざま私どもも決断しなければならない厳しい問題がございましたが、政権交代を第一にということで決断をしたわけでございます。  同時に、お話がありましたように、私の心情を申しますと、三十八年ぶりの政権交代という大きな変化ができた。私は、特別国会の冒頭での河野自民党総裁のお話なども、非常にさわやかな、立派な演説と伺いました。お互いに競い合って新時代をつくろうという意味でございました。  同時に、社会党が惨敗をする、あえて申しますならば大敗北という状態の中で政権交代が発生をした。考えますと、私もその組織の一人として、本当にこれは身の引き締まると申しましょうか、本当にこれは真剣に考えなければならないという思いを本当に真剣に考えるところでございます。そういう中で、一緒にさまざまの与野党間の議論などをしながら、よりよい政治の時代に役割を果たせるような仕事をどうしたらいいのかということを日夜考えさせられております。  そういう気持ちを込めながら、この大事な運輸の仕事というものに精いっぱい努力をしてまいりたいと考えております。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 大臣の御答弁は大変素直で柔軟でいらっしゃるわけで、質問しにくいわけですけれども、では、それだけの柔軟さで、今までの政策や考え方を変える、そういうことについて気が楽になったというか、変えることに余りちゅうちょしなくなったというそのきっかけは何ですか。要するに、非自民の政権ができたからということなんですか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 非自民の政府ができたというのも、確かに私にとりましても非常に大きな一つの出来事でございます。新たな努力をしなければならないという意味での大きなステップというふうに思っております。  しかし、私は、それだけではないと思っております。今度の選挙の結果でも、その後の内閣の経緯からいたしましても、世論調査を見ますと、新内閣に非常に高い支持率をちょうだいいたしております。正直申しまして、さまざま政策で新しい実績を上げていくのはまだまだこれからだというふうに私は思っております。細川総理も、これからが正念場という言葉をこの臨時国会冒頭の所信表明でお使いになりました。なぜ大きな御支持をちょうだいするのか。やはり、万年与党、万年野党と申しましょうか、長い長いあの時代に対して多くの国民の皆さんが不満といら立ちを持っていたということの表現ではないだろうかというふうに思います。  それらを考えますと、そういう気持ちにこたえるような新しい努力を皆様と一緒にどう新規にやっていくのかということではないだろうかというふうに思うわけでございまして、そういう気持ちでやっていきたいと思います。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 それじゃ、社会党は政権に入って、政権を国民からお預かりをしたというその意味というのは何ですかね。私は、自民党政権からおりまして大変残念な気持ちでおるのですけれども、政権を国民からお預かりするというのは、自分たちの政策や考え方がこの日本をよくし、それから国民生活を豊かにする、そういうことから自分たちの政策を、主張を実現するんだということに政権をお預かりするその最大の目的があると思うのですが、社会党を見ていますと、自分たちの政策を抑え、自分たちのこれまでの政策を捨てること、これが政権にくみする、政権におられる唯一の理由じゃないか。自分たちの古いところを全部捨てながら政権にしがみついているというような感じがするものですから、どうもおかしな現象だなというのが野党におります我々の率直な感想なんだと思うのですね。月曜日から始まりました政治改革特別委員会で、若手の自民党の議員がいろいろなことを言っていますけれども、その中にはやはりそういう変だな、変だなという気持ちがあるのですね。そういう意味でしきりとそういうことを言っているのだろうと私も思うわけなんです。  ただ、今大臣がこれからが正念場だとおっしゃいました。もう二カ月以上たつわけで、ハネムーン期間というものも終わりまして、今まではマスコミを見ていますと、テレビなんかを見ていても、久しぶりに政権が変わったんだからちょっとぐらいチョンボあってもいいやとか、まあこれからですよということだったのですが、それでもやはり二カ月、三カ月たってきますと、ハネムーン時代も終わりまして、いろいろな要求あるいは国民の支持率は高いのですけれども、さあ何をやってくれるんだ、とにかく耕しければいいというものじゃないわけですから、次は政治が何を受け持って何をやるかということが重要な問題になってくるわけです。ソ連のエリツィンさんも来られて、放射性物質も帰られてすぐ海上投棄をされる。海上保安庁もちょっとそれにはこれからの調査にかかわるようにも聞いておりますし、それからきょうはガットのサザーランド事務局長もおいでになる。米の問題も大変重要な問題になってくる。それから政府税調も消費税の問題を含めた所得税減税についての答申をまとめるということになってくる。懸案事項が次から次へと出てきているというふうに思うのですね。政治改革も十二月十五日まで何とかして実現しなきゃいけないという内閣としての責務を負っている、約束を果たさなきゃいけないということだと思います。  大臣の選挙公約を拝見をさしていただきました。あの中に、何と書いてありましたかな、選挙制度については、「比例代表を基本にした公正な選挙制度」と書いてありますが、これは並立制を含むのですか、一言。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 御質問のお話の中の前段、一言申し上げたいと思いますが一社会党が政権に参加することと長年掲げてきた政策とどうなのかということについて、国会でも御質問ございましたし、それからいろいろなところでそういうお話を伺っているということも事実でございます。  私は政権に参加をするその前からやらなければならないといつも考えておりましたが、やはり一面では、政党ですから大きなロマンと申しましょうか鮮明な理念と申しましょうか、社会の将来についての理念を持つということは必要だと思います。同時に、やはり現実の政治ですから、理論論争ではございませんからすぐれた具体性、現実性両面兼ね備えた方向をどう努力するのかということが私どもの党でも大事な課題だということを党内で政策責任者の当時も非常に私は協調しておりました。今参られておりますがドイツで、西ドイツ当時長く社民党出身で首相を努められたシュミットさん、いつか会いましたら、政権党になるにはどうしたらいいんですかと聞きましたら、演説をするときでも政府の、相手の悪口を言う前によりよい自分の考え方を先に言えと言われまして、そのとおりだなというふうに思いましたが、やはりそういう気持ちを大事にして努力をしていく、そういう意味では日々新たな発展と新たな研さんが必要であろうというふうに思っておるわけでございます。  御質問の後段でございますけれども、私は選挙公報にはたしか、政治改革に三つあります。一つは徹底的な腐敗の防止、二つ目には比例を基本にした公正な制度、そして三つ目には政権交代ということを申し上げましたが、三番目の方が先に実現をして、一番目と二番目がただいま審議中というわけでございます。私は正直申しまして、政権交代、非自民の勢力が多数を占めたという中で、政権交代という課題とそれから比例を基本にというのは私ども社会党としては長年の主張でございました。それとどうしていくのか、当時の山花さんを委員長とする執行部の皆さんも重大な決断が求められたということだと思います。そういう中でやはり今政権交代、数十年ぶりにそれを実現するということの政治の大きさ、あるいは重さということを最重点にしてお決めになったということであろうと思います。そういう意味から申しますと、比例ということを基本にということは、当時でございますから併用制ですね、当時の野党で共同提案しましたが、それらを含めて言っていることでございますけれども、今度の政府提案等も考えましたら基本にというのが、全部ではなくて半分ということなんでしょうか、二百五十、二百五十という提案を申し上げておりますが、従来選挙前の主張とは確かに若干違います。しかし、政治の決断として政権交代を第一義的に私どもは決断をさせていただいたという経過だと私は存じております。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 変わるのはいいんですよ。私は選挙の前に自民党の総務会で大乱闘をしまして、とにかく妥協案をつくりなさい、それで風邪を引いて今もって後遺症なんですが、妥協案をつくることを求めてあの自民党の総務会の前で大汗をかいて乱闘したうちの一人なんですよ。なぜ私がそんなことをしたかというのは、私は、元来選挙制度については完璧な制度はありませんから、それよりも私がさっき言ったように、国税局という税務を預かる職場にいた人間として、政治資金とかお金の面については大変厳しく自分で考えてきた人間でありまして、むしろ選挙制度というのは二の次に考えてきた人間なんですが、なぜその私があのとき大乱闘をしたかというと、妥協案をつくって社会党にぶつけたかった。社会党にぶつけたら社会党が恐らくあの自民党で起こったような大混乱を起こすだろうと私は思ったから。僕は社会党に求めたいのは本音でしゃべること。いつまでも建前で言っていたらこれは決して前に進まないわけであります。私は、社会党の皆さん方が意見を変えることについては私自身は割合脅威に感じてきたんですよ。なぜかというと、私みたいに自民党の中の護憲派といいますか日本の憲法の平和主義というのを大事に考えている人間については同じになっちゃうかもしれないというところがありまして、はっきり言うと、それが非常に脅威だなというふうに思ったわけなんですが、それはともかくとして、政治家が、各政党が本音でしゃべることになって、それで自分が今まで言っていたことの誤り、あるいはこれは変えた方がいいということで意見を変えていくということになれば国民本位の政治ができるということだから、私はそれは大変結構なことだと思うのですね。だから私は、そういう意味で本音でしゃべる、本音の意見を言うということ、これを求めて大乱闘をしたんですわ。それで解散になって政権交代が起こって、社会党の皆さん方がやや本音ベースでお話しになられるようになったかなということは、私は、心から歓迎しているし、その勇気に対しても敬意を表しているわけなんです。今までずっと言ってきたことは、私の嫌みではなくて、国民、日本の国をどうしようかということを目指して考えていくならば大変結構なことである。特に、運輸行政については余り大きな食い違いというものがなかったような気もいたしますし、振り出しに戻って、運輸行政の基本であります国民によりよいサービス、安全とかいろいろなことがあると思いますが、そういう運輸行政の目的を実現するために、我々も野党として十分な協力をしてまいりたい、こういうふうに考えるものでありまして、どうか、いろいろ問題が出てきますと思います。米の問題でも、あるいはこれから予算が起こりまして、社会党の中でも一部不協和音が出ております。AWACSをどうするのか、あるいはパトリオットの予算化をどうするのかということもすぐ問題になることであります。だから私は、社会党が守るべき価値、これだけは絶対に譲れないということ、それでないと社会党は自民党になっちゃいますからね、どんどん変えていったら。しかし、社会党としてはこれだけは守らなきゃいけない、社会党の価値はここなんだということをしっかりと見据えて、それで国民本位で、今までの政策あるいは意見を変えるところは勇気を持って変えていただきたい、こういうふうにお願いをいたしたいと思います。  大変前置きが長くなりましたが、次に日米航空協定交渉の問題に入らせていただきたいと思います。  本問題については、御引退なされた社会党の山中議員が、五月だったと思いますが、本委員会において、既に松尾航空局長に質問をしてございます。日米航空協定交渉が開始されてからこれで一年たとうとしているわけであります。関空の乗り入れを来年に控えまして、それから二十一世紀を展望して、この協定をどうやっていくかということが交渉の最大の目的だと思います。聞くところによりますと、以遠権の問題とかあるいは日米間の輸送力の格差の問題、これについていろいろな意見の対立があるというふうに聞いておりますが、大臣自身、この日米航空協定でございますが、平等なものであると御認識ですか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 率直に申しまして、不平等性を強く持っているというのが現実だろうと思います。仰せこの航空協定ができましたのが一九五二年の話でございますから、御存じのとおりの経過でありまして、あの当時の状況の中でできたものと、それから今日の日米間のパートナーとしての気持ちも含めて、状況というのは非常に変わっていると思います。今日、以遠権についてのバランスの問題とかあるいは座席能力と実績の問題とか、いろいろと言われておりますけれども、いろいろな意味で大きな不平等性を持っているというふうに認識をいたしております。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 私もそういう認識に立っておるわけなんですが、前のアマコスト米国駐日大使が新聞に寄稿しまして、日本は、交渉をやっていて、競争制限的だ、利用者の便を考えていない、こういう話、反論もしておりますよね。だから、アメリカの論理にも何か理由があって、日本が不平等と考えているということを直ちにアメリカに改めさせることがこれまでずっとできないでおったんだろうと思いますけれども、航空局長にお伺いをいたしたいと思いますが、国際航運業におきます公平とか平等とか相互主義というものについて一体どういう考え方でいったらいいのか御説明を賜りたい、こう思います。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 外国との間の航空交渉でございますが、シカゴ条約という一九四四年にできた決まりがございまして、その条約のもとで二国間でお互いに協議をいたしまして、協定を結んで権益の交換をする、その交換した権益を自分の国が指定する企業に実施をさせる、こういう仕組みでずっとやっておるわけでありまして、各国との間で少しずつ哲学が違ったりいたしますけれども、基本的にはそういうシカゴ条約のもとの協議の場、これを通じてお互いに合意に達する、そして権益の交換をしていく、こういう考え方でやっておるところでございます。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 権益の交換ということなんですね。だから、アメリカの方は自由主義というか競争をやるんだ、権益というと既得権があるのでしょう、例えばバイジャパニーズとか。日本から出発する日本のお客さんは、できるだけ日の丸がついた飛行機で運んでいくのを原則とする、アメリカには分けてやるということなんですか。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 アメリカとの間は、先ほど大臣が申し上げましたように、一九五二年にできた協定でお互いに交渉しているわけですが、協定のつくり方そのものにやはり問題がございまして、例えば以遠権について言いますと、アメリカ側は以遠地点を自由に選べる、運輸権についても制限がない。ところが日本側は、協定上、運輸権についても地点についても制約がございます。その結果、例えばアメリカ側は土地点に行けるけれども、日本側は一地点にしか行けない、そういう不平等の結果の不均衡などが出ている、こういう状況でございまして、現在アメリカと関空の乗り入れについて協議をいたしておりますが、アメリカ側は、そういう協定上の権利というものを自由に行使をするのだ、したがって、ある意味では無制限に関空に乗り入れることができるという立場で自分の主張をしておられます。ただ、日本側はそれに対して、消費者のためには需要に合った路線と便数を設定すべきだ、健全なマーケットを通じた競争というものを目指すべきである、特に今は過当競争でございますのでそういう姿が望ましいということで、意見が合わないわけでございます。ただ、アメリカ側が自分の協定上の権利だということで非常に無制限な要求をするということになっていきますと、不平等がさらに拡大をいたしますし、企業の存立そのものも危ないというようなことになりますので、そういうことが起きないように、やはり協議を尽くして合意に達していかなければいけない。そういうつもりでやっておるところでございます。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 このアメリカとの航空問題については、イギリスはややフィフティー・フィフティーぐらいの様子なんだそうですが、各国とも強大なアメリカの航空産業におけるこれまでの長い歴史を踏まえてかなり不平等になっているということを聞くわけなんですね。フランスも破棄したのですかね、米仏航空協定を破棄した。タイだって破棄したわけですね。あと関空乗り入れまで残り一年しかないのですが、松尾航空局長の御答弁だと、日米関係を円満にすることも考慮してとかなんとか言っていたんですかね。だけれども、やはりもう二十一世紀をにらんで最後のチャンスかもしれませんね。だから、破棄することも辞さず、あるいはそうでなければ、みんないろいろな国がアメリカとの関係では不平等になっているわけですね。だから、ラウンドテーブルで、やはり交渉力をこちらにもつけてやらないと、アメリカはなかなか譲らないかもしれませんね。航空の問題、それから農業の問題もそう。それから特定の分野で、ガットでもウルグアイ・ラウンドでも、映像の問題、映画の問題とかそういうものもアメリカは強いものですかも、ヨーロッパとの関係でもかなりの闘いが起こっているみたいですけれども、アメリカという国は、絶対強いところ譲りませんからね。私も、日米円ドル委員会とかそういうものを大蔵省当時やってまいりました。その線に沿って金利の自由化なんかやってきたわけですけれども、私は、いつも日米関係を戦後ずっと支配してきた原則というのは、やはりアメリカに譲るという原則が、交渉ではどうしてもあったような気がします。  確かに、利用者の便とか自由な競争というのは一理あるのですよね。だけれども、自由な競争でもってかえってつぶれていっちゃった、逆に競争でつぶれていっちゃったということもあるのですね。アメリカ人に、おまえらは世界じゅうアメリカみたいにしなきゃ満足しないのかと言うと、ホワイノットと言われますけれども、本当にそういう意味では、私どもはもうそろそろアメリカの論理だけが正しいのではない、そして日本が外国と国際的な交渉をするときに、それだけじゃないですが、日本の論理というのは、だれか書いてましたが、サバイバル、生き残るためにどうやるかという、そのことからしか日本のいろいろな行動の決定要素が出てこないということを言っていた人がありますけれども、そういうことをやめて、もっと主体的に考えていく時代に入っているんじゃないかなというふうに思います。  アメリカの論理に真っ向から対抗できるのは、中国ぐらいしかないですね。人権問題なんかでもそうですし、自分のところは開発途上国の人権の観念があるよとか言ってつっぱっちゃったわけですけれども。そういう意味では私はこの日米航空協定の不平等性というものを、大臣もおっしゃいましたが、それをもうこの機会に何とか最大の力を入れて何とかしてこの解決に結びつけていけるように努力してもらいたい。そうでなければ、さっきの話に戻りますが、各国とも不満持っているのですから、アメリカにいつもやっつけられるばかりじゃなくて、ラウンドテーブルで日本がイニシアチブを持ってみんなでやろうじゃないかというぐらいな考え方、いかがですか。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 アメリカが非常に航空企業の数も力も強うございまして、世界各国との間で日本との間で起きているのと同じような問題を起こしております。先生もおっしゃいましたように、フランスは協定を廃棄をいたしましたし、タイも廃棄をいたしました。イギリスもかつては仲裁に訴えたことがございますし、イタリアもそうでございます。いつもそういう格好で問題が起きておるわけでございます。それに対しまして、私どもは不平等性があるということを主張するあるいは論理と論理で対決をする、そういうことだけではなかなか問題が進まないというのは、私は御指摘のとおりだろうと思います。  ただ、先ほども申し上げましたように、世界各国ともシカゴ条約のもとで、それぞれ各国間で協定を結んで権益を交換するという仕組みで航空というのはずっとやってきておりまして、実はガットのウルグアイ・ラウンドは、あれは自由で無差別な貿易を目指しておりますが、ウルグアイ・ラウンドにおいても航空の分野はやはり特殊性があるから従来どおりシカゴ体制でいこうということを決めたところでございます。したがって、基本的にはやはり各国、バイの交渉で物事を解決していかなければいけない。  その場合に、やはり先ほども仰せになりましたように、アメリカが自分の協定上の権利というものを前提にして、あくまでもその無制限な権利の行使というのを求めてくるということになった場合には、これは協定に従って協議を尽くして合意に達する努力をしなければなりませんが、どうしてもそこを譲ってくれないということであれば、やはり先生のおっしゃったような意味での協定の枠組みそのものの変更、基盤そのものを変えるということも含めてそういう覚悟を持って交渉をしなければいけない、そういうことを通じてこの問題の解決を図りたい、こういう気持ちでやっております。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 大臣、私もアメリカの議員といろいろなディベートをする会を持って参加しているのですけれども、知らないのですよね、余りこのことを。アメリカが非常に自分たちに都合のいいことはしてやっているということについてはよく知らないのですね。だから、先ほど申しましたように最後のチャンスかもしれませんね。今まで暫定、暫定、暫定取り決めでずっとやってきたんだけれども、もう関空で、ある程度のリアラインメントができるでしょう、便数なんかで。だから、私は大臣にお願いしたい。これはもう最後のチャンスだと心得て、どうかひとつ日米航空協定交渉、これを少なくとも不平等性を是正していく方向に向けて、日本が同様の問題で悩んでいるほかの国に対してのお手本となるように頑張って交渉してもらいたい、これをお願いしたいと思います。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 御指摘ございましたように、最後のチャンスというお話がございましたが、来年の関空のスタートを前にいたしまして、非常に大事な時点、山場というふうに私も認識をいたしております。そうして、この問題は当委員会でも長い議論があったかと存じますが、長い非常に大きな問題ということだと思います。  確かに、双方の間に哲学の違いと申しましょうか、アメリカ側の方は自由かつ無制限な拡大と申しましょうかあるいは競争と申しましょうか、これが原理だという考えもございますし、私どもの方は、安全にして安定したそういう環境、システムというもののもとに運航されるべきであるという考え方を持っております。それはございますけれども、今現実にだれが見てもある不平等性格差というものは是正されるべきであろうと思います。航空局長申しましたように、強い姿勢で交渉しなければならない、場合によっては、根本的な現協定の改正あるいは廃棄というものを含めたぐらいの気持ちで対応しなければならないと思っております。  今お話ございましたように、私もアメリカの各界あるいは議員の皆さんといろいろな議論をしながら、ある意味では非常にフランクリースピーキングといいますか、いろいろと率直にさまざまなことを広範に話すということの意味が大きい国あるいはそういう皆さんだというふうに思っております。私どもの要望、私どもの考えというのは、ウルグアイ・ラウンド、農業交渉の問題にいたしましても、この問題にいたしましても、リーズナブルなといいますか、合理的な国際的にも通用する考え方だと思っております。そういう姿勢と内容できちんとした交渉に当たってまいりたいと思っております。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 ぜひともよろしくお願いをいたしたいと思います。  次の問題に入りますけれども、地方空港の国際化の問題について御質問をさせていただきたいというふうに思います。  私は岡山の選出なのでございますが、岡山空港というのは、大阪と広島に挟まれまして、その中で精いっぱい頑張って、第三種空港の中では比較的国際化にも早く先鞭をつけたということではないかと思いますけれども、なかなか難しいところがありますね、その後の動きについては。私も去年の暮れに県知事の親書を持って中国へ参りまして、岡山空港と中国との間の直行便を開きたい、そういうことで李鵬首相に知事の親書を持って行きまして、お願いをしてまいりました。四月には、副知事以下関係の県の役人の皆さん方と一緒に交渉に行ってまいりました。八月にも県の方が再度行きまして、それからその後、最近中国から市場調査に来たというふうに聞いているわけでありますけれども、きょうは大蔵省が来ていると思うのですけれども、私は、こうやって国際化というものを一生懸命地方空港が進めてくる中で、そもそも地方空港の国際化というのは、何も日本の航空会社がやっているのじゃないのですね。韓国の航空会社が一生懸命やっている。いわば他人のふんどしを借りて国際化をやっているような気もしないではないのですけれども、六十一年から、ここに資料ありますが、地方空港発着の国際航空旅客数というのが六十一年から平成二年ぐらいまででも三倍くらいになっているわけですね。  一番の問題点は、CIQ体制にあると思います。  東京とか大阪の中央の飛行場に比して、地方の国際化した空港の一番の有利性というのは、ベストタイムに旅行者が出発し、帰ってこれるということなのですね。  例えば、日曜日の夜出発してまた日曜日の夜帰ってくるとか、あるいは月曜日の朝出発して日曜日の夜帰ってくるということ。割合、飛行場がすいていますから、非常に旅行に都合のいい時間帯がとれるというのが地方空港の一番のメリットであるし、これが地方空港の国際化のかぎを握っているのじゃないかと思います。  しかし、よく聞いてみますと、日曜日はちょっと勘弁してくれということですか、人がありません、あるいは土、日は休みですからねということで、なかなか税関を初め人員を配置してくれないという現実がありまして、そこをどうやっていくのかなということなのだろうと思います。  たしか気象予報官ですか、あれは、業務法を改正して委託ができるようになったわけですか、気象庁の人おられないか、おられないですね。結構です。何か、そういうことを聞いておりまして、委託をして、例えば退職した予報官を雇って県がやるとかいうこともできるやに私は聞いておるのです。  大蔵省に聞きたいのですが、今後その体制をどうしていくのかということですね。せっかくの地方につくった国際空港が、皆さん方の都合によってと言っては失礼かもしれませんが、言い分があるでしょう、要するに、人員がふえないという状況の中でどうしていくかという悩みがあると思いますが、だから、皆さん方がせっかく開いている空の玄関を鎖国にしているということが、言葉はきついですが、言えないわけでもない。これも、どういう見通しを持っているのか、何か委託、あるいは退職の人たちを使うような形で今の人員不足というものを補っていくのかどうか、あるいは分別検査みたいなのをやっていける方法があるのかどうか、ちょっとお答えをお願いしたい。

友利文男大蔵省関税局調査保税課長

○友利説明員 お答えいたします。  先生御指摘のとおり、地方空港におきます国際定期便、あるいは臨時便であります国際チャーター便、こういうものが近年非常に着実に増加をしております。  私どもといたしましては、地方空港の国際化につきましては、その地方空港の近辺の国際化に伴うニーズに即応できること、あるいはその地域の活性化に役立つということで、非常に重要なことであるというふうに、有意義なことであるというふうに考えております。  この国際定期便あるいは国際チャーター便が入ってまいりますと、税関の業務といたしましては、入国検査、いわゆる旅客の携帯品の検査等が発生するわけでございまして、これにつきましては、その旅客の検査を円滑に行うことができるように、最近では、近辺の出張所とかあるいは支署、こういうものからの応援態勢、こういうものも充実してやっておりまして、かなり円滑にそういうものを遂行できているのではないかというふうに考えております。  先生御指摘の民間委託あるいは退職者を雇用してということでございますけれども、税関の旅具検査は、ほとんど事実行為というのがございませんで、いわば公権力の行使というような検査をやっておるわけでございます。中には差し押さえをやったり、あるいは取り調べをやったりというようなことも発生いたしますので、現在のところは、民間の委託だとがあるいは退職者の雇用というのは非常に困難であるかなというふうに考えておるところでございまして、現在の近隣署所の応援態勢というのが現実的なものではないかなというふうに考えております。  いずれにしましても、今後とも、地方空港におきます国際定期便あるいは国際チャーター便に対する対応につきましては円滑に行えるよう、税関といたしましても適切に対処してまいりたい、かように考えておるところでございます。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 大変滑らかな言葉を聞いたのですが、そうすると、日曜日でも円滑に、支障のないようにやってくれるわけですか。

友利文男大蔵省関税局調査保税課長

○友利説明員 現在におきましても、土曜、日曜は一応税関が閉庁になっておりますけれども、各国際定期便につきましても、土曜、日曜が地方空港に入っているところもございますし、また国際チャーター便につきましては、現在の税関空港ではなくて、まだ開いていないところにもかなり入っております。これにつきましても、先ほど申しましたとおり、近隣署所からの応援態勢、場合によりましては本関からの応援態勢も含めまして対応しておるところでございます。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 さっき言ったように、六十一年から平成二年まで統計を見ても三倍になるわけですね。それから、その後国際空港化した飛行場もたくさん出てきますね。本庁からの応援態勢もとおっしゃっておられますけれども、見通し、大丈夫ですか。

友利文男大蔵省関税局調査保税課長

○友利説明員 税関といたしましては、やはり地方空港の国際化というのは非常に重要なことだというふうに考えておりますので、近隣署所への応援態勢等を含めまして今後ともやってまいりたいというふうに考えております。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 いろんなことがありまして、例えば飛行場のアクセスもそうですよね。せっかく飛行場をつくっても、やはりそういった省庁間のつなぎといいますか協力体制がなければ、飛行場をせっかくつくっても生きないとか、交通が随分離れていて、時間がかかって飛行場の有利性というものを発揮できないとか、あるいはせっかく国際空港にしても、今のCIQ体制の整備のおくれから利用できないとか、これこそ私は真剣に取り組まなければいけない課題だと思うんですね。  だから、航空局もそういった観点から、おたくが認可しても動かなければ空ですから、だから、どうかひとつ地方空港のこれからの発展というもの、飛行機飛ばなければ料金収入も入りませんからね、利用料もね。だから第三種空港でも運営上できないわけですよ、赤字ばかりになってしまうわけですよね。だからそういう意味で、どんどん活用できるようにみんなで協力体制をつくって、飛行場へのアクセスとかあるいはCIQ体制とか、運輸省が飛行場をつくることについては認可するわけですから、だからそういう協力体制をしっかりやってもらいたいと思います。大臣、いかがですか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 御指摘のように、努力をしてまいりたいと思います。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 次の問題に移りますが、我が国の航空産業の競争力の問題について若干議論をしたいと思いますけれども、航空審議会が十八日から始まって、たまたまこの問題がテーマとして取り上げられたようでございます。だから、どうですかと聞いても、審議会に検討してもらっておりますという答えが返ってきてしまうんだろうと思いますが、しかし、航空各社の赤字の状況とか、さっき言ったアメリカとの航空協定の問題とか、あるいは空整特会、これも自民党の航空対策特別委員会でもっとリアルウオーター入れてくださいねということも決議をしたのですね。そういう空整特会の問題を経由した、まあどうしても、利用者負担が原則になっている日本のいろいろな空港整備のあり方、問題がいろいろある、自助努力があって、いろいろなことも、そういう問題があると思うのですけれども、その諮問をするに至った問題意識について、時間がなくなりましたから簡単に御披露いただきたいと思います。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 なるべく簡単に申し上げます。  航空会社の経営が大変きつい状況になってまいりました。その理由はいろいろありますが、一つはやはり景気が低迷して需要が減っているということ、あるいは国際競争が非常に激しくなって運賃が値崩れしていること、円高その他いろいろございます。ただ、航空輸送というのが国民生活にとって非常に大事な役割を果たしていることは間違いございませんし、我が国の航空企業がそのためにやらなければいかぬこともいろいろあります。したがいまして、我が国の航空企業が世界各国に伍してきちんとやっていけるように競争力の向上を図らなければいけない、そういう問題認識のもとに、航空審議会で、しからばどんな課題についてどんな方策を講じていけばいいかということを御議論いただこう、こういうことで御審議をいただいているところでございます。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 空港整備特会の問題については、自民党もこれまでずっとかかわってきたわけで、変なことは言えないのですが、いずれにしても、空整特会について不幸な歴史があったと思います。初めのころは、飛行機に乗る人なんかぜいたくだったと思うし、それから、ある程度利用者がふえたときには、需要が強いのだから負担能力はあるよといって、余り一般財源を入れてくれなかったような経緯があるのじゃないかと推察します。  しかし、これだけ飛行機を利用する人がふえた、千キロメートルと超える移動の場合には九〇%を超える人が航空機を利用するというような状態のようでございますし、そういう意味では、財源が乏しい中であちこちにお金が要るわけでございますが、飛行機の方もぜひともこの機会に頑張って、一般財源を入れるように努力をしていただきたい。そうでないと航空会社は、着陸料は高いわ、あるいはこれからどんどんいろいろなものを整備されて、関空であれ、羽田もそうですが、あそこへ強制的にテナントを移され、そこで高い利用料を払わなければいけない、どんどん負担が、いろいろな経費がかかる一方でしょう。だからそういう意味で、やはりできることは、国ができることはしてやるということが必要なんじゃないか。航空協定も頑張ってもらいたい、空整特会でもできるだけコストを下げるように努力をしてもらいたい、これをひとつお願いをいたしたいというふうに思います。  規制緩和の問題については、私は規制緩和に関する特別委員会の委員をしておりまして、これから本格的に議論になっていくだろうと思います。  私は、役人出身だからそう言うわけじゃないのですが、何か今規制というと全部悪いというような観念にとらえられております。私もかつて外国為替管理法を担当しておりまして、あれの大改正をやりまして、あの中での許認可というものを全部とってしまったのですね。原則自由の体制にするところまでやりました。しかし、特に運輸行政というのは、運輸省を弁護するわけじゃないのですが、安全とか環境とかにかかわることも多いですね。だからそういう意味では、一つの哲学が要ると思うのですね。  かつて、自民党の内閣のときに、三年間で二割カットというのをやりました。数字じゃなくて、安全で安価というのかな、要するに、よりよいサービスを提供するためにどういう規制をとり、どういう規制を残していかなければいかぬかということについて、真剣に考えていかなければいかぬじゃないかなと思います。  私の経験でも、民間サイドはみんな規制は悪いと言うのです。しかし、何かあると、恐らく事故が起こったら、けしからぬとかそれは政府が対応、そういうことになって、日本の社会では自己責任というものの確立がまだ未成熟でございます。そういういろいろな、アメリカとも違うし、ヨーロッパとも違うのですが、そういう社会的ないろいろな環境の中で、あるいは国民の意識のもとでこの国を、国民の生活を安全に保っていくということが要請されるわけですから、どうかひとつもう一回、二割とはいえ十分にその哲学というか、どこを守るんだという、そういう哲学をしっかり組み立てて規制緩和をしていってもらいたいなというふうに思います。  きょうの日経でも、社説で「官僚のエゴが規制緩和を妨げている」、規制緩和をするのは政治家でしかないよ、こう言われておりますけれども、しかしすべてが悪いんじゃない。要するに大きく変動するときに、政権もかわりました、政権のかわったときにはいろんなことが吹き出しできますが、しかしやはり守らなければいけない価値というものもあると思うのですね。  冒頭の話に戻りますが、社会党さんも変わるのはいいのです、変わるのはもう大歓迎しますが、しかし変えてはならないものというのはやはりあるでしょう。レーゾンデートルみたいなのはあるのです。だから、やはりそのものを十分、どこにそれがあるのかということをよく見きわめないで、とにかく変わればいいんだ、変わればいいんだといったらみんなおかしくなっちゃいますから、どうかひとつ腰を据えてこの規制緩和という問題にも十分努力をしてもらいたいというふうに思います。  大臣に聞きますが、それに対する考えと、それから、よべ細川総理がこれまでバス停を動かすのに大分時間がかかったと言いますが、誤解がとれたでしょう、どうかひとつこれから規制緩和についてもしっかりとした運輸行政の目的ということを見据えてやるんだという決意を述べていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 規制緩和についての哲学、考え方ということをおっしゃいました。私もそうだと思います。確かに新内閣の大きな政策項目でございますから、先般九十四項目取りまとめ、大要を発表いたしまして、その中には車両の重量制限などを含みまして運輸省からも十項目選んで出させていただきました。また、これにとどまるものではありませんで、さまざまな努力をしていくというようなところは言うまでもありませんし、また、千九百六十六と数でいけば最高ということでございまして、この内閣議のときにも数が随分問題になりましたから、閣議後の懇談でも、第一位のポストをなるべく早くどちらかにお譲りをしたいと思いますという話を言っておきましたが、いろいろな努力をしなければならぬと思います。  でも、御指摘のように、運輸省の関係する分野で安全性に対する規制が約四割というわけでございまして、これをどかどか減らすわけにはまいりません。私どもにとりましては、一番大事なのはやはり安全でございまして、つい先日も一日ロ本国民が一つずつ勘定して、電車、バス、タクシー、マイカーその他何ぼほどになるかというのを計算してもらったら、二億二千万というふうに出ました。大変な大事な仕事だなという思いを新たにいたしました。と同時に、今委員の御質問にございましたように、規制緩和を考えるということを私どももっと議論したいと思います。  例えば車検の問題がございます。いろんな意味で高い、やかましい云々という声ございますから、そしてまたユーザー、市民の皆さんの技術的知識水準も上がってきておりますから、緩和いたしましょうということで御案内の幾つかの方策を出しましてまた御審議いただきたいと思っているわけでございます。私も、何かそういう中で、緩和されてああ助かったという形で事故がふえるとかいうことがあってはならぬと思います。今まで政府の行政のコントロールでやっていた分を、例えばこれからはマニュアルをよく読んでいただいて自分の車を子供のようにかわいがっていつも点検をする、あるいは御近所で集まってサークルをつくってそういう勉強をするという中で、やはり安全な車社会というものを維持していくという意味での市民的コントロールと申しましょうか、そういうことも必要だと思います、例えばでございますけれども。  ですから、規制緩和というのは、今までの社会の仕組みあるいは暮らし方から、もっとみんなが責任を持った新しい時代の暮らし方、仕組みに変えていくという意味合いではないだろうかと思うわけでございまして、それらを含めまして、哲学というお話もございましたが、言葉とすればちょっと大げさかもしれませんけれども、規制緩和を考える、それは行政のあり方、今後の社会のあり方、みんなの市民生活のあり方などを含めて考えるという視点は大変私は大事だというふうに思っております。そういう視点を踏まえて新しい努力を運輸省はやっていきたいと思います。

村田吉隆自由民主党・自由国民会議

○村田(吉)委員 どうもありがとうございました。これで質問を終わります。

近江巳記夫公明党

○近江委員長 次に、今津寛君。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 私は、成田空港の問題と新幹線の問題について御質問させていただきたいと思いますけれども、その前に、ロシアの放射性廃棄物が日本海に投棄されましたけれども、大臣にお聞きしたいと思うのですが、これはいつだったのでしょうか。それから、大臣はいつどのような方法で知ったのでしょうか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 テレビで先に知りまして、その後役所に参りまして御報告を伺いました。こんなことはあってはならぬというふうに思っております。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 それはいつですか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 十七日でございます。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 先般、日ソ首脳会談が行われまして、マスコミ等では、大変な成果であった、こういう報道がされたわけでありますけれども、私は先般の首脳会議というのは一体何だったんだろうか、そういう疑義を実は持つわけであります。しかも、その首脳会談の最中にはもう既に計画がなれて、実施に移す寸前だった。こういうことはロシアの我が国に対する姿勢、態度、そういうものに対して私は大きな憤りを思うわけでありますが、大臣はどのように思いますか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 私どもの伺っているところでは、日ロ首脳会談という中で、この問題については合意という形ではなくて我々日本側の強い要望としてエリツィン大統領に伝えたと伺っております。しかし、形はどうあれ、国際的な環境問題からいいましても、安全性の面からいいましても、こういうことはやってもらっては困る話でございますから、政府としても、また私としても、これらについては強い主張もしまして、努力をしなければならないと考えております。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 この問題は本題でありませんから、最後に大臣の姿勢だけお聞きしたいと思うのですが、北方領土の問題も未解決なわけですね。しかもこれに対しては不法占拠をしておきながら全く誠意が感じられない、誠実な姿勢がないということで、私は、実は今度の問題もそうなんでありますが、日本はロシアに対して経済援助などをいたしておりますよね。こういうものも含めて慎重にロシアとの外交というものを考えるべきだ、それは国民の声だと私は思っているのですが、大臣はどのように思いますか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 日ロ関係は我が国にとって非常に大事な、やはりこれからの関係の柱でございます。そういう中で領土問題未解決ということが、のどに刺さったとげというよりは大変大きな障害になっているわけでございまして、それをどう解決するのか。今までゴルバチョフ前大統領の来日の場合、今度の場合、そういうことを含めまして長年きまざまな努力をしてきたということでございます。しかし、ああいう今日の混迷、混乱と申しましょうか、そういう状態の中で目立って前向きに打開ということになっていないということは大変残念なことだと思います。我が日本としては、そういう打開の方向をさまざま、どういう条件をつくりどう努力をしていくのかということを考えなければならないということだと思います。その意味では、今度のエリツィン大統領の来日の中でも、今まで長年一言もございませんでしたが、シベリア抑留問題について深々と頭を下げて陳謝をしたというようなことがございました。一つ一つそういう関係を積み上げ、そして日ロ間の最大の問題であり、私どもの強い主張である固有の領土の返還の実現に向けて努力をしていきたいと思います。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 経済援助を慎重にすべきだ、こういう意見がありますが、どう思いますか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 従来からこの領土問題、日ロ間のさまざまな交渉の中で、政経不可分がそうでないのか、あるいは出口論、入り口論、さまざまございました。何かそういうふうに形として割り切るというよりも、我々の主張を達成をし、そしてまた日ロ関係を正常に戻し、相手の国も落ちついたいい国になってもらうというためにやや複合的なと申しましょうか、そういう視点での努力が現実必要なのが今日の状況ではないでしょうか。そう思っております。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 お答えになってないじゃないですか。経済援助、どうします。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 経済援助をどうするかを含めまして、これは私の所管だけではないことでございますので、いろいろと政府部内でも御相談をさせていただきたいと思います。  今私どもできのう、きょうと相談しておりますのは、放射性廃棄物について合同のこの問題の処理という話はあったようでございますけれども、まず単独で状況を緊急に調査をするという活動が必要でございまして、私ども運輸省といたしましても、海上保安庁、気象庁などを含めまして参加をしてきちんとした調査をしていただこうと思っております。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 細川内閣の閣僚といたしまして、毅然とした、国民の声を反映した御意見をひとつ総理に言っていただきたいと御要望申し上げたいと思います。  成田の問題でありますが、四十一年に新東京国際空港の位置を閣議決定いたしましてから本日まで、まことにいろいろなことがありました。悲しい経緯もあったわけでありますし、第二次の代執行が行われました昭和四十六年には警察官三名が殉職をされております。五十三年五月に開港をして、その後六十一年二期工事着手、六十三年には運輸大臣が千葉県知事会談で話し合い解決の趣旨の徹底を確認しながら、運輸大臣が公団総裁に対し同趣旨の徹底を指示、その後、話し合いが行われまして、平成三年の十一月、成田空港問題のシンポジウムが開催をされて以来十五回、平成五年五月に第十五回成田空港問題シンポジウムが開催されたときに、「成田空港問題シンポジウム終結にあたって」というものが示されました。そして九月二十日第一回成田空港問題円卓会議が開催をされまして、昨日も円卓会議が開催をされているわけでありますが、成田空港の現在の状況と今後の見通しについて簡単に御説明いただきたいと思います。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 成田空港は現在面積五百五十ヘクタール、滑走路は四千メートル滑走路一本、旅客ターミナルビルが第一と第二、この二つのターミナルビルを持って運営をいたしております。しかしながら、滑走路一本では首都圏を中心とする国際航空需要に対応できません。なるべく早くB、Cを含む二期施設の完成をお願いをしたい。そのための努力をしていかなければいけないと思っているところでございます。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 今さら過去のことについて一々ぶり返すことは避けたいと思うのでありますが、なぜこれだけおくれたのでしょうか。そして、そのおぐれた原因がどこにあったのか。それから、それに関係して社会党の政策なとのかかわり合いはあったのでしょうか、なかったのでしょうか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 今も航空局長が現状を申し上げましたが、二十数年に及ぶ長い、ある意味では不幸な歴史がここに存在をするわけであります。なぜおくれたのかと申しますと、やはり当時の二十数年前、あるいは三十年近く前の空港決定というものの経過が、地元農民にとりましては、何か権力的に計画が組まれ、天から空港が降ってきたという印象を持たれたことは事実だと思います。また、別の意味で申しますと、いろいろと抗議なり要望なり反対運動が起きる、それに対して非常にまた過激な運動と申しましょうか、いろいろのものがついて回って非常に騒然たる状況になる、そういう時代でございました。何かそういう一つの時代の象徴として成田空港の完成がおくれにおくれてきたということを振り返るわけでございまして、私は、今切実な気持ちで、何とか早くあの問題を打開したいと思っております。  私も二十年前の当時、何遍か反対運動に参加をして、あそこに参りました。これらを振り返ってまいりますと、何か不幸なああいう対立の時代というものから、本当に、やはり協力と共生と和解と申しましょうか、そういう時代にしなければならない、切なる思いがいたしておりまして、そういう意味では、特別な責任を持って私もこの問題の打開に当たる立場であろうというふうに存じております。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 今大臣の口から、やはり大臣自身も過去にこの成田・三里塚闘争の中にかかわり合いを持たれた、こういうことのお話があったわけでありますが、今成田空港の滑走路というのは一本しか完成していないのですね。それで、主要国で結構だと思うのですけれども、ほかの主要国の主な空港、表玄関と言われるところの空港、それの滑走路は大体どの程度あるのか。例えば、私ちょっと聞いてみましたら、シカゴには八本あるとか、デンバーには十二本あるとか、こういうことをお聞きをしているのですが、大体ほかの国の状況をお知らせいただきたいと思います。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 フランクフルトは三本でございます。それからヒースローは三本、シャルル・ド・ゴールは二本、ローマのフィウミチーノが三本、ジョン・F・ケネディー、アメリカでございますが、これが五本、大体こんなような状況でございます。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 今お話がありましたとおり、大体最低二本ないし三本。成田も三本の予定で始まったわけですが、依然としてまだ一本しかできていなくて、それが日本の国の経済あるいは外交などに与える影響はまことに大きいと思うわけであります。  その中で、大臣が先ほども触れていましたけれども、やはり過激派を含めた反対運動、国の施策というものも確かにおっしゃるとおり十分でなかったのかもしれません、意志決定の問題でありますとか、補償につける話し合いでありますとか。しかし、あの過激派を含めた強力な反対運動があって、そして、今日ここまでおくれたということは紛れもない事実だと思うわけであります。その中で、社会党の、過去において一坪運動というのがあったわけでございます。その一坪運動のことについて、実は私はお聞きを申し上げたいと思うわけであります。  当時、大臣は国民運動局長であったと思うのでありますが、そのとおりかどうか。それから、社会党の当時の成田空港に対する政策、これは一坪運動も含めてお聞かせいただきたいと思います。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 成田空港の問題にかかわる社会党の態度ということを申しますと、幾つかの変遷がございました。また、一つの時代の流れというふうにも思うわけでございまして、先ほど申し上げましたように、当初、突然空港計画が具体化をする、そういう中で地元では非常に反対運動が起きる、その反対農民の立場を私どもは応援しましょうということで社会党はさまざまの活動を組んだわけであります。あくまでもやはり支援活動というのが基本でございました。そうして、そういう過程の中で、やはり現実にあの場所で幾つかの不幸な事件がございましたが、一坪運動というものにも社会党の国会議員がかかわったということも事実でございます。その後、あの経過の中で、また私どもが考える運動というよりも非常にラジカルな形での何かそういう形態がだんだん表面化をしてくる。これは私ども社会党の大衆運動の考え方とは違いますという意味で、それらの方々とは一線をきちんと画するということで整理いたしました。また、並行いたしまして、一坪地主という方々につきましても、全部所有者にお返しをして解消する、社会党関係はそういう措置をとらさせていただきました。  現在の時点では、先ほど報告させましたところの隅谷調査団のシンポジウムの努力、あのシンポジウムの隅谷所見と言われるところの文書でも、最後の数行などを見ますと、何か、不幸な時代を超えて本当に真剣に新しい時代をつくろうではないかという意味合いのことも述べられております。そうして円卓会議がスタートいたしました。私どもはその方向で、言うならば地域と空港と共生できる時代、あるいはそれについての具体的構想というようなことについて、真剣に前向きに努力をしていくというのが今日の、これは私もそうでございますが、社会党もそういう態度で臨んでいるということでございます。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 一九七一年九月二十二日の社会新報によりますと、「午前八時、伊藤国民運動局長、木原、加瀬両国会議員ら県共闘代表が、現地の公団本部で、川上副知事ら県・公団代表に代執行の違法性について抗議。」先ほど聞いたのですが、これは恐らく大臣のことだと思うわけでございますが、大臣、若いときから大活躍されていたわけでございますけれども。同じように、これは一九六九年の朝日新聞でありますけれども、その中に「地主になった前代議士、参院議員は、成田委員長のほか、山花秀雄副委員長これは今の山花さんのお父さんだと思いますが、「勝間田清二剤委員長(以上衆院)大和与一前参院国対委員長、藤原道子、加藤シヅエ氏らが名をつらねている。」こういうふうに実は報道の中でも書いてあります。また、七〇年十二月十五日の朝日新聞夕刊でありますが、「支払い対象」これは一坪運動ですね。「支払い対象の大半は反対派。中でもやっかいなのが一坪運動・共有地に名をつらねている社会党の成田委員長をはじめ同党の代議士ら五十五人で、「簡単に会えるかどうか」もわからない。さらに労組関係者も多く、それも全国に散らばっていて「所在がつきとめられるかどうか」」一坪地主運動の目的、今大臣からお聞きをしたわけでありますが、今私が新聞記事などを引用して大体当時かかわり合いのあったリーダーの方々のお名前を申し上げたわけでありますが、大体どの程度の国会議員が当時社会党の方が一坪地主運動に参加をされたのか。それから、これは今社会党の国会議員の方々はその権利を返上されてもとにお戻しになるということでありますけれども、それはなぜおやめになってお戻しになるということになったわけですか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 新聞など文書を若干御紹介ございましたが、私もそれぞれやはり時日の経過というふうに認識をいたしております。やはりそういう一つの時代がございまして、御質問ございました一坪地主の当時の社会党の国会議員、ほぼ六十名だったと思います。今おやめになった方も、お亡くなりの方もいらっしゃいますから、具体的には申しませんが、約六十名がかわっていたというふうに思っております。私は今お話ございました経過を伺い、また自分でも振り返りますと、成田というところに象徴された一つの時代の歴史の経過、私、また自分で若干かかわりを持った立場から自分のたどってきた道の一つの歴史の経過というものをしみじみと思います。そして、今あの当時の、片っ方では農民の皆さんからは権力的に空港が天から降ってきたというふうにとらえられる。そしてまた、片っ方では過激な運動がいろいろ起きるという時代でございましたが、いや、もう時代は大きく変わりました。対立と抗争の時代から、何かやはり協調と協力、建設の時代ということが今日の使命ではないだろうかというふうに思うわけでございまして、そういう意味から申しますと、前大臣の越智さんも、前々大臣の奥田さんも大変この問題につきましてはシンポジウム、公開シンポなどでかかわりを持ちまして、私今でも忘れませんが、たしか奥田さんのときだったと思いますが、政府もこの間にはいろいろと現地の皆さんに御迷惑や御苦労をかけましたという言葉を述べて、反対同盟の代表の方がその一言を聞きたかったと言って壇上で握手をしたという姿を見ましたが、今までの先輩大臣の努力を含めまして、新しい時代に進んできたということを私は非常にうれしく思っております。  そして、いろいろ御協力いただきまして、ぜひ何かやはり共生の象徴としてのいい空港と地域ができるように努力をしてまいりたいと思っております。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 なぜ一坪地主運動をおやめになったかということについては御返事なかったと思うのですが、一九六九年十月五日、これもやはり社会党の機関紙であります社会新報でありますが、成田委員長はこう言っておるのです。「社会党は三里塚空港反対同盟のたたかいを一貫して支持している。それは三里塚のたたかいが、土地と生活と権利とを守るたたかいであり、政府と真っ向から対決するたたかいだからだ。」「政府と真っ向から対決するたたかいだからだ。」その政府と真っ向から対決をすると委員長みずからがおっしゃっていた運動をなぜおやめになったのですか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 亡くなられた尊敬する成田委員長の言葉でございますから、あれこれ私が、後輩の私が言う立場、気持ちもございませんが、恐らく集会がその他のようなところでお述べになった言葉ではないだろうかというふうに思います。  私どもは、そもそも三里塚、成田という経過の中で取り上げる前にも、原理的に空港を否定するという立場をとりませんでした。あの場所がいいのかどうか、羽田の将来がどうできるのか、あるいは当時米軍管理下にございまして、今海上保安庁に移管されましたがブルー14とか航空管制に関する問題とかいろいろなことを勉強した覚えがございます。お言葉はそれぞれ幾つが御指摘ございましたようにあるかもしれませんが、私どもの考え方はやはり、何か権力的にやろう、それに対して我々は農業を続けたいという意味でのあつれきが起きる、私どもは農民の立場を応援しましょうというのが当時の経過でございました。  それから、先ほど御質問ございましたが、落として恐縮でございましたが、そういう経過の流れというものの中で、やはり過激派の運動と我々とはそもそも違います、ここはきちんとしましょうということもございましたし、それからあそこがあれだけできて、そして年を経てくるというふうな中で、あくまでも一坪地主という形で抵抗して阻止するんだ、これはとめるんだ、あるいは更地に戻すんだというようなことはできません。そういう形でやはり運動のあり方も当然変えるべきだということで、六十名でございましたが、解消したということでございます。  今は先ほど申し上げましたような気持ちで、やはり地元の皆さんと和解、協力のできるいい空港をなるべく早く実現できるように努力をしたいと考えております。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 今大臣の口から、過激派と違うんだ、こういうことであったというお話でありましたが、週刊文春、当時の昭和四十六年ですね、それの百四十六と書いてありますから百四十六号という意味でしょうか、よくわかりませんが、そのコピーを私持っているのですが、こう書いてあるのですね。これは週刊誌の記事ですから余りお気にとめないでいただきたいと思うのでありますが、「反対同盟の組織づくりをしたのは社会党なんです。だからはじめは反対者は相ついで入党しました。一坪地主の運動なども同党の仕事で、初期は完全に闘争のヘゲモニーをとったとみえたんです」こういうふうに、これは社会党関係者の発言でありますね。それから、「この辺の事情は社会党の県議や代議士もみとめて、」「途中から学生が運動に入りこみました。その動機は、社会党県連が、三里塚空港は軍事基地闘争であると規定してしまったからなんですな。」要するにこの社会党の成田の空港に対する運動がやはり軍事基地とのかかわり合いの中で闘争方針を組んだ、これだから過激派学生もこれに参加をしている、こういう実は記事になっているわけでありますね。  そこで、当時、やはりこれは七一年十月十四日の朝日新聞でありますが、「選挙民の反応もきびしくなる一方で、「警官を殺したのは社会党の先生たちの仲間か」と白い目を向けるケースもふえ、労組からも「いつまでがんばるつもりか」といやみめいた質問をされるという。」要するに、過激派が運動に参加をしてきて、そしてその過激な運動の余り犠牲者も出てきた。それはやはり社会党が大きなかかわり合いを持っているんじゃないかという批判があって、恐らくそのぐらいから社会党はこの成田闘争に対する方針を変更せざるを得ない、選挙に勝ち抜くためにも、政党としてやはり組織を拡大するためには基本的に方針を変更せざるを得ないという事態になったのではないかというふうに私は思うわけですね。  現に、その証拠を私申し上げたいと思うのです。「成田空港闘争——今後のたたかい」といいまして、これも社会党の関係の本に載っていたものでありますが、若松繁男さんという方、この方は当時オルグだったと思います。「部分的には、三里塚闘争を通して党員が先進的な闘いをつくりあげ、また、青年の闘いの拡大とそのなかで党員づくりが進んでいる。」わかりますね、「これら具体的闘いがつけあわされ、大衆闘争をにないうる党の思想的・組織的前進をからとっていかねばならない。」だから、成田闘争を通じて党勢を拡大しなければならぬ、思想的にも社会党の考え方を浸透させなければならぬ、こういう位置づけを実はしているわけであります。  同じく社会新報、一九六八年六月十二日、こういうふうに書いてあります。「現地におけるたたかいこそが、このたたかいの基礎である。それゆえにこそ、政府公団も反対同盟の組織壊滅をねらってきているのである。また農地を守るたたかいからこここのところが大事だと思うのですが、「ベトナム、中国、アジア諸国を侵略するための軍事基地反対、米軍事基地撤去、沖縄全面返還、合理化反対、日米安保条約破棄の政治闘争を結合して農民、労働者、学生を中心として三里塚空港に反対するすべての勢力を結集してたたかうなかで」、こういう記事が載っているわけであります。これは社会新報でありますから。  要するに、単なる農民支援運動ではなくて、完全に政治的闘いになって、しかもその中心は、いわば安保を初めとするところのそういう一連のものについての反対運動の中の位置づけ、こういうふうに実は社会新報やあるいは関連する雑誌などでも認めておるわけでありますが、大臣、どうでしょうか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 いろいろと引用、御指摘がございました。  私は、先ほど申し上げましたように、農民の立場を支援をする、それから空港を原理的に否定するのではない、あのような形で、権力的にあのようなことで起こって、さまざま騒動が起きて、そして命をなくされた方もいるというようなことはあってはならないという気持ちでございましたが、今御紹介されました、恐らく一部は私どもが出していた当時の文書ではないかと思います、それらの中で、今考えてみても、また当時の状況から判断しましても、ややオーバーな、あるいはちょっと間違っている文面がある。私どもよく一度振り返ってみまして、それらの問題はチェックをしてみたい、過去を振り返る意味でチェックをしてみたいというふうに思います。  どうぞ、しかしお願いでございますけれども、当時地元の素朴な農民の皆さんが、何か天から空港計画が降ってくる、一体どうなんだ、自分たちの将来についても、自分たちの、農民、農業の将来についてどうなのかと不安に駆られて、さまざまなやはり農民の皆さんの運動があった。それは運動をやった方が悪いというわけではございませんで、やはり一つのああいう時代の相互関係、今だったらあんなことしませんですね、ということだと思いますが、それらを含めまして、先ほど申し上げましたように、今まで先輩大臣も含みまして率直なお話をして、お互いにやはり心の解ける時代というものをつくっていこうという方向に進行しているわけでございまして、そういう努力と新時代のお互いの関係を基本にしながら過去を振り返ってみて、あのときどうだったのかなということを考えていくということが非常に大事ではないだろうかと思っております。  一つまた申し上げて恐縮でございますが、いろいろな意味で変化をしてきたと思います。第一回の円卓会議が開かれる、私は参りましたが、開かれる、私が参るその前日でございましたが、あの周辺の子供たちが三百人集まってジャンボと綱引きをして、三百人の子供でジャンボを引っ張ったらジャンボが動いたというニュースがございまして、ああ、いい時代になってきたな、あの子供たちに、やはり我々の空港と思ってもらえるような時代をつくらなくちゃならぬ。先ほど申し上げましたように、この段階でございますから、ぜひ大きな責任感を持って処理してまいりたいと考えておりますので、何かいろいろございますけれども、過去反省しなければならぬ点も、過去の一定の過ちについて振り返ってみなくてはならぬ点も確かにあると思います。しかし、今そういう方向の中で過去を振り返ってみるというところに本当の意味での価値があるのではないだろうかと考えておりますので、どうぞ御理解いただきたいと思います。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 現在の未買収地はどれぐらいあるのでしょうか。そのうちの内訳、地主の方の数と、あるいは一坪地主の方の数、それから広さ、地主の方の。それをお聞かせいただきたいと思うわけであります。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 現在の未買収地は全体で二十一・三ヘクタールでございます。それから、一坪運動共有地はそのうちの約一・四ヘクタールでございまして、件数は二十九件、共有者は千二百六十九人でございます。それから、未買収地の内訳でございますが、いわゆる北原派に属するものが〇・五ヘクタール、熱田派に属するものが五・七ヘクタール、小川派に属するものが十一・五ヘクタール、その他が三・六ヘクタール、こういうふうになっております。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 大臣のお話を伺いまして、まことに社会党さんにも、やはりその当時その当時の政策、あるいは運動方針というものがありますが、しかし、そういうものがあったけれども、今は何としても一日も早く空港建設に全力を尽くされる、こういう強い決意を伺って一私は非常に敬意を申し上げる次第でありますが、その中で、やはりまだ一坪地主の方が千二百人以上現実にいらっしゃるということで、この空港を推進するためには、いち早くこの一坪運動を、これは農民の手にお戻しになる、こういうことが私は大事だと思うわけでありますが、これは大臣としてどのようにお考えになりますでしょうか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 本当にこの粘り強い真剣な活動をやる以外に道はないと思います。強制という方向をとるべきではありませんし、また、もし万一そんな考え方があったにいたしましても、県の収用委員会は御存じのとおり機能いたしておりません。不可能であります。  要するに、どうやって皆さん合意を得て、そして建設をするのかという道を懸命に模索する以外にはございませんし、そういう意味で申しまして円卓会議はスタートをさせていただきました。恐らく、間もなく実のある話にしなければならないと私どもは存じております。公開シンポジウムは和解のステップでございまして、今度は円卓会議は結論を得る方向、段階が違うと思いますから、したいと思いますし、そこに御参加をいただいている反対同盟の皆さん、心から敬意を表しながら、謙虚にまた真剣に話をしていきたいと思います。  御参加をいただいていない部面の方々もいらっしゃいます。私もいろいろな努力を通じて、その方々とも、大きなテーブルか小さいテーブルか、いろいろな言葉はございますけれども、私どもも真剣に過去を振り返りながら考えますから、一緒にとにかく話をして考えてくださいという努力をやってまいり保たいというふうに考えておりまして、そういう意味でこれから何カ月かしばらくの間、非常に大事なときだというふうに思っております。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 憲法十三条の問題もありますけれども、どうか、我が国にとってとても大切な大きなプロジェクトですから、ぜひ大臣先頭になって、特に一坪地主に大臣の方から積極的に、おやめになってお戻しいただく、農民の手にお返しいただくということをぜひ御尽力をお願いをしたいと思います。よろしくお願いをしたいと思います。  次に、整備新幹線の問題についてお聞かせをいただきたいと思います。  なぜ今新幹線なのだろうかということでありますが、新幹線が航空機に比べすぐれている点は運行頻度の多さにある、情報化社会が進展するのに伴い、交通機関に寄せられる期待は運行速度の速さから総移動時間の短縮へと変わってきた、つまり、交通機関の最高速度のみならず待ち時間の短さが要求されるようになってきた、航空機の最高速度は千キロであったとしても、一日の運行頻度が二回程度であれば、時速が三百キロで運行頻度が一日十回以上ある新幹線の方が便利であることは明らかである、今日新幹線の建設が期待される理由はまさにこの点にある、ある学者の人がこう言っているわけでございます。  伊藤大臣は、十二月の予算編成までに整備新幹線についての結論を得るため、今月にも関係大臣と相談をする旨の発言をいたしております。これは九月十六日の新聞なのでありますが、同じことがこの新聞にも書いてありまして、「連立与党内でのこの問題の取り扱いは未定で、政府部内でも大蔵省は公共事業費の増加につながる見直しには否定的。しかし、地元からは政権交代後も連立与党や運輸省に見氏し問題の協議を求める陳情が続いており、協議の受け皿づくりが課題になっている。」運輸大臣は「関係大臣には適切な時期にご相談したいと伝えてある」。  現在どの程度まで話が進んでおられるか、お聞かせいただきたいと思います。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 御指摘ございましたように、平成六年度予算編成に向けて政治判断も含めまして決断をしなければならない大事なテーマの一つであるというふうに認識をいたしております。自民党政権当時に五年後見直しということでことしの八月までさまざまな御議論があった経過も承知をいたしております。今まで、社会党大臣の皆さんはどのように受け継ぐのか、前の政策をきちんと、今までの政府か国の政策をきちんと継承しますかという論争が予算委員会でございましたが、こういう問題につきましても責任を持ってきちんと受け継いで打開をしていかなければというふうに思っているところでございます。  現段階を申し上げますと、私とか私どもの運輸省内部でさまざま勉強するということは前提でございますから言うまでもございませんが、まずやはり連立与党の方で、政策責任者を中心にいたしました政策幹事会というところで、今まで一回、二回の会合でしょうか、勉強と討議を始めているというふうに伺っております。恐らくその上で代表者会議と申しましょうか、各党書記長・幹事長レベル、そういうレベルでの協議に間もなく上がっていくというようなことであろうと思います。  相伴いまして、前の整備計画の見直しもそうでございましたが、もちろん運輸大臣それから自治大臣、大蔵大臣あるいは官房長官が関係をするというのが従来の仕組みでございました。受け皿というのはそこでございまして、何らかの御相談をする場をどうつくるのかということも検討に一つあると思いますし、同時にまた、場をつくるということ以上に、中身のいい結論が、関係地域の皆さんも国民的にも合意のできる方向をどうつくるのかということが一番肝心なことでございますから、今のところいつどういう受け皿、形をスタートさせてというところまではまだ決めておりません。今後の進行の中で、もう日にちがそうあるわけではございませんから、大事なテーマと思ってこの問題の解決、打開と、また御相談を進めさせていただきたいと思っております。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 大臣が九月十四日の閣議後の記者会見でおっしゃった、「適切な時期に運輸、大蔵、自治の関係三省と連立与党の政策幹事会にご相談したい。」、こう書いてありますが、これは具体的にしているかどうか。  それから、先ほどおっしゃった連立与党の幹事会でありますが、大臣は一、二回勉強と討議をしているとおっしゃいましたが、実は本日の朝初めてやられたのではないですか。違いますか。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 事実関係だけちょっと補足させていただきをすと、連立与党の幹事会では、十月に入りまして一回、それからその下にあります専門委員会を含めましてさらに一回会議が既に始まっておりまして、本日はそういう意味では実質的には三回目ということになろうかと思いますが、専門委員の方々で御検討が始められたのはきょうが第一回目でございます。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 三省では相談していますか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 先ほど申し上げました大臣の方々それから与党の関係など、これは、もう絶対に御相談に乗ってもらって一緒にやらなければならない方々でございますから、それらは機会あるごとにいろいろとお話をしたりなんかはいたしておりますが、何か仕組みとしてか、きちんとした協議としてやるのかということは、やはり物事の進行、見通しと兼ね合った非常にデリケートな問題でもございますから、何日にスタートするのかというようなことはまだ考えてはおりません。  それから、あえて申しますけれども、これは与野党対決とかいう課題ではございませんで、いろいろな意味でやはり知恵を絞らなければならない。言うまでもなく財源、お金をどうできますか、後の収支見通し、JRが赤字にならないように、第二の国鉄にならないようにどうするか、その二つが問題であることは、もう広く皆さん言われているわけでございまして、それらについては、ある意味では、党派も超えた努力を皆さん方と一緒にやっていくということも大事なことではないかと存じております。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 それはやはり、大臣もおっしゃったとおり、こういう問題は党派を超えてお互いに協力し合いながら、知恵を出し合いながら推進していくべきだと思うのです。  ただ、私が懸念をいたしますのは、私ども野党になりまして、皆様方が与党になりまして、やはり与党の責任は重いということをどうか自覚していただきたいと思うのです。なぜであるならば、実は、我が党のことなど申しますと、最近は連日のようにこの新幹線の問題に対して、財源をどうするとか、どういうことをどういう方向でやるべきだとか、いろいろな議論をしているのですが、どうも連立与党の方はこの議論が、先ほどお話ありましたけれども、専門の担当の人たちではきょう朝初めて行われたという状態でありまして、事の重大さに、やはり熱心に取り組んでいくという姿勢に欠けるから、そのことを私は非常に懸念をしているわけであります。  しかも、適切な時期に運輸、大蔵、自治、関係三省と御相談をするということ、当然でありますけれども、もう予算を今組んで、最終場面に来て、これからのんびり構えている状態ではなくて、本当に新幹線を推進するのであれば、今もう既に関係各省との協議が終わって、そして連立与党としてどう進めていくという、こういう方針がもう既に出ていなければならぬと思うのですが、いかがですか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 御指摘いただきましたような、与党間のさまざまな協議、与党の責任をきちんと果たせるように、さらにテンポを上げて鋭意努力をしていただくようにお願いをしたいというふうにも思いますし、本日、委員会の冒頭にも、率直な議論をしましょうというお話がございましたから、あえて申しますが、私も機会あるごとにさまざまな方、陳情に見える方は当然ですが、さまざまな皆さんと、一体この金と見通しと含めてどうしますかというふうな御意見を伺っておりますし、きのうの夜など遅くまで、前の自民党政権当時のある方にいろいろとお話を伺っていたというようなことでございまして、非常に大きな大事な問題だという認識を前提にして努力をさせていただきます。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 自由民主党では、昭和六十三年、平成元年、平成二年に、政府と自民党において、新幹線整備を進めるに当たっての申し合わせを行っております。これをどのように評価なさるか。それから、政府の政策の継続性というものを再三発言をしていることからいえば、当然この申し合わせの延長線上に新幹線の建設があると思いますが、いかがでございますか。  それから、時間がないのでもう一つ続けてお聞きをいたしますが、昭和六十三年の申し合わせにある五年後の見直し条項についてどのようにお考えになるか、お聞きをしたいと思います。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 御指摘ございましたような申し合わせ、その他の今までの記録に残されている経過も私どもは踏まえて新しい打開をどうするのか真剣に努力をするということは言うまでもございませんし、また、記録に正式にとどまっていない範囲でも、一体どうだったんでしょうか、また、御異議があったら、どうお考えですかというようなことを謙虚に、また、真剣に私ども伺っておりますので、それを踏まえてやっていきたいと思います。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 後段の五年後の見直し条項、これについての御発言がなかったのですが。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 五年後見直しということが、ことしの八月がたしか期限であったと思いますが、このような政権交代ということになりました。そういう経過を私どもはやはり継承、受け継ぎながら打開しなければならないことは言うまでもございません。そういう意味で、過去五年間もいろいろな議論があったことはいろいろと伺っておりますけれども、気持ちとしては、それ以上真剣な努力をさせていただいて、もう日にちはそうございませんけれども、来年度予算編成に向けた大事なテーマとして努力をしていく。特に、運輸大臣の立場としては、財政上その他いろいろなことがございますから、さまざまな難しい話もしなければならないし、また、政府部内でもお願いをしなければならぬかとは存じますけれども、運輸省、運輸大臣の立場は、やはり将来社会に向けて、言うならば、分権化、均衡ある国土の発展のための基礎条件をつくる高速鉄道のネットワークをどうつくるのかということが私の仕事でございますから、そういう気持ちを持って努力をさせていただきたいと思っております。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 努力をされるということなんですが、何をどのように努力されるかということが私はやはり問題だと思うのですよ。努力していただくのは当たり前の話でありまして、では具体的にどういう政策を新しく出していくかということだと思うのですよ。それで五年後の見直しということをお聞きをしたわけでありますが、自民党としては一応案が出て、考え方も出ているわけでありますが、それでは具体的にどのように変えていこうというのか、新しい政策をとろうというのか、そういうお考えはありますか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 五年後見直しという方向に向けまして、ことしの八月までと申しましょうか、現実は先般の解散・総選挙まで、さまざまな御議論の経過なども私もいろいろとお話を伺っております。今の段階でその内容をどう見るか、それを踏まえてどうするのかとなりますと、これから私どもが新内閣として新しい勉強をしながら、しかも打開をしなければならないという問題でございますので、恐縮でございますけれども、どうできるのかまで固まっておりませんし、その中身の評価あるいは今後ということにつきましては、今日の段階では差し控えさせていただきたいと思います。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 自由民主党であれば、すぐ具体的に案を示させていただきたいのですが、与党ですから、責任がありますから、ひとつできるだけ早く見直しをしていただきたい。その際に、はっきり申し上げておきますが、先ほど冒頭大臣からお話ありましたが、自由民主党も、野党にはなりましたが、党派を超えて一生懸命お手伝いをさせていただきたいと思いますし、自民党の知恵をかせと言えばかさせていただきますし、自民党の力をかせと言えばかさせていただきますし、どうか御遠慮なさらないでひとつ言っていただきたいと思うわけであります。  その中で、フル、ミニ、スーパー特急、この三つの規格の問題なのでありますが、現在は三線五区画でいろいろな形の中で建設が始まったわけでありますが、本来、新幹線はすべてフル規格になることが望ましいと実は思うわけであります。だから見直しの機会も法制上定めてあると思いますが、いかがでございましょうか。  それから、この際、東北新幹線はすべてフル規格にすることにしたらどうでありましょうか。その方が効果的と思います。フル規格の場合、函館−東京を四時間で結ぶことにより、六〇%の人が仕事で新幹線を利用するとの調査結果もあります。また、ミニ新幹線であるならば、六時間かかるため二〇%しか利用しない、こういう効率的な面の調査結果が出ているわけであります。特に、私は北海道でありますが、北海道はフルということになっているわけでありまして、フルを乗り入れしてもらわなければならないということであれば、当然東北新幹線はミニをフルにしていただくということだと思いますが、いかがでございましょうか。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 いわゆる基本スキームにおきまして、特に今お話のございました東北新幹線で、フルの部分、それからミニの部分というまだら模様になっているということで、地元からもいろいろ御意見のあることは私どもも承知をいたしております。  この経緯につきましては、もう先生御案内のとおりでございますけれども、当時、この基本スキームを定めました時点で、非常に財源が限られておるという大きな前提がございましたので、その限られた財源の中でどうやって一番時間短縮効果をもたらすような投資ができるかということを関係者の間で討議をした結果、御案内のとおり沼宮内と八戸の間、一番線形の悪い部分についてフルにする、そのフルの直通効果が一番出る方法としてその前後の区間をミニにしたということで、いわゆる経済効果としましては、それが当時の考え方として最も妥当であろうということで設定されたものでございます。  御指摘のとおり、もちろんフルにすれば時間短縮効果はより短くなるわけでございますから、それだけ乗る方も多くなるということは当然一般論としては想定されるわけでございますけれども、全体の財源との関係、投資の額との関係ということを考えますと、現在の方式がその限られた枠を前提として妥当ではないかということで今日になっているということでございます。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 財源の問題もありますけれども、しかし財源は施策をとれば解決するわけでありますから、少なくとも。  それではお聞きしますが、国土軸となる新幹線についてはすべてフル規格として建設するべきであると自由民主党は考えますが、いかがですか。同じ考え方に立てますかどうか。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 国土軸というのはいろいろ概念があると思いますけれども、当然そこには一つの需要、お客様の一定量というものがあるということが想定されるわけでございまして、そのお客様の量に応じた規格というものは一つ考えられると思います。  それともう一つは、先ほど来申し上げておりますように、財源との関係でございまして、財源が無限であればもちろんいかようにもできるわけでございますけれども、その限られた財源の中でどういうふうに整備するかということもあわせて検討していくということが必要であろうというふうに考えております。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 財源対策ができれば国土軸の幹線はフル規格で行いますか。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 当然一定の需要があるという前提でございますけれども、それは可能だと思います。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 それもやはり財源が問題になってくるわけでありますが、それを進めていくという運輸大臣の立場では、財源を握っているのはよくても悪くても大蔵省ですから、その大蔵省に対してどういう姿勢でお臨みになりますか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 御案内のとおりに、現在の三線五区間というのはほぼ二兆円、それから整備計画全体を完成をするというのはほぼ七兆円と言われております。五兆円の差があるということと先ほど御議論のあった問題みんな関連をするわけであります。私は、何とかして財源の確保に当たりたいと思います。そうしてまたもう一つ、関係自治体の皆様の真剣な地元対策、発展計画を含めて第二の国鉄とならない将来展望、それは分権化社会の方向だと思いますから、そういう御努力をできるだけ共同で一生懸命やっていくというふうにしていきたいと思います。  そういう意味で申しますと、財源の方で申しますと、一面ではさまざまなところから硬直した公共投資の見直し論というものが出されております。それらをどう来年度予算の中で表現できるのか。現実には、見直しと申しましても、余りにも硬直化しているものを今日の時代に合わせるように変えましょうと申しましても、地域に進んでいる計画ですからどこかでぽこんと木に竹を接ぐように変えるわけにはまいらないというのが現実でございますし、しかしそれも私は貴重な問題意識であろうというふうにも思います。  それから、私としましては、やはり分権化時代、均衡ある国土の発展、生活者の時代などと今社会的にも強調されておりますが、そういう時代に向けて、当面苦労しても何かその基礎条件となる高速鉄道のネットワークをどうつくるのかということの意味合いというものを私どももぜひ強調してまいらなければならないと考えておりますし、財政当局の皆さんだけではなくてさまざまの、財政制度審議会とかかかわるところがございますし、いろいろなところに私どもの気持ちを御理解いただくように努力をしたいと思っております。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 今二十六兆円の債務を抱えているわけですね。それはありますが、しかし、財源を新しく開拓をするということであれば、今大臣もおっしゃいましたが、公共事業という位置づけの中で国が責任を持ってやるために国が財政的な措置をするという方法もありますし、また、我が党などは地方の負担を軽くするために地方交付税などの取り扱いの方法もあるのではないかというようなことも提示をさせていただいておるわけであります。  もう一つ考えられる財源にJRの株の売却益があるわけでありますが、例えば東のJRの株の売却、これについて実数の数字でどれくらいの益が出てまいりますか。そしてそれはどのようにお使いになるおつもりでありますか。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 JRの東の株式につきましては先般公開競争入札あるいは抽せんによりまして売り出しが始まっておるわけでございますが、その売り値が三十八万円でございます。大体本年度二百万株を予定しておりますので、これが仮にそのとおりでありますとすれば二百万掛ける三十八ということで約七千六百億の収入になるわけでございまして、当初予算では額面で計上しておりますので、それの差額では約六千億程度の債務の減少ということになるわけでございます。ただし、その前提は土地が予定どおり、予算の見込みどおり売れるという前提でさらに六千億程度債務が減少するということになるわけでございます。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 北海道・長崎ルートの着手についてお伺いをしたいと思いますが、いつごろ着手なさる予定でありますか。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 御案内のとおり、現在はいわゆる三線五区間ということで基本スキームに従って工事を進めておるわけでございまして、それ以外の区間をどうするかという点については現時点ではまだ申し上げる段階ではございませんけれども、北海道あるいは長崎の各地から大変強い要望があるということは私どもも十分承知をいたしております。

今津寛自由民主党・自由国民会議

○今津委員 かつて明治維新の後に鉄道が全国に敷かれましたが、それはやはり採算ではなかったと思うんですね。国家百年の大計を考えながら、そして南は鹿児島から北は北海道稚内、網走まで鉄道を開いていったわけであります。だからこそ今日の我が国の繁栄があるわけでありまして、どうか、私本日ご質問しました成田空港の問題でありますとか、これは成田だけではありません、地方の空港、先ほど村田さんが御質問したのと同じでありますし、また新幹線、鉄道のこういうことでありますとか、これは私は、採算もさることながらやはり国が積極的に推し進めていくというこの意気込みが当然必要でありますし、また財源対策なども別に考えながら特別に推進をしていく、こういう姿勢にぜひなっていただきたいと思います。  その中で私は感じましたことは、大変な意欲を大臣お持ちいただいていると思うわけでありますが、しかし具体的な相談あるいは協議、討議、政策立案、こういうものについては残念ながら少し後手に回っているのではないかと思いますし、来年度予算もう間もなくでありますから、それに向けて早急に政府・与党の考え方をお示しいただいて、そして従来の考え方を見直してさらに推進できるようにぜひ大臣のリーダーシップというものも期待をして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

近江巳記夫公明党

○近江委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩をいたします。     午前十一時五十八分休憩      ————◇—————     午後一時開議

近江巳記夫公明党

○近江委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。細田博之君。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 私は運輸委員ではないわけでございますが、自由民主党におきまして交通部会に属しておりまして、自由民主党のこれから野党としての態勢といたしましてもちろん運輸委員会の委員を中心に審議を尽くすわけでございますけれども、野党である自民党として運輸政策を大いに議論していこうではないかということでございまして、私もその一員として委員会で質問を大いにする。機会を与えながら自民党の政策のために、またそれが今の与党の政府の政策に反映するように尽力せよ、貢献せよ、こういうことでございますので、いろいろな角度から質問をさせていただくわけでございます。  第一に、最近起こりました大阪南港のニュートラムの事故の問題でございます。大変おけがをなさった方、突然のことで私もニュートラムに乗ったことがございますけれども、極めて安全で安心だと考えておられたニュートラムが突然の事故を起こすという異常なことが起こったわけでございます。心から同情を申し上げる次第でございますけれども、まずその原因なり実情なり対策なり、そういった点について御説明をいただきます。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 先般、ただいまお話がございました大阪南港のニュートラム、いわゆる無人運転をいたしておりますが、これが住之江公園駅にとまりませんで車止めに衝突をいたしまして、その結果二百十三名の負傷者の方々が出られたということで、私ども大変残念に思うと同時にショックを受けておる次第でございます。  原因につきましては、事故直後から地元の近畿運輸局はもとよりでございますけれども、本省からあるいは交通公害研究所の専門家がそれぞれ参りまして、警察と協力しまして今事故原因の究明に当たっております。いわゆる常用ブレーキと申しまして、通常作用しますブレーキが何らかの理由で作動いたしませんで、駅を通過した時点でいわゆる非常ブレーキの方は働いたわけでございますけれども、それが完全に停止するに至らずに車止めに衝突したということが現在までの推測でございまして、どうしてそのような常用ブレーキが作動しなかったかという点につきましては現在まだ判明いたしておりませんので、早急にその事故の原因を解明いたしまして、その再発防止に万全を期したいというふうに考えております。  なお、南港のほかにもいわゆる無人運転をいたしております新交通システムが三線ございますけれども、当分の間係員を必要な区間に添乗させるということで、安全にさらに万全を期すということにいたしておりまして、いずれにしましても、事故の原因の究明を待って必要な措置を講じたいというふうに考えております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 ただいま御説明を承ったわけでございますが、住民の方、乗客の方は、もうコンピューターコントロールであるから、しかも今おっしゃったように二重三重の安全対策が講じられているから安全なものだと信じて乗っておられるわけですから、その驚きも衝撃もまた大きいものだと考えております。一層この原因を究明されまして、対策を講じられることを望みます。  さて次に、私は、最近大変に大きな経営上の問題その他の問題が生じております航空業界についていろいろ御質問を申し上げたいと思います。まず日本のいわゆる大手航空三社、最近の財務状況がどういうふうになっているか、そしてその原因が何であるか、当面どういう見通しを今持っておるか、そういったことについてお伺いいたしたいと思います。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 航空三社の経営は大変厳しい状況でございまして、日本航空が昨年度五百億を超える赤字を出しました。エアシステムも約五十億程度の赤字であります。全日空については百五十億円程度の若干の黒字を計上いたしましたけれども、その前と比べると大幅な減益でございます。  理由でございますが、一つは、やはり景気が低迷して需要が落ちてきているということがあると思います。もう一つは、国際競争というのが大変激しくなりまして供給過剰、値崩れというようなことが起きている、そういうようなことがあろうかと思います。  また、今後の見通してございますが、やはり景気の回復というのがはかばかしくございません。需要もいま一つ回復の兆しがつかめない状況でございます。また、国際競争も一段と厳しくなっておりますし、さらに最近は円高傾向もございます。そういったようなことで、今期の業績の見通しも大変厳しいのではないだろうかという見込みでございます。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 海外、そして国内、不況要因も重なって円高も重なって今日のような状態になっている、さらに今後も厳しい、こういうお話でございますけれども、会社によって相当大きな差があるということはそれぞれの要因の大きさが違うと思うのでありますが、大ざっぱに分けまして海外要因というものがどのぐらいであるのか、国内要因というものがどれぐらいであるのか、あるいは二年、三年前、あるいはバブル景気のころはどうであったけれども、最近特にどうであるのかということをもうちょっと詳しく教えていただきたいと思います。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 必ずしも十分な分析ができておるわけではございませんが、基本的に海外要因というのが大変大きい。したがいまして、端的に言いますと、赤字は大部分が海外から出ておるという状況でございます。国内ももちろん厳しいわけでございますが、国内はむしろ若干、昨年度の末では少しは黒字が出る、こういう状況でございます。ただ、国内もその後の景気の低迷、それから先ほどもおっしゃいました円高その他ございまして、ことしは大変厳しい見通しになるのではなかろうか、大体こんな状況でございます。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 海外といえば各国際路線が、そして国際航空会社が大変な競争をしているようでありますけれども、海外の各社の状況あるいは倒産、テークオーバーその他いろいろなことが、リストラがあると思いますけれども、ちょっと詳しく御説明をいただきたいと思います。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 海外も赤字でございまして、アメリカは一番大きい企業がアメリカン、そのライバルがユナイテッドでございますが、アメリカンもユナイテッドも平成四年で一千億以上の赤字を出しています。ヨーロッパの方でもルフトハンザが三百億円、エールフランスが七百億円、KLMが三百億円、いずれも赤字でございまして、大変厳しい状況でございます。アメリカではもともと企業の強いものが残って弱いものが滅びるという競争を繰り返してきた国でございますが、そういう競争が一段と激しくなりまして寡占化が進行している、航空会社の数が減ってきておる、倒れるものは倒れておる、こういう状況でございます。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 そもそも航空路線というのは、ほかの国でも一種の免許事業じゃないんですか。例えばアメリカ、ヨーロッパも、ここの路線を開設するときにはどこどこの認可が必要だというふうになっているんじゃないですか。ちょっと実態を教えてください。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 基本的には先生の仰せのとおりでございます。ただ、アメリカは一九七八年から規制緩和を進めておりまして、参入についても運賃についても大幅に自由化をいたしました。その結果競争が促進をされまして、一時大変、航空会社の数が四倍ぐらいにふえたわけでございますが、その後、先ほど申し上げた不況を背景に淘汰されるのが淘汰をされて、今は一九七八年に比べて航空会社の数はむしろ減る、寡占化は進む、こういう状況になってきております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 運賃を自由化したということを言っておられるわけですね。  運賃の問題というのは、私はよくわかりませんが、二つ問題があるのじゃないかと思うのですね。つまり、いわゆる公式運賃といいますか、定価のようなものとそれからどんどん安売りをする、あるいはパックのようなものでも日本ではあるようですが、値引きをするというようなことがあると思いますが、そのいずれもが世界各国において過当競争というか、大変な値引き競争になっているというふうに理解していいのですか、自由な運賃というのはその中において一体どういう意味を持っているのか、ちょっとお尋ねします。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 運賃がアメリカではファイル制になっておりまして、一種の届け出制ということでございます。そういう意味で、制度的に自由になったということでございます。  それから、今先生が仰せになりましたのは、いわゆるファイルされた制度的な運賃と実勢運賃の乖離の問題ではないかと思います。そういう非常な競争というものを背景に実勢運賃が下がるという傾向がございまして、これは日本でも同じことでございます。日本は運賃認可制になっておりますが、実勢運賃は激しい競争をベースに、若干というかかなり下がっておる、こういう状況でございます。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 今国内では、新政権になりまして、規制緩和をしろということを言っておるわけですね。これは多分運輸大臣も事務当局に大いに緩和しろ緩和しろ、こういう指示を下しておられると思うのですが、日本においても、世界の航空会社に対抗するためにはいわば値引きをせざるを得ないという状況があるというふうにおっしゃいましたが、運輸省が認可運賃を一応決めていること一それから実際の運賃の実態とはどういう関係にあるのですか。つまり、本来は認められていないものがまかり通っているというような、食管のような感じなのか、あるいはそこは自由で、そういうふうになっておるのか、どちらでしょう。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 残念ながら、認可をいたしました運賃と違う運賃が現実に取引で行われておる、端的に言えば、認可運賃違反が行われておるという状況でございます。非常に激しい競争というのがバックになりまして、お客をとるためにだれかが値引きをする、対抗上別の人がまた値引きをするという格好で、どうしても認可運賃がなかなか守りにくいというのが現状でございます。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 これはこれからの規制緩和についても非常に大きな示唆を持っておりますね。今運輸省が何千件か持っておられます認可あるいは料金、それも一部自由化をいたしますと言っておりますが、航空業界は、国際的な要素もあるかもしれないけれども、それは認可にかかわらず、もうどんどん値引きを行っているし、それを黙認しておる。つまり、そのことはいわば政策上望ましいと思って黙認しておるのか、あるいはもうやむを得ない、生き残るためにやむを得ないと思ってやっておられるのか、行政的な判断としてはどうなんでございますか。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 運賃は、認可に当たりまして、原価を償って適正な利潤を賄うようにということで水準を設定しておるわけでございます。したがいまして、それを割って販売をするということは、ある意味では自分で自分の首を絞めているところがございまして、決して好ましいことではない。しかし、過当競争というものを背景に、どうしてもやむを得ずそういうことが起きておるということでございまして、これは運輸省としては好ましいことではない。しかし、基本的には最終的に業界とそのお客さんとの間の一種の商行為でございまして、業界の自覚にまって改善をするよりないのではないだろうかというふうに思います。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 相当前に私は、新聞などで読みますと、この運賃は、外国で買うと、あるいは外国の路線は非常に安く買える。そうして、国内で買うと高い。これは大変な、為替の差があるというような面もあるかもしれませんけれども、実際の流通しているチケットの値段に差がある。そのときに、私の記憶が間違いでなければいいのですが、いろいろな文句が出まして、一種の内外価格差論のような注文が出まして、何とか海外の噴いものに日本でも合わせましょうというような議論があったように思うのですが、違いましたですか。つまり、そういう高いものを日本国内で販売するのは余りよくないから下げろというようなことは言わなかったですか、ちょっと確認のために。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 認可運賃と実勢運賃の乖離が甚だしいということは、やはりお客様から見ると非常に不信感をお持ちになる。それから、流通段階の不透明感というものもございますし、そういうものを入手できる人と入手できない人の間の不公平ということもございます。さまざまなトラブルもございまして、そういう状態は好ましくない。しかし、現実問題として実勢がそうなってしまっているわけでございますから、運賃の制度そのものもニーズに合わせて仕組みをいろいろ変えると同時に、やはり運賃の水準についても実勢に合わせる方向で考えていくべきだというふうに私どもは思っておりまして、今そういう方向で内部での調整をやっております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 ということは、認可運賃を低い水準に下げるようなことを後から後追い的にやるわけですね。そういうことをやっておるということですね。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 言葉はあれでございますが、実は、端的に言えば後追い的にということになると思いますけれども、認可運賃と実勢運賃の乖離がなくなるように運賃の変更をする方向で考えております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 やはり航空産業も立派な一つの産業ですね。そうして、排他的な権利を会社に与えるかわりに、先ほどまさにおっしゃったように安全を確保しなければならない、サービスの低下を防がなければならない。したがって、適正利潤というものを考えた認可運賃、その他の料金もあるかもしれませんが、そういうものに配慮しなければならない。これが運輸省の責務として実施しておられるわけですね。ただ、今おっしゃったように、日本だけの力ではどうにもならないのだということで、海外の過当競争の結果、こういう影響を受けているのだからやむを得ない、こういうようなことをおっしゃっているに等しいと思うのでございますが、そういうときに一体政府は、アメリカ政府とかあるいはヨーロッパの各国とか、そういうところと、例えば話し合いをして、今のまさに望ましくないとおっしゃったようなこの過当競争をできるだけ防止して適正な水準にするという努力はすべきじゃないのですか。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 世界的な航空不況でございまして、各国のエアラインみんな厳しい経営状況にある。そこで、各国の政策も少しずつ変わってきておりまして、アメリカも規制緩和一辺倒ではなくて、むしろ自国の航空企業の競争力を強化するという方向で、クリントン政権になってからあの委員会の報告が出ておりますし、それぞれの国で自国の航空企業の維持あるいは強化というものを考える時代になりました。日本としてもやはりその外国の企業と競争して負けない、それだけの体質と競争力を持つ、それが一番大事ではないだろうかと私どもは思っておりまして、それをどういうふうに取り組んでいけばいいのか、航空審議会で今御議論をいただいているところでございます。競争というのはある程度やむを得ない。その中でやっていけるだけの企業の力というものを持っていけるように合理化もし、行政も支援をする、そういう方向で考えていきたいと思っております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 やはり私は、先ほどおっしゃっておられるように、政府はその最も中庸なところで運賃が事実上決まっていくような政策的手段をとるべきであると思うのですね。したがいまして、政府間でも話し合うべきだ。今までは、いわば会社がお互いに競争し合ってとことんやろうという状況であったことは理解できますが、今おっしゃったように、各国において反省が出てきた。これはもう昔からあるのですね、運輸関係についてはどこでもある。明治維新に、それこそ海運の始まりのときに、日本の海運業界はただでお客を乗せる、あるいは荷物を載せるというぐらい過当競争をしてつぶれていって、それではいけないというのでまた新しい制度ができたり、もう世界じゅう海運も陸運もそしてこの航空も同じ経験を繰り返しているわけですね。そこで徐々に秩序というものができ、その秩序についての考え方ができているわけですから、もっと自信を持って、しかも政府は責任を持って交渉すべきである。アメリカ政府やヨーロッパの各国政府と政府の問題であるとして私は交渉すべきであると思いますが、どうですか。ただそういう雰囲気が出てきたから審議会で、国内で検討しておるというだけじゃもう済まないので、政府間で話し合うべきであると思うが、どうですか。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 航空交渉、つまり権益の交換は当然政府間で交渉して自国の航空企業が行使をするというやり方をとるわけでございますが、自国の航空企業を育成強化するというのはそれぞれの国の政策の問題でございまして、各国ともやはり国と国との交渉によってというよりも、自国の哲学、自国の政策に従って自国の航空企業の強化を図ろうとしておる、これが世界の現状でございまして、私どももそういう中で日本の企業が外国に負けない企業になっていただくように日本としての努力をしたいというふうに思っております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 私は率直に言ってそれは全く不十分であると思いますね。それじゃなかなかうまくいかないですよ、現に。うまくいかないものをどうしたらいいかということはやはり知恵を出すべきであって、そのことがまさに安全とかサービスの面で大きな支障があるとすればやるべきであると思うわけでございます。  ところで、例えば日本航空は民営化を進めて株を売り渡したわけですね。今民間一〇〇%ということでやられておりますけれども、これはどうして民営化したのですか。ちょっとさかのぼりますけれども。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 まず、どうして特殊法人だったかという経緯から、ちょっと申しわけございませんが。  民間航空が再開されまして、日本でも自分の権益を行使する企業を持たなければならない、世界に負けない企業をなるべく早く持つということで特殊法人として国策を担う会社をつくったわけでございます。その後、それが昭和二十八年のことでございますが、その後航空輸送というのは大変目覚ましい伸びをいたしました。航空企業の基盤も非常に強くなったわけでございます。それからまた、その長い間にやはり特殊会社であるための親方日の丸であるというような批判を受ける、そういう面も出てまいりました。したがいまして、昭和六十二年に入りまして完全民営化をする、政府の株を放出をする、完全に民間の会社になってもらって自主責任と自分のいわゆる自主性のもとに仕事をしてもらうというふうに改めた次第でございます。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 そこもちょっと、株を買った人には大変気の毒なことですよね。六年前に完全民営化した。それで買いました。しかしもう大赤字でどうしようもない。政府は対策をとれない。国際的に過当競争なんだからしょうがない。一時的なバブルがあって多少の黒が出ておった時期もあるかもしれないけれども、基調としては大変な過当競争で赤字ですね。これはもうまるでこれから株を売り出そうというJRを、株は民間に売り渡しておいて、その後数年間もう大赤字で何百億も赤字が出て、配当も見込めず、資産を切り売りしなければならないような状態になるといったら、やはり私は政府がこれを何とか、政府の株を民間に売り渡したんだから、いわば株主をだましたことにならないようにある程度やるという期待もあるし、またそのようないわば独占権を与えている企業のことでありますから、何とか私は知恵を出すべき客観情勢にあると思うのですね。それが、民営化というのは、確かに幼稚産業だったから株を持っていたという歴史はあるでしょう。しかし、皆さんそれじゃ株を引き受けてくださいといって民営化した以上、私はそこをきちっとやる必要があると思うのですよ。私は電力業やガス事業という公益事業でも同じだと思うのですね。これは独占供給でございますから競争状態というのは確かにない。しかし、その料金を認可制にして、赤字も出ないようにするが、大幅な黒字が出れば、円高差益など出たという状況では料金を下げろとか、いろいろなことでコントロールはしながらそれを適正利潤に抑えて、そして民間企業としては適正な経営ができるように、それが電力やガスの供給に不安をもたらさないように、ある水準でやっていく。これを政府が責任を持って、いわば料金認可制ということでやっているわけですね。そして、大きな黒字が出れば調整し、そして石油ショックのような大きな赤字が出そうになるとまた電力料金上げるということでやっているわけです。  そんなふうにはいかないでしょう。供給独占でございますし、国際競争が激しいですから。しかし、考え方は基本的に私は似ていると思うのですね。そしてこの例は、私は、規制緩和という場合の日本経済全体あるいは日本の政府全体の考え方と非常に強くリンクしていると思うのですよ。つまり、緩和して競争が激しくなればそれでいいかという問題につながるわけですね。これは後でいろいろな、タクシー、トラックその他についても大臣にもお伺いしたいと思っておりますけれども、私はそういう政府の責務、そしてそれが義務と裏腹になっているというこの認可制度というものの趣旨を考えなければならないような例ではないかということで申し上げているわけです。  もうちょっと踏み込みますと、経営合理化という面があるのでございますけれども、パイロットとかスチュワーデスとか一般職員というふうに分けた場合、給与水準あるいはその給与水準が高過ぎて、国内における合理化も足りないんじゃないかとか、あるいは人員が大き過ぎて合理化がおくれているんじゃないかといったような面が時々指摘されますが、その点についての運輸省の考え方をちょっと教えてください。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 パイロットの人件費、スチュワーデスの人件費その他は、確かに外国と比べると高い水準でございます。ただ、日本航空の場合の例でいいますと、生産性というのでしょうか、一人当たりの提供トンキロのようなもの、これは大変外国に比べて高こうございますし、営業費用の中の人件費の割合というようなものも、これも外国に比べて低くなっておるというようなことで、単価は高いけれども、生産性なりなんなりはそれなりの努力をしているということが私どもの見方でございます。  ただ、今大変厳しい状況でございますから、さらに合理化努力はしていかなければいけないと思いますし、現になさっておられます。いわゆる新規採用の凍結であるとかあるいは削減であるとか、その他さまざまな形で人件費の削減の努力、これは本来労使の問題でございますが、企業として自分の判断で非常な努力をなさっておられるというふうに思っております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 その一連の合理化によって吸収されるような赤字でございますか。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 最大限の努力をなさっておられるわけでございますが、やはりなかなか厳しい面がありまして、予断を許さない面があると思います。したがいまして、企業としての御努力だけでなくて、行政としても例えば航空交渉の面であるとかあるいは規制の見直しの面であるとかいろいろな形で、いわゆる環境整備といいましょうか、企業の努力が少しでも円滑に進むような支援をしていかなければいけないというふうに思っております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 その際に、航空会社からというよりはいわゆる乗客からなんでございましょうが、空港使用料あるいは着陸料という言い方もあるようでございますが、これがかなり高いというふうに聞いておるのですが、各社別のそういった使用料の支払い総額というのはどのぐらいなものでございますか。あるいは三社合計でもいいですが、できれば、差し支えがなければ各社則にちょっと教えてください。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 各社別は、申しわけございませんが手元に資料がございませんのですが、国内線の空港使用料収入を、これ平成三年度の数字で出ておりますが、七百八十三億でございます。これに見合う旅客数が六千二百万人でございますので、一人当たりにいたしますと約千二百円程度という感じでございます。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 確かに空港をつくる動きがどんどん進んでおりますから、財源としてこういうものが必要だということはわかりますが、実に八百億の使用料を取っているわけですね。そして、それはもちろん運賃にも波及していますし、私はその着陸料、使用料というものを軽減すれば逆にお客がふえる、そして赤字が減るという面もあると思うのですね。そういうことがよく言われておりますが、その点はどうですか。余り関係ないと思われますか。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 使用料が減ればその分エアラインの経営が楽になるのは事実でございます。ただ、使用料は今先生が仰せになりましたように、貴重な空港整備の財源でございまして、使用料を減らした場合に、やはり空港整備、これも五カ年計画で着実にやっていかなければいけません。大都市だけでなく地方空港の整備もやっておるわけでございまして、こちらの方のニーズもあるわけでございますので、やはり使用料を減らすという問題を考える場合には、減った分をどう埋めるかということを一緒に考えないと実現は難しいというふうに思います。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 私は、政府が支援できるものはいろいろな形で支援しないといけないような状況じゃないかと思っているわけでございます。一つは、税金、使用料のたぐいであり、あるいは低利の金融であり、あるいは場合によっては補償が必要だというような、先ほどの対外交渉に加えましてそういう支援をやっていかなければとてもだめなんじゃないか、これが、ひいては私は安全性に大きな影響があるんじゃないかというふうに思っているわけでございます。  それにしても、今は新空港建設ブームでございまして、私は大変な投資が行われていると思うわけでございますけれども、例えば、羽田の新空港も最近あれだけ立派なものをつくれば大したものだというふうに思っておりますし、運輸省当局の御努力、高く評価しておりますけれども、また、関西国際空港についても地盤沈下、その他もう大きな問題がいろいろあり、漁業補償とかそういうものを乗り越えて建設される、そして、成田についてもいろいろ、これは質問が別にあったと思いますけれども、整備をされていく、これは確かに大変だとは思うのですけれども、そういうお金の、いわば資金の回収というものについて一定の理念があるのかどうか。いわゆる道路のような考え方、あるいは高速道路、あるいは港湾とかそういうものと比べて、空港についてどういう考え方で、例えば使用料を課するとか、一般会計から特別会計へ振り込んでもらうとか、どういう考えでやっていますか。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 空港整備は四十年代の後半から非常な勢いで伸びてきておるわけでございますが、今までの整備の考え方は、やはりそれは基本的に受益者負担を中心とした財源でやっていくということでございます。ただ、航空が一般の利用に供されてそれが国の力にもなっていくという面もありますので、一部一般財源が入っておりますが、中心は受益者負担でやってきておるというのが今までの姿でございます。  ただ、その受益者負担というのは最終的には使用料その他になってエアラインの負担になり、それはまた利用者のところに返っていくわけでございまして、今のエアラインの経営の現状なり、あるいは使用料の国際比較などを考えますと、そういうやり方で、これからも空港整備をやっていかなきゃいかぬわけですが、同じように進めていくことはやはり限界があるのではないだろうかというふうに思っております。今後は、もう少し一般財源が空港整備に回るような、そういう努力をいろいろな形でしていかなければいけないのではないかというふうに考えております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 しかも、今後は地方空港整備というものがさらに進むわけですね。私のいる島根県でも、出雲空港があって、この間石見空港が開港しで、隠岐空港というのもあるのですが、これも整備で少し大きくしないと、YS11をもう使えないことにしよう、ではジェットを入れるには滑走路を延ばそうなんということで、そういうふうに細かく見ていくとやはり地方空港は整備しなければいけない。しかし、鉄道と同じように、ローカル空港、ローカル路線というものは、どうしてもコストがかかる割には収入が少ない路線というものもつくらなければならないという事態がある。そして安全性は同じように確保しなければならないわけでございますから、ただいま局長言われたように、私は本当の意味でこの予算のあり方を、そしてまた三社の経営のあり方も含めてよりよい方向に向かわせなければいけないと思うのですね。  そういう総合的な対策といいますか今後の方向については審議会その他でやっておられると思いますが、ちょっと総括的にどういうふうな議論になっておるかを教えてください。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 大変厳しい経営状況の中で航空企業の競争力を強化していかなければいかぬわけでございまして、今航空審議会で御議論いただいておりますが、その基本的な考え方は、まずやはりエアラインが自助努力をしていただくということにあるわけでございますが、エアラインの自動努力だけではできないところがございますので、さまざまな行政上の支援も必要だ。その一つとして例えば今の空港整備の財源をどうするかという問題もあるわけでございます。一般会計からの負担と受益者負担との関係はどういう姿がいいのだろうかというようなことも含めて御議論をいただいておるところでございます。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 そこで、航空問題の締めくくりで大臣にお伺いしたいのですが、大臣は選挙区も近い、お住まいも近いですから特別の用事のときだけ乗られると思いますが、私は、国会議員になって四年弱ですが、もう四百回飛行機に乗っているのですよ。二百往復ですね。しかもいろいろなところへ行くこともありますし、そうやって乗ってみると本当に航空というものが身近なものとして考えられますし、また実際非常に大変だなと。先ほども申したとおり、これは放置しておれば株主の権利も害するし、あるいは乗客の安全も害する可能性もあるし、それから、国際的にいうと過当競争でいわば自分でタコが足を食べるようになってしまっておる。そういうことでございますから、ぜひ大臣、力を入れてこの問題に早目に取り組んでいただかないと、これはどうしようもなくなる可能性がありますが、その辺いかがでございますか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 先ほど来の御質問を伺いましても改めて思っておりますが、陸海空交通運輸システム全体、それぞれ難しい問題を今持っております。午前中お話のございました新幹線もそうでございますし、都市交通もそうでございますし、ただ、そういう中で目の前、非常に構造的に難しい状況にあるのが航空、エアラインの問題というふうに認識をいたしております。  私は、これはいきなり政策というよりも問題意識、私もまだ問題意識の段階なのですが、先ほど委員の御質問の中にもございましたように、もっと交通手段あるいはさまざまな交通システムについて総合性のある政策という視点を勉強しなければいけないのじゃないかということをずっと痛感をいたしております。整備財源にいたしましても、空港の場合大部分といいますか主として利用料それから着陸などでちょうだいをしているということになるわけでありますし、鉄道の場合、道路の場合、港湾の場合、それぞれ、何か歴史的にそうなったのでしょうが、違う経過を持っているわけであります。  ちなみに、この間も、ではヨーロッパではどうなっているのかという本を若干読んでみました。ヨーロッパの場合には幾つかの国で交通システム全体のバランスチェックと申しましょうか、例えば道路と鉄道とか、航空路と都市計画とか、さまざまのそのほかの手段とか、何かそういうことに非常に配慮をした政策が行われるということを印象づけられたわけでございます。  長年こういうシステムになってまいりまして、鉄道は鉄道、こうやってつくるんだ、それから空港は空港、こうなっているんだとなっておりますけれども、ちょっとこれからの時代を考えますと、日本列島全体を考えますと、やはりエアライン、高速鉄道、高速道路、その他の手段、バランスを持って構想をしなければならないという時期にだんだんなってきたのではないかと思いまして、これは私自身も含めまして研究課題として、問題意識として持っていきたいというふうに思っております。  なお、先ほど航空局長からお答えをさせていただきましたが、今当面している航空会社あるいは整備財源、それから国際的な条件、運賃、さまざまな問題がございまして、いろいろな問題が複合的になって、表現は悪いけれども空でいうならば乱気流的状態と申しましょうか、内外ともにそういう状態に今置かれている。これは多方面から、やや構造的に絡んでおりますから、そういうものを多方面から冷静に分析をして、国内外を含めてどうしたらいいんだろうか。例えば運賃の問題についても、先ほど御指摘をいただいた問題が現実にございますのでは、利用者の方々の方は、何か運賃は高いということをそれぞれおっしゃるというような状況にあって、現実とユーザー、利用者の皆さんの認識にはギャップがある。  いろいろな問題が絡んで起きておりまして、この際、やはり、航空会社と運輸省というだけではなくて、関係各界、学識経験者も含めまして一遍幅広い議論をぜひやっていただこう、そういう中からお互いに問題意識を頭をそろえて意思統一できるのではないだろうかというふうに思いまして、航空審議会にはやや重い御諮問をさせていただいておりまして、この答申が出てから次を行政が始めるという意味ではなくて、注意深くその御議論も伺いながら、大事な問題でございますから努力をしなければという思いを深くいたしております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 よろしくお願い申し上げます。  次に、都市交通、特に地下鉄の問題についてお伺いしたいと思います。航空は以上でございます。  まず、地下鉄でございますけれども、これは、もう大臣、地元でも、あるいは東京までたくさんの地下鉄関係があるわけでございます。私の地元の島根県なんというのは地下鉄は全然ないわけでございますけれども、やはり都市住民の足として極めて重要であると思うわけですが、もうこの建設が大変おくれにおくれております。そしてまた、九都市ですか、この関係の都市の赤字が非常に巨大になっております。  そこで、もう何か建設を促進する具体的な改善策はないのか、例えば整備の五カ年計画などをつくりながら着々と進めていくというようなことがないのかということが一つ。それから、やはり国の補助というものをもっと出さないと、巨額な経費がかかりますので、大変だと思いますけれども、その現状がどうなっているか、そしてそれを変更できないかという点について御質問いたします。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 先生御指摘のとおり、大都市圏におきます混雑緩和のために地下鉄は大変有効な役割を果たすわけでありまして、私どもといたしましても、都市交通問題としてぜひ積極的に取り組んでいきたいということで努力をしておるつもりでございます。御案内のとおりの厳しい財政状況でございますけれども、来年度予算でも七%増ということで極力財源の確保に努めておるつもりでございまして、もちろんこれで十分というわけではございませんけれども、今後とも一生懸命努力をしてまいりたいというふうに考えております。  ただいま先生御指摘になりました五カ年計画でございますが、もちろん計画的に整備するということは必要でございますし、五カ年計画ということも一つの考え方だと思いますけれども、やはりその前提となります財源をどういうふうにしていくかということがある程度めどがつきませんと、五カ年計画をつくりましても空念仏になってしまうということもございますので、むしろ、その財源の手当てをどうするかという点についていろいろ考えていかなければならないというふうに思っております。  それから、今の補助制度でございますけれども、地下鉄につきましては、御案内のとおり七〇%に相当しますものを国と地方で分担をしておるわけでございます。ただ、平成四年度予算から、新規採択の路線につきましては、これまで分割で、十年とか多年にわたって分割して交付しておりましたものにつきまして、建設年度に一括して交付するという制度に改めまして、少しでも事業者の方々の負担を減らすという方向で努力をしております。  今後とも、いろいろな知恵を絞って、前向きに取り組んでまいりたいというふうに考えております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 整備計画がない。道路その他はたくさんこういうものがあるのでございますけれども、言ってみれば、道路族はあるが地下鉄族がないというような感じで、ちょっと政治的な力も違うというような感じもあったのですけれども、私は、都市住民から見ると、道路も大切だけれども、ほとんど同じぐらいの価値が地下鉄にあると思うのですよ。したがいまして、私は、いわばそういった政治と予算の配分といいますか、あるいは社会資本の整備ということのバランスのとれた、均衡というものの実現を考えた場合、こういう都市交通こそもっと力を入れるべきである。これは、委員長も大都市の方ですし、あるいは大臣も大都市の方でありましょう。私は、大臣にぜひ、この都市交通、特に地下鉄あるいは新交通システム、これまでの考え方ではだめだ、ただ大蔵省にいわば抑え込まれたような格好で、シーリングの枠で、その中で泳いでいるようではだめだ、補正があるときは思い切りやるとか、あるいは計画をつくる、そういうことで、今後何とか練り直せないかということを考えるというような方向を出していただきたいのでございますが、大臣、いかがですか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 どなたかから言われましたが、大都市出身の運輸大臣というのは久方ぶりなのだから、この大都市交通問題、ゆとり、豊かな社会というのに、殺人的と言われるような名前のつく状況が毎日起こっている、何とかするような努力をしなさいということを言われますし、私もそう思います。同時に、午前中新幹線についての御議論がございましたが、やはり、都市の過密によって発生した厳しい状態を解決しなければならない。同時に、これからはやはり均衡ある国土の発展ということが非常に大事ですから、今の一極集中構造を変えなければなりませんから、その意味から申しますと、分権化時代の基礎条件をつくる全国ネットワークというものも同じウエートをもって努力しなければならない。  おっしゃいましたように、今までの仕組みで、対大蔵省交渉その他を考えますと、二つの作業、どうできるかなというふうな懸念もあるわけでありまして、私は、政治の面でも政権交代がございましたが、やはり社会経済その他を含めまして、みんな今までの構造から何か新しい次の時代へという設計図をかくような努力をしなければならないときではないだろうか。  そういう意味で申しますと、さまざまなそういう御議論をいただく政府関連の審議会、例えば財政制度でも財政制度審議会とか、その他ございますし、平岩さんの研究会もございますし、それから各界のさまざまな御意見も当然あるわけでありまして、労働界それから経済界を含めた場もあるわけでありまして、やはりいろいろなところからそういう意味での発想を新しくする問題意識を出していただく。単に政府部内で、運輸省と大蔵省、これも一生懸命やらなければなりませんし、一生懸命やる決意でございますけれども、やはりそれだけでない国民世論を形成していくような、そういうことをやらなければならないときではないかなと。二カ月余りでございますけれども、その思いを深くいたしております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 よろしくお願いします。  私の父がいよいよ引退して、これから地下鉄や電車に乗ろうというので、高齢でございますが、いろいろ乗っているわけですよ。それで、はたと気がついたのは、もうとにかく、JRにも地下鉄にも、都市交通機関いろいろありますが、もう老人は乗れないと言うのですね。大臣は六十五歳でまだまだお若いわけですが、私の父などは八十一歳なわけでございまして、元気なようでも、もう全然階段を上がれない、エスカレーターがなければ地下鉄なんか乗れないのですよ。もう途中へ行くと立ちどまってしまう、そういうことでございます。最近多少ニュースにも出ておりますが、老人対策、障害者対策、もっと優しい都市交通機関というものをつくっていくべきだと思いますが、その点は現状いかがですか。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 高齢者の方あるいは障害者というようないわゆる移動制約者の方々に対しまして、いわゆる人に優しい交通機関でなければならないということは私どもも十分認識しておるつもりでございます。従来から、いわゆる公共ターミナルにおきますがイドラインというものを設けまして、例えば、駅において階段にエスカレーターをつけるならこういうふうにつけなさいとか、あるいはエレベーターはこうしなさいとか、あるいはトイレはこういうふうに設備しなさいとか、いろいろなガイドラインをつくっておりますけれども、これができましてから既にもう十年を経過して若干古くなった部分もございますから、現在その見直しを検討しておりまして、近く結論を得たいというふうに考えておるわけでございます。  それからもう一つ、それでは実際にどういう駅にエレベーターあるいはエスカレーターをつけていくかということでございますけれども、これは、全駅につけることがもちろん望ましいわけでありますが、場所の制約あるいはコストの制約等いろいろございますものですから、ある程度優先順位をつけて整備を進めていくということにいたしておりまして、エスカレーターにつきましては既に指針ができておったわけでありますが、最近どうも、エスカレーターではなくてやはりエレベーターの方を中心にすべきだという御議論もこの委員会でもございました。それを踏まえまして、ことしの八月に鉄道駅のエレベーターの整備指針というものをつくっております。いわゆる新設の駅につきましては原則としてすべてエレベーターを設置する、あるいは既設の駅につきましても用地等の制約がないところについては優先度を設けて計画的に整備していくというようなことで、逐次事業者の方を指導して、いずれにしましても、制約者の方々が安心して利用できるような交通機関になるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 その点に関しては税制、金融その他できるだけの促進策を講じていただきたいと思います。  次に、観光についてお伺いしますけれども、大都市の旅館とかホテルが大変困っているということを聞いておるわけでございますが、一つは地価税や固定資産税が大変大きな圧迫要因になっている。それから、相続税についても大変であるということで、もう店を閉めざるを得ないというようなものがかなりあるようでございます。これは、実態についてお伺いしたいと同時に、何らかの改善をすべきではないのかと思いますが、具体的な対策についてお伺いしたいと思います。

豊田実運輸省運輸政策局長

○豊田(実)政府委員 お答えいたします。  先生御指摘のように、地価税、固定資産税あるいは相続税の問題というのが、旅館、ホテルの経営上非常に大きな圧迫要因になっているという実態は、そのとおりでございます。  ただ、地価税の関係について申しますと、非常に対象の旅館とかホテルが多いので全数という数字は今手元にございませんが、影響の特に大きい都市ホテル関係の数字で申しますと、日本ホテル協会の調査によりますと、平成四年度、協会の会員百六十七社が負担した地価税の総額が五十億円、それから、固定資産税の関係、都市計画税も含めまして五十億円というような数字がありまして、合わせて百億円にも上るわけです。それで、平成四年度のその調査の対象の会社の経常利益が全体で三百二十五億という状態でございますので、いかにこの税の関係の負担が大きいかということがおわかりいただけると思います。  ただ、税制全体のいろいろな議論の過程で、この地価税問題というのも取り上げていただくことになると思うのですが、平成六年度の税制改正の要望の中に、宿泊事業に係る地価税を非課税にするということを今要望しておりまして、今後その実現に努めてまいりたいと思っております。  もう一方の相続税の問題、これも非常に大きな問題だと思いますが、これまた相続税というのは税制全体の中の議論の過程で検討していただくということだろうと思います。ただ、私ども観光行政を預かるものとしては、良質な宿泊サービスというものが継続されるように留意していきたいと思っております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 ホテルの中でどんどん投資をしたようなところが例のバブルの原因になったから、少し地価税のようなものを課そうというのならわかるのでございますが、昔から旅館を営業しておって、同じ場所でやっておって、それにたまたま地価が高いということで大きな税がかかるとか、あるいは相続をすると大変なことになって営業ができないというような、まあ個別の事情、これは中小企業の承継などでも同じことでございますけれども、やはりきめ細かい対策が必要なのではないかと思うわけであります。  ところで、その旅館業について申し上げたついでに申しますと、これは中小企業の定義というのがありまして、どうも資本金、従業員規模が一千万円以下、五十人以下というような定義で中小企業が決まっておりまして、それを超えるとすぐ大企業になってしまう。そこで融資とかその他の恩典を受けられないというようなことがあるようでございますが、この点については、中小企業庁だと思いますけれども、改善していただきたい、この点をちょっとお答え願いたいと思います。

小川忠夫中小企業庁長官官房総務課長

○小川説明員 中小企業の定義の問題につきましては、本年六月に中小企業政策審議会基本施策検討小委員会から「中小企業政策の課題と今後の方向」につきまして中間報告をいただきました。この中で、中小企業者の範囲の拡大をした場合、予算の制約等から中小企業施策が薄まるおそれがある、あるいは調整法、規制法との関係で、従来調整の対象とされていた者が逆に保護されるというような種々の問題点ということがあるということも踏まえまして、今後引き続き慎重に検討すべき課題であるとされております。旅館業につきましても、御指摘のように、かねてよりその定義の引き上げにつきまして御要望があることは私どもよく承知しておりますが、私どもの調査では、現行の従業員基準、これは先生御指摘のように、サービス業につきましては五十人未満となっておりますが、これで、平成三年のデータによりますと、約九一%をカバーしているというような実態もございまして、他の業態とのバランス等難しい問題もあることにつきましては、ぜひ御理解を賜りたいと思います。  いずれにしましても、旅館業、サービス業の範畴に入りますが、いわば設備産業といいますか、大変投下資本が大きい業種でございますし、申し上げた中間報告におきましても、一部個別の業種においては、実態を踏まえた上で、「個別具体的な施策毎に、対象となる中小企業者の弾力化を検討する必要がある。」こういう御指摘もなされていることも踏まえまして、引き続きよく勉強してまいりたいと思っております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 引き続き大いに勉強していただきたいと思います。そしてまた、旅館業などにおきましては、いわゆる特別消費税といいまして、消費税導入に際して、まあ料飲税の名残でございますが、さらに追加的税制があるということでこれは非常に不平等なことになっておりますので、関係各省の再検討をお願いしておきたいと思います。  次に、貨物輸送についてちょっとお伺いしたいのです。これから地球温暖化対策とか省エネルギーということを考えますと、鉄道による貨物輸送の重要性というのが非常に大きいと考えるわけでございます。  一つ、モーダルシフトというようなことを言っておりますが、なかなか進まない。何が障害になっておって、どうしたらいいのかというのが第一点。  それから第二点は、整備新幹線に関連して、北陸とか東北とか九州などを整備するとき、どうも貨物の路線が取り残されるというおそれがあるようでございますが、この辺の整備について、どう考えるかというのが第二点。  第三点は、軽油取引税のまあ増税ということがございまして、これはむしろトラックの関係でございますけれども、トラックの事業者というものが、非常に不況のもとで大きな経営圧迫要因となっておりますが、これをもっと見直したらどうかというようなことを考えるわけでございますが、その点についてお尋ねいたしたいと思います。

和田義文運輸省大臣官房総務審議官

○和田(義)政府委員 お答え申し上げます。  モーダルシフトが余り進んでいない理由につきまして、私の方から御答弁させていただきます。  この貨物輸送の輸送機関別の分担率の推移を見てみますと、ここ数年自動車のシェアの拡大に歯どめがかかっておりまして、こういった数字を見ておりますと、不十分ながらもモーダルシフトに向けての第一歩が踏み出されているというふうに考えております。ただ、この程度では当然満足すべき状況とは言えませんので、運輸省といたしましては、モーダルシフトを国民経済的見地から中長期的に取り組むべき課題と考えまして、引き続きハード、ソフトの両面から総合的かつ積極的に取り組んでまいりたいと思っております。  このため、運輸省におきましては、従来から推進してきました推進策に加えまして、鉄道なり海運を一層活用するという観点からの懇談会を開催しまして、現在種々検討を進めておりまして、本年末をめどに提言を取りまとめたい、こういうふうに考えております。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 貨物輸送と整備新幹線の関係について、お答え申し上げます。  御案内のとおり、新幹線鉄道を整備するに当たりまして、在来線をJRの経営から分離するということが前提になっておりますために、貨物の輸送が分断されるのではないかというふうに御心配される御意見があるということは、私どもも承知をいたしております。もとより、鉄道の貨物輸送というのは、非常に我が国の物流体系上重要な役割を果たすものでありますので、そうした重要な路線が途中で切れてしまうというようなことは当然あってはならないわけでございまして、私ども、今後整備新幹線の工事を進めるに当たりまして、その点は十分配慮して、そのような御心配のようなことがないようにちゃんと対処してまいるつもりでございます。

越智正英運輸省自動車交通局長

○越智政府委員 トラックに関しまして、軽油取引税の問題を指摘されましたので、お答え申し上げます。  御指摘のように、軽油取引税は、本年十二月一日から、約三二%引き上げられることになっておりまして、中小企業者の多いトラック事業者にとっては大変な負担でございます。しかしながら、法律で決まっているということもあって、これを見直すというのは余り現実的ではないということでございまして、私どもといたしましては、その軽油取引税の値上げ分の転嫁対策、それから、物流の効率化等をねらいましたいろいろな規制緩和というようなことで、トラック事業者に対します負担の軽減ということを総合的に図っていきたい、かように考えております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 時間がなくなりましたので、以上にさせていただきますけれども、運輸省が挙げて検討をされておられ、それが政府挙げての検討の一環であります、いわゆる規制緩和の問題、特に料金の自由化ですとか、多様化ですとかという問題は、最初に申し上げたような、航空の関係の自由価格による経営圧迫ということとも共通の問題点をはらんでいるわけです。したがって、自由にしながらも手綱を締めるというようなバランスのとれた対策ということは非常に難しい面があるわけですが、やはり新政権がここで大いに規制緩和しようということでございますから、私は基本的に大歓迎なのでございますが、うまく手綱を締めながらやっていただきたい、その点だけ大臣に最後ちょっとお願いします。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 御指摘の点は非常に大事なことだと思います。  やはり、これから行政的政府コントロール、業界その他でお互いに協力して、努力をしながらどういうコントロールをしていくのか、さらにはやはり個人、社会面でのコントロールを含めまして、よりよいシステムを考えたいと思っております。

細田博之自由民主党・自由国民会議

○細田委員 以上で終わります。

近江巳記夫公明党

○近江委員長 山崎泉君。

山崎泉日本社会党・護憲民主連合

○山崎(泉)委員 日本社会党の山崎泉であります。  まず、伊藤運輸大臣の御就任を心からお祝いを申し上げます。今後の御活躍を御期待申し上げます。そしてまた、過日大臣には御不幸がありました。心からお悔やみを申し上げます。  私は、長崎二区から初当選をいたしました。石橋政嗣元社会党委員長、その後継者として速見魁さん、この運輸委員会に所属をしておりましたが、わずか七カ月でお亡くなりになりました心その後継者として立候補し、そしてここに立たせていただいておりますが、感慨無量でございます。これまで、市町村議員、こういうものを私自身経験をしたことのない全くの素人でございますから、運輸委員の皆様方を初めすべての方々に、今後とも御指導、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。  私も、三年前に母を亡くしました。ちょうど熊本に出張中でありまして、連絡を受けてから高速バスに乗り、そしてタクシーを乗り継いで佐世保に着いたのが夜の九時過ぎでございました。それから、港に待たせてあった高速船で、あの五島灘の三月の大しけの海を、そしてちょうど雪まじりでした。一時間半近くかけて走りまして、母のもとに着いたのが十一時過ぎでした。私は、幸いにも瀬渡し船を使って渡れる気象条件がありました。私みたいに渡れなく、そして病床にある人を佐世保の地で待つ人は、離島を故郷とする、ふるさととする人々の中にはいっぱいいるわけでございます。離島がゆえの宿命であるというふうに、これは片づけることは私はできないというふうに考えておりますがゆえに、地域振興、生活重視の観点からの法案、予算の確保を図り、そして離島や辺地港湾の整備と充実、同時に連絡船の運航強化、また離島−本土間の航空便の充実強化を望んでおるところでございます。同時に、整備新幹線の課題がある、こういうふうに私は、素人は素人なりに率直に考えておるところでございます。そういう私の考え方に沿って、三点にわたってお伺いをしたいと思います。  まず、一点は、整備新幹線の問題でございます。  二十一世紀に向けて均衡ある国土開発の根幹として、整備新幹線の建設は極めて重要であるということはお互いに理解できるというふうに考えます。そして、これは緊急の国家的課題であり、その早期実現が強く望まれております。現在、鹿児島ルートなど、三線五区間は着工されておりますが、昭和四十八年整備計画が決定された長崎ルートなど、いまだ着工されていない路線があります。これらの路線について、運輸省はどのように取り扱おうとしておるのか、お聞かせを願いたいというふうに思います。     〔委員長退席、緒方委員長代理着席〕

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 整備新幹線の問題につきましては、もう先生既に御案内のことと思いますけれども、今お話ございましたように、昭和六十三年から三回に分けまして、当時の与党と政府の間に申し合わせがございまして、その前提は、一応限られた財源の中で最大限に有効な投資あるいは整備をするにはどうすればいいかという前提で議論が進んだわけでございまして、その結果、いわゆる三線五区間の区間について着工するということで、いわゆる基本スキームに従いましてそれ以後新幹線の整備が進められてきたというのがこれまでの姿でございます。  新幹線のさらにその後の進め方につきましては、新幹線の整備の必要性については、これは異論のないところだと思いますけれども、しからば一体どういう財源でどういう範囲のものを整備するのかという点について、従来いろいろな方からいろいろな御意見を承っておりますけれども、いまだ基本的な意味でコンセンサスを得るに至っていないというのが現状でございまして、私どもとしましては、今後その意味で関係者のコンセンサスづくりと申しますかいわゆる見直しについて、関係の方面と十分に意見を調整した上で結論を出していきたいというふうに考えておる次第でございます。

山崎泉日本社会党・護憲民主連合

○山崎(泉)委員 午前中、今津委員の発言中にちょっと所用がありまして退席をしました。途中まで答弁を聞いておりましたから大方そういう内容だろうというふうには想像はしておりましたけれども、いずれにしましても財源は財源としながらも、私は、整備新幹線に対する運輸省としての確固たるビジョンというものを持っておると申しますか、そういうものを今後に向けて明らかにしていかなければならないのではないか。そういう風味では運輸省のビジョンをお聞かせ願いたい、こういうふうに考えます。     〔緒方委員長代理退席、委員長着席〕

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 先ほどはお励ましとお悔やみのお言葉をいただきまして、ありがとうございました。  今、ビジョンというお話がございました。私もこの期間、日夜勉強させていただきまして、同じような思いをいたします。私どもは、やはり国民の皆さんに安心できる安全な交通システムを提供する、その責任がある。同時に、これからの社会は一極集中ではない均衡ある国土の発展、そしてどこかの県は、財政支出の差が非常にあって、どこかの地方はマル金、地方の県のどこかはマルビとか、そういうことでない社会をどうつくるのかということが大きな目標になると思います。  そういう中で、私どもは、道路とともに高速鉄道それから地域の通勤その他の事情を含めまして、新しい社会の基礎条件をつくる大事な仕事だと思います。そういう意味で申しますと、そういうネットワークをつくるという我々の仕事の先に、じゃ、どういう時代の社会になるのかということもいろいろと勉強させられる。例えば分権化時代の地域とはどうなんだろうか。言葉は随分たくさん出るけれども、財政、経済発展その他を含めてどういう時代構造の地域がつくられていくのか。まだまだこれは議論が不十分で、ある意味ではスローガンだけが横行しているという姿かもしれません。そういうことも含めて、やはり勉強を通じながら、おっしゃいましたような使命感を持って努力をするというのが私どものあるべき姿ではないだろうか。そういう意味で、先般の特別国会のごあいさつをさせていただきましたときにも青信号、ブルーシグナルという言葉を使いました。それは安全ということがまず第一です。安全の意味で青信号の行政でなくちゃならぬ。同時に、社会の将来に向けて何かあるべき社会を考えるという意味の努力だろうというふうに思うわけでございまして、先ほどお母さんに思いを託したお話もございましたが、そういう気持ちを込めながら、いい議論と勉強をしてまいりたいと思っております。  新幹線その他についても、そういう将来に向けた発想と姿勢を持って努力をしていくのが私どものあるべき方向であろうというふうに考えております。

山崎泉日本社会党・護憲民主連合

○山崎(泉)委員 ありがとうございました。  もう一点、新幹線についてお伺いをいたしますが、私の地元は御承知のとおりに長崎ですから、日本の最西端にあります。こういう意味ではあらゆる交通機関において時間と距離の短縮を図って、そして各地域との交流時間の短縮を行い、その上で県勢の振興発展を図ることが最大の課題であります。その一環として九州新幹線長崎ルートがあります。このことについて、その是非も含めて地元では議論をされてきました。その結果、昨年の十一月、地元関係者の間でさまざまな調整を経て、いわゆるアセスルート案が変更されて実現可能と言われる新ルード案がまとめられて国の方に報告されたというふうに私は聞いております。  この新しいルート案を一つ一つ説明する必要もありませんが、当面、福岡から武雄間は在来線の活用、そして武確から大村市まで直進しつつ、そして諌早を経由して長崎に行く、これも新幹線鉄道規格の新線を建設して、これにスーパー特急を運行させる。アセス案よりコストが非常に圧縮されるというふうに聞いておりますが、運輸省としてこの地元で考えられた新しい長崎ルートについてどのような認識を持っておられるのか、お聞かせを願いたいというふうに考えます。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 ただいまお話ございましたように、地元長崎県を中心といたしましていわゆるアセスルート案の見直しと申しますか、今先生からお話ございました短絡ルートについて大変いろいろな議論を経た上で取りまとめられたということは私どもも十分承知しておりますし、地元の御熱意も十分私どもにも伝わってきているところでございます。  ただ、これを具体的にどう取り扱うかという点になりますと、これはいわゆる三線五区間、今まさに問題となっております見直しの一環としてどういうふうに進めていくかということを検討されるべきものであると考えておりますので、今の時点でこの案についてどうだこうだというコメントをすることはちょっと差し控えさせていただきたいというふうに思っておりますが、地元の御熱意は十分に承っております。

山崎泉日本社会党・護憲民主連合

○山崎(泉)委員 祝福をされて結婚をして、そして子供が生まれそうになったその直前に会社経営が苦しくなって、自分の生活状態も苦しくなった、まさしく臨月に近い人が自分の子供をどうしようかな、子供はおなかの中でますます大きくなっておる、お産をせないかぬ、どうしようかな、私はそういう例えをいつもこの新幹線のことでは考えておるんですが、まさしく地元ではおなかも大きくなっておるし、生まれてくる子供には祝福をしたいという人がいっぱいであります。ぜひ運輸省の英断をもってこの方向を推し進めてほしいということを要望し、次に移らさせていただきます。  次は、港湾予算の確保と離島、辺地港湾の整備についてであります。  本来ならば一つ一つ御質問するのが趣旨でしょうが、時間的な都合で一つに簡単にまとめさせていただきました。  御案内のとおりに、我が国は諸外国に多くの原料を依存する産業形態、こういうことになっております。また、国土地形と申しますか条件は海上輸送に依存をするという、非常に高い依存度合いであります。そういう立場からすると、今後の港湾の必要性はさらに比重を増してくるというふうに思います。これは単に産業目的のみでなくて、生活に豊かさを求めておる国民には今後ますます水辺を整備し多目的活用の場所にしてほしいとのニーズが高くなってくるというふうに思います。  私の地元佐世保においても、JR佐世保駅前東側の水際を再開発して市民生活の向上を図っていくというふうに聞いております。佐世保は御案内のとおりに米軍と自衛隊の基地であります。冷戦終結にもかかわらず米海軍はますます佐世保基地を強化しております。強襲揚陸艦ベローウッド、そして日本で初のイージス艦「こんごう」も配備されました。沖縄と佐世保間の光ファイバーもつくられました。米軍の大型医療倉庫も建設をされました。世界の流れと逆に、佐世保の米軍基地は、また自衛隊は強化されておるというふうに私は判断をします。  その是非は横に置きまして、いわゆる米海軍の水域占有、これがあの良港の佐世保港湾、八三%が制限水域であるわけです。このために、港湾施設の整備の制約が物すごく高いわけでありまして、平和産業港を目指しておる佐世保港の発展の阻害になっておる、こういうふうに私は理解をしておりますし、この考え方は、佐世保のみならず、基地を持っておる都市部の悩みでもあろうというふうに考えます。  そして、先ほど申しました、いわゆるウオーターフロントの開発と申しますか水辺の開発、これは、大都市周辺のみならず、佐世保などの類似する地方港湾においても重要な課題というふうになっております。平成六年度港湾予算に対する、その確保の見通しについてお聞かせを願いたい、これが一点でございます。  もう一つは、離島辺地港湾の整備についてでございます。  離島における港湾というのは、自分の家庭における玄関でもあります。人と物の集まる、生活、労働、憩いの場でもあります。同時に、離島は用地確保が非常に困難であります。しかし、この港湾整備によって用地造成が可能になります。一口に申しますと、港湾は生活基盤そのものだというふうに言われております。  現在、第八次港湾整備五カ年計画が促進をされておるということは私も知っておりますが、現在までのその整備状況についてお伺いし、また、今後どのような考え方で整備を推し進めていくのか、その計画を御説明願いたいというふうに思います。

坂井順行運輸省港湾局長

○坂井政府委員 お答えいたします。  今先生の方から、予算の確保の話と、特に離島辺地の港湾の整備状況、あるいは整備計画の考え方いかん、こういうことでございましたが、御案内のように、港湾整備につきましては、すべての港におきまして、第八次港湾整備五カ年計画というものをつくってやっておるわけでございます。その中で、特に地方、離島というような港湾、約千港ございますが、大体平成五年度で今実施しておるところ、あるいは、今・来年度合わせましてやろうとしているところの数を申し上げますと、四百八十でございまして、約半数の港で整備がなされておるわけでございます。  特に、離島辺地の地域生活の足の確保といいましょうか、あるいは生活物資の輸送、増大する輸送への対応、あるいは地場産業の育成、それから、先生今おっしゃいましたように、ウオーターフロントといいましょうか、そういう生活の場としてのにぎわいの空間としてのいろいろな整備というようなものが特に離島辺地には求められておりまして、特に離島におきましては、先ほども先生の御指摘にございましたように、できることならすべての港を全天候港湾にいたしまして、少々の波があっても不都合のないような状態にするのが理想とは思いますが、なかなかそれにはほど遠い状態に今なっておるわけでございます。  いずれにいたしましても、五カ年計画をつくっておりますので、それに従って整備を進めていくわけでございますが、特に地方、離島といわゆる三大湾という先進地域といいましょうか、そういうもののシェアあるいは重点の置き方、これはどうか、こういうことでございます。  私どもは、来年度要求しておる予算につきましては、まず、ぜひとも満額確保の努力をするとともに、港湾につきましては、やはり多極分散型国土形成を目指すという観点から、地方の特色ある、個性ある港づくりというようなものに重点を置いて今までもやってきておりますし、これからも、そのような方向を維持させながら、来年度の予算要求に向けて対応をし、所要の手当てができるような努力をしていく所存でございます。

山崎泉日本社会党・護憲民主連合

○山崎(泉)委員 全力を挙げて予算確保に当たってほしいというふうに思います。  最後に、航空便についてお尋ねを申し上げます。  ローカルの空港から都市部への乗り入れ便の増強、強化という具体的な要望はメジロ押しだろうというふうに思いますが、私の出身である長崎県五島列島に福江市というのがありますが、この福江市と伊丹にあります大阪国際空港間、この直行便、または対馬と大阪間の直行便、そしてまた壱岐空港の運用時間の延長の要望があります。これは、冒頭私が申し上げましたように、外洋性の離島でありまして、非常に距離的に長く、そして海も荒れやすく、交通の不便な地域であります。  例えば、大阪−福江間を例にとりますと、大村空港まで飛行機で来て、その後、交通便を活用しても約五時間ほどかかるわけであります。大阪−福江間が五時間ほどかかります。これを直行便が仮に開設をされたとすれば、一時間少々で距離が近まります。対馬の場合も、すべて福岡空港を乗り継ぎであります。こういうことを考えると、単に利便性のみならず、言われております情報化社会における文化交流や地域経済への波及の効果は大きいものというふうに考えられます。  離島振興という立場から、私は、さまざまな制約があると思います。航空会社との関係もございましょうけれども、離島振興という立場から、行政が積極的に、強力に、こういう離島関係については対応されていくべきだ、いってほしいという願いを持つものであります。  この点についての考え方をお聞かせ願いたいと思います。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 離島振興という見地から、高速交通機関であります航空輸送の果たす役割は大変大きい、皆様方の御期待にこたえるように努力をしなければいけないと思います。  ただ、仰せになりましたように、離島航空、輸送需要が少ない、あるいは、機材が小さくて経営効率が悪い、両面から大変難しゅうございます。  しかしながら、地方公共団体の御支援もいただいておりますし、あるいは国の方でも機体の補助なり着陸料の減免などもやっておりまして、企業の努力と地方の支援と国の助成、三つあわせて何とか充実していく方向で努力をしたいというふうに思っております。  それから具体的なお話で、大阪の話がございましたので一言。大阪は、先生仰せのようなことでよくお話はわかるのでございますが、伊丹空港は環境問題その他から発着枠に制約がございます。長い間、最高裁までいって、いろいろな経緯がありまして今ジェットで三百回という枠がございまして、これを目いっぱい使っておる、こういう現状でございまして、今の現状ではなかなか入る余地は難しゅうございます。  ただ、これは先生のお話とちょっと違うわけでございますが、関西空港ができますと、来年の九月でございますが、これはそういう枠は制約がございません。これは御希望に合うのかどうか、あるいはエアラインがどう思うかわかりませんが、そういうことで仮に申請があれば、これは対応が可能であろうというふうに思う次第でございます。

山崎泉日本社会党・護憲民主連合

○山崎(泉)委員 いずれにしましても、もう時間でございますから、離島という、これは単なる長崎県のみならず全国的な課題でありますので、ぜひ運輸委員会としても意識して対応してほしいということを申し上げまして、私の質疑を終わらしていただきます。ありがとうございました。

近江巳記夫公明党

○近江委員長 山田正彦君。

山田正彦新生党・改革連合

○山田(正)委員 連立与党、新生党として、新幹線の問題について質問させていただきたいと思います。  先ほどから、何人もから質問は出ておりますが、新政権、新しい連立与党の政権になりまして生活者優先、そういった立場からしまして、この新幹線についての必要性、その意義も含めて、簡単で結構でございますが、御説明をお願いします。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 必要性と意義というお話がございましたが、やはり私は今日まで、戦後日本が、また国民が営々と働いて、そして国際的にも大きな富を持った国と言われるようになったということでございますけれども、片っ方では大変な一極集中、過密過疎などなどの状況を生み出しております。やはりこれから先を考えますと、そういうゆがみ、ひずみをなくしたこれからの日本といいますか、これからの社会を考える大事な転換のとき、またそのときに、おっしゃいましたように政権交代も起こったというふうなことであろうと思います。それらを考えますと、新幹線整備法の第一条にもあるわけでございますけれども、均衡ある国土の発展というための基礎条件をつくる重大な仕事だという意義づけを持って、さらに言うならば、次の日本国土全体のあるべき次代の基礎条件を我々はつくるのである、そういう大きな目標を持っていかなければならないと考えております。  それにいたしましても、それを実現するためには大きな財政負担をどうしますか、これも申し上げましたように、運輸省、大蔵省というレベルの問題もございます。それだけではなくて、これからの社会のために必要な視点というものを広く訴えて実現をしていくというふうな努力も必要でございましょうし、それから整備新幹線関係各自治体の皆さんもいらっしゃいますので、率直にお願いしておりますが、強い要望というだけではなくてその地域が、単年度とは申しませんから、五年、十年するうちにJRもちゃんと収支がバランスできるというふうな意味での地域の発展、社会経済の発展計画というものを持ってお互いに話し合い、お互いに知恵を絞っていく、そういう努力をさせていただきたいと申しているわけでございまして、大きな、重要なテーマと思っております。

山田正彦新生党・改革連合

○山田(正)委員 既に着工している整備新幹線三線の石工区、いわゆる高崎−長野間は、長野オリンピックのために平成十年の二月までには運用を開始したい。それで、ほとんどの予算、今年度だけでも千二百七十四億円をそれにつき込んでいるようですが、他の三線四工区、これのしわ寄せが来てないかどうか。また、他の三線四工区はいつごろ完成する予定なのか、聞かせていただきたいと思います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 ただいまお話がございましたように、本年度予算で申しますと約千六百億円が事業費でございますけれども、そのうちの千二百億円余が北陸新幹線の高崎−長野ルートに充てられているということで、これはオリンピックの開業ということもございますものですから、ただいまお話がございましたように、端的に申しましてほかの四区間に対してはしわが寄っている、御迷惑をかけているということは事実だと思います。限られた事業費の中で配分いたしますと、どうしてもそういうふうにならざるを得ないという御事情を御説明して、ある程度御理解いただいているんじゃないかというふうに思ってはおるわけでございます。  それで、ではいつごろまでにできるのかというお話でございますけれども、これは当然これからの予算のつき方、あるいは金利がどうなるか、物騰がどうなるか、いろいろな前提がございますものですから、一概にいつということは申し上げにくいのでございますが、大体今のところ私どもの試算でございますと、おおむね十年をめどに完成をしたいというふうに考えておるところでございます。

山田正彦新生党・改革連合

○山田(正)委員 おおむね十年ということですが、長野新幹線が平成九年までに終わったとします。そうしますと、今ほとんどそれにつき込んでいますが、その後はあとの残りの四工区に均分に配分していくものか、それともどこかまた優先順位の、集中的に完成させていくのか。またもう一つ、平成三年着工のときにもおおむね十年でと政府は言っているようですが、平成五年の今もおおむね十年完成予定だと言っておられますが、それ以上、例えば平成十六年、それまそには何とかできるものかどうか、その辺もあわせて御回答いただければと思います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 現在の高崎−長野ルートの工事は、来年、再来年が一応ピークになると思われます。それ以後はだんだん事業費も減少してくるということになりますので、その分は他の線区に回せる、余裕ができるということでございます。  その場合に、どういうふうに配分するかということは、まだ現時点では全く未定でございます。それぞれの区間、事業費も異なりますし、仮に均等と言ってもどういう均等であるか、金額的な均等とか利率の均等とかいろいろあると思いますので、現時点でどういうふうに配分するかは全く白紙でございますけれども、いずれにしてもバランスをとって配分をしていきたいというふうに考えております。  それから、これから先の見通してございますが、先ほども申し上げましたように、物騰あるいは金利、予算、いろいろな前提条件がございますので、ここで自信を持って十年で必ずということをちょっと申し上げにくいわけでございますが、一応そういう計算でそれを目指して進めていきたいというふうに考えておるところでございます。

山田正彦新生党・改革連合

○山田(正)委員 着工が先送りになっております北陸と九州、長崎ルートについて、実は昭和六十三年の八月三十一日、政府・与党の申し合わせ、この覚書がございますが、この中に、第一項の(三)「なお、前項の順位決定に当たっては、従来の整備新幹線の整備計画はすべて維持されることを前提とし、これをその第一歩と位置づける。また、今後、経済社会情勢の変化等を考慮して、五年後に見直すこととする。」そうなっておりますが、この見直し、これがちょうど検討のことしに当たります。六月には政府・自民党の間で検討委員会が設置されましたが、御承知のとおり政権交代がされ、検討委員会も解散し、八月の見直しの予定がそのまま宙に浮いたまま、いわば地域住民にとっては熱い期待を持っていながら今待ちぼうけを食っている、そういう形になると思います。一部新聞におきましては、新政権は基本的にはこれまでの論議を引き継ぐ、来年の予算編成に反映させるため十一月中旬をめどに新規着工路線などの方針を決める、このように報道されておりますが、運輸省として、新政権としてこの見直し論議、これについてどう具体的に考えておられるか、お聞きできればと思います。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 八月までに五年間の見直し、おっしゃったような経過でございました。そして、政権交代になりました。  これは前政権で八月までということになっておりまして、そしてまた、関係の地域からは強い期待が寄せられております。そして、昨今の状況を見ましても、より強い要望がかけられているということをよく認識をいたしております。したがいまして、政権交代がございまして、前政権のもとでは最終打開案の策定というわけにはまいりませんでしたが、私どもは引き継いで真剣にこの問題の打開に当たる。と同時に、もう月日はそうございませんから、さまざまな努力はいたしておりますし、御案内のように、連立与党間の議論、もっと早く急いでやれという御意見もございましたから、その皆様のお気持ちもちゃんと私もお伝えしたいと思います。そういうことも含め、努力をいたします。  ただ、今の段階で、その中身の見通し、決断その他兼ね合うことですから、いつどういう形で集まって、いつ決めるかとか、いつ協議機関をつくってどうとかということはちょっと今の段階では申し上げにくいというのが状況でございます。  いずれにいたしましても、しかし年末、平成六年度予算の策定というところに向けて、まあ気持ちとしては、五年間営々と努力があり、そして今も大きな期待が寄せられていることでございますから、気持ちとしては何か明るさを持った打開ができるようにという気持ちでやっておりますが、大きな難問ございますから、精いっぱいの努力をさしていただきたいと思っております。

山田正彦新生党・改革連合

○山田(正)委員 気持ちはよくわかったのですが、具体的に、いわゆる見直しの検討課題の中身です。その内容じゃなくて、どういうものを検討するか。  例えば、いわばその建設費の負担の割合。今JR五〇%、そして国が三五、地方が一五となっておりますが、今のままJRの五〇%の負担率ですと、なかなか地方に行くに従って路線を開いていくのに非常に経営上告しくなってくるのじゃないか、もう一度赤字国鉄の二の舞をするんじゃないか。そういうこともあり、そしてまたJRそのものが同意しないとなかなか着工できない、そういった問題もあって、JRの負担率を下げていく。例えば九州JRの場合は、ことしは台風のために非常に被害を受けて赤字だと言われております。その辺での負担割合の問題、これを検討する用意があるのかどうか。  そしてもう一つは、いわば未着工、三線のうちに今着工していますが、いわゆる優先順位となっている九州の縦のルート、鹿児島ルート、それから北陸、東北、この三線の未着工工区についてはいつごろこれを着工する予定なのか。また、いつごろまでに完成させる予定なのか。まず、その二点についてお聞きしたいと思います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 一番の問題点は、いわゆる負担割合と申しますか、やはり財源の問題でございまして、現在の三線五区間の中で大きなウエートを占めておりますのが、いわゆる特定財源というものでございます。  これは、現在の東海道あるいは東北、上越等を各JR会社に売却いたしました、その譲渡代金の一部を整備新幹線の方に充当するということで、毎年七百二十四億円の額が国とJRの負担当分の一部ということで投入されておるわけでありますが、これは結局現在の三線五区間の工事で手いっぱい、種切れになってしまうわけでございます。したがって、それ以外の分、そこでの白地になった部分を一体どうやって埋めていくのかということが一番大きな課題ということになろうかと思います。  それから、そのほかにも当然各線区ごとの収支採算性の問題、ただいま先生もちょっとお触れになりましたように、これから輸送需要がかなり先の方で細くなってまいりますので、そうしたものを含めて収支の採算性はどうなっていくのか。それから、並行在来線を、開業の際にはJRの経営から分離するということになるわけでございますが、それが果たして地域の合意が得られるかというようなさまざまな問題があるわけでございまして、こうした問題を含めて答えが、結論が出て初めてその取り扱いが決まるということになるわけでございますので、現時点で、長崎あるいは北海道の新幹線がどのように扱われるかということはその検討の推移の中で決まっていくものだというふうに考えておる次第でございます。

山田正彦新生党・改革連合

○山田(正)委員 長崎及び北海道の新幹線についてですが、この見直しの覚書によりますと「従来の整備新幹線の整備計画はすべて維持されることを前提としことなっておりますが、そうであると、その長崎とか北海道にとってみれば、いわば五年前に我々は着工から外されている、しかし五年後、ことしは着工を見直されて決めてくれるんじゃないか、そういう期待を持ってこの五年間頑張ってきたと思うのですが、その辺、政府としては明確にこうだと今言えないものかどうか。  例えば、かつて五年前の政府・与党の覚書は自民党政権当時のものであったから今は、まあそんなことないでしょうが、関係ないとか、そうじゃなくていわばそのまま引き継いだ上で、そして前向きに検討できるとか、そういう少し明らかにできる範囲でお答え願えればと思います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 私どもとしましては、五年前にできました、いわゆる基本スキームが現時点で無効になったとか白紙に戻ったとかいうことを考えておるわけではございません。そこに書いてある、ただいま先生お話ございましたような、この「第一歩と位置づける。」ということも依然として生きておるというふうに考えております。  ただ、「五年後に見直すこととする。」となっております。その見直しは一体何か、中身は何かということは、当時も必ずしもはっきり決まっておったわけではないわけでございまして、したがってその見直しの中身として、例えば三線五区間の今やっている工事の中身を見直すのか、あるいは今先生のお話にありましたように、今決まっていない、それ以外の部分について見直すのか、実は厳密に言えば、そこのあたりは当時から何も決まっていないということが実際のところであろうというふうに考えておるわけでございます。  したがって、長崎あるいは北海道において、大変地元から、今先生もお話がありましたような強い御熱意があるというようなことは私どもも十分承知をしておりますし、それを含んだ上で見直しの問題について検討していきたいというふうに考えているわけでございます。

山田正彦新生党・改革連合

○山田(正)委員 そうしますと、長崎及び北海道、また三線のうち未着工の工区についてはいつ着工できるか、例えば五年後、十年後、二十年後なのか。それも財源の問題もあり、今の段階では見通しがつかない、そうとってよろしいんでしょうか。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 やはり、着工するかしないかということは、財源問題を初め先ほど来御説明しましたような問題点に一応のめどがつきませんと、つかないままに着工を決めるということは、ちょっと例が悪うございますけれども、昔、国鉄時代に採算性を無視して投資をした結果があのような結果を招いたというようなこともございますので、やはり着工するからにはその収支を含めて慎重な検討が必要だということはひとつ御理解をいただきたいと思う次第でございます。

山田正彦新生党・改革連合

○山田(正)委員 長崎新幹線について、実は昭和五十三年五月二十六日の「むつ」念書なるものがここにあるのですが、当時原子力船「むつ」が大変洋上に迷って、それを佐世保の市長、辻一三さんが佐世保の方で引き受けるから、その見返りとして、当時の幹事長大平さん、総務会長中曽根さん、政調会長江暗真澄さん、この三人による、「長崎新幹線の工事着工は、他の四路線に遅れないこととする。」これを長崎県知事あてにいただいているわけですが、この念書の存在を大臣は知っておられたかどうか、また政府としてはこの念書をどのように現在解釈しておられるものかどうか、お聞きしたいと思います。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 そういう書面があることは承知をいたしておりまして、何か前の先輩、大政治家が三人並んで判こを押している文書ですね、これもコピーを拝見いたしました。  どう思うかということなんですが、まさに今後さっき申し上げた財源問題など、私どもも全力を挙げて皆様の御支援をいただいてどうするかということの見通しと関連をするということでございますので、中身についてのコメントはちょっと今のところは差し控えさせていただきたい。いずれにしても、できるだけの努力を前に向けてやりたいという気持ちだけは申し上げておきます。

山田正彦新生党・改革連合

○山田(正)委員 どうか大臣、この念書のことも踏まえてよろしくお願い申し上げます。  次に、この新幹線の場合にどこを走るか、どこにその新しい駅ができるかというのは、地元にとっては大変熱い論議、大騒ぎになってしまうわけでございます。各地とこでもそうだと思いますが、長崎の場合にもこの二、三年大変熱い論議、大騒動をしてまいりまして、地元佐世保市の市議会でも昨年一年間だけで百二十から百三十くらいの会合を開いた、そういういきさつもございます。それだけやってやっとルートの合意をした。そこで地元の、例えば長崎の場合をとっていいますと、皆さん方はいわば来年あるいはことしにでも着工になるんじゃないか、本当にそう思っておるわけですが、先ほどの秦野政府委員の説明を聞いておりますと、全くいつ着工できるか、十年後、二十年後もめどが立っていない、財源の問題だ。ということでありますと、優先順位の決まっている北陸新幹線の中でも直江津から大阪まではルートはまだ決まっていなかった。そして、北海道の幹線のルートも決まっていない。そうであれば、何であんなに大騒ぎして佐世保カットのルートを早く決める必要があったのかな、そう思っております。並行在来線の廃止、そういった問題も含めて、いわば運輸省としてはその辺どのように指導しておられるのか、あるいは全く地元任せなのか、そのところだけお聞きできればと思います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 長崎ルートにつきましては、運輸大臣の方で昭和四十七年に基本計画、それから四十八年に整備計画をそれぞれ決定をいたしまして、国鉄に対する建設の指示を行ったわけでございますが、その後、当時の国鉄におきまして昭和六十年に環境アセスメントのための路線、いわゆる早岐経由のアセスルートと言われているものでございます、これを公表したわけでございます。ところが、その後昭和六十二年になりまして、今度は国鉄からかわりましたJR九州の方で従来のアセスルートの案では収支改善効果が極めて薄いという報告結果をまとめたわけでございまして、これを受けまして、その地元において先ほど先生お触れになりましたように協議会等が設置されまして、大変いろいろな御議論がありまして、その結果いわゆる短絡ルート案がまとめられたという経過をたどっておるわけでございまして、私どもの方で指導してその地元で短絡ルート案をまとめたという経緯ではございません。ただ、地元の方で大変御熱心がついろいろ問題がある中で御議論になったという経過については、私どもも十分承知をしているところでございます。

山田正彦新生党・改革連合

○山田(正)委員 並行在来線の切り離し、これは大変難しい問題だと思うのですが、例えばそれが決まらなければ新幹線が着工できない、その場合に第三セクターとかそういうものに移管するとして、いわば国からの助成とかそういった対策の検討というのは十分考えておられますか。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 いわゆる基本スキームにおきまして、整備新幹線の着工に当たって並行在来線をJRの経営から分離するということが定められておりますので、これまで着工しております各区間につきましてはそのような前提で関係公共団体の御同意も得まして、いわゆる第三セクター方式によって運営をするということで現在作業が進んでおります。各線区によっていろいろ事情が異なるだろうと思います。十分経営がやっていけると思われる線区もございますし、かなりの努力が要るという線区もあると思います。いろいろまちまちだと思いますので、そうした状況に対応して可能な限り経営が円滑にいくように、私どもとしても努力をしてまいりたいと思いますが、まだ具体的にそのスタートが成っておらない段階でございますので、現時点で具体的なことはちょっと申し上げる段階ではないというふうに考えております。

山田正彦新生党・改革連合

○山田(正)委員 何といってもこの新政権でいわば新幹線をやれるかどうか、これは新政権に対する評価にそのままつながる大変なことだと思うのですが、それができるもできないも財源の問題である。  この財源について、現在の新幹線を利用している者は先に旧国鉄の赤字時代に国の費用とかその他によってでき上がったものを利用しているわけでありますから、いわば受益者として先に受益を受けた者が後に新幹線を利用する者に対してその負担をする、いわゆる新幹線に乗る人が運賃のうち二百円か三百円を上乗せして、それを新財源とすることができないかどうかが一つ。  もう一つは、私は新幹線そのものが新政権にとっていわばスーパードリームプロジェクト、そう解しているものでありますが、その財源をスーパードリーム全国自治宝くじ、こういったものが考えられないかどうかが二点。  それからさらに、JRの譲渡益、これは先ほどの質問にもありましたが、国鉄清算事業団の長期債務二十六兆円に充てなきゃいけない、これはわかりますけれども、それを一時猶予して新幹線の財源に一部を組み込むことができないかどうか。  それから、問題は公共事業ですが、いわばNTT−Bの資金からわずかに百八十五億だと承知しておりますが、そうじゃなくて公共事業、道路工事とか港湾事業とか、そういったものから比べれば、国民としては新幹線も公共事業じゃないか、そう考えて、言ってみればひとつ公共事業の枠を新幹線財源として広げることができないかどうか。  またさらに、財投資金を活用できないものだろうか。いろいろその財源は考えられると思うのです。ひとつ運輸省に、そして我々連立与党としてもその財源を真剣に検討して、何とかして新政権のプロジェクトとしてこの新幹線網をできるだけ多く、例えば今の整備新幹線だけでなく、いわゆる基本計画線、九州でいったら東九州新幹線とか、山陰では下関、松江を通る山陰新幹線や岡山から松江に行く中国横断新幹線とか、北海道でいったら札幌−旭川、すなわち基本計画線十二線、約三千五百十キロありますが、これについてもこの新政権のうちに見通しを立てられないものかどうか。  そういう意味で、財源については大変微妙なことですので回答は要りませんが、十二分に検討をお願いして、何とかこの新幹線を大いにひとつ運輸省では最大のプロジェクトとして取り組んでいただきたいと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。  質問を終わります。

近江巳記夫公明党

○近江委員長 福留泰蔵君。

福留泰蔵公明党

○福留委員 公明党の福留泰蔵でございます。本日は、限られた時間でございますけれども、鉄道の安全運行に関する問題と、そして通勤混雑緩和対策の二点について御質問をしたいと思います。  まず、鉄道の安全運行に関して御質問したいと思います。  平成三年の五月十四日、滋賀県の信楽高原鉄道におきまして列車の正面衝突事故が発生いたしました。この事故は、死者四十二名、重軽傷者六百十四名という大惨事となったのであります。ここで改めて、多くの犠牲者の方々並びに御遺族の方々に謹んで哀悼の意を表するものでございます。  さて、この大事故からはや二年五カ月が過ぎたわけでございますけれども、今月十四日に、犠牲者九名の遺族の方々がJR西日本と信楽高原鉄道を相手取りまして総額約十一億三千六百万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こされました。  事故の原因につきましては、平成四年十二月に運輸省が出されました調査報告書によりますと、信楽高原鉄道側が列車の安全運行に関する保「基本ルールを守っていなかったことにある」となっております。ただ、この信号保安システムでは、誤出発検知装置という、つまり誤って出発したことを検知する装置がありまして、この装置が正常に作動していれば、赤信号で出発したとしても先の信号機が赤信号になって今回のような列車の正面衝突には至らなかったはずでありました。  そこで、まず第一にお伺いいたします。この誤出発検知装置が正常に作動しなかった原因については、報告書によりますと、「断定できない。」とあるわけでございますけれども、この点について運輸省はさらに調査研究を進めていかれるのかどうか、お考えがあればまずお伺いしたいと思います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 ただいまお話ございましたように、昨年の十二月に公表いたしました私どもの報告書の中で、御指摘のように誤出発検知が正常に作動しなかった原因については断定できなかったということで御報告をしておるところでございます。この調査につきましては、私どもの方で学識経験者の方々にお集まりいただきまして調査検討会というものを設けまして、そのシステムの作動状況について詳細な検討を行ったわけでございます。ただ、その際に判明いたしました事実から見ますと、これ以上の究明は困難ということで、報告になったものでございまして、「事故当時、誤出発検知が正常に作動しなかった原因については、何らかの理由により信号回路が一時的に異常接続状態になったものと推測されるが、断定できない。」ということで、一時的な異常接続状態になったということは推測をしておるわけでございます。  なお、当時その信号機の機器室の中で作業しております係員を含めまして私ども事情聴取をしたわけでございますけれども、私どもの調査の範囲内ではそこははっきりしなかったということでございまして、その当時機器室内で作業しておりました係員につきましては、この方を含めまして関係者が起訴されまして、現在裁判が進められているというのが現在までの状況でございます。  したがいまして、現時点でこれより進んだ結論が出るということにはなっておりませんけれども、もし新たな事実が明らかになった場合におきましては、必要に応じましてさらなる調査の再開を行いたいというふうに考えておる次第でございます。

福留泰蔵公明党

○福留委員 今後の利用者の立場に立って考えますと、多少の不安が残る結果となっているような感が否めないということをまず申し上げておきたいと思います。  次に、この事故の死傷者への補償交渉についてはどのような状況なのか、その進捗状況をお尋ねしたい。  そして、先ほど申し上げましたとおり、国内の鉄道事故としては初めてのことでございますけれども、集団訴訟が起こされているわけでございます。なぜこのようにこじれてしまったのか、その理由を答えていただきたいと思います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 その補償関係でございますけれども、運輸省におきましては、事故発生後に事故対策本部というものを設けまして、事故の究明あるいはその他の対策に当たったわけでございますが、その一つといたしまして、亡くなられた方及びけがをされた方に対する補償については誠意を持って当たるように関係者を十分指導するということを決定いたしまして、それ以後、信楽高原鉄道あるいはJR西日本に対しまして必要な指導を行ってまいったわけでございます。この両社では、これを受けまして、補償交渉の窓口といたしまして合同でご被災者相談室というものを設置いたしまして、交渉を重ねてまいりました。  これまでの補償状況でございますが、亡くなられた方四十二名全員の遺族の方と訪問の面談を行いまして、そのうち十二名の方と示談が成立をしております。また、負傷された方につきましては、六百十四名のうち五百六十三名の方と現在までに示談が成立しておるわけでございます。  それから、もう一つのお尋ねの民事訴訟の件でございますけれども、ただいま御説明しましたように、被害者の御遺族すべての方に対しまして、まあ社員の遺族の方は除きまして、それ以外の御遺族すべての方に対しまして補償額を提示いたしまして、具体的な補償交渉が行われているというふうに私ども聞いております。ただ、そのうち、十月の十四日に示談未成立の三十名の中の九名の方から損害賠償を求めて訴訟が提起されたということで、これはちょっと今後司法の場にゆだねられる事柄でございますので、私どもとしてこれについてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。  いずれにしましても、JRなりあるいは信楽高原鉄道が誠意を持って被害者の遺族の方々と交渉に当たるように私どもとして十分な指導をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

福留泰蔵公明党

○福留委員 今伺いまして、誠意を持って補償に取り組んでこられたことを確信しているところでございますけれども、その誠意にもかかわりませずこのようにこじれたのは、実は事故の原因究明の体制及び結果に対する不信があるからではないかというような御意見もあるわけでございます。この点、御意見は後ほどまとめてまた伺うことにしまして、時間もございませんので、次の事故に話題を変えて、同じ趣旨からの議論を続けていきたいと存じます。  先ほども別の委員から質問がございました、大阪市の新交通システム、ニュートラム、南港ボートタウン線での事故でございます。  去る十月五日でありますけれども、当該線におきまして暴走事故がございました。重傷五十名、軽傷百四十四名、合計百九十四名の負傷者が出たわけでございます。死者が出なかったことは不幸中の幸いとでも言えるかもしれません。  この事故の起きました車両は無人運転でございまして、この線では有人運転も行われていると聞いておりますけれども、この職員は資格を持った運転士ではなくして、例えば添乗員のようなもので、実際にはコンピューターを駆使したハイテクの運転システムとなっているのが特徴の新交通システムと伺っております。コンピューターによって制御されますATO、ATCという安全運転を支えます二つの装置が備えであったのに、なぜこんな暴走事故が発生したのか。ATOやATCが機能しなかったのか、それともほかに原因があったのか、大変に疑問を持っているところでございます。  そこで、一日も早い原因究明が待たれるわけでございますけれども、まずその事故の原因究明について、今だれが責任を持って調べているのか、どのような体制で取り組んでおられるのか、その点について、これまでの経過をあわせて、先ほど御説明があったわけでございますけれども、簡単で結構でございます、説明をしていただきたいと思います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 御指摘の南港のニュートラムの事故につきましては、私ども大変に残念に思っておるわけでございます。  今、どういう体制で事故の原因究明に当たっておるかというお尋ねでございますけれども、事故発生直後に、担当の局でございます、私どもの地方支分部局でございます近畿運輸局というものがございますが、ここに対策本部を設置いたしまして、情報収集あるいは事故の原因究明の中心ということにいたしております。そこに必要に応じまして本省あるいは私どもの附属の研究所、交通安全公害研究所というところがございます。ここにそういう電気関係のエキスパートがおりますので、そういう者を現地に派遣いたしまして、近畿運輸局の職員と一体となって調査に当たっておるわけでございます。なお、当然のことでございますけれども、警察の方でも調査を進めておられるわけでございまして、十分な連絡、連携をとりながら原因究明に当たっておるというのが現在までの体制でございます。  それから、その内容でございますけれども、まだ現時点でもちろんはっきりしたことは申し上げられませんけれども、要するに最終的に電車が住之江公園駅に入ってまいりました際に、通常でございますとATOに変わってATCという自動制御装置が作用いたしまして、そこでいわゆる常用ブレーキがかかって電車が正常に停止するというのが通常の状態でございますけれども、その常用ブレーキが何らかの理由によって作動いたしませんで、かなりの速度で駅を通過したわけでございます。そこで、通過した時点でいわゆる非常ブレーキ、バックアップシステムでございます非常ブレーキがかかったわけでございますけれども、スピードがかなり出ておりました関係で完全にとまり切れずに車どめに衝突したというのが現在までにわかっておる状況でございます。したがって、その常用ブレーキがどうしてきかなかったのか、制御できなかったのかというところが今後の原因究明のポイントになるというふうに考えておりまして、先ほど申し上げた体制で鋭意究明に当たりたいというふうに考えております。

福留泰蔵公明党

○福留委員 まさしくその常用ブレーキがきかなかったために事故が起きたということは、これはもう事故当日わかることではないかと思うわけでございます。ATO、ATCが何らかの不良を起こして当然暴走してぶつかったわけですから、ブレーキがきかなかったというのはこれは素人でもわかることだと思うのです。もう二週間以上経過しているのに、今またそのような御説明しかできないという状況自体が私は一つ問題をはらんでいるのではないかと思う次第でございます。当然いろいろな調査がなされていて、まだ推測の域を出ていないのかもしれませんけれども、既に新聞等ではいろいろな報道がなされているようでございますけれども、まだまだそういう意味で、何かもう少し具体的にここまでわかっているんだということがあれば教えていただきたいと思います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 ただいまのお話のように、いろいろな意味で私ども、もちろん事故の原因について推測をし、あるいは仮説も立てて検討をしておるわけでございます。有力な考え方としましては、車両に備えます継電器の中継盤に何か欠陥があったのではないかということは、推測と申しますか仮定の一つとして考えられております。  また、そのほかにもいろいろな考え方があるわけでございますが、現時点で答えがこれだということを申し上げる段階にはないということで、大変残念でございますが、もうしばらく時間をいただきたいというふうに思う次第でございます。

福留泰蔵公明党

○福留委員 ハイテクの導入が目覚ましい航空界にありましても、安全は人が支えるもの、人間にまさるバックアップはないという考え方があるといいますけれども、この最新鋭の運行システムに過信はなかったのかどうか、システム自身に問題点はないのか、しっかりと調査をしていただきたいと思います。  さて、一方で、地元の方々にとりましてはこの線の不通によって大変不便を強いられているようでございます。現在、バスによる代替輸送をしていただいているようでございますけれども、利用者の方々からは、これまで二十分で通学できたのに現在一時間以上もかかるというような、一日も早い再開を望む声も聞いているところでございます。そこで、事故原因の究明及び再開のめどについて運輸省としてどのように考えておられるのか、そのお考えを伺いたいと存じます。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 ただいま代替バスによって運行しておるわけでございますけれども、朝晩のラッシュ時にかなり道路自体も込みますしあるいはバス自体も込むということで、大変利用者の方々に御不便をおかけしているということは私どもも承知をいたしております。どのタイミングで再開するかということにつきましては、例えば再発の防止対策とかあるいは現場の状況はどうなっているかというようなことを踏まえて、第一義的には事業者でございます大阪市交通局の方で検討されるべき問題であるというふうには考えておりますが、私どもといたしましての見解ということになりますと、事故原因がある程度はっきりしない段階で運転を再開するということは、やはり車両の安全、運行の安全に対しますお客様の信頼にもかかわることですし、何よりも安全の問題でございますので、その点については十分に慎重に対応する必要があるのじゃないかというふうに考えております。また、それと同時に、事故の再発防止という観点からハード、ソフトの面でいろいろな対応策が必要であろうというふうにも思いますので、事故原因の調査とあわせましてそうした再発防止対策につきましても現在いろいろな面で検討を行っております。  そうした面を総合的にあわせましてなるべく早い時期に運行が再開できるように、そのためにも事故の原因が早い段階でわかるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。

福留泰蔵公明党

○福留委員 真相究明を一日も早く行われ、万全な体制をとられ、早期再開をされますよう、心から望む次第でございます。  さて、今、信楽高原鉄道の事故とニュートラムの事故について伺ってまいりました。私は、この二つの事故が提示している共通の問題として、鉄道事故後の調査のあり方があるのではないかと思います。運輸省所管の陸海空で申し上げれば、海の事故には海難審判庁があり、空の事故には航空事故調査委員会が常設されているようでございますけれども、鉄道事故についてはいまだ常設の事故調査委員会がありません。この件については過去何回か本委員会で取り上げてこられていることだと理解しているところでございます。  ここ数年間の鉄道事故を見てみましても、例えば昭和六十一年十二月に国鉄の全部鉄橋転落事故がございました。これは国鉄内で調査委員会を設けてあるようでございます。平成元年四月のJR東海の北殿駅列車衝突事故におきましては、これはJR東海内におきましてその調査委員会が設けられている。そして、先ほど申し上げましたけれども、平成三年五月の信楽高原鉄道列車衝突事故については運輸省内に、これは特別のチームだと思いますけれども、信楽高原鉄道の信号保安システムに関する調査検討会が設置されているようでございます。また、平成四年六月には関東鉄道取手駅構内列車脱線事故、これについては関東鉄道の社内にこの調査委員会が設けられている。そして、今回の平成五年十月のニュートラムの事故については、まだ正式のきちんとしたものは設けられていないような理解を私は今したわけでございます。  これまで鉄道事故に関しまして今挙げましたようにいろいろな形態で調査委員会が設置されてきているわけでございますけれども、この十月五日の事故の調査委員会が正式なものとして設置されていないような感じが今したのですけれども、常設の調査委員会がないために対応が非常に遅くなるというような批判があるわけでございまして、この点について運輸省はどうお考えなのか、伺いたいと存じます。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 事故の原因究明につきましては、当然のことでございますが、事業者の方でも調査をし、再発防止対策を講じるわけでございまして、これは事業者の判断で適宜その事故のケースに応じまして調査委員会をつくるわけでございます。本件につきましては、大阪市交通局において既に事故対策委員会というものが設置をされております。  それから、私ども運輸省の方でございますけれども、これはまず事実関係と申しますか、どういう事態になって、機器がどういうふうになっているかということを調べることが第一義でございまして、それについてその原因あるいは再発防止をどうするかということが第二番目の検討課題としてあるわけでございます。その過程の中で私どもとしましては必要に応じて、例えば先ほどお話がございましたように、信楽のように特殊な信号システム等についての御意見を伺う必要がある場合には専門の委員会をつくって検討をお願いするということで調査を進めておるわけであります。  空と海にはあるけれども陸にないではないかというお話でございますけれども、空と海の場合には事故の態様、その性質からいいまして、ともすれば事故の証拠となる物件がいろいろ散逸をしてしまう、あるいは海の中に入ってしまって回収が不可能になるというようなこともございまして、かなり調査そのものに難航する場合が多いということがございます。  それに対して、陸の場合には、比較的証拠物件と申しますか、物が残っておるというケースが非常に多うございますので、そういう意味では、現在の体制で調査をいたしましても特段支障があるということには私どもとしては考えておりません。  ただ、今後とも、そういう意味で、事故究明体制について、さらなる検討と申しますか、改善を進めるように努力をすることは必要だと思っております。

福留泰蔵公明党

○福留委員 引き続き議論を続けさせていただきたいと存じますけれども、これからの議論の中で、ぜひとも大臣の答弁を求めたいと思います。  ただいま大臣が席を外していらっしゃるようでございますので、ここで私の質問は中断をさせていただきたいと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員長 それでは、須藤浩君。

須藤浩さきがけ・日本新党

○須藤委員 日本新党の須藤でございます。  本日は、運輸に関する一般質疑ということで、都市鉄道の整備についていろいろとお伺いをしたいと思います。  これまでの質問の中で、この問題に関しては若干既に質問が出ておりますので、なるべく重複を避けて、短時間ですので、簡潔な御答弁をお願いいたしたいと思います。  今回、政権がかわりまして、生活者重視ということで連立与党が組まれております。運輸行政に関しましても、この視点からどのような行政を図っていくかということ、こういう観点から幾つか御質問をしたい、このように考えております。  現在、国民の多くの方々から大変期待、注目をされている連立与党として、発足以来数カ月ですが、いろいろな観点から改善、改革を行っているということで、この運輸行政に関してもぜひその方向で進めていきたい、このように思っております。私たちも国会議員としてぜひこの負託にこたえていきたい、このように思います。  そこで、都市鉄道の整備についてでありますが、これは大きく見ますと、日本の国土開発、それから現在の一極集中、こういう観点からとらえることもできるかと思いますが、とりあえず短期的、当面の問題としてどのような対応策を考えていらっしゃるか、この観点からお伺いしたいと思います。  ただいま大臣はこの席にいらっしゃいませんけれども、これまで、八月ごろ、通勤路線の電車に乗車されまして、その混雑状況を実体験されております。その中でも、肩が軽く触れ合う程度に、新聞や雑誌が読める程度まで緩和するような施策を実行したい、このように話しておられたかと思います。  そこで、私自身も学生時代からこの大都市東京に通学をいたしまして、大変込んでいる、当然サラリーマンの方々も、毎日毎日混雑した電車に乗られてエネルギーの多くをそこで費やしてしまう、そして仕事をしなければならない。日本の労働の生産性を上げるためにも、あるいは学生が一日勉強するということでも、大変ロスが多いというふうに私は思います。  そこで、実際問題、大都市圏における通勤通学の現状が、この首都圏のラッシュ時の混雑率がもう既に二〇〇%を超えているのではないか、このように思います。  そこで、都市鉄道の混雑の緩和の実態というものを現在どのように把握しておられるのか、首都圏の実態とあわせて伺いたいと思います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 ただいまお話がございましたように、我が国の大都市圏、特に東京を中心といたします首都圏につきましては、人口の流入が激しいということもございまして、非常に厳しい状況になっておるわけでございます。  私どもとしましても、輸送力増強にはこれまで力を入れてきたつもりでございます。この十五年の間で見をすと、輸送力で約一・五倍、五割増しになっておるわけでございますが、片や通勤通学をされる方も四割ふえておるということでございますので、結果として、それほどその混雑率が下がらないというような状況にあります。したがいまして、これからさらに一層の改善を図っていく必要があるというふうに認識をいたしております。  ただいまお尋ねのラッシュ時間の状況でございますけれども、首都圏で見ますと、平均いたしまして、今お話しのとおり、約二〇〇%、二〇一%でございます。これは、体が触れ合い相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める、こういうレベルでございます。ただし、これは平均でございますので、当然その中には、京浜東北線とか山手線のように二五〇%を超える。二五〇%と申しますと、電車が揺れるたびに体が斜めになって、身動きができないという状態でございます。これを超えるような路線もあるわけでございまして、こうした路線について、少しでもその混雑率を緩和するというために、今いろいろな施策を考えておるところでございます。

須藤浩さきがけ・日本新党

○須藤委員 客観的な数字ということでは二〇〇%ということかと思いますが、このラッシュ時の通勤通学については、まるで地獄の列車といいますか、そのような実感だと私は思います。本が読める程度、あるいは肩が触れ合う程度というような表現もあろうかと思いますけれども、現実にこういった混雑の中での電車を利用するということ、これは大変なことだと思います。  そこで、運輸省としては、これまで都市鉄道の整備についてはどのような対策を講じられてきたのか。もちろん、中長期等もありますけれども、簡略に、これまでの整備についての対応策を御質問いたします。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 それでは、かいつまんで御説明いたします。  運輸省では、東京圏、大阪圏、名古屋圏という、いわゆる三大都市圏につきまして、運輸政策審議会という、私どもの大臣の諮問機関がございますが、それぞれここで具体的な線区の整備について御検討いただいて、その答申をいただいております。  現在、これに従って整備を進めておるわけでございますが、一例で東京圏について申しますと、例えば、新線として京葉線の東京から蘇我の間、あるいは複々線化の工事としましては、東武伊勢崎線の竹ノ塚と草加の間というようなものは既に完成をしております。さらに、現時点で営団南北線の駒込と目黒の間に新線を建設する、あるいは東急東横線を初めとします複々線化工事につきまして、特定都市鉄道整備積立金制度の活用等によりまして整備を進めるというようなことで、当時答申でいただきました整備計画の五百三十二キロのうち、現在三百三十四キロについて既に営業しておる、あるいは工事をしておるという状況でございます。  同様に、大阪でも、整備計画が三百三十三キロのうち約百八十五キロ、半分強につきまして既に営業あるいは工事を行っておるということでございまして、そういう意味で、一応ある程度整備の方は進捗を見ておるということでございますけれども、今後ともその推進に全力を傾けてまいりたいというふうに考えております。

須藤浩さきがけ・日本新党

○須藤委員 これまでいろいろハード面に関して整備をされてきたということだと思います。  そこで、この整備の状況というのは、恐らく一極集中ということで、人口増あるいは通勤者、通学者の増加に対してはとても追いつかない状況であろうかと思います。  そういう意味で、この部分に関しては一層スピードを上げて行っていただきたい。もちろん、財源措置の問題がありますから、限られた財源の中でやるということになりますと、当然重点政策あるいは予算そのものをシフトしていくという措置をとらざるを得ないのではないか。その方策については本日は置いておきまして、ぜひその方向での御検討をまずお願いしたいと思います。  そこで、例えば複々線化の問題であるとか、増便、増発も含めたそういう対応策もあるのですが、この都市鉄道あるいは都市と限らずに鉄道一般に関してなのですが、駅舎あるいは駅そのものの整備、鉄道施設そのものの整備があろうかと思います。先ほどの御質問の中に、やはり高齢者あるいは身障者の方々の対策として、エスカレーターあるいはエレベーターの設置ということが出ておりました。それで、答弁もいただいておりますが、さらにもう少し具体的な部分でお伺いしたいのですが、自治省から出ております地方財政再建促進特別措置法があろうかと思います。現在、自治体の方で駅舎の整備であるとかあるいは橋上駅、いろいろあろうと思います。こういった問題を推し進めていくと、いわゆるこの再建特別措置法にぶつかってしまうということで、こういった施設そのものの整備が一つのある意味でネックになっていることがあろうかと思いますが、運輸省としてはこの問題に関しましてどのような御見解をお持ちでいらっしゃるか、お伺いいたします。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 在来線におきます新駅につきまして、地元から大変強い御要望がある場合がございます。ただ、駅をつくりますと、当然そこに建設費のほかに開業に伴いますランニングコスト、人件費もかかりますし、あるいは信号等の配線も変えなければならないということで、JRにとって、旅客増を見込んだとしても収支採算上は非常に問題があるというケースがあるわけでございます。  したがいまして、そういう場合にJRの方と地元の公共団体の方で御相談をいたしまして、その建設について一定の負担と申しますか援助を地方公共団体の方でしていただくという場合は当然あり得るわけでございますが、そこには当然のことですが、JRの経営について悪影響を及ぼさないという範囲内で地元の方から御援助をいただいているということで、これはこれで一つの制度としてやむを得ないことではないかというふうに考えております。

須藤浩さきがけ・日本新党

○須藤委員 JRも民営化ということで採算ベースに合った経営というものを行っていかなければならない、これは当然のことであろうかと思います。  冒頭に述べましたように、生活者重視の視点から運輸行政を行っていくという場合に、具体的にこういうような問題といいますか対応が求められたときに、行政としてはこの生活者重視という視点をどうとらえて行政を推進されるかと。たまたま今地財法の関係を私は申し上げましたけれども、その中にも幾つか基準がありまして、これは自治省の管轄になりますので、運輸省サイドの見方をお聞きしたいのです。  その運用という面に関して、例えば自治体が新規鉄道を引くとか町づくりの観点からこういったものを導入しようとした場合、人口が少ないとなかなか鉄道は引けない、しかし、鉄道を引くためには人口増も必要である、えてして鶏と卵のような議論になってしまってなかなか整備が進まない、そして既存のレールあるいは列車があったとしても、その整備を進めようという段階になってもいろいろなところでかなりのネック、財政的な問題も出てくる、こういったことがあろうかと思います。そこで、運輸省としてはこういったことに関してこれまで、あるいはこれからもどのような助成策、こういったものを考えていらっしゃるか、重ねて伺います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 特に新しい、ニュータウンと申しますか市街地が開発されて、そこに鉄道を引くという場合によく起こるケースでございますけれども、なかなか市街地の開発のテンポと、あるいは入居のテンポと、鉄道の整備のテンポと、これが必ずしも整合しないという場合がございまして、例えば鉄道は引けたけれどもなかなか入居者が少なくてお客さんが、利用者の方が非常に少ない、経営上非常に問題が出るというケースもございます。  したがいまして、私どもとしましては、事前に十分関係の自治体あるいはそのニュータウン等の関係者の方々と御相談をしてそういうことのないように万全を期していきたいと思いますし、また、そういう事態になった場合にはよく地元公共団体を中心として御相談をして、その円滑な解決が図れるように努力をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。  なお、一般的な助成といたしましては、地下鉄あるいはニュータウン、それぞれの輸送、鉄道の種類に応じまして助成の制度ができておりますので、その制度の充実強化には今後とも努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

須藤浩さきがけ・日本新党

○須藤委員 国民の皆さんも現在の政権にも大変期待を寄せられておりますし、現在の鉄道整備状況に関してもハードとそしてソフトの両面の対応策があろうかと思います。  首都圏におきましてこういった快適な通勤環境を整備する上で重要な路線は私はたくさんあろうかと思いますが、その中で幾つかの例がもしありましたら、今後の見通しについてつけ加えて、簡単で結構ですので御説明をお願いいたします。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 先ほどちょっと申しましたように、やはりニュータウンと申しますか、新しい市街地の開発の際には、私どもあるいは事業者と地元の公共団体なりあるいは開発者との間でよく協議をした上で整備をしていくということが望まれておるわけでございます。  今、一つの例ということでございますので申し上げますと、一つは北総開発の例がございます。  御案内のように、北総開発の線は千葉ニュータウンの通勤通学のための路線といたしまして昭和五十三年以降順次整備がなされまして、現時点では東京都心への直通ルートというものが完成しておるわけでございまして、さらにこれを平成十二年の開業予定ということで、現在の千葉ニュータウン中央からさらに印旛松虫の方へ整備を進めるということで作業を進めておりまして、この過程におきまして鉄道事業者、北総鉄道でございますけれども、この経営状況が若干苦しいという状況もございますけれども、そうしたことを踏まえて、どうしたら最もうまく整備がいくか、あるいは運営がうまくいくかということについて、関係者との間で十分御相談をしながらやっていきたいというふうに考えておる次第でございます。

須藤浩さきがけ・日本新党

○須藤委員 では、大臣が戻られましたので、最後にもう一つ御質問させていただきたいと思います。  今、短時間でありますが、都市鉄道の整備について、あるいは今後の方向性について若干お伺いいたしました。大臣につきましては就任直後、生活者重視の方針をどう運輸行政に反映させるかということで新聞記者の質問に答えられまして、サラリーマンにとっては苦痛になっている大都市圏の通勤ラッシュをまず解消しないといけない、そこで、運輸省としては西暦二〇〇〇年までに混雑率を一八〇%にするという目標を掲げていますが、国民にまだ余り知られていないという現状認識をされていらっしゃるかと思います。  そこで、こういった都市鉄道の整備について、冒頭、私はずっと述べてきましたが、生活者あるいは利用者ということになろうかと思いますけれども、そこに重点を置く連立与党としての重要課題であるという認識のもとに、今後、鉄道整備に対する大臣の決意を一言お聞かせ願えればと思います。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 御指摘ございましたように、今日の日本の社会の中で非常に重要な社会問題であり、また政策的解決が求められているテーマであるというふうに私は思います。  通勤ラッシュで、しかも大変な混雑で身動きもできないような状態ということを非常に多数のサラリーマンが毎日経験をしている、これは先進国あるいはリッチジャパンとか外国から言われる、ゆとり、豊かさをみんなが社会の目標にしているという状況を考えたら、本当に解決されなければならない問題であろうと思います。そういう意味で、私は私の在任中の大事な仕事としてこの問題に積極的に取り組みたいと考えております。  いろいろ勉強させていただきますと、簡単なことではございませんし、さまざまの困難な問題を打開しなければならないと思っているわけでございまして、一つには輸送力の増強、もう一つは時差出勤など、さまざまの御協力をいただいたシステムの解決という問題がございます。輸送方の増強で申しますと、車両数をふやすとか、あるいは本数をふやすとか、さまざまの努力はほぼもう限界に近いというふうな状態、では、そういう中でどうするのかとなれば、新しい線を、例えば複々線化もございますし、それから地下鉄もございますし、いろいろな方法でやらなければならない。これは膨大な投資を伴う。地下鉄一キロ当たり四百億円前後とか言われているわけでございまして、大都市の中の都市整備というのは非常に重要な、大きな負担を伴うというのが現状でございます。今までもさまざまのそれらについての特別の制度をつくりまして、民鉄の皆さんなどなど利用していただいておりますし、来年度予算でもそれらの内容をより拡大をいたしまして、輸送力増強の助けになるようにしてまいりたいと思っております。  それから、時差出勤のことでございまして、これも五人に一人三十分すらして御協力いただければ、混雑率は二〇%下がる計算になるわけでございますけれども、これは本当に現実例協力をいただかなければなりません。この快適通勤の問題につきましては、政府の方では労働省、労働大臣とも共管をいたしておりますので、労働大臣とも何回か御相談をいたしまして、両大臣あるいは両省一緒になって、この問題を打開するために、一緒にとにかく歩き回るか一緒にお越しいただいてさまざまの会社の皆さんに談判するか、御相談をするか、お願いをするかぜひやりましょうという話をしているところでございまして、何か掛け声かパフォーマンスで終わらない努力をしなければならない。そう考えて一層の努力と勉強をしてまいりたいと思っております。

須藤浩さきがけ・日本新党

○須藤委員 では、後半関連質問でお願いしますので、ぜひ強力な実行をお願いいたします。

近江巳記夫公明党

○近江委員長 この際、関連質疑の申し出がありますので、これを許します。石田勝之君。

石田勝之さきがけ・日本新党

○石田(勝)委員 さきがけ日本新党の石田勝之でございます。委員長のお許しをいただきましたので、順次御質問をさせていただきますが、須藤委員の関連質問でございまして、時間が限られておりますので、その点を考慮に入れていただいて明快な答弁を御期待を申し上げたいと思います。  最初に運輸大臣にお伺いをしようかと思いましたけれども、時間が迫っておりますので、私は次回にぜひ運輸大臣に御質問させていただきたいと思っております。  御案内のとおり、我が国の人口は一億二千万余り、おおむねその二分の一の約六千万人が東京の大都市圏、近畿圏そして中京圏の三大都市圏に集中をいたしております。まさに都市時代の現象を呈しており、今後もさらにこのような傾向が進むものと見込まれております。このような都市時代の到来の中で、運輸行政の果たすべき役割は極めて大きなものがあり、特に鉄道のあり方が最も大きな比重を占めるものと思うわけでございます。  そこで、JRの民営化は利用者、つまり国民サイドからプラスであったかどうであったか、そういったことをお伺いをさせていただきたいと思います。  御承知のとおり、旧国鉄、JRが旅客鉄道六社、貨物鉄道一社に再編されて既に六年余りの歳月が経過をいたしております。この民営・分割が利用者にとってプラスであったかマイナスであったか、もうしばらくの時間が必要と思いますけれども、現時点の問題点について鉄道局長に何点か御質問をさせていただきたく思います。  まず第一点は、資料の外部提供についてであります。旧国鉄時代は公にされていた運送実績データが、民営化になった、それを機に、企業秘密となって公開されておりません。今まさに世を挙げて情報公開の風潮であるにもかかわらず、それに逆行するものである、私はそう思っておりまして、大変疑問に思っております。  ここに運輸経済研究センターが出された、運輸省の運輸政策局が監修されております「都市交通年報」を、私は手にいたしております。ここによれば、例えば「一人当たりの平均乗車、キロ当たり平均乗車人員等」、他の民鉄はすべて公開をいたしておりますけれども、JRの部分については、これはすべて白紙でございます。また同様に「各駅の旅客発着通過状況」についても、民鉄部分は公開をいたしておりますが、JR部分については非公開であります。  同じ民間でありまして、ましてJRはかつて公開をしていたわけであります、国鉄時代に。私は、だから本来あるべき姿について、監督官庁の運輸省としてこのような実態についてどう考えておられるのか、まず一点お尋ねをしたいと思います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 ただいまお話ございました「都市交通年報」のうち、平均乗車人員の方はちょっと私宅かでございませんでしたが、駅ごとの発着につきましては、お尋ねございましたので調べてみたわけでございます。  JRの方では、結局、乗車人員の方は、これは切符を売るわけでございますので集計は確実にできる。ところが降車人員の方は、JR全体で乗り越し等によって精算をされる方が大体二割くらいあるそうでございまして、要するに発券の二割くらいは降車口で実際に窓口に渡されないという事態があるんだそうでございます。したがいまして、それを集計いたしますと、発駅と着駅で切符の枚数が大幅に違ってまいります。これは恐らく私鉄でも同じようなことはあると思いますけれども、JRの場合は、特に路線が長いとかあるいは非常に複雑になっているということがございますので、その率が恐らくより高くなっておるんだろうと思いますが、そういうことがございますものですから、乗車人員については発表しておるけれども、降車人員についてはそういう意味で正確なデータがとれないので発表していない、こういう答えでございました。  ただ、いずれにしましても、民鉄の場合でも同じようにある程度推計をして、完全に正確とは申しませんけれども、推計をした上で乗降の客数を出しておるわけでありますから、JRについても何らかのそういうような工夫をした上でそういうデータを公表したらどうかということで、実は昨日もそういうことを申しておるわけであります。さらにそういう意味で工夫をさせて、何とかデータが出るように努力をさせたいというふうに思っておる次第でございます。  なお、このデータそのものは、いわゆる指定統計とかいうようなたぐいのものではございませんで、任意で出してお呑ものでありますから、いわゆる強制力というものはないわけでございますけれども、そういう意味で私鉄と同じような形のもので何とか工夫して出すようにということをこれから指導してまいりたいというふうに考えております。

石田勝之さきがけ・日本新党

○石田(勝)委員 これから指導するということでございますが、もう既に、御承知のとおりJRが、要するに旧国鉄が民営化になって六年たっているわけですね。もう六年たっているにもかかわらず、今日まで公開されない。やはり私は運輸省の指導が甘かったのではないかなということを言わざるを得ないわけでありますけれども、今後ぜひそれを善処するように、監督官庁の運輸省からも強くJRの方に求めていただきたい。  なぜ私がこのようなことを申しますかといえば、混雑緩和の基本ベースとして、何人のお客さんが乗って何人のお客さんがおりるか。そして、まして弱者救済とか、そういったことも考え、エレベーターをつけたり、エスカレーターをつけたり、スロープをつけたり、今後駅構内にもいろいろ手を加えていかなければなりません。そういったことから考えると、何時から何時までの間にどれだけのお客が乗りおりするかとか、そういった実態を把握しておかなければそういう施策を講じることができない、それがまず第一点でありますし、そういう問題がやはり混雑緩和の基本ベースでありますから、やはりそれは公開をして、それの実態に合わせた施策を講じなければ、混雑緩和、混雑緩和と言うだけで何ら施策を講じることができない、だから私は申し上げているのであります。  それともう一点、私の地元でありますが、京浜東北線の川口駅が、大体七時五十分から八時二十分までの間に、一つの電車が行く間に大体千人ぐらい積み残しにされてしまうのです。それでもうホームにあふれてしまう場合も問々あるわけでございます。それは赤羽で埼京線に乗りかえる、それで赤羽でかなり、二〇%、三〇%の人はおりますけれども、満員電車で来ますから、川口駅で川口駅のお客さんが乗ることができない。そういう実態から、JRに先般、どれだけの方たちがおりて乗るんだろうかということを尋ねましたら、それが回答されなかったということであります。そこで、県としてはやむを得ず、県と市の費用を使って調査に入ることになったわけでございますので、その点を強く働きかけをしていただきたいと思います。  次に、新駅の設置問題についてお尋ねをいたします。  JRでは旧国鉄時代の慣行を受け継ぎ、新駅の設置は地元から請願駅として、その設置費用については全額を地元負担としていることは、新駅が新たな輸送需要を喚起しないと。いう状況であれば、ある程度やむを得ないことだろうと思います。しかし、JRにとって新たな輸送需要が生じる場合には通用しない論理ではないかなと思います。  地元のことで恐縮ですが、旧大宮操車場跡地を中心とするさいたま新都心計画というのがあるのは御案内であろうと思います。政府ブロックが十省庁、十七機関の移転が決定をしておりまして、県では総事業費一兆三千五百億円を投下することになっております。ブロック機関とともに中核施設を建設することになっておるわけでありますけれども、おおむね就業人員が五万人。先日、JRの社長と土屋埼玉県知事との間で、新都心の場所に新駅を設置するということの合意がされております。  そこでお尋ねをしたいと思いますけれども、さいたま新都心の整備にかかわる新駅利用者数は、県の試算でありますけれども、約十三万人と見込んでおるわけであります。私は、JR自体に新たな利用者、すなわち利益をもたらすことから、駅設置についてもJRとして応分の負担を考えるべきであろうと思います。私鉄では、その私鉄が負担をしてやっておるわけでございます。そういったことであろうと思いますけれども、鉄道局長、運輸省としてのその点についての御見解をお伺いしたいと思います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 一般論として申しますと、先ほどもちょっとお答えいたしましたように、駅をつくることによりまして、その設置の費用あるいはそれに伴いますランニングコスト、信号その他の配線の変更等々、当然JRにもコストがかかるわけでございますので、それと新しく駅をつくることによってどれだけJRにメリットと申しますか、プラスに働くかということの相関の問題だろうと思っております。したがいまして、そこでもし足りない場合には、場合によって地元の方に御負担をいただくということも当然あり得るだろうというふうに考えております。  しからば、どの程度の需要がJRとして新たに発生する需要、プラスになるかということ、これはケース・バイ・ケースで一概にはちょっと申し上げられないと思いますけれども、そういう点を含めてJRの方と地元の方で十分御相談いただいて、双方納得を得た上で適切な結論が得られるように私どもとしては期待したいというふうに考える次第でございます。

石田勝之さきがけ・日本新党

○石田(勝)委員 そうしますと、運輸省ではそういう事態に合わせてJRとしての応分な負担も考えるべきであろうということでございますか。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 当然応分の負担をするべき場合もあるだろうということでございます。

石田勝之さきがけ・日本新党

○石田(勝)委員 時間がありませんので、次に進ませていただきます。  先ほど新交通システムの問題についてもお尋ねがありましたけれども、この新交通システムモノレールの整備についてお伺いをしたいと思います。  これらの路線整備に当たっては、特に都市モノレールの建設については、鉄道事業法の適用を受ける場合と、軌道法の適用を受け、インフラ部分が道路整備の一環として整備されるケースがあり、前者が運輸省、後者が建設省となっているのは御案内のとおりであります。町づくり、都市づくりという観点から見ると、整合性や一貫性の面から見て問題があると思います。この際、鉄道事業という面から一元化した取り扱いが不可欠であると思いますけれども、受益者である国民の観点から、運輸省としてそれらをどう受けとめておられるか、本来あるべき姿について運輸省の率直なお考えをお示しいただきたいと存じます。  さらに、先ほども質問に出ておりましたけれども、十月五日の大阪市営の新交通システムの衝突事故に関して、埼玉ではニューシャトルという新交通システムがあるわけであります。全国では八つの新交通があるわけでありますけれども、これらの安全確保について、運輸省の指導監督についての現況についてもあわせてお伺いしたいと思います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 まず最初の点でございますけれども、これはもう改めて申し上げるまでもないことですが、軌道につきましては、これはいわゆる道路交通の補完という観点から整備がされるものでございまして、いわゆる一般の鉄道とはそういう意味で性質を異にするという点で二つの法律になっておるわけであります。ただ、実際の運用に当たりましては、軌道法の方で鉄道事業法を準用するということでその両方の取り扱いを同一にしておるということでございますので、現時点で特にこれを統合するとかあるいは一元化するという必要はないというふうに考えておるわけでございます。  それから、今お話ございましたように、現在新都市交通は全部で八線運行いたしております。無人のものも有人のものもございますけれども、特に無人のものにつきましては、今回の事故にかんがみまして、当面添乗員を乗せる等の安全措置を講じ、その運行に万全を期したいというふうに考えておるところでございます。

石田勝之さきがけ・日本新党

○石田(勝)委員 新交通の指導監督について。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 指導監督と申しますか、一般の法的な扱いとしましては、いわゆる軌道法、いわゆる道路に敷設される場合には軌道法という扱いになります。

石田勝之さきがけ・日本新党

○石田(勝)委員 いや、安全確保についての指導監督についてどうされているか。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 失礼いたしました。  安全確保につきましては、もちろん地方の運輸局長あるいは都道府県知事を通じましてその安全対策に万全を期しておるわけでございます。取り扱いについては、それは軌道であろうとあるいは地方鉄道であろうと、その安全については同一の基準で運営をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。

石田勝之さきがけ・日本新党

○石田(勝)委員 以上をもって私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

近江巳記夫公明党

○近江委員長 吉田治君。

吉田治民社党・新党クラブ

○吉田(治)委員 まず最初に、多分質問が多々出ておると思いますが、私の地元の大阪で起こりましたニュートラムの事故についてお尋ね申し上げます。  このニュートラムの事故というのは、先ほどから言われておりますように、新交通システムの事故ということ、また、多数のけが人が出たということで、非常に全国的にも大きく取り上げられております。そこで、事故の現況並びに対応、そしてニュートラム自身、今代替バスの運行がされておりますが、再開のめど、めどが立たない場合にありましたら、どういう手順を踏んでいけば再開できるのかということ、そして、何よりもやはり二百十三人という多数の負傷者が出た、なぜこれだけ多数の負傷者が出たのか、その理由、関係省庁より以上の諸点について御所見を御説明いただきたいと思います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 まず、事故の概要はただいま先生からお話のあったとおりでございますが、事故の原因でございます。先ほども御説明いたしましたけれども、終点であります住之江公園駅に入ってまいります際に常用ブレーキが正常に作用しませんで、オーバーランをいたしました。その際に非常ブレーキがかかったわけでございますけれども、完全にきくまでに至りませんで、結果として車どめに衝突をしたということでございます。  ちょうど時間が夕方の五時半ということで、ラッシュアワーにかかっておりましたので、乗客の方の数が非常に多かったということ、それから特に終点でございますので、皆さん乗りかえのために多分立ち上がっておられたということもございまして、そのぶつかったショックでかなり多数の方が負傷されたのではないかというふうに推測をいたしております。  そこで、原因でございますけれども、私ども、ただいままでの原因では、なぜ常用ブレーキが正常に作動しなかったのか、これはいろいろ検討はしておりますが、まだこれという確たる結論を得るまでには至っておりません。検討の過程で、当然のことでございますけれども警察当局等々ともいろいろ情報を交換して、情報交換と申しますか協力して調査に当たっておるというのが現在までの状況でございます。  それから、再開のめどでございますけれども、そういうことで、少なくともその原因についてある程度特定ができる時点までは再開は慎重であるべきじゃないかというふうに考えておりまして、基本的には事業者でございます大阪市の交通局の判断ではございますけれども、私どもといたしましては、そういう意味で慎重な対応をすべきものであるというふうに考えております。  そして、その事故の究明と同時に、やはり再発防止のためにハード、ソフトの両面でいろいろな対策を講じる必要があるというふうにも思っておりますので、その両面につきまして、なるべく早く結論が得られ再開に向かえますように、一生懸命努力をしてまいりたいというふうに考えております。

吉田治民社党・新党クラブ

○吉田(治)委員 それでは、二百十三名の方々の軽傷、重傷、その辺の程度についてわかっておりましたら累計をお知らせいただきたいと思います。  それともう一点、要するにめどは立っていないということですね。それで理解させていただいてよろしゅうございますね。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 そういう意味では、再開のめどは現時点では立っておりません。  それから、軽傷、重傷でございますが、現在入院されておられる方が、二百十三名のうちの四十六名の方でございます。一応、重傷の定義は、全治三十日以上ということだそうでございますので、まだ三十日経過しておりませんので、正確に現時点では数を把握いたしかねます。

吉田治民社党・新党クラブ

○吉田(治)委員 はい、わかりました。  それでは、運輸省として、今回のような事故が再び起こることのないように最善の努力を尽くしていただきたいと同時に、そのために、やはり事故の解明等について専門的な調査研究機関が必要ではないかと思っております。  御承知のとおり、海また空の事故につきましては、関係法令に基づきまして海難審判庁及び航空事故調査委員会が常設されておりますが、陸上交通のかなめであります鉄道事故に関する常設機関は、たしか常設されていないと思っております。しかし、この鉄道というのは、本当に大量輸送機関でありまして、ますます今後高速化またハイテク化が見込まれております。万一の有事の際に、こういうふうなことで、事故が起こった場合の防止策の拡充というのは不可欠であると考えますが、この常設機関の設置については、平成三年五月の死者四十二名という信楽高原鉄道の事故、またそれの所在する滋賀県においても非常に強い希望になって、たしか県議会で全会一致の意見書も採択されているやに聞いております。  今回のニュートラムの事故も踏まえまして、こういうふうな常設機関の設置について運輸省として検討をいま一度行っていただくと同時に、この点についての御所見を承りたいと思います。

秦野裕運輸省鉄道局長

○秦野政府委員 本件のニュートラムの事故につきましては、現地の運輸局あるいは本省にそれぞれ技術の実務家、専門家がおりまして、その者たちが現地に参りまして調査をいたしております。また、それと同時に、附属機関でございます交通安全公害研究所というところの電気関係のエキスパートも現地へ行っていただきまして、あわせて調査をしていただいておりますので、そういう意味で調査体制は十分に整っておるというふうに考えております。  なお、今後、調査過程でいろいろごく専門的な知識が必要であるということになりました場合には、専門の学識経験のある方々にお集まりをいただいてお知恵をおかりするをいう場面は当然あろうかと思いますけれども、現時点ではまだその段階まで至っていないというのが状況でございます。  それから、常設の調査機関はどうかというお尋ねでございますが、これは、先ほどもお答え申し上げましたように、陸の場合には空、海と違いまして比較的証拠となる物件が残っている場合が多く、また技術的にも比較的解明しやすい場合が多いということもございまして、特に常設の調査機関というものは現時点では必要ないのではないかというふうに考えておりますが、なお、調査体制の改善につきまして今後とも検討を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

吉田治民社党・新党クラブ

○吉田(治)委員 それでは次に、私の地元の大阪の関西国際空港、いわゆる関西新空港の問題についてお尋ねいたします。  まず、この新空港の位置づけについて大蔵省と運輸省の簡潔なお答えを求めます。この関西新空港は、ナショナルプロジェクトとして認識されておられるのか、はたまた一地方のローカル国際空港という位置づけを持っておられるのか。お願いいたします。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 関西国際空港は、国が関与するという意味でナショナルプロジェクトでございますが、同時に、地域の御協力を得て、むしろ地域と国とで力を合わせてやっていくという意味で地方と国との共同事業であるというふうに認識をしておるところでございます。

津田廣喜大蔵省主計局主計官

○津田説明員 今航空局長からお答えがあったことと格別違いませんけれども、ナショナルプロジェクトとかローカル空港とかそういったところは必ずしもその定義が決まっているわけではないと思うわけでございますが、関西国際空港に関して申し上げれば、空港の目的そのものが、一つは航空による国際交流を増大させるということ、それから国内の航空ネットワークを充実させるための一つの重要な拠点であるというような目的があるわけでございます。したがって、非常に大切な空港の一つであるというふうに認識しておりますし、また関西国際空港が第一種空港という位置づけをされていることからも明らかでありますように、日本のこれからの中心的な大切な空港の一つになるであろうというふうに考えております。

吉田治民社党・新党クラブ

○吉田(治)委員 それでは、今新空港の位置づけをお聞きしましたけれども、いよいよこれは来年の九月に開港予定というふうに聞いておりますが、まず大臣にお尋ねいたしますのは、過去に何度も延長、延長と、大阪では新空港は飛行機が着いた途端に沈んでいくんではないかというふうな笑い話もあるぐらいなんですけれども、来年九月、必ず開港されるのでしょうか。先日、半日間ですか御視察をいただいたと思うのですけれども、御所見をお願いいたします。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 先日現地に足を運びまして、現場でいろいろと話も伺ってまいりました。来年九月関西国際空港がオープンするということを、間違いなくこれは確信をいたしております。  ただ、一言申しますと、非常にうれしかったのは、いろいろ経済上その他非常に難しいものがたくさんあることは御承知のとおりです。うれしかったのは、やはり地元の経済界、自治体その他みんなの御理解と御協力と参加のもとに、要するに我々の空港だというふうにみんながお考えいただいている。午前中御議論ございました成田の経過と比較いたしまして大変うれしい思いがいたしました。そういう方向で、立派にオープンして役割が果たせるようにやっていきたいと思います。

吉田治民社党・新党クラブ

○吉田(治)委員 来年九月の開港を間違いなく実施していただきたいと思っております。  それでは、来年九月時点におきまして、新空港というのはやはり滑走路が一本でございまして、俗に言われているアジアのハブ空港という位置を占めることも非常に難しいと思います。韓国の金浦空港、それからシンガポールのチャンギ空港と比べましても非常に弱いんじゃないかと思っております。特に、冬の大阪湾の上空の季節風というのは厳しく、強く、地形的な意味でも横風用の滑走路というのを持たないということは非常に大きな弱点になるんじゃないかということが指摘されております。新空港につきましては、こうした問題点を解決するため、滑走路を三本にするという全体構想の実現に向け、一日も早い二期工事の開始を強く要望いたしますし、また、現在我が国は非常に深刻な不況が続いておりますが、こうした空港という大きなプロジェクトの推進こそが景気浮揚の原動力の一つになるものではないかと考えております。この新空港の二期工事の必要性につきまして、簡潔に運輸省並びに大蔵省の御所見を賜りたいと思います。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 関西空港の全体構想につきましては、閣議決定をいたしました六次空整の中で、全体構想を推進するための調査検討を行う、その上で関西空港という事業を健全に経営し、円滑に実施していくための具体的な方策を確立するんだということになっておりまして、その六次空整に従って今調査を進めているところでございます。引き続きこの調査の中で今申し上げました点についての方策の確立に努めてまいりたい、こういうふうに思っておるところでございます。

津田廣喜大蔵省主計局主計官

○津田説明員 この点については大蔵省も運輸省も特に認識の違いはありませんので、今の御答弁のとおりでございます。

吉田治民社党・新党クラブ

○吉田(治)委員 それでしたら、新空港というのは当初計画に比べまして、先ほども申しましたように、期間にして一年半、費用にいたしまして四千四百億円の超過が起こることになりまして、この見込み違いの最大の理由は、地盤が予想以上に弱くて、先ほどの笑い話じゃございませんけれども、地盤沈下が非常に激しくて埋め立てに大量の土砂が必要であったということでありますが、しかしながら、こうした懸念というのはその建設構想の第一次工期の当時から持たれていたことではなかったかと思います。こうした不安を持つ当時の有識者の中では浮体工法によって工事を行うべきだったという意見が当時強かったと記憶しております。新空港はこの貴重な時間と財源を必要とする国家的大事業であり、なおかつ一期工事の反省を踏まえまして、工法についてぜひ慎重な御検討をいただきたいと思っております。  そこで、第一期工事の際に浮体工法というのは具体的にどのような点がネックになって採用されなかったのか、また現在におきましてはそれらの点について解決されたものなのかどうなのか、そして、二期工事の工法についての運輸省の御所見を賜りたいと思います。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 第一期は埋め立てでやったわけでございますが、これは十分調査をした上で、具体的にはやはり建設費の問題あるいは前例がないというようなこと、いろんな点を勘案して埋め立てでやったわけでございます。  二期について、二期というか全体構想についてどうするかというのは、これはまさに今その必要な調査をやっておる段階でございまして、そういう調査の一環としまして工法についても十分に検討した上で進めていくようにしたいと思います。

吉田治民社党・新党クラブ

○吉田(治)委員 質問に一点答えておられないと思うのですけれども、第一期工事の際に浮体工法は具体的にどのような点がネックになってだめだったのかということ、もう一度お願いいたします。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 浮体工法については、今申し上げましたように費用の問題と、それから前例がないというようなこと、こういうような点がネックになって採用されなかったというふうに考えております。

吉田治民社党・新党クラブ

○吉田(治)委員 よくわかりましたが、それでは、新空港というのは、先ほども申されておりましたように、成田、羽田と同じように第一種の空港でありますが、事業主体につきまして、先ほどから御説明いただいておりますように、国、地元自治体、そして財界が出資する第三セクターという関西国際空港株式会社が設立され、建設、運営が行われておりますが、これは当時の中曽根政権が財政難から打ち出しました民活、民間活力利用の第一号として昭和五十九年に発足されたものでありまして、このため採算性というのが非常に厳しく問われ、航空機の着陸料、貨物施設の賃貸料などの収益で建設費を回収し、また、毎年の維持費、固定資産税等の税金についての支払いを行って、将来は配当を行わなければならないという宿命を背負っているのであります。  しかし、こうした各種利用料というのは、建設費用の超過も原因となりまして世界一になり、もう何か、使われる航空会社によったら、これはちょっと高過ぎるぜというふうな意見もあるやに聞いております。国際競争力の保持が保てるかどうか非常に懸念が持たれているところでありまして、運輸省として、所轄官庁として、この航空会社を育てていくという責務が当然あると思いますが、また、大蔵省としても新空港の重要性にかんがみて、第三セクターの一民間会社という位置づけ以上の御配慮を行うべきであると考えております。この事業主体の問題というのは、今後の各、中部新国際空港などさまざまな面で影響を与えるものでありますので、ぜひこういう空港運営が破綻することのないように政府として最大限の配慮を行っていただきたいと考えております。  それでは、こうした各種利用料の問題、また各種税金の減免問題、空港特別会計のあり方などを含めまして、新空港がこういう株式会社のままで運営していけるものなのか、あるいは特殊法人、公社公団などに将来していくことなども場合によっては考えられているのかどうか、関係の省庁より御所見を伺いたいと思います。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 第一期は、今申し上げましたように、国と地方で力を合わせて、かつ民間の活力も使ってこの会社方式でやらせていただいたわけでございまして、経営は大変厳しい状況でございますが、やはり民間のいい点というのがあるわけでございますから、その長所を生かして、ぜひきちんとした経営をして成り立っていくようにということで、会社に頑張ってもらわなければいかぬし、私どももそういうつもりでやらせていただきます。  それから、全体構想につきましては、これは先ほども申し上げましたように、どうやったらその事業が健全に運営されていくのか、あるいは円滑に実施されていくか、その具体的な方策をまさに調査をしているところでございますので、その調査の中身の問題として今後十分に検討させていただきたいと思います。

津田廣喜大蔵省主計局主計官

○津田説明員 関西空港の事業主体につきましては、今お話がありましたように、株式会社方式ということで現在運営をしているわけでありますが、これを株式会社にするということにしましたのは、今おっしゃったような民間活力の積極的な活用という趣旨ももちろんありましたけれども、それに加えまして、空港と地域社会の調和を図るために、国とか公共団体とかあるいは地元の経済団体などが一緒になって協力をしていただく方が望ましいというようなこと、あるいは弾力的で効率的な企業経営を可能とするためにも民間から積極的に参加をしていただくというのが望ましいというようなこともあって、株式会社にしたわけであります。ただ、株式会社と申しましても、一般の株式会社とは御承知のように違いまして、ちゃんと法律でその根拠もあるわけでございますから、単純な民間会社ということではないと思っております。  それから、これを今後どういうふうに進めていくのか、どういう経営形態で進めていくかということについては、一義的には運輸省のお考えが一番大事だろうと思いますけれども、今申し上げた趣旨、あるいはその後特別の事情の変更というものもないということを考えますと、やはり現行の方式で進めていただくということがいいのではなかろうかというふうに今のところは思っております。  それから、ちょっと誤解が一部にあるようですのでこの機会に申し上げさせていただきますと、国の空港特会からの財政支援ということに関してでございますが、株式会社の場合ですと本来は公団よりも一段劣った支援でもおかしくないのだろうと思いますけれども、この関西国際空港株式会社の場合には、成田の公団と全く同じく事業費の二〇%を国から出資としてお出しするということになっておりまして、その意味では、いわば公団と同じ扱いになっておるわけであります。したがって、その点だけに関して言いますと、仮に公団になったからといって、空港特会からさらに多くのお金が出ていくということではありませんので、その点はひとつ御理解をいただきたいと思います。

吉田治民社党・新党クラブ

○吉田(治)委員 ただいまの御説明、簡にして要だと思うのですけれども、地元では、国は都合のいいときには株式会社だといい、都合によっていろいろ国のナショナルプロジェクトだ、いや株式会社だというふうな意見があるやに聞いておりますので、その辺がないようにPRですとか広報ですとか、積極的な説明のほどをお願い申し上げます。  それでは、先月二十七日に羽田の新ターミナルができまして、空港アクセスの整備ですとか、見物人がたくさんいる、使う側のアメニティーというのですか、トイレにしても何にしても非常に立派なものができておりまして、非常に喜ばしいことであると思うのですけれども、こういうことに比べまして、ターミナルで働く人たちのための整備がやや不十分であるのではないかという意見を耳にいたしました。使うもののアメニティーということも大切でしょうけれども、こういうふうに働く人たちのアメニティーということも大切な問題ではないかと思います。運輸省として、この点の配慮をしてきたこととは存じますが、ぜひ、関西新空港などを含め、今後はなお一層の配慮をしていただきたいと存じておりますが、運輸省さんいかがでしょうか。

土坂泰敏運輸省航空局長

○土坂政府委員 仰せのとおり、使われる方と同時に、働く方のアメニティーも考えてターミナルができるように十分指導してまいります。

吉田治民社党・新党クラブ

○吉田(治)委員 それでは次に、許認可、規制緩和の問題についてお尋ね申し上げます。  去る九月十六日に緊急経済対策の一環といたしまして、政府は規制緩和九十四項目を発表いたしました。運輸省所轄事項といたしましても、自動車検査の緩和、各種手続負担の軽減などが含まれております。  私自身は、運輸行政というのが国民生活の基盤に密接に、また深くかかわっているということを考えるときに、運輸省の所轄事項について何が何でも規制を撤廃してしまえ、何もかもなくしてしまえという主張をするものではございません。その意味では、規制の適正化ということがまず第一に必要ではないかと思います。しかし、そうしたことを考えた上でも、運輸省の許認可件数は平成四年度末で一千九百六十六件と、全省庁の中では最も多く、今回の経済対策だけではやはり国民は納得しないと思うのです。運輸省といたしましては、さらに徹底的に許認可を精査し、適切な規制の緩和の促進を行っていただきたいと存じます。  この規制緩和の促進につきましては、ことしの四月二十七日、当時の越智運輸大臣が記者会見で、この省の許認可事項の数を、平成五年度末までに一割、二年以内にはさらにもう一割ほど削減する方針を発表いたしました。  ここで確認申し上げます。この当時の越智運輸大臣の方針は、国民への公約と受け取ってよろしいのでしょうか。また、実際にこの方針に沿って、現在どのように規制緩和について取り組みを行っているのかどうか、具体的な緩和項目なども含めまして、運輸省よりお答えをいただきたいと思います。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 御指摘ございました、越智前大臣が申されましたような、今年度中に一割、そしてさらに二割目標へという基本目標で作業をしておりまして、これは変えることはございませんし、そしてまた、委員の御質問の中で、国民生活に密着する分野なのでという御指摘がございましたが、まさにそのとおりでございまして、大きく言って三つの柱、事業規制がございます。それから、安全、環境についての規制がございます。もう一つは、自動車、船、さまざまの登録事務となっているわけでございます。  安全、環境の部面につきましては、とにかく減らすことを第一にというわけにはまいりません。当然もう古くなったものは、またユーザーの皆さんが知識水準、技術水準が上がって、もう要らないというものは結構でございますけれども、この点はやはり慎重に、大事に対応しなくちゃならぬというふうなことをきちんと置きながらやっていきたいと思います。  それから、地方の実態ですね。第一線の皆さんの実態ともきちんと意思疎通をしながらやるということが、我が省の性格上大事だと思いまして、先日も地方各運輸局長に集まっていただきまして、地方の第一線の皆さんとも一層意思疎通をしながら規制緩和の作業を進めていくということでやっております。

吉田治民社党・新党クラブ

○吉田(治)委員 それでは最後に、今回の緊急経済対策中の規制緩和項目でございますタクシー運賃の多様化について、最後にお尋ね申し上げます。  このタクシー運賃の多様化につきましては、運輸政策審議会の答申以来、賛成、反対、さまざまな意見が聞かれております。特に、現場のタクシーの運転手の方々は、運賃の多様化は労働条件の悪化につながるのではないかとの不安を非常に強く抱いておるやに聞いております。私は、この同一地域同一運賃の原則からタクシー運賃の多様化に踏み込むことにつきましては、このことが利用者の方、また働くドライバーの方、そして経営者の三者に資するものでなければならない、また、そうしていくためにも、運輸省の皆様方に最大の配慮を行っていただかなければならないと考えております。  特に、私の地元大阪では、ことしの七月三日に中型車の初乗り運賃が五百四十円から六百円に値上げされました。その中で、三菱タクシーグループ五社並びにクラウンタクシー、それに三人の個人タクシーがこれに同調せずに運賃を据え置いたまま営業されております。事実上のタクシーの二重運賃が大阪では先行的に行われているのが現状でございます。  そこで、お尋ね申し上げます。  これらの運賃を据え置いた会社の売り上げというのは、七月以降増加したのでしょうか、それとも減少したのでしょうか。そして、運転手の方々の労働時間、給与についてどのような変化が見られたのでしょうか。さらには、利用者の評判については、おおむねどのように把握されておられるのでしょうか。また、こうした調査をまだなされていないのでありましたら、今後行う予定はあるのでしょうか。これらの諸点について関係省庁のお答えをいただくとともに、運輸省として、タクシー運賃の多様化という規制緩和が、利用者、労働者、経営者の三者に資するものとなるようにするためにどのような配慮を行っていかれるおつもりなのか、御所見を承りたいと存じます。

越智正英運輸省自動車交通局長

○越智政府委員 ただいま御指摘いただきました大阪地区におきますタクシーの二重運賃でございますが、これは今先生お話しのとおり、ことしの七月のときの値上げに六社が同調しないという形で、いわば自然発生的に二重運賃ということになったものでございまして、私どもがことしの五月に運輸政策審議会の答申に基づきましてタクシー運賃の自由化を進めていくという、その線上にあるものでは実はございません。しかしながら、現実に二重運賃になっているという事実がございますので、私どもといたしましては、この運賃を据え置いている事業者につきまして、特段の労働者あるいは経営者の影響、あるいは売り上げ等につきましての調査はいたしておりませんが、私どもがやろうとしております、いわゆるタクシー運賃の自由化に伴います東京、大阪におきます運賃自由化に基づきました結果としての二重運賃というものにつきましての影響、これは今後十分調査した上で、場合によっては私どもの規制緩和のあり方そのものも含めて、いわゆるローリングプランとして運用していきたいということで、そういう私どもの規制緩和の影響が、経営者なり労働者なりあるいは利用者なりにどういう影響を与えているかということを十分見ながら行政を進めていきたいと考えております。

都築讓労働省労働基準局賃金時間部労働時間課長

○都築説明員 お答えいたします。  先生御指摘のように、今回の大阪地区のタクシー運賃の改定におきまして、一部におきまして旧運賃のままとなった業者、個人タクシーがあるという事実は承知しております。ただ、私ども現在、これらの業者の労働条件について特段の問題があるというふうな指摘はなされておりませんので、御指摘のような調査は特段行っておらないところでございます。  ただ、今回の運賃改定によりまして、労働時間の短縮を含みます労働条件の改善が図られますよう、労働省として関係事業者団体を通じて指導をしているところでございまして、今後とも労働時間の短縮等、労働条件の改善状況につきまして、運輸省とも十分な連携を図りつつその状況を注視していきたいというふうに考えております。

吉田治民社党・新党クラブ

○吉田(治)委員 それでは、最後に一言だけ申し上げます。  規制の緩和、規制の適正化というふうな場合におきましては、さまざまな問題点がこれから出てくると思います。どうぞ皆様方におかれましても、大胆にかつ細心に規制の適正化並びに規制緩和、規制の撤廃を行っていただきたいと思っております。  以上で質問を終わらせていただきます。

近江巳記夫公明党

○近江委員長 福留泰蔵君。

福留泰蔵公明党

○福留委員 伊藤運輸大臣がお帰りになりましたので、先ほどに引き続きまして、鉄道事故調査に関する常設の委員会を設けたらどうかという議論を継続させていただきたいと存じます。  運輸大臣がいらっしゃらなかったものですから、議論の経過、御理解いただけないのではないかと心配したわけでございますけれども、ただいま吉田委員の方からも、その趣旨のお話がございましたので、理解していただけるものとの前提で引き続きお話をさせていただきたいと存じます。  実は、先ほどこの常設の委員会については消極的な御答弁がなされたわけでございます。先ほども申し上げましたとおり、この問題については過去にも何回か本委員会で取り上げられているわけでございまして、平成四年十二月八日の本委員会におきましても、当時の春田委員がこの問題を取り上げでございます。それに対する答弁が、先ほど私見ておりましたら、先ほどの答弁とテープレコーダーを聞いているような全く同じような答弁でございました。それで、その答弁に対してさらに当時の春田委員が、実はアメリカでもやっているじゃないですか、今ハイテク化しているこの状況の中でもう一回考えたらどうですかという再質問をさせていただいて、当時の奥田大臣が答弁に立たれました。ちょっと引用させていただきますけれども、「今、アメリカの例を引かれて、陸海空一体となった形での事故調査、生命の安全を最大に考える立場から、いずれにしても、陸の事故に対してもそういった常設のものがいいのかどうか、このことはやはり前向きに検討していく課題であろう。御提案の趣旨を生かすことができますように、一遍部内で検討させてみるということをお約束いたします。」と答弁なさいました。政権がかわったわけでございますけれども、大臣としての引き継ぎはなされていると理解しているわけでございます。恐らく部内で検討されたにしては先ほどの答弁が全く同じであったということが私としては若干理解がいかないわけでございますけれども、ここで大臣の方から御見解なり御答弁を求める次第でございます。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 今、奥田大臣の御発言を御紹介いただきまして、奥田さんらしいお人柄の御発言だなというふうに敬意を改めて表しております。  今回の事故が起きまして、まことに残念なことでありまして、二度と起こらないように、そうして利用者の皆さんに、もう安心ですよ、そういう保証がきちんとできるような形で運行再開をするということをしなければならないと思います。  実は、あの事故が起こりましたときに運輸省の幹部一緒に報告を受け、相談をいたしまして、そのときにも、今御指摘ございましたような航空界ではあるけれども事故調査委員会というようなシステムはどうなんだろうかということを私申しまして相談をしたわけでございますけれども、これは当時、事故が起きて当然ですが、すぐ私どもからも人を派遣する、それから大阪市の方でも一生懸命調査をする、警察からも調査をする、メーカーその他、技術を承知しているところも参加をしてやるということが動き出しているということでございまして、それらがうまく機能いたしまして、市民の皆さんに御安心いただけるような結果をきちんと出す努力をこれでやりましょうということでございました。一般論を申しまして、やはり安全が第一でございますから、安心して乗っていただくというためには、とにかくややオーバーでもさまざまな努力をしなくちゃならぬというのが、この仕事に携わる私どもの気持ちであろうと思います。  ただ、専門の調査委員会をどうつくるのか、私もいろいろ考えてみました。航空機の場合などは、当然ですが、さまざまその分野の専門的な知識を持った方々を必要として、そして事故が起きてからつくったのでは遅いですから常設をして、起こらないことが望ましいけれども、もし万一起こった場合には機敏に対応する措置が求められるということだと思います。今話題となっている鉄道関係と申しますと、これはあってはならないのですが、いろいろな形での事故の起こり方というのは理論的にはあるわけでありますね。何かのシグナルの間違いの場合もあるし、あるいは妨害、あってはいけませんが、妨害で何か起こった場合もあるかもしれない。いろいろな場合が想定をされる。今回のようにコンピューターを使った非常にハイテクの部分というようなことの事故も、あってはなりませんが、これは備えをしなくちゃならぬということになると思います。あるいは新幹線という問題があると思います。そうなりますと、航空機の場合は一つのシステムという発想はできますね、専門家が集まって。じゃ、この場合に常設をするとすると一体どういう形がふさわしいのかなというような問題があるわけであります。特に、もし万一起こった場合に、こういう種類の事故についてはすぐ起動できるとかいうふうな方法もあるかもしれません。あれから後、私どもも実は内部でいろいろと考えておりまして、奥田大臣がおっしゃったようなお気持ちに引けをとらないように、負けないような気持ちを持ってこの問題の研究をぜひさせていただきたいというふうに思っております。

福留泰蔵公明党

○福留委員 ありがとうございます。ぜひとも研究をお願いしたいと思います。先ほど来申し上げておりますとおり、今鉄道は大変なコンピューターを使ったハイテク化ということになっているわけでございまして、これまで想定できないような事故が発生しているわけでございます。そういうことをかんがみまして、ある意味でいえば空の事故また海の事故と共通のファクターもあるのではないかと思いますので、そういう意味ではアメリカみたいに陸海空統合した形のものをつくる考え方もあるのではないかと思う次第でございます。ぜひとも検討をお願いしておきたいと思います。  もう時間がなくなりましたので最後でございますけれども、一つだけ、当初申し上げましたとおり通勤混雑緩和対策について大臣のお考えだけお伺いして、質問を終了させていただきたいと思います。  今回三十八年ぶりの政権交代で誕生いたしました細川連立政権は、基本政策の一つといたしまして生活者重視を掲げておるわけでございます。国民の皆さんはいよいよ待ったなしとも言える生活大国実現への期待を大きくしておられるのではないかと思う次第でございます。そういう意味で、その生活大国実現のためにはどうしても今、通勤地獄の解消というものは急がなければならない大きな重要な問題であります。  私もサラリーマン出身でございまして、私たちサラリーマンの通勤環境の悪さというものをこの身で実感してきた一人でございます。特に首都圏における通勤混雑緩和対策としては、根本的な問題として東京への一極集中がございまして、長期的には首都機能あるいは首都の移転ということも視野に入ってくる問題ではあろうかと思います。また、中期的視点で考えなければならない問題としては、いわゆるハード面での輸送力の増強という観点も必要になってくるのではなかろうか。そしてさらに、短期的な視野で考えますと、輸送力の増強も時間のかかる話でございますので、さてそこで現在ある輸送力を前提にして今運輸省の皆さんが目標とされております混雑率一八〇%をどのように達成をしていくかということが問題になってくるのではなかろうかと思う次第でございます。そういう意味においてオフピーク通勤の推進等を図られているようでございます。これには企業にどのようなインセンティブを与えていくのかということが一つの重要な課題であると認識しているわけでございます。  そのことをいろいろ考えてみましても、先日、伊藤運輸大臣みずからが大臣御就任直後、横浜で朝の通勤ラッシュに乗られまして混雑を体験されたようでございます。伺うところによりますと、私もテレビで拝見しておりましたけれども、大臣の周りの混雑率は一〇〇%ちょっとぐらいじゃなかったのか、実際混雑を体験されたのかどうか、むしろそれよりも大臣みずからが首都圏の都市部の方でいらっしゃいますので、日常的にその混雑というものはこれまでも御経験のことじゃなかろうかと思う次第でございます。先ほど大臣の答弁の中に、この通勤対策についてはかけ声だけではだめだ、パフォーマンスで終わらないように頑張っていきたいというお話がありましたけれども、あれをぜひパフォーマンスで終わらないようにお願いしたいと思う次第でございます。  大臣のこの通勤混雑緩和対策に対する具体的な取り組みと決意を最後にお伺いして、質問を終了したいと思います。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 大臣の通勤体験とかということを新聞で報道されまして、実は私も党の政策審議会長を務める前は日夜、夜もえらく拘束されるほどでありませんから、毎日電車で通っておりました。だんだん混雑がひどくなるという状況を身をもって実は味わってきたわけでありまして、あの日の企画はぜひ大臣になって乗ってくださいというようなお話でございまして、何しろちょっと物々しい警備が周りにあるものですから、私の周りだけ二〇%ほど混雑が低いという現象がございました。一生懸命前に座っている方に、いつも今ごろ御出勤ですか、大変ですねという話をするのですが、何せテレビがいるものですから、話しかけられる方も緊張しているということでございました。やはり自然な形で長年通勤体験をしてきた、痛い方の痛勤体験を続けてきたことを私はきちんと身にしみて感じながら努力をしていきたい。また、申し上げましたように、ああいうことをやって何か運輸大臣のパフォーマンスといったたうなことで終わらせることは絶対しないんだということをその後もいろいろな方々に申し上げているわけでございます。  すぐできること、今すぐ努力をして何か成果を上げられる分野も確かにあります。  例えば、時差通勤の問題といたしましても、サラリーマンの会社のこと、それから学校もありますね。特に、高校、大学、三十分カリキュラムをずらしていただくと随分違うだろう、学校が休みのときには随分違いますから、それらを含めたいろいろな対応を御相談をさせて、具体化をぜひともさせていただきたいというふうに思っております。  それから、ちょっと努力すればできることなどで、神奈川のことで、いつも見ているものですから、恐縮なんですが、貨物線を利用して湘南ライナーを走らせて、三百円高いのですが、また奥さん方がその切符を買うので早く行って何だか大変なようですけれども、それでも、三百円高いけれども、座って東京まで行ける、高いことに対する不満はございません。やはりよりよいサービスに若干の高いコストということで定着をいたしている。何かもっとほかにもそういう利用できる方法はないのかなということもございます。  それから、御指摘ございました通勤力、輸送力増強という面から見ましたら、中期のプランというものを考えなければならない。中期で、しかも緊急度の高いところから、JRも民鉄もどうやってやりましょうかという努力をパブリックな応援でやるということをしなければならないと思います。  さまざまの問題がございますけれども、気持ちとしては、今私どもがやっているうちに、きょうの御質問でもいろいろなそういう御質問をいただぎましたので、またお励ましもいただきましたので、それらを力にして、とにかく必ずこれから、目の前あるいは中期的に、三年後、五年後にはこうできますということを、通勤で悩んでおられる皆様にお知らせすることができるような努力をぜひやってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

福留泰蔵公明党

○福留委員 どうもありがとうございました。

近江巳記夫公明党

○近江委員長 志位和夫君。

志位和夫日本共産党

○志位委員 日本共産党の志位和夫でございます。  運輸行政のさまざまな分野を概観してみますと、環境問題との多くの接点があるということを痛感させられます。例えば、自動車の排気ガスの問題もそうですし、航空機の騒音の問題もそうです。多々そういう分野がございます。  私、きょうはその中で、港湾整備と環境保全の問題について、とりわけ東京湾三番瀬という浅瀬、干潟でございますが、その環境保全の問題について伺いたいと思います。  まず、運輸大臣に基本的な認識を伺いたいのですが、私も、無論、国民生活の向上のための港湾整備はその重要性を認めますが、それは環境の保全と両立させて行われるべきだ、これも当然だと思います。この点では、港湾法とそれに基づく港湾計画の基本的な事項に関する基準を定める省令、この中でも、港湾計画に関して、環境保全に十分配慮が必要である、こう述べています。省令の第三条では、港湾計画は「港湾及びその周辺の自然環境及び生活環境に及ぼす影響、漁業に及ぼす影響等を考慮して、適切なもの」にならなければいけないということも明記しております。  まず、運輸大臣にお伺いしたいのですが、そういう港湾整備に当たって、これは環境保全に深い配慮が必要だ、両立させて取り組むべきだ、これは当然そういう御認識ですね。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 そのとおりでございまして、今東京湾に関係する御指摘がございましたが、私も東京湾岸に面するところで生活をしている者の一人として本当にそう思います。  前にそんなことで、御承知だと思いますが、東京都の公害担当でございましたか、東京湾保全のさまざまの研究、本とか法律までつくっていただきました田尻さんという方にも随分教えてもらったり、それからサンフランシスコなどでは全体的な官庁の総合的なプランがつくられているということを勉強したりさせていただいておりまして、これは非常に大事な視点というふうに思っております。  それから、私どもの運輸省で、現在特に、地方港湾、それから大きな港もそうですが、やはり人にやさしい水際というものをどうつくるのかということも大事にしながらやらなければならないと考えております。

志位和夫日本共産党

○志位委員 この点で、私も、大臣もそう言われたのですが、日本の海岸線それから東京湾の状況というのは、なかなか深刻な実態だと思います。  これは環境庁の調査ですが、日本の海岸線は、既に自然海岸は四六・〇%、人工海岸と半自然海岸で五二・七%で、自然のままの海岸が半数以下に減少している。これはもちろん港湾だけじゃございませんが、そういう実態があります。  それから、東京湾につきましては、この深刻な事態が一層明瞭で、東京湾の海岸の延長七百七十五キロメートルのうち、自然のまま残っている海岸は九・七%にすぎない、ほとんど全部人工海岸になっているという実態があります。  特に、東京湾の干潟についていいますと、終戦直後に九千四百四十九ヘクタールあったものが一千十六ヘクタールまで減少し、実に八九・二%が消滅したという事態だと思うのです。これは極めて憂慮すべき、しかも異常な事態だ、私はそう思っております。これは、余りにも開発優先で、環境保全がなおざりにされてきた結果ではないか、私はこう言わざるを得ないのです。大臣も神奈川一区で、私は千葉一区なので、東京湾を挟んだ同じ住人ですが、この東京湾の現状、やはりこれは大変な事態だ、異常な事態だ、これは何とかしなければならないという御認識はありますか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 私の住んでいる横浜でも、自然の海岸線はゼロになりました。人工の浜辺を、千葉県から砂をいただいてつくっているというふうな状態でございまして、やはりこういう状態を真剣に、また深刻に考えなければならないと思っております。

志位和夫日本共産党

○志位委員 深刻に考えなければならないという御認識で、さらにもう一問、具体的にお聞きしたいのですが、環境庁水質保全局が編集、発行した「かけがえのない東京湾を次世代に引き継ぐために」という報告書がございます。東京湾水域環境懇談会の中間報告で、一九九〇年十月に公表されているものであります。  その中で、東京湾の事態について多々述べでありますが、こういう一説があります。「東京湾をかけがえのない環境資源として将来にわたり持続的に利用できるよう、この生態系のバランスを回復していくこと、また、新たな開発により、これ以上バランスを壊さないことを基本とすべきである。」ということが述べられています。それからいま一つ、それとの関係で「湾全体として多様な生物が生息できる健全な海を取り戻すことを目標とする。」こうも述べられている。  それからさらに、港湾開発の問題についてはこう述べておるのですね。「開発を目的とした埋立の抑止」ということが述べられておりまして、「東京湾が限られた貴重なオープンスペースであり、かけがえのない自然環境であることに鑑み、今後、臨海部における新たな空間需要に対しては、この未利用地の有効利用により対応し、開発空間確保のための埋立は抑止することを基本とすべきである。」埋立抑止が基本だ、これは環境庁の認識であります。  生態系のバランスを回復すべきだ、ましてや埋め立ては抑止が基本なんだということですが、これはぜひ運輸省もそういう立場で臨んでいただきたいのですが、この点、大臣、いかがですか。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、あり方として、社会の目標としてそうあるべきだというふうに思います。  同時に、港湾とか、東京湾だけではありませんが、さまざまの経済発展、開発というものが進行してくるということも避けられない状態でございまして、これは、国際的にも、国内的にも、環境と開発についてのさまざまな論議が行われているというのは現実、事実でございます。そういうものの中で、最も調和ある知恵というものをどうつくっていけるのかということを考えなければならないと思います。  要するに、いろいろな部面があると思います。いつまでも手を触れないでそのままにしておくという方法もあるでありましょう。と同時に、何かきれいな保全と申しましょうか、というようなものもあるのではないだろうか。一般論で、抽象論ですが、開発と環境というものについて、どのような将来に向けてのよりよき解決策を考えるのかということが、さまざまの分野での、ある意味では現代の悩み多い、また、やらなければならないテーマではないだろうかと思っておるところでございます。

志位和夫日本共産党

○志位委員 もう一言、若干あいまいなので伺いたい。  その環境と開発の一般論については、これは両立させなければならぬということは当然のことなんですが、これは東京湾の問題なんですよ。東京湾について、埋め立ては抑止が基本だ、これはいろいろな問題、個々のケース、判断することがございましょう。しかし、基本は抑止が基本なんだ。これはいいですね、大臣。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 抑止が基本と言っていいのかどうかまでは、私、自信がございません。しかし、やはりこれ以上とかどか埋め立てをふやしていくなどのことではまずいのではないかなと思います。考え方はわかります。ただ、基本であるという形で物事を判断するのがいいかどうかということは、さっき申し上げた、東京湾という中での環境、開発というものを含めまして、ちょっと私も断定いたしかねます。

志位和夫日本共産党

○志位委員 環境庁の認識は、先ほど言いましたように、埋め立ては抑止をすることを基本とすべきだという認識ですね。ですから、これはぜひその立場で努力願いたいというふうに思うのですね。  そこで、具体的な問題に入りたいのですが、東京湾の三番瀬の問題であります。  三番瀬というのは、御承知の方も多いと思うのですが、東京湾の最奥部に位置している自然の干潟、浅瀬で、千葉県船橋市、市川市沖に存在するものですが、一千二百ヘクタールに上るものです。私自身、昨年三番瀬の現地調査もやってまいりましたが、その実感は、この三番瀬の保全というのは、一地域の問題にとどまらず、日本全体の問題でもあるし、無論、東京湾全体の問題でもあるし、渡り鳥との関係では国際的な問題でもある、そういう非常に重要な値打ちを持つものだということを痛感させられました。  私は、三つの点を特に指摘したいのですが、第一は、東京湾全体の水質浄化にこれは大きく貢献しているという点です。夏の昼間には、一回の潮の満ち引きで、一回で窒素約二十トン、燐で約十トンの処理能力がある。東京湾に流れ込む窒素の十五分の一、燐の五分の一を処理する力があるのですね。ですから、私も行ってみますと、驚くほど澄んでいるのですね。もう海底がよく見える。本当に澄み切った、東京湾にこんな美しい海があるのかと思うぐらいの透明度があります。そういう海になっている、これが一つです。  それから第二に、渡り鳥との関係で生態系にとって国際的な価値を持っている。これは、非常に豊富なえさが三番瀬にはあって、多くの水鳥が飛来し、アジサシ類、カモ類、シギ、チドリ類など百八十種類を超える。特に日本で有数の渡り鳥で、三番瀬で越冬するスズカモでいいますと、全国の飛来数の二〇%以上、年によっては四〇%以上が三番瀬に飛来します。ですから、これは、ラムサール条約の指定地域にすべきだという声、渡り鳥の保護のための国際条約の指定地域にすべきだという声は非常に強いものがあるわけです。  それから第三に、漁場としての価値ですが、これは日本一の遠浅の漁場で、特にアサリの年間の水揚げは三千五百トン、稚貝は、私も漁師さんにずっと案内してもらっていろいろ説明を聞きましたが、これは愛知だとか大阪だとか九州方面まで出荷される。あるいは、ノリの点でも、浅草ノリとして有名なノリがとれる。そういう点では、この漁をされている漁民の皆さんからしますと、まさにこの保全は死活問題になっております。  そこで、三番瀬の価値についての基本的認識をお伺いしたいのですが、まず環境庁、きょう出席されていると思うのですが、この三番瀬のこうした環境上の価値ですね、どう認識されておりますか。

小林光環境庁自然保護局野生生物課鳥獣保護業務室長

○小林説明員 お尋ねの三番瀬でございますけれども、議員御指摘のとおり、その場所はアサリですとかカニですとかゴカイなど、海の底に住む底生生物が大変豊富な場所でありまして、その周辺部も含めまして、カモ類など鳥のえさをとる場所、また、休憩の場所となっておりまして、東京湾に残された数少ない浅瀬であると考えております。

志位和夫日本共産党

○志位委員 この点は、運輸大臣、どうですか。どういうふうに認識されておりますか。

坂井順行運輸省港湾局長

○坂井政府委員 先生御指摘のように、東京湾の三番の瀬は、江戸川の放水路の河口に広がっておりまして、面積はいろいろとり方によりましてさまざまでございますけれども、相当大規模なもので、恐らく東京湾に残っております最大ないしはそれに匹敵するぐらいの干潟ではないかというふうに思っております。  今先生が三点、干潟の効用を御説明いただきましたが、私どもも、干潟の生物的あるいは物理的いろいろな特性を研究等々しておりますが、生物に与える影響、あるいはエアレーション効果、さらには景観に対する効果だとかレクリエーション等々含めまして、いろいろな効果があるという観点からしますと、干潟の有する機能、特性といった面から見ますと、ほかの一般海域に比べて、環境的に意味のあるものであるというふうに認識をしております。

志位和夫日本共産党

○志位委員 環境庁、運輸省、ともにこの干潟の値打ちについては非常に重要なものだという御認識だと思うのですね。  ところが、今問題になっているのは、千葉県の港湾計画が出されまして、それに基づいて三番瀬の埋め立ての計画が進められてきているわけです。  京葉二期工事、ちょっとこのパネルを持ってまいりましたが、これは東京湾でありまして、この茶色の部分はもう既に埋め立てが済んでしまった部分で、ほとんど埋め立てられて、三番瀬はこの一番奥でございます。  その三番瀬の拡大がこれでありますが、三番瀬と言われる地域は水深一メートル以内ですから、大体これぐらいのあたりが三番瀬になります。そのうち、運輸省の管轄になっておるのはこの京葉港二期地区であります。これは二百七十ヘクタールですね、埋め立てが。それから市川二期地区、こっちは建設省ですから、直接ここではありませんが、四百七十ヘクタール。合わせて七百四十ヘクタールの埋め立てが計画されている。三番瀬は大体千二百ヘクタールですから、七百四十埋め立てられますと、大体三分の二が埋め立てで消失するということになるわけですね。  この京葉港二期工事の計画を千葉県が申請してきたのに対して、これは去年の三月二十五日の中央の港湾審議会で了承するということになったわけですね。ところが、これは了承する文書を見ますと、環境庁が意見をつけている。  環境庁の意見というのは、ちょっと読み上げますと、こういうものです。  三番瀬と呼ばれる東京湾に残された貴重な浅瀬であり、埋め立て等の開発によって、その価値を大きく減ずることのないよう、慎重な配慮が必要であることから、埋立計画の立案段階において、港湾区域外の開発計画を含め、環境分野の学識経験者の意見も聞いて、さらに詳細な調査検討を行い、あわせて、埋め立ての必要性について十分吟味した上で実施計画を策定し、アセスメントを行う等、極力三番瀬の環境上の価値を損なうことのないよう、所要の措置を講ずること、こうなっております。極力三番瀬の価値を損なってはいけないのだということが環境庁の意見なのですが、しかし、私はこれは矛盾すると思うのですね。先ほどの、京葉港の二期工事というのは、三番瀬の、特にこの干潟の部分はこの緑の部分ですから、干潟の部分をほとんど埋め立てちゃうのですよ。ですから、この埋め立て計画を事実上了承するということと、環境庁のこの意見は明らかにこれは矛盾する、両立し得ないというふうに私は言わざるを得ないのですが、これは一番大事なところなので、運輸大臣、どうですか、この点。ちょっと大臣、頼みますよ。

坂井順行運輸省港湾局長

○坂井政府委員 それでは、今先生の御指摘の点についてお答えをいたします。  先般の平成四年三月の港湾審議会において、「千葉港の港湾計画について」は「原案のとおり適当である。なお、計画の実施に当たっては、環境の保全に十分配慮されたい。」というふうにされたところでございまして、これを受けまして、運輸省としてはこの旨を港湾管理者でございます千葉県に通知をいたしました。このため、千葉県では学識、有識者から成ります千葉県環境会議というところにおきまして、埋め立て計画にかかわる環境保全対策につきましてさらに詳細に検討が行われているというふうに伺っておりますが、港湾審議会のやりとりを今先生御指摘いただきましたが、これは計画実施に当たってはということでございますから、現在の港湾計画で認められております土地利用を前提にし、なおかつこの埋立地の海側の方には約二〇%の緑地、それから、ゆるやかな護岸、そういうものが相当程度計画されております。  したがいまして、従来持っておりました三番瀬のいろいろな機能というものを極力損なうことのないような実施計画をつくってください、環境に十分配慮してほしい、こういうふうなやりとりが港湾審議会の場でなされ、そういうふうに私どもはもちろん理解をしておりますので、その旨を千葉県の方に伝えた、こういうことでございます。

志位和夫日本共産党

○志位委員 実施計画の策定の際に、環境保全に努めよということを千葉県が検討している、そういう答弁だったのですが、ただ、ともかく埋め立て計画がそうなっているわけですよ。運輸省に出された千葉港港湾計画という中に土地造成とあって、この京葉港の部分について二百七十ヘクタールの土地造成を計画すると、これを承認したわけでしょう。だから、埋め立て計画を承認しておいて、どうやってこれは環境保全をやるのですか。浅瀬、干潟なのですから、埋め立てちゃったらこれはもうおしまいですよ。  だから、これはどうしたって矛盾する。矛盾したものを運輸省として了承したというのはやはりこれは無責任なやり方だと思う。せっかく政権交代したわけだから、伊藤大臣、これ、あなたの責任だと私言いませんよ、前任者の問題ですから。これ、見直したらどうですか。この承認について見直すと。そういう矛盾したものである限り、一たん了承したものだけれども、もう一度抜本的に見直して撤回されるというのが京葉港の埋め立て計画ですね。撤回されるというのが一番の筋じゃないか、こう思うのですが、大臣いかがですか。

坂井順行運輸省港湾局長

○坂井政府委員 先生、若干誤解されておられるようでございますので、それでは港湾審議会のやりとりを、環境庁とそれから港湾管理者でございます千葉県との関係を、時間がちょっと長くなりましたが……(志位委員「ちょっと簡単にしてください」と呼ぶ)よろしゅうございますか——それでは環境庁の方からの意見の最後のところを。「その結果を踏まえ、あわせて、後背地の環境改善効果も含め」云々がございまして、「実施計画を策定し、閣議決定要綱・県要綱に基づく環境アセスメントを実施する等、極力三番瀬の環境上の価値を損なわないよう、所要の措置を講じ」ていただきたいと思います。これが環境庁の御意見でございます。  これに対して港湾管理者、千葉県の方は、本計画の葛南中央地区とその周辺海域の有する環境上の価値につきましては、港湾管理者といたしましても十分これを認識しているところでありまして、本港計画につきましても各種調査、検討を実施し、環境面にも配慮して策定しているところでございます。葛南中央地区につきましては、港湾管理者としても従来より埋立事業計画の立案段階において、港湾区域外の開発計画、これは隣の埋立地のことを言っていますが、を含め三番瀬の環境に及ぼす影響について一体的に検討を行うなど、御指摘の点について確実に実施することとしており、今後とも、環境の保全に万全を期すため、なお一層努力する所存でございます、こう答えて了承されておるところでございます。以上です。

志位和夫日本共産党

○志位委員 そうするとあれですか、二百七十ヘクタールの埋め立てのこの計画は了承したということじゃないのですか。具体的な埋立法に基づく認可の問題はこれからですけれども、その問題じゃなくて、この計画自体はまだ認可していないということでいいのですか。

坂井順行運輸省港湾局長

○坂井政府委員 いや、そうじゃなくて、港湾計画は認可しております。原案のとおり、おおむね適当である、ただし、環境上のという条件がついております。

志位和夫日本共産党

○志位委員 だから、それが矛盾だと言っているわけで、埋め立て計画が入っているわけですよ、京葉港の二期工事の中に。それを認可しておきながら環境庁の方の意見もつける、この意見の方は真っ当なんですよ。極力環境保全をやれと。両立しないじゃないかということを私は聞いているわけで、それにはお答えにならない。  ではもう一つ、私、お聞きしたいのですが、矛盾はもう一つありまして、この三番瀬の隣に谷津干潟というのがあります。こちらの方は大体四十ヘクタールですけれども、ラムサールの指定地域にされました。ところが、この谷津干潟と三番瀬との関係というのは一体的なもので、三番瀬がつぶされたら谷津干潟に飛んで来る鳥もこれはもう中継地として役に立たなくなるという指摘が専門家の間からも強くあるわけですが、この谷津干潟をラムサールに登録しながら三番瀬は登録しないというのは、これは矛盾だと思うのですが、これは環境庁おいでになっているので、この両者の関係、渡り鳥にとって。どう認識されておりますか。

小林光環境庁自然保護局野生生物課鳥獣保護業務室長

○小林説明員 御説明申し上げます。  今お尋ねの谷津干潟と三番瀬の関係でございますが、環境庁が実施しております鳥類調査によりますと、谷津干潟とそれから三番瀬では幾つか同じ種類のシギ、チドリの鳥の仲間でございますが、観察されております。しかしながら、鳥類の行き来を調べるには、両地域でそれぞれ鳥を捕獲して、足輪など目印をつけましてそれを放す、そしてそれを再び捕獲するというような調査を実施することによりまして移動を確認することが必要でありますけれども、これについては実施しておりませんで、谷津干潟と三番瀬の鳥の行き来の関係については環境庁としては把握しておりません。

志位和夫日本共産党

○志位委員 これは日本野鳥の会の専門委員の志村英雄さんという方が、満潮時になると谷津干潟から三番瀬に鳥が移動するということを報告しておりますから、ぜひその調査を環境庁としてやっていただきたい。これはどうですか。

小林光環境庁自然保護局野生生物課鳥獣保護業務室長

○小林説明員 調査を環境庁にしたらどうかというお尋ねでございますけれども、これにつきましては昨年の港湾審議会、第四十回の計画部会におきまして、環境庁といたしまして、千葉港の港湾計画の三番瀬の埋立計画につきましては、今後学識経験者の意見も聞いて埋立計画が三番瀬及び東京湾の環境に及ぼす影響についてさらに詳細な調査検討を行うよう港湾管理者であるところの千葉県に対して要請したところでございまして、鳥類に関しましても千葉県においてそういう鳥類関係の学識経験者の意見を聞いて必要な調査検討が行われるものと考えております。

志位和夫日本共産党

○志位委員 環境庁として、ぜひこれはみずからおやりになっていただきたいということを強く要望しておきたい。  それで、運輸省の側はこの矛盾しているじゃないかという問題、当然だと思うのですけれども、なかなかお認めにならないのでこれは本当に遺憾ですが、最後に運輸大臣にちょっと伺いたいのですね。私はこの、一方で埋め立てを事実上認可しながら一方で三番瀬を守れなんというのは、これは本当に無責任な矛盾した言い分だと思うのですけれども、ともかく環境庁のこの意見は中央の港湾審議会の全体の意見でもあるわけですね。運輸大臣はこれを尊重する義務ももちろんあるわけですから、この環境庁のつけた意見、埋め立てを前提とせずに、埋め立ての必要性も含めて三番瀬の価値を極力守るために必要な措置を講ずるという立場でも見届ける。そして、必要ならば運輸大臣として千葉県にもちゃんと物を言うということをぜひやっていただきたい。これは大臣、最後、お答えください。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 志位さんから御紹介されました、初めて聞いた部分もございますけれども、幾つかの御指摘があります。それから、今までの経過、御答弁がございますが、私も詳細にこの経過は全部承知しておりませんので、今の論議を伺いましてもいろいろ影響のあることだなという思いは深くいたします。ですから、この問題の経過、内容その他、私なりにじっくりと内容をよくチェックをいたしまして判断したいと思います。

志位和夫日本共産党

○志位委員 一言でいいのです。環境庁の意見を大臣として尊重するということですね。大臣。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合運輸大臣

○伊藤国務大臣 今の問答でございましたように、環境庁の御意見がございます。(志位委員「中央港湾審議会の意見になっているわけですか」と呼ぶ)はい。それも尊重すべき意見だと思います。同時に、今までの港湾審議会ですか、経過もございます。それら全体を含めまして、私なりに客観的によく経過を勉強して判断したいと思います。

志位和夫日本共産党

○志位委員 三番瀬の保全の問題というのは、本当に地元の多くの方々、それから市民団体、漁師の方々等々にとって本当に切実なものであります。国際的にも、先ほど言った渡り鳥にとって大事な中継地点でございますから、これを破壊すれば世界に対しても恥になる、このようにも私は思います。ですから、この埋め立て計画は中止する、港湾計画は抜本的に見直す、そういう方向で運輸省としても政府としても強い決意を持って臨んでいただくことを最後に要望して、質問を終わります。

近江巳記夫公明党

○近江委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十三分散会      ————◇—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗