農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1993/02/23
会議録
○委員長(吉川芳男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る一月二十二日、北修二君が委員を辞任され、その補欠として野間赳君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(吉川芳男君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に三上隆雄君及び林紀子君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(吉川芳男君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、農林水産政策に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(吉川芳男君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。 平成五年度の農林水産行政の基本施策について、農林水産大臣から所信を聴取いたします。田名部農林水産大臣。
○国務大臣(田名部匡省君) 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。 農林水産業及び食品産業などの関連産業は、国民生活に欠くことのできない食料の安定供給という基本的な使命に加えて、地域経済・社会の維持発展、国土や自然環境の保全など極めて多様で重要な役割を果たしております。また、国土の大宗を占める農山漁村は、伝統に裏づけられた個性に富む地域文化をはぐくみ、緑と潤いに満ちた生活・余暇空間を国民全体に提供するといった機能を有しています。 こうした役割や機能を持つ我が国の農林水産業と農山漁村をめぐる状況は、経済の高度化、人口や産業の都市への集中といった諸情勢の変化の中で、従事者の減少、高齢化の進行、山村等における過疎化の進行など近年大きく変貌しております。 このような中で、今後の農林水産行政を推進するに当たっては、長期的展望のもとに、魅力ある農林水産業と活力ある農山漁村を着実に実現するとともに、生活大国の基盤とも言うべき、農山漁村と都市との均衡のとれた社会や国民一人一人が身近に自然環境と触れ合うことができる懐の深い国土を形成していきたいと考えております。 こうした観点に立って、農林水産省といたしましては、昨年六月に、二十一世紀を目指した農政の長期ビジョンとして「新しい食料・農業・農村政策の方向」を取りまとめたところであります。 今後は、これを段階的かつ着実に具体化し、経営感覚にすぐれた効率的、安定的な経営体が生産の大宗を担う力強い農業構造を実現するとともに、条件の不利な中山間地域を初め農山漁村が多様で活力のある地域社会として発展することができるよう努めてまいります。 本年は、この「新政策」の方向に沿って具体策を展開していく初年度であります。したがいまして、「新政策」における多岐にわたる課題につき、地域の農業者の創意工夫や主体的取り組みを支援助長していくことを基本として、法制度、予算及び税制の各般にわたる具体的施策を総合的・体系的に講じてまいりたいと考えております。特に緊要の課題である農業構造・経営対策、中山間地域対策につきましては、先般農政審議会からいただいた報告を踏まえ、早急に具体策を展開してまいりたいと考えております。なお、これらの施策の展開に当たっては、関係省庁や地方公共団体との連携の強化に一層力を入れてまいります。 以下、平成五年度における主要な農林水産施策について申し上げます。 まず、農業の振興についてであります。 第一は、経営感覚にすぐれた効率的、安定的な経営体が生産の大宗を担う力強い農業構造の実現であります。 すなわち、他産業並みの年間労働時間で、他産業並みの生涯所得を得ることができる経営感覚にすぐれた効率的、安定的な経営体の育成とそうした担い手への農地利用の集積を基本に、農業経営の改善、農用地の利用の集積、農地保有の合理化、法人化の推進、経営体を担う人材の育成・確保を初めとする各般の農業構造・経営対策を積極的に展開してまいります。 また、これと連携しつつ、平成五年度から平成十四年度までの十年間を計画期間とする第四次土地改良長期計画を策定し、長期的展望に立った農業農村整備の計画的・効率的な実施に努めてまいります。 さらに、人材の育成・確保の一環として、女性がその持てる能力を十分に発揮できるよう新しい農山漁村女性対策の推進にも努めてまいります。 第二は、中山間地域を初めとする農山漁村の活性化であります。 特に中山間地域の農業は、生産面のほか、国土・環境保全の面でも重要な役割を果たしており、従来から各般の施策を講じてきたところであります。 本年は、さらに対策を拡充強化し、農林業を初めとする各種産業の振興、良好な生活環境の確保、道路アクセス条件の改善など定住条件の整備を図るとともに、農林地等の地域資源の適正な利用・管理など諸施策を総合的に講じてまいります。 第三は、活力ある農業生産の展開であります。 米につきましては、本年から、生産者・生産者団体の一層の主体的取り組みを基礎に、水稲作と転作を適切に組み合わせた望ましい経営体の育成を図りつつ、生産性の高い水田営農を確立すること、また、他用途利用米を含む望ましい米づくりを目指して、水田営農活性化対策に取り組むこととしており、行政と農業関係者が一体となってその円滑な実施に努めてまいります。また、これとあわせて、米の多様な需要に的確に対応するため、生産面での対応を含めた米の制度別・用途別需給の均衡化のための総合的な対策を講じてまいります。 畜産につきましては、生産性の向上等経営体質の強化、畜産主産地の活性化等に重点を置いた対策を総合的に実施してまいります。 野菜につきましては、供給力低下の懸念に対応して、生産対策を強化するとともに、価格安定対策の充実を図ってまいります。 畑作につきましては、需要サイドとの連携を強化しつつ、生産・流通・加工体制の整備等を総合的に実施してまいります。 第四は、食品産業・消費者対策の推進であります。 近年、食品産業が、消費者ニーズの多様化・高度化、国際化の進展、物流コストの上昇等さまざまな問題に直面していることを踏まえ、食品産業の健全な育成、食品流通の一層の合理化・効率化を図ってまいります。また、国民に対する正確でわかりやすい食品情報の提供を促進し、消費者と供給者との相互の信頼を高めるための公的な規格保表示制度の充実を図るとともに、食品の安全性の確保、日本型食生活の定着に努めるなど消費者対策の推進を図ってまいります。 第五は、技術の開発とその普及であります。 若者が夢を持って取り組める農業を創造するには、労働時間の大幅な短縮と労働負担の軽減が肝要であります。このため、高性能農業機械の開発、実用化と導入を促進するとともに、特に、野菜生産の機械化、酪農における集団的取り組みへの支援、新搾乳方式の導入等を進めてまいります。 また、農林水産業や食品産業における生産性の飛躍的向上や農林水産物・食品の高付加価値化、さらには環境問題等に対処するため、イネ・ゲノム解析研究を初めとする基礎的・先導的研究等の研究開発を実施するとともに、民間等の研究開発に対する支援を推進してまいります。 第六は、地球環境問題など環境問題への対応と国際協力の推進であります。 まず、足元の国内から環境保全型農業の積極的な推進を図るとともに、食品産業分野においても総合的な環境対策を進めてまいります。 また、熱帯林の減少、砂漠化の進行等の地球環境問題に対処するため、調査・研究の充実、昨年の地球サミットにおける国際的合意を踏まえた取り組みを初めとする国際協力の強化等を図るとともに、開発途上国等への農林水産業協力を多角的に推進し、積極的に国際貢献を図ってまいります。 このほか、以上申し上げた各般の施策に即して各種制度資金の内容を充実させるとともに、農業災害補償制度の改善や農林中央金庫等の協同組織金融機関の経営基盤の強化を図ってまいります。 次に、林業の振興についてであります。 林業につきましては、森林に対する国民のニーズにこたえる多様で質の高い森林の整備と、国産材時代の実現に向けた条件整備が基本課題であります。 このため、民有林・国有林を通じた森林の流域管理システムを確立することを基本として、森林整備事業及び治山事業の計画的な推進、林業の担い手の育成確保、林業機械化の促進、国産材の低コスト安定供給体制の整備、林業金融制度の拡充強化といった各般の施策を総合的に講ずるとともに、関係省庁と連携して、森林・山村対策の充実を図ってまいります。 また、国有林野事業につきましては、改善計画に基づき、経営の健全性の確保に努めてまいります。 次に、水産業の振興についてであります。 水産業につきましては、資源保護や環境保全の観点から公海漁業に対する規制が強まっている一方で、我が国周辺水域の資源状況の悪化が見られる等厳しい状況に直面しております。このような中、国際化時代に対応した漁業を推進するため、マグロ等の資源の調査、管理、さらにはその増大対策を総合的に展開してまいります。また、本年五月に京都で開催されるIWC年次総会において、捕鯨問題に関する我が国の立場について理解が得られるよう努めてまいります。 さらに、生産基盤・生活環境の整備等により、漁村地域の活性化を図るとともに、資源管理型漁業・つくり育てる漁業の推進等により、我が国周辺水域の漁業振興を図ってまいります。また、合併の促進等による漁業協同組合の経営基盤の強化を初め漁協・水産業の経営対策の充実強化に努めるほか、新技術の開発や試験研究の強化、水産物の需給安定、流通消費、加工対策等各般の施策を講じてまいります。 以上のような農林水産施策を展開するため、平成五年度の農林水産予算の編成に際しましては、今後の農林水産政策の基礎を築くものとして、十分に意を尽くしたところであります。 また、施策の展開に伴って必要となる法制の整備につきましては、今後、当委員会の場におきましてよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 最後に、農産物貿易問題について申し上げます。 ガット・ウルグアイ・ラウンドにおいては、農業以外の分野についても、各国とも困難な問題を抱えており、我が国の農業に関する問題も各国に理解を求めているところであります。 我が国としては、従来からの基本的方針に従い、我が国の立場が交渉結果に適切に反映されるよう努力しているところでありますが、特に、米につきましては、我が国における米及び水田稲作の格別の重要性にかんがみ、また、国会における御決議等の趣旨を体し、国内産で自給するとの基本的方針で対処してまいります。 以上、所信の一端を申し上げましたが、私は農林水産業に携わる方々を初め国民各界各層のコンセンサスを得ながら、二十一世紀を視野に置いた農林水産政策の総合的な展開に全力を尽くしてまいります。 委員各位におかれましては、農林水産行政推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第であります。
○委員長(吉川芳男君) 以上で所信の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ります。 ―――――――――――――
○委員長(吉川芳男君) この際、須藤農林水産政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。須藤農林水産政務次官。
○政府委員(須藤良太郎君) このたび農林水産政務次官を拝命いたしました須藤良太郎でございます。 我が国の農林水産行政は幾多の重要な課題を抱えておりますが、田名部大臣を補佐いたしまして、全力を傾けて諸課題に当たりたいと存じております。 委員各位の御支援のほどをお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。
○委員長(吉川芳男君) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十一分散会