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126回国会参議院1993/05/28

予算委員会 第17号

発言数
278
登壇者
43
会派数
7
開催日
1993/05/28

会議録

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成五年度一般会計補正予算、平成五年度特別会計補正予算、平成五年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。  昨日に引き続き、質疑を行います。白浜一良君。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 まず初めに、現在緊急の課題となっております政治改革について総理のお考えを伺いたいと思います。  もう衆議院でも百時間を超える論議が行われまして、それぞれ論点というのは明確になっておりまして、議論し尽くされたと考えて私はいいと思うんです。国民の政治改革を求める声から申し上げましても、もう要するにぎりぎり妥協案を図る段階である、議論はし尽くされた、このように私受けとめておりますが、総理はどのようにお考えですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ぜひこの国会におきまして抜本的な政治改革をお願いいたしたいと私は考えております。また、自由民主党でも自由民主党としての案を提案いたしまして、ただいま特別委員会において御審議中でございます。地方公聴会なども終えられましたので、御審議は言われますように最終の段階に入りつつあると考えておりまして、ぜひこの国会中に成案を得ていただきたいと念願いたしております。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 総理、そういうコメントの段階では私はないと思うんですね。きょうは野党の党首会談が行われるわけです。それでいろんな協議をきょうはされるでしょうけれども、そういう原則論を言っているということは、もうこれはお互いの立場に固執していると成案ならないわけですから、だから案をまとめるためには一定の決断をせざるを得ないというそういう段階にあるわけですね。  そういうことで、既に総理が自民党に対してそういう調整の案をまとめるという指示を出されたという報道も一部あるんですが、この点はどうなんですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私としては、この国会でぜひ成案を得たいという私の考えは自民党に申してございます。それから、委員会の審議が公聴会も終わって最終段階になったということについての認識も申しておりますけれども、どういう案でどうというようなことを具体的に申しておることはございません。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 きょうの野党の党首会談ではいろんなことが語られるでしょうけれども、報道によりましたら、方向性としては野党は、いわゆる妥協案としては連用制を軸に野党案をまとめようという、こういう動きがあるわけでございます。これは一党の考えじゃなしに野党全体の意見としてまとめていこうという流れがあるんですが、このいわゆる連用制を軸に野党が結束しつつある流れ、これは総理はどのように受けとめられますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 野党の党首が会合されるということを伺っております。その結果として、具体的にこういう案がいいという具体性のあるものがいろいろ御議論の結果出てきましたら、これは一つのやはり事態の前進であろうと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 もう一つは、具体的な案だと認めるということでございますが、そういう流れの中で野党全体といたしまして、与野党の党首会談をこの政治改革のテーマで緊急課題としてやろう、こういう呼びかけがございましたら、総理、受けられますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 今私の申しましたのは、ただ何制とかいう言葉でなくて、具体的にどういう案だということでなければ案としてそれをベースにするということが、やっぱり具体性が大事であるというふうに考えます。  それから、党首会談というものは最終的には意味のあるものであろうと考えておりますけれども、具体的な内容というものについての詰めと申しますか、検討と申しますか、そういうものを前提にいたさなければ、ただ会談をしたらそれで意味があるというものでございませんので、具体性がもっと備わりました段階でならば考えることができると思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 ですから、私はそういう前提で話しているんです。野党全体が具体性を持ってまとまればお受けになりますかと私言っているんです。それを言ってください。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) まず、まとまるかどうかを拝見したいと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 昨晩のニュースを見ておりましたら、きょう野党の会談を受けて、五時半には梶山幹事長を官邸に呼ぶ、何らかの指示を行う、こういう報道もされたわけでございますが、こういう報道はどうなんでしょう、事実関係は。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この問題につきましては、自由民主党といたしまして幹事長を軸に対応するというのが本来と思いますので、場合によりまして、実は二、三日前もありましたが、きょうも意見交換をする必要があるかもしれません。きちっと予定はいたしておりませんが、そういうことは十分あり得ることと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 もう一点総理に聞いておきたいんですが、この連用制の案が出てきたときに総理は、わかりにくい制度だ、こうコメントされております。連用制に関してはこのコメントしかないわけでございますが、これ、どこがわかりにくいということなんですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 実は、私はもちろん読んだらわかりました。わかりにくいと言ったら勉強が足りないと言われましたが、そんなことはない。それはわかりますけれども、一般の投票をされる方、一般の有権者にとっては一遍読んでもちょっとわかりにくいだろうなと思いますですね。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 余り論議するつもりもございませんが、有権者は党と人を選べばいいわけですから、そんな難しい制度でも何でもないんです。  もう一点お伺いしておきたいんですが、もう会期末まで一カ月切っているわけですね。  後藤田法務大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、日程の関係で申し上げましたら、たしか日経新聞ですか、何かインタビューされたときに、参議院の審議も考えれば一カ月程度必要だ、こういうコメントをされているんですね。もう一カ月切っているわけでございます。党内では後藤田大臣、副総理が精力的に政治改革の意識を持って動かれているという報道もされておりますが、今の一カ月切った時点でどのようにこの政治改革の実現性という観点で認識をされておりますか。

後藤田正晴自由民主党法務大臣

○国務大臣(後藤田正晴君) たしかそんなことを言った記憶がありますが、これは一般の常識論を言ったんです。  それは、法律案というものはやはり衆議院だけじゃありません。参議院で御承認願わなきゃなりませんね。そうなると、参議院の審議日数というものは当然考えなきゃならない。まあどんなに考えても少なくとも二十日間ないし一カ月間ぐらいの審議期間というのはどの法律だって必要なんじゃないでしょうかね。そうなりますと、六月二十日が本国会の終わりでございますから、だんだんあの問題の論議も煮詰まってきておりますけれども、日がその面から見るとだんだん窮屈になってきておる、こういうことを頭におきまして、法律案というものの参議院における審議日数というものを考えて逆算をした常識論を申したにすぎません。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 常識論にすぎませんとはおっしゃっても、これはより最大の今国会の課題でもあるわけで、総理、これは具体性を持ってこの話がまとまっていくという前提でございますが、会期末も迫っております。そういう具体性を持ってまとまるという流れであれば、これは多少会期を延長してでも今国会でまとめるというそういう認識に立っていらっしゃるわけですね。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは、名前でなく具体的に中身がまとまりましたら、これ法案化することはそんなに難しくありません、実際前にも似たような作業をしたこともあるわけでございますから。無論これは議員提案でございますから院で法案化をされるんだと思いますけれども、そういうもののひな形は幾らもございますしいたしますから、それに私はそんなに時間がかかると思っておりません。  もとよりこれは参議院でも御審議をいただかなきゃなりませんが、きょうの野党の党首のお集まりは参議院の会派も加わっておられるようでございますから、もしそういう全体の中での合意ができれば恐らく参議院におかれましても大筋は合意をしていただけるということになるでございましょうから、そこまで考えますとそんなに時間が私はかからないだろうというふうに今は思っております。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 いずれにしても、合意されて間に合えばそれはそれでいいわけですから、多少窮屈になれば延長してもこれはいいわけでございまして、当然それはまとまるという前提の話でございます。  もう一点、けさの報道を見ましたら、何となく並立制で、自民党案としては妥協案の一つの案として並立制を軸にという報道が非常にたくさん出ているわけでございますが、この点何か、こういう御指示というか動きが具体的にあるわけでございますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども申し上げましたが、こういう案でというようなことを私は申したことがございません。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 えらいそっけない返事ですが、いずれにいたしましても、宮澤総理、自民党総裁としてもそうでございますが、これだけのいわゆる一連の政治腐敗、国民の厳しい声を受けての今回の政治改革への取り組みであるわけですから、これは総理みずからが決意されているように、何としても腐敗防止の対策、同時に選挙制度、中選挙区制の持っている一つの制度的な欠陥というのがあるわけですから、一貫しておっしゃっているように、一括して今国会で政治改革をしなきゃならないというそういう決意で取り組んでいただきたい、このように思うわけでございます。  しかし、最近いろいろ報道を見ておりましたら、国民の声を拾いましたら、本当でやる気なんかないで、もう政治家というのは格好つけているだけやというそういうさめた厳しい見方があるんですよね。そういう中で国会でいわゆるこの論議をされているわけでございますから、これはなまはんかなそういう決意ではだめだと、閣僚の中でもそういう発言をされていらっしゃる方いらっしゃいますが、これは成案にならなかったで済むようなものじゃないという、これはだれが考えてもわかるわけでございます。  最後にもう一点、総理の、この国民の冷ややかな厳しい声がある中で具体的な成案を図らなきゃならないというその辺の御決意を伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど申しましたことに変わりはございません。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 それでは、次に移りたいと思いますが、ちょっとカンボジア問題で何点かお伺いしたいと思います。  中田さん、また高田さんというとうとい命を亡くした日本の初めてのこういう平和協力の活動であったわけでございますが、しかしながら、選挙はいろんな不測の事態が予測される中で非常に高投票率でおおむね平穏に終わったわけですね。  私、現地に行っておりませんが、報道を見ておりましたら、カンボジアの国民は、今までの悲惨な内戦の歴史が当然あったからでしょうけれども、この選挙をやれば平和が訪れるという非常に期待というものがある。この選挙をやれば平和が訪れるんだという国民の希望がああいう高投票率であらわれているんじゃないか。朝早くから投票所にたくさん集まっていらっしゃるという姿にあらわれていると思うんですね。だからこそ、逆に言えば、この選挙が終わってからまた再びそういう戦乱の地になるということはこれは許されないわけでございまして、選挙が実施されたということがその後カンボジアの平和建設につながっていかなきゃならないわけですね。  ところが、いろんな不測の事態というのはまだまだ考えられているわけです。プノンペン政権が勝ち過ぎるとポル・ポト派はより強烈に攻撃するんじゃないかとかいうこともございますし、また実際、プノンペン政権の高官が、新しい選挙によって政権ができればポル・ポトを討伐するんだという過激なことを言っている。そういう方もいらっしゃるわけで、そういう選挙に対するカンボジア国民の希望を確かな平和の歩みとするために、私はいろんな意味で日本も努力しなきゃならないと思うわけでございますが、何か特に考えていらっしゃることがございましたらお教えいただきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 今お話のありましたように、カンボジアの国民の皆さんがあのような高い投票率で投票なさりたということは、今御指摘のとおり、とにかく平和な国家でありたい、もう二度と内戦はこりごりだと。それから、やはり長い間総選挙は行われませんでした。二十一年ぶりでございます。何としても自分たち国民の手で国民による政府をつくっていきたい、国民による国家をつくっていきたい、こういうつもりで私はあのような投票になったと判断をいたしておる。今御指摘のとおりでございます。  そういう中で、またしかし選挙をボイコットしたポル・ポト派があるじゃないかという御指摘でございますが、国民の皆さんが平和な国家でありたい、もう二度と内戦はこりごりだというお気持ちはありますから、これからカンボジアでは制憲議会がこれででき上がり、そして新しい政府がつくられていくわけでございます。カンボジアの国民によって私はその点は民主的な平和な国家をおつくりになると思っておりますけれども、我々としてももちろんポル・ポト派の存在というのは忘れるわけにまいりません。ポル・ポト派の皆さんもやはりカンボジアの国民なんでございますから、この選挙の結果を踏まえて平和裏に何らかの形で国づくりに、それは政権の中へ入ることはもう選挙をボイコットしちゃったんでございますから不可能だと思いますけれども、政権の外にありましてもカンボジアの国民としてやはり国づくりに参加していただくというようなことを私どもは外交努力でやっていくというのは当然だと思っております。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 そのとおりだと思うんですが、シアヌーク殿下がいわゆる救国政権という構想をお持ちになっておりましたが、ポル・ポト派を排除するということが昨日の報道で極めて明確にされたわけですね。それはそれで流れで当然あるわけでございますが、ところが中国の銭其シン外相は、やはりポル・ポト派も抱き込んでそういう暫定政府をつくるべきだと、そういう意味でシアヌーク殿下の役割を期待する、こういう表現をされているわけですね。ですから、選挙後の政権といわゆるポル・ポト派の関係を我が政府としてはどのように考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) シアヌーク殿下はかつては救国国民戦線といいますか、全体をという話でございましたし、きのうあたりの報道によりますと、今度はポル・ポト派は排除するというふうな報道がなされております。  必ずしも私は正確な情報はつかんでおりませんのでわかりませんが、先ほど申し上げましたように、いずれにしてもこれはまず第一義的にはカンボジアの国民の皆さんがお決めになることでありまして、そして正直、カンボジアの国民に対して非常に求心力をお持ちになっているのはシアヌーク殿下であり、そしてまたSNCの議長でもあるわけでございますから、その辺はやはりシアヌーク殿下を中心とされて国民の皆さんがこれから決めていかれるべきであって、日本が政権の中にポル・ポト派も入れろとか入れるべきではないとか言うようなことはこれは内政干渉にもなりかねませんので、私どもはそういうことは言うべきではなく、外交努力としては、ポル・ポト派もとにかくもう内戦だけはやめてほしいと、こういうようなことは私どもは外交努力としてやれるんではないかと思っております。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 きょうの報道で、カンボジアの今川大使が、そのシアヌーク殿下の発言を受けてでしょうけれども、要するにポル・ポト派を排除するのは現実的でない、こういう発言をされておりますね。これは連携をとられた一つのお立場なんでしょうね。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、前々から今川大使にはポル・ポト派にも自制を求めるようにいろいろのルートを通じてやるように指示をいたしてありますので、今度の発言は私との連携ではございませんけれども、その延長線上としてとにかく、私が申し上げるように、内戦が二度と起きないようにと、こういう意味から言ったものと私は理解をしたいと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 もう一点、この選挙後の平和を維持していくために、どういう選挙結果になるかわかりませんが、フランスの外務省が選挙が終わって選挙結果がはっきりしたらカンボジアで関係国のそういう国際会議をやるべきだと提唱されていると言われておりますが、これは知っていらっしゃるんですか。それで、我が国としてはどのように対応されるんですか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 新しい政府が発足するまでにはパリ和平協定によれば三カ月と書いてございますが、やはりカンボジアの現状を見ますれば、民生の安定のためにできるだけ復興のためにお役に立つことはやはり国際的に協調すべきではないかということで、これは日本からも関係国に働きかけております。もちろん関係国にはフランスも含んでおります。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 だから、このフランスの提案より日本の提案の方が先に行き渡っているわけでございますか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 御承知のように、カンボジア復興国際委員会はフランスと日本が共同議長国でございますので、そういう意味では共同というふうにお考えいただいて結構かと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 私が申し上げておきたいのは、さっきも言いましたように、これはまた不幸な内戦につながってはいけないわけで、そういう面ではパリ和平協定の中で一部守られていない武装解除の問題とかあるわけで、この辺はあらゆる外交手段を通して最大限の手を打つべきだということで申し上げたわけでございます。  それから、少しお伺いしたいんですが、最近、撤収のことがよく議論をされているんですが、これは防衛庁だけで考えていらっしゃるんですか。任務を終えてもういよいよそういう撤収の段取りをどうするかという、日本に帰国するということですね、その辺はどうなっているんですか。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○政府委員(畠山蕃君) 御質問は、任務が終了して平時において引き揚げてくるという計画についてだと思いますけれども、これにつきましては防衛庁の中で事務的に検討を進めておりまして、ある進んだ段階におきましては当然ながら協力本部とも協議をし、必要に応じて外務省とも協議をした上で、特に現地との協議も調整もとらなきゃいけないということでございまして、現段階では防衛庁の中で事務的に検討を進めているということでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 当然、防衛庁の中で準備を進めていらっしゃるということですが、報道によりましたら、装備を極力現地に残して身軽に帰らせたいというそういう基本的な考え方があるというふうに報道されているんですが、この辺はどうなんですか。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○政府委員(畠山蕃君) 御指摘の点もまだ検討の段階でございますけれども、まさに持っていきましたものをすべて持ち帰るというオプションとその中の一部のものについては現地に残してくるというオプション、両方あり得るわけでございまして、特に現地においてぜひ残してくれというようなものにつきましては、もしそういうものがあれば、これは所管がえをした上で物資協力というルートに乗せて、法律上物資協力というのがございますので、そういう形で置いてくることがカンボジア国民の喜ぶところであるならばそれにマッチしますし、かつまた、引き揚げのときの時間的スケジュールの上からいってもメリットがあるという、両方を満足させるという意味におきまして一部置いてくるということも検討の対象にいたしておりますが、これは物品管理法等々の建前から関係各省との協議を必要といたしますので、現段階ではまだどちらと決めているわけではございません。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 それで、もう一点確認しておきますが、置いてくるものの中には、いわゆる武器と言われる定義がございますね、これ、そういうものは当然入れられないわけですね。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○政府委員(畠山蕃君) いわゆる武器に相当するものにつきましては置いてくる考えは持っておりません。念頭にございますのは、やや具体的に申し上げますとプレハブのたぐいでございまして、こういったものを果たして一たん崩して持って帰ってくることが必要であるかどうか、現地との関係も含めましてこういうものを検討の対象にしているということでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 もう一つ具体的に聞きますが、たくさんトラックとかブルドーザーとか行っているわけでございますが、こういうものも、輸出貿易管理令別表第一ですか、これずっと細かく書かれておりますが、そういうトラックとかブルドーザーなんかもこれは武器の概念なんですね。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○政府委員(畠山蕃君) トラックが武器に相当するか、これは今御指摘のは武器輸出管理との関係、武器の輸出に関する法令等の適用上の問題だと思いますが、これについては正確には通産省の所管でございますけれども、いずれにいたしましても、私どもといたしましてはトラックも含めまして防衛の本来の目的で調達したものについてこれを置いてくるという考えは持っておりませんで、今回のPKOの活動に伴って別途必要となったそういうもの以外のものについて現地に残してくることがあり得べしということで検討しているということでございまして、トラックを含めまして本来の目的で調達したものについてはすべて持って帰るという計画で今進めているところでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 わかりました。  それから、あと何点か伺いたいんですが、官房長官、施設大隊がいわゆる情報収集で巡回するという話になったときに、一部、これ西元陸上幕僚長ですか、コメントされたわけでございますが、そのときに、官房長官は適切でない表現があったと、そういうことでございました。これは内容的には何を指しているんですか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 基本的には、あの当時、総理からも御指示がございまして、施設大隊には、選挙要員に対して国際平和協力法の枠組みのもとで可能な限りの支援を行うようにという指示がございました。この指示を受けて、施設大隊においては法令の許す限りできることを検討する、こういう連絡が私のところにございました。その指示、その考えにのっとっていろいろ知恵を絞られたわけでございますが、その結果、技術的な問題について記者会見で質問に答えていろいろお話がありました。  その中で、今の御質問でございますが、私がちょっと気になりましたことは、例えばそのやりとりの中で偵察を行おうとかあるいはパトロールをするとかという表現がございましたから、これらの表現で何をするかということは私にはよくわかるけれども、こうした表現はもう少し一般の市民にわかりやすい表現を使われた方がいい、そうでないと誤解を生む可能性があるという意味で、私は若干表現については気を使ってほしいということを申し上げたわけでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 私、そういう表現上の問題も確かにあると思うんですが、こういう任務の内容を幕僚長が記者会見をされているというのはちょっと筋違いじゃないか。確かに自衛隊が部隊として参加しているわけでございますが、一応それはPKO本部の要員として派遣されているわけで、それは本来官房長官とかがやるべきことじゃないか。そこの筋違いがあるのじゃないか、そのように思うわけでございますが。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 御指摘でございますけれども、そこで私今あらかじめ申し上げたわけですが、総理からの指示があって、その指示を受けて検討をされて、そして細かい技術的な問題、例えば複数の車両で行おうとかそういうことを構想を立ててお話しになった。さらに若干の質問があって、その質問にさらに細かくお答えになったようでございまして、これはあくまでも本部長たる総理の指示あるいはその総理の指示を受けて私からも防衛庁に指示をしたところでございまして、その指示にこたえる形で研究がなされて、その結果がああいう何といいますか記者会見での質疑応答になったということでございます。  もしシビリアンコントロールについての御心配があるとすれば、私といたしましては、今回のPKO活動に対します自衛隊の海外への派遣ということを考えまして、でき得る限りこれはきちっと、まあ私がその一番細かいレベルまで全部組み立てをつくるというわけにはまいりませんけれども、シビリアンが指示すべきものはもう完全に指示をするというつもりで私は指示をしてまいりましたので、シビリアンコントロールについては御心配いただかなくていいというふうに私は自信を持って申し上げます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 官房長官がそうおっしゃっても、何となく不自然な唐突に出てきた任務でございまして、確かに偵察とかパトロールとかそういう不適切な言葉はあったんでしょうけれども、突然いわゆる具体的な施設大隊の任務として幕僚長が出てきてそういう発表をした。それは何ぼ総理の指示があったかどうかわかりませんが、その辺のやり方そのものが問題である、非常に誤解を招く、そういう意味で私申しているわけでございます。  これは防衛庁に注意を喚起したというふうに伺っている。これは長官におっしゃったわけですか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 私の発言も記者会見の質問に答えた形で申し上げたわけでございまして、ぜひ注意してほしい、こういうふうに率直に申し上げました。  この官房長官の記者会見は必ず防衛庁にも即伝わるわけでございますから、その私の会見での発言を受けて防衛庁でもお考えをいただく。これは別にどこを直せという指摘ではございませんので、こういうことは自今気をつけて、もっとわかりやすい用語を使って、誤解のない用語を使ってほしいという私の注意は防衛庁も……

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 だれかにおっしゃったわけじゃないんですか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) そうじゃありません。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 もう一点、いわゆる緊急時の艦船の派遣も想定して机上であるけれども検討している、こういう報道もされておりますが、これは防衛庁どうなんですか、実際そういうプランをされているんですか。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○政府委員(畠山蕃君) 施設部隊を派遣した当初の段階から、我々といたしましては万が一の不測の事態というものに備えるということは当然必要なことだというふうに考えておりましたことから、従来から、艦船、航空機等のあらゆる手段を含めまして、そういう計画といいましょうか具体的な検討を進めてきているというのは事実でございます。  内容につきましては、そういう事柄の性格上、申しわけございませんが明らかにすることはできませんけれども、いずれにしても、そういう事実は事実としてございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 官房長官、こういうことも、何かそういう不測の事態というか緊急事態も考えて検討せよという、これは指示されていたわけですか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 防衛庁として初めての経験、外地へこれだけの人員を派遣するわけでございますから、あらゆる場面を想定して準備をするということは、これはもう特別の指示ということをしなくても、出せという指示をすれば出すに当たってもろもろの検討をすると。その検討の中にそれがあるということでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 そうなんでしょうけれども、緊急事態というのはどこでどう判断するかということもあるんですが、自衛隊の艦船がある日突然にカンボジアに行って、そういう事態なんでしょうけれども、そういうプランを防衛庁でしているという、それはどうなんですか、その任務もいわゆるPKOの全体の任務の中に入るわけですか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) 実施するかしないか、実行に移すか移さないかということとは全く別の問題でございます。七百人からの人間を出すに当たって、さまざまな調査をし、さまざまな場面を想定して、心構えといいますか準備といいますか、そういうものをするということは至極当然のことでございまして、それらの実行とか実施ということになれば、これはまた別の問題でございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 これはどういう手続を踏めばそういうことが実施できるようになるんですか。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) ただいまいろいろ御答弁ございましたように、まだ検討段階でございますので実施の手続まで決めているわけではございませんけれども、御承知のとおり、最初に自衛隊の部隊が展開いたしましたときには相当の重量のある資材も持っていっているわけでございます。装備、資材、いろいろ持っていっておりまして、そのときは海上自衛隊の補給艦、輸送艦が行っておりました。そういうことから、実施計画の中に海上自衛隊それから航空自衛隊の輸送というものも想定してございます。  ただ、緊急のときにその範囲でできるものかどうか、その点につきましてはまだ検討が終わっているわけではございませんので、ただいまここで正確に申し上げることはできませんけれども、輸送ということも実施計画の中に当初から考えていたことの一つでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 そういう一応実施のプランニングの中で指示があって検討する、これは当たり前だと思うんですね。それは不測の事態があるから、現場、制服組は考えるのが当たり前やと、こういうのは全然シビリアンコントロールにならないわけで、これはPKO本部の任務として遂行されるわけですから、その点、官房長官どうですか、もう少し厳密にしないとだめなんじゃないですか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(河野洋平君) この手の話は実施されないことが一番いいわけでございまして、万が一にもそういうことを実施、実行しないで済むということを、我々はそのために外交努力を初めとしてさまざまな努力をするわけでございますが、派遣を決定したということになれば、派遣をする準備の中には今も申し上げましたようにさまざまな準備があることは、これは特段そうしてはならないということはない。  つまり、さらに行けとかさらにどうしろとかいうことではなくて、行ったところが何かあれば、それをどうやって引き揚げるかという手順等について行けという指示の中で検討をなさることは、これはちっとも不思議なことではないと私は思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 いや、それは当然そうなんでしょうけれども、自衛隊は一つの部隊として参加しているから、だからそういうことが自衛隊として完結した形でできるでしょうけれども、文民警察とか選挙監視員とかいろんな形で行かれているわけで、そういうことはだれが考えるんですか、そうしたら。制服組だけは制服組だけでどんどん自己の論理で考えられる、あとは文民警察も選挙監視員もそういうことを考えるところがない、こういうことなんですか。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○政府委員(柳井俊二君) 部隊につきましては仰せのとおり基本的には自衛隊の方でいろいろ御検討いただくわけでございますが、それ以外の要員、すなわち停戦監視要員、文民警察要員、それから現在行っております選挙要員、これらの方々につきましては、国際平和協力本部の方で派遣をし、また任務が終われば引き揚げる、あるいは何か安全上の問題があって緊急に引き揚げるということになった場合も含めまして、これは国際平和協力本部の方の仕事でございます。私どもも内々、引き揚げの場合の手順等は考えております。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 何かその込もう少しわかりやすいように、自衛隊だけはこれは完結した組織ですからどんどん行く、そういうことで不自然さを感じるわけです。これからPKO活動は育てていかなきゃならない問題で、その辺の体制をきちっとしていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。  もう一つ聞きたいんですが、日米防衛首脳会談でPKOでの日米協力について議論があったと。事務レベル協議をスタートさせるということがございますが、これは事実なんですか。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○政府委員(畠山蕃君) 先般の日米防衛首脳会談で、我が国の国連平和維持活動への参加に関しまして、米国の方から今後とも日本に協力していきたいという旨の発言がございました。それを受けまして、私とウィズナー米国防次官とのお話し合いの中でいろいろとこういうことについて検討をしていきたい、つまりPKOに関するいろいろな面についてお互いに討議をしていきたいというお話がございました。  これについては、まだ具体的に今はスケジュールとかメンバーとか、どういう段階で、どういうフォーラムでやるというようなことが決まっているわけではございませんが、いずれにしても、夏の終わりごろに何かそういう協議をやりたいというようなある程度漠然とした御提案があったということでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 夏ごろから始められるということでございます。  これも話でございますが、在日米軍基地にPKOの訓練施設をつくろうというそういう話も出ておりますが、これはどうなんですか。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○政府委員(畠山蕃君) 今お話しのようなことを具体的な話として私どもは聞いておりません。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 いずれにいたしましても、私が主張しておきたいのは、当然日米関係というのは深いつながりがあるわけでございますが、こういうPKOのことを考える場合には、むしろ私は、日米関係というよりも、我が党の市川書記長が御提案したことがございますが、アジア諸国のそういう人たちを訓練するセンターというか、そういう方向性でむしろ考えるべきじゃないか、そういうふうに考えているわけでございますが、若干のコメントございましたら御意見を伺っておきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) そのような御提案があったことは承知をいたしておりまして検討はいたしておりますが、これはアジア各国との関係もあるわけでございますので、今のところまだ検討の段階でございます。  それから、ちょっと先ほど私答弁の中で、いわゆるカンボジア復興国際委員会、フランスと日本が共同議長国と申し上げましたが、議長国は日本でございまして、開催地を日本とフランスとで交互にやろう、こういうことでございます。その点ちょっと訂正させていただきます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 それなら、なればこそ日本が主導権とってやらなあきませんよ、フランスの外務省がばっと言っても。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) これは日本からフランスヘもう話しかけておりまして、日本としては内々にやっていたのでございますが、報道はどういう形になっているのかよく私承知をいたしておりませんけれども、日本としてはもう内々に話をこちらからフランスにしておったわけでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 その辺は宣伝が下手というか、やっぱり外務大臣なんやから頑張ってほしいと思います。  それより、外務大臣、これも一部外務省の高官がいわゆるこのPKOのカンボジアの派遣に関して自治体は協力的でなかったというコメントをされておるんですが、これは事実ですか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私は承知をいたしておりません。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 これは二十六日の日経の朝刊に載った記事。それは事実かどうか知りませんが、「職員参加させない自治体の姿勢批判 外務省筋」、こういうふうに書かれていますが、この記事はうそですね。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○政府委員(澁谷治彦君) カンボジアヘの選挙監視要員の派遣につきましては、自治省及び地方自治体の協力を得て、各自治体より推薦された職員の方々がみずからの意思に基づいて参加されております。計十三名の地方公務員の方々が選挙監視要員として活躍されております。  このような状況でございますので、外務省としては、報ぜられたような認識とは逆に、これらの自治体の職員の方々を含め全世界からの監視要員及びUNV等のボランティアの方々が今回の割合順調な選挙の結果をもたらしたというぐあいに考えております。  したがって、もう一度繰り返させていただきますけれども、外務省といたしましては報道をされましたような認識は持っておりません。むしろ、地方自治体の方々の御活躍を高く評価しているということでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 要するにこの記事は、もうしつこく私聞いて申しわけございませんが、大臣、ですからこの記事は誤謬があるということですね。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 今の局長の答弁でおわかりいただけるように、そのような記事は間違いだと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 自治大臣、間違いだという記事が載ったんですが、御所見を。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(村田敬次郎君) 今、外務大臣及び政府委員の御答弁をよく伺いました。自治省としては、御答弁にありましたように地方公共団体は全面的に協力をしておると思います。四十一名のうち十三名の方が行かれて、カンボジアの新しい国づくりのために全面協力をしておるわけでございまして、これはまたみんな自発的意思に基づいてやっておるわけでございます。ただいまの外務省の御答弁を了解いたします。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 私なぜしつこく言うかといいましたら、こういうPKOの活動は本当に国民の理解、同意がなければできないんですよ。それをうまくいかないからといって、あっちが悪いこっちが悪いと言っておったら、これはこういう制度そのものがつぶれていくわけでございまして、そういった面で確認させていただいたわけでございます。  次に、補正予算の関連で伺いたいんですが、今回の補正予算、不自然さがございます、昨日からずっと論議されておりますが。  総合予算主義という考えがございますが、今でも大蔵省はこういうお考えで予算を組んでいらっしゃるんでしょうね。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(林義郎君) ちょっと言葉をつかまえられなかったんですが、総合予算主義というので予算をやったらどうか、当初から予算を考えていったらどうか、こういうふうな御指摘だろうと、こう思っておりますが、もうたびたびこの場におきまして私から御説明を申し上げておりますように、予算編成時におけるところの経済事情、昨年の八月の経済対策もございましたし、平成五年度におきましての予算につきましても、そのときそのときの事情において勘案してやったところでございます。  三月三十一日に予算を成立させていただきましたが、景気の現状を見ますと、回復の兆しは徐々にあらわれているけれどもまだまだだということでございますし、新しい経済対策を実施すべきだろう、こういうふうな判断をいたしまして、今回のような補正予算を提出し御審議をお願いすることにしたところでございます。そういった意味で、私どもが総合予算主義を貫くという観点というのは私は前と一つも変わっていない、全体としてのことを考えていかなければならないということは、そういうふうに考えておるところでございます。  ただ、御審議をいただくに当たりまして、余りにも早い時期であったという御指摘はあるかと思いますが、そういった異例の措置を講じなければならないぐらいに私は経済の状況についてもう一つやっていかなければならないということを考えていますし、経済に対して必ずや好影響を与えてくるものだ、こういうふうに確信をしてお願いしているところでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 その話はきのうから聞き飽きています。これは財政法の二十九条という観点からきのういろいろ御質疑ございました。私は角度を変えまして、私が言っているのは、日本の予算は総合予算主義という立場で予算編成されているということですよ。  財政審からいろいろな答申がございまして、ちょっと私読みましたら、「年度当初から予想されるような恒例的な補正要因を残して予算を編成することが適当でないことは言うまでもない。例えば、年度の途中で特定の事項について追加補正の問題が出て来ると、あたかもその事項だけが最優先の施策であるかのように考えられることになる。この結果、国の行なう施策相互間の重要性や緊急性の判断が歪められることになり、ひいては、限られた公経済部門の資源のもっとも効率的な配分を損うことになろう。」と。こういう財政審のいわゆる答申がございますが、これは間違っているのと違いますか、だから。

斎藤次郎大蔵省主計局長

○政府委員(斎藤次郎君) 総合予算主義と申しますのは、昭和四十年代に特に私どもが申し上げたことでございまして、できる限り当初予算にあらゆる事象を盛り込んで補正予算をなるべく避けるべきであるという基本的な方針でございます。  その方針は、今でも私ども財政の基本として守っていかなければならない立場であると考えておりますけれども、経済事象の変化が非常に著しいということで、実は補正予算を編成せざるを得ないという事情が毎年生じているわけでございます。その点、御理解をいただきたいと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 いやいや、それはよろしいんです、別に。  私が言っているのは、この答申の中で、要するに、そういうそのときの施策で補正予算を組んだら最優先の施策であるかのように考えられることになる、だから決して健全な予算編成でない、そういう答申ですよ、これ。そういうことに対してこたえにゃいけません。要らんのと違いますか。そういう答申ですよ、これ。

斎藤次郎大蔵省主計局長

○政府委員(斎藤次郎君) それは、その当時の財政審のいわば建議にあった答申ということで書いておられることでございまして、私どもはそれについて異を申し上げる立場にはもちろんないわけでございまして、その通りであると思っております。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 これ確かに古いんですね、私この資料もらったんですが。要するに、財政審の答申というのは今生きてないということですか。

斎藤次郎大蔵省主計局長

○政府委員(斎藤次郎君) それは当然生きておるわけでございまして、私どもは補正を提出するに当たりましては、そういう答申を踏まえて、その都度財政審に御報告をし、御了解を得ているという手続をとっておるわけでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 だから、要するに安易に補正を組まれているという問題は、きのうも二十九条の観点からありましたが、これ、財政審の答申ですから政府はきちっと受けとめるべきです。  何でこうなるんだと言ったら、概算要求の段階で予算編成して、それで組み上げて、実際に審議するのは年明けてからで、一つはタイムラグがあると言うんですね、概算要求組まれる段階と。だけれども、一たん組んでしまったらもう絶対修正しないというこういうかたくなな姿勢ということが一つ、もう一つは最近は財政が厳しくなってからシーリング方式、皆一律方式という、この二つの予算編成の問題があると私は思うんですが、大臣、この二つの観点についてどう思われますか。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(林義郎君) 二つの御指摘がございまして、一つは一遍予算つくったらもうてこでも動かぬぞと、こういうふうなお話でございますし、それからもう一つは概算要求の話でございます。  予算というものは、私からくどくど御説明するまでもない、委員先刻御承知のように、八月末に概算要求を出しますので、そのときには各省からの概算要求が出てくる、それからずっとヒアリングをいたしまして一連の手続を経ましていろいろな相談をしていく、その間におきまして経済社会情勢が変化しますのは当たり前でございますからいろいろ相談をしながらやってきまして、十二月の終わりに大体予算案をつくる、そういう形でやってきておるところでございます。  そうした非常に大きな作業でございまして、一つの体系をなしておるものでございまして、それで国会に御提出をして審議をお願いをする、こういうふうな格好になっておるところでございます。  したがいまして、そういった予算の成立するということをぜひお願いをしたいというのが一つの政府の立場だろう、こう思っておりますし、そのときの状況状況に応じてお願いをしているところだろうと思います。  ただ、もう一つ申し上げますと、概算要求の話でございますが、概算要求というのは確かに各省から出してくるその予算を、厳しい状況でございますから、どういうふうな形でやっていくか。概算要求も何もないでどこまででも自由に出してきたというんじゃなかなか節度もありませんので、各省におきましてあらかじめ一応の枠組みをつくってそれから出してくる、その上でいろいろ相談をしていくというのが建前でございまして、私はそれがあるから全部非常に硬直的になっているとは思いません。むしろ予算の編成過程におきましていろいろなことを話をしていかなければならない。各党のお話も聞くこともあるでしょうし、また与党である自民党の言うことはいろいろと御相談をした上でいろいろな形で積み上げていくという形でつくるものだろうということでございまして、概算要求基準があるから非常に硬直的だというような御批判はちょっと当たらないんじゃないか、ちょっとどうかなと私は思っておるところでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 いや、私の言うところを理解されてないです。  いわゆる概算要求を組む段階といわゆる予算を審議する段階で少なくとも時間的にはタイムラグがあるじゃないですか。それを、まあ最終の概算要求を決められるのは八月三十一日ですか、その場合、決めたものはここでコンクリートしたらもう絶対に変えない、まあ大蔵省で予算編成されますけれども、そこから変えたりはしない、野党の要請も受けないという、そういうことを私言っているわけです。それと、いわゆるシーリング方式というか一律カットすること。だから、どれが重要な政策でどれが時期的にはちょっと辛抱してもいい政策がという、そういう判断が全くできない。  だから、自民党の中にも財政改革に関するプロジェクトチーム、こういう硬直した財政を考えるためにチームができた、こういうふうに聞いておりますが、大臣、いわゆる予算編成そのものを抜本的に考える時期じゃないですか。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(林義郎君) 予算編成の問題につきましては、先ほども御説明しましたように、大変時間のかかる話でもありますし、手順を追っていろいろやっていかなければならない、こういった形で概算要求制度というようなものもやって財政の厳しい状況を踏まえた上でのことをやっていかなければならない、いろんな要求がありますから、これを全部聞くというようなわけにはなかなかまいらないわけですから、一応のそういった形でやっていきます。  しかしながら、その中で政策的なものにいろんな判断をしていかなければならない、経済社会情勢の変化に応じていろんなことを考えていかなければならないということは、私は当然のことだと思いますし、政府全体としてまとめていくわけでありますから、そういった形でやっていかなければならないと思っているところであります。いろんな点で御指摘はあるだろうと思いますし、予算制度、予算の作成その他につきましていろんな点で御批判あるだろうと思いますが、それはどういうふうな形でやっていったらいいのか、また、現実に即してどういうふうにやっていったらよろしいのかというのは常に私たちとしても考えていかなければならない問題であるということは、これは明らかだろうと思いますが、私は、だからといって、財源の重点的な効率的な配分というものをどういうふうにしてやっていくのかについて今すぐにこれでやったならば百点満点だというようなものは正直言ってないと思うんです。世の中のことでありますから、百点満点というものはとらなくても、何をやったのがベストであるかということを私は考えていくべきものじゃないだろうか。  そういった意味で、謙虚にいろんな御批判の話は聞かせていただきたい、こう思っております。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 まあ、前向きに受けとめておきます。  今回の補正予算、減税が入れば緊急性、緊要性があるんですが、入っていないということで、関連質疑をお許しいただきたいと思います。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。山下栄一君。

山下栄一公明党・国民会議

○山下栄一君 公明党の山下でございます。  まず、円高問題につきまして、大蔵大臣に冒頭お聞きしたいと思うわけでございますが、ただいま現在の円の動きがどうなっておるのかということ、これが一点でございます。  それと、連日、円が最高値を更新しておるわけでございます。また、主要国も円高基調容認という、これが趨勢になっておりまして、非常に日本の経済への影響が深刻である、このように思うわけでございまして、補正予算を組んでもさらに景気が悪化するのではないか、こういうふうに受けとめておるわけでございますが、この点、大臣、よろしくお願いいたします。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(林義郎君) ただいまの円の状況は、きょうの朝のシドニー相場、シドニー相場の方が日本よりちょっと早くあくんですが、シドニー相場では一時百七円ちょうどになりました。東京市場では百七円十八銭で寄りつきをいたしまして、午前十時現在では出来値が百七円五十銭、こういうふうな形で動いております。  この問題につきましては、アメリカの財務省からいろいろ報告が出まして、その報告が分析的なものでありましたけれども、何かアメリカの財務省の意見を代弁するがごとき誤解が市場というか報道筋にありまして、その後アメリカのサマーズ財務次官も議会証言をいたしましたりして、そういったことはありません。四月の二十九日に行われましたところのG7でのコミュニケと全く同じである、為替相場というのはファンダメンタルズを反映していかなければならない、急激な変更は好ましくない、もしもそういったことがあるならば適時適切に対処していく、こういうふうな物の考え方を言っておりまして、特にサマーズの方では、ドルの下落が速過ぎるという発言をしたところであります。  昨日百八円まで落ちましたけれども、また市場のドル売りの勢いが強くて先ほど申し上げたような次第になっておる、こういうことでございます。  我が方といたしましては、先ほど申しました基本的な考え方に基づきまして市場に対しては大変思惑的に急激に円高ドル安に振れているというふうな認識を持っておりまして、ファンダメンタルズを反映したような形でやるのが望ましい、こういうことから適時適切に諸外国とも緊密な連絡をとりながら適時適切に対処してまいりたい、こういうふうに考えております。

山下栄一公明党・国民会議

○山下栄一君 この急激な円高が日本の景気回復の芽を摘んでしまうのではないかということで大変心配になっておるわけでございまして、そういう観点からも、やはりこの景気対策をもう一度抜本的に見直して最後の切り札を出す必要があるのではないか、そういうことから所得税の減税の問題につきまして何遍も議論されておるわけでございますが、再度確認しておきたいと思うわけでございます。  実はちょうど一年前、ちょっと前でございますけれども、大阪の方で大幅な所得減税を要求する大署名運動を展開いたしました。大変な勢いで署名運動進んだわけでございますけれども、全大阪でわずか二週間の間に二百万をはるかに突破いたしまして、三百万近いそんな数の署名が集まったわけでございます。大阪全有権者の四割を超えるというもうすさまじい数でございまして、これは我が公明党がやったわけでございますけれども、党派を超えまして、自民党の方も社会党、共産党支持者の方も署名いただいたと。PKOの反対賛成関係なしにこれはもうすごい勢いで進んだわけでございまして、何としても減税はお願いしたいという庶民の願いであると思うわけでございます。  その後、選挙終わりましてからも、山下さん、あの減税はどうなったんですか、見通しはあるんですか、そういう厳しい要望が連日今に至るまで続いておるわけでございまして、非常に苦しい対応を迫られておるわけでございますが、地元に帰りまして胸を張って、いよいよ所得税減税実現できましたよと、こういうふうに言える日はいつになるのかなというそういう気持ちであるわけでございますが、この所得税減税実現の見通しにつきまして、総理、よろしくお願いしたいと思います。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(林義郎君) 総理を御指名でございますが、担当でございますから私からお答えをさせていただきます。  所得税減税、今三百万人近い署名を集められたと、こういうことでございます。国民的にそういう話がある。それは所得税の増税をするよりは減税をした方がいいに決まっているわけでございまして、それだけで申すならば私も所得税減税した方がいいと思います。  ただ、所得税減税をするのにいろいろ問題がある、こういうことでございます。  なぜやるかといえば、景気対策をやっていって日本経済を持続的な成長の路線へ持っていく、こういうことでやるわけでございますし、そのためには私どもとしては、所得税減税という形で一般減税でやるのがいいのか、公共事業その他の事業を興してその事業によっていろんな資金、金が入ってくる、それによって企業活動が潤ってくる、それが関連いたしましてほかの一般の産業活動にもいい影響を及ぼしてくるだろうというような形で、若干迂回的なのかもしれませんけれども、そういった形での方法の方が正道ではないかと、こういうふうに考えておりまして、景気対策としての効果についてやっぱり所得税減税については疑問があるんだなと。  それからもう一つは、大変厳しい財政事情でございまして、財源でもあれば私は何かいろいろ考えてもいいんだろうと思いますけれども、何しろ今やるということになれば巨額の財源をどうするのかという問題がございます。  それから、所得税減税ということになれば、そもそもどういった形でやっていくかというのにつきまして、私は、所得税の体系の中においてどういうふうな位置づけを占めるべきか、またもう一つ広く言うならば、税制体系全体の中でどんなことを考えていくべきかという点の広範な検討が必要だろうと、こう思っておるところでございます。  実は、委員先刻御承知のとおり、自民党と社会、公明、民社三党の間におきましていろんな話し合いが行われております。先般の平成五年度予算の衆議院通過の際におきましても話がありましたし、また先般は、自民党と三党との間におきまして幹事長・書記長会談が行われたところでございまして、その中では自民党の方からは、所得税減税につきましては今その時期ではない、しかしながら引き続いて各党間で検討していきましょうというようなお話し合いが成ったということを聞いておるところでございます。  実は、私に対しましても、衆議院の予算委員長から大蔵大臣あての文書が参っております。しかし、これは公党間のお話でございますから、私はその公党間のお話の推移を見詰めているというのが実情でございます。  以上、御報告申し上げます。

山下栄一公明党・国民会議

○山下栄一君 宮澤総理、またお聞きしたいと思いますので、お疲れと思いますけれどもよろしくお願いいたします。  昨年八月、またことし四月と、二度にわたりまして政府が総合経済対策を打ち出されたわけでございまして、景気の底入れの兆しも見え始めたというそういう見方もあるわけでございますが、国民生活に直結する経済指標でございます個人消費、それから雇用、これについてはやはり相変わらず厳しい実態にあるということでございます。  最近の報告でございますが、総務庁が発表いたしました九二年度の家計調査報告によりますと、全国の平均消費支出は実に十二年ぶりに前年度を割ったということ、また日本チェーンストア協会の発表によりますと、一番我々国民の生活に身近なスーパー、専門店、この売り上げが八カ月連続で前年割れであると、そういう指標が出ておるわけでございます。雇用面におきましても、相変わらず雇用調整は今後も続いていくであろうという、そういうことが予想されるわけでございまして、特に消費面の低迷が非常に深刻なわけでございます。  二度にわたる総合経済対策で二十四兆円規模という非常に大規模な対策になっておるわけでございますが、ところが個人消費の観点からの対策は入っておらない、そういうことでございます。  また今回、当初予算成立直後に補正予算を組むという非常に異常な財政運営をしなきゃならない、それまでしてでも景気回復は緊急の課題であるということになっておるわけでございますが、いよいよやっぱり景気対策の最後の切り札として個人消費対策、所得税減税というようなこと、もうこれしかないというふうに私は思うわけでございますが、総理の御所見をお願いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに経済の底入れ感はあると私は思っておりますけれども、これから後のことを考えますと、これは政府主導の今おっしゃいました二つの対策の後はいわば民間の力で経済が立ち直っていかなきゃいけないわけですが、そのうち設備投資は過去何年間かに二けたの投資が続いておりましたから特殊なものを除きましては急に設備投資が盛り上がるということはなかなかないであろう、そうすれば消費ということになりますが、今お話しのように、実は消費の回復を裏づけるような信頼できるような数字は今のところ余りございません。三月にちょっといいような数字がありましても、これは年度末ですから、やっぱりできるだけ物を売ろうというような努力、いっときのことではまだ消費回復が順調であると申し上げるほどの指標はないということは、私は御指摘のとおりと思います。  ただ、昨年からせんだっての総合経済対策で雇用面の対策が乏しいと言われますけれども、実はこの公共投資にいたしましても、申し上げるまでもないことでございますが、これは雇用というものには非常に大きな影響がある、雇用の積極的な増加ではなくても雇用の減少を防ぐ、少なくともそういう意味では大きな効果がございますしいたしますから、ああいう総合経済対策が雇用面、消費面で無関係であるというふうには私ども思っていませんで、そこから雇用も消費も徐々に回復をしてくる、そういうねらいでやっておるわけでございます。  それで、減税につきまして再度お話がありまして、私ども、私自身殊にそうですが、高い税金をいただいて予算を大きくするよりはなるべく税金を少なくして予算を小さくする方がいいというそういう考え方を持っておりますので、減税というのは政治の大切な目標であるということはこれはおっしゃるとおりで、私はそういうふうな考え方を持っておりますが、先ほど大蔵大臣の言われましたとおり、いかにも財政が悪うございますし平成四年度の決算もまだ済んでないというようなことでもございますものですから、ちょっとこの際大きな所得税減税というのはなかなか踏み切れないという思いがありまして、他方で各党間でこれについての御協議がなお続いております。  これは私は決して意味がないこととは思っておりませんで、このたびの総合経済対策でもいわゆる教育減税と言われるもの、あるいは住宅減税と言われるもの、多少のものをいたしておりますが、いずれにしても、昨日申しましたので繰り返しませんが、やはり所得税減税というものは遠からざる機会に考えなければならない。昭和六十二、三年のあの税制改正から大分たっておりますし、やはり考えなければならない時期がそう遠くないというふうに考えておりますものですから、各党の言っていらっしゃることは基本的に私は間違いだと申し上げるつもりはありませんで、今の財政としてちょっと待たしていただけないか。  そうして、やるとすれば大きなものをすることになると思いますので、その場合にはその財源なりあるいは税制全体における所得税の位置づけなどもあわせて考えさせていただいて、やがて来るべき高齢化社会への負担と給付との関係もあわせて考えさせていただきたい。財政再計算はもう来年の問題でございますので、もうそんなに時間がない機会にこの問題を取り上げなければならない、こういうふうに考えておりますこと、昨日申し上げましたので詳しくは繰り返しませんが、そういう考えでございます。

山下栄一公明党・国民会議

○山下栄一君 我が党が大幅な所得税減税の早期実現を要望いたします大きなもう一つの理由は、この実現がやはり与野党間の公党間の約束であるということでございます。自民党幹事長梶山発言、よく言われるわけでございますけれども、誠意を持って前向きに検討するというそういう重みのある言葉で、それで本予算が通過したという背景があるわけでございます。  この前向きに検討するという言葉は、政治家の用語ではやらないということであるというそういうふうなことも聞く場合があるわけでございますけれども、やはり今最大の国会のテーマは政治改革であるわけでございまして、そういった考え方であるままでございますと、特に市民の生活に直結する減税に対する発言でございますので、庶民の政治不信、政治家不信はますます高まるというふうに思うわけでございまして、改革の先頭に立たれる総理のこの発言に対する御見解をお願いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 公党間でそういうお話があっておることを知っておりますし、また幹事長の発言でございますから、これは大切に考えなければならないと思っております。  前向きということは、先々それは考えなければならないという意味でございまして、これは御郷里におきましてもこちらにおきましても同じ意味でございますので、決して何もしないという気持ちではございません。先ほど申しましたような意味で、これはもう遠からざる機会にやはり検討をしなければならない問題という認識を持っております。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 もう時間がなくなりまして全部できませんが、何点か。  濱本主税局長、昨年度の税収不足の問題で、あなたはこの三月の本委員会の審議において、補正したからその線を大きく外れるものにはなっていないと、そういうふうに明言されていたんですが、何か割り込む感じですね。

濱本英輔大蔵省主税局長

○政府委員(濱本英輔君) 前回そのような御答弁を申し上げる機会があったように記憶いたしておりますが、四年度の税収の足取りをずっと注意深く見てまいりましたときに、二月末税収が発表されました時点までは、それまでの年度当初からの累計の入り方が補正後の予算で見込みました目標水準に比べましてそんなに大きく離れたものではない、つまり、そういう意味におきまして基本的に想定した水準を逸脱しているというような状況は見受けられない、ただ、大きな固まりがこれから入ってくるということでございましたから、我々はその点に注意したいということを繰り返し御答弁した記憶がございます。  ただ、その後申し上げておりますのは、この三月末の税収が判明しました段階で、確定申告に係ります税収のうち三月分に入ってくるもの、これが予想外に低調でございました。で、四年度税収としまして、仮にこの低調が続きました場合には補正予算の見積もりで想定した税収動向の達成が容易ではない事態も懸念されないではない状況になってきた、そういうことを最近御報告申し上げている次第でございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 しかし、あなたは明確に昨年度の補正でしたから大きくずれることはないとおっしゃったんですから、責任ありますよ。その後また違うようになりました、そんなんで済みませんよ。  それはそれとして、今どのくらい税収不足になるかいって、これはわかりませんけれども、ちまたでは一兆円とか二兆円とか言われているわけでございます。これは当然明言されないという前提で決算調整資金というのがございますが、この制度があるんですが、どのくらいの税収不足になったらこの制度をお使いになりますか。

斎藤次郎大蔵省主計局長

○政府委員(斎藤次郎君) どのぐらいと申される趣旨がよく理解できないわけでございますが、税収減がございますほかに、いわば予算の決算としては歳出の不用とか税外収入の動向とかございます。そういうものを総合的に締めてみまして、その結果赤字になれば決算調整資金の活用を図らざるを得ない、こういうことであろうかと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 幅があるでしょう、調整できる幅が。

斎藤次郎大蔵省主計局長

○政府委員(斎藤次郎君) 調整できる幅と申しますのは、税収がどれぐらい落ちれば、どれくらいの範囲であれば、不用とか税外収入の増でどれぐらいでできるかということでございますけれども、これは年度によってかなり変動がございまして一概に申し上げることはなかなか難しいということでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 もう時間がないので一言だけ言っておきますが、ある程度税収不足がふえるとこれを使う以外にないんですよ。ところが、この決算調整資金は今残高がゼロなんです。大臣、知っていますか、これ。全然制度を使えませんよ。

斎藤次郎大蔵省主計局長

○政府委員(斎藤次郎君) 決算調整資金の残高は確かにゼロでございますけれども、これは法律上、調整資金に国債整理基金特別会計から繰り入れをお願いいたしましてそれを一時使わせていただくということになっておりますので、その制度を活用することになろうかと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 だから、そこが、これは決算調整資金法の附則で書いてあるんですよ、国債整理基金から流用するというのは。せっかく資金があるのにそこをゼロにしておいて、足らぬようになったら国債整理基金から勝手に流せる、こんな制度ありますか。むしろ、こういう制度がきちっとあるんですから、税収というのは波打つんですよ、だから、この制度があるんやから、税収が多いときにはここへ資金を積んでおく、大臣、これが当たり前と違いますか。これ、ずっとゼロですよ。こんな制度は何の意味もない。そういう財政当局の考え方は非常に私は不信に思うわけでございますが。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(林義郎君) 決算調整資金というのは、まさに委員御指摘のような形でやらなくちゃいけない。金が余るようなことがあったならば、決算調整という形でそういったことに対応するために金をためておかなければならないというのが私は基本的な考え方だと思うんです。  赤字国債の脱却は、平成二年度まで一生懸命やりましたから赤字国債は脱却した。しかし、その後におきましてはなかなかそこまでやるということができないものですから、残念ながらそういう形になっている。もしもそんなことをやらないということでしたら、決算調整資金制度というのをやめたらいいんだと思います。  ただし、決算調整資金というものを置いておく、やはりそういったことの事態に対応するためのものをつくっておく、制度をつくっておくことは必要であろう。その附則の方に国債整理基金特別会計の方から入れるとありますが、そういったそちらの方の金を一時的に借り入れてやる、こういうふうな形でやっているというのが今の制度の仕組みになっているということでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 もう一言だけ。  あのバブルのときは物すごく税収はあったんですよ。あのときに、むだ遣いとは言いませんが、こういう大事な部分になぜごく少しでも積み上げておかなかったのか、いつまでもああいう好景気が続くわけじゃないんですから。今、大臣がおっしゃったことは一般論であって、この数年の景気の変動を踏まえた発言じゃないと思うわけでございますが、最後に一言きちっと言ってくださいよ。  これで私は終わりたいと思います。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(林義郎君) バブルの時代ということをおっしゃいましたけれども、まさにそのころにおきましてやっと赤字国債を脱却するような事態になってきたわけでございまして、それまではどうしても特例国債によらなくちゃならないという状況であったわけでございます。そういったような中で適切に財政需要に対応してやってきた、こういうことでございまして、そのときにおきましても、事態としては決算調整資金に入れるというのは困難な状況であったと言わざるを得ないんではないかと思います。  基本論としては、先ほど先生に申し上げましたように、やっぱり調整資金制度というのがあるんですから、それに入れていくというような格好でこれからはやっていかなければならない。そういうふうに考えていることは申し上げたとおりでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 終わります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で白浜君の質疑は終了いたしました。(拍手)  午後二時三十分再開することとして、暫時休憩いたします。    午前十一時二十八分休憩      ――――◇―――――    午後二時三十一分開会

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成五年度一般会計補正予算、平成五年度特別会計補正予算、平成五年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。寺崎昭久君。

寺崎昭久民社党・スポーツ・国民連合

○寺崎昭久君 まず、円高問題について関係大臣にお尋ねいたします。  政府はこの五月、月例経済報告で、日本経済は一部に回復の兆しを示す動きがあるという発表をされましたけれども、しかし国民生活に関係の深い雇用とか消費関連指数を見ますと、ますます悪化しているのが現実だと思います。また、景気動向と倒産、あるいは生産指数と常用雇用指数との間には時差があるのが一般ですから、この先は決して楽観は許されないと思います。また、このところの急激な円高というのが回復の芽を摘むということも考えられますから、大変深刻に受けとめるべき事態ではないかと思います。  きょうの午前中の東京外為市場の円相場というのは百七円をつけております。円高が続伸すれば、疲弊している輸出型産業に与える影響というものははかり知れないものがあると思います。赤字決算というにとどまらず、投資の削減、生産を海外へシフトさせる、あるいは逆輸入が始まる、雇用調整が行われる、倒産も起きてくるというような最悪のケースが想定されるわけであります。  そこで、まず経済企画庁長官にお尋ねしたいと思います。  その第一は、今後の円高の進展をどのようにごらんになっておられるか。一ドル百五円につけるということは指呼の間だというようにお考えになっておられるのかどうか。第二は、日本経済に与える影響でございます。そして第三として、もし今後百五円台の相場が定着した場合、平成五年度の貿易収支、GNP、経済成長率、そして消費者物価指数はどのようになると予測されますか、お伺いします。

船田元自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(船田元君) お答えをいたします。  多岐にわたる御質問でございますけれども、最後の百五円云々という話での経済成長率その他の点につきましては、数字に関するものでございますので後ほど政府委員から詳しくお答えをすることにいたしまして、前半の部分でございますが、今後の円高の推移がどのように推移をしていくのかということであります。  これは、私の立場から今後どうなるという話を申し上げることはなかなか難しい状況でありまして、まさにそれは市場に聞かなければわからないというのが正直なところであろうと思います。しかし、いずれにしましても、現在やはり急激な円高が起こっているという認識でございまして、この状況は憂慮すべき状況である、このように感じておるわけでございます。  各国の経済の基礎的条件、ファンダメンタルズを反映して、安定的に推移をすることが望ましい、これは言うまでもなくG7、蔵相・中央銀行総裁会議、四月二十九日の合意でございますけれども、その状況が反映をされるということが望ましい、このように考えております。  なお、円高についての国内の景気あるいは経済に与える影響でございますけれども、御承知のようにこれにはもちろんプラス、マイナス、両面があるわけであります。  まず、円高によって輸出数量が減少し輸入数量が増加をするということになり、それが実質GNPを減少させる、いわゆる円高デフレ効果ということが片一方ではあります。しかし、また同時にもう一方では、円高によって輸入価格が低下をする、物価が安定をする、そのことが消費者マインドにいい影響も与えますし、原材料コストの減ということにもつながる、いわゆる交易条件改善効果ということがあるわけです。  ただ、一般的に申し上げまして、特にマイナスの効果、前に申し上げたマイナスの効果というものが輸出産業を中心に目に見える形で割合すぐに影響というのがあらわれやすいというのに対しまして、プラスの効果、後ほど申し上げましたプラスの効果については目に見えない形で若干時間をかけてあらわれてくる、こういう傾向があることも留意をしなければならないと思います。特に、急激な円高は輸出産業の円建ての手取りを減少させる、企業収益を圧迫する、そういうことから経営者のマインドを冷え込ませる、冷え込んでいる現在でございますので余計に企業活動に悪影響を与える、我が国の内需拡大のための努力を阻害する懸念がある、このように私は考えておりまして、急激な円高は望ましくないということと同時に、今後の円高の推移を見ながら、その円高によって影響を受けてしまう企業あるいは産業、そういうもろもろの目配り、あるいは円高メリットの一層の還元ということに力を尽くしていかなければいけないと思っております。

長瀬要石経済企画庁調整局長

○政府委員(長瀬要石君) 円高が経済成長率に及ぼす影響につきまして具体的、定量的にお示しするということはなかなか困難な面もございますけれども、一つの参考といたしまして経済企画庁の世界モデルのシミュレーション結果を申し上げさせていただきますと、円が他のすべての通貨に対しまして標準ケースから一〇%円高になる、その状態が継続する、こういう場合の結果といたしましては、一年目には名目GNPで〇・四三%、実質GNPで〇・四八%これを押し下げる、そういうような結果になるという試算がございます。  ただ、近年では先物予約等為替リスクの管理技術が進んでおりますし、また円建て輸出比率も高まっている、こういうような事情もございまして、円高が輸出企業の収益に直ちにインパクトを与えるその程度は以前に比べれば緩和されているのではないか、このように考えているところでございます。  それから、円高の進展が貿易収支にどのような影響を及ぼすか、こういう点でございますけれども、一般論として申しますと、仮に円高が進展するとしました場合に、中長期的には貿易収支の黒字は縮小するということが考えられるわけでありますけれども、短期的に申しますと、ドルベースでと申しますか、黒字が増加するいわゆるJカーブ効果が働く、こういうことが考えられるわけでございます。  ただ、定量的にということになりますと、具体的にどのような為替レートを設定してと、こういうようなことになるわけでありまして、そのレベルで円レートが定着するというような予断を与えかねないというようなことがございますし、またそのときどきの成長率や物価水準やそのほかの諸条件によって左右されるということもございますので、この点につきましては定量的な数字について申し上げることを控えさせていただきたいと思います。  物価に与える影響につきましては、担当の物価局長の方から申し上げます。

小林惇経済企画庁物価局長

○政府委員(小林惇君) 先ほども大臣から御答弁申し上げましたように、円高の進展は原材料、製品の輸入を通じて消費者物価の安定に寄与するわけでございます。  現在までのところ、輸入消費財については差益還元がかなりの程度に進みつつあるというふうに考えてございますけれども、一般に原材料の輸入の場合には、円高効果が消費者物価に波及するためには加工、流通等のプロセスを経なければいけませんので、かなり消費者物価段階に影響が及ぶまでには時間がかかるわけでございます。しかし、これを産業連関表を用いまして試算をしてみますと、円レートが一〇%上昇しそれが持続した場合には、消費者物価には一%程度の安定効果、下落に向けての効果があるというふうに考えられるわけでございます。  ただし、これも先ほどの大臣の御答弁にもありましたように時間が少しかかる場合がございまして、過去の例からすれば半年から一年半程度かかる場合が多いというふうに考えております。

寺崎昭久民社党・スポーツ・国民連合

○寺崎昭久君 それでは、通産大臣にお尋ねいたします。  一ドル百十円が企業の輸出採算レートぎりぎりだろうという見方をする人が決して少なくないと思いますが、昨今の円高を踏まえて言えば、また百五円を持ち出すわけでございますが、というのは、百五円というのは、アメリカは百五円になるまでは市場介入はしないんじゃないかというような見方をしている人が少なくないからでございます。  そこで、もし百五円になりそれが定着したとすれば、日本の輸出とか輸出企業に与える影響というのはどのようなことになるでしょうか。余り漠然としてもいけませんので、代表例として鉄鋼、自動車、電機、これを例に御説明いただきたいと思います。

森喜朗自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(森喜朗君) 今、委員から百五円の状態が続いたらということで御答弁を求められておりますが、その前に、輸出への影響につきましては、これは国際競争力の状況でございますとか、あるいは内外市場におきます需給状況等によりまして相当程度相違が存在をいたしておりますけれども、一般的には、現下の不況の状況の中で企業の経営環境は相当程度悪化しておりますので、そういう中で一層の円高が進展した場合、輸出への深刻な影響は避けられないというふうに我々は見ております。  今三つの業界の例を挙げられたわけでありますが、例えば電機・電子関係でございますと、半導体メモリーのように、当面は世界的に需給が逼迫をいたしておりますからそういう面では価格転嫁が比較的容易に行われ得る環境にある、そういうものもございますし、オーディオ製品でありますとかあるいはビデオ、VTR等では、これは海外メーカーとの競争が非常に厳しく大きな影響は避けられないというふうになります。  また、委員の方がよく御承知だと思いますが、自動車の場合は、これは米国乗用車の市場におきます日本車の価格面の競争力が相当低下してきておりまして、米国乗用車市場におきます日本車のシェアはかなり低下傾向にございます。具体的に調べてみますと、ピーク時、一九九一年ではこれは現地生産も輸出も含めまして三〇・二%ございましたが、ことしの一月-四月では二七・二%というふうになっておりまして、かなりの影響を受けておるというふうに我々は見ておるわけです。  今後、現在の水準の円高が続きますと、定量的な影響の把握というのは先ほど経企庁も申し上げておりましたように困難でございますが、定性的には輸出に極めて深刻な影響を与える可能性が高い、このように考えております。  なお、鉄鋼につきましては、鋼材そのものの輸出は今大体七、八〇%は中国から東南アジアでございますので、この中国向けを中心に比較的順調に推移をいたしておりますが、今後一層の円高が進展した場合、海外メーカーとの競争が一段と厳しくなる、影響を受ける可能性を今懸念いたしております。他方、自動車業界の場合はユーザー産業が受ける影響がありますので、それが鋼材の販売に直接影響を与えるということにもなりますので、鉄鋼業自体としてはこうした間接的な影響の方がより懸念されるというふうに私どもは見ているわけであります。  したがって、今の百五円の場合はどうかということにつきましては、さまざまな要因によって左右されるものでございますので、輸出水準への影響の定量的な評価は先ほど申し上げましたように困難でございますが、企業収益への影響について通産省で行った調査の結果では、例えば自動車五社では三百五十億円、電気機器九社では二百二十億円の差損が一円の円高によって生ずる、このような試算をいたしております。

寺崎昭久民社党・スポーツ・国民連合

○寺崎昭久君 労働大臣にお尋ねいたします。  なかなか百五円時代を想定した雇用情勢を推測することは難しいと思うんですが、それでなくても今やや雇用が逼迫している状態が始まっていると思います。そういう中で、これ以上円高が進んだ場合にどのような影響が予想されるのか、今あるような雇用調整助成金程度で対応できるんでしょうか、お伺いします。

村上正邦自由民主党労働大臣

○国務大臣(村上正邦君) 最近の急速な円高が雇用面に大きな影響を及ぼすことを非常に労働省は心配をいたしております。  そこで、労働省がことし五月の半ばに全都道府県から行った聞き取り調査によりますと、円高による雇用調整への影響は今のところ一部に限られております。しかし、今後、御質問の御趣旨は今後ということに力点を置いての御質問でございますが、今後円高がさらに進行すれば、それに伴う雇用調整を実施せざるを得ないとする事業所は、例えば機械関連製造業では三割を超える、特に輸送用機械や繊維あるいは地場産業を中心とする金属製品製造業などでの雇用面への影響を心配しておる、こういうことでございます。  そこで、では雇用調整それで事足りるのか、こういうことでございますが、とにかく失業者を出さないということを基本に万全の対策を行っていきたいと考えております。  今回の補正予算におきましては、助成率の引き上げや対象事業主の拡大など雇用調整助成金制度の拡充を盛り込んでおり、企業の雇用維持努力を全力を挙げて支援していきたい。この雇用調整助成金制度にありましては、特に総理がこの補正予算で非常に関心を持っていただいたところでありまして、大蔵大臣もこれにつきましては全面的に労働省の要求を入れていただいた、こういうことでございますので御理解を。御心配があるところでございますけれども、全力を挙げてまいります。

寺崎昭久民社党・スポーツ・国民連合

○寺崎昭久君 大蔵大臣にお尋ねします。  急激な為替相場についてどのような御認識を持たれ、また円高対策をどう行おうとされているのか、お尋ねします。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(林義郎君) ただいまの相場、先ほどここへ入ってきますときの相場が百七円四十五銭じゃなかったかと思っておりますが、私も時々刻々動きが出ておりますのを大変注意深く見守っておるところでございます。  申し上げますならば、この二、三カ月、円・ドル相場が思惑的に、また神経質な動きを示しておることでございますし、四月十四日、十五日の日にG7の会合が東京でもあり、四月二十九日の日にもワシントンでありました、いろんな会合を通じまして各国との話し合いもいたしてまいりましたし、G7の蔵相・中央銀行の間では、為替相場というものはファンダメンタルズを反映して安定的に推移すべきものであろう、急激な動きであるということは決して望ましいものではない、もしもそういったようなことであったならば適時適切に対処していこうと、私がかねがね申し上げているような大体の考え方で意見の一致を見ておるところでございます。  今回の話につきましても、実はアメリカの財務省の報告書が出ておりまして、その報告書の中で一般論としていろんなことが書いてあったのが誤って伝えられたということで、アメリカの財務省当局の方からも、アメリカとして為替を円高に振るような意図は全然ありません、財務省報告は誤解されていると、こういうふうな話もありましたし、またアメリカの議会で証言をいたしまして、先ほど私が申し上げましたようなことをアメリカの政府当局の方も議会において宣明をしているところでございます。  円高につきましては、そういった形で各国ともいろんな密接な連絡をとりながら適時適切に対処していかなければならない、より一層緊密な連絡をというように心がけておるところでございます。  言うまでもありません。円高がいろんな国内経済に及ぼすところの影響は、私からくどくど申し上げるまでもありません。先ほど経済企画庁の長官及び事務当局、通産大臣また労働大臣から種々お話のあったところでありまして、そういったことを考えながら対処していかなければならない、こういうふうに考えているところでございます。

寺崎昭久民社党・スポーツ・国民連合

○寺崎昭久君 大蔵大臣のお話ですが、私は円買い安心感が広がっているということ、円買い安心感、円を買っておけば安心だというそういう気持ちが広がっているということと、それから円が独歩高だという点にもっと着目した対策を強力に打つ必要があるんではないかと思います。各国に協調介入を求めるといっても、果たしてすぐ応じてくれるのか、そういう環境にあることも含めた手を打たれるようにぜひお願いしたいと思います。  最後に、総理に円高問題をお尋ねしますが、円高の影響については各大臣それぞれ御認識をちょうだいしたわけでありますけれども、印象的に言えば、ややのんびりされている、一言で言えば私はそういう印象を受けました。  というのは、円高というのはこの一月には百二十五円がレートでした。それが半年もたたないのに百七円まで上がってきたわけです。これだけ短期間の間にもう二十何円も動くということは、これはえらいことだと思います。そういうことを考えますと、日本経済の構造そのものにいろんな大きな影響を与えることは間違いないと思いますし、日本としては百円台の円レートがこれからも続くという前提で経済全体を見直すという時期を迎えているのではないかと思うんです。  そういう意味では、かつて前川レポートというのが出されましたけれども、これからの日本はどちらを向いていくんだという意味で新前川レポート的なものを用意される時期に来ているんではないかと思いますが、総理の御所見を承りたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ことしの一月四日、発会は百二十四円八十五銭でございますから、確かにここへ来ましてちょっと円の上昇が急でございます。ファンダメンタルズを反映するということであればよろしいのですけれども、こう一、二度ちょっと急な動きというのは、やはりこれはもともと好ましいことではございません。したがって、関係通貨当局がこれについてしかるべく介入をしたということも過去においてもあったように存じます。ちょっと二、三日動きますとずっとその勢いが続くような錯覚を持ちやすいもので、これだけ大きな取引がございますと一円でもやっぱり売り買いは交錯いたしますから、そういうわけのものでもなかろうと思いますが、それにしてもちょっと急でございます。  おっしゃいますように、景気が立ち直りのきっかけをまさにつかみっつございますので、ちょっとそこへ来ましてこういうことは、日銀総裁も言われましたが、やや警戒をすべき要素と思っております。我が国の貿易収支、経常収支が相当大きいということなどが背景にはございますでしょうけれども、それでもこのような動きはちょっと急過ぎますので、やはり企業において対応する時間というようなものも必要でございます。そのための政府のいろんな対応も必要になってまいると思います。  特にこの際、総合経済対策に追加をして何かということは考えませんけれども、このような急な多少投機的な動きというものはなだらかにしていく必要があるということが一点、それから、そうどんどんいつまでもいくというわけなものでもないというのが第二点でございますけれども、同時に、いろいろな意味で殊にこの予算を成立させていただきますとその施行を急ぐといったような、対策としては既にかなり政府側におきましてこうやって準備をいたしてまいっておりますから、これを遅滞なくやっていくということが基本的に大切ではないかと思います。

寺崎昭久民社党・スポーツ・国民連合

○寺崎昭久君 政府が予算を組まれる場合に、たしか一ドル百二十二円で組まれているように伺っております。大方の経営者は大体百二十円前後で事業計画を組んでいるというのが実態だと思います。そういうところへもってきて十何円の差が出るというのは大変なことだと思うんです。やはり日本経済は構造的に変わってくるという前提に立った御検討を引き続きぜひお願い申し上げたいと思います。  次は、所得税減税について伺います。  私も与野党の減税協議に出席させていただいておりますが、自民党からは大変冷たい御返事をいただいておりまして、これじゃ余りにもひどいではないかと感じております。  所得税減税の必要性についてはこれまでも繰り返し繰り返し述べてまいりましたから、政策論はこの場で言うのはやめます。  ただ、巷間、自民党は一たん野党の要求をかわしておいて、選挙だとか東京サミットだとかをにらんで、ある日突然減税なんということを言い出すんじゃないかという憶測もないではありませんので、そういうやり方というのはないんでしょうねとか、あるんですかということを総理に伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ずっと各党協議がございまして、自民党側のお返事がいかにもそっけないというふうにあるいはおとりになっていらっしゃるかもしれませんけれども、せんだってからしばしば申し上げておりますように、所得税の見直しというのはもう遠からない将来にどうしてもしなきゃならぬことだというふうに考えております。そして、それはやはり税体系全体の中で所得税というものにどういう位置づけを与えるかというようなことにも関係をいたしますので、決して野党側が言っておいでになることが間違いだというふうに思っておるわけではございません。  いずれ、やがてでございますが、すぐという意味じゃございませんが、もう来年は財政再計算、公的年金の再計算のときでもございますし、恐らくもう秋にでもなりますと政府の税制調査会においてもこの問題に取り組むことになられるのではないか。  まだ詳細の日程を伺っておりませんけれども、そんなようなタイミングでこの問題は検討を始める必要のある問題だというふうに私自身思っておりまして、この際、ことしの上半期、この財政の難しいときに財源というものは、大蔵大臣の言われるとおり、にわかに財源を見つけることができないという問題はございますが、やっぱり抜本的に考えなきゃならない時期が近づいているということは今から申し上げてよろしいことで、これはしかし別に選挙を目当てにというようなふうに考えてはおりませんで、やはり公的年金の財政再計算、それから統合というようなことも再来年には考えなきゃならぬということで、そういうこととの関連での国民の給付と負担との関係というものを遠からない時期に話題にしなければならない問題だ、こういうふうに考えておりますことを申し上げます。

寺崎昭久民社党・スポーツ・国民連合

○寺崎昭久君 税制改革について大蔵大臣にお尋ねします。  民社党は今景気対策の一環ということで所得税減税を求めているわけでありますが、税制改革というのは本来そうしたものではなくて、緊急避難的なものあるいは一時しのぎ的なものであってはならないと思うんです。やはり税制上のひずみだとかゆがみを直すというのが本来の改正のあり方だと思うんです。  この補正予算が終了しますと大蔵省は来年度予算編成に向けて税制改革を含めて本格的な取り組みをなさるんだと思いますが、そこでこういう案はいかがかということを三つ申し上げますので、税制改革の観点からお答えいただければありがたいと思います。  第一点は、民社党は来年度予算においても二、三兆円の規模の所得税、住民税減税をやってもらいたいと考えているわけでありますが、その際の方法として、基礎控除、給与所得控除などの引き上げを中心とするが課税最低限の引き上げは極力抑える、最低税率の引き下げ、税率構造の緩和なども合わせた減税を行うということでございます。  第二点は、納税者番号制度を導入し総合課税制度を確立するということでございます。  第三点目は、消費税については限界控除制度を廃止する。  こういうことを提案したいと思いますが、いかがでしょうか。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(林義郎君) 今お話がございました点につきまして、私から概論的に申し上げ、後で詳しくできましたならば事務当局から答弁をさせたいと思います。  所得税の問題につきまして、各種控除の引き上げとか課税最低限の引き上げでなくてむしろ累進税率構造の見直しであるとか最低税率の引き下げをやったらどうかと、こういうふうなお話でございます。  実は、この前の税制抜本改革のときに税率の構造を十五段階ありましたものを五段階にするというような形でやりましたし、最低税率の一〇%の適用範囲というものを相当大幅に拡大をいたしまして税率構造全体の累進性の緩和を図ってきたところでございます。また、今回も少しやっておりますけれども、特定扶養控除などというようなものも考えてやっておるところでございます。  日本の税金の所得税の体系を見ますと、諸外国に比べまして課税最低限が非常に高いということである、それから最低税率も比較的低い、こういうことでございますが、中低位所得者層の負担が相当低くなっているとは思いますけれども、その辺をどう考えていくのか、これは所得税だけでなくて住民税との関係で考えていかなければならない問題だろう、しかし、最高の税率は割と高い六五%、これは相当高いところにいっておりますから、その辺をどうしてやるかというのが一つの問題だろうと思います。  むしろ、今御指摘のありましたような問題は、どの階層の所得者に対して税の恩典を及ぼしていくか、特に中堅所得層の税負担感の問題をどうしてやっていくかというところに問題があるのじゃないかなという私も認識を持っておりますが、今具体的にどうしたらいいかどうかということは申し上げる段階ではないと思います。先生の御指摘でございますから、十分頭の中に入れて勉強してまいりたいと思っておるところでございます。  第二番目の納税者番号制度を導入したらということでございますが、これは税制調査会におきまして既にいろんな検討をしておりまして、ことしの五年度答申におきましては、現在、分離課税制度というものをやっておりますけれども、この制度を評価した上で背番号制度につきますところのいろんな諸問題について検討をしたところでございまして、まだまださらに検討すべき点がある、こういうことであります。どの番号をとるか、要するに年金番号をとるのか、住民台帳をとるのかどうするのか、さらにはプライバシーの問題をどうするのかというような基本的な問題がありますので、この辺につきましても中長期的な課題として検討していかなければならないんじゃないかなと、こう思っておるところでございます。  三番目の御指摘のありました限界控除制度の問題でございますが、これも先生先刻御承知のとおり、先般の平成二年六月に設置しました税制問題等に関する両院合同協議会において与野党で協議された上で、適用上限額の引き下げ、六千万円を五千万円にするということが合意を得られまして、議員立法でできたところでございます。  この点につきましては、限界控除制度というのは、どちらかというと中小零細企業者に対するところの事務費用が非常にかかる、これのコスト軽減を図っていかなければならない、こういったような観点もあったわけでありますけれども、それじゃ果たしてそのままでいいのかどうかということにつきましては、いろんな問題がありまして、その辺のバランスをよく考えてやっていかなければならないものだろうと、こういうふうなことでの御指摘を税制調査会でもいただいているところでございます。  限界控除制度につきましては、今申し上げましたように特に中小企業者に対する配慮、こういうことでございまして、いわゆるインボイス方式云々、こういうふうな形でやります西欧的な付加価値税の方式でやる場合とやはり違っております格好を入れておりますから、そこはいろんな問題があると思いますけれども、そういった公平性というものと事務負担というものがあります。特に中小企業者の事務負担でありますから、そういったものとの配慮をどういうふうにバランスをとっていくかという問題だろう、こういうことで総合的に判断していかなければならない問題だろうと思っておりまして、御指摘の点はよく勉強させていただきたい、こう思っておるところでございます。

濱本英輔大蔵省主税局長

○政府委員(濱本英輔君) ただいま大臣からお答えがございましたところに尽きようかと存じますけれども、第一点につきましては、寺崎先生から御指摘がございましたような御意見というものも必ずあるだろうと思いますが、そういう御意見も含めましたところで広い観点から御論議をいただくということが大事だというふうに思っております。  それから納審制度に関連いたします御指摘につきましては、要しまするに目指すところが担税力に応じた課税というものがきちんと行われるということでございまして、そのためには総合課税が一番適当であろう、したがって納審制度を整えて総合課税でもって担税力に向かっていくべきだ、こういう御趣旨かと存じますけれども、いろんな種類の所得がございまして、所得の特異性から申しますと、つかまえようと思いましてもなかなかつかみ切れない所得が存在する。そのときにあえて総合課税という観念で突っ走っていくことが公平なのかどうか、最後にねらいとしますものに対して一番接近できるのはどういう税の組み合わせであろうかという論議が残っておりまして、それと納審制度の組み立てというものを同時並行的に議論してきたわけでございますけれども、なお今議論の途上にあるというふうにお考えいただいていいかと存じます。  最後の限界控除のお話につきましても、大臣から御説明がございましたとおりでございますけれども、我々の感じを申しますと、まさに先年、与野党の協議の場におきましてこの点につきましてはかなり深く突っ込んだ御論議を賜って新しい改正案がスタートしたところだという感じでおりまして、この問題につきましては一歩前進ができたというふうに実は今思っておるところなのでございます。ただ、今後状況に応じまして、その公平性と事務負担の配慮、このバランスをどう考えるかということは常々気をつけていかなきゃいけないことだと思っております。

寺崎昭久民社党・スポーツ・国民連合

○寺崎昭久君 税制改革論議につきましては、ぜひ今後とも野党の意見を聞いて進めていただくようにお願いしたいと思います。  次に、対ロシア等に対する支援問題についてお伺いしたいと思います。  国際社会がロシア改革に関心を払う、そうした中で改革促進のために各国が協調して支援を行うということの意義については私も認めますけれども、しかし、それと同時に、それぞれの国が国益を第一義に考えるということがあるのは当然だとも考えております。  そういう観点から今回の予算案を見ますと、どうも北方領土問題その他の問題に照らして、少し援助先行型になっているのではないかということは否めません。これではどうも国民の感情に逆らいますし、もとより外交関係というのが感情レベルだけで処理されていいと思いませんし、陸奥宗光の「蹇蹇録」を持ち出すまでもないと私は思いますけれども、しかしながら、感情問題を横に置いたとしても、今の予算案には疑問も多くちょっと賛同しかねますねという気持ちを持っております。  そこで、総理にお尋ねしますけれども、最近政府はよく対日政策として拡大均衡という言葉を使われます。従来の政経不可分の原則は放棄されたのか、そしてなぜ今拡大均衡なのか、その点についてお尋ねしたいと思います。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) よく政経不可分と拡大均衡のお話をいただくのでございますけれども、これは何も今に始まったことではないのでございまして、宇野外務大臣のころから拡大均衡という言葉を使ってきたわけでございます。いわゆるゴルバチョフ時代に入ってから拡大均衡という言葉を使ってきたわけでございますが、我々は、どこの国との関係においても政治の関係と経済の関係というのはこれはもう不可分な関係であるというのは常識だと思います。そういう点では基本的な原則だと。  ただ、こういう表現が使われておりましたのは、たまたまゴルバチョフ以前の時代においては領土問題が一向に進展しない、もっと極端に言えばそういうものは認めないというような、そういうかたくなな旧ソ連の姿勢でございましたので、そういうときに経済だけが進んでいくというのはおかしいんじゃないかということで政経不可分という表現がそういう形で使われていたと思います。  しかし、ゴルバチョフ時代になりましてから領土問題というものが存在するということを認めるようになりましたので、そういう意味で同じような延長線で、決してそれを緩めたわけではございませんけれども、何といいますか、政治の面と経済の面とがお互いにいい影響を与えながらともに進んでいく、こういう意味で拡大均衡という言葉を使ったわけでございます。  そこで、この間のG7合同閣僚会議に基づきまして、そのうちの約三億二千万ドルばかりを今度の補正予算の中にお願いしていると思うのでございますが、これが少し多いんではないかということでございますけれども、私どもはG7合同閣僚会議でいろいろ議論をいたしましたけれども、結局各国が言うことは、東西冷戦が崩壊をして、とにかくロシアという国が政治的には民主化の方向、また経済の面では市場経済原理導入の方向、あるいは外交面では法と正義に基づく外交をやろう、こういう方向に来ている、これは我々西側陣営と同じ国になろうとするんだから、あの大きな国がそういうことになってくれるというのは世界の平和に役立つんじゃないだろうか、やっぱりそれは支援をしていこうじゃないか、そういう意味合いで、私としてはそれぞれ各国の外務大臣には、しかし日本にはこういう領土問題があるからということでどうしてもできる範囲がありますということは申し上げましたが、いろいろ話をしておる中でやっぱりこの程度のことはやむを得ないかなということで、あのような形でまとめさしていただいたわけでございます。  しかし、きのうもたまたまガイダル前首相代行どお話をいたしましたときには、これはそういう形でやったけれども、今のお話のとおりで我々は日本の国民の皆さんから見ると少し甘いんじゃないか、こういう批判を受けている、その辺は十分踏まえて、あなたは帰ったらエリツィン大統領に、我々のそういう一応国際協調の場ではこの程度はやむを得ないということでやったことに対して評価をするんだったらもう少し領土問題に対しても前進をするようにぜひ話をしてほしい、そういうことを私から強くきのうは申し上げたわけでございます。

寺崎昭久民社党・スポーツ・国民連合

○寺崎昭久君 今、外務大臣は、国際協調を考えて三億二千万ドルの対日支援を決められたというニュアンスの話をされたと思います。そういうことを考えてみますと、今回の対日支援というのは、むしろ領土問題にも拡大均衡論にも関係のない、別の次元の問題で決めたと考えた方が素直なのではないでしょうか。つまり、ODAみたいな感覚で決めたということはないんですか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 今も申し上げましたように、各国の外務大臣には、日本は皆さんの気持ちもわかるし、日本も、あそこが平和な我々と同じ国になっていくことはこれはもう隣国としても大変いいことである、世界の平和にもつながることだからできるだけのことはしなきゃいけない、しかし領土問題というのが日本にはあるからおのずからそこに制約はある、そういうことは各国の外務大臣にはっきりと申し上げてあるわけでございます。

寺崎昭久民社党・スポーツ・国民連合

○寺崎昭久君 総理に伺いたいと思いますけれども、私は対日支援に対する国際協調を否定するものではありません。しかし、その場合であっても日本の国益や立場というものは尊重されるべきだと思います。  これまで政府の対日支援に関する説明を聞いておりますと、例えばそういう協調支援が領土問題の解決につながるともおっしゃいませんし、役に立たないともおっしゃいませんし、まあこれはODAみたいなものだともおっしゃらないわけです。専ら拡大均衡という説明だけされているのでは、国民は何を言われているのかよくわからないと思います。現実に領土問題というのは解決に向けて全然前進をしていないわけです。  そういう中で、少なくとも今回は従来に上回る援助をするということになれば、別の説明をきちんとしないといけないんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) お尋ねはごもっともだと思いますので、できるだけ正直に御説明をしてみたいと思います。  そもそも我が国との間にあります領土問題を自分が行ってひとつお話をしましょうと自発的に言い出した人はエリツィン自身でありまして、それは昨年の一月ニューヨークにおいて私にそういうことを申しまして、九月という日にちまでもそのときに大体向こうで言っておった。私はやや意外でございましたのですが、その後、法と正義に基づいて解決をしなきゃならないというようなことも言っておりまして、したがって、エリツィンという人がこの問題について基本的な認識といたしましては間違っていない認識を持っておるということは私はずっとその後感じておりますが、ただ、御承知のような事情で、政治も経済も思うに任せないままに、九月に来ることが来れなくなる。今日に及んでおる。  そこで考えますと、この領土問題というのはやはり今のエリツィンという人を指導者とするロシアと交渉することがいいのではないか、もしこの人に仮に何か起こりますとかあるいはその後に混乱が起きました場合には交渉相手を失ってしまうということになりかねないという、我が国の領土問題の見地から見ましてある意味でエリツィン支援をするということが我が国自身のそういう観点からの国益にも合致しておるのではないかという、そういう一般的な考え方がございます。  それからもう一つ、我が国のこういう立場は昨年のミュンヘンの会議でG7の政治声明で支持を受けておるわけでございますけれども、それだけにG7の各国としては、今度ホスト国である日本が領土問題があるがゆえに対ソ支援について非常に消極的な立場をとるというようなことに仮になりますと、せんだってのように日本がホストになりまして蔵相・外相会議を開くというようなときに、ホスト国の態度というものは非常に影響いたしますものですから、各国から日本の立場は十分理解しているというミュンヘン会議の政治声明を基本に置きながら、しかしそれはそれとして、やはりある程度エリツィン支援をするということがロシアのためにもいいし日本の問題の解決のためにもプラスになるのではないか、そういう見方がG7の国の中に多いわけでございます。  そういうことも考えまして、しかしながらそれにはそれで限度があるというのが十八億ドルというようなことでございますが、大体そういう立場からこの問題を考えてきておりまして、御指摘のように国民感情から申しますとこれは大変に微妙な問題でもございますから、その辺はよく政府の立場も国民にわかっていただきながらしないといけませんで、あえて比較的正直なことを申し上げまして御理解を得たいと思ったわけでございます。

寺崎昭久民社党・スポーツ・国民連合

○寺崎昭久君 時間がないので具体的な内容については入ることはできませんけれども、私がODAと申し上げたのは、例えば今回予算取りされている大量破壊兵器廃棄への協力というのは、どこがいつ何をやるかというのは何も決まっていないんですね。それに対して一億ドルつけるということになっているわけです。それから通産関係の中小企業向け支援三千万ドル、これについては具体的でありますが、中身は経済援助そのものだと思います。それから大蔵省が考えているEBRDへの拠出三千万ドル、これについても資金援助そのものだと思うんです。にもかかわらず、領土問題とリンクしていない。リンケージになっていない。だから、ODAじゃないですかというお話をさせていただいたわけであります。  最後に、総理にお尋ねします。  きのう石川委員の質問に答えて、東京サミットの際、正式会合でもその後の意見交換でも二国間問題を提起する考えはないということをおっしゃられました。これは私はちょっと驚きだったわけでございます。対日協調支援が行われようとしているときに、現に行われているときに、支援国の問題がなぜ持ち出されてはいけないんだろうかと思ったからであります。  サミットの議長声明には、ヒューストン以来、必ず日本の領土問題が明記されてきているわけです。議長声明というのは、議長の思いつきで何も話をしないけれども書かれるものなのかどうか。それで、今回、東京サミットの議長を務められるのは宮澤総理。総理になられたら急にロシア問題というのはどこかへ行っちゃうんでしょうか。こういうことでは国民はますます納得できないと私は思っております。  それから、支援をするからには、やはりロシアにも支援する側の問題を理解させる必要があるんではないかと思うんです。もしそれをやらないんであれば、もうまさにODAそのものであって、日本の外交方針というのは何なのかということで各国からかえってばかにされるのではないか。援助の中身もややずさんだとはっきり言って私は思います。受け皿についても問題がいろいろあると思います。  そういう中で日本がこれだけの三・二億ドルという援助をするというのは、よほど国民が理解できる、納得できる説明が必要だと考えておりますので、再びサミットヘの対応等を含めて総理のお考えを伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 東京でサミットが行われます際にエリツィン大統領を東京へ招請しましたのは、私がサミットの会議の議長という資格におきまして私の親書をエリツィン氏に送付をいたしまして、エリツィン氏の承諾があったということでございます。したがって、それはサミットの議長としての私の行為でございます。  他方で、サミット各国におきましては、昨年のミュンヘン・サミットで極めて明確にこの領土問題についての我が国の考え方、立場を政治宣言で支援がはっきりいたしましたので、これを再び繰り返す必要はない、そのことは確立されていることと私は考えております。  したがいまして、サミット自身の中で日ロという二つの国の関係を私から特に取り上げるつもりはない。各国が取り上げましたら、これはもちろんそれを避ける必要のある問題ではございませんけれども、私からあえてサミットとしては取り上げなくてもよかろうと考えておりますが、他方で、エリツィン氏が来日されました場合に、日本とロシアの首脳の会談というものは別途恐らく行われることになると考えておりますが、これは我が国の首相としての私という立場でございますので、その場合におきまして、日日間のいろいろな問題が提起されるということは、これはもう当然のことである。  したがいまして、G7の議長としての立場、G7における会合というものと日日間の両国間の会合というものを分けて考えておきまして、そして両国間の会合において問題の提起をする必要がある、こう考えておるわけでございます。

寺崎昭久民社党・スポーツ・国民連合

○寺崎昭久君 ありがとうございました。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で寺崎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、吉岡吉典君の質疑を行います。吉岡君。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 最初に、カンボジア問題についてお伺いします。  総選挙はきょうで終わります。総選挙が終わった後、カンボジアの事態がどうなるのか。高投票率だったからということで、安定するというふうにはもちろん言えません。  カンボジアの今後の事態を見る上で、私は何よりもポル・ポト派の動向、これをどう評価するかということが非常に重要なことだと思います。これは今後の情勢の核心になる部分だと思います。ポル・ポト派がパリ協定へどういう態度をとって、それをどう評価するかということがこれにかかわってきますけれども、総理は、ポル・ポトはバリ協定の守り手、擁護者だったというふうにお考えになるのか、それとも妨害者、敵対者だったというようにお考えになるのか、まずお伺いします。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、きのうもここで御議論がございましたが、ポル・ポトはパリ協定を否定してしまえばその立場を失いますのでパリ協定を否定しないということがポル・ポト派の利益であると、こういう立場をとってまいったと、そういうふうに判断しておるわけですが、しかし、例えば武装解除に応じなかった、あるいは選挙について非協力であったという具体的な内容につきましては、パリ協定をそのまま遵守していたとは申しがたい、そういうものとして考えております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 そのまま遵守したわけではないという答弁です。  この問題については、国連のガリ事務総長がパリ協定に基づく幾つかの経過報告などの中で、パリ協定に対してポル・ポト派がどういう態度をとっているかということについて繰り返し詳しく述べております。  外務省に、第二次報告以来のガリ報告の中でこの点をどういうふうに述べているか、まず報告していただきたいと思います。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○政府委員(澁谷治彦君) ガリ報告の中で特にポル・ポト派とバリ協定の関係について述べておりますのは、第二次、第三次、第四次報告及び最も最近に出されました選挙準備に関する報告でございます。これはポル・ポト派の現実の動きに応じて内容も微妙な変化を見せております。  例えば第二次報告の場合には、ポル・ポト派としてはパリ協定がその協定どおりに実施されているとは思わない、それが特定の条項について協定どおりに実施されない限りはほかの条項についても実施には応じられないという態度をとっているということで、実際にはみずからの支配地域に対するUNTAC要員のアクセスを拒否したりあるいは武装解除のための軍隊の収容を拒否しているという形で述べておりますが、他方において、ポル・ポト派に対するドアは依然として開かれているというのがUNTACの立場であるというような諸点を強調いたしております。  しかしながら、第三次、第四次になるに従いましてガリ事務総長の話句は厳しくなっております。  特に三次においては、ポル・ポト派が武装解除を拒否しているがためにパリ協定の第二次段階の履行が困難になったということを明確に述べております。  第四次報告においては、ポル・ポト派の態度というのは選挙を政治的に妨害するのみならず最近は暴力によって妨害しようとしている、こういった態度は断固許すことができないという自分の考え方をほかの安保理加盟国その他の関係諸国も共有しているという点を強調いたしております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 今その一部が報告されました。ガリ事務総長の今も一部紹介された資料を整理してみますと、こんな膨大な資料になりました。パリ協定どおり実行していないということが次々と出されているわけですね。  これまでの国会の論議で、私は総理からこういうことについて触れられたという記憶がございません。反対に、パリ協定を守ると言っているということが中心に紹介されまして、最近も、本会議、衆議院の予算委員会段階でもポル・ポト派の言い分をいろいろ紹介してこられました。私は、ポル・ポトがバリ協定を守ると言っているというようなことでいろいろ総理が紹介されましたけれども、あの限りではこれは肯定的にとらえて紹介されているのかどうなのかわかりませんので、ここではっきり答えてください。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ポル・ポト派は、今申しましたようにあるいはブトロス・ガリ事務総長が言われるように、パリ協定の幾つかの点を忠実に守っていないわけですけれども、しかしパリ協定そのものを否定いたしますと、ポル・ポト派というものは、過去においていろいろ犯しましたいわば罪状、あるいはさらには、もしパリ協定を否定するということになれば何ときたりとも攻撃を受けなきゃならない立場にございますから、そういう立場にポル・ポト派は自分を置くことは不利であるというふうに基本的に考えている。それからシアヌークさんに対する一つの思い入れもあるかもしれません。といったようなことから、ついにパリ協定を否定しないまま選挙が終了しようとしておる、こういうことであるというふうに私は思っております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私がお伺いしたかったのは、そういうことではなくて、ここで長々ポル・ポトの言い分を紹介なさったんですが、それを肯定しておっしゃったのか肯定しないということなのかを端的に答えていただきたい。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) パリ協定をポル・ポト派はもう否定してしまってパリ協定はなくなったではないか、法律の定めた五条件が壊れたではないかというお尋ねでございましたので、理由はともあれポル・ポト派はパリ協定を否定していない、否定していないのにはかくかくの理由がございますという意味で、肯定ではなくてなぜそう考えるかを説明を申し上げようとしたのでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 そのポル・ポト派の言い分というのは、ガリ総長の二次経過報告では受け入れられない言い分だともう最初から決めてかかっているものですよね。それをそういうコメント抜きにこう言っているこう言っていると総理がおっしゃってきたことは、どう見てもこれは肯定しているという印象でしか取れない発言でした。  念のために外務省にお伺いします。  ポル・ポト派が協定を守るとか協定が忠実に守られていないとかいろいろ言っていることについては、これは去年の九二年九月二十一日の第二次経過報告の第二項で受け入れられない言い分だというふうに言っているはずですが、そのことをちょっとお認めになるかどうか、確認させていただきたいと思います。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○政府委員(澁谷治彦君) この件につきましては、確かにポル・ポト派の態度についてのがございます。それに対して、確かにガリ事務総長の報告は肯定的な評価はいたしておりません。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 要するに、ポル・ポト派をガリ事務総長の報告は、結論としては、選挙をやるということになっていても、これをバリ協定の妨害者、これに対する敵対者として描いていたわけです。これまでの国会も含めてこの国会での総理のポル・ポト派に対する答弁というのは、そういうニュアンスはどこにも見られなかった。私はそういうふうに言わざるを得ません。ポル・ポトは、この問題のみならず歴史的にもカンボジア人民大量虐殺の歴史を持っています。  ポル・ポト派のかつての大量虐殺の実態とこれへの評価、これはどういうふうにごらんになっていますか。

池田維外務省アジア局長

○政府委員(池田維君) お答え申し上げます。  ポル・ポト派が過去に政権をとっておりましたときに行いました非人道的な政策、いわゆる大虐殺と言われているものにつきましては、これはいろいろな説がございまして、そのときに、事実上の処刑であるとかあるいは餓死であるとか強制労働であるとか、そういったもので死んだ人が百万人程度いたという見方もありますし、もっと多いという説もあります。あるいは事実上処刑した数として何十万というようなことを言う人もありまして、一概には決まっていないと思いますが、ただ一般的には百万人程度の人がその政策の結果として死亡したというように受けとめられているということだと思います。  そうして、そういったポル・ポト派の非人道的な政策の再来を阻止すべきであるというのがパリ和平協定の基本的な考え方でございまして、そのためにパリ和平協定の前文におきましても、例えばカンボジアの悲劇的な近年の歴史にかんがみ過去の政策及び過去の慣行の再現を防止するということが必要だということが書いてありまして、本文の中にもそのための人権の規約というものが書き込まれているわけでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私は、これまで総理がここで答弁してこられたことというのは、パリ協定の大枠が守られているということを強調したいためにポル・ポト派を弁護し続けてきたと、そういうふうに言わざるを得ません。ポル・ポト派は、今も外務省自身がお認めになりましたように、百万、中には二百万、三百万という数字も挙げられています。そういう虐殺をやった。今回は、パリ協定の妨害者、そして武装攻撃によって高田さんを初めUNTACの要員に対する多くの犠牲者も出してきた。そういうのを告発される答弁というものは、私は耳に残っておりません。  具体的にお伺いします。  高田さんの死亡について、ポル・ポト派に公式に抗議なさいましたか、外務大臣。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) ポル・ポト派であるかどうかということは、UNTACが調査をするように私どもはUNTACに申し入れをいたしました。日本の手だけでは正直なかなか調査が行き届きませんので、大使館でも調査をいたしておりますけれども、UNTACにお願いをいたしました。また私の承知しているのでは、その結果はまだ来ておりません。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 ポル・ポトがやったかどうかわからないという言い分は成り立ちません。  総理、自由民主党の機関紙は一面ででかでかと、ポル・ポト派の悪質テロだ、ポル・ポト派かどうかわからないという説もあるけれどもそれは間違いでポル・ポト派であることはもうはっきりしていると断定して書いていますよ。国会ではようわからないというような態度、私はこれが問題だと思いますね。中国は堂々と非難声明を外務省から出していますよ。日本政府はこういうこともできない。これはポル・ポト派に対して私は甘い態度だというふうに言わざるを得ませんし、それは誤った態度だと言わざるを得ません。  衆議院の予算委員会で河野官房長官は、日本共産党の東中議員の質問に答えて、武装解除できなかったことはポル・ポト派に最大の責任があり、なすべきことは国際社会が一致してポル・ポト派を非難することである、こういうふうに答弁なさいました。国際的にポル・ポト派に非難を集中しなくてはならないと官房長官はそう言っていますが、宮澤総理、総理はどうですか。いや、官房長官の答弁じゃない。総理はどうですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっと私は御質問の趣旨をわかりかねているんですが、例えばポル・ポト派の言い分としてベトナム兵が何千人もいると、これはパリ協定の忠実な履行ではないということを言っておりますという御紹介をしたときに、私がそれを信じているかといえば、ベトナム丘がカンボジアに何千人いるなんてことは到底信じられないことであってこれを信じておりませんと、私はわざわざ注釈をつけて申し上げるまでもないことだと思ってまいりました。ポル・ポト派を何か弁護するとか擁護するとかいう立場を我が国はとったことはございません。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 時間がありませんから、そういうふうなことをおっしゃるのなら私は幾らでもまた別の機会に言わせていただきます。  今の質問に答えてください。国際的に非難を集中すべきだという官房長官の意見と同意見か同意見でないのか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 官房長官の申し上げたことは政府の意見でございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 それに関連して、関連質問をお許し願います。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。市川正一君。

市川正一日本共産党

○市川正一君 ならば、総理にお伺いしたいというわけでありますが、五月の二十日、国連安保理事会がカンボジアの総選挙実施に関する決議八百二十六号を決議いたしました。このことについて、選挙後の国づくりに選挙を拒否し妨害するポル・ポト派を加える条項が日本の提案で追加されたという報道がなされております。総理はこうした経緯は総理は御承知なんですか。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○政府委員(澁谷治彦君) その部分は日本独自の提案ではございません。日本が特に意見を出したのは、UNTAC要員の安全確保を強化すべきであるという点でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 余りいいかげんなことを言うものじゃないですよ。  ちゃんとここの報道によれば、確かにUNTAC要員などの安全確保の強化もありますが、もう一つ、ポル・ポト派との和解を期待した選挙後の条項は日本の提案で追加されたと、そして衆議院の東中議員が外務省を呼んで確かめたところ、そうだということを答えたわけでありますから、はっきりしてください。  出先がやっているわけではないので、これは政府の指示でしょう。外務大臣、どうですか。外務大臣知っているでしょう、あなたなら。素知らぬ顔する必要ないですよ。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○政府委員(澁谷治彦君) その御指摘の部分の条項は、パリ協定の履行及びカンボジアの将来は一義的にカンボジア人の掌中にあり、選挙後もすべての派が建設的、平和裏に政治プロセスに参加することを再確認する、この部分だと思いますが、これは我が国独自の立場ではございません。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうやんか。はっきりしておるんですよ。その第十五条、私ここに原文持ってきました。翻訳もあります。  今答弁で触れたように、すべてのカンボジアの当事者はパリ協定の義務を尊重し選挙後の政治過程に建設的、平和的に参加することが期待されると。このすべてのカンボジア当事者の中にポル・ポト派が含まれていることは言をまたぬじゃないですか。  五月二十日といえば、選挙直前のいわばポル・ポト派が選挙を拒否し武力による妨害を続けていたそのさなかじゃないですか。選挙を拒否したポル・ポト派が選挙後の政治過程、政権構成に参加することを期待する、それを日本政府があえて追加提案するというのは、一体どういうことですか。総理、御承知でしょう。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) お尋ねの意味が私にはよくわからないですが、カンボジアの全政党がパリ協定の義務を尊重し選挙後の政治過程に建設的かつ平和裏に参加することを希望しないなど言うはずはないんで、希望しますよね。

市川正一日本共産党

○市川正一君 問題をすりかえるんじゃないですよ。大量虐殺集団であり高田警視を含むUNTAC要員の殺害者であるポル・ポト派を、結局、容認し、それを免罪することになるじゃないですか。しかも、カンボジアにどのような政権がつくられどのような政治過程を歩むかは、まさに主権者であるカンボジア人民自身の問題であります。したがって、選挙そのものを拒否し妨害したポル・ポト派、それに期待を表明する、それに政治過程への歩みを期待するということは、明らかに内政干渉じゃないですか。明らかに介入じゃないですか。どうですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは違うんではございませんか。今のカンボジアというのはUNTACの下にあるわけでございますから、まだ独立したわけではないので、UNTACの平和維持活動について我々は後見者として安保理事会の決議をしているわけです。ですから、UNTACを暫定政府と言っておりますでしょう。

市川正一日本共産党

○市川正一君 ポル・ポト派が選挙を拒否し、しかも武力でそれを妨害していると。そのポル・ポト派に選挙後の政治過程に参加を求めていくということを日本があえて国連決議として提起するというのは、結局のところ、そういうポル・ポト派を免罪し、そして内政に干渉するということ。午前中の外務大臣の答弁でもそうじゃなかったですか。あなたは内政干渉に及ぶことは言わないと言いながら、現に国連でこういうことを提案している。矛盾するんじゃないですか。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 日本だけの提案ではないと先ほど局長は答弁しているわけでございます。これは国連安保理事会の決議だと私は承知をいたしております。  それから、午前中との話でございますが、午前中に私が申し上げたように、内政干渉になってはいけないということを前提に置きまして、しかしいわゆるポル・ポト派は選挙をボイコットしたので、そういう選挙をボイコットした政党が少なくとも議席を持つということはなかろうということを申し上げたわけでございます。  新しい政権については、これはもうカンボジア自身がお決めになることであって、多分シアヌーク殿下あたりが一つの求心的な力をお持ちになっていわゆる制憲議会ができて新しい憲法ができたら、その憲法に基づいて民主的な政権をおつくりになるだろうと。ポル・ポト派は政権には参加しないだろうけれども、しかし内戦をもう一回起こすようなことのないように、これは外交的なルートを通じたり、これは国内の問題ではあるけれども、そういう努力は日本はすべきだということを私は午前中申し上げたわけであります。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる私の申しますのは、UNTACというのは暫定統治機構でございますから、カンボジア、それは独立国であっても自分の政治を今自分でできませんから暫定統治機構というものを国連が設けてやっておるわけでございますので、その国連に貢献をする一員として、UNTAC後のカンボジアのあり方についてこの決議をするということは、そういう意味で内政干渉だと私は思わないと、こう申し上げているんです。

市川正一日本共産党

○市川正一君 事実関係だけ一つはっきりしたいのは、安保理事会の決議ではあるが提案をしたのは日本であるということはこれは間違いないでしょう。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○政府委員(澁谷治彦君) 主要関係諸国と相談の上、日本側から出しました。

市川正一日本共産党

○市川正一君 提案国は日本なんですよ。はっきりしてください。私はあいまいさは許されないと思うんです。  午前中の外相答弁も、今もおっしゃったけれども、ポル・ポト派の政権参加はあり得ないし、またあってはならないわけです。ですから、シアヌーク代表もポル・ポト派を国民和解政権に参加させる考えは放棄すると、こう言明しています。ところが同じ日、記者会見で今川カンボジア大使はポル・ポト派は排除すべきでないと、こう述べています。  今、国際的に重要なことは、武装解除を拒否し武力攻撃を続けているポル・ポト派を孤立させることです。吉岡議員も強調いたしました。したがって、こうした今川発言などが相次ぐのは政府自身の姿勢の問題であるということを私は強く指摘して、関連質問を一応終わります。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 ポル・ポト派について一貫して甘い態度をとってきた、これが高田さんらの犠牲者を生み出すもとにもなっているということを私は強調しておいて、次のテーマに移りたいと思います。  景気問題です。景気の明るい部分と暗い部分について報告してください。

土志田征一経済企画庁調査局長

○政府委員(土志田征一君) お答えいたします。  経済活動のいろいろな側面がございますけれども、まず需要面で見てまいりますと、明るい部分と言われますのは、御承知のとおり公共投資と住宅建設の動きでございます。他方、明るくないという部分につきましては、民間設備投資とそれから個人消費の動向でございます。ただし個人消費につきましては、家計調査の三月前年同月比プラスになる、あるいは乗用車の販売等も少し、一部ではございますが、明るい動きが出てきております。  また、それ以外の側面で申し上げますと、生産活動の面で生産が二カ月連続増加する、あるいは在庫がこのところ減少するというような形で在庫調整が進展してきております。ただし、四月、五月と生産予測指数マイナスでございますので、その点は留意する必要があろうかと考えております。  さらにまた、雇用面につきましては、これは通例他の分野よりおくれるということでございまして、引き続き有効求人倍率が低下する、そういうような状況になっております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 消費の低迷と暗い部分に入れられましたけれども、それはどういう要因によるものですか。

土志田征一経済企画庁調査局長

○政府委員(土志田征一君) 個人消費でございますけれども、昨年来低い伸びになっております。この要因といたしましては、一つには所得の伸びの鈍化がございまして、特に所定外給与、残業手当の減少が響いているというふうに考えております。それからさらには耐久消費財のストック調整が進んでいる、あるいは資産価格の下落による逆資産効果が見られるといったことがあろうかと思います。さらに、消費者マインドが慎重になっておりますけれども、この点につきましては、やはりバブルの時代の背伸びした消費からの落ちつきという側面と、先ほど申し上げましたような雇用面の動きが反映しているかというふうに考えております。  先ほども申し上げましたように、少し明るい動きが見えているわけでございますけれども、個人消費の推移を注意深く見守ってまいりたいというふうに考えております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 経済調査、いろいろなところの報告書を読むと、雇用不安ということが消費低迷の非常に大きい要因として挙げられております。  そこで、雇用の現状について幾つかお尋ねしたいんですが、まずパートタイマーというのは実際どういう仕事をしているか、それがどういうようにいろいろな労働条件が保障されているかという点について、私この間、神奈川県を歩いて調査してきましたら、神奈川県の労政課から発行した文書の中にいろいろ重視すべきことが述べられております。労働省お持ちのはずですから、この中で、パートタイマーがどういう仕事をしており、労働条件はどうなっているかということを御報告願います。

松原亘子労働省婦人局長

○政府委員(松原亘子君) お答え申し上げます。  先生御指摘の報告の中におきましては、パートタイム労働につきまして、サービス経済化が非常に進展しているということなどによりパートタイマーへの依存度が非常に高まり、現在では企業経営にとってパートタイム労働者というのはなくてはならない労働力になっているということ、また、パートタイム労働はすべての職種にわたっており、フルタイマーと同じ仕事を任せられたり、または専門技術職、役職などについているパートタイマーが見られるなど、これまでパートタイマーというととかく補助単純職というふうに思われがちでございましたけれども、必ずしもそういうイメージで包括できるということではなくなっているということなどが指摘されているところでございます。  なお、全国的な調査で見ましても、今申し上げたようなことはやはり同じように指摘されるのではないかというふうに思っているところでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 労働条件についても御報告願います。

石岡慎太郎労働省労働基準局長

○政府委員(石岡慎太郎君) まず年次有給休暇から申し上げますと、パートタイム労働者にも基準法の規定によりまして年次有給休暇を所定労働日数に応じて比例して付与しなければならないことになっておりますが、神奈川県の御指摘の調査によりますと、パートタイマーに対しまして年次有給休暇を付与している事業所は二一・三%、付与してない事業所は四一・八%、無回答の事業所は三六・九%となっております。基準法が遵守されていない現実がございますので、今後、法を遵守するように監督指導を加えてまいりたいと考えております。  それから、神奈川県の調査では、定期昇給制度、退職金制度についても調査が行われております。  定期昇給制度は、法律上、特に規定はございません。労働慣行でございます。それから、退職金につきましても、これ必ずしも設けなければならないとされているものではございませんが、神奈川県の調査を見てみますと、定期昇給制度につきましてはフルタイマーが八八・六%の事業所で適用され、パートタイマーはこれに対しまして四六・二%の事業所でしか適用されてないという結果が出ております。また、退職金につきましては、フルタイマーは八八・六%の事業所で適用され、これに対しましてパートタイマーはわずか一二・八%の事業所で適用されているということでございます。  いろいろ問題がございますので、パートタイム労働指針というものを労働省は策定しておりますが、これに基づきまして事業主に対しまして啓発指導を加えてまいりたいと思います。  それから、最後になりましたが、各種社会保険につきましても神奈川県の調査が労働条件の一つとして行われております。  労災保険につきましては、これはパートタイマーを含めましてすべての労働者に強制適用されておりますので、当然ながらこれは問題ございませんが、雇用保険制度につきましては、一週間の所定労働時間が二十二時間以上であることなどの一定の条件のもとに雇用保険に入ることになっております。また、社会保険制度につきましては、所定の労働時間が通常の就労者の四分の三以上であるなどの一定の条件を満たす者が被保険者になることになっております。  神奈川県の調査では、雇用保険につきましては、フルタイマーが九二・六%の事業所で適用され、これに対しましてパートタイマーは四三・一%にすぎません。また、健康保険制度につきましては、フルタイマーは九三・一%の事業所で適用されておりますが、パートタイマーは三六・一%。厚生年金につきましては、フルタイマーが九一・一%の事業所で適用され、これに対しましてパートタイマーは三三・二%の適用しかございません。  特に雇用保険、労働省所管の問題につきましては、パートタイム労働者に必要な手続をとるように指導を加えてまいりたいと考えております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 同じ仕事をしておって、もう職場になくちゃならないものだという人がこういうひどい差別状況を受けているわけですけれども、パートだからといってそれは差別していいんですか。労働省の方針ではそうなっていないはずですが、どういう指導をしていますか。

松原亘子労働省婦人局長

○政府委員(松原亘子君) パートタイム労働者の労働条件等につきましては、労働省において昭和四十五年、相当古くからでございますが、私ども指導に着手をいたしているわけでございます。  昭和五十年当時というのは、まだまだパートタイム雇用の歴史というのが浅いということから、パートタイム労働者に労働関係法令の適用がないのではないかといったような誤った考え方も広く見られたといったこともございまして、このパートタイム雇用というのは短時間就労という一つの雇用形態を指すものであり、職業人として経済社会に参加していることは通常の労働者と何ら異なるものではないということ、したがって労働保護法令も当然適用されるといったことなどを明確にし、その周知徹底を図るということを目指しまして指導をスタートさせたわけでございます。  その後も同じ考え方に基づきまして指導をいたしておりまして、平成元年の六月にはパートタイム労働指針というものを定めました。その中におきまして、今、先生御指摘の点につきましては「パートタイム労働者の処遇及び労働条件等について考慮すべき事項」というのを定めておりまして、そのうち「労働条件の適正化」という中に、賃金、賞与及び退職金につきましては「労使において、その就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して定めるように努めるものとする。」ということを書いてございまして、この趣旨を事業主に対しまして周知徹底を図っているというところでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 要するに、労働時間の違いだけであって身分の違いではないんだということが明白にされているわけです。ところが実際は、今いろいろ実情が報告されました。  労働大臣にお伺いしたいんですが、労働大臣は婦人を女性に改めることまで提案しておられる人ですけれども、パートタイマーというのは大体多くが女性労働者です。こういう状況についてどうお考えになるかということと、もう一つ追加して、労働者というのを物扱い、資材扱いしていいのかどうなのかということとあわせて労働大臣の意見をお伺いします。

村上正邦自由民主党労働大臣

○国務大臣(村上正邦君) おっしゃいますとおりに、今パートタイムの労働者は八百六十八万人いるんですね。今のところは女性局長じゃない、まだ婦人局長ですが、基準局長が申しましたように、やはり労働条件の改善、雇用の安定を図っていかなきゃならない、こう思って今回この国会におきまして、行政といたしましても一層のその指導の効果を強めるためにパートタイム雇用改善法案を提出いたしているところでございます。一日も早い成立のために御協力を賜れれば幸いだと、こう思っております、  それから、労働者は物ではない、これは私が労働大臣になりまして、また演説始めて長くなるといけませんので言いませんが、一番最初にそのことを指摘したわけであります。  労働市場だとか、安定供給だとか需要だとか、そういう言葉自体に物というものに誤解されて受け取られる節がある、こういう文言についても基本的に考えていかなきゃならない、こうしたことを申し上げたわけであります。労働者の人格というものはしっかり尊重していかなきゃならない。声を大にして申し上げたいところであります。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 実際はこういう例があるんですね。パートと同じように不況になるとすぐ解雇という対象になるのに、派遣労働者があるわけですね。派遣労働者というのは、例えば日立ては資材課が管理しているんですね。勤労課でも人事課でもないんですね。銀行の多くは購買課が管理しているんですね。労働者は怒っているんです、資材じゃない、物じゃないと言って。  どうです、労働大臣、実態を調べていただけますか。

村上正邦自由民主党労働大臣

○国務大臣(村上正邦君) そういうことを聞くと私も義憤に駆られます。調査いたします。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私も一緒に義憤を感じてこういうことの是正に努めたいと思います。  それをやる上で、派遣労働者の現状についてこの間新聞でも報道されましたけれども、派遣労働ネットワークなどという幾つかの団体が、日本事務処理サービス協会というところに申し入れをやっております。どういう内容の申し入れかということ、これについて労働省としてはどういう見解かということを、賃金、健康保険、有給休暇等を中心に御説明願います。

齋藤邦彦労働省職業安定局長

○政府委員(齋藤邦彦君) 先生御指摘の派遣労働ネットワークが日本事務処理サービス協会に申し入れを五月十八日に行ったというふうに承知をいたしておりますが、その事項は、派遣労働者の賃金の引き上げの問題、社会・労働保険の加入率の向上、派遣料金についてのマージンの基準の設定、有給休暇完全取得の制度の整備等々というふうに承知をいたしております。  私どもといたしましては、労働・社会保険の的確な適用を初めといたしまして、派遣労働者の福祉の増進あるいは労働条件の向上のために各種派遣元事業主に対しまして適切に指導を行ってまいりましたし、さらに今後適切な指導を行ってまいりたい、このように考えております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 時間が迫ってきたのでここで出されている中身は私一々言いませんけれども、例えば派遣労働者も、健康保険なしが七〇・六%、雇用保険なしが五七・四%。退職金もなく、不況になるとまず首切りはパートと派遣労働者というのが非常に多く見られる。こういうことは大問題だということだけ指摘しておきたいと思います。そして、こういうことの是正を労働大臣に重ねて提案するものであります。  もう一つ、これが大きい問題ですが、大企業では、今、数年計画で二千人、三千人の大規模の人員削減計画が至るところで計画されている。  私この前の予算委員会で言いました。日産座間は八千人ということですけれども、この実情をどのように掌握しておられるのか。大量解雇については届け出も必要だということですから、労働省、通産省、把握なさっていると思いますので報告してください。

齋藤邦彦労働省職業安定局長

○政府委員(齋藤邦彦君) 私ども、雇用情勢を迅速かつ的確に把握して適切な対応をとるべく、主要な業種団体から随時雇用の動向につきまして話を伺ってまいっております。当然のことながら、その中におきましていわゆるリストラにつきましてもお話を伺っておりますし、また、あわせまして各都道府県を通じましてそのような計画を持っておられる企業についての報告等も受けております。  まずリストラでございますが、私ども伺った限りにおきましては、大体三から五年ぐらいの期間で計画を実施している企業が多いようでございます。ほとんどが配置転換、出向、あるいは定年退職者の補充というような形で行われているというふうに承知をいたしております。  なお、念のためでございますが、千人以上の削減計画を持っている企業を私どもが把握しておりますのが大体二十五企業、削減数を合わせますと大体八万人、このように承知をいたしております。また、三十人以上の雇用変動がなされる場合には大量雇用変動届を所轄の公共職業安定所に提出しなければならないということになっておりますが、平成四年度におきましては四百八十一事業所から提出をされております。合計いたしますと、離職者数は三万人ばかりと、このような形になっております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 新聞報道によりますと、リストラ計画が、拾った資料があるんですけれども、これは膨大なものが新聞報道であるんです。こういう調子でリストラ計画が進んでいる。これでは景気回復のもとになる雇用の不安は強まるばかりで、これでは回復しません。  私は、労働者の賃金、雇用の安定という問題は、労働者の権利であると同時に景気回復という点からも重要だと思います。アメリカの景気についても雇用なき回復だということでの不安が表明されております。そういう点から、景気といえば公共事業ということでなく、やはりこの根本になる労働者の安定ということに大いに力を注いでいただきたいんですが、総理、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 総合経済対策はまさにそういうことをねらったものでありまして、公共事業も結局はそういう効果を生むものでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 終わります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で吉岡君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、磯村修君の質疑を行います。磯村君。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 毎日、景気対策、経済の話が出てきているんですけれども、私も最初その辺からお伺いしていきたいと思っております。  きのうは、政府目標三・三%をめぐっての論議もございました。政府は向こう一年間の成長率を一・六%押し上げて三・三%の成長は可能にしたい、こういう腹構えなんですけれども、民間のシンクタンクは今回の対策を進めても二%半ばというふうな見方もしているんですけれども、まず、どうそれを受けとめているのか、その辺からお伺いしておきたいと思います。

船田元自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(船田元君) お答えをいたします。  現在、我が国の経済は調整過程にあり、なお低迷をしておりますが、一部に回復の兆しを示す動きがあらわれてきていることも事実であります。そのため、昨年三月緊急経済対策、昨年八月の総合経済対策、そして景気に配慮した五年度予算、さらにはこのたび、今補正予算として御審議をお願いしておりますけれども、それを中心としたいわゆる新総合経済対策の取りまとめ、こういうこともやらせていただきました。こういうことを通じまして、公共投資は切れ目なく高水準に行われるということが十分に見込まれますし、またそうなってなければいけないわけでありますが、それに相まって住宅投資というものが堅調に現在も推移をしております。  こういう中で、まだ個人消費あるいは設備投資はなかなか上向いてこない状況にはありますけれども、しかし、徐々にではありますが、この二つの指標も少しずつ回復に向かって、年度後半には国内民間需要が主導する形での成長、いわゆる広く国民が景気の回復を実感できるような状況というのは実現するはずである、こういうふうなことで私どもとしては確信をいたしておりますし、そのことを通じまして三・三%という成長率は達成可能である、このように考えております。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 少し具体的にお伺いしたいんですけれども、景気対策の中で大きな柱になっているのが公共投資であるということは言うまでもございませんですね。  そこで、現実に国そしてまた地方の公共事業の今これまで進められてきた契約というのは大体どの程度まで達しているのかということを、まず伺っておきたいと思います。

斎藤次郎大蔵省主計局長

○政府委員(斎藤次郎君) 今年度はまだ始まったばかりでございますので、昨年行われました公共事業の前倒しの発注等について御報告を申し上げます。  上半期未の国の公共事業等の契約としまして、上半期の契約率目標として七五%を上回るということを決めたわけでございますが、実績は七七・四%ということでございました。その後、補正で追加も行われまして、その分がことしになって予算現額に加わっているわけでございますが、おおむね年度末の契約率を計算いたしますと大体九七・五%ということで、ほとんど一〇〇%近い契約ができて順調に消化が進んでいるということであろうかと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○政府委員(湯浅利夫君) 地方公共団体の契約率につきまして、昨年度でございますが、国と同様に当初におきまして上半期七五%を上回る率でということで各地方団体に要請いたしましたところ、都道府県におきまして上半期未の契約の実績は、たまたま国と同じでございますが、七七・四%となっております。  それから、年度途中で総合経済対策が決定されましてそれに伴って公共事業、地方単独事業の大幅な追加があったわけでございますが、それを含めまして今年の二月末の契約率は都道府県におきまして九〇・〇%ということで、過去の同時期の契約率と比較いたしましてもおおむね順調に行われているというふうに考えております。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 確かに公共事業の契約というのは国、地方、いずれも大変高い水準に達しているわけなんですね。しかし、指摘しておきたいことは、契約だけで、これだけ達して高水準になっているんだから景気は大丈夫だということが果たして言えるかどうかという問題が一つあると思うんです。ということは、やはりお金が伴わないと全体の景気というものの直接の刺激になっていかないと思うんです。  つまり、ここでお伺いしたいんですけれども、それだけ高い水準になっている契約に対する支払い済みというのはどのぐらいになっていますでしょうか。

斎藤次郎大蔵省主計局長

○政府委員(斎藤次郎君) 支払い済みと申しますのは、契約が行われますとまず頭金というので四〇%程度のものが支払われて、あとは工事の進捗状況に応じて支払われるということになっております。非常に事業が多岐にわたるものですから、統計はすべて契約ベースということでやっておりまして、支出ベースの数字は正確なものは把握されておりません。すべて国、地方を通じての支出ベースの把握は経済企画庁の国民経済計算のベースで行われておると考えております。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 地方は。

湯浅利夫自治省財政局長

○政府委員(湯浅利夫君) 地方の分につきましても、契約のやり方、資金の支払い方法というのは国と同じでございまして、それぞれの時期に支払っている状況というものを私どもは把握しておりませんので、全体としてどうなっているかということは申し上げられないわけでございます。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 工事の契約時に大体何割ぐらいのお金を支払うというふうな一つのルールと申しましょうか、決め、約束事と申しましょうか、そういうものがあるはずなんですけれども、これは一体どの程度のものなんですか。

望月薫雄建設省大臣官房長

○政府委員(望月薫雄君) ただいま主計局長から御答弁ございましたように、私どもの関係の公共事業について申し上げさせていただきますけれども、おおむね契約と同時に前払い金を四割相当お払いする。ただ、公共団体の場合には四割必ずしもいかなくて地方によりましては三割とかもろもろございますけれども、国の場合は一般的に四割、あとは出来形に応じまして中間払い、それから執行払いと、こういう手順を踏ませていただいております。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 契約は非常に高い水準にあるんですけれども、実際に支払いの割合というのは大変低いんですね、比較してみると。契約はどんどんするけれども、お金の方はなかなか支払っていかないというふうな問題があるんですよ。  例えばこの大蔵省の数字を見ますと、平成四年度、第一・四半期の場合の支払い状況というのは九・八、それから第二・四半期で一四・四というわけなんですね。そうしますと、前の年度に比べてみますと、契約というのは一〇ポイントぐらい高くなっているけれども実際に支払われる状況というのはざっと二ポイントぐらいしかプラスになっていない、こういうふうな状況ですので、契約はあっても支払いはそういう低いものであるということになれば、果たして実際それが経済効果を生んでいくんだろうかというふうな疑問が出てくるんですけれども、その辺いかがでしょうか。

斎藤次郎大蔵省主計局長

○政府委員(斎藤次郎君) 確かに、契約した当初に全額を支払うわけではなくて、国の場合四割程度を支払う、後で工事の完成に応じて払っていくということでございます。  ただし、国の会計年度はこれ三月末ということでございますので、各省庁は三月末をめどに支出をするということが一応基本になっております。したがいまして、俗に私ども契約済み繰り越しと申しておりますけれども、年度末までに支出を終わらないで翌年に繰り越すというものは大体例年一兆ちょっとを上回る程度ということでございまして、その関係で申しますと、その分が翌年に繰り越して支出されます。それが年度年度ごとにずれておりますので、総体の支出は契約が高まりますとやはりそれに応じてふえていくという姿にはなっているのだろうというぐあいに理解しておるわけでございます。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 せっかくこうして公共投資というものが大きな柱になっているわけですから、こういう時期が時期だけに、やっぱり支払いの方も進めるようなことを講じていかなければいけないんじゃないか、こういうふうに思うんですよ。  総理、いかがですか。そういう今までの状況を改善するというお考えはいかがですか。

斎藤次郎大蔵省主計局長

○政府委員(斎藤次郎君) 公共工事は、やはり着工時に四割を支払って完成に応じて支払うということでありませんと、例えば着工時に六割、七割を支払ってしまいますと、あるいは完成が伴わないときに国損を招くというような事態もございますので、その制度自体を変えるのは非常に難しかろうと思います。  したがいまして、私どもはいわば契約率を非常に高めるということで契約する割合をふやす、それを上半期に集中的にするということで契約が進みますと当然のことながら支払いも上がりますので、そういう形でいわば経済を活性化すると。また、契約を結びますと、初度の四割が出ることのほかに、当然その工事を一定の期間に仕上げるわけでございますので資材が動くというような、いろんな経済効果がございます。  したがいまして、契約率を上げるということが基本であろうかということではないかというぐあいに考えております。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 ひとつ長い目でこの辺のことを十分検討してほしいと思うんです。  それから、地方公共団体の場合、こういうふうに公共事業というものがふえてまいりますと、果たしてそれを十分に受けるだけの能力があるのかどうかという問題があると思うんですね。実際にもう受け皿いっぱいだという自治体もあるやに聞いているんですけれども、自治省、その辺の状況はわかりますでしょうか。

湯浅利夫自治省財政局長

○政府委員(湯浅利夫君) 昨年の状況を見てみますと、国の公共事業につきましては、当初の分、また追加の分をすべて各自治体で受け入れているわけでございます。さらに、地方の単独事業につきましても、地方財政計画で予定いたしました分と、さらに昨年の八月の総合経済対策において決められました地方単独事業の事業量をさらに上回って予算化しているということでございまして、地方団体の事業に対する意欲というものは非常に大きなものがあるというふうに考えておりますので、受け皿がないということは私はちょっと考えられないんじゃないかと思っております。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 そういう事業はもう能力いっぱいだというふうな、こういうふうな状況が自治体にはあるはずなんですよ。ですから、やはり適切にこういう事業というものを推し進めていくためにはその辺の実態というものを把握しておく必要があると思うんですけれども、自治省としてもぜひそういう実情、実態はどうなのかということを把握して適切な事業が推進できるような状況を考えてほしいと思うんです。  それから、時間があれですけれども、これはもう所得税の減税につきましては先ほど来いろいろと政府の考えは十分我々も聞いているんですけれども、私も一言だけ要求を兼ねてお願いをしておきたいと思うんです。  やはり中堅サラリーマンというのは重税感、こういうものを感じているわけなんですね。そういう意味合いにおいても、この所得税減税というものは早期に実施してほしいという声が非常に強いわけなんです。ですから、その辺のことも十分に考えながらぜひ実行に移せるような状況をつくってほしい、こういうふうに思います。  所得税減税ということになりますと消費税の話がすぐに連動して出てくるんですけれども、ちょっと総理にお伺いしておきます。  例えば税制改革の話がこの秋から税調で始まるだろうと思うんですけれども、いわば消費税について改めていくためにやはり財源の問題等で税率の問題がすぐ頭に浮かぶんですけれども、税制全体の中の消費税をこれからどういうふうに考えていくのか、そしてまた具体的に、総理自体、今の三%、大体このぐらいというふうな一つのイメージ、もう何か報道もされているんですけれども、そういう点についてちょっとお伺いしておきたいと思うんです。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 所得税のこの次の改革というのは、前々から申し上げておりますように、かなり大きな改革になっていくであろうと思われます。それはまた、将来に向かっての国民負担、給付との関係というようなことになっていくと思うのでございますが、実は今の消費税のお尋ねは、私は自分でまだ十分考えておりません。恐らく夏過ぎでございますか秋でございますか、政府税調等々も御議論が始まるのでございましょうし、自由民主党でもあるいはそういう御議論が始まると思いますけれども、今そこをどういうふうに考えるのか、私自身これといった決まった考えを持っておりません。  ただ、これも申し上げることですけれども、やはり経済運営というものをできるだけ正常にやっていきますと、二兆とか三兆とかいう税収というのはふえもし減りもしてございますので、やはり経済運営というものを大事に考えるということが。一つ大切にしなきゃならぬことじゃないかということは思っております。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 私は三月にも当委員会で、非常に政治を不透明にしている問題の一つとして建設の談合というふうなことで公取委の考えをただしたことがあるんですけれども、実際問題、残念ながら今月十三日、十四日、立入検査というふうな問題が一つあったわけなんです。  これは、山梨県のいわば金丸前副総裁と直接かかわってきた建設業協会というものが立入検査を受けたわけなんですけれども、もちろんこれは立入検査をする以上は談合の疑いがあってやったわけでしょうけれども、その経過につきまして御報告をお願いしたいと思うんです。

糸田省吾公正取引委員会審査部長

○政府委員(糸田省吾君) 御指摘のように、今月の十三日、十四日、両日にわたりまして、社団法人山梨県建設業協会、これに加盟しております建設業者を中心に立入検査を行ったところでございます。  現在、その調査で収集した資料等について、それの点検等を含めまして鋭意調査を行っている段階でございます。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 この立入検査の状況がはっきり結果として公表できる時期というのはいつごろになるんでしょうか。

糸田省吾公正取引委員会審査部長

○政府委員(糸田省吾君) この件につきましては、現在調査に着手したばかりでもございまして、また一つ一つの事件におきましてどの程度の手間暇がかかるかやってみなければわからぬという面もありますので、現段階でいつごろどうなるかということはなかなか申し上げにくいところがございます。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 過去にもこういう立入検査ということはあるわけなんですから、大体そうした立場から考えた場合にいつごろというふうなことは見当がつくはずだと思うんです。そういう意味で、またそういうめどでもって作業を進めていると思うんですけれども、どうでしょうか。

糸田省吾公正取引委員会審査部長

○政府委員(糸田省吾君) 本件につきましては、鋭意調査を進めていくということ以上なかなか申し上げにくいのでございますけれども、過去に独占禁止法違反事件はいろいろとたくさん手がけております。そういったものにつきましてどのぐらい時間がかかったのかということでございますれば、これは全く一般的な感じの話で恐縮でございますけれども、一年前後かかるというものもあるわけでございます。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 今度のこういう立入検査というのは、国民の建設談合に対する世論というものは大変厳しい世論があるわけなんで、そういう世論にこたえていくためにも公取の真価というものが問われていると思うんです。そういう意味合いにおいても、ぜひとも徹底した検査というものを行って国民の疑惑を晴らしていってほしい、また国民のそういう世論にこたえていってほしいというのが私の気持ちでもあるわけなんです。  と同時に、こういう地方の談合にもいわゆるゼネコンと言われているところの中央の業界のそうした談合システムが大変根づいてきていると。こういう意味合いにおいて、中央の談合への対応というものもぜひ進めていってほしい、こういうふうに思うわけなんです。  と同時に、こういうことをしていくためには、やはり公取委だけではできない面も多々あると思うんですけれども、法務との連係プレーと申しましょうか、そういうことが大変重要な意味を持つと思うんです。そういうことから、今回のこういう立入検査につきまして法務との連係プレーというものが特にあったと思うんですけれども、その辺の状況を、法務の古いらっしゃいますでしょうか、お願いいたします。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  具体的な事件に立ち入ってのお答えは差し控えさせていただきますけれども、一般的にお答えを申し上げさせていただきたいと思います。  独占禁止法違反に関する具体的情報につきましては、平成二年十二月に法務省と公正取引委員会との間で、検察当局がその捜査等の過程で得た独占禁止法違反に関する情報の公正取引委員会への通報に関しまして合意しているところでございます。  法務・検察当局といたしましては、その合意の趣旨に従いまして、必要に応じ法令の許す範囲内で情報の提供その他の協力を行うこととしているわけでございます。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 わかりました。  それから、こういう建設談合をぜひなくしていくためにも公取委の強い姿勢というものが望まれるわけなんですけれども、これがそういう姿勢を示すことによって国民の期待にもこたえられるわけですね。そういう意味合いにおいて、これからのこういう不正に対する公取委の態度、考えというものをぜひここで、決意と申しましょうか、お伺いしたいんですけれども。

小粥正巳公正取引委員会委員長

○政府委員(小粥正巳君) ただいまお尋ねの、官公庁等が入札を行うに際しまして入札参加者側があらかじめ入札予定者を決めるという行為、これがいわゆる入札談合でございますけれども、これは申すまでもなく競争入札制度の根幹を否定するものでありますし、それから、これは競争を制限することを禁止しております独占禁止法に抵触する重大な違反行為でございます。したがいまして、私ども公正取引委員会は、従来からこのような入札談合に対しましてはこれを積極的に摘発をしてまいったところでございます。  今後ともこの種の入札談合に関する情報収集に努めまして、もし具体的な端緒がありました場合には、当然でございますけれども、法に基づいた調査を行いますし、その調査の結果、違反行為が認められればこれに厳正に対応していく、そのような姿勢でございます。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 そこで、そういうものをまた行政の面から改善していかなければならないというので、建設省にお伺いしたいんですけれども、このほど建設省は公共事業の入札制度の改善策というものを発表いたしました。大変前向きに改善をしている面もあるということでもって一応の評価はできるわけなんですけれども、この中でお伺いしたいのは、どうしても指名競争入札というのは役所の裁量とかあるいは政治家の介入する機会とかそういうことになりやすい面もあるわけなんですね。そうしたことから、できるだけ他の適当な制度というものがないだろうかということ、それからまたいろんな論調の中にも、指名競争入札制度というのはなくして、会計法等で書かれているようなああいう一般競争入札制度、こういうものを導入したらどうだろうかという論調が目についたわけですね。  特に建設省が今回の改善策の中で指名競争入札にこだわった理由というのはどういうことなんでしょうか。

中村喜四郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。  公共事業は、基本的にはやはり工期と質というものが非常に重要である、このように私どもは認識しております。  しかし、一般競争入札を導入するということに対しましてはいろいろの点で問題がある。具体的には、不誠実な業者というものを排除することがなかなか難しい。アウトローの方などが入ってくることを完全に排するということは難しい。そうなってまいりますと、疎漏工事が起こったりあるいは工期が遅延してしまう、こういった問題も起こってまいりますので、それを防ぐためには事務量が大変膨大になってくる。それで、建設業というのは中小企業が多いわけでございますので、ダンピング競争ということになりますと受注の機会というものを確保することは難しくなる、こういった面もございます。  アメリカにおいては一般競争入札が行われているわけであります。英国も以前は一般競争入札を行っておりましたが、一九六四年のバンウェル報告以来、指名競争入札に切りかえてまいりましたし、また岡崎市においても制限つき一般競争入札が行われたわけでございますけれども、その後いろいろと問題があり、指名競争入札を一部併用する、このような形になっておるのが現状でございます。  そこで、私どもは、指名競争入札をそれでは問題点を改善することによって維持していかなきゃならない、このようなことで、御指摘をいただきましたように、今回具体的な指名基準あるいは新しい入札方式、積算体系の見直し、そうして特に公共事業は七割を地方が発注するわけでございます。直轄の場合は公契連を通じましてそういった問題に対して建設省が中心となって改善に取り組んでまいりますが、地方ということになりますと、県知事さんあるいは市町村長さんが仕事を発注するということになりますと、先生の山梨県の場合でも勝ち組、負け組というようなことによって仕事が動かされたのではなかろうかという、こういったことをやはり今後はなくしていかなくちゃならない。  こういうことで、村田自治大臣にもお願いをし、今回自治省との間で協議機関を設置いたしまして、担当局長同士が具体的に今後地方公共団体の仕事の発注について相互に協力をしていく、このようなことで今回改善案をまとめさせていただいたわけでございます。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 指名競争入札というものの改善、中身を改善していけばいいという点もあるんでしょうけれども、こういう一つの何といいましょうか、大きな問題が生じたときに、いわば役所も大胆な発想の転換と申しましょうか、そういうこともやっぱりやっていく。  どうも行政というのは従来の形の中に閉じこもってしまって、その中でもがいている、そしてその中で何とか立て直していこうというふうな、そういう傾向が強いように私は感ずるんです。やはり日本の役所ももう少し発想を外に向かって裸になってやり直してみようと、こういう大胆な改革というものを役所自体もやっていく、そうしたことによって失われつつある役所に対する国民の信頼というものもから取ることができるんじゃないか、得ることができるんじゃないか、回復することができるんじゃないかと、私はそう思うんです。  例えばアメリカあたりでやっている一般競争入札制度というものも、やはりそれはそれなりに保証制度というものがあって業者を保証して、そしてやらせている。こういう業者の数も少ないようなんですけれども、そういうふうにやらせているという制度。そして、それも一応問題は一〇〇%ないというんじゃなくて、日本に比べればまことに少ないんだと、こういうふうな話も聞いております。  そういう意味合いにおいて、そういうことをやはり試行的に大胆に取り入れてやってみるということも必要じゃないんでしょうかね。何かそういうコップの中でもがいているようなのがどうも役所の考えのようなんですけれども、その辺どうでしょうか。少し将来、近い将来、とにかくそういうものを少し試行的にやってみようじゃないかというふうなそういう考えはいかがですか。

中村喜四郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。  先生御指摘いただきましたように、今回の件を通じまして役所としても国民の信頼を回復できるような公共事業の発注、受注のあり方について発想の転換をしろと、こういう御指摘でございます。  確かに御指摘をいただくように、これを機会に国民の信頼のできる公共事業のあり方というものについては、建設省を中心として、大いに将来に対してしっかりとした改善ができたと言われるようなものをつくっていかなきゃならないということは御指摘のとおりでございます。  ただ、公共事業の発注のあり方につきましては、完全なものというのは、これはなかなか指名にしても一般競争入札にしても望むことが難しいということは先生も御案内のとおりでございます。アメリカにおきましてもボンド制度というのがございますが、これは経営、金銭の保証でございまして、技術力を担保するものではない。こういうことのために、アメリカにおいても年間に工事の不履行のことで訴訟が起こるというのが数千件に及んでいる、そして談合罪で摘発されるというのが年間に三十件から五十件起こる、こういったこともございますので、こういったことを念頭に置きつつ一般競争入札のいいものを積極的に取り込んでいくことによって改善に取り組んでいきたい、このように考えております。

磯村修民主改革連合

○磯村修君 時間が来てしまいましたので、ここで失礼いたします。  ありがとうございました。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で磯村君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、下村泰君の質疑を行います。下村君。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 最初に、武藤外務大臣にお礼を申し上げます。  オーストラリアのブリスベーンにあります王立子供病院、改築費が五億円日本の負担でございましたけれども、たしか大臣にお願いしていろいろの方策を教えていただいて、経団連の方にもいただきました。やっと九千五百万ぐらい集まりました。お礼を申し上げます。ありがとうございました。  それから、文部大臣にも一言お礼を申し上げておきます。  官房長官時代に無理にお願いしました骨髄バンクがやっとできて、本格的に動き始めました。ありがとうございました。  さて、まず小児を含む難病対策について伺います。  小児慢性疾患対策、私は小児難病と言わせていただきますが、昨年その法制化を検討されたはずが今回見送られました。その見送られた経緯、理由、関係団体の反対の理由などについて御説明いただけたらと思います。

清水康之厚生省児童家庭局長

○政府委員(清水康之君) お答えをいたします。  小児慢性疾患対策につきましては、委員御案内のとおり、従来からいわば疾病治療研究事業という医療費の公費負担を行ってきているわけでございますが、昨年の五月に「これからの母子医療に関する検討会」というところから報告が出まして、その中で、小児慢性疾患対策の体系を見直してできるだけ総合的、体系的に進める必要があると、こういう御指摘をいただいたわけでございます。  私ども、この報告を受けまして、昨年六月以来鋭意関係団体等と意見の調整を行ってきたわけでございますけれども、総合的対策の推進の必要性ということについては御異論がないわけでございますけれども、医療費の負担のあり方などをめぐって団体間で必ずしも意見の一致を見られなかったというふうなことから、もう少し時間をかけていろいろ議論する必要があると判断しまして今度の国会での法制化というものは見送ったわけでございます。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 私が承知している範囲で申し上げれば、これは明らかに最初に問題があったと思います。  昨年九月の十八日の決算委員会にも私は指摘申し上げたんですが、そのニーズというもの、すなわち言いかえればQOLをいかによりよいものにしていきたいかという子供本人や家族の意見の盛り上がり、ニーズが十分でないところに余り具体的でない法制化案が持ち出されました。しかも一部自己負担がクローズアップされたんですね。ここのところばかりが非常にクローズアップしまして、団体の意見を伺いたいといっても、これはすぐには盛り上がりや理解に欠けるわけです。むしろ戸惑いや反発があるのが当然で、たとえ賛成した団体でも内部ではいろいろ意見があるわけなんです。しかも、消極的賛成というところもあります。基本的に私は法制化には賛成なんですが、そこで、今後どうするのかということを伺いたい。  例えば、要望の比較的強い障害者手帳制度にかわるもの、障害者手帳というのがありますけれども、この難病にはないんですね。ですから、難病手帳でもようござんしょう、あるいはメディカルソーシャルワーカー、MSWを各病院に必ず置くとか、あるいは宿泊施設をどうするのか、そういう具体的ニーズのあるものについてきちんと対応を示し、その上で法制化について一から関係者の意見を聞く必要があると私は思います。  今申し上げた三点と今後のあり方について方針を伺わせてください。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(丹羽雄哉君) お答えをいたします。  まず、難病の方々でございますが、先生も御案内のように、これは医療の分野では公費負担ということで原則無料で賄っておるわけでございます。  で、先生の発想を私なりに推察いたしますと、医療だけではなくてさらに福祉の分野にまで拡大していったらどうかと、こういうようなことから今のような御提案がなされたのではないかと思っております。  福祉や年金の分野におきましては、一定の障害を持った方に対しましては既に対象となっているのが現状でございますけれども、難病の方々に対して福祉まで広げるかどうかということにつきましては、さっきいろいろの御議論があったということでございますけれども、まだ率直に申し上げまして意見の集約ができておりません。  難病手帳のようなものもどうかと、こういう御提案でございますけれども、こういうことを含めまして検討課題にさせていただきたい、このように考えております。  それから、もう一つお話がありました例の宿泊施設でございますけれども、難病の子供さんを抱えていらっしゃる親御さんが地方から例えば東京などに上京をしたときに要するに家がないじゃないかと、こういうことで、確かにアメリカやカナダなどではボランティア運動を中心にしてこういうような宿泊施設ができておるのは事実であります。日本におきましても、先生も御案内だと思いますけれども、例えば国立がんセンターの患者の家族によりまして愛の家と、こういうものが運営されておるわけでございます。  そのほか、私も実は新聞で拝見したわけでありますけれども、自分の子供がやはりがんのようなもので亡くなったということで独力で要するにそういうようなものをつくったとかいう、そういうようなボランティアによる善意の輪というのは非常に広がってきておるわけであります。私どもといたしましては、こういうものを善意のボランティアだけにお任せしていていいのかどうか、さらに病院との連携をもしつくる場合にどうしたらいいのか、こういうようないろいろな問題点があるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、何らかの形でお子伝いをさせていただかなければならない、こういったような観点で検討をさせていただく決意であります。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 それから、いま一つのメディカルソーシャルワーカー、この件についてはいかがでしょうか。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(丹羽雄哉君) 難病の方々というのは、これは御案内のように治療方法というものが十分に確立されておらない、こういうことでいわゆるMSW、医療ソーシャルワーカーと、役割は大変重要であるわけであります。先生も御指摘のように、この資格化につきましては、先ほど私がちょっと問題提起をいたしましたけれども、実は中において医療従事者とするのかあるいは社会福祉の従事者にするのかとか、実は関係者の間でも非常にさまざまな御意見が分かれております。  ただ、私どもといたしましては、できるだけ早くこの問題について合意を得て資格化が進むことを強く望んでおるわけでございまして、私どもそういうような方向に向かって努力をしていく決意でございますので、御了解を賜りたいと思っています。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 ひとつよろしく中をとってうまいことやってみてください、これは。  四月十八日に、「難病対策見直しへ」という見出しの記事が出たんですけれども、これはどういうことなんでしょうか。記事の内容の真偽とそれから今後の対応をひとつ御説明していただきたい。具体的に詳細にひとつお願いします。

谷修一厚生省保健医療局長

○政府委員(谷修一君) 御指摘になりました新聞記事につきましては、難病対策について、御承知のように難病対策につきましては昭和四十七年から難病対策要綱を設置いたしましてそれに基づいて対策を行ってきたわけでございますけれども、既に二十年を経過したということでございまして、その間の医学の進歩あるいは医療技術等の進歩あるいは患者を取り巻くさまざまな状況の変化等がございますので、少しこの難病対策全体について見直しをしてみたいということで公衆衛生審議会にお諮りをいたしまして専門委員会をつくっていただくというようなことを考えております。  現在、具体的にはその専門委員会の人選を行っている段階でございますので、まだ先生お話しのございました委員会そのものはスタートはいたしておりませんが、できるだけ早く専門委員会をつくりまして今後難病対策あるいは対象疾患の問題、そういうようなことも含めて幅広く御検討をしていただきたいというふうに考えております。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 これは本当にしっかりやってくださいね。  私、今手元に、二十二年前にこれはある団体がつくった難病救済基本法試案というのがあるんです。これ読んでいると時間がなくなりますので省かせていただきますけれども、小児の法制化の動き、それから難病対策の見直しの動きを見るにつけても、このあたりで本気で関係当事者の意見をしっかり聞いて抜本的に見直して、一、二年かけてしっかりした継ぎはぎでない、患者あるいは患児、子どもさんですね、教育、雇用、所得、福祉、住宅を含め、殊に難病や長期の慢性疾患と闘う子供が入院しても、あるいは在宅でも、きちんと教育が保障されなければならないと私は思います。とぎれることのないようなシステムづくりが肝要だと思います。こういったQOLを見詰めた対応をすべきだと思います。  厚生大臣は恐らく山下前大臣から引き継ぎをいただいていると思います。私の方に議事録がございます。必ずちゃんと後へ引き継ぎをするように言うからという議事録が残っているんですけれども、聞いていると思います。  さらに文部大臣、それから労働大臣、障害者、難病の雇用対策をどういうふうにお考えになっているのか、そして総理にも伺いたいと思います。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど来先生からはまず子供の難病について御提案がございました。ただいま、いわゆる大人も含めた難病対策全般についての御指摘だと思います。  先ほど局長の方から御答弁を申し上げさせていただいたわけでございますが、本年の六月にも、先ほど申し上げました新たに公衆衛生審議会の中に有識者から成る難病対策専門委員会というものを設置して、先生の御提案を踏まえまして、二十一世紀に向けて総合的な対策について御検討をいただきたい、こう考えております。  いずれにいたしましても、治療方法のない難病の方々は大変お気の毒でありますし、先ほどから私申し上げておるわけでございますけれども、医療と福祉の担当大臣といたしましては、これらの問題について積極的に前向きに取り組んでいく決意でございますので、先生の御理解を賜りたいと思っております。

森山眞弓自由民主党文部大臣

○国務大臣(森山眞弓君) 難病や慢性の病気のために病院で療養を必要とするという子供たちに対する教育につきましては、現在、病弱養護学校の訪問教育とか病院内学級などが設けられておりまして、そういうところで行われております。  しかし、御存じのとおりこれはなかなか難しゅうございまして、まず、病気と申しましてもその病気の中心が従来の結核などからぜんそくとか心臓病などに変わってきていること、また、医療技術の進歩によりまして入院期間の短期化とか入退院が繰り返される場合などもございますし、医療の状況が大変変わってきております。また、子供たちが住んでいる場所、それから従来通っていた学校、そして今度は入院した先というのがそれぞれ地域が離れたりしていることもございますし、いろいろな事情がそれぞれのケースによって大変違いますので、難しい面が確かにございます。  しかし、このような各状況にきめ細かく対応いたしまして、病気を療養している子供たちに対する教育についてもさらに教育課程の編成とか指導方法の改善などを図る必要があるというふうに考えております。文部省といたしましては、このような状況を踏まえまして、平成五年度から新たに病気療養児の教育に関する調査研究を実施することにいたしておりまして、所要の経費が約四百二十万円でございますが、平成五年度の予算に計上させていただいており、現在、調査研究をスタートさせるための準備を進めているところでございます。  この調査研究の結果を踏まえまして、病気療養児に対する教育について一層努力をしていきたいと考えております。

村上正邦自由民主党労働大臣

○国務大臣(村上正邦君) 難病の方々につきましては、一人一人の病気の特性に応じて適切な職業の選択によりその職場を確保するとともに、また勤務時間、業務の内容などについて事業主に対し必要な指導を行いながらその就職の促進に努めてまいっております。  現在、労働省といたしまして、難病の方々が働くについてどのような困難を抱えているのか、またそのために事業所等においてどのような配慮が必要なのか等の諸問題についてそれぞれ病気ごとに調査研究を行っており、気配り、心配り、この事業所に預ければ安心だなと親御さんが思い身内の方が思っていただけるような、そうした職場環境づくりに努めていかなきゃならない、こう思っております。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 厚生大臣が言われましたように、いわゆる難病、将来に向かってふえて複雑になってまいりますから、二十一世紀に向けまして総合対策を厚生省として考えてもらいたい。これは仕事をぜひそのように進めてもらいたいと思っております。  それから、文部大臣からは、いわゆるこういう場合の教育の問題について調査研究、実態の把握をまずしたいというお考えのようですけれども、その上で対応をやはり考えてもらわなければなりません。  労働大臣からは、確かに病気の特性に応じまして職場も違うかもしれませんし勤労条件も違うかもしれませんが、しかし、そういうことはやはり小まめに特性に応じた指導をしてもらわなければならないと思います。そのように努めます。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 難病の方々が、就職して万歳と叫べるような状態をつくっていただきたいと思います。殊に労働大臣は情のある方だと思いますので、よろしくお願いします。  ところで、三月二十五日に遺伝子治療実施のガイドラインというのをまとめましたが、その内容をひとつ御説明ください。

瀬田公和厚生省大臣官房総務審議官

○政府委員(瀬田公和君) 先生御承知のように、三月二十五日とおっしゃいましたが、四月十五日だと思いますけれども、遺伝子治療臨床研究に関するガイドラインが厚生科学会議で決定をされまして、厚生大臣に報告されたわけでございます。  遺伝子治療は、一たび発病すると死に至りますような致死性の遺伝性の疾病とか白血病等のある種のがんでございますとかエイズなどの生命を脅かす疾患につきまして、その疾病の治療のために人の体内に遺伝子または遺伝子を導入した細胞を投与するというものでございますが、こういった治療につきましては、今後の医療におきまして画期的な先端医療技術となる可能性が大きいものというふうに考えております。  今回取りまとめられましたガイドラインは、遺伝子治療の臨床研究に関しまして、その科学的な妥当性と倫理性を確保すること、そしてその適正な実施を図ること、こういったことを目的として作成されたものでございまして、遺伝子治療の研究及び審査の体制、それから遺伝子の治療の対象となる疾患、また生殖細胞の遺伝的な改変の禁止、それから被験者すなわち患者の人権の保護、そのほか記録の保存とか秘密の保持、そういったこと、臨床研究を実施するに当たりまして守るべき基本的な事項について定めたものでございます。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 済みませんが、具体的にどういう病気にどういうふうな適用があるのか、ちょっと教えてください。

瀬田公和厚生省大臣官房総務審議官

○政府委員(瀬田公和君) この遺伝子治療に適用することが予定される疾患といたしましては、さっきもちょっと述べましたが、致死性の遺伝性の疾患ということで、代表的なものとしてはアデノシンデアミナーゼ欠損症というふうなある種の酵素の欠損している遺伝性の疾患でございますとか、白血病のようなある種のがんでございますとか、それからエイズなんかも対象になるのではないかというふうに専門家の間では考えられているということでございまして、具体的にこれということについては今後とも専門家の間で検討がなされるものというふうに承知をしております。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 済みません。ついでに教えてください。  これは悪く利用するとどういうことになりますか。

瀬田公和厚生省大臣官房総務審議官

○政府委員(瀬田公和君) こういった治療方法を行うことにつきましては、先生御心配になりますように被験者、患者の選定とかそれからインフォームド・コンセントとか、そういったものの確保と、そういった倫理的な面で非常に配慮が重要であるというふうに考えておりまして、この遺伝子治療の実施に当たりましてはこういった倫理的な面というものが十分に検討され、また国民の幅広いコンセンサスを得られるような形で実施をしたいというふうに考えておりまして、検討をお願いしている、こういうことでございます。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 大臣に伺いますけれども、これは私もちょっと迷いがあるんですね、こういうことは。なし崩しにならないように先手先手と打っていただきたいと思います。これは悪用されるとえらいことになると思うんですが、今後の方向を含めて大臣はどういうふうにお考えでしょうか。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(丹羽雄哉君) 今、政府委員の方から詳しくお話を申し上げたわけでございますが、遺伝子治療は画期的な医療技術である、こう言われております。人類の悲願であります、今具体的に政府委員の方から申し上げましたけれども、難病であるとか、がんであるとか、あるいはエイズであるとか、こういったような病気の制圧を可能にするのではないか、こう期待をされておるわけであります。  この研究を推進するために、平成五年度の予算では実は一億五千万円ほど計上いたしておりますけれども、先生が御心配をしておりますように、問題はこれが非常に悪用されるのではないかとか、一部に非常に不安視する動きがあるわけであります。そこで、先ほど来お話が出ておりますように、過般、遺伝子治療臨床研究に関するガイドライン、こういうものを設けたわけであります。このガイドラインに沿いまして今後の研究の推進、しかも今御指摘の特に倫理的な問題、こういう問題に十分に配慮しながら、いずれにいたしましても社会的あるいは国民的な合意を得ながらこの遺伝子治療を推進していかなければならない、こういうような考え方に立つものでございます。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 ありがとうございました。  続いて、精神障害者対策について伺いますが、今国会に提出されました精神保健法改正の内容をひとつ御説明ください。

谷修一厚生省保健医療局長

○政府委員(谷修一君) 現在、国会の方に御審議をお願いいたしております精神保健法の改正でございますが、これは五年前に改正をされました際の国会で設けられました見直し規定等を踏まえまして、精神障害者の社会復帰の促進及び適正な医療、保護を確保するということを目的として提案をさせていただいております。  具体的には地域生活援助事業、いわゆるグループホームというものがございますが、これを法定化するとともに、厚生大臣の指定法人として精神障害者社会復帰促進センターを設けるということによりまして精神障害者の社会復帰の促進を図るということ。また、保護義務者に対する支援規定を設けること等によりまして精神障害者の適正な医療及び保護を実施する。その他、前回の改正の際のいわゆる宿題となっておりました精神障害者の定義規定を見直す、並びにいわゆる指定都市に対する権限の移譲というようなことを導入するということ等の措置を内容といたしているところでございます。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 それでは、一九八八年、これを昭和に直すとややこしくてしょうがないのでこのまま行きますけれども、法定化された社会復帰施設の数と定員総数、八八年から九三年度について教えていただきたいと思います。また、地域的に偏在が見られるかどうかも教えてください。

谷修一厚生省保健医療局長

○政府委員(谷修一君) 現在、法制化されております精神障害者の社会復帰施設につきましては三種類ございます。一つが精神障害者援護寮、それから精神障害者福祉ホーム、並びに精神障害者の授産施設がございます。  八八年というのは六十三年度でございますが、援護寮につきましては、六十二年度におきましては施設数が五カ所、定員数が百名でございましたけれども、平成四年度におきましては施設数が四十六カ所、定員数が九百二十名というふうになっております。障害者福祉ホームにつきましては、六十三年度におきまして施設数三十一カ所、定員数が三百十名でございましたけれども、平成四年度におきましては六十四カ所、定員数六百四十名というふうになっております。それから最後に授産施設でございますが、六十二年度が施設数が十二カ所、定員数が二百四十名でございましたけれども、平成四年度におきましては施設数が五十一カ所、それから定員数が一千名というようになっております。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 地域的にどうなんですか、大分差がありますか。

谷修一厚生省保健医療局長

○政府委員(谷修一君) 地域的な県別の施設数でございますが、現在のところ県によってかなりのばらつきがございます。これにつきましては、施設数をふやすということと同時に、各県に指導いたしましてできるだけこの施設の増を図っていきたいというふうに考えております。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 できるだけ何とかしてください。この表を見ますとまるで何にもない県があるんです。そのかわり小規模作業所だけはあるんですけれどもね。  いろんな調査でも明らかになりますように、適切な受け入れ態勢があれば退院可能な方は十万人以上と言われています。もっといるかもわかりません。それを思うと現状の社会復帰対策が余りにも乏しい。その分、法定外の無認可作業所がどんどんふえているわけです。  社会復帰施設が伸びない原因をどう分析していらっしゃるのか。今回のグループホーム法定化も含めて、今後どういう展望、対策、対応を考えていらっしゃるのか教えてください。

谷修一厚生省保健医療局長

○政府委員(谷修一君) 社会復帰施設がなかなかふえないということについてのお尋ねでございますけれども、これまで社会復帰施設の運営費につきましては他の障害者の施設と異なりましていわゆる設置者の負担というものが存在をいたしていたわけでございまして、そのことが一つ大きな原因であったのではないかというふうに思っております。それから、精神障害者に対する国民の理解ということはいろんな機会を通じて私ども努めているつもりではございますが、やはり現実に地域におきましてそういう施設をつくるという際になかなか周りの方の御理解が得られない場合があるというようなことも原因の一つであったのではないかというふうに考えております。  なお、この運営費の問題につきましては、平成五年度におきまして地方交付税において所要の措置をとるということで運営費の設置者の自己負担というのが解消される見込みでございますので、そういうことを通じて今後社会復帰施設が増加をしていくということを期待いたしておりますし、私どももできるだけそのように努めてまいりたいというふうに考えております。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 それは必ずやってください。精神障害の方々というのは、こちらの接し方によって変わってくるんです。この方たちが犯罪を犯すとあたかも全部が犯罪者のような見方をするんですが、実際はそうじゃないんですよ。一般の方々の犯罪数に比べれば精神障害の方の犯罪なんというのはもうほんの微々たるものなんですね、どう勘違いしているのかわかりませんけれども。  この運営費の低さ、設置者の負担、職員配置の基準、それから市レベルの設置、メニューの質と量、法定外の作業所への対応、ヘルパーの適用など、検討すべき点はたくさんあると思います。  そこで、措置入院が減少して医療費が減っていると思うんですが、その分もろもろを含めてそっくり福祉対策の方に振り向け、福祉法的な対策を準備すべきだと考えておりまするが、ちょうどお時間でございますので、このお答えをいただいて終わりたいと思います。総理、厚生大臣、お願いします。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(丹羽雄哉君) お答えを申し上げます。  まず、基本的には私ども、精神障害者の社会復帰の促進を図っていくためにはいわゆる社会復帰施設の整備を推進することは極めて重要である、まずこういう認識に立ちまして、先ほど局長の方から御答弁を申し上げたわけでございますけれども、毎年毎年いわゆる施設運営費の補助を引き上げておるわけでありまして、今度新たに地方交付税において施設運営費の設置者負担というものの解消を図る、こういうことを行ったわけであります。  それから、もう一つの点、いわゆるグループホームでありますけれども、精神障害者の社会復帰の促進を図るという観点から、精神保健法においては既に社会福祉施設等の福祉対策というのは織り込まれておるわけでございますけれども、今回新たに提出いたしております精神保健法の一部を改正する法律案におきましては、このグループホームというのはこれまで予算で毎年毎年箇所づけしてきたわけでありますけれども、これを正式にこの保健法の中に織り込んだわけでございまして、これは大変画期的なことではないかと思っております。  こういった点を含めまして、いずれにいたしましても精神障害者の福祉の増進に今後とも鋭意取り組んでいく決意でございますので、先生の一層の御理解、御協力をお願いいたしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま厚生大臣からお答えを申し上げましたが、施設に対する運営費あるいは設置に対するいろいろな助成、それから法を改めまして地域生活の援助事業等を法制化する等々、予算、法律の両面から充実をしてまいりたいと思います。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 ありがとうございました。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で下村泰君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、武田邦太郎君の質疑を行います。武田君。

武田邦太郎日本新党

○武田邦太郎君 日本新党の武田でございます。  まず、文部大臣にお伺いいたします。  今、農水省は、日本の農政史に特筆大書すべき構造政策を発進させようとしております。今世紀未か十年後、稲作で言えば戸当たり十ヘクから二十ヘク、これは今五万戸ぐらいが目標のようでありますが、それに相当する生産性なり所得を確保する農家を三十五万戸から四十万戸、それから組織経営体としては三十五ヘクから五十ヘク、これは三名ぐらいでやるそうでありますけれども、大体四、五万単位と空前の計画だと思います。  そこで、最近、学校出の青年たちが農業に入っていかない、こういうことは、こういう非常な激変期、特に農水省がこういう計画を持っておるときに若者たちに希望と確信を持たせ得る農業研究なり教育なりが基本的問題だと思いますけれども、これに対処すべき教育についてどういうふうにお考えでしょうか。

森山眞弓自由民主党文部大臣

○国務大臣(森山眞弓君) 国際競争やほかの産業に負けない農業従事者の育成に役に立てるために、農業を志す若者が高度の農業技術、経営能力を身につけることができるようにということで、文部省といたしましても農業高校における教育の振興に努めております。また、大学の農学部におきましては、生物資源の生産及び利用を目的とする応用化学を推進するとともに、農業を支える技術者、研究者の養成を鋭意行っているところでございます。  このため、農業高校につきましては、産業教育振興法に基づきまして農場等の施設設備の充実を図りますとともに、特に昭和三十九年以来、農業自営者を養成するための寄宿舎を伴う農業高校の整備のために特別の補助を行い、現在までに三十七校の整備を行ってきたところでございます。また、平成元年に告示されました新しい高等学校学習指導要領におきましては、農業従事者に要請される新たな知識、技術を身につけさせるため、農業経済やバイオテクノロジーに関する内容の充実、情報に関する科目の新設などの改善を図ったところでございます。  また、大学の農学部につきましては、近年の科学技術の進展や社会の急速な変化に対応いたしまして、生物生産の効率化、バイオテクノロジーによる新しい生物資源の開発利用、あるいは環境問題を含めた天然資源の保全や活用等の要請を踏まえた教育研究、人材養成に対応するため、既存の学科の改組を進めているところでございます。  今後とも文部省といたしましては、学術研究の進展や社会的要請の変化を踏まえながら主体的に農業の発展を図る有為な農業従事者の育成に努めてまいりたいと考えております。

武田邦太郎日本新党

○武田邦太郎君 研究の御努力は非常に多とするのでありますけれども、この農業経営規模において十年後の経済成長にバランスする所得を得るためにお米で言えばどれぐらいの一人当たりの生産量、あるいはコストはどうなのか。  従来、農水省の努力の中で欠けておりますのは、コスト実験といいますかあるいは経営実験といいますか、こういうことがほとんど経営の対象にされておりません。しかし、これは農水省よりもむしみ大学で、しかるべき規模において、十年後にはかくあるべし、十五年後にはかくあるべし、こういう営農規模を設定した実証が先駆しませんと、せっかくこのような画期的な計画ができましても、生産調整のように当然なすべきことさえ権力的に農家に押しつけるという印象を農家は受けるわけです。  ですから、今度のような大きな構造政策は、農家が目的意識を持って自主的に立ち上がるということでなければ、これは権力をもって押しつけられるというような意識を農家の側が持てばまず成功しませんです。  そこに先駆をすべきものは、実証を上げる研究と少なくとも若い世代の意欲をかき立てる教育であろう、こう思うのであります。そういう教育なり実験なりは、もちろん今日大学でできておらぬことは承知しておりますが、これから新しく大至急そういう研究あるいはパイロットファームを各大学が用意するだけの予算を設定して前進してくださるかどうか、農水省のこの大事業を教育、研究の面からプッシュする心構えといいますか、そういうものをぜひお持ち願いたい、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。

長谷川善一文部省学術国際局長

○政府委員(長谷川善一君) お答え申し上げます。  現在、我が国の大学は、農水省関係のいろいろな推進事業あるいは国内の留学制度あるいは流動研究員制度等々で農業関係の研究者を受託研究員として受け入れてまいっております。例年、国立大学の実績ですと、全体で五十人程度でございます。  また、国立大学における農学研究に関しまして、農水省関係の機関から毎年二百三十件ばかりの委託研究が行われておるわけでございます。そのほか各種の民間等との共同研究も農学関係で非常に盛んに行われております。大学の方は主体的な立場を維持しながら、こういうような、今先生のおっしゃいましたようなテーマについての研究があれば大学の方も受けて立つということはできる体制になっております。

武田邦太郎日本新党

○武田邦太郎君 文部大臣にはまだございますが、時間がありません。ただ、今、日本の農業条件が非常にいいということだけは強調しておきたいと思います。  土地が狭いという条件が、これは高度成長の中で現在八十戸に一人しか後継者がおりませんから、現時点でも戸当たり百十ヘクタールに拡大する方向に急傾斜、もしくは崩壊しつつあり、土地が狭いという条件が完全に解消しました。  また、平野部が少ないことはありません。七〇%弱は平野部でありまして、水田だけでも二百万ヘクタールは平野部にございますので、一億三千万の国民の米生産は平野部で十分であります。  のみならず、農業をやるべき肥料、農薬、農機具、将来はコンピュータリゼーション、ロボット化もことごとく国内で最高の供給をするだけの力を都会の産業は持っております。雨はよく降るし、太陽はよく照るし、あるいは資本も、政府は今度十年計画で基盤整備に四十一兆円動員する。これだけの資本をちゃんと供給することができる。しかも一億二千三百万の豊かな食生活をするマーケットが国内にある、こういう恵まれた農業国は世界に一つもありません。  このときに、大学は立ち上がる。ほかで準備すればやる用意があるとさっきおっしゃいましたけれども、それじゃ困るんですね。まず大学がフロンティアとなって研究をし教育するということが私は大学の任務だろうと思います。  そこで、次に農水大臣にお願いします。  難題ばかり申し上げて恐縮ですが、今度の規模拡大、主として自作農の形でなされようとしていることは非常に困難だと思います。当然の話でありますけれども、政府が買い上げてそして新しい規模拡大の農家にやるということになりますと、当然十アール当たり百二十万の地代価格を負担しなければならない。こういうことは現在の農業生産では全く、六分の金利でも七万二千円を負担しなければならぬわけですからもう非常に困難で、ちょっと進んだ頭の農業者はやらないでしょう。  もちろん、御計画の中には借地農業というのがありますから、主として借地で進めば、これはアメリカでも規模拡大は原則として借地で進んでおりますし、自作の形で進んでいるのは例外的です。だから、やはり借地を主体にして、金を十分持っている農家は例外的に自作でいけと、まあそういうことにしますと行政事務が物すごく煩多になりまして、これだけ考えても非常に困難でありますので、まず借地主体がいいんじゃないかと思います。  それから、基盤整備。  これも今度の計画を見ますと、三十アールを主体にして、一ヘクタールの区画を大型だ、こういうことになっておりますけれども、三十アールでは御承知のように十アール当たり十五時間から二十時間かかります。五、六百キロとりましても、一時間当たりの生産量は三十キロから四十キロです。一ヘクタールにしましてもせいぜいその二倍か三倍であります。もしもこれを三ヘクタール区画にしますと、二時間半から三時間で五、六百キロですから、一時間当たり二百キロ、二百五十キロとれます。  当然これはアメリカと太刀打ちし得る生産性でありまして、今申しましたように二百万ヘクタールの平野部があるのでありますから、同じ金を使うならば外国と堂々と太刀打ちできる田んぼをつくって若者に与える、こういう形にしていただいた方が、つまり同じお金を使うのに資本効率を極力高めるというのはこれは産業では当然でありまして、農業だけが例外ということはちょっと考えられません。  この二点、お願いします。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) 借地でというお話でありますが、私も基本的には農家が多大な借金を負いながらの農業というのは経営的にも無理があるわけですから、いろいろな考え方をしながら、例えば土地を買い求めてやる場合でも何年か時間を置いて収入の上がる中から払えるようなそういう仕組みというようなものを考えなきゃいかぬし、当然おっしゃるとおり借地でやっていくということも十分検討していきたいと、こう考えております。  基盤整備についても、今回の新政策の中で一番強調したのは企業的な感覚、経営管理というものをしっかりできる若い人を育成しなきゃだめだということ、これは十分強調したつもりでありまして、そういう基本的な考え方に立ちますと、一体どの程度、何をどうすればいいか、機械はどうしたらいいか、いろんなことが私は考えられると思うんですね。  そういうことで、文部省ともこれからいろいろ連携しながらやっていかなきゃいかぬし、それより先に、もっと子供のときから農業というものを体験して、そうして農業、農村というものを十分理解してもらうところから始まって、そうしてそういう教育を受けて立派な指導者、何といってもやっぱり人ですから、人づくりがもう本当に私は大事だと思うし、もう一つはやる気概、これをどう持ってもらうか、そこには今お話しになったようないろんなことを一緒になって私ども計画を立てながら、望ましい経営体というものも育てながら、やっぱりやりがいのある農業というものを目指したい、こう考えております。

武田邦太郎日本新党

○武田邦太郎君 大学と協力してぜひお願いします。  もう時間が参りましたので、外務大臣への御質問はこの次にいたします。  終わります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で武田君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて総括質疑は終了いたしました。  本日の審査はこの程度といたします。  次回は来る三十一日午前十時から開会することとして、本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十八分散会

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