地方行政委員会 第7号
- 発言数
- 304 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1993/05/13
会議録
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 地方行政の改革に関する調査を議題といたします。 平成五年度の地方財政計画について政府の説明を聴取いたします。村田自治大臣。
○国務大臣(村田敬次郎君) 平成五年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。 平成五年度の地方財政につきましては、最近における経済情勢の推移と地方財政の現状にかんがみ、おおむね国と同一の基調により、歳入面においては、地方税負担の公平適正化を推進するとともに、地方一般財源の所要額の確保を図ることを基本としております。保また、歳出面におきましては、経費全般について徹底した節減合理化を図るとともに、景気に十分配慮しつつ、自主的、主体的な活力ある地域づくり、住民生活の質の向上のための社会資本の整備、地域住民の福祉の充実、快適な環境づくりなどを積極的に推進するため必要な事業費の確保に配意するなど、限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、地方財政の健全性の確保にも留意し節度ある行財政運営を行うことを基本としております。 以下、平成五年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。 第一に、地方税については、最近における社会経済情勢の変化に対応して早急に実施すべき措置を講じることとしております。 第二に、地方交付税につきましては、将来にわたる交付税総額の安定的な確保に配意しつつ、平成五年度の地方財政の円滑な運営に支障が生じないよう、その総額を確保するとともに、四千億円を減額する特例措置等を講じることとしております。 第三に、公共事業等に係る国庫補助負担率の恒久化に伴う地方財政への影響額等については、地方団体の財政運営に支障が生じることのないよう適切な財政措置を講じることとしております。 また、義務教育費国庫負担金等のうち共済費追加費用、保健所運営費交付金等の国庫補助金等の一般財源化及び国民健康保険制度に係る保険基盤安定制度の暫定措置に伴う影響額については、所要の財源措置を講じることとしております。 第四に、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、景気にも十分配慮して、自主的、主体的な活力ある地域づくり、住民生活に直結した社会資本の整備、地域住民の福祉の充実、快適な環境づくり、住民生活の安全の確保等を図るため、地方単独事業費の確保等所要の措置を講じることとしております。 第五に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について補助負担基準の改善を進めることといたしております。 以上の方針のもとに平成五年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は七十六兆四千百五十二億円となり、前年度に比し二兆五百一億円、二・八%の増加となっております。 以上が平成五年度の地方財政計画の概要であります。
○委員長(佐藤三吾君) 次に、補足説明を聴取いたします。湯浅財政局長。
○政府委員(湯浅利夫君) 平成五年度の地方財政計画につきましては、ただいま自治大臣から御説明したとおりでございますけれども、なお若干の点につきまして補足して御説明いたします。 地方財政計画の規模は、七十六兆四千百五十二億円で、前年度に比較いたしまして二兆五百一億円、二・八%の増加となっております。 まず、歳入について御説明申し上げます。 地方税の収入見込み額は、道府県税十四兆八千七百三十五億円、市町村税十九兆六千八百十七億円、合わせて三十四兆五千五百五十二億円であります。 前年度に対し道府県税は六千四百五十九億円、四・二%減少し、市町村税は一兆一千七百七十一億円、六・四%増加しております。 なお、平成五年度の税制改正としては、最近における社会経済情勢の変化に対応して、地方税負担の適正合理化を図るため、個人住民税所得割の非課税限度額の引き上げ、個人事業税の事業主控除額の引き上げ、自動車取得税の特例税率等の適用期限の延長、軽油引取税の特例税率の引き上げ等を行うこととし、四百九十一億円の増収を見込んでおります。 また、地方譲与税の収入見込み額は、総額一兆九千五百九億円で、前年度に対し六百七十一億円、三・六%の増加となっております。 次に、地方交付税につきましては、平成五年度の所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税のそれぞれ一定割合の額の合計額十五兆九千八百三億円から地方交付税法附則第三条の規定に基づく特例措置額四千億円を減額し、同法附則第四条第四項に基づく加算額のうち三百七十億円を加算した額に、返還金二億円を加算し、交付税特別会計借入金の元利償還額千八百二十四億円を控除した額十五兆四千三百五十一億円を計上いたしました結果、前年度に対し二千四百四十一億円、一・六%の減少となっております。 なお、平成四年度の臨時財政特例債償還基金を除くと五・二%の増加となっております。 国庫支出金は、総額十二兆二千二百九十一億円で、前年度に対し二千三百六十一億円、二・○%の増加となっております。 次に、地方債につきましては、普通会計分の地方債発行予定額は六兆二千二百五十四億円で、前年度に対し一兆八百五十四億円、二一・一%の増加となっております。 なお、地方債計画全体の規模は十兆三千五百八十五億円で、前年度に対し一兆六千八十五億円、一八・四%の増加となっております。 また、使用料及び手数料並びに雑収入につきましては、最近における実績等を勘案した額を計上いたしております。 以上の結果、地方税、地方譲与税及び地方交付税を合わせた一般税源の合計額は五十一兆九千四百十二億円となり、歳入全体に占める割合は前年度に対し一・四ポイント減の六八・○%となっております。 次に、歳出について御説明いたします。 まず、給与関係経費についてでありますが、総額は二十一兆八千九百九十五億円で、前年度に対し九千五百三十億円、四・五%の増加となっております。職員数につきましては、国家公務員の定員削減の方針に準じ、定員合理化を行うとともに、業務量の増大や施設増に伴い、福祉関係、保健、土木等の関係職員について所要の増員を見込むことといたしております。 次に、一般行政経費につきましては、総額十五兆九千七十七億円、前年度に対し九千四百四十四億円、六・三%の増加となっております。このうち国庫補助負担金等を伴うものは六兆七千九百九十九億円で、前年度に対し二千六百六億円、四・O%の増加となっております。 国庫補助負担金を伴わないものは、八兆七千七十八億円で、前年度に対し六千三百三十八億円、七・八%の増加となっております。この中では、社会福祉関係経費を充実するとともに、国際化推進対策に要する経費、森林、山村対策に要する経費、地域文化振興対策に要する経費を新たに計上いたしておりますほか、環境保全対策に要する経費、高等学校以下の私立学校に対する助成経費、ふるさとづくり事業に要する経費、災害等年度途中における追加財政需要に対する財源等を計上いたしております。 また、高齢者保健福祉施策を充実するため地域福祉基金四千億円を計上いたしております。 公債費は総額六兆五千五百四十七億円で、前年度に対し四千八百四十九億円、八・〇%の増加となっております。 維持補修費につきましては、前年度に対し四百九十五億円、六・一%の増、八千六百七十四億円を計上いたしております。 投資的経費は総額二十六兆七千九百十八億円で、前年度に対し二兆三千二百六十三億円、九・五%の増加となっております。このうち、直轄・補助事業につきましては、十兆二千百四十六億円で、前年度に対し五千四百六十二億円、五・七%の増加となっております。 地方単独事業につきましては、景気に十分配慮しつつ、自主的、主体的な地域づくり、住民生活の質の向上のための社会資本の整備、森林、山村対策等の積極的な推進を図ることができるよう所要の事業費を確保することとし、前年度に対し一兆七千八百億円、一二・○%増の十六兆五千七百七十二億円を計上いたしております。 公営企業繰出金につきましては、上下水道、交通、病院等の生活関連社会資本の整備の推進等に配意し総額二兆五千七百四十一億円を計上いたしております。 最後に、地方交付税の不交付団体における平均水準を超える必要経費については、税収入の状況等を勘案して所要額を計上いたしております。 以上をもちまして、地方財政計画の補足説明を終わらせていただきます。
○委員長(佐藤三吾君) 以上で説明の聴取は終わりました。 ―――――――――――――
○委員長(佐藤三吾君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。村田自治大臣。
○国務大臣(村田敬次郎君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 地方財政の状況等にかんがみ、平成五年度分の地方交付税の総額について特例措置を講ずるとともに、各種の制度改正に伴って必要となる経費及び地方団体の行政水準の向上のために必要となる経費の財源を措置するため、地方交付税の単位費用を改正するなどの必要があります。 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 まず、平成五年度分の地方交付税の総額につきましては、地方交付税法第六条第二項の額に三百七十億円を加算した額から、特例措置額四千億円及び交付税特別会計借入金元利償還額千八百二十四億円を控除した額とすることとしております。 また、このうち特例措置額四千億円に相当する額については、平成六年度から平成十三年度までの地方交付税の総額に加算するほか、七千二百四十一億円を平成九年度から平成十三年度までの地方交付税の総額に加算することとしております。 次に、平成五年度分の普通交付税の算定につきましては、自主的、主体的な地域づくりの推進等地域振興に要する経費、高齢者の保健及び福祉の増進、生活保護基準の引き上げなど福祉施策に要する経費、教職員定数の改善、義務教育施設の整備、私学助成の充実、生涯学習の推進など教育施策に要する経費、道路、街路、公園、下水道、社会福祉施設、清掃施設等住民の生活に直結する公共施設の整備及び維持管理に要する経費、自然環境の保全、廃棄物の減量化など快適な環境づくりに要する経費、森林、山村対策に要する経費、地域社会における国際化、情報化への対応及び文化の振興に要する経費、消防救急業務の充実等に要する経費並びに国民健康保険財政についてその安定化のための措置等に要する経費の財源などを措置し、あわせて、道府県民税の利子割及び利子割交付金の減収補てんのため特別に発行を許可された地方債の元利償還金を基準財政需要額に算入することとしております。 さらに、高齢化社会に対応し地域福祉の向上を図るため、平成五年度に限り、地域福祉基金費を設けることとしております。 以上が地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(佐藤三吾君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○久世公堯君 質問に先立ちまして、五月四日、カンボジアにおきまして国際平和協力業務に従事中とうとい命を落とされました高田警視の御冥福を心よりお祈りを申し上げたいと思います。 また、村田大臣には、急速政府を代表してはるばるカンボジアにお出かけいただき、こうした不幸な事件が再び起こらないよう文民警察隊員や選挙監視要員の安全確保対策をUNTACに要請していただきました御努力に対しまして、深く感謝を申し上げる次第でございます。言うまでもなく、国連平和維持活動への我が国の協力は極めて重要であるわけでございますが、現地で平和維持活動に従事する要員の生命、身体の安全確保もまた同様に重要な問題と考えます。そういう意味で、村田大臣には今後とも我が国から派遣されている要員の安全確保対策に一層の御尽力をいただきますようお願い申し上げたいと思います。 それでは、早速審議に入らせていただきたいと思います。 もう十五、六年前でございましたか、ちょうど加藤自治大臣のころでございますが、特定地域の不況が非常に深刻でございました。陶器あるいは繊維、造船。そこで自治省といたしましては、当時、地域経済対策が必要であるから経済対策閣僚会議に自治大臣に出席してもらいたい、こういう要請をしたことがございました。そのころ、各省庁やマスコミは、一体いつから自治省が経済閣僚になったんだ、こういうことを言われたわけでございますが、あくまでも主張いたしまして、そうして地方の実情というものを地方公共団体であるいはなし得る政策を閣議で反映をしていただいた、こういうことがございました。見えを切った以上は大臣に恥をかかせられないということで、当時、財政局にお願いをいたしまして地方財政でできることはいろいろやったということを記憶いたしております。 ところで、昨年の夏以来二回にわたりまして総合経済対策が行われておりますが、景気調整機能において国家財政とともに地方財政の果たす役割は非常に大きいと思われるわけでございます。単独事業と補助事業の割合を比較してみますと、昭和五十年度におきましては補助事業の三分の二が単独事業でございました。ところが、平成三年度では、補助事業九兆円に対して単独事業は十四兆、逆に一・六倍の規模になっているわけでございます。今回の経済対策におきましても、十二兆五百億の総額の中で、財投などを除きまして、事業費八兆円のうち、地方単独事業とそれから補助事業の裏の地方負担というものを合わせますと地方費は約五兆円に上っているわけでございます。 昨年の夏ごろから宮澤総理が経済界やあるいは各種の団体のところでお話をしておられる内容によりますと、必ずと言っていいくらいこの地方単独事業の話やあるいは地方自治の役割というものを総理みずから説いておられるわけでございます。このように地方のウエートが非常に高まっており、地方財政を抜きにして経済対策を論じることはできなくなっているのが現状ではなかろうかと思います。冒頭私が申し上げました十五、六年前のことを考えますと、隔世の感があると思われるわけでございます。 こういう状況を背景にいたしまして、自治大臣は、政府・与党首脳会議等において主要閣僚として重要な役割を果たしておられると思いますが、地方財政の役割の増大について大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 久世委員から非常に重要な御質問をいただきました。 我が国の内政のほとんどすべては地方団体によって担われておりまして、国民経済計算上、公的支出のうち地方財政の占める割合、これは平成三年度の実算でございますが七六%に上っております。また、社会資本整備の充実は当面する緊要の課題となっておりますが、我が国の公共投資の七七・五%、これも平成三年度の公的固定資本形成の計算でありますが、七七・五%が地方団体によって実施されておりまして、とりわけ、生活関連の社会資本整備についてはそのほとんどが地方団体が行っておるという状況でございます。 このような地方財政は我が国内政の中で既に非常に大きなウエートを占めておりますが、公共投資基本計画、御承知の四百三十兆円の達成、来るべき高齢化社会に向けた高齢者保健福祉推進十カ年戦略いわゆるゴールドプランの推進、それから多極分散型国土の形成、環境保全施策の推進など、さまざまな分野で国民生活の質の向上を図っていくために地方団体の果たすべき役割は極めて大きくなりました。これは久世委員が多年地方行政、自治行政に参画をしておられて、その率直な御所見を述べていただいたとおりだと思います。 このため、地方団体の抱える財政需要も今後ますます増大をするものと考えておりまして、地方行政委員会の先生方にいろいろな御相談を申し上げることになっておるわけでございます。
○久世公堯君 それでは次に、四千億円の特例減額の問題についてお伺いをいたしたいと思います。 一昨年四千五百億、昨年八千五百億、本年も四千億円と、地方団体共有の固有財源を三年連続して国に貸すことにいたしております。国と地方はよく車の両輪と言われておりますが、この国と地方の公経済バランスという見地も必要だということは私は十分承知をいたしております。国と地方の関係は車の両輪でございますし、また、ちょうど仲のいい夫婦の関係であると私は思っております。お父さんが国家財政の大蔵省、お母さんは地方財政の自治省、そして地方団体という子供たちが成長してやりたいことがいろいろたくさんあるのに、人のよいお母さんはこの預かっている子供たちの共有のお金をお父さんに貸して、そしてお父さんのピンチを助けてやっていると、こんな感じがしてならないわけでございます。 お父さんのピンチを助けるために子供たちは協力することにはやぶさかでないわけですが、お父さんにももう少し大黒柱としてしっかりしてもらわなければいけない、こんな感じがいたすわけでございます。この三年連続の特例減額について地方自治体の反応はどのようでございましょうか。理解は十分得られているんでしょうか。そのあたりの大臣の御見解を伺いたいと思います。 また、四千億円減額をいたしましたが、必要な歳出については地方財政計画に的確に計上しているということでございます。ところが、歳入について見てみますと、地方債の依存度が高まり、一般財源の比率が落ちているように思われます。先般、自民党系の市長の集まりでございます市長連絡協議会に出席をいたしましたところが、三重県の尾鷲市長の杉田さんが、これは地方単独事業絡みの起債との関係もあるのでございますが、この地方債依存度が非常に高くて心配だという発言をしておられました。 また、今回の総合経済対策の財源手当ても地方債ということになるとすれば、昨年度の補正、そして五年度の当初分、今回の補正ということで、地方債依存度が急激に高まっていくということが考えられます。この傾向を心配しております地方団体もいろいろとあるわけでございますので、これからの見通しも含めて大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 毎年度の地方財政対策を講ずるに当たりましては、節目節目に地方六団体を初め地方団体の方々の御意見をお聞きいたしまして、さらに地方制度調査会、地方財政審議会の御意見を踏まえ、的確な対応に努めておるところでございます。都道府県や市町村は言うなれば非常に大切な今の例をかりますれば子供さんたちということになろうかと思いますが、よく相談をし、また個別の問題についても御相談に乗っていきたい、こう思っております。 本年度の地方財政対策の内容につきましても、地方団体の御理解を得ているものと考えております。そして、昨日も非常に重要な御質問を参議院本会議で賜ったわけでございますが、委員各位の地方財政、地方分権に寄せる御熱意というものを拝聴して心から私も感激した次第でございます。もちろん地方債の増加等々いろいろ困難な問題はございますけれども、誠心誠意努力をし、そして公経済の両翼である国家財政そして地方財政よく御相談をし、大蔵大臣にも要求をすべきものはしっかりと要求をし、総理にもお願いをいたしまして今後対応していきたい。 国全体の立場の中から、地方住民の生活に直結した地方自治を預かる者としてそういう所見を持っておる次第でございます。
○久世公堯君 それでは次に、先ほど御説明のございました平成五年度の地方財政計画の歳出の幾つかの主なものについて伺いたいと思います。 まず、今回新たにお載せになりました森林、山村対策でございますが、今山村では、人口が流出をし、特に若年層が不足をいたしております。高齢化も非常に進んでおります。林業では木材の価格の低迷もあって収益の率が低下をいたしております。森林離れということも起こっているようでございます。こういう問題に対して、今回の地方財政対策で本年から公有林化事業なりあるいはふるさと林道の整備等を講じていただいたことは非常に高く評価を申し上げたいと思います。 私が実はお尋ねをしたいのは、山村なり森林対策ではなくて、このもとになりました地方特定道路についての事業についてお伺いをいたしたいわけでございます。この林道整備事業なり、同じような農道整備事業もことし創設されたわけでございますが、これは昨年度からスタートいたしました地方特定道路整備事業と財政措置は同様なものでございます。ただ、この事業執行について比べてみますと、今回の林道、農道の方がはるかに地方団体の意向が尊重されているものに改善されている気がいたしております。 もちろん地方特定道路につきましては地方団体の要望が非常に強い。しかし、例えば補助事業と単独事業の比率も地方団体ごとに原則六対四となっているようでございまして、その取り扱いにつきましては若干硬直的であり地方団体の不満も多いかと思います。また、手続面につきましては、計画の段階で建設省の了承を得なければいかず、事業の実施面で建設省の了解を受けなければいけないと、補助金と似たような手続になっているわけでございます。 私は、このふるさと林道あるいは農道のように、ひとつ地方特定道路整備事業ももっと地方の自立性が発揮できるものに改正すべきではないかと思うわけでございますが、自治省のお考えを承りたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 御指摘の地方特定道路整備事業につきましては、平成四年度の地方財政対策におきまして、単独事業と補助事業というものを効果的に組み合わせることによって重点的に事業が実施できることをいろいろと関係省庁とも検討したわけでございます。いろいろとまだ御意見がございましたけれども、ともかく平成四年度からやってみようということでこの事業をやってみたわけでございます。その結果は、今御指摘のように、この制度は地方団体の立場からは非常に高く評価をしていただきましたけれども、他方におきまして、地方団体から弾力的な運用という要望が非常に強いことも事実でございます。 この事業を始めるに当たりまして、いろいろと問題点も出てくるだろうからということで、とりあえず二カ年間の事業ということで始めてみようと。そして、その間にいろいろな問題点が出てきた段階で両省よく話し合いをして、改善した上でそれ以後の事業につなげていこうではないか、こういうようなお話もございまして、当面二カ年の措置としてこの事業が始まったわけでございます。今御指摘のような問題点も含めまして、平成六年度から新たな観点からこの運用上の問題点についてもよく両省間で相談をしながらこれを進めていきたいというふうに考えておりまして、この改善方について地方からの御意見を十分反映させていきたいというふうに考えているところでございます。
○久世公堯君 それでは次に、環境保全対策あるいは福祉対策の拡充、国際化対策、それから地域文化振興対策、こういうような経費が今回の地方財政計画に盛られているわけでございまして、これもまた最近における地方団体のニーズに即したものという意味で評価をいたしたいと思います。 これからの時代は、ハードな整備もさることながら、ソフト事業の積極的な組み入れいかんということがこれからの地方の活性化に大きく影響すると思うわけでございます。ところで、このソフト事業についてのこういう財政措置を実効あらしめるためにはいろいろと工夫が必要だと思うわけでございますが、この地方のソフト事業の推進というものをどのようにお図りいただくのか、そのあたりについてもお話を承りたいと思っております。
○政府委員(湯浅利夫君) 御指摘のように、これからの地方の活性化を図るためには、単にハード事業を推進するということではなしに、このハードをうまく運用するためのソフト、あるいはこのソフトそのものをもっと充実していくということが必要だと思います。 そういう観点から、いわゆるふるさとづくり事業につきましても一市町村一億円ということで仕事を始めていただいたわけでございますが、これを平成五年度以降も続けていくということでございますとか、あるいは高齢者の保健福祉対策のためには地域福祉基金を積み増しいたしましてこの運用益をソフト事業に使っていただくというような問題でございますとか、あるいは今御指摘の環境保全でございますとか国際化、地域文化振興のための経費を地方財政計画で計上いたしまして、これをそれぞれの基準財政需要額に算入するということをやっているわけでございます。 問題は、このように計上いたしましたソフトのための基準財政需要額というものが果たして実効ある使い方をしていただけるかどうかという点。交付税は地方団体に条件や何かをつけることはできませんけれども、こういうところに私どもとしても力を入れて基準財政需要額を算入しているということでございますから、そういう点に重点を置いたそれぞれの自治体の地域の実情に応じた事業というものをぜひ図っていただきたいというふうに考えているわけでございまして、機会あるごとにこういう事業についての充実という点についてこれからも私どもとしても努力をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○久世公堯君 次に、第二次ふるさとづくり事業について大臣にお伺いいたしたいと思います。 昭和六十三年のふるさと一億円事業から始まりましたふるさと創生事業につきましては、地方に自主性を発揮させ、そして地方団体が地域社会形成の主体的な役割を果たすということで非常に成果をおさめているものと考えております。平成二年度はハード事業が地財計画上二千億円でございましたのが平成五年度には一兆円にまで成長いたしておりまして、地方団体の非常に積極的な取り組みがあるわけでございます。今お話しのソフト事業の方につきましては、今のは別途措置をした問題ではございますが、毎年三千三百億円を計上しているものの、その施策のインパクトは当初の一億円事業というときに比べて若干弱いのではなかろうかという気もいたします。 いよいよ今年度から第二次ふるさとづくり事業に取りかかるに当たりまして、今までの偉大なる成果を踏まえながら、残された問題あるいはこれからの取り組みにつきまして大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) お答え申し上げます。 これまでのふるさとづくりにおきましては、御指摘になりましたように、一億円事業と、これを契機とする自主的、主体的な地域づくりを永続的取り組みに発展させるために地域づくり推進事業を実施したところでございますが、地域の創意工夫による独自の地域づくりの推進が図られるとともに、地域づくりに対する住民の認識、参加意欲の増進、あるいは市町村職員の企画力の高まりなどの多くの成果があったわけでございまして、これは諸先生の非常に大きな御努力のたまものであると感謝をいたしております。 第二次ふるさとづくりにおきましては、こうした課題や地方公共団体の声に十分留意をしながら、これまでの地域づくりの取り組みをさらに全国各地に着実に浸透定着させていきたいと思います。このために、平成五年度にふるさとづくり事業を創設し、地域の特性を生かした都市基盤の整備、スポーツ、レクリエーションなどの公共施設の整備や人材の育成など各種のソフト事業を推進するとともに、その他のふるさと創生関連施策の一層の充実を図って地方公共団体の自主的、主体的な地域づくりに対して積極的に支援をしてまいりたいと思います。 御承知のように、地方制度調査会からも宮澤総理に対して地方分権という非常に大きな課題を盛った答申が出されました。私はかねがね申し上げておりますように、中央政府はしなやかなそして小さな政府、地方自治体は住民に直結する本当に住民の身近な政府ということで創意工夫を図っていく。そのためには、このふるさとづくり事業が極めて重要であると思っておりまして、今後重点を置いて進めるつもりでございます。
○久世公堯君 ただいままでに地方財政計画の歳出の面について幾つか主なものについてお伺いをいたしたわけでございますが、交付税の算定方法は地方債と交付税を組み合わせたものが非常に多くなっていると思います。 交付税の算定方法は、従来からの静態的な算定方法に加えて動態的な需要を算定する方向が顕著に最近あらわれているのではなかろうかと思います。もちろん、河川とか港湾とかそういう公共事業やあるいは義務教育、ごみなどの国庫補助負担事業につきましては、年度によりあるいは地域によって偏りがある場合にへ従来から事業費補正というものを用いて動態的な需要を算定していたわけでございますが、最近はこれに加えて地方単独事業について動態的な需要算定が行われているわけでございます。 これは、現在の行政ニーズというものが基幹的な基盤整備といった一定の行政水準を何としても確保するという段階から、もっと潤いのある生活を確保するための住民に密着をしたものに移りつつあるということを示すものだろうと思うわけでございます。全国のどの地域の住民にとっても潤いのある生活を享受するための経費は必要だけれども、それは決して画一的なものではなく、もっと自由に地域が企画立案をし創造をしていくべきものが今まさに求められているのだろうと思うわけでございます。 そういう意味で、地方団体が自由に事業の展開ができるように包括的な必要経費を財源措置することが地方自治の進展のためにも必要であると考えられるわけでございます。ふるさと創生一億円事業から始まる地方債と交付税との組み合わせ事業の増大というものは、この流れに乗るものとして私は大きく評価をいたしたいと思います。 ただ、一方におきまして、今国の補助金が随分ございます。奨励補助金の中にはもう一般財源に変えていいものもかなりあると思いますので、そういう分野にもっと単独事業の枠を広げていただきたいと、こういうふうに思う傍ら、余りこの方法がボリュームアップしていきますと将来の負担も心配でございます。このあたりの兼ね合いが非常に難しいと考えますけれども、地方自治の進展のためにまた地方財政の健全性の確保のために、これから交付税の算定方法を十分に検討していくことが必要であろうと思います。この動態的な問題につきまして自治大臣のお答えをいただきたい。 それからもう一点。最近、市町村長さん方にお会いをいたしておりますと、市町村長さん方が非常に頭の痛い問題は超過負担の問題である、こうおっしゃるわけでございます。ごみの処理施設あるいは福祉施設、公立文教施設等の国庫補助金について大幅な超過負担がある。これが大変問題で頭が痛い。このうちごみ処理施設の補助金につきましては、この超過負担が高じて平成四年度には新規事業について地方単独事業で対応することになったと聞いておりますし、平成五年度はとうとうこの補助金は定額化されることになったと承っております。 こういうふうに制度改善が図られた場合には、自治省は従来の超過負担を含めて地方公共団体にとって事業の執行に必要な財源が国庫補助金または単独事業によって確保できるように財政支援措置を充実すべきであると考えるわけでございますが、どのようにこれに対処をしようとしておられるのか。また、今後はその他の各種補助金につきまして超過負担を解消するために補助金制度の改善を図るべきであると考えますが、これについての御所見も伺いたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 大臣の御答弁の前に私から技術的な点につきましてまず御答弁させていただきたいと思います。 今御指摘のように、地方交付税の基準財政需要額の算定方法につきまして、従来はどちらかというと、静態的、画一的と申しますか、人口とか面積とかというような客観的な指標を用いまして基準財政需要額を算定しているというのが実態でございました。ただ、これからの地域社会の形成、特に多様性を持つあるいは個性化された地域社会を形成するというためには、今までのような基準財政需要額の算定方法で果たしていいのだろうかという問題がやはりあるわけでございまして、こういう個性化、多様化に対応した地方団体の財政需要というものに積極的に対応していくというためにはやはり別の方式を導入していく必要があるだろう。 いわば動態的な財政措置ということを考えた場合には、今御指摘の地方債と地方交付税を組み合わせましたやり方というものが一つの有効な方法として考えられるわけでございますし、そのほか、交付税法で認めていただいております各種の補正を活用することによりまして、できるだけ動態的な財政需要というものを捕捉していくということにこれからも努めていかなければならないというふうに考えているわけでございます。その場合に、御指摘のようにこれが余り行き過ぎまして財政の健全性を損なうというようなことになりますとこれまた問題でございますので、こういう点はしっかりと注意をしながら運用していかなければならないものだと考えているわけでございます。 国庫補助金の整理合理化につきましても、同様の観点から、やはり同化定着したものについてはできるだけ地方の単独事業に取り込んでいくということがこれからの方向としては望ましいのではないかと思うわけでございます。特に国庫補助負担金の中の超過負担の問題につきましてはもう長い間言われてきている問題でございまして、国と地方の財政秩序を乱すものだということでこの見直しということについては毎年度私どももやってきているわけでございますけれども、いろいろと問題がまだございます。いろいろな事業におきましてまだ超過負担というものが解消されないでいるということは各方面から御指摘をいただいているわけでございまして、予算編成時期に各省庁にはこの超過負担の解消につきまして毎年度申し入れもしておりますし、また、事業によりましては、共同で調査をいたしまして超過負担の解消を図っているというところでございます。 御指摘の廃棄物の処理施設の整備につきましては、最近施設整備を促進したいという市町村の要望が非常に大きいということもございまして、平成三年度、四年度におきまして補助金が非常に足りなくなってしまったということがございまして、これを受けて、国庫補助対象を重点化いたしましたりあるいは補助事業と単独事業の選択制をとりまして、補助事業でやらないで単独事業でやる場合には補助事業と同じような財政措置をしていくというようなことで対応してまいったわけでございますけれども、まだまだ補助金が十分でないという点がございまして、平成五年度におきましては補助制度そのものをもう一度見直すということで、ごみ処理施設、し尿処理施設についての補助金について定額化をしていきたい。それで、実施事業から定額補助金を控除した事業費、これを単独事業と位置づけまして、これに対して所要の地方財政措置を行っていく。こういうことを行うことによりまして実質的に超過負担をなくすというようなことを考えていったわけでございます。 いずれにいたしましても、国庫補助負担金の超過負担の解消という問題につきましては、国、地方の財政秩序を適正に保つための重要な問題でございますので、今後とも各省庁ともよく御相談をしながらこの問題に対応してまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(村田敬次郎君) 地方行政、地方自治というのが非常にダイナミックになってきた。これは私も全く同じ印象を持っています。かつて非常に静かというかスタティックな形であった地方自治というものが、もっともっと多方面にわたり、そして深く広くやっていかなきゃならぬ。そういった具体的な対応を今本当に迫られておる。そして、地方の独自性を生かしてやるべきときだという所見を私も持っています。例えば自治省で言えば行政局、財政局ともにそういう所見を持っておるわけでございますが、久世委員の御指摘になる点は同感でございまして、ダイナミックに対応していきたいと思います。 それから超過負担の問題は、いわゆる地方分権、地方自治を強化するということからいえば、いわゆる補助事業、国の事業がまだまだ整理をされていないという点が多いわけでございまして、地方財源の充実、地方権限の強化とともに、超過負担という問題が大きく解消に向かって乗り出すようなそういう施策を総理のもとで大蔵大臣と相談をしながら地方のやっていく仕事をもっともっと広げていきたい、このように思っております。 それから、し尿処理とかごみ処理とかというこういう問題は、例えば都市部からこういった人間の排出するいろいろなものについての処理が今都市行政の中心になりつつあるんです。これは端的な例を言いますが、「レ・ミゼラブル」の中でジャン・バルジャンが下水道を逃れていくという情景がありましたが、あれなどはそういったことの典型的な事例で、日本は生活関連施設が非常におくれておる。 いわゆる生活大国ということが今やかましく言われ、そして総理の大きな目標になっておられ我々もそれに一生懸命努力をしておるわけでございますが、特に都市部のそういった廃棄物、し尿処理等々のことを中心に生活関連問題をしっかり進めなきゃならぬと思いますし、それが同時に地方分権ということからいえば、市町村また大事な農村部、山村部というところの生活を進めるためにも重要な時期になってきたと。そういう全体的な意味で相談に乗っていかなきゃいけない、こういう気持ちを持っておるところでございます。 先生方とともに努力をしていく決意でございます。
○久世公堯君 時間もなくなりますので自治省と大蔵省に御要望を申し上げたいと思っております。大蔵省もわざわざ来ていただきまして御苦労さまでございます。 今、補助金につきまして自治大臣及び財政局長からいろいろかなり詳しい御答弁がございました。補助金の整理合理化というのは不断にやるべきものだろうと思いまして、それとともに一般財源化を進めていただきたいと思うわけでございます。今もお話しがありましたように、こういう傾向は地方分権とも相まってこれから大きな問題になろうかと思うわけでございます。その場合に、二つの点をぜひ御要望申し上げたい。 一つは、この補助金の整理合理化あるいは一般財源化に伴いまして権限移譲をできるだけしていただきたい。ことしも文部省、厚生省、通産省のそれぞれの補助金約千八十四億を一般財源化されたようでございますが、その場合に権限もひとつ移譲していただきたい。また、一般財源化をしたことによる国費分でつまらない新規零細補助金をつくらないようにしてもらいたい、このように思うわけでございます。今度の文部、厚生、通産の各省の国費分が一体どのようにこれから使われるのか、これはひとつ自治省、大蔵省によろしくお願いをいたしたいと思います。そして、それはやはり我が国の抱える重要政策に向けていただきたいと思うわけでございます。 それから、特に大蔵省にお願いをしたい点でございますが、この地方単独事業は今いろいろお話がございましたように地域の実情に即した成果を上げているわけでございまして、これも大蔵省の御協力のたまものと私は思います。市町村長さん方とお話をしておりますと、市町村長さん方は、国庫補助金と比べると非常に手続が簡素であって、しかも本当に創意工夫が生かされるという利点を主張しておられる方が多いわけでございます。 一方におきまして、各省庁の補助金を見ますと、その補助金の存在意義を疑いたくなるようなものが散見をされております。大蔵省は国家財政の健全化を図るためにシーリング制度を導入されたわけでございますが、総枠を抑制するといった点においては大変効果があったと思いますけれども、別な面において若干シーリングの弊害があらわれているのではなかろうか。大蔵省が余り個別の事業についての査定をしない。これも非常に結構なことではございますが、そのために零細補助金のようなものが整理がつかないあるいはふえているというようなことがあるのではなかろうかと懸念しているわけでございます。 先ほど冒頭に私は国家財政はお父さんだと申し上げましたけれども、余り細々としたお金を配って子供たちに干渉するようなことはもうやめて、ひとつ一家の大黒柱としてのふさわしい仕事を行うべきであると私は思っております。そのためには、地方単独事業を従来実施していない領域につきましてさらにその輪を広げていただきたい。ただ、同時に、各省庁のお立場もいろいろあろうと思いますので、そういうことを配慮しながら国庫補助金のひとつ抜本的な改革というものを自治省、大蔵省ともにやっていただきたい、このように思うわけでございます。 私は海外に出ましたときに先進諸国の中央官庁というものをいろいろと見ております。そういたしますと、先進諸国の中央官庁で、日本のように、中央の各省庁が地方団体の事務や事業につきまして許認可、補助金、そういうもので細かい規制をしているために膨大な人数を特に本省自身が抱えているような国はございません。私が見た限りにおいてはないような気がいたします。中央官庁というのはこれから二十一世紀に向けて本当に中央官庁としてのふさわしい仕事、例えば全国的な計画でございますとか新しいいろいろの政策の企画立案でございますとか国際化に対応するとか情報の収集に当たるとか、中央官庁としてやるべきことはまだまだあると思うわけでございます。そういう見地から、ぜひともこの国庫補助金の整理合理化というものをひとつ自治省、大蔵省に強くお願い申し上げたい次第でございます。 それでは、自治大臣に少し地方分権さらには府県、市町村のあり方ということについてお尋ねを申し上げたいと思います。 最近、地方分権ということが盛んに言われております。私は大変結構なことだろうと思います。ただ、どうも具体論がない。ムードあるいは総論が多いような気がしてならないわけでございます。そして、どの分権論を唱えられる方も決まり文句で、権限移譲とか事務配分、財源配分、自主性、自律性の尊重、こういうことをおっしゃるわけでございますが、私は日本の場合、もっと社会のシステム、国民意識、国も地方も国民も、そして政治、経済、社会、文化すべてを改革しなければ地方分権というものは成り立たない、こういう気がしてならないわけでございます。 私はアメリカは分権社会だと思っております。これはもちろん連邦という差はあろうかと思います。私はクリントン大統領がまだアーカンソーの知事でいらっしゃるころ五回お目にかかっております。そのうち一回は一時間半ぐらい時間をとっていただいて二人だけで日米関係とそれから地方分権についてお話をしたことがございました。まず初めに川ありきというアメリカ憲法の伝統。そして、一州を治める者一国を治める。分権ということがあらゆる社会のシステムに浸透している気がしてなりませんでした。ガバナーとかメーヤーというものが本当に地域によって支えられているという実感を持ったわけでございます。昨年、選挙戦のさなか、クリントン、ゴアのコンビがプッティング・ピープル・ファースト、国民第一主義、州民第一主義、市民第一正義というものを唱えて選挙戦を戦ったこともその証左だろうと思うわけでございます。」クリントン大統領は州知事出身の十五人目の大統領でございます。しかも、人口二百三十万人というアメリカの人口から言えば百分の一にも満たない州の知事が大統領になっているわけでございます。そして、閣僚を見ますと、内務長官と教育長官は知事の出身、住宅都市開発長官と運輸長官は市長出身、こういう地方自治の薫り豊かな政権をつくっているわけでございます。アメリカの社会構造、政治、行政、経済、何かすべてが分権社会になっているような気がいたします。 そればかりではございません。私は大変最近感激した場面を見ました。あのブッシュとクリントンの大統領の交代式のときに、それが終わるや、ブッシュ大統領はヘリコプターに乗って故郷でございますテキサスの州にすぐ旅立たれたわけでございます。伺うところによりますと、今ヒューストンで晴耕雨読の毎日を過ごしておられると聞いております。 アメリカの大統領で現在生存しておられる方は五人と聞いておりますが、例えばニクソンはニュージャージー州のウッドクリッレイクにおきまして、またフォード大統領はカリフォルニア州のランチョミラージュにおきまして、そしてカーターはジョージア州のアトランタに、レーガンはロサンゼルスに、みんな大統領の任を終えるや郷里に帰っておられるわけでございます。私はいろんなところにこの分権社会というものが浸透しているような気がしてなりません。 その点、日本の社会システムを見ますと、例えば私は全国区でございますので全国を飛び回っておりますけれども、飛行機の時間帯なんかは全部東京が中心になっております用地方のことを考えていない。JRだってそうでございます。みんな東京発の時間が原則であって、地方都市と地方都市を行く場合なんかは大変今不便でございます。こういうような例を挙げたら切りがない。そういうあらゆる社会構造が東京一極集中を促しております。こういうものを変えない限りにおいて地方分権というものは成り立たないのではなかろうか、こういう気がしてならないわけでございます。ムードも結構かもしれませんけれども、本当の分権社会をつくるためには、先ほども申しましたように、日本の社会、経済、そして政治、行政のすべての改革をするかにかかっていると私は思うわけでございます。 まず自治大臣の分権についての御意見を承りたいわけでございますが、この府県、市町村との関係もございますので、これも触れさせていただきたいと思っております。 私はここに一冊の書物を持っております。「新広域行政論」、「明日の地方自治へ」という副題がついております。著者は村田敬次郎氏でいらっしゃいます。昭和四十年発行でございますからもう三十年近くも前の書物でございます。私はこの書物に大変感銘を受けております点が二点ございます。 その一つは、理論と実践と申しますか理想と現実といいますか、それを抱いておられる。もちろん、この書物は東海三県の統合構想があった前夜にお書きになっておられるものではございます。しかし、今なお広域行政論の古典としての地位を持っておる書物だと思っております。 もう一点は、この村田さんとともに、御一緒に協力をされた二人の方がおられる。一人は武村正義さん。もう一人は小寺弘之さん。武村さんは滋賀県知事を経て今衆議院議員でいらっしゃいます。小寺弘之さんは群馬県知事を二期目を今やっておられるわけでございます。お二人とも若き愛知県地方課長の村田敬次郎さんのその地方課におられた二人でございます。この村田さんという方が同時に教育者でもいらっしゃる。村田学校、村田教室という言葉がありますように、そういう意味において私はこの書物がそういう人材を養成しながらつくられた本であるというところに敬意を表するわけでございます。 ところで、この書物にこのように書かれております。 この著書では、府県合併、市町村合併の方向をはっきり打ち出し、新しい行政体制としての地方行政機構の改革を追求しようとした。この「新広域行政論」は明確な結論と問題意識をもった作品であり、そのために現状分析と世論の方向を相当詳細に検討し紹介するように心がけたつもりである。「明日の地方自治へ」とサブ・タイトルをつけた理由もそこにある。行政における積極性、合理性、近代性それはそのまま行政の広域性であり、社会開発的方向である。スローガンでもなく、感情的にでもなく、静かに、理路整然と、しかし力強くわれわれは「広域行政でいこう」と主張するのである。 このように述べておられるわけでございます。 あたかも、先般、地方制度調査会におきましては、地方公共団体の連合また中核市、そういう答申を出されたわけでございます。二十一世紀に向かっての都道府県、市町村のあり方をめぐる論議にもこれは連なる制度を提言されたものと思うわけでございます。また、市町村の合併の特例に関する法律が平成六年度末で期限切れになりますことから、その後の市町村の合併のあり方等について今自治省では検討がいろいろ行われていると承っております。市町村の再合併を進めることや道州制あるいは連邦制などの都道府県制の改革についても自治大臣はいろいろとお考えをお持ちであろうと思います。 先ほど申し上げました地方分権についてのお考え方、また今申し上げましたところの市町村あるいは都道府県の将来、この点につきまして大臣の御所見を承りまして、私の質問を終えたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 久世委員から非常に重要な御質問をいただきました。 例として挙げられました愛知県の地方課長のときの協力者である武村正義氏は今政治改革の中心になっておられる衆議院議員であります。それから、小寺弘之氏は今群馬県知事として地方自治に当たっておられます。三十何年にわたって根本的な協力者でありますが、広域行政、府県合併、市町村合併の問題は、私が広域行政論をこのお二人のよき協力者め協力を得て出しました当時から、昭和三十年代からの根本的テーマである。あるいはもっと言えばシャウプ勧告のころからのライフワークだと思っておりまして、実にもう四十年以上がたつわけでございますが、最近その問題についての非常に重要な動きがあるわけであります。 地方制度調査会長から宮澤総理に対して答申がなされました。この中には、府県連合、広域連合の問題、それから中核市の問題等が中心になっておりますが、いずれも地方分権の問題についての私は一番大きな問題点を掲げておると思います。そして、宮澤総理も非常に地方分権問題を政治改革の一環として強力に推進しようということを政治改革委員会においても奥野議員の御質問に答えてはっきりとおっしゃいました。 それで、都道府県は現在の四十その都道府県というのが大体においてずっと定着をしてきておるわけでございます。沖縄のいろいろな特殊な例は別といたしまして今は完全に四十七都道府県。しかし、時代は進んでおりますから広域行政をぜひやらなきゃいかぬということはもう戦後ずっと続いた課題でありまして、これには例えば道州制はどうかというようなことも言われておりますが、これは自民党では例えば中山太郎前外務大臣がこの問題の世話役になって私に御相談においでになりました。 私は結論から言えば道州制はまだ早過ぎる。これは今それが当てはまるかと思われる地域の一つは大阪を中心とする地域であるけれども、またそれを制度としてしくには早過ぎる。あなたはいつごろをめどとしておられますかと言いましたら、中山議員は大体平成二十年だと言いました。これはまあやはり中山さんの遠大なお考え方がよく出ておるのでありまして、相当のロングタームにわたって言えばその議論が大いにあり得ていいのでございますが、私は府県合併はまだすることのできる段階ではない。 そして、道州制がもし国の機関として設置されるのならば、これは地方分権の阻害になります。いけません。したがって、これは地方自治の組織としてできなければなりませんが、そのための条件はまだ成熟していない。やはりその前に府県連合、広域の行政というものを十分考え、例えば今の現行地方自治法で言えば一部事務組合等の組織から始めて協力をしっかり進めていく。水の問題を例にとってもまさにそうでございますが、そういう段階であろうと思っておりまして、府県の連合を今後推進すべき好機である、こう思っております。 それから、市町村合併は、明治初年には七万あったものが明治中期には一万五千になり、そして昭和二十年には一万強になり現在は三千三百足らずになっておることは御承知のとおりです。その意味で時代に対応して広域行政の実が上がっておるわけでございますが、なおよく各個に見てみますと市町村合併はまだまだこれから行われていい。そういう条件の熱した地域がいろいろある。そういうことはひとつこの際自主的な市町村自身の合意によって進めていかれたらどうか。それに対して知事なり国なりはよく御相談に乗って、住民の幸せを増すために、すべての目的はそれでございますね、それに合致しない制度の改正はこれは罪悪でございます。したがって、そういった自主的な要望に沿ってやっていくのなら大いに結構だと。もしそれができるのなら、例えば三千二百余りある市町村が千五百ぐらいにつづめられてもいいのではないかという感じを私は持っております。 これは私見でございますが、これは先生方によって千でもいいと思われる方もありましょうしあるいは五百でもいいと思われる方もあるかもしれません。それはやはり実際に即して考えていくべきであると思っておりまして、どこまでも地方分権という大きな政治改革の一環と同調をしながら市町村合併、中核市の制度、府県連合の制度等も進めていくべきであると思っており、今やそういう時代がまさに来つつある。そういうことを私どもは使命感を持ってやっていかなきゃならない時代で、その主役は地方住民である、こう思っております。 時間の関係でこの機会にそれ以上申し上げることは差し控えますが、今後ぜひ地方行政委員会におきましてもこの問題を御研究いただいて御指導をいただきたいと思っております。
○久世公堯君 終わります。
○山口哲夫君 国家公安委員長である村田国務大臣に、きのうに引き続きまして、カンボジア問題から質問をしたいと思います。 大変細かいことでございますけれども、大臣はカンボジアに行かれて地元に派遣されている文民警察官の方々と懇談をしたということでありますけれども、何日の何時からどのくらいの間懇談されたでしょうか。荷か報道によりますと文民警察官の方々は自分たちの言いたい一、二割くらいしか話ができなかったということも言っているようですけれども、その点まずお伺いしておきます。
○国務大臣(村田敬次郎君) 山口委員にお答え申し上げます。 昨日は本会議で御質問をいただいてありがとうございました。 今御質問のことでございますが、私は五月九日にプノンペンに着きました。バンコクには八日に着いたわけでございますが、そして、今御指摘の日本人文民警察官、隊長山崎裕人君を入れて十二名と懇談をいたしました。この時間は一時間強であったかと思います。
○山口哲夫君 そのとき、警察官の方から大変生命の危険にさらされているという現実が強調されたということが言われておりますけれども、その辺についていかがでしょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 地域によっては水、食糧などが非常に乏しい状態にあったところもあり、そういったことについてのいろいろな貴重な体験を承りました。
○山口哲夫君 文民警察官の方々は相当危険な状態にさらされていると思うんです。ですからこそ、そのときに、できれば大臣もそういう危険地域に一回入ったらどうですかというくらいの進言があったというふうにも報道されておりますけれども、そういうお話はございましたでしょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は、五月七日の夜宮澤総理から御用命を承り、直ちに参りますということを即答申し上げまして八日の朝の飛行機で立ったわけでございます。 そのときに、明石代表と会うことはもちろん主要要務でございますが、現地をぜひ見たい、それもできれば一番危険だと思われておる地域を見たいという希望を到着後すぐ申し上げました。ところが、日程、ヘリの関係等がございまして、要は、プノンペンから川を渡りまして二十キロぐらいの地点のムックカンポールというところへ行って実際は見たわけでございますが、私の要望は一番危険にさらされておると思われるところへぜひ行きたい、こう言ったわけでございます。 また、文民警察官の中からも、今山口委員の言われたようなことが要望として出たと思っております。
○山口哲夫君 次は、きのう本会議におきまして、文民警察官の方々から一体何人死んだら我々は帰れるんだということについて、大臣はそういう話は聞かなかったと思う、そういうふうに答弁をされた。しかし、これは一つの新聞社だけがそういう報道をされているんではないということですね。例えば代表記者が入っておられてその記者が聞いたことが各紙に伝わるというのとは違って、随分多くの記者の方々が入っていたんではないかと思うんです。いかがですか。その点、記憶ございますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 十三名の方々との対話は、記者の方は一人も入っておりません。そして、ざっくばらんにいろんな話を聞かしてほしいと。これは私は国家公安委員長でありますから、そういった意味で一緒に働く人たちでございますから、そういう意味でひとつ率直な意見を聞かせてくれ、こういうことを申し上げて始めたわけでございまして、記者の方は一人も入っておらなかったと思います。
○山口哲夫君 そうすると、十二人の文民警察官と大臣と、そのほか入っていた方はどなたなんですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 私と同行した諸君でございます。
○山口哲夫君 どういう方ですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 大使は一緒ですよ、今川大使はずっと一緒でしたから。大使館の方、それから私と一緒に行きましたのは、秘書官及び警察大学校の副校長、それから自治省の担当課長だったと思います。
○山口哲夫君 新聞各社がどういうふうに伝えられているかということについてですけれども、朝日新聞が「あと何人死んだら帰れるのか 日本にいる人たち実情知らない」という、これは一面トップですね。それから毎日新聞は、特派員の電報で「何人死ねば帰れるのか」という見出しの記事。それから読売新聞は、社会面、特派員電で「あと何人犠牲者が出れば政府は引き揚げを決めるんですか」。東京新聞は、社会面のトップで「何人犠牲が出てもやるのか やるのならそう言ってくれ」。日本経済新聞は、特派員電で、社会面に「何人死ねば帰れる」。「何人死ねばカンボジアからの日本人文民警察官引き揚げが決まるんですか」。産経新聞は、「生命の危険にさらされている」、「思っていたより危険が大きい」、こういうふうに書いておりましたけれども、翌日の十日付の夕刊の一面特派員電で、続報として「何人死ねば引き揚げが決まるのか」との声があったと触れている。こういうふうに各社非常にこのような問題を一斉に扱っているんですけれども、これは全くなかったというふうに今でも否定されますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 山口委員の御質問、今お読み上げになられました新聞記事は私は実は翌日かその日か新聞の発表になった日に既にカンボジアのプノンペンで読みました。そして、この会議のことがなぜ一体漏れるのか、全く私はびっくりしたわけでございます。 そして、山口委員に対する御回答をまず公式に申し上げますが、私は、今回のカンボジア訪問におきまして、バンコク市内の病院に入院中の文民警察官四名を見舞ったほか、プノンペン市内において文民警察官十三名と会見しました。その中では、安全確保への配意事項、水や食糧などの補給の実情など厳しい生活環境や治安状況、日本とは違った現地での生活の本当に御苦労ぶりなどの意見があって、それを伺いましたが、御指摘のような発言はありませんでしたと申し上げます。
○山口哲夫君 十三名の方々と懇談されたその内容等について、そうすると、記者団が入っていなかったとすれば記者会見か何かの形でお話ししたと思うんですけれども、それはどういう形でなされたんですか。大臣が直接やられたんですか。それとも、どなたか別な方がやられたんでしょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 大変重要なことであると思います。 実はこれは私は一言も言っておりません。それから、恐らく私と一緒に部屋におった人たちも言っていないと思うんです。言っておりません。 それで、ただ、そのときのメモをまとめたと記憶をしております。そのメモの一部のものがあるいは漏れたのであろうかなという気がするのでございますが、いずれにしても、あと何人死んだら帰れるのかという発言はありませんでございました。
○山口哲夫君 そのメモというのは、大臣が直接書かれたメモですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 私ではなく、ほかの非常に重要な職員を持った方が書いていただいたものでございます。
○山口哲夫君 どういう方ですか。外務省に関係ある政府の関係者ですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) この私たちの会議の席は全く部外秘という形で行われましたし、またその内容についてここで申し上げることは適当ではないのではないかと私は思っております。
○山口哲夫君 しかし、実際に文民警察官の実態を調べに行って、そしてそういう方々の苦悩というものを率直に聞きたいということで行かれたわけでしょう。それがなぜ公表できないんですか。非常に大事なことだと思いますよ。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今、世界はUNTACを、カンボジアを注目しております。そしてプノンペンその他には世界の方々がたくさん入っております。日本のそういった記事が新聞に載りますと、それは世界の新聞に報道をされます。そういった国際世論といった問題はやはり私は十分考慮をして担当大臣として対応すべきではないかという気持ちを持っておりまして、私自身の持っておる使命感からその詳細について申し上げることは御遠慮を申し上げるべきであろう、こう思っておるところでございます。
○山口哲夫君 大臣、それじゃ一体何のために行ったかわからないですね。 私どもは、これからやっぱり派遣されていく方々のいろんな問題について、国会で十分審議して、十分活躍もできるし安全も保障されるし、そういうことをこれからじっくり審議していかなきゃならないわけでしょう。そのために大いに参考になることではないんですか。現地の文民警察官がどんな苦労をしているのか。どういう気持ちを持っていらっしゃるのか。そういうことが書かれたからといって、何も外国にそれが伝わって困るようなことではないと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 日本の置かれておる立場というのは非常に私は重要であると思います。そして、PKO法を国会で通していただいたわけでございますが、要は、カンボジアに平和をもたらす、民主的体制をもたらすということが目的でありまして、私は山口委員の御指摘にありますように宮澤総理の御指名で行きまして明石特別代表と一時間半にわたって会談を行いました。そして、そのことは、非常に私は私に託された使命を私としては微力でございますがベストを尽くすという気持ちで行ったわけでございますし、先ほど申し上げたように最も危険と言われる現地に連れていってくれと言ったのは私でございます。そして、その際は一切武器その他を持たないでくれと言ったのも私でございます。
○山口哲夫君 ちょっと聞こえませんけれども、最後の方。
○国務大臣(村田敬次郎君) その現地の視察をさせてくれと言い、また武器などは一切持たないで裸で丸腰で行かせていただきたいと言ったのも私でございます。したがって、この総理の御指名というものを私は最高に重たく考えて行ってきたつもりでございまして、私に託された使命は非常に微力でございますが私の微力では全力を尽くしたと思っております。 そして、今その十二名の方々との対談の内容を詳しく申し上げるということは私は適当でないという判断をしておるわけでございます。例えば密室で当の方々が数人で話したことを、これはカンボジアの平和のためにあるいは日本のために必要だから幾ら新聞に出ても構わないではないかという御議論ではないわけでございまして、山口委員はどの御聡明な方が、本会議で御質問をされ、きょう委員会で正式に御質問をしておられるわけでありますから、私は心をもって御答弁しておるつもりでございます。
○山口哲夫君 先ほどメモに書かれていたのが表に出たようだというふうにおっしゃいましたですね。メモにはそういうふうに書かれていたわけですね。
○国務大臣(村田敬次郎君) その詳細を、私はメモを見たわけではなく、そういう報告を耳から聞いたのでありますから、メモがあったかどうかわかりません。
○山口哲夫君 いずれにしても、そのメモを書かれた方は相当の立場の方であることだけは間違いないですね。
○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほどの私の言葉を訂正いたします。メモを書いた人が極めて重要な職員であったということは私は確認をいたしておりません。
○山口哲夫君 それでは、どういう方ですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) でございますから、メモを見て私は聞いたわけではなく、その話を聞いたわけでございますので、メモがおったかどうかは確認をしておらないということを謹んで訂正させていただきます。
○山口哲夫君 随分話がごろごろ変わるんですけれどもね。さっき大臣のお話ですと、そういう話は聞いてないけれども、どうもメモにそういうことが書かれていたのが外に漏れたようですということなんですから、それは素直にお答えになったことが正しいと私は受けとめたいんですね。 だから、さっき聞いたように、入っている方々というのは非常にやっぱり重要な方々ばかり入っていたというふうに解釈できますね。そうしたら、そこでメモとった人も重要な人だということにならないですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 話がだんだん詳しくなってまいりますが、私は立場としてはいろいろの配慮があってこれ以上詳細なことをこの場所で申し上げるのは適当でないという判断を自分自身がしておりますので、その意味で、山口委員が御指摘になって答弁が変わったではないかということを言われまして、その点は申しわけないと思いますが、そういった私は心と心で今後のことも進めたい、このように思っております。
○委員長(佐藤三吾君) 大臣、声が小さいですよ。
○国務大臣(村田敬次郎君) また、プノンペンで外人記者を含めた記者約七十名と対談をしました。そのときにも私ははっきりと申し上げて、日本がUNTACに全面的協力をすること、そしてそのためにベストを尽くすこと、明石代表とは誠心誠意話し合ったこと等を申し上げて、時間の制限は一切しませんでした。きょうも、したがってもし時間制限の必要がなければ私は幾らでもおつき合いをさせていただきますが、そういった私は気持ちで、外交というのはやはり心と心であって、そのことを何もかもしゃべることが外交ではないと思っております。また、私の職務でもないと思っております。
○山口哲夫君 日ごろ大変大きな声でお話しする大臣が何かきょうは随分口ごもったようなお話をされるので信頼性について疑うんですが、これからも文民警察官というのは交代で行かれることだってあるわけでしょう。それから、選挙監視員だってきのうですか出発されたわけでしょう、四十一名。ですから、たくさんの方々がこれから国際貢献ということでカンボジアへ行くわけです。そうすると、一番最初に行っている方々がどんな苦労をされて、これからの人たちに対してどういうふうにしてもらいたいのか、政府に対してそういう要望というのはたくさんあると思うんですね。そういうことを我々はこれから真剣に国会の中でも議論をしていかなきゃならないのに、そういう任務を持って行かれた大臣がそのことについて話できないというんであれば、これはちょっと問題じゃないでしょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 山口委員の御質問は私は本当によくわかるわけでございます。 御承知のように、私は帰ってすぐ総理に御報告を申し上げました。そして、一既に御承知のように百万ドルの支出を直ちにする。そして、派遣をされておる方々の安全を図るためのあらゆる努力をする。例えば防弾チョッキは六千五百着。ヘルメットも配備をする。それから、いろいろ隊員の
○山口哲夫君 そんなこと聞いていませんよ。
○国務大臣(村田敬次郎君) 隊員の再配置を図るようにヘリコプター等も考える等々、いろいろな事項がもう既に一部報道をされておるわけでございまして、私はまた留守中に行われた新聞記事やいろいろなものを見て、そして今カンボジアとの問題が着々と進行しつつある、しかも十日間で選挙が始まるわけでありますから今がまさに勝負でございまして、柳井事務局長それから警察庁の田中総務審議官等きょうの夕方立つそうでございますが、既にその個々に行く方々とも相談をし、そしてまた今川大使、またバンコクの藤井大使等とも打ち合わせをしておるところでございまして、恐らく明石代表とは毎日のように連絡をとっておってくださると思っておりますので、そのための万全を期するということが私は山口委員の質問の趣旨に根本的に沿うことである。 したがって、山口委員の質問に一生懸命対応しているということは客観的に見て判断をしてくださるとありがたい、こう思っておるわけであります。
○山口哲夫君 質問に答えてください。
○委員長(佐藤三吾君) ちょっと大臣、梶山自民党幹事長も言っておるように、PKOの国会論議は自衛隊問題については議論をしたけれども文民警察の派遣とかこういった問題については確かに落ち度があったと、こう認めておるわけですね。 そこで、大臣が現地に行って、そしてそこら辺の事情はきょうのこの委員会の中で報告されると思って国民の皆さんは期待しておりますし、新聞の報道では各社共通してこの問題について何人殺されたら帰すのかといったことが出ておりますから、国民の皆さんはそういうふうに思っておるでしょう。そこにあなたが、いやそれは聞いておりませんと、こう答えたものですから、一体どっちがどっちなんだということなんです。確かに外交問題、各国の関係もありましょうけれども、大事なことですから、やっぱり直截にひとつ質問者に答弁願いたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 委員長の御指摘はよくわかります。そして、私もその気持ちで御答弁を申し上げておるつもりでございますが、何人死んだらという発言は私は聞いておりません。
○山口哲夫君 きのう本会議で大臣は、私は現地に行って文民警察官といろいろと話し合ってきた、その生の声をここで報告しますと、こうおっしゃったですね。非常にみんな期待していましたですよ。ですから、生の声を報告しますということは、文民警察官の方々が話したことをそのまま話をするということでしょう。どうですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) そのとおりでございます。
○山口哲夫君 そうしたら、どうして答えられませんと言うんですか。こういう話がなかったですかとか、それじゃメモはどうだったんですかとか、そういうことについては話できませんと。なぜなんですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は、本会議及びこの委員会で私がお答え申し上げておるのは、こういう形で申し上げるのが適当であると信じておるからでございます。詳細の、一時間十五分の対談の模様を一々伝えるということは私はここの場所では適当でないと思っております。
○山口哲夫君 では、どこがいいんですか。どこでならいいんですか。
○委員長(佐藤三吾君) ちょっと今の答弁に私も疑義を持ちますね。どうしてですか。どうしてこの場で悪いんですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 委員長そして山口委員がおっしゃっておられますように、私の言い方がもし間違っておればお許しをいただきたいと思いますが、私は概要をお伝えすること、それで御理解がいただけると思っておるからでございます。
○委員長(佐藤三吾君) 内容を聞きたいという一つの例として、何人殺されたら帰すんですかと、こういう記事が出ておるけれども、この記事についてあなたがさっき言ったのは、メモを見てと。また、訂正になって、今度はメモは見ていないけれども聞いたとか、こう言っていますけれども、具体の例があるからこそそういうことが出たんじゃないかという山口委員の質問に対して、やっぱりこの問題は、もう今どんどん帰ってきますから、余り隠し立てするようなことじゃないと私は思うんで、素直にひとつ実情を報告してくれませんか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 委員長の御発言、その御指示、それから山口委員の質問もよく私はわかります。 メモのようなことで聞いたというのは、私は十三人の方から何人死んだらどうなのかということを聞いておりません。
○山口哲夫君 聞いたことに対してはそのまま素直に答えていただけないし、肝心なことになると外交上のことでここで答えるわけにはいかないと言うし、答弁が何回か同じことを聞くとがらっと変わってしまうし、これではとても、私きょう三時間時間をいただいているんで、何でしたら三時間ずっとこの問題しかできなくなりますよ。 委員長、何とか理事会でもって協議してください。
○委員長(佐藤三吾君) 大臣、どうですか。理事会ならきちんと御報告できるんですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 私の申し上げたのは、本会議でも申し上げた御答弁、今も申し上げた御答弁、それが適切であると私は信じておるからでございまして、そして、どこでならこれ以上申し上げるかということは、私はこの申し上げたことによって全体の概要は考えていただきたい、こういう意味でございます。
○委員長(佐藤三吾君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(佐藤三吾君) 速記を起こして。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今、委員長の御指示のあったのは本当によくわかるわけでございます。ただ、私としては本会議及びきょう御答弁申し上げておることが本当に誠心誠意お答えしておると思っています。きのう実は自民党の三役とも、それに四役とも相談をして、いろいろな状況を御相談申し上げておりますし、総理、官房長官とも御相談申し上げておりますし、副総理とも相談をしております。 ただ、私がここで例えば外交だとかというような言葉を使いますと、その言葉が非常に言葉自身で飛んでしまいまして、今山口委員が御指摘になったような御解釈をされるのは私はごもっともだと思います。私の言葉が足りないのが悪いんだと思いますが、そこのところは、なおひとつ山口委員、委員長と御相談いただきたいと思いますが。
○委員長(佐藤三吾君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(佐藤三吾君) 速記を起こしてください。 山口質問の途中ですが、ちょっと理事の皆さんの御意向を聞きました結果、ここで午前中の休憩に入って、そして午後ひとつまたこの問題に入りたいと、こういう質問者の意向のようでございますから、午前の部をこの程度にとどめて、午後三時三十分まで休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ――――◇――――― 午後三時三十分開会
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山口哲夫君 午前中のカンボジアの問題で、一体何人死ねば帰れるのかという文民警察官の訴えについてお尋ねいたしましたところ、大臣はそのようなことは聞いていない、そういう一点張りでございました。しかし、記者団が入っていなかった懇談にいたしましても、そういうことが事実として各社で伝えられているということはそういう発言があったというふうにみなさざるを得ないということで、それでは一体だれが記者発表をそのようにされたのかというようなことについて、大臣の方からはそれは重要な人がとったメモを恐らく読んでそういうふうに書いたのではないだろうか、たしかそのような答弁だったと思います。それでは重要な人物というのはどなたですかと聞きますと、それは訂正いたします、重要な人ではありませんでしたと。そんなようなところでたしか審議が中断してしまったんじゃないかと思います。 午前中にも申しましたように、私がこういったことを聞いているのは、文民警察官が非常に今危険な状態に置かれている。そして、いろいろなことを大臣にも訴えていたはずだし、これから新しく任務につく人たちだっているわけでありますから、こういう点で、安心して任務を遂行できるような体制を整えていくことがやはり政府の責任であり我々国会の責任でもないだろうか、そんなような気持ちでお尋ねをしているわけでございます。しかし、それに対しては一切回答を拒むというそういう態度には非常に私どもは遺憾の意を表するわけであります。 そこで、もう一つお聞きしておきますけれども、大臣はそういうことを言っていないと言うんですけれども、きょうの朝刊を見ておりましたら、「村田自治相と文民警察官のプノンペンでの懇談に立ち会った関係者は」、その関係者というのがまだ明らかになっていないんでこれをもう少し聞きたかったんですけれども、「十二日、「文民警察官たちが「あと何人死んだら帰れるのか」などと発言したのは間違いない」と再確認した。」ということで、ちゃんとやはり報道関係がそういう関係者に会ってそういうことが言われていることを再確認までしているわけであります。大臣は国際的な外交的な問題なんだからこれ以上は発言できないと言うけれども、私は何も外交に直接影響するような問題とは違うと思いますので尋ねているわけでして、報道関係が再確認を関係者にまでしているというこの事実の上に立っても、あなたはそういうことは言っていないということをまだいまだに抗弁するんでしょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 午前中のお答えの際に、言葉が前後いたしまして大変御迷惑をおかけして申しわけなかったと思います。 私はもう一度確認して申し上げますが、何人死んだら帰られるのかという御発言につきましては、私は聞いておりません。
○山口哲夫君 大臣がたしか現地で記者会見やられたときには、テレビで見たんですけれども随分いろんなことをお話しになっているんですね。ところが、日本に帰ってきた途端に、国会のあの本会議場での質問以来、まるっきり何か貝になってしまって言葉が出てこない。それからもう一人、やはり同じように、実際に文民警察官として現地でいろんなことを大臣におっしゃったと言われるその警察官も、負傷を負ってタイの方に入られて、バンコクだったでしょうかどこかで記者会見をやったときには随分いろんなことを話されているんです。ところが、今度はプノンペンに帰ってきた途端に記者の質問に対しては一切口をつぐむ。 こういう映像を見ますと、多くの人たちが、なぜあんなに変わるんだろうか、どこかから籍口令がしかれているんじゃないのかと、そんな感じがせざるを得ないのです。これは私の勘ぐりかもしれませんけれども常識的にはそういうふうに見ざるを得ないわけです。どうですか。何かどうしてもしゃべれない事情があるんでしょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は今回のカンボジア訪問におきましてプノンペン市内で十二名の文民警察隊隊員とお会いをいたしました。その中では、安全確保への配意事項、水や食糧などの補給の実情など厳しい生活環境や治安状況、日本とは違った現地での生活の御苦労ぶりなどの意見があったと承知をしております。
○山口哲夫君 私は何かそこに外からの圧力というか籍口令がしかれているなというそういう判断に立たざるを得ません。もしそうだとすればこれは重大な問題だと思います。まさに戦前時代のそんな感じを私は覚えるものでございます。今後、国民の多くの人たちが国際貢献のためにいろんな人たちが出ていくでしょう。そのときに、外交上の問題とかいう理由でもって物もしゃべれないようなそういうことが仮に政府の手によって行われたとするならば、日本の民主主義そのものにとっても非常に私は危機だと感じます。 この問題については、私は残念ながらきょうは交付税の問題で物すごくたくさん抱えているものですから、幾ら質問してもそれ以上答弁できないと言うんですから、そういう態度をとる以上は、これ以上この問題について質問を続けても時間がたつばかりですから、一応この問題はこの点でとどめます。 ただ、非常に心配なのは、ある自衛隊員の妻から私のところにこういう電話が入っているんです。自衛隊員がPKOに参加するしないというのは本人の意思はもう関係ないと言われている。そして、もしそれを断れば将来の昇進にも影響するように思われる。逆に、反対運動をいろいろなことでやっているそういったビラをちゃんと隊の方に届ければそれだけで大変な昇進にもつながっていく。そんなような実態の話まで伝わってきました。そういう点では、現在の自衛隊のやっていること自体が非常に恐ろしいというようなことが耳に入ってきました。私は、今回の一連の問題で警察官がいろんなことを話をした、そういう人たちを対象にして、今後やっぱり警察行政の中で身分にまで影響させるようなことが起きたとするならばこれはもう大変な問題になるだろうな、そんなふうに思うわけであります。この点については後ほど警察庁長官からお聞きしたいと思います。 せっかく警察庁長官が出られました。午前中は文民警察官の処遇の問題で大事な折衝があるというお話でございまして午後から出ていらっしゃったので、あえてここでお尋ねをしたいと思いますけれども、いわば最高責任者であるあなたは高田警視が殉職したことに対しましてどのように今お考えになっているのか。そしてまた、今後文民警察の方々が現地でもって活動することに対し二度とこういうことが起きないようにどういうお立場でどういう方法を考えて折衝をなさっているのか、その辺についても長官としての考えをお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(城内康光君) お答えいたします。 五月四日の午後、高田警視を含む一行が車列で行進中に、武装集団から不意の襲撃を受けて高田警視は死亡するに至った、こういうことでございます。まだ三十三歳で、岡山県の警部補でございまして、前途有為の青年をこういうことで失ったわけでございますが、まことに痛恨のきわみでございます。国際貢献に身をもって尽くしたというその功績については私どもとしては高く顕彰してまいりたいというふうに考えております。 国際貢献ということについては大変大事なことだというふうに考えております。この国際貢献という仕事を永続的にかつ実効あらしめるには、どうしてもこの制度がそもそも手を挙げて参加するという仕組みでございまして国が強制するものではございませんので、そういう意味で、国際貢献を今後続けていくためには、安全確保ということ、それからまた、きうっと法律に書いてある任務を本人も家族も了解してそして参加するということが非常に大事なことではないかと思っております。私は、安全対策と国際貢献がどちらかという問題ではなくて、国際貢献をするためにこそ、初めてのことでございますので、安全確保については最大限の努力をしなければいけない、こういうふうに考えておるわけでございます。 今後こういうことが二度と起きないようにするためには、地域によって多少の差はありますが、その中で、特に武力衝突が行われるような地域については法律に書いてあるような任務の達成が実際上できませんので、任務の果たせる地域に配置転換をしていただきたいということで過日大臣がかの地に参りましてそういった大変難しい折衝をなさって、現在いろいろ検討されておるというふうに承っておるところでございます。そういったような非常に難しい条件でございますが、いずれも日本から参加した人たちは本人が手を挙げたものでありますがそれぞれの県から選ばれて行っておる有為な青年でございますので、そういった安全対策を具体的に進めていくということをしなければならないと思います。 また、生活面も大変苦労しておるようでございます。私ども募集をいたしますときに、本人及び家族に対して、戦闘行為が行われるような地域については軍事的な対処が必要であるのでそういったところには文民警察官は配属にならないんだという説明をしております。また、食糧あるいは水といったようなそういった生活を支えるようなものについては、UNTACの方でそういう兵たんが整っているという説明を受けているということで本人にも示しましたし、また家族にもそういうことを言っておる、こういうことでございます。 そういったような事情でありますので、その私どもが家族あるいは本人に約束したことをどうしても実現してまいらなければならないというふうに考えております。
○山口哲夫君 新聞によりますと、文民警察官がこういうことを言っています。文民警察官が弾薬を運んだりしなければならない、そういう実態について自治相に訴えたという記事もあります。これは、国連平和維持活動に対する協力に関する法律の第三条「定義」のチ、警察行政事務に関する助言等または警察行政事務の監視、こういったことをやるのに文民警察官というのは出ていっているわけですね。なぜ弾薬の運搬までやらなきゃならないのか。パトロールもさせられているし要人の警護にまで当たらせられているという話も伝わってきております。これが事実だとすれば法律とは全然違うことをやらされているわけです。実際にこういうことがあるんでしょうか。
○政府委員(城内康光君) 法律には現地の警察行政に対する指導、助言、監視ということが明確に書いてありまして、私どもは任務はそういうことであるということで応募者に対して説明をいたしたわけであります。したがいまして、警察は法に基づいて、法に従って行動するというのが我々の大原則でございますので、その助言、指導、監視という言葉の可能な意味の範囲内で何ができるか何ができないかということを考えてまいらなければならないというふうに理解しております。これは一般論でございます。 さて、具体論でございますが、今御質問の中にありました弾薬運搬ということは私どもは承知しておりません。要人の警護活動、政党事務所の警戒活動あるいはパトロールというような態様がございます。
○山口哲夫君 法律に関係ない仕事までさせられているというそういう事実がなければ大臣にそのことを訴えるはずがないと思うんです。ですから、そういうことがあるとするならば今後これは絶対にそういうことをさせないようにきちっとした対処をしてもらいたい。これは恐らく、総理府の方ですか、本部の方は把握していると思うんですが、もしそういうようなことがあったら絶対にそういうことをさせないように十分ひとつ対処をしていただきたいということを強く要求しておきたいと思います。 また、この文民警察官の話というのは、今長官がおっしゃったように、出かける前には非常に安全性を強く主張していただろうし、決して今行われているような危険なところに行くことではないようなことを盛んに言っていたと思うんです。これは、法律の審議のときにも、政府の答弁というものは決してカンボジアに対するいわゆるPKO派遣要員というのはそんな危険なところへ行くんじゃないんだということは盛んに強調されておったと思う。ところが、実際にはそれとは全然逆な危険な状態に置かれている。そういうことを考えたときに、これはやはり行った警察官が出るときの話と全然違うじゃないかというそういう疑問を持って大臣に訴えるのは当たり前だと思うんです。ですから、そういうことが二度と起きないようにもう少し真剣に、特に文民警察の関係を扱っている国家公安委員会として、委員長として責任あるひとつ行動をとってもらいたいと思うんです。 それで、明石代表とはそのことについて随分話し合ったと聞きますけれども、安全性を重要視してやるとは言うけれども、言葉だけの問題であってはならないんであって、具体的に何と何とどういうことをやったから今後は安全なんですということでなければいけないと思うんです。そういう具体的なことについてどこまで詰めたのか、その点について伺いたいと思います。それが一つ。 それからもう一つは、これは週刊誌ですが、非常に信頼性ある発言だというふうに言われているんですけれども、こう言っています。「自衛隊は補給ルートが確立され、食料や支援物資が本国から供給されて来るのに対し、警察官は孤立無援。衣食住とも自費で現地調達しなければならない。」。そのほか随分いろんな深刻な問題を訴えております。 これをずっと読んでみますと、自衛隊は極めて安全なところにいて、食糧から日用品から必要なものはちゃんと送られてきているんです。ところが、文民警察というのは一番危険なところに各地に配属されていて、そして、ここに訴えているように満足に食糧も届かないことがある。もちろん日用品なんかは非常に不足している。新聞にも載っていたように、まさに地獄でございましたというようなそういう言葉まで出てくるわけです。なぜこんなに違うのかということですね、自衛隊員と警察官が。私は非常に問題だと思うんです。その点の違いということを一体警察の方としても把握されておるのかどうなのか。おるとすれば、どういうふうにこれに対処していこうとしているのか。その辺をお聞きします。
○政府委員(城内康光君) まず、安全性の確保についての問題でございますが、このたびの大臣の御出張によりましていろいろ話をされてまいった大事な問題が再検討するというようなことになっておるわけでございますが、これをフォローアップするために、本日、協力本部、それから外務省、警察庁、高級スタッフが参りましてさらに細かく詰めをしたいというようなことで、いい成果が出ればというふうに期待しておるところでございます。 それから、文民警察官の場合は、二十数カ所のところに一名あるいは五名ぐらいの小さな単位で配属になっておるということでございます。それで、各所に今ばらばらになっておるということで、それぞれが自分たちの住むところを何とか見つけまして、あるいは小屋をつくったりして生活しておるということでございます。 それで、食糧なども大変困っておるという状況はわかっております。例えば問題のあるアンビルなどの例を申しますと、五月の十日過ぎにとった土とでございますが、飲料水を分けてもらおうとあるヨーロッパの軍のベースにお願いに行ったけれども水はないということで断られておる。それから、タイの国境までの道中が危険となってタイ国内へ買い出しに行けなくなってから、各国の文民警察は水、食糧とも欠乏し、もう相互扶助の精神が働く余地はない。それから、UNTACからの水の補給は三月二十二日付の指示で中止された。この中止されたのは個人参加の要員に対して。文民警察は個人参加でございますから、個人参加の要員に対しては補給が中止された。水の購入が不可能な地域は要請により補給が受けられるということであったが、再三の要請にもかかわらず補給は受けられなかった。 これはアンビルの例でございますが、こういうことで大変困っておるという状況は私どもつかんでおります。
○山口哲夫君 「ガンボディア国際平和協力業務実施要領の概要」の文民警察分野に関する事項を読んでみますと、「安全のための措置」として、「隊員の生命又は身体に危害を及ぼす可能性があり、本部長の指示」、というのは総理のことをいうんではないかと思うんですが、「又は事務総長」、これは国連事務総長のことだと思うんですが、「等の指図を受ける暇がないときは、業務を一時休止する。」。要するに、非常に危ないというふうに判断したときには業務を中止してもいいんだということが実施要領に書かれているわけですね。 ですから、そういうことをきちっとやっぱり隊員に示して、一々指図を受ける暇なんかないわけですから、この実施要領に忠実に危険なときには業務を一時中止するようなそういう指導をきちっとやっぱりやっておくべきではないだろうか、ちゃんと実施要領に書いているんですから。いかがでしょうか。
○政府委員(井上幸彦君) ただいまお話しのありましたような状況を想定いたしまして、私どもの方では、山崎隊長からそれぞれの出先の各隊員に対しまして、自己の判断によって連絡するいとまのない場合には退避、いわゆる業務の一時休止をして退避するようにというように指示を徹底いたしているところであります。 しかしながら、一つの例といたしまして、先般のフォンクーの四名プラス、アンビルの二名、この六名がタイに一時避難をいたしたわけでありますが、その際には、一時休止の手続をとらずに、事実上それぞれの上司に当たります指揮官に連絡をとることができたものですから、その連絡を行うとともに近くの部隊の援護を得てタイに退避した、こういう実例がございます。 以上であります。
○山口哲夫君 どうかこれからもそういう点を徹底していただきたい、こう思います。 それで、もう二つ三つ、亡くなられた高田警視に対する弔慰金関係はどうなっているのか。それについても伺っておきたいと思います。 それから、これはPKO国際平和協力本部の方にお尋ねしておきますけれども、バリ協定について、こういうふうに第二十九条で書いてあります。「ガンボディアに関するパリ会議の二人の共同議長は」、これはインドネシアとフランスだというふうに伺っていますけれども、「この協定の違反が生じた場合又はそのおそれがある場合には、国際連合安全保障理事会の権限を害することなく、また、国際連合事務総長の要請に基づき、この協定に定める義務を尊重することを確保するための適当な措置をとるため、ガンボディアに関するバリ会議の参加国との協議を含む適当な協議を直ちに行う。」、こう書いてありますね。 これからいきますと、この協定違反というのは、きのうも本会議でお話ししましたように停戦違反が間違いなく出ているわけです。それから選挙実施に対する妨害というのはポル・ポト派が宣言もしているわけです。ですから、そういう現実に二十九条の事項に該当することが出ているとするならば、これは我が国として当然パリ会議参加国との協議を直ちに始めるように二人の共同議長に対して政府として申し入れるべきときではないだろうかと思うんですが、それに対していかが考えているか。 それからもう一つ。先ほど来申しているように、文民警察官と自衛隊との格差というのは非常に多い。これはPKOの法案を通すときに、とにかく自衛隊を派遣することが先行していたというそういうことから考えても、政府というのは自衛隊にばかりそういう待遇をしているというふうにどうしてもとらざるを得なくなるわけです。しかし、警察官だとかそれから選挙の監視員だとかこれからたくさんそういう活動をされる方が出ていらっしゃるんですけれども、そういう人たちに対してはほとんど目を向けていないというそういう態度は、非常にこれからの我が国の国際貢献に対して国民のやはり疑問というものがそこに生じてくるんではないだろうか。こんなことがもし起こったとすれば重大なそれこそ問題だと思いますので、そういう差は絶対に今後なくしますというようなことを確約していただきたい。 この三つをお伺いします。
○政府委員(井上幸彦君) 高田警視の弔慰金の関係についてお答えいたしたいと思いますが、御存じのとおり、高田警視、当時警部補は、岡山県警察の身分を辞しまして国際平和協力本部の職員として採用されるということになったわけであります。したがいまして、身分関係は国の職員ということでありますので、今後の弔慰金の扱いにつきましても総理府の規定に従いまして支給されるということであります。 私どもは、遺族の立場を考えまして十二分に最高額が出るようにという形で今後とも折衝を進めてまいりたい、かように考えております。
○説明員(松村博史君) 先生御指摘の第一点、家族への補償措置の点についてまず御説明させていただきたいと存じます。 国際平和協力隊の隊員につきましては、昨年の九月に新しい補償制度といたしまして最高額五千万円という賞じゅつ金制度を創設いたしました。また、最高額一千万円の特別報奨制度というものもあわせて設けまして、最高額六千万円を支給できるという制度をつくったわけでございます。また、国家公務員の災害補償ということにつきましても五割増しの補償ということができる制度となっております。高田警視の御功績に報いるために、私どもとしては最大限できる限りの措置を講じたいということで今検討しているところでございます。 次に、第三点におっしゃいました自衛隊と文民警察の格差が大きいのではないかという御指摘でございます。 恐らく念頭に置いていただいているのは、タケオまたはカンポートに展開している六百人の自衛隊の部隊の問題と、カンボジア各地に個人参加の形で展開しておられます文民警察、また個人参加の形で展開しております自衛官でございますけれども停戦監視要員、そしてまた昨日成田を出発いたしました四十一名の選挙監視要員、この文民警察、停戦監視要員、選挙監視要員、この方々は個人参加という形で法律上も部隊参加の形とは異なった体系をもって我々は派遣しておるわけでございます。 しかしながら、装備類とか日本食などの必要なサポートにつきましては私ども総理府として最大限の支援をしているつもりでございますが、先生御指摘のように十分ではないという点がございましたら私どもとしても御趣旨を踏まえて必要な対応を考えてまいりたいというふうに思っております。
○説明員(山本忠通君) お答えいたします。 第二の点でございます。パリ和平協定二十九条の関係でございますが、全く先生御指摘のとおりの規定がございまして、バリ協定の重大な違反が生じてパリ協定をそのまま履行できないような状況に立ち至ると判断されるような場合には、国連事務総長の要請に基づきましてパリ会議の両共同議長のフランスとそれからインドネシアが協議を招集することができるようになっております。 現在の国連の見方でございますけれども、一番新しい報告書が五月三日に出ております。また、新しいものが、選挙前の最後のものになると思いますが五月十五日ごろに出ると聞いておりますけれども、五月三日の報告書の中で、ガリ事務総長の結論と申しますのは、確かに当初予定したような形で和平協定を実施するには至らず、いろいろ困難な問題がある。しかし、そういう状況があるにしても、これは選挙を予定どおり行わないということを正当化する理由には全くならない。むしろ選挙を予定どおり行うべきであるということを明確に結論づけております。 それからあと、協定の二十九条の発動そのものではございませんが、四月二十三日に、これは実は日本も音頭を相当とったのでございますけれども、パリ協定の署各国全部が一致してステートメントを出しまして、選挙を予定どおり実施すべきである、それから安全の確保が極めて大事である、したがって各カンボジアの当事者は自制すべきであるということを強く訴えております。 したがいまして、現在の国際社会の判断は、そしてまた日本政府の判断もそうでございますが、パリ和平協定に基づき選挙を予定どおり安全裏に実施することが今の重要な和平プロセス上の課題であるというふうに認識しております。
○山口哲夫君 選挙の問題についても質問しょうと思ったけれども、先に触れられたので私の意見だけを述べておきたいと思うんです。 パリ協定というのは総選挙を意識しているわけですね。しかし、現在のはこれは総選挙というふうには言えないですね。ポル・ポト派は選挙には参加しない、結果は認めないと言っているし、それからもう一つのソン・サン派も選挙は延期したらどうかというそういう声明まで出しているというふうに聞いております。二つの派が抜けたら、あと残る二つだけで選挙をやるという仮に結果になったとしたら、これはまさに部分選挙であって総選挙なんて言えるものではない、私はそう思うんです。 そういうことからいけば、もうパリ協定の前提としている総選挙が崩れているわけですから、やはりこの選挙というのは延期をすることが一番好ましいだろう。そのことの方がむしろカンボジアの今の混乱をおさめることにもつながっていく。そういうことをやっぱり私は日本政府として国際的に訴えるべきときだ、そういうふうに考えております。もし所見があればお答えいただきたいと思います。
○説明員(山本忠通君) お答えいたしたいと思います。 選挙には政党が全部で二十参加しております。仮にそのうちの全部が最後まで参加しないとしましても、かなりの数の政党が参加しているということが第一点。それからあと、ポル・ポト派が支配している地域でございますけれども、これは面の支配というのは非常に限られた地域でございまして、先生も御案内と思いますが、タイとカンボジアの国境地帯、カンボジアで言いますと北西部に一部ございますが、ほかは点在しております。カンボジアの場合、選挙区というのは各州と二つの特別区という二十一から成っておりまして、このどれか一つをポル・ポト派が完全に押さえているというところは今のところございません。したがって、いずれの選挙区においても選挙を実施することは可能というのが今の状況でございます。かつ、最大限地域的にいって一五%しかポル・ポト派は押さえていないのでございますが、人口比で言うとさらに少なくて一〇%以下と見られております。 したがいまして、そういう面からのカンボジアにおける選挙は、カンボジアの全体を反映した選挙であろうという見方をとることができるというのがUNTACの判断であり、また国際社会の判断でございます。日本もそうでございます。 それから、ソン・サン派の件でございますけれども、彼らがそういう考え方を表明したことは事実でございまして、特に北京でございましたシアヌーク殿下の招集したカンボジア人同士の会議でそういうことを言って、さらにその結果を受けてもう一度プノンペンでも言っておりますが、実はシアヌーク殿下に説得されて、最初の会議のときは選挙をやることに合意するという声明に同意しております。最近またそういうことを言っておりますが、この理由というのはプノンペン政権側が選挙で嫌がらせをするということでございますので、私ども日本政府としては、非常に強くプノンペン政権側にそういうことをやってはこれは選挙を台なしにするということで非常に強い自制を強烈に働きかけております。
○山口哲夫君 まだたくさんあるんですけれども、肝心の地方交付税の問題その他ありますので一応カンボジア問題についてはこれで終わりますけれども、最後にもう一度だけ苦言を呈しておきます。 大臣の今日までの発言、特に実際に文民警察官と会ったそういったことが明らかにされないということは非常に重大な問題でございますので、この点について非常に遺憾であることを表明して、このカンボジア問題は終わりたいと思います。警察庁長官初め関係者の皆さんどうも御苦労さまでした。 それでは、地方交付税の問題について、本会議でも触れましたけれども、交付税を国の一般会計を通さずに特別会計に直入をするというこの地方行政委員会における決議、これに対して大蔵省は反対の立場をとっています。大臣は本会議場ではっきりと反対ということを言っております。一体なぜ反対なのか。これを行った場合にどういう支障が出てくるのか、簡単にお答えください。
○説明員(木村幸俊君) お答えいたします。 地方交付税を一般会計から交付税特別会計に繰り入れるという現行制度でございますが、これにつきましては二十九年度に地方交付税制度が創設されまして以来の制度でございます。さらにさかのぼりますと昭和十五年に創設されました配付税制度というものがございましたが、そのもとにおきましても同様の取り扱いがなされているものでございまして、これを変更いたしますことはやはり国の予算制度あるいは会計制度に大きな影響を及ぼすものでございまして、極めて問題が多いと繰り返し申し上げているとおりでございます。 少しく詳しく申し上げますと、現行制度でございますが、現在地方交付税を一般会計予算に計上するその制度につきましては、まず、歳入面では税制の根幹をなしますところの所得税それから法人税等の税負担の状況、さらにはまた、歳出面では国、地方相互間の財源配分の状況というものをそれぞれ一覧性のある形で示すことによりまして、国及び地方を通じます財政運営の総合的調整を行うための有効な資料を提供する。それとともに、これらの状況に対する国民の理解と判断を求めることができるという点においてすぐれたものであると考えている次第でございます。 なお、交付税特会に仮に地方交付税を直入するといたしますと、その交付時期につきましても、基本的には実際に収納したものしか払えない、そういったような問題も出てまいりまして地方財政に与える影響も大きいものと考えております。 以上のことから、地方交付税を交付税特会に直入するということは我々といたしましては極めて問題が多いというふうに考えている次第でございます。
○山口哲夫君 どういうことなんですか。一覧性の立場で云々というんですが、もう少し詳しく説明してもらわないとよく理解できないんですけれども。
○説明員(木村幸俊君) 財政につきましては、これは今さら先生に申し上げるまでもございませんけれども、歳入歳出をできるだけ一覧性のある形で示すということが極めてわかりやすいわけでございまして、それが財政民主主義の趣旨にもかなうものだと思っております。 まず、歳入面におきまして、現在国の税収、一般会計税収が全体で平成五年度でございますと六十一兆三千億円ございます。そのうち所得税が二十七兆、大体四四%。それから法人税が約十六兆弱でございまして、これが二六%でございます。そういった国の税収の大宗を占めますところの所得税、法人税につきまして、そのまま税負担が一目でわかるように一般会計に計上しておくことが今後税制を考える場合におきましても望ましいんじゃないか。さらに、歳出面におきましても、現在地方交付税は一般会計歳出の二〇%を超えます。平成五年度で申し上げますと国債費を抜きまして最大の支出項目になっているわけでございます。そういった大きな費目につきまして、国と地方の財源配分を考えます場合にやはり一般会計に計上して一覧性の形で示す方が望ましい、そういうふうに考えている次第でございます。
○山口哲夫君 そんなことを仮におたくの方の予算書に書かれたからといって国民はわからぬですよ。例えば所得税二十七兆だと。しかし、二十七兆のうち三二%は交付税でもって使うんですとなっているわけでしょう。そういう説明だけ書いておけば、所得税は二十七兆円なんだから、これは全部国民の所得なんですということを、一々その二十七兆円という数字を書かなければ国民が納得しないんですか。そんなことないでしょう。二十七兆円確かに所得税で入りますと。しかし、その三二%は交付税でちゃんと地域の住民のために使われるんですということを明らかにしておけば何も問題のないことであって、これは歳入の面だって、そんなことを言うのであれば、例えば一般会計の中にのっていない自治体に対するものだってちゃんとあるわけでしょう。 例えば地方財政に関する歳入の面で、これはたしか国の一般会計にはのっていない例えば国の特別会計から地方団体に関する補助金というのがありますね。道路整備特別会計とか治水特別会計とかいろいろあるわけでしょう。こういうものだってちゃんと国の歳出ですか、その中にはのっていないでいきなり地方財政計画の中に入ってくるわけでしょう。国の税の出し入れとか歳出のいろいろな国と自治体との関係なんというのは、こんなもの我々予算書見たってわからないですよ。そのために地方財政計画というのをきちっとつくって国会でもってちゃんと承認をするんではないんですか。 だから、そういう地方財政計画が明らかになってくれば、ああ国の歳入の中でこういうものが地方財政の方にも影響してきているんだなということがむしろ国民に私はわかりやすいだろうと思うんですね。今までおっしゃっていたようなことというのは、交付税を一般会計を通さず特別会計に直入するということのマイナス理由というんですか、そういうことをされては困るという理由を幾つか述べていましたけれども、私はそれはちょっと理屈にならないだろうと思うんです。そんなことは政府の部内の話であります。 それで、この論議しておっても肝心な問題の時間がなくなりますが、本会議でも申しましたように、これはもう総理の諮問機関の地方制度調査会が第一次から二十二次までもうこんな厚い答申集があるんですけれども、この中でちょっと拾ってみたんです。あるいは落ちているかもしれないですよ、たくさんあるから。昭和五十五年の答申にもやはり直入の制度に改めるべきであるということがちゃんと書かれている。五十七年にも同じように書かれている。翌五十八年にも書かれているし五十九年にも。毎年書かれているわけですよ。それで今度は、平成三年には、「地方交付税制度に関する基本的な考え方についての意見」として、特別な意見としてこれをやりなさいということまで書いておるわけでしょう。 このくらい毎回毎回、我々が国会でここで決議をしている決議を実行しなさいというふうにされている答申というのはありますか。それを全然一顧だにもしないで大蔵省は、今述べたような我々がちょっと聞いただけではわからないような理屈でこれはやっちゃ困るんだと言う。そういうことには私はならないと思うんですよ。本当の意味は一体何なのかということです。 それで、自治省に聞きたいんですけれども、直入にすれば、例えば四千億なんという今度特例減額したけれども、そういうことはしないと思えばしないで済むでしょう。どうでしょう。
○政府委員(湯浅利夫君) 交付税につきまして、特別会計に直接繰り入れるべきだということで地方制度調査会の御答申をいただいて、その線に沿って私どももいろいろと要請をしているということは事実でございますけれども、この交付税というものが国の一定の税目の一定割合というもので構成されるということにつきましては、これは直入しようがしまいが法律で厳然と決まっている問題でございます。 ですから、そこで決めている問題でございますから、今回特例減額というような形で行われたということではございますけれども、これが直入であればそういうことはないのではないかという点については、これは国と地方との財政関係に基づいて今回やむを得ず行われたということを考えますと、必ずしも直入が行われたら減額が行われないというそういうものではないとは思うのでございますけれども、ただ、直接繰り入れるということをすることによりまして地方交付税の性格をより明確にすることができるということから考えますと、その減額をするしないという問題と直接結びつく問題とは別にいたしましても、やはり明確にし得るんじゃないか。当面の問題として、交付税そのものがこういうものからできているんだということを明確にできるんではないか。こういう趣旨で直入論というものが行われているんではないかというふうに考えるわけでございます。
○山口哲夫君 大蔵省がいるからといって遠慮しないでくださいよ。 それでは、譲与税というのはどうですか。譲与税というのは直入でしょう。譲与税から幾らか貸せというふうなことをやっていますか、大蔵省が。やっていないでしょう。だから、少なくとも直入にすれば、これは大蔵省とそれは協議はするでしょうね。四千億どうしても足りないから大蔵省がこれを貸してくれないかといった場合に、特別会計の中でことしは四千億くらいなら何とか貸してやってもいいだろうと。直接余り自治体には影響しない積み立てておくだけの金なんだからいいだろうと思えばそれは貸してあげましょうということにはなるだろうけれども、一々予算査定の中で、どうしたってそれは予算編成権からいったら大蔵省が強いですよ。何とかこれだけ頼むよと言えば、自治省も仕方ない、じゃやむを得ません、四千億ことしは何とか出しましょうかなんてことになるわけでしょう。 これが直入になったら、そんなこと言われたって自治体に今配分しなきゃならない金がこんなに苦しいんだから、それはちょっと待ってくれと強く言えるんじゃないですか。何も遠慮することないですよ。そういうことをとにかく地方制度調査会で言うのは、大蔵省が言ったような細々したそんな事務的な理由でなくして、もっとやはり自治体の権限がある金だと私は思っているんですよ。ですから、そういうものを地方自治体が行政を計画的に行うためには、毎年八千五百億とられたとか四千億とられたとかと言うんでなしに、大体計画的な行政ができるように財政というものをきちっとしていこうではないかと、そういう大局的な立場に立つからこそ今度は地方制度調査会で直入をしなさいということを言ってきたんじゃないですか。 大体、総理大臣の諮問機関がこんなに何回も何回も答申して、いいかげんにちゃんとしてくれというようなそういう言い方まで書いていますね。一向に政府はやろうとしないけれども問題があるということまで書いているわけでしょう。大蔵省は少しその辺を反省してもらわないと、いわゆる大蔵の権限でもって地方財政を左右できるようなそういう考え方でやられたものなら我々はたまったものではない。自治大臣、そんなに大蔵大臣に弱いんですか。もう少し真剣にやってくださいよ。どうですか、その決意は。
○国務大臣(村田敬次郎君) 実はこの問題は本当に長くして極めて大切な問題でございます。私が自治省の財政局におりましたころ、あるいは秘書官をやっておりましたころからもうずっとある問題でございまして、山口委員の御指摘は本当によくわかる。私としては直入制度にぜひしてもらいたいと思います。 また、大蔵大臣と私とは個人的には極めて親しいわけでございますが、この問題は非常に平行線をたどっておるというところがございます。しかし、地方制度調査会の御意見にもあるように、また山口委員が非常に論理的に積み上げて指摘をしていただいたように、どうしても直入制度にすべきであるという私は強い信念を持っておりまして、これからも大蔵大臣また総理に対してもしっかりと御要望を申し上げたいと思っております。
○山口哲夫君 これは地方行政委員会全体の問題だと思います。こういうようなことが毎年続けられているなら本当に我々も覚悟しなきゃならないと思うんです。きのう総理大臣は私の再質問に対して結構いい答弁をしていましたよ。四千億の減額なんというのは決して好ましいことではないと思いますと、わかっておるわけでしょう。だから、そういうことをこれからもやらせないようにするためには、せっかく委員会で決議しているんですから、その実行のために少しは真剣に体を張ってやってもらいたいと思うんです。恐らく今までそんな満足な折衝していなかったんではないですか。そのことも聞きたかったんですけれども、大蔵省はそのことをいいことにしてそういう甘い考え方でいるんであれば、本当に交付税否決しますよ。真剣に考えていただきたいということを強く要望してこの問題を終わります。 次に、消防職員の問題です。 昭和六十三年の四月二十一日にこの委員会で、当時自治大臣でありました梶山さんに私質問したことがあります。当時、消防職員の四週六休問題、一体どういうことでやろうと思えばこれができるんですかと。三ない主義でやれやれと言ったってそれはできないじゃないですか。できるなら手品みたいなものだけれどもと言ったら、大臣が答弁に立ちまして、さっきから消防庁長官と山口委員の話を聞いていたら、おれも本当にどうやったらできるのかわからなくなっちゃったと。しかしまあ一回やらせてくれと。いろんなことを講じながらやってみて、できなければその時点で考える、こんな答弁をしたことを覚えております。 最近の全国消防長会でいろんな会議が持たれていますけれども、一々読む時間がありませんので読みませんが、この中で出席者の多くの方々から、週休二日制それから週四十時間、こういったことをやるためにはやはりどうしたって職員の数をふやしてもらわなければもう無理ですということを訴えているわけです。だから、梶山さんでないけれども、やってできなかったら考えると言っているんですから、これはやっぱり何らかの形で考えてもらわなければならない問題だろうと思うんですけれども、これに対してどういう対策を今消防庁として講じているのか、そこを簡単にひとつお聞かせください。
○政府委員(浅野大三郎君) いわゆる完全週休二日制ということでございますが、これはもちろん閉庁法なんかの法律的措置が講じられておりますが、いわば閣議決定で完全週休二日制をやろうということで始めているわけでございます。その中身は、閉庁して二日休む分と、それから交代制職員については四十時間勤務にする、その両方の面があるわけでございますが、あの閣議決定の中でやはりいわゆる三ない主義ということを決めておるわけでございます。 私どもとすればそれを前提にして、なかな分それは交代制職場は実際問題として大変だと思います、そういう三ない主義のもとでは。しかし、一方で週休二日というのは非常に大事だから、大変だけれどもとにかく週休二日ということを目指して頑張ってやっていってもらいたい、そういうようなことを私どもとしては申し上げてきたところでございます。
○山口哲夫君 労働基準法の改正に伴いまして、四十時間勤務体制に向けた職員数が措置されることによって週休二日制がやりやすくなるというふうに私は思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) 今回交付税法の改正案でもお願いしておりますけれども、従来から、労働基準法の改正がありまして労働時間の短縮が行われました場合には、その短縮に応じて所要職員数の算定も変えておるわけでございます。そういうことが行われるということは、これは結局それだけ職員に対する財源措置が多くなるということでございますから、結果としてそれは四十時間勤務がやりやすくなるということにつながっていくだろうと思います。
○山口哲夫君 私聞いているのは四十時間の勤務体制に向けた職員増。これは今度の単位費用でも考えているわけでしょう、財政計画の中でも。そういう四十時間勤務体制に向けた職員増が措置されることによって週休二日制がしやすくなると思うんだけれどもどうかということなんです。イエスかノーかです。
○政府委員(浅野大三郎君) 端的に言いますと、やりやすくなるということだと思います。
○山口哲夫君 そこでお聞きしますけれども、地財計画で二千九百八名の増員をした理由は何ですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 先ほどもちょっと申し上げたわけでございますが、従来から、労働基準法の改正がありまして、これはもう法律で一週間の最大労働時間はこれだけと決まるわけでございますから、そうすると、当然一週間の勤務時間はそれだけだということを前提として所要職員数を算定しなければいけない。 従来は四十四時間でございましたが、今出されております労働基準法の改正案によりますと四十時間勤務になるわけでございますから、そうすると四十時間勤務を前提として幾ら職員が要るかということを算定しなければならない。そうすると、今までよりもふえるわけでございますから、その増員分を計画的に措置する。その措置の一つとして今年度計上していただいたというふうに私どもは理解をしております。
○山口哲夫君 市町村の標準団体では何名増員になりますか。
○政府委員(浅野大三郎君) 三名増ということになろうかと思っております。
○山口哲夫君 そうすると、交付税の単位費用で消防吏員というのを前年より三名標準団体で増員したことによって週四十時間勤務体制というのは非常に実施しやすくなった、そういうふうに見ていいわけですね。
○政府委員(浅野大三郎君) それだけの財源措置がプラスされるわけでございますから、そういう意味でやりやすくなるということは言えると思います。
○山口哲夫君 消防職員の週四十時間の勤務体制というのは、これは一般職の職員、市長部局というんですか、それと一緒にあわせて実施するように通達を出していますね。それを後ほどお答えください。 それから、自治体の中には依然として三ない主義の通達を読みまして職員増に踏み切れないところが随分あるように見受けられるんですけれども、消防力の充実強化については、これは週四十時間勤務体制を実現するためには標準団体で消防吏員を三名増員すべきというふうに考えていいんでしょうね。消防力の充実強化については週四十時間体制を実現するために標準団体で三名の増員をする、そういうふうに考えていいですね。
○政府委員(浅野大三郎君) 順次お答えを申し上げますが、まず、いつ完全週休二日制を実施するかということでございますが、これは御質問の中でも触れていただきましたように、市町村の場合、当該市町村がいつやるかということはいろんな判断あると思いますが、少なくとも市町村長部局がやるんなら消防職員も同時に四十時間勤務には持っていってください、こういうことを私どもとしては申し上げております。 それから、いわゆる三ない主義でございますが、これは完全週休二日制をやるんだということを決めておる閣議決定においてはそういうことは言っておりますから私どもはそれを否定することはできないと思いますが、しかし労働基準法で四十時間ということが決まればとにかくその四十時間に持っていかなければいけないわけでございますから、そういう意味で、当然四十時間というものはそういう労働基準法の面からも今後やっていかなければいかぬ、そういうことも正しく理解されるように私はよく御指導といいますか知ってもらうように努力したいとは思っております。 それから、三名増員すべきかどうかという点でございますけれども、具体的に一体何人職員を置くかということは当該地方団体の判断の問題でございますから、そういう前提のもとで、ただ、財源措置としてこれだけのものはあるんだということはよくわかるように私どもも指導しなきゃいかぬだろうとは思っております。
○山口哲夫君 その財源措置が単位費用の中で見られるということは、自治体にとっては当然それは財政の面からいっても行政執行の面からいっても大きな意味を持っているわけですから、そういう点では今回標準団体で消防吏員三名がふえたということについては大変結構なことだと思うんです。今まで随分三ない主義でなかなか各自治体は職員の数をふやせないとかなんとか言っておりましたけれども、とにかく消防力を強化するという意味ではそういう自治体の悩みというものは随分解消されたというふうに私たちは判断をいたします。そのように判断してよろしいですね。
○政府委員(浅野大三郎君) 先ほどお答えしたことと似たような趣旨になるかと思いますけれども、とにかくそういうことで職員増の財源措置があるということですから、やりやすくなったということだと思います。
○山口哲夫君 ところが、各自治体によっては週休二日制を実現するために消防車とかはしご車とかそういう乗車配置人員を従来より減員させる自治体があるわけですね。これは消防力の基準を大きく下回る結果になりまして職員の安全性とか消火活動の面からも好ましくない現象ではないだろうかというように思うわけです。 週四十時間制というものがやっぱり先行しますから、これはどうしてもやらなきゃならない。そういった中で、なかなか人をふやせないといって自治体の当局が四苦八苦をして苦肉の策として消防車とかはしご車だとかそういうものの配置人員まで減らしてしまうというやり方は、これは消防力基準からいって安全性とか消火活動の面でやっぱり影響出てくるんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょう。決して好ましいことではないと思うんです。
○政府委員(浅野大三郎君) どの程度までどう考えるかということにかかわるところがかなり大きいような気もするわけでございます。と申しますのは、もともと完全週休二日制というものをやろうというふうに方針を決めたときには、あくまでもこれは予算も人もふやさないと。しかし四十時間に持っていこう、こういうことでございます。それはそれとして私は大方のやっぱり支持はあったとこれは見なきゃいかぬだろうと思います。それから政府の方針でもございます。 そうすると、その中で実際に消防を預かっている立場としてどう考えたらいいか。つまり、各機械に張りつけている人間を絶対に動かさないとすると、ある意味ではこれは四十時間の方に持っていけない。そうすると、いつまでも四十時間導入をおくらすのがいいのか。それとも、多少そこのところは程度問題でございますけれども、工夫をしながらとにかく四十時間勤務にできるだけ早く持っていくという態度をとった方がいいのか。そこのところもございましたものですからなかなか苦しい選択はあるわけでございますけれども、私どもとしてはやっぱり姿勢としてはとにかく市町村長部局におくれないように四十時間に持っていく、週休二日に持っていくという姿勢の方がいいんじゃないかと、程度問題はありますがそういうふうに考えてきたところでございます。
○山口哲夫君 せっかく財政措置で標準団体で三名なら三名を消防力強化のためにということで今度はふやしているわけですね。それもやらないでおいて、そして消防力の基準を下回るような職員数をやっておいて、それでおいてはしご車とかそういうものの乗車人員を減らすというやり方はちょっとおかしいですね。
○政府委員(浅野大三郎君) 労働基準法の改正をにらんだ増員措置というものは今回初めて出たわけでございますが、完全週休二日制の方針が出ましたのはもう一昨年になろうかと思います。ですから、今まではとにかく人をふやさないという前提でいろいろ工夫しようということでやってきたと思います。 それから、ことしはこういう形で労働基準法の改正も一方で審議をいただいておる。それから増員措置もやっているところですから、そういうものを前提としてこれからはいろいろとまた考えていくようになるんじゃないかというふうに思っております。
○山口哲夫君 ちょっと答弁ずれていると思うんです。 例えば大火災が発生した場合に全車一斉に出動しますね。そういう場合に乗りかえを採用するわけです。職員を減らしているために、はしご車なんか五名を乗せなきゃならないのに極端に言えば二人とか三人になるということだってあるわけです。だから、消防力強化のための定数を全然ふやさないでおいてこういうことをやったのでは、これは非常にはしご車なんという場合には操作も不十分になるでしょうし職員にも危険性が及ぶと思うんですね。だから、そういうやり方というのは決して好ましいことではないんでないかと思うんですけれども、消防力の基準から見てどう思いますか。
○政府委員(浅野大三郎君) 私ども基本的な考え方として消防力の基準をお示ししているわけでございますから、消防力の基準にのっとって消防力を充実していただきたいともちろん思っております。 さっきもちょっと申し上げましたように、とにかく完全週休二日、四十時間というものをできるだけ早くやろうという要請もそれはそれとしてあるんだろうと思います。いろんなポンプ自動車、はしご車含めてでございますが、実際にどの程度の台数を置いてどの程度の人員を配置するかというのはいろいろやっぱり判断を要することもあると思いまして、出動頻度が低いようなものにつきまして配置をどうするかということは、これは程度問題の中で許容される面もあるかとは思います。 ただ、先ほど言いましたように、私どもは基準を示しているわけでございますから基準にのっとってやっていくのが一番望ましい。それはそういうふうにもともと思っておるところでございます。
○山口哲夫君 程度問題にも程度がある。余り極端なことをやったんじゃ乗っている人たちの生命にも影響するので私は決して好ましくないだろうと思う。やっぱり消防力基準というのものはせっかく単位費用でもって見られているわけですからね。消防が一番悪いんですね、調べてみますと。単位費用で決められたやつの半分も使ってないなんて、そういうところもあるわけでしょう。だから、そういうことをやっておきながら今申し上げたような現象があちこちに出てくるということになると、これはやっぱり市民の生命、財産さえ守られないということにもなりかねないし、せっかく一生懸命に命をかけて働いている消防職員の生命にも影響しできますので、やっぱりそこはきちっと財政措置をするべきであろうというふうに考えます。 最後に、福井県の武生市で、高速道路で救急活動をやっている人のところにトラックが突っ込んできて死亡するという大変痛ましい事件が発生いたしました。近く私も現地調査に出るつもりでおります。それは原因の徹底究明と対策を目的とする現地調査をするんですけれども、この事故の概要と、どこに問題点があったのか。それから今後どういう対策を考えているのか。これは警察と消防と両方に問題があると思いますから、両方からごく簡単に説明してください。
○政府委員(関根謙一君) お尋ねの事故の概要でございます。 ことしの三月二十四日午後一時三十分ごろ、福井県南条郡南条町牧谷地内の北陸自動車道の下り線におきまして、まず普通乗用車が中央分離帯に衝突して走行車線に停止するという単独事故が発生いたしました。当日は雨天でございまして、最初ここに救急車が到着いたしました。それから三分ほどおくれてパトカーが現場に到着したということでございます。この単独事故の負傷者は軽傷でございましたが、パトカーが到着しまして、走行車線をふさいでいるものですから、その交通を規制しつつ救急車及び負傷者を移動させ、自動車を走行車線から動かすというための措置を講ずべく手当てをしたところでございます。 当日雨でございまして、交通事故が発生しているところから、八十キロの道路でございますが速度規制を五十キロといたしました。そうしましたところ、その五十キロ規制に従って走行車線を進んでいた五、六台の自動車をアイスクリームを十トンほど積んだ大型貨物自動車が左側から追い越そうとして左車線に出たわけでございます。速度は五十キロ規制のところを百キロぐらい出ていたとのことでございますが、そうしましたところ、パトカーと発煙筒に気づいて急ハンドルを切り、その結果左側ガードレールに接触し、そのはずみで蛇行して、停止したパトカーに衝突してこれを押し出し、さらに中央分離帯に衝突して横転したということでございます。これによりまして、警察官一名が右下腿骨を骨折、それから救急隊員がこの車の下敷きになって殉職をされたということでございます。 私ども、事故の際には、救急隊の方、事故を起こした当事者、それから現場にある事故処理のための警察官、場合によっては公団の方が道路整備のためにやってくることがございます。一件の交通事故でいろいろな関係者が高速道路上に出てまいりますので、その人たちの作業の安全を確保するということを第一として、いろいろマニュアルをつくりまして関係者間で実際に訓練等を行ったりして、そのマニュアルに従って行動するように習慣づけるように努力をしているところでございます。 今回の事故はまことにいろいろ不幸なことが幾つかあったわけでございますが、いずれにしましてもこういうことが二度と起こることのないように、当該のこの事故に関しましては四月の十四日に警察と公団とそれから南越消防組合の三機関による事故防止対策会議というものを開きまして、当該区域における事故防止のための措置をいろいろ検討し、お互いにこういうことが二度と起こることのないようにという努力をしているところでございます。 一般論といたしまして、この種の年間高速道路上の事故は年間一万件弱ございます。その都度こういう危険性はあるわけでございますので、私どもといたしましては関係機関等とさらに緊密な連絡をとりながら、こういう事故を、二次的な事故でございますので、これを防ぐべく今後とも努力を続けたい、このように考えております。
○政府委員(浅野大三郎君) 簡潔に申し上げます。 まず、非常に安全確保が大事でございますからマニュアルはつくっております。それから、この事故について聞きましたところ、危ないから救急車というのは事故のあった車よりも前にとめていろいろやるんだ、こういうことであります。それはちゃんとやっていたようでございます。いろいろ三角板とか発煙筒の準備とかもやっていたようでございますが、今回のケースは、後でパトカーがお見えになりまして、パトカーの方へ打ち合わせに行っているときにたまたま速度オーバーのが入ってきた、こういうようなことでございます。 私どもとしては、今後この事故について十分分析いたしますとともに、機会があることに各消防本部に安全管理の徹底をよく指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
○山口哲夫君 いろいろな規制の面でちょっとやっぱり足らざる点があるんでないかという感じもしないわけではありません。いずれ近く実態調査をした中で問題点があれば、また警察、消防とも十分ひとつ協議をしていきたいというふうに考えます。消防関係、以上で終わります。 次に、保育所の関係ですけれども、三歳未満児と三歳以上児の交付税における給食単価が違いますね。これはどういう理由ですか。
○説明員(宮島彰君) 保育所におきますところの保育につきましては、基本的には家庭と保育所が一体となって乳幼児を保育するということが本来の趣旨というそういう考え方から、保護者に余り負担のかからない主食を持参していただき、副食については入所児童全員について栄養面を考慮した給食を行うという形をとっているところでございます。 しかしながら、三歳未満児につきましては、保護者の就労の形態等によりまして、手づくりの弁当を持参させることが負担となる場合があるとか、あるいは低年齢児の離乳食などは弁当としてつくることが難しいということなどもございますので、三歳未満の児童については主食についても持参してもらうことなくすべて保育所において給食を提供しているということにしておるところでございます。 なお、単価の改善につきましては毎年所要の引き上げを行っているところでございまして、今後とも改善に努力してまいりたいというふうに考えております。
○山口哲夫君 例えば三歳児と二歳児では食べるもの違うわけじゃないでしょう。御飯を食べているわけでしょう。それがどうしてそこで分けられなきゃならないのか。二歳児は非常につくるものが難しいからこれは保育所でつくるんで、三歳児は普通の御飯を炊いてくればいいんだから、こういうことにはならないと思うんですね。せっかく厨房があるわけでしょう、保育所に。そこで主食を全部一緒につくったらどうですか。お母さん方は子供の主食をつくるだけに御飯を次かなきゃならない。こんな面倒くさいことをしなくたって、ここをわざわざ分けなくたって、私はやっぱり一緒にするべきだと思うんです。正直な話を聞かせてほしいんですけれども、これは財政的な問題からそんなことをしたんじゃないんですか。
○説明員(宮島彰君) 今、先生御指摘のこの給食の問題は前々から先生の御指摘のような議論があるわけでございますが、今私が申し上げましたのは現在私どもがとっておる考え方に基づいての説明を行ったわけでございます。 ただ、現在保育制度全般につきましては、保育問題検討会というのを設けまして非常に幅広くいろんな議論をそこで行っていただいているところでございます。したがいまして、この給食のあり方につきましても、先生御指摘のような議論もございますので、そこにおいてそういった議論の対象として議論していただくということも考えているところでございます。
○山口哲夫君 その検討会がせっかくあるんですから、非常に細かい問題かもしれないけれども、一緒にぜひ論議してください。議題にしてみようというお話をお伺いしたんで、またその後にその結果についてお聞きしたいと思います。 ところで、今年度の予算を編成するときに、厚生省は公立保育所の人件費をいわゆる自治体に転嫁しようということで、約一千百億円くらいだったでしょうか、大変な問題になりまして、随分反対運動も起きました。割に厚生省は簡単に撤回をしたんですけれども、一体なぜそういう考え方を持たれたのか、改めてその理由。それから、自治省はこれに対しては反対の立場をとっていたはずです。自治省の反対の理由。両方からお伺いしたいと思います。
○説明員(宮島彰君) 保育対策につきましては、御案内のように、女性の就労が非常にふえておりまして、女性の就労と子育ての両立を支援する施策として非常に重要性が増してきておるわけでございます。このため、厚生省におきましても各種のいろんなニーズに対応できるような特別保育対策等を推進してきておるわけでございますが、なおそれに加えまして、各方面から保育料の軽減の問題でありますとかあるいは入所児童の処遇水準の向上など非常に広範多岐にわたる要望があるわけでございます。 このため、保育ニーズの多様化等社会のいろんな変化に対応した保育制度の改善を行っていこうということで厚生省も従来から取り組んでおるところでありますが、その過程において先生御指摘の問題も昨年末ちょっと起きたわけでございますけれども、現在、先ほども申しました保育問題検討会に各界から関係者に御参加いただきまして、今後におきますところの保育ニーズに対応できるような制度あるいは費用負担のあり方全体につきまして幅広く御議論をお願いしているところでございます。 したがいまして、今後この検討会の御議論を踏まえながら具体的な改善方策を考えていきたいというふうに思っておるところでございます。
○政府委員(湯浅利夫君) 昨年の暮れの予算編成時におきまして、保育所の措置費に潤しまして御論議がありました。 先生からの御指摘もございましたわけでございますが、私どもは当時からこの問題につきましては、現在の福祉制度の中で措置費という制度があるわけでございますが、この措置費というものを考えた場合に、公立の保育所で行う保育と私立の保育所で行う保育との間に措置の内容が違うのかどうかという問題が一番の費用負担の問題として出てくるんじゃないかと。措置をする内容というものが仮に公立も私立も同じだとするならば、国から出る措置費というものはやはり同じでなけりゃおかしいんじゃないか。それでなければ納得が得られないんじゃないか。こういう考え方で、私どもとしてはこの問題についてはもう少しやはり拙速をせずに検討をする必要があるんじゃないかということで昨年は見送っていただいたわけでございます。 ただ、保育所そのものの問題につきましては、これは先生御指摘のようにもういろんな問題点が今ございます。ですから、その問題点をやはり一つ一つ検討して一つの方向づけをするということはやはりこれからも必要ではないかと思いますので、先ほど来お話しの厚生省におきます検討会には私どもの市町村の代表の方々も参加していただいて、ここでよく議論をしていただこうというふうには考えているところでございます。
○山口哲夫君 保育検討会で検討されるのは結構なんですけれども、今局長、自治省出身の方も入っているというお話がありましたが、自治省出身だけでなくして、大蔵省出身、厚生省出身、自治省出身、三人いずれも兄事務次官。私はこういう諮問機関にお役人の経験ある人が入るというのは決して好ましいことでないと思います。 今まで非常に問題になったことがありますね。地方に対する権限移譲のことで、審議会の中に計算したら役人の人が半分以上入っていた。そんな中で権限移譲なんかできるはずないですね。みんな権限を移譲するどころか、なるべく守ろうと思って各省庁代表で出ているわけですから。表の名前は全部民間団体だけれども調べてみたら全部元どこどこの事務次官どこどこの事務次官。十数人も入っていてびっくりしたことがあるんです。 たしか総理は、これに対しては今後余り入れない、入れても二人くらいだという話をどこかでされたことを聞いたことがありますけれども、今回三人入っています。今やめさせるということにならないでしょうから、我々の要望を前向きの方向で十分ひとつとらえて、こういった中で専門的に発言していただけるように私は特に要請をしておきたいと思います。ぜひそういう点で自治省出身の元次官の方にも委員会の中でこういう議論があったということをよくお話をしておいていただければありがたいと思います。 それで、この人件費の地方転嫁について当時私も反対の立場で厚生省の局長とお会いしたんですけれども、そのときに、局長は今の保母さんの数ではやっぱり足りないですしねと、そういうことについてもやっぱり考えなきゃならないし保母さんをふやすためにも地方転嫁をしていかなきゃならないんだなんという話をされまして、ちょっと考え方はわかるけれども実際には逆な方向をたどるんでないかと心配したことがあるんですが、確かに厚生省としては保母基準というものをやっぱりこれから考えていかなきゃならないという考え方はあるようですね。例えば障害児保育だとか乳児保育だとか延長保育だとかいろいろある。 ただ、そういうことはそういうことでこれはやらなきゃならないけれども、いわゆる一般的な保母基準、これは非常に低いですね。例えばゼロ歳児は一人の保母さんで三人見るというんですね。これはなかなか容易でないといいます、現場では。一歳児は六人見るというんですね。二歳児もそうだし、三歳児は二十人を一人で見なきゃならない。四歳児、五歳児に至っては一人で三十人を見る。これは小学生くらい大きくなって判断つく人ならいいんですけれども、そういう乳児だとか一歳、二歳児の本当にちょっと目を離したら大変だというそういう子供をこういう基準で果たしていいんでしょうかね。 私は実際の経験の中で非常にこれは危険だと。そして、保母さん方もとても神経がすり減るし、万が一事故が起きたときには全部保母に責任かかってくるし、そういうことからいくとふやしてもらわなければ安心して保育できない。私もそう思いまして結構ふやしましたですよ。おかげさんで十二年間一つも事故なく保母さんの職業病と言われる腰痛もなくて済んでやれやれと思ったことがありましたけれども、ちょっとこの厚生省基準というのは低過ぎませんか。どうでしょう。
○説明員(宮島彰君) 保育所におきますところの保母の配置基準につきましては、専門家の方々のいろんな御意見を参考にいたしまして設定しておるわけでございます。しかし、一方、保育需要の多様化、増大というものに対応するために、職員の勤務条件の改善等もございますので、予算上所要の措置を順次講じてきているというところでございます。 したがいまして、現在は配置基準というものを基本といたしまして先ほどのいろんな予算措置を絡ませながら対応を行っているという状況でございますが、なお先生御指摘のように保母の増員というような問題も強く要望としても出てきておるわけではございますので、そういった問題も含めまして先ほどの検討会において十分な御議論をいただき、その結論を踏まえて対応していきたいというふうに思っております。
○山口哲夫君 これは最低基準ですか。
○説明員(宮島彰君) 配置基準は最低基準でございます。
○山口哲夫君 自治体の中ではそういうふうに考えていないんですね。これは最低基準というふうに考えていないんです。最高基準だと思っているんですよ、大部分が。もう少しPRされた方がいいんじゃないんでしょうかね。
○説明員(宮島彰君) その趣旨は十分通知等で徹底していると思いますが、なお努力していきたいというふうに思います。
○山口哲夫君 ぜひ努力してください。今、これから保育行政というのは非常に私は重要な行政だと思っていますので、期待しています。ぜひひとつPRしていただきたいと思います。 それから、保母さんを臨時職員で採用しているところが随分あるんですけれども、これは地公法の二十二条の違反にならないでしょうか。
○説明員(宮島彰君) 一応先ほど申しました配置基準に基づきまして配置をお願いしているところでございますが、その関連において問題等があれば適宜監査等も行って指摘をし、必要な改善をお願いしているところでございます。以上のような対応をしております。
○政府委員(紀内隆宏君) 急な御質問でございますけれども、二十二条の職であるかどうかということは具体的なその職の内容によって判断されるということになろうかと思います。
○山口哲夫君 保母さんというのは短時間だけ働くんじゃないんです。朝から晩まで、決められた八時間なら八時間働くわけです。一週間のうち週休二日制になっても五日間はやっているわけでしょう。そういうきちっとした一般の職員と同じような仕事をやっているんですから、二十二条の二の臨時的な任用とは全然違うんです。これはどう議論してみたところで違法ですよ。
○政府委員(紀内隆宏君) 具体的な任用の態様が私は今どのようなことを頭に置いておっしゃっているかちょっとよくわかりませんけれども、その具体的な態様によって異なることになろうかと思います。
○山口哲夫君 態様によってと言ったって、午前中だけで帰る保母さんいないですからね。 では仮定として、いわゆる普通の保育所で八時間なら八時間、月曜日から金曜まで保育業務に従事している保母、これが臨時職員という場合には二十二条に抵触しませんか。
○政府委員(紀内隆宏君) 二十二条の臨時的任用につきましては、おっしゃるような長い時間勤務しかつ一週間のうちで相当の時間を勤務するということがございましても、ある期間勤務して、そこでその職から一遍退きまして改めて任用されるというふうに、任用の期間が継続しない場合にはやはり臨時的任用たることを失わない、こういうことであろうかと思います。
○山口哲夫君 一月から十二月まで一年間通して働いている。翌年も一月からまた十二月まで間違いなく働く。そういう場合だったらこれはどうですか。
○政府委員(紀内隆宏君) 間で中断していない場合には臨時的任用には当たらないということになろうかと思います。 やや不勉強なところがございまして申しわけございませんけれども、臨時的任用でないというためには、単に一日のうちの一定の時間、八時間以上勤務し、かつ一月のうちでどれだけ勤務をしというふうな条件のほかに、継続して任用されることが必要でございます。そこを満たすか満たさないかによって異なるということでございます。
○山口哲夫君 これに時間かけていられないんで余りひねくった答弁されると困るんです。 厚生省にお聞きします。 熊本県の鹿本町、ここで民間委託が発端で大変な争議が起きています。それで、保護者会は、平成三年の十二月に町有権者の六千人のうち四千百人の反対署名を集めて、町長、町議会に提出して保育所の統廃合あるいは民間委託反対を訴えている。こういうことが新聞記事に載っています。保護者側は町は財政面の論議だけをして将来の鹿本町を担う幼児教育への理解が非常に薄いということで言われているんです。恐らく御存じだと思うんですけれども、ここでも保母基準が守られていないんですね。さっき最低基準だと言われたそれさえ守られていない。 それで、今問題になっている臨時職員も非常に多い。余りそういう状態は保育行政上好ましくないと思いますけれども、いかがですか。
○説明員(宮島彰君) 熊本県からの報告を見ましても、臨時職員の関係につきましては県の指導監査においても指摘し、それに対する対応を町当局に今指導しているというふうに聞いております。
○委員長(佐藤三吾君) ちょっと声が小さくて聞こえない。
○説明員(宮島彰君) 熊本県からの報告によりますと、この鹿本町におきますところの今先生御指摘の臨時職員の件につきましては、県の指導監査においても指摘して、今その改善を指導しているというふうに聞いております。
○山口哲夫君 ということは問題があるということですね。そうですね。
○説明員(宮島彰君) はい。
○山口哲夫君 それで、民間委託が発端だというんですけれども、厚生省は保育所の民間委託を指導しているんですか。
○説明員(宮島彰君) 特に指導しておりません。
○山口哲夫君 決して好ましいことではないと思いますので、もちろんこれからも指導はしないでしょうけれども、これについても私たちは実態調査をそれなりにしておりますので、今後問題点があればまた厚生省とも十分協議をしていきたいというふうに思います。 いずれにいたしましても、今出生率が非常に低下しておりまして大問題になっております。私も国民生活調査会に所属していたときにその出生率の問題の論議に参加した一人ですけれども、その中で、やはりお母さん方がきちっと子供を育てていくためにはそういう保育施設というものが充実されていなければならないということもたしか報告の中に出ておりました。そういう点から申しますと、この保育行政というのは非常に私は重要なところだと思っております。 したがいまして、今まで出されたような問題については、ぜひひとつ検討委員会の中に具体的に提起をして十分御論議をして、単に人件費を地方に転嫁するなんていうことではなくして、もっとやはり根本的に保育行政というものをどう高めていくかということを真剣に御論議いただきたいし、交付税の中でもぜひひとつ考えていただきたいのは、厚生省自身も私は問題があると思うんです、さっき言った三歳未満児と三歳以上児の給食単価をあえて変えるなんてね。 何年か前に、私担当の方に直接聞いたら、正直言いますとやっぱり財政的に大変ですと、こういう話なんです。あのときは、なるべく親の愛情を考えたら親が弁当をつくった方がいいんだと。そうしたら、三歳未満児は保育所で主食をつくるし三歳以上児はお母さんが弁当つくるから、三歳以上児の方が親の愛情が濃いんですねと言ったら変な顔をしていましたけれどもね。そんなことを財政的な面で私は何も差をつけなくたっていいと思うんですよ。恐らく二百億くらいじゃないですか、厚生省の予算として組まなきゃならないものは。そういうことを考えたら、そういう差別はやっぱりやめてきちんとやってもらいたいというように思います。 臨時職員の問題は中途半端になりましたけれども、局長が何と答弁しようが、一日八時間働いて、一カ月働いて、一年間働いて、そしてそれがまた継続してずっと同じような業務につく以上は、それに臨時職員を使うというのはもう全然話になりませんし違法でございますので、そういう点は十分ひとつ注意しておいていただきたいと思います。
○政府委員(紀内隆宏君) 先ほどお示しになりました例の八時間働いて、週に四十時間働いてというふうな形態をとる場合には、六カ月を超えない範囲で任用し、かつもう一遍更新をすることができるということになっておりますので、それを超えてのこの条文による任用ということはできない、こういうことに相なります。
○山口哲夫君 六カ月更新なんて普通保育所の採用のときにやりますか。そんなこと考えられないでしょう。採用した以上は、その保母さんがちゃんとやってくれたらずっと何年間も継続して使うでしょう。それを六カ月で切って、そしてあと一カ月なら一カ月、一年間の中でも十一カ月働かせて、あとの一カ月だけは別な人を入れて、そしてまた継続して使えば臨時でもいいんだなんていうのは、それはもう脱法行為と言うんで、この議論は別に改めて臨時職員だけの問題に絞ってやった方がいいと思いますので、この辺でやめます。 次に、国と地方自治体との関係について、もう時間がなくなっておりますので簡単に聞きます。 二月十八日の当委員会における村田自治大臣の所信表明の中で気になることがあります。四ページに、 地方公共団体における行政改革につきましては、地方行革大綱に沿って、自主的、総合的な取り組みがなされてきているところでありますが、今後さらに事務事業の見直し、組織、機構の簡素合理化、給与、定員管理の適性化等が積極的、計画的に推進されるよう強力に指導してまいりたいと考えております。 強力に指導する、そんな権限どこにあるんでしょうか。
○政府委員(紀内隆宏君) 社会経済情勢の変化に伴いまして、いろいろと住民の行政需要というものも変わってまいります。そうすると、いろいろな新しい行政需要に的確に対応していかなきゃいけない。しかし、一方では、住民負担には一定の限界があるという中ではどうしても事務事業の見直しとかあるいは効率的な執行体制の整備とかというふうないわゆる行革ということが必要になってまいります。 もとより、地方公共団体が行う行政改革は当然地方公共団体が自主的に行わなければならないものでございます。そこで、私どもはその指針としてかつて地方行革大綱というものを策定して、自主的、総合的に行政改革を推進するよう要請してきたところでございます。今日におきましても依然として地方公共団体は行革に取り組んでいく必要があるわけでございまして、所信の中で自治省といたしましてもこのような課題に積極的に取り組んでいくという決意を述べたものでございます。 なお、このような地方公共団体への要請は、地方自治法の二百四十五条第一項の助言、勧告、あるいは地方公務員法五十九条に基づく技術的助言ということで行っているものでございます。
○山口哲夫君 二百四十五条に基づいて、そういう行革大綱を出して、通達を出して強力に指導をするというんですね。これは重大な権限の逸脱だというふうに私は見ております。 今、局長が言ったように、二百四十五条というのは、自治大臣は「普通地方公共団体に対し、適切と認める技術的な助言又は勧告をすることができる。」というふうに言っているんですね。それで、法の解釈を読んでみますと、その手段としての助言、勧告も技術的なものに限られるんだ。本条の規定する助言、勧告は、むしろ国の行政機関のサービス、情報提供にすぎないと見ることができるんだ。それから、本条の助言、勧告は、内容的にも、地方自治の保障、地方公共団体の自主的運営を侵すものであってはならないということ。それから、本条の助言、勧告は、手続的には原則として地方公共団体及びその執行機関の監査に基づく助言、勧告の要請または承認のあった場合に限って行われることが望ましいんだと。 二百四十五条の解釈はどんな学者の解釈を見ても、国が地方自治体に対して、この行政をああしなさいこうしなさい、職員の数を減らしなさい、民間委託しなさい、給与は国家公務員並みであってそれ以上上げてはいけません、一〇%以上高ければ財政的なペナルティーをかけますと、今まで一連のやってきたことは二百四十五条違反ですよ。こんな指導権なんというのはどこにもないです。きのう本会議で言ったように、それを中曽根さんが完全に昔の内務官僚の考え方と同じように監督権まであると思っていたと。 私は、そういう考え方がいまだに自治省のお役人の中にあるんじゃないかと思うんです。どなたが書いた文章か知りませんけれども、今まで余りこういうのを見たことないですね。指導という言葉は出てきたけれども、「強力に指導してまいりたい」、こんなのまるであれじゃないですか、自治省は権力を持って自治体を指導するんだというようにとられかねないですよ。こういう行政改革に対する通達文書というのは今後やっぱり出すべきでないと思うんです。そういう介入はするべきでない。大臣、どう考えますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 山口委員が市長さんとしての貴重な体験から、今言われた指導するという言葉が非常に感覚的に響かれたというのは私はよくわかります。 ですから、これについては紀内行政局長が申し上げたような意味でありまして、指導という言葉が適切でないということであれば私はその点はよく理解できます。実質上は、地方公共団体の自主的な取り組みに私どもが相談に乗るということでございますので、そういう意味でおとりをいただきたいと思います。
○山口哲夫君 これは、元自治大学の校長先生、自治省の幹部をやられて自治大学の校長さんをやった鹿児島さんの論文です。ちょっと古い論文かと思いますけれども、しかし監督権とかそういうことが改正された後の大変な論文です。「過剰な行政指導が行われている原因には二つのものがある。」。政府が自治体に対して過剰な行政指導を行われている理由には二つある。「一つは国の各省庁が地方公共団体を十分信頼せず、地方自治行政に国の意向を強く反映させようとするからであり、地方公共団体の自主性、ひいては地方自治に対する配慮が乏しい」。これが第一の理由だと。これは国が結局は自治体を本当に自分たちの考えどおりにさせようという考え方から出ているものです。 もう一つは、地方自治体にも問題がある。何でも国の意向をそんたくして安易に国の方針に依存しようとする傾向もある。これは確かに反省しなきゃならない面です。何でも国がこう言うから国がこう言うからと。町村長の中には随分そういう人も、もう少なくなったと思うんですけれども昔はよくあったですね。だから、そういう点は自治体も反省しなきゃならないけれども、少なくとも自治法をきちっと執行して本当に民主的な自治体をつくっていこうとするならば、そういう指導権というものは昭和二十七年の大改正によってなくなったわけですから、やっぱりもっとその衝に当たっている自治省自体が今後やっぱり十分そういう精神にのっとって行政をやってもらいたい。 そして、特に各省庁なんかに至ってはもっとひどいですね。まるで自分の懐からポケットマネーやるような考え方で補助金くれるようなそういう態度の人だっていないとは言えないですから、そういうことは大変な誤りだと思うので、ぜひひとつ大臣の力で今後十分この精神を体して行政をやっていただくように強く要請しますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) まさにおっしゃる点はよくわかります。自治省というのは、昭和二十年以来は地方自治の府でありまして、今私が入っておる自治大臣室はかつては内務大臣が入っておられるところでありました。内務大臣というときはまさに中央集権の府であったと思います。しかし、戦後の地方自治制度は、山口委員がおっしゃるとおりに、地方行政、地方自治、地方分権の府でありますから、地方公共団体の長の主体性を大いに尊重して、実質上は民主的な御相談に乗るという態度であるべきであると私は常々思っておりました。 御指摘のとおりでございますので、山口委員の意を体して、今後は、地方公共団体とよく協議をしながら、そして地方自治を前向きの方向に推進するということで行動してまいりたいと思います。
○山口哲夫君 期待しておりますので、ぜひひとつそういうことでやっていただきたいと思います。 最後に、権限移譲の問題について質問をいたします。 昭和六十三年五月十八日付、地方制度調査会が竹下内閣総理大臣に対して出された「地方公共団体への国の権限移譲等についての答申」という問題があります。私は三月十九日の予算委員会でこれを取り上げまして、とにかく五年間も放置しているというのは一体どういうことですか、全然やろうとしていないじゃないですか、各大臣が次の一般質問までにぜひひとつきちっとした方針を出してください、お役所の方に指示してもらいたい、こういうことを言ったんです。残念ながら、予算委員会の一般質問なくなったので、できませんでした。地方行政委員会に場を移すしかなかったんですけれども、そんなようなことで十六項目あるんですが、とても時間がありませんので三つ四つに絞って、まず水道問題でいきます。 答申では、「市町村営事業及び地方公共団体以外の者が経営する事業の認可その他の監督に関する事務を厚生大臣から都道府県に移譲する。」とあります。厚生省がこれに対してやったことは何かといえば、昭和五十三年には給水人口五万人以下の水道事業及び一日最大給水量二万五千立米以下の水道用水給水事業については認可権限を既に移譲している。これだけやっているわけですね。どうしてこれは答申全体をそのまま実行できないんでしょうか。
○説明員(浜田康敬君) お答えいたします。 水道法に基づきます水道事業の認可と申しますのは、御案内のとおり、当該水道事業の事業計画が確実かつ合理的であるかどうか、あるいは水源の種別や取水地点の妥当性、取水の確実さなどにつきまして、さらには浄水施設等の水道施設の技術的合理性等について審査を行うために設けられている規定でございます。 先生今御指摘になりましたように、厚生省におきましては第十次の地方制度調査会の答申を踏まえまして権限移譲を大幅に行ったわけでございまして、その結果、現在厚生大臣の認可の対象になります事業は四百十七事業体、全体の三・三%という状況になっているところでございます。 こうした基準になりました例えば水道事業におきまして給水人口を五万人ということにしましたのは、私どもの統計によりますと、この五万人を超える水道事業につきましては、表流水を利用している場合が多く、その場合には、多量の取水をするということから複数県にまたがります水系におきまして開発されております水源に依存するということから広域的な観点からの判断が必要になるという点、あるいはこうした大規模な事業になりますと、表流水を処理するために急速ろ過施設さらには高度な浄水処理施設といったようなものを導入することが多くなるわけでございまして、高度な技術的審査体制が必要になるというふうな観点から、厚生大臣の認可として五万人以上について対象としているわけでございます。 これ以上の権限移譲というのは、一般的に対象規模を上げるという観点からは困難であろうかというふうに考えているところでございますけれども、御指摘の六十三年の第二十一次地方制度調査会の答申も踏まえまして、平成二年の十二月でございますが、今申し上げましたような厚生大臣の判断を特に必要としないと思われます軽微な取水地点の変更あるいは浄水方法の変更など工事費総額が一億円以下のものにつきまして、従来はこれは五千万円以下でございましたけれども、そうした認可につきましては給水人口のいかんによらず都道府県に移譲することとしたところでございます。
○山口哲夫君 どうしても納得できないんです。給水人口五万人以下は知事に権限移譲してもいいけれども六万人ならだめだと。これは余り変わらないんですよ。 今お答えになった中で取水の問題が出てきていましたけれども、これはたしか河川法の許可というのが必要だと思うんです。しかし、こういう取水の許可というのは知事が建設省と協議すればできることであって、一々そのために厚生省の許可を得なければこういった給水の拡張もできないなんということには私はならないと思うんです。 それから、今非常に水処理に高度な技術を要すると言うんですけれども、最近市町村単独で取水するというのは非常に少なくなったんですね、上水なんかは。県なんかが中心となりまして大規模な取水、浄水をきちっとやって、そうしてそれを市町村に売っているわけです。しかし、実際にはそこでは人口の拡大によって拡張工事をやるわけでしょう。そうすると、五万人以上であれば一々厚生省の許可を得なければならないということになるわけですね。私は余り理由にならないと思うんです。これはいっそのこと全部知事にやっても私は何にも支障は出てこないと思うんです。全然検討する余地はないですか、せっかくこれは専門家の人たちが集まってこれだけの答申をしているんですから。
○説明員(浜田康敬君) 今、先生御指摘になりました水利権という観点での問題はおっしゃるようなことでありますけれども、私が申し上げようといたしましたのは、そもそも、水道用水を確保するための水源開発という事業を行うに当たりまして、大規模な河川につきましては国あるいは水資源開発公団が水資源開発を行うということになっておりますので、そうした水系の中で水道事業相互にどういうふうな調整を図るかといったような点は都道府県という単位ではなかなか難しい面があるのではないかという趣旨で申し上げたわけでございます。 また、浄水処理の問題につきましても、確かに御指摘のとおり水道用水供給事業から水を受ける事業がふえておりますが、やはり依然として自前の水源で確保しながら浄水処理をし供給を確保しているという事業があるわけでございますので、現時点で直ちにということはなかなか困難な点があろうかというふうに思っております。 ただ、先ほど申し上げましたように、六十三年の答申を踏まえましてさらに検討して移譲の範囲を拡大したところでもございますので、今後ともその可能性について検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○山口哲夫君 水道に関する技術的な面は各自治体だってすごく高まってきています。そういう中で、五万人以下とか二万五千立米だとか一定の基準を置いて、それ以上の権限はだめだ、あくまでも厚生大臣の認可だというやり方というのは、これは説得力ないですね。五万ならよくて六万ならだめだということにならないんで、もう少し自治体を信頼してほしいと思うんです。もっとも、権限移譲するとあなた方の仕事がなくなって困るんでしょうけれども、そういう問題ではないと思うんです。少なくともちゃんとした諮問機関が答申しているんですからね。それを全然やろうとしないで、自治体にとってはどうでもいいところだけは渡しておいて肝心なところは渡さないというこういう皆さん方のやり方には私は納得できません。そういう問題を提起し、これから真剣に論議をしていただきたいということを強く要請しておきたいと思います。 次は、下水道の問題です。水道問題は交付税に関係する問題でいろいろとやってもらいたいことがあるんですけれども、時間があれば後ほどやらせてもらうことにして、まず権限移譲だけに絞ってやります。 下水道の答申は、「市町村の下水道事業の事業計画の認可その他の監督に関する事務を建設大臣から都道府県に移譲する。」、こういうふうなものであります。これに対して、下水道事業計画について主要な管渠の配置等の変更に係る許可権限を都道府県知事に移譲したと。これは平成三年の六月。これは私おかしいと思うんですけれども、下水道計画をきちっとつくってやって、その主要な管渠だけを計画変更するということはほとんどないんじゃないでしょうか。一回つくった主要管渠をどこかに移さなきゃならないというのはよほどの大改造をやるときでなかっならないんであって、何でこんなものだけ渡したのか。こんなものをもらったって自治体ではどうしようも、ないです。私たちが言うのは、下水道の事業計画そのものの認可というものをやっぱりもう知事に与えるべきではないのかと思うんですけれども、どうして与えられないんでしょうか。
○説明員(亀本和彦君) お答えいたします。 市町村の公共下水道の事業認可につきましては、従来より極力都道府県知事への委任を行って市町村の事務手続の簡素化を図っております。先生御指摘のもの以外に、まず昭和六十一年に、予定処理区域面積が百ヘクタール以下の公共下水道の場合についてはすべて都道府県知事の認可に委任してございます。また、流域下水道関連の公共下水道の場合についても既に都道府県に委任をしている。それ以外に主要な管渠の配置を変更する場合については大臣の認可が必要であったものについて平成三年度に都道府県知事の認可に移したということでございまして、新規の事業計画認可の約九割につきましては都道府県知事の認可となってございます。
○山口哲夫君 そういうことを聞いているんじゃないんです。今、六十三年の答申以降の話をしているんで、六十一年の移譲の話なんか聞いているんじゃないんです。この答申の、主要な管渠の配置の変更に限って移譲したけれども、そのほかはどうして移譲できないんですかと聞いているんです。
○説明員(亀本和彦君) 公共下水道につきましては、その処理水につきましては公共用水域の全体的な水質保全ということにかかわってまいりますし、この問題につきましては都道府県の区域を越えた問題である場合が多いわけでございますので、小規模なものにつきましては都道府県知事の認可ということで十分でございますけれども、都道府県を越えた広域にまたがるような下水道の場合については大臣の認可に係らしめているということでございます。
○山口哲夫君 県の区域を越えているという問題、そういうことで水質保全の関係からいっても大臣の許可でなきゃだめだということなんでしょう。今の答弁を聞くとそういうふうなお答えだと思うんですけれども、広域的なものについては、流域別下水道整備総合計画、通称流総計画と言っているんですけれども、これは関係の県や市町村の意見を聞いて建設大臣の承認を得ているものですね。これはそのとおりでしょう。流総計画というのがあるんです。これがちゃんと基本にあるわけですから、それがある以上は、流総計画の権限を持っている県に対して、いわゆる下位における計画というものについては権限を与えても何もおかしくないんじゃないですか。
○説明員(亀本和彦君) 下水道の整備計画は、流総計画が決まっている場合につきましてはそれに基づいて定めるという考え方でございますけれども、必ずしもそういったものがすべて定まっているという状態ではございませんので、現在はこのような考え方でやっております。 御指摘のように、流総計画の策定でございますとか都道府県におきます執行体制の整備といったものを踏まえながら、こういった権限委譲については一層検討してまいりたいと思います。
○山口哲夫君 必ずしも全部が全部流総計画を持っているわけではないのでというのであれば、それではとりあえず流総計画を持っているところに関係する市町村、これは当然知事の認可ということでよろしいですね。
○説明員(亀本和彦君) 流総計画を定めまして流域下水道をやっているという場合については既におろしてございますし、その他の問題についても今後検討してまいりたいと思います。
○山口哲夫君 下水道計画だって、建設省に言わせると今お答えになったほかに技術的な面で心配だとか、そういうことをよく言うんですよ。今回はそういう技術的なことだけは出てこなくなったし、それから全国統一的な考え方で行政を進めなきゃならないということもなくなった。それは大変結構なことだと思う。だから、そういう技術的な面も全国統一的な面も一つの理由として挙げてこなくなったんであればなおさら、広域的なそういう流総計画というものをちゃんと持って大臣の認可を受けてやっているわけですから、その下位に所属する下水道の計画というものは当然私は知事に移譲するべきだと思う。理屈からいってもそうなると思うんですね。そういう点で検討してみたらいかがでしょうか。
○説明員(亀本和彦君) 先ほど答弁の中で申しましたように、先生御指摘の中に高度な技術の問題というものについて答弁をしなかったという御指摘がございましたけれども、それはもちろん各都道府県におきます執行体制の整備ということも十分考慮してまいらなきゃいけない問題だというふうに考えております。
○国務大臣(村田敬次郎君) 山口委員から上水道、下水道についての御質問がありました。 私はかつて愛知県の水道部長という経験があります。したがって、水の行政は非常に関心を持っておる一人でございますし、自治省というのはよこいとの役所でございますからぜひ御意見を申し上げたいと思います。 今、担当官庁である建設省そして厚生省から非常に苦心の御答弁がありました。ただ水道の場合は、なぜ愛知県の水道部をつくったかというと、あれは木曽川から取るんですね。木曽川から取ると、長野県、岐阜県、全部関係県になるわけです。したがって、知事認可にすることはなかなかできないわけで、アロケートの問題その他いろいろ長野県にお願いに行ったり、それから岐阜に御相談に行ったり、厚生省その他とも相談をしながらやった。こういう広域行政は、まさに先ほど久世委員の御質問されたように、府県の領域ではできない問題でございます。 それから水道というのは、原則としては、小さなものであれば先ほど言った五万人以上はどうこうといったものをもっと進めていくことが十分にできるだろうと思います。したがって、この問題については今後も厚生省と粘り強くいろいろと相談をしていきたいし、また厚生大臣という大臣の段階になれば事務当局とは違った判断が十分できるんじゃないか、こう思っています。 それから下水道は、公共下水道は言うまでもなく市町村が原則としてやることになっておるわけでございますが、これも流域下水道ということになると大分広域になるんですね。そういった意味で、市町村が協力をし合っていく流域下水道ということで仕事によって非常に区分が違うわけでございますが、山口委員の御指摘は非常によくわかりますし、また地方自治を進展したいという熱意からこうして御質問になっておることは心から御尊敬を申し上げますから、その山口委員の御指摘の点を関係各省にもよく相談を申し上げ、そしていわゆる広域水道、流域下水道等の問題につきましても今後できるだけ御趣旨に沿ったような解決策を相談していかなきゃならぬと思います。
○山口哲夫君 大変積極的な御発言でございまして、期待をいたしております。 せっかく厚生省の環境整備課長にいらしていただいておりますので、権限移譲ではないんですけれども、合併浄化槽の問題についてちょっと触れてみたいと思うんです。 下水道というのは非常にお金がかかる。それよりも合併浄化槽の方が余り金がかからないでできるんではないかということで、最近技術的にも非常に進歩して特に小さな市町村なんかでは随分普及してきていると聞いているんですけれども、その普及状況とこれからの計画について、まずお聞きしておきたいと思います。
○説明員(三本木徹君) 普及状況でございますが、浄化槽の普及は、し尿だけを処理する単独処理浄化槽と生活排水もあわせて処理をする合併処理浄化槽と両方ございます。 現在まで、平成二年度末でございますが、三千四百万人の方々がこの両浄化槽を使用しております。ただ、この浄化槽のうち合併処理浄化槽で設置されているものが約二十七万基、全体が約七百万基でございますから今のところ比較的まだ数は少ない、このような状況でございます。
○山口哲夫君 これはやっぱりもっと積極的に進めていくべきだと思うんです。 それで、これは厚生省の許可は要らないんでしょう。それだけに非常に簡単に行政的にも進めていくことができる。その場合に、厚生省の補助金というのは各都道府県で補助を出しているところに対してだけやるわけですね。だから余り大きな金額ではないと思うんですが、一年間どのくらいの金額ですか。
○説明員(三本木徹君) 補助は市町村が合併処理浄化槽を設置する住民に対しまして助成をするわけでありますが、それに対する国庫補助ということで三分の一の補助をしております。昭和六十二年度から始めておりますが、六十二年度は国庫補助額は約一億で実施しておりますけれども、この平成五年度の予算におきましては国庫補助額百億円を計上して現在進めております。全国の市町村の数でいきますと約千五百の市町村がこの事業に着手をするあるいはその見込みと、このような状況になっております。
○山口哲夫君 余り大きな金額じゃないですね。 昨年だったですか、全国的にごみの焼却場の申請をしても厚生省の予算がなくてなかなかやれないといって大変深刻な問題になって、自治省の関係で地財計画の中で単独事業として約二千億円ぐらい見たことがありましたですね。新規の問題はほとんどそこで吸収して非常に市町村としてはやりやすくなったという経過がありました。同じようなことを一回これは考えてみたらどうですか。地財計画の中で全部単独事業として合併浄化槽くらいは扱ったらもっと各自治体でこういった仕事がふえるんじゃないだろうか、そういうふうに思うんですけれども、一度厚生省と自治省でよく検討してみたらどうかと思うんです。
○政府委員(湯浅利夫君) 今御指摘のように、下水処理システムというのはやはりいろいろな態様があると思うわけでございまして、大都市におきましては下水道というようなことをやるといたしましても、集落の少ないところなどには今御指摘の合併浄化槽というようなものが非常に有効だということが言われているわけでございます。そういうことも踏まえまして、従来は国の補助事業に対しまして地方負担について一定の交付税措置を私どもしてきたわけでございます。 ただ、今御指摘のように、国の補助も限られているというようなこともございまして地方の単独事業でやりたいというところもございまして、私どもとしては地方単独事業につきましても平成三年度からその事業費の一部について特別交付税によって措置をするということを始めたわけでございます。これからもよく厚生省と御協議しながら、これは地方団体の要望に沿うように努力してまいりたいと思います。
○山口哲夫君 ぜひひとつ協議をしていただきたいと思います。この問題は終わります。 次に、商工会議所に関する権限移譲ですけれども、これも答申で商工会議所設立の認可その他監督に関する事務を通産大臣から都道府県に移譲しなさいということに対して、通産省は定款変更の認可、軽微なもの、届け出、報告の受理などの事務を平成五年の四月に都道府県知事に委任したと。さっきと同じように、全くどうでもいいものだけは確かに委任したんですけれども、肝心のものはなぜ移譲できないんですか。これは委任というふうに言われているんですけれども、委任と移譲とちょっと違うと思いますが、なぜ移譲でないんでしょうか。それもあわせてお願いします。
○説明員(安本皓信君) 商工会議所は御承知のとおり地域経済団体ではございますが、他方、事業の性格を見てまいりますと国際的あるいは公益的な性格を持った事業を行う団体でもございます。そういった団体の性格から、この権限のすべてを都道府県に委任するというのはなかなか難しいわけでございます。 他方、私どもといたしましては、地方への権限委任というのは国の行政の簡素化でありますとか地方の自主性でありますとか自立性といったことを確保する上でも重要と考えておりまして、適宜これまでも権限委任等の措置をとってきたわけでございますが、本年、私どもとしてはいろいろ検討した結果、先生御指摘のありました定款変更の一部の認可権限、あるいは報告聴取でありますとか警告でありますとか業務停止権限、そういったものについて都道府県知事に委任を行ったところでございます。 したがいまして、法律上は大臣と書いてありますが、これはもちろん通達等でお願いすることがありますけれども、委任した以上は都道府県知事がいろいろ御判断した上で認可していただくということになっておりますので、実質的には移譲したのと同じような効果を持つというふうに考えております。
○山口哲夫君 通産省だけがどういうわけか委任という言葉を使ってきているんですね。答申は移譲ということなんですけれども、若干違うと思いますので、そういう移譲の立場に立って、国際的な業務が云々と言っていましたけれども商工会議所というのは商工会と今ほとんど同じ仕事をやっているんです。ほんの一部だけが違うんであって、国際業務なんというのは、自治体はそれこそ国際交流を大いに積極的にやりなさいとことし財政計画にちゃんと組まれているわけですから、それでできないことはないと思うので、これは真剣にひとつ考えてほしい。 それから商工組合、これも答申では、「国に権限が留保されている政令指定業種にかかる組合については、都道府県単位の商工組合又は連合会の設立の認可その他の監督に関する事務を主務大臣から都道府県に移譲する。」こと。通産省は自転車用の部品だとか附属品の製造業については平成二年十二月に知事に委任したと言うんですが、こんなものくらい委任したからって余り大きな顔はできないんじゃないかと思うんです。陶磁器の製造業とか繊維関係とか硫黄鉱業だとか石油製品販売業とか石炭鉱業、石炭販売業なんというのは何で委任しないんですか。これは幾らでも委任できると思うんです。 あわせて、工場立地のことですけれども、「工場立地に関する指導監督に関する事務を通商産業大臣及び主務大臣から都道府県に移譲する。」というふうに言っているんですけれども、これも通産省は敷地面積で国と都道府県とで分けてやっているんですね。五万平米以上はやっぱり大臣の認可、五万平米以下だけは県でいいとかというふうに分けているんですが、これもおかしい話だと思うんですけれども、どうでしょうか。
○説明員(倉持治彦君) 商工組合関係についてお答えいたします。 先生御指摘のとおり、都道府県単位の商工組合及び同連合会にかかわる設立認可等の主務大臣の権限につきましては、中小企業団体の組織に関する法律及びその施行令におきまして原則として都道府県知事に委任するということになっております。しかしながら、全国的観点からの調整を要する事業を資格事業とするような組合につきましては、主務大臣がみずからその権限を行使することが適当との考えから、これらの業種につきましては施行令におきまして指定をいたしまして国に権限を留保しているところでございます。 当該業種につきましての地方への権限移譲につきましては、従来からその必要性につきまして検討を行ってきてまいりまして、法制定当時には指定業種が二十九業種ございましたけれども、現在では十四業種に見直しを行いまして減っております。その中で、通産関連業種が法制定当時には二十二業種ございましたけれども、現在十業種ということに削減してございます。それから、先生御指摘のとおり、平成二年に自転車の部品及びその附属品を外しておりますけれども、それと同時に、機械情報産業の特定の業種について、これも指定業種から外してございます。 これら指定業種についての地方への権限移譲につきましては、昭和五十八年の臨調答申の最終答申、それから先生御指摘の地方制度調査会の答申を踏まえまして、これからもその必要性について随時検討して権限委任を行っていきたいと考えております。 ちょっと詳しくなりますけれども、先生御指摘、今ある十業種について幾つか挙げられましたけれども……
○山口哲夫君 陶磁器だけでいいですよ。
○説明員(倉持治彦君) 附磁器でございますが、これは、理由は全国的な安定合理化事業を近い将来実施する可能性が高いということで、現在その権限を留保している業種でございます。
○山口哲夫君 例えば今言った陶磁器の製造業、これは地場産業でしょう。地場産業だったらその都道府県知事に権限移譲したって一向構わないと思うんですよ。そういうものまで全国的に権限を大臣が掘らなきゃならないなんというものではないと私は思うんです。それから、ガイドラインのことを何かちょっと触れていましたけれども、通産大臣そのものが調整に関するガイドラインをきちっと示しておけば何でもないことであって、私はもう少し幅を持った考え方をして、そんなところまで権限を何で通産省が握ってなきゃならないのか、それこそそれを放したらまた仕事が減るのかと、そういうふうに勘ぐりたくなるので、これは十分ひとつ検討していただきたい。 工場立地だって同じですね。答弁なかったけれども。
○説明員(橋本久義君) 工場がつくられますときには工場立地法に基づきまして届け出を出していただくということになっております。届け出を受けますと、私どもが周辺地域の環境維持の観点あるいは生活環境の保全という観点から審査をいたしまして、産業間の均衡でありますとかあるいはインフラの状況でありますとか、地域への影響を考えた上でチェックをするということになっております。 本件につきましては、九千平米以上を届け出ていただいて、そのうちの三万平米以下のものは都道府県で審査をいただく、それ以上のものについては通産省でやるということになっておりました。これはやはり三万平米ということになりますと相当大規模な工場ということになりますものですから、周辺への影響が大きいということであります。 これにつきまして実は昨年の九月に三万平米から五万平米ということで拡大をいたしました。五万平米と申しますと、二百メートルの二百五十メートルという非常に大きな規模の工場になりますので、新設の場合で言いますと全国ベースで百四十二件ほどになります。従来、三万平米のときには三百十件でございましたので、約四割に減少しております。大規模な工場立地ということになりますと技術的にもあるいは広域的な業種の観点からもいろんな審査が必要なものですから全面的にというわけにはまいらないということでありまして、環境負荷量等を勘案の上、昨年度五万平米以下は都道府県にやっていただくということにしたわけであります。 それ以上につきましては、私どもの方でも徐々に都道府県における事務量の負担等も考え合わせながら移譲を進めていきたいというふうに考えております。 以上であります。
○山口哲夫君 周辺に対する影響があるということで、五万平米以下は知事、五万平米以上は大臣と。どうしてそこで差がつくのかなというふうに思うんです。五万五千平米であれば周辺に影響があるんだと。五万平米以下だったら影響はないのか。そんなことにはならないと思うんですよ。結局、どこかで区切らなきゃならないからそういう数字が出てきたと思うんです。 しかし、今、工場立地というのは各県が大変熱心にやっているわけでしょう。やっぱり都市計画とも影響をしてきますね。その都市計画の権限というのは市町村が持っているわけでしょう。市町村が持って、そして知事が県として一生懸命市町村と力を合わせて工場立地をやっているのに、一々そこに通産省が介入してこれはいいとか悪いとか言うべき問題ではないと私は思います。そういう私の意見もありますので、ぜひひとつ検討していただきたい。答弁は時間がないから結構です。 そこで、最後に大臣にお聞きしたいのは、少なくとも総理大臣の諮問機関の地方制度調査会が権限移譲について出したものが五年間まるっきり私に言わせればほうり投げられている。どうでもいいものだけは形式的に渡した。しかし、肝心かなめのものは絶対渡さない。こういうものが大部分なんです。地方制度調査会ということになると自治省が担当だと私は思うんですが、大臣としてこれはもう少しやっぱり真剣に各省庁、各大臣と渡り合って、権限移譲をきちっとやらせてもらわなければ困ると思うんです。今まで少し放任し過ぎたのではないかと思うんですけれども、先ほど大変前向きな大臣の答弁がありましたので、下水道、水道、御専門以外の問題についても一生懸命やっていただきたいと思うので、どうでしょう、決意のほどをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 地方分権問題が非常に今重要な課題になっておりまして、きょうは山口委員が市長としての御体験も踏まえ、上水、下水あるいは通産行政等々御質問をいただきましたのは、非常に私は勉強させていただきました。 今、一万九百幾ら許認可権限があるんですね。そいつを一万以下に減らすというようなことを言っている人もいるわけです。私はこれはとてもそんなちゃちなことじゃない、減らすなら思い切って五千以下にしなさいと、そういう雄大な構想を持っております。きょうの関係当局の御答弁は、これはまじめな課長さん方がこれ以上言えませんよ。だけども、それをこうして指摘していただいたことは本当にありがたいと思っておりまして、御意思を体して抜本的に大きく前進をさせたいと思っております。御協力をお願い申し上げます。
○山口哲夫君 決意表明いただきまして大変安心いたしました。ぜひひとつ実現させていただきたいと思います。 地制調関係の質問、権限移譲は以上で終わりまして、本当に最後の最後に、教育長の任命の承認の問題ですけれども、これは、都道府県の教育長を各都道府県議会で決めると、文部大臣の承認を得なければ任命できない。市町村で教育長を議会で決めると、都道府県知事の承認がなければ任命できない。これは私全くおかしな話だと。地方自治の本旨からいってもこんなことはあるべきことではない。 ところで、過去に教育長の承認申請があったときに、不承認になった例というのはこの何十年間で何件あったんでしょうか。
○説明員(崎谷康文君) お答え申し上げます。 御指摘ございました教育長の任命承認制度は地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づきまして運用されているものでございます。教育委員会が教育長を任命するわけでございますが、その際に、都道府県及び指定都市の教育委員会の場合は文部大臣、市町村の教育委員会の場合は都道府県教育委員会の承認を得るという制度でございます。 これは、地方自治を尊重しながら、国、都道府県及び市町村の三者が相互に連携を密にする、そして全国的に教育水準の維持向上を図る……
○委員長(佐藤三吾君) 簡潔に要点だけ。
○説明員(崎谷康文君) そしてさらに、教育の機会均等を保障するとともに、教育に関する深い見識と高い行政能力が求められる重要な職でございます教育長につきまして、国、都道府県、市町村が連携協力して適材を確保するということが目的である制度でございます。この制度につきまして
○山口哲夫君 件数がどのぐらいあったか。
○説明員(崎谷康文君) 制度創設以来、適切に運用がされておりまして、不承認になった事例はございません。
○山口哲夫君 今日まで恐らく何千件という承認申請が出てきているわけでしょう。それなのに一件も不承認がなかった。自治体というのをもう少し信頼してほしいと思うんです。今あなたが言ったような教育長としてあるべき人格というものは、こういう人でなければならないなんということはそれぞれの自治体の方々がみんな知っていますよ。 私ちょっと訂正しておきますけれども、教育委員を議会で承認して長が任命する、そしてその教育委員の中から教育長を選ぶということですね。 だから、初めから教育長に大体なるべき人というのは想像しながら教育委員として推薦するわけでしょう、議会に。それで承認してくださいといってお願いしているわけでしょう。議会の方だって、大体この中で教育長をこの人にするんだろうなということぐらいわかっていますよ。変な人だったら初めから議会で承認なんかしないですよ。そのくらいの良識を自治体のそれぞれの議員さんというのはみんな持っています。首長だって持っています。だから何十年のうち何千件あったかしれないけれども不承認は一件もなかったわけでしょう。もういいかげんにこういった制度はやめたらどうですか。これは非常に私はおかしいと思うので、大臣の最後の決意表明を聞いて終わりにしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) これは人事が関係する問題でございます。御指摘の点についてはよく研究をしてみたいと思います。
○山口哲夫君 終わります。
○委員長(佐藤三吾君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(佐藤三吾君) 速記を起こしてください。
○続訓弘君 私はカンボジア問題について四点ほど大臣にお伺いいたします。 具体的な質問に入ります前に、さきの民間ボランティア中田さんに続いて、去る五月四日、文民警察官の高田警視が殉職をされました。ここに改めてお二人の御冥福を心からお祈りし、あわせてお二人の御遺族に対しても心からお悔やみを申し上げたいと存じます。また、負傷された四人の文民警察官に対しては、一日も早い全快を念ずる次第であります。 さて、先ほど山口委員から午前中いろんな質問がございました。そしてまた、大臣から苦しい答弁がございました。これに対して、実は重複になると思いますけれども、十日、十一日等々に。載せられた新聞についてはもう既に山口委員から詳しい御説明がございましたので、私は朝日新聞に載ったことに関連してお伺いを申し上げたいと存じます。 五月十日の朝日の一面で、「あと何人死んだら帰れるのか 日本にいる人たち実情知らない」、「文民警官 撤退論が続出」、こんな大きな見出しで報じられておりました。そして、村田大臣みずから山崎隊長ら十三人との懇談の後に、こんな記事も載っておりまして、「非常に痛切なお話を承って、心からショックを受け、そして一日も早く文民警察のみなさま方が無事に帰国できるよう願っております。」云々と、こんな話でございました。そしてさらに、同相のこの発言に対しては、「早期撤退ではなく、任務を全うしたうえでという意味だ」という説明も加わってありました。 そこで、具体的な第一の質問でございますけれども、昨日の参議院本会議で我が党の武田節子議員から、今新聞の見出しで申し上げたように、「あと何人死んだら帰れるのか 日本にいる人たち実情知らない」等々の報道がなされていたけれども、この点正確な御報告を求めますというような質問に対して、大臣はそのような事実はなかったという答弁をされました。同時に、先ほど山口委員の質問に対しても同様の答弁をされました。一体この報道が正しいのか大臣の先ほどの答弁が正しいのか、各紙にそういうことが書いてありましたものですから、改めてここで確認の意味で御答弁を願いたいと存じます。
○国務大臣(村田敬次郎君) 続委員、そしてまた先ほど御質問をなさいました山口委員にお答えを申し上げなきゃならぬのですが、この答弁は、私は聞いていないというのが私の答弁でございます。 そこで、実は今続委員が御指摘になられたショックを受けたという私の意見と早く帰国をされるという私の意見に関して申し上げますが、これは、ボランティアの方々、文民警察官、そして自衛隊関係の方々とともに夜御意見を伺う会を開きまして一そのとき私の申し述べたあいさつの中に出た言葉でございます。そして、ショックを受けたことは事実であります。そしてまた、一日も早く帰国されるようにというのは、誤解を受けるといけないと思って後で訂正をしました。任務を完全に遂行されてお帰りになっていただくという意味であります。 そして、UNTACの明石代表とも会ったときに、日本はUNTAC、国連の方針に全面的に協力をする、途中撤退等はしないというのが宮澤総理の御決意でございますということを申し上げて、いろいろそれに伴う必要な安全の確保ということを明石代表に申し上げました。そこで明石代表から、誠心誠意努力をしますから、一日も早く御返事をしますから、それはひとつ信じてくださいと。私は明石代表と文字どおり誠心誠意でありました。そして、きのうも誠心誠意お答えをいたしました。きょうも誠心誠意お答えをしております。 これは私が帰ってから総理大臣に報告をいたしまして、この緊急性ということを総理はよく認識しておいでになりまして、先ほどの衆議院本会議で、総理及び官房長官が対応策についての具体的な方針をはっきりと言われたわけでございます。これは午前の会合に引き続く今の会合でございますから申し上げるわけでございますが、百万ドルの緊急支出をすること、そしてヘリの輸送その他いろいろな措置を講ずるということを衆議院本会議でお約束をされたわけでございます。 そして、私が明石代表と会ってから、例えば防弾チョッキ六千着は必ず用意しますと言われまして、もう翌日は届いておりました。それから、投票所も一千八百から一千四百に減らすとはっきり言われまして、もっと減らしますと、こう言われました。 それから、日本の方では総理の御決断によって百万ドルのことやヘリの輸送のこと、そしてまた今度行かれました選挙監視要員の配置のことについても、全面的にこの点は明石代表と相談をし意見が一致をしておるわけでございまして、したがってきょう、明石代表と連絡をとるべく柳井局長や警察庁の担当参事官を急派したわけでございます。そして、向こうにおります今川大使、またバンコクにおります藤井大使とも連絡をとりながら誠心誠意努力をしてくれるはずだと思っておりまして、このことを今つけ加えて申し上げる次第でございます。 なお、十二名の方との対応におきまして、つけ加えるとすれば、二部の地域では水や食糧もタイに行かなければ手に入らない、任地で食糧が思うに任せないところがある、村において活動するときは常に緊張を強いられる、そういったいろいろな個々の隊員からの切実な訴えがあったわけであります。私はそういったお話を聞きながらショックを受けたと申し上げたのでありまして、国際的な環境の中で、日本のPKFは派遣しないPKO、そしてまた日本に対して集まっておる世界の関心、それからカンボジアの民主的なあすに対する努力、そういうものに協力をしなければいけない、こう思って帰ってきました。 以上であります。
○続訓弘君 今、大臣が現地に飛ばれ直ちに適切な対応をしてこられたということに対しては敬意を表させていただきます。我が党は、平和構築を妨害する不当な暴力行為はUNTAC及び国際社会への挑戦であると考えております。しかし、そのためにとうとい犠牲を重ねることは絶対に避けねばならない、こんなふうな考えております。 そこで、第二の質問でございますけれども、日本を含めたUNTACの文民警察官、選挙監視員の安全対策に万全を期するようUNTACへ要求したという今のお話でございますけれども、その内容を国民の前に明らかにすべきではないかと存じますけれども、大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 政府といたしましては、国際の平和と安定のためにとうとい命をささげられた方々に報いるためにも、派遣要員の安全対策に万全を期すべく、我が国の文民警察隊員を含むすべてのUNTAC要員について、警護の強化、配置先の再検討など要員の安全対策をUNTACに申し込んだところでございます。 これに対して、UNTACからは、UNTACとしても隊員の安全対策に万全を期したい、UNTAC要員の配備について再度緊急に検討をしたい、安全対策のための会議を巡回によって行うと。これはもちろん山崎隊長が中心になるわけでございますが、きょう出発をいたしました人たちも今川大使とともにいろいろとこの問題に参画をすると思います。そういった具体的かつ評価すべき対応が示されたところでございます。 選挙まであと十日でございます。したがって一日を争います。今後とも政府としてはUNTACとの緊密な連絡を維持しながら派遣要員の安全対策に万全を期してまいりたいと思います。 次に、日本人文民警察隊員が殺傷をされましたのはまことに残念のきわみでありますが、現在カンボジアでは、一部の地域で停戦違反はあるものの全面的な戦闘が行われているわけではなく、パリ和平協定に基づく和平プロセスの基本的な枠組みは依然維持されております。国際平和協力法上のいわゆる五原則が満たされている、こういうふうに考えております。したがって、宮澤総理の御指揮のもとに、現時点において任務の中断を検討するという状況ではないと考えております。
○続訓弘君 今、大臣は、現地の恐らく実情を踏まえての痛切な、感情を込めての御答弁のように承りました。 私どもは、PKOへの参加は我が国にとって初めての経験でございますし、それだけに政府は慎重を期し国民の不安を取り除き理解と支持を求めていくという基本姿勢を忘れてはならないんじゃないか、私はこんなふうに思います。そのために、政府は常時カンボジア情報を率直に国民の前に明らかにすべきである、こんなふうに思いますけれども、所信のほどを伺います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今その率直な感じを申し上げたつもりでございます。
○続訓弘君 ありがとうございました。 それでは、例の地方交付税、地方財政計画について御質問を申し上げます。 午前中、久世委員からこんな御質問がございました。それは地方分権を主張される視点からの質問だったと存じますけれども、地方団体が自主的でかつ積極的に住民自治に基づく事業展開ができるよう、従来の静態的、画一的な地方交付税算定の考え方を動態的に検討すべきではないか、こんな質問もございました。そしてまた、山口委員からは、所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税のそれぞれの一定割合、この交付税を直入せよ、これは長年にわたって答申にもあるじゃないかと。この趣旨は、地方分権を実現するためには同じようにこういう手段が必要なんだ、こんな視点からの質問であったと存じます。 先ほど今回の地方財政計画の具体的な説明がございました。平成五年度では、総額七十六兆四千百五十二億円で、前年度に比較すると二兆五百一億円、二・八%の増加となっていると。これを分析いたしますと、税収はわずかに五千三百十二億の増。国庫支出金は二千三百六十一億増。それに比べまして地方債の増加が何と一兆六千八十五億。かわって地方交付税は減額措置で前年度に対して二千四百四十一億円が減額されておる、こんなことを先ほど伺いました。 確かに、地方、国、共通する公経済のバランス論から四千億の減額は自治省としてはやむを得なかった、こんなお答えをずっと今まで伺っておりましたけれども、山口委員も言われたように、この四千億というのは、地方交付税、いわば地方の自主的な権利の財源である。そういうものをあたら国が財政不如意だと言って今申し上げたような非常に厳しい地方財政運営の中でお貸しするのはいかがなものか、こういうふうに思います。そして、それを累積いたしますと、過去三年間だけで一兆七千二億でしたか、そういう大きな数字になっているわけであります。 そこで、この特例減額の措置に対する具体的な年度割りの償還計画というのがあると思いますけれども、そのことを明らかにしていただきたい。
○政府委員(湯浅利夫君) 今御審議していただいている地方交付税法の中で毎年度大蔵省との約束で交付税に加算していただく額をそれぞれ規定させていただいているわけでございますが、これはいろいろな約束のものが入っております。その中で、今御指摘の平成三年度、四年度、それから今御審議いただいております五年度の四千億を含めましたその三つの部分だけの返済計画で申し上げますと、平成六年度で千八百億円、七年度で千八百五十億円、八年度で千九百十億円、九年度で千九百九十億円、十年度で二千五十億円、十一年度で二千百三十億円、十二年度で二千二百十億円、十三年度で二千三百三十二億四千万円ということで、合計一兆六千二百七十二億四千万ということになっております。 〔委員長退席、理事岩本久人君着席〕
○続訓弘君 今御説明がございましたように、平成十三年度までに貸し付けたお金を返していただく、こんな制度であります。これはまさに、地方が苦しいのにかかわらず地方の財源を国に貸していると。そんな状況は地方団体側からすれば許しがたいということだと思います。そこで山口委員も先ほど応援演説をされたわけですね、せっかく長年にわたって答申があると。そのためには直入した方が地方の主権が守れるんじゃないか、こんな考え方のもとにあれだけの御質問をされたと思います。私も同じ地方の立場から、やはりせっかく交付税という制度があって、地方のいわば財源ですから、当然それを地方に配分していただくことを大蔵に対して強力に折衝していただきたいということを要望申し上げます。 そこで、第二の質問ですけれども、今度、第二次景気対策の十二兆二千億円余が決定をなされました。そうしますと、それに基づいた地方単独事業だとかあるいは用地先行取得の問題だとか、地方が財源を手当てしなければならない問題が出ておる。一方、税収が減ってきている。あるいは政策減税の影響がある。いろんな要素から地方の財源はますます枯渇をしてくる。そんな状況の中で、今、平成十三年度までに国から返していただくというこの財源をむしろ地方の立場からすれば繰り上げ償還してもらって、地方の必要な財源に充当していただきたい、こんなのが地方の率直なお願いではないかと思います。それに対する財政局長の御所見を伺います。
○政府委員(湯浅利夫君) 御指摘のように、現在の景気の状況を反映いたしまして、地方税の税収も非常に厳しい状況になっておりますし、また交付税の算定税目でございます所得税、法人税なども非常に今厳しい状況になっているということを踏まえました中で、四月の十三日に今度の総合的な景気対策を決めさせていただいたわけでございますが、当面の問題といたしましてはやはり地方債を活用せざるを得ないということでございまして、こういうことを今後引き続いてやっていくということになりますと地方財政にとっても大変な問題になってこようかと思います。やはり景気が一定の軌道に乗ったときにはこの地方債の活用という問題につきましてもけじめをつけなきゃならないというふうに考えながら、今回はやむを得ずやらせていただいたわけでございます。 そのときの財源といたしまして、貸してあるお金をまず返してもらったらいいじゃないかという点はまことにごもっともでございます。私どもとしてもそういう財源を既に一兆六千億余りも貸しているということでございますから、これをまず返済してもらうというのが一番望ましいわけでございますが、何せ国の財政もまた非常に厳しい状況下に置かれておりまして、法律で規定して今御審議していただいている分をさらに前倒しをするということは極めて厳しい財政状況の中からなかなか難しい問題がございまして、この点につきましては今後よくまた国の財政当局とも話し合いをしながらやっていきたいと思います。 いずれにしても、地方の財政が立ち行かなくなってしまっては困るわけでございますから、今後も地方財政計画の策定を通じまして財政の健全化については極力努力をしてまいらなければならないと思います。よろしく御理解のほどお願い申し上げたいと思います。
○続訓弘君 ここにおいての各委員はそれぞれ地方の実情をよく御存じの方ばかりであり、今、財政局長のせっかくの御答弁ではございますけれども、地方には行政需要がたくさんある。そんな状況の中で、国の財政が苦しいがゆえにということで国に自分たちの権利のお金を貸し付けるというのは私はいかがなものか、こんなふうに思います。そのためには、私どもは自治省の応援団なわけですから、大蔵省に対してやはり徹底的に地方の実情を訴えて、そんな生易しいものじゃないということを予算編成の場では徹底的にやっていただきたい。そして、地方がまさに自治省は頼りになる自治省だと、こう言えるようにひとつ頑張っていただきたいということを御要望申し上げます。 〔理事岩本久人君退席、委員長着席〕 それと、先ほど山口委員の質問とも関連をするわけですけれども、権限移譲の問題について私はお伺いをしょうと思いました。大臣が、事務当局は何にも言えないかもしれないけれども、一万九百ある権限を少なくとも五千ぐらいに減らすべきだ、こんな決意の表明がございました。したがって、私はあえて質問を申し上げないで、先ほどの大臣の決意をぜひ実現していただきたい、こんなことを要望申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○長谷川清君 私も自分の質問予定を大幅に変更いたしまして、各党よりカンボジアの問題について質問が出ておりますから、ただ、私ども民社党の場合に現下のこの状況にあって集約をしたものがございませんけれども、一応私どもの見解というものを述べながら質問をしたいと思うのであります。 まず、今回の大臣がカンボジアヘ行かれて向こうの話の中で、報道によりますと、日本の文民警察をプノンペンに引き揚げるとか引き揚げさせろとか、それがだめなら護衛つけろとかといったたぐいの話というものがされたかどうか。これは事実なのかどうか。この点をひとつ。
○国務大臣(村田敬次郎君) 実は、高田さんの御殉職がありましてから、七十名、まあ七十余名と申し上げますが、プノンペンに全員集まっていただいて、山崎隊長あるいは関係者から事情をよく聞こうということがかねてあったわけでございます。ところが、私と明石代表が一対一で会いました。大使と、それから向こうではルース准将も出たわけです。そのときに、この時期にプノンペンに全員を集めるというのは非常に適切でないのではなかろうか、したがって山崎隊長が各地を巡回して、こちらに何人こちらに何人というふうに州都または州都に準ずる地域に集めるということの方が適切ではなかろうかという御提案がありました。私もこれはよく理解するところであったわけでございます。 カンボジアに行きまして感じたことは、このたびの選挙はUNTACの二万六千名という非常に大きな組織として推進をされつつある。カンボジア国民の約九割に当たる人が選挙登録をし、そして選挙運動を今やっておる真っ最中でございます。したがって明石代表の言われることでいこうということに決心をしたわけでございますが、タケオに今度行きます選挙監視員を全部集めるということは、日本の国の駐屯部隊のいるところへ行くということで、国際的に見ても妥当であるから全面的に同意いたしますというようなこともあり、先ほど申し上げました防弾チョッキとかヘルメットとかいろいろな条件が出まして、すべて一生懸命頑張るから、また御連絡を申し上げるからということを明石さんが繰り返し言われました。 そこで、私は、プノンペンに集めるという計画はやめて、二人で相談をしました各地に山崎隊長が行くということを同意して帰ったわけでございますが、例えばヘリの配置であるとか百万ドルの緊急拠出であるとか、あるいはその他いろいろなことがもうこの三、四日の間にばたばたと決定をしたわけでございます。それから、ヘルメットや防弾チョッキの配置なども私と会った翌日にはもう届いておりました。 私は明石さんの誠心誠意というものを信じておりまして、したがってあと十日間についてベストを尽くすと。今川大使、バンコクにおります藤井大使、それからきょう参りました柳井局長また田中警察庁審議官等と緊急な相談をして、やるべきことは次々と打っていってくれということで総理からも命を託されて行ってくれたわけでございますので、その意味ではまさに挙国的な行動としてとられつつある、こういう実感を持っております。 以上でございます。
○長谷川清君 私は、中田さんと高田警視というとうとい人命を失った悲しみや、これから先における思いというものはみんな同じ気持ちだろうと思うんです。その上に立ってこの経験をどう今後に向かって生かすべきかという点においては二色三色に分かれるのかもしれませんが、少なくも今行っておりますPKO、国連の指揮下において統一の行動を行い、その目的に向かって合している作業工程というものがございます。 こういう作業に従事をしておる現状と、このとうとい二人を失ったこの時期に大臣が行かれたということを各国連参加の国々が見たときに、一つには日本だけよければいいのかという誤解を招いたり、あるいはまた、これは想像ではございますけれども、仮に犯人がポル・ポト派であるとするならば、これはUNTACを揺さぶるには日本を攻めることが効果的であるがごとき戦略、戦術というものをもし与えたりした場合、これは非常にゆゆしいところにイレギュラー展開がされていくのではないか。つまり、日本がねらわれてしまうという。こういったいろんな神経、アンテナをびっちりと張りながらの中における大臣の行くという行為で、時期的にちょうど私はそういうところに入っていたと思うんです。 行くに当たりましては、総理はもとより外務大臣、日本の国を代表し、少なくもその行く目的は、第一にUNTAC全体の安全対策のために日本のこの経験を全体で生かしてほしい。こういう問題があると同時に、UNTAC全体の水であるとか食糧であるとか衛生という部分、またその輸送ルートにおける具体的確立、あるいは五月二十三日には投票が行われるという選挙、この状況に向かって毎日毎日のそこに至るプログラムのスケジュールは、今持っているそのままでいいのか。そこに創意工夫と変更が起こるのか。 あるいはまた、少なくもUNTACの代表に会って話をするわけでございますから、国際的に果たしてこれほどの危険な多くのリスクをしょって、そして目的を果たした後においてその成果はいかにという選挙後におけるカンボジアにおける内政の分析、そういうファクターというものが大臣の行かれた目的でなければならぬ、私はこう思うのでございます。 このことは日本の国は初めての経験ではありますけれども、国際社会の中にありまして、お金だけではない、一生懸命体ごとみんなでいわゆるこの地球上の幸福指数を高めるために頑張ろう、こう言ってPKOが出ていったと思うのでございます。そこら辺は、出発する前の準備と行ってからと、こういう状況で目的はずれなかったのかどうか。 それが今、その後の新しい動きからいきますと、オーストラリアは新たに百名の歩兵部隊を護衛でつけるという決定をしております。あるいはまた、アメリカは新しく別途に物的支援を強化するということなど、UNTACと各国は個別に今協議を始めております。日本もそういうものの一環である。こういう位置づけ、二人のとうといお命をこのようにしたこの感情を一時の感情であらわすのではなくして、本当に国という単位においてそういうものが各国にもわかっていただけるようなものでなければいけないと思うのであります。 今、私が心配するような、日本だけがよければいいんだ、すぐに引き揚げればいいんだといったような誤解や、ポル・ポト派からの目標にされてしまうがごとき愚かなことになっているのでは取り返しのつかないことになるのではないか。その二つの問題で、もう少し私は行った目的をはっきりと表明をしてもらい、その成果をはっきりと出していただけないか、こう思うのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) まさに御指摘の点が私の主要な関心事でございました。というのは、これは現地に行っていただかないとわからない点があります。 それで、現地に行って、例えばこういう例えを使った人があるんです。理解をしていただくのにいいと思いますのでここであえて御紹介をするんですが、明石代表の立場はマッカーサー元帥の立場ではないか。シアヌーク殿下の立場は恐れ多いことですが天皇陛下様の立場ではないか。プノンペン政府の指導者は吉田元首相のような立場ではないか。それから、クメール・ルージュのことも具体的な名前が挙がりましたけれども、これは例えが適切でないと思いますから言わないんですが、そういったことを言った人があります。まさに今明治維新のようなものです、カンボジアは。そして、世界から二万六千人行っているんですから、カンボジア国民がこの選挙を成功させ得るかどうかというのが一番の大問題です。したがって、日本だけが勝手なことを言うという印象を与えたら、これはもう何にもならないんです。 それで、私は、内外の記者団約七十名でしょうか、時間の制限をつけないで幾らでも相手をします、そして説明その他は全部私がやりますと。今川大使にも同席をしていただいて具体的な事情のわからないところは今川大使が申し上げましたが、日本だけのエゴで言うんじゃないということをはっきり言ったんです、日本はUNTACに全面的に協力をすると。また、国連が二万六千という大変な要員をここに派遣して、これからカンボジアの夜明けを迎えようとしておることに私は非常に実は共感をしているわけです。地球環境問題しかり。あるいはカンボジアのUNTAC問題しかり。これから世界的なサイドで解決しなきゃならぬ問題がたくさんあるんです。その場合に、日本だけのエゴを主張するとこれはもう絶対に理解されません。 外国のプレスが繰り返し繰り返し聞いたのは、日本は撤退するんじゃないか。日本のプレスもそれを聞いている。私ははっきりと、これは絶対にあり得ない、こういうふうに申し上げたんです。私は自分のエゴで申し上げているんじゃないんです。村田大臣は満足をされたかと言うから、満足なんというのは、自己満足という言葉があるように、そんなことは問題じゃないと。それは個人の問題じゃなくて、UNTAC、そしてまた国連加盟の諸国の問題、何よりもかによりもカンボジア国民の問題なんだと。だから、満足なんという小さな次元で質問をしないでくださいと言ったら、ぴしゃっと静まりました。これは気迫がわかったんでしょうね。 外国のプレスの方々も一時間半ゆっくりと対談をいたしまして納得をして帰ってくださったと私は思っております。そのときに、同席をした人たちがきょうの記者会見は非常に理解をされたと思いますと言っていました。日本のプレスも理解をしていただいてお帰りをいただいたと思っているんです。 だから、日本のエゴで言ってはいけません。日本の一部の新聞には、村田大臣が日本のことを言ったのは間違いだとある評論家が言うんですが、そんなことは一言も言っていないんです。誤解なんです。私は世界的な基準の中で日本を考えてくれと言っているんであって、日本だけのエゴを考えてくれなんて言えばもう国際人としての資格がなくまります。だから、それはもう長谷川委員の御指摘のとおりよく納得をしていただくように話したつもりです。また、宮澤総理が私に七日の夜に直接電話をしてこられ、しかも官房長官が私のところまで来て聞いた話というのは、これはどうでもやらなきゃいけないという私は使命感を持って言ったつもりなんです。 だからその意味で、先ほどちょっと感情的になって非常に御無礼をいたしましたが、こんなことはしちゃいけないことですが、ただ私個人のためを考えて言ったんじゃない。日本のため、世界のためという立場で言ったつもりでございまして、今もその気持ちは同じでございます。きょうも答弁を通じて申し上げ、そして、山口委員にも先ほど申し上げましたことはそういう気持ちでございます。
○長谷川清君 いずれにしましても、このPKOの問題はやがて決着がついて引き揚げるということに一区切りがっくはずでございます。そのときに、いろんな意味で本当の意味の成果があったのかなかったのか、その答えがわかってくると思うんです。 少なくとも今言えることは、当初、自衛隊を出そうかという議論をした段階でかなりの議論をしたはずでございます。そして、ここは安全かどうか、橋をつくったり道路をやったり、中には地雷があるかもしれない。そういう危険度についてかなり慎重に審議をしたはずでございます。作業からいくと自衛隊の方が危ない作業というか、それで行った。その経緯を見ると、よくやっているという評価が世界からも集まった。さあその後に文民警察と、こうなっていった、議論というものが十分でないままに、やや甘さがあったんだと思うんですね。 この危険というものは、地雷が怖い、確かにそこに怖いという危険度がありますけれども、要人の警護をしてみたりパトロールしたりというのは、一つの危険というのは地域の面がございますね。それから、だんだん選挙というものが近づくに従いましてポル・ポト派も動きが過激になってくるという時間の問題。そういったような問題も非常に危険は高い。逆に、高いものがあるということも学んだはずでございます。 こういったことなどを考えますと、やはり私は、こういうPKOのとうとい国際貢献であり、日本としてやりたい一つでございますけれども、背伸びをして国民世論から離れてしまってやるべきことではないだけに、ケース・バイ・ケースのいろいろのケースがあるはずでございますから、これからに向かいましてやはりこの国会承認ということが非常に重要である、こういうふうに思うのであります。 そういう点について、きょうは仮の姿ではございますけれども、どうかひとつ自治相という立場からも、閣僚の一人としても、その辺のところを国会の承認をなろうことなら事前に受けていく。そして、十分そこにケース・バイ・ケースの事前の審議。そうすればかなり安全度が高まり、しかも貢献ができる、こういうことができるのではないかと思いますので、この点については強い要望としてお願いをしておきたいと思うのであります。 時間が大分なくなりましたけれども、本来の問題に入っていきます。 地方の単独事業が非常に拡大をしていることは、好ましいことでございまして評価をするところでございます、宮澤政権の言っております生活大国、それを受けての自治省としての第一次、第二次のふるさと計画、そういったものが進行しておる。この姿も非常にいい傾向で進んでいると思うのでありますが、この地方単独事業の費用が大きくなればなるほどその中身の問題、一件当たりでは非常に小さい事業だと思うのでありますがトータルでは非常に大きくなっている。そういう部分について、ひとつ例を具体的に挙げていただいて、どのような成果を上げているかお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(遠藤安彦君) お答えを申し上げます。 単独事業ということでございますけれども、私ども昭和六十二年から、いわゆるふるさと創生事業といいますか、そういった名前のもとで、ハード事業あるいはソフト事業で地方団体が自主的、主体的に仕事ができるように財政システムを考えて展開をしてきたところでございます。 具体的に事例を挙げてということでございますが、全体的な規模から申し上げますと、いわゆるふるさと一億及びそれに続きますソフト事業としましては、これまでに累計で約一兆三千億ぐらいの事業展開がなされております。それから、ハード事業の面につきましては、およその数字でございますけれども、これまでに約四兆五千億ぐらいの規模の事業が単独事業、ふるさと創生というような観点から行われたわけであります。 これは非常に地方団体としては住民も巻き込んでいろいろ創意工夫を凝らしてやってきておりますので個別具体の例といいますと大変多岐にわたるわけでありますが、少し大まかな部分で申し上げますと、ハード事業としては、道路、橋梁、公園などのインフラ整備とか文化、スポーツ、レクリエーション施設の整備、そういったようないろいろな施設整備をしていく。それから、ソフトの事業からいいますと、人材の育成とか文化振興あるいは地域間交流などのいろいろなことが考えられているわけでございます。 そういった中から個性豊かなものを一つ二つ挙げてみますと、施設としては、例えば地元から出た非常に有名な文学者を中心として童話の国づくり事業としてセンターをつくるとか、それから歴史文化というような観点からは、もともと城下町としてあったお城を復元して市民あるいは町民の精神の中核にするとか、有名になったものでは砂の博物館をつくったところがあるとか、あるいは木造のドームで非常に立派なものをつくって有名になったとか、それぞれその地方団体の訴えるテーマというものをつくって努力をしてきているものが非常に多いというように思っています。 それから、ソフト事業としては、ボーリングをして温泉が出る、こういうことをしたところが非常に多かったわけであります。せんだっても大臣のお供をして栃木県の方に参りましたけれども、温泉を掘り当たりまして、温泉を核とした立派な施設ができておりました。半年間で二十万人も市民が入っているというようなことで、大変よく使われているということで大臣と一緒に感心して帰ってきたようなケースもあります。 それから、私どもこの中で非常に注目するのは、単独でなくて団体がお互いにお金を出し合って共同でやる事業などというものもありました。具体的な名前を挙げるとあれなんですけれども、島根県の隠岐島で、あそこの七カ町村がふるさと一億のうちの五千万円ずつを出し合って本土との交通を超高速船で結ぼうというようなことで、七カ町村が協力してこのふるさと事業を使ってこの三月に立派な超高速船ができ上がったわけであります。今まで二時間半ぐらいかかるところが一時間でもう行ける。 そういうように地域地域でいろいろに考えた施設あるいはソフト事業というものが展開されて、地域の活性化、ふるさと創生にはかなりの効果があったんではないだろうかというように私ども評価をしております。ちょっと時間が長くなりましたのでやめますが、もちろんいい面ばかりじゃなくて若干の問題点も出てきております。そういった点も反省しながらこの第二次のふるさとづくり事業というのをことしから進めていきたいというように思っているところであります。
○長谷川清君 ソフトとハードを含めても大体六兆ぐらいが投入されておることになりますね。まだ地方分権ができ上がっていないし縦割り行政の弊害が残っている。そういう中で、道なりに少しずつそういった生活関連の社会資本を充実させようという道筋でずっと展開していきました場合と、あるべき姿、こうありたいというものから展開をしていく場合とでは、全然ニュータウンなりふるさとのつくり方は変わってくると思うんです。 本来ならば、根本的には構想から入っていくという方が私は次なる世代に財産を残すことができると思うんです。例えて言えば、ソフトであります上下水道が勝手に地下に入る。それから電話線が勝手に走ります。地下開発を考える場合でも、それはもうお金はかかるけれども最初から地下共同溝にしてしまうと。今、そこに大体計画でいきますと平成三年から七年ぐらいの四年をかけて地下ケーブルを入れようというわけですね。約一千キロ入れようというわけです。地中線というのは、一メーターを地中化する場合、新札のお金を縦に並べるぐらいの金がかかるということでございます。それだけの金をかけて地中線に地下ケーブルだけが入る。電話線だけ、水道管だけ、ばらばらに入る。 先進諸国と言われる。私は生活大国というものと生活先進国との違いはそこにあると思うんです。パリに行っても、ヨーロッパ全体はもう大体地下ケーブルがずっと共同溝に並んでおります。広いところに整然と地下の設備があります。安全でしかも点検しやすい。こういう状況をつくるには相当の資金がやはりかかりますが、ちょろちょろちょろちょろ。しかも縦割りで別々に。こういうような延長線上で、必ず次の何十年か後にはこれがまた邪魔になって地下共同溝をつくり直す。二度三度のやりかえをしていくむだが出ると。私はそういう意味において、昨今における拠点法であるとかあるいはパイロット法であるとか、道なりに今やれるところからやることの大事さ、とうとさの評価は一定にできるのでありますけれども、その延長線上にかなりの投資のむだができるのです。 いま一つの問題は、ハード事業、ソフト事業ということではなくして、ソフトな地域コミュニティー、ハードな設備でありましても住宅でありましても、そこには人間がいるということなんです。そこに思いを入れた構想が私は大事だと思うのです。そういう意味においては、公共投資基本計画の中で四百三十兆ものお金がありましても、どこに聞いてもそれが全体構図として、今このように第一期が展開されております、五年後にはこういうふうになりますというふるさとづくりや町づくりが見えてこないのであります。 私がダイナミックな地方分権をお願いするのも、またそれのきっかけになるような意味で地方分権の基本法を制定すべきではないかと私どもは提唱するのでございますけれども、そういう点について、最後に大臣に一言お願いします。
○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほど来申し上げておりました地方分権は、例えば中核市にしても府県連合にしても、地方自治法の改正が主体でございます。そして、関係法が恐らく数十に及ぶだろうと思います。私は宮澤総理と御相談をした上で、この地方分権を、地方自治法の改正を早急にやろうということで事務当局にも指令したのでございますが、関係法が非常に多いためになかなかすぐできるかどうか。すぐという意味はこれはとり方ですが、難しい点があると思うんですが、ぜひやらなきゃいかぬと思っております。 長谷川委員がおっしゃいました民社党における基本法の制定という御提案も聞いております用地方行政委員会というのは皆さんが与党めようなものだということを私はいつも思っていまして、きょうの審議についても非常に敬意を表しておるわけでございますが、ぜひ地方分権はその意味で政治改革の大きな一環であるということで推進をしていく、そういう方向で御検討いただきたいと思っております。
○長谷川清君 終わります。
○有働正治君 私は、まずカンボジア問題について村田大臣の所見をお尋ねいたします。 大臣がカンボジアで文民警察官十二人と会見された後の話として、いろいろ論議になりました先ほど来の論議の中で、何人死ねば帰れるかという意見が出されたという問題につきまして、大臣は私は聞いていないと、私はということをあえて述べられたわけであります。ということは、この要望というものがあったこと自体は否定しないということもその見解の中には含まれていると解されるのが妥当かと考えますが、その点いかがでありますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は聞いていない、この一言でございます。
○有働正治君 マスコミは独自の取材、しかも複数の取材を通して改めてこの問題は明確に述べられたということを報道しているわけであります。マスコミの取材について、大臣として抗議するとか関与するとかいうことは当然あり得ないと思いますが、どうですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 私の答弁は、私は聞いていない、一言でございます。
○有働正治君 大臣はいろいろ懇談された後、痛切な話にショックを受けたと。ショックという以上、相当のインパクトがあったことだからと感ずるわけで、一連の私はとあえて言うところに問題のポイントがあるわけで、こういうことが述べられたと解するのが尋常ではないかという私としての見解も述べておきます。 訴えの中に、一つは任務の枠外のことを文民警察官がやらされているということも出されました。その内容についても若干答弁として述べられました。その上に立って質問するわけでありますけれども、例えば述べられました選挙事務所の警備だとか要人の警護、これは日本の文民警察官単独としてやっておられるのか。あるいは、ほかの国の軍事部門などとの連携といいますか共同行動の一翼としてやっているのか。そこらあたりはどうでありましょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 城内警察庁長官も出席をしておられますが、私が行く前もわざわざ空港まで城内長官に来ていただきました。帰ってからもたびたび城内長官と打ち合わせをしておりますが、PKO法が通るときに文民警察官の任務というようなことについて十二分な話し合いがあったか。この問題が非常に委員の皆様方も心配をされるところでありまして、事実PKO法を通すときは史上最長と言われるくらいの審議を尽くして通していただいたわけでございます。そういう経過がありますが、こういう具体的な事実をその時点においては想像し得なかった面もあったんじゃないか、こう思うんです。 私は文民警察官と打ち合わせをしました際に、一部の地域では水や食糧もタイに行かなければ手に入らない場合があるとか、赴任地で食糧が思うに任せないとか、それから、かねて聞いていた文民警察官の任務と違うことをやらされているんじゃないだろうかというようなお話も聞いたわけでございますが、もしそうであるとすれば、これは人命に関することでありますから緊急に対応しなければならないということで、城内長官とも相談をし、田中総務審議官を直ちに派遣することを決定したわけでございます。 私が行きましてから帰るまでの対応、こういったふうないろいろな決定がなされますのは、例えば自民党の幹部でございますとかあるいは関係の方々、各省の大変な御協力の上に築かれていると思っておるのでございまして、そういった意味で、誠心誠意隊員の安全を守るために努力をしなければならないということを痛感しておるところです。
○有働正治君 私が質問していますのは、一般論でなくて、そういう任務枠外と言われる問題について、例えば選挙事務所の警備、要人の警護等は日本の文民警察官だけでやっているのか。あるいは、そういうものにはほかの国の軍事部門も携わっているのではないかと。そこらあたりの事実関係は、現地に行かれた大臣としてどう確認されておられるのかということなんです。
○国務大臣(村田敬次郎君) 長官から答えていただきます。
○政府委員(城内康光君) 現場の非常に具体的な細かいことでございますので、大臣は安全対策を実現するという大きな課題を担われて現地に行かれたわけでございまして、今の御質問のような点については、細かい点でございますので私がお答えいたしたいと思います。
○有働正治君 できるだけ簡潔にお願いいたします。
○政府委員(城内康光君) これは現地の警察行政についての助言、指導、監視ということに法律上なっておるわけでありますが、現場を見ますと、ちょっとその法律に書いてある任務付与から見ていかがかなという点がございます。 日本人の文民警察官のみによって政党事務所の夜間の常駐警戒をやるとか、あるいは要人警護の実施部隊に編入されて部隊員として行動するとか、それから現地の警察抜きでベトナム人の居住地区の警戒パトロールをするとかいうような、警察行政に対する助言、指導、監視というのはそういう警察行政が行われているということを観念的に前提としているわけでございますから、そうでない場合もある、いろいろな態様があるかと思います。
○有働正治君 あえて日本の文民警察官のみというふうに強調されますが、現地の治安状況等から見まして、地域によっては移動そのものが軍事部門の警護その他と協力して行われるというふうに聞いていますけれども、日本の文民警察官のみということだけとは言えない状況も地域によってはあり得るんではないか。その点はどうなんですか。
○政府委員(城内康光君) 簡単にお答えしますと、外国の軍も来ておるわけでございますが、数に限りがありますので、一緒にやるという形ではなくて文民警察官は文民警察官として行動する、何かあったら駆けつけるとかあるいは外周の警戒をするとか、そういったようないろんな態様があると思います。軍隊と一緒になって、ペアになって任務を果たす、そういう形はほとんどないのではないか。私ども承知しておりません。
○有働正治君 やはり情報交換なり、かなり連携を密にされているということは当然あるんじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は現地も視察したんです。そこには日本の文民警察官、隊長はインド人でした。それから、フィリピン人の方、あるいはモロッコ、ブルガリア、いろいろな国の方々がおいでになりまして、情報を交換してまいりました。恐らくそういうところもあると思います。 ただ、いろいろ地域によって状況が違うんですね。しかも、こういった事態は、選挙があと十日になったということのために非常な緊迫感、危機感というものがきっと増大をしたんだと思います。当初予想をできなかったことが出てきておるんだと思います。現に私が視察しました部落も、三カ月前までは全く平和な農村であったのに最近いろいろな事態が起こる。これはクメール・ルージュによるものであるか、あるい」は単なる物取り、強盗であるのか、その辺は武器が民衆の間に非常に行き渡っておるものですからわからないんです。 とにかく、いかなることがあろうとも、文民警察官あるいは派遣要員の殉職というようなことがあってはなりませんから、ベストを尽くすという意味で各国の状況等も一部聞いてまいりました。ただ、時日が短かったので私の承知していることは必ずしも多くないと思います。城内長官は文民警察官の安全を守るために本当に努力をしておりまして、私も城内長官の労を極めて高く評価をしておるところでございますから、私の足らない点は長官からお答え申し上げたいと思います。
○有働正治君 つまり、戦車その他、移動において軍の警護がないとできないという状況が現地で言われているわけです。そういうことを含めた他の国の軍事部門との共同行動が一切ないと断言できないんじゃないですか。
○政府委員(城内康光君) 五月四日に殉職する事件がございましたが、あのときは移動をするときでございまして六台ほどの車両で移動したわけでございますが、最初の車はオランダの軍の車でございます。二台目、三台目が日本の文民警察官ということで、移動する場合でも軍の擁護がないと、ともに行動しないと移動すらできない、こういうのが実情でございます。 先ほどの御質問はルーチンの仕事としてどうかというふうに私は理解したのですが、文民警察官が例えば投票所みたいなところの警戒をするとすれば、ある州では、一人ないしは二人がそこに警戒として立つ、その周辺には軍はいない、何かあれば連絡を受けてそこへ駆けつける、こういうようなことでございます。恐らく、実務的には連絡を受けてもなかなか間に合わない、こういうような状況は出てくることが予想されます。
○有働正治君 今の伝えられる状況、私どもの中央委員会の勤務員、赤旗特派員等からの情報その他を総合しましても、私は現地には直接行っていませんが、できるだけ現地の状況をつかむという点に努めたわけでありますけれども、やはり単独で云々というのが、そうでない状況があらわれ得る状況にあるというふうに見ているわけです。 もう一つ事実確認を求めます。 軍事部門の弾薬を運んだりしていたという言動があったことも報じられていますが、この点、大臣、当事者としてどうでありますか。これは当事者でないと言えない問題です。
○国務大臣(村田敬次郎君) 私の聞いておるところでは、ありません。
○有働正治君 私は今の状況等から見て、PKFとの区分、関連、ここらあたりが不明確になる可能性が極めて大きいという問題としてこの問題を重視しているわけであります。 一つには、明確に出発前の状況認識と現地での認識と実際の仕事の間てずれが生じている。これは大臣も先ほど認められました、そういうことが述べられたと。その点で、出発に当たってよく理解させていなかったということなのか。日本独自の判断で対応できなくて、事実上指揮権がUNTACの指揮のもとでやられていろいろ任務がつけ加えられているという状況に陥っているのか。そこらあたりは大臣はどう考えられますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) PKO法を日本で通した時点においては今の事態が完全には予測はされていなかったでしょうね。そして、これは各国でもいろいろな対応をしておると思いますが、やはり現在の状況というのを推測できなかった国々も非常に多いかと思うんです。 それで、事はあと十日後に迫っているわけでございまして、しかもカンボジアの準備は着々と進んでおって、全体の九割、国民の九割の登録が行われておる。しかも選挙運動も活発に行われておるという事態でございまして、何としてもこの選挙をやり抜いてカンボジアのあすを迎えなきゃならないということがカンボジアの国民のためであろうと思います。カンボジアの方々が努力をしておられると思いますということでございます。
○有働正治君 どうも答弁がまともでないですね。 さきのプノンペンでの自治大臣と明石代表との会談の結果、文民警察官の配置がえの問題について日本独自の判断、指揮では必ずしも対応できないという状況が示されたと思うわけでありますけれども、この点とう認識しておられますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は、明石代表と本当に心を込めて対応をいたしました。ただ、私の要求しておることは、明石代表といえども直ちに即答のできない問題がいろいろとあったと思うんです。 それで、この問題は誠心誠意検討して刻々御連絡を申し上げるからということで、私は外人記者団との対談でも申し上げたんですが、これは私が満足して帰るとかそんなことではまるでなくて、心と心の誠意の問題です。誠心誠意いろいるやっておる。また、日本側も宮澤総理の御判断で早急にいろいろなことが決定をされつつある。ヘリその他できることは者やろうということでございますので、これによって明石特別代表との御相談は想像していただきたいと思います。
○有働正治君 確かに、協力法では独自の撤収等ができる、仕掛けとしてはできているんです。しかし、私どもは法案審議の中でも国連の一連の文書なども示しまして、そう日本政府が言うような状況にはないんだということも指摘したわけであります。現実問題として、いろいろ大臣が要求されてもなかなか思うようにいかないと。その点で、必ずしも日本独自の権限なり指揮が思うようにいかないということを大臣としても認識されたんではないかと考えるわけですが、その点どうですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 私が明石代表が即答できなかったことがあると申し上げましたのは、例えばいろいろな個々の問題についてすぐに返事がしかねるという意味でございまして、明石代表の誠心誠意を私は信じておるわけでございます。私も誠心誠意当たっておるつもりです。
○有働正治君 UNTACの仕組みからいってそういう問題ではないと。誠心誠意という心と心という問題ではない。システムとしてあるということを私は述べておきたいと思うんです。 そこで、警察庁長官、いろいろ安全確保の問題で申し入れ等々もおやりになっていると。これは当然のことであります。しかし、配置転換等日本独自の判断から必ずしも思うようにいかない点があるというふうに感じておられるんではないかと思うんですけれども、その点とうでありますか。
○政府委員(城内康光君) 警察庁といたしましては、治安状況や生活環境の急激な悪化により、もはやその地域にとどまっていたのでは本来の業務が遂行できないという場合には、本来の業務が遂行できる地域への配置転換を認めてもらえるように国際平和協力本部を通じてUNTACに申し入れをしてきておるところでございます。 大変難しい状況というのはあるわけでございますが、私ども募集をする際に、そういった法に書かれている任務を説明し、また勤務条件と申しますか、例えばそういう戦闘行為が行われる可能性のあるような地域については軍事行動が必要なのでそういうところには文民警察官を派遣しないとか、あるいは食糧とか水などについては供給ができるという状況などを示しまして、本人及び家族の同意を取りつけて、そして送り出したという経緯がございます。したがいまして、これは法に基づいていろいろと措置しておることでございますので、そのことについては何とか配置転換などについて安全措置を実現するようにぎりぎりの努力を現在しつつあるということでございます。
○有働正治君 努力はしているけれども難しい状況があると長官自身も言われたように、日本独自の判断ですっといくというものではないという状況にある。そこらあたりどうかということなんです。
○政府委員(城内康光君) この法律は日本の法律でございますけれども、私どもに適用されるのはこの日本の法律でございまして、そこには文民警察官の果たすべき任務というものがはっきり書いてあって、そのことは国会で論議をされて定まっているわけですから、私どもとしてはそのことに忠実に従うということが任務であろうと思います。 法律というのは責任を定めると同時に、やはりそれぞれの隊員がその法律によって守られるという面もございますので、そういう状況があると認定されるときにはそのように法律が働いてくる、こういうふうに理解しております。
○有働正治君 法律の建前論を聞いているんじゃなくて、それでは独自の配置転換が自分たちが期待したとおりに現在進行していますか。
○政府委員(城内康光君) この問題につきましては、日本以外にもそれぞれの関係国がございます。そういったところと共同歩調をとるように現在努めておるところでございます。
○有働正治君 今言われたように、なかなか日本独自で勝手に動けるような、この法案論議の際に政府が答弁されたその答弁と現実には大きな落差があるということをそういう形で私は認められたと解するわけであります。 次に、ポル・ポト派の問題についてお尋ねします。 神奈川県警の川野辺警部は、五人の死傷事件の犯人につきまして、その中に一人顔見知りがいたのでポル・ポト派に間違いないと断言されていると報じておられますが、この点はどのように確認されておられますか。一
○政府委員(城内康光君) 川野辺警部の発言は承知しております。襲撃犯人の中に顔見知りのポル・ポト派の兵士がいたということでありますが、そうした見聞につきましては当然UNTACの上部に報告がなされているものと思います。したがいまして、その事件がポル・ポト派の犯行がどうかというようなそういう判断事項は、あらゆる他の情勢、情報などを総合してUNTACにおいて判断されるべきことであろうと思います。
○有働正治君 警察庁長官として、部下が明確にそのようなことを言っているということを、それ自体を承知しているとおっしゃっている以上、部下を信頼して対応するというのが長官としては本筋じゃないですか。
○政府委員(城内康光君) ただいまお答えしましたように、川野辺警部は自分の顔見知りの者がそこにおるということを認めたということでございまして、そのことはもちろん上に報告されておりますし、それはUNTACで判断すべきことであろうと思います。私どもはそういうことがあったという事実関係を掌握しておる。それで、その現場の状況について認識を深める一つの材料にしておる。こういうことでございます。
○有働正治君 警察庁長官として甚だ心もとない発言だと私は述べておきます。 カンボジアに本当の和平をもたらしていく上でポル・ポト派の無法な暴力と軍事行動が最大の障害になっている。これはだれの目にも明白であります。今必要なことは、ポル・ポト派のこの無法に対して批判を集中する、そして国際的にも孤立させていくということが私は大事だと思いますが、川野辺警部のそういう言明からいっても、その職員の責任者といたしまして、そしてまた国家公安委員長といたしまして、部下を信用して信頼してと明言している以上、焦点のこのポル・ポト派に対して毅然として抗議すべきだと考えますが、どうですか。
○政府委員(城内康光君) 川野辺警部は大変立派な男で、たくさんの応募者の中から選ばれて出ている者でございます。ただ、川野辺警部は現在UNTACの要員として指揮を受けておるわけでございまして、やはりそういった情報などもUNTACの上層部に報告し、UNTACにおいて責任ある判断をする、こういうことであろうと思います。命令系統がそのようになっておりますので、そのように処理されているであろうということを申し上げたわけであります。
○有働正治君 極めてポル・ポト派に対する甘い態度だと明確に指摘しておきます。いやしくもそういう死傷事件を起こした以上、きちんと……(「昔は仲がよかったじゃないか」と呼ぶ者あり)とんでもないことを言うべきではありません。ポル・ポト派に対しては我々こそ明白にこれは批判して糾弾した者として、我が党とは一切関係ない、日本政府と自民党こそ甘やかしてきたということをはっきり述べておきます。 大臣のカンボジアの問題についての認識が先ほど述べられました。パリ協定の枠組みは維持されている、あるいは全面戦闘でないので平和五原則も崩れていないということを述べられました。述べられた以上、この問題についても一言しておきます。 これは明白に私は虚構の言い分でしかないと。一つは全面戦争でないと言いますが、ポル・ポト派の戦術というのはゲリラ戦であります。したがって全面戦争などあり得ないということであります。この点簡単に、もう一、二問質問したいのでお願いします。
○国務大臣(村田敬次郎君) この場で有働委員が御自分の意見を言っておられるのはもちろんあなたの民主的自由でございますが、私はパリ協定は堅持をされておる。これは宮澤総理が言われたとおりです。そして、二万六千人、地上最大の組織がカンボジアのあすのために行っておるという事実は私は非常に大きい、何としても選挙自体を成功させてカンボジアの夜明けを迎えていただくのがやはり国連UNTAC、日本の責務であるという感じを持っております。
○有働正治君 ポル・ポト派と今述べられましたバリ協定との関係について申しますと、彼らはこれを破棄するとは口が裂けても言うはずはないわけであります。それは彼らの戦略だからであります。つまり、パリ協定に至るいきさつとそれに対する彼らの言動を見れば明白なことでありますが、パリ協定に至るいきさつの中で彼らが最も恐れていたのは、彼らが一人前に扱われなくなる、あるいは復権が阻止されかねない、あるいは蛮行の名指しによる糾弾が行われ得るということを心配した。そのために日本にもこうしたことがないように説明し、理解を得るよう努力もやったと彼ら自身は言っているわけであります。 そのことが功を奏してのことか、協定では、彼らが最も恐れていました彼らの百万人とも三百万人とも言われるナチスばりの蛮行を名指しで糾弾することは行われず、復権阻止も免れまして、プノンペン政権などと平等の関係としてその地位が保障されたわけであります。したがって、ポル・ポトの肉筆文書と言われている中でも、もう今となっては世界は我々を放置しておけない、パリ協定のその条項をもって我々を負かすことは不可能だ、だが我々は武力をもってやつらを負かすことができるという、これを隠れみのにしながら彼らの勢力拡張の戦術に出ている。これが基本戦略、戦術なんです。だから破棄するということは言わないわけであります。 政府の、また大臣の言い分に従いますと、ポル・ポト派がどんなに無法暴力を拡大しても協定の枠組みは保持されているということで、いつまでも蛮行を放置するということになるわけであって、この問題はやはり直視する必要があるということを私は述べておきます。 時間が参りました。カンボジアの今日の事態というのは五原則でのPKOでは対応できないということを示している。そういう点で、日本政府として根本的に対応を再検討すべきだということを主張しておきます。
○西川潔君 長時間にわたりまして、私が最後でございますので、よろしくお願いいたします。 先日、政府が決定いたしました新総合経済対策によりますと、本年度の地方財政計画において約十六兆五千八百億円の歳出が計上されております用地方単独事業に新たに二兆三千億円が追加されております。その内容といたしまして幾つかの事業が明示されているわけですが、道路、公園などこれまでの土木型社会資本整備の推進に加え、今回は歩道の段差解消など、高齢者の方や障害者の方々に配慮した町づくりなどが具体的に示されている点につきましては大変評価されているところだと思います。 その福祉の町づくりについては、大阪府や兵庫県が福祉の町づくり条例を創設したのを初めといたしまして、最近では全国各自治体での取り組みが大変活発になっているところでございます。そうした中で、地方自治体がこうした事業の推進を図っていく中で国に対する要望として、国がナショナルミニマムとしての統一的な基準を設定すべきではないか。また、福祉の町づくりを行うことに際して、民間による福祉関係の建築物を整備することに対して税制上の優遇措置や容積率の割り増しなどボーナス制度を検討すべきではないかといったような議論もあるようでございます。 こういった自治体の要望に対しまして、今後自治省におかれましても関係省庁と連携のもと十分な配慮を行っていただくなど、全国的に福祉の町づくりが展開されていくよう、地方自治体に対しまして積極的な支援を行っていただきたいと思いますが、まず自治大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 西川委員にお答え申し上げます。 自治省では、高齢者、障害者が安心できる生活を確保し、社会経済活動への参加を促進するために公共施設等の改善を地域福祉推進特別対策事業の中で実施してきたところでございまして、今回の総合経済対策におきましてもこれを重点的に推進することとしております。今後の町づくりを進めていくに当たりましては、高齢者、障害者を初め、すべての人々にとって住みやすい社会とするという視点が重要と考えております。 西川委員が福祉の町づくりに非常に御熱心なのは敬意を表します。御指摘のように地方団体では福祉の町づくりへの取り組みが進められているところであり、自治省としても、地方団体が地域の実情に即した福祉施策に積極的に取り組み、高齢者、障害者が住みやすい町づくりを実現できるよう、地方団体の意向を十分に踏まえながら財政措置等の適切な措置を講じてまいりたいと存じます。
○西川潔君 次に、地方公営企業によりますシルバーサービスの供給についてお伺いをいたします。 先日、公営企業金融公庫の地方公営企業経営活性化研究会から、高齢化社会におきます公営企業の新展開に関する調査の報告書が出されておりますが、その報告書を拝見させていただきますと、公営企業においてシルバーサービスを実施することにより、信頼感や自分のニーズに合ったサービスが受けられるなど公と民間の長所を生かしたサービスが受けられる。また、施設の整備を促進する、社会的コストの節約、他の施設との連携による相乗効果が期待できるなど多くのメリットが挙げられております。 私も非常に注目のできるものではないかと思っておりますが、この研究会には自治省と厚生省それぞれの担当者が委員として参加をされておられます。この報告書の提言についての評価と、そして今後の対応につきまして、これは両省にお伺いしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 御指摘の報告書はことしの三月に出されたわけでございます。 今後、本格化していきます高齢化の進行にあわせまして必要とされるいろいろなサービスがあるわけでございますが、これを今までは公共サイドによる福祉サービスの充実、それと民間サイドからのサービスの供給と、こういうものに分けていろいろの供給というものが行われたわけでございますが、それだけではなしに、もう少しこの間を埋めるようなもの、そういうものをカバーできるようなシステムというのが考えられないかということで、いろいろ研究をされた成果が、ここで言っている地方公営企業が適正な使用料のもとでサービスを提供していくという構想があっていいんじゃないかと、こういうようなことじゃないかと思うわけでございます。 いわゆるシルバーサービスを受益者負担を原則といたします地方公営企業によって提供するということは従来になかった発想でございますから、それだけに具体化するに際しましてはいろいろな問題があろうかと思います。しかし、せっかくのこういう報告書でございますから、自治省といたしましても関係方面とよく御協議をしながら地方団体が事業化できる条件整備というようなものも検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○説明員(堀之内敬君) まず、シルバーサービスについてでございますが、高齢社会の進展に対しましては国民の幅広い各層が取り組む必要がある、そのように考えております。そのため、国におきましては高齢者保健福祉推進十カ年戦略の推進を初めとするさまざまな公のサービスの推進に努めておるところでございますが、増大かっ多様化する高齢者のニーズに対しましては、こうした公的施策の推進と相まちまして、民間事業者の創意と工夫を生かした多様なシルバーサービスの健全育成が必要である、かように考えております。 このような民間シルバーサービスが社会の信頼にこたえまして健全に発展していくためには、厚生省では行政指導のガイドラインの作成、それに基づきます指導、公的融資、それからまた所管の団体でございますが社団法人シルバーサービス振興会というところによりますシルバーマークの設定、そうしたことを通じまして種々指導しているところでございます。 御指摘の報告書では、公営企業がこのようなシルバーサービスの分野にも参入してはどうかと、そうしたことが言及されておりまして、私ども厚生省として関心を持っているところでございます。私どもも、もしこういう検討に際しまして御相談、御連絡ありますれば適切に対応してまいり
○西川潔君 大いに期待いたしております。両省よろしくお願いいたします。 次に、小中学校の余裕教室の転用につきましてお伺いをいたします。 近年の地価高騰によりまして都市部における社会福祉施設等の土地問題が大変深刻化しておりますが、先日も土地特別委員会におきましてこの問題について厚生省に実はお伺いをいたしまして御答弁いただきました。都市部に福祉施設等を立地していくためには公有地の有効活用と公共施設の合築、複合化ということが大変効果的であります。積極的な推進を行っているところでございますという御答弁をいただいたわけですけれども、さらには既存施設を有効に活用することがこうした問題を解消するためには大変重要なポイントではないかというふうにお伺いもいたしました。 そこでお伺いしたいのは、自治省では、児童生徒の減少によりまして生じた小中学校の余裕教室を地方自治体が地域のコミュニティー施設に転用する場合に、教室の改造を行う自治体の単独事業について地方債や交付税による財政支援を行うことと伺っておりますが、このことについて自治省の御所見をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(紀内隆宏君) お話しございましたように、今学校に余裕教室が生じつつございまして、一方ではその有効活用が求められておりますし、他方では学校施設そのものについてやはり地域のコミュニティーの施設としての機能を充実させていくということが要請されている。こういう事情にございますものですから、余裕教室を地域におけるいわばコミュニティー施設として転用していくということにつきまして私どもと文部省の方と相談させていただきまして、その結果、お話にございましたように地方債と交付税を活用して財源措置を講ずることといたしております。 具体的に申し上げますと、余裕教室を地域における生涯学習活動施設等に転用する場合に、町づくり事業計画というものに位置づけまして地域総合整備事業債の特別分と称するもの、これは充当率が七五%でございまして、これを充当いたします。そして、その元利償還に当たりましては、三○%から五五%の範囲内で財政力に応じて、具体的に申しますと、財政力の一番強いものの場合には三割、それからだんだん傾斜をかけていきまして財政力が最も弱いものでは五五%が交付税にはね返る、こういう仕組みにしているところでございます。
○西川潔君 この余裕教室の転用対象といたしましては、例えばお年寄り、障害者の皆さんが集まったり、ボランティアを養成する福祉活動の拠点となります福祉コミュニティーセンターのような施設についても対象とするようなお考えはございますでしょうか、自治省と文部省にお伺いしたいと思います。
○政府委員(紀内隆宏君) 一般的に申し上げますと、御質問の施設が学校の本来の教育活動に支障を生じないものであってコミュニティー活動を目的として地域住民が広く利活用できるというものでございますれば対象になり得るものと考えます。
○説明員(矢野重典君) 余裕教室が生じた場合でございますが、文部省といたしましては、例えばでございますが、これまで指導方法や学習方法の変化に対応いたしましてコンピューター教室あるいは多目的スペースなどの学校教育施設として十分活用するよう指導してまいっているところでございますが、これらの施設が既に十分整備されている場合にありましては、今先生の御指摘のような福祉コミュニティーセンターに転用することも含めまして、どのように有効利用するかは、設置者であるそれぞれの市町村において当該地域の実情を勘案して判断されるべきことであると考えているところでございます。
○西川潔君 いい御答弁をいただいてありがとうございます。 文教施設から福祉施設へ転用を行ったという事例は全国的に見ましても現在のところ余りない。本当にわずかなんですけれども、その一例といたしましては、昨年、大阪府の四條畷市というところですが、小学校の余裕教室を福祉コミュニティーの施設に転用し、これは全国でも珍しいということで注目を集めたわけです。この四條畷市が文教施設を福祉施設へと転用を比較的スムーズに行えたのは、過去、児童数が増加いたしましたことに合わせまして増築をした部分についてはその費用を市が負担しておりまして、国の補助を受けていなかったということであります。 通常、余裕教室などの文教施設を他の目的に転用するにはかなりいろいろな制約もあると伺っていたわけです。例えば自治体が国から補助金を受けて建設した文教施設を転用する場合には、鉄筋が六十年、れんがづくりが四十五年、木造が二十四年を経過しない限り、あるいはまた交付を受けた補助金相当額を国に返還しない限り、他の目的への転用は補助金の交付を行った省庁の大臣の承認を受けなければならないもの、こう記されているわけですけれども、今回のような児童生徒の減少による空き教室の転用につきましては、福祉施設も含めまして地域住民が最も求めている施設に幅広く転用が可能となるよう、大臣の承認を受けるための要件も何とか緩和していただきまして、そして自治体が補助金を返還しないで済むような手続にしていただけないものかと私自身考えるのですが、文部省といたしましてはどういうお考えでございましょうか。
○説明員(矢野重典君) 公立小中学校の余裕教室を例えば福祉施設等へ転用する場合でございますが、御指摘のとおり、財産処分の申請を行いまして、この場合でございますと文部大臣の承認を得ることが必要であるわけでございます。 ただ、文部省といたしましては、小中学校の設置者である市町村から福祉施設等への転用のための財産処分の申請がございますれば、転用後の施設が学校教育上支障がないということ、また収益が生ずるものでないということでございますれば、補助金の返還を要することなく財産処分の承認を行っているところでございます。現に、最近の公立小中学校の余裕教室の福祉教室への転用につきましては、例は少のうございますけれども、申請がありました場合につきましてはいずれも補助金の返還を要することなく文部大臣の承認を行っているところでございます。
○西川潔君 文部省の方はどうぞお帰りください。ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。いい御答弁をいただきました。 都市部におきましては、このような福祉施設のために新たな用地を確保するということは財政上からも大変難しい状況にあると思います。地方自治体の用地、施設等の資産を有効に活用し、福祉活動を初め住民が求めるさまざまな取り組みに活用できるように自治省といたしましても積極的に地方自治体を支援していただきたいと思います。このことについて自治大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 御指摘のように、地域の行政需要というものは社会経済状況に応じまして刻々と変わってくるわけでございますから、これに対応いたしまして、地方団体の持っている共有財産でございます公共施設を弾力的に活用していかなきゃならないということは当然といえば当然の話でございます。 ですから、今お話しの小中学校の余裕教室の問題もございますけれども、その他の公共施設につきましてもそれぞれの地域のニーズに応じましていろいろとこの利活用を図っていくという点に対しましては、今後とも私ども財政上の支援措置を検討していかなければならないというふうに考えております。
○西川潔君 次に、不法滞在外国人の未払い医療費の問題についてお伺いをいたします。 現在、我が国における社会問題の一つといたしまして外国人の労働者の問題がさまざまな機会に取り上げられておりますが、特に外国人の就労につきましては外国人単純労働者は認めないという政府方針にもかかわらず不法就労の外国人労働者が少なくないわけでございます。このような不法就労外国人は不法就労であるために、賃金の不払い、労災保険の不申請、医療機関による診療拒否、劣悪な雇用条件などの人権にかかわる問題が頻発しておるわけです。 こうした中で、最近、全国各地の医療機関で不法滞在外国人による医療費の未払いが問題となっておるわけです。昨年、全国自治体病院協議会が県や市町村が経営する公立病院を対象に外国人労働者を中心とする外国人患者の実態調査を行い、まとめた報告書を読ませていただきました。回答を寄せた全国六百六病院のうち、五分の一に当たります百二十九病院が外国人患者による医療費の未収金を抱えております。総額は何と九千百万円にも上るということでございますが、この問題についての現状を厚生省よりお伺いしたいと思います。
○説明員(伊原正躬君) お答え申し上げます。 外国人の未払い医療費につきましては、先生御質問でお触れになりました全国自治体病院協議会の調査のほか、明らかになっているものとして日本赤十字社が平成三年度に調査を行っておりました。これによりますと、全国九十二の赤十字病院についての調査でございますが、二十五の病院において未払いが発生し、未収事例は百八件、未収金額は二千九百九十八万円となっております。
○西川潔君 現状のもとで、こうした不法滞在外国人によります未払い医療費の一部を自治体が肩がわりするという動きがぼつぼつ出てきております。例えば群馬県では、今年度から市町村などが共同で未払い医療費の七割を負担する医療費補助制度を創設したと伺っております。 今回の群馬県の取り組みにつきまして、またこの問題について自治体が取り組んでいる実態につきまして、自治省はどのように認識をされておりますのか、お伺いいたします。
○政府委員(遠藤安彦君) 先ほど御指摘がありましたように、全国の自治体病院協議会の調査で病院のうちの大体二〇%ぐらいがそういう外国人患者の未収金があるという結果が出たということで委員御指摘になったわけであります。私どももそういうように承知をしているところであります。 この問題について、確かに御指摘のとおり地方団体によってはまだ数は非常に少ないと私ども認識いたしておりますけれども、実態上緊急避難的な措置として団体独自に対応をしているというケースがあることも聞いております。これはやむにやまれずそういう措置をとっている団体があるわけであります。 ただ、この問題は、その地方団体の責任において解決すればいいという問題ではないんではないか。この問題自体、基本的にはやはり国がどういう措置を講じていくかということをきちっと方向づけをしていただかなければならないものではないかというように私ども考えているところでありまして、地方団体がそういう行動に出ているところもあるわけでございますので、関係各省庁とも十分協議をして、何とか国において適切な対応がなされるように努力していきたいというように思っているところでございます。 これは御質問に対して必ずしも十分な回答ではないかもしれませんけれども、なし崩し的に地方団体がやむにやまれずというような観点からやっていけば問題が解決するということでは必ずしもないというような認識を持っておりますので、やはり国としてしかるべき対応がとられるように関係省庁とこれから協議をしていきたいというように思っております。
○西川潔君 大変難しい問題でありますが、外国人の医療を無料化するということではなく、目の前で苦しんでいる患者に対しまして、不法就労者であるのかないのか、また医療費が払えるのか払えないのかということとは関係なく、結果といたしまして、人道上診療を拒否することが現実としてできないとなれば、診療を行った医療機関のみが負担をせざるを得ないということに、未払い医療費を抱える医療機関の救済が主な目的であるということだと思うんですけれども、単純労働を認めない法の建前のもとで多数の不法就労者が単純労働に従事しているのが現実であります。 こうした医療費の問題については、医療機関や地方自治体の負担のみに頼らざるを得ない現状にあるわけですけれども、国に対して補助金や交付税など何らかの財政措置を求める声が今後強くなってくるのではないかなというふうに思うんです。政府といたしまして、現在医療機関が抱えている不法滞在外国人による未払い医療費の問題について、また、今回この医療費補助制度を創設した群馬県を初めとして神奈川県なんかにもいろいろと出ております地方自治体の対応につきまして、そして、今後こうした自治体に対する財政支援措置について、それぞれどのようにお考えであるか、厚生省と自治省に最後にもう一度、そしてまた大臣の御決意などをお伺いしたいと思います。
○説明員(伊原正躬君) お答え申し上げます。 日本国内に適法に在住する外国人につきましては、内外人平等の原則に立ちまして国籍を問わず所要の負担のもとに必要な医療が受けられるような仕組みがとられております。 しかし、不法に我が国に滞在する外国人につきましては、不法滞在が判明すれば、出入国管理及び難民認定法の規定に基づきまして強制退去等の取り扱いの対象になること、それからまた、医療保障をこういう方に行うことが不法滞在を逆に容認、助長するおそれがあることなどの理由から、不法滞在を前提として医療保障を行うということは私どもは困難であるというふうに考えております。 しかし、医療機関というのは応招義務というのがありまして、正当な理由がなければ患者さんの診療の求めを拒んではならないということになっておりますので、現実には診療の拒否をすることができないということが出てまいります。そのために、外国人が医療費を払えない場合、それが医療機関の負担になっているということは先生御指摘のとおり事例としてございます。 この問題につきまして、先ほどお触れいただきましたような群馬県及び神奈川県におきまして医療機関に助成を行う事業が開始されたというふうに承知しておりますが、実施方法等の細部についてはまだ両県とも検討中であるということであります。厚生省としてはその推移を見守ってまいりたいというふうに考えておりますが、この不法滞在外国人の診療費の未払いによる医療機関の負担についてどのような措置を講ずるかということにつきましては、医療保障と同様に不法滞在を容認するおそれがあるなど非常に困難な問題がございます。 先ほど自治省の方からもお答えいただきましたように、非常に多くの関係省庁にまたがる問題でございまして、現在関係省庁間の連絡のもとに検討を実施しておりますので、鋭意この検討を進めていきたい、かように考えております。
○委員長(佐藤三吾君) 簡潔にひとつ。
○政府委員(遠藤安彦君) 先ほどもちょっとお答えをいたしましたが、現実問題として人間が病気あるいはけがをする、それを病院が治療をする、これは当然のことでありますが、結局その医療費が支払えない。先ほども申しましたように、内外大正当な権利を持っている方々については、それは皆保険ということで治療側については費用負担についての保障が得られることでありますけれども、不法に滞在をしている人たちについてこれが法的にも制度的にも定まったものがないというところが問題であるわけでありますから、これについては、現実問題として医療側に費用負担を仰ぐという前提で一部の団体についてやむにやまれずそれを補てんをするという措置をとっているわけであります。 必ずしも地方団体で全部をかぶるべきものであるかどうかということははっきりしていないと思っているわけでありまして、その辺をやはり整理して、問題に対する対処のあり方というのを制度的にきちっと整理をしておかないと問題がいたずらに波及するだけになるわけでありますので、やはり関係省庁でこの問題をどうするべきかよく協議して検討し答えを見つけていかなきゃならない問題だ。大変難しい問題ですけれども、そういう方向で進んでいかなきゃいけない問題ではないかというように思っております。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今、厚生省担当課長、それからまた自治省の総務審議官からお答えをしたとおりでありますが、不法滞在の事実が最近は三十万人と言われているんです。特に東京で言うと、代々木公園であるとか上野公園であるとか、私の地元の愛知県でも名古屋駅の周辺など密集をしておるということがございます。 合法的な滞在であれば、先ほど厚生省の担当官が言われたとおりでございますが、不法滞在についてどういうふうに対応するか。これは私はやはり不法滞在者であるから一切面倒が見れないということは言えないと思います。やはり人道的な見地からこのことを国も地方公共団体もそれから病院側も真剣に検討しなきゃならないと思っておりまして、まさに国際化の続いている時代の一番重要な問題点の一つだろうと思います。 よく厚生省、法務省、自治省と相談をして早急な対応で臨むつもりでございます。
○西川潔君 どうぞひとつよろしくお願いします。 私なんかは本当に無所属で院内会派でいつもお願いすることばかりですけれども、人間、愛に国境はないと思います。福祉の観点からいつもお願いすることばかりですけれども、いずれにしましても、いい方向へよろしくお願いします。 これで終わります。
○委員長(佐藤三吾君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。 ―――――――――――――
○委員長(佐藤三吾君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 地方交付税法等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後八時三分散会