予算委員会 第11号
- 発言数
- 239 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1993/03/30
会議録
○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 本日は、景気対策及び政治改革に関する集中審議を行います。 質疑者等はお手元の質疑の通告表のとおりでございます。 それでは、これより質疑を行います。柳川覺治君。
○柳川覺治君 最初に、平成五年度の予算審議に当たりまして、この予算が遠藤委員長のもとで与野党の協議が重ねられ自然成立を避け年度内成立を見ることができますことは、緊急課題である景気浮揚にとりましても、また参議院の良識、独自性の面からも、また国民の負託にこたえた国会政治のあり方の上からも大変意義あることと思う次第でございます。政府もこれにこたえ、適切にその実効を上げられることを強く望むところでございまして、私もそこに重点を置いた質問をさせていただきたいと思います。 まず、総理にお尋ねいたします。 政府も新年度予算の編成に当たられまして御苦労され種々景気対策等創意工夫をされたわけでございますが、この新年度予算が年度内成立するということによる景気への効果等につきましてどのように総理は御判断をされておられるか、まずお尋ね申し上げます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 平成五年度の予算の御審議に当たりまして、早急にこの予算について議決をせられるべく委員会においていろいろ御配慮を賜っておりますことに心から感謝いたします。 政府といたしましては、このような景気情勢でございますので、予算が成立いたしますればできるだけ早くその執行、要すれば前倒し等々の措置を講ずべく考えておるところでございます。 また、このような経済情勢でございますので、衆議院におきましては各党の間で今後の問題についての御協議も、これは衆議院ということでなく恐らく各党各会派を全部というふうに承っておりますが、御協議があるように存じておりますが、それにつきましても政府といたしましては万全の態勢をもって対応いたしたいと考えております。
○柳川覺治君 景気対策につきましては、第一には総合経済対策の早期策定、第二には公共投資の前倒し執行、第三には機動的な金融政策の実施などの景気刺激策を地道に積み重ねていき、最終需要を着実に増加に転じさせることが肝要であると思います。 総理のこの面につきましてのお考えをお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年の春、次に昨年の八月に総合経済対策を策定いたしまして、補正予算の御審議をお願いしたところでございます。たまたま多少補正予算の成立のおくれもございまして、公共事業が十、十一月あたりのところでちょっと、前年が高かったせいもございますけれども、前年同期対比でやや落ち込んだ時期がございました。かえってしかし、それは今年に持ち越された感じになっておりますので、現在そのような公共事業の追加部分が施行されております。四月からこの予算の執行をすることができますので、そこのところは間を置かずに継続して公共事業が高い水準で行われることになると思っております。 また、金融関連あるいは証券関連につきましても、多少ずついろんな施策が進められておりますので、いわゆる三月危機というようなことも幸いにしてなしに済んだように思います。 というようなこともございますので、ここで早く予算の執行ができるということは心理的にも大変にいい影響があると思っておりますが、なお各党の御協議等々の推移もよく見まして、政府といたしまして遅滞なくとるべき処置はとっていきたいというふうに考えております。
○柳川覺治君 着実な景気の伸展に向かっての総理の努力の誉言葉でございましたが、ここで経済企画庁長官にお尋ねいたします。 徐々にではありますが景気対策の効果も着実に出てきていると聞いておりますが、景気の現状はどうなっているのか、また政府としてどのような認識を持っているのか、経済企画庁長官のお言葉をいただきたいと思います。
○国務大臣(船田元君) お答えをいたします。 我が国経済は、現在、御承知のような調整の過程にありまして、引き続き低迷を続けております。 現在の景気は底ばいの状態が続いていると考えられますが、そうした中で公共投資が堅調に推移をし住宅建設にも回復の動きが見られるということが基本的にはあるわけでございますが、特に最近、例えば新車の新規登録届け出台数が年初から前月比プラスとなっているということ、それから鉱工業生産動向を見ますと出荷は年の初めから前月比でプラスになっているということ、さらにはマネーサプライが六カ月ぶりに前年比プラスということになってまいりまして、幾つかの明るい指標が見られるということも事実であろうと思います。 ただし、私どもとしては、この今申し上げたような例というのはあくまでも一部の指標でございまして、経済指標いろいろあるわけでございますが、全体が明るくなっているあるいは拡大基調にあるという状況でもないわけでございますので、引き続き私どもとしては、なお景気の低迷は続いている、底を打ったということにはまだ若干時間的な猶予が必要かな、こんなことで今後とも注意をしながら景気動向、経済運営をやってまいらなければいけない、このように考えております。
○柳川覺治君 そこで、関連いたしまして大蔵大臣にお尋ねいたします。 先ほど総括的に総理にお答えをいただきましたが、速やかな切れ目のない公共事業の前倒し発注は景気刺激にとって即効性のあるものと言われております。これの点につきまして大蔵大臣にお考えをお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(林義郎君) 現在、参議院におきまして平成五年度の予算の御審議をお願いしているところでございまして、私どもといたしましてはこの五年度の予算が速やかに成立することを心から期待しているところでございますし、それからの執行という話は今の段階で申し上げるのはいかがかと思いますけれども、とにかく私たちの方といたしましては、年度内に予算を成立させていただきまして、それからの執行につきましては景気の動向その他を十分配慮してまいらなければならないものだろう、こういうふうに考えておるところでございます。
○柳川覺治君 この面につきまして適切な対応を心からお願い申し上げます。 また、所得減税などの対策につきましても種々議論がなされており、このことも極めて重要であることはもとよりでございますが、二十一世紀に向けました我が国の税体制整備につきましては、直間比率の問題等も含めて種々課題が山積していると思う次第でございまして、この面につきましてこの段階で大蔵大臣の御所見をお述べいただける範囲でお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(林義郎君) 税制改正の問題でございますが、この前の抜本改正からまだ幾ばくもたっておりませんが、税制というものは常にいろんなことを考えておかなければならない問題だろうと思います。 公平、中立、簡素というのが税制に求められるところの基本的な考え方であろうと思いますし、またそれに伴いまして、所得、消費、資産、こういうものについてどういうふうな税のあり方を考えていったらよろしいかというのが一番の大きなポイントだろうと思います。しかし、何といったところで税は国民から金をいただくわけでございますから、国民の合意、理解がなければできないものであることは言うまでもありません。そういった意味で、国民の信頼されるような税体系をつくるということがいろんなことで考えていかなければならない基本問題だろうと思っているところでございます。 今申し上げたような形で、いずれかの時代にまた新しい方向づけを二十一世紀へ向かってやっていかなければならない。先生の御指摘のとおりでございます。
○柳川覺治君 ありがとうございました。 次に、帰国早々の通産大臣に御質問申し上げますが、通産大臣お疲れでございました。御感想も含めて御答弁をいただければありがたいと思います。 第一は中小企業対策であります。 中小企業の景況感は最悪であり、一段と深刻さを増していると思います。そのような現状を踏まえれば、我が国経済全体の回復のためにも大胆かつ迅速、緻密な中小企業対策を講じていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。 第二は、新社会資本整備が政策減税の一環としてその必要性と増大を強調されていますが、その辺につきまして御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) お答え申し上げます。 お答えを申し上げます前に、委員長初め予算委員会各委員の皆様方に、大事な予算審議でございました、また当日はちょうど委嘱審査が行われる日でございました、にもかかわりませずいろいろ御配慮いただきまして、金曜日に海外出張をお許しをいただきました。予算委員会の皆さんや商工委員会の皆さんに厚くお礼を申し上げる次第でございます。 問題は三つございまして、感想も言え、中小企業も言え、新社会資本も言えということですが、時間が余りないのでできるだけ簡略にしたいと思います。 一つは、昨日総理にも御報告を申し上げたのでございますが、日米関係は今や世界のGNPの四〇%を占めておりまして、またアメリカも新政権ができましてまず経済の建て直しを図っておられる、そういう意味でまさに日米はやはりよきパートナーである、そのことが日米関係を構築することが世界の経済、世界の平和、繁栄のために大きく寄与することである、このような認識のもとに総理が間もなく御訪米なさるわけでございますので、その前に経済関係閣僚と意見の調整をしておくことが重要だと考え、お伺いをさせていただいた次第でございます。 また、内容等につきましては記者会見でも述べておりますが、改めてまた御報告をさせていただくことにさせていただきます。 それから、中小企業につきましては、先般の総合経済対策におきまして政府関係中小企業金融機関に対する総額一兆二千億円の貸付枠の追加等思い切った中小企業対策を講じたところでございまして、今まさに執行させていただいているところでございます。 平成四年度の補正予算の規模も、円高の不況期を上回る史上最高の七百四十五億円を確保いたしております。また、今御審議いただいております平成五年度の予算案におきましても、中小企業信用保険法の付保限度額の大幅引き上げ、中小企業金融公庫、国民金融公庫の貸し付け規模の大幅な拡充、下請取引対策の充実などきめ細かに中小企業対策を盛り込んでおるところでございまして、予算成立をさせていただきましたらこれらの施策を速やかに実施をしてまいりたい、このように考えております。 なお、今後とも中小企業の動向を十分注意してまいらねばなりませんけれども、やはり日本の産業を大きく支えております中小企業が事業所数からいいますと少しずつ減少の傾向がございますということも私ども危惧しなければならぬところだと考えておりまして、さらに事務方には、中小企業に対し、特にまた小規模経営に対して十二分にその痛みをよく理解して新たなる政策が必要であるのかどうか、いろんな諸制度を考えるように命じておるところでございます。 それから三番目には、今、先生から御指摘の新しい社会資本の整備はどうかということでございまして、これまさに短期的には景気の浮揚ということでございますが、中長期的にはやはり生活大国を実現させていくということの観点でなければならぬ、こう考えております。したがって、公共事業を積極的かつ継続的に進めていくということは極めて重要でございますが、公共事業を進めるに当たりましては中長期的な観点から、また時代時代に合わせてさまざまな検討を続ける必要があると思います。 そういう意味で、従来型の道路や港湾といった土木中心の公共事業もまだまだ必要であることは言うまでもございませんが、少し角度を変えて、御指摘のように、学校とか病院でありますとかそうした社会資本、あるいは情報化関連や研究開発関連の設備機器まで増していくことはいかがなものか。 先ほど大蔵大臣おっしゃいますように、今新たな平成五年度予算を御審議いただいておるところでございますから、まずこれを成立させていただいて、それから後考えていくべきことでございましょうが、先生はかって文部省におられたわけでございますが、いろんな意味で不備な点が出てきておると思います。 例えば、国立大学につきましては、これは平成四年度教育白書に出ておりますが、建築後二十年以上を経過した建物が全体の約四五%を占めておるということで、先生大変当時御苦労されました無医大県解消で、福井だとか山梨でありますとか島根など新しい医科大学ができておりますが、それに昔からある医科大学との設備だとか建物を比べてみますと極めて非能率的なんです。そういう点をやはり医学というものの必要性を考えましても考えてみる必要があるだろう、こう思いますし、国立試験研究所なども、けさ東大の有馬さんの体験記が出ておりましたように、やはり日本の国が科学技術先進国として御視察に世界じゅうから来られる割には日本の研究施設の荒廃というのは非常に注目されていたという点もございましょう。 こういう点もやはり考えてみる必要がございますし、あるいは今ゴールデンプランを進めておられますけれども、例えば特別養護老人ホームなどは目標の二十四万床までにはまだその半分にも至っていない、あるいは老人保健施設も二十八万床、十一年度目標でございますが、まだ十万にも達していないというようなことを考えますと、少しそうしたところを補足させていくといった意味で景気の浮揚を考えて、いわゆる公共事業というものの新しい枠を考えていってみたらどうだろうか。 あるいは、これもまた相当いろんな角度から検討しなきゃならぬことでございますが、教育用のコンピューターなどを見ましても、日本のようにこれだけ高度情報化が進んでいるといいますか、これだけの科学技術立国でありながら、小学校ではアメリカがコンピューター導入は一〇〇%ありますが日本では五〇%しかない。あるいは一台当たりの子供たちが、コンピューターに導入している状況を見ますとイギリスが一台に対して四十人が、日本の小学校では百九十二人がこれを使っている。こういうこと保をいろいろ見てまいりますと、少し新たな角度から日本の社会資本の充実というものをいろいろと検討してみていく必要があるのではないか。 私は、昨年、党の政調の仕事をしておりましてやはりそういうことを感じましたので、そんなことを含めて党の景気対策本部で御検討いただくように私ども今お願いを申し上げておる、このようなことでございます。
○柳川覺治君 ありがとうございました。 次に労働大臣にお伺いいたします。 労働大臣は、きのうの早朝でございますか、上野の森の山谷地区の日雇い労働の状況等につきまして御視察されたと伺っておりますが、どのような御感想でございましたか。まずその辺からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村上正邦君) 感想などという生易しい状態ではないんです。御承知のように山谷地区というところに玉姫神社というのがあるんですが、この玉姫神社の名前をとって、上野職業安定所の所管に入りますが、玉姫出張所というのが労働省の出先としてございます。ここで山谷地区の方々の日雇い労働者の求人を受け付けているということでございまして、私は労働大臣に就任いたしまして、やはり労働省の最前線の職安の原点はここにあるんじゃないだろうかと思って、かねがね山谷に案内をしてもらいたい、こういうことをお願いしておりまして、その実現が昨日かなったわけであります。 まず第一に、きのうはちょうど月曜日で雨上がりでございまして、出足は悪かったようでございますが、私が現地に到着いたしましたのは六時過ぎでございましたが、とにかくたくさんの三百から四百の方たちがこの職安のシャッターがあくのが今か今かと。この職安の環境も、五階建ての都営住宅の一階を借りているんです。そうした環境の中にあるわけでありますが、そして六時半に、七時でしたか、シャッターがあきますと同時に、もう何とか競争じゃございませんが、シャッターがこのくらい人間が入るぐらいあいできますと、そこを潜って我勝ちにだっと入り込んで一番いい場所をとると申しましょうか、それでも手狭なものですから入り切らない、道路まではみ出ている。 そうした中で、求人状態はどうかといいますと、私が朝行きましたときに、きょうは何人ぐらいの求人だと言ったら、三十人と、こう言うんですね。それから、だんだん受け付けなんかいろいろやっておりまして、六十人から七十人にきのうの求人はなったのでございますけれども、それにいたしましても、三百から四百の人がその日の糧を求めて職を探しているというこういう実情でございまして、やはりこういう状況がいつまでも続くということは深刻な問題だな、このような感想を持つと同時に、環境整備もこれはもう大いにやっていかなきゃならない、まず庁舎が古いそして都営住宅の一階を借りている、こういうところに問題がある、それから業務処理のやり方なども本当に原始的なやり方で処理をしている、こういうことについても問題もあろうか。 いずれにいたしましても、こういうところの改善を最大限の目標に置いて労働省といたしましても努力をしていかなきゃならない。求人をとにかくふやして求職者の要望に、せめてやっぱり四百人来ておれば百人ぐらいの要望を満たしていってあげる努力をやっていかなきゃいかぬなと、それにしてもこの不況下の中では大変なことかな、このように思いました。
○柳川覺治君 我が国の雇用情勢はとりわけ深刻な状況にありますし、一部には解雇、一時休業の実施など深刻な問題があるわけでございます。特に学卒者の採用内定取り消しの問題等もあるわけでございますが、労働大臣は働く人の立場から雇用情勢をどのように認識され、それを踏まえ今後どのように雇用対策に取り組んでいかれるのか、お考えをお伺いいたしたいと思います。 また、外国人労働者の問題が人手不足の観点から、単純労働者としての立場での雇用が進んでおるわけでございますが、我が国は昔から人を育てるという戦前の仕組みの中でも人様のお子様を預かって自分の子供と同じ寝食をともにしてわざを身につける育て方をしてきた、まさに人を育てる教育の国であったわけでございまして、そういう意味で、外国労働者に対しましても教育訓練を行ってしっかり技能を身につけて帰国されそれぞれのところで活躍される、そういう施策を国は進めていくべきであろうという感じが強くする次第でございます。 この点につきましても、労働大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村上正邦君) 本日、閣議でも御報告をいたしましたが、二月の有効求人倍率は〇・九一倍と、一月の〇・九三倍から一段と低下いたしております。依然として、おわかりのように雇用は厳しい状況が続いている。また、管理職、中高年齢者を対象とした希望退職や勧奨退職、さらには新卒者の採用内定取り消しの動きも見られまして、大変憂慮すべき状況であると認識をいたしております。 このような状況の中で、何にいたしましても失業を防止するということが大事なことだと思っております。雇用の安定を図るために、四月一日付で雇用調整助成金に係る業種を新たに十四業種指定いたしました。あわせて、事業主の方々の手続のための負担が大幅に軽減されるよう申請手続の簡素化をこの四月一日より実施いたします。さらに、ことしも本制度が一層利用されるよう呼びかけてまいります。先週の土曜日にも、各紙に三分の一面広告を出させていただいて、その周知徹底を図っております。 なお、雇用調整助成金制度は業種指定を基本としておりますが、企業が事業再編成を余儀なくされている場合など特別の場合には指定業種以外でも適用が受けられるような方策を検討していきたいと、先日の予算委員会の広中委員の質問にもお答えをさせていただいたところであります。 さらに、中高年齢者の方々が今までの知識、経験を生かしながら、短期的な就業や海外での発展途上国等々におきましての就業が可能となるような仕組みをつくるよう検討をいたしておるところであります。 雇用は、いずれにいたしましても景気の動向と密接に絡んでおります。このため、政府一体となって雇用の安定を図るためでき得る対策は敏速に実行に移していくよう関係省庁にもお願いをいたしておるところであります。 また、私は、地方にあって知事が先頭に立って雇用対策等々をやっていただくことが適切な一つの方策がな、こう思っておりましたが、なかなか知事会議等々も今行われるような状態ではないようでありますので、この四月の下旬には緊急に全国の労働所管部長会議を招集いたしまして、都道府県においても積極的な雇用対策を実施するよう私の方から要請をすることにいたしております。 また、外国人労働者の問題でございます。柳川先生は長らく教育畑におられまして、そういう見地からの示唆に富む今のお話もございました。国際化に対応いたしまして、労働省といたしましては技能を通して世界に貢献すると、こうしたことは極めて重要なことであろうかと思っておりまして、人手不足対策としてではなく、おっしゃいますように、従来の研修制度を拡充し、一定期間の研修の後、雇用関係のもとでさらに技能の熟練度を高め、最長で二年間の研修と実習の後、母国へ帰国し経済発展に役立ってもらおうと技能実習制度の創設を政府といたしまして検討してまいりました。この制度については新年度から発足させ、効果的な技能移転を推進し、世界に貢献できる技術者をどしどし養成し、そういう面においても役立てさせていただくことができればと、このように思っております。
○柳川覺治君 先ほど通産大臣から、景気対策の観点からも教育研究条件の整備につきましての重要性が御指摘されました。 ここで文部大臣にお伺いいたします。 施設設備のように資本的投資を行うことは長期にわたる波及効果という面から効果的でありますが、そもそも学術研究に予算を投下するということは、それが研究費のようなものであっても、人材養成の面や成果が蓄積されいつの日か実用面で花開くという意味で、資本的投資と同様な効果を持つものであります。 これは現実に、電子デバイスの開発や新エネルギー、省エネルギー研究のように、直接研究成果が応用され経済面で効果をもたらしている研究も多数あるところであります。さらには、学術研究は創造的活動であるがゆえに、現実にはまだないものを追求するという観点から、より高度で緻密な機器など必要なものがあり、これが産業界での新たなニーズを呼び起こすという効果もあるわけです。例えば、核融合実験施設などにおける超電導磁石の開発や天文学における高速計算のための超並列電算機の開発などは、このよい例として挙げられると思います。 このように、学術研究においては施設設備などハードの面の投資のほかにいわゆるソフト面での投資が重要なのでありまして、それなくしては仏つくって魂入れずという結果にもなりかねません。大学などにおける学術研究を推進するため科学研究費補助金を中心とした研究費を大幅に拡充することが必要と思いますが、文部大臣のお考えをお聞かせいただきたい。また、国立大学の施設設備の不備等につきましてもお触れいただければありがたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) お答えいたします。 先ほど通産大臣からも大変御懇篤なお言葉がございまして、また柳川先生も大変詳細に御存じでいらっしゃる専門家でいらっしゃいますので、私から詳しく申し上げる必要があるかどうかと思いますが、かねて各方面で言われておりますように、国立大学の施設の老朽化ということは大変深刻な状況でございます。これは、学問、研究の発達、そしてそれを通じて我が国が国際貢献をしていくということが重要である今日、大変大きな問題であるというふうに考えまして、私自身も何カ所か視察をいたしましてますますその感を深くいたしているところでございます。 先生も御存じのとおり、平成四年度の当初予算におきましては、特別施設整備資金を国立学校特別会計に設置いたしまして、施設の老朽化、狭隘化の解消を図ることといたしているわけでございますし、また補正予算において施設費等の増強に特に意を用いたところでございます。 平成五年度の予算案におきましても、施設費、設備費、教育研究経費の各般にわたりましてその充実につきまして最大限の努力をいたしましたところでございまして、これが結果的に景気対策の上からも有意義なことではないかというふうに思っているところでございます。 文部省といたしましては、今後とも、厳しい財政事情ではございますが、各方面の御理解と御協力をいただきまして、工夫を凝らし、学術研究の発展のために施設設備の非常に劣っておりますところを少しでも改善していくようにさらなる努力を続けていきたいというふうに考えております。 また、御指摘のとおり、学問、技術、学術の発展というのは建物や設備だけでは不十分でございまして、やっぱりそれを活用して研究をする研究者の育成ということが大変大切だというふうに思います。 昨年の七月、学術審議会から「二十一世紀を展望した学術研究の総合的推進方策について」という答申をいただきました。文部省といたしましては、この答申を踏まえて研究基盤の整備の一環として研究費の充実にも特に意を用いてきたところでございます。特に、すぐれた学術研究を発展させるための基幹的な研究助成費である科学研究費補助金については、前述の学術審議会答申が一千億円早く拡充せよという目標を掲げてくださいました。平成五年度の予算案におきましてはこれを目標といたしまして七百三十六億円、これは対前年度九十億円増という例年にない増加を計上しているところでございまして、今後とも助成金の拡充に努力してまいりたいと思っております。 そのほか、すぐれた研究者とりわけ若手研究者の養成、確保ということは大変大切であるという認識に立ちまして、大学院を整備充実するとともに、すぐれた若手研究者に一定期間研究奨励金を支給いたしまして自由な発想のもとに主体的に研究に専念させるための特別研究員制度というのを昭和六十年度に創設いたしまして、その充実に努めてまいりました。 それらのさまざまな手段を有効に活用いたしまして、これからも引き続きすぐれた若手研究者の養成、確保のための施策に努力をいたしてまいりたいと存じます。 ありがとうございました。
○柳川覺治君 モザンビークヘのPKOの派遣が決定されているようでございますが、一体モザンビークの地域研究がどのくらい我が国で行われているのか、これらの点をちょっと当たってみましたが、地域研究に重要な役割を持つ留学生交流につきましてもまた交換教授につきましても、今、日本との関係は全くありません。カンボジアの場合でも平成四年度から二名の国費留学生の受け入れがありますが、国際化する中、そして国際的な貢献の中で、我が国が学術的な地域研究を通し、またそれぞれの民族、それぞれの国の人と人類のあるべき道を共同研究していく、そういう観点の政策がますます大事になってきておるという感じがする次第でございまして、学術地域研究が急務である、各大学に地域研究の講座があってしかるべきじゃないかということも感じますし、また国際的な地域研究センターが持たれる、あるいは国際政治大学院大学があってもよいではないかというようなことが言われておるわけでございましす。 総理、関東大震災の前後六年間日本に駐日大使としておられた大詩人のポール・クローデルさんが、昭和十八年、友人とこういうことを語っておられた。日本という国土は、海岸線の美しさ、深山幽谷の美、さながら造物主の織りなした神殿そのものだ、そこにそびえ立つ富士山は造物主のためにつくられた祭壇だ、そこに住む人々は古くから文化を持っている、この文化を持っている日本人はやがて大きな経済発展をして当然であろう、また、今それなりの大きな経済発展をしてきている、しかし今プアだ、貧しい、貧しくともノーブルだ、貧しくとも高貴な人々だ、この民族は滅ぼしてはならない、私が滅びてほしくないと思う民族それは日本人である、ということを申されたということをお聞きいたしました。 渋沢・クローデル賞というものが今も続いておるわけでございますけれども、そして総理は生活大国、豊かさを実感する日本という指針をお示してございます。 経済発展のその基礎に文化があった、長い歴史で築かれた文化があった、そしてその上に立って教育あるいは研究の世界が築き上げられてきておる、このことを大事にしていくという基調が我が国のあるべき今後の道であろうという感じがするわけでございます。特に施政方針でも、国際的に信頼され尊敬される日本人ということの姿勢を立てておられます。この生活大国の基本のところに長い歴史の文化を持つ民族、そして貧しくともノーブルだと言われた民族、この民族の基本に立って教育、学術研究あるいは国際的な共同研究、地域研究、そして人類の平和を願っていく日本のあるべき姿ということではないかと思います。 この辺につきまして、総理のお考えをもう一度お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国は明治に至りまして開国をいたしました。その後、自分の国の国づくりには一生懸命努力をしてまいりましたし、また戦後は新しい日本がここまで来たわけでございますけれども、今、柳川委員の言われましたように、外国、殊に先進国は一応ともかくといたしまして、世界全体のあちこちの事情、あちこちにある文化の研究というふうなことにつきましては、それは植民地を持っていなかったということも多少関係がありますけれども、ありていに申して実はまだ鎖国時代の続きじゃないかと私は思っています。 おっしゃいますように経済的な関係は大事でございますけれども、世界各国にいろんな人が住みいろんな文化がある。それについての研究機関が日本にちゃんとあって資料があるというような状態にははるかに遠い。これからいたさなければならないことだと思います。
○柳川覺治君 ありがとうございました。 景気対策の質問の最後といたしまして、この四月上旬をめどに我が党は第二次の大型総合景気対策の最終的策定作業に入っているようでございますが、政府としてこれをどのように受けとめられておられるか、総理の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) こういう複雑な景気の状況でございますので、怠りなくその動向に常に注意を払って適切に対応していかなければならないというふうに考えてまいりました。また、各党におかれましても、自社公民四党似たような見解をお持ちであって、そのために各党の間で協議機関を設けることについて合意ができておるわけでございます。そのための会合が既に開かれつつございます。各党がどのような御意見を打ち出されるか、この協議機関の動向、結論についてはもとより政府は十分注意を払ってまいらなければならないと思っておりますが、ともかくもこの平成五年度予算が成立をいたしまして、その段階においてまた各党の御協議の内容等々も検討し、また自由民主党もそれに備えましていろいろな検討をしておりますことは事実でございますので、またその状況についてもその段階で聞いてみたいというふうに考えております。
○柳川覺治君 政治改革につきまして、あすは政治改革四法案の自民党としての党議決定がされる予定の日でございます。いろいろ政治改革には問題が山積しておるわけでございますが、政治と金にまつわることでもあり、一部には政治資金規正法を改正することが先決だという意見もあります。 総理は、常に抜本的に改革する必要を述べられておられますが、何ゆえに選挙制度改革と一体でなければこの辺の問題の解決が図られないのか、これらの点につきまして国民にわかりやすく御説明保いただければありがたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年、いわゆる緊急改革につきましては法案を通していただきまして実現されることになったわけでございますけれども、その際にも、これは緊急分であって抜本改革は来るべき、と申しますのはこの国会という意味でございますが、においてお願いをしたいということを申し上げてまいりました。 自由民主党におきましても四つの法案を準備いたしまして、党議が正式に決まりますれば間もなく国会に、衆議院に提出をいたしたい。各党におかれてもやはりいろいろな案をお考えでございます。そのような各党のお考えが衆議院におきましてまず御審議の中で明らかになっていくことを強く期待いたしております。 ただいまお尋ねの点は、政治資金の問題の改革は緊急中の緊急の要務だと考えておりますが、いわゆる政治に金がかかるということについていろいろな議論が自民党でも各党でも行われております。それが好ましからない事件に発展しないようにするためにはもちろん金のかからないようにすることがまず大事でございますけれども、それでも一定の必要があるというときにそれは公費をもって助成すべきではないかということにつきましては、ほぼ各党とも同じような結論を持っておられるのではないかと思います。そのことは、恐らくお互い政治を体験しております者からいえば、どうもそれ以外ないのではないかということまではコンセンサスがあるように思います。 そういたしますと、当然、公費の助成を受けるのは俗な言葉で政党ということになろうと存じますが、例えばただいまの衆議院における中選挙区制度を考えますと、一つの選挙区に同一政党から何人かが立候補しておる、当選をしておるというような状況で、政党が受けた公費を、実は同じ党から立候補する人々の間では当然選挙を争うという関係になりますから、そこにどうやって公費を投入するかということは大変に実は矛盾をしたことになります。つまり、党本位の選挙ということになりますならば、やはり党が一人の公認候補を立てて、そして国民の支持をお願いするということでなければ党本位の選挙ということにならないだろう。また、党本位でなければ党に公費を助成するということは意味をなさないことになります。 これは一例でございますけれども、そういうふうに考えてまいりますと、もし公費助成ということを考えますならば、それはおのずから党本位の選挙になっていかなければなりませんし、それでありましたら現行のような中選挙区ではその趣旨に沿わない、当然、選挙区のあり方ということに関係せざるを得ないというふうに私どもは考えております。したがいまして、政治資金の問題だけが切り離せるかということになりますと、今は一例を申し上げましたんですが、そのようなところで切り離すことが難しいというふうに考えているわけでございます。
○柳川覺治君 総理は不退転の決意をもって政治改革に取り組む姿勢を常にお示してございます。国民の政治不信を払拭していく、そのための政治改革に渾身の御努力をされまして、私どももまた心を引き締めてこの政治の責任を果たす努力をそれぞれがしていきたいと思う次第でございます。 総理の一層の御努力に御期待申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○委員長(遠藤要君) 以上で柳川君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(遠藤要君) 次に、穐山篤君の質疑を行います。穐山君。
○穐山篤君 最初に、金丸、生原被告の問題について、第一次起訴、第二次の追起訴が行われました。したがって、この際法務大臣から中間報告をいただきたいと当初お願いをしたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 金丸さんの事件は、新聞等で報ぜられておりますとおりに所得税法違反につきましてはほぼ捜査が終わった、そして釈放したといった報告は受けておるわけでございますが、国会における御質疑の中での報告をするように、こういうことでございます。私は、衆議院でも私はお答えしたと思いますが、国政調査権とかあるいはまた委員会等の質疑応答の中では許される範囲で誠実にこれは対応しなきゃならぬと基本的にそう考えております。したがって、昨年の暮れに五億円の捜査についても中間報告をいたしましたが、今回のお求めに対しましても、国会の御要望等があれば法令の許す範囲の中でどこまで御報告ができるか法務省としては検討をいたしたい、かように考えております。
○穐山篤君 私は、きのう我が党の理事を通じまして国会法百四条に基づいて文書をもって予算委員会に報告をしてほしいということを正式に申し入れをしてあったはずです。また、事務当局にもそういうふうに申し上げてあったわけですが、法務大臣、百四条に基づいて正式文書を出していただけますか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は、中間報告をしろという御要望は今ここでお話を伺って初めて耳にしたわけでございますが、そういった御要請の文書が当委員会なり国会から御要請があればその段階で十分検討させていただきたい、かように思います。
○穐山篤君 委員長、きのうの理事懇でもけさの理事懇でも理事が申し入れをしてあったはずなんですよ。答弁をいただきたい。
○委員長(遠藤要君) 委員長からお答えいたします。 昨日の理事懇で、その問題についてお話がございました。法務省自体と連携をとっておりますけれども、きょうまだ中間報告の段階ではないということでございますので、ここ数日中に中間報告がされると承知いたしておりますけれども、文書や何かでの申し出ということではございませんので、理事懇においてそういうふうな発言がございましたというわけでございますので、御了承願います。
○穐山篤君 金丸、生原被告の起訴の内容について新聞には出ておりますが、今この場で、隠した所得あるいは脱税の金額なり追徴の金額というものは報告ができるでしょうか。その点をお伺いします。
○政府委員(濱邦久君) 金丸前議員及び生原元秘書に対する起訴事実の概要をお答え申し上げたいと存じます。 公訴事実の要旨は、金丸前議員につきましては生原元秘書と共謀の上または単独で、昭和六十二年ないし平成元年の金丸前議員の雑所得となるべき収入を除外し割引金融債券を購入して隠匿するなどの方法により所得税合計約十億円を不正に免れたという事実でございます。 生原元秘書につきましては、昭和六十二年及び平成元年における金丸前議員との共謀事案のほか、昭和六十二年ないし平成三年の自己の雑所得となるべき収入を除外し割引金融債券を購入して隠匿するなどの方法により所得税合計約三億円を不正に免れたというものでございます。
○穐山篤君 そうしますと、金丸被告の場合につきましてはまだ残余の分があるはずですね。当然継続して調査をされているものと私は理解をいたします。 さらに、これは入りの問題です。しかし出の問題についても当然捜査が十二分に行われているものと理解をしますけれども、その点いかがでしょ一つ。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 これは一般的に申し上げまして、所得税法違反の事件を捜査するにつきましては当該被疑者の資産内容、また所得税法違反の嫌疑のあるところの各年分の所得の原資、そういうものにつきまして捜査をいたしまして、所得税法違反の事実が認められるものにつきまして公訴を提起するという順序を踏むわけでございます。したがいまして、この金丸前議員に対する所得税法違反の事件につきましては、先ほど大臣からもお答えがございましたように、おおむねその捜査を終了したというふうに報告を聞いておるわけでございます。 脱税事件の捜査を行うにつきましては今お答え申し上げましたように、その資産内容、所得の原資等を捜査した上で捜査処理を遂げたということでございます。
○穐山篤君 今のお話では、もう捜査は終わったというふうな印象のお話がありましたけれども、なお後刻中間報告が出ればはっきりすると思いますが、竹下、金丸問題というのはこれで一件落着をしたわけではないということだけはきちんとしておかなければならぬと思っております。 さて、そこで総理、私の話を聞いてもらいたいんです。 先週土曜日の午後、私は地元の山梨に帰りました。月曜日の午後に出てきたわけです。その間、四つの集会と座談会に出ました。一つは私の同窓会の座談会であります。もう一つは御婦人を含めた親戚関係の座談会。それが非常に強烈であったために申し上げていくわけですが、金丸さんの事件が毎日報道されます。新聞に顔が出ます。そうすると付近のお年寄りが集まってきて、金丸さんの顔ですよ、顔写真の目を針でみんなつついているんです。これは私はその座談会で話を聞きまして強烈な印象を受けたわけです。こんちくしょうと言ってやったかどうか知りませんよ。非常に信頼をしておった県の代表に裏切られた。これほど政治は腐っているのか。これ両目に針をみんな刺しているわけです。こんなことはよその県ではないかもしれません。山梨県内だけかもしれません。この話が一つ。 私の同窓会というのは、お調べになっているからわかっていると思いますが山梨県の建設業界の友人ばっかりなんです。私の先輩、仲間、後輩が約八割は建設業界にみんないるんです。会長、社長、専務、みんないる。言っていいことと悪いことがありますから言葉は慎重にいたしますけれども、建設業界の中身は十分知っているつもりです。私もかつては受注側の仕事もしておったし、受ける方の仕事もかつてやったこともあります。したがって仕組みについても十分知っているつもりでありますが、今金丸さんのお話を申し上げましたように、非常に強烈な印象を受けているわけです。それだけに不正事件だとかあるいは腐敗は絶対に根絶をしなきゃいけないというのが今国会の責任ではないだろうか、つくづく感じたところであります。 最近様子を見ておりますと、かつてそれぞれの自民党の有志が守り立てた人が事件に関与する。最近ではクモの子のようにみんな散り散りばらばらになっていて、おれには関係がないというふうな態度をお示しになっている。そうかと思うと、にわかに政治改革ということを強調する人が急にふえてきたわけなんです。しかし、この問題の徹底的な究明、責任の追及、根絶の方法というものをきちんと整理整とんをしないままに政治改革四法案を成立させるという話は余りにもでき過ぎた話ではないだろうかというふうに思います。 総理、今私が申し上げた現実の懇談会なり後援会の話を聞いてどういうふうにお感じになったでしょうか。その決意も含めて明らかにしてもらいたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる政治改革の問題、とりわけ政治資金の問題については私ども従来から抜本的な改革の必要があるということで、既に緊急改革については前国会でお認めを願ったわけですが、抜本改革をぜひやらなければならないというふうに考え、また何度も申し上げてまいりました。 各党においても同じお考えであると思いますが、今回公訴事実、起訴事実、起訴された容疑は所得税法違反である。公訴によればそれは雑所得であるということであります。そういたしますと、これは政治資金の問題でもありますが実は個人の所得の問題になってきているということは、そこに公私の混同があったのではないかという、そういうことを思わせるものであります。したがって、これはただ政治に金がかかるということともう一つ違う問題を含んでおるように思われます。 また、今お話しのように、これは伝えられるところというふうにしか申し上げようがありませんけれども、建設工事、公共事業の契約、請負に関する部分ということになりますとこれは納税者の金の使い方に関係をしてくるのでございますから、これは伝えられるところとしか申し上げようがありませんが、そうであるとすれば、そういうふうに納税者としては考えるというような意味で新しい問題が実はここに出ていて、それだけ政治改革というものをもう一遍厳しく考えなければならないということを意味しているのではないかと思います。 もとより、ただ政治改革をこの際言っておればそれで問題が済むというわけではありませんで、事案の内容を徹底的に究明し、またそれに対して厳正な法の手続が進行しなければならないことはもとより申すまでもないことですが、同時にしかし、今申し上げましたようなことから申しますと、やはり抜本的な政治改革というものが、もとより個人の倫理の問題ではあるが、個人の倫理を担保するためにどうしても政治改革というものを行わざるを得ない、そういうことを意味しておるのではないかというふうに考えております。
○穐山篤君 まだ総理は認識が私から言わせれば甘いと思うんです。一、二例を示して、もう一度深く考え直してもらいたい。 これは山梨県の新聞です。この金丸問題がこれだけ大騒ぎをされているときに、山梨県県庁が発注者になります公共工事の入札があったわけです。当然国の補助金がついている公共事業であります。入札の前の日に投書が山梨日日新聞社にありまして、あしたの流域下水道の公共工事についてはこの社とこの社がジョイントベンチャーを組むよということで投書がありました。翌日入札が終わりますと、投書のとおりにジョイントベンチャーが落札をしているわけです。こういうさなかにこの事件が出ているわけです。 それから、ここにあります絵は、総理、リニアの工事であります。(資料を示す)四十三キロ全体が工区でありますけれども、今JR東海と鉄建公団の仕事を集中的にやられております。ジョイントベンチャーの幹事組合が工区ごとに全部これに書いてあります、豆腐を本当にうまく割ったようにゼネコンが全部顔を一斉に並べているわけです。これが競争の公平な入札ならばこういう事例にはならないはずです。ここで世に言う談合という問題が、依然として過去もあったし現在も現に起きているということであります。 そのゼネコンから使途不明金という名前でやみの献金が行われる、あるいは使途不明金ではない別の財布からやみの政治献金が行われているというのが実態なんですよ。ですから、こういったものをあらゆる角度から総合的に研究して根絶しない限り私は政治の浄化はできないというふうに強く考えるわけです。 あえて山梨県内の恥部を申し上げましたけれども、もう一度総理に、こういう現実に立ってなおかつどういう見解が、お伺いをしたいと思っております。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど申し上げましたように、そのような報道につきましては私もよく承知をいたしております。 実は昨日も建設省の幹部の来訪を求めまして、その間の事情、また今後いかにすべきかということについても意見を聞きました。建設大臣御自身が昨晩実はこの問題についての御所見と新しい方針を示されたと承っておりますが、もしそのような伝えられるようなことがございますようですとこれはまことにゆゆしいことでございますので、公共工事の発注、契約、入札等々につきまして、そのような弊を除去するために行政の面で一段とこれは改めなければならない点また新たに考えるべき点はすべて考えなければならない、実行しなければならないと思います。 また、もしそのような談合という事実がございますと、これは独占禁止法の問題でもあります。公正取引委員会において当然関心を持たれるべき事案であろうというふうに考えます。
○穐山篤君 国税庁に伺います。 使途不明金は説明していただかなくて結構ですが、ここに政府の数字が出ております。昭和六十二年、当時は一社当たり六千五百万円の使途不明金であります。平成三年度は一億三百万円になっているわけです。この図にもありますように、(資料を示す)業種別に使途不明金の割合が書かれております。 そこで、具体的に伺いますと、毎年連続をして使途不明金を出している会社、業界があるわけです。それから、再三にわたって使途不明金を多額出している法人、企業がたくさんあるわけです。そういうものについて国税庁は掌握をしているかどうか、まず第一に。 第二は、少なくとも連続したりあるいは再三使途不明金を出し、使途不明金が判明したものもあるし判明しないものもあるわけです。判明しないもののほとんどは交際費なりリベートなりやみ献金になっているわけです。そこで、国税庁からそれぞれの省庁に対して、こういう法人、こういう企業が再三こういう問題を起こしておる、健全な会社経営からいってみても問題意識を持つべきではないか、あるいは健全な業界指導のためにそれぞれの省庁が検討すべきではないかという通報体制はどうなっているか。 三つ目の問題、当然法人税法百五十九条に基づいてこれは告発になると思いますが、懲役と罰金、そして併科の両罰規定があるわけですが、それが適用になった企業、名前は結構ですが、数を具体的に明らかにしてもらいたい。 以上、三つの質問をしておきます。
○政府委員(瀧川哲男君) まず最初の連年使途不明を出している企業について認識しているかということですが、これはもちろん私ども大法人につきましてはほとんど連年のように調査させていただきまして、したがって認識はしております。 それから、次に通報の問題でございますけれども、これは少々ややこしいわけでございまして、御案内のとおり、私どもには通常の国家公務員法より重い守秘義務が各税法によって課されているわけです。例えば国家公務員法の懲役刑は一年以下の懲役、こうなっていますけれども、所得税法等の懲役刑は二年以下というように加重されているわけでございます。 そういったことはなぜかといいますと、もちろん、私どもが知り得た情報を第三者に通報すればそれは守秘義務違反という問題が起きるわけですけれども、なぜ加重された守秘義務違反が税法にあるかといえば、それは私どもの基本としております申告納税制度におきましては納税者との間の信頼関係というものを担保するためにこういったものが置かれているのであろうと思います。したがって、守秘義務を守るということによって従来から納税者と私どもの間に培われてきた信頼関係というものが、第三者に通報することによっていわばその信頼関係が崩れてしまうというおそれもあるわけでございます。また一方、税法上、質問検査権の行使につきましてはこれを犯罪捜査のために認められたものと解してはならない、こういう規定もあるわけでございます。 こういったようなことをいろいろ考慮いたしますと、私どもが税務調査によって知り得た事実等を関係当局に通報することにつきましてはどうしても私ども消極的にならざるを得ないということにつきまして御理解いただきたいということで従来から御答弁申し上げているわけでございます。 それから、最後の御質問でございますが、使途不明金を支出している場合には、まずその使途を解明しまして、それが支出した当該法人の所得を構成するのかあるいは当該法人以外の者の所得を構成するのかということを見きわめる必要があるわけでございます。 ちょっと長くなりますが、例えば架空の外注費を計上していた資金を裏献金に充てだというような場合には……
○穐山篤君 細かい話は結構です。
○政府委員(瀧川哲男君) はい、わかりました。 こういった使途不明金の要するに支出が多額であるということが直ちに法人税法違反につながるわけではないわけでございますが、その支出の過程において偽りその他不正の行為が、当該使途不明金の使途を解明した結果、税務上損金とならないということで逋脱の結果が発生しておる、しかもこれらの行為につきまして犯意が認められるということについて立証し得る見通しが得られれば査察調査を行うということになるわけでございます。 ただ、御質問のように、じゃこの件数は一体幾つ把握しているかと言われますと、まあ今申し上げたようなことでやっているわけでございますけれども、御指摘の観点からの具体的な件数というものは残念ながら把握しておりません。
○穐山篤君 守秘義務のことについて私ども忘れているわけではないんです。 法務大臣、この使途不明金というのは、今もお話があるとおり三種類ぐらいに分かれますね。しかし、健全な資本主義と言っちゃ語弊がありますけれども、公正な競争を担保するためには余りひどい不正というのはよくないというふうに思いますね。 そこで、当然商法の改正というのが昭和五十六年にも一遍行われまして総会屋の排除だとかあるいは監査役の強化だとかいろんな工夫をしましたが、まだ十分ではないというふうに私どもは思うわけです。後ほど商法の改正の問題は申し上げますけれども、問題意識としては今回の事件を通してもっと商法なり各種の業法のあり方についても再検討する必要があろうというふうに考えますが、とりあえず法務大臣の御感想を承っておきたいと思うんです。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御承知のように、使途不明金というのは商法上の問題ではなくて税法上の扱いの問題であろうと思います。 会社が献金をなさる。一般に説明のできることもありましょうし、商売上できないこともあるでしょう。そういったようなことで、従来から税法上は、使途不明金というものを認めるけれどもそれは利益の中からですよ、こういったような扱いになっておるんではないかと思います。 問題は、こういうことがあるから商法上何らかの措置をしたらどうかという御意見があることも承知をいたしておりますが、今回私どもが考えておるのは、やはり会社の株主保護という立場に立っての監査役の制度の充実、人をふやすとか社外監査役を入れるとか任期の延長とかといったようなことを国会で御審議を願う。同時に、株主が会社に対して特別な訴訟を起こすといったときに、従来からどうも実際上は非常に厄介な、金がかかるものですからできないといったようなことも、今回はそれを容易にするといったようなことで改めていきたい、かように考えておるんですが、政治資金と会社の政治献金という問題については、これは私はやはり会社法上の世界の問題ではなくて政治資金規正法上の世界で処理すべきことではなかろうかな、かように考えております。
○穐山篤君 商法の中でやみ献金の問題を法律化するというのは、なじまないという意味ではよくわかりますよ。しかし、だからといって政治資金規正法だけでできるかといえば、できない部分も現実に残っているんですよ。 やみというのは、全部キャッシュで懐に入る品物ですね。本人が申し出るか出した人が暴露をする以外には知り得ない話なんですよ。そういうものを去年の法律改正で、見つかったら没収するという法律になった。しかし、没収のしようはないんですよ。本人がキャッシュでもらったんだと本人が言うか出した人が告発する以外に没収の方法がないんですよ。 どんなうまい法律をつくってみてもまだまだ抜け穴はたくさんあるという意味では商法上はうまくないと思いますけれども、例えば各業法の中で健全な企業の運営をするためにどういうことをするか、政治資金規正法でどういうことをするか、あるいは独占禁止法でどういうふうに担保をするかというふうに総合的に今回は手直しをしなければ不完全で終わってしまう、そういうふうに私は認識をするわけです。 その点、総理、あるいは官房長官、総合的な立場で今の問題提起についてはいかように考えたらよろしゅうございますか。
○国務大臣(河野洋平君) お尋ねの件は、いずれにしても政治家一人一人のモラルの問題がその根底にあるのだと思います。 政治家の側から考えてみますると、政治活動に必要とする資金をどういう手段で受け取るかということについては法律に定めるところがございますから、その法律の定めに従って良識を持って適正な方法によって取得をするということでなくてはなりません。そして、しかもそれは政治に携わる者として、みずからのモラルといいますか、みずからの心にきちっとした一つの筋がなくてはならぬのだと思っております。 これらのことをさまざまな法律、制度を使って制限する、あるいはルール化する、こういうことも極めて重要だとは思いますけれども、それと同時にと申しますか、いずれにせよ政治家の一人一人のモラルというものをつくっていかなければいけない、育てていかなければならぬ、これが基本的な問題ではないかというふうに考えているところでございます。
○穐山篤君 今の問題について関係大臣に十分に考えてもらうという意味で一言申し上げておきたいと思うんですが、アメリカの場合と日本の法人企業の外見は余り変わらないですね。 しかし、どこが違うかというと、アメリカの場合には、株式の保有という問題とそれから企業の経営、言ってみれば所有と経営の分離というこのことがきちっと整理をされている。それから経理が明瞭である。不正が起きた場合には厳罰に処すというのがアメリカの株式会社の大体の流れですね。 日本の場合はどうかというと、株主をほとんど無視して企業が組織全体を支配してしまう、これがもう決定的な違いなんです。だから、株主のことを考えるよりもそれ以外のことを役員会が考えたりすることの方が非常に多い。そのために今いろいろ問題ができているような事件に結びついているわけです。ですから、これは政府全体が、今私が若干法律を申し上げましたけれども、総合的に手直しを再検討してもらう、手直しをしてもらうということについて特に強調をしておきたいと思うんです。 そこで建設大臣、先ほど総理のお話にありましたように、建設省も改善のために御努力をいただいているようでありますが、この今のランク別競争入札制度、指名競争入札、直轄でもあるいは地方の市町村の場合でも、民間の場合は別でありますが、どうしても公共工事には全部談合がつきものですね。したがって、これを改善しない限りやみ献金だとかあるいは不正事件を正すということはとてもできないと思うんです。知恵を今検討中のようでありますが、こうしたら直るというものがあればひとつ提示をしてもらいたいと思うんです。
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。 先生は建設業界に大変詳しいというお話でありますので、十分なお答えになるかどうかわかりませんが、建設省といたしましては、平成五年度にまず建設省直轄の工事において、技術を重視した新たな入札方式の導入や指名基準の具体化など、現行の指名競争入札制度に係る所要の改善措置を実行に移す考え方であります。 また、建設業界においても今回の事態を厳粛に受けとめ、業界挙げて企業倫理の確立に努めるよう強く要請していくことでありますが、具体的にまず新たな入札方式の導入、入札手続の改善、入札手続改善のための入札手続改善検討委員会の設置、それに公共工事発注機関相互の連絡協調体制の強化、特に昨日発表さしていただきました大臣談話の中で、入札手続改善のための検討委員会でできるものから約一カ月ぐらいの期間の中で結論を出し中建審に報告をするようにということで、今作業を進めている最中でございます。
○穐山篤君 建設大臣、落札をしますと、自社用の歩掛かり表というのがあるんです。あるいはゼネコン用の歩掛かり表というのがみんなつくられているんですよ。それでいつもジョイントベンチャーの、幹事会社は別ですが、その下のベンチャー、下請、孫請、ひ孫請は今私が申し上げましたようなそれぞれの歩掛かりで計算をしてやるものですから、手抜きが起きる、材料を設計どおりに使わない、そういう仕組みになっていることを念頭に置いて省内で十分に検討してもらいたいと思う。表向きの話ばかりじゃだめですよ。知恵をかせというならばお手伝いもさせてもらいますが。 さてそこで、もう一度お伺いしますが、平成三年度の使途不明金は五百何億という数字が出ています。その中にはゼネコンも当然ありますが、金丸、生原問題に関連をしたゼネコンにつきまして最近の調査をされたと思うんです。名前は結構でありますが、十何社捜査の名前が出ております。相当数が捜査、調査の対象になって、追徴金も莫大に払うように請求をしたと思いますが、その認識はいかがでしょうか。具体的な会社の名前は結構ですから、大筋についてお話を承りたいと思います。
○政府委員(瀧川哲男君) しっかり聞いていたつもりですけれども、最後の御質問、どういう認識かという御質問でしたか、ちょっと意味を十分とりそこなったものですから。失礼しました。
○穐山篤君 時間の都合がありますからこれ以上申し上げませんけれども、ゼネコンにしろ、医薬会社、商社その他、もう数字が出ているわけですよ。使途不明金の業種別の割合が出ております。毎年毎年指摘をされているところもおおむねわかっていをわけです。新聞紙上に出ております十何社という名前もおおむね皆、世間でも承知をしております。ざっくばらんに言えば、そのうち数社が途方もない課徴金を納めざるを得なくなったという調査もやっているはずなんですよ。そのことをお伺いしましたけれども、時間の都合でこれ以上は申し上げません。 総括的に言えば、竹下、金丸問題というのは終わっておりませんよという認識をきちっとしてもらう。総理、いいですね。 二つ目は、今起きているような問題を徹底的に根絶をする、そのためにあらゆる角度から法的な整備を考えてほしい。しなければならないということをした上で、それと相まって政治改革の諸法律というものを手がけなければならぬというふうに私は主張するわけです。今のまま済まして、それは個人の倫理の問題だから政治改革の法律を通せばそれで不正はなくなるというような甘い認識であっては困る、こういうふうに私は強く求めているわけですが、まとめてその点について総理の御見解を伺っておきたいと思うんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) このたびの事件につきましての調査、捜査のこれからにつきましては私が申し上げる限りではございませんが、このたびの事件が投げかけた問題というのは、これはこれをもって終了するというような種類のことではありません。たくさんいろいろな問題を我々に与えていて、政治改革もその一つでございますけれども、先ほどからお話しのように、行政のあり方についてもあるいは場合によりましていろいろな法令の問題についても今後考えなければならない問題がたくさんあると思いますので、これをもって一切が終わったというような考え方をいたすべきではないと思っています。
○穐山篤君 その認識に立ってぜひやってもらいたいと思うんです。 それから、建設大臣、特に申し上げておきたいと思うんですが、バブルの時代にいろんな公共投資あるいは民間の構造物もどんどん建ちました。あるいはリゾートの建設も行われたわけであります。ところが、こういう問題があることを承知しておいてもらいたいんです。 ゼネコンがそれぞれ公共事業をやる場合に、ジョイントベンチャーを組む会社があります。下請、孫請もあるわけです。そのときに必ずやっている手が、債務保証をしてやる、貸付金を貸してやるということがバブルの時代にほとんどのゼネコンで行われていたわけです。ですから、外国の企業から見ると、日本のゼネコンは金融屋でもあるし不動産業者でもあるというふうに酷評されていたわけです。ところが、バブルの崩壊で奇妙なことに債務保証した先が倒れた、貸付金を出したところがバブルの影響で店じまいをしたというのが去年からことしにかけて非常に起きているわけです。そのためにゼネコンの経理内容というものも非常に窮屈になってきました。そして、そのためにいろんな操作が行われているわけです。 これ以上申し上げませんけれども、そういう問題も踏まえて、どうやったら建設業界が明朗で国民のためになるかということを十分にひとつ検討してほしいということも、この機会ですからあわせて申し上げておきたいと思うんです。 時間の都合で、次に外務大臣、これはきょうの集中審議にはなじまない話ですけれども、非常に緊急な問題でありますのであえて質問の通告をしたわけです。 それは、既に外務大臣も御存じだと思いますが、旧ソ連邦、最近のロシアが一九五一年から一九九一年にかけまして原子炉をあるいは廃液を日本海あるいはオホーツク海、北太平洋、それからバレンツ海というところに投棄をした報道がありました。正確に言えば去年の十二月が一回、ことしの二月六日が一回、その後追加で一回ありました。これは、今、日本も原発なりプルトニウム問題で非常に国内が沸いている時期なのでありまして、日本海に投棄されたということは重視をしなければならぬと思います。 過去私の経験で言いますと、河野さんが科学技術庁長官のときに一つソ連の原発の放射能漏れ事故がありまして、間髪を入れず非常に機敏な対応をしてもらった経験があるわけですが、今回は非常に対応が遅いし無神経だと私は思うんです。 そこで、その概要について、わかっているはずだと思いますから明らかにしてもらいたいと思います。
○政府委員(野村一成君) ただいまの御質問の事実関係について、大臣の答弁の前に私の方からお答えをさせていただきます。 去年の十二月三十日でございますけれども、放射性廃棄物の海洋投棄問題に関しましてロシアの政府委員会の方から、海軍軍艦からの低レベル液体放射性廃棄物の投棄の実施が極東地域及び北海の地域において現在も継続されている、そういう中間報告を発表いたしたわけでございまして、それを受けまして、ことしに入りまして一月の中旬、私どもロシアにございます大使館からロシアの国防省及び外務省に対しまして、まずこういった事実関係についての確認、及び日本海等で放射性廃棄物の海洋投棄が事実であるとすれば直ちに停止するように申し入れを行いました。 それに対しまして、政府委員会の発表した極東地域への投棄を行っているというそういう事実は認めたものの、具体的な投棄場所とかデータについては提示いたしておらないわけでございます。我が方から鋭意督促を行いました結果、今月中旬に至りまして政府委員会の方から、近日中に白書を作成いたしましてそれを公表する、そういう立場を表明いたしました。 事実関係の確認ということ、それから海洋投棄を停止すべきであるということ、必要な場合には適切な措置をとるべきというそういう基本的な方針で対応いたしておる次第でございます。
○穐山篤君 固形の原子炉を廃棄したというのと同時に、冷却水をそのまま海に流しているわけですね。 固体でコンクリート詰めにして落とした場合には数万年ぐらい時間がかかるでしょうが、冷却水をそのまま廃液として投棄をしますと、その中に高レベルの廃棄物が入っているわけです。人体、動物あるいは植物、その他環境に与える影響は大と思いますが、科学技術庁、どういうものが含まれているか専門的に明らかにしてもらいたいと思うんです。
○政府委員(佐竹宏文君) お答えいたします。 一般に放射性廃棄物を海洋に投棄いたしましてそれを評価いたします際には、それが海洋でどのように拡散していくか、また食物連鎖と申しまして、プランクトンがそれを食べ、あるいはそれを小魚が食べ、それを魚が食べ、さらに大きな魚が食べるとか、あるいは海産生物にどのように沈着するかなどを考えまして、それから人体に対しましてどのように影響を及ぼすかということなどを考えて評価いたします。 したがいまして、今、先生おっしゃったようなことでございますが、どのような放射性物質をどのような形で海に投棄したかということがわかりませんと評価ができにくいものでございますので、どうだという御質問でございますが、どのようになるかということは今のような状況では一概にお答えしかねます。 いずれにいたしましても、ソ連の問題につきましては、どのような海域にどのような核種をどのような形で投棄したか、またどのような放射能量を投棄したかということがわかりませんと、評価また調査も今のところは余り意味がないというふうに考えております。 ただ、近年、私どもが各省庁の協力を得まして日本海で行っております調査によりますと、今のところ海産物には何の影響もあらわれていないということは御報告させていただきます。
○穐山篤君 正確に言えば、文書をもらわないとわからないと、こう言うだろうとは思いますけれども、コバルト60であるとかウラン二百三十幾つとか、そういうものが実際には高レベルの廃棄物として海流に出るわけです。 総理も外務大臣もこの地図を見てもらいたいんです。(資料を示す)ロシアが言ったとおりの海域に捨てたとすれば、ここが日本列島なんですが、この日本海、オホーツク海、それからこちらの北大西洋というところが汚染可能な地域なんですね。それからもう一つ、ノルウェーの横側にありますバレンツ海というのはこの青色のところですが、すぐには影響はないと思いますが、海流を調べてみますと、日本海側は閉鎖性の海域ではありますけれどもゆっくりと海流が回っているわけです。そういうことを考えてみますと、環日本海側の諸国は特に注目をしなければなりませんし、関心を持ってもらわなければ困ると思うんですよ。 確かに、投棄したところはこの日本海の中間線よりも北側で投棄をしたかもしれませんけれども、海流に乗って中間線以南に影響のある放射能あるいは高いレベルの廃棄物が海流してくる可能性が非常に強いわけです。だから、禁止をしてくれと言うのは当然でありますけれども、もっと早急に対策を立てなければこれはもう大変な事件に発展をするという認識をお持ちかどうか。 これは非常に大切なことでありますので、特に外務大臣にそのことについての見解をただしておきたいし、本当に緊急に申し入れをして例えば日米ロあるいはカナダと一緒に共同調査をするというぐらいの対応があってもしかるべきじゃないかというふうに私は考えるわけですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 全く困ったものでしてね、ただそういうところへ捨てましたということを言ってこられましても、具体的にどこへ捨てたんだ、どれぐらい捨てたのか、どんな放射能程度のものなのか、それは言ってないわけですから、それじゃ調べのしょうがない。 そこで、日本としてはロシア政府に対して、特に日本海での放射性廃棄物の海洋投棄の事実があるならば今言ったようなことを早く出してくれと、とりあえずやめてくれと、継続して今後も捨てるというんだから。ということの強い申し入れはしてあるわけであります。 向こうは白書を近日中に出す、公開する、こう言っておりますから、あるいはどの程度のものが出てくるかわかりませんが、我々としては非常に神経質でもありますし、かつて日本海溝に捨てるかどうかという話が日本でもありましたが、しかしこれは中止するというふうなくらいやっておるわけですから、だからいいかげんに捨てられたんじゃとんでもない話なので、今後もこれは強く早く要求して、対策を立てていく関係もありますから、委員のおっしゃる趣旨を体してやっていきたいと、そう思います。
○穐山篤君 早急に手を尽くしてもらいたいと思うんですが、外務大臣、この絵にもありますように、地図でいえば北方領土の北側なんです。そして、日本海側の中間線の北側に投棄したのではないかと推定がされるわけですね。それからもう一つは、こちら側のオホーツク海なんです。現在でもまだ投棄をしているという話ですから大変な問題です。 そこで、当然直接の関係もしかりでありますが、国際的に高レベルの廃棄物の投棄の問題について、これは国際的な協定を結んで人類の滅亡を防止するという必要性があると思うんです。その両方の分野から早速対応してもらいたい。これは外務大臣もそうでありますし、科技庁もその任に当たっていると思うんです。 以上の点について改めてお伺いをすると同時に、総理もこの問題については重大な関心を払ってもらって、閣内を早急にまとめていただいて日本の態度を発表すべきではないかというふうに提言をしておきますが、総理の見解を伺っておきたいと思うんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私もその報道を見ましてから実は重大な関心を持っておりまして、さしづめ外務省を通じまして事実関係の究明、それより前にこれからこういうようなことをしないようにしてほしいというのが第一ですが、に当たっておりまして、政府として当然重大な関心を持って対応いたします。
○委員長(遠藤要君) 穐山君の残余の質疑は午後一時再開することとして、暫時休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ――――◇――――― 午後一時二分開会
○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、景気対策及び政治改革に関して休憩前に引き続き集中審議を行います。穐山篤君。
○穐山篤君 次は、経済不況、景気対策について伺います。 最初に、国土庁長官、最近土地の価格が下がりつつあるという報告をいただきまして、いい傾向だと思っております。そこで大蔵大臣と国土庁長官に伺いますが、担保つきの不良債権買取機構というものが二月に発足をしまして、とりあえず三月、節目が来たわけですが、この仕組みなんかを話をしておりますと時間がかかりますので、大体どういう状況にあるか、不良債権の買い取り会社の実績見込みといいますか、それをまず数字的にお話しいただきたいと思います。
○政府委員(寺村信行君) 去る一月二十七日に発足をいたしました共同債権買取機構は、現在、本年度内に買い取る不動産担保つき債権に係ります担保不動産の鑑定申請を受け付けまして不動産の鑑定評価をいたし、かつ今度は債権の買い取り価格の確定の手続を今進めております。 具体的に、年度末でございますから明三十一日まで買い取りの行為が続けられますので、現在のところ確定数値が出ておりませんで、明日になりますと確定数値が会社から公表されるのではないかと考えているところでございます。
○穐山篤君 正確な数字が出ないのは承知をしております。 そこで、この担保つき不良債権共同買取機構ができたというのはある意味ではいいことだ、公的な資金が入らなければいいものだ、こう思います。これは、プラスの面としてはやっぱり金融のシステムを安定させるという力が一つあります。しかしマイナスの部分として、買い取り価格を高目にするということになりますとそこが価格の下支えになりまして、本来はもっと下がるべきものが下がらずにそこでとまってしまうというマイナス面が出るわけです。この買取機構というのは、直接土地の流動化をねらっているわけではありませんが、裏側の問題としてはこの流動化がなければ始末が最終的にできないわけです。 そこで、私が懸念をしております、プラスの問題はプラスの問題として評価しますが、買い取り価格いかんによっては、今、商業地なりあるいは宅地の値段が下がりつつあるやつを自動的に下げない、下がらせないというマイナスの面が非常に懸念をされるわけです。その点について大蔵大臣と国土庁長官のお考え方をいただきたいと思います。
○政府委員(寺村信行君) 不動産担保つき債権を買い取る際の買い取り価格につきましては、まず不動産鑑定士によります適正な鑑定評価を受けた後に、税務、会計、不動産鑑定等の分野における社外の専門家及び有識者から成ります価格判定委員会に諮ることとされておりまして、客観公正な時価による買い取りが行われるという仕組みができているわけでございます。これにつきましては、買い取った後、債務者の同意を得た上で、買い取り会社から具体的にどのような価格で買い取ったかということを公表することを予定いたしているところでございます。 それから、かつ、これが地価の下支えをするかどうかという御質問でございますが、先ほど委員御指摘にございますように、この売却がおくれればおくれるほど買い取り会社の金利負担が増大するということでございますので、買い取り会社としてはできるだけ担保不動産を売却する必要があるということでございますし、それからこの買い取り会社に債権が持ち込まれる段階で権利関係をある程度調整せざるを得ないということ、それから先ほど申し上げましたように、客観公正な価格判定委員会の価格で一応不動産が鑑定をされますので、現時点における適正な仕入れ価格が実現されているということで、この不動産が売りやすい状態になっているということで、このような仕組みをつくることによって不動産の流動化にも資するものであると私どもは考えているところでございます。
○国務大臣(井上孝君) ただいま大蔵省政府委員からお答え申し上げたことに尽きるわけでございますが、先生御指摘のように、この買取機構の担保不動産の評価あるいは売却というようなことが現在の地価の下落、鎮静化傾向に逆行することがないように、地価の動向を十分反映した適正な価格で行われる必要があると思っております。 このような観点から、今申し上げましたように価格判定委員会、この機構の中の価格判定委員会の中に不動産鑑定士も含まれておりますので、その運用が適正に行われることを国土庁としても期待をしておる次第でございます。また、買い取った土地につきましても、できるだけ早く適正な土地利用が図られるということが望ましいと思っております。 国土庁としては、さらなる地価の下落、鎮静化のために、平成三年一月に決めました総合土地政策推進要綱に沿って努力を続けたいと思っております。
○穐山篤君 後ほども申し上げますけれども、この共同買取機構に不動産業界が参入したいという意見もつい最近まで専らありました。それは当然土地の流動化と活性化ということを念頭に置いているんでしょうが、これは表向きの話であって、バブルの再燃とは言いませんけれども、ある程度回復をしたいという不動産業界の思惑があることは間違いないですね。なおかつ、虫食い状態にあります不良債権、土地というもの、あるいは資産があちこちにばらばらまだ現実に残っているわけですね。土地の有効利用、都市計画から考えてみても私は少し問題があるなどいう感じがしてなりません。 総理に伺いますが、この土地の買取機構の問題、土地の流動化を含めてバブルの再燃がなければいいがと思うのが私の気持ちなんですけれども、専門的な立場からどういうふうにその辺をお考えなんでしょうか、ちょっと伺ってみたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私はそれは専門家ではございませんけれども、国土庁長官がせんだって発表せられましたように、なお都会地の商業地ばかりではありません、全体として下落が続いているということ、そのことは、まだまだ基準年次から消費者物価の動きあるいは成長等々を当てはめましてもまだもう一つ高過ぎるという判断は、私はそれでよろしいのだと思います。もっと下がってこなければいけない。 ただ、もう一つ大事なことは、価格というものはその価格で取引があるということが大事であって、価格はあるが取引がないということではこれは本当の価格とは申しにくいわけでございますので、やはりそういうリーズナブルな価格での取引が行われる、そういうようなことに持っていくことが大事だろうというふうに思っております。
○穐山篤君 次に、この前の総括質問で私は景気対策の一つとして、今までの固定観念でいう公共投資というものから枠を少し広げて公共的投資にこの際思い切って各省庁が総合的に考え方を集めるべきだ、こう申し上げたわけですが、自民党あるいは政府の中では、新社会資本というような言葉があるようなんですが、政府全体としてもそういう私の申し上げたような気持ち、あるいは新何とかという公共投資ですか、新しい社会資本の形成というものでは政府の部内も意見が一致をしているんでしょうか。その点いかがですか。
○国務大臣(林義郎君) 先生御指摘の新何とかというのでございますが、新社会資本整備というような話が新聞等で報道されていることは私も承知をしておりますが、具体的には何かということについては、必ずしも明らかでないというのが私の現在の受けとめ方でございます。 私といたしましては、文教施設であるとか社会福祉施設であるとかというような施設につきましては現在でも建設公債対象経費というふうな格好でやってきておりますし、これを明らかに広げて何でもかんでもというのは少なくとも財政の立場としてはいかがなものかなと、そう考えているところでございます。いろんな概念があるんだろうと思いますので、ここはまだ私の口からどうだこうだというのはちょっと早過ぎる。現在、特にこの平成五年度の予算案の審議をお願いしているわけでございまして、平成五年度の予算案にはそういったことは入っておりませんので、これからいろいろ御議論をしていただく話かもしれないと思っております。 いずれにいたしましても、私どもの立場といたしましては財政法を改正いたしましたり財政法の解釈を勝手に変えたりなんかするというようなことは考えていないということだけははっきり申し上げておきたいと思っております。
○穐山篤君 そうしますと、来月半ばに宮澤総理大臣がアメリカヘ行くときに、予算が成立をしましたというだけではクリントンさんとの間にそんなにうまい調子の話にはならぬと思うんですね。ある程度これからの見通し、打つ対策を含めて、あるいは黒字の解消には何をしますというものを持っていかなければ日米関係は十分ではない、こう思いますが、そこのことは念頭に置いてもらって、最後にその辺についてはお答えをいただきたいと思うんです。 経企庁長官あるいは労働大臣、関係大臣に景気の状況について伺う予定でしたが、午前中同僚議員がお伺いをしましたので、時間の都合でちょっと省略をします。 そこで、宮澤総理は円高不況のときに大蔵大臣だった。そうですね。そして、今の日銀の三重野総裁はその当時副総裁だった。今回は総理大臣になり日銀の総裁になったという意味では直接な、前回は円高、今回は複合不況というもので、対比をする立場に非常に近いわけです。 私は、前回と今回、共通している部分も全部数字で調べてみましたし、違った面も具体的に調べてみました。時間の関係がありますから一々申し上げることはないと思いますけれども、共通している部分を言えば、物価はおおむね安定をしておった。公定歩合はくしくも二・五%であった。鉱工業生産につきましても低めの数値は一緒であったわけです。それから貿易黒字、経常収支については最高の黒字であった。全くここは共通しているんですよ。 違いは何かといいますと、土地価格の問題です。先ほども議論が出ました。それから株式市場も、きのうときょうでは少し違いがありますが東証銘柄二百二十五種でいつでも上がったり下がったり、まあまあという線ではないかなと。それから今回は、極端な不良債権がたくさん残っていて始末が十分になされていないというのも今回の特徴であります。それから、何よりも大きな違いは消費性向、これが前回と今回では極端に違っている。それから言いたいところは、政策の上でいきますと前回は減税を行っているわけです。今回は、皆さんは一口もおやりになろうというお話がないところが全く違っているわけであります。 そこで、急にインフレになったりバブルの再燃はよくないと思いますけれども、今回本当に落ち込んでいる部分を何とかしなければ、追加の予算なり政策で何とかしなければ落ち込んでしまうというのはこれは当然起きる事柄なんですよ。特に消費購買力について言えば、百貨店の売り上げなんかは依然として低迷を続けているわけです。消費者の買い控えもあるとは思います。 しかし、何といいましても、前回は八七年の五月、緊急対策を六兆円やりました。七月には補正予算を成立させ、所得減税も一兆五千億円、当時やっているわけであります。それと今回を比べてみますと、総合経済対策はやりましたけれども、減税あるいは政策減税の実施という問題があからさまに残っているものですから、国民の気持ちは、景気浮揚あるいは不況脱出のためにはこの手しかないなという確信を国民の皆さんは非常に深めているのじゃないかなというふうに思います。 以上の点について大蔵大臣、それぞれの関係大臣から考え方を伺いたいと思うんです。
○国務大臣(林義郎君) 穐山議員御指摘のように、この前に比較するといろいろな問題があると思いますが、私はやはりバブルに今度はならないようなことをやっぱり考えておかなければならない、一つの大きな政策当局者として考えておかなければならない話でありますし、持続的な安定成長に乗せていくというのが私たちの基本的な考えでなければならないと思っているところでありますし、そうした意味で平成五年度の予算も景気に十分配慮しました予算であるけれども、今やっていますのは公共事業の関係を非常に重点的に考える、財政投融資につきましても大幅なことを考える、地方の単独事業につきましても考えていくというような形での予算の編成をしたところであります。税収が非常に厳しい、こうした中でありますから、いわゆる経常的な経費につきましては相当な厳しい削減をいたしましたし、一方、投資的なものにつきましては相当大幅な形でやってきておるところでございます。 所得税減税云々と、こういうふうなお話がございました。当委員会におきましても私はたびたび御説明を申し上げておりますけれども、この景気に対する影響というのは一体果たして効果があるのか、同じ金を出すならば効果としてどうだろうか、同じ一兆円出すにいたしましてもそれが貯蓄に相当回るんではないかということが考えられる、そういった点からして効果としてどうであろうかということがございますし、また巨額の財源が必要となる。 言われていますのは四兆円云々というふうな所得税減税というふうな話でありますが、一体それをどこで賄っていくのかな、赤字国債ということであるならば非常にやっぱり財政の節度を失うようなことになる、こういったことでございます。また、現在の所得税というのは、もう相当な程度日本としてはいい水準に来ている。諸外国に比べましても課税最低限などというのは高いところに来ているわけでございまして、ヨーロッパに比較いたしましても相当なところに来ている。この前の抜本改正のときにやりました。その後少しずつ動いてはきておりますけれども、依然としてまだこの前の改正前のところまでの水準にはいってないということも事実であります。さらに所得税減税というような話でありましたならば、一体これからどういうふうな形でやっていかなければならないのか。 いろいろな問題ありますから、基本的な問題として考えるならば考えるのでありますが、当面の不況対策としてこれをやるということになったならば一体どんなものだろうかなというふうな議論があるということを申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 先日発表されましたいわゆるQE、平成四年十月-十二月期の経済成長率、これは〇・一%増というふうになっているのは御承知のとおりでございます。その内訳も、民間投資は企業収益の悪化などもございまして三・一%の減でございます。個人消費も所得の伸びなどの鈍化もあるのでしょう、消費のマインドの低下もあるのでしょう、これも〇・六の減になっております。 したがいまして、こういう状況を通産省の立場で見てまいりますと、明るい材料は幾つかございます。例えば、最近ではマネーサプライが〇・二でありますとか、また、ここのところの株価なども明るい材料であることは間違いございませんが、この十-十二月期のGNPを見てみますと〇・一%の伸び率でございますが、実は内需の寄与度というのは全部マイナスでございまして、そのうちの民間最終消費支出が〇・三のマイナス、民間住宅投資が〇・二のマイナス、民間企業設備投資、これが〇・六のマイナスということで、公的事業が〇・三上がるということだけでありまして、もう一つ、民間の数字のつくものでプラスのものは民間在庫品増加というのが〇・四あるということは、端的に申し上げて在庫調整がまだはかばかしくない。 いろんな変化がございますが、私どもとしては企業全体を見ておりますと、どうしてもやはり在庫調整が従来の戻し方といいましょうか、そういう動きがないということが一番心配の種でございまして、一方、株価が上がってまいりますことは大変明るいことなんですが、いつもここで大蔵大臣と数字を見ながら喜んでみたりびっくりしたりしているんですが、株価が上がってまいりますと、逆に円高の傾向が少し出てくるわけですね。ですから、そういうようなことを見ておりますと、まだまだ企業におきましては景況感が非常に悪いというふうに見ざるを得ないというふうに思います。 したがいまして、こういう時期でございますので、もちろんこの平成五年度の予算の御審議が何とか年度内に上がって、そして執行していただくということが最大の景気対策でございますけれども、やはり公共事業が下支えになって効果を発揮すると同時に、今長々申し上げましたが、全般的に産業界全体に波及効果のある投資をしていただくことの方がより景気回復がいい方向に行くのではないだろうか、こんな私どもは見方をしておるわけでございます。
○穐山篤君 時間が来ましたので終わりにしますが、今もお話があったとおりです。 前回、中曽根内閣のときには、かなり政府・自民党も決断を要したわけですね。売上税については棚上げ、廃止にして、そして別の道としては税制改革を行った。これが前回円高、一九八七年のときの決断だったと思います。 どうかそういう意味で、宮澤総理大臣にこの際、この複雑骨折の日本経済を救済するためにも思い切った減税を考えてほしいということを強く要求して、私の質問は終わりたいと思います。 以上です。
○委員長(遠藤要君) 以上で穐山君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(遠藤要君) 次に、山口哲夫君の質疑を行います。山口君。
○山口哲夫君 まず、経済企画庁長官にお尋ねをいたします。 政府がことしの一月二十二日、閣議決定をいたしました「平成五年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」というのがありますけれども、これを見ますと、平成四年度、九二年度は経済成長率三・五を半分以下の一・六に下げております。しかし私に言わせると、下げたとはいえ、この一・六%の達成は今日もう無理ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(船田元君) 山口先生御指摘の九二年度の経済成長率、実績見込みでございますが、一・六%ということで既にお示しをしたわけでございます。先般発表された国民経済計算速報によりますと、平成四年の十-十二月期の実質国民総生産が○・一%の伸びということで、これは極めて低い伸びということになるわけであります。言うまでもなく、これは循環的な要因のほかに資産価格の下落などもありまして、国内民間需要を中心に引き続いて低迷する我が国経済の厳しい現状をそのまま反映したというふうに受けとめています。 しかしながら、一方で年初から昨年八月に決められました総合経済対策の効果が本格的にあらわれ始めているという状況でございますし、また住宅投資も基調としては回復基調にある、こういうこともございます。しかしながら、実績見込み一・六%の達成という点については大変厳しい状況だな、このように認識をしております。 ただ、四年度の成長率全体がどうなるかということにつきましては、なお一-三月期のQEを待たなければいけないというところにありまして、現段階で確たることは申し上げられませんけれども、私どもとしては、この総合経済対策を初めとするこれまでの既往の対策を最大限に発揮をさせよう、こういうことで一・六の達成に向かってなお努力を続ける、こういう気持ちでいきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○山口哲夫君 随分のんきなことをおっしゃっているなと思って聞いていたんですが、四年度はあと二日で終わりですよね。これから何を手を打ってそれじゃ一・六%まで達成させるのか。そんなことできないと思いますよ。 〔資料配付〕 きょう数字のことばかりなものですから資料を配付させていただきましたけれども、これはたしか経済企画庁で出した資料です。三月十二日に出しています。 今、長官、十月から十二月期というのは○・一しか上がってない、こうおっしゃいました。一月から三月までは三・一%上がらなければ、ここの資料、上の方抜けておりますけれども、一九九三年の一月から三月期なんですけれども、三・一%上がらなければ一・六%を達成できないんです。三・一%上がりますか。これから二日間でどんな手を打っても上がらぬでしょう。三・一%というのは、昭和三十五年から四十五年に向かってのあの高度経済成長のとき一三・一%、そのくらいの成長率を一月から三月の間に上げなければできないんですよ。 だから私は、そんなのんきなことを言っていてよろしいんですかと言っているんです。可能性あるんですか。
○国務大臣(船田元君) お答えをいたします。 今年度はきょうを含めてあと二日であると、これは確かに事実ではございますけれども、一-三月期のQEにつきましては、まだ全体の数字が入ってきていないということもありますが、私ども政府としては、昨年の十二月十日に例の補正予算が上がりました、そして昨年の八月の総合経済対策のうちのかなりの部分というのがその補正予算の成立を待たなければなかなか実行し得なかったということがございまして、まさにその補正予算が上がりました後、ことしに入ってからも今日まで大変この執行という面におきましては、できる限り早く執行しようと、こういうことで努力をしてまいりました。一-三月の数字というのはそういう努力の結果としてこれからその数字があらわれてくる、こういうことを実は申し上げたかったわけでありまして、その点はぜひ御理解をいただきたいと思っています。 それから、今、先生お示しをいただいた平成四年度一・六%達成のためには一-三月で三・一%、多分正確には三・一四であると思いますが、これを達成しないと年度全体で一・六にならないじゃないか、こういうお話でございます。 確かに数字の上ではそういうことになろうかというふうに思っておりますけれども、私どもとしてはなお今日までの努力、あと二日ということでありますけれども、これまでの、特にことしに入りましてからの執行状況の努力、こういったものがかなり今後数字としてよい形としてあらわれてくるのではないかな、このように思っております。もちろん、達成がなかなか厳しい状況であるということは十分に認識をした上であえて申し上げさせていただいております。
○山口哲夫君 三・一四%、これは大蔵省の事務次官が三月十三日の日経新聞にこういうふうに言っております。この日の記者会見でというのは十二日の会見です。「この日の会見で尾崎次官は九二年度に一・六%成長を達成するためには、「今年一-三月期の成長率が前期比三・一四%(以上になる必要がある)という計算になる。(実現は)容易でない」と述べた。」と言っているんです。大蔵省の専門家がそう言っているんですよ。それから、日本経済研究センター予測改定でも、九二年度の実質成長率は政府実績見込み一・六%を下回る一・〇%の見通したと。 だから、どんなに逆立ちしてみたところで、一・六%を達成するなんということをこの時点で経済企画庁長官が言うなんというのは私は不見識だと思いますよ。やっぱり私は、達成はこれはもう不可能ですということをここではっきりと認めるべきときだと思いますけれども、総理、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 経済企画庁長官はやはり主管大臣でおられますし、この一・六というのは一応閣議等々でも議論をした数字でございますから、山口委員のおっしゃるような趨勢というものはそれは専門家ですからもちろん気がついておられないというわけではない、ただ、この一-三のQEが出ますのが六月になるわけで、したがってまだかなり先でございますから、それならば一・六でなくてどのぐらいだというお答えがそれまではやっぱりできないのでございます。そういうこともございましてああいうお答えをしておられるのだと思います。 趨勢として山口委員の言われますことはごもっともであって、三・一四ということは年率にしますと一三%ぐらいでございますから、今のこの一-三で一三%の成長があったということは実感としてはなかなかやっぱり申しにくいことであろうと思います。
○山口哲夫君 総理のおっしゃるとおりですよね。この一-三月がそんなすばらしい景気ではなかったんですから、これはもう六月には間違いなくそういう低い数字が出てくることははっきりしているわけです。 私がなぜ政府がそういうことを率直に認めなさいと言っているかといえば、私はやっぱり国民に対してこれは陳謝するくらいの責任があると思うんですよ。国民というのは政府が示す経済成長率というものを一応頭に入れながらこれからの経済活動をやっていくわけでしょう。原材料をそろえなきゃならない、あるいは雇用計画をどうするかということをみんな検討するわけですよ。だから、政府の成長率というのが物すごく日本の経済に影響を与えるわけですよ。 今、就職の内定取り消しなんという問題もあるわけでしょう。これだってやはり経済界は、三・五%を四年度には達成できるという方針を出すから、そんな景気いいんだったら来年はこのくらいの採用をしようじゃないかという計画を立てるでしょう。それが全く狂って、一・六%と修正してもそれも達成できない。こんなどん底まで落ちていくということになれば、当然就職の内定取り消しもせざるを得ないということになるわけです。ですから私は、そういう間違った経済成長率を出した政府としては、これはやっぱり国民に向かって大変申しわけないことをしましたというくらいの陳謝があってしかるべきじゃないでしょうか。どうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは確かに、政府として見通しを間違っているとおっしゃることは、私はそう申さざるを得ないのですが、ただこれは、事の性質上、経済見通しというものはどういうものかというのは、もう長年のことでございますから国民が大体知っておられるし、別に何か意図があってわざわざ違うことを申したのでないということもわかっておられるでしょうし、ある程度政府としては政策目標として考えだということも多分理解をしておられましょうし、それから大変平ったい話をして申しわけございませんけれども、民間にもいろいろなたくさんの経済見通しがございます。そういう意味では、政府の見通しも民間の見通しもと皆さん方比べて見ておられるでございましょうし、これは免れてその罪がないと申しておるのではございませんが、経済見通しというものはもともとそういう性格を持っておるということも御理解をいただいておきたい。 ただ、一・六と言ってそれができないじゃないかと言われますならば、それはまさに現況においては容易なことではないと考えるということを申し上げざるを得ません。
○山口哲夫君 何か総理の話を聞いておりますと、国民は政府を余り信頼しないでいろんなことを検討しているからいいじゃないかというふうに聞こえるんです。そんな甘いものじゃないと思いますよ。少なくとも、やっぱり国民としては政府を信頼しなければ何もやっていけないわけですからね。 私は、経済企画庁を担当する長官にはその責任というものは当然やはりここでとっていただきたい。まず、国民に陳謝を担当大臣としてするべきだと思います。どうですか。
○国務大臣(船田元君) お答えいたします。 今、総理からもお話をいただきましたけれども、確かに経済見通しあるいは実績の見込みという数字はすべての経済の活動、もちろん予測もそこに入りますが、また、政府としてどれだけ政策努力を行っていくかあるいはその結果としてどういう数字が出るか、こういう性格のものでございまして、非常に客観的にすべての数字についてまさに政策努力というものを別に置いておいて客観的な数字を示すというのとはやっぱり多少性格の違うことでありまして、そこにはおのずからある程度の数字の上での幅というものはお考えをいただきながら、今後の民間の活動のさまざまな指標というものあるいは目安というものにしていただきたい。あるいは、我々の政府としてもそういう目標に向かって最善の努力をしていこう、こういうことでお示しをするのが見通しの数字であり、あるいは実績見込みの数字である、このように私は理解をしております。 ただ、今日までの私ども企画庁のいろいろな経済指標の提示あるいは見込みの数字のあらわし方、そういう点につきまして、確かにバブルの崩壊そして資産デフレということが戦後初めての経験であったということはありますけれども、しかしながら見通しが甘かったということはこれはやはり率直に認めざるを得ない、このように考えております。
○山口哲夫君 もう一言陳謝が欲しかったところですけれども、それじゃことしの経済成長率三・三%について質問をしてまいりたいと思います。 ことしの一月二十八日の衆議院の予算委員会で、我が党の赤松書記長が三・三%の問題について質問をいたしております。これに対して大蔵大臣が「今回の予算では景気に配慮したところの積極的な予算をつくったわけでありますし、そうした形によりまして三・三%の成長は達成可能だというふうに我々は考えておるところであります。」、三・三%は間違いないと言っています。 同じように、宮澤総理は「大蔵大臣が大変に苦労をされて、そして閣内も、また私どもの党も一致しまして、この予算をベストのものとしてつくりまして御審議を願っておるわけでございます。」、ベストのものであると。三・三%は間違いないということを含んでのお答えだと思うんですけれども、三・三%は間違いございませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは、私は今のこの一・六云々とは違ったことではないかと思っております。 これから平成五年度が四月一日から始まるわけでございますけれども、いろんなことを国会でもお力を得て総合経済対策をやったり補正予算をやったり、今度の平成五年度の予算もかなりその延長線上で思い切ったことを考えておりますし、大変難しい不況ではありますけれども、この辺で大体私はもう見えてくるのではないか、ただ手放しでそれでいいと思っているんではございませんでいろいろ考えますけれども。 そうしますと、何分にも前年度というものが山口委員のおっしゃいますように非常な低い成長でございます。その上で三・三%というのは実は余り大したことではない。前が高くて、その上の三・玉なら自慢もできますけれども、実は前がこれだけのいわば情けない成長状況でございましたから、その上に三・三%ぐらいの成長はこれから回復していく過程の中では私はあっても不思議じゃないというふうに実は思っておりますものですから、努力を必要とはいたしますが、それは看板は大丈夫だ、おろす必要はないというふうに私は思っておるところでございます。
○山口哲夫君 私は、今のままの予算で仮に執行するとすれば、来年の今ごろ三・三には恐らくなっていないだろうと思います。それは来年の三月の時点でなければわからないことですから、総理が当たっているか私が当たっているか、来年楽しみにしておきますけれども。 この赤松書記長の質問に対して閣内もまた党も一致してやっているんだと言うんですが、これは十二月二十一日の新聞ですけれども、二十日に正式決定した九三年度の政府経済見通しに対して政府や自民党の内部から実質三・三%成長の実現性を危ぶむ声が相次いていると言っているんですね。この日の経済対策閣僚会議では三塚自民党政調会長や渡辺副総理・外相らが懸念を表明し、そして林蔵相や船田経済企画庁長官らは達成は不可能ではないと反論したと。閣内必ずしも一致していないようですね。外務大臣に本当は来ていただきたかったんですけれども、余りお外すぐれてないようなんで遠慮したんですけれども、閣内不統一じゃないですか。
○国務大臣(林義郎君) 閣内の問題でございますから本当は総理からお答えしていただく方が筋がと思いますが、担当でございますから私からお答えを申し上げさせていただきます。 予算編成に当たりまして、昨年の景気の状況が非常に悪い、大丈夫かという声はいろいろとございました。それは確かだと思いますし、また、持続的な成長に持っていくということであるならば、私たちも相当やってきたつもりであるが、まだまだどうだというような御議論もありました。御議論もありましたけれども、最終的にはこの予算を認めていこう、これでやろうじゃないかというのが昨年の決定でございまして、もちろん自民党の方もそうでございますし、政府の中に意見の不一致があるということは全然ございません。
○山口哲夫君 そう言わざるを得ないでしょうけれども、しかし、実際にはそういう異論があったということは事実のようであります。 私が三・三%達成は無理だと言うのは、今お配りさせていただきましたこの二枚目の表をごらんをいただきたいと思うんですが、上から二番目、国民総支出(実質)、政府は三・三%、五年度。ところが、民間の調査機関は全部低いんですね。日本総研一・七、三菱総研二・三、東京海上二・四、東京銀行二・七、三和総研が二・八、安田総研二・九、日本信託銀行三・〇、第一証券の経研が一番高くて三・一、二十二社の平均をとりますと二・八ですよね。 このように日本じゅうの頭脳を集めた研究機関が計算したのが、全部政府が言うような三・三%達成は無理だということをはっきり言っているんですよ。これでも三・三というのは実現できるというふうにおっしゃるんでしょうか。長官、どうですか。
○政府委員(長瀬要石君) 御指摘いただきましたように、民間研究機関の予測、平成五年度につきましては三・五%から二・三%程度まで、平均いたしますと御指摘のように二・七、八%と、このような姿になっておりまして、そういう意味では政府見通しよりは若干低いということはあろうかと思いますけれども、定性的な方向といたしましては、民間内需が高まっていくという内需主導型の方向にいくということ、それから成長率が四年度よりは五年度に向けて高まっていくということ、そういうような方向性におきまして軌を一にしているものだと思っております。
○山口哲夫君 そんなことをおっしゃいますけれども、これから住宅関係から消費関係から全部一応整理して議論してみたいと思うんですけれども、これは読売新聞の十二月二十一日です。政府の方で発表して間もなくでしょう。「日本の場合、成長率が三%を切ると不況感が出るといわれている。来年度三・三%成長なら、「史上最長のいざなぎ景気を上回る」と年度半ばまで騒がれた三年度一三・四%成長)に匹敵する。」と、いざなぎ景気を上回るんだと言われた昨年度をさらに上回るようなそういう大変大きな数字だということを言っているわけですね。 ですから、総理はこれからのいろんな政策を実行していけばそんな無理なことではないんだというふうにおっしゃっているんですけれども、先ほど私が閣内必ずしも統一されていないということはこういう政治的な決着を行ったんでないんですか。 例えば大蔵省は、税額六十一兆三千三十億ですか、たしか六十一兆三千三十億、それを達成するためには逆算していくとどうしても三・五%の成長率が必要になると言われているんですよ。それから通産省、本当は通産大臣にもおいでいただきたかったんですけれども、生活大国五カ年計画というのを平成四年の六月に経済企画庁で出しましたね。ことしが初年度ですよ。これは「地球社会との共存をめざして」というタイトルがついておるように、国際公約ですね。この中の五十ページを見ておりましたら、計画期間における主要経済指標、実質経済成長率は平均して三と二分の一%、三・五%でなければならないとしているんですね。通産省にしてみますと、この国際公約とも言われている生活大国五カ年計画を実行するためには成長率はやっぱり三・五%必要だ、こう言っているわけですね。 だから、大蔵省と通産省は自分たちの政策を実行するためには逆算していくと三・五%なんだと。ところが、経済企画庁の方は、それは幾ら何でも民間団体のあれから見るとちょっと高過ぎるからまあやっぱり三%くらいかなと、それでも民間団体よりか高いですよ、三%くらいかなと、こういう主張をされたわけです。どうにも話がつかないということで、政治決着で足して二で割って三・三%にしたということが専ら言われているわけです。 どうですか。政治決着でないですか。 〔委員長退席、理事井上裕君着席〕
○政府委員(長瀬要石君) 先生御案内のとおり、経済見通しの策定に当たりましては、昨年十二月の段階で七-九月までのGNP統計が出ておりまして、そのような実績を踏まえながら、しかも循環的な要因のみならずバブル崩壊に伴います資産価格の下落というそういう状況も踏まえまして、さらには内外のさまざまな与件的な状況というものも勘案いたしまして平成五年度の見通しを策定した次第であります。 その過程におきましては、もとより緊急経済対策あるいは総合経済対策が本年年初からその効果を実体経済にあらわしていくという点も十分勘案をいたしまして策定をした次第でございまして、その間にあって、もとより関係省庁との間での調整を経、また経済対策閣僚会議、閣議の御決定をいただくわけでありますけれども、そのような予測を踏まえて政府として御決定いただいたものだと、このように理解をいたしております。
○山口哲夫君 まあ経済企画庁の鉛筆持って計算した人に言わせればそう言わざるを得ないでしょうけれども、こういうことは随分あちこちで言われているんですよね。政府が政治決着をして無理して三・三%にしたんだと。 さっき長官が客観的な判断というよりも政策的なことを当然加味していかなきゃならないと言うんですけれども、私はやっぱり経済の成長率というのは来年度の予算でこういう政策こういう政策を盛ったからその政策が一〇〇%実行されれば大体客観的に見てもこの程度の数字になるであろうという、そういう考え方で出してくるわけでしょう。ですから、そこに政治的な決着がどうしても入るような今のやり方というのは果たしていいんだろうか。 一説には、経済企画庁というのは、これは発展途上国に必要な官庁であって、もうこういうものは大体一九六五年、昭和四十年程度、そのころでこの経済企画庁の任務は終わったんだと、こういう言い方をする方もいらっしゃいます。 私もいきなり経済企画庁をなくしてもいいということまではいかないにしても、むしろこういう非常に日本の経済を左右する国民生活に大きな影響を与える経済成長率というものは、この辺は総理にお聞きした方がいいかと思いますけれども、経済企画庁にやらせるよりもむしろ中立的な機関にやらせた方がいいんじゃないでしょうか。あるいは学会とか専門のところがあるわけですから、そういうところでもっと専門的に科学的に出させた方が国民のためになると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうものが私はたくさんあった方がいいというふうに思います。それはおっしゃるとおりでございますし、また民間ではおっしゃいますようにたくさんの経済見通しが出ております。 それで、私は山口委員のおっしゃっていらっしゃることはかなり真実を言っていらっしゃると思いますのは、政府が経済見通しを立てますときにどういうふうな表現をいたしますか、やっぱりそれによって歳入の見積もりもいたしますし、それからおっしゃいますように全体のそれならばGNPをどういうふうに配分するかというような実際の問題もございますから、これは純粋にアカデミックな見通しをやっておるというのとはおのずからそれは違います。正直を申し上げてそれは違います。そのことを政治的とおっしゃいますならば、各省の間でいろいろ相談をいたしますし調整をいたしますし、悪くない意味で政治的な要素を含んでおります。 ただ、どういう場合にも、経済企画庁としてこれはとてもできないというようなことを最終的な結論にすることはございません。いろんな異論のある中で比較的高目にしておかなきゃいかぬとか低目にしておかなきゃいかぬとか、そういうことは実際に各省庁の間でもいたしますし、また各閣僚あるいは総理大臣にも相談があって決めてまいりますから、そういう意味では、おっしゃいますように民間にアカデミックな研究所があってそこでやっている仕事というのとは確かに性格的に違います。 そういう意味で、先ほど責任がないかとおっしゃいましたときに、責任がないとは申せない。純粋な民間のアカデミックな研究所の発表でございましたらそれはそういう意味での責任はありましょうけれども、政治的な責任というものはあるとは言えない。しかし、政府の見通しはそのようにしてできますので政治的な責任なしとは私は決して思いません。思いませんが、そういう決定の過程でいろいろアカデミックでないと申しますか各省の政策上の要因が入っておりますことは、これはまた事実でございます。
○山口哲夫君 予算の編成をするときにいろんな政策というのは全部出しますよね。そういう政策が当然頭の中に入って、その上で成長率を出すということはそれはわかりますよ。しかし、民間団体だってみんな同じでしょう。政府は来年度予算はこういう政策を盛ってやろうとしているんだと。だからスタートが全部同じですよ。基礎資料もみんな同じですよ。なぜそんなに違うんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) この辺から専門家にかわった方がいいのかもしれませんが、普通の場合、民間の成長率の見通しというのは大体十月とか十一月ごろ、その辺に出しておりますけれども、政府はかなり遅くまで作業をして出しておりますので、その点が一つの違いです。もう一つ、これも正直を申し上げて、政府の見通してございますからやはり政策努力というものを勘案しております。 そういう意味では、全くアカデミックな仕事とばかりは申せないので、こうありたい、こういうふうにいくべきだという、できないことを言ってはなりませんけれども、そういう政策的な努力要因はかなり入っておりますから、そこが民間の見通しとはやっぱり違っておると、正直を申し上げてそういうことは辛さなきゃならないと思います。
○山口哲夫君 民間団体がそういう試算をする段階では、政府の来年度に対する大体の大まかな方針というのはほとんど出ているんですよね。ですから、そういうことから計算していきますと、私は、スタートは同じでしょう、なのにこういうふうに違うということは政治的過ぎるんではないかということを言っているわけです。私は三・三%の達成は、今の政策では、この予算ではまず無理だろうと、そういうことを申し上げておきます。 それで、次に個人消費、二番目の民間最終消費支出、これは二・八%。昨年は一・五%に修正しております。こんなに約倍近くなるんでしょうか。
○政府委員(長瀬要石君) 御指摘いただきましたように、実質で二・八%という個人消費の見通しとなっております。 最近の消費の動向につきましては、御案内のように、所得面からいたしますと、時間外労働がかなり減少しておりまして雇用者所得の伸びが低下しておりますし、また、所得の中からどれだけ消費に振り向けるかという消費性向につきまして、実はこれが昨年夏までの株価の急激な下落ということもありまして逆資産効果が働いているということでありますとか、あるいはまた耐久消費財のストック調整が進んでいるということでありますとか、そして消費者のマインドがかなり冷えてきたということで、消費性向が相当低下をしたという、それが去年からの状況かと思います。 しかしながら、平成五年度ということを考えてみますと、物価につきましては、本年三月消費者物価で一・二%という大変落ちついた状況にあるわけでありますが、そういう中で所得という面からいたしますと、三年、四年と大幅に減ってきております時間外労働も緩やかな景気の回復とともに徐々に増加の方向に転ずるという可能性がかなりあるわけでありますし、また、消費性向という面からいたしましても、このところの株式市場の動向にもうかがえますように金融資産の伸びの回復に伴いまして逆資産効果が次第に薄れていくということでありますとか、あるいはまた、長きにわたりますストック調整が家計の中でも徐々に緩和していくということでありますとか、そしてまた、そういう中で消費者のマインドも徐々に好転をしていく。 こういうことを勘案いたしますと、一・五というのはこれは第一次石油危機の一・四とほぼ匹敵する低さでございますけれども、それに比べれば高まっていく、二・八程度という見通しは達成不可能ではないものではないかということを考えております。
○山口哲夫君 長官、何とか達成はできるだろうとおっしゃるんですけれども、全国勤労者世帯の家計収支というのが前年比でずっと表になっております。これは配付いたしておりませんけれども、それを見ますと、消費支出というのは、昭和六十三年度が三・三%ですよ。その後、元年が〇・七、二年が一・六、三年が〇・九と、そして四年度が〇・五まで下がっているんですよね。二・八、この状態でいっていきなりその三倍以上にはね上がるかどうなのか、非常に疑問ですね。しかも、平成四年度の一月からずっと十二月まで見ますと、六月なんかはマイナス三・四ですよ。十月もマイナス〇・七、十二月に至ってはマイナス二・六ですよ。月々の家計収支の消費支出がこんなに下がっているんですよ。 で、可処分所得を見ますと、この平成四年度は消費支出と同じように実質〇・五しか伸びていない。なぜ〇・五しか伸びないかというんです。非消費支出というのはこれは税金のことでしょう。税金が前年度は四・五の伸びなのに対して、四年度は六・一もふえているんですよ。毎年毎年税金がどんどんふえるからこの可処分所得というのが減るというのは、これは算術計算でも出てきますわね。 ですから、こういうことからいきますと、今までの消費動向をずっと見ておりまして、消費支出を眺めてみますと、税金が減税しないわけですから、どんどんふえていくんですから、逆に可処分所得が減っていくというのは当たり前ですよね。消費支出が減っていくんです。ですから、私たちはこの消費支出を上げるために、可処分所得を上げるためには、これはやっぱり所得税減税をせざるを得ないだろうと言っているわけです。これはまた後ほどやりますけれども、そういう状態にあるということ。 それからもう一つは、先ほどお配りしましたこの平成四年、五年の経済見通しの上から三番目、民間最終消費支出の実質というのが、政府は二・八というけれども、各研究機関は第一証経研一つだけが三・一で、あとは全部政府よりも低い。こういうことから見てもこの二・八の個人消費はまず無理だというふうに思いますけれども、長官の見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(船田元君) お答えいたします。 先ほども政府委員からその見通しの根拠につきまして御説明申し上げたわけでありますけれども、私自身としましても一確かに所得面におきましてはやはり時間外、所定外の給与、いわゆる残業手当のようなものが非常に急激に景気の低迷を反映して減ってきた、こういう要素があったかなというふうに思っておりますが、今後の五年度予算の効果あるいは総合経済対策の効果、これがもう既にかなり経済の実態にいい影響を与えつつあるという状況でございますし、その状況はさらに平成五年度に入りましてからかなり両方の効果が重なって出てくるというふうに考えております。そういたしますと、所定外の労働の割合がまた回復をしてくるということは十分に考えられるわけでございまして、雇用者所得の伸びがやはり五年度に入りますと大分高まるんではないか、このように理解をしておるわけでございます。 またもう一つは、これまでの景気の低迷の大きなもう一つの要因であったのは、やはりストック調整と同時に資産デフレということがあって非常に民間においても消費を行うということに対するマインドが非常に冷え込んでいた、あるいは企業家にとりましてもいわゆる設備投資をやろうというその意欲がバブルの崩壊ということをもとにしたマインドの冷え込みということでかなり冷えていた、しかしそれがやはりもうそろそろ一巡をいたしましてそのマインドもだんだん前向きになっていくのではないか、こんなようなことも私どもは十分に考えられるということでございまして、二・八%の消費の伸びということは、決して私は無理な数字ではないなというふうに思っていますし、今後の経済運営をきちんと政府としてやっていくということであればその数字の達成は可能であると、私はこのように理解をしております。
○山口哲夫君 公共事業だけでそんなに消費がふえるとは私は思っておりません。また、やっぱり公共事業というのは非常に長い期間たたなければ実際の効果というのは出てこないわけですから、そういう点では五年度の消費支出をどうしても伸ばしていこうとしたら、それはもう直ちに影響の出る所得税減税しか私はないだろうと思うんです。それは後ほどやりますけれども。 もう一つ、住宅です。政府の出しております民間住宅二・五%、去年ですね。それを今度五年度では何と七・一%にするというんですね。こんなにふやして果たしていいんだろうかな、やれるんだろうかなと思うんですがね。 建設大臣もおいでですけれども、これは日経の三月二日の新聞です。「建設省が一日発表した建築着工統計によると、一月の新設住宅着工戸数は前年同月比〇・九%増と、かろうじて昨年の水準を上回った。」、しかし「「建設省では「回復傾向に陰りが出ている」と指摘している。」と、二月には前年同月を下回る可能性もあるんだということを述べて、住宅着工は必ずしも伸びないんじゃないだろうかというふうに言っております。 それから、三月の月例経済報告によりましても、これは景気は依然低迷して住宅建設の伸びも鈍化するだろうというそういう予測さえされているわけですけれども、いかがでしょうか。これ七・一%も民間住宅が伸びるんでしょうか。
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。 平成五年度の経済見通しにおいて平成五年度の民間住宅見通しを名目で二十六兆四千億、対前年度比九・七%増、実質で対前年度比七・一%増とされているところでありますが、最近の住宅着工はそのテンポが緩やかになってきているものの回復の基調にある、このように認識しております。 経済見通しにおける七・一%は、我が国経済を内需を中心とするインフレなき持続可能な成長経路に円滑に移行させるために必要な民間住宅の投資見通しと考えられており、建設省としては、五年度に公庫融資の貸し付けの増額あるいは制度の拡充、ローン減税、居住用財産の買いかえ特例の拡充等々を行いまして、住宅建設の着実な推進のために最善を尽くしていきたい、このように考えております。
○山口哲夫君 建設大臣、建設に従事する職員、従業員、労働者ですね、これは労働省からきのういただいたんですけれども、有効求人倍率が十二月は三・八七、その前は四・一二、物すごく建設労働者が不足していますね。これは全体は九三年の一月調査によりますと〇・九三です。ですから、若干労働者が余るという程度でしょう。しかし、建設労働者に限っては十二月で三・八七倍ですよ。こんなに建設関係の技術者、技能者、とび職とかああいう方々が足りないんですよ。特に建設関係、公共事業を物すごくふやしたと言うんですけれども、本当に労働者を吸収して一〇〇%を達成できるんですか。
○政府委員(三井康壽君) ただいま建設労働需給の関係で御質問でございます。 私どもの住宅着工は、マンション系のいわゆる鉄筋コンクリート関係と木造あるいはプレハブ住宅、二つに大きく分かれるわけでございます。そこで、プレハブ系統あるいはツーバイフォー系統につきましては生産の合理化が進みましてかなり労働力が少なくて生産の供給ができるという体制になっております。一方、RCそれから木造関係につきましては確かに技能者を含めまして不足がちでございます。さらに老齢化しているという状況でございます。 ただ、私どもはいろいろ民間の企業体とのヒアリング等によりまして、この住宅着工につきまして来年度につきましては十分にその現場におきまして価格をそう高騰させることなく施工し得るというふうなことを言われる方が多いというふうに認識しておりまして、いずれにいたしましても、この七・一%といいますか、あるいは住宅着工戸数というのはそれなりに平成五年度につきましては伸びてくるというふうに思っておりますし、労働力につきましてもそれを吸収できると考えております。
○山口哲夫君 どうも余り根拠ないですね。あと十六分しかないんで、所得税減税を中心に議論したいと思います。 民間設備投資についても同じようなことが言えるんですけれども、そこで、大蔵大臣にお聞きしますが、大蔵大臣は今までの国会答弁で一貫しておっしゃっていることは、所得税減税をやっても大部分貯蓄に回るんだ、こう言っておりますね。いまだにそういうお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(林義郎君) 所得税減税、私は減税というものはどうかと言われれば、たびたび繰り返して申しましたように、いろんな問題がある。一兆円なら一兆円出しまして、それがすぐにそのまま回るなら別ですけれども、恐らく今相当に貯蓄に回るんじゃないか。こういうふうな状況にある以上は、そういうことになるんじゃないかなということは一つも変わっておりません。
○山口哲夫君 そういうお考えは、恐らく大蔵省あるいは経企庁あたりの考え方が反映されているんじゃないかと思います。それは、世界経済モデルという方式を使って計算したわけでしょう。どうして産業連関表の方式を使わないんですか。 お手元に配付させていただいた一番最後です。これは日本総合研究所が昨年の十一月ころ出した論文「九三年度わが国経済の見通し」からとったんですが、その中に、産業連関表を使って、例えば一兆円を仮定して、公共投資をやった場合と、それから所得税減税をやった場合にはどういうような影響が出てくるかということです。 これを見ますと、左の一番上、生産誘発額が所得税減税の場合には一兆四千三百億と言っているんです。大蔵大臣が言っているように所得税減税をやっても五千三百億円より誘発額はふえないというのと随分違います。一兆四千三百億もふえると言っているんです。公共投資は確かにふえますけれども、一兆五千六百億です。それから増加労働者数、これは所得税の減税一兆円やれば十四万三千五百人ふえる。公共投資は、これは所得税減税よりも少ないですね、十三万五千二百人だということになっているわけです。 そのグラフになったのが下の表ですけれども、白いのが公共投資、黒いのが所得税減税をやった場合です。それを私なりに右の方に数字を当てはめてみたんです。約という形でやってみました。そうしますと、業種別生産誘発額というのは公共投資の場合と所得税減税の場合とはっきり違うのは、公共投資の場合には建設業と製造業にだけ非常に大きくあらわれているということがわかります、六千六百億、五千七百億。ところが、所得税減税をやった場合には、右の方に出ておりますように製造業三千七百億、サービス業三千二百億、一つ飛んで金融・保健・不動産業二千三百億、卸・小売業一千八百億、その他二千三百億。非常に多くの業種に生産誘発額というものがあらわれていくということはやっぱり認識する必要があると思うんです。 それから業種別増加労働者数、これは公共投資の場合には確かに建設業や製造業にはふえております。卸・小売業にも一万人以上ふえる。しかし、所得税減税をした場合においては、製造業が二万六千、サービス業が四万五千、卸・小売業が三万三千、その他が二万五百というように、これまた非常に多くの産業にわたって労働者の雇用がふえてくる。 ということから考えれば、産業連関表によれば、これは明らかに所得税減税というのは大蔵大臣がおっしゃるよりも大変な大きな効果というものが出てくるということが言えるんでないんでしょうか。どうでしょう。
○国務大臣(林義郎君) 先生御指摘のように、世界経済モデル、乗数効果のモデルと生産誘発額のモデルとありますが、私から申し上げたいのは、その生産誘発額というものと乗数効果で出てくるものと物の考え方がちょっと違うんだと思うんです。 生産誘発額のモデルの方はいわゆる産業連関表でありまして、一つの産業がこうあって、この産業の生産がこうふえたならばもちろんそこの労働者はふえますね。それから資材の購入もふえます。しかしながら、同時に別の産業に及ぼす、例えば建設業がふえたならば今度は鉄鋼業がどれだけふえますか、鉄鋼業がふえたならば今度は工作機械工業がふえます、こういうふうな形のいわゆる産業連関ということに着目をしてやった数字なんです。したがいまして、一時的な話しか実は出てこない。 それから、一方の乗数効果というのは、建設業がやりましたら、建設業がいろいろ労働者もふえるでしょう、給与も払えるでしょう、それから、それがさらに今度は食費になって出てくる、あるいは建設労働者がいろいろな物を買います、あるいはそういったものがずっとつながってくるという形での計算方式でございますから、計算方式が違うんだろうと思うんです。 したがいまして、全体の消費支出何だということになってきますと、いわば産業にこう関連をしたようなもので見るよりは、やっぱり今あるところの乗数モデルでやった方がより正しいんではないかというのが考え方でございます。 あと詳しく政府委員の方から数字等につきまして御説明をさせたいと思っております。
○山口哲夫君 いいです。長くなるからいいです。 そういういわゆる世界経済モデルのあれを使ってやったのがありましたら後ほど届けていただけませんかね、なかなか出したがらないんですけれども。 それから、産業連関表は全然使っていないんですか今回は。所得税減税について全然使っていないのかいるのか、その返事だけでいいです。そこだけでいいですよ。使ったか使わないかだけで、時間がないから。
○政府委員(濱本英輔君) もちろん産業連関表というのは政府部内に存在いたしますので、そういうものを活用して研究するということはできるかもしれませんけれども、ちょっと一言だけ言わせてください。 大臣が先ほど申し上げましたように、何のために何の作業をしておるかということでございまして……
○山口哲夫君 いや、今回やりましたかと聞いているんです。
○政府委員(濱本英輔君) こちらの作業にとってはこの計算方法の方が適していると思っておりますので、ほかの計算方法に基づく計算はやっておりません。
○山口哲夫君 どうも政府というのは自分の都合のいいときには産業連関表を使うんですよ。それで、今回のようなこういう都合の悪い結論が出るなと思えばこれは使わないんですよ。私は、両方やってみて一体どっちが正しいんだろうかということは大いに議論するべきことなんですよ。そういうことをやらないで、終始一貫モデル方式でもって、余り効果がないんだ、貯金に回ってしまうんだということだけで片づけるというのはちょっと私は不親切だと思います。 そこで、これは私たちだけが言っているんじゃないんですね。主要企業百社の経営トップの方に景気アンケートの調査をやったら、六割を超える企業のトップの人たちが、所得税減税はやるべきである、こういう意見が非常に多いということですね。経済のいわゆる現場の責任者の人たちもそういうことを言っているわけですね。ですから私は、やっぱりここで所得税減税、当然これは今後検討するべき課題ではないのかと。本来であれば、当然こういうことはわかっているわけですから当初予算に私は持ってくるべきだと思うんですよ。それをなぜ当初予算で組まなかったのか。その辺は私は非常に疑問なところです。政府のこういう考え方が日本の経済界を混乱に陥れる、そういう引き金にもなってしまうと思うんですよ。なぜ当初にそういう考え方を持ってこなかったんですか。それじゃ、今後一切そういう減税政策はやらぬということですね。
○国務大臣(林義郎君) 当面の予算につきましては、不況に配慮した予算、こういうことでございまして、不況に配慮したときにどんな金をどういうふうに使ったならば一番よろしいだろうかということでやったわけでありまして、昨年八月に策定されました総合経済対策以来、費用効果の問題を考えますならばいきなり減税をするよりは公共事業でやった方がより景気回復への効果が高いであろうという観点でやってきたわけでございます。 なぜ減税をしないかと、こういうことになりますけれども、減税の問題というのはやはり全体の税制をどう考えていくかという一つの問題を考えなければなりません。先ほどちょっとお話し申し上げましたように、全体としては、日本の所得税の水準というのは国際的に見ても相当いいところの水準というか、課税最低限も相当高いところにきておるわけでありますから、外国の人に聞いたら、それだけ高いところまでいっているのかねと、こういうことを言われるような話でございますし、私はそういったことを考える。また、それならば後の方を一体どうするかというようなことをいろいろ考えたときには、やはり所得税減税というのは今は不況対策としては劣後に置かれるような話ではないだろうかな、こう思っておるところであります。 言いますけれども、税金はすべて国民の負担でありますから、その負担をどういうふうにしてやっていくか。それは、増税するよりは減税した方がいいというのは国民的な期待ではあるだろうと思いますよ。しかしながら、一体国の財政をどう賄っていくか、また将来にわたって国民の負担をどうしていくかというのは、常に全体の問題として考えていくことが必要だろう、私はこういうふうな考え方でおることを申し上げておきたいと思います。
○山口哲夫君 時間があればそこも議論をしたいところです。すぐ財源の話をするんですが、私たちに言わせれば、当然こういう不況の時代で税収が少なくなってきている、財政そのものを立て直さなきゃならないというときに、なぜ大蔵省が根本的に財政の再構築、それを考えないのかと言いたいんですよ。 例えば、いろんな優遇税制がありますでしょう。私は大蔵省に、引当金の関係だけでも一度議論をしてみたいと思って資料をもらったんですが、これ見て驚いたんです。大蔵省のこれを見ておりますと、引当金の残高というのが物すごくふえておりますね。貸倒引当金の残高というのはもう四兆七千億ですよね。賞与引当金に至っては八兆一千億、退職給与引当金に至っては十二兆七千億という、これだけの残高があるわけでしょう。きょうは時間がないからやりませんけれども、こんなのは当然もう整理しなければならないというふうに言っているんですよね。 かつて七年前、私、初めて国会に出てきたときに、ちょうど大蔵省がその当時、銀行なんかの引当金法定繰り入れ率〇・三%を、当然これはもう貸倒実績率〇・一%なんですから、その込もう少し直さなきゃならないというふうに動いたことがあるんですよね、大蔵省がやろうと。そうしたら、当時は宮澤さんが大蔵大臣、それから中曽根さんが総理大臣のときかな、銀行協会の人たちが物すごく、総理大臣、大蔵大臣、税調会長が山中さんだと思ったんですけれども、随分そこにお百度参りをして、とうとう現状維持でもって押さえたという経過があるんですね。それ以来、もう七年にもなっていますよ。しかし、そういうことをやっぱり改めなきゃならない。 例えば税務調査だってそうですよ。これは今、国税は七年で時効でしょう。七年に一回やっているかといったら、全然やってないでしょう。実際に調査しているのは七・二%くらいですよ。そういうものを七年に一回だけでもきちっとやるならば、今実際に実調の結果七千億くらいの収入が上がってきているんですから、不正の脱税を挙げているんですから、当然これを七年に一回くらいやれば、単純計算すると一兆四千億くらい入るわけですね、新しいものが。だから、この際そういうこともきちっと改めたり、いろんな政策、財政構造というものを基本的にやっぱり改める時期に来ていると思うんですよ。 〔理事井上裕君退席、委員長着席〕 そういうことをやらないで、減税をやるとすれば金がないんだからというそういう簡単な片づけ方というのは私は無責任だなというふうに思いますね。ぜひひとつ、所得税減税はこれだけの効果があるということが科学的にも立証されているんですから。確かに公共事業が悪いとは言いません。しかし、大蔵大臣がおっしゃったように、公共事業をやれば回り回ってその影響が出てくるんだというけれども、回り回ってとは一体それじゃ何カ月なんですか。一年なんですか、二年なんですか。国民はそんな長い間食わないで待っていられないですから、やっぱり即効性のある所得税減税をやるのが一番いいんじゃないんですか。私はそういう点で、もう一度やっぱりこういうことをきちっと考えるべきだったと思います。どうですか。
○国務大臣(林義郎君) 今お話がございましたように、税制の問題につきましてはいろいろな点を考えていかなければならない。私もそれはそこまではそうだと思いますが、全体としてどういうふうにしてやっていくか。個別個別の問題を取り上げていきますと、やっぱりそれぞれの理屈があると思うんです。例えば賞与引当金、これにいたしましても、次のときの賞与のために蓄えておかなければならない、どんな形になるかわからない、こういうふうな話があります。退職給与引当金にいたしましても、会社をやめる人にやはり蓄えをしておかなければいざ払うときに困る、こういうことになるわけでありまして、それを安易にいじるということはどうだろうか。 全体のものの中で考えていくということが私は必要のように思っているところでありまして、そういったことを考えながら、税制の基本問題というのは私は議論をしていかなければならないんじゃないかな、こう思っているわけであります。むしろ、そういったようなことで、当面すぐにそこをいじって減税財源を出したらどうかというような考え方というのは、税全体の考え方をやはり正しく持っていくということの方がむしろ必要でありまして、そういった意味で私は所得税減税で安易に赤字国債を出すというのはどうだろうかなというふうなことを申し上げておるところでございます。
○山口哲夫君 時間ですから、終わります。
○委員長(遠藤要君) 以上で山口君の質疑は終了いたしました。(拍手)
○委員長(遠藤要君) 次に、猪熊重二君の質疑を行います。猪熊君。
○猪熊重二君 最初に、金丸前議員のやみ献金の問題についてお伺いします。 まず法務省にお伺いしますが、三月十四日と二十六日の起訴によって一応金丸前議員の脱税事件の捜査は終了したというふうにおっしゃっております。しかし、こう見てみますと、この二回の起訴によって昭和六十一年から六十二年、六十三年、平成元年分、これについての脱税は起訴されているんですが、あと平成二年、三年、四年分について何にもお話がないんですが、この平成二年から四年分についてはどういう状況になっておるんでしょうか。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 検察当局におきましては、今委員が御指摘になられました平成二年分等につきましても必要な捜査、検討を行ったわけでございますが、公訴維持ができるような所得税法違反の事実を確認するには至らなかったわけです。総合建設会社や山梨県内の建設業者等からの資金を原資とする所得税法違反事件の捜査はおおむね終わったものというふうに聞いているわけでございます。
○猪熊重二君 そうすると、やみ献金はあったけれども脱税として起訴することはできなかったと、こういうことなんですか。それとも、やみ献金はなかったということなんですか。 というのは、新聞報道等を見れば、当然に平成二年、三年、四年はやみ献金がないなんてことは通常考えられないし、また平成二年からになって急に人がよくなってそういうやみ献金をもらわなくなったなんていうことはあり得ない。いわんや、総理が去年の一月に副総裁にしてますます箔がついたんですから、金額がもっとふえることはあっても減ることはないと思う。だから、所得税法違反として起訴することにはならなかった、要するにもらったにはもらったけれどもほかに使ったと。 どういう理由でともかく所得税法違反にならぬのか、あるにはあったのか、その辺もう少し明確にしてください。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 これはもう改めて申し上げるまでもないことでございますが、脱税事件の捜査につきましては、一般的に申し上げまして、所得税法等直接国税逋脱事件における対象年度の所得を確定する立証方法としましては損益計算法と財産増減法という方法があるわけでございます。損益計算法による場合も、その方法で算出された所得に見合うような簿外資産が確認できないときはその公訴維持は困難であると理解されておるわけでございまして、被疑者の資産全体にわたる捜査が必要になるところでございます。 本件の脱税事件の捜査におきましては、その両方の立証方法を念頭に置きまして平成二年分等につきましても必要な捜査、検討を行ったわけでございますが、公訴維持ができるような事実を確認するに至らなかったというふうに聞いているわけでございます。
○猪熊重二君 所得税法違反としては立件できるほどのことにはならなかったと。 それじゃ伺いますが、それ以外の政治資金規正法違反とか何らかの形での犯罪捜査というふうなことはやったんですか。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 検察当局が大手建設会社の事務所等を捜索いたしまして多数の証拠物を押収したことは事実でございます。 ただ、これは改めて申し上げるまでもないことでございますが、具体的事案における犯罪の成否ということは、捜査機関が捜査によって収集した証拠に基づいて判断すべき事柄であることは申し上げるまでもないところでございます。これまでのところ、先ほど申し上げましたように、御指摘のような犯罪について訴追すべき嫌疑が認められたという報告には接していないということでございます。
○猪熊重二君 どうも説明を受けても納得できない。 要するに、平成二年、三年、四年と、この三年間についてこういうふうなやみ献金があったのかないのか、あったけれどもそれはまたずっと回しちゃったから所得税としては課税されないのか、回したけれどもそれが政治資金規正法の違反にならぬような指定団体をつん潜らしてやったからならぬとか、もう少し国民にわかるようにやってもらわなければ一番直近のやみ献金について全くやみだということになってしまう。もう少しここのところを国民が納得できるように、平成二年からあなたは悪いことをしていなかったのか、ああそうかと、わかるようにもう少し明確に説明してください。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 先ほども申し上げましたように、平成二年分等につきましては、いろんな立証方法等を念頭に置きまして必要な捜査、検討を行ったわけでございますが、公訴維持ができるような事実を確認するには至らなかったということでございます。 公訴提起をしなかった事実関係についてのお尋ねにつきましては、これはお答えを差し控えさせていただいているわけでございまして、従来からそういうお取り扱いをいただいていると承知しているわけでございます。
○猪熊重二君 それは、犯罪にならないから、だからこの件はいろいろ捜査したけれども国民にはないしょだというふうなことは、一般国民の場合ならともかく、政治家の場合にはそれは許されないと私は思うんです。要するに、一般国民の場合には、いろいろ捜査したけれども結局犯罪にならぬかったからこれ以上言うのはその個人の名誉にかかわるとかいろんな問題はあるけれども、あなた、何億というふうな脱税をしていて、その金が入ったか入らぬかいろいろやったけれどもだめだった、もう少し国民にわかるようにしてもらわなければならぬ。 いずれにせよ、この金丸さんの問題については、先ほど穐山委員の方からもお話ありましたように、捜査報告をまたいただいたときにいろいろ検討させていただきます。 じゃ、平成二年以降四年までの分は仮に別にしておいて、前回起訴したこの分が、今回何でこれが政治資金として認定されて、そして雑所得と認定されたのか。ということは、もっと逆に言えば、こんなにやみにつん潜って授受される金は、これはもうよく言って贈与、悪く言ってわいろと認定するべきが当然だと思うけれども、何がゆえにこれは政治資金として認定されたのか、法務省と大蔵省、両方お伺いします。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 検察当局におきましては、関係者の取り調べや証拠物の検討等所要の捜査を行った結果、金丸前議員に対しましては大手建設会社やあるいは山梨県内の建設業者らからの資金の提供があったという事実が認められた。これが所得税法上の雑所得に当たるものであるわけでございまして、そういう判断をしたものというふうに承知しているわけでございます。 委員は、政治資金という前提でお尋ねになられたかと思うわけでございますけれども、今申し上げましたように、検察当局の認定は所得税法上の雑所得に当たるという認定をしているわけでございますけれども、その具体的な認定根拠につきましては、これはまさに今後の公判における立証事項とも関係するわけでございますので、現時点で立ち入ったお答えはいたしかねるわけでございます。
○猪熊重二君 全然答えになってないじゃないか。雑所得にするのは何で雑所得になるんだ。贈与にならぬでなぜ雑所得になるんだといった場合に、これは政治資金だから雑所得なんです、雑所得として認定したんだと。政治資金だ政治資金でないということは関係ないというんだったら、話は道なんだ。 じゃ、なぜ贈与に認定しないんです。何の義務もなしにただいただきといってもらうのは、これは贈与だ。
○政府委員(濱邦久君) 検察当局の認定は所得税法上の雑所得に当たるというところは先ほど申し上げたとおりでございます。それから、委員がおっしゃっておられますように、いわゆる政治資金が雑所得の一種であるということもそれは事実そのとおりでございます。 これはもう改めて申し上げるまでもなく委員も十分御案内と思うわけでございますけれども、雑所得と申しますのは、これは所得税法三十五条一項によりますと、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも属しない所得をいうものとされているというふうに理解しているわけでございます。 先ほど私がお答え申し上げましたのは、検察当局におきましては所得税法上の雑所得に当たるという認定をいたしますという判断をした、今委員ちょっとお触れになられました相続税法上の贈与ではないという判断をしたものと承知しているわけでございますけれども、その具体的な認定根拠につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、今後の公判における立証事項とも関係するわけでございますので現時点ではお答えを御遠慮させていただきたいというふうに申し上げたわけでございます。
○猪熊重二君 だから、まずいただいた金が所得税法上の所得だと。じゃどれに当たるかといったら雑所得だと。そうじゃなくて、いただいた金は所得税法上の問題なのか相続税法上の贈与税の問題なのか、これをまずどっちへ行こうかといって振り分けるのは、政治資金だからこっちへ持ってきて、こっちだから雑所得と、こう行ったんだろうと言っているわけです。これをやっていると時間がないからやめます。 昭和六十一年のやみ献金に対する課税はまだ時効になっておらないはずですが、これについては課税をする予定ですか、どうでしょうか。
○政府委員(瀧川哲男君) 一般論として申し上げますが、昭和六十一年分というのは、刑事訴訟法上脱税にかかわる公訴時効、これは犯罪行為が終わったときから五年ということで成立しますということで、時効が到来しているものについては当然のことながらマル査、査察の調査対象とはしていないということでございます。 査察につきましては以上のとおりでございますけれども、課税上は偽りその他不正の行為によって税額を免れた場合には、確定申告期限から七年間更正決定をすることができるということになっております。私どもといたしましては、課税上問題があると認められる場合には、更正決定をすることができる期間ということも十分に念頭に置きまして適正な課税に努めていきたい、かように思っております。
○猪熊重二君 要するに、昭和六十一年分は公訴提起はできないけれども、課税はできる。ともかくできるだけ取ってもらわなければいけない。 この金丸事件については、先ほど穐山委員からもお話がありましたように、もう全部終わったなら最終報告だし、政治資金なりなんなりほかのものがあるからまだ中間報告というなら中間報告、いずれにせよ文書にして当委員会に報告していただくように、委員長にまた理事会でお諮りいただきたいと思います。 次に、政治改革の問題についてお伺いします。 総理に、各党協議会だとかどうとかそういうことを抜きにして、総理御自身の政治姿勢の問題として、今から政治資金規正法を改正する場合にこういうことはどうだろうということを私が一つずつ申し上げますから、総理自身が嫌なら嫌だとかいいだろうとかお答えください。 まず、政治家個人の献金受領を禁止することはいかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 政治家個人間の献金を禁止すること、これはまず公私の別をきちっとするという見地から申しましたら政治家個人は政治資金を取り扱わない方がいいと思います。そういう意味では、政治家個人が寄附を受けることは禁止することが適当ではないか。これによりまして政治家間の寄附も禁止されることになる。そう考えるのが私はいいのではないかと、個人の意見はどう思うかとおっしゃいますので、個人としてはそう思います。
○猪熊重二君 それでは次の問題としては、企業、団体の政治献金の禁止についてはいかがお考えですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは以前にもお答えを申し上げたことがあると思いますが、企業も社会的な存在でありますから企業献金というのを一概に否定すべきものではないと思いますが、節度はなければならないということを申し上げました。 そこで私、私どもと申し上げてもいいかもしれません、選挙というものを政党中心にやっていきたい、政策中心にやっていきたいということになりますと、政治資金も政党を中心に考えることが妥当であろう。と申しますことは、そういう意味では公費助成というようなことを実は考えているからではございますけれども、したがって資金調達団体に対する少額のものを除いて企業、団体の献金はやはり政党に限るというふうに考えていくのがいいだろうと思います。
○猪熊重二君 いろいろ聞こうと思ったんですけれども、時間の関係で……。 いずれにせよ政治改革について宮澤総理は御自身の立場でもっと旗幟鮮明に頑張ってもらいたい。 というのは、本日付の読売新聞の世論調査によれば、総理もごらんになったと思いますけれども、政治改革が進まない最大の原因を一つだけ挙げてくれといったら、総理の指導力が不足しているからだという方が二八・三%いるというんです。総理が自分からどんどん頑張っていくという姿勢が見えないと二八・三%の国民が言っている。それから、自民党が熱心でないからというふうに答えた人が一九・二%いる。総理と自民党を合わせると四七・五%の人が政治改革は総理、自民党の原因によって進んでいない、こう言っているんです。だから、ともかくこの政治改革をきちっとやっていくことについて、総理が主導権を発揮してやっていただきたいということを本当に心から切望しておきます。 それで、自治大臣に伺いたい。 今、各党で政治資金規正法改正についていろいろ検討しています。それで、何とかともかく今のような状況を脱却しようと、細かい内容は申し上げませんけれども。ただ、幾ら現在ある政治資金規正法をここをいじりあそこをいじって直していても、今度の金丸さんみたいに政治資金規正法という法律の下をつん潜っていってもらったりやったりしている、これについてはもう政治資金規正法は全く無関係なんです。無力なんです。だとしたら、いかに政治資金規正法を改正してもだめだとした場合の裏の方の金のやりとり、政治資金という名目の金のやりとりを実質的に何とか規制するというか処置するためにはどんなことが考えられるか。所管大臣としてどうお考えになりますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 猪熊委員の御質問にお答えいたします。 今、総理が全体的な展望をはっきり申し上げたわけでございますが、昨年の十二月に各党の合意に基づいて政治資金規正法が改正をされました。そして寄附の量的制限違反につきまして禁錮刑が導入されたんです。それとともに違法な寄附の没収などの措置が講じられまして、法の規制強化が行われたところでございます。したがって、昨年十二月以降の規制は従来よりずっと強いものになっております。 さらに、御質問にありました、現在自民党や各党での選挙制度及び政治資金規制制度の抜本改革について、その法案化に向けて今最終的な非常に熱心な議論が行われておるというふうに承知しております。また、これは過日社会党及び公明党におかれましても抜本改革案の要綱が公表されたところでございます。 自民党案及び社会党、公明党案のいずれを見てみましても、政治資金規制制度について公私の峻別を徹底する、透明化の強化、罰則の強化など厳しい改正内容が盛り込まれておりまして、これが今後各党間で協議をされ、いよいよ法律改正が行われるということになれば、猪熊委員が御指摘になられたようないろいろな御心配が一挙に解消する方途があるのではないか。私どもはぜひそういった各党協議の結果を出していただいて立派な成案を見たいと、このように念願をしておるところでございます。
○猪熊重二君 今の答弁は私の質問と全く無関係なことを言っておる。 私は質問通告するときも言っておいたんですが、政治資金規正法をいかにどのようにいじったとしても、それを無視して下をつん潜る、要するにやみの問題をどうするかということを所管大臣として考えて答弁してくれと、こう言っている。 あんな政治資金規正法を幾ら各党でいろいろやったりなんかしたって、それを無視する者をどうするかという問題については、これは要するに政治資金は政治資金規正法の規定によって授受されるもの以外は政治資金として認めないということなんです。そういうふうに認めないとしておいた上で、それにもかかわらず政治資金名目で授受した金は収賄の賄賂か、あるいは先ほど申し上げた相続税法上の贈与だということにして、政治資金の枠からほっぽり出すということにしなきゃだめだろうと。ただ、これ、立法的にいろいろ難しい問題はあるんですが。 そういうふうにでもしなきゃ政治資金規正法で何やったって、たまたま今回は見つかったからいいけれども、見つからなきゃ幾らでも動いている。動いているのが見つかったときにも処置のしょうがない。政治資金規正法では処置できないから所得税法違反ということでやっているだけなんです。その辺のことを所管庁の自治省としてはもう少し実のあるものを考えていただいたらどうだろうかと、こういうことで御質問申し上げたんです。 次の問題に移ります。 ゼネコンに対する建設省の対応についてお伺いします。 まず、中村建設大臣はゼネコンの献金リストに掲載されている、これは私は調査してみると、こうおっしゃいましたが、調査した結果このゼネコンの献金リストに該当するような献金があったのかなかったのか、あったとしたらその金額、これをお伺いしたい。
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。 建設業界を含む企業からの献金についてはこれまでも適法にやってまいりましたし、また私の信条として薄く広くという考え方で政治活動をやってまいりました。この点につきましては建設大臣としての現在も、またこれからも変わらないという基本的な考え方でございます。 そして、御指摘をいただきました建設業界を含む企業からの献金については、調査し報告を受けた結果、複数の企業から献金を受けているということでございましたが、いずれも政治資金規正法等により適正に処理されているという報告を受けました。 なお、報道されました清水建設のランク表については、私としては全く関知しておりませんのでコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○猪熊重二君 建設大臣、ゼネコン十八社という新聞報道ですけれども、十八なのかちょうどなのかほかにあるのか知りませんけれども、このゼネコン十八社に対して、共謀によるやみ献金の問題とか請負代金の一-三%の上納金の約定、履行とかいうことが報道されていて、これは非常に重大な問題。だとしたら、建設業の許可を与える立場としての建設大臣においてこのゼネコン十八社に対しての調査、いろんな業務調査を行いますか、どうしますか。
○政府委員(伴襄君) 今おただしの件でございますが、ただいまのところ建設業者の行為に対しまして具体的に法的な判断が下されてない段階であるわけでございます。したがいまして、例えば建設業法上の監督処分というようなことにはまだ至らない段階でございますので、それを前提とした調査というようなことをまだやれる段階ではないと思っております。建設業法においては、その業務に関して他の法令に違反して建設業者として不適当であるときには監督処分ができる、こうなっておりますので、その事実関係が明らかになった時点で判断したいと思っております。 ただ、今回の件は国民の大変厳しい批判を業界は受けているわけでございます。その信頼回復を早急に図るという必要性も高いこともございますので、建設省といたしましては、その建設業法上の監督処分というようなことを前提にするということでなくて、一般的にその建設業を指導育成するという見地から、建設業者あるいは団体からヒアリング等を行いましてその活動状況の把握に努めまして、今後、その結果を踏まえて事業活動の適正化あるいは企業モラルの確立といったようなことを指導してまいりたいというふうに考えております。
○猪熊重二君 いや、処分しろとかどうとかそんなことを言っているんじゃないんだ。 新聞報道等によれば、今申し上げたような、共謀によってやみ献金したとか、請負代金の一-三%の上納金を約定したとか、上納金を出さないで指名業者から外されたら困るとか、こういう情報がいっぱいあるんですから、そうだとしたらば、法令違反あるいは建設業者として不適当だということで報告を聴取したり立入検査して、その結果として営業停となり許可の取り消しなり、それは後の問題。ともかく徹底的な調査をやるべきであると私は思うんですが、そういう意味の調査をやるかやらぬかと聞いているんです。
○政府委員(伴襄君) ただいま申し上げましたように、これからの調査では建設業あるいは各建設企業、それから各企業団体につきましてその活動状況をしっかり把握したいというふうに考えております。 したがいまして、例えば団体につきましては、その会計処理をどうしているかとか、会費の納入方法をどうしているかとか、あるいは今後の活動適正化に対して団体としてどういう取り扱い方針にしているかといったようなことを調べたいと思いますし、それから企業におきましても、その会計処理の方法だとか、あるいは下請関係等が問題になっておりますのでそういうことの関係はどうなっているかとかいうようなことを調べてみたいというふうに考えております。
○猪熊重二君 言葉の問題だからあれだけれども、そんな一般的な営業状況の調査なんて、そんなことじゃないんだ。 談合しているかしていないか、やみ献金しているのかしていないのか、一ないし三%の上納金というような約定があるのかないのか、そしてこれをやらないことがどれだけ指名業者としての指名に影響があるのかないのか、そういうことを調査しろと言っているんだ。そんな、行って経理帳簿を見てくる、そんな調査の問題じゃないはずなんだ。いずれにせよ、きちっとした調査をしてまた報告していただきたいと思うんです。 あと入札の問題についてお伺いしようと思ったんですけれども、先ほど大臣だか今の方だか、一カ月ぐらい調査して中央建設業審議会に報告するとかどうとか言っておられたけれども、そんなものを調査するって、机の上での調査なんかしてそんな中央建設業審議会に報告するなんということじゃなくて、実態を調査して、こういう状況だったら指名競争入札という制度を根本的に考え直さなきゃならぬというところに行くはずだと私は思うんです。だから、ともかく実態調査をきちんとやってもらった上でなければ、この指名競争入札制度の結果が今を生んでいるというこの事態をどう処置するかということについて根本的な解決にはならぬということだけ申し上げておきたいと思います。 次に、公正取引委員会にお伺いします。 公正取引委員会は昭和五十九年に、談合にならぬというか、あるいは不公正な取引にならないということのための指針を出しましたけれども、この指針を詳しく一つ一つお話ししようと思ったんだが、時間がないけれども、ともかくこの指針を出したことによって建設業界はちょっとぐらいの談合はいいらしいよということになっているというのが業界の実情です。 公正取引委員会としては、この指針についてどう認識し、どのように評価しておりますか。
○政府委員(小粥正巳君) ただいまお尋ねの、昭和五十九年に公正取引委員会が設けました建設業についてのガイドラインの問題でございますけれども、このガイドラインにつきましては、その五年ほど前に事業者団体一般についてのガイドラインを設定したわけでございます。 私ども昭和五十六年に静岡県下の建設業団体に対しまして独占禁止法違反の疑いありということで立入検査を行いましたが、この事件を契機にいたしまして建設業界において入札談合の未然防止に対する関心が高まりを見せてまいりました。私どもといたしましても、これを契機に独占禁止法のいろいろな形での説明あるいは理解を深める活動をしておりましたが、その際、建設業向きにわかりやすいガイドライン、何が独占禁止法違反であるのか、どういう活動ならよろしいのか、それを示してほしいという要望も種々ございました。そこで、このような状況におきまして、私どもお尋ねのように五十九年にいわゆる建設業ガイドラインをつくったわけでございます。 目的としては、建設業団体の……
○猪熊重二君 簡単でいいです。
○政府委員(小粥正巳君) それでは、簡単に申し上げます。 建設業は、いわゆる単品受注請負型産業でありますし中小企業が極めて多いと、それから入札制度、指名制度ないし予定価格制度などを内容とする競争入札制度のもとにあるというような特色もございますので、これらの実態を踏まえながら、先ほど申し上げた一般ガイドラインを踏まえて具体的、確認的にできるだけわかりやすく独占禁止法違反行為に当たる活動、そうでない活動、それを区分をしながら示したものでございます。 したがいまして、今お尋ねのいわゆる入札談合、これは競争入札制度を基本的に否定するものでありますし、当然独占禁止法に違反をする重大な違反行為でございます。したがいまして、当然のことながらこの建設業ガイドラインではそのような行為は独占禁止法に違反すると明確に示しているところでございます。 しかし、このようなガイドラインがあり、また私どもこのガイドラインをさらにいろいろな形でその普及にこれまで努めてきたつもりでございますが、残念ながらその後も、私どもが関与いたしました事案を顧みましても、建設業界に必ずしも十分にこのような独占禁止法についての理解が十分に浸透していないうらみもなおございます。したがって、私どもこのようなガイドラインを手がかりにしながら、できるだけ理解を深めなければいけない、こういうふうに思っております。
○猪熊重二君 私が聞いたことは、そんなこと聞いていないんです。 私が聞いたのは、公正取引委員会が出したこの五十九年の指針は業界においてある程度の談合ならやってもいいというふうに業界に受けとめられているという、その実態についてどう考えているかということを聞いておる。そんな指針の内容なんか聞いてやせぬ。 この指針を出したにしても、公正取引委員会は建設業界の受注予定者決定事件、要するに談合事件、これについてどれだけの調査というか、いろんな審決事件とかいろいろやったかというと、平成四年に九件やっている。九件やっているけれども、造園業者が三件、道路標識業者が五件、鹿島建設が一件ある。平成三年はゼロ。平成二年は四件あるけれども、電気工事というふうなことで、ゼネコンに対する問題は、部分的な問題として平成四年に鹿島建設に対して一件の談合事件を公正取引委員会が調べているけれども一あと二年、三年、四年は全然やってない。しかし、今の新聞報道を見れば、ゼネコンが五年、十年引き続いて談合をやっているということはあれだけ出ている。 この今回の問題を契機にして、ゼネコンに対する公正取引委員会は談合疑惑について調査する意思はありますか、ありませんか。
○委員長(遠藤要君) 持ち時間がわずかでございますので、簡明に質問者のあれに答えてください。
○政府委員(小粥正巳君) 私ども、いわゆる建設業における談合行為は先ほど申しましたように独占禁止法に違反をする重大な違反行為でありますから、これにつきましては当然のことながらこれまでも厳正に対応してまいったつもりでございます。 ただいまお尋ねの現在問題になっておりますいわゆる談合問題につきましては、私ども当然強い関心を持っておりますし、情報収集に努めているつもりでございますけれども、現段階におきましては法に違反する疑いがあるとする具体的な端緒となる情報に接しておりませんので、現在のところ調査を具体的に行ってはおりません。 いずれにいたしましても、今後とも本件につきまして、検察当局の動向を注視することを含めまして情報収集には一層努力することとしたいと考えております。
○猪熊重二君 この間、磯村委員が質問したときもあなたは同じようなことを言っている。世の中にこれだけ新聞に報道されているのに、まだ具体的な事実はわかりませんと。それはそうでしょう。行って調べてみなきゃ具体的事実があるかないか言えっこないじゃないですか。検察の問題でもない。国税の問題でもない。建設行政、公正取引委員会自体の問題だ。公正取引委員会は、本当に公正取引委員会というものの職分というものを考えたらもう少し自発能動的に行ったらどうなんです。そんなこと言ったって仕方ない。 いずれにせよ、外国からまでろくな仕事をしていないと言われるような状況じゃなくて、公正取引委員会とか会計検査院というのは非常に重要な機関だと私は思っているんです。これがしっかりすれば相当程度行政の腐敗、堕落、あるいは業界との癒着、こういう問題は是正される可能性があるんです。ところが、全然やらないで、これだけ言われてもまだやるかやらぬかわからぬ、もう少し様子見てなんて言っているようじゃ、皆さん楽だ。公正取引委員会があってもなくてもいいようなものだということになってしまうじゃないですか。 先ほども申し上げたように、これだけゼネコンが上納金一%、三%やるということは、国民の血税をそれだけ結局において建設業界なりやみ献金を受け取った金丸さんが食っているんだ。そういう状況を公正取引委員会が目の色を変えて飛んでいって調べなきゃいかぬでしょう。それを全然やってない。さっきも言ったように全然やってないで、今までやってないからこれから一生懸命やりますと言うならいいけれども、まだ何かあさってのような、風が吹いているようなことを言っているようじゃ、かなえの軽重を問われる。 もう時間がありませんので、法務省、大蔵省に聞きます。 いわゆるゼネコンから出されたリストに載っている政治家に対する政治資金規正法の取り調べと課税を考えていただきたい。それから、同じようにリストに載っている政治家の秘書への課税についても考えていただきたい。それから、西松建設が金丸前議員に秘書二人を十年間にわたって出したということ、それが年間数千万円。平成四年十月に中止したと言うけれども、そうとすればこれは西松建設の経費に計上できるようなものじゃないはずだ。これについても課税を検討していただきたい。これの答えを聞いていると時間がなくなるから、私の希望だけ申し上げておきます。 最後に、減税について申し上げたい。 昭和六十二年に所得税減税があってから、それから五年間全然減税がない。そうすると、名目賃金の上昇によって実質的増税をサラリーマンは受けている。こういう減税がないことによる実質増税の問題、それから野党四党が要求している四兆円減税の問題。あと一分しかありません、大蔵大臣、まとめて時間内に答えてください。
○国務大臣(林義郎君) まとめて手短にお答え申し上げます。 再三御答弁しておりますからもう内容は御承知だと思いますけれども、税制の問題につきましては税全体の問題として考えていかなければならないお話である。税制は、この前の抜本改革によりまして五兆五千億円もの大減税をやった、それによりまして所得税など相当下げておりまして世界的には課税最低限は非常に高いところまで日本はいっておるわけでありますから、そういったところを考えていかなければならない、こういうことでございます。 また、今お話のありましたところのその財源をどこに求めるか、こういうことでございます。この前やりましたときには、消費税を導入する、そのかわり所得税減税というような話がありました。今度はそれがないわけでありまして、もしもそれを赤字国債によってやるということになれば後代にその負担を残す、こういうことになるわけでございますから、私どもとしてはこれについてはにわかに賛成しがたいというのが繰り返し私が申し上げているところでございます。
○猪熊重二君 どうもありがとうございました。
○委員長(遠藤要君) 以上で猪熊君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(遠藤要君) 次に、直嶋正行君の質疑を行います。直嶋君。
○直嶋正行君 民社党の直嶋でございます。 きょうは政治改革の問題と経済問題について若干お伺いいたしたいと思います。 まず、総理にお伺いしたいと思います。 一連の共和事件あるいは佐川事件、そして今回の金丸元副総裁の脱税事件、こうした政治腐敗事件が続いていることによりまして日本の国際的な信用が大きく失墜をしているのではないか、私はそのように思っております。総理も常々言われていますように、日本は今後国際社会において積極的な役割を果たさなければいけないと思います。ただ、そのためにはやはり日本という国家が世界から見て尊敬される、あるいは信頼される、そういう国家であることがまずスタートではないかというふうに思います。一連の腐敗事件、国内では非常に多くの国民の皆さんの政治不信を買って大きな課題になっているわけでございますけれども、同時にこの事件によりまして損なわれた日本の国際的なイメージの大きさというのは、今後はかり知れないぐらいの影響を及ぼすのではないか、そのように思います。 現在、官民合わせまして在留邦人と言われる方が四十万強、世界各地におられます。その中には民間の方もたくさんおられます。私も多くの方と知り合いでございますが、ちょっと変な言い方でございますが、彼らは日の丸をしょって仕事をしている、そういう面がございます。彼らの発言や行動がたちどころに、そのやりようによっては、日本という国はとかあるいは日本人はと、こういう目で見られる。したがいまして、私たち以上に常々神経を使いながら生活もし業務をしているわけであります。 こういうふうにまじめに海外で働いている方に対しても非常に肩身の狭い思いをさせているのではないかと思うんですが、こういった国際的な信用の失墜の問題について、総理の御認識をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 残念なことでありますが、直嶋委員の御指摘のように、我が国の国際的な評価を甚だしく損なっておりますし、また、海外に働かれる同胞に肩身の狭い思いをおさせしているということをまことに残念なことに思っています。 そういう海外から見ている目からいえば、我々がこの出来事を法によって正しく処理するということと、こういう事態にかんがみて政治改革が行われて日本の民主主義がもう一遍本当の道に返るということがこのような海外の我々に対する批判にこたえるただ一つの道だと思います。
○直嶋正行君 それでは、今の御答弁に関連して、今回の金丸事件に関してでございます。 今回の金丸事件を見ますと、政権与党の実力者の日本の政府の公共事業等を初めとするさまざまな政策決定に及ぼす影響力の大きさというのを白日のもとにさらしたのではないかと思います。 例えば、昨年、衆議院の予算委員会で行いました金丸さんに対する臨床尋問の中でも、当時、自民党の道路調査会長としていろいろ期待され、相談に乗ったことが東京佐川急便からの巨額献金とかかわりがあったのではないかと、こういうような趣旨のことを御本人自身も述べておられるわけであります、今回のこの金丸事件を見ますと、この行為は、法的な根拠は別にしまして国民の意識の面から見ますと、どう見てもこれは贈収賄ではないかという見方が私は常識的な見方ではないかと、このように思います。 ところが、御存じのとおり現行法、現在の日本の法律では、政党の役職者、例えば自民党の副総裁というような政党の役職者については職務権限がないために公務員と同様の贈収賄罪の適用ができません。私は、このようなことへの対応として、以前にも総理に申し上げましたが、例えば政党法のようなものをつくって、きちっとした法の仕組みをつくるべきではないかと、このように思っております。 宮澤総理は、先日の我が党の寺崎議員の質問、あるいは私が昨年暮れにいたしました質問への答弁の中で、政党の活動を規制するということは場合によっては角を矯めて牛を殺すような結果になりはしないかと懸念をしていると、このように申されました。私もこのな言葉は民主主義を非常に大事にしたいという点でまさにそういうことはあってはならないと思いますし、また総理があのときにお話しされましたように、民主主義の歴史というのは別の視点で見ますと政党に対する抑圧と弾圧の歴史でもあったわけでございます。 ですから、この点は非常に大切にしなければいけないと思いますが、しかしながら現在の状況をやはり深刻に受けとめるとすれば、政党に活動の自由を保障する中で最低限の役職者に対する刑罰を科す、こういうことも必要ではないのかと思います。といいますのは、現在、まさに日本の政治は政党政治のもとに行われておるわけでございます。 そして、二点目として申し上げますと、日本は議院内閣制をとっております。議院内閣制というのは、私がここで申し上げるまでもなく、政府と与党というのは一体になっているわけでございます。あるいはまた、今の国民の政治不信を招いているこの政治腐敗、これを打破するためにはやはり腐敗防止の仕組みをつくっていくことが何よりも肝要であると思うのであります。 こういう観点からしますと、総理がおっしゃった民主主義の非常に基本的な部分は大切にしながらも、やはり最低限政党法的なものを考えていく必要がある、このように思うのでありますが、御見解を改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) いろいろおわかりになられた上での御質問でございますのでお答えが難しいのですけれども、強いて申し上げることがあるとすれば、せめて申し上げることがあるとすれば、政党の役員が政策の決定に対して持っておる影響ということにつきまして、それは政策の考え方であるとか方向であるとかいうことではありましても、具体的にある工事をだれがやるべきであるとかどこにどういう工事をするべきであるとか、そういういわゆる行政に属する部分にまで決定的な影響力を及ぼすということは私は本来政党に期待されていることではないのではないかというふうに思います。 思いますが、ただ最後のお尋ね、そうではあっても政党の役員に対してある程度刑事法的な権限の行使についての規制を求めるべきであるかどうかは、これは極めて難しい問題だと思います。専門家の意見を十分に聞きませんと、ちょっと私軽率にお答えをしていいかどうからゅうちょする問題でございます。というのは、先ほども言われましたように、まさに政党というものがどうあるべきかということに関係をいたしますものですから、そういう感じがいたしております。
○直嶋正行君 今、政治改革に関してさまざまな、例えばその中で政党助成法のようなものが議論されております。一定の要件を満たす政党に対してその政党を助成するということでありますが、この考え方には私自身賛成でございます。 ただ、今議論されておりますようなそういう国から政党が補助を受けるということになりますと、当然例えば経理を公開するとかこういうことはもちろん必要になってくるわけでありますが、同時に、やはりその政党の例えは候補者の選定をもっとガラス張りにしていくとかあるいは役職者の選び方もオープンなものにしていくとか、こういうことが必要になると思います。 同時に、今総理は専門家の御意見を聞かなければというふうにおっしゃいましたけれども、やはり公的な性格を持つ政党ということになるわけでありますから、例えば公務員にのみ贈収賄罪というのは刑法上は適用されるんですけれども、日銀法を見ますと、日本銀行の職員は公務員とみなすというような規定を設けてそれを準用するような法律になってございます。例えばこういうことを政党に対しても考えていくというのはどうなんでしょうか。的外れなことなんでしょうか。この辺はちょっと所管の自治大臣のお考えをお聞きしたいと思うのであります。
○国務大臣(村田敬次郎君) 総理から全般的なお答えをなさいました。 政党法をつくるということについては、私はそういう包括的な一般法をつくるのは賛成いたしかねるわけでございます。そして、直嶋委員が御指摘になったような政党助成法、これは現在も自民党で真剣な検討を行っておりますし、また各党でも真剣な検討を行っておられるわけでございますが、政党を公的に助成する対象とする場合に、その法制の内容をどのようなこととするかということにつきましては、御意見を含めいろいろな考え方があろうかと思うわけです。 一政党の本来的な性格、政治活動の自由という観点から見て、基本的には助成に係る収支報告書の提出、公表など、政党内部に余り立ち入らない形の方がいいんじゃないかということで、そういう諸規制にとどめておいた方が適当なんじゃないかと思っておりまして、現在自民党で考えております四法案の中でも政党法という一般法は考えておらない、これは御承知のとおりでございます。
○直嶋正行君 大変難しい部分をはらんでいるということでございますけれども、私は今のやはり日本の政治の状況から見ますと、ぜひ勇気を持って御検討をしていただけたらなというふうにここではとりあえず申し上げておきたいというように思います。 続きまして、経済の問題に入ってまいりたいと思います。 今、春闘、賃上げ交渉は大手が大体終わりまして、今の状況から見ますと、ことしの平均的な賃上げ水準は四%を切って三・九ぐらいではないかというようなことがマスコミで報道されております。この点について経済企画庁長官及び労働大臣にお尋ねをしたいと思うんですが、経済企画庁長官には、この賃上げとことしの政府の経済計画に入っております実質個人消費の見通し、これはプラス二・八%という計画でございます。これができるかできないかについては先ほど議論がございましたので、申しわけございませんが賃上げとのかかわりの部分について御見解をお伺いしたいと思います。 また労働大臣には、今言われていますのが例えば定期昇給相当分、これが平均約二・一%とされております。そして平成五年度の物価上昇率がやはり政府の計画では二・一%と。そうしますと、四%を少し切るような賃上げでは私は勤労者の生活にかなり悪い影響を及ぼすんではないか、少なくともプラスにはならないんではないか、このように思うわけでありますが、これについての御所見をそれぞれお伺いしたいと思います。
○国務大臣(船田元君) お答えをいたします。 今、直嶋先生御指摘のように、ことしの春闘の賃上げ率、まだ大手が大体決まったような状況でございますけれども、確かに昨年に比べまして一%程度低くなっている、四%弱という感じ、私どももそういうふうに受けとめております。 この効果が個人消費というものにどういう影響を与えるかというお尋ねでございますけれども、個人消費の動向を判断する、これはいろいろな要素がございまして、もちろん所得の伸びというのも大きな要素である。しかし同時に、物価の動向それから消費者のマインドというのが最近また非常に注目をされております。そういった総合的な要因を考えていく必要があるんではないかというふうに思っています。 ただ、このうち雇用者所得につきましては、四年度に入りまして景気の減速に伴って所定外給与の大幅な減少ということが非常に大きく響きまして雇用者所得の伸びが低下をしているという状況でございまして、しかしながら五年度に入りますと、これは先ほど来申し上げておるわけでございますが、総合経済対策あるいは五年度予算、これの効果が今後重なって出てくるというようなことを考えますと、企業の生産も回復をして所定外労働時間の減少が一巡をして増加に転じるというふうに私どもは考えております。このことによって雇用者の所得の伸びは高まるであろうという観測があります。もちろんこのほかに、物価の安定の傾向とかそれからいわゆる資産デフレというものの効果が一巡をいたしまして消費者のマインドが若干上向きになるであろう、このようなことも考えられるわけでございます。 また、雇用者所得につきましては、もちろん今回の春闘で決まる部分というものも非常に大きいわけでありますが、同時にボーナスであるとかその他のさまざまな手当ということも、これは今回ではなくてまた別の機会に決まるということも考えれば、一概に今回の春闘の賃上げ率が一%程度昨年より下回っているからといって直ちに悪い影響が個人消費に出てくるということでもないと思いますし、また、個人消費の伸びが二・八%という見通しをお示ししておりますけれども、そのことが直ちに今回の状況によって達成できないということでは決してない、このように考えております。
○国務大臣(村上正邦君) 賃上げということだけではなくして、春闘の特徴は時短だとか雇用だとかこういう非常に幅広い議論の中で労使が話し合ってきた。こういうことからいきますと総合的に考えていかなければならないのかなと。 今、経済企画庁長官のお話にもありました今後の景気、物価、雇用の動向や所定外給与、ボーナス、こういうものを総合的に考えていかなければならない、こういうふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、賃金交渉の結果は、景気が低迷している厳しい経済環境のもとで関係労使が真摯な交渉を行ったお互いぎりぎりの結果であったと考えております。
○直嶋正行君 次に、大蔵大臣に三点お伺いしたいと思うんです。 今、賃上げについてそれぞれお話がございましたが、私がちょっと試算をしてみました。例えば、今回賃上げを四%としまして年収五百万の標準世帯の方をはじきますと、所得税、住民税合わせますと伸び率が一四%弱になります。一三・九%という数字になります。それから実質可処分所得はプラス一・七。四%の賃上げでそういう形になります。これを七百万円の人で見ますと、同様に税金が一三・一%、実質可処分所得の伸びは〇・八%、こういう数字になります。つまり、これを見ると、賃上げに比べまして税額の伸びが大変大きいということと可処分所得がやはり伸び悩んでいるという意味で、なかなか生活の改善にはつながらないのではないか、このようにも思います。 それからもう一点、税についてでございますが、先ほど来議論がございましたが、一つは直接税、特に所得税について見ますと、以前から指摘されておりますように例えば勤労者の場合には約九割近い方が納税者になっている。つまり実際に税金を払っている。ところが、例えば自営業者の場合あるいは農業の方の場合には、自営業者の場合ですと四十数%ぐらい、農業の場合ですと二十数%というように、所得税を払っている方が勤労者に極端に片寄っているというのが今の実態だと思うんです。さっき議論がありましたように、以前、直間比率の改善ということで消費税が入ったわけですけれども、直間比率を見ましても現在大体直接税比率が七十数%で推移してきている。余り大きく変わっていない。つまり、不公平な所得税の部分のウエートが余り変わらずに続いている、こういうふうに言えるのではないかと思います。 それからもう一点、これから政府もいろいろと追加景気対策を御相談されているやにお伺いしておりますが、やはりそれもどうも議論を聞いていますと公共投資中心型になりそうだというふうに伺っております。ただ、先ほど申し上げたような例えば金丸さんの事件等を含めまして、やはり公共事業の資金、これは税金が要は回り回って結局政治家の懐に入っている。そういう意味では私は、余り公共事業ばかり一辺倒にしていくということは今の国民の皆さんの目から見て果たして納得が得られるのかな、こういう疑問を持たざるを得ません。 そういう意味では、今の税の実態とかあるいは勤労者の生活の頭打ちの状況とかこういうものを配慮して今後の政府としての経済政策を考えるべきだと思うのでありますが、大臣の御所見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(林義郎君) 今お話がありまして、突然の数字の話でございましたからちょっとわかりませんが申し上げますけれども、一般的な標準世帯等をとりましても、相当上がりましてもまだまだ私はこの前の抜本改革をやりましたときの課税水準からしましたらそんなに大きな負担増になるということはないんじゃないかと思います。 あと、なんでしたら政府委員の方から数字等を説明させていただきたいと思います。時間がございませんので、あるいは先生のところへ直接御説明に行ってもいいと思っております。 それから、中小企業や農業の問題につきましても同じようなことだろうと思います。 それから、直間比率の問題のお話がございました。直間比率というのは依然として変わっていないじゃないかという御指摘だろう、こう思いますが、やはりこれは税制全体をどう考えていくか、資産、所得、消費、こういったもののバランスをとりながらあるべき姿を追求していかなければならないものである、そういった中で私は考えていくべきものだろうと思います。 それから、最後になりましたけれども、公共事業をやっていて金丸さんの方はその中から何%か取ったじゃないか、どうも公共事業というのはうさん臭いぞ、こんなふうな国民的な感じがある、こういうことでございますが、公共事業というのはやっぱり国民の税金を使ってやっているわけでありまして、私どもの方もその金額につきましてはいろいろなことを考えまして十分な綿密な査定をして予算案をつくっておるところでございます。また、予算の執行に当たりましても、予決令、いろいろございます。そういったものの実行を通じまして公正な形でもって事業が行われるように努力をしていかなければならないと思っておるところでございます。 また、先ほど建設大臣からもお話があったと思いますけれども、建設省の方でもいろんな形で、入札の方法をどうやっていかなければならないということでございますし、また談合を防止するというような話につきましても、公正取引委員会といたしましてもやはり公正競争を確保するという観点からいろいろなことを考えてやっておられる。したがいまして、すぐに公共事業だからおかしいんだという話になるのは私はどうかなというふうに考えていることを申し上げておきたいと思います。
○直嶋正行君 終わります。 ―――――――――――――
○委員長(遠藤要君) 以上で直嶋君の質疑は終了いたしました。(拍手)
○委員長(遠藤要君) 次に、上田耕一郎君の質疑を行います。上田君。
○上田耕一郎君 金丸被告の不正蓄財事件の原資、どうやら主役は建設業の模様なんですね。つまり山梨とゼネコンで。私はずっと建設委員をやっておりますので非常に関心いよいよ重くなっているんですけれども、報道によると、ともに公共事業の受注額の二%から三%が上納金と言われているんですね。公共事業の予定価格のうち適正利潤というのはほぼ三%と言われているので、そうすると会社のもうけ分を受注額の中から政治家が召し上げている。これはどういう仕組みでこういうことが可能になるんだろうというので、ちょっと想像を絶する額です。 報道では、山梨年額二十億から三十億円とか、これまでに百億円出たというような証言がある。ゼネコンは山梨分より巨額、年十億円以上の献金というような報道まであるんですね。それで、清水建設の政治献金リスト五十七人。金丸、竹下はスーパーA、一千万円。宮澤さん、渡辺さんはAクラスで五百万円。それからBクラス、この中には建設大臣経験者と人、建設族十六人などという名前まで出ているわけですわ。私は、この重大事態を究明するのはやっぱり国会の非常に厳しい責任になったと思うんですね。 きょうは、時間もございませんので、まず使途不明金として処理されたのが多いと業者の重言があるので、この問題を取り上げたい。 私どもの要望で予算委員会に資料が国税庁から提出されておりまして、この中で、例えば総額、平成元年五百六十三億円、二年四百七十六億円、三年五百五十八億円という数字が報告されています。その中で建設業の占めるパーセンテージ、元年が七三%、四百八億円、二年が六四%、三百五億円、三年が六八%、三百八十二億円、ほぼ七割は建設業が占めているというのが国税庁のデータなんですね。 国税庁にお伺いするのは、このデータは「調査課所管法人のうち実地調査を行ったものについて集計」、こう注があるんですけれども、その調査率をこの三年について述べてください。
○政府委員(瀧川哲男君) 国税当局が実地調査を行った原則として資本金一億円以上の法人について最近三年間の計数を申し上げます。 平成元事務年度は法人数が二万九千五百六十六件、そのうちの実地調査件数は四千八百六十件でして、調査割合は一六・四%です。平成二事務年度はそれぞれ三万二千四十件と四千九百八十三件で、割合が一五・六%です。平成三事務年度は法人数が三万三千七百二十八件で、実地調査件数四千七百二十二件、割合が一四・〇%でございます。
○上田耕一郎君 そうしますと、資本金一億円以上の企業のうち大体一五%前後の調査でこういう毎年五百億円という使途不明金が出ているんですね。そうすると、では機械的に一五%なら六・六倍すれば資本金一億円以上の総額が出るのか。そうなるのかどうか。これについては平成元年、二年、三年のこの五千件足らずの件数というのはダブっていないんですか。これは別の企業を毎年一五%ぐらいずつ回して調べているんですか。そこをお伺いします。
○政府委員(瀧川哲男君) まず、先ほど申し上げました国税庁の調査課が所管している企業そのものはたくさんございませんで、そのほかに税務署所管というのがございまして、これが年間二十万件弱ぐらい調査していますので、実はそちらについては使途不明金の全体的な計数はとっておりません。 それともう一つ、最後の御質問で、それじゃダブっているかといいますと、実はダブっているものもございます、特に大手につきましてはほぼ連年のようにやっておりますので。ただ、それのダブりを排除してはおりませんので、いろんな意味で、実は先ほど六・六倍という話ですが、そういった計算にはなかなかならないのでありまして、まことに申しわけないんですけれども、今申し上げた私どもの計数に基づいて全法人の使途不明金の総額等を推計するということはできないということを御理解賜りたいと思います。
○上田耕一郎君 私もこれを六倍七倍して総額こんなにあるじゃないかと簡単に決めつけるつもりはないんだけれども、私にしては多少遠慮して四倍、そのぐらいに計算しても毎年五百億円ですか、四倍で控え目に見ても二千億円なんですよ。そのうちの七割が建設業、これは変わってないんだから、そうすると千四百億になるんですよね、千四百億。相当な額ですよ。 それで国税庁、いただいた資料を見ますと、使途がわかったものというのがあるんです。平成三年度百三十九億円調べた、これはわかったんです。使途の内訳、リベート・手数料四十二億円というんです。この四十二億円のうち政治家はわかりますか。
○政府委員(瀧川哲男君) 先ほど委員がおっしゃいました使途が判明したもの百三十九億円のうち、私どもが政治献金と思われるものにつきましては二十四億円、割合にして一七%でございます。
○上田耕一郎君 一七%ですね、調べたものでわかったのは。しかし、この調査を見ても、その他三十七億とか、使途が判明しないもの四百十九億円、これは幾ら調べてもわからないというんですね。 今、一七%と言ったんだけれども、例えば毎日新聞三月二十二日付の解説では、使途不明金について、そのうち四割程度が政界に流れているとの見方もあると。四割という報道があるんですね。 毎日のこの数字をもし使うとすると、建設業千四百億円のうち、これは控え目な数字ですが、四割として五百六十億になるんです、政界に流れた金がね。国民政治協会を通じて自民党に毎年来る政治献金は百二十億とか百三十億ですよ。そうすると建設業だけでその約五倍近い金がやみで流れている。しかも、これ公共事業だから、何度も指摘があるように国民の税金ですよ。国民の税金のピンはねを自民党が五百億、六百億、これは真相を追求したらどうなるかわかりませんよ。そういう想像を絶する事態が白日のもとにさらされつつある。上げる方が使途不明で言わないんだからもらった方の政治家は恐らく言ってないですよ。届け出もしてないですよ。そうすると政治資金規正法違反の問題、金丸被告のような脱税の問題、当然これ出てくる。そういう金が動いているという大変な事態だと思うんですね。 そうなりますと、今まで我々もよく聞いていたんだが、全国の公共事業に必ず国会議員や県会議員などなどがかかわっていて、ある箇所づけが発表されると、あっ、あれはだれの懐になんてわかる人までいるという話があるんだけれども、これはあり得るかもしれぬことになるんですね。これは私は公共事業に対する国民の利益の問題、それから国の政治からいって根絶しなきゃならぬ。驚くべき事態だけれども、思い切ってメスを入れて根絶するのにいい機会だと思うんですね。 大蔵大臣と首相に、放置できないこの事態についてどうお考えになり調査し、どう対処されるかということをお二人にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林義郎君) 金丸さんの事件は私も大変残念な話でありますし、ああいった起訴になりましたので、司直の手によって厳正な処分が行われることを私たちも期待をしておるところでございます。 今、上田委員御指摘のように、いろいろな問題がある、大変な額に上るんだというお話でございましたが、若干推測を入れてのお話でございますから、私はこれをどうするかというのについて、そのままの話でもないんではないかなと思いますが、ただやはり相当なことで考えていかなければならないということは私もそのとおりだろうと思っています。 ただ、現在、もう私から申し上げるまでもありませんが、いわゆる使途不明金につきましては国税当局の方としてはできるだけその使途を解明し、その支出先に対しましても適正な課税を行うという形で今まで努力をしてきたところでありますし、使途が不明の場合にはこれを損金不算入という形でやってきておるところであります。 いわゆる法人税の枠内では、法人税というものはそもそもどれだけ税金を取るか、こういうことでありますから、その法人税の中で損金不算入という形になればそれはそれで十分なことを果たしてきた、こういうことになるわけでありまして、それ以外に罰則的なことをやるとかなんとかということになれば、法人税が税金を取るという法律でなくていろんな別のことを考えていかなければならないものだろうということになってくるわけでありまして、法人税の純粋性を保つというか、法人税の枠内でやるのはなかなか私は正直言って難しい問題があるだろうと思っています。 それでありますから、今私は、この辺はそれじゃ政治資金規正法でどうするかという話になってくるんだろうと思いますが、政治資金規正法でもなかなか今のところ押えられない、新しいいろんなことを考えていかなければならないんじゃないかな、こう思っています。 当委員会でもまた大蔵委員会でもいろいろ御議論がありました例えば商法改正という話ですが、商法改正などということをやって果たしてこの辺が明らかになるのかどうなのか、商法というのはやっぱり会社の関係のことをやるわけでありますから、単に政治家が取ったからどうだということではなくて、それは会社に対して、会社の方から不当に金を出した、それならばやっぱり会社に対する背任罪になるというところが私は商法の限界ではないだろうかな、こう思っておるところでありまして、いろんなことはやっぱりこれから考えていかなければならないにしましても、少なくとも法人税法とか所得税法とか、そういった枠の中で処理するのは私は非常に困難なことではないかな、こう思っておるところでございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今度のことについての事実関係、私は存じませんけれども、上田委員の言われるようなことは随分長いこと聞きますですね。耳にいたします。ですから、うそであればよろしいんですけれども、本来免許事業でございますから、やっぱりこれは行政が事実関係はちゃんと私はしないといけないんではないか。刑法上の罪になるならないという話は一応おきまして、そういうあり方というのは普通ではないように思います。 実は建設大臣御自身がもうそういうことで対応の方法をお考えになりつつありますけれども、地方にもまた中央と似たような話がいろいろ聞こえできますので、地方でもやはりこれは十分事実関係をはっきり行政の方でしてもらいたいというふうに思う種類のことでございます。
○上田耕一郎君 私どもは政策発表しているんですけれども、フランスは使途不明金に一二〇%かけている。私どもは、使途不明金には、一定額以上の大変なものには、フランスでもやっているんですから、高率の課税をしろ、一定額以上のものは企業名、金額を公表すべきだと。これはかなり効果あると思いますよ。ひとつ検討をいただきたいと思うんです。 次に、あっせん収賄罪の問題についてお聞きしたい。 先ほども質問がありましたけれども、政治家の場合、自民党のドンでも職務権限がないのでなかなか収賄罪に問えないじゃないかということもございましたけれども、私この間「政治とジャーナリズム」と題する「朝まで生テレビ」という徹夜のに出たんですよね。そうしたら、朝の最後のところで、土木さんという元東京高検の検事があっせん収賄罪の適用は非常に困難だけれどもこの適用があり得るということを述べておられた。私も我が意を得たりと思ったんです。 法務省にお伺いします。 これ昭和三十二年に新設されたんですけれども、公務員のあっせん収賄罪、どういう趣旨で設けられてどういうものか、簡潔に説明してください。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 このあっせん収賄罪はかなり厳しい構成要件になっているわけでございます。 一つは、贈賄者において請託をして、収賄者たる公務員においてこれを了承したということ。それから二つは、請託の趣旨が、収賄者が他の公務員の職務に関し当該公務員にあっせんをするというものであること。それから三つ目は、贈賄者と収賄者との間で利益の収受またはその要求もしくは約束があったこと。それから四つ目は、その利益の授受等の趣旨が、収賄者が他の公務員をして当該公務員の職務上不正の行為をさせまたは相当な行為をさせないようあっせんをしまたはあっせんしたことに対する謝礼という点にあること。こういう要件が認められる場合に成立するものというふうにされているわけでございます。 どうしてこういう罪が設けられたかということでございますけれども、これは委員も御案内のとおり、通常の単純収賄罪あるいは受託収賄罪と申しますのは、公務員が当該公務員の職務に関して請託を受けあるいは請託を受けないでわいろを収受したということでございますけれども、それだけでは足りない、要するに、公務員の職務に関してあっせん行為をしたことに関して謝礼を収受した場合の処罰規定を設けなければならないという趣旨であっせん収賄罪というものの検討がなされたわけでございます。 ただ、当該公務員の職務に関するわいろという角度でとらえるわけでないものでございますから構成要件の絞り方が非常に難しいわけでございます。我が刑法上のあっせん収賄罪は、今申しましたように収賄者たる者がこれはもちろん公務員であるということが要件とされているわけでございます。それから、その収賄者が先ほど申しましたように他の公務員の職務に関し当該公務員にあっせんをするという要件が規定されている。それから、構成要件が罪刑法定主義の観点から絞り込む必要がございますので、当該公務員の職務上不正の行為をさせ、または相当な行為をさせないようあっせんをし、またはあっせんしたことという絞りをかけたわけでございます。
○上田耕一郎君 なかなか説明複雑ですけれども、簡単なんですよ。国会議員は公務員です、職務権限がないと、その問題について。しかし、国会議員が例えば建設省のお役人あるいは山梨県庁のお役人に直接あっせんして不正のことを頼む、やってもらう、業者の請託に応じて。これがあっせん収賄罪なんです。懲役五年以下ですね。今まで、昭和四十三年、日通事件で国会議員で大倉精一議員がこれ適用された一件あるんです。それ以後適用がない。 もう時間が余りないのでずばり率直に申し上げる。土曜日の夜のNHKスペシャル「暴かれた献金ルート・金丸前副総裁脱税事件」というのがあった。私は大変な関心を持って見てました。すごい証言が出ました。建設省の局長に金丸さんから直接電話が来て、この工事はどの企業にと来たというんです。それを建設省のお役人じゃないけれどもある人物が、顔はシルエットだったけれども証言しているんです。山梨県庁については新聞報道でこういうのがあります。県発注の入札予定価格のほとんどは事前に金丸直系業者に漏れ、直系業者が受注した。ある公共事業をある企業にと決めちゃうことは一般競争入札の原則に反するからこれは不正ですよ、頭から決められないんだから、だれだって。それから予定価格を漏らしたら、これは不正行為です。 そうなると、金丸被告は絶大な建設族のドンとしての地位を利用して、彼は直接いつも電話がけてたそうですな、新聞報道を見ると陳情客の目の前で電話をかけるそうです。その方が効果あるわけね、これだけすぐやってやった、さあ金よこせということになる。これでさっき言った山梨から百億、ゼネコンから百億、十年間で巨額が集まってくるんですよ。そうすると、あっせん収賄の疑惑があるどころじゃなくて、あっせん収賄業者ですよ、こうなると、システム化しているんだから、と思う。ですから、濱刑事局長はこれ構成要件非常に厳しいと言われた。厳しいけれども、金丸被告のこういうやり方に適用されなかったら永久にだれにも適用できないです。 僕は法務大臣に、法務大臣この間も老土佐犬なんていって勇気を書かれてたけれども、一罰百戒ですよ。こういう問題について判例をきちんとつくるべきなんだ。それをつくることが、先ほど言った巨額の建設業の使途不明金、巨額の政治献金、こういうものをなくさなきゃならぬということを大蔵大臣も首相も言われたんだから、それをなくすためにも、こういうあっせん収賄業者のようなことをシステム化、構造化してやってきた金丸被告に対してあっせん収賄問題で勇気を奮ってやっぱりやるべきだと思うんですね。僕はそのことについて法務大臣、ひとつ勇気ある発言を求めたい。
○国務大臣(後藤田正晴君) 政治家というのは国民から陳情を受けて、それを政治の場で実現していくというのは、これ基本的な仕事なんですね。それだけになかなか政治家について収賄罪の適用というのは、これよほど法律つくるときは注意をしませんとそことの兼ね合いの問題が出てくるといったような意味合いから、私はあっせん収賄罪の規定、今、濱君の説明のように大変あれは難しいと思います。まずその点はやはり国会議員というのはどういうものだということを一つは理解しておいていただかなければならぬと、こう思います。 具体的に金丸さんの問題について、そういう上田さんのようなこと言う人ようけおるんですよ、それは。ただしかし、具体的な事件について今後どうなるのかといったようなことを、これ私が言うわけにはこれはいかない、差し控えさしてもらわなきゃならぬということもまた上田さんは十分御承知の上で聞いておられるんだろうと思います。 いずれにいたしましても、やはり検察というものは、具体的な犯罪の容疑があればそれを調べて、そして証拠の積み重ねの上に立って起訴するか起訴しないか、こういったことを決めるのが役割でございますから、具体的に何かがあれば当然捜査はするであろう。ただ、あなたが言うからといってというわけには、これは私はなかなか難しい問題であろう、こう思います。
○上田耕一郎君 じゃ、嫌疑があればやると、そう受け取って質問を終わります。
○委員長(遠藤要君) 以上で上田君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(遠藤要君) 次に、高井和伸君の質疑を行います。高井君。
○高井和伸君 民主改革連合を代表しまして、景気対策に関して二つほどテーマを絞って質問させていただきます。 今までのお話は大変スケールが大きくてマクロベースのお話でしたけれども、私は市民のレベルからミクロの小さな話になるかもしれませんけれども、日本の政治を変えるほどに重要なテーマじゃなかろうかと思うことがございます。その一つが、端的に言いますと、裁判所に破産法によって個人が自己破産を申し立てるという事件が非常にふえております。 私、個人的なことを申し上げますと、弁護士をやっております。選挙で当選してから、平成元年でございましたけれども、しばらくこういったことから離れておりましたけれども、万やむを得なく、サラ金業者たくさんの方から借りた方の債務整理を始めましたところ、驚くことがございました。どのサラ金業者も、自己破産をしなさい、これ十中八九そう勧めるんですね。これは非常に驚くことで、私としては、借金をした、そして返せないという、その市民というか労働者というか勤労者というか、そういう給与を当てにして生活をしている人の立場から見ると、何とかして借金を返して、そしてちゃんと今後の新しい人生歩めるようにしようじゃないかという、そういう力点から、個々の消費者金融会社、まあサラ金会社と略称しますけれども、交渉に入りますと十中八九自己破産をしなさい、こう勧めるんです。 これはまた大変私の意気をそぐものでございまして、何でそうなるのかということをいろいろ探りました。大体見当つきましたけれども、簡単に言えば、法人税法における損金算入、これを認定するのに大変厳しい基準がある。したがって、六割カットして四割払うというような再建案というか弁済計画を示すと、もうそれはだめです、税務署が認めてくれません、したがって自己破産すれば即刻損金が一〇〇%認められる、こういうことで、したがって損金処理の都合上自己破産しなさい、そうでない限り一〇〇%払いなさいと、こういう枠組みで返ってくるわけです。 そこで、総理に素直なところでお尋ねしたいんですが、今回の冒頭における施政方針演説の中に、「生活大国実現への前進」というテーマのもとに、「個人においても、環境と調和した簡素なライフスタイルを目指す動きが着実に進展しつつ」ある、こう申され、さらにその各論的なところで、「個人や企業の意識や行動の転換を促して、生活大国の実現に向けた構造的な変革へとつなげていかなければなりません。」と、こう言っておられます。しかし今、一生懸命、借金、借りたことはまあ悪いというか、返せないことは、手元不如意という事情はいろいろございますけれども、しかし自己破産してしまえというこういう圧力、社会的な圧力が出てきていることは、大変に私は消費大国になり過ぎたあげくの果ての一つの構造欠陥じゃなかろうか、こう思うわけです。 これからいろいろ各省庁担当の方にお尋ねしますけれども、こういった破産を勧め、そして逆に債務をいっぱい抱えた市民レベルの方が、自己破産はどういう制度ですかということを積極的に聞いてきて、自己破産をやりたがっているという雰囲気がまたございます。具体的な数字、いろいろなことをやりますけれども、私の今申したことについて、生活大国を目指す総理の立場からどのような率直なお考えをお持ちなのか、お聞かせを願えればありがたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 私がお答えを申し上げるのが適当かどうかわかりませんが、いわゆる多重債務者問題の件でございますので、一応通産省の所管に入るかと思います。 自己破産者の急増など、いわゆる今委員が御指摘ございました多重債務者問題の対応につきましては、消費者利益の保護、経済社会の健全な発展の観点から、通産省といたしましても重要な課題として認識をいたしております。このため、当省といたしましてはクレジット業界に対しまして多重債務者防止についての強力な指導を実施いたしておりますし、当省の指導を受けて業界の団体では、クレジットカードの利用限度額の引き下げ、信用情報機関への登録情報の充実、CATと申しますが、信用照会端末の増設などの対策を決定して、現在順次これを実施いたしておるところでございます。 当省としましては、この多重債務者問題に対応するため、クレジット会社に対しまして、立入検査の強化等を通じ、与信体制及びプライバシーの保護に十分配慮した信用情報交換の一層の適正化を図ってまいりますとともに、引き続き消費者啓発、カウンセリングにも努めているわけでございます。 さらに、昨年の九月から割賦販売審議会クレジット産業部会を開催いたしまして、本問題に関するさらなる対策のあり方について幅広い観点からの検討をただいま行っているところでございまして、その検討結果を踏まえて今後とも適切な対応をしてまいりたい、このように存じております。
○高井和伸君 国税庁にお尋ねしますが、こういった貸し金の貸し倒れの損金処理に当たって、私が先ほど申したようなケースで、破産をしない、任意に返済していくときに支払い不能にならないようにするためにはある程度元本を、六割ぐらいカットしてくれあるいは五割ぐらいカットしてくれ、まあ虫のいい話ですけれども、そういう話をするとそれがなかなか損金処理できない。そういったカットの数字が損金処理できるケースというのは具体的にはどのような基準でなさっておるんでしょうか。
○政府委員(瀧川哲男君) 法人の有する貸し金等が回収遅滞に陥った場合の税務上の取り扱いについてでございますが、まず一つは貸し倒れ損失の損金算入という方式がございます。もう一つは債権償却特別勘定の設定によります繰り入れ損の損金算入と、こういう二つに分かれるわけでございます。こういった取り扱いにつきましては、その取り扱いの統一を図り、それから課税の公平を図るという趣旨で私どもの法人税基本通達におきまして明らかにしておるところでございます。 また、これらの取り扱いは二つに大きく分けることができます。一つは負債整理に関する法令の規定に着目した取り扱いでございます。もう一つは個々の債務者の実態に即した取り扱いと、このように分けることができると思います。 まず、負債整理に関する法令の規定に着目したものといたしましては、まず第一に会社更生法などの法令の規定により債権の切り捨てがあった場合、その切り捨てられた債権というのは法律的にも消滅するわけでございますから、これについては貸し倒れ損失として損金算入できる。また、次に、商法の規定による整理開始の申し立て、破産法の規定による破産の申し立てなどの法的な負債整理が開始された場合には、その債権の額から担保物の価格等を控除した残額の五〇%以内の金額を債権償却特別勘定として損金の額に算入することができるというものがございます。 次に、大きな二つ目として個別の債務者の実態に即した取り扱いというものがございます。これも二つに分かれます。 まず、債務者の資産状況、支払い能力等から見てその全額が回収できないことが明らかとなった場合には、これは貸し倒れ損失として損金の額に算入することができる、こういう取り扱い。二つ目は、債務者につき債務超過の状況が相当期間継続するなどいわば部分的に回収不能と見込まれる実態にあるものにつきましては、所轄税務署長の認定を受けて、その回収不能額を債権償却特別勘定として損金の額に算入する、こういった取り扱いがございます。
○高井和伸君 法務省にお尋ねしますけれども、今のお話にありましたように、法令の規定によって損金算入はかなり自動的にできるというふうになっております。そうした場合第二の方法として、債務者の実態をとらえての損金算入というときに、これは任意の示談交渉によるというようなことになりますけれども、今の法制で個人のそういった債務カット類を法制上許している規定、あるいは許されていない規定というか個人のレベルにおいてのこういった債権債務の処理において今の法制に乗っからない部分、特に任意に払いたいけれども幾らかまけてくれという場面における法制はどのようになっているのか、お尋ねします。
○政府委員(清水湛君) 現在の法制ということになりますと、自己破産申し立て事件が非常に急増している、そういう急増の背景には債務者が免責を求めるということがあるというふうに思うわけでございます。 この免責制度というものにつきましてはいろいろな議論があるわけでございまして、例えば誠実な債務者に対する恩典であるというような考え方から、破産者のいわば一種の当然の権利であって、すべて免責をせよ、こういうような考え方もあるわけでございます。また、最近の事件急増の背景等の実態に照らしまして、裁判実務では一部免責をするというようなことも考えたらどうかというような議論がわき起こっているというような状況もございます。私どもといたしましては、そういった消費者破産の問題につきましてはいろんな考え方がありますので、破産法制の見直しの一つの重要な問題と認識をしているわけでございます。 このような議論の中で、委員御指摘のような例えば更生型の手続を導入したらどうか。例えば定期の収入がある債務者については、債務を全部免責しないで長期的に少しでも割賦でもいいから払わせるというような、会社更生手続に準ずるような個人更生手続みたいな法制はどうだろうというような提案が一部の学者によってされておるというような実情があるわけでございます。 現行法の問題といたしましては、例えば支払い不能に陥った債務者の破産を防止するという観点から和議法による和議というような制度がございますけれども、これとは別に、さらにそういう更生型の手続を考えたらどうかということでございますが、これはまたこれでいろいろ大変難しい問題をはらんでいるわけでございます。 したがいまして、現在のところ、要するに破産の申し立てをして免責をするという形になっているわけでございますけれども、私どもといたしましては、そういった個人破産の実情とかこれについてのいろんな議論というようなものを踏まえまして、今後十分に研究、検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○高井和伸君 私が提案しようということを先に言われてしまったようなところがございますけれども、私が言いたいのは、これは特に総理に聞いていただきたいのは、平成元年では自己破産の件数は約九千件だったんです。ところが、二年になると一万一千件と微増だったんですが三年になると倍増して二万二千件、さらに平成四年になると四万三千件という大変膨大な数字になっていまして、自己破産予備軍は膨大な数字があるだろうと言われているわけです。 今のようなケースで私が言いたかったことは、ある意味では会社更生法といって有為な会社を建て直すために債務弁済をカットする制度がいろいろございます。それを個人のレベルで自己破産、破産宣告されてしまうと非常にいろんな不利益があります。実質的に個人としてもう銀行からローンは借りられなくなってしまう。その場の苦しさを逃れるために自己破産をすると、自己免責を受ければそれで非常に助かってしまって、その場はいいんですが将来的に大変長いツケが出てきてしまう。 そういうときに、個人レベルにおいても誠実な、誠実だというとカットしてくれというのは大変虫のいい話かもしれません、しかしながら社会現象としてできてしまった、多重債務者という言葉を先ほど通産大臣お使いになりましたけれども、個人消費の世界で年利が大体三割ぐらいの金利で雪だるまのように広がっていくものですから、大変速く債務が膨張するという。 そういう中で、ぜひともに新たな社会現象を救うというか、消費者大国になり過ぎた結果ツケが回ってきている側面からいって、法務大臣並びに総理に、こういったところをチェックするような法制、ただいま民事局長さん、大変難しい問題を抱えている、破産の世界ですと一部免責というようなテクニックもあるじゃないかとおっしゃられましたけれども、私はそれ以前に、そういった不利益が来ない、破産が来ないレベルで個人の立て直しをある意味では今限定立法的にでも出動しないと政府としてはいかぬのじゃないか、こういう認識に立っています。その点についての御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 確かに最近自己破産の申し立てが本当に激増をしております。その中にはおっしゃるように善意の人もおりますけれどもそうでない者もおるといったような関係で、なかなか取り扱いが私は厄介な問題だなと、こう認識しておりますが、いずれにせよ、しかし今日のようにどんどんふえていきますとほっとくわけにはいかぬということで、法務省としてはやはりこれは検討の課題であるということで御理解をしておいていただきたい、こう思います。
○高井和伸君 総理のお答えをいただきたいわけでございますが、裁判所の方も、自己破産がふえているというので裁判所の定員をふやすというようなことで、そういう手当てしておられます。他方、先ほど申したように、法人税の貸し倒れ的な側面での手当てもあるかと思いますけれども、もっと次元が違うだろうと私は認識しております。 先ほどの法務大臣の答弁と同じだということかもしれませんけれども、今までの議論の過程での総理の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) まさに法務大臣の言われたお答えしかどうも私もできずにおります。
○高井和伸君 法務大臣に期待しておきます。 次に、新聞報道に出ましたので述べても差し支えないと思いますが、日産自動車が座間工場の生産を中止する、二年間でそれを整理して九州と武蔵村山市へ二千五百人ぐらいの人間を移すと。こういうときに、これは通産省、労働省、それぞれいろんな対応があるかと思いますけれども、時間の関係上、具体的なこういったケーススタディーで、これからの企業のリストラというか構造改革というか、合理化に伴う施策として、ある意味で私は労働者のレベルヘの支援が非常に重要じゃないかという点で先ほども申したようにミクロの世界で申し上げておるわけでございますが、企業に対する支援それから失業者が出ないようにするような支援、そういった面での支援は多々制度的に行政的に存在し運用されていると思うんですが、まず基本として今度の日産の座間工場のようなケースでは通産省としてはどういう対応をなさるのか、そして労働省としてはどのような対応をなさるのか、できましたら労働者のレベルから見た場面での対応も述べていただければありがたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 日産座間工場の件につきましてはこの委員会でも何度か申し上げたと思いますが、自動車需要が低迷をいたしておりまして、深刻な経営状況に直面をしております我が国自動車業界がそれぞれ各社の実情に沿ってさまざまな構造改革の努力をしておられます。不採算部門の生産をやめまして他のメーカーとタイアップするとか、いろんなケースでやっておられるわけです。 日産自動車の場合は、今回改善努力の一環として我々は承知をしておるわけですが、九州工場の方に移していくと。そちらの方が新鋭の新しい機械設備が整っているということでございまして、座間の方につきましてはいわゆる工作機械部門とか技術部門などを今後も事業を継続していくというふうに承知をいたしております。 確かにこれは企業城下町的な問題もございますし、中小企業、地域経済に与える影響は極めて大きいわけでございますので、親事業者たる日産自動車がまずどういう対応をしていくのか、これを注視していかなきゃならぬ。通産省としては、その影響を受ける中小企業に対して適切な対策を講じていくということが大事かと思っております。
○国務大臣(村上正邦君) 企業の地方移転に伴い労働者が転居を余儀なくされることは、労働者の生活に大きな影響を与えることとなります。このような場合には、できる限り労働者の負担を軽減するよう労使で篤と話し合いをして解決してもらいたいなと、こう思っております。 しかしながら、個別の事業主のみでは対応が困難な場合も生ずることが考えられますので、必要な場合には労働省といたしましても、雇用促進事業団が全国各地に約十五万戸設置いたしております移転就職者用の住宅をこれらの勤労者の方々に使用してもらえばと、こう思っております。 また、事業主が九州など地元での雇用の場が少ない地域に事業所を移転し、その際に従業員の旅費などを負担した場合には地域雇用移転給付金を支給し、その費用を助成してまいりたい、こう思っております。
○高井和伸君 先ほどは不動産の買取機構という問題で、特に金融機関の担保物件の問題が出ておりました。 私がここで申し上げたいのは、二千五百人の方が移動せざるを得なくなったときに、この座間市にお住まいの方、そして自分の住宅を持っておられる方がそれぞれ移転するという場合に、私はそういった住宅を買い上げる仕組みをぜひやっていただかないことには、先ほど総理も言っておられましたけれども、買い上げ機構があって、値段があっても現実的に物件が動かなきゃどうしょうもないという現実が私はあると思うんです。 今はすべて冷え込んでおります。そういった面で、住宅金融会社が住宅金融のために出した金で苦境に陥ったんならいざ知らず、そうじゃないことで陥っているようでございますが、本来的な面で、私はこういった勤労者の方々が汗水たらして取得したローンつきの住宅になると思うんですけれども、ローンつきの住宅、これがなかりせばいろんな面で企業がどうあろうと気楽に動けるかもしれません。しかし、そういったもののために動きにくくなっている現状が非常にあると思うんです。 これは座間工場ということでケーススタディーで申し上げておるわけでございますが、私としてはいろんな総合的な観点から、こういった場面において住宅買い上げの枠組みをあらゆる観点から検討されまして、ぜひ早急に実施され、そして例えば地方への移転も可能にしてあげる。買い上げた資金、いろいろあるでしょうけれども、財投を使うだとか、またいろんな会社を設立するとか、そういった面での企業の支援を、通産大臣は中小企業の立場から、それから労働大臣は住宅という側面からも申されましたけれども、そういった面での買い上げ機構を金融機関のみならず、こういったリストラする企業の従業員のレベルでとらえた施策をやってもらいたい、こういう希望を申し上げますが、通産大臣、労働大臣の御所見を伺って私の質問を終わります。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほど申し上げましたように、親企業であります日産自動車がまず対応をしていくということ、それから今いろんなケースがお話にございましたが、そうした労働者関係のいろんな諸制度あるいはまた地元の地域、自治体とも協議をする。そういう形でできる限りそうした不安が除去されますように、そして何といっても大事なことは産業界のリストラ、構造改善というものは、これはやはり企業がさらに大きく伸びていくというためには大事なことでございますから、側面的な御支援をしていかなきゃならぬだろう、こう思っております。
○国務大臣(村上正邦君) 政府は持ち家制度を奨励してまいったわけであります。そうした中で、勤労者、サラリーマンは自分の家を持ちたいというのが夢でございましたし、またそういう努力をしてせっかく家を建てた。ところが会社ぐるみ工場ぐるみ移転しなきゃならない。そうした場合に、今委員の申されたようなそうした仕組みがあれば、これは本当に血も涙もある持ち家制度としてのその制度というものが生きてくる。こういうふうな観点から十分対応していかなきゃならぬことだとは思いますが、しかし基本的にはやはりこれは企業、事業主、こういった努力に負うところが大きいんじゃないだろうか、このように思います。
○高井和伸君 終わります。
○委員長(遠藤要君) 以上で高井君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(遠藤要君) 次に、喜屋武眞榮君の質疑を行います。喜屋武君。
○喜屋武眞榮君 私は、宮澤総理に政治改革についてまず初めに聞きたいと思います。 佐川事件に端を発した政治スキャンダルの真相解明はどの程度進んでいると宮澤総理は考えていらっしゃるのか、まずそのことをあらかじめお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一部は既に裁判にかかっておると思いますが、まだ一部は捜査等が継続をしておるというふうな状況と承知しております。 また、これに対しまして、国会でもしばしば証人、参考人等お呼びになりまして真相の解明に努められましたし、政府としても国会のそのような御努力には全面的に協力をいたしてまいりました。と同時に、しかし大切なことは、この反省としての政治改革と言われるものが、緊急改革はいたしましたけれども抜本改革がこれからでございまして、この国会に各党が抜本改革案を提出をされて、その上で私どもとしてはぜひこの国会で政治改革の関係法案の成立をお願いをして政治改革の本格的な実行をいたさなければならない。この問題はまだ全部残されておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 この事件の真相解明のための当予算委員会における証人喚問問題をめぐる自民党の態度は、失礼かと思いますが極めて消極的で非協力的であって、国民の信託に基づいて国政を審議、監督すべき国会の機能を著しく損なうものである。宮澤総理は自民党総裁としてその責任をどのように考えておられるのか、お伺いいたしたいと思います。率直な御回答をお願いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 国会の運営につきまして私が申し上げるべきではないと考えておりますが、ただ、当委員会におかれましては前国会でも真相解明の努力をなされましたし、またこの国会でもそのような御方針でやってこられておるというふうに承知をいたしております。
○喜屋武眞榮君 「言うは易く行うは難し」という言葉もございますが、宮澤総理は政治改革について不退転の決意で取り組むことを幾たびか強調していらっしゃるわけですが、それはいつまでに実現できる見込みであるのか、その時期を明示してもらいたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) これにつきましては、昨年以来自民党で検討しておりました自民党の抜本改革案はほぼ党議を終了いたしまして、間もなく国会に御提案をする段取りになっております。また、他の各党におかれてもいろいろ案を御作成であられますので、この国会におきましてまず衆議院で御審議が始まることは、これはまず疑いを入れないところでございます。 そこで、願わくは衆議院でこの案の御可決を願って、当院でも御審議を願いまして、この会期中に抜本改革のための法的整備が全部済むということをぜひお願いを申し上げたいと考えまして、本来予算が成立いたしましたらすぐにと考えておりましたが、大体その予定の日程をもって衆議院の方に案を御提案いたしたいというふうに自民党としては考えております。
○喜屋武眞榮君 非常に大事に受けとめたいお言葉に、間もなくという文言をおっしゃいましたが、ところが考えようによってはその間もなくの内容が幾らでも幅広く奥深いという解釈もできるわけですが、間もなくというお言葉をもっときちっとした表現でもう一遍お願いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 間もなくとは、実は自民党案そのものは何ときでも御提案ができる状況にございますが、衆議院で御審議の便宜もあって、他の党の案も同時に審議をされることが御便宜だという御意向を持っておられるようでございますのでそれを待っておりますけれども、いずれにしても、しかし遠いことではありませんで、恐らく四月第一旬とでも申し上げたら間違いがないのではないか。私つまびらかに他党のことを存じ上げませんけれども、そのようなごくごく短い将来でございます。
○喜屋武眞榮君 今のお言葉によりまして、きっと間もなく、早く実行してくださると確信いたしたいと思います。よろしくお願いをいたします。 次に、景気対策について一言申し上げたいのでありますが、大蔵省は予算成立後の追加的景気対策の柱として建設国債の発行対象事業の範囲を拡大することを検討していると報じられております。新社会資本整備事業と銘打って補正予算の編成作業に着手すると言われております。また、大蔵省は時代の変化に応じて公共事業のあり方を見直すのは当然と言っておるが、公共事業の見直しが単に対象範囲の拡大だけでとどまっていいのかどうか、公共事業のあり方そのものをもっと根本的にシステムそのものを見直す必要はないのかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(林義郎君) 議員御指摘のように、公債発行対象がどうだという話は、実は私の方から出た話ではございません。ほかでいろいろと言われておりまして、そういう話があるよと、こういうことでございまして、私の方ではまだそんなことを全然考えているところじゃございません。 私の方は、今お願いをしておりますのは、この平成五年度の予算をできるだけ早く上げていただきまして、この予算は景気に配慮した予算でございますから、いろんな形でこの予算が早く成立することは景気に対して好影響をもたらすであろう、いろんな事業の実行もできます、こういうことでやっているところでございます。 そうした意味で申し上げますならば、いろんなことでやっていかなければならない。公共事業の問題でございますから、公共事業費の中でやっぱりいろいろ時代的な変遷はございます。喜屋武先生恐らくお出になられたころには、最初のころに話がありましたのは道路をつくるとか港湾をつくるとかというのが非常に大きな仕事だったと思います。ところが、その後時代の変遷に伴いまして、例えば廃棄物処理施設である、あるいは下水道であるというような施設がだんだん出てきました。昔にはそういうことはなかったわけでありますけれども、今やそういったものが出てきた。そういった時代の変遷がありますから、その変遷に合ってやらなければならないということはあると思います。 しかしながら、財政法四条で国の公共事業費についてははっきりした規定が置いてありますから、むやみやたらなことを私たちはするわけにはまいらない。そうした意味で、きちんとした原則だけは守ってこれをやっていかなければならない、こういうふうに考えているところであります。 繰り返して申しますけれども、やっぱり財政というものは一つの節度を持ってやっていかなければならない、そういうふうな気持ちで私たちは取り組んでいることを重ねて申し上げておきたいと思います。
○喜屋武眞榮君 時間が来ましたのでこれで終わりたいと思いますが、一言総理に。 このごろ世相は物につながる動きが余りにも多過ぎる。「士は己を知る者の為に死す」という心の支えが今さらのように恋しくなってまいりました。「士は己を知る者の為に死す」、こういう国土的な政治家が続出することによって日本は安泰、正しい国づくりが可能であると私は信じます。 最後に、一言で結構ですから、総理の御決意をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨今の政治不信も、尽きるところは金の問題といったようなことから出ておりますことはまことに残念なことでありまして、まさに政治家そのものが高い志を持つということによって国民の信頼を回復することができるというふうに思っております。 十分御指摘の点は玩味をいたします。
○委員長(遠藤要君) 以上で喜屋武君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(遠藤要君) 次に、寺澤芳男君の質疑を行います。寺澤君。
○寺澤芳男君 日本新党の寺澤です。 金丸問題と、それから日本の民主主義という問題について宮澤総理の御見解を聞きたいと思うんです。 まず、私のアメリカ人の友達で、彼は大変親日家なんですが、ニューヨークのかなり大きな新聞社に寄稿をいたしました。日本の民主主義制度はという言葉を使って文章を書き始めたんですが、その新聞社がどうしても日本の民主主義、デモクラシーということを削除しないとおまえの原稿は新聞に載せないと。すったもんだしたあげく、日本の政治制度、ポリティカルシステムということにデモクラシーという言葉を直して妥協して載っけたという話を聞いて私は本当に慄然といたしました。 金丸問題は、日本の国民の政治家不信のみならず政治不信を深めたわけですが、それと同じように日本の国際社会における非常な信用を傷つけております。特に日本の盟友であるアメリカにおいてそのような状態になっております。 宮澤総理は、来月アメリカに行ってクリントン大統領にお会いになるような話を聞いておりますが、多分アメリカでかなり厳しい質問、日本の民主主義はどうなっているんだというような質問を受けられると思いますが、そのような場合にどのようなお答えを日本の総理大臣としてなさるのか、ひとつお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 海外における信用を傷つけておることは大変残念でございますが、これに対する答えは、この起きている問題を厳正に法によって措置をするということと、それから恐らくは、かつてイギリスが一八八三年に迎えましたようなそういう抜本的な政治改革を我々がこれから現実になし遂げるかどうかによって、この信用を回復できるかどうかが決まってくるというふうに考えています。
○寺澤芳男君 宮澤総理は、日本が経済大国から今度は生活大国へいくべきであるということで、かなり真剣に政治をされておられるというふうに理解しております。ただ、日本が生活大国になる以前に、本当に欧米先進諸国のような開かれた政治、本当の民主主義が行われているのかどうか。 例えば今度の金丸問題にいたしましても、金丸さんのところに金持ちがポケットマネーで五千万円とか一億円やったんじゃなくて、ちゃんとした企業が使途不明金という、ちゃんとした商法その他の関係法規で守られているあるいは規制されている企業のお金が行っている。そういう法的な規制、企業の持ち主である株主に対するディスクロージャー、開示というものが本当に行われていればああいうことはできなかったのではなかろうかという、そういう方面の規制がもう一度真剣に考えられた方がいいのではないか。要するに、生活大国も大事なんですけれども、欧米の行われているような、普通のちゃんとした勤勉な国民が本当に理解できるような、そういういろんな仕組みをもう一度考え直した方がいいのではないかと私は思います。 具体的に私がずっと考えておりましたことは、アメリカにあるフリーダム・オブ・インフォメーション・アクト、要するに情報公開、政府は開かれた政府なんだ、だから本当にみんなに公平に、よっぽどそれを知られちゃ困る情報はもちろん別ですが、しかし基本的には、一部の官僚しか知らない情報を一部の政治家が族議員としてそれを知ることによって得られるようなそういう仕組みじゃなくて、本当に思い切って情報公開をするというそういう法律を今考えて、何とかして今度の国会でそれが法律になるよう努力しているつもりなんですが、生活大国になる前に本当に日本を民主主義にするためのそういういろんな法律的な整備をこれからやっていきたい、やっていくべきだと私は思いますが、宮澤総理のお考えをぜひ教えてください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国でよく官民ということを無意識に申しますけれども、それは何か両方が別々のものである、官というのは国民のサーバントであるというところがちょっと欠けている場合がありまして、それが情報公開というようなものについてやはり観念の上で障害になっている場合が多々あると思います。 だんだん情報公開ということが地方でも行われ始めました。中央でもそれは、結局多くの情報は国民のものでございますから、できるだけそれに努めることは大切と思います。ただ、これを法制化する、制度化するということにはいろいろな問題があるかもしれないと思いますが、心構えとして、情報というものはできるだけプライバシー等々の問題を考えつつ公開をすべきものだというふうに考えます。
○寺澤芳男君 総理は、三月二十五日のこの参議院予算委員会で我が党の武田議員の質問に答えて、公共事業の発注、契約、入札について透明性をはっきりしないといけないと述べられました。公共事業についての入札制度、この場合本当に透明性が必要なのであって、やはり政治の腐敗の根源は行政の不透明性にあると思います。 何回も申し上げますが、一部の官僚が行政情報を私物化しこれに政治家が寄生するというそういう図式があって、それが利権政治につながるということでありますので、欧米先進各国には必ず何らかの形である国民に開かれただれでもわかるような情報の公開ということを、これを我が国の国情に合うような形でぜひ情報公開法として今国会で成立するように我々としては努力するつもりでありますが、もう一度宮澤総理のそれに対するお考えをお願いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今回の事件に関する事実関係は私つまびらかにいたしませんけれども、いわゆる土木事業、工事等の発注についていろいろなことが我が国で言われてまいった、またアメリカからも指摘されたこともございますが、これはお互いがよく知っていることでございます。 そこで、殊に公共工事というのは国民の税金でする工事でございますから、これが税金が誤って使われるということがあってはならない。これはもうどこへ参りましても、もうどこでも通じる簡単な論理だと思います。 したがって、そういうものについて、仮にそれが業界の体質であるか、あるいは役所の問題であるか、政治家の問題であるか、そういうことはともかくとしまして、免許事業でございますから、きちんといわゆる透明に公共事業の入札が行われ、受注が行われ、契約が行われ、遂行される、そういうことはもうごくごくいわばイロハの最初の部分に当たるような基本的なことであるというふうに思いますので、既に建設大臣もそういうことの具体化について指示をされ、役所もそういうことで透明化についてのさらに努力をされることとなっておりますけれども、これは基本的に最も大切なことであるというふうに思っております。
○寺澤芳男君 日米構造協議などの席上で、外国から日本の行政の透明性とかあるいは談合の問題を指摘されることは非常に国辱的で悔しいと思います。我々の手で本当にみんなの納得のいくようなガラス張りのわかりやすい行政にしていくために、そういうふうな意味で我々としてはよくこの今度の金丸問題というものからいろんなものを学んで、国民のためにいい法律をつくっていきたいと思います。 私の質問はこれで終わります。
○委員長(遠藤要君) 以上で寺澤君の質疑は終了いたしました。 これにて景気対策及び政治改革に関する集中審議は終了いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(遠藤要君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査に関し、政治不祥事の解明と国政調査機能のあり方について、来る四月二日に、弁護士堀田力君、関東学園大学法学部教授浅野一郎君及び北海道大学法学部助教授山口二郎君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(遠藤要君) この際、御報告いたします。 本委員会は、平成五年度総予算三案につきまして、内閣委員会外十五委員会にその審査を委嘱いたしておりましたが、各委員長からそれぞれ審査概要について報告書が提出されました。 つきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 なお、このほか、報告書は既に印刷して皆様のお手元に配付いたしております。 明日は午前九時から開会することとして、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十三分散会 ――――◇―――――