内閣委員会 第5号
- 発言数
- 436 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/06/10
会議録
○委員長(守住有信君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 議事に先立ち、一言申し上げます。 既に御承知のとおり、本委員会委員であられました藤江弘一君が、去る六月七日、急逝されました。まことに哀悼痛惜にたえません。 ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表しまして、御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。 どうぞ御起立願います。黙祷を願います。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(守住有信君) 黙祷を終わります。どうぞ御着席願います。 ―――――――――――――
○委員長(守住有信君) 委員の異動について御報告いたします。 去る四月二十七日、武田邦太郎君が委員を辞任され、その補欠として寺澤芳男君が選任されました。 また、去る八日、村上正邦君が委員を辞任され、その補欠として加藤紀文君が選任されました。 また、同日、井上孝君が委員に選任されました。 また、本日、井上孝君が委員を辞任され、その補欠として関根則之君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(守住有信君) 自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中山防衛庁長官。
○国務大臣(中山利生君) ただいま黙祷のありました本委員会委員藤江先生の急逝に、私からも心から哀悼の誠をささげ、御冥福をお祈り申し上げたいと思います。 ただいま議題となりました自衛隊法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。 平成三年十月、政府専用機検討委員会において、政府専用機の防衛庁への所属がえ、使用目的等が決定されました。この使用目的に関し、緊急時における在外邦人救出のための輸送が現行法上自衛隊の一般的、恒常的な権限として規定されていませんので、この輸送を自衛隊が行うことができることとするため、自衛隊法の改正を行うことが必要となったところであります。 この法律案は、外国における緊急事態に際して生命等の保護を要することとなった邦人について、外務大臣から輸送の依頼があった場合に、防衛庁長官が政府専用機を含む自衛隊の保有する航空機により輸送することができることとすること等を内容とするものであります。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(守住有信君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○喜岡淳君 おはようございます。社会党の喜岡ですが、よろしくお願いします。 最初に委員長に申し上げたいと思いますが、私は十時十五分まで官房長官に質問をするということでありましたけれども、間もなく十時十五分がやってまいります。今度の法案審査に当たって、私は政府の姿勢は非常にふまじめであると思います。今度の法案については言うまでもありませんが危機管理の問題の一つでありましょう。この責任者は言うまでもなく官房長官でございましょう。さらに在外邦人の安全確保の問題については言うまでもなく外務大臣の責任であるはずであります。そういった主要な、この政策決定に当たっての責任者が法案審査の際にいないということで果たしてできるんでしょうか。防衛庁の中には迷惑だという意見が広がっておるではありませんか。行かされる方の身になってみると。無責任な議論で決めるだけ決めて、そんな議論でいいのか、私は極めてこれは委員長、無責任な法案審査の仕方ではないかというふうに思ってなりません。冒頭このことを申し上げておきたいと思います。 官房長官は出ていかれるわけですから、私はもう質疑ができません。非常に困ったものであります。会期がないからとかいろんな理由がありましょうけれども、果たしてこんなことで法案審査できるでしょうか。私はもう官房長官については質疑の時間がございませんので保留をしておきたいというふうに思います。官房長官、私はそういうふうに思いますので。
○国務大臣(河野洋平君) 喜岡委員から御発言がございました。私も政府の一員といたしまして本法案を御審議いただく立場でございますので、大変恐縮をいたしております。 本日、よんどころない公務がございまして、十時十五分に退席をさせていただきたい旨お願いをいたしました。十五分間委員会で御質問にお答えをするという状況はいかにも時間が短い、こうおしかりをいただけばそれはそのとおりかと思いますが、私といたしましては、ぜひ十時から十五分間でも御質問をいただきたい、こう考えて十時から待機をいたしたわけでございます。 いずれにいたしましても、委員の御質問に今お答えをする時間がないことを大変申しわけなく存じております。用事をできる限り早く済ませてこの席に戻りますので、その際に御質問をいただければと思います。
○委員長(守住有信君) 私の方からも一言。委員長に対して、議事進行ということでございますので。 何回も理事懇でやってまいりましたけれども、御主張のような緑も、外務大臣の問題も含めて、今後熱心にいろいろな角度から、また他の委員会も実はそれぞれ責任者としてあるわけでございますから、その間の調整ということもございますし、我が委員会としてもまたそれぞれに合わせて、十分理事会の中で御相談を申し上げていきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○喜岡淳君 PKOの議論のときもそうだったですけれども、やはりこういう拙速な議論というのは非常に問題だろうというふうに思ってなりません。しかも、人の命にかかわう問題をこういう審議のやり方でどんどん進めるということ、どういう国会議員の権利があって、あるいはどういう閣僚の権限があってそういうことができるのか、私は恐ろしくてなりません。 防衛庁長官にその点について、通告はいたしておりませんけれども、こういう事態を予想しておりませんでしたから、私は。こんな審議されて、防衛庁長官、どういうお立場ですか、隊員を預かる身として、その最高責任者として。
○国務大臣(中山利生君) 防衛庁長官としてばかりではなくて、今、喜岡先生おっしゃっております在外邦人の安全管理、危機管理ということは我が国政府にとりましても非常に重要な問題であろうと思います。ただ、先生がおっしゃるようなふまじめで出席できないということではなくて、会期末も迫って、今委員長がおっしゃいましたような他の委員会との関係とかその他、委員長を初め理事の先生方も大変御苦労をなさってこういう日程を組まれたことと思いますが、そういう関係でこのような状態に、また喜岡先生の質問時間に喜岡先生が最も質問をしたかった責任者が二人も出てこられなかったということは我々としても大変残念に思うわけでありますが、今後お互いに努力をしながらこういうことのないように、委員の先生方の質問という非常に重要な役割を阻害することのないように我々としても努力をしていきたいというふうに思っております。
○喜岡淳君 人命にかかわる重大な審議をする際には、私は、政府としてそれなりのしっかりとした、よし質疑をしよう、そういう態勢がなければできないと思いますよ。 カンボジアの文民警察官だってそうです。私はカンボジアヘ行かせていただきましたけれども、文民警察官の方にお会いずれは話が違うではないか、村田自治大臣が来られた前の日は、若い人を中心にして直訴をしよう、そういう雰囲気が広がっておったと関係者は全員証言しておりましたよ。おれたちのことを何と思っているんだと。 私は、今度の法案審査についても、このままいけば同じことになってしまうと思いますよ。非常に無責任です。行かされる防衛庁の方は本当に気の毒でなりません。したがって私は、関連する問題については態勢が整うまで質疑は留保させていただきたいというふうに思います。そんな態勢ではできないです。行かされる人は本当に気の毒でなりません。 そこで、きょうは政府専用機の件についてお尋ねをしたいと思いますが、これについては、官房長官いらっしやいませんけれども、どなたかお答えいただけますでしょうか。
○政府委員(山本正堯君) 先生の御質問でございますが、私ども総理府におきましては政府専用機を六十二年に購入することを決定いたしまして、平成四年に防衛庁に移管をしたわけでございます。 本日、購入の経緯等につきましては総理府の私どもの方から答弁をさせていただこうというふう に考えております。よろしくお願い申し上げます。
○喜岡淳君 政府専用機の購入についてお伺いをいたしますが、政府専用機についてはどういうことで購入が決まったのか、そのあたりからまず教えていただきたいと思います。
○政府委員(山本正堯君) ただいまお話を申し上げましたとおり、政府専用機につきましては昭和六十二年の五月に保有することに決めたわけでございますが、近年、一層国際化が進展してまいっております。あるいは国際交流の機会が一層増大をしてまいっております。首脳会議等々で総理が外遊される機会もふえてまいっております。あるいは国際情勢に対応したいろんな効率的な対応が要請されてきておるところでございまして、そういう点を踏まえまして、総理大臣の海外訪問あるいは緊急時におきます在外邦人の救出のための輸送、あるいは緊急物資の輸送等々のために使用いたしますために政府専用機の保有をすることを決定したわけでございます・政府専用機につきましては諸外国、なかんずくアメリカ、イギリス、ドイツ等におきましてもそういう飛行機を保有いたしております。 そういうふうな諸外国の例にも倣い、あるいはまたその六十二年には緊急経済対策がございまして、緊急経済対策の一環といたしまして十億ドルの政府調達をするというような経済情勢もございました。そういう関係も踏まえまして政府専用機を保有することといたしたわけでございます。その方針に従いまして、私ども、政府部内に官房副長官を委員長といたします政府専用機検討委員会を設置し、その中でいろいろ使用目的でございますとか使用基準でございますとか、管理運用体制等々について検討をいたしてきたわけでございます。 以上が政府専用機の購入の経緯でございます。
○喜岡淳君 いわゆる対米貿易の摩擦解消といいますか、いわゆる黒字減らしの一つとして購入が決定されたということだろうと思います。 そこで、その政府専用機の使用目的というものはどういう議論の中で決まっていったのか、またいつ決まったのか、教えていただきたいと思います。
○政府委員(山本正堯君) 政府専用機の使用目的でございますけれども、ただいま御説明申し上げましたように六十二年の五月に政府専用機検討委員会を内閣に設置いたしまして、その中で検討いたしてきたわけでございますが、一つは今申し上げましたように政府要人、そういう内閣総理大臣等の海外訪問等に対応することが一つでございます。それからもう一つは、緊急時において在外邦人の救出のための輸送ということでございます。それからもう一つは、海外の災害地域に対する援助の緊急物資輸送ということでございます。 これらにつきましては、政府専用機が購入される以前はチャーター機等で民間航空機等でやっておった部分が多いわけでございますけれども、いろいろ緊急に、あるいはまた機動的に対応するためには政府専用機における輸送が必要であるという観点から、私ども、政府専用機検討委員会でもろもろ検討いたしまして、こういう目的のための政府専用機を検討させていただいた、こういうことでございます。
○喜岡淳君 その政府専用機の使い道といいますか、使用目的が決定したのは平成三年十月十八日のことだろうと思います。うなずいていらっしゃいますのでそう確認させていただきます。 そうしますと、政府専用機を買うと決めたのは昭和六十二年の五月、使用目的が決まったのは平成三年の十月ですから、購入を決めて四年半ぐらいたって初めてその使い道が決まったというふうに私は受けとめるわけですが、普通はどういうことに使うのか、必要性、使用目的、それが決まらない限り飛行機を買うかどうかということだってわからないと思うのが我々国民感情でありますけれども、これは順序が逆だったんではないんでしょうか。購入が先に決まって、どういうものに使うかというのは四年半もかからないとわからない。我々国民感情からいいますと、目的を決めて買うかどうかを決めるんです。そういう考え方はおかしいんでしょうか。
○政府委員(山本正堯君) 最初に、六十二年のときにいろんな国際情勢、経済情勢がございましたが、その六十二年以前のときに、先ほども申し上げましたように総理大臣等の外遊等に当たり、あるいはまた在外邦人の救出等に当たり、いろいろ民間航空機を使ってきたわけでございますけれども、そういうところではまだまだ不十分である、機動的に対応するにはなかなか不十分であるというような点がございまして購入を決定したわけでございまして、六十二年の購入に当たりましてより詳細に、具体的にどういう使用基準でどういう管理運用体制でやっていこうかということをも含めて検討してまいろう、こういうことで委員会を設置したわけでございます。 使用目的そのものにつきましては、大変大きな目的として今申し上げましたような目的については既にそのときから決定をいたしておった、こういうことでございまして、先生今御指摘の平成三年の十月に政府専用機検討委員会で個別具体的に、今申し上げましたような点についての目的を再度正式に確認をし、さらに防衛庁に移管をする時期、運用管理体制等々についての時期等についてもそこで決定させていただいたということに理解をいたしております。
○喜岡淳君 どうもよくわかりません。その購入を決めるころから使用の目的についても議論しておったという御答弁ですが、本当にそうですか。もう買うのを決めるころからどういう目的で使うかと、使い道まで議論していたんですか、本当に。
○政府委員(山本正堯君) 先ほど申し上げましたように、必要性につきましては六十二年度以前から在外邦人の救出の問題でございますとか、総理の海外歴訪に当たります必要性でございますとか、そういう点についての必要性については十分いろいろあったわけでございます。政府専用機を購入して具体的にどういう使用目的で使うかという点についてさらに詳細に詰めていこう、こういうことでございまして、先ほど申し上げましたように六十二年にそういう方向が決まりまして、中間的な報告を六十二年の十月に取りまとめたということでございます。さらに購入することを決定してから、具体的に個別にどういう運用体制、どういう使用基準でやっていくかということについて先ほど先生おっしゃいましたように、平成三年の十月に具体的に最終報告という格好で検討委員会で決めさせていただいた、こういうことでございます。
○喜岡淳君 購入を決めて四年半もたたなければ使用目的は決まらないというのは、国民の目から見ますと、どうも購入の方が先に決まっておったんだなというような気がしてなりません。昭和六十一年、昭和六十年、このころの会議録をずっと調べてみますと、政府の側は一貫して政府専用の大型機を政府が保有する計画があるとは私ども承知をしておりませんという答弁が続いておるわけですね、このころ。 これは一つの例ですが、昭和六十一年十月二十八日の衆議院内閣委員会におきましてもこういう答弁が行われておる。これは購入する半年ぐらい前ですね。政府委員の方が政府専用の大型機を保有する計画があるとは承知いたしておりません、こういう答弁がこのころずっと続いているんですね。購入する計画がなかったという答弁が続いておるのに半年後に購入が決定する、どうも今の答弁には納得しがたいところがあるわけですね、こういうことを見ていきますと。 ところで、話は変わりますけれども、昭和五十三年の議論というのはどういう議論があったのか教えていただきたいと思うんです。昭和五十三年に政府部内で政府専用機の購入についての検討があったというふうに聞いておりますが、その議論のことについて御承知ですか。
○政府委員(山本正堯君) 五十三年のときの議論は詳細には承知をいたしておりません。
○喜岡淳君 それでは、こういう質問をします。 で、お答えいただきたいと思います。 これは昭和五十九年十月付の「危機管理の現状と対策」という書類であります。内閣官房危機管理等特命事項担当室と書かれております。この印刷物の一番最後の十四ページにこういうことが書かれています。「政府専用機の保有」について、「この問題について昭和五十三年に政府部内で検討され、実施困難という結論が出されている」、これはどういう経過でこういう議論になったんでしょうか。
○政府委員(山本正堯君) 五十三年の経緯につきましては、私ども今詳細な資料を手元に持ち合わせておりませんので、大変恐縮でございますが、後ほど調べさせていただいてお答えさせていただきたいと思います。
○委員長(守住有信君) 内閣官房として調査されて、別途答弁を願います。
○政府委員(山本正堯君) 大変恐縮でございますが、五十三年当時特命大臣が置かれておりまして、特命担当室で担当いたしておるということでございます。私ども総理府の会計課といたしましてはその担当の事務を引き継いでおらないという関係がございまして、私今承知をいたしてないことで大変恐縮でございますが、特命担当室でどういう経緯があったかということについて早急に調べさせていただいて、後刻お答えをさせていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
○喜岡淳君 じゃ、ぜひ次回の委員会のときに、どういう経過でそうなったのかお答えをいただきたいというふうにお願いいたします。 このときの議論は、私が知り得る範囲では、政府専用機を保有したときのコストと民間機をチャーターしたときのコストを計算した場合には圧倒的に民間の方が安くつくんだということで、政府専用機を保有することは困難であるというふうに出たと伺っております。ですから、そのあたりについて当時どういう議論があったのか、ぜひ詳しい回答をいただきたいというふうに思います。 それから機種の問題ですが、政府専用機、現在の二機はいわゆるジャンボのボーイング747-400でありますが、どうしてこのダッシュ400ジャンボ機を選定されたのか、機種決定の理由についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(山本正堯君) 機種の選定につきましては、先ほども申し上げましたように専用機検討委員会で検討をされたわけでございますが、機種につきましては今回のいろいろ専用機を使用する目的等々に照らしまして、最新鋭機で航続性が非常にすぐれている、日本国内あるいは東南アジアばかりでなく、アメリカ、ヨーロッパ等にノンストップで飛んでいく必要があろうということ等々から、最新鋭機で航続性能が非常にすぐれておるというような点、あるいは機体の容量が相当大きいものである必要があるという点、それから十分な装備の支援体制等々が見込めるというような点等々を総合的に判断をいたしまして、種々検討の結果ボーイング747-400に決めさせていただいたと、こういう経緯でございます。
○喜岡淳君 当時の報道をずっと拾っていきますと、機種の選定についてはジャンボジェット機とマクダネル・ダグラス社のMD11という二種が非常に有力であるという報道がずっと繰り広げられております。そういう中で、どうしてこの二種の、ジャンボとMD11との間でジャンボということになったのか、そのあたりの理由を教えていただきたいと思います。
○政府委員(山本正堯君) 検討委員会での議論は、詳細な議論がございましたというふうに承知をいたしておりますが、今のような機体の容量あるいは支援体制、国内でのいろいろそういう同種の飛行機の支援体制あるいは航続性能等々について総合的に判断されたものというふうに理解をいたしております。
○喜岡淳君 当時の一般的な報道を総合いたしますと、ジャンボジェットの方が維持管理コストが倍かかるんだ、しかしMD11よりもジャンボの方が百人以上たくさん乗れるんだ、そういうあたりが一つの機種選定に動いたのではないか。あるいは、日本航空がジャンボ機をずっと保有することになって、政府専用機もジャンボにすればお互いにメンテの上でも、部品の交換の緊急性とかそういう意味で都合がいいのではないか。 そういった総合的な判断の上にジャンボジェットの方に機種が選定されたというふうに私は伺っておるわけですが、これ随意契約で行われておりますね。しかも購入決定して五カ月後に機種がずっと決まっている。なぜジャンボジェット機になったのかということが気になってならないわけですが、この過程においては全くガラス張りで、一切の問題はないということが断言できるでしょうか。
○政府委員(山本正堯君) 私どもは、政府専用機検討委員会で、先ほど申し上げましたように航続性の問題でございますとか容量、先生もおっしゃいましたようにジャンボで仕様を変えて、例えば百五十人以上、あるいはまた邦人救出等に当たりましては三百人等々の大型な容量が、大変大きいものが必要であると、あるいは国内の支援体制が十分とれるというような点を勘案して政府専用機検討委員会で種々議論をして決めさせていただいたということでございます。
○喜岡淳君 後々、機種選定に当たってはいろいろあったと言われないようにするところが非常に私は重要だと思いますので、絶対あり得ないという断言だと受けとめておきたいと思います。 次に、防衛庁長官にお尋ねをいたします。 いよいよこのジャンボジェット機が防衛庁に移管ということになっております。現在、専用機の維持管理に当たっては特別の部隊をつくって維持管理しておるというふうに思いますが、その部隊の名前とか人員数ですね、何人ぐらいの方がやっておられるのか、それについてお答えいただきたいというふうに思います。
○政府委員(畠山蕃君) この六月一日から本格任務を開始いたしました。その編成は特別航空輸送隊という部隊を編成いたしまして、定員は約百十名でございます。
○喜岡淳君 ところで、そのジャンボジェット機、専用機のパイロットですが、パイロットは何名今いらっしゃいますか。
○政府委員(畠山蕃君) 先般、試験に合格をいたしまして、その合格をしたパイロットで申しますと、合計で九名でございます。
○喜岡淳君 九名試験に合格した方がいらっしゃるということであると思いますが、その九名の方の持っておられる資格ですね、どういう免許を持っていらっしゃいますか。
○政府委員(畠山蕃君) 九名のうち五名がいわゆる機長格でございまして、定期運送用操縦士の資格でございます。それから、その九名のうちの四名がいわゆる副操縦士格でございまして、事業用操縦士の資格ということでございます。
○喜岡淳君 五名の方が機長の資格を持っておるということでございますが、ジャンボ機、専用機は二機ですね。二機をフル運転して、しかもその二機が長距離を行く場合には、当然交代要員も含めて搭乗するわけですから、果たしてこの機長さんの数でフル運航できるんでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 一応、私どもの考え方といたしましては、海外運航をいたします場合に一定の時間数以下、今八時間の飛行時間を考えておりますが、それ以内であればワンクルー、つまり機長一に対して副操縦士格一ということで交代要員なしで運航ができる。それに対しまして、今御指摘のように長時間運航するということになりますと、つまり八時間を超えて運航を続けるということになりますと、交代要員が必要となりまして、機長格二人、副操縦士格二人、こういうことで一機に乗り込む、合計四人で乗り込むということでございます。 なお、予備機が飛びます場合には、そのほかにさらに二、二ということが必要になりますので、機長として一機について二人いればいい、つまり予備機が飛ぶ場合には二機で飛びますから、機長として四人いれば長時間の運航にたえ得る、こういうことでございます。
○喜岡淳君 機長、副操縦士含めて長距離を飛んでいく場合の交代要員、さらには二機フル稼働という場合もあり得ると思いますので、しかも生身の人間ですからやはり健康のぐあいとか、政府専用機だけに健康管理は非常に注意をされておると思いますが、健康の問題とか、あるいは人間生活しておりますとどうしてもいろんなことが家族や兄弟に起きたりしますので、果たしてこういう体制で本当にジャンボ専用機が、政府専用機が安全運航できるのかどうか非常に私は心もとないというような気がいたしますけれども、そのあたりはどういうふうに防衛庁長官はお考えでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) ただいま申し上げましたように、ミニマムのところは、仮に健康状態が一〇〇%だといたしますと運航が可能ということに考えておりますが、なおほかに一名の機長格の者の余裕がございますのと、それから今後も引き続きこのパイロットの養成等に努めてまいりたいというふうに考えておりますので、今御指摘の点を踏まえまして十分その運航に支障のないような運航体制を今後とも心がけていきたいというふうに思います。
○喜岡淳君 やはり生身の人間でありますから、一〇〇%健康という上での計画というのは非常に私は非現実的な議論だろうというふうに思います。 これは逆に言うと、乗務員の皆さんに対しても一つのプレッシャーになりかねないわけですね。ですから、私はそういう無理な計画の立て方というのは非常に疑問を感じてなりません。やはり乗員の方も人間でありますから、健康な生活あるいは家族生活、そういったことも当然配慮されてしかるべきだろうというふうに思います。 それから、これは局長にお尋ねいたしますが、ジャンボジェット機の政府専用機の年間の維持管理の費用は一体どの程度かかっておるのか伺いたいと思います。
○政府委員(畠山蕃君) 平成五年度予算におきまして、燃料費、運航維持整備に必要な修理費、それから、必要な機材の購入費等の運航の実施、運航体制の維持整備に要する経費、これらを必要最小限積み上げまして歳出額で約四十五億円、後年度負担額約十七億円を計上しているところでございます。
○喜岡淳君 非常に大きな金額だろうというふうに思います。 これは一つの報道でありますけれども、こういう報道も一方ではあります。運航費用も一回当たり約二億円。民間チャーター代は一千万から二千万、民間機のチャーター代に比べると非常に割高になる、こういう報道も行われております。どういう場所に飛んでいくのか、あるいは運航する日時、時間、そういうこともありましょうが、やはり非常に割高であるということは、この専用機の特徴として指摘をしておきたいというふうに思います。 さて、その政府専用機を運航する際に当たって、畠山局長も、たびたび二機では不十分である、不十分といいますか、二機では本格運用できないという御答弁をたびたびされておりますけれども、三機目の保有ということをお考えだということでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 現在のところ具体的な計画は持っておりません。これは先に結論を申し上げますとそういうことでございます。 ただ、三機が必要ではないのかというお尋ねだといたしますと、やはり予備機を伴って運用するという運用形態が必ず必要であるという前提に立ちますと、そこは、例えば、定期整備に入っているという期間も考慮いたしますれば三機が必要であるという考え方も十分に成り立つわけでございます。 ただ、私どもといたしましては、そういう状況の中ではありますけれども、この六月一日から本格運用を開始したばかりでございまして、その運用の実績等を踏まえて今後検討させていただきたいということで、現段階では具体的な計画は持っていないというのがお答えになると思います。
○喜岡淳君 これも報道でありますが、もし三機目を購入するとすれば足元を見て四百億吹っかける動きもあると。これ、二機三百六十億円で買ったわけですから、一機百八十億円。三機目は一機四百億も吹っかけられるというような報道もありまして、非常に私たちは心配しておりますけれども、この政府専用機の問題については三機目が必要だと、三機でなければなかなか本格運用できないという国会での答弁がありますので、私はそこのあたりは非常に慎重にすべきではないかというふうに思います。 さて、いよいよこの政府専用機を飛ばそうというのが今度の法の改正案だろうというふうに思うんですが、これは防衛庁長官にお尋ねしたいと思います。 今度の改正案の中には「騒乱」という言葉が使われております。どういう場合に防衛庁長官は飛んでいくように考えておられるんでしょうか。
○政府委員(村田直昭君) 改正後の自衛隊法第百一条の「騒乱」でございますけれども、同条中の緊急事態の例示として用いられているものでございます。具体的には内乱、騒擾等を念頭に置いたものではございますが、必ずしもこれに限られるわけではなく、その他、事変が起こって世間が騒ぎ、乱れ、人の生命及び身体に対して危険が存在する状態を含むものであると考えております。
○喜岡淳君 従来は自然災害の場合に国際緊急援助隊法で出ていくという概念はありましたが、これまでの議論では自然災害の問題であって、地震、津波、火山爆発等々ですね。しかし、今度は騒乱ということは人為的な災害だろうというふうに思います。これまでの議論は、自然災害は対象だが人為的な災害は対象外とするという議論できておったはずであります。 したがって、この騒乱というものが今度想定されておりますが、この騒乱という事態の場合に、防衛庁長官自体はどういうことを頭に入れておりますか、具体的なイメージとして。防衛庁長官にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中山利生君) 今、官房長から御答弁申し上げましたように、その地域に治安維持上重大な欠陥ができる、今お話のありました多少の戦乱等を含めた緊急事態ということを一応想定をしているわけでありますが、その中で在留邦人の生命等に非常に危険が迫ったと、そういう事態を一応想定しているわけであります。
○喜岡淳君 「その他の緊急事態」というのも法案に入っておりますが、その他の緊急事態といった場合、具体的にどういうことをイメージすればいいでしょうか、これを理解する方法として。
○政府委員(村田直昭君) いずれにしましても、災害、騒乱というのが例示として規定されているわけでございまして、それを例示としてその他の緊急事態というのを推しはかるわけでございますけれども、先ほどその緊急事態については一般的な定義を申し上げたわけでございます。それを大まかに例示するとしますと、種々雑多ではございますけれども、内乱、騒擾等、先ほど挙げましたように国内的な秩序が乱れておるというような例、あるいは先ほど申しました大規模な自然災害、あるいはこれは人為災害等についても含まれると思いますが、そういう大規模なもの、それから紛争と申しますか、侵攻というようなことも考えられるというふうに考えています。
○喜岡淳君 もう一度整理してお尋ねしたいと思います。 私としてはこの概念がよくわかりませんので、こういう事態が。今度の自衛隊法改正案の中には、外務大臣から自衛隊機あるいは政府専用機の運航要請が来る。どういうときかといった場合は、騒乱その他の緊急事態の場合ですね。この騒乱その他の緊急事態といった場合に、内乱や紛争、そういったものを排除しておるのか排除していないのか。この点について防衛庁長官の御意見をいただきたいと思います。
○政府委員(村田直昭君) 先ほどから答弁しておりますように、事務的なことですので私から答弁させていただきますが、排除しておらないという ことでございます。
○喜岡淳君 防衛庁長官も、この間の衆議院の本会議聞かせていただきましたけれども、騒乱その他の緊急事態といった場合に、治安や秩序が乱れる、人の命及び身体に対し危険が存在する状態を考えている、内乱や紛争によりこのような状態がもたらされることも排除することはできない、こういうふうに大体イメージづけされております。そういうところへ飛んでいくということでありますね。 さて、これ外務大臣がいらっしゃいませんので本格的な議論は残しておかなければなりませんけれども、しかし、外務大臣も同じように衆議院の本会議でこの点について触れております。外務大臣は、航空機の安全が十分確保されていることが実施の前提であるというふうに言っておるわけですね。私はそこにどうも防衛庁長官の言うことと外務大臣の言うことに違いがあるように思えてなりませんが、これはどういうふうに受けとめればいいんでしょうか。
○国務大臣(中山利生君) 一つの手続といたしましては、内乱、騒乱あるいは大規模な自然災害等が起きて在留邦人に危険が迫る、この在留邦人がどこか一定のところに避難をしている、それを救出するということで恐らくその地域の駐在をしている在外公館から外務省の方に連絡があって、それを外務大臣がいろいろな状況を調査しながら、また我々とも相談をしながら、救出に赴くべきかどうか、救出機を派遣すべきかどうかということを決断されて、そして防衛庁の方へその依頼があるというふうに思っております。 しかし、いろいろ国会の質問などを伺っておりましても、緊急事態、内乱のときに自衛隊機が出るというと、非常に外国の騒乱の真っただ中の空港へ自衛隊機が強行着陸をしていって、その危機に瀕した邦人を救出してくるというような勇ましいことを、私もそんなふうに考えがちなわけでありますけれども、そういうことを考えるのではないかと思いますが、実際にジャンボ機とかC130とかという大型の航空機を運航するということになりますと、出発から到着まで、あるいはその途中の航空路等の安全が確保されない場合には私は運航ができないというふうに思っております。 そういうことで、そういう運航ができるという安全についての状況がしっかりと確保されない限りこの運航はなされないもの、また、外務大臣から御依頼がありましても、運航の責任者として、防衛庁の長官としてお断りすることもあり得るということをこの前の参議院の本会議でも申し上げたところでございます。
○喜岡淳君 もう一度言いますが、外務大臣はこうおっしゃっておりますね。正確に言います。「派遣先国の空港及び航空機の飛行経路において、派遣先国の政府などの措置によって航空機の安全が十分確保されていることが実施の前提でありまして、このような前提が確保されていない状況の場合には、自衛隊機による在外邦人等の輸送は行うことはあり得ない」。 内乱とか内戦、紛争、そういって治安や秩序が乱れて、人の命及び身体に対し危険が存在する状態、そういう状態の中で輸送するというのが今度の法案に書かれておりますけれども、どうも私は外務大臣の言っていることと防衛庁長官の言うことは違うように思えてなりません。 外務省が要請する、要請するときには飛行機を飛ばす防衛庁と事前にすり合わせをするんだと、だから両者の言うことは違わないはずなんですね。ならばどうして外務大臣はこういったことを言うのか。外務大臣も同じことを言えばいいですね、騒乱やその他緊急事態のときに要請をいたしますと。どうしてこう言わないんですか。すり合わせをするなら同じことを言えばいいんじゃないんですか。違うように思えてなりません。
○国務大臣(中山利生君) 今、喜岡先生がおっしゃいました外務大臣の答弁、私の言っていることと全然私は違っていないというふうに思います。その受け入れ国の政府が飛行場における、それから途中の航路における安全を確保するというのは、その当該国の政府に責任を持って安全というものを保証してもらわないとそれは確立てきないわけでありますから、それはもう外務大臣が防衛庁にそういう依頼をする、輸送の依頼をする以前に前提としてあるわけであります。 私どもはそれを受けて、その依頼を受けてから実施するまでの間に変化があるかもしれない、その場合にはお断りする場合もあるということを申し上げているわけで、前提としての、原則としての安全の保証ということについては、外務大臣と変わりはないと思っております。
○喜岡淳君 内乱や紛争のときにやはり空港の争奪戦あるいは放送局の争奪戦、そういったことは当然の問題としてあり得るわけですね。したがって、私は外務大臣は危険なところへでも要請するということをひょっとしたら考えているんではないかというふうに思います。いらっしゃいませんので議論できませんけれども。その場合にだってぎりぎりの可能性を追求して、防衛庁としては行くんだというようなことも私はあるんではないかというふうに見えるわけです。そういうことを考えておられるんじゃないかというふうに思います。 やはり危険でなければいいとか、危険だったらだめだという一般的な議論がいいかどうかというのは、これは私はそれはいいとは思いません。それは消防署の職員の方だって非常な危険な仕事です。私のおじさんも消防の活動で死んでおります。ホースの先のしんちゅうがぼんと頭に当たって亡くなっております。昔はよくあったそうです。それから、私の父親も戦前は満洲で警察官をしておりましたから、同僚の方の中には亡くなった人もおりますし、警察とか消防とか、こういう業務は非常に危険な業務でありますから、そのために訓練をして、事前に危険がないように最大限の努力を払って、しかも職務中にも安全対策を施してずっとやっていくわけですけれども、しかし事故が完全には排除できないわけですね。そういう危険な仕事であるわけです。 したがって、防衛庁の方でも完全に危険性はないと、そんなことは考えてないと思うんですが、考えてないんでしょう。絶対安全なんだと言い切れるんですか。
○国務大臣(中山利生君) 今、消防のお話がありましたけれども、航空機の運航ということは一〇〇%安全ということは言えないわけでありますので、その程度の危険性ということはもちろん予想されているわけでありますけれども、先生おっしゃったような内乱によって空港の争奪戦が行われている中に強行着陸するというような事態は私どもは考えておりません。そういう場合には、もし外務大臣から御要請がありましてもお断りすると申し上げているわけでございます。
○喜岡淳君 本来は、今から総理大臣と防衛庁長官のお二人に聞かなければならない問題であります。これは非常に重大な問題でありますから、ぜひ総理に一回ここへ来ていただいてお尋ねしなければならないことがあります。 衆議院の本会議、参議院の本会議、それぞれで総理はこの法案の提出理由を述べておられます。その提出理由は共通して次のようなことを言っております。 一九七五年、サイゴンが陥落したとき、四月の終わりだったと思います。あのときに現地邦人が百五、六十人残っていらっしゃった。二十八日の夜からいよいよサイゴンは陥落の一歩寸前になってきた。そこで、日本政府は日本航空にお願いしてチャーター機を飛ばすんだと。ようやくチャーターの了承をいただいて、とりあえずチャーター機はマニラにまで飛んでいった。マニラでサイゴンの空港の治安状況を確認したところ、結局飛べなかった。 そういう事件を宮澤総理はたびたび述べておられます。あのとき総理は外務大臣をされておった。そこで、こういうことを言っておられます。事態がいよいよ急迫して救援が必要になりましたときに、パイロットそれからクルーが、そういう危険なところに行くことについて、まあ当然でご ざいますけれども、どうしても同意が得られないという事態が起こりました。同時に、実は保険料が高くなってしまって、私企業として到底負担できないような事態になった。結局四月二十九日にサイゴンが陥落いたしましたときに、まことに申しわけないのですが、邦人救出に行けなくて米軍の力をかりた。こういう経験が実際にございましたので、何とかこういうときにならないかと私は当時から今日まで考えてまいりました。万一の備えはいたしておかなければなりませんので、どうぞこの法律を速やかに成立させていただきますようにお願い申し上げます。 こういうときの万一というのは、いわゆるサイゴン陥落のときのことを総理は念頭に置いて説明をされております。こういうときに飛べないものかということでしょう。防衛庁長官の今までの説明と総理の部分は僕は違うと思いますね。
○国務大臣(中山利生君) サイゴンの例が適当かどうかわかりませんが、総理としてはその当時、サイゴンの救援の要請があったときにすぐに飛行機の手当てをできれば、まだサイゴン空港が安全なうちに行けた。しかし、いろいろと手続、今おっしゃったようなことで時間を費やしているうちにサイゴン空港が危険な状態になってしまった。そのときに、政府が持っている飛行機があってそれを使えたらなという担当の外務大臣として、責任者として非常に非痛な思いをした。その思いが今回の政府の保有している飛行機が何とか使えないものかと、そういうお考えになってああいう御答弁になったのではないかと思っております。 今回のせっかく、もちろん民間機とか定期航空機を使って帰ってくるということが前提にあるわけでありますが、政府の保有している飛行機も使えないものか。それがたまたま政府専用機という形で自衛隊に移管をされたので、それを使えるようにできないものかというのが今回の法案の趣旨であり、総理のお気持ちであろうと私は思っております。
○喜岡淳君 結局、防衛庁長官は、騒乱及びその他緊急事態、内戦とか内乱とか、そういう場合のことも排除しないんだと言っておられる。派遣要請をする外務大臣は、いやそういうときは要請しないんだと、安全の確保ができないときは要請しないんだと、こう言っている。そこが一つ食い違い。 じゃ、本当に安全なときに行くのかというと、今度はまた話が振り出しに戻って、総理大臣はサイゴン陥落のことを例に挙げられるわけですよ。こういうときと言っておるのは、具体的にサイゴン陥落のことを言っておるわけですね。 これは四月二十八日夜、当時の木村運輸大臣が日航の方と相談をして、日航機を飛ばすと。ついては三十日までに派遣をするということで決まっておったわけですね。機種はDC8、百六十四人乗り。ところが、二十八日の夜、こういうことを決めて、三十日までにと言っておりましたが、現実に二十八日の夜から事態は急変しておりますね、サイゴンは。もういよいよ落ちるんじゃないかと。サイゴン空港はアメリカ軍、それと当時の南ベトナム航空以外の飛行機は一切の飛行中止ですね。そういう中で派遣するという議論をしておるんですよ、ここで。だから、これはかなりの覚悟があったと思うんですね。 そして、ついに二十九日、日航機は飛んでいきましたが、三時にマニラヘ到着して待機です。この日も空港では、つまりサイゴンのタンソンニュット空港周辺では反乱状態が続いておった。 当時の新聞をずっと拾ってみますと、敵味方の区別のつかない銃撃戦が広がっておる。これは二十八日サイゴンを脱出したアメリカ人の看護婦さんローナ・ハイズさんたちの証言として載っておりますね。そして二十九日にはサイゴンのアメリカ大使館は閉鎖です。日本の飛行機は三十日までに飛ぶつもりだった。二十九日の午後三時に日航機はマニラに待機しているんです。そのときアメリカの大使館は閉鎖なんです。日本の大使館はどうなっているかというと、もう無線も何も通じない。こういう非常に混乱しておる。空港は爆弾でやられて、この前、本会議で爆弾でやられたとおっしゃっていましたけれどもね。こういう事態をも宮澤さんは想定しながら、こういうとき、万一の備えのために本法律案を速やかに成立させていただきますようにと言っておるわけでありまして、私は、危険なところへ行くのなら行くと、そういうふうに言って議論を提起するぐらいしないと、目の覚めた議論はできないと思います。 そんな議論を隠そう隠そうとするから、外務大臣は出てこない、官房長官も何だかんだと言って来ない。総理大臣だって本当は出てきてこれは説明しなきゃいかぬですよ。うなずいていらっしゃるけれども、そのとおりですよ、大臣。こんな議論の仕方では私は大変なことになると思いますので、時間少し残っておりますが、官房長官も外務大臣もいらっしゃいませんので、私はこのあとは留保しておきたいと思います。 本来、これは委員長、総理大臣も出てきていただいて、この万が一こういうときとは一体どういうことを念頭に置いて議論しておるのか、もっと真剣な議論をしなければ取り返しのつかない後悔がいつか起きると思います。そのときの審議に立ち会った国会議員は一体だれなんだ、そのときの答弁に立っていた大臣はだれだと、そういう事態が来たときに、私たちは申し開きができないと思うんです。 あとの時間は留保しておきたいと思います。
○国務大臣(中山利生君) 先ほど私がサイゴンの例は適当でないと申し上げたのは、ただいま喜岡先生がおっしゃったような誤解を生むおそれがある。総理が考えておられますのは、もっと早く手当てができたら、サイゴン空港の安全がまだ確保されている間に派遣がてきたのではないか。民間機のチャーターや何かで手続が手間取っていたためにおくれてしまった。危険な状態になって、結局結果としてもう派遣ができなくなってしまった。そういう苦い経験から、政府で飛行機を持っていればいち早く安全なうちに飛ばせたのではないか。そういうことを痛切にそのとき責任者として考えられたということがああいう御発言になったんだと思っております。 したがいまして、私どもは、総理も外務大臣も危険な状態のところへこの救援機を飛ばすということはお考えになっていないというふうに考えております。
○翫正敏君 きょうは一般質問の日ということに当初なっておりましたけれども、委員長の非常に強引な委員会運営によりまして法案審議という日になりました。ただ、一般質問も若干してもよろしいと、こういうふうに承っておりますので、半分ぐらいは一般質問をさせていただいて、法案の質疑については外務大臣の見えたとき、官房長官も見えたときにしたい、そういうふうに思います。 十一時半になったら官房長官が見えると思いますので、そのときにPKOのことについて質問します。 今、防衛庁長官おいでですので、最初にちょっと護衛艦「しらね」の名称についてお伺いしておきたいと思うんですが、この「しらね」という護衛艦の名称は、当時の金丸信防衛庁長官が命名したと、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○政府委員(中田哲雄君) 護衛艦「しらね」につきましては、昭和五十三年の九月に進水いたしましてそのときに命名をいたしたわけでございますけれども、当時、同じヘリコプター搭載護衛艦でございます「はるな」、「ひえい」等に倣いまして、山岳の名前で適当な名称といたしまして「しらね」を事務的に選びまして、金丸元長官の決裁を得て命名したものでございます。
○翫正敏君 金丸信氏の地元の白根町からとったものであると、こういうふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(中田哲雄君) 白根山は山梨、長野、静岡県境にある山でございまして、山梨県の白根町にある山ではございません。
○翫正敏君 白根町からとった「しらね」ではない というふうにおっしゃるんですか。
○政府委員(中田哲雄君) 違うというふうに承知しております。
○翫正敏君 私が情報収集したところによれば、これは金丸信氏が防衛庁長官のときに、当初別の名前が想定されていたものを強引に自分の出身の町名である白根町からとって「しらね」と名づけた、こういうふうに聞いているわけです。それはあなたが今違うというふうにおっしゃったので、きょうはその点については平行線になりますのでやめます。もう一度証拠を調べ上げまして質問をいたしたいと思います。 次に、市ヶ谷一号館の保存について防衛庁長官に質問いたします。 以前、本内閣委員会で、河野官房長官の方から、市ヶ谷一号館の保存のためには知恵を絞りたい、知恵を絞っているところである、こういう答弁がありました。今おいでになりませんが、そのことはもちろんここで言われたことですから間違いないことだというように思っておりますが、防衛庁長官も、現在知恵を出しておるところである、そういう官房長官と同じお考えである、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(中山利生君) 市ヶ谷一号館のような大変な歴史、いろいろ貴重な歴史を保有している建物については、できるだけ保存をしていくという気持ちには変わりがございません。 一号館につきましては、私が長官就任のときに、既にそういういろいろな検討をした結果、どうしてもあのまま保存することはできないという結論に達していたわけでありますが、私もそのような趣旨のともに、全面的に残すかあるいは部分的なものでも残すことができないのかというようなことでさらにもう一回検討をさせました。しかし、やはり検討をいたしましても、狭い市ヶ谷台の上にあの一号館をそのまま残すということは、これからの移転計画そのものが成立しなくなってしまうというようなことで、何とか部分的なものをできるだけ残して、歴史というものをなくしてしまわないように、そういう努力はしていくというような形で、最小限のぎりぎりの点で今日のような計画になって、先日起工式を行ったというところでございます。
○翫正敏君 官房長官が見えましたら、前回お答えになった、保存のために知恵を絞っている絞りぐあいにつきまして質問したいと思いますので、この点については、官房長官が見えるまであと数分だと思いますのでちょっと留保いたしますということでお願いします。 前回の質問の最後のときに、私の方から、一九七五年の心理戦の教育訓練の課程について防衛庁長官にお伺いしまして、最後に、現職の自衛官の方が四名おられますので、この方に事情をちゃんと聞いてほしいということで申立書を提出いたしました。この陸上自衛官四名の方に事情をお聞きになったかどうか、なったとすればどのようなことであったのか、それをお答えください。
○政府委員(秋山昌廣君) 四月二十七日に委員の方から懲戒処分の申し立てをいただきました。それ以来、我々といたしまして順次法令に基づく所要の手続を進めているところでございます。当該手続の一環といたしまして、今御質問の中にありました被申立人たる現職自衛官四名からの事情聴取を含めまして、いろいろな事実関係の調査を現在行っているところでございます。懲戒手続の一環として調査を進めている最中でございますので、その調査内容についてはここで申し上げるのは適当でないかと思います。
○翫正敏君 事情を聞いているということでありますから、内容が適切であるかないかということではなくて、私がなぜ申立書を出したかというと、別に好きこのんで申立書を出したわけじゃございませんで、出した意図は御理解いただけていると思うんです。要するに、これは個人の人たちが他人の名前を使って新聞に投書をしたとか、それから東京都防衛協会に対する募金活動を個人でしたとかというふうに私は思っていないわけです。 これは、当時、一九七五年の心理戦の教育訓練の一環として行われたものだというふうに私は思っておりまして、そういう角度から教育訓練局長に質問いたしましたが、局長は一貫してそれは個人的にしたことであって訓練局としては関知し広いというふうにおっしゃって突っ張られるものですから、じゃ、そのときの十名の受講生のうち四名の方は現在自衛官として現職で残っておられるんだから、事情を聞いてほしいというふうに思ったので、あえてこういう申立書を書いたわけです。 そういう意味では、その四名の方に聞いていただいて、他人の名前を使って新聞投書をしたというのは、自衛官個々人が自分の判断で行った行為である、そういう調査結果が出たかどうか。例えば新聞投書のことを取り上げますが、新聞投書というものは、新聞投書作戦と名づけて教育訓練の一環として行ったものなのか、それとも個々人が自分の判断でしたことなのか。聞かれてどうでしたか。
○政府委員(秋山昌廣君) ただいまの御質問は、二十七日の委員からの申立書の中に、被申立人四名の記載と、かつ被疑事実として主として二つのことが書いてあるわけでございます。証拠として二つの証拠を提示していただいておりまして、我々としては、この申し立てを受けまして、これは懲戒処分の手続の一環でございますから、法令の規定に基づいて我々としても速やかに調査を終えたいと思っておりますけれども、他方で、懲戒手続というのは、被申立人にとりましてある意味での不利益処分でございますから、我々としてもこれは慎重にまた適正にやらざるを得ないということで、現在、いただいた申立書の被申立人あるいは被疑事実、さらには証拠書類を前提にいたしまして調査を進めているところでございます。 この時点で、調査内容について、あるいは事情聴取した内容について申し上げるのは、やはり先ほど申し上げましたように、懲戒手続の一環としてこれは人事上の措置として我々はやっているものでございますし、また隊員の側からいたしますとプライバシーの問題もございますので、今御質問の内容につきましてこうだということをここで申し上げることはできません。
○翫正敏君 じゃ、東京都防衛協会の会費集め、これにつきましても教育訓練の一環として行ったのか、それとも個人の行為だったのか、自分の判断で行った行為だったのか、これもここでは答えられない、こういうことですか。簡単でいいです。
○政府委員(秋山昌廣君) いずれにいたしましても、今調査中でございまして、我々としては早く調査を終えて、その調査結果について明らかにしたいという気持ちでございます。
○翫正敏君 調査結果として私から聞きたいのは、さっき言いました二点です。新聞投書というものと東京都防衛協会の募金活動、そのほかのこともいろいろ教育訓練の中でやられたようなんですけれども、はっきりわかりませんでした。私が資料を読んだ限りでわかったのはこの二つだったもので取り上げたんです。この二つが、教育訓練の一環であったのか、それとも個人の行為であったのか、この二つのことなので、このことについてはこの委員会で回答いただけるということだと思いますが、いついただけますか。
○政府委員(秋山昌廣君) 本件につきましては、ちょっと繰り返しで恐縮でございますけれども、委員の方から自衛隊法、法令上の申立人としての申し立てというものが出されまして、それに基づいて我々としては、法令に従いまして、被申立人あるいは被疑事実あるいは証拠書類、そういったものを前提にして調査をしておりますので、その調査結果については法令の規定に従いまして、例えば申立人に通知するとか、あるいは懲戒処分をする場合にはこうだといったような調査の結果についてはもちろん明らかにするつもりでございます。
○翫正敏君 いつということは、私が出しました申立書の結論が出てからと、こういうことですか。
○政府委員(秋山昌廣君) 私の職員からいたしますと、懲戒手続に基づく調査に基づいての結果でございますから、これは調査が終わらない限りは私の方から説明はできませんし、調査結果についてはなるべく早く出したい、なるべく早く調査を終えたいというふうに考えております。
○翫正敏君 その点についてはわかりました。 一号館のことについて質問します。 官房長官、お見えになって早速で恐縮ですけれども、以前この内閣委員会におきまして、市ヶ谷台一号館の保存の問題について、知恵を絞って保存について検討したいというふうにお答えになりました。どのように知恵を絞っておられるのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 先般、板垣先生の御質問だったと思いますが、一号館の保存についていろいろ御注意がございました。現在、一号館については関係部局におきましていろいろ検討がなされているというふうに伺っております。私どもからも、一号館の残置について衆参両院議員の先生方の中にもいろいろ御意見があるということを承知いたしておりまして、この御希望に沿えるかどうかについて検討はいたしておりますが、現在のところ、現在の敷地を有効に活用する、計画どおりその計画を実施しようとすると現在のままの残置は極めて難しいということを言われております。 現状のまま残置することはなかなか難しいということであれば、しからばどういう方法があるかということについて、さらに関係部局において検討していただいているというところでございます。
○翫正敏君 前回、私がここに座って聞いておりました河野官房長官の答弁の内容は、あのときの表現をそのまま覚えておる限りで言えば、ない知恵を絞って検討しておる、こういう表現だったと思いますが、それは保存が現在の場所でできないという前提で何とか代替案を考えているという、そういうことではなかったと思うんですね。それだったら別に大して知恵を絞らなくてもできるわけですから。簡単にできるでしょう、それだったら。だからその知恵を絞ってやるということは、現在の場所にそのまま残すためには何か方法がないのかということを一生懸命これから知恵を絞って検討するんだ、こういうふうに承ったわけですけれども、あのときの少なくとも御答弁のときの内容はそういう意味だった、こう理解してよろしいでしょう。
○国務大臣(河野洋平君) 先ほども申し上げましたように、委員の先生方の中には一号館の歴史的な価値でございますとか、残置すべき理由についていろいろ御意見があるということをお伺いいたしましたので、そうしたお考えが何とか生かせる方法はないかということで、私も担当者その他とも相談をいたしたわけでございますが、床面積が二万六千平米になる大規模な建物である一号館を、しかも敷地の中央部にそれがあるということで、そのままの形で残置することは計画を進める上で極めて困難だという事務当局の説明でございました。 ほかに方法はといえば、別の土地を考えるとかあるいは周辺地域について検討をするとか、そういった案もあるというふうにも関係者から伺ってはおりますが、そうしたことがいずれも難しい、しかも計画は今急にできた計画ではございませんで、かなりの時間を重ねて検討を加えた結果であって、この計画はなかなか動かしがたいという事務方の説明でございます。 しからば、ほかにどういう方法があるかということについて、私としては、そのまま残置するということではなくて、そのままの残置ができないならば、歴史的意義を持つ建物をいかに将来に残すかということにまで検討の幅を広げるという方法しかないと今考えているところでございます。
○翫正敏君 これは官房長官に、それから引き続いて防衛庁長官に所感の一端をお伺いしたいということで質問するんですが、この市ヶ谷台一号館の大講堂において東京裁判が行われたわけであります。極東軍事裁判というのが正式なのかもしれませんが、通称東京裁判と言われたものが行われた。この歴史的評価とか意義とかというようなそういうものについてそれぞれどんなふうに受けとめておられるのか、所感の一端をここで述べていただければと、そういうふうに思うわけであります。
○国務大臣(河野洋平君) 我が国の近代の歴史において第二次世界大戦、そしてその結果を裁く東京裁判というものが識者によってさまざまな角度から議論をされて、そのさまざまな議論はそのまま恐らく次の世代にさまざまな議論として引き継がれていくのであろうというふうに思います。 そうしたことを建物自体がその歴史を後世に伝える一つのものであるということもまた私は理解をいたしますが、しかし、後世に伝える方法は建物だけではない、ほかにも方法がいろいろあるんだろうというふうに思うわけでございます。 したがって、それはできることであればそれがそのまま残されて後世に伝えられるということは私は意味があると思いますけれども、しかしそれよりさらに別の意味あるいは別の、その場所の効率的な使い方というものがあって、しかも東京裁判の意義、意味というものが別の形で後世に伝えられるなら、それも一つの方法だろうというふうに思うわけでございます。
○国務大臣(中山利生君) ただいま官房長官からもお話がありましたが、あの大戦争の後の裁判、その裁判があのような結果が出たということにつきましては、これはその当時からいろいろな評価、議論があったところでありますし、世界史的に見ましても国際法的に見ましてもこれからも延々と議論のあるところであろうと思っております。そういう事実があったということは確かなことでございますし、その歴史というものは後世にやはり伝えていくべきものと思っておりまして、今回の改築の中でもできるだけその事実あるいは考え方というものは残していくべきもの、そのようにこれからも努力をしていきたいというふうに思っております。
○翫正敏君 次に、カンボジアのPKOについて少し質問します。 まず、PKO協力法ですけれども、この第三条の一に「国際連合平和維持活動」と題してPKO活動の定義が述べられておるんですけれども、これは担当の官房長官の方からお答えいただきたいんですが、この定義は国連の定義とはもう今や言えないというふうに思うんですね、日本の定義であると。 さらに正確に言うならば、日本が国連のPKO活動に参加できるそういうPKO活動の定義である、こういうふうに限定した定義の内容であるというふうに理解すべきだと思うんですが、国連のPKO活動の定義とすれば、現在ソマリアで決議をされて展開をされておる武力行使容認の活動もPKOというふうになっておりますので、これはこう言えないと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(萩次郎君) ただいま御質問がありましたように、確かに現在国連では新しい形のPKOというものが議論をされておることは事実でございますが、私どもの国際平和協力法におきましての国際連合平和維持活動の定義につきましては、過去のいわゆる伝統的な国連平和維持活動の態様を検討し、それを踏まえて規定したものでございまして、基本的には我が国の国際平和協力法上のPKOの定義が国連の認識と異なっているというふうには考えておりません。
○翫正敏君 これは、考えておるか考えておらないか、そういう考え方の問題ではなくて事実の問題を聞いておるわけですから。 官房長官、少なくとも現在の国連のPKO活動の定義は変わっているということですから、これは日本の参加するPKO活動の定義、こう言うのが正確なんでしょう。ちょっと官房長官の方から。
○国務大臣(河野洋平君) 国連におきます定義、現在の考え方等は国連局長から答弁をさせたいと思います。
○政府委員(澁谷治彦君) 確かに、ソマリアあるいはマケドニアにおきましては従来のPKOと違ったPKOの活動が行われておりますけれども、これにつきましては、国連としてはあくまで例外的な事態であるというのがその基本的立場でございます。 PKO特別委員会でも、この「平和への課題」についての議論が行われまして、そこで取りまとめられました結果を見ましても、確かに先生がおっしゃいますように、新たなPKOの役割というものを今後重視していくべきであるという意見がある一方において、いわゆる伝統的なPKOの概念はあくまで尊重さるべきであるというこの二つの意見が両論併記という形で報告されております。さらに、今後ガリ事務総長は秋の総会でこの議論はされるべきだということでございますので、新しいPKOの内容によってPKOが定義されているということはまだ言えないと思うんです。
○翫正敏君 じゃ、古いPKOと新しいPKOというものがあって、現在は過渡期であってどちらに固まるかわからないので、一応古いPKOの定義がここに書いてあるのでこれはこれでいいんだ、こういう説明ですね。そう受けとめていいんですか。
○政府委員(澁谷治彦君) 新しいケースにつきましては、これはあくまでも例外的なケースであるということで安保理は決議いたしております。我が国も特殊、例外的なケースであるという留保を付した上で、この決議案に賛成いたしております。
○翫正敏君 一応、そればそのように承っておきますが、カンボジアのPKO活動につきまして、私はやはりポル・ポト派の停戦違反の活動というのは非常にけしからぬ、許しがたい、国際法に照らして処罰すべきではないかというふうにも思うんですけれども、そのポル・ポト派がけしからぬということと、我が国が参加していることを規定している法律に現状が合致しているかどうかということとはこれまた別の問題でありまして、法律とちゃんと合致していなければ参加や活動はできないということでありますが、これは法治主義の大原則であると、こういう立場で質問をしたいと思うんです。 この三条のPKOの定義の中には、停戦の合意のことについてこういうふうな表現になっておるわけであります。「紛争当事者間の武力紛争の再発の防止に関する合意の遵守の確保こういうふうに述べられておりまして、つまり一たん停戦の合意というべきものが成立したとしても、それがずっと確保されているということがなければならない、遵守され、かつ確保されているということがなければならないと、この第三条には定義としては書かれている。 ところが、実際にはポル・ポト派という武装グループがパリ協定というものをみずから破って、そうしてさまざまな停戦違反を繰り返して攻撃を国連UNTACに対して繰り広げた、こういう事態なんですけれども、こういう状況というのは、この定義によるところの「紛争当事者間の武力紛争の再発の防止に関する合意」が遵守され、かつそれがずっと確保されている状態ということとは言えないのではないか。最近非常に平穏になってきておるわけですけれども、最近の状況というのはちょっと別として、非常に一時激しく停戦違反を繰り返していた選挙直前の事態、数日前の状態、あの状態というのは遵守とか確保という状態とはほど遠いのではないかというふうに私は思うんですが、いかがですか。
○政府委員(萩次郎君) 今、御紹介がありました「紛争当事者間の武力紛争の再発の防止に関する合意の遵守の確保、」というのは、この国際平和維持活動の条件ではございませんで、国際平和維持活動にはどういうものがあるかという例の一つとして挙がっておるわけであります。 この活動の中には、今のような「合意の遵守の確保」といった活動があったり、それから「武力紛争の終了後に行われる民主的な手段による統治組織の設立の援助」とか、そのほかの平和維持活動というのがその活動の中身であるということがここに書いてありまして、その活動のいわゆる条件といいますか前提になるようなのが私どもが従来から申しているいわゆる三条件、合意、受け入れの同意、それから中立性といったふうにこの三条の書き方はなっておるわけでございまして、今のお話の、その「再発の防止に関する合意」というものが国際平和維持活動の条件といった書き方ではございません。
○翫正敏君 これは条件じゃなくて前置詞みたいなものなんですか。よくわからないですね、ちゃんと明文に書いてあるじゃないですか、ここに。
○政府委員(萩次郎君) 条件ではございません。活動に、国連平和維持活動というのはこういう活動がありますというその例示の中の一つでございまして、それでは具体的に、例えばカンボジアの場合はどの活動がこの活動に当たるかということになりますと、例えば同号のイといった「武力紛争の停止の遵守状況の監視又は紛争当事者間で合意された軍隊の再配置若しくは撤退若しくは武装解除の履行の監視」といったようなイからロ、ハといったこういった業務が個々の活動の具体的な例になってくる、こういうことでございます。
○翫正敏君 あなた方は、国民をといいますか、国民の代表たる国会議員をと言った方がいいのかもしれませんけれども、とにかくごまかすという三百代言のようなことを弄して話をするので、私は、「定義」と書いてあってそこに一行、一行と書いてあるところにあるのは、これはそうでなくてもよいというような、いろんな種類があるうちの一つの種類であるというようなことを言われたんではこれはもうどうしようもない感じがしますけれども、一応次に移ります。 紛争当事者の間の同意ということについてもちろん書かれているわけですが、これはSNCが四派の意思を代弁してそれをUNTACの国連の方に伝達をしたということなんですけれども、この紛争当事者の参加同意は、見せてもらえませんので内容を聞きたいんですが、どんなことが書かれておるのでしょうか。日本のことについてどういうふうに言及されておりますでしょうか。
○政府委員(澁谷治彦君) これはシアヌーク殿下より、各派がUNTACの活動を受け入れることに同意している、日本についてももちろん問題はないという形で伝えられてきたものでございます。
○翫正敏君 これを我々に文書として提出できないのは、口上書やなんかについてはこの間までずっと提出できないということで、どうしてか知りませんが一週間ほど前やっと提出されましたけれどもね。そういうふうな文書としてあるけれども見せられない、いろんな外交的な事情があって提出できないというふうなことじゃなくて、あくまでこれは口頭のものなんですか。シアヌーク殿下が口で話された、それを聞いた、そういうことですか。
○政府委員(澁谷治彦君) 失礼いたしました。シアヌーク殿下より明石代表に正式にそういう通報があった、それを我が国にさらに伝えられたということでございます。
○翫正敏君 だから、そのシアヌーク殿下がSNCを代表して明石代表に、それから明石代表から我が国に、こういうルート、それはわかっているんです。それは文書によっているんですか口頭ですかと聞いているんです。
○政府委員(澁谷治彦君) 口頭でございます。
○翫正敏君 こういう紛争当事者の参加同意というようなものが口頭でよいという、当初からそういう予定であり、今後とも我が国がPKO活動へ参加するときはこのように参加の同意というものは口頭によって、要するに話を聞いてくるというふうなことになるんでしょうか。
○政府委員(澁谷治彦君) これは、基本的にはUNTACを通じて今回伝えられたということでございます。 今後どうするかについてはそのときの事情にもよりますけれども、基本的にはカンボジアの事例がその先例になるのではないかというぐあいに考 えております。
○翫正敏君 各国とも今までのずっと古い、PKOの活動としては歴史が長いですね、新しいのはまだ一回かそこらぐらいです。今後どうなっていくかわかりませんけれども、新型の武力行使を含むのは別としまして、いわゆる三条件というものによって停戦の合意を基礎にして活動されるPKO活動はずっと歴史があるんです。その紛争当事者や当事国の同意というものは以前からそういうふうに口頭で伝えられるものと、こういうことだったんでしょうか。それともカンボジアの事態からそうなったんでしょうか。今後どういうふうになっていくかということについてもカンボジアが一つの前例になって今後そういうふうになっていくということなんでしょうか。そこらをちょっと説明してください。
○政府委員(澁谷治彦君) 紛争当事者の同意というものを取りつけるについての形式については、従来国連の慣行においてはほとんど問題になっておりません。国連と紛争当事者との間でPKO活動について受け入れるという同意が、通常口頭でございますけれどもなされる限り、個々の加盟国の平和維持活動の参加については同意が得られたものだという一般的な解釈で従来来ております。
○翫正敏君 ちょっと、官房長官に政治的な判断ということでお聞きしておきたいと思うんです。 今回カンボジアのPKOに初めて我が国が参加をしまして、それで非常に危険なことになり、犠牲者も出たわけなんですけれども、そういうことを踏まえて、紛争当事者の同意ということについては我が国の法律の条文にも明記されていることでもあり、従来の慣行であるとかこういうふうなことにとらわれることなく、やはりもっと明確に紛争当事者からの同意を我が国として独自に取りつける。当事国なら当事国という場合もあるでしょうけれども、内戦の場合は当事者ということになると思います。そういうことをすべきだというふうに私は思うんですが、官房長官の御判断をお聞きしたいと思います。官房長官の御判断で結構です。事務的なこととしては慣行ということですが、どうなんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 国際平和協力活動は国連の要請によって派遣をするわけでございます。したがいまして、私どもは国連の判断というものがその判断の一番重要なものと心得ております。そこで我々は、国連に対して当事者間の同意がありますかと、そういうことを聞いて、ありますという返事があればそれで国連からの要請について検討するということであろうと承知しています。
○翫正敏君 国連の要請があれば国連がちゃんとやってくれるという、紛争当事者なり当事国なりの同意というものは国連のする仕事なんだから、そういうことを改めてまたするというようなことは、今度のカンボジアの事態というものを踏まえてもなおかつ必要ないという政治判断である、こういうことになりますか。ちょっともう少し明確に。
○国務大臣(河野洋平君) 考え方はそういうことでございます。ただ我々は、カンボジアの場合もそうでこざいましたしモザンビークの場合もそうでございますが、我が国の調査団がそうした点についてもできるだけ注意深く調査をし、報告をするということを過去二回行ったところでございます。
○翫正敏君 カンボジアのPKO活動に我が国が参加するに当たって、事前に調査をしたということの前提でちょっとお聞きしておきたいんですが、国連に対して攻撃をしかけた主な派であるポル・ポト派ですね、この派の代表者と目されておりますポル・ポトと言われる人物ですけれども、この人がパリ和平協定を我々がなぜ結んだのか、そういうことについての論文を発表しているんです。 それを見ますと、平和のために結んだというのじゃなしに、今後とも武力闘争を続けていくということのために、我々は従来いろいろ国際社会の中から疎外をされてきたけれども、この協定によっていよいよ自分たちは国際社会に認められるという地位を得たんだ、これは長年武力闘争を続けてきたという成果によってパリ和平協定を結ぶことができたんだ。このことによって世界はもう自分だちを無視できないんだと、こういうことを述べ、そして今後ともパリ和平協定の枠の中におって我々は武力闘争を続けていくんだ、こういうことを書いている論文が雑誌には大きく載っているわけです。 こういうものは雑誌に載っているというだけで本人が本当に書いたものなのかどうかわかりませんが、そういうようなことも事前にお調べになったのか。ポル・ポト派のまだ別の幹部の人もいると思いますが、そういうようなことを事前に調査をされて、パリ和平協定に彼らがなぜ参加をしたのかということについての事前調査、これはどういうふうになされたのか、御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 私が承知しておりますのは、カンボジアの状況を調査するに当たってSNC、これは委員も御承知のとおり最高の評議会でございますが、このSNCに十分考え方を打診をし確認をいたしております。また、御承知のことだと思いますけれども、SNCに参加をしておりますキュー・サムファン、これはポル・ポト派の議長と言われておりますが、キュー・サムファン氏は、日本のPKO参加を歓迎する旨の発言をしていることも事実でございます。また、ポル・ポト派と言われる集団がこの数カ月の間にさまざまなメッセージを送り、あるいは論文を出し、いろいろなプロパガンダをやってきたということは委員も御承知のとおりでございます。 その一つ一つが、どこに真意があるのか、どれが最も信頼すべきものであるかということを、我々はでき得る限り注意深く分析をしつつはございますけれども、しかしこれは状況によってかなり大きく変化をしているように思います。つい昨今では、選挙の結果を重視するというような、これもよくわかりませんけれども、そういった声明と申しましょうか、メッセージを出しているというふうにも聞いております。 この真意についても、まだ私どもは目下分析中でございますけれども、したがって、それはポル・ポト派を初めとしてカンボジアの各派がいろいろな思いを持ち、選挙のさなかには特に情報宣伝合戦も活発であったわけでございますから、そうした情報宣伝について注意深く収集をし、分析はいたしますけれども、その一つ一つを雑誌が取り上げる、あるいはさまざまなメディアが関心を持って取り上げるということはあったとしても、そのすべてが真実であるというふうには私どもは考えていないわけでございます。
○翫正敏君 実際、ポル・ポト派の停戦違反が相次いであったわけですから、そういう中で国連の措置としてこの選挙を守るためにいろんな措置がとられたということは、私はやむを得ない措置だったのではないかというふうには思っております。 しかし、例えば具体的にUNTACとプノンペン政権、ラナリット派、ソン・サン派がそれぞれ、それぞれということになっているようですけれども、選挙防衛というものの合意をした、そういう活動をしたというようなことが行われたわけですけれども、こういうことは、今まで言いましたように選挙を防衛するということのために国連の措置として必要であったということを認めないわけではありませんが、我が国のPKO協力法の枠で言うところのいずれの紛争当事者にも偏ることなく実施されるものであると、中立という表現になっているんですがね、表現として一言で言えば。 こういうことからはかなりはみ出ているんではないかというふうに感ずるんですけれども、これははみ出ていないと強弁されると思いますが、どうしてはみ出ていないというふうに言えるのか、説明していただきたいと思います。
○政府委員(池田維君) ただいま先生御指摘になられましたような協力関係が三派の間にあったかどうかといったようなことについて必ずしも確認はされておりません。もちろん選挙の期間中ポ ル・ポト派がある程度選挙妨害の工作を行ったということで、それに対してそれ以外の派が若干の協力関係を行ったということはあるかもしれませんけれども、しかしこのあたりは確認されていないわけでございまして、やはり個々の、こういうポル・ポト派を含めました四派の関係を最も公平な立場から見ておりますのが今回の場合ですとUNTACでございます。そして、UNTACは、この間の選挙が行われました結果、この選挙が公正かつ中立な状況の中で行われたということを認めております。 そういった意味から言いますと、私どもとしましては、基本的に公正かつ中立的な環境で選挙が行われたというように見ているわけでございます。
○翫正敏君 要するに、国連頼みと、こういうことだと思うんですけれども、我が国の独自性、我が国の法律に基づいて我が国の独自の判断で派遣をしたり、また中断をしたり撤退をしたりするというのが法案の審議のときに一番力を入れて政府が説明されたところですから、そこが何か一向にあいまいだなあという気がしてなりません。 ところで、ちょっと次に、それはそれとしまして、外務省に確かめておきたいことがあるんですが、ここに古いものを後生大事に持っていて恐縮なんですけれども、こういうものを持っているんです。これは去年の十月に出されたものですけれども、「もっと知りたい! 国連平和維持活動Q&A」というこれですが、これを見ますと、要するに平和維持活動というのは非常に平和なところで行われるものである、争いが行われている地域に行くのではなくて、そして紛争に巻き込まれるおそれなども全然なくて、大変平和なものなんだという、そういうことが書かれているわけですね。 ところが、実際には犠牲者も出たということでありますけれども、私はそういうことを今言おうとしているんじゃなくて、そのとき既に国連では、九十二年の六月十七日の時点で国連のガリ事務総長の平和のためのアジェンダが発表されて審議されていたわけですよね。この中では、国連の活動、PKO活動というものは今後は予防展開もある、平和執行もある、そういうさまざまなことに広げていかなければならない、従来の古い形のPKOだけではもう活動がなかなか難しいというような提案は少なくともされていて、真剣に議論されているわけですね。そういうことがこういう中で全然全く触れられていない。 これは外務省がつくって、国民に平和維持活動というものの事態を広く知らしめるためにつくられているもののはずなんですけれども、そういう国連で現に議論され、真剣に検討され、今日ではまだ一回かもしれないけれども、既に実行に移されているという武力行使も含めたPKO活動になっているわけでしょう。そういうようなものの報告は六月の時点で既になされているわけです。こういうものが全く触れられていないということに非常に国民に対する私は欺瞞というものを感ずるんですけれども、外務省の方からどなたかお答えいただけますか、この本をつくった責任者になるのでしょうか、どなたかわかりませんが、ちょっと御答弁願いたいと思います。
○政府委員(澁谷治彦君) まず、国連との関係で申し上げますと、確かに平和への課題は六月に出されておりますけれども、九月の時点で当時の渡辺外務大臣が国連でガリ事務総長と会談されました際に、ガリ事務総長は、自分の提案はすぐに実現すべきだとか実現されるということで出したものではない、今後の議論の一つの材料にしてもらいたいというつもりで出したんだということを言っておられます。それから、ことしの初めにガリ事務総長は日本に来られた際にも同様な発言をされております。 さらに、一九九二年の六月の時点で、法案が成立した直後にニューヨークで、我が方より当時のグールディンクPKO担当次長にも法案の内容を説明いたしまして、こういう条件で日本としてはPKOに参加するということを説明いたしましたら、それはもう非常に結構なことであるということで、国連側も完全に理解しております。
○翫正敏君 そんなこと聞いているんじゃないんです、私は、冊子のことを聞いているんです。
○政府委員(澁谷治彦君) 日本国民との関係でございますけれども、確かに当時国会において法案の議論の過程におきましては、PKO活動というのは戦争のために日本の要員が行くんではないかという議論がかなり行われまして、一般のテレビその他でもそれをうかがわせるような報道もございましたので、それを意識しながら、PKOというのは本来的に停戦合意が成立した後に行われる活動であって、戦争のための活動ではないということをこの広報資料で明らかにしようとしたということでございます。
○翫正敏君 余りへぐっていてもなんなんですけれども、この冊子は「もっと知りたい! 国連平和維持活動 Q&A」ということで、国連の平和維持活動というものはどういうものかということを国民にもっと知ってもらおうという趣旨で書かれているわけですね。この内容というものが、既に国連の中で真剣に議論をされ、今日では既にその一部が実行に移されている平和執行部隊なり武力行使、国連憲章第七章に基づく武力行使容認のPKOなりというようなものは、そんなものは別にそのまま書いてなきゃならないと私言っていませんよ、言っていませんが、そういうことについて全然そのかけらも触れられておりませんね。 それで、六月の時点の国会審議のときに、これは紛争が終わってから平和なところに行くから安全なんです、町内会のどぶ掃除のようなものですというのが法案説明のときの政府の説明でした。私どもはそれに対して、そんなばかなことはない、平和維持活動は危険だということを申しましたけれども、そうでないということで法案は通りました。それからやがて数カ月たって、そしてこれを広報活動として出されたわけでしょう。そうすれば、国連の中で平和維持活動というものの議論が進んでいるわけですから、当然その少しなりというものが国民にわかるように紹介されてしかるべきじゃないか、全くそういうこともしないということはおかしいんじゃないかということを聞いているわけで、この冊子のことについて、もう少し私が質問していることに即してお答えいただけませんか。
○政府委員(澁谷治彦君) 私どものPKOについての基本的な考え方はこの冊子に書かれているとおりでございます。 その後、確かに先生がおっしゃいますように、国連でPKOについて議論の進展がございましたし、それから、現実にソマリアにおいて平和執行機能を持つPKOが活動しているということもございます。私どもといたしましては、アンゴラ、さらにカンボジアにも要員を派遣したことでもございますので、そういった貴重な経験、実績を踏まえた上で今後三年後の見直しの議論をすることが重要だというぐあいに考えております。
○翫正敏君 PKOのことを聞いていたら、もう時間もないので、切りがないのでやめます。 法案のことについて質問します。 また外務大臣が見えたら若干時間いただけるんじゃないかと思いますが、今おいでになられる各大臣の関係ということでお聞きしますが、まず、災害とか騒乱とかその他緊急事態というものについては、先ほどの喜岡議員の方からの質問にお答えがありましたので、これは一応わかりました。大体どういう事態が想定されているか、ここはわかりました。 そこで、そういう事態に対して自衛隊が何をするのか、これをちょっとお答えいただきたいと思うんですが、輸送と救出ですね、これをすべて請け負うのか、それとも輸送だけ請け負って救出は請け負わないのか、輸送と救出の関係いかんと、こういうことでございますけれども、よろしくお願いします。
○政府委員(畠山蕃君) この法律案が成立いたしました場合に、自衛隊法として自衛隊に与えられます権限は輸送のみでございまして、救出という ことはここに含まれておりません。
○翫正敏君 それは畠山さんが衆議院でもお答えになったことなんです。それは防衛庁長官が法案の提案理由説明というものをさっきもなされましたし、衆議院でもされましたし、本会議でもされましたけれども、それから、さっき喜岡議員と質疑応答されている中でもちゃんと出てまいりました。再三邦人救出という言葉が出てまいったわけですね。この提案理由の中にも「緊急時における在外邦人救出のための輸送」というふうに書いてあるわけですから、あなたが救出はしないんだとおっしゃるその法的根拠、法的というか法律に書いてないということはわかりますよ。法律の条文には書いてないが提案理由には書いてある。提案理由というのは法律とどんな関係にあるんですか。その説明も含めて、救出はしないんだとおっしゃるその根拠を説明してください。
○政府委員(畠山蕃君) 法律には「輸送」と書いてございます。「救出のための輸送」といいますのは、その目的として、緊急事態に立ち至った在外邦人をその状態から救うために自衛隊は輸送を行うということでありまして、結果として当然ながらその在外邦人が緊急事態から救出された状態になるということはありますが、そのために陸地に上がって救出行為を行うという、そういう物理的行動はしないということでございます。
○翫正敏君 じゃ、救生活動というのは外務省がするんですか。
○政府委員(荒義尚君) 海外におきまして在留邦人の方の避難が必要になった状況におきまして、在外におきましては在外公館が在留邦人の方々に対して、例えば航空機が飛来する予定の地点への集合につき指導したりあるいは助言をする、また必要な場合には在外公館として必要な支援も行うということでございます。要するに、飛行場までの邦人の集結につきましては一応外務省の方で担当するということでございます。
○翫正敏君 じゃ、防衛庁長官の本法案の提案理由の説明にあります「緊急時における在外邦人救出のための」という、この「在外邦人救出のため」というところまでは主体が外務省、それで、その後「輸送」というところにかかって、ここで初めて防衛庁、これでいいんですか。間違いないですか。これは大臣が答えてください。
○国務大臣(中山利生君) 救出という言葉にちょっとこだわっておりますけれども、カンボジアにおける巡回とか警護とかという言葉の問題とちょっと似ているところがございまして、救出といいますと、今、防衛局長からお話ししましたように、ある程度強制力を持って危急な状態から邦人を助け出してくるということが想定されるわけでありますが、そうではありませんで、今先生おっしゃったように、どこかに避難をして救出、既にそういういわゆる救出という状態を経過した人たちがどこかに避難をして、それを輸送をしてくる。結果的には大きな意味で言うと救出になるわけでありますが、そこの辺の誤解を招かないように救出という言葉に気をつけて使っているというところでございます。
○翫正敏君 じゃ、もう一度、ここから官房長官にちょっとお尋ねしますが、所管のことで聞きますが、要するに、「在外邦人救出」ということの責任は外務省、それから、「ための輸送」というところが防衛庁というのがこの本法律案の趣旨である、こういうことで承ってよろしいですね。
○国務大臣(河野洋平君) 法案提出者でございます防衛庁長官のお答えのとおりだと存じます。
○翫正敏君 この法案にあります航空機につきましてですけれども、提案理由の説明では「政府専用機を含む自衛隊の保有する航空機」と、こうございますので、この一部改正の法律案にあります航空機を定義していただきたいと思います。
○国務大臣(中山利生君) 今考えておりますのは、政府専用機とC130輸送機でございます。
○翫正敏君 考えておりますということじゃなくて、法律上それはどうなるのか。航空自衛隊、海上自衛隊、陸上自衛隊がそれぞれ航空機を保有しておりますが、考えているということじゃなくて、法律というものですから、今後運用されていくわけです、通れば。私は廃案になること望んでいますが、通れば運用されていくわけですから、運用の歯どめを聞いているわけです。考えているということじゃなくて、この法律でいうところの「航空機」というのは、これは定義として政府専用機及び例えば航空自衛隊が所有する輸送機である、海上自衛隊の所有する何々であるというふうに定義を明確にお述べいただきたい。
○政府委員(畠山蕃君) まず、法律には「航空機」と書いてございますので、自衛隊が保有する航空機と純理論的に言えば限定されておりません。したがって、すべての航空機がここに入り得るわけでございます。 しかしながら、これから先は御質問と直接の関係はございませんと思いますけれども、実際の運用といたしまして、搭載能力あるいは航続距離等が当然法の趣旨からいたしますと一定のものが必要となりますので、その面から来る制約からして、ただいま防衛庁長官が申し上げたように通常政府専用機及びC130に限られるであろうということでございます。
○翫正敏君 法律上は「航空機」というものは陸海空のそれぞれの自衛隊が保有している空を飛ぶものである、こういうことであって、それの歯どめがない、そういうふうに理解をさせていただきまして、それで法律上この「航空機」は一度に何機まで出せるというふうになるんでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) これは一概には申し上げられませんで、特段法律上の制約はございません。ただ、実態といたしましてその輸送を担当すべき状況、一体何人がその状況にあるか、あるいはその距離、それからもう一つは我が自衛隊の側の本来の他の任務に支障があるかどうかといったようなことから制約がございます。 したがいまして、実際上はそれほど多くのものが行くということは想定され得ませんけれども、いずれにしてもこれまた純粋理論的に申しますと、そこに上限は法律的には設けられておりません。実態からの制約がございます。
○翫正敏君 法律の条文の上では、「自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度においてこと、こうありますね。ここが限度ということで抽象的でありますから、機数の上限というのはない、必ずしも一回に一機だけしか出せないということではないというふうに受けとめておきます。 外国の航空機を、軍用機ですけれども、これを自衛隊が借り上げる、それで使用するということは法律上可能でしょうか。この法律上という意味ですけれども、この法律で使う場合という意味ですよ、可能でしょうか。その場合、例はちょっと違いますけれども、あかつき丸をプルトニウム輸送に際してイギリスの国籍から日本国籍に移しました。このときサンバードというぺーパーカンパニーの所有ということに一応名目上して日本国籍に移したわけです。 こういうような方便的方法などを使って、国籍を移動させるというふうな方法によっての国籍移管、そんな場合も含めて、これも実質借り上げたと思うんですね、このあかつき丸の場合。実質上は借り上げたと、終わったらすぐまたもとのイギリスの船会社へ船籍は移っているわけですから。そういうようなことはこの法律上可能なのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(畠山蕃君) 御設例がどういうことを具体的に考えておられた上での話か、必ずしも私正確に理解したかどうかわかりませんけれども、いずれにいたしましても、ただいまも申し上げたように、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度においてということは自衛隊が保有している航空機の運用の問題としてとらえておりますから、したがって、外国の軍用機あるいは民間機であれ借り上げて、自衛隊が運航するというような事態は法的にも予想されていないというふうに申し上げられると思います。
○翫正敏君 では、外国の軍隊に日本の航空機の、自衛隊の航空機の警護を頼むことは法律上可能ですか。
○政府委員(畠山蕃君) これはるる御答弁申し上げておりますように、この自衛隊法の改正が通りましてこの権限が与えられた場合に、派遣先国の空港及び飛行経路において安全が確保されない場合には運航しないということでございますので、その場合にどこからであれ警護を要する、ましていわんや外国の航空機による警護を必要とするというようなことは前提となっておりません。
○翫正敏君 外国の軍隊の警護もあり得ないし、日本の自衛隊の支援戦闘機とか戦闘機等による護衛、これもあり得ないと、こういうことですか。
○政府委員(畠山蕃君) そういうことでございます。
○翫正敏君 これもちょっとくどいようですけれども、法律上できないということなのか、運用上これはしないということなのか。それはどちらですか。
○政府委員(畠山蕃君) るる御答弁申し上げています安全が確保されない限り派遣しないというのは、まさに任務そのものの目的が在外におる邦人の救出のために輸送するということでございますから、したがいまして、そこがもし危険にさらされている状況であれば、救出されるべき邦人が救出され得ない状況ということでありますから、この法文の条理上そういうことはあり得ないということを申し上げているわけでございます。
○翫正敏君 じゃ、ちょっと議論が変わるんですけれども、あと数分なんですが、私は一般的に自衛隊は憲法違反であるという認識に立っておりまして、まして自衛隊が武力行使をするということは、これはできないという考え方に立っております。 ただ、政府の立場からいいますと自衛隊は武力行使することができるということなんですけれども、その自衛隊が武力行使をできる場合はどんな場合なのか、政府の立場から御答弁願いたいと思います。正確にお願いしますね、事前にちゃんと通告してありますから。
○政府委員(村田直昭君) お尋ねにお答えいたします。 自衛隊法の第八十八条によりまして、自衛隊法「第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられた自衛隊は、わが国を防衛するため、必要な武力を行使することができる。」と規定されております。 このように自衛隊法は、防衛出動を命ぜられた場合において、第八十八条の規定に基づき外部からの武力攻撃に対して我が国を防衛するため自衛権の発動として武力行使することが認められているわけでございます。 なお、この自衛権の発動としての武力行使につきましては、従来から第一に、我が国に対する急迫不正の侵害があるということ。第二に、これを排除するために他の適当な手段がないこと。第三に、その行使が必要最小限度の実力行使にとどまるべきことという三つの要件を備えることを必要とするということを答弁しているわけでございます。そして、このような見解は従来から政府が一貫して明らかにしているところの見解でございます。
○翫正敏君 外部からの武力攻撃があった場合、いわゆる直接侵略があった場合ということに限る、こういうふうに理解してよろしいわけですね。
○政府委員(村田直昭君) 外部からの武力攻撃があった場合ということでございます。
○翫正敏君 あと、ちょっと侵略のことについて聞きたいんですけれども、後からでいいですか。
○委員長(守住有信君) あと二分あります。
○翫正敏君 これは時間がかかるんじゃないかと思ってあれしたんですが、直接侵略ですね。侵略ということは国際法上どういう事態として定義されているか、それを示してください。
○政府委員(村田直昭君) 私、これたしか国連のいろいろな文書で直接侵略について定義をしたものが四つ五つあるように記憶しておりますが、今ちょっと手元に持っておりませんので、我が国に対する組織的、計画的な武力攻撃をもって侵略というふうに通常言っておるわけであります。
○翫正敏君 一九七四年十二月十四日、国連第二十九回総会において侵略の定義に関する決議というものがなされておりまして、ここで侵略とは次に掲げる行為であると書いてあるんです。 それは、お答え今すぐいただけなかったら、私ここで質問あと二分ぐらい残っておりますけれどもやめます。お見せしますから、後からこれに従ってちゃんと答弁してください。
○政府委員(村田直昭君) 今、私が申し上げたのが、今手元にございませんが、たしかそういうものがあったということを申し上げたわけでございます。
○翫正敏君 なぜ、こういう質問をしているかということだけ申し上げておきますが、それは要するに、この侵略の定義に関する決議によれば、一国の軍隊の保有する艦船及び航空機、これを攻撃するということはこれは侵略に当たる、こういうふうに書かれておるんです。このことを問題にしたいというふうに思うので、それで侵略の定義を先ほどから聞いているわけです。後で午後、質問を続けますので、それまでにちゃんとこの侵略の定義に関する決議をお調べいただきたいと思います。 終わります。
○喜岡淳君 官房長官にお尋ねしたいと思います。 危機管理の問題です。危機管理については、内閣の重要な任務の一つだろうというふうに思いますが、その危機管理の一つとして国内の危機管理と、もう一つは在外邦人に対する安全管理の問題ということがあると思います。 既に、もう六十数万人の人が海外で生活をされておりまして、一千万人を超える方が年間海外へ出ておる、こういう中での海外における邦人保護の問題について、これも重要な危機管理の一つだろうと思いますので、海外における邦人の保護について、官房長官、政府としてどういう御見解なのか、取り組んでおられる姿勢についてお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(河野洋平君) 在外邦人の安全を確保するということは、当然政府として極めて重要な問題だと承知をいたしております。このために、在外公館等は常に在外邦人の安全のために十分な注意を払って、情報を収集し、また在外邦人に対して必要に応じて連絡をとるべく最大の努力をするということでございます。
○喜岡淳君 安全保障会議、またその事務局の部屋の方もありますけれども、安全保障会議の構成とか、またどういう活動をされておるのか、お聞かせいただきたいというふうに思っております。
○国務大臣(河野洋平君) 事務方から答弁をさせていただきます。
○政府委員(児玉良雄君) 安全保障会議は、国防に関する重要事項、それから国の安全にかかわる重大緊急事態への対処措置について内閣総理大臣の諮問を受けて審議、答申をする、あるいはその他の手続で検討していただくというような仕組みになっておりまして、構成は、議長が内閣総理大臣で、あといわゆる副総理、外務、大蔵、国家公安委員長、防衛、経済企画、官房長官という閣僚と、そのほか必要に応じて意見を言っていただくために、閣僚の方その他の方においでいただいて、先ほど申しました事項について審議をする、そういう機関になっております。
○喜岡淳君 海外でも紛争国における邦人の問題の議論がたびたび起こっておりますので、この安全保障会議というものが頻繁に開かれておるというふうに私は思いますけれども、開催状況はどういうふうになっておりますでしょうか。
○政府委員(児玉良雄君) 安全保障会議が設置されましたのは昭和六十一年の七月でございますが、現在までに四十五回安全保障会議を開催しております。
○喜岡淳君 安全保障会議では、いわゆる重大緊急事態についての議論も行われておると思うんですが、重大緊急事態というのはどういうことを具体的に議論されておるんですか。
○政府委員(児玉良雄君) 安全保障会議設置法を審議されました六十一年当時の国会での審議におきましては、重大緊急事態に当たる事項でこれまでに起こったのを例示的に挙げればということで、当時の後藤田官房長官がお答えしておりますが、それによりますと、ダッカの日航機ハイジャック事件であるとか、あるいはミグ25亡命事件一大韓航空機撃墜事件、関東大震災のような大災害、こういうものを例に挙げておりまして、具体的にどういうものとどういうものが入るかというのは、その事態に照らしましてその都度判断をすべきものであると思いますので、これから先、あるいはこういうことかということを今限定的に申し上げるのはちょっと困難かと思いますので、そこはお許しいただきたいと思います。
○喜岡淳君 後藤田官房長官がこの安全保障室ですか、安全保障の部屋ですね、事務局を設置する際に、後藤田氏が内閣安全保障室に対して挙げた項目は今おっしゃったように四つ当時あったと思います。ダッカの日航機ハイジャック事件、ミグ25の強行着陸事件、ソ連による大韓航空機撃墜事件、そして四つ目に関東大震災等の地震、この四つを後藤田氏は当時内閣安全保障室の仕事として取り上げられたようでありますが、こういう概念だけに限定されるんですか、重大事件というのは、重大事態というのは。 といいますのは、きょう最初に法案の提案が防衛庁長官からあったときには、騒乱その他の緊急事態という概念が出されております。このいろんな法律体系とか、内閣の危機管理の中で、騒乱及びその他の緊急事態、しかもそれが紛争とか内乱、そういったことも前提とした議論が出てくるというのは、少し私は驚いておるわけですけれども、法案でいう「騒乱その他の緊急事態」、つまり内乱や紛争を排除しないという状態でありますが、そういう問題どとの内閣安全保障室が担当する重大緊急事態というのはどういう関係にあるんでしょうか。全然概念が別なんでしょうか。
○政府委員(児玉良雄君) 安全保障会議設置法でいいます国の安全にかかわる重大緊急事態といいますのは、緊急事態が発生した場合に、通常の緊急事態対処体制では適切に対処し得ない、そういう事態であるということで、そのうちの重要なものが安全保障会議の審議事項としてかかわってくるわけでございます。したがいまして、今の自衛隊法改正案でいう緊急事態がその重大緊急事態に当たる場合もあるし、あるいはそこに至らない場合もあるし、そこは事態に応じていろんなケースがあると思っております。
○喜岡淳君 時間ですから。ありがとうございました。
○委員長(守住有信君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時四十二分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十二分開会
○委員長(守住有信君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、自衛隊法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田村秀昭君 カンボジアの自衛隊の施設大隊の隊員の皆さんや停戦監視員の皆さん、文民警察の皆さん、選挙要員の四十一名の皆さんも大変に苦労をしておられる。その労に対して心から感謝をしたいと思います。 カンボジアの話は、いろいろな情報についてはテレビも毎日のようにやっておりますが、モザンビークの方については何か行ったきりみたいな感じでございますので、モザンビークについての国連の活動、全体の目標はどうなっているのか、時期はいつまでなのか、自衛隊員が五十数名行っておりますが、どういう生活をしてどういう仕事を今現在やっているのか、協力本部の方からお聞きしたいと思います。
○政府委員(萩次郎君) モザンビークの国際平和協力業務でございますが、カンボジアのUNTACに対してONUMOZという名称で呼ばれております。当初国連で定められておりましたタイムスケジュールに比べますと若干おくれぎみでございますが、最近の連絡によりますと、予定をしておる各国の部隊がほぼ到着をしつつあるという状況でございますので、ONUMOZの活動はこれから本格的に進められるというふうに考えております。 当初といいますか、現在のところの国連の予定でありますと、これから武装解除、それから新国軍の建設、そして十月ごろには選挙をやって業務の終了という予定でございますが、現在のところはかなりおくれておりますので、十月の選挙というのはもう来年に延びざるを得ないというのが大方の理解でございます。 そこで我が国の要員でございますが、輸送調整の部隊は四十八名参っております。それから司令部勤務でございますが、五名参っております。輸送調整部隊の細かい業務は防衛庁からもお話があるかと思いますが、概略申し上げますと、輸送調整という名前のとおり、輸送手段の割り当てあるいは通関の補助、そのほか輸送に関する技術的な調整ということでございます。現在まだ業務が始まったばかりでございますが、現在までのところ最も多い業務が空港それから港における、現在各国の部隊が到着しつつありますから、その部隊のいろんな荷物、貨物、これを港、空港で受け入れをするということが大きな業務になっておるようでございます。 そして、四十八名のうち、現在首都のマプト、ここに中隊本部と輸送調整小隊ということで二十八名。それから、マプトの近郊でございますが、南部司令部がございますマトラというところに輸送調整部隊十名、それから司令部要員一名。それから、中部のドンドというところでございますが、ここに小隊が一つ、十名。それから、中部地域の司令部、これはベイラでございますが、ここに二名、それぞれ配置をされておりまして既に業務についております。 期間でございますが、先ほども言いましたもともとの国連の計画が十月までということでございますので、私どもの方の実施計画は本年の十一月三十日ということになっておりますが、既にかなりおくれているということもあって、大方の考え方として、来年にずれざるを得ないという状況でございますので、私どももそれに合わせていろいろ準備をさせていただきたいというふうに思っております。 現在、隊員は大変暑いところで御苦労をされております。我が国といたしましても首都に臨時の大使館を置き、そこに私ども平和協力本部事務局からも支援要員を出張させて、その後方支援をいろいろ行っております。 先生の御質問で、問題点ということでございますが、まだスタートしたばかりで、とりたてて問題点ということではありませんが、まあ逆にスタートしたばかりだからこそ問題点があるとすれば、この部隊の人たちの住むところがなかなか確保が難しいという状況でございます。司令部要員は大体ホテル住まいが多うございますが、大変住む場所が限られているということから、大変高いお金がかかるとか、それから部隊の人はテント生活を送っておるわけですが、この地域におけるテント生活、それぞれ乾期、雨期、大変生活、勤務環境が厳しいのではないかということで、私どもその辺の後方支援遺漏なきを期したいということで努力をしておるところでございます。
○田村秀昭君 そうしますと、十一月三十日に帰ってくるというのは延期される可能性もあるということですか、今のお答えでは。
○政府委員(萩次郎君) 国連の方の計画は、現在大方の方々は、再度決議がなされて延期されるということを言われております。もしそういうふうになりましたら、自衛隊の部隊は要員の交代ということになろうかというふうに考えておりますので、現在行っております方々はその時点で帰ってくるということになろうかと思います。
○田村秀昭君 そうすると、まだテント生活をし ていると。これは自分たちでテントを持っていって立てているんですか。
○政府委員(萩次郎君) テントでも、大きなテントというのはなかなか人間の手だけではできませんので、そういう場合はそこにいる外国の部隊、現在はポルトガルの通信部隊のお世話になって食事とかそれから水を補給してもらっておりますが、そういう人たちの援助を得てテントを張るという状態であろうかと思います。
○田村秀昭君 そうしますと、モザンビークに行っている自衛隊員というのは大変苦労していると私は思うんですが、定期便はカンボジアのように飛ばしているんですか飛ばしていないんですか。定期便を飛ばさないと、何か糸のないたこみたいになってしまうんではないかと思いますが、現地の人たちのためにぜひ私は定期便を飛ばすべきだと思うんですが、その辺はいかがですか。
○政府委員(畠山蕃君) モザンビークヘ派遣しました輸送調整中隊の場合は、カンボジアに派遣いたしました施設大隊とはその部隊規模とかあるいは業務内容、整備等に伴う輸送所要それから地理的な場所等大きく異なっておりまして、補給品等を輸送する連絡便が必要かどうかという点につきまして、必ずしもカンボジアの場合と同列に論ずることはできないと考えますが、いずれにせよ、今後輸送所要等を踏まえながら適切にその辺の輸送のニーズにこたえるようなことを考えていきたいというふうに思っております。現段階では定期便という形で飛んでおりません。
○田村秀昭君 ぜひ現地の人たちは、やっぱり定期便が飛んでくるということは現地に行っている自衛隊員にとってみれば非常に心強いことだと私思いますので、どうぞよろしく御配慮のほどをお願いしたいと思います。 ちょうど一九九〇年八月二日にイラクがクウェートに浸入したわけですが、当時非常にクウェートは経済的に豊かな国であり、イラクで大変おいしいメロンができるのに自分たちは、イラクの人たちは食べられないで、それを輸出して、クウェートの人たちがそれを買って、イラクの人が遊びに来るとそれを食べさせたと。それで、自分たちがせっかくつくったこんなおいしいメロンを自分たちが食うことができないというようなこともあって、イラクは百万の軍事力を持っておりまして、クウェートはその十分の一もない、しかし経済繁栄をしていたわけであります。私は、我が国も東洋のクウェートにならなきゃいいなとつくづく思っているわけであります。 外務省の方、来ておられますか。イラクはなぜクウェートに侵攻したのかという分析を歴史的にも我々日本の国民もそれを十分に知っておく必要があるという意味で、外務省に、イラクはなぜクウェートに侵攻したのか、東西冷戦が解除されて平和が来ると社会党の先生も言っておられるけれども、全然平和になっておらないという意味において、どういうことでサダム・フセインはクウェートに侵攻したのか、教えていただきたいと思います。
○政府委員(小原武君) イラクがクウェートになぜ侵入したかということでございますが、当時のイラク、クウェートをめぐる情勢あるいは当時のイラク側の言動などに基づいて推測いたしますと、石油問題、それからさらに両国間の領土問題というものが背景にあったと考えられます。 イラクは、ちょうどイラン・イラク戦争が終わって間もないころでありまして復興需要が大変あったわけでありますけれども、国家収入の大部分を石油に依存するという状況でありまして、この石油の価格を高く維持するということが非常に大きな問題であったわけであります。イラクに言わせますと、OPECの対応、なかんずくクウェートがその生産枠を超えて過剰生産しているというような事態が、イラクに非常に大きな死活的な不利益をもたらしているというようなそういう状況にあったと当時強くクウェートを非難していたわけでございます。 また、その背景に、クウェートの一九六一年の独立以来、イラクはこのクウェートを自国の一部という主張を貫いてきたわけでありまして、独立以来、何度か両軍が衝突した経緯があるわけでございます。このような状況を背景にしまして、圧倒的な軍事的優勢にあるイラクがクウェートにおどしをかけたということが大きな動機であったろうと思われます。 動機はそうであるとしましても、その当時の国際情勢に対する状況認識、これはイラクが大きく誤ったのではないかと思います。すなわち国際社会、なかんずく安保理を中心にしまして国際社会全体があのような毅然とした対応をとったということは、イラクが当初予想しなかったことであろうと思われます。
○田村秀昭君 もし、クウェートがその経済力にふさわしいきちっとした防衛力を身につけておればそのようなことは起こらなかったんじゃないんですか
○政府委員(小原武君) これは推測になりますけれども、クウェートの経済力は大変なものがありましたわけでありますけれども、非常に人口が少ないというような状況のもとでは、クウェート一国ではあのような予想外の理不尽な行動を隣国がするという状況においては対応できなかったであろうと思います。 そのような反省に立ってのことと思いますけれども、湾岸戦争後クウェートは、アメリカあるいはイギリスといったような国と安全保障の取り決めをしてそして自国の安全を確保するという方向に向かっているようでございます。
○田村秀昭君 その湾岸戦争のときに、我が国は百二十億ドルという多大の金銭的な援助をしたにもかかわらず、クウェートは日本に感謝をしなかったという記事を聞いております。もし日本が他国の侵略に遭って、そのときにどこかの国がお金だけ出してくれたといっても、実際に助けに来てくれた人に感謝するだろうということは自明の理だろうと私は思っております。 それで、一九八九年にベルリンの壁が落ちて、マルタ会談が起きて冷戦が終わったわけですね。それからどういう戦争が起きているかというと、米国が軍隊を世界の平和のために出したのは、正しい大義作戦、これはパナマですね、砂漠の盾作戦、続いて砂漠の嵐作戦の派兵がありました、それから海の天使作戦、バングラデシュですね、それから希望の回復作戦で米軍は出ていっているわけです。 それで、冷戦の終わりは脅威の終わりではないと、特に軍事的脅威の終わりを決して意味するものではないということを米国のペンタゴンは言っているわけでありまして、四月二十一日の上院の軍事委員会でリスカシ在韓米軍司令官は、北朝鮮の南侵が極めて高いということを委員会で報告しております。その理由は、一つは北朝鮮のGNPが九二年度には一〇%以下に減ったと、北は中東などへの武器輸出で外貨や石油を得ようとしたが成功していない。国民への食糧の配給の量を激減させている。国民の間に餓死が広まり、これまで特に優遇されてきた軍隊の食糧の配給が削減された。燃料不足のために主要交通システムがほぼ麻痺している。それで一世帯一日に電球一個とテレビ視聴を二時間に絞る、それ以上電気を使用した場合には新しい法律で処罰されるということになっております。 これは上院軍事委員会のリスカシ司令官の報告であって、南への侵攻の可能性は極めて高いということでございます。外務省は、この件に関してどういうような御見解を持っておられますか。
○政府委員(池田維君) ただいま先生の御指摘のございましたリスカシ在韓米軍司令官がそういう趣旨の発言を行ったということは我々も承知はいたしております。そして、実際に北朝鮮におきまして、エネルギーあるいは食糧不足等がかなり深刻な経済状況をもたらしているということも承知いたしておりますし、外交的に孤立しているというのは事実でございます。しかしながら、現在北朝鮮が韓国に軍事的に侵攻するという、そういう可能性を示す具体的な兆候は存在していないというのが私どもの見方でございます。
○田村秀昭君 どうしてそういう評価をされているのか私はわかりませんが、陸軍の三分の二以上は三十八度線の百キロ以内に全部入っている。それで今回南侵をするとすると、ソウルと三十八度線の間には南の韓国の人が約一千万いるわけですね。そこに三十万入ってくるともう人質になってしまうわけですね。ですから、この前の朝鮮戦争と同じような様相は呈さないと私は思うんですが、どうして外務省は、今の北朝鮮の経済的状況と軍事力を三十八度線に全部集めているということについて、そういうことが起こらないというふうに楽観的な態度をおとりになるのか、私はちょっとわからないので、もうちょっとよく教えてください。
○政府委員(池田維君) ただいま申し上げましたが、韓国に対しまして北朝鮮が現在軍事攻撃を行う可能性を示す兆候がないということを申し上げているわけでございますが、私どもとしましては、現在、米朝間あるいは南北間で行われております北朝鮮のNPT脱退の動きをめぐります交渉が今後どういうような進展を見るかということを注意深く見守っていきたいというように考えているわけでございます。 特に、米朝間の第三回目の接触が間もなく、日本時間で申しますと明朝行われます。したがいまして、そういう交渉の動きというものを十分に注意してまいりたいというように考えているわけでございます。
○田村秀昭君 もちろん、外交交渉の推移を見守ることは外務省としては当然だと思いますが、軍事的な動きというものも十分に考えていただきたいと私は思っております。 私は、来年の夏までには侵攻があり得ると非常に強く確信をしておりますので、そのときに我が国は北朝鮮側につくのか韓国側につくのか、どちらにつくのか。まあ仮定の問題を聞いてもノーコメントだというふうにお答えになることは見えておりますけれども、武力行使はしないということで何にもしないのか。どういうふうにお考えなのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(池田維君) ただいまの御指摘の点は大変重要な点ではございまするが、仮定の場合の想定だと思いますので、ちょっと具体的なコメントを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○田村秀昭君 もちろん、こういう公式の委員会の場でございますので、正式なコメントは控えていただいても結構ですけれども、池田局長、ぜひそのことは常に毎日お考えになっていただきたい。 それで、そのときに我が国は、どういう在日米軍に対して支援をするのかということが日米関係の将来を決定する重要な私はポイントになるだろうというふうに思います。ちょうどマッカーサー司令部が朝鮮戦争をやったときの日本の支援と同じようなことが独立国になった我が国でできないとなると、修理とか輸送とか役務とか、いろいろ出てくると思いますが、そういうのができないということになりますと、日米関係は大変厳しい状況を迎えるんじゃないかというふうに思います。 それから、これは防衛庁にお伺いしますが、北朝鮮のスカッドミサイルの射程が延びて一千キロになった。それで核ができればそれを搭載するということでございますが、北朝鮮は我が国に対して好意的な国でないことは明瞭でございます。いろんな理由をつけて我が国にスカッドミサイルの攻撃をかけてくる場合に、我が国の今の防衛力でミサイルを打ち落とすことができるのかできないのか。それに対してどういうふうにお考えなのか。どういう対策をとろうとされているのか。お伺いしたいと思います。
○政府委員(畠山蕃君) 田村議員よく御承知のとおり、現在の我が国の防空体制でございますけれども、侵攻してきます航空機等をレーダーサイトや早期警戒機によってできるだけ早期に発見をいたしまして、要撃戦闘機部隊あるいは地対空誘導弾部隊が目標を要撃するという体制であるわけであります。 その能力につきましては、目標の態様等の状況によって差異がございますので一概に申し上げることができないわけでございますけれども、ただいまお話しになりましたスカッドミサイルというようなものを仮に想定いたしますと、このミサイルは、いわゆる高入射角で入ってくるというような地対地ミサイルでございまして、それに対処することを想定したシステムは現段階では保有していないということでございます。そのため、そういうことを考えまして、防衛庁といたしましては中期防衛力整備計画の中で、既に平成四年度からミサイル対処能力あるいはECM対処能力の能力向上を目的として改善を進めてきておりまして、現在の能力向上型のペトリオットの導入を進めているということでございまして、今後これを逐次整備を進めてまいりたいということでございます。 北朝鮮の話として具体的にお話がございました。そのミサイルにつきましては、御承知のとおり、従来のミサイルをさらに射程を延伸したというものと見られておりますが、その能力の詳細については私ども必ずしも把握をいたしておりません。いずれにしろ、一般的に申し上げますと、ただいま申し述べましたように、能力向上型のペトリオットの導入によりまして相当程度対処が可能になるというふうに考えておるところでございます。
○田村秀昭君 もちろん、今我が国はペトリオットミサイルで装備されつつありますので、飛行機に対する要撃は十分だと思いますが、私はやはり、AWACSあるいは人工衛星で早期にミサイルの発射に対するいろいろな諸元をとって、それでペトリオットシステムにデータリンクしないと、データを伝送してやらないと間に合わないと私は考えております。我が国は専守防衛でございますので、ぜひ人工衛星を装備するということで考えていかないと、地域紛争がこれから激化してまいりますので、そのときに千キロでございますからアメリカには届かないわけで、アメリカがこれを守ってくれるということはあり得ないと私は考えております。 それで、もう時間が参りましたので、きょうの法案でございますが、邦人を救出するというのは国家の責務であります。サイゴンで当時大使館におられた人たちが、これが一体国家だろうかと嘆いたという話を随分聞いております。なぜ邦人を救出する、我が国が持てるすべての力で自分の国の国民を救出するということに賛成しないのか、反対の方の気持ちが私はちょっとわかりませんが、当然もう戦火が始まってしまえばこれは救出できないのでありまして、その前に民間でできるときは民間でやるけれでも、どうしても民間が行ってくれないときには、即座に行ける政府がその前に行くというのは当然の話であって、ぜひ防衛庁長官、これ頑張って成立させていただきたい。熱望して質問を終わります。
○大久保直彦君 官房長官がいらっしゃいませんので、質問の仕方が後先になりますけれども、防衛庁長官にお尋ねいたしますが、外務大臣から要請があった場合は無条件で直ちに政府専用機並びに自衛隊機を使うことになる、こういう御認識でいらっしゃいますか。
○国務大臣(中山利生君) 前回の本会議、また本日午前中もお答えいたしましたように、航空機の安全というものが確保されない場合には、もちろん外務省と十分な検討をした上で要請があると思いますけれども、また要請があってから現実に運航をするまでの間の時間的なずれとかそういうのがありまして、確保できない場合はお断りすることがあるということを申し上げております。
○大久保直彦君 そうすると、長官の御認識としては、この法律が通りましても、民間機の定期便でありますとか、または商業便でありますとか、政府専用機並びに自衛隊機のほかにも、いわゆる邦人の救出には従来どおりそういうものも検討されるであろう、その中の一環として自衛隊機、政府専用機が使われるのだと、こういう御認識だと伺ってよろしいでしょうか。
○国務大臣(中山利生君) そのとおりでございまして、第一義的には近隣にある定期便を使う、それからその他これまでやってまいりました民間機あるいは外国の航空機をチャーターする、そういう中で自衛隊機も使えないものだろうかということをお答えしているわけでございます。
○大久保直彦君 そこで、いわゆる安全の確認という問題なんですけれども、この安全の確認というのはどこでどなたがどういう基準を中心にして判断をされるんでしょうか。
○政府委員(荒義尚君) 外務大臣が邦人輸送のための自衛隊機の使用を要請する場合でございますけれども、そういう場合にはまず航空機の飛行経路及び当該着陸予定地の着陸許可が得られるような状況であるというのが前提でございます。それと加えまして、当然のことでございますけれども、在外公館におきまして情報収集及び分析を最大限に行って、それでもって一応前提が満たされれば検討を防衛庁にお願いするということでございます。
○大久保直彦君 検討を防衛庁にお願いする。すると、防衛庁は外務省からそういうオファーがあった場合には検討されるわけですね。
○国務大臣(中山利生君) そのとおりでございます。
○大久保直彦君 何を検討するんですか。
○国務大臣(中山利生君) ただいま外務省が御答弁をいたしましたように、実際に運航に当たってその条件が満たされているのかどうか、先ほど申し上げましたように外務省から来ている時点と実際に運航する間の時間的なずれとか、そういうことを考慮しまして決定をする。それから、もし私が、長官が命令をしましても、機長がなお判断して、これは危険で着陸できないとか、そういうことになれば、また機長の判断というものが最終的になるのではないかと思っております。
○大久保直彦君 外務省にお尋ねしますが、普通民間のフライトの場合にはディスパッチャーという、航空管理官というのが各空港におられまして、空路または気象その他空港そのものに対する情報をすべて機長に提供しておるわけです。これは外務省が全部やるということですか。
○政府委員(荒義尚君) 当然私ども外務省としましては、当該国におきまして、その国の政府等がどういう航空保安のための措置をとっているかを調べて、その上で判断するわけでございますが、ただいま先生御指摘の点につきましても、当然のことながら防衛庁と協議をするということでございます。
○大久保直彦君 防衛庁はどうするんですか、そういうときに。
○政府委員(畠山蕃君) 政府専用機の運航に際しましては、民間の航空機の運航の際と同様に、機長は航空法の七十三条の二の規定に従いまして、出発前の安全のための所要の確認ということを行うことになっていまして、それと同時に、要員に対し飛行に関する情報の伝達あるいは安全確保のための指示ということを行って安全確保を図るということでございます。 それでは、機長の安全確認の手段というのはどういうことかといいますと、運航管理者等が収集または作成しました気象情報、空港等に関するデータの資料について徴集いたしまして、その内容につき必要に応じて直接確認をするというようなことを行っているわけでございます。なお、出発前におきます機体の直接確認ということも行うという形でございます。
○大久保直彦君 今、局長の中にありました運航管理者、普通の場合これ先乗りしているわけでしょう、先行するわけでしょう。民間の場合は、そういうことが今実現可能だと思うんですけれども、自衛隊はそういう機能は持っておりませんね。そういう場合は、例えば、AならAという空港に着陸しなければならないけれども、その運航管理者というのは、それではそのディスパッチャーの能力は、だれがどこでどう果たそうとされているのか。それはどうなっているんですか。
○政府委員(畠山蕃君) 恐縮でございますが、必ずしも正確に私その辺の運用が今後どう行われるかについて今確たるお答えをできるだけのものを持っておりませんが、恐らく緊急の事態において、例えば邦人救出のための輸送を行うということになると、事前段階でその当該空港へ赴いてという悠長な時間的余裕がないと思われますので、そういう場合には、現地における公館等々の情報をもとにして判断をするというようなことに相なるものと考えています。
○大久保直彦君 私、なぜこんなことを言うかというと、安全の確保という問題で、ただ安全の確保、安全の確保という言葉だけ繰り返されているのでは、本当に安心して自衛隊機の運用というものが行われ得ないだろうと思うので、一つの一例を述べておるわけでございます。 例えば、先ほど資料もいただきましたけれども、747型ジャンボが離着陸できる空港というのは、世界の空港の中で大体何割ぐらいジャンボがおりたり飛んだりできる空港があるというふうに防衛庁は思っていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 世界の全空港というのはたくさんございまして、大体の各国の首都近辺の空港を洗いましたところ、実はちょっと何割という計算はいたしておりませんけれども、恐らくこれでざっと見ますと、九十数%以上の空港においてジャンボの離着陸が可能ではないか。ただ、これは机上で判断をしておりますので、いろんな後方支援資機材とか要員がどうなっているかとか、その場その場において変化し得るものについて必ずしも十分に把握し切れておりませんので、滑走路の延長といったような観点から物理的に判断をいたしまして考えますと、今申し上げたようなことではないかというふうに思います。
○大久保直彦君 法案を出されているお立場として、もう少し詳細にいろいろと検討を詰めていただきたいと思うんですが、やはり747型機が離着陸するためにはどのぐらいの距離が必要なのか。また、何を基準にこういうデータを出されたのか定かではありませんけれども、この舗装の、ペイブメントというんですか、747型機の重量によってはおりられないところの方が多いんじゃないですか。むしろおりられるところは、今九十数%というお話がありましたけれども、この747型機の平常の重量での離着陸は三割ぐらいの空港でしか可能ではないのではないかと、このように私は認識をしておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 先ほどもお答え申し上げましたが、何せ膨大な数の空港についで、これを現在またさらに詳しく調べている途中にあるわけでございますけれども、一応滑走路等の物理的な状況から判断いたしまして離着陸可能であると判断されるものは、先ほども申し上げた九十数%のものが一応形式要件に該当するのではないかということを申し上げているわけでございます。
○大久保直彦君 そこで伺いますが、747型-400の操縦ライセンスを持っている方は今自衛隊で何人ぐらいいらっしゃいますか。
○政府委員(畠山蕃君) 現在合計で、機長資格の者とそれからいわゆるコーパイロットの者と合わせまして九名になっております。
○大久保直彦君 今、二機政府専用機持っていらっしゃるようですけれども、一機に対して何チームぐらい必要とお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(畠山蕃君) これは、海外運航をします場合に、八時間未満の場合ですと、これは交代要員なしで一クルーで対応するという考え方でございますので、機長とそれから準操縦者といいますかコーパイロットの二人でこれは運航する。これが八時間を越えて運用するということになりますと、これはニクルー。交代要員を必要といたしますので、機長の資格の者とコーパイロットの者とがそれぞれ二名ずつ、合計四名で運航する、こういうような形を考えているところでございます。 そのほかに、予備機としてもう一機が同時に飛ぶということになると、こちらの方も四名が要 る。合計八名が要る、こういうことでございます。
○大久保直彦君 民間の場合は大体五クルーを一機に割り当てておりますけれども、この政府専用機の場合はそんなにしょっちゅう飛んでいるわけじゃないですから大体二クルーでよろしいと、こういうことでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) ただいま申し上げたのは、実際の任務運航をする場合の状況ということで申し上げたわけで、それを長期間にわたってその体制で交代を、まさに二クルーの者が一チームずつ乗っかってしょっちゅうこれを実任務運航するということになると、それは先ほどの御質問にもございましたけれども、これはパイロットのいわば処遇上の問題とも関連いたしまして非常にきつい問題が生じてまいります。 したがいまして、我々としては当座、実任務運航をする場合の最低限の所要として八名が要るということで、現在九名でこれが一応充足されているという状況でございますけれども、今後ともパイロットの養成、教育には努めてまいって、その辺の確保に努めてまいりたいと考えておるところであります。
○大久保直彦君 このライセンスについては、ダッシュ400を運航できるパイロットというのは民間会社でも非常に少ないように承知しておりますけれども、大体養成してライセンスが取れるまでは一年ぐらいかかるそうですね。 防衛庁としては、今のこの一番最低要員を確保しておられるというようなことですけれども、将来の計画としてはどんな展望を持っておられるんでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 現在九名のほかに、まだ全日空ないし日本航空に委託教育をしておりまして、これらがそのうちにまた訓練を経て試験に合格すれば育ってくるということでございますが、具体的な数字として現在、将来展望として何年には何名というようなところまでは、私ども必ずしも十分に計画を立てているわけではございません。
○大久保直彦君 民間会社の場合は、いわゆるライセンスというものを必要とされておりますけれども、自衛隊の場合は、これはやはり民間と同じようなライセンスを取得するように指導しておられるのか、それともそういうことは余り考えておられないのか、それはいかがでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 政府専用機の運航の場合には、この運航の要領が、例えば自衛隊が従来から持っております輸送機その他の航空機と比べて異なると。大型であり、かつ長期に運用するというようなこともございまして、これは現在のところ民間と同じ定期運送用操縦士資格あるいは事業用操縦士資格というものを取得するということでやっておりまして、これが今申し上げた九人合格したということの内容でございます。
○大久保直彦君 長官にお尋ねいたしますが、この民間機が離着陸できるような空港に政府専用機を飛ばす場合にはさほどの危険も伴わないと思うんですが、問題は今予定されております130ですね。これは大体九十名ぐらいの人員を輸送できる、このように承知しておりますけれども、間違いありませんでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 最大九十名でございます。
○大久保直彦君 我々が想定する邦人の救出作業というのは、何かこう絵柄で二百名、三百名と大勢いらっしゃることを考えるわけなんですけれども、五十名ぐらいの場合もあると思うんですね。その場合は747型が行くんじゃなくて130ぐらいが行くのが妥当な私は行き方だと思うんですけれども、五十人よりももっと少なくて、五、六人という場合もあると思うんですよ。五、六人の場合もやはり130が行くんですか。戦闘機か何かで行った方が早いような気がするんですが、これはどうなんですか。
○政府委員(畠山蕃君) 現在考えておりますのは、およそ使いますのは政府専用機があるいはC130ということでございまして、まさに御指摘の中にございましたように、仮に政府専用機が使用可能である場合であっても、その必要な救出のための輸送を行う対象人数が少ない場合には、むしろC130を優先して使うということが当然考えられるであろうというふうに思います。 今、最後に御設例になった五、六名という場合についても、これは実は航続距離との関係がございまして、例えばC1とかYSuといったようなことも理論的には考えられないわけじゃございませんけれども、現在、一応通常考えられる救出のための輸送を行う視点ということを想定しますと、恐らく一般的にはその場合でもC130を使う、こういうことに相なるんではないかというふうに思います。
○大久保直彦君 戦闘機というのはちょっとオーバーですけれども、この機種を747と130に限定するということは今後も変更はないんですか。今のケース・バイ・ケースによってはむしろ実利的に130でもやや大き過ぎるということがあり得るんじゃないかと思うんです。しかし、この二種しか使わないというふうに今固定しちゃっていいのかどうか、その辺はどうなんでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) それは実態の運用の問題でございますので、必ずしも政府専用機とC130だけということは私ここで申し上げかねるところでありますけれども、実際搭載能力と航続距離と両方から考えますと、恐らくほとんどのケースはその二つのどちらかということで運用がなされるものと思います。ただ、それで、最後のぎりぎりのところで、おまえその二つに限定していいのかと言われますと、例えば輸送機としてC1が可能であるならば、それを使うことが全く排除されるというわけではないというふうに申し上げざるを得ないところであります。
○大久保直彦君 そこのところは非常に難しくて、また問題なところだと思うんですけれども、現在の政府の方針としてこの二種を使いたいということは、私もそれでよろしいんだと思うしはっきりしていると思うんですが、変更がある場合には何か手続が必要でしょうか。 もし違う機種を使用したいというような事態が起きてきた場合ですね、これはどういうことになりますか。
○政府委員(畠山蕃君) どうも、ぎりぎりの限界点のところでどういう運用をされるかという点に関しての御質問でございまして、実際上、一般的な問題として、政府専用機とC130が用意されていれば、恐らくほとんどのケースについて対応可能であろう、あるいは最も適切な運用であろうというふうに考えられますので、御質問のような事態というのはほとんど想定されないと言っても差し支えないのではないかと思いますが、ぎりぎりの事態においてそういうことになった場合、手続が要るかという御質問であるとすると、そこは法律的に「航空機」というふうに書いてございますので、お答えとしては実際上の運用としてはほとんどないであろうとは申し上げますが、万が一の場合に、ほかのものが出てきたときに手続が要るかということになると、答えは、それは要らないということになろうかと思います。
○大久保直彦君 そうしますと、今の御答弁で747並びにC130を使用するということをおっしゃっておりますけれども、この法律を見る限りは全くそういう制約は受けてはいないと。必要に応じては新たな機種の選定または運用も可能であると、こういう認識であると、こういうことでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 繰り返しになって恐縮でありますけれども、実際上の運用としては一般的にその二機種でもって十分足りるというふうに考えておりますが、ぎりぎりの限界的なケースとしてそういうことも法律上は排除されていないということでございます。
○大久保直彦君 官房長官見えましたので、質問が後先になりますが、在外邦人の救出必要事態が生じたときに、官房長官としてはどういうふうにかかわるんですか。 実は、外務大臣からの要請で自衛隊機が飛んで いくという議論をしているものですから。
○国務大臣(河野洋平君) ちょっと御質問の趣旨を正確に受けとめていないかもしれませんが、在外邦人が非常に困難な場面に直面をしておるという場面は幾つか想定があると思います。大きな災害、例えば大洪水とか大地震とかという災害の問題もあると思いますし、それからその地域、国内の状況が極めて混乱をしているというような状況もあると思います。それから、その当該地域にどのくらいの邦人がどういう状況でいるかという問題もあって、ケース・バイ・ケースで対応しなければならないので一定の状況というのは想定しにくいんですが、いずれにしましても、かなり大規模な状況であるとすれば、恐らく安保会議に付議するという状況が出てくるだろうと思います。それで、安保会議に付議するということになれば、官房長官としては当然そこにかかわり合うということになろうと思います。 安保会議は、総理大臣が議長として安保会議を開く。官房長官はそれの正規のメンバーでございます。そういうことは一つのケースとして考えられます。
○大久保直彦君 ということは、災害とか何かは別ケースにいたしましても、紛争が生じたような場合、この法律を見ますと、外務大臣が要請をすると防衛庁長官がそれを受けるということですけれども、外務大臣が要請をする背景には、やはり官房長官も安保会議並びに閣議等で、外務大臣が防衛庁長官に自衛隊機並びに政府専用機の使用を求めるかどうかということにはかむということですね、
○国務大臣(河野洋平君) 先ほども御答弁申し上げたと思いますが、在外邦人の安全について責任を負う立場というのは外務省でございます。外務省が在外公館を通じて在外邦人の安全について責任を負うという立場でございますから、やはり在外邦人に移動しなければならないような状況が生じたという場合に、一番最初に発議するといいますか言い出すといいますか、というのは外務大臣ということになると思います。 そこで、政府専用機を使うなり、何か航空機を使って輸送しなければならぬということになれば、外務大臣は防衛庁長官にそのことを要請をなさるということだと思います。その間に、今申し上げたように、安保会議を招集するというような状況があるとすれば、我々もそれに参画するということになると思います。
○大久保直彦君 従来、救出に当たりましては民間の定期便を利用する、または商業便を利用する。加えて、今回この法律によって政府専用機並びに自衛隊機がその任に当たられるということになるわけですけれども、そのいずれの選択をするかということは、やはりこれはどうも外務大臣の好みでやっているわけではないと思うんですね。やはり、しかるべくここに安保会議なり閣議等の議論、決定があってそれが外務大臣からのオファーになるということでないと、全く政府、官房長官もかまずに現地の大使館との、外務省との連絡だけで自衛隊機が飛んでいくというようなことになるということは、これは国民としても非常に不安を抱くことになるのではないか。もっとその辺は丁寧に説明をいただいて、外務大臣から防衛庁長官に要請がある背景にはこうした手続、またはこうした協議等が持たれるのだということがもう少し整理されて、明確に御答弁なり御発言をいただけないものだろうか、そのように思います。
○国務大臣(河野洋平君) 外務大臣から御答弁する方が正しいと思いますけれども、私からお許しをいただいて申し上げれば、現地に何か異常な事態が発生をしたということになると外務省は所要の措置をとると思います。 例えば、その当該地域への旅行の自粛を国内では求めるとか、あるいは既に現地におられる人たちに対してはそれぞれ連絡をとって注意を喚起する、場合によれば在外公館に集まってもらう、あるいは在外公館との間で行動についてのさまざまな打ち合わせをするというようなことがまず行われるであろうと思います。 そういう状況下でさらに事態が深刻になるという傾向が見られれば、それぞれできるだけ早く一般の商業機で別の地域に移ってもらうということを、これは勧告というんですかお願いをするということになると思います。その時点ではそれぞれが飛行機便があればその飛行機便で別の地域に移ってもらう、商業便で移ってもらうということになるんだろうと思います。本省では本省でそれぞれ、例えば企業その他にも連絡をして、もうあの地域は移ってほしい、彩られる方がいいということを申し上げるということになると思います。 したがって、時間的余裕があれば商業機で移るということをお願いするということがまず第一にあると思います。しかし、それは地域にもよると思いますけれども、もう切符がとれない、どうにも飛行機に乗るにも乗れないという事態が仮にあるとすれば、その次に民間機をチャーターするかどうかという話がきっと出てくるだろうと思うんです。しかし、私の半年足らずの短い経験でも、我々が民間機をチャーターしようとしてなかなかチャーターができない。今は飛行機がそんなにあいていないということもあるかと思いますが、急にあしたどこへ行ってほしい、あるいは三日後にどこからどこへの飛行機をチャーターしたいと言ってもまずなかなか難しい状況でございます。 そういうこともあって、もし仮に政府専用機であるとかあるいは自分たちで飛行機を飛ばすことができれば、それはかなり機敏な対応ができるというふうに私は感じております。
○大久保直彦君 今の官房長官の御答弁を伺っておりますと、専ら何かチケットの問題で民間機とそうでない機種を選択をされているような印象を受けるんですけれども、やはり民間機や商業便が行きにくいところを政府専用機なり、またはこの130が飛んでいくという発想が私はあるんじゃないかと思うんですけれども、そういうのは全くないんですか。切符が買えないから政府専用機が行くというようなことだけではないのではないかと思いますけれども、重ねてお願いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 少し切符に重きを置いて御答弁申し上げ過ぎたかもしれませんが、いずれにせよ、今回の法律の趣旨は、防衛庁に移管をした、防衛庁に所管をしていただいている政府専用機及び防衛庁が持っている輸送に適当な航空機で、問題の場所から輸送しようということに当たっては、つまりこれは自動車が行くという話とは違って飛行機が行くわけですから、飛行区域というんですか、航空区域の飛行許可が出なければ飛べません。 それから、着陸許可が出なければ着陸はできないわけでございますから、民間機が飛べないあるいはチャーター便が行かない、しかし自衛隊機は行けるということ、もちろん今申し上げたように、チャーターができないから行けないとか、民間航空機がそういうところをそんなに多く飛んでいないとかということはもちろんあると思いますけれども、それとは別に、着陸許可もおりないようなところに自衛隊機ならまあとにかく突っ込んで着陸をするだろう、あるいは着陸させることができるからこの飛行機が有効だというのではなくて、やはり正常に着陸許可を受けて着陸をして、そしてその輸送すべき人を乗せて別の場所に輸送するということがこの法律のねらっているところだというふうに私は承知しております。
○大久保直彦君 今回のカンボジアのPKOの問題にいたしましても、予期しない事態が発生をして、国会での議論は何だったのかというおしかりをいただく部分もあるわけでございますから、今のいわゆる政府専用機並びに自衛隊機の問題につきましては、早く防衛庁自体が、この外務省からの要請に万全の体制でこたえられるような段取りを急いでつけなければならない今事態ではないか、今直ちに、きょうあすこの要請があっても、直ちにそれに全部応じ切れる情勢ではないというふうに私は思います。 また、自衛隊の中にも、非常に大まかな、いわゆる業務規定も何も記されていない大まかな任務 の規定だけで果たしていかがかという懸念の声が上がっていることも私も耳にいたしておりますけれども、どうかこの法律の運用につきましては、国民に不安または失望のないように万全を期して対応していただくことを強く要請をいたしまして、きょうの段階、きょうの部分での私の質問はこれで終わらせていただきたいと思います。
○吉田之久君 海外で活躍している邦人の命を守るということは非常に大事な国家の仕事であります。そういう点では、さきにも同僚委員から発言がありましたが、サイゴン陥落の場合、あるいは近くはイラクのクウェート侵攻の場合、危険にさらされている邦人をただ我々はおろおろ見ているだけ、民間機が飛べばいいけれども、それが行けない場合には外国にでもその救出を頼むしかないという、まことに異常な事態でありました。ここに来てようやく自衛隊機を使用するという法律を今審議しているわけでありまして、大変結構でございます。 ただ、防衛庁長官に申し上げたいんですが、この法律ができたから直ちに海外の邦人を危機の場合に救出できることが万能になったというわけではないと思うんですね。まず法律ができて、そして自衛隊機が救出に行ける、そういう空港の安全が確保されておるということがまず第一問題であります。それから、その空港まで避難する邦人のルートをどう確保するか。国道を初め、そういう道路網の安全が確保されていること。それから、例えばカンボジアの場合、プノンペンに主要な飛行場がありますが、ローカルな飛行場もあります。その辺からその主要飛行場までどのようにして到着するかという、地方空港も安全が確保されていなければならない。そういう総合的な安全が保障されて初めて、このことが成果を発揮すると言うことができると思うんですね。 だとすれば、官房長官おられませんが、例えばカンボジアの場合に、そのプノンペンの空港の安全を確保するためにプノンペンの政府軍が今どのように対応しておるかというような問題、あるいはローカルな空港がどう守られているか、あるいは国道一号線、二号線その他の主要道路がどのようにUNTACのもとで行き届いた保護がされておるか、そういうことが総合的に成り立たないとだめなんであります。 だから、防衛庁長官として、今のカンボジアの情勢、特にPKO本部はそういう面に万般の配慮をしておるのかどうか、していないとするならば、これを契機に一層強く進言し、その対応を迫り、我が国もそれに対応するということが必要だと思いますが、どうお考えになりますか。
○国務大臣(中山利生君) カンボジアのような条件のところに自衛隊員六百名派遣しておりまして、その者たちの安全については派適当初からいろいろと配慮をしてきたところでありますが、その後、いろいろな状況の変化等もあり、またうわさをされるような、今先生がおっしゃったようないろいろな危険性等も予想されるということもございましていろいろと準備はしているわけでありますが、一体どういう形態のどういうケースの危機状態というものが起きるのかということは全く予想できません。 しかし、だからといって安全対策をおろそかにするということはできませんので、例えばタケオの宿営地における危機的な状態、それを引き揚げてくるときのいろいろな状況ということは十分に考慮をしながら、いろんなケースを考慮しながら研究をしているところでございます。
○吉田之久君 私が、今のPKOの本部の運営について若干心配を感じます点は、例えば昔の私どもの常識からいいますと、作戦計画というものをちゃんとあらかじめ立てておいて、そしてそれを密封して指揮官に渡しておく、いよいよ事態が発生したときはそれをすぐに発動させる、あるいは追加変更計画をすぐにつけ加えるという万般の用意ができておったはずでございますが、今の国連のいわばいろいろな国々が集まって構成されているPKO本部というものは、そういう有事の際あるいは人命救助の際の綿密な作戦が成り立っているのかどうかという心配がありますが、ないように思うんですね、そういう計画は。だから出たとこ勝負のようなその日暮らしの対応なのではないか。これは大変危険でありまして、どうか防衛庁長官としても今後の世界の平和のためにも、人命尊重のためにも十分ひとつ意を尽くして努力をされたい。 それから、先ほど大久保委員からも御質問がありましたが、私はメーンの空港に集まるまでローカルな空港から五人、十人の邦人を運ぶのにやっぱりヘリコプターが一番便利だと思うんです。そういう自衛隊のヘリコプターもこういう場合には私は使っていいと思うんです。何もC130に限らず洋上から上陸できる飛行艇なんかもありますね。十分人を運ぶことができますね、そういうこと。あるいは、航空機じゃなしに、自衛隊のジープなんかでどんどん急を要するときには邦人を運ぶというようなことができていいはずだと思うんです。この法案にはそういう視野まで入ってないように思うんですが、長官いかがですか。
○国務大臣(中山利生君) 午前中もお答え申し上げましたように、ヘリコプターで大型機が発着できるような空港まで運ぶということも非常に大事だと思いますが、実際に政府専用機のような足の長い飛行機を想定した輸送作戦、その場所まで自衛隊の自動車であるとか、ヘリコプターであるとか、そこまで運んでいく時間が非常にかかるということもありまして、緊急を要する場合にはそういうことは考えられないということで、ヘリコプターということは入れてないわけであります。 そこまで、安全な空港まで運ぶのはその他の手段、先ほどお話がありましたような、外務省などの邦人保護というような趣旨からの行動になろうかと思います。そういうことで、この法案にはそういうことは想定していないということでございます。
○吉田之久君 本当に国民の身の安全を図るべき防衛庁長官の御答弁としては大変お気楽な答弁だと聞こえてしょうがない。もちろん外務省の責任であります。あるいは、人を運ぶというのは運輸省の仕事でありましてね、その一部を今代行しようというのが今度の法律でございましょう。 それはそれとして、じゃ邦人が生きるか死ぬかの状況におるのに空港まで来れない、助けてやれば助けられるのにそれは外務省の仕事でしょうといって、それで済むんでしょうかね。そんな防衛庁長官で国が守れますかね。
○国務大臣(中山利生君) カンボジアのように、たまたまそこに自衛隊があればということになるわけでありますが、この法案が想定しておりますのは政府専用機のような足の長い航空機がやっと届くような遠隔地での救出というものを想定しておるわけでありまして、そこへ自動車を運んだり、ヘリコプターを運んだりするのにはかなりの日数を要するであろう。緊急の事態には間に合わないということで、この法案には想定をしていない。 しかも自衛隊には、先ほども御質問がありましたが、いわゆる狭義の意味の救出、力を使って強制的に人を助けてくるということもできませんし、先ほどカンボジアの問題も出ましたけれども、我が国の自衛隊が攻撃されたときに、じゃ日本の自衛隊をほかの部隊を連れていって助けてくることができるかといったらこれはできないわけで、近隣のフランス軍とか中国軍とか、そういう方々に助けでもらわなければならないという非常に厳しい制約があるわけでありまして、これは長官のせいではございません。
○吉田之久君 法治国家でございますから、法律がすべての基準だとは思いますけれども、死にかかっている自衛隊を自衛隊が助けることができない。まして普通の邦人を助けることはできない。アメリカ初め外国の軍隊にお願いして助けてくださいと、その程度の国なんですか、この国は。うなずいていらっしゃるが、これはちょっと困った状態であります。 だから、この法案結構ですよ。結構ですが、大きな空港へ集まった邦人を日本へ運ぶ、それだけ しか考えてない。そこまでやってくるのが大変でありまして。だからこの法案は大事なところで大変欠落していると思うんです。いずれまたいろいろと機会を見てそういう根本的な問題に対応しなけりゃならないと思うんですが、今の防衛庁長官の答弁は間違ってはおりませんけれども、ちょっと国務大臣としての国を守る気概から申しますといかにもお寒い限りでございまして、これから外国へ行くのもいろいろ自分も慎重に考えようと思わざるを得ない状況でございます。 ところで、共同通信ニュースクリップ六月七日の記事でございますが、政府は、米軍に緊急輸送要請をされた。カンボジア全土でポル・ポト派など武装勢力による大規模な戦闘が起きた際、UNTACに参加している陸上自衛隊、文民警察官ら日本人要員の緊急撤収のため、プノンペンのポチェントン空港などから米軍機でタイ側に輸送するよう日本政府がアメリカ側に要請してきたことが七日明らかになった。アメリカ側は前向きに検討している模様である。 こういう記事その他書いてあるわけなんでございますが、防衛庁長官、この辺の事実関係について御説明をお願いします。
○国務大臣(中山利生君) 五月の三日にワシントンでアスピン長官とお話をしてまいりましたときに、たまたまPKOの話が出まして、我が国のPKO参加については高い評価をしているというお話がありました。その際、今後ともアメリカ軍も日本のPKO活動についていろいろと御協力をしたいというお話がありました。実際問題としてなかなかいろいろな制約がありますので、これはその制約を整理しないと実現をしない部分が多いのではないかなと思っておりましたが、ちょうどそのころモザンビークヘの我が国の部隊の派遣がございました。 御承知のように、調査隊を派遣していろいろ調べてはまいりましたが、なお一抹の情報的な不安もありますし、モザンビークでもし我が国の派遣隊員が万一のことがあったときというようなことを考えますと、これはアメリカが持っているあの周辺での大きな力というものは頼りになるのではないかなという感じがいたしまして、一応歓迎をするということでまいりましたが、確答を避けて帰ってきたというのが事実でございます。 その後、具体的な事務的な話し合いが行われたかということをしばしば聞かれるわけでありますが、そういうことについて改めて御相談をして具体的なことを検討したということはございません。
○吉田之久君 どうも、初めはモザンビークにPKOを派遣する、そういうことに関連して協議をなさったようでありますが、それにしてもカンボジアの情勢が非常に険悪になったというので、そういうことも含めて要請をされたというふうに書かれております。 これは、日米安保条約とは関係なく、人道的立場から要請をされたんですか、その辺が一つ。それから、その後折衝してないとおっしゃいましたけれども、五月中旬になって担当幹部を急遽ハワイヘ派遣し、国防総省や米太平洋軍の担当者に具体的な協力を打診したと言われていますが、そういう事実はあるんですか。
○国務大臣(中山利生君) 具体的な要請をしたということはございません。今先生おっしゃるような日米安全保障条約その他いろいろな絡みが、そのときは私もはっきりしておりませんでしたが、そういうことを実際に行う場合にはいろいろクリアをしなければならない手続もあるだろうということではっきりした要請はしてこなかったわけであります。 例えば、今お話しのカンボジアなどにつきましても、自衛隊自身でそういう緊急の事態にその事態を切り開いて帰ってくる、また、こちらから助けに行くということは御承知のような今の制度でできないわけでありますから、その際はお隣にいるフランス軍部隊とか中国軍の部隊とか、あるいはタイとかシンガポールとか周辺の諸国にもいろいろ救出についてはお願いをしなくてはならないと思っておりましたので、アメリカ軍がそういう行動をとっていただければ、もうまさに緊急の事態でありますが、そういうことになればこれも一つの大きな力になるのかなという感じがしたわけでありますが、それを具体的にこうしてほしいとか、いざという場合は助けてほしいとかというようなことは具体的には申し上げてきておりません。
○吉田之久君 例えば諸外国の場合、UNTAC筋によりますと、カンボジア各地で戦闘が拡大し国連側要員の身体、生命に切迫した危険が及ぶ際には、各国の要員に対し最寄りの空港への集結、国ごとに輸送機などで撤収、帰国が発令されておる。ところが、さっきも話がありましたとおり日本ではそれができないから外国に頼もうということなんでしょう。 諸外国は独自の軍隊を持っておりまして、そういう有事の際の救出に対応しておるわけなんです。日本は軍隊がありませんからそれができない、自分ではできない。アメリカにも頼んでいない。それでは国民は見殺しですか。そんな政府というのはあるんですか。どうしようというんですか。
○国務大臣(中山利生君) 長い間のUNTACとかPKOのこれまでのあり方、それから今アメリカの話が出ましたが、我が国とアメリカとの関係ということを考えますと、急にきょう突然そういう状況になるということは考えられませんので、ある程度の時間的な余裕もあろうかと思いますので、その際は、基本的に協力をしてくださるというアメリカ側の身構えさえあれば、私は緊急の場合にでも間に合うのではないかというふうに考えております。
○吉田之久君 今急にそういう事態が起こっては困るわけであります。じゃ未来永劫そういう危機はないとはだれ宣言えないわけであります。そういう万が一の危機のために対策を講ずるのが国家の責任でありまして、どうも防衛庁長官のおっしゃっていることはいま一つ私には納得できないわけなのでございます。 首都プノンペンのポチェントン空港さえ大型ジェット機の使用が現在不可能だと。政府専用機はここへはまだちょっと着陸できないようでございますね。だから、今度の法案に示されておりますとおり、C130ならばちょうど手ごろに着陸できるということでございますが、このC130が十五機、週一回プノンペンヘ定期便が飛んでおるというふうに聞いております。 とすれば、かなりの回数既にC130は飛んでいるはずでございますね。同じ機長、操縦士が操縦している例もたくさんあると思うのでございますが、今日までに述べ何人の操縦士がみずから一回以上着陸したあるいは離陸した経験を持っていますか。
○政府委員(畠山蕃君) 昨年十月以降、週一回一便で定期便を運航いたしておりますが、三十三便これまでに飛んでおります。その延べのパイロットは九十九人に及んでおりまして、ネットで、つまりダブりを除いて何人が経験をしたかというところをちょっと今調査中でございまして、延べで申しますと九十九人ということでございます。
○吉田之久君 述べ九十九人、実際、実動参加した頭数はそれ以内、せいぜい三十人か四十人、多くてそんなものでしょう。 それはそれとして、C130はそれ以外の世界の各国の空港に今まで行った経験はありますか。あれば、何回ぐらいありますか。あるいは今後、カンボジアだけが問題じゃありませんから、やっぱり世界の紛争下の地域のもしも有事の際にすぐに行動できるように訓練をしなきゃなりません。訓練する場合に、やにわに日本の自衛隊機が飛んでいっておりるというわけにいかないと思います。どういう事前の相談、了解が必要なのか。 しかし、やっぱり一回ぐらい着陸しておきませんと、この間の花巻空港みたいに、初めての人がひっくり返ったんでは大変なことでございますから、そういうこれからの前向きのいろいろな訓練計画等は現在どう考えていらっしゃいますか。
○政府委員(諸冨増夫君) まず、前段のC130の訓練実績でございますが、平成元年度から、米国における低高度での戦術飛行訓練とかあるいは物料投下訓練等のために毎年二機ないし三機のC130を派遣しておるところでございます。したがいまして、平成元年度からちょうど今現在出しておるところまで入れまして五回出しております。延べにいたしますと十数機というのが過去の訓練の実績でございます。 それから後段の、仮に法案が通った後の話でございますが、どういうふうな訓練を今考えておるかということで、これはまだ実はいろいろ検討中でございますが、従来政府専用機の要人輸送ということにつきまして、私どもいろいろ米国とかヨーロッパ等に対する試験飛行と言っておりますが、今こういう試験飛行をやっておるところでございます。 それからなお、今後の計画といたしましては、現在フライトシミュレーターを平成四年度予算で取得中でございまして、平成五年度中にこの取得が可能であるということで、シミュレーターを使った訓練を要人輸送については今計画しております。法案が通った暁には、こういう邦人救出のためのフライトシミュレーターによる訓練、こういうものを鋭意やりまして練度の向上を図っていきたい、このように考えているところでございます。
○吉田之久君 防衛庁長官も、本来運輸省がやるべき仕事、それを別注で自衛隊、防衛庁でやってくれというようなことでございまして、なかなかに御苦労は多いと思うのでございますが、これは自衛隊機といえども戦争に行くわけでなしに、ただ運輸省のかわりに人を運ぶだけでございますから、万全の上にも安全を二重三重にやっぱり考慮しないと、その自衛隊が行って離陸に失敗したとか事故が起こったらこれこそもう大問題になります。そういう点で、例えば自動車でも人を乗せて、それを専業として運ぶ場合には第二種の免許が要りますように、ただ飛行機操縦できればいいんだと、自衛隊の優秀なパイロットであればいいんだというわけにはいかないと思うんです。 だからこの点は、官房長官もお越しになりましたが、本来、PKOの最高の指揮者でいらっしゃる総理、官房長官、それから運輸省、そして防衛庁、この三者が絶えず緊密な、一体となっての情報交換やお互いの訓練の融通をしませんといかぬと思うんですね。ちょっと聞いた話では、政府専用機はせっかく二機できたけれども、これは自衛隊の管轄だというのでどうも一般の民間航空の方はその離着陸に機会を与えるのを余り歓迎しないとか、どっかでやってらっしゃいというふうな空気があるやに聞いたんですようそだったらいいんですが、私はあり得ることだと思います。しかもそれは諸外国に対しても、十分これから政府専用機もC130もそれを熟知しなければならぬという重要な問題でございます。 河野官房長官お見えになりましたので、そういう総合的な意味で、この法律はただつくりゃいいんだというものではありません。防衛庁長官は、邦人がローカルなところで危機にさらされておる。それを中央のセンターの大空港まで運ぶのにヘリコプターで助けることができないと、自衛隊員だって助けに行けないんだと、まことに格好のつかない国家の実情でございますが、そういうことも含めて、将来のひとつ国民の命を守るために官房長官どうなさろうとするのか、御決意を聞いて私の質問を終わります。
○国務大臣(河野洋平君) 今回お願いをいたしております法律の趣旨は、政府専用機を防衛庁に移管をするに当たりまして、ひとつ防衛庁をして在外邦人の輸送、在外邦人が生命その他危険にさらされているという状況があればその輸送に当たろうと、こういうことだと承知をしております。 政府専用機それ自体は総理大臣の外国訪問のときにもこれを利用するわけでございまして、今、吉田先生いろいろ御心配をいただいておりますが、その操縦技術その他は防衛庁が十分な訓練をしてくれているわけでございまして、機体の整備とともに我々は全幅の信頼を置いているところでございます。もちろん要人の輸送それから在外邦人の輸送、いずれも極めて重要な作業、仕事でございますから、これは防衛庁の高い、習熟度の高い技術をもってきっと立派にやってくれるであろうというふうに思っておる次第でございます。 とはいえ、現在、政府専用機はまだ二機しかないわけでございまして、常時これが二十四時間、三百六十五日いつでも飛び立てるというような整備ができるかと言えば、私はこの二機で十分であるかどうかということについては、そう十分だとは言えないかもしれません。しかし、与えられた二機をもって、さらに先ほど来の御説明を伺いますと、C130も同じような用途に使えるように伺っておりますから、これらを準備をされて、危機管理といいますか、在外邦人の安全対策にでき得る限りの対応をしてほしい、またしなければならないというふうに思っております。 もっと言えば、こういうことが起こらないことが何より一番いいわけでございますし、それから仮に、何か問題が起こる場合にもできるだけ早く情報を収集して、こうしたことになる前に十分な安全対策がとれるということが何より大事かとは思いますけれども、どうしても必要であるというときには十分その機能を発揮してほしいというふうに考えております。
○国務大臣(中山利生君) 御承知のように、政府専用機が自衛隊に移管されましたのは昨年の四月でございまして、六月一日からの運航を目指して今日まで要員の訓練、その他の整備に努力をしてきたところでございます。六月一日やっと一人前に歩き出せたというところでございまして、この後この法案が通りまして、また新たな邦人の救出の任務等を与えられた場合には、先ほど教育訓練局長からお話がありましたように、それに対応してもうすべての安全対策というものを取り入れながら努力をしていきたいと思っております。
○聴濤弘君 今審議されています法案について、政府は自衛隊機の派遣について、一つは派遣先の国の同意、許可があること、それから輸送の安全が確保されていると、こういう条件のもとでのみ派遣する。したがって、ちょうどPKOの議論をやったときと同じなんですけれども、安全なんだということが一つの大きな前提になってこの法案を提出されておられる、そういう趣旨説明であります。 そうしますと、根本的な問題が起こるんですが、それならなぜ民間機でなく、なぜ自衛隊機を出さなきゃならぬのか、こういうことになってくるんです。そこで第一番目の私の質問は、先ほども議論がありましたが、私自身からもぜひお尋ねしたいんですが、民間機を出す場合と自衛隊機を出す場合と一体どこでどういう基準を持ってそれを分けられるのか、そこのところを、先ほども議論がありましたけれども非常に大事な点なんで、議論の一つの出発点になりますのでお答え願いたいと思います。
○政府委員(荒義尚君) 私どもは、緊急事態が起きまして在外邦人の方の退避が必要になった場合には、御案内のとおりでございますけれども、定期便が運航していればなるたけ定期便で退避していただく。それで、次は定期便がいろんな理由で利用できない、ただしチャーターは可能であるという時点でチャーターかあるいは自衛隊機か、そこら辺はいろんな要素を総合的に判断して我々としては防衛庁に要請するということでございます。 その場合、いろいろ要素はたくさんございます。地理的な要素もございます。それから現地の情勢一般ということもございます。それから民間機の準備にどれぐらい時間がかかるかとか、そういう機材があるかどうかとかいう点をいろいろ勘案しまして、総合的に自衛隊機が最適であるというふうに私ども一応判断した場合に防衛庁の方に要請すると、こういうことでございます。
○聴濤弘君 どうもやっぱり議論が技術的なんですね。あっちに頼んでいたけれどもそれがだめで、それで時間的にこうなってと、どうも何か本 質的な区別というものがさっぱりようわからぬ。 それで、次の質問ですが、それでは民間機と軍用機、これは自衛隊機が外に出ればこれは国際法上軍用機になりますから、民間機と軍用機の違い、どこにあるのかお答え願いたいと思います。
○政府委員(荒義尚君) 国際法上の一般的な扱いを申し上げますけれども、結論的には民間機あるいは軍用機であっても、飛行経路を航行する、あるいは着陸において扱いに違いはございません。
○聴濤弘君 今のお答えは、私ちょっと心外なんです。国際民間航空条約、これはシカゴで調印されたものであります。これは民間航空に関する条約ですけれども、結論からいきますと、軍用機についてはあの例の無害航空権を有しないということがきちっと規定されているんですね。民間航空機の場合には無害航空権というのがあって、シカゴ条約の第五条でそれがきちっと規定されている。ところが軍用機の場合にはこの五条の権利を有しないということがはっきり掲げられて、だれがパイロットで運転するかということは抜きにして、軍用機と民間機が国際的に空を飛ぶ、その場合のはっきりした違いはこの第五条の無害航空権を有しないというのが軍用機なんだということがはっきり書かれている。だから、余り大した規定がないんだというのは、もうまことにこれはいいかげんな答弁だと私は思います。 ちょっと砕いて説明いたしますけれども、第五条というのはどういうことかというと、日本から仮にカンボジアまで飛んでいくとする、本当に仮の話ですが、そのときに中国を飛び、韓国を飛び、ベトナム、タイを飛び、そしてカンボジアに行ったとしますね。その場合に、不定期の民間航空だったら一々許可は要らない。真っすぐカンボジアに行けるというのが民間航空条約の第五条なんです。 ところが、国の飛行機すなわち軍用機の場合には全部許可が要る。韓国の上空も中国の上空も、ベトナムの上空もタイの上空も全部許可が要る。そして、カンボジアにおりるときにもそれにはきちっとした許可が要る。それなくしては飛べないというのがこの規定だと私は理解しております。ですから、大変大きな違いがあるんですね。どうなんですか。
○政府委員(荒義尚君) 外務省におきましては、私直接シカゴ条約関係を担当しておりませんけれども、私の理解では、御指摘の第五条の「不定期飛行の権利」の条文でございますが、そこには確かに不定期の航空機でございますけれども、「その航空機が上空を飛行する国の着陸要求権に従うことを条件としてこというふうに書いてございまして、これはあくまで法理論の問題でございます。基本的にはその国から着陸を要求されれば拒めない。ただし五条においていろいろ条件がございますけれども、それは一応留保してあるという書き方になっているかと思います。
○聴濤弘君 普通の民間の飛行機でも、よその国の上空を飛んでいて、そしておりろという要求がされた場合におりるのは当たり前なんですよ。だから、本当に当たり前のことが書いてある。私が言っている軍用機の場合には、すべての国の許可をとっていかなければいけないということなんですね。そこに大きな違いがあるんです。これがシカゴ条約で決められている民間機と軍用機の場合の国際法上の大きな違いなんです。ここもあいまいなままで、何か自衛隊機も民間機と同じなんだと、だから大したことないんだなんという議論を外務省がやっているようじゃもう本当にこれは大変なことだと私は思いますね。 もう一つ言いますと、だからこそ軍用機というのは危険なんですよ、民間機に比べて。他国のところへ許可なしで飛んで行った、そうすれば民間機の場合にはやたらに撃つちゃいけないです。だけれども、何の協定も結ばずに軍用機が他国の上を飛べば、これはやられるのは当たり前なんです。だから、軍用機で邦人を運ぶ、難民を運ぶというのは大変危険があるということは湾岸戦争のときに大きな議論になったんですよ。こういう問題があるので、第五条が適用されないということは軍用機にとって非常に危険性のある問題なんです。 その次の質問です。これは官房長官にお聞きすることになるかと思いますけれども、外務省でも結構です。 どうやって許可をとっていくんですか、緊急事態で。これは緊急事態にやるんでしょう。緊急事態に何カ国通過するかは別ですけれども、本当に緊急事態に一つ一つどうやってどのように許可をとっていくのか。少し具体的なイメージがわくように御説明いただきたいと思います。
○政府委員(荒義尚君) 一つ具体例で申し上げますけれども、昭和四十六年の十二月に印パ戦争が起こったときに、私ども、日本航空のチャーター機を用意しまして邦人の退避を行ったケースでございますけれども、そのときにつきましてもカラチの乗り入れの許可、これは現地の大使館がございますので、何時間かかったかちょっと記録がございませんが、迅速に取りつけております。それからなお、隣国インドの上空、実際は飛びませんでしたけれども、紛争でございますので、インド政府の保障も外交ルートを通じまして迅速に取りつけております。
○聴濤弘君 政府の説明で、また特にこれが本会議にかかったときにも宮澤総理が、なぜこの法案が必要かという説明の中に、サイゴンの陥落のとき、一九七五年のあのときの例を引きまして、当時自分が外務大臣であったので非常に記憶が鮮明だと、ああいうことを繰り返したくないという趣旨のことを述べられ、あのサイゴンの例をとってこの法案が必要だということをるる説明されました。 それで、今の許可の問題ですけれども、当時のサイゴンの状況というのをちょっと日誌風に拾ってみますと、サイゴンガ陥落したのは四月二十九日です。フォード大統領が、米国にとってインドシナ戦争は終わったという宣告を四月二十三日にやるんですね。そうすると、次の二十四日は、殺気立つ脱出の空港サイゴン、これはそういう状況だと新聞でだっと報道されています。二十六日、サイゴンのタンソンニュット空港発着が軍用機、民間機が入り乱れ、半ば無秩序状態である、こういうふうに書かれております。二十五日は、フランス系の航空会社を除く一切の外国航空会社が安全のためサイゴン空港の発着陸を中止した。こんな状況ですね。 官房長官にお聞きしたいんですけれども、緊急事態発生、こういう状況で、これ許可とらなければおりられないわけですね。途中の中国の上空云々というのはちょっと抜きます。このサイゴンで、一体こういう状況が発生したときに、どのようにして、だれと交渉して許可をとるんでしょうか。
○政府委員(荒義尚君) 一九七五年のサイゴンの陥落時の状況でございますけれども、若干さかのぼって申しますと、三月に入ってから大変状況が不安定化、悪化したということで、私どもとしましては、当時サイゴン及び南ベトナム地区におられた邦人に対して累次退避勧告をし、民間航空機で相当数の邦人が退避しつつあったというのが三月下旬以降の状況でございます。 私ども、状況を見つつ具体的に民間機によるチャーターを検討を始めましたのは四月の十一日でございます。その後、具体的には日本航空でございますけれども、日本航空といろいろ検討いたしたのでありますが、保険料の問題であるとかあるいはクルーの安全確保の問題、いろいろありましてなかなか結論を得ないという状況がずっと続いておったわけです。しかしながら、最終的にはそこを何とかクリアした。 ただ、二十九日のこれは早朝の時点でございます。その時点では日航機はまだ本邦におったわけでありますが、その時点では、現地大使館の報告では、ただいま先生御指摘のように、いろんな航空機が若干混乱状況で運航したとおっしゃいますけれども、私どもが得ている情報では、二十九日の早朝の時点で民間航空機によるチャーターの着陸は一応可能な状況であるという報告を受けまし て、それでとりあえずマニラまで行くという決定をしたわけでございます。 それで、具体的な着陸許可の取得状況でございますけれども、当時の南ベトナム当局に対してそれを引き続き要求しておりました。しかしながら、最終的には二十九日のお昼ごろだったと思うんですけれども、状況が非常に急変しまして、結局は空港の使用は不可能な状況ということがわかりまして、そのままマニラからチャーター機は日本に引き返した、こういう状況でございます。
○聴濤弘君 今の御説明でも、大半の方は民間航空で四月の早い段階で退去されているんですね。私の調べたところによりますと、最後まで、最後の最後まで残って米軍機に一緒に乗ってサイゴンを出た方は十名なんですよ。本当に説明どおりなんです。ほとんどの方は先に出ているんですね。 そうすると、これは本当にサイゴンの例が示すように、どうしてもここで必要なんだ必要なんだ、この法律が必要なんだと言われるけれども、もちろんその十名の問題というのは残りますよ、論理上。私が今質問していてもその問題は残るけれども、しかし十名。サイゴンの場合に、圧倒的な方々は民間機で出ているんですね。最後の十名がどうだという問題は確かに残る。そういう問題だったんです。事実はそうだったんですね。だから、何かサイゴンの問題があるから、今のいわゆる冷戦後の時代の民族的な問題が多発する中でどうしてもやらなきゃならないんだという、そんな大きな根拠になるものじゃないと私は思います。 それで、質問をもとへ戻します。その十名の方がどうしても米軍機、ヘリコプターのようですけれども、米軍機に頼んで乗らざるを得なかった。しかし、その状況のことを想定すれば、その状況ではもう、日本がだれに頼むか知らないけれども、交渉なんかしていられる状況じゃないでしょう、サイゴンは。どうするんですか。
○政府委員(荒義尚君) 先ほどの若干補足的な御説明になりますけれども、確かに先生御指摘のように、米軍のヘリによって十名が救出されております。ただし、これは四月三十日、サイゴン陥落の日の時点でございますが、その方も含めまして結局百七十九名の邦人がいろんな理由で残留されておったというのもまた一つ事実でございます。
○聴濤弘君 もう一つ。ともかく私が質問しているのは、そういう状況でどうやってだれと話をつけて許可を得るんですかという質問をしているんですけれども、ちょっとそれに答えてもらわない号と困るんですが。 では、もう一つつけ加えます。それで、そんな状況のもとで、今までいたこともない国の飛行機が、具体的に言います、サイゴンに日本の軍隊はもちろんいるわけじゃなし、日本の飛行機がいたわけじゃない。それで、いわば初めて飛んでくるわけですね。そんなことが実際あり得るんですか、国際的な社会で。今まで自分の国の、日本じゃなくてアメリカなりイギリスなりフランスなりが、自分の国の人を助けるというために、例えばその国で今戦争が起こっている、そこに自分たちがいた場合にある行動をとるということはできるだろうけれども、そこにいない。そのときに、非常に緊急時にそこの政府に許可を求めていって、それで自分の国の人を助けて国へ送り返すというふうなケースというのは実際あったんですか。
○政府委員(荒義尚君) これは過去の具体的なケースにのっとって例示的にお答えいたします。 例えば、一九九一年、二年ほど前のザイールの暴動のときでございます。このときの状況というのは、ザイールほぼ全土で暴動が起こっていたということで、私どもはスイス航空機のチャーターによって、邦人たしか五十五名だったと思いますけれども退避したわけでございます。そのときにおいても、ザイール政府を通じまして飛行機の航行と着陸は問題ないということで許可をとって実施したということでございます。 そのときに、失礼いたしました。飛行機を実際に飛ばしたスイス航空機は対岸のコンゴに、川を渡った反対側でございますが、そこに飛行機を飛ばして救出したということでございますが、繰り返しますけれども、きちんと安全確保という観点から領空の航行と着陸許可を得ておるということでございます。
○聴濤弘君 それはあれでしょう、別に自衛隊機の話じゃないでしょう、スイス航空の話で。今軍用機が飛んでいく話をしているんですから。それで、この緊急事態でだれと、サイゴンの場合だれと交渉して、どうやってあのとき行けたんだろうかと。宮澤総理がこれほどサイゴンの例サイゴンの例とおっしゃるから、私は一生懸命サイゴンの例で質問しているので、急にザイールに行ったりスイス航空に行ったりされると困るんですよ。 また戻しますけれども、結局、こういうさっきのような状況で、もうはっきり聞きます、だれと交渉するんですか、あのときの状況で。サイゴン政府は混乱していますよ。
○政府委員(荒義尚君) お答えの前に、一つだけ申し上げさせていただきますけれども、私どもが七五年のサイゴンのケースを、自衛隊機がありせばより迅速な対応が可能であったろうという一つの想定になるわけですが、申し上げているゆえんは、先ほど申しましたように、私どもは四月の十日前後からもう既に救援機の派遣ということを考えておったわけです。先ほども御答弁申し上げましたように、当時の日本航空との話し合いに大変時間がかかったといううちに、再三御指摘のように事態が急変して、実際は実施できなかったという状況になったわけでございます。
○聴濤弘君 最初の第一間から、民間機を出す場合と自衛隊機を出す場合、どこにこの区別、基準があるのかという質問に対しても、ともかく本質的な答えは私は本当言って得られなかったと思う。今のをずっと聞きましても明確な答えというのはどうも返ってきません。 ですから私、自分で一つの判断を下さざるを得ない。民間機じゃだめだから自衛隊機で行くんだというのはやはりどうしてもこれは危険性という問題、そういうことの判断を抜きにこの区別をつけるわけにはいかないんじゃないですか。実際のところは民間機じゃとてもだめだと、これは危険なところに行くんだから。だから自衛隊機で行かなきゃいけないんだという、言ってみれば、そういう判断があるからこそこういう問題を提起し、しかも法律にしようと。改正をしてそういうことができるようにしようということじゃないんですか。これは官房長官にお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(河野洋平君) 今の委員の御質問、政府委員の答弁を聞いておりまして感じましたことを最初にちょっと申し上げたいと思います。 先ほど来やりとりがございましたけれども、宮澤総理がサイゴンを例に出したというのは、宮澤総理自身が外務大臣当時にこういう実体験があるということから、サイゴンの例を引いて御答弁を申し上げたと私は承知をしております。 しかし、考えてみますと、サイゴンの例は、宮澤当時の外務大臣をして非常に苦渋に満ちた作業をして、結局それは成功しなかったという例を本人は皆さんにお示しをしているわけでございまして、私思いますのに、サイゴンのように時間がかかってしまって、ついに自力で、つまり日本が日本のチャーター便で救出することに失敗したというのは、まさにあれは言ってみれば失敗例なのであって、もっと手際よくやるべきであったし、手際よくやるためにはこういう方法が、今回の法律をおつくりをいただいて準備をすることしかないのだということを総理は御理解をいただきたくてああいうことを言ったんだと思うんです。 今、委員からいろいろ御質問がございまして、確かにサイゴンの例を引かれて、ああなった場合にだれの許可で行くのか、自衛隊機はだれの許可をとるのかという御質問で、それは本当にあの最後の場面、最終的な場面から言えば、確かに御指摘のようにだれがその着陸許可を出せるか、どの政府が着陸許可を出すかということになると、かなり微妙な問題だろうと思うんです。しかしそれは、おっしゃるように民間機であっても同じなのでございまして、何も自衛隊機だから着陸許可が 求めにくいというのではないのでございます。民間機であれ何機であれ、サイゴンのあの最終場面であれば、一体だれが着陸許可をおろすかということになれば、それは非常に問題があって、要はああいう状況になる前に救出していなければならない、輸送していなければならないということだろうと思います。 繰り返し申し上げておりますように、本来、在外邦人の安全を確保するための責任は、在外公館は非常に大きな関心を持ってその安全のために努力をするのは当然の義務でございます。しかし、在外邦人と申しますか、外地におられます邦人の方々はそれぞれ在外公館からの情報を得て自発的に行動していただくということが実はまず第一義的にあるわけです。国内状況が悪い、あるいは災害の状況が悪い、治安が非常に悪化しそうだという情報を得て、それぞれ自発的に行動をしていただく、自発的に飛行機の便を探して別の地に移っていただくということがまずあると思います。 それがしかし、例えば急激な治安の悪化でありますとか急激な何かが起こる。それはもうその地域にいる人たちが飛行場に殺到する、あるいは交通の便を求めていろいろする、そこにパニックが起こるというようなことがあるとすれば、在外公館はしばらく落ちついてと、例えば在外公館に集まってください、ここにいていただければ、やがて政府専用機が輸送のために飛来をいたしますというようなことはあり得ることでないでしょうか。 それで、民間チャーター便でいいじゃないかという委員の御指摘は、それは民間チャーター便がチャーターできればそれも一つの方法だと私は思います。しかし、必ずしも民間のチャーター便というものはこちらが望む時期に、望む場面にチャーターできるという保障はないわけでございまして、そうした手段をたくさん持っているということは大事なことだと。商業便で別の地点に移ることも一つの選択肢、チャーター便を探すことも一つの選択肢。私は、そのチャーター便を探すということを決して排除しないでいいと思います。チャーター便を探すということも一つの選択肢の中にあっていい。どれが一番機敏に一番安全に輸送できるかということを考えるということが大事なのではないかというふうに私は考えているわけでございます。 したがって、この法律ができたからといって、邦人の輸送はすべてこの法律に基づいて政府専用機といいますか、自衛隊機が行うということに限定をされるものでは全くないということだと承知をいたしております。
○聴濤弘君 時間がなくなってしまっているんですけれども、今日はまた後で外務大臣と質疑ができるということですし、これで審議が終わりということではありません。これからまさに始まるというようなことでありますから、きょうの私の今の質問はこの段階でとめざるを得ないんですが、私は今官房長官の言われたことについて二点だけ申し上げたいんです。 一つは民間航空機でも許可は要る。その場合に先ほど私、シカゴ条約で言いましたように、民間航空機が着陸の許可を得られるのと、軍用機が得られるのとでは、これは雲泥の差のあるごとく軍用機の許可が難しいのは当然であるわけですね。だから同じように考えるというのは、これちょっとまずいと思うんですよ、本当に。民間航空機も許可が要るんだからということでの論理で軍用機の問題と同じように扱うというのは、これは非常に違っているというふうに思います。 それから、許可の問題を私言っているんですが、今サイゴンの例で言いましたけれども、その国の状況が内乱その他内部の状況で非常に騒乱が起きているというようなことも想定してこの法律ができるわけですけれども、その場合には本当に権力が二つあるというような状況というのがあるわけですね。その場合に、どういう側と話し合って、それで一方の側と話し合いができたとしても、他方の側は許可しないだろうという場合もある。そうすると非常に危険なところに自衛隊機が飛んでいくという問題が起こってくるわけですね。そういうときは飛ばないといったら救出できないということになるわけでしょう、その法律からいって。だから物すごい矛盾があるんです、この法律は。 それで、時間が来てしまいましたが、さらにこれは簡単にもう審議終わりなんということにはとてもならない、これから始まったということだけをちょっと確認、私の質問を終わります。
○高井和伸君 外務省にちょっと簡単なことから聞きます。 外地におられる邦人を日本国が保護しなきゃいかぬという基本的なことはわかりますけれども、そうした場合に、外地におられる以上、外国の主権下にいるということが基本的な枠組みだろうと思うんですね。だから、やみくもに邦人救出だからといって、どこへでも自衛隊機が着陸して日本人をかっさらうように連れて帰るというわけにはいかない、こう思うわけですが、一般的に言って邦人保護の限界というのが外地にある場合あるんじゃないかと思うんですが、そこら辺の法的な枠組みは、国際法上慣例としてパスポートに書いてあるように、我が国の国民を無事に安全に保護してくれとパスポートに書いてあるとおり読めばよいと思うんですけれども、わざわざ書かなきゃいかぬ理由を含めて、国際法上は大体どんな枠組みで外国にいる日本人を見たらいいんでしょうか。
○政府委員(荒義尚君) 国際的には自国民保護の枠組みは先生御指摘のとおりで大体よろしいというふうに私どもも理解しております。 念のため繰り返しますと、これは御案内のとおりでございますが、一般国際法上との国も自国民に対する外交保護権というのは持っているわけでございます。この内容は、具体的にいろいろ外務省設置法にも書いてございますが、必要な場合、先方と交渉したりということが入っておるわけでございます。他方におきまして、外交保護権が先方の端的に言いますと主権侵害に当たるような公権力の行使ということは一般的にはできないというのが大枠だということでございます。
○高井和伸君 もう一問。今外国には邦人がどれほどおられますかという質問に、約六十六万人で、これは平成三年十月一日現在のデータであると。前年比七%増で五年前に比べて三〇%増、そういうことで全世界に長期滞在者が大変ふえていると。北米が約四割で南米が二割、残りがヨーロッパとアジアと、こんなふうになっております。私ども、こういった今回の自衛隊法の一部改正が適用される前提に、そういった紛争地域というところはどこら辺にあるのか、危ないところにどれほど行っておられるのか。予想はなかなかつきにくいとは思うんですけれども、一般論で結構です。 私の言ったデータがまず合っているかどうか。大体そういった邦人の分散している状況で領事移住部がちょっと危ういなと、こう思っておられるあたりは世界どこら辺にあるでしょうか。
○政府委員(荒義尚君) 最初に、現在世界各地におられます在留邦人の概数と一般的な傾向は、ただいま御指摘いただいたとおりでございます。 なお、一つだけつけ加えますと、大体七%増ということでありますけれども、約六十六万のうち、永住者の数について見ますとここ数年はほぼ横ばいと。したがいまして、一般と言ってはなんでございますけれども商用その他で長期滞在される方の方が比率的にはふえておるというのが傾向でございます。 それから、外務省として、危険というか、そういうおそれが存在する国ということについてどうお考えかというお尋ねかと思いますけれども、私どもあくまで海外におられる在留邦人の保護という角度で物を見ているわけでございまして、そういう角度から渡航情報ということで例えば注意喚起、例えば非常に不安になって、泥棒も多いというようなことその他の理由で注意喚起をする。あるいは観光旅行は控えた方がいいという観光旅行の自粛、それから一般的な渡航自粛でございますとか、これをそのときどきの状況に合わせて出し ております。それがきょう現在は、渡航自粛勧告、これは観光旅行の自粛も含むわけでございますけれども、これを現在世界じゅう二十九の国または地域について出しております。それから、渡航される方に一般的な注意喚起を行っているのが三十八件と、こういうのが概略でございますけれども状況でございます。
○高井和伸君 今回、改正を予定されている百一条の法文を読みますと、「生命又は身体の保護を要する邦人」と、こういうふうになっております。この中に通常、身体、生命、財産というような言葉が通常の用語例でぱっぱっぱっと出てくるんですが、邦人の財産保護というような要請のもとでの自衛隊機の派遣ということはないというふうに法文どおり読めばいいんでしょうか。これはどこでも答えられるところで結構です。
○政府委員(荒義尚君) ただいま御審議をいただいております本法案の関係では、御案内のとおり邦人の輸送ということでございまして、財産の移動ということは想定しておらぬということでございます。 ただ、細かい話になりますけれども、退避される邦人が持っておられる例えば手荷物にようなものを排除することではもちろんございません。
○高井和伸君 あと一つ、当然のことだろうと思いますが、念のために、法文の後ろの方に、外国人を同乗させることを依頼された場合、これを「同乗させることができる。」と、こういう条項がございます。念のためですが、これが主力になるということはないわけですね。原則例外が逆転するようなことはあり得ないということだけ確認したいと思います。
○政府委員(荒義尚君) そのとおりでございます。
○高井和伸君 ちょっと運輸省に今度私の尋ねたい視点は、世界各地に日本人がそれぞれ行っておられる。そういう中で、本条項が発動される場面において本当に空港におりられるのかということから考えますと、大体、民間パイロットの方が外地へしょっちゅう定期便で飛んでいるわけですから非常に腕はいいはずなんですね。定期便を使った民間機あるいはチャーター機を使った方がよっぽど安全であり、スムーズにいくのが普通なんだろうと思うんですが、あえて自衛隊機を出さなきゃいけないという緊急事態に至った場合に、パイロットがその飛行場におりられるだけの腕があるかと、こういう点からの質問でございますが、自衛隊法を眺めておりますと航空法がかなり適用除外になっております。 先ほども防衛庁の政府委員から、国家試験ですか、パイロットの試験を受けさせているというような話もございました。自衛隊機をパイロットが操縦するケースの場合は民間機を操縦する場合と理論的に違ってもいいと思うんですが、腕前の問題で各地の空港におりるということから見た場合、自衛隊法と航空法の関係はどうなっているのか、そこら辺から。
○説明員(松本武徳君) お答えいたします。 一般論でございますが、航空機を運航する場合には当然その航空機をどのような目的で使うか、自家用で使うか、お客様を運ぶか、そういうような目的のいかんにかかわりませず、機長等の乗組員が十分にその使用する飛行場とかその路線等について知識を持っていることは必要でございますし、またその路線におきます気象状態なども十分に把握しておく必要があるというふうに考えております。 基本的には、民間機の場合でございますと、技能証明といういわゆる自動車のライセンスに相当するものでございますが、そういうものを持っていれば基本的なそういう離着陸とか飛行についての技能は十分あるというふうに考えておりますが、さらに今申し上げたように、実際に運航するときには自分が使う飛行場が、例えば滑走路がどのぐらいあるのかとか、周りにどういう障害物があるのかとか、それから路線に続いて例えば突風がどの辺で起こりやすいんだとか、それから実際に飛ぶときの天気でございますね、低気圧が通過するとか、そういうような知識というのは十分に事前に把握しておく必要があるというふうに考えております。 それから、さらに申し上げますと、今申し上げたのはどういう使用目的にかかわらずということでございますが、特に航空法では、定期航空運送事業に供する航空機の機長として乗り組む場合には、公共輸送という観点からでございますが、一層の安全確保という観点に立ちまして、機長に対しまして機長の路線資格という制度を設けております。このいわゆる機長の路線資格というものを持たないと機長として乗り組めないわけでございますが、この路線資格を取得するためには経験とか能力という要件がございますが、特に先生が御心配かと思われます経験につきましては、一定の視聴覚教材を用いて行われる教育、この中身は使用飛行場等について、例えばスライドとかビデオを使いまして特徴、注意すべき点等を教育するわけでございますが、そういう視聴覚教材を用いて行われる教育を受ける場合を除きまして、使用飛行場において離着陸をする経験等が必要であるというふうに定められております、
○高井和伸君 具体的に、先ほどおっしゃられた空港に対する完熟度というような問題で機長の路線資格という問題が出てきました。この機長の路線資格という問題、定期運送路線じゃありませんから、自衛隊機は。しかしながら安全性を重視するという側面からいえば、私から見れば緊急事態で出動する、出動というんですか、出かけていく自衛隊機の方が安全性において非常に危ういところへ出かける場面が一般的だろうと思うんです。 そこで、念のために、日本から例えばバンコクヘ、東京の成田からバンコクの国際空港へおりる、その定期路線のパイロットに対して、機長に路線資格を与える基準は、大体どんな具体的な基準なんでしょうか。
○説明員(松本武徳君) お答えいたします。 まず、機長としまして最低限必要なものは、先ほど申しましたライセンス、技能証明というものの中の最高位のものでございます定期運送用操縦士という資格がまず必要でございます。 それから路線につきましては、先ほども申しましたように、一定の視聴覚教材を用いた教育を受けない場合には実際に飛んでいただくというそういう経験が必要でございまして、ただ、この場合、飛ぶ場合も実際にみずからが操縦するところまでは義務づけておりませんで、例えば同乗いたしまして、操縦席ではなく予備席に座りまして、実際に離着陸を行っているところを十分に見て勉強すると申しましょうか、理解するという、そういう経験でございます、 そういう経験等を踏まえまして、それから私どもの運輸省の職員でございます担当官のチェックを受けるか、またはこれも航空法で決められておりますが、会社の中の特別な操縦士に対してそういう資格を付与していますが、そういう会社の操縦士、これは査察操縦士というふうに呼んでおります。その者のチェックを受けて認定を受けるというふうになっております。
○高井和伸君 あと二つほど。 外国の軍用機が日本の空港におりたい、こう言ってきた場合に、これは運輸省の世界で言うとどういった点、管制の問題が出てくるだろうと思います。それから、そういった軍用機が着陸する場合、運輸省サイドでは例えば防衛庁に尋ねるだとか、そういうことはあるんですか。
○説明員(佐藤博君) お答えいたします。 ICAO条約は、基本的には民間航空機を対象にしておりますので、日本に外国の軍用機が着陸する前には事前の許可を得た上で飛んでまいります。その後は、航空管制上の方式等につきましては、一般の民間航空機と同じ取り扱いを受けております。
○高井和伸君 そこで、自衛隊サイドにお尋ねしますけれども、この政府専用機の747-400の操縦士は、これは先ほど言われた定期便を操縦できる資格、運輸省サイドの資格は持っているんでしょうか。
○政府委員(秋山昌廣君) B747型機のパイロットに対する防衛庁サイドの航空従事者技能証明というものに関しましては、一部基準を改正いたしまして、今御指摘のとおり、運輸大臣から定期運送用操縦士、または事業用操縦士の資格を付与された隊員にのみその操縦資格を付与しているところでございます。
○高井和伸君 先ほど答弁の中に、さらに試験を受けさせてパイロットの数をふやす、さらにシミュレーションによるような訓練で、映像の中で空港が映し出されてそれでやるというような話が出ておりましたけれども、そういった訓練。今ここで議論が出ているのは、世界じゅうを相手に、いただいた資料によると大変膨大な空港へ飛んでいけるようになっておりますけれども、これを現実的に例えば航空図というんですかね、海図のようなものがあるんじゃないかと思うんですが、そういったものもばちっと全部集めて、自衛隊にもうあるんだろうとは思いますが、まだできてないようにも思いますけれども、これだけのものを、大変なものをセットして準備するにはかなり長期にかかるんだろうと一応予測します。 すぐに邦人の救出が必要だという場面、待ったなしの場面が出てきたときの対応というのは、これからの問題だと言われればそれまでだと思うんですけれども、私の言いたいのは民間の定期便を持っているパイロット、しかもジャンボのような三百何十何トンなんという重い飛行機ですと非常に上のライセンスが要る。そういう飛行機を簡単に飛ばせるように国民みんなが思っているように思うんですね。 そうじゃない、非常に厳しい運航というか飛行機を一機とこかへ飛ばすにしろ、大変一つ一つ手探り状態のように、例えば日本航空が初めホノルルヘ飛ばして、サンフランシスコヘ飛ばして、バンコクヘ飛ばして、だんだん順番に広げていくようなことで、ようやく現在になっているのが、みんなから見れば、一気に自衛隊ならどこへでもばんと飛んでどこでもおりられるように思ったりするわけですけれども、そこら辺の今後のスケジュールと、運輸省が求めているような非常に高度な基準、そういったものに対する自衛隊サイド、防衛庁サイドの対応は、基本的にどういうふうにお考えになっているんでしょうか。
○政府委員(秋山昌廣君) 先ほど御答弁いたしましたように、運輸大臣からの定期運送用操縦士あるいは事業用操縦士の資格を取る、これもなかなか大変なことであったわけでございまして、いろいろ新聞にも報道されましたけれども、かなりの期間、かなり厳しい研修なり訓練を受けてこの資格を取っているわけでございます。 したがいまして、大半のその資格を取ったパイロットはもともとパイロットでございまして、ほとんどの者がターボジェットというんでしょうか、輸送機のパイロットでございましたから、それに一つつけ加えてこの運輸大臣からの二種類の操縦士の資格を取るために、これは大変長い期間をかけて訓練をして取ったわけでございますので、取った上での安全運航といいましょうか、それにつきましては一つのステップは踏んだということで、我々としてはこれからさらに安全運航に心がけるよう努力してまいりたいということでございます。
○高井和伸君 今度、自衛隊法の問題で、軍用機という側面からの法律の適用の関係を言いますけれども、宮澤総理はせんだっての本会議においての答弁の中で、自衛隊の武器使用は想定されない、戦闘機で護衛することも想定されない、想定されないという言葉を使われました。逆に言えば、法文上の操作によればそういうこともあり得ると私は考えますので、一応間違っているかどうかだけ、ちょっと私が解釈して言ってみますから聞いておいて、そのとおりと言ってくだされば結構です。 自衛隊法の八十七条によれば、「自衛隊は、その任務の遂行に必要な武器を保有することができる。」今度は武器の使用のところにいくと、第九十五条に、「自衛官は、」航空機を「職務上警護するに当たり、」云々かんぬんで、いろいろ武器も使えるというようなことになっております。そして、百一条の本条に今度の条文を入れようということになれば、これは自衛隊の任務ですから当然そのための武器使用も理論上はできる、戦闘機もつけて送ることもできるし、自衛隊も武器を持って備えることができると。このような解釈で間違いありませんね。
○政府委員(畠山蕃君) まず、自衛隊法八十七条の「武器を保有することができる。」というのは組織体の自衛隊として武器を要するに保有というんですか、携行ではなくて、武器を持っていることが許されるという包括的な規定でございまして、各条文においてその必要に応じ武器の使用という規定は別途個別的に列挙されております。 そこで、御指摘の九十五条の方の話でありますが、これはまさに御指摘のとおり、今回百一条を追加して自衛隊機の運用を行う場合にも潜在的にはと申しましょうか、理論的にはこれの対象になり得るわけでありますけれども、るる御答弁申し上げておりますとおり、安全が確保されない限り九十五条を適用して航空機外において武器を使用する事態は想定されないということでございまして、これはその場合の九十五条のこれを発動するための任務付与を行わないということでございますので、そのために別途航空機外において九十五条を適用するために使用する武器をこれを携行させることはいたしませんということで、そういう運用を考えているということをるる御答弁申し上げているところであります。
○高井和伸君 自衛隊の世界においてシビリアンコントロールが貫徹されなきゃいけないときに、法の支配もきちっとされなきゃいけない。私が思うのは、カンボジアにおける警護、巡回、パトロールというようなことの解釈における形骸化というのが非常に心配しているものですから。それから、かつて掃海艇を同じような隣あたりにある九十九条のような第八章雑則にあるような規定ではるばるペルシャ湾までやる。送る送らぬは別として、法解釈の面からいって非常に無理なことを自衛隊が今まで実績を積んでおられるというふうに私は見るんです。もうそっちはそうじゃないとおっしゃることはもうわかっております。 しかし、この第八章の雑則の中に、九十九条で機雷があって、百条で土木工事があって、百条の二で教育訓練の受託というのがあって、百条の三で運動競技会に対する協力、百条の四で南極地域観測に対する協力、百条の五でこれも問題になった国賓等の輸送、百条の六でせんだっての国際緊急援助活動等、さらに百条の七で要するにPKOと、今度はその中で今までは百条の七だから次に百条の八かと思ったら、今度は百一条という条文に位上げして従前の百一条というのを枝番にして、またちょっとそこら辺の発想がよくわからぬわけですね。 私の言いたいのは、これは後で外務大臣来られたときにもお尋ねしますけれども、非常に今度の法律改正は、よくわかる面もありますが、邦人の救出という面からいうとちょっとした条文のいじりで非常に大きな効果をなそうとしている。私は、これは自分で勝手に考えた言葉ですが、危機管理法案というような法があって、そうしたらまた政府委員室の人がいいことを言いまして、緊急事態邦人保護法なんというのはそういう法律の方向で、これはむしろ外務省に聞くべき話かもしれません。それから危機管理の安保室に聞く話かもしれませんけれども、自衛隊法の雑則の中の百一条というような新たな条項でやるようなテーマではないんじゃないか。 一応、いろいろわかるんだけれども、先ほど言ったように非常に安全だ安全だと言うのですけれども、緊急事態が起きているんですからそれは何か危ないに決まっておるわけです、定期航空で行くというルートに乗っからないわけですから。一時にたくさんの人を運ばなきゃならぬなんてということはもう緊急事態に決まっていて、それは非常にある意味では安全性が危なくなっているところに安全だ安全だというような言葉が何回も積み 重ねられることは、自衛隊あるいは防衛庁サイドならよくわかりますけれども、国家全体から見るとまたじゃないかという、カンボジアの二の舞になるような思いが非常にしております。 まだ、質問いっぱい細かいことしなきゃいかぬのですが、最後に今思っている気分では、こういった今までも、ずっと前に質問なさった方々の議論でも同じでございます。この一条の中でいろんなことを言い過ぎちゃって、非常に国際的に問題もある、国内では処理し切れないものを全部包含して自衛隊法の雑則の中の規定だけで処理しようというのは無理があるというふうに私は思います。それに対して担当立法省庁としての防衛庁としては、私の今の懸念に対してどうお答えになるのか、お聞かせください。
○政府委員(畠山蕃君) 今、ちょっと最初に言われましたその邦人保護法みたいな非常に大がかりなものとして考えるべきであって、自衛隊法のこの百一条というような形でやるような話ではないというお話でございましたけれども、先ほど来私ども説明申し上げているとおり、これは緊急事態において安全を確認の上に自衛隊機でもって輸送しようという任務だけを付与しようということでありますから、逆に言えば百一条に掲げたということをもってまさにそういう任務しか与えてないものというふうに御理解いただきたいというふうに思います。 つまり、具体的に申しますと、救出というようなジャンルの行為を特に想定はいたしておりません。これは自衛隊機が海外へ出ていって救出という行為を行うということは、これは許され得べくもないのではないかということでございますので、まさにそこに緊急事態といいましても、まだそこの空港なりなんなりが使用可能な状態のときに、今までもまさに民間機で、民間機チャーターでそういう緊急事態においてなお民間機でアベイラブルであったのと同様な事態を、民間機が利用可能でないという事態において選択肢を広める意味で自衛隊機、我が国の政府の専用機といったようなものを使用することによって救出のための輸送の幅を広げるといういわばその程度のことを考えているということでございますので、これを恒常的な任務として付与するためにはやはり百一条というところに位置づけたということをもって、逆にそういう程度の任務しか与えてないということを御理解いただきたいと思います。
○高井和伸君 終わります。
○寺澤芳男君 私が理解しているところによりますと、今政府専用機ボーイング747、これは二機あって、この二機は要人の輸送のためにあるわけですから、内装は百五十人ぐらいしか乗れないような内装になっているんですか。
○政府委員(畠山蕃君) 会議室等がございまして、それから要人のための寝泊まりのスペース等がございますので、政府専用機をその要人輸送のためにする仕様の場合には大体おっしゃるとおりでございます。
○寺澤芳男君 この飛行機をいきなり邦人救出のために使うとしたら、同じ飛行機の中に三百六十人ぐらいの邦人を乗っけなきゃならないと思うんですが、その内装を変えるのにどのぐらいの時間がかかるんですか。
○政府委員(畠山蕃君) 仕様変更につく作業で、それもどの程度なれることになるかといったような問題もございますので、一概には申し上げられませんが、一つの例といたしまして、過去の運用試験の一環として仕様変更を実際にした例がございます。その際には、おおむね三日程度を要したということでございました。いずれにいたしましても、輸送の要請の状況に即して今後は適切に対応してまいりたいというふうに思います。
○寺澤芳男君 その政府専用機の二機は普通は要人輸送のために百五十人程度の内装にしておいて、そして緊急の場合は三日ぐらいかけてその内装を変えて三百六十人ぐらい乗れるようにする、こういうことですか。
○政府委員(畠山蕃君) おっしゃるとおりでございます。
○寺澤芳男君 先ほどからの議論にも出ておりますように、今六十六万人ぐらいの日本人が世界に住んでおりまして、その日本人が災害とか、あるいは命にかかわるような大事件が起こった場合に、日本から飛行機が救出に、少なくとも輸送のためにほかの民間機も使えるし、日本の飛行機も自衛隊の飛行機も使えるということは多分朗報だろうと思います。六十六万人の日本人は、その七割の四十万が有権者だろうと思いますが、世界の先進国の中で日本人だけが自国の衆議院選挙にもいろんな地方選挙にも選挙権がない。もちろんこれとは別問題ですが、その六十六万人の日本人は今まで日本を大変な経済体力にするために、今でも努力しているわけで、多分その日本人が本当に災害や何かで万やむを得ざる場合に、今までずっと冷たく選挙権さえも与えてくれなかった日本政府が今度は飛行機を使ってもいいよということでありますから、運用さえ間違いなければその六十六万人の日本人にとっては私は大変な朗報だと思います。 ただし、これは運用のやり方によっては大変もっと危険な場合も考えられますから、当然のことながらその辺のところは政府として細心の注意をしていただきたい。 モザンビークについてちょっとお伺いしたいと思います。今までモザンビークには日本の大使館がありませんでした。ジンバブエに大使館があって、五月一日にもモザンビークにも大使館が開設されたようですが、何人のスタッフがいるんですか。
○政府委員(小原武君) 御指摘のとおり、五月一日付でモザンビークに事務所を開設いたしました。現在、三名の我が国外交官それから四名の現地職員が勤務しております。また、これに加えまして総理府国際平和協力本部事務局からも四名が長期出張の形で現地に駐在しておりまして、モザンビーク事務所におります臨時代理大使の総括のもとで支援を行っているところでございます。
○寺澤芳男君 モザンビークの紛争当事者の武装解除がおくれていると報道されています。カンボジアに見られるように、武装解除が実現するか否かはPKOが成功するかどうかのかぎであると思います。その見通しはいかがですか。
○政府委員(澁谷治彦君) カンボジアの経験にかんがみまして、紛争当事者の武装解除を実施するということは、モザンビークにおけるPKO活動を成功させるかぎであるということは当然だと思います。 モザンビークにおきましては、昨年十月に包括的な和平協定が発効いたしまして、それより数日後にRENAMOが北部諸都市を占拠するという事態が生じましたけれども、その後、武力衝突はなく平穏裏に情勢は推移しておりまして、停戦合意も維持されております。 武装解除につきましては、双方の当事者、特にRENAMOはONUMOZの相当程度の展開のない限りは武装解除には危なくて応じられないということを従来から言っておりました。国連のPKO活動が早急に開始されることが武装解除の前提条件であるということを言っておりましたけれども、最近に至りましてONUMOZの部隊の展開が大体終了いたしましたので、そういった障害が除去されたということでございます。 現在、武装解除のための集結地点に関する話し合いが政府側とRENAMOとの間で行われておりまして、武装解除の新たなスケジュールが近く決定される予定になっております。
○寺澤芳男君 今おっしゃったモザンビークの反政府勢力であるモザンビーク民族抵抗運動、すなわちRENAMOは非常に、例えばそのRENAMOの性格についてはアメリカの国務省の高官が、テロリストの組織であり、罪のないモザンビーク民衆に残虐な攻撃を仕掛けていると発言しております。事実、一九八七年には、イニャンバネ州で住民四百二十四人を殺害、首都マプト郊外で約二百七十人を殺害しております。また、少年たちを連行し強制的にゲリラに仕立てるようなこともやっております。つまり、民衆の間に基盤や支 特を持った組織とは言えません。 このような組織が素直に武装解除に応じるとは思えないんですが、武装解除を実行に移すような根本的な性格の変化が組織にあったと認識してよろしゅうございますか。
○政府委員(小原武君) RENAMOの性格につきまして御指摘がございましたが、このRENAMOはモザンビークの内陸地を本拠としてゲリラ活動を主体とする活動を行ってきた勢力であります。 御指摘のような一部の残虐行為あるいは兵力の構成部分に未成年者が多いというようなことも過去において事実であったようでございます。しかし、昨年十月にモザンビーク政府それからRENAMOの双方が包括和平協定に署名しまして、そして内戦の平和的解決を目指すということにコミットして今日まできているわけでございます。 RENAMOは、この和平協定を遵守するという姿勢を明確にしてきております。また、今後は政党活動を通じてみずからの支持を拡大するという方向も打ち出してきているようでございます。冷戦が終わったということ、それから今までいろいろの支援を受けたこともある南ア等において歴史的なアパルトヘイト撤廃の動きが進行しているというような事態がRENAMOにも将来の方向について考えを改めさせたものであろうというふうに言えるかと思います。 和平プロセスがおくれていることは事実でありますけれども、先ほど国連局長の答弁にありましたように、ONUMOZの本格的展開につれてこのプロセスが進展していくものと見ているところでございます。
○寺澤芳男君 国連について質問いたします。 日本は国連の今最大のスポンサーであります。国連の十億ドルの年間予算のうち一二%に当たります一億二千万ドルを毎年供出しております。アメリカやロシアは分担金を滞納してなかなか払っておりません。そういう中で、国連本部としては日本に期待することは非常に大きいと思います。日本が国連至上主義を掲げる以上、第二、第三のカンボジア支援を要請されることは必至でありましょう。 私は、国連の活動に、活躍に期待するものでありますが、日本は国連をどういうふうに位置づけておられるか、外務省の基本的なお考えをお伺いします。
○政府委員(澁谷治彦君) 国連の場は冷戦体制の時代と違いまして、現在ではいろいろのさまざまな地域紛争を含め、社会分野、人権分野から始まりまして安全保障の分野まで、ありとあらゆる問題が取り上げられております。したがいまして、私どもといたしましては国連の重要性がますます高まったということで、むしろ国連外交の中身は、単に国連重視ということだけではなくて、日本の全外交を国連の場において実現させていくという形で今後努力をしていくつもりでございます。 国連の内部における日本の地位は、先生御指摘のとおり分担金の支払い額では第二位でございますし、それに比べて大口の分担金を支払うべき国の中には相当の延滞をしているという国もございますので、今後この面における日本に対する期待はますます高まっていくものと思われます。 ただ、残念ながら、国連の事務局内部における日本人職員の数はまだ百の大台には満たないという状況でございます。確かに幹部の中には明石代表のような方もおられますけれども、これはむしろ例外でございますので、今後こういった人員的な面においてもさらに努力する必要があるというぐあいに考えております。
○寺澤芳男君 今おっしゃった国連の職員の百名に満たない日本人という、その百名というのは全体の国連の職員何名について百人なんですか。
○政府委員(澁谷治彦君) 在外も合わせまして総数一万五千になると思います。国連本部では五千弱の職員がおります。その中で日本人職員はたしか八十九名ではないかと思います。
○寺澤芳男君 拠出金の割合が一二%ですから、五千人の一二%の日本人職員がいても決しておかしくないわけで、そうなってくると日本人の職員は非常に少ない。どうして日本人の国連の職員はこんなに少ないんですか。
○政府委員(澁谷治彦君) やはり国際機関におきましては、いわゆる専門的な知識と言葉の能力が両立している人物を先方が求めているという事情がございます。 それからさらには、日本のようないわゆる一年のうちの一定時期に一般職として採用してそれを各部門に配属するという形ではなくて、あくまでも専門家として採用いたします。したがって、一つのポストがあいたらその時点ですぐ募集をするということでございますので、そういった有為の人材で常に国連で勤務可能な人材をこちらでもリストアップしておく必要がある、こういった面でなかなか、私どもも努力はいたしておりますが、日本の実情に合わないというのが現状でございます。しかし、これは今後工夫していく必要があるということだと思います。
○寺澤芳男君 国連に限らず、世界銀行あるいはIMF、そういう主要なる国際機関に現在勤めております日本の職員の数、そしてそれが全体に占めるパーセンテージを教えてください。
○説明員(豊田博君) お答えいたします。 世界銀行、国際復興開発銀行、それから国際開発協会、合わせまして日本人職員は昨年末現在で八十名、これは全体の一・三%でございます。 それからもう一つ、国際通貨基金、IMFの方でございますが、これは昨年十一月末時点で二十六名、これも一・三%の比率でございます。
○寺澤芳男君 日本の国際貢献ということは、やはり拠出金の面のみならず、拠出金が例えば一二%であれば、当然それに近い実数の国際公務員というのをやはり日本から持っていくべきだろうと私は考えます。そのために、日本の中で例えば各大学の法学部の中に国際機関科とかあるいはいろんな学部、学科を設けるとか、ありとあらゆる知恵を絞ってこの日本人の国際機関の重要なる事務職員ということを真剣に大量に派遣することを考える時期が来ていると思いますが、外務省の見解はいかがですか。
○政府委員(澁谷治彦君) もちろん大学の問題になりますと、外務省だけで何か措置をとるということはできませんけれども、おっしゃいます趣旨には私どもも賛成でございます。日本の中には国際舞台の場で貢献する人材がなかなか現在でも見つかりません。これは単に能力ということだけではなくて、いろいろ例えば職業活動の日本的な特殊性もございまして、国連でたとえポストにあきがあっても直ちに応募できる人材を即刻こちらから推薦するというわけにはいかない場合が多うございまして、私どもも非常に悔しい思いをしておりますけれども、これは一時的な対症療法ではなくて、先生がおっしゃったように教育の課程からそういう問題意識を持って人材を育てていく必要があると思っております。
○寺澤芳男君 防衛大学校の点について、次に質問いたします。 今まで防衛大学校を卒業しても大卒の資格をもらえなかったようですが、ことしの三月に実際卒業した四年生は学士号が授与され、大学卒としての扱いが受けられるようになったと理解しております。 防衛大学校には任官拒否という問題があるわけで、ことしの任官拒否は十九名ということであります。平成三年度の九十四名をピークに去年は三十四人と、減少の傾向にあるわけです。しかし、この減少は不景気による安定志向が、あるいはPKO活動に代表されるようにやりがいのある職場になったということなのか、防衛庁ではこういった減少が起こりつつあること、この減少をどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(諸冨増夫君) お答えします。 防衛大学校の任官拒否につきましては、先生今一部御指摘ございましたが、私どもも大体四つぐらい減少しておる理由があるんではないかと考えております。 それで、最近の減少傾向としてやはり顕著なのは、施設部隊のカンボジアにおきます派遣、いわゆる自衛隊の国際貢献への取り組みでありますとか、あるいは雲仙岳の噴火に伴います二年間にわたる自衛隊の活躍、こういうものに対しまして国民の皆様方の自衛隊に対しまする期待であるとか評価が非常に高まってきておるというようなことが一つの原因ではないか。 それから二つ目には、私ども過去九十四名のピーク等ございました時期、それ以前からでもございますが、いろいろ部内で防衛大学校の改善施策を講じてきております。一番大きなのは、やはり防大生として入校した人たちが四年間の間に将来幹部自衛官になるんだという自覚を持たせるということでいろんな施策を講じております。なお、自衛官自体の処遇といいますか、そういうものが大事ではないかと一方では考えております。 もう一点、先生今御指摘いただきました学位授与機構から、昨年度から学士の授与というのが行われるようになりました。これも三つ目の大きな理由ではないかと考えております。平成三年度の卒業生でございます。 それから四つ目には、これは景気の動向の関係も若干あるんではないかと思います。民間企業等に対します大卒者の採用意欲というのが、景気の低迷に伴いまして低下しておるというようなことから防大からの任官拒否が減少しているんではないか。 以上、大体四つのような理由が総合的に考えられるんではないかと思います。 いずれにいたしましても、私ども自衛隊に対します国民の理解というものが基本にあるというふうに考えておりまして、今後とも一人でも任官辞退者が少なくなるような努力を鋭意してまいりたい、このように考えております。
○寺澤芳男君 防衛大学の卒業式の折、夏目校長が三百八十八名の卒業生を前に、防衛大学の生みの親である吉田茂元首相が君たちにこう言われたことがあると前置きして、防衛大学OBの間で長年にわたり語り継がれてきた言葉を紹介いたしました。すなわち、自衛隊が国民から歓迎され、ちやほやされる事態とは、外国から攻撃されての国家存亡のときとか災害派遣のときとか、国民が困窮し国家が困難に直面しているときだけなのだ、言葉をかえれば、君たちが日陰者であるときの方が国民や日本は幸せなのだ、耐えてもらいたい。 戦う相手の見えない自衛隊では、どんなに頑張ってみたところで形になってあらわれることはない。そういう職場でどう自分を納得させて仕事をしていけばよいのか、この屈折した気持ち、そんな自問自答する隊員もいるだろうと思います。それは軍隊であるようで軍隊でない自衛隊の体質にあると思います。 防衛庁長官に、自衛隊が今後どうあるべきかについての御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(中山利生君) ただいま御指摘になりました防大の卒業式における夏目校長のあいさつは、私もそばで聞いておりました。 吉田総理がそういうことをおっしゃったという真意のほどは私もよくわかりませんが、夏目校長の激励の言葉、これはこれまで長い間、防衛庁、自衛隊は国防のために一生懸命努力をしてきたけれども、いまだに国民の皆さんの一〇〇%の支持を受けているわけではないということ。もう一つは、これは私自身の感覚でございますが、防衛庁、自衛隊というのは常に表に出て表舞台で華やかな踊りを踊る機関ではない。常に日陰にあって、日本国のあるいは日本国民の平和と安全、独立というものを守るためにこつこつと努力をしていくべきものであって、それが大きな評価を受けるようなことは逆に不幸な事態である。 今、先生がおっしゃったとおりであろうと思うわけでありますが、そういう人から認められないというような逆境の中で、やっぱり自分たちの気持ちを引き締めながら団結をし、また精進をしてこの使命の達成のために頑張ってほしい、そういう激励の言葉であろうと思うわけでございます。 外国へ行きますと、軍隊というのは国のために本当に命がけで戦ってくれる愛国者の固まりということで高い評価を受け、それなりの処遇も受けているということでありまして、私どもも、いつの日か国民の皆さんの御理解をいただきながら、これにはやはり国民を挙げての防衛意識の高揚ということがなければならないわけでありますが、そういう日が来るまで今おっしゃったような気持ちで頑張っていくしかないというふうに考えております。
○寺澤芳男君 以上です。
○委員長(守住有信君) 午後五時三十分に再開することとし、暫時休憩いたします。 午後四時三十七分休憩 ――――◇――――― 午後五時三十七分開会
○委員長(守住有信君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、自衛隊法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○翫正敏君 外務大臣に質問いたします。 休憩前の質疑の中でいろいろ議論が出たわけですけれども、非常に矛盾を感じたところを一点まず申し上げておきたいと思います。 それで、外務大臣の所見をお伺いしたいのでありますが、まずこの法案が通過をして法律となっても安全が確保されない限り自衛隊の航空機は飛ばさないんだ、こういうことを繰り返し答弁されておるわけであります。ところが、この法案には「騒乱その他の緊急事態に際して」自衛隊の航空機を飛ばすのだと、こういうふうに書かれておる。その「騒乱その他の緊急事態」というのは内乱とか騒擾というふうなものを指すのだと、こういうことを答弁されたわけです。 私がそれを想定しますと、具体的な事例としてはやはりベトナム戦争のときの場合であるとか、湾岸危機、湾岸戦争の場合であるとかというような、そういうことが想定されておるのではないか。これは私の想定ですけれども、そういうふうに思うんです。そういう答弁内容と私の想定というものを踏まえてここに大きなやはり矛盾というものがあると思うんです。安全が確保されない限り飛ばさないんだというような、そういうこととの矛盾ですね、ここをどういうふうに外務大臣として認識しておられるのか、御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 思いますのに、たまたまある地域に騒乱が起きたと。そこから何としてでも邦人を安全に輸送しなきゃいけない、こういうことだと思うんですが、そこまで行く間、飛行機が飛んでいる間が非常に危険じゃないかというような場合はなかなか難しいと思うんですね。しかし、現実にそこ自身はいろいろ騒乱があっても、そこまで行く間は大丈夫だというときはお願いができるんではないか、こういうふうに思っております。
○翫正敏君 じゃ、今の答弁を私なりに理解してなるほどと一応思うんですが、要するに飛行機が飛んでいる途中の安全性のことを言っているんだと。ここを安全に通過していければ、その目的地の場所というのは騒乱、騒擾、内乱その他、ベトナムの戦争であり湾岸戦争危機であったりする、そういう危険な地帯であるというような、そういうことがこの法案のねらいとされておるところである、こういうことだと思います。 そこで、休憩前の質疑の中で、騒乱その他緊急事態に際して自衛隊の航空機を派遣するに当たっては、必ずしも一機だけ派遣するということには限らないと、複数以上の自衛隊の航空機を出す場合もある、こういうことも確認をされたと思います。さらには、邦人の救出ということと輸送ということと、この二つの業務といいますか仕事は分けられていて、前段の救出の作業というものは外務省の任務である、邦人等の輸送の業務が防衛庁の任務であります、こういうように答弁されたというふうに理解をしたわけですけれども、外務大臣としてもこの休憩前の防衛庁からの答弁内容と いうことを確認いただけるでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) これは、もし私どもがお願いして行っていただいた場合には、自衛隊機は飛行場へ着くわけでございますね。しかし、そこまで人を集めるのはやっぱり在外公館でやらなきゃいけない、こういうそこの分担ということを、多分午前中はそういう話ではなかったかと思います。私もそれで結構かと思うわけであります。
○翫正敏君 じゃ、その邦人の救出は外務省の任務であるというときの邦人救出というのは、どこかの場所へ、例えば東京都で地震とか災害があったときにはどこどこの公園へ集まりなさいとか、そういうことがありますね。そういうようなもので、どこかへ、安全な場所へ人を集めるというようなことを救出と、こういうふうに外務省は認識しておられるわけですか。それとも、いわゆる危ないところにいる人を助けるという、救出というのは普通助けることを救出と言うんですよね。ただどこかへ、安全なところへ集まってくださいというのは集合と、こういうふうに言うと思うんですけれども、そこを明確にしていただきたい。
○政府委員(荒義尚君) これは、過去のケースで御説明いたしますけれども、いろんなケースがございました。もちろん、空港に直接邦人の方に集結していただく場合と、そこまでの状況に至らない場合で、それぞれが例えば自宅で待機し、そこから数人ずつのグループで飛行場へ行く場合、あるいは大使館に可能な限り集結していただいたというケースもございます。要するに、いろんなケースがあり得るということでございます。
○翫正敏君 要するに、外務省のされる本法案に基づく救出作業というのは、安全なところへ集まってもらう、例えば大使館であったりするわけですが、そういう意味ですか。そういう意味に限定されている、こういうふうに明確におっしゃるわけですね、そう理解していいわけですね。
○政府委員(荒義尚君) そういう御理解で結構だと思います。
○翫正敏君 大臣、お願いします。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私もそれで結構かと思います。 現実に大使館というのは、どこの国でもそこは治外法権になっておりますので、やはりそういうところへというのが大体一番中心だと思います。
○翫正敏君 派遣する自衛隊の飛行機の数を決定したり、それから飛行をするコースを決めたり、また着陸する場所、飛行場ですが、そういう着陸飛行場を決めたり、またそのために上空を通過する国の同意を得たり、また着陸する場合の同意ですね、着陸する場合の同意というのがちょっと難しいんで後からまたさらに聞きますが、一般的に一応同意ですね、そういうものをとったりする仕事、これはすべて外務省の仕事といいますか、任務と、こういうふうに理解してよろしいですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 大体、私、それでいいと思います。
○翫正敏君 要するに、防衛庁はその邦人救出、救出が集合でもいいんですけれども、そういうふうに集まった人をこの法律に書いてある条文のとおり正確に輸送すると、輸送の任務だけをすると。その他、何機どこどこへ、こういうところの許可をとりましたので飛んでいってくださいというようなことをするのは、全部すべて外務省が責任主体であるということを明確に承ってよろしいわけですね。もう一遍ちょっとお願いしましょう。
○政府委員(荒義尚君) 事務方として若干補足させていただきますけれども、例えば何機飛ばす必要があるかとか、そういう技術的な点につきましては、もちろん私どもはその時点で把握しております退避対象の邦人の数とかいろんなデータで二応の考えを持てるかと思いますけれども、やはりその点も防衛庁といろいろ御協議させていただくということかと思います。
○翫正敏君 そういう意味で、いわゆる飛行コースの安全は確保されない限り飛ばない。これはわかりました。着陸地点の飛行場ですね、そこはある場合といいますか、具体的には騒乱その他、緊急事態に際して救出及び輸送をするわけですから、そこは内乱や騒擾や、あるときには戦争や危機であったりというそういう状態が想定されておると思うんですけれども、その場合の飛行場の着陸同意、これはどのようにしておとりになるんですか。だれからどのようにしてとられますか。
○政府委員(荒義尚君) これにつきましては、一般的なお答えになりますけれども、通常ですと在外公館、当該地の大使館を通じ、先方政府の権限ある当局と折衝して同意を取りつけるということでございます。
○翫正敏君 国と国との、国家と国家同士の戦争とかという場合はもちろんですけれども、国内における内乱状態という場合においてもどちらが正統政府であるかというようなことは、後から例えば強い者勝ちみたいなのが世界の歴史でしょうからね、そういうことで決まっていくんだと思いますけれども、ある時点をとってみれば、定かではないということは間々あることですね。 そういう場合、どういうふうにして具体的に同意をとられるのかということを、在外公館を通じてとるというそういうことを聞いているんじゃなくて、飛行場を持っている、また管理、管制しているそういう主体がありますね。そういうところととるのか、それともいわゆる名目上の政府ととるのか、内乱が例えば起きている場合。例えばイラクがクウェートヘ侵攻している場合に、クウェートなんか危険だから飛んでいかないとおっしゃるのかもしれませんが、しかしもし飛んでいくとした場合には、クウェート政府というのは逃げて外国に亡命政府をつくっていたわけですね。そうしますと、そこの飛行場へもしおりて日本の邦人を救出しようとすれば、それはだれの許可を得て向こうの飛行場を使うのかという、そういうふうなことを聞いているわけです。
○政府委員(丹波實君) ただいまの御質問でございますけれども、例えばある国におきまして反乱というものが起きて、その反乱団体が一定の飛行場というものを事実上支配下に治めだというような状況、その飛行場との関係で今の法案の問題が起こっているというそういう状況を設定した場合に、国際法上交戦団体の承認という制度がございまして、この場合に反乱団体ですが、一定の地域、一定の住民をある程度の時間帯をもって支配しておる、そういう団体を交戦団体として国際法上承認する制度がございます。 そういう場合、承認した場合には、その交戦団体がその特定の地域について事実上の支配をしておるわけでございますので、抽象的に申し上げますと、一般論として申し上げますと、そういう状況がもしあったと仮定すれば、この場合にはその交戦団体とそういう許可の問題を話し合うという、そういうことになろうかと思います。
○翫正敏君 そういうことだと思いますね。 それで、その場合当該外務省の出先であるその国の大使館の方で仕事をされる、そういう作業をされるということでいいんですが、口上書を交わされると、こういうふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(丹波實君) ただいまの、私単なる国際法上の一例として交戦団体ということを申し上げましたけれども、通常の状況におきます大使館と政府との関係でございますれば口上書もその中に含まれると思います。いろんな外交的なその他の書類も含まれると思います。ただ、交戦団体の場合には今のような状況下における団体でございますから、交戦団体の支配地域の中に大使館が設けられておるという状況はちょっと考えられませんので、そのときの状況に応じてどういう許可のとり方をするかはそのときの状況に応じて考えていかなければいかぬというふうに考えます。
○翫正敏君 その場合は、口頭による緊急な許可を得て飛行場へ着陸するというようなことももちろん想定している、こういうことだろうと思います。そういういわゆる飛んでいる途中は安全だけれども、使う飛行場のまたその周囲というものが騒乱その他緊急事態が起こっている場合に派遣さ れるわけです。 それで、先ほど国際法上の侵略の定義に関する一九七四年十二月十四日の国連決議を引用して質問をしようとしましたら、外務省の方がおいでになりませんでした。それで外務大臣に確かめたいんですけれども、先ほど防衛庁の方からは我が国の自衛隊が武力行使をすることができる場合として、ただ単にすぐできるわけではなくて、法律に定められた手続が必要なことは言うまでもありませんが、その必要条件として外国からの武力攻撃があった場合ということが、いわゆる直接侵略ということが要件であるという答弁がございました。 その侵略という定義は国際法上どういうふうになっているかということで、先ほど言いました国連の決議を見ているんですけれども、外務大臣の方からぜひひとつ、私としましては何を申し上げたいかといいますと、一国の軍隊によるところの他国の陸海空軍の、私は自衛隊は陸海空軍に当たって憲法違反であるというふうに考えているんですが、合憲であるという立場で言いますと、要するに国際法上は軍隊としての地位を有しているわけでありますので、そういうことですから、他国の陸海空軍に対しての艦船、船隊というふうに書いてございますけれども、もしくは航空隊という訳文は表現になっておりますけれども、そういういわゆる軍艦や軍用機というものへの攻撃は、我が国の領土、主権に対する攻撃と同等なものとして国際法上取り扱われている。こういうことを質問したかったのでありますけれども、こういう条約の理解でよろしいかどうか、外務省からお答えください。
○政府委員(丹波實君) まず、先生が問題としておられますところの侵略という言葉でございますが、これは先生もう御専門でおられて、御説明の必要もないと思いますけれども、国際法上の侵略とは何かということにつきまして、まさに国連の内外におきまして大変な論議があって、大変長い時間をかけて議論の末に、先生が引用しておられる一九七四年の国連総会で採択されたいわゆる侵略の定義という文書、ドキュメントができ上がったわけですが、これにいたしましても、これは侵略の定義というものを国際法上決めたというよりは、むしろ国連憲章第三十九条に規定する侵略行為とは何かということを安保理事会が決定する上での一つのガイドラインとして作成されたものであるということは、先生御承知のとおりであると思うんです。 それはそれといたしまして、先生が問題としておられますのは、自衛権の発動の対象となる事態とはどういう事態がというふうに問題を引き直してお答えさせていただきますと、まず御承知のとおり、典型的なケースとしては一国の領土、領空、領海というものが他国の実力によって侵犯されるというのが典型的なケースであろうかと思います。 しかしながら、まさにここが先生の御質問のところだと思いますけれども、一国の領土、領海、領空というものが侵犯されるときだけではございませんので、この場合、例えば日本と仮定いたしました場合に、日本の自衛隊の陸海空といったものの艦船、航空機というものが組織的、計画的に攻撃されるということも自衛権の発動の対象にはなりますし、それに加えて何も自衛隊の航空機、船舶のみならず一般の日本の民間のそういう航空機、船舶というものが組織的、計画的に攻撃される場合も、場所のいかんを問わずそれは観念的には国際法上自衛権の発動の対象にはなる。 しかしながら、自衛隊として自衛隊法上どう行動するかと申しますのは、これは七十六条、「必要があると認める場合には」という言葉にございますとおり、そこは、どういう場合にその防衛出動をするかしないかというのは別途の判断がある。 私が今申し上げましたのは、一般国際法上国の自衛権の対象になるものとしてその例示的な例を挙げよという、そういう御質問に引き直してお答え申し上げた、そういうことでございます。
○翫正敏君 「次に掲げる行為は、いずれも宣戦布告の有無にかかわりなく、」「侵略行為とされる」という第三条の中には、民間の航空機が組織的、計画的に攻撃を受けた場合、侵略行為であって自衛権を発動できるというふうに読み取れる項目は、(a)(b)(c)(d)(e)(f)(g)ですか、これにないんですけれども、それは丹波さんの国際法の理解なんですか。
○政府委員(丹波實君) 先生がおっしゃっておられるのは、先ほどの侵略の定義の第三条の(a)から(g)を言っておられると思いますけれども、これは先ほど申し上げましたように、安保理事会が憲章三十九条の侵略の定義というものを断ずる上におきましてのあくまでもガイドラインとしてつくられた書類でございまして、一般国際法上、一国の自衛権の対象としてどういうものがあり得るかという議論の中では、その国の民間の船舶、航空機というものが組織的、計画的に一定の公海上、公海上でなくてももちろん構わないわけですが、典型的には公海上でそういう攻撃の対象に遭った場合には、その被害国の自衛権というものは発動の対象になるというのは一般国際法上の考え方でございます。
○翫正敏君 我が国の港にいたり、我が国の空を飛んでいたり、公海上を飛んでいたり、公海上を運航しているのは当然です、それは。外国の主権下にある外国の領海、外国の領土、そのところ、外国の主権下にあるところの飛行機や船、それが組織的攻撃を受けた場合に自衛権の対象になるというのは、これは軍用機に限るんじゃありませんか。 公海上や我が国の領土の中にあったり、公海上を運航している場合は、それはもちろんですよ、おっしゃるとおりだと思いますよ。
○政府委員(丹波實君) 先生の御質問の趣旨がなお一層わかりましたけれども、外国の領域の中にある日本の船舶、航空機というものは一義的にはその滞在国の責任において保護さるべきそういう状況にあると思います。 しかしながら、いろんな状況が起こって、その国の防衛といいますか、保護の能力というものがどうしても達せられないというような状況で、その領域の中に利害関係をそういう形で持っている国から見れば、やはり自国の防衛、自国の自衛権の発動でしか救出といいますか、保護できないというような状況におきましては、一般国際法上その相手国の同意というものも必要とはなると思いますけれども、自衛権の発動の対象になる。 これは、しかし、誤解のないようにつけ加えて申し上げたいと思いますけれども、日本の憲法上はその他国の領土、領海、領空におきまして、たとえ自衛権であっても実力の行使はできないという考え方に立っておりますから、自衛隊法がその場合働くということは、考えられないということは誤解のないようにつけ加えさせていただきたいと思います。
○翫正敏君 最後の方のところだけ確かめたいんですが、我が国の場合、この法律に則して言うと、自衛隊の保有する航空機が外国の飛行場におりている状態でという、こういうのを想定してくださいね。ここが騒乱その他緊急事態の場所と、こういうふうに想定をいたします。その場合に、組織的な武力攻撃を受けたという場合に、これが自衛権を発動するという場合に我が国の憲法上は当たらない、こういうことですか。 我が国の憲法上の自衛権発動の場合は、あくまで我が国の領土、領海、領空及び公海上、これに限る。他国の領土、領海、領空においては、軍用機といえどもまた艦船といえども、この国際法上の侵略の定義にいくらかなっていても、これは我が国が自衛権を発動することには当たらないと。そういうふうにおっしゃるわけですね。 次に、外務大臣の答弁もいただいて終わります。
○政府委員(丹波實君) 私の持ち分といたしまして、あくまでも一般国際法上の考え方を申し上げて、それ以降自衛隊の対応、自衛隊法と憲法との関係につきましては防衛庁の当局の方から御答弁していただくのが一番適切だと思います。 そこで、前段でございますけれども、これもいろんな状況設定、いろんな仮定というものを立てる必要があると思いますけれども、本当にそういう状況、条件を立てた上でのあくまでも一般国際法上の考え方として、今先生が挙げたような場合において、そういう航空機、船舶を持っている国の自衛権というものが発動し得る状況というものがあり得ないわけではない、国際法上あり得ないわけではない。しかし、日本としてそういうことができるかどうか、これは第二段の先ほど申し上げた問題になろうかと思います。
○翫正敏君 できないということですか。外務大臣言ってください。
○政府委員(畠山蕃君) 今、御設例になっている事態というものが現実に起こり得るかどうかというのは極めて想定しにくいところでありますが、しかし設例は設例といたしまして、それを受けた形で論じさせていただきます。 まず、海外に行きました自衛隊機が、その国または国に準ずるものから組織的、計画的な武力攻撃を受けた。こういう事態を想定されているんだと思います。その場合に、仮に自衛権発動の三要件として、先ほど防衛庁の官房長から答弁申し上げましたが、そういう条件に該当するケースがもし万が一あるとすれば、これは憲法上の論理としては自衛権発動の対象になり得るということでございます。 しかしながら、その自衛隊機が仮に攻撃を受けた場合に、直ちにそのゆえをもってこれで当然に自衛権発動の対象だと、あるいは現実にそういうものとなるということとは全く違いまして、純粋に憲法上の論理として申し上げますと、しかも前提を申し上げております。そういう事態があるとはなかなか思いませんけれども、仮に自衛権の発動の三要件があると、これは従来からの答弁で申し上げますとおり、そういう場合には、例えば外交上の措置をとるとか、自衛権発動の三要件のうちの一つであります他にとる手段がないというようなケースを一つの要件としておりますけれども、そういったような事態もなく、仮に三要件が満たされるケースであるとすれば、憲法上の理論としては対象になり得る。しかし、現実にそうなるとはとても想定できない。こういうことだろうと思います。
○翫正敏君 大臣から一言言っていただいて、終わります。
○国務大臣(武藤嘉文君) 今の防衛局長の答弁のとおりでございます。
○喜岡淳君 外務大臣にお尋ねいたします。 邦人保護の責任は外務大臣だろうというふうに思います。私は香川県ですが、地元の青年がマニラで行方不明になってもう三年以上たっております。外務省やマニラの総領事館には大変お世話になっております。私も外務省の方にお願いをしてマニラに出かけていったこともございます。そういう意味では大変御苦労されておることに心から敬意を表したいと思います。 さて、邦人保護に当たって、私はこれほど日本人が海外にたくさん出ていき、しかも紛争も含めて安全の確保が議論されておるときに、邦人保護の原則についてどういうふうに外務大臣お考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) やはり我々としては、今いろいろの形でいろいろの方法をやりながら、外国へ行かれる人に対して安全対策についての啓蒙活動をやっているわけでございますが、私は第一義的にはそれがまず第一だと思います。
○喜岡淳君 啓蒙といいますか、注意を喚起する。個人の問題だということもありましょうから、やはり事前に海外に出かける人に対して、そういった情報あるいは安全の徹底ということが前提になるというふうに思います。 しかし、そうはいっても、商社とか報道関係とか大使館等の政府関係者ですね、この人たちはそれでも出かけていくわけです。サイゴンが陥落したときにも、五百三十名いた邦人に四回にわたる出国勧告をしたにもかかわらず、それでも残るんだと言った人が百五十名前後いたというふうに聞いております。 さて、そこで紛争とか内乱とか、そういった緊急事態が発生した場合、私はやはり現地の日本大使館がそういった情勢をよくつかんで巻き込まれないように、空港の安全やあるいは港の安全が確保できるうちに、あるいは国境から出ていく道路が閉鎖されないうちに早く出国するように現地の大使館が全力を尽くすことが、邦人安全確保の原則ではないかというふうに思いますけれども、その点についてはどうでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) それは、そのとおりだと思います。
○喜岡淳君 さて、問題は日本の大使館や総領事館、そういった日本の在外公館のない国の場合であります。そういった場合には一体どういうふうに対策を考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(武藤嘉文君) これは従来からそういうところもあるものでございますから、近隣の大使館なり総領事館なりそういうところから、できるだけその当該地域にいらっしゃる在留邦人とは連絡をとりまして、いろいろと情報を交換をいたしておるわけでございます。そういう面で、そういうような緊急事態がもし発生をすれば、早速にでもその近隣の大使館なり総領事館からそちらへ出張いたしまして、そして、その安全対策を図るということをやらなければならないと思っております。
○喜岡淳君 今、外務省からいただいた資料によりますと、我が国の在外公館のない国は六十九カ国、そこにおる在留邦人は総数約一万一千人であります。この皆さん方に対しては、やはり日本からのラジオ放送による情報の提供とか、あるいは近くの日本大使館から情報をとるようにしなさいとか、そういった安全確保策を最大限私は払うべき義務があると思いますが、そのあたりの外務省の取り組み状況はどうでしょうか。
○政府委員(荒義尚君) 確かに、御指摘のように、兼韓国であって実館がない場合におられる邦人の方の安全対策、大変我々も正直言って苦慮しておりますが、できる限りということで、先ほど大臣の答弁ありましたようになるたけ近隣公館から定期的に館員を回しまして、一つは、その土地におられる邦人との間に安全対策のための連絡協議会をつくり、その実館のあるところと何らかの通信、連絡網で結ぶというようなことをやっております。 それからもう一つ、そういう実館のない公館における友好国と日ごろから友好な関係をつくり、万一の場合に協力を仰げるような素地をつくっておくという外交努力とあわせてやっておるということでございます。
○喜岡淳君 今の外務省の御答弁は、私は極めて原則的で現実的な話だと承りました。在外邦人の危機管理については、危機が起きたからどうする、こうするという問題ではないと思うんですね。ある日突然目が覚めてみると紛争になっておる、こういうことはあり得ないと思います。その前兆というものがずっと続いてきて、やはり予想されるわけですね。したがって、安全が確保できもうちに速やかに、民間航空機が飛んでおるうちに、あるいは民間商船、客船が動いておる間に、あるいは国境を越えるバスや自動車、列車が動いておる間に速やかに出国させる、こういうことを外務省がきちっとやれば私は問題はないというふうに基本的には考えております。 そういう意味で、ぜひ六十数カ国については在外公館もございませんし、一万一千人近い邦人がおりますし、その上にさらに旅行者もおるわけですから、その原則的な対応のために必要な人員の確保、あるいは必要な予算の張りつけ、こういうことをお願いしておきたいというふうに思います。これは命を確保するためのコストとして費用がかかったとしてもやむを得ない、そして納税者もそれは当然納得をする問題だと思います。 さて今度、外務大臣は、海外で紛争及び緊急事態が発生した際に、政府専用機及び自衛隊機による邦人輸送を命ずることができると。そういうことで自衛隊法の改正案を提案されておりますけれ ども、民間機が飛べない場合に自衛隊機が飛んでいくということを外務大臣は予想されておりますか。
○国務大臣(武藤嘉文君) これは、やっぱり民間機でも自衛隊機でもそういう危険なときには飛んでいけないというのは当然だと思います。
○喜岡淳君 そこで、宮澤総理の答弁について所見を聞かせていただきたいと思うんです。 総理はたびたび、衆参の本会議におきまして今度の法案を提出した理由を述べておられます。それは、一九七五年にサイゴンが陥落いたしましたときに、事の性質上、民間企業にやってもらうということが無理だということを我々は現実に体験したわけでございますから、民間でできるではないかということにはならないので、それで万一のときを思いましてこのような法案の御審議を願っておるわけでございますと。つまり、万一のためにこの法案を提出されておる。民間機ができない場合のことを想定して提案したんだというふうに受けとめるわけですが、外務大臣の答弁と総理の御答弁の間に、私は明らかな違いがあると思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、宮澤総理の答弁は、例えば当時サイゴンのときに自衛隊機を使えるようになっておったならば、もっと早くそういう危険な状態になる前に飛ばすことができたんではないだろうかと。それが実際そういうことがなかったものでございますから、結果的に民間のチャーター機を使おうとしても、チャーター機との間にいろいろと契約するのになかなか時間がかかったとか、いろいろそういう時間的なものがあって、結果的にマニラまでは行ったけれども、サイゴンまで行けなかったという、そういう意味で私は宮澤総理は答弁されたと、こういうふうに受けとめておるわけであります。
○喜岡淳君 それは私は詭弁だと思います。こういう危険なときにでも行こうというのが総理の提案の趣旨じゃないんですか。どうしてあなたは安全問題をそうやって隠すんですか。もし早く行けば安全だというときには民間機が飛べばいいじゃないですか、安全ならば民間機が早く行けば。だから私は何偏もさっきから言ってきたわけですよ。安全が確保できるうちに出国をするようにすればいいではないですかと。それが原則だとあなたも今おっしゃったでしょう。
○国務大臣(武藤嘉文君) 同じことを繰り返しますけれども、そういう事態というのは一刻一刻変化するわけでございますから、宮澤総理がおっしゃったのは、もしあのときにすぐ自衛隊機が飛べれば間に合ったかもしれないと。それがやっぱりチャーターをするためには民間といろいろ交渉もしなきゃいけない。そういう時間的な空白があったがために結果的に間に合わなかったと。私はこういう意味合いで、ぜひそういう面では政府専用機を含めて、自衛隊機なり政府専用機なり、こういうものがあって、何かあったらすぐ飛んでいけると。それならば、そのときにはまだ危険な状態にならないうちに救出できるかもしれないんだと。私は、宮澤総理はこういう意味でおっしゃっているというふうに解釈をしております。
○喜岡淳君 私は、宮澤総理の答弁は非常に正直な答弁だと思っております。 例えば、PKO協力法案を審査した際に、だれとは言いませんが、弾の一発も飛ばないところへ行くのに何が危険だということがありました。そして総理もつい先般の国会答弁におきまして、どうも安全ということを強調し過ぎたのではないかと、反省しておりますという率直な御答弁をされております。この法案の中には騒乱及び緊急事態、こういう事態を想定して、しかも総理は万一というときを言っておるわけですよ。私は、総理の方が危険性を排除しないということを暗に含んだ言い方をしておるところに、非常に総理の方が正直な御答弁だと思います。そういうことを隠すべきじゃないでしょう。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、何も隠しているつもりはないのでございまして、総理の言っておられることと私の言っていることとは矛盾していることはないと思っております。
○喜岡淳君 それでは、具体的にお尋ねいたします。 私も、先般カンボジアヘ行ってまいりました。セスナ機をチャーターしてバタンバン州の方へも行ってまいりましたけれども、現地でいろいろ声を聞いてまいりました。プノンペンでもプレイべン州でも現地の文民警察官の皆さんが口をそろえておっしゃるのは、想定していない事態が次から次に起きてきておる。そのたびに約束と違う危険な任務が次々に負わされておる。断り切れないんだとおっしゃっておりました。 私の地元香川県出身の三十五歳の警部補は、防弾チョッキ一枚です。ポル・ポト派が攻撃してくるから政党の事務所の警護に立てと言われて、あの電気も何にもない真っ暗やみのカンボジアの真夜中、夜の六時から朝六時まで一人で立っておるわけです。こんな業務がどこにありましたか、本来業務の中に。そういうふうに混乱、緊急事態の現地におきましては予想だにしないことが遠いところで次々に起きていくわけですね。したがって、今度のこの法案に関しても、もし成立したときどういうことが考えられると思いますか。慎重でなければならないと思います。 こういう場合どうしますか。例えば、空港に全員集結できずに離れたところに救出を求める邦人が残っておる。そこへ自衛隊機が救出に向かった。しかし、サイゴン陥落のときは二時間で乗降を終わらせることになっておりましたね。二時間たてば出るわけです。空港の近くまで全員が完全に集結できていないと、集結できずにすぐ離れたところにおると。しかし時間が来たから飛行機は出るんだ。つまり、置いてきぼりということはあり得ますか、あり得ませんか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 確かに、この間カンボジアヘ行ってこられたものでございますから、いろいろとその危険な状態ということで御指摘があるわけでございますが、私どもとしては、先ほども申し上げているように、例えば空港、当該飛行場がもう全く危険な状態のときにはおりられないわけでございますから、それから集結というものもとにかくタイミングを失しないように、なるべく早く集めるという努力を現地でしなきゃいけないのは当然でございまして、とにかく理論的にはそういうお話はわかるんでございますけれども、我々としてはそういうことのないように、できるだけみんなを集め、そしてなるべく早くとにかく危険な地帯から輸送するということの努力をすべきだというふうに考えているわけであります。
○喜岡淳君 空港に邦人の集結が完了した、そして自衛隊機を日本から出発させたけれども、到着をする前に現地の安全確保ができなくなった場合、急変した場合ですね、現地に入らずに自衛隊機はおりずに帰ってくるということになるんですか、この場合は。
○国務大臣(武藤嘉文君) どうしてもそういうことがあった場合には、私はおりられないときにはやむを得ないことだと思うんでございます。
○喜岡淳君 それでは、飛行場に在留邦人が集結する前に自衛隊機が到着した、その後直ちに急速に情勢が危険になった場合、空港周辺の邦人を見捨てて帰還できるのかどうか。その場合、派遣された部隊の隊員は邦人の空港集結に協力するということがあり得るのかどうか。つまり、すぐ目と鼻の先におるのならば、そこでストップしているのならば救出作業を現地でするのかしないのか。人情的には私はそういう気持ちに隊員が駆られることはあると思うんですね。そういう場合はどうしますか。
○政府委員(畠山蕃君) 先ほど来るる御答弁申し上げておりますように、私どもは、自衛隊の方は安全が確保された上である地点からある地点までの輸送を担当するということでございますので、その設例のような場合というのがどういう状況であるかわかりませんけれども、いずれにいたしましても、私どもとしていわゆる救出行為というものに該当する行為を行うことはあり得ないというふうに考えます。
○喜岡淳君 救出行為はあり得ないというのは理屈上は多分そうでしょう。例えばC130が行く場合に、ジープの搭載も可能だと思います、するかしないかは別として。しかも、午前中の答弁にもあったように、自衛隊法九十五条の適用も理論上は可能であります。そういうときに、人情として、本当に目の前で邦人がおるときに、これを放置して帰るというのは極めて忍耐としっかりした考え方が必要だと思うわけです。問われると思いますよ、そのときは。 こういうことは本当にありませんか。みんな困るのはそういうときでしょう。カンボジアだって断り切れなかった、国境監視業務、ついに死者を出してしまいましたけれども。そういう状況についてはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(畠山蕃君) 繰り返しになりますけれども、本法律案によりますと、航空機による輸送を任務として与えられている。したがいまして、あるA地点からB地点への航空機による輸送の権限が与えられるということでございますから、御設例のような事態においてそういう救出にわたることは任務として与えられておりませんから、これは行い得ないし、行う事態というのは想定されないということであろうと思います。 外務省からの御依頼がある場合に、輸送所要というものがあらかじめわかっておりませんと、そもそも航空機を何機現地へ持っていったらいいか、いつの時点まで間に合うように持っていたらいいかということも定まりませんので、外務大臣からの依頼があります時点においてその辺は確と見通しをつけた上で行われるはずのものである。そういうふうにしなければ運用そのものが不可能になるというふうに思います。
○喜岡淳君 この法案の中で他国の避難民といいますか、日本人以外の人も含めて、場合によっては同乗させることがあるということになっておりますが、これは具体的にどういうことを想定されておられますか。
○政府委員(荒義尚君) これは過去に、私ども民間航空チャーター機による輸送を行った場合にも外国人の同乗を認めたことがあるのでございますけれども、それと同じような考え方でございまして、在留邦人と同じような状況のもとで緊急に退避を必要とするような状況に置かれる外国人というのはあり得るだろうと、そういうときにあくまで人道的な配慮というのが一つと、もちろん座席に余裕があるという物理的な問題もございますし、それから、何よりも当該外国人の所属する国の政府等から一応正式の要請を受けて、そういう人道的考慮からの外国人の同乗を認めるという考え方でございます。
○喜岡淳君 例えばですよ、邦人救出の目的で派遣をしたけれども、邦人が空港に到着てきない場合もあり得るかと思います。他国の人たちが多数日本の自衛隊機に乗せてくれと押しかけてきた場合ですね、押しかけるというと非常に失礼でありますが、そういう一刻を争うときですから、来るわけですが、そういうときにはどういう判断をされるんでしょうか。
○政府委員(荒義尚君) ちょっとどういう具体的な状況か、なかなか想定できませんけれども、まず全体の問題としまして、私どもが自衛隊の方に航空機の派遣を要請する際には、そういう邦人の集結の可能性の見通しというのも当然一つの判断材料としてそこについての判断を下すということでございまして、そういうことがないように救援機の派遣を検討する当初の段階から、そういう点も十分検討してやっていくということでございます。
○喜岡淳君 やはりこれは実際の人情として、大丈夫だということで空港上空まで行った。そのときに急変した場合ですね、情勢が急変した場合あるいは天候によって着陸ができなくなった場合、そういう場合は引き返して帰ってこいということであったとしても、人情としてはおりようという気持ちが働く場合もあるんではないかと思うんです。これはもう人間の気持ちですよ、法律の問題じゃないんですよ。そういった場合に防衛庁長官、だれがそのときに判断を下すんですか。
○国務大臣(中山利生君) 先ほどからのお話を聞いておりますと、前提になってくる状況というのが想定できない。そういう状況のときには恐らく外務省からも要請が来ないでしょうし、もし要請が来ても私の方からお断りする。また最終的には、今最終的というお話がありましたが、機長さんがその運行については全責任を持っているわけでございますから、機長さんがお断りをする場合もあり得る。ああいう大型機の運行について人情で、危ないけれども着陸するというようなことは私はちょっと想定できないわけであります。
○喜岡淳君 人情によることはあり得ない、それから救生活動もあり得ないということであったと思いますが、そういった場合、これは防衛庁長官に特に隊員の名誉ということがありますのでお伺いしておきたいと思いますが、こういったいわゆる見捨てるというような結果になった場合、結果的に、こういう場合非難されるのはやはり自衛隊員ではないかと思います。自衛隊が批判されるわけです、実際世間では。私はそういう声が出ないとは限らないと思うんですね。 したがって、そういった場合は自衛隊員に責任があるんではないんだと、余り隊員に責任を求めていくとか、憶病だとか、人が血を流すというのにおまえ血を流さないのかなとという低俗な議論が出た場合、非常にこれは気の毒だろうというふうに思いますが、そういうことは酷だと思いますけれども、防衛庁長官どうですか。
○国務大臣(中山利生君) 人情としてはそのとおりであろうと思います。 ただ、状況がどうも、例えばジャンボ機747で飛んでいきましても、乗っていくのはその運航に必要な要員だけてあります。ですから、その人たちが飛行機からおりていってそういう救生活動をする、飛行機そのものをほうり出しておいて救出にかかるということは全然想定できないわけでありまして、私はあり得ない。それから、それをしなかった自衛隊員が非難されるのではなくて、そういうことをできなくしている体制というものも批判をされるのではないかなというふうに思っております。
○喜岡淳君 終わります。
○大久保直彦君 どうも外務大臣御苦労さまです。 私は、この国会でこの法案をぜひ成立させたいという立場に立っておるわけでございますが、二、三原則的なことについてお尋ねをいたしたいと思います。 けさ方からずっと質疑をいたしておりますけれども、どうも合点がいかないのが安全性という問題なんです。そもそもこの緊急事態で邦人を救出に行くという場合は非常に危険な状態だから出かけていくんだと思うんですね。危険が前提でこの法案は考えられているはずでありますのに、安全性が確保されなければ行かない、飛行機は飛ばないということになりますと、ここで言っている安全性というのはどういう基準でだれが御判断をされるのか、この辺がけさ方からずっと質疑をしておりまして、同僚のまた質疑も伺っておりまして腑に落ちない。大臣からお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) これは尺度の問題じゃないかと私は思うんでございます。やはり本当に危険な状態になる前に我々在外公館としては情報をしっかりと的確につかみまして、これは非常に危ないよというような状態になる前に早く避難をさせなきゃいけないわけでございまして、もう避難をさせようにも避難ができないようになってからじゃ遅いわけでございます。正直その辺はまだ日本の在外公館必ずしも情報の収集あるいはその分析が、先ほどおっしゃっていただきましたように人数も足りませんので、私はその点は日本は残念ながら不十分だと思いますけれども、しかし不十分ながらもできる限り情報を的確につかみ、そして分析をし、その結果もうこれは危なくなるよというような可能性が出たときにはそれを在外公館からこちらへ報告をさせまして、そして私の方 から防衛庁にお願いをするということをやらなきゃいけないんじゃないか。 そして、そのときに在外公館では、その国の政府に対してとにかく領空を飛行させてください、あるいはまた着陸をさせてください、飛行場を使わせてください、こういうような許可を早くとるというようなことが私は大変大切ではないかと思っております。
○大久保直彦君 外務大臣から防衛庁長官に要請をされます以前に、やはりどなたかと相談をされますか、外務省を離れて。
○政府委員(荒義尚君) その点のお答えは、もちろんそのとおりでございます。法案上は外務大臣から防衛庁長官にお願いするということになっておりますけれども、私ども政府部内の関係省庁間の通常の協力関係といいますか連絡体制からして、そういうことを検討し始めた段階からもう事務的には連絡し、いろいろ御意見も承るということでございます。
○大久保直彦君 先ほど河野官房長官が、これは安保会議の議題でもあるし閣議の議題にもなるということをおっしゃっておられましたけれども、外務大臣もそのことは視野に入っておられますか。
○国務大臣(武藤嘉文君) その事態事態によって、いろいろのケースが考えられますけれども、場合によれば安保会議にかけるような場合もあり得ると思います。
○大久保直彦君 そうしますと、もう一点伺っておきたいのは、いわゆる民間定期便を使って輸送する場合とそれからいわゆるチャーター便で輸送する場合と、また政府専用機、自衛隊機を要請する場合のいわゆる条件に差別はないという先ほど御答弁があったと思いますけれども、そうすると、防衛庁長官に要請をされるという事態は、どういう事態になりますと防衛庁長官に要請をするのか。 私は、この法案が通りますと、一々反間に問い合わせしたり器物があるかないかとかというのをやっているよりも、防衛庁長官にぼんと打っちゃった方が何か手っ取り早くて、非常に便宜的、安易的に行われるんじゃないのかなと、そういう心配を実は持っておるんですけれども、そういうときに防衛庁長官に要請をするケースというんですか、基準、これはどんなふうにお考えになっておられますか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど尺度と申し上げましたけれども、時間的な経過があると思うんでございますが、情報をしっかりつかんで、先ほど申し上げたように分析をしてこれは危険になるぞというときには、なるべく定期便が飛んでいるときにできるだけその地域を離れていただくということを在外邦人に在外公館はお願いをすべきだと思っております。できるだけそれがいいんでございますけれども、場合によってはその定期便がなかなか地域によっては飛んでないところもございますし、そういうようなときになれば当然今度はチャーターを頼むかあるいは自衛隊機あるいは政府専用機を使うかという判断になるわけでございますが、これは先ほど私お答えをいたしましたように、なかなか民間のチャーター機となると時間的な制約がございますので、そういう面では政府専用機を含めた自衛隊機の使用をお願いをするということが必要になってくるんではないかと思います。
○大久保直彦君 時間がもうあと二、三分しかないので繰り返しませんけれども、安全性が確認されたという場合に、飛行機というのは、747型にいたしますと、普通民間の場合は運行管理官というのがおられまして着陸しようとする空港とのいろいろ折衝、または気象情報、例えば風向きですとか、また最近はパネルで非常に計器の精度が高いようでございますけれども、そういった諸条件を逐一機長と連絡をとりながら飛行機をその空港に着陸誘導するということが行われているようであります。 今の自衛隊の政府専用機にしましても、または130にしましても、そういったことは行える今体制は持ってない、自衛隊そのものはですね。それじゃ外務省にそんなことをする体制があるのかということを考えますと、そういうものはまだお持ちではないと思うんですね。ということになると、747が飛んでいった。AならAという空港に着陸をする。その場合の極めて基本的な必要条件が満たされていない。そういういわゆるディスパッチャーの仕事は、どこがどういうふうに受け持つのかということがまだ詰められていないんじゃないか。これからの相談にゆだねられるのかなと思いますけれども、この辺はいかがですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、やっぱり今御指摘のように、その受け入れる国の飛行場の設備であるとかあるいは滑走路であるとか、滑走路の長さも747なら相当の長さが要りますけれども、そういう飛行場のない場合も国によっては当然あると思うのでございます。 そういうときは、その態様に応じて自衛隊にお願いする場合も、747ではなくて輸送機のなるべく航続距離の短いものであるとかあるいは有視界飛行で十分着陸できるものであるとか、そういうようなことをやっぱりお願いする場合も私は出てくるのではないかと思っております。
○大久保直彦君 747が離着陸できる空港というのは非常に限定されてくると思うんですけれども、むしろ130を使う場合、747型を使う空港ではなくてでこぼこの山腹みたいなところに130というのは着陸できるんだそうですね。胴体でおりることもできる、着いてから足を出すこともできる、そういう機能を有しておる。そういうときには、特にそういったいわゆる安全管理のディスパッチャーの役割が非常に重大だと思うんです。そういったものをこれからどんなふうに考えていかれますのか、お考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私どもとしては、こういうような態様に応じてひとつ輸送をお願いをしたいと、こうお願いをするわけでございますので、その後は、どういう飛行機を使うとかそういうようなことは防衛庁が私は御判断いただけるものと思います。
○大久保直彦君 そこで、安全性の確認というのはやはりある程度限界があるんじゃないかということだと思うんですね。ですから、その辺をよく詰めてこれから防衛庁とよく連携をとられませんと、非常にまた不安をかき立てることになっていくのではないか、このように思います。 どうか、その辺のところを精力的に詰められまして、この仕事にミスのないように万全を期していただきたいと要請をいたしまして、質問を終わります。
○吉田之久君 どうも外務大臣、防衛庁長官、御苦労さまです。 今度のこの法案の上程と審議をめぐりまして、国民の中には何となく二つの反応といいますか、動きが見られると思うんです。一つは、ああ自衛隊もようやくそこまで来たかと、在留邦人の危機を助けるために自衛隊機が飛んでくれるのかという一つの期待、いま一つは、またしても政府は自衛隊を使ってやばいことをやろうとするのかと、PKOといい今度のことといい、しょせんはもと来た道へ戻ろうとするのかという危険感を感ずる階層と二つあると思うんです。 しかし、いろいろ先ほどから審議をする中で、この法案は、大した期待を持てる、期待にこたえられる法案ではないと私は思うんです。万難を排して危地に赴くというようなものではないということは次第にはっきりしてきたと思うんです。 昔の時代は、在外邦人が危機を感じたときは大使館から現地の日本の海軍の方に連絡がありまして、危ないから軍艦で保護してくれというようなことをしばしばやったわけです。先ほどもお話がありましたが、そういう軍艦というものは国際法上治外法権や不可侵権を持っておりました。 そういうことがなされたわけですが、今はそんな時代ではなくなりましたし、日本に軍艦もないと。それで、航空機はそんな役割も事実上果たし得ない。要するに、民間航空機がどうしても行け ないところ、民間航空機が行けるほど安全なところだけれども行けないところ、一刻も早く自衛隊機に派遣を求めるという趣旨のものなんですね。だから、これは在外邦人を保護する目的でやっているわけではなくてあくまでも輸送する、運ぶということが主眼目ですね。だから、本来は運輸省の仕事で、それがいろんな危機の状況で間に合わないときに安全ならば自衛隊機に代行してもらおうという趣旨のものですね。そういう認識で間違いございませんか。
○国務大臣(武藤嘉文君) とにかく、先ほども申し上げましたけれども、なるべくその情報を現地の在外公館が収集をし、分析をしておりまして、機を逸せず、とにかくここはどうも危なくなるという可能性のあるときには、やはり邦人をそこから脱出させるべきだということにおいて、防衛庁の方へ私の方からひとつ飛行機を派遣をしていただきたいとお願いをする。それは今民間航空機というお話がございましたけれども、定期便が飛んでいるところばかりじゃございませんし、また定期便があっても毎日飛んでいるところというのは少ないと思います。やっぱり時間をとにかくロスさせない、タイミングよく早く輸送に向けるということが必要でございます。 そういう点で、チャーター機を頼むよりは政府専用機がありますし、万が一政府専用機が故障を起こしている場合もある、故障というと悪いので、整備をしている場合もあると思いますし、あるいはほかに使われている場合もあるだろうと思います。そういうことになれば、自衛隊機も含めてお願いをすべきであろう、あるいはまた現地の情勢によっては今の政府専用機が使えない飛行場もあるわけでございますから、そういう面で幅広く自衛隊機をお願いするということを私どもは考えたわけでございます。
○吉田之久君 次に、大事なポイントは紛争地域を除外するという点についてであります。 紛争地域であるかないかという判定は時々刻々非常に難しいと思うんですね。ついこの間までのカンボジアの状況、選挙前ですね、やっぱり紛争地域、国全体がそうだとも言えますし、いやいや、部分的にやっておるだけであってプノンペン初め都市周辺部や空港はどうってことないんだ、まだ本格的な戦闘状態に入っていないと、平和五原則は守られているとか、いろいろなことがありました。危機地域をどう認定するか。絶えず、そういうゲリラが発生したら、動き、変化が起こるわけでございますね。そういうものをどう判定するかということと、国は確かに不安ではあるけれども、こちらの自衛隊機が行く空港ですね、その周辺自身は安全だと。 また、向こうへ着いたり離陸したりする途中においても危機はないという場合には危機紛争地域に指定しないのか。部分的に判断するのか、かなり広範囲に国全体をとらえていくのか、その辺もはっきりしてほしいと思います。
○政府委員(荒義尚君) 私どもの考え方はこの委員会においても累次御説明申し上げましたけれども、邦人を安全に退避させるという角度から考えますと、紛争地域であるかどうかということではなくて、そこにおられる邦人に危険が生ずる可能性があるということでやるわけでございまして、紛争かどうかということを一つの形式的な判断基準にしておるということではございません。 なお、過去のケースで申しますけれども、一九九一年にザイール暴動が起こりましたけれども、そのときザイール全土でほぼ暴動状況があったと。しかしながら、空港は動いていたというケースがございますし、またビルマの騒擾のときにも、これは八八年だったと思いますけれども、今のミャンマーでございますが、は全般的には非常に不安定な状況にあったと。しかしながらヤンゴン、当時ラングーンでございましたけれども、そこの空港は使用可能であったということで、当時、ミャンマーの場合は日米共同でタイ航空機をチャーターしまして邦人の輸送に当たったと、こういうケースがございます。
○吉田之久君 ですから、言葉の解釈もなかなか難しい点がありますが、紛争地域というよりも紛争地点といいますか、そういうふうにかなり限定しないと、チャンスで今なら救出できるというときにそのことにこだわってそれを逃がしてしまってもいけませんし、また行ったはいいけれども、先ほどの話のように目的を達せずあるいは大事故を起こしたりしたら、これはまたいろいろ大変でございますからなかなか判断が難しいところだと思います。 こういう人命救助のために行くことでありますから、自衛隊機が飛ぶ場合に、たまたまその地点、その空港に民間機で行った経験のあるベテランのパイロットがおる、それが搭乗をしないで応援することができるかとか、あるいは民間航空機を経験したベテランのOB、そういう人たちに経験者として手伝ってもらうとかあるいは副操縦席に一緒に座ってもらうとか、そういうことまでは考えないですか。
○政府委員(畠山蕃君) せっかくの御示唆でございますけれども、今私どもは、自衛隊において資格を得た九人のパイロットによって安全に運航が可能であろうということでございまして、そういう者によって運航をするということを考えておりまして、外部からの者をそこに同席させるないし支援をしてもらうということは現段階では考えておらないところでございます。
○吉田之久君 最後に、短時間でできるだけ多くの邦人を救出する必要がある場合、C130である空港へ着いて、そしてそれをそのまま日本へ必ず連れて帰らずとも、まず安全な他の国の了解を得てそこへおろすとかという方法で反復を繰り返す方法もあると思うんですね。それが一つ。 それから、日本へ連れて帰る場合に、必ず成田や羽田や大阪へ着かなきゃならぬのか、あるいは千歳とか両方併用しているところとか、あるいは自衛隊そのものの基地に着けてもいいと思うんですね。あらゆるケースがあると思いますが、そういうことをお考えでございましょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 今の二つのケースについては、結論から申しますと考えられる話であるということでございます。必ずしも当然に一々日本に連れ帰る必要は、救出のための輸送という観点からいたしますと、もし当該国の了解さえ得られればそういう運航も可能であると思います。かつまた有効な場合も想定される。 それからまた、日本へ帰ってきた場合の使用の空港につきましては、これは千差万別、種々雑多であろうと思います。
○聴濤弘君 我々、今非常に重要な法案を審議していると思うんですね。二人の大臣がいらっしゃいますので、私はまず細かい話ではなくて大きな点で一つお聞きしたいと思います。 次のような質問をすれば、恐らくそんなことは毛頭考えていないという答えが返ってくるであろうということはあらかじめわかっておりますが、非常に重要な法案なので私はあえて質問をする次第です。 在外邦人の保護とか救出のための云々というこの言葉は、これは非常に重要な意味をかって持っていたんですね。在外居留民の保護、シベリア出兵のときもそうですし、生命、財産の安全、これ山東出兵のときもそうだし、居留民の生命、財産、それの保護、上海事件、盧溝橋事件、みんなそうです。これが口実になって軍隊が出たんです。このことを思い出しますと、あだやおろそかな議論で、どこかがちょっと矛盾するというようなことだけで、この法案はもちろん矛盾点はたくさんありますので私もこれからさらに質問をさせていただきますが、そういうことだけではなくて、こういう非常に重大な問題を含んでいる、そういう法案だと思いますが、そういう認識はお持ちでしょうか。外務大臣にお聞きいたします。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、そのような認識は実は持っておりません。これはあくまで、そういう何か軍事というかあるいは戦争に巻き込まれるようなえらいお話でございますけれども、全く私どもはそういうことは考えておりません。たまたまある地域でどうも危ない状況になりそうだと いうときに、やはりそこにいらっしゃる在外邦人をなるべく早くその地域から退避をしていただこうというために、先ほどから申し上げておりますように定期便があれば定期便をお使いいただきたい。しかし、定期便のないところもございますし、あるいは定期便が二日か三日に一回しか飛んでないというような地域もあると思います。 そういう点においては、せっかく民間機をチャーターしようとしてもこれも時間がかかる、やはり時間を急ぐというときには、たまたま今回政府専用機が自衛隊の所属になりましたので、この機会に自衛隊法を改正しないと、政府専用機を購入したときは在外邦人の輸送ということも入っていたわけでございまして、それが自衛隊に所属された以上はやはり自衛隊法を改正して、その政府専用機が自衛隊の所属であるけれどもそれが使えるようにお願いしようというのが今度の自衛隊法の改正でございまして、どうもちょっとその辺は、私は全くそういう認識は持っておりません。
○聴濤弘君 外務大臣がその認識を持つ持たないとは別に、この法律の一つの体系があると思うんですね。 この改正によって、自衛隊機が危険なところに行けるということだけはこれははっきりしていると思うんですよ。それは安全を確保してから行くとか、今までずっと議論ありました。しかし、安全を確保してから行くということじゃなくて、内乱それから騒乱、これが起こっているところへ邦人救出のために行くというんですから、これはどう考えたって、先ほども質疑がありましたけれども、危険なところに行くということだけはこれは間違いないことだと思うんですね。その上で、それが安全かどうかというのは別の話であって、危険なところへ行くというこれの改正が行われる。しかも、そこの部分だけを取り上げて云々じゃなくて、これは自衛隊法全体の法律の中の一部をそうする。そのことによって、その一部のところに法律が全部生きて適用されるという、そういう性格のものだと思うんですね。 そうしますと、いろんな側面がありますけれども、例えば二十二条でこれは隊を編成してそして行くということができる。二十二条というのは隊が編成できる。それから九十五条ですか、あれは武器を守ることができるということで、例えば出動した飛行機が仮に危ない場合にはそれを守るための武器を使うことができる。九十五条ではそういうふうになっている。そういうことはしませんと言っても、それはしませんという例えば外務大臣の判断かもしれませんけれども、法体系としては危険なところに行く、それで隊も編成できるし、いざという場合には危ないときには武器を使えるという、こういう体系ができちゃったということになるわけですからね。これに在外邦人の保護以外に、これからまた改正が行われて在外の財産の保護というようなことが入ったら昔と大して変わらなくなってしまうということですよ。 ですから、外務大臣あるいは防衛庁長官が、私はそういう意図は持っていないと言われても法の体系としてそんなものが今できてしまう、こういう問題を我々は審議しているんだというふうに思うんですね。ですから、そういう法の体系ができてしまうんだという問題について、そういう認識をお持ちかどうかということについて御質問したいと思います。
○国務大臣(中山利生君) 先ほどからというよりも、もうけさから何回も御答弁申し上げておりますように、現実に747のようなジャンボ機、大きな航空機を運用する場合に、今、先生が御指摘のような非常に危険なところへ強行着陸するというようなことはもう一切考えられないわけです。私どももちょっと頭に浮かびやすいのは、昔、単発のプロペラ機か何かで敵地に強行着陸して困っている人を助けてくるというような構想ではないかなと思うんですが、もう出発から、途中の航空路から着陸する飛行場の安全というものが確保されなければ出発すらできない、青信号が全部つかなければ出発すらできないというのが現在の航空機の運用であろうと思います。 いろいろそういう御心配もあると思いますけれども、じゃ一体どこの国へ行ってそういう戦闘をしたら我が国のためになるのか、自衛隊の名誉になるのかということは私どもはもう全然考えが及ばないところでございまして、その点につきましては、そういう御心配はないというふうに思います。
○聴濤弘君 あともうほんのちょっとしか時間がないんですが、一つ具体的にお聞きします。法の体系というようなことを今言いました。ユーゴで今内乱が起こっておりますけれども、ユーゴに出しますか、出しませんか、あそこにも邦人がいると思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 現在の状況では非常に困難かと思います。
○聴濤弘君 今はということですけれども、仮にこれからもっとひどくなっていく、民間機で外にも出られないという状況というのが起こるかもしれない。起こった場合に、それではユーゴに出すかという問題が当然、仮定の問題じゃなくて、そういうことは検討されなきゃならぬ問題であると思うんですね。その場合に、今言いました危険なところには行かないんだという防衛庁長官の言い方はいつまでも私は通ずるものじゃ決してないと思います。ここでなぜ通じないか、これから論旨を展開してやりますと時間がなくなってしまいますが、最後に一つだけ聞きたいと思います。 その場合に、一体ユーゴのどの勢力と、だれと交渉して安全に飛べるようにするんですか。セルビア人と交渉するんですか、クロアチア人と交渉するんですか。内乱というのはそういう問題ですから、これは原理の問題です。だれと交渉するのかだけはお答えいただきたい。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、先ほども申し上げましたように、ユーゴの問題をおっしゃられてもなかなかこれは今現実に予想もできませんし、実際問題としてちょっとどうお答えしていいか、私は非常に難しい問題だと本当に思っております。
○国務大臣(中山利生君) ただいまユーゴのお話が出ましたが、私はユーゴの場合などは、あの乱戦の中からどこか隣国なり安全なところへ避難した日本人の方々、この方々が困っておられる、お帰りになれないという場合に、その安全なところへ輸送のために行くということはあり得ると思いますが、あそこまで行くのがいいのか、現地で飛行機を調達したらいいのかというのは、これはまた別問題だと思います。
○聴濤弘君 時間が来ましたので終わります。
○高井和伸君 外務大臣と防衛庁長官に大きな法律の枠組みのことで質問させていただきたいと思います。 今度の邦人輸送というテーマでございますけれども、似たような法律を探しますと、国際緊急援助隊法があり、PKO法がある。それとこの法案の百一条、自衛隊法の百一条の関係を見ますと、すべてそういったときのスタートは外務大臣が絡むというか、一番初めいろいろなきっかけをおつくりになる立場にあるように私は法文を読みます。 国際緊急援助隊法の場合は、これは当該国及び国際機関からの要請という一つの権威づけがあります。PKO法においても同じように国連であり、そしてさらに三条二号の「人道的な国際救援活動」ということになりますと、これはやはり国連ないしは国際機関というそういった制度的な枠があります。 ところが、本件自衛隊法案百一条によれば、これは外務大臣がいきなり防衛庁長官にお願いする。他方、PKO法によれば、協力本部というのがあって、そこによって実施計画あるいは実施要領が決まってそれによって要請されるということで、自衛隊の方に非常に権威があるところからの依頼が来る。そういうものに比べて今度の法律というのは非常に気軽に、手軽にぽっと頼めるような雰囲気になっているし、それだけ軽い業務なんだろうと私は思ったりもするんです。 協議のされ方においても、防衛庁長官も国際緊 急援助隊法においては協議をするという条項が何条もセットしてありまして、かなり丁寧に両省庁において行われる。PKO法に至っては、これはがんがん、がんじがらめで行われる。ところが今回の場合は、そういった面はほとんどさっとカーテンが簡単なものになってしまっている。一幕物の芝居のようなものになって、だんだんと手順を踏んできているものじゃない。 こういうことで、今までの議論を参考にしながら聞くときに、今までは国際的な枠組みの中でいろいろやれるようなPKO活動であったり、その上の人道的活動であったり、それから国際的な災害の緊急援助であったりした、そういう枠組みがとれちゃって日本の国益がもろにぼんと表に出てくるようにも感ずるわけです。 邦人の救出という言葉はいけない、輸送というような方向でとらえられているというふうにとらえますけれども、そういった三つの法、私に言わせれば、それぞれの国から助けてくれといって、たまたま日本人もいれば今の百一条を適用して行けることもあるし、国際緊急援助隊法を適用して行けることもあるだろうし、また、国際機関があればPKO的な活動でたまたま行ける場合もあるんじゃないか。そういった三重に重なるような場面もいろいろあるんじゃないかと思うんです。 先ほど防衛庁の方にもちょっと質問したことではありますけれども、そういった落差を国民にどう説明されるのか、両大臣に質問いたします。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私どもは、PKO法とか国際平和協力隊法とか国際緊急援助隊法とか、そういうものとこれとを比べれば本当に軽いものというふうに受けとめているわけでございます。 要は、先ほどから繰り返して恐縮でございますけれども、とにかくある地域、国でも地域でもいいんでございますが、そこでどうも危険な状態が起きるというときに、我々情報をつかんだときには、なるべく早くそこにいる在外邦人にそこの危険が起きるところから早目に脱出をしていただく。そのためには定期便があればそれを使ってくださいと。しかし、それがないときは、これはやっぱり一日も早く、危険な状態になってしまう、もうどうにも動きがとれないという前に脱出をした方がいいわけでございます。そういう面で、たまたま政府専用機が自衛隊の所属に昨年四月からなりましたので、自衛隊に所属する政府専用機を使うとなると、これはやっぱり自衛隊の機能を決めていただいておる自衛隊法を改正していただかなきゃならないということでお願いをしたということでございまして、それ以上のことは全く考えていないわけでございます。
○国務大臣(中山利生君) おっしゃるとおりであろうと思いますが、PKOあるいは国際緊急援助というのは外国の、これも外国へ行くんですけれども、外国のある程度主権の絡んだお話であろうかと思いますので、慎重になるべくやるべきであろうと思っておりますが、今回のこの法案は、もうまさに自国の国民の安全、在外邦人の保護ということでありまして、これはもう全く我が政府の責任でやるべきものというふうに思います。 したがいまして、そのほかの、先ほど御指摘がありました二つの法案よりはやや軽いものかなという感じもするわけでありますが、在外邦人の救助ということはどなたも反対される方はないと思います。たまたま政府専用の飛行機が自衛隊にあるということに問題があろうと思うわけですが、そういうことを御議論のように、今自衛隊でなければなかなかあれだけの百数十名というような運用の要員を確保することが難しいということもありまして、自衛隊機を使うということになったわけでありますが、その点は御理解をいただきたいと思います。
○高井和伸君 総理府内閣官房安保室の方来ておられますか。来ておられませんか。来ておられませんね。結構です。 私の質問したいのは、外務大臣にお尋ねしたいんですが、先ほども防衛庁の方にこういった危機管理的な、危機管理という言葉が大げさだと言われたんですが、緊急に邦人を救出すると言ったら救出という概念はまた大げさだと、保護すると言ったらそれも大げさだと、こう言われっ放しなんです。しかしながら、この法案の百一条の条文を読んでみますと、「騒乱その他の緊急事態に際して」ということでございますね。これは総理大臣も、それから外務大臣も、せんだっての本会議における質問に対する答弁の中でサイゴンの例を言っておられました。これもやっぱり日ごとに保険料が高くなっていく、早ければよかったといっても、飛び始めた途端にもう現地の状況は変わってしまっていて、途中で引き返せということもあり得るような非常に緊迫度の高いところへ行くというのは、こちらの皆さんみんな心配して言うわけです。 ところが、単にそれは安全なところに、保険料も何も変わらないようなところに飛んでいくことだから、単に輸送であるというように軽く考えてくれ、軽く考えてくれというように聞こえてくるわけですよ。そうじゃありません。邦人の救出のためにほかに手がない、最終的にやれることが尽きたときに行くんです。こういうことになるわけです。 私に言わせれば、こういう緊急事態に、「騒乱その他の緊急事態」というのはもう、そして生命と身体の保護を要するというんですから、かなり危うい状況になってしまっているところに出かけなきゃいけない。というのは、それは国家的な騒動になり、国際的な騒動になっているからこそそういうところへ飛んでいかなきゃいけない、もうほかに頼れぬから、もうしょうがないから命令一下飛んでいく。自衛隊の命令で飛んでいく方々に対して、飛ばすことができる自衛隊機しか最後はないからやむを得ず行くだろうと、私はこう解釈したわけですね。 そういうことから考えますと、いろいろ思いは輸送ということであろうけれども、もう少し私は危機管理全般を見通した、今自衛隊の航空機だけですけれども、私に言わせれば船を出す場面もあるんじゃないかと。例えばイラン・イラク戦争のときに、バグダッドのホテルにゲストだといってかくまわれちゃった場面も、助けに行こうとしても向こうが出さない。けれども行っておればいつかは連れて帰れるというようないろんなことがあると思うんですね。 そういうことから考えますと、タイミングということを外務大臣何度もおっしゃっておられますが、タイミングはありますけれども、そのタイミングこそこういう緊急事態だから非常に危ういところでやっておられる。だから私の言いたいのは、基本的には今回の法案はちょっと小手先過ぎて問題の多過ぎるやり方ではないだろうか、もう少し腰を据えて、足腰据えてやらなきゃいかぬのじゃないかと。聞くところによりますと、私達の認識する自衛隊の方のパイロットの訓練だとか、いろんなところ行ったら、世界じゅうどこでも飛んでいけるというものではなさそうだし、訓練に時間かかるようですし、すぐには適応ができるかどうかということも、どうも防衛庁の方は冷めた答弁だったと思います。 というわけでございまして、私の言いたかったことは、基本的にはもう少ししっかりした法律で対応する場面がよりこういった緊急事態ではあるんじゃないか、こう思うわけです。心配ないなら心配ないと言ってください。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど来お話をいたしておりますような状況の中で、できるだけタイミングを失しないようにするためにはどうしても、政府専用機が今自衛隊に行っておるわけでございまして、政府専用機なりあるいは従来の自衛隊機なり、これを使い合わせていただけるようになれば非常にタイミングよく輸送できる、こういうことから、お願いをいたしておるわけでございます。
○委員長(守住有信君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後七時十六分散会 ――――◇―――――