農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 168 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1993/03/26
会議録
○委員長(吉川芳男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨日、一井淳治君が委員を辞任され、その補欠として中尾則幸君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(吉川芳男君) 去る三月二十二日、予算委員会から、三月二十六日午後の半日間、平成五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 まず、田名部農林水産大臣から説明を求めます。田名部農林水産大臣。
○国務大臣(田名部匡省君) 平成五年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。 平成五年度一般会計予算における農林水産予算の総額は、関係省庁分を含めて、三兆三千六百八十億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆八千二百二十六億円、非公共事業費のうちの一般事業費が一兆二千三百四十一億円、食糧管理費が三千百十三億円であります。 なお、このほかにNTT事業償還時補助分として百七十四億円が計上されており、これを含めた農林水産予算の総額は三兆三千八百五十五億円となります。 以下、予算の重点事項について御説明します。 第一は、経営体の育成と農地の効率的利用であります。 経営感覚にすぐれた効率的・安定的な経営体が生産の大宗を担う農業構造を実現するため、地域における農業経営及び農業構造改善目標を明確化するとともに、法人化の推進、経営指導の強化等により農業経営体の体質強化を図ります。また、各機関・団体のそれぞれの役割に応じた農地の利用集積活動を促進します。 さらに、意欲と経営能力にすぐれた青年農業者等の育成確保対策を充実強化するとともに、農山漁村における女性の活動促進のための対策を実施します。 また、農業生産基盤の整備については、第四次土地改良長期計画を策定し、その計画的・効率的な実施を図ります。 第二は、中山間地域等の活性化と国土保全機能の維持であります。 中山間地域において、営農の継続と農用地の効率的利用を図るための融資制度を創設するとともに、集落機能の再編強化、農林地の管理、活用を図ります。また、土地改良施設の公益的機能等を適正に発揮させるための集落による共同活動の支援や農山漁村における滞在型余暇活動の促進を図ります。 さらに、都市と比較して立ちおくれている農山漁村の生活環境の整備を図るため、集落排水施設や農道等の整備を推進します。また、豊かで美しい農山漁村の創出を図ります。 第三は、技術の開発、普及による農業生産の効率化であります。 緊急性の高い高性能農業機械の開発及び開発された農業機械の実用化等を促進するとともに、野菜生産の機械化、酪農の新搾乳システムの普及・定着化等を図るための対策を実施します。 また、イネ・ゲノム解析研究を初めとする基礎的・先導的研究等研究開発を実施するとともに、民間等の研究開発に対する支援を推進します。 第四は、消費者ニーズを重視した農林水産行政の展開であります。 消費者の食品に対するニーズの多様化を踏まえ、消費者の適切な選択等に資するため、特別表示食品について表示の適正化等を図るとともに、食品の規格・包装の適正化、安全性の確保等施策の充実強化を図ります。 第五は、活力ある農業生産の展開であります。 生産者、生産者団体の一層の主体的取り組みを基礎に、水稲作、転作を適切に組み合わせた望ましい経営の育成や生産性の高い水田営農の確立に重点を置いて水田営農活性化対策を実施します。また、米の多様な需要に応じた生産誘導、集荷、流通の促進を図るため、米の制度別・用途別需給均衡化のための特別対策を実施します。さらに、畜産、畑作農業、野菜生産の振興のための各種施策を展開します。 第六は、地球的規模の環境問題等への対応と国際協力の推進であります。 技術の開発や家畜ふん尿等のリサイクル利用等を総合的に進め環境保全型農業の確立を図るとともに、食品産業分野においても、食品廃棄物の減量化、食品容器のリサイクル等の総合的な環境対策を実施します。また、地球環境サミットにおける国際的合意を踏まえ、地球環境問題に対する取り組みを強化するとともに、開発途土地域等に対する農林水産業開発協力を推進します。 第七は、食品関連産業の振興であります。 消費者ニーズの多様化、流通コストの上昇等に対処するため、卸売市場の整備を初めとする食品流通の構造改善や経営基盤の強化、技術の開発等食品産業対策を推進します。 第八は、多様な森林整備の推進と国産材時代への条件整備であります。 多様で質の高い森林を整備するため、森林整備事業計画及び第八次治山事業五カ年計画に基づき、造林・林道事業及び治山事業を計画的に実施するとともに、林業の担い手の育成強化を図るため、林業事業体の体質強化、機械化の促進、林業労働力の確保等を総合的に展開します。また、木材の生産、加工、流通の各部門間の縦の連携を強化することにより、木材産業の構造改善を進めるための資金の創設等林業金融制度の充実強化を図ります。さらに、国有林野事業については改善計画に則して経営改善を着実に推進します。 第九は、二百海里体制の定着等に即応した水産業の振興であります。 資源保護や環境保全の観点から公海漁業に対する規制が強まっている情勢のもと、国際化時代に対応した漁業を推進するため、マグロ等の資源調査、管理・増大対策を総合的に展開します。また、漁業生産基盤・漁村生活環境の整備、沿岸漁業の構造改善等により漁村地域の活性化を図るとともに、資源管理型漁業及びつくり育てる漁業の推進等により、我が国周辺水域の漁業の振興を図ります。さらに、水産新技術の開発、試験研究の強化、漁協・水産業の経営対策の充実強化、水産物の需給安定、流通消費、加工対策等の各般の施策を展開します。 次に、特別会計予算について御説明いたします。 食糧管理特別会計においては、管理経費の節減等に努めつつ、一般会計から調整勘定へ所要額の繰り入れを行うとともに、その他の各特別会計についてもそれぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借り入れ等総額八千六百五十億円を予定しております。 これをもちまして、平成五年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
○委員長(吉川芳男君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○三上隆雄君 ただいま田名部農水大臣から五年度の農水予算三兆三千八百五十億円という予算の提示がございました。日本の五年度の総予算が七十二兆三千五百四十八億円。かつて日本の総予算が三十兆円時代にも農林予算というのは三兆円を超しておったわけであります。したがって、その当時の総予算に対する割合は一一%近い時代もあったわけであります。 しかしながら、現在も七十二兆円台という大台に入りながら農林予算が三兆三千億をまだ前後しているということは、その総予算に占める割合が極めて低くなっている。それがやっぱり日本の農政が今行き悩んでいる、そしてまた農村が衰退している一つの大きな原因だと私は思います。もちろん国際化の中で日本の経営が、そしてまた工業を中心とした他産業の著しい発展と相対的に農業が衰退するという原因もあるけれども、予算的に見ても農林予算が少ないという観点から今の農業の状況ができていると、こう私は思うわけであります。 ただいま大臣からそれぞれの主要課題に対する考え方を御報告されました。きょうは、私は緊急を要する課題について絞ってお伺いをしたいと思います。 農政全体については稲村先生にお預けをして、今回、ニュージーランドからのリンゴの解禁が報道されており、そしてまた政府からの説明もあるわけでありますけれども、この問題に絞って私は伺いたいと思います。 何か今までの政府の動きを見ると、輸入を前提とした交渉を進めているのではないかという感じを受けます。したがって、今回までのニュージーランド政府と日本のその交渉に至ったプロセスと、今後残された対ニュージーランドと国内の日程やその措置についてまず初めに質問したいと思います。
○政府委員(高橋政行君) まず、我が省といたしましては、御承知のように、輸入禁止植物の解禁に当たりましては禁止対象病害虫の我が国への侵入が完全に防止されることが必要でございますので、そのような技術が確立されました段階でその解禁処置をやむを得ずとっているというものでございまして、我々としてその輸入を進めたい、あるいはそれを前提としますといいますか、そういうようなことで対応してきたわけではございませんので、その辺ひとつよく御理解をお願いいたしたいと思います。 それで、今御質問のこれまでの経緯でございますが、ニュージーランドとのリンゴの件につきましては、昭和六十二年以降、ニュージーランド側から提出されました殺虫殺菌技術に関する試験データの評価を行いまして、当方がそれを審査し精査し、それで不完全と判断いたしましたデータについてはまだ先方に再試験を実施させるというようなことを繰り返してまいったわけでございます。その過程ではニュージーランド側からは、日本があれやこれやいろいろなデータ要求とかそういうことをして難癖をつけているんじゃないかという批判もあったわけでございます。 それで、六年たちまして、昨年でございますが、技術的に問題のないそういったレベルに達したのではないかということで、当省の専門官が二度現地に参りまして、開発されました技術を実際に現地で試験をさせまして問題がないということを確認したという、そういうまず今までの経緯でございます。 それで、これからといたしましては、以上の経緯を踏まえまして、我が省としては十分な植物検疫処置が確立したというふうに判断をいたしまして、三月三十日にニュージーランド産リンゴの輸入解禁に係る公聴会を開催するわけでございまして、その後につきましては、公聴会における公述人の技術的な意見を踏まえまして対応をしてまいるということにしておるところでございます。
○三上隆雄君 今、局長からニュージーランドから六年来の植物防疫法で規制されている諸条件をクリアする技術が確立したから所定の合意をして、最終的には三十日の公聴会――今ちょっと聞き漏らしたけれども、公聴会というのは今月の三十日に開かれるその公聴会を意味したんですか。
○政府委員(高橋政行君) そうです。
○三上隆雄君 それを利害の伴う生産者なり関係諸団体の意見を聞いて最終的に政府が判断するという、そういうお答えがありましたけれども、一言も、そしてまた、政府が私どもに何度か説明した資料を見ても、安全を確立する技術はできたといえども、産地のその病害虫が撲滅されたという表現と説明は一言もないわけでありますが、その辺をまず確認したいと思います。技術的に確立したということはどういうことですか。
○政府委員(高橋政行君) 先生がただいまおっしゃいましたように、ニュージーランドにはコドリンガという、そういう有毒な害虫がいるということを前提にして、それで日本に輸入されるリンゴにはそういう害虫に汚染されている心配がない、そういう状態にするという技術が確立されたということでございまして、ニュージーランド自身にコドリンガがいなくなったとか火傷病がなくなったとかということではございません。
○三上隆雄君 わかりました。ニュージーランド自体に対象病害虫のコドリンガと火傷病はなくなったとは言ってないということですね。――じゃ、実際の園地で、例えばうわさで伝えられる指定された産地から今輸入されようとしておりますけれども、その産地にはもはや規制されたコドリンガ、火傷病はないという、少なくともそこまでの判断はできますか。
○政府委員(高橋政行君) 時にコドリンガ自身につきましては、この産地にはコドリンガがいる、いないということはございませんで、いわゆるコドリンガがリンゴに付着していない、あるいは付着していてもそれを完全に殺虫するという技術を確立したということでまずございます。 それから火傷病につきましては、今先生がおっしゃいましたように、特にそのリンゴが栽培されている地域、そこの地域には、その園地といいますか、その園地には火傷病がないという、そういう園地を指定して、そこで収穫されるリンゴ、それを輸入しようということにしているわけでございます。
○三上隆雄君 ただいまの答えでは、火傷病についてはその指定された園地には、まあ園地では余りにも小さいけれども、産地にはないということですね。
○政府委員(高橋政行君) はい。
○三上隆雄君 わかりました。後ほどまたそのことについては詰めたいと思います。 私は前段輸入することを前提としてすべてのことを進めているという表現をしましたけれども、今回突発的にというか突如として昨年の六月に初めて本県のりんご協会の木村会長に来年度輸入の状況になってきたということの伝えがあったと聞いておりますけれども、なぜもっと早く言えなかったのか。 そして、そもそもこれは前近藤大臣が九一年の五月にニュージーランドヘ渡られておりますか、それを確認したいと思います。
○政府委員(高橋政行君) ちょっと私はその点については申しわけありませんけれども存じ上げておりません。
○三上隆雄君 だれがわかりますか。
○政府委員(高橋政行君) この件に関して近藤元大臣がという意味でしょうか。
○三上隆雄君 はい。関連があるから聞いているんです。
○政府委員(高橋政行君) 我々は、この件で大臣が具体的に何か、もし大臣がニュージーランドに行かれたといたしまして、そのときニュージーランド側からは、ニュージーランドとしては非常に関心の高いそういう事項でございますから、恐らく何らかの形で話があったかもしれないと思っています。現在、正確なことを申し上げられる情報を持っておりません。
○三上隆雄君 それでは、確認をしておきますけれども、近藤大臣が九一年の五月にニュージーランドヘ行かれたか。そしてその報告、大臣のそういうところに訪問するのは復命書というか、一般人が復命書という、その報告の書類等があるものかどうか、あったら私の質問中にその書類を示していただきたいと思います。 それでは、次の問題に入りたいと思います。 私は今回のニュージーランドからのリンゴの輸入は単なるリンゴだけの影響ではないと思うんです。これの寄生する果樹あるいは花木というものは、いわゆる落葉果樹ほとんどに、そしてバラ科のものに特に寄生するという病害虫のようであります。何か日本国内にもリンゴに影響があるだけだなというそういう感覚を、むしろあえてそういう情報を流したような感もなきにしもありません。 しかしながら、今、青森県のみならず、各県で地方議会の決議も、あるいは県議会の決議もなされようとしている県が多く出ているわけであります。関心を持ってこのことを研究すれば、やはり今回いろんな問題があるのにあえて入れるべきでないというのが生産者及び消費者の声だと思うんです。そういう立場から私は質問していきたいと思います。 先ほど来、局長の説明にもあるように、植物防疫法上コドリンガ及び今回の火傷病の防除が技術的に確立されたというわけでありますけれども、その実態というのは、先ほどは指定された産地と言うけれども、島全体というかニュージーランドの国土全体はどうですか。
○政府委員(高橋政行君) 植物防疫法上は、ニュージーランド全体としてコドリンガあるいは火傷病が発生している地域というふうに、文献上もそうでございますし実際上もそうでございます。特に火傷病については、北の方と南島と両方ありますけれども、南島の方が火傷病は少ないというふうに言われております。
○三上隆雄君 リンゴの大産地はむしろ北島なんでしょう。南の方は少ないわけでしょう。今回あえて南島を選んだというのは、火傷病がないということから南島を選んだわけですね。
○政府委員(高橋政行君) 日本側が積極的にどこの地域をまず選択するかということを特定したわけではございませんが、現在我々が知っているところでは、ニュージーランドの方では、今も先生の申されました南島の方の地域の園地を指定してくるというふうに聞いております。
○三上隆雄君 それでは、そのことはまだお答えできないかもしれませんけれども、ここまで進んだとすれば、その指定する産地というか地区というか、それは何カ所あって、どのくらいの面積を指定しようとしているんですか。
○政府委員(高橋政行君) まだ確たる、どれだけでどうかというところまで確定しているわけではございませんで、ニュージーランド側が現在輸出を希望しているのは、いずれにせよ南島の方の園地で行いたいというふうに言っております。
○三上隆雄君 今の段階で発表できないから発表しないんですか、それとも全くそれは検討していをいということですか。
○政府委員(高橋政行君) ニュージーランド側がいろいろ希望しているということはございますが、我が方もそれでいきましょうとか、そういう形で決めているものはございません。
○三上隆雄君 それでは、今最終的に公聴会をやるという段階に来ているわけでしょう。農水省の防疫官も向こうの現地へ行って調査しているんでしょう。どこをどういう形で調査してきたんですか。
○政府委員(高橋政行君) 現地では、一つにはコドリンガの殺虫試験がどのように行われるか、向こうが言っているような基準で行った場合に果たしてうまく殺虫が一〇〇%行えるかどうかということの確認と、それから今先生がおっしゃいましたリンゴ園につきまして、南島の一部でその園地がどうなっているのかということの確認はしています。それは、そこの場所を去年行って確認いたしましたのは、こういうようなところをやるんですよということの一部を見ただけでございまして、これから例えば解禁して輸出をする場合の園地全体について、こことこことどうこうということで確認をしたという意味ではございません。
○三上隆雄君 そんなことでこのような恐ろしい病害虫の侵入の危険性があるものを入れるべきじゃないと思うんだよ。 だから、最初から入れることを前提にして皆さん方が進めているんじゃないか。近藤大臣が行ったときにこんなことを言ってきている。一つの情報ですよ、これは。行った際にこんなことを言ったらしいんですよ。技術的な問題では輸入解禁を先送りする何ものもないと言っているんだそうですよ、技術的な問題では。何も調査もしないで、そういう状態で、もはや防疫法に抵触するような産地の状況ではないという判断をしてそう言ったと思うのか、それに関係なく別な事情でリンゴをやっぱりニュージーランドから送らなきゃならないという事情があってそう言ったのか、だからその辺を確認したくてさっきの質問をしているわけであります。ですから、最終的にはさっきの質問は答えてくださいよ。 それでは、次に進みます。 今回のコドリンガの防除の体制について若干質問したいと思うわけであります。 日本のいろんな果樹なり野菜なりすべてですけれども、農薬の使用基準というものがあって、国内法に基づいて農薬から濃度から時期からすべて決めているわけでありますけれども、ニュージーランドが日本と比べてどういう状況にあるか、その薬剤の種類等々も発表いただきたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) ただいまお話がございましたように、ニュージーランドが日本向けといいますか、リンゴを栽培するに当たって使用している農薬でございますけれども、これにつきましては、例えば日本でも同じようなリンゴなどを栽培しておるわけでございますが、日本で登録のある農薬もございますけれども、日本では登録がなされていないそういう農薬というものも使われております。 具体的にいろいろ申し上げましょうか。いろいろ種類がございますが、例えばリンゴに登録のない農薬としてかなりのものが使われているということは言えます。
○三上隆雄君 その具体的な種類については資料を通して提示していただきたいと思います。 私の持っている資料をまず皆さんに御理解いただくために申し上げたいと思うんですが、日本で使用されてはならない、そしてまた登録のない農薬が、実際ニュージーランドで使われている農薬ですよ、グサチオン、プピリメード、メチラム等、それから日本では一度は使っていて廃止になった農薬がクリアマイト、それから中止になった、廃止と中止はどういう区分があるのかわからぬけれども、一応書類では中止になったものがカラセン、ポーリラム、トーバス、オマイト、ラリーというような農薬があるわけであります。このことを見ても、日本では今まで使ったけれども、毒性の関係とかいろんな残量農薬等々の問題があって使えなくなった農薬を向こうではちゃんとこういう散布暦に乗って使用しているわけですよ。その辺に対する御見解を聞きたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) ただいま申し上げましたように、確かに日本で登録がない、そういう農薬を使っていることは事実でございまして、我々といたしましては、ニュージーランド側にそういったような農薬の使用については防除暦を、どんなふうに防除をやっていくかという暦がありますが、そういうものを通じましてそういう農薬はひとつ使わないようにということを指摘しておりまして、ニュージーランド側もそのように指導したいというふうに言っております。また、日本に安全使用基準があるものについては、その安全使用基準を満たすようなものにしたいということを言っております。
○三上隆雄君 私が示したこの農薬についての今お答えですか。私の示した規制されている、あるいは中止になった、日本の登録にない、それに対する答えですか。
○政府委員(高橋政行君) はい。
○三上隆雄君 それから、デナポンという農薬があるんです。これは日本でもまだ使用されております。登録にあります。しかし、使用基準が日本では規制されております。その規制というのは、収穫二十五日以前でないと使えないという、そういう農薬であります。しかし、ニュージーランドは五日前までこれを使ってもいいという、そういう基準なんです。 このデナポンというのは、日本では殺虫剤、そして場合によっては摘果剤に使っているわけでありますけれども、これが私は大変な発がん性のある農薬だと思って、特にこのデナポンを使わないとコドリンガを防ぎ得ないんだそうです。その点についての御見解をいただきたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、日本で登録のないそういう農薬についての使用は、向こうも使わないように防除暦などを設けまして指導するということにしておるところでございます。
○三上隆雄君 これから指導するということですか。
○政府委員(高橋政行君) まさにそういうことで、現在ももう指導を始めていると思います。
○三上隆雄君 日本で規制されている農薬を使わないとコドリンガを防ぎ得ない。その防ぎ得る技術をその農薬によって確立されたということであなた方が今入れようとしているんですよ。矛盾しませんか、それは。
○政府委員(高橋政行君) 先ほどちょっと申し上げましたが、コドリンガについては、これは飛びますので、園地指定によってコドリンガがいるとかいないとかと、そういうことで規制をしていくということは難しいというふうに考えておりますので、コドリンガにつきましては、輸出する際に完全に防虫をするということによって、その輸出するリンゴにはコドリンガがいない、殺虫されているという状態にするということでございます。
○三上隆雄君 それでは、ニュージーランドの使用基準からいって日本でも五日前までは使ってもいいということを判断していいですか。そうなったら日本の農薬の安全基準、安全性に対する考え方というのを根本的に変えなきゃだめなんですよ。へ理屈を言わないでくださいよ。 そして、ニュージーランドは五日、これはニュージーランドの防除の体系だから、あるいは向こうの基準だからいいとしても、日本に入ったら日本の農産物、食べ物という考え方にならないとだめですよ。日本のリンゴと同じ条件で扱わないとだめですよ。その点どうですか。
○政府委員(高橋政行君) 現在、日本でいわゆるコドリンガというのがおりませんので、そういうコドリンガを対象とした農薬の使用基準なりそういうものを持っていないということでございまして、我々はいかにコドリンガというのが日本に侵入しないようにするかという格好での処置を完璧にしたい、こういうふうに思っているところでございます。
○三上隆雄君 このデナポンというのは安くて毒性が強くて、だから日本でも使いたいんですよ、出来秋の収穫前にいろんな害虫が発生するから。それを使わないで高い農薬を使っているんですよ。そんなことちゃんとわかってくださいよ。 それからもう一つ、ナフタリン酢酸という、これもまたポストハーベストという使い方をされていると思います。これは出荷時に、これは品種によって若干違うと思うけれども、どちらかというとニュージーランドのリンゴは早もぎするんだそうです。早もぎすると貯蔵中に褐色になるヤケがくるんです。そのヤケを防ぐために消毒するのがこのANA、ナフタリン酢酸というものです。これは日本では絶対使っていない、使えない農薬なんですよ。それを向こうで現に輸出用には使っているというんです。それはどうですか。
○政府委員(高橋政行君) 今おっしゃいました、ANAという名前で一般に呼ばれておりますが、この農薬についても日本では登録が全くありません。そういうこともありまして、先ほど申し上げましたように、ニュージーランド側もこの農薬については使用を差し控えにしたい、こういうことにしております。
○三上隆雄君 これから輸出するときは、その農薬を使わせないということですね。それもまた危険の一つですからわかっていてくださいよ。 それから火傷病、さっきからコドリンガと火傷病と一緒くたな議論をしていますけれども、火傷病について質問したいと思います。 火傷病というのは、リンゴにはモニリアそれから腐乱病という極めて危険なものがあるわけですけれども、このモニリアと腐乱病と一緒にしたような病気なんです。腐乱病というのは木の枝の部分、幹の部分の皮を腐らす病気です。モニリアというのは新梢部分それから花の部分を腐らす病気なんです。それと一緒にしたような病気であって、単なるリンゴだけではなく、この火傷病の方はむしろサクランボなりナシの方の被害が大きいということなんです。ですから今、山形、福島等々で騒いでいるわけであります。 そこで、これをまたポストハーベストという方法で防除しなけりゃならないということでございます。その防除する農薬は次亜塩素酸ソーダというなかなか面倒な、今日本へ入れようとするときのこの濃度は、この政府の報告資料で見ると日本の常識では考えられない濃度で消毒しようとしているんですよ。その点についての見解をいただきたいと思います。日本の基準は七ppmです。この消毒に使うのが一〇〇ppmで消毒するというんですよ。
○政府委員(高橋政行君) 我々は、次亜塩素酸によりまして火傷病の輸出に際する殺菌のための消毒をやるということでの技術にしておるわけでございますが、この次亜塩素酸ソーダによって消毒いたしまして、あとのその残留が食品衛生法上の基準値内におさまるのかどうかということでございますが、この点については、我々の今までのデータによりますと、基準値内におさまるということで問題はないというふうに思っております。
○三上隆雄君 日本の水道でも使われている消毒剤だと言われていますね。その水道のときには、私がさっき例にとったのは七ppmということです。それが果実の場合は一〇〇で許容範囲内だということでよしとする判断に私は問題があると。これについて厚生省の考え方をお尋ねしたいと思います。
○説明員(牧野利孝君) 農薬を使用いたしました農産物の安全性でございますけれども、厚生省では農産物の安全性を確保するために、農作物中農薬の許容基準、いわゆる残留農薬基準でございますけれども、この基準を設定してきてございます。 例えば、植物防疫におきまして使用されております臭化メチルにつきましては、国産品、輸入品を問わず、ただいま議論になっておりますリンゴを仮に臭化メチル燻蒸した場合は、その結果としてリンゴに残留する臭素に対しましては二〇ppmという基準が設定してございます。この基準を超える臭素の残留が明らかになった場合には、その流通が禁止されることになるわけでございます。 私ども厚生省といたしましては、今後とも食品中に残留する農薬の許容基準の整備拡充に努めることとしておるわけでございます。 それから、先ほど出てございます次亜塩素酸ソーダでございますけれども、水道水の例が出てまいりましたので御紹介させていただきますと、水道水は、水道蛇口での濃度が〇・一ppm以上というふうにされてございます。
○三上隆雄君 〇・何ppm以上ですか。
○説明員(牧野利孝君) 水道水の塩素量でございますけれども、上水道を出るときの濃度が通常一ないし二ppmでございまして、水道の蛇口での濃度が〇・一ppm以上というふうになってございます。
○政府委員(高橋政行君) 先ほど若干間違って答えたかもわかりませんので御訂正申し上げておきますと、今厚生省の方からお話がございましたように、食品の残留基準としては、臭化メチルについて二〇ppmというのが設けられておりますが、次亜塩素酸ナトリウムについては食品の残留基準は特別にないということでございます。 それから、先ほど消毒する場合の濃度として一〇〇ppmというのは非常に高い濃度ではないかというお話がございましたが、例えばこれにつきましては、現在アメリカに温州ミカンを輸出しておるわけでございますが、そのときもやはり同じように一〇〇ppmという濃度でやっておるわけでございまして、我々としては特別の問題はないんじゃないかというふうに思っている次第でございます。
○三上隆雄君 次に、さっき私はヤケ防止の消毒剤でちょっと勘違いしましたが、ジフェニルアミンという農薬はありますか。これはヤケ防止なんだそうで、さっきの冷蔵ヤケというものを防止する。それも日本ではやらないものを、輸入品についてはその農薬で消毒しないと来る途中で特にグラニースミスというデリ系の品種に出るんだそうです。 後ほど総合的な判断で大臣の決断を促すわけでありますけれども、次に、今回のニュージーランドのリンゴでどんな影響があるかということをあえて少な目に、日本に影響がないという、そういう報道を進めてはいないかと、こう私は思うのであります。 私は、安全性の問題はもちろんですけれども、こういう量、価格、品質からいっても極めて脅威のニュージーランドのリンゴだと、こう思うのであります。 実は昨年、年明け前に農水省から説明をいただいた段階では、初年度は五百トン、そして年を追って五年度では二千五百トンという説明がありました。しかも、その段階での価格の説明は、現地でキロ二百円、そして燻蒸や輸送経費や関税やいろいろ入れて日本では二百五十円ぐらいの販売価格になるだろうという説明をしておったわけであります。 今回青森県の調査団が、県の行政も加わって生産者と一緒になって行ったその段階での説明は、量的には、初年度は十トン、そして二年度は一千トン、六年目で三千トンにするというとりあえずの報告、それから値段的には、港渡しでキロ五百円、スーパーの売り値が約七百円と見込んでおるという説明、県議会で確認をしたけれども、そういう説明をしています。それを裏返せば、現在ニュージーランドでとれているリンゴの形と味といわゆる品質からいって極めて高いリンゴなんですよ、五百円、七百円というのは。日園運の会長さんいますけれども、なぜこんなことを言うんですか。
○政府委員(高橋政行君) ただいまの先生のお話は、ニュージーランド産のリンゴがいろんな形で影響があるんじゃないかということでございますが、この間いろいろと調査に現地でもあるいは我が役所でも行ったわけでございますが、そのときの向こう側の話によりますと、確かに解禁初年目は市場調査というようなこともございまして、試験輸出であるということから輸入量はわずかでございまして、影響は余りないというふうに言えるかと思いますが、二年目以降については我が国の消費者がニュージーランドのリンゴに対してどのような評価を加えていくかということにもよるわけでございまして、次第に輸入量が増加していくということは当然考えられることであると思っております。 それで、ニュージーランドの方と日本とを比べますと、食形態がえらく違うわけで、特にニュージーランドではそのまま生で食べるとか、あるいは日本では皮をはいで食べるとかという違いがございまして、特にニュージーランドでは百五十グラム前後のものが主流でございます、それで外観には余りこだわらないということになりますが。しかし、現在のところ日本向けには、日本の市場ということになりますと、外観もいいものに選別するとか、あるいは大きさも通常ですと百五十グラム前後のものですが二百十から二百九十グラムぐらい、日本の国産「ふじ」ですとおおむね二百六十から三百五十ぐらいですから、そこまではどうも大きくないのでございますが、そんなようなものを考えているということです。 また、価格の面を見ますと、さっきの先生のお話ですと、むしろ何か日本のものよりも高くなるというようなことも言っていたということがありますが、どうも我々が調査といいますかいろんなデータで考えるところによりますと、やっぱり日本のものと比べるとやや低い、例えば二、三割ぐらいは低いという感じではないかというふうに見ております。 そうしますと、いろんな形で我が国への影響ということはあるわけでございますから、いかに我が国のリンゴとニュージーランドのリンゴが競争する中ですみ分けをしていくかということが非常に大切なことであろうというふうに思っておりまして、国産リンゴの特性とか有利性を生かすようなことを今後も考えていかなきゃいけないことであるというふうに思っております。
○三上隆雄君 品質的には向こうは、ニュージーランドのリンゴとナシの販売公社という一つの大きな公社的な組織、ボードという組織があるわけでありますけれども、そこの現在の販売指導体制からいくと、品質が日本のような品質化するということは私は目に見えて確実だと思うわけです。この間行ってきた人たちがそういう見方をしています。 それから、量的にもこれは一括集荷販売しているわけでありますから、日本に対する販売量の拡大も私は極めて容易だと判断するわけであります。そういう点から、日本の市場に対して、リンゴだけでない果物全体の市場に対して大変に大きな影響があると私は思うわけです。 日本の今果物の消費量というか需給量というのは大体七百五十万トン前後だと思います。そのうちの三百万トン近いものは今輸入果物の状況であります。だとすれば、この量を国民一人当たりに換算すれば、子供から老人に至るまで一人七十キロを消費するということなんです。もう日本の果物の消費というのは、弾性値というものは大分限界でしょう。これに多少なりとも入ってくるということは日本の果物の撤退なんですよ。そのことを考えれば、しかも先ほど来申し上げてきたように、安全性の問題からいけば、生産者の立場に立っても消費者の立場に立っても私は断固としてこれは阻止しなきゃならない、そう思うんです。 そして、今までの検査体制も国のとった姿勢は私は極めて安易だと思います。政府の説明では、これほど慎重に輸入を抑えてきて、そして説明会をやって公聴会をやったことはないと言うけれども、今までミカンにしても牛肉にしてももっと安易な考え方で入れたからこそこういう影響が出てきているわけでしょう。サクランボは安泰だというのも何も安泰ではありませんよ。リンゴの果汁の自由化だって影響がないと言うけれども、産地では入ってくる前より原料が半分になってしまっているんですよ。製品として販売価格は同じであっても産地がだめなんですよ、これでは。前は千円から千五百円したんです、もぎ取ったリンゴでは。今は千円から五百円ですよ。これでも影響がないという判断で皆さんが行政を進めるところに問題があるわけですよ。 そこで大臣、何としてもこれを阻止したいということから、国際植物防疫条約と日本の国内法の植物防疫法からいって私はまだ抑える手だてがあると思うんです。その手だてというのは条約の六条に「輸入に関する要求」という条項がございます。この条項というのはいわゆる禁止条項であります。その禁止条項六条の二項の同というところに、前項の条項を否定する条項がございます。その否定する条項というのは、「植物検疫上の考慮により必要とされない限り、その植物防疫法規に基いて執ってはならない。」ということです。 そこで、問題なのは「考慮」であります。この「考慮」というのは、私は客観的に判断したいわゆる政治的な判断だと思います。そして、「植物防疫法規に基いて執ってはならない。」ということは、この「考慮」によって逆にその措置をとることを必要と認めればとることができると私は判断できると思うんですよ。 それからもう一つ、この前例がないかということであります。沖縄は国内であります。日本の国土であります。三年前にパイナップルを初めとして沖縄の果物を本土に移動されるときにウリミバエという今回のような害虫があったわけでありますけれども、このウリミバエを沖縄群島全体で撲滅しない限り入れないというそういう手段で何年も努力して、多くのそのための投資をして全島にその撲滅が確立されたという時点で初めて三年前に入れたではないですか。 私は今になってもこれをとめようとすればとめればいいと思うんですよ。その点、局長、大臣の御見解をいただきたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) 沖縄につきましては、ウリミバエというものによって汚染された地域であったわけですね。したがいまして、そのウリミバエを何とか撲滅しようと、撲滅されてしまえばウリミバエはいなくなりますので、そこからは植物の移動、果物の移動ができるということでございます。 それで、もう一つのこちらのニュージーの話は、ミカンコミバエというそういう害虫が現にいます。いるので、現在そこの植物は移動を禁止しているわけですね。輸入をすることを禁止しておるわけですが、植物防疫上そういう殺虫できるという技術ができれば、そういう害虫が日本に侵入してくることがないわけですから、その場合には植物防疫上それをとめているという理由はなくなるでしょうということでございます。 したがって、沖縄の場合はそのウリミバエがいなくなるという状態にしての話でございまして、こっちは現に害虫が存在しているという中での話でございますから、そこは問題が違うんじゃないかと思いますけれども。
○国務大臣(田名部匡省君) 今いろいろ議論を伺っておりまして、青森県がこれは五〇%のシェアを占めておるというんで、私も入れたくて考えておるわけではもう全くないんですが、ただ、昭和四十六年にこれは輸入自由化されておりまして、我が国も加盟する国際植物防疫条約というのがありまして、そこで植物検疫上必要とされない限り、この輸入禁止措置をとってはならないというルールがあるわけです。したがって、火傷病でありますとかコドリンガの話がありましたが、これはもう完全に撲滅すると。一方では、日本に持ってきてこれは植物防疫上問題があるといえば、この場合でも、どちらでもひっかかれば入れるわけにはいきませんから、それは。 ただ、今申し上げたように、それをクリアしたと。どこで判断するかというと、日本に揚がるときに十分検査をして、問題があればこれは焼却するか突っ返すわけですから。しかし、その時点で科学的に調べて一切何にもないということになると、これを断るというわけにはいかぬわけですね。 ですから、いずれにしてもこのニュージーランド産にかかわる検疫措置というものは、私どもの専門家がいろいろ現地を調査して、それでもう完全に防除体制はなされたという認識を持っておるわけでありますから、これを断る、輸入禁止をするという理由は見当たらなくなったわけでして、随分長いことあれこれ理屈をつけてやってみたものの、向こうもまた日本に言われるとおり一生懸命やってやってやって、とうとう問題のないようにしたということです。 それは今までも、サクランボでもあるいはイスラエルのスウイーテイでもチリのブドウでも、もう何でも入るたびにいろいろと理屈をつけては入らない体制のことをやったわけですけれども、これ全部確立されて、今申し上げたように、トマトからピーマンからマンゴウから何年かたって防除体制ができたものは全部入ってきているわけですね。ですから、これだけはそういう同じような経緯をたどったとすれば、断るという理由はなかなか見つからぬというのが実態であります。
○三上隆雄君 だから、入れなきゃならない、入れたいという前提で物を考えるからそうなるんですよ。入れなくてもいいことがありますよという考えでいけば、輸入国が、ちゃんと条約で示しているんだから、輸入国が植物防疫法上からいって判断すれば、その判断の基準というのは、全島が沖縄にやられたようなそういう状況をつくらない限り入れないと言えばいいんじゃないですか。だから、マンゴウや何かや日本にない果物とまた同じような土俵に上げていますけれども、日本にあって、日本で余っているものをなぜ入れなきゃだめなんですか、そのことをまず主眼において考えてくださいよ。日本の国民として望むものは入れてもいいと思うんですよ。日本の農民が、消費者が望まないものをあえてなぜ危険を顧みず入れなきゃならないんですか。 だから、その前に入れなきゃならない事情があったんじゃないですかということを私は確認しているんですよ。さっきの答弁できますか。
○政府委員(高橋政行君) ちょっと沖縄県について申しますと、沖縄についてはいずれにしろウリミバエによって汚染されておるということですから、そこの地域で生産されたものについては移動を禁止しておったわけですね。 そうすると、例えば沖縄で今ニュージーで問題になっているような一つの消毒技術というのが確立すれば、そうすればその技術によって消毒をして移動させるということはできたわけでございまして、現にそういう形で沖縄のものについても入れたことはございます。
○三上隆雄君 それと同じじゃないですか。沖縄から入れないというのは、本土にいない虫が沖縄にいたから入れないんでしょう。 今回も、コドリンガという虫が日本にいないのに向こうにいて、それが撲滅されてないから我々は入れなくてもいいという理由をつけているんだよ。あなた方は技術が確立したから入れると言うんでしょう。技術が確立したって撲滅することはできないんです、自然界では。そのことを確認してから入れたらどうかというんだよ。
○国務大臣(田名部匡省君) おっしゃっている意味はよくわかるんです。ですから、そういう問題があれば入れませんからと、こうお答えしているわけでして、そのことが実際専門家間でどういうふうな状態がというので、問題がなければこれは揚げざるを得ない。これを検査するわけですから、輸出するときも向こうの港でもやるしこっちでもやるし、そこで一切のものがクリアされたときはじゃどうしますかということになるわけでして、決して入れたくてやっているわけではないんです。先ほど申し上げたように、心情的に言えば、私も出身県でありますから。 ただ、そのことによって断るとか、あるいはさっき「考慮」ということを政治的にと、こういうお話がありましたが、これは技術的なことを言っているんで、政治的に判断して入れないことはできますよという条項ではないんですから、その辺のところはあくまでも技術的なことでありますから、それで判断せざるを得ない、こう思います。
○三上隆雄君 どこまでやりとりしても、大臣はそういう認識で入れようとするわけだから、これはやむを得ないにしても、我々は断固としてとめたいと思いますよ。日本の果物生産者のために、消費者のために。それほど安全性についても問題がある。 それから、検査でも目に見えているでしょう、なかなか駆除できないということが。入ってしまってからとめるといったって、今までいっぱいそういう実例があるじゃないですか。入ってしまってからではどうにもならぬでしょう。牛肉だって影響がない、サクランボだって影響がない、ミカンだって影響がないと入れたって、すべてが半減されているんですよ。ミカンだって、かつては三百五、六十万トンあったのが今百六、七十万トンですよ、半分になったんですよ。それでも影響ないと言うんですか。牛肉だって四七%ですか、自給率がそのぐらいよりなくなっているんです。 それでは最後に、公聴会が三十日にありますね、この公聴会は多くの人が公述人として出るようでありますから、皆さんに発言の機会を与えて、問題を起こさないようにひとつ特段の御配慮をお願いしたいと思うし、私は、実際にその生産に携わった人として、今入れることは日本の果樹界全体に大変な禍根を残すことになると思う。そして、よくこんな考え方をする人があります。輸入したら出したらいいではないかという考え方、この出すということは、私は病害虫の国際的なまき散らしだと思うよ。それはなぜかというと、これまた輸入国の国内法によって例えばアメリカに日本のものを入れる、その場合はアメリカで規制している病害虫が日本にあったら入れ得ないわけでしょう。ですから、アメリカは日本の今の実情では入れ得ないということです。それはハダニや赤星や黒星や、いっぱいそういう病害虫を日本で撲滅しない限りアメリカに入れ得ないということなんですよ。ニュージーランドは同じだけれども、ニュージーランドは入れたいから、ニュージーランドにない病気でも、日本にあっても、それを交換してでもやるんでしょう、これはニュージーランドは望みますよ。だから、そういうことを考えても私は、大臣、今回は心を神様にして何としてもとめることに努力していただきたい。そのことを要望申し上げて、私の質問を終わります。
○国務大臣(田名部匡省君) そういう問題があるということの前提でお話ししておられるようでありまして、だから、あるかないかは揚がってからということで、揚がり際で検査するわけですから、入って売った中から問題が出てくるわけじゃないんで、揚がるときに検査をきちっとしてやるということですから、決して喜んで入れるというつもりもありませんし、公聴会についても粛々と皆さんの意見を十分伺ってやりたい、こう思っております。 今リンゴ農家に与える影響という話とごっちゃになっておるようですが、これはこれ、それは一体どうするかという話であって、だから入れないということは、影響があるから入れないということの断りはなかなかできませんので、病気があるからどうか、あるいは入ってきたものについてはどうするのかというのは、これはまた別の論点でありますから、いずれにしても公聴会によってきちっとしたことをしたい、こう考えております。
○稲村稔夫君 私は、農水委員会に前は所属しておりましたが、戻ってきてから今度大臣には初めて質問を申し上げることになりましたので、ひとつよろしくお願いいたします。 そこで、きょう通告をしておりました予算の審査についての質問項目、今の三上委員とのやりとりを聞いていまして、私は順序をちょっと変えさせていただいて、一番最後にしておりました食料の安全対策確保の予算措置という関連でまず質問をしたいと思います。 私は、大臣のお答えについてちょっと納得がいかないからであります。といいますのは、入ってくることを水際で完全に防止をするという、これは技術的に私は完全無欠ということは不可能だと思いますよ。今の農林水産省の植物防疫官のあの体制だけでも大変なんです。一つ一つのリンゴについて絶対に大丈夫だという確認をしない限りはそれはあり得るんですよ。私もかつての技術者の端くれでありましたから、その辺のところはみんな心得ているつもりなんです。ですから、私は、三上委員が心配をして主張をされているということについて、これは本当に真剣に考えていただかなきゃいけない問題だというふうに思うんです。 ですから、沖縄でウリミバエを撲滅しない限り移動させない、これは撲滅の確認ができない限りはそれはどうしたって見落としが出るんですよ。いろんな体制をつくったって見落としが出るんです、人間の集団のやることなんですから。少なくともその地域でもって撲滅をしたという確認がされなかったら、これは安心するということは私は非常に危険だというふうに思うんですよ。ですから、そのことを踏まえてこれからの対策を、そのこともしっかりと腹に置いていただいてこれからの対策をしていただかないと、食料の安全対策ということについては心もとない、こういうことになってくると思うんです。今のは、私が提起をしている問題は厚生省に聞くつもりで出していた問題じゃないんですよ。農林水産省が日本国民の安全と日本の農薬の安全という立場に立ってどれだけの体制をとれるか、その予算措置をどれだけ本気になって講じているかということをその観点から私は伺おうと思って通告をしていたんですよ。でも、今のそのこと一つ考えて、三上委員とのやりとりを考えただけでも、今の植物の防疫官のあの体制で十分だとお考えになりますか、本当に水際でもってそれは阻止できるとお考えになりますか。その辺のところをしっかり考えて答弁をしていただきたいと思います。 初めての質問で初めから大きな声で申しわけありません。
○政府委員(高橋政行君) ただいまの植物防疫に関係した話でございますが、一般的なことを申し上げますと、いずれにせよ重要な病害虫ですね、我が国に侵入してもらっては困るそういう病害虫によって侵されている国にある果物、それでその果物にそういう病害虫が寄生するというような、そういう果実とか野菜とかいろいろございますが、そういうものの輸入あるいは日本国内の場合であれば移動、そういうのはまず一般的に禁止しておるわけです。それで、これはやらない。 しかしながら、そこの国でそういう病害虫が全部撲滅されてなくなってしまうということであれば、これは安心して輸入したりあるいは移動させることができるわけですが、それが実際問題としてなかなか撲滅までにはいかないという場合には、それぞれの果物なりあるいは野菜なりにつきまして、輸出されるものについてそういうような病害虫が全く殺菌あるいは殺虫処理によってもう付着しない、完全に一〇〇%死亡しておるというような状態にしておれば、その場合には植物防疫上の理由がないわけですから、輸入を認めるなりあるいは移動を認めるということにしてやっておるわけでございまして、これは一般的に国際的なルールとしてそういうふうにやっておるわけです。 それで、先ほど沖縄の話がございましたが、沖縄はウリミバエによって汚染をされておりましたので、まず一般的には移動は禁止と。しかしながら、一定の消毒技術を開発して、野菜なら野菜についてその病害虫が一〇〇%消毒殺菌ができるということであれば、その野菜については移動できるという処置を講じたところでございまして、そのほかの国の場合でも同じようなやり方を今回も考えておりますし、先ほど大臣がお話し申し上げましたように、今までサクランボにしろレモンにしろ、いろいろな果物についてそういうふうに個別に防虫殺菌技術が開発されれば、そのものについては輸入を認めざるを得ない、そういうことになっておったということでございます。
○稲村稔夫君 説明を長々とされているけれども、一番の問題はあれでしょう。そうしたら、その国で沖縄の場合と同じようにそこではもう撲滅をいたしましたと、その地域は。こういう確認をすることがまず第一でしょう。そして、それに基づいてそういう体制できているから、だから植物検査で一定程度の死骸が見つかってもそれは大丈夫だとかなんとかということになるんでしょうが、問題はその確認がまずされなきゃ困るんですよ。それでなきゃ、沖縄でやったが、沖縄はきつくて外国の場合は緩くていいということになるんですか。
○政府委員(高橋政行君) 撲滅してしまえばまずもう問題なく移動なり輸出入ができるということですね。それで、撲滅ができない場合には、個別病害虫ごと、その病害虫が寄生じます果物なり野菜ごとに消毒殺菌技術を開発し、それによって消毒殺菌をしたもののみを……
○稲村稔夫君 わかっていますよ。沖縄の経過はわかっているんですよ、僕らは。それで、ウリミバエを撲滅するために順番にやっていったでしょう、地域を絞りながら。そういう事実もみんな僕らはわかっていて聞いているんですよ。そういう同じ手法をなぜとれないのかと聞いているんですよ。
○政府委員(高橋政行君) 例えば沖縄の場合に限定して申し上げますと、沖縄もウリミバエについて撲滅ができない段階があったわけですね。今は撲滅してきたわけですが、撲滅できないで汚染されていたときには、一定の消毒のやり方の基準を決めまして、その消毒殺菌技術でもって消毒した果物なり野菜については移動を認めておりましたということでございます。
○稲村稔夫君 私が言っていることは、沖縄に対して我々がやってきたその対応と同じ対応を少なくとも輸出国に対してもしていかなければいけないでしょうと、これがまず第一ですよ。 そして、それに付随をして、今度はそれでもなおかつ植物防疫法に基づいて検査をしなきゃならない。その検査の体制というものが仮に、仮にですよ、もし民間流通で商売は民間でやられるということになってきたときに、仮にそのときに間違いがあったとしたときにも水際でそれが発見できるという体制に、最大限、一〇〇%と私はとても言えないと思います。それは。一〇〇%なんと言ったらうそをつくことになると思いますからね。だから、最大限の努力をすることができるということの体制が必要なんだと思う。 それでは、今度は、そうすると今の防疫官の体制で大丈夫なんですかと、こういうことが私は問題になってくると思うんです。その辺どうですか。
○政府委員(高橋政行君) 我が国もいろいろ国際化といいますか、そういう時代を控えまして、いろんな人が往来するとか、あるいは輸出入につきましても大量に外国のものが入ってくるというような時代を迎えておるわけでございますので、先生が今おっしゃいましたように、輸入時における植物防疫官による綿密な検査ということが当然重要になっておりますし、そこの水際で病害虫の我が国への侵入防止を図っていかなきゃいけないということはおっしゃるとおりでございます。 したがいまして、我々も検査体制の整備強化を図っていかなきゃいけないということで、毎年植物防疫官の増員などもいたしましてそういった体制の強化に努めているところでございますが、今後ともこの点については、特に今もお話がございましたように、配意をしていかなきゃいけない、そのように思っております。
○稲村稔夫君 植物防疫官の検査体制を強化していく、人員をふやしていく、これは当然お願いをしなきゃならない。今の体制については、私どもも仲間が現実に横浜の検疫所などを視察させていただいて、その報告なども聞いておりますけれども、とにかく現場は随分御苦労されているということだけはもう本当に痛いほどわかります。御苦労されるということはそれだけ大変だということなんですよ、今でも。それはもうわずか何%ふやしましたというその一けた数字のふえ方ぐらいではなかなか対応し切れないぐらいの厳しい体制だと思いますよ、現実の問題として。 あとは、厚生省なんかになるともっとひどくなってきて、民間で適当に自主検査などということも随分入ってきたりする。そこに比べれば少しは農水省はいいんだと思いますけれども、しかしこれでは大変だというふうに思います。 そこで、もう一度の確認ですよ。沖縄と同じ手法で相手の国に対しても対応してもらえますね。
○政府委員(高橋政行君) 沖縄がウリミバエによって汚染されていたときにも、殺菌技術が開発された場合には、その技術によって消毒殺菌したものについては個別に移動を認めていたわけでございまして、そのときと同様に厳しくそういう殺菌技術の徹底をしていかなきゃいけない、このように思っているということでございます。
○稲村稔夫君 語尾がはっきりしないとよくわからないんですけれども、問題は、沖縄で対応されたときには、我が国の技術でもってそれこそ農林水産省があらゆる知恵を絞って指導していっているわけでしょう。そういう体制をつくっていったわけでしょう。ちゃんとプロジェクトまでつくって一生懸命努力したんでしょう。そういう体制でいって確認ができる、判断ができるという課題だった。少なくともニュージーランドに対しても農林水産省の技術陣も総動員してきちんとその辺のところは対応をして、それで大丈夫だという確認ができたときに初めて沖縄と同じ体制だというふうに言えることになるんじゃないですか。
○政府委員(高橋政行君) 今のニュージーに関して申し上げますと、今回ニュージー側が開発いたしました消毒殺菌技術、それが向こうが開発したその技術に従ってそのとおりに行われているかどうかということに関しましては、我が国の植物防疫官も現地に派遣いたしまして、園地の状況、それから現実に消毒する場所あるいは消毒の状況、それからまたニュージーランドから日本に向かって輸出する場合の輸出検査、こういうものにも日本の植物防疫官が立ち会いをいたしまして、十分を期すということにしておる次第でございます。
○稲村稔夫君 私は少なくとも沖縄と同じ体制にということを申し上げているのは、あくまでもその国も例えばコドリンガであればコドリンガの撲滅のために、撲滅をするという目標を立てて、そしてきちっと対応されて、そしてそのことについての我が国のいろいろな技術も全部提供し、そしてそういう中で、もうこれなら大丈夫だというそれこそ確認というのをするにはかなりの私は期間と努力とが要ると思います。そういう意味で言ったら今早急に結論を出すということには絶対承服しかねますということだけ申し上げて、これでやっているとまた私の持ち時間全部なくなっちゃうので次へ進みます。 一般会計予算に占める農林水産予算の割合が年々減少してきているわけであります。これは大変問題だというふうに思うのでありますが、私も一覧表をずっと見ております。そうすると、大体食糧管理費が大幅に減ってきているからというような話も出てくるんですが、食糧管理費を除いても一般会計に占める農林水産予算の比率はどんどんどんどん下がってきていますね。例えば大体昭和五十年代は六%ぐらい、前後ちょっとしたりすることはあっても。それがことしになりますともう四・二二%ですね、食糧管理費を除くとですよ。 食管会計が減ってきているから農林水産予算が減っているということには、言いわけにはならない、こういうことになるわけなんでありますけれども、それこそ、今こんなに大変な時期を迎えている日本農業なんでありますから、農林水産省が大変な御苦労をなさっているという、そういう時期に農林水産省の予算がこんなふうになっているというのは、私は極めて不思議な感じもするわけであります。 これは大蔵省が悪いんですか、それとも農林水産省が要求不足なんですか。ちょっと端的な聞き方をして恐縮でありますが、この現象をどのように農林水産省はとらえておられるのか。
○国務大臣(田名部匡省君) 農林水産予算については、一般歳出に占める割合というのは八%から九%で推移をいたしておるわけでありますが、平成三年度以降は着実に増額が図られております。特に、平成五年度においても新政策を踏まえて必要な予算を計上いたしまして、いずれにしても必要な予算の確保に努めております。 お話しのように、一般会計に占める政策経費として農林水産予算の割合を考えるに当たっては、当該年度における国としての政策実施にかかわらない国債費でありますとか地方交付税交付金を除いた一般歳出に占める割合で答えるのが適当と私どもは判断しているわけでありまして、一般会計に占める農林水産予算の割合については、今のお話にあったように五%前後で推移をいたしておるわけであります。
○稲村稔夫君 農林水産大臣も、最後のところの五%ぐらいで推移するというところはちょっと力のない御答弁をいただきました。 問題は、全体に占める比率、このごろは予算の規模が非常に大きくなっていますから、農林水産省が一生懸命頑張って予算を確保して伸ばしていただいても、全体に出てくる一般会計の中で占める比率の伸びというのはせいぜい一%とか、数%でも五よりずっと下の方のパーセンテージしか伸びない、そういう状況になっていると思うんです。これは農林水産省、大変御苦労でありますけれども、新農政を推進するという立場をおとりになるならば、それこそかなりの努力をして農林水産予算というものを大幅に伸ばすという努力をしていただかなければいけない、そう私は思うんです。その辺のところを今後の課題としてぜひお考えおきをいただきたいというふうに思います。 時間の関係もありますから、余りここは深くはいたしませんけれども、ただもう一点、農林水産関係予算全体の中で伺っておきたいと思いますのは、公共事業費の割合、これは結構伸びているということになるわけであります。しかし、一般事業費の割合が横ばいになっておるということであります。公共事業費というのはいわばハード、ハードのものについては伸びてきているけれども、そうするとこれではソフト面はさっぱり伸びていないということになるわけであります。新政策というのはハードづくりが目的ではないと思うのであります。かなりソフトも大事だというふうに思うんです。 そうすると、このままの予算の構成みたいなことで今後いくということになったんではやはり問題があるのではないかこのように思うのであります。私の理解がまだ浅いのかもしれませんが、公共事業費の割合がずっと伸びてきて、一般事業費の割合が横ばいになっている。それはなぜそういう構造になったのでありましょうか。
○政府委員(上野博史君) 公共事業の関係の経費といいますと、四百三十兆円でしたか、かなり大きな事業費を盛り込みました公共投資基本計画というのが何年か前につくられておりまして、これを推進するという考え方のもとに、特に最近の社会経済的な要請から生活関連の面の基盤整備というようなことに重点を置いて仕事をしていくということで、予算の中に生活関連重点化枠予算というようなものが盛り込まれまして、この面についての予算の配分が比較的たっぷりとなされているというようなことがございまして、その関係で公共事業費関係の予算の歳出の伸びが着実になっているということがあるわけでございます。農林水産予算の中におきましても、したがいまして公共事業関係の経費が全体の予算総額の伸びを上回って推移をしている、こういうような事情にあるわけでございます。 これに対しまして、いわゆる非公共、一般事業費の関係の費目の中には、この生活開運重点化枠というような最近力の入っている歳出枠でカバーをされるものというのは比較的少のうございまして、そこら辺の差が全体として非公の予算の割合を小さくしているという理由になっているというふうに考えております。ただ、この関係の予算につきましても絶対額としてはわずかながら伸びてまいっているという状況にございます。
○稲村稔夫君 私は、昔、地方自治体の責任を持っていたことがございました。よくそのころは何とか会館をつくるとか何とか集落をつくるとかということを一生懸命やるのがはやりでありました。これを称して箱物市長と、こう言いました。箱物を一生懸命つくる、いわばハードを一生懸命つくる。ただ、それにソフトの面がついていかないとその辺のところが非常にそこを来す、こういうことになるわけであります。 私は、今の時代はまさにソフトを大事にしなければならない、そういう時期を迎えていると思うんです。コンピューターも、かつては日本はハードには強かったけれども、ソフトが貧弱だと言われました。今のコンピューターの世界的なシェアを確保できるようになってきたのも、言ってみればソフトが充実してきたからということにもなるわけですね。そのことを考えていったときには、農林水産予算の割合の中でもソフト面をかなり重視した展開を今後していただかなきゃいかぬのじゃないか、そう思いますが、それはいかがでしょうか。
○政府委員(上野博史君) 委員の今の御主張は、私も大変そのとおりだというふうに考えるわけでございまして、箱物をつくりましても、例えばカントリーエレベーターみたいなものをつくりましても、このカントリーエレベーターを十分に使い切るためには、生産の集団化であるとか、あるいは時期的な作業がまとまって行えるように品種の統一といいますか、あるいは地域地域の作業の歩調を合わせていく。カントリーエレベーターの要するに稼働やなんかを円滑に行っていくような生産面での体制づくりというものが必要であるというようなことが必要でございまして、その関係のソフトの経費やなんかを十分に手当てしていかなければならないということは委員御指摘のとおりだというふうに思います。 ただ、公共投資といいますとそういう予算もあるわけでございますが、そのほかにこのところ非常に需要が強いのは、集落関係の集落排水施設というふうなものであるとか、あるいは集落道路とか生活に密着した公共施設の整備というようなものも大変需要が多い、やらなきゃならない仕事でございまして、こういうものについては、カントリーエレベーターのハード面の建設なんかでもそうでございますけれども、かなり金がかかる。その辺でやはり予算額としてはかなり大きなものになってくるという面もあるというふうに考えております。
○稲村稔夫君 そういう、例えば新たなカントリーエレベーターの建設であるとか、あるいは道路そのほかの生活関連の公共事業の要望だとかというのが強くなってきている、それは私は事実だろうと思います。しかし、カントリーエレベーター等については、それは確かに純農政としての位置づけの中に入ってくるもの、生活関連事業ということになりますと、これは農政だけで担当すべきものでもない。そこで、総合的にいろいろと対応を考えておられるということになるんだと思いますけれども、私はその中で特に農政という観点からいったらソフトを大事にする、ソフトを提供していかなかったら、生活開運だって幾ら整備をしてやったって、そこが過疎が進んでしまったら何にもならないですよ。今までも、例えば私の新潟県では道路ができたら過疎が進んだんですよ。なぜそうなったか。結局ソフトがだめだからですよ、ソフトが足りないからですよ。ということで、農林水産政策としてはそういうソフト面というのを重視していっていただかなきゃいかぬのじゃないか、予算措置もそういうことで十分にそっちの方に重点を置いた考え方をとっていかなければならない時代を迎えているんではないか、そう思うわけであります。これは私の意見と要望ということにさせていただきます。 ということになりますと、そこで新農政ということで農水省は高らかにラッパを吹き鳴らしておられるということになるわけです。しかし、そういう新政策ということを提起しておられますが、それの予算措置、予算との関連でそれがどうなっているんだろうということを私は気にせざるを得ないわけであります。 そこで、第一に伺いたいのは、新政策元年と位置づけをしておられるということでありますが、そうすると、それにふさわしい目玉になる事業というのは何なんでしょうか。先ほどの大臣の予算の御説明を伺いましても、それぞれみんな重要だということで並べられておられる。先日の大臣の所信表明を聞かせていただいても、後でもう一度読み直してみても、やっぱりそれぞれ大事だという観点で書かれておられるわけでありますが、目玉は何になるんでしょうか。
○政府委員(上野博史君) この私どもの新政策で言いますと、やや冗談めかして大変恐縮でございますが、目玉がたくさんあるということでございまして、どれをその目玉として御紹介申し上げたらいいのかということに迷うわけでございますけれども、新政策の一番の眼目というのが今後の農村社会の動向、特に農業就業構造の動向というようなことを頭に置きまして、労働時間だとか生涯所得だとか、こういうものが他産業並みの経営感覚にすぐれた効率的・安定的な経営体をつくっていく。そういうことによりまして、後継者が喜んでといいますか、非常に意欲を持ってその地域その地域の農業・農村地域に定着をしていくということを図っていかなきゃならないというふうに考えているわけでございます。 そういうことを進めるために、例えばそれぞれの地域、市町村の中長期的な農業構造のあり方、どういうふうに規模拡大なりあるいは後継者の育成というようなことを図っていく。それには土地の集団化をしていく。あるいは老齢な農業からリタイアされようとする方々の持っておられるような農地というものを、若いこれから農業を一生懸命やろうというような方々に集めていくというようなこと。そういう方向づけをするための予算でありますとか、あるいは農地保有合理化事業をさらに強力に進めるというような内容の予算、こういうソフト面の予算というのがまず上がってくるんじゃないかというふうに思います。 それから、先ほどの公共事業との関係にもなるわけでございますが、第四次の土地改良長期計画というものも策定をしたところでございます。 それから、中山間地域のようなところにつきましては、それぞれの地域の条件に合ったような新しい作物を導入していく、そのためのいろいろな工夫に対しまして助成をしていく。さらには、研究開発に対しまして必要な投資をしていく、例えば農業機械の開発というようなことについても従来以上に努力をしてまいる等々、たくさんの目玉があるということでございます。
○稲村稔夫君 目玉というのはそうたくさんあったんじゃ困るんですよね。それは、皆さんの方からすればどの仕事も大事だということはわかりますよ、そういう意味でおっしゃっていることは。だけれども、何が重点かということをやっぱりきちっとしていただかないといけない。 今のお話を伺っていて大体私なりに理解をすれば、他産業並みの労働時間とか生涯所得とかいろいろと言われるけれども、言ってみればよその仕事するのも農業で仕事するのも変わらないようなそういう農業ということを基本に置きながら、そのためには規模を拡大するとかいろいろな合理化の対策をつくっていって、そして対応していきましょう、そうするとそれでまたその相乗効果でもって他産業並みに近づくでしょうと、多分そんな絵をかいておられるんではないだろうか。私は眼鏡をかけているものですから、どうもレンズが余り合わないようでよくその辺が見えなかったということなのかもしれませんけれども、そういうふうに受けとらせていただきます。 そこで、そうすると、合理化をしていってメリットを出していくということで大規模化に重点を置いていかざるを得ないということになると思うんですが、大規模化に重点を置いた場合に、今ある農家はかなり零細農家も小規模経営農家もあるわけでありますが、こうした小規模農家というのはどういう位置づけになるんでしょうか。農業から離れてもらおうということにするのかあるいは農業の中で生きていくためにはどういう措置を講じようというのでありましょうか。その辺のところはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(入澤肇君) 農業の現状、それからこれからの動向を見通しますと、農業を産業として育成していくためには、今先生がおっしゃったとおり、大規模化といいますかプロの農家を育成することが一番大事なことでございます。このプロの農家というのは新政策では「経営感覚に優れた経営体」というふうに言っておりますけれども、これは一片の法律やあるいは通達でできるものじゃございませんでして、集落を基礎とした地域の関係者の意向を踏まえまして育成すべき経営体を定めながら、そこに農地の利用を集積させていくという地味な努力を積み重ねなくちゃいけないということでございます。この場合に、個別経営体を育成していくのか、あるいはその地域全体として組織経営体としての発展を期するか、これは地域の実情に応じていろんな選択肢があると思うんです。 具体例を参考までに申し上げますと、これはもう人口に膾炙している非常に有名な例でございますが、例えば愛知県の安城市の三別地区、ここは集落アンケートの実施などによりまして徹底した話し合いをやって集団化へ取り組んでおります。地区内の農地を農地保有合理化事業を行う農協に全部一括して利用権を設定いたしまして、農協が機械の効率的な使用、土地の具体的合理的な利用計画というのを定めまして、そして農用地利用改善団体が選定する担い手に一括して営農を行わせる。その前提といたしまして、連担的な作業の実施が可能になりますように畦畔の除去を行うとかいうことをやっていますが、あわせまして、生きがい農業など自作希望者については集落周辺の水田を優先的に割り当てまして、そこで営農を実施してもらう。 さらに、ほかの例でももう一つ申し上げますと、愛知県十四山村、ここでは農協が中心となりまして管内の二十一集落を用排水系統別に四つの営農組合を組織しまして、土地利用とか稲作栽培あるいは転作を組合単位で計画的に推進するシステムを確立しております。作業受託につきましても、農協がオペレーターと契約を締結して作業分担区域の明確化を図っている。こういう中で水管理とか畦畔管理を高齢者に委託して、収量とか品質の安定と景観の維持を図るというふうなことをやっております。 いずれにしましても、育成すべき経営体と今後とも地域に在住していく土地持ちの非農家あるいは小規模な兼業農家、高齢農家等が労働力の提供とか水管理など地域社会の維持管理の面で役割分担をしていく、そういうふうなコミュニティーを形成していくことをねらっているものでございます。
○稲村稔夫君 局長が御答弁になった中でちょっと気になりますのは、そうすると土地持ちの非農家は要するに法人なら法人に任せてしまえば、今までは個別の小さな経営をやっていたけれども、それは離れるということですね、離れて土地を提供する。そうしなきゃ、それは同じ人数で常に分配していたんじゃ幾らやったって同じことですから多分そういうことになるだろうと思う。 そうすると、今試みにやっているときにはその周囲に条件があるところでそれをやられていますからあれですけれども、これを一般化していこうとすると、そのときに今の農業を離れてもらわなきゃならない人たちはどうやって救済するんですか。
○政府委員(入澤肇君) そこで、村で兼業農家として、例えば自留地を持って野菜栽培をやったり花をつくったり付加価値の高いものをつくって農業を経営するという人のほかに、土地持ちの非農家になって年金あるいは兼業所得プラス地代収入でやっていこうという人たち、さらに兼業所得をもっと十分に確保したいという人たちのためには安定した兼業機会をあっせんしなくちゃいけないということもあると思います。 農村地域工業導入法、これはかなり成果を上げていますが、こういうふうないろんな既存の制度を適用しながら我が方としても実施いたしますし、それからまた、労働省とも十分に連携をしながら転職相談活動とか就業訓練活動等もやっていきたいというふうに考えております。
○稲村稔夫君 ミクロのことだけを考えていけば、ごく小さな地域社会でのことだけ考えていけば、条件のあるところはそれはできていくということになりましょう。しかしマクロ、全体のことで考えていったときにそれは普遍化されなきゃならぬわけですよ。そうしたら、例えば工業導入法でもってどこの農村もそういうものができるというわけにいかないじゃないですか。 それから、例えば一定の年齢に達した方が土地を出して経営移譲年金なりなんなりというようなことが受けられるような体制でもつくられるならば、それは一つの年金ということのあれがあるでしょうけれども、しかし、そういう条件に満たない人が農業をやめて農業よりもほかのことをやりたい、だから何とかしてくれないかというようなことだってそれは起こり得ると思う。 大体労働政策の場合は、直接国が雇用の責任者ではないけれども、しかし地方を離れるという場合には失業保険を出してやり、一定の職業あっせんをしてやり、いろいろな援助をしてやって、そして人間として生きるための条件を確保する努力をしていますね。農政の場合は、これで農政を進めていきますということになると、国の責任で言ってみれば規模を拡大していく中で離れてくださいよという部分が出てくるんですから、そうするとそれに対する対応策というのは国が責任を持ってやらなきゃならぬということになるんじゃないですか。その辺の体制は、予算措置は何かあるんですか。
○政府委員(入澤肇君) 今度も新政策の検討過程、あるいはこれから御議論いただく条件不利地域の中山間地域立法の対策の過程で、各省庁にも一般論として、制度論として農村工業導入だとかあるいは農業者年金基金だとか、こういうふうな制度をさらに充実すると同時に、個別具体的に地域の実情に応じてどのように所得を確保させ、生活を安定させていくかということにつきまして各省庁とも十分話し合いました。 一例を申し上げますと、労働省の雇用調整のいろんな政策を中山間地域にも適用するようにして、そして雇用保険特別会計から、例えば職安を通じて就職した場合に非常に立地困難地域に立地している企業は賃金補てんを受けるというふうなことも適用するようなことも考えておりますし、やっぱり地域の実情に応じて能率的な指導体制というのをつくらなくちゃいけない。農政のところでは、営農指導センターに行きますと、これは町村ごとにつくろうと思っていますが、この予算は確保しております。ここでは経営相談あるいは技術相談、営農相談、税務相談、それからそのほかの転職したときの相談、そういうふうなことも受けられるような仕組みもこれからは広範につくっていきたいというふうに考えております。
○稲村稔夫君 詳細はまだその法案の審議のときにいろいろと疑問になっている点はお聞きをしなきゃならないと思うんですが、今申し上げたように国の体制としてそれじゃその小規模のはどうなるんですか、その小規模に対してどういう手当てをするんですか、これが私は今は聞きたい。そして、それが今度の予算の中で、元年であればもう出発しなきゃならない、元年のものであればそういう予算措置というのはどこにどういう形で講じていますかという、それをお聞かせいただきたい。
○政府委員(入澤肇君) 小規模農家の所得の安定ということが大事だと思うんです。新政策、それから今回の我々のいろんな予算とか何かを見ましても、専業的な農家をつくっていく、あるいは小規模農家は生産組織に入ってもらって一緒になって生産性を上げてもらう、それから個別にやる場合にも、付加価値の高い作物の導入とか何かにつきまして農業指導をやる、兼業所得プラス農業所得あるいは地代収入等でトータルとして所得を安定させるようなきめ細かい指導というのをやっていこうというふうに考えているわけでございます。
○稲村稔夫君 そうすると結局は、私どもの方の方言で言わせていただきますが、「ならうまくやれや」と、こういうことになるんですか。「おまえたちうまくやってやれや」と、こういうことになっちゃうんですか。だって、国の方で特別に予算枠をとってこういうことをしてやりますというのがないんでしょう。
○政府委員(入澤肇君) 具体的には、例えばもう農地が小規模だから農地は他に売りたいあるいは貸したいというふうな場合に、一例でございますけれども、新しく農地保有合理化法人が離農希望者から農地の売り渡し信託を引き受ける、この場合に売り渡し信託の契約時に信託農地の時価の七割を無利子で資金を貸し付けて、生活の安定を図ると同時に農地の流動化を促進するというふうなことも工夫しております。ですから、「おまえら勝手にやれ」というんじゃなくて、そういういろんな政策を組み合わせながら生活の安定を図るように努めてまいりたいと考えているわけでございます。
○稲村稔夫君 一つの例としてわかりました。しかし、そうすると貸付金というのは結局返さなきゃならないんですよ。それは、それだけの仕事がすぐに見つかって対応していけるような人たちの場合は一時借り入れをしても返していくということは可能であります。しかし、条件というのは必ずしもそういうふうにみんな整うわけじゃないですよ。ということになりますと、借りていることが今度は桎梏になるということだってあり得るわけですよね。だから、それは失業保険制度なら失業保険制度が今度は適用になるんですよというんならそれはそれでよくわかるんですけれども、どうもわかりづらい。 だから、その辺のところをもっと整理して、それから考え方も整理をしていただきたい。私の方も整理させていただきたいし、農林水産省の方も、私がわかりづらいんですからね、受ける側がよくわかるような、だれでもわかるようなそういう体制になってもらわなきゃ困ると思うんですよ。
○政府委員(入澤肇君) ちょっと誤解のないように補足させていただきますけれども、無利子で貸し付けますが、これは農地が売れたときに相殺するということでございまして、永遠に貸し付けて返してもらうという話じゃございません。
○稲村稔夫君 じゃ、農地はうんと高く評価をしてあれするんですか。農地を提供したらそれでもって相殺するんでしょう。そうしたら農地が高くなきゃだめですよ、一定程度の値段がなきゃ。言ってみれば耕作放棄をするような、そうして後の借り手がいないような、そういうところで離れたいという人は困っちゃうじゃないですか。
○政府委員(入澤肇君) そういう意味じゃありませんでして、要するに農地を手放すという人に対していろんな手段がございます。一つは、今申し上げましたように農地保有合理化法人が農地を時価で買い入れて、そして買い入れたときに売り渡し信託契約を結ぶわけです、そして買い手を探す。その買い手を探す期間お金を渡さないということじゃこれは困るから、だから契約時にもう既に農地価格の七割は無利子で貸し付けます、それで全部売れましたら全体として相殺します、決済しますと、そういうふうな仕組みですね。 それからさらに、農地保有合理化法人は、農地を買いまして、それを維持管理しながら今度は規模拡大する農家に売り渡していきますけれども、その間農業生産法人も現物出資して、そして農業生産法人の経営基盤を強化するというふうにも使えますので、決して安く買いたたくとかそういうことじゃございません。
○稲村稔夫君 私も安く買いたたくという意味を言っているんじゃないんで、土地の価格というのはそれぞれの地域の地価というのがあるんですよ。それを大きく超えて物をやるなんということはなかなかできることじゃないんですよ。そうすると、地価がうんと安いところというのがいっぱいあるんです、特に中山間地なんかになればそういうところがいっぱいあるんですと、こんなことが心配になるから聞いているんです。 ただし、これはもう法案審査の中に入ってきているみたいな感じですからもうこれ以上は言いませんが、問題は大規模化に重点を置いたときの小零細農家ということ、これは非常に大きな課題なんでありまして、この課題は大規模化を拡大していくとどうしても矛盾としてあらわれてくる解決しなきゃならない大きな課題だというふうに私は思いますので、そのことだけ申し上げておきます。 私に残されている時間はわずかでありますから、あともう一つ伺っておきたいと思うんです。 それは、大規模化をするというのは確かにメリット、常識的にちょっと考えられるメリットであります。しかし、改めてメリットというのはどういうものがあるとお考えになって大規模化ということを提起しておられるのか。それからまた、デメリットについてお考えになっていることはありますか。その点はいかがでしょうか。
○政府委員(入澤肇君) 一般的に農地の流動化あるいは農業生産の組織化によりまして農業経営が大規模化する。この場合のメリットとしては当然のことながら機械の効率的な利用が可能になります。それから作業の効率化が図られます。したがいまして、例えば米の生産費の中でも機械の償却費というのはかなりのウエートを持っていますが、そういうふうなコストが低減されるという効果がございます。それからさらに、労働時間が短縮して、ゆとりのある労働、生活が保障されます。全体として時間的に余裕ができますから、規模の拡大ということがうまく連動すれば全体としての農業所得の向上がもたらされるということでございます。 デメリットというのは、むしろ日本の農業の場合には零細分散錯圃という状況をいかに克服するかということで、規模拡大をしよう、あるいは連担化しよう、集団化しようということで努力していますので、私は大規模化に伴うデメリットというのは取り上げて言うことはなかなかできないんじゃないのか。 ただ経過的に、今先生がおっしゃったように、大規模化の過程で農村における労働共生みたいなことは起きてくる。しかし、これについては先ほど申しましたように可能な限りの政策努力をやって、円滑な労働共生が進められるように持っていきたいというふうに考えているわけでございます。
○稲村稔夫君 ちょうど今度は二十九日にもまた大臣の所信に対しての質問を申し上げることにしておりますが、そこのところで大臣に伺おうと思っている課題も今の局長の答弁の中から出てきております。 しかし、もう時間がありませんからこれはやっぱり時間をかけて大臣から聞いた方がいい、そんなふうに思いますので、その部分はさらに次の機会に回させていただくといたしましても、これはメリットの方の問題、もう一つのデメリットについては私は重大なデメリットがあると思うんですよ。ということは、農業経営ということだけを考えていったときにはメリットを中心にして考えるんでしょうが、しかし社会全体の中で言ったときには私はデメリットのものもかなり重視をしなきゃならない課題があると思うんですね。 例えば、今社会的ニーズは商品の均質化、そろったものとかそういうことの要求を一般的にされます。そうすると、均質的なものをつくっていこう、大規模化でもってそういうものをやっていこうとすれば、例えば肥料一つにしましても化学肥料でもって調製をしていかなければこれはいわゆる天然を由来にする有機質肥料では対応できない、そういう課題でもあるんですよ。そうするとどうしたって化学肥料というものを使って調製をしていかざるを得ないんです。 労働をできるだけ時間数を減らしていくということで機械化もしていく、そしてそういう化学肥料も使っていくということになりますと、その調製も言ってみれば品質をそろえるためのものになってしまって、それで必要以上の化学肥料というものが使われるということになり得る。これはやっぱり社会的デメリットですよ。大きな面でいけばまさに国民の食料の問題としての一つの問題点になってくるでしょうけれども、化石原料をもとにするものがふえるということですね。 それからもう一つは、農薬も多く使わなきゃならなくなります、どうしても。農薬を多く使うということは、それこそ先ほど来の議論じゃありませんけれども、まさに食料の安全という観点からいろいろと問題になってきます。既に現在私が訴えられている問題でも、新潟県ではあの除草剤のCNPのために胆のうがん、胆道がんが発生をしている、どうもその因果関係があるということが新潟大学の衛生学の先生方によって発表されていますね。この問題はまた改めて僕はやらなきゃならない課題なんですよ。 そうすると、まさに今は除草するというのにもう手でなんかやっていられないから、そしてそのためにはまたさらに除草剤も、初期に効くもの、中期に、晩期にという形で使うようになってくる。結局農薬の多使用ということになる。これが健康に全部はねかえってくる。こうなってくると社会的デメリットですよ。農林水産省は大規模化を進めていくという形の中でそういう社会的デメリットに対してどう対応するのか、これは真剣に考えてもらわなきゃならない課題だと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(高橋政行君) 規模拡大をしていくというところで、例えば水稲などにおきまして現在特定品種に偏った作付というようなことも行われていることは事実ですし、あるいは品種を一品種に限っちゃうとか、そういうようなことがあることも見られるわけでございますが、そうなりますと田植え期あるいは収穫期に労働が重なってしまって過重になる、そうしますと規模拡大がむしろそこで難しくなるとか、それから先生が今おっしゃいましたように肥料の施用あるいは農薬散布というようなことにつきましてもきめ細かな配慮ができなくなるというようなデメリットがあるんじゃないかと思います。 それで、今我々がいろいろ普及所などを通じまして指導をしておりますのは、効率的な経営を本当に行うにはどうしたらいいか。規模拡大をしていっても、わせとかなかてとかおくてとか、そういう品種の組み合わせというようなことについてももっと十分に配慮していかなきゃいけないんじゃないか。そういうことをすることによって、まず病害虫被害の危険分散ということもできるだろうし、あるいは労働力の適切な配分ができまして、きめ細かな肥培管理、いわゆる肥料の施用とか農薬の散布というようなことも可能になっていくのではないかというふうに思っておるわけでございます。 特に、肥料につきましては、現在土壌診断ということを農協とかあるいは普及所などでやっておるわけでございまして、そういう診断を十分に活用いたしまして堆厩肥などの有機物の投入、あるいは化学肥料にしましても適切な施用ということの指導が必要なことであると思っておりますし、さらに農薬につきましても病害虫の発生予察情報というものをいたしまして、適切な防除の実施ということを推進していかなければならないというふうに思っております。
○稲村稔夫君 あとは、しょうがない、続編にいたします。時間がありません。
○矢原秀男君 ただいま平成五年度農林水産予算の御説明を大臣から伺ったところでございます。 平成五年度農林水産予算の概要説明を伺いながら、あらあらをちょっとまとめておりますと、農林水産予算の総額、関係省庁分を含めて三兆三千六百八十億円。内訳は、公共事業費が一兆八千二百二十六億円、非公共事業費のうちの一般事業費が一兆二千三百四十一億円、食糧管理費が三千百十三億円、そのほかにNTT事業償還時補助分として百七十四億円を計上されて、これらを含める農林水産予算の総額が三兆三千八百五十五億円となっているようでございます。 その中で、重点項目の一つ一つを拝見いたしておりますと、第一は、経営体の育成と農地の効率的利用。第二は、中山間地域等の活性化と国土保全機能の維持。第三は、技術の開発・普及による農業生産の効率化。第四は、消費者ニーズを重視した農林水産行政の展開。第五が活力ある農業生産の展開。第六、地球的規模の環境問題等への対応と国際協力の推進。第七は、食品関連産業の振興。第八、多様な森林整備の推進と国産材時代への条件整備。第九は、二百海里体制の定着等に即応した水産業の振興。予算の重点事項の九項目の柱の一つ一つが本当に農林水産省で国民生活に対して非常に大事な柱であることを痛感しておりますが、今後とも私も日程の中で順次質疑をさせていただきたいと思っております。 本日は、第四の重点事項の消費者ニーズを重視した農林水産行政の展開の中で、大臣も今述べられましたけれども、「消費者の食品に対するニーズの多様化を踏まえ、消費者の適切な選択等に資するため、特別表示食品について表示の適正化等を図るとともに、食品の規格・包装の適正化、安全性の確保等施策の充実強化を図ります。」と、こういうふうにお話がございました。この第四の柱について、一面でございますけれども、質疑を重ねてまいりたいと思います。 今ぼつぼつ審議会等でもいろいろと御討議されているようでございますが、加工食品について製造年月日を外して賞味期間にするのか、それとも同時に一緒にするのか。そして、ECや米国からは変更の促しもある、こういう経過もあるようでございますけれども、私は地元と国会を行ったり来たり、あるときは視察で全国を回ったりいたしておりますけれども、食べ物については家庭で食事をとることが非常に機会が少ないわけでございます。ですから、買い物をいたしましても、製造年月日がいつなのかということをまず見させていただきます。そのようにして安全であるか、鮮度はどうなのか、こういうことを、小さなことでございますけれども、自分の健康のために気をつけているわけでございます。ところが、国会の中でも外でもいろんなものを買うときに、製造年月日のわからないような、そして賞味期限でもあるんだろうけれども、説明は横に書いてある、上に書いてある、下にと、なかなか時間を費やして見えにくい。最近どうしてそういうふうな格好になっているのかなというのが私個人の実感でございます。 国民生活の立場で、消費者というよりも国民の皆さんが生活をする上では、安全を求める権利、そして選ぶ権利、知らされる権利、そして意見を聞いてもらう権利というものが、権利というよりもささやかな願いというものが私は声なき声の中であろうかと思うわけでございます。これについては、すべての関連する人たちが、機関が食品というものを考えるときに、人間の生命の安全、健康というものを考えた信頼の中ですべてが動いていく、これが私は原則だと思うわけでございます。 そういう意味で、まず厚生省と農水省にお願いしたいわけでございますが、こういう加工食品を含めたものに対して法的にはどういうふうなものによって守られているのか。まず、厚生省の方から伺いたいと思います。
○説明員(織田肇君) 厚生省では、食品衛生法によりまして、公衆衛生の見地から、販売に供される食品や添加物等に関する表示につきまして必要な基準を定め、食品の製造・加工業者等に対しまして食品への表示を義務づけているところでございます。 現在、表示すべき基準といたしましては、食品の名称、製造または加工の年月日、保存料等の食品添加物、保存の方法等の表示を求めているところであります。
○矢原秀男君 厚生省にもう一つお願いしますが、今お話がございました食品衛生法の表示の基準第十一条を言われたと思います。これには規則第五条というものも含めた中で、安全とか国民の皆さんに責任を持つ立場の法的なものが明示をされて、これに対してメーカー側も流通側も遵守をしていると思うわけでございますが、厚生省の方にお尋ねをしたいのは、食品の日付表示に関する検討会の設置並びに御討議もされているようでございますけれども、国内からはどういうふうな意見が出てきてこういうふうになったのか、そしてまた外国からはどの国とどの国から意見が出てこ一ついう検討をなされるようになったのかお願いします。
○説明員(織田肇君) まず、製造年月日等日付表示に関します国内での意見でございますが、一つは、製造年月日に関しまして出ております意見は、製造の加工技術あるいは流通技術等の進歩によりまして多種多様な食品が出現しており、製造年月日が品質劣化の目安というふうには現在なかなかなっていないという点が一つあるということ。 それから、核家族化の進行等によりまして、消費者の食品に係る情報が伝承されにくくなっておりまして、消費者の食品の品質劣化に関する情報が不足してきているということで、製造年月日に関して、いわゆるスタートで品質の目安とするか、あるいはできればエンドの方でということが考えられないかという意見がまず国内ではございます。 それから国外の方に関しましては、製造年月日表示につきましてEC及び米国から、国際的な規格、これはコーデックスというものでございますが、それに則した制度の導入を検討すべきではないかとの要望を受けております。 具体的には、ECからは平成二年の六月に、輸入年月日にかえて期限表示を導入することができないかとの要望がOTO、これは市場開放問題苦情処理推進本部でございますが、ここを通じて提起されております。また、米国からは、平成四年七月の日米構造問題協議フォローアップ会合の場におきまして、コーデックスの規格に則した日付表示制度を導入すべきではないかとの要望が出されているところであります。
○矢原秀男君 今ECから平成二年に、米国からは去年でしたか、一九九二年と思いますけれども、外国からは国際法によってというお話がございますが、製造年月日プラス賞味期限というものをつけてほしいという要望なのか日本で農水省で今農林規格がございますけれども、そういうものに対する製造年月日を外して賞味期限だけにしてほしいと言っているのか。今申し上げたように製造年月日と賞味期限というものを一緒にきちんとしてほしいと。外国からはどういう要求なんですか、はっきり言ってください。
○説明員(織田肇君) 外国から出ております要求というのは、これはコーデックスという国際的な規格がございますが、この中では、いわゆる期限表示といいますかエンドの部分を表示するというのが国際規格でございます。英語で申しますとデート・オブ・ミニマム・デュラビリティーということで、厚生省の方では品質保持期限と訳しておりますし、農水省の方では賞味期限というふうに呼んでおられるわけでございますが、具体的にEC、米国から出ているのは、先進国の中では製造年月日をとっているのは日本だけであるから、日本でもこのような国際的な規格に則した制度をとってほしいという要求が出ているわけでございます。
○矢原秀男君 いや、私はこれはまだ農水省に聞いていませんけれども、人間の生命、日本の国の歴史や文化の中で生い立ってきた我々の食生活に対して、外国から今言われたようなことでそれをそのまま聞こうとするもし厚生省の姿勢があるとすれば、これは私は日本の消費者の皆さんに対する大変大きな裏切り行為ではないかなと思います。 消費者は新鮮、安全、そして知りたい、食べる物を。栄養の分析はどうなっているのか、そこまででも知りたいと言っているのに、アメリカやECがそういうふうな国際的な関係で簡単な方法にというふうなことは、これは逆行の、何か午前中の、さっき私の前で社会党の皆さんからお話がありましたけれども、外国の輸入製品だってここでは論じませんけれども問題があるんです、食生活の中で検査をするためには。 じゃ、厚生省の方に特に私がお願いしたいことは、そういうアメリカやECの言いなりになっていってもらっては困る、こういうことでございます。我々消費者というものは、安全と新鮮、そうして食べ物に対して本当に知っていきたいという情報が欲しいのに、そういうふうな印刷ラベルというのは簡単じゃないですか。そこに信頼制度があると思っているのに、今ちょっと伺いましたけれども、ちょっと逆行しているなと思うわけでございます。 じゃ、農水省にお願いしますけれども、農水省では国民の生命の安全や健康という立場で農林物資の規格、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律というものがあるはずでございますけれども、第何条にあって、そうして国民の皆さんの安全、新鮮、そういうものに対しての努力というふうなものは法の上では具体的にどういうものを区分けをしていらっしゃるのか伺います。
○政府委員(須田洵君) JAS法と私ども略称しておりますが、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律と長い名前でございますが、これにつきましては、消費者にとりまして商品選択上必要な情報を提供するという観点から、昭和四十五年のJAS法改正によりまして、たしかJAS法の第十九条の八という条項でございますが、品質表示基準制度を設けております。 これは、先ほど食品衛生法の話は厚生省の方からございましたが、私どもとして、JAS規格というものが制定されている品目のうち政令で指定するものにつきましては、国産品、輸入品を問わずすべての製品を対象にいたしまして表示についての基準を設ける、できる限り表示を乱れないように統一化してやっていくべきと、こういう考え方に沿うわけでございます。これに基づきまして、個々の製品に品名、原材料名、日付あるいは内容量、使用上の注意等を一括して表示させる制度でございまして、現在まで四十六基準が制定されておる状況でございます。
○矢原秀男君 今お話がございましたように、第十九条の八、これは厚生省とも趣旨というものは御一緒だと思いますけれども、適正化に関する法律があるわけでございます。 今JASの規格のお話がございましたけれども、これができた制度の概要というものは、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律が昭和二十五年にまずできて、そうして農林物資の品質の改善、それから消費者に対しては、選択に資するための、すべての一生懸命できる範囲内の選択に資するための品質というものの表示をされているわけでございます。 こういう中で、問題は品質表示基準の問題でございますけれども、私たち消費者としては表示の規格があって、そしてさらに賞味期限のものでもあればさらに安心をする。そしてその上に、もし我々が願うならば、大量生産でございますから防腐剤というものは人間の害にならぬようにどの程度になっているのか、そして栄養の問題というものはどういうものなのか、ここまで欲すれば我々もいいわけでございますが、そこまでもいかない問題であるから、ささやかな安全の願いというものを持っているのに、まずEC、アメリカから国際的な規格に合わせてほしいという中でそういうふうな一つの項目を外していこうというような形をやられてしまうことになると、私たちは心配でしようがないわけでございます。 この点は、まず農水当局に伺いたいと思うんですが、食品の日付表示についていろいろと懇談会の運営が行われているようでございますけれども、その経過をまず報告していただきたいと思います。
○政府委員(須田洵君) 先ほど一つ言い漏らしましたが、製造年月日の関係については先ほどのようなことでございますが、その後、昭和五十一年に、品質変化の比較的早い品目につきましては製造年月日に合わせまして賞味期間及び保存方法、つまりどういう保存方法でやればいつごろまで、例えば六カ月なら六カ月の間おいしく食べられるという意味での期間も表示をしてくださいという形にしているわけでございます。 それらの運営を踏まえましてまず申し上げたいことは、先ほど来矢原委員からも外国の話が出ておりますけれども、この点につきましては、私どもとして外国よりもむしろ先に国内におきましてかねがね日付表示につきましては論議があるところでございます。 一つは、消費者の立場にとりましても、製造年月日表示、いつつくったという表示だけではその食品の品質がいつまでもつのかわかりにくい。いろんな食品が出てまいりますから、それだけではなかなか不十分ではないかという議論。 それからもう一つは、これが非常に論議のあるところでございますが、製造年月日表示というものが過度の日付管理によります配送コストの上昇あるいは返品等の誘因となるということでございました。これは端的に言いますと、私どもでもあるいは一般の消費者でも店頭から、まあ物にもよりますけれども、製造年月日を見て少しでも新しいものから買っていく。そうすると、日もちのするような品目も含めまして若干でも日がおくれていますとそういうものがかなり残っちゃう。その結果、これはもう返品というような形になっちゃう。あるいはそれをどこかに捨てるということになりますと、環境問題なり資源の問題も出てくる。こういうロスというのは、結局ある意味では消費者にもはね返ってくることでもないか。 そのあたりは決して製造年月日の問題だけではないと思いますが、最近の量販店とメーカーの間のいわば取引慣行といいますか、そういう上での課題もあろうかと思います。そういうものが折り重なる形で、果たして消費者に対するこういう過度の日付管理ということによる問題ということについて見直すべきじゃないだろうかということが、平成二年あるいはその前ぐらいから私どものいろんな流通問題の研究会等の場におきましても既に指摘されてきたところでございます。 ただ一方、これは当然見方がいろいろございまして、消費者のサイドに立ちますと、確かに過度の鮮度志向がないとは言い切れないかもしれないけれども、長い間製造年月日表示になれてきたという実態を踏まえますと、食品の特性に応じた適切な日付表示のあり方ということで検討することは当然あってもいいんではないか。しかし、従来長い間なれ親しんだということについてよくよく配慮してほしいというような声がおのずと出てくるわけでございます。 国内には以上のような論議がある中で、先ほど厚生省さんの方からもお答えがありましたように、国際的にも日本の製造年月日表示というのは、ある意味では日本だけと言ってもいいほどで、非常に特徴のある、ある意味ではそれだけ進んでいるんだという見方もあろうかと思いますけれども、やはり突出した存在になっている。国際的なルールからいいますと、まあ言葉の訳し方はどうするかあれですが、一定の賞味期限表示なり品質保持期限なり期限表示であると。こういう保存条件ならこの商品はいつまでちゃんとした商品特性を持ちますよという表示で、そこさえきちっとしていればいいじゃないかと、みんなでそういうルールに合わせてもらえないだろうかというのが昨今さらに出てきている。 こういう内外の議論というものを踏まえまして、私どもとしてもこの際十分この問題についての議論をしていく。そうした議論につきましては、単に日付表示の問題単独ということではなくて、食品表示問題全体としての視野からもっと詰めていかなくちゃならぬのじゃないか、かような見地に立ちまして、昨年の三月に食品表示問題懇談会ということで設けまして、これまで精力的に検討を続けてきたというところでございます。
○矢原秀男君 今お話を伺いましたけれども、一〇〇としますと八〇%がメーカー側の御意見が非常に深く入っているように私は感じるわけなんですが、肝心の消費者、言いかえれば国民の皆さんの食生活に対する観点というのが非常に少ない、メーカー側に非常に寄っていらっしゃるなと。 これは、きょう百科事典を引いてみたんですが、「賞味期限」ということについての説明でございますが、「加工食品は一見しただけでは鮮度が分かりにくいことから、食品衛生法が製造年月日の表示を義務付けているだけでなく、とくに鮮度が問題になる即席めん、ハム類などには賞味期限が表示されることになっている。最近ではペット・フードにも賞味期限が表示されるようにもなった。この賞味期限は消費者の役に立っている反面、不必要な食品にまで販売手段として悪用されたり、期限が短かすぎて無駄を増やしているとのマイナス面も目立ち、制度運用に批判も出ている。」、こういうことも書いてありますね。だから、私は、食ぜんに私たちが食べていくところの加工食品、もちろん生鮮食品もございますけれども、特に加工食品については製造年月日、そして賞味期限というものがあれば本当に安心して買えると思うんですね。 今国際的な問題が非常に言われております。先ほども農薬の問題のお話がございましたけれども、外国から日本にそういう食べ物が入ってくるときに、製造年月日、本当言うたらあれは輸入年月日だけなんでしょう。もし間違いだったら後で言ってください。それは、輸入をする商社が向こうの製造年月日やなんか書いてないから、それでは日本人の人たちが文句を言うから輸入の年月日だけでも入れてくださいと入っているのと違いますか。外国こそ製造年月日、どういうふうな保存の方法が長期でやられているのか、どういう薬品を何%入れているのか、人体に何日になれば害があるのかどうか、本当言うたら明確にしてもらわなければいけないのに、私は、先ほどの質疑を聞きながら、ここまで我々が無責任になったらいけないと思いますよ。 あえて言うなら、今アメリカとECからの問題と言っておりますけれども、一九六二年に消費者の権利で、アメリカのケネディ大統領は消費者保護特別教書で消費者の四つの権利、今申し上げた安全を求める権利、知らされる権利、選ぶ権利、意見を聞いてもらう権利、これを打ち出している。 これではまだ足りないというので「消費者の権利の日」というのをつくっている。三月十五日を消費者の権利の日にしようとすることを提唱している、ケネディは。救済を求める権利、消費者教育を受ける権利、健康な環境を求める権利、この三つを加えて消費者の七つの権利と言っているんですよ。そのアメリカが日本できちっとしているものにもうちょっと簡単にしてくれとか言うはずがない。もしそんなことを日本政府に言っているんであれば、これは人種差別だ、問題は。 そして、ブッシュが大統領をやめるときに、アメリカの厚生省では人間のダイエットに便利な新食品成分表示法を発表しております。これまでの食品ラベルは脂肪十二グラム、塩分六百六十六ミリグラム、こういうグラム表示だけだったが、新ラベルは、一日の必要カロリーは女性が二千キロカロリー、男性が二千五百キロカロリーを基準に脂肪、塩分、コレステロール、炭水化物など十四種類の栄養分について、その食品を食べた場合、一日の必要量の何%に相当するかを表示する。足し算して一〇〇%になれば必要十分というわけで、心臓病などの持病を抱えた人々から大歓迎をされている。 米国での十の主要死因のうちの五つが脂肪のとり過ぎ、食事に関係しているとされており、わかりやすい食品ラベルを求める声が高まっていた。この日の決定はパーセンテージ表示に踏み切ろうとする米食品医薬品局とそれに反対する農務省の二年越しの対立があったというんです、アメリカでも。日本で言えば農水省と厚生省ですか。これについて当時の厚生長官は、新ラベルは信頼できる上わかりやすいと会見で胸を張った。米国では、一九九四年五月までに生鮮食品以外のすべての食品に新方式で表示することが義務づけられたが、この方式が各国の食品ラベルに波及するのは必至であると、こういうふうにも言われている。 だから、私は、ECやアメリカから日本でやっている皆さんの努力に対して圧力を加えるはずがない、意見を強烈に言うはずがない。日本のように外国もしたいというのがECやアメリカの考え方と違いますか。 これは最後に大臣から、私が今質疑を重ねた中で、あなたが話された後に大臣の所感を伺いたい。
○政府委員(須田洵君) 正確な話はむしろ厚生省さんからお答えすべきかと思いますけれども、これはもうそんなことは言っていられませんから、誤解のないようにきちっとしておきたいと思いますが、外国からの輸入品に対して、例えば残留農薬とかあるいは食品添加物とか人体に必要な表示義務というものは食品衛生法てきちっと設定されております。その中で、製造年月日の問題、これは国内におきまする場合は製造年月日でございますから、それに合わせてできるだけ製造年月日を書いてくれということにもちろんなりますけれども、しかし向こうとしてはそれが書けないという場合においては輸入年月日というふうにかえてもいいと、そういう今の規定ぶりになっているはずでございます。 問題は、国内におきまして、人体の健康に必要な表示が必要だと思われるものに関しまして内外まさに無差別ということで表示をされておるということだけはまず申し上げておきたいと思います。そして、その場合に残る問題は、外国といいますか、日本だけがこの製造年月日というものをシビアに歴史的に古く取り上げて今日まできたと。そういう慣行的なといいますか、そういう違いというものがやっぱりどうしてもある。 そこで、ヨーロッパなりアメリカは、賞味期限といいますか、あるいは品質保持期限といいますか、どういう保存状態であればいつまでもつかということを明確にするということが国際的なルールとしてあるんだから、それは少なくともちゃんと我々も満たすようにするけれども、製造年月日について義務づけをさらに続けていくということについてはやっぱりちょっと考えてくれないかと、こういうふうに言っているというふうに理解しております。
○国務大臣(田名部匡省君) いろんなお話があるだろうと思うのでありますが、消費者の立場に立って一体何がいいのかということをいろいろ考えまして今度のあの表示につきましてもやりましたが、これでも意見ありまして、私どもは、とにかく今よりも前進させる、安心して買えるようにしてあげるということを考えておるわけでありますが、私も時々自炊をいたしまして、太り過ぎだというんで、尿酸が高いという、以来、自分で買いにいっても、脂肪がどのくらい、塩分がどのくらいと何かもう必ず見るようになっちゃって、一番低いのを買うようになるんですね。そうしてみると、表示というのは確かに素人にはいいなという感じを受けます。 したがって、私は賞味期間にしても、ただ私の娘なんかは、表示の賞味期間を見て、ああこれはもうだめだと言ってどんどんどんどん捨てているんで、私はもったいないと思うんですが、そういう面もあろうかと思うんです。 いずれにしても、いいことはやっていくと。やりたくない人は、これは商売ですから、情報をうんと提供して、そのことがどんどん売れればみんなやっていくんであって、そういうもののない物はもう買わないということになる。消費者の選択だと思うんですね。その選択に合わせて商売というものはやっていかなきゃならぬというふうに考えます。 いろいろ業界によっては問題もあるようでありますから、十分その辺は理解をしてもらって、そしてあくまでも消費者の立場ということに立って私どもは取り組んでいかなきゃならぬというふうに考えております。
○矢原秀男君 最後に。 今、大臣からお話を伺いましたが、今対象品目の四十四品目、四十六基準、こういうことがありますけれども、いろいろの形があります、確かに。今言われた、当局で言われているようないろんなものが、消費社会、資本主義社会でございますからいろいろなことがございます。しかし、忘れてはならないことは、国民生活の中で買物をされる方々が安心をされる物差しというものが、より情報豊かな物差しというものを提供していく義務というものが指導監督の省庁にはあるということを忘れるようなことがあれば大変なことになると思うわけでございます。 きょうはこの程度にさせていただきます。
○林紀子君 まず、私は他用途利用米問題を質問したいと思います。 二月十八日の衆議院農水委員会で我が党の藤田議員が質問をいたしました。その結果、全農は他用途利用米の売買差益について共同計算の結果を公表し、差益額と使途を明らかにし、一九八四年から八九年までの分十五億三千三百万円を農家に還元すると発表いたしましたけれども、全集連ですね、確かに全農と比べて割合は少ないと思いますけれども、これも同じような状況があると思います。これも公表して農民に返すべきだと思いますが、どのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 全国主食集荷協同組合連合会、いわゆる全集運におきましても全農と同じように米穀の集荷、販売を行っているわけでございまして、他用途米につきましても全農と同じようにそれに取り組んでいるわけでございます。 私どもといたしましても、全農に指導したのと合わせまして、全集連に対しましても同じように共同計算内容の生産者への説明、あるいは流通経費の合理化とか価格決定の適正化等によります差額の適正化、さらには差額が発生した場合の生産者への還元につきまして指導いたしておるところでございます。 全集連におきましては、共同計算運用改善について現在取りまとめを行っておるところでございまして、私どもが承知しておりますところによりますと、四月半ばごろには組織としてその取り扱い方針を決定するというふうに聞いておるわけでございます。
○林紀子君 それはきちんと指導していただきたいと思います。 他用途利用米については、これは食糧庁が発行いたしました「他用途利用米の手引 一問一答集」という中で、多い用途、他用途ではない、多い用途とすると、主食用や酒用等も含め多くの用途に使われるという誤解が生ずるおそれがあり、適当とは考えられませんというふうに指導していらっしゃるわけですが、この間用途はどんどん拡大されてきている、まさに多い用途、多用途になっているのではないかと思います。 それについての歯どめがあるのかということをお聞きしたいのですが、特に加工米飯つきましては食糧事務所の所長が審査をするということが、これは食糧庁長官の通達によってされていると思いますけれども、どこに歯どめを置くのかということを聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 現在、他用途利用米自身、減反の緩和によりましていろいろつくること自身に問題が起きておりまして、そういう意識が出ているわけでございますけれども、実際は米の需要の減少に伴いまして減反を強化しなければいけなかったわけでございます。そういう中で、転作の一つの形態としてむしろそういう転作をスムーズに行うために導入したわけでございまして、生産者側からもそういう要望があったわけでございます。一方、需要者側につきましても、過剰米の処理が終わりまして、それが終了したことに伴いまして加工用需要へのそういう米が必要であると。その両々相まって現在に至っているわけでございます。 導入当初につきましては、従来から過剰米により供給されていましたみそとか米菓とか米穀粉等の用途に供されていましたが、今申し上げましたように、その後転作等の目標面積の拡大に伴いまして、現場からの要請もあって、ほかの用途にもそれを拡大してきたわけでございます。 ただ、主として加工用需要に供されるわけでございますけれども、加工用需要につきましても、大体百四十万トンのうち、自主流通米、他用途米それから規格外米がそれぞれ三分の一程度ずつ利用されているわけでございまして、自主流通米から仮に他用途利用米への切りかえによるようなことで他用途利用米が拡大する場合には全体的な農家手取りを減少させることになるというようなこともございまして、他用途利用米の拡大につきましても自主流通米の加工用需要の量は減らさないというようなことで指導してきたところでございます。 具体的には、従来から供給していました過剰米を供給していた用途、それとさらに原料用使用量が増大している用途に供給先を限定しているわけでございます。ただ、後者の原料用使用量が拡大している用途に供給する場合につきましては、先ほど申し上げましたように、自主流通米の使用量を減少させないというようなことで使用量が増加する分に限って供給する、それから新しく用途を開発する場合には関係者の間で協議するというようなことでそれぞれ適切な対応をやってきているところでございます。
○林紀子君 それで歯どめになるのかどうかということがよくわからないわけですけれども、会計検査院の方に来ていただいておりますのでお聞きしたいと思います。 この他用途利用米には国からトン当たり五万円という補助金が支出されているわけですね。しかし、今見てきましたように、使途不明金が発生する中でこの補助金が本当に適正に使われているのか、また需要団体にこの他用途利用米がきちんと渡っているのかどうか、そういう検査というのは行っているのでしょうか。
○説明員(大和顕治君) 食糧管理特別会計予算の執行状況につきましては、従来から関心を持って検査しているところでございます。他用途利用米助成金につきましても、その一環といたしまして、助成金の対象となる数量が適切に確認されているか否か、他用途利用米は用途が制限されておりますので、その確認が的確になされているかなどの点につきまして検査を行っているところであります。 助成金の受領に関しましては、生産者から全農等に委託されていることでございまして、全農等に交付されております販売代金等と共同計算で処理されているわけでございますが、その処理が助成金の趣旨から見て効果が発現したものとなっているかなどにつきまして関心を持って今後とも検査してまいりたいと思っております。
○林紀子君 用途についてですけれども、業界の方は、輸入ずしや牛どんに対抗するために安い他用途米をくれと言ったらそこがまた広がっていくんじゃないかと、そういう懸念というのは今お話を聞いた中でどうしてもあるわけですけれども、減反緩和と言いながら政府米の価格の半値の他用途利用米をさらにふやして、それを農民に義務だ強制だというふうな形で押しつけていく、一律配分をしたり。 これは大臣の地元の青森ですけれども、他用途利用米を全量確保しなかったら限度数量が減らされる、自主流通米の枠が減らされる、他用途利用米がさらにふえる、転作が強化される、こういうことの恐れがあるんだというような、こういうカラーのビラまでJA、青森県そして食糧事務所も一緒になってまいているということも聞いているわけで、ぜひ一律配分とかこういう強制とかということはするべきではないということを強く申し上げて、次の質問に移らせていただきたいと思います。 岡山市の本陣山ゴルフ場の開発をめぐっては、自民党の元県会議長で現職の県議がゴルフ場の開発業者から千百万円のやみ献金を受け取っていたことから、岡山県議会では、本陣山ゴルフ場開発問題調査特別委員会、こういうものを設置するなど大変大きな問題となっています。この過程では、岡山市と御津町にまたがる百五十四ヘクタールにわたる農振地域の変更が行われまして、この点についても疑惑が生じているわけですが、そこでお伺いしたいと思います。 中・四国農政局では昭和六十二年に特別管理地域の指定、つまり農振計画の見直しということで岡山県と協議をしていると思いますけれども、そのとき県からはどのような見直しの理由として説明があったのかということをまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(入澤肇君) 今御指摘がありましたとおり、地方農政局では農振計画の見直しに関する特別管理地域の指定協議を受ける際には、主として農振計画の策定後おおむね五年を経過していること、あるいは当該地域をめぐる経済事情の変動その他情勢の推移によりまして農振計画の再検討を行うことが必要かどうか、そういう場合に指定協議の聴取をすることにしているわけでございます。 そして、今、中・四国農政局からの報告によりますと、御津町と岡山市につきましては岡山県から次のように内容聴取をしているという報告がございました。 まず御津町でございますが、吉備高原都市の建設、新岡山空港、県営工業団地等の大型プロジェクトが進行し、取り巻く社会情勢が大きく変化してきた。このため、農業基盤の整備や開発及び生活環境など総合的な視点に立って見直す必要が生じたということでございます。 岡山市につきましては、畜産基地建設事業の計画予定地として農用地区域に含められていた土地が地元の悪臭などに対する反対運動がございまして、これにより事業計画が取りやめになったために農業上の土地利用を図る見込みがなくなったということ、また、ゴルフ場の建設も計画されていることから、当該区域も含めた土地利用につきまして検討する必要が生じたというふうに報告を受けております。
○林紀子君 岡山市からは、明らかにゴルフ場を建設すると、そういうことを付して相談が行われているわけですね。 ここにゴルフ場をつくるためには三つの障害があったということが言われているわけですけれども、まず総量規制問題というのが岡山県にはあった。一つの自治体でのゴルフ場の総面積は当該自治体の総面積の二%以内という大変厳しい制限があったけれども、それが八八年の十月には改正されて三%まで基準が緩和された。県の幹部は空港利用促進のために特別枠を設けたが、これは政治的判断だというふうに発言しているということが報じられているわけですが、その半年前には問題の県議に褒章祝い金ということでゴルフ場の開発業者から百万円のお金が渡っているわけですね。 その次の障害が移動土量問題ということで、県の規制では十八ホールを基準にして百ヘクタール当たりの移動土量百万立方メートル。ところが、建設を予定していた業者というのは四倍の四百万立方メートルの土量を移動したいと県の方に申請をしていた。県はそれはだめだと言っていたわけですが、八九年の八月ごろに二十七ホールだから基準の一・五倍の土量を認めると、今までより百万立方メートルも多い土量移動を認めた。県がホール数を目安に移動土量を認めたのはこのゴルフ場だけと言われているわけですが、やはりその半年前には同じように新巻きサケのおなかの中に現金百万円を入れてお歳暮だと業者から県議に渡っているということなんですね。 そして、三つ目といいますのがこの農振地域の解除なんですよね。この農振地域の解除見直しといいますのは、昭和六十二年、一九八七年の九月十一日に協議を始めて翌日の十二日には農政局から県に協議の回答が行われ、同じこの九月十二日に県から市町村に指定の指令がなされている。どうしてこんなに短期間で、たった二日間でこういうことが行われたのか、そのことについて伺いたいと思います。
○政府委員(入澤肇君) 今お話がございましたように、昭和六十二年度における中国四国農政局管内の農振計画の見直しに関する特別管理地域の指定協議、これは全体で二十八市町村、うち岡山県では四市町村あったわけでございますが、これに対する回答はすべて昭和六十二年九月十二日付で一括して行っているわけでございます。 御津可及び岡山市に関する岡山県からの中国四国農政局への協議は、御津町にありましては昭和六十二年の七月二十八日、岡山市にありましては昭和六十二年九月十一日に行われました。そして、同年の九月十二日に中国四国農政局長から岡山県知事に異議のない旨の回答がなされたということは事実でございます。 これは事前に先生にも御説明いたしましたけれども、農振計画の見直しに関する特別管理地域の指定協議に際しましては、通常地方農政局は都道府県知事からの文書による正式協議の前にあらかじめ県事務局から内容を十分聴取するということにしているわけでございます。この岡山市の指定に当たりましても、その内容につきましては事前に十分に聴取していたものでありまして、事務手続上岡山市の件が他の市町村におくれて協議がありましたので、岡山市だけ分離してやるというわけにいきませんので、一括して岡山市を含めまして同日付で回答を出したということでございまして、申請があったから審査もなしに翌日回答したということではございません。
○林紀子君 そういうお話ですけれども、例えば昭和六十年度に指定された岡山県の山陽町では、協議から回答まで一カ月半かかって、回答から指令まで一カ月以上もかかったと、こういうことになっていて、これが通例だと思うわけですね。 やみ献金を受け取った県議は、記者会見で農政局に地元の人と同行したと言っています。また、開発会社の元役員も有力県議に働きかけを依頼し、農政局に農用地解除を要望してもらったと証言しているわけですね。 当時、農政局ではだれが、どういうような要請を受けたのかということを調べていらっしゃいますか。
○政府委員(入澤肇君) きのう御質問がございまして、中国四国農政局に照会いたしました。それによりますと、この県会議員から農振計画の変更につきまして具体的な要請を受けたことはないというふうに報告を受けております。
○林紀子君 ないという話ですけれども、記者会見の公の場でこのやみ献金を受け取った県議は、地元の人を引き連れて行ったと言っているわけですね。そしてまた、開発会社の役員の方も農政局に要望をその県議にしてもらったんだと言っているわけです。 それで、農政局長が実際にこの県議と会ったという話も聞いているわけですが、当時の農政局長というのはどなたですか。
○政府委員(入澤肇君) 吉川汎局長でございます。
○林紀子君 これはその方に直接問い合わせをしていただいたんでしょうか。
○政府委員(入澤肇君) 一般的に儀礼的にあいさつを受けることはありましても、内容につきまして特別にどうしてくれという要請を受けたというふうには聞いていないということでございます。
○林紀子君 そうしましたら、儀礼的なごあいさつは受けたということになるわけですね。
○政府委員(入澤肇君) あいさつを受けたかどうか、私も現場にいたんじゃないからわかりませんけれども、一般的に県会議員の皆さん方が地方局に来て事情を説明したりあるいは名刺を置いていったり、そういうことはあると思います。
○林紀子君 そういう意味では、この本陣山ゴルフ場問題では、既に開発会社の社長、常務が贈賄罪で略式起訴をされまして罰金刑というのが確定しているわけですね。開発に絡んだ問題、農地が絡んだ問題でこういうような贈収賄事件というのが発生するというのは、本当にゆゆしい問題だと思うわけです。 最後に、大臣にお聞きしたいんですけれども、これは単に一地方の問題だけではないと思うわけですね。今、金丸巨額脱税事件ということで日本じゅうが怒っているわけですけれども、農水省も、先ほど来お話がありますけれども、多額の公共事業と許認可の権限を持っているところです。こうした疑惑がいささかでも生じないように厳しい指導というのを強めていく必要があると思いますけれども、その辺に対する御見解、御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 厳しく指導してまいりたい、こう考えております。
○星川保松君 私は、きのうからいわゆる新農政についていろいろ質問をしておるわけでありますが、きょうはせっかく大臣がいらっしゃいますので、きのう質問したことを一つだけ大臣に質問したいと思うわけでございます。 といいますのは、新農政では農業の労働時間それから所得水準を他産業並みにするんだということをうたっておるわけでありますが、そのことは三十年前の農業基本法の第一章第一条にやはり「農業従事者が所得を増大して他産業従事者と均衡する生活を営む」と同じことをうたっているわけなんですね。それで、農業基本法に掲げて目標としたことが三十年たって達成されなかった。そのことを今度はまた達成しようということで、いわゆる古い旗印をもう一遍ほこりを払って持ってきたということになると、新農政の「新」がおかしいんじゃないかと、こういうことを聞いたんですが、大臣はどう思いますか。
○国務大臣(田名部匡省君) 時代は刻々と変化をしてまいりまして、ここ二、三十年の変化というものは、私たちが予想した以上に世の中は変わったと思うんです。これだけの工業国として発展していくと予想した人はいなかった。しかし、じゃ、あの当時のそうした農業基本法のもとでは同じように農家の所得の向上、労働条件を他産業並みにしたいという目標を掲げてうまくいかなかったのかというと、畜産でありますとかは今多少問題はありますが、施設園芸の分野、そうしたものがどんどん進んで農家総所得が勤労者世帯を上回るに至ったという一定の成果は上がってきた。 しかし、ここにきて他産業の方が魅力あるということで若い人たちがそちらに行く。一方では、機械化がどんどん進んで従来のような手でやる時代ではもうなくなったものですから、家族全部でやる農業でなくなったという面も、これは機械化が進んだということの一つだろうと思うんです。そういう変化がありました。 しかし、考えてみると、農村社会というものを崩壊させていいかということになるとこれはまた別な問題でありまして、何とか二種兼業、働きながら農業をやるという人がどんどんどんどんふえて、所得全体で見ればサラリーマンよりも上だということではあっても、何とか村に残りながら働ける状態というものをつくれないだろうか。そういうことになると、みんなが兼業農家になってしまうと、専業的にやる人がいなくなるという面が新たに出てきた問題でありまして、そういうところで、働きに行く人はそれでいいとしても、本当に残って農業を何とか守ろうという人のためには一体どうあらなければならぬかというところに移ってきまして、そういうことで新農政というものをいろいろ考えながら、新しい時代に合った政策で出した、こういうことであります。
○星川保松君 いわゆる基本法で農業の方も伸びたけれども、商工業、他産業の方がさらに伸びたということでその差は詰まらなかった、こういうことだろうと思います。 ただ、農家の皆さんがどういうふうに受けとめているかということを率直に考えてみますと、基本法農政の基本法ができたころは、まだ農家は何をつくっても売れましたり、希望を持って農業がやれたと思うんですよ。ところが、三十年たった今、基本法にのっとった農政下においてもう何をつくっても引き合わないと言っているわけですよ。それで、もう赤字になるし、土木作業員の日当にもならないということでみんなやめちゃって、それで部門ごとにもう捨てちゃうんですね。失業しちゃって、それで土木作業に出ていくというような状況になっているわけなんですよ。農業だけではもう食っていけない、そういう農業になってしまった。それで、嫁さんも来ないということで、四苦八苦して外国からお嫁さんをもらってくるなんというようなことで苦しんでおるわけであります。したがって後継者もいない。それで結局、農業はじいちゃん、ばあちゃん、母ちゃんの三ちゃん農業になってしまった。 結局、基本法農政下において、農家の皆さんはもう農業がだめになってきたというふうに受けとめているんだと思うんですよ。その点について一言ひとつ。
○国務大臣(田名部匡省君) 東北で、実態はやや似ておるんだろうと思うのでありますが、非常に発展した地域とそうでない地域というのがある。私の八戸の場合は、新産都市の指定を受けましてから人口もふえ、農地がどんどん高くなりまして、もうそんな一坪二十万のところでネギをつくってもというようなことがありまして、むしろ別に利用した方がいいということで発展していった地域もあれば、あるいは全然何をやってもだめだという地域もあれば、規模を大きくやってうまくやっているところもあればということであります。一つは、流通が非常に発達したということで競争をますます強いられた。競争力のないところはもういよいよおかしくなってくるということが一つあるんだろうと思うんです。 おっしゃるとおり、農家の人たちに会うと、私の親戚は全部農家なものですから、農業はだめだだめだと言うんですが、もうだめだと言うなと。後継ぎがいないという言うんですよ。給料を払っているかもらった嫁さんに給料をやっているかというと、やっていないんですね。ただで働く人はいないので、規模が小さくて結局給料を払う程度の農業をやっていないものですから、そういうことも一つあろうかと思うんですね。 ですから、余りだめだだめだと言わぬで、いいところもある、夫婦で共同作業はできるし、休みには子供も手伝える、定年もない、そういうこと等を生かしながら、農業の魅力というものをもっと国民にPRして、いいなと思わせないと、これは嫁に来手がありません。親が、みんながだめだめと言うんでは、そんなだめなところに行くわけはないんです。 ですから私は、そういうことでなくて、農家の発想というものを変え、一体所得はどのぐらいになるかという計算のもとに適当な規模をやるというようなことをやって、取り組む人たちも支援する我々も一体となって農村というものをもう少し考えていかなきゃいかぬ、こう考えております。
○星川保松君 今回の新農政というのは読んでみればみるほど大変な改革なわけですね。私はもう農地改革以上の大改革ではないか、こういう思いがするわけですよ。といいますのは、育成すべき経営体というものを農地集積してつくり上げていくんだ、十年間で個別経営体が十五万戸、組織経営体が二万戸ということで、これが農業の大宗を占めていくというようなことでありますから大変な改革だ、こう思うわけであります。ただ、ここで経営感覚にすぐれた経営者ということをうたっておりますが、経営感覚にすぐれておるということの中の第一条件は先見性があるということだろうと思うんですね。先の見通しがきくということが一番大事だと思うんですよ。 ところで、それでは、農業の先の見通しがきくかということになりますと、米の問題はウルグアイ・ラウンドでどうなるかわからない、それから畜産のことも自由化でもって大変な打撃を受けて、この先どうなるかわからない、リンゴもニュージーランドから入ってきてどうなるかわからないということで、先の見える人は、見えれば見えるほど私は先行き不安が募るばかりの状況ではないか、こう思うんですよ。 そういうことになりますと、規模拡大ということは、経営の側からいえばこれは当然設備投資なわけですよ。設備投資というものは、経営感覚が鋭ければ鋭いほど先の見通しがなければやらないことなんですね。先の見通しがなくなれば、日産自動車が座間工場を閉鎖するというような思い切った縮小もやるわけなんですよ。ですから、そういうことからいきますと、経営感覚にすぐれた経営者を今つくり上げていくということは農業の環境からして極めて困難な状況にあるんじゃないか、こう思うんですが、それについてはどのようにお考えですか。
○政府委員(上野博史君) 経営感覚にすぐれた経営者を育てていく、おっしゃられるとおりそういう方向に行かなければならないということでございますけれども、そのこと自身なかなか容易でないということはそのとおりだろうというふうに思います。また、今農業をやっておられるすべての方々がそういうような方向に向かってやれるかどうかということについて必ずしも疑問なしとしないというのもあろうというふうに思います。 しかし、これからの農業は、先ほど来議論をいたしておりますように、他産業に就業するのと同じような労働条件なり所得というものが上げられるような農業、こういうものを実現しなければ農業をやるということについての意欲が出ない、後継者が育っていかないという事情があるわけでございまして、そういう形態をつくるということについて、いろいろ構造政策なり規模拡大のための努力をしてまいらなければならないというふうに考えているわけでございます。 そのための基礎の問題として、じゃ、土地的な問題として十分な土地の手当てができるかといえば、高齢の農家がかなり多くて、この後継ぎのいない農家の方々の持っておられる土地というものは今百万ヘクタールもある、そういうものをうまく集約をしていけば、こういう意欲のある、能力のある方々に非常に力を振るって農業をやってもらうということはできてくるんではないかというふうに考えているわけでございます。
○星川保松君 育成すべき農業の経営体のところに土地を集積していく、そのためには、土地持ち非農家あるいは小規模兼業農家、それから生きがい農業を行っている高齢農家、こういう方々には農業をやめてもらうか土地を売るなり貸すなりして育成すべき経営体の中に土地を集積していくという方向ですけれども、ここで見誤ってならないということは、土地持ち非農家、小規模兼業農家、生きがい高齢農家というのは、これはなかなか土地を手放さないということを見誤ってはいけないんじゃないか、こう私は思うわけですよ。 それで、高齢者は生きがいにしてやっているわけですから、これは自分の生きがいですから、その生きがいをとられるということに大変な抵抗をするわけなんですよ。ですから、これはなかなか放しません。そして今、生きがい農家というのは自分でやれるところをやればいいようになっているわけですよ。難しいところはみんな頼んで、自分のやれるところだけ、八十になっても水の見回りぐらいはできるということになれば、それだけは放さないということを生きがいにしているわけですよ。 それから兼業農家というのは、私の友達で郵便局長さんがおりまして、五反歩ほど田を持っているんですよ。それで、それを耕作から刈り取りまで全部頼んで、出た米を売って、そして結局その売った金で皆さんに支払いをして、自分の飯米だけは自分でとっているという方は、金も困っておりませんし、それで悠々とやっているわけですから、そういう方は何も土地を手放して、先祖伝来の土地をなくするということはしたくないと、こう思っているわけですよ。 だから、そういう手放さない人、手放さなくてもいい人、この皆さんが、売れと言っても果たして売ってくれるか、貸してくれと言っても果たして貸してくれるか、極めて私は難しいと思うんです。きのう北海道の酪農の話が出たんですが、やめる方はむしろ中核農家で、片手間にやっているみたいな人がやめない。それはそれだけの強さがあるんですね。ですから、そういうことでいきますと、新農政が考えているような農地の集積ができるか、それは私は疑問に思うんですが、これについてはどうお考えですか。
○政府委員(上野博史君) まず最初に、誤解があってはいけないわけでございますけれども、先ほど来、私どもの新しい農業政策の考え方として、規模の大きな効率的な農業経営をつくっていくという場合に、無理やりその土地をだれかからだれかにはがしてつけていく、規模拡大を図るというようなことを考えていることは決してないわけでございまして、そういう事情にあるところに、その状況に応じてそういう方向での努力をしていきたいということでやろうと考えているということをあらかじめ申し上げておきたいと思うんです。 したがいまして、今の例で述べられましたように、郵便局をやりながら片手間で五反歩ほどの水田をつくるということは、まことにそれはそれで結構でございまして、そういうことでぜひお続けをいただければ結構じゃないかというふうに考えるわけでございます。 ただ、全国的に見ますと、地域によりまして非常に事情は違うわけでございまして、都市近郊の地域などにおきましては、売りたくない、持っていたいと、確かに資産保有の傾向というのは強いわけでございますけれども、しかし一方でつくり手がいないということもまた事実でございまして、何とか自分の土地をつくってもらえる、荒らさないで、いい状態に保っておきたいのでつくってほしい、何とかそういう人がいないものかというような問題を抱えているところもあるわけでございます。そういう地域におきましては何とかそういう土地を集めて立派に農業が行われるような体制を組まなければいけないということもあるわけでございまして、現在、日本の平均的な農業就業者の平均年齢というのはもう六十歳を超えているという状況でございますから、これから年々農業が続けられなくなる方というのが多くなる。そういう状態のときにできるだけ大きな単位の農業経営というものをつくる努力をしていかないと、土地の効率的な利用ができないという問題がますます大きくなってくるんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
○星川保松君 きょうは時間がなくなったので、もう一問ぐらいしかできないと思いますが、組織経営体というのは集落規模のものを想定しているわけですね。それで、集落規模ということになりますと、私は経営の集団化という方向だろうと思うんですよ。ところが、経営の集団化という、集団農場の方の方向というのは、私は果たして我が国の伝統的な農業経営からいって成功するのか甚だ疑問に思うんですね。集団農場の方向に行くということは世界的にも今破綻しているんですね。例えばソ連のコルホーズ、まあ中身は違いますけれども、それから中国の人民公社、すべてこれはもう解体なんですよ。そして個人経営の方に移っているんですね。そういう個人経営の方に世界的な趨勢として今動いているのに、新農政が逆に集落規模の集団農場の方向に動いていくということは、私はどうも時代に逆行するのではないかなという心配をしているんですが、そういうことについてはどうお考えですか。
○政府委員(上野博史君) よその国の例で言いますと今お話しのようなことも確かにあるわけでございます。我々は別にそういうソホーズなりコルホーズあるいは人民公社というようなものをつくろうというふうに思っているということでは決してないわけでございます。それぞれの地域の状況で、例えば割に小規模な土地を持った兼業農家がたくさんおありになる。そういうところでだんだん老齢化をしていって、体にこたえるような農作業というものができにくくなってくる。そうすると、稲作自身がなかなか行われにくいということもあるわけでございます。 一方で、そういうところで若干なりと残っている若い農業者の方々が、そういう労働的にきつい耕起だとか植えつけだとか収穫だとか、そういう作業を機械などを用いて効率よく短時間でこなして相当大きな面積の作業ができるようにしていくというようなことは、これは必要に応じて考えていかなければならない問題だというふうに考えるわけでございまして、先ほど委員御指摘のように、資産保有性向の強い我が国なんかの場合におきましては、こういう形での効率を上げていく一つの生産の形態をつくり上げていくということも非常に有効な方法なんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
○星川保松君 ありがとうございました。
○新間正次君 新聞でございます。最後の方になりますと、質問が皆さんに、先輩諸議員に偏ってまいりまして、私の方としては何から行こうかなと今迷っているところでございます。先般、全国町村議会議長会の佐藤様から、「米の輸入自由化阻止に関する決議」ということで決議文をいただいております。これ、大臣、またかと思われるかもしれませんが、一言御見解をお願いしたいと思います。 ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉においては、米国・EC間の農業分野における基本的な合意を受け、今後紆余曲折が予想されるものの、早期決着を目指した多国間交渉が展開されている。 わが国において、関税化及び農業保護の画一的な削減が実施されるならば、日本農業の根底が崩壊し、稲作農業を基幹とする地域経済、自然環境・国土の保全、さらには国民生活に多大の影響を及ぼすことは必至である。 よって、政府・国会は、三回にわたる国会決議を踏まえ、米などの基礎的食糧の国内自給方針を堅持し、関係各国の理解を得るとともに、将来に向けた新しい農政の確立を図るため、最大限の努力を払われるよう強く要望する。 という決議文をいただいておりますけれども、大臣のひとつ見解をよろしくお願いいたします。
○国務大臣(田名部匡省君) この自由化問題に関しては、毎回同じお答えで申しわけないぐらいでさえありますが、水田稲作というのは、今お話にもありましたように、国土の自然環境の保全でありますとか、あるいは日本が工業国だと言ってみてもそれは一部であって、国全体で見ますと農村社会というのは非常に多いわけでして、そこでは農業による経済の確立、地域経済を担っておるという部分がありますので、そういうことを考えますと、国会決議等を体して国内産で自給していくというこの基本方針、これが崩れると農村社会もおかしくなってくるわけですから、それはもう全力を尽くして最大限の努力をしていきたい、こう考えております。 ちょっとつけ加えますけれども、先般も千葉県で農業者の皆さんにお会いしまして、いろいろ陳情を受けました。だから、三度三度食べる食事、一生食べるんですから、もう心配ありませんから元気出して頑張ってくださいよ、ほかのものは、時としては自動車は買わなくなったとか、あれは買わなくなったというのはあっても、この食事だけは休むというわけにいかぬものをつくっているんですから、どうぞ元気を出してと、こういう激励をしてまいりましたが、いずれにしてもそういうことも含めて対処してまいりたい、こう考えております。
○新間正次君 大変力強い御意見をお伺いいたしまして、安心をいたしました。 続きまして、私の地元は愛知県でございます。愛知県というのは野菜の生産県では全国でも指折りの県だと思っておりますけれども、生鮮野菜の消費量の多い都市近郊における生鮮野菜の地域自給体制の強化が必要だと思われますが、現状及び今後の対策についてお聞かせをお願いしたいと思います。
○政府委員(入澤肇君) 構造改善局長でございますが、かわってちょっと答弁させていただきます。 都市近郊の野菜は、例えば東京都であれば三多摩だとかあるいは世田谷、杉並の一部でございますが、軟弱野菜の生産地として非常に重要な役割を占めております。恐らく東京都の中央卸売市場に占める都内の生産割合は四割から五割、場合によっては六割ぐらいを占めております。非常に重要な位置を占めているということは事実でございます。
○新間正次君 答えになっているかどうかちょっとなんでございますけれども。 続いて、時間がありませんので急いでまいりたいと思いますが、私の地元でただいま大変関心の持たれている問題に木曽岬の干拓というのがございます。これは昭和二十五年に一応着工して四十九年完成という目的でやってきたわけでございます。これは決算委員会等でも問題になったと思いますけれども、昭和二十五年で二十七億七千五百万、二十七億余、それが平成元年度には百六十二億余になってしまっておる。着工時の五・八倍になっておるわけでございます。このように長引いてしまっている要因というのは一体どういうところにあるんでしょうか。
○政府委員(入澤肇君) 今御指摘のとおり、この事業は昭和四十一年度に着工いたしまして、現在までに工事はほぼ終了しております。しかし、愛知県と三重県両県の県境が画定していないということで法律上の工事の完了ということができないわけでございます。平成二年度より事実上工事は休止というふうにしているわけでございます。この解決のために再三愛知、三重両県と協議して県境を画定するようにということで努力したわけでございますが、この県境の画定がまさに事業が完了しない最大の理由でございます。
○新間正次君 私も実は現場を見させていただきまして、先ほどの都市近郊型農業という意味におきまして大変もったいないな、あれだけの土地がそのまま草ぼうぼうというか、もちろん一部試験的に耕されているところもあったわけでございますけれども、大変もったいないなというような感じがするわけでございます。 そして、東海農政局の依頼を受けてつくっていらっしゃった方のお話などを新聞の記事なんかで見ますと、木曽川が運んできた土などで農業に大変適しておる、ジャガイモ、ニンジンなんかの場合は恐らくここ五年間の平均収量の二倍ぐらいの好成績が上げられると言っておる記事も出ておるわけで、これだけの土地がそのような状態でほうっておかれるというのは何か大変つらいなというような感じがいたします。 今お答えいただきましたように、来月、恐らく連休明けには新聞記事などにも知事交渉によって決着が持たれるだろうというようなこともあります。そういう点でぜひ私の方といたしましても両県の知事に良識ある、また両県関係者の納得のいく決着がつくようなエールを送りたい気持ちでいっぱいでございますけれども、農水省としての何か特別な御意見というのはございますでしょうか。
○政府委員(入澤肇君) 今までも先ほど申しましたように両県に対しまして再三にわたりまして県境の早期画定を要請するということで、私自身も大臣の命を受けまして両県知事に直接お会いいたしまして、それぞれの県の考え方をお聞きしたわけでございますが、こういうふうな働きかけを受けましてことしの三月十八日には両県の副知事間で協議が行われまして、平成五年度の早い時期に知事間の協議を開始する、それからさらに知事間の協議においては県境問題と並行して今の近郊野菜の問題とかを含めまして土地利用についても協議するという合意がなされております。 今後この話し合いを十分に見守っていきたいというふうに考えております。
○新間正次君 ありがとうございました。 それから、先ほど稲村先生もちょっと触れられたんでございますけれども、ある週刊誌に「がん多発の犯人は農薬か」という大変厳しい見出しで、現在MOという名前で販売されております除草剤のCNPが新潟県で胆道がんを引き起こす原因となっているという内容の記事が出ております。 これはほかの資料なんかと比較してみますと、CNPが発がん性物質と断定できるところまではまだいっていないようでございます。研究の段階だという話でございますが、万が一にでもそういうような確率があってはならないということで、今後の追跡調査をぜひお願いしたいと思うわけでございますけれども、その辺はいかがでございましょうか。厚生省さんの方でお願いします。
○説明員(浜田康敬君) お答えいたします。 実は私、水道の担当の者でございまして、疫学的な判断の問題につきましては別のところが所管しておりますもので、十分なお答えになるかどうかわかりませんけれども、従来我々の認識しておりますCNPの毒性につきましては、動物実験等による発がん性ということは確認されていなかったわけでございまして、今回の先生御指摘の新潟県信濃川流域の問題につきまして報道がなされた内容も私どもなりに勉強をいたしたわけでございますけれども、その研究者の御意見も一つの仮説であるという段階のようでございまして、私ども飲み水の行政を担当しております者といたしましても、今後こうした問題につきましては十分その知見を収集しながら対処してまいりたいというふうに考えておりますが、現時点ではまだそうしたおそれがあるものというふうには我々の知見では認識していないわけでございます。
○新間正次君 たとえ微量なりといえどもこれが出ているという検査結果も出ているわけでございますので、その点での追跡調査をお願いしたいということを今お願いしたわけでございます。 その水道水源の問題になってくるわけでございますけれども、一昨年金国の市民団体が各種の河川を調べたところでは、我が国の水田で広く使われているCNPでございますね、クロルニトロフェンでございますけれども、これが調査したすべての河川から検出されている。これは大変恐ろしいことで、この除草剤は発がん姓とか催奇形性がある史上最強の毒物と、これは大変厳しい指摘になっておるわけでございますけれども、いわゆる水道水の中から農薬の成分が検出されている。そういう問題等につきましての検査体制というのはどのようになっているんでしょうか。
○説明員(浜田康敬君) 先生から今御指摘がございましたように、最近の水道水源にさまざまな化学物質、これは一部農薬も含めまして検出されてきておりまして、こうした状況を踏まえまして、厚生省におきましては生活環境審議会に二年以上前でございますけれども諮問を申し上げまして、つい昨年末にその答申を受けまして飲料水の水質基準の大幅な改定を行ったわけでございます。 そうした検討の過程で、水道水中に含まれております化学物質、これは農薬も含めましてですが、につきまして必要なものについては新たに基準化を行ったわけでございまして、今回農薬につきましては新たに四物質を水質基準に追加したところでございます。この四物質につきましては水道法に基づきます検査が義務づけられておりまして、各都市の水道事業者が定期的に水道原水あるいは飲み水につきまして、その四農薬につきましては今後検査をしてまいる体制になっておるわけでございます。 なお、この新しい水質基準は本年十二月一日からの施行でございますので、十二月一日からはきっちりとした体制でそうした水質検査を実施するよう現在指導をいたしているところでございます。
○新間正次君 私の場合、東京と地元愛知を頻繁に往復しているわけでございますけれども、東京の水が合わないわけではありませんけれども、何となくふろへ入りますとかさかさしてくるような感じがいたします。 ここ数年、全国の家庭用浄水器などが大変売れ行きが伸びているという、八一年から九一年を比較しましても、全国家庭浄水器協議会の会員会社数が十社から七十一社へという大変な伸びを示しているわけですね。そして、出荷台数にすると約十二万台から約三百六十万台へとこれまた飛躍的な伸びを示しているわけでございます。 それと、日本ミネラルウオーター協会の統計資料によりますと、容器入りの飲料水、いわゆるミネラルウオーターの生産、輸入の合計数量も平成二年から三年にかけて一五八%という大変な伸び率を示しておるわけでございますけれども、したがって消費者の場合は安全な水ということよりもおいしい水ということに対する関心が大変高くなっておるわけでございまして、その辺のところの水道水源の対策について厚生省の御見解をお願いしたいと思います。
○説明員(浜田康敬君) ただいま先生御指摘のような状況、つまり水道水に対します不安とかあるいはまずいとかといったことから、家庭用浄水器あるいはボトルウオーターが大変な売れ行きであるという点につきまして、一面ではそうした質の高い生活を求めるという国民の志向であろうかなという面もございますけれども、我々水道行政を預かる者にとりまして水道水に対する信頼感が失われているという点につきましては、ゆゆしき事態になっているというふうに認識しておる次第でございます。 そのために、先ほど申し上げましたように水質基準の大幅改定も行ったわけでございますが、水道水の質を根本的によくしていくためには、御指摘のとおり水道水源そのものを保全していく、水質保全を図っていくということが極めて重要であろうというふうに考えております。 この点につきましては、実は去る二月四日でございますけれども、私どもの中に設けました有識者懇談会から、水道水源の水質保全のための対策に関する極めて幅広い内容にわたります貴重な政策提言が盛り込まれておるわけでございまして、厚生省といたしましてはこの提言を受けまして、これは非常に幅広い関係省庁にまたがるものでございますから、関係省庁の御理解と御協力を得るべく現在いろいろこの対策の推進に向けまして協議を進めさせていただいておりまして、一日も早く水道水源保全対策が確立するよう、私どもも引き続き努力を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○新間正次君 もう時間がなくなりましたので、あと二つばかりお聞きしたいことがありましたけれども、ぜひ今の厚生省さんの見解どおり、安全な水からはおいしい本へという要望が高まっておりますので、その辺のところのひとつ極めて早い対応を期待して、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(吉川芳男君) 以上をもって、平成五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(吉川芳男君) 次に、原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田名部農林水産大臣。
○国務大臣(田名部匡省君) 原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び改正内容を御説明申し上げます。 本法は、北洋における外国政府による漁業水域の設定等に伴う水産加工原材料の供給事情の著しい変化にかんがみ、これに即応して行われる水産加工施設の改良等に必要な長期かつ低利の資金の貸し付けを行うことを目的として、昭和五十二年に制定されたものであります。 その後、本法は、昭和六十年代に入ってからの二百海里体制の強化及び水産加工品の輸入の増大に対処するため、昭和六十三年に改正され、水産加工業の体質を強化するための研究開発等に必要な資金についても貸し付けを行うこととされたものであります。 この間、政府といたしましては、本法に基づき、近海低利用資源の食用加工品の原材料としての有効利用と、新製品・新技術の開発、導入等による水産加工業の体質強化の促進に努めてきたところであります。 本法は、本年三月三十一日限りでその効力を失うこととされておりますが、最近における水産加工業を取り巻く状況を見ますと、各国の二百海里内における対日漁獲割り当ての一層の削減に加え、水産資源の保護等の観点から公海における漁業についても規制が拡大されるなど、国際的な漁業規制の強化により水産加工品の原材料の供給事情はさらに悪化しております。 また、各国とも、自国水産資源を最大限に活用する観点から、水産加工品の形態で我が国に輸出する傾向を強めており、水産加工品の輸入が引き続き増加する傾向にあります。 このような状況にかんがみ、引き続き水産加工施設の改良や新製品・新技術の開発、導入等に必要な資金の貸し付けを行うこととするため、本法の有効期限を五年間延長し、平成十年三月三十一日までとすることとした次第であります。 以上がこの法律案の提案の理由及び改正内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(吉川芳男君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十三分散会 ―――――・―――――