農林水産委員会 第12号
- 発言数
- 365 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1993/06/01
会議録
○委員長(吉川芳男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案、農業機械化促進法の一部を改正する法律案、特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案、以上三案を一括して議題といたします。 三案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○村沢牧君 大臣、法案の審議に入る前に大臣の方で発言を求めて何かおっしゃることありませんか。——ないですか。 大臣何も考えておられないようでありますから私の方から質問申し上げます。 農水省は、本日、六月一日、ニュージーランドのリンゴ輸入の解禁を行った。病虫害のおそれや安全性から問題のあるニュージーランド産のリンゴの輸入解禁をしないでください、してはならないということで、生産者団体や全国の農業団体が切実な訴えを今日まで展開してまいりました。国会もこの問題を重要な問題として受けとめまして、衆参両院で何回も質問し、要請もしてまいりました。そして、衆参の国会議員は二百六十名を超す署名をもって総理並びに農水大臣に要請をしてきた。 特に、本院は百四十名の議員の皆さん方が反対署名をしているんです。自民党の諸君はどういう関係か知らぬがこの署名には加わらなかったようでありますが、しかしこれは国会議員の意志です。したがって、私は本委員会で先日、農水委員会の決議としてくださいということで理事会に要請しましたが、これは慣例によりまして各党が一致を見なかったということで決議にはならなかったけれども、ほとんど農水委員会としてはニュージーランドのリンゴの輸入解禁をしてはならないという気持ちであるというふうに思います。 にもかかわらず本日から輸入解禁をした。輸入解禁ということは、その省令を改めるのは大臣の権限だ、行政権に属するものであるとは言いながら、関係団体のこのような切実な要求を踏みにじって、そしてこれを解禁を許した大臣の政治姿勢、私は強く批判をするし、その責任は重いと思う。私は、一言ぐらい大臣からこの審議が始まる前にごあいさつがあってもしかるべきだ。何も考えておられないという、こういう態度であるから私は大臣の見識を疑うんです。こんな無責任な冷たい態度であっていいのかどうか。
○国務大臣(田名部匡省君) ニュージーランド産リンゴの輸入解禁について二百五十名以上の国会議員の方々から反対の署名があったことは十分承知をいたしております。 その署名の趣旨とするところは、植物防疫上の面からは我が国の落葉果樹に大きな影響を及ぼすおそれのあるコドリンガ、火傷病、こういうものが侵入しないようにすることにあると私は考えております。そのほか、人体に影響のない、薬品というものを使用しない、安全性という話もあったことも十分承知をいたしております。 この点に関して、ニュージーランドが開発をいたしました殺虫・殺菌技術というものは、コドリンガや火傷病の侵入を防止する観点から見て技術的に問題ないという実は判断をせざるを得ず、私としてもやむを得ず解禁に及んだわけであります。心情的には本当に私も委員お話しのように考えておりますけれども、しかし、どうしても今申し上げたようなことでこれを解禁しなきゃならぬということになったわけでありまして、このことは御理解をいただきたい、こう思います。 なお、解禁に当たっての連絡などについては、各方面に十分でなかったという点については遺憾であったと考えております。
○村沢牧君 以下、何点かの質問をしますが、本日の本題ではありませんので、答弁は簡潔にお願いしたいというふうに思っています。 農水省の調査では病虫害の心配はないと言いますけれども、私の県の調査団の報告では、ニュージーランドでは粗放経営の果樹園が半分以上もある、病虫害を駆除できるというようなことは絶対に思えないと言っているんです。農水省が輸入解禁を強行した以上、万一コドリンガ、火傷病等の病虫害が発生した場合においては農水省の責任で完全に撲滅をする、損害補償対策を講ずる、こうすべきでありますが、大臣の責任ある答弁を聞きたい。
○国務大臣(田名部匡省君) 今お話しのことでございますが、国が責任を持って対処していくという方針でありますし、現実に私の方から専門官を派遣して周到に調査をする、検査をする、こういう態勢を実はとって、絶対入らないようなものでなければ入れないということになろう、こう思います。 いろいろ万が一ということで御心配もありますが、植物防疫法に基づいて、緊急防除により早急に全額国庫負担でこの撲滅、防除を図る考えであります。また、その原因究明を行い、万一この検疫措置に原因があると判明すれば、直ちに輸入禁止措置を含めた所要の対策を講ずる。 これは私が何回もこの場でも申し上げましたが、完全でないものはもう絶対輸入はいたしません、そのための対策を我々は十分とっていくんですと。しかし、検査の結果、全く問題ないというものについては輸入をせざるを得ないということを申し上げてまいりましたが、その方針で対処していきたい、こう考えております。
○村沢牧君 重ねて申し上げておきますが、大臣の今おっしゃったようなことは私も何回も聞きました。したがって、この時期に念を押しておくことでありますが、答弁は簡潔にお願いしたいと思う。 それから、ニュージーランドの輸入解禁をしたということは、日本の四倍もの生産量を持っているアメリカのリンゴの解禁につながるのではないか。アメリカ産のリンゴの輸入解禁は絶対にしない、このことを確約してもらいたいというふうに思います。
○国務大臣(田名部匡省君) ニュージーランド産とアメリカ産のリンゴの解禁問題は全く関係がないわけでありまして、植物防疫法に基づいて輸入が禁止されている生果実等については、相手国において、我が国への新たな侵入を防止する必要があると考えられる病害虫の完全殺菌・殺虫技術、こういうものが開発されて我が国への侵入が完全に防止される場合にのみ輸入を解禁するということになっておりますので、そのことができない限りは入れるわけにはまいりませんので、アメリカはそういう殺菌のデータというものが出されておらないということで、これは絶対輸入するわけにはまいりません。こういう立場でございます。
○村沢牧君 ニュージーランドに続いてアメリカ産のリンゴの輸入はしないと、そのことは確認をしておきましょう。 それから、リンゴ生産者は今回の措置に対して大きな不安を感じておるんです。政府に対して現地の説明会を求める声もありますが、これに応じてもらえますか。
○国務大臣(田名部匡省君) 必要に応じて、現地の方で要請があればそういうふうにいたしたい、こう思います。
○村沢牧君 先ほど答弁も若干あったところでありますが、輸入した後、病虫害の心配のあるような新たな事態が発生した場合においては直ちに輸入を禁止する、このこともお約束できますか。
○国務大臣(田名部匡省君) それは今申し上げたように、完璧に実施をいたしたい、こう思っております。
○村沢牧君 最近、外国産の果汁の輸入が大変ふえている。これに加えて、ニュージーランドの問題は病虫害の問題ではあるけれども、いずれにしてもリンゴの輸入がふえてくるということは間違いないというふうに思います。我が国の果汁、果実に大きな影響を与えできます。このような状態が進んでいくとするならば、果樹振興法第五条を適用すべきでありますが、その決意と用意を持っていますか。 ちょっと待ってください。大臣は果樹振興法五条というのを御承知ですか。
○国務大臣(田名部匡省君) セーフガードの規定がありますが、特定果実についてのものでありまして、この規定を発動するためには、リンゴを特定果実として政令で指定し、さらに生産出荷安定指針を大臣が策定する、こういうことになっております。いずれにしても、これらの措置では事態の克服が困難であると認められることが必要でありまして、これは六十年の果振法改正時に議員修正によって追加された条項であることでもあり、本規定実施のための手法、手続については定められていないわけでありますが、具体的な措置は他の法令等に基づき実施することとなると考えられております。 いずれにしても、国産品の卸売価格、輸入品の輸入価格プラス関税額の差額を限度として関税を課すことはできるというふうになっておりまして、いろいろな措置を講じていかなければならないと考えておりますが、他国での発動例は、十九条の一ですか、そういうこともありますが、我が国は発動した例はないと考えております。
○村沢牧君 大臣は余りこの条文存じないというふうに思いますが、第百二国会、六十年三月二十八日ですね、果樹振興法が提案されたとき、ちょうど牛肉・オレンジの自由化になってきた。そこで、本院はこの果樹振興法を一部修正して、外国産の果汁並びに果実の輸入が増大をして、政府が何らかの措置を講じても、なおかつ日本の果実、果汁に影響を及ぼす場合においては、いわゆる政府が俗に言うならば国境措置、輸入調整措置をとらなければいけないという法律なんですよ。このように果汁、果実の輸入がふえてくれば、この措置を政府がやるつもりがあるのかどうか、そのことを聞いているんです。答弁、簡潔で結構です。
○国務大臣(田名部匡省君) これを実施する場合には関係国の合意を得ることが必要でありますが、なかなかこの合意を得るということは容易ではないというふうに考えております。
○村沢牧君 余りこの問題ばかりやっているわけにはいきませんが、冒頭の大臣のあいさつを聞いておりましても、これだけ騒いだ問題について大臣が、本当に署名者の代表だとか各党に対して、実はこういうことでございますというくらいな、あいさつと言っては失礼ですが、こういうことになりましたというような報告があってしかるべきだと思う。しかし、大臣の今までの説明を聞いておっても全く熱意がないですね。 もう一回、これを解禁するに至った、申しわけなかった、こういうことだということは言えませんか。
○国務大臣(田名部匡省君) ここでもいろんなことの議論を十分いたしましたし、私も十分その間の経緯については申し上げてきたわけであります。国際法的に処理をする、技術的な問題がクリアされるとこれは輸入せざるを得ないという立場、しかし私の主産地であるという立場、そういうことをいろいろ考えてみましても、これが新たな貿易摩擦に発展する、いろんなことを考えまして、これは技術的に確立されたものは輸入せざるを得ない。 しかし、その間に反対の皆さんの多かったことも十分承知はいたしております。いたしておりますが、技術的な問題で、政治的にこれを解決する問題ではないという判断に立ってこのことを進めたわけでありますが、反対されてきた方々、あるいは問題があるとされてきた方々に事前に了承を得るといいますか、お知らせをするとか、そういうことがなかったことについては、先ほど申し上げたように、遺憾であったということを申し上げました。 責任者として国全体を考え、世界全体の中でいろんな判断をして、最終的に結論を出したわけでありますから、そのことは御理解をいただきたい、こう思います。
○村沢牧君 私は、今回の大臣並びに農水省のとった措置は絶対に承服することはできません。しかし、いずれまたその問題は大きく発展するであろうというふうに思いますから、本日はこの程度にしておきますが、大臣は今の答弁の中で私の主産地という言葉がありましたが、青森のことだけを言っているんじゃないんですよ。大臣が青森だから言いにくいとかなんとか、そんなものじゃない。あなたは日本の農水大臣です。私の主産地のことだなんて、そんな余計なことを言ってもらっちゃ困りますね。忠告しておきましょう。 さて、そこで法案に入りますけれども、今回の政府の構造法案は新政策に基づくものであるけれども、新政策に対する農政理念、基本的課題が法案を見る限りにおいてはわからない。我が国農政の抜本的改革を行おうとするならば、例えば食料自給率の向上や市場開放問題、価格政策などについて農政の基本的な方向を明確にし、それを具現化するための法律あるいは制度の制定、あるいは改正をすべきものでありますが、基本課題を後回しにして農地の流動化や法人化の促進による規模拡大から手をつけようとする展望のない農政と言わざるを得ないが、どうですか。
○政府委員(上野博史君) 新政策は相当広範囲にわたりまして考え方を述べているわけでございますけれども、確かにおっしゃられるとおり精粗あるわけでございます。 この新政策をまとめてまいりまするに当たりまして、私どもの考えておりましたことの最大のものといいますか、これはこのところの農業をめぐります農業内部の情勢でございまして、就業者が次第に高齢化をしている、しかしながら若い方々の後継者の就農あるいは新規参入者の就農ということがなかなか行われていない。 一方で耕作放棄地というようなことも生じているわけでございまして、土地利用型を中心にいたしまして我が国の農業の先行きを考えます場合に、この際基本的に対応を考えていかなければならないんではないかということで検討が始まった経緯があるわけでございまして、そういう我々の問題意識の立て方から、経営感覚に富んだ経営体の創出というようなことが一番この新政策の考え方の中心に立っておるというふうに申し上げてよろしいかと思います。
○村沢牧君 そういう考え方だとするならば、個々の政策、法案を積み上げて新政策を具現化しようとする、そういう方向で今後進むんですか。
○政府委員(上野博史君) きょう御審議をいただいております、我々が俗に新政策三法と呼んでおります、これは主として構造政策に絡むあるいは地域政策に絡む問題でございますけれども、その一番新政策の眼目といたしております部分についてとりあえずの法改正をお願いしたいということでお諮りを申し上げているわけでございまして、さらに引き続きましていろいろと対応しなければならない問題も出てまいってくるだろうというふうに考えるわけでございますけれども、そういう問題に対しましては今後の課題として検討し、対応させていただきたいというふうに考えているところでございます。
○村沢牧君 我が国の農政の抜本的改革をするためには、この三法にあわせて今後どのような制度改正、法改正あるいは新法制定をしなければならないと考えていますか。
○政府委員(上野博史君) 現在の段階で具体的にこういうものというのはなかなか申し上げにくい検討中の課題でございますけれども、私どもといたしましては、この新政策の考え方、例の経営体の考え方というものが稲作を中心に考えられているという実態があるわけでございまして、ほかの各種の農業経営の分野につきましても、今後の経営の先行きのあり方というようなものをまとめてまいらなければならないんではないか。そういうことをお示しし、そういう方向に向けての政策を再検討してまいらなければならないんではないかというふうに考えて、現在農政審議会の小委員会にも御相談をしながら検討をさせていただいているということでございます。 その他の問題もいろいろあろうと思うわけでございますけれども、これにつきましてはまた現状の展開等を見ながら検討させていただきたいというふうに考えております。
○村沢牧君 新政策はかなり広範な部門にわたっていますが、冒頭申し上げましたように、個々の法律を見ても新政策の目指す方向が全然わからない。だから、新政策はこういうふうに出しましたというけれども、どういう法律をこれからつくっていくのか、制度をつくっていくのか、そのことがわからなくては、新政策をもって新農政を展開していくといったってわからないじゃありませんか。これから価格政策はどうするんだとか流通政策はどうするのか、そうした問題にまで突っ込んでこなければわからないと思いますが、今官房長の言ったような程度では一体新政策というのは何だということになるわけですね。もう一回答弁してください。
○政府委員(上野博史君) 何といいましても私どもの理解いたしますところでは、現在の就業構造に対応いたしまして、将来老齢化が進んでいく、農業就業人口が減ってまいる、こういう中で我が国の農地を十分に活用する、そういう体制を築き上げるということが何にも増して必要なんではないかというふうに考えているわけでございます。 そこで、例の新政策で従来からいろいろ御説明を申し上げておりますような経営の考え方について、これを具体的におろしていったものが今回の法改正になっておるというふうに考えているわけでございます。 そういうことと、それからもう一つは、中山間地域的な条件の悪いところについての活性化を図っていくということが農業の果たす役割と絡みまして非常に重要だということで、今回お願いいたしております法改正の中の非常に主要な法律として我々は位置づけているわけでございます。 こういうような構造政策なり地域政策なりを進めていくということが価格や流通に影響を与えるということにもなろうというふうに思うわけでございますけれども、価格政策につきましては、我々とすればこの構造政策によりまして経営規模の大きい効率的な農業経営体というものがだんだんと普及をしてまいる、それにつれてコストというものも下がってくるであろうと。 現在の行政的な手当てがなされております価格政策につきましては、生産費であるとか経済事情であるとか、そういうものを考慮いたしまして生産、再生産ができるような価格というものを決めていくということを基本的に考えておりますけれども、そういうことの運用上の問題として今私が申し上げましたような構造政策等から出てきますいろいろな効果というものも考えてまいらなければならない。その際に特に重要なことは、コストの低減と価格の現実的な決定との間でコストの吸収というようなことについて十分に配慮していかなければならぬというようなふうに考えているところでございます。
○村沢牧君 いろいろべらべら言っておるけれども、よくわからないですね。法案についてはこれから審議していきますよ。この法案だけでは足らないというんですね。だから、そんなことを論議しておってもまた時間を食いますから、本日は初日でありますからこの程度にしておきましょう。 そこで、農政理念あるいは農業の果たすべき役割を考えるときに、基本的課題は食料自給率をどういうふうに高めるかということだというふうに思います。 大臣、新政策は食料自給率の低下傾向に歯どめをかける必要があると言っておりますけれども、低下傾向に歯どめをかけるということは、現在よりも下げないということなのか、上げるということなのか、大臣の見解を聞きたい。
○国務大臣(田名部匡省君) 長期見通しで示された自給率というもの、これは最大限に我が国の持てる力を発揮するということでいろいろ立てておるわけですけれども、現実にはこの自給率は低下傾向にある。この低下傾向にまず歯どめをかけなきゃいかぬ。そして目標に向かって努力していかなきゃならぬわけですから、閣議でも五〇%を目標にいたしておりますので、それに向かってまず下がる方をとめて、それからどうやって引き上げる努力をするかということが私は大事である、こう考えております。
○村沢牧君 下がる方をとめる、そのことは上げていくことだというふうに理解いたします。 そこで、御承知のとおり我が国の食料自給率は、平成三年、カロリーベースで四六%、穀物は三〇%を割って二九%でした。平成四年度は、資料はまだ完全に整ってはおらないというふうに思いますけれども、私は、下がることがあっても上がることはないというふうに思いますが、その傾向について述べてください。簡潔でいいです。
○政府委員(上野博史君) 今、委員みずからおっしゃいましたとおり、まだ四年度の食料自給率を取りまとめる段階に至っておりません。したがいまして、我々としても現在何らの情報を持ち合わせていないわけでございます。 ただ、委員おっしゃられましたとおり、傾向的にこのところ下がってまいっておるわけでございまして、現在の消費、生産の状況から見まして、その傾向が非常に変わっているというふうには考えにくいのではないかというふうに考えているところでございます。
○村沢牧君 本院農林水産委員会は、第百十六国会、つまり平成元年十一月十七日、農業政策の拡充強化に関する決議を行っております。その中で、「食料自給率については、その重要性にかんがみ、これを引き上げること。」、「米の完全自給方針を堅持する」と明記しております。この決議は、私が代表提案者になって全会一致で可決されたものです。 大臣、こうした決議を御存じですか。
○国務大臣(田名部匡省君) 十分承知いたしております。
○村沢牧君 農水省は、この決議や国民の世論を受けて、お話があったように平成十二年、長期見通しを立てて、カロリー自給率は五〇%、穀物自給率は三一%にしたわけですね。長期見通しというのは単なる見通しじゃないんです。閣議決定であり、国会決議を受けての長期見通しであり、それは農水省の政策の誘導計画であります。したがって、自給率を高めるということは最低限度この長期見通しを達成することである。 大臣その自信を持っていますか。
○国務大臣(田名部匡省君) 閣議で決定というお話がありましたが、自給率の見通しにいろんな数値をはめて、そうして長期見通しを参考として提出したものであって、これは閣議決定というものではないというふうに私は承知をいたしておりますけれども、いずれにしても、この際、五〇%という見通し、そういうものについては我々は努力をしていくことで全力を挙げておるわけであります。
○村沢牧君 その努力をすることは当然ですよ。今、大臣は閣議決定ではないと言っておりますが、農基法に定めてあるんですよ。農業の基本方針ですね。需給計画を立てなければならない。官房長そうですわ。
○政府委員(上野博史君) 長期見通しを立てるということが我々の仕事になっておるということはそのとおりでございますけれども、大臣が申し上げましたように、この長期見通しの考え方、見通しにも沿って、これを一番可能性のぎりぎりの限界として数字的にとらえると自給率五〇%ということも達成できる可能性があるということを五〇%というのは示したものでございまして、これが即計画的な目標であるというふうに申し上げるべきものではないたろうというふうに考えております。
○村沢牧君 私は、官房長の答弁は違うと思う。自給率の目標を立てて、それに政策を誘導していく責任がある。単なる見通しで、いいかげんにつくっていけばいいというものじゃないんですよ。だから、その自給率を達成するための政策をつくっていかなきゃいけない、農政をやっていかなきゃいけない。それが農基法に決められた長期見通しなんですよ。ですから、そんないいかげんなことで考えてもらっちゃいけないと思うんです。 どうですか、もう一回答弁してください。
○政府委員(上野博史君) この自給率ということにつきましては、生産と消費の両面のいろいろな要素が当然絡み合って出てくるわけでございまして、政策的に左右できる要素、できない要素があるわけでございます。そういう要素をいろいろと幅を持って考えてみたところで一応五〇%というものも考えられる水準である。もちろん、その水準を達成できるようにできるだけの努力をしていかなければならないということは、これは申すまでもないわけでございまして、今回の新政策も、そういう現在の当面する状況に対応して、そういうような方向に向かっての努力をするその一つの考え方ということで我々は取りまとめたつもりでございます。
○村沢牧君 そういうことで、自給率の立て方については論議をする時間がありません。しかし、五〇%にする、穀物自給率を三一%にする、大変な作業ですよ。作物別に見たら、例えば穀物自給率を三一%というのは、その九〇%は米ですね。米の輸入になっていったらそんなのはとてもだめだ。ですから、大変な作業なんですよ。それを今、官房長が言っているような程度の答弁では一体何のために作業をするんだ。そういう答弁は納得できません。 そこで、提案されている構造法案は、官房長から答弁はちょっとあったんですけれども、食料自給率の向上にどのように寄与するんですか、具体的に言ってください。
○政府委員(上野博史君) この構造政策で、土地の利用権を集積する、あるいは非常に効率的な大きな経営体をつくっていくということが我が国の農地の利用を十分にならしめていく方法である。我々、それが一番最善の方法だというふうに考えるわけでございまして、こういうような方法をとって、初めて具体的に我が国の土地の生産面での利用というものが図られていくんじゃないか。現在の農業の実態から見まして、そういうことをおいて土地の利用を確保していくということは非常に難しいんではないかというふうに考えるわけでございまして、自給率をできるだけ下げないように努力をし、かつできればできるだけ上げていくということの非常に大きな前提をなすものだというふうに考えているところでございます。
○村沢牧君 入澤局長どうですか。あなたの出した法律ですから、これを完全にやれば自給率はこの程度上がりますというような自信を持たなきゃいけないですが、どうですか。
○政府委員(入澤肇君) 自給率を高めるために幾つかの方法があると思うんです。 一つは、国産農産物の持っているメリット、これを十分PR、徹底させなくちゃいけない、良質かつ安全、新鮮であるということを。これによって輸入農産物に対する対抗力をきちんと認識するということが一つでございます。もう一つは、ここに書いてありますように、国内供給力を高めるための体質強化を徹底してやらなくちゃいけない。今回のこの法案は、その体質強化を図るための手段につきまして、広範に各種の手段を提案しているわけでございます。 私は、その二つの点からアプローチすることが必要であって、今回の法案は体質強化のための国内供給力を高めるための手法について整備するという意味であって、これが自給率の向上に役立つんじゃないかというふうに理解しております。
○村沢牧君 構造改善局長が言うように、自給率を高めるには一定の国境措置と国内農業政策を組み合わせていかなきゃいけないということは私もよく承知をしているんです。ところが、今までのような農政を続けていく限り、私はこの長期見通しは残念ながら到底達成することができない、そういうふうに思います。 大臣が、本当に達成するという自信がおありだったら、官房長でも結構ですから、長期見通しを立てるときにはいろいろな資料があった、その一つ一つの資料と比べてみて、現在はこうだ、将来どうなるかというその資料を提出していただけますか。提出できるかどうかで結構です。
○政府委員(上野博史君) 今のお話で、私はその資料の内容の理解がやや十分ではないように思うわけでございますけれども、ともかく現在の自給率を下げないようにするということが、これはもうそれ自身が非常に難しい作業であるというふうに私どもは理解をしているわけでございます。 現在の食料消費の状況、これがたんぱく質、脂肪の摂取をさらにまだ高める方向に移ってまいっておるというようなことを考えますと、それからまた生産面でいろいろ状況の悪いというところもあるわけでございまして、ともかく歯どめをかけるということに全力を挙げてまいらなければならぬというふうに思うわけでございます。しかしながら、もちろんそれを上げるという努力もその上でさらに続けていかなければならぬというふうに考えているわけでございます。
○村沢牧君 同じ答弁を何回もしなくていいです、時間がないから。 今の答弁聞いておっても、これ以上下げないようにするのが精いっぱいだ、とてもこの長期目標は達成できないということにつながってくるわけですよ。 だから、資料は後でまた、私は今も要求しておきますから、どういう資料だかわからぬと言うからまた教えてあげますから、出してください。 それから、この新政策が順調に展開されるかどうかは、価格政策、政府の財政措置にも関連してくるんです。 そこで、まず農林水産予算の推移について聞きたい。 一九八〇年と九三年を比較して、一般会計総予算額の伸びと農林水産関係の予算の伸び、一般歳出に占める農林水産関係の割合について述べてください。数字だけで結構です。
○政府委員(上野博史君) 一九八〇年と九三年の比較でございますけれども、国の一般歳出が三四・一%の増加でございます。これに対しまして農林水産関係の予算が六・〇%の減少ということでございます。 それから、国の一般歳出に占めます農林水産関係予算の割合は、一九八〇年が一一・七%に対しまして九三年は八・二%ということになっております。
○村沢牧君 一般歳出の伸びが八〇年と比べて九三年三一%ですか。
○政府委員(上野博史君) 三四・一でございます。
○村沢牧君 間違いありませんか。
○政府委員(上野博史君) 間違いないと思います。
○村沢牧君 それで、説明があったように、この間一般歳出は伸びているけれども、農林予算は六%も減っているんですね。一般会計はこんなに伸びているけれども、農林予算はこんなに減っている。こんなに予算が減っている省庁は他にありますか。
○政府委員(上野博史君) ちょっと私の立場で他省庁の関係を申し上げるのはどうかというふうに思いますが、手元にある資料によりますと若干ないではないというふうに見ております。
○村沢牧君 若干って、そんなことないですよ。だから私は調べてくださいと言ったんだよ。若干ないではないとかじゃなくて、私の知っている限りにおいてはこんなに予算が減っている省庁はほかにない。若干どこがありますか。
○政府委員(上野博史君) 私の手元にある資料でお許しをいただきたいのでございますけれども、私の手元にある資料によりますと、運輸省とか労働省あたりは若干ながら減だというふうに示しております。
○村沢牧君 農水省みたいに極端に予算が減っている省はないんですよ。ですから、こんなことで新政策を展開しますと胸を張ってみたってだめなんだ、もっと予算も拡充しなけりゃ。 それから、農業は過保護だと言う人がおるけれども、農業予算で価格・所得の支持費の推移について述べてください。
○政府委員(上野博史君) 一九八〇年度の価格・所得支持関係予算でございますけれども、これが実額で七千七百三十二億円、それが農業関係予算に占めます割合が二四・九%ということに対しまして、一九九三年度におきましては三千二百六十九億円で一二・八%ということになっております。
○村沢牧君 もうちょっとわかりやすく、八〇年を一〇〇とすると農業予算は九三年では何%になっているか、価格支持費ですね。
○政府委員(上野博史君) 価格・所得支持費の一九八〇年対比の九三年の割合は四二・三%でございます。
○村沢牧君 いわゆる農業過保護だとか言っているけれども、農産物価格の方はずっと保証価格を抑制してきた。したがって、八〇年を一〇〇とすると九三年には四二・三%になっているんですね。 この間、アメリカやECの推移はどういうふうに見ていますか。
○政府委員(上野博史君) アメリカの場合は一九八〇年度におきまして二十八億ドルの価格支持関係の予算……
○村沢牧君 パーセントでいいです、パーセントで。
○政府委員(上野博史君) パーセントとしては八・〇%でございます。一九九三年度におきましては二五・六%になっております。 ECもですか。
○村沢牧君 そうです。
○政府委員(上野博史君) それからECの関係につきましては、一九八〇年度が九五・〇%に対しまして一九九三年度におきましては九〇・二%でございます。
○村沢牧君 私が言ったのは、パーセントで言ってもらいたい。例えば、八〇年度アメリカが所得支持費を一〇〇とすると九三年度はどうか、ECはどうか。今、官房長が言った数字は違っていますよ。
○政府委員(上野博史君) 申しわけございません。ちょっと修正をさせていただきますが、農業予算でございますね。
○村沢牧君 そうです。
○政府委員(上野博史君) 農業予算の関係は、一九八〇年対比で九三年は一九二%でございます。一・九倍余りということです。それからECの関係は三二七%という数字でございます。
○村沢牧君 ですから、日本の支持費の予算は四二・三%も下がっている。他国はどうか。アメリカは一・九二倍も上がっているんですよ。ECは三倍以上になっている。こういう実態でもって新政策をどのように展開していくんだ。なおかつ、ウルグアイ・ラウンドの国別表では国内支持価格も減らしていくということにもなっている。こんなことでは入澤局長が言っているような生涯所得だとか他産業との格差を是正するなんてできっこないと思うんですよ。まずは予算の面から考えてくださいよ。 それから、次はまた法律に入りますけれども、私たちはこの新政策を出すについてもいろいろ要望もした。それから新政策に対しての私たちの党の見解も述べた。そして、地域農業振興法と中山間地域等農業振興法を衆議院に提出して、青年農業者就農援助法を参議院に提出する。参議院に提出の法案は若干直してまた再提出いたします。 そこで、この法案を見ると、今後の基本方針だとか市町村の基本構想をこういうふうにつくるということになっておりますが、いずれにいたしましても私たちは、従来の上から下へのいわゆる私たちの言葉で言うならば霞が関農政、これではなくて、下から上へ積み上げる地域農政でなくてはならないというふうに思います。そして、基本方針や基本構想は地域の特性を生かして自主性や独自性を担保するもの、そして国あるいは県は、これらの事業を促進するために農業者や自治体に対して助言、指導、財政、金融等の措置を講ずる、こういう政策にならなければならないと思いますが、今回の法案をつくるに当たっての基本的な見解を構造改善局長に聞きたい。
○政府委員(入澤肇君) 基本的に今、先生が御指摘のとおりの考え方に基づきましてこの法案をつくったわけでございます。したがいまして、従来の私どもの法律でありますと、まず国が基本方針を示して、その基本方針に基づいて今度は都道府県が指針をつくる、あるいは市町村が指針をつくるというふうなことがならわしてございましたけれども、今回は国の基本方針ということを定めていないわけであります。あくまでも下からの積み重ね、集落ベースでの話し合いを基軸にして積み重ねていこうということで、都道府県が基本方針をつくり、市町村が基本構想をつくるという仕組みにしたわけでございます。 それから、そういうふうな基本方針、基本構想に基づいて具体的な事業が行われる場合に、それに対して税制上、金融上、財政上の援助措置を講ずるというふうな仕組みにしたわけでございます。
○村沢牧君 その考え方は、私どもの方が先にいろいろと考えて法案を出してありますから、大体我が党の考え方と一致するものがあります。中身は別として考え方は評価したいというふうに思います。 そこで、基本方針や基本構想をつくる場合に、単に知事や市町村長の意見や方針だけでなくて、農業者だとか農協や農業委員会あるいは農業関連事業者、消費者、こういう意見が十分反映できるような組織、機構、システム、この確立が必要だというふうに思いますが、どのように考えますか。
○政府委員(入澤肇君) これも全く考え方としては同じでございまして、現在、私どもは各市町村に市町村構造政策推進会議というのを組織として持っております。この推進会議は、市町村、農業委員会、農業協同組合、土地改良区、それから農用地利用改善団体等の関係機関とか団体が入りますし、さらに農家の代表も含めて組織体の構成員になっております。 この推進会議におきまして十分に検討をし、また集落の話し合いを積み重ねて、具体的な集落の営農システム、営農をどうやっていこうかということを考えていきたいと思っているわけでございます。
○村沢牧君 推進会議でもいいし地域農業の振興会議でもいいですが、それは法律上見ると余りわからない。通達なんかで指導されますか。
○政府委員(入澤肇君) 今、法律的には全国農業会議というものがあり、さらに都道府県農業会議があり、それから農業委員会という仕組みがございます。それから農協の仕組みもございます。それに屋上屋を重ねる形で新しい組織を法律、制度としてつくるかどうかというのをかなり法制局と議論いたしました。 そこで、この市町村構造政策推進会議というのは、予算措置として全国的に整備しているわけでございますけれども、このことを改めてまた本法律が成立いたしましたら通達に明記して指導を徹底させたいと考えております。
○村沢牧君 そこでその中身として、農業者が改善計画をつくる、この計画を承認するのは市町村長でありますけれども、その反面、承認をされて認定農家になればいろいろな恩典というか法律上あるいは制度上優遇措置があるわけですね。そうした優遇措置を講ずる限りにおいては、地域の自主性を尊重するとか独自性を尊重するといっても、農水省の考えるいわゆる新政策にうたってあるそのことを実現させていこうという考え方が農水省にはあるんではないですか。何でもいいんですか、市町村がつくれば。
○政府委員(入澤肇君) 認定農業者は、市町村の基本構想に基づきまして、その基本構想は具体的に地域の皆さん方の話し合いの結果一つの基準をつくるわけでございますが、その基準に適合しているかどうかということで認定農業者が認定されるわけでございますけれども、その認定農業者を広範に育成していこうという基本的な考え方で各般の政策メリットを付与しようとするものでございます。
○村沢牧君 そこで、認定農家と認定をされない農家、二つが地域に出てきますね。そこのところをいろいろ考えてみても、認定農家には一定の規模拡大の基準も示されるでありましょう、あるいはいろいろな要件もつくしまた優遇措置も入る。そこに同じ地域によって選別が出てきますが、一つの選別政策ではないですか。
○政府委員(入澤肇君) これは、私どもは前から繰り返し答弁しているんですが、選別政策で一定のエリートをつくるということじゃございません。 耕作放棄地がふえる、後継ぎのいない高齢農家がふえて、一体自分の持っている農地をだれに耕してもらったらいいのかというふうに悩んでいる地域がかなりございます。そういうところで、この地域はひとつこの農家に農業経営を担ってもらおうじゃないかというふうな要件が整ったところで意欲のある農業者を認定基準に従って認定農業者として認定して、そこに農業経営の主たる担い手となってもらうための諸施策を重点的にやっていこうというのでございまして、現に皆さんが競い合って一生懸命やっているところを、この農家だけを選んでエリートとして育成していくという、そういう政策ではございません。
○村沢牧君 それでは、この法律によって政令だとか省令だとか通達も考えるでしょうけれども、認定農家というのは基準はこういうものですよと、せめて面積はどのくらい拡大してくださいとかなんとか、そういうようなことは一切農水省は行わないということですか、あくまで市町村長に任せるということなんですか。
○政府委員(入澤肇君) 認定の重要な要素となる市町村の基本構想におきましては、基本的には他産業並みの労働時間で他産業並みの所得が上げられることを旨として、効率的かつ安定的な農業経営の指標を定めるということにしております。具体的には、地域の特性に即しまして営農類型ごとの農業経営の規模、生産方式、経営管理の方法、それから農業従事者の態様などが定められます。 したがいまして、農業経営改善計画の認定に当たっては、計画で目標とする経営の姿が規模において基本構想で定められた営農類型ごとの規模を上回っているということ、それから生産方式、経営管理の方法などが合理的なものであるということが基本的に必要であります。 しかし、地域によっては、個々の経営者の意欲等によりまして、特に現状の規模が小さい、あるいは新規就農者については目標とする規模が市町村の基本構想の経営規模を下回るという場合も想定されます。こういうときにはその経営改善についての意欲というものを具体的にどう実現していくかということに着目して、弾力的な認定が行えるように指導していきたいというふうに考えているわけでございます。
○村沢牧君 きょうは時間がありませんから総論的に聞いてまいりますが、またそのことについては同僚議員から質問もあろうというふうに思います。 そこで、私は規模拡大に反対するものではない。しかし、これは言うはやすくして現実は大変厳しいと思う。過去十年間に七十一万ヘクタールの流動化をしておりますが、今後十年間に過去の実績の三倍程度、入澤さんの言をかりれば百七十五万程度を流動化しなきゃならないという。 過去十年間に農地流動化のためにどのくらいの国費や地方の財政を使っておるのか。また、今後十年間に三倍程度の流動化をするならば一体財政はどのくらい必要とするのか。これは数字だけで結構でございます。 それから、財政問題を含めてそのことができるという自信があったらば、その根拠を示してください。
○政府委員(入澤肇君) まず、流動化促進対策といたしましていろんな手段を講じているわけでございます。 一つは、農業委員会による農地担い手情報の一元管理と利用調整活動を行う農地銀行活動、これに対する助成、それから農用地利用改善団体というのがありますが、これによる連担的な農用地利用形成促進のための連担化助成金、こんな補助金も出しております。こういうものを内容とする地域農政推進対策事業というのがございますが、平成五年度において約八十億円の国費が予算計上されております。この過去十年間の実績を見ますと、昭和五十九年から平成五年度までの十年間で総額六百五十三億円支出しております。 それから、公的機関であります農地保有合理化法人が規模縮小農家から農地を取得して規模拡大を目指す農家に再配分する、いわゆる農地保有合理化促進事業、これの経費といたしまして平成五年度におきましては百四十七億円の国費を予算計上しておりますけれども、十年間では七百三十七億円というふうになっております。 そのほか、地方費につきましては、詳細に把握していませんけれども、これもかなり補助残として地方単独で予算措置を講じているものもございます。 それからさらに、農地流動化の前提となる圃場整備等につきましても、県営・団体事業費として平成五年度で千百九十四億円の予算措置がなされております。五十九年度から平成五年度までの十年間に三兆八百六十二億円の事業費で、そのうち国費が一兆四千九百六十五億円というふうになっております。 今後十年間で百七十五万ヘクタールぐらいが流動化するんじゃないかという根拠でございますけれども、過去十年間で、さっき御指摘のとおり、七十一万ヘクタールが移動しております。それから、利用権の再設定とかあるいは自作地有償所有権移転の交換を含めて九十万ヘクタールである。こういうふうな状況が今後どう続くかということで要因を見てみますと、後継ぎのいない高齢農家の持っている農地が四十二万ヘクタール、それから安定的な兼業農家の保有農地が百三万ヘクタール、こんな状況を見ますと、まあ二、三倍、百七十五万ヘクタールぐらいまでは流動化するんじゃないかなというふうに推定しております。 予算につきましては、過去の実績を踏まえ、現実に合わせて毎年可能な限り十分な予算を確保していきたいというふうに考えているわけでございます。
○村沢牧君 今まで十年間の三倍流動化できるというように思うということで局長は大変自信をお持ちですから、ひとつ頑張ってやってください。お手並み拝見とは言いませんけれども、我々もただ見ているだけじゃなくて応援もしましょう。 しかし、今お話があったようにかなりの金がかかる、十年間を見たって今お話があったように相当かかっていますね。これからこの三倍もやっていこうとすれば相当な財政投資を必要とするんですよ。さっき言ったような農林水産予算がこんな程度じゃとても期待が持てないと思う。だから、そのつもりでこれからの予算の問題についても十分これを配慮して農林予算の拡充をしていかなきゃいけない。大臣どうですか。
○国務大臣(田名部匡省君) 必要に応じて私ども予算というものは確保していく覚悟でありますが、いずれにしても、まず理解を農家の方々から得ることが大事でありますし、その単年度単年度どの程度出てくるか、そういうものとあわせてやっぱり予算を確保して進めていきたい、こう考えております。
○村沢牧君 大臣、新農政をつくって、こうやって法案を出しているんですから、今までと同じような答弁ではだめなんですよ。もうちょっと張り切ってやってもらわなきゃいけないと思います。しっかりやってくださいよ。 そこで、次は特定農山村法について伺いたい。 中山間地対策として今まで農業政策上体系化されたものは、私の知っている限り余り制度はなかった。今まで山根法だとか過疎法だとかは公庫資金の活性化資金によって地域指定をし、もろもろの対策を講じてきたんですね。私たちは、先ほど申しましたように中山間地の振興法案というのを出しているんですけれども、それはそれとして、政府が今度特定農山村法によって中山間地を活性化しようとする対策の基軸、基本について述べてください。
○政府委員(入澤肇君) 中山間地域の活性化のためには、現在山村振興法、過疎対策法を初めとしましていわゆる地域振興立法二十数本ございます。そういう中で中山間地域に特別に新しい制度を仕組むということはなかなか難しい。それで、私ども、国土庁、自治省とも研究会を持ちながらいろんな案を考えました。 中山間地域の実態に即して法制度を考えていくということになりますと、中山間地域の実態は、日本農業の農業生産額の四割、農家数、農業従事者の四割近くある。日本農業全体のためには中山間地域の農業を振興することが大事であるし、また中山間地域の活性化のためには他の産業よりも何よりも農林業の活性化が大事である。二重の意味におきまして農林業の活性化ということを基軸に据えた法体系が必要じゃないかというふうに考えたわけであります。 他の二十数本の法律というのは、大体計画をつくって、それに対して税制、金融上の誘導措置を講ずるんですが、中山間地域の法律というのはそれだけじゃ済まないんじゃないか、計画とハードの仕組みだけではなくて、むしろソフトとソフトの内容を具体的に詰めていくことが必要じゃないかということでございまして、まず中山間地域の土地利用の実態を調べてみました。かなり粗放であります。そこで、土地利用を適正化する、最適な農業的な土地利用計画をつくって、その上で最適な農業計画をつくる、それをバックアップするということをまず基軸に据えようじゃないかということが一つでございます。 その場合に、具体的な法的な手段といたしまして、一軒ごとに農地転用をやったり、あるいは一軒ごとに農地移動の許可を受けたり、都市開発法の許可を受けたりするのではうまくないということで、所有権等一括移転をする仕組みを考えたわけであります。 もう一つは、経営改善計画をつくって安定的にやっていくために、ただそれだけでは不安でなかなか経営改善ができない、安心する材料の一つといたしまして経営安定資金というものを設けたらどうかということでございます。これもいろんな方法がございました。自作農維持資金を改正してやったらどうかとか、あるいは全く新しい融資制度を考えられないかということで、いろんなことを考えたんですけれども、従来の農業金融にない制度といたしまして、実際の営農をやってその計画の目標額を達成できないという場合に、その差額を丸々低利で融資する仕組みが必要じゃないかということで、御提案しておりますような中山間地域経営改善・安定資金というものを設けたわけであります。ここら辺が中山間地域の主要な柱でございます。 そのほかに、各省庁に呼びかけまして、定住の促進、就業機会の増大につきまして、各省庁の持っている諸手段をこの中山間地域の法律の制度の中に当てはめていくということも中に盛り込んでございます。 以上でございます。
○村沢牧君 政策の基本的な考え方についてわかりましたが、基盤整備をするためにいろいろ法律整備等を行う、これは足らないことはあったとしても今までやってきた。やっぱり私は中山間地域対策として期待されるものは、そこに人が住んで農業を営む、そうした人に対して所得を補償することだと思うんですね。これに対してこの法案は余りにもけちくさいし、これは期待を外れたと私は思うんですね。 法律第六条には「国及び都道府県は、」「必要な資金の確保に努めるものとする。」となっておりますが、実際には予算措置による融資事業である。その内容を見ると、新規作物について計画標準収入を一割下回った認定農家に十アール当たり五十万円を限度として四・三%の利息で金を貸してやる、この融資は二回までだ、償還期限は七年だ、この融資枠は五百億円なんて大きなことを言っていますが、実際の事業費の国費負担分はたったの三億二千万円だ。 大臣、こんな程度のことで中山間地域の活性化ができると思うんですか。政府はいい法律をつくってくれたと喜ばれ、農業の担い手がふえるというふうに思われますか。まず大臣の見解を承りたい。
○国務大臣(田名部匡省君) 考えられることはいろいろ考えてみましたが、現段階でとり得る政策としてこれが最善のものというふうに実は考えたわけであります。 従来からもそうでありますように、今までもいろんなことを農業に関する限りやってまいりました。その都度何かをやると新たな問題がまた何か出てくる。その出てきた問題をまた御審議いただいて手直しをするという、その連続ではなかっただろうかと私は見ております。したがって、これでひとつ元気をつけてやっていただいて、この政策が進む過程の中で新たにどういう問題が出てくるのかというのは我々もよくわからぬわけです。しかし、これならよかろうと思ってやったことでもそうでない場合もあるし、あるいはうまくいく場合もある。うまくいかない部分についてはまたいろいろと手直しをしていくというふうに考えておりますが、これは最善のものだと考えております。
○村沢牧君 どんな問題が出てくるかわからないなんて、もう中山間地は政府が考えているよりももっと進んでいるんですよ。どんな状況にあるのか、どういうことをしなきゃならないのか、私どもは現地を回ってみてよくわかっており、皆さん方にも言っておるんですよ。農水省がそんなことじゃ困ると思う。 そこで、この融資の利率は災害資金並みだと。災害資金並みというとうんと面倒を見たように見えるけれども、四・三%。災害資金だって公定歩合が引き下げられると下がるんですよ。そうした場合にはどうするのか。 それから、中山間地の重要性を本当に考えるならばこの程度の融資は無利子とすべきだ。農林金融でも他にも無利子の融資は幾らでもあるじゃないですか。百歩譲って法律上金利体系を崩すことが難しいとするならば、予算措置ですから、例えば基金をつくってそこから融資をすることだってやっているじゃありませんか。どうしてそこまでできないのか。どうですか。
○政府委員(入澤肇君) 確かに、農業改良資金でありますとか無利子の資金制度はございます。金利体系は国全体の問題ですから、これはなかなか私どもの一存で壊すわけにはいかない。全体のバランスをとらなくちゃいかぬと思います。 しかし、実質的に金利負担をどう軽減していくかにつきましてはいろんな方法があるんじゃないかと思います。私どももそこは今度の資金の運用の実態を見きわめながら十分検討していきたいと考えております。
○村沢牧君 予算措置ですからね、これは金融、税制の法律を全部直せということなんじゃないんですよ。たった五百億融資するといったって、先ほど申したように政府の出し分は三億幾らですか、さっき申しましたね、これっぽっちじゃありませんか。 そこで、構造改善局長は、四・三%ですけれども、これは減反奨励金を入れると一・五%になるなんて言っていますけれども、中山間地は米をつくるのをやめさせて、じゃそっちへみんな移すんですか。そんな減反奨励金を加えればどうなんていう、そんな言いわけはだめなんですよ。もっと基本的に考えてください。
○政府委員(入澤肇君) 中山間地域の米の生産は全体で三六%ございますから、米も非常に重要な作物であることは間違いありません。一律に中山間地域から米を排除するという思想は全然持っておりません。 そこで、中山間地域におきましても、米を中心としていろんな作物の組み合わせをしながら営農をやっているわけでございますが、減反を全国的な規模でやっている場合に、一定面積を引き受けてもらわなくちゃいかぬということはあると思います。その場合に、減反奨励金を仮に加えてみますと一%とか一・五%とかいう計算ができるということを申し上げたわけでございます。しかし、この問題は確かに四・三というのが災害資金と同じじゃないかということでいろんな意見が言われているんですけれども、まず従来の農業金融にない資金なわけですね。そういうことをまず念頭に置きながら、しかし具体的にそこで安定的な農業が継続されるかどうかということを、その目標を達成しなくちゃいけませんから、そういう視点から知恵と工夫を可能な限り絞って、これから可能な限りの工夫をしてみたいというふうに考えているわけでございます。
○村沢牧君 知恵のある皆さんですから知恵を出してくださいよ。 平たん地と比べてみて、あるいは標準収入と比べてみて一割以上下がった場合には五十万円、四・三%で貸してやりますよ、これが中山間地ですから、基本計画づくってください、整備計画づくってください、認定農家になってくださいと、このぐらいなメリットではそんなところへ入ってくる人はないですよ。そんな面倒くさいものつくらなくたって村でやりましょうということになるよね。 そこで、自治省いらっしゃいますか。——ちょっとお伺いしますが、あなたは政府委員ですか。
○政府委員(遠藤安彦君) はい。
○村沢牧君 では、お伺いします。 それで、今お聞きのとおり、自治省は林業から何からいろいろ面倒見ていただいておる。この中山間地で市町村が整備計画をつくる。こうした金を借りた分について、利息をひとつ市町村が面倒見ましょうと、もうそういうことになったら、その利息分ぐらいは、災害のときには者やっていますから、ひとつ特交で面倒見てやろうと、そのくらいの気持ちになってもらいたいと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(遠藤安彦君) 地方公共団体が地域の実情でいろいろ単独事業として農業振興施策を自主的に行うということは私どもも非常に重要なことだと考えているわけであります。その財源措置の仕方ですけれども、個別の施策をとらえてやるか、あるいはそういういろいろなことが、市町村が考えて、あるいは県が考えてできるような財源措置をマクロ的にするかという問題になるかと思います。私どもは、国と地方とで制度的につくっていることについて、その負担割合を変えるというようなことであれば、これは関係省庁ときちっとやっぱりお話をして、国の財源措置のあり方、それからそれに対する地方の財源措置のあり方、こういったものを考えていくべきではないかというように思います。 ただ、先ほど申し上げましたように、市町村が単独でいろいろなことができるようにする財源措置というのを講じてやりたいというような趣旨から、普通交付税の単位費用の中で包括的に農業行政の費用としていろんなことに使えるような金額というのを入れておりますので、これからもそういった面は充実して、中山間地帯ももちろん大事ですけれども、市町村あるいは県の農業施策は、農業、林業あるいは畜産とか、いろんな独自の施策を展開しているわけですので、そういった問題に対応できるような財源手当てをしてあげたいというように思っているところでございます。
○村沢牧君 自治省にはいろいろお聞きをしたいことがありましたが、私の時間もありませんので、本日は私はこの程度にして、同僚議員からもまた質問があります。 そこで、自治省は大事なこの法律の共管ですね。自治省も一緒になって提出したんですから、私が今申し上げましたようなことを、普通交付税でもいいが、あるいは特交でもいいが、検討していただくと。農水省が、自治省がそんなに面倒見なくたっておれの方でやると言えば結構ですが、さっきの口ぶりを見ていますとなかなか容易にはできそうもありませんから、よく検討していただくようにお願いしたいし、私も予算委員でありますから、今度は予算委員会でまた自治大臣や各関係大臣にもいろいろお聞きしたいことがありますから。きょうは自治省ありがとうございました。 さてそこで、この法律は衆議院で修正をされた。そこで、附則第二条の修正ですね。私たちはかねてデカップリングを唱えておる。デカップリングをきょう論議する時間はありません。いろいろなことをデカップリングについて弁解しておりますが、そこまでやっぱり踏み切るべきだ、私はそういうふうに思います。踏み切らざるを得ないと思うんですよ。それはECのやつをそのまま持ってこいというんじゃない、日本型のデカップリング政策を知恵を絞ってやるべきだということだけを私はきょう申し上げておきます。 そこで、財政、金融措置を講ずるといっても、口では言っておるけれども、方向は成ったけれども、中身はそんな程度のものである。 そこで、衆議院で修正をされた附則第二条ですね。将来の所得補償につながるものだ、デカップリングをやっていく一つの足がかりだというふうに私どもは理解してこの修正を提案したんですけれども、そのように受けとめてくれますか。
○政府委員(入澤肇君) この修正につきましては、本法の施行後における農林業の従事者、その他の地域住民の生活の状況、それから農林業の振興並びに農用地及び森林の保全等を通じた国土及び環境の保全等の状況等を勘案しつつ検討することとされておりまして、現時点で特定の政策を念頭に置いているわけじゃございませんけれども、EC初め諸外国におけるデカップリング政策の評価と反省、それから我が国における妥当性につきまして、幅広く研究、分析を深めていく時期にあるとは考えております。 いずれにいたしましても、中山間地域の経営改善・安定資金の運用状況とか、それから具体的な営農の実態、そういうものを十分踏まえながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○村沢牧君 この法律に国は財政的な措置を講じなければならないということになっているけれども、安定資金対策などについて財政、金融ということが全然出てこない。極めて私は遺憾だと思うんです。 それで、今の日本の国の制度の中で、あるいは財政当局との関係で、財政や金融ということを入れることが法律上できないと、農水省の今の立場では。そういうことをおっしゃるなら、ひとつこの法律等をきっかけにして、やがてそういう方向に持っていくというふうに受けとめてもらわないと、これはデカップリングだとか財政、金融につながるものではありませんということになれば、私はここでこの法律の修正をもう一回厳しくやり直さにゃいかぬと思うけれども、どうですか局長。
○政府委員(入澤肇君) 金融、税制とは書いてありませんが、所要の措置、所要の措置というものには行政上のあらゆる手段が含まれているというふうに私どもは理解しておりまして、したがいまして、財政上、金融上の措置が含まれるというふうに考えております。 具体的なやり方につきましては、いろんな方法があると思うんです。いろんなことを勉強しながら、何が具体的に日本の農業にとって、中山間地域農業にとって妥当なのかどうか、そういう視点からどれを選択するかということについて検討しなくちゃいかぬというふうに考えております。よくよく勉強して、十分に検討を重ねて、そして可能な限り御期待に沿うように中山間地域農業の活性化のために努力をしてまいりたいと考えております。
○村沢牧君 また後で同僚議員から詰めた質問があると思いますから、この程度にしておきましょう。 最後に、中山間地の問題について、私の質問時間が参りましたからお伺いしておきたいと思うんですが、特定農村地域の指定要件ですね。これは政令で定めることになっています。したがって、政令規定事項あるいは省令はどういうことを規定するかということですね。私はこれを本委員会に提出してもらいたいと思います。 これに限らず政令だとか省令いっぱい書いてあるけれども、本当にこの法案を真剣に審議してもらうつもりだったら、政府が考える政令とか省令を事前に出しておくべきだと思うんですね。一々委員から政令出せ、省令出せと言われて出すようじゃだめだと思うんですよ。まず私が今指摘したやつを出してください。よろしいですか。
○政府委員(入澤肇君) 後刻御提出申し上げます。
○村沢牧君 後刻じゃなくて、私はそれを見なきゃ質問できないんだから。政令でやる、省令でやると書いてあったって。 そのくらい政府は誠意を持ってもらいたいと思うんですよ。なかなか大事なことを言うと、政令だ省令だとみんな書いてあるくせに何だかわからないんですよ、ちっとも。 さてそこで、恐らく政令の文句を見たって具体的にはわからぬと思うので、地域指定についての基準をこれも文書で出してくれますか。文書で出せませんか、口頭で説明ですか。
○政府委員(入澤肇君) 政令におきまして抽象的に書いてあるんですが、具体的な数値につきまして今関係省庁間で一生懸命徹夜をしながらその調整を進めております。したがいまして、今文書で出せと言われてもなかなかできないんですが、あえて現時点における私ども農水省の考え方を申し上げますと、急傾斜の農地の面積比率につきましては農林公庫の中山間地域活性化資金の例に倣いまして、傾斜度二十分の一度以上の田が全田面積の五〇%以上、また傾斜度十五度以上の畑が全畑面積の五〇%以上とする方向で検討中であります。 なお、田または畑の全耕地面積に占める比率が低い場合には、所要の調整措置が必要になると考えております。 それから二つ目に、林野率につきましては七五%以上とする方向で検討中であります。 それから三つ目に、農林地面積の比率または農林業従事者数の割合につきましては、当該地域において農林業が重要な事業であることを示すにふさわしい数値、例えば全国平均以上という方向で検討中であります。 人口につきましては、農林公庫の中山間地域活性化資金の例に倣いまして十万人未満とする方向で検討中であります。 以上のほか、首都圏の既成市街地等の除外、旧市町村取り扱い等につきまして定めることを検討しております。
○村沢牧君 そういうものは早く検討して、私に言わせるなら、こういうものを検討して、この法律がここで審議が終わる、その時分には全部政令も省令も出して、なるほどこれなら、我々が法律を審議して、自分の県へ帰って、この県の河村は入りますと言えるんですね。それでなけりゃ、法律を審議したと聞いて、こういうふうな制度をつくりましたということを言っても何にもわからないんですね。そんな態度じゃいけないと思うんですね。この審議はきょう始まったところですから、その前にはっきりしてください。 それから、この対象区域は市町村の区域ではなくて、旧市町村の区域を対象とすべきである。これははっきり言ってください。
○政府委員(入澤肇君) 市町村単位で見ますと要件を満たさないという場合もございます。そういう場合には、当該市町村の一部の区域について見れば同様の要件を満たしていると認められる場合には、旧市町村単位で対象地域とする考えであります。
○村沢牧君 よろしいですわ。検討中だということをよく言っていますけれども、それは旧市町村単位にすると。いいですね。答弁してください。
○政府委員(入澤肇君) そのとおりでございます。
○村沢牧君 それから、この基準には耕作放棄地率だとか、あるいは高齢者営農率だとか、小規模営農集落率、若年人口率、これらを中山間地ですから十分考えなきゃいけないと思いますが、これについても検討しますか。
○政府委員(入澤肇君) そもそも中山間地域というのは、一般的に耕作放棄地の率が割合高い、あるいは高齢化率が高い、あるいは小規模集落の比率が高いという実態にあるわけでございます。 ただ、そういう中で各地とも基盤整備を実施したりして耕作放棄地の防止や解消に努めておりますし、それから収益性の高い作物の導入によりまして若い農業者が入ってきているところもございます。 したがいまして、そういう要件をかませますと、せっかく努力している中山間地域が外れてしまうということになりかねません。そういうことで、私どもは、地域指定の要件としましては中立的、客観的な指標といたしまして、急傾斜地の耕地面積の比率とか林野率、あるいは農林地や農林業従事者の割合等を勘案して定めるというふうにしたわけでございます。
○村沢牧君 最後に質問して終わります。 農林統計上の中山間地というのは千七百九十三市町村がある。活性化資金の対象としては千七百五土地域がある。山根法では千百九十五地域が指定されている。過疎法では千百九十九が指定されていますね。今答弁になったようないろいろ基準要件でやっていくと、おおよそ農山村法に基づく指定地域というのはどのくらいになるのか、答弁をしてください。
○政府委員(入澤肇君) 大体千二百市町村ぐらいになるんじゃないかというふうに推計しております。
○村沢牧君 ちょっと待ってくださいよ。旧市町村を入れて千二百というのは少ないじゃないですか。
○政府委員(入澤肇君) これは現在の市町村単位でございます。
○村沢牧君 旧市町村単位に比べるとふえるということですね。
○政府委員(入澤肇君) 旧市町村を入れますと千二百が千五百とか千六百とかいう数字になるようでございます。
○村沢牧君 以上です。
○三上隆雄君 それでは、先輩の村沢委員から総括的に、そしてまた各論についても相当な質問がなされました。私の時間も相当食い込まれておりますので、順序を大分変更して、皆さんの対応によっては大変な変更を来す場合もありますから、よろしく御協力いただきたいと思います。 まずとりあえずは、きょうは新政策に対することの集中審議でありますから、それに関連したことをまず第一点だけは質問したいと思います。 政府は、国民食料の安定供給と、地域経済を守り、国民生活も他産業並みにすることを目的に新政策の構想を打ち出し、関連七法案の改正によってその実現を図ろうとしているようであります。しかも、それは基本法農政の延長だと再三にわたって説明をされておりますが、日本の農政は、戦後、農地改革により地主・小作制度から自作農を中心に米麦生産から昭和三十六年、選択的拡大で果樹や畜産へと農業基本法のもとで進められてきました。そして、農業の近代化、合理化農政へと大きな転換を図ってきたわけであります。それは家族農業とその協業体を主体に生産向上にやみくもに進んできたわけであります。 しかし、先ほど来議論になっておりますけれども、農村に若者がほとんどいなくなりました。耕作放棄地も拡大し続けております。農村地域の推進すら困難となっている状況であります。これはまさしく農業基本法農政の行き詰まりだと私は思うのであります。 今こそ根本的にこの基本法農政というものを見直す時期ではなかろうかと思うわけであります。例えば、農山村食料基本法、あるいは食料、農業、農村、環境等も含めた一つの法律として提案して、多くの議論をしながらこれから二十一世紀に向けた日本の農政の基本をつくる法律にすべきだと思うわけでありますけれども、これに対する考え方をまず大臣からお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 農業基本法は、農政の目標として、農業の生産性の向上でありますとか、あるいは農業従事者と他産業従事者との生活の均衡を具体的な指標として、究極的には農業の発展と農業従事者の地位の向上を図ることを掲げておるわけでありますが、新政策はこの目標を今日の視点に立って具体化したわけでありまして、基本法農政の成果を踏まえつつ当面する課題に対処しよう、こういうもので実はあるわけであります。 新政策において生産性の向上を図りつつ、環境保全型農業の確立を我が国農業全体として目指す、こうしておりますが、基本法においても農業の果たすべき使命としていろいろと位置づけられた問題、国土・環境保全機能について今日一層配慮すべき状況になっていることを踏まえ、生産性の向上を図って、環境への負荷の軽減に配慮した持続的農業の確立を目指すことを明確にしたものであります。 中山間地においても同様のことは言えるわけでありまして、立地条件を生かした農業の振興や立ちおくれた生活環境の整備など、定住条件の整備を図るとしておりますが、これは基本法に言う「地域の自然的経済的社会的諸条件を考慮して」と、こういうことを踏まえて、農村における交通、衛生、文化等の環境の整備を推進すべきとの規定を受けたものであって、いずれにしても基本法農政が視野に置いてきた課題であって、この基本法の目標などの見通しにつながるものではないというふうに実は考えておるわけであります。
○三上隆雄君 ただいま大臣から、基本法の見直しをしなくとも目標とするものが達成できるという見解をいただきましたけれども、先ほど来、先ほどだけでなく常にこの委員会でも議論になっております、農業がこれだけ他産業と、あるいは地方と都市がこれだけ格差ができているのを是正するには、今までの農水省だけで、そしてまた農水予算だけでは到底解決し得ない状況になっているということは、先ほど来の議論でもおわかりだと思います。 そういう意味で、新しくこの時点で農水省が主管となって、自治省、環境庁等々も含めて、共管共事の徹底した議論のもとにそれに適した法律を私は制定すべきだ、現在の農業基本法はもう破局であるという立場をとらざるを得ないわけであります。この問題を議論する時間はきょうございませんから、以上申し上げて、次の具体的な質問に入らせていただきたいと思います。 農業振興を図るには、先ほども議論になっておりましたけれども、拡大生産の路線の中でこそ本当の農業の振興、発展、地域の振興、発展があると思いますけれども、現状の農業の方向というものは、縮小生産の形を結果的にとっているという状況に相なっております。そうだとすれば、先ほど来議論のように、この構想でもうたっているように、減退に歯どめをかけるという極めて消極的な考え方、表現でございますけれども、少なくとも停滞、減退に歯どめをかけるとしても、その減退の状況ができ過ぎてしまっているわけでありますから、歯どめをかけることは大変な私は努力が必要だと思います。 その意味で自給率を、少なくとも穀物、野菜、畜産、果樹、大きく分けてこの四項目の自給率をどうするのか、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(上野博史君) まず、食料自給率の将来の問題でございますけれども、食料自給率というのは、先ほども申し上げましたとおり、生産と需要との総合的な関係から決まってまいるわけでございまして、お米の消費が減り、肉や油脂の摂取がふえてえさの輸入がふえるというような、そういう状況が続いていく中におきまして、この食料自給率の低下傾向に歯どめをかけるというのは、委員も御指摘のとおり大変なかなか厄介な難しい問題であるというふうに考えているわけでございますけれども、そういうことをとにかくどこかで達成しようということで一生懸命努力をしてまいるということが当面の我々の目標ということになるわけでございます。 あと、米の自給率とか果樹という具体的な御質問ございましたが……○三上隆雄君 ただ数字だけで結構です。
○政府委員(上野博史君) お米について言いますと、これは国内産で自給をしてまいるという基本方針を堅持してまいるということでございます。 それから、果樹の関係につきましては、例の長期見通しにおきましては六五%という見通しを立てているところでございます。 それから、果樹ともう一つは何でございましたでしょうか。
○三上隆雄君 野菜、畜産。
○政府委員(上野博史君) 野菜関係につきましては、自給率が平成十二年度の時点で大体九二%程度を一応の見通しとして持っておるわけでございます。
○三上隆雄君 それを維持するということですか。
○政府委員(上野博史君) 一応の長期見通しの数値としてそういう数字を持っておるということでございます。
○三上隆雄君 畜産は。
○政府委員(上野博史君) 畜産は単品で……
○三上隆雄君 肉、卵、乳ぐらいの。
○政府委員(上野博史君) 畜産につきましては、産品が性格がかなり違うということで分けて提示をいたしておりまして、牛乳・乳製品については七八、肉類につきましては七三、鶏卵については九九というような見通しを立てておるところでございます。
○三上隆雄君 それでは、きょうは時間の関係もあって果樹の問題を若干取り上げてみたいと思います。 ただいま長期見通しを六五%だという数字を出されましたけれども、現状はおおよそ六〇%だと思いますが、これの考え方に御異論ございますか。
○政府委員(高橋政行君) ただいまの数字は、平成三年度には特に果樹加工品の輸入量が増加したということもありましたが、台風被害によりましてリンゴ、温州ミカンの生産量が減少したということがございまして、ただいまおっしゃいました六〇%に落ち込んでおります。
○三上隆雄君 じゃ、長期見通してはあと五%上げていくということになります。 ミカンは今自由化になっております。若干なりとも輸出をしているわけであります。かんきつ類全体で、昭和五十七年、これは三百六十三万五千トンあったわけでありますけれども、平成三年度は二百六十五万トンという極めて大減退を来しております。リンゴは、五十七年には九十二万四千トン、平成三年度には七十六万トン。しかし、これは今説明あったように台風の年でありますから、一応平年時では今百万トン時代だと言われております。ブドウは、五十七年が三十三万八千トン、それが平成三年度では二十七万トン。日本ナシは四十八万二千トンから、これがおおよそ横ばいで四十二万五千トン。 結局、輸入果物は、五十七年には四十万から五十万トンのものが平成三年度には三百万トン前後入っているという状況になっております。先ほどの長期見通しからいって、これより若干、五ポイント上げていくという、そういう考え方。しかし、産地の状況、そしてまたミカンなりナシなりブドウ等々の動静を見ますと、なかなか上がっていかない、産地の諸条件と今までの流れからいって至難である、こう私は思うわけであります。 そこにおいて、今回リンゴの自由化がなされることになります。先ほど村沢委員からもリンゴ自由化についての質問がございました。果たしてこの方向を続けると日本の果樹産業がどうなるのか、そのことについて大臣から考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) いろいろな数字につきましては、先ほど来いろいろ先生からお話がございましたが、確かに平成三年度はそういう意味ではちょっと異常な数値ではあったかと思いますが、いずれにせよ平成十二年度を目標にいたしました長期見通しの数字から下回っているということは、そのとおりでございます。 そうした中で、果樹は永年性作物でございまして、植栽してから生産開始あるいは成果期に達するまでかなりの年月を要します。したがいまして、我々といたしまして、長期的な目標といいますか、そういうものを定めまして、国際競争力に耐え得る、そういう果樹産地の育成なりあるいは経営の近代化を図っていく必要がある、こういうふうに思っておるわけでございます。それで、現在果振法に基づきまして果樹農業振興基本方針というものを定めまして、これに基づいて我々といたしましては長期的な観点から誘導措置を講じているところでございます。 具体的に申し上げますと、平成二年の三月二十日に平成十二年度を目標年度とします基本方針を定めまして、それに基づいて現在施策を進めているところでございまして、具体的には需要の動向に即した生産を確保する、それから果樹農業の生産性の向上と体質の強化を図る、それから果実の流通、加工の合理化を行う、それから果実の需要増進、さらには輸出の振興、それから優良品種の育成、技術開発、そういったことを基本といたしまして今後振興を図っていかなきゃいけない、このように思っているところでございます。
○三上隆雄君 果樹全体の生産の拡大を図る。需要の弾性値といいますかその伸びはどうだと思いますか。大体今の日本の果物全体の需給量というのが、輸入も含めて七百五、六十万トンと言われておりますけれども、その消費の可能性、伸びる可能性がありますか。簡単に言ってください。
○政府委員(高橋政行君) 一人当たりの果物の消費量についてでございますが、最近の状況を見ますと大体横ばいという状況ではないかと思っております。
○三上隆雄君 それはこれ以上消費の拡大は望み得ないということになるわけであります。そうすれば、今回ニュージーランドから、初年度は少ないにしても、これからどんどん増量してくる可能性が十分ございます。それから推して考えますと、日本の果物は日本の農政の方向として拡大していくんだと、消費の動向はこれが限界だとすれば、入ってくる物イコール輸入農産物を抑えるか日本の弱い産業が撤退していくかということになるわけでありますけれども、それはどう考えますか。
○政府委員(高橋政行君) 需要の動向につきましては、一人当たりで見ますと横ばいでございますので、人口増程度しか伸びないというようなことになろうかと思いますが、我々といたしましては、国際競争にも勝てるような、耐えられるような、そういった果樹産地なりあるいは経営の育成ということを今後も考えていかなければいけないというふうに思っております。
○三上隆雄君 いつも国際競争に勝ち得るような競争力のある体質の強化を図ると言いますけれども、それはなかなか今までの予算の流れではできないと思います。 じゃ、具体的にこれからのことに簡潔にお答えをいただきたいと思います。 私は、今回のニュージーランドのリンゴが当初予定したよりも一カ月も延びた。その延びたことによって、少なくとも一年間その解禁を留保して、その間に日本の国内対策を講ずる、あるいはその生産者なり消費者の理解を得る、そうしてから解禁すべきだと思っておったわけでありますが、いかんせん六月一日から解禁するという公示がされてしまいました。 そこで、今具体的にニュージーランドからリンゴが入ってくる。十万トン、初年度入るということになりますけれども、当初の予定からいきますと、解禁して、農水省はニュージーランドにその旨を通報して、そして向こうから検査官の依頼が来て、検査官が向こうへ行って、なっている状態の園地を検査してそれを指定する。それから採集して、所定の処置をして、二十五日間の云々があってそして輸入するということ。 現在ニュージーランドではそのリンゴはなっているんですか。
○政府委員(高橋政行君) ニュージーランドのリンゴの収穫期でございますが、これにつきましては、我々が知っているところでは、大体五月の半ば近くまでというふうに言われておりますので、現在万が一残っているとしても、ほんのわずかなものがあるかどうか、このような状況でございます。
○三上隆雄君 今、局長が言ったように、平常ならばなっていない状況であえてことしなぜこう早急に解禁をしなきゃならぬのかということに我々は不信を抱くわけであります。 その意味で私どもは、少なくとも生産者に入ってこないということを、先ほど村沢委員に、入った場合には全額国の責任で全面的に補償するということの約束もありました。しかし、入ってくればその農家は大変なんですよ。だから、なるべく入れないようなスタンスで対応してもらいたいというのが我々の願望であったわけでありますけれども、いかんせんそれが突破されてしまいました。 そこで、産地体制を整備するということは、今リンゴ生産に一番労働費の多くかかっているのは着色管理費用なんです。着色管理。それがおおよそ全生産労力の二四、五%かかっております。多くかける人は三〇%もかけております。これを合理化するためには、流通の合理化、いわゆる光センサーの選果によって、光を当てることによって中身の糖度まで全部一瞬のうちに判定するという選果機が今開発されております。どうぞ、その開発普及を早急に、しかも前倒しでやっていただけないか、御見解と御理解ある御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) 先ほどから申し上げておりますが、こういう国際化時代を迎えた中でのリンゴ農家の体質強化ということを図っていく中では、日本のリンゴのよさといいますか、そういったものを生かしていくということも必要なわけでございます。 そういう中で、ただいま先生がお話しになりましたような光センサーといいますか、そういうものによりまして、糖度とかあるいは熟度を、リンゴ自体を破壊することなくといいますか測定できるような、そういう選果ということも今後積極的に考えていかなければいけないんではないか。また、そういう選果施設を通じて、それぞれ個別経営者の皆さん方の樹園地の経営指導もしていくというような体制も前向きに考えていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っております。
○三上隆雄君 時間がございませんので急ぎますけれども、どうぞひとつ産地の体制を万全にして、そしてまた消費者の健康を害するような、そういう方法の絶対ないように。 今またアメリカからも輸入されようとしておりますけれども、アメリカの状況はどうですか。新聞の情報を見ると具体的に来年度は何トン、何品種ということまで報道されていますけれども、絶対そういう交渉はないんですね。それを確認したいと思います。
○政府委員(高橋政行君) いろいろと新聞なんかでもちょこちょこ報道がございますが、現在、アメリカは、日本との間で米国産リンゴの検疫上の問題についてはほとんど片づいている、したがって輸入を認めないのは不公正な貿易障壁に当たると言って、早くそういうことをやれと、こういうことを言ってきておるわけでございます。 しかしながら、本件につきましては、これまで日米の間でいろいろ話し合いがされておりますが、現時点でも例えば火傷病の消毒技術というものについてはまだ確立されておりません。向こうがそういうデータを出して、かくかくしかじかでこうすればうまくいくんだよというデータも出されておりませんので、そういった技術上の問題が未解決のまま残されておるところでございます。 したがいまして、これはあくまでも技術的な問題でございまして、何かわあわあ政治的に言えばそのようになっていくというものではございません。したがいまして、この技術上の問題が解決されない限り、我々といたしましては輸入解禁ということはできないということは言うまでもないことである、こう思っております。
○三上隆雄君 それでは、この問題についてはあす、あさって私の時間を大量に持っておりますから、引き続きやらせていただきます。 それでは最後に、麦価の問題。 いよいよあした米価審議会が開催されようとしておりますけれども、生産者団体は極めてささやかな願い、少なくとも生産費のアップ分だけでも上げてもらえぬかというような要望をしておりますけれども、その諮問の麦価ができておるのか、それをまず端的に。 それからもう一つ、ことしの生産がどうなっているか、そのことをお尋ねしたいと思います。
○説明員(嶌田道夫君) 先に、本日公表いたしました平成四年産小麦の生産費につきまして御説明したいと思います。 本日公表しました平成四年産小麦の全国におきます十アール当たり、資本利子、地代を含みます全算入生産費、これは前は第二次生産費と言っていたものでございますが、六万三千四百十三円でございまして、前年に比べまして五二一%増加しております。これは十アール当たり収量が前年に比べ四・六%増加したことなどによりましてふえたものということでございます。 それから、その原因といたしましては、十アール当たり収量が前年に比べましてふえたことから、カントリーエレベーターの料金が増加したということや、それからあと作業委託費の増加、それからあと肥料費、地代等が増加したというのが主な原因となっております。 それから、六十キログラム当たりの生産費でございますが、十アール当たり収量が今申しましたように前年に比べまして増加しましたことから、逆に九千九百十円と、前年に比べまして〇・四%の増加となっております。ほぼ前年と同水準となっているということでございます。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 麦の政府買い入れ価格につきましては、食管法四条ノ二の規定に基づきまして、生産費その他の生産条件、需要供給の動向、物価その他の経済事情を参酌して、生産性の向上と品質の改善に資するよう配慮して決定することとされております。 具体的には、六十二年産までは、御案内のとおり、パリティー方式によって算定されたわけでございますけれども、六十三年に、六十二年の食管法の改正の趣旨を踏まえまして、米価審議会から、麦価の算定につきましては、我が国の麦作の将来を担う者に焦点を当てたものとすることを基本とすべきであるが、当面は、主産地、生産シェアの多い主要道県の生産費を基礎として行うこととされたわけでございます。 その算定につきましては、対象となる主産地は、従来どおり北海道、栃木、群馬、埼玉、福岡、佐賀、熊本の一道六県を対象として考えております。 それから、主産地の対象となる農家につきましても、平均規模以上の農家ということで、また、生産の安定ということから、過去三年間の資本利子、地代、全額を算入した生産費に基づいてやるというようなことで、統計調査部で調査しました資料に基づきまして、現在内部で計算を急がせておるところでございます。それが終わりましたら、政府部内で調整を行いまして、あしたの米価審議会に諮問を行いまして、適正に決定していきたいというふうに考えております。
○三上隆雄君 まだできていないというわけですか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) はい。
○三上隆雄君 おかしいですね。 終わります。
○委員長(吉川芳男君) 午前の質疑はこの程度とし、午後零時五十五分まで休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 —————・————— 午後零時五十九分開会
○委員長(吉川芳男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案外二法案を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○一井淳治君 まず、この農水委員会の審議のあり方について農林水産省のお考えを聞きたいと思います。 といいますのは、審議の過程で各委員から、時間がありませんのではしょりますとか、そんなふうなことがよく出てくるわけですけれども、本当に答弁についてもっと真剣に委員会の審議が充実するようにお考えをいただき、協力をいただかないといけないと思います。 そういったことで、極端に言えば委員会の審議の場をごまかしていけばいいんだというお考えなのか、それとも国民の代表の意見を真面目に聞いて充実した農政を実現していこうとお考えなのか、その辺についてまずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 国民の意見を十分聞きながらよりよい方向を目指すという気持ちで審議をお願いしておるつもりであります。
○一井淳治君 いろいろ充実については方法がございますけれども、聞きもしないことを、質問にないことを長々と答えられる、あさってのことを答えられる。これは何も知らない方から見れば、ああ役所の方がごまかしてやっているととられると思います。そういった答弁が本当に会議録を見るとあるわけです。 これは具体的には言いませんけれども、例えば私が外材の国内価格、日本の国内価格の値上がりの状態について質問をします。これはもう私の方では質問する前からわかっておるんだけれども、ほかの委員さんにも全体のことを知ってもらうためにある程度聞かなくちゃいけないというので聞きます。そうすると、国内価格について聞いておるのに、外国の産地価格について延々と答えられたり、あるいは値上がりの理由について答えられたり、あるいは対策について答えられたり、それは優等生の答弁とすればそれでもいいのかもしれませんが、やりとりをしている委員会の審議の場とすれば、本当に時間つぶしをしてごまかしているととられてもやむを得ないと思われるわけでございます。 そういったことで、いろんな充実の方法がございます。これは予算委員会とか決算委員会でよく問題になりますけれども、最低、質問に対して関係のないことを長々しゃべるということは、質問に対して要点を簡潔に答えていただくというふうにしていただかないといけないと思うんですが、もう一遍その点についてお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) おっしゃっているとおり簡潔に申し上げたいこともありますし、よく理解していただきたいと思うものですから、ちょっと答弁が長くなることがあるわけでして、決して意図的にやっているわけではないんです。私どもも、答えるためには委員の皆さんにいろんな状況というものをまず御認識いただきたいということもあってつい申し上げることもありますが、なるたけ簡潔にお答えするようにしたい、こう考えております。
○一井淳治君 簡潔に要を得た答弁をお願いしたいと申し上げましたけれども、ほかにも審議の充実のためにはいろいろ御協力いただくことが多いと思いますけれども、特別の御配慮をお願いしたいと思います。 それからマスコミの対応でございますけれども、ウルグアイ・ラウンド交渉、これも非常にマスコミの方が先に出ていくという問題、また微妙な色合いの問題などがあります。また、中山間対策という問題につきましては国民の理解がまだまだ不十分ですから、マスコミを通して御理解をいただくという点もございますが、マスコミ対策は非常に大事であると思います。 ところが、マスコミの中には農政について事実に反する報道というものが出てまいります。ウルグアイ・ラウンド交渉の過程などを見ますとそういったものが出てくるわけですけれども、誤った報道に対しては厳重に抗議していただいて、二度と誤った報道が出ないようにしていただくということも必要であると思います。そのあたりのお考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(上野博史君) 私どもの立場から言いますれば、委員今お話しございましたように、農林水産行政の的確なPRをやっていただくという面の我々がお願いをしなきゃならないところもあるわけでございまして、できるだけ素材の提供等について努力をいたしております。しかし、そういうことが一方で間違った報道ということで伝えられるんでは大変困るわけでございまして、そういうケースにおきましては、私どもも十分な注意を払って我々の意向を向こうに抗議あるいは訂正というようなことで、その時々に応じまして対応をさせていただいているところでございます。そういう観点で特段の努力を今後も続けてまいりたいというふうに考えております。
○一井淳治君 ことしの二月四日の十九時からNHKのニュースがありまして、この内容というのは、乳製品などについて関税化を受け入れた場合の具体的な条件などを米国やECに打診をしたということでございまして、いわゆる条件闘争に入ったというふうに日本の農政の変換を示唆するような報道で、これなどは大変だったと思いますけれども、当然私は農水省から事前に、あるいは報道が出てしまった後には事後に、厳重に抗議と言えば表現が悪いかもしれませんが、十分に話をする、そして二度と偽りの報道がなされないように最大限の対処をしていただくということが必要であると思います。 この件については私もいろいろ調べたんですが抗議はされていない。これは非常に残念だと思いますけれども、どうでしょうか。
○政府委員(眞鍋武紀君) ただいま御指摘の報道でございますが、ウルグアイ・ラウンドについてはいろいろと報道がされまして、御指摘のとおり、事実に反するようなことが報道されることは国内に無用の混乱を起こすということのほかに、外国にも誤った認識を与えるということで、大変好ましくないと思っておるわけでございます。 そこで、我々といたしましては、やはり正確な情報を流して正確に報道していただくということで事前にいろいろと説明をするということ。さらには、こういう報道をしそうであるという情報が取材とかいろいろなことでわかりました場合には、それをやめていただくとか、正確な事実を報道していただくように申し入れをするということ。さらに、事後的には誤った報道がされた場合には抗議をする。こういうふうな大ざっぱに申し上げて三つの方法で今まで対処してきておるわけでございます。 御指摘の報道につきましては、取材を通じましてこういう報道がされそうだということがわかりましたので、我々の方からそれは事実に反するということを申し入れたわけでございます。その結果といいますか、それでその報道自体は差しとめられなかったんですが、その報道とあわせて農水省はこういう事実を否定しておるということが同時に放送されたという状況でございます。 確かに、委員御指摘のように、マスコミ対策はいろいろ問題があろうかと思いますが、今後ともそういうことで注意をしながら適切に対応してまいりたいと思っているわけでございます。
○一井淳治君 これはマスコミの方に聞こえたら非常に失礼になりますけれども、マスコミは事実をそのまま報道しないから仕方がないわというふうな考えになってしまってはいけませんし、また担当の方が、マスコミに強硬に抗議などすると自分がまたどこかでしっぺ返しを食わされやしないかと思われるのか、私はその辺がよくわかりませんけれども、とにかく私はこれで三回目か四回目なんですよ。それで、それに対する答弁が、本当に真剣にマスコミ対策をやっているというふうな私の胸に響いてくるようなお答えをいただいたことが実はないわけです。 今回の二月四日のニュースが流れた後も、私などはしょっちゅう報道の問題について委員会でやっていますから、すぐに私のところへ、こういうふうな報道が流れたけれども事実はこうなんですと文書を持って説明に来られました。そんなエネルギーがあったら、議員さんに説明したりするエネルギーがあったら、NHKの方へ行って十分にやっていただくということが大事じゃないかと言ったところです。本末が逆になって、何か変なふうにエネルギーが向いていると思うわけでして、このゆがんだような状態を直していただいて、報道機関に対して間違っておるものが二度と出ないような真剣な対応をしていただくように重ねてお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○政府委員(眞鍋武紀君) 先ほどの件につきましても、これまでも事前にそういう情報が入った場合に十分説明をし、我々の考え方なり事実を指摘したつもりでございますが、今御指摘もございましたので、今後その都度適切に対応するように十分心がけてまいりたいと思います。
○一井淳治君 適切という適切の程度がまさに問題でありまして、農水省の局長さんは、日本の農政をあなたが支えているわけですから、あなたが引き受けているわけですから、場合によってはあなたの全身全霊をなげうつという気持ちでやってもらわないといけないと思います。 それから、農業経営基盤法の関係でお尋ねいたしますけれども、まず、この法と環境保護との関係について質問をいたします。
○政府委員(入澤肇君) 私ども、日本の農業は、なかんずく水田農業は元来環境保全を含めた多面的な機能を持っておるというふうに認識しております。したがいまして、この機能は適切な農業生産活動の継続を通じて維持され、増進されるものだと考えております。 今回、この法案をつくるに当たりまして、二つの点から環境保護につきましてアプローチすることが適切じゃないかというふうに考えたわけでございます。 一つは担い手の面からのアプローチ、要するに、効率的・安定的な経営体をしっかりとつくっていき、その経営体がしっかりした農業を行うということがそもそも環境保全型の農業を展開するもとであるという担い手の面からのアプローチ。もう一つは営農のやり方の面からのアプローチでございまして、土づくりによる地力の増進、適切な水管理、施肥を実施するという環境保全型の農業、こういう農業実施の面から環境保全と農業の調和を図っていくということでございます。 この法案は、そういうふうな二つの面からのアプローチをするということを中に内容として盛り込んでおります。
○一井淳治君 効率的という言葉が出ておるんですが、環境の力の字も出ていないという点がこの法案の最も基本的な欠陥ではなかろうかということを私どもは心配しているわけです。大規模化を進めるということになれば当然農薬等を多投するでしょうし、化学肥料をどんどん使うというふうになってきますと、環境が侵されてしまって、そして農業の本来の目的に反するというふうになっていくことを心配しているわけでございますので、局長さんも言われましたけれども、そのお言葉に本当に偽りがないように、環境を重視する農政が行われるようにお願いしたいと思います。 次に、効率的という言葉が法案の中に何度も出てきますけれども、効率的という言葉の意味と、それから国際競争力を農業につけることを期待しておられるのかどうか、そのあたりのことについてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(入澤肇君) 効率的と申しますのは、一口で言いますれば経営マインドを持った経営体ということでございまして、もう少し具体的に申しますと、可能な限り費用便益効果、これだけの投資をすればこれだけのアウトプットがあるというふうなことを認識するような農家層を形成するということでございます。 具体的には、経営と家計を明確に分離していく、要するに複式簿記をつけて青色申告するような経営体になっていただく、あるいは労働時間につきましても十分な認識を持ちまして「時は金なり」という意識を持っていただく、あるいは所得につきましても目標を明確にしまして他産業従事者と遜色のないような水準を目指す、そういうふうなことを意味しているのでございまして、国際競争力をつけるということを必ずしも含んでのことじゃございません。
○一井淳治君 効率的ということを今局長さんから説明されたような言葉で使うのであれば、当然のことでありまして、農業ももうからなきゃやっていけないわけですから、極力経営的にプラスが上がるような努力をするのは当然であると思います。 これはもう今までそれぞれの農民の方もやっているわけですから、殊さら取り上げるとなれば、今言ったように環境破壊的な農業に走っていきはしないかということが非常に心配なのが一つと、もう一つは国際競争力をつけたいということで極端に農産物価格の引き下げに走るということになりはしないか、その辺が心配なわけでございますけれども、国際競争力をつけるということは、これはもう念頭にないんですか、どうなんですか。全然これは関係ないんですか。
○政府委員(入澤肇君) 可能な限り効率的な農業生産をやるということで、その結果として生産性が上がりコストが下がってくるということでありますれば、為替レートの問題はございますけれども、内外価格差の縮小に通じて、究極的には国際競争力という観点からも一定の主張をし得るというふうには考えられますけれども、効率的・安定的な経営体を育成するということが即国際競争力を持っている農家を育成するということを考えているわけじゃございません。
○一井淳治君 この法案は稲作を中心にしておられると思うんですね。稲作を中心としておる農家にとって、国際競争力のことを出されたらどんなに逆立ちしても追いつかないわけですから、それは農民の方が失望するということになってしまうと思います。 ですから、農林水産省の方ではこの法案について、将来成立した場合には解説などなされると思いますけれども、結果として国際競争力がどうのこうのということも言われると非常に問題ではなかろうか。もちろん国際競争力がつくことは、それ自体は非常にいいわけですけれども、そんなことを考えていただいておるのであれば、それは中山間対策をして欧米並みに所得補償なんかしていただければいいですけれども、それもなしにただ単に国際競争力を言われたら、もう農民の方は希望を失ってしまうと思います。その点の御配慮をお願いしたいと思います。 それから、私は岡山県の出身ですが、最近県内を歩いておりますと、稲作をして、農作業をすべて外注に出したら今の米価ではやっていけない、そして、県庁などに勤務している人は、自分の仕事も大事であるから、例えば友人に無料で耕作をお願いして渡している。しかし、圃場整備の費用なんかは、米価の方からは出ないから給料の方から全部出している。結局、作業を外部に委託した場合には今の米価ではとてもやっていけないということを聞いておるわけですけれども、そのあたりの実情をお聞きしたいんです。 まず、委託料は十アール当たりどれくらいになっておるんでしょうか。
○政府委員(入澤肇君) 全国農業会議所の調査によりますと、平成二年産の水稲作の十アール当たりの部分作業受託料金の全国平均で申しますと、個人受託の場合に、育苗で一万五千五百五十円、それから耕起で七千六百十円、代かきで六千八百六十六円、田植えで七千百七十六円、防除で千四百七十五円、刈り取りが一万六千二百四十三円、乾燥調製が一万三千二百九十八円というぐあいになっております。
○一井淳治君 合計は幾らでしょうか。
○政府委員(入澤肇君) 今申し上げましたのは部分的に作業を受託した場合の部分的な経費でございますが、全作業を受託した場合の、ちょっと十アールの計算がないんですが、六十キロ当たりの料金で見ますと九千五百六十七円というふうになります。
○一井淳治君 今の九千五百六十七円が、丸抱えで全作業をやってもらえるということになれば、お米の六十キロ当たりの金額との差がかなりありますから、私が日ごろ聞いているような不満は出てこないと思いますので、農水省のお持ちの統計は、地域によって差があるんでしょうけれども、ちょっと信じがたいような気がいたします。それにしても二割や三割程度の誤差というものはこの種のものについてはあるわけですから、六十キロ当たりのお米の代金とほとんど差がないというふうになってくるわけですね。 そういう現状になりますと、自分で耕作する人はいいんですけれども、自分で耕作をしないで、あるいは高齢化をしたり病気になったりして自分では耕作できない、第三者にお願いをするというふうになると、例えば圃場整備なんかしておったら圃場整備の代金も出てこないとか、相当自分が出血しなくちゃならないというふうになってまいりますけれども、それが実情なんでしょうか。
○政府委員(入澤肇君) 稲作の生産コストに占める物財費、物財費の中でも機械の償却費、さらに地代、それから地代に相当する小作料あるいは受委託の料金、それぞれが一定の部分を占めているわけでございますが、これらのそれぞれの要素につきまして私どもは可能な限り低コスト化するということでいろんな政策を組んでいるわけでございます。 例えば、地代であれば無利子融資資金の貸し付けをやるとか、機械の償却費につきましても共同利用等でコストを下げるようにしておりますが、受委託の場合には、これからある意味では利用権の設定と並んで重要な役割を持ってくると思いますので、いろんなことを考えなくちゃいけないとは思いますけれども、今までのところ特別な対策というのは講じていないということでございます。
○一井淳治君 この間視察に参りまして、倉淵村では地代が一万円とか一万二千円で借りているということをたしかお聞きいたしました。 そのとき、地代が安ければ土地の集積も進むだろうということが話題になりまして、耕作賃が、今の委託料ですけれども、委託料が非常に高くなってくると耕作してくれる人がいなくなってくる。そうすると、一万円でもいいから土地を出しましょうという人が出てくるんじゃなかろうかという相談を他の委員さんとしたわけですけれども、農水省はそういったことをねらっておられるのかどうか。それはどうなんでしょうか。
○政府委員(入澤肇君) 地代につきましては、実勢小作料の水準を可能な限り農地法で定めておるような標準小作料の水準に合わせるようにというふうな行政指導をやっているわけでございますが、受委託の場合には中身が区々なものですから、そういう標準的な指針を示すようなことはやっておりません。しかし、標準的な計算ができてまいりますと、標準小作料の指導と同じような指導が必要になってくることもあるかもしれません。
○一井淳治君 地代は平均十アール当たりどれくらいになっているのか、それから農地の価格はどれぐらいになっているのか、質問したいと思います。
○政府委員(入澤肇君) 実勢小作料は、全国農業会議所の調査によりますと、平成三年の田んぼの全国平均で十アール当たり二万七千十六円でございます。これは府県と北海道の平均でございまして、府県は二万七千三百九十二円、北海道は二万三千六百四十円でございまして、傾向としては六十二年以降下がる傾向にございます。 それから農地価格でございますが、全体としては上昇傾向が続いておりますけれども、上昇率は鈍化しております。純農業地帯の中田の価格の上昇率は、平成四年で一・二%でございまして、具体的な数字で申しますと、全体としては実際の農地価格、全国で百九十八万円、北海道では三十九万円というレベルでございます。
○一井淳治君 安いところはどれくらい、高いところはどれくらいということを把握しておられますか。
○政府委員(入澤肇君) 農地価格のブロック別の平均で見ますと、全国平均では平成四年で中田で今申しましたように百九十八万三千円でございますが、安いところは北海道の三十九万四千円、高いところは近畿地方の三百四十六万三千円でございます。 畑で申しますと、全国平均で百三十七万五千円、北海道が十七万八千円で、高いところは東海地方でございまして二百六十四万一千円でございます。
○一井淳治君 土地改良の費用ですが、圃場整備をした場合の十アール当たりの平均の工事額、それから農民の負担額についてお教えいただきたいと思います。
○政府委員(入澤肇君) 土地改良事業に要する十アール当たりの事業費につきましては、実施している事業の内容でありますとか地域とか整備水準によりましてかなり地区によって異なっております。一概に申せませんけれども、例えば県営の圃場整備事業の平成四年度の新規採択地区の平均価格で申しますと約九十三万円、これは北海道では平成二年から四年度の新規採択地区で低コスト化水田農業大区画圃場整備をやっているところで平均で七十二万円となっております。 農家負担も地方公共団体の講ずる措置が地域によって異なっておりますので一概には言えないんですが、平成三年度に設定されました「国営及び都道府県営土地改良事業における地方公共団体の負担割合の指針」による水準を考慮した場合には、県営圃場整備事業につきまして全体事業費の一七・五%でございます。低コスト化水田農業大区画圃場整備により実施する場合には一二・五%ということになっております。
○一井淳治君 この土地改良の費用と地代、その関係が一つ問題になってくるんですが、もう一つは、土地改良に投じた価格より農地価格が高ければ問題ないんですけれども、現実の経済取引をやると土地改良の費用より相当低い額になってしまうという問題が起こってくるわけです。 ここでの問題は、農民の側とすれば土地改良に投じた費用分だけは回収しないと損をするという問題になります。しかし、経済原則は冷ややかなもので、現実に安いわけですから、安い価格で取引した方が農地の集積は進んでいくだろう。特に、将来農地の集積をしていくためには、貸し借りというのは不安定ですから、農業経営がうまくいくと地代を値上げしてほしいという問題が出てくるでしょうから、ですから所有権を取得したいという気持ちも強いと思います。そういうことで、土地の現実の価格と、場合によっては圃場整備の費用も回収できないような低い額に現実になってくる場合もある。それと、集積を進める場合の今言った問題点について農水省はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(入澤肇君) 御質問の趣旨に沿わないかもしれませんけれども、平成四年度における農地価格につきまして、全国農業会議所の調査によりますと、全国平均で中田十アール当たり約二百万円、それから北海道で約三十九万円、先ほど申し上げたところでございますが、これと県営の圃場整備事業の十アール当たりの平均事業費に農家負担割合、先ほど一二・五%なり一七・五%とかいう数字を申し上げましたけれども、そういうものを掛けまして推計しますと、農家負担は十二万から十六万円、北海道の場合には五万から十万円ということになっていまして、農地価格の方がもちろん高いということでございます。しかし、全体として土地改良事業費の農家負担割合を軽減するためにはいろんな政策を講じなくちゃいけないということが前からこの委員会等におきましても指摘されておりまして、我々といたしましては、全体として事業費単価を抑制するんだとか、あるいは国営事業におきましても工種別の完了制度を設けるとか、あるいは計画償還制度を創設するとか、あるいは五年間で一千億円の資金を積み立てて、その資金を用いて利子補給をするんだとか、いろんな政策を講じて軽減対策に取り組んでいるところでございます。 さらに、地方公共団体にもいろんな政策をお願いしているということでございます。
○一井淳治君 圃場整備のために投下した資本の額が出てくると思います。その額より下の額で集積を進めていかれるのか、そのあたりはどうなんでしょうか。質問わかりますか。——仮に百万円、助成金等も含めて十アール当たり圃場整備に費用がかかるとした場合に、八十万とか九十万という圃場整備に要した費用以下の額で土地を集積していくということをお認めになるのかどうか。
○政府委員(入澤肇君) 農地価格というのは収益還元価格で算定されるのが適当だと思いますけれども、その前提としての、例えば小作料の水準と地代の水準と土地改良負担金の問題に恐らく絡んでの話じゃないかと思います。 土地改良の負担金は小作料の算定に当たっては算定要素に入れないんだということで指導しているわけでございます。なぜかといいますと、土地改良事業費というのは長期にわたって資産形成するものであるから、毎年の小作料の算定にはふさわしくないという、これは学識経験者の意見を十分踏まえた結果、そういう指導をやっているわけでございます。したがいまして、私どもは、圃場整備事業で幾らかかったからその価格以下でその土地の売買がなされなくちゃいけないというふうな指導はしていないところでございます。
○一井淳治君 もう一つの基準は、地権者が出した費用ですね、この費用を割って集積を進めることを認めるかどうかということです。 これは農民の方にとっては、やはり自分の投下したものだけは回収したいという気持ちがあるでしょうから、今局長が言われたように、それほど多額じゃありませんから、農民負担分については土地を売る場合にはどうしてもこれを確保していただきたいと私は思いますが、そのあたりいかがでしょうか。
○政府委員(入澤肇君) 御承知のとおり、地価の統制をやっているわけじゃございませんでして、あくまでも地代の算定に当たって標準小作料を設けてそれに誘導していくという政策をやっているわけでございまして、それから還元される収益価格、それから算定される農地価格がどのように形成されるかというのはまさに市場実勢に任せているわけでございます。 ですから、ある一定の価格で売らなくちゃいけないとか、一定の価格を上回っちゃいけないとかいうことは、私どもとしては指導していないということでございます。
○一井淳治君 ただ、今回の法律をつくって土地の集積を非常に強力に進めていくというふうになるわけですね。農民の負担がいろんな方面で出てくるんですけれども、地価の問題について、安ければ、過去に農民が提供した金額を割っても、農民の負担になってもとにかく集積をしてしまえということになってしまっては少しやり過ぎじゃないか。地域の農民に恨みやつらみが残らないようにうまく将来やっていくためには、出した金額はそれほど多くはありませんから、それだけは確保してあげるという御指導がないといけないんじゃないかと思いますが。
○政府委員(入澤肇君) そういう場合には、恐らく資産保有意識もございますから、所有権の移転ということじゃなくて、利用権の設定なりあるいは先ほど御指摘があった作業の受委託とか、そういうふうな形でまず状況を見る、そして地価の動向を見て十分にペイするという段階になったところで所有権移転に切りかえるというふうなことになっていくんじゃないかと思います。 そういう場合の公庫資金であるとか、あるいは農地保有化事業による一定の政策資金につきましては、十分配慮していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○一井淳治君 局長のお考えは非常に楽観的だと思いますけれども、現実には委託耕作といいますか農作業を受ける人がだんだん減っていっているわけです。お願いしてもやってくれる人がいないからというので、土地を手放すかあるいは貸すかということで非常に窮地に陥りつつあるのが現状であると思いますから、その場合に、泣く泣く過去出した圃場整備のお金も回収できないで売ってしまうというのはいかにも農水省は薄情だと思いますから、これは農水省が今度公的な法人をつくって進めるわけですから、よく御配慮をお願いしたいと思います。 それで、土地を買い取った場合、あるいは地代方式でいく場合、いろいろ集積の方法がありますけれども、米価との関係を考えた場合に、土地を買い取る場合には、地代であればどれくらい以内なら採算がとれるという計算をお持ちですか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 申しわけありませんけれども、今どれぐらいでという計算を持ち合わせていないので、後刻調整いたして御報告したいと思います。
○一井淳治君 そういったことは大変計算が困難だと思いますから、一応質問の予告はしておったんですけれども、それであれば後刻詳しい計算根拠もあわせてお願いしたいと思います。 あと、青年農業者の育成事業ということに農水省が御関心をいただいていることについては、この事業が進んでいないので非常に残念ですけれども、ありがたく思いますが、一番大事なのは受け入れ体制です。青年農業者が田舎に行った場合に、近所の人から温かく迎えられて、住まいや食事などが確保できて、そこでこき使われないで、労働と教育をうまく両立しながら勉強させていただくこと。そしてその後、独立できるようにいろいろ地元から御支援をいただいて立派な農業者に育っていくということが大事であると思いますけれども、そのあたりの農水省のお考えをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) 青年農業者の育成確保につきましては、我々も非常に重要なことというふうに認識しておりまして、農家の子弟以外の人も含めまして幅広く円滑に就農ができるような受け入れ態勢の整備が必要であると考えております。 それで、一般的にどんなふうかということでございますが、そういった青年農業者が就農するに当たりましては、農家子弟が親の後を継ぐという場合もございますが、最近ではそうでない方もいらっしゃるわけでございまして、そういう方の場合、例えば農業生産法人、あるいは農協あるいは農地保有合理化法人、あるいは先進農家と言いまして非常に進んだ経営をやっている農家、そういったところに研修生として入りまして、それで研修を終えた後に独立するというようなことで、その形態はいろんな形のものがありまして、我々もこれでなければいけないというふうには思っておりません。それで、特にそういうところに研修に入った場合に、我々の制度といたしましては普及員というのがおりますので、できるだけそういう普及員の指導を得ながら、技術あるいは経営方法の実践教育、そういうものができるように考えていきたいと思っておりますし、また市町村、農協なども非常に力を入れてやっておるところでもありますから、そういうところの応援も得てやっていくというふうに考えておるところでございます。
○一井淳治君 時間がありませんからこれ以上申し上げませんけれども、今回の法の中にも入ってきておるわけですね。ですから、それを利用して農業の研修を受けた人についてはうまく地域で独立して農業者として自立できるような御支援をいただくようにお願いしたいと思います。 時間が参りましたので、質問を終わります。
○大塚清次郎君 きょうは、先ほどから村沢委員さん初めいろいろ新農政プランなりあるいはまた今度の関連する立法についての質問があっております。幾らか重なる点があると思いますが、私は視点を変えましてただいまから幾つかの論点を御提示申し上げて、お尋ねをいたしたいと思います。 非常な農林業不透明な中にございますが、今度「二十一世紀への道しるべ」というサブタイトルでこの新農政プランが出ました。いわゆるこの手法、プランニングの手法はラン・バイ・ランというやり方じゃないかと思います。政策をつくりながら、予算をつけながらということでございます。したがって大変御苦労もあったと思います。 私はこのプラン全体を一通り勉強させてもらいましたが、どうも全体から流れてくるものは隔靴掻痒の感が私の頭から消えません。それで、幾つか取り上げまして問題点をただしたいと思います。ひとつラフに答えていただきたいと思いますが、まず第一に上野官房長、これはプランを恐らく総括されると思いますけれども、官房長にお願いしたいと思います。 実は、去年の六月出ました新農政の展開方向、そしてことし二月の構造と経営に着目した課題と対策、そして中山間地を特に取り上げてその課題と対策、これを補強されました。近く畜産あるいは野菜、果樹それから畑作、こういうものについて補完していかれるということでございますが、ひっくるめてプランの全体像がおおむね体系的にまとまったものとして私ども受け側にわかるのはいつごろになるでしょうか。それが一つ。 それから、そのプランニングの手法と、その政策をどうして受け側に浸透させていくかということについて、今度のプランの特徴といたしましては、新たな立法もありますし、それから既存のものの法改正、それから、これから政省令がつながっていくと思います。それを裏づける年三兆円何がしかの予算のシーリングの中でのやりくり、これが非常に多岐に複雑に絡み合っておりまして、しかも今度は国土庁なりあるいは自治省とのアロケイト部分も出てくるということで、主管農水省としてはその全体像と個別政策を十分おわかりになっておりますが、受ける側にはその全体像や政策体系が見えにくいとの評価があります。 「二十一世紀への道しるべ」として道筋を示すわけでございますので、それにふさわしく受け側にプランの全体像や政策体系あるいは内容を早くストレートに周知する方法、手段についてどういうお考えをお持ちなのか、これをまずお伺いし、さらに地方自治体が関与する部分が非常に比重が高くなっております。でございますので、政策的にも財政的にもこの機能分担をはっきりしていかないと責任の転嫁になりかねぬのじゃないかと思います。これをどのようにして仕分けしていかれてはっきりわからせてもらうか。特に、農業関係の出先機関あるいは農業団体への啓蒙指導、そしてそれをいわゆる担い手を中心に受け側に、農家に、どういうように啓蒙指導していかれるか。こういう点をまず官房長にお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(上野博史君) まず、新政策の全体の姿といいますか体系の問題でございますけれども、今度の新政策の考え方の一番中心をなしますのは、将来の我が国の農業の担い手というものをしっかり確保して、農用地面積を十分に活用した農業生産が行われるということを考えてまいりたいという点にあるわけでございまして、そのことを通じてまた地域社会の活性化にも大いに寄与してまいりたい。 その際、ほかの農林水産業関係以外でやらなければならない施策については他省庁との連携を図りながらできるだけのことをしてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございまして、その基本的なところについての制度的な手当てというものは、現在この国会でいろいろお諮りを申し上げ、御検討をいただいておるところで中心部分は出てまいっているんではないかというふうに我々思っているわけでございますが、委員御指摘のとおり、作目的に見ますと稲作というものが中心で考えられておるのは事実でございます。 したがいまして、我が国農業は非常にすそ野が広うございますので、稲作が中心をなすとは言いながら、それぞれの地域、それぞれの農家の立場から見ると必要な将来の経営の姿というようなものが十分に示されていないということもあるわけでございまして、稲作以外の分野につきましては現在、農政審議会にもお諮りをしながら検討を進めているところでございます。 これは夏場になりますと概算要求という段取りに進むわけでございまして、私どもの考えではその段階で一応の平成六年度に向かっての予算的な手当てが必要なものについては考えられる程度にまでまとめ上げてみたいというふうに考えているところでございますけれども、現在作業の途中でございまして、鋭意そういう方向へ向かっているということでとどめさせていただきたいというふうに思います。 それから、この予算の関連で言いますと、担い手への土地の利用関係の集積、あるいは法人という形態による農業の担い手の確保というようなことで新しい予算的な対応をする等、平成五年度予算で私どもとしましては相当知恵も絞って新しい予算の項目も用意したつもりでございます。しかし、他作目の関係等々、さらに平成六年度、七年度と考えていかなければならないところは多々あるだろうというふうに考えるわけでございまして、これは来年度の予算編成に向かっての省内での作業を鋭意進めている段階にあるということでございます。 それから、PRの問題でございますが、新政策の考え方あるいはそれを踏まえました経営基盤強化法等の具体的な運用の問題ということになりますと、地元といいますか個々の農業者、こういうレベルの皆様方のお考えをできるだけ尊重してまいる。地方公共団体がどういうような方向にその地域の農業を持っていこうとされるのかということも非常に大事な前提でございまして、私どもとしては将来の方向を指し示すということもやりますけれども、その地域地域の実情というものが十分に勘案された形で今後の運営が行われていかなければならないというふうに考えているところでございます。 そのために、新政策の考え方を打ち出しまして以来、大臣に先頭に立っていただきまして、全国がなり密度を濃くPRの作業等も進めてまいっております。また、現在御審議をいただいております諸法律が成立をいたします場合には、そのPRあるいは施行という面に特に重点を置きまして、特段のまたもう一段の普及PR活動に対応していかなければならないだろうというふうに考えております。 具体的には、地方農政局に新政策の推進相談窓口というものをつくりましたり、あるいは各地方公共団体をメンバーといたします連絡協議会というようなものを設けたりしまして周知徹底に努めているところでございます。 それから、もう一点御質問の点は他省庁との連携のお話があったかと思うわけでございますけれども、これは、この中山間地域法が五省庁による共同提案ということにもうかがわれますように、それぞれの省庁の分担の仕事をうまく調整いたしまして、それぞれの地域の活性化に向けたメニューをつくり、具体的に仕事をしていかなければならないというふうに考えているわけでございます。 この点につきましては、今後さらに各省庁間の連携を保ちながら、御相談をして一緒に当たっていただくということでの我が省としての努力が必要だというふうに考えておるところでございます。
○大塚清次郎君 新政策が十年間という一つの到達目標の年限の中で進みますようにするために、早くプランをきちっとして、そしてあとは実施ということに対応してもらいたい。またPRは、今のように非常にわかりにくい点もありますから、これはひとつぜひ受け側にわかるようにPRこれ努めていただきたいと思います。ありがとうございました。 続きまして、私は、この新政策プランに書いてある食料政策についてお尋ねをいたしたいと思います。 このプランの目指すところは、他産業並みの労働時間で他産業並みの生涯賃金、こういう一つの壮大な目標があるわけですね。そういったような点からいきますと、このプランにかかわる食料政策というのはこの根幹をなすものだと私は思います。先ほどから議論があっておりますように、プランには、米の自由化、こういうものはしないことを前提に、今四六%まで落ち込んだカロリーベースの食料の自給率、これに歯どめをかける、そういう食料政策をやろうということが今度のプランに書かれておる。 米等自由化はこれ以上しないでということは書いてありませんが、これが崩れると自給率四六%なんてとてもじゃないとなりまするので、これ以上自由化はしないとの望みをかけた食料政策の自給率が掲げられております。 それで、そのプランを見ますと、確かに世界人口の動向とかあるいは世界食料の需給モデル、こういうものは出ておりますけれども、肝心な我が国の食料の国内生産、それと需給の長期見通し、あるいは到達年度までの見通し、そういう指標は欠落しております。 これはなかなか難しいから出さなかったのか、今現に基本法に根差すそれぞれの長期見通しがあるからこれは割愛したのか、この点についてぜひ率直な官房長の見解をまず伺いたいと思うんですが、どうですか。
○政府委員(上野博史君) 今、委員仰せのとおり、新政策そのものの中に食料自給率や個別農産物の生産見通しというものは示されておりません。 しかし、この考え方の前提といたしましては、平成二年の一月に閣議決定をされました「農産物の需要と生産の長期見通し」というものを踏まえているわけでございます。
○大塚清次郎君 なぜ私がこれにこだわるかといいますと、問題は食料需要に対応する生産と供給の推算、これは消費需要は割合に見通しがしやすい。しかし、供給がなかなか見通しがしにくいという理由が一つあるんじゃないかと思いますね。 供給というのは、国内生産分と輸入依存分、これが合わさって供給と、こうなるんです。もう米など数品目を除いてはほとんど自由化されておるということで、歯どめがない。だから、この食料輸入がエンドレスにふえていきますと、国内の需要は限られておりますから、生産のパイが縮小していくということは理の当然でございます。だから、勢い非常に不透明です、供給の推算については。それが不透明な上に、輸入依存に傾斜し、他力本願になっていくということ。国内生産の見通しは、そのために結果的にはつけにくい。これは私もよくわかるんですね、現実に。 だからといって、国内生産の量的指標はそのとおりはいかぬかもしれぬけれども、ある程度のぶれがあってもここで打ち出さないと、私はプランの一番初めにうたった他産業並みの生涯所得というような目標から考えますと、どうもこの欠落はいただけないんじゃないかと思いますがね。 そういったようなことでございまして、一方では基本法、先日も出ておりましたが、農業基本法の八条に食料の生産と需要の長期見通しが義務づけられておるようでございます。しかし、今ありますのを見てみる限り、例えば私の専門の果樹の生産と需要の長期見通してもかなりな乖離がある。そして、今後さらにその乖離は開いていくという傾向にある。 時をはかって改めればいいじゃないかということもありますけれども、今新政策を踏み出そうとするときに、いろいろ困難はあっても人類別ぐらいはして、世界の需給モデルだけじゃなくして、やっぱり需給見通しで指標を与えるということは今後の意欲をかき立てる上においても必要じゃないか、このように思いますが、こういう点につきまして、上野官房長からもう一つ重ねて答えていただきたいと思います。
○政府委員(上野博史君) 先ほど申し上げましたように、いわゆる数字的なものあるいは表的なものとして、新政策の考え方、紙の中に見通しなりなんなりを示していないという点については先ほどお断りを申し上げました。 ということは、あの長期見通しを私どもとしては十分に踏まえて、現在の食料自給率の低下傾向に歯どめをかけるということを打ち出しているつもりでございまして、一行ぐらいのわずかな文章でございますけれども、我々の心意気というのはそこにあらわしているつもりであるということでございます。 さらに、今の御質問が、この長期見通しを現段階で改定する必要があるんではないか、そういう新しいものを踏まえる必要があるんではないかという御議論であるとしますれば、私どもとすれば、平成二年に発表いたしましてまだ数年間の経緯を見たにすぎないところでございます。若干傾向的にその数値と離れてきているという感じが確かにするところはございますけれども、もう少し様子を見させていただきたいということでございます。 それからもう一点は、この自給率なりなんなりを考えてまいります場合に、政策的に対応しにくい部分と政策的に対応できる部分とがいろいろあるわけでございますけれども、先ほどおっしゃいましたように、後継者、農業者が十分なる耕地面積の活用ができる程度に存在をする、農地をカバーするということが、これが何といっても最大の要件になるわけでございまして、そういう農業者を確保していくためには、委員がお話をされましたように他産業並みの所得であるとかあるいは労働条件であるとか、そういうものが準備をされなければできないんではないか。そういうことがまず自給率というものを考えてまいります場合に一番大事な事柄なんではないかというふうに実は我々考えているわけでございまして、そういうような条件をつくり出すための手当てとして、今、経営体の考え方なりあるいはそれを実現するための農用地の利用権の集積を図るための制度を手当てをするなりというようなことで御相談を申し上げているということでございます。
○大塚清次郎君 鶏が先か卵が先かになるようなことですが、最後の方の御答弁は、これは見方、見ようによると思うんですけれども、やっぱりそれは両方ともないといけない。そういう望ましい経営体をしっかりつくっていく。それからもう一つは、生産の見通しもしっかり確固たるものを与えるということになっていかなきゃならぬ。 ただ、先ほど前段で御答弁いただきました、生産と需要の見通しは平成二年につくったと。大体私どもが聞くところでは五年間は動かさないよというようなことを聞いておりますけれども、これは、こういう非常に国際経済の流れ、世界農業の変化があっておりますから、やっぱり即応していかぬと、後追いじゃいけないと思いますね。これはひとつ答弁は求めませんがお考えをいただきたい。せっかく農林水産大臣もおられますからよろしくお願いいたしたい、このように思っております。 それから、なぜ私が自給率にこんなにこだわるかというと、どうもカロリーベース四六%が、米はこのまま守っておっても全体食料の中でもっともっと加速度的に減るんじゃないか。非常に品質のいいもの、安全なものをつくれば日本の農業は競争力を持てるんだというようなことを先ほどおっしゃっておりました。私どももそれを神話として今まで受け取っておりました。しかし、最近そうじゃないような状況の変化が出てきているんじゃないですか。 一つは、円高の高進が一つあります。これは内外格差を広げるということにつながると思います、折々の政策価格決定のときに、内外格差是正ということがよく言われますけれども、逆に広がっておるということ、とても及びもつかないように広がってきておるという現実の問題があります。 それから、関税の引き下げは、自由化のときこれで行くよと、牛肉であれば七〇%から五〇どまり、それからかんきつであれば幾らと。しかし、これは世界の貿易交渉の中でだんだん下げていかなきゃならぬようにこれはなるんです。だから、政府に頑張ってももらわなきゃなりませんが、そういう趨勢にあるということをひとつ頭に置かなきゃならぬ。 そして、一番象徴的な現象は、品質のいいものをつくれば高くても売れるという日本特有の今までの観念、これが崩れてきているということです。いわゆる肉にしても、果実にしても、野菜にしても、加工品にしても品質格差が縮まってきたということがある。 それからもう一つは、日本の中で消費者ニーズで余り高いものは買わないという消費傾向が出てきておるということ。そういう点からいうと、輸入をプルする要因、引っ張る要因が顕著に出ておるということ。そうなると、私は例えば今六五%という果樹の自給率でさえ五〇ぐらいに下がりはせぬかというように思っておるんですよ。 それから肉にしても、輸入自由化によって五〇%の関税の中でもどんどん入ってきておる。そういうものは品質格差なり円高、為替レートその他の要因によるものが、相乗作用して影響をしてきておるという実態からしますと、既に自由化されている畜産、果樹、野菜については私は輸入プルの要因が重なって国内生産のパイを急速に縮めていきはせぬかという懸念があるわけでございますので、そういう点につきましてひとつ担当局長のお考えを聞いておきたいと思います。
○政府委員(上野博史君) 担当局といっても各局にまたがるところもございますので、つたないながら私の方からお答え申し上げたいと思いますが、確かに為替の円高というような事態によりまして海外からの供給圧力がふえるというのは、これは何も農産物に限らず全体として言えることだろうと思います。逆に言えば、農産物とてそういう輸入圧力の例外だというふうにはなかなか言えない、自由化品目について言えばそうは言えないだろうというふうに思います。 そういうところから、基本的な食料につきましては私どもは一定の農業保護というものがどうしても必要だというふうに、これはアメリカやオーストラリア等の非常に大規模な農業をやっている国々との競争なんというのが考えられないような作目があるわけでございまして、かつ、そういうものが我々にとって非常に基礎的な食料であるというものがあるわけでございまして、そういうものについては保護が必要だということを従来からも申し上げているとおりでございます。 自由化をされている品目につきましては、そういう手だてがないままに、言うなれば外国からの供給圧力に押されるわけでございますが、こういう分野につきましては生産・流通面のいろいろな手当てを施しまして品質のいいものをつくるという、これは決して意味がないわけではないと思うわけでございます。我が国農業の生きていく道だというふうに考えるわけでございます。 これがそのときどきの景気や何かによって消費者の動向に若干の変化が出てくるということはあるにしましても、我が国農業の対応していくべき道筋であろうとは思うわけでございますので、そういう面の努力と、それからさらにコストダウンを図っていくというような努力、これもしていかなければならぬというふうに考えております。そのための施策につきましては、今でもいろいろ取りそろえているつもりでございますけれども、さらに検討はしてみたいというふうに考えております。
○大塚清次郎君 実は、私のように外国とのいろいろな面での農産物の取引に実際携わっているものからすれば官房長のお考えは甘いんじゃないかと思いますよ。本当に品質のいいもの、それはもうそれが一番いいんです。品質がよければそれが一番いい。それで、それが国内生産者の皆さんに高い付加価値がついて高く売れていくということはいいことなんですが、どうも内外彼我の差がだんだんだんだん縮小してきているということ、品質の面についても、それからそういう消費の傾向にしてもですね。これはいろいろなものには出てきませんが、決して無視しては私は見通しはいかぬと思うんです。 したがって、私はそういうものもある程度織り込んで、あの基本法農政が高らかにうたいとげたいわゆる選択的拡大への道が思いどおりにはうまくいかなかったというのは事実でございますから、そういう点で十分気をつけながらひとつこの生産と需要の見通しについては各局できちっとしたものをなるべく早く出していただきたい、そのように思います。 時間がありませんので次に移ります。 プランでは望ましい経営体像とその実現方策を特に水稲に着目して出しておられます。なかなかこれもよく書けておるわけでございますが、率直に申しますと平成十二年の到達年次に五十五歳未満の基幹農業者を見れば六十万人、六十歳未満で見れば八十万人で、個別経営と組織体の精鋭の担い手につくり上げたい、そういうねらいが込められておりますが、これはなかなか容易ではないと思います。 一つは、これは入澤局長よく御存じだと思いますが、農地について、農産物の生産手段としてでなくて、むしろ財産保有観念がまだまだ依然として、牢固として根強いものがあるということ。それから、日本の特異な急峻な地勢、それから複雑な分散錯圃、これがある。それから農林業全体についての行き先不安、不透明感、このやるせない気持ちが特に担い手にあるということです。それから、その他いろいろと流動化を阻んでおる底流がある。 この中でやっていこうということだから並み大抵のことじゃないことはわかります。それを今度の特に強化された構造政策立法で果たして到達年次までに排除できるか。これが失敗しますとこれは大変なことになると思うんです。これは何も行政だけじゃございません。ちゃんとこの政策の受け手も一体になってやらねばなりませんが、失敗するとそれこそ大変なことになると思うんです。 農業基本法は選択的規模拡大を目指しましたですね。その路線が行政の努力不足じゃない、それから生産農民の努力不足でもないのに、いわゆるそういう工業加工貿易の方向への国全体の傾斜政策に押された反動として我が国農業は望みとは裏腹に兼業化の方向に行ったということですね。この基本法農政の過ちといいますか、見込み違いといいますか、この轍を踏まないためにも今度の新政策ではやっぱり過ぎたるは及ばざるじゃいかぬと思うんです。過ぎたるは及ぶというような気持ちでこれは対応していただかなきゃいかぬじゃないかと思いますが、このプランあるいは法律の立案に直接かかわられた入澤局長の御見解、考えを伺いたい。
○政府委員(入澤肇君) 農業をめぐる状況、それから流動化を初めといたしましていろんな構造政策を展開してもなかなか思ったとおりその効果が上がっていないという認識、さらにその理由につきましては今御指摘のとおりだと思います。 私どもは、そういうふうな事実を十分に冷静に見詰めた上で、その反省の上に現在の政策手段をいかに強化するかという視点からこの二法を提案しているわけでございます。行政は一つの枠組みをつくる、ある意味ではミニマムスタンダードをつくる。そしてその上で行政をいかに展開していくかということは一に私はかかって運動論にまつんじゃないかと思っております。 そういう意味で、今回の法律、制度の検討に当たりましては、現在私どもの持っている農地法を初めとする諸制度につきまして、制度が十分適切であるかどうかということでまず反省して検討してみました。それから制度を運用する財政、金融、税制上の仕組みが十分適切であるのかどうか。さらに、そういうふうな枠組みのもとで運動論を展開するに当たって、農業団体を初めとして旗振り役とそれから地域のリーダーとの関係、それからその運動の具体的なやり方、それについて適切であるかどうか、この三点からいろんなアプローチをして検討したわけでございます。 そしてやっぱり零細分散錯圃の克服というのが一番大事な問題である。これは地味だけれども、もっと強力に展開しなくちゃいけないということで、農用地利用増進法を農業経営基盤強化促進法というふうに名前を変えて、農地保有合理化事業を強化する。それから農用地利用増進事業そのものも強化するというふうなことをまず主軸に据えたわけであります。 それで、零細分散錯圃の克服ということを中心にこれから広範な努力を展開していくわけでございますけれども、たまたま状況が今先生御指摘のとおり跡取りのいない高齢農家が非常にふえている。それから第二種兼業安定農家というのが非常にふえている。全体として農地の出し手はいるけれども担い手がいないというような状況のところがたくさんあります。そういう状況をむしろ構造政策の展開のきっかけとなるように受けとめて政策展開しなくちゃいけないんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
○大塚清次郎君 この問題で今非常に確固たる入澤局長の所信が出ましたので、ひとつぜひ強力に進めていただきたい。 実は政策としては至れり尽くせりのものが出ておりますが、問題はその裏づけの財源でございます。非常に構えは大きいけれども、中身が伴わぬということになりかねない。というのは、シーリング予算をじっと見てみますと、三兆数千億円の中の予算を大蔵省からシーリングを受けてあっち回しこっち回しというやり方ですね。だから、農水大臣、ここでお聞きいただいておりますけれども、予算の総枠をひとつもう少し、新政策はシーリングの外に置くような気持ちでぶつからぬと、なかなか実効が限られた期間に上げにくいという気がするんですね。そういう点では局長さんもさることながら、大臣の出動を特に平成六年ぐらいからさらなる財源確保強化をお願い申し上げたいということでございます。大臣にこの際お考えを。
○国務大臣(田名部匡省君) 確かに、おっしゃるとおり、赤字国債の解消のためにシーリングというものを何年も続けて、そのために各省大変な苦労を続けてきたと思うんです。そういう中にあっても必要なものには少しずつでもという配慮、こういうものがありまして、一昨年の予算折衝のときにも私は大筋この方向というものを少し認めていただいて、去年もわずかながら農水省の予算というものはふえてまいりました。 しかし、これでいいのかというとまだまだ私は不足しておるということを申し上げております。特に、生産基盤もさることながら、農山村の環境整備ということで随分お話し申し上げて、おかげさまで集落排水等は今度の補正でも大分伸ばしていただいたという、そういう地道な努力を私は続けていかなきゃならぬ、こう思っております。それだけではどうにもならぬので、特に国土庁と自治省にお願いして、そのほかにも閣議でも何回も申し上げました。農林水産省だけでこれだけのことをやり遂げるとなると、各省庁の御理解、御協力なしては、我が省の予算だけでは到底この達成というのは難しいということで自治省も応分のおつき合いをいただいた。これからいろんな手だてを講じて努力をしてまいりたい、こう考えております。
○大塚清次郎君 残された時間が余りありません。最後の質問は新政策にかかわる今度の中山間地立法、これへの政策対応でございます。 一番難しい中山間地に今度特に法律をつくって手を染めようということでございまして、これは非常に時宜にかなったものだと思いますが、真正面から取り組んではいただくわけでございますけれども、その中身に弱いところがあるんではないか。だから、これでは、中山間地に住まい、生産のよりどころを置いて、孫子の代まで農業をやりながら、あるいは何かを兼業しながらそこに定着するということ、これが中山間地活性化の一つの目標だと思いますが、これは果たしてできるかなと、実は私の五十年ばかりの現場経験から懸念いたします。 特に、中山間地は狭艦、急峻な地勢が国土の農地の四割以上を占めておる。それで、既に今平場との所得格差が大きいし、さらに広がっている。なぜそうなったかというと、木材価格が急激に落ちまして、今までは混農林業という立場から、農業収入の乏しさを山林収入で埋め合わせていたということがありますが、これがなくなったということも一つだと思います。そういったようなことで、今後、中山間農業人口の流出、これは本当に歯どめできるかどうか大変心配をいたしております。それを食いとめるための立法ですから、その法律の中身を大臣、これはこれとして次の段階でひとつぜひ補強してもらいたい。 それにはソフトもハードもあります。ハード面では、いわゆる土地改良の受益者負担の軽減についてもかなりの道が開かれておりますけれども、抜本直截的なものじゃない。と申しますのは、中山間地はそれなりに事業費単価が平場よりもうんと高いわけです。だから、絶対的な負担金が大きい。負担率は少ないというもののなかなか大変です。長期償還といってもいわゆる借金政策には違いないんです。 それからもう一つは、今ソフトの面で、一つの作目を選定して生産方式を決めて、その認定地域の中で一生懸命やっても、当面は収入所得が上がらぬだろうからこれはひとつ貸し金で見ますよ、低利でお金を貸しますよということでございますが、借金には間違いないわけです。 したがって、そのソフト・ハード面をもう少し鮮やかに、いわゆる中山間地対策が成功するように、立法の趣旨に沿って目に見えて成果が出るようにするためには、私はそういう点で国と地方自治体が予算強化をしていかなきゃならぬと思いますが、入澤局長、その点について現状でいいと思っておられますかどうか、まず認識を伺いたいと思います。
○政府委員(入澤肇君) 今回提案しております中山間地域の法律に基づきまして、これからいろんな中山間地域対策をやるわけでございます。平成五年度におきましてもある程度の予算は用意したんでございますけれども、これからこの法律をもとにいたしまして、例えば地域ごとの需給見通しをきちんとつくっていく、それから地域ごとの新しい作物の導入の適応試験を具体的にやっていく、さらに営農指導、技術指導を濃密にやる、さらに加工販売体制を強化する、いろんな政策をこれから展開しなくちゃいけません。それには現在出している予算だけでは必ずしも十分でない、さらに平成五年度の予算を拡充強化するように次の予算に向けて努力していきたいと考えております。
○大塚清次郎君 これも中山間地にかかわることでございますが、実は今の入澤局長の抽象的な答弁に重ねて具体的に申し上げますと、その認定地域でいわゆる土地改良事業をやる、そうした場合に土地改良事業負担金の思い切ったかさ上げにこの際手をつけてもらいたいと思います。 それからもう一つは、ソフトの面でございますが、これはそろそろ中山間地はそれだけじゃやっていけないから所得政策的な発想をそろそろ局長のもとで考えてもいいんじゃないですか。経過的にはこの立法でいいですよ。局長から今まで例えばヨーロッパのデカップリングがなぜ日本になじまないかということについて二、三回聞きました。それはそれなりの条件の違いはあります。私もドイツのボン大学で一日ばかりレクチャーを受けましたけれども、あそことは地勢がかなり違うということ、それから現に旧西ドイツ等については黒い森の問題等が出て、これは容易じゃない、現に被害がある。だから、国民的なコンセンサスが受けやすかったということです。まだ日本は黒い森まではいっていないという問題があります。 しかし、その合意を見るまで黙っておるわけにはいかぬから、今のようなソフト・ハード面でひとつこれは所得政策らしい方向には今の制度でいけるはずだと思うんです。そして、どうしてもいけなければ、いよいよ所得政策的構造政策をとり、もう一つ昇華させてやっていく発想だけはもう練られた方がいいんじゃないかと思うんです。ぽろぽろぼろぽろ山をおりてしまってからじゃちょっと遅過ぎるんじゃないかと思います。 特に、自然環境保全の直近の防人の役割はやっぱり中山間地の農家が負っています。したがって、その農家にふるさと・水と土の基金を四百億規模でおつくりになりました。こういうことは今まで大蔵省あたりはなかなか頑固だったと思いますが、よくまあこういう基金ができたものだと思いますけれども、これを思い切って強化していく。そして、公的管理という思想をこの中に強く出していって対応していただく。いわゆる所得政策的な発想を取り入れながら、一方では今の中山間地立法の中で及ぶ限りの、そういった目に見える対策をやっていただかなきゃならぬときじゃないかなと、こう思いますので、最後に決意のほどを伺っておきたいと思います。
○政府委員(入澤肇君) 御指摘のとおり、中山間地域の活性化というのは、一極集中を防止してバランスのとれた国土経営を図る上で極めて重要なことであります。その意味で、私どもは農林業の活性化を通して中山間地域対策を講じていきたいというふうに考えたわけでございますけれども、今いろんな例を御指摘になりましたけれども、国土保全、定住の促進、農林業の活性化のために考えられる政策につきましては可能な限り幅広く勉強してまいりたいと考えております。
○大塚清次郎君 もう時間が、あと野間先生に何分か引き継ぐことになっておりますが、大臣、今、私と入澤局長なり官房長といろいろと質疑を交わしたようなことでございます。どうぞ、大臣ひとつ頑張っていただきたいと思います。
○野間赳君 関連質問といたしまして、農業生産法人のことにつきましてお尋ねをさせていただきたいと思います。 農業生産法人は昭和三十七年の農地法改正によって創設をされたものでありまして、我がふるさと愛媛県でも相当数の法人が設立をされました。現在の農業生産法人の状況をまずお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(入澤肇君) 農業生産法人の現状でございますけれども、昭和三十年代末から四十年代後半にかけまして多く設立されたということは、今御指摘のとおりでございます。 その数は、昭和四十九年に減少した後横ばいを続けておりまして、最近はやや増加傾向にありますが、平成三年一月時点では三千七百四十八法人となっております。 組織形態別に見ますと、平成三年一月時点で見ますと、有限会社が五八%、約六割、農事組合法人が四一%、約四割を占めておりまして、合名・合資会社は極めて少ないという状況でございます。 作目別には、畜産が千五百八法人と最も多く、米麦作が五百九十九法人、果樹が五百六十七法人とこれに次いでおります。 地域的には、北海道が千三百六十法人と最も多く、中・四国が六百六十八法人、九州が六百二十七法人というふうにこれに続いております。 農業生産法人の平均規模でございますけれども、一法人当たり五・八戸、構成員は七・七人でありまして、経営面積は二十二・六ヘクタールであります。一戸一法人がこの中で千百三十一法人ある一方で、二十一戸以上で構成する大きな生産法人が百六十法人ほどあります。その内容は多岐にわたっております。 以上です。
○野間赳君 そこで、愛媛県宇和町で酪農を行っております農業生産法人の問題について具体的にお尋ねをさせていただきます。 この法人は、構成員四名の有限会社でありますが、平成四年に一人が脱退をいたしまして、酪農専門学校を卒業いたしました意欲のある青年後継者がその持ち分譲渡を受けようといたしましたが、持ち分取得代金が高額のため自己資金では負担ができず、公庫資金や農業改良資金の融資を受けようといたしましたが、残念ながら公的な融資を受けるということになりませんでした。このため、この後継者は、法人構成員になれないまま、現在この法人の農作業員として従事をいたしておるということであります。 今後ますます高齢化というようなことでありますので、農業生産法人から脱退することが当然多くなって、このようなケースが多くなってくると私は考えます。資金力のない、若くて意欲のある後継者や新規参入者が、その持ち分を取得して構成員になれるような金融上の政策やその他の支援措置を検討する必要があるのではないかと考えますが、どのようなお考えでございましょうか。
○政府委員(入澤肇君) 一般的には、農業生産法人に新規就農を希望する者は、まずその農業生産法人の雇用者として農業に従事いたしまして、その後、各自の資金力に応じて段階的にその法人の持ち分を取得するという形で、初度的な経費の負担だとかあるいは経営リスクなしに農業経営に参加するという方式がとられております。 今お尋ねの公的な資金をなぜ借りられなかったのか、その理由はよくわかりませんけれども、今回農地保有合理化法人の中間保有機能を十分に活用した形で農地取得が円滑に進むようにということで、政策を強化したいと思っています。例えば北海道等では、農業公社が無利子資金を貸し付けて、そしてテークオフできるというふうな確信を持ったところで農林公庫の三分五厘資金を貸し付ける、そうすると三十五年で二分資金ぐらいになるというふうな融資の仕方が一般的に行われておりますけれども、こういうふうな手段も講ずることができるんじゃないかと思います。 いずれにいたしましても、持ち分を取得して新規参入したいという方々に対する資金的な面での助成措置につきましては十分に検討していきたいというふうに考えております。
○野間赳君 法人化のメリットの一つといたしまして、雇用の形で農業に参加をし、段階的に持ち分を取得しながら徐々に経営に参加していくことにより、初度的な負担や経営リスクなどなく農業に参入をしていけるということも確かであると私は考えます。 このことは、今後各法人に対して普及浸透させることが必要と思いますが、どのように考えられますか。
○政府委員(入澤肇君) ただいまの御指摘の点につきましては、この法律の成立をまちまして各都道府県の農業公社あるいは市町村の農業公社、市町村、農協等につきましても、その趣旨を徹底的に普及して円滑な就農ができるように図ってまいりたいと思います。
○野間赳君 時間がございませんので、最後に大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 本法案等により、農業生産法人をこれからますます推進していこうとしているわけでありますが、今後の基本的な取り組みについて大臣にお尋ねを最後にいたしたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 今の若い人たちというのは相当我々と考え方が違ってきておりますね。そういうことを考えますと、法人形態による農業経営、こういうものを見ておりますから、経営管理能力でありますとか資金調達能力あるいは取引の信用力の向上、雇用労働関係の明確化、社会保険の適用、それから雇用労働者の福祉の増進、そういうことに利点があるわけでありまして、若い人たちはもう金だけではない、休むときにはきちっと休みたいというのがあるわけでありますから、そういうことに合致した形というものをこれからつくっていかなければ、幾ら口で言いましても実態が伴っていないとおしかりをいただくのでありますが、そういう経営体を目指していくということは大変私は大事だと。 そのためには、指導体制をまずしっかりする、あるいは財務基盤の強化を図る、いろんなことをやりまして、各地の実情あるいは経営体の取り組み段階に応じた適切な育成というものを私はしていかなきゃならぬというふうに考えております。今申し上げたことを強力に私たちも進めていきたい、こう考えております。
○野間赳君 ありがとうございました。 私は、今後農業生産法人を推進していく上におきまして、今回の事例と同様の問題が必ず多く出てくると感じております。農業生産法人という特殊性にも十分に御配慮いただきまして、その支援対策について今後一層御健闘くださいますように大臣にお願いしておきたいと思います。 以上でございます。
○風間昶君 公明党の風間でございます。 まず初めに、あした、二日ですか、米価審議会で五年産の麦の買い入れ価格が決まるというふうに聞いておりますけれども、それについて若干お尋ねしたいと思います。 麦の政府買い入れ価格、去年は六十キロ当たり九千百十円と据え置かれたものの、ずっとこの六年間、六十一年度以降三年まで引き下げられていますね。計算してみたら合計一七・九%、二〇%いかないんですけれども、引き下げられたことになって、要するに生産費がほとんど変わっていないのに価格が下がっている。こういう状況であると生産者はどうなっていくのかなと。麦価が生産費を下回って、働けば働くほど赤字を背負うことになってしまう。最近の政府の買い入れ価格の生産費カバー率を見ても、元年産が九五%、二年産が九六%、三年産が九二%という結果で、これでは生産者に頑張りなさい、意欲を持ってつくれと言っても無理ではないかというふうに思うわけです。 政府はきっとこういうふうに答えてくるんではないかというふうに考えられるんですけれども、つまりガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉、あるいは円高進行による内外格差の拡大等々、そういうことを背景に麦価の引き下げ姿勢を強くしていくのではないかという報道も若干見ました。したがって、五年産の政府買い入れ価格の決定の基本方針についてどのようにお考えなのか、農水大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 五年産の価格につきましては、食管法の規定に基づいてやるわけでありますが、特に生産費その他の生産条件、需要供給の動向、物価その他の経済事情というものを参酌しながら、生産性の向上と品質の改善にも資するように配慮して、あす米価審議会の意見を聞いて適正に決定する、こういうことになっております。 おっしゃるように、ここずっと麦価が下がってまいりまして、昨年私が就任して据え置きにしばらくぶりでなったわけでありますけれども、そういうこともあって私は新政策というものを進めなきゃいかぬなと思うのは、計算する場合には、これは相当去年のときも高い計算をしているわけです。もうベアよりはるかに高い。しかし一方、労働時間は機械化が進めば進むほど短縮するものですから、どうしても価格上げ要素になってこない。 そこで、規模拡大をなさっているかというと、規模の拡大はそのままでやるものですから、なかなか経営も圧迫してくるという不満というのは農家にあることはもう十分承知しているわけです。しかし、今の計算方式でいきますとそういうことになります。ですから、何とか新政策の方向に乗って変えていかないと、何百年たっても私はこの不満というものは農家の皆さんになくならないというふうに実は思うわけです。 ですから、そういうところの議論も十分、それは機械の方も見ておりますけれども、そんなものでは追いつかないということも、農家の方々の側から見ればそういうことになっているのではないかなということを感じます。しかし、私どもは適正に計算をして、再生産できるように配慮もしながら価格というものは決めておるつもりであります。
○風間昶君 ちなみに去年の六十キロ当たり九千百十円だと、その価格水準だと農家の所得確保に十分だというふうに考えておられますでしょうか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 今回の麦価決定に際しましてはいろいろ論議があるわけでございますけれども、麦の作付面積が最近率直に言って減少しております。減少しています主たる要因というのは、転作につきましては飼料作物あるいは麦、大豆が多いわけでございますけれども、転作面積を緩和したことによりまして、麦と作期が競合するということによる減少、あるいは水田裏表につきましてはコシヒカリ、わせ品種が西南暖地の方に普及したということで、作期競合によって減少しておるところが多いわけでございます。それで、畑作地帯である北海道につきましても転作麦は減っていますけれども、十勝を中心とします麦は、麦それから大豆、バレイショ、ビート、この四つのものを中心とした輪作に、それに最近野菜が入るという中で、大体生産は安定した推移を示しているわけでございます。 そういうことからしまして、今の麦価で、ただ価格だけでこれは対応するわけではございません。作期競合といいますと、わせ品種の開発でありますとか、あるいは増収品種の開発等々もございますし、また裏作につきましては、今大臣が御答弁しましたように土地を集約化すれば生産性が物すごく上がっていくわけでございまして、これは北海道が十アール当たり三時間ぐらい、平均八時間とかそれぐらいの生産性が上がっているわけでございますので、水田裏につきましても、土地を集積して規模拡大していくというような政策とあわせて進めていけば、麦についての再生産というのは確保していけるんじゃないかというふうに認識しておるところでございます。
○風間昶君 だから、そういうふうになっていけば再生産は確保できるんです。今の段階で去年の九千百十円だと農家の所得確保に十分だと考えておられるのかどうかというふうに伺っているんです。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 麦につきましては、六十二年の食管法の改正によりまして、六十三年産から主産地方式というものをとっているわけでございます。それにつきましては、内地の一道六県の主産地の平均規模以上の農家を対象にし、目指します構造ということで、もう少し規模の大きい農家ということはあったわけでございますけれども、当面、主産地における平均規模以上の農家を対象にし生産費を見て麦価を決めるというようなことでございまして、そういう農家については十分対応できているんじゃないかというように考えております。
○風間昶君 ありがとうございます。 ちなみにあした幾らぐらいになりそうなんですかね。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 私もずっとこの委員会に出ていて、生産費がきょう出ましたので、急いで計算させて政府内部の調整をやらせているんですけれども、私ここへずっと出ておりますので、どういうことになっておるのかわかりませんけれども、きょうの生産費の結果がキログラム当たり〇・四%アップということでございますけれども、主産地方式でやりますと多分下がるのではないか。どの程度下がるのか、これはちょっと私わかりませんけれども、その辺の計算を見ながら政府内部で調整をしていきたいということで、今幾らというのを申し上げるような状況にありません。
○風間昶君 それじゃ、ちょっと話を変えて、現在、全国で国内産麦を中心に、それを使ってめん類、あるいはパンはどうなのかわかりませんが、新製品の開発と流通をやられておることは私もお聞きしました。 稲の場合に約三億かけてスーパーライス計画ですか、と同じように小麦を主体とする水田畑作物の高品質化、生産性向上技術の開発に約四億円の予算がついて、三億九千二百五十九万八千円をかけて国内産麦の需要拡大の取り組みがされているというふうに承知していますけれども、これはまだ大きな取り組みになっていないんじゃないかというふうに思うわけです。 どうしても品質的に外麦よりも劣ると言われている国内産麦の品種改良などの研究あるいは開発にもっと力を入れるべきじゃないかというふうに思うんですけれども、今後もっと稲と同じような成果を上げるにはどういうふうに取り組んでいったらいいのか示してもらいたいというふうに思いますけれども、どうですか、その辺。
○政府委員(貝沼圭二君) 麦の育種につきましてちょっと御返事させていただきますが、私どもは作物育種推進基本計画というのを昭和六十一年につくりまして、育種は非常に時間がかかるものですから、最初のターゲットの決め方というのが大事になりますので、それに従って研究を進めております。本年三月にこれを育種目標あるいは段階的な達成目標というようなもう少しスパンの短いもので見直しをしていこうというようなものをつくりまして、現在は、関連研究分野、育種のみならず、その栽培あるいは土壌というような関連分野とか、あるいはバイオテクノロジーの先端技術というものを導入して積極的に麦の育種を行っていきたいという考え方をしております。 それから、その中で小麦につきましては、今先生の御指摘がございましたが、実需者の要望というのもございますので、おおむね十年後、私どもは二〇〇〇年というふうに申しておりますが、そのときにオーストラリアのスタンダード・ホワイトという製めん適性が非常にすぐれている小麦がございますが、これの品種に負けないものをつくるというような目標で研究を進めております。 これまでの成果といたしましては、平成二年に製めん適性がすぐれたタイセッコムギあるいはバンドウワセ、これは現在作付面積が大分拡大しておりますが、また平成四年には製粉適性にすぐれたあきたっこ、それからごくわせのアブタマワセというような二つの品種をつくりながら、二〇〇〇年のその目標に向かって順次品質の高いものをつくっていくと。これは小麦だけではありませんで、大麦あるいは裸麦につきましても同じようなものをつくっておりまして、ビール麦につきましては、平成四年にヤチホゴールデン、それから裸麦につきましてはイチバンボシというようなかなりすぐれたものをつくり上げました。 それから、先ほど研究体制について十分ではないんではないかという御質問がございましたが、この研究は筑波にございます農業研究センターを中心にそのほかの地域農業試験場、六カ所ございますが、それから指定試験地として五カ所の県の施設を使いながら進めております。さらに、本年十月には北海道の農業試験場の中に畑作研究センターを私どもは設置する予定にしておりまして、ここに畑作関連の研究精力というものを集中したいというふうに考えております。 以上のように、作物の育種の基本計画に基づきまして、今後も製粉適性あるいは製めん適性のすぐれた小麦をつくっていくということには力を入れていきたいと思っておりますので、また御支援賜りたいと思います。 以上でございます。
○風間昶君 ASW、いわゆるオーストラリアン・スタンダード・ホワイトというのは、日本でもつくることできるんですか。
○政府委員(貝沼圭二君) ASWというのは、オーストラリアにあります幾つかの品種をまぜて、それで最終的に品質のそろった小麦粉をつくるというようなミックスの総称でございますけれども、私どもの今ねらっておりますのは、ミックスではなくて、単品で現在入ってきているASWに匹敵するというものを、製粉適性それから製めん適性、色も入りますですね、そういうようなものをねらっておりますし、その途中の段階までは間違いなく来ているというような認識を持っております。
○風間昶君 ありがとうございました。わかりました。 次に、農産物の市場開放問題とも絡む生産政策について伺いたいと思います。 午前中も、また先ほども大塚先生の方からお話しがありましたけれども、二年一月に閣議決定というふうに言いましたら、先ほど大臣は長期見通しの数字を確認しただけで決定ではないというふうにおっしゃっていましたけれども、それはそれとして、「農産物の需要と生産の長期見通し」で十二年度のカロリーベース自給率五〇%、穀物ベース自給率を三一%と見通して、三年度のとにかく実績はカロリーで四六%、穀物で二九%と。それを踏まえて十二年度までにそれだけの自給率を上げるというのは、見通しを実現するためには相当努力が必要であるという考えに立っておられるでしょう、当然。 じゃ、十二年までのあと八年間で目標とする食料自給率を達成するために、まずとりあえずは一年、二年でどのぐらいやっていくのかというプログラムはできていると思うんですけれども、ちょっとそれを教えてください。
○政府委員(上野博史君) 新政策の中で食料自給率の低下傾向に歯どめをかけるということも申しているわけでございますけれども、確かに長期見通しの方は平成十二年度の時点の数値として五〇%というものを挙げているわけでございますが、この五〇%というのは、いろいろ条件に幅があって、どういう条件をとればどういう数字が出るかという、そういうかなり上下に幅のあるものの中で最大限の自給率の可能性を追求してみるとその五〇%程度のものもできないわけではないという可能性を示したものだということで示しているわけでございます。 しかしながら、現在の状況、その後自給率の低下傾向、今お話しございましたようにあるわけでございまして、その傾向のもとにございます、その背景にございます原因というものを考えますと、なかなかこの自給率の低下傾向に歯どめをかけるということも易しい話ではないということは、今委員もおっしゃったとおりに我々も考えているわけでございます。 しかしながら、自給率、これはいざというときには、国内産に頼らざるを得ないわけでございますし、それから品質の問題もあるわけでございますので、できるだけこれを維持していきたいという気持ちは、これは国民ひとしく持っているわけでございまして、その方向に向かっての努力を集中しなければならない。 しかしながら、じゃ、この一、二年でどういうふうになるのかということにつきましては、大体この自給率というのは、先ほど来申し上げておりますけれども、需要と供給のいろいろな要素の総合として出てまいるわけでございまして、政策的に影響しがたいような要素もあるわけでございます。 例えば、経済成長のいかんによりまして労働力の需給というのは変わってまいるわけでございまして、他産業の方への流出の状況というものも変わってまいります。それから、需要の方もお米の消費量というようなものもやはり景気の動向に若干は影響をされるわけでございますし、いろいろな要素で人の食べ物の好みというのはいろいろな状況で変わってくるわけでございますけれども、これも政策的になかなかどうにもならない。 そういうようないろいろな要因の中で、政策的に影響されるもの、されないものある中での話でございますので、一概に役所としてこういうところを目指してやるんだというふうに言いにくいというところがあるのをぜひ御理解いただきたいと思うわけでございます。 ただ、自給率の問題を考えていきます場合に、農業の担い手、農業の主体というものを確保していくということが何をおいても大事だということは、これはもう論をまたないわけでございまして、現在の農業を取り巻きますいろいろな状況から考えまするに、この点について当面最大の配慮をしてやれるだけのことをしていかなければならないというふうに考えて、新政策ということを御提案申し上げ、今回の制度改正を御審議いただいているということでございます。
○風間昶君 そうすると、いろんなファクターがあるにもかかわらず、最大限の可能性が五〇%と。非常に甘いというか、もっと謙虚に五〇プラスマイナス一〇とか一五だったら最低の方をまず出した方が、実際大変な担い手は、低い目標値だったら、ああ俺にもやれるんかなという感じでより頑張ると思うんだけれども、余りにも高いために、最大限を出しちゃうと、これは大変きついんじゃないかというふうに思うんですよ。 それはもういいですけれども、五〇というふうに一応十二年まで見通しを立てたんですからいいですけれども。しかし、考え方として四〇%とか、これは口が裂けても言えないかもしれないけれども、四六・六%とか〇・六ぐらい上げた段階の目標値を設定する方がよりやりやすいんじゃないかというふうに思うんですよ。(「目標値は下げたらだめです」と呼ぶ者あり)下げたらだめなんだ。反対だ、これ。いずれにしても、だからバリアというか壁を、何か十年、十五年というレベルで考えるにしても、到達するための最短距離で行くべきではないかというふうに思うんですけれどもね。 なぜこういうことを聞いたかというと、要するにこれからのウルグアイ・ラウンド交渉で一層これから外圧で市場開放を求められてくることはかなり考えられることで、結局その動向いかんで、自給率だけじゃなくて、新政策そのものが物すごい影響を受けてくるんじゃないかというふうに思うわけですよ、構造政策を推進していく上で。 そうすると、対外的にはもう大臣の、何回も何回もお伺いしていますけれども、ウルグアイ・ラウンド農業交渉におけるやっぱり、どれだけ今度は、国内ではがんがん言ってくるぞと言っても向こうに行ってそのあれが通じていない部分、これをこれまで何回かの交渉で少し知恵を使って何かできないかなという感じがするんです。それはこそく的な方法ではなくて、もっとより人間的なアプローチなりなんなりで基本的な態度をさらに向こうにわかってもらうにはどうしたらいいかというふうに考えるときではないかというふうに思うんですけれども、その辺、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(田名部匡省君) 国会決議を三度にわたって行っているわけでありますが、私どもはその決議に忠実に行動しなきゃいかぬというものがあるわけです。 私は時々、何か日本が困る困るというものを殊さらに突いてこられるという感じを非常に受けておるんです。ウルグアイ・ラウンドで日米の問題を考えたときに、米によって、前にも申し上げましたが、赤字が解消するわけでもなければ、あるいは雇用がうんとふえるわけでもないんです、アメリカは。全体量から見てもそんなにつくっていない米のことを何でこんなに言うかというと、どうも日本というのは米というと大騒ぎする、これを突こうという意図があるのかなという感じがします。何かやるとばっと火がついて、何かこっちから攻め手がないという。言えばいろいろあるんです、私どもも。しかし、それを言うと、じゃこれをやったときにはおまえの方はのむかと、こう言われると困るんで、なかなかそのことも言えない。 国会決議を体して主張する以外に今のところはないわけでありますが、これも理屈なしでただ反対しているわけではなくて、食料の安全保障でありますとかあるいは国土・環境保全の農業が果たしている役割とか、そういうことをいろいろ考えてみると、特に米のような基礎的食料や国内で特に生産調整をしておるもの、こういう農産物については包括関税化というものはどうしても受け入れられないということを主張しているわけです。これは、輸出補助金に問題があるのにかかわらず自分の方ではダンケルの案まで直すということをやってのけて、そうして日本のように、生産調整してよそに迷惑かけたわけでもない、輸出補助金という制度も持っていない、そういうところが全部関税化だと、こういうことはどうしても受け入れられないということで今日まで主張いたしておるわけであります。 いよいよ進んでまいりまして、農業のほかに、市場アクセスでありますとかサービス、知的所有権、貿易のルール、そういうものが表へ出てまいりましたら、今度は、今まで我々を攻めておった方がいろいろとまた問題を抱えてさらに困難にしておるということなんで、外務大臣、通産大臣、経企庁長官、きょうECに出発いたしましたが、そういうことでそちらの分野をまず先に議論しようというようなことになって、問題のある特に農業問題はその後と、こういうことのようであります。 いずれにしても私どもは、本当に交渉しようというんであれば、現実的な対応をしないでなかなか解決は図られないだろう、こう思っております。私どもも、我々の主張が受け入れられるように全力を挙げて努力をしていかなきゃならぬというふうに考えております。
○風間昶君 ぜひとも、何回も何回も、国民の声として日本の米を本当に守っていってもらいたいという思い、そういう意味ではもう大臣におすがりするしかない、こういう感じでございますので、よろしくお願いします。 次に、新政策で十五万程度の個別経営体と二万程度の組織経営体で稲作生産の八割を占めるという指標を立てていらっしゃいます「望ましい稲作経営の展望」について。 今後十年間に、この農業構造実現のために過去十年間の実績の、先ほど午前中にも話が出ましたけれども、約二・数倍という、七十一万ヘクタールの実績の二倍強の農地流動が必要だと。現在の経営実態から見て本当にこの抜本的な政策に伴う施策が講じられなきゃならないわけで、先ほどちょっと上野官房長さんにも聞いたように、じゃ例えば政府は次年度で望ましい経営体が幾つできれば十年後の目標を達成できるというふうにシミュレートしていますか。その辺は何かあるでしょう。——譲り合わないで、どちらでもいいですから。
○政府委員(入澤肇君) 来年度どのくらいということは実は見通していないんです。 望ましい経営体をつくるに当たっての一定の試算をやったわけでございますけれども、その場合の中身をちょっと申し上げますと、今後の農業労働力の減少とか高齢化、例えば基幹的農業従事者で見れば、数では三百十万人から二百十万人程度に減少するんじゃないか、それから六十五歳以上の比率が五割程度に進行するんじゃないかというふうな状況を踏まえまして、労働力の充実している農家の規模拡大を促進することがぜひ必要であるということの視点に立って展望したわけでございまして、平成十二年ですか、十年後には農家戸数は二百五十万戸から三百万戸程度に減少するであろうと。現状は三百八十万戸。 それから、他産業並みの労働時間で他産業従事者と遜色ない生涯所得を確保できる個別経営体、これは三十五万から四十方形成されて、うち稲作を主とするものが十五万程度だと、その中でも稲作単一経営が五万程度、野菜等の集約作物等との複合経営が十万程度、さらに稲作を中心とする組織経営体は二万程度となるんじゃないかということで、これらの経営体によって稲作生産のシェアは八割程度というふうに見通したわけでございます。 要するに、農家戸数の減少、それから農家の基幹的農業従事者の減少ということを踏まえまして、それに最近十年間の農地の流動化ということを十分踏まえまして、さらに現状の農地の所有状況、これを踏まえて見通したわけでございます。 現状の農地の所有状況は、何回も申し上げていますように、六十歳以上で農業の後継ぎのいない高齢農家の保有農地が四十二万ヘクタール、第二種兼業農家のうちで世帯主が恒常的勤務や自営兼業の安定兼業農家の保有農地が百三万ヘクタールある。出し手となる者が非常にふえているということ、逆に地域によっては受け手がいないという状況がかなりあるわけでございます。 そして、農地を返すときに離作料を払わなくちゃいけないかとか、あるいは返してもらえないんじゃないかというふうなアレルギーは解消しているという状況を踏まえますと、過去十年の二・五倍ぐらいの面積は流動化させて、それが担い手となる農家に集積されていくというふうに推定すれば、先ほど申しましたような戸数によって稲作生産が担われることが望まれるんじゃないかということで計算したわけでございます。
○風間昶君 いや、それはもう何回かお聞きしているわけで、だから一遍に平成十年から十一年、十二年ではんとでき上がるわけじゃないはずなんですよね、当然。そうすると、当然その三年ごとぐらいのシミュレートはあっていいはずなんで、それをとにかく最初のワンステップの段階でどのくらいの見通しを立てているのかわかれば、さっき大臣がその都度その都度実情に応じて変えなきゃならない部分も出てくるとおっしゃっているわけですから、それを教えていただきたいというふうに言っているんです。
○政府委員(上野博史君) 平成十二年の長期見通しの段階の絵姿というものを構造改善局長は答えてくれたわけでございますが、私どもの感じといいますか計算によりますと、こういうような新農政で打ち出しております形の個別経営体であるとか組織経営体であるとか、こういうものが形成をされないと農家が少なくなっちゃって農地が利用されないというような状態が出てきます。 ですから、これまで申し上げておりますようなこういう考え方で担い手というものをつくり上げていって、初めてこの段階、五百万ヘクタールぐらいの農地面積というものをカバーした農業の生産体制ができるというふうに考えて、ぜひともこついうような形の我が国の農業構造というものをつくり上げていかなければならぬというふうに考えて、政策をとろうとしているわけでございます。 この十年間というのをどういうふうに区切るかというのは、区切り方はいろいろ考え方はあろうとは思うのでございますが、現在お諮りをしておりますこういう政策をとることによって具体的にその端緒が切られるわけでございまして、構造改善局長よく言いますように、運動論で農家の理解も得ながら、地方公共団体にも一生懸命やってもらいながら、全体としてそういう方向に運動を盛り上げてもらわなければならないということでございまして、言うなれば過去の趨勢をもって延ばしてみたらどういうふうに数字が出てくるというふうにはなかなか言えない分野だというふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。 できるだけ努力をさせていただきまして、できるだけ早くそういう形にいくように運動してもらわなければならないというふうに考えているわけでございます。
○風間昶君 そうすると、選挙と同じですね。 それはそれとして、要するに担い手が柱だと。その担い手を十分に確保できる見通しとしてさまざまな基金だとかいろんな事業があるわけですけれども、結構これまで何回かごの委員会に出させてもらって、構造改善局長さんあたりからここの例がよかった、あるいは上野官房長さんからここの例がよかったという成功例が、また大臣からも先日島根県のある集落の話がありました。成功例をたくさんふやせばいいわけです、要するに。 そのためにこちらが、つまり政府が頭を使わなきゃならないと思うわけです。その辺のところをフレキシビリティーをよくしなきゃだめだと思うんですけれども、その辺は実際に今度は都道府県、市町村単位にばんとある意味では計画を出してもらう、あるいは方針、構想を出してもらうということになると、何かそれがしっくり整合性が得られていくのかなという感じもするんですけれども、どうなのかなと。つまり、いい例をもっとどんどんPRするならする、ビデオでも何でも持って僕は運びますから、北海道じゅう。それをやりますから。そういうものも考えていかなきゃならないというふうに思うんですよ。 今、出し手の問題が出ましたので、農地の出し手となる高齢農家や兼業農家の役割というのがメリットとして、出し手のメリット、端的に何があるか教えてください。
○政府委員(入澤肇君) まず、優良事例につきましては、今御指摘のとおり私どももビデオをお貸しいたしまして全国の市町村の全集落で参考に見られるようにこれから努力していきたいと思っております。それは今来年度予算に向けて検討中でございます。 それから、今の農地の出し手となる農家のメリットでございますが、この法案に基づきまして構造政策を展開するという場合に、農業・農村の再編整備を行うことが必要でありますが、その場合の高齢者であるとかあるいは兼業農家を含めた農村コミュニティー全体が構造再編のメリットを享受できるようにしなくちゃいけないということでございます。 これもまた抽象的に申しますといろいろとありますから、最近の兼業農家の実態例で見てみますと、例えば栃木県の小山市の小袋営農集団というのがございますが、ここは都市近郊などで兼業機会が豊富な地域でございます。小規模な兼業農家が既に安定的な兼業先を得て農外で十分な所得を確保しているところでございますけれども、農地の貸し手となることを希望しておりまして、農地の貸し手となって地代収入を得て、そして兼業所得プラス地代収入で生活をすると。 それから、高齢化が進んだ地域ではむしろ後継者がいない小規模な兼業農家の側から地域の農地管理のために担い手またはこれにかわる生産組織体をつくってもらって、そこに農地の受け手となってもらうことを希望して、婦人や高齢者が補助作業を担当するというふうなケースをとっている富山県朝日町の例もございます。 要するに、育成すべき経営体と小規模な兼業農家、さらには高齢農家との間で労働力の提供について話し合いをし役割分担をする。それから、農道や水路の管理など、地域全体の社会の維持管理の面で適切な役割分担を図っていくということが必要じゃないかと思うんです。 具体的なメリットと申しますと、例えば出し手に対して、小作料の一括前払いをするための資金を無利子で融資するとか、あるいは農地保有合理化法人が中に入りまして農地を円滑に取得するとか、金銭面でのいろんな政策手段を用意してあるわけでございます。
○風間昶君 金銭面だけですわ、そういうことですね。高齢農家の方とかの健康面とかなんかの方はどうなんですか。
○政府委員(入澤肇君) このほか私どもは、構造改善事業、山村事業、定住事業におきまして、高齢者の生活の安定だけじゃなくて、健康の維持の面からも高齢者の働く農園というのを広範につくっていこうじゃないかということで、いろんな施設の整備をやっております。 これは一石三鳥ぐらいになる。例えば、高齢農家が農園に行って農作業をやって、そしてできた農産物を市場に先取り契約とかなんかで売る。そして、その収入を必要な経費を除きまして高齢農家の高齢者の方々にお渡しする。これで年金プラスアルファの所得が得られるわけでございます。それから、太陽のもとで働くために健康が増進されまして、医療費が非常に少なくなる。さらに、家にいていろんな問題がある。私の家もそういうことがありましたけれども、要するにしゅうとさんと嫁さんの間で非常に問題がある。それも昼間畑にいるのでおさまる。一石三鳥にもなるということで、高齢農家対策としまして、生産の意欲と能力のある、働く意欲と能力のある方々に対して、働く場を構造改善事業等いろんな政策手段を使って広範につくっていくということもやっております。 ですから、単に農地の取得あるいは地代の支払いという面でメリットを与えただけじゃなくて、高齢者に対して働く場の提供、そのほかレジャーとかなんかにつきましてもいろんな施設の整備を行ってメリットを付与しているというところでございます。
○風間昶君 ぜひとも仲よく団結したコミュニティーというのができ上がっていけばいいと思うんですね。だんだんだんだん親子だけじゃなくて三代の日本本来の家族制度のあり方が崩れてきている段階で、ぜひともある意味では日本の文化の伝統をそのまま引き継いでいけるような体制を残すべきではないかなというふうに思うのであります。 次に、今後の構造政策推進に当たっての重要な課題として、地域の育成すべき農業経営の指標あるいは地域農業に占める分担といいましょうか割合、シェアの目標を示していますよね。間違いありませんね。
○政府委員(入澤肇君) はい。
○風間昶君 都道府県では基本方針、市町村単位では基本構想。大事なことは、県や市町村が一方的にそれを示すだけじゃなくて一農業者あるいは農業関係団体の方々の意見を十分集約して実現可能なものにしていくということが大変大事なことになるんではないかというふうに思うわけです。集落段階で十分その辺の議論を前提とした手順でつくられてこなければならないと思うわけですが、衆議院で修正された基本方針について、都道府県知事が「地域の特性に即し、」というふうにありますけれども、具体的にどういうふうに考えているんでしょうか、教えてください。
○政府委員(入澤肇君) 都道府県の基本方針は、修正がありましたように、各県が地域の特性に即して独自の取り組みをすることを基本として作成するわけでございますが、その作成過程におきまして、行政だけでなくて、農業団体あるいは農家の代表等によって構成される都道府県構造政策推進会議というのが設置されておりますけれども、その推進会議におきまして十分に検討していただくということでございます。 この検討に先立ちあるいは並行して、学識経験者による地域の農業構造の調査分析、あるいはブロックごとに市町村を含めて検討するブロック検討会の開催、あるいは都道府県の基本方針を定める際の都道府県農業会議、あるいは都道府県農協中央会の意見の聴取、それから、作成した都道府県基本方針の市町村等に対する説明会の開催などを行って関係者の合意を得る。要するに、まさに地域の特性に即して具体的な内容が盛り込まれるようにこのような手続きを踏んでいくということでございます。 さらに、市町村の構想の作成に当たりましても、市町村、農業委員会、農業協同組合、土地改良区、それから農用地利用改善団体等の関係機関・団体のほかに、農家の代表者により構成される市町村の構造政策推進会議におきましてこの構想の具体的な内容を検討するわけでございますが、それに先立ちまして、農地の管理の実態とかあるいは農家の経営改善に対する意向を把握するための農家実態調査を実施いたします。 さらに、策定した市町村の基本構想の普及定着のために、農家への説明会を徹底して開催するというふうにやりまして、関係者の合意を得ながらこの基本構想の中身を固めていきたいというふうに考えているわけでございます。
○風間昶君 そうすると、相当長い期間かかりますね。三年か四年ぐらいかかるんじゃないですか、どうなんですか。
○政府委員(入澤肇君) 農林省の言葉に濃密指導という言葉がありまして、私も入省したときに濃密指導という言葉を先輩から教わりまして、何か変な言葉だなと思ったんですけれども、濃密、まさに徹底して指導することによりまして可及的速やかに定着させるように努力したいと思っています。だから、三年だとか二年だとかというふうにかかることはないと思います。
○風間昶君 わかりました。 それで、新政策というすばらしい夢をベースにしたものによって基本方針、構想ができた。それが新政策にそぐわないんでないかなというようなことが出てきたときに国としてはどういうふうにかかわっていくんですか。
○政府委員(入澤肇君) 御質問の趣旨がよくわからないんですが、今回の基本方針とか基本構想というのは、今後地域において育成すべき農業経営の規模とか生産方式であるとか、経営管理の方法であるとか農業従事の態様等、要するに所得、労働時間、労働条件の改善、この三つについて検討を行ったということを前に申しましたけれども、そういうふうな視点から営農の類型ごとに各種の指標を定めるということを指導指針としております。したがいまして、そういう方針に則して定められる基本方針、基本構想というのはまさに新政策とマッチしているというふうに理解していいんじゃないかと思います。
○風間昶君 質問の趣旨がわからないということで、言い方がちょっと悪かったかもしれません。 〔委員長退席、理事永田良雄君着席〕 つまり、新政策にのっとった形で都道府県単位あるいは市町村単位で基本方針と構想をつくりますね。そうすると、地域によってそれぞれ違う部分がたくさん出てくるわけです。だけれども、全体をはかる尺度は、新政策の中身、構造推進に合っているか合っていないかというところが物差しになりますよね。それにちょっと外れているんじゃないかなというような感じがあった場合はどうするんですか、許可しないんですか、あり得ないと思いますけれども。
○政府委員(入澤肇君) これは、まず国が基本方針を定めて、その基本方針にのっとっているかどうかというような判断で都道府県の基本方針とか市町村の基本構想を定めるという仕組みになっていないわけでございます。国は基本方針を定めないわけであります。我々は、要するに望ましい経営体の育成ということで一定の指導指針は出しますけれども、それはあくまでも地域の実態に即して都道府県の基本方針あるいは市町村の基本構想の中において議論をされて具体化されるものでありまして、現在よりも一歩も二歩も前進しているということであれば、私はそれでもう十分に新政策の目的にかなうんじゃないかと思うんです。 ですから、単に規模拡大だけじゃなくて、生産方式の改善によって、例えば地域複合を前提として個別の複合経営を図って所得を伸ばしていくんだとか、あるいは労働時間を適切に管理して給料日とか休日制を設けるんだとか、そういうふうなことも新政策のねらいでございまして、そういうふうなことが盛り込まれていれば、これも新政策の方針にのっとっているということでいいんじゃないかと思います。 どういうケースが新政策の方針に当てはまらないのかということを想定すること自身が私にはまだわからないんでございますが、少なくとも現状よりも一歩も二歩も前進した改善計画が打ち出されれば、これは新政策の方向に則しているというふうに考えていいんじゃないかと思います。
○風間昶君 何となくイメージ的にはわかりました。でも、きっと全国ばらばらのというか、極端な話、基本構想、基本方針ができてくると思うんですよね。であるならば、じゃ、今度そういうふうになって自由にやってもらって、どんどんつくっていってもらって生産性が高くなるというのはいいんだけれども、実際に今度需要と供給の関係でバランスが悪くなる場合もあるんじゃないか。そういう場合も含めて指導管理チェックは国がそういう場合やるわけですよね、そうですよね。どうなんですか。
○政府委員(入澤肇君) 全国ばらばらにと言いますけれども、基本方針や基本構想をつくるときの作成指針というのは指導通達で出します。その場合の一番のかなめになるのは生涯所得ということを申し上げていますけれども、どのくらいの所得であればサラリーマンと均衡した所得を得られるかということで、例えば七百万とか八百万とかいろんな数字があると思うんですが、そういう七百万とか八百万ということを目標にして営農をやる場合には、例えば水稲作であればどのくらいの面積、それからどのくらいの労働力。それから、複合経営であれば地域によってかなり違います。平坦地ではこういう作物をこういう労働力で組み合わせる。それから、山場であればこういう作物を組み合わせてこのくらいの面積でやればこのくらいの所得が得られるとか、そういうふうなまず所得の目標というのが一つございますから、そんなにばらばらになるわけがないと思います。 それから、作物によっては需給バランスが崩れるじゃないかという問題もあるかと思います。まず市町村ごとの基本構想において作物の選択をする場合に、都道府県の方でそれは調整してもらう。同時に、今度は県別の県間のいろんな問題があるということも考えられますので、地方農政局がブロック単位でその調整に乗り出すということはあると思います。 いずれにしましても、せっかくつくった目標が過剰生産でその所得の目標を追求できないということになっちゃ困りますから、需給調整という観点から、これはまさに政府なり自治体の役割でございますから、きちんとした指導をするということはやっていかなくちゃいけないというふうに思っております。
○風間昶君 わかりました。それじゃ、これまで農業委員会と市町村段階における農地流動化行政との連携強化はずっとなされてきたというふうに思いますけれども、今回の農地保有合理化法人の活動拡充によってどの程度効果が期待できるのか、一点は。 そして、実際に合理化法人の資格を持つのは、都道府県の農業公社、それから市町村の農業公社、市町村、農協、四つあるわけですよね。役割分担はどういうふうになっているのか。この二点、お聞きしたい。
○政府委員(入澤肇君) まず、農地保有合理化法人と農業委員会との役割分担でございますけれども、現在でも農業委員会が中心となりまして農地銀行活動というのをやっております。これは、担い手とか農地に関する情報を一元的に農業委員会の農地銀行に集約して整理をする、そして貸し手・借り手に対して、あるいは売り手・買い手に対して情報を提供して、その結果を今度は農地保有合理化法人が農地保有合理化促進事業に乗っけるというふうにして役割分担をやったわけであります。 要するに、需要開発ですね、ニーズの開発をまず農業委員会の農地銀行活動でやり、今度は出てきたものを低利資金を供給して、具体的に利用権を設定したり売買をしたりして担い手に結びつけていくという役割は農地保有合理化事業でやっているわけであります。これが農業委員会と農地保有合理化法人の役割分担の基本的な考え方でございます。 今度は合理化法人、四つ形態がございますけれども、その役割分担はどうかということを申し上げますと、県の農業公社は売買を中心にして役割分担をしてもらう、それから市町村の農業公社あるいは農協、それから市町村そのものの農地保有合理化活動につきましては、これは売買、賃借、作業の受委託、そういうものを中心に役割分担をしてもらうというふうに一応考えております。
○風間昶君 どの程度の効果が期待できるのか、拡充することによって。
○政府委員(入澤肇君) これは要するに一生懸命検討してっくったわけでございますから、大いなる効果を期待して私どもは必要な予算も取り、それから必要な指導も行っていかなくちゃいけないというふうに考えております。
○風間昶君 じゃ、その事業の中の一つで農地信託事業に関してですけれども、中山間地域で当面受け手が見つからない場合に活用されるというふうに考えていますけれども、その信託期間の期限はどのぐらいなのか、無制限なのか。まず一点目。 二点目は、その間、管理はどういうふうになるのか。 それから、信託期間がもし制限があるとするならば、終了して、それでもなおかつ農地が売れない場合、措置はどういうふうにされるのか、この三つお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(入澤肇君) 信託期間につきましては、この事業の実施に当たりまして農協が行っておる農地信託の期間あるいは農地売買等の事業における合理化法人による農地の中間保有の期間など、過去の例を参酌いたしまして一応五年間を目途として事業実施規程を定めるということにしています。そして、その五年商売り渡し信託で合理化法人が今度は売り手を探すわけでございますが、その間の管理は合理化法人が行うということになります。 それから、まず農地が売れないという事態を避けるためには、入り口で最初は成功させていくために事業の対象を絞らなくちゃいかぬというふうに考えております。したがいまして、基盤整備済みの農地であるとか集団化した農地等、売り渡しの見込まれる優良なものに限定してやっていく。そろそろとスタートして、そして拡充していきたいというふうに考えておりますが、仮に信託期間内に信託財産を処分できないという場合、この場合には信託の再引き受けにより処分が見込まれるときは再び信託を引き受けて、貸付金の償還を猶予するような運用についても検討していくというふうにしております。
○風間昶君 安全にやっていく、こういうことですね。
○政府委員(入澤肇君) はい。
○風間昶君 わかりました。 次に、農業生産法人の要件緩和についてお尋ねしたいと思いますけれども、今回の事業要件あるいは構成員要件の緩和は、運用次第では農地法の自作農主義といいましょうか、その部分に大きな影響を与えてくると思いますし、また余り秩序のない農地転用になっていくなどの不安というか懸念もあるわけでありますが、法文で「その行う農業に関連する事業であって農畜産物を原料又は材料として使用する製造又は加工その他省令で定めるもの、」と書いてありますが、関連事業としてまず対象になる具体的なものは何があるのか、教えてください。
○政府委員(入澤肇君) 関連事業の内容といたしましては、農業と一次的な関連を持ち、農業生産の安定発展に役立つような事業ということでございまして、具体的には、例えば他の生産されたものも含めて行う農畜産物の加工、貯蔵、運搬、販売、それから農業生産に必要な資材の製造、それから農作業の受託ということを考えております。
○風間昶君 例えば宅配産直業者とかいうのは入るんですか。
○政府委員(入澤肇君) 農畜産物の販売の中には、販売の形態は問わないということによりますから、宅配ということも当然入ってくると思います。
○風間昶君 もし関連事業の方が本来事業より主力になった場合、何らかの指導措置が必要だと思うんですけれども、ないとは言えないと思うんですよね。どんどん観光農園が膨らんできてというような場合もあり得ると思うんですけれども、その辺はどうですか。
○政府委員(入澤肇君) 今回の法律制度の改正におきましても、今御指摘のような点を法制局と大分議論いたしました。そして、むしろ農業の割合を五割以上に明確に限定すべきじゃないかとかいろんなことを言われましたけれども、ただ、関連事業を一定の範囲にとどめるべきということは、なかなかこれは言うべくして行われがたい。 と申しますのは、農業生産そのものが豊凶の変動を避けられないわけでございまして、その変動が避けられない農業生産を基準といたしまして関連事業を量的に規制するという場合には、今度は農業生産法人としての要件を欠いた場合には最終的には国が買収するなんという法制度になっていますから、余り厳しい要件を途中の段階でかませるわけにいかないということで、関連事業の割合というのを法律で定めることはしなかったわけでございます。 ただ、御指摘のように法人経営が発展いたしまして、本来の農業生産に比して恒常的に関連事業が肥大化していくというような場合には、現在も行っているんですけれども、分社化を指導するというふうなことで対応したいというふうに考えております。
○風間昶君 わかりました。 今度は拡大される構成員の件について。 範囲は、農地保有合理化法人あるいは農業協同組合、農協連合会のほか、「法人からその法人の事業に係る物資の供給若しくは役務の提供を受ける者又はその法人の事業の円滑化に寄与する者であって、政令で定めるもの」というふうに書いてありますけれども、具体的にはどんな人が対象になるんですか。
○政府委員(入澤肇君) 具体的には政令で定めるということでございまして、政令では法人の事業に係る物資の供給または役務の提供を受ける者につきましては、法人の事業に係る物資の供給または役務の提供を継続的に受ける個人に限定するということで、産直の取引をやっている個人、それから農作業の受託をしている個人というふうに限定することになります。 それから、法人の事業の円滑化に寄与する者については、法人の事業に係る特許の供与、新商品または新技術の開発及び提供等の契約を締結している者に限定ということで、これは個人だけでなくて法人も入ってまいります。
○風間昶君 それだけですか。
○政府委員(入澤肇君) それだけでございます。
○風間昶君 その構成員に一定の歯どめがかけられておりますけれども、衆議院でも問題になりましたし、午前中も問題になったわけですけれども、企業参入で、例えば企業が最大出資して少額出資者が農業者である場合とか、企業が出資プラス多くの融資を行っている場合の認識等についてはどういうふうになっていくのでしょうか、これをちょっと教えてもらいたいと思います。
○政府委員(入澤肇君) 今回の企業参入のことにつきましては、いろんな人がいろんなことを指摘されまして、私どもも農地法の耕作者主義という原則を一つのまずメルクマールとして考える。それからもう一つは、農業生産法人にも四つの形態がございますと申し上げました。それで、一番厳しいのが農協法に規定されておる農事組合法人であります。この農事組合法人が、先ほども御質問に答えましたけれども、四割ぐらいのウエートを占めているということで、これとのバランスを崩すわけにいかないということから、おのずからその内容は構成員の要件を緩和するといっても限度があるということでございます。 そして、今回の改正におきまして企業の一定の参入を認めたわけでございますけれども、参入する企業は、今申しましたように特許の供与とか新商品または新技術の開発あるいは提供等の契約を締結している者で、まさにその法人の事業の円滑化に寄与する者に限定する。それから、企業の有する議決権は四分の一以下であり、かつ一企業で有する議決権は十分の一以下に規制される。 それから、ここは直さなかったんですけれども、これは一番重要なところでございまして、業務執行役員の過半が農作業に主として従事する構成員でなきゃならない。この要件は引き続き堅持するということのほかに、先ほど御指摘がありましたように、さまざまな要件審査あるいは報告徴収、立入調査、十分な監督体制を堅持することにしておりまして、仮に融資とかいうことがあったとしても、私はこの条文が十分に発動される限り企業による支配はないというふうに考えています。 問題は、要するに農家の、あるいは生産法人の側のマインドでございまして、私は、企業恐るるに足らずというような経営マインドを持って対応することが重要なんであって、怖い怖いと言っているとそれこそ足元を見透かされてしまうということでありますから、そういう意味におきましても、経営マインドを持った農業生産法人の育成ということが急務でありまして、そういう点からの指導は徹底させていきたいというふうに考えております。
○風間昶君 怖い怖いって、だけれども、知らないうちに農外資本の農業経営になっていく場合もないとは言えないですよね、企業の方が賢いわけですから、どちらかといえば。だからその辺のところは一番やっぱりチェックをしていく。 実際に市町村段階では農業委員会の方々が、ある意味では農業者と顔が見える関係だからいいけれども、そうでない状況にこれからなってくるわけで、そうなりますと気がついたらあらあらあらと企業参入になってしまったということは、それは局長ぐらいの頭を持っていらっしゃる方はだまされないかもしれないけれども、そうじゃない場合もあり得るわけで、そういうときに起こらないように政府は具体的な方策を考えておかなきゃならないわけで、ちゃんと指導していかなきゃならないわけですよ。 〔理事永田良雄君退席、委員長着席〕 経営マインドを持てなんて、そんな簡単に言っても、ようそれだけでは通用しないんじゃないかと思うんですけれども、どうですか。
○政府委員(入澤肇君) 法律的には農業生産法人から毎年報告を徴収いたしまして、必要がある場合には農業委員会が農業生産法人から報告を徴収し、あるいは立入調査ができるように、これは農業委員会法の第二十九条にそういうふうな権限が明確に書いてありますので、この条文をフルに発動してチェック体制を十分なものにしていきたいというふうに考えております。
○風間昶君 時間がまだ二分ありますので、中山間地域の振興について最後にお聞きしたいと思いますけれども、やっぱり中山間地域の基幹産業は農林業だというふうに思いますし、国民生活に直接かかわる食料、木材の生産、それからもっと大きく言えば国土あるいは環境保全、こういういろんな多面的な役割があるというふうに思います。 基本的な中山間地域の振興方策については、大臣が所信表明演説のときにもお考えを述べられましたけれども、問題は中山間地域とオーバーラップするところが、地域振興を図る意味で山村振興法とかそれから過疎地域活性化特別措置法とかというのがありますよね。そういうハード面の整備に重点を置かれてそちらはきましたし、そういう部分で言いますと、今回の中山間地域立法ではハード面の基盤整備も言っていらっしゃるんですけれども、まだ十分ではないんでないかというふうに思うわけです。 そうなりますと、円滑な推進をする上で既存の地域振興立法とどういうふうな形で整合性を持って運用されていくのか、その辺のところを当然山根法とか過疎地域活性化特別措置法に基づく計画的な実施とあわせてやっていく必要があるというふうに思いますけれども、それはまず間違いないですよね。
○政府委員(入澤肇君) はい。
○風間昶君 その点について具体的にどういうふうに考えているのか、最後にお聞きしたいと思います。
○政府委員(入澤肇君) 御指摘のとおり、中山間地域に対するいろんな政策体系が今あるわけでございますが、一つとして山村振興法それから過疎地域活性化特別措置法等による政策がなされているわけでございます。 これらはどちらかというと計画に基づいて、そのハード事業によって基盤整備をするということを内容とする法体系でございますが、今回はそれに加えまして、それぞれの地域の住民の英知の結集とかあるいは農業経営の改善、安定、地域の合理的な土地利用の実現、それから産業や地域の活性化を担うリーダーの育成など、いわゆる今御指摘のあったソフト面に着目して地域の活性化を図るための基盤づくりをやっていくことが必要であるということで法案が提案されているわけでございます。 こういうふうな認識のもとにこれから各種の政策をやっていくわけでございますけれども、まず山村振興法それから過疎法等の既存の地域立法に基づき産業基盤であるとか生活環境の総合的な整備を図ります。それから、農林業等の活性化の基盤づくりのための事業につきましては、中山間地域の法律を活用いたしまして各種の政策を実施して、そして農業経営の改善、安定、それから就業・所得機会の増大、確保等を図るというふうにしております。 ですから、それぞれの法律をうまくオーバーラップして使い分けながら中山間地域の農林業の活性化というものを図っていきたいというふうに考えているわけでございます。
○風間昶君 ありがとうございました。 まだ四十秒ありますので、最後に、済みません、大臣。 中山間地域振興について、その運営に当たっての基本的な振興方策、大臣からお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 中山間地は、農家戸数あるいは耕地面積、農業粗生産額ですか、いずれも四割を占めているわけです。大変なウエートなんですね。そういうことで私どもしっかりやっていかなきゃならぬ地域だ、こう考えております。 これには先ほど来議論あったような政策を取り入れて、税制においても、あるいは地方財政の措置、関係省庁が連携をとって、そういうところはどっちかというと林業もやっておる、あるいは局長が答弁したように加工もやる、いろいろ総合的に対処していかなきゃならぬ。中山間地といっても、割合近くに働く市があるとかそういうところはそれをまた生かしていく、こういうことであって、総じて言えることは、日本の農業は、なかなか努力したからといって競争力があると私は思いません。思いませんが、国民の皆さんが一体日本の農業というものをどう考えるかということが本当に大事なことなものですから、今、懇談会を通じていろんな人の意見を伺っています。 しかし、国民が本当に農業というものを大事にしていこうという気持ちが出てこないと日本の農業というのは失敗する。そのためには、農家側もこういうものを通じて努力をして、そうして一体のものとして発展していかないと、どんなことをやっても、消費者というものを無視してはできない。こんなことを考えながら、運動論という話が官房長からもありましたが、私も運動論の先頭に立って機会あるごとにこの理解を得て、そうして監督と選手が一体となってやるというこの気概を持てば私は成功していくであろう、こう考えております。
○風間昶君 ありがとうございました。 あしたの生産者麦価、よろしくお願いいたします。
○林紀子君 私はまず初めに委員長にお願いをしたいと思うんですが、きょうから審議が始まりましたこれらの法案というのは今後の我が国の農政上極めて重要な位置づけがされております。これはきょう御出席のどの委員の方もそれから政府も同じ認識だと思うわけです。 ところが、今回三本の法案が一括処理されるわけで、小会派、私はわずか七十分の審議時間しかないわけです。ですから、七十分割る三にいたしますと一本二十三分ちょっとしかない。そういうことではふだんの審議時間より少ないということになってしまうわけです。重要法案に見合った十分な審議時間を確保して審議を尽くすように委員長にまずお願いしたいと思いますが、いかがですか。委員長の方からお答えをいただきたいと思います。
○委員長(吉川芳男君) 三本の法律を単純に割ればそうなるかもしれませんけれども、密接不可分の法律でございますので、関連した中で、限られた中で聞いていただきたいと思うのでございます。
○林紀子君 そういう委員長のお答えなんですけれども、農業経営基盤強化法、これまた七本一緒に全部ぶっ込んでやってしまおうということなわけです。そうしますとますます審議時間というのは必要じゃないかと思うわけです。 私も理事会の中でこの取り扱いにつきましてはこういった趣旨を十分にお話をしたわけですけれども、そういうことになりませんでしたが、その理由というのは、もう六月二十日の会期が近いから、会期切れだということでこういうことになってしまったんですね。しかし、一九七〇年の農地法改定のときには三回の国会を経てこれを改定した。また、農振法の中に農地利用増進事業を創設したときも二回の国会を経てこういうことに決まったということなんです。これほど重要な法案、それはもうみんな一致しているわけですから、そういう意味では会期にこだわらずにもっと先に延ばしてきちんと審議をするべきだということを改めて私はここで申し上げておきたいと思います。 そこで、具体的な質問に入りたいと思いますけれども、まず大臣にお伺いいたします。 初めからつかぬことをお伺いいたしますが、総理大臣の本会議での施政方針演説、それは閣議決定なわけですね。
○国務大臣(田名部匡省君) 閣議でそういう案文を報告いただいて了解をいたしているわけであります。決定か了解が、まあ了解をしているわけです。
○林紀子君 閣議決定じゃないかと思うんですけれどもね。 どうしてこういうことを申し上げたかといいますと、先ほど来大臣も、また上野官房長の方からも、九〇年の一月に閣議決定した「農産物の需要と生産の長期見通し」、この中の食料自給率の五〇%というのは閣議決定じゃないんだということを盛んにおっしゃっているわけです。しかし、この長期見通しを決定した直後の当時の海部総理の施政方針演説では、私は食料自給率の低下に歯どめをかけ、供給熱量で五割の自給率となるよう努力をしてまいりますと、こういうふうに述べているわけです。その辺はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(田名部匡省君) あの五〇%カロリーベース、この試算がされているわけでありますが、この数値は長期見通しの「参考付表」に掲げられているものであって、これそのものを議題にして閣議決定したものではないわけですね。五〇%を目標にという、その後の方の付表にいろいろ数字がありました。ですから、それをとらえて閣議決定したものではないし、長期見通しは、一定の条件のもとで可能性を示したものであって、今後の諸施策の展開に当たって十分参酌されるべきものでありますけれども、需要と生産の計画を示すものではないわけです。 ですから、海部内閣当時の施政方針演説において、努力してまいる、こういうことを述べられていることは事実でありますけれども、これをもって長期見通しの性格や位置づけが変わったわけではないわけであります。したがって、いろんな要素をとれば幅があってこうなります、最大限努力すれば五〇%ということになっている、それを閣議で決定したということではないわけですね。
○林紀子君 そのときの本会議質問、我が党は不破委員長が質問いたしましたが、そのときの総理のお答えというのも、「低下し続けているこの自給率を、一%だとおっしゃいますが、そこへ目標を置いて低下傾向に歯どめをかけていこうという大きな願いがあることも御理解をいただきたい」ということで五〇%だということを言っているわけです。そうしましたら、このときは五〇%、そして低下傾向に歯どめをかける。新政策ではこの目標というのがはっきり出ていないわけですけれども、やはり食料自給率の低下傾向に歯どめをかけていくことが基本である、これは今までいろいろお答えいただきました。 しかし、この新政策を決めたときは食料自給率というのは四七%になっているわけですね。それで、ことしは四六%。来年はどうなるかわかりませんけれども、上野官房長の方のお話では自給率が上がっていることはなかろうという話ですから、四五%になるんでしょうか。そうしますと、その低下傾向に歯どめをかける、その歯どめをかける基準の自給率何%というのはどこにその数字の値を置くんですか。
○政府委員(上野博史君) この歯どめをかけるという努力、そのこと自身の困難さにつきましてはきょう一日いろいろと御説明を申し上げまして、そのためにまた我々が今どういうことをやろうとしているかということも御理解をいただいているというふうに思うわけでございます。 もちろん、ことしの自給率の水準で下げどまるということができれば、これにすぐる我々の期待というものはないわけでございますけれども、現実の問題として、現在御審議をいただいておりますような施策を十分に運用してまいらなければなかなかそういう事態にもなりにくいだろうというふうに考えるわけでございまして、すぐに現在の段階でとどまるというふうに必ずしも言い切れるかどうか、私どもとしてここで明確にそういうことを申し上げられるような状況では必ずしもないわけでございます。 しかし、今お諮りをしておりますような政策手段を固めて実行してまいる中で、できるだけ早い機会に自給率の状態を下げどまりにしたいという、その程度のことしか申し上げられない点をお許しをいただきたいと思うわけでございますけれども、そういうことで努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○林紀子君 ですから、低下傾向に歯どめをかけるということでしたら、現状追認でずるずるずるずる下がっていってしまうわけなんです。先ほど来社会党の委員の方からも、また自民党の大塚委員の方からもお話がありましたけれども、自給率というのは、食料自給率というのをきちんと目標として掲げる、そしてその中でその目標に対してどういうふうな努力をするかということを考えていかない限り、現状追認でずるずると後退するということは明らかじゃないかと思うんです。 そういう意味では、この五〇%の自給率が閣議決定ではないなんということで逃げるんじゃなくて、ちゃんとそれを見据えながら頑張っていくという姿勢が必要じゃないですか。
○政府委員(上野博史君) これはもう私先ほど来申し上げておるわけでございますけれども、自給率というものが役所の施策あるいは予算を投入すればここでとまるんだというふうに申し上げられないものだと私もむしろ思うわけでございます。 といいますのは、国民の皆さんがどういうような食生活を選択されるかということについて、政策的にはなかなか有効な手だてというのは、もちろん需要の拡大というようなことをやっておりますけれども、それでもって需要の動向を完全に規律するというわけにもいかないわけでございますし、それからまた、現在の農業就業者の動向やなんかを見ますと、どうしても他産業との所得の比較の問題で人が動くというようなことも、これもだめだとかどうとかいう話にはなかなかならないわけでございます。 そこら辺が我が国の現在の経済の体制といいますか、そういうものになるわけでございまして、一定の率を示して、これでやる、何とかこれでできるんだというふうに言いにくいところを御理解いただきたい。それができればそれにこしたことはないと我々も思うわけでございますけれども、自給率というものの実態を考えまするときに、それに向かって最大の努力をするということは申し上げますが、じゃこれでピンどめできるかといえば、そのことについては、そのとおりになります、できますというふうになかなか申し上げられないことをるる陳弁努めているわけでございます。
○林紀子君 今、確かにお答えありまして、需要と供給のバランスということがあるというお話があったわけですけれども、しかし食料自給率の一番大きなポイントというのは、輸入自由化というのをどうするか、そこが一つ大きなポイントなんじゃないですか。ですから、新政策でこの自給率ということをきちんとうたえないということは、今後米のことまで含めて輸入自由化に踏み切るんじゃないか、そういうことまで考えざるを得ないわけなんですね。 ですから、そういう意味では国境措置というのをきちんと堅持するということを大臣の方からももう一度きちんとお聞きしたいわけですけれども、農産加工品について日米協議では実効税率から五〇%関税を引き下げろと、こういうことを要求しているということが伝えられております。この米の輸入自由化は絶対ノーだということと同時に、農産物の輸入自由化をこれ以上しない、こういう決意が必要ではないかと思いますが、大臣はいかがですか。
○政府委員(眞鍋武紀君) ウルグアイ・ラウンドにおきまして我が国は、米のような基礎的な食料でございますとか国内で生産調整を行っている農産物につきまして、安定供給とかあるいは生産制限の実効性を確保する観点から、いずれも量的な管理が必要であって、包括的関税化は受け入れられないという主張を行っておるのは委員も御存じのとおりでございます。 ただ一方、先ほど御指摘いただきました市場アクセス問題、これはいろいろな関税につきまして、それぞれ関心国が何%引き下げてほしい、もっとこの品目は下げてほしい、こういうふうな市場アクセスの交渉が現在行われておるわけでございます。 そういうふうなことでございますので、我々はこういう包括的関税化の例外を求めるという要求を引き続きやりながら、いずれにいたしましても、我が国の農業を守るという観点に立ちまして、これまでの基本方針のもとに年来の主張が交渉結果に反映されますように最大限の努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○林紀子君 農産加工品の問題はどうですか。
○政府委員(眞鍋武紀君) 農産加工品につきましてはいろいろと要求があるわけでございますが、まだ具体的にどの品目をどう下げるという相手方の関心といいますか、多くの品目について一律五〇%下げろとかいろいろなことがアメリカ側から要求があるようでございますが、これは交渉でございますので、相手はこう言い、こちらはそれはできないとか、いろいろな反論を行っておると、まだこういうふうな状況でございます。今、交渉中でございますので、これをどうする、これをどうするということはこの場で申し上げられる性格のものではないわけでございますので、そこはよくよく御理解をいただきたいと思います。 いずれにいたしましても、そういうことで農業の我が国の農産物自給の置かれております状況等々を考えながら適切に対応してまいりたいと思っておるわけでございます。
○林紀子君 もし関税率引き下げというのを認めましたら、また輸入がふえて自給率が下がると、こういうことになるんだと思うんです。ここでも断固たる決意で当たっていただきたいと思うわけです。 それから、これも先ほど来質疑がございましたけれども、きょう付でニージーランド産のリンゴの輸入解禁というのが行われたわけです。病害虫の侵入の安全面での措置というのはいかにまだ解決をしていないかというのはるるこの委員会でも論議をされました。そういう中できよう解禁に踏み切ったということは、私は強く抗議をしておきたいと思います。 そして、万一の場合には全額国庫補助で防除対策を行うというお話はありましたけれども、それと同時に、農家の救済措置についても万一の場合というのはきちんと国の責任で行うということもお約束いただけますね。 それから、それに関連いたしまして、アメリカのエスピー農務長官は、東京サミットを成功させたければ、また米でアメリカの理解を求めるなら、リンゴで譲歩しろと松永政府代表に伝えたと、これも報道されております。これは事実ですか、どう対処していくつもりですか。
○政府委員(高橋政行君) ニュージーランドのリンゴの件に関係いたしましては、我々といたしましては、生産者に対して足腰の強い果樹農家をつくっていくという観点に立ちまして、生産、流通、そういった対策に万全を期していきたいと思っております。 それから、もう一つの米国のエスピー農務長官の発言でございますが、我々もこれはどういうことかということで早速聞いたのでございますが、いずれにいたしましても、五月十四日に松永外務省顧問とエスピー農務長官が会談されたことは事実でございます。その際に、エスピー農務長官が米国産のリンゴに触れられまして言われたことは、リンゴの輸入解禁について前向きに考えてほしいということを申されたのでございまして、新聞報道のような発言はしていないというふうに聞いております。 さらに、事実かどうかは、我々は事実でないということを得ておりますが、それとは関係なく米国産リンゴ問題についてどういうふうな対応をしていくかということでございますけれども、これも先ほど申し上げたかもしれませんが、植物防疫法に基づきまして、輸入が禁止されている生果実などにつきましては、相手国において対象病害虫、コドリンガとか火傷病とか、そういったものの完全殺菌・殺虫技術が開発されまして我が国への侵入が完全に防止されるという場合にのみ輸入を解禁するということにしておるわけでございますから、現在米国産リンゴについてはまだそういった技術が開発されていないという現状でございまして、我々、米国から提出されます技術的なデータ、そういうデータを現在求めておるところでございまして、そういうデータの提出があったところで、その技術がいいかどうか、そういう判断をしたいというふうに思っておるわけでございます。(発言する者あり) いずれにいたしましても、今後そういった観点からコドリンガ、火傷病の我が国への侵入を防止するため万全を期してまいりたいと思っております。 今ちょっと、求めておると言うとおかしいように聞こえたかもしれませんが、それは向こう側が解決していると言いますから、解決していないよ、何にもデータが出ていないじゃないですかと、こういうふうに言っておるということでございます。
○林紀子君 この面でもアメリカの圧力にも絶対負けないようにということで頑張っていただきたいと思います。 次に、自給率向上のためには価格政策というのが重要だと思うわけです。あす平成五年度の生産者麦価が米価審議会に諮問されるわけですけれども、先ほどお昼休みに三項目の申し入れを大臣の方に我が党はいたしました。六月下旬にも今度は米価決定の時期を迎えるわけですが、この麦価、再生産を保障する価格水準とするように引き上げを強く要求したいと思います。 特に、小麦の運賃負担というのは、県間流通をする麦を対象に産地から消費地までの実需者の取引運賃を平成五年で二分の一を生産者が負担するように毎年段階的に負担がふえていっている内容となっている。これをぜひ生産者の負担軽減措置を講じてほしい。これは生産者の方からも大変大きな要求になっていると思いますが、この措置を講じるということについてはいかがですか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 国内産麦につきましては、国内麦の増加によりまして県間流通が増加したわけでございます。外麦が港で売却されるのと比較しまして実需者の引き取り経費の負担が大きくなったということで、生産者と実需者の間の自主的な話し合いによりまして、六十二年産からその円滑な契約の締結を目的として、実需者の取引経費の一部を生産者が負担する制度が導入されて今日に至っておるわけでございます。 この契約は発穂期前に生産者と実需者の協議に基づいて行われるものでありまして、既に平成五年産麦につきましては、昨年両者の間で話し合いにより決定が見られておるわけでございます。生産者団体の方から五年産麦価決定と関連しましてこの負担の問題についての要望が出されまして、これは基本的には今申し上げましたように生産者と実需者の間で決められる話でございまして、現在両者の話し合いが進められているところでございます。私どもとしましては、この話し合いの推移を注視してまいる考えでございます。
○林紀子君 実質的に生産者の方が負担をするということになりましたら、麦価がそれだけ下がったのと同じことになるということなわけですから、そういう意味でも政府の方としてもこの負担をどうするかというのをきちんと考えていただきたいというふうに思うわけです。 それから、麦の問題では、二月五日付の毎日新聞に「政府は関税割当制度による小麦の市場開放と、小麦農家への補助金の直接交付を行う新制度を創設する方針を固めた。」というふうに報道されていますが、それは事実ですか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 全くそういう事実はございません。
○林紀子君 次に、優良農地をどう確保していくかということについてお尋ねしたいと思います。 先ほどの「農産物の需要と生産の長期見通し」の「参考付表」の中で熱量効率を最大化した場合の国内での食料供給量を試算していますね。これは耕地面積五百万ヘクタールで一人一日二千カロリー。これは、たとえ食料輸入がゼロになったとしても国民を飢えさせない最低限の枠組みを明らかにしたものだと言われています。 ところが、耕地の人為改廃面積といいますのは、農地転用許可基準が大幅に緩和されました八九年以降、毎年約五万ヘクタール、これだけ改廃されている。耕地面積は九二年で五百十六万五千ヘクタールに低下し、第四次の土地改良長期計画における目標年の農地面積として、平成十四年度には耕地面積を四百九十六万二千ヘクタール、既に五百万ヘクタールを割るわけですね。この見通しさえ大変厳しい状況だということは、農林中金総合研究所のレポートに書かれております。 そこで、今回の特定農山村法案ですが、ここに盛り込まれている農林地の所有権移転等促進事業、これは農地法の三条、五条の許可の適用除外となる。また、農振法十五条の十五の開発許可の適用が除外されている。こうした農地転用の規制を緩和して中山間地域の農地を本当に保全できるのかその保障、担保があるのかということをお聞きしたいと思います。
○政府委員(入澤肇君) 特定農山村法案の農林地所有権移転等促進事業につきましては、今御指摘のとおり農地法三条なり五条の適用除外といたしましたけれども、その前提といたしまして、この所有権移転等促進事業をやる場合には農業委員会の決定を経るとか、あるいは都道府県農業会議の意見を聞くとか都道府県知事の承認を得るとか、そういうふうなことが要件としてかましてありますので、ダブルチェックになりますので法律上は適用除外にしたということでございまして、決して既存の三条や五条の規定を無視して新しい法制度をつくったということではございません。
○林紀子君 今お答えのありました農業委員会ですけれども、この法律の中では農林業等活性化基盤施設の設置を促進するように適切な配慮というのが求められているわけです。 ですから、本当に農業委員会というのは農地法の取り扱いと同じような決定というのができるんですか。
○政府委員(入澤肇君) 農業委員会は、御指摘のとおり農地法第三条による許可制度の原則的な許可権者でありますから、特定農山村法案におきましては農業委員会が農用地の権利移転が農地法第三条の許可基準に照らし適切か否かどの観点から所有権移転等促進計画について決定を行うものであります。これは第八条の第一項に書いてあるわけでございます。
○林紀子君 もう一つ、先ほどお答えになった都道府県の承認ですね、この承認というのも施設整備の促進に配慮した計画全体について承認をするということで、農業の問題だけを見て言っているわけじゃないわけですね。そうしますと、農地法や農振法に基づく許可基準と全く同じということがこれまた言えるわけですか。
○政府委員(入澤肇君) 農林地所有権移転等促進事業は、農林地等につきまして権利移転を一括して処理するということによりまして地域の合理的な土地利用を実現するということをねらったものでございます。その円滑な実施を進める上では必要な限度で農地法及び都市計画法に基づく土地利用規制制度との調整を図っていく必要がある。このために、農地転用案件または市街化調整区域における施設整備案件が含まれる場合に限ってこれらの規制制度における許可権者であります都道府県知事の承認を要することとしたものであります。これは第八条第四項第一号、第二号に規定されております。 この承認は、農地転用案件につきましては、農地法に基づく農地転用許可と同様の審査を経ることによりましてその内容が適切か否かを判断します。それから、市街化調整区域における開発行為の立地基準の観点から見て内容が適切か否か、これは都市計画法の第三十四条の規定に従って判断を行うということでございます。
○林紀子君 それから、農業会議の意見聴取を行うというのも八条第五項に書いてありますね。この農業会議の意見聴取というのは今おっしゃいました都道府県の承認に対してどれだけ力のあるものなのか、どれだけ縛りをかけられるものなのか、その辺をぜひ伺っておきたいと思います。
○政府委員(入澤肇君) 都道府県知事が計画の承認をする場合に都道府県農業会議の意見を聞くとしておりますのは、農地転用許可における手続を尊重することが適当であるというふうに考えたためでございます。農地転用許可の場合と同様に規定したものでありまして、当該意見につきましては、農地法と同様に都道府県知事を法律上拘束するものではありませんけれども、都道府県知事が所有権移転等促進計画の承認を行うに当たっては十分に考慮されるものと考えております。また、過去の転用事案につきましてはそのように運用されております。
○林紀子君 それから、この計画の中では市町村から農林業等活性化基盤施設設置の要請を受けた民間事業者も参入できるということになっているわけですね。この農林業等活性化基盤施設設置とはどういう施設を指すのかというのを、きょうは通産省と国土庁に来ていただいておりますので、まず通産省の方からお聞きしたいと思います。
○説明員(橋本久義君) 農林業等活性化基盤施設につきましては、今後、御相談しながら省令で定めていくということになるわけでありますが、もともと本法の目的が、農林業を核としつつその地域で展開されている事業にふさわしいものを促進するという目的がございますので、その目的に従って工場等就業機会の増大に寄与するような施設を想定いたしております。 以上です。
○説明員(滝沢忠徳君) お答えをいたします。 基本的には今通産省さんがお答えなされましたのと同じでございますが、農林業等活性化基盤施設につきましては、農林業その他の事業を活性化するに当たりまして中核的な役割を有するものとすることが適当であるというふうに考えておりまして、具体的には今後主務省令を制定する際決めてまいるわけでございますが、現時点では地域特産物展示販売施設、農林業体験実習施設などの交流施設を考えておるところでございます。
○林紀子君 国土庁にお伺いしたいんですが、リゾート法と同様に、ゴルフ場やリゾートホテル、リゾートマンション、そういうものも入りますか。
○説明員(滝沢忠徳君) ゴルフ場の点についてでございますが、農林業等活性化基盤施設となる交流施設の範囲を具体的にどこまでとするか、そういったことに関連してまいるわけでございまして、今後具体的にどうするのか、地域のニーズ等を踏まえまして、関係省庁とも具体的に検討することといたしております。
○林紀子君 まだこれから関係省庁と具体化するということで、それもすべて省令ということになるということで、私たちのところではどんなものかというのはわからないわけです。 構造改善局長にお伺いいたしますけれども、そういう意味ではゴルフ場というのは農林業の活性化に結びつくとは思えないわけですけれども、農水省といたしましては今いろいろ詰めているその中でこういうようなものは絶対に入れないという決意があるのかどうか、その辺をぜひお答えください。
○政府委員(入澤肇君) なかなか厳しい御質問でございますが、私どもは、今国土庁それから通産省から答弁がありましたように、どういう施設かと申しますと、一つは事業活動の場である施設、それから二つ目には当該事業が特定農山村地域で展開するにふさわしい施設、それから三つ目には就業・所得機会の確保、増大に寄与するものという考え方で整理しているわけでございまして、例示といたしまして先ほど国土庁が申しましたように、農業用施設、林業用施設のほかに地域特産物展示販売施設、農林業体験実習施設、工場等就業機会の増大に寄与する施設等を想定しておりまして、余りそれ以外のいろんな施設というのは現在のところ私の頭にはないわけでございます。 特に、中山間地域の立地条件、地勢条件からしますと、そういうところで大規模な開発が行われるかどうかというのは非常に疑問でございまして、この農林業等活性化基盤施設の設置の前提となる所有権移転等の事業は、要するに大規模な農地転用ということを想定しているものではございませんので、そういうふうな新しく創設する権利の内容からしましても大規模開発的なものは入らないんじゃないかというふうに私は考えております。
○林紀子君 これまで何度か行われた農地転用許可基準の見直しというのを見ますと、特に八九年三月には第三種農地の範囲をインターチェンジから至近距離のものにまで拡大して、ゴルフ場への転用を一般施設と同様の扱いとするなど規制緩和の歴史だったというふうに言わざるを得ないと思うわけです。 農業外の土地需要に対して農地の改廃を許容するように変化してきたというふうに言わざるを得ないわけです。今度の特定農山村法案というのはこうした延長じゃないかという大変大きなおそれを持っているわけですけれども、特に優良農地をどう確保していくかということにつきましては、昨年三月に農地問題の専門家である全国農業会議所が「農業の担い手確保のための具体的方策」という答申をしております。その中で「活力ある農業経営の確立を推進するための前提として、」「必要な農用地について、「国としての確保目標」を中長期の視点にたって設定する必要がある。」という答申をなさっているわけですけれども、これは、それこそ新政策にも生かされなかったし、今度の法案の中でも生かされていないと思うわけです。先ほどの食料自給率の問題と同じです。 そういう意味では、この優良農地を守るためにどれだけの農地が必要かということもきちんと目標を定めるということがどうしても必要だということを申し上げまして、きょうはもう時間切れになってしまいましたので、次に譲ります。
○星川保松君 私は、きょうとあさってと三十五分ずつの質問時間をいただきましたので、きょうは総論的な質問をして、あさっては各論的な質問をさせていただきたい、こう思っております。 今、日本の農業あるいは食料問題について何が一番大切かといいますと、国民の合意、これが最も大事じゃないか、私はこういうふうに思うわけです。といいますのは、食料のあり方、農業のあり方についていろいろな方が、学者の皆さんからマスコミの皆さんから各界の皆さんが全くさまざまな論を述べていらっしゃるわけです。 例えば食料については、食料は自由化した方がいいんだという強力な意見を吐く人もおります、学者もあります。それに対していわゆる食料安保論というものを唱える人があります。食料自給率をもっと向上しなくちゃいけないんだと言う人もありますし、食料一つとってもガットをめぐっていろんな論が国内に展開されておるわけでございます。 それから、農業それ自体に対しても、私が子供のころは、農は国のもとである、こういうふうに教えられたわけでございます。今ではもう農業なんというのは、日本は工業立国でいけばいいんだと国際分業論なんという論を唱える人もありまして、農業なんか発展途上国の方へ任せればいいんだというような主張も行われております。さらには、今度は農村という地域社会についても、これは国土・環境保全の面から再認識しなければならないという論も展開されておりますけれども、それを一向に理解してくれない人々もおるということなわけです。 それから、経営の主体としての農家についてもいろんな論が展開されております。今までは家族労働の小規模経営ということでやってきたわけでありますけれども、それではだめだと。新農政というのもその一つでありましょうけれども、もっと経営を大きくしなくちゃいけない。それには経営主体を家族労働に限らず法人にしなくちゃいけないんだと。きょうも問題になっておりますけれども、中には、日本の経済を今日まで発展させたその功労者は株式会社だ、だから、家族経営なんというところに日本の農業経営を任せておかないで株式会社にやらせたらどうなんだなんと言う人もいろいろあるわけなんです。 まず、食料をめぐって、農業をめぐって、農村をめぐって、農家をめぐって諸説紛々として、もう国論の統一がどこにも出てこないということ、このことのために農家の皆さんから農業関係者はもう何が何だかわからなくなっているわけです。そういう中で農業を取り巻く環境というものは日増しに厳しくなってきておるんです。リンゴの輸入の自由化、あるいは肉の関税の引き下げによる牛肉の輸入とか、いろんな点で畜産農家が悩む、リンゴ農家が悩むというような状況になってきておるんですね。 それで、今、本当に日本の農業・農政にとって必要なことは、国民的合意の形成、これを急がなければならないと私は思うんです。これを何とかしなくちゃならない。いつまでも百花斉放みたいに、百家争鳴というか、そんな状態にして、迷い、混沌の中に日本の農業・農政を置くということは避けなくちゃならないと思うんです。 それで、日本の今後の食料をどうするのか、農業をどうするのか、それは国会で決めるんだろうなということを私は農家の皆さんから言われるわけです。私は、そのとおりですと、こう言っています。それで、この前はPKO国会というのであなた方は三日も四日も徹夜したそうだ。それはPKOも大事でしょう。でも、日本の農業、日本の食料をどうするかということはもっと大事じゃないか。三日も四日も徹夜しなくてもいいから、一晩ぐらい徹夜するつもりで日本の農業のことを考えてほしい、国会で論争してほしいと。そうしましょうと私は約束をしているわけですよ。 どういう形で論争をしていくかということになりますと、それは私は、三十年前の農業基本法、この基本法の見直したと思うんです。だから、農業基本法の改正案でも出してもらって、それをめぐってひとつ国会で国論の一致を見るような大論争を展開しようじゃないか。そして農家の皆さんに、農業関係者の皆さんにこたえようじゃないかと私は思ってきたわけです。 それで、今までは別の方の常任委員会をずっと回ってきておりまして、ようやく農水に来たものですから、ですから農業基本法の見直しみたいなのが出てくると思って待っておった。いつまでたっても出てこないし、そうしたら新農政というのが出てくるというんですね。今度は来たなと思って、これは徹夜してでもみんなで論争しなくちゃならぬと思っておったところが、新農政というものは名前ばかりで我々のところにはさっぱり出てこないんです、これが。これは一体どうしたことかと私は思うんですよ。 ですから、いわゆる国民的なコンセンサスを得る場というのは国会なんです。だから、政策の方向というものを決めるのは国民なんですよ。政策を決めるのは農水省の皆さんです。方向というのはレールですから、国民がレールをつくって、そのレールの上を能率のいい汽車を走らせるのが農水省の皆さんの役目だと思うんです。ところがそれが出てこないんですね、ここに。 そして、いわゆる農政の基本法の見直しに匹敵するものだと私は思うんですね、この新農政というのは。その肝心なもの、国会でやるべきもの、国民が決めるべきものが出てこないで、その後のそれに基づく政策、この政策は農水省の皆さんがやることなんですよ。もとの方が出てこないで、それに基づく政策がここに出てきているわけなんですね。これでは私は本末転倒ではないかと思うんです。 それで、私は前から、何で法律案でこれを出してくださらないのか、それでは国民的コンセンサスを得る場がないではないかということを言ってきているわけなんです。これについてひとつ考えを、まず大臣から。
○国務大臣(田名部匡省君) 基本農政、農業基本法を新しくというお話は随分ございました。しかし考えてみますと、農業基本法そのものに掲げてあることをやるわけでありまして、決してそれと全く離れたことをやるわけではないわけです。ただ、若干今まで考えてきたことを、うまくいったもの、うまくいっていないもの、そういう仕分けをすると、酪農とか養豚、採卵鶏とかあるいは施設園芸とか、そういうものが非常にうまくいった部分というのはある。しかし、どうも土地利用型農業の部分においてはなかなかうまくいっていない。 それは規模拡大も困難にしておるし、何十年かたってみると後継者がだんだんいなくなったという社会的な変化があった。それを何とか所得においても労働時間においても他産業並みにしなければならぬと。もう十分おわかりのことでございますから詳しいことは申し上げません。加えて高齢化がどんどん進んで、当時は若い両親であったと思うんですが、三十年もたつともう一線を退く時代になってきたということでして、その間に機械化がどんどん進んだということもありまして、そういうことを今日的にどう直しながらいくかということで新しい農業政策というものが出たわけであります。 確かに、おっしゃるように国民の合意形成というものが大事だということも今回我々は痛切に感じておりますし、何といっても国民全体で農業を守ろうという気持ちがないと、輸入したって安全だ、日本の食料というものをみんなで育てていこうという気さえあれば私は怖いものはないと思うんです。ただ、飽食時代、所得が向上して食料がもうあり余るほどある中で育った人たちがそういう感覚が薄くなっていることは確かにあると思う。そのためには、運動論というか考え方、そういうものを我々は先頭に立って国民の理解を得る努力をしなきゃならぬし、一方においては、農家も今申し上げたようなことを着実にやりながら合意形成をとっていくということは大事だというふうに考えます。
○星川保松君 大臣が、国民が理解してくれればと、私はそこを言うんです、理解してもらうために。国会なんですよ、国民というのは。我々は国民の代表なんですからね。皆それぞれ何十万の代表として来ているんです。だから、この場に出してくださって、それで風間先生は北海道の農家の意見を反映して、それで喜屋武先生は沖縄まで、そしてよろしいということ、これがコンセンサス。コンセンサスのためにあるんですよ、国会というのは。だから、あなた方はコンセンサス、コンセンサスと言い理解と言うけれども、ここへ出すことが理解を求めることだということなんです。 それはそれとして、基本法について、「どう視る農基法農政三十年」という本があるんですよ。この本の中にいわゆる農基法をつくったときの農水省の事務次官でありました小倉武一さんが「農業基本法制定三〇年に想う」という文章を載せているんです。これを見て私は驚いたんですが、農業基本法はもう挫折したということをおっしゃっているんです。 初めの挫折はどういうところにあったかというと、基本法施行と同時ぐらいに、たまたまと言ったら悪いかもしれないが、河野一郎さんが農林大臣になった。彼は政治的センスが非常に強い人だから、自民党の票を集めるのが実に上手だった。農業基本法のベースは村づくりだと決めてしまったのである。基本法には農業構造改善事業というのがあるが、農業構造を直していこうというのが基本法の一つの大きな眼目だった。だから、我々は初めは、テストケースとして何十カ所か構造改善事業を町村単位で進めたらどうかということを言ったのだったが、これは政治家の眼からいうと票にならない。そこで村づくりをやれということになった。 それでずっと書いて、「そういうふうに村づくり問題にきりかえてしまった。それが第一歩の誤りだった。構造改善というのは名前だけで、村づくりに直してしまった。小銭をばらまけばいいと。一億円なんとかの総理と一緒だ。あの、ふるさと創生の……。」と、こうあるんです。 「「創生」なんていう漢字は日本語にはない。」「辞書を引いても「創生」なんてない。総理大臣が勝手に日本語をつくれるのか。近頃のジャーナリズムは「コメ」とカタカナで書く。「米」と書くと、それは「べい」と読んでアメリカのことをいうことになっている。」「だからもう日本の「米」はそこで負けている。」「あれでもうだめなんだ。「米」はアメリカに貸して、日本はカタカナで我慢しようということだから、勝負はついている。」「ちょっと余談になったが、とにかく、農業基本法というのは村づくりで挫折したということだ。」と、こうはっきりあるんですよ。 その次に農協さんのことが書いてあるんですよ。「農業所得均衡というのは米価を上げることだととって、米価を上げる運動をやった。」、農協がね。「基本法には、農産物の市場価格をつり上げて所得均衡にもっていくという考え方はなかった。」、こういうことがずっとあるんです。 それで、ずっと後に「だから、農業基本法というのは失敗の歴史だ。自立経営ということも無視されたした。」云々とありまして、「そういう歴史を経ているのが農業基本法だから、見直すなどということではなく、あれはやめたらいいのだ。そんなふうに無視するのなら、廃止すべきものだ。言いたい放題言っているわけではない。真剣に考えて言っているのだから、あまり聞き流されては困る。」と。つくった本人が挫折した、あんなものはだめだとはっきり言っているんです、これ。 大臣、もうだめなんですよ、農業基本法なんていうのは、つくった本人がこう言っているんですから。だから、アメリカの農業法なんというのは五年に一回新しくしているそうなんですよ。日本では三十二年間ぶん投げておいた、何にもしないで。だから、ここできちんとしなくちゃならないんですよ。それも何にもしないで、そして農水省の内部文書のこんな新農政なんというのでやったってどうにもならないんじゃないんですか。どうです。これは官房長か。
○政府委員(上野博史君) 小倉先輩の厳しいお考えを今聞いたわけでございます、まあ前からよく我々も聞かされているわけではございますが。 大臣も、前から基本法農政についての考え方を申し述べておる中に、基本法農政というのは、それはそれで選択的拡大の畜産であるとか果樹であるとかそういう部門において非常に成果を上げている、これはやはり私は否定はできないんだろうと思うわけでございます。ただ、高度成長があったというようなこともございまして、土地利用型の農業部門におきましては、小倉先輩の反省にもありますように、構造的な再編が必ずしも進んでこなかった。それが現在の土地利用型農業の問題として我々の眼前にあるということなんだろうと思うわけでございます。 しかしながら、事態を考えてみますと、現在我々が非常に問題である、何とかしなければならないと思っております農業就業構造の問題、老齢化をし、だんだんと農業就業人口が減ってまいっているという問題が基本法制定当時から制定の中心になられた小倉さんなどの頭にはあったわけでございまして、自立経営農家の育成であるとか他産業並みの所得を確保していくとかいうような考え方というのは、この基本法農政の骨格としてあったわけでございます。 それが現在我々が眼前にしております問題に対応する場合の考え方としてまさに必要な考え方であるというふうに我々は考えているわけでございまして、そういう意味で、基本法農政の基本的な思想というものは今後も我々は体していかなければならぬし、改めてこういう新政策の考え方を述べていくに当たりまして、そこのところに手直しをする必要はないんじゃないか。我々がやろうとしておりますこの考え方自身この基本法の骨格の中に入っているものだというふうに我々は考えているから、この基本法を変える必要はないというふうに判断をしているということでございます。 しかしながら、新農政の考え方につきまして国民的コンセンサスを得て施策を進めていかなければならないということについては、全くそのとおりでございまして、新政策三法等の御論議の場におきまして、その背景にある基本的な私どもの考え方についても十分御議論をいただきまして、御判断をお願い申し上げたいというふうに申し上げる次第でございます。
○星川保松君 いずれにしましても、私は基本法農政三十年というものはしっかり反省をしなくちゃいけないということを前から言っているわけです。だから、初めて新農政の文章を私はずっと読んだときに関心したんです。というのは、農基法を受けてという言葉は一つもないんですね。これはなかなか吹っ切っているなと思ったんですよ。 ただ、質問しているうちにだんだん、あなたが今もおっしゃったように、死にがらにすがるみたいなところがどうもまだあるわけですよ。こんなことはやめた方がいいと思うんです、私は。だから、もうはっきり基本法農政はこういうところがだめだった、こういうところがよかったということをはっきり言って、いわゆる古きをたずねて新しきを知るということで新農政を打ち出していかなくちゃいけないと、私はこう思うんです。 それで、今度は同じような本で、「「新農政」の徹底検討」というのがあるんですよ。この中に構造改善局長が文章を書いていらっしゃるんですね。なかなかいい文章だと思って私は見たんですけれどもね。 この中であなたは、一つは、「六つの視点」という中の一番最初に「農業・農政について国民的なコンセンサスを得られるような内容を考えなければいけない。」と。これは内容は結構だけれども、どういう場でコンセンサスを得ようと思っていらっしゃるんですか。
○政府委員(入澤肇君) 新政策の中身を検討するときに私は総務審議官でございまして、戦後の農政、農業基本法以来だけじゃなくて、その前にさかのぼりまして、各般の政策、制度につきまして相当突っ込んだ議論をやったことは事実でございます。 さっきも申しましたけれども、一つ一つの法律、制度につきまして、制度論、制度の運用論、運動論、そういう観点から検討したわけでございますが、そういう中で一番大事なことは、どうも最近の状況から、農業・農政に対する理解が十分でない、新しい政策を打ち出そうとしても、十分な理解がなければ予算もとれなければ法律も賛成してもらえない、そういう意味で国民的なコンセンサスを得るということが、まず第一に政策の展開の大前提として必要じゃないかということを申し上げたわけでございます。 したがって、わかりやすい農政を展開するというふうなことも言葉として使ったこともあるかもしれませんけれども、要するに我々がなぜ日本で農業を維持発展させていくことが必要なのかどうかということを具体的に国民一般に説明をして、理解を得るということが必要であるということを申し上げたわけでございます。
○星川保松君 その場として、国会という場が国民のコンセンサスを得るのに、そのためにできている場だということはあなたは考えていないんですか。
○政府委員(入澤肇君) それは、もちろん国会の場もその重要な場でありますし、また一番大事な場じゃないかと思いますし、国会の場以外でも、例えば農水省はいろんなPRの手段を持っておりますけれども、PR手段を使ったり、あるいは「一日農水省」という方法を使って農家の方々や地方の方々と対話をしたり、いろんな方法があると思うんです。 ですから、国会だけでなくて、いろんな手段、方法、それから場所を通じまして理解を求めてコンセンサスづくりをやっていくことが必要じゃないかというふうに考えているわけでございます。
○星川保松君 あなた方、三権分立についてもう少し考えてほしいんですよ。国会というのは、国民のコンセンサスを得るために設けられているんです、これは。ここのほかにどこにあなたは呼びかけてやるのか知らぬけれども、一番最初にここにしなくちゃいかぬのです。立法作業というのはそういうことなんですよ。立法作業、ここで審議するというのは、国民のコンセンサスを得るためにやっているんです、ここは。我々はそのために出てきているんです、ここに。ここへ出さなきゃならぬのですよ。国民的コンセンサスを第一番にあなたは掲げている、それは立派ですけれども、場違いだ、これは本当に。
○政府委員(入澤肇君) ですから、最も重要な場として国会を重視しなくちゃいけないということを申し上げているんです。
○星川保松君 それならなぜ法案にして出してこないんですか。法案にして出してくることが国民のコンセンサスを得る方法なんです。それが一番大事なことでしょう。
○政府委員(入澤肇君) 新政策を法案の形式にするかどうかというのは、いろんな意見があるところだと思うんです。 実は、農業基本法ができた後、構造政策が進まないということで、事務次官を長といたしまして構造政策推進会議というのが農林省の中に設けられたんです。その議論の経過を経て構造政策の基本方向というのが出ました。その後、いろんな状況を踏まえて、またそのときのような構造政策の基本方針みたいなものを改めてつくる必要があるんじゃないかということで、新政策の検討本部というのが事務次官を長としてつくられたという経緯がございます。そこでいろんな議論を踏まえまして、農業基本法と農政の中で調整をとりながら新しい文書を取りまとめたということでございまして、その形式が法案であるかどうかというのはまた別の議論じゃないかと思います。
○星川保松君 しかし、あなたは国会を本当に理解していませんよ。 次の「四つの戦略目標」というのをあなたは書いていますね。「昭和二十年代から四十年代にかけて、たくさんの法律、制度ができたが、その全部について省をあげて見直した。」というんですね。この二十年代から四十年代にかけて農業に関して最も大事なのは農業基本法でしょう。それについてどういうふうな見直しをしたんですか。さっぱり書いてない、これは。
○政府委員(入澤肇君) 農地制度を含めまして、土地改良法、森林法…
○星川保松君 農業基本法についてです。
○政府委員(入澤肇君) 農業基本法についても議論いたしました。
○星川保松君 どういう議論をしたんですか。
○政府委員(入澤肇君) それは、農業基本法各条——私は、先ほど官房長が答弁されたとおり、農業基本法は失敗の歴史ということよりもむしろいろんな形で成果が上がった歴史というふうに見てもいいんじゃないかと思います。それから、農業基本法の成果をまとめまして「農業基本法三十年の軌跡」という本を出版しております。ですから、かなり農業基本法の各条文に即して、それからその条文が農業、農村、食料、消費の実態をどのように反映しているかということを含めて検討した次第でございます。
○星川保松君 私はこうなりますと三権分立に対する農水省の理解が極めておかしいと思うんですよ。これは国民的コンセンサスを得る場としての国会、ちょっと行政の側が行き過ぎじゃないか、こういうふうに思います。これは農水省の中だけじゃけりがつきませんので、これはやっぱり総理大臣に聞かなきゃだめですね。それで、あさって、総理にひとつ出席をしてもらうようにお諮り願えませんか。
○委員長(吉川芳男君) 後刻、理事会等で協議させてもらいます。
○星川保松君 いずれにしましても、とにかく考え直してくださいよ。国民的コンセンサスの場はまず第一に国会だということ、これだけははっきり言っておきますからね。そこのところはよく心得てくださいよ。それで、時間がなくなりますので、いわゆる基本法農政、いろいろ私なりにその検討をしてみているんですけれども、その悪いところ、いいところをきちんと踏まえて、それで新たな農政に向かわなくちゃならないわけです。その中で一つとして選択的拡大ということをうたっているんですね。それで、選択的拡大というのはちょっと私は誤ったんじゃないか、こういうふうに思うわけです。つまり、選択的拡大といいながら、それまでの複合経営ですね、稲作もやる、養蚕もやる、家畜もやると。今で言うと有機農業ですよ。そういう形だったんです、日本の農家のほとんどが。それが選択的拡大ということで一つの作目に絞られていったんです。そのために、それまでリスクが分散しておったものが一つのところに偏ってしまったということで、だから百年も二百年も三百年も続いた農家がいわゆる基本法農政の後に単一作目化していって、それでリスクが大きくなって倒産するというのが続出したんじゃないか、こういうふうに思っているわけです。 そういうことを山下惣一さんという人、これは唐津で農家をやっている人で、その人が大変明快に書いているんです。 昭和三十七年にスタートした基本法農政は、当時のぼくらの心をとらえるに十分なものだった。 農業改良普及所のセンセがぼくの畑へやって来て、西瓜を五畝、大豆を五畝、甘藷を七畝、トマトを五畝と作付けしているのを、軽蔑のまなざしでジロリと眺めまわし、 「君ねえ、こんなことやってるから貧しいんだよ。こんなもん農業とはいわん。五畝五畝百姓といって、いつまでもゴセゴセして生きなきゃならんのだよ」 だんだん調子をあげて、 「これからの農業は選択的拡大、つまり、もうかるものだけを大面積に作っていくんだ。所得の低いものを作るからダメなのよ、わかるでしよ。もっと収益性の高いもの作っていけば、ラクにして所得はあがるのよ」 いまにして思えば、そんなにラクにしてもうかるのであれば、人にすすめる前に自分がサラリーマンやめて、始めたにちがいなく、どうして、そこに思い至らなかったのか悔やまれるのだが、こっちは純真だし、燃えてたし、なにより信じていたから、 「本当だ。まったくその通りだ」 「そうです。農業の夜明けですよ」 「ほんと、夜明けですね」 まったくアホみたい。 その結果はいまさらいう必要もない。農業基本法でうたった選択的拡大路線は十年もまたずして、総合農政の名のもとに減反に変わるのである。 ほとんどの農家の皆さんがこういう経験をしているんですよ。これについてどういう御感想をお持ちですか。
○政府委員(上野博史君) 最後のくだりのところの話になろうかと思うわけでございますけれども、お米の潜在的な生産力というものが需要をオーバーする、だんだん消費者の需要というのが非常にいろんな方向に広がった結果、お米の過剰というものが出てまいったわけでございまして、これを何とか解決するためにお米の生産調整が行われたわけでございますが、これは国民の欲するものを生産していくという意味において私はそれなりの成果を上げてきたんじゃないかというふうに思うわけでございます。 その過程で、畜産であるとか果樹であるとか野菜であるとか、そういう作目を始めた農家がそれらの方が非常に収益がいいということでだんだんそちらの方に専一をされる方ももちろんおありになられましたし、稲作との複合経営を続けてこられたという方もおありになられるわけでございまして、一概に専一経営がいいとか悪いとか、複合経営がいいとか悪いとかいうふうに決められるものでも必ずしもないんではないか。それぞれの地域の、あるいはそれぞれの農業をやっておられる方のお考え、工夫、そういうことによって経営形態というものは決まってくるんではないかというふうに考えるわけでございます。
○星川保松君 時間がなくなりましたので最後に。 いわゆる望ましい経営体というものを中心にして新農政を進めていくということになっておるわけですけれども、私はここで兼業小農家悪玉論みたいなのがどうも感じられるんです。だからこれは淘汰しちゃえというような考えですね。私はそれは問題だと思うんです。 今、兼業小農家が日本の米づくりをやっておる。他産業の手伝いをしながら日本の国民にその米を食べさせて、しかも余るだけの一千二百万トンもの生産力を持っているわけです。だから、ここで望ましい経営体をつくってもっと米を生産しようというんじゃないんですから、増産しようというんじゃないんですから、これだけの生産力を持っているというところからすれば、私はこれはそれなりの評価をすべきだと思うんです。 その生産力を持っている兼業農家に対してコストが下げられるような方法はないかというような施策も打ち出して、それで望ましい経営体というものを掲げておりますけれども、それと同時にこれからの農業の望ましい経営体としての選択肢の一つにそういう今の兼業小農家の行くべき道も開くべきだ、私はこう思うんですが、これについてひとつどなたか答弁してください。
○政府委員(入澤肇君) 再三答弁しておりますように、決して私どもは兼業小農家を否定したりあるいは厄介者扱いしているわけじゃございませんでして、当然のことながら日本の農業の中で重要な生産力を担っていると思いますし、また、地域コミュニティーの中でも重要な役割を果たしているというふうに認識しております。 この兼業農家の生産力をどのように地域で生かしていくかということでいろんな方法があると思います。例えば集落営農という方式をとって、そして集落ぐるみで土地利用計画に従い、機械の共同利用を図って、それぞれの農家がそれぞれ役割分担するという方法もありましょうし、また、小規模な農家が中心になりまして生産組織をつくって、生産組織体が請負事業体として農業経営を担うということもありましょうし、また、それ以外に小規模農家が専業的な農家に農地を出す、その出し方につきまして現在は利用権設定等の促進事業をやっておりますが、そういうふうな事業の適切な運営を図るとか、あるいは新しく売り渡し信託の制度を設けましたけれども、そのメリットを付与するとか、いろんな方法があると思います。 いずれにしましても、小規模兼業農家の持っている生産力、これを十分に活用しながら農業生産の維持拡大、地域コミュニティーの安定発展のために努めてまいりたいと考えております。
○星川保松君 終わります。
○喜屋武眞榮君 星川先生の後を受けて話題を展開しようかなとも思ってみたけれども、私が最後でありますので、一応最後らしくやらぬといかぬと思っております。 常にこういうことを私は考えています。農は国のもととだれしも言う。ならば、農民であってよかった、農家であってよかったという誇りと自信を持つそれぞれの国民でなければいけないんじゃないかということを絶えず考えておる一人であります。 問題を絞って準備しておりますので、時間の許す限り進めていきたいと思います。 まず、農林水産省が昨年六月に発表したいわゆる新政策はおおむね十年かけて我が国の農業を抜本的に構造の改革を行って、食料自給率の低下傾向に歯どめをかけることを宣言した農政の基本方向を示したものと受けとめております。 新政策でも触れているように、我が国の食料自給率は穀物の場合二九%にまで低下しており、食料政策が現状のままであればさらに自給率の低下は必死であります。もし、このような状況が今後も続くとしたら、我が国の農業の壊滅だけでなく、外国への食料依存が大きくなり、国民生活、国民の生存権も脅かす事態にもなりかねません。今後、大自然災害等による世界の食料情勢の変化の可能性もあり、食料の自国での確保は絶対必要であります。この点に関して大臣はどのように認識しておられるか、まずお伺いいたします。
○国務大臣(田名部匡省君) 食料は国民生活にとって最も基礎的な物資でありまして、国民に対して安定的に供給をするということはもう基本であります。したがって、新政策で生産性の一層の向上、あるいは品質、コスト面、こういうものを改善していくことによって、可能な限り国内農業生産を維持拡大し、食料自給率の低下傾向に歯どめをかけていくことが基本だというふうに考えておるわけです。 それは、もう前々からお話し申し上げておりますように、高齢化がどんどんどんどん進んでいく。当時、水田稲作に機械が導入されると考えた人はいなかったわけですわ。それが達成されたことによって、今まで多くの人で田植えをしたというのが何人かでできるようになった。特に夫婦でやればもう子供たちが手伝わなくても、規模が小さいものですから、やれるようになったということで子供たちが他産業に転出していった。そのころはまだ若かったですから、その人たちが、三十年もたってみるとだんだん農業から退くという年代になってきまして、さて後継ぎがいないという問題が出てきました。 そういうことを考えて、一方では他産業の所得というものはどんどん経済成長に伴って上がってきましたので、農業とのバランスが大分とれなくなったということもあるものですから、特に土地利用型農業において経営感覚にすぐれた効率的・安定的な経営体というものを考えていかなきゃならなくなった。 これは、ひところ四十人学級というのを随分国会で議論されました。黙っておっても自然にだんだん出生率が低下したことによってこれを達成しちゃった。むしろ、四十人ところでない、三十人学級に進んでおるということと同じように、農業の分野でもやっぱり同じようなことが起きておる。そのために、私たちはこの経営体というものを育成していかなきゃならぬし、それを担う人材を育成確保していかなきゃならぬ。加えて生産基盤の整備を図っていくということの必要性が出てきておる。あるいは、外国からの輸入と対抗していこうとすると同じものをやっておったんではだめだと。そういうことによって、バイオテクノロジーなどの先端技術の開発普及、そういうものを駆使した農業というものをやって、そうして自給率を高めていく必要が出てきたというふうに私は認識しております。
○喜屋武眞榮君 もう一問大臣にお尋ねしたいんですが、このごろ聞くことは、日本は経済大国になったと、こう言います。ところが、経済大国であるけれども、国民は生活大国ではないと。そこに私は政治の問題があると言うわけであります。日本は確かに経済大国です。私は肯定します。けれども、生活大国ではない。このアンバランスを表裏にして、ここに私は政治の問題があるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田名部匡省君) 数年前から経済大国と言われながら国民はその豊かさを感じていないではないかという議論が出てまいりまして、私どももそのとおりだということで、労働時間を短縮するとかいろんなことを今やっておるわけです。住宅政策もその一つだろうと思う。 しかし、経済成長に伴って地価の高騰、そうしたもので、さらに住宅にしてもなかなか思うように土地が手に入らないという状況もあったということで、いろいろと政府を挙げてこの問題に取り組んでおりますし、まだまだ社会整備もおくれておるという面も確かにありますので、そういうものを総合的に、まさに生活大国にふさわしいものにする努力を今していかなきゃならぬ、そう考えております。
○喜屋武眞榮君 日本が経済大国になったというこの事実は、これは勤労国民大衆の血と汗と努力の成果であることも間違いないと私は信じております。ならば、この経済大国の恩恵が国民のすべてに還元されて、やっぱり福祉大国、生活大国になったんだと、ここに私は政治の課題が、また政治家の責任があると確信いたしております。 まだ核心に至っていないということはあえて私一人の問題ではないと私は思うわけでありますが、この経済大国を生活大国に持っていくのが政治の、あるいは行政の責任であると私は思って、ずばり申し上げまして、国の責任においてもっと国民の生活が、生きていてよかった、生活大国になってよかったと、こう身と心から生きる喜びを、生活の幸せを味わえる国民でなければいけないと私は思うんです。 こういう点を思うときに、ほど遠しという感なきにしもあらずであります。そこで私は為政者が国の行政の責任を、また私も含めて政治家が、大衆が、日本国民が何を求めているか、このことを絶えず我と我が胸に手を当てて考えていかなければいけないと思うんですが、失礼ですけれども、大臣、もう一回ひとついかがでしょうか。
○国務大臣(田名部匡省君) もう全く委員おっしゃるとおりでありまして、私どももそう感じております。そういうことからいろんな施策を展開してきております。即効性が出てくるものもありますけれども、なかなかやっぱり時間のかかるものもあります。しかし、我々はそれに向けて努力をしていかなきゃならぬということはもう間違いないことでありまして、これからも全力を挙げて取り組んでいく。 ただ、どういう国をつくるかということ、これは外国を委員もしょっちゅう訪ねることが多いと思うのでありますが、どこの国が理想かというと、なかなかまた理想的な国というものはない。治安のいい面では日本がいいとか、あるいは所得においては高いとか、他の国と比較してみると日本というのは大変発展しておるなと。しかし一方では、発展し過ぎて、道路の渋滞ですとか生活環境というものはよくないということは事実でありますから、そういう問題のあるところをこれから一生懸命努力をして改善していく。 豊かさを感ずるような生活というものを、所得だけではなくて、環境もやっぱりつくっていかなきゃいけない。そのためには一極集中排除だとかいろいろやっております。その受け皿として農山漁村というものをもっと活性化して、そうして農家の方々が本当にこの豊かさを感ずる農業の方にいそしめるという環境をつくることもこれまた大事な一つだというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 ここで大臣にお願いしたいことは、多くを申し上げませんが、我が国の生産の中核をなす労働者、そして勤労国民大衆、まず国において総理を中心とした内閣のスタッフが本当に今農水大臣がおっしゃったような心としてすべての国民に対する謙虚な気持ちを持って常に接してもらう、そして日本の国の国力の誇りと喜びを絶えず国民大衆に鏡を当ててともに喜んでいくという、幸せを願うという、この気持ちを持ってもらうことが非常に大事であると私は思うんです。 どうか、尊敬する農水大臣、絶えず内閣におきましてもそういう空気をつくっていただいて、そして国連の場におきましても本当に日本の総理大臣を中心とする内閣のスタッフの心がそのまま国連の精神に直結をして、世界の人類が日本国民のあの喜びにあこがれを持つような、少なくとも私は世界の人類は日本国民に尊敬の念を持ちつつあると、こう信ずるわけでありますが、どうかひとつ、わけても農の主人公であります農水大臣は事あるごとに国民の先頭に立って呼びかけていただきたいことを心から要望いたします。 次に、私は新政策で示されている食料自給率の低下傾向に歯どめをかけるということには納得できません。なぜかといいますと、現状ではさきにも触れたように穀物の自給率がわずかに二九%という危険な水準であります。 歯どめをかけるというのは、食料自給率の水準はどこにその視点を当てておられるのであるか、これをまずお聞きしたい。
○政府委員(上野博史君) 私どもが今回のいわゆる新政策を考える場合に自給のフレームとして考えておりましたのは、例の長期見通しのベースでございます。 ただ、現実の食料の自給率というのはこのところ低下傾向をたどっているわけでございまして、国民の消費の実態の変化というようなことを考え、あるいは生産サイドの農業の就業構造の変化というようなことを考えてまいりますと、この傾向をとどめるということすらなかなか容易でないというふうに考えるわけでございますが、ともかく政策的に手当てのできる構造面に手をつけまして、新しい政策体系を講じてまいるというようなことによってできるだけこの傾向に早期の歯どめをかけたいというふうに申し上げているわけでございます。 その具体的な水準をどう考えるかということにつきましては、これは自給率を幾らにするかという議論と全く同じでございまして、自給率ということの性格論からいたしまして、なかなか具体的な数字を示してそこで歯どめというわけにはいかない点をお許しいただきたい、できるだけの努力をさせていただきたいということをお許しいただきたいと思います。
○喜屋武眞榮君 今の御答弁にも関連しますが、新政策では、その一方で我が国の食料自給率が先進国のうちで異例に低い水準であることを述べておりますね。 それに加えて、「国内農業の生産性の一層の向上、経営感覚に優れた経営体や、水田などの農地・水資源などの確保、」「可能な限り国内農業生産を維持・拡大し、」とも述べ、これによって「食料自給率の低下傾向に歯止めをかけていく」としております。 このような食料政策は矛盾に満ちており、食料を生産する農民を惑わすものであり、農民は安心して食料の増産に励めない、いわゆる猫の目農政の延長であるからであります。どうして食料自給の完全確保を目標にしないのであるのか、私は食料自給率の歯どめの政策は撤回すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(上野博史君) 完全に自給できるということができれば、それはそれで私は大変結構なことと思うわけでございますけれども、現在の我が国の国民の食生活の形態を考えますと、そのままで、日本国内でそれらの食料品を完全に自給するということはまず物理的に不可能だというふうに考えるわけでございます。 現在、私どもの消費いたしております畜産物、仮にこれを取り上げて考えてみましても、その国内産の畜産物でございましてもえさは大半が外国から参っております。こういうものを国内で全部生産するということになりますと、現在の農地面積の五百万ヘクタールを若干超えるぐらいの規模の面積ではとても供給が確保できないわけでございまして、現在の食料消費の実態を大きく揺るがすような話になってしまうというわけでございます。 したがいまして、食料自給率の議論をする場合には、生産者のサイドを十分に考慮するということも必要なんでございますけれども、一方で消費者の側の消費の実態なりあるいはコストに対する感覚なりというようなものもやはり考慮に入れなければならないところがあるわけでございまして、そういう総合的な勘案の結果、できるだけのものを国内で生産するという努力の対象にしていくのが私は適当なんではないかというふうに考えるわけでございます。 農家の農業就業者、後継者がなかなか得られないというのは、やはり他産業に就業した方が所得の確保が容易であるし、あるいは労働、就業の条件もいいというようなこともあって、現在なかなか若い人が入ってこないという実態もあるわけでございまして、こういう事態を改めて必要な農業労働力を確保し、それによってできるだけの農業生産を確保していくというふうに考えて施策をとっていきたいというところから、私どもの新政策の考え方というものを打ち出しているということを御理解いただきたいと思います。
○喜屋武眞榮君 もう一問。 次に、現在耕作放棄地は全国で約三十八万ヘクタールにも及び、我が国の農業の大きな問題点の一つとなっております。 このように耕作放棄地が急増する背景には、言うまでもなく、農業就業者の減少と高齢化、さらに生産者米価を初めとする農畜産物の行政価格の低迷などによる経営意欲の減退等が挙げられますが、特に自然的、社会経済的立地条件の不利な中山間地域の過疎地帯では担い手が少なく、耕作放棄が目立っています。耕作放棄地の増加は、さきの食料自給率の増加施策にも深くかかわり、放置できない問題であります。 そこで、農政の緊急課題の一つとして、耕作放棄地の増加にストップをかける施策が必要となってまいります。この施策の具体策を示してもらいたい。
○政府委員(入澤肇君) 御指摘のとおり全国各地で、特に中山間地域それから都市近郊地域におきまして耕作放棄地が増加しております。新政策を打ち出し、それからまた、この構造二法を打ち出した背景にはそのような事情があることは事実でございます。 私ども、従来から耕作放棄地につきまして、その解消策につきましていろんな工夫を凝らしております。 一つは、農用地利用増進法に基づきます遊休農地に関する措置で、勧告をし、協議をし、合理化法人が買い入れるというふうなことで解消していきたい。しかし、何といっても耕作放棄地を見ますと基盤整備が進んでいないということがございますので、農業生産基盤を整備するということを中心にやっておりますし、さらにいろんな工夫をいたしまして、無利子貸し付けなどを行って簡易な土地基盤整備も行うように配慮しております。それから、農用地利用増進事業であるとか農地保有合理化促進事業であるとか、農地を有効に利用させるための手段というのも駆使しまして耕作放棄地を解消しようとしているわけでございます。 今回、この中山間地域法案あるいは農業経営基盤強化促進法案におきましても、その耕作放棄地を解消するための方法として幾つか新しい手法を提案しております。 一つは、農業経営基盤強化促進法案におきましては、集落の話し合いをベースにいたしまして、耕作放棄地等があってどうしても農地の引受手がない、そういうところで農業生産法人を特定いたしまして、その農業生産法人にその農地を引き受けてもらって耕作放棄地を解消する。そのために、税制上の一定の優遇措置を講ずるということをやっております。それからまた、特定農山村法案におきましても、農林地所有権移転等促進事業におきまして耕作放棄地の解消策を考えているわけでございます。 いずれにしましても、耕作放棄地を解消するためには、そこで意欲的に農業をやる人に農地を集積しなくちゃいけないということでございまして、今回この二法案を中心にいたしまして耕作放棄地の解消策を鋭意進めていきたいというふうに考えているわけでございます。
○喜屋武眞榮君 もう一問、最後。 次に申し上げたいことは、復円のことについてであります。 復田というのは、御存じのように転作した畑を水田に戻すことを言いますが、一九九一年の不作によって米の在庫が不足ぎみになり、その結果、農林水産省は八十二万ヘクタールであった全国の減反面積を九二年に限って七十万ヘクタールに減らし、十三万ヘクタールを水田に戻す減反緩和の措置を決定しました。これは間違いありませんね。——しかし、実際に復田されたのは目標の五〇%を割って五万九千ヘクタールにとどまったようです。このことは、今後の農業生産の拡大、食料自給率の向上という重大な農業政策を推進させる観点からも無視できない問題であります。 そこで、政策目標の半分にも満たなかった原因をどのようにとらえているのか。 と伺いましたのは、結局私が言いたいもう一つの裏は、国は決まったことを的確に速やかに確実に実施する場合もあるでしょうが、そういうことに非常にスローなことを私は感じております。決まったことを的確に速やかに実行、実践していくということに対して優柔不断であるという、まあその墓もありましょうが、そういうことを私は指摘したいんです。それを私は強く指摘したい気持ちを持ってこの問題を提起したわけであります。 御存じですか。もう一遍読みますか。
○政府委員(高橋政行君) 今、先生お話しのように、平成四年の減反の緩和は十三万ヘクタールをやったわけでございます。それで緩和をしたわけでございますが、なかなか稲作復帰が十分に進まなかったということも事実でございます。 これは、生産者の皆さん方の御理解を得ながら進めるということで、我々もいろんな形での指導をしてまいったわけでございますが、その進まなかった主な理由といたしましては、まず一つは、ブロックローテーションといいまして、地域輪作農法をひとつやってほしい、そういう形で転作をやってはどうかということで我々はこれを進めてきたわけでございますが、この緩和いたしましたのが水田農業確立後期対策の三年目でございまして、にわかにそういうものを変更しろといってもなかなか変更できないということがまず一つありました。 それから、今まで八十三万ヘクタールのものを七十万ヘクタールにする、しかもその七十万ヘクタールが単年度の処置である、その次から一体全体どうなるかわからないというようなことでは、経営上自分たちは安定した経営ができないというようなことで、農業者の理解が得にくかったことが二つ目でございます。 それから三つ目としては、特に都市近郊では野菜等が既に定着しておりまして、かなり収益高くやっておりますので、そういうところではわざわざ野菜をやめて米に転作するというようなことが実際にできなかったし、またやる必要もないとは思いますが、それから特に中山間地域では、高齢化とか担い手不足というようなことで作付が放棄されているような土地があるとか、あるいは保全管理というような格好で残されている田んぼにつきまして復円が進まなかったというような状況でございます、この点につきましては、我々は別途アンケート調査もしておるのでありますが、それから見ても以上申し上げましたのが主な理由であったというふうに思っております。
○喜屋武眞榮君 これで終わりますが、一言申し上げたいことがあります。 私がいろんなことを率直に申し上げましたが、どうぞひとつお帰りになりましてからもう一度私の発言に対する検討をしてもらって、もし間違った点がありましたら率直にまた私に言ってください。それを私は期待いたしまして、終わります。
○委員長(吉川芳男君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
○委員長(吉川芳男君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につき、派遣委員の報告を聴取いたします。永田君。
○永田良雄君 御報告いたします。 去る五月二十一日、二十二日の両日、新政策関係三法案の審査に資するため、群馬県におきまして、農林水産業の実情を調査してまいりました。 派遣委員は、吉川委員長、菅野理事、三上理事、林理事、佐藤委員、野間委員、一井委員、稲村委員、村沢委員、矢原委員、星川委員、喜屋武委員、新聞委員、それに私、永田の十四名であります。 報告に先立ちまして、一言申し上げます。 去る二十一日、本派遣団が出発する直前に地震があり、このため、当日に予定しておりました白沢村トマト集出荷施設の視察が取りやめとなりました。準備されておりました関係者の方々には、まことに申しわけなく、この場をおかりいたしましておわび申し上げます。 以下、調査の概要について申し上げます。 群馬県では、利根川水系の豊富な水資源、比較的温暖な気候及び標高差に富んだ耕地分布等の恵まれた自然条件と大消費地に近いという有利な立地条件を生かし、多彩な農業生産が展開されております。平成三年の農業粗生産額は二千八百五十億円で、近年、米麦、養蚕、工芸作物等が減少している一方、野菜、果実、花卉等の園芸部門が増加傾向にあり、コンニャク芋の生産は全国の七五%を占めております。 県土の三分の二が丘陵山岳地帯であることから、過半の市町村が中山間地域となっており、これらの地域では、立地・自然条件を生かした農業生産の展開、特産物づくり、また、景観や地域資源を活用し、都市との交流、定住条件の整備などの取り組みも行われております。 一方、農家戸数は年々減少しており、新規就農者も平成四年には八十二人にまで減少し、特に中山間地域におきましては、半数の市町村で新規就農者がいないという状況にあります。 平成四年における耕地面積は約九万ヘクタールでありますが、水田の二毛作、畑の野菜作等による高度利用が進んでおり、耕地利用率は全国第四位と高い水準にあります。農地流動化の状況につきましては、関東地域では上位に位置しており、平成四年十二月未現在の利用権設定率は四・八%となっております。 次に、視察いたしました主な箇所について申し上げます。 まず、倉淵村のクラインガルテンを視察いたしました。 倉淵村は榛名山西ろくに位置する過疎の村であり、昭和三十年には八千三百人いた人口も現在では五千五百三十一人と三四%減少、耕作放棄地も耕地七百ヘクタールのうち七十ヘクタールにも及んでおります。 本施設は、この耕作放棄地を有効活用することを目的に平成三年にオープンしたものであります。都市から離れているため宿泊型の施設として想定されており、約二万二千平米の敷地内に二百六十一区画の農園及び農林漁業体験実習館や六棟のログハウスなどの施設を備えております。現在、二百二十区画の農園が契約済みであり、中心部の農園は競争率も高く、ログハウス、実習館を含めた利用者数は年間延べ一万人を超えております。東京、埼玉の利用者が八割を占め、平均利用回数は隔週一回程度であり、中には毎週のように来園される利用者もいるということであります。そのほとんどが農作業未経験者で、村では高齢者の方を指導者として雇用しております。 本施設を開設した効果として、就業機会が確保されたこと、クラインガルテン利用者及び地元農家からも花卉や野菜の苗等の需要が相当量見込まれ、所得の確保が図られること、その他、都市住民との交流等による人材の育成、女性・高齢者グループの活動の活性化等に貢献していることなどが挙げられております。 視察した当日は、土曜日ということもあり、あいにくの天候にもかかわらず駐車場には首都圏ナンバーの車が並んでおりました。 また、倉淵村には、都市の会社をやめ、村に移住し、農業に新規参入された方も四名おられ、今回、そのうちの一名からお話を伺うことができました。この方は、東京の総合化学会社をやめられた後、平成元年から新規に就農され、現在では大根、レタスなどを中心に有機野菜を生協と契約栽培されております。自然に恵まれた中山間地での農業について力強く語られたのが印象的でありました。 次に、玉村町におきまして、玉村町農業公社及び機械化生産組合について概要説明を聴取いたしました。 玉村町は、農地の約七〇%が水田で、土地基盤整備が完了した水田米麦二毛作地帯であります。米麦作は兼業農家の生産が主体であり、戸当たりの経営規模が小さく、農業労働力の高齢化・女性化も進んでおります。 高崎市、前橋市等に隣接していることから近年ベッドタウン化が進んでおり、平成三年に都市計画の線引きを行ったところ農地転用が急激に増加しました。このため町では、優良農地を確保し、農地の利用集積による米麦農家の規模拡大を図り、生産性の高い都市近郊型農業を確立し、農業者の経済的、社会的地位の向上を図ることを目的に財団法人玉村町農業公社を設立したところであります。 本公社は、今年三月に設立されたばかりでありますので、今後、普及啓蒙活動に努めていくとともに、大規模担い手農家等への利用権集積機能と再配分機能を充実していくこと、農地保有合理化推進事業により農地の流動化を積極的に推進し、米麦農家の規模拡大を進めること、営農状態等の情報を個別に収集、分析し、農家ごとに台帳を作成し、農地保有合理化事業等に活用すること等の事業を行っていくとのことであります。 また、機械化生産組合は、昭和五十年に設立、現在十四戸で構成され、稲麦機械化一貫体系で機械の共同利用と受託作業を行っており、十四ヘクタールの水田と一・五二ヘクタールの畑等を耕作しております。本組織経営の特徴として、財務管理は内部留保方針をとること、また管理労働に対して経済的評価を行うこと等が挙げられます。機械の共同利用型の組合でありますが、組合運営上の問題等について貴重なお話を伺うことができました。 以上が、今回視察してまいりました群馬県の農林水産業の実情の一端であります。 倉淵村、玉村町ともにすばらしい指導者に恵まれており、改めて適切な指導の重要性を痛感した次第であります。 最後に、今回の調査に当たって特段の御配慮をいただきました方々に心から感謝申し上げ、報告を終わります。
○委員長(吉川芳男君) 以上をもちまして、派遣委員の報告は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十分散会 —————・—————