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126回国会参議院1993/05/31

予算委員会 第18号

発言数
257
登壇者
23
会派数
8
開催日
1993/05/31

会議録

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成五年度一般会計補正予算、平成五年度特別会計補正予算、平成五年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。  本日は、PKOに関する集中審議を行います。  質疑者等はお手元の質疑通告表のとおりでございます。  それでは、これより岩崎純三君の質疑を行います。岩崎君。

岩崎純三自由民主党

○岩崎純三君 私は、自由民主党を代表いたしまして、カンボジア問題を中心にしながら総理並びに関係大臣にお尋ねをいたします。  質問に入る前に、カンボジアの和平とカンボジアの人々の安泰への願いを込めて参加をいたしました国連ボランティアの中田厚仁さんと文民警察官の高田晴行さんが犠牲となられましたことは、悲しみとするところであります。心から哀悼の誠をささげる次第でございます。お二人は身に寸鉄も帯びておりませんでした。それだけに私は強い憤りを感じております。御遺族の方々に対しましても、心中を察するときお慰めの言葉もございません。このような悲惨が再び繰り返されないことを念じまして、質問に入ります。  まず、今般初めて行われましたカンボジアの総選挙の成功というものは、幾つかの不安要因があっただけに感動的でさえありました。カンボジアは、御承知のように、一九七〇年のロン・ノル将軍のシアヌーク殿下追放クーデター以来、引き続いて戦火の中にございました。わずかに一九七五年から三年九カ月間だけ、ポル・ポト政権下におきまして、戦争こそございませんでしたけれども、周知のように国民は大虐殺という悲惨の渦中にあったのであります。  こうした二十数年間にわたる不安、混乱、そして戦乱を乗り越えて、今ようやくカンボジアの人々はみずからの手でみずからの意思で平和と安定を獲得しようといたしております。選挙の際に、精いっぱいの晴れ着を着て朝早くから投票所に並び、そしてこの一票がカンボジアの安定につながるんだ、そうした願いを込めて大切に一票を投じられました。そうしたカンボジアの人々の姿に、私は平和への祈るような願いを思い知ることができたのであります。  しかも、我が国では全く信じられないような高い投票率が達成され、当初心配されておりましたポル・ポト派による選挙妨害も一部にはあったものの、それほどのものではございませんでした。このこともカンボジアの人々の熱い願いが選挙に対する妨害行為を押さえ込んだと申し上げても言い過ぎではなかろうと思います。  ここに至るまでには多くの困難がありましたが、UNTAC要員、参加した方々の努力等もございまして、まさに自由そして公平のもとに選挙が大成功のうちに行われたのであります。これもひとえに国民の理解と支持によるものでございましょう。  今、総理は、カンボジアにおける総選挙の実態を見詰めましてどのような心境でおられるのか、国会並びに国民に対してその心境を率直に語りかけていただきたいと存じます。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) カンボジアにおける選挙が無事に終了いたしましたに際しまして、やはりまず第一に、我々として、前途有為な二人の青年を現地において失ったことを痛惜のきわみに思っております。もっと安全対策を講じておればこういう犠牲を生まずに済んだのかもしれないということを思いましてまことに胸の痛む思いでありまして、改めて心から御冥福を祈りたいと思います。  国連当局の発表によりますれば、このたびの選挙は自由で公正であった、そう判定して間違いないということであり、また各国の選挙に立ち会いました人々あるいは選挙の様子を監察しておりました人々も、まず一様に自由かつ公正であったということを評価しておるように存じます。  九〇%に近い投票率というのは考えてみますと驚くべきことでありまして、長い間の圧制、混乱に苦しんだカンボジアの人々が今度こそは自分たちの力で国づくりをしようというそういう意思のあらわれであろう。恐らくかなり多くの人にとっては人生最初の体験であったのではないかと思いますが、これだけ多くの人が国づくりに参画されたということはまことに感銘を受ける出来事であります。  パリ協定調印以来いろいろな経緯がございましたが、ともかくも現地のカンボジアの人々が九割という高い投票率で自分たちの主権者としての権利を自由かつ公正に行使できたということは、いろいろ途中に経緯はございましたけれども、この平和を目指したパリ協定の一番大切な部分が実現されたということになると思います。これを可能にしたUNTAC当局の努力に高い敬意を表しますし、我が国もまた、過般、法律を制定していただきまして、我が国の平和憲法のもとで許される限りの国際協力をいたしたいと考えまして、部隊、要員等たくさんの諸君にこれに参加をしてもらいまして、また、ボランティアの人々も大変立派な活動をしてくれまして、我が国としてこの国際貢献の実を上げることができたことは誇りに思ってよろしいことであろうと思います。  また、この点は、昨日、私の祝電に対して明石UNTAC事務総長特別代表から丁寧な書簡を寄せられましたが、その中で我が国の貢献に非常な感謝をしておられますが、日本国民への感謝と受け取るべきものと考えております。  これから後、カンボジア人がカンボジア人の手によって具体的な国づくりをいよいよ始めるわけになります。まだしばらく制憲会議の準備等々UNTACとしては手伝うことがあるように思いますが、いずれにいたしましても、どういう立場であれ、我が国としてはこのカンボジアのカンボジア人のカンボジアづくりに最大限の援助と支援をこれからもしていかなければならないと考えておりまして、そのための国際会議も既に過般開催もいたしましたし、さらにこれを続けてやってまいらなければならないと考えております。  このたびこのような形で海外に同胞を出しましたのは初めての経験でございましたので、これからいろいろ学ぶべき教訓もございます。我が国の国際貢献はこれで終わりというわけではありません。このたびの経験に基づいて今後ともできること許されることはしていかなければならないと考えますが、それにつけましてもこのたびの経験は非常に貴重なものでありまして、これにかんがみまして、今後の国際貢献のあり方につきましても時間をかけて考えていきたいと考えております。

岩崎純三自由民主党

○岩崎純三君 ただいま総理から、国民の悲しみ、国民の喜びをともに分かち合いながら、世界平和のために国際貢献にかける熱意の一端をお聞かせいただきました。  さらに、まさに今回の我が国の派遣は初めての出来事でございますから、そうした経験を踏まえ、一層の我が国の責務を果たすため何をなすべきか、そういったことについて熱心に検討されておる心情に接しまして大変力強く感じたところでございます。ありがとうございました。  さて、御案内のとおり、旧ソ連の崩壊によりまして冷戦構造に終止符が打たれ、世界は新しい国際秩序を模索する時代に入りました。私たちは、これからの時代は従来よりはより安定した平和な時代になる、そうした期待をいたしておりましたが、しかし、現実を見詰めてみますると、世界各地には民族・宗教対立などによる地域紛争が発生をいたしており、歴史の先行きは不透明であります。それはいわば一種の混乱、すなわちカオスの状態と言っても過言ではないのではないでしょうか。  私たちはこうした中で、地域の平和、そして世界の平和を求めて、新しい国際秩序の構築へ向けて一層の努力が必要となってまいりました。かつては米ソの緊張緩和が人類の願いでありましたが、現在は、世界各国が緊密に協調し、それぞれがそれぞれの立場に応じたやり方で秩序の構築に参画していく時代となったのであります。  こうした認識に立つとき、一国平和主義は許されないのではないでしょうか。ある国が平和であるためには、すなわち日本が平和であるためには、他の国もまた平和でなければならない。そうした願いを込めて、金や物だけではなくて汗を流して国際的に貢献をするということを明らかにする時代となったわけであります。  こうした新しい国際秩序の構築に向けまして、我が国は、どのような世界を構想し、またその実現のためにどのような方針で臨まれようといたしておりますのか、総理の御所見をお伺いいたします。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる冷戦が終了したということは、核兵器によるいわば抑止力という極めて不安定な状態でありました世界の二極構造というものが崩れて新しい平和の構築をする時代が来たと考えるべきだということは、これはしばしば国会におきまして申し上げてまいったところであります。しかも、それが必ずしも実は容易なことでない。かえって冷戦が終わりましたためにいろいろな紛争の要因が世界あちこちで頻発するようになったということは改めて申し上げるまでもないことでありますが、その間にたまたま我が国の経済力を中心とした国力が非常に相対的に高まりましたために、そのような新しい平和の構築並びにそれに至るまでの世界のいろいろな頻発する紛争に対して我が国としては無関心でいられないという状況にありますことは、御指摘のとおりでございます。  そこで、具体的に考えますと、こういう新しい平和構築の時代における主たる役割はやはり国連が中心にならざるを得ないということを、我々は目の当たり見てまいっております。しかもその国連は、まことに突然の事態の展開でありましたから、これらの仕事を十分に遂行し得るだけの組織なり財力なり経験を現実にはまだ持っていないという状況でございますので、国連を強化するとともに、国連を中心とするそういう努力を我が国としても助け、また殊に軍備管理・軍縮ということについては一層の促進を図ることが大切と思います。それが第一でございます。  第二に、世界経済が、現在、先進国の中ですらたくさんの失業を抱いておるような現状からどうやっていわば持続し得る世界経済の繁栄をつくり出していくか、このことが第二の仕事であろうと思います。  それから第三に、各国、殊にかつてのソ連邦が解体をいたしまして、その後にこれらの国々がロシアを中心にどういうコースをたどるかということはこれからの二十一世紀にかけての世界の将来に非常に大きな影響を持つことであります。我が国としては、各国が民主主義にのっとり、そうして願わくば市場経済への努力を成功させてほしい、そのための支援をいたすべきである、これが第三の問題であろうと思います。  第四の問題は、そういう新しい平和構築の時代にいわゆる平和の配当というものが生まれてこなければなりませんが、その平和の配当というのは南北問題を初め地球的な規模と言われる幾つかの問題に向けられなければならない。南北問題については申し上げるまでもありませんが、地球的規模の問題、環境でありますとか、病気でありますとか、難民でありますとかいろいろございますが、平和の配当はそれらのために向けられなければならないというそういう物の考え方を定着させ、またそのために我が国としても努力をする。  そういう幾つか申し上げました課題について、我々に与えられております責任と役割を果たすことが大切ではないかというふうに考えております。

岩崎純三自由民主党

○岩崎純三君 御質問申し上げました案件につきまして、四つに仕分けし理解得やすく御答弁をいただき、まことにありがとうございました。    〔委員長退席、理事井上裕君着席〕  次に、冷戦の終結後に国際紛争を解決し世界の平和と安定を維持していく上で、国連の役割はますます高まっております。それだけに、国連の平和維持機能が高く評価されております。  これまで、国連中心主義を外交の基本原則の一つとしてまいりました我が国が、昨年、国論を二分する厳しい対立状況を克服いたしましてPKO協力法を成立させましたのも、こうした国際的に高い評価を得ているPKOに参加するためでもありました。そして、それは我が国の国際的責任でもあったからであります。  しかし、残念ながら一部野党の理解は得られませんでしたけれども、政党政治のもとで、立場を異にする公明、民社両党と我が党は一つテーブルに着いてぎりぎりの議論をいたしました。それは民主主義が正しく機能している証拠であったろうと思います。主張すべきは主張し、譲るべきは譲り合って接点を求め、その後長い長い時間とエネルギーを費やして法律を成立させることができたのであります。このことは国民のよく知るところでもあります。  しかし、今回のカンボジア問題の経験に立ちまして当時の審議内容を振り返ってみますると、自衛隊の海外派遣の是非に論議が集中してしまったことが悔やまれるのであります。一部の野党は、非軍事、文民を送ることを主張いたしましたが、文民の安全確保についてはわずかな論議に終始をしてしまい何ら有効な方法を提示することができませんでした。そのため、文民警察官や選挙監視員の安全確保は極めて不十分でありました。それゆえにこそ、政府は、カンボジアにおきましてボランティアの方々や文民警察官、その安全のため法律の枠内において最大限の努力を必要といたしたのであります。  こうした視点に立ちまして、総理のたび重なる答弁にもかかわらず一部野党の方々や国民の間にも理解が得られないこともございまして、私はそのもどかしさを感じておりました。政府が法律の枠内で可能な限りの努力を傾け事態に対処することは、当然のことではありませんか。  それに加えて、今回UNTACに参加した経験を通じまして、実務上あるいは法制上の問題についてさらに整備の必要があるのかどうか、お尋ねをいたします。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) このたびの経緯を振り返りますと、法律に定められました五つの条件、殊に最初の三つの条件はともかくも傷つけられずに済んだと考えておりますけれども、しかし、それにもかかわらず、パリ協定で定めておりました第二段階であります武装解除が殊にポル・ポトについて行われなかった、成功しなかったということが、その後起こりましたいろいろなゲリラ活動あるいは貴重な犠牲を払わなければならなかったその要因であったというふうに考えられます。正直を申して、ブトロス・ガリ事務総長の言われるように、これは思わざる、はからざるところでありましたので、当初考えておりましたのと違った状況が生まれたということをまずこれは現実の事態として認めざるを得ません。  それから第二に、この法律の御審議が行われるに当たりまして、自衛隊をいわゆる部隊として派遣することの我が国の憲法上の問題、それに伴う危険等々につきまして非常な御議論がございまして、私どもそのことを勢い中心に考えてまいりましたが、その結果として、要員として派遣される人々、軍事監視要員あるいは文民警察、選挙要員、そのほかにボランティアもおられるわけですけれども、そういう人たちの安全というものについて十分に御議論がございませんでした。しかし、我々としても、殊にこういう武装解除が十分に行われなかったことにかんがみまして、さらに配慮をすべきではなかったかということは大切な実は反省要因でございます。  本来でございますと、我が国は施設部隊を派遣しておるわけでございますが、この施設部隊そのものがフランスから派遣された歩兵部隊等々に守られるという構成でございますので、我が国としては、いわば守るための現実の処置というのはほとんど何も講じておりません。わずかに正当防衛としての小さな武器を持っているということであったわけでございますので、幸いにして現実に部隊そのものはそういうことで危険に脅かされることはございませんでしたが、文民要員等々が危険にさらされた場合に我が国の力でこれに有効に対応する方法というのはもうほとんど実際上ないと言うに等しい。  本来、これはUNTACがその安全は保証してくれるというそういう仕組みのもとに各国から歩兵部隊等々が派遣されていたわけでございましたが、このところも、武装解除が行われなかったということとの関連で十分の安全が図られたとは結果としては言いにくいようなことが時としてあったわけでございます。  さりとて、しかし、UNTACが非常に大きな重大器を持った部隊を各国から集めるということになりますと、これはまた平和維持活動というもの、PKOとちょっと違った性格のものに発展する危険がございますので、その辺の兼ね合いは難しいと思いますけれども、少なくとも今回経験いたしましたことは、武装解除が行われなかったことに対応してもう一つUNTACとしていろいろ安全について早い考慮があったらばなということは考えられます。  現実にたまたま我が国の同胞に不幸なことが生じたのが契機になりまして、我が国といたしましてUNTACに対しまして、我が国ばかりでない全体の、殊に要員についての安全策を要請した。また、それに対してUNTACもいろいろな策をとられました。我々も、UNTACのためのそのための財政援助等々を新たにいたしましたし、我々自身としてもできることはできるだけいたしましたが、やはりそういう問題が今回の反省、将来に向かって考えるべき問題ではなかったか。  もともと平和維持活動というものが、砲火を交えるような状況になればこれはまた戦争でございますので、武力を用いずに説得と国連の信用によっていわば素手で平和を確保するという大変に難しい種類の仕事でございますが、それだけに武装解除が行われなかったような場合には、そうは申してもその仕事に従事する人たちの身の安全だけは確保しなければならないという、そういう問題について幾つか反省すべき経験をしたと、こう申し上げてもよろしいのではないかと思います。

岩崎純三自由民主党

○岩崎純三君 現地の状況が当初予定いたした所よりも大変な変化を来し、その中で五原則を守りながら任務を遂行する、そのことへの大変な御苦心がありありと理解できました。一番の誤算は、武装解除を拒否されたその中で文民をどう守るのか、これは世界各国とともにこれからその対応を考えていかなきゃならないという問題等についても率直にお話をいただき、現地の厳しさを理解することができました。  次に、カンボジア和平はパリ和平協定に定められた和平プロセスに沿ってUNTACの指導のもとに行われてきたものでございますけれども、これまでの推移を冷静に振り返ってみますると、当初に想定しておりました和平プロセスと実際の動きとの間には相当な乖離が残念ながらあったのではなかろうか、そのように認めざるを得ません。  その大きな違いの一つは、今、総理からもお話がございましたように武装解除でございます。各派は軍を一カ所に結集いたしまして宿営地に収容し、そして武装解除をして七〇%の動員解除を計画いたしておったわけでございますが、昨年の六月十三日、この時点で各派の結集が始まりましたが、残念ながらポル・ポト派が武装解除をいたしませんでした。この和平プロセスにのっとって武装解除が完全に実施を見ないまま次の段階である選挙準備あるいは選挙人登録開始、そしてことし一月二十七日には政党登録を締め切りました。この時点でポル・ポト派の選挙不参加が決定をいたし、今回の総選挙実施へと事は運んだのであります。UNTAC指導によるものとは言いながら、和平プロセスの実施が必ずしも計画どおり進まないまま実行してきたのが実態であります。  このような一連の動きを今振り返ってみて率直にどのような御見解をお持ちなのか、また最大の誤算はポル・ポト派のまさに武装解除ができなかったことにあろうかと思いますが、ポル・ポト派が武装解除を拒否した理由はどこにあったのか、こうした問題についてのお尋ねをいたすものでございます。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 今、総理からも御答弁がございましたように、正直、ポル・ポト派が和平協定に基づきまして武装解除をするということで同意をいたしたわけでございますが、結果的にはそのような行為に出なかった。大変私どもも思いもしないことでございました。  それではポル・ポト派は一体なぜ武装解除を拒否したのか。ポル・ポト派の言い分は、ベトナムの軍隊がまだ残っているではないかということでございます。私どもとしてはそうではないと思っておりますけれども、彼らはそれが一つの大きな理由であったのではないかと私は思います。  いずれにいたしましても、武装解除はまだしておりませんけれども、しかしながら、幸いにも今度の和平プロセスの一番大きな根幹にもかかわるこの総選挙が平和裏に行われたということは私は不幸中の幸いではなかったかと思っております。

岩崎純三自由民主党

○岩崎純三君 ところで、カンボジアにおける総選挙の実施は新生カンボジア誕生に向けました壮大な試みの大きな山場でございました。そのハードルを乗り越えて高い投票率で選挙の実施ができましたことは、大きく評価に値するものであろうと思います。我が国としては、総理からも再三お話がございましたとおり、初めての参加でございました。それだけにその成果を心から歓迎するものであります。  そこで、これまでの各地の投票なども含め、選挙の実施状況はどうであったのか、日本人要員の活動ぶりあるいはこれを支えた文民警察官、加えて施設大隊の隊員の活躍がどのような内容のものであったのか、お聞かせをいただきたいと存じます。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) カンボジアにおきます選挙の投票は、御案内のとおり今月の二十三日から二十八日まで千四百三十カ所の投票所で行われたところでございます。  先ほど来総理からも御答弁がございましたように、十八歳以上の有権者に当たるカンボジア人の九〇%と言われる方々が選挙登録をされまして、そのおよそ九〇%近くの方々が投票をされたというふうに報告を受けております。  現在は、その投票に基づきまして開票事務が進んでいるところでございます。昨晩の報告によりますと、およそ開票率は二〇・四%と承知をいたしておりますが、八十六万票近くが既に開票をされておるところでございます。  この選挙のために我が国からも選挙監視要員、あるいは文民警察そして自衛隊の施設大隊、さらには日本人としてUNボランティア、さらにはNGOと、大勢の方々がこの選挙を支えるために現地に行っておられるわけでございます。  まず選挙監視要員の方々について申しますと、四十一名の方々がタケオ州という州に配置をされました。このタケオ州はおよそ百カ所の投票所がございますが、そのうちの四十一カ所にそれぞれ配置をされまして選挙の投票の監視に当たった。つまり、自由かつ公正な投票が行われるかどうかということの監視の仕事に当たったということでございます。これらの方々は無事にすべての仕事を済まされて現在は開票事務に立ち会っておられるわけでございます。  また、文民警察要員の方々は、日本から七十五名の文民警察の方々が参加をされました。残念ながら高田晴行さんが亡くなられまして、現地で御活躍の方は七十四名でございますが、高田さんが亡くなられましたときに同じ場所で重傷を負った方一名が既に帰国をして病院で手当てを受けておられます。さらに、そのときけがをされた三名の方及びその方々と同じ時期にこれまた体調を崩された四名の方々は近々帰国をされるということになっておりますが、残りの方々はそれぞれ文民警察が行う業務、例えば選挙に当たりましては、投票に当たりましては、現地の警察官がその投票事務に際して不公正な態度をとらないための監視、あるいは投票所から一定の距離を置いて監視をするという、投票に介入をすることがないようなそういう監視業務、あるいは警察官として現地の警察官の方々に助言を与えるといったような業務を行っているところでございます。  また、施設大隊は、これは先生よく御承知のとおりでございますが、本来、施設大隊は道路の建設あるいは橋の建設のために現地に行ったわけでございますが、UNTACからの指図等もございまして、輸送業務さらには選挙にかかわるさまざまな物資の保管、あるいは現地UNTAC要員に対します食糧、あるいは医療の供給、その他の業務を行っているところでございます。投票に当たりましては、タケオ州内のUNTAC要員の方々のために水や食糧の供給でございますとか、精神的なサポートを考えて周辺の治安情報の収集等に当たったわけでございます。これらの方々は全員元気で現在もまだ業務に当たっておられるところでございます。

岩崎純三自由民主党

○岩崎純三君 私どもも、選挙の状況やあるいは派遣されました我が国要員の現地における活動状況をテレビや新聞を通しまして可能な限り詳細に知ろうと勉強いたしてまいったわけでございますが、ただいま政府から責任のある状況等についての報告をいただき理解を深めることができました。その理解を踏まえまして、今後ともカンボジアの状況の推移について見詰め続けてまいりたいと存じます。  次に、新生カンボジアの誕生に向けた壮大な実験はまだ完結をいたしておりません。これからも新しい憲法の制定を経て新しい政府を成立させるまでUNTACによる暫定期間は続くのでございますが、これから先、カンボジア和平プロセスの一層の前進のために我が国はUNTACや国際社会と協力をしてどのような方策を講じていくつもりでございましょうか、お尋ねをいたします。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) これからいわゆる議会がこれで発足をいたしまして、そこで憲法ができ上がり、憲法ができ上がったらそれに基づいて新しい政権が発足する、UNTACはそこまでの仕事に対して責任を持っているわけでございます。  そこで、我が国としてどういう形でということでございますが、今、UNTACとも御相談をしながら、またシアヌーク殿下を中心とするカンボジアの当事者と申しますかカンボジアの皆さんとも相談しながら、またパリ和平協定の議長国でございますフランス、インドネシアを中心とする関係国とも協議をしながら、これからどういう形でお手伝いを我々はしていくべきであろうかということを相談しようということを実は持ちかけておりまして、なるべく早い機会にそのような会合を持ちたいと思っております。  そこで、それではどういうことをそこで相談するのかということでございますが、今御指摘ございましたように、なかなかまだまだ新しい国づくりは平たんな道のりではないと思います。  行政制度の問題にしても、先ほど御指摘のありましたように、長い間の内戦状態が続いてきたわけでございますし、またその内戦状態の間にはポル・ポト派による虐殺、いわゆる本当に恐怖政治が行われたわけでございまして、本当に民主的な政治をこれからつくっていくという上において、制度の面、また制度の面だけではなくてそれを執行する指導者の面、人間の教育と申しますか、そういう点もこれからやっていかなければならないだろうと思います。  それから、従来もやってきておりますけれども、民生安定のために復旧、復興を図っていかなきゃならない。それは生活がより安定をしていくようにという面でのお手伝い、あるいはまた経済社会基盤の整備といったようなこともやっていかなきゃならないのではないかと思っております。  いずれにしても、まずとりあえず先ほど申し上げたような会合を一回開こうではないかということで話を今進めているわけでございます。

岩崎純三自由民主党

○岩崎純三君 総選挙実施後に、カンボジア和平プロセスの終盤が近づくに当たりまして派遣各国ともPKO要員の撤退を徐々に行っていくことになろうと思います。政府は、各国の撤退計画をどのように把握をされておるのか、また我が国の選挙監視要員、あるいは文民警察官、また停戦監視員、自衛隊施設大隊の撤退はどのような計画で実施をされようといたしておるのか、お伺いをいたすわけでございます。  きょうあたりの情報によりますると、開票事務が大変おくれておると。新しい政府の成立までには予定された以上の時間がかかるのではないだろうか、したがって我が国としては派遣要員の撤退の時期、この予定が計画どおり行われるのかどうか、この点についてお尋ねをすると同時に、さらに現地の状況によりましては、UNTACなどからの要請あるいは指図があれば、我が国はPKOの要員はなお続けてカンボジアにとどまるのかどうか、この点についてお尋ねをいたします。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) ただいま御質問のございましたカンボジアからの我が国要員、部隊の撤収の計画でございますが、御承知のとおり、UNTAC自体の活動予定期間は昨年の三月十五日から十八カ月以内ということになっているわけでございます。したがいまして、現在のUNTACの任務の期間は本年の九月十五日までということになっているわけでございます。  我が国の場合につきましては、これを前提といたしまして、実施計画におきまして施設部除、停戦監視要員につきましてはこの撤収に要するいわば後片づけの期間も含めまして十月三十一日までということにはなっております。他方、現在行われております選挙の開票の作業に向けて今までUNTACのいろいろな部門の要員、部隊が協力をしておったわけでございますが、これが終わりますとかなりの程度UNTACの仕事の量も減ってくるのではないかというふうに考えております。  特に危険度の高い地域に配置されておりますのは文民警察官でございますが、そこで、これまで特に文民警察官を中心に今後の撤収計画についてUNTAC側と話をしてまいりまして、この仕事の量それから治安状況等を勘案して、我が国としてはできるだけ早く少なくとも危険地帯からより安全なところに移してもらいたい、さらには帰国をさせてもらうということを希望として申し上げてきた次第でございます。これは当然、我が国の文民警察官にとどまらず、文民警察官一般についてということでございます。御指摘のごとく、文民警察官はいわば丸腰で勤務しておりますので、そういう点も勘案してのことでございます。  それから、各国の撤収計画につきまして詳細は私ども承知しておりませんけれども、現在UNTACにおきまして、各国の文民警察官あるいは停戦監視要員部隊の引き揚げの計画を練っているところであるというふうに承知しております。  いずれにいたしましても、我が国の要員部隊の撤収につきましては、各国とも連絡をとりながら、またUNTACと緊密に調整を行いながら、できるだけ早く必要のなくなった分野から帰国をさせたいというふうに考えております。    〔理事井上裕君退席、委員長着席〕  それから、先ほど御指摘のございました選挙要員の作業の点でございますが、確かに伝えられておりますように開票に予想外の時間がかかっているようでございます。当初の予定ですと開票が順調にいけば今週の金曜日ぐらいには帰国できるというふうに考えておりましたが、この辺は率直に申し上げまして若干調整が必要になるかもしれません。ただ、選挙要員につきましては、開票が終わればそこで仕事がなくなるわけでございますので、終わり次第帰国させるということでUNTAC側と調整を図っております。

岩崎純三自由民主党

○岩崎純三君 ただいまの話で撤退の仕組みについては理解をすることができました。しかし、いずれにしても、現地要員の安全のために最大の努力を尽くしていただきたい。とにかく、御家族の方々はもちろんでございますが、国民一人一人すべてが派遣された要員の方々の一日も早い帰国を待ち望んでおるわけでございますから、我が国ばかりではなく、そうした各国の国民、家族の心情を踏まえながらこれらの問題に取り組んでいただきたいと重ねてお願いをいたしておきます。  次に、選挙実施後の最大の関心の一つは、カンボジアの政治的な安定が果たしてどうなるのかということでございます。これは一にかかってポル・ポト派の出方によるものでございますが、ポル・ポト派が心配されたような強い選挙妨害をしなかった理由は一体どこにあったのでしょうか。政府はこの問題をどのように見詰めておられるのか。報道によれば、戦力を温存するんだ、あるいは政治的思惑などによるものではないだろうかというような報道があるところでございますが、真偽のほどはいかがでしょうか。また、ポル・ポト派の現有勢力あるいは実戦能力はどの程度のものなのか、その内容について御説明をいただきたいと思います。

池田維外務省アジア局長

○政府委員(池田維君) ポル・ポト派が今回の選挙の期間におきまして当初一時懸念されていたほどの妨害を行わなかった理由につきましてはいろいろなことが言われておりまして、憶測の城を出ないわけでございますが、今後ともポル・ポト派の動きを注視してまいりたいと思っております。  一般に考えられておりますものは、一つは、ただいま御指摘がございましたように、選挙後の政治的な生き残りということを考えてその戦力を温存したのではないかという見方ができるかと思います。ただ、さらに重要なことは、恐らくポル・ポト派といえども、今回の選挙におけるカンボジア国民の願望というものを肌身に感じ、そして彼らの当初考えていた方針をある程度変えざるを得なかったのではないか。それだけ、今回のカンボジア国民が選挙を通じて示した行動というものはポル・ポト派にとっても衝撃的ではなかったかというように考えているわけでございます。  それから、ポル・ポト派の今後の戦闘の能力でございますが、この点につきましても確たることはわかりません。ただ、いろいろな専門家が憶測はしておりますが、通常は二年程度の継戦能力があるのではないかというように言われております。しかしながら、この点におきましても、大変重要なことは、今回の選挙によって示されたカンボジア国民の願望というものをポル・ポト派としては無視できないだろうということと同時に、これまでポル・ポト派を支えてきた中国にしろタイにしろパリ和平協定以降一切その支援を絶っているということでございまして、そういった意味で、新しい補給が行われていないということはポル・ポト派にとっては大変重要なファクターになっていると思います。

岩崎純三自由民主党

○岩崎純三君 ポル・ポト派の今後の行動についてもまだ一定の見解が出ずにいろいろな見方がされておる、こういう状況にあるということをまず知ることができたわけでございます。  次に、ポル・ポト派は確かにカンボジア紛争の元凶であり選挙までボイコットをいたしましたが、これからの新生カンボジアの建設に当たりまして、ポル・ポト派を孤立させるのではなく、いつかもこの委員会で議論がありましたが、できる限り国づくりの枠組みの中に取り込んでいく努力を国際社会は行うべきであると私は思っております。  この点で、五月十九日の国連安全保障理事会のいわゆるPKO要員の安全強化決議の採択の際に我が国がポル・ポト派の国づくりへの参加を主張したと伝えられていることは、将来にわたってカンボジアの安定を考えた際に、みんながカンボジアを孤立させないでほしい、そうした一つの願いがあっての日本としての考え方につながったのではなかろうか、このように思います。  しかし、一方では、選挙前ではありますが、プノンペン政権のフン・セン首相は選挙によって新しい合法政府が誕生すればポル・ポト派は非合法な存在になるものとの見方を示しております。したがって、新政府樹立後もポル・ポト派の合法性を認めないよう国際社会に求めておるようでございます。  我が国政府の意図するところはよく理解をすることができるのでございますが、ポル・ポト派を国づくりに加えましてどういうことをするのか、またどのように対応したらよろしいのか、なかなか難しい問題があるのではないかと思います。どのような手法でこうした難問に取り組んでいかれようとするのか、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 今、安保理の決議のお話がございました。これをちょっと読ませていただきたいのでございますが、今の安保理の決議の中の十五の項でございますけれども、ここには「カンボジア国民自身がパリ協定実施及び自国の政治的未来と福祉への第一義的な責任を負うことを認識し、かつカンボジアにおけるすべての派がパリ協定下の義務を尊重し、選挙後の政治過程に建設的かつ平和裏に参画することを希望することを再確認し」と、こういう項がございまして、日本といたしましてこの決議に際しましては、いわゆるポル・ポト派を含めて、ポル・ポト派ということだけではなくて、やっぱり各派全体がその新しい国づくりに参加してもらいたい、こういう意味でこの決議に積極的な役割を果たしたと思っております。  いずれにいたしましても、今お話しのございましたようになかなか難しい問題を含んでおりますが、とにかく先ほど来出ておりますように、今回のこの総選挙の結果が約九割と言われるような高い投票率で、しかも多少のトラブルはありましたけれどもほとんど平和裏に行われたということは、カンボジアの国民がいかにもう内戦は懲り懲りだ、あるいはかつてのポル・ポト派による独裁政治のようなものも嫌だ、何とか平和なそして民主的な国家を自分たちの手でつくっていこう、このあらわれだったと私は思うのでございます。やっぱりポル・ポト派もその辺は直視をすべきではないか。同じカンボジア人なのでございますから、カンボジアの国民の大多数がそういう考え方でいるときにポル・ポト派が武力的な攻撃を仕掛けるというようなことは、私は今後はやめていくべきだと思っております。  しかし、政権に参加するかどうかということになりますと、これは選挙をボイコットしたのでございますから当然今度の議会の構成メンバーには入らないわけでございますし、なかなか私は新政権の中に入るということは難しかろうとは思います。  いずれにしても、これはフン・セン首相が言っておられる、あるいはこの間シアヌーク殿下もそれに近いようなことをおっしゃっておられるわけでございますけれども、カンボジア国民自身が今後の進路は民主的に行われた選挙に基づいて自分たちの手でカンボジアの国づくりをしていくというのが私はやっぱり正しい方向ではなかろうかと。  我々外交ルートとしてできることは、ポル・ポト派に対していろいろのルートを通じて、自制を求める、武力を行使するというようなことはもうやめるべきだ、カンボジアに二度とそのような平和でないような状況を起こすようなことだけはやめるべきだ、少なくともこういうことは私どもは強く今後も続けてまいりたいと思っております。

岩崎純三自由民主党

○岩崎純三君 ポル・ポト派は、以前からシアヌーク殿下が本年三月に提唱した民族和解暫定政権構想に支持を表明いたしております。この問題も大変難しい問題でございますが、最近もその意向を確認しておるわけでございます。もっともシアヌーク殿下はこの構想を打ち出した直後にこれを撤回したということになっておりますが、その本心がいまだに変わっていないようでもある。各種の報道からいたしまするとそのように受けとめられるのであります。ポル・ポト派の一部は、選挙反対をし選挙結果無効という建前を通しながらも、シアヌーク殿下の指揮のもとで民族和解政府をつくる構想を掲げるラナリット派に投票したとも言われております。今後、民族和解構想が有力なものとして浮かび上がってくることも考えられるところであります。  しかし、一方ではUNTACによって選挙を実施いたしました。それとは別に民族和解構想を云々するということは矛盾したことになるのではなかろうかと思いますが、我が国としては、こうした選択も視野に入れながら今後のカンボジア情勢の推移を注意深く見守っていく必要があろうと思うのでございます。こうした点についてどのような考え方を持って対応しようといたしておるのでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは決して内政干渉というつもりで申し上げるのではありません、まだ我々として手伝いをすべき部分が残っておりますので、基本的な考え方としては、選挙というのは戦争の延長であるという考えをぜひやめてもらわなければならないということと思います。選挙をしたならばもうそこで戦争は終わったんだということを、これは選挙で勝った方も負けた方も選挙に参加しなかった人々も一様にそれを思ってくれることが大事ではないかと思います。  それに失敗しますと、例は悪うございますが、またレバノンのようになる。結局、選挙はしたが、ポル・ポトという部分だけが残って、これが武器を持っておって絶えず国内の安定を脅かすということは、この際にそういう考え方あるいはそういう存在、そういう行き方をやめてしまいませんと長く長くまたそういう禍根を残すことを恐れますので、選挙をしたということはもうすべての人にとって戦争というものはこれで終わったんだという、そういう考え方を今度のこれからの制憲議会なり国づくりに貫いてもらうことはできないだろうかと。そのために仮にシアヌーク殿下がいろいろな役割を果たされるということであれば、私は、それは必ずしも今度の制憲議会そのものと矛盾しない形でおやりになれるのではないだろうかと。  ただし、もちろん選挙に参加しなかったポル・ポトがその後の国づくりに参加するということは、それは選挙に勝った党派あるいは選挙に参画した党派からいえば当然承服しにくい事態であることは理解ができますが、しかしそれを貫いていきますと、そういう国内における、しかも大きな武力を持った万を超えるでございましょうそういうものを将来に向かって抱いていくということになれば、これは長く長くカンボジアの平和というものは来ないことになります。  そうすれば、今度我々のしたことは一体何をしたのかということにまたならざるを得ませんので、そういうことはまだ我が国としてもこれからの国づくりに手伝いをする時間がここで残っておりますから、内政干渉という意味でなくて、仮にこれからラウンドテーブルとかいろんなプロセスが進んでいくと思いますが、そこはひとつ、やや難きを言うようでございますけれども、ぜひ関係者に考えてもらいたい点だと思います。

岩崎純三自由民主党

○岩崎純三君 今まさに総理御答弁のように、これからのカンボジアの安定のために、いろいろと複雑な問題を国内に抱えておりますが、国際社会のそうした問題をきっちり認識してカンボジア和平のために最大の努力をしていただきたい、このように心から願うものでございます。  中国の銭其シン副首相兼外相は、今回の訪日でカンボジアの選挙結果に対し日本の貢献を高く評価しておられました。しかし、それ以前には、総選挙後にカンボジアは事実上の分裂状態になるであろうと述べまして、ポル・ポト派抜きで実施をされた総選挙の情勢に厳しい見通しを持っていることを明らかにいたしております。そうであればなおのこと、中国を通じたポル・ポト派への働きかけを強めていくべきではなかろうかと思います。  私は、今後カンボジアの安定に果たす中国の役割は大きいと見ております。この中国に対して、政府は今までもカンボジアに対する問題について我が国の意向を通して中国への協力を願ったわけでございますが、今後さらに一層その働きかけを行っていかなければならないと思います。  どのような手法が望ましいのか、これまた国際的な問題でございますから難しい面が多々あろうかと思いますが、お伺いをいたします。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) たまたまおととい銭其シン外務大臣とお目にかかりましたときに、カンボジア情勢についてもいろいろと話し合いをいたしました。中国としては、民主的にしかもほとんどが平和裏に行われた今度の選挙の結果というものは、やはり正く評価をしておられました。そういう中から、どちらかと言えば、率直に申し上げてシアヌーク殿下の求心力を今度のカンボジアの国づくりには大いに活用すべきではないかというようなそんな考え方があるような印象を私は受けました。  ポル・ポト派に対しましては、もちろん中国に対しまして今までも私ども働きかけていただくように努力をしてまいりましたけれども、今御指摘のとおりポル・ポト派との関係は、依然としてポル・ポト派の代表も北京にいるわけでございますし、そういうことを考えましても私どもとしてはできるだけ努力をしてまいりたい。  また同時に、よりポル・ポト派に影響を持っているのは私はタイだと思うのでございます。タイに対しても、ポル・ポト派に対して、先ほど申し上げましたようにとにかくもう二度と内戦を起こさない、平和なカンボジアの国づくりにどういう形であろうとも、それは政権の中に入らなくて外にあっても、カンボジアの国民として武器を使用するようなことのないように、できるだけ平和なカンボジアの国づくりに協力をすべきではないか、そういうようなことを言っていただくような努力は私ども続けていかなきゃならぬと思っております。

岩崎純三自由民主党

○岩崎純三君 カンボジアに新しい政府が成立をいたした後に、UNTACの役目は一応終了いたします。そして、カンボジアの運命は最終的にはカンボジア自身が決めることになるわけでございます。  しかしながら、カンボジア和平へのレールを最初にかけた地域内諸国のASEAN諸国はもちろんのこと、日本、中国、オーストラリアなどはポストUNTACに向けたカンボジアの復興、安定への責任を担い続けなければならないと思うのでございます。また、そうすることはこれからの諸国にとって地域の安全保障問題についての試金石ともなるからでございます。  我が国としてもこれからが本当にカンボジアを含むアジア・太平洋の平和を構築する上での正念場であると言ってもよいと思われますが、これからどのような責務を果たしていかれるおつもりなのか、率直な考えをお聞かせいただきたいと存じます。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) これからASEANの国々ともよく連絡を取り合いながらやっていかなきゃならないと思っております。また、日本はカンボジア復興国際委員会の議長国でもございますので、これから積極的にカンボジアの復興に向けてできる限りイニシアチブをとりながら各国とよく協力をし、またカンボジア自身ともよくお話し合いをし合いながら、我々としてはどういう形でやっていったらいいのか、先ほどちょっと触れましたが、民生の安定あるいは経済社会基盤の整備といったようなことも必要だと思いますし、あるいは人材の教育と申しますか、人材を育てていくということも必要でございましょうし、いろいろの制度を整備していく上でのアドバイスをすることも必要でございましょうし、いろいろあろうかと思いますが、幅広い支援を積極的にしていくというのが日本のこれからの役割であろうと思っております。

岩崎純三自由民主党

○岩崎純三君 あと幾つか質問通告をしておるわけでございますが、時間も残り少なくなりました。したがって、あと二問だけ御質問を申し上げたいと思います。防衛庁長官がトイレタイムでございますので、残念ながら最後の問題を先に総理にお尋ねをし、そして防衛庁長官のをラストに持ち込みたい、このように思います。  次に、私は国連の紛争解決能力の強化についてお尋ねをいたします。  冒頭で申し上げましたように、世界各国で民族的宗教的対立により地域紛争が頻発をしておりますけれども、これにこたえる国連の役割はますます高まってきております。しかし同時に、これまでの国連平和維持活動には限界があることも明らかになってまいりました。  こうした要請にこたえるため、ガリ国連事務総長は重装備の平和執行部隊の創設や平和維持活動の予防的展開構想などを提案いたしております。さらに、PKO特別委員会におきましては国連待機部隊の創設が提言されているところでございます。もちろんこうした提案の中には、我が国の憲法上の制約からいたしまして直ちに参加できないものもあるわけでございますが、これらの提案に対する総理のお考え方をお聞きいたしたいと存じます。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 冒頭に申し上げましたが、冷戦後の時代を担う大きな役割を国連は持つに至りましたが、実はその役割を遂行するだけのいろいろな意味での経験、組織、財力等々を備えていないということで、国連のこれからの強化と申しますか、それは大切な課題になってまいったと思います。  そこで、ただいまのお尋ねでございますが、ガリ事務総長が「平和への課題」という中でいろいろなことを言われました。これは、今の段階では事務総長の発想を安保理事会が受け取って議論をするというような段階であるわけでございますが、議論がまた行われつつございますが、これからの問題として国連が相当の重大器を持って平和をつくり出す、あるいは執行をするといったようなことにつきましての幾つかの発想があるわけでございます。  その中で多少受け入れられるというか賛同者がございましたのは、ソマリアの事態であったと思われます。これは単なる平和維持活動では処理できないということから、もう片っ方で飢餓の人々がどんどん死んでいくという状況から、国連がいわばかなりの力をもって干渉いたしました後、アメリカが最初にいたしました後、アメリカ軍を含めまして第三国の指揮官のもとに平和をつくり出すということをやっておるわけでございます。これはもう当該国の同意とかなんとかいうこと実は関係のないような、いわば政府のないようなところでの行動をさせざるを得なかったということは、これは一つの私は特殊なケースであったのではないかというふうに考えます。  今後、国連がいわば関係国の同意なしに相当な武力をもって平和をつくり出しそれを維持していくということは国連憲章でも十分に考え尽くしているところではございませんし、また国連自身がそういう固有な国連軍というものを持つということにはもちろん至っていないという問題もございまして、これから活発に安保理事会で私は議論が行われていくことになるであろう。  それには幾つかの前提がございますが、やはり一つは国連というものが、特定の国々の手先になるのではなくて、いわばみんなが考えて、だれが考えてもまあそういう行動はやむを得ないというそういう信頼と中立性を各国からから取ることが大事であろう。ソマリアの問題についてはそういう問題が幸いにしてございませんでしたけれども、やはり国連がそれだけのいわば各国からの信頼を持つということ、それがどうしてもやはり一つ前提になるのではないか。  なおもう一つお尋ねがございました。そのような重大器を持って平和をつくり出すといったような国連の活動に我が国が参画できるかということでございますけれども、私は我が国の場合、海外において武力行使をする結果になるような活動には国連のもとといえども現状では参加することはできない、難しいというふうに考えております。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ちょっと速記をとめてください。    〔速記中止〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 速記を起こしてください。

岩崎純三自由民主党

○岩崎純三君 我が国の憲法の立場を踏まえながら明快な御答弁をいただき、よく理解することができました。ありがとうございました。  防衛庁長官に、三分しかございませんから早口でお尋ねをいたします。  PKOに関する国際協力の問題でございます。  PKOは国連を中心とした国際協力でございますが、その成果を最大にするためには各国の協力関係が必要であることは言うまでもございません。この点で、最近日米間にPKO協力の動きがあることを私は注目をいたしております。  五月の初めに中山防衛庁長官が訪米をいたしました際に、アスピン国防長官は、PKOに参加する自衛隊員の輸送に航続距離の長い米軍の大型輸送機で協力する用意があることを表明いたしております。また、その後には、PKO部隊の撤退基準の検討や要員の共同訓練あるいは地雷除去技術の共同開発などについて、ことしの夏から事務レベルで具体的な協議を始めると伝えられております。  私はこうした動きは、ともに国連重視の立場に立つ日米が冷戦終結後の世界秩序の構築に向けて責任ある共同行動をとろうとするあらわれであろうと思うのでございます。しかし一部には、これによって我が国の専守防衛の原則が崩れるといたしまして危惧を表明する向きもあるようでございますけれども、この問題をどのようにとらえられておられるのか、またどのような協力体制を考えられておられるのかお尋ねをいたし、私の質問を終わります。

中山利生自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中山利生君) ただいま席を外しておりまして申しわけございませんでした。  先生お尋ねのように、五月の三日、アスピン長官とお目にかかりましたときに、我が国のPKO参加に対する高い評価をいただきました。今後もアメリカとしても全面的な協力をしたいというお話がございましたが、今お尋ねのような輸送であるとかそういう具体的なお話は、長官との会談後、事務当局同士の話し合いもあったわけでございますけれども、その中でも具体的なものは出ませんでした。  ただ、我が国の自衛隊は海外に出ますときには非常に厳しい制約の中で出ているわけでありまして、そのためには、先生からお話がありましたように、本体業務あるいはその他につきましても諸外国の協力というものは欠かすことができないというふうに私も思っておりましたし、アメリカが協力をしてくださるというのは大変うれしいことであったわけでありますが、国内的ないろいろな詰め等も必要ではないかということで確答を避けて帰ってきたということでございます。

岩崎純三自由民主党

○岩崎純三君 終わります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で岩崎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、久保田真苗君の質疑を行います。久保田君。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 私も高田さん、中田さん、お二人を失ったことを本当に悲しく思いますし、御家族のお気持ちはどんなだろうと思いますと、二度とこういうことがないように私どもは全力を挙げて頑張らなければならないと思います。  そのことを申し上げまして、まずカンボジアの選挙についての総理の御所見を伺いたいのでございます。  実は私、選挙期間中、六日間にわたりましてカンボジアの選挙監視をしに参りました。五つの州、十六投票所、それからUNTACの四つの選挙本部を訪問して監視、事情聴取をいたしました。  カンボジアの選挙は今度国連が初めて実は選挙管理、選挙実施者で、主体であったわけでございまして、私どものように外からの国際監視は百人以上、議員も相当数いたということでございますが、そういう意味でのモニターは私たちであったのではないかと思っております。  そこで、今回はもう重大事件も事故もなく、高い投票率をもって国民の政治参加が実現できたことは本当にうれしいことだと思います。雨にもかかわらず初日の出足がよくて、女性が目立ちました。カエンジュの赤い花のもとを通って投票に行く女性の姿は、恐らく四十七年前に私どもが初めて婦人参政権を行使するために花吹雪を浴びて投票所へ行った姿なのだなということを強く感じたわけでございます。そんな感慨も持ちまして、カンボジアの女性たちの心の高ぶりというようなものにも共感できたわけでございます。  ところで、今度の選挙が自由、公正な選挙であったかどうかということを考えるのが私どもの役目なんでございますけれども、五月十五日の国連事務総長のリポートに書かれておりますところによりますと、明石UNTAC代表が自由、公正な選挙を判断する三つの材料を挙げていらっしゃいます。その一つは選挙運動や投票がどれだけ暴力とかおどかしによって妨害されたかどうか、二つ目が行政機構を持つ政権党がどれだけ行政を自分の党のために使ったかあるいは他党のメディア利用を妨害したか、そして三つ目が投票の技術的な実施状況でございます。  こんなふうなところをあわせまして、総理とされましては今回のカンボジアの総選挙をどのように評価されていらっしゃいますか、御所見を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私としましては、選挙に大変たくさんの人が投票された、またテレビなどで見ますとどちらかといえば明るい雰囲気であったというようなことは見ておりましたけれども、この選挙が公正で自由に行われたかどうかという自分の判断は実は差し控えておりました。  と申しますのは、まず第一義的には、UNTACが選挙をいたしましたので、その責任者である明石さんがそういう判断を下されるかどうかということを待っておりましたが、週末にそういう判断を下されました。また、久保田議員のように各国からもたくさんの方が自由な立場でこの選挙をモニターしておられましたので、そういう方々がどういう判断を下されるかも大事なことで、まだ断片的でございますけれども、報道によりますと、その多くの人はまず自由でフェアであったと言っておられるように承知をいたします。  と申しますのは、今お挙げになりました三つの条件がほぼ充足されておるということであったのであろう。私自身そういう直接関係の方々の判断に頼るしか方法がございませんので、そういう方々の判断をもって、まず今としましてはほぼ自由かつフェアに行われたという評価をしてもいいのではないかと、こう考えております。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 私が観察いたしましたのは選挙管理の面が多かったのでございますが、このうち例えば秘密投票の確保とか本人の確認、二重投票防止、登録票の偽造防止といったようなそういう点では、全くUNTACは最大限の努力を払ったと思っております。そして、物によりましては日本の基準を上回るものさえあったかと思っております。  しかし、二番目のポル・ポト派の選挙ボイコット、妨害につきましては、やはり一部に空白ができたということとか、それから日本人を初めとするUNTAC要員に犠牲者が出たこと、またベトナム系を含む住民に犠牲者が出たということ、こうしたことは残念でございまして、やはりこういったことは後でそれぞれきちんと記録、評価さるべきものだというふうに思っております。  しかし、総理も言われますように、それにもかかわらず国民が投票に詰めかけたということはUNTACへの何よりの報いであったと思います。そして、私自身の感想では、同様に大変すばらしかったのは、六万人という地元の選挙監視員、これは作業員といった方がよろしいと思いますが、投票の公正を期する作業に六万人が参加して作業を通じて選挙とはどういうものであるかということを経験したということ、これは今後の民主政治というものの一つの防波堤でありますし、武力の延長ではなく武力にかわる投票用紙が物を言うんだということは大変今後の財産であるというふうに思うわけです。  また次に、政権党の問題につきましては、これはUNTACの恐らく限界を超えるものもあったかと思っております。そして、政権党へ外国の団体から大金が流れたという、これはうわさということにしておきますけれども、とすれば私が疑問に思いますのは、パリ協定を外側から破ってくるそうした外国の団体があったということになるのではないか。これも今後の調査をする対象としては考えられるものだと思います。  しかし、翻りまして、私、日本の政治の状況を思いましたときに、私どもに果たして他国の選挙の自由、公正を論ずる資格があるのかどうかということも思わざるを得なかったわけでございます。  例えば、金の延べ棒の話はカンボジアでも聞きましたが、それは日本では紛れもない実話でございますし、金権腐敗政治から国民が離れていっているということ、あるいは莫大なお金がかかるために意欲のある有権者も立候補の自由はないも同然であるということ、そして最大の不公正は一票の価値の格差が三倍になってそれで平気でいるというありさま。また、政治改革といえば、まことに恐縮でございますけれども、多数を頼んで永久政権を目指す、その小選挙区制に固執する方がいらっしゃる。火事でいえば、火元がこの際徹底的に焼け太りしたいというふうな疑いを持たざるを得ないわけでございます。  この際、私ども、カンボジアに総理が祝福をお述べになりましたけれども、総理のリーダーシップのもとでこうした党内のわがままというものを抑えて、今国会中にぜひ政治改革を実現する決意をお持ちと思いますので、御存念を承りたいと存じます。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この国会中に抜本的な政治改革を実現いたしたいと考えております。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 一つ私、気がかりなことがございます。これは事務的なことかと思いますけれども、今回使われたカンボジアでの選挙用の器材、カナダのメタルの投票箱、中国の透視ランタン、これは偽造を発見する魔法の小箱なんですけれども、そしてコンピューター、こういったものがたくさんあるのでございますけれども、これはカンボジアに上げてこられるものなんでしょうか、それともUNTAC、国連が引き揚げてしまうものなんでしょうか。  この最小限のインフラといいますか必要なものがないと、せっかくの選挙制度というものがカンボジアに定着が事実上できないようなことになるのではないかと思っております。ぜひともこういうものをカンボジアが続けて持てるようにしていただきたいと思うのでございますが、外務大臣、いかがでございましょうか。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) ただいま御指摘のように、将来の選挙、民主化ということのためのインフラを整備することは非常に大事だと思います。ただ、UNTACといたしまして現在持っていっているものをそのまま置いてくるかどうか、あるいはまた別なところで使うというような計画があるかもしれませんが、その辺のところはまだUNTACの考えは聞いておりません。  他方、我が国として持っていっているものがいろいろございますが、物によりましてはあるいはこれを置いてくるという可能性も現在検討しております。まだ結論は出ておりませんけれども、そういう状況でございます。  いずれにいたしましても、御提言の点は非常に重要な点だと思いますので、今後ともUNTAC側ともいろいろ情報交換、意見交換をしていきたいと存じております。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 選挙用のものにつきましては、外務大臣それから総理にもぜひそのようにお心配りをいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) そのように努力をさせていただきます。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 次に、カンボジアとUNTACの今後についての問題でございます。  選挙の結果、平和裏に制憲議会ができ、これが立法議会になり、そして新政権ができるということを希望するものでございますけれども、その時点で、議会と新政府ができたところでUNTACの任務は終了するというふうに考えられるわけでございます。また、パリ協定で決めたところの暫定期間もここで終了するということだと思います。  そこで、UNTACは暫定統治機構という非常に大きい野心的なPKOでございまして、そういった名前がついているわけでございますからUNTACのその後の存在理由というものは実はなくなるので、新政権ができ次第撤収するということは当然だと思いますし、またそれが期待されるところだと思いますが、総理は、こうした時期にUNTACが撤収する、そして暫定統治はやまる、終わるというふうにお考えでしょうか。  それからまた、当然日本の自衛隊等も速やかに撤退するのが筋であるというふうに考えますが、いかがでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私は技術的なことはわかりませんので、入り用ならば政府委員が申し上げますけれども、UNTACそのものがこれは暫定というふうになっておるわけで、いやしくも国民が自分の国をつくるときに本来は自分たちでつくるべきものでございますから、それができないということで、戦乱を終わらせて、ここまでのところをいわばUNTACがそういう暫定的な立場で行政をやってきておりますので、選挙が済みまして制憲議会ができまして新しい政府ができますれば、基本的にそれはその人たちが自分の国づくりをすべきものである、その原則は私は間違っていないと思います。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 でございますから、当然その時点でパリ協定の暫定期間は終わり、カンボジアの主権がそのまま生きるということだと思います。  したがいまして、自衛隊もその時点で遅滞なく撤収すべきだと考えますが、いかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それが基本の原則であると思います。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 私、これは一つのリトマス試験紙でもあると思うのでございます。  例えば、いろいろな国から行っておりますけれども、我が国の場合も施設部隊が行って基地をつくり、そこに駐留するという形になっております。したがいまして、他国の領土の中につくった基地にいつまでもいるという、そういう未練は片りんも見せずに潔く撤退するのがアジア諸国の疑念をかき立てないそういう方法であると思いますので、私はぜひこれはおくれをとることなく実行していただきたい、こう思っております。  防衛庁長官はこの辺のことはどういうふうにお考えですか。

中山利生自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中山利生君) 私も久保田先生と全く同じ気持ちでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 そういたしますと、先ほど日にちの件が出ておりましたけれど、めどとしてはいつというふうにお考えでございますか。

中山利生自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中山利生君) 現在の自衛隊の派遣の任期が九月の十五日、また十月いっぱいには全員日本へ帰ってくるという計画でございます。それが多少変更になるかどうかはまだわかりませんけれども、任務が終了次第できるだけ早く撤収を行いたいと思っております。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 次に、文民警察等、要員の問題について伺いたいと思うんです。  これは私、行った先でよその国の人の事情も聞く機会がございましたけれど、やはり最も困難な仕事は文民警察だというそういう評がございました。  文民警察の仕事は、当初決められていた現地警官への助言、指導から大きく外れたのではないかという質問がこの国会でも何度がございました。それについては、例えばVIPや政党事務所の警備、国境監視もやっているのではないかというそういう質問がございまして、たしかこれはお調べ中だと思いますが、その後、調べた結果はわかりましたでしょうか。どういうことをやっていたのでしょうか。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) ただいま御指摘の問題のうちVIPの警護でございますとかあるいは政党事務所の警護という問題につきましては、先日、私が参りましたときにこの問題を取り上げまして、明石特別代表、それから文民警察の責任者でありますルース警察部長との間でお話をしてまいりました。  これに対しまして、VIPあるいは政党事務所の警護の問題は、これはUNTAC側としても本来現地警察が行うべきものである、文民警察官はこれを監視、指導、助言するという考え方だということでございましたので、それならば私どもの日本の法律の体制とも一致するということで、ただ事実上それを外れていることもあるというふうに聞いておりましたので、それはぜひそういうUNTACの本来の考え方で徹底してもらいたいということを申し入れてまいった次第でございます。  それから、いわゆる国境監視の問題につきましては、これは最近まで私どもも詳細承知しておりませんでしたので、最近いろいろと調査をしてまいりました。  現在判明しているところを御報告申し上げますと、このようなことがあったのは恐らくタイとの国境付近であったろうと思います。と申しますのは、我が国の文民警察の要員は国境地帯にはそれ以外のところでは配置されておりません。そして、具体的にはアンビル、フォンクーという場所でのことだろうと思いましたので、そこから負傷しあるいは負傷者の後送のために伴って出てまいりました我が国の文民警察官の話をいろいろ聞いてみたわけでございます。  それによりますと、フォンクーには現地の支配勢力でございますラナリット派の警察が設けた国境監視所が存在いたしまして、そこで現地警察官が国境のコントロールを行っていた。これに対してUNTACの停戦監視員、それから歩兵部隊もこの国境監視を行っていた。これに加えて、我が国を含みますUNTACの文民警察要員が現地警察の指導、助言、監視の一環としてついていたという実態があったそうでございます。  以上が最近の調査で判明した点でございます。  したがいまして、文民警察官がいわゆる国境の停戦監視のようなことをやっていたというものではないということははっきりいたしました。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 つまり、国境の監視所という業務がございますね。これは本部からずっと以前いただいた資料なんですけれども、自衛官の手当、国際平和協力手当というものを書いてあるのでございます。そして、停戦監視を五区分に分けまして、その一が国境の監視所となっておりまして、支給は最高額の二万円となっております。日額でございます。そのあとは順次恐らく危険度が低くなるにつれて逓減しているのだと思います。  ところが、文民警察には停戦監視と同区分で五段階に分けて支給されるとあるわけでございまして、国境の監視所詰めの仕事、これが二万円という最高額に決まっておりますね、これは政府の手当の支給額なんでございますけれども。してみますと、文民警察が危険度が高い国境の監視所詰めに行くことがあり得るということは本部としては前から予想しておられたんじゃないか、私はそのような疑いを持ったのでございますけれども、その辺はどういうふうに御説明なさいますでしょうか。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) ただいま久保田先生御指摘のとおり、アンビルとフォンクー、すなわちタイ国境に近いところに勤務しておりました文民警察官につきましてはこの最高額の国際平和協力手当を支給してまいりました。そして、この手当につきましては国際平和協力隊の設置等に関する政令というところで定めたわけでございまして、ただいまちょっとお触れになりましたけれども、この区分が二万円から始まって四千円刻みで決めてございますが、一番低いところは四千円まででございますけれども、この中でこの二万円のところの規定でございますが……

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 金額はもういいですよ。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) はい。「カンボディア内の地域であって、その国境に近接し、著しく勤務環境の劣悪な地域として本部長が指定するものにおいて、法第三条第三号イ、ロ、ハ、又はチに掲げる業務に係る国際平和協力業務を行う場合」というふうに規定されているわけでございます。  したがいまして、この業務の中にはイ、ロ、ハのように停戦監視のようなものも入っておりますが、チという業務、これは文民警察の業務でございまして、そういう意味で当初から文民警察の業務を国境に近いところで行うということは確かに予想しておりました。ただ、これは停戦監視そのものではないわけでございます。三条三号チというところに文民警察の業務が書いてあるわけでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 でも、これは国境監視所でございますよ。国境監視所詰めになるということじゃないんですか。停戦監視は軍人しかできないんですから、それはできません。でも、同じ場所に詰めている、そのような場所に詰めている、そういう危険地帯にいるということは本部は初めから御承知だったんじゃないでしょうか。そして、現にその場所で事故が起こっているわけでございますよ。  今になって論議がなかったからとかなんとかと言われますけれども、これは初めからそうだったんじゃないでしょうか。こうした条件をのむ形で文民警察を派遣されたのではないんでしょうか。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) ただいま御説明申し上げましたように、国境に近接したところで、また著しく勤務環境が悪い、そういう地域で、この文民警察官について言いますればこの法律の第三条三号チというところで規定をしておりますような業務を行うということを当初から予想しておりました。  ただ、これは必ずしもいわゆる国境監視所というところに限らないわけでございまして、国境に近いところでそのような業務を行うということを考えておりました。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 限らなくたって、ここにも詰めるわけでしょう。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) それで、たまたま現実には国境監視所においても現地警察官がおりましてそれに対する監視等を行っていたということがあったわけでございますが、こういうことも含めまして、この国境地域、国境に近い地域、国境監視所そのものを排除するわけではございませんけれども、そういう地域でこういう業務を行うということは考えていたわけでございます。それで、現にそのようなことがあったと。  ただ、これはあくまでも停戦監視を行うということではございませんで、文民警察官の業務を行っていた、こういうことでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 この問題はまた後で詰めさせていただきます。  この文民警察の場合、例えば個人で国際チームに入るとかという格好なんです。それは私は中立性の上から望ましいことはよくわかるんですけれども、場合によりまして同国人のチームの編成ということを要求してもよろしいんじゃないんでしょうか。なぜかといいますと、これは母国語で働ける人と母国語で働けない人とあるんです。そして、しかも期間が長いんですね。これはもう本当に御苦労なことで、もう半年以上たっていますよ。自衛隊はかわったけれども、文民警察は交代していないんです。  そしてまた、危機管理という意味からいいましても、それはインターナショナルチームの中でコミュニケーションがよくできないというような状況はまことに好ましくないということを私どもももう実感として感じるのでございますけれども、この点については、これは総理、どうお思いでしょうか。官房長官ですか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 今回のカンボジアPKO活動に対する我が国の応援というものは、先生御承知のとおり、日本がPKO活動に対して本格的には初めて参加をするということでございます。したがいまして、かなり現実を想定して相当勉強はいたしましたけれども、実際現地でどういう作業が行われるかということはわからない部分もあったことは正直事実でございます。  ただ、先生先ほど来から御指摘がございます文民警察の配置につきましては、これは我々が派遣する前から何州のどこに配置されるかということがわかっていたわけではないのでございまして、現地でルース警察部長を中心に各国の文民警察がそれぞれ配置場所について検討されて配置をされたということと承知をいたしております。あるいは先生は現地でお会いいただいたかもわかりませんが、日本から山崎さんという文民警察のいわば責任者が現地に行っておりまして、山崎さんのいろいろな主張、アドバイスその他をルース部長にもいたしまして、そうしたことも聞いて向こうでの配置が一部配置がえになった部分もございますし、どこにどう配置するかということを考えたというふうに聞いておるわけでございます。  お尋ねの、個人参加だけれどもチーム参加といいますかチームを日本からむしろつくって参加をしてはどうか、そういう御趣旨だと伺いましたが、それでよろしゅうございますでしょうか、お尋ねは。もしそうであるとすれば、これはもう実は先生現地でよく御確認をいただいておりますように、文民警察の業務の特殊性等を考えれば、これは中立性とか公平性とかそういったものから個人参加が望ましいということがかねてから言われておって、我が国にもそういう要請があったわけでございます。  今回の作業でも各州、各地域で日本の文民警察は何人かがグループでこの業務に参加していた部分があることは先生も御確認をいただいたと思いますが、さらにそうしたものがより効果的に行われる方法があるとすれば、それは今後の国連の作業の中で我々もよく今回の貴重な体験を踏まえて検討をしていかなければならないというふうには思っておりますが、今回については今申し上げたような経過でございました。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 久保田君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時再開することとして、暫時休憩いたします。    午後零時一分休憩      ――――◇―――――    午後一時開会

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成五年度一般会計補正予算、平成五年度特別会計補正予算、平成五年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、PKOに関する集中審議を行います。久保田真苗君。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 午前中、文民警察の国境監視所のことを質問しました。  私、よく考えてみますと、これは文民警察の任務にもともと入っていたんだと思います。そして停戦監視員も大変だと思いますのですけれども、こうした危険な場所での任務というものは、その場所が危険でない、つまり停戦合意が崩れていないという状況のもとにおいてはこういう方たちの仕事が成り立つわけですが、崩れてきたという状況のもとでは応急の措置が必要なんだと私は思うわけでございます。この点、どう思いますか。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) 先ほど来御指摘の北西部の地域に勤務しておりました文民警察のことでございますが、当初はあの地域は非常に静かでございまして、昨年の暮れごろまでは現地のポル・ポト派の兵士とともにパトロールもやっていたということがございました。で、三月ごろまでは静かでございましたが、四月に入りまして非常に情勢が急変いたしました。私ども政府としては、停戦の合意が崩れているという考えはとっておりませんけれども、ただ安全の問題につきましては、あの地域が問題の地域になってきたということでUNTAC側ともいろいろ協議をしまして、できれば配置転換をしてほしいという話をしておったわけでございますが、残念ながらそうなる以前にあのような事件が起きてしまったわけでございます。  その後も、できるだけ早くあの地域から安全の対策ということで移動するということをUNTAC側にも申し入れ、また現にそのように負傷者を連れてあそこから引き揚げるということをしたわけでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 文民警察の早期引き揚げというのはいつ実現しますか。実現の可能性が非常にあるんですか。もしそういうことがはっきりしていないのであれば、交代で帰国休暇をとらせるという方法はないんでしょうか。大分長くなりますし、衝撃も受けていられるわけです。  私、帰りに、二十七日の昼にプノンペン空港でアイルランドの兵士と文民警察、少数ですけれども、そういう方たちが三週間の帰国休暇で今から行くというところに出会いました。ほかの国にできて日本にできないということはないと思うので、早く帰ってきていただいて、私たちもお話をよく伺いたいと思います。  私、同国人のチームも場合によって考えるべきじゃないかということは申し入れていただきたいと思うんです。  それから、停戦合意が崩れてきた場合の応急措置というのは強くUNTACに今後の戒めとしても申し入れていただきたいと思います。  また、選挙監視員の方たちの生活も見ました。しかし、なかなか大変です。投票所の土間に敷物を敷いて寝ると。一人でそこへ泊るわけですね。女性もです。そして文民警察も同じような状況です。詳しくは言えませんけれども。こういう中でやっている仕事ですから、長期にわたる場合には帰国休暇という方法を考えて早くしてほしいと思うんです。  それで、たまたま僻地の投票所でアメリカの退職した元外交官だという方がボランティアで一つの投票所の監督をやっておられたんですが、その方にだれか来ましたかと聞いたら、大使館の者以外はだれも来なかった。大使館はそのときに配備されたときに見回りに来たと。  日本の大使館あるいはこちらから本部が行ってもよろしいわけですけれども、そのように文民警察や選挙監視員、それから停戦監視員、こういった目立たないところにいる人たちの配備状況、任務の内容、生活状況、こういったものをくまなく見て回るということをされたんでしょうか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 委員御指摘のように、文民警察の任務は極めて厳しい環境の中で行われている地域が多いというふうに承知をいたしております。  いろいろお尋ねでございますが、文民警察の人たちがいつごろ帰るかというお尋ねがまず最初にございました。  このお尋ねは、私どもも、選挙が投票が済み開票が終わった段階で、UNTACに対して文民警察の帰国について正式に聞きたいというふうに実は思っておるわけでございます。何と申しましても大きな仕事でございます選挙の投票あるいは開票という仕事の中で、我々がUNTACに対して、いつごろ帰れますか、いつごろ帰してくれますかというようなことを表立って聞くということには多少問題があるのではないかというふうにも考えておりますので、そんな気持ちを持っております。  ただし、UNTACはUNTACで、スケジュールがどんどんと進んでいけば、仕事が終わる地域あるいは仕事が終わった人たちについてはできるだけ帰したいという気持ちもあるようでございまして、UNTACの内部ではさまざまな帰国についての計画が練られているというふうにも聞いております。しかし、正式にそうしたことが決定をしたというふうにはまだ聞いておらないところでございます。  文民警察あるいは選挙監視要員の方々の配置されている場所に大使館であるとかあるいは私どもの国際平和協力本部の者が行って激励をする、あるいは様子を、現場の状況をよく聞いてくる。あるいは問題があれば、足らざるところがあれば聞いて、それを補強する、補給するという仕事は大事な仕事でございまして、私どももでき得る限りそれをしなければならぬと思っておりました。  文民警察につきましては、カンボジア全土に散っておるという関係から、なかなかしばしば行くというわけにはいかないわけでございますが、行くについては陸路はなかなか行けない。治安状況が悪くなるとヘリコプターで行く以外に方法がないというようなところもございまして、いろいろとヘリの状況、その他お願いをして、でき得る限り全地域回らなければならないということで、手順、手はずをつくっていたしました。おおむねこの期間中に回ったつもりでございます。ごく一部どうしても行けないところがあったかと思いますが、おおむね現地を確認いたしております。  さらに、私どもは、インマルサットという無線電話の機械をできるだけ多くの方々にお持ちをいただいておりますので、日常でき得る限り無線電話によります現地の状況の把握に努めているところでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 後の祭りになってから行っても仕方がございません。配備されたところへ現地の大使館の館員が行くということぐらいはできるんじゃないんでしょうか、配備されたらすぐに。そのことを申し上げておきたいと思いますし、三週間程度の帰国休暇というのはとらせてよろしいんじゃないんですか。それはできるんですか、できないんですか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 帰国休暇の件でございますが、確かに御指摘のように、文民警察の方々は九カ月にわたる長い勤務でございます。施設大隊の方々が六カ月で交代をするということを考えますと相当長期にわたっておりまして、休暇をとって休むということはこれまた非常に重要なことだと思います。当初、もちろん休暇をとっていただいておりまして、休暇でバンコクヘ出るというようなこともあったわけでございますが、帰国ということは今までございませんでした。  今、委員御提案の帰国休暇でございますが、私どもといたしましては、文民警察全体の帰国と言いますか……

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 交代でと申し上げたんです。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) いえいえ、そうじゃなくて、全体がもうそろそろ帰国をする時期になってきておるということがございますので、これから全員の撤収までの間に、交代にせよ帰国休暇をとるということは現在考えておりません。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 今後の問題として、他の要員についてもぜひそういう要領のいい措置をお願いしたいと思うんです。  自治大臣に伺いたいと思うんです。  盛んに「あと何人死んだら」発言があったかなかったかで大臣は聞かなかったと繰り返していらっしゃる。それはよろしいんですが、警察官がそんなことを言うはずはないという御発言があったそうでございますけれども、それは本当なんでしょうか。  私、やっぱりこれだけ苦労している方、私どもも話を聞きたいと思っている。おっしゃることはどんな内容であれ率直に伺うべきだと思うんです、謙虚に。だって、体を張っているのは文民警察官であって私たちじゃないんですから、それはもう耳を傾けて、そして安全な道を考えていくのが閣僚のお仕事だと思うんです。権力を持っている方がそんなことを言うはずはないなどとおっしゃいますと、これは牽制以上のものにとられかねないんです。自治大臣、何か御答弁ありますか。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(村田敬次郎君) 久保田委員は、最も最近カンボジアの投票所その他何カ所も見ていただいて、先ほど来、久保田委員の意見は本当に感謝をしながら承ったところでございます。また、文民警察官のことにつきましても非常にきめの細かいいろいろな御指摘をいただいて、これも感謝にたえません。  私は、カンボジアヘ参りまして明石康UNTAC特別代表と一時間半会談をいたしました。それから、文民警察官のお見舞いや、それから文民警察官山崎隊長以下十三人の方とも時間をかけて懇談をいたしました。また、文民警察官、ボランティアの方々といろいろ別の席で意見も交換しましたし、現地も見てまいりました。  そして今、久保田委員のおっしゃった言葉でございますが、私は聞いておりません。それでございますので、私はしかし、山崎隊長とは毎日会っておりましたし、こちらに帰ってくるときも、本当にしっかり頼む、文民警察官を守ってくれよということを、今川大使とともに一対一でお話をして帰ってまいりました。  帰って後は、総理が全体にわたって非常にきめの細かい対応をし、そして明石代表のところにも私に入れかわって、私は十二日に帰ったのでございますが、十三日には柳井局長初め警察庁からも田中総務審議官が行っております。そして、山崎隊長はルース准将、これは文民警察官の全体の司令官でありますが、それと一緒にヘリコプターで現地を視察しております。そして、文民警察官の一身上の安全については、ルース隊長、そして山崎隊長、これはルースさんの下におるわけでございますが、心を砕いて連日努力をしてきたところだと思っております。  御質問の趣旨はよくわかりますので、そのお気持ちは心から感謝を申し上げますが、その言葉は私は聞いておりません。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 警察官がそんなことを言うはずはないというのはおっしゃったんでございますか。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(村田敬次郎君) これはそれぞれ発言した場所が違うんです。  私は聞いておりませんということをもう少し、もう一回申し上げますが、山崎隊長以下十三人と時間をかけて懇談をいたしました。その席にはマスコミの方は一人もおられない。したがって、文民警察官の皆さんはおやじに話すような気持ちで話したという感想を後で言ったそうです。私が帰国してから、御質問がありまして、私はそのときの新聞を見たのでございますが、名誉ある日本の警察官がそんなこと言うはずはないわなというようなことをあるいはひとり言で言ったのかもしれませんが、私自身は記憶がありません。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 外務省、外務大臣、元外交官が選挙監視の監督者になっているというのは最適の人材だと私思ったんです。外務省のOBの方に、選挙監視員が足りないときですからそういうものにできるだけ志願するようにお勧めになる気持ちはありませんか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 今度の選挙監視要員にこの間四十一名参加をされたわけでございますが、その中に私どもの現職の外交官が二名、実は参加をさせていただいております。  OBについてはこれから検討させていただきます。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 アンゴラについて伺います。  アンゴラヘの自衛隊派遣要請が国連からあったということでございますが、その内容を教えてください。  それから、アンゴラは選挙の後再び内戦が起こったそうですが、停戦合意は一体どうなっているのか、これについても教えてください。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○政府委員(澁谷治彦君) アンゴラにつきましては、ニューヨークで国連事務局といろいろな意見交換をやっておりますけれども、国連の方からそういった要請は来ておりません。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 国連との協定の問題ですけれども、カンボジアヘの派遣について日本と国連は口上書でやりました。国連の方が忙しくてとってもやっていられないということですが、モデル協定があるというのなら、モデル協定で割に簡単にできるはずだと思うわけです。  また、モザンビークは国連との間の受入国としての協定を結んでいないということでございますけれども、その協定もないのに自衛隊を日本は派遣しているわけでございます。  そういう国連の側の、失礼ながらかなりずさんな形で外国からの軍隊をどんどんと送り出すということについて、私は非常に国連の態度としては間違っているんじゃないかと思うわけです。そういうものには乗らない方がよろしいと思うわけでございます。この点いかがでございましょうか、外務大臣。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○政府委員(澁谷治彦君) モザンビークにつきましては、国連との間で目下地位協定について交渉が行われております。恐らく間もなく締結されるんではないかと思います。  それからPKO要員の受け入れにつきましては、モザンビーク政府はこれを受け入れております。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 私、PKOがたくさん次から次へと出される中で、こういう最低の同意のしるし、合意のしるし、こういったものが明示されない形で事が進むということは、特に武力行使を含む可能性のある軍隊を出していく場合には非常に問題だと思いますので、今後こういうことに乗らないでほしいということを申し上げたいと思います。  次に、安保理のPKO六原則の採択について総理にお伺いいたしたいと思います。  五月二十八日に安保理が、変化しつつある平和維持活動の実施六原則をうたったガリ事務総長報告「平和への課題」、これに関する安保理の議長、これはロシア大使だそうですが、その声明を採択したということなんです。議長の声明ではありますけれども、その内容を見ると非常に日本の立場と違っているというふうに思うわけです。  それは昨年六月の「平和への課題」の中でガリ事務総長は重武装の緊急展開可能な平和執行部隊というものを提案しましたが、これについては賛否があったというふうに聞いております。しかし、今回の議長声明は、実際にPKOつまり平和維持活動の要員が任務を遂行するために必要なすべての措置をとる権限を承認するという一項が含まれているというふうに聞きます。つまり、武力行使を明記するということで今までの国連としての従来型のPKOの原則から大きく一歩踏み出した形でございます。  またこれは議長声明の段階だとはいえ、このような方向に動きつつある平和維持活動、つまり平和執行部隊を新たにつくるまでもない、そんなものは待っている必要はないんだ、今の平和維持活動をもうそれに近いものに持っていってしまおう、こういうことなんでございます。そういたしますと、日本としては、これは総理も先ほどから言われるように、なかなか難しいというふうに考えられます。  一つお伺いしたいのは、こういうことが国連憲章に規定のない平和維持活動の範囲でどんどんと七章型に転化していくという、そういうそのやり方でございます。もし軍事行動をいよいよとるというときには、手続は御存じのように国連憲章ではっきりと決まっておりまして、これ以外の形のものがどんどんと次から次へとつくられていくという状態はまことに国連にふさわしくない姿だろうと思うわけでございます。したがいまして、私は、どうしてもこのようなことが行われるのならば、国連総会の三分の二の賛成をとって憲章のマターにすべきだというふうに思うのでございます。  こうした不安定な状況で武力行使に入っていくということについて、総理はどう思われますでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどもちょっと申し上げかけたことでございましたが、岩崎委員のお尋ねでございましたか、これはいろいろ難しい問題だと思っております。  私自身は、無論日本の立場から申せばなかなかそういうことには我が国としては参画はできないなということなんでございますけれども、この間ソマリアでああいうことがあって、最初はアメリカがやりました。これは国連でないということでやりました。それで、ともかく何百万人という人の飢餓を防いだということであったと思いますけれども、アメリカもそういつまでもこれはかかわっておれません。引くということになってほうっておけば、また飢餓者がたくさん出るということでございますから結局国連が引き取って、そして、かといってアメリカの将軍のもとにやるわけにいきませんから、トルコでございましたでしょうか、第三国の軍人さんを指揮官にして、そして国連の行動に切りかえざるを得なかったということであろうと思います。  政府がいわばないような状況ではたばた人が死んでいくということを見殺しにもできずに国連がテークオーバーしたということであったように思いますが、あの場合それならどうしたらよかったのかということは、問題としては確かに新しい問題であったというふうに思います。アメリカが帰ってしまったら後は知りませんというわけにいかないじゃないかというのは、恐らく関係者の多くがそう思われたんだろうと思うんで、それはそういう一つのケースにぶつかってしまったとでも申し上げるべきなんでしょうか。  ただ、そこから、ですから今後国連の平和維持活動というものがいわば第七章的なものにどんどん変わっていって、そして重大器を持ってあえて戦闘を辞さずに、その場合、当事者の合意というようなこともしたがって余り確かなことでなくなりますが、そういう方に国連が行くにしてはまだまだ私は国連というものがみんなの国連というだけの十分な信任を得ているとは申しがたいだろう。つまり、英米、米ソが国連、殊に安保理事会について自分たちの都合の悪いときは大体ビートーをしてしまうという、これは全く国連が国連でないような時代でございましたが、今度は急にすべてのことが国連の肩にかかってくるというような思いを恐らくブトロス・ガリさんがしているんだと思うんですね。  そうしますと、何かしなきゃならない、ソマリアのような事態はということで、それが「平和へのアジェンダ」というようなものになってきたんだと思いますが、そうかといって、たまたまソマリアのケースがありましたから、それでそれを例にして平和執行部隊といったようなものをいろいろな場合にこれからつくっていくということになりますと、私は問題が多いと思います。  それで、今やっておりますことは、安保理事会は、ともかくガリ氏の提案を一遍読んで、そしてさらに報告を書けと、こういうことになっておるようでございますから、安保理事会としてああいうことをするという決定をしたわけではないように承知いたしますが、十分に議論をしてもらわないといけないことである。おっしゃるように、あるいは七章の問題として正面から取り上げる方がいいということであるかもしれません。我が国はどっちみちそういう実行行為には参画できないと思いますけれども、なお議論をしていきますときに、ただいまのお話も十分に参考にさせていただきたいと思います。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 これは総理が繰り返し言っておられることですけれども、いずれにしても、海外で武力行使を行うというそうした活動は日本は憲法の上からも法律の上からも一切できないというふうに私は受けとめますが、それでよろしゅうございますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私自身もそういうことは避けなければならないと思っております。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 これで、櫻井規順議員に関連質疑をお許しください。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。櫻井規順君。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 私もカンボジアの国連UNTACのもとで犠牲になった中田さん、高田さんの霊をお像やみしながら、その死をかみしめながら、政治家としてカンボジア問題で少々提言、質問をさせていただくものであります。  一人の青年がカンボジアに平和と民主主義をもたらすために、国連のもとで全く志願をして命を賭したということははかり知れない重みを感ずるものであります。政治家としてこの死をどう受けとめるかということはお互いの責任だというふうに思うわけであります。  カンボジアが内戦を終結させ民族の統一をなし遂げる、その仕事の上において私ども社会党は、非軍事、民生、文民という言葉を使いながらさきの国会で独自の法案を提案してきたわけであります。今度のカンボジアの総選挙の過程を見まして、改めてカンボジアが何を求めていたか、それはやはり軍服と兵器の姿ではなくて、選挙をとらえてみましても、建設の仕事をとらえてみましても、あるいはもろもろ治安のことを考えてみましても、市民の姿をした専門家ではなかったかということが教えられているというふうに思うわけであります。  私は二人の死に遭遇しまして、これは真剣に平和のために武装解除あるいは総選挙への各派の参加を求めることに成功していたならばこういう事態を迎えなかったわけですから、だれがどうとは言いませんが、この死の責任は政治に大きくあるということを痛感するものであります。  いたずらにというとなんですが、文民警察の不安がさきの国会で一部の野党の発言があったがためにカンボジアの文民警察官あるいはボランティアに被害をもたらしたかのようなとらえ方は、余りにも政争の具にし過ぎるのではないかということを痛感するわけであります。  以下、質問に入りますが、まず選挙の問題でございます。  選挙は今開票中でございまして、何とも予断を許さないわけでありますが、内政干渉にわたる発言は一切慎むべきでありますが、選挙の結果を見ますと非常に高投票率であった。問題は、選挙登録名簿はカンボジアの有権者十八歳以上の人で何%組織されていたのか。さっき九〇%ということですけれども、カンボジアの人口の統計、それから登録の仕方においてボイコットする人あり行き届かなかった面があり、どのくらいの確率で選挙登録名簿というのはとらえたらよろしいものでしょうか、まずそこのところをちょっとお伺いしたいと思います。

池田維外務省アジア局長

○政府委員(池田維君) カンボジアの総人口については八百万程度ということでございますが、そのうち有権者の数がどの程度になるかということについては必ずしも固まった統計があるわけではございません。ただ、今回パリ協定に基づきまして選挙を行う責任を持っておりましたUNTACが有権者登録を行いまして、そしてその結果約四百七十万人の有権者登録ができました。この四百七十万人という数字が、UNTACによりますと、恐らく全有権者のうちの九〇%から九二%ぐらいに当たるのではないかということでございました。  これは、ポル・ポト派の支配地域に入っていって登録ができませんでしたので、それ以外の地域等から想像してそう言っているわけでございます。恐らくポル・ポト派の支配しておりました地域は面積にいたしますと多分一〇%以上かと思いますけれども、総人口におきましては非常にへんぴな農村あるいは山岳地帯でございますから七、八%ということで、そういった意味ではポル・ポト派の支配地域以外のところはほとんどすべて有権者登録が終わったのではないかというように考えております。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 今度のこの総選挙が自由にして公正な選挙として行われたという評価でございますが、アジアの国において、日本はともかく、先進国はともかくとして、比較的民主主義がおくれた国において普通選挙を実施するということは確かに至難なことであろうというふうに思うわけであります。  しかし、その中で中田さん、高田さんを含めまして、UNTACに対する敵対行為で十七人のUNTAC要員が亡くなっている。それからカンボジアの内部の内戦でまた、これは必ずしもポル・ポト派だけではなくて人民党からフンシンペックに対する攻撃とか、明らかになったものでも五十人余りの死者を出しての選挙になっているというわけでありますが、民主主義のおくれたアジアの一つの国の普通選挙として私は一つの大きな実験だと確かに思います。しかし、この多大な犠牲を払って行った選挙を自由にして公正に行われたと一面的に評価してよろしいかどうか、関係大臣に御答弁を求めたいと思います。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 確かにそのような犠牲者が出ましたので、選挙運動の期間においてはいろいろ私は残念なことがあったと思います。しかしながら、投票が開始をされましてからは特に大きなそのような動きはなかったと承知をいたしておりまして、少なくとも投票が始まりましてからは自由にして公正な選挙が行われたというふうに判断をいたしておるわけでございます。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 次に、選挙の結果でいろいろと分析はあったわけでありますが、ラナリットが率いるフンシンペック党がいわば民族の和解ということを主張された大きなスローガンがあったと思います。そして人民党の方はややポル・ポトとの対決ということが前面に出た選挙であったかと思います。その二つの勢力が相半ばして選挙の結果は伸びているようであります。言えることは、カンボジアの国民の皆さん、それからシアヌーク殿下を含めまして、パリ協定にうたわれている四派の統一といいましょうか、民族の和解、そうして内戦の終結、これはやっぱりカンボジア国民の悲願だというふうに思うわけであります。そして選挙が終わったわけであります。  いろいろと国連の日本大使の方も頑張っているわけでありますが、カンボジア現地における様子を見ますと、円卓会議なるものをUNTAC、それからSNC、それから新議会のもとでつくるということになっております。一昨日ですか、明石さんの談話を見ますと、この円卓会議に入る入らないということではなくて、ポル・ポト勢力を排除するかの雰囲気が非常に強いわけであります。これはいかなる形にせよ、長い目で見る必要があるわけでありまして、パリ協定の精神に立つならば、選挙の結果にとらわれることなく、民族和解、内戦終結という観点に立って、北風ではなくて太陽の精神で包み込んでいく何らかの配慮が必要だというふうに思いますが、これは総理にひとつ見解を伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それはけさほども申し上げたことでございますけれども、ともかく選挙が一般的には公正、自由に行われたという評価を得ているように思われます。たくさんの人がまた投票したと。  これでカンボジア人の国づくりが始まるわけですが、けさほども申し上げたことですが、選挙というのは戦争の延長ではありませんで、選挙をすることによって戦争は終わったということを、勝った人も負けた人も、選挙に参加しなかった人も、みんな一様に思ってもらわなければなりません。そうでありませんと、ある派は選挙に参加しなかったばかりでなく選挙を妨害した、したがってこれは武力をもってでも征伐してしまわなければならぬというような話になりますと、これはせっかく選挙をやって国づくりをするために我々も一生懸命支援をいたしましたけれども、何をやったかわからなくなるということを恐れます。  そうしますと、レバノンのようになってしまわないとも申せないその一番大事な瞬間が今この瞬間であるだろうというふうに思っておりまして、これは決して内政干渉というつもりではありませんが、まだ我々はUNTACの仕事として残った仕事を幾らか持っておるわけでございますから、これからこの制憲会議、政府の樹立に至りますまでのこのわずかな段階ですけれども、そこのところは将来を間違えないようにこの後の処理をすることがぜひ大事であるというふうに思っております。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 カンボジアのこれまでの内戦というのは、いわば代理戦争で、冷戦の産物であったと言ってよろしかろうというふうに思います。四派分かれていて、一方はソ連派あり、あるいはタイの側に立つものあり、ベトナムに立つ側あり、中国に立つ側ありと。しかし、米ソの冷戦がなくなりまして、そしてまたベトナムとタイの関係もそれぞれの和解条件が国際的にもできてきている。中国もまたカンボジアとの関係では全く国と国との公正な関係に戻っている。文字どおり、もうカンボジアに内戦を起こすための国際的な条件というのは完全に消えたと見てよろしいというふうに思うわけであります。いわば国際社会が原因になってカンボジアで内戦が起きる必然性はなくなったわけであります。  ここのところは外務大臣でしょうか、カンボジアはもはや武力、内戦によって解決するものではなくて、自信を持って徹底した平和外交の力でもってカンボジアの民族の和解というものを成立させなければならない、これは信念を持って日本政府としても臨むべきものだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 今、総理からも御答弁がございましたけれども、カンボジアの国民もやはりもう内戦は嫌だ、ひとつ平和な国づくりをしたい、そして民主的なルールに基づいて民主国家をつくっていきたい、私は今度の選挙はそのあらわれだと見ておるわけでございまして、その意味では、内戦のない本当に平和なカンボジアの国づくりができ上がるようにカンボジア国民自身の手でお進めをいただかなきゃならないと思っております。  ただ問題は、ポル・ポト派というのが依然として一万前後の軍隊という形、軍隊といいますか、とにかくそれだけの人間を擁しているわけでございますし、武装解除もいたしておりませんので、私どものこれからの外交ルートを通じての努力は、タイあるいは中国にも働きかけ、また、今川大使は非常にカンボジアとはルートを持っておりますので、日本自身もポル・ポト派に対して自制を求め、とにかくこの選挙の結果を直視してもらいたい、そして内戦が起こるようなことは二度としないようにしてもらいたい、こういう努力は我々はしていかなきゃならないと思っております。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 そこで問題は、カンボジアの国内条件の整備において、UNTACの仕事が必ずしも成功しているとは言えないというふうに思うわけであります。  第一は、やはりパリ協定が締結された直後、一挙に武装解除を成功させる必要が当然あったわけであります。ところが、カンボジアにおります兵士の二十万人のうちほぼ四分の一の五万四千七百人の武装解除は成功したけれども、まずポル・ポト派は応じなかった、応じないがために他の三派の武装解除も適当に終わってしまったという状況が一つあったわけであります。  時間がないからあわせてお聞きするわけでありますが、総選挙参加の態勢もそうでありますが、武装解除に対する集中的努力、あるいは選挙参加に対する集中的努力、それに欠けるものがあったというふうに経過を見ると感じます。その辺はいかがでしょうか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) これは、UNTACは相当私は御努力なさったと思いますし、私どもとしてもやはりあらゆる機関を通じて、例えば先ほど、ポル・ポト派に対しては過去においてもそのような努力は続けてまいりましたし、また政権に対しましても私ども働きかけてまいりましたし、残りの二派に対しても働きかけをしてまいりまして、選挙がとにかく平和なうちに行われるようにということは、いろいろの親書を出したりまた外交ルートを通じていろいろとそういう努力をしてまいりました。  残念ながら、結果的に今も御指摘のようなことで、パリ和平協定が目指した形での武装解除はできませんでしたけれども、しかし、少なくとも投票期間の間その武器が行使されなかったということは、私は不幸中の幸いではなかったかと思っております。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 この作業が成功しなかったためにその後の大変な犠牲が生まれているわけですし、これからもまたこれがずっと尾を引いていくわけですから、そこのパリ協定の精神に基づいた対策というものはなお必要になってきているわけであります。  それで問題は、今度はPKOの派遣に伴う五原則のうちのまず三原則の問題でありますが、どうでしょうか、確かに戦争状態ではないかもしれない、しかし大変な兵器を使ってポル・ポト派側からの攻撃もあり、ポル・ポト派に対する攻撃もテレビで報道されているとおりでありますが、これは、停戦をしているかといったら、停戦している状態とは言えないわけであります。  それから、PKOの受け入れの合意について、これは、UNTACのもとへ派遣したPKOをポル・ポト派側が攻撃をして殺害するわけでありますから、とても合意をしているとは言えない状況だというふうに思うわけであります。そしてまた、PKOの、というよりもUNTACの態勢も徐々にポル・ポト派排除という言動も多くなる、それからSNC翼下の他の派も武力配置を強めていく、これはもうPKOを派遣する三原則は崩れていると見るのが事実に即した判断ではないでしょうか。いかがでしょうか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) たびたびお尋ねをいただきますので、たびたび同じようなお答えで恐縮でございますけれども、停戦の合意は、パリ和平協定に、委員御承知のとおり、四派がそれぞれ署名をいたしまして、そのプロセスのさなか、繰り返し繰り返し自分たちはパリの和平協定を遵守するということを言明をいたしておるわけでございます。選挙投票日の少し前にも、ポル・ポト派を除く三派がシアヌークさんとともに共同コミュニケを出しまして、パリの和平協定は遵守すると。残念ながらその席にポル・ポト派は欠席をいたしましたけれども、翌日、ポル・ポト派は独自に記者会見を行って、自分たちもパリ和平協定の遵守をする、むしろ遵守を求めるという声明を出しているところを見ましても、パリの和平協定、すなわち停戦の合意は四派によって最後まで確認をされていたということは事実でございます。  しかしながら、先生御指摘のように、この間に停戦合意に違反する行為が散見されたことはまことに残念なことでございまして、その都度UNTACは厳しく停戦の合意に違反する行為をしないように各派に自制を求めたわけでございます。  また、PKO要員の派遣についての同意でございますけれども、これはもう各派ともにこうした要員の派遣については一致して同意をいたしておったわけでございまして、ポル・ポト派が特定のUNTAC要員に敵対あるいは敵視して幾つかのUNTAC要員の宿営地に攻撃をしたという事実はございますけれども、これらがUNTAC要員のUNTAC活動そのものに対して敵意を示したものであるかどうかということについては確認ができないわけでございます。  さらに、UNTACの中立性についても委員お尋ねでございますが、UNTACはその中立性を明石特別代表は殊のほか大事に考えておられたようでございまして、最後までポル・ポト派に対して門戸を開いて選挙に参加をするように繰り返し繰り返し呼びかけだという事実を見ましても、UNTACはその中立性を保つべく努力をされたというふうに私どもは評価をいたしております。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 カンボジアに我が国からPKO中心に人の派遣、それからボランティアの皆さんもカンボジアの地に赴いているわけであります。  そこで、今日までの状況を見まして、カンボジアが我が国に求めている人の力というものは、実績が示しますように、文字どおり市民レベルの協力といいましょうか、一つは文民警察官がおります、あるいは国連ボランティアの皆さんがおります、そして自衛隊の参加もまたこれは建設の仕事でありまして、武器を何も携帯しなくてもいい仕事をしているわけであります。  そのほか、今回手をつけていないわけですが、UNTACとしては民生分野も持っているわけであります。これはまたはかり知れない専門家の派遣を要求しているように思うわけであります。しかし、今カンボジアが求めているものは、それから近隣の国で、このPKOを派遣する場合いにと言うとちょっと飛躍があるかもしれませんが、やはり市民の専門家を求めているということが言えるのではないでしょうか。その辺、どういうふうにお受けとめになりますでしょうか。  特に今度の場合にUNTACの方で民生分野の派遣がないわけでありますが、これはもう保健の問題、教育の問題、建設、もろもろの問題とっても、実はそこに一番手が出るほど人が欲しいし、暫定政権から通常政権に行くための行政機構の確立もこれからいよいよ問題になってくるというふうに思いますが、そういう面での人の要求だというふうに思うわけであります。カンボジアの国内の整備においても、徹底した平和の観点、市民レベルの観点に立って協力することが必要だということを実績的に示しているというふうに思うわけでありますが、いかがでしょうか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 今日まではいわゆるPKO活動、停戦合意から、そして和平プロセス、パリ和平協定に基づく和平プロセスを今進めているわけでございます。これは新政権が発足するまでということになっておるわけでございますが、必ずしも新政権が発足しなくても、今お話しのような民生部門でも非常におくれている、保健状態、健康状態がみんなうまくいっているのかどうか、食糧は十分あるのか、あるいはそれぞれの生活は一体どうなのかというようなこともありますでしょうし、あるいは新政権が発足するといいましても、本当に長い間の内戦また独裁政治が続いたわけでございますから、我々と同じように民主国家をつくるといいましても、実際その民主国家をつくっていく上のその制度をつくっていくだけのいろいろの知識を一体お持ち合わせなのかどうか、こういうことも私は正直あるだろうと思うのでございます。  そういう面においては、我々は少なくともこれからのカンボジアに対してどういう形でお手伝いをしていくかということ、もちろんカンボジア国民がみずからの手で国づくりをされるというのは当然でございまして、内政干渉と思われるようなことはしちゃいけません。そういうことを考えますと、カンボジアの当事者の皆さん、特にSNCの議長であるシアヌーク殿下を中心とするカンボジアの幹部の皆さん、またパリ和平協定の議長国であるフランスとインドネシアを中心とする関係国、あるいはUNTACなどとも私は相談をしながらその辺のところは新政権が発足する前でも早急にやるべきだと、こう考えておりまして、各国にお話しかけをいたしまして近いうちにそのようば会議が開かれるというふうに承知をいたしております。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 今度は軍事分野の活動なんですけれども、これは国会審議の中でもそうですが、法律の精神から解して、いわばこの自衛隊員の停戦監視への参加、それから軍事部門の司令部に自衛隊の高官が三人入っているわけでありますが、UNTACの軍事部門の司令部に陸上自衛隊の幹部自衛官三人がいわば司令部の計画部の幕僚スタッフとして参加をしているわけでありますが、これはいわば凍結部分に入る分野の仕事だというふうに思うわけであります。この解釈はどういうふうになっているのでしょうか。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○政府委員(畠山蕃君) 御指摘の司令部要員として派遣された者が三名ございますけれども、これは派遣されました施設大隊の六百人の内数として、その中から三名が事実上連絡調整という形でUNTACの本部の情報をいろいろと収集するという観点から派遣されたものでございます。司令部の要員として正式に司令部の中に任命されたというものではございませんで、あくまでも情報収集の一環としてそちらに派遣をされたということでございます。これはUNTACから指図を受けました道路、橋の建設といったようなことの基礎となる情報の収集ということで我々は理解しているところでございます。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 まあそういうように、軍事分野というのは次々に新しい分野新しい分野へと自動的に発展していくものなんです。ですから、それは注意を要するというふうに思うわけであります。特に幕僚スタッフに入っている皆さんが決して我が自衛隊の関係だけではなくて広く活躍をしているということは、あれこれの報道で報道されているところであります。  次に、文民警察の権限の問題であります。  きょうも久保田委員からお話がありましたように、国境における我が国の文民警察官の監視活動、これは実際に法律では認められないことでありますが、喜岡議員がカンボジアに行っての報告の中でも、この前の質問の中でも出ましたが、ある地方のある政党の本部に、一人で夜六時から朝六時まで政党の本部の警備に当たるとか、あるいはUNTACの要人の警護に当たるというような仕事についているわけであります。これはもう明確にPKO法の文民警察官の規定に反するわけで、御案内のようにPKO法は、我が国の文民警察官は現地カンボジアの警察行政に関する助言もしくは指導、警察行政事務の監視と、こういうふうに枠がはめられているわけであります。こういう法律に明確に反する、逸脱をしたことが公然と行われていることについては、一体どういう指導になっているのでしょうか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 御指摘のとおり、文民警察官の職務は法令できちっと決められております。しかしながら、この間、私どもに届いております連絡の中にも、今、委員が御指摘になりましたような業務、つまり本来の業務とはいささか踏み出していると思われるような業務についているという連絡がございました。  私ども、これは大変遺憾なことでございますから、当時現地に行っておりました国際平和協力本部の柳井事務局長をして現地の警察部長でございますルース氏にこのことをただして、我々の法令によればこういうことが本来の文民警察の職務と考えておる、UNTACがこういう指示をしているとすればそれは甚だ遺憾なことだということを申し入れをいたしたところでございますが、ルース部長によればUNTAC本部における理解も文民警察の職務は現地の警察官の指導、助言、監視というものであって、つまり我々と同じ認識でございましたが、しかし現実に現場ではそれと異なる行動があったというふうに聞いておりまして、これはできる限り早急にそうしたことのないように修正をしてもらわなければならぬものというふうに考えて申し入れをしたところでございます。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 日本の政府と国連あるいはUNTACとの間の法律上の違い、指揮と指図の問題でたくさんの議論を積み重ねてきたわけであります。  角田議員の質問に対して外務省からいわゆるPKO派遣に伴う派遣五原則を含めた口上書の英文とその仮訳をいただきました。この中で、例えば我が国のPKOの派遣の五原則のくだり一つを見ましても、この口上書で確認ができるかどうかといいますと非常に疑問に思うわけであります。確かに、日本側から国連に出した文書は、派遣について基本的原則を持つ我が国の国連平和活動協力法の精神に基づいて派遣しますと。しかし、国連から来た口上書にはそのことは何の確認もないわけであります。これで口上書を交換したということが言い得るのかどうなのか、その辺いかがでしょうか。確認にしては甘いのではないでしょうか。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○政府委員(澁谷治彦君) この点につきましては、先般も御答弁いたしましたけれども、国際平和協力法が成立する前の段階で五原則について国連事務局に説明し、法律が成立いたしました翌日の六月十六日、十七日に政府関係者がニューヨークに赴きまして当時平和維持活動担当であったグールディンク事務次長その他の関係者に法案の内容を説明いたしております。その際に向こうも日本の法律の枠組みはよくわかったということを言いまして、法律の成立を歓迎すると言っております。  それから、もちろん国連への派遣に関して我が方が出しました口上書につきましても事前に国連側と打ち合わせをいたしまして、我が方の法律に基づくという点については国連側の確認をとっております。  それから、申しわけございませんけれども、久保田先生の御質問に対して、モザンビークと国連との間の地位協定の交渉は間もなく妥結するであろうということを申し上げましたけれども、最近この協定は締結されました。申しわけございませんでした。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 どうも日本が派遣したこの法律に基づく文民警察にしてもあるいは自衛隊にしても、我が国の法律、我が国の実施計画から逸脱をした現地でのUNTACからの指導があるわけですから、それはもう初めから言っているように、UNTACの指揮には従わざるを得ないわけでしょうから、逸脱が非常に目立つわけであります。  それで問題は、この平和協力業務実施計画はこちらの日本の本部でつくる、しかし実施要領はUNTACのいわば指図を受けて新たにその実施計画に基づいてつくるというわけですが、私も各分野別の実施要領の概要を資料をいただいて見ましたけれども、この実施要領はどこでつくるんですか。日本の宮澤総理の実施本部の手で直接つくるのか、あるいはカンボジア現地の我が国の現場でおつくりになるのか、どこでおつくりになるのか、そしてだれがおつくりになるのか、その辺をお聞かせください。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) 実施計画、実施要領とUNTACの指図との関係でございますが、まず実施計画でございますが、国際平和協力法第六条に規定がございまして、これは我が国の政府、閣議決定によって決めるわけでございます。  この実施計画から逸脱した業務があるというふうにおっしゃいましたけれども、確かに先ほど御論議のありました文民警察につきましては是正を申し上げるということはございました。  他方、施設部隊の業務につきまして当初この実施計画になかったような業務をやってほしいというような要請は確かにございましたけれども、それは具体的に一つ一つ検討いたしまして、我が国の法律、また我が国の能力、政策等から慎重に検討した上で問題がないというものにつきましては実施計画を閣議決定をもって変更をいたしまして、そして指図に従い得るようにするという手続をとっている次第でございます。  それからもう一つ、実施要領でございますが、これは国際平和協力法第八条に規定がございまして、中断のような場合を除きまして我が国の実施要領はこの実施計画に従いまして、すなわちその範囲内において国連からの指図に適合するように作成、変更するということでございます。  そこで、だれが作成するかという点でございますが、これは本部長が作成をするということにこの第八条で規定されているわけでございます。第八条の冒頭に「本部長は、実施計画に従い、」、ちょっと途中は省略いたしますが、「実施要領を作成し、及び必要に応じこれを変更するものとする。」という規定でございます。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 例えば文民警察官が現地の警察官の指導ではなくてある地方のある事務所を警護するというふうな任務とか、あるいはある要人の警護に当たるというふうなこと、そういうことも本来的に言えばこの実施要領の中に入らなければいけないでしょう。それが入っていますか。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) ただいま御指摘の点につきましては、先ほど官房長官から御答弁があったとおりでございまして、これは実施計画、実施要領という以前に我が国の法律で定められました文民警察の業務に入っていないものでございますから、これには応じられないということで、むしろUNTACの方のそういう業務につけというような指図がもし現実にあるとすればこれはやめてもらいたい、そういうふうに申し入れた次第でございます。したがいまして、我が国の実施要領にはそのようなものは入れてございません。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 いつ申し入れたか存じませんが、数日前に帰ってきた喜岡議員が目撃してきたお話をさせていただいているわけでありまして、変更されていないように現地は受けとめられるわけであります。  次に、実施本部なんですけれども、宮澤総理を中心にして平和協力本部を我が国つくっているわけでありますが、この本部はどういう構成になっていますでしょうか。全閣僚によって構成されているというふうに理解をするわけでありますが、今日までのこの総選挙を迎えるまでの期間、非常に緊迫した時期もあったわけでありますが、この本部会議というふうなものはしばしば持たれているものなんでしょうか、どうでしょうか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 本部員は全閣僚でございますが、その中で例えば過日は安全対策について関係閣僚にお集まりをいただく安全対策本部員会議というようなものを開催をいたしております。  これは、その都度討議をすべき問題に関係のある本部員にお集まりをいただくという方が機動性があるというふうに考えているためでございます。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 これまでの一年余に及ぶ期間の総選挙準備の過程で一度くらい開かれてもしかるべきだと思います。日本の派遣した同胞が死を迎えるというふうな緊迫した事態もまたこれあったわけでありますから、そのくらいの緊迫感を持って臨むべき性質のものだというふうに思うわけであります。  それから、この事務局の中に参事官、調査官とつくっているわけですが、この本部に専門にかかわっている職員数というのはどのくらいいるものなんですか。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) 本部事務局の構成でございますが、事務局の定員は十七名でございます。ただ、現実の業務の量等からいたしましてこの十七名では対応できませんので、現在のように非常に忙しい時期におきましては関係省庁からの応援をいただいております。現在、一時的な応援を含めまして約五十名弱で対応しております。また、カンボジア、モザンビークの現地にも出張の形で派遣しております。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 いずれにしても、参事官一人、調査官一人と。我々にとって平和的にその国の行政を執行する、あるいは戦争の危険があるところで戦争を防いでいくということは、大変な予防的な調査活動なり情報収集ということが必要になろうかと思います。その辺の機能もこれから大いに御検討いただきたいというふうに思うわけであります。  一つ、本部にかかわる問題で、施設大隊が投票所の巡回等を行って選挙要員の警護に当たるという、施設大隊に新しい任務を付与した時期があったわけであります。実は、防衛庁の方がいち早く施設大隊を選挙要員の警護のための巡回に当たらせるという発表をした後、記者団に問われた官房長官が、いわば本部の副本部長の官房長官がそれはあたかも知らないかのような対応をなさっているわけであります。これなんか非常にカンボジアに対する支援が日本の国政と同じように縦割りで行われておって、本部としての緊迫した情勢判断と一致した指導に欠けるものを如実に示すものだというふうに思うわけでありますが、一体これはどういう結果だったのでしょうか。こういう面に端的に本部の指導性を問われるのではないでしょうか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) お尋ねでございますが、少し事実関係が違いますので御説明をさせていただきたいと思います。  日本から選挙要員四十一名がタケオ州に配置をされるということが決まりました。さらに、いよいよ投票が目前に迫って各国からおよそ八百五十人、最終的には千人近い選挙要員がカンボジアに入りまして全国各地の投票所に配置をされる、そういう状況が確実になったときに、私どもといたしましては、その選挙要員の方々の安全をいかにして守るかということが何より大きな大事な仕事というふうに考えておりました。  総理大臣から、法令に従って法令の範囲内で施設大隊にこれら選挙要員の方々、いわゆる文民要員の方々の安全対策についてベストを尽くせ、つまりあくまでも法令の範囲内ででき得る最善の安全対策を行え、こういう指示が出たわけでございます。その指示は私も承知をして、それを防衛庁、自衛隊に伝えたわけでございます。そうした本部長、内閣総理大臣からの指示を受けた防衛庁、自衛隊は、直ちに法令の範囲内でこうした文民の方々の安全のためにどういうサポートができるかということをいろいろ御検討になったわけでございますが、法令の範囲内でという前提がございますから、その法令の範囲内でいろいろ研究をなさったと承知をいたしております。  その結果は私のところに防衛庁から報告がございまして、タケオ州内百カ所投票所があるが、幸いにしてその中に四十一名の日本の選挙監視要員の方々が配置をされておる、そこで自分たちは道路をつくり橋をかける本来の業務を円滑に遂行するためにそうした地域の情報収集に当たっておる、さらにまた、輸送業務もこれまた施設大隊の業務でございますから州内の輸送業務を安全に円滑に遂行するためにさらに情報収集を一段と広げて行うということにいたしたいと。  ということは、道路周辺の情報、治安情報を収集すると同時に、投票所付近にも情報収集に伺って連絡をすると。投票所におられる選挙監視員の方々、これは何も日本人の選挙監視要員とばかり限りませんで外国の方ももちろん含まれるわけでございますが、投票所におられる選挙監視員の方々にも状況をお尋ねをする。と同時に、これまたUNTACから指図を受けております水、食糧、そういったものの補給といいますか供給といいますか、あるいは輸送と申しますか、そういったものも行うことにしてはどうかと、こういうふうに思っているという報告を私は聞いておりまして、それは法令の範囲内でございますから結構なことだというふうに承知をいたしておりました。  そういう時期に、自衛隊の陸幕長だったと思いますが、記者会見で巡回を行うという旨の御発言がございましたので、私はその巡回ということは違うんじゃないかと、それは私は承知していないということを申し上げたわけでございます。  確かに、これは実は表現なかなか微妙でございますが、委員も御承知のとおり、国際平和協力法の中にはいわゆるPKF活動に当たるとして凍結をされている部分がございます。その凍結部分の中に停戦監視地域内の巡回というものが書いてございまして、これは現在凍結になっておりますので、陸幕長のおっしゃった巡回はこれとは全く性格を異にしておりまして、いわゆる一般の地域、平穏に選挙が行われるであろう地域の中で情報収集をするということをまあ陸幕長は巡回するというふうにおっしゃったんだというふうに思いますけれども、私はその言葉は適当でない、これは誤解を生むおそれがある、情報収集なら情報収集とその実態に即した表現をお使いになるべきであって、情報収集を指して巡回と言うのは誤解を生むだけであってそれは適当ではないではないかという意味で、私はその巡回をするなどということは承知しておらないということを申し上げ、次の機会に注意をしてほしい旨も申し添えたわけでございます。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 いずれにしても、大変苦肉の策で現地で判断された、我が国の法律との整合性も考えた対応策だろうというふうに思うわけであります。  しかし問題は、映像に映った姿を見るだけでも大変物々しい装備を持っていわば実質的に巡回であり、警護のためにとにかく銃を構える、銃で選挙を守るという形の姿だったろうと思うんです。ここで仮に銃を撃ち合ったらどういう状況が生まれるか、それは果てしない戦争への危険の道だというふうに思うわけであります。そういうふうに戦争というものは次々、次々と発展していくものなんで、最初のところのあくまでも我が国の法の精神に立ってとにかくPKO派遣を成功させるという観点に立つことを強く求めるものであります。  それで、いよいよ総選挙も開票の段階を迎えたわけでありますが、これから立憲議会を迎えて新政府をつくっていくわけであります。今日までの経過を含めまして、厚生大臣、御出席でしょうか、やはり一番この民生分野に対する、これは厚生大臣直接とならないかもしれませんが、民生分野に対して今日までなぜいわばゼロの対応なのか。民生分野への対応というのが、これは教育も建設ももろもろそうですけれども、今後の民生分野への対応を実施本部の本部員として厚生大臣にお聞きしたいというふうに思うわけであります。  その前に少々触れますと、もうほとんど閣僚の皆さんはこの実施本部の本部員という自覚を私が見る限りではお持ちではないのではないかという感じがするわけであります。これだけ緊迫したカンボジア情勢の中で、とにかく一度の本部会議も持たれていない。時々見せる縦割り行政の弊害が見つけられる。そして、大事な建設あるいは教育、それから厚生という分野はほとんどこれは官房長官なり外務省を通じてやるという我が国のシステムがあるからそうでしょうが、高みの見物と言うと言い過ぎかもしれませんけれども、関係外の立場にいるような感じが非常にするわけであります。  今後のカンボジアを考えてみた場合に、教育から建設からいろいろありますが、きょうは厚生大臣しか御出席いただけなかったものですから、どうぞ厚生大臣にお聞かせいただきたいというふうに思います。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(丹羽雄哉君) カンボジアは、御案内のように、長い戦乱を経まして私どもが想像している以上に衛生水準は大変劣悪でございます。例えば乳児死亡率でございますが、千人の出生に対しまして何と百二十人であります。ちなみに我が国は五人でございます。それから平均寿命が五十歳ということであります。  こういうような大変劣悪な衛生・保健水準でございますが、私どもはこれまでも国立病院の医師を派遣したり、さらに医療器材あるいは水道分野の専門家を派遣いたしまして現地の衛生水準、保健水準の向上のために努力をいたしております。  これから我が国に求められます国際協力というのは、まさに先生が今御指摘の医療であるとか福祉であるとか衛生であるとか、こういった分野ではないか。ひとつ積極的にこの問題に取り組んでいく決意でございます。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 いずれにしましても、内紛が起きて四派が対立しているというのは、経済的な貧困、そうして教育の非常に著しい立ちおくれ、もろもろ民生分野の立ちおくれがもたらしているわけであります。その解決なくしてはないわけであります。あれだけの平和施設部隊、建設部隊を送っているわけですが、カンボジアには武装解除が少ないとはいえ何万といういわば失業状態の青年がいるわけであります。そういう人たちを動員して日本が資本と技術を使って、何も自衛隊が行って建設することはないわけでありまして、民生分野でもおびただしいやることがあるわけであります。そういう意味で、どうぞカンボジア人自身がカンボジアの通常政権をつくって建設できますようなそういう協力を求めるものであります。  その協力の問題で、ボランティアの問題でありますが、民生分野でこの間も大変な努力をしてきているわけであります。今、ボランティアが大変苦労しております。十幾つかの団体で三十何人かのボランティアの皆さんがこの間行って教育、医療、民生などいろんな分野で頑張っているわけであります。  ここで自衛隊員あるいは文民警察官それぞれ、手厚いまではいかないのかもしれませんが、国内よりも手厚いさまざまの補償を設けて行っていただいているわけでありますが、問題は、民生分野で一番頑張っているボランティアの皆さんが何の補償もなく、全くそれこそ丸腰ではなくてもう素手でカンボジアの通常政権なり民生の向上のために努力しているわけであります。その皆さんにこういうさまざまな、傷害補償にしても、療養補償にしても、災害補償にしても、何らかの補償制度を我が国も真剣に考えるときに来ているというふうに思うわけでありますが、その辺はいかがでしょうか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、中田厚仁さんがお亡くなりになりましたときに何らかの形で、これは国連がおやりになることは第一義的には確かにそのとおりでございますが、やはりこれからも日本からそういう方々がたくさん出ていかれるわけでございましょうから、日本としても側面的に何らかのことができないか検討したいということで、政府部内で今検討していただいております。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 関連質問の最後で、自治大臣、たびたびで恐縮でございます、例の何人死んだら帰してくれるのかというお話があって、繰り返し否定をされております。  自治大臣、こういうことをお聞きします。  第二次大戦のときに我が国は大本営発表というものを行いました。それは、日本の国民に失望を与えたり士気を落としてはいけないと全く事実に反することを大本営発表というふうにやってまいりました。戦争にはこういうものはつきものなんです。平和を使命として民主主義の観点で政治を進める限り、これは全く相入れないものなんですけれども、事実あったことがないと言うああいう戦時のときの発表の仕方、それも責任ある時の政府が事実とは違うことを情報として提供することについてどういうお考えを持っているかちょっとお聞かせいただいて、私の質問の最後にいたします。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(村田敬次郎君) 櫻井委員にお答えいたします。  私は戦中派ではございますが、しかし、戦後の教育も受け、そしてこの民主主義社会の中で育っておりまして、事実行われたことをうそを言うことは許されないことだと思います。したがって、先ほど来私が久保田議員にお答えしておること、また今お答えしようとしておることは、私はその言葉は耳にしなかったということでございます。  カンボジアが新しい国になる、そして立派な民主主義の国になる、それについては私どもは本当に全面的に協力をしていかなければならないと心得ておるところでございまして、この点は委員と全く同じ考えであろうかと思います。

櫻井規順日本社会党・護憲民主連合

○櫻井規順君 終わります。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 私、条約のことで御注意を喚起したいと思うんです。  それは一九四九年のジュネーブ条約及びその二つの議定書なんですが、その四番目の条約が文民の保護に関する条約でございまして、議定書の二つは長いんですが、このジュネーブ条約に追加される国際紛争と国内紛争、その中の犠牲者の保護に関する条約なんでございます。  なぜ私がこれを持ち出しましたかといいますと、最近のPKOが派遣される先というのはカンボジア、ユーゴ、ソマリア、モザンビーク、こういったところを見ますと、これはもう国内の紛争なんでございます。そして、国内紛争が現在の地域紛争の大部分を占めているという状況でございます。したがって、それはホームグラウンドで戦われる内戦でございますから、一般住民あるいは丸腰の先ほど言いました文民の要員等についての被害が大きいわけでございます。そこで、このような条約、日本は条約は批准しているけれども議定書を批准していないということでございまして、私はぜひこの批准方について前向きに進んでいただきたい、こういうことをお願いしたいわけでございます。  まず、これは本部または防衛庁にお伺いしたいんですけれども、派遣国と国連のモデル協定の中に、行く人がこの条約、議定書に精通するような勉強をさせなさいというようなことが書いてございますが、つまり、PKOには特に必要な条約だというふうに見られるわけですが、今回の要員の派遣に当たりましてこれについてどれだけどのような研修をなさったか、お伺いしたいと思います。

丹波實外務省条約局長

○政府委員(丹波實君) まず、先生の前段の御質問について私の方からお答え申し上げたいと思います。  ジュネーブ条約は戦時におきますところの軍事要員、文民の人道的な待遇というものを確保するための条約でございまして、先生おっしゃるとおり、条約が四つございますけれども、日本はこの四つの条約に加入してございます。  先生の御質問は、この四つの条約に付随するところの二つの議定書についてはまだ入っていないではないか迅速に入るようにという御質問かと存じますが、この二つの議定書、二つとも日本は確かに入っておりません。  その理由は、まず第一の議定書につきましては、通常の軍事要員とは違いますゲリラ要員にも一定の保護を与えようとしているために、文民と戦闘員との差があいまいになりまして、このために逆に文民の保護に欠けるような側面というものが出てきはしないだろうかという点を中心として、日本政府としては、いまだこの議定書に入るか否かについて検討を続けておるという段階でございます。  それから、第二番目の議定書につきましては、加入国の中で生じますところの非国際的な武力紛争の場合の関係者の保護について書いてございますけれども、この議定書の中の幾つかの条項が日本の法体制の中で果たしてそのまま取り入れられるかどうかという点を中心に依然として検討が続けられておるということでございまして、検討が済み次第私たちとしても積極的に対応したいと思っておりますけれども、状況はそういう状況にございます。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 検討していただいているということでまあ多少心強いのでございますけれども、議定書は条約に比べますと具体的で極めてわかりよい、何をしてはいけないかと。これは最低の人道的な立場で、つまり文民の住民などの生命それから民生用の生活の必需、そういったものを守るというものでございまして、今日の文明社会でいかにこれが守られていないかということをつくづく思いますので、私はぜひこれを批准していただきたいと思います。  そして、この議定書につきましては、中国、韓国は既に加入しておりまして、日本がもしこれから過去の戦争責任、そこで行われたもろもろの非人道的と見られているところの行為を反省し、これから誠意を持ってやるということを表明するのならば、これが最も公式の意思の表明であると考えるので、どうか検討を速やかにしていただきまして、これは外務大臣にもひとつ御検討を直接お願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 検討させていただきます。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で久保田君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、荒木清寛君の質疑を行います。荒木君。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 公明党の荒木清寛でございます。  公明党は、PKO協力法をつくるために熱心に推進してまいりました。もはや一国だけの平和主義を願うことは許されない、日本も世界の平和のために汗をかいていくべきだ、そういう国際貢献という立場からこの法律を推進したわけでありまして、その判断に誤りはなかったというふうに確信をしております。  しかし、今回初めてのPKOでありますUNTACにおきまして、二人の我が同胞がお亡くなりになったわけでございます。中田厚仁さん、そしてきのう合同葬がありました高田晴行さんでございまして、私たちは悲しみを新たにしております。  そして、この高田晴行さんの殉職を受けまして、小泉郵政大臣が、国民の議論は血を流してまで国際貢献をしようということにはなっていない、そのように閣議で発言をして、特段その反論も。なかったという報告になっておりますけれども、この発言についての総理の御意見をお聞かせ願いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 閣議でだれがどう発言したということを申し上げることは控えますけれども、我が国の国際貢献というものは、これはもうこの法律を長々御審議いただきましたので繰り返しませんが、つまり海外において武力行使をするということは憲法の規定からいいますと非常に実は問題のあることである、避けるべきことであるというふうに私は考えておりますので、それを普通の言葉で申しましたら、武力行使ということは当然血を流すことを少なくとも回避しないということでございますから、やはりそれは我が国の平和貢献の限界であろうというふうに私も思っております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 私も、血を流すという言葉に非常に抵抗といいますか違和感を感じたわけですけれども、今こうした悲しい事件に遭遇をしまして、私たちは国民の皆様とPKO活動についての共通の認識というのを改めて確認をしておく必要がある、そのように感じるわけであります。  このPKO活動といいますのは、例えば交通事故、病気、ゲリラ活動、そういった予測ができない事態に伴う危険があるということは決して否定はできない。しかし、犠牲が出ることがわかっていてそれでもいいんだ、そう言ってあえてやっていく活動ではないんだ、そのためにこのPKO参加五原則を設けたんだ、これがコンセンサスではないかというふうに考えますが、総理はいかがですか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 国際平和協力法例審議の際に各党それぞれの御発言、御意見がございまして、私ども、法案を成立させるに当たりまして皆様方の御注意も十分拝聴し、そしてこの法律をつくり上げたわけでございまして、委員のおっしゃることはおおむねそのとおりと考えております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 高田晴行さんの襲撃事件について若干お尋ねをしたいと思います。  国連ボランティアの中田厚仁さんが四月八日にお亡くなりになりまして、その後、四月の下旬に柿澤外務政務次官がカンボジアに派遣をされております。その際に明石代表と会談をされまして、報道によりますとアンビルで事件が起きるわけですけれども、アンビルとその周辺は危険だから文民警察などPKO要員の配置を配慮してもらいたい、そう申し入れたというふうに聞いておりますが、これは事実でしょうか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 柿澤政務次官が帰ってまいりましてからの話でございますが、明石代表に危険な地域からの文民警察の移動ということについては検討してもらいたいということは申し入れ、明石代表からも検討するという回答を得たという報告は、私、そのとき柿澤政務次官からそういう報告を受けました。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 もちろん柿澤政務次官は、危険が高いと思ったからそういう申し出をしたんだと思うわけです。その結果、しかしながら、UNTACの方では検討をするという話でありましたけれども、最終的には配置がえをしてもらえなかったということになりますけれども、我が国のこのPKO参加五原則に立ちますと、その時点で、我が国独自の判断で、特に危険の高い地域についての中断あるいは一時休止、そういうことを考えるべきであったんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 委員もよく御承知のとおり、中断につきましては、五原則が破れるといったような状況を想定して中断をするということが行われるわけでございますが、そうした状況ではもちろんございませんでした。  今いろいろお話がございました。危険だからということがございますが、危険というのは具体的、計数的に普遍的な評価をすることがなかなか難しいわけでございます。現に、現地には実は日本の文民警察ばかりでなく他国の文民警察もおったわけでございまして、危険だという我々の認識がUNTACの本部の認識といささか違うという状況もございましたので、でき得る限り我々の認識と同じような認識をUNTAC本部にぜひ持ってほしいということを言ったわけでございまして、かなりの理解は得られたわけでございます。  私どもが主張いたしましたのは、本来の業務を行うについてその地域が適当であるかどうかということも含めて考えてほしいということを申し上げたわけでございますが、結果的には、委員御指摘のとおり、その地域を移動するということにはならなかったわけでございます。しかし、これは極めて残念なことでございますけれども、その後アンビル、フォンクーからは日本の文民警察は全員移動をした、これはけがその他によって移動したという状況でございます。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 アンビルのありますバンテイメンチャイ州ですか、ここにはそもそも九人の文民警察官がいらっしゃったわけですけれども、おっしゃったように最終的には全員撤退をされた。ということは、そもそも文民警察官の業務のフィールドとしましては極めて危ないといいますか、不適切な地域であったということがこの一事でもはっきりするんじゃないかというふうに考えるわけです。  総理は、衆議院の予算委員会の集中質疑の中では反省という言葉を何回かおっしゃっているわけですけれども、このお二人の犠牲者を出したことについて、総理としては具体的にどういう点に政府としての落ち度があったというふうに考えて、その反省ということをおっしゃったんでしょうか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 私どもとしては十分な作業をしたつもりでおりましたけれども、安全対策についてはまだ十分でない点があったということで反省の材料としなければならぬということでございます。貴重な経験でございますから、この貴重な経験はぜひ今後に生かさなければならぬというふうに考えているところでございます。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 結果論になるというふうにおっしゃればそれまでかもしれませんけれども、やはりそういった危険が予測された時点で一時中止をするというか、そういう方針を貫いていくということが我が国のPKO五原則の精神だと思いますし、またそういうことによって国民の理解も得られていくんではないかというふうに私は思いますので、今後の運用に際してはやはり慎重であるということを第一義にやっていただきたいという気がするわけです。  それで、先般の衆議院の我が党の山口委員の質問に対しまして、これは一時休止についてのコメントです。全体的に停戦の合意が存在をしているという前提のもとでの質疑なんですけれども、一部の地域で戦闘が激しくなった場合には安全対策として実施要領の一時休止がある、これは現場の判断で緊急避難的に行う、こういう趣旨の御答弁があったわけですが、緊急避難ということになりますと、現実に目の前で戦闘があるとかあるいはもう戦闘が起こることが確実である、そういった極めて限定的な状況のもとで避難をしていい、そういう感じにとれるんですけれども、そういう理解でよろしいんですか。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) この一時休止という概念は、御案内のとおり、実施要領におきまして規定しているものでございます。  これは、実施要領幾つかございますが、いずれも同じような規定になっておりまして、その趣旨は、安全のための措置という中で決めているわけでございます。その内容でございますが、隊員の生命または身体に危害を及ぼす可能性があり本部長の指示または事務総長等の指図を受けるいとまがないときは業務を一時休止する、こういうことでございます。  したがいまして、これは非常に事態が悪化いたしまして安全に問題が出てきたというときに、あらかじめ本部長とかあるいは国連の事務総長、これは現地の代表ということになりますが、と連絡をとる暇がないというような差し迫った状況のもとでは現場の判断で安全措置をとるようにと、こういう趣旨でございます。したがいまして、必ずしも現実に戦闘が起こるとか、そういうことももちろん入りますけれども、それに限りませんで、いずれ差し迫っているというときも含まれる考え方でございます。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 そうしますと、大まかな言葉で言いますと、危ないというふうに感じたときには個人の判断で休止をしていいという趣旨が一時休止だというふうに理解をしますけれども、そういう趣旨をこの文民警察官を初めとしますPKO隊員の皆様に徹底はきちんとされているんでしょうか。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) ただいま御説明申し上げました一時休止の制度につきましては、事前の研修におきましても徹底しておりますし、また現地に参りました後にも、折に触れてこういうことができるんだということを隊員たちに連絡、想起させております。  また、特にアンビルを中心としたカンボジアの北西部におきましてこの四月ごろから急速に状況が悪化いたしましたので、そのときにはインマルサット衛星通信を使いまして現地の隊員たちとは緊密に連絡をとっておりました。その中でも、こういうことができるんだ、また安全第一に行動してほしいということを現地の隊員たちにも言ってまいりました。結果的には残念ながらああいう事件が生じましたけれども、この一時休止の制度につきましてはそのように説明をして徹底をしてまいった次第でございます。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 文民警察官に限らず日本人というのは大変に責任感が強いですから、なかなか自分の仕事を退くといいますかやめるということはできないと思うんです。ですから、この一時休止のことをもっと徹底をしていただいて、危ないときにやめるということは決してひきょうでも何でもないんだということをきちんとお話をしていただいて、まだ文民警察官の方は赴任をしていらっしゃいますので、今後万一にもそういった危険にさらされることのないように御努力をいただきたいと思います。  今、文民警察官はカンボジアに六十六名おるというふうに認識しておりますけれども、しかし先月の中旬ですかテレビのニュースでやっておりましたけれども、文民警察官の方がインタビューに答えて現地の状況をお話をしていらっしゃいました。中には、中にはといいますか、もう全体的に大変な地域で活動しているんだと、そういう発言でございまして、中には、やれば必ず悪い結果、死んだりけがをしたりする、そういう訴えまであったわけなんです。そういう映像といいますか、発言がテレビを通して全国のお茶の間に流れたわけでございますけれども、こういう極めて危険な状況というのは現在改善をされているんでしょうか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 千数百カ所に及ぶ投票所で無事に投票を終えたという事実は、ひところ極めて緊張が高かった選挙の後半に比べればやや安定した状況ではないかというふうには思います。しかしながら、危険な状況というものは急に襲ってくるということもあり得るわけでございます。  私どもが経験をいたしましたカンボジアのこれまでの状況の中で極めて危険だと感じましたものの中には、いわゆる政治的背景といいますか、組織的、計画的なものもありますけれども、そうでない、いわゆる物取り、夜盗とでも申しますか、そういったものもあるわけでございます。長い間戦乱と申しますか圧政の中で経済的に非常に疲弊しているということもその原因だろうと思いますし、それぞれの軍隊といいますか部隊といいますか、そういうものの末端は経済的には極めて貧しいあるいは厳しい状況になっているのではないかと、これは想像でございますが思われる部分もございまして、つまり武器を持っている人たちが食べ物欲しさといいますかそういったもので一転して物取りに変わるということもあるいはあったかもしれない。  そういったことを見ますと、政治情勢が安定した、あるいは大きな山を越したということが即全体の安定につながると確信を持てるかと言われれば、やはりまだ緊張感は持ち続ける必要はあるだろうというふうには思います。しかし、私どもも毎日現地の事情を聴取いたしておりますが、投票日を境にしてかなり状況は安定をしておるという連絡が多くなっていることは事実でございます。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 いずれにしましても、まだまだ不安な要素があるわけでございまして、特に文民警察官の方についてはできるだけ早く帰ってこれるように御努力を願いたいと思います。  先ほど総理のお話で、ガリ事務総長から書簡をいただいたということをお話しになりましたけれども、その書簡の中に日本のPKO隊員の撤収問題について何かコメントはございましたでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ガリと申しましたら私の申し違いで、明石代表からもらいました。その中には特にそういうことは触れておられなかったように思います。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 私の聞き間違いであったかと思いますけれども。  次に、総選挙後の対応問題についてお尋ねをしたいと思います。  かつてカンボジアという国は大変平和で暮らしやすい国であったわけですけれども、その国がなぜ二十年間以上も戦乱のちまたと化したか。その大きな原因というのは、アメリカ、ソ連、中国、ベトナム、そういった大国がそれぞれの思惑でこの国に干渉して、さらに多量の武器をこの国に送り込んでいった、そこにこの不幸の大きな原因があるというふうに感じまして、大変かわいそうだなというふうに思うわけでございます。  そこで、お尋ねをしますけれども、現時点においてポル・ポト派に武器を提供している、そういう国はあるんでしょうか。そういう情報についてどういう認識をされていますか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 御承知のとおり、パリ和平協定においてはポル・ポト派を含めてすべて停戦合意の後は武器を供給してはならないということになっておるわけでございまして、そのようなことはないと私どもは信じておるわけでございます。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 一部にはタイから国境を通じて密輸されているんじゃないかという疑いもあるわけなんですけれども、そういう情報収集はしていらっしゃらないんですか。信じているというだけですか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) たまたまこの間タイの副首相が日本へ来られましたので、そのときにも、そのようなうわさがあるけれどもぜひひとつそれはチェックしてもらいたい いうことを申し入れいたしました。副首相は、私が今申し上げたとおりですけれども、和平協定を私どもは遵守しているのでそういうことはあり得ない、そういうことでございました。  私から重ねて、あり得ないというのならば結構だけれども、万が一にもそういうことがあれば、タイもパリ和平協定に署名しているわけでございますから、あなたの国は大変国一的に非難を受けるようになりますよ、絶対そういうことのないように重ねて帰国の上はチェックをしてもらいたいということを私から申し入れをいたしました。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 プノンペンにもバンコクにも大使館があるわけですから、現地における情報収集活動もしっかりやっていただきたいというふうにお願いをいたします。  日本とECが起草しまして国連総会で採択をされました通常兵器移転国連登録制度、いわゆる武器移転登録の制度というのがあります。この制度に加盟をしますと、どの国にどれだけの武器を輸出したかあるいは輸入したかということを国連にきちんと報告をするということになるわけですけれども、このカンボジアのことを考えますと、もう二度とこの国にそういった意味で多量の武器を持ち込ませないということが非常に大事な視点になってくるというふうに考えるわけでございます。  そこで、カンボジア、中国、ベトナム、タイ、そういった周辺諸国に対して、この武器移転登録の制度にきちんと登録をしなさい そういうことを我が国が説得をするというそういうお考えはありませんか。

池田維外務省アジア局長

○政府委員(池田維君) カンボジアに対します武器の移転と申しますか武器の搬入につきましては、これはパリ和平協定におきまして各国ともそういうことはしないという明瞭な刑東をしております。したがいまして、その後、UNTACがこれを検証するという規定がございまして、UNTACは幾つかの場所に検問所をつくりましてチェックをしておりますけれども、今までのところ周辺諸国等から武器が搬入されたという事実はUNTACも全く認めておりません。  したがいまして、私どもとしましては、現在のところ、ただいま先生がおっしゃいました各国からそういった武器がカンボジアに搬入されているということはないというように承知いたしておるわけでございます。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 そうしますと、いわゆるUNTACが任務を終了して撤収した後も、パリ和平協定に基づく今おっしゃった義務というのは継続をしていくんでしょうか。

池田維外務省アジア局長

○政府委員(池田維君) パリ和平協定上は、将来UNTACが引きました後カンボジアが自衛のために一部武器購入等をすることは認めておりますけれども、それ以外、各国が干渉するような形で武器を搬入するということを禁止いたしておりますので、関係各国ともそのようなパリ和平協定の精神を当然守るべきだと思いますし、私どもといたしましても外交的にそういう方向で努力していきたいというように考えております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 一部の報道によりますと、新政権成立後いわゆるカンボジア国軍を設立するに際してフランス等からいろんな援助を受けることを相談をしている、協議をしている、そういう報道がありましたけれども、そういうことはあるんですか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) それは今、フランスと日本もいろいろ話し合っておりますけれども、御指摘のような軍事面での話ではないんじゃないかと私は承知をいたしております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 次に、PKOの今後の展開といいますか、PKO一般の展開といいますか拡充ということについて若干お尋ねをしたいと思います。  このブトロス・ガリ事務総長の、去年の六月ですか、お出しになりました「平和への課題」、そういう報告がございますけれども、そこに平和執行部隊とともに予防展開というPKOの発展的な概念というのが盛り込まれているわけであります。これは言うまでもありませんけれども、国家的な危機が発生した場合に、その国の政府あるいは全当事者の要請あるいは承諾によって国連が予防的に展開をしていくと、そういう制度でありまして、現に旧ユーゴ、マケドニアで実現をしているという経緯があるわけでございます。  この予防展開という新たな形の部隊について日本としてはどう対応していくおつもりですか。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○政府委員(澁谷治彦君) マケドニアの事例につきましては、ボスニア・ヘルツェゴビナの戦火がマケドニアに及ぶかもしれないという状況のもとで各国がそういった予防展開に賛成したという事情がございます。そういった例外的な個別的な状況のもとで私どもはその決議案には賛成いたしました。  予防展開について今後どうしていくかという点につきましては、「平和への課題」で述べられております予防展開というものがどういうものであるかという点につきましてはまだはっきりしない点が多々ございますので、今後検討する必要があるんではないかという気がいたしております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 あるいはガリ事務総長は、このPKOの迅速展開に備えまして国連待機隊、あらかじめ迅速にPKOに出れるように各国で待機をしていくという構想も具体化を進めているというふうに聞いております。  二月にガリ事務総長は日本に来まして総理にもお会いされまして、国連に対する広範な支援をしてもらいたいと、そういうことを要請されたわけでありますけれども、この国連待機隊という構想については日本はどのように対応していくつもりですか。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○政府委員(澁谷治彦君) 国連待機軍につきましては、「平和への課題」においてガリ事務総長がその考えを述べております。  これは、近年PKO活動が量的にも質的にも発展するに伴って、安保理決議においてPKOの活動を行うという決定が下されてから実際にPKOの要員が現地に出るまでの間が長過ぎる、これを短縮するためにこういった待機軍をつくる必要があるということを述べたものだというぐあいに理解しております。  この点につきましては、まだ国連内部でも具体的な構想がまとまっておりませんし、今後私どもも積極的にその検討には参加してまいりますけれども、我が国に関しましては国内法制上の問題もございますし、事前にどこに派遣するかわからない状況のもとであらかじめこういった要員を確保しておくということは難しいんではないかと思いますけれども、いずれにしても今後検討すべき問題だというぐあいに考えられます。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 次に、UNTACへの我が国の分担金額、分担の支出金というのは一億六千七百六十二万ドルである、そのように報告を受けておりますけれども、このガリ総長の「平和への課題」の中にこういうくだりがあるんですね。「平和維持関係の分担金は外交予算からではなく防衛予算から支出すべきだという提案を心から支持し、他の諸国にもこの方法を勧告する。」というふうにおっしゃっているわけですね。  今もちろん日本では外務省の予算でこの分担金を出していると思いますけれども、これを防衛予算から出すということになれば実質的な軍縮にもなるわけでありまして、随分と国民の支持が得られるんではないかというふうに考えるんですけれども、このガリさんの提案を前向きに検討するというお考えはありませんか。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○政府委員(澁谷治彦君) PKOの費用をどこから出すかという点は、基本的には各国の国内問題だと思います。  なお、我が国に関しましては現状のままとりあえず費用については対応していきたいというぐあいに考えております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 外務省も随分お金がないということは私もよく承知をしているわけですけれども、総理あるいは大臣の考えをこの点お聞きをしたいと思います。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) できるだけ今後確保するように努力をするというのが私の立場だと思います。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 済みません、ちょっと私聞き取りにくかったんですけれども、検討する余地はあると、そういう趣旨ですか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 確保するように私の立場としては努力をしていきたい、その検討をさせていただきます。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 時間もありませんので次の問題に行きたいと思います。  先般の参議院での我が党の白浜委員の質問に対しまして、カンボジア復興国際委員会、我が国も共同議長国である、この開催を働きかけていきたいと、そういう御答弁でしたけれども、具体的にいつごろの開催を見通していらっしゃいますか。どういうスケジュールでこの提案をしていきますか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) カンボジア復興国際会議の前に、とりあえずカンボジアの当事者の皆さん、UNTACあるいはパリ和平協定の議長国であるインドネシア、フランスあるいはその他の国々と相談をしながらでございますが、できるだけ早い機会に、まずとりあえずカンボジア復興国際会議というよりは、とりあえずなるべく早いうちに、できれば今月中ということになると思いますけれども、とりあえずいろいろの角度からの会議を開きたいということで話し合いを進めております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 この会議といいますか委員会は、どのくらいの国が構成メンバーとして参加をするわけですか。

池田維外務省アジア局長

○政府委員(池田維君) ちょっと手元に具体的な数字を持ち合わせておりませんが、関係国は三十一、二カ国であったと思います。カンボジアに関係する主要国を全部含めております。そして、日本が議長国でございますが、一応原則といたしましては年一回、東京あるいはパリにおいて交互に開きたいということで、これは昨年の六月の東京におきます復興に関係しますカンボジア閣僚会議において決まったところでございます。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 今の三十何カ国という規模からしましても、なかなか一つの成案を得て軌道に乗せるということは時間がかかるんじゃないか、そういう意味では中期的、長期的な復興の支援ということになるんじゃないかという気がするんですね。  そうなりますと、それまでのつなぎといいますか短期的な支援という意味では、これはアジアの問題であるわけですから、例えばASEANの拡大外相会議、そういうものを持ってこのカンボジアの支援ということを検討していったらどうかというふうに私は思いますけれども、いかがでしょうか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 今、局長から答弁をいたしました昨年の六月に決まりました支援でも、日本からはたしか一億五千万ドルから二億ドルをめどにと、こういうことで約束をいたしておりまして、現時点までに約一億一千万ドルが支出されておると承知をいたしております。まだたしかその分も残っておると思いますし、とにかくとりあえず民生安定のために緊急に必要なものは私は復興会議を開かなくても支援をしていくべきだと思っております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 次に、カンボジアから我が国に留学生は何人ぐらい来ていますでしょうか。

長谷川善一文部省学術国際局長

○政府委員(長谷川善一君) お答え申し上げます。  現在、カンボジアからの留学生は十名でございまして、すべてが我が国政府の奨学金を受ける国費留学生でございます。  カンボジアからの留学生というのは、昭和五十年を最後に新規採用者の募集というのが不可能な状況になっておったわけでございますけれども、先方の政府と話をいたしまして昨年度から国費留学生の募集再開に踏み切りまして、昨年の十月以降現在までに十名の留学生が参っております。このうち八名が大学の学部に進学を希望いたしておりまして、現在日本語等の予備教育を受けておるところでございます。二名はまだ予備教育の段階でございますけれども、高等専門学校あるいは専修学校というところで勉強を希望いたしております。ことしの十月からは大学院のレベルの留学生を三名新たに受け入れる、そういう予定でございます。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 カンボジアにおきましては、ポル・ポト派によりますいわゆる知識人の大量虐殺ということがありまして、非常にそういう意味では人材が不足をしているという現状ではないかというふうに思うわけでございます。  そこで、総理にお聞きしたいんですけれども、ひとつそういったプロジェクトを組んで大量にカンボジアの留学生を受け入れていくということを考えてカンボジアの自立の支援ということをしていったらどうかと思いますが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) もとよりそれは結構なことで、いわゆる二国間のことでもやってまいりますし、また復興会議等々でもやはりそういうことも話題にした方がいいと思いますのは、我が国に来て教育を受ける、訓練をしてもらうのもよろしゅうございますけれども、場合によりまして、お互いの間の打ち合わせてその近くの国へ行ってもらう方がいいこともございましょうと思います、風土的に近いとかいろんなことがございますから。それは、費用は我々が出してもいいというようなことも考えられますので、相対並びに三角形、多角形、多角的なことを考えていくことも入り用なことじゃないかと思います。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 ぜひ実現をしていただきたいというお願いをしておきます。  最後に、あと五分ありますけれども、カンボジアの復興を受けての今後の特にアジア地域における予防外交ということを若干お尋ねをしたいと思います。  これはガリ事務総長の「平和への課題」の中にもあるわけですけれども、紛争が起こる前の予防外交の重要性ということを力説していらっしゃいます。  やはり紛争になってからいろんな解決をするということはもう大変に負担が大きいわけでして、またコストもかかるわけでして、そういう紛争の芽を事前に摘んでいく、あるいは安全保障をしっかりしていくということがこのアジアにおいても大変大事じゃないかというふうに思いますけれども、今後、カンボジアを含むアジア地域における緊張緩和、それを目的とした予防外交ということでは我が国はどのように対応して進んでいきますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどからカンボジア復興国際会議のお話が出ておりますけれども、別途にもう少し広くインドシナ半島全体のこれからを考える、そういう仕組みも我が国としては、これはASEANの国々にでございますけれども、呼びかけていきたいと思っております。  将来、インドシナ半島の国々がASEANとどのような関係を持つかといったようなことはこれからの問題でございますし、実はカンボジアについてはそれを議論するのはいかにも早うございますが、国ができまして将来、今おっしゃいますようなまさに周辺とのそういう平和の関係あるいは経済関係というものが将来の戦争を予防する一番大事な道でございますから、二国間の援助関係も大事でございますけれども、そういう地域的な、仮に平和機構と呼ばせていただきますが、そういう多国間の機構がございますので、そういう方に向かっての、そういう方向への我々からの、何といいますか、道をつける、あるいはASEANの国々がそういう努力、考えてもらう、そういったことをやっぱり考えていく段階が恐らく国づくりの後には私は来るのであろうと。  今度のパリ協定後の例のポル・ポトの話を見ましても、やはりカンボジアにとりましては例えばベトナムというのはいろんな意味で影響の多い国でもありますし、従来必ずしも平和な関係であったわけでもありません。しかし、そのベトナムがようやく一つの、これも国づくりですけれども、国際的に認知される立場にこうやってなりつつございます。そういう中で、今度ベトナムとカンボジアがどういう関係を持つべきかとかいうようなことはまた難しい問題でありますし、ラオスもございますし、ですからインドシナ半島をひとつ考えていくということが我々にとっても非常に大事なことだろうと思うのでございます。  それから、今度はそれらの国々とASEANとがどういう関係を持つか持たないか、そういったようなことに発展をしていきましたら、カンボジアという国のこれからの安全保障というものがそういう中で生まれていく、そういうふうに私は考えていくべきじゃないかと思っております。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で荒木君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、直嶋正行君の質疑を行います。直嶋君。

直嶋正行民社党・スポーツ・国民連合

○直嶋正行君 民社党の直嶋でございます。  まず最初に、総理にお伺いを申し上げたいと思います。  御存じのとおり、我が国は国論を二分する中で今回のカンボジアへのPKO派遣を決定いたしました。また、その過程では二人の痛ましい犠牲者が出ました。そして、その直後からこの国会でもかなり議論あったわけでございますが、撤退をすべきだ、あるいは選挙を延期すべきだ、こういう議論もございました。そうした中で今回のカンボジアの総選挙が行われたわけでございます。  私ども民社党もこの選挙期間中カンボジアにモニターを派遣いたしました。現地で情報把握に努めてまいりましたが、幾つか問題はありながらも成功裏に終わったというふうに思います。いろんな曲折を経る中で今回ここまでこぎつけたわけでございます。そういう面で、この国内の議論の経過を踏まえて、あるいはこれについての今日までの経過を見た上での総理の今の御心境を、所感をお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) やはり二人の人を亡くしたということが私には一番胸の痛むことであります。何とかしてこれが防げなかっただろうかということは、恐らく自分としても長く忘れ得ないことであろうと思います。  そういう犠牲があって、しかしともかく我が国としては国際的な貢献をすることができた。これは部隊を派遣し要員に行ってもらって、最初のことでありましたので、それがともかくこういう自由で公正な、しかも九割の人が参加したような選挙ということで、ともかくも大事な段階を一つ終了したということはよかったことだというふうに思っておりますが、他方でしかし、またさっきの話に返るようですけれども、こういう犠牲を生まずにこれができなかったであろうか。  それから国会の御議論、私どもの主たる関心も、部隊を派遣するということが自衛隊でございますものですから憲法の問題がありいろんな問題があって、そのことを大変に、国会の御議論も長くそのために費やされましたし、私どももそのことをいろいろに考えておりましたが、その反面で要員の派遣については、ついつい部隊の方に大きな関心が集まりましたために、要員の一人一人が派遣先でどういう仕事をしどういう苦労をされるであろうかということについて十分な見通しとそれに必要な準備をしていたかどうか、配慮をしていたかどうかということについて、十分事情のわからない国の、しかもかなり混乱した状態において仕事をしてもらうのでございますから、わからないことはいろいろどうしてもあったとは思いますものの、しかし、例えば時々御議論になりました文民警察というのはそういう仕事をするはずじゃなかったような仕事をさせられた場合がどうも確かにあるようでございます。  しかし、それはいろいろ聞いてみると、UNTAC自身もそういうつもりではなかったらしい。警察がいるからその警察の指導をしろ、監督をしろということであったのに、大きな町には警察はいたけれども、辺境のところには警察そのものがいなくてそのかわりをやらされたんじゃないかといったようなことがどうも実際に幾つかはあったんじゃないか。それは聞いてみると、UNTAC自身も警察があると思っていたらしい。それは考えてみるとそういうことはありそうなことでございますけれども、そうは言ってももう少しその辺のことも何かあらかじめわかる方法はなかったかなとか、いろいろ反省の点がございます。  今後また国際平和協力ということはあちこちでしていかなければならないのかもしれませんので、よく念には念を入れてできるだけ事前の調査をして、まことにあれですが、万全の配慮をして、そして実際の行動に入るということをいろいろ将来に向かって考えていかなければならないことが多いという気持ちをいたしております。  しかしながら、とにかく、部隊の諸君、要員の方々によってともかく我々としては国際的な務めを果たすことができたことを深く感謝をいたしております。

直嶋正行民社党・スポーツ・国民連合

○直嶋正行君 では続きまして、今、総理の方からもお話の出ました文民警察についてお伺いしたいと思います。  私、けさほど来議論がありましたように、当初我々が想定していた事態と幾つか違う事態が今回のカンボジアPKOの中に出てきた。その中で、今から振り返って考えますと、やはりいろんな情報の行き違いとか、今、総理がいみじくもおっしゃられたように準備の点でのやや不足、そんなこともあったかもしれませんが、その最大の犠牲になったと言ったら言い過ぎかもしれませんが、なった方が文民警察ではないかな。  当初、当初といいますか、我が国の法律に書いてない業務をいろいろやらされたということについてけさほど来議論がありました。これについては今ここで繰り返しませんが、私、一点ここに大変大きな疑念がございます。  といいますのは、もともとこれはUNTACと我が国の法律との間に大きな行き違いがあったんじゃないかなという気がするわけであります。といいますのは、事務総長が安保理に報告しましたUNTACの業務についてという報告書の中に、この文民警察の任務について、「機能」ということで「UNTAC文民警察監視員の主な役割は管理及び監視であるが、それ以外にも選挙やUNTAC自体の内部で必要な安全保障に関する責務も担う。」と明記されているんですね。  私も、このUNTACの例えば業務マニュアルのようなものはないのかということで、何度か実は外務省の方にお問い合わせいたしました。そうすると、外務省の御返事は、この事務総長報告が最も公式の国連としての役割を決めたものなんだ、こういう御返答でございました。したがいまして、どうも出だしからそういう行き違いがあったんではないか。  これは英語で見ますとメーン業務と書いていますが、メーンは監視、指導、助言だけれども、場合によってはほかのこともあるよというのが当初から想定されていたんではないかな、このように受け取らざるを得ないんですが、まずこの点について官房長官にお伺いしたいと思います。  時間が余りありませんので、答弁は簡潔にお願いします。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○政府委員(澁谷治彦君) 国連の本部に対しましては、法案の成立前と成立後に詳しく御説明いたしました。向こうも私どもの説明を了解しております。その上での話でございますので、我が国にとしてはそういった説明及び口上書で我が国の法律に基づいて派遣するということを明記してございますので、我が国は法律の範囲内で、国内法の範囲内で行うということでございまして、国連もそれは了解いたしております。

直嶋正行民社党・スポーツ・国民連合

○直嶋正行君 口上書等についてもいろいろとあいまいな部分が私は多いように思うんですが、もう一点これとあわせまして、特に武装解除がうまくいかなかったことによって一部の地域に派遣された文民警察の方が非常に厳しい思いをされたということなんですが、私、今の業務の規定の問題もそうなんですけれども、これは非常に大事な点だと思うんですね。  といいますのは、文民警察というのは、募集をして、それに応募された方に行っていただくわけですよね。ですから、命令で行く人じゃないんですよ。その募集をするときに当然、こういう状況です、今回のことで言うと、まあそう危険はありません、そして仕事はこういう助言、指導だけであります、法律上もそう明記しておるということで恐らく応募された方多いと思うんですね。それで実際のところは、行ってみると状況が違う、しかも自分が聞いていたことと違う仕事、業務をさせられる。私はこれは、こういう応募して派遣するという文民警察の性格からいうと今後にかなり問題を残したんじゃないかなと、このように思うんですよ。  それで、さっきの業務の範囲も含めてぜひ政府の方で確認していただくということで明確にしていただきたいなということと、それから、今の我が国の法律というのは非常に限定的に業務を書いていますが、例えば、これをやはり限定的に書くというのはまずいということであれば、私は、この部分は難しい憲法論議等のない部分でありますから早急にもう手を打てるはずだと思うんで、ですから、実態に合ったやはり内容にしていくべきだと思うんですが、この点について官房長官いかがですか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 文民警察の配置先の安全、これは生活環境まで含めて十分調査をして、そこで日本人が職務を遂行する上で環境が十分に整っておると、十分本来の職務ができるということを確認して派遣をするということが最も望ましいものであるというふうに私も思います。    〔委員長退席、理事井上裕君着席〕  ただ、しかし、今回私もその任に当たってみて、カンボジア全土のどこに配置されるかということがわからない、これは地域的にも相当広い地域でございますし、それからもちろん政治的な背景もいろいろあってどこに配置されるかわからないという状況下で、実は今御指摘のような状況、条件の確認ということは果たして完全にできるかどうかということになると、正直申し上げてなかなか完全にそれはやり遂げることは難しいと思わざるを得ないのでございます。  七十五名の文民警察の方々に行っていただきましたけれども、その文民警察の方々七十五名の中にも、例えばプノンペン市内に配属をされた方、あるいはそれ以外にも各州都、州都にもいろいろありますけれども、かなり整った、例えば警察業務その他がきちんとあって、完全なものはないと思いますけれども、比較的そういったものが整った地域に配属をされた方々は本来の業務をきちっと行えるという状況であったと思いますが、一方でそうでない地域に配属をされた方は、やはり御指摘のとおり、当初こうであろうと頭に描いていったものとかなり違うという部分、恐らくそういうことがあったんだろうと思っております。  しかし、そうはしましても、やはり我々は法令に基づいて派遣をするわけでございますから、その法令の範囲内の業務がそこで行えないということであれば、それは当然その本来の業務が行える地域に地域がえをしてもらうということが派遣をした私どもの責任でございますし、また当然それができるというふうに考えておるわけで、UNTACにもその旨、先ほど来の御答弁を重ねて申し上げて申しわけございませんが、我々が考えていたものと違うということをUNTACにも申し入れいたしました。  プノンペンにございますUNTACの本部では、いや自分たちもそういうつもりで派遣をしている、配置をしているということでございます。しかし、それはもう実態と違うのだから、そういう実態と違うならそれはかえてもらいたいということを申し入れて先方といろいろ打ち合わせをいたしたわけでございますが、結果としては、何といいますか、時間切れといいますか、こういう状況になったということはまことに申しわけないことだと思っております。

直嶋正行民社党・スポーツ・国民連合

○直嶋正行君 やはり私は、特にああいう国でございますから、なかなか決めた原則あるいは前提にした原則どおりいかないいろんな現象が出てくると思うんですね。それをすべて事前にカバーするというのはなかなか大変なことかもしれませんが、やはりトライ・アンド・エラーで、今回のこのカンボジアの経験は次に生かしていくというふうに考えていくべきじゃないかと思うんです。  そういう視点で今回のカンボジアPKOを見ますと、けさほど来総理から、和平プロセスにおける武装解除がうまくいかなかった、これが最大の問題だったんだというお話がございましたが、その問題を別としましても、これは私が気がついただけで四つ、五つ問題点がございます。  ちょっと順番に申し上げますと、一つは、現地に派遣されたUNTACの指揮のもとに各国が統一して行動する、にもかかわらず我が国の場合は一々その指令が実施要領に適合するかどうかの判断をした上で行動するという、大変現地から見ると窮屈な対応を迫られた部分が多かったんではないか。  二点目、法律で任務が細かく規定されているため、例えば他の部隊に水一杯供給するのに一カ月以上の手続を必要としたという、これは具体的にあったケースであります。  三点目、部隊としての武器使用の制限規定が我が国要員の安全に障害となる疑念、懸念が生じた。これは我が党の塚本議員が衆議院の予算委員会で申し上げたとおりであります。  四点目、危険は武器を携帯した自衛隊だけではなく文民や選挙監視要員にも及ぶものであり、PKOとPKFの区別はつけられない、またつけるべきではないことがはっきりした。  五点目、今の法律の規定では自衛隊員と我が国の協力隊員の生命防護のための武器使用は許されるが、他国の要員やボランティアは除外されているという矛盾が明らかになった。  その他幾つかあろうかと思うのでありますが、今私が申し上げたような、これらは今後議論をしてあるいは改善が必要な項目ではないかと思うんですが、同じような認識をお持ちかどうかお伺いしたいと思います。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 安全対策と、もう一つは実施要領の問題、二つに大きく分けられるんだと思います。  安全対策の中で武器使用について二カ所でお触れになったわけでございますが、この武器使用は我が国の憲法そして今回の平和協力法に基づきまして極力抑制的にできておりますし、総理の御指示、私どももまたこうしたものには極力抑制的であるべきだと実は考えておるわけでございますので、抑制的であるべきだと考えてはおりますが、最小限度のと申しますか最低限度のと申しますか、正当防衛にかかわる部分及びこの平和協力法の二十四条三項にございますように、自己または自己とともに現場にいる隊員について急迫する危険があるときには武器を使用するということにしてございます。と同時にもう一つは、所持してカンボジアに参りました火器は極めて小火器でございます。  したがいまして、まず一つでございますが、塚本議員からもお尋ねがございましたように、今のルールでは個人、自分は守れても部隊が守れないではないか、あるいは他国の部隊が守れないではないか、そういう点を直したらどうか、こういう御指摘が実はございましたが、私どもは他国の部隊まで守るような大きな火器を持って外国に出かけるということについては全く否定的でございます。私どもは、本来のPKO業務は丸腰で、本来国連の信用と勇気ある説得を続けることによって本来の仕事をなすべきものであって、強制するあるいは武器の力をかりて行うというものでは本来ないと思います。  しかし、そうではあっても、現場に行っている人に最小限度の自分自身を守る小火器だけは携行させろということに基づいて極めて抑制的に小火器の所持、携行を認めているわけでございまして、今御指摘をいただきましたが、私は今回のいろいろな経験にかんがみて、もしこういうことがあればこういうふうにならなかったんではないかとか今回の経験を大事な大事な人命を失った対価として後に生かさなければならぬということからすれば、今度の経験にかんがみていろいろ考えなければならぬとは思いますが、今申し上げた抑制的な考え方は将来ともに我々は大事に堅持すべきものだというふうに実は思っているわけでございます。したがいまして、安全対策は別の方法をとるべきものではないかというふうに考えておるわけでございます。  別な方法はどんな方法があるかというと、これはまたなかなか難しゅうございますけれども、例えば武装解除の徹底でございますとか、外交努力でございますとか、あるいはカンボジアの例でとりますとUNTACの他の部隊による警護でございますとか、そういったことにより多くの期待をするということが実は重要なのではないかというふうに思っているわけでございます。  また、今回は全く新しい本格的な国際協力への参加でございますので、指揮、実施要領その他についても随分想定外のことが起きまして、先ほど御指摘がございました水の問題などにいたしましても、随分と現地は慎重に対応をした結果スムーズにいがなかったケースが若干ございましたけれども、こうしたことも今回の経験にかんがみましてでき得る限りスムーズに今後いくように努力をしたい、こう考えているわけでございます。

直嶋正行民社党・スポーツ・国民連合

○直嶋正行君 今の御答弁の中で、非常に難しい論議があるのは私も理解をいたしておりますが、とはいっても現実に、例えば今の安全対策の面で言いますと、我が国から行っているPKOの隊員の方はいわゆる正当防衛で守れるけれども他国の人はだめだとか、やっぱりこれは問題だと思います。それから、今の官房長官のお話を聞いていまして私が思ったのは、人にいろいろ守っていただくのはいいけれども自分がやるのは憲法上問題があるからということなんですが、自分で自分の身を守るのはというより、みずから安全に対して手は打てません、他国の方によろしくお願いをします、こういうふうな感じに聞こえたんですが、果たしてこういうことがこれからも通用していくのかどうか、これはさまざまな議論が必要なことですから今すぐというのはなかなか難しいかもしれません。  私は、今申し上げたような問題点が共通認識として持てるのであれば、そして余り本質論議じゃなくて比較的短時間でやれるものについては、速やかに手を打つべきではないかと思います。また、難しい問題についてもやはり堂々とオープンな議論をしていくべきではないかと思うんです。  最後にこの点をお聞きしまして、私の質問を終わりたいと思います。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) ちょっと私の答弁が舌足らずでございまして御迷惑をかけますが、今回の平和協力法の二十四条の三項に書いてございます武器使用は、自己または自己とともに現場にいる隊員といいますから日本のこの平和協力隊員を想定しておりますが、正当防衛あるいは緊急避難という刑法三十六条、三十七条についての行動でございますれば、それはNGOであろうとあるいは外国の方であろうと問題はないということに恐らく、法制局長官おられますが、問題ないことだというふうに承知をしております。  また、今御指摘がございましたように、私ども、この法律は三年後見直しということになっておりますが、やはり今回のカンボジアの経験にかんがみまして当然だれが見てもここは直した方がいいのではないかというところがあれば、それは十分検討する必要があるのであろうと思っております。  また、PKOが新たにどこかの国に出かけていくというようなことがあるとすれば、カンボジアの経験がそこに生きなくてはやはりならぬというふうには考えております。しかし、法律の何といいますか基本的な見直しと申しますか法律に書いてございます法律全体の見直しは三年後見直しということで、時間も十分がけてやるということが本来のものであろうかと思いますが、私どもは実施計画、実施要領等の変更によってでき得るものはできるだけ処理をしたいというふうにも考えておるわけでございます。  しかし、繰り返しになりますが、この大事な最初の本格的貢献でございますカンボジアの経験を生かすということは我々はやはり考えていかなければならないものと、こう考えております。

直嶋正行民社党・スポーツ・国民連合

○直嶋正行君 終わります。

井上裕自由民主党

○理事(井上裕君) 以上で直嶋君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

井上裕自由民主党

○理事(井上裕君) 次に、聴濤弘君の質疑を行います。聴濤君。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 私は、日本共産党を代表して、カンボジア問題、PKO問題について質問いたします。  カンボジアの総選挙がいろいろな問題を持ちながらも高い投票率で終了をしました。このことはカンボジア国民の平和、民族自決、民主主義、これを求める強い熱意のあらわれであるというふうに思います。しかし同時に、これによって日本から二人の犠牲者が出たというこのことについての日本政府の責任が免れるものではないと思います。また、犠牲者の問題だけではなくて、この間、PKO活動についてあるいはPKO法について政府がずっと説明してきたことと現実との矛盾というものが非常に鮮明な形であらわれたと思います。これらの点をきちっと総括しなければ今後に重大な問題を残すということは明白であります。この観点から私は幾つかの点について質問をさせていただきます。  第一は、総理は衆議院の集中審議の際に犠牲者が出たことと関連して、ポル・ポト派が武装解除をしなかった問題について、事態は予想どおりにはいかなかった、反省すべき問題もあると、情勢の判断に甘さがあったという立場を表明しました。しかし私は、総理は昨年の七月十五日の記者会見で、カンボジアへのPKO派遣は、武装解除というパリ協定の第二段階に無事入っていけるかどうかを見届けるのが先決だというふうに述べました。ところが、ポル・ポト派は武装解除を拒否した。それがもうガリ報告でも当時明白でありました。しかし、政府は派遣を決めました。ですから、この点では情勢の判断に甘さがあった、反省すべき点があったという議論は通用しないと私は思いますが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに昨年の七月に、私はこれからのPKOの問題について、カンボジアのクメール・ルージュが武装解除を拒否しておる、この問題は非常に大事な問題だということを申しております。そういう認識を持っておりました。  そのとき私が考えておりましたのは実は二つでございまして、ポル・ポトがある意味で戦術的にそういう態度をとっておるということはないだろうか、それから今後関係各国、ポル・ポトに影響力を持っております国がこれについて我々の慫慂によってポル・ポトに対して相当の影響力を行使し得るはずである、またそれをしなければならないだろうと。  それから、もう一つ申しますならば、この四派の全部が武装解除をしていかなければ、一つだけ武装解除をしないという状態ではいけないわけですから、ポル・ポトとしては他の三派の出方を見ているということが恐らくあるであろう。それでUNTACが活動を本格的に始めるならば、UNTACの責任のもとに各派とも平等に武装解除をする状況に入れば、ポル・ポトもそれを見届けて自分も武装解除に入ってくるのではないかと。  そういう幾つかのことが考えられるので、そういうことを努力をしながらやはりUNTACの活動を続けることが必要なのだろうと、そういうことを考えておりました。  不幸にしてその一つも実は条件が成就いたしませんでした。残念なことでございましたがいたしませんでしたが、この武装解除ということを非常に大事に考えておりましたことは事実でございますし、それは今申しましたような幾つかの条件の中で、ある程度変化をしていってくれるだろうと考えておりました。これは、結果としてそうなりませんでしたことは見通しが甘かったと御指摘がありましても甘んじて受けなければなりませんが、当時そういうことを思っておりました。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 しかし、武装解除を見届けることが派遣をすることの前提になる、先決だ、記者会見でこういうふうにおっしゃられたわけですから、だから、それは今、そういうことが重要だということはずっと私は考えておったと言われるわけですが、それはわかりました。  しかし、まさに武装解除をしないわけですから派遣はしてはならなかったはずですね。その点とうなんですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それはなるほど聴濤さんのお立場から一つの論理かもしれませんが、私の思いましたことは、だから我々関係国としては、とにかく武装解除をひとつやってもらおうじゃないか、そのためにあらゆる努力をしようじゃないかという気持ちを私としてはどちらかといえば持ちたかったというのが真意でありました。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 当時この問題は大きな問題になりまして、ここつい一年前のことでございますから記憶に新しいところですが、派遣ができる条件にカンボジアがあるのかどうかということを超党派で調査団を出して調べようじゃないかということが、昨年の参議院選挙の公示日、七月八日ですが、そのときの党首のテレビ討論で問題になって、それでその問題が提起され、そのテレビ討論の場で党首がその方向を確認し、衆議院の議運で決定をいたしました、代表団を出そうと。    〔理事井上裕君退席、委員長着席〕  ところが、政府は一方的に有馬調査団を出して、参加五原則を満たしているという報告書を出して派遣をしたと。これもやはり情勢判断の見通しの甘さとかなんとかという問題じゃない。やはりそういう次元の問題じゃないと思うんですよ。  それで、今いろいろ当時の情勢判断の甘さがあった、見通しがそうではなかったということを言うのは、党首会談の合意さえ無視してそういうことを政府はやって、それで見通しがそうではなかったというのはこれは無責任な態度だと私は思うからです。やはり派遣することが先にありきという判断が何よりも先行したと、そういうふうに言わざるを得ないと思いますが、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) そういう感じではございませんでしたので、調査団を派遣しようというお話がございましたときに私が思いましたのは、実はポル・ポトというのはどういう者か実体は大変にわかりにくいわけでございまして、ポル・ポトという人がどこにいるのか、だれがこのポル・ポト派の指揮をとっているのかということは実はほとんどわからないのでございますから、調査団を派遣してわかることなら、これはもうUNTACにしましても政府にしましても恐らくはやっておったことではなかったかと私は思います。  結果としてしかしそうなりませんでしたのですから、これはもう間違いだったと申し上げるしかないのですけれども、実際はポル・ポトの武装解除をする意思ありや否やということを直接確認する方法はなくて、いろいろなことをいたしてみましたけれども、ついに本意というものは確かめ得なかった。これはしかし、結果としてはしませんでしたのですから、どう申し上げましてもそれはおまえ間違っていたよとおっしゃられればそういうことになりますけれども、そういう状況であったように思います。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 武装解除してから派遣すると言っていたことと完全に違うということだけははっきりしていると思うんです。  次の問題ですけれども、犠牲者が出てから政府のPKO法あるいはPKO活動そのものについての説明を、当時PKO法を通したころと変えているというふうに言わざるを得ないと思います。  政府は、PKOというのは停戦合意のできた安全な場所で行う活動であり全くの平和活動だということまでいろいろな出版物でも言いました。したがって、危なくないんだ、危ないときは日本政府の判断で中断、撤退ができる、こう説明をしてきました。これはまぎれもない事実であります。  ところが、総理に伺いますが、二十五日の衆議院の予算委員会で総理は、これは新聞報道に詳報として出ているんですが、PKO活動は「まだ戦いのにおいが漂う中で行われるため、いわば歴戦の勇士のみがこれを成しうる困難な仕事だ。」、こういうふうに答弁をしていると新聞に出ておる。明らかに前のところとは違うんですね、この説明は。こういう違う説明をしておいて法案を通すというのはやはり国民を欺瞞するものだと私は言わざるを得ないと思うんです。歴戦の勇士のみのなし得る仕事だと言うなら、そもそも文民などは当然送れないわけです。  以前の説明と今の説明とが違っているということを、総理、お認めになりますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それはそうではないと思っています。  今、硝煙のにおい云々というのは現実に私が当時使った言葉でございますし、実際ここで重大器を持っていって撃ち合うようなことをすればそれは戦争そのものでございますから、何のためのPKOかわからない。本当にいわば丸腰でこの仕事をするということは、実際は非常に難しい仕事であると思います。ですからノーベル賞をもらったんだと思いますということは何度か御説明を申し上げております。  これは私自身が決してそんな楽な仕事と思っておりませんでしたので、間違った御説明をそのときにいたしたとは思っておりません。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 私、その当時出されました外務省の編集したPKOについての活動のパンフ、これは国民に広く知らされた。それから、これはリーフレットです。そのほかのまた別のパンフ、これは総務庁ですか、がつくったパンフ、こういうものを私持っております。  そこには今私が申しましたように、PKOというのは全く平和な活動だと。何かきな臭い活動だなんということは全然書いてない。PKOは危険な地域に派遣されるのではないでしょうかという質問に対して、そうではありませんと明確に書いてある。さらに、紛争に巻き込まれることはないんでしょうかという設問を掲げて、そういう紛争に巻き込まれることはありませんと、すべてそういうふうに説明されていたんです。それが「歴戦の勇士のみがなし得る仕事」と言う。これは本当に月とスッポンぐらい大きな違いがある。これは明白だと思うんです。  かつての説明と今の総理の説明と本当に違っていないんだと言うならば、それじゃPKO活動というのは危なくないというような説明はしたことがないということに論理的になります。ということは、逆にPKO活動というのは危険なものですよということをはっきりおっしゃった方がいいと思うんですが、そういうふうに総理は考えておられますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 極めて困難の伴う仕事であるということは当時からも思っておりましたし、今もさように思っております。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 当時、PKO国会の審議の際に我が党は、PKO活動というのはやはり軍事が中心の活動であってそれは危険の伴うものだということを実際のPKOの事実に照らしていろいろと指摘をいたしました。  例えば、現在展開中のPKO、イスラエル周辺で展開しているPKOがございますが、これは犠牲者二十八人、それからインド・カシミール州、ここで展開しているのは六名、さらにキプロスで展開しているのは百五十八名、シリア、イスラエル、ここで展開しているのは三十一名の犠牲者、それからレバノンでは百八十八名の犠牲者が出る。こういうのが現在展開しているPKOの実際であります。  カンボジアでは既に外務省の調べで十七名出ている。ですから、全く平和な仕事なんだ、平和な場所で平和のためにやるんだ、こういう説明が当時も成り立たなかったし、今カンボジアの経験を含めて成り立たないことは明確だと思うんです。そうであれば、PKO法を決めたときのPKO法の前提が崩れたというふうに言わざるを得ないと思いますが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっと今のお尋ねは十分に承ることができませんでしたが、今回の場合、法の前提とした諸条件は崩れなかったと判断しております。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 安全だということで成立した法律なんだ、しかし実際は安全でないということなんだから、法の前提が崩れだということを私は質問したわけであります。  さらにもう一つ重要な問題としては、中断、撤退の問題ですけれども、犠牲者が出て、政府の判断で中断、撤退はもちろんのこと、別の場所への配置がえ、文民警察官ですが、プノンペンへの一時的移動さえできなかったというのはこれは事実であります。だれも否定できない事実です。なぜか。これはUNTACの指揮に従わざるを得ないからだと、そう思います。  というのは、法案審議の際にも私たちが指摘をいたしました国連の文書に明確に国連の指揮に入るということが書かれているわけです。そうではなくて、できるんだできるんだというのが政府の当時の説明でありましたけれども、配置がえもプノンペンへの一時的移動もできなかった、これが事実であります。ですから、この政府の説明というのもこれは崩れた、そういうふうに言わざるを得ないと思うんです。この点は責任が非常に重大だと思います。  私はここにニューヨーク・タイムズを持っておりますけれども、ニューヨーク・タイムズのこれは五月十三日付、ここに、日本の政府のさる高官が、PKO法はうその日実で通過させた、こういう論評をニューヨーク・タイムズが掲げておる。どうですか、撤退の問題について、事実、現に起こったことから見て、撤退可能だ、中断を日本の政府の判断でできるというこの説明が今でも通用するとお考えになりますか。

丹波實外務省条約局長

○政府委員(丹波實君) 昨年の議論との御比較をしておられるわけでございますけれども、実は私、昨年、御承知のとおり、国連局長として何度もこの部屋で答弁させていただきましたけれども、昨年の日本の中のいろんな場所における議論は、PKOというものを議論しておりまして我が子を戦場にやるなというようなお声がございましたし、あるいは日本は軍国主義になるんではないかというような声もございましたし、それからテレビではPKOというと戦車が出てくるというような状況でございましたので、PKOというのは戦争が終わった後で脆弱な平和というものを強固にするために活動するものですというところに力点が置かれて議論されたのは、それはおっしゃるとおりでございますけれども、それは日本全体のPKO論議がそのところに集中していたということであった点はぜひ御記憶いただきたいと思うんです。  それから第二番目の問題でございますけれども、私たちここで一貫して申し上げておりましたのは、PKOに出ていったときに通常の状態では国連のコマンダーの指図に従うということを一貫して申し上げていたつもりでございまして、ただいまの状況は、私たち御説明申し上げておりますとおり、その基本的な前提条件というものは崩れていない、したがいまして国連のコマンダーの指図に従って行動しなければならないという状況があるということでございます。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 私の質問に全然答えていないんですね。配置がえもプノンペンへの一時的移動さえもできなかった、このことはどういうことなんだということを聞いているんですよ。はっきり答えてください。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) 先ほど総理からも御答弁ございましたように、政府としては、現在のカンボジアの状況は国際平和協力法の根底にございます五条件が崩れたという状況ではないという判断をしているわけでございます。  この五条件、なかんずく初めの三条件が崩れた場合には撤退ということもあり得る。しかし、そういうような場合は、UNTACが判断する点と日本政府が判断する点において違いはないであろうということを御答弁申し上げているわけでございますが、仮にUNTACの判断と日本政府の判断が異なった場合においても、我が国の判断で撤退はし得るということを一貫して申し上げているわけでございます。  そこで、安全対策のことにお触れになりましたけれども、まさに我が政府としては安全の確保、安全対策の強化ということをいろいろ申し入れてまいりましたし、また政府としても独自にできることはしてきたわけでございますが、安全対策をとってほしいということは何もこの五条件が崩れて撤退をするということではございませんで、崩れて撤退するということになればUNTACのコマンドを離れるわけでございますが、そうでない状況のもとにおいては、先ほど条約局長からも答弁ございましたように、我が国としては、派遣した要員、部隊がUNTACのコマンドのもとには依然あるわけでございます。その範囲内でUNTACとともに協力して安全対策を強化していこうというのが昨今の話し合いでございますので、五条件が崩れたという前提で配置がえをするあるいは撤退をするということとは全然別の問題でございます。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 私の質問には本当のところ答えていないと思うんですね。だって、配置がえもできない、それからプノンペンへの一時的移動もできない。それもできないで中断あるいは撤退はできるというような論拠は全く成り立たないと私は思います。  時間がありません。もう一つ重要な問題があります。政府の、総理の立場をただしたいと私は思います。それは武力行使の問題です。  明石代表は、これは二十日ですか、二十一日の新聞に報道されましたが、「我々には任務を守る自衛権がある。攻撃を受けた場合は、ためらうことなく力強く反撃する」という立場を明石代表は表明しました。国連はそれはできます。しかし、日本はそれはできない。これははっきりしていると思うんです。PKO審議のときにも、武力行使をすれば憲法に反するということでこれはできないと、これははっきりしている。しかし、問題はそれから先です。今度の経験でも明らかなように、日本も任務遂行中にポル・ポト派の攻撃を受ける、そういう状況に置かれたことは事実だと思うんですね。  この現実を踏まえて、衆議院の集中審議の際、二十五日ですが、そういう状況に置かれているんだから現場の判断で反撃できるように法を見直せという議論が起こったことは明確な事実でございます。総理はその際に、憲法があるからそのことは大変難しい問題だと、こう述べておられる。そしてさらに、武力行使に極めて近づく危険に発展する可能性はある、客観的な事実としてですよ、憲法があるから大変難しいが一つのシチュエーション、状況としては武力行使に極めて近づく危険に発展する可能性があると、こう言われた。武力行使するかしないか、これは別だけれども、そういう状況に日本が置かれたということは否定できない事実です。  これはPKO法が予定していたことではありません。また、PKF凍結を解除してみても、それが予定していることではありません。なぜなら、PKFも武力行使はできないということになっているわけで、この点でも今度置かれた状況というのはPKO法と現実とが本当に矛盾しているということを非常にはっきり示したと思いますが、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それはそうではないと思います。法は、そのようなときには我が国は行動を中断することができる、終了することができると定めておりますから、その間の矛盾はないと思います。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 私の今の質問は、武力を行使するか行使しないかということを言っているんじゃないんです。  そういうぎりぎりのところのシチュエーション、状況に置かれるという事実は総理はお認めになったはずなんです。ですから、非常に微妙な今までのPKO法ではもう説明のできない問題というのがここにある。PKO法が予定してない問題に現実に迫られたということは、これは非常に私はっきりしていると思うんですね。いかがですか、もう一度聞きます。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) UNTACがこれに対して必要な措置をとりました、周辺からヘリコプターを動員する等々。我が国もそれに貢献いたしました、財政的には。そのような対応がございましたから、幸いにして御指摘のような状況は発生いたさなかったわけであります。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 個々の安全の問題ということではなくて、現にあのときに、選挙の際にバングラデシュが警護している移動投票所が襲撃されましたし、インドネシアの守っていた移動投票箱というのですか、これも襲撃を受ける。そういう任務にも日本はついていたわけですから、今のバングラデシュあるいはインドネシアが置かれたと同じ状況に日本があった。武器を使ったか使わないか、そのことは別として、その状況に置かれたことは明白であり、だからこそ衆議院の予算委員会でこの問題が議論になったということであって、これはPKO法と現実との矛盾が一層明確になったもう一つの重要な問題だと思います。  こういう状況のもとで、私は最後に、自衛隊それから協力隊は犠牲者も出るようなそういう極めて危険な場所、それから武力行使もせざるを得ないようなそういう危険な場所にいるということは、これは明白なんであって、このままずるずるとあそこにいることはできない。これはPKO法に明確に反するわけですから直ちに一刻も早く帰国させる、このことが当然とるべき政府の態度であると私は思います。  また、PKO法が現実と矛盾することが危険性の面でも中断の問題でも武力行使の面でも極めて鮮明になりました。したがって、法律としてはこれは失敗をした法律だということが明確だと思います。この点では、この法律を廃止すること、PKO法を廃止すること、このことを求めて私の質問を終わります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で聴濤君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、磯村修君の質疑を行います。磯村君。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 カンボジアでいろいろな経過を経て、今日、選挙も終わり開票が行われているわけなんですけれども、これから将来に向かってカンボジアの国民が平和と安定ということを求めて国づくりに励んでいく、こういうことは大変喜ばしい姿であろうと思うんですが、この選挙をめぐっては中立性の問題とかいろいろ議論は残しております。  そこで、今、カンボジアの政府がこれからどうつくられていくのか、その先がどうなっていくのかこういうことが我々大変気にかかるところなんですね。それで、ポル・ポト派の動向というものが注目されるんですけれども、実は二週間ほど前だったでしょうか、NHKの朝の討論番組を見ておりましたら、池田アジア局長が番組に出演しておりまして、プノンペン政権とラナリット派が提携し政権をつくっていくということが望ましいのではなかろうかと。そのときには、まだ選挙という以前のお話だったんですけれども、そういうお話を聞いておりますと、そのときに、ポル・ポト派は新しい政権への協力、新しい国づくりへの協力というものは既に否定している考えがそこににじみ出ているような感じがしたんですけれども、その辺の状況はどういうお考えからなったのか、見通しからそういうことを言われたのか、お伺いしておきます。

池田維外務省アジア局長

○政府委員(池田維君) ただいま御引用になりました私の発言は、ちょうど八日前の日曜日でございますが、選挙が始まるときでございました。したがいまして、現在ではもう投票結果も二〇%弱でございますので、状況はより具体的になっております。そういうことから、私があのとき申しました大体の感じというのは、間違っているとは思いませんけれども、我々としましてはもう少し時間を待って全体が明らかになることを踏まえまして、今後のカンボジアの各政党の間の関係等は検討していきたいと思っているわけでございますが、いずれにしましても、二つの主要な政党が有力であるのではないかという感じはあの場で申し上げました。  そして、ポル・ポト派につきましては、残念ながら選挙には参加しなかったという状況を踏まえて、今後カンボジア人がポル・ポト派に対してどういうように対処していくかということを決めるのではないかということも申し上げました。  そして、新しい政権ができましたときにポル・ポト派との関係がどうなるかということにつきましては、これはまさにカンボジア人自身が決めることでございますし、私どもといたしましては、ポル・ポト派が政権に入るかどうかといったようなことは別にいたしまして、やはり民族の和解というような観点からはできるだけ新しい国づくりに協力していくのが望ましいのではないかという趣旨でございました。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 まして武装解除にも応じなかった、そして幾つかのテロ行為があった、こういう状況を見ておりますと、しかも選挙には参加しなかったということになりますと、我が国としましても、説得等によりましてとにかく国づくりに参加せよということを交渉していくというふうな御答弁もありましたけれども、しかし非常に厳しい状況にある。仮に、もしポト派が新しい国づくりに協力し得ない立場をとったとするならば、私自身疑問に思うんですけれども、今までの、いやポル・ポトはパリ協定を遵守しているんだ、枠の中にあるんだという考え方が、枠の中になかったんだということを証明する結果になりはしませんか、いかがですか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) ポル・ポト派の方がパリ協定を遵守すると、こう言っているわけでございますね。しかし、現実には武装解除には応じてないということで、どうもその辺は言行不一致なんでございますけれども、ポル・ポト派がもしパリ和平協定とは違った方向で、自分はもうあれは認めないんだということになりますと、ポル・ポト派の過去のいろいろ犯した罪というのが今度は問題になってくるわけでございます。そういう面でも、ポル・ポト派はあくまでも今後も自分はパリ和平協定を守っていくんだという姿勢は私は変わらないと思うんです。そこで、しかし現実に武装解除してないということが今多分御心配な点ではなかろうかと思うんでございます。  私どもは、今回の選挙の結果は、けさほどから申し上げておりますように、やっぱりカンボジア国民すべてが少なくとも平和で昔のような本当にのどかなといいますかそういう国になってもらいたい、そして今度はもうそういう内戦も嫌、独裁政治も嫌だ、自分たちの民主的な国家をつくっていこう、私はこういうことだろうと思うのでございます。  ただ、心配なのはポル・ポト派の存在ということでございますので、我々としてできることは、あくまでカンボジアの国民自身がお決めになることではございますけれども、外交ルート等を通じまして、あるいは直接に呼びかけまして、ポル・ポト派の自制を求めていくということは私は今後努力をしていかなきゃならないと思っております。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 その努力が実を結ぶことを願っております。  そこで、カンボジアのこれからの大きな課題というのは、混乱の後の復興、安定ということでございましょう。  先ほど総理からASEANとのかかわりでお話もございましたけれども、当然日本とかあるいはASEANがこのカンボジアの復興と安定に大変責任を持って取り組んでいかなければならないであろう、こういうふうに思うんです。そうしたASEANの枠の中で、そしてまた日本という立場で、これからのカンボジアの復興、安定に日本がどのようにその役割を果たしていくのか、もう少し具体的にお話し願いたいと思うんです。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ASEAN云々と申しましたのも、御承知のように実は日本はASEANのメンバーではございませんから、ある意味で希望的なことを申し上げておると、厳格にはそういう御批判があるかもしれませんけれども、インドシナ半島が今後繁栄をしていくということ、そのこと自身はASEAN各国にとっては非常に関心の高いことでございます。そういたしますと、あとまあビルマだけが実は残るという感じでございますので、大体この地域はそれでいわば繁栄をしていく。そこへどうやっていくかというのがやはり今の問題であろうと思います。  インドシナ半島の中にはこれからの、ベトナムもございますけれども、殊にカンボジアの問題がございますわけですから、我が国としては、カンボジアの復興国際会議もいたしまして、日本がある意味で世話役をしていくつもりでございます。これはいろんな意味で皆さんがそう思っておられますでしょうし、また我々にとってそれは名誉のある大切な仕事だというふうに思っておりますが、他方でベトナム、インドシナ半島そのものの復興も、これも日本にとって大事な仕事でございますから、ASEANの国々とお互いに力を合わせながらやっていこうではないかというふうに呼びかけておるのでございます。  二つのことは一緒ではございませんけれどもかなり関連ある仕事で、そしていろいろな意味での経済協力、あるいはインフラをつくりますとか人材を養成しますとか教育とか訓練とか、もろもろの問題が先ほどもお話がございましたが、いろんな意味での大きな財政負担は、国際機関は当然入ってもらわなければなりません、アジ銀を初めあちこちから助けてもらわなきゃならないと思いますが、やはり主たる財政負担はどうしてもそれは我が国がいろんな意味で筆頭になると申しますか、それはフランスなんかもいろいろやってくれると思いますけれども、それは覚悟しておかなければなりませんと思います。  それをしかし使います上で、やはりASEANの国々に必要な資材を供給してもらうとかあるいは訓練所を設けてもらうとか、何もみんな東京へ持ってきて我々がやるということは必要でもないし賢くもないことであろうと思いますので、そういう形でASEANの国々と一緒にカンボジアあるいはインドシナ半島のこれからの復興をやっていくという、大体そういう腹構えを持っておらなければならないんではないかと思っております。  ベトナムの場合は、ある意味でほかの各国も、資源もあったりいろんなことで強い関心を持っておりますし、またベトナム人自身は恐らく、かつてサイゴンがそうでありましたようなああいう精神を持っておりますから、比較的軌道に乗っていきやすいのではないかと思いますけれども、カンボジアの場合にはそれに比べますとやはりいろいろ外からの援助というものが必要ではないか。殊に、願わくはこれは政情が安定をしてほしいわけでございまして、これがごたごたいたしますと何を申しましても難しくなりますけれども、しかし、カンボジアの場合の方がそういう意味で、いわばないところからつくり上げるようなところがあろうと思いますので、それだけ大変かもしれません。  ですが、全体としてやはりインドシナ半島がよくなっていく、またそれを助けたい、それによってお互いに共存したいという気持ちが周辺のASEANの国々には十分ございますので、我が国としてはそのためのいわばよき仲介役になる、仲介役だけではございませんで相当な財政負担はしなきゃなりませんけれども、そういう考え方でやっていきましたらどうかというふうに思っております。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 今、PKO活動が幾つかのところで行われておりますけれども、きざかもわかりませんが、ボスニアのあの戦いの中で生きている子供たちが、平和がその山の上にあるならば僕はその山の上に登る、平和が深い海の中にあるならば僕はその海の中に潜っていく、こういう歌に自分の気持ちを表現しているわけなんですね。そういう歌を思い浮かべながら、あるいは映像の廃墟の中をさまよっている子供たちの姿を見ますと、早く平和を回復し安定させてやるのは地球の国際的な社会の中の大人たちの大きな責任である、こういうふうに私いつも思うのであります。  実は、私も二月にカンボジアへ参りましてそういう姿を見たわけなんです。学校があっても教える先生がいない、子供たちは学校には行けない、こういう状況、姿を見まして、早く我々はそうした子供たちに援助の手を差し伸べて平和に生きる権利を持つことができるように助けてやる、そういうのがこれから本当に日本の国が果たしていく大きな国際貢献であろうと思うんです。  そんな意味から、早くカンボジアの復興に我が国は乗り出していかなければならないと思うんですけれども、こうした援助、支援の時期というものは新政権が、新しい政権が生まれる前からやるべきではなかろうかと思うんです。外務大臣、その辺いかがでしょうか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 実は、御承知のとおり、今日までも復興支援につきましては、昨年の六月に日本として一億五千万ドルから二億ドルをめどにしてということで、大体これは民生安定のためにということでございますが、そのうち今日までにたしか私の承知しておるのでは約一億一千万ドルぐらいを提供しておると承知をいたしております。そういうものもまだこれから続けていくのは当然でございますし、今御指摘のありましたように、私どもは新政権が発足するまでにおいてもやはりカンボジアの民生安定のためにはできだけのお手伝いをしていかなきゃならないということで、それは政治の仕組みをつくることもありましょうし、あるいはまた今申し上げました民生安定のこともありましょうし、あるいは社会資本の整備ということもありましょう。  いずれにしても、そのようなことを進めるために、カンボジアの当事者の皆さん、それからパリ和平協定に署名している国々、あるいはまたカンボジア復興開発委員会に参加をしている国々、これらの、まだ現在UNTACもございますからUNTACにも御相談をしながら、そのような会合をできるだけ早くやりたいということで各国に今連絡をとっておりまして、私どもとしてはこの六月にはぜひそのような会合を開きたい、こう思っておるわけでございます。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 さて、PKOの反省と申しましょうかそういう問題に入ってまいりたいと思うんですけれども、防衛庁長官にお伺いします。  派遣要員の安全対策ということが非常に大きな論議を呼んだわけなんですけれども、いろいろな窮余の策と申しましょうか、非常に苦しい法律解釈の中でいろんな手が尽くされたんですけれども、カンボジアで行いました選挙にかかわった要員の安全対策について、ああした形での安全対策というものは適法であったのかどうか、防衛庁長官の見解をお伺いしておきます。

中山利生自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中山利生君) 今度のUNTACへの自衛隊の参加ということにつきましては、前からお話し申し上げておりますように、初めての経験ということで、自衛隊に許されている業務の範囲内、日本のいろいろな法制の範囲をきちっと守りながら、今度の経験というものをこの任務の終了後に国民の皆様に改めて認識をしていただこうという姿勢でスタートをいたしまして、現在でもその決意は変わっておりません。  ところが、今おっしゃったように選挙監視要員の女性を含む四十一名の方がタケオの自衛隊の宿営地に宿泊をするということになりました、しかし、この人たちの安全を守るために自衛隊が何ができるかといいますと、今の法制からいいますと警護に当たるようなことは何もできないということになっております。しかし、選挙監視要員は自衛隊の宿営地に泊まることだけでも非常に心強い、安心だということを出発前に言っておられましたし、そういう期待にこたえて自衛隊も何らかの手助けができないものかということで、総理からも言われましたように法制の範囲内でできることは何だろうかということで検討をいたしました。宿営地の周辺にコンテナを並べるとか、選挙監視要員をできるだけ安全な真ん中の方の天幕を充てるとかそれから現地の情報をできるだけ要員の方にお教えをして精神的な安定をしてもらうとかいろいろなことを考えたわけであります。  その中でも、自分たちの自衛隊本体の安全を守るために、また各地に三名とか五名とかで分散をして勤務をします選挙監視要員の安全を守るためにも、それぞれの地域の情報それからタケオ州ならタケオ州全体の情報というものをできるだけ収集して、そしてお互いに現地のことは本部はなかなかわかりにくい、現地に行っている方は全体の情報というものには疎いというようなこともありまして、雨季に入って道路や橋の状況などを見回るついでにそういうそれぞれの投票所を回って情報の交換をし、あるいは飲料水とか食糧をお配りし、そういうことが結果的には物心両面にわたる選挙監視要員をお守りする最大限ぎりぎりのやり方、できる範囲ではないかなということでそういうことにしたわけであります。  それを専門家が聞きますと、警護とか巡回とか法的にもはっきりした言葉が出てきましたので誤解を受けているであろうと思っておりますが、その中身についてはそういう法律に違反するようなことは一切ございません。そういうことを御理解いただきたいと思います。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 PKO協力法には警護とか巡回とかというものは明記されておりませんですね。それで、誤解というか法律の拡大解釈というか、そういうことも我々も非常に疑問を持つんですけれども、こういう一つの問題が起きますと、すぐに法律の改正だとかというふうなことが問題になってくるわけなんですね。外務大臣などは大分積極論のようでございますけれども、やはり憲法、法律というものは事が起きたからすぐにどうしろああしろということを論議すること自体が僕は誤りであろうと思うんです。  例えばPKO協力法というのはああいう一年前に大きな議論の中で、混乱の中でようやく成立して、そして要員が派遣されていったという経緯があるわけなんですから、その経緯、法律案を論議した過程の議論の中身というものをやっぱり尊重しながら法の運用というものをしていかなければいけないんじゃないかと思うんです。勝手に、むやみに拡大解釈したりしていきますと、あるいは法改正論というものを持ち出してまいりますと国民の法に対する信頼感というものは薄れると思うんですね。  一つのPKO活動をしていくためには、法に対する信頼感を国民から得なければできないことでありますから、やはり国民の合意が得られる状況で初めてPKOというものは成り立っていくわけですから、しかも日本の国の立場というものを正確に国際社会に対して理解してもらうためにも法の厳格性というものは必要であろうと思うんです。そういう意味合いにおいて、これからのPKO活動というものは厳格に法律の枠内において、法律を厳格に解釈した上でもって考えていかなければならない問題であろうと思うんですけれども、その辺の見解について総理、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この法律の成立過程におきまして、両院におきまして非常に長い御熱心な御議論がございました。私は、賛成のための御議論も反対のための御議論も同じようにこの法律の成立に寄与していただいたというふうに考えております。そこは大切に考えておかないといけない問題だと思いますし、殊にこの法律が修正になりましたときに三党間の合意というようなものもございまして、もし将来ある部分を復活する場合、あるいは三年後に見直す場合等についてはもう一度協議をするべきだというようなことも特に合意の中に書いてもございます。  そういう成立の経緯がございます上に、今回この法律を適用してみまして大変にいろんな貴重な経験をいたしました。私自身、この法律がございましたので我が国が意義ある貢献ができたことを大変に大切なことだと考えておりますけれども、しかしいろいろな今度体験をいたしまして、そういう体験にかんがみまして今後この法律をどういうように運用すべきか、あるいはもし修正する必要があればどういうように修正すべきか、これは十分時間をかけまして考えていく必要があると思います。何分にもごく最近の経験が非常に鮮烈でございますので、すぐに反射的にそれに対応するようなことでなく、やはりよく一度静かに考えてみる時間が必要であると、こういうふうに考えております。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 ちょっと時間が来てしまったんですけれども、一言だけ確かめておきたいんですけれども、今PKOが非常に国連の中でもいろんな議論があって、だんだん武装が厚みを増したPKOへと移ろうとしている。そういう時期に国連から我が国に対して派遣要請があるような場合、きちっとその辺のことを受けとめていかなければ、国論は非常に分かれて収拾のつかないような結果になってしまって、PKOに対する国民の合意というものがなかなか得られないような状況に陥ると思うんです。  そこで、最後に総理に、そうしたこれからのPKOのあり方、姿というものは我が国としてどういうふうに描いているのか、一言だけ聞いて私の質問を終わります。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 最後に言われましたことの意味はよくわかっております。その辺は決して軽々しく対応いたさないように注意をしてまいります。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 終わります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で磯村君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、島袋宗康君の質疑を行います。島袋君。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 我が国のPKOいわゆる国連平和維持活動の問題は、今回のカンボジアの総選挙において非常に高投票率で終えて非常に成功したというふうな認識をしております。そこで、そういう成功によってめでたしというふうなものではなくして、あくまでもこれからのPKO活動というものはどういうものなのかというふうなことをやはり真剣に議論をして、反省すべき点は反省して将来に備えていかなければならないというふうに私は冒頭申し上げておきたいと思います。  そこで、総理大臣にお尋ねいたしますけれども、今回の我が国のカンボジア派遣は、総理がかつて予言されたとおり、血を流す可能性を覚悟しないままに結果としては血を流してしまった。このことは、たとえカンボジアの選挙が予想を上回った成功を見せたにしてもそれが帳消しになるものではないと私は考えております。事の結果責任について総理はどのようにお考えなのかをお尋ねしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 最初に、御引用になりました私の書きましたこと、誤解はないと思いますけれども、私の申そうとしましたことは、血を流すというのが当然の予期しておかなければならないそういう状況の中で我々は行動をすべきではない、国として。そうではなくて、不幸にも結果としてそういうことになってしまったという場合は、それは分けて考えなければならないということを申したつもりでございます。  今度、この法律の規定するところに従いまして我々としては国際貢献をいたしましたし、これは大変に意義のあることをいたしたと思っておりますけれども、その結果として二人の有為な青年を失いましたことは私はまことに申しわけないことだ、こう考えております。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 外務大臣にお尋ねいたします。  血を流す覚悟もないまま血を流してしまったということについては、国連のPKO活動についての情報分析やカンボジア情勢についての分析の甘さを指摘せざるを得ない。外務省として、今後、国連の活動に対する発言力強化、例えば安全保障理事会の常任理事国になって任務を果たしていくのか、その辺についてどうなのか。また、紛争現地の情報収集能力の強化についてどのような今後の対策を持っておられるか、お尋ねいたします。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 確かに私は外務省へ参りまして感じましたことは、情報の収集、分析に非常に限界がある。もう少し他の国と比べて日本の外交というものが、これだけ国際情勢が非常に複雑多岐にわたってきたわけでございますから正確な情報をキャッチし、それをまた迅速に的確に分析をし、そしてそれによって日本の外交方針を決めていくというのが私は大変必要ではないかということを痛切に感じております。なるべくそのような方向に外務省を改革していきたいと思っております。  それから国連の安保理の常任理事国の御指摘もございました。これは何も私どもPKOの今度の参加が国連の安全保障理事会の常任理事国になりたいということではないことだけははっきり申し上げておかなければならないと思います。また、安全保障理事会の常任理事国になれということは各国からいろいろおっしゃっていただきますけれども、これはやっぱり国連憲章そのものの改正が必要でございますし、そういう面においては国連の機能あるいは組織あるいは財政、いろいろ今国連は一つの壁に突き当たっておると思うのでございます。そういう面で昨年、渡辺前大臣も国連総会でその点を指摘をいたしておるわけでございまして、国連加盟国の間においても、これは国連のあり方というものを再検討しようという空気の中にございますので、私どもその中でどうこれから国連があるべきかということを各国とよく議論をしていかなきゃならないと思っております。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 ちょっと防衛庁長官にお尋ねします。  今回のカンボジアの国連PKOの活動は、事前の予想をはるかに超える厳しいものがありました。そこで、自衛隊にとっては事前に予想もしなかった文民警察官や選挙監視要員の安全確保、いわゆる警護、そして巡回等の問題に対応を迫られた。今度の体験を踏まえて、自衛隊が抱えるPKOの活動に対する今後の課題は何があるのか、そしてどのような対応策を考えておられるのか。  また、今回のカンボジアの自衛隊派遣について、沖縄の那覇空港、これ自衛隊もいわゆる軍民共用という形で復帰後もずっと使用されておりますけれども、非常に超過密だと言われている那覇空港であります。その那覇空港を今度の自衛隊を海外派遣するについて二次にわたって使用されております。今後もPKOの自衛隊派遣についてなおかつ那覇空港を中継基地として使用するお考えがあるのかどうかこの二点についてお伺いしておきたいと思います。  それから、UNTAC代表の明石さんから沖縄に自衛隊の訓練基地を設けたいというふうなさきの発言がございまして、私ども非常にこれを重要視しております。その点について防衛庁長官のお考えをただしておきたいと思います。

中山利生自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中山利生君) お答えを申し上げます。  自衛隊が今度のUNTACのPKO活動に参加をするということになりまして、一番心配をいたしましたのは隊員の安全でございます。普通よりも危険な仕事に従事している自衛隊員でありますが、それが六百名という大勢の人間が異郷の地に行きまして、病気であるとかけがであるとかまた事故であるとかそういうものを起こさないかなということが一番心配の種でありまして、安全対策については十分配慮をしてきたわけでございます。  自衛隊につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、今回は初めての任務、これは非常に厳しいわけですけれども、いろんな規制の中できちっと仕事をしてくる、そしてそれを国民の皆さんの御判断に仰ごうということが基本的な姿勢でございますので、今現在どういうふうに変えていただきたいということは申し上げられないわけでありますが、文民警察の方、それにボランティアの方、お二人予想外の事故でお亡くなりになりまして、まことに残念で、また怒りにたえないわけでございますけれども、これも自衛隊は一つの自己完結型の部隊として現地に行っている、それからボランティアの方あるいは文民警察の方は非常に小人数な形で外国の人と行っているという、その違いがああいう危険になったんではないか。そういうのはひとつこれからも反省をしなくてはいけないと思います。  それから沖縄でございますが、往復に沖縄の基地を使っている。これは御承知のような飛行機の航続距離の関係もありましてフィリピンとか外国の基地も使用させていただいておりますので、いろいろ過密というような御事情もあろうかと思いますが、これは御容赦をいただきたいと思うわけでありますし、今明石さんから何か施設というお話がありますが、これは全然聞いておりません。いろんなところにいろんな構想、例えばハワイで訓練施設とかいろんな構想がございますが、私どもは一切関知しておりません。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 自治大臣、安全を強調して送り出した文民警察官等の犠牲という深刻な状況を踏まえて、我が国の国連平和維持活動に対する自治体の抱える課題、その問題について自治大臣としてどのように今後対処されるおつもりなのか、お聞かせ願いたいと思います。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(村田敬次郎君) 島袋委員にお答えいたします。  高田さん、中田さんという若い本当に貴重な命が失われたことを心から痛切に感じております。  そこで、選挙監視要員あるいは文民警察官のことでございますが、選挙監視要員の場合は十三名の方が地方公共団体から出られまして、そして世界三十二カ国から派遣された方々とともに十分その任務を果たしていただいておるところでございます。そして、今後もカンボジアが民主国家として発足をしていきますためにいろんな対応をUNTAC等がまたされていくことだと思いますが、私どもは総理のもとで総理の方針に従って対応したいと思います。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 最後に、総理大臣にお伺いいたします。  総理は湾岸危機の際に、国連を中心に据えた安全保障が初めて機能し始めたことが今回であると、いわゆる国連が機能し始めたのは湾岸戦争のときからだというふうなこと、それは戦後我々が新憲法をつくってきたときに想定していた国連の理想に向けて国際社会が初めて第一歩を踏み出した出来事だというふうに述べております。国連常設軍の創設という構想もあることを示唆しておられるように思います。今度のカンボジアのPKO体験を踏まえて、国連のいわゆる強化発展に今後どのように取り組んでいかれるか、総理の御見解を承りたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ブトロス・ガリ事務総長が平和のアジェンダ、課題として述べておられることは、私も自分でいろいろ考えたことがございますのでよくわかりますけれども、その私が書きましたもので国連軍の創設と申しましたことは、当分実際には難しいだろうというふうに思っております。二つ条件がございまして、一つは国連というものが本当に世界すべての国のものであって公平なものであるという、それだけの信頼をから得なければならないということ。次に、国連常設軍を構成する人々はすべて私は国際公務員でなければならない。自分の国の国益というものを離れませんと本当のそういう活動はできないであろうと思いますので、その二つの条件が具備しましたらそういうものができるだろうと思いますが、それは近い将来にとてもできるとは私は思っておりません。  そこで、ガリさんが一生懸命言われますように、何とかして国連の旗のもとに平和をつくり出すことはできないかと言っていらっしゃるわけでございますが、やはりそのためには国連というものが常に公平である、本当に人類愛に奉仕しているということについてのやはり信頼、つまりどこの国の支配をも受けていないという信頼と、それがありましたらよろしいわけですけれども、それからもう一つは、それに従事される人々が同じような精神でやっぱりそういう仕事をしてもらわなきゃならないということでございますから、ソマリアのような場合にはたまたま可能になりましたけれども、なかなか簡単にできることではないように思います。  安保理事会でひとつその話を掘り下げようということは私は大事なことだと思います。もちろん我が国として我が国から、日本人として日本の国益を背負った者がそういう活動に従事するということは私は非常に問題があるということは前々から申し上げておりますけれども、願わくは安保理事会でそういう御議論が進むことは望みますけれども、しかし、そのためには国連というものがやはりそれだけの中立性と信頼をまず獲得しなければならないのではないかというふうに思っております。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で島袋君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、小池百合子君の質疑を行います。小池君。

小池百合子日本新党

○小池百合子君 初めてこの予算委員会での質問に立たせていただきます日本新党の小池でございます。  カンボジアでの総選挙の投票が高い投票率でひとまず完了したことは何よりでございますし、またそこに至るまで中田さん、高田さん、二人の日本人の犠牲者、そして多数のカンボジア人とそして外国人の命が失われたことを大変残念に思うと同時に、心より御冥福をお祈り申し上げたいと思います。  さて、そこでどうするかということでございますけれども、御存じのように、私どもはこのPKO法の成立に関しましては昨年の国会の方に参加しておりません。そこで、全く違った観点からちょっと伺いたいと思っております。このPKO法につきましては、この参議院にあっても百時間を優に超す、戦後で数えましても三指に挙がります長時間を割いて審議なさったわけでございます。そこで、PKO法の審議のあり方そのものについて伺わせていただきたいと思っております。  と申しますのも、私は昨年一国民としてこのいわゆるPKO国会の流れを見させていただきました。しかし、どこか肝心の議論が抜け落ちていたようにそのとき感じたわけでございます。立法府である国会の審議でございますので、どうしても法律の文言に与野党とも細心の注意をお払いになるのはこれは当然のことだと思いますけれども、しかしその百時間の中で本当に本当に真の国際貢献について、そしてその理念について、また東西の冷戦が終結した今、日本としてどうあるべきなのか、何ができて何ができないのかそしてしなければいけないのになぜできないのかといったようなそういう原因の追求であるとか、さらには実際に派遣される方々の安全についてどこまで審議されたのか、疑問を感じざるを得なかったわけでございます。もしそれが行われていたとしても、少なくとも国民の多くの方々に伝わっていたかどうかこれは疑問に感じるところなわけでございます。  その結果として、国民の目に焼きついたのは牛歩ということでございますけれども、牛歩という物理的な抵抗しかできなかったことにつきましても、むしろ私はそれは現在の国会が抱えるシステム上の問題ではなかろうかというふうにも思うわけでございます。今、政治改革ということで選挙制度の論議が行われておりますけれども、それが入り口とすれば、その受け皿であるこの国会の改革ということもこれから考えていかなければならないと思うわけでございます。  そこで、総理に伺いたいと思います。  まず、このPKOの法律が成立するに至りましての論議が実際十分であったと今思われるのかどうか。そして、このPKO法が成立に至るまでの過程において政府が安全性ばかりを強調しながらも文民警察の中からも死傷者を出したという現実、これらを国会全体の問題としてとらえた場合にどのように改めるべきか、その辺のところを伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この法律の成立の過程におきましては、両院で非常に長いこと、しかも御熱心な御議論がありました。私は、それは大変に有意義な議論であった、賛成のお立場からも反対のお立場からも十分論議が闘わされたというふうに考えております。  と申しますのは、やはり我々の持っております自衛隊が、国連の平和協力という目的ではありますけれども、戦後初めて海外に出るということはこれはやはり我が国にとりまして非常に大きな出来事でございます。また、周辺の国々も世界の国々も、いろいろな思いでそれを見ているだろうということも十分に考えなければなりません。したがいまして、これを可とするか否とするかということは、国会であれだけの御議論がございましたことは私は十分理由のあることであるし、またその結果としてある程度問題の所在が国民の皆様にもわかっていただけたというふうに考えております。  で、現実にカンボジアに部隊、要員を派遣してみまして幾つかのとうとい教訓をお互いに得ておるわけですけれども、法律との関連で申しますならば、部隊の派遣とその活動につきましては比較的予想どおりのことが行われたと思いますけれども、要員として個々に活動をされる方々につきましては、このカンボジアという国の事情もあったと思いますけれども、やはりいろいろ不安がつきまとった。国会における御議論が当然のことですが自衛隊の派遣について集中いたしましたために、文民あるいは要員というものの活動について、私どももそうでございますが、御審議の方でももう一つ考えておくべきだったということをこのたびの経験で感じておりますけれども、全体といたしましてあのような御議論が長いこと行われましたことは私は極めて有意義であったと考えております。

小池百合子日本新党

○小池百合子君 有意義であったとおっしゃるその議論を踏まえまして、それでは、これからさらに国際情勢なども先ほどからも御答弁にありましたように複雑多岐にわたるわけでございまして、さらに加速度的に世界がいろんな方向に進んでいる、それに対処できる国会にするためには一体どのようにすればよいのか、総理の御所見を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) そのことは実は国会のあり方についてのお話でございますので、私の今の立場からお答えを申し上げることはひとつ御遠慮をさせていただきたいと思います。

小池百合子日本新党

○小池百合子君 きょうはPKOの集中審議ということでPKOに集中せよということなんでございましょうけれども、しかしながらやはりこの審議を行う国会の場そのものから考えていかねばそういった世界の動きにフォローアップできない、もしくはもっと先を走るようなことができない、そういう国会にあることが今の政治不信にもつながっているように思われましたので、ここで申し上げさせていただきました。  午前中からの審議を伺っておりまして、総理、官房長官から、初めてのこれはPKOの参加であって、そして現実のことでわからないことが多かったのは事実である、そしてポル・ポト派の武装解除が行われなかったのが一番の誤算というような発言が聞かれました。昨年のこのPKOの審議の中でも、当時の宮下防衛庁長官でございますけれども、PKO要員が死傷する場合などは非常にレアケースである、そもそも平和業務なんだからというふうに述べてこられました。とにかく安全なんだ、大丈夫なんだといった発言ばかりが相次いだわけでございます。  確かに、カンボジアへのPKO要員の派遣というのは日本にとりまして初めてのことですし、また予想だにしないことが起きるのはPKOのみならず国内でも日常の生活でも同じことだと思います。しかし、まさかのとき、そして非常時のことを想定してあらゆるケースについて対処できるよう、特に国民の命がかかっているわけでございますので、そこをいかに冷静に判断していくかということが、僭越ではございますが政治の責任だと私は信じております。国民を、表現がどうかわかりませんけれども、言いくるめて、実際に非常事態が起こったときには責任逃れするようなそういう政治であるならば、むしろ危険じゃないかというふうにも思うわけでございます。  そこで、このPKOの協力法につきましての見直しについて伺いたいのでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、今世界情勢というのは本当に日々新たな方向にどんどんと進んでいる、そういった中で三年後の見直しということを設定しているわけでございますけれども、その見直しまでにまた何が起こるかわからない。いつ、どこで何が起こるかわからない。さらに日本のPKOが必要とされるという場合が起こったといたしますと、そしてまた万が一に備えるのが政治であるといたしますと、三年後でございますか、その見直しの時期を待ってということではまた現実の問題として何が起こるかわからない。そしてあらゆる場合を想定するのが政治であるならば、むしろ早急に見直しをすべきではないかというふうに思っております。  例えば武藤外務大臣が五月の十九日でございますか、衆院における答弁で、三年を経過しなくともPKO法そのものの改正をしてもいいというふうに述べておられますし、また村田自治大臣も十八日の記者会見で、憲法問題を含めてPKO協力法の見直し議論をすべきだという考え方を示されております。  そこで、実際に考えなくてはいけないのは、現地に派遣される方々が、いろんな場合がこれから起こってくるそのときに、いろんな解釈であるとか判断であるとか、それを待ってはいられないという状況でございまして、ある意味で一番気の毒なのはその一番前に立たされている方々ではなかろうかというふうに思います。反省、反省という言葉が聞かれておりますだけに、そういった反省を踏まえてむしろ早急な見直しを図るべきではなかろうかと思うのでございますけれども、総理と外務大臣から御答弁いただければありがたく思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) とうとい二人の犠牲者を出しましたし、またクメール・ルージュが武装解除に応じなかったということは事実として起こりましたので、それは私どもの予想しなかったことでございました。しかし、この法案の国会における御審議が何か国民を言いくるめてとおっしゃったとしましたら、それは私の聞き違いであることを希望いたします。  それから、この法律はしかしそのような慎重な御議論、熱心な御議論の過程で成立をいたしまして、この一部の適用除外あるいは全体の見直しにつきましても慎重に時間をかけてやろうという三党間の合意もございましたりいたしまして、私といたしましては、この法律そのものがそういう非常に慎重な過程でできたものでございますだけに、余り反射的にすぐここを直そう、あそこを直そうということを考えるのには少し時間をかけた方がいいのではないかという感じを持っております。  ただいま小池委員が幾つかのことを言われまして、確かに現地で仕事をする人にいたしますと、日本の憲法はよその国の憲法と違いますのでこの法律は非常にいろんなことを厳格に書いてございます武器の使用にしてもそうでございまして、それから適用につきまして御批判のような点もあったと思います。自衛隊の部隊の病院に、よその人がちょっと診察してほしいと行ったときにそれをしてもよろしいかよろしくないかといったようなこと、あるいはよそに水をやってもいいか悪いかというようなことまで実は書きましたものですから、どうもべからずになっておった点はございます。これは、今後実施要領等を書きますときの反省材料ではございますけれども、私は、法律そのものは随分御熱心な過程を経てできたものでございますから、そう簡単にあそこを直す、ここを直すというふうには恐らくまいらない、よほどそれは慎重に時間をかけていたすべきことではないかと。今回経験いたしましたことはたくさんございますので、それらは貴重な資料としてこれから反省をしてまいりますが、すぐに法律を手直しするということは、これはやはり慎重に考えた方がいいのではないかというふうに思っております。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) たまたま、国連ボランティアの中田さんに続きまして文民警察官の高田さんが犠牲になられました。そんなときでございましたので、私はやはりあのPKO法の議論はいろいろなされたけれども、どちらかといえば自衛隊の海外派遣の方に時間がウエートがかかって、いわゆる文民警察その他民間の方々の安全対策という点においてはもう少し議論されてよかったんではないかなという感じがいたしましたものですから、その辺の見直しをしたらどうかということを申し上げましたが、総理から、しかし時間をかけてやろうじゃないか国民の理解を得てやらなきゃいけないんじゃないかということで、それじゃ時間をかけていきましょうと、こういうことを今申し上げておるわけでございます。

小池百合子日本新党

○小池百合子君 時間をかけることも必要ですけれども、世界の流れというのが非常にスピードが速いという、その感覚というのも同時に考えていかねばならないというふうに思っております。  そのほか伺いたいのですが、もう時間ですね、また改めて伺います。  どうもありがとうございました。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で小池君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにてPKOに関する集中審議は終了いたしました。  本日の審査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十二分散会

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