農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 223 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/03/29
会議録
○委員長(吉川芳男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る三月二十六日、中尾則幸君が委員を辞任され、その補欠として一井淳治君が選任されました。 —————————————
○委員長(吉川芳男君) 農林水産政策に関する調査のうち、平成五年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題といたします。 本件につきましては、既に説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○菅野久光君 きょうは大臣の所信に対する質問でございますが、その前に、過日決定されました畜産価格の問題については、まさに異常な畜産情勢を反映してか、答申に当たってもまだ異常な状況の中での答申ということになりました。現実的には、大臣の決定で価格据え置きということにはなったんですが、いろいろ要請の中でも申し上げましたが、関連対策はあす詰めるというような日程になっているようでございます。 この関連対策がどのように決められるか、ここのところが大変大事な問題になってくるというふうに思っておりますので、私どもも要請いたしましたし農業団体もいろんな点の要請をいたしましたが、それらの点についてぜひ畜産農家が安心して営農できるようなそういう関連対策をやってもらいたい。それこそが新農政に対する元年といいますか、そういうことになっていくのではないが、そして離農を食いとめるそういう道になっていくというふうに思いますので、その点はまず初めに要望だけ強くしておきます。 私は、時間の関係もございますので、きょうは林業と水産業の問題について大臣の所信についての質問を行いたいというふうに思います。 大臣の所信の中で、「林業につきましては、森林に対する国民のニーズにこたえる多様で質の高い森林の整備と、国産材時代の実現に向けた条件整備が基本課題であります。」と、このように述べられております。 第百二十回国会における森林法の一部改正によりまして、民有林・国有林を通じた流域を単位とした森林計画制度の再編、造林・林道投資計画制度の導入等の措置が講じられることになりました。そして、平成三年度から森林の流域管理システム、四年度からは森林整備事業計画がそれぞれ開始されました。 一方、国有林野事業についても改善特別措置法の一部改正に基づいて新たな改善計画を策定いたしました、平成三年七月でありますが。流域管理システムのもとで事業運営に取り組むことになりました。 しかしながら、外材輸入による圧迫、さらに景気後退によって材価が低迷し、森林管理を担う林家や林業体の経営はますます厳しくなってきております。こうした中で施業意欲の減退、加えて林業労働力確保の困難性などから森林整備・生産活動が低下してきております。 また、国有林野事業についても、一般会計からの繰り入れを拡充したものの経営の健全性確立には厳しいものがあります。 こうしたことから私ども日本社会党は、民有林・国有林を取り巻く現状を直接把握いたしまして、現行の政策、制度を検証する必要があると判断して、秋田、北海道の北見地方及び函館地方、長野、福井、岐阜、熊本、静岡、高知、岩手の九道県について調査をいたしました。道や県、市町村関係者から腹蔵ない意見、要望が出されました。その意見交換の場で提起されました要望、意見等を項目的にその主なものを御紹介いたしたいと思います。 まず、林業振興等に関してでありますが、森林交付税、林業交付税、水源税等の創設の必要性。日本の山に適した林業機械の開発。相続税など林業税制の見直し。木材需要拡大策。林業労働者確保のため国、県の施策の充実。下流域から上流域への援助の仕組み確立。森林管理は国の責任で。林道整備は全額国の負担で。高性能林業機械導入に国、県の助成を。労災保険料率の改善。林業後継者対策として農業年金のような年金制度を。流域管理システムの推進に国の積極的指導と支援を。森林組合の育成策を。 国有林野事業に関しては、予算と要員不足で森林保全に支障が。一般財源の拡大を。森林国債的なものの発行で累積債務の解消、累積債務の棚上げを。流域管理システムの推進に国有林野事業の積極的な展開を。営林署の人減らしは地域振興に影響。収支差管理方式は事業運営に支障。拡大造林施業基準、成長量八立米以上の問題点。人工林の手入れ不足の問題点。機能分類について地元の意見を踏まえた見直しを。こういうような意見をいただいてまいりました。 こうした要望、意見に対して、五年度の林野庁関係予算を見ますと、例えば公的分収林整備事業、林業担い手確保対策事業、国産材供給体制整備と木材需要拡大対策などで新規事業として予算化されたものがありまして、それについては私は一定の評価をいたしますが、しかし金額的には不十分であります。特にソフト面での事業が非公共事業でマイナスシーリングの枠内のために金額的に不十分であり、早急に実効性を期待できるか疑問があります。地球環境問題から森林や林業をめぐる海外の情勢が大きく変化して国内的にも森林に対する国民要請の高まり、森林・林業の立て直しを求める声が大きくなってきているときに従来型の予算編成では国民や林業関係者等の要請にこたえることは困難であると思います。 一定の期間、例えば林業再建十カ年計画、これとこのシーリングとは別枠の予算措置を図る必要があるというふうに思うんです。農林水産省の予算という一つの枠の中でのシーリングで抑えられているために、このような計画を立てても計画どおりいかない。林野の場合には再建計画がありますし、水産なんかの場合にも減船などというその年度でどうしても処理しなければならない予算があるんだけれども、シーリングで抑えられているために、そこをふやせば他の局の予算を減らさなければならないというようなことで、農林水産省の中の各階での何というんですか、省内での戦いと言ったら言葉は適切でないかもしれませんが、そういうような状況があるわけですね。 ですから、特定の問題についてはシーリングの枠から外して措置をするということが私は大事ではないか。幾ら計画だけ立てても、そのことがなされなければ絵にかいたもちになってしまうというふうに思うんですが、その点についてのお考えを承りたい、このように思います。
○国務大臣(田名部匡省君) なかなか答弁難しい問題であると思います。と申しますのは、長期的に国全体のことを考えた場合と個々に一つ一つの問題をとらえた場合と全く違うわけですね。例えば二十一世紀の日本の将来というものは一体とうなるんだろうと。いつも申し上げるように高齢化がどんどん進む、人生八十年時代、しかし出生率の方はどんどん低下していく、次の世代の負担をどうするのがいいのかということもやっぱり常に念頭にあるわけですね。そうした中で、私は日本全体がもう改革の時期だと、すべてが。産業界もそうでありますし、行政も政治もすべてもう改革してあげておかないと、本当に我々の子供たちが困る時代が来るというのが一方にあるわけですね。おっしゃるように環境とか国土保全というものはまた大きくのしかかってきていまして、これに対しては国民の理解というものはある程度私は得ることができる。 なりわいの方の林業を考えると、おっしゃるとおり、外材に押されて国産材というのはどうしても割高になる。国民の負担をどこまで求めるかというその基準といいますか、その辺が非常に難しいと思うんです。一方では、持ち家政策を進める。土地も高いですけれども、やっぱりなるたけ安価な住宅を国民の皆さんにつくってほしいという気持ちもあります。そこへいきますと、どこまでの負担を求めるのがいいのかというと、今シーリングのこともお話しになりましたが、なかなか難しい問題がここに内在するわけですね。 ですから、総合的に判断をして、国民全体として了解が得られるような形というものを政府としてはつくっていかざるを得ないという難しさが実はあるわけです。しかし、その中にあってもこの国有林野事業というのは、今日まで木材の価格が低迷しておるし、あるいは組織、要員の規模の面でできるだけ今申し上げたように全体が、経営も合理化していかなきゃならぬ、そういうところにも手をかけていかなきゃならぬという面があって、依然として厳しいと私は思うんです。 しかし、今お話にもありましたように、そのために平成三年七月に策定した改善計画、これは国民を代表する国会の先生方がみんなで決めで、これならよろしいというのは国民の意見として、私どもは自主的な改善努力を尽くしていくとともに、所要の財源措置を講じて国有林野事業の経営改善を進めておるわけです。 したがって、今後とも国有林野事業の経営の健全性を確立しながら、先ほど申し上げたような環境、風土保全、そうしてなりわいも業として成り立っていける、そういうことのために努力をしていきたい、こういうふうに考えております。
○菅野久光君 予算の問題はなかなか難しい問題だと思いますが、今までも補正予算の中でかなり措置をしてきたという経過はありますが、現在のように財政が厳しいと、当初の予算に比べて自然増収がほとんどない、むしろマイナスになってしまうというようなことになればいよいよ措置が難しくなってくるわけですね。それだけに計画に対する実現可能な予算額というものはどうしても措置をしておかなきゃならない、そういう問題だというふうに思うんです。 そこで、森林整備の促進の問題にかかわって四年度から始まった森林整備事業計画、これは国有林野事業と民有林への助成事業との総事業費規模は二兆八千五百億円というふうになっております。このうち、いわゆる国費負担分は総額で一兆五千億円、年平均三千億円となっております。四年度及び五年度の当初予算ベースでは、国費分は、四年度約二千六百十億円、五年度約二千六百九十億円となっております。年平均三千億円ということになっておりますが、このように四年度で約四百億、五年度で約三百億近く減になっていて、これでは計画達成はおぼつかないのではないか、公共事業予算ゼロシーリングの枠内ではこれはもう限界があるというふうに思います。 森林整備を急がなければならない情勢下ではシーリングとは別枠の予算措置をとる必要がどうしてもあるのではないかというふうに思うんですが、五年度を初年度とする林業再建の特別対策の樹立をぜひ求めたいというふうに思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(馬場久萬男君) 今、森林整備事業計画を例に森林・林業再建計画ということをおっしゃられましたが、森林整備事業計画につきましては、委員仰せられのとおり二兆八千五百億というのが国が直接あるいは補助をして行う事業費ということで言っておりまして、この中の国費の部分というのは補助率等によっていろいろと計算のしようがあるわけでございます。 こういう計画は大体、御案内のとおり初年度からだんだんふやしていって、計画年度の終わるころには計画で定めた程度の投資規模にしたいというのが私どもの考えでございまして、確かに今の予算だけを見ますとやや達成に向けて少ないではないかという御指摘もあるわけでございますが、例えば平成四年度におきましても当初予算は事業費ベースで四千五百六十五億、本年が四千五百七十五億、余り違いはないわけでございますが、補正でふえまして事業費ベースで五千二百六十三億になったというようなことがございますので、我々はこれからもこの計画達成のためにはいろいろな時点におきまして予算の確保を図っていきたい、かように考えるわけでございます。 林野庁といたしましては、今の森林整備事業計画のほかにもう一つ、昨年第八次の治山事業五カ年計画を定めております。それぞれの計画にのっとりまして所要の予算をとるような形にしておりまして、平成五年度スタートの新しい計画をつくるという考えは今のところございませんけれども、昨年スタートさせた二つの五カ年計画というようなものを中心にこれからの森林・林業に対する投資を行っていきたいというふうに考えております。
○菅野久光君 いずれにしろ、予算がやっぱりきちっとなっていないということは事業運営にとって大変私は現場が困る問題だというふうに思うんです。 今、現場で収支差管理方式というのをとっておりますが、これについてもいろいろな問題が出されておりますね。その点について、これもまた平成五年度も継続してそういう方向でやらざるを得ないというのか、やるつもりでいるのかどうか、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(馬場久萬男君) 今仰せられました収支差管理方式というのは、それぞれの営林局の支局におきましてその年の収入と支出、これは私ども十四の営林局、支局を持っておりますが、その中で大部分のものはいわゆる赤字と言われていますが、これは収入と支出の差がマイナスの場合が赤字というふうに言っているわけでございます。 これをそれぞれの局なり支局の必要に応じて自由にしておきますと、赤字のいわばふえ方が局によって、計画によって非常に差がつくということもありまして、それぞれの局の事情がありますから全部赤字はだめだというわけにいきませんが、最大限この程度の赤字幅で、収支差で事業運営をするように心がけろということを指示しているのが今の収支差管理方式でございます。 これは、国有林野事業が事業特別会計という会計制度のもとで独立した会計として今後経営をしていく場合には、やはりある程度そういう収支の管理についてのめどを示しておかないと、それぞれの局、支局が自分の裁量でやるということになるとどうしても赤字がふえる傾向にありますから、そこは我々としては収支差管理方式というのは平成五年度においても続けたいと思っております。 ただ、しかし、それぞれの地域におきます必要な事業というのはあるわけでございますから、どの局も皆同じ差額ということではございませんで、それぞれの局によって収支の差が大きくてもやむを得ない局、あるいは努力して黒字にしてほしい局、そういうものがあるわけでございまして、これはその地域の特性あるいは今持っている資源なり必要な事業の量等によって、個別によく実態を見た上で決めていきたいと思います。
○菅野久光君 私が聞いた一例を申し上げますと、営林署の職員の人たちも国有林の経営を何とかしなきゃならぬ、木材もできるだけ高く売らなきゃいかぬと、そういうことで、例えば当初の計画では七十万ぐらいのものなんだけれども、しかしよく調査をしてみるとかなりいい材なんでこれを百万で売りたいと、そういうふうに思っても、二〇%ぐらいは何か経費に見ると、そうするとその材を売るのには十四万の予算しかない、百万で売るということになると二十万になる、そうすると六万オーバーだから、それは困るというようなことを言われたというんですね。 ちょっと常識では考えられないんですが、収支差管理方式を余りにも徹底し過ぎるというのかな、応用のあるやり方ができなかったのかどうかわかりませんが、現場の人から私はそういう話を聞いているわけです。もっとやっぱり生きた使い方をしていくことが必要ではないか。余り収支差管理方式ということで締めていくと今申し上げたようなことが出てくるんで、まさかというふうに私も思ったんですが、いや本当なんだと言うんですね。まじめな話だそうですから、そういうことにならないような指導を十分にひとつやってもらいたいとここの部分については思います。 それから、林業の担い手対策でありますが、新たに担い手確保総合対策事業を開始することになりまして、この点について私どももかねてからいろいろ提言もし、また法案も出そうということで準備もしておるわけでございますけれども、その点については一定の評価をいたしたいと思います。 担い手不足は全国共通の問題でありますし、何とかこれを法制化して、国や自治体、関係者が総力を挙げて取り組むことが必要だというふうに思いますが、ただ単なる対策事業ということではなくて、法制化して取り組むべきだということを私どもは考えておるわけですが、その点についてはどうでしょうか。
○政府委員(馬場久萬男君) 委員仰せのとおり、我が国の林業労働力というのは非常に危機的な状況にございまして、私どもも林業の担い手の安定確保というのは林政の重要課題であるというふうに考えております。 そのために、今までにおきましても、林業事業体の体質の強化でありますとか、あるいは高性能の林業機械の導入でありますとか、就労条件の改善でありますとか、あるいは災害の防止、労働強度の軽減等の労働環境の改善等々いろいろやってきているわけでございますが、今おっしゃいましたように、平成五年度におきましては林業担い生育成強化総合対策というようなものをそれらの事業をまとめて打ち出したわけでございます。 そのほかに、この国会で御審議をいただく予定にしております林業改善資金制度におきましても、青年林業者等養成確保資金でありますとか、林業労働福祉施設資金のようなものを、従来の制度を拡充創設させていただきたいと思っておりますし、また自治省等と協議をいたしまして、いわゆる地方交付税の措置の中で森林整備の担い手対策のための基金、財政枠としては五百億円というような枠の設定をするというようなこともしたところでございます。 さらに、労働省等におきましても、林業の労働力の問題については非常に関心を持っていただいておりまして、今回労働基準法において林業への全面適用を行うというようなこととか、あるいは労働省の施策としての措置をとるというようなことを、これは労働省の方の地域雇用開発助成金の拡充でありますとか、あるいは林業雇用改善促進事業の創設というような事業をしていただくというようなこともありまして、今委員仰せのように、各方面いろいろ総合的な施策を講じたいというふうに考えておるところでありまして、予算、金融あるいは法制度等さまざまな措置を総合的に活用して、今後とも労働力の確保に努めてまいりたいと思っております。
○菅野久光君 この問題については、また機会あるごとにいろいろと申し上げたいというふうに思います。 林業の問題についてはたくさんあるんですが、きょうの最後の林業関係についての質問は、外材をめぐる情勢というのは大変変化をしてきておりまして、これは決して一時的なものではないというふうに思います。特に熱帯林の伐採、それを日本が大量に購入する、地球の環境破壊ということでの日本に対する厳しい批判が寄せられている、こういったようなこと等がありまして、これから日本は国産材時代を迎える、そういうときでもございますので、これを契機にぜひ日本林業の再建に向けて私どもは努力をしていかなきゃならぬと思います。 日本林業の再建は、ただ林業だけではなくて、農業再建、そして中山間地振興とも重要なかかわりを持っていることだというふうに思うんです。そういうことを含めた日本林業再建計画的なものを立てるべきだ。そのためには、これは与党とか野党とかということではなくて、政治にかかわる者、政府を含めて全体が話し合いの場を持って、そして全体の合意の中でこういったような施策を進めていくべきではないかというふうに思っているんですが、この点については大臣どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(田名部匡省君) おっしゃるとおりだと思います。林業だけでなかなか生活できないという部分は総合的な対策の中で、多様に就労の場とこういつも私は申し上げておるんですが、そうしたものを総合的に一体どうなるか、あるいは高齢者がどんどんふえておりまして、そうした方々の仕事というものはどういうものがあるかというふうにしながら、さりとて高齢者ばっかりではなかなか仕事がきついという面がありましょうから、そういうことは他省庁と一体となって進める。 中山間地もその一つだろうと思うんです。農地は少ないといっても、若干の農業もやりながらそういうこともあわせてやるとか、もう多様に方法というものを考える。そのためには、これは当然もう政策上の問題で与野党どうのこうのという話じゃありませんから、全体的に本当によくなるためには一体何をすべきかということを私たちも真剣に考えますし、また御意見をいろいろお伺いしながらやっていきたい、こう考えております。
○菅野久光君 大臣からとにかく意見は大いに出してもらって聞く、そしてみんなでやっていこうという決意をいただきましたので、ぜひ我々も積極的にいろんな問題を提言しながら日本林業の再建のためにこれからも努力をしていきたいというふうに思います。 次に、水産関係に移らさせていただきます。 大臣の所信でも水産業につきましては、「資源保護や環境保全の観点から公海漁業に対する規制が強まっている一方で、我が国周辺水域の資源状況の悪化が見られる等厳しい状況に直面しております。」、このように述べられております。まさにそのとおりでございまして、特に私は沖合底びき網漁業の対策の問題についてお尋ねをしたいというふうに思います。 国際的漁業規制の強化に伴って、我が国二百海里内における漁業振興が大変重要になってきておりますが、近年漁業資源はスケソウダラ、カレイ類などいわゆる底魚と呼ばれるものを中心に著しく減退をして、漁業生産は停滞ないし減少傾向になっております。これは漁獲量に対して漁獲努力の方がまさっている、漁場と資源に見合った漁業が行われていないということに起因するというふうに思われます。特に底びき網漁業については、その漁法が魚類の選択が不可能だと、しかも多数の幼稚魚を混獲するなど資源的には極めて憂慮すべき漁業種類と言われておりますし、国が本格的に推進しようとしている資源管理型漁業とは相入れないものというふうに考えられます。 昨年八月の指定漁業の許可一斉更新の際に、水産庁は沖合底びき網漁業に関して北海道海域におけるオッタートロール漁法の制度化、資源管理協定締結などによる資源保護対策、オッターボード面積の規制、居住スペースの義務づけなど漁獲努力量の削減措置を講じるとともに、沖合底びき網漁業の操業海域、操業隻数、船型を将来的に見直すための沖合底びき網漁業総合対策事業、いわゆるモデル化事業ですね、これを平成四年度から実施しております。 しかしながら、資源管理協定を一つの例としてとってみても、あくまでもこれは業者間の話し合いによる自主的な取り決めであって、資源培養や管理、そして資源を増大させていくということでは根本的な解決策にはならないというふうに思うんです。したがって、資源管理型漁業の推進や定着化という観点から底びき網漁業のあり方はしっかり考えていかなければならないというふうに思っておりますが、北海道の釧路沖でもいろんな問題があって水産庁が積極的に指導に乗り出したというようなお話も聞いておりますが、その経過、内容等について御説明をいただければと思います。
○政府委員(川合淳二君) 沖合底びき漁業につきましては、従来から資源に見合った操業が行われるようにということで、今お話がございましたように許可隻数とか操業海域などにつきまして許可の際に条件として規制を加えております。さらに自主規制というようなことも行われているわけでございます。 先生御承知のように、沿岸域とそれから沖合につきます漁業調整につきましてはかなり歴史的な経過がございます。それと同時に、今お触れいただきましたように昨今の漁獲能力と申しますか、それがかなり向上してきておりますので、資源との間に乖離が見られるというところもあるわけでございます。特に北海道の海域におきましては、沿岸域と洋底の関係につきまして調整を要すべき状況にあることは御指摘のとおりでございます。 従来は沖合底びきはどちらかといいますと大衆魚と申しますか、を対象としておりますし、沿岸域ではもう少しきめ細かい漁獲というふうなすみ分けが行われていたわけでございます。そうした中で、どうしても資源の問題から沖合の方でかなり小さいといいますか稚魚に至るまで漁獲されるというようなことが昨今ございまして、より先鋭的な問題に発展してきたわけでございます。私どもといたしましては、いろいろな規制ということを国あるいは道という形でやるべきことはやらなければいけないと考えておりますが、やはりいろいろなこうした約束事が守られるということが大前提でございますので、先ほどお触れいただきました洋底のモデル化事業というような事業を興すことによりまして、まず両者間でお話し合いを十分していただく、その中からいろいろなルールを決め、それぞれの熟度によりまして規制あるいは自主規制というようなことにいたしたいと思っております。 かなりいろいろと対立関係にございましたけれども、やっとテーブルにつくというような段階に来ておりますので、具体的な日程あるいは人選等を進めまして、この話し合いを私どもも積極的に参加いたしまして進めてまいりたいと思っているところでございます。
○菅野久光君 沿岸と洋底との関係はもう長い歴史の中でお互いに利害相反する問題ですから、沿岸の人たちに言わせれば沿整事業を二年三年やめでも底びきの方をやめさせられないかというような話もあります。かつて沖合や遠洋でどんどんやれた時代はいいんですが、特に二百海里時代を迎えて、二百海里内で資源管理型の漁業ということになればいろいろ問題があるのではないかというふうに私もかねがね思っておりましたが、韓国漁船との関係なども含めて、なかなか漁業者間で話し合いをして、それがきちっと守られるという漁業者間の状況が本当に生まれるのかどうか、また常にそういう問題が起きてくるのではないかということを私は大変心配いたします。 そこで、資源の培養とか管理という面から資源管理協定の締結ですね、これはぜひ義務づけていかなければうまくないんじゃないかと思うんですが、その辺はいかがですか。
○政府委員(川合淳二君) 資源管理協定自体は、関係漁業者がそれぞれみずから取り組む過程でそういう協定にまで持っていこうという仕組みになっているわけでございます。したがいまして、これを義務づけるということになりますと、規則あるいは道におきます規程というようなものに近くはなるわけでございます。 実効がなかなか上がらないということになりますと、先生の今お話しのようなシステムということも考えなければならないかと思いますけれども、これは何よりも守られないと意味がないということでございますので、この協定は両者間といいますか、関係者が話し合いを進めていくことによりまして協定というところへ持ってくると。ということは、同時に、それをお互いに守ろうという、そういうことができて初めて協定になるということでございますので、私どもは、この制度ができましで二年ぐらいになるわけでございますが、御承知のようにこれからという制度でございますので、こうした形を両者間あるいは関係者間で進めることによりまして、実際に守られるというところまで持っていくという意味でこの協定をもう少し推進していきたいというふうに思っているところでございます。
○菅野久光君 話し合いの中で解決できればこれにこしたことは私もないと思うんですが、どうも今までの状況を見ていくと、海の上に線が引かれているわけじゃないですね。ですから、計器や何かでやるものですから、つい魚を追って入ってしまうというようなことなどがあって、それが沿岸と洋底とのいろいろな問題になってくる。だから、話し合いで成ればいいんですけれども、私はそこが非常に難しいところだと。そうなればいっそ義務づけていくことが自分の責任といいますか、そういうものをやっぱりきちっとしていくことになるのではないかというふうに思うんです。多分、私が言ったようなことをやらなければ、またこれからもいろいろな問題が起きてくるんではないかというふうに思いますが、いろいろ私が申し上げたようなことも考えの中に入れながら、これからやっていただきたいと思います。 まだ多くの問題がありますが、また別の機会に質問させていただきたいと思います。終わります。
○稲村稔夫君 きょうは、この間述べられました大臣の所信、それを中心に私はお伺いをしたいというふうに思っております。 それにいたしましても、ちょっと本題に入ります前に、きょうお伺いをしたいと思っておりますのは、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉で米がだんだんと裸にされてきているという、そういうことを危機感を持っておりますが、その裸になる一つの問題として、先日金曜日の予算の委嘱審査のときに、ニュージーランドからのリンゴの輸入問題があったわけであります。そのことについてちょっと先にお伺いをしておきたいと思います。 たしか三上委員から、近藤農林水産大臣の時代にニュージーランドヘ行ってリンゴの輸入の話をつけてきたんではないかということが言われておりまして、その復命書をという要求がありました。これに対してこの委員会の場ではお答えがございませんでした。しかしこれは、我々は米を守って日本農業を守っていこうという観点からいたしますならば非常に大事な問題でもありますから、少しその辺を明らかにしていただきたい、そう思いまして、私も資料としてその復命書の提出の要望をいたしましたところが、復命書はないんだそうであります。ないそうでありますが、しかし日豪閣僚会議に出席をされたその途次でニュージーランドに立ち寄られて、ニュージーランドの農林大臣と時の近藤農水大臣がお話し合いをした中でリンゴについて話題になった、こういうふうに伺いました。その内容について明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) ただいま先生からお話がございましたように、近藤大臣が平成三年四月二十九日から五月六日、日蒙閣僚会議に出席をされたわけでございますが、その途中、ニュージーランドに四月三十日から五月一日、立ち寄られまして、我々の調べたところによりますと、その際にファルーン農業大臣に会われたわけでございます。そこでいろいろなニュージーランドと日本との間で行われています懸案事項について話がございまして、その中でリンゴの検疫問題についても話が出たということでございます。 それで、先ほど申しましたように、大臣から何か復命書というようなものはございませんが、我々が関係者から聞いたりしたところによりますと、前からお話し申し上げておりますように、これはもう六年間ニュージーと今までやってきたわけでございますので、そのとき既に両国の間でいろいろと専門家同士で話し合いが行われておりましたので、大臣の方からは、これは専門的な問題であるんだからひとつ専門家の間で十分に詰めてほしい、そのことは我が農水省の担当官にもよく話はしてありますよということを言われたというふうに聞いております。
○稲村稔夫君 そういたしますと、これは検疫問題だけが話されたということですか、それともリンゴの輸入についてという形で話されたということなんでしょうか。そういうことが一つ。 それから、両国間の専門家でもう詰めているということだから、その専門家に任せてそこで進めてほしいという意味のことを言われたようでありますけれども、そうすると、その経過は、これはもう具体的にそのときには輸入をしても差し支えないという判断になってそのような大臣の発言ということになったのでしょうか。その辺はどのように理解をしておられますか。
○政府委員(高橋政行君) ニュージーランドと近藤農林水産大臣がお話をされたというときに問題になった話としては、リンゴの検疫問題というふうに我々は聞いております。 それで、我々として、一般的にでございますけれども、各国からこの種の検疫の問題がございますが、すべてこういうものの各国に対しての対応は、政治的に輸入をどうこうする問題ではなくて全く技術的な問題でありますので、専門家で詰める話ということで対応しておりますので、恐らくそういう線でそのときにも対応していただいたというふうに思っておるわけでございます。
○稲村稔夫君 そうすると、輸入をするかしないか、その輸入ということについての問題、議論、交渉というのは具体的にいつから、どういうふうにして始まったんですか。
○政府委員(高橋政行君) 我々は、まあこの種のといいますか、検疫を伴うものの輸入問題については、輸入を日本国側がしたいからどうこうするということではなくて、あくまでも検疫という技術的問題が解決したときに輸入ということができるんですよというふうにやっております。正直申し上げまして、我々も好んで輸入という事態を招来するようにやっておるわけではございませんので、技術的問題技術的問題という言い方で従来から対応してきておりまして、その技術的問題が解決されるということになってから初めて輸入をどうするかと、こういうふうな順序でやっておるところでございます。
○稲村稔夫君 そういたしますと、要するに輸入を前提にした話ということにはこちらはしていなかった、検疫の問題だけの話をしていたと。そうすると、今回、リンゴについてニュージーランドから具体的に日本に対して輸入の要求があったんですか。今のお話を伺っていると、それこそ輸入をするということで話題になって新聞、マスコミなどに報ぜられていることが、それじゃどうしてこうなったんだろうということになるでしょう、検疫の問題だけしか話していないんだったら。
○国務大臣(田名部匡省君) 私から近藤前大臣の話をすることは不適当でありますが、一般的に私の今置かれているいろんな国との交渉のことをお話し申し上げますが、相手は輸入を前提で言ってくるわけです。私の方は、余り輸入されるとやっぱり国内への影響というのがありますので、輸入前提には考えない。向こうは輸入前提であります、輸入させたいから。そうするとこっちは、そう言っても防除体制がきちっとできなければだめですよと。そうすると向こうは、じゃどういうことができるかということを一生懸命やるわけです。 リンゴに例を置くと、やる気になれば六年間もかからなかったんですね、向こうも。しかしこっちは余り入れたくない。向こうは入れたいものですから、一生懸命その努力をする。結果として、それが完全にでき上がったときには断る方法が現行ではないという。 復命書とかなんとかというのはないんです、私の場合も。カナダはもう木材の輸入を関税がどうのこうの言うし。この間ECへ行きましたが、どこの国へ行きましても、豚肉を輸出したい、あるいは切り花をやってくれとか、もう各国から全部要求があります。すべてそれは技術的に完全にクリアされないものはだめですから、もう専門家同士と私も言うんです。それ以外に最初からだめでございますと言うわけにいかぬ性格上のものがありまして、特に日本以外、工業製品はこっちから出ていく、向こうは売る物がないものですから、全部の国が農産物なんです。どこへ行きましてもこれはもう全部農産物。それで、赤字がこうなっておるから買ってくれという話になりまして、農産物以外、工業製品を売りたいからという国は余りないんですね、アメリカやそういうところは別でありますが。 そういうことですので、決して輸入したいという気持ちで私どもは対応していることではないし、相手の方は輸出したいという気持ちで対応している、ここはもう大きなずれがあるわけです。したがって、技術的なことですから専門家同士でと、こう言って、まあ逃げるというわけではありませんが、話としてはそういう話をしているということと同じようなことではなかったのかなと、こう思います。
○稲村稔夫君 大臣が今大変厳しい立場にリンゴのことでは立たされているということも、これはよくわかります。 ただ、今我が国として一番考えなきゃならない問題としては、やはり原則をきちっとしながら相手の国と話し合って、いいものはいい、悪いものは悪いということをはっきりと言っていくということがもう必要になっているんだというふうに私は思うんですね。というのは、今のように逃げではだんだんだんだんと済まないところへ追い込まれていく。これは私は米についても同じことが心配されるんですよ、今後の問題としてね。ですから、そこのところは我が国としては、例えばおっしゃるように恐らく工業製品の問題やなんかいろいろとあるでしょう。ありますけれども、我が国の農業、そしてそれは環境の問題も含めてということになりますが、そのお立場から入れられるものと入れられないものというのはあるということをきちっと内外にしていって、そこのところで摩擦になってくる。それで、そこで頑張らなきゃならない。こういうスタイルの方が私はいいんではないかと思うんです。これは見解の違いがあるかもしれませんけれども。いわばだんだんだんだんと追い込まれていく、逃げられなくなってきたからしょうがないというのでは、これはやっぱり私は余りいい姿ではないんではないかというふうに思います。もちろんこれは私の意見でありますから、ひとつそういう主張もあるということで、今後のことで検討してきちっとしていっていただきたいというふうに思います。 そこで、所信についての質問を申し上げてまいりたいと思います。 先日、大臣が述べられました所信表明、これは伺ったり後で読ませていただいたりいたしました。全体の四分の一くらいのところは、新農政の推進によって将来に少しでもバラ色の農業、バラ色の未来などと言うと言葉が少しどぎついのかもしれませんけれども、それを目指しておられる、そのことについて具体的な対策を今後展開していくその初年度だと、こんなふうに宣言を最終的にしておられる。しかしながら、私は、果たしてそれでは具体的に大臣がここで述べられているようなことが実際に実現可能なんだろうか、こういう点では幾つも疑問点が出てまいります。 そこで、以下、その疑問の幾つかについてお伺いをしていきたいんであります。これは私は、農政を展開していく、その農政に対する大臣の哲学に基づく判断ということを伺いたいわけでありますから、事務当局でいろいろと苦労してつくられた文章の解釈について伺うというつもりではありませんので、そこのところはひとつ踏まえて御答弁をいただきたいというふうに思います。 そこで、まず第一の疑問は、他産業並みの年間労働時間と生涯所得というようなことを述べられているわけでありますけれども、しかし、他産業並みの年間労働時間で他産業並みの生涯所得を得ることができる経営、これは「感覚にすぐれた」と書いてあるから感覚を持った人だけがあれで、実際にそうならなくてもいいなんというような、そんな暴論は言わないと思うんですよね。やっぱりそういう経営を目指していかれるというふうに思うのでありますが、本当に他産業並みの労働時間でそして生涯所得を他産業並みに得ることができるというように今のままで、今のままというかこの近代社会の中で実際にやれるんだろうか。 土地という制約があったり、立地という制約があったり、あるいは天候という制約もあります。あるいは生き物というものを扱っているという制約もあり、そういう制約がいっぱいあるわけであります。そういう多くの制約を持っている中で、他産業というのは、特にその目標とするところは工業とか商業とかということになるんでありましょうけれども、そういう所得が本当に得られるんだろうかということが第一の疑問であります。 それから時間の問題も、これは畜産の審議のときに酪農家の労働時間が随分問題になりました、この委員会で。酪農についてはまさに労働時間というのはかなり厳しいですね。他産業並みよりもかなり多くの労働をしなきゃならぬという状況であります。ところが、代表的な稲作農業を見ていきますと、稲作農業の労働時間というのはどんどんどんどんと減ってきております。そうすると、稲作農業はゆとりが、ちょっと何か金曜日にも出ていましたが、本当に労働時間が減っていくということがゆとりなんだったら、稲作というのはかなりゆとりがあるということになる。だが、実際にゆとりなどではない、皆その分はよそへ稼ぎに行くという形になっているわけですね。 労働時間という形になってまいりますと、酪農と稲作というのはちょうど逆になってきている。その辺の兼ね合いですね。農業にはいろんなスタイルの農業があるわけでありますけれども、これは年間労働時間というのは一体どういうふうに押さえておられるんでしょうか。これらの労働時間、農業や畜産でのそういう労働時間の問題というのを他産業並みというのは、どういうふうに大臣としては理解をしておられるでしょうか。まず労働時間についてのことをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 今よりどうやってよくするかということをまず基本的に考えました。実態に合わせないと、ただ机上プランだけてはいけない。高齢化、後継者不足、人生八十年時代、そういうことを考えてみますと、実態としては二種兼業がどんどんどんどんふえていく。これはそのものを私は否定しません。働く場があって、サラリーマン並みの所得を得られて、農業収入というのがあるのは結構なことで、ですから統計上見ると、この層がサラリーマンよりも所得が多いという点はこれはこれでいいと思うんです。しかし、今伺ったように、やるかどうかだと思うんですね。 要するに、私どもが今お示ししたのは土地利用型農業、ここの部分をどうするか。ここが働きにも行けない、どうもそれだけやったんではうまくいかない。おっしゃるように土地の制約があります。そこで、その土地をどうするかということの知恵を出していこうということを考えて、お年寄りの人で、例えば一町歩持っておるが非常にきついという人は三反歩ぐらいをやってもらって、あとは貸す。あるいはもちろん年金をもらっている人たちもあるでしょうし、年金プラス土地を貸した分、そしてあとはわずかの農地を自分でやってそれで収益を上げる。それだと労働時間が短縮になって、一体幾らの収入になるか、いろんなケースで考えなきゃいかぬものですから一つの例を申し上げました。 そこで、酪農の場合、これはおっしゃるとおりなかなか難しいということはありますけれども、これも飼養管理方式を改善して省力化を図る。あるいは酪農ヘルパー、そうしたものを利用する。あるいはどうしても休みがとれないところは少し何軒かの集団でするとか、別な方も法人化をする。 やっぱり農家の人というのはどうも、ほかで月給をもらうことは余り抵抗ないんですが、農業でもらうという意識は余りないんですね、これはよその方はどうか知らぬが、私の一族なんというのはみんなそうなんです。どうも農家のだれかの下で自分が給料をもらって働くということの発想は全然ありません。ですから、そうではなくて、法人化を進めて、そうして休みもとれるような体制。 もちろん法人化を進めるということは、一方では経営内容がきちっとなる。農業で上げた生産の中で所得を配分することをきちっとできるようにしなきゃ、今は残念ながら、委員の方はどうかわかりませんが、私の方ではもう家計も農業収入もごちゃごちゃになって、一体何が苦しくて何がどうなのかというのは区別がないものですから、そういうことの指導もしながらというのも経営改善の一つであります。そうして今言った農業構造、そういうものをやる。やっぱりある程度の所得がなければ若い人も意欲的にやらないということになりますので、この所得の面と生活基盤の両面から立法措置を講じたり、あるいは予算、税制改正、そういうものをやっていかなきゃならぬ、こう思います。 昨年デンバーで私は向こうの酪農あるいは肉牛生産をしているところを見てまいりましたが、すばらしいですね。会社経営ですから、コンピューターで飼料管理から全部一カ所で高いところで見ながらやっていまして、一つ一つ場内を案内してもらったけれども、日本はあそこまでは私は無理だと思うんです。無理だと思うけれども、よりそれに近いような形で経営が成り立つかどうかということ等をしっかりやっていかなきゃならぬ。 新農政元年だということで乳価のことも随分お話になりました。苦しみも伴うしつらいことも伴うけれども、それを乗り越えなければ新しい展望というのは開けない。ただ今までみんな守ってきた権益をそのまま守っておってはなかなか元年と言っても元年にならないという気がしまして、それだけの支援はしますけれども、やる農家の人たちもその意気込みというか覚悟をして取り組む。それは次の時代の子供たちのために今我々はやる、この気概があるかないかというのがやれるかどうかにつながるんだろう、こう思っております。 余り長くなりますのでこの程度にさせていただきますが、多様にそこそこに合ったものでやるんであって、十から二十というのは一つの目安ですから、それをどうやるか。複合だと半分でいい、やるものによってはまたこれだけの収益が上がるという、その計算、経営感覚というのは、私はそのことを申し上げてこれをお願いしているつもりであります。
○稲村稔夫君 そういうふうにうまくいってくれるといいんですがねということをまず申し上げておかなきゃならないと思います。 といいますのは、例えば土地利用型ということになりますと、土地の所有とのかかわりがありますが、それこそ金曜日の議論ではありませんが、規模も拡大をし、それは法人化にしろ何にしろそういう形で物をやっていかなければならない、そうすればやはり同じ頭数で物を分配していってもなかなかうまくいきません、そうはいきませんということになりますと、単位経営の頭数を減らすことを考えなきゃなりません。ということになってくれば、農業を離れなきゃならない人が出てくる、農業を離れなきゃならない人対策をどうするんだ。他産業と言うけれども、他産業の方も今不景気だと、景気の波にいろいろと遭ったり、後に議論になりますけれども、特に中山間地などというところになれば条件は非常に不利であります。 そういうふうな問題などもいろいろと絡まってまいりますのでそう単純ではないと思うんです。大臣のおっしゃるように単純ではない、いろいろとある。あるだけにやっぱり全体としてそううまくいくのかなという危惧が私にはあります。 酪農にいたしましても、例えばお話しのようにコンピューターを入れていろいろと、確かにそれは一つの方法でありましょう。しかし、それをやっていくにはそれなりの設備投資をしていかなければならないわけであります。現在の日本の酪農経営の中で新たなかなりの設備投資をしていくということのまた問題点も新たに加わってくる、こういうことにもなるわけでありますから、そのことをみんな勘案していきますとこれもなかなかそう単純にはいかぬでしょうと私は申し上げざるを得ないんであります。ここのところはまだ議論の食い違うところがありましょうが、また法案審議もありますから、そのときは今度は局長を相手にしていろいろとまた議論になるということになると思います。今、大臣の基本的なお考えをまず伺っておいたわけであります。 そこで、次には他産業並みの生涯所得を得ることができる、その可能性。これも私は疑問が現在残っているんであります。それは、例えば土地利用型農業にいたしましてもかなり負債を抱えています、借金をしています。仮に具体的に借金をしていなくても、それこそ他産業に稼ぎに行って、その賃金をこの中へつぎ込んでいっているんですから、例えばコンバインを買うにしてみても何にしてもね。ということになってまいりますと、言ってみればこれは一種の借金をしているのと同じですということになってまいります。畜産関係なんかになればなおさら、今酪農もそうでありますけれども、負債というものは問題になります。この負債がそれこそ後継者の問題にもかなり影響をしてくる、こういうことになりましょう。 他産業並みのということは、それは中には膨大な借金をする人も個人にはあるでしょうけれども、一般的にはサラリーマンであればそうそう借金というものが一般的ではない。家のローンだとかなんとかというのがいろいろとある人たちもかなりいますけれども、それが一般的とは言えない、すべてとは言えないですね。だが、農業の場合はほとんどがそういう形では借金を抱えていると言っていい。仮に御本人がやめれば、その御本人が今までつぎ込んできたものをだれかがよそからまたつぎ込んでいかなきゃならない、そういう状況になっているということでありますから、これも他産業並みの生涯所得を得ることができる経営というのにはどうも私は疑問があるんですけれども、その辺はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(田名部匡省君) 個々に一軒一軒議論するとなかなか難しいところもあるし、そうでないところもある。ですから、これは基本的に地域の実情に応じて創意と工夫の中で実態に合わせて、自分たちならば今よりよくするには一体どういう方法があるのかということをやってくださいということをお願いしているわけですね。 何といってもやっぱり、私は経営感覚経営感覚とさっきから申し上げておりますのは、さっきおっしゃったように、設備投資をすると借金はふえる、それは当然なんです。私は別な事業をやったことがあるものですから、農家の人は借金して何か設備をすると、これはもう丸々借金借金というのに頭がなっちゃうんですね。まあ、なれないからそうでしょうけれども、我々は設備したものはこれはもう利潤を生むための設備であって…
○稲村稔夫君 利潤が出たときの話ですよ、大体。
○国務大臣(田名部匡省君) だから、その利潤が出るためにはどうするかということは計算をしないとならぬのですね。例えば、この間テレビを見ていましたら、十二チャンネルで別海町のサイロをすばらしいのをつくって、これを使っていないというんです。何で使っていないのかと聞かれたら、いや電気代が高いから使わないんだと。ですから、それ一つ投資するときには全部の計算をして成り立つかどうかでやらないといかぬわけですね、企業というのはみんなそうやるわけですから。そういう感覚というものを持たないと、何か補助金が出るからというのでどんどん買って、後から全然採算合わないということではなくて、企業的な感覚でやっていただきたい。それで成り立たないとすれば、そのことでないことをやっぱり考えていかなきゃならぬということはあると思うんですね。 ですから、例えば借金があるあるということでお話がありましたが、これは統計ですからもうかっている人もあればだめな人もある。あるいは都市近郊のものすごく土地が高いところを売って預金がある人もある。ですから、これは農業だけでは見ていないんですが、全国的に見ても貯蓄が二千四百六十六万で、借入金が二百十五万。ですから預金の方が多いわけですね。これを今度各地区別にずっと北海道から東北、北陸というふうに見て、あるいは生産農家ごとにも見ておるわけでありますが、いずれも預貯金の方が借金より多いんです。ただ、平均ですからない人もある。 こういうことをわかって、だめなところはどう対策していくかといういろんな議論の中で、とにかく今よりもっといい方法というものを考えていかなきゃならぬということでありまして、おっしゃるとおりそれは地域の実情によって難しいところはある。難しいところも全部自分で経営内容を把握して、ここまでは我々は努力した、しかしここから先は何とかしてもらわぬとどうにもならぬというときには、やっぱり記帳もきちっとやりながら、そうして農業で得たものと家庭の方とを完全に分離してやるというのは企業的な感覚でないと私は出てこないと思うんですね。 そこまでをお願いするとなるとなかなか負担も多いということで、私は農業青年の人たちと話したときに、嫁さんをもっと大事にして、嫁さんたちにそういうことを勉強させて、そういうことも農業の一つなんだということを話したことがありますが、いや全くそのとおりやりますと言っておりました。いずれにしても、高い知恵を出して努力をしながら、自分のことですから、安定のためにはどうするかということを考えていかなきゃならぬ、こう思います。
○稲村稔夫君 御高説はよくわかりましたが、おっしゃっていることがわかったということであって、理解をしたということではありませんから、その辺は。 そして、お話を伺っていたら、大臣のところは借金よりも預金の方が多いのかなと、そう思いながらも伺ったりしておりましたけれども、大臣、利益を生むようにするというためには、もう一面では価格政策というものがどうしたって必要なんですよ。酪農にしてみたって、土地利用型の中心になっている米作にしたって、価格政策というのが大事な問題として常について回っているわけであります。ただ、私の持ち時間が余りありませんから、その辺のところをきょうは議論していると、大臣の御答弁もかなり丁寧でありますから、相当時間がかかりそうでありますから、そこのところはもう省略をして、またいつかやりたいと思います。 そこで、今たまたま大臣から嫁さんにももっと勉強してもらってみたいなお話がありましたから、そしてまたこの所信の中でも、女性がその持てる能力を十分に発揮できるようにしたいと、こう述べておられるんです。その女性の能力ということは、今の状況を見ていくと、どうも女性の能力というのは労働力としての能力だけを考えておられるのかなというふうに感ぜざるを得ないんですね。というのは、今の女性の農村における地位を見ていったら、余りにも一般社会とはかけ離れてと言っていいくらい女性の直接参加が少ないですね。 例えば、農協の個人の正組合員ということになりますと、農水省の御調査の数字でいきまして、これは平成二年度でもって全体の一二・〇四%と少しふえているけれども、そういうような形でありますから、これはほんのわずかということになります。農協の組合員でもそうであります。 土地改良区などの関係になってまいりますと、これは経営者であればということになっていますが、経営者に女性がなっているというのはほとんどないみたいであります。これは統計がないのでわからないという状況ですね。 それから、農業委員会、女性の農業委員の数を調べてもらいました。そうしたら、平成二年度で農業委員の全体の数のうちの〇・一五%が女性、そのうち選挙で選ばれてくる委員のうち〇・一二%が女性、議会だとかなんかの選任のあれでは女性が〇・二四%です。どうしてこんなになったんでしょうかということが一つありますね、こんな状態なのか。 こういう状態の中で女性の能力を本当に生かしていくための施策というのはよほど私は腰を据えて本格的に取り組まなかったらできないことなんじゃないかと思うんですけれども、その辺どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(田名部匡省君) 農村婦人が六〇%を占めておりまして、大変な農業の担い手といいますか、もう大きな力になっているわけですね。二種兼業が七〇%と申し上げましたが、ほとんど御主人はどこかで働きながら奥さんの農業を手伝うという形が非常に多いわけです。そういうことを見ると、もっともっとやっぱり御婦人の力というものを最大限に、実際にやっているわけですから、高めていかなきゃならぬ。 これからは違ってきますけれども、今までは農村の嫁対策というものは、働く嫁はいい嫁だという感覚が非常に農村社会には強かったんですね。そういうことですから、もうただ働く働くということで非常に労働も厳しい、時間も長いということでありますから、こういうことを改善していかなきゃならぬ。やっぱり力仕事でない部分というもので今持っているそういう経営的なことをきちっとやりながらやり始めると、男性の方よりも地位が相当高くなってくる。むしろ農村婦人から男性の方は物を聞きながらやらないといかぬという、そんなところの地位の向上というものを目指していかなきゃいかぬということで私はいろいろと考えております。 ですから、しかし夫の方がそういう協力的な考えになっていかなきゃならぬので、各地区を私も講演して新農政をやりますけれども、まず財布を預けなさい、もうとにかく買いたいものは買えるようなそんなところをやるということと、あるいは方針決定する場合に女性の意見というものを取り入れてやるべきだ、そのために農協の理事等にもどんどん参画させてくれというお願いもしておるわけであります。 それから、この間青年たちとの話し合いでも、幹部十何人に農水省に来てもらって、そのときも言ったんですけれども、一緒に働く喜びというのは確かにサラリーマンと違ってある、しかし早目に作業を上げて夕食の準備の時間をとるとかいろんなことをしてあげないと、一緒に上がってからやれということではだめだ、思いやりをもっと持てという話をして、みんな苦笑いしておりましたが、そういう考えをやるとか、労働条件の改善を図るということ、あるいはヘルパー制度の利用でありますとか、技術とか経営管理、そうしたものの研修を実施するということにいたしておりまして、何といっても力をつけさせないと、何か夫の従属だということではもう絶対いかぬ、こう思っております。
○稲村稔夫君 もう時間がありませんからあれですけれども、大臣、言ってみれば精神的な面でのいろいろなお話はわからないわけじゃないんですよ。だけれども、具体的にどうしてこうなっているんだと、そのネックを取り除くための具体的な施策がされなければいけないだろう、具体的な対策を本格的に取り組んでもらわなかったらそれはお経に終わってしまいますよと、そのことを私は言いたいんですよ。 ですから、その辺、隣に局長いますからよく聞いておいていただいて、今後の農村女性対策というのは具体的に本当に効果が上がるような対策を立ててください。そしてそれに大臣の今のようなお話がついて回ると相手も、ああ大臣さすがだと、こういうことになると思うんです。ひとつ頼みます。 終わります。
○谷本巍君 米の需給問題とウ・ラウンド問題について伺いたいと存じます。 初めに、米の需給問題でありますが、私が知ったのは去年の暮れあたりからでありましたが、全国各地で一農家一俵運動なるものが行われておりました。よっぽど米が足りなくなって食糧事務所も深刻に働きかけておったようでありますが、農協も真剣になって来集めをやっておりました。このときの皆さんの話を聞きますというと、こういう状況が続いていったら外国に迫られて米の市場開放をやる前に他用途米あたりから輸入せざるを得ないような状況になってきやしないか、こういう話を随分と聞いてまいりました。 そこで、初めに需給事情を若干伺いたいのであります。他用途米であります。 他用途米のことしの需要は四十四万トン、これは抑え目でありまして、それから集荷の量が三十八万トンになったというふうに伺っております。したがいまして六万トン足りない。この足りない六万トンについては新米の早食いとそれから自主流通米の交換でつないでいこうという状況であるやに聞いておりますが、そういう状況なのかどうか、食糧庁長官、いかがでしょうか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 四年産米の生産量は、御案内のとおり減反緩和した中で昨年より百万トン増の約千五十万トン程度の生産量になったわけです。ところが、三年産米の生産が作柄が悪かったというようなことで、いわゆる三年産米の米穀年度末の持ち越し在庫が少なかったというようなことで、全体としての生産量はふえましたけれども思うようには安い価格の米が集まってないというのは、これは否めない事実でございます。 他用途米につきましては、御案内のとおり加工用米穀に供給しでおるわけでございますけれども、加工用米穀の需要量は大体百四十万トン、そのうち、従来は自流米それから他用途米、規格外米、それぞれが、他用途のいろんな内容があるわけでございますけれども、その三分の一ずつぐらいを供給したわけでございます。ところが、四年産米生産量はふえましたものの、その中で、生産量はふえていますので、規格外米も生産量大体五%ぐらい出ますのでふえているわけですけれども、全体としての米の需給が引き締まり気味であったということで規格外米が思ったように出てこなかった、これは政府管理調べでございますけれども。というのが事実で、他用途米に対する需要がふえてきたということで、四米穀年度につきましては従来の四十四万トンよりかなり量を上回った他用途米の供給をしたわけでございます。 そういうことが一方ありますし、それから他方、四年産米の減反緩和の中で地域によっては他用途米に向けるものを主食用米に回したというようなことで、他用途米に回される量が減ってきているというのが先生が御指摘のようなことでございます。今のところ私どもが数字として見ておりますのは今先生が御指摘したようなことでございますけれども、大体年を越しまして規格外米の米がちょっと最近値下がりしておりますけれども、これが出てきているということだと思います。 そういうこともありますので、今後どういうことになるのかもう少し様子を見る必要はあろうかと思いますけれども、いずれにしましてもその動きが出てこなければ、先生御指摘のように、四年産米もやったわけでございますけれども、主食用米との交換でありますとかあるいは早食いとかということで、とにかく通常年度程度の需要量については供給するという考えで対応していきたいというふうに考えております。
○谷本巍君 食糧庁の側から事前に質問取りに来ていただきまして、いろいろ状況を伺いながら伺っておるのでありますから、大体こっちもかなり知っていることで伺っているんでありますから、端的にお答えいただきたくお願いいたします、時間がもうないんですよ。 他用途米でもっと伺いたいことがあったんですが、もう時間がないから先へ行きます。 次に、政府米であります。需要が百六十五万トンから百七十五万トンと、これに対して供給の方が集荷が百六十五万トンと伺っております。これに持ち越し米二十五万トンを加えますというと次米穀年度へは二十万トンの持ち越しになるだろうという、政府米の方も大変厳しい状況だというふうに伺っておるのでありますが、まずその中身で伺いたいのが、百六十五万トンの集荷のうち自主流通米からのUターンは幾らですか。数字だけで結構です。
○政府委員(鶴岡俊彦君) Uターン量は相当数に上っているのは事実でございますけれども、今ちょっと正確に直ちに御即答できないわけでございます。私ども、いずれにしましても政府米だけでなくて政府が管理する米ということで、自流米と政府米を合わせたことで供給も考えていますし、需要も考えておるわけでございます。 一方、政府米を供給する部面で、安い業務用米でありますとか標準米でありますとかそういう需要が窮屈になっておる一方、自流米自身もある程度固定的な需要があるわけでございますけれども、それをオーバーしているわけでございますので、いずれにしましてもその辺はして全体としての供給には不安がないと。 Uターンの話は後で御説明したいと思います。
○谷本巍君 私があなたの事務当局から伺った数字は六十万トンであります。例年から見ますというと異常に多い。自主流通米からの大量のUターンがあって初めて政府米が数字的にようやくつなぎ合わすことができたという状況なんじゃないでしょうか。 それで、私伺いたいのは、なぜ農家は昔と違って政府米を積極的につくってくれないようになったのか。それからまた、思うように政府に米が集まらなくなったのはなぜなのか。最大の原因は何なのか。いろんな原因がありますから、最大の原因は何なのか、そこだけ伺いたい。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 私は三年産米の不作がいろんな面で影響しておると思います。全体的な需給が引き締まりぎみであるというところにそういう原因があるんではないかというふうに理解しております。
○谷本巍君 自主流通米の方は積極的に皆さんつくっているんですよ。政府米の方はさっぱりつくってくれない。他用途米もなかなかつくるのが難しい、価格の問題がありますから。そういうふうになっているんですよね。 そういう状況の中で、ここの委員会でも何度も長官にもお尋ねしてきておりますけれども、政府米と自主流通米の比率をどうしていくのだ、食管制度を守っていく上ではやっぱり政府米は三割程度なきゃならぬという話が皆さん方の一貫した話であった。ところが、そういう比率にならないのはなぜなんですか。価格関係の問題があってのことじゃないですか。 例えば昭和六十二年の場合、政府米と自主流通米で見てみますというと、生産者米価の農家手取り平均で見るというと三千五百五十五円の格差があった。平成三年の場合はどうなのか、実にこれが五千三百八十七円になっておる。政府米価を抑え込んできたからこういう格差が出てきた。だから政府米つくれと言っても農家がつくりようがないという状況がそこにあってのことじゃないでしょうか。 それから、政府に思うように米が集まらないのはなぜなのか。これだって歴然としているんじゃないですか。昭和六十二年から政府が米を買って売る、これが順ざやにされてきましたよ。その順ざや状況というのがどんどんどんどん広がってきておる。平成四年で見てみるならば、一俵六十キロ当たり実に千七百三十一円の売買順ざやになっている。これが今度は小売段階まで行く間に、大体平均でコストが六十キロ当たり四千円近くかかるわけでしょう。そうなったら末端順ざやは何ぼになるか、五千七百円ぐらいになりますよね。 こういう状況では卸の皆さんにしても小売の皆さんにしても農家から直接買った方が割り得だということになる。農家の方は政府に売らないでやみに流した方が高く売れるという、そういう価格関係がつくられてきておる。そういうところに大きな問題があってのことなんじゃないですか、違いますか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 米の生産の段階で、もう御案内のとおりで私が言うことはないですが、政府米、自流米といってつくられるわけではありません。ただ、従来から家庭消費等を中心にしましてうまい米を食べたいというような需要があったものにこたえるために良質米を奨励してきたということで、比較的そういう米の需要に適する分野の生産がふえて、それから他方、標準価格米でありますとか業務用米でありますとか加工用米、比較的安い米の需要に対する供給というのが全体的な需給が引き締まる中で窮屈になってきたのは事実でございます。 そういうことから、政府米の需給操作が難しく逼迫しているというのは事実でございますけれども、他方、自流米で供給している部門もある程度の需要をオーバーしているということは事実でございまして、価格形成の場の価格の形成状況を見ましても、十二月ぐらいから銘柄によってかなり上がるもの、下がるもの、これが出てきたわけでございます。特に二月の価格の形成状況を見ますと、相当部分の良質米銘柄の価格は下がってきておるわけでございます。 基本的には需給関係、自流米がふえてきた中で需給関係を反映した価格が形成されているんではないかということで、先ほど申しましたように、基本的に三年産米が不作であって、それがいろんなところの需要に対応するのが難しくなって岩盤のところが出てきているというのが今の価格形成状況ではないかと思います。 政府米の集荷を誘導するために、ことしから行いますポスト後期対策では、自主流通対策費の奨励部八月を三百円カットする、それで政府米あるいは全体としての政府が管理する自流米を含めた米の集荷努力を行うとか、あるいは他用途米、特に窮屈になってますモチ米を中心に集荷督励を生産段階からやろうというような対応をいたしておるわけであります。私はやっぱり需給関係が価格を決定するということが基礎になっておるんではないかというふうに認識しております。
○谷本巍君 そうしますと、私が指摘をしました価格条件の変化ということは政府に米が集まらないという原因ではないと、こういう話ですね。
○政府委員(鶴岡俊彦君) いや、価格関係もあるわけですが、価格関係は需給関係を反映したものというふうに私は認識しておるわけでございます。それで、自主流通対策費の削減というのも行い、それを財源としましてほかの政府米を中心とした米の集荷に役立てるということをしたわけでございまして、そういう点が価格関係が余り開くということになりますと、これは同じ米をつくりますので、自流米、政府米、他用途米、いずれにしましても若干の品種の差等はありますけれども、同じ米がそれぞれの用途に違う価格で供給されているというところにも、全体的な需給関係を反映していろんな問題が起きておるのは事実でございますけれども、根っこには需給関係があり、それが価格に反映され、それがまた集荷の面でも影響しておるということではないかというふうに思っています。
○谷本巍君 問題は生産面と流通面と二つあるんです。生産面の場合は自主流通米とそれから政府米価の格差の拡大があるということを私は言ったんですよ。それから、政府に思うように米が集まってこない、やみがふえてきた、なぜなのか。その最も有力な原因というのが昭和六十二年から売買順ざやにされてきた、そしてその順ざや状況がひどくなってくるに従って政府に米が集まらない、やみ米がふえてきた、大体比例的にそういうぐあいに出てきてますよ、結果は。そこのところもあなたは否定なさるんですか、どうなんですか、長官。
○政府委員(鶴岡俊彦君) これは、それぞれの生産量の増減を反映して政府米、自流米、それぞれの米が集まっているということが基本ではないかと思っています。価格に差があるというので、それは農家は率直に言いまして少しでも高い米を売りたいというのは、これはもう偽らざる気持ちだと思います。しかし、全体的に国内産で需給するという建前で他用途米を含めまして政府も考えており、系統自身も考えておるわけでございますけれども、そういう点からしますと、我々としてはそういう需給関係の中での努力というのが基本ではないかと思っています。 それで、数字を見てみましても三年産米が一番集まっていないわけでございますけれども、これは三年産米の生産が一番減少した、生産量で作柄九五ですか、というようなことを背景としておると思います。それから、四年産米自身も、全体としては平年作でございましたけれども、北海道の生産が作柄八九ということで、主として政府米に向けられるような銘柄の生産が減少したというのも事実でございまして、そういう全体的な生産あるいは需給事情、あるいは価格もございますけれども、そういう点を考えて判断し対応していくことが重要ではないかというふうに考えております。
○谷本巍君 長官、白を黒と言い含めるようなそういう言い方はしなさんなよ。毎年毎年のその年その年によっての特殊な事情というのがそれぞれあるんだよ。それはこっちも百も承知の上で聞いておるんだ。 順ざやになってきたからこういう状況になってきているんですよ。そうじゃないと言うんだったら、その証拠を示しなさい、ここで。ごちゃごちゃごちゃごちゃ言っているんなら。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 価格関係がいろんな集荷に影響するというのは、これはもう私としても考えております。ただ、その価格関係が出てくるもととというのは全体的な供給量に影響されておるんではないかと思います。全体的に上がってきましたが、三年産は特に全体的には減産でございましたし、それから四年産は、今言いましたように減反緩和その他はありましたけれども百万トン程度の増にとどまり、しかも来年度の十月末の持ち越し在庫が三十五万トンから四十万トン程度というふうに見通される中で、とりわけ安い米に比較的供給されます北海道産があったのも事実でございます。 私自身、価格が影響しないということは言いませんけれども、ここにはやっぱり全体的に需要に見合った生産ができるかどうか、そこにかかっておるんではないかと思っています。
○谷本巍君 あなたは全体の需給状況ということを言われるけれども、政府の買い入れ米価、売り渡し米価は、逆ざやの時代というのは売りも買いも政府に集中したんですよ。全体の需給事情もさることながら、基本はやっぱり価格関係ですよ。昔のことからずっと思い出してみてごらんなさい。違いますか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) ずっと昔のことを申し上げますと、それは二回の過剰というようなことを背景にしましてかなり米余り現象で、実際的な価格というのはそういうことをしますとなかなか一般に流通する、やみ米は我々が余り口で言うのもあれですけれども、一方に在庫過剰がありますと、米自身の価格というのもそういう在庫を頭に置いた価格形成がされますので、そういう中ではそういうことであったというふうに思っております。 ただ、昨今政府米の在庫が、一番在庫を持っていますのが政府でございまして、その在庫が去年は二十五万トン、来年は三十五万トン。そういう中での価格のあり方というのは、そういうことを前提としました価格形成が出てくるのではないかというふうに考えております。
○谷本巍君 どうもだんだんだんだん聞いているうちにこっちが頭が混乱してきて、なおわかりにくくなってきたんですよ。 今の話は、もう少し別途議事録もきちっと精査した上で再質問をいたしますけれども、この際ちょっと違う話に移らせてもらいます。 あなたが官房長をやっておられる時代でした。私がここでいの市場開放阻止のことについて大臣に質問した際のことであります。私が申し上げたのは、食料安保ということを日本政府は米市場開放ができないということの最大の理由として挙げられておった。そこで私が伺ったのは、「八〇年代の農政の基本方向」では、まさしく食料安保というのを出していたんですね。ところが、その後それが消えてしまった。そして、対外折衝用に食料安保という言葉を出してきたんだが、これはつじつま合わせじゃないかということを言いましたところ、当時の官房長のあなたがお答えになったのは、食料安保は「八〇年代の農政の基本方向」における食料安保論と毫も変わっていないということをお答えになりました。その点は今日も変わりありませんか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 言葉はどういう言葉を申し上げたか、それは私は定かに覚えていませんけれども、米自身、国会での衆参それぞれ三度の決議があるわけでございまして、そういうことにもあらわれています。それから米自身の食生活上の重要性あるいは農業経営の重要性、これはよく承知しておるわけでございまして、国内産で供給するという基本方針にのっとってやっていくという姿勢は一切変わっておりません。
○谷本巍君 最近の食管は、あり方で言いますと、政府米にしたって自主流通米にしたって他用途米にしたって、結局価格関係が先ほど申し上げたような形に変質してきておりますから、したがって生産者団体において自主的につくってくれというような格好になり始めてきておる。随分食管は変わりましたよ。 「八〇年代の農政の基本方向」における食管というのは、全量国家管理という概念が極めて明確になっていた。最近の食管はそうじゃありませんよ。農協食管的な、自主食管的な性格のものになってきている。要するに、価格関係を変えてしまったから思うように米も集まらないから、そこのところは生産者団体の責任でやれと。責任転嫁ですわな。そして、あとはもう行政指導だけでやっていくというような格好の食管に変わり始めておるんじゃないですか。毫も変わっていないとお考えですか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 国内産で自給するというのが基本でございますけれども、やっぱり米の供給は生産にあるわけでございまして、生産は農家の基本的にはそういう理解を得ながらやっていく必要があるということで、我々が米の供給を確保するためにも、これは強権を持ってやるというふうな時代ではございませんし、実際を理解しながらやっていただく、そういう点では行政指導は必要であると思いますし、そういう考え方自身は系統農協も十分理解していただいておるところでございます。 いずれにしましても、そういう系統農協と一緒になりまして生産について誘導をする。それからまた、まあ農協食管というのはちょっとオーバーだと思います。いずれにしましても、穴があきますと責任は政府にあるわけでございますので、系統と一緒になって必要なそれぞれの用途に適した米を確保していくということが大事だと思います。 いずれにしましても、私どもは系統と一緒になって食料を確保、供給していくということには万全を期したいというふうに考えております。
○谷本巍君 いいですか、食管の最大の政府がやらなきゃならぬ仕事というのは何なのかといえば、政府米一定量をきちんと買って、そして政府自身が需給調整をやっていく上での物的手段をきちんと持っているということ、これが基本ですよ。一番大事なことですよ。 ところが、政府米は集まってこないんでしょう。そして、自主流通米からUターンさせてもらわなきゃ政府が市場操作で必要とする米を持つことができないという状況になってきているんでしょう。政府に米が集まらないような仕掛けを価格関係で皆さん方つくってきたんですよ。それに平成五年から六年の米の需給見通したって見てごらんなさい。農家消費等というのが実に三百九十八万トンになっておる。例年より四十万トンも多いですよ。不正規流通米がふえざるを得ないという状況などもあってそういう状況の経過がつくられてきているんじゃないんですか、いかがですか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 私は、食管の目的は、国民に食料を安定供給するということが基本でないかと思うんです。確かに、御指摘のように政府米が減り、自流米がふえ、残念ながら縁故米等を中心としましたもう一つの米がふえているというのも事実でございますけれども、三年産米があれだけ不作になり、しかも四年産米を通じまして古米在庫がああいう状況になりましても、国民自身が食料、特に米について不安を抱かないというのは、これは、私がこんなことを言うとまたおしかりを受けるかもわかりませんけれども、食管制度の運用が時代時代の変遷に応じてそれなりに適応してきているんじゃないかと思います。 若干、私自身も自流米の比率が行き過ぎになっているというのは事実だと思いますし、もう少し政府米を確保するというのが円滑な操作には必要だと思いますけれども、いずれにしましても、自流米自身も政府が全体として管理する計画の中にあるわけでございますので、他方、系統自身も余り自流米自身を持っていますと、先ほど申し上げましたように、一定の需要三百八十万トン程度といいますか、それぐらいの需要が一つの目安だと思っていますし、それを超えますとやっぱり価格が下がっていく。それが現に二月の価格形成の場にあらわれていますし、今後また五月の価格形成を見なければ即断はできませんけれども、そういうことでありますので、系統で主として担っている自流米、それから政府が対応している政府米、その両方を合わせて全体の需要を見ながら操作していけば食料の安定供給という目的は達成できるんではないかというふうに考えておりまして、そういう方向に万全の努力を注いでいきたいというふうに考えております。
○谷本巍君 そうしますと、あなたは政府手持ち米というのは幾らもなくても構わないという考え方なんですか。私がさっきから伺っているのは、政府米は、一定量政府が米を集めて需給の安定がきちんとできるような状況にしていくことが食管の基本だと私は言っているんです。あなたは違うような話になってきているんだよ。どうなんですか、そこは。聞いていることについて答えてくださいよ。聞いていないことばかりあなたお答えになっているんだから。もう時間がたまらぬですわ、私の方は。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 私自身幾らでもいいというわけで言っているわけではございません。政府米の需要は百八十万程度は大体がたい固定需要があるわけでございますので、それに加えまして需給操作、在庫を持つということもありますので、そういう全体的には底がたい需要、さらにそれに操作上のプラスアルファを加えまして、今の集まっている量ではやや不足ではないか、もう少し政府米の集荷というのをやる必要があるというふうな認識はいたしております。
○谷本巍君 どうもこれは、またもうちょっと時間をとってやらなきゃらちが明かぬように思うのでありますが、もう時間が、畜産の方を伺うことがとうとうできなくなっちゃいましたけれども。 最後にちょっと申し上げたいのは、米の市場開放を阻止するのには、これはやっぱりガットの現行規定からして食管というのはどうなきゃならぬかという問題が私はあると思うんですよ。米の市場開放は応ずることはできませんと日本政府が言ってきたこれまでの最大の根拠は何かといえば、一つは国家貿易にしているということね、食糧管理法で。それからもう一つは、国の責任で管理をしている、そして生産調整も行っているということが大きな論拠だったわけでしょう。 生産調整にしても残念ながら法律事項にはなってはいない。なってはいないがペナルティーを伴うという、つまり限度数量枠というのをきちんと決めて、そして実効性がちゃんと裏打ちされているというところに最大の特徴があったわけですね。ところが、そのペナルティーにしてみても今どういう状況ですか。ペナルティーがかかってくればありがとうございますという状況ですわな。限度数量上げてがしゃとやられて政府に安く売るよりはよそへ高く売った方がいいんですわ。ペナルティーがペナルティーとして効かなくなってしまったという状況が出ているわけです。 そうしてみますと、ガット交渉になっている土台がどうも崩されてきているのではないのかという問題が出てきているわけなんですね。もとをたどってみますというと、結局売買順ざやにされてきたというところに最大の問題点がある。これをやったのが、長官、あなたがやったとは私は思わないよ。臨調がやってきたんですよ。臨調に押し切られて食糧庁も臨調と同じような今言い方になってきているわけでしょう。臨調の発想というのと、国会が米の市場開放やらないということを何度にもわたって決めてきているということは発想が違うんです。違うのにもかかわらず臨調の立場の方に食糧庁が足を踏み入れてきた。そこのところにきょうの答弁の極めて無意的な、あいまいな、すっきりしない、そういう状況になってきていると私は思うのです。 大臣、やっぱりこの問題は政治問題なんですよ。米の市場開放阻止を貫いていくのには食管をきちっとしなければだめですよ。今のように生産調整一つにしても、文字どおりこれはもう実質生産調整ですよ、ペナルティーが効かないんですから。そういう状況になってきているわけでしょう。そして政府に米は集まらない、しょうがないから自主流通米からUターンしてもらうというような格好になってきているわけでしょう。国家管理国家管理と言うけれども、一体国家管理の実態は何なのかということが問われるような食管に変わってきている。ここのところが極めて多くの問題を含んでいると私は見るんです。 食管問題について、大臣ずっと長官とのやりとりをお聞きになっておるわけですから、大臣の考え方をここで聞かせてください。
○国務大臣(田名部匡省君) これの議論始まりますと食管そのものの議論になっていくだろうと思うんですね。統制時代、米が不足する、そういう時代につくった法律が高度成長の中、あるいはいろんな変遷を経てこんな形になった中でそれをずっと守るかどうか。これは国民の皆さんも、私も随分対談するんですが、食管法をもうなくしたらどうかという意見が随分多いんです。それはできませんと。安定的に供給するという国の責任においてこれはきちっとしなきゃならぬ。 しかも自由化反対という中で農家の皆さんにも申し上げておりますが、国も責任があるけれども、農家の皆さんも、加工であれ何であれ全部安定的に供給するという、この責任を持ってやってもらわぬと、もうだれだって高い方を売りたいのわかります。だからといって、自主流通米、政府米とこう言っても、米に印つけているわけじゃありませんから、米は米として、足りないときはこうするとかいろんなことは、これは中での話でありまして、やらなきゃならぬ事情にある。どうしてもつくりたくないということになれば、これは加工だけは自由化してもらわぬとということになるんで、それがみんな嫌なんですから、であれば責任持って団体の方もやるということでなきゃいかぬ。 一方においては国民はおいしい米が食べたい、高くても欲しいということで、当時は奨励金を出してもつくるという人はなかったんですから、単収が少ないとかどうだということで、それがだんだんだんだん多くなって八〇%まで打っちゃったんです。私はこれも言っているんです。余り多くすると今度はこっちそのものは下がりますよ、もう適当にしてもらわぬとという話も何回もいたしております。しかし、欲というのは、これはだれでも自分のものだけはいいもの売ろうと。ところが、さっき言ったように北海道や私の青森県というのは一生懸命努力しますがなかなかいいものはできない。できないけれども、これまた必要な人も国民の中にはおるわけでありますから、それだけの役割は果たすといっても所得が下がるものですから、いいものいいものと言って、最近では大分いいものをつくるようになりました。そういうところが天候とかまたそういうものがありまして、一時的にそうなのか、これからも豊作でもそういうふうにいくかというのはちょっと見てみないとわかりませんが、いずれにしても、いろんなことで弊害というのは起きている。それはなるたけ国内だけは自由にしながらも、基本のところはしっかり守っていこうということではないでしょうかと、こう思いまして、御意見、まあまあそういう面もあるなということもありますが、全体的にどうするか。 臨調のお話ですが、三兆円もかけて処理した。これも国民の負担ですから、米は安いが負担は大きいということになると、実際に高い米を食べているということになる一方の消費者の立場も私たちが考えなきゃいかぬということで、私はいつも申し上げるんですが、農家の皆さんも生産性を上げて、そうして努力をして、いささかも税の形で負担している国民の皆さんに安全で安いものを供給するというこの気持ちはなくさないでください。できるかできないかは別でありますけれども、やっぱりその努力、そういうことと相まって、国民も理解をしながら農家を守っていこう、こういう気持ちになってほしいなと、こう思っております。 御意見は十分聞きながら、今後国民にこの供給体制を万全なものにしていきたいという気持ちだけはしっかり持っておりますので、努力していきたい、こう思っております。
○委員長(吉川芳男君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時二分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(吉川芳男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査のうち、平成五年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○矢原秀男君 今回「新しい食料・農業・農村政策の方向」についての農林水産省の政策というものが発表されまして、内外にも非常に大きな反響を呼んでおりまして、そしてまたその政策につきましても、将来の農業展望という非常に一面では大きな希望を見出していらっしゃる農村の方、また逆にその大きな影響をいただく消費者の皆さん方も期待をされていることも事実でございます。 そういう意味で順次質問してまいりたいと思いますが、一つはこの新政策にについてでございます。平成三年は農業基本法が制定されて三十年の節目を迎えたわけでございます。その翌年、平成四年六月にこの新政策は発表されたのであります。この三十年間には、先ほど大臣もいろいろと御答弁されていらっしゃいましたけれども、我が国経済社会の大きな変化というものがございました。農業や農村もいろんな形で多様化、いろんな変革をいたしております。また、国際的にも非常に危機的な状況ということにも心配をしていることも事実でございます。 そういう中で、まず第一点お伺いをしたいわけでございますけれども、いろいろ数字を伺っておりますと、新規学卒の就農者というのが昭和四十年ごろは約七万人いたのに今日では千八百人に激減しているという数字で御報告をいただいているわけでございます。今年に入りまして新規の就農者がわずかに四百名弱とまさに壊滅的な激減現象が起こってきております。 この問題一つをとりましても、私たちも子供のときは戦争中でございましたから小学生ごろでも牛で田をすく手伝いをしたものでございました。そういうふうにして農業に従事をしてきたそういう経験があるわけでございますけれども、一つはなぜこのような後継者というものが心配するような状況になったのか、こういうことを非常に私も懸念するわけでございますが、大臣の方でこの原因はこれとこれなんだと、もしそういうことがありましたら指摘をしていただきたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 見方はいろいろおありでしょうけれども、私は何といっても日本の高度経済成長、このために、一つには都市近郊の農地というものが工場に必要であったために大変高くなった、そのために、残った土地も高いものですからなかなか規模拡大が進まない。他産業の方が所得も高いということもあり、一方では農業の機械化が進んで従来のように多数の人で農業をやるということはもうできない、小人数でもやれるようになったということから、一方では労働者を求める、一方では機械化の進展によって過剰になってくるということがまず一つあった。 したがって、何といっても高度成長の中で所得に格差が出てきたということで着い人たちがもうこぞって都会に出ていったということが、一つは一極集中で見るように極端にそれが進んだのではないだろうか。その過程の中で、農業も一生懸命やろうと思っても、今申し上げたような状況、所得の格差を埋める方法というものがなかなか見つからない。しかし、高齢化がどんどん進みましてこれではもうどうにもならぬということで、前々からそう思っておったわけですが、今回この新しい政策の中で、そういう条件も満たしながら農業というものを考えていこう。もっといろいろあると思いますが、基本的には大体そういうことだろうと思っております。
○矢原秀男君 確かに今大臣がお話しになりました面が非常に大きい現象だと思うわけでございます。 先ほど大臣もお話しありました高齢化の問題も非常に大きな課題になってまいりました。また、高地における耕作地の放棄という十五万ヘクタール強、これが土地持ち非農家の所有する耕作放棄地を含めますと約二十二万ヘクタールに達しております。こういう問題も、後継者の問題、それから土地持ちの非農家の所有する耕作放棄地の問題、また今大臣お話しいただきました高齢者人口、この二十年近くの農村は特に先取りする形で、都市化という形のこれだけは先取りで推移をしている、こういうふうなことが非常に大きな今後の問題になろうかと思うんです。 これで、今所得格差のことも大臣仰せになりましたけれども、魅力のある農村というものは、今この新しい政策によって、確かにこれを着実にすればいろいろと問題解決があるなどか、こう思っているわけなんですが、ここで魅力のあるということになれば、ちょっと質問のあれはしていなかったんですが、私もきょうずっと考えながら、二十一世紀に、この政策の中にもございますけれども、これだなと私が思っていますのは、政策で研究開発の中に、農業を技術集約型産業として確立するというあれでこの政策に五点ほど挙げていらっしゃいますね。画期的な技術開発の推進、それから二番目には基礎的・先導的研究の充実、三番は地域の特性に対応した農業技術の開発、四番は地球環境問題解決のための技術開発、五番目には研究戦略の明示、こういう具体的な政策を挙げていらっしゃる。そういう中で二十一世紀初頭に実用化が見込まれる先端技術の主なものという非常に希望のある五点ほどを掲げていらっしゃるわけなんです。 まず、事務当局の方で、この五点は実際に本当にすばらしいんだとちょっと具体的に御説明していただいて、そうして後で大臣から、先端技術、こういうようなものを用いて二十一世紀にこれを実用化を必ずするんだというものもちょっと確認的に御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(上野博史君) まことに申しわけないんでございますけれども、その資料を手元に持ち合わせておりませんが、確かにこれからの農業の発展のかぎというのは技術開発の成果のいかんにかかっているところが非常に大きいというふうに考えております。 一つは、新しい品種の育成といいますか、そういうものがあるわけでございまして、先端的なバイオの技術の発展というようなことがこの関係の分野において非常に重要だろうというふうに考えております。 それからもう一つは、けさほど来の議論にもございましたが、農業の労働時間の短縮化を図っていく、他産業並みの就労時間というようなものを達成していく、あるいは他産業並みの所得を上げるために必要な機械化をしていくというような意味におきまして、農機具なり農作業の効率化のためのいろいろな機械、施設の開発というものがもう一つは大事なことなのではないかというふうに考えております。 そのための各種の施策の非常に一つの大きなものといたしまして、機械化の関係の法制度の一層の充実を図るということも考えてこの国会に提案をいたしているところでございまして、御審議をいただきたいというふうに考えておりますし、それから、技術開発関係の組織体制の強化というようなことにつきましても予算面でいろいろ手当てをしてまいっているという状況にございます。
○国務大臣(田名部匡省君) 基本的に幾つかの問題点の解決を図りたいということがあります。 私は、農業というのは魅力のある頭脳産業だと思っているんですね。普通の人じゃなかなかできないんです。いろんな知識が豊富でなきゃいかぬ、機械の操作もしなきゃならぬ。そういうことで、今の昭和世代の人たちはそういう教育も経験もなかった人たちがやってきた農業なんです。これからはそういう時代になりますので、いろんなバイオテクノロジーとかそういうものを使って生産性の高い質のいいものをつくっていくということは、それは国土が狭いものですから、単収当たりの生産性というものを考えるとそういうことをこれから積極的にやらぬと外国との競争にも敗れていくということもありますし、どうしてもこの面についてはやり遂げなきゃならぬということで、一方では機械をもっと便利なようにつくるということで、そうしたことも予算化してこれからもその点に努力していかなきゃならぬ。 それからいま一つは、これから新しい経営にはパソコン、ファクシミリ、それから企業的な勉強をしなきゃいかぬということで、去年の米価の中にもう既に織り込んで、若い意欲のある担い手、これからの人たちのためにもう既にスタートをさせております。そういうことを一体としてやっていかなきゃならぬ日本の農業だというふうに感じております。
○矢原秀男君 とにかく本当に魅力のある農業というものを、特に後継者の皆さん方が本当に他産業よりも将来希望があるなど、こういうことが基本的な大きなものになるんではないかなと思っております。 次に質問を申し上げたいのは、いろいろと新しい政策に対して政策理念というものが、本当に、あっ、これだなというふうなものがちょっと薄いんではないかなという、そういう声が非常に大きいわけでございますけれども、大臣として、この新政策の中の政策理念というのはこうなんだというようなことをもう一回ここで明確に訴えていただきたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 幾多の変遷を経るものですから、どういうことを理念にするかというのは非常に農業の場合は難しい。消費者のニーズというものにも合わせなきゃいかぬということであります。 一つには、私はウルグアイ・ラウンドの各国との交渉でも再三申し上げておりますのは、今後の世界の食料が一体どうなるかという、そういうことから見ますと、人口が増大していく、特に開発途上国に多いわけでありまして、そこには地球環境という問題が生じていろんな制約を受けるという中で、地球の人類は押しなべて食料で飢えが生ずるということはない、そういう政策をきちっと国際的にも打ち立てるべきだということを申し上げております。そういう一環として日本の農業がどういう役割を果たすかということで、何としても可能な限り自給を高めでいくということであります。 今、委員お話しのように、いろいろと若い人たちに対してどういうことを考えていくかということを考えますと、どうしても所得において他産業並み、労働時間においても他産業並みがまず一つの目標として、政策として打ち立ってなきゃいかぬということがあります。 それから一つは、食料政策としては、生産性の向上と品質やコストの面で改善を図っていかなきゃならぬ。特に私どもは五〇%まで自給率を上げるということを閣議で決定しておりますので、これが一つの政策になるわけであります。それをやるためには、農業を職業として選択する魅力ある経営体というものをつくっていかなきゃならぬということ。それからいま一つは、生産の方ばかり申し上げましたが、生産と同時に、私は農業を守るというよりも農村社会をどうするか、これは日本にとってはもう重要な問題でありますから、農村社会をきちっと維持していくということになると生活環境面。この二つの柱を立てて、あとはこまいことを言えばいろいろありますけれども、この二つと食料問題というものとを置きながら努力していかなければならないというふうに考えております。 そのためには、地域の農業者の多様な取り組みというのは、これはまた地域地域によって気温も違うし、土地の広さの条件もある、したがって地域ごとにこうするならば我々は魅力を持ってやれるという案をつくってください、上から今までのように国が何かやれと言うんではなくて、下からそういう積み上げをして、努力をして、それを我々は支援していこうというふうに考えております。 何としてもこれは達成して、本当に出生率の低い、少ない若い人たちにやっていただける農業というものを目指していかなきゃならぬ、こう考えております。
○矢原秀男君 次に、この新政策において効率的な経営形態としての個別経営体や組織経営体についての育成が言及されております。しかしながら、家族経営についてのその意義や重要性というものに少し触れられていないのではないかなと思っているわけでございますが、欧米においてはパワフルな組織経営体とは別に、国土・自然保全という観点から家族経営体をなくさないように非常に大切にしている傾向もあるわけでございますが、この家族経営についての位置づけ、これについては大臣はいかが考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(田名部匡省君) 決してそういうふうに考えでいるわけではないんで、個別経営体ということがありますが、これは家族経営体の発展した姿というふうに受け取っていただきたいんです。何といっても現状の家族経営というのは家計と経営が分離されていない、何となくごっちゃになっていまして、私どもも手の打てない困難さというのはそこにあるわけです。一体農業として実態はどうなのかというのがなかなか出でこないものですから、この辺の問題が一つ。 それから労働関係が不明確だと。会社に勤めるのと違いますから、何時に仕事をして何時に終わりというのはないんですね。そういう関係。給料の関係も不明確。いろんな意味で家族というのはいいようでありますが、一方には子供も給料をもらえない、嫁さんも給料もらえないということがありますので、この面に問題がある。それから新規就農者の確保ということになるとこれもなかなか難しい。こういうことの経営の近代化を進めていくために、経営体経営体と言っておりますが、家族でもそういうことをしっかりしてほしいという気持ちがあるわけです。 そうなると、一体どの程度の耕作面積、何と何を組み合わせて一年間働けるようなシステムをつくれないか。よく米価のときにサラリーマンの給料が上がって米価が下がるのはけしからぬと私は去年も怒られました。賃金は下げてないんですが、労働時間が短縮になるものですから、掛ける労働時間でいくと賃金は上がるが米が下がるという今の仕組みになっているわけです。 そういうことを考えてみますと、米は一反歩当たり四十三時間ぐらいですから、三反歩や四反歩やったんでは一カ月働いてあとは何かやらなきゃならぬ。そういうやっていくことを考えてやってほしい。一年間労働者と同じ時間、休みには休んでいって高いのか低いのかということもありまして、何とか私どもはそういう企業的な感覚でやってほしいというのはそこなんです。そこが出てくれば、農家の最大努力できる部分はこの部分、あとはやっぱり何とか国や自治体が支援してほしいのはここということをはっきりさせたいと思うんですね。 そうすると、全体が見えてくれば、自分も努力すれば報われるなということがわかるとやりがいというものは出てくると思うんですが、今はもう実態がもうかっているのか損しているのか、どうなっているのかというのがわからないと意欲が出てこないと思うんですね。喜びというのは、目標に向かって目標を達成する、次の目標にまた向かうというところで出てくるわけでして、そういうことをぜひやりたい、こう考えておりまして、決して家族経営の方はどうでもいいとは考えておりませんし、そちらはそちらで可能な限りうまくやることを考えてほしい、こういうことです。
○矢原秀男君 午前中質疑をされていらっしゃる中で大臣が、この新政策でもそうなんですけれども、女性の役割というものを明確化されて、農村女性のいろんな御要望をきちっとかなえていらっしゃる政策をもう完璧にされたのかなと思いながら私も伺っているわけですが、農家の婦人が援助を期待することについて、三十歳から三十九歳の方に平成二年に省でアンケートをとっていらっしゃいますね。 定期的な農休日の普及、これが四一%、農村社会の意識改革三五%、農業労働の軽減二五%、高齢者介護の軽減一六%と、こういうふうに農家の婦人が援助を期待されているパーセンテージが若い農村の女性から出ておりますけれども、こういうようなものは大臣どの程度解決されようとしていらっしゃるんですか。一番下の高齢者介護の軽減一六%にしても、御家庭でもこれは大変なことやなと思うんですけれども、大臣が力を入れていらっしゃるとこれは非常にうまくいくんやないかなとも思っているんですけれども、このパーセンテージに対してどういう政策的な対応というものをやろうとされていらっしゃるのか、簡単で結構ですからお願いします。
○政府委員(上野博史君) 農村における婦人の問題につきましては、このところ非常に国民全体としての女性の地位の向上の問題というとらえ方といいますか、がなされておるわけでございますけれども、その一環の問題なんだというふうに大きくとらえるとなってまいるんじゃないかと思っております。 しかしながら、一般的な女性の地位の問題よりももっと恐らく農村婦人の問題というのは難しい面があるのではないかというふうに感じているわけでございますけれども、ともかくまず一番大事なことは、農村婦人の「個」といいますか、御婦人方それぞれの「個」の確立とでもいいますか、ちょっと言葉が適当なあれがないんでございますが、そういうことを図っていく。一人の人間としてそれぞれの考えを述べ、それが大事にされて家庭生活なりあるいは農業の経営に反映をしていく、あるいは地域社会にも反映をしていくというようなことを目指していかなければならないということだというふうに考えているわけでございます。 去年、農林水産省といたしましてもこの関係につきましての考え方を取りまとめておりまして、とにかくまずいろいろな手だてを講じて、農村の女性のみならず、男性、住民全体の女性問題に対する意識を改めていくということに大いに努力をしなければならないということで、いろいろな取り組みを今しているところでございます。 それから、介護の問題などにつきましては、確かに農村の嫁さんの役割といいますか、の問題として非常に大きいものがあるわけでございますけれども、これはまあ言うなれば厚生行政の観点からのいろいろな施策を待つ、あるいは地域におけるヘルパーみたいなああいうようなことを具体化するというようなことによって実現をしていくということで徐々にやっていかなければならない。それも農村婦人の生活改善の非常に大きな眼目だというふうに考えているところでございます。
○国務大臣(田名部匡省君) 今、官房長からいろいろ申し上げましたが、私はいつも自分の周りを見て感じていることで申し上げるんですからまあ当たっているかどうかわかりませんが、青森県でも若い人たちのアンケート調査をやりました。シンポジウムもやりましたが、一番多いのは封建的だと、農村社会は。それから、労働がきつい、あるいは余り自由がないという、そういう意見がもう圧倒的でして、いい面もいろいろ言っておりますが、私はそういう意味では農村の意識の改革ということがまず一番大事だと。 それには国がどうかかわるというのは、直接はできませんが、これから新農政を進めていく上では農協というものがその役割をもう積極的に果たしてもらうということでないと、これは実現しないと思うんです、もちろん市町村にもお願いするわけでありますけれども。そういうことで、本当に都市の御婦人のように割合自由な時間も持てる、したいこともできるという、それと同じにしてほしい、そのための我々はいろんな努力をすると。 それからいま一つは、さっき申し上げたように、一家の中での大黒柱というには、もうその家計のこともきちっとわかっている、農業に金をどれにかけるかとかどれを切り詰めるかということも意見として持って言える。いろんな立場というものを確保してもらうということになると、だんだんその地位は私は向上していくんだろう、こう思うんですね。これは意識の改革ということは本当に大事なことでありますし、今の介護のことについて、これは市町村行政の中で農村の婦人はどう取り組んでいくかということの一環ですから、これはそれで進めていきたい。 いずれにしても、一般的に言われている農家の嫁には行きたくないという意識の中の幾つかあるそれを排除していくということは大事なことだろう、こう思っております。
○矢原秀男君 時間がございませんので新政策はこれぐらいにしまして、もう一点だけ、ガット・ウルグアイ・ラウンドの点についで大臣に質問したいと思います。 クリントン政権の農業政策というものが現時点において、私もいろんな情報を入れますけれども、なかなかはっきり顔が見えないというのか、そういう感じがするわけでございます。 そこで、大臣に一点だけお伺いしたいと思うんですけれども、クリントン政権の農業政策、特に日本に対して現時点で大臣が情報を持っていらっしゃるその分析の中で、彼らはどういうふうに日本の農産物問題、特に今までの課題の問題、米の問題についてもどういう動きをしようとしているのか。 いろんな情報を入れておりますと、四つの焦点ということを、米国の農業政策研究所所長のマーク・リッチーというのが二月ごろにも日本の報道の方へいろんな情報を送っているようでございますけれども、大臣の分析の、そしてまた大統領のもとにおける彼らに対する対応策をきょうの時点ではどう考えていらっしゃるのか、それだけをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 基本的には包括的関税化という基本方針は変わっていない、こう思います。ただ、私どもは、米のような基礎的食料は国内で自給する、あるいは生産調整を行っている農産物については包括関税化は例外とするように主張しておる。あるいは今時点で申し上げると、市場アクセスだとかサービス、知的所有権、貿易ルール、そっちの方を今のところ向こうはいろいろと言っておりまして、包括関税化はしなきゃいかぬが、それはそこでとまって、あとは他分野の方で今いろいろ言っているわけです。 ですから、私どももどういう方針が出てくるかということはちょっとわかりません。わかりませんが、いろんなところでいろんな人が言っておるものですから、どれが本当のところかというのもまたわからない。一方では、ダンケル案というものも変えなきゃいかぬのではないかと言う人もおる。 いずれにしても、米の政権は、米新政権が明確でないものですから、今のところでは何ともそれ以上のことはお答えできないわけでありますけれども、年来の主張どおり私どもはやっていこう、こういうことでございます。
○矢原秀男君 最後に一点だけ。 大臣、外務省関係の元駐米大使の関税化受諾発言等々、外務省筋は市場解放賛成論に傾いているのではないかというふうな問題もちょっと出ておりましたけれども、大臣、その点については、この席で明確に閣内の不統一はないんだと、そういう点、状況もわかりませんので、状況とはっきり態度を示していただきたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 松永政府代表のこと、二月二十三日のことだろうと、こう思いますが、私もその後お会いしました。いやいやそれは新聞に書かれているようなことではありませんと。私はそう思うんですね。いつもそう、そうというのは、長々言ったことをわずかで言うとそういうとらえ方をされたんだろうと、こう思います。ダンケルさんと会談した際のダンケル議長の考え方を紹介したということであって、そのことが国際的に見て極めて厳しい状況だということを申し上げたんであって、そのことで非常に誤解を受けて申しわけありませんでしたということを言っておられました。 いずれにしても、いろいろと言うときには誤解を受けないようにきちっと発言してくださいということを申し上げておきまして、その点においては我々の考え方と変わっておりませんので、従来の政府の基本方針どおりということで私はよかろう、こう思っております。
○林紀子君 私は、きょうは、国が巨額の費用を投じて造成いたしました農地、これはあくまで農地としてきちんと守ってほしい、特に農水省はこの立場にきちんと立ってほしいという願いも込めまして質問させていただきます。 まず、福島市の吾妻小富士地区の国営農地開発事業ですが、これは国が七五%補助して、事業費をおよそ四十億円かけて、四百ヘクタール余りの農地を造成して、一九八〇年度、昭和五十五年に完了しております。当時、百四十九戸の農家がリンゴや野菜、牧草などの営農をしようと意欲に燃えて入植をしたわけですけれども、現況は一体どうなっているか、説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(入澤肇君) ただいま先生御指摘のとおり、この地区は昭和四十五年度に着工いたしまして、農地造成四百六ヘクタール、そのうち植栽可能面積三百四十八ヘクタールということで農業を行うというふうにしたものでございます。五十五年度に完了しております。 この造成農地におきましては、果樹、野菜、牧草ことに生産組合、これは農協法に基づく農事組合法人でございますが、これを設立し、機械、施設等の共同利用を通じた営農を行ってきました。しかし、近年になりまして営農を継続する農家が減少いたしまして、昭和五十五年度の事業完了時の受益戸数は今先生がおっしゃったとおり百四十九戸でございますが、平成三年度の営農戸数は八十三戸でございます。未利用な農地が存在しておりまして、この未利用の農地の解消に努めてきたんですけれども、平成三年度時点でのその面積は約二百三十七ヘクタール、関係農家戸数百十三戸でございます。 この未利用の理由としましては、果樹、野菜が中心で、高齢化とか後継者の不足あるいは生産意欲の減退ということが挙げられております。
○林紀子君 今お話にありましたように、これだけ巨額の費用を投じて造成したにもかかわらず、七〇%余りも耕作放棄地が生じている。経営が成り立たなくなって、今当初から比べますと二〇%の農家しか残っていない。農家の中には償還が困難となって未納額が出ている、徴収が容易でないと、こういうお話も聞いております。 確かに、標高八百メートル以上の風の強い高地という悪条件だったわけですが、今後継者がいないというお話がありましたけれども、こういう悪条件の中で収益が上がらない、それでも農家は頑張ったんですけれども、今残っているのは借金だけということになっているわけですね。 そういう意味では国の責任というのはやはり大きいと思うんですが、この地区を農業で再建していくためにはどうしたらいいとお考えになりますでしょうか。
○政府委員(入澤肇君) 農地開発事業によりまして造成された農地につきましては、事業効果の適切な発現が図られるように、県などに対しまして実態の把握、営農指導の強化等につきまして従来から指導を行ってきているところでございます。この地区につきましても、造成農地の有効利用を図るために、昭和六十三年に福島県におきまして吾妻小富士地区土地利用促進協議会、これは東北農政局、福島県、福島市それから受益農家の代表等で構成する協議会を設置いたしまして、栽培作物につきまして立地条件に適した花卉とか育苗を新たに導入するなど経営の安定のための方策を検討してきました。しかし、残念ながら現時点でまだ未利用地の解消に至っていないという状況でございます。 こういう状況を踏まえまして、国会でも他の地区のことで御議論がございましたので、本年三月に事業完了地区の営農対策の一層の推進強化を図るように通達指導を行ったところでございます。
○林紀子君 今、協議会というお話が出ましたけれども、営農だけの土地利用計画ではなくて、リゾート構想も含めた総合的な利用計画を策定する必要がある、こういう方向で調整がされているということも聞きました。 福島市では、調査機関に委託しまして、平成元年六月に吾妻山麓リゾート整備構想というのを発表いたしましたけれども、吾妻小宮土地区というのはこのリゾート構想の中に入っているわけですね。そして、こうした中で九一年の十二月に、農業生産法人で有限会社・岩瀬牧場というのがこの地域の農地の買い占めに入って仮登記をしていたという事実が判明しておりますけれども、岩瀬牧場というのはどういう会社でしょうか。
○政府委員(入澤肇君) 岩瀬牧場の概況を申し上げますと、昭和四十三年の九月三十日に設立されました有限会社でございまして、牧場及び農園の経営、花卉、果実及び果樹の栽培、販売等を事業として行っております農業生産法人でございまして、構成員は三名となっております。
○林紀子君 代表取締役はどういう人ですか。
○政府委員(入澤肇君) 小針暦二氏でございます。
○林紀子君 私が聞いておりますところによりますと、その小針暦二氏の息子の小針美雄という人だというふうに聞いておりますけれども、岩瀬牧場はこの地域の農地買い占めを行う前に、福島市にある福島民放社、これが小針暦二氏が社長なわけですね、この中に支店を開設した。 農業生産法人が支店を置くことは農地法では認められていませんね。農地法三条二項八号では、法人の住所からその農地までの距離から見て効率的に耕作できると、こういうことを当然ながら定めているわけですけれども、この場合、岩瀬牧場がある鏡石町から福島市まではおよそ八十キロも離れている。したがって、通って耕作するということはまさに非現実的なわけですけれども、だからこそ農地法に反してまで支店を福島市に開設したのじゃないかと思うわけです。 農業生産法人の農地取得につきましては、昭和五十五年八月に次官通達が出されまして、私もそれを手元にいただきましたけれども、資産保有の目的、投機・投資の目的で法人による農地取得につながらないよう適正化を図るようにというふうに指導されているわけですけれども、岩瀬牧場の場合、この代表取締役の小針美雄という人はほかの法人の役職を兼務している。農業以外の事業を兼務している。常時従事者でもありませんし、法人の所在地に住所を有してもいない。明らかにこの通達に違反して農地を取得しているのではないかと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(入澤肇君) その前にちょっと、代表取締役は小針暦二氏と申しましたが、もう一人小針美雄氏も代表取締役になっております。 この今御指摘の次官通達によりますと、代表権を有する者は、法人の主たる事務所の所在地に住所を有し、農作業に主として従事する常時従事者であることが望ましいというふうに、通達では法律の精神を受けて指導しているわけでございます。そういう意味では、小針氏は東京都文京区に住所を持っておりますし、美雄氏も東京都港区に住所を持っておりまして、この点は通達に違反していると言って差し支えないかと思います。
○林紀子君 そうしますと、通達に違反している人は農地を所有できないということになりますね。 農地の登記簿を調べてみると、抵当権者に東京佐川急便という名前も出てくるわけですから、大変これは不可解な状況だということが言えると思うわけです。 私は先月福島県の担当部長とお会いをいたしましたけれども、この岩瀬牧場を主体に吾妻小富士地区の農業再建を検討して、四月にも農政局との協議に入りたいということを話していらしたわけです。岩瀬牧場の進出は、リゾート開発を見越した、投機を目的にした農地の取得につながるというおそれが明らかじゃないかと思うんですけれども、大臣にお聞きしたいと思います。農水省はこの地区の農業再建のためにあらゆる援助を責任を持って講ずるべきではないかと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(田名部匡省君) 前段の部分は別として、あらゆる援助をして、やる人がおるかどうかというのが一つ問題あると思うんですね。 私は、このことは別として、当時、四十五年ごろまあまあやってやろうという状況にあったと思うんですが、その後、やってももう別な方へ行った方がいいという、これは何もここに限らず、私の青森県にも幾つかあるんですね。当時はそういうふうにつくったが、もう今はこんなことはというので、何かにしてくれという陳情が随分あります、私にも。しかし、そうもいかないのでそのままにしてあります。 状況が変わってしまうと、それでも無理無理国の力でやらせるというわけにもいきませんし、ですからこういう事業というのはやっぱりこれからは団体、農協等が、もし個人がやれないというときには団体でやるんだというぐらいの覚悟のあるところでなければ、やった後で世の中が変わったときの変化についていけないようなことではどうかなと思うんですが、具体的には役所の金をつぎ込めば所期の目的にかなったことでやる人がおるかどうかということの方がむしろ問題なのではないかなという、お話を聞いておって気がいたします。
○林紀子君 しかし、それは大臣としては大変無責任なお答えなんじゃないかと思うわけですね。優良農地としてこれだけのお金をかけて、四十億円国はつぎ込んだわけですけれども、国だけじゃないわけですね。それで、これだけ農地を造成して、大変そういう意味ではもう造成ができ上がっているわけですから、はい、そこにゴルフ場というような形でもし入るとなったら、それがそのまま余りお金をかけずにすぐぱっと入ることができるというような状況というのもできているわけですね。 そこで、農地として本当に再生していくためにはどうするかということを農水省としては最後まで責任を持ってやるべきではないかと思うわけです。その点いかがですか。
○政府委員(入澤肇君) この岩瀬牧場は農業生産法人でございまして、その一部地区で事業をやっているわけでございますが、まだゴルフ場をやるとかそういう計画を持っているというふうには私どもは聞いておりません。
○林紀子君 でも、今までのお答えでは農業生産法人にはふさわしくない、先ほどの通達から見ても適格ではないというお話があったと私は承っております。
○政府委員(入澤肇君) 詳しく申し上げますと、農業生産法人の要件を満たしているかどうかとい うことでございますが、農地法第二条七項によりまして四つの要件があるわけでございます。 一つは法人形態要件ですね。法人形態は農事組合法人、合名会社、合資会社、有限会社である。この場合岩瀬牧場は有限会社でありまして、法人形態要件を満たしているわけでございます。 それから事業要件としまして、法人の事業は農業、これとあとほかに林業を含む……
○林紀子君 そのことはわかっておりますので。先ほどの通達に照らして適格ではないというお答えがあったはずですね。
○政府委員(入澤肇君) いや、まず法人形態要件、事業要件、構成員要件、その三つは法律要件を満たしている。そして業務執行要件、役員要件ですね、これがその法人の事業に必要な農作業に主として従事すると認められる者に限る、この構成員が役員の過半を占めるという点について問題があって、これについては是正指導をすることによって農業生産法人としての要件を満たすというふうに考えているわけでございます。
○林紀子君 今お答えがありましたが、それはどうも納得できないんですけれども、時間がありません。 今、農水省は農地法を改正しまして農業生産法人の構成員の要件をさらに緩和しようとしているわけですね。この問題となりました岩瀬牧場の例に見られるように、株式会社も農業に参入できる道を開こうとしているというふうに思わざるを得ないわけで、こうなったら農地の取得というのがさらに緩和されて土地投機まで許すようなことになる。そうなったら大変だということを私は認識しておりまして、どうしてもこの緩和というのは許せないというふうに思うということもあわせて申し上げておきたいと思います。 もう一つ、今度は南の鹿児島県ですけれども、隼人町、溝辺町で計画されている場外馬券売り場、この設置の予定場所というのは、やはり国が五〇%補助して、十五年の歳月と百七十六億円を投じて二年前に完了した県営畑地帯総合土地改良事業十三塚原地区で、かんがい施設が整備された優良農地となっております。農振計画の変更は町が決めて、そしてそれを県が承認するということになっておりますけれども、せっかく造成してもわずかの期間につぶして、その目的も果たせずにもし場外馬券売り場になるというようなことになりましたら、農水省としてはこれまた残念なことだとはお思いになりませんか。
○政府委員(入澤肇君) 御指摘の点につきまして、先生から御質問の通告がありました後に鹿児島県から状況を聞きましたところ、県においても、まだ当該市町村において事案が詰まっておらず、県としても何とも判断しがたいということでございました。現段階におきまして、我々としましてもコメントできる段階にないことを御了解願いたいと思います。 なお、一般論といたしましては、土地改良事業の下した農地等の農用地区域からの除外につきましては、慎重に対処すべきものと考えております。
○林紀子君 報道では、ここは五ヘクタールを予定しているということなんですね、まだ農水省までは上がってきてないようですけれども。 農振計画を変更しても五ヘクタールの農地の転用ということは大臣の許可が必要になるわけですね。そういう意味では、やはりここも巨額を投じて優良農地にした場所で、さあこれから農業というときですから、この農地転用というのは許可すべきではないと思いますが、それもあわせてお願いいたします。
○政府委員(入澤肇君) 場外馬券売り場につきまして農地転用をするかどうかにつきましては、まず、農振農用地からの区域の除外とか、あるいは現在私どもが認めております農村活性化土地利用構想、これに基づきまして農地転用を受けるわけでございますが、この農村活性化土地利用構想というのは、風俗営業とか興行場営業等のための施設で、環境から見て不相当と認められる施設はこの構想の対象施設には該当しないということにしておりまして、場外馬券売り場はこの規定によりまして原則としてこの構想の対象施設には該当しないことになりますので、農地転用は受けられないんじゃないかと思います。
○林紀子君 今地元の方たちは大変反対の運動を強めておりまして、私も三月の二日に衆議院で副議長をなさっていらっしゃる村山喜一代議士の秘書の方、それから隼人町の「住みよいふるさとをつくる会」の方々、地元糸走地区の農家の方々と一緒に中央競馬会や農水省に場外馬券売り場の設置を認めないようにということでお願いに行ってまいりました。 大臣にもぜひ一言お聞きしたいと思うわけですけれども、要請書には、整備されたがんがい施設を大いに生かして、肥沃な大地で緑豊かな農業の振興を図り、農家の営農と暮らしを守っていただきたいというふうに記されているわけですね。本当にやる気十分で農業をやろうという、そういう農家の声をぜひ生かして、国も巨額のお金をつぎ込んでいる優良農地ですから、ぜひ守っていただきたいということを最後にお願いしたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 私は、農業をやりたいと意欲のある人がおってこういう事業をしたということは、当然それは農業をやるべきであって、ただ間々見られるのは、そうやったがどうもうまくいかないという事情のあるところもあるわけですね。そういう場合でも、本当に地域なり県なりが、もう住民も含めてこうした方が一番みんなのためになるんじゃないかという場合はこれは別だと思うんですが、基本的にはやる人がおってやりたいと言っているものを、そういうふうに整備したものを別にやらすということは、これはもう当然あり得ない話であって、そういうふうに私は考えてこれからもやっていきたい、こう考えております。
○星川保松君 私は、きょうで三回目になりますが、新農政について質問をしたいと思います。 この新農政というものについて私も実は大きな期待を持っておるわけでございます。それだけにぜひとも成功して効果を上げていただきたい、こういう願いを持って質問をしておるのでありますけれども、どうも短時間ではありますけれども私の納得いくような説明が返ってこないので、大変心配が大きくなっておるわけでございます。 まず、私はこの新農政というものは画期的なものだと評価をしているわけです。といいますのは、いわゆる戦後の農地改革に匹敵するものだと、こう思っております。農地改革は言うまでもなく自作農をつくり上げたわけですね。それで、小作農が自分の田畑を持って、喜び勇んで生産に励んだというきっかけをつくったわけでございました。しかし、農地改革の際は、農地調整法、そして自作農創設特別措置法というものをつくって、地主から国が強制的に土地を買い上げて小作人に売り渡すというような強力な手段に訴えていわゆる自作農を創設していったわけでございます。 そのことと比較してみても、今回の新農政というのは、十年間で個別経営体を十五万、そして組織経営体二万を創設するという意味で、私は農地改革に匹敵する、こう思っておるのでございますけれども、果たしてこれが実現できるかどうか考えてみますと、質問に答える農水省の皆さんもどうも私は頼りない。農水大臣の御答弁は極めて精神的なものにどうも偏っているようで、もっともっと具体的な施策をやっていきませんと、いわゆる基本法農政後の三十年のような空回りをしてしまうんじゃないかという心配をしておるわけでございます。 それで、まず、これほどの大改革をやるというのに、農地解放の場合は自作農創設特別措置法というものをつくってしっかり構えてやったというんですけれども、今回の新農政というのは一体何だろうなと思って見ておるんでありますが、これは法律でもない、政令でもない、省令でもない。ここのところ、この六法を見ますと、「農林水産省公表」としか書いてないんですね。これは法の類型からいって一体何でありましょうかというところからお尋ねしていきたい。
○政府委員(上野博史君) 新政策の考え方を農水省として昨年まとめまして世の中に出したわけでございますけれども、これは要するに今後の特に二十一世紀という中長期的な視点を持って、我が国の農業なり農村あるいは食料というものをどう考え、どういうふうに政策を取り進めていくかという基本的な考えをまとめたものでございます。 それは、法律の形にする、これはよく農業基本法を改めてそういう形ではっきりさせるべきではないかというようなお話もあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、基本的には農業基本法の掲げております主要な考え方を現在の時点の農業なり農村なり食料を取り巻く問題の実態に合わせまして展開させていくものであるということを申し上げているわけでございまして、基本法の線に沿ったものである、したがって基本法を改めて手直しをする必要はないというふうに考えてお答えを申し上げでいるところでございます。 したがいまして、この新政策の考え方というのは、私ども農林水産省としての考え方をまとめたということでございまして、法律なり政令なりというような形での文章になっているものではない。しかしながら、こういう考え方について皆様方のいろいろな御意見などもいただきながら政策を取り進めでまいりたいというふうに考えているものであるということでございます。
○星川保松君 これほどの大事業を進めるのにすっきりした態度で取りかからないのか、私はどうも極めて不思議でならないわけなんですよ。これは大変な仕事ですよ。これをなし遂げたら日本の農村は本当に変わりますよ。それだけのことをやるにはそれだけのやっぱり構えがなくちゃいかぬと思うんですよ。 これからもこれを進めていく上で必要とあらば法律でも政令でも省令でも出していくという考えはないんで、このままとにかくやっていくと、こういうことなんですか。
○政府委員(上野博史君) やや私の説明が不十分だったかと思うわけでございますけれども、今申し上げました包括的な体系としての物の考え方に沿いまして、具体的には、農地政策であるとかあるいは中山間地域の振興のあり方とかあるいは農業機械の開発の問題等々、あるいはJAS規格を改正してより安心して質のいい農産物が供給できるようにするというような、そういう各方面のそれぞれの政策の具体的な手直しということについては、それぞれ法体系なり政策の内容に応じまして法制の変更というものも考えているわけでございまして、これから順次我が省提案のこの関係の法律案につきまして御検討いただくというふうに考えているわけでございます。
○星川保松君 この政策の中心は、日本の農家がある、その農家を二つに分ける。つまり、望ましい経営体というものを出したんですね。望ましい経営体というものを出したということは、これは望ましくない経営体と望ましい経営体と二つに分けるということなんですよ。 そういうことで、その望ましい経営体として二つある。それは、一つは個別経営体である。それは、山形でこれを受けて山形県農政振興ビジョンというものをつくっていますよ。それによりますと、これは十五ヘクタールと想定しています。それから組織経営体としては四十ヘクタール。こういう地域なりの計画を目標を掲げてやっていくわけでありますけれども、この望ましい経営体をつくるには望ましくない経営体にやめてもらわなくちゃならないわけですよ。 だから、望ましい経営体をつくる、そのために望ましくない経営体には農業からやめてもらって、農政の対象から外れてもらうということをしなけりゃこれはできないわけですから、その外れていく人についてどういうことをやるのか。それはもう農政の範疇でないということではいけないと私は思うんですよ。それは、いろいろな方面から手助けをしていただいて、それらの人にはそれらの人の生きる道を開いてやらなくちゃいかぬと思うんですね。 ですから、こういう政策というものは、少なくとも政令ぐらいにして、そして農政でやっていく面と、その範疇から外れていく皆さんの手当てというものを各省庁に手伝ってもらうということをしていかなくちゃいかぬと思うんですよ。そういうことでは政令にもしないというのは非常に弱点がある、こう私は思うんですけれども、そういう点についてはどう思うんですか。
○政府委員(上野博史君) いろいろな観点からの内容の御質問でございます。まず、望ましい経営体と望ましくない経営体というと大変当たりが厳しい感じの話になるわけでございますが、私どもが将来育てていかなければならない経営体というのは、先ほど来大臣も申し上げておりますように、他産業並みの所得なりあるいは労働時間というもので農業が営まれていく、そういう経営感覚に富んだ経営体ということを申し上げているわけでございます。 そういう農業経営体でないと、これから先中長期的な観点で見ますると、農業をやっていくということが現実の問題として非常に難しい、後継ぎの問題もなかなか得られないであろうということで申し上げているわけでございまして、望ましくない経営体というのは、これはそういうことを私どもは言葉としては使っておりませんが、そういう状況になければ、実際問題として農業をそういう経営体が営んでいくということについては、多かれ少なかれどっかの段階で非常に大きな問題に逢着をするのではないかというふうに考えているわけでございます。 それから、そういうことを進めると、やめていく農家の方々というものに対する手当てという問題もお話がございましたが、私どもとすれば、地域によって非常に事情の違いがあるわけでございまして、現時点で既にもう農業をやる人が、やる経営体というものが十分手当てができなくて耕作放棄地というようなものが生じているところもあるわけでございまして、そういうところについてはこれから農業をやっていくにふさわしいそういう経営体を早急につくり上げていかなければならない、そういう事態に直面をしているところも多数あるわけでございます。 それからまた、現状ではそこまでの事態にはなっていないという、東北地方などではそういうところが多いかと思うわけでございますけれども、そういうところにおきましても農業就業者の年齢というのは非常に高くなっているわけでございまして、中長期的な観点から見ますると後継者の問題というのがいずれ出てまいりまして、今私どもが申し上げているような考え方に変えていかなければ農業の継続が難しくなるんではないかというふうに考えているということでございます。
○星川保松君 二十分しか私の質問時間がないんですから、聞いたことだけひとつ答えてくれませんか。 今、新農政というのはどういうものかということを農家の皆さんと私とで話をするんですよ。そうしますと、はっきり言うと、農水省は望ましい経営体と望ましくない経営体というふうに分けて、それで望ましい経営体についてはどんどん援助をしていくんだ、それはそのやる気のある農業を育てていくということなんだと、こう言うわけですよ。そう言いますと農家の皆さんは何と言うかというと、一つの集落がありますね、それじゃ、それぞれここが望ましい経営体なのか、ここは望ましくない経営体の道をたどるのかと。私だって農家ですよ。だから、この新政策によって私は望ましい経営体に入っていくのか、望ましくない経営体としてやめなくちゃならぬのかということなんですよ。 だから、いわゆる自作農創設特別措置法ができたときは、おれは解放してもらえるのか、おれはとられるのかということでみんなが一斉に自分のことを考えたわけですよ。だから、これを示しますと、皆さんが、いや、おれはどうなるんだろう、おれはどうしたらいいんだろうということになるわけですよ。 ただ、今のところは私は会うたびにみんなにこう言うんですよ、あなたはどっちに行きますかと。みんな反応ないですね。いろいろ聞いてみますと、どうせ農水省のやることは実現したことはないんだからと、こう言うんだ。もう信用ないですね。これは基本法以来三十年の皆さんのやったことが農家の皆さんの信用を失ってしまったんだと、こう思いますけれども、しかしそんなことは言っていられないです。私はぜひともこれは成功してほしいと思っているんですからね。 ですから、お役人の皆さんの作文というのは非常にきれいなんですよ。ここで望ましい経営体という色はきちんきちんと出しているんですね。それで望ましくない経営体というのは書いてないんですね。そういう言葉は使わない。しかし、そこはきちんとしなきゃわかりませんよ、それは。それで、ここで言うと、いわゆる小規模農家、兼業農家、それから生きがい年寄り農家、それから土地持ち非農家、これはいわゆる望ましくない経営体としてやめてもらう、こういうことでしょう。そこをはっきりしてくださいよ。
○政府委員(上野博史君) そこは、農地改革と私どもの今回のこの新しい考え方との性格の違いということは多分にあるんじゃないかと思うわけでございますが、農地解放というのは国が強権を持って地主から小作地を解放するということが中心になったわけでございまして、これは法律的に根拠を持たなければできないということだったんじゃないかと思うわけでございますが、今回の考え方は、今おっしゃいましたような生きがい農業であれ何であれ、それぞれそういう形での農業を続けていくつもりの方々についでまでとにかくやめろというようなことを申し上げるつもりはないわけでございまして、地域のそれぞれの状況に応じて先行き農業をやっていく方々、こういう方々に土地が集積をされて立派な農業経営ができるようにお手伝いをしようという、それ以上のものではないわけでございます。
○星川保松君 そういうあいまいなことを言ったんじゃこの政策は進みませんよ。 例えば、私の住んでいる山形県では一戸当たり一ヘクタールちょっとですよ。ですから、ここで十五ヘクタールの経営体をつくるなら、十四戸の皆さんにやめてもらうほかないんですよ、これは。だから、そのことを隠さないできちんと表に出して、そのやめてもらう十四戸についてはこうしますよということをしなかったらこの計画は成功しないと私は言うんですよ。そこのところは隠さないできちんと表に出して対策を考えていくということをしなくちゃいかぬだろうと、こう言うんですよ。
○政府委員(上野博史君) ちょっとお言葉を返すようで恐縮なんでございますが、隠すつもりは全然ございません。 先ほど来申し上げておりますように、中長期的に考えた場合には、こういうような姿になっていかないと日本の農業というものが残っていけないであろうという考え方で、それぞれの地域におきましてできるだけこういう形の農業というものが生まれてくるように御努力を願うということを申し上げているつもりでございます。
○星川保松君 せっかくの立派ないわゆる新農政というものを打ち出したんですから、いろいろな具体的なことを想定してもっときちんと対応しなきゃこれは物になりませんよ。 もう時間がなくなってきたんですが、一つだけ。 大臣が精神的なことばかりおっしゃっているということを言ったんですが、例えば後継者がいない、嫁さんが来ない、ちゃんと月給もやらないと、こうおっしゃるんですが、確かにそうですよ。しかし、月給やれないですね。やれないというのはいろいろな理由がありますよ。それはやるだけの金がない。それから、農業というものは工業と違って日銭やなんか入らないわけですよ。それは、米だって年に一回しかとれないし、豚を置いたって六カ月以上たたなきゃ金入らないし、牛は二年半、山なんか杉を植えたら五十年にならなきゃ金入ってこないわけですよ。そこは工業と全く違う生産をやっているわけですね。工業の方は秒扱いで生産できるわけですよ。こっちは生き物を相手にして、動物を相手にして、植物を相手にして、その成長に合わせてしか仕事できないわけなんですよ。ですから金が入らない。それでやるわけにいかない。 労使関係がはっきりしてないとおっしゃったが、まさしくそうですよ。それは嫁さんとしゅうとさんが労使関係じゃないですからね。これは嫁、しゅうと関係ですから、そこで工場労働のような格好で時短とか賃上げなんて言われたってそれは困るわけなんですよ。しかし、それじゃ月給みたいにさっぱり与えていないのかというと、これはまたそうでもないんですね。例えば、住居は一緒ですから、いわゆる家賃も取らないし、住居を現物支給しているわけだし、食べ物も全部現物支給しているわけですよ。そのほかに小遣いも上げていますしね。 そういう特殊なもので、子供さん、赤ちゃんを預かったって保育料をばあさんが取るわけじゃないんですからね。だから、そういう家族労働という特殊なもの、しかしそこには工業の方では見られない温かさがある、人間関係というものがあるわけですよ。それがあるから私はここがいいんだということになって農業をやっていると思うんですよ。そういうよさをもっと伸ばしていけるような方向にやっていかないで、ただ工業の方の手法を入れ込むということだけでは私は農業は決してよくはならないと思うんですね。 ですから、そういう農業の特殊性というものを十分出せるような方向に農水省は誘導していくべきだと、こう思うんですが、それについてひとつお考えをお聞かせください。
○国務大臣(田名部匡省君) 基本的に私は精神論を言っているというけれども、そこが一番大事なんですね、どう発想を切りかえるかというところが。今まで何か十から二十と言うと、そんなのはないとかなんとか私も随分あっちこっちで言われる。ないところはこれをやれと言っても無理ですから。ただ、基本的にはこういう方向で行かなきゃだめですよということを申し上げたんで、あとは行くか行かないかは、やっぱり山形には山形の地形があって、どういうふうにやるかというのは、これはそこで創意と工夫と、こう言っているわけです。 上から押しつけりゃ押しつけられたで、うまくいかなきゃ、何だ、役所のとおりやってと。それはやめようと。自分の地域に合って、自分たちならこうするのが一番いいということをよく農協も含めて相談して、そして出していただいたものに支援しましょうと。望ましい、望ましくないという、望ましくないというのはないんです。じゃ、無理して分けるとすれば、この新農政にのっとってやったのと、二種兼業で私は働いて農業をやってそれで立派に所得ありますというところは、これはこれで立派ですから、農業だけで考えるか、ほかの分野でも考えるか。要するに、農家の所得が安定していくということを考えているわけでして、おっしゃっている意味はわかります。 秋田に私はこの間参りまして、県内の農協の組合長さんに全部集まってもらいました。一時間半しゃべらせてもらったんですが、何か質問ありませんかと申し上げましたら、いや、もう話はよくわかった、ぜひそれでやってくれということでありますから、いずれにしても、出す場合には一軒一軒私どもは指導して、ここにはこういう合ったものとやれませんから大枠を申し上げる。大枠を申し上げると、自分の身に置きかえて当てはまらぬと言われるとこれはやりようがないんであって、どうぞそこのところは、複合経営でやる場合にはその半分でもできるとか、暖かい方はこういうものをやればもっと少なくてもやれると、いろいろあろうと思うんです。 それが創意と工夫あるいは経営感覚にすぐれたとこう申し上げると、精神論ばっかり言って君はけしからぬと言うんですが、決してそうではなくて、あとはどうぞ地域に帰ったら委員初め皆さんとよく相談して、今よりいい方向は一体どうなのかということでお考えをいただいて、どうあれ次の世代の子供に意欲を持って、誇りを持ってやれる農業というものをそれぞれが目指してほしいというのは私の実は願いなわけでありまして、どうぞ、具体的にはまた法案の都度いろいろと申し上げてまいりますので、それに自分の地域のことを置きかえて、どういう方法ができるのかということでまた御議論いただきたい、こう思います。
○喜屋武眞榮君 私は、大臣の所信に対する幾つかの質疑をいたしたいと思います。 まず初めに、日本の食料政策に対する大臣の基本姿勢についてお伺いいたします。
○国務大臣(田名部匡省君) 一つには、国民に対する食料の安定供給ということが基本的な役割だ、こう考えております。それからいま一つは、新政策でありますけれども、生産性の一層の向上を図る。それには国土が狭いんですから品質をよくする、あるいは国民のためにコスト面で下げるという、こういう改善を進めながら食料自給率の低下傾向に歯どめをかける、国内の自給率を向上させてですね、それが二つ大きな考え方であります。 このため、先般の農政審議会報告などを踏まえながら、今も議論になりました、一番問題になっているのは、どこかで働きながら農業をやる人というのは生活には困っておりませんから、当面土地利用型の農業というものは中途半端だとどうも働きにも行けない、農業の収入も少ないという人たちを一体どうするかということで土地利用型の農業というものを考えたわけでありますが、それには大きくやろうといってただ大きけりゃいいものではなくて経営感覚だと。いろいろ計算して成り立つ農業というものですね、適正規模というのがあるわけですから、大きくでももうむだにやったんではこれはうまくいきませんし。 ですから、そこは計算をして、これだけのものを、花をやったらどのぐらいになる、クリをやったらどのぐらいになる、米をやったらどのぐらいになる、そうしてさっき申し上げたように一年間何とか就労できるようにやっていったらどうなるであろうとか、いろいろそういう面をきちっと計画の段階で試算して、そうしてこれをやったならば八百万になるんだ、あるいは子供たちにも、さっき食事代も部屋代も取っていないんだと言うから、それを差っ引いても自由になるお金というものを上げられるかどうかというものが出て初めて私は成功していくんだろうと思うんですね。 一ですから、これを担う人材の育成でありますとか生産基盤の整備とか優良農地というのは私の方で支援しますよということであります。そのためには、もう一つはバイオテクノロジーなど先端技術の開発、そういうものをやっていかなきゃならぬ。国土が狭いわけですから、少ないので、より効率的な農業ということになるとそういうことになるであろうというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 第二点に、食料自給の現状と理想的なその姿勢についてお伺いいたします。
○政府委員(上野博史君) 現在の我が国の食料自給率は、供給熱量ベースでも四六%というふうに、先進国の中では際立って低い水準にございます。国土の制約条件がございますけれども、国民に……
○喜屋武眞榮君 主要食料に限定してくださいよ。
○政府委員(上野博史君) 主要食料ですと、穀物ベースの食料自給率というのがもう三〇%を割るというような状況になっているわけでございまして、その関係で見ればますます国際的にも低い状況にあるということでございます。 これは、国民に食料を安定的に供給していくということはまず第一に考えていかなければならぬわけでございまして、現実問題といたしまして相当程度の輸入に依存をしなきゃならないということはございますけれども、現在の段階で考えますと、世界の人口がだんだんと増加をしている、あるいは地球環境問題がますます厳しくなってくるというようなことから考えて、先行きの食料需給というものについては不透明な点があるということでございますので、できるだけの国内的な供給力を維持してまいらなければならないというふうに考えているわけでございます。
○喜屋武眞榮君 少し足りない点がありますが、次に、日本における他の産業に対して農林水産業をどのように位置づけているか、このことについて。
○政府委員(上野博史君) 農林業の役割論というようなことになろうかと思うわけでございますが、これは国民生活にとって不可欠な食料の生産をするということが第一に参るわけでございますが、そのほかにも農業、林業につきましては、地域の経済社会の維持発展、地域的な活性を保つという意味あるいは国土や自然環境の保全という点で非常に大事な役割を果たしているわけでございます。 農林業の行われます農山漁村というのは、これはまた伝統にも裏づけられました個性に富んだ地域文化を持っているわけでございまして、こういう地域が活気を持って栄えていくということが非常に大事なことではないかというふうに考えております。そういう意味で活性に富んだ地域社会というものをつくり上げていくということが農林業にとっての非常に大事な役割だというふうにも考えておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 次は大臣にぜひひとつお尋ねいたしたいと思うんですが、亜熱帯地域というのは沖縄に限定されておるわけですけれども、沖縄の農林水産業に対しては日本農業の中でどのように位置づけておられるかということについてきちっとした大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) おっしゃるように亜熱帯気候地帯でございまして、その特性を十分に生かすという基本的な考え方を持っておりまして、このために、第三次沖縄振興開発計画に基づいて、何といっても優良農地の確保をする。沖縄は農業用水にいろいろ問題がありますのでそのこともやっていかなきゃいかぬ。あるいは生産基盤の計画的な整備。沖縄もほかに漏れず、伺いますと担い手が不足をしておる、高齢化が進んでおるということでありますから、先ほど来議論しておるような方針でこれも進めていかなきゃならぬ。また、熱帯果樹の生産拡大、委員たびたびお話しになりますサトウキビの機械化、作業体系を整備する。あるいは流通施設の整備、精糖企業の合理化、近代化等、流通加工というものの合理化と農産物の価格を安定させなきゃいかぬということがございます。 沖縄の風土に応じた営農技術及び優良品種の開発普及、そういうことを積極的に進めていきたいというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 亜熱帯地域における沖縄農業の実態等からいたしますと、まだまだ沖縄の亜熱帯地域における農業は十分に生かされておらないのではないかと思われてなりません。だから、豊かな日本を培っていくには、何としても唯一の亜熱帯地域の沖縄農業へ金と技術を傾けていくならばその成果はまだまだ未知数の分野があると私は思っております。今後ぜひ沖縄における亜熱帯農業の充実について全力投球をしていただきたいことを強く要望いたします。 次に、農林水産省の予算の近年の推移を顧みますというと、だんだん減ってきているのではないかと私は理解いたしております。その農林水産省予算の近年の推移と現在の予算額に対する大臣の所感を承って、私の質問を終わります。
○国務大臣(田名部匡省君) 農林水産予算につきましては、近年国の一般歳出に占める割合というのは八%から九%で推移をいたしておりまして、平成三年度以降は着実に増額が図られておるわけであります。平成五年度においても、昨年取りまとめました新政策、これに沿って農業・農村の長期的な展望を踏まえながら、新たな政策の推進を図るための必要な予算を実は計上いたしておるわけであります。 今後とも、新政策の展開あるいは農林水産業、農山漁村、これらの課題に対応した政策の推進に必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
○新間正次君 金曜日の日にお尋ねしようと思っておりまして、時間でお尋ねできなかった部分で、農薬のことでもう一度ちょっとお尋ねしたいんでございますが、新農政の中でも「消費者」という言葉が大変よく出でまいります。そういう意味では消費者のニーズにこたえようという農水省の姿勢も非常によくわかりますし、これは大変すばらしいことだと思いますが、残留農薬の危険を含めて消費者はもちろん安全なものを求めてまいるわけでございます。と同時に、農業従事者の方にもまたその危険も伴ってくるんではないかなという感じがいたします。 それと、最近では家庭菜園というのが大変ふえてまいりまして、一般の家庭でも農薬を保管する場合が多くなりました。これは素人考えで使用量を間違えてしまったり、あるいは軽い中毒症状を起こしたりとか、またお年寄りの方にはドリンク剤と間違えて飲んでしまったりなんというような誤りとか不注意、農薬の事故などがちょこちょこ、かつては多々と言いましたけれども、最近でもまだちょこちょこ聞かれるような感じがいたします。 そこで、農薬使用に関する安全指導及び検査体制についでお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) 農薬につきましては、ただいま先生からお話がございましたように、使用の点あるいは安全性の点からいろいろ我々は指導しているところでございますが、まず農薬につきましては登録制度というのをとっておりまして、農薬取締法に基づきまして、農薬の薬効とかあるいは薬害の試験成績、それから急性毒性であるとかあるいは慢性毒性、それから発がん性といったそういう毒性の試験成績、さらには残留性、農薬がどんなふうに残留しているかというような試験成績を農薬の登録の際に出していただくわけでございまして、それに基づきまして、薬効が果たしてあるのか、あるいは安全性上問題がないかどうかというような観点から検査を実施しております。 それで、特に安全性の点につきましては、環境庁が作物の残留や水質汚濁に係ります登録保有基準というものを定めておりますので、それに照らしまして行っております。それで、それに照らして農薬が安全であるかどうか、それから人畜あるいは環境に影響を及ぼさないように適正な使用方法をどうしたらいいかということもあわせて定めで農薬登録を実施するということにしておるわけでございます。 それで、そういうように定めましても、そのように定めた事柄が守られなければいけませんので、都道府県などと連携をいたしましていろんな運動なり指導をしておるわけでございます。 その一つは、毎年六月に農薬危害防止運動ということで全国的な運動をやっております。それから都道府県に病害虫防除所というのがございますが、そういうところを通じまして農業者に対する濃密な指導をやる。それから、さらには農薬販売業者であるとか、あるいは防除業者とか、そういった皆さん方に対しては研修会の開催あるいは立入検査というようなことを行いまして、使用現場での適正使用指導を実施しているところでございまして、今お話がございましたように、農薬の問題というのは非常に重要な問題でございますので、我々も今後ともそういった指導の徹底に努めてまいりたいと思っております。
○新間正次君 よくわかりました。 ただ、プロの方というか専門家の方の場合はそういういろんな研修会等があると思いますけれども、先ほど申し上げましたように、最近は市なりあるいは都なりが空き地といいますか空いておる土地を買い上げて素人の方に家庭菜園をということで使っていただいているケースがあるわけでして、そういうところでの農薬の安全指導という面についてもぜひひとつ力を入れていっていただきたい。むしろそちらの方が事故が多いんじゃないかなという感じがしないでもありません。 そこで、厚生省さんにちょっとお尋ねしたいんでございますけれども、防水スプレーの溶剤が原因で中毒症状を訴えるケースが相次いでいるという、これは財団法人日本中毒情報センターのまとめでわかったことでございますけれども、幾ら厳しい安全基準をクリアした農薬でありましても、素人考えからむちゃな使い方などをされるとこれは安全ではないわけでございます。その日本中毒情報センターに寄せられる農薬の問い合わせ件数及び全体に占める割合をひとつ厚生省お願いいたします。
○説明員(今田寛睦君) 御承知のように、中毒情報センターにおきましては、化学物質あるいは動植物の成分によって起こる急性中毒につきまして、治療に必要な情報の収集と情報提供を行うということを目的といたしまして設立された法人でございます。 二つの受付がございまして、大阪中毒一一〇審とつくば中毒一一〇番でございまして、年間約四万件の相談に応じているところでございます。一日に直しますと平均約百十二件の問い合わせがあるわけでございますが、このうち約九十件が急性中毒に関する問い合わせでございます。この急性中毒のうち、もちろん一番多いのは家庭用品でございますけれども、御指摘の中毒起因物質が農薬であると思われますものは一日平均約三件でございますので、三%程度というふうに理解をいたしております。
○新間正次君 その三%が多いか少ないかというのは、これは見解の相違だと思いますけれども、私自身としては、その三%というのは、いわゆる農業に従事する方の中で一日平均三・一件あるというのはちょっと多いような感じがいたします。 ただいまのところ、その中毒二〇番の窓口がつくばと大阪の二つということで、二十四時間体制で対応されていらっしゃる。これは大変結構なことでございますけれども、二つの窓口に例えば北海道の方あるいは沖縄の方などが全国からかけていらっしゃるということでございますので、その遠距離通話の電話料金もばかになりません。また、何とかその地域に密着した形でのより身近な情報提供活動というものはできないものでしょうか。その辺のところをひとつお聞かせください。
○説明員(今田寛睦君) 御指摘のように、中毒情報につきましては二十四時間体制をとるというところに意義があると思います。そういたしますと、照会件数に応じて効率的に提供するという点でも一方で考慮しなければならないわけでありますが、御指摘のようにできるだけ近い地域で相談に応ずるという利点も重々ございますというふうに私どもも考えております。 このために、中毒情報センターでは、地方公共団体などにおいても情報提供を実施することができるように中毒情報のデータベースの整備を行っておりまして、厚生省といたしましてもこの事業の充実に補助を行っているところでございます。現在、神奈川県の救急医療中央情報センターなどでこのデータベースを利用して情報の提供活動が行われているわけでございますが、このシステムの活用につきましては、引き続きまして関係団体の理解を求めつつ、それぞれの地域で対応できるように努力をしていきたいと考えております。
○新間正次君 母子手帳などにも広告を出されてかなり効果を上げていらっしゃるというお話は聞いておりますけれども、今後ぜひひとつ啓蒙活動を盛んにしていただきたいと思っております。 さて、農水省にお尋ねいたしますけれども、特にここのところ世界的な環境問題というのがクローズアップされているわけでございますが、熱帯雨林の減少の原因は日本の割りばしにあるなんて言われておりますし、また使用済み核燃料の海上輸送の問題を何か環境保護団体が全世界に逐一報道したり、日本の行動というのは世界から常に注目をされているわけでございます。裏を返せば、これはそれだけ世界のリーダーとしての役割を果たしていかなくちゃいけないんじゃないか。 環境を守り資源を守る大きな役割を期待されているわけでございますが、一昔前、木造の船であれば問題なかったんですけれども、FRP船でございますね、このFRPを使った漁船の場合は、これは廃船にするにしましても、土の中に埋めても残ってしまいますし、燃やせば有毒ガスが発生するしということで処理が大変手間とお金のかかる作業であると聞いております。 この問題を含めまして、今後の漁業系の廃棄物問題の対策をぜひお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 今お話がございますように、FRP船の廃船を初めといたしまして、漁業関係の廃棄物というものに対する対策は、海を産業の基盤としているわけでございますので非常に大事だと私どもも思っております。 FRPは三十年ぐらい前から実用化されておりますのでそろそろ廃船が出てくる時期でございます。しかも、先生御承知のように、どちらかというと小さい船の方がFRPがありますものですから、その処理というの一つ非常に大きな問題でございます。私どもは、これにつきましてはここ十年ぐらい前から問題意識は持っておりまして、このFRP漁船の廃棄方法と申しますか、それにつきましては一定の三つぐらいの方法がありますが、粉砕して埋め立てに使うとか、粉砕をいたしましてそこから必要な例えば油その他を抽出するとか、その手法自体については開発をいたしたわけでございます。 次の段階は、こうした処理の施設を必要なところにつくっていかなければいけないということでございます。処理計画の策定ということで、これはFRP漁船だけではなくて、例えば魚網、網も一定の年月がたちますと廃棄しなければいけませんし、それから貝殻あるいはへい死した魚、それから発泡スチロール、最近は発泡スチロールの魚箱が多いものですから、そういう処理などが非常に大事でございます。したがいまして、そうした処理施設につきましての計画あるいは処理そのものの計画の策定につきまして、各県に策定をお願いして、それについて助成をするというようなことをやっております。また、処理施設それからその用地の整備につきましても、沿岸漁業の構造改善事業あるいは漁港整備事業などにおいて助成の措置の対象としているところでございます。 しかしながら、特にFRPの漁船は、小さいとはいえかなり大きいものでございますし、一定の場所に集めて焼却しないとなかなか効率的にできないという運送の面などもございまして、こうした事業に着手したところでございますが、これから廃船もふえてくることが予想されますので、私どもも計画的にこうしたことについて取り組んでいかなければいけないというふうに考えているところでございます。
○新間正次君 これからというお話でございますけれども、既に私の友だちなども持っておりまして、この処理に困っておる者もかなりいるようでございますので、早急に手を打っていただきたいなと思っております。 次に、このような観点から農水省として海と渚の美化運動というのを推進なさっていると聞いておりますけれども、その概況をお知らせください。
○政府委員(川合淳二君) まあ、海の汚れと申しますか、例えばプラスチックあるいは空き缶などの廃棄物が漁場へ流入あるいは集積したり、産卵あるいは育成の場にそうしたものが漂着するとか、あるいは漁船のスクリューにひっかかったりというような操業上の支障、網にまたそうしたものがというようなことで、水産関係自体にもかなりの影響が出ているわけでございます。これはそれだけではなくて、海全体の問題でもありますし、漁村の生活環境の問題でもあるわけでございます。 そうしたことで、私どもは、漁業者あるいは水産関係者自体について、みずからがそうした廃棄物についての処理を適正に行うということについてやっておりますが、ただ、それだけではとても対応できないということで、水産関係者が中心となったわけでございますが、社団法人で海と渚環境美化推進機構、我々マリンブルー21というようなニックネームで呼んでおりますが、この組織が七月に設立されまして、海と渚の環境美化運動を国民的な運動にまで盛り上げたいということで着手してきているところでございます。まだその緒についたばかりでございますし、もちろん水産関係者だけではできない問題でございますので、広く国民の皆様方に御協力をいただかなければということで、今関係者一致して努力しているところでございます。 また、我々といたしましても、こうした問題についての助成措置なども編みまして対応しているところでございます。
○新間正次君 私も釣りが好きで、よく海釣りへ出かけたりなんかしまして、漁業者の方々が針だとかあるいはおもりだとかあるいはてぐすだとか、最近はてぐすが腐りませんから、そういう意味で大変御苦労いただいていることもよくわかっております。ですから、このマリンブルー21というのは確かに我々ももっともっと理解をして協力していかなくちゃいけないんじゃないかなと思います。 最後に大臣にお尋ねしたいと思いますが、環境に優しい漁業というのは、これはもちろん海を汚さないということだけではなくて、つくり育てる漁業の振興を進めることだと考えておりますけれども、その点の大臣の御所見をお伺いさせてください。
○国務大臣(田名部匡省君) 漁業というのは、どちらかというと自然の恵み、これを持続的に利用するということから産業というものが成り立っているわけでありますから、これを生産力を維持しながら増大させていくということは大事なことだ、こう思っております。そのために、水産生物の生育の場である藻場でありますとか干潟、これを造成する。あるいは水域の環境保全、そのためのヘドロのしゅんせつを今やっております。これは生活関連で認めていただいてやっておりますが、あるいは魚介類の種苗の生産、放流、これを行って、栽培漁業というものと一緒になってやっているわけですが、いずれにしても、船が大型化して相当の漁獲量をするようになったということもありますので、これをそのまま放置しておきますとなくなりますから、管理型漁業と言っているんですが、適切に管理しながら、放流事業、栽培、そうしたものをやりながら、今後とも資源の合理的利用を図る漁業というものをやっていこう、そのためにつくり育てる漁業を積極的に推進していきたい、こう考えております。
○委員長(吉川芳男君) 本件に関する本日の質疑はこの程度にとどめます。
○委員長(吉川芳男君) 次に、原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては既に説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○菅野久光君 原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案、もう法律案の名称を読むだけで疲れてしまうんですが、私は農林水産委員会というのは長いんですが、こういう法律案の名称の非常に長い法律がたくさんあるんです。これらは皆さん方役所の人が言うときにはこんな長ったらしい名前は言わないと思うんですが、略称というのはよく世の中長いものにはあるんですが、この法律案の略称は何という略称になりますでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) 私ども、決まった名称ではございませんが、水産加工資金法などと内部では呼んでおります。
○菅野久光君 非常にわかりやすい略称だと思うんですね。これからも名称の長いものは括弧して略称ぐらい入れておいていただけると、私どもも非常に何というんですか、そこを読めば中身がわかるというようなことにもなりますし、時間や書く手間も大分省けますので、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。 本題の方に入りますが、漁獲された魚介類のうち七割近くは加工原材料になる。漁業の最大需要者は水産加工業であると言ってもいいと思います。反面、水産加工業の製造原価の約八割は原材料である魚介類等の購入コストということになっておりまして、水産加工業にとっても漁業との関係は大変重要だ。このため漁業と水産加工業は車の両輪とも言うべき関係にあるわけです。また、水産加工業の総付加価値生産額は昭和六十年には約一兆円。この額は漁業の約三分の二、食品加工業全体の約十一分の一に当たる額になります。水産加工業は、事業所数、従業者数、出荷額の面ではいずれも食品加工業全体の約二割を占めているという状況にあるわけですね。さらに、水産加工業の経営体全体の約六割で従業員が十人未満だということでありますから、水産加工業の経営規模は極めて零細だと言ってもいいと思います。売上高を調べてみましても一億円未満、これが全体の七割ということになっております。 水産加工業では機械化が余り進んでおりませんから、作業の内容としては、三K、いわゆる汚い、きつい、危険とまではいかなくても、冷たい水を使用することが多いとか、細かい手作業が中心であるとか、立つで作業することが多いなど大変厳しいと言えると思います。この厳しい作業内容もあって、若くて優秀な人材を確保するのはなかなか困難だ。したがいまして、従業員の約三分の二を女性が占めており、またパート職員や高齢者の割合も比較的高いのが実態だというふうに思います。 水産加工業は、腐敗しやすく、骨や臭みがあって食べにくい魚介類等を原材料として、長期間保存できる、食べやすい水産加工品を生産しております。このことは、有効成分に着目すれば大変重要な意味を持っています。日本人はたんぱく質の四割強を水産物からとっている。したがって、水産物はたんぱく質の最大の供給源であると言ってもいいと思います。また、日本人に不足しがちなカルシウム、あるいはDHA−ドコサヘキサエン酸というんですか、頭をよくすると言われている、冊子にも何か水産庁の研究者の人が出しておりますね、頭のよくなるものと。それからEPAですか、エイコサペンタエン酸ですね。このDHAとかEPAのいずれも高血圧症等の予防、治療に役立つと言われている、そういうものですね。それから、血圧降下作用があると言われるタウリン、さらに整腸作用があると言われる海藻繊維だとかオリゴ糖など、健康の維持増進に役立つ有効成分を消費者に安定的に供給していることになるわけです。 このような水産加工業の現状を見ますと、水産加工業の振興対策にはそれ自体に大変重要な意味があるのみではなくて、漁業だとかあるいは食品加工業、中小企業の振興対策、漁村地域の活性化対策、高齢者や女性の雇用促進対策、消費者への食品の安定供給対策などとしての面もあると言えると思います。このため、水産加工業を振興することは極めて重要な課題であり、政府は補助、融資等の面で万全な施策を講ずる必要があると思います。水産加工業についての基本法を制定して水産加工業の振興を図る政府の決意を明らかにすべきであるとの指摘もあるほどです。 そこで、水産加工業の振興対策の一環である本法案が提出された背景と理由は何なんでしょうか、それをまずお伺いいたします。
○国務大臣(田名部匡省君) 最近の水産加工業を取り巻く情勢というものは、委員御案内のように、何といっても二百海里内における漁獲の割り当ての一層の削減というものが一つあります。それに加えて資源管理、環境保護的な観点から、公海における漁業規制というものが最近特に強くなっているということもありまして、原材料の供給事情がまことに不安定な状況にあるわけですね。沿岸国が自国資源を最大限に活用するという観点から水産加工品の形態での対日輸出を増大させている。これはどこの国もかつては余りそういうことに、日本が世界じゅうに行ったわけでありますから、ところがだんだんこれを自分の国で加工して輸出した方がもうかるということにまあ気がついたかどうかわかりませんが、この面に熱心になったということがございます。それで、国産品との競合が強まるということになりますと、我が方の体制というものをさらに強化していかなきゃならぬ必要性に迫られておるという状況にあるわけであります。 こんな状況の中で水産加工品の安定的な供給を図るためには、我が国漁獲物の最大の仕向け先であります水産加工業の体質強化あるいは近海資源の有効利用、これを引き続き強力に進めていかなければならないということであるわけであります。このために、この三月三十一日で失効する本法の期限を五年延長をいたしたいとともに、この資金の内容の拡充強化を行うということにいたしたわけであります。
○菅野久光君 今、大臣からもお話がありましたように、我が国の水産加工業は、まず国際的な漁業規制の強化に伴う水産加工品の原材料の供給の不安定化、そして水産加工品の輸入の増加という二つの困難に直面しているというふうに言えると思います。 原材料の供給の不安定化の原因は諸外国の二百海里水域内での対日漁獲割り当ての一層の削減、そして資源管理、自然保護等の面からの公海での漁業についての規制の動きですね。今もお話があったとおりです。我が国の漁船は諸外国の二百海里水域内や公海から締め出される傾向にあるわけで、統計で見ましても我が国二百海里水域内での漁獲量が漁獲量全体に占める割合は高まってきておりまして、平成二年には全体の約八割に当たる七百八十二万トンになっております。このため、今後我が国水産加工業は主な原材料を遠洋漁業で漁獲される魚介類等に依存しないで、我が国二百海里水域内で漁獲される魚介類等を最大限に活用することが必要になっているというふうに言えます。 一方、水産加工品の輸入が増加しておりまして、これは諸外国が自国漁船で漁獲して加工した後我が国に輸出する方針をとっているということがあると思います。そしてまた、円高傾向の定着によって輸入加工品が割安になっているなどのためではないかというふうに思います。水産加工品の輸入は昭和六十三年には約二千三百五十八億円、約五十五万トンでありましたが、これが増加する傾向にあって、平成三年には約二千九百九十一億円、約五十九万トンにもなっております。品目ごとの輸入額は、多い順にウナギの調製品、冷凍タラ、すり身ですが、冷凍魚フィレ、切り身などであります。このため、今後我が国水産加工業は輸入品との競争をますます強いられるというふうに考えられます。 この二つの背景が水産加工業の経営に重大な影響を及ぼすことは間違いないわけですが、水産加工業はほかにもさまざまな課題に直面しておりまして、この点については政府もいろいろ考えているところがあるのだろうというふうに思います。 そこで、本法案提出の直接の背景ですね、これは何か二つに限っているようなふうに考えるわけですが、この点についてお伺いをいたしたい、このように思います。
○政府委員(川合淳二君) 本法律が五十二年に制定されまして、そのときの状況は、先ほど大臣からお話がありましたように、二百海里体制に突入することによる原料供給の環境変化とそれから貿易事情の変化ということでございました。そういうことで時限的にこの法律をつくり、その後延長をお願いしてきているわけでございます。 しかしながら、御指摘のように水産加工業の問題はこうした問題だけにとどまらないわけでございまして、一般の中小企業が直面しております例えば労働力問題あるいは環境問題というようなものにつきまして同様に問題を抱えているわけでございます。こうした点につきましては、省力化施設とかあるいは排水処理施設などの導入、これは国としても助成措置をとったり税制措置をとったりしているわけでございますが、こうした点についての問題も当然抱えているわけでございます。
○菅野久光君 主な点としてはこの二つだが、そのほかにも多くの問題があるという認識は十分にしておるというふうに理解をしておきたいというふうに思います。 そこで、本法案に基づいて農林漁業金融公庫はいわゆる水産加工資金を長期かつ低利で貸し付けることができることになるわけですね。水産加工資金制度は水産加工業の経営体質を強化するなどのために大いに役立つだろうと思います。しかし本法案の延長期間は五年のみなんですね。大変短いと思います。また農林漁業金融公庫法では水産加工資金制度は二十九条などで特例的に規定されておりまして、ほかの資金制度が十八条から十八条の四までに明記されているのに比べて水産加工資金制度の位置づけはあいまいではないかというふうに思いますが、本法案の延長期間を五年のみとしたなどの理由は一体何なのか、それをお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) この法律が制定された経過については先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、通常この種の法律は中小企業関係の資金制度に乗るわけでございます。しかしながら、先生も御指摘ございましたように、水産加工業特有の問題として、原料供給の激変あるいは貿易関係の問題ということが起こってまいりましで、時限的な立法として五年間ということで制定されたわけでございます。 その後二百海里事情も、例えば北方水域の問題から全世界的なスケールに変わってきておりますし、国際規制もそういう意味で大きな広がりが出てきております。そんな経過の中で、その都度延長をお願いしてきているわけでございますが、そうした水産業あるいは水産加工業をめぐる状況というものはかなりこれから先も含めまして不透明なところがございます。 私どもといたしましては、こうした相当に流動的な状況の中で、この法律がある意味では中小企業立法に対します特別法という性格もあることにもかんがみまして、五年間の延長、その中でまた新しい事態が生じましたらそれに的確に対応していくというようなことでこの法律を適用していくということが一番望ましいのではないかということで、従来もそうでありましたけれども、今回も五年間の延長をお願いしたわけでございます。
○菅野久光君 今お答えありましたように、水産加工業の問題については先行き非常に水産業自体が不透明な部分があるということで、前回と同じ五年間の延長というようなことですけれども、水産加工業に対する援助といいますか、こういったような施策を盛ったものは五年間で必要でなくなるというような私は問題ではないのではないかというふうに思うんですね。そういう意味でこの五年間というのは余りにも短過ぎるんじゃないか、仮に時限立法としても短過ぎるのではないかというふうに思うんですが、その点はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) 五年が短いかどうかということにつきましては、御承知のように、この五年間あるいはその前の五年におきます水産関係のいろいろな変化を見てみますと、二百海里内にかなり操業しておりました日本の漁業がほとんど二百海里からは締め出され、また公海におきましてもここ数年の間に規制が強まっております。例えば、ベーリング公海などの例を見ましても、昨年モラトリアムということで二年間は少なくとも漁業が停止されるというようなことが起こっているわけでございまして、かなりその動きは短期間のうちに変わってきているわけでございます。 したがいまして、確かに五年という期間は短い面もないわけではないと思いますけれども、その間の事情についてまた的確に対応していく、機動的に運営をしていくという意味では適切な期間ではないか。私ども今お願いしている五年のその先についてこの法律が必要ないということは申し上げているわけではございませんが、まず今回はこの五年間で延長していただきまして、私どもも最大限の対応をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○菅野久光君 私も最初に申し上げましたように、水産業と水産加工業というのは車の両輪なんですね。ですから、将来のことを考えていくと、この略称水産加工資金法ですね、これが必要でなくなるという事態は私はなくならないのではないかというふうに思うわけなんですね。中身をその都度変えればいいのであって、時限立法というのはどうも、まあ前もそうだったから今回も五年ということなのかもしれませんが、そういう形でなく考えていったらどうかなというふうに思いますので、次の機会までに考えていただければと、このようにここの部分は思っております。 次は、農林漁業金融公庫は農林漁業者や農水産物の流通加工業者に対して長期かつ低利の資金を貸し付けておりまして、農林水産業とその関連産業の振興に大いに役立っております。しかし、最近の新聞報道によりますと、第三次行革審の場で、農林漁業金融公庫を含む政府系金融機関について数が多過ぎる等の理由で統合や廃止が検討されているとのことでありますが、農林漁業金融公庫が統合や廃止されれば農林水産業とその関連産業にさまざまな影響を及ぼすことになると思います。 そこで、農林漁業金融公庫の統合や廃止を検討中との新聞報道について農林水産省としての見解を伺いたいと思います。
○政府委員(眞鍋武紀君) 農林漁業金融公庫でございますが、これは委員御指摘のとおり、農林漁業金融につきましては、農林水産業の安定的な発展を図るための政策手法といたしまして、補助金と並びまして大変重要な柱となっているわけでございます。農林漁業金融公庫は、自然条件の影響を受けやすく、また投資の回収に長期を要する、このような理由等もございまして、一般金融機関では融資のベースに乗りがたい農林漁業に関連する長期低利の資金を融通しておるわけでございます。農林漁業施策の推進上大変重要な役割を果たしておるというふうに認識をしておるわけでございます。 特に最近におきましては、農林漁業者の自主性なりあるいは創意工夫を生かした政策誘導というふうなことで、補助金に比べましても大変すぐれた面があるというふうに認識をいたしておりまして、補助から融資へというふうなことも行っておるわけでございます。そういう意味におきましてこの融資の重要性はますます高まっている、こういうふうに私ども認識をしておるわけでございます。 そういうことでございますので、御案内のとおりいろいろな議論が行革審等で行われているようでございますが、我々といたしましては、このような農林漁業金融公庫資金の重要性、必要性、またその役割については大変高く評価をしておりますので、今後とも農林漁業者にこのような融資が的確に行われますように努めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○菅野久光君 行革審のいろいろ動きはあるけれども、農林水産省としては農林漁業金融公庫は絶対なくすわけにはいかないということですね。
○政府委員(眞鍋武紀君) そういうことで主張をしておるわけでございます。
○菅野久光君 そういうことで頑張ってもらいたいというふうに思います。 この水産加工資金でございますが、水産加工業者であれば無制限に貸し付けるわけではなくて、さまざまな条件がつくことは、これは現行法の実際の運用等により設定されている問題がありますから、それはそれで当然でありますが、つまり施設資金ですね、いわゆるハード資金に限られておって、運転資金、いわゆるソフト資金は対象とされないんですね。なぜ運転資金が対象とされないのか、その点についてまずお伺いをいたします。
○政府委員(川合淳二君) この制度自体は、先ほどから申し上げておりますように、近海資源の有効利用とかあるいは体質強化ということを対象としておりますので、そうした政策に従って制度としてつくりますとそうした施設を対象とした長期低利の特別優遇措置ということになるわけでございます。 しかしながら、一方で当然のことながら運転資金ということになるわけでございますが、これは先生御承知の点でございますけれども、農林漁業金融公庫それから中小企業金融公庫、国民金融公庫も対象でございますけれども、先ほどお話がございましたように公庫の役割といいますのは、今申しましたような政策性の高い資金、しかもそれは経営の基盤をなすものについての長期低利の資金というような性格を持っておりますので、公庫資金の体系の中でこうした制度をつくるとすると運転資金というのはなかなかつくりにくいということでございます。そうしたことで施設資金を中心にこの制度がつくられたということと私どもは理解しているところでございます。
○菅野久光君 もっと端的に言えば、運転資金は他の公庫を使って、農林漁業金融公庫はいわゆるハードの資金ということで考えていいんでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) 系統関係を使った資金といたしましては、水産加工経営改善促進資金といういわゆるソフト資金、まあ運転資金を含んだものでございますが、があるわけでございます。そういう意味で、公庫資金は施設等についての長期低利資金、そしてこちらの系統を使った資金がソフト資金というふうなすみ分けをやっているわけでございます。
○菅野久光君 水産加工業の体質を強化するという意味で他に別な公庫の資金があるからそれはそちらの方でということになるのかもしれませんが、使う方にすれば何か一体化してもらうと大変助かるといいますか、よく事業内容なども施設をやるときにはわかるわけですから大変助かるのではないかというふうに思いますが、これはこれからの検討課題にもしてもらいたいものだというふうに思います。 特定の都道府県での特定の魚種を原材料とする場合にまた限られて、全国でのすべての魚種を対象とするわけではないわけですね。特に輸入額が最大の水産加工品が内水面漁業で漁獲されるウナギの調整品であるのに、内水面漁業で漁獲される魚介類等は対象とされていないわけですね。これはなぜでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) 先ほど来申し上げましたように、それから先生一番最初に御質問がありましたこの法律の非常に長い名称がある意味ではそれを規定しているわけでございますけれども、この資金は一般の中小企業対策とは別に国際的な漁業規制の強化あるいは貿易事情の変化というようなところに着目いたしましてつくられた資金でございます。したがいまして、そうした状況とやや異なります内水面関係などにつきましてはこの対象にしていないということでございます。
○菅野久光君 法律の名称が「貿易事情の変化に即応して行われる」と、こうあるものですから、一番輸入額が多いのがウナギの調整品だと、にもかかわらずそのウナギの関係はないというのはどうもこの法律の名称からいってもおかしいのではないかなというふうに私は思うんですね。 それからあわせて、魚介類等の約三分の一が油脂だとかそれから飼料、肥料等の食用でない加工品になっております。これは畜産や農業等に大変役立っているわけですが、非食用加工品は対象とされていないんですね。これもどういう理由からでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) これにつきましても、この資金の直接的な影響を受けている、それは食品加工の面であるということでこの資金は限定されているわけでございます。例えば、先生今御指摘の中にはフィッシュミールあるいは魚粉製造というようなものも当然加工の中にはあるわけでございますが、直接的に一番影響を受ける食品加工というところを対象に私どもはこの水産加工資金というものをつくったところでございまして、その中で最近の国際情勢の変化あるいは魚種の変化というようなものに対応しているところでございます。
○菅野久光君 資金全体がそこまで広げると足りなくなるというようなことなどはあるんでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) 資金の点も全くないわけではございませんけれども、金利体系あるいは他の中小企業政策などとのかかわりから、ここに限定してここを促進するための制度というふうに私ども考えて従来からこの制度を運用してきたところでございます。
○菅野久光君 各省庁でそれぞれの金融制度をつくっているんですが、それが、あるところは農林水産省の関係であり、ある部分は今度は通産省の関係だとかということで、大変使う人の立場にすればまあ不便なといいますか、何かこう一本化してやってもらうと大変やりやすいんじゃないかというふうに思うんですね。そういう意味では今の各省庁別にある金融制度は使う側からすれば使う側の立場に立っていない制度になっているのではないかというふうに思わざるを得ないんですが、その辺は、今こう言ってもどうしようもないんですが、将来的には改善をしていく必要があるのではないか。 私が今申し上げましたような、例えば水産加工なら水産加工にかかわる資金は農林漁業金融公庫の方でいろいろ運転資金も含めて扱いますよというような、そういうことにしてほしいという水産加工業者からの要望だとかそういうものはないんでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) 通常の水産の生産の面におきます融資は比較的一体的に、一元的にと申しますか、なされているわけでございますけれども、水産加工業の世界は若干それが複雑な状況にあると思います。したがいまして、この資金につきましても、農林漁業金融公庫だけではなくて、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫からも貸し出せるようなシステムになっているわけでございます。 例えば魚粉とか魚かすなどの問題につきましては、一番直接的に食品加工という面もございますが、そのほかに昨今のこの業種におきます傾向から見ますと、どちらかというと転廃業という傾向が強くて、施設の改善とかあるいは新しい開発に基づく施設の導入ということではないというような事情もありまして、この分野は必ずしも私どもの世界で融資できないということではないわけでございますが、この水産加工資金におきましては食品加工ということに限定して、その施設の高度化あるいは新しい開発というようなことに向けてこの資金を創設あるいは運用してきているわけでございます。
○菅野久光君 この資金の制度ができてから時間がたっているから、あるいは加工業者の人はこういう施設、ハード面だけのそういうことしかないんだというふうにもうあきらめておるのかもしれませんが、もう一度次の機会にはぜひ加工業者の人たちの意見などもよく聞いて、それに合うような形での制度というものをつくっていく必要が私はあるのではないかということを申し上げておきたいというふうに思います。 水産加工業者の約七割近くの人が何らかの団体に加入している。団体への加入率は高い順に、これは重複して加入している業者もありますので若干数は多くなりますが、水産加工業協同組合が約七割、漁業協同組合が約二割、中小企業等協同組合が約二割などであります。また、水産加工業者は経営規模が極めて零細であって、原材料の仕入れだとか加工品の販売等の面で共同化を推進してコストを削減することが大変大事だというふうに思います。このため団体を十分に活用することが必要でありますが、実際には水産加工業者の間で競争が厳しいこともあって共同化は余り進んでおりません。水産加工業の中には、安い原材料や労働力などを求めで米国やタイなどの諸外国に進出する、または生産委託する動きもあるので、このような動きの加速を防ぐためにも共同化等によって生産コストを削減することが必要だというふうに思います。 そこで、水産加工業者の共同化をどのようにして推進する方針であるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 御指摘のように、水産加工業は経営基盤が非常に脆弱な中小あるいは零細企業が大部分を占めておりまして、したがいましで共同化あるいは組織化ということが非常に大事なことは御指摘のとおりでございます。 〔委員長退席、理事永田良雄君着席〕 したがいまして、この水産加工資金におきまして共同利用施設の整備あるいは加工団地への移転などを貸付対象にしているわけでございます。確かに、団地化とか共同化を目的とした融資の件数が創設以来二十八件というようなことで必ずしも多くはないわけでございますが、それなりに加工団地あるいは共同化というようなことを通じまして体質強化には資してきたんだろうと思っております。 これからの、例えば先ほど先生お触れになりました輸入加工品がふえているというようなことからいいましても、それから原料を安定して供給してもらうというためにも、それから先ほど触れました環境問題などにつきましても共同の浄化施設などが必要になってくる産業でもございますので、もう一度この資金の対応に当たりましては組織化あるいは共同化ということにつきまして十分指導し対応していきたいというふうに思っております。
○菅野久光君 いずれにしても零細な方が多いわけですので、共同化を推進していくということは大変大事なことではないかなというふうに思いますので、いろいろ難しい問題があることは私もよく承知をしておりますが、ぜひ一層努力をしてもらいたいというふうに思います。 水産加工業の仕事の内容は、これはもう大変厳しく、機械化を推進することが必要だというふうには思いますが、例えば三枚おろし機、フィレマシンですね、これを導入しても魚種だとかそれから大きさなどによって機械や部品を交換しなければならないという問題があって、機械を導入してもなかなか収益の向上は期待できないというような状況があると思います。したがいまして、水産加工資金を貸し付けるだけでなくて、高性能な、そして割安な水産加工品製造機械を開発する必要があるのではないかというふうに思います。機械の開発は民間の機械メーカーのほか国や都道府県の水産試験研究機関でも行っていますが、一層の推進を期待したいというふうに思います。 そこで、政府は水産加工品製造機械の開発をどのように推進する方針であるのか、お伺いをいたします。
○政府委員(川合淳二君) 先ほど来お話がございますように、労働力あるいは環境問題というようなことをとらえましても、今後施設の高度化、その中で新しい機能を持つ機械の開発ということが非常に大事になってくると思います。それからまた、そうしたものによって消費者ニーズに的確に対応できる新製品の開発というようなことも非常に大事な要素だと思っております。 そこで、一番はこの水産加工資金による新技術の開発というための融資制度があるわけでございますが、このほかに私どもといたしましては毎年新しいテーマをつくりましで、こうした製造機械の開発に対する予算を組んでおります。例えば高鮮度の維持加工システム、これは特に多獲性魚類などについて必要だと考えておりますし、それから先ほど先生お触れになりました三枚におろしたり頭を落としたりする機械にいたしましても、それが魚体がある程度そろっているものでなければできないということではなくて、かなり雑多なものについてもそれが対応可能なようなシステムの開発、あるいは加工向きの効率よい凍結の方法など、幾つかのテーマを持ちまして、数年間の期間を経まして開発をするという予算を幾つか毎年新しいものを取り入れながら設定いたしまして推進してきているところでございます。
○菅野久光君 機械の開発と同時に水産加工品の開発も大変大事だというふうに思います。消費者は水産加工品について、塩分とかあるいは保存料等の添加物が少なくて、先ほど申し上げましたDHAやEPA等の健康の維持増進に役立つ有効成分が多く含まれている製品を要求しております。生鮮の魚介類等の消費拡大が困難な理由として生臭いことや骨が刺さることなどが挙げられるので、水産加工品については今後もこの点を克服する努力をすることも必要だというふうに思います。 さらに、生活水準の向上等によって、いわゆるグルメ食品への関心も高まっているので、新しい食欲を誘う水産加工品を共同等で開発することも必要であるというふうに思います。水産加工業者はこのような消費者のニーズに対応した水産加工品の開発に努力することが必要でありますが、国や都道府県の試験研究機関でも開発に一層力を入れる必要があると思います。 また、多く漁獲される魚介類等のうち、サンマだとかイカなどの資源が増大しているので、これらの消費拡大をねらって水産加工品を開発することも必要だと思います。 そこで、水産加工品の開発をどのように推進していこうとされるのか、その方針を伺いたいわけです。
○政府委員(川合淳二君) 最近の消費者動向からいいましで水産加工品につきましては非常に多様化してきていると思っております。関係者のお話を聞いてみましても、例えば冷凍食品につきましでは最近の不況下にありましてもかなり伸び率を示しているところもございまして、冷凍食品という形での水産加工品の今後はやり方によってはかなり期待ができるのではないかというお話がございます。それと同時に、今まで使っていなかった魚腸骨などにつきまして、先生先ほど、それから今もお触れいただきましたDHAなどの有効成分を有効に抽出するというようなことが非常に大事になってきておりまして、これにつきましては技術研究組合などを組織いたしまして、このDHAの精度の高いものを抽出する技術の研究開発に取り組んでいるところでございます。 そのほか、こうした従来は捨てられてきたものの中に有用な生理活性物質が多く含まれているということが近時明らかになりつつありますので、こうした問題についても今後その開発研究につきまして検討していきたいというふうに考えているところでございます。
○菅野久光君 今の長官の方からお話がありました魚腸骨のことでございますが、最近では水産加工業も排水規制等の環境対策やリサイクル対策に一層努力しなければならなくなってきております。このため、魚介類等の不要な部分、いわゆる捨てる部分ですね、それを魚腸骨と言っておりますが、その魚腸骨についても今後は水産加工品に利用することが必要であると思います。特にカツオやマグロ等の頭部に多量かつ安定的に含まれているDHA等の有効成分を活用することが期待されております。 そこで、この魚腸骨の水産加工品への利用をどのようにして促進する方針であるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 先ほど来お話がございました水産加工の過程で従来かなり廃棄物として出てきたものの中に、今お触れになりましたDHAあるいはキチンとかキトサンとかいう有効な物質が含まれているということがわかり、かつそれが健康にとどまらずに、学習機能向上作用、言うなれば頭がよくなるというような成分が含まれているということが徐々に明らかになってきております。したがいまして、特にそれが多く含まれておりますカツオとかマグロにつきまして、現在集中的にその抽出方法について研究を開始しているわけでございます。 先ほどお話のありましたEPAなどにつきましては既に実用化になってきておりますが、次はこのDHAということでかなり本格的な取り組みが行われておりますので、ごく近い将来にこうした技術が確立してくるものということで私ども期待しているところでございます。
○菅野久光君 この法案は期限を五年間延長する改正のみを内容としておりますが、法律の運用改善によっていわゆる一号資金と二号資金の内容の拡充強化が予定されているようであります。 一号資金については、原材料としてイカ、サンマが追加され、地域としては東京都、神奈川県、香川県が追加され、底ダラ類、近海オキアミ、サメを対象魚種から削除する。二号資金については、原材料としてスケトウダラ、ブリ、海藻類が追加され、地域としては東京都、神奈川県、大阪府、福岡県、大分県、宮崎県が追加される。また、特利の適用される要件が北洋魚種からの転換であるのを国際規制魚種からの転換に拡大する。 さらに本資金について、貸付限度額を農林漁業金融公庫については事業費の七〇%から事業費の八〇%へ、中小企業金融公庫については三億五千万円から六億円へ、国民金融公庫は三千万円から六千万円へ拡大すると。 そこで、法律の運用改善についでどのようにされるのか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 先ほど来御答弁申し上げておりますように、この法律ができまして以来、国際環境あるいは近海における資源状況などが変化してきております。それから、この水産加工資金の運用実績というものも出てきております。そうした状況を受けまして、今先生がお触れいただきましたような改善を図ろうとしているところでございます。 〔理事永田良雄君退席、委員長着席〕 一例を申しますと、一号資金につきまして、イカ類につきましては、ドスイカというような従来非常に利用が低利用でございましたもののみを対象にしていたわけでございますが、それをイカ全体に及ぼす。資源状況がいろいろと問題がある中で、イカにつきましてはかなり豊富な、時期によりましては過剰にもなりかねないというような状況でございますので、例えばイカを入れたというようなことでございまして、環境の変化あるいは資源の変化、そして国際情勢の変化というものに合わせながら適時に改善を図っていくということの一環として今回、先ほどお触れいただきましたような改正点を私ども図ったところでございます。
○菅野久光君 終わります。
○矢原秀男君 先ほどの質疑で私の質問したいことが皆重複いたしましたので、時間の関係もございまして避けたいと思います。 本法案の提出の経緯については、一つは水産加工業の現状、二番目には、原材料をめぐる変化等のそれぞれの分析をいたしましても、本法案については賛成でございます。 特に、資料として水産物需給の十七項目のデータも見させていただきました。また、漁業経営に関する十五項目のデータも拝見させていただき、また漁業生産構造の九項目のデータも見させていただきましたが、国際的にも非常に厳しい推移であるという実感を持っております。そういう意味でこの法案につきましては充実したものにしてまいりたい、こういう気持ちでいっぱいでございます。この点について、もう大臣のお話もよく伺いましたので子といたします。 次に、別個の質問になりますけれども、二点目は、海上保安庁お見えでございますか。−済みません。時間二十分でございますので簡単で結構でございますが、答えていただきたいと思います。 瀬戸内海が不法投棄によりまして、懸賞金まで一千万以上もついたりとかいろんなことで大騒動もあったわけでございますが、無許可で淡路島周辺に産廃の処理、こういうことで六社が摘発をされております。こういうふうな建設廃材という名目の中で、また非常に悪い不純な廃棄物もまぜながら放棄をするというのが漁場の環境というものを悪化させているわけでございますが、取り締まりの海上保安庁にそれらの点につきましてまず御説明をお願いしたいと思います。
○説明員(田島邦雄君) 今の六法人を検挙したという件について御説明いたします。 海上保安庁では、昨年の五月ごろ、兵庫県内の建設資材販売会社とか海運会社等六法人が共謀の上船舶を使用しまして建設廃材を無許可で運搬しているという事実をつかみまして、内偵を進めてきました結果、八月にこれら六法人とその責任者六人、これを廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反で検挙し、十一月にその全員を神戸地方検察庁に送致いたしております。 これらの者は、産業廃棄物の運搬業を行う場合に兵庫県知事等の許可を受ける必要があるにもかかわらず、その許可を受けずに、産業廃棄物であるアスファルト片とかコンクリート片約百十七トンを昨年の三月から六月の約四カ月間にわたって船舶によって兵庫県の尼崎、西宮、芦屋港、ここから兵庫県内、和歌山県内、あるいは徳島県内の港まで運搬していたというものでございまして、特に先生もおっしゃられましたように、船舶への積み込みの前に集積地でもって建設廃材を大量の建設残土、土砂によって覆って隠ぺいするというふうな手口を使っていたという悪質なものでございました。
○矢原秀男君 状況はよくわかりました。ありがとうございました。 これに対して、建設省と厚生省にお伺いをしたいわけでございますけれども、今お話がございました建設の廃材、またはそれらに関連をして漂流をする悪い物質等も非常に出てきて汚染というものがあろうかと思うんですけれども、一応関係の省でございます建設省、また衛生的ないろんな問題等もございますので厚生省も一つの見解を述べていただきたいと思います。
○説明員(田崎忠行君) 建設廃棄物が今御指摘いただきましたように適正に処理されていないということにつきましては極めて重大な問題と受けとめております。建設廃棄物につきましては、工事現場からの発生量をまず抑制する、これが第一でございます。それから二番目といたしまして、他の建設工事に再利用するということも促進をする、これが二番目でございます。それから三番目に、不法投棄等を防止する等適正処分の徹底。これらを基本といたしまして各種の施策を総合的に推進しているところでございます。 そのうち建設廃棄物の多くは資材として再利用が可能なものでございますので、平成三年十月に施行されました再生資源の利用の促進に関する法律、いわゆるリサイクル法でございますが、これに基づきまして建設発生土、それからコンクリート塊、それからアスファルト・コンクリート塊等を指定副産物に指定いたしまして、その再利用を促進しているところでございます。 それから、本年一月十二日に建設副産物適正処理推進要綱というものを定めまして、関係機関等に通達をいたしまして、発注者それから施工者に対しまして建設副産物の適正処理の徹底を図っておるところでございます。 以上でございます。
○説明員(飯島孝君) 今回の事件につきましては、先ほど御説明がございましたように、海運業者等が建設工事に伴って発生する産業廃棄物でありますコンクリートの破片等を無許可で収集運搬したとして廃棄物処理法の違反で書類送検されたものでございます。 廃棄物処理法を所管いたします厚生省といたしましては、大変重大な関心を持っておりまして、今回の事件の対応につきましても兵庫県と密接な連絡をとってきたところであります。県におきましては、関係者への指導の強化や立入検査、あるいは公共埠頭へのパトロールを実施するなど再発防止に努めているところでございます。 なお、厚生省では平成二年六月に建設廃棄物処理ガイドラインというものを取りまとめておりまして、これに基づきまして関係者に指導の徹底を図っているところでございますが、廃棄物処理法に基づきます処理基準の厳格な運用に今後とも努めてまいりまして、必要な許可の取得、適正処理の確保が図られるようにしてまいりたいと思っております。
○矢原秀男君 どうもありがとうございました。 私が今こういう問題を取り上げておりますのは、瀬戸内海というのは縦割りにいたしますとどんぶり状になっておりまして、六十年に一回ぐらい海水が、太平洋岸との出入り口が絞られておりますから非常に汚染がひどいという中で、農水省が一番関係されます魚のたんぱく源というものが、あの沿岸には一千三百万人の人口を擁しているわけでございます。そういう意味で、あと農水省にお願いしたいわけでございますが、海水の汚染並びに漁場の環境悪化というものが、これは一例でございますけれども、摘発をされないけれどもいろいろもう瀬戸内海というものが悪化をしているのが現状でございます。 そういう意味で、今回のこの具体的な問題等について農水省として対応をどういうふうにされたのか、こういうことを伺いたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 実はこの話は二つございまして、一つは一昨年の夏ごろでございますけれども、播磨灘におきまして産業廃棄物が不法投棄されていたものが網にひっかかって、その網が破れたりというような状況がありまして、前後関係がちょっと逆でございますが、これで産業廃棄物がどうも不法に投棄されていたということがわかったわけでございます。 そこで、兵庫県におきましては、水産部局から関係部局への連絡体制を強化したり、あるいは建設業者や産業廃棄物処理者への指導強化などを図っていただきますとともに、海上保安庁などにもお願いいたしまして取り締まりの強化を要請したわけでございます。こうした中で、先ほど先生がお触れの建設廃材の無許可の運搬というようなことが起こったというふうに聞いております。 その後はこうした漁業被害が出たという報告は受けておりませんけれども、現在も一昨年のそうした例にのっとりまして関係部局との連絡体制を強化し、あるいはそれに対応します組織などをつくって対応しているというふうに私ども聞いております。
○矢原秀男君 この件、どうか今後とも瀬戸内浄化のためによろしくお願い申し上げたいと思います。 最後に、別な件でございますけれども、一件だけ農水省へお願いしたいと思います。 国連の決議等によりまして、公海上における流し網漁の全面停止が本年一月実施をされました。この点につきまして、公海上における漁業にどのような影響が具体的に出ているのか、また別の操業方法というものが対応されているのかどうか、こういう問題点をお伺いをするわけでございます。 そしてまた、廃網対策についてでございますが、流し網、五十キロメーターもあるともう十トントラック一台分のそういうふうな運搬、こういうこともあるわけでございますが、そういう処分というものはどういうふうにされるのか、こういうことをひっくるめてお願いをいたします。
○政府委員(川合淳二君) 今御指摘のように、公海流し網漁業につきましては、国連の決議に基づきまして昨年十二月末までで操業停止ということになりました。 一つは、この決議は流し網という漁法の否定でございますので、それの漁獲対象でございましたアカイカを漁獲するということ、そのこと自体は否定しておりませんので、一つは私どもこの流し網にかわります代替漁法の開発と申しますか、それを緊急に実施してきております。四年度において実施しましたし、今お願いしております予算におきましても好漁場の探索調査費と代替漁法の実用化試験費をお願いしているわけでございます。資源的にはかなり十分ある資源でございますので、新しい漁法の開発、特に釣りを中心とした開発に今最大限の努力をしているところでございます。しかしながら、すぐにこの見通しが得られるというわけでもございませんので、減船を余儀なくされた漁業者に対しましては、その影響を極力緩和するために、平成四年度の補正予算によりまして国際漁業再編対策を発動いたしまして、救済措置を図ったところでございます。 また、この減船に伴います離職者に対しましては、これも昨年十二月でございますが、いわゆる私ども漁臨法と言っております法律、正確には国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法でございますが、この発動も受けましで離職者対策を現在実施しているところでございます。 それから網につきましては、私どもが救済措置をとりました条件として網を持ち帰るということを条件づけておりますので、そうした形で海洋に投棄されるということはないように、これは事前に私ども措置したところでございます。
○林紀子君 北海道の釧路を初めとした道東海域では、一昨年からイワシの資源が大幅に減少して転廃業するイワシ関連業者が出ているということを聞いております。イワシの収量といいますのは、昨年のイワシの水揚げ量は約二百万トンで、ピーク時の半分以下になったということですね。そして道東では、特に一九九二年九月末ですけれども、漁獲量はその前年に比べて五分の一になっているという。 そこで、中小企業庁にまずお伺いしたいと思いますけれども、釧路を中心にした道東地域を特定中小企業集積の活性化に関する臨時措置法における指定地域としてほしいという、そういう要望が大変高まっておりますし、こういうイワシの漁獲量を見ますと、当然そのようにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(稲見雅寿君) お答え申し上げます。 特定中小企業集積活性化法におきましては、都道府県知事が対象地域、対象業種を特定いたしました活性化計画を作成いたしまして、通産大臣がこれを承認するという仕組みになっております。ただいま釧路地域につきましては、釧路市及び白糠町の水産食料品製造業を特定業種といたします活性化計画案が北海道より提出されておりまして、部内で検討を行っているところでございます。私どもといたしましては、できるだけ速やかに手続を進めてまいりたいと考えております。
○林紀子君 労働省にお聞きしましたところ、三月十九日にイワシ関連業者を特定不況業種に指定し、倒産を予防する雇用調整助成金を初め、倒産した場合、また倒産後の対策を事業者そして離職者に対して行うフルメニューを用意したというお話も聞きました。 そこで、水産庁にお伺いしたいのですが、私は、宮城県塩釜、日本有数の水産地域でありますけれども、ここで業界の方にお聞きいたしましたところ、今回問題となっておりますこの水産加工資金、初めのうちは活用したが、ここ近年は全くというほど活用していないということなんですね。その理由として何点かあるわけですけれども、一つに金融機関の窓口が仙台にしかなくて不便だということをおっしゃっているわけです。 私は水産庁からいただきました資料を見せていただきましたところ、先ほど来お話がありましたが、この資金は農林漁業金融公庫だけでなく、国民金融公庫、中小企業金融公庫においても貸し付けが行われている。これは窓口をたくさん設けるという配慮があるのではないかと思うわけですけれども、この国民金融公庫、中小企業金融公庫の貸し付けの実績、近年非常に下がっていると思うわけです。まず、これはどういう理由なのかというのを、これは塩釜だけではありません、全国的な資料をいただいているわけですが、この理由というのをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 実績につきましては、先生御指摘のように、かなり波はあるんでございますが、例えば平成元年は十七億、それから二年が十九億、三年が五億というようなことでござい ます。これは、理由は必ずしもはっきりいたしませんけれども、強いて言えば、状況の変化によりましてその都度その都度、資源などによりましても非常に窮屈なときとそうでないときなどもございますので、必ずしもこの資金が使いにくいということだけではなくて、いろんな資金需要から出てきているとは思いますけれども、そうした実績なども踏まえまして、私ども必要に応じこの内容について改善を図ってきたわけでございます。
○林紀子君 それから、これは塩釜の話なんですが、代理業務をしている塩釜市内の銀行、担当者がよくかわるのに指導が徹底されておらずに、銀行で貸し出しを嫌がるというんですね。その辺の指導というのはどういうふうにしておりますでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) 先生御指摘のように、やはりこういう制度資金でございますのでいろいろな制約はあるわけでございますが、何よりも大事なことは、こうした資金の存在、それからその内容、手続等を事前によくPRすることだろうと思っております。先生今御指摘のような点も私ども聞いておりますので、今回延長をお認めいただきました段階でもう一度この資金につきましてよくPRをして、関係者に理解していただく、あるいはこういう資金の存在をよく知っていただくということを私どももう一度改めてやってみたいと思っております。
○林紀子君 貸し出す方が嫌がるぐらい面倒なわけですから、借りる方の手続がまた大変複雑で面倒だということなんですね。書類作成などの手続が大変で、中小業者のみならず団体でも実務者がいないために使いたくても使えない、これが一つ塩釜ではほとんど使ってないという理由になるんじゃないかということを言っているわけですね。ですから、今のPRと同時に、実務作業といいますか、借り出すときの手続というのも簡素化をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(川合淳二君) 手続関係、特に資金の借り受けでございますので、必要な資料その他はあるわけでございますので、なかなかすべての点について簡素化というわけにはいかないと思いますけれども、なるべく借りやすいようにマニュアル化するとか、これも先ほどの点と同じでございますが、必要書類について事前によく周知徹底を図るとか、そういうことも通じまして円滑な借り入れ、貸し付けができるように努めてまいりたいと思っております。
○林紀子君 それから、この辺は一番大きい理由だと思いますが、零細業者が多いにもかかわらず通常の利率というのは五・二%、特利で四・三%ですね。そういう意味では担保にかわる保証金というようなことも含めると零細業者は使えないという声があるわけですね。月々の返済においても弾力的な運用というのがなされなくて、期日に大変厳しい、気軽には使えない、そういう実情もあるというお話も聞いているわけですが、この利率というのはどうしても下げていただくということになりましたら、もっと多くの方たちが本当に必要なときに必要に応じて使えるということになるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) 国の資金を貸し出すわけでございますので、やはりそれなりのルールなり資料なり手続なりあるいは返済の条件なりというものはあるわけでございます。それを弾力的にというのはなかなか難しい点でございます。 また、金利につきましても一般の金利情勢の中で当然のことながら上がり下がりをやっているわけでございますが、今の特利四・三、通利五・二というのは、各種制度金融の中にありまして加工業者に対する措置としては類似の措置と比べて遜色のないものというふうに考えております。したがいまして、この金利につきまして全体の体系から考えましても引き下げるということは困難であると思っております。 ただ、今お触れになりました担保の関連につきましてはいろいろな対応の仕方があろうかと思いますが、それがこの金利に直接的にだから高いというふうに結びつくものではないというふうに思っております。この体系から考えまして四・三というのはかなり低い最低限のものだというふうに私どもは考えております。
○林紀子君 今どうしても借りられないという、活用がゼロだということでお話をしたわけですが、せっかく制度資金はつくったけれども、その後のフォローというのがないために必要な人が使えないということでは「仏つくって魂入れず」ということになると思うわけですね。改善のお話もありましたので、その辺もぜひ実行していただきまして、本当に魂を入れた仏にしていただきたいということを御要望申し上げまして、終わります。
○喜屋武眞榮君 私は十分間の持ち時間でありますので、問題をはしょってお尋ねいたします。 沖縄県の沿岸漁業と養殖業について、赤土の流出による海洋汚染とそれによる漁業被害が大きな問題となっておりますので、その件についてお伺いいたします。 まず、政府は沖縄における赤土流出による漁業被害についてその実態を把握しておられるかどうか、実態調査は行っておられるか、その調査結果はどうであったか、お伺いいたします。
○政府委員(川合淳二君) 赤土の流出に伴います漁業への被害と申しますか影響につきまして、一つは例えば養殖のモスクなどの商品価値の低下、これは砂がまじったり赤土がまじったりということでございます。あるいは定置網とか刺し網につきまして、網に赤土が付着いたしますものですから、これによりまして魚が寄ってこないということでございますが、そういう操業への支障、これは対策としては漁網を洗浄するというようなことが必要になってくるわけですが、あるいは赤土が来ますと、当然のことながら魚が漁場から逃げていくというような問題が生じているわけでございます。 ただ、こうした状況でございますものですから、被害という形では特に金額という形で把握するのが非常に難しいものですから、被害額というような形での把握はいたしておりません。
○喜屋武眞榮君 重ねてお伺いしますが、その被害を受けた漁業者に対しては補償は当然行うべきだと思います。十分な対策を講ずべきであると思いますが、その対策、補償はどうなっておるか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 私どもはこの流出に対しましては、まず流出の防止を図ることが必要だということで平成元年度に土砂の流出につきましての防止基本方針というのがつくられたことを受けまして、それについての対策の連絡会議などが設置されて予防対策を進めてきております。 具体的にこれに対する対策といたしましては、水産庁におきましては、海中に堆積しました赤土を漁場の環境に悪影響のないように除去する、ある意味では洗い出しみたいなことになりますが、漁場の機能を回復する手法の開発調査ということを平成四年度から二カ年計画で行ってきております。赤土が堆積し大漁場についてどういう手法でこれを取り除くということがよろしいかということについて事業費を組みまして対応しているところでございます。
○喜屋武眞榮君 次に、赤土流出の原因はいろいろあると思うんですが、その一つに土地改良事業が挙げられております。政府は、土地改良事業に際して赤土流出防止策についてどのような対策を立てておられるのか、まずお伺いいたします。
○政府委員(入澤肇君) 赤土流出の一つの原因といたしまして土地改良事業の工事があるということは御指摘のとおりでございまして、古くは昭和五十四年度から沖縄県当局で土砂流出防止対策方針を策定いたしまして沈砂地の設置等の徹底を図っているわけでございますが、さらに平成元年度にはこの防止対策を強化することといたしまして、沈砂地の設置密度をふやすとか、あるいは事業実施中におきましても、緑肥作物を播種していわゆる植生工を実施して防止をするとか、あるいは土壌保全管理に関する営農指導の推進を行うとか、土砂流出防止対策に関する試験研究等を推進するとか、大幅な見直しをやったわけでございます。 平成三年度からは農林水産省、沖縄総合事務局、沖縄県の事業実施担当者間におきまして、土地改良事業を実施するに当たりまして設計とか施工段階において赤土流出防止に対する取り組み状況を確認することを行いまして、赤土流出防止対策のより一層の徹底に努めているところでございます。 さらに、現状が非常に厳しいということでございまして、平成五年度におきまして圃場整備等の事業の実施地区以外の農地及び周辺の排水条件の不備等に起因する土砂流出を防止することを目的といたしまして、耕土流出防止環境保全事業というのを新しく創設しております。 これからも現地の実情に応じた計画設計とか、あるいは工事の施工における関係者の意識の向上とか、あるいは農家に対する土壌保全管理の意識向上等の徹底を図りまして、その防止につきまして十分配慮してまいりたいと考えております。
○喜屋武眞榮君 最後に、土地改良計画を策定するに当たっては、赤土による漁業被害が起こらないように環境にも十分に配慮すべきであることは申し上げるまでもありません。 そこで、このことはぜひ大臣の御所見を承りまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(田名部匡省君) かねてからこれは問題になっているわけでありますが、本土復帰後土地改良事業あるいは基盤整備が急速に進められたということもあり、まあ原因はいろいろあるわけでありますけれども、なかなか難しいんですね。一方では沖縄の方々の所得の向上を図りたい。特に、私はよくわかりませんが、パイナップルを始めてから土壌が問題でなったのではないかということも言われておりますが、それとこれをどういうふうに関連づけていくかということは非常に難しい問題ではありますが、しかし重要な問題と私どもは受けとめでおります。 従来からその対策に取り組んできたところでありますが、土地改良事業を計画する際、もうそこから始めていかないといけないと思いますし、その徹底に努めてきておるところでもあります。しかしながら、全体として見ると圃場整備等の事業実施区域以外の農地からの流出が依然として見られるということでもありまして、そのために平成五年度においてこのような圃場整備等の事業の実施区域以外の農地及びその周辺の排水条件の不備等に起因する土砂流出を防止することを目的として新たな事業を実施することにしているわけであります。 今後とも、赤土の流出の防止につきましては、このような事業の活用等を図るとともに、現実の実情に応じた設計計画の樹立を図るように指導してまいりたい、こう思っております。
○新間正次君 魚を食べる民族というのは日本以外にも多くの国にあるわけでございますけれども、ところが日本に対する風当たりが他の国に比べて非常に強いという。聞くところによりますと、クロマグロをスウェーデンではワシントン条約の附属書に規定するようにというようなことがあったやに聞いておりますが、結局取り下げる結果になったそうでございますけれども、そのことに対する経緯と対応を聞かせてください。
○政府委員(川合淳二君) 昨年三月京都で開催されましたワシントン条約の締約国会議におきまして、スウェーデンが大西洋のクロマグロにつきましてはワシントン条約の附属書に掲載しるということを提案しました。これに対しまして、我が国あるいはアメリカ、カナダなどの、絶滅のおそれのある種ではない、かつ、これは先生御承知のように、ICCATという大西洋のマグロ類の保存国際委員会におきまして管理している対象種でございますので、そういうところで既に管理しているというような反対意見を踏まえまして、今お話がございましたように提案を撤回いたしました。しかし、この際にICCATにおける管理を強化するということを私どもは申し、これを条件に撤回したというような経過もございます。 そこで、ICCATにつきましては、昨年十一月の総会におきまして、この資源の管理をより的確に行うということから非加盟国の漁獲、貿易実態等を正確に把握するための措置について検討いたしまして、本年九月からクロマグロにつきましていわゆる原産地証明制度、漁獲・貿易統計証明と言っておりますが、これを実施することに決定いたしております。
○新間正次君 よくわかりました、とにかくクロマグロというのは我々にとりましては大変大好物な魚でございますので。 続いて、地中海での便宜置籍船のマグロの乱獲、これがまた問題になっておるわけでございますね。産卵前後を問わず根こそぎとっていってしまうという悪質な業者もいるというように聞いておりますけれども、この事実に対しまして、とり過ぎれば当然その資源は枯渇してしまうという、自然保護の観点からこの問題に対しての日本の対応を聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 今御指摘の地中海のマグロ漁船を含めまして国際的な資源管理の枠外で操業するいわゆる便宜置籍船漁船の問題につきましては、各種の国際会議で批判の対象になりまして、今後この便宜置籍船によります国際管理を免れる行為を防止するということのための条約づくりが始まっております。私どもといたしましてもこの条約づくりには積極的に対応していきたいと思っております。 それと同時に、我が国の中古のマグロの漁船がこうした便宜置籍船になるということも考えられないわけではございませんし、そうした国際的批判もあるわけでございますので、水産庁といたしましては関係団体などとも協調いたしまして、不用漁船を沈めまして魚礁にするという事業を開始する予定でおります。
○新間正次君 ICCAT加盟国の中でも日本は世界のトップ水準の水産技術を持っている国でございます。その技術を生かして世界の水産資源の調査保護あるいは培養殖を日本がリードしていくべきだと私は考えておりますけれども、現状及び今後の方針をお聞かせください。
○政府委員(川合淳二君) 培養殖関係は、つくり育てる漁業ということで私ども最大課題として取り組んできているところでございますが、国際的に見ましても、お話しございますようにクロマグロを代表といたしまして、資源問題に対するいろいろな懸念があるわけでございます。したがいまして、クロマグロにつきまして、培養殖の協力事業というものに私ども取り組もうということを考えております。 もちろん、国内におきましても、この培養殖につきまして事業を来年度から開始することにいたしておりますが、私ども今考えておりますのは、こうした希望がありますモロッコにおきまして、協力要請を受けておりますので、このモロッコにおきまして培養殖関係の開発調査というものをするために国際的な協力をいたしたいということで今事業化に向けて取り組んでいるところでございます。
○新間正次君 そのモロッコのことを詳しくお聞かせいただこうかなと思ったんですが、ちょっと時間がもう何でございますので、念のために。現地で、いろいろクロマグロ等を含めまして西大西洋で操業しております私どもの仲間がおりますけれども、モロッコでも民間レベルで試験的にこの培養殖をやったそうでございますが、やった場所が悪かったのか成功しなかったというような話も聞いておりますので、ぜひ水産庁の方として取りかかっていただくのは国際貢献という意味においても大変結構なことでございますので、まず現地の調査をしっかりなさった上で行っていただきたいということを念を押させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(吉川芳男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応しで行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉川芳男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、三上君から発言を求められておりますので、これを許します。三上君。
○三上隆雄君 私は、原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党、民主改革連合、二院クラブの各派及び各派に属しない議員新間正次君の共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 水産加工業は、出荷額が食品加工業全体の約二割を占める重要な産業であるばかりでなく、漁業生産物の七割近くを原材料として使用し、消費者のニーズに対応した水産加工品を安定的に供給し、さらには、その多くが漁村地域に立処し、漁村地域の活性化に貢献するなど多様な役割を果たしている。 しかし、水産加工業は、その多くの経営規模が零細であるなど様々な困難な課題を抱えている。そのうえ、最近においては、国際的な漁業規制の強化等により、水産加工原材料の供給が不安定となり、また、諸外国の水産加工品の輸出指向、円高傾向の定着等に伴い、水産加工品の輸入が引き続き増加する傾向にあるなど、水産加工業を取り巻く状況は厳しさを増している。 よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。 一 水産加工施設資金については、今後とも、漁業生産及び加工利用の実情等に即し、適宜、貸付対象魚種及び貸付対象地域を見直す等制度運用の改善に努めるとともに、本資金と水産加工経営改善促進資金との有機的な活用を図ること。 また、漁業との関連性に配慮した水産加工業者の体質強化等のための金融制度の確立について検討すること。 二 加工原料魚の安定確保を図るため、強力な漁業外交を展開するとともに、近海資源の一層の有効利用を図る等さらに努力を重ねること。特に、マイワシ及びアカイカの漁獲量の急激な減少に対処し、関係水産加工業者等が安定的に経営を推進できるよう努めること。 また、水産加工業における労働力不足に対処するため、協業化や加工施設の共同利用を促進するとともに、省力化システム等の研究・普及等に努めること。三 水産加工品をはじめ、水産物の秩序ある輸入に努めるとともに、輸入水産物の安定供給、安全性の確保に万全を期すること。特に、ウルグアイ・ラウンドにおける水産物交渉に当たっては、現行の国境措置の枠組みを維持し、我が国漁業経営に影響が生ずることのないよう遺憾なきを期すること。 四 水産加工業経営の零細性にかんがみ、その特性を活かしつつ、経営構造の改善、組織化・共同化を促進し、経営基盤の強化を図ること。併せで、水産加工業協同組合系統組織の育成・強化に努めること。 五 水産物消費の現状にかんがみ、消費者のニーズに即応した新しい水産加工品・水産加工技術の研究・開発を促進する等水産物の一層の消費拡大に努めること。 六 資源のリサイクル推進が課題となっている中で、水産加工原材料のうち廃棄されてきた部分について、水産加工品としての利用の促造を図ること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(吉川芳男君) ただいま三上君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉川芳男君) 全会一致と認めます。よって、三上君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、田名部農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田名部農林水産大臣。
○国務大臣(田名部匡省君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。
○委員長(吉川芳男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(吉川芳男君) 次に、林業改善資金助成法の一部を改正する法律案、林業等振興資金融通暫定措置法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。田名部農林水産大臣。
○国務大臣(田名部匡省君) 林業改善資金助成法の一部を改正する法律案及び林業等振興資金融通暫定措置法の一部を改正する法律案の二法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 まず、林業改善資金助成法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 林業改善資金助成制度は、昭和五十一年に発足して以来、林業普及指導組織等の指導と相まって、林業生産の高度化、林業労働安全衛生施設の導入及び林業後継者等の養成のための無利子資金の貸し付けを通じて、林業経営の健全な発展、林業生産力の増大及び林業従事者の福祉の向上に寄与してまいりました。 しかしながら、近年の林業をめぐる情勢の変化には著しいものがあり、林業就業者の減少・高齢化が一層進行する中で、特に次代の林業を担うべき後継者が著しく減少し、林業の担い手の脆弱化が危惧されており、すぐれた技術及び経営感覚を持った担い手を幅広く養成確保するとともに、福利厚生の充実により、林業労働に従事する者を確保することが急務となっております。 また、林業改善資金の償還期間及び保証制度につきまして、借り受け者の利便を図る観点から見直すことが求められております。 政府といたしましては、このような状況を踏まえ、次代を担う林業者の養成確保等を図る観点から本資金制度を改正することとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、意欲ある青年林業者等の養成確保を図るため、現行の林業後継者等養成資金を再編拡充して青年林業者等養成確保資金を創設することであります。 青年林業者等養成確保資金においては、林業外からの新規参入青年等も含め幅広い層に対応し得るよう、貸付対象者の範囲を新規参入者等を含む青年林業者、林業労働に従事する者その他の林業を担うべき者に拡大するとともに、資金内容を拡充して、林業の経営方法または技術の実地の習得その他近代的な林業経営の基礎を形成するのに必要な資金とすることとしております。 第二に、林業労働に従事する者を確保するため、現行の林業労働安全衛生施設資金を再編拡充して林業労働福祉施設資金を創設することであります。 林業労働福祉施設資金においては、従来の林業労働に係る労働災害を防止するために普及を図るべき安全衛生施設を導入するのに必要な資金に加え、林業労働に従事する者を確保するために普及を図るべき福利厚生施設を導入するのに必要な資金を新たに貸付対象とすることとしております。 第三に、林業後継者等養成資金及び林業労働安全衛生施設資金の再編拡充に伴い、借り受け者の利便を図るため、償還期間を延長するとともに、保証制度についても、従来の保証人による保証のほか、物的担保の提供によることもできることとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 続きまして、林業等振興資金融通暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 林業等振興資金融通暫定措置法は、昭和五十四年に制定されたものであり、以来、本法に基づき、林業経営の改善及び国内産木材の生産・流通の合理化を図るために必要な資金の融通措置を講じてきたところであります。 しかしながら、近年の林業を取り巻く状況は、林業の採算性の低下、林業従事者の減少・高齢化の進行等極めて厳しいものがあり、伐採その他の林業生産活動は著しく停滞しております。また、製材品輸入の増加、非本質系建築用資材の増加等により、木材の生産・流通を担う事業体を取り巻く状況も厳しくなっております。 このような状況に対処し、木材の生産・流通の一層の合理化を図ることにより、来るべき国産材時代に備えた木材の供給体制を確保することが求められております。 政府といたしましては、このような状況を踏まえ、林業等振興資金融通暫定措置法について所要の改正を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、木材の生産・流通の一層の合理化を図るため、本法の目的として、木材一般の生産・流通の合理化に必要な資金の融通に関する措置を講ずることを位置づけるとともに、これに伴って農林水産大臣が策定する基本方針に定められる事項を改正することとしております。 第二に、木材の生産及び流通に関する合理化計画の制度の拡充であります。 森林所有者の伐採活動を促進するため、合理化計画の作成主体につきまして森林所有者を追加することとしております。また、事業者間の連携を強化することにより、事業規模の拡大等木材の生産・流通部門の構造改善を進めるため、木材製造業者等が共同して構造改善に関する措置を内容とする合理化計画を作成することができることとし、その作成主体に地域の林業の振興を図ることを目的とする第三セクター及び木材の需要者等の関連事業者を追加することとしております。 第三に、素材生産業者の機械化の促進を図るため、第三セクターとの共同の申請に基づき構造改善に関する措置を内容とする合理化計画の認定を受けた素材生産業者に対し、税制上の特例措置を講ずることとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、これら二つの法律案につき、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(吉川芳男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十七分散会