予算委員会 第4号
- 発言数
- 291 件
- 登壇者
- 42 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1993/03/11
会議録
○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 昨日に引き続き、総括質疑を行います。上田耕一郎君。
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、佐川急便問題、それから不況、国民生活、安保問題について質問させていただきます。 まず、法務大臣に。 昨日、仙台地裁で前の東北佐川の長江社長が証言に立ちまして、民社党、公明党、日本新党などと佐川との関係について出てまいりまして、日本共産党を除いて野党のほとんどに広がっているというそういう事態が明らかになっているんですね。ところが、贈収賄問題についてはどうも訴追すべき問題はなかったかのような、けりをつけてしまうかのようなふうに見えているんですけれども、そういう問題についても徹底的に捜査を要求したいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 今、委員お尋ねになっておられますのは、仙台地裁で係属中の民事訴訟における証言等に関する報道を前提にしてのお尋ねかと思うわけでございます。 そういう報道自体については承知いたしておりますけれども、今、委員がお尋ねになっておられますように、報道に関連して、その証言に出ておる事項について捜査が行われたかどうかということについてはもちろん承知していないわけでございます。
○上田耕一郎君 贈収賄一般、贈収賄事件一般でないのかと聞いている。
○政府委員(濱邦久君) ですから、昨年のいわゆる東京佐川急便事件に関する当委員会での中間報告でも申し上げましたように、既に公訴を提起したもの以外につきましては訴追するに足る犯罪の嫌疑が認められる事実は確認できなかったというのがその捜査結果でございます。もちろん、その後に告発を受けた事実につきまして捜査をしていることは委員も御案内のとおりでございます。 また、これは一般論として申し上げるわけでございますが、その報道の内容等につきましてはもちろん検察当局においても十分承知しているわけでございますし、その経緯の中で犯罪の嫌疑があるというふうに思料される事由があるものにつきましては、当然検察当局の使命として厳正な捜査を行うであろうということは、一般的に申し上げることはできるわけでございます。
○上田耕一郎君 総額一千億に達するんじゃないかと言われるようなこの事件が、今のところ訴追すべき事実がなかったというんですから驚くべきことだ。 運輸大臣にお聞きします。 佐川のことを最もよく知っている一人、クロネコヤマトの総帥と言われた小倉相談役が、昨年も経営塾という雑誌で、また今月号の雑誌でも痛烈な告発をやっているんです。佐川事件は全部運輸省の責任だ。平成元年まで三十年近く違法営業、無免許営業をやっていた。運輸行政はそれをずっと見逃してきたというんですよ。運輸省は当然営業停止を食らわすべきなのに、逆に全部黙認してきた。そういうことのために政治家に現金をばらまいてきたという痛烈な告発をやっているんですね。 運輸行政、私もこれまでも何回か質問したけれども、こういう社会的批判がクロネコヤマトの小倉相談役から二回にわたって公的に出されているんだから、新しい運輸大臣として、運輸行政と佐川急便とのかかわりについて改めて本当に徹底的に調査する、公表すると、世間の疑惑に対して。そういう義務があると思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(越智伊平君) 運輸省といたしましては、佐川急便事件、いろいろ申告や告発がございまして、その都度特別監査をいたしております。しかし、この大きい犯罪はむしろ運輸省の問題というよりも他の問題が多い、こういうことでございます。 監査をいたしまして、いろいろ問題があるところは十分警告もし、また営業停止、いろいろそういう処置を一般的にやっておる、こういうことであります。
○上田耕一郎君 監査するんじゃない。運輸行政を監査しなきゃいかぬということですよ。全く無 責任だと思うんですね。これからもっとやりますから楽しみにしてください。 さて、金丸、生原氏の不正蓄財問題に移ります。 金丸、小針両氏と日本債券信用銀行との関係は早くから公然化していた。渡邉調書でも九一年佐川急便再建の二回目の話し合いのときに、竹下氏が金丸氏について、おやじは興銀や日債銀にも協力させると言っていると、そう言ったということがあるんですね。私ども日本共産党は、日債銀のワリシンを金丸氏が巨額の取引をしていたんじゃないかという疑惑を持って実は二月以来調べてきました、ちょっと検察に先を越された感じもありますが。 そこで、検察が捜査をして驚くべき事実、金塊まで含めて七十億円というそういう数字が連日報道されて、本当に国民はもうあきれ返っていると思うんですね。刑事局長、捜査の結果じゃ最初四億円と言われた脱税総額、ふえるんじゃないですか、どうですか。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 今、委員が御指摘になっておられます金丸前議員及び生原元秘書に対する所得税法違反の事実につきまして、法務当局から四億円という数字を申し上げた事実はないはずでございます。適税額については数億円ということでお答えを申し上げたかと思うわけでございます。また、今、委員がいろんな報道がなされておられますことを取り上げてお尋ねになっておられるわけでございますが、もちろんこの報道されている事柄について法務当局から御意見を申し上げることはいたしかねるわけでございます。 いずれにいたしましても、現在、検察当局におきまして捜査を進めているところでございますので、これ以上のことはお答えを申し上げかねるわけでございます。
○上田耕一郎君 報道についてはそう言うんですが、けさの報道、日債銀から詳細な報告が提出されている。金丸前副総裁のほか、複数の有力政治家らもワリシンを購入していたと言われる。もし複数の有力政治家のワリシン購入、脱税疑惑があれば当然捜査するでしょうね。
○政府委員(濱邦久君) いつも申し上げておりますとおり一般論としてお答えを申し上げさせていただくわけでございますが、検察当局の使命は法と証拠に照らして犯罪の嫌疑があると思料する場合には厳正に捜査を行うということでございます。
○上田耕一郎君 こういう人物が自民党の最高の責任者だった、自民党の元最大の派閥のね。ちょっとこれは個人の責任ということじゃ済まないと思うんですね。宮澤さんはこういう人物に首相に事実上指名されたんでしょう。あなたは彼を副総裁にしたんですよ。それで五億円の記者会見をして、副総裁辞任と言ったら留任を懇請したんですよ。結果責任についてどう感じていますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ごろまで私どもの党の中で指導的な地位にあられましたし、また副総裁もやっていただいたのでございますから、大変に残念なことだというふうに考えております。
○上田耕一郎君 残念だけじゃなくて、あなたの結果責任はどうかということです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 残念なことだと考えております。
○上田耕一郎君 ああこの程度の人が首相がということになりますよ。 さて問題は、金丸、生原両氏の原資の中に東京佐川急便の渡遭氏からの政治献金が例の五億円以外に入っていたかどうか。これが重要な問題になるんですね。 三月一日、衆議院予算委員会での我が党の木島議員の質問に対して、証拠として採用された松澤泰生の供述調書の中に、渡邉に対して十七億五千万円が渡された事実、それから八九年の四月と六月に各一億円があった事実、これが記載されていることを濱刑事局長は認められました。相違ありませんね。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 正確を期するためにお答えの中で申し上げるわけでございますが、今、委員が御指摘の私が答えたというものの中のうち、還流資金の授受の日付等に関する部分は、木島議員から事前に通告をいただいた上で、松澤被告人に対する特別背任事件の公判において取り調べられた同人の供述調書に御指摘のような記載があるか否かの確認を求められまして、当該供述調書について公判で要旨の告知がなされた中に該当部分があるかということの報告を検察当局に求めまして、その上で、あるとの報告を得ましたので、その旨のお答えをしたわけでございます。
○上田耕一郎君 それでは、改めて新しい問題へいきます。 その松澤泰生の供述調書の中に十七億五千万、これは東京佐川急便の冒頭陳述にも十七億五千万はちゃんと入っているんですね。その内訳です。 第一回目、平成元年四月四日、一億。第二回目、平成元年六月七日、一億。第三回目、七月中旬ごろ、一億。第四回目、八月一日、五千万円。第五回目、十月二十五日、一億。第六回目、十一月二十日ごろ、二億円。七回目、十二月二十一日、一億円。八回目、十二月二十七日、二億円。九回目、平成二年一月三十日、二億円。十回目、同二月二十日、一億円。十一回目、同四月十七日、二億円。十二回目、同六月一日、一億円。十三回目、七月十七日、一億円。十四回目、十二月二十八日、一億円。合わせて十七億五千万円。こう供述していますか。
○政府委員(濱邦久君) 今、委員が御指摘になられました日付と金額に関する限りは、要旨の告知がなされた供述調書に記載があるところでございます。
○上田耕一郎君 このうち金丸関係は、一回目二回目の二億円、十一回目十三回目の三億円です。 十一回目二億円、この夜渡邊被告は「エサンス」で金丸、小沢と会った。十二回目、七月十七日はその夜「吉兆」で金丸、中尾と会っておるということになっていますね。金丸、五億円ですよ。あと十二億五千万円。冒頭陳述にまである十七億五千万円のうち十二億五千万円は特定の非常に仲のいい金丸以外の政治家に渡ったと思うんだが、これは捜査したんですか、一切捜査しないんですか。
○政府委員(濱邦久君) まず、委員が今御指摘になられました事柄自体は要旨の告知がありました供述調書にそのような記載はないものと承知しております。 それから、この十七億五千万円の点につきましては、先ほど冒頭陳述というふうに申されましたとおり、渡邉被告人に対する特別背任事件の冒頭陳述には、「被告人渡邉は、東京佐川急便が平和堂グループ及び松澤に資金付けをしてやった見返りとして、平成元年四月ころから平成二年十二月ころまでの間、多数回にわたり、松澤から裏金として現金合計約十七億五千万円を受け取り、その一部を親交のあった政治家に係る献金に充てた。」という記載があるだけでございまして、そのほかの点についてはそういう記載はないというふうに承知しております。
○上田耕一郎君 記載があるかないかじゃなくて、これだけ問題になって、十七億五千万円でしょう。そのうちの十二億五千万円、これはもう報道としては首相経験者の名前がずらっと出たんですから、一切捜査しないで訴追すべき事実はなかったとなぜ言えるんですか。
○政府委員(濱邦久君) 先ほどお答え申し上げましたように、十七億五千万円の点につきましては先ほど私が申し上げたとおりの冒頭陳述に記載があるわけでございます。それ以外の点については、委員の方は報道を前提にお尋ねになっておられるのではないかと思いますけれども、そういう点については論評を申し上げる立場にないわけでございます。
○上田耕一郎君 報道を基礎じゃないんです。 「十七億五千万円」と冒頭陳述に書いてあるんだから、これが金丸以外の政治家に渡った疑惑は当然出てくるでしょう。捜査しなかったんですか。
○政府委員(濱邦久君) その点は、先ほど申し上げましたように、昨年十二月に当委員会でいわゆる東京佐川急便事件の捜査処理に関する中間報告の中でも申し上げたわけでございますが、既に公訴の提起をした事実以外に犯罪の嫌疑を認めるに足る事実は確認できなかったということでお答えを申し上げたと同じことでございます。
○上田耕一郎君 当時報道された有力な政治家、元首相ら、事情聴取したんですか。
○政府委員(濱邦久君) 今申し上げました捜査結果の中間報告で、この東京佐川急便事件に関する捜査結果について国会の国政調査に御協力するぎりぎりの限度でお答え申し上げたわけでございまして、それ以上のどういう捜査をしたかというようなことはお答えはいたしかねるわけでございます。
○上田耕一郎君 金丸議員の五億円の行き先もわからない、十七億五千万円も金丸以外はわからない。これはもう本当に政治的幕引きですよ。やっぱり検察の姿勢が根本的に問われている。我々も問うということを言っておきたい。 さて、私どもは、調査の結果、八九年秋、生原秘書が日債銀本店で五億円以上のワリシンを新規購入した事実をつかみました、聞いても言わないでしょうけれども。 これも報道によるんだけれども、ワリシン購入額は金丸氏が二十二億二千万円、生原元秘書が六億円というふうに言われていますね。しかし、幾ら金庫番でも、秘書に六億、これはだれに聞いても考えられないと言うんですよね。それで私は、金丸氏のこの証言、これにちょっと注目せざるを得ない。この証言には、生原秘書が「悲壮な気持ちで訴えるから、これは竹下の秘書の青木の二の舞をされたんじゃ、金より人間の方が大切だと、これは本人の言うとおりにしてやった。」と言っているんですね。そうしますと、生原元秘書が言うとおりにしないと青木秘書の二の舞になると追い詰められていたわけだ。必死になって何か隠そうとした。必死になって隠そうとしたのは八九年秋のワリシン購入の原資となった、私が先ほど申し上げた八九年四月、特に六月の一億円。 渡邉供述によれば、こういう供述があったという報道があるんです。これも報道ですけれども、その一億円に前からためた四億円を足して五億円にして、八九年六月、金丸事務所に自分で運転して運び込んだと、秘書に渡したという証言があるんですよね。そうすると、生原秘書はこのワリシン購入の全部あるいは一部を金丸氏に報告しなかったのではないか、そのことで非常に悲壮な気持ちになったのじゃないかと思われますが、この点、刑事局長、いかがですか。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 今、委員が、隠した云々のお話がございました。そういうことも含めて、報道を前提にしてのお尋ねかと思うわけでございますが、先ほど来お答え申し上げているとおり、お答えを差し控えたいと思うわけでございます。
○上田耕一郎君 八九年六月の一億、これに四億円足して渡邉が金丸に、八九年に金丸事務所に五億円渡した疑惑が非常に強いですね。これが非常に重大なんですね。というのは、金丸氏は証言記録で、五億円以外一文ももらってない、幾ら掘っても何も出ないと言っているんですよ。五億円以外にその前年に五億円もらったら、合計十億円ですよ。これは非常に偽証の疑惑が強くなるんですね。 同時に検察は、実際には十億円行っているのに、後の五億円だけしか問題にしないで、上申書で二十万円、事情聴取もしないというまことにいいかげんな処理をして、国民の怒りが沸騰したという問題もここから生まれているんです。 さて、もう一つ検察に聞きます。 この先ほどの十四回のうち十一回目二億円、十三回目一億円、合わせて三億円、これが金丸氏に渡された可能性が極めて強いんです。そういう公算がね。そうすると、平成二年つまり九〇年にも金丸氏がワリシンをこの三億円で購入したのではないかと思われますけれども、いかがですか、検察は。
○政府委員(濱邦久君) 委員の今のお尋ねは、現在捜査中の事件に関連してお尋ねをされておるのかもしれませんけれども、いずれもお答えはいたしかねるわけでございます。
○上田耕一郎君 だから、まず最初数億円と言われたけれども、八七年と八九年だけでなく、その後についても疑惑が出れば捜査するかと、改めてじゃお伺いします。
○政府委員(濱邦久君) 昨日ですか一昨日ですか、当委員会でもお答え申し上げましたとおり、現在捜査中の事件は、昭和六十二年及び平成元年の分に係る所得税法違反事件について捜査中であるという報告は受けておりますけれども、それ以上の報告は受けていないわけでございます。 いずれにいたしましても、現在捜査を検察当局において行っているところでございますので、それ以上のお答えはいたしかねるわけでございます。
○上田耕一郎君 私はやっぱり金丸証言には非常に偽証の疑いが強いと思うんですね。五億円以外一切もらっていないと。そのほかにも佐川から入っている可能性は強いわけですよ。 金丸証言は衆議院の予算委員会ですけれども、参議院の予算委員会としても、こういう問題で重大な関心を持って、必要ならば衆議院に問題提起するという必要があると思いますけれども、理事会で協議していただきたいと思います。
○委員長(遠藤要君) 承知いたしました。
○上田耕一郎君 宮澤首相に最後にお伺いします。 結局、派閥がだんだん大きくなって、数十名あるいは百名を超す派閥の国会議員にすべて盆暮れのもち代、選挙資金、総裁選の資金、莫大なお金が必要になってきた。おまけに私腹まで肥やそうとしたら大変なことになるでしょう。派閥の領袖というのがそういう役割をせざるを得なくなったということが、こういう金権腐敗事件が次々と続発する大きな根源だと思うんですね。——宮澤首相も派閥領袖として金集めにも金散しにも苦労されているのかもしれませんけれども、今度のこの金丸不正蓄財事件を通じて、派閥の弊害とかこういう事態を抜本的に解決するためには何が必要か、どうお考えですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私どもの党内で、せんだって以来申し上げておりますが、政治改革について抜本的な改革案をただいままとめる最終段階になっておりますが、そこに至りますまでにいろんな問題について党内で検討、議論を進めてまいりました。 その中に、今、上田委員の言われました問題がございます。党内改革という問題としていろんな問題を議論いたしてまいりましたが、派閥の弊害ということも当然党内の議論の対象になっておりまして、もしどうしてもこの弊害が除去できないということであれば派閥というものを全部やめなければいけないだろうという意識から検討を進めてまいりました。 弊害としていろいろ言われますことは、ただいまおっしゃいました金の問題もございます。それから、地位についての問題もございます。それから、党全体として有能な人材を発見し簡抜しなければならないというときに派閥的な考慮が優先をするということも残念ながら時々見られることでございますから、そういうことについて、一切ひとつこれからあってはならないことであると。 派閥というのは、政策指向によって議員たちがお互いに相集まって議論をするというようなことは、これは決して悪いことではないわけでございますから、そういう本来の目的に従った活動というのは、これは禁止することはない。しかし、ただいま申しましたような弊害に陥るようなことは全部やめようではないかというのが私どもの政治 改革における党内問題の結論でありまして、そういうふうにやってまいらなければならないと思っております。
○上田耕一郎君 イタリアでも金権腐敗が極点に達して、今月、政党への企業献金全面禁止、これが手がつき始めているんですね。私は、やっぱりこういう問題を本当に抜本的に解決するためには企業・団体献金の禁止、これは選挙制度調査会がかつて三回も決めたことがあるんですから、これの実現を勇断をもって国会は踏み切るべきだということを強調したいと思います。 それから、佐川急便疑惑の全貌、金丸不正蓄財事件の全貌を明らかにするためには特別委員会をつくって国会として国民に報告することが緊急の課題だ、そう思います。 そして、証人喚問としては、日本共産党が既に提出した十八人、そのうち直ちに、順序は別として金丸、生原、竹下、小沢、小針、庄司、六人の証人喚問を要求したいと思います。
○委員長(遠藤要君) 要求したいということは耳にしております。
○上田耕一郎君 理事会で協議してください。
○委員長(遠藤要君) 十分協議いたします。
○上田耕一郎君 金丸氏は東京都の財政破綻にも大きな責任がある。 国土庁、今バブル崩壊で全国で巨大プロジェクト計画の破綻が起きていますけれども、東京の臨海副都心計画、その現状、都財政への影響を説明していただきたい。
○政府委員(内藤勲君) お答えいたします。 東京臨海副都心の開発につきましては、首都圏全体の整備の方向を踏まえつつ東京の都市構造の変革、多心型都市構造への変革を図るという副都心計画の一環としての位置づけであると理解しております。 現在、その事業主体であります東京都を中心にいたしまして都市基盤整備事業はかなり進んでまいりましたし、進出予定事業者というのがございますが、その進出予定事業者と東京都の契約、一期分の十四グループのうち十二グループとこの三月までに契約を締結しようということで進めておりますが、成約すべく東京都が努力していると伺っております。 国土庁といたしましては、今後とも東京都と調整を図りつつ関係省庁とも連絡しながら進めてまいりたいと思います。
○上田耕一郎君 もう既に二回の権利金、地代の引き下げで二兆一千億円、大幅減収になっているんですね。詳細申し上げる時間がございませんけれども、大変な大問題になっているんです。 ここに当時の臨海副都心担当の副知事だった横田さんが「僕は裏方」というので朝日新聞にずっと連載していたんです。そこに臨海副都心の経過を書いている。 最初、東京都が考えていたのは、パラボラアンテナが並ぶそういうテレポート基地を考えていた。オフィスも住宅も何もなかった。そうしたら自民党が、中曽根首相時代、民活、内需拡大路線でオフィス構想浮上。国土庁、建設省が開発構想。それで、昭和六十一年秋、「当時は副総理だった金丸さんも臨海部を視察」と。「国土庁も都に来て、「早く都の構想をまとめてくれ。金丸さんに報告しないといけない」とせっつくようになった。 金丸さんの秘書官から築地の料理屋に呼ばれた都の幹部もいて、「ぼやぼやするな」とけしかけられた。」と担当の副知事が書いているんですよ。最後に、「テレポート構想から六年ちょっとなのに、オフィスが加わり、住宅も柱に、と変ぼうした。自治体の計画に国がこれほど言ってくるのは、異例中の異例だ。」と書いている。それがバブル崩壊で大問題になった。 押しつけた国土庁、責任どう感じていますか。だめだめ、井上さん。
○国務大臣(井上孝君) 今、先生おっしゃいましたように、先生は東京都御出身ですから何もかも御存じだと思いますが、今おっしゃいました新聞の記事は記事といたしまして、私どもが承知いたしておりますのは……
○上田耕一郎君 新聞記事じゃなくて横田さんの書いたものなんです。
○国務大臣(井上孝君) はい、横田さんの発言でも、結局は新聞記事でございます。 東京都の臨海部開発の計画につきましては、もう先生御承知のとおりですが、六十一年に関係五省庁と事業主体である東京都が開発推進の協議会をつくりまして、しょっちゅう協議をしながら事を進めてきたわけでございます。東京都に国がいろんなことを指示したなんということよりも、この協議会の中でみんなで相談をしながらやってきたわけです。しかも、その初めの計画が確かにバブルの経済の前でございますし、東京には外国の企業がどんと来る、こういう前提でございましたから相当大きなものを考えておりましたけれども、バブル経済が崩壊するようなことにもなりましたので、その後何回も何回もこの協議会を開き、御承知のように計画を改定してきたわけでございます。 現在も、昨年の九月にも再改定をして、今、大都市圏局長が御説明いたしましたように、現実的なそして柔軟な対策をつくって今推進をしておりますので、国土庁としてはこの事業が適切に行われるように見守っておるところでございます。
○上田耕一郎君 横田副知事が腹に据えかねて最も訴えたかったことは、金丸氏を中心にした国の押しつけなんですよ、その結果破綻しているんだから。今のような説明は絶対納得いかない。 次に、不況と国民生活の問題に移りたいと思います。 まず、大蔵大臣。佐川問題でも、あの莫大な債務保証、不正融資、都銀、地銀、その系列のノンバンクでしょう。銀行の責任もあったと思うんですよ。監督する大蔵省の責任は、あのバブル時代の銀行の乱脈融資が大問題になったけれども、大蔵省としての責任はどうですか。
○国務大臣(林義郎君) 上田議員の御質問にお答え申し上げますが、質問が非常に広大と申しますか漠然としておるものですから、ちょっとどうお答えしたらいいかわかりませんけれども、バブル経済のときに急激に金融が膨張した、土地資産の価額が上昇してきた、特に都内、首都圏におきましてはそういうことがありましたと。そういったことを担保にいたしまして、融資に対して私はいささか安易に流れたような嫌いがあったんだろうと思います。本来は、銀行というのは公共的な使命を持っておりますから、そういったことを踏まえてやっていかなければならないものじゃないかな、こういうふうに考えているところでございます。
○上田耕一郎君 銀行は大きな責任があったと。監督官庁の大蔵省も責任がある。ところが、バブルが崩壊したら今度は銀行は専ら救済してくれと虫がよ過ぎると私は思うんです。 一昨年七月から公定歩合の引き下げが六回ありました。それで、連動した預貯金金利の引き下げで庶民は苦しんでいるんです。その利息収入で失われた総額、これは大蔵省、どのぐらいになりますか。
○国務大臣(林義郎君) 上田議員の御質問にお答え申し上げますけれども、公定歩合を累次にわたって下げてまいりましたのは、景気回復をやっていかなければならない、公定歩合を下げることによりまして経済活動を一般的に活発化させるということをねらってやったわけでございまして、銀行の救済をするためとかなんとかということの目的としてやったものではないことをまず申し上げておきたいと思います。 今御指摘のありましなどのぐらいのものになったかという話でございますが、事務当局から数字等につきまして御説明をさせます。
○政府委員(寺村信行君) 預金金利の引き下げで預金者の所得がどの程度低下するかということでございますが、これはいろんな前提を置かなければ計算はできないわけでございまして、当然一定の期間がございますから、その期間に応じて、定期性預金もございますし流動性預金もございま す、それから自由金利商品もございます、したがってどういう前提を置くか。それから、例えば一年物はその次の金利変動がどうなるかということなので、前提を置かなければいけないので、私どもはそのような計算をいたしておりません。
○上田耕一郎君 いたしておりませんと言う。 これはいろいろ前提がある。個人貯蓄残高五百三・五兆円、私どもはその金利低下幅を計算し、普通預金と定期預金の割合が二対八という計算で、利子課税二〇%も控除して試算、約十兆円という数字を得ているんです。大変なものですよ。年金生活者が苦しむわけですよ。 それで、銀行を救済するつもりはないと言ったけれども、我々調べてみました。(図表を示す)これは、円高不況時の公定歩合の引き下げとそのときの貸出約定金利の数字、それから今の預金金利の引き下げの数字です。それの比較です。 そうすると、円高不況のときと比べますと、今度の預金金利の引き下げは、この青が円高のときで、赤が今度ですけれども、今度の方が低いんですよ。それから、貸出約定金利はこんなに高いんですよ、円高のときの方が。円高のときの方が低いんですよ。今度の方がはるかに高い。そうすると、銀行は今度月高不況のときよりももうけが保証されているんですよ。各新聞もこの事実を主張しています。これを議論しているとまた林さんがいろいろ言うし時間もかかるので私は指摘しておく。本当に、事実なんだから大変なものですよ。 それで、私が問題にしたいのは、この自己責任原則にも反した銀行の救済策。これだけじゃありませんよ。不良資産の買い上げ機関問題があるでしょう。それから、株価の引き上げの、あれは二年間で五兆円を超す資金を使おうというんでしょう。それで、こういうやり方をしたらもう本当に銀行の自己責任原則はどうなっているんだと私は言いたいんだが、そういう銀行に対する優遇策と比べて中小企業に対する施策、これは余りに冷たくて惨め過ぎると思うんです。 それで、この中小企業、特に小規模零細中小企業に対する対策の問題を次に取り上げたい。 私ども全国的に調査してまいりましたし、私も東京の城南地域、城東地域で中小企業の方々と取り組んでまいりましたが、まず第一は、三次、四次の下請は売り上げ減が五割になるとか、ひどいところでは七割減ったと。倒産がふえているんですよ。ところが、下請中小企業振興法に基づく振興基準は、発注量を親事業者の生産量の変動の程度以上に変動させないようと明記している。ところが、三次、四次にはこんなに物すごい切り下げがあるんです。単価の引き下げの押しつけもすごいんです。部品の内製化も進んでいるんです。そこで、今の不況を理由に大企業がかなりトラスチックな下請システムの整理淘汰、これを意図的にやろうとしているんじゃないかと。これは事実あるんですけれども、通産省いかがですか。
○政府委員(関收君) 直接の担当ではございませんけれども、現在、景気の状況は非常に厳しいという状況でございますから、いろいろな形でそれに対する対応を検討している、それから一部は既に公表されているものもあるということは承知いたしているところでございます。
○上田耕一郎君 これは朝日に報道された。トヨタの豊田英二名誉会長は、下請の部品メーカーについての態度について、「まだまだ締めないといかん。ただ、締め過ぎて死んでしまったら元も子もない。そこは上手にやる」と。ひどいこと言うもんですね。死にそうだけれどももっと締めろ、しかし死なないようにと、こういうことをやっているんですよ。トヨタは、生産減は我々が調査に行ったら七%ですよ。三次、四次へ行ったら五割減、七割減になっちゃっているんですから。 それで、公正取引委員会に聞きたい。下請代金法、あれの運用状況、平成三年の処理件数、申告件数、どうなっていますか。
○政府委員(小粥正巳君) 下請法についてのお尋ねでございますけれども、下請法違反事案につきまして、私ども法に従って厳正な措置をとっているところでございますが、ただいま実際の処理状況についてのお尋ねがございました。 平成三年と四年、両方比較して申し上げますが、平成四年はまだ年度が終わっておりませんので便宜四月から十二月で申し上げます。したがいまして、比較の必要上、平成三年度につきましても同じ期間をとって申し上げたいと思いますが、下請法違反被疑事件として私どもが警告等の措置をとった件数は、ただいま申し上げました期間につきまして平成四年は一千百九十九件でございます。平成三年度の前年同期が千六十四件でございますから、件数にいたしますと十数%の増と、こういうことになっております。 そして、これらの違反事実の内容は、この法律の表題にもなっております支払い代金の遅延でございますとかいわゆる買いただきあるいは減額というような諸形態がございますけれども、これらの違反事実が認められた親事業者に対しましては、当該違反行為を取りやめさせるということとあわせまして、下請代金の支払いのおくれ事案につきましては遅延利息の支払いを行わせます。それから、あらかじめ契約で決められました金額の減額事案につきましては、その減額分の返還を行わせるいわゆる原状回復措置を講じているところでございます。 なお、支払い遅延のケースにつきましては、平成四年の四月から十二月という期間で申し上げますと三十五社の親事業者に対しまして総額一千百一万円のこれは遅延利息の支払いを行わせております。また、代金の減額につきましては、同じく親事業者二十九社に対しまして総額六千五百五十六万円の返還を指導しております。 以上のような状況でございます。
○上田耕一郎君 かなりそういう違反事件が起きているんですね。 それで、これは大企業が下請に対して今どういうことをやろうとしているか。違反がこんなにあるわけだから。独禁法の違反の大企業についてはかなり公表しているところが多かったわけですね。下請代金法の違反事業者も悪質なものについては公表すべきではないか。そのことがこの不況の時期にそういう親企業、親事業者の不当なやり方を直させる上で効果があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(小粥正巳君) 下請法に違反をした親事業者の名前を公表すべきではないか、こういうお尋ねでございますけれども、下請法第七条におきましては、下請法第四条に違反する行為を行った親事業者に対しまして、先ほど私が申し上げましたようなその違反行為の差しとめあるいは下請事業者の受けました不利益の原状回復措置、これを法律上勧告する、こういうことになっております。そして、もしこの勧告に親事業者が従わない場合にはその親事業者名を公表することになっております。これは法律上そのように定められておりまして、これは私ども一種の制裁措置と、こういうふうに位置づけているわけでございます。 そして、私どもの違反行為に対する措置、先ほど具体的なケースで申し上げましたが、このような違反行為が行われました場合に、私どもまず勧告、あるいは勧告の一つ手前の段階としては警告を行うという段階がございますけれども、私どもの実務の経験によりますと、勧告を行うところまで私どもが違反行為に対して対処をいたしますと、結果的には親事業者は私どもの勧告に従いまして是正措置を講じております。是正措置は違反行為の取りやめあるいは先ほど申し上げました原状回復措置でございまして、私ども実際に、申し上げましたように、遅延利息の徴求でありますとかあるいは減額の返還でありますとか、そういう措置を行わせているわけでございます。 したがいまして、事実上この下請法に基づく勧告に従わないいわば大変悪質な親事業者、法律上制裁措置として公表措置の定めがございますけれども、結果的にはこれによって公表されたものは実はございません。そのことは、公表されるということは親事業者にとりましてはやはり大変不名誉なことでございますから、社会的信用の失墜に当たるわけでございますから、この公表という措 置を法律上設けることが私どもの勧告に従わないというそういう違法行為が行われないために非常に効果的な抑止力になっている、こういうふうに考えております。 しかし、もし今後私どもの勧告に従わないような悪質な親事業者が出ました場合には、当然のことながら法律の規定に従いまして公表措置を含めて厳正に対処する所存であります。
○上田耕一郎君 公取には厳正に仕事を進めて、中小企業のためにしていただきたいと思います。 中小企業庁にお伺いします。 製造業の中で小規模事業、十九人以下と言われますけれども、その比重はどうなっているでしょうか。
○政府委員(関收君) 平成三年度の事業所統計をもとに御報告申し上げたいと思います。 今、先生御指摘の小規模企業、二十人未満を通常対象といたしておりますが、事業所の数で我が国製造業の約八五%、また従業者の数でございますが、これは約三百九十万人でございまして約二八%を占めておる、こう理解いたしておるところでございます。
○上田耕一郎君 これだけ大事な役割を果たしているんだけれども、なかなか行政の光が当たらないんですね。特に九人以下の零細の場合は特別にそうなんですね。 中小企業庁、昨年の総合経済対策総額十兆七千億、補正予算で、中小企業金融対策一兆二千億と言われたんですが、その中身を説明してください。
○国務大臣(森喜朗君) 上田委員御質問の昨年の総合経済対策におきます中小企業対策の中身でございますが、一つは中小企業の経営の安定と構造改革に資する設備投資の促進、これを二本柱といたしておりまして、政府系中小企業金融機関の貸付規模には総額一兆二千億円を追加する思い切った対策を盛り込んでございます。 さらに、これを実施いたすための平成四年度の補正予算におきましては、円高不況時を上回る総額七百四十五億円を確保いたしております。 この具体的な中身でございますが、まず経営の安定策といたしましては、中小企業金融公庫等の個別の中小企業者に対するいわゆる貸付限度額の拡大、次に国と都道府県が協調して低利融資を行う緊急経営支援貸付の創設等を行いました。二つ目に、設備投資促進策といたしましては、中小企業が必要とする構造改革を支援するために、例えばフロンでありますとか時短対策でありますとかでございますが、新たな低利融資制度の創設をいたしました。さらに中小企業事業団の高度化融資の前倒しを行いました。さらに設備投資減税の対象設備の大幅な追加をいたしました。このほか下請企業対策といたしましては、広域的な下請取引あっせんの強化を実施いたしました。 現在、これらの総合経済対策につきまして着実に実施をいたしているところでございまして、今後とも、中小企業の動向をなお注視の上、対策の着実かつ円滑な実施に万全を期していきたい、こう考えております。
○上田耕一郎君 小規模の中小企業、苦しんでいるところが使えるのは、このうち緊急経営安定支援貸付の二千億円なんですね。これは一年間です。年度内はこのうちどのぐらいですか。
○政府委員(関收君) お答えいたします前に一つ補足させていただきたいと思いますが、小規模企業者がお使いいただける制度といたしましてはこのほかにマル経等々もございますので、御理解いただきたいと思います。 先生御指摘の緊急経営支援貸付制度は二千億円でスタートいたしたところでございます。実はこれは補正予算の成立を待ってスタートいたしましたので、実際にスタートいたしましたのは昨年の十二月十四日からでございます。また、各都道府県における準備等もございまして、二月に入ってからスタートしたというようなところもございますが、今のところ三十一の都道府県及び一部の市におきましてこの制度を実施いたしておりますが、四年度としてはそのうち約八百億円程度を対象にしたいと考えておるところでございます。
○上田耕一郎君 小規模が使えるのは主に八百億、額としてもね。極めて私は少ないと思うんですね。しかも今、制度融資は自治体と一緒にやっていると言われたけれども、民間金融機関は物すごい貸し渋りや選別融資をやるわけですよ。信用保証協会に行くと、融資条件として、業績回復が見込まれていること、金融機関の支援が確実なことというふうに、とにかく銀行はお墨つきがあれば貸しますよと。これじゃなかなか本当に苦しんでいるところは借りられませんよ。 中小企業庁、こんな指導をしているんですか。
○政府委員(関收君) 正確な意味でお答えを申し上げたいと思いますが、信用保証協会に対して今のような条件をつけるという指導は行っておりません。ただ、この緊急経営支援貸付制度につきましては、私どもとしても特にこの運用に当たりまして困窮度の高い中小企業を優先するように各都道府県にお願いいたしておるところでございます。 ただ、ぜひ御理解いただきたいと思いますのは、この制度も金融制度の一種でございますので、その融資に当たりまして将来の返済可能性といったようなことをチェックせざるを得ないということはぜひ御理解いただきたいと思っております。
○上田耕一郎君 そう言いますけれども、手に入った、中小企業庁金融課が去年の十二月四日に各都道府県に出した緊急経営支援貸付制度という文書がありますよ。これの二項目のイのC、「取引金融機関等の支援が確実に見込まれる者。」、こういう文書で実際にはあなた方は出しているんですよ。国会でうまいこと言ったってそうはいかないんですよ。こういうやり方を実際には政府はやっているんだが、都道府県はもっと思い切ったいろんな措置をやっていますよ。今三十一と言ったけれども、例えば東京、京都、大阪など各都道府県を初め自治体が実施している緊急融資の実態、つかんでいたら報告してください。
○政府委員(関收君) 今申し上げました緊急経営支援貸付制度とは別に、各都道府県あるいは一部の市におきまして、自主的な御判断で中小企業に対する融資制度を設けておる例があることを私ども承知いたしております。私どもが今把握しておりますところでは二十四の都道府県、具体的には都道府県が約二十、それから一部の四つの市でこの制度を運用しておるというふうに聞いておるところでございます。
○上田耕一郎君 実態をよくつかんでないんですね。一部二府六県で、私どもの調査では八千六百五十四億円。東京、京都、大阪、兵庫、福岡、埼玉、愛知、神奈川、千葉などでやっている。額も国より多いですよ。それから金利も、例えば東京の葛飾区は四%利子補給で一・五%ですよ。新宿区はとうとう一・三五%に中小企業者の要求で踏み切っているんですよ、利子補給やって。 それで、中小業者がこういうところに、もう申し込みいっぱいですよ。列をつくっているぐらいだ。国のやつは額も少ない、金利も高い、しかも銀行が選別する。先ほどの指導ですからね。 それで私は、ここでお伺いしたいのは、八〇年代後半の円高不況時代には中小企業のために国民金融公庫、中小企業金融公庫の直接融資制度、法律までつくってやったはずじゃないですか。説明していただきたい。
○政府委員(関收君) 御指摘のとおり、円高不況のときにおきましては特定の業種、円高による影響を特に大きく受けるという業種につきまして、低利の融資制度をつくった例がございます。
○上田耕一郎君 国民金融公庫などを中心に六千五百億円つくったわけでしょう。それから、特定地域三千億円。何で今回はこの民間金融機関の制度融資だけにしているのか。なぜ円高不況でもっとひどいのに、国民金融公庫、中小企業金融公庫などを使った低利の融資を国がやらぬのか。なぜやらぬのですか。
○政府委員(関收君) 今回の状況におきましても、先ほど申し上げましたように中小企業金融公 庫、国民金融公庫、特に今先生御指摘の小規模企業の場合には国民金融公庫からの融資が中心になろうかと存じますが、これにつきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、融資枠の特例を設ける、あるいは中小公庫、国民公庫の貸付規模全体につきましても大幅な追加をするというような形で中小企業の方の御要望にこたえているわけでございますし、さらに、先ほど来申し上げておりますように、緊急経営支援貸付制度につきましては、今回の事情にかんがみまして業種の限定をすることなく融資をお受けいただくことができるような制度としております。 それから、マル経資金につきましても融資限度を引き上げる、あるいは五年度からは返済期間を延ばすといったような措置をいろいろとっているわけでございまして、中小企業の方々、小規模企業の方々、それぞれ御事情に応じてこれらのいろんな制度を活用いただければということで今準備をいたしているとろでございます。
○上田耕一郎君 現実に合ってないんです。この間、私は葛飾へ行って業者と話した。区が一・五%、喜んでいるけれども、四百万だというんです。これじゃ二カ月しかもたぬと言うんです。一千万円ぐらいやっぱり欲しいと言うんだ、乗り切るのに。これはもう本当に血の出るような叫びでした。 それで私は、宮澤さん、宮澤さんのやっぱり決断が要ると思うんです。円高不況のときと同じように、国民金融公庫、中小企業金融公庫など政府系金融機関に政府出資、利子補給などを行って、私どもは激甚災害並みの三%の総額二兆円の緊急融資を行うべきだ、補正予算二百九十三億円を直接利子補給に充てれば一兆五千億の融資が可能だという提案を共産党はしているんですけれども、どうですか、円高不況のとき以上に深刻なんだから踏み切るべきじゃないですか。首相の決断が必要だと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) しばらく前には銀行等は貸し出しが少ないのは資金需要がないという説明をしていた段階がございますけれども、どうも私はそうではないと考えていました。 というのは、国民金融公庫であるとか中小企業金融公庫であるとか商工中金であるとか、あるいは保証協会もそうでございますけれども、中小企業から非常な実は融資の申し込みがある。でありますから、資金需要というのはどういう需要にしろ非常にあって、それはやはり国としてできるだけのことをして対応しなければならないと考えましたので、総合経済対策においてもそういう国の中小企業関連の金融機関に対するいろいろな援助、出資の増でありますとか、金利を下げますとか、いろいろなことをいたしてまいりました。 またこれからも、公共事業も大事でございますけれども、中小企業を窮状からやはり救ってやらなければなりませんので、それには国として最大限の対応をいたすつもりでおります。
○上田耕一郎君 直接私どもの政策に対する積極的お答えではなかったけれども、本当に実情に即した政策を要望したい。 次に官公需問題。 仕事がないだけに官公需の拡大を非常に望まれておりますけれども、中小企業庁、官公需法とそれに基づく閣議決定の特定品目十品目、それから国と地方公共団体の中小企業向けの官公需の比率、八五年と九一年にはどうなっているか説明していただきたい。
○政府委員(関收君) かくさんのお尋ねでございますので、手短に御説明申し上げます。 まず、官公需法でございますが、昭和四十一年に官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律というものが制定されまして、この法律によりまして昭和四十二年度以降毎年度、中小企業向け契約目標額、中小企業者の受注機会の増大のための措置等を定める国等の契約の方針を閣議決定し、これに基づいて各省庁、各機関に努力をお願いいたしているところでございます。 二番目のお尋ねは、特定品目制度でございます。 これは昭和四十二年度の閣議決定に基づき定められたものでございまして、「中小企業製品のうち国等の調達に対する依存度が高くかつ当該製品を供給する中小企業者の受注機会を増大することが必要と認められる品目」につきまして、中小企業官公需特定品目として指定をいたしているものでございます。現在、十の品目につきまして指定が行われているわけでございます。 三つ目のお尋ねでございますが、八五年と九一年、すなわち昭和六十年度と平成三年度の国及び地方公共団体の官公需発注の実績でございます。 まず国について申し上げますと、昭和六十年度は全体の三九・四%に当たる三兆二千七百三十六億円、平成三年度は全体の三七・三%に当たる三兆八千九百四十三億円となっているところでございます。また地方公共団体につきましては、これは国に準じて御協力をお願いするということで法律七条に基づいて要請をいたしておるところでございまして、私どもとしてはそのうち特に都道府県と政令市についての実績を把握いたしているところでございますが、昭和六十年度におきましては全体の七四・四%に当たる八兆六千七百四億円、平成三年度には全体の六五・二%に当たる十二兆八千八百六十六億円が中小企業向けに発注されたということでございます。
○上田耕一郎君 年々低下しているんですね。国等で今二・六%、地方公共団体で九・二%減少、その理由はどこにあるんですか。
○政府委員(関收君) 申し上げるまでもなく、私ども、国及び国の機関につきましては特に中小企業向けの発注の比率を極力引き上げていただくように努力をいたしているところでございまして、例えば分割発注で中小企業の方が受注しやすいようにする、あるいは中小企業の方々が共同受注していただくというようなさまざまな努力をいたしているところでございます。 しかしながら、同時にぜひ御理解いただきたいと思っておりますのは、官公需法の第三条にも書いてございますように、中小企業向けの発注の増大を努力することは当然でございますが、同時に「予算の適正な使用に留意しつつこということもございます。すなわち予算の効率的な使用という観点、あるいはまた技術的な事情からなかなか中小企業にお願いすることが難しいというものもあり得るわけでございまして、いろいろ努力をいたしましても、そういう点でなかなか難しい局面に立たされる場合もあるわけでございます。 今、トータルの数字についての比率の増減ということで御指摘がございましたけれども、私ども必ずしもそういった中で分割発注が難しいような大型発注あるいは技術的に難しいものがどれぐらい入っているかということを把握しているわけではございませんが、基本的には今申し上げましたような大規模な工事といったようなもののウエートが高まっていることが一つの理由ではないかと考えているところでございます。
○上田耕一郎君 資料いただきましたら、一番悪いのは防衛庁一四%、次は運輸省二二・三%、運輸省はこの二年間で一〇%も下がっているんですね。これは理由はどこにあるんですか。
○国務大臣(越智伊平君) 中小企業向けにできるだけ発注をしようと心がけておるところであります。しかしながら、最近特に増額されておりますのは飛行場であり、港湾の事業であります。例えば羽田沖の展開工事、これは地盤改良でありますのでございますから、これは技術的な問題、また大型、こういうことでございます。 でき得る限り今後努力をしていく所存であります。
○上田耕一郎君 改善の具体的方法は。
○国務大臣(越智伊平君) 先ほど政府委員が答弁いたしましたように、できる限り分割とか、そういう方法によってやっていきたい。中小企業でやれるものはやっていきたい、こう思います。しかし、飛行場等におきましては非常に技術的な問題がございますので、工事費が少額であっても技術的な問題等もございますので、それでできるだけの努力をいたしたい、かように考えておる次第で あります。
○上田耕一郎君 特定十品目、これは中小企業優先ということを閣議で決めているんですね。この中で、外衣・下着、制服ですね、それと印刷、これを私はひとつ問題にしたいんです。 外衣・下着、制服で一番悪いのは防衛庁だが、郵政省もよくないんだな、五四・四%。郵政省は職員の制服をどこに発注しているのか。伝票その他の印刷、これも中小企業に発注していないのか、お答えいただきたい。また、改善の方向について。
○政府委員(新井忠之君) お答えいたします。 郵政省におきます中小企業官公需の契約比率でございますけれども、全体でここ数年五〇%前後で推移いたしております。このうち当省におきます平成三年度の中小企業官公需特定十品目の契約比率でございますけれども、二品目を除く八品目につきましては八七・五%から九八・八%になっております。制服を含みます先生おっしゃいました外衣・下着類につきましては、御指摘のとおり五四・四%、そして印刷は五三・四%になっております。 外衣・下着類のうち、制服につきましては、これは使用目的にふさわしい仕様規格を定めて、かつ品質を統一し、限られた期間内に大量に調達する必要がありますために、これらの条件を満たして、原反いわゆる生地でございますが、これを確保できる紡績会社に発注しておりますが、制服を調製する工程の相当部分を占めます縫製につきましては、これはすべて中小企業が行っているものと承知いたしております。 また、印刷でございますけれども、はがきを初め保険証書、郵便貯金自動預払い機で使用いたします連続伝票用紙等一定の仕様規格が求められているものが大変多うございまして、したがって、これ以外の印刷につきまして可能な限り中小企業へ発注しているところでございます。 中小企業官公需につきましては、法律の精神、閣議の決定にのっとり、今後とも受注機会をふやすよう配意してまいりたいと考えております。
○上田耕一郎君 防衛庁、隊員の制服は中小企業比率どうなっているんですか。改善するつもりはないんですか。
○政府委員(中田哲雄君) 防衛庁におきます外衣・下着類等の調達におきまして、平成三年度の契約実績を見ますと総額約七十億三千万でございますが、このうち中小企業向けの契約実績は七億八千万程度でございまして、中小企業向けの比率は一一・二%ということになっているわけでございます。 外衣・下着類調達の大きな部分を占めております自衛官の制服でございますけれども、これは一定の時期に大量に調達する必要がある。例えばそれぞれ数万着のオーダーで調達されるわけでございますけれども、それに加えまして規格あるいは品質、これは材料、色彩等も含みますが、これの統一性が、長期に使うものでございますので年によって変動があるということでは困るわけでございまして、長期にわたって規格、品質が厳しく追求されるといったような特別の事情があるわけでございます。これにこたえ得る供給者は現状では大手メーカー等に限られがちであるということでございます。 ただ、郵政省と同様に縫製段階等につきましては、中小企業にたくさん参加していただいているというふうに承知をしているところでございます。 改善の考え方でございますけれども、私ども今までも中小企業向け契約の拡大に努力をしてきているところでございますけれども、やはり中小企業者の技術力等になじむもの、なじまないもの、分割発注等になじむもの、なじまないもの、そういうものがいろいろございますので、この辺を見きわめながら中小企業の発注が増加するように改善策を検討していきたいというふうに思っております。
○上田耕一郎君 厚生省、国立病院の看護婦さんなどね、それから印刷問題。印刷の中では今度談合で大きな問題になった年金振り込み通知書の目隠しシールですな、これ何で大日本印刷など大企業に発注したのか。この問題も含めてお答えいただきたい。
○政府委員(瀬田公和君) 厚生省関係の特定品目の中小企業向けの発注の比率につきましては、印刷を除きましてはいずれも九〇%以上または非常に九〇%に近い値ということになっておるわけでございますけれども、先生から今御指摘いただきました印刷の発注につきましては、これは分割発注が非常に難しい健康保険の被保険者証の印刷でございますとか、また先生から御指摘いただきました年金受給者のプライバシーの保護のための支払い通知書へのシールの貼付というふうな特殊、大量な印刷が多い、そういった発注量が非常に多いという特殊な事情もございまして、中小企業向けの平成三年度の実績というものは六三・一%ということになっております。 厚生省といたしましては、特定品目の発注に当たっては従来より中小企業向けに発注するように努めているわけでございますけれども、今後さらに予算の適正な執行に留意しつつ、また業者指名に当たりましては、入札に参加をいたします指名業者の拡大を図る等の中小企業に配慮するなどの対策を進めてまいりたいというふうに思っております。
○上田耕一郎君 看護婦さんの制服、白衣。
○政府委員(瀬田公和君) 看護婦さんの制服、その他そういったものにつきましては、現在中小企業向けに約九〇・七%ほどの程度になっておりますので、懸命に努力をしておるというふうに私たちは考えております。
○上田耕一郎君 本当はもっと全省庁をお聞きしたいんですけれども、閣議決定で官公需法に基づいて十品目、これは中小企業優先と決めているんですよ。しかし、防衛庁なんか一一%でしょう、防衛庁の制服。それは一括でやれば便利で楽だろうし、やる気がないですよ。制服なんかは中小企業でできますよ、規格をきちんと統一すれば、各地方で分割発注やれば。厚生省は看護婦さんの白衣は分割発注を特にやる、それで九五%になっているんですね。私は、だからそういうやり方をもっともっと意図的、積極的にやっぱりやるべきだと思うんですね。 それで、私は通産省にこの十品目について中小企業の官公需比率を高めるための強い姿勢を求めると同時に、この十品目、今の状況の中でもっと品目を拡大すべきじゃないかと、そう思いますが、いかがですか、通産大臣。
○国務大臣(森喜朗君) 上田委員、いろいろと各官庁別にも御指摘ございました。それぞれ官庁も閣議のそうした申し合わせ、決定もございますし、あるいは官公需確保法というのがございますから、それぞれ努力をしております。 先ほど事務局側から御説明申し上げましたように、それぞれいろんな予算執行上の問題もございますし、技術上の問題もございますし、努力はしておりますが、いろいろとその省庁によっての考え方もあるわけでございます。 平成四年度閣議決定におきましては、中小企業者向け契約目標額を史上最高四兆四千三百四十億に設定をいたしております。通産省としましても、今後とも各省庁に対する一層の努力の要請等を通じまして中小企業者の受注機会の増大を図ってまいりたい、こう考えております。 それから、いわゆる特定品目につきましては、これは四十二年度の制度化以降適宜拡充を図っておりますけれども、今後ともさらに追加できる品目があれば、今委員からもいろいろお話ございましたように、実態等を調査の上各省庁と協議をして追加の拡充も検討してみたい、こう考えております。
○上田耕一郎君 通産大臣、追加の拡充とおっしゃった。大変歓迎します。 官公需全体が十兆四千億円、このうち十品目は二千百三十億円で二%なんですね。だから、ぜひこれは検討の上拡充していただきたい。 それから、大蔵省に要望したいのは、国や自治 体が小規模の発注をするときには随意契約でやれますわな。その随意契約の限度額、これは今工事、製造が二百五十万円、予決令で決まっている。物品買い入れ百六十万円。十九年間これはそのままなんですね。これもやっぱり引き上げることを検討して、中小企業に随意契約で国や自治体が発注しやすいように、そのことを検討していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林義郎君) 御指摘のように、随意契約の金額がなかなか変わっていないというお話でございますが、大体物価が非常に安定をしてきているということもありまして、現時点におきましては限度額を引き上げることというのは考えておりませんけれども、今後とも各省庁いろいろな問題もございますから、それぞれのところとも相談しまして適切に対処いたしたい、こういうふうに考えております。
○上田耕一郎君 三百人以下の中小企業は事業所数で九九%、従業者数の八割ですよ。その中小企業が大変な状況にあるので、大企業に対する横暴なやり方に対する民主的規制を初め、国の中小企業対策をぜひ血の出るような叫びにこたえて進めていただきたい。このことは首相初め大蔵大臣、通産大臣、ほかの省庁の大臣の方々にも官公需の拡大などぜひ積極的にお願いしたいと思います。 次に、減税問題に移りたいと思います。 宮澤総理にお聞きします。 宮澤さん、大蔵大臣当時我が党の吉岡議員の質問に対して、生計費非課税、これは守られる原則だと答えられましたが、今でも変わりはございませんね。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは税というものの哲学といいますか、考え方を申し上げたのでございましたけれども、いわゆるみそ、しょうゆといいますか米とか野菜とか、そういうものについて税金をかけるということは、これはやっぱり政治としてはよくない、こういう意味のことを申し上げましたし、今でもそう思っています。
○上田耕一郎君 生計費非課税の原則が確認されたことは、これは非常に大事なことで、この原則は直接税、とりわけ所得税についても生かされなきゃならぬと思うんですね。 白色申告の中小業者あるいは農家の場合、御主人だけが働いていて、夫婦二人子供二人の場合、所得から控除されるのはどうなっていますか。
○政府委員(濱本英輔君) お答え申し上げます。 課税最低限の考え方でございますけれども、その中に今総理からお話がございました最低生計費といったようなものを一つの重要な要素として念頭に置くということがあろうかと存じます。そういう考え方で組み立てられておるわけでございますのは事実でございますけれども、あわせて幾つかの複合的な要素を総合的に勘案して課税最低限というものは決められておるとお考えいただいてよろしいかと存じます。 今のお尋ねは、白色申告を行っておりますような中小企業の例えば経営者であるとかそういった家庭においてこの限度が幾らになっておるかということをお求めかと存じますけれども、この場合ちょっと難しい問題は、給与所得者の場合と違いまして、事業所得者の場合に例えば青色申告者であるか白色申告者であるか、あるいは配偶者が事業専従者であるかどうか、あるいは青色事業専従者について支給しております専従者給与というものがどの程度あるかといったことによりまして全くさまざまでございまして、単に基礎控除なり配偶者控除なり扶養控除なりというものがわかりましても、それを合計して課税最低限と見るということは実情にそぐわない。したがいまして、事業所得者の課税最低限をそれとして具体的な数字でお示しするということはなかなか難しいように思います。
○上田耕一郎君 だから私は、白色申告で御主人だけが働いている、夫婦二人子供二人と限定して言ったんだから答えてください、控除額全体。奥さんが専業主婦。
○政府委員(濱本英輔君) にわかに今ここに先生がおっしゃたような条件に当てはめて計算をしたものがないのでございますけれども、その場合、最後にちょっと今申されましたように、使用者の立場、例えば事業専従者であるかどうかということもこの数字を計算いたします上では大きく違ってまいります。そういうことを幾つか与えていただければ、計算することはその限りにおきましては可能かと思います。 ただ、私が聞いていただきたいと存じますのは、サラリーマンの場合と違いまして、サラリーマンの場合は、年間の所得金額を計算します過程で給与収入から給与を得るための経費の概算控除でございます給与所得控除を差し引くことにしまして、課税最低限の表示も国民にわかりやすいという意味で給与収入に置き直して表示をしておりますけれども、事業所得者の場合には、収入から控除されました経費というのは業種によって千差万別でございます。したがいまして、サラリーマンの場合は給与所得控除に対応する経費としてどれだけの金額を想定するかにつきまして一応画一的な基準を設けることが可能、サラリーマンの場合にはできると考えるわけでございますけれども、それが難しい、そういう問題というのが最後まで残るように思います。
○上田耕一郎君 だから私は限定して言っているんですが、じゃ具体的に聞きましょう。 こういう家庭の場合、生計費として控除されるのは基礎控除、配偶者控除、専業主婦としての配偶者特別控除、子供さん二人の扶養控除、各三十五万円、全部合わせると百七十五万円、これは間違いありませんね。
○政府委員(濱本英輔君) お答え申し上げます。 今、上田先生からお示しがございました幾つかの条件を拾いましてそれを合計した数字を出すということは、これは可能だと思いますけれども、結局これは事業所得でございますから、事業所得の場合の課税最低限というものを一体どういう概念としてつかまえるか。先ほどの私の説明では意が足りていないと思うのでございますが、要するに事業所得の概念というのは暦年という税法で定められました期間における事業の成果計算としての所得概念でございまして、生活に充てられる所得はむしろ短期的長期的な期間における現金収支計算に近い概念だと思いますし、必ずしもそういう意味では比較しにくい。つまり、人的要因に基づくいろんな控除を積み上げた数字というものはあるかもしれませんけれども、本当にその事業所得者の課税最低限というものを経費的に積み上げていって計算するということは、やはりいろいろなケースによって異なる要素が多いと思いますので、なお難しいというふうに思います。
○上田耕一郎君 中小業者は概念で納税しているんじゃないんですから。 本当にそれはサラリーマンと違ってこれしか基礎控除がないんで嘆いているんですよ。私の計算でさっき言った百七十五万円、否定し切れないんだが、十二で割ると月十四万五千円ですよ。月十四万五千円で四人家族が一体生活できるのか。生計費非課税、これ貫かれると言えるのか。 東京一級地の生活保護費、四人家族のケース、どのぐらいになっていますか。厚生省、お願いします。
○政府委員(土井豊君) 東京都二十三区は一級地の一という級地区分に該当いたしますけれども、三十五歳の男、三十歳の女、九歳の子供、四歳の子供という仮定を置きまして、生活扶助基準、住宅扶助、教育扶助、これを合計いたしますと、月額で、平成四年度の数字でございますが、二十万八千四百五十五円という金額でございます。
○上田耕一郎君 つまり、生活保護基準よりも約六万円以上少ないですよ、中小業者の場合ね。これは本当に僕は生計費非課税の原則が守られていない、どう言おうと明白だと思うんですね。 二十八年前、大蔵省が大蔵省メニューというのを発表したことがあるんですよ。これでちゃんと食べられる、課税最低限、満足していますよというのでね。いやこんなメニューじゃ肉は食えないというんで問題になったこともあるんだけれど も、少なくとも二十八年前はそういうことで課税最低限、基礎控除全部合わせて、控除全部合わせて食べられますよと発表したことがあるんだから。大蔵省どうですか、この月十四万五千円で食べられるメニュー、発表する勇気はありますか。
○政府委員(濱本英輔君) 多少繰り返しになって恐縮でございますけれども、所得税の課税最低限と申しますのは、ただ一つだけの基準ではなくて幾つかの基準、例えば生計費も重要な要素でございますけれども、財政需要でございますとか所得分配の必要性でございますとか、そういうようなものから決まってくる概念とお考えいただいてよろしいかと存じます。 例えば、シャウプ勧告などの指摘の中にも既にございましたけれども、政府もまた根本的に生活に不可欠なものであるという表現がございまして、これは国の公共サービスの対価という面も含めてこの問題を考える必要があるということかと思いますが、つまり食事や住宅のために代価を支払わなければならないと同じように、人々が日常生活を営みますためにはそのための政府の費用も分担しなければならないという考え方が既にそのときにも示されておったかと思うわけでございます。 ただ、振り返ってみますと、生計費を非常に重視するというか、重く念頭に置いた時期も確かにございました。上田先生から今御指摘がございました大蔵省メニューというものをお示ししたこともございました。 これはどういうものであったかと申しますと、その当時のものを見てみますと、生計費というのはどういうものか、これは必ずしも一義的な基準があるわけではないと当時も思っておったわけでございます。社会常識的に是認される基準というのをきちっと想定するということはなかなか難しいことではあったけれども、当時やりましたのは、国立栄養研究所に献立をつくってもらいまして、それに基づいて計算した食料費をもとにして家計調査資料から得られたエンゲル係数を加味して計算したものでございました。 これをお示ししましたところ、これは内部のチェック資料として最初考えておったもののようでございますけれども、いろいろな誤解を受けるということになりまして、つまりこういうものが独走して、いわば機械的、一義的な計算で課税最低限というものを計算していくということではないはずであるということから、こういった資料の提出を差し控えるようになったということでございます。 そういう事情がございましたことが一つと、今お尋ねがございましたように、先生のお示しになった家庭で計算して、例えば十二月分として、それを十二で除した数字というものを現に一般の生計費と比較をなさるということでございますが、白色申告者の家庭におきましてそういう計算をいたしますことにつきましては、やはり先ほどちょっと申し上げましたような限界があるように私は思いまして、ようお示しする自信がないということでございます。お許しいただきたいと存じます。
○上田耕一郎君 生計費非課税の原則が余りにも明白に破られているんで示せない状況になっていると思うんです。この問題でもやっぱり総理の決断が大事だと思う。 私ども日本共産党は、業者に限らず、サラリーマン世帯を含めて、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、三控除をせめて四十五万円に引き上げろと。そうすると二兆円の所得減税。これでもまだ生活保護基準に達しないんですよ。せめて三十五万円を四十五万円に引き上げるべきだと。これでしかし、平均五、六万円の減税になりますよ。 また、生計費非課税というんなら、三年前の総選挙での政府・自民党の公約でもあった消費税の食料品非課税、これはやるべきだと思うんです。これで減税額五千億から六千億円になる。 総理、決断を望みたいと思います。
○国務大臣(林義郎君) 上田委員の御質問ありまして、政府委員からいろいろ御説明を申し上げました。私もこの税というのは、総理がおっしゃいましたように、常に課税最低限というものをいろいろ考えていかなければならない問題だろうと思いますが、先ほど申しましたように非常に計算上難しい問題、どの程度のところに見るかというのも私は税の立場としてはやはりよく研究しなければならない問題だろうと思っておるところであります。 今、消費税につきまして食料品の非課税をしろと、こういうふうなお話がございましたけれども、これはもう委員御承知のとおり、長年にわたりましていろいろと議論のあったところでございますし、国会におきまして各党でお話をされた上で、これはやらない、こういう食料品だけの非課税はやらないと、こういうふうな結論になっておるところのことは御承知だと思います。 できましたならば、政府委員の方から詳細な経緯を御説明させたいと思いますが、いかがでございましょう。
○上田耕一郎君 設備投資がGNPの二割ですよね。家計消費はGNPの六割ですから、今の深刻な不況、原因はもう一々申し上げませんけれども、打開するためにはやっぱり中小業者、それから働く者、勤労者、こういうものの懐を暖かくすること以外に不況打開の道はないですよ。ですから、私はきょう中小企業問題とそれから庶民への減税、単なる戻し税一回だけじゃなくてやっぱりこの基礎控除の拡充というところで所得税減税やるべきだ、これは不況打開にも通ずるということを強調させていただきました。 次に移ります。無年金障害者問題。 厚生省、国民皆年金と言われているけれども、膨大な数の無年金者がいる。その実態はどうか。特にその中で障害者で無年金の大変悲惨な人々がいるんですけれども、それについて実態を把握しているか、お答えいただきたい。
○政府委員(佐藤隆三君) ただいまお尋ねの無年金者はどのぐらいいるかということでございますが、実は無年金者につきましての正確と申しますか、そういった統計というものがございませんで、私どもいろいろその辺のどういうような把握をするかというようなことを苦慮しているわけでございますが、一つの推計と申しますか、国民生活基礎調査の結果から推計いたしますと、平成三年度におきましては六十五歳以上で年金を受給していない方が八十数万程度、このように見込まれるわけでございます。 また、それでは障害者の方で年金を受給していない方の人数ということになりますと、今申し上げましたように年金それ自体の受給状況というものの把握が難しいということもございますし、障害の問題になりますと、障害の程度が年金制度で定める障害、それよりも軽度の場合もあると、こういったような問題もございましてその辺の把握が極めて困難でございまして、実態につきましては事実上そういう把握が困難であるということでございます。
○上田耕一郎君 今、八十数万と言ったけれども、ある学者は五百万という数字さえ紹介している例もあるんですよ。 私は、共産党の国会議員団の国際障害者年の推進委員会責任者を十年やっている。私個人も、実は長女が交通事故で首の骨を折って一級障害者になりまして一層障害者問題に取り組み始めたんだけれども、うちの場合なんかやっぱり年金もらっているからいいです。ところが、脊損の障害者で年金なかったら、これは悲惨ですよ。訴えも受けているんですけれどもね。 それで、無年金障害者の問題、ここに鈴木静子さんという方が代表でおやりになっている無年金障害者の会のアピールや実態調査結果がある。鈴木さんにも私お会いしましたけれども、この本を見ると、十七の原因で無年金障害者が生まれているというケースがある。厚生省、無年金障害者が生まれる主なケースはどういうわけですか。
○政府委員(山口剛彦君) 御承知のとおり、我が国の年金制度は社会保険方式をとっておりますの で、制度に加入をしていただきまして保険料を納めていただく。その制度の加入中のいわゆる保険事故、御指摘の場合は障害ということになりますけれども、保険事故が発生をいたしましたときに、一定の拠出要件を問うて年金を支給するという仕組みに原則なっております。 したがいまして、障害になりましても年金は受給できないという最も典型的なケースは、保険料を納めていただけない、滞納をしている期間に障害になった場合は無年金になります。それから、学生あるいはサラリーマンの妻の場合につきましては、かつて保険制度に任意加入という時代がございました。したがいまして、任意加入をしておられないときに障害になられたというケースにつきましては年金が支給されません。それからもう一つのケースといたしましては、在日の外国人の方々につきましては、国民年金がかつて国籍要件を問うておりましたので、それ以前の在日外国人の方で障害になられたケースにつきましては年金が支給をされない。そのほか細かなケースがございますけれども、典型的にはそういうケースでございます。 ただ、・ただいまの制度におきましては、学生、サラリーマンの妻、それから在日の外国人につきましても強制適用ということになりましたので、保険料の滞納のない限り年金制度でカバーされるということでございます。
○上田耕一郎君 今、四つ原因を挙げられたが、大体そういうことが多いんですね。特に問題にしたいのは、私は学生とサラリーマンの妻のケースなんです。当時任意加入だったわけね。だから、この鈴木静子さんなんかもそうで、ただ任意加入だからまあ払わなくてもいいだろうと。罪にはならないわけでしょう。六十五歳か六十歳から年金もらえると思っているわけだけれども、まさか自分が障害になると思わない。障害になったときに障害年金ももらえませんよということを知らぬわけですよ、みんな。そこで障害になると無年金になっちゃう、任意加入だったのに。だから、厚生省もこの矛盾に気がついて強制加入にされたわけね。九一年四月から学生。サラリーマンの妻は亭主が厚生年金、奥さんは任意加入なのが払わないと、奥さんが障害になると無年金になっちゃうわけですよ。それで八六年以後強制加入にしたわけね。 そうすると、今はだからそういう問題は起きないけれども、任意加入時代の学生あるいはサラリーマンの妻で障害になって無年金で苦しんでいる方を何とか助けなきゃならぬと思うんだな。やっぱり制度の谷間に落ち込んじゃったわけだから。これは当時余りみんな知らないですよ、国民年金の制度についてもね。 そういう救済はこれまでも政府は考えてきたので、特にこの無年金障害者のケース、これは特別なケースで、矛盾が非常にはっきりしていて苦しみは大きいわけなので、この救済の方法を厚生省、政府として検討してほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(山口剛彦君) 今、先生御指摘のような経緯を経まして学生あるいはサラリーマンの妻につきましても強制加入という制度に改正をいたしたわけでございますが、かって任意加入でされなかった期間につきまして、そのときの保険事故について年金を給付するということになりますと、そういうケースもあるだろうということで任意加入をされた方々が大勢おられるわけですから、そういう方々との均衡というようなことを考えますと、やはり任意加入をしてない期間についてその時期の保険事故につきまして救済をするということは我が国の年金制度が基本的にとっております社会保険方式の基本に触れる問題でございますので、御指摘の問題はわかりますけれども、制度の基本に触れる大変難しい問題だと。御理解をいただきたいと思います。
○上田耕一郎君 先日も無年金障害者の方が厚生省と交渉をした、今のバランスということで。わかりますけれどもバランス上できないと言うんですよ。だから、僕は局長の答弁ではあそこまでしかこないんだから、やっぱりこれは厚生大臣、政治の問題ですよ。厚生大臣と首相、この救済を検討するという態度は示せませんか。厚生大臣と首相にお願いします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいま年金局長から御説明を申し上げましたように、この問題は我が国の年金制度の根幹にかかわる問題でございます。いろいろな事情ということは、それなりに御指摘のことは私も理解はいたしておるわけでございますけれども、しかし現実に任意加入制度のもとにおいて保険料を支払っておられなかった、こういう方とのバランスの問題もございまして、現時点においては極めて困難でございます。
○上田耕一郎君 しかし先日、六カ月の滞納問題で無年金になった山梨の鈴木さんに対する救済措置を初めて今回社会保険審議会で措置したんでしょう。だから、いろいろかたいことでしゃくし定規なことは言わないで、やっぱりそういう制度の谷間で苦しんでいる人たちに対して救済措置を検討するという方向をなぜとれないんですか。それが僕は政治だと思うんですがね。首相、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 制度の谷間とおっしゃいますよりは、制度があってそれに加入をしていない人の問題でありますから、私は谷間の問題ではないと思うのでございます。冷たいことを申しますようですが、理屈としてはやはりそうなるのではないかなと思います。
○上田耕一郎君 なかなか温かい政治が聞こえない。これは今の宮澤内閣の根本問題に触れるんですよ、こういう問題は。今後この問題をさらに追及していきたいと思いますけれども、いよいよ時間がなくなってまいりました。 僕は、大型輸送船、それからAWACSの問題、これを取り上げたいと思ったんですが、AWACS、さらにこの大型輸送船、今度の予算に入っているんですけれども、これは八千句トンで、今までの輸送船の四倍近い大きなもので、しかも戦車を積んで上陸する上陸用舟艇を二隻ドックに積んだものだと。 僕は、法制局長官に憲法問題についてお伺いしたい。戦車を積んで上陸するといったら日本じゃないですよ。外国に戦車を積んで上陸するような大型輸送船を何でつくるのか。そういうものは今まで政府の解釈で言っていた必要最小限度の自衛措置の範囲を超えるのではないかと思うんですけれども、憲法上の見解を法制局長官からお伺いします。
○政府委員(大出峻郎君) お答えを申し上げます。 政府は、従来から、自衛のための必要最小限度を超えない実力を保持することは憲法第九条第二項の規定によって禁じられていないけれども、右の限度を超えるものは同項つまり九条二項によってその保持が禁止されているというふうに解してきたところであります。このような考え方から、個々の兵器の保有につきましても、それが禁止されているか否かというのは、当該兵器の保有によって自衛のための必要最小限度の範囲を超えることとなるか否かによって判断すべきものというふうに理解をしてまいったわけであります。このような観点からいたしますというと、従来しばしば答弁されたところでありますけれども、性能上専ら相手国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられるいわゆる攻撃的兵器というものを自衛隊が保有するということは、これによって我が国の保持する実力が直ちに自衛のための必要最小限度の範囲を超えることとなるということから、これはいかなる場合にも許されないというふうに解しており、このことは従来から一貫して政府が答弁をいたしてきておるわけであります。 そこで、ただいま御指摘の大型輸送艦、揚陸艦というものでございますが、これは我が国が島々によって構成されており、そして周囲を海に囲まれているというそういう地理的な特性から、所要の部隊を国府の所要の地域まで輸送するために導入されるものであり、また災害派遣や離島への輸送にも使用される、こういうふうに私どもは話を 聞き、承知をいたしておるわけであります。このような輸送艦を保有するということは、自衛のための必要最小限度の範囲内のものであるというふうに考えられるわけであります。したがいまして、このような輸送艦を保有することといたしましても憲法九条に違反することはない、こういう考え方であります。
○上田耕一郎君 もう時間がなくなりましたけれども、島に行くのに八千九百トンの輸送船要りませんよ。PKOの外国向けなんですよ。AWACSだって、七九年にE2C決めたときの防衛庁文書で適当でないとはっきり書いたのを今度は買うんですから。私はこういう点で、憲法の改悪問題が宮澤内閣のもとでいよいよ防衛庁の公然とこういう武器を導入する態度にあらわれていると思うんですね。 私は、今の激動期は核軍拡それから軍事同盟対抗の米ソ中心の覇権主義が破綻した結果生まれている大変な激動期だと思うんですね。そうすると、核兵器廃絶、軍事同盟なくせという方向に進むべきなんですよ、日本は世界で唯一の被爆国なんですから。 私どもは、憲法の平和原則を断固として守って、そして非核、非同盟の世界と日本をつくるために大いに頑張っていきたい。その決意を表明して、質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○委員長(遠藤要君) 以上で上田君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後一時再開することとして、暫時休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 ————◇————— 午後一時開会
○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。磯村修君。
○磯村修君 私は、民主改革連合を代表いたしまして、当面の問題につきましてお伺いしたいと思います。 私どもも、相次ぐ政治の非常に逸脱した問題、スキャンダル、こういう問題を取り上げざるを得ない。そしてまた冒頭に金丸元副総裁の脱税事件もお伺いしなければならない。金丸氏と私、同郷でございまして、大変伺うことも苦しい面もあるんですけれども、しかし政治を正していくためには正すべきものは正していかなければならない、こういう気持ちで、まずこの問題から入りたいと思うのであります。 金丸氏は機会あるごとに、政治は国家、国民のためにある、政治家はそのために奉仕していくんだ、こういう意味のことを申されておりました。そしてまた、与党自民党内におきましても中枢の立場にあり、政治に大きな力を発揮してきた。そういう政治家が今回のような問題を引き起こした。この衝撃は本当に日本列島を走ったと思うんです。そして、私自身も大変大きな衝撃を受けた一人でもあります。 かつて、政治家は貧しくとも国民は豊かに、こういう哲学を述べたある政治家がおります。全く政治の哲学というものはこの言葉に尽きると思うのであります。しかし、今の現状の政治というものは、この哲学は忘れ去られてしまって、本当に腐敗し切ってしまっている。国民の見る目というものも大変厳しいものがある。何とか一刻も早くこういう国民の批判を解消できるような状況に持っていかなければ政治と国民の間はますます距離が開いてしまい、本当にこれ心配される事態になってくる。こういうことを考えますと、我々一人一人の議員が真剣に政治改革というものに取り組んでいかなければならないという決意を持つわけであります。 そこで、総理にお伺いしたいことは、総理はみずから副総裁にお迎えになった方でありますけれども、先ほど私が申し上げましたように、政治家は貧しくとも国民は豊かになれ、しかし今はその実態とはかけ離れている。こういう現状をどういうふうに認識しておられるか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 過日来申し上げていることでありますが、ただいま磯村委員の言われましたようなお人でございますだけに、余計に遺憾に、残念なことだと考えております。
○磯村修君 今の総理の言葉を聞いておりますと、果たしてこの言葉を聞いている国民の側が本当に総理は遺憾と思っているのか、こういうふうな気持ちを持って今いられるんじゃないかと思うんです。 やはりこういう事態に対して、本当に国民と政治との間の距離が離れてしまって、しかも政治哲学というものが忘れ去られてしまっているこの現状を切々と総理自体が私はこう思うんだ、こうすべきだということをやっぱり心からお話ししていただきたいと僕は思うんですね。何か通り一遍のように国民の側は受けているんじゃないか、そんな気持ちがしてならないわけなんです。 この政治の理念、哲学というものをもう一度我々が呼び起こすためにも、もう一度とにかく国民に向かって総理の言葉をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 遺憾という言葉を私は軽々しく申してはおりません。遺憾であり残念である、これで私は精いっぱいの表現でございます。問題は、ですから政治家の倫理の問題であり政治改革の問題である、それが焦眉の急になっておると考えるということは過日来申し上げておるところであります。
○磯村修君 ともかく総理がそうおっしゃられみ、それはそれとして私どもも受けとめます。 そこで、この問題につきまして、毎日毎日、国民が最も知りたいというさまざまな報道がされております、大変国民の側も複雑な気持ちでとらえていると思うんです。そういう意味合いからもやはりこの問題の中身というものは一体何だろうか、真実は何だろうか、こういうことはしきりと国民の側も知りたがっていると思うんですね。 法務当局のお話を聞いておりますと、これは捜査の段階であるという言葉によって説明なさっているわけなんですけれども、毎日毎日報道しているマスコミも厳しい報道合戦の中で調査取材をして、そして裏づけをして報道していることは当然だと思うんですけれども、その場合、検察に対してもやはり接触していると思うんですね。そして検察もまたある程度のことは私は報道陣にもお話ししていると思うんです。そういうことを考えた場合、なぜ国会で明確になっている部分だけでも御報告できないのか、こういうことを私は伺いたいんです。 国民も知る権利があるわけですから、そうした国民に対してぜひとも、今こういうことは明確になっているんだということだけでも言えないのか。知る権利を持っている国民は知らせる義務を持っている法務当局に対して求めているはずなんです。いかがですか。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 今、委員がお尋ねになっておられます事件につきましては、検察当局におきまして、金丸前議員らを去る六日に逮捕した後、国税当局とも連携をとりながらまさに事実関係を確定するための捜査を鋭意続けているところでございます。いまだ捜査を行っている最中にその内容を明らかにするということは、これはもう改めて申し上げるまでもないことでございますけれども、関係者の名誉等を害することも懸念されることはもちろんでございますし、また関係者の口裏合わせ等の罪証隠滅工作を誘発させるなど捜査の遂行そのものに支障を及ぼすおそれがあるわけでございます。 現段階におきましては、どういう事実が確定されているか等々の事実関係がどうであるかということを含めまして、具体的な捜査の内容に関してはお答えを差し控えさせていただきたいと思うわ けでございまして、御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○磯村修君 その点につきましてもう一つお伺いしたいんですけれども、そうしますと、検察の捜査の内容を国民の側に公表できる時期というのはいつになるんでしょうか。そしてまたもう一つ、今非常にマスコミがさまざまな報道をしておりますけれども、こうした報道を検察当局は重大視してこれからの捜査にも考えていくということにもなりましょうか、お伺いします。
○政府委員(濱邦久君) これはいつも申し上げていることでございますけれども、検察官の職責につきましては、これは十分御理解をいただいておりますとおり、犯罪の捜査をし、刑事について公訴を行い、裁判所に法の正当な適用を請求するということを重要な職責としているわけでございます。 犯罪を捜査するために必要とするあらゆる取り調べをすることが許されているわけでございまして、場合によりましては令状を得て被疑者を逮捕して、また他人の住居について捜索をし、証拠物の差し押さえをするなどの強制処分を行うことができる、これはもう当然のことでございます。このような強い権限に基づきまして犯罪の捜査を行うわけでございますから、人の秘密にわたる事項に触れるのはもちろんのこと、取り調べの内容につきましても秘匿を要すべきものがあるとともに、また他面、捜査の遂行上、その捜査の方針、技術、方法など秘密とすべき事項もあるわけでございます。 つまり、検察が具体的事件の捜査の内容を秘匿しなければならないということは、他人の名誉を保護しようというだけにとどまらず、捜査の内容自体を秘匿しなければその職務の遂行そのものに支障を来すわけでございますし、現在及び将来における検察の運営に重大なる障害をもたらすというおそれがあるわけでございまして、そこのところを十分御理解いただきたいと思うわけでございます。 今、委員がお尋ねになっておられます具体的事件につきましては、捜査を現在進めているところでございますし、もちろん捜査処理が終わりました段階におきまして、例えば国会から正式の御要請がありました時点において、もちろん国会の国政調査権の行使に御協力すべきことはかねがね申し上げておりますとおり当然のことでございますから、法令の許す範囲内においてできるだけの御協力をしなければならないわけでございますから、具体的事件の捜査処理が終わった時点におきまして国会の御要請がありますればその段階でどういう御協力ができるかを検討させていただきたいと思うわけでございます。 従来そういう観点から、国会の国政調査権の行使に御協力するという観点から法令の許す範囲内でお答えを申し上げ、また捜査結果の中間報告等を申し上げてきたというふうに理解しているわけでございます。
○磯村修君 こうしていわゆる実力者と言われる政治家の手元に巨額のお金が入ってくる。国民の目から見ると大変これは不思議に思う。まあそういう立場に立つ政治家というのは、豪邸もあれば豪華な車に乗っているというのが一般の国民が見ている目なんですね。そうしたお金がどうしてそうした政治家の手元に入ってくるのか、そういう問題を解明しない限りこの政治の浄化というものはでき得ないと私は思います。政治家にお金を出すということは、つまり何かに見返りがあるからという期待感がある、額が多ければ多いほどその期待感は強いということも言えるんじゃないかと思うんですね。 そこで、先ほど午前中の総理の御答弁の中で、そういう金の問題も含めまして派閥政治というものの弊害をなくしていかなきゃならないというふうな御答弁がございました。それは当然のことだと思うんです。 また、もう一方で私考えられることは、余りにも権力というものが中央に集中し過ぎている、そのために問題が起きるんだという見方もあるはずなんです。そういう観点から地方分権というふうな問題にも触れていきたいと思うんです。 今、資料によりますと、中央に集中している許認可権というのが一万件を超えているわけなんですね。これが毎年毎年何件だか、とにかくいろいろな関係のものが許可あるいは認可されていくはずなんですけれども、そうした中央が握っている許認可権というもの、やはりこれをめぐっていろいろな政治家の力というものがその許認可権に対して働く。そういう面もこれまでのいろいろな政治のスキャンダルを起こしている一つの要因ではなかろうかと思うんです。 そうした意味合いにおいて、この許認可権というものはやはり地方に分散して、できるだけ中央集権というものをなくしていかなければこの実態というものは改まらないんじゃないか。これは私も考えるし、大方の人も考えていると思うんです。しかし、この地方分権というのもなかなか遅々として進まない。 そこで、これは自治省でしょうか、地方分権というものは今どういうふうな形で行われているのか、また推進しようとしているのか、その辺をお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(村田敬次郎君) 磯村委員にお答えいたします。 地方分権あるいは地方自治というのは、自治省が主として所管をしておる問題でございますが、もちろんこれは総理、内閣、そして各省の問題でございます。 この問題につきましては、地方分権、地方自治、戦前から言われておりますけれども、戦前はいわゆる制度が別でございまして、ドイツあるいはフランス等の大陸系の中央集権の地方制度が盛んでございました。しかし、戦後米英法系の法律体系が非常に取り入れられて地方分権というのは非常に盛んになってきておりますが、委員が御指摘になったように、実態的には許認可権が決して大しておろされていないという実態がございます。したがって、例えば一極集中、人も金も物も情報も全部東京に集まっているんじゃないかという御指摘があり、これに対して国土庁、自治省等がよく相談をしながら多極分散型の国土をつくらなきゃならない、こういうことを言ってございます。 特に、都道府県、市町村を管轄する自治省といたしましては、広域行政という要請が非常に強くなっているんですね。四十七都道府県の制度がありますけれども、これはもう例えば東京圏、大阪圏においては府県の区域を越えて処理しなければならない問題が非常に大きくなっておる。したがって、これは道州制をやったらどうかという大きな問題があります。ただし、道州制は例えば自治体でない国家的性格を有する道州制であればこれは屋上屋を架することになりますから、当然自治体としての道州制ということになりましょう。そうすると、全国的に見てみると、まだ農山村圏においては広域行政の必要性が東京圏や大阪圏ほどは強くございません。したがって、これ全体を見渡して、地方制度調査会でございますとか、あるいは行革審でございますとか、非常に新しい制度をつくっていこう、見直していこうという考え方が強くなってきております。 それから、市町村については、明治の初めは七万ぐらいあったんです。それが昭和二十年代には一万数千になり、現在は三千数百ということになっております。これは政令都市というような制度もございます。これは同じ市であっても、ほかの市よりも自治権が非常に強い。政令都市の制度と、それからもっと規模の小さい市等においてもひとつもっと地方自治を強くできないかというので、いわゆる中核都市というような制度も考えておられます。それからまた、パイロット地域というような制度も考えておられます。これは先ほど来申し上げました地方自治制度の研究や行革審等においていろいろ模索をしておるところでございまして、私は新しい行政改革の重要な一環であると思っておりまして、委員の言われるようなこういう御議論をしっかりといただきたい、このよう に考えております。
○磯村修君 そういう意味合いにおきまして、いわゆる政治をよくしていくということと、あるいは行政改革、こういう両面から地方分権ということは真剣に取り組んでいく必要があると私は思うんです。 そういうことから、総理にもお伺いしたいんですけれども、今の予算の分捕り、よく予算の編成期になりますと全国からたくさんの方が上京してきます。東京に来ます。そして、それぞれの与党あるいは政府あるいは議員のところに陳情に来ます。ああいう姿あるいは誘致合戦、余りにもこういう状況を見ておりますと、民主主義という立場で考えた場合、これほど中央に頭を下げてこなければどうにもならぬのか、こういう姿を非常に私悲しく思うときもある。やはり、そういう意味合いからもぜひとも地方の活性化とか、先ほどから私が口酸っぱく言っておりますところの政治をよくしていくためにも、地方に活力を持たせていくためにも、行財政改革のためにも、やはりこの地方分権というものを真剣に考えていく必要があるのじゃないかと思うんです。 中央省庁の官僚が非常に壁が厚いとよく言われます。しかし、そういう頭、考え方を改めていただいて、目を地方に向けてほしい。あるいはまた、政治をよくしていくための方向に向けてほしい。そういう意味合いからも、この地方分権を積極的に検討していく決意を総理にひとつお伺いしておきます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど自治大臣がお答えになられたとおりですが、やはり官から民へということ、あるいは中央から地方へということが、今の我が国にとって極めて大事な権力の分散、移譲であるというふうに思っています。 殊に中央と地方の関係ですけれども、今もおっしゃいますように、行政事務の再配分をする必要が確かに緊切でありますが、同時にそれは財政、財源も再配分しませんと、恐らく行政だけ再配分をするということは難しいのではないか。したがって、行財政の中央、地方の間の再配分ということを心がけなければならない。これは非常に大きな問題で、戦後何度も言われ今日まで十分に実現していない、残念なことですけれども。しかし、これはどうしてもやらないと、私は生活大国というようなことを申しますけれども、殊に地方の住民にとって身近な行政はやっぱりその地域でやってもらうのがいいのですし、国全体としてのいわゆるナショナルミニマムというものももう大体できておるわけですから、それは地方にいろんなことを譲っていく時期が私は来ているというふうに思います。
○磯村修君 こうしたいろんな政治スキャンダルというものもある中でのことですから、政治をよくしていくためにも、ぜひ積極的にそういう問題に取り組んでいただくことをお願い申し上げます。 それから、国税当局にお伺いしたいのでありますけれども、過去十年間くらいの中で、資本金一億円以上の企業を対象にして毎年いわゆる使途不明金について調査をしていると聞いておりますけれども、この十年間にどういう実態であったかをお示しいただけますか。
○政府委員(瀧川哲男君) 私どもの国税局の調査課というところが所管しております法人、これは今おっしゃったとおり原則として資本金一億円以上の法人を所管しておるわけです。 こういった法人につきまして、昭和五十七事務年度から平成三事務年度までの十年間に実地調査を行って、その中で把握した使途不明金について申し上げますと、実地調査を行った法人四万八千九十九件、年平均約四千八百十件になります。そのうち使途不明金が把握された法人は七千百八十二社、年平均で七百十八社でございまして、使途不明金の総額は四千七百六十五億円、年平均にして四百七十七億円、こういうことになっております。
○磯村修君 今言われた金額の中で、企業がいわゆる政治家にやみ献金した額というのはどのくらい占めているんでしょうか。
○政府委員(瀧川哲男君) 使途不明金というのは、一般に例えばリベートであるとか手数料であるとか、あるいは交際費等に充てられていると思いますけれども、使途不明金の総額四千七百六十五億円のうち約八割に当たる三千七百七十六億円、これにつきましては要するに使途不明でございまして、使途を残念ながら解明するに至っていないわけでございます。お尋ねの政治献金にどのくらい充てられているかということは、残念ながら申し上げることができないわけてございます。 ただ、私ども調査によりまして使途が判明した部分も九百八十九億円ほどございます。このうち昭和五十九事務年度以降につきましては、政治献金と見られるものの計数を私ども把握しております。平成三事務年度までのこれは八年間になりますけれども、その合計は百五十二億円、年平均にしますと約十九億円ということになります。
○磯村修君 私ども考えれば、こういう使途不明金というのが、やみ献金とかいろんな問題を引き起こす一つの要因にもなろうかと思うんですけれども、使途不明金というのはいわゆる課税対象というだけで済まされているわけでありますか。
○政府委員(瀧川哲男君) 私ども、今申し上げた使途不明金のうち、例えば明らかに政治献金であるということが確認できたものにつきましては一般に寄附金として取り扱いまして、そして支出した、つまり受けた支出先に対しましても課税することとしているわけでございます。しかしながら、残念ながらその支出先に課税できるほど十分に確認ができなかったというものについては、やむを得ず使途不明金として支出した法人に法人税を課税するということでやっているわけでございます。
○磯村修君 こうした使途不明金というのは認めることはできないということはできないんですか。
○政府委員(瀧川哲男君) 私ども国税当局としましては、真実の所得者に課税するということが税務行政に課せられた本来の役割であると考えておりまして、そういう意味では使途不明金として支出元にいわば代替課税をするということは、それ自身は確かに課税上問題があるとは思っておるわけでございます。ただ、税務調査がいわゆる任意調査ということを基本にしておりますところから、どうしても支出先を言わないといういわゆる使途不明金の使途の解明というのは大変難しいことでございまして、これもまた真実であるわけでございます。 私どもとしては、できるだけ使途不明金の使途の解明、すなわち真実の所得者の解明ということに特段の努力を図っているわけでございますけれども、どうしても私どもの最大限の努力をしてもなお企業の方がその使途を明らかにしないということもままあるわけでございまして、その場合には使途不明金として支出した企業の損金算入を認めないで支出法人に対して法人税を課税するということにしているわけでございます。
○磯村修君 そういう疑惑を持たれるようなこういう使途不明金というのは認めることはできないよというふうなことを検討したことはないんですか、そういうことは。
○政府委員(濱本英輔君) お尋ねは使途不明金というものが生じないように何か図ることができないかという意味でいらっしゃるかと存じますが、要するに、企業が支出しましたいろんな経費の中で、調査を行いましたところ本当にその使途がどういうことかわからないという事実が生じたと、その事実をどう処理するかということになろうと思いますが、基本的には私は何とか使途を解明するということが真っ先に心がけられるべきことだというように思います。 しかし、どうしてもその使途がわからないという場合もそれはあるかもしれません。その場合の処理としまして、今の法人税制の仕組みの限界はそれに対しては損金として処理することを認めない、つまり課税するということでございまして、 元ほど国税庁次長が答弁しましたように課税を現にいたしておるわけでございます。 ただ、さらに進みまして、何かそれに対してペナルティーを課すということができないだろうかという御議論も時々承らせていただいておりますけれども、基本的には使途不明金、この使途不明金の中にもいろんな種類があろうかと思いますけれども、やはり御指摘いただいておる問題の基本にあるものは経営者の方のモラルの問題、そういうことになるのかなという気がいたします。 その問題に対しますに、果たして税制上の措置によってどこまでのことができるのであろうかということを考えてみたことがございます。ございますが、なかなか税制の仕組みによってその問題を解くということは困難であるという気がいたしまして、しからば何かとあえて考えますと、一つは例えば商法上の措置として何か図ることができないか、また例えば刑法上の問題として処理をされるようなことではないだろうか。つまり、そういった世界の問題ではないだろうかというふうに考えておる次第です。
○磯村修君 こうしたよくわからない使途不明金というふうなことがいわゆるやみの政治献金を解消し切れない一つの大きな要因にもなるわけですから、こうした使途不明金という問題につきましては何か制度的に手だてができるようなことを知恵を絞って対応すべきである、こういうふうに求めておきます。 こういう意味合いからも、やみの政治献金というものを解消していくためにも、今の使途不明金の問題も含めましてやっぱり企業献金というものは考えていかなきゃいけない、企業献金というものはない方がいいんだ、こういうふうに結論づけることもできると思うんですね。そういう意味合いから、企業献金の禁止ということにつきまして、総理、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 企業献金というものについて、これは先日もここで御議論がございましたけれども、常に引用されますのはいわゆる八幡製鉄に対する最高裁の判決、企業というものも社会的な存在であるので献金をすること自身が一概に悪いとは言えないという趣旨のものでございますけれども、しかし、それはそれでおのずから節度というものがあるだろうということはこれは常識として考えられることでありますし、今私どもの党内でもその問題いろいろに議論をいたしております。なるべく政党中心の選挙にすべきであるということからいいますと、企業が個人に対して非常にしばしば献金をするということは果たしてどんなものであろうか、政党に対するものはこれはまた多少意味合いが違うだろうといったような議論をいろいろにしておりまして、個人に対するものはできるだけ制限的に考えていきたいというような議論も党内では大分出ております。 いずれにいたしましても、この辺のことは整理いたしまして法改正の問題として国会に御提案をいたしたい。各党もいろいろ案をお持ちでございましょうから、その上で、政治改革の一環として成案を得たいというふうに考えておるところでございます。
○磯村修君 相次ぐ政治スキャンダル、これまでいろいろ国会でも論議されてまいりました佐川問題におきましても、あるいはまた竹下元総理の問題につきましても、特に竹下元総理のことにつきましては、いろいろな議論の中で総理は非常に捜査とかあるいは司法とかという枠の中でお答えになっている。 しかしながら、国民の側に立ってみますと、それはそれとしても、やはり一国の総理をお務めになった政治家が問題を起こした、問題を起こしている疑いがあるというふうな状況になったときに、それはやっぱり一選挙区から出てきている私どものような一政治家ではなくて元総理、一国の総理大臣を務めたという立場のある方であるだけに、これは捜査とかあるいは司法の枠というだけのことではなく、やはりここに道義的とかあるいは政治的とかそういう立場の責任というものも問われなきゃならないはずである、こういうふうに国民の側は受け取っているんです。 ですから、総理はそういう枠の中でお答えになっても、国民は決してそれを満足に受け入れられない。それだけの政治家であったならば社会的、道義的責任は一体どうなんだ、こういうふうなことにもなるわけなんですね。そういう政治家の政治的、道義的責任の重さというものがあるわけですから、そういうものも明確にしていかなければ政治に対する国民の不信感というものは払拭することはできないと思うんです。総理、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに、仰せのように私は捜査とか調査とかいうことの枠内でここで物を申し上げておるわけでございますけれども、それは私の職責からそうなるというふうに考えております。 他方で、今、具体的な竹下元総理のことについてお話がございました。普通の議員とは違うと。私は、それはさあどうだろうか、どの議員でも選挙民から神聖な負託を受けて出てくるわけでございますからその点に軽重はないと私は思いますけれども、しかし、おっしゃるように総理も務めた人であって、おのずからそこに道義的な判断というものはあるべきじゃないかとおっしゃいますことは、結局それはまさにおっしゃいますように道義の問題になると思います。 道義の問題というのは、これはよそから押しつける問題ではなくって、自分自身が考えるというものが本来道義というものであろうと私は思っておりますものですから、私の立場から自然、法の枠の中でお答えを申し上げている。それは、飽き足らないと思われる国民もきっとおられるだろうということも私はわかっておりますけれども、しかし私が勝手に道義というものを議論していいというふうには自分は思っていないものでございますので、その点は御理解をいただきたいと思います。
○磯村修君 こうした佐川問題等の真相究明ということは、これからの政治を正していくという意味合いにおいて大変重要なことでもあり、政治改革ということを論議する以上やっぱり真相の解明というものは絶対にこれを置き去りにすることはできない。真相を解明して、そしてそれを教訓としてこれからの政治改革に役立てていく、これが議員一人一人の責任である、こういうふうに思います。 そこで、民主改革連合としては、次の六人の方を証人喚問することを要求しておきます。 まず今問題になっておりますところの金丸前副総裁、それから竹下元総理、それに魚住衆議院議員、さらに元平和相互銀行の監査役の伊坂氏、そして川崎定徳社長の佐藤茂氏、以上の六人を民主改革連合として証人喚問することを要求しておきます。 いかがですか、委員長、今の要求について、委員長としてよろしくお願いします。
○委員長(遠藤要君) この点は、さきにも要請がございましたが、今、理事懇において協議のさなかでございまして、できるだけ早く結論をつけていただこうということで委員長も努力いたしたい、こう思っておりますので、御了承をちょうだいいたします。 なおまた、重ねて委員長から申し上げますが、各党共同の中で出されておる証人と今の証人は重複しているようですが、改めて、あの共同要請と分離して、改革の方ではあれから外れて別に抜けて出されるのかどうかということでございますね。一応、さきに出されておるわけです。それがまた今改めて要請されるということになると、あの仲間から外れて別に出すんだと、こう理解していいですか。
○磯村修君 中身は、全く内容同じでございまして、一緒でございます。
○委員長(遠藤要君) ああそうですか、わかりました。
○磯村修君 ちょっと一息ついたところで次の問題に移りたいと思うんですけれども、やはり私ども先ほど来申し上げましたように、政治をよくし ていくためには政治改革をしていかなきゃならない、いろんな制度というものを改めていかなければならないということにもなるわけなんです。 そこで総理にお伺いしたいんですけれども、政治改革関連法案というのが今国会でこれから予算が成立すれば論議の道になっていくと思うんですけれども、これはやはり審議の過程の中で、総理としては選挙制度だとかあるいは政治資金の問題とかというふうな幾つかの、四つぐらい法案を与党の方で考えているようなんですけれども、これはやはり一括して審議していくべきものであるとお考えなんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ここへきまして政治改革の中で政治資金の問題が殊に大事であるという認識が内外に高まっておりますことはよく存じておるわけでございますけれども、そうであればあるほど、実はその問題は選挙についての公費助成という問題と切り離せないことになってくるように思います。そういたしますと、公費を助成する、それを受け取る側はいわば政党ということになろうと思いますけれども、そういう問題であるとかあるいは選挙制度の問題であるとかいうこととまた切り離せないという関係に立ちますので、今政治資金のことについて非常に関心が高くなっておることはよくわかっておりますが、そのゆえに、むしろ全体の問題を取り扱わないと、そこだけの処理が抜本的なこととしてはできにくいんではないか。 そうであれば、政治改革全体がもともと焦眉の急の問題でございますから、やはり全体として考えるべきではないかと私自身は思っておりまして、実は私どもの党で今そういう考え方で法律案の作成をいたしておるのでございますけれども、これはいずれ衆議院に提出をいたしまして、その段階で恐らくは他の党もおのおの案を具して出てこられると考えますので、これをどう扱うかはこれは政府の問題ではなくて実は院の問題でございますけれども、各党の御議論の中からどういうふうに成案をつくっていただくかということになろうと思います。 私どもとしては、やはり全部を一括して考えることが適当ではないか、そういう考えをただいま持っておるところでございます。
○磯村修君 私、先ほど証人喚問の要求の中で、六名と言いながら五名しか述べていなかったようでございまして、大変申しわけございません。一人、八重洲画廊の社長の真部さんを追加しておきます。よろしくお願いします。
○委員長(遠藤要君) 重ねて申し上げておきますが、共同提案のメンバーですね。共同なんでしょう。
○磯村修君 そうです。
○委員長(遠藤要君) 別個に改めて分離してやるんだという申し入れではないんですね。
○磯村修君 ありません。
○委員長(遠藤要君) そうですか。
○磯村修君 今の問題なんですけれども、一括審議ということは大変結構なことなんです。これはそのとおりにいけばいいことなんですけれども、やっぱり国民は何とか政治改革を急げと言っているわけですね。そうしますと、どうしてもこの選挙制度というものになってきますと、いろいろ議論が分かれている内容のものなんですね。そうしますと、その論議に引きずられていきますとなかなか決着がつかなくなってしまう。そうすると、制度も先送りになってしまって改革ができなくなるんじゃないかという心配もあるわけなんですね。 特に今求められていることは、政治家みずからが律することからやりなさいということだと思うんですね。そういう意味合いからいっても、選挙制度ということを引きずっていくよりかも、やはり私は資金の問題とかその他のことをできるところから進めてやることも一つの方法ではなかろうか、こういうふうに思うわけなんです。ですから、やはり何かなかなか話し合いがつかないような問題に引きずられていくことはとにかく先に進むことが難しくなるので、まず国民の側から見れば金の問題を、とにかく透明度を高めろということですから、そういうできることから、また政治家みずからが戒めていくものから順次やっていくというそういうことから合意して制度を改めていく、こういうことからやるべきである、こういうふうに私は思うわけであります。 もう一度。 何かこう議論が分かれているわけなんです。総理は一括、私はいやそうじゃない方がいいんじゃないかと言っているんですが、これは平行線だろうと思うんですけれども、私の考えいかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 自由民主党が提案を申し上げようとしておりますのは、今の議論の動向では一括が適当だという方向を示しつつございますけれども、まだ最終ではございませんがございますが、他の党がどのような提案をされるかということはまだ未定でございます。 したがって、それらは恐らくは衆議院の特別委員会に付託をせられるかと思いますが、それからそれらの法案をどのように扱われるかということは実は院の問題でございます。どういうふうにまず衆議院において考えられるかという問題でございますから、私がこうあるべし、あああってはならぬと申し上げるには限度がございますが、自民党の考え方はやはり一括ということで御提案をいたす方向に向きつつあるというふうに考えております。
○磯村修君 要は、政治をよくしていこう、正していこうということにはみんな合意しているわけですから、その辺はやはり柔軟な姿勢を持っていかなきゃいけないんじゃないか、私はこういうふうに思っております。ですから、そういう意味合いにおいても、合意できることからやっていこうという柔軟な姿勢を与党の皆さんも持ってほしい、また総理も、もちろん総裁としてそういうお考えをぜひ持ってほしいということを求めておきます。 それから景気の問題でございますけれども、今の景気の動向というものは、きのうは経企庁長官は、前半は公共事業、住宅投資がこれからの経済を引っ張っていく、後半は消費が上向き設備投資等もだんだん上向いて国民は回復感を持つというふうなことを言われております。今の不況というのは私どもは消費不況というふうにとらえておりまして、去年の秋ごろから次第に生産が調整されてきて、そこに所得が減少してきて次第に消費が伸び悩み消費不況に陥ってきた、こういうふうなとらえ方をしているわけなんですね。 そこで、やはり今の不況というのはいわゆる生産調整によるところの所得減少、こういうことが大きな要因の一つにもなっていると、私どもはそういうふうに考えているんですけれども、大蔵大臣、この不況というものを今どういうふうにとらえているんでしょうか。
○国務大臣(林義郎君) 磯村議員の御質問にお答え申し上げます。 きのうも経済企画庁長官からお話をされましたようなことで大体いくんだろうと私は思っていますが、今回の不況の問題は相当根深いものがある。 もう一つ申し上げますならば、単に景気循環的な産業経済的な問題ではなくて、いわゆるバブルの経済が崩壊いたしましていろんな点できしみが発生したものだろう、こう考えておりまして、言われているところの複合不況だろう、こう思っているところでございまして、設備投資であるとか耐久消費財のストックの調整に見られるような大型な調整過程に入っている一方で、資産価格の大幅な下落で金融機関におきましても厳しい状況がある、こういうふうな私は状況になってきているんだろうと思いまして、いろんな点で施策を展開していかなければならないんじゃないか、こういうふうに私は現在の不況を認識しているところでございます。
○磯村修君 今回の新年度予算につきましても、いわゆる公共事業、公共投資重点予算というふうな内容のものであると思うんですけれども、公共 投資とかあるいは利下げとか、そういうことだけでもって今の不況を回復させるということは若干弱みがあるんじゃなかろうか。やはり生産調整によるところの勤労者の所得減少、こういうことから考えていって、消費不況という立場から考えますと、やはり所得減税というものを前向きに検討してもいいんではないか、こういうふうに私は考える一人でもあります。 政府はこの赤字国債の発行には抵抗しておりますけれども、やはりこれは景気回復のためには所得減税も、利下げあるいは公共投資と加えて三つが組み合わせになって景気を押し上げることができる。しかも、GNPの六割を占めているという比重の重い消費傾向でございますので、そういう消費というものを押し上げる意味合いからも所得減税というものがやはり一つの重要な位置にあるんではなかろうかと思うんですね。どうですか。
○国務大臣(林義郎君) 委員御指摘のように、消費不況と、こういうふうなお話でございますが、国民がどれだけ消費するかと。消費の実態につきましては、そんなに大きな落ち込みは実はしていないわけでありまして、消費というのはそんなに大きく落ちるものではないわけでございます。 ただ、今私たちが考えておりましたのは、この景気というのが先ほど申しましたようないろんな複雑な状況によりまして景気循環がなかなか波に乗ってくれない、したがいまして各人の労働者の所得であるとかその他の問題におきましても伸びがなかなかない、先行きがどうであるかというような問題がございますものですから消費が伸びていかない、それならば全体をどうしていくかということになりますと、直接的に消費についてどうだこうだということになりましたところで、なかなかいかない、消費を刺激する、じゃ消費を何かつけ加えてやろうか、つけ加えても今の段階ではやっぱり貯蓄に回る方が多いんではないかぐらいの実は考え方もありますものですから、やはり経済全体をうまく持っていくということが必要な手段であろう、私はこう思っているところでございます。 いわゆる所得税減税などというものにつきまして私はたびたびこの委員会でも申し上げましたし衆議院の予算委員会でも申し上げておりましたけれども、そういうことではなくて、全体としての経済を運営するためにはどうしてやったらいいかということを考えていかなければならないんじゃないか、こういうことを申し上げているところでございます。 特に、この所得税減税というような話にもなりましていわゆる赤字国債を発行してやらなければならないということになりますと、これは財政そのものの問題といたしまして、百八十二兆にも上るところの公債残高を抱えている、それにさらにつけ加えてやるようなことになったときに一体その負担をだれがするのか、子や孫たちが負担をしなければならないという問題について、現在にあるところの我々政治家がそれに対してどんな責任をとるんだ、こういうこともやっぱり考えておかなければならない、こう思っているんですが、将来についてもやっぱり私たちは責任をとらなければならない。現在の問題についても責任をとると同時に、将来の国民に対しても私たちは今の政治家として責任をとっていかなければならない問題じゃないかな、こう思っておるところでございます。 また、所得税一般の問題としては私はまたいろんな議論があるだろうと思うし、そもそも所得税をどうするかというような話というものはあると思いますし、これはまた長期的な観点でやっていかなければならない話かとも思います。単なる今の不況の問題だけからどうだこうだということでなくて、この不況においていろいろ出てきました諸問題というのはあるだろうと思いますから、そういったものも含めて私は議論すべきものはしていくべきものではないだろうか、こういうふうに考えております。 考えておりますが、先般、衆議院予算委員会で予算案を通過させていただいたときに、自民、社会、公明、民社の各四党で合意されましたことがございます。そうした中でいろいろとお話し合いをしていく、これから協議機関をつくって実行可能な案につきましてやっていくという話でございますから、そのことについて私たちは今見守ってやっていく、こういうことでございます。
○磯村修君 この問題につきましては機会を見てまだ論議したいと思うんですけれども、やはり与野党協議ということも行われるようであります。特に可処分所得の減少、これは勤労者にとっては大変痛みの多いところでもございます。赤字国債の発行ということを我々もやむを得ないなというふうな立場にはあるんですけれども、所得減税というものをいろんな知恵を絞って、かたくなにだめでありますよというんではなくて取り組んでほしい、こういうことをこの席では要望しておきます。 それから、労働省にお伺いします。これはもうこれまでのこの予算委員会の中でもいろいろ問題出て議論されておることなんですけれども、確かめる意味においてお伺いしておきたいと思うんです。 不況によって今非常に雇用調整ということが進んできておりますですね。既にこれまでの審議の中でも言われておりますように、卒業生の内定の取り消しとか、大変深刻な問題も出てきております。あるいは企業内の失業なんて言われるような状況もあるようであります。こうしたことが今は残業カットとか採用の抑制とか、そういうことで雇用調整というものが進められておりますけれども、この先これが人員削減、いわゆる人員を整理していく、こういうふうなことになりますと大変重大な問題にもなるわけでありますね。 そういう意味合いから、労働省の行政の中ではなかなか限られたことしかできないかもわかりませんけれども、やはりこういう雇用の問題につきましては、行政の中でも真剣に取り組んでいかなければ国民に不安を与えることにもなるわけであります。そういう意味合いにおいて、雇用調整の問題につきまして労働大臣の御見解をお伺いしておきます。
○国務大臣(村上正邦君) けさも九時から月例経済閣僚会議が開かれまして、あえて私もそこで雇用の面から発言を求めたところであります。 失業への不安をなくすようにしていくことは、おっしゃられますように、国民生活の安定にとって最も重要な課題であり政治の責任だと、私はまずこう思っております。 今、雇用は本当に悪い。かつての円高不況のときのような状況に迫りつつある。有効求人倍率や失業率からの分析をまつまでもなく、新聞またテレビ等の報道が本当にカラスの鳴かない日はあってもというほど毎日報道されております。休業による生産調整、希望退職者の募集、内定取り消し等々、また企業内失業が百万人とか、中高年ホワイトカラーの受難の時代とかいう言葉が頻繁に出てくるのは恐ろしいことであります。こうした動きが他の企業に次々と広がることはまことに憂慮にたえない。危機感でいっぱいであります。 こうした状況に対して、労働省といたしましては、企業の雇用の維持の努力を全力で支援するとともにできるだけ解雇を行わないように企業に対し強力な要請をいたしております。 具体的には、今回の予算で確保されました雇用調整助成金が中小企業の末端に至るまで必要などころに使われるよう、特に新聞等、これも異例なことでございますけれども、一億円ほど予算を計上いたしまして広告を出そう、そして手続も簡素化していこう、こういう対策をとっております。 それからまた、企業の社会的責任に訴えまして採用内定取り消しに歯どめをかけるために企業名の公表など実効のある措置をとる等々、私といたしましては、さらに雇用面での悪化が広がり社会的に不安感が高まることのないよう、早急にあらゆる対策を講ずるよう、事務方に強く知恵を出すように要請をいたしております。 そしてまた、私は、けさの月例の経済閣僚会議 で特にお願いをいたしましたことは、年度内の予算、おかげさまで成立のめどが立ったわけでございますので、私は、一気にこの際公共事業の着手にすぐかかれるように、そしてまた国民生活に密着した社会資本の整備に力を注いていくこと、住宅の建設や改良を促進していくこと、中小企業を初めとする設備投資などに必要な資金が円滑に融資されるようにしていくこと、金融政策の機動的な実施を進めていくことなど、政府を挙げて強力に取り組む必要がある。 景気と雇用というのは、これは表裏一体でございますので、まずやはり景気浮揚を図っていくということが大事であろう。また、地方自治の知事さんたちにおきましても、雇用の面についてひとつ理解をいただいて先頭に立って旗振りをしていただきたい、こういうことのお願いをしたところであります。 以上です。
○磯村修君 とにかく、大変こういう問題が深刻になってきております。いわゆる働く人々の家族の幸せ、働く喜び、こういうことが持続できるようにぜひとも行政の中でも対応してほしいということをお願い申し上げておきます。 私の質問に関連しまして、乾議員が行いますので、よろしくお願いいたします。
○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。乾晴美君。
○乾晴美君 私は、きょう消費税についてお伺いしたいと思うわけです。 かつて、平成元年十二月に政府・自民党は、翌年の平成二年二月に行われるであろう衆議院の選挙を前にして消費税の見直し案を決定したと思うんです。これは、言うなれば総選挙に向けて国民に外する公約であったというように思うわけです。そのときに与党の間では、消費税を見直すことについて、食料品にかけるこの税をどうするかということが最大の焦点であったというように思うわけなんですが、この平成元年の十二月に政府・自民党案として出されておりました食料品に対する取り扱いはどうなっていましたでしょうか。
○政府委員(濱本英輔君) 平成二年三月に政府は消費税の見直し法案を提出させていただきまして、飲食料品に対します特例措置、これは小売段階非課税で流通段階一・五%という案になっておりましたけれども、これを御提案申し上げました。これにつきましては、御承知のように、国会におきます御論議におきまして種々御意見、御批判がございまして、結果としましてこの政府提出法案は国権の最高機関である国会で平成二年六月に廃案となりました。 他方この間、野党から提出されました消費税廃止法案、これも衆議院で否決されたという事態がございまして、こうした法案処理の結果を踏まえて、与野党がその責任を果たされるため、国会に税制問題等に関する両院合同協議会を設置されました。これが平成二年六月のことでございますが、立法府として飲食料品の問題も含めまして消費税に関して提起されました諸問題につき結論を得るべく御協議を続けられました。 これらの問題のうちで飲食料品の問題につきましては、平成三年十月に開かれましたこの協議会におきまして、専門者会講座長から各党会派の意見の一致は見られなかったとの御報告がなされたと伺っております。 もちろんこの間、協議会におきまして合意された事項も多々ございました。例えば、平成三年四月の合意では住宅家賃でございますとか社会福祉事業の非課税措置の追加が決まりましたし、簡易課税制度とか限界控除制度の見直しも決まりまして、これらを平成三年五月に議員立法によりまして消費税法の一部改正が行われ、その年の十月に実施されるという経過をたどりました。 いずれにしましても、この飲食料品の取り扱いにつきましては、以上申し上げましたプロセスを経て今日に至っておりまして、政府としましてはこうした立法府における御議論の経緯、結果を重く受けとめさせていただいておるということでございます。
○乾晴美君 その住宅だとか出産とか埋葬費にはかからないというようになったのも、世間の一般の人たちの非常な世論に負けてそういうふうになっているのだと思うんですけれども、この食料品につきましては非課税にしますということは公約だったというように思うわけですよ。 それで、その協議会の中でいろいろ協議したと言うけれども、野党の方はその協議を継続するように物すごく主張したんですけれども、その協議会を解散していったというのは自民党だったと私は思うわけです。 食料品だけについて私は申し上げたいと思うわけなんですけれども、食料品については消費税を部分的にせよ非課税にするということは、本当に政府・自民党の国民に対する公約だったんだと私はやっぱり思うわけです。それで、この公約は一体どうなったのかと。国民の皆さんは、徳島県のいろいろなところを回ってみましても、国民はほごにされた、公約をほごにされたと言っているんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(林義郎君) 私から御答弁申し上げます。 ただいま政府委員から長く御説明を申し上げました。その当時に我が党といたしましても、消費税につきまして小売段階非課税、流通段階については一・五%、こういうふうな案で出したわけです。 ところが、各党でいろいろ御議論がございまして、両院の中で話をしていきましょうと各党でいろいろなお話をされました。話し合いがまとまらないものですから我々の方といたしましてはそういった形で出した、出したけれどもまとまらないものでありまして国会を通らない、こんなまとまらないものではやっぱり国会の全体の御意思を尊重するよりほかにしょうがない、こういう形でやったわけでございまして、我々といたしましては、自民党としてというか政府の方としては努力したんですが、国会で御意見がまとまらなかったからその御意見の推移を見守っているというか、そういったことになっちゃったからこれはしょうがないなと。 立法府の問題でございますから、行政府がやるとかなんとかという話じゃございません。税をお決めになるのは国会でございますから、国会の御意見を尊重して私たちはそれに従ったということでございます。
○乾晴美君 この非課税にするという問題は、これは与野党間で調整がつかなかっただけということなんです。だから、やらなくていいということじゃないわけなんです。きょうまでずっとほっておったということは、政府にやる気がないからなんですよ。私はやっぱり公約したとおり食料品の非課税化はやってほしい、やるべきだ、そういうふうに努力すべきだというように思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(林義郎君) 先ほど申し上げましたように、長年の経緯を経まして国会でそういった御議論の御結論をいただいたわけでございますから、その御結論に従って私たちは今のところ出さない、こういうことにしているところでございます。
○乾晴美君 それでは、私は消費の動向をちょっと総務庁に伺いたいというように思います。 家計調査では、食料、住宅、家具・家事用品など主要品目の消費動向はどうなっていますでしょうか。
○政府委員(小山弘彦君) 家計調査の平成四年の年平均の結果を先日発表いたしました。これに基づきまして少し御説明させていただきます。 家計調査、平成四年の結果でございますが、全国勤労者世帯の実収入の動向、これを昨年一年間四半期別に見てまいります。 前年同期比、平成四年一−三月、これは実質二・〇%のプラス、四−六月、これは〇・九%のプラス、七−九月、三・八%のプラスと続きましたけれども、十月から十二月、いわゆる第四・四半期に入りまして一・〇%の実質減少、こういう ふうになりました。年平均としましては実質一・一%の増加となっております。これが収入の面。 それから、消費支出に関しましては、平成四年一−三月期は実質二・五%と堅調な増加をしたんですけれども、第二・四半期以降一%以内の実質減少と増加を繰り返しているというのが実態でありまして、平成四年平均では実質〇・五%の増ということでございます。もう少し費目別で御紹介いたしますと、食料につきましては実質〇・一%の減少、そのほか住居は実質六・六%の増加、教養娯楽サービス四・〇%の増加、自動車等関係賢一・五%の増加、家具・家事用品、これは実質四・〇%の減少、被服及び履物、これも実質四・七%の減少、このようになっております。
○乾晴美君 今回の景気低迷は、先ほどのお答えでは複合的な不況だと。ですから、どれを一つと言えぬのだ、一つとっては言えないということなんですが、やっぱり今のお話を聞きますと非常に消費が落ちているということも言えると思うんです。 私が調べたものにつきましても、自動車とか家電なんかにつきましては非常に大きく落ち込んでいるんですけれども、食料とか住居とか光熱とか水道とかといったようないわゆる基礎的な支出というのは、わりかた比較的堅調に推移しておるわけなんですね。その中でも、これ総理にお聞きしたいんですが、食料の中でも特におしょうゆの支出というのが増加しているわけなんです。おみそにつきましては今までミニサイズがたくさん売れておったんですけれども、ここへきてお徳用というたくさん入っておるおみそがよく売れているというんですけれども、これは一体なぜそうなっているというようにお考えでしょうか、総理。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一説によりますと、不況になりましたので外食をなさらないで家庭で食事をされる場合が多くなって、それでみそ、しょうゆ等々、それも徳用物の売れ行きが大きくなっているというふうにおっしゃる方がございます。
○乾晴美君 私もそうだろうと思うんですね。こうした不況の中で、やはり家族でお食事をなさる家庭がふえてきた。だからおしょうゆもたくさん売れる、おみそを買うのでも小さいのより大きいのを買う、こういうことになっておるんだと思うんです。 ですからこそ、食料品の非課税ということにすれば、夕食の材料を買う家計の出費が非常に助かるわけなんですよ。ですからこういう公約だったんですから、今こそ食料品の非課税をやればいいというように私は主張をしているんですよ。いかがですか。
○国務大臣(林義郎君) お話しになりましたみそ、しょうゆ、こういうことです。ちょっと余談になるかもしれませんけれども、私はしょうゆ屋の息子でございまして、その辺は知っておりますが、確かにしょうゆというのはなかなか生活に密着したところなんです。そういった密着したところをどうするかというような話は、やっぱり私は税の中でも考えていかなければならない一つの要素だと思いますが、先ほどお話し申し上げましたように、消費税は長いいろんな経緯の話の上でやってきたわけであります。 それから、食料品につきまして何か考えていこうと言いましたのも、生活の基礎的なものであるから何か考えていこうということであったんですけれども、それがなかなか話がまとまらなかったからと、こういうことになっておりまして、国会というところはそういったところで、やっぱり国会でまとまらないとそういうことにならざるを得ないなと、こういうことだと私は思うんです。 それからもう一つ申し上げますけれども、この消費税、とにかく三%でしょう。ヨーロッパの方は一五%から二五%、相当高い税率なんですね。そうすると少しは何かするというような話もあるだろうと思いますが、三%の税率をさあいじるといったってどうするんだと、こういうふうな話がそこで出てきます。 それから消費税の税率の、税をいろいろ取る仕組みがありまして、簡易課税制であるとかいろんな仕組みがありますから、その仕組みをどう動かしていくかというようなこともまた大問題になってくるわけでございまして、単にこれだからどうだという話になかなかならない。乾先生、それは主婦の立場としてお話しになることは私もわかるんですけれども、税というものはいろんな仕組むことを考えてやらなければならない。それだからこそ国会でいろいろ御議論を賜っているということで御理解をいただきたいと思います。
○乾晴美君 御教示いただいてありがとうございます。 けれども、その税の仕組みが非常にややこしい、大変なんですよと。簡易課税もありますし何もありますしと言ったって、この消費税はもともと欠陥消費税だと皆さん言っているんですよ。ですから、そんなややこしいんだったら、食料品だけかけないとかというんだったら、いっそもうこの消費税を廃止したらいかがですか。
○国務大臣(林義郎君) 恐らく御議論がそういう議論になるんではないかと私も思っておったんです。思っておりましたんですが、やはり消費税というのは今六兆円もの税収を持っているわけでございまして、じゃこの税収を一体だれがどういうふうに負担をしていくか、こういうふうなこともやっぱり考えなければならない。勝手にやめてしまって後はどうにかというわけにはいかないわけでございますから、その点はやはり国会で御議論をいただかなければならない。私はそういったことでこの消費税を廃止することはできないということをはっきりと申し上げておきたいと思います。
○乾晴美君 景気が低迷していて景気浮揚をやりたいと、失業者も出ていると、村上労働大臣も何とかしてやりたいと、こう言っているわけですよ。低迷しているということは、やっぱり消費も少ない、物を余り買ってない、売れてないから不景気になっているという要因もあると思うんですよ、複合不況と言っているんですから。だから、一年間だけやめるというのはいかがですか。一年間だけやめるんです。そうしたら、ことしだけ消費税は取りませんよと言えば、それこそ皆さんはこの際いろんな物を買っておくかなというようなことで、それこそ即効果が上がってくるというように思いますが、いかがですか。
○国務大臣(林義郎君) 税を余り変えてやる、この消費税をやるときに、大変皆さん方に、国会の方々にいろいろな御議論いただいて努力をしてやっとできた税でございますから、一年やめてまた一年たったらやるということになりますと、いつからやるか、どうしましょうかと、こういうふうな諸問題がまたそれで出てくるわけでございます。 やはり、税制というものは着実にやっていかなければならない問題でありまして、いろいろな点で不況対策として考えなければならないことはそれは先生いろいろお話しのとおりでございますけれども、私はこの税を今一年やめてはどうだという話にはちょっとくみすることができない。この中でそんなことをやれとおっしゃる先生は、見渡しまして恐らく少数ではないかな、こう思っているところでございます。
○乾晴美君 それはどう思おうと勝手でございますけれども、消費税をこれだけ御議論いただいてと言うんですけれども、参議院の私たちは消費税をあの平成元年の十二月十一日に廃止しているんですよ。それを強行に持ってきたというのは自民党じゃないですか。それを、今になってそんな議論は成り立たないというのはおかしいんですよ。やっぱり私は、一年やめてごらんと。とにかく、年収で七百万ぐらいの人であれば、その年収七百万の中の六割を消費に回すとするのであれば、十二万円から十四万円ぐらいの減税になるんですよ。いかがですか。
○政府委員(濱本英輔君) 先ほど来大臣からも御答弁いただいておりますところは省略いたしまして、仮に今、乾先生の御指摘は、消費税を廃止す ることによって景気にもいい影響があるのではないかという御指摘でございますけれども、その点に関連しまして申し上げてみましても、例えば食料品を非課税にするということになりますと、例えば氷なら水を非課税にするということになりますと、水を生産します設備なり原料なりそういったものにかかります消費税というものは、この水が非課税になりました途端に仕入れ控除ができなくなりますから、水の売却価格の中に消費税分というのは含まれる形になります。そして、その非課税になりました水を取得してそれを原料として次の生産を進めようとする方々は、その消費税分が中に含まれたところの原料の水、それを利用して新しい製品をつくることになりますので、その上に消費税がかかっていく形になります。つまり、消費税を食料品につきまして非課税にするという場合に、価格がどのようになるかと申しますと、物によりましては価格が上がるという事態もあり得るわけでございまして、価格体系は非常に複雑になります。 そういう手続を世の中に介在させるということがまたどのような波紋を描くか、いろいろなこの消費税導入時に論議になりました手続にかかります諸経費、あるいは事業活動を運営していただく、これからこの難しい局面で運営していただく上で、価格体系というものに対してそういうかかわり方を国がするということがどのような問題を生ずるか、そういうことも当然出てくるはずでございます。 いずれにしましても、景気対策として短い期間消費税を動かす、あるいは食料品を非課税にしてしまうというようなことが政策になじむとは到底思えません。税制というのは、国民国家の生活費でございますとか会費というものをどのように集めてくるかということをその本旨としているはずでございます。そのための道具であり、そのための仕組みであるはずでございます。公平に、世の中の経済活動をゆがめないように、なるべく余計な手間がかからないようにお金が集まる、そういう仕組みでなければならないと思うわけでございます。したがって、これを景気対策として活用するということになりました場合に、その本旨が全うできなくなるということでは、これは問題であるというふうに考えます。
○乾晴美君 そういうように絶対に廃止ということがだめであるんだったら、ゼロがだめなら、それじゃ消費税を三%から一・五%に半分にするということも考えられるわけですよ。半分はいかがですか。先ほどの七百万円の家庭だったらそれこそ六万から七万の減税になるんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(濱本英輔君) 今、消費税率を半分にというお話で、半分とおっしゃいます意味は、半分であれば比較的計算も簡単であろうというようなことから半分とおっしゃったのかもしれませんけれども、とてもそんな簡単な話ではございません。消費税の税率をいかにあらしめるかということは、これは大切な議論でございまして、今景気対策としてそのようなものを論じていただくという状況にはないように思います。
○乾晴美君 半分がそんな簡単なものでないと言いましたけれども、初め食料品を非課税にすると言ったときは、小売段階では非課税、しかし生産とか卸のところでは軽減税率として一・五%にするという案も出てきておったじゃありませんか。お忘れになりましたでしょうか。私はやっぱり一年間ぐらいやめてみるという思い切った方法もいいんじゃないかと思いますが、この問題から次の問題に移らせていただきたいと思います。 こういった景気低迷が続いている、そういう中で毎年春闘は行われているんですけれども、ことしの春闘はもう殊のほか皆さんが注目されているわけです。これはやっぱり、春闘の中で賃金がどれほどアップ率があるかというような結果が個人消費だとかまたは景気全体の動向に大きな影響を及ぼすからだと思うわけです。連合の方の今度の春闘は七%、そして二万円以上の賃上げということで要求しているわけなんですけれども、この春闘のベースアップにつきましては政府はどのような御見解であられますでしょうか。
○国務大臣(村上正邦君) いかなる私でも、この春闘については原則がございまして、余りくちばしを入れちゃいかぬと、こういう原則でございますが、それじゃお答えになってないだろうと思います。 きのうもお答えしたんですけれども、やはり支払い能力を持つ企業においてはそれなりにお考えになられたらいいと。これは当たり前のことだと思うんですが、しかし、きょう日経新聞見ますと、そういう発言が異例な労働大臣の発言だ、こう書かれている新聞もございました。しかし、私は、まあ今おっしゃるように、かつてないこういう不況下の春闘でございますので、精いっぱいのことを言わしていただくとすればそういうことなのかなと。それと、一方においては、やっぱり雇用ということも考えてもらうと。これがこの経済の拡大につながっていくことを期待を申し上げていると。 以上であります。
○乾晴美君 やっぱりこういう不景気なときこそ賃金を上げていくということで頑張ってもらいたいと思うんですよね。 例えば今、徳島県でも零細企業が非常に困っているわけなんですけれども、それはどうしてなったかというと、やっぱりあのバブルのときに物すごい土地を、しかも大都会の中で土地を持っておったそういった大企業が非常に異・常な投資する、過剰投資をしてそしてもうけておったんじゃないでしょうか。それを、昭和三十年を一〇〇とすれば、土地の価格というのは下がった下がったと言うけれども、今百四十五倍になっているんですよ。平成元年の百二十八倍にもまだ返ってきてないわけなんですよね。賃金はどうかというと、昭和三十年と今と比べたらまだ十九倍ぐらいしかなってないということなんで、非常に賃金は置いていかれているわけなんですよね。 そういったバブルをつくった大企業が、そのときに含み益を持っておったものを今こそ働いた皆さんに戻すべきだというように思うわけですよ。ですから、ここら辺は政府の方もきちっとわかっていただきたいというように思うわけですが、そのことに関しまして、総理いかがでございましょうか。
○国務大臣(林義郎君) 私からお答え申し上げます。 私は先ほど複合不況だと、こういうことで申し上げました。資産デフレということになっていますけれども、今お話しのように、大企業がというか、一部の企業におきましてバブルの影響を受けて利益を得た。特にそれは土地の高騰とか株の高騰によりまして得たところの利益がありました。それがつぶれちゃいましたから、まさに泡のごとくバブルのごとくなくなった、こういうことでございまして、それをどうしていくかという形で今のところの不況問題がある、こういうことでございます。 実体経済の方におきましたならば、先ほど来いろんな先生が御指摘になりますように、企業の経営というのはなかなか大変な状況である。消費が伸びない、売り上げが伸びない、そういうふうな形でございますから、実体経済をうまく持っていかなければならない、こういうふうに私は思っておりますし、やっぱり実体経済がうまくいかなければ企業経営だってなかなかうまく動かないんだろう、こう思うんです。 そのときにやはり考えていかなければならないのは、単に金融機関がどうだろうということでなくて、金融というのは経済の血液でありますから、それがうまく動いていかなければ企業活動もうまく動いていかない。そういったことが健全になりますように私たちも諸種の対策、いろんなことに目配りをしまして対策を打っていかなければならない、これが今の状況だろうと思っています。 御指摘のように、あそこでもうけているからあの金を回せ、こういうふうなお話でございます が、本当を言いますと、もうけた金は税金でいただくのが私は正しいんだろうと思うんですね、これは、私はそれが正しい話だろうと思う。もちろん労使の分配でありますから、先ほど労働大臣から話がありましたように、企業の中で払うべきところは払うというようなお話がありましたが、私もこれは一つの考え方だと思います。バブルでもうけた金はやっぱり税金でしかるべくいただくのが私の方の立場じゃないかなと。だけれども、なかなかそういただくようなところになっていない。バブルがはじけちゃったもんですから、まさに泡のごとくなったものがあっという間になくなった、こういうのが現状の認識であろう、私はこう思っておるところでございます。
○乾晴美君 このバブルをつくったのも大企業なら、そのときに一番得したのも大企業だったわけです。そういうのがはじけたからといって、結局、損をしたり、いつもだめな目というか、分の悪いあれを引き受けるのはいわゆる中小企業であり弱者であるということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○磯村修君 ただいまの乾議員の消費税の問題等の質問、それを真っ向から否定するとかということではなくて、やはりそういう国民の声もあるんだということを正面から受けとめるのが政治であり行政である、このように私は思います。 さて、労働大臣、きのうの委員会で、ゆとりの実感できる生活、それには労働時間の短縮、そうしたことにも全力を挙げて取り組んでいく、こういうふうな趣旨の御発言がございましたので、ちょっとお伺いしたいと思うんです。 この八日に労働省は中央労働基準審議会に対しまして諮問をなさっておりますが、そのことは、二年前に労働時間は四十四時間原則ということになったんですけれども、特定の業種とか中小企業を対象にしまして今月末までの猶予期間というものがありまして、四十六時間をとっている企業もあるわけなんですね。そうしたことが突如として諮問され、さらにその猶予期間を延長していくというふうなことの内容のようでございますけれども、これはどういう理由からこういうことになったか、御説明をお願いいたします。
○国務大臣(村上正邦君) 午前中も質疑がなされておりましたが、現下の中小企業の経済状況というものは非常に厳しいものがある、深刻なものがある。私も、大臣に就任いたしまして、大臣室へ陳情にお見えになる方々はほとんどが中小企業の方である。殺す気かとまで言われております。 そうした状況の中で、こうした中小企業者の実情を考慮して緊急避難的な措置といたしまして今回審議会に諮問をしたわけでございまして、その論拠は、現行の猶予措置が決められた二年前のこの審議会の答申においては「猶予対象事業のうち週四十四時間の達成割合が特に低い規模・業種の事業については、今後、必要がある場合には、所要の措置を講ずることについて検討を行うこととするのが適当であると考える。」とされておりまして、こうした措置はこのケースに当たるものだと、こう思っておる次第でございます。 いずれにしても、私どもは最善を求めたいのでございますけれども、最善を求めて求められない場合にはやっぱり次善の策を講じていきたい、こうした考え方から、ぎりぎりの接点を求めた諮問であるということを御理解を賜りたい、こう思う次第であります。
○磯村修君 それはそれとして理解することもできるんですけれども、いわゆる中央労働基準審議会というのは、公の立場、それから使用者側、労働側と、こういう三者でもって構成されているはずですね。ただ問題として、こういう不況下という特殊な事情もあってこういう諮問をせざるを得ないような状況にあったかもわかりませんけれども、やはりそれは、いわば労働側がそういうことを具体的に聞かされることなくこういう諮問がされるということは少しおかしいんじゃないかという問題もあるようでありますね。 それから、猶予期間が今月三十一日までということになっているんですけれども、これまでの間それぞれの企業がいろいろ努力しまして、いよいよことしの四月から四十四時間になって新しくスタートするという心構えでもっていろんな準備をしてきたはずだと思うんです。あるいはまた、それぞれの行政機関、例えば出先の労働基準局とか労働基準監督署とか、そういう担当官がそれぞれの対象の企業に対する御指導もなさってきたと思うんですね。 そうしますと、やはり一たん決められて、お互いに合意して決められて、そしてスタートして、それなりの準備をしてきたんだけれども、一方はよくわからずして諮問されてしまったという事態になりますと、どうもここがやはり信頼の問題と申しましょうか労働行政に対する信頼感というものが薄れる、こういう問題も一つあろうかと思うんですね。やはり諮問する前にそういう状況というものをよく把握させるようにお互いに話し合った上でもって手順に従ってやるべきことではなかったんだろうか、こういうふうに思うわけなんですね。 そういうことで、この審議会もこの八日には労働側はそういうことから退席してしまったというようないきさつもあるようなんですけれども、そういういわゆる片肺飛行でもってこれから先どんどんどんどん決められていくということは、労働時間をこれから四十時間にするという労働基準法の改正案も出てくるはずなんですね、そういう意味合いからも少し逆行じゃないかというふうな問題もあるんです。いかがですか、そういうやり方につきまして。
○国務大臣(村上正邦君) 御指摘のような、事前にそういう方向であるということを連絡しなかったという等々のことも耳にいたしておりますが、しかしそれはそれなりにそれぞれ労働省のつかさにおいては連絡を申し上げていたはずだということも聞いております。しかし、ここでああだこうだ申しません。 ただ、八日の日にボイコットするというようなお話もございましたので、誠心誠意、審議会という本来の姿、国会の衆議院の予算委員会のように、自民党だけが出てきてと、こういう格好は余りよろしくない。誠心誠意、出てきていただいて本来の審議のあり方、反対は反対ということでお願いをしたい、こう申し上げましたが、残念ながら途中退席をなさいました。 そこで、十二日、明日でございます、明日の審議会において答申をいただくということになっておりますが、今おっしゃられましたように、それはそれなりのそうした前段のお話もございますので、あしたの審議会について何か一工夫ないものかな、そしてまた、もう一回ぐらい延ばして、あしたとにかく労の皆さん方がお席に着いていただくような工夫をしていくということはどうだということで事務方と今折衝し、それぞれ事務次官初め基準局長等々、そうした方向で、また公、使、こうした委員の方々もそういう努力を労に対していたしておるものだと、こう思っております。
○磯村修君 時間が来てしまいました。一言だけ要望しておきます。 ともかくこういういわゆる行政に対する信頼。不信感が出てしまったならば、これを回復していくためには大変な時間がかかるわけですから、やはりこれからは行政に対する信頼を失わないようなひとつ御努力をお願い申し上げまして、私の質問は終わります。 ありがとうございました。
○委員長(遠藤要君) 以上で磯村君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(遠藤要君) 次に、昨日の穐山篤君の残余の質疑を行います。 この際、政府から発言を求められておるので、これを許します。内閣官房長官河野洋平君。
○国務大臣(河野洋平君) 委員から昨日御指示がございました政府の統一見解について申し上げます。 政府は、従来から、武器の輸出については、平和国家としての我が国の立場から、国際紛争など を助長することを回避するために、武器輸出三原則等に基づき慎重に対処してきているところであります。武器輸出三原則における武器とは、昭和五十一年二月二十七日の武器輸出に関する政府統一見解の中で定義しているとおりでありますが、個々の貨物がそのような武器に当たるか否かについては、従来から、当該貨物の形状、属性などから軍隊が使用するものであって直接戦闘の用に供されるものと客観的に判断できるものを武器に該当するものとし、他方、いわゆる汎用品は、武器輸出三原則における武器には該当しないものとしております。 我が国企業は、従来から、ボーイング社に対し、民生用航空機の部品として、胴体部分などを納入してきております。我が国企業がボーイング社に確認したところでは、今後ボーイング767型機が早期警戒管制機用に用いられることとなり、我が国企業がそのような早期警戒管制機用にボーイング767型機の部品を納入することとなる場合であっても、当該部品は、その仕様において民生用航空機のための部品と何ら変わりがないものであるとのことであります。 したがって、以上の限りにおいては、我が国企業のボーイング社への早期警戒管制機用に用いられる部品の納入も、いわゆる汎用品の輸出であり、武器輸出三原則等に照らし、問題はない、ということが政府の統一見解でございます。
○穐山篤君 これは議事録には残りますが、後で文書でいただけますでしょうか。 そこで、今私も記録をしたつもりでありますが、前後の整合性を見るために、今もお話のありました五十一年二月二十七日の統一見解、それから五十八年三月の、後藤田さんが言われたんですが、統一見解もゆっくり発表してもらいたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 詳細、事務的な部分につきましては政府委員から答弁させていただきたいと思います。
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。 先生御質問の第一点の武器輸出三原則でございますが、その中身は、次の場合には原則として武器の輸出を認めないということで三つございまして、一、共産圏諸国向けの場合、二、国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向けの場合、三、国際紛争当事国またはそのおそれのある国向けの場合、この三点で武器三原則と通称しておるところでございます。 その後、武器輸出につきましては、先ほど官房長官から御説明ありましたように、昭和五十一年二月に「政府の方針」というものが出ております。紹介させていただきます。 「武器」の輸出については、平和国家としての我が周の立場から、それによって国際紛争等を助長することを回避するため、政府としては、従来から慎重に対処しており、今後とも、次の方針により処理するものとし、その輸出を促進することはしない。 (一) 三原則対象地域については、「武器」の輸出を認めない。 (二) 三原則対象地域以外の地域については、憲法及び外国為替及び外国貿易管理法の精神にのっとり、「武器」の輸出を慎むものとする。 (三) 武器製造関連設備の輸出については、「武器」に準じて取り扱うものとする。 二、武器輸出三原則における「武器の定義」、「軍隊が使用するものであって、直接戦闘の用に供されるもの」をいい、具体的には、輸出貿易管理令別表第一の一の項(一)から(十四)までに掲げるもののうちこの定義に相当するものをいう。 以上でございます。
○穐山篤君 五十八年。五十八年三月。
○政府委員(渡辺修君) 穐山先生おっしゃっておられる五十八年とおっしゃるのは対米武器技術供与についての内閣官房長官談話のことかと拝察いたします。少々長うございますが……
○穐山篤君 いや、五十八年の三月八日のやつでいいんだ。
○政府委員(渡辺修君) これは非常に長い歴史を持っておりますが、武器輸出に関します大きなそれぞれの核になります原則は、ただいま御紹介しました最初の三原則、それから五十一年二月の政府統一見解でございまして、その後対米武器輸出供与を行います関係で、昭和五十八年一月十四日にそのうち対米武器技術につきましては官房長官談話を発表いたしまして、これについて安保条約の効果的運用のためにそれを推進する、こういうことを決定いたしました。 この三つが我々非常に重要な核になると承知いたしております。
○穐山篤君 今回のAWACSの導入については、胴体を含めて全部を含めてアメリカからの要請に基づくものであるのか、日本政府の要請に基づく品物であるのか、その点を明確にしてもらいたい。
○政府委員(畠山蕃君) 御質問の趣旨はAWACSの今回の導入に当たって日本が決めたのかアメリカの要請に基づくものかということだと思いますが、私どもるる御説明いたしておりますとおり、専守防衛の我が方にとって情報収集機能の一環でありますAWACSの導入というのが極めて重要であるという立場から、我が国の自主的判断に基づいてこれを購入することを決定したということでございます。
○穐山篤君 胴体をアメリカに提供するしないという話はどっちから出た話でしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) お答え申し上げます。 ただいま私どもの承知いたしておりますところでは、ボーイング767がアメリカの方で改造されまして、そして我が国に輸入されるということでございます。したがいまして、ボーイング767の胴体の部分は一貫して我が国が提供をいたしておりますので、我が国から提供をすることになろうかと存じます。
○穐山篤君 いや、私の聞いているのは、どちらが要請をしたかですよ。それによって性格が変わってくる。
○政府委員(坂本吉弘君) ボーイング767をAWACSに改造するというのは、米国側で決めたものでございます。
○穐山篤君 要請があったんですね。
○政府委員(坂本吉弘君) 言葉足らずであったかと存じますが、一貫してもともとボーイング767の胴体は日本側で供給をいたしているものでございます。
○穐山篤君 要請は。
○委員長(遠藤要君) どっちで要請したのかということです。
○政府委員(坂本吉弘君) 要請とおっしゃいますが、ボーイング767をそもそもAWACSに転用する、改造するということにつきましては、アメリカの判断でございまして要請という性格のものではないかと存じております。
○穐山篤君 昭和五十九年十一月に日米の間で武器技術共同委員会が設置されていろんな提案をしておりますが、今回のようなものについての協議はどういう部分に当たるんでしょうか。
○委員長(遠藤要君) 質問者のお話をよく、その辺でぺちゃくちゃしていないで、よく聞いていてよ。
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。 今、穐山先生御質問は、武器技術共同委員会、JMTCでどういう議論をするのか、こういう趣旨の御質問でございました。 いわゆるJMTCというこの委員会は、先ほど三点目で申し上げましたが、五十八年に対米武器技術供与をいたすことを決定いたしました際に供与すべきか否かという点を我が国サイドで協議いたしまして、それでこれは供与に値する武器技術であるかどうかというのをチェックするための委員会というのが簡単に申しますとJMTCでございます。 今御質問にありますボーイング767の胴体部分を日本が輸出するかどうかという話は、これは物の輸出でございまして、いわゆる武器技術とは直接関係のない話でございます。したがいまし て、先ほど来先生御質問ございますが、そもそもこのボーイング767というのは、大分前にさかのぼりますけれども、ボーイング社と日本の航空機メーカーと、それから一部イタリアが入っておりますけれども、これらの三国で共同で開発をして、それで民間航空機をつくって世界の市場に提供しようではないか、こういう話し合いのもとにでき上がったプロジェクトでございまして、既に我が国からは、それぞれ担当の部位がございまして、胴体部分を中心に我が国から輸出をいたしております。アメリカ側で組み立てられておりまして、現在五百機前後既に納入が行われておる、こういうことでございます。
○穐山篤君 今お話があったJMTCは、具体的に前提条件を決めてこういう場合にはよろしいと承認をしているわけです。少なくとも今回の問題もそれに類似する範囲の中の話ではないかと思いますが、その点はどういう見解をお持ちですか。
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。 先生おっしゃいますJMTCで検討いたしますのは武器技術でございまして、本来、従来日本は武器三原則及び政府統一方針によって武器、それは技術も含めますけれども、これらは先ほど申し上げましたように、輸出をしないもしくは慎むということになっておりました。その中で特に武器技術につきましては、日米の安全保障条約の効果的運用を図るという観点から、日米相互援助条約に基づきますMDAの枠組みの中でアメリカに限りまして武器技術を供与しよう、その際それを供与することが適当かどうか、こういう物差してございます。 今、私ども議論いたしておりますこのボーイングの767の胴体部分というのは、およそ武器とは関係のない民間航空機でございまして、しかもそれは物でございますので、先生おっしゃいました武器技術の物差しを決めておりますJMTCとは直接関係してこないのではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
○穐山篤君 通産大臣、輸出をしてアメリカで改造する、改造したものが日本に来る、この輸入の手続について具体的に話をしてください、承認責任省ですから。
○国務大臣(森喜朗君) 手続論でございますから、事務当局にお答えをいただきます。
○政府委員(渡辺修君) 先生の御質問は向こうででき上がった……
○穐山篤君 つまり、輸出する場合と輸入する場合の手続。
○政府委員(渡辺修君) わかりました。 航空機ボーイング767に相当します胴体部分の輸出につきましては、これは何度も申し上げておりますが、民間航空機の部品でございますので、そもそもこれは輸出貿易管理令の承認の対象にはなっておりません。したがいまして、本件は政府の規制なく通常の市中に出回る品物として通関をして出ていくということでございます。 でき上がりました民間航空機767でございますが、これは既にJALあるいは全日空も含めて相当程度航空機を輸入いたしております。これも民間の商行為の手続と同じ形をとりまして輸入しておる、こういうことでございます。
○穐山篤君 説明になっていないよ。JALの話を聞いておるわけじゃないんですよ。正確に答弁を。
○委員長(遠藤要君) 局長、発言あるときは立って堂々として来なさいよ。
○政府委員(渡辺修君) 大変失礼いたしました。 私、今ボーイングの胴体部分の輸出とでき上がった767の輸入のお話を申し上げましたが、今議論になっておりますAWACSを輸入いたしますときには、これはAWACSというのは軍用航空機でございます。したがいまして、これにつきましては、我が国が輸入いたしますときには輸入割り当て制度になっておりまして、あらかじめ我々の方にそういうのが出てまいりまして、それの用途その他を全部チェックいたしまして輸入を認めると、こういうことになっております。
○穐山篤君 通産大臣、これは防衛庁の話じゃないですよ。このAWACSの中で胴体は貨物ですか、その他はどういう取り扱いで輸入するんですか、具体的に言ってもらいたい。
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。 あるいは御質問を取り違えておりましたら改めてまたお聞きいただきたいと思いますが、今先ほど申し上げました輸入につきましては、これはアメリカにおいてAWACSになるわけでございます。ボーイング767ででき上がって、それがアメリカサイドで改造されてAWACSが将来でき上がるわけでございますのでき上がったAWACSというのは、先生よく御承知のあの飛行機でございますから、これは軍用の飛行機でございまして、丸々一機といいますか、飛行機の機体として日本の方に入ってくる。したがって、それは今申し上げましたように輸入割り当てと一連の輸入手続に従って入ってくる、こういうことでございます。
○穐山篤君 改造しても胴体は依然として民生用なんですよ。通信施設その他は軍事用なんですね。分離されて輸入手続が行われるんじゃないですか。
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。 日本から輸出されまして向こうで組み立てられました民間航空機ボーイング767が、向こう側において改造されましてAWACSになる。そのAWACSになりますときには、胴体部分をいろいろ改造し、かつ強度を恐らく強くするなり、あれたしか上にレーダーがついておりますからそういうのにするとか、さらに各種のエレクトロニクス関係その他の航空機器を積み込むんだと思います。そういうふうにしてでき上がったAWACSというのは、これはボーイング767という民間航空機とは違う形になっておりますから、当然のことながらこれは軍用機でございます。したがいまして、それが日本に輸入されますときには、我々は軍用機の輸入と。例えば今まで防衛庁で言えば戦闘機を輸入したケースがございますけれども、こういうものと同じ手続で輸入される、こういうことでございます。
○穐山篤君 日本からアメリカに輸出される胴体は必ず、サウジアラビアその他を含めて、武器に転用される可能性を全部持って輸出し、予約しているわけです。そうですね。そのことを考えてみると、三原則に抵触する可能性が非常に強いと私は理解しますが、通産大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほどから事務当局で申し上げておりますように、一つ一つ手続を大事にしながら、そしてまたその原則や取り決めを大事にしながら手続を行っておりますので、そのようなおそれはないと判断します。
○穐山篤君 後藤田さんがかつて統一見解を発表したことがあるんです、五十八年に。そのときには、日米で共同ではやらないという統一見解が出ています。したがって、私は先ほどの官房長官の統一見解については非常に疑義を持ちますので、ゼロ分でありますが、保留しておきます。
○委員長(遠藤要君) 以上で穐山君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(遠藤要君) 次に、下稲葉耕吉君の質疑を行います。下稲葉君。
○下稲葉耕吉君 私は、自民党を代表いたしまして、当面の問題につきまして、総理その他関係閣僚に御質問いたしたいと思います。 まず、日米関係につきましてさっと触れたいと思いますが、新聞等の報道によりますと、総理は四月中旬ごろでございますか、訪米されるようなことを言っているわけでございます。 私は、しばしばこのような席で申し上げておりますように、世界の中の日本、国際貢献というふうなことが熱心に言われておりまして、また我々日本国民の一人一人もそのような自覚を持っているわけでございます。 一国の総理がそのような国際関係の大変にぎにぎしい時代に、一国にとって大切な問題につきまして積極的に外国の首脳と交流を広められまし て、訪米されるあるいはまた向こうからも来ていただく、こういうふうな姿勢は大変大切なことでございます。いささかうらやましい感じで見ておりますのは、外国の首脳が頻繁に何か問題がありますとすぐ飛んでいって会合して、そして相談している、そういうふうな形が本当は望ましい。我が国もそうあってほしいと思うのでございます。そういうふうな意味で、総理のいろいろ御多忙な中でも積極的に外国の首脳と交流を深め、そしてそういう中で日本の立場を理解していただき、そしてまた日本も国際貢献に努力するということは大変大事なことだと思うのでございます。 そこで、総理の御訪米につきまして、新聞にいろいろ出ておりますけれども、もし日程でもおわかりでしたらお話しいただければありがたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) アメリカで新政権が誕生をいたしましたので、両国間の問題あるいは日米共同して世界に向かって背負うべき責任、またことしはサミットが東京で行われることもございますので、それらのことを一度話したいと考えております。 実は、非常にきちんとした日程につきましては、本来衆参両院の事実上の御了解を得てから先方と最終的に決めなければならない問題でございますので、まだ最終的にこれという日を申し上げるに至っておりませんが、大体下稲葉委員の言われますようなあたりのところで今考えております。
○下稲葉耕吉君 いろいろな国会の都合もあることだと思いますが、私は今申し上げましたような立場で、積極的に総理初め関係の閣僚の方々が我が国の重要案件につきまして論議し討議する場が余り難しいことを言わないで済むような形になることが望ましい、このように思います。 そこで、アメリカのクリントン政権ができました。昨日の外務大臣の御答弁を伺っておりますと、役所の局長以上の方々がごそっとかわる、まあ革命じゃないけれども、それに似たようなものだというふうなお話もございました。体制を整えられるのは大変なことだと思うのでございます。 十二年間も共和党政権が続いたわけでございまして、新しく民主党政権ができました。選挙の結果、民主党の政権ができたわけでございますけれども、実は湾岸戦争のときにはブッシュさんが再選されるであろうというふうなことは、アメリカはもちろん、世界の人たちは疑わなかったと思うんです。当時の世論調査の結果を見ましても、九〇%を超えるアメリカ国民の支持があったというふうに伝えられております。 じゃなぜブッシュさんが負けてクリントンさんになったんだと。いろいろ言われておりますが、私なりに考えておりますのは、ブッシュさんが外交では点数を上げたけれども内政で点数を上げられなかった。 〔委員長退席、理事柳川覺治君着席〕 その点をクリントンさんが巧みに主張されまして、そして内政重視の訴えが国民の支持を得たと、このように思うわけでございます。事実、アメリカの実情を見てみますと、財政あるいは貿易の赤字を初めといたしまして、医療の問題、教育の問題、麻薬の問題、あるいは犯罪の問題、いろいろございます。要は、アメリカの国民の一人一人が職を失う、あるいは家計が乏しくなる、あるいは病院に行っても金がかかる、あるいは一人一人の御家庭、そういうふうな不満がブッシュさんを敗北に追い込んだものだと、私はこのように考えます。そして、逆にそういうふうな立場を理解しているというふうなことでクリントンさんが勝利をかち取ることができた、こういうようなことではなかろうかと思うんです。 そこで、日米関係というものを考えてみますと、先般も総理お会いになったようでございますが、下院の議長さんもお見えになりましたし、それから民主党のみならず共和党の議員の方々もお見えになりました。そういうふうな方々とのお話し合いを通じても私自身感ずるわけでございますが、要するに当面アメリカは、何と申しますか、内政を重視して、まあ言葉は悪いですが、外交というふうなものは今までみたいな、ブッシュさんみたいな形でなかなか出てこないんじゃないか。まずとにかく自分の党、国民の理解というものをから得るために重視せざるを得ないということが結果的に大変厳しい形で日米関係にもあらわれてくるんじゃないだろうか。 もちろん、外交の問題でございますから外交辞令なりなんなりもございます。日米関係で解決しなければならない問題は、お米の問題、その他たくさんございます。きょうは各論に入る気持ちはございませんけれども、そういうふうなことでアメリカは日本に対して従来よりも厳しい形で出てくるんじゃないだろうか。また、そういうふうなことを国民がひしひしと感ずるんじゃなかろうか。大変な問題だと思います。 総理、大変御苦労さまでございますけれども、その辺に対する総理の御決意をひとつお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 他国の選挙、内政のことでございますので私からは申し上げませんけれども、ただいま下稲葉委員の言われましたような見方をする、これはアメリカ人に相当そういう見方をする人が多いことは事実のように存じます。 それで、やはり就任当初の殊にいわゆる百日間、内政は何といたしましても国会の立法に関係いたしますので、国会との関係が一番やりやすいのは最初の百日間と言われます。したがって、内政に重点が置かれているということもここまでのところ事実と思いますが、その中で二月の十七日にアメリカの経済、財政について一時間ほどの演説をされました。これによって、問題でありました財政赤字を増税、歳出削減によって赤字削減を行おうというかなり思い切った提案を大統領としてしておられます。そういう内政における決心の裏側は、アメリカとしてはかねて日本あるいは各国から求められているところを思い切ってやりますと、したがって各国においても日本においても我々が求めているところをひとつできるだけ実行してもらいたい、そういう気持ちでおられるであろうということは私も想像にかたくないと思います。 両国の間でいわゆる構造協議等々を通じて長いこといろいろ話し合っていることはあるわけでございますので、我々としてはそれを誠実にやってまいっておるつもりですが、なおその努力を重ねなければならないと思いますし、殊に御承知のような我が国の黒字の累積状況でございますので、従来にも増してこの問題が相当やかましくなってくるということは考えておかなければならないと思います。
○下稲葉耕吉君 日米関係というのは日本外交の基軸だと思います。そういうふうな意味で、大変御苦労でございますが、積極的に意見を闘わし、そういうふうな中からやはり日本のため世界のために役立つ道を当然追求していかれることと思いますが、心から御期待申し上げます。 次に、外国人の不法残留者問題につきましてちょっとお伺いいたしたいと思います。 今申し上げましたように、世界に貢献する日本でなければならない、世界の中の日本であるということでございまして、それだけに国際交流も非常に多いだろうと思います。外国からもたくさん人が来られる、これはもう結構なことでございます。私は、外国から入られる方はどんどん来ていただきたいんですが、やはり一定のルールの枠の中で、入国の基準なりなんなりあるわけでございますから、そういうような中でぴしっとしておいでいただいて、そして日本でも仕事をしていただく、交流も深めていただく、両国間の役に立つような仕事をやっていただくということではなかろうかと思うのでございます。 ところが、最近よく不法滞在者、不法残留者という言葉が伺われます。どうもこの言葉が、不法残留、不法滞在者というんだけれども、不法じゃなくて何かもう定着しているような、不法という のが当たり前になっちゃって不法を容認しているような形、そのような形でだんだん社会が定着していくんじゃなかろうか。 毎週日曜日には、原宿にはもう三千名から多いときには七千名ぐらいの外国人の滞在者という人たちが集まる。あるいは新宿の南口のコンコースあたりには多いときには二百名を超していましたけれども、婦女子がなかなか真っすぐ通れないでよけて通る。昔、上野にございました。そういうような状態というのは本当はよくない。法治国の日本でございますから、定着しなければならない。 入管当局は大変御苦労なさっておるというのはよくわかっております。よくわかっておりますが、その辺のところでお伺いしたいと思いますけれども、まず不法残留者の実態を事務当局からで結構でございます、御報告いただきたい。
○政府委員(高橋雅二君) お答えいたします。 不法残留者の実態ということでございますが、法務省におきましては、外国人の出入国につきましては電算機にインプットいたしまして、それに基づきまして一定の期間にこの不法残留者の数を推計して発表しております。最近の数字を申し上げますと、平成四年十一月一日現在の不法残留者の数は二十九万二千七百九十一人でございます。 この統計をとり始めたのは平成二年の七月一日でございまして、そのときの数は十万六千四百九十七でございました。その後平成三年五月一日にとりましたところ十五万九千八百二十八ということで、この間、各月平均約五千三百三十三人増加しているということでございました。その後平成三年十一月一日現在の統計をとりましたところ二十一万六千三百九十九ということで、この期間、月に平均約九千四百二十九人増ということでございました。それでその後、平成四年、昨年の五月一日現在をとりますと二十七万八千八百九十二名ということでございまして、この期間、月平均一万四百十六人ずつふえていると、こういうことでございます。 それで、先ほど申しました一番最近の数は二十九万二千七百九十一人でございまして、この間の六カ月間の平均は月平均二千三百十七人ということで、伸び率は下がっておりますが依然としてふえているという状況でございます。 なお、国籍、出身地別について若干申し上げますと、タイ人が五万三千二百十九人、韓国人が三万七千四百九十一人、マレーシア人三万四千五百二十九人、フィリピン人三万四千二百九十六人、イラン人三万二千九百九十四人というような順になっております。中で、マレーシアとイラン人については、実数についても最近減少しているというのが現状でございます。
○下稲葉耕吉君 そこで、二十九万人余、去年の十一月というお話でございました。我々はそういうふうな人たちが入ってこないように努力いたしておりますが、外務省に聞きたいんです。 まず、今お話がございましたような相手国にはたくさんございますね。重立った国はもう大体決まっておるんですね。ですから、そういうふうな相手国に対しまして外務省が、日本の実態はこうなんだと、これほど問題になっているんだと、それぞれの国としても日本に入国するのはやめるように何とか努力してくれぬかと、そういうふうな努力をしておられるかどうか。しておられればその内容を御報告いただきたいと思います。
○政府委員(荒義尚君) お答え申し上げます。 私ども外務省といたしましても、ただいま御指摘のような不法残留者の急増している事態というものは大変深刻なものとして受けとめておりまして、特に問題の多い国に対しましては、不法就労等を目的とする我が国への入国の防止のために協力してくれるよう、あらゆる機会、いろいろなオケージョンをとらえまして強力に申し入れ、また協力の要請をしておるというところでございます。 これに対しまして各国からは、これは一般的な反応でございますけれども、それぞれの国では、そもそも当該国民の出国というものは一応原則自由ということでありますので出国規制ということを行うということは一般的には難しいというようなことは言っておりますけれども、我が方の要請にこたえまして、現在可能な範囲で協力を順次得つつあるという状況でございます。 これは一般的なお答えでございますが、以下若干、主要国につきまして順次手短に具体的な状況を補足的に御説明させていただきたいと思います。 不法滞在者の多い順に申し上げますけれども、まずタイでございますけれども、現地の我が方タイ大使館から先方政府に対しまして随時申し入れを行っております。それに対しましてタイ政府側は、日本から退去を強制されてきた者につきましてはタイ政府がそれらの者の旅券を没収するということを現在やっております。それに加えまして、タイ政府はタイ政府の政府広報の一環としまして、国内において自国民に対し、日本においては単純労働というものは認められておらず退去強制になる危険があるというPRといいますか、広報を現在展開してもらっているということでございます。 次に韓国でございますけれども、韓国につきましても随時申し入れをやっております。ごく最近でも、ことしの一月に、私自身でございますけれども、訪韓しました際に先方政府にも強く申し入れを行ってまいりました。韓国側は一般的に協力的な対応をしておりまして、約一年前から、強制退去された韓国人で帰国した者については旅券を没収するという措置を現在とっております。 それから、マレーシアにつきましては、最近若干増加数は減っておりますけれども、現在、先方政府と実効ある対応策につき協議中でございまして、マレーシア側としましては、昨年三月から同じように旅券を没収するということをやっております。我が方としましては、さらに追加的な措置としてどういうことができるか現在先方といろいろ協議中でございまして、余り遠くない将来に何らかの決着をつけたいというふうに考えております。 それから、フィリピンにつきましても同じように随時先方に協力を申し入れておりまして、先方も事態はよく認識し始めておりまして、平成三年の暮れからでございますけれども、例えば海外で公演するフィリピンの芸能人につきましてはその資格要件を厳格にするというような措置を先方でとり始めております。 以下長くなりますので、とりあえずこれだけ主なものとして御説明させていただきました。
○下稲葉耕吉君 この問題は自民党の中でも実は大変議論した内容でございます。 イランの説明はございませんでしたが、イランは査証を必要とするように変えた結果、平成四年の五月一日現在四万人だったのが三万二千人に減っておるわけでございます。それから、マレーシアが大変多い状態であったわけだけれども、これも外務省に大変御努力いただきまして、実態を見ますと数が減っております。ところが、まだふえておる国がたくさんございます。その辺のところにつきましても、外務省ひとつ今後御努力いただきたいと思います。 そこで、こういうふうにやってまいりました不法滞在の外国人を中心といたしまして外国人犯罪が最近ふえている、凶悪犯罪も特にふえているというふうに伺っているわけでございますが、ここ一、二年で結構でございますので、入管法違反で検挙いたしました外国人犯罪につきまして御報告いただきたいと思います。
○政府委員(菅沼清高君) お答えいたします。 入管法違反につきましては、警察のほかに入管当局においても検挙等をしておられるわけでありますけれども、警察が不法残留などを含めた入管法違反で検挙いたしまして検察庁に送致いたしました来日外国人の人数につきまして、最近五年間の数字の推移を述べますと、昭和六十三年は七百五十人、平成元年は九百八人、平成二年は九百四十人、平成三年は千四百六十九人、平成四年は二 千百六十六人となっておりまして、この五年間で約三倍になっております。 このほか、警察が検挙いたしましても検察庁の方に送致いたしませんで、入管法六十五条に基づきまして直接入管当局に引き渡した数も相当数あるわけでございますけれども、これにつきましては、昨年の四月から調査を開始いたしましたためにそれ以前の統計はございませんけれども、昨年の四月から十二月までの九カ月間の人数について申し上げますと、千五百七十八人、一年間に推計換算いたしますと約二千人というような状態になっております。
○下稲葉耕吉君 わかりました。実態はどんどんふえているということでございます。 そこで、法務省の方にお伺いいたしますが、法務省がまず水際作戦で入国を拒否した実数、これを去年と一昨年、教えてください。
○政府委員(高橋雅二君) お答えいたします。 御指摘のとおり、不法就労を意図する外国人を水際で阻止するということは既に不法残留している外国人の摘発とともに非常に重要な、かつ効果的な措置ということと考えておりまして、上陸審査の強化に努めているところでございます。 この結果、一昨年平成三年につきましては、上陸拒否数は対前年比約九五%増、約二倍になりましたが、二万七千百三十七人でございます。それで、上陸拒否者の多い国はイラン、その年は七千五百四十人、タイ六千七百三十八人、マレーシア四千八百七十五人、韓国二千二百八十人、こういうふうになっております。 上陸拒否の主な事由といたしましては、観光を目的としながら実際は不法就労を意図している等の虚偽申請事案というものが拒否者の八一%、二万二千三十八人。偽変造した旅券や偽変造査証を所持していた者が拒否数の一六・一%で四千三百六十四人。過去に強制送還された経歴のある者などは上陸拒否の事由に該当しておりますが、これが拒否数の二・七一%、七百三十五人でございます。 それで、昨年平成四年における上陸拒否数は現在集計中でございますが、現時点におきます概数としては、私たちの見込みとしては約二万六千人ぐらいになるという見込みでございます。昨年実施しました上陸審査強化月間の実績等をかんがみますと、やはりその傾向としては、昨年四月に査証免除協定を一時停止しましたイランを除きますと、タイ、韓国、マレーシア等が上位を占めているという似たような傾向が認められるところでございます。
○下稲葉耕吉君 大体実態はわかりました。 それでは今度は、我が国に入って、そして、摘発という言葉を法務省お使いになっていますが、摘発された不法滞在者、これは去年、ことし幾らぐらいなんですか。
○政府委員(高橋雅二君) お答えいたします。 一たん入った者を摘発し入管法違反でもって強制退去させたという者については、まず平成三年について申し上げますと、入管法違反による退去強制者の総数は三万五千九百三人でございます。この違反態様を見ますと、そのうち不法残留が三万二千八百二十人で全体の約九一%でございます。それから不法入国、これが千六百六十二人、資格外活動していた者が八百八十二人、不法上陸した者三百四十七人、刑罰法令違反等が百九十二人でございます。不法就労外国人は、そのうち三万二千九百八人、約九一%で、その多くが不法残留者でございます。 不法就労外国人の国籍別内訳を申し上げますと、韓国、イラン、マレーシア、タイ、フィリピン等の順で多くございまして、職種では、男性が建設作業者、工員、女性はホステスということが多くございます。それから平成四年、昨年でございますが、これにつきましても現在集計中でございますが、概数の見込みといたしましては、昨年は非常に摘発に努めましたので大体六万八千人ぐらいになる見込みでございます。 以上が現状でございます。
○下稲葉耕吉君 わかりました。 そういうふうなことで入国拒否者あるいは摘発者の数が大変多いということでございますが、今御説明ございましたところで私気づくわけでございますけれども、昨年のぴしっとした数が出てないんです、入国拒否者それから摘発者の。法務省にお伺いしますと、なかなかそこまでまだ集計ができないということなんですね。もうこの問題は私ども大変関心を持って、どういうような傾向になるのか、今月はどうだったのか、今からどうなるのか関心を持っておるんです。なかなか実態はわからない。先ほどの二十八万という数字も去年の十一月の数字なんですね。一年に二回しかとっておりません。こういうような重大な問題についてはやはり人員の問題、予算の問題、必ずついてくると思うんです。もうこれ以上申し上げません。 もう一つつけ加えて申し上げますと、収容施設も足りないんです。どんどんもう問題があるものですから、法治国家ですから、不法滞在者がわかっていても、それも何とも収容してそして退去強制できない。そういうようなのが実情なんです。そういうふうな形であふれたのが先ほど申し上げましたようないろんな蝟集状態となってあらわれてきているんです。これは最初に申し上げましたように、堂々と入ってこられる人はどんどん入ってきてもらう、しかしやはりルールの中で滞在していただくということが必要ではなかろうかと思うんです。 例えばボートピープルでベトナムの人たちがまだ二百八十人ぐらいおられるんです。収容所へ入っているんです。一年以上入っているんですよ。平成四年には、中国の人は帰しましたがベトナムの人は一人も帰してない。いろんな問題がありますよ。二百八十名、それだけ相当な国費を使っていますよ。それはたくさん入管行政に問題があることを検討すれば検討するほどわかるわけでございます。 何とかしなくちゃいけないと思うし、国際的な問題で大変難しいということもわかるのでございますが、法務大臣、一言ひとつ。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は法務大臣になりまして各局長さんからそれぞれの所管行政の説明を聞いたわけですが、法務行政が取り組まなければならない課題というのは大変たくさんあるんです。 しかしながらその中でも、やはり国の将来を考えましたときに、これだけ国際関係が緊密になってお互いに行き来がふえてくるわけで、そうしますと、やはりいわゆる入管行政というのはこれからの法務行政の中の早急に充実をさせなければならない大きな柱であるというふうにすら感じました。それは、先ほど来質疑応答の中でありますように、今外国から入ってきて出ていくのがそれぞれおおむね三百五十万、日本人の出ていくのは大体一千万ということですね。外国人の場合、それだけの人の出入りがあるわけですが、しかも不法残留が激増しつつある。今大体三十万ですね。これが不法就労あるいはまた先ほどのお答えのように刑事事件、殊に凶悪事件も起こしておる。今度は逆に、外国人に対する日本人の不法な差別扱い、人権問題、これも発生をしておる。 こういうようなことをいろいろ考えますと、今の入管行政に従事しておる職員がわずか千七百なんです。官署の数が百十二ですか。しかも御質問になりましたように収容所の施設それ自身が足りないといったような、どれ一つとりましてもこれでは対応ができないと思って大変私は責任を感じております。殊にまたこの問題は、今ヨーロッパ各国が、御案内のように、こういったそれぞれの国が密接に境を接しておるということで日本とは若干違いますけれども、それにしても大変な問題になっておる。しかしこの問題は、海に囲まれておっても、私はアジアの情勢一つによって大変な問題になると、かように考えておるわけでございます。 そういうようなことから考えまして、やはりきちんとした出入国管理体制を整えて、そして不法な入国者あるいはまた不法な就労者、そしてまた 犯罪を犯す者に対しては厳しく私はこれはきちんとした処理をすべきであると考えております。 ただ私は、率直に言いまして、入国管理、管理という言葉が個人的には気に入らないんです。それは、管理というのは何かしらん異なった者を違った目で絶えず監視をしておるといったような言葉の響きがありはせぬのかなと。不法な者に対しては厳しくやらなければなりませんけれども、やはり日本人の意識の中に外国人に対する異人という物の見方ですね、しかしもはやそういう時代ではない。外国人というものは、日本に入ってくれば、日本という国は大変礼儀の正しいきちんとした国だと、それで日本人も大変外国人に対しては温かい気持ちを持っておるといったような日本に対する好印象を持って帰ってもらう。このことが日本の国際的な地位を高めるゆえんでもあるし、また国際間の融和にも非常に役立つのではないか。 私は、そういう考え方のもとに厳しい面は厳しく、しかしながらもう少し、違った目で物を見るということはできるだけこれはやめた方がいいな、内外人ひとしく同じような目で見る、こういうような考え方のもとにいわゆる入管行政を担当させていただきたい、かように考えておるわけでございます。
○下稲葉耕吉君 政府は技能実習制度等を導入しようということで、今、法務省、労働省、関係省庁が懸命に努めておられるわけでございまして、今法務大臣のお考えを承りまして、私も大変期待いたしております。 検察庁の問題と報道の問題につきまして若干触れてみたいと思いますが、今、世上、佐川事件を契機といたしましていろいろなことが報道されているわけでございます。それにつきまして、きのうも法務大臣御答弁いただきましたけれども、やはり私は、検察というものは基本的には、時流に流されると言っては語弊がございますけれども、マスコミが褒めようがあるいはけしからぬけしからぬと言って怒ろうがやはり厳正に法と証拠に基づいて仕事をやっていかなきゃいかぬ、評価は後でいろんな人がやればいいわけでございますから、というふうな感じがするわけでございます。 そういうような中で、実は最近ちょっと目にとまった記事がございますが、「あの人は」という題で、「汚名返上に十年悠々自適の余生などないですわ」と。これは宮崎県の黒木知事の事件なんです。これはちょっと事件は古うございますけれども、七九年に収賄容疑で逮捕され、八三年は一審は実刑判決、八八年の二審で逆転無罪で、無罪確定しているわけですね。そして、九一年には勲一等瑞宝章をもらったということなんです。 結局、無罪だったんですね。裁判で争われた。ちょうど知事六選目の直前でございまして、判決文等も私は読んでみました。要するに、六選を阻止しようとする人たちの告発に基づいて、それが端緒になって進んでいった事件でございました。結論は無罪なんですね。知事はもうもとに戻れないんですね。八十一歳で無罪になられて、今八十六歳なんですよ。もとに戻れない。もうその人の人生はそうなんですよね。県政に一生懸命やってこられた。それだけに私は、検察の仕事というのは大変だと思うし厳正にやってもらわぬといけない、つくづくそう思うんです。 そういうようなことから、国会議員によります贈収賄事件で無罪となった事件を調べてみました。戦後たくさんあるんです、御承知のとおり。例えば昭和電工事件、芦田さんを初め六名の方が無罪ですね。炭鉱国管汚職事件、これは田中角栄さん初め四人の方が無罪。鉄道会館事件、これも、今申し上げましたのは確定した段階で申し上げておりますが、無罪。造船疑獄、この前まで参議院議員をなさっておられました我々の大先輩の方もこれも無罪。売春汚職事件、これもお一人の方は無罪。最近は撚糸工連事件、これは裁判係属中でございますけれども、二審は無罪ですね。 検察の動きというものは本当に御苦労だと思いますけれども、やはり私は先ほど申し上げましたような形で、今一生懸命騒いでおりますけれども無罪は戻ってこないんですね。その人はもうそれでおしまいなんですね。おしまいと言っては語弊がございますけれども。その辺につきまして法務大臣ひとつ。
○国務大臣(後藤田正晴君) おっしゃるように、政治家の関係した事件に大変無罪が多いということは事実でございます。ただ、検察としましては、これは釈迦に説法で恐縮ですけれども、やはり法の枠の中で適正な手続のもとに厳しい制約の中で犯罪を厳格に処理しなきゃならぬという使命感に燃えて、やはりそういった枠の中で精いっぱいの努力はしておる。そして、もちろん言うまでもありませんが不偏不党、誠実に忠実に職務を果たしてくれておるということは、私は疑いを持っておりません。 ただ、それじゃなぜ一体こういう政治家絡みの事件に無罪が多いのかといいますと、これは私はやはり汚職事件ということになると、言うまでもありませんが、職務に関してわいろ云々ということになると、これは当該政治家の職務に関係をしておったのかどうかということが大変難しい。殊に政治家の場合は、一般の有権者からいろんな陳情を受けましてそれを国政の上に反映させるということが政治家の基本的な任務でございますから、そういう任務との関連の中で、本当にこれは不正な金品をもらったのかどうかという、そこの見分けが大変難しいな、こういうことではなかろうか。 そうしますと、当然被告人といいますか被疑者といいますか、その立場の者は、何としてでもそこを争う。そうしますと、職務の範囲いかんということになると、どんぴしゃり職務ということがはっきりしている事犯はこれは何ということはありません、たやすく処理ができるんですが、問題は、密接関連行為という刑事の手続といいますか刑事事件の捜査の物の考え方がある。そうしますと、果たしてそれが職務行為となるのかならないのか、密接関連の範囲にあるのかないのかという、ここが私は大変難しいなと。 だから、なぜこういう無罪事件が多く発生しておるかということについて、取り調べ側がいかにも無理をしているなといったような批判が一部あることは率直に反省しなきゃいけませんけれども、私は必ずしもそうは思っておりません。やはり何といいますか、今言った職務権限の範囲の問題をめぐっての争い、それからもう一つは、政治家というものは本来的に有権者といいますか、国民の要請を受けてそれを国政の場に反映させるというのが基本的な任務である。こういった中での大変な難しい事件が政治家絡みの事件であろう。これが下稲葉さんがおっしゃる無罪事件、これは法廷は法廷でまた別な判断をなさいますから。 そういう結果が無罪事件が多く出ておるということにあらわれておるのではないか、こう思いますけれども、重ねて、検察官自身は私は職務に忠実に従事をしておるんだということだけはぜひひとつ皆さん方に訴えさせていただきたいな、かように思うわけでございます。
○下稲葉耕吉君 ありがとうございました。 今度は若干視点を変えまして、昔三浦事件というのがございました。これは三浦和義なる人物が奥さんを連れてロスヘ行きまして、ロス疑惑ということで大騒ぎされた事件でございます。 当時のマスコミの報道を一部持ってきておりますけれども、最初は大変三浦なる人物を褒めたたえているわけです。といいますのは、奥さんがけがした、アメリカの大統領だとかカリフォルニアの知事だとか市長に直訴いたしまして、結局軍用機で奥さんを日本に運ばせてそして治療した。もう美談として報道されたんですね。ところが、しばらくたちますと、今度はロス疑惑であんな憎い男性はいないということで、これまたマスコミがわっと騒ぎ立てた事件です。現在は殺人事件の被疑者で、まだ公判係属中でございます。 それをめぐりまして、本人が褒めたたえられているときにはマスコミは相手にしませんわね、あ あいいことだと。今度はけなされて、けなされてというか、もう殺人の被疑者みたいな、あるいはもうたくさん殺人やっているんじゃないかとか、いろいろ書き立てられる。殺人の被告人が今度は名誉棄損で民事訴訟しているんですね。何件も名誉棄損で告訴いたしまして、一昨年判決十二ございまして、十二のうち六つ勝っておるんです。 要するに、マスコミの公益性というふうなことは裁判所はもちろん認めておるわけです。しかし、起訴事実と関係のないような個人のプライバシーについていろいろ書き立てられるということはやはり名誉棄損に該当するというのが大体判例の傾向でございますね。殺人の被告人についてすらそういうふうなことで裁判所は名誉棄損を認めておるわけでございます。 そこで、問題にいたしたいのは、ここに出席の閣僚もいらっしゃいますけれども、「「二十億」「三十億円」アブク銭? 不可解〃永田町のカネ〃」ということで、これは去年の十一月六日、にぎわしたいわゆる皇民党、佐川絡みの事件でございますが、どうしても私納得がいきかねますので一点だけお伺いしておきたい、このように思うわけでございます。 それはどういうことかと申し上げますと、検察官のおやりになることは、私も昔似たような仕事をやっていたものですから実によくわかるんです。そして検察官の主張もそのとおりだと思うんです。ここで余り時間もございませんので触れませんけれども、しかしながら、検察官が裁判を、公判を維持するためにいろいろ手続的になさっておることはわかるんだけれども、そしてまた二十億、三十億政治家が云々ということを立証するためじゃないんだ、しかしこういうふうなことだったんだということもわかるんですね。 検察の立場とすれば私はそうだろうと思うが、国民の立場から、あるいは一人一人の立場、政治家の立場と特に申し上げません、これはもう政治家が問題になっておるんですけれども。国民の立場から、自分に関係のないこと、かかわりないことを、そういうふうなことがあたかもあったかのように報道される。それは調書を読んで公判廷でそういうふうな形が出たからなんですね。公判の維持のためには私はわからぬわけではないけれども、やはり別な大きな社会があって、そういうような中でそういうふうなことがまかり通るのはどうしても納得できない。やはりその辺のところは検察も十分慎重であってほしい。 検察のおやりになっておることはわかります。私は絶対支持しているんですけれども、やはりその辺のところで、しかもああいうふうな記事が選挙の一週間ぐらい前に出てごらんなさい、これはもう大変なことになりますよ。打ち消すのに大変ですわ。ということで、これもまたひとつ法務大臣に。
○国務大臣(後藤田正晴君) 佐川事件の商法違反事件で今裁判になっている法廷での調書の読み上げの問題だと思いますが、法律的に言いますと、それは別段違法でも何でもない、あれでいいと、こう言い得ることではありますけれども、しかしながら、いかに裁判長の法廷指揮に従ったとは言いましても、やはり公開のああいう法廷でそれ以外に方法がなかったのかということになると、これは要旨ということだってあり得ますね。だから私は、裏のとれてない、しかも後になってみてそういう事実無根であるといったことがああいうところで読み上げられて、大変な名誉棄損とでもいいますか、その立場に立った人に非常な私は迷惑をかけたということについてはこれはおわびをしなければならないことだと思います。 したがって、やはりああいう場合には検察も率直に、これは手続として法律的には問題はないと思うけれども、ああいうやり方をやったということについてはあくまでも慎重でなければなりませんでしたといった釈明をして、きちんと何というか行き過ぎは行き過ぎといったようなことを認めるのが正しい検察のあり方であると、私はさように考えます。 したがって、平たく言いますと、法律的には差し支えないんだけれども、まあ俗語で言えばチョンボだなあと、私はさように思います。
○下稲葉耕吉君 法務大臣にまたいろいろ教えていただきましてありがとうございました。 次に、では話題を変えます。 いわゆるカンボジアにおける文民警察の問題について触れたいと思います。 自衛隊の方々がカンボジアに行かれました御苦労な状態というのはよくマスコミにも出ておりますし、私どもも理解いたしております。 そこで、きょうはいわゆる文民警察の問題についてお伺いしたいと思いますが、山崎警視正以下七十五名、日本から派遣されて大変活躍されております。御苦労が多いと思うんですが、いろいろ聞いてみれば聞いてみるほど本当に御苦労だな、こう思うんです。 まず第一に、カンボジアというのは暑いところで、気候なりなんなりの問題もございますが、電気があるというところが少ないんですね、行っているところは。ガスはもちろんございませんよ。ふろを浴びるにしたって雨水か川の水かだ。しかも、私は最初、山崎警視正が隊長で七十五人がその指揮下にあるかと思ったら、どうもそうでもないようなんですが、まずその辺の実態につきまして事務当局からで結構ですから御報告いただきます。
○政府委員(柳井俊二君) ただいま先生御指摘のとおり、文民警察の場合にはカンボジアのいろいろなところに配置されておりまして、生活条件、勤務条件大変厳しいものがございます。 現在、配置先につきましてはプノンペン及び九つの州、若干最近配置転換等もございましたので二十九カ所に各署一名から数名ということで勤務されているわけでございます。 生活環境につきましては、ただいま御指摘ございましたようにいろいろ厳しいものがございまして、大体の地域で水道、ガス、電気等の設備がない、また飲料水につきましては州都等に出ましてミネラルウオーターを購入してくるという状況でございます。それから、飲料水以外の生活用水につきましては川とか池の水を利用しなければならないというところが多うございます。ガスはプノンペンないし州都等で購入いたしまして、電気については私どもの国際平和協力本部から支給いたしました発電機を利用しているというのが状況でございます。 それから、勤務の態様でございますけれども、いずれの地域におきましても他国から派遣された要員とともに勤務しておりまして、例えばガンダル州、これはプノンペン周辺の州でございますけれども、サカンダルという郡におきましては、日本人の署長のほか日本の警察官三名、インド人が三名、フランス人が三名、コロンビア人が四名、ガーナ人が三名、アルジェリア人が四名、パキスタン人が二名というふうに大変にいろいろな国柄の方々が一緒に勤務しているというのが状況でございます。
○下稲葉耕吉君 今承ったとおりでございますが、一緒に勤務しておるというと格好いいわけですが、その辺の指揮系統はどういうふうになっておりますか。
○政府委員(柳井俊二君) 指揮につきましてはUNTACに文民警察部門がございまして、そこの最高司令官がルースさんというオランダから来られた方でございます。 〔理事柳川覺治君退席、委員長着席〕 そこから各地方の責任者の方に指令が出まして、そしてただいま申し上げたようなチームがその指令のもとで活動するという形になっておりまして、各国の混成部隊が、部隊と申しますかチームがUNTACの指令に、指図に従って活動するという状況になっております。
○下稲葉耕吉君 プノンペン近辺の勤務者はまあまあだと思うのでございますが、問題はジェムリアップだとか、特にシェムリアップの北部のところですね、サムロン、フォンクー、アムビル、その辺あるいはコンポントム、その辺もそうでございますけれども、こういうふうな人たちが本部に 行くような交通手段、それから通信、どういうふうになっておりましょうか。
○政府委員(柳井俊二君) ただいま御指摘ございましたように、特に北部につきましてはへんぴなところが多うございまして、ただいま御指摘になりましたような地域、すなわちシェムリアップ州のアムビル、フォンクー、サムロン、プーク及びシェムリアップ市並びにコンポントム州のコンポントム市がそのような地域であると存じます。 このうち、アムビル、フォンクー及びサムロン、これは北部のタイとの国境に近いところでございますが、このような地域につきましては、交通手段につきましてはUNTACのヘリコプターを利用しております。 それから、シエムリアップ市及びプークというところでございますが、ここへはUNTACのヘリコプターを使いますかあるいは民間航空機、国内線の航空機の利用ができます。そしてコンポントム市につきましては車両により陸路プノンペンに出ることができる状況にございます。 なお、先ほどちょっと触れました北部の地域でございますが、特にアムビル及びフォンクーというところはタイとの国境に非常に近いところでございますので、物資の補給に当たりましてはタイの方に買い出しに行くことが多いというふうに報告を受けております。 それから、通信手段でございますけれども、これは基本的にはUNTACの無線の通信網がございますが、ただ、特に日本との通信ということになりますと、これは別途措置をしなければいけないわけでございます。御承知のとおり、国際電話等はほとんど利用できませんので、私どもとしては順次いわゆるインマルサットを設置いたしました。最初に一番北部のアムビルに設置したわけでございますが、その後ふやしまして、現在は北の方の地方では合わせまして五基のインマルサットを配備しております。
○下稲葉耕吉君 現地に行っている人たちの話を私直接聞く機会が今日までございませんが、いろいろ間接的に聞いてみますと大変な苦労をしているわけでございます。やはり日本の警察の代表ということで士気は極めて旺盛で、外国の文民警察官の人たちもびっくりしている、本当にすばらしいというふうな話はいろいろ入るわけです。しかし、私どもはそれに甘えちゃよくないわけでございまして、やはりその身の安全なりなんなり図らなければならぬ、こう思うわけでございます。 今まで負傷した人はいないわけでございますが、今日まで世界各国から文民警察として来ておりますが、文民警察官で死傷者があれば御報告してください。
○政府委員(柳井俊二君) ただいま正確な数字が手元にございませんけれども、私の記憶している限りにおきましては、他国から派遣されております文民警察官のうちでたしか死者はなかったと思いますが、地雷による負傷者は若干出ていると配慮しております。
○下稲葉耕吉君 文民警察官で十名ほど負傷しているということを私承っております。 そういうふうな状態でございます。政府も大変気を使って、ただいまお話しのような通信手段その他細々配慮しておられることはよくわかるわけでございますが、大変なものでございます。危険手当みたいなものは出ておりますけれども、外交官の在勤法は税金がかからぬのだけれども、今度のは税金をやっぱりきちっと取られている。何かきめ細かくいろいろ気を使っていただきたいと思うんです。 それから、無事で帰ってくることを心から期待するわけですけれども、帰国後の処遇、昇進の問題でございますとかあるいは表彰の問題でございますとか、いろいろあるわけでございますし、その辺のところにつきまして国家公安委員長、いかがでございますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほど来質疑を承っておりまして、文民警察官そしてその御家族にとって大変思いやりのある御質問をいただいて感謝をいたしております。 それで、文民警察官とその御家族にとりましてはお互いの消息を知ることが最大の関心事でございます。したがいまして、生活面も含めた文民警察官の状況を御家族に適宜連絡するということもしますし、出張時等を利用して留守家族の近況を文民警察官に伝達するなどのこともいろいろして、コミュニケーションが円滑に図られるように考えておるわけでございます。また、帰国後のいろいろな措置につきましては、可能な限り支援を行うとともに表彰等を含めてその労に対して十分ねぎらうことをしなければならないと思います。 私はカンボジアには行ったこともありますし、シアヌーク殿下にもたびたび会っておりますし、ほかの方からもいろいろ様子を聞いてカンボジアの状態に非常に心を痛めております。今、下稲葉委員が御質問をされた件につきましては心を込めて対応しなければならない、このように思っております。
○下稲葉耕吉君 国家公安委員長からお言葉をいただきましたが、政府といたしましても十分御配慮いただければありがたい、このように思います。 次に、暴力団関係についてお伺いいたしたいと思います。 暴力団対策法ができましてからちょうど一年になるわけでございまして、政府はさらに今回その改正案を提出しておるわけでございます。事務当局からで結構でございますが、一年間の成果について御報告いただきたいと思います。
○政府委員(廣瀬權君) お答え申し上げます。 昨年三月一日、いわゆる暴力同対策法が施行になったわけでございますが、この一年間、警察は全国の警察組織を挙げまして暴力団総合対策に取り組んできたところでございます。 簡単に一年間の取り組み結果を御報告申し上げたいと思います。 まず、暴力団対策法に基づきまして五代目山口組等十八団体を指定暴力団として指定をいたしました。この十八団体の構成員が全国の暴力団構成員のどのくらいを占めるかといいますと、約七六%に当たるわけでございまして、全国の暴力団構成員の七六%に暴力団対策法の網がかかったという状況でございます。そして、これらの指定暴力団の構成員によります暴力的要求行為あるいは暴力団への加入強要行為、こういうものに対しまして中止命令あるいは再発防止命令をかけまして、この数が二月末まででございますが三百四十件余になっております。これによりまして暴力団の活動による危害を防止したというところでございます。 また、暴対法の規定に基づきまして全国各県に暴力追放運動推進センターを設置し、かつ全国の公安委員会がそれぞれセンターとして指定をしたところでございますが、これも九月までに全部でき上がったところでございます。このセンターにおきまして暴力団被害等の相談あるいは各種の援助等を行って、このセンターは暴力団排除活動の中核としての活動を行っているところでございます。 以上が暴対法の施行状況でございますが、この暴対法の施行とあわせまして暴力団犯罪の徹底検挙に努めたところでございまして、昨年三月一日から本年一月までの間に三万八百十人に及びます、これは構成員あるいは準構成員も含めてでございますが、これらが行いました暴力団犯罪を検挙したところでございます。 こうした警察による取り組み、あるいは国民の各界各層の方々が暴力団排除ということでかつてない高まりを見せていただいておりまして、両方相まちまして民事介入暴力の抑圧が一応図られつつあるというようなこと、あるいは暴力団によります対立抗争が激減したというようなこと、さらには暴力団員のうち、組を離脱いたしまして社会復帰したいという者が多くなってきたというような一応の成果があったものと考えております。 しかし、暴力団対策はいわばその緒についたところでございまして、解決すべき問題も大変多い ところでございます。中でも寡占化の度を強めております広域暴力団対策あるいは暴力団フロント企業等からの暴力団の資金源対策、そういうものに対して今後強力に取り組んでいく必要があろうかと思います。 また、お話がありました暴対法を施行いたしまして暴力団の情勢にかなり変化が出てきておるわけでございますが、特に離脱者が増加をしたという傾向にございます。しかし、この離脱を阻害している要因というのがございまして、例えば指詰め等が盛んに行われているという実態でございます。こうしたことに的確に対応する等、暴力団対策法の一部改正を今国会においてお願いしたいと考えておるところでございます。 暴力団対策はこれからがまさに正念場でありますので、犯罪の取り締まりあるいは暴対法の積極的な活用、暴力団排除活動の強力な展開に努めてまいりたいと思っております。
○下稲葉耕吉君 各方面の御協力をいただいて暴力団対策を推進しておるという状況でございます。 今、まさしく御指摘があったように始まったばっかりでございますし、これからは知恵の闘いであると思うんです。暴力団もいろいろ知恵を出しますから。したがいまして、それに対応する法令の整備というものは必要に応じてやはりどんどん活発にやっていくべきだ、このように思います。 そこで暴力団対策に関連いたしまして、政府でも次官会議で積極的にやろうという何かお話し合いが出たように承っておりますが、暴力団というのは暴力団という正式な組織があって税金を納めているわけじゃございませんね、不法行為で金が集まっているのが多いんですから。そういうふうなものに対して、国税庁でしょうかな、課税の状態、あるいはまた、建設業界から暴力団そのものを排除しようというふうな動き等もこれは積極的におやりいただいていることだと思うのでございますが、建設省、国税庁から御報告いただければと思います。
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。 先生から御指摘いただきました建設業から暴力団を排除するということに対しましては、六十一年に私どもといたしましては、暴力団の構成員が役員を務めているような会社に対しましては建設業の許可を取り消す、そしてまた、実質的に暴力団が支配しているような会社に対しましては公共事業の発注も取り消す、このようなことで警察当局と連携をとりながら進めているところでありますが、年間に数十社の許可取り消しまたは指名停止というようなことで対応させていただいておりますが、特に暴力団新法が施行されてからは、都道府県知事にも連携をとりまして、指導監督をさらに通達を出して強化に努めているところであります。 また、昨年の十月に財団法人で建設業適正取引推進機構というものをつくりまして、ここにおきましては、独占禁止法の遵守と同じように、業界がこういった体質に対して毅然たる姿勢がとれるように教育指導を徹底しているところでありますが、今後も警察当局と連携を深めながら、今御指摘をいただいたような問題が建設業界の中から出てこないように十分に注意して対応させていただきたいと、このように考えております。
○政府委員(瀧川哲男君) 暴力団に対する課税についてのお尋ねでございますが、私ども国税当局といたしましては、納税者の適正な課税を実現する、こういった観点から、暴力団等につきましてもあらゆる機会を通じまして課税上有効な資料、情報の収集に努めまして、その上、課税上問題があると認められる場合には実地調査を行うなどによりまして適正な課税の実現に努めているところでございます。 ただ、暴力団等の特におっしゃいました不法な行為による所得というものにつきましては、その把握が極めて困難であるということも事実でありますし、また調査に対する協力度が極めて低いというのもこれまた事実でございます。このため、従来から警察当局等との協力関係を密にいたしまして、暴力団等の課税に関連する情報の提供を受けまして、そしてこれを活用することなどによりまして暴力団等に対する課税の適正化に努めてまいったところでございます。今後とも、警察当局等との緊密な連携を図りながら適正公平な課税の実現に努めてまいりたいと思っております。 また、事績でございますが、これはまことに申しわけないのでございますけれども、私どもの調査の対象になりましたもの、これは法人であったり個人であったりするわけでございますが、これが果たして暴力団関係者であるかどうかということになりますと大変難しいことでございまして、例えば暴力団の関係者が社長さんになっているというならこれまたすぐわかるんですけれども、ダミーを使ったり、取引先に使ったり、いろんな手口がございまして、いえば統計上のものとしてつかまえにくいということもございまして、今まで暴力団関係者としての事績の取りまとめは残念ながら持っていないというのが現状でございます。ぜひ御理解いただきたいと思います。
○下稲葉耕吉君 建設大臣の御答弁は大変乱よく理解できました。 国税庁の答弁はちょっとまだひっかかるんですが、なかなか難しいということもよくわかるんです。警察もいろいろ課税通報をやったりしてそういうような部分についてはいろいろ適切な処置をしていただいていると思うんですが、難しい難しいと言っていたら何もできないんです。 例えば、指定暴力団体になっている数はもう公表されているしわかっていることだし、それぞれの自分の税務署の管内にどういうふうな暴力団がいるぐらいおわかりだろうと思うんです。そして、警察と積極的な連絡をおとりになってもう少しその辺のところでやっていただければ税収も上がることでありますけれども、ひとつ御答弁いただきたい。
○政府委員(瀧川哲男君) 先ほど申し上げたのはまさに今委員おっしゃったとおりのことを申し上げたつもりでして、大変私どもだけでは難しいので警察御当局と連絡をとり合いながらしっかりやっていきたい、こういうことを申し上げたつもりでございます。
○下稲葉耕吉君 もっともっとひとつ頑張ってほしいということで、次の問題に移ります。 次は、農水省が一生懸命取り組んでいただいておるいわゆる新農政の問題でございます。 実は、平成二年の三月二十三日この予算委員会の席で私は、農政不信の原因は農家が将来の農業に不安を抱いているからだ、はっきりしたビジョンを農民を初め国民の前に示し、その理解を得べきであると思うという質問をいたしまして、山本当時の農水大臣の積極的な御答弁をいただいているわけでございますが、今度のいわゆる新農政につきましてはそういうふうな線に沿った私は時機を得た内容であると思うのでございます。 そこで、きょうはその中で特に環境保全型農業の推進と食品産業、消費者政策についてお伺いいたしたいと思いますが、我々の先達が大変昔から苦労されまして自然農法でございますとか有機農法でございますとかいうふうな農法を推進してこられたわけでございます。ところが、当時は農水省、なかなか受け入れてもらえなかった。つい最近になってからでございます。平成元年になりまして、有機農業対策室というものが初めて農水省にできました。昨年はそれがさらに拡大されたような形で、環境保全型農業対策室というふうな方向へ変わってきました。食の安全、農業の安全に対する国民のニーズというのは非常に、消費者のニーズですね、特にきついものがあるわけでございまして、これが世界的な流れになってきているわけでございます。世界永続農業協会というのも既にできて世界的な活動を進めているわけでございます。 そういうふうな中におきまして、農水大臣のこの問題に対する抱負なり所信をひとつ承りたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) お答え申し上げますが、おっしゃるとおり、環境に対する国民の意識が非常に高まってきている中で、化学肥料、農薬の使用をできるだけ減らして環境影響の軽減を図るということで、先般新農政を発表いたしまして、その中で環境保全型農業を推進しようということにいたしました。欧米に比べますとまだそれほどひどい状態ではないと言いつつも、窒素分の増加が地下水でありますとか湖沼、そうしたところで一部生じておりますので、これからそういう対策を立てていかなきゃいかぬ、こう考えております。 一方、今お話のありました自然農法でありますとか有機農業、これには消費者の非常に根強いそういう要求というものがこことみに強くなってきておりまして、これにこたえて生産者の方々もさまざまに工夫しながら取り組んでいるわけでありますけれども、どうもいま一つ顔が見えないということをよく言われるわけでありまして、消費者の皆さんが簡単に見分けられる、そんなことを整備していかなきゃいかぬというふうに考えております。 私も時々自炊をするわけで、ヨード卵でありますとか地鳥卵とかいろいろなものがあるんですが、一体それが既存の卵とどういうふうに違うかとかわからないわけです。特に最近、野菜を食べるようにしてドレッシングを買うんですが、裏に書いてありまして塩分は何%、ああいうのを書いてあると私もほっとするんですね、塩分を控えると言われておると。そういうことがやっぱり国民の皆さんに本当にわかるような仕組み、そうしたことが非常に大事だということで、産地における生産、出荷の標準的な管理方法を策定するとか、あるいは農産物の生産、流通及び消費の各段階における実態を調査するとかいろいろあります。 もちろん、農業者が有機農業技術を導入しようとするときには無利子の資金を行うとか、そういうことをやりながら、何としてもこの面について国民の皆さんが食料に対して安心してお買い求めいただける、そんな方法を今国会に法案としてお出ししたい、こう考えております。
○下稲葉耕吉君 昨年の秋でございましたか、農水省が今申し上げましたような有機農産物の表示の基準としてガイドラインというものをつくられまして、来月から実施されるというふうに承っております。私は、いろんな意見があるにいたしましても、とにかくそういうふうな人間の健康の問題、食料の安全の問題、もう国民的なニーズでございますので、これは農水省は積極的にどんどんどんどんやってほしいと思うんです。 そして、さらに今大臣お話しのございましたように、特定JAS規格ですか生産の過程でとらえてひとつその規格をつくろうというふうな試みもなされておられるようでございますが、各方面の意見を聞かれまして、これはもうどんどんどんどん積極的に推進していただきたい。そして、やってみていろいろ問題があれば、さっきの暴対法じゃございませんけれども、それはまだそのニーズに応じて変えていけばいいわけでございますから、まずとにかくやってみること、これがもう世界的な潮流になっております。 その辺の実態につきまして、事務当局で結構でございますが、御説明いただければ。
○政府委員(須田洵君) 先ほど農林水産大臣からも申し上げましたように、有機農産物あるいは無農薬、減農薬といったいろんな表示が出回っている、そういうことに対処してのまずは第一歩といたしまして有機農産物についてのガイドラインということを設定いたしましてこの四月から施行に入るということでございます。これにつきましてもいろいろな議論がございますけれども、いろいろ御理解も求めながら、またかつ注意深くその実施状況をフォローしながらやっていきたいというふうに考えております。 それとともに、あわせまして、ただいまお触れになりましたいわゆる特定JAS規格ということで、一つの規格をつくっていくには相当時間がかかろうかと思いますけれども、まずは従来のJASというものが加工食品といいますか製品JASといいますか、そういうものの域を出なかったわけでございますが、やはり特定の生産方法についても認定し得る、そういうつくり方JASとでも申すべきかと思いますが、そういうものにつきましても道を開くということで努力をしていきたいというふうに考えております。
○下稲葉耕吉君 世界的な流れでございますし、やはり人類的な要求であろう、このように私は思います。どうかひとつ政府もこの問題に真剣に取り組んでいただきたい。お願いいたします。 あと余り時間もございませんので、残った時間を国際貢献の問題についてお話ししてみたいと思うんです。 実は、国際貢献といいましても、もうODAからいろんなところまで大変広範にございます。ですから、それをちょっと勉強しようかと思いまして、政府が国際貢献に、例えば去年でもいいですよ、一昨年でもいいですよ、幾ら金を出しておられるんですかと、こう聞いてみたんです。どこに聞いても答えが出てこないんですよ。ODAならODAで昨年は幾らでございました、湾岸戦争には幾ら出しました、ソ連の人道援助には幾ら出しました、今カンボジアの支援にはこういうふうにやっておりますという数字は出てくるんですけれども、国際貢献しなければならない、しなければならないと我々は口を、政府もおっしゃっているんですけれども、ところがトータルとしてどれぐらいの金を、それは政府も民間も含めて、政府なんか出てくるだろうと思ってお伺いしましたら、これがなかなか出てこないんです。それが実情なんですね。 いや、そうでないという御意見がございましたら、大蔵大臣いかがですか。
○国務大臣(林義郎君) 下稲葉先生は党で経済協力特別委員会などで大変精力的に御活躍でございますから、大変この辺はお詳しい方でございますから、私からどうかというものはありませんけれども、今お話がありましたように、ODAは幾ら、それから湾岸戦争のときは幾ら云々、こういうことで、ただ私は、その国際貢献というのをどこまで考えるかということだろうと思うんです。 例えば、国際機関に入っております。義務的に入っているところもあります、国連なんかにも入っている。そういうものを一体どうするんだと。それから在外活動をやっていますね。これもある意味においては外務省の在外公館というのはあるいは国際貢献の一環なのかもしれません。非常に広い意味で言えばそういうことであろうと思います。だから、その辺の概念をどうとらえていくかということじゃないかと思いますし、むしろそういったことで何か概念をとらえていきますと、それでどのぐらいかかるかということは私はおのずから出てくるんだろうと思います。 ただ私は、国際貢献というのは一つの目的でもってやるわけですから、先ほど申しましたような外務省の公館などという問題までその中の費用に入れるのはどうだろうかなというようないろんな議論はあるだろうと思いますので、むしろそういった形で整理をしてみたらどうかなと、こう思っているところです。
○下稲葉耕吉君 大蔵大臣の御意見に私も賛成なんですね。ところが、今までそういうふうな議論がなされていないんです。私も調べてみたんですけれども、なかなかわからないんですよ。 今おっしゃるように、どれはこれだ、どれはこれだというような形で一応こういうふうな形ですということなら、またそれはわかるんですね。ところが、やはり世界の中の日本でございますから、私どもはトータルとしてその辺の流れというふうなものを見て、そしてどこに重点を置くべきかあるいはどういうふうにすべきか。ここは切るべきか。国内の公共事業の配分でも大変ですね。シェア争いで大変なことでございますけれども、それはそれとしてこれも改善してもらわなきゃいかぬと思いますが、やはり国際貢献についてそのときどきの重点なりなんなりというのはあると思 うんですよ。湾岸戦争のときには円にいたしまして一兆五千億弱でしょう。そういうふうな金がぽっと出ているわけですよね。トータルとして大体一兆五千億弱ぐらいのODA予算ですわね。そういうふうな形になってきている。 ODAにいたしましてもちょっと申し上げますと、実は平成元年の六月二十二日に参議院はODAについての決議をしているんですよ。これは多くの野党の先生方の御協力をいただき、御協力というよりもむしろハッパをかけられた方なんですけれども、いただきまして、そして参議院の決議といたしまして、衆議院にはございません、ODAの決議をしている。そして、昨年の六月三十日に政府開発援助大綱というものができましたね。 この決議の段階で、中断いたしておりました対外経済協力閣僚会議というのが復活しているんです。一時中断いたしまして、こういうふうな議論の中で復活しているんです。そして、平成四年六月三十日に政府開発援助大綱。これは大変な前進です。大変な前進ですが、この中身を見ますと、この決議とどこが違うかというと、大体同じなんですよ。環境保全の内容というのがこの援助大綱に入ったぐらいのもので、基本理念から何からほとんど同じなんですよ。ODAはODAでそういうような形でできていますし、まだいろいろ与野党の間で議論の存するところもたくさんあるわけでございますけれども、まあ前進している。 しかし、ODAの対象にならない、まず最初出てきたのは東欧諸国ですね。ベルリンの壁があれしましてから、東欧社会主義諸国がODAになるのかならぬのか。OECDのDACの基準には入らぬけれども、ODAに換算するとかしないとかいうような議論があった。それから、ソ連に対してはこうだ。今度は旧ソ連になって十七カ国ですかそのうち五カ国は今度はDACがODAの対象になると認めたでしょう。そういうふうな形なんです。ところが、今度はソ連に対する人道援助だとか、ロシアに対する人道援助なんというのが出てきた。これも援助ですね。そうすると、従来のODAの範疇とはるかに変わった大きな国際貢献という議論が出てきていると思うんです。 ですから、私はきょうはここで時間も参りましたのでやめますけれども、やはりそういうふうなことで、ぼつぼつ日本は視野を広げて考える時期に来ているんじゃないか。政府も今大蔵大臣がおっしゃったような議論をどんどんどんどんして、そして考え方をまとめていただいたらどうだろうか、こう思うんでございますが、最後にひとつ総理にお願いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 実は私もよく外国の人から同じことを聞かれまして、答えに困るんでございますね。ODAなら百億ドルをちょっと超えたということまでは返事になるのですけれども、それから先どこまでを勘定するかということもございますし、それに今もちょっとおっしゃいましたが、かつて先進国というふうになっておった国が幾つかに分かれて、その一部はODAの対象になりましょうし、そうでなくても人道援助をしなきゃならない大国もある。それから、東南アジアの国では今までのODAの物差しでいえばもう卒業をするだけの一人当たりの所得ができてきて、しかしほうってはおけないだろうという感じがまだいたしましたり、ですから全体この問題を、それに今カンボジアに隊員の諸君に行ってもらっておりますけれども、このための費用というのもやはり国際貢献でございましょうし、いろんな意味で国民にも知ってもらう、そして将来の問題もわかってもらう。対外的にもこれは当然我々としてわかってもらわなきゃならぬことでございますから、みんなでひとつよく考えてみたいと思います。ありがとうございます。
○下稲葉耕吉君 終わります。
○委員長(遠藤要君) 以上で下稲葉君の質疑は終了いたしました。(拍手) 本日の審査はこの程度といたします。 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十三分散会