本会議 第16号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/05/14
会議録
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。 この際、お諮りいたします。 坂野重信君から裁判官弾劾裁判所裁判員を辞任いたしたいとの申し出がございました。 これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。 よって、許可することに決しました。 ―――――・―――――
○議長(原文兵衛君) この際、 裁判官弾劾裁判所裁判員、 国会等移転調査会委員各一名の選挙を行います。 つきましては、これら各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。 よって、議長は、 裁判官弾劾裁判所裁判員に平井卓志君を、 国会等移転調査会委員に宮澤弘君を、それぞれ指名いたします。(拍手) ―――――・―――――
○議長(原文兵衛君) 日程第一 国務大臣の報告に関する件(「我が国文民警察要員死傷事件と要員の安全対策等」について) 河野国務大臣から発言を求められております。発言を許します。河野国務大臣。 〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
○国務大臣(河野洋平君) 先般発生した我が国文民警察要員死傷事件と要員の安全対策等について御説明申し上げます。 去る五月四日、カンボジアにおいて国際平和協力業務に従事していた我が国文民警察要員五名が他国のUNTAC要員とともにパンテアイミエンチャイ州のフォンクーからアンビルに向けて移動中、武装グループに襲撃され、高田晴行さんが殉職され、ともに行動していた他の四名の方々も負傷されるという痛ましい事件が発生いたしました。 高田さんの文民警察要員志望の動機は、国際平和協力隊員の一員として世界平和のために努力したいというものでありました。こうした高田さんの詳報に接し、深い悲しみと強い憤りを感じております。ここに高田さんの御冥福をお祈りし、御遺族に衷心よりお悔やみを申し上げます。また、負傷された方々の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。カンボジアの恒久和平の達成に向け努力してきた前途有為な人材を失ったことは、我が国にとりましても大変に残念な事件でありました。 政府といたしましては、事件発生後直ちに官房長官を本部長とする国際平和協力業務安全対策本部を設け、派遣要員の安全対策の強化につき協議を行うとともに、関係閣僚によりカンボジア国際平和協力業務関係本部員会議を開き、派遣要員の安全対策に万全を期すことを決定いたしております。これを踏まえまして、先週、村田自治大臣兼国家公安委員長をカンボジアに派遣し、我が国要員を含むすべてのUNTAC要員について、警護の強化、配置先の再検討等要員の安全の確保をUNTACに申し入れたところであります。また、我が国要員に対する装備品の支給、現地支援体制の一層の充実強化などにより、政府といたしましても要員の安全対策についてあとう限りの努力をしているところであります。 こうした日本側の申し入れに対し、明石特別代表からは、一つ、UNTACとしても要員の安全対策に万全を期したい、二つ、UNTAC要員の配置について再度緊急に検討したい、三つ、安全対策のための会議を巡回によって行う、といった具体的かつ評価すべき対応がなされたところでございます。 五月十二日の午前、関係本部員会合を開き、帰国した村田大臣よりこれらの経過の報告を受け、その後国際平和協力業務安全対策本部の第二回目の会合を開き、一つ、現在の配置が危険と考えられる地域については、関係国とも協議しつつUNTAC側と早急に話し合う、二つ、山崎隊長を中心に早急に地域の巡回を実施することを指示する、三つ、手薄となっているUNTACの輸送手段を支援するための我が国としての措置を早急に検討することを確認し、直ちに実施に向けて準備を開始することとし、その関連で、村田自治大臣の派遣結果をも踏まえ、昨日、国際平和協力本部の柳井事務局長その他関係省庁の職員をカンボジアに派遣いたしました。 また、UNTAC要員の一層の安全対策の強化のためには、カンボジア各地で活動を行っている要員のための水や食糧などを初めとする物資の輸送やUNTAC要員の移動のための手段としてヘリコプターなどによる輸送能力の強化が必要とされており、そのため国連は各国に対し、輸送能力増強を柱とするUNTACの安全対策強化に向けた一層の協力を要請してきております。政府といたしましては、国連からの要請にこたえ、UNTACによる輸送能力増強のための経費に充当するため、国連に対して百万ドルをめどとする緊急拠出を行うことを決定した次第であります。現在、カンボジアでは、局地的な停戦違反はあるものの、全面的に戦闘が再開されているわけではありません。また、カンボジアにおける紛争当事者各派は、パリ和平協定に署名をし、UNTACの設立に同意し、またSNCを通じてUNTACの活動を受け入れております。ポル・ポト派もバリ和平協定に反対しているわけではなく、むしろパリ和平協定が厳格に履行されるべきこと、ベトナム軍がいまだ残留していること、SNCが十分権限を行使していないこと等を問題としておりますが、UNTACの活動を全面的に否定するよりな言動をとっているわけではありません。したがって、パリ和平協定に基づく和平プロセスの基本的枠組みは依然維持されており、停戦の合意を含む国際平和協力法上のいわゆる五原則は満たされていると考えられるところであります。なお、パリ和平協定の基本的枠組みが維持されているとの考えは国際社会共通の認識でもあります。 カンボジアでは、パリ和平協定に従って五月二一三日より制憲議会選挙が行われることになっておりますが、これまでポル・ポト派の不参加にもかかわらず有権者の九割以上と推測される約四百七十万人の人々が選挙登録を行っており、これはカンボジア国民自身が選挙の実施を強く望んでいるものでもあります。また、五月十日にはシアヌーク殿下も選挙への参加をカンボジア国民に呼ひかけておられます。政府としては、カンボジアの恒久和平と民主主我の確立のためにも、九日後に始まる制憲議会選挙が予定どおり、かつ安全裏に実施されるよう、UNTAC、関係諸国とともに努力してまいることが最善の道であると考えており、今後とも我が国が果たすべき役割にふさわしい貢献を積極的に行ってまいりたいと考えております。何とぞ関係各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○議長(原文兵衛君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。上核光弘君。 〔上杉光弘君登壇、拍手〕
○上杉光弘君 私は、自由民主党を代表して、ただいまのカンボジアをめぐる政府報告に関連し質問をいたします。さきの国連ボランティア中田厚仁さんの悲報に祝いて、文民警察隊員の高田晴行警視が武装集団に殺害されたことはまことに悲しむべきごとであり、強い憤りを覚えます。中田さん、高田警視の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、御遺族に対し衷心よりお悔やみを申し上げます。また、負傷された皆様に心からお見舞い申し上げ、一日も早い御回復をお祈りいたします。これらの方々に対し、私は国政壇上からその名誉と勇気と使命感をたたえ、心から敬意を表する次第であります。 人命は地球より重いと言います。私は、中田さん、高田警視の死を決してむだにしてはならないと思うのであります。国論を二分する厳しい状況を克服して、我々は国際貢献をすることを決断いたしました。犠牲になられたことは大変悲しいことであり、断腸の思いであります。国際社会の平和と安全のため、とうといその命をささげられた方々に報いるためにも、諸外国との協力のもとにカンボジアにおける国連平和維持活動に全力で取り組むべきであります。宮澤総理、このお考えにいささかの揺るぎもないか、お伺いいたします。 カンボジアには、現在、当初国際社会が期待しなかった状況も生じていることは事実であります。しかし、日本のPKO要員が、そしてまたUNTACそのものがカンボジアから引き揚げれば、問題は何一つとして解決されず、一層の混乱を呈することは必至であります。既に九割以上の人々が有権者登録を終わっていると言われ、選挙実施のチャンスは今をおいてないのであります。既に九日後に迫ったこの歴史的な選挙を予定どおりに実施して成功させることが、パリ和平協定に従って民意を反映した新しい平和なカンボジアの実現につながるのであります。 以上のような基本的考え方に立って、総理、この際、カンボジアにおける選挙の実施、新生カンボジアの誕生に向けた我が国の協力について御決意を改めて伺っておきたいのであります。 次に、要員の安全の問題について質問いたします。 PKO要員の安全対策に万全を期すべきは至極当然のことであります。カンボジアにおいて、PKO停戦の合意はできても治安面での危険があることはかねてより政府も繰り返し指摘してまいりましたが、このことは受け入れ国の責任であり、国連の責任であり、そして派遣国政府の責任でもあります。申すまでもなく、安全が保たれていることがPKO全体の円滑な実施のため不可欠であり、日本人だけの問題ではないのであります。PKO全体の問題だと認識をすべきであります。 このたび、村田自治大臣が現地カンボジアに赴き、UNTACの明石特別代表から、日本人文民警察隊員に対する警護の強化、危険地域から配置がえすることについて検討するとの答えを得たこと、また日本人選挙監視要員の全員を自衛隊の施設大隊が駐屯しておるタケオ州内に配置する確認を得たことは、要員の安全を確保する上で一歩前進であり、その努力を多といたすものであります。そしてまた、明石代表が、日本人要員に限らずUNTAC要員全体として、文民警察隊員を危険な一部の郡部から州部等に引き揚げさせることを検討し、近く最新型の防弾チョッキ等を配備する予定であることなどを明らかにしたことも一応の改善策であります。こうしたことが早期に実施に移されるよう切望いたしております。 この安全の問題との関係で、私はPKO法案を審議したさきの国会での議論を思い起こします。当時、この法案を推進していた私たち自民党、公明党、民社党の三党は、自衛隊が長年にわたって蓄積してきた技能、経験、組織的な機能を活用することが必要である、自己の食糧、住居、輸送、医療その他について自己完結的な自活能力を有しているのは我が国においては自衛隊以外にないことを強く訴えましたが、社会党、共産党はあくまで文民で協力をすべきであると主張したのであります。今日、我々の主張と判断に間違いがなかったことを確信しておりますが、文民警察等の安全性について国会論議が必ずしも十分でなかったことを反省し、責任を痛感しております。 ところで、今我々が厳しく問われていることは、要員の安全確保に万全を期しつつ、国際社会と協力してパリ和平協定の具体化に全力を傾注し続けていくのか、それとも、既にパリ和平協定は枠組みが崩壊しPKO五原則は崩れたとの判断に立って、一方的に日本人要員の業務中断、撤収に踏み切るのかという選択であります。それは、いわば国際協調推進の立場を一層鮮明にするのか、それとも国内事情を優先させるのかといった選択でもあります。私は、我が国はちゅうちょすることなく前者の立場に立つべきであると判断いたします。そうすることが、しばしば日本外交に対してなされる顔のない外交、一国平和主義という批判を払拭することにつながると思うからであります。今後、政府はさらにどのような対策を求めていくおつもりか、お考えを伺いたい。 私は、憲法の前文に明記しておりますとおり、世界の平和を念願し、その実現に努めている国際社会において名誉ある地位を占めたいとかたく決意しております。PKO法案に反対した人たちは、戦場に子供を送るのか、日本が再び軍事大国の道を歩み始めることになるなどの主張を繰り返しましたが、私どもは、国際的合意に基づくカンボジア和平達成のための国連の枠内での行動に日本人としても積極的に貢献すべきであり、このことは軍事大国の道とは全く異なるものであることを明確にしてまいりました。今の日本には、過去の教訓を踏まえつつ、かつ国際貢献をしていこうという国民的素地が十分に存在すると私は信じております。 次に、報道によれば、明石代表は武装解除について方針を変更したかの感があります。武器を三派に返還することにしたといった報道がそれであります。このような事態はカンボジアの停戦を危なくするものではないかと危惧するものでありますが、総理としては、選挙後のカンボジアの見通し、UNTAC終了後の見通しなどをどのように見ておられるのか、お聞かせ願いたいのであります。 日本は、戦後平和の中でその繁栄を享受してまいりました。東西冷戦構造が終わり、世界が新たな国際秩序を模索している現在の過渡期にあって、我が国は主体的に平和の構築に参加していくべきと考えます。 さきに来日したシンガポールのゴー・チョクトン首相は、PKO派遣に当たって危険を伴うことは皆が承知していたはずとした上で、世界は日本が現在の事態にどう反応するか見守っている、もし日本が撤退を決定したら、日本は将来にわたって国際的な役割を果たさないことを決定したことになると述べたと伝えられております。これからの日本は、このような世界の常識というものに即して判断し行動できる国際国家、国民でなければなりません。 私たちは、中田さん、高田警視の死を決してむだにしてはならない。カンボジアにおける国連平和維持活動への貢献を続けるべきであります。総理の決意をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府といたしましても、改めて、殉職せられましたお二人の御冥福をお祈りし、御遺族に衷心よりお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方々の一日も早い御回復を祈念しております。世界平和のため努力してこられた前途有為な人材を失ったことはまことに断腸の思いであります。残念のきわみに存じております。 国連のカンボジアにおける平和維持活動でございますが、御承知のように、十三年にわたる長い間の戦乱がありまして、その戦乱にうんで何とかやはり和平をしなければならないという機運の高まりがあり、国連あるいは各国の仲介によりましてようやくパリ和平協定に持ち込んだ、そういう経緯がありますことは御承知のとおりでございます。 したがって、和平協定ができたからすべてが全く静かになってしまうというわけには必ずしもまいらずに、やむを得ず国連が要請を入れて平和維持活動を開始したことは御承知のとおりであります。したがって、この和平に脆弱な面がありますことはこれは当初から明らかなことであって、そうでなければ国連が平和維持活動をする必要はないのである。国連の平和維持活動が行われた段階において。ポル・ポト派が武装解除に応じなかった、あるいは選挙参加を拒否したということは、当初国際社会が期待していたとおりの事態でないことはそれは事実であります。事実でありますが、しかしそういう事情であるがゆえに国連の平和維持活動が必要であったのであって、我々としては引き続き国際社会とともにこの活動に参加して積極的に貢献をいたすべきものと政府は判断をいたしております。 他方で、ただいま行われようとする選挙でございますが、カンボジアにおいては既に推定人口の九割以上が登録をいたしておるわけであります。四百七十万人という登録でありますから、ポル・ポト派の拒否にもかかわらず大部分のカンボジア人が選挙を希望していることは、これも明らかであります。つい先日、シアヌーク殿下自身が改めて全国民に向かって選挙参加を呼びかけた、そうしてこれらに対する妨害をしないようにという警告をされたことも御承知のとおりであります。 一部において、この選挙を延期したらいいではないかという主張を承りますが、延期をして果たしてどうなるものか。延期をすればポル・ポト派が参加をするのか、そういうふうには見られません。むしろ、こういう状況において、パリ協定の規定にもかかわらず参加をしないというポル・ポト派の現状において延期をすれば不参加を奨励するようなものである。そういうことはパリ協定の本来の考え方ではないわけであります。政府としては、カンボジアの和平と民主主義のため選挙が予定どおりかつ安全に実施されるよう、UNTAC、関係国とも協力をいたしまして全力を尽くしてまいります。ただいま平和協力業務の中断、撤収などは考えておりません。 選挙の実施はパリ協定の基本であります。したがいまして、そのため先般、選挙要員四十一名を派遣したところであります。その選挙後の事態についてお尋ねがございました。基本的には、ここまで平和協力業務を国連として、私どもとして手伝ってまいりました。制憲議会ができ、新しい国づくりということになれば、基本的にはそれはやはりカンボジア人の手によってなされなければならないと思います。ただ、現在のような経緯でございますから、その際さらにいろんな意味での国際社会の協力を求められることはあるかもしれない。それがいかなる形になるかはただいまのところ予測は困難でございますが、いずれにしても、カンボジア人の自助努力を国際社会として助けてまいる、そういうことは必要であろうというふうに考えております。 次に、安全対策の問題でございますが、選挙のための派遣要員の安全対策に万全を期すべく、先般、村田自治大臣兼国家公安委員会委員長に現地に行っていただきました。そして、我が国の要員を含みますUNTAC全部の、我が国だけではございません、要員についての警護の強化、文民警察要員の配置先の再検討の安全対策をUNTACに申し入れるとともに、先般送りました選挙要員は自国の派遣部隊の展開地域に配置をする、こういう原則を確認いたしたわけでございます。我が国は派遣部隊がございますので、したがいまして選挙要員の活動はその展開地域に配置されて行われるという原則を確認いたしておるところでございます。 なお、UNTACとしてはそれ以外に要員の安全確保についていろいろな措置を考えておられる、またそれをとりつつございますことは御承知のとおりでございますが、我が国としても、昨日、国際平和協力本部事務局長をカンボジアに派遣いたしまして、村田大臣の行かれました後のフォローアップをいたしておるところでございます。 それから、こういう状況の中で、一応各派から回収をいたしました武器を各派に返還すべきかどうかということにつして報道がござ、ます。武装解除が先ほど申しましたように完全に行われませんでした結果、現状は完全な武装解除が行われた状況とは確かに異なっておりますけれども、しかし、今の時点で武器を他の三派にも返還する、返却をする、そういう決定がなされているとは承知をいたしておりません。 いずれにいたしましても、このような状況の中で各派が自制をし、そして選挙を間違いなく行ってもらう、そうしてカンボジアの再建が進められることを強く希望いたしておるところでございます。 我が国の撤退、中断につきまして、国際世論との関係でお尋ねがございました。 先ほどから申しましたとおり、今平和の枠組み、五原則が崩れているというわけではございません。確かにポル・ポト派による選挙不参加あるいは各地におけるゲリラ活動等がございますけれども、全面的な戦争になっておるわけでもなく、選挙準備は着々として進んでおるわけでございます。したがいまして、こういう状況の中で我が国は選挙の安全な公平な施行に向かって、一部不参加があるということは残念でございますが、最後までその参加を慫慂しつつこの選挙を無事にやってもらいまして、カンボジア人によるカンボジアの再建ということを我々としても助けてまいるということが、これが我が国の国際に対する貢献であり、この貢献を全ういたしますことが我が国の国際間における地位、信用を高めるゆえんであるというふうに考えております。(拍手) ―――――――――――――
○議長(原文兵衛君) 栗原君子君。 〔栗原君子君登壇、拍手〕
○栗原君子君 私は、総理と同じ被爆地広島から、昨年、血を流すようなPKOは嫌いだと言って当選をさせていただきました栗原君子でございます。 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、深刻な局面にあるカンボジア情勢、及び緊急を要する派遣部隊の業務の中断、撤退を含む政府の対応について質問をいたします。 国連ボランティアの中田厚仁さんの犠牲に続いて、政府派遣の文民警察官である故高田晴行警視が一命を落とされました。社会党を代表して、改めて御遺族の方々に心よりお悔やみを申し上げます。負傷された警察官の一日も早い回復を祈ります。 社会党は、政府派遣のPKO要員に犠牲者が出た事実を厳粛に受けとめ、事件直後に山花委員長が首相あてに、これまでの派遣継続の方針を早急に改めるように求めました。しかし、政府は、全土が戦争の状況にないなどとカンボジアの現実を無視した見解を示し、その後も政府がPKO要員の業務の中断、撤退を含め真剣に検討したとは受けとめられません。 とりわけ、政府のこの間の対応は問題があります。総理、カンボジアで進行している現在の状況を直視すれば、派遣要員に新たな犠牲者が次々と出る可能性を持っています。新たな犠牲者が出た場合、総理は最高責任者として責任をとる覚悟を持って対応しているのかどうか疑念を抱かざるを得ないのでございます。人命のとうとさを軽んじてはならないのであり、この点についてまず総理の決意をお伺いいたします。 第二は、政府が、PKOへの参加、要員の派遣について国民を欺いてきたという事実でございます。 政府はPKO協力法の審議の際に、PKO部隊は戦場に送るのではない、停戦の合意が前提であり危険なところへは派遣しないと力説をし、また、PKO自体の活動による犠牲者は極めて少なく、事故や病気による死亡者がほとんどだと説明をしてきました。ところが、現実はどうでしょうか。カンボジアは日ごとに戦場の様相を深めています。安全というのはプノンペンにいる外務省の大使館員であり、地方に散らばっているボランティアや文民警察官は危険であることをよく御存じです。カンボジア暫定統治機構UNTACの要員の死亡者は、ことし一月からだけで二十名に達しようとしています。市街戦さえ展開される状況で、カンボジア各派の戦闘による死亡者は数え切れません。このような憂慮すべき状況の中で邦人二名が犠牲になったのです。PKO協力法審議の際の政府答弁と現在の対応の差は余りにも落差が大きいため、政府は国民、特に派遣された要員を欺いていると言わざるを得ません。 総理、あなた自身も、PKO部隊が応戦するような事態になればPKOの崇高な理想は地に落ちてしまう、そういった意味の答弁をなさっているではありませんか。カンボジアでは他の国の派遣部隊は既にカンボジア武装勢力との間で戦闘に入っているのです。そして日本からの要員も当初の計画以外の仕事をしています。今になってPKOに危険は避けられないとして派遣を継続する政府の責任は、はかり知れなく大きいと考えます。総理の見解を求めます。これは、パリ和平協定が守られ、PKO五原則が厳格に解釈されて運用されているかどうかという問題以前の国民に対する信義の問題として答弁いただきたいと思います。 関連して、防衛庁長官の見解を求めます。 昨年の第一陣部隊派遣に先立ち、防衛庁は自衛隊員及び家族に「国連平和維持活動と自衛隊Q&A」というパンフレットを配付いたしました。その中に、「派遣先のカンボディアは危険なところではないのですか」との質問に対し、「和平協定が結ぼれ、長年の戦火は終結しています。また、万が一紛争当事者の停戦の合意が破れた場合は、活動を一時中断し、状況によっては派遣を終了し現地を離れることができることはいうまでもありません。」と答えています。さらに、PKOの「五原則が定められておりますので、自衛隊の部隊などが武力衝突に巻き込まれることはありません。」と説明しています。防衛庁長官、この答えと同じく、カンボジアが今危険でないと断言できますでしょうか。派遣に先立ち自衛隊員に約束したとおり、今や停戦の合意などPKO五原則は崩壊しているのですから、活動を中断し撤収を決断することです。自衛隊員の生命を預かる防衛庁長官の責任だと考えますが、長官の明快な答弁を求めます。 第三の問題は、カンボジア紛争当事者間の停戦の合意は崩れていると言わざるを得ないということです。 ポル・ポト派とプノンペン政権派はこれまで停戦合意に違反して戦闘を繰り返し、最近では各派間の戦闘も伝えられ、停戦の合意は実際に崩れているという状況にあるのが事実であります。さらに、各種の報道によれば、UNTACがポル.ポト派の選挙妨害に対抗するため、他の三派に武装解除で回収した武器を返却するという新たな問題が出てまいりました。停戦の合意を実効あるものにするための武装解除が完全に実施されなかった昨年の時点で今日の憂慮すべき状況が予想されていたわけですが、UNTACみずからが回収した武器を再度返却するということは各派入り乱れた戦闘の激化さえ憂慮され、停戦の合意はさらに空文化するものと考えられます。同時に、PKOがすべての紛争当事者に中立であるべきとの原則もさらに空洞化するものと予想されます。 ポル・ポト派はパリ和平協定を遵守する態度を表明していますが、カンボジアで各派の戦闘が激化している状況を直視するならば、ポル・ポト派の態度表明は停戦の合意が崩れていないとの根拠にならないのであります。総理の見解をお伺いいたします。去る五月三日、国連カンボジア暫定統治機構に関するガリ事務総長第四次経過報告でも、パリ和平協定が崩れていると認めています。また、UNTACの今回の措置について政府はどのような見解か、実効ある停戦をうたっているパリ和平協定の署名参加国という立場を踏まえ、総理、外務大臣の見解を求めます。 第四に、これまでも、またこれからも問われる最大の課題は、カンボジアの恒久平和をどのように実現するかです。 UNTACは、カンボジアの恒久的な和平のために自由かつ公正な憲法制定議会選挙を実施することを大きな課題としてきました。しかし、状況は、周知のとおり、この二十三日から二十八日の投票日を控え現地では一段と緊張が高まっています。当初予定された国民の合意形成のための選挙を境目に、カンボジア国民間の亀裂が一段と深まりつつあるのが実情です。総選挙、部分選挙が実施されたとしても、カンボジアに和平が到来すると判断するには状況は余りにも厳し過ぎると思います。カンボジア国民の和解という目的からすれば、UNTACの当初の計画は修正を余儀なくされているのではないでしょうか。 日本政府は、カンボジア和平の枠組みであるパリ和平協定の再構築のために、関係国とともに最大限の努力を尽くすべきです。カンボジアの国民合意づくりのためにもこれら外交的な努力をすべきだと考えますが、UNTACの既定の方針で十分なのかどうか、総理、外務大臣にお伺いいたします。 最後に、政府がPKOの範囲を安易に拡大している問題についてです。 政府はカンボジアのPKOが国民に評価されているとしてモザンビークへの派遣までも決定しましたが、カンボジアではPKOが多くの問題を抱えているのが実情であり、手前勝手な評価を下すのは早過ぎると思います。モザンビークへのPKO派遣では、特に個人参加とはいえ司令部への要員派遣を含み、凍結されているPKF本体業務との関係で無視することはできません。 また、さきの閣議決定でカンボジアへ自治体職員を含む選挙監視要員を決め、さらに派遣自衛隊員の業務に選挙部門への給食支援、施設の提供を追加していますが、これらの業務は現地の状況からしてさらに危険度が高いと見るのは当然でありましょう。 政府は安全を確保できると確認して今回の派遣を決めたのですか、総理、防衛庁長官、そして自治大臣に確認をいたします。特に自治大臣はカンボジアから帰国されたばかりです。何人死んだら帰れるのですかという現地に行っている人たちの叫びをどのように受けとめられたのでございましょうか。UNTACとの間で安全性確保についてどのような確認をなされたのか、お伺いをいたします。 以上で私の質問を終わりますが、ここに自衛隊員の妻からの一通の手紙があります。「夫はマラリアの予防注射を受けました。緊急事態に備えた緊急援助のための夜間訓練が始まり、海外へ派遣されることになるかもしれません。愛する夫のことを思うと心が痛みます。」との涙の訴えがありました。この方の心情を思うとき、歴史は五十年にして繰り返されるとも言われています。私は、「過ちは繰返しませぬから」という広島の心をさらに深く胸に刻んだ次第です。 カンボジアの最近の状況を直視すれば、停戦の合意などいわゆるPKO派遣の前提条件は崩れており、したがって、政府はすべての派遣要員の活動を中断し、撤収について早急に決断すべきであります。そして、撤収完了までは、派遣要員、ボランティアなどすべての滞在者について万全の安全を確保すべきです。重ねて要求いたします。 ありがとうございました。(拍手) 〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) カンボジアに対しまして部隊、要員を派遣いたしましたのは、国際平和協力本部長としての私でございます。したがいまして、私はそれについて責任を負わなければなりません。有為な人々の命が失われたことを心から申しわけなく思っております。 しかし、我が国として果たさなければならない国際平和協力の業務がございます。派遣要員の安全確保には万全を期して、この我々に与えられた責務を果たすことが私の責任であるというふうに考えております。 そのため、先般村田国務大臣に現地に行っていただきまして、我が国の要員を含む、我が国だけではありませんが、UNTACの選挙要員、文民警察等の安全確保について御相談をしてまいりました。また、その結果、UNTACとして輸送のための能力を強化したい、それが当面の安全対策であるというふうに言われましたので、ヘリコプター等々につきましては近隣諸国から既に具体的に提供をしてもらう計画が進んでおります。ただそのための費用の捻出に苦しんでおられまして、国連から要請がありましたので、我が国としてもとりあえず百万ドルの緊急支出を決定をいたした。今全力を挙げて安全確保をさらにやっておるところでございまして、現に国際平和協力本部の事務局長柳井君を昨日、村田大臣に引き続きまして現地に派遣いたしたところでございます。 このようなPKO活動の状況について、政府は国会の法案御審議の過程において間違った説明をしたのではないか、欺いてきたのではないかという御指摘がございました。 私はさようには考えておりません。先ほども申し上げましたように、カンボジアにおいて十三年間の戦闘が続いて、それが国連や我々関係国の仲介によってともかくも戦火がやんだ。しかし、この人々だけで国づくりをするということができない。そういう状況から国連の平和業務が始まったわけでありまして、そういう意味では、自分たちだけで国づくりができ選挙ができるのならば、もともと国連が、あるいは我々がそれに対して支援をするということは要らなかったことでございますから、現実にはそういう状況であるので平和維持活動について我々が協力をすることになったという経緯は御承知のとおりでございます。 しかも、先ほどもおっしゃいましたように、まさにこの平和協力業務というものが武器を使って戦闘を再開するというようなことではこれは平和協力になりませんので、できるだけ武器の使用は控えて、国連というものの信頼とそうして中立的な立場、それによって国づくりを手伝うというのがこの平和協力の本体でございますから、そういう意味では極めてこれは難しい仕事である。決して容易な仕事ではないので、そのゆえにこれは歴戦の経験を重ねたベテランの仕事である、だからノーベル賞をもらうほどの値打ちのある仕事だということは何度も国会に申し上げてまいりました。 殊に、我が国の場合には憲法の規定がございますから武器の使用というものについては極めてこれは神経質でなければならない、武器の使用というものを誤ってはならないというのは我が国の特に憲法の規定から大事なことでございますので、それだけのことをまた法律に規定をされておりまして、それだけに、我々の同胞、要員であれ部隊であれ、そういう難しい仕事を今やっていてくれるのだということを改めて申し上げておきたいと思います。 しかし、それは、だからといって安全をないがしろにしていいというわけではもとよりございませんで、先ほども申し上げましたように、この際この従事する人々へのいわゆる安全のための装備の強化であるとか、あるいは通信機能の強化であるとか、UNTACに対する改めての支援であるとかを先般も村田大臣を通じて申し入れ、今日も事務局長が行っておるということは申し上げたとおりでございます。 しかし、政府が考えていた状況と現実に展開したことは違うだろうと。幾つかの点で違っております。それは、武装解除というものが完全にいかなかった。残念でありますが完全にいっておりません。それから、ポル・ポト派、クメール・ルージュが選挙に不参加を表明した。これらのことは確かに国際社会が当初考えていたことと違っております。違っておりますが、さりとて十三年間行われておりました戦闘が再開されたかといえばそういう状況ではないし、クメール・ルージュ自身が自分たちはパリ和平協定を遵守すると言っておるわけです。むしろ、パリ和平協定が忠実に行われていないではないか、これを忠実に行ってくれ、SNCがもっと権限を持ってほしい、こういうことを言っておるわけでございますから、基本的に私どもはパリ協定の平和の枠組みは崩れていない。そういう状況に立って平和協力業務を遂行し、選挙を行うために努力をすることが我々の務めであるというふうに思っております。 それから、各派に対して武器をもう一度返すかということにつきましては、先ほども申し上げましたが、そういう報道はございますけれども、そのような決定がなされておるとは承知をいたしておりません。 現在、先ほども申し上げましたが、住民の九割と推定されます四百七十万人が選挙の登録をいたしておるわけでございますから、基本的にカンボジアの人々が選挙を希望しておると考えることは私は間違いでないと思います。そういう状況の中で選挙をできるだけ公平に無事に行わなければならないと思いますが、パリ和平協定の再構築をしろと言われるその再構築と言われることの内容は私にはつまびらかでございません。ただいまこの努力を続けることがパリ和平協定の精神と思います。 それから、モザンビークにつきまして、我々の方からONUMOZの司令部への要員派遣をしたということについてお尋ねがございました。これからモザンビークにおきましていわゆる輸送調整業務、輸送管理業務を行うのでございますけれども、どの港に、どの飛行場にどういう人が来る、どういう機材が来るというようなことは、これはあらかじめ司令部と十分に連絡をしておきませんと適正に業務が進行し得ませんので、先方の希望もございまして、司令部に要員を派遣する、個人派遣をすることになりました。これは我々の輸送調整業務が円滑に行われるために有効なことであると思っております。 それから、今回選挙要員を派遣いたしましたが、派遣されているこの選挙要員の安全というものは、基本的には国連が持っておりますところの、つまりUNTACに派遣されております各国の歩兵部隊がその安全を確保するということになっておりまして、この点は村田大臣が先般行かれましたときも確認をされておりますけれども、もちろん我が国としてもあとう限りの対策を講じております。タイのパタヤで事前の研修をいたしまして、その後いろいろな、防弾のための設備であるとか、あるいは短波受信用のラジオの携帯であるとか、それからインマルサットの配備でありますとか、できるだけのことはいたしておるというのが現状でございます。 残りのお尋ねにつきましては関係大臣からお答えをいたします。(拍手) 〔国務大臣中山利生君登壇、拍手〕
○国務大臣(中山利生君) お尋ねにお答えする前に、国連ボランティアの中田君、また我が国から派遣されました文民警察官の高田さんが不幸にもとうとい有為な一命を落とされたことに対しまして衷心より哀悼の意を表するとともに、御冥福をお祈り申し上げたいと思います。また、負傷されました文民警察官の方々の一日も早い御回復をお祈り申し上げる次第でございます。 お尋ねのありましたパンフレットでございますが、このパンフレットは昨年六月の国際平和協力法の成立後、部内の協力法に対する周知徹底を図るために作成したものでございまして、その中に栗原先生御指摘のような記述があることは事実でございます。 現在のカンボジアにおける状況についてどう思うかということでございますが、先ほど来総理から詳しくカンボジアにおける現況については御判断をお示しになりました。私どももそのように考えておりまして、ポル・ポト派の挑発に乗ることなく、カンボジアの方々が悲願としておりますこの選挙を通じての新しい平和な国づくりということに毅然として協力をしていくべきであるというふうに考えておる次第でございます。 また、武器使用でございますが、武器使用につきましては今回の派遣部隊も、国会での熱心な御審議によりまして、先ほど総理からもお話がありましたように、厳しい枠が、制限が課せられております。また、PKOそのものも原則として武器を使うものでないということになっております。そういうことで、今回派遣をされました選挙要員あるいは文民警察の護衛も自衛隊がすべきではないかという議論がございますが、残念ながらそれもできないというほど厳しく武器使用については制限をされておりますので、御心配はないものと考えておるわけでございます。 また、自衛隊員の安全につきましては、もう申すまでもなく私も隊員の責任者でございますし、環境の違うカンボジアというところに行きましての作業でございますので、安全につきましては日夜頭から離れたことはございません。 御承知のように、このPKO法におきましても業務の一時中断とか休止とか緊急避難等についてもマニュアルが定められておりますし、またその他いろいろな状況に応じた判断、安全対策等につきましても指揮官あるいは個々の隊員にその権限が与えられているわけであります。私どもとしましても、UNTACその他いろいろな機関と協力をしながら、隊員の安全、あるいはその他の文民警察あるいは選挙監視要員、また停戦監視要員、その他またいろいろ、UNTACやその他の機関に属さないボランティアの方々も大勢カンボジアには行って活躍をしているわけでありますから、そういう方々の安全を含めて万全の努力をしてまいりたいと思っております。(拍手) 〔国務大臣武藤嘉文君登壇、拍手〕
○国務大臣(武藤嘉文君) お答えいたします。 武器を返却するという問題につきましては、私どもの承知しているのはそのような要請をしてきているのはうナリット派だけでございまして、先ほど総理からの御答弁もございましたように、現時点で何ら決定されていないと承知をいたしております。 それから、国連事務総長の報告に関しましてお話がありました。 確かに国連事務総長の報告の中にはいろいろと書いてございますけれども、御承知のとおり最終的な結論といたしましては、UNTACはマンデートを引き続き遂行しなければならない、カンボジアにおける選挙の条件は決して完全でない、また、長期間そうでないかもしれないけれども、カンボジア再建の過程の終わりではなく始まりであるという選挙を行わない理由はない、こう書いてあります。また、カンボジア情勢は不安定であり、和平プロセス等、UNTACの前途は確かに多難であろうけれども、UNTACとしては、カンボジア国民がパリ協定のもとでその義務を遂行し、将来の平和、安定、自決を達成することに対して引き続き全力で支援していくことになろう、こう結論づけておるわけでございます。 それから、カンボジア和平の枠組みであるパリ和平協定のために関係国とともに最大限努力を尽くすべきであるがということでございますが、私どもは、選挙を予定どおり実施することはパリ協定の基本であり、また安保理事会の決議などにより国際社会の確固たる支持も得ておりますので、我が国としても選挙を予定どおり実施することがカンボジアの永続的和平と国民和解を達成する上で極めて重要であると考えておりまして、そのためにも選挙実施に向けたUNTACの努力を全面的に支援し、関係諸国とともに最大限の努力をしてまいりたいと思います。(拍手) 〔国務大臣村田敬次郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(村田敬次郎君) 栗原議員の御質問にお答えいたします。 まず、選挙監視要員の派遣につきましては、その安全が確保されることを念頭に置いて決定いたしましたが、今回の国連カンボジア暫定機構UNTACの明石特別代表との会見において私から申し入れを行いました結果、各国の選挙監視要員を自国派遣部隊の展開地域に配置することを決定している旨確認することができたところであります。したがって、日本の選挙監視要員の配置先は自衛隊の施設大隊のいるタケオ州内ということだと承知しております。 また、私はカンボジアに参りまして、御指摘のように十三名の文民警察官と会見をいたしました。その中では、一部の地域では水や食糧も手に入りにくい、赴任地では食糧が思うに任せないことがある、村において活動するときは常に緊張を強いられる、治安が全般的に悪化しつつあるというような切実な状況をお伺いいたしまして、そして、先ほど総理から決意の御表明があり、また官房長官から決定事項について御発表を申し上げたとおり、文民警察官及び監視要員の安全について万全を期して対応していきたい、そのためにベストを尽くしたいと思っております。 以上お答え申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○議長(原文兵衛君) 木庭健太郎君。 〔木庭健太郎君登壇、拍手〕
○木庭健太郎君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま政府より報告のありましたカンボジア国際平和協力業務の状況に関して総理並びに関係大臣に質問を行います。質問に入る前に、過日、カンボジアで平和のため尽力され思い半ばで亡くなられた中田厚仁さん並びに高田晴行さん、お二人の御冥福を心よりお祈りいたしますとともに、御遺族の方々へ衷心より哀悼の意を表します。また、負傷された方々の一日も早い回復をお祈りいたします。 私は、冒頭、緊迫化するカンボジアの情勢分析また日本から派遣された方々の状況把握について、政府は認識に甘さがあったと言わざるを得ないのであります。国連ボランティアの中田さんが凶弾に倒れた直後ですら、私たちが政府の責任ある立場の方の現地派遣を求めたにもかかわらず対応せず、高田さんが亡くなった後ようやく村田自治大臣を派遣するなど、対応のおくれが目立ったのであります。選挙本番を前に、我が国から選挙監視員四十一人も派遣されました。目まぐるしく変わる現地の情報収集の強化、派遣要員の状況把握は政府の最低限の責務であります。総理の認識をまず伺います。 カンボジアの国連PKO、UNTACは、従来のPKOと異なる新しい試みであります。その成功はカンボジアのみならずアジア全体の平和に貢献し、これからの紛争解決、平和創出のモデルケースになり得る重要な意味を持つものです。まして、現地での大量殺りくのつめ跡、また五十万人を超す難民、避難民の現状をかいま見た一人として、悲劇を繰り返してはならない、何としても成功させたいと切実に願うものです。その一方で、我が国にとって今回が初めてのPKOへの参加であります。今回の事態に当たって大切なことは、現場の実態によっては任務の休止、中断も視野に入れ、要員の安全確保を前提にぎりぎりの努力を行うことだと考えます。改めて総理に、平和の創出、PKOに参加する我が国の基本姿勢をただしたいのであります。 UNTACが昨年三月に活動を始めた時点と、カンボジアの状況は大きく変化しています。パリ和平協定の一角であった武装解除は完全に行われず、二十三日からの選挙もポル・ポト派抜きで実施せざるを得ない状況となっております。その状況の中で、我が国のPKO参加五原則、特にかなめとなる停戦の合意が守られているかどうか、これが国民の最大の関心であります。 政府は一貫して、パリ和平協定が結ばれたことが停戦の合意となった、ポル・ポト派はパリ和平協定を破棄していない、したがって停戦合意は守られている、こう答弁されております。そのことは基本的には理解できます。しかし、カンボジア国内では局地的な武装集団の襲撃が続いています。一連の襲撃事件についてポル・ポト派は関与を否定していますが、仮に組織的な武力行動ではないにしても、総選挙の実施に批判的なポト派勢力による犯行との疑いもあります。実態としては武力を用いたUNTAC活動に対する妨害が起き、我が国でも二人が殉職された。こう見ると、我々は地域によっては停戦合意が一部崩れつつあるのではないかとの強い危惧を抱かざるを得ないのであります。 総理、ポト派がパリ和平協定を遵守する声明を発表しており五原則は満たされているという単なる法律解釈、形式論では国民は納得できないと思います。今のカンボジアの実態に即して、停戦の合意がどう守られているのか、国民に説明していただきたいのであります。 さらに、本日UNTACが三派に武器返却を開始したとの報道がありました。これは事実なのか、事実でないとするなら、また事実を知らないというのであれは、政府はもし武器返却の開始が始まった場合これを停戦合意が崩れたと見るのか、この点を明らかにしていただきたいのであります。 選挙を目前に控え、一部の武装集団による妨害で、我が国要員を初めUNTAC要員の安全が懸念されております。平和構築を妨害する不当な暴力行為は、UNTAC、国際社会への挑戦であり、断じて許すわけにはまいりません。同時に、このままとうとい犠牲を重ねることも許されません。特に、非武装で活動する文民警察官や選挙監視員の安全対策は万全の上にも万全を期す必要があります。 政府はUNTACに対し安全対策を要求されておりますが、具体的に何を要求し、UNTACからは何ができ何ができないと回答があったのかを明らかにしていただきたい。特に、危険と隣り合わせで水や食糧も確保できない地域に展開している文民警察官の再配置問題については早急にUNTACと協議を詰め結論を出すべきと考えますが、総理の見解を求めたい。 UNTACが安全対策をとれないのであれば、地域によっては文民の任務の休止、中断を政府は検討すべきであり、この点については総理の明確な答弁を伺いたい。 さらに、報道で現地から伝わってくる我が国要員の切迫した思いと、中断はしないとかたくなに繰り返す政府の対応には余りの格差があり、納得ができるものではないのです。我が党はPKO法案の成立に賛成いたしましたが、宮澤内閣のPKO法の運用と管理能力に危惧を抱いております。現場要員の声を最優先させ、人命尊重を第一義に我が国の法律を的確に運用すべきと考えますが、総理の見解を求めたい。 我々が懸念し、国民が政府に対して不信を抱いているのは、PKO審議の際は、我が国はPKO参加五原則を遵守する、中断、撤退については我が国独自の判断であると繰り返し答弁していた政府が、最近は、撤退の判断基準は第一義的には国連であるとか、UNTACと我が国の判断は違いはないなど、いわば我が国の独自の判断をないがしろにしかねない発言をしている点にあります。 PKO参加五原則の建前からいえば、UNTACとの合意がなくとも、日本独自の判断で任務の中断、撤退はできることになっているのであります。UNTACの判断と一致することが望ましいのは当然ですが、場合によっては日本独自の判断があってもいいという前提で日本は参加しているのであります。この点について総理から明確な答弁を求めます。 カンボジア和平のための日本の一層の外交努力についても伺っておきたい。カンボジア各派との交渉は、国際社会の総意でできたUNTACが第一義的に行うのは当然であります。しかし、ポル・ポト派などによる不当な暴力行為を抑制しカンボジアを再び内乱へ引き戻すことが決してないように、各国も、そして日本も、あらゆる外交ルートと手段を通じてぎりぎりの努力を行うべきです。国際会議を提唱されたこともある外務大臣にその決意を伺いたい。 先日、参議院本会議で我が党議員の質問に対し、現地へ行かれた村田自治大臣は、報道されていた、あと何人死んだら帰れるのかという文民警察官の悲痛な訴えについて全面的に否定されました。この落差に国民は戸惑うばかりであります。危険な情報は政府は故意に隠しているとの懸念すら招いているのであります。文民警察官から直接現地の事情を聞かれた村田自治大臣は、御自身の感想ではなく、文民警察官の生の声を率直にこの場で国民に向かって伝えていただきたい。明確な報告を求めます。 国際社会が国連のもとで、失敗や幾多の困難を乗り越え、武力を使わず、内乱や戦争で苦しみ抜いた民衆や難民を何とか救おう、平和を守ろうと築き上げてきたのが現在のPKOであります。今そこに日本は乗り出したばかりなのであります。政府は何より、国民に理解と支援を求めていくという基本姿勢を忘れてはなりません。特に、率直な情報を国民に提示すべきであります。この点について総理の見解を伺い、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府として現地の情報収集を強化し、また派遣要員の状況を把握することは極めて大切で、そういうことについて怠りがあってはいかぬという御指摘がございました。 在カンボジアの大使館は既にかなり増強をいたしておりますし、また国際平和協力本部事務局の職員をカンボジアに派遣、たしましてUNTAC等々との常時連絡に努めております。また、村田大臣が現地に行かれましたことは先ほども申し上げたとおりでございますが、要員の派遣に際しまして、このたび選挙要員に行っていただいたわけですが、事前の研修をタイのパタヤでやっていただいております。それから防弾チョッキ等々につきましても、先般の事態にもかんがみまして、より強固なものを支給することにいたしました。また、日本からの短波放送が聴取できますようなラジオ等々の装備を持ってもらっておる。それからインマルサットは実は各地にかなりたくさん配備をいたしておりまして、それによりまして各地間の、プノンペンを中心とした状況並びに東京との交信は不便がないようにいたしておるつもりでございます。 それから、いわゆる五原則の問題でございますが、先ほども申し上げましたが、パリ和平協定で想定いたしておりましたところと幾つかの点で違った状況が生まれてまいりましたことは御承知のように事実でございます。 ただ、しかしながらクメール・ルージュ自身もパリ和平協定というものは遵守するとごくごく最近も言っております。その立場というものは、つまり和平協定が間違いではなくて、和平協定の言っているとおりもっとベトナム人を、確かにいないということを確認ができていないではないか、随分いるというのがクメール・ルージュの主張でありますが、であるとか、あるいはSNCというものがプノンペン政権の思いなりにというか影響を受け過ぎておって中立的に十分な機能をしていないとか、これも和平協定の定めるところと違うというような、そういう種類の主張でありますので、停戦の合意の基本になっておりますパリ協定そのものを否定しているというわけではない。 それは、いやそう言いながら実際はという御主張がございました。が、しかしパリ協定そのものを否定してしまいますと、クメール・ルージュ自身は今度他の各派から攻撃を受けるという立場になりますので、そこはクメール・ルージュとしてはやはりそうし得ないそういう枠組みというものが現実に存在をしていて、その中でUNTACの活動が行われている、私はそういうふうに考えております。UNTACの活動自身もこれは非常に注意をいたしておりまして、中立性が失われますと五原則が崩れるわけでございますので、その点はUNTACも非常に注意をしながら中立的に行動をしておるというふうに考えております。 それから、新しくUNTACが三派に武器返却を開始したとの報道とおっしゃいました。私どもとしてはその報道は今朝現在入手をいたしておりません。そのようなことをただいまの時点で決定されたとは聞いておりませんことを申し上げておきます。 それから、文民警察官の安全、再配置の問題でございますが、先ほど村田大臣も言われました現地の生活環境、水であるとか食糧であるとか、こういうものが満たされないようではこれは当然その職務の執行はできないわけでございますし、また、しょっちゅう安全を脅かされているようでは与えられた職務の執行はできない、これは明らかでございますから、そういうことにつきましても村田大臣からUNTACにお話をしていただきましたし、私どもとしても、そのような条件、環境を整備しなければ与えられた任務をやってくれと言うことはこれは無理なことでございますから、そういう整備をいたすために全力を尽くさなければならないと考えておるところでございます。 それから、いわゆる中断あるいは撤退ということにつきましてもお話がございました。そのような判断が必要な場合には、もとよりUNTACと緊密な連絡を行ってまいります。基本的には、一つの地域に起こることでございますので、我が国の判断と国連側の判断とが食い違うことは想定をいたしておりません。しかしながら、御指摘になられましたように、中断とか撤退とかいうことは、国連側に連絡の上ではありますけれども、我が国の独自の判断で行い得るということはこれも法律上に極めて明らかなことでございまして、その点については御指摘のとおりでございます。 それから、PKOの参加活動について十分に国民に説明をしていないということにつきましては、なおよく気をつけなければならないと思います。官房長官よりは毎日これについての記者会見をしておりますし、また政府としても広報に最善の努力をいたしておりますが、国民の理解と支持がなければこのような活動は行い得ないところでございますので、御指摘の点はなお十分に心がけてまいりたいと思います。 残りのお尋ねにつきましては関係大臣からお答えをいたします。(拍手) 〔国務大臣武藤嘉文君登壇、拍手〕
○国務大臣(武藤嘉文君) お答えをいたします。 もっと外交努力をすべきではないかという御指摘かと思います。 関係国で集まって会議をすることは不可能でございましたけれども、ESCAPに派遣をいたしました柿澤政務次官にカンボジアへ入ってもらいまして、各派に対してパリ和平協定に基づく和平プロセスの進展に対してぜひ努力をするように、そして選挙ができる限り平和で安定した中で行われるようにということを要請してまいりました。 また、最近は、今川大使とそれから池田アジア局長を北京へ派遣いたしまして、シアヌーク殿下に直接会い、そして同じようなことを要請し、特にシアヌーク殿下にはイニシアチブをもっととっていただきたいということを要請いたしました。そしてまた、たまたま北京にはポル・ポト派の代表もおりますので、ポル・ポト派の代表にも会って、今現在のポル・ポト派の行動に対して自制を求めたわけでございます。 また、まだこれまきのうでございますけれども、タイの大使に連絡をとりまして、タイの日本大使館から直接カンボジアの各派に対して、現在行われようとしておる制憲議会の選挙がひとつできる限り平和なうちに行われるように、そしてできるだけ大勢のカンボジアの国民が参加して行われるようにということを働きかけるように指示をいたした次第でございます。(拍手) 〔国務大臣村田敬次郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(村田敬次郎君) 木庭議員にお答え申し上げます。 私は今回のカンボジア訪問におきまして、バンコク市内の病院に入院中の文民警察官四名をお見舞いいたしましたほか、プノンペン市内で十三人の文民警察官と会見をいたしました。その中では、一部の地域では水や食糧も手に入りにくい、赴任地では食糧が思うに任せない、村において活動するとき常に緊張を強いられる、治安が全般的に悪化しつつあるなど、厳しい生活環境や治安状況、日本とは違った現地での生活の御苦労ぶりなどについてお話を聞いた次第でございます。また、御家族の皆様方の御心配も本当によくわかっております。 帰国後、総理に対して私がじかに感じたことを御報告申し上げ、そして総理の決意の御表明や、また連日官房長官からも対応についての御報告がありますように、今柳井国際平和協力本部事務局長を初め関係スタッフがカンボジアに赴きまして明石UNTAC代表等と接触をしておると承知いたしております。今後とも、文民警察官、選挙要員の安全確保等につきまして、私も一生懸命努力をしてまいる所存でございます。(拍手) ―――――――――――――
○議長(原文兵衛君) 寺崎昭久君。 〔寺崎昭久君登壇、拍手〕
○寺崎昭久君 私は、民社党・スポーツ・国民連合を代表して、ただいま政府より報告のありました我が国の国連平和維持活動への協力の問題に関し総理に質問をいたします。 質問に先立ちまして、私は、国連平和維持活動という崇高な使命の遂行途上で亡くなられた国連ボランティア中田厚仁氏、文民警察官の高田晴行警視を初め、犠牲となられた各国の方々の御冥福を心よりお祈り申し上げます。 質問の第一は、国連PKOへの派遣にかかわるリスクと政府の責任についてであります。 過日、村田自治大臣がカンボジアで我が国から派遣された文民警察官と会われた際、文民警察官側から、現地の情勢は日増しに緊張感が高まっていること、安全面の不安や焦り、過酷な生活条件等について厳しい意見が出されたという報道がありました。その筆舌に尽くしがたい御苦労を思うとき、敬意ととう怛の念を禁じ得ないところであります。 国連のPKOは、その歴史が示すように、常に危険と隣り合わせの中で崇高な使命を遂行してまいりました。とりわけカンボジアのPKOは、国と国との争いの結果ではなく、内戦終結後の平和維持活動という国連のPKOの中でも最も困難な活動の範疇に属します。それに参加する人々は、そのような活動を認識し、使命感に燃え、国家の名誉をかけて業務に従事しているのであります。 これまで国連のPKOを支えてきたものは何か。それは、時として命を賭しても守るべき価値や名誉、誇りがあるという打算を超えた人間の自負心や使命感ではなかったでしょうか。息子の死を決してむだにしないでください。志半ばで倒れた警視の死を無にしてほしくないと言われた高田警視の尊父や関係者の言葉が何よりもそれを有力に物語っており、胸を打ちます。政治の目的は、もとより国民の生命、財産を守ることが第一義であります。とすれば、国連PKOが個々人の使命感や自己犠牲に過度に依存してはならず、PKOに派遣される要員が国民の期待を背負って誇りを持って職務を遂行できるよう万全の措置を講じるのが政治の基本的責務であります。 総理は一昨日の記者会見において、カンボジアヘの部隊、要員の派遣を決めたのは私であり責任を感じると述べられておりますが、まず国連PKOに従事する際の派遣要員にかかわるリスクと政府が負うべき責任に関する認識及び御発言の経緯について伺います。 質問の第二として、過日の村田自治大臣のカンボジア派遣に関し昨日の産経新聞は、自治大臣はUNTACの明石特別代表と会談することにはなっていなかったとし、外務大臣が官房長官に抗議したと報じておりますが、その真相と経緯を明らかにし、また村田自治大臣の派遣目的や任務、その結果について伺いたいと思います。 第三は、この五月二十三日と目前に迫ったカンボジア総選挙の実施についてであります。 カンボジア総選挙の実施は、カンボジア国民がみずから選択し、国際的に認められた正当な政権をつくることであり、国際的な支援のもと、内戦で疲弊したカンボジアを復興の軌道に乗せるという重要な意味を持つものであります。それこそまさにカンボジア国民が待ち望んだ悲願であります。 我が国の一部に、ポル・ポト派の行動をとらえ、カンボジアから撤収すべきだ、総選挙を延期すべきだという声があります。今回の殺傷事件を考えれば、一顧だにしないというわけにはまいりません。しかし、それではポル・ポト派の武力に屈することになり、国際正義は死んでしまいます。私は、パリ和平協定の大枠が守られている限りカンボジアの総選挙は必ず実施されるべきであると考えますが、この点に関する総理の御見解をお尋ねいたします。 また、例えば手術を施された患者に対して一定期間のフォローアップは欠かせないと言いますので、第四の質問として、カンボジア総選挙後の我が国の対応についてお考えを伺います。 第五は、我が国がカンボジアPKOに派遣している要員を撤退させる場合の原則についてであります。 この点に関しシンガポールのゴー・チョクトン首相が、日本では撤収の議論もあるようだが、ポル・ポト派はUNTACを試しているのだ、ここで揺らげば国連の平和維持活動の信頼に影響するといみじくも述べているように、もしも我が国が国際社会の常識を無視して要員を引き揚げれば、我が国への国際的批判の強まりは必至であります。したがって、我が国が国際社会において名誉ある地位を占めるには、PKO五原則はあっても、実際には、そしてつらいことではありますが、国際的にも通用する選択をせざるを得ないのではないでしょうか。 そこで、まずお尋ねしたいことは、過去の国連のPKOにおいて、その前提条件が存在すると国際社会で認められているにもかかわらず、自国の派遣部隊や要員の危険回避を理由に一方的に撤収したケースはあるのかどうかということであります。 私は、カンボジアのPKOから我が国が撤収する場合があるとすれば、ポル・ポト派が停戦協定を公然と破棄すること、武力抵抗がカンボジア全土で組織的かつ継続的に起こること、カンボジア最高国民評議会が機能を全く失うことの三点に着目して決意すべきであると考えますが、これらの点に関して、第六の質問として総理の御見解を伺います。 第七に、国会承認の問題についてであります。 カンボジアで我が国の要員の中から不幸にして犠牲者を出したということはまことに痛ましい限りであります。残念というよりは悔しい、腹立たしい思いが込み上げてくるのであります。そして、この危険は武器を携帯した自衛隊員ばかりでなく文民警察官や選挙監視要員にも及ぶものであるという実態が改めて明らかになるにつれ、私たちが成立させたPKO協力法とは一体何だったのかという思いにさいなまれます。 同時に、それだけに、PKO派遣に当たっては原則すべてのPKO派遣を国会で承認することにより派遣についての国と国会の責任を明らかにし、国民合意のもとでPKOを推進していく必要があるとの考えがますます募るわけであります。この点に関して総理の御見解を伺います。 また、国連のPKO自身も、ガリ提案に見られるように新たな展開の様相を呈しております。さらに、我が身の安全を守れない日本のPKOであるという実態も明らかになっております。今後、我が国の国際貢献のあり方を考え、必要な修正を加えるため、三年後にこだわることなくPKO協力法の見直しを進めるべきであると考えますが、第八の質問としてこれらの諸点について総理の御見解をお尋ねして、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 最初に、国連の平和維持活動というものが決して容易なものではない、そもそもリスクを伴うものではないのかということについて御指摘がございました。 この点は先ほども、今回のカンボジアの場合につきまして十三年間の戦争があった経緯等々は申し上げましたので繰り返しをいたしませんが、確かにカンボジア人だけでは国づくりができない、戦争が終わったばかりの状況の中で平和を固める、確かなものにするという活動でございますから、そういう一種の脆弱な基盤の上に立っておるということ、しかもこの平和維持活動は本来武力を行使してなされるべきものではないという性格を持っておるというような意味で、いわば本当の練達のとのみが行い得るような難しい活動であるということは御指摘のとおりと考えております。 しかし、それにもかかわらず、先ほど個人の使命感や自己犠牲に過度に依存してはならないということを言われました。この点は強く私ども感銘をして伺いました。このように不幸な犠牲者が出たということはまことに断腸の思いでありまして、そのことは国際平和協力本部長として私の責任であります。したがいまして、今後私としてなすべきことは、このような、個人の使命感、自己犠牲に過度に依存するようなと言われることのないような慎重な安全のための措置である。UNTACにもそれを申し入れておりますこと、具体的には先ほども申し上げましたので繰り返しませんが、さように心得ております。 それから、村田大臣に現地に行っていただきました。五月八日でございましたが、このことについて政府部内に何か連絡の不十分な点がありたかということでございましたが、これは、派遣そのもの、派遣の目的につきまして外務省を含む関係各省庁と事前に十分連絡協議を行ったところでございます。この点は確認をいたしてございます。 それから、村田大臣のカンボジア派遣の目的、任務等につきましては先ほど御本人からもお話がございましたが、UNTACとして隊員の安全対策に万全を期されたい、UNTAC要員の配置についても再度緊急に検討されたい、安全対策のための会議を巡回によって行いたいといったようなことについての意見交換、明石代表に対する申し入れでございまして、村田大臣派遣の目的は十分に達せられたと考えております。 他方、我が国としても我が国なりの安全対策を強化いたしておりまして、昨日、国際平和協力本部事務局長を村田大臣のフォローアップとして現地に派遣をいたしたところでございます。 それから、カンボジア総選挙に対する認識というお尋ねでございました。 有権者の九割以上に当たる四百七十万人が選挙登録を行っております。先ほど私、前の御答弁で「国民の」と申し上げました。誤りでございます。有権者の九割以上でございますが、そういう状況でございますから、国民が選挙を望んでいるということは私は疑いないことだと思います。こういう状況の中で選挙を延期するということについては、私は延期をしても特段の得るところはない。ポル・ポト派が、最後まで参加を慫慂いたしますけれども、延期をしたらぼ参加をするかというようなふうには実際なかなか考えられないところでございますから、やはりみずから選挙に参加をすることを自分で棄権をしたということは、自分のいわばリスクにおいて、自分の判断においてしたと考えるしか方法がございません。予定どおり選挙をすることがパリ協定の本来の考え方であるというふうに思っております。 それから、過去の国連平和維持活動において、危険の回避を理由に自国の派遣部隊、要員を一方的判断で撤収したケースはあるかというお尋ねがございまして、これは調べさせてみましたけれども、私どもの調査によりますとそういうケースはございません。非常に財政負担が過度になった、あるいは派遣国、相手でなく派遣国自身で紛争などが起こりまして、政争と申しますか紛争が起こりまして、その結果として撤収したというケースは聞いておりますけれども、危険回避を理由に部隊や要員を一方的判断で撤収したケースは、調べました範囲ではないように存じております。 それから、いわゆる五原則の問題でございますが、国際平和協力法上のいわゆる五原則については、もとより具体的な状況に照らして総合的に判断すべきものでございますけれども、ただいま御指摘になられましたような幾つかの点が、当然のことでありますが考慮されるべき要素であると考えております。 それから、国会承認の問題でございますが、法案審議の際に国会におきましていろいろ御議論がございました。その結果として現在の仕組みが法として成立をいたしたわけでございますので、政府としてはこれに従ってまいりました。また、そういたそうと考えております。 いずれにいたしましても、法七条で、実施計画を作成あるいは変更いたしますと内容を国会に御報告することになっております。また、実施状況、実施結果についても報告をいたすことになっておりまして、そのことを従来とも行ってまいりましたが、今後とも十分に御報告並びに情報提供をいたすべきものと考えております。 それから、法では、法の施行後三年を経過した場合において実施のあり方について見直すということが記されてございます。現在までにアンゴラ及びカンボジアにおきまして実際の協力を行ってまいりました。それからいろいろ貴重な経験を得ておりますが、今後の平和維持活動への協力に当たりましてこれらの経験を積極的に生かしていくことが肝要であると思います。また、そういう経緯の中で、必要とありますれば法律の見直しが行われることになるであろうというふうに考えておるところでございます。(拍手) ―――――――――――――
○議長(原文兵衛君) 聴濤弘君。 〔聴濤弘君登壇、拍手〕
○聴濤弘君 私は、日本共産党を代表して、カンボジア問題について総理並びに関係大臣に質問します。 それに先立ち、このたび犠牲になられた高田晴行氏、さきに亡くなられた中田厚仁さんに心から哀悼の意を表明いたします。 今カンボジアでは、ポル・ポト派と見られる武装勢力の襲撃によって死亡したUNTAC要員は、外務省の調査によれば既に十三名に達し、事故死では三十九名に上っております。また、襲撃が続発していることは日々の報道で周知の事実であります。 村田自治大臣、あなたは現地で文民警察官から、あと何人死んだら帰れるのか、日本では事情を知らないのではないかと訴えられ、心からのショックを受けた、総理にこの状況を報告すると語ったと報道されています。あなたは十二日の参議院本会議でそのような質問はなかったと答弁しました。事は人命にかかわる重大な問題であり、あいまいさは許されません。この報道は誤りだったというのですか。そうならマスコミの責任は重大だということになります。また、誤りだったというなら、それではあなたは何に心からショックを受けたのか説明しなければならないと思うのであります。 〔議長退席、副議長着席〕 ショックを受けたという報道も誤りなのですか。そうでないというのなら、あなたは総理に何を一体報告したのか、国会と国民に真実を明らかにするあなたの責任こそ重大ではありませんか。国民に具体的に説明しなければならないと思います。 総理、PKO法の強行と自衛隊のカンボジア派遣問題ほど政府が国民に欺瞞を重ねてきた問題はありません。総理はPKO法の審議の際、昨年の二月四日衆議院予算委員会で、PKOとは戦闘行為がやみました後それを恒久の平和に導くための行動であり、武器使用が発生したのではこれは平和維持活動の意味をなしませんと答弁されました。政府はリーフレットまで出し、だからPKOは危なくない、PKOは安全な場所で活動するものだ、そういう宣伝を繰り返し繰り返し行いました。これがPKO法を成立させる際の最大の論拠であったことは記憶に新しいところであります。 ところが、既に十三名の犠牲者が出、ほぼ連日といっていいように襲撃が行われている。これで一体、PKOは危なくない、安全な場所で行われるものだ、そういうふうに言えるのでしょうか。今になって総理がそんな説明をしたとは思っていないなどと十二日の記者会見で述べたことは、まさに国民を愚弄するものではありませんか。明確に答えていただきたい。 また、政府は、危なくなれば日本政府の判断で中断、撤退ができると繰り返し答弁してきました。我が党は、一たんPKO活動に参加すれば国連の指揮に従わなければならなくなる、それが国連のPKO活動だということを国連の文書に基づいて指摘してまいりました。ところが、総理は、同じPKO国会で、日本の判断で中断、撤収するという原則は我が国としては譲ることはできないものであり、憲法の配慮から出たものであり、他の国と同じように標準的な国連のオペレーションに従うわけにはいかないとまで言明したのであります。 今回、我が国の犠牲者が出るという事態に至り、政府は日本の要員の安全強化をUNTACに申し入れました。結果はどうだったのでしょうか。UNTAC側は申し入れの中にある文民警察官のプノンペンへの一時的移動さえ拒否し、国連の指揮に従うよう求めました。我が党の主張どおりではないですか。危ないと判断したからこそ政府は申し入れを行った、しかも自治大臣が現地に行って申し入れを行った、それでもUNTACはこれを拒否した、これが事実であります。これでは国民に約束したことと違うではありませんか。どう国民に説明するのですか、総理の明確な答弁を求めます。 政府はこの間、カンボジアで何が起ころうとも、全面戦争になっていない、ポル・ポト派がパリ協定の破棄宣言をしていないという紋切り型の答弁を繰り返し、事態の重大性を糊塗しようとしてきました。これもまた明白な詭弁です。 第一に、ポル・ポト派はゲリラ戦術をとっています。政府は襲撃はだれがやったかわからない場合があると言っていますが、まさにそれがゲリラのゲリラたるゆえんであります。したがって、全面戦争が起きていないから停戦合意が守られているなどという主張が成り立ち得ないことは明白ではありませんか。総理があくまで停戦合意は守られていると言うのなら、何をもって全面戦争と言うのでしょうか。海部前首相は全面戦争について、内乱が激しくなった、ゲリラが頻発しているとかは平和維持活動の前提が崩れた場合と判断するのが当然と国会で答弁しました。今まさに海部前首相が言っているような状態になっているではないですか。明確な答弁を求めます。 第二に、パリ協定についていえば、ポル・ポト派がパリ協定破棄を宣言しないのは、協定があの大量虐殺を行ったポル・ポト派をカンボジアの一派として復権させたからであります。その点を最大限に利用しながら、協定の内容の実施はことごとく妨害し、自分の支配地域を拡大するという戦略をとっているからであります。宮澤総理は、ポル・ポト派もパリ協定は絶対に守ると言っている、だからパリ協定の枠組みは崩れていないなどと言っていますが、ポル・ポト派のこのような基本的戦略から見ればこういう主張が無意味なこともまた明白ではないでしょうか。 停戦合意が破られているだけでなく、パリ協定の枠組みである武装解除をポル・ポト派は拒否し、協定の最大の目的である総選挙の実施も拒否し、武力でそれを妨害しようとしているのであります。これでどうしてパリ協定の枠組みが守られていると言えるのでしょうか。 ガリ事務総長も五月三日のUNTACに関する報告書の結論の中で、第一に、ポル・ポト派を説得するというUNTACの努力はむだであった、第二に、ポル・ポト派は和平プロセスと総選挙にますます敵対している、第三に、選挙は政治的に中立な環境で行われな、ことは明白である、これが結論であると述べております。総理、これでもパリ協定は守られていると言うのですか。明確な根拠を示していただきたい。 総理、なぜ政府はこのようにその場その場を言い繕いながらPKO問題とカンボジア問題に対処してきたのですか。そしてまた今も対処しているのですか。それは国際貢献どころか、何が何でも自衛隊の海外派兵に道を開こうというその思惑によるものであったと言わざるを得ません。今ポル・ポト派の無法行為をできるだけ小さく小さく描こうとするのも、カンボジアへの自衛隊派遣を継続したいという思惑によるものだと言わざるを得ません。しかし、そうすればするほど、情勢を甘く見、ますます要員を危険にさらす結果になります。これは無謀なことであります。また、それはカンボジアでの真の平和にとっても有害なことであります。 かつて政府の無謀な行為によって日本は戦争に突入しました。いつも犠牲になるのは国民であります。PKO五原則に照らしても、自衛隊のカンボジア派兵が違法であることは今や疑問の余地なく明白であります。そうである以上、自衛隊の撤退を図ることは急務であります。また、政府はカンボジアに対する対応を抜本的に再検討すべきであります。このことを最後に総理に求め、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまのお話の中で、政府は自衛隊の海外派兵に道を開くためにポル・ポト派を弁護しているんだという御主張がありまして、それは全く政府の立場と違います。 そのような立場からの御質問ということを心得ながらお答えをいたしますが、文民警察の安全ということは非常に大事なことでございまして、そのために先般自治大臣においでをいただいたわけでございます。文民警察要員の安全対策のために山崎警視正を中心に地域の巡回をしようといったようなことも、そういう目的でいたしたところでございます。 それで、そのカンボジアの事態、これは何度も申し上げましたが、全面戦争になっておるわけではないと申し上げた、それはどういうのを全面戦争と言うのかというお尋ねでございましたけれども、一般的にクメール・ルージュが一部の地域を占領しておってそこからゲリラ活動が行われておるというふうに私どもは認識をいたしておるわけでありまして、したがってその限りにおいて停戦の違反は、確かに停戦違反がある、それは局地的なものであろうというふうに考えておりますので、そういう意味でパリ協定が基本的に覆されておるというふうには考えておらないという意味でございます。 停戦の合意を含みますこの法に言います五原則も満たされておるというふうに思いますので、中断、撤収等を検討すべき状況にあるとは考えておりません。 残りの問題につきましては関係閣僚からお答えをいたします。(拍手) 〔国務大臣村田敬次郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(村田敬次郎君) 聴濤議員の御質問にお答えいたします。 私は今回のカンボジア訪問におきまして、バンコク市内の病院に入院中の文民警察官四人の方々を見舞ったほか、プノンペン市内で十三名の文民警察官ともお会いをいたしました。そして、現地でもモックカンポールという部落に参りまして、文民警察官のみならず、インドの隊長あるいはフィリピンの方、モロッコの方、ブルガリアの方等々ともお会いをしたところでございます。 特に御指摘のありました十三人の文民警察官との会見でございますが、その中では、既に何度も申し上げましたように、一部の地域では水や食糧が手に入りにくい、赴任地では食糧が思うに任せない、村において活動をするときは常に緊張を強いられる、治安が全般的に悪化しつつあるといった厳しい生活環境や治安状況、日本とは違った現地での生活の苦労ぶりなど御意見を伺いました。また、山崎隊長とはたびたび会いまして打ち合わせをしたところでございます。 そして、私がショックを受けたということを聴濤議員が御指摘になりましたのは、場所が十三名の会見の場所とは違うのであります。これは、ボランティアの方、文民警察官の方、自衛隊の方々、関係者の方々とともに懇談をいたしました席で、私がごあいさつの中で、今回のカンボジア訪問について非常に現地の生々しい状況をお聞きしてショックを受けたという表現を用いたのでございます。 また、明石特別代表との会見におきましては、こうした文民警察官の御発言を踏まえ、誠心誠意折衝したところでございます。 ただ、御指摘のような発言につきましては、私は耳にいたしておりません。なお、帰国後、総理に対して私の感じましたところを詳細に御報告申し上げ、そしてそれに対する対応は極めて緊急に措置をしつつあるところであり、これは官房長官から連日のように発表のあるところでございます。 また、柳井局長を初め関係のスタッフが赴きまして、私は、明石代表とこの文民警察官、要員等の生命の安全についてはぜひひとつ緊急に御相談をいただきたいということを心を込めて申し上げました。明石特別代表も心を込めてお答えをいただいたと思っております。ヘルメットの配置やあるいは防弾チョッキの配置、その他いろいろな問題について既に私のおる間に明石代表からはいろいろな措置の御発表があり、その後、総理の決定事項について私はいろいろな接触が向こうでとられつつあるところと承知をしております。 以上によって御承知をいただきたいと思います。(拍手)
○副議長(赤桐操君) 答弁の補足があります。宮澤内閣総理大臣。 〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 国連の平和維持活動が安易なものであるということは思ったことがありませんし、そういう御説明をしたこともありません。 中断、撤退等は、国連当局と相談した上、我が国が我が国の判断で行えるということは法律に明快に書いてございます。(拍手) ―――――――――――――
○副議長(赤桐操君) 井上哲夫君。 〔井上哲夫君登壇、拍手〕
○井上哲夫君 私は、民主改革連合を代表しましカンボジアPKO活動をめぐる政府報告に対し、宮澤総理並びに関係大臣にお尋ねをいたします。 冒頭、去る五月四日カンボジアにおいて我が国の文民警察派遣要員であられた高田晴行さんが殉職され、さらに先般は中田厚仁国連ボランティアの方が亡くなられ、本当に御両名のお命を、深く御冥福をお祈り申し上げます。また、負傷されて現在病院で治療中の方にも、一日も早い御回復をお祈り申し上げます。 冒頭申し上げますが、私は、昨日衆議院、本日参議院、最後の十一番目の質問バッターでございます。今、しっかりせよとお声がありましたが、実はこの本会議のこういう形の質問を繰り返しても、先ほども協議がありましたことく、すれ違いの質問と答弁が多く見受けられます。私は常々、こういう本会議において一問一答で国民が本当に知りたいことあるいは国民の判断の助けになることを質問し、あるいは答弁を受ける、これがあるべき姿だと思っておりまして、本日は原稿の棒読みをやめたい。つきましては、いろいろと不手際がありますし、これまでも代表質問において時間を守らないということでおしかりを受けたこともありますので、もし時間が来ましたらお知らせを願いたいと思います。 高田晴行警視の殉職をされましたケースについて、いま一度私どもはその状況を思い起こさねばならないだろうと考えます。これはアンビル村付近でいわば待ち伏せ攻撃に遭ったものでありまして、五人の文民警察員がオランダの海兵隊員によって先導され、かつその後ろには選挙監視員も他国の要員がついていわばパトロール中であった、しかも真っ昼間であります。こういうときに、一部ポル・ポト派と言われておりますが、武装集団十数人であらかじめ襲撃を用意して、ロケット砲B40型対戦車ロケット弾を連射して、しかも六台の車両が停止した後も今度は自動小銃で一斉射撃をしばらく続けた。こういう中で高田晴行さんが殉職をされ、多くの方が重傷並びに負傷された。このことは、今のカンボジアにおいて停戦の合意があるかないかについて重大な事実を世界の人に、そして日本の国民に示したものであります。 この五月四日の前にやはり同じ州で襲撃がありました。大規模なものであります。そして、思い起こせば日本の派遣した文民警察官の襲撃はたまたまこの五月四日が初めてではございません。その前に二回、やはり宿舎を襲われたり、あるいはたまたま難を逃れたが襲撃を受けているわけであります。こういう事態を、私どもはさきのPKO国会で本当にいろいろな面の論議を尽くしたか。私はそのことに自問自答するとき、本当に我が身は十分でなかった、もっともっと国会論議において文民警察におけるいろいろな側面の論議をすべきであった。国会史上初めてという百時間に及ぶ審議で十分だということに関して私どもは反対をしましたが、今にして思えばそれはまさにもつと審議を尽くすべきではなかったかと思います。 今カンボジアの状況は、きのうきょうの政府答弁並びに質疑の中で明らかなすれ違いとして出てきたことを一つ申し上げます。 それは、政府の宮澤総理を初めとするたびたびの御答弁を伺いますと、停戦の合意は崩れていない、ある。パリ和平協定の中身はちゃんと生きている、こういう答弁でございます。しかし、国民の多くは果たしてそのように受けとめているでしょうか。冒頭私は高田晴行さんが襲撃を受けた経過について詳しく申し上げましたが、これは、一皆さんにそのことをもう一度考えていただきたい、私も考えなければならない、その考えからであります。停戦の合意が本当にカンボジアで間違いなくあるのか。中には、国際世論上あるいはUNTACの認識で、政府は実は停戦合意については大変な心配をしているけれどもそうは言えないと言っているのではないだろうか、こういう見方もあるわけでございます。 私はここで政府に改めて質問をしたい。PKOの法案において参加五原則が明確に打ち出され、それは先ほど宮澤総理もお答えになりましたが、政府が判断をしますと。ならば、今どのような事態になれば政府は停戦の合意が崩れたと見るのか。あるいは、今は何をもって停戦の合意が崩れていないと見るのか。そこのところははっきり、UNTACの説明ではなく、あるいは国際世論を考慮してではなくおっしゃっていただきたい。 質問漏れがあるといけませんので簡単な質問事項のメモだけは見させていただきます。 我が国が派遣をした文民警察員について、本来の任務を本当に全うするようにカンボジアのUNTACで命令を受けているのかどうか、これも疑問があるものです。 これまでたびたび各党の質問にも出ましたことく、UNTACにおける日本の派遣要員の文民警察員として与えられた任務は、実は当初日本政府から指示をされた内容とかなり食い違っている。それは要人の警護あるいは危険な地帯におけるまさに戦場に等しいようなところにおける。パトロールが入っている。本来の文民警察員として与えられた、しかも国内において指示された内容と大きくかけ離れているとしたならば、そのことについてどのように政府は対処するのか。どこが違っていて、これは現にどのように対処しておると、このことをはっきり御答弁願いたいと思います。 さらに、派遣地についても、文民警察員がどういう状況の中に派遣をされ……
○副議長(赤桐操君) 井上君、時間が超過いたしております。簡単に願います。
○井上哲夫君(続) では、質問事項は私があらかじめ御通告した内容に従って御答弁を願えれば結構でございます。どうかきょうの私の質問の趣旨をよく酌んでいただいて御答弁をお願いしたいと思います。 終わります。(拍手) 〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 我々が派遣いたしました要員につきまして、御指摘のような襲撃事件が起こりましてとうとい人命が失われたことはまことに遺憾なことであります。このようなことが二度と起こりませんように十分な安全措置を講じなければならないと考えておりますことは先ほども申し上げたとおりでございますが、国会がこの法案を御審議の過程においていろいろな場合の想定の御質問がございました。 現実にカンボジアで起こりましたことの中で国際的な予測と異なりましたのは、一つは、やはり武装解除というものが予定どおりに完全に行われなかったということであると思います。これは当初予定していた事態と違ってまいりましたが、この武装解除が完全に行われなかったということがただいまのような襲撃事件にもつながつた、こういう点では、当初考えておったことと事態が違っておるということは私は御指摘のとおりであると思います。 ただ、この事件は、御承知のようにある局地で起こったことでございますから、そのゆえに全体的な停戦合意が崩れているというふうに考えるべきではないのであろう。遺憾な事件ではありますけれども、全体に停戦の合意というものが崩れておる、全面的にそういう紛争が各地で起こっておるという事態とは違うというふうに政府は判断をいたしておりますので、したがいまして停戦合意が崩れているとは思わないということを申し上げておるわけでございます。 それからさらに、五原則との関連についてお話がございましたが、したがって停戦の合意というものは崩れていない。それからUNTAC自身の活動、このものについてもSNCを通じてクメール・ルージュはこれを認めておるわけでございます。これが第二の条件。第三の条件は、UNTACが本当に中立的に行動しているかどうか、片方に偏ったような行動に出ているかどうかということにつきましても、私どもはUNTACの今日までの行動は十分に国連としての中立性を維持している、こういうふうに判断をいたしておりますので、そういう意味で原則が壊れたというふうには考えていない、こう申し上げておるわけでございます。 なお、文民警察の任務について逸脱があったかどうかということについて最後にお触れになられましたので、これは官房長官からお答えをさせていただきます。(拍手) 〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
○国務大臣(河野洋平君) 文民警察要員の任務等についてお尋ねがございました。 文民警察要員の任務は、議員もおっしゃいましたように、現地の警察行政事務についての助言、指導、監督を行うことでございまして、具体的には、現地警察活動が公正中立に行われているかの監視などを行ったり、現地警察に対して捜査の方法等の指導助言を行うなど広範な業務を行うことと本来されております。 任務地における現況につきましては、全般的には、本年一月以降治安状況が当初想定していた状況に比べて大変悪化しているということも事実でございまして、地域によりましては勤務地よりの車両による移動が困難になったところや文民警察要員本来の業務を行うことが困難なところ、あるいは生活に必要とされる物資の補給も十分なされていない地域もあるとの連絡もございます。 政府としては、このような現状にかんがみましてUNTACに対しまして、文民警察が本来業務を行うに当たっての障害を除去すること、要員の安全対策の一層の強化などを申し入れるとともに、先ほど総理からも前段御答弁がありましたように、ヘリコプターなどによる輸送能力を増強するための緊急拠出を行うことなどを決定したところでございます。(拍手)
○副議長(赤桐操君) これにて質疑は終了いたしました。 ―――――・―――――
○副議長(赤桐操君) 日程第二 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件 日程第三 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とイスラエル国との間の条約の締結について承認を求めるの件 日程第四 気候変動に関する国際辻合枠組条約の締結について承認を求めるの件 日程第五 生物の多様性に関する条約の締結について承認を求めるの件 (いずれも衆議院送付) 以上四件を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長野沢太三君。 〔野沢太三君登壇、拍手〕
○野沢太三君 ただいま議題となりました条約四件につきまして、外務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 まず、トルコとの租税協定及びイスラエルとの租税条約は、我が国と両国との間における二重課税の回避を目的として、事業所得に対する相手国の課税基準、投資所得に対する源泉地国の限度税率、二重課税の回避方法等を定めるものであります。 次に、気候変動枠組条約及び生物多様性条約は、昨年六月、リオデジャネイロにおいて開催された国連環境開発会議における主要な成果として署名のために開放されたものであります。 気候変動枠組条約は、大気中の温室効果ガスの濃度の増加によってもたらされ、自然の生態系及び人類に悪影響を及ぼすおそれのある気候変動に対処するための国際的な枠組みを定めるものであります。 生物多様性条約は、地球上の多様な生物をその生息環境とともに保全し、生物資源を持続可能であるように利用し、及び遺伝資源の利用から生ずる利益を公正かつ公平に配分することを目的とするものであります。 委員会におきましては、外国税額控除制度のあり方、イスラエルとの租税条約における占領地問題の取り扱い、温室効果ガス排出抑制のための議定書作成の見通し、地球温暖化の防止及び生物多様性の保全のための国内措置、環境分野における国際協力の推進等の諸問題について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終え、討論に入りましたところ、日本共産党の立木委員より租税条約二件に反対する旨の意見が述べられました。次いで採決の結果、租税条約二件は多数をもって承認すべきものと決定し、気候変動枠組条約及び生物多様性条約は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、気候変動枠組条約及び生物多様性条約に関し、地球環境保全のための施策の拡充強化等を政府に要請する決議が行われましたことを申し添えます。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○副議長(赤桐操君) これより採決をいたします。 まず、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とイスラエル国との間の条約の締結について承認を求めるの件を一括して採決いたします。 両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(赤桐操君) 過半数と認めます。 よって、両件は承認することに決しました。 次に、気候変動に関する国際連合枠組条約の締結について承認を求めるの件及び生物の多様性に関する条約の締結について承認を求めるの件を一括して採決いたします。 両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(赤桐操君) 総員起立と認めます。 よって、両件は全会一致をもって承認することに決しました。 ―――――・―――――
○副議長(赤桐操君) 日程第六 平成二年度一投会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2) 日程第七 平成二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書 日程第八 平成二年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増確総調書及び各省各庁所管経費増額調書 日程第九 平成二年度特別会計予算総則第十二条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2) 日程第一〇 平成三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1) 日程第一一 平成三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1) 日程第一二 平成三年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1) (いずれも第百二十三回国会内閣提出、第百二 十六回国会衆議院送付) 日程第一三 平成三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2) 日程第一四 平成三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2) 日程第一五 平成三年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2) 日程第十六 平成四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1) 日程第一七 平成四年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1) (いずれも衆議院送付) 以上十二件を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。決算委員長大渕絹子君。 〔大渕絹子君登壇、拍手〕
○大渕絹子君 ただいま議題となりました平成二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外十一件につきまして、決算委員会における審査の経過と結果について御報告申し上げます。 予備費関係十二件は、憲法及び財政法の規定に基づき、平成三年一月から平成五年一月までの間の予備費の使用等について国会の事後承諾を求めるため提出されたものであります。 それらの主な費目について申し上げますと、まず一般会計の予備費使用は、義務教育費等の国庫負担金の不足を補うために必要な経費、豪雨災害等の復旧事業に必要な経費、湾岸地域における平和と安定の回復を図る活動のために必要な経費、国連カンボジア暫定機構に係る分担金の支出に必要な経費等であります。 次いで、特別会計の予備費使用は、外国為替資金特別会計における売買差損の補てんに必要な経費、農業共済再保険特別会計家畜勘定における再保険金の不足を補うために必要な経費、道路整備特別会計における給与改善に必要な経費等であります。 また、特別会計予算総則の規定に基づく経費の増額は、郵政事業特別会計における業績賞与に必要な経費、交付税及び譲与税配付金特別会計交通安全対策特別交付金勘定における交通安全対策特別交付金に必要な経費等であります。 委員会におきましては、これら十二件を一括して議題とし、まず大蔵大臣から説明を聴取した後、予備費による湾岸平和基金への追加拠出、最近のカンボジア情勢とPKO協力活動、三年度における給与改善予備費の計上の趣旨、予備費の国会への提出時期等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党・護憲民主連合の西野理事より平成三年度一般会計予備費(その1)及び平成四年度一般会計予備費(その1)に反対、自由民主党の鈴木理事より予備費関係十二件に賛成、日本共産党の高崎理事より一般会計予備費四件及び平成二年度特別会計予備費に反対、民主改革連合の井上委員より平成三年度一般会計予備費(その1)及び平成四年度一般会計予備費(その1)に反対の意見がそれぞれ述べられました。 討論を終わり、採決の結果、平成二年度一般会計予備費(その2)外一般会計予備費三件並びに平成二年度特別会計予備費はいずれも多数をもって、その他の特別会計予備費関係七件はいずれも全会一致をもってそれぞれ承諾を与えるべきものと議決されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○副議長(赤桐操君) これより採決をいたします。 まず、日程第六、第七及び第一三の予備費使用総調書三件について採決をいたします。 三件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(赤桐操君) 過半数と認めます。 よって、三件は承諾することに決しました。 次に、日程第八、第九、第一一、第一二、第一四、第一五及び第一七の予備費使用総調書等七件について採決をいたします。 七件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議員(赤桐操君) 総員起立と認めます。 よって、七件は全会一致をもって承諾することに決しました。 次に、日程第一〇及び第一六の予備費使用総調書二件について採決をいたします。 両件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(赤桐操君) 過半数と認めます。 よって、両件は承諾することに決しました。
○副議長(赤桐操君) 日程第一八 商工会及び商工会議所による小規模業者の支援に関する法律案 日程第一九 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案 (いずれも内閣拠出、衆議院送付) 以上両案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長斎藤文夫君。 ――――――――――――― 〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲 載〕 ――――――――――――― 〔斎藤文夫君登壇、拍手〕
○斎藤文夫君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 まず、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律案は、小規模事業者をめぐる最近の厳しい経営環境にかんがみ、商工会及び商工会議所が実施する小規模事業者の経営の改善発達を支援するための事業内容の拡充及びその効果的実施を図るため、債務の保証の制度を確立する等の措置を講じようとするものであります。 次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案は、最近における中小企業の資金需要の大口化、中小企業をめぐる金融環境の変化等に対応し、中小企業者に対する事業資金の融通を円滑にするため、中小企業信用保険について、普通保険、無担保保険、特別小口保険、公害防止保険及びエネルギー対策保険の付保限度額を引き上げようとするものであります。 委員会におきましては、両法律案を一括議題とし、商工会、商工会議所の体制強化の必要性、基盤施設事業と地域振興策との関係、商工会、商工会議所のあり方、中小企業をめぐる景気動向と金融支援策、付保限度額の引き上げ幅と信用保証協会の保証状況等の諸問題について質疑を行うとともに、参考人の出席を求めて質疑を行うなど慎重に審査を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終わりましたところ、日本共産党市川委員より、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に対する修正案が提出されました。 次いで採決に入り、まず、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律案について採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し七項目の附帯決議を行いました。 次いで中小企業信用保険法の一部を改正する法律案について採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○副議長(赤桐操君) これより両案を一括して採決いたします。 両案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(赤桐操君) 総員起立と認めます。 よって、両案は全会一致をもって可決されました。 ―――――・―――――
○副議長(赤桐操君) 日程第二〇 母子及び寡婦福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。厚生委員長細谷昭雄君。 〔細谷昭雄君登壇、拍手〕
○細谷昭雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、母子家庭及び寡婦の自立を促進し、福祉の一層の増進を図るため、都道府県の母子福祉資金貸付金に関する特別会計及び寡婦福祉資金貸付金に関する特別会計を統合することにより、これらの貸付金に係る資金の有効な活用等を図るとともに、母子家庭及び寡婦に対する生活、生業等に関する専門的な助言、指導等を行う事業を社会福祉事業として位置づけようとするものであります。 委員会におきましては、福祉資金の貸付対象及び条件の改善、父子家庭に対する支援策の充実、多様な需要にこたえる保育所のあり方等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○副議長(赤桐操君) これより採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(赤桐操君) 総員起立と認めます。 よって、本案は全会一致をもって可決されました。 ―――――・―――――
○副議長(赤桐操君) 日程第二一 特定優良貸住宅の供給の促進に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長梶原敬義君。 〔梶原敬義君登壇、拍手〕
○梶原敬義君 ただいま議題となりました特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 本法律案は、中堅所得者等の居住の用に供する居住環境が良好な賃貸住宅の供給を促進するための措置を講ずることにより、優良な賃貸住宅の供給の拡大を図り、国民生活の安定と福祉の増進に寄与することを目的とするものであって、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、賃貸住宅の建設及び管理をしようとする者は、賃貸住宅の供給計画を作成し、都道府県知事の認定を申請することができることとし、都道府県知事は、賃貸住宅が規模、構造に関する基準等に適合するものであるときは、供給計画の認定をすることができることとしております。 第二に、国及び地方公共団体は、認定を受けた供給計画に係る賃貸住宅について、その建設及び家賃の減額の措置に対して助成等をすることができることとしております。 第三に、都道府県知事は、認定を受けた供給計画に従った適正な賃貸住宅の建設及び管理のため、報告の徴収、改善命令、認定の取り消し等をすることができることとしております。 第四に、地方公共団体は、優良な賃貸住宅が不足している場合は、その建設に努めなければならないこととし、国は当該地方公共団体に対し建設及び家賃の減額の措置に対して助成等をすることができることとしております。 委員会におきましては、居住水準向上の目標、家賃対策補助の内容、住宅基本法制定の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議を付することに決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○副議長(赤桐操君) これより採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(赤桐操君) 総員起立と認めます。 よって、本案は全会一致をもって可決されました。 ─────・─────
○副議長(赤桐操君) 日程第二二 郵便切手類販売所等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長野別隆俊君。 〔野別隆俊君登壇、拍手〕
○野別隆俊君 ただいま議題となりました郵便切手類販売所等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、郵便切手等に対する海外における需要にこたえる等のため、郵政大臣が郵便切手等の海外における販売に関する業務をその委託する者に行わせることができることとするものであります。 委員会におきましては、切手文化の健全な普及方策、多様な郵便サービス提供の必要性、郵便事業運営の進め方等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願います。 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、五項目から成る附帯決議を行いました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○副議長(赤桐操君) これより採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(赤桐操君) 総員起立と認めます。 よって、本案は全会一致をもって可決されました。 ―――――・―――――
○副議長(赤桐操君) 日程第二三 船舶安全法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長高桑栄松君。 〔高桑栄松君登壇、拍手〕
○高桑栄松君 ただいま議題となりました法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。 本法律案は、近年における小型船舶の構造の簡易化等の状況にかんがみまして、小型船舶検査機構に検査事務を行わせる船舶の範囲を、長さ十二メートル未満の船舶から総トン数二十トン未満の船舶に改める等の措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、質疑に先立ちまして、小型船舶検査の実情等を調査するために逗子マリーナを視察いたしました。質疑におきましては、小型船舶の検査及び登録制度のあり方、河川、港湾等における放置艇の対策、今後のマリーナ整備の進め方、プレジャーボートの安全性等各般にわたる問題が取り上げられましたが、その詳細は会議録によって御承知をいただきたいと存じます。 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党高崎委員から反対の意見が述べられ、次いで採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対しまして全会一致をもって附帯決議を行いました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○副議長(赤桐操君) これより採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(赤桐操君) 過半数と認めます。 よって、本案は可決されました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十九分散会