予算委員会 第8号
- 発言数
- 235 件
- 登壇者
- 41 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/03/24
会議録
○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 昨日に引き続き、総括質疑を行います。三重野栄子君。
○三重野栄子君 まず第一に、自民党前副総裁金丸信被告の脱税事件の問題につきまして、既にマスコミで御存じと思いますけれども、大手総合建設会社、ゼネコンが毎年盆暮れに百人に近い政治家の皆さんに献金をしたということが報道されております。ゼネコンの中には、金丸前副総裁だけではなく、自民党の実力者として竹下元首相らを最高ランクに位置づけていた会社もあるようでございまして、後ほどこの百人近い皆さんの内容につきましてはマスコミでも発表されるかもわかりませんけれども、まずもって国会でお尋ねをしたいと思いまして、総理大臣、それから建設大臣、外務大臣、おもらいになっているかどうか、もう五年間も続いているそうでございますので、そのところを明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 何かの根拠なしにそういうことをお聞きになることは私は遺憾だと思いますが、ありません。
○三重野栄子君 外務大臣、お願いします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) かなりたくさんの社から政治献金を受けておりますから、何百社とはないかもしらぬけれども、広く薄くということでございますので、ないとも言えないし、あるとも言えません。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま外務大臣からお答えをいただいたように、私も広く薄くということでいただいておりますので確認してみないとわかりませんが、そういうこともあるかもしれません。
○三重野栄子君 その事実につきましては、後刻時間の経過の中で明らかにされると思いますので、この件については終わりまして、次に建設現場における労働災害事故についてお尋ね申します。 去る二月一日、江東区の都水道局発注の水道工事現場のガス爆発事故がございましたけれども、その原因と被災状況につきまして、建設省の側から、また労働省の側から、どのような調査が行われましたか、お尋ねをいたします。
○政府委員(石岡慎太郎君) 本年二月一日午後十一時三十分ごろ、東京都水道局送水管建設工事におきまして爆発事故が発生いたしました。この結果、四名の方々が亡くなり、一名の方が重体でございます。なお、重体の方につきましては、現在まだ入院中でございますが、快方に向かっております。 御指摘の爆発の直接的な原因でございますけれども、これは今までの調査の結果、坑内にメタンガスが発生いたしまして、何らかの着火源、火元によりまして爆発したものと考えております。しかしながら、どういうメカニズムでメタンガスが発生したのか、あるいはまた着火源はたばこであったとかスイッチの火花であったとか機械の火花であったとか、その着火源が何であったかなどにつきましては、坑内に立ち入りましたり、あるいはまた重体の方も含めまして関係者から事情聴取を行い、鋭意その状況を調査している段階でございます。 また、こういう爆発の直接的な原因の究明のほかに大事なことは、この工事現場において安全衛生管理上の問題点がなかったかということでございまして、労働省といたしましては、例えば安全管理体制が適切に機能していたのかどうか、事前の地質調査でガスの発生を的確に把握していたのかどうか、それから可燃性ガスが出た場合の対策が適切に講じられていたのかどうか、それから非常時に退避ができるように訓練をするなどの適切な体制がとられていたかどうか、あるいはまた労働者に対しまして安全衛生教育が適切に行われていたかなど、こういうことにつきましても現在鋭意調査をしているところでございますが、できるだけ早くこれらにつきましても結果を取りまとめまして発表してまいりたいと思っています。
○政府委員(伴襄君) 建設工事における事故防止、従来から官民挙げて取り組んできておりましたけれども、今回のような重大事故が発生しましたこと、まことに残念でございます。 事故原因につきましては、現在、警察、それから今御答弁ありましたように労働基準監督署において捜査中でございます。 現在、そういう捜査中ということでトンネルの中にも我々としては立ち入れないような状況でございますが、発注者であります東京都水道局の方も技術調査委員会を設置いたしまして調査中であると聞いております。我々もその調査結果を待ちまして的確な対応をしていきたいというふうに準備をしているところでございます。
○三重野栄子君 両省からの報告をいただきまして、原因並びに状況調査はまだ調査中だそうでございますが、やはりこういう事故が起こりますと、いつでも犠牲になるのは出稼ぎ者の皆さんが多うございます。 この亡くなられた方、また重体の方に対する手厚い保護といいましょうか後のこともお願いしたいところでございますけれども、今も申されましたが、建設現場の事故根絶あるいはまた安全対策について、これからもう建設業務はどんどん進んでいくわけでございますので、労働大臣と建設大臣の見解を求めたいと思います。なお、労働大臣はこの事故が起こりまして直ちに現場においでになったということもございまして、その感想も含めての御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(村上正邦君) 二月の一日、事故が発生をいたしまして、私が第一報を受けましたのは夜半の十一時ちょっと過ぎかと思います。そういたしまして、翌日お昼ごろまでその状況いかがかと思いまして報告を待っておりましたけれども、救出作業がはかばかしくないということで現地へ参ったわけであります。いずれにいたしましても、痛ましい現場を見てまいりまして、二度とこういう災害を出してはいけない、災害防止のために労働省としては全力を挙げていくべきである、こういうふうに痛感をいたしました。 いろいろその原因につきましては、今基準局長から報告いたしましたが、私は、やっぱりこれ建設省とも十分打ち合わせ、打ち合わせというより協議をしていかなきゃなりませんが、労働省といたしましては、災害防止のプロジェクトチームをつくりまして、そしてここで徹底的にあからさまにいろいろな問題点を出してもらって、一つ一つ問題解決していかなきゃならぬと思います。 一番大きなことは、元請があって下請があって孫請があるという、こういうあり方にやはりメスを入れていかなきゃいかぬなと。 それからまた横の関係ですが、何でジョイントを組まなきゃならぬのか。鹿島、熊谷、鴻池という三社のジョイントなんですね。そのジョイントの実態も、私はなぜこういう仕組みにしなきゃならぬのかと思いますが、鹿島から五名社員が出ている、熊谷から三名出ている、鴻池から二名出ていると、こういう構成なんですね。そしてあとは全部下請なんです。 だから、なぜこういうことをやらなきゃならぬのかなと。こういうやっぱり建設業界の体質にメスを入れなきゃならない。やっぱり希薄なんですね。末端に行けば行くほど、孫請なんというのに対しては鹿島なんという大きな会社は責任をそんなに感じてないんじゃないかという、いや、私もこれはたびたび…… それから、今、建設省の報告もお聞きになりましたが、二月一日の事故が、今日もう三月の下旬になっているんですが、まだ調査中、検査中、こうなんですよ。で、私は三月十五日に基準局長を呼びまして、どうなっているんだと。そうしましたら、いやまだ検査中です、こう言うものですから、どういう検査をしているんだということで直ちにまた三月十五日に現場へ私は行きました。坑内に入れてくれ、現場へ入れてくれと、こう申しましたら警察の方から拒否をされたわけでありますが、やっぱり速やかにこういう原因は究明していかなきゃならない、時間が少しかかり過ぎる、こう私自身思っております。 この際あれやこれや思い切った対策を災害防止のために取り組んでいきたい。これは建設大臣とも、ただ現場任せじゃなくして、役人任せじゃなくして、やはり大臣レベルにおいても、やっぱり人命ということについては私どもはもう少し重く感じていかなきゃならない、こう思っております。建設大臣とよくこれは話し合ってまいりたい、こう思っております。
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。 ただいま御指摘をいただきましたシールド工事の事故によりまして四名の方々がお亡くなりになられたということに対しましては、改めて衷心より御冥福をお祈りし、ただいま労働大臣が御指摘をいただきましたように、こうした事故が再発しないような環境づくりのために労働省とも問題点をきちっと整理をし対応できるようにやっていかなきゃならない、このように考えております。 ただ、建設工事の場合に幾つかの難しい問題点がありますことは、ほかの製造業と違いまして野外工事であるということ、そしてなかなか省力化というものが難しい部分があるということ、先生御案内だと思いますが、最近特に、建設労働にお働きになられる方々の高齢化というのが非常に深刻になってまいりまして全産業と比較して平均で四・六歳ぐらい高齢化している、こういうようなことで熟練工も不足している。 こういうことになってまいりますと、建設省の中で委員会をつくり、こうした問題に対して取り組めるような問題点を今整理しているところでありますが、一人一人の安全知識と、あとチームワークを組んでこうした問題を根絶できるような基盤というものは元請と下請との責任を明確にする中でそういうものを進めていかなきゃならない、このように考えておりますので、労働大臣の御指摘をいただいたことに対しましても建設省としても前向きにこの姿勢で取り組んでいきたい、このように考えております。
○三重野栄子君 労働大臣から働く側にとりましても大変温かい対策を今後進めていただくというお答えをいただきまして、この爆発事故で亡くなられた四名の方々も自分の死というものを皆さんのために役立てる方向になるように祈っておられるのではないかというふうに思います。 今、労働大臣並びに建設大臣の申されました方針に従いまして、現在のこの事故の原因調査の早期解決とともに、今後の問題について積極的な御施策をいただきたいと思います。特に元請企業の問題が出ましたけれども、やはり違反の問題あるいはふまじめな問題につきましては罰則等も含めた指導強化がされることが望ましいと私は思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、水供給の限界を超えない都市管理についてお尋ねをいたします。 昨年、政府が提案されました都市計画法の改正では、都市計画における市町村の権限にどのような変化がありましたでしょうか、建設大臣にお尋ねいたします。
○政府委員(鹿島尚武君) 先生御案内のとおり、都市計画は町づくりの最も基本的な手法の一つでございます。地方公共団体、特に基礎的な自治体でございます市町村が住民の意見を十分反映させながら主体的に推進をしていくことが重要であると考えております。 そこで、現行の都市計画制度におきましては、原則として市町村が都市計画を決定するというような建前になっております。こうした認識のもとに、従来から都市計画の権限配分につきましては、地方の自主性を尊重する観点から必要な見直しを行いまして市町村への権限移譲等に努めてきたところでございます。昨年の都市計画法の改正におきましても、市町村の都市計画のマスタープランである市町村の都市計画に関する基本的な方針の創設、特別用途地区及び地区計画制度の拡充を行いまして市町村の町づくりの権限の拡充を図ったところでございます。
○三重野栄子君 今るる申されましたけれども、そういうことができた、なぜそういうふうになさったかということをもう少し詳しく御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(鹿島尚武君) 御指摘のとおり、町づくりと申しますのは住民に最も身近な基礎的な自治体でございます市町村が住民の意見を十分に反映させながら主体的にこれを推進していくということが重要であるわけでございます。 そこで、再度申し上げますけれども、町づくりの最も基本的な手法の一つでございます都市計画制度におきましても、原則として市町村が都市計画を決定をすることとするなど、市町村を中心とした制度と実はなっているわけでございます。そこで、昨年、都市計画法改正をいたしまして、市町村がまずみずからのマスタープランとして将来あるべき市街地像等を具体的に明らかにするために、市町村の都市計画に関する基本的な方針等制度の十分な活用が図られるように拡充がなされたところでございます。
○三重野栄子君 そういたしますと、基礎自治体であります市町村が主体で町づくりを担う方向を目指すということが理解できましたけれども、しかし実際問題、言葉といたしましてマスタープランとか都市計画とか申しましても、すべてがやはり自由に市町村が主体となる方向にはまだなっていないようでございます。と申しますのは、都市計画に限らず、関連するすべてができる限りやっぱり地元の市町村を主体とする方向で行政権限の見直しが行われなければならないというふうに考えるわけです。 したがいまして、そういう見地から自治省、国土庁、それから厚生省はどのようにお考えであるかということをお伺いいたします。まだ幾つもの縛りがあると思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 地方自治の基本的な問題点でございますからまず私からお答えいたしたいと思います。 御承知のように、地方公共団体の条例制定権というのは憲法第九十四条に根拠を有するものでありまして、これを受けて地方自治法第十四条第一項では、あの有名な「普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて」「条例を制定することができる」とされております。 したがって、御例示にありましたような都市計画上の問題点は基礎的な地方公共団体である市町村が主体的にいくのは当然でございますが、ただ、条例と法令との関係がございます。 条例と国の法令との関係を考えてみます場合には、一般的には条例及びそれに関連する法令、それぞれの趣旨、目的、対象、手段等を総合的に検討した上で判断しなければならない。したがって、条例でいろいろ市町村が例えば都市計画その他自由にやっていきます際に、今申し上げましたような趣旨や目的や対象や手段によって判断の結果が出てくると思いますが、基本的には私は市町村の自治を重んずるという方向で、例えば災害等のことであれば人命に関係することでありますから市町村が最も熱心にそのことを真っ先に考えなければならない、これは事態等によっていろいろと異なってくるものであろうかと思います。
○国務大臣(井上孝君) 御質問について、国土庁の所管から御説明を申し上げます。 国土庁といたしましては、昭和四十九年にできました国土利用計画法に基づきまして昭和五十年から国土利用計画を策定いたしております。全国計画はもちろん国土庁が作成をいたしまして五十年から十カ年計画、ただいまは六十年以降の第二次全国計画が定められておりまして、これは各地目別の土地の利用の目標を定めております。 この全国国土利用計画法に基づきまして、各都道府県がそれぞれ都道府県の土地利用計画を、都道府県計画を策定するということになります。また、全部ではございませんが、必要に応じて市町村も土地利用計画を立てる、こういう仕組みになっております。 この計画は、そのものがいろいろなものを規制するというんではなくて、やはり人口が集中する見通しを立てるとか土地の利用の見通しを立てましていろんな社会資本の整備の基礎にする、あるいは行政のいろいろな基準のよりどころとして将来の目標を定める、こういう性質のものでございます。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 厚生省関係では、水道やいわゆる廃棄物処理施設、こういうものが都市計画に当たりまして不可欠なものである、このように考えております。 これらの施設は、生活環境面からの必要な規制が行われておりますけれども、実際の建設に当たりましては市町村の主体的な判断にお任せをいたしております。したがいまして、おのおのの地方自治体が独自の計画を実現する上において、これらの施設は支障がない、このように考えております。
○三重野栄子君 今、それぞれの所管の問題につきまして大臣から御説明をいただきましたけれども、町づくりの主体が、基礎といいますのが市町村だというふうに言われながら、やはりまだまだ条例の問題あるいは国土利用、あるいは水の問題について規制もあるようでございます。本当に市町村が自主的にやれるような方向であるとすれば、これからどのような町づくりの主体をつくり上げていこうとお思いになっておりますでしょうか、総理の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま先生御指摘をいただきました問題につきましては、都市計画の対象となる道路整備、下水道、こうしたものに対しては市町村へ権限を移譲すべきではないかという御質問でよろしいでしょうか。
○三重野栄子君 はい。
○国務大臣(中村喜四郎君) その問題につきましては、現行の都市計画制度については原則として市町村が都市計画を決定するものとして、実態として都市が広域化していることにかんがみ、広域的、根幹的な都市計画は知事が決定することとしております。また、都市計画に定められた道路、下水道の整備を行う都市計画事業については、市町村が施行することが困難または不適当な場合その他の特別な事情がある場合においては、都道府県が実施するもの等を除き原則として市町村が実施しております。 都市計画における権限移譲については従来から重要な問題として認識しており、先ほど政府委員が御説明をいたしましたが、市町村の都市計画に関する基本的な方針を創設する等において、これまでも市町村への権限移譲を努めてきたところでありますが、一層権限移譲を図る等、制度の適時適切な見直しを行っていきたいと、このように考えております。
○三重野栄子君 お話を伺いますと、非常に権限移譲がされているようでございますが、ここで市町村の成長の問題につきましてどのように管理をしていくかということで問題提起をさせていただきたいと思います。 町づくりの担い手が市町村であるという場合に水道の供給とか廃棄物の処理など重要な生活基盤を整備する責任を負うということは、今も厚生大臣からお話がございました。ところが、大都市周辺の人口急増地ではそのような生活基盤の整備が人口増に追いつかない場合があるわけでございます。したがいまして、人口の増大や建設業者などによる開発を市町村がコントロールできるようにしたいというのが切実な願いでございます。このような人口の増大とかあるいは大規模開発について市町村がコントロールできるように要望している。この要望を実現するために、どのように基本的にお考えでありましょうか。 関係大臣にお伺いしたいのでございますが、まず建設大臣いかがでしょうか。人口の急増に対して生活基盤の整備が追いつかない。そういう市町村の町長さん、大変失礼ですけれども、町長になられたといたします。そうしますと、建設大臣ですと、建設省所管の法制度をどのように活用することによってどんどん整備に追いつかない人口増をとどめることができるかということをお尋ねしたいわけです。
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。 先生御指摘をいただきました人口急増地域での社会資本の整備が追いつかないという問題について、町長になったらばどうかというお話でございますが、実は昭和四十三年に制定された都市計画法において、将来の人口の見通し等を勘案して都市基盤整備に見合った計画的な市街化を図るための市街化区域と市街化調整区域の区分を実施するとともに、公共施設の整備水準を備えた開発を誘導するため、これを担保する仕組みとして開発許可制度を創設したわけであります。 この点に立ちまして、広域的な観点から都道府県知事が定めるものとし、また、開発行為の制限については事務処理の統一性等の観点から都道府県知事の事務としておりますが、開発許可の権限については人口十万人以上の市については事務の委任をすることとしておりまして、先生御指摘をいただきました町長、村長という立場に立ったその権限移譲という問題にまではなかなかまだ進んでおりません。 こうしたものを統一性をとりながら、こうした都市計画をどのように進めていくかということについては、先生の御指摘も踏まえて今後課題として勉強させていただきたい、このように考えております。
○三重野栄子君 同じようなことでございますが、今度は厚生大臣にお伺いしたいと思います。 水の供給もごみの処理も追いつかない、そういう状況のときに、厚生大臣がやはり同じく町長さんといたします。そうしますと、水も足りない、ごみもたくさんたまっていくという中で、それぞれの所管の法制度をどのように利用してこの調整をおさめようとなさいますか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) お答えいたします。 最近、いわゆる宅地開発などによって、人口急増地域におきましてなかなか水道やごみ処理の施設の収容能力が追いつかない、大変大きな問題となっておりますこと、私ども十分に承知をいたしております。 今、建設大臣からも答弁がございましたけれども、物理的にこれを抑えるということは現実的にどうかなと、なかなか非常に難しい問題がございますけれども、いずれにいたしましても、もし仮に私が町長という立場であるならば、とにかくやはり結果的に新しい住民にもそれからこれまで住んでおる住民に対しましても迷惑をかけることになるわけでございますので、要するに町づくりに当たりましては社会資本のバランスのとれた整備というものを考えながら、人口のいわゆる誘致といいますか、そういうものを考えていかなければならない、このように考えているような次第であります。 いずれにいたしましても、厚生省といたしましては、関係省庁と十分にこの問題につきまして協議をいたしましてごみ処理や水道とバランスがとれるようなひとつ都市計画づくり、こういうものをお願いしていきたい、このように考えているような次第でございます。
○三重野栄子君 大臣を町長にいたしましていろいろ御答弁いただきましてありがとうございました。 今お伺いいたしましたように、建設大臣の方もあるいはまた厚生大臣の方も、それぞれの法律をフルに活用したとしても人口の急増とかあるいは大規模の開発を効果的に抑制できるということは非常に疑問があるようでございます。 というのは、一つの問題は、先ほどもございましたけれども、最も基本となります開発許可権にいたしましても、また市街化区域や市街化調整区域の線引き権限にいたしましても、これは町ではなくていずれも都道府県知事の方にあるわけでございまして、地元の意思で決定することができないということになっています。こういう法律上の基本構造があるからだと思うわけでございます。そういたしますと、このような制度のもとでどのように市町村が実効を上げるかということについては限界があると思うわけでございます。 ですから、市町村の主体性という見地から現状をどのように打開していくか。市町村の権限を拡大しようと一方ではそういう方向でございますけれども、いや現実にはまだそういっていないという状況の中で、これから地方自治を目指しまして地方分権と言われる時期におきまして、総理の御意見、どのように方向づけられますか、お伺いいたします。
○国務大臣(村田敬次郎君) 三重野委員の御質問につきましては総理が立派な哲学をお持ちでございますが、私は町村長の経験はないんですけれども県の水道部長をやったことがあります。また、今は自治大臣でありますから地方自治のまさに所管でございまして、それについて私の感じておることを申し上げたいと思います。 まず、人口急増地区というのは、私の例えはふるさとにもございますが、非常に人口急増のために都市施設その他が間に合わないということがいろいろあるわけですね。そして自治省では、起債あるいは地方交付税というようなもので財源の乏しい市町村、都道府県等に財源を供給するという、横糸の任務が与えられておりますから、それはしっかり対応します。 ただ、非常に急増していくために例えば水道の水が間に合わない、こういうような場合、私の自分自身の経験からいうと水道の供給人口は多い方が採算は合うという一般的なことはあるんですが、恐らく三重野委員が御指摘になっているのは、福岡県等の人口急増地区のところからそういうことが出てくるんだろうと思います。 それで、たしか昭和四十三年ごろの都市計画法では、市街化区域、市街化調整区域等の指定について県知事の権限が非常に優先をするわけでございます。したがって、それについての対応が市あるいは町村では非常にお困りになるだろうと、こういう実際の御経験上も言っておられると思います。 宅地開発によって人口が急増する場合には給水するための水源を確保する必要があるために水源開発の経費が多額になることが予想される、そしてこれが水道事業の経営を圧迫するということが考えられる、こういうことで、それぞれ都市計画について建設大臣あるいは水道供給等について厚生大臣から適切なお答えがあったわけでございますが、この人口急増地域については地方交付税の特例ももちろんあります。それと同時に、十分地方債その他、今自治省はいろいろなことで御相談に応じることができるようになっておりますから、地方分権の趣旨、それから基本的な地方分権の主体は市町村であるという原則に立ってよく御相談をしたいと思います。知事ともよく御相談をしたいと思います。
○三重野栄子君 今のは地方自治体の分についてが中心でございましたが、しかし私どもは、住民といたしましては人口が急増することを拒否しているわけじゃございませんで、それでは水の供給をどのように拡大していくかということももちろん考えなければならないと思います。 ところで、人口の増大や大規模開発による水供給の限界を予測されたのでしょうか。昭和四十八年、一九七三年の十月に厚生大臣あての生活環境審議会答申がございまして、次のように指摘をされています。「他地域からの導水等水道用水の広域的利用にも限界がある場合には、その地域の利用可能水量をもとに逆に社会経済規模を規制するための総合的な施策を講ずることを検討すべきである。」という援言でございます。 そこでお尋ねいたしますが、四全総をバックに多極分散の名において進められております地方都市の急成長には、その地域の利用可能水量をもとに逆に社会経済規模を規制するための総合的な施策を講ずることが必要じゃなかったんだろうか。その点について、国土庁はどのような施策がございましたか、お伺いいたします。
○国務大臣(井上孝君) 先ほど私御答弁申し上げましたまず国土利用計画の方でございますが、これは必要に応じ、特にまた人口が先生の御郷里の福岡のようにふえるようなところはやはりそういう状況に応じて改定をしていくということが必要でございます。 大変恐縮でございますが、事前に調べたところによりますと、福岡県はただいま改定の準備中だそうでございます。二回つくりましたものが既にどうも実情に合わないということで、改定の準備中と言っております。これに対しましては、全国的な視野から私ども国土庁としても県とよく相談をして適切な改定が行われるように御相談に乗ってまいりたいと思います。 それから、お尋ねの水の問題でございますが、これは四全総という大きな計画の中で国土庁といたしましては昭和六十二年十月に全国総合水資源計画というものをつくっております。それによりまして水資源開発ダム等の施設の促進、あるいは雑用水、水の合理的な利用、雑用水利用の促進とか、それからダムなんかつくる場合の水源地の対策、こういうものが非常に重要でございます。 そして、そういう全国計画のもとに国土庁といたしましては、広域的な用水対策を緊急に実施する必要がある全国七水系、その中に福岡県の場合には筑後川が入っておりますし関東では利根川とか荒川が入っておりますが、この筑後川の水を人口がふえております福岡の方へ導水するという大きな計画を持っておりまして、ただいまそれを一生懸命建設省とも一緒になり農水省とも一緒になって進捗を図っております。実は進捗はまだ五〇%ぐらいでございます。今まだ不足中でございますが、福岡付近ではまだほかにも水資源、この筑後川じゃなくてほかの水資源開発も御計画のようでございますので、こういうものによって、なかなか人口急増には追いつきませんけれども、なるべく追いつくように努力中でございます。 よろしゅうございますか、それで。
○三重野栄子君 私が福岡県出身ということで大変丁寧な御答弁を恐縮に存じます。 今と同じようなことでございますけれども、厚生省はこの生活環境審議会の答申を受けとめましてどのような検討がされましたでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(藤原正弘君) お答えいたします。 御質問の生活環境審議会の答申は「水道の未来像とそのアプローチ方策について」としてまとめられたものでございます。この答申がまとめられました当時は、大都市圏を中心に増大する水道用水の需要に対し水資源開発が立ちおくれていることが問題となっていたようなことがございます。この答申におきましては、水道用水の確保に当たっては、水資源の開発を積極的に推進すること等を基本としつつ、他地域からの導水等水道用水の広域的利用にも限界がある場合には、社会経済規模を規制するための総合的な施策を講ずることを検討すべきであるということが述べられておるわけでございます。 この答申を受けまして、厚生省としましては、長期的、広域的観点からの水道水源開発の推進に積極的に取り組むとともに、水利用の合理化を推進してきたところでございます。 また、社会経済規模の規制に関連しましては、厚生省としましても大規模な宅地開発等に係る認可に関して水道水の確保等の状況を踏まえて関係行政機関との協議を行う等の対応を行ってきました。また、昭和五十六年には都市計画法に基づく通知によりまして、開発許可に際して開発行為者と水道事業者との協議を行わせるよう措置が講じられたところでございます。
○三重野栄子君 そういたしますと、いろいろ施策もとられておるようでございますけれども、これからの問題といたしましても、広域的利用の限界の根拠あるいはまた基準の判断はどういうものでなさるんでしょうか。そしてまた、それはだれがどこで決められるものでしょうか、お伺いをいたします。
○政府委員(藤原正弘君) 広域的利用の限界についての判断基準をお尋ねでございますが、水道水源の確保のための方策といたしましては、ダム等による水資源の開発のほか、他の用水の余剰水の利用それから海水淡水化などさまざまなものがあるわけでございます。また水資源の広域的な運用というふうな方途もあるわけでございます。 答申で述べられております限界といいますのは、これらについて最大限の努力を払った場合でもなお需要量を満たすために必要な水道用水の確保が困難な場合について言及しているものでございます。個々の地域の実情に応じて判断するものと考えております。
○三重野栄子君 それは、個々の実情に応じて判断するというのはだれがなさるんでしょう、どこがするんでしょうか。
○政府委員(藤原正弘君) だれが判断するかというお尋ねでございますが、その市町村それぞれの立場で水道事業者も含めまして判断していくということになるというふうに思っております。
○三重野栄子君 それでは、関連してお尋ねいたします。 水道法第十五条第一項は、「水道事業者は、事業計画に定める給水区域内の需用者から給水契約の申込を受けたときは、正当の理由がなければ、これを拒んではならない。」と定めております。ここで言う正当な理由とはどのようなことを指すのでしょうか、具体的に細かくお願いいたします。
○政府委員(藤原正弘君) 水道法第十五条の正当な理由というものについてお尋ねでございますが、この水道法第十五条第一項には、需用者を保護する観点から、正当な理由のない場合には供給を拒否してはならないということがあるわけでございますが、その正当な理由といたしましては具体的に次のようなものが該当するんではないかというふうに考えております。一つは、当該水道事業の給水量が著しく不足している場合、二つ目は当該水道事業では対応し得ない多量の給水量を伴う申し込みである場合、三つ目は配水管未布設地域からの申し込みである場合などでございます。 水道事業は、一般の需要に応じて日常生活等に必要な水を供給する公共性の強い事業でございます。給水申し込みに対して恣意的に水を供給しないというようなことがあってはならないということから、先ほど申しましたような正当の理由というふうなことがある場合に限って給水拒否ができるというふうなことになっておるわけでございます。
○三重野栄子君 今、正当な理由を申されました。 そこでお尋ねいたしますけれども、人口急増の市町村は少雨傾向とかあるいは恒常的な渇水、そして水道法制定の昭和三十二年当時では想像もつかなかった水需要の増大がありまして、給水がマッチをしない。そこで地方自治体といたしましては、公共団体独自の町づくりの計画やあるいは水の供給計画による統制ということで、先ほど自治大臣からも御説明がありましたけれども条例制定の権限のもとで水道水源保護条例というのをつくりまして、例えば二十戸以上のところにおいてはもう給水はできませんというように制限をしているところがだんだん多くなっております。この場合の正当な理由に承服をしない開発業者等もございまして、その場合には民法四百十四条の二項で債務者の意思表示で争うこともできるというのがこの水道法十五条の一項のようでございます。 そうしますと、正当な理由の判断という先ほどの例えは対応し切れない申し込み、例えば三万ぐらいの人口のところに四百二十世帯もどんと来るというようなことではだんだんとこれは対応し切れなくということがわかるわけでございますから、そういう場合に先ほどの条例を生かしまして主張いたしてもこれが認められない、一方ではこれが裁判になっていくということになりますと、正当な理由の判断というのはどこでされるのか。裁判に求められるんじゃなくてやはり自治体同士、国や県や市町村、そういうところで調停機関をつくるとか、あるいはまたこの十五条一項を何らか補強していくという必要があるのではないかと思うんですけれども、その点について厚生大臣並びに自治大臣にお尋ねいたします、この方法について。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 水道水の給水をめぐって、これまでの住民の方あるいは開発をしている方、新しい住民の方、こういう方が争うということは大変不幸なことでありまして、大変遺憾に思っております。 基本的には、私先ほども申し上げたわけでございますけれども、いわゆる開発に当たってはまず水道の供給能力というものを十分に配慮しながら進めていただかなければならない、こういうことでございます。 法律云々の話が出ておりますけれども、私は、基本的にはこれは法律でどうのこうのいう問題ではありませんしまた裁判でどうのこうのということではなくて、やはり事前に当事者同士で十分に話し合う、こういうことが何よりも必要ではないか、このように考えているような次第でございます。
○三重野栄子君 さきに御紹介をいたしました生活環境審議会答申の中で、その地域の利用可能水量をもとに逆に社会経済規模を規制するための総合的な施策というものが十分でないというのを示しているのではないかと思うわけでございます。 総合的な施策の名のもとにいろいろ進められているわけでございますけれども、厚生大臣、今のお答えではなかなか私としては満足し切れないわけでございますが、どんな市町村でも広域的な水利用や水資源の開発によって水の供給可能な状態にあるからやっぱり今のようなお答えになるのでしょうか。その点についてお尋ねをいたします。
○政府委員(藤原正弘君) 水道水の確保につきましては、需要量の増大に合わせまして水資源の開発、水利用の合理化、広域的な水利用の推進等が行われてきておるところでございます。一部には水需給が逼迫している地域があるということは認識いたしておりますが、全般的に申しまして、全国的には順調に行われているというふうに考えております。 今後とも、各地域において地域開発と水道水の開発、確保とが十分調整されながら進められるよう厚生省といたしましても努力してまいりたい、このように考えております。
○三重野栄子君 要するに、政府方針といたしましては、より広域的な水利用によって利用可能水量を拡大しながら、結果としては都市の社会経済規模の拡大を図っていくという方針であろうかと思います。しかし、そういうふうに言ってもなお、先ほどから申しましたように、水利用とそれから人口増加についてはなかなか矛盾が多いということをおわかりになったでしょうか。 おわかりになったかどうか、大変申しわけありませんけれども、厚生大臣、国土庁長官、建設大臣、本当に簡単でいいですから、認めるか認めないかということをお尋ねいたします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先生が先ほどから御指摘なさっております問題については、大変難しい問題でありますし、この問題の解決に向けて全力で取り組んでいかなければならない、このように承知をいたしております。 なお、この平成五年度の予算、御審議をいただいておるわけでございますが、その中では水道関係事業は千六百三十億、前年に比べまして五・二%の増を目指しておるわけでございます。そういう中で問題の解決も図っていかなければならない、このように考えているような次第でございます。
○国務大臣(井上孝君) 先生の御質問のことが私どもの実際に悩みでございまして、人口増になかなか社会資本整備が追いついていかない。社会資本の整備はそれぞれ各省が担当しておられますが、その間を矛盾なく計画的にいろんな指標で誘導していくというのが国土庁の役目でございます。 先ほどちょっと先回りして先生に御答弁申し上げちゃったんですが、福岡県におきましても国土利用計画第二次ができております。これは六十一年ですからまだ有効期間はあるんですけれども、途中で改定をしなきゃいかぬというような状況にあるようでございますから、至急改定をして社会資本整備が人口増に追いついていくように少しでもお手伝いをしたいと思っております。また、これも先ほど申しましたが、水資源開発につきましても、筑後川から水を引いていくとか、あるいは福岡都市圏周辺の小さな川がございますからそういうところの水資源を利用できるようにしていこう、こういうことでせっかく努力中でございます。 国土庁としても、県あるいは市町村ともよく御相談をして、この人口増と水道等の社会資本整備がちぐはぐにならぬよう、むしろ社会資本整備がおくれておるということが一刻も早く解消するように国土庁としてもお手伝いをしたいと思っております。
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。 先生御指摘をいただきましたように、人口増と社会資本の整備が必ずしも対応し切れていないんではないか、このような御指摘でございますが、我が国の国土三十七万七千平方キロメートルの中で、たしか市街化区域は一万四千平方キロメートルだと思います。そこに住んでいる方が七千九百万人いる、こういった状況でございますので、国土の三・六%のところにそれだけの人口が住んでいる。こういうようなことになってまいりますと、道路やあるいは水道、下水道、こうした社会資本が十二分に整備し切れないという問題があるということは私も十分認識しております。 また、先生の御指摘をいただきました、地元の福岡県の利水計画というものはややもすればなかなか前に進んでいない、こういった問題もございますので、治水、利水、こうした問題は災害が起こったときとか給水制限が行われたときに非常に強く国民の皆様方に御迷惑をおかけするわけでありますが、日ごろから治水、利水計画が全国的に行われるようにしていくことが建設省の仕事である、このように考えておりますので、大いにその重要性を認識して今後も対応していきたい、このように考えております。
○国務大臣(村田敬次郎君) 三人の担当大臣からそれぞれ御説明があったとおりです。 水道法は厚生省の所管です。水道給水条例というようなのは市町村等が全国でつくっている例が多いんです。したがって、私は自治行政の立場からいうと、これは一部事務組合とかあるいは県が水道行政を水道部をつくって所管する。私は現実に愛知県で水道部長をやったんですけれども、そういうケースに具体的には当てはまってくるかもしれません。大蔵大臣の地元が福岡のすぐお近くですから聞いてみると、特に福岡県は渇水状況がたびたびある、人口急増地域も多いということで御苦労もひとしおだろうと思うんです。私も、愛知は愛知用水をつくったり豊川用水をつくったり、水道の急増県でありますから特に水道部を新設して給水のための組織をつくったわけです。 したがって、これは広域水道であります。広域水道でありますから、厚生省の所管しておる水道法、そしてそれに基づく補助金の交付というようなこととはまた別に、県で財源を出し、また自治省からも地方債等の給与をいただいて、そして水道部をつくったわけです。そして広域水道の供給ということをやっております。だから、広域行政というのは、市町村の事務組合によって水を供水するようにするか、あるいは県で水道部をつくるか、さらに県と県を越える場合は県と県との間で事務組合をつくるか、そういう実体的の問題になってくる場合が多いんじゃないでしょうか。そういうことが私は生活の知恵、政治の知恵であろうと思います。
○三重野栄子君 それでは、この件につきまし て、いろいろ御提案をいただきましたが、私の提案をさせていただきたいと思います。 福岡県の慢性的な水不足の解決策といたしまして、九州縦貫道の下にパイプを通して熊本県南部の八代市に河口を持つ球磨川から水を運ぶ実とか、あるいは首都圏の水源として信濃川から利根川に水を通す実とか、さらには栃木県から茨城県に流れる那珂川の水を霞ケ浦経由で利根川に落として首都圏に供給する案などが見受けられまして、これらのうちの最後の那珂川の一件につきましては政府の責任で霞ケ浦導水事業として工事は既に軌道に乗っているようです。しかし、けさの新聞を見ますと、この見直しにつきまして閣議決定がされるというようなこともあっておりまして、なかなか困難な状況であろうということは想像いたします。 しかし、このような発想、いわば超広域的な水利用の計画から見ますと、さきに引用させていただきました他地域からの導水と水道用水の広域的利用の限界を果てしなく膨張させる政策ではないかと思うわけです。そして、きょう、今度のような一方では公共事業のむだ遣いというようなこともあらわれるかもわかりません。 そういたしますと、このような政策では本当に一極集中を是正することができないのではないか。また、環境にも配慮した国土の効果的な利用はできないのではないか。人口急増地の市町村の生活基盤整備が追いつくということも考えられないのではないか。そういたしますと、総理、このような限界のない超広域的な水利用の政策というのは根本的に見直していかなければならないのではないか。 私といたしましては、例えば流域の住民はその流域の供給可能水量の範囲内で生活することを原則とする、つまり首都圏で言いますと利根川とか荒川とか多摩川の三川の供給量を超えない人口を上限とするような国土利用計画をする、そういう原則に立ったことになれば全く歯どめのない都市膨張にはならないのではないかというわけでございますけれども、私の提案について、総理、いかがでございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどから関係各大臣から考えも申し上げ、また自治大臣からも経験に基づいてのお話がございました。結局、今おっしゃいましたような問題が一番もとにあるわけでございますから、それは実は言うべくしてなかなか簡単なことではございませんが、御提案の趣旨はごもっともなことである。よく私どもも検討いたします。
○三重野栄子君 それでは、水資源と自然保全の問題について触れさせていただきます。 昭和四十六年以降、2・4・5T系除草剤が全国五十カ所ぐらいに、乳剤二千百三十二リッター、粒剤二万五千六十キログラムが埋没されているということを知ったわけでございますけれども、このときの状況、そしてまたその後、この除草剤に関連をいたしまして昭和五十九年の六月と十二月、そして平成二年にも林野庁長官から通達が出されておりますけれども、そのあたりの経過につきまして御説明をお願いいたします。
○政府委員(馬場久萬男君) 2・4・5T系の除草剤の問題でございますが、これは林野庁の造林地の地ごしらえとか下刈り用の除草剤として昭和四十年ごろから使っておったわけでございますが、昭和四十年代の中ごろになりまして、世界的にこの中にごく少量含まれています不純物のダイオキシンが催奇形性を持っているということで問題になりまして、昭和四十六年の四月に使用を中止したわけでございます。 今、先生が仰せられた数字は、国有林野事業としてそのとき持っておってまだ未使用だったものの数量でございます。これにつきまして、昭和四十六年の十一月に林野庁長官がこの未使用剤の埋没処理の方法について指示したわけでございます。 この埋没の仕方等については、その箇所あるいは仕方を個別に細かく規定したわけでございますが、それによって全国五十二カ所の埋没処理をいたしました。ところが、昭和五十九年五月になりまして、これらの中の一カ所において昭和四十六年当時の通達と異なった処理をしているという事実が明らかになりましたために、同年の六月に今まで埋没したものを一斉に調査いたしました。その結果、指示したとおりでない埋没の仕方をしたものがございまして、それにつきましては、専門家の御検討を得まして、今後どうするかということを検討いたしまして、その方法を示したのが昭和五十九年十二月の通達でございます。 この方法によりまして、その当時調べましたところでは、いずれの箇所も地域住民の生活等には現状においては全く影響を及ぼしていないということが確認されたわけでございますが、一部、殊に乳剤を多量に埋設したところにつきましては、さらに二カ所平成元年に調査することを命じたわけでございます。 平成二年の通達というのは、この調査の結果が依然として住民に影響を及ぼすものでないということを確認した、しかし、さらに今後ともその管理を続けるようにという指示をしたものでございまして、現在はそういう状況で管理しているところでございます。
○三重野栄子君 「処分箇所の選定」の中に、三点ほどあるわけですけれども、「なるべく粘土質の場所を選び、堀り上げた場合に地下水の湧出する場所はさけること。」、「風水害による崩壊または発掘の恐れがある場所はさけること。」、「飲料水の水源、民家、歩道、沢筋などから可能な限り離れた峰筋近くを選定すること。」とあります。(資料を示す)これは佐賀県の坂本峠でございます。ここが峠の上ですけれども、ここに埋めてあるわけです。この下が福岡県の九州遊歩道のコースでございます。これを近くで見ますと、こういう状況になっておるわけです。(資料を示す) そうしますと、先ほどの通達の中に歩道とか沢筋から遠いところというふうなことを言われておりますが、もう少し細かく申しますと、埋められたときには、昭和四十六年です、それは佐賀県の側ですが、ところが、福岡県は昭和五十一年に今申しました九州自然歩道コースというのをつくりまして、それはほんの歩道から六メーターぐらいのところの草むらにあるわけです。そしてまた、その埋没箇所から六キロ下の方には南畑ダムというのがありまして、百万人の水がめになっております。さらにまた、この埋没箇所から一キロメーター下のところにさらに平成十二年を目指しまして五ケ山ダムというものがつくられようとしております。そういうものがこのままでいいかどうか。総理、どうでしょうか、ちょっと答弁してください。
○国務大臣(田名部匡省君) 今お話しになりました2・4・5T除草剤の埋設に当たりましては、深く埋設をするとか、あるいは流出防止措置の方法、いろいろ適切に実施をいたしておりまして、坂本峠につきましては、五十九年の土壌及び水質調査の結果、埋設薬剤の流出の事実は全く認められていない。また、地域住民の生活等には全く影響を及ぼしていないという専門家の確認を得ておるところでありまして、その後も現地の状況の定期点検、これは四月、十月に行ったわけでありますが、こういうことを通じて周辺への影響はないものと考えております。 いろいろ遊歩道のことにも触れられておりましたが、いずれにしても九州自然歩道が作設された以外は周辺で開発等が行われた箇所はないと承知いたしておりまして、これからも問題のないようにきちっと管理はいたしていくつもりであります。
○三重野栄子君 この立て看板を見てください。(資料を示す)「立入禁止 2・4・5T剤を埋没してありますので、囲いの内に入ったり、土石等の採取をしないでください。 佐賀営林署」と書いてありますのでも、これは歩道の側には向いていないんです。だれも通らない佐賀県の方に立て看板が向いています。そしてまた、立ち入り禁止のくいも細いし、細いロープであります。今、大臣がおっしゃいましたけれども、人命には関係ない、暮らしには関係ないかもわかりませんけれども、山歩きというのは流行でございまして、だんだんたくさんの人たちが歩くわけですから、これは何らかの対策をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(馬場久萬男君) 私どもの方で五十九年に出しました通達におきまして、埋没されているものはどういうものが入っているかということを明示する、それから、これは先生御案内のとおり、土中では安定して置いてあるのが一番いいわけでございまして、これを攪乱したりするとかえって分散して危険なわけでございますので、土石の採取あるいは採掘等しないようにというようなことを表示したらいいということになって、そういう措置を講じたわけであります。 御指摘のように、ロープとか何か非常に細いではないかというんですが、これはこの地域では二メートル地中に入っておりまして、よほど意図してほじくり返さない限りは出てこない形のものですから、余り大きな人工物をつくるのはどうかということでやっているようでございますが、看板の位置等につきまして不適切な点があれば検討して改めたいと思っております。
○三重野栄子君 できるだけ早く処置をしていただきたいと思います。この水がめの影響を受けます春日市、福岡市、那珂川町議会では既に議論になっておりますし、福岡県議会でも問題提起をされておりますから、よろしくお願いいたしたいと思います。 次に、教育と文化の問題について簡単に触れさせていただきたいと思います。重要な問題ですけれども、大変申しわけありませんが、短い時間となってしまいました。 偏差値の問題と高校準義務化の問題でございますけれども、これはいろいろ申し上げることもないかと思いますが、文部大臣、二月の通達一つでこの偏差値問題が解決するとは思われません。どのような方向で文部大臣が目指しておられるような教育改革が進められるのか。特に、現在は高校へ九五%も中学卒が入学しておる状況でございますから、これからは高校準義務化という形で進めることができないだろうか、そのことについてお尋ねをいたします。
○国務大臣(森山眞弓君) 最近、文部省が熱意を持って努力しております高校教育、また入試のやり方についての改善の努力については、今先生のお言葉からも評価していただいているということを推察させていただいておりますが、これが全国に徹底いたしましてできるだけ早く実現するということが肝要でございます。 仰せのとおり、二月二十二日づけで通知を発出いたしまして、業者テストの偏差値を用いた入学者選抜が行われないようにするとともに、中学校における進路指導の改善について指導の充実ということに力を入れているところでございます。あわせて高等学校の方も改めていかなければならない点がたくさんございまして、個性化、多様化を図るという観点から総合学科の新設、あるいは全日制課程における単位制高校の導入、また学校間連携の促進などの提言をいただいておりますので、これらの提言の具体化のために学校教育法施行規則等の必要な制度改正を行ったところでございます。 これらの入試改善とか高校教育の多様化の施策につきまして、去る三月十日には全国から関係の責任者を招集いたしまして、さらに口頭によって指導の徹底に努めたところでございます。 偏差値偏重教育、学歴社会の弊害というようなことを直していきますのには、学校だけではなくて企業とか家庭とがそれぞれの立場で意識改革をしていく必要があると考えておりまして、各方面の御協力をいただいてできるだけ早くそのような風潮を直していきたいと考えております。 また、先生がお触れになりました高校の義務教育化という点でございますが、確かに平成四年度におきましては九五・九%の子供たちが高校進学をいたしておりまして、数の上では相当の数、ほとんど全部に近い者が進学していることは事実でございます。しかし、この段階になりますと、青少年の能力とか適性とか興味、関心、進路の希望などが大変多様化してまいりまして、それぞれにふさわしい進路の選択ということが重要ではないかというふうに考えておりますので、一律に高等学校への就学義務を課すということは、必ずしも適切ではないというふうに思っております。
○三重野栄子君 一律にということではなくて、その個性に応じた学校教育ができないものかという願いを込めましてできるだけ準義務化の方に、義務と言うと語弊がありますが、全員が高校に入れるような措置がされることを希望したいと思います。 また、文化庁は平成元年度以来博物館等の整備運営に関する研究費が計上されておりまして、平成五年度には九百九十九万六千円が計上されております。物の豊かさとか心の豊かさを求める現状において大変文化庁の姿勢に敬意を表するところでございます。 特に、この場合に、博物館(九州)等整備運営の研究ということで、九州という名前が出てまいりましたんですが、九州といたしましては二十一世紀はアジア・九州の時代ということでこの九州博物館の設置を大変望んでおりまして、政官財、そして国会議員の議員連盟もつくったという状況でございます。そういう意味をもちまして、九州地方知事会からも設置促進の陳情があったと思いますけれども、この構想につきまして、そうしてまた早期にできるように努力いただきますように文部大臣の決意のほどをお伺いいたしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(森山眞弓君) 我が国では、国際化の進展など社会状況の変化や文化に対する国民の関心の高まりを反映いたしまして、文化施設の整備、運営の充実が課題となっております。 先生がおっしゃいましたとおり、平成五年度の予算案におきましては博物館(九州)等整備運営の研究ということになりまして、今後は引き続き新たな博物館の必要性や博物館を設置する場合の場所などについて検討することになりまして、また従来と同様、こうした基礎的な研究の一環といたしまして九州における博物館設置構想についても引き続き研究を行っていきたいと考えております。
○三重野栄子君 終わります。
○委員長(遠藤要君) 以上で三重野君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(遠藤要君) 次に、江本孟紀君の質疑を行います。 この際、委員長から、政府側といいましょうか、答弁者側にお願いしたいのは、これから質疑をやる会派にはわずかの質疑時間きり与えておりません。さような点で、再質問のないような御答弁を委員長としてお願いしておきたいと思いますので、ひとつよろしく御協力願います。 江本君。
○江本孟紀君 初めて質問させていただきます。よろしくお願いします。 総理大臣にお伺いしたいと思います。 憲法第二十二条に職業選択の自由が保障されておりますが、これは公共の福祉に反しない限り何人も、またどのような職業に対しても保障される国民の権利と理解いたしますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そのように存じております。
○江本孟紀君 次に、労働大臣にお伺いいたします。 職業安定法第一章第二条に職業選択の自由と、同三条に何人も従前の職業を理由として就職上の差別的取り扱いを受けないという権利が記されております。プロ野球選手の再就職においても例外ではないと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(村上正邦君) プロ野球のことは全然わかりませんが、御指摘のように職業安定法第二条に「何人も、公共の福祉に反しない限り、職業を自由に選択することができる。」、こう規定されております。また第三条では、人種、国籍などのほか、従前の職業を理由として差別的取り扱いを受けることがないと規定しております。 こういうことからいけば、これはプロ野球とは限りません、一般論として申し上げますが、事業主は全く自由に選択できるわけではなく、雇用主が労働者を選択する自由は妨げない、一方においてはそういう解釈も成り立つわけであります。御指摘の前職の問題についても、その条件がこれから従事するであろう業務にとって必要かつ合理的なものでなければならないと考えられると思います。
○江本孟紀君 初めてなのでよく理解しにくいんですけれども、言われることは大体わかるんです。 先ほど総理、それから労働大臣が今おっしゃられておりましたけれども、簡単に言いますと、職業選択の自由とか何人も従前の職業を理由として就職上の差別的取り扱いを受けないということからしますと、多分皆さんはプロ野球のことについて余り知らないと思いますけれども、実はプロ野球出身者は、退団してからさまざまな職業につく場合に、最も得意とするところの野球を生かすような職業やそういった場所が制約をされております。 例えば、教育の一環としての高校野球や大学、社会人の野球チーム等へは監督、コーチになることが簡単にはできないわけですね。プロとアマの交流がほかのスポーツなんかはかなり自由にされておりますけれども、いまだに厳しい壁が立ちはだかっておるわけです。実質的には、プロからアマに指導者として再就職するということは非常に厳しい状況です。年々社会人チームなんかでは門戸が開かれておるんですけれども、特に高校野球の場合は監督になるのに教員生活を十年しなければいけない。実質疑球選手は教員生活を十年ということになると、これは大変です。ほとんど勉強しておりませんので、難しいんです。ということは、まあ実際には締め出しをしているというような制度になっております。 それからまた、プロの退団者がスポーツ店なんかに再就職をしましても、高校のチームにはセールスに行くことはできないんですね。このグラブの扱いはいいとかバットのはじきはいいとか言うようなことができません。また、母校の甲子園に出たチームなんかに祝福に行って、よかったねとか今度行ったらこうしなさいよとか言ますと、これもまた違反になるということですから、非常に厳しい状況なんですね。 それと、プロ野球をやめますと再就職の道が本当に厳しくて、解説者や監督、コーチとか、図らずも私のように国会議員になってしまうなどというのはぼんのわずかでございまして、野球をしたいけれどもなかなかその道が非常に狭いということでございます。せっかくのこのプロ出身者の技術等なんかをもっと高校野球とかアマチュアの野球チームに活用できるようになれば、非常にレベルも上がるし、私はスポーツ界にとっても非常に貢献できると思います。 ただし、多少の規則、それから簡単にすぐ監督やコーチになるというんではなくて適度な制約があってもいいかと思います。そういうことで、ふさわしい基準をある程度設けまして採用する道をもっと開いていただきますと、プロとアマの交流の本来の姿が出てくるんじゃないか。 平成元年十一月二十一日、保健体育審議会でも「プロスポーツとアマチュアスポーツの連携を推進するなどの方策を講ずる必要がある。」との答申が出されておりますが、そのことからしても、ぜひプロ退団者の活用ができるよう関係諸団体に適切なる助言をされることを文部大臣にぜひお願いしたいと思います。 ついでですけれども、甲子園の大会に出られるのであれば、この前も言いましたけれども、もし始球式に出られるならば、私はもう一回行く前にコーチをしたいと思います。ぜひそれもついでに言っていただければ幸いかと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 文部省といたしましては、プロとアマチュアの交流というのは基本的には望ましいことだと考えております。 しかし、先生がおっしゃいましたように、現在、プロ野球に関与したことのある選手やコーチなどが大学野球とか高校野球の指導に当たるということについては、日本学生野球憲章の規定によりまして特別な例外を除いて原則として禁止されているというふうに承知しております。 現在、高校野球におきましてはこの例外規定の適用が極めて限られた範囲となっておりますが、大学野球におきましては、この規定に基づいて大学野球部のOBである元プロの野球選手が指導している例もあると聞いております。 文部省といたしましては、大学や高校の野球部がどのような指導者を迎えるかということについては、関係団体においてそれぞれ時代の流れを踏まえつつ自主的に判断していくべきものではないかと考えております。 なお、甲子園大会開会式への出席につきましては、国会のお許しをいただければ出席させていただきたいと考えておりますし、また先生のような一流の専門家からの御提案、まことにありがたいお話と承らせていただきます。
○江本孟紀君 どうもありがとうございます。 このプロ・アマ問題はプロ側にも多少問題があると思いますけれども、重要な課題として文教委員会などでもこれからまた取り上げていきたいと思います。 最後ですけれども、きょうは通産大臣それから建設大臣にもお伺いしたいことがあったんですけれども、最後に法務大臣に一言お聞きしたいことがございます。 かけマージャンのことなんですけれども、いろんなところでいろんなかけマージャンをしておりますけれども、だれがやったやらないということではなくて、世間一般にやられておりますので、大体どの範囲ならいいのかということをぜひお聞きしたいと思います。 我々野球界の出身者なんかは、かなりマージャン賭博事件とかいろんなことで永久追放処分になったり、二十三年前にそういう事件があってそのまままだ永久追放になったりとか、スポーツ界なんかでは非常に厳しい処分をされておりますが、しかし世間一般ではかけないでただ積み木だけするということはあり得ないので、大体どの程度ならいいかなということをお聞きしておいた方が皆さんもやりやすいと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 江本さんはどれくらいかけているんですか。
○江本孟紀君 私は十年前からやめております。
○委員長(遠藤要君) 一問一答は許しません。
○国務大臣(後藤田正晴君) まことにどこまでが賭博になりどこまでならばばくちにならないのか、境目は何だ、こういう御質問ですが、易しいようで実際ここでお答えするのは非常に難しいんです。だから、こういうところでのお答えだとすれば、刑法百八十五条で、偶然の勝敗にお金や物をかけてそれの取得を争う、これはばくちになるわけですね。ところが、そのただし書きに、娯楽の程度であればいい、こう書いてあるんです。それはどういうことかと言えば、社交儀礼の範囲内であれば私は賭博にはならないのではないかなと、これ以上は答えられないんです。お許し願いたいと思います。
○江本孟紀君 どうもありがとうございました。いまいちよくわからないんですけれども、まあなるべく捕まらないようにみんな気をつけたいと思います。 そういうことで、きょうは質問させていただきましてどうもありがとうございました。これで終わらせていただきます。
○委員長(遠藤要君) 以上で江本君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(遠藤要君) 次に、有働正治君の質疑を行います。有働正治君。
○有働正治君 カンボジアをめぐる事態について端的に御質問いたします。 二月十三日の国連事務総長報告、あるいは一月二十五日の第三次経過報告、それから昨年十一月三十日の国連安保理決議七九二の中には停戦の第二段階の中止、それから協定の当事者の一人ポル・ポト派のUNTACへの協力拒否、カンボジア全地域で行われるはずでした総選挙が一月三十一日現在で立ち入りのできる地域に縮小されたことを認めていると思いますが、この点の確認を求めます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 事実関係を事務当局から説明させます。 私から、ちょっとアバウトで申しわけないかもしれませんが、大体がそういうことです。
○有働正治君 協定署各国の総理大臣にお尋ねします。 今、外務大臣が確認された点について、パリ協定として予想されていたことであるのか。また、日本政府として、総理としても予想されていたことでありましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 協定を結ぶんですから、これが破られるであろうということは想定しません。結んだ以上は守られるだろうと。いまだに我々はしかしパリ協定が破られたというふうには考えておらぬのです。それは向こうも守ると言っておるわけですから、親分というか上の方が、しかし下の人が言うことを聞かないでどこかで時々パチパチということがあったということは事実でありますが、それは全体的にはしかし協定が破られたというふうに思っておりません。
○有働正治君 質問にだけ答えていただければ結構であります。 五月の総選挙はポル・ポト派抜き、またポル・ポト派は選挙結果は認められないと早くも宣言しています。このままでは制憲議会を経て樹立される新しい政権のもとに当然ポル・ポト派は参画できないことになるんではないかと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今のところ二十政党が登録されていますが、ポル・ポト派がその中にも入ってない、政党登録もやってないと。支配地域についてこれから選挙のいろいろなキャンペーンを張るんですが、そいつをどこまで反対するかどうかまだやってないからわかりませんが、まだ時間もあることなので積極的に要するに政党の登録もしてもらう、選挙にも参加してもらうというような土壇場までそういう努力は続けていきたいと、そう考えておりますから、まだだめになっちゃったということを前提にしてここで物を申し上げるわけにはいかないと思います。
○有働正治君 しかし、可能性は否定できないということもあるんじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはないかもしらぬし、あるかもしらぬことであります。
○有働正治君 明石特別代表は、明白にそういうことが予想されないんではないかというふうにも言っているわけです。 それから、新しい政権が樹立されたとしますればSNCは当然解消されることになると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 本来からいえば、暫定的な政権でございますから、総選挙が行われて大統領も決まり議員も決まって憲法もつくられてということになれば、当然に新しい選挙の結果が反映した政権にかわるというのは、それはもうもともとそういうことが想定をされているわけです。
○有働正治君 そうしますと、選挙後、現状の進行の中では少なくとも新政権下ではポル・ポト派の参加する機関はなくなるという可能性が大である。いわば公的地位がなくなるということにはならないでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほど言ったように、選挙の結果を認めないというのか認めるというのかで全く違うわけです、これは。国民の九割ぐらい、大体九割以上の有権者が選挙登録等をやっている。しかし、そういうような人の意思を認めるというのか認めないというのか、これはもう非常に民主主義の根本に属する問題なのですね。私は、認めないという方向にならないじゃないかと。 どうしてポル・ポト派と妥協して昔のような内乱といいますかそういうことにならないようにするかというのは、これからのやはり工夫が必要だろうし、もう既にシアヌーク殿下などはいろんなことを言っているわけですな。自分がなったときはこうするとかああするとかという先のことを言っているが、我々は今の段階でそれに同調するというわけにはいかないという立場にございます。したがって、もう少し最大の努力を最後まで続けてみるという立場であります。
○有働正治君 極めて希望的な観測だと思います。 現に軍事部門の再配置が行われているのもポル・ポト派の動向に対応したものであります。明石代表は、新政権に挑戦すれば非合法の烙印を押されるだろうしということも言っていますし、窮鼠猫をかむようなテロにつながるかもしれないということも伝えられているわけです。そうならない保証があると断言できますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは世界の国際社会の常識でありまして、その民族の八割も九割もが意思決定したことをぶち壊すことを助長するようなことをやることはやっぱりいかぬですよ。それは中国だってかつてはポルポト派を応援してきたけれども、今や説得に回っているわけですから。やはり昔は昔、今は今、時代が変わっちゃっているわけですから。だから、やはり国際社会がみんなでポル・ポト派については妥協をして、いろいろな言い分もあるでしょうから、それはそれなりに聞くことはできるだけ聞くというような方向に持っていくように国際社会が全部をやっていかなきゃいかぬ、私はそう思っておりますし、国連はそういう気持ちだろうと存じます。
○有働正治君 そう努力しても、武装勢力として対峙するという構造が固定化される可能性が極めて大だと言えると考えるわけです。 ガリ事務総長の二月十三日の報告は、選挙後敵対行為の危険性が大きくなることも指摘していると思いますが、どう述べていますか。
○政府委員(澁谷治彦君) 事務総長報告におきましては、確かにカンボジアの選挙後UNTACに対する敵対行為がふえるという旨の記述があったとの報道もございますけれども……
○有働正治君 報道じゃないよ、現物が出ているんだよ。怠慢だよ、そんなことも知らないなら。
○委員長(遠藤要君) 答弁を聞いてください。
○政府委員(澁谷治彦君) 私どもは、それは承知いたしておりません。 他方、この報告書のパラグラフ四十一におきまして、ポル・ポト派が停戦の第二段階入りを拒否したため、制憲議会選挙はいわゆるカンボジア四派がおのおの相応の軍事力を保有した情勢下で行われることになり、このような状況が大きな敵対行為につながる危険性がある、また、かかる危険は選挙後においてより高くなり得る可能性がある旨の記述があるというぐあいに私どもは承知いたしております。これは各派閥の敵対行為の危険の可能性につきやはり言及しているというぐあいに判断されます。
○有働正治君 事務総長報告の中にも明確に指摘されているわけです。 総理大臣、パリ協定の枠組みが崩れていないと外務大臣も申されましたけれども、論拠として総理は、ポル・ポト派がSNCの会議に参加しているからとこれまで述べてこられました。ポル・ポト派が参加する機関がなくなるとなれば、現になくなるわけですから、そういう言い分というのは選挙後通用しないはずでありますけれども、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはもう……
○有働正治君 いや、総理の答弁です。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いや、その前に、やっぱり私が担当だから。 最初からもう選挙後ポル・ポト派はそいつを全然認めないんだという前提に立って物を言うか、いや、それは選挙はどういう結果になるか知らぬが、いずれにせよ、もう最後まで努力して選挙の結果を認めてもらうようにしていこうという立場に立つかで答えが全く違うんですよ。 我々はやはり、有権者登録が進んで国民のもう九〇%以上が今のところ参加するであろうという状態になってきているわけですから、だから、そういうものが尊重されるようにどこまでも国際社会と一緒になってやっていかなきゃならぬ。それで、その結果どうなるかについては、またそれはもう世界の大勢、国内体制というものを認めないんだと言ってポル・ポト派だけが孤立しても暴れていくんだということになればまた別な事態になってしまうわけですからね。 私は、そういう事態にならないように、まだその努力の余裕があるという前提で物を言っているんであって、また別な事態になったときはなったときのように国連としてもいろいろ考えなきゃならぬ問題があるんでしょう。しかし、それは私が今ここで口に出して仮定の問題を言うべき立場にないということを申し上げているんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 何分にも十二年も戦争をしていたわけですから、全部が急にしんと静かになってしまうというわけにいかないのはこれはおわかりいただけることだと思いますので、まあ三十何万の難民ももとへ帰りましたし、選挙の登録を四百七十万でございますかね、それだけしておりますから、大筋では私はうまくいっていると考えるべきだと思いますですね。 それで、確かにこれからポル・ポトはどういうふうに出てくるかということはいろいろ未知数な点がございます。ございますが、しかし他方でシアヌーク殿下のような人もおられますし、そこはやっぱりみんなが努力して、もう一遍戦乱に戻らないということが大事なことではないかと思います。
○有働正治君 未知数であるということは認められました。シアヌーク殿下も極めてふらふらしている状況もあるわけであります。仮定の話ということで申されましたけれども、明石代表の言動だとか事務総長の報告等から見ましても、現実性を持った話として私は指摘しているわけであります。 選挙後の状況いかんでは自衛隊の駐留継続を見直すということは、状況いかんではあり得るんではないでしょうか。
○政府委員(柳井俊二君) 新政権樹立の後でどうなるか、自衛隊の派遣の問題を含めましてそういう問題につきましては、正直申しまして現時点では非常にお答えしにくいところでございます。新政権樹立の前の段階でございます制憲議会選挙もまだ行われていないわけでございまして、その後新政権ができましてどういう状況になるかということにつきましてはまだ確たる見通しがないわけでございます。その後何らかの形で国連が関与するかどうかということももう一つの問題であると思います。その点も現時点では明確ではございません。 なお、仮に何らかの国連の関与があったといたしましても、その時点で国連から我が国に対しましてさらに協力の継続の要請がなされるかどうか、なされる場合にどのような要請があるかという点も不明でございます。 したがいまして、現時点におきまして我が国の対応について、自衛隊の派遣の問題を含めまして具体的にお答えすることは難しいというのが現状でございます。
○有働正治君 ガリ事務総長等も危惧しておられることが現実化いたしますと、新政権後、ポル・ポト派が新政権に従わないで武力によるテロを行うことは十分考えられるわけです。そうなると、派遣の前提が崩れてUNTACにとどまれないということになる。こういうように思いますが、総理、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 大変想像を重ねてお話をしていらっしゃいますけれども、そういうふうにならないようにしたいと思います。
○有働正治君 関連質問をお願いいたします。
○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。吉岡吉典君。
○吉岡吉典君 カンボジアの業務実施要領、これの中で、中断に関する事項というのはどういう条件が述べられていますか。
○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。 御承知のとおり、実施要領につきましては、施設部隊の場合、停戦監視の場合、それから文民警察の場合、それぞれにつきまして別個の実施要領をつくっているわけでございます。国際平和協力法にもございますとおり、中断に関する事項というのは実施要領で定めることになっておりまして、ただいま申し上げました三つの実施要領のそれぞれ六項というところに中断に関する事項が定めてございます。 若干長い規定でございますので要点だけ申し上げますと、基本的な考え方といたしましては、中断と申しますのは、もしそれが長引けば業務の終了につながるような重要な決定でございますので、決定は政府において行う、出先ではなく政府が行うという考え方に立っております。 したがいまして、施設部隊の場合には、直接には、防衛庁長官が本部長と協議の上で業務を中断するよう指示した場合には出先の部隊の長は業務を中断するというふうに書いてございます。それから、それ以外の停戦監視及び文民警察につきましては、その隊員に対して本部長からただいま申し上げたような中断の指示が出た場合には中断するというのがまず大原則でございます。それから次に、現場と申しますか出先におきまして、状況が変化したような場合には東京の方に、政府の方に指示を仰ぐ、その上で決定された指示に従うということでございます。 どういう場合に指示を仰ぐかということでございますが、例示として挙げてございますのは、紛争当事者が停戦合意等を撤回する旨の意思表示を行ったというような場合、あるいは大規模な武力紛争の発生等によりましてもはや停戦の合意あるいは同意というものが存在しなくなったと認められる場合、その他同様の場合ということでございます。あるいは中立性がなくなったという場合には指示を仰ぐ、こういうことでございます。
○吉岡吉典君 海部前首相が九二年九月二十六日の衆議院の特別委員会で中断の前提について述べた中で、内乱が激しくなったとかゲリラが頻発しているとかいうようなことは平和維持活動の行う前提が崩れた場合をいう、こういうふうに答弁しています。こういう答弁があったこと自体はお認めになりますか。
○政府委員(柳井俊二君) 申しわけございませんが、手元に議事録持っておりませんので、正確には記憶しておりませんが、吉岡先生お持ちであればそのとおりであったと思います。
○吉岡吉典君 これは速記録に沿って今読み上げたところです。 こういう答弁があったわけですが、大規模な内乱ないしはゲリラ、今ポル・ポト派が状況いかんによってはゲリラと同じ扱いを受けるようになる可能性もあるわけですけれども、いずれにしましても、海部総理のこの答弁、これは宮澤総理も引き継がれますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 恐らく海部総理は、当時大まかな状況判断を言われたものと思います。具体的には先ほど政府委員が申し上げましたような状況が中断という場合の条件であろうと思います。
○吉岡吉典君 大まかな政治状況じゃないです。非常にはっきりと、内乱が激しくなったとかゲリラが頻発している、こういうふうに言ってあるわけです。ですから、これは文字どおりそういう状況になれば前提が崩れるということですから、それは引き継がれなければならないと思いますが、再度答弁求めます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 大局判断をお話しになられたと思いますので、より具体的には先ほど政府委員が申し上げたとおりでございます。
○吉岡吉典君 話が違うわけです、それは。 そうしますと、先ほどお読みになりました中断に関する事項というものの中には今言ったようなことが含まれる、そういうふうにとっていいわけですか。今言ったというのは、宮澤総理じゃなくて海部総理が答弁なさっているそういう状況。ゲリラ等も含まれるととっていいですか。
○国務大臣(河野洋平君) 現在カンボジアに行っておりますPKO施設大隊は、国会において成立をいたしました法律に基づいて出かけていっておるわけでございます。その法律に基づいて実施要領ができ上がっているわけでございまして、現在のPKO施設大隊がどういう行動をとるかは、現行法に基づきつくられた実施要領に沿って行動するというのが当然のことであろうと思います。
○吉岡吉典君 その法律の解釈を当時総理が述べているわけです。ですから、その法律という場合に、その具体的中身をどうとるかという場合に、政府の答弁が後で変わったり、それはこういう意味だったということになっては困るわけです。 ですから、もう一回お伺いしますが、海部総理の答弁の内容がこの中断の条件の中に織り込まれている、そうとっていいわけですか。
○国務大臣(河野洋平君) 大変恐縮でございますが、当時はまだ法律ができていないわけでございまして、その法律をつくるべく二百時間に及ぶ議論がここでなされたわけでございます。その法律に基づいて実施要領その他が現在あるわけでございまして、その実施要領は先ほど政府委員が申し上げたとおりでございます。もし御必要であればもう一度政府委員から答弁をさせたいと存じます。
○吉岡吉典君 海部総理は、今言った答弁、それを実施要領に書くとはっきり言っています。書くと具体的に言っている。それが書いてないから私は質問しているわけです。
○政府委員(柳井俊二君) ただいま総理と官房長官から御答弁ありましたことで私は尽きると思いますけれども、私の方からは若干細かい点につきましてお答え申し上げたいと存じます。 実施要領は先ほどお答えしたとおりの中身でございまして、繰り返しになりますが、この実施要領に書いてある場合、すなわち現地の方から指示を仰ぐべき場合というのがございますけれども、そのような状況が生じたら自動的に中断するあるいは終了するということではございませんで、指示が仰がれた場合あるいは積極的に東京の方から指示した場合には中断をするということでございます。 そして、現地の方で指示を仰ぐべき場合としてやや具体的に挙げておりますのは、その同意等の撤回が示された場合、意思表示が行われた場合ということと、大規模な武力紛争の発生等によりもはや停戦の合意とかあるいは同意というものが存在しなくなってしまったと認められる場合ということを挙げているわけでございます。そして、海部総理が当時おっしゃいましたことは、恐らくこの二番目に挙げました大規模な武力紛争の発生等ということを頭に置かれておっしゃったことだろうと思います。 そういう意味では、この実施要領の中にそういうような状況が、これは規模のいかんにもよりますし状況のいかんにもよると思いますけれども、含まれているというふうに考えてよろしいと思います。ただ、その場合に自動的に引き揚げるとか、そういうことではございません。
○有働正治君 二月十二日の事務総長報告は、新政府樹立後の駐留について、早くも可能性について言及していますが、どう言及していますか。
○政府委員(澁谷治彦君) 選挙後の治安につきまして、制憲議会選挙の後、新政府樹立までの三カ月間における平和的状況が最も重要である。新政府が樹立されるまでの間、当初予想されていたよりも規模の大きいUNTAC軍事部門及び文民警察の維持が必要である。それから、安保理はUNTAC終了後も新政府が治安維持のために引き続き国際支援を望むかどうか検討する必要があるかもしれない。明石代表に選挙後の治安の必要性につき評価、提言するよう指示する。 以上でございます。
○有働正治君 仮定の話と政府は執拗に言われますけれども、事務総長も事態の進展を危惧しているわけです。これが現実であります。 今日のUNTACはパリ協定に基づいて派遣されていますけれども、新政権後はパリ協定も終了いたします。そういう新しい局面下で新政権に対してポル・ポト派の武装闘争が行われる可能性は大でありますけれども、そうなると、UNTACの性格も今度は変わってくると、その一員としての現行法下でのPKO派遣の条件は成り立たないことになると思います。少なくともその時点で状況に照らして根本的に再検討をせざるを得ないと思いますが、官房長官、いかがですか。
○国務大臣(河野洋平君) 制憲議会選挙が行われて新政権が発足をいたしますれば、その後の状況については新しい事態が出てくると思います。現在でも、例えば大統領制にしてはどうかなどという議論がさまざま言われているというふうにも伺っておりますが、いずれにせよ、カンボジア国内でいかに平和な国づくりをするかについてさまざまな議論が行われるに違いないと思っております。 そして、その後の問題については、カンボジアの人たちが望み国連安保理が決議をいたしますれば、その決議に基づいて新たな事態が発生するというふうに思いますが、現在ではそのところまで推定することはできません。
○有働正治君 今、官房長官、新たな事態とおっしゃられました。新たな事態の中で自衛隊についても新たに検討することになるんでしょうね。
○国務大臣(河野洋平君) 現在、自衛隊施設大隊が行っておりますが、この施設大隊について派遣を認めております期間は十月末まででございますが、それ以前にカンボジアにそうした新しい政権ができ上がり、UNTAC及び国連安保理その他がどういう判断を下すかということを見なければ、我々は何とも今申し上げられないということを申し上げました。
○有働正治君 新しい条件下で条件が崩壊……
○委員長(遠藤要君) ちょっと有働君、まだ発言を許していませんよ。時間がもう終わっていますので、それでは簡単に。
○有働正治君 では、一問。 前提が根本的に崩壊する可能性は大であります。パリ協定で停戦が合意されたのは事実ですけれども、その枠組みの枠は崩れているし、事態は悪化することも十分予想されるわけです。そういう点からいって、私は、武力行使あるいは武力による威嚇につながる自衛隊派遣というのはやめるべきであるし、新たな事態の中で根本的に再検討すべきであるということを主張し、終わります。
○委員長(遠藤要君) 以上で有働君の質疑は終了いたしました。 午後一時再開することとし、暫時休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ――――◇――――― 午後一時開会
○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。乾晴美君。
○乾晴美君 私は、先般カンボジアに行ってまいりました。もちろん、タケオにもカンポットにも行ってきました。日本の自衛隊の方々も道路の修復だとか架橋とかということに非常に暑い中頑張っていらして、カンボジアの人々からも高く評価されるということでございました。しかし、本当にカンボジアの中に入ってみまして、国際貢献とはどうあるべきなんだろうかということを改めて考えさせられたわけなんです。 そこで、総理にお伺いいたしますけれども、国際貢献の理念と申しましょうか哲学というのをどのように考えていらっしゃるか、お伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先般は、日本から行ってもらっております諸君にいろいろと御激励を賜ったそうで、ありがとうございました。 国際貢献、いろいろな道がございます。我が国は、戦後むしろ各国から援助を受けた国でございましたけれども、やがて援助をする側になるようになりましたのはまことに幸せなことでございます。やはり対外援助というものが国際貢献の一つの大きな項目でございますし、これからもますますこれは増大していかなければならないと思います。 それから次に、冷戦後の時代になりまして特にそうなりましたが、国連というものが世界平和の維持と増進のためにますます大きな役割を担うようになりました。その国連のそのような活動を我が国として憲法で許される可能な限り助けるということが第二の貢献の問題であろうと思います。それは財政的にはさしたる制約はございません。御承知のように、我が国は海外で武力を行使するということが、自衛のためならともかく、そうでない場合には問題があると考えますので、国連の国際平和の維持増進のために我が国が人的に貢献し得る範囲は限度がございますけれども、しかし先般法律を制定いたしましたのでその範囲内で現に人的な貢献もいたしつつある、これが第二の問題であると思います。 すなわち、第一は対外援助、第二は国連を中心とした国際貢献、第三にはその他いわゆる我々の外交活動、あるいは文化、学術等の交流、それから日本に向かっての留学生の受け入れ、その他環境問題などというのも新しい国際貢献の分野ということになると思いますが、例を挙げますと切りのないことでございますけれども、そのようなものを考えて中心にやってまいったらどうかと思っております。
○乾晴美君 カンボジアに参りますときに、いきなりカンボジアに入れませんで、タイのバンコクからプノンペンに入らせていただきました。そのときに空から見ましたら、カンボジアとタイというのはほとんど気候は同じだろうと思うわけなんですけれども、タイの国の方は青々とした大地が広がっているわけなんです。ところが、カンボジアに入りましたら、もう二月でしたから乾期だったかもしれませんけれども、ひび割れた真っ白な、本当に乾き切った寒村という体をなしているわけですね。ですからこれはやっぱり、PKOで幹線道路の補修に当たるということもいいんだけれども、この真っ白なカンボジアに大地をよみがえらせる、そういうことをしなければだめだなというのが実感でございました。 政府はこのようなことに関して何か構想をお持ちになっていらっしゃるでしょうか。 それからまた、海外経済協力事業というようなものでかんがいをするだとか農業ができるような圃場整備をするとか、そういうような仕事が大事になってくるのではないかというように痛切に思いました。三月の二十二日に堂本議員の質問の中で、政府の方からカンボジアのお米の収穫率は世界最低なんだということを聞かせていただきましてその感を特に強くしたわけなんですけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今言ったように、国際貢献というのは確かに貫いて献上するだけじゃないんですね、これは。今はもっと広い意味があって、総理がお答えになったとおりなんですが、人間というのは二千年来進歩ないんだなと思って私は見ているんだが、孔子様か何かが「恵んで費やさず」ということを言っているんですよ。恵んで、しかして費やさない、むだ遣いしない、これが今言ったそれなんですね。ただ食えないからそいつに対して社会保障的に恵むというだけはいけないんだと。やはりいつまでたったって自活できない。したがって、むだ遣いはしないで、やはり恵むんでなくて自助努力をしてもらう足しにしなきゃならぬ。やっぱり二千年前も今も同じなんだなと私は本当にそう思ったんです。 まさに今言ったように、今後カンボジアが自分で計画を立てて、優先順位をつけてどういうふうなことをやってほしいかということがあれば、それは日本の国際協力の一環としてのODAも十分に活用してもらう。今、委員がおっしゃったようなことなどもやはり直接すぐに役立つことからやった方がいいわけですから、私は大いにそういうことは一番先に実行されるようになってくるであろう、そう思っております。
○乾晴美君 外務大臣のおっしゃるとおりだと思います。 タイに移民なされていた方というか難民ですね、その方がカンボジアに帰られたということなんですけれども、この方々はもう十数年にわたって働くことから離れていたわけなんですね。ですから、プノンペンに帰っておいでても非常に生活が苦しいというように伝えられているわけです。まさに今大臣がおっしゃったように、自助能力といいましょうか、働くことをお教えするということも大きな仕事になってくるのではないかというように思うわけです。ですから、PKOで道路とかそういった補修をするという仕事とあわせて、やっぱりカンボジアの人たちに働く意欲と働く場所というものをつくり出すこと、これが重要だなというように思うわけです。 我が国は戦後復興という苦しい経験をしたわけなんですが、私たちもそのときにはなべかまづくりとか、それこそ食糧増産とかということに一生懸命励んできたわけです。そういった経験を官民力を合わせてこのカンボジアに持っていく。もちろんNGOの活動ということも大事だと思いますけれども、そういう面についても政府が先頭切ってやっていただけるということにはならないでしょうか。総理、いかがでございましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういうような方向にいくように努力してまいります。
○乾晴美君 ぜひによろしくお願いしたいと思います。橋をつけたりということも苦しいことでしょうけれども、もっと大切なものを忘れているなというように感じたわけでございます。 また、カンボジアではポル・ポト派のあの大虐殺で指導者が多く失われているということでございました。ですから、新しく学校も建てかえたり、立派な学校もいろいろございましたけれども、そこに教える人がいらっしゃらなかったということでございます。そうしますと、指導者というのは急につくれませんものですから、何年かかかるわけですから、ですから、日本がもし貢献できるとするならばこういった指導者を送るということも大切なことだと思うんです。ですから、カンボジアの国づくりは即人づくりというような観点からそういうことはお考えできませんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど、タイからお入りになりましたときに、カンボジアは赤茶けた土地であったとおっしゃいましたが、実際それは住民がみんな自分のところから避難をしてしまったわけでございますから、コミュニティーというものがいわばなくなってしまった。それが今度のことで一番大きいのは、やはり三十三万と今言われますが、それがみんなその郷里と申しますか厳密には郷里じゃないかもしれないのですが、土地に帰ってそこで農業をもう一遍始める、あるいは中小企業を始める、十三年間本当にキャンプにおりましたら農業をすることを知らなかったでしょうから初めてやる若い人もいたに違いないんですが、ここで初めてコミュニティーがこれからできるということだと思います。 それで、橋をつくったり道を開くのもそういうものの手伝いをしているのでございますから、ここで戦争が終わってコミュニティーがこれからできるんですから、教える人もいなければ何をする人もいない、そういう国づくりが始まるという意味で、我が国はカンボジアとの二国間のいろんな意味での援助もありますし、技術協力もありますし、NGOはもちろんですが、政府ベースでもそ ういうことがたくさんございます。 それから、先般私はASEANに参りましたときに、ASEANの国で一緒にインドシナ半島全体のこれからの復興についてお互いに助け合ってやろうじゃないかということを呼びかけまして、この秋には東京でASEANがみんな一緒になってそういう最初の会議を開きます。というのは、我が国よりはタイの方が地域的に近いわけでございますからニーズがよくわかるはずでございますし、人の訓練をするのでも東京に来て訓練するよりは隣で訓練した方がずっときっといいんだろうと思いますから、そういったようなことはみんな一緒になってやっていって、これで初めてコミュニティーづくり、国づくりがこれから始まるというふうに我々としては考えて、その役に立たなきゃならないと思います。
○乾晴美君 外務省からも文部省の方からもお答えいただきたかったんですけれども、総理がお答えいただきましたので次に進ませていただきたいと思います。 やはり、国際貢献というのはPKOだけでないなというように思ったわけでございます。それで、何としても、先ほど外務大臣もおっしゃいましたように、国が独立できる、自立てきる、それを手助けするというのが本来の国際貢献だっただろうなというように思うわけです。ですから、人々が毎日の暮らしが曲がりなりにでもできるようになっていけば、今度やっぱり争い事から建設だとか復興だとかといった方に目も向くし努力もなさっていくんだろうなというように思うわけです。私はやっぱり、PKOと並行して、しかも世界の国のどこよりも先にカンボジアの人々に働く場所づくり、人づくりということで貢献するような、そういった実効あるものを政府がなさってくれたらいいということを強く要望して、私の質問を終わります。
○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。磯村修君。
○磯村修君 私、去る十一日の総括質疑の中で、大変残念な金丸さんのことにつきましてお伺いした経緯がございますけれども、それに関連しましてちょっとお伺いを二、三してみたいと思うんです。 今回の問題をめぐりまして、建設業界から上納金というものが贈られていたということがよく聞かれるわけなんでありますけれども、こういうものかなと私も感じたところであります。 そこで、公取にお伺いしたいと思うんですけれども、例えば建設業者あるいは建設団体が上納金と称する献金をある業界に力を持つ政治家に献金し、そしてまたそれによって本人あるいは周辺の人たちが公共事業につきましていろいろと指図したり、いわゆる取り仕切る、そういうふうな行為はいわゆる談合に当たるんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(小粥正巳君) ただいまのお尋ねでございますけれども、まず一般論として申し上げます。 官公庁等が発注いたします公共工事等の競争入札に当たりまして、事業者が共同して、あるいは事業者団体があらかじめ受注予定者を決定するというような行為によりまして、その市場における競争を実質的に制限するということになりますと、これは独占禁止法第三条または第八条に違反をする、こういうことになります。これは、あくまで一般論として申し上げたわけでございます。ただ、ただいま申し上げました法律上の規定は、これは独禁法上の事業者あるいは事業者団体に対して適用されるものでございます。 ただいまのお尋ねでございますけれども、仮に何らかの方法なり仕組みなりによりましてある競争入札について受注予定者が決まる、こういうことがあったといたしましても、その場合に当の本来競争すべき事業者の間で、あるいは事業者が構成しております事業者団体がその受注予定者の決定について特別に合意というようなものがない、そういう場合ですと、これはそのことが直ちに独禁法上の規制の対象になるということではございません。
○磯村修君 公共事業の受注業者がいわゆる上納金と称するものを差し出すというふうなこと自体、一般の我々、国民の皆さんが受け取る印象というものは、そこに不正競争が働いているんじゃないか、こういうふうな受け取り方ができるわけですね。ですから、これも大きな意味における談合だと、こういうふうに一般の人たちは印象を持つわけなんですよ。 そこで、それは断定的なものは結構でございますけれども、こういう今回のような事件の場合、そういう上納金というものが相手側の方に渡る、そして公共事業という我々の税金を使って行うところの事業、工事、そういうものに対する発注の、何といいましょうか、取り仕切りをするということ自体が非常に、それが事実とすれば本当にこれは問題があると思うんです。そういう意味合いにおいて、その真偽のほどを、そういうものがあるのかないのかということを公正取引委員会としても今回の場合調査するお考えがあるのかどうかということをお伺いしておきたいと思うんです。
○政府委員(小粥正巳君) お答え申し上げます。 私ども公正取引委員会は、独占禁止法に違反する行為があろうかというそういう疑いが具体的にあります場合には、調査をもちろんいたします。 したがいまして、そのような調査の端緒、その端緒に当たる事実、これに接しておりますればそういうことでございますけれども、ただいまお尋ねの件につきましては、私どもは現在までのところ具体的な端緒となるような事実は得ておりません。今後とも本件に関連する検察当局の捜査の動向などを注意深く見守ってまいりたいと考えております。
○磯村修君 やはり不明朗なことがあってはならないんであって、国民の皆さんの疑問を払拭していくためにももっと公取委も、実際言ってこういう上納金ということ自体がおかしいわけですから、我々から考えれば、そういうものをなぜ特定のところに持っていくんだというふうな、そういう感覚があるわけですね。 そういう意味合いにおいても国民の皆さんが疑問を持つわけですから、やはりその辺の疑問を晴らしていくためにも公取の立場でもって調査を行うというふうな立場を積極的にとるべきである、こういうふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(小粥正巳君) ただいまもお答え申し上げましたように、私ども独占禁止法に違反をする疑いのある行為が具体的な端緒としてございますればもちろん調査をいたす。そういう用意は常にあるわけでございますが、現在までのところは先ほどお答えしたとおりでございます。
○磯村修君 建設省にお伺いしたいと思うんですけれども、きのう建設大臣が御答弁をなさっておりますけれども、いわゆる今回のような事件を見た場合に、公共事業の果たす役割が大変重要である、そういう時期であるだけに事業の執行には厳正に当たっていく、こういう趣旨の御答弁がございました。私は、こういう趣旨をより積極的に生かしていくためにも、いわゆる使途不明金を計上するような業者とか、あるいは今のような何か疑問が持たれるようなお金を差し出すというふうな、いわゆる上納金みたいなものを贈るというふうな、そういう業界、団体、あるいは業者、こういう方々あるいは団体の公共事業に対する発注を避けるべきである、こういうふうに思うんですよ。やはり、そういう業者、あるいは業界の団体に対してはきつく、こういう事実があるとすれば、もうあなた方はちょっと信頼できないから工事はちょっと見合わせますというふうな、そういういわば厳しい態度を持って行政も当たるべきではなかろうか。そういうことによっていわゆる公共事業に対する国民の信頼を持つことができるんではなかろうかと思うんですけれども、その辺のお考えをお伺いします。
○国務大臣(中村喜四郎君) 今の御指摘をいただきました今回の件につきましては、昨日もお答えを申し上げましたように、現在、捜査当局において捜査が進められている段階でありますので、今の段階で建設省としてそのコメントを申し上げることは差し控えたいと思いますが、いずれにいたしましても、報道されておりますように、我が国を代表するような建設業者が捜査を受けているということに対しては極めて遺憾なことである。そして、公共事業は国民の血税によって執行されているということ、そのためには当然厳正に執行されなきゃならないということ、先生の御指摘のとおりでございます。 そこで、私どもといたしましては、中建審におきましてより一層の透明性と競争性を確保していく必要性がある。その中で指名競争入札制度の改善、多様な入札・契約方式の導入、これらの問題に対して私も事務当局に対しまして具体的に早期に実施に移すように指示をしたところでございますが、この問題につきましては、御指摘をいただいたことも含めまして建設省といたしましては重大な関心を持って今後の捜査の状況の推移を見守りたいと、このように考えております。
○磯村修君 時間が来たから終わります。
○委員長(遠藤要君) 以上で乾君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(遠藤要君) 次に、島袋宗康君の質疑を行います。島袋君。
○島袋宗康君 二院クラブを代表して、質疑を行いたいと思います。 我が二院クラブは、大先輩でありました市川房枝先生の時代から、政治の浄化と清潔な政治の確立ということについて長い間警鐘を鳴らしてまいりました。それだけに、今日の腐敗し堕落し切った状況に厳しい憤りを覚えるものであります。したがって、金権腐敗の状況と政治改革の問題から入ってまいりたいと思います。とりわけ政治浄化について総理の決意と責任。 昨年の臨時国会から今日まで、佐川急便事件に絡む金丸問題、竹下問題、我が国の政治はまさにこのことによって麻痺状態に陥っているのであります。内外の厳しい状況の中から、国際平和、そして外交問題、国内不況対策等で一瞬の停滞も許されないはずの我が国の政治が現実にこのような状態になっていることは、本当に国民の一人として嘆かわしい次第であります。 そこで、金丸不正蓄財事件が象徴する今日のこの政治腐敗の状況について、宮澤総理の御所見をまずお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは幾たびか申し上げたことでございますけれども、御指摘のような事件の続発によりまして、国民の政治に対する信頼というものは極端に揺らいております。政治に携わる者として、このことはまことに申しわけないことだというふうに考えております。 現在進行中の事件につきましては、関係当局が厳正に調査をし捜査をいたしまして法による手続をとってまいるものと信頼をいたしておりますが、同時にまた、このようなことが行われるに至った一人一人の倫理の問題を初め、そのような倫理が担保されるための制度、いわゆる政治改革というものは極めて急がれる。これによってのみ国民の信頼を回復し得ると考えておりまして、緊急改革につきましては前国会で実現をさせていただきましたが、抜本分、一番大事な部分をこの国会におきまして何とか実現をしたい、させていただきたいと考えておりまして、自由民主党におきましても、その案をかねて私が昨年から要請をいたしておりましたものがほぼでき上がっております。 各党においてもいろいろ案をお考えのようでございますが、やがて衆議院におきまして特別委員会での御審議を手始めといたしまして、この国会においてぜひこれを成立させていただいて、我が国として、かつてイギリスが一八〇〇年の終わりごろにそうでありましたような抜本的な政治の改革をぜひ実現いたさなければならないと思っております。
○島袋宗康君 総理は、遺憾の意とかあるいは憂慮の念とかいったようなことを繰り返しこの場で発言されております。 私は先般、臨時国会の予算委員会の場において、いわゆる竹下内閣が暴力団の関与によってできた疑いがあるということに関して、竹下元総理の政治的道義的責任を宮澤総理にお伺いいたしました。そのとき、それは竹下氏本人がお決めになることであるというふうな御答弁でありましたけれども、今でもこのことについて変わりありませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題につきましては、国会においても真相究明のためにいろいろな御努力がなされました。また、私どもの党におきましても御本人から事情を伺ったような経緯がございます。その中におきまして竹下氏がこの問題をどういうふうに考えられるかということでございますが、やはりしばしば、議員を辞職されるべきではないか、そのために私が自由民主党総裁としてそういうことをお勧めするべきではないかという御質問がございました。 私がその都度申し上げておりましたことは、やはり議員の職員というものは選挙民からの信頼と負託によって成り立っているものでございますから、議員自身がその信頼を失った、あるいは負託を実行することができないと考えられるか、あるいは選挙民がそれをそう判断されるかそれによって本来決せられるべきものであろう、したがいましてそれは本来は御自身が判断をせられるべきものであろうということを申し上げてまいっておるわけでございます。 憲法におきましても国会法におきましても議員がその身分を失うということについて非常に厳しい厳格な規定を置いておりますゆえんは、恐らくはやはりそういう選挙民との信頼関係、負託関係というものを大切に考えているからであろうというふうに私は思っておりますものですから、やはりそこは厳格にそういうふうに考えるべきではないかということを今日まで申し上げてまいりました。ただいまでもそのように考えております。
○島袋宗康君 余り前進がないようなお話でありますけれども、いわゆる宮澤内閣誕生に当たって、当時の自民党の最大派閥の経世会、中でも金丸会長の力が大きかったと言われております。また、それを裏づけるかのように金丸氏は昨年八月まで宮澤総裁のもとで副総裁を務め、宮澤政権の大きな支えであったのは周知のとおりであります。ところが、その金丸元副総裁の金権体質は御案内のとおりで、宮澤内閣誕生時には既に金権腐敗にまみれていたということは否定のしょうがないと思います。 そこで、総理にお尋ねするわけでありますけれども、総理は暴力団と竹下氏との関係を竹下氏本人が決めることとしてかわされましたけれども、そういう論理に立った場合、金丸氏に関する総理御本人の責任の問題は当然に御自身でお決めにならなければならないんだと思います。副総裁で、金丸氏の力が宮澤政権に大きく作用した。総理はこのような金丸氏を副総裁で重用なさった。その上、政治資金規正法の量的制限違反で金丸氏が責任をとった際には慰留をしてまいりましたね。ならば、同志に支えられた宮澤総理・総裁の政治的道義的責任は大きいと思います。この責任は御自身で国民の前で明確にしていかなければならないと思います。 そこで、このような事態になって、総理御自身の責任のとり方についてどのようにお考えになっておるか、もう一度御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 金丸前議員には副総裁に就任をしていただきまして、私も自分の総裁としての仕事を非常に助けていただきました。それはそのとおりでございます。それだけに、私としては今度のような事件が金丸氏について起こりましたことを非常に残念に思っております。 自分の信頼がこういう形になったということは私自身もどうもまことに残念で申しわけないことだという感じがいたしますし、また同時に非常に残念なことだというふうに思っておりますことは、言われるとおりでございます。
○島袋宗康君 こういう政治不信の渦巻く厳しい情勢の中で、政治改革は何が何でも成功させていかなければならない。それで初めて国民が納得するであろうというふうに私は考えます。 ところが、世に言う政治改革関連四法案のうち選挙制度改革問題については既に、与野党の間だけでなく、与党内部、野党間においても見解は対立しております。こうした情勢を踏まえるならば、比較的合意の得やすい政治腐敗防止法や政治資金規正法の改正を優先させるなどして政治改革の優先順位も考えておられるのか、それとも選挙制度の改正案で妥協できる見通しがあって一括処理を主張されているのか、その辺のことについて御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) やがて衆議院に提案をいたす予定の政治改革関連の四つの法案、自民党の考えております四つの法案につきましてはほぼ内容がもう固まっております、御案内のとおりでございますが。他の党が提案せられるであろう案の内容は実はいまだ未知数でございまして、どういう案を御提案になられるのかただいまのところよくわかっておりません。 いずれにしても、それらは衆議院の特別委員会において御審議になるわけでございますが、私どもは、これはむしろ先ほど島袋委員の言われましたように政治改革全体が命急務であると考えておりますから妥協をしてその一部だけをやればいいというふうには考えておりませんで、この際ひとつ抜本的にやってしまいたい、そういうふうに私どもの党は考えております。また、そういうつもりで衆議院の御審議に私どもの党の出身の議員は臨むということになろうと思いますので、この機を逸してはこういうことはもう難しゅうございますから、根本的に、妥協をして一部をとるということでなく、ひとつ抜本的な改革をいたしてしまわなければならないというふうに考えます。
○島袋宗康君 今度は、後藤田法務大臣にお伺いいたします。 大臣はかつて自民党の政治改革本部長代理をされましたが、その際まとめられた政治改革関連法案では、小選挙区比例代表並立制の導入を打ち出しておられました。その際、単純小選挙区制がベターだと思うが現状では与党ばかりになるおそれがあるというような発言をなさっておられましたことがあります。それについてお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は、政治改革本部の会長としまして、党内でいろいろ論議がございまして党としてはその当時は小選挙区を基本にしながら比例制の併用制を採用する、こういうことが党として大方の御意見でございましたので、そのような答申を竹下総裁にしたわけございます。 ただ、私の個人的な考え方は、やはり何といいますか、有権者の政権選択の意思が端的にあらわれる、そして二大政党とでもいいますか、大きな政党の対立によって政治の運営が建設的な、しかも緊張関係のある与野党関係、そして政権の交代もしやすいといったような観点から、小選挙区が一番いいというのは、私のこれは見解でございますが、今御質問のような点は会長としての取りまとめをした、こういうことでございます。
○島袋宗康君 当時は、小選挙区制を実施することになれば金がかかるというようにお聞きしたら、それは一言には言えない、やり方によっては戦いそのものが細かく念入りになるから金がかかるかもしれないというようなお答えをなさっております。その点について、小選挙区にした場合に金がかかるのかもしれないというようなことを言われているんですが。
○国務大臣(後藤田正晴君) 先ほどの私のお答えの中に、小選挙区を基本にしましてそして併用制と、こう言ったかもしれません。これは間違いでございまして、並立制でございますから取り消しをさせていただきたいと思います。 それから、小選挙区の場合にも必ずしも金がかからないという保証はないかもしれないといったことは、私は従来からそう思っておりますし、今でもそう思っております。 しかし、一般的に言えば、対象の地域が狭くなるし対象とする有権者の数が少なくなれば、これは当然選挙の費用は減るはずでございますが、しかしながら運動が細かくなるという意味からは、これはあるいは金がかかる、こういうことがありますので、私は小選挙区を採用するときには、これは先般もここでお答えをしましたように、公認候補のあり方がどうなるんだといったようなこと、さらには無所属候補というものにどういうけじめをつけるんだ、この二つが小選挙区制度をうまく転がしていく私は基本の前提条件であると、かように考えておるわけでございます。
○島袋宗康君 当時また、政党助成について、公的資金を援助する場合には予算から出るので時の政府に支配されやすいというような発言もなさっております。それについて率直な御意見を承りたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 政党というのは本来自由に活動ができるということが基本ではないのか、それから同時に、時の政府といいますか行政権からとやかくの指図がましいことが出ないようにすることが政党というものの基本であろうと、かように私自身は考えているわけでございます。 そこで、公的助成ということを考える場合には、よほどそこの点について、例えば仮に助成金が出るとなればこれは会計検査院の検査ということになりますね。会計検査院というのは中立の機関であってもこれは行政府の中の一つの機関ですから、余りこういうものが政党の中の運営に指を突っ込むことは政党というものの立場を壊していくおそれがありますから、そこらはきちんと限界を設けておかないとかえって政党が萎縮してしまう、こういうことになりはせぬのかなと私はさように考えているわけでございます。 しかし、政党助成というのは、政策対政策、そして政党対政党の争いになるということを前提にした場合に、個人が全部埋没するわけじゃありませんけれども、私はやはり、諸外国でもありますしすっきりした氏素性のいい資金で輸贏を争うというのが好ましいと思いますから、一定の限界のもとに国庫助成というものはやってしかるべきであろう。しかし、そのときに、国庫助成を受けるということになりますと受け皿がなければいけませんね。 さて、そうなるというと、受け皿をどうするんだということになると、これまた政党法の問題が出てくるんです。しかし私は、政党法というものは制定をした方がいいのか、それとも、これまたうっかりすると政党の自由な活動を阻害するということにもなりますから、むしろ政党法を仮に考えた場合には、団体規制的な政党法になることはこれはもう絶対避けなきゃならぬと思いますね。そうなるとしかし受け皿がありませんから、ならば受け皿をつくるのにやはり政党というものはそれぞれ相当な規模でなきゃなりませんので、そこで受け皿づくりの意味における政党法というものも仮に考えるのならその方がよろしい、かように考えているわけでございます。
○島袋宗康君 最後に、政治と金の問題で今最も問題になっている企業の使途不明金について、法務大臣にあと一回お尋ねします。 この問題のポイントは、第一に、不明金の額が余りにも莫大である。しかも企業が毎年出し続けているという実態。第二に、この使途不明金が原資となって政治家へ流れている可能性が高い、金権腐敗を生み出す温床となっている点。現在の商法上あるいは会社法上どのような規制措置が可能でしょうか、ちょっとお教えください。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は、商法の上では使途不明金というそれはそんなものはない、これは税法上の扱いの上で出てきておる考え方であろうと思いますが、これはやや専門的になりますから民事局長から答弁させます。
○政府委員(清水湛君) お答えいたします。 ただいま大臣が答弁されましたとおり、商法上は使途不明金という概念はないわけでございます。商法上要請される貸借対照表及び損益計算書は会社の財産及び損益の状況を正確に判断することができるように明瞭に記載しなければならない、こういうことになっているわけでございまして、いわゆる使途不明金なるものもいずれかの費目、例えば一般には交際費とか諸会費、雑費などに分類されて会計帳簿に記載されているわけでございます。 そして、もしもこのいわゆる使途不明金なるものについて会社の計算書類等に不実の記載をする、間違った記載をする、そういうようなことがございますと、これに関与した取締役は計算書類等の虚偽記載についての過料の制裁を受ける、あるいは、これによって会社または第三者に損害を生じさせたというようなことになりますと損害賠償責任を負うということになるわけでございます。 さらに、自己または第三者の利益を図りまたは会社を害する目的でこのような行為をした、このような粉飾経理をしたということになりますと、これによってまた会社に財産上の損害を加えたということになりますといわゆる商法上の特別背任罪が成立する、こういうことになるわけでございまして、会社法上はこの種の粉飾経理に対する制裁規定は現行法においては整備されておる、こういうふうに考えておる次第でございます。
○島袋宗康君 今の説明では、なかなか規制ができないというふうな御説明でありますけれども、税法上はどうでしょうか。国税庁、よろしくお願いします。それから不明金の実態について御報告をお願いします。
○政府委員(瀧川哲男君) お答え申し上げます。 税法上使途不明金というものの定義はございませんけれども、私どもの方で基本通達というのがございまして、そこにこういう定義をしております。「法人が交際費、機密費、接待費等の名義をもって支出した金銭でその費途が明らかでないもの」、これにつきまして通達上は「損金の額に算入しない。」という形で示してあるものでございます。 最近三年間の使途不明金の金額を事務年度別に申し上げますと、平成元事務年度におきまして五百六十三億円、平成二事務年度におきまして四百七十六億円、平成三事務年度におきまして五百五十八億円。 以上でございます。
○島袋宗康君 このことは国民が日ごろから知りたいと思っていることだと思います。このようなことですので、これは野放しにするわけにはいかないんじゃないかというふうに考えるわけであります。当然何らかの措置を早急に講ずる必要があるんではないかというふうに思いますけれども、法務省そして国税庁はいかがお考えでしょうか。
○政府委員(清水湛君) ただいまも国税庁の方から御答弁がございましたけれども、いわゆる使途不明金というのは税務官庁に対しまして使途を秘匿する支出としてその費用性を証明することができない、こういうことから損金算入が認められないものだということでございます。 こういう税務行政上の問題でございまして、商法上の問題といたしましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、そのことによって粉飾経理が行われる、つまり、不実の会計処理が行われたというようなことになりますと商法の要請するところの会社の財産及び損益の状況を明確にしたことにはならない、そういうことでそれぞれの制裁規定が整備されておるということでございますので、この使途不明金に関して商法に何らかの規定を置くとか、そのために商法、会社法の改正をする必要があるというふうには私どもは考えていないわけでございます。
○政府委員(瀧川哲男君) 私ども国税当局といたしましては真実の所得者に課税するというのが私ども税務行政の本来の役割でございますから、使途不明金と申しますものは私どもの立場から見ても課税上問題がある、このように思っておるわけでございます。 ただ、税務調査はいわゆる任意調査を基本としているわけでございますので、使途不明金の使途の解明というのは大変実は難しいことでもございます。ただ、そういたしましても、私どもとしては従来から調査に当たりましては使途不明金の使途の解明、すなわち真実の所得者の解明ということに特段の努力を払ってきたわけでございます。 それにつきましても、今回のこの国会での御議論、こういったことも十分踏まえまして、今後とも徹底した調査を行いまして使途の解明に全力を尽くしてまいりたい、かように現在考えておる次第でございます。
○島袋宗康君 政治家と金の問題については、制度の抜本改正は非常に重要なことだと思います。最終的には政治家の倫理観と責任感の問題に帰着すると思います。 最後に、金丸、竹下、佐川問題と、一連の金権不祥事の徹底解明に向けての総理の決意をお伺いし次の質問に移りますので、ここで不退転の決意を承りたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 冒頭に申しましたように、事件はただいま進行中でございますが、検察並びに国税当局が厳正にこの事件の調査、捜査をいたしまして対処することを信頼いたしております。なお、これも繰り返して申し上げるようでございますが、この事件によって国民に深まりました政治に対する不信、何とかしてこの際この国会において抜本政治改革を行いまして国民の不信に対してこたえてまいらなければならないと考えております。
○島袋宗康君 次に経済問題、特に景気対策についてお尋ねいたします。 今回の不況は平成の大不況と言われ、景気後退が始まって既に二カ年が経過しております。景気は一向に回復する気配がありません。今度の大不況は、平成不況、構造不況、複合不況等々いろいろネーミングをされておりますが、痛烈なのが政策不況という呼び方もあります。つまり、政府の経済見通しの甘さ、後手後手の景気対策、要するに政府の経済運営の失敗が今日の大不況を招いているとの指摘もあります。確かに政府は、昨年三月には緊急経済対策を、八月には総合経済対策を決定するなど施策を尽くしておられます。いまだに景気回復の兆しが見えないのであります。 そこで、まず宮澤総理に、政策不況と言われるこの大不況についての現状認識とその政治責任及び今後の景気浮揚策の見通しについて、総理の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) これも当委員会におきまして以前にも申し上げたことでございますけれども、このたびの不況、いわゆるプラザ合意後の長い好況期におきまして設備投資が毎年二けた増という時代が三年、四年続いたわけでございますが、そういったような経済の持っております循環ということからいつかはそういうことが起こってくるということは、これは経済でございますからやむを得ないことでございましょうけれども、それに加えまして、いわゆるバブルと言われる資産価格の崩落があったということがこのたびの不況のかつて経験したことのない特色であるというふうに考えます。 すなわち、資産価格の崩落によって、家計は消費意欲を失うに至りますし企業は投資意欲を喪失するばかりでなく、また今回新しいことは、それによって金融機関が融資対応能力を非常に損傷いたしましたし、また証券市場がエクイティーキャピタルを起こすことが難しくなったというそういう新しい要因がございました。 御指摘のように、政府は昨年の三月、八月と、殊に八月は大きな経済対策をやってまいりまして、財政の努力によって民間の経済活力をもう一遍呼び起こしますためのつなぎの努力をいたしつつあるわけでございますが、新しいそのような要因もありまして、今日までのところなお景気回復のはっきりした兆しを見出すに至っておりません。 ただ、しかしながら、いわゆる金融、証券等の新しい事象につきましても、銀行につきましては不良債権の処理について新しい機構を設けることができましたし、また住専と言われるところの住宅専門金融機関の窮状の解決につきましてもごく最近一つの方式を合意することができました。また、証券市場におきましても出来高がかなりふえておるといったように、いわゆる三月危機と言われておりますものについての対応はまず破綻を招かずにできたというふうに思っております。 この御審議いただいております平成五年度の予算は、昨年総合経済対策でいたしました中央、地方の公共事業を中心とし、中小企業への援助をまた含みました総合経済対策の延長線上にございますので、これだけ大きな政府関連の投資をいたしますと、日本経済は非常に大きゅうございますけれども、しかし必ずこの影響はあらわれてくる、恐らく遠からず、時にこの影響があらわれてくるというふうに考えております。 それにいたしても、したがいましてこの平成五年度の予算を早期に成立をお認め願いまして早々と執行いたしたいと考えておりますが、なおそういう経験したことのない形の不況でございますから、どういう経済の変化がございますか、景況には常に注意を怠らずに、必要があれば時を移さずに手を打ってまいらなければならないということをただいま現在も考えておるところでございます。
○島袋宗康君 それでは、船田経済企画庁長官にお尋ねいたします。 昨年の緊急経済対策や総合経済対策がどのくらい効果があったのか、その分析結果と今後の見通し等についてお尋ねいたします。
○国務大臣(船田元君) お答えをいたします。 島袋委員のお尋ねは、昨年二回経済対策を打たせていただいたわけでございますけれども、その効果やいかに、こういうお尋ねでございます。 御承知のように、三月には公共事業の前倒しを中心といたしました緊急経済対策、そして八月には史上、まあ史上といいましょうか、過去最大規模の十兆七千億円に及ぶ財政措置を柱とした内需拡大、あるいは金融システムの安定性の確保ということもあわせて盛り込んだわけでありますが、総合経済対策を決定させていただいたわけでございます。 確かに、公共部門から民間部門への波及ということには若干のタイムラグもあります。また、私ども景気あるいは経済の分析をやっておりますけれども、四半期ごとに定量的に政府の、あるいは公的な対策の効果というものを示していくというのは非常に技術的にも困難な面がございます。したがいまして、余り具体的にこうなっておりますという数字は示しにくいのでありますけれども、あえて申し上げさしていただければ、例えばこの前発表いたしました十-十二月期のQEの数字におきまして、公的固定資本形成、いわゆるIGと呼んでおりますが、これが前期に比べまして三・九%増、あるいは前年同期比で一二・四%増ということで高い伸びを示しております。 これは、先ほど申し上げました三月の緊急経済対策による公共事業の前倒しの効果がここに発現をしているというところが大きいのだと私どもは分析をしております。また、八月の総合経済対策につきましては、昨年暮れの補正予算の成立によりまして本格的な実施に移されたところでございます。したがいまして、平成五年の一-三月期以降その効果がより本格的に実体経済に発現をしてくるのであろう、こう思っております。 ちなみに、平成五年度の今申し上げたようなIGの数字でございますが、これは平成四年度の補正後に比べましても九・五%増、このようなことで見込んでいるわけでございまして、執行状況も順調に行われておるようでございますけれども、その効果が徐々にではありますけれども今後非常に大きくあらわれてくる、このように私どもは考えております。 そういう公共投資、これが景気を引っ張っていくという形で住宅投資もそれに引っ張られていく、そしてそれがひいては個人消費あるいは民間の設備投資というものを徐々に回復させまして、五年度後半に入れば景気の回復はかなり目に見える形で発現をしてくる、私はこのように見通しを持っているわけでございます。 以上であります。
○島袋宗康君 ぜひひとつそのように展望が開けるように施策を講じていただきたいというふうに思います。 さて、林大蔵大臣にお伺いいたします。 これまで六回の公定歩合の引き下げがあったと思います。この引き下げがどのくらい効果があったのか、また、今日の急激に進む円高が景気の動向に及ぼす影響について政府の見通し、当面の対策についてひとつ御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(林義郎君) 委員の御質問は公定歩合の関係だと、こう思っておりますし、その後の経済政策をどうするかということだと思いますが、六次にわたりまして公定歩合の引き下げをやってまいりました。そのたびごとに、若干の差はございますけれども、順調に長期金利も短期金利も下がってきておる。今やっております公定歩合は二・五%でございまして、史上最低の公定歩合というところまで下がってきたわけでございまして、公定歩合を下げるということはやはり一般の金利が下がっていくことをねらいにしているわけであります。 金利をなぜ下げていくかといえば、やっぱり民間の方々が、いや、これだけ下がったんだから金借りていこう、こういうふうなことになっていくということで、景気を刺激する。物もこれだけ下がっておるんだから買っておこうかとか、在庫も買っておこうかとか、設備も買っておこうかと、こんなような形で全体の景気が上がってくるというのが公定歩合の私はねらいだと思います。 それが、この前の最後のところからいいまして実はどんな数字が出てきているかということでございますが、いわゆるM2という数字がございます。あるいは広義流動性、こういうふうな数字がございますが、やっぱり金回りが相当よくなってきたという数字が出てきております。マネーサプライと申しますけれども、これが昨年八月以来六カ月間ずっとマイナスだったのがやっとプラスに転じてきた。これはやはり明らかに回復の兆しがあらわれてきているものだろう、こう思っております。 まだ、景気につきましては私は楽観は許さないと申しますかなかなかすぐにということではありませんけれども、昨今の動向を見ますと、先ほど来総理及び経済企画庁長官からもお話を申し上げましたように、政府のやりました総合経済対策の効果によりまして、政府事業と申しますか公共事業の発注額も相当に出てきているというような数字もいただいておりますし、またそのほか民間の方で申しますと自動車の販売台数が少しふえてきたことというのが出ております。それから、機械関係の受注がやっぱりふえてきているというようなこともございます。それから、まだこの辺の数字を果たして言っていいのかどうかわかりませんが、百貨店なんかの売り上げも、昨今ずっと下がってきておったんですが少しずつ上がってきているんじゃないかなという私は感じを持っているところでございまして、そうした意味でこれからもいろんなことを考えてやっていかなければならないと思います。 一般的に申し上げますならば、今現在予算案をお願いしているわけでございますが、この予算は景気に十分配慮をした予算という形になっておりまして、九・五%増という非常に大きな公共事業をやっていく、財政投融資もまた地方単独事業もそれぞれ大変高い伸び率のものを今お願いしているところでありますから、こうしたことによりまして、なだらかな形でありますけれども持続的なインフレなき経済成長の方へ持っていくことができるものだろう、こういうふうに思っているところでございます。
○島袋宗康君 持ち時間も余りありませんので、ごく基本的なことだけお尋ねしていきたいと思います。 最初に、総理にお伺いいたします。 衆議院で与野党合意になりました所得税減税の実施についてであります。 どうも政府・自民党は、合意はしたものの非常に消極的な姿勢に終始しております。所得税減税を実施するのかしないのか、政府の明確な態度をひとつ宮澤総理の方からお答えをお願いしたいと思います。
○国務大臣(林義郎君) 担当でございますから私の方から御説明をさせていただきます。 予算案が衆議院を通過いたしますときに、自民、社会、公明、民社の四党間におきまして合意が国会で行われました。その中では、協議機関を設けましていろんな不況対策をやっていく、その中で主として実行可能な施策を協議する、こういうことになっておりまして、その中で不況対策としての減税措置をどうするかということでございます。実行可能な措置、こういうことになっておりますし、恐らくや当委員会でいろんな御議論をされている後ぐらいに与野党間の御協議があられるんだろうと私は思っておるところでございます。 私どもは、いろんな話がありますけれども、いわゆる所得税減税につきましては、もうたびたびこの場で申し上げていますのですが、景気対策として果たしてどういうことがあるだろうか、その効果があるだろうかどうだろうか。いわゆる乗数効果というような問題もございますから、そういったようなところの問題があると。それから、巨額の財源をどうするかこういうことでございまして、財源がないときに赤字国債によってやるというのはいかがなものであろうかということはたびたび私の方としては申し上げているところでございます。 さらにまた、税制全般の形としてどういうふうな形にするのか、広い範囲の点についての検討というものが必要ではないか。巷間言われておりますのは、いろんな形で所得税を減税したならばほかの税を増税するとか、いろんな話があります。私は、そういったようなものは相当長い期間をかけて議論しなければならない話じゃないか。単にこの不況でどうするかという話でなくて、税の抜本的な問題になるわけでありますから、そういったことで考えていかなければならない問題ではないだろうかというふうなことをこの場におきましてもたびたび、また衆議院の予算委員会におきましてもたびたび申し上げているところでありまして、そういった克服すべき課題が非常に多いと考えておるところでございます。
○島袋宗康君 あと一点お伺いいたします。 最近は、銀行や民間の調査機関が財政政策の効果を試算する調査結果をいろいろ発表しております。大蔵省で、例えば五兆円を公共投資に使う場合、そして所得税減税に充てる場合、住宅減税に回すといった場合をそれぞれ想定しての景気浮揚効果を試算したものがありますか。あればお示しいただきたい。 また、公共投資と所得税減税や住宅減税などを組み合わせれば需要回復に相当の効果が見込まれるといった銀行等の試算について、大蔵省の御見解、またそれについての問題点がありましたら、お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(林義郎君) いろいろな試算は後で事務当局から御説明させますが、私から一つ。 恐らく、銀行等のというお話は日本経済研究所の数字だろうと、こう私思います。いわゆる生産誘発効果という数字を出しておりまして、所得税減税の場合と投資の場合と余り違いないというような数字が出ていることを指してのお話だろうと私は思いますが、政府の方ではずっと考えておりますのは、世界経済モデルという形でやっています。 私は、後で詳しく事務当局から説明させますけれども、申し上げますと、いわゆる生産誘発効果というのは、所得減税あるいは公共事業をこうやりました、まあ五兆円なら五兆円やりましたと、で、その生産誘発効果というのは、そういった形をやりますと、公共事業をやりますと、そうすると、今度はそれから鉄が要ります、セメントが要ります、鉄が要るならば今度は鉄の機械が要ります云々と、こういう形で産業間の分析をやったのが生産誘発効果でございまして、いわば産業連関表というものを用いてやったわけなんです。だから、産業間のところになっている。もう一つ言いますと、一次的なものの数字になっています。 それから、もう一つ我々の方で持っていますのは、経済企画庁で世界経済モデルというのをつくっていまして乗数効果というのをやっております。これは、公共事業をやりました、事業があったならばこれで各地にいろんな注文をいたします、その注文のほかにその事業に働いている人の給料も払わなくちゃいかぬ、いろんな食事代とかなんとかいろいろなものを払います。それの金が全部出ています。そうすると、給料をもらった人はどこかへ行って物を買うわけですから、その効果も出てきます。 そんなものを二次的なところをずっと計算したのがいわゆる乗数効果というモデルでありまして、私どもが考えておりますのは、その乗数効果の方がより現実的というか、より正確に事態をあらわすものではないだろうかというふうに考えているところでございます。 今、五兆円というようなお話がありましたから、事務当局からその数字につきまして御説明させます。
○政府委員(濱本英輔君) お答え申し上げます。 さまざまな減税あるいは公共投資に伴います景気浮揚効果の試算というのが民間にもございますし、私どもも世界経済モデルを引用いたしましてその効果に言及させていただいたことがございます。 今、大臣から御説明がございましたように、生産誘発額に関連しました試算というのが最近民間でございまして、時たまこの委員会でもあるいは別の委員会でもそれに触れたお尋ねがございましたけれども、これは今の御説明のとおり、物が違うといいますか、一方は付加価値を求めるものであり一方は生産誘発額を求めるものでありまして、生産誘発額を求めます場合には、中間生産物を含みますところの一回限りの生産額をいわば中間生産物としてはダブルカウントした形で計算してある。それに対しまして、乗数によって生ずる付加価値額の計算というのは、我々がよく御説明いたします初年度分幾らというのは、初年度一年間について生じます付加価値の増分をお示ししているわけでございまして、ちょっと比較になじみにくいということが一つございました。 しかし、いずれにいたしましても、所得減税を行った場合と公共投資を行った場合とでどの程度の効果の違いがあるか。これは民間にももちろんモデルはございまして、そういうモデルによって民間で計算をされましても、基本的に政府がお示ししております傾向、つまり所得税減税によります誘発効果と公共投資に伴います誘発効果はかなり違っておりまして、その傾向はそれほど民間と政府とそれぞれのモデルで計算しましたものの中に違いがないと私は思います。 ところで、お尋ねはいろいろな減税額を想定して、それに伴います景気誘発額あるいは誘発効果を試算したかということでございますけれども、これは仮に今所得税減税を一つ例にとりましても、どういう減税の仕方をするのか、どの層に厚くとの層に薄く、あるいは政策減税ということになりますとどういうやり方でそれぞれやるのかによりまして効果も全然違ってくるだろうと思います。また、政策減税につきまして仮に細かいいろいろな減税を考えてみるといたしましても、それに伴って一つずつそういう減収額が計算できるかどうか、なかなか出しにくいような場合もあるんじゃないかという気がいたしまして、まだ手元でそういう具体的な計算は試みておりません。
○島袋宗康君 景気対策問題の最後に移りますけれども、いわゆる九三年度予算成立後の追加的な景気浮揚策について宮澤総理大臣にお尋ねいたします。 ここまで景気停滞が続き、しかも世界で日本の経常黒字が突出する中では、内需拡大をするしかないと思います。だとするならば、補正予算による公共投資の大幅増額と五兆円規模の所得税減税による可処分所得の増加という有効需要政策を一日も早く実施することが、総理の言われる景気の回復が実感できる機動的な対応というものではないかと思います。本予算も成立しないうちから補正予算が問題になること自体、政府の見通しの甘さを証明するようなものでありますけれども、総理のこの辺の経済施策についての決意を承りたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 年度の本予算というものはその年度における政府の財政経済政策のみならずすべての施策のいわば骨格をなすものでございますから、これは経済の面から見ましても、政府の経済における役割は小さいとは申しましても、しかしやはりその年の経済に大きな影響を与えるものであることは申すまでもないことであります。それで、ただいままで御指摘になられましたような景気の現状から、このままでは十分ではないのではないかという御説は傾聴して承りました。 また、恐らくはその同じような御見地から、衆議院におかれても各党、自民、社会、公明、民社の四党でございますけれども、の間で三月四日に合意事項がございまして、そして今後の平成五年度の公共事業等の執行、それから不況対策としての税制上の措置等について実行可能な施策を協議するというそういう合意がございましたのも、同じような御懸念からであると思っております。 政府としましては、その御協議の推移、結果はもとより謙虚にそれを承るつもりではおりますけれども、ただいま政府の立場といたしましては、まず平成五年度の骨格になりますこの本予算のひとつ年度内のできますれば成立をお認めいただきまして、これを新年度早々に執行をしつつ経済の推移を見守ってまいりたいと考えておるわけでございます。
○島袋宗康君 次に、我が国の戦争責任と戦後処理の問題についてお尋ねいたします。 総理、ことしの施政方針は近年まれに見る格調高い内容であります。 施政方針は、我が国を国際社会から尊敬され国民一人一人が誇りを持ち幸福を実感できる国にするために、政治や社会制度全体を見直し、新たな時代に対応していくための変革を実行すると結んでおられます。これは冒頭の、今我々は久しく経験したことのない歴史的変動の中にいるという時代認識や、中ほどの、冷戦構造崩壊後のアジア・太平洋各国との協力関係を過去の歴史に対する反省の上に立って誠実かつ謙虚な態度で接すべきであると述べた認識とともに、施政方針の格調を高め、かつて歴史の反省を説いたワイツゼッカー元西ドイツ大統領や、今変化を語るクリントン・アメリカ大統領演説を思わせるものがあります。 過去の反省を踏まえた未来への変革は、戦後の第一歩から戦後体制がまさに終わろうとする今日まで戦後政治を一貫して歩んでこられた宮澤総理にふさわしい施政方針だと拝聴したわけであります。 くしくも戦後五十年が間近に迫っております。さらに、戦後政治を規定した五五年体制の成立から四十年目の一九九五年はもう目前に迫っているのであります。戦後、大蔵大臣秘書官として出発され、サンフランシスコ講和会議にも全権随員として出席された宮澤総理は、戦後政治のスタートから立ち会われたわけであります。そして、戦後政治が終わろうとする今、総理大臣としてみずからの変革を訴えられているのでありますから、私は大いに期待するものであります。 そこで、総理にお伺いいたします。 変革を唱えるこの節目の時期に、改めて我が国の戦争責任について内外にけじめをつけるお考えはないか、そして、なお残されている幾多の戦後処理問題についてこれを機会にきちんとした整理を行う用意はないか、総理の御見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) まず、国内の問題について申しますならば、この戦争によって、すべての国民がと申し上げても過言ではないと思いますけれども、いろいろな苦難を受けました。これは政府がその一つ一つについて償いをすることのできないほど国民全部がいわばこの戦争の結果を自分で耐えてまいったわけでございまして、そういう国民の忍耐の上に今日の我が国が成り立っておると思います。いろいろ国内的に戦争によってこういう被害を受けたという方がたくさんおられる、それは事実そのとおりでございますけれども、今日まで政府としてはできることはやってまいった。ある意味では、国民の一人一人がみんな何がしかの被害者であるということで、そういう体験と忍耐の上に今日の日本をお互いに築いてきたと考えなければならないのだと思います。 対外的には、いわばサンフランシスコ平和条約あるいはその他の二国間条約によりまして、法律上の我が国の敗戦に伴う義務というものは法律的には私は履行し終わっておると思いますが、最近いろんな問題でも起こっておりますように、戦争中の我が国の行為と申しますか、戦争という結果として殊にアジアの地域の各国の方々に耐えがたい苦難を与えたということ、そういう事実は我々として素直にこれを認め、そうしてそれに対して我々の償いをするという気持ち、それは大変に大事なことでございまして、このことを忘れて今後我々が進んでいけるはずはないというふうに考えております。 しかし、そういうことの中で、我々が戦後こういう憲法を持ってその憲法を忠実にきょうまで守ってきたということ、そしてこれからもそうしたいと考えていることが我が国の将来に対する一番のあかしであるというふうに私は考えております。 と同時にまた、我々が過去においてした過ちについて将来の国民がこれを忘れることがないように、学校教育のみならず各方面の教育においてそれを後代に伝えていって、同じ過ちを再び繰り返さないようにしなければならないというのが、もう一つ我々が将来の世代に対して負っておる務めであろうというふうに考えております。
○島袋宗康君 今、総理の御答弁でいわゆる償いが非常に大事であるというふうなことを承りまして、非常に力強く感じておるわけであります。どうぞそういったお気持ちでひとつこれからも対処していただきたいというふうに思います。 それでは、河野官房長官にお伺いいたします。 現在、我が国の戦後処理問題として内外から問われているものにどのような問題がありますか。例えば従軍慰安婦問題とか、あるいはシベリア抑留問題とか、いろいろ問題があると思います。それを具体的にひとつこの場で御説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) いわゆる戦後処理の問題につきましては、昭和五十九年の十二月でございますが、戦後処理問題懇談会がおよそ二年半にわたる全三十五回の検討を終えて報告書を出してくださっております。 その報告書の御論議を踏まえて私どもはいろいろ考えているわけでございますが、もちろん国会におきますさまざまな御討議、これらも重要な資料でございますが、それらを踏まえて、その後特に重要と思われる恩給欠格者問題でございますとか、戦後強制抑留者問題、あるいは在外財産問題、こういった問題を中心としてさらに論議を続けているわけでございます。その結果といたしまして、昭和六十三年には平和祈念事業特別基金というものを創設いたしまして、関係者に対して慰謝の念を示す事業を行っているところでございます。 政府といたしまして、戦後処理に関してこれ以上措置すべきものはないということが一つの結論でございますが、先ほど総理からも御答弁がございましたように、従軍慰安婦の問題でございますとかこうした問題については、さらに我々の筆舌に尽くしがたい心の傷に対しての気持ちをどう表現するかについてさらに進んで今検討を加えているところでございます。 こうした問題がございますと同時に、国際的には、何度か申し上げておりますように、連合国及び戦後我が国より分離した地域との間の請求権の問題につきましては、サンフランシスコ平和条約、二国間の平和条約、その他関連する条約などに従って誠実に対処をしておりますが、ただ、いわゆる北朝鮮との関係につきましてはまだ未解決の問題として残されておりまして、これについては国交正常化交渉の過程で話し合っていかなければならないものと考えております。
○島袋宗康君 北沖縄開発庁長官にお伺いいたします。 沖縄の方から、戦後処理、復帰処理として上がっている問題についてどのように把握されているか、お伺いいたします。
○国務大臣(北修二君) お答えいたします。 戦後処理の問題といたしましては、沖縄に関するこの大戦における八重山地域のマラリア問題については、戦後四十年経過しており、沖縄県が二回にわたって調査を行っていますが、当時の現況や遺族の実態が明らかになっていないのが実情でございます。 この問題は非常に難しい問題でありますが、昨年二月に総理府、沖縄開発庁及び厚生省による連絡会議を設けたところであり、この連絡会議で沖縄県からも事情を聴取し、意見交換等を行っていると承知しております。 当庁といたしましては、今後とも関係省庁との意見交換に努めてまいりたいと考えております。
○島袋宗康君 戦争マラリアの問題だけだとは思いませんけれども、この問題に関して大臣の皆さんではちょっとお答えできないかもしれませんが、いろいろ沖縄では厚生年金の問題もありますし、これは復帰処理の問題でありますけれども、やはり戦後処理の一環として我々は受けとめておりますから、そういったふうな問題、それからマラリアの補償の問題、これはもうぜひ各省庁とも努力をして何とか補償の道を開いていただきたい。 このような気持ちから、ほかにもたくさんあろうかと思いますけれども、各それぞれの担当官から具体的な進捗状況について御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(永山喜緑君) お答えいたします。 ただいまの大臣が御答弁なさいましたマラリア問題につきましての進捗状況を御説明申し上げたいと思います。 先ほどお答えありましたように、沖縄県八重山地域におけるマラリア問題連絡会議、こういうものを設置して会議を進めているところでございます。構成は、先ほど御答弁がございましたように、総理府、沖縄開発庁、厚生省、この三者でやってございます。過去四回ほど会議を開きまして、沖縄県で調査をした結果についていろいろヒアリングをしたところでございます。これにつきまして、連絡会議の席上でいろいろ意見交換をしました。疑問点等を抽出しまして、さらに沖縄県に質問、回答を求める、こういう段階でございます。 今後ともこの問題について、さらに鋭意検討していきたい、かように思っているところでございます。
○島袋宗康君 この問題は非常に難しい問題と思いますけれども、しかし、軍の命令によって犠牲者が出たという本来いわゆるあってはならないことがあったわけですから、それはやっぱり国の問題としてぜひ解決されるようにお願いしたいというふうに思います。 時間もありませんので個々の問題についての再質問はできませんけれども、我が国を国際社会から尊敬され、国民一人一人が誇りを持つ国にすると言われ、また過去の歴史に対する反省の上に立って各国と誠実かつ謙虚に接すると総理は施政方針の中でうたっております。こうした問題、この戦後処理の問題について、重ねて宮澤総理の御決意の一端をひとつお示し願いたいというふうに思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど河野官房長官から御答弁をいたしましたような問題が残っておりますので、その他、実を申しますと、具体的に申しますとまだいろいろな案件が残っておるわけでございますけれども、誠実に我々の気持ちを表しまして、事実関係を調査するとともに、その処理について進めてまいりたいと思います。 従軍慰安婦の問題、あるいは朝鮮人の徴用者の名簿の問題、朝鮮人軍人軍属の遺骨の返還の問題、それからサハリンにおられる韓国人の問題、台湾住民に対する確定債務の問題等々が、今戦後処理をめぐってなお諸外国との間で懸案と言われている問題でございます。詳しくは申し上げませんが、そういう問題につきまして誠実に事実関係を調査し、対応してまいらなければならないと思っております。 それから、先ほど、沖縄をこの中に入れることは適当でございませんかもしれませんが、年金のことにつきましてちょっとお答えをしていなかったように思います。 これは、年金に加入をされたことが遅くなったことから実は生ずる問題でございますから、年金の論理ではなかなかうまい処理はございませんで、既に沖縄返還後二回にわたりまして特例を施行いたしました。これはやはり戦前、戦争中、戦後を通じて日本の安全、繁栄というものを沖縄県民に非常に重く背負っていただいておるというそういう事実をすべての国民がよく知っておりますから、そういう気持ちもございましてこの年金の問題を二度にわたりまして特別措置をいたしました。 今残った問題は、実はその残りの問題でございまして、もう年金の論理ではどうも何ともやりようがないというのが関係者たちの実は正直のところの意見でございますけれども、まあそうは言ってもということで、昨年各省庁の間でもう一遍これを何とか考え方がないものかと言って実は検討をさせておる。まだいい答えを申し上げられませんのですけれども、しかしこの問題が残っておりますことを先ほど政府委員の方から申し上げておらなかったと思いますので、つけ加えさせていただきます。
○島袋宗康君 時間がありませんので、次に進めさせていただきます。 冷戦後の防衛政策と基地問題についてお尋ねいたします。 実のところ私は、最大の戦後処理問題は日米安保条約を軸にした我が国の防衛政策だと思っております。しかも、これは過去の問題処理にとどまらず将来的課題を含む問題であります。 総理は、東西の冷戦が終わり歴史の流れは大きく平和へと転じたとの認識でございます。さらに、国際政治の場で軍事力の持つ意味は相対的に低下し、我が国が戦後一貫して掲げた平和主義、国連中心主義の理念が現実的な課題となってきた、この情勢変化で軍縮の重要性は一層高まっているとの認識を明らかにしています。 そこで、総理にお尋ねいたします。 この施政方針演説に述べられた時代認識や現状認識に立つならば、冷戦構造を前提にしたこれまでの我が国の防衛政策は抜本的な見直しが求められるのでありますが、冷戦終結後の防衛政策について再検討がなされているか、また、その進捗状況についてお尋ね申し上げます。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまの防衛計画の大綱は昭和五十一年につくられたものでございますが、当時から一貫していわゆる基盤的防衛力の整備という考え方、これは仮想敵を持たない、最小限我が国がどうしても持たなければならない基盤的な防衛力は何か、そういうことで今日まで防衛計画を遂行してまいったわけでございます。 したがって、そういう意味では、冷戦が構造が変わったということで直ちに思想的に防衛計画が影響を受けるというふうには必ずしもすぐには考えませんけれども、しかし、何といっても昭和五十一年に考えておりました世界ときょうの世界とは随分違うということは常識的にだれも疑わないところだと思いますので、仮に考え直してみて同じことであるにいたしましても、やはりこの防衛計画の大綱というものはもう一度私は考え直してみる必要があるだろうと。 当面、中期防衛計画が進行しておりますから、この部分は既に今度削減をかなりいたしましたので、五千八百億円削減をいたしておりますから、これは私はこれで当面の事情に対応いたしたと思っておりますが、この中期防衛計画が満期になりますころまでにはやはり防衛計画の大綱、基本の方ももう一度考え直してみることが必要ではないかというふうに思っております。仮に結果が似たようなことになるにいたしましても、それはしかし一遍見直してみることが必要だというふうに考えています。
○島袋宗康君 防衛庁長官にお伺いいたします。 冷戦終結後の在日米軍基地、特に沖縄の基地、現状は緊張緩和の流れに沿っているのか、平和の配当は沖縄に及んでいるのか軍事演習及び施設の整理縮小の両面から現状報告をお願いしたいと思います。
○政府委員(藤井一夫君) まず、私から事実関係について申し上げます。 沖縄県におきまして米軍の施設が極めて大きな比重を占めておるということはよく承知しておりますので、その整理統合が必要であるということもまた十分承知しておりまして、当面は平成二年六月に日米間で合意をいたしました二十二事案千ヘクタール、これの返還に向けてただいま作業を進めておるところでございます。これが基地の整理統合の関係でございます。 それから、基地の運用の関係でございますけれども、これは日米安保条約に基づきまして基地を提供しておる以上やはり訓練というものを中止させるということはできないと我々は考えております。しかしながら、訓練に際しましては、住民の生活に及ぼす影響をできるだけ少なくするように配慮してもらうのは当然でございまして、このことについては機会あるごとに米側にも注意を喚起しており、米側もよく承知をしておるところでございます。 なお、それによっても生じる障害の防止等につきましては、これはいわゆる周辺整備法等によりまして今後とも積極的に推進してまいりたい、かように考えております。
○島袋宗康君 沖縄の基地問題についてはもっと時間をいただいていろいろやってみたいと思うんですけれども、時間がありませんので次に進みます。 冷戦終結後は軍縮の重要性が高まるとの認識なら、基地問題にも従来とは異なる対応が必要だと思います。 総理も外務大臣も防衛庁長官も近々訪米をされる予定であると聞いております。したがって、その際に冷戦終結後にふさわしい基地の整理縮小、このことは国会決議もされております。また、特別委員会等でも総理や外務大臣から積極的発言がなされてきた問題でありますけれども、一向に進んでいない。今度の訪米でどのように要請されるか。 総理や外務大臣及び防衛庁長官に、ひとつこの基地問題についての整理縮小、そして私ども沖縄県民としては米軍の全面的な撤去というふうなことをここの場所においてはっきり申し上げておきたいと、そういう立場に立って、どのような訪米の成果を我々県民は期待できるのか、そういったふうなことについてひとつ誠意ある御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういう御趣旨はよくわかるものですから、この間訪米したときもアスピン国防長官に対しましてただいま施設庁長官が述べたような趣旨のことを申し上げて、十分向こうはそれに配慮するということで、今後我々日米間においてもさらに話し合いは継続されるものと考えております。
○国務大臣(中山利生君) 先生が御指摘のように、我が国の防衛政策の中で日米安全保障条約というのは大きな基軸になっているわけでありまして、基地の全面撤去というわけにはいきませんけれども、沖縄の方々が長い間御苦労なさっている実情、また樹田とか厚木の裁判にありましたようなああいう状況をお伝えいたしまして、できるだけ縮小をし、また地元の方々に御迷惑のかからないような方策を打ち出してほしいとお願いをしてまいる覚悟でございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) これはそういう努力を惜しんでは沖縄の方々にまことに申しわけないというふうに思っておりますから、常にそういうことを申しておりますし、米軍、アメリカ政府側もそのことは実は決してなおざりには考えておりません。 どうも進行が遅々としておりまして、その点は申しわけないと思っておりますけれども、片時も忘れずにこのことは少しでも進捗をさせていきたいと考えております。
○島袋宗康君 米軍基地の一極集中……
○委員長(遠藤要君) ちょっと時間が、もう質問時間が終わっておりますが。
○島袋宗康君 これ一問だけ。
○委員長(遠藤要君) それでは、簡単に。
○島袋宗康君 米軍基地の一極集中に悩む沖縄県、これまで軍用地の利転用についての法制化の問題、いわゆる米軍用地転用特別措置法、この制定が強く県からも要請され、また県民挙げて軍用地主も含めてこれが非常に要請されている今日であります。この進捗状況についてぜひお聞かせ願いたいというふうに思います。
○国務大臣(北修二君) 米軍施設・区域跡地利用については、第三次振計においても返還跡地の利用に当たっては生活環境や都市基盤の整備、産業の振興、自然環境の保全等に資するため、地元の跡地利用に関する計画を尊重しつつ、その有効利用を図るために諸政策を推進しておるところでございます。その重要性が指摘されているところでございます。 沖縄開発庁といたしましても、沖縄の振興開発を図る上で返還跡地の有効利用を図ることが重要な課題と認識しており、また沖縄県においても、返還跡地については市町村が地元住民や土地所有者の意見を十分しんしゃくの上、跡地利用計画を作成するよう積極的に指導していると聞いております。 当庁といたしましては、従来から、地元の跡地利用計画は固められたものから速やかに高率の国庫補助制度による土地区画整理事業や土地改良事業を導入してきたところでございます。今後とも現行制度の効果的運用により跡地の有効利用を図ってまいりたいと考えております。
○委員長(遠藤要君) 以上で島袋君の質疑は終了いたさせていただきます。(拍手)
○委員長(遠藤要君) 次に、武田邦太郎君の質疑を行います。武田君。
○武田邦太郎君 金丸問題につきましては、先ほど磯村、島袋両委員から発言がございましたが、私からも一言触れさせていただきます。 この問題の核心、一番中心は、国民の納めた税金を権力によって収奪したということでございまして、いずれ厳正な糾明と処罰が行われるものと期待いたしますが、こういう問題の起きます根は非常に広うございまして、政治問題あるいは政治家のモラルの高揚だけでは解決しない根の広さを持っておる、こう思います。 現に、企業がこれだけの金を献金するということは、公共事業の見積りについて非常にゆとりのある見積りをやっておるということでございましょうし、またそれを扱う官庁においてこれを見逃していたか、あるいは了解を与えていたか、あるいは極めて低能力であるか怠慢であるかということにならざるを得ないわけでありまして、そういうようなことを総合いたしまして、これから先どうすればこのような不祥事の根絶を期待し得るかということが最後の大きな問題だろう、こう思います。 私は、この種の問題については全く素人でございまして、わけがわからぬのですが、例えば公共事業を担当する企業にはいわゆる高級官僚の天下りは厳禁する。これは素人考えですよ。あるいは会計検査院の組織あるいは権力、機能を拡大しまして、これまでは過去の間違いを明確にするというだけでありますけれども、もう一歩進みまして、企業が事業を請け負うに当たりまして公正な競争入札が行われているのか、あるいは談合が行われているのか、あるいはいわゆる指名入札的なものが行われているのか、それを明確にしまして、最後の請負の金額を事業に着手する前に厳正に査定するようなことができないか。 それからもう一つは、これは単なる金の問題だけじゃありませんけれども、高級官僚が早目に退官なさるということはどうもよくないじゃないか。恐らく六十五歳くらいまでは活動できるようにして、これは人数は相当減らさぬといかぬと思いますけれども、それ以外の公務員も数を減らして任期を長くするというようなこと。あるいは高年齢社会においては、これは公務員の世界だけじゃなくて、一般的な日本の社会において就業構造をもっと大きく見直す。あるいはこれから先の国際的な問題に対して日本国民が貢献するという意味では、国の外でも相当たくさんの就業機会が生まれることはまず間違いがないと思いますので、そういうようなことも含めて、その一環として高級官僚の方が早目に退官なさるということのないようにすることも一つの行き方ではないか。 これは総理のおっしゃることを言ってしまいましたけれども、総理のお考えを、この種のことがもしおありになればお聞かせ願いたい、こう思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) このたびのことにつきまして、いわゆる公共事業との関係がどういうことであるかは、これは事実関係を私、確認し得ませんので、それはそれといたしまして、ただしかし、今、武田委員の言われましたようなことが世上よく従来から言われております。 これはやはり公共事業の発注、契約、入札等々についてその透明性というものをもう少しはっきりさせないといけないということは、建設省の審議会でも答申がありまして、従来も努力をしておられるようですけれども、やはりそこに問題があると申さざるを得ないであろう。その点は、場合によりましてまた独禁法、公正取引の問題にもなるわけでございますので、したがいまして政治家の倫理ということはこれはもう当然のこととしまして、現在行われております。そういう入札等に伴ういろいろな問題について、やはり監督官庁なり監査官庁なりというものは十分機能を発揮してもらわないといけないということを私は意味しておるように思います。 公務員のことにつきましては、これは少しずつは退職の時期が延びてはおりますけれども、しかしまだまだ十分あとのハーフラウンドを人生を十分に有意義に送れる年は残りますので、そういたしますと、人事院の規則に従いました後はやはり各々自分の能力を発揮できる道に入るということが、これは憲法の規定から申しましても認めざるを得ないことだと思いますが、しかしそれが先ほどのことと結びつきまして入札や契約が全く透明に公正に行われているということでございませんと、あそこにはだれがいてその影響力があってということになりやすうございますので、やはり前段の問題をきちんとすることが大事ではないかというふうに思います。
○武田邦太郎君 その次は、国連と日本との関係、あるいは日本の責任ということについて総理のお考えを伺いたいと思います。 今、国連第一主義ということが言われておりますけれども、これは主としてPKO関係で言い始められた言葉でありますけれども、これから先の人類の歴史において、国連というものの役割、例えば戦争の歴史の発展とかあるいは軍事力的な考え方からいいまして、ケネディのアメリカとフルシチョフのソ連とが核兵器を持ってにらみ合って以後、もう戦争というものは昔のような戦争でなくなりまして、要は地球世界の内乱であります。 これはもうアフガニスタン戦争、その前の東南アジアの戦争ですね、アメリカが入っていった戦争。あれを初めとしまして以後の戦争はほとんどもう内乱、しかも勝敗がほとんど決がつかない、ずるずるずるずると延びるような戦争になっております。イラクを膺懲しようとした湾岸戦争にしましても圧倒的な武力によって勝ったとはいいますけれども、それではあの戦争によって中東平和の糸口でも見えたのか、あるいはフセイン大統領が核兵器をつくる意思をなくしたのかということになりますと、全く戦争目的を達していないと言えぬことはありません。つまり、現代の戦争は全くそういうような戦争の段階に入っているということが言えると思います。 そこに国連というものの役割が非常によくなりまして、総理が総理になられる前、論文を出されたものを拝見しますと、国連常設軍を強化しろ、各国単位の軍隊は徹底的に縮小しろ、私はこれは非常な感銘を持って伺ったのでありますけれども、もちろんこれは総理大臣になられてそういうことを直ちにおっしゃるとか実行するとかということは期待できませんけれども、総理の国際政治に対する本質はそこにあると私はいつも思って期待を強くしているものであります。 そういうふうになりますと、これはただ日本だけの問題ではありませんで、先ほど島袋委員の御質問にありましたのに完全に答えておられるわけでありますけれども、先ほどのお答えは総理としてのお答えであって、本当に国際政治に対する総理の理想からいえば、そういうことによってのみ世界の平和は確保できる、あるいは世界の治安を維持するものは国連軍あるのみだ。仮にアメリカ軍隊がいかに強力でありましても、この間はソマリアに行って当面の暴動の鎮圧はできましたけれども、民衆の間からはアメリカ軍帰れと、こういう声が上がっておるのを見ましても、これから先の地球世界における内乱をおさめるのは、ある国の持った軍隊、アメリカとか日本とかの持っている軍隊ではおさまらない、そういう性格を持った内乱である。 こういうふうに考えますと、これは国連の持つ世界治安あるいは平和に対する意味は、今までとは違った決定的な意義を持っているというふうに思います。 そしてその次は、言うまでもありませんけれども地球の環境問題ですね。これもまた、核戦争と同じように人類が運命共同体として持っている大問題でありますけれども、今のところ、これは技術はあるけれどもお金がない。アメリカの元大統領のカーターさんに言わせると、一年に六千億ドルの金が要る、そんな金はどこにもないということになりますけれども、しかし人類が毎年使っている軍事費は一兆二千億ドルでありまして、もしも総理の御理想が現実のものになったならばこれは地球環境の問題は根本的に解決するだけの予算がそこに浮かび上がってくるわけであります。 先進国と途上国との決定的な対立は、二十年前のストックホルムから去年のリオデジャネイロの会議に至るまで人類はほとんど前進しておらない、こういう状況でありますけれども、これはやはり国連のシステムにおいて先進国が負うべき問題でございましょう。 まだあります。それは、世界の経済の状態を見て一人当たりGNPが日本の百分の二もない途上国が幾つもあるわけですね。こういうような状況は単なるモラルの問題ではなくて、より以上に世界経済の決定的な欠落といいますか、これを解決しなければ先進国である我々の本当の幸福もないと考えなきゃなりませんけれども、今日の先進国はかってはいずれも途上国を支配し搾取して今日ある国が今日の先進国のほとんどでありますから、こういう問題を解決するのは先進国の責任である。これは国連総会で盛んに途上国が言うことでありますけれども、これは謙虚に我々が受けなければならぬと思うのであります。 そういう角度からいいまして、今日のこの安保常任理事国のあり方を見ますと、甚だ望ましくない形であります。 第一は、拒否権です。これは一九四五年に国連ができましたときに、フランスは後から入ったわけでありますけれども、米、ソ、中国、イギリス、この四つの国が力を合わせる条件としては、拒否権を設定しなければ協力はしないと、これはまあ旧ソ連のスターリン首相が言い出したそうであります。そういうことでありましたので、国連の出発時期においてはやむを得なかったかもしれませんけれども、もう五十年近くもたった今日において拒否権が必要なのか。十五カ国の安保理事国が英知を凝らして討議した結果が一国の拒否権によって壊れてしまう。しかも、今までの拒否権の発動を見ますと、ことごとく一国の利害のために発動されているんですね。決して世界の平和のためとか、各国の共存共栄のために拒否権が発動されたためしはございません。 したがって、我々は今や平和の勇を鼓して五つの国に向かって、あなたたちの持っている拒否権が世界のためになっているのか、その意味においてあなたの国の幸福にも一致しておるのかこれを明確にしてもらわなければならぬと、こう思います。 まだあります。それは、この五つの国が核兵器をほとんど独占しておりまして、ほかの国が持とうとするのを絶対に承知しない。イラクしかり、朝鮮民主主義人民共和国しかりであります。自分が持っておってほかの国に持たせない、こういう横暴な発言は人類の良識において絶対にうなずけないはずです。まず、我々が何年計画で核兵器を廃絶するからおまえさんたちもつくりなさんなと、これでなければ、これは政治の論理ではありません。 これをしかしだれも言わないところを見ると、私は、総理のような国際理想をちゃんと持っておって、世界の平和は国連軍の強化、各国単位の軍隊は、まあ私などは治安維持程度あればいいと思いますけれども、徹底的に縮小しろと、こういう練達の政治家がまず発言、まあいろいろ私なんか単純に言っておりますからお許し願いますけれども、機会があればそういうことを言っていただければ、これは人類の良識はこぞって総理を支持するに違いない、こういうふうに思います。 それから最後には、ODAはこれは年間五兆円ぐらい出しているそうですね。ところが、百四十ぐらいの途上国は約二十兆円の軍事費をどんどん使っているということですね。そうすると、先進国がODAをいくら提供してもそんなものは軍事費で使われているというふうに、まあ言い過ぎかもしれませんけれども、想像したくなる状況であります。 こういう状況の中で、世界の武器輸出の八割は国連の安保常任理事国がやっているんです。何のことかわからないですね。自分らが安保常任理事国であると、世界の平和は自分らが握っているようないわばポーズをとっておいで、そして武器を八割も輸出している。やはり私はそういうようなことをこそ国連安保理事会において徹底的に討議すべきではあるまいか、こういうふうに思います。 ちょっと話が過激になりますけれども、これはどうか総理、私の心から期待する平和理想を時と場所を選んで慎重に発言して世界の平和の世論をリードしていただくように切にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 最初に言われましたことは、冷戦の終局によって国連に寄せられる期待は非常に大きくなったということ。そして、ブトロス・ガリ事務総長もそういうことをしきりに考えておられるわけですが、ただ現実の国連というものがそれだけの仕事に十分まだたえ得ないということにつきまして安保理等々の話からお話が始まったわけですが、確かにこの第一の問題は、国連がこのような冷戦後の時代ににわかに大きな役目を背負うに至りましたけれども、国連自身の軍隊を持つという国連憲章が考えておりますようなそういう終局的な姿に至っておりませんために、時としてそれは多国籍軍であって、これは多国籍軍というのはおっしゃいますように国連ではないということになりますし、また各国が国連の旗のもとに行動する場合には平和維持が主であって、武力をもって国連の旗のもとに事態をどうするというわけにはいっていないのが現状でございますから、ガリさんはそこのところを何とか平和執行部隊のようなものにしたいというふうに考えておられるようでございます。それは意欲としてわからないではございませんが、なお国連ではもう少しそれについての議論が必要なのではないかというふうに思います。 それで、安保理事会のことでございますが、今武田委員の言われましたことは五カ国の安保理事国というものが必ずしもフェアな存在ではないということを幾つか言われました。それは私は間違いだとは必ずしも申し上げません。殊に、今百八十カ国にも国連加盟国がなりましたが、憲章は冷戦前のものでございますから、安保理事会もそれからほんのわずかしか変化しておりませんので現状に合っていないということは事実と思います。 したがいまして、昨年、安保理事国の数を公平に再配分して拡大をしようというそういう国連総会の議決がございました。どういうふうにふやしてどういうふうに分ければ一番いいかということでございますが、それについて我が国も各国とともにことしの六月までには考えを提示することになっております。 したがって、ことしの六月以降これにつきまして各国の間で協議が行われることはそういう日程になりますけれども、もう御案内のように、今の常任理事国をこれをふやすあるいは安保理事国の数をふやす、それをどういうふうに配分するかということになりますと、これは極めて難しい問題になることはもう目に見えておりますものですからかなり忍耐強い長い討議を必要とするというふうに覚悟しておかなければならないと思います。しかし、少なくとも公平な再配分と拡大ということだけは合意をしておりますので、そこは一つの救いがある、望みがあるということではないかと思います。 それからもう一つの問題は、今のいわゆる五つの常任理事国が拒否権を持っていることについてでございますが、沿革的には少なくとも安保常任理事国が一致をしたということでなければその決議は有効性を持たないだろうという冷戦時代の思想から拒否権というものが正当化されておったと思いますが、同時に、そういう冷戦時代にはしたがって米ソのどちらかが気に入らない決議というものは通らないということで、実は安保理事会がそういう場合には有効に機能しなかったということをお互いがよく知っておるわけでございますので、そういう意味では冷戦が終わったということ、したがって安保理事会の常任理事国の、安保理事国の数の増大と再配分というものが議題になりますと、一緒に恐らく拒否権をどうすべきかということはやはり一つの問題としてこれから議論せられるようになるのだろうというふうに考えております。 それからもう一つ言われましたことは、このいわゆる五つの常任理事国が核兵器を持っておって、そして片一方で核拡散防止条約のようなものがございましてこれを拡散することは認めないということは、ある意味で非常に不平等ではないかと言われますことは、NPT条約につきましてしばしば議論せられているところだと思います。 しかし、我が国の立場は、そうではあっても我が国は核保有国にはならないということでNPT条約に加盟をいたしております。いたしておりますときに、我が国は、しかし核兵器保有国といえどもできるだけ核兵器というものはまず核実験の停止ということから縮小していってもらいたいということは常に申しておりますし、また恐らくこのNPT条約はやがて、来年でございますか、二十五年たって見直しの時期になりますので、その現核保有国に対して非核国側からそういうことをはっきりまた申す時期がもう一遍、来年でございますか、必ず私は来るだろうと思っていまして、だからといって我が国は自分で核保有国になる気持ちはございませんが、しかし、その核を持っている国については核を減らしていってやがてはやめてもらいたいということはどうしても主張をいたしませんと、この条約の公平性というものはやっぱり私は担保できないというふうに考えます。 それから、ODAを出すのはいいのだが受け取っておる国のかなりのものがそれ以上の金額を軍備に充てておるという問題についてでございます。 これは、しかも先ほど言われました安保理事会の常任理事国が世界の兵器の八割を売っておるではないかということも事実でございます。この辺のところは我が国はこういう考え方をしておりますから、通常兵器を持つということ自身も非常に、本来的にやはり多ければいいというふうに考えておる国じゃございませんが、世界の国の多くはまだその通常兵器を持つということを積極的に評価する国が多いというのが残念ながら現実だと思います。 核兵器や長距離のミサイルは別ですけれども、大量破壊兵器は別ですが、通常兵器は持つことが国益になると考えている国が実際多いわけでございますから、我が国としてそういう通常兵器の取引をひとつ国連の登録制にしようではないかという提言をいたしまして、これは採用されたわけでございますから、せめてそのモニターをするといいますか登録をするというところあたりから始めるという、大変前途ほど遠い感はいたしますけれども、そういう問題ではないか。 並びに、我が国のODAの運用の方針におきまして、相手国がいわば何といいますか過剰に貧しい国が兵器に金を使っておるというような場合には、我が国のODAの対応はやはりそれなりのことを考えなければならないと。干渉をするつもりではございませんけれども、しかし、我々が大事に送りました援助が兵器になってしまうということについてはやはり考えてもらわなきゃならないということは、ODAの実施方針の際に用心をしながらではございますけれども相手国には必ず申しておるというのが現在のありさまでございます。 押しなべて申しまして、これが結論になりますけれども、国連がこれから大きな平和維持の任務を負うについて今の国連そのもので十分であるかといえば、いろんな意味で十分でないという問題と、それからまた、殊にその運営の中核になっております安保理事会の常任理事国のあり方につきまして、これはやはりことしの六月の各国の意見の提示を契機にいたしましてこれからいろんな議論になっていくであろう。その際に、武田委員の言われました基本の考え方は我が国としてもやはりこの問題に対応しますために持っていかなければならない考え方であろうというふうに存じます。
○武田邦太郎君 現実問題に対する政治判断は総理の御判断に信頼するようにしたいと思います。 ただ、歴史の発展の速度が時を追うて加速しておりますし、こういう問題について中心的な発言をすべき責任は、これは核兵器を持つ力があってあえて持たない、あるいはアメリカに軍事技術を提供する、これなんかは余り感心しませんが、技術を持っておるのに武器は輸出しない、しかもたった一つ日本だけが核兵器の被害者たる体験を持っておるという意味におきまして、ここで今総理がおっしゃった線に沿って確信を持って人類の良識に訴え強国の間違った点を正すということは、日本以外にやる国はない、こう確信いたしますので、よろしくお願いします。 先ほどちょっと私、ど忘れしました。キューバ以後の戦争は全部地球世界の内乱だと言いましたが、その最初はベトナム戦争です。これちょっと忘れておりました。 今、世界の平和で私が一番心配しておるのは、アメリカと中国の仲が必ずしもよくないと。中国は軍拡の最も熱心な国でありますし、またアメリカが、クリントン大統領はどうか知りませんが、自分が唯一の世界の超大国だというようなあり方は、中国は心から嫌がっておりますから、表面は別として、太平洋を差し挟んでこの二大国が仲が悪いということはこれは日本の運命にとっても世界の運命にとっても非常に悲しむべきことでありますので、きょうは御返事は希望しませんけれども、総理の御努力によってまず一歩でも半歩でもこの両大国が仲よくなりますようにお骨折りを願いたい、こう思います。 その次は農業問題でありますが、私は、政府委員になられるような方は大抵仲よしでありまして、十分の時間をとって懇談することができますので、ここでは農水大臣の政治家としての大所高所からの御見解を伺いたい、こう思います。 最近、農業が惨たんたる情勢になりまして、放棄されて荒廃している耕地の面積が三十八万ヘク、こう言われておりますけれども、私、各地を歩いて、おまえさんのところはこれぐらい荒廃していると統計に出ているよと言ったら、そんなものじゃないという農村が、十行けば十です。恐らく五十万ヘクくらいは荒廃しているではないかと。それがだんだんふえているんですね。これは何でもありません。この前の臨時国会のときに申し上げたように、都会並みの所得の上がる農業をつくりさえすればこういうことはないんです。しかも、その方法はあるわけです。 それで私は、去年の六月農水省が打ち出しましたこの新政策は、これは大化の改新以来のもう画期的な農業構造改善の政策だと思って非常に喜んでもおりますし敬意も払っております。しかしこれは、一般産業がイノベーション、イノベーションとこういっているのに、農業だけがイノベーション以前にとどまっておるということが生産性なり従事者所得が格段に低い理由でありますので、若い人たちをこの農業イノベーションの担い手にさせることによってのみ農業に安住させ得ると。これはこの前も申し上げまして、総理も非常に的確な御理解をお話しくだすったのでありますけれども、これは簡単に言えば規模拡大とそれから水準の高い農地基盤整備、この二つでできるわけですね。 私この農水省の計画を見ておりまして、これは規模拡大ということは後継者のいない農家から土地を買い上げて規模拡大の意欲のある農家に売り渡す、つまり自作農として拡大するというのがどうも主流であるらしい。もう一つの行き方は借地ですね。 二つの行き方があるんでありますけれども、自作となれば、田んぼは安くなったといっても十アール百二十万ぐらいしておりますから六%の金利でも十アール当たり七万二千円の金利負担がかかるわけです。こういう農業では採算が原則としてとれません。借地であれば借り手と貸し手が話し合いして、そして経営の見通しが立って、これなら採算とれるというところで規模拡大がなされるわけでありますから、大体において規模拡大というものは借地でなされるのが本流なんですね。アメリカなどでもこれは自分の土地は余り大きくない。借地がうんと大きい。いわば小自作の家族経営がアメリカ農業の主体をなしておりますのでありますから、こういう参考例をとって、プロの農家は借地でやるんです。借地でどんどんやっているんです。 こういう状況をごらんになって、農水大臣は大所高所からの御指導をどういうふうにお考えですか。私に賛成してくださいというんじゃないですよ。そういう実情があるということを申し上げているんです。
○国務大臣(田名部匡省君) おっしゃるとおりに私も考えております。やっぱり農家が土地を購入するということになると相当の負担になっていくわけですね。そういうことで、やり方としてはどうかわかりませんが、どうしても農地を手放したいという農家からは公社等が買い上げる。公社から規模拡大したい人に当面は借地として貸してあげる。だんだん軌道に乗っていったときに収益の中から分割で、あるいは月賦というのでしょうか、そういう形で自然に自分のものになるということが一番いいのではないか、私もそう思っております、負担のないように。 おっしゃるとおり、何としても規模を拡大しませんと、今のままではもうみんながだめになるという形でありますので、確かにおっしゃるとおりのことを考えて、内々事務当局とも私も十分話し合いをしながら、とにかく負担の軽減、基盤整備にしても何にしても負担の軽減をとにかくして、そうして農業というものをもっともっと魅力あるものにしたいというふうに考えております。 どういうふうにまとめるかはまだまだ時間がかかることもあります。ありますが、考えとしては委員がおっしゃるとおり、私も全くそのとおり考えております。
○武田邦太郎君 ありがとうございます。 それでは、基盤整備ですね。基盤整備がどうも、伝聞するところによりますと、今までは十アール、今三十アール、今度は一ヘクタールぐらいのところに主な点が落ちつくような感じがありますけれども、これは一ヘクタールにする場合と仮に三ヘクタールにする場合では、仕事が三ヘクタールの方が楽なんですね。農道も少なくて済みます。畦畔はもちろんなくて済みます。だから予算が非常に少なくて済むんです、大きい方が。 そして、この前も申し上げましたけれども、一ヘクタールぐらいですと十アール当たり十時間ぐらいの労働力が要りますが三ヘクタールぐらいになると二、三時間で済むのです。十俵とれば、労働一時間当たり二百キロ、三百キロ、アメリカを圧倒する労働生産性が上がるのは大きい区画なんです。しかもお金がかからないんです。だから、第四次土地改良長期計画では十年間に四十一兆円の膨大な金を使うというのでありますから、この金が本当に投資効率の上がるような使い方をしていただきたい、こう思います。時間がありませんので、検討してくださるようにお願いします。 それから、その次は文部大臣にお願いしたいんですが、私は文部省には余りお友達がいないので、大臣以外の方がお答えくださってもよろしゅうございます。 大学を卒業してあるいは農業高校を卒業して、農業に入る人が非常に少ない。農業高校などは私各地を歩きますけれども、ああことしの卒業生は一人も農業に入らなかったという農業高校が各地にあります。これはどう思われますか。
○政府委員(野崎弘君) お答え申し上げます。 確かに農業高校、特に農業学科を出ました場合に、昔ですと半数ぐらいが農業に従事するというような実態があったわけでございますが、現在、いわゆる専業農家あるいはそれに準ずるところに入っている者が三%ぐらいというようなことでございます。もちろんそれ以外に、潜在的に将来農業に従事するんではないか、あるいは大学へ進学をしてから、大学卒業後農業に行くというようなものもあるわけでございますので、三%という数字が必ずしも農業のすべてであるというわけじゃございませんが、確かにそういう実態になっておるわけでございまして、私どもとしては農業自営者の養成とかあるいは農業高校の学科につきましてもう少し専門的な知識を重視していくとか、そういうような形で今努力を続けているところでございます。
○武田邦太郎君 これは、この前の国会でも申し上げたのでありますけれども、農業後継者で三十歳未満の男子が一年のうち百五十日以上自営農業に従事するのは、七十八・七戸に一人しか平成三年一月一日現在おらないんです。だから、学校を出て相当数入っていればそんなことは絶対にあり得ない。稲作地方ほどおりません、コシヒカリの新潟県で二百五十軒に一人もいないんですから。 そういう状況は、イノベーションまたイノベーションと進んでいる二次、三次産業では、決定的な問題は研究と教育なんです。出荷額の何%を研究投資するかで企業の命運をかけるというのが世界第一級にの上がった日本の二次、三次産業の姿であります。 農業はそれがないんです。研究がない、教育がない。研究のないところに教育はありません。都会並みの生産性、所得の上がる農業はかくのごとくなるんだという研究を発表した大学は聞いたことがありません。ましてや農業高校においては、中学校の教師がおまえは頭が悪いから農業高校に行けと、こう言うくらい農業高校はばかにされているんですよ。こういう状況を私はやはり文部省によく考えていただきたい。 研究すればできるんですよ。進んだ農家は皆、都会並みあるいはアメリカの農業に負けない農業を目指して研さんしております。進んだ農家がそういうことをやっているのに、大学や農業高校がそれができないというのはなぜでしょう。これは行政を責めるより、政治家がその問題を提示して、必要な予算や設備を供給しない方が大きいかもしれませんけれども、当面の責任はこれは文部省にある。 それから、さっき申し上げたように、大化の改新以来の農業構造の大変革を農水省でやろうとするのに、片棒を担ぐべき文部省はどの程度これに関心を持っておられますか。これについてどう思っておられますか、文部省は。
○政府委員(長谷川善一君) お答えいたします。 文部省が持っております、これは大学中心に研究者に配賦いたしております科学研究費を例にとらせていただきますと、ほぼその全体経費の八%から一〇%、この十年余り大体そういう傾向で農学系の研究に注がれております。学術的な要請あるいは社会的な要請の強い研究領域ということで重点領域というのを設定いたしまして、それに対して多くの研究者が研究を集中的に行うということもやっておるわけでございますけれども、現在、農業関係では三つの重点領域が設定されておりまして、高等植物における物質集積機能とその発現の分子機構、あるいは植物遺伝子発現の柔軟性とシグナル応答の分子機構、それから機能性食品の解析と分子設計、こういうようなぐあいになっております。 近年、大学における農学研究といいますのは、従来からの育種あるいは農業経済、土木等々の分野に加えまして、バイオテクノロジーなどの最新の手法を用いました生命科学的な研究が増加するなど、変容してまいっておるのが現状でございます。今後とも、研究者と種々の意見を交換しながら、私たち農学研究を決して軽視しているというぐあいには思っておりません。努力いたしてまいりたいと思っております。
○武田邦太郎君 私が言っているのは、文部省が不熱心だとかなんとかというんじゃないんですね。現実に学校を出た人が農業に入っていかない、都会の産業が世界のトップレベルにいっておるのに、農業が先進国のびり中のびりであるのは研究と教育に欠陥があるんじゃないかということを言っているんです。 それで、私のお願いを申し上げます。 例えば、稲中心の作目でありますと、一農家三十ヘクであれば、十年、十五年後の経済成長に耐えながら輸入の自由化に耐え得る生産性を持つ可能性が非常にあるのです。だから、私はこの点だけ言えば、各地方に五、六軒の三十ヘクの模範的なパイロットファームを、その地方の最も有力な、能力が高いと自負する農家に手を挙げてもらって、おまえさんこれをやってみろとやらせて、大学の先生及び学生はこれを縦から横から検討する。学生が出るときは、よし、あれがやるぐらいのことはおれもやるという一応の自信と希望を持って卒業するように、これはもちろん農業試験場との協力も必要です、ですけれども私はやはり研究と教育の主体は大学が担うべきものでありますし、そういうことをやったらどうかと思いますし、各地の私の仲間の農家に言わせれば、大学がやってくれればおれは引き受けるとこう言っております。 これで終わります。
○国務大臣(宮澤喜一君) 大学を御卒業以来御自分で、最初は外地で、次に我が国で農業をずっと経験、経営してこられまして、またその後新農政の研究を続けておられます武田委員のお話でございますので、ただいま最後は教育に関することでございましたが、御趣旨をよく体してこれからの行政をやってまいりたいと思います。 なお、委員長、お許しを得まして、先ほど私NPTの見直しの時期を来年と申し上げましたが、一九九五年でございました。訂正をいたします。
○委員長(遠藤要君) 以上で武田君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて総括質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(遠藤要君) この際、先般本委員会で行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。 まず、第一班の報告を柳川覺治君にお願いいたします。柳川君。
○柳川覺治君 予算委員会派遣第一班の調査について御報告いたします。 第一班は、遠藤委員長を初め、石川理事、柳川理事、角田理事、村沢理事、野間委員、堂本委員、猪熊委員、吉岡委員の九名で編成され、二月二十四日から二十六日までの三日間、長野県を訪れ、長野県内の産業経済の動向や財政事情について概況説明を聴取するとともに、北陸新幹線碓氷トンネル建設現場、中央自動車道長野線更埴インターチェンジ建設現場、また松本空港のジェット化に伴う空港拡張工事現場などの総合交通網体系の整備促進状況を視察し、さらには、一九九八年に開催される第十八回オリンピック冬季競技大会の予定地である白馬村の関連施設の整備状況などを現地視察してまいりました。 以下、順次、長野県の産業経済、財政の概況を御報告いたします。 まず最初に産業経済状況ですが、長野県内の産業別就業者の状況は、第三次産業の割合が一貫して上昇を続け、三十歳未満の就業者全体の約六割が第三次産業に従事している一方、第一次産業の割合は昭和三十年以降急速に低下しており、また就業人口の高齢化も深刻となってきております。 他方、県内工業の現況を見ますと、平成三年の製造出荷額は六兆九千九百億円と全国シェアの二%を占め、全国順位では第十六位となっております。なお、業種別では、電気機械器具、一般機械器具、精密機械器具など機械工業が製造出荷額の約六割を占めておりますが、先般の不況の中、県内の鉱工業生産は全国とほぼ同水準での低迷が続いております。 県内業況判断DIも平成三年四月以降マイナスが続いており、また百貨店販売額も昨年六月以降前年比でのマイナスが続くなど消費の低迷も続いており、県内景気の足元は目下厳しい状況にあります。加えて、近時の貿易不均衡問題並びに先般の急速な円高の進行などにより、時計等の精密機械を初めとする県内工業製品の輸出を取り巻く環境は次第に厳しさを増しております。 なお、訪問いたしました長野県精密工業試験場は、主に県内の精密電子工業開運中小企業の技術向上、人材育成等に大変有意義な機関で、今後の活躍が期待されております。 長野県内では目下、北陸新幹線軽井沢-長野間の建設工事及び長野自動車道、上信越自動車道の建設、また松本空港の拡張工事などを初めとする総合交通網の整備や、本年七月に開催される信州博会場の建設、さらにはオリンピック冬季競技大会関連施設の整備等の大規模プロジェクトなどの公共工事が相次いております。そうした影響もあって、当地の雇用情勢は全国水準より良好とのことでした。さらに、政府の総合経済対策が今後の景気回復に及ぼす効果が注目されており、五年度予算の早期成立の要望が多く行われました。 次に、財政の概況でありますが、平成五年度の長野県予算は、県税収、地方交付税とも四年度に引き続き二年連続で前年を下回るという厳しい財政状況が見込まれております。 こうした中で五年度予算は、景気回復に配慮しつつも数々の課題に積極的に対応すべく、基金二百四十億円の取り崩しや、単独事業に係る地域総合整備事業債などの有利な起債の導入等の措置がなされております。 最後に、長野県及び各方面から、平成五年度予算の早期成立と各種の追加的な景気回復対策の実施とともに、貿易不均衡問題及び円高進行の解消並びに地方財政の充実のための地方交付税総額の安定確保や地方単独事業の財源措置の拡充強化、さらには第十八回オリンピック冬季競技大会の開催に向けての支援などにつき、強い要望がありましたことを御報告いたします。 以上で第一班の報告を終わります。
○委員長(遠藤要君) 次に、第二班の報告を井上裕君にお願いいたします。井上君。
○井上裕君 予算委員会派遣第二班の調査について御報告いたします。 第二班は、上杉理事、山本理事、白浜理事、寺崎理事、大島委員、服部委員、穐山委員、山口委員、磯村委員及び私、井上裕の十名で構成され、二月二十二日から二十四日までの三日間、宮崎県を訪れ、南九州の産業経済の動向、同県の経済、財政の事情等について概況説明を聴取するとともに、国際海浜コンベンション・リゾートゾーン、園芸農家、リニアモーターカー実験線、西都原古墳群等について現地視察を行うほか、地元の産業についても広く調査を行ってまいりました。 以下、経済、財政の概況について御報告いたします。 まず、産業経済の動向ですが、南九州は宮崎県を筆頭に第一次産業の割合が高く、中でも畜産のウエートが大きいのが一つの特色となっております。農林水産業のそれぞれの分野で担い手の確保が課題となっていますが、野菜の促成栽培でのコンピューターの導入による労働時間短縮、休日の確保等、さまざまな意欲的な取り組みがなされています。 第二次産業につきましては、近年、空港、高速道路等の産業基盤が整備されてきていることや人材確保が比較的容易なことから、IC関連産業、自動車関連産業等の企業が進出し始めており、産業構造の変化が見られます。このような企業進出の動きは、さらなる高速交通網の整備等により一層推し進められ、地域経済の高度化、活性化に寄与するものと期待されております。また、食品、飲料や織物といった地場産業についても、地元自治体の産業振興策等を通じでそれぞれにバランスのとれた成長が図られようとしております。 第三次産業については、観光にもウエートが置かれ、長期滞在が可能な大型リゾートの開発が行われる等、二十一世紀に向けた取り組みが行われています。また、地域に残る豊かな民族の歴史、文化遺跡、文化財等が地域の振興や活性化のため活用される道が開かれるとともに、より一層人々が親しく接することができるよう周辺環境の整備等も目指されています。 最近の景気動向につきましては、住宅建設に回復の動きが見られ、公共投資も引き続き高い水準を維持しておりますが、堅調であった個人消費に伸び悩みが見られるようになっております。鉱工業生産は一進一退で、四年度の企業収益は減益が見込まれ、労働需給は緩和の方向に向かっております。こうした中で、南九州の国税収納状況は、いわゆるバブル経済崩壊の影響はそれほど大きくなく、平成四年十二月段階での税収の対前年度比は約一%増と比較的堅調に推移しておりますが、景気動向を反映して法人税等で税収の伸び幅の縮小が見られます。このように南九州の経済は依然調整過程にあり、景気の減速感が続いています。 宮崎県の財政につきましては、平成元年度、二年度、三年度と三年間、毎年度約六億円の黒字を計上してまいりましたが、自主財源の割合が二六%と全国平均の五六%を大きく下回っており、地方交付税等に依存した構造となっております。しかしながら、社会資本整備の積極的な推進から、投資的経費の割合は三五%程度と、全国平均の二九%に比べ高くなっています。 現在、宮崎県では、第四次総合長期計画に基づき、リゾート構想の実現、地域産業の振興、長寿社会対策等のほか、さまざまなプロジェクトが積極的に推進され、「住みよさを実感できるふるさとづくり」が目指されております。今後も厳しい財政事情の中で財政支出の拡大が見込まれ、引き続き行財政改革を推進するとともに、的確な将来見通しに立った財政運営を行っていくことが課題となっております。 最後に、宮崎県等各方面から、国の予算の早期成立を含む各種景気浮揚策の実施とともに、地方財源充実のため、地方交付税の所要額の確保、公共事業費の傾斜配分等が行われるよう強い要望がありました。 以上で第二班の報告を終わります。
○委員長(遠藤要君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 本日の審査はこの程度といたします。 明日は午前十時から公聴会を開会することとして、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十分散会