地方行政委員会 第6号
- 発言数
- 258 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1993/04/27
会議録
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十六日、須藤良太郎君が委員を辞任され、その補欠として岡利定君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(佐藤三吾君) 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は前回既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○岩本久人君 おはようございます。 まず最初に、急な質問で恐縮ですが、村田国務大臣にお伺いいたします。 けさ六時のニュースを見ておりましたら、本日二十七日にモザンビークへの自衛隊派遣を閣議決定すると、こういうようなことを言っておりましたが、実際にそういう閣議決定があったのかどうか、その中身はどういうことなのか、まずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今岩本委員から御質問がございましたまさにそのとおりでありまして、きょう八時半から防衛関係の閣僚会議がありました。そして、九時から全員の閣議が開かれまして、今御質問になられました件もその案件であったわけでございます。 国連からは先般モザンビークについて五十三名の派遣要請があったところでございます。本日の閣議では、派遣要請等を踏まえ、これに応ずるべくモザンビーク国際平和協力業務実施計画及びモザンビーク国際平和協力隊の設置等に関する政令について閣議決定をいたしました。モザンビークへの派遣を正式に決定したところでございます。
○岩本久人君 内外情勢が大変多難なときでございまして、国民的にも大変関心と注目度の高い内容でありますので、今のところではそういったことがあったということだけを押さえておきまして、あした本会議で我が党からも代表ですることになっておりますから、そちらに譲りたいと思います。 それに関連をして、カンボジアではああいう事件が起きたわけでありますが、国民の一般的な認識としてはいわゆるカンボジア情勢というのは自衛隊派遣の大原則である停戦合意というものが崩れているんではないかというふうに言われておりますが、そのことについての大臣の認識を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) この問題はパリ和平協定五原則は堅持をされておる、私はこのように承っております。
○政府委員(遠藤安彦君) 若干補足をさせて御答弁させていただきたいと思います。 当事者間の停戦の合意が崩れているのではないかということでございますが、私どもが国際平和協力本部その他から聞いているところでは、カンボジアの一部の地域で武装集団による襲撃事件などが発生しているということは事実でありますけれども、これが全面的に戦闘が再開されているというような状況ではないというようなこと、それからポル・ポト派につきましても累次の機会にパリの和平協定を遵守するということを表明している、そういったことを総合的に判断すれば、パリ和平協定に基づく和平プロセスの枠組みというものは維持されておって、紛争当事者間の停戦の合意は存在すると認められるというように考えているのが現在の政府の考え方だというように私どもは聞いているところでございます。
○岩本久人君 現状の認識についてはかなりギャップがあると思うんですが、この問題はきょうのこの法案審議の本題から若干それますからあしたの本会議に引き継がせていただくということにします。 それから、きょうの新聞のトップに「政府募集の選挙監視要員 カンボジア派遣初の辞退者」というのがありました。このことについても自治体職員はどうなっているのかを聞きたいと思いますが、急な話ですからこれは一番最後に質問をしたいと思いますので、それなりの準備をひとつよろしくお願いしておきたいと思います。 次に、警察庁にお伺いをしたいと思うんですが、御存じのように、四月八日に民間ボランティアの中田厚仁さんという方のあのような大変お気の毒な事件が発生をしたわけであります。この事件を通じて国民があれと思ったのは、やはりそういったところには国会で大議論をして正式に赴いた自衛隊以外に大変善意の多くの力が注がれているということがわかったということだと思うんです。 それで、UNTACが実施している国際協力業務の中に非軍事部門として自衛隊が現在参加しております復旧部門というのがありますが、そのほかに文民警察部門があるというふうに言われております。これの具体的な中身はどうなっているのか。何名の警察官が現在カンボジアに行っているのか、その身分はどうなっているのかということについて、できるだけ詳しくお伺いをいたします。
○政府委員(城内康光君) お答えいたします。 UNTACの文民警察部門ということで、全世界から、三十二カ国でございますが約三千五百名の要員が派遣されております。そのうち、日本からは昨年十月中旬から七十五名の警察職員が派遣されております。 任務といたしましては、現地の警察に対する助言、指導、監視といったところが中身でございます。
○岩本久人君 その七十五人というのはどこに所属していた人が今行っておるわけですか。
○政府委員(城内康光君) お答えいたします。 身分関係についての御質問と思いますけれども、この七十五名のうちの四名は警察庁の職員で、警察庁からカンボジアの国際平和協力隊に派遣されております。残り七十一名は、所属しておりました都道府県警察を一たん辞職する形をとりまして、同じくカンボジア国際平和協力隊に採用されるという形をとっております。
○岩本久人君 警察庁の四名も考えなければいけないことではないかとは思うんですが、各都道府県警察所属の警察官が七十一名そこを辞職して行っているということですね。そうすると、辞職したらそれだけ欠員が生ずるわけですね、現場では。それは補充してあるんですか。
○政府委員(城内康光君) 期間がおおむね九カ月という短いというわけではございませんけれども一定の期間に限られておりますので、そうしますともう一回戻ってくるわけでございますから、その間そこのところは一応あけてある、こういう格好でございます。
○岩本久人君 そうでなくても定数が非常に厳しく管理されておるわけですから、九カ月間が短いというのは現場の認識とはかなり違ったもので、この辺は今後やっぱり配慮をしてもらう必要がある、このように思っております。 それで、その七十五人の方たちの身分はさっき言われましたけれども、その方たちの給与はどういうことになっているんですか。
○政府委員(城内康光君) 給与についてでありますけれども、四名の警察庁職員は警察庁から、残る七十一名は総理府の国際平和協力本部から、それぞれ本俸等の支給を受けることになっております。 ただ、この国際平和協力業務に従事することによって支給される手当、例えば国際平和協力手当とかあるいは超過勤務手当などにつきましては、いずれの場合におきましてもこれは総理府の国際平和協力本部から支給をされるということになっております。
○岩本久人君 ということは、自衛隊と同じように手当は一日二万円出る、こういうことですか。幾らなんですか。
○政府委員(城内康光君) これは勤務地などにおきましてそれぞれ区々でございます。任務において、例えば国境における監視などにつきましては二万円、それから地方勤務については一万六千円、それから、あとまた地域によって一万二千円あるいは八千円とか、それぞれ区々に定められております。
○岩本久人君 その方たちが万一事件事故等によって負傷したとか不幸にして亡くなったといったときの補償はどのようなことになっておりますか、お伺いいたします。
○政府委員(城内康光君) 万一の事態における補償につきましては、国家公務員災害補償法による補償のほか、賞じゅつ金の適用、それから内閣総理大臣の特別ほう賞金が支給されることになっております。 なお詳しく申し上げると、賞じゅつ金の場合ですと殉職の場合最高五千万円、それから内閣総理大臣特別ほう賞金は殉職の場合最高一千万円、こういうことであります。
○岩本久人君 その方たちが無事任務を終了して帰国された後の処遇はどうなるのか。いずれにしても、命をかけてのことでありますからかなりの優遇ということも考えておられるんじゃないかと思うんですが、その辺を含めてお伺いをいたします。
○政府委員(城内康光君) カンボジアに派遣されております警察職員は大変厳しい情勢とそれからまた大変劣悪な生活環境の中で厳しい勤務を強いられておるわけでありますが、今のところ大きなけがとか病気もなく全員士気高く勤務しておるわけでありまして、まことに心強く感ずる次第であります。 任務が終了してこちらへ帰国いたしました際には、私から表彰を行うなど十分その処遇について配慮してまいりたいと思います。また、それぞれの都道府県におきましてもしかるべくその労に報いるように私どもとしても指導いたしたいと考えております。
○岩本久人君 帰国した後の所属については、本人の意見を聞いて、できるだけ希望にかなうようにしたいということなんですね。 それで、警察庁長官の表彰状というのには金一封か何かつくんですか。単に紙切れ一枚ですか。
○政府委員(城内康光君) 表彰ということは、やはり私どもは名誉を大事にしておりますので、この紙が大変大事でございます。
○岩本久人君 警察庁長官が考えられてみて、行く前、行ってから、それから帰った後、トータルとしての処遇は警察官と自衛隊とではほぼ同じだというふうに思われるか、あるいは勤務の中身を含めて警察官の方が厳しいと思われるか容易だと思われるのか、そのことについてお伺いいたします。
○政府委員(城内康光君) なかなか一概には申し上げられないと思います。ただ、警察職員の場合は現在二十一カ所に居住をいたしまして二十八カ所に分散して勤務をしておるわけであります。その勤務先では二名あるいは四名という格好で勤務をしておるわけでございます。それでいろいろ問題でありますコンポントムとかあるいはシエムレアプはそれぞれ九名ずつというような単位で勤務をしておるわけでございます。 自衛隊の場合ですともう少し大きな部隊単位でおるということでございますが、私どもの場合だったら例えば二名ということになりますと全部自分でやらなきゃならない。持続的な生活ではございません。いろいろなところでいろいろな苦労をしながらやっておるわけでございまして、なかなかその苦労のほどは一概には言えないと思います。ただ、各県からそれぞれ優秀な者が手を挙げて来ておりますので、私どもよく連絡をとり合っておりますが、大変士気高く頑張っておる、こういう状況でございます。 自衛隊との比較はちょっと私には難しゅうございますので、それは遠慮させていただきたいと思います。
○岩本久人君 国会でも大論議をしたということもあって、自衛隊の場合は全国民的な注目度、関心も高い。だからそれだけ、十二分とは言わないまでも考え得るいろんなことを予測して手当てをしてあるんではないかと思われますが、その点、警察官の方は国会議論のときにそういう話もあったなというような程度で実はいつどういう形で行かれたのかということもほとんどの国民は知らない。今回のこの事件で、ああそうかと。重装備をしておる自衛隊は比較的危険の少ないところ、丸腰に近い警察官とか選挙監視のそういうボランティアの方たちはとても危険なところで頑張っておるということが今回わかったわけでありますから、そこのところをひとつ今後十分配慮してあげてほしいと要望して、この項は終えたいと思います。 さて、本題に入りますが、暴対法の関係です。まず警察庁にお伺いいたします。 一年少々たつわけでありますが、大変な御苦労をされて指定されております。努力には敬意を表したいと思うんですが、現段階、存在する暴力団のうち河団体が指定されたのか、また暴力団員の構成員の数で見ると指定された割合はどの程度になるのか、お伺いをいたします。
○政府委員(廣瀬權君) お答え申し上げます。 昨年三月一日の暴力団対策法の施行以降、本日までに十八団体が指定されております。これによりまして、全国の全暴力団構成員、これは平成四年末現在で約五万六千六百人でございますが、このうちの約七六%に暴力団対策法の網がかかったということになります。
○岩本久人君 法律の趣旨は暴力団対策でありますから、すべての暴力団を指定する、きっちり対応するというのが趣旨ではないかと思うんですが、そのことについてはこの七六%というもので大体の目的は達しつつあると、こう思われるんですか。その評価を伺いたいと思います。
○政府委員(廣瀬權君) この暴力団の指定につきましては、暴対法の趣旨が山口組ですとか稲川会ですとか住吉会ですとか最近寡占化をとみに進めております暴力団の民事介入暴力事案、これを規制するために暴対法を制定していただいたわけでございます。したがいまして、山口、稲川、住吉の広域かつ大規模、そして威力を利用しまして暴力的要求行為を頻繁に行っているこういう悪質な団体から指定を進めできたところでございます。そして、先ほど申しましたように、現在約七六%の全暴力団員に網がかかったということでございます。 現在も指定作業は継続して進めておりますので、今後とも悪質かつ広域団体を優先的に指定してまいりたいというふうに考えております。
○岩本久人君 ということは、七六%というのは物理的なことであって、今後とも悪質で広域的な暴力団については優先的に指定していくと、けれども最終的にはすべての暴力団を網羅していきたい、こういうことですか。お伺いいたします。
○政府委員(廣瀬權君) 現在鋭意指定作業を継続中でございまして、今後、個々の団体につきましてよく調べてみませんと、中には看板は掲げておりますけれども威力利用行為等が大変少ないというような団体も将来は出てくると思いますので、原則的には指定すべきものは指定するという方針で、その優先度は悪質な団体からということでやってまいりたいと思っております。
○岩本久人君 次に資金源の問題ですが、平成元年の白書では一年間の暴力団の収入総額約一兆三千億円と推定をされておりますが、今回の改正に伴って警察庁が出しておられる資料にはここのところが明確になってないように思います。私の見落としかもわかりませんが、平成四年度あるいは平成三年度の推定ではどの程度になっておるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(廣瀬權君) 現時点におきまして、警察において把握している暴力団の収入はお示しの平成元年度の警察白書において明らかにされたものでございます。その後この種の調査は行っておりませんので、現状がどうなっているかというのは必ずしも正確にはわからないわけでございます。ただ、社会経済情勢の変化等に伴いまして、暴力団の収入も前回調査時に比べますとかなり増加しているというふうに考えられます。 この種の調査は暴力団活動の全体像を把握する上で極めで有意義であると考えられますので、今後新たに調査をすることにつきまして検討してまいりたいというふうに考えております。
○岩本久人君 言うまでもないことですが、ただいま現在は平成五年度ですね。平成元年度の資料で今いろいろやりとりしているんですが、平成二年度なり三年度なりの白書ではどうなっているんですか。
○政府委員(廣瀬權君) この調査につきましてはかなり事務処理に人員も要するということでございまして、この調査をしたのは平成元年度だけでございまして、この種の大きな調査はその後はやっていないということでございます。 今後、この種の調査が大変重要であると考えておりますので、しかるべき時期にやるべく検討してまいりたいというふうに思っております。
○岩本久人君 一言でいいんですが、平成二年度、平成三年度に、平成四年度もそうなんですが、調査をしようとしなかった主たる理由は何ですか。極めて重要だと言われながらやってないということをすらっと言われますが、主たる理由を聞かせてもらいたい。
○政府委員(廣瀬權君) この種の調査はやはり相当事務量がかかりますので平成元年度のものを基本にしているわけでございますが、平成二年度、三年度というものにつきましては暴対法の整備ですとかその他の作業がありましたので、この種の調査は今後の課題とさせていただきたいというふうに思います。
○岩本久人君 警察庁長官に伺いますが、今言われるのには、資金源というものは重要な資料になり得ると、けれども、余りにも業務が多くて忙しくて手が回らない。つまり、人手が足りないということなんですね。そこのところについではやっぱり十分対応される必要があるんではないか。そういう中にありながらもさっきのように海外に派遣をいたしてその穴を埋めないというようなことも含めて、どのようにお考えですか、お伺いいたします。
○政府委員(城内康光君) 暴力団というのは、言ってみれば暴力を手段にして金もうけをたくらむ企業でございますから、そういうものの収入がどのくらいかということについては私ども大変な関心を持っておりますし、また委員もそういった観点から御質問になっていると思いますが、しかし私どもにとりましては、一応平成元年の白書で御紹介いたしましたように、おおむねの目安としてそういう一兆三千億というような推計を出したわけでございます。そのこと自体が直ちに犯罪になるわけではありませんが、そういう実態を知りつつ事件を摘発していくということが大事じゃないかと思います。 現在は、一件でも多く、一名でも多くということで全警察署挙げての最重要課題として検挙、壊滅というところに精力を集中させておるわけでございます。仰せのとおり確かに人不足でありますけれども、しかしそういう限られた人員をその最重要課題に集中して運用していくということは大変大事ではないかと思います。そういうことでこのところをやってまいりまして、ある程度の効果を上げつつあるという状況でございます。 したがいまして、今暴対部長がお答えいたしましたように、いずれまた時を見てそういう目安となるような事柄についての調査をやってまいりたい、こういうことでございます。
○岩本久人君 いずれにしても、人手不足であることは否めないですよ。そして、その仕事の中身というのが相手が相手であるだけに命がけの話でしょう。だから、そこのところにもっともっと重きを置いて考えていただいて、やはり人手不足の解消のために増員ということも含めて考えてもらいたい。これは要望しておきます。 次に暴力団からの離脱の問題ですが、今回の法改正もその意味では非常にいい中身で私は積極的に賛成をしているところでありますが、離脱希望者に対し必要な措置を講ずると。その中で一番大事だと思われるのは、やはり社会復帰といいますか正常の業務にいかにつくかということではないかと思うんです。その意味では、公安委員会は各職業安定所と協力して積極的にその措置を講ずる、こういうことのようでありますが、まず、公安委員会としてどういう措置を講じておられるのか、お伺いいたします。
○政府委員(廣瀬權君) 今回御提案申し上げております法第二十八条の規定によりまして公安委員会が行います離脱希望者に対する援護の措置等の具体例について申し上げます。 これは、暴力団離脱希望者を雇用する意思のある事業者、この受け入れ企業をできるだけ多く募集する。これが大変重要なことの一つでございます。また、暴力団離脱者と雇用しようとする事業者との面接に警察職員が立ち会うというようなことも考えてまいりたいと思います。さらに、必要に応じまして暴力団離脱者の経緯等を、どのようにして離脱したかというそういう経緯を事業者に説明するというようなこと、あるいはこの離脱者を雇用した事業者に対しまして暴力団がいろいろな嫌がらせ等を行うということも十分考えられますので、そういう保護対策の措置の万全を期したいというようなことを考えております。
○岩本久人君 次に、労働省にお伺いいたします。 全国の各職業安定所でこの種の相談件数が過去一年ちょっとで何件あったか、それからそれの中身は大体どういうものか、それでどんな効果があったのか、具体的にお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(岡山茂君) お答え申し上げます。 労働省といたしましては、やはり暴力団から離脱する意志を持っている人の社会復帰につきましては、その人の能力に合った職業につきそういう機会を提供していくということが非常に大事であるというふうに考えておるわけでございます。そのためにこれまでもいろいろと警察庁とも御協力をいたしまして公共職業安定所におきましてそれらの御協力を申し上げておるわけでございますけれども、具体的には、都道府県の暴力追放運動推進センターあるいは警察と連携を図りまして離脱希望者に対する職業相談、それから的確な紹介をするためにいろいろな相談、指導をやっておるわけでございます。また、都道府県段階に設置されております社会復帰対策協議会を通じましてこれらの方々の就職促進に努力をしております。 これまでのところ、その暴力追放運動推進センターあるいは警察から協力の依頼がございまして相談をし紹介あるいは就職をした方につきましては、具体的に申し上げますと平成五年の三月末現在で就職に至りましたのが三十六人ということでございまして、その面での効果は上がっているものと考えております。 主な仕事は、それらの希望の方々は早く定職につきたい、こういう方が多いわけでございますので綿密な相談をしながらやっておるわけでございますが、やはり何といいますか住宅等の確保などを希望される方が多いというような状況でございます。
○岩本久人君 なかなか大変でしょうが、頑張ってください。 次に、今回のこの改正案で暴力的要求行為の追加がありましたね、株式の買い取り等を要求する行為とか有価証券の信用取引を不当に要求する行為とか、あるいは競売の対象となるようなものを不当に要求する行為。こういったものが新しく追加になりましたが、この追加をされた基準、どういう観点でこれを入れられたのか、簡単にお願いいたしたいと思います。
○政府委員(廣瀬權君) 暴力団対策法成立後、広域暴力団の幹部が株の取引に関与した事案や暴力団員が株の取引を行う過程で証券会社やその株を発行した株式会社に対しまして不当な要求行為を行った事案のほか、最近の不況下におきまして倒産会社の抵当不動産の競売事案に暴力団が介入をして抵当権者等に対して不当な金品等を要求する行為、そういう事実が明らかになったところでございます。 このような暴力団員が新たな形態で一般経済取引へ介入するあるいは関与しているという実態にかんがみまして、民事介入暴力事案に的確に対処する観点から今回お願いしている改正法に盛り込んだものでございます。
○岩本久人君 この法律が効果を上げれば上げるほど、国民の中に浸透すればするほど暴力団側もその対策をいろいろ考えてくる。当然のことですね。それで企業舎弟とかダミーの会社を使って実質的には同じようなことをやる、こういうことが考えられますが、これについての対策はどのように考えておられますか。
○政府委員(廣瀬權君) 委員御指摘のとおりでございまして、暴力団を取り巻く、これは私ども暴力団フロント企業と申しておりますが、そういうフロント企業から暴力団にかなりの資金が行っているというような実態がございます。 こういう暴力団フロント企業に対する対策といたしましては、何をおいてもまず犯罪があればその犯罪を検挙するということでございます。昨年一年間、暴対法施行後一年間このフロント企業の取り締まりに大変な力を入れまして取り組んだところでございますが、百五十六事件の犯罪を検挙し、これに関与したフロント企業は百九十社ということでございました。本年も引き続き、この暴力団を取り巻くフロント企業、ここからの資金が暴力団に流れることを遮断するというようなことを最重点に取り組んでまいりたいというふうに思います。 そのためには、連法行為を徹底して検挙いたしますとともに、そういうフロント企業等を公共工事から排除するというようなことも考えてまいりたいと思います。また今回の法改正におきまして、これは十条二項という規定でございますが、指定暴力団員が暴力的要求行為をしている現場に立ち会ってこれを助ける行為というのを御提案申し上げておりますが、この規定が有効に活用されればそういうフロント企業が指定暴力団員を利用して行う暴力的要求行為を規制する上で有効なものになるというふうに考えております。
○岩本久人君 資金源を断つということは極めて重要なことですが、それのためには不当な形で得たお金や物を没収するということが必要だと思うんですね。今回この没収の規定に入っていないように思うんですが、その点はどうなっているのか、お伺いいたします。
○政府委員(廣瀬權君) これまた委員御指摘のとおり、不正収益の剥奪につきましては我々も大変重要な暴力団対策の一つであるというふうに理解をいたしております。 この暴力団対策法を立法いたしましたときに暴力団対策研究会の意見をいただいておりますが、その際幾つかの留意点というのが示されております。一つは剥奪の対象となり得る不正収益というのは何であるか。それから暴力団の資金の流れは具体的にどのようになっているのか。現行の刑事上の没収、追徴の運用状況はどのようになっているか。そういうことについてどのようになっているのかというような留意点が示されたところでございまして、それに基づきまして現在調査研究を進めているところであります。 今後とも鋭意この調査研究を進めてまいることにいたしておりますが、この問題につきましては法律上論点が広範かつ多岐にわたるところでございますので、論点を整理するため、近々暴力団対策研究会に憲法、行政法、税法、刑法、民法といった分野の法律学者をメンバーとする小委員会を設けて、そこで検討を進めていくというふうに考えております。
○岩本久人君 没収するためにはどうしたらいいかということを今後調査研究すると、こう言われるので、とてもいいマニュアルが、手引がありますから御紹介をしたいと思うんです。 東京佐川から金丸信さんが強大な権力という暴力を使って五億円ほどやみ献金を召し上げた。それについては、いろいろあったけれども最終的に二十万円の罰金で当面を糊塗した。それについて全国的に大変な批判があって、そのために国会で慎重に議論した結果、五年の一月一日からは速やかに没収できる規定ができております。 そこで、この規定を一つの手本にされたらいいと思うので、自治省に、これはどういう考え方でこのようにスムーズにきちっと没収の規定ができたか、中身をお伺いいたします。
○説明員(大竹邦実君) お答え申し上げます。 昨年十二月の各党合意に基づきますところの緊急改革によりまして政治資金規正法が改正されてございます。その中で、委員御指摘の違法な寄附の没収、追徴の規定が新たに設けられたところでございまして、第二十八条に、寄附の制限等の「規定の違反行為により受けた寄附に係る財産上の利益は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。」、こういうふうにされたところでございます。 具体的に申し上げますと、政治資金規正法では寄附の量的あるいは質的制限等の各種の制限規定を設けているわけでございますけれども、寄附の総枠あるいは個別の量的制限を超えてなされた寄附あるいは補助金等を受けている会社のする寄附など質的制限に違反してされる寄附等につきまして、その違法な寄附の受領者に対し没収、追徴を科すというものでございます。
○岩本久人君 警察庁長官も公安委員長さんも暴対部長さんも、今のは物すごく参考になると思います。ぜひ今後調査研究されるときに、現実にそういう改正になったわけですから大いに参考にしてもらいたい、こう思っております。 それでは、時間が来ましたから最後に、さっき宿題にしておきました、自治省の担当の局長さんかどなたかに聞きますが、きょうの新聞を見ると、五月二十三日からのカンボジアの総選挙に対して自治体職員がかなりの人数カンボジアヘ選挙監視要員として赴く、こうなっておりますが、その人数、それからどこの県の出身か、その身分はどうなるのか、待遇はどうなるのか、帰ってからの処遇はどうなるのかということについて一括お答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
○政府委員(遠藤安彦君) 現在選挙要員の候補者となっています内訳でございますが、正確な数は恐縮ですが控えさせていただいて、大体の数で恐縮ですが、国家公務員が五名程度、地方公務員が十数名、その他が民間の方というぐあいになっております。 それから、出身ということでございますが、恐らく各県別の内訳ということを委員お尋ねのことかと存じますけれども、最終的にまだ本人の意思確認その他の状況もございますので、ここでは詳しい内訳は大変恐縮でございますけれども控えさせていただきたいというように思います。 身分関係でございますが、これは大体五月の六日ぐらいに、それまでに意思確認を行いまして、行くということが最終的に確定をした要員候補者につきましては五月の六日ぐらいに国家公務員として採用をするということでございますので、地方公務員から国家公務員に身分が切りかわるということになります。それから待遇でございますけれども、そうなりますれば待遇は国家公務員としての待遇になる。給与その他は国家公務員としての給与その他が支払われる、それから手当につきましても既に政令等で決まっております手当が支払われるということになると承知をいたしております。 それから、冒頭の御質問で辞退者のことが新聞に出ているけれどもどうなっておるかというお尋ねがあったわけでございますが、私どもも新聞等でいろいろ報道があることは十分承知をしているわけでありますが、地方公務員関係で現在のところ正式にといいますか、私どもに各県から辞退されたとかいう正式の報告はまだ受けていないところでありますし、また平和協力本部の方からもそういった要員候補者からの申し出があったという連絡を私どもとしては受けていないところであります。 ただ、いずれにしましても、この要員の安全とそれから本人の意思確認ということは非常に重要なことであると考えていますので、本日の閣議の際にも自治大臣からその旨強く要請をしていただいたところでございます。
○岩本久人君 最後に一つ。 本当はやめようと思ったんだけれども、そのような答弁ではやめるわけにはいかない。この新聞記事を見ても、そういうあいまいな態度が確信を持って行けないと、こう言っているわけですね。あいまいな態度、つまり命をかけて行くのに、五月二十三日からでしょう、五月六日に本人の意思を確認するというような悠長なことでいいのかどうなのか、そして現段階でまだ人数が確定をしないとか。その人の家族のことやら職場のことを考えたら、確定していないということ自体が僕は極めて疑問のある答弁だと思うんですね。確定はとれていてもいろんな影響があるからこういうことは言えないというのならまた話は別ですよ。 いずれにしても、極めて不満の多い答弁ですから、後から一覧表を持ってきてもらうことを条件にして、一応おきたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 自治大臣として一言お答えを申し上げておきますが、実はきょうの閣議後の記者会見でもこの問題の御質問があったんです。 それで、岩本委員の御指摘された点はよく私は心で受けとめるわけですが、実施をするのはいわゆる協力本部でございます。したがって、協力本部からの要請を受けて自治省としては選挙監視要員を募集するというわけですが、そのときに二つしっかりと要件を出しているんです。一つは本人の意思がしっかりと確認をされるということ。それから、もう一つは本人の生命、財産の危うさが絶対にないということ。この二つを条件にしておりまして、そして、国連のいわゆる平和協力活動にはこれはもう根本的に協力しなきゃならぬという趣旨でございますので極めて熱心にやっております。 ただ、新聞記事に私が一々お答えをする必要はないと思うんですが、先ほど政府委員からお答えを申し上げましたように、辞退の正式の連絡というのは受けておりません。したがって、これは協力本部の要請に基づく本人の意思の確認及び身体の安全の保全ということを原則として私どもはこの協力をしっかりやっていかなきゃならないという趣旨で、ボランティアの中田さんがお亡くなりになりました、私は心から哀悼の意を表するわけでございますが、今後のカンボジアの協力につきましてはそういう認識で進めておるところでございます。
○続訓弘君 先ほどもお答えございましたけれども、指定暴力団七六%を現時点で指定して、そして日夜国民の安全といいますか安寧について努力をしておられる当局に対して、まず敬意を払わせていただきます。 そこで、ことしの三月、警察庁が発表された文書がございます。「「暴力団対策法」施行一年の結果と今後の課題について」、こういう文書でございます。その中に、「国民生活から暴力団の脅威を排除することにおいて一応の成果を収めたものの、未だ多くの課題を残している。今後とも、暴力団壊滅のための継続的な努力が必要」だと、こんな文書でございました。 そこで、具体的な問題について以下数点にわたってお尋ねいたします。 その第一点は、暴対法の施行によりまして暴力団の組織内部に動揺が起こっている、こういうことを伺っておりますけれども、中枢部はどのくらい取り締まっておられるのか、その具体的なことについてお伺いいたします。
○政府委員(廣瀬權君) 委員御指摘のとおり、暴力団対策法の施行以降、取り締まりを中心といたしまして暴力団総合対策を強力に展開したところでございます。その結果、暴力団にありましては、暴力団の傘下組織の解散数が増加したというようなこと、あるいは獲得資金の先細りというようなこと、構成員の組織離脱化傾向が顕著になったというように、その組織の内部に大きな動揺が認められるところでございます。 暴力団取り締まりに当たっては首領幹部等の中枢部の取り締まりが重要でございますが、暴対法施行後一年間で例えば広域暴力団山口組の直系組長を二十四人検挙いたしておりますが、これは十年間におきます最高の数字となっております。また、この直系組長を初めといたしまして、全国の暴力団の傘下組織の首領級を八百二十四人検挙したところでありますけれども、これも過去五年間の最高であったということでございます。 引き続き中枢部の取り締まりを徹底してまいりたいというふうに考えております。
○続訓弘君 今お答えございましたように、過去最高の中枢部の検挙率をやっておるんだ、こういうお話でございましたけれども、暴力団壊滅のためには何よりも今お話しにございましたように組織の中枢部をちゃんとした形で処断をする、こういうのが大切ではなかろうか、そんなふうに思います。したがいまして、今お答えがございましたけれども、さらに、今後具体的に中枢部対策に対してどのような考え方を持っておられるのか、その点についてお伺いいたします。
○政府委員(廣瀬權君) 暴力団の中枢部に対する対策といたしましては、犯罪検挙の徹底と暴力団対策法の積極的な運用、この二つが重要であると考えております。 犯罪検挙の徹底に当たりましては、個々の事案の背後関係をよく捜査いたしまして中枢幹部の責任を追及いたしますとともに、中枢幹部が指示して行うことが大変多いフロント企業を利用した資金源犯罪、これの徹底した取り締まりに努めてまいりたいというふうに思っております。また、暴対法の運用につきましては、現行十条の暴力的要求行為を要求するあるいは依頼する、こういうものに対します禁止規定があるわけでございますが、これを積極的に活用してまいりたいというふうに思っております。 また、今回の改正案におきまして、内部統制行為であります加入の強要等あるいは指詰めの強要の命令等の行為に対しまして禁止規定を設けまして、上位者の責任追及を図ることとしたいということで御提案を申し上げたものでございます。
○続訓弘君 暴対法が施行されましてから暴力団の不当な資金獲得活動は変化してきている、こういうふうに伺っておりますけれども、このたびの暴力的要求行為の改正はどのような行為を規制しようとしているのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
○政府委員(廣瀬權君) 最近におきます暴力団の資金獲得活動の特徴といたしましては、株式取引に介入するあるいは競売手続へ介入するといいますように、一般経済取引に介入、関与するものが目立っております。 本法成立後、広域暴力団の幹部が株の取引に関与した事案や暴力団員が株の取引を行う過程で証券会社やその株を発行した株式会社に不当な要求行為を行ったという事案を把握いたしておりますし、また、いわゆるバブル経済崩壊後の不況下におきまして、倒産会社の抵当不動産の競売事案に暴力団が介入して抵当権者等に対しまして不当な金品の要求を行っているというような事案をつかんでいるところでございます。 こうした暴力団の一般経済取引への介入、特に株をめぐります信用取引あるいは株の買い取り要求、さらには株価等が下がったというようなことで損失補てんを要求するといったこういう有価証券にかかわる取引に関する不当要求行為を規制してまいりたいというふうに思っております。また、抵当不動産を占有したり物件に暴力団の名称を表示するというようなことをいたしまして抵当権者に対しまして不当に明け渡し料を要求する、こういう行為に対しましても規制をかけてまいりたいというふうに考えております。
○続訓弘君 法第九条第十号で規制された不当株式買い取り要求行為は具体的にはどのような行為を指すのか、今も御説明ございましたけれども、御説明願いたいと思います。
○政府委員(廣瀬權君) 改正法第九条十号は、例えば指定暴力団員ないしその関係者が株主であったということになりますと会社の円滑な業務遂行が侵害されたりあるいは会社の信用が失墜するのではないかという会社関係者の懸念につけ込みまして、株式会社に対してみだりに株式の買い取り等を要求する行為、これを規制しようとするものでございます。 具体的な例と申しますと、株式会社が自己株式の買い取りをする行為が商法上禁止されております場合に、その会社の取締役が拒絶しているにもかかわらずその会社に対して自己株式を買い取ることを要求する行為、こういうものが該当するというふうに考えております。
○続訓弘君 今回の法改正で規制される不当競売妨害行為の実態はどうなっているのか、また典型的にはどのような行為が規制されるのか、御説明願います。
○政府委員(廣瀬權君) 最近の経済不況を背景にいたしまして、暴力団の新たな資金獲得活動といたしまして不当競売妨害行為がかなり目立っているところでございます。 その実態としてどのようなものがあるかということでございますが、一つはいわゆる占拠型とでも申すものでございまして、例えば建物所有者の債権者から立ち退き料を要求するために架空の賃借権を設定して配下の者を住まわせて占拠するというような占拠型。もう一つは氏名等の表示型とでも言えるものでございますが、競売建物の玄関等に立ち入りを厳禁する旨記載した暴力団の名称入りの張り紙をするというようなものでございます。三つ目はその他の分類になりますが、裁判所に備えつけられている物件明細書に暴力団の名称をゴム印とスタンプを用いて押捺するというような、大別いたしますとこのような三つの形態のものが行われているところでございます。 したがいまして、今回の改正によりまして規制する行為の典型例を二つだけ申し上げますと、土地の所有者の資産状況が悪化していることを聞きつけた指定暴力団員がその土地の周囲に指定暴力団の名称と連絡先を記載した看板を掲げまして債権者に対しまして看板の撤去費用名目で金品を要求する、こういった行為を規制してまいりたいというものでございます。
○続訓弘君 次は要望事項でございます。 暴対法の施行によって解散する暴力団や離脱する団員が出てくることには暴対法の成果として評価できるわけでございますけれども、一方、暴力団組織の大組織への集中化というのが起こっているというふうにも伺っております。 そこで、警察当局としては、暴力団から安心して構成員が離脱できるような万全策、あるいは今申し上げたように集中化を排除する、あるいは先ほどの岩本委員とのやりとりの中でも明らかになりましたように、収入源が何としても一番大切だ、それを根絶する、こんな方途を全警察の組織を挙げて取り組まれるように要望いたします。同時に、先ほどもお答えございましたように自分たちは不断の努力をすると、研究会を開催していろんな事案に対して研究を重ねで臨機応変の措置をあるいは法改正をと、こんなお話がございました。ぜひそのことを実行していただきますことを御要望申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○長谷川清君 総理府が四月の十八日に世論調査の結果を発表しております。翌十九日には各社がいろいろこの報道をしております。 これによりますと、暴対法の効果はあったというふうに三割の方が答えており評価をされているのでありますが、その一方において、この答えの中を見ますると今後の課題らしきものが散見できると思うんです。 「暴力団がなくならないと言われている原因」として、「問題の解決に暴力団を利用する人がいるから」というのが四九・三%、約五〇%いる。「暴力団の要求に屈して資金を提供する人がいるから」というのは四七・九%。また、今後の暴力団対策として約三割の人たちが、暴力団に資金を提供したり暴力団を利用したりするそういう企業、団体があって、これを取り締まっていないからだと。こういった点などが挙がっておりまして、結論的にいいますと、これはやはり取り締まりの強化を望んでいるという結果が出ていると思います。 こういう点にかんがみまして、暴力団に対する資金の提供など一般の市民や企業が暴力団を利用するような行為、これ自身を根絶するための対策というものについて今お考えがございましたならばお聞きしたいと思うんです。
○政府委員(廣瀬權君) 委員御指摘のとおりでございまして、暴対法施行以降、私ども一年間暴力団総合対策をやってまいりました。 幾つかの課題があるわけでございますが、その中で特に大きな課題がこの暴力団を利用する者、これに対する対策をどうしていくかということでございます。いろいろな対策を打たなければならないわけでございますけれども、特に本年はこの暴力団利用者対策ということを最重点に掲げまして総合対策を講じてまいりたいというふうに思っております。 具体的にどういうことをやっていくかということでございますが、一つは、この暴力団を利用する者、これの犯罪がありました場合にはこの犯罪検挙を徹底してまいりたいということでございます。昨年も幾つかそういう意味で大きな事件を検挙したところでございますが、引き続きそういう事件検挙に努めてまいりたいということでございます。 それから、現行法第十条に「暴力的要求行為の要求等の禁止」という規定がございます。何人も暴力団員に暴力的要求行為をすることを要求する等のことをしてはだめだという規定がございますので、この禁止規定を積極的に運用してまいりたいというものでございます。また、暴力団を利用しない、暴力団に金を出さない、まあ三ない運動の二つでございますが、この運動が社会の隅々まで徹底するように広報等いろいろな工夫をしてまいりたいというふうに思っております。 また、このような観点から、今回の改正法案では、暴力団を利用する行為につきまして特に十条二項におきまして、指定暴力団員が暴力的要求行為を行っている現場に立ち会ってこれを助ける行為を規制するということを新たに御提案申し上げたところでございます。この条項の効果的な活用ということも考えてまいりたいというふうに思っております。 加えまして、今回の改正法につきまして意見を聞きました暴力団対策研究会の意見におきましても、今後の課題といたしまして、暴力的要求行為を助長するような資金の提供など、これは一般市民の場合もあるいは企業の場合もございますが、そういう者が暴力団を利用するような行為についてその規制を強化する方向でさらに検討せよという御提言をいただいておりまして、今後とも、暴力団を利用するような行為の規制につきまして、どのような規制が可能であるかということについて引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
○長谷川清君 ただいまのお答えの中にもこの暴力的要求行為の現場に立ち会っていて助ける行為という十条二項のお話がございました。この十条二項というものは、これに違反する者というのはどういうものを想定しているのか、その点をお聞きしたい。
○政府委員(廣瀬權君) 改正法十条二項におきましては、何人も指定暴力団員が暴力的要求行為を行っている現場に立ち会いこれを助ける行為をしてはいけないという禁止規定でございます。 違反者として想定しているものでございますが、第一番目には他の指定暴力団員でございます。他の指定暴力団員以外にどういうものが考えられるかという点でございますけれども、例えば暴力的要求行為の依頼者あるいはその関係者、さらには暴力的要求行為を行っている指定暴力団員の属する暴力団の準構成員、さらには暴力的要求行為を行っている指定暴力団員と交友関係にある者。いずれにいたしましても、暴力団と何らかの関係のある者を考えているところでございます。
○長谷川清君 先ほど岩本委員の方のお答えにもございましたが、この不正収益を剥奪するというこの点、私もこの点は厳しく扱うべきだ、こう思っておりました。お答えの中には、これは調査研究を行うと細かい具体的なお答えがございましたのでそれで私は十分だと思いますが、やはり麻薬であるとか覚せい剤のようなこういうケースと同様にきちっと最後の答えを出していただくようにこの機会にお願いをしておきたいと思うのであります。 また、今回の改正案に関係をいたしまして、下位法令は一体どういうふうになっているか、この点をお伺いいたします。
○政府委員(廣瀬權君) まず、今回の改正によりまして国家公安委員会規則に委任することとされている事項についてお答えを申し上げます。 その一つは、法第十六条三項の人を威迫してその密接関係者を加入させる等の行為を禁止しているその条項でございます。この禁止行為に関する密接関係者の範囲がどこまでかということ、それから密接関係者を加入させること等の手段として行われる行為、この二つにつきまして国家公安委員会規則において定めるということとされております。 まず密接関係者の範囲でございますが、その者の親族あるいはその者を保護者とする少年、その者が雇用する者または事業所等においてその者の監督下にある者、こういう者を密接関係者として規定してまいりたいというふうに考えております。 それから、密接関係者を加入させること等の手段として行われる行為といたしましては、法律には組抜け料等の要求や居場所等の情報提供の要求が規定されておりますが、これらのほかに、指定暴力団員が密接関係者に連絡をとることを求めている旨を伝達するように相手方に強要する、あるいは指定暴力団員が密接関係者に事務所に出向くことを求めているそういうものを伝達するように相手方に強要する、このような規制を考えているところでございます。 二つ目は、決別表の改正といたしまして、暴力的不法行為等に係る法律としていわゆる麻薬特例法及び特定債権譲渡規制法を追加したことに伴いまして、それらの法律に規定する罪を暴力的不法行為等ということで追加をしてまいりたいというふうに考えております。 今回の改正法案におきまして、下位法令に委任することとしている事項は以上のとおりでございます。 これらのほかに、法九条の改正によりまして暴力的要求行為に係る行為類型が追加されたことに伴いまして、暴力団事務所における禁止行為に係る用務として自己株式の買い取りに関する交渉の用務、これを新たに追加したい。そのほかにもございますが、そういうものを追加したいと考えております。また、いろいろ御質問ございました法二十八条一項に規定します離脱の意志を有する者に対する援護の措置等につきまして都道府県公安委員会が行うべき措置を具体的に定める、そのような所要の規定の整備をしてまいりたいと考えております。
○長谷川清君 終わります。
○有働正治君 まず、暴対法に基づくこれまでの取り締まりについてお伺いします。 構成員は減っていますが、準構成員がふえて全体としてほぼ横ばいの状況にあるようであります。いただきました資料を見ますと、山口組は構成員が九百人減り準構成員が二千七百人ふえて差し引き千八百人ふえる。住吉会は約五百人の差し引きの増。稲川会が増減なし。そして、この三団体が六二%から六五%へと全体の中での寡占化が進んでいる状況にあります。 そういう点から考えますと、準構成員への取り締まりを強めるということが重要だと考えるわけでありますが、この点どうなのか、またどう対応しておられるのか。簡潔にお願いいたします。
○政府委員(廣瀬權君) 平成四年末の準構成員は約三万四千人で、平成三年末と比べまして約六千八百人の増加となっております。 それは、いわゆるフロント企業等の実態把握、これは事件検挙を通じましてフロント企業の実態をよく解明せよという警察庁の指示に基づきまして全国警察が動いたわけでございますが、それによりましてフロント企業にかかわる準構成員を新たに把握したということが大きな理由でございます。また、暴力団の中にはフロント企業を強化するために構成員を組織から離れさせて準構成員として活動させている。そのようなことが準構成員の増加になったのではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、この準構成員、その中でも特に暴力団フロント企業といいますのは暴力団の資金源を支える大変重要な位置にあるものでございますので、このフロント企業の取り締まりを中心に準構成員の取り締まりをしっかりやってまいりたいというふうに考えております。
○有働正治君 そのフロント企業の問題でありますが、国会論戦の中でも暴力団に利益を供与した企業名を公表せよという議論がありましたけれども、フロント企業の企業名公表というのはより直接的で国民にもわかりやすいわけであります。就職の内定の取り消しでも企業名を公表しているわけでありますから、毅然として国民的な支持を受けながら暴力団を追放していくという意味でこの企業名公表というのは私は大事だと考えるわけでありますが、その点積極的に対応していただきたい。答弁願います。
○政府委員(廣瀬權君) 一般的に、フロント企業の名称を公表することにつきましては、公務員法の守秘義務と国民の被害の防止の両者の観点を踏まえまして、暴力団と同視し得るような企業につきましては関係者に情報を提供することにつきまして今後検討してまいりたいと考えております。
○有働正治君 次に、暴力団の政治結社化の問題であります。 見聞きするところによりますと、茨城県の場合、ここ数年で結成された政治結社のうちで二十数団体が暴力団絡みの疑いが濃いと聞いております。それから愛知の場合、暴力団山口組系弘道会が政治結社国民司政会議を結成し暴対法逃れと見られていますが、この団体は右翼としての実績づくりのために集会や街宣、勉強会に取り組んで、その活動を活発化させて隠れみの的な対応をしているようであります。また、暴力団組織を拡大するために右翼を抱えている事例も聞かれるわけであります。 そこでお尋ねします。右翼団体を標榜しながらその実態は暴力団と言える場合がふえてきている。この実態をよく掌握して暴対法に基づいた毅然とした対応、場合によっては、その内実に応じて暴対法に基づき指定を含めて検討するということもあってしかるべきではないかと思いますが、御見解を求めます。
○政府委員(廣瀬權君) 暴力団によります政治団体の届け出につきましては、山口組が全国国土浄化同盟なる政治団体を設立いたしましたほか、山口組の傘下組織の一つが同政治団体の支部団体を設立したことを確認いたしておりますが、現在のところ暴力団が政治団体化するという実態が顕著であるとは認められないというふうに考えております。 また、暴力団の指定につきましては法三条第一号に規定をいたします実質目的要件があるかどうかということで判断するわけでございますが、仮に目的に政治目的を掲げておりましても、それがまさに名目にすぎない、あるいは暴力団の活動に比較いたしまして政治活動が無視できるほどに少ないというような場合などは指定の対象となり得ると考えております。しかし、その政治活動が決して単なる名目でなく実質的に右翼としての政治活動を行っているという場合には指定の対象から外れるというふうに考えております。
○有働正治君 実態に即応した毅然たる対応を求めるわけであります。 次に、指定暴力団の指定等の問題でありますけれども、東京の場合、指定暴力団指定が全体の五割ほどであります。全国平均の七割五分から見まして大きくおくれている状況にあり、これは放置できないと考えるわけであります。例えば松葉会の指定というのは茨城県警の手を離れ警視庁の手にあると聞いておりますけれども、極東会などを含めて大きな暴力団の指定がおくれている。このおくれはなぜであるのかその理由について、そしてこの指定を急ぐべきであると考えるわけでありますが、御見解を伺います。
○政府委員(廣瀬權君) 東京都公安委員会におきましては、昨年の六月二十三日でありますが、稲川会と住吉会、この二大暴力団を同時に指定したと。この二つを指定するのにも相当の努力をしてこの結果になったわけでありますが、この結果、現在警視庁で把握している構成員の約四八%に暴対法の網がかかったという状況になっております。 これ以外にも大規模かつ広域に活動する暴力団がありますことから、この稲川会、住吉会を指定しました後におきましても、東京都公安委員会あるいは警視庁におきましてこうした暴力団を指定すべく現在所要の作業を懸命に進めているところでございます。
○有働正治君 その際、東京の場合に警視庁が大型の警備体制をしばしばしくわけで、それとの関係で人的な体制がとれていないのではないかということも考えるわけでありますが、その点いかがでありますか。そして、対応を本当に急いでいただきたいということを申し上げるわけです。
○政府委員(廣瀬權君) 警視庁におきましても、これは全国警察挙げでそうでございますが、暴力団対策が今日の警察の最大の課題でございますので、警視庁も特別の体制をとって暴対法の運用あるいは暴力団の取り締まりに当たっているところでございます。現在も今後の指定作業を鋭意進めているところでございまして、決して私どもはおくれているとは思っておりません。むしろ、対象とする団体が大変大規模な団体である、したがいましてその作業に相当の日数を要する、その辺を御賢察いただきたいと思います。
○有働正治君 ちょっと認識が甘いんじゃないかと私は思うわけであります。この際、私は警備公安警察偏重を改めて刑事警察を強化するということが大事じゃないかと思うんです。 城内長官の年頭のあいさつでも、本年の重要課題として暴力団対策を挙げておられます。刑事警察の強化は暴力団対策とともに凶悪犯罪の増大を防ぐためにも必要だと考えるわけでありますけれども、この点の積極的な対応を求めるわけでありますが、いかがでありますか。
○政府委員(廣瀬權君) 先ほどお答えしましたとおりでありますが、警視庁もその組織を挙げまして暴力団対策に取り組んでいるところでございまして、例えばこの前御下問ございました新宿地区の暴力団対策でございますが、これはかなり長期間機動隊を投入いたしまして街頭暴力の取り締まりに当たったということでございますし、その他の地域におきましても機動隊の投入あるいは警備公安部門あるいは刑事部門との連動したいろいろな捜査活動というのもやっているわけでございまして、決して警備公安偏重ということはないというふうに思います。
○有働正治君 刑事警察を強化してこの暴力団等を含めました積極的な対応という点について、国家公安委員長としていかがでありましょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 有働委員からの御質問でございます。 暴力団の存在は今や国民生活の平穏を確保する上で重大な脅威となっておりまして、暴力団の壊滅が国民的な課題である、こういうふうに認識しております。したがって、いかなる立場の人であれ、暴力団と知ってこれを容認したり利用したりすることはあってはならないと考えております。右翼を仮装する暴力団の存在というようなものがあることを考えますと、そのような団体と政治家が関係を持つこともやはりあってはならないと考えております。 いずれにいたしましても、先ほど来の一連の御質問の中にありましたように、国民と警察や関係機関が一体となった暴力団排除活動などをさらに強力に展開いたしまして、暴力団を社会的に容認するような風潮が社会から一掃されるように今後とも督励してまいりたいと思っております。
○有働正治君 それから、先ほど来、不正利益、マネーロンダリングの剥奪の問題でしかるべき対応を調査検討しているという話はありました。暴力団根絶の上でこの問題は極めて重要だということも言われたわけであります。そういう点から見ますと、この検討が急がれて具体化が急がれるというふうに私は考えるわけでありますが、国家公安委員長としてこの具体化を急ぐという点での積極的な決断を求めるわけでありますが、いかがでありますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 暴力団の一掃、このことについて、私と一体になって活躍をして責任の掌にある警察庁長官からも本年度のこれは重点事項であるということを年頭で言われたそうですが、私も国家公安委員長として警察全体を督励し、そしてまた社会の風潮をしっかり変えていくということをいつも考えておるわけでございまして、暴力団を容認するような空気をつくってはならない。これはやはり国家国民のためにぜひ一掃をしたいということで暴力団対策法の制定以来これは各党にも大変な御協力をいただいておるところでございまして、今後もそういった決意で対応してまいります。
○有働正治君 最後に一問です。 先ほど来、十条二項の改正問題が議論されました。何人も暴力的要求行為に立ち会ったりこれを助けてはならないというこの問題であります。この法適用の問題で具体的に一問だけお尋ねします。 参議院の予算委員会でも取り上げられた問題でありますが、越智運輸大臣が平成二年におきまして、起訴状やその後の調査によりますと、暴力団が町会議員に金をゆすっていた問題の際その金を渡す際に立ち会ったりしたという事件がありました。もちろん暴対法施行以前の問題でありますが、国務大臣がこういう現場に立ち会ったりあるいは暴力的要求行為を事実上手助けするという疑惑を受けたわけであります。こういう場合には今日の時点ではこれは対象になるのではないかと考えるわけでありますが、その点どうか。国務大臣としてやはりこういう問題は当然あってはならないというふうに考えるわけでありますが、その点の見解を求めて終わりにしたいと思います。
○政府委員(廣瀬權君) お尋ねの件につきましては、昨年五月、愛媛県警察が右翼団体会長等四名を土木建設業者、これは町議でもあられる人ですが、これに対する恐喝容疑で逮捕したというものでございます。この右翼団体会長等は平成二年九月ごろから連日街宣活動を行いまして、その街宣活動を停止することの解決金名下に現金九百万円を喝取したという事案でございます。警察といたしましては、そうした右翼団体会長等四名を検挙したということでございます。 警察として捜査活動を通じましていろいろな方のいろいろな話、いろいろな情報あるいはいろいろな事実、こういうことに接する機会はあるわけでございますが、警察がそうした情報あるいは事実につきましてこれを申し上げることができますのは当該人物を被疑者として検挙した場合、こういう場合だけ公表してまいりたいというのを基本姿勢にしております。なぜかと申しますと、多くの方々のいろいろな御協力を得ておりますが、そのときに警察側からはそういうことは一切申し上げないという条件のもとで御協力を得るという場合も多いわけでございまして、そうしたことを警察の方から申し上げるということになりますと警察の今後の捜査の運営につきまして多大な支障があるということでございます。 したがいまして、本件の質問につきましては答弁を差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○西川潔君 よろしくお願いいたします。 暴力団対策法が施行されまして一年が経過したわけですが、実際の運用で浮かび上がった新たな問題に対応するための改正案が提出されました。暴力団員の社会復帰の促進や暴力団員の資金源封じをさらに進める。また、悪習として残る指詰めの強要の禁止、少年に対する入れ墨の強要も禁止するなどの規定が盛り込まれており、これは指がなかったり入れ墨がありますと暴力団員からの社会復帰の妨げになるなどが考えられるわけです。 改正の効果につきましては、私も評価をいたしております。この法律によりまして暴力団を減らし最終的には壊滅に追い込むということでありますが、ここで大切なことは、暴力団員を壊滅に追い込むことはもちろんのことですが、今以上に暴力団をふやさない、新たに予備軍をつくらない。そこで私は思うのでありますが、子供たちが新たに暴力団員になることを防ぐことがもう最重要であると思います。これをまず最初にしなければいけないと思うのでありますが、暴力団対策を進める上での少年対策の重要性について大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 西川委員にお答えいたします。 人的供給源を断つという意味での暴力団対策を推進していく上でも少年の健全な育成を図っていく上でも、少年と暴力団の関係をしっかりと断ち切ることは極めて重要なことであると思います。暴力団対策法では既に少年に対する加入の勧誘等を禁止、本改正案でさらに入れ墨強要等を禁止、いろいろな措置をとっておるわけでございます。 西川委員の御質問にお答えして私は思うんですが、いわゆるいじめであるとか暴力のいろいろな対応であるとかということは、これは日本だけのことじゃないんですね。有名な文献で例えばアルフォンス・ドーデの「プチ・ショーズ」、ちびちゃんというのが随分前に出ておりますし、ヘルマン・ヘッセの「デミアン」というのでも物すごいいじめが出てくるわけです。その中でデミアンに救われたりあるいは信仰によって救われたりする体験が出ておるわけです。 私は、大変この暴力団問題と少年との関係というのは国民の教育問題あるいは今後の問題を考える上で重要だと思っておりまして、暴力団対策法のしっかりとした施行と同時にいろいろな面でも総合的に考えてやっていかなきゃならない、国務大臣としてはそのことをよく考えてやっていきたい、このように思っております。
○西川潔君 御丁寧な御答弁をいただきましてありがとうございます。私も今大臣がおっしゃることをよく理解できるわけです。私なんかも一つ間違えばひょっとしたら悪の道にというようなことも、過去にはやっぱりそういうことがございます、幼いころから今日までといいますと。 そこで次に、大阪府警ですが、大阪府の警察本部では、暴力団を壊滅に追い込むために警察への届け出や相談をなるべく数多くしてもらいたいということで、暴力団対策法によりまして禁止される不当な行為を一般にわかりやすく解説をいたしまして、特に暴力的要求の行為についてとか、どういった行為が禁止されているか実際の場面を想定いたしまして具体的に解説したビデオをつくりました。 そしてまた、これは徳島県警ですが、徳島県の東警察署が劇団をつくりまして、この劇団名はポリスというんですけれども、中学生を対象に、署員が中学生、番長、卒業生、暴力団などに扮しまして中学校の体育館で「暴力団の甘い罠」と題する劇を上演いたしまして、暴力団の実態そして手口などを十分に理解させまして、暴力の排除また暴力団から少年を守る活動を大きくアピールして、大変地域の方々にも喜ばれているわけです。 少年がある日突然に暴力団に入るということではないわけですね。甘い誘惑とか強要されたりとか、それまでにはいろんなことがあると思うんですけれども、警察庁といたしまして、少年たちがどういう経過をたどって暴力団に入ることになってしまうのか、大まかなところは自分たちでもああこういうことかなというのは想像できるんですが、実際に現場で皆さん方がお仕事をされてどういうふうに把握されているのか。また、そういう難しさとかいうようなものをお伺いしたいと思います。
○政府委員(中田恒夫君) 少年が暴力団に加入する経過といいますか経緯等についてのお尋ねでございますが、これにつきましてはさまざまな類型がございます。各都道府県警察で検挙をいたしましたりあるいは補導いたしました少年、そして暴力団と関係を持つ子供たちから聞き取り調査をいたしました結果などを総合いたしますと、多くのケースではおおむねこんな経過をたどるんじゃないかというふうに思っております。 それは、まず、盛り場などの繁華街で直接声をかけられたりあるいは暴走族などの非行集団の仲間から紹介されまして暴力団員と知り合います。そして、そのようなことをきっかけに、一緒に町を徘徊したりあるいは事務所当番など暴力団の組の雑用を手伝ったり、場合によりましたら一緒に犯罪を敢行するということで行動をともにするようになるわけであります。その過程で小遣い銭を与えられましたり、その上で組員になれば楽な生活ができるとかあるいは大きな顔ができるというような甘い言葉で暴力団員になることを勧誘されまして、少年はその虚像の格好のよさにつられてといいますかだまされて加入するに至るという例が多いようでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、少年に対して暴力団についての正しい認識を持つような啓発活動を推進いたしまして子供が暴力団に新たに加入することを防止するとともに、暴力団に加入している少年やあるいは暴力団の影響を受けている少年などに対しまして暴力団との関係を絶つように積極的に働きかけるなど、少年を暴力団から守るための各種施策を行っておるというところでございます。
○西川潔君 現代社会では、少年を取り巻く環境、非行を誘発しやすいようなものが本当に町にはあふれているわけです。 私もせんだってから、三回か四回ぐらいですが日本テレビというところで警察二十四時という番組に出演をさせていただきました。地域の警察官の皆さん方がこれからは特に高齢化社会でお年寄りと田舎の方でもどういうふうに接していくか、地域の中でどういうふうに接することができるか。そしてまた、盛り場などでパトロールのことも新宿などから現場中継もいたしておりました。大変な御苦労ではございますが、このような盛り場などでの少年の補導について、警察といたしましてはどのようなところに重点を置いて活動をされておられるのか。また、こういうところでの難しさというようなものもお伺いしたいと思います。
○政府委員(中田恒夫君) 御指摘のように、盛り場などは法律上少年の立ち入りが禁止されております店舗などございまして、少年の健全育成上好ましくない娯楽等が多うございます。その上、享楽的な雰囲気あるいは解放感から少年が非行に走ることとなるような誘惑の多い場所であることは御指摘のとおりであります。また、このような盛り場などを徘徊することで、不良グループでありますとかあるいは暴力団と交際するようになったりいたしますし、また少年の福祉を害する犯罪を初めといたします各種の犯罪の被害者となる例も多く見られるところでございます。 このようなことを念頭に置きまして、私どもといたしましては、盛り場における少年対策といたしまして少年の非行を防止するとともに少年に対する暴力団の影響を排除することを重点とした活動を行っているわけでございます。盛り場を供回している少年あるいはよくない交遊をしている少年など問題性のある少年を早期に発見する、そして必要な補導を行っていくという活動を重点に推進してまいっておるところでございます。
○西川潔君 大変なお仕事ではございますが、よろしくお願いいたします。 そしてまた、皆さん方だけということではなしに、本当に民間の方々も大変お力添えをいただいているわけですけれども、少年指導委員、少年補導員、少年警察協助員という方々がおられるわけですが、この方々は全国でどれぐらいおられて日ごろどのような活動をされておられるのか。また、この方々はどのような待遇といいますか、手当的なものもわかれば御説明をいただきたいんですが。
○政府委員(中田恒夫君) 少年指導委員、少年補導員、少年警察協助員についてのお尋ねでございます。 この三者とも民間のボランティアの方々であります。共通でございます。ただ、若干性格が違っておりますので申し上げますと、まず少年指導委員でございますけれども、これはいわゆる風営適正化法に設置の根拠があるものでございまして、風俗営業とかあるいは風俗関連営業との関連におきまして盛り場等において街頭補導活動や風俗営業者等に対するいろんな協力要請等の活動を行っている方々であります。これは都道府県公安委員会が委嘱しております。 それから、少年警察協助員でございますけれども、これは警察と協力していただきまして、特に暴走族などの非行集団でございますが、この解体補導のための活動に専門的に従事していただいている方であります。これは警察本部長が委嘱するものでございます。 それから、少年補導員でございますけれども、これは地域社会におきまして、街頭におきます補導活動でありますとか広報啓発活動、有害環境の浄化等の一般的な少年非行防止と健全育成の活動に従事される方々であります。これも警察本部長が委嘱をしております。 その数でございますけれども、少年指導委員は全国で約五千名でございます。それから少年警察協助員は全国で約一千一百名。それから少年補導員は全国で約五万五千人が委嘱されております。 それから、手当でございますけれども、ボランティアという性格上、報酬というものは差し上げるわけにはまいらないわけでございますが、交通費、夜食代等の実費弁償ということで各府県で措置されておるところでございます。平均いたしますと、少年指導委員については一人当たり年間約一万七千円、少年警察協助員につきましては一人当たり年間約六万円、少年補導員につきましては一人当たり年間約六千円が支給されておるところでございます。 なお、これらの活動に起因いたします災害の関係がございますので、三者ともほとんどの府県におきましては非常勤職員ということで公務災害補債に関する条例が適用されることとなっております。
○西川潔君 今お伺いいたしまして素朴な疑問が浮かび上がったわけですけれども、例えば予算面でもう少しそのお金がふえればこういうところがもっとよくなるのにな、暴力団の予備軍ができなくて済むのになというようなことの部分というのはあるんでしょうか。
○政府委員(中田恒夫君) 各県でこれは措置される金額でございまして、私どももまた要請をしているところでございますが、各県とも毎年増額等努力をしておるところでございます。
○西川潔君 少年の非行を防止する活動も充実させていかなければならないと思うわけですけれども、今お伺いいたしましたように、これらの方々への報酬というのも本当に微々たるものであります。お金がふえる部分でもっといい方向になればということであれば、また我々も一生懸命頑張りたいと思います。ごく限られた篤志家に頼るだけではなく、意欲を持って少年の非行防止に当たっていただくためには一層充実した手当を支給したり、全国で活動している方々をさらにふやしていただきまして、一人でも二人でも少年を非行から救ってやることが暴力団をなくすことにもつながることであると思います。それが我々大人の務めではないかとまた思うわけですが、この点について、最後に大臣に御決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今、政府委員からボランティアの御活動等についての説明があったわけでございますが、このボランティアの方々への期待は非常に全国的にも大きいと思います。 御指摘の手当であるとかあるいは体制の充実にも十分配慮をしながらボランティアの方々の御労苦にもお報いをしなければ本当に申しわけありません。そう思っておりまして、これからもボランティアの方々との連携をより一層緊密にしながら少年の非行防止に向かってしっかり努力をしたい、このように思います。
○西川潔君 よろしくお願いします。
○委員長(佐藤三吾君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願いたいと思います。――別に御発言はないようですから、これより直ちに採決に入ります。 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐藤三吾君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 午後一時二十分に再開することとし、これにて休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 ――――◇――――― 午後一時二十一分開会
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、岡利定君が委員を辞任され、その補欠として須藤良太郎君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(佐藤三吾君) 道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。村田国家公安委員長。
○国務大臣(村田敬次郎君) ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。 この法律案は、運転免許行政の実情に応じ、運転免許証の有効期間について優良運転者に係るものを延長するメリット制を導入し、普通免許等を受けようとする者に対して講習を受けることを義務づけ、外国免許の取り扱いを改善し、指定自動車教習所の制度を整備するとともに、最近における交通事故及び交通渋滞の実情等道路交通をめぐる情勢にかんがみ、警察署長等が違法駐車車両に対する車輪どめ装置の取りつけ、過積載車両に係る積載物の重量の測定及び措置命令等を行うことができることとすること等をその内容としております。 以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。 第一は、運転免許に関する規定の整備であります。 その一は、優良運転者の免許証の有効期間について、一定の高齢者に係るものを除き、現行の三年から五年に延長するものであります。 その二は、普通免許または二輪免許を受けようとする者は自動車等の運転に関する講習及び応急救護処置に関する事項等に関する講習を受けなければならないこととするものであります。 その三は、公安委員会は外国免許を有する者に関し運転免許試験の一部を免除することができる場合を明確にし、特定の外国の免許証を所持する者は本邦に上陸した日から起算して一年間その免許証に係る自動車等を運転することができることとするものであります。 その四は、指定自動車教習所の制度に関し、技能検定員資格者証または教習指導員資格者証の交付を受けている者のうちからそれぞれ技能検定員、教習指導員を選任すること等について定めるものであります。 その他、免許関係事務の委託、臨時適性検査の実施、免許の取り消しまたは効力の停止に係る書面の交付及び免許証の保管等について所要の規定の整備を行うこととしております。 第二は、交通事故の防止等に関する規定の整備であります。 その一は、公安委員会は違法駐車行為が常態として行われている道路の区間であって車輪どめ装置の取りつけの措置によって違法駐車行為の防止を図ることが適当なものを車輪どめ装置取りつけ区間として指定することができることとし、警察署長は、道路または交通の状況から判断してその区間における違法駐車行為を防止するためやむを得ないと認めるときは、その区間における違法駐車行為に係る車両に車輪どめ装置を取りつけることができることとするものであります。 その二は、警察官は過積載をしていると認められる車両の積載物の重量を測定することができることとするとともに過積載をしている車両の運転車に対し過積載状態を解消するための必要な措置を命ずることができることとするほか、過積載をしている車両の運転に係る刑を引き上げ、積載物の重量制限の二倍以上の重量の積載をして大型自動車等を運転する行為を非反則行為とするなど過積載車両に関する規定を整備するものであります。 その三は、速度超過に係る反則金の限度額の引き上げを行うこととするとともに、高速自動車国道等における速度超過四十キロメートル毎時までの違反行為を反則行為とするものであります。 その他所要の規定の整備を行うこととしております。 なお、この法律の施行日は、公布の日から一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
○委員長(佐藤三吾君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○渡辺四郎君 私は、大変申しわけないと思うんですけれども順序を変えて、特に今大臣から御説明がありました趣旨説明の中での第二の二いわゆる過積載問題について少し時間をかけて、建設省、運輸省にも来ていただいておりますから、まずこの点から始めてみたいというふうに思うわけです。 私がなぜこれを最初に取り上げたかというのは、もう国家公安委員長である大臣もあるいは長官も御承知だと思うんですけれども、非常に古い歴史を持っておるわけです。その間、何回も何回も法律の改正をやる。それでもなおかつ後を絶たないということで、警察庁の方はダンプの運転手を中心にした罰則強化というような状況で臨んできたわけです。 それについても、やはり現在もなお続いておるという状況の中で、私が政府の姿勢についてとやかく言うということでなくて、なぜこの問題はこんなに議論されながら長年続くのか、その背景は一体どこにあるのか、あるいは問題点はどこにあるのかということ等について、お互いに議論をしながら一体となって解決あるいは改善策を見出さなければ、ただ罰則を強化するということだけであれば私自身あるいは我が党も賛成という立場には全く立てないわけですから、そういう視点からひとつ申し上げてみたいというように思うわけです。 第一番に、現在、約七〇%近くのダンプの所有者という方たちは、やはり一人一車といいますかダンプの所有者でありみずからが運転をする労働者でもあるんです。こういう方たちが実は一つは中心になっておるわけです。なぜそういう経過になってきたのかということがここに書いてありますから、ちょっと読んでみたいと思うんです。「ダンプの運賃問題を知っていただくためには、まず、代車制度の生い立ちとその問題点を説明しなければなりません。」と、ダンプの労働組合の方からいただいた資料にあるわけです。 読んでみますと、東京オリンピック以前は、ダンプは建設会社や砕石会社が購入し従業員に運転さすいわゆる自社保有自社雇用が普通でした。しかし、急激な高度成長に伴う建設産業の需要に対応するためには雇用する側にさまざまな問題が出てきました。まず、車両の購入、維持管理に係る多大な経費の問題。また、一年の中で忙しい時期と暇な時期との差が極端にあるため、暇な時期は仕事がなくても従業員に賃金を支払わなければならないという問題がある。また、忙しいときは残業代も支払わなければいけないという問題があるというのが建設産業特有の問題です。 また、事故などのときには、会社が車を持っておれば責任を負わなきゃいけないわけですけれども、一人一車でやれば、雇用者側、会社側には責任もないかといって、例えば自社の雇用の運転手さんに過積載を奨励したりすれば罰則規定がありまして、そういう問題等があるものですから自営業と言われるダンプの運転手さんの皆さんにお願いをして、そしてやっておる。いわゆるこれを代車雇用制度というふうに警察も言っておるようですけれども、そういうシステムになっておって、いわゆる建設業界そのものの合理化政策によってつくられた。非常に言葉は悪いようですが、谷間におって日の当たらないダンプの所有者であり労働者であるんだと。こういう歴史を踏まえなければ、これはいつまでたってもやっぱり解決しないんじゃないか。 そういう中で、昭和五十三年の十月に総理府の交通安全対策室がまとめました。当時、ダンプカーによる交通事故防止対策懇談会が回数も六回以上やりながら非常に細部に触れた議論をされておりますね。その中で問題点もたくさん指摘をされておる。ところが、この前書きを読んでみますと、こういうふうに書いてあるんです。 この「ダンプカーによる交通事故及び違法運行の防止対策について」は、このような前後六回にわたる懇談の結果を、事務局の要望もあって、とりあえず提言の形でとりまとめたものであります。 さて、懇談会において、おそらくは各委員がひとしく感じたであろう疑問を率直に表明するならば、ダンプカーによる交通事故防止については、問題点がすでに指摘されていながら、なぜ、この十数年間、同じようにむしかえされているのかということであります。 これが前書きで指摘をしております。昭和五十三年に、十数年以前からこの問題が指摘をされながら蒸し返えされてきておると。そしてまた今日でしょう。昭和五十三年からきょうといいますと十五年が経過しております。合わせますと二十八年。三十年近くたっても同じことが繰り返されておる。私はきょういろいろと議論して政府からも見解をお聞きしたいというふうに思っておりましたけれども、いろいろお話を聞き、自分でも調査をしてみました。私なりに二つの問題点をまとめたわけですが、しかし、それについては後ほどお聞きをするというふうにいたします。 そういう中で今度の改正案が出されておりますが、この改正案の内容を読んでみますと、やっぱり余りにも問題点が多過ぎるのではないか。これは第一番にやっぱり五十八条の二。これまでは、すべての交通取り締まりについては人権上から任意捜査が大原則となっておったわけですが、今度の改正案を見てみますと、罰則の百十九条の三ですか、「測定を拒み、若しくは妨げた者」というふうになっております。ここらについても警察官がそういうふうに判断すれば一挙に介入もできるという問題があります。それから、私が一番重要というふうに思っております受け取る側の方に対する規則が抜けておる。罰則規則がない。これがどうしても私は実は理解ができない問題でもあるわけです。それからあとは、先ほど大臣の説明にもありましたが、二倍以上過積載をした場合には井反則行為として重罰に処す、こうなっておるわけです。 ですから、そういう点から見て、運転者の皆さんだけ、運転する方たちだけをそんなに重罰に処してこれが果たしてこれが直るのかということ自身に私は非常に実は疑問を感じておるわけです。 昭和五十三年に、この問題に対して、これはまだ産廃問題が余りにぎやかになってないようですから環境庁は入ってないようですけれども、六省庁が一緒になりまして協議をしました。この間いただきましたが、昭和五十四年以降十六回会議を開いておるようです。その中でいろいろと行政指導され、あるいは通達も出す。関係団体あるいは関係公共団体を含めて通達を出しておるようですが、そういう過程を踏まえて、国家公安委員長、自治大臣と警察庁の方は後回しにしますが、特に運輸省と建設省にお聞きをしたいと思うんです。 今申し上げました中の内容で、皆さん方も二回にわたって通達を出しておる。六省庁同じですね。そういうことによって過積載問題について通達が守られておるというふうに判断をしておるのかどうかというのが第一点。これは大臣にも長官にもお聞きしたい。守られていないというふうに思えば、その主たる原因は一体何なのか、どこにあるというふうにお考えになっているのか。三番目に、であれば、どうすれば改善ができるか。警察の方は罰則を強化しましょうということで今道交法の改正案を出しておるわけですけれども、建設省、運輸省という立場から見た場合に、どうすれば改善ができるのか、あるいは対策があるのか。その三点について、まず建設、運輸、それぞれ見解をお伺いしたいと思います。 なお、言っておきますが、実は私は大臣があるいは政府委員をきょうは出していただきたいというふうに言いましたけれども、何か運輸委員会も衆議院であっておるというようなことで、それじゃ責任のある方ということで御連絡を申し上げて皆さんに来ていただいたわけですから、ひとつその立場での御答弁をお願いしたいと思います。
○説明員(風岡典之君) 先生御指摘いただきましたように、昭和五十三年それから五十六年、それを受けまして私どもとしても建設業者あるいは発注者に対する指導というものを行ってきております。 御案内のことかと思いますけれども、まず、建設業者に対しましては土砂とか工事用の資材が過積載にならないようにする。これは自社所有のダンプの場合でございますが、そういったケース。それからまた、過積載を行っていると認められているような資材の納入業者からの資材の購入をしないような指導をする。さらには、資材の購入に当たりましては資材の納入業者の利益を不当に害することのないようにということにつきまして建設業者に指導しているところであります。これは、建設業者といいましても、全体の建設業者だけではなくて、特に元請に対しましてはその旨下請企業に対する指導ということもあわせて行っているところであります。 さらに、発注者という観点もございますので、建設省におきましては、公共事業の実施に当たりまして請負業者に対しまして同様な趣旨の徹底を行っておりますし、また建設省の直轄工事の場合でございますけれども、発注の段階、これは個々でございますが現場説明時におきまして業者に対しましてその都度過積載というものを行わないように、そういったことにならないようにという指導も行ってきているところであります。そういった指導の通達というものを出して私ども業者団体あるいは発注者にもお願いをしてきているところであります。 今、通達が守られているかどうかということでございますが、いろんな問題が指摘されていることは私どもとしても十分承知をしておりますけれども、私ども直轄事業の実施に当たりましてはこういったことがないように進めておりますし、また、これからも今申し上げたようなことを指導していかなければならないというふうに思っております。 過積載の原因というようなことの建設省側の考え方でございますけれども、あるいはまた後で御説明をさせていただきますが、直轄工事におきましては、私ども先ほど申し上げましたような現場におけるきめ細かい対応によりまして適正な積載というものの指導に努めているところでありますが、そのほか民間同士の契約においても同様な問題があるということで、先ほど申し上げましたような指導通達の内容というものが基本的にはそういったところは必ずしも徹底していないという面が残念ながらあるということで、その指導をこれからも続けていきたいというふうに思っているところであります。
○説明員(鈴木朗君) 運輸省といたしましても、昭和五十三年の十月の提言ですとか、あるいは昭和五十六年、六十一年の関係省庁の申し合わせの趣旨を踏まえまして、関係機関あるいは関係団体と連携いたしましていろいろな施策を講じているわけでございます。 具体的に申し上げますと、運輸省はトラック運送事業を所管しておりますので、まず、営業用のダンプカーを使用する運送事業者の方々に対しまして過積載防止のための指導を行う。さらには、悪質な場合には取り締まりを行う。こういうことをやっております。それから、道路運送車両法も所管しておりますので、これに基づきまして差し枠などの不正改造を防止する、このための施策を講じてきております。それから第三番目には、営業許可を取得したいということを希望するような一人一車のダンプカーの事業者の方々もいらっしゃいますので、そういう方々に対しては、協業化を指導して許可を与えて、事業者という形で私どもの指導を受ける事業者になっていただく。こういうような措置などを講じできているわけでございます。 ただ、これも先生のお問いに対するお答えになるかどうか、現実にそういう通達がこれまで守られてきているかどうかということについて、結果としてダンプカーによる過積載が減ったかどうかということを見れば確かに今でもダンプカーによる過積載はなお見受けられるわけでございますので、現状においても、なお今後とも引き続いて対策を講じていく必要がある、このような認識に立っているところでございます。 なぜこのような過積載が改善されないかということについての理由のお尋ねでございますけれども、やはりダンプカーの過積載を防止するためには、運転者の方々はもとよりでございますが、砂利を販売する事業者の方などダンプカーを直接あるいは間接に使用する事業者の方々、さらにはこれと取引関係にある方々を含めて関係者すべて過積載の防止について強い自覚を持っていただいて、これを踏まえて実践をしていただくということによって初めて過積載というものが防止できるんだろうというふうに考えるわけでございますけれども、大変残念ではありますが、まだそういう達成を見るに至ったとは言いがたい状況にある、このように認識しているところでございます。 運輸省としては、引き続きましで対策を講じたいと考えているわけでございまして、具体的には、トラック運送事業者の方々がやはり過積載の防止について十分自覚を持っていただくということがまず最初に必要でございますので、全日本トラック協会という全国団体がございますけれども、こちらに全面的な協力をいただいて過積載を防止するための全国的な運動を展開していただいている、こういう状況でございます。 そのほか、トラックの輸送秩序を守るための民間団体としての貨物自動車運送適正化事業実施機関というのがございますけれども、こちらの方でも過積載の防止というものを大きな指導項目の一つとしていただいておりまして、この機関において巡回指導活動とかパトロール活動、こういうものを展開していただいております。また、運輸省としても、公安当局なり道路管理者の方々と密接な連携をとって取り締まりを行っていく、こういうことを行っております。 さらに、差し枠の装着等物品積載装置の不正改造の防止につきましても、これもトラック事業者だけではなくて整備事業者の方とかあるいは自動車の販売業者の方、こういう方々に対して指導を行うとともに、平成二年以降でございますが毎年不正改造車を排除する運動というものを全国的に展開させていただいております。そのほか時宜に応じて街頭検査を実施する、こういった措置を講じております。 私どもとしては、このような措置を初めとして、これまで関係省庁の申し合わせによりまして講ずることとされた施策につきまして今後とも鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますけれども、ダンプカーによる過積載を防止するためにはやはり関係機関が一体となって対策を講じる必要がございますので、私どもとしても関係省庁等と十分連携をとってまいりたい、このように考えているところでございます。
○渡辺四郎君 今運輸省の方のお話を聞きましたが、羽田の飛行場の拡張工事も運輸省なんですね。きょうの昼のニュースで、運輸大臣が成田の二期工事問題で白紙に返す、そういう状態で話し合いをするんだというお話がテレビに出ておりました。私、現にある羽田の拡張工事問題については後ほど話をしたいと思っています。 同じ運輸省の中にありながら、航空局がやっておるかどうか知りませんが、羽田の飛行場の拡張工事の現場の実態なんかももう少しやっぱり頭に入れてお話をしなければ、関係省庁という六省庁じゃなくて運輸省の牛そのものが守られてないわけですから、そういう視点を忘れちゃいかぬと思う。何か一般的に各省庁が協議をして、ないように努力をしますということで今まで過ごされてきたから、冒頭申し上げましたように、二十七、八年間あるいは三十年間近くこういう状態が続いておるんだということを実は申し上げてきたわけです。 ですから、それだけでやりとりが終わるということでは、五年、十年先また同じことで警察は罰則強化する以外ありませんということで道路改正法を出してくると思うんです。そうではなくて、どうすれば解決をするかということをお互いにやっぱり考えなきゃだめだということです。 ここに、四月十八日にNHKが放映をされました、これは現に今あなたがおっしゃった羽田の飛行場の拡張工事の現場での過積載の実態のテープなんです。先生方も見られたと思うんです。大臣、これは見られたですか。長官も見られたと思うんですけれどもね。栃木県から、朝零時ごろから一人一車の所有者の運転手さんは行って、そして砕石場から買い取りまして、そして羽田に朝四時半ごろ着いて、それにNHKの記者がずっと同乗するわけですが、最終的に羽田で売り渡した。積んでおったのが三十五・二五キロだと。十トン車でしょうから、約三・五倍あるいは三・六倍の積載量があった。 なぜそういうことまでしなければ生活ができないかということを今私は運輸省なり建設省の方にも申し上げましたが、建設省の方のお答えでは何か元請業者を含めて指導しておると。このテープに入っておるでしょう。おたくの直轄事業で、千葉の道路建設事業のいわゆる廃土の問題で千六百数十万円で元請には契約をした。ところが、本当に仕事をしたダンプの運転手の四人の方たちに聞いたら二百八十六万円ぐらいです。千六百数十万円の請負金額で、具体的に仕事したのは二百八十万円近くでやっておるわけです。だから、業者を指導したというふうに言いますけれども、一番あえぎ苦しんでおる一人一車のダンプの労働者というのはそういう実態でしょう。 この間ありました過積載によっての鉄道事故、あの成田線の踏み切り事故の資料をちょっと見させていただきました。この方は山砂を運んでおりますけれども、山砂なんかは山元で売る場合には一トン幾らじゃありませんね。車一台幾らということで売るわけですから、そうすれば適正に積載量の十トン車に十トンを積んでも例えば一万五千円あるいは二万円払わなきゃいけない。三十トン積んでも四十トン積んでも一万五千円あるいは二万円。それを今度は売りに出すわけですから、そうすればやっぱり余計積んで一台幾らの単価を落としていくということで売りに出ると思うんです。 この方の計算を見てみますと、十トン車で適正の積載量でいった場合に一台運んで五十円にしかならない。東京二十三区の一立米当たりの単価が二千百五十円。十トン車で無理して七立米積んだというような計算をしても、山元に一万五千円を払いますと五十円にしかならぬ。その中でやっぱり三倍から四倍という積載量を積んで、そういう中で生活をするという実態なんです。 NHKのこのテープに入っておりますのが先ほど申し上げましたように栃木県からの問題ですが、それをお聞きをする前に私は私自身が浅い経験があるものですから建設省なり各六省庁にお尋ねをしたわけです。例えば成田なら成田で使用する砕石なら砕石、山砂なら山砂の単価の積算はどういうところでやっておるのか。もう少しわかりやすく言いますと、運搬距離なんかを見ておるかどうかということを実は聞きたかったわけです。 ところが、建設省の方にも後ほどお聞きをしますが、二通りの見方がある。運輸省からもらった資料の中に、私ちょっと頭にきたわけですが、羽田空港の拡張工事に伴う砕石、山砂等の積算単価は公益法人による実勢調査価格、これは工事現場着に基づいているというふうに言い切っておるわけです。なお、資材の積算単価については予定価格の構成要素となっており公にすることはできない。砕石、山砂の工事使用実績では、砕石は主に東京都多摩地区、栃木県等の関東一円産であり、また山砂はそのほとんどが千葉県産である。ただし、工事発注に当たっては資材の産地の指定はしていないと、運輸省の方はこういうふうに言ってきておるわけです。 私は少しの経験があるというふうに言いますが、例えば砕石なんかの場合、その用途によっては強度を要求する部分があるわけです。安山岩のばらばらになったような部分でいいのか、あるいは花南岩質で余り風化をしていないそういう岩石をクラッシャーにかけてやった方がいいのか、あるいは安山岩みたいなものをクラッシャーにかけたそういう砕石がいいかというのは、その用途用途によって基岩の強度の性質を問うことがあって、強弱によって問うこともあるわけですが、これではそういうふうに指定はしていないというふうに運輸省は言っております。 問題はここにあります実勢調査価格です、公益法人が出しました。これは実は大臣それから長官の特にお二人にしてもらわなければ、公共事業関係で積算する方はそれはなるべく安くという感覚がありましょうけれども、これをこう抑えていった場合に私はいつまでたっても直らないということが第一点あると思うんです。 トラック一台でいい少量のバラスか砂、あるいは多くて十トンあるいは二十トンまでぐらいのその程度の骨材であればある程度の距離から搬入できるでしょう。ところが、羽田の空港の拡張工事とか高速道路の建設工事とかいった場合には、大量の砂が要るし大量の砕石が要るわけです。そうしますと、今、日本の半分以上を砕石しておるという栃木県の砕石場に指定をするわけです。山砂であればやっぱり千葉に指定をするわけです。 そうしますと、先ほど言いましたように、公益法人による実勢調査価格に基づいてやっておりますと言いますけれども、ここにもありますが何も運搬距離は見ていないわけですね。東京都内の取引価格は幾らでございますというふうになっておるわけですよ。そうしますと、三立米か五立米ぐらいでいい、使用量はそれでいいという部分と、羽田みたいに何万立米と要るあるいは何百万立米と大量に使う場合は遠距離から運ばなきゃいけない。ですから、先ほど申し上げましたこのテープに入っておるダンプの運転手さんは朝の午前零時から。 NHKの記者が何でこういう深夜からやるんですかと。もちろん流れがいいでしょう。それも一つありますが、それは警察だって夜の夜中まで私はしないと思う。やっぱり警察の取り締まりも夜中になりますと薄くなる。何で自分で違反と知りながらもそういうふうにダンプの労働者はやらなきゃいけないのか。私は陳情を受けたときにこう言われたのが非常に印象に残って、ここで皆さん方に発言したいと思うんですが、こう言われたわけです。 今、一番過積載をなくしたいと願っているのは、ほかでもないやっぱり働いている私たちダンプ運転手の労働者です。運転者が法定積載を守り人並みの生活が営まれる状況であれば大賛成です。ところが、問題は先ほどから私が言いますようにダンプの運転手個人の意思の届かないところで運送賃が決められたりあるいは単価が決められておる。受注する方としては言われた金しかもらえないわけですから、そうしますと、さっき成田の事故の問題も言いましたけれども、三倍四倍の過積載をしなければ生活ができないという実態がある。 だから、そこに原因があるというのを私は冒頭申し上げましたけれども、いろいろきょうはやりとりするということでなくて、問題点をお互いに探ってみたいという立場から一番大きな原因は私はここにあるという実は判断をしたわけです。 ところが、私自身も実はあきれ返っておるわけですけれども、六省庁が先ほど言いましたように五十六年と六十一年にそれぞれ協議をして通達を出しました。その中で、いわゆる受取人側について、運んでまいります砕石を現場で買う方について、五十六年の通達の中ではこう示されてあります。「建設業者に対し、過積載を行っていると認められる資材納入業者から資材を購入しないこと、及び資材の購入等に当たって資材納入業者の利益を不当に害することのないように」と。これは今度の場合も書かれてありますが、五十六年九月の分、「過積載を打っていると認められる資材納入業者から資材を購入しないこと。」と、こういうふうに二項めに六省庁の協議の結果出した。ところが、これは後の分では抜けておるわけです。 単価の問題は先ほど申し上げましたが、ここにも大きな問題があるわけです。過積載で持ってくれば、いやおれたちは違法だからそれは買えませんと。ところが、建設省でも運輸省でも同じことになると思うんですけれども、運輸省の方は今羽田の飛行場の拡張工事をやっている。栃木から大体運んでおるダンプが一日に百数十台。これは営業車どうか知りませんが、大体やっぱり三倍ないし三・五倍ぐらいの積載量積んでおります。このテープを見ればそうなっておりますから、これを十トン車で適正な積載量でやった場合には三倍四倍のダンプが要るわけです。百台で済んでおるダンプでもかなり交通渋滞を起こす。 だから、ダンプの労働者の皆さんがなるべく交通のすいたときということで夜中を使っておる。それで三倍四倍のダンプが往復をすることになりますとかなりの交通渋滞も起こりましょうし、また、ダンプがあるかどうかも私はよく知りませんけれども、そういう問題も出てくる。これは建設省、運輸省もそうですが、工期にも大きく関係をしてくるわけです、工事の施工期間そのものに。 ところが、施工期間を契約で結ぶ場合には大体このことについてはこのくらいの期間と、それそのものもダンプを何ぼ持っておるからということで恐らく建設省も運輸省も計算はせぬでしょう。何万立米、何十万立米要るからこの単価が幾らだとはじいて金額と数量だけ計算すれば設計はそれで済むでしょう。元請はそれを受けます。あるいはベンチャーを組みます。そうした段階では、工期も官公庁の方から、発注側の方からのやっぱり強い主張が通るわけですから、そうしますと、交通渋滞とかは別に考えずに受け側の方としてはやっぱり発注される側から要求されれば工期内で完成しなきゃいけないという状態が出てくる。そういうもろもろの問題を考えなければ、冒頭申し上げましたようにこれはやっぱり直らないという気がしてならないわけです。 もう一つお聞きをしたいのは、これは六省庁皆ですから警察庁も含めてそうですけれども、五十六年に先ほど言った「過積載を打っていると認められる資材納入業者から資材を購入しないこと。」、こういう行政通達も出して関係団体を指導したわけですよ。それはもう古いわけですけれども、六十一年にはそれが消えて、そして今度の改正法にも載ってないわけです。これは警察がやっぱり一番私は求めなきゃいけない問題じゃないかと思うんです。幾らやったって事業省庁というのは事業が完成すればいいわけですよ。 私は、やっぱり本当に交通渋滞をなくす、あるいは過積載をなくす、交通違反をなくすということになれば、この今申し上げた点というのは警察庁が一番主張すべき点だというふうに思うんですけれども、今度の改正案には出てないから警察庁にこれはお聞きをしたい。そして、建設省とそれから運輸省、私が言いましたように、積算単価についてひとつ各省庁の現にやっておる内容について、単価の算出方法についてお聞かせ願いたいと思うんです。
○政府委員(関根謙一君) 六省庁の一つとして私ども入っておりまして、過積載問題につきましていろいろと解決方法を模索している役所の一つでございます。 五十三年以降、数次にわたりいろいろな申し合わせを行いました。五十三年の当時は、使用者、これはダンプを含めまして車の運転者を雇っている方、車の持ち主であります使用者が運転者に対して過積載運行をするように要求しあるいは容認した場合、下今、容認の場合に、運転者のみならずその使用者をも罰するという仕組みを置いていただいた年でございます。 これによりまして、この道路交通法五十三年改正法は十二月に施行されたものでございますが、五十四年はその影響が非常にございまして過積載運行が激減したと申しますか大幅に減ったのでございます。ただその際に、後から調査してまいりますと、使用者責任ということがある種の誤解を生みまして、荷主さんも荷受け人の方にも責任が及ぶというように伝わったように伺っております。その結果かと思いますが、とにかく過積載運行は減りました。 しかしながら、その次の五十五年ぐらいから、実はこれは使用者だけが責任を負うのであって荷主さんやら荷受け人については責任が及ばないのだということがわかってきましで、それではということで、使用者責任を解除するように一人一車制でございますとか、ダンプを持たないで砕石業者なりディーラーなりそういった方々が経営をできるような仕組みを考え出して、また過積載運行が始まったという経緯がございます。 そこで、五十六年、六十一年では、今度は車の改造に着目いたしまして差し枠等容積を大きくするような改造をすることを防止しようということで申し合わせが行われました。差し枠を行います整備業者についての検挙を一生懸命努力したわけでございますが、その結果、例えば昨年の三月検挙した事例でございますが、千葉県の改造業者が昭和五十五年から約十二年間にわたりましてダンプカー約五百台を不法改造したということがわかりまして、過積載運転を幇助したということで検挙した事案がございます。このように容積を大きくすることによって過積載運行を容易にするような行為を防止するという申し合わせを五十六年、六十一年と行ったわけでございます。 私どもはそれを忠実に履行していると考えておりますが、いろいろ施策を講じました結果、いろいろその施策に対する対策がシステムを受ける側で講じられまして依然として過積載運行が後を絶たず、しかも容量がどんどん大きくなりまして交通上非常に危険を及ぼしており、また付近の住民の方々も迷惑をこうむるということで苦情がございます。 そこで、今回お願いしておりますのは、運転者に対する責任の追及の仕組みを合理的に改めていただきたいということもございますが、あわせまして、五十八条の五という規定を設けさせていただきまして、ここで荷主の方あるいは荷受け人の方について過積載運行を助長するような行為があった場合にそれをチェックする仕組みを設けさせていただきたいということでお願いしているものでございます。 ただいま先生から荷受け人についての規定がないではないかという趣旨の御指摘をいただきました。私どもはそうは考えておりませんで、五十八条の五の一項一号で「車両の運転者に対し、過積載をして車両を運転することを要求すること。」、この規定をもって、荷受け人の方が明示、黙示の意思表示により過積載運行を要求しているというふうに行政機関の方で認める場合には、そのような行為をすることを禁止する警告を発することができるようにし、その警告違反に対しては罰則を当てるという仕組みを設けさせていただきたいと考えているところでございまして、荷受け人の方についても必要なシステムを設けさせていただきたいという点については十分考えているところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
○渡辺四郎君 局長がそうおっしゃると私もまたそれを言わなきゃいけないことになってくるんです。 このテープも示しました。この実態は御存じだと思うんです。現に過積載で運ばれておる。しかし、それは先ほど言いましたように、現場着の単価が立米当たり二千九百六十円だ。山元で千四百円払わなきゃいけない。栃木から持ってきますと片道二百キロある。ですから、リッターで一キロ、私免許証持たぬものですからよくわかりませんけれども、リッターでダンプが例えば二キロ走ると山元なんかで計算をしてみても燃料代が五千円、六千円要るんじゃないかというふうなことで、一つの計算ですがこういうふうな計算も出ておるわけです。 ところが、先ほど私が申し上げました建設省なり運輸省が出しております一立方メートル当たりの購入価格の二千九百六十円というのは、三十五トン、四十トン積んで持ってきてそこで取引をされておる市場価格が組まれておるということなんです。だから六省庁一緒ですよ、先ほどから何回も申し上げますように。量が多ければトン当たり三百円安くなると書いてあります。逆に安くなると書いてある。安くなるんじゃなくて運搬キロは遠くなるわけですよ。 しかし、それを物価調査会が出しております建設物価の資料から見てみますと東京二十三区内というのとそう変わりがない。その積載量そのもの、通常取引をされておる単価ですから、三十トンも三十五トンも過積載で運んだその価格を立米当たりで割った単価がこの調査会の単価として出ておるわけですよ。 だから、この調査会が単価そのものが市場幾らで取引されておるかということを調査して出しさえすればいいんでしょうけれども、問題は三十五トン、四十トンという積載しながら持ってきて、そのことによって市場の取引がされておるという実態を私は抜きにしてさっきから言いますように解決しないんですよ。 ですから、今局長がおっしゃったように荷受けの方もいろいろですね、今度の改正案の中でも協力を願うようなことになっておるとおっしゃるんですけれども。荷受けというのがもともと、金丸さんのとき問題になりましたゼネコンじゃないですけれども、やはり今もう公然と、日本の大きな公共事業だってそうですが元請、下請、孫請と言われておるわけで、中間搾取があるのが当たり前だというような風潮になっておるわけです。 そうしますと、成田の飛行場を請け負ったのは砕石業者でもないわけでしょう。土砂を運搬するダンプの運転手の皆さんじゃないわけです。元請が請け負っておるわけでしょう。その元請は今度滑走路なら滑走路の基礎をする部分だけ下請に落とした。その間に例えばマージンを一〇%か一五%が本社経由でとった。下請はその次の孫請けに落とす。その金がいろいろと言われておるように、金丸さんの私財の蓄積になったというような話もありますけれども。 だから、そうでなくて、今私が申し上げたいのは、市場単価が決まっておる、物価調査会が出しておるその単価そのものに問題がありますよと。ここを一つ六省庁が一緒になって、そして警察もその部分を徹底して検討されて調査をされて公共事業発注する各省庁にお願いをしなければ、幾ら罰則強化をしてもこれは直らないということを私は申し上げておるわけです。そういう点で、今度の改正案についても冒頭申し上げましたが、問題点が余りにあり過ぎるんじゃないかという気がして実はならないわけです。 このテープで、NHKで放映した内容で見てみますと、羽田の空港現場での砕石一立米当たりの売り渡し価格が二千九百五十円で、これに対してダンプ一人一車による砕石販売者は、山元で一立米当たり千四百円を払い、残りの千五百五十円で経費をすべて賄わなきゃいけない。これには途中の燃料費もあります。それから車の損料もあります、タイヤの摩耗度は非常に大きいわけですから。それにプラス税金があって、家族の生活がなきゃいけないわけですから、法定の積載量でやった場合にはもう仕事せぬでほかの野良仕事をした方がいいんじゃないかというくらいの収益しかないわけです。ですから、三倍四倍積んで初めて一日に三万円ないし四万円の収益がある。それから燃料費を払ったり車の損料を払ったり、そして税金を納めたりという生活をしておるのが実態であるわけです。 いろいろ申し上げましたけれども、あとの問題もありますから、ひとつ私これは今日は問題提起というふうにしておきたいと思う。後で委員長にお願いします。 ですから、ひとつ公共事業を発注する建設省あるいは運輸省にお願いしておきたいのは、先ほど建設省の問題で千葉の廃土の問題を言いましたね。NHKの放映にあるように、事実であれば、正式には千六百八十万だったですかの請負金額で、一番最後に受けたダンプの運転手の方は二百八十六万ぐらいで受けておる。私も行政に携わった経験があるわけですが、確かに入札を小さく分けるということは行政上非常に仕事の量がふえますから面倒だとは思うんです。元請の千六百数十万円で請け負った業者は幾らでダンプの皆さんに請け負わせたのか。あるいは普通入札でありますと最低価格引きますね、これ以下で請け負わした場合は次は君はもう指名停止をするよと。建設業にしても土木業にしてもそうでしょう。敷き札を敷きましょうが、最低価格。それから下しゃ仕事ができないという観点に立って引き札を引くわけですからね。 だから、そういう点から見て、例えば下請、孫請を許したというふうに仮定をしても、ダンプの運転手さんたち、一人一車の人たちに対しては、例えばこの量全部を搬出してもらう、指定場所に持っていってもらうといった場合の最低の請負金額はこれだと。これ以下で渡した場合には次回からの指名については例えば指名停止をするとか、そういうことをやっぱり地建なり自治省の各自治体が指導をしていただかなければ、たたいてたたいてたたかれて末端に来るお金というのは大体公共事業の発注額の半分ぐらいと、こう言っているでしょう。そういうことをなくすためにも、あと国会内でもそれぞれ入札制度問題についてはお互いに議論になっておりますが、しかし、これはそっちの方に余りかからぬ問題ですね、こういう孫請、下請というのは。だから、そこの方をぜひこれからは六省庁一緒になって検討してもらいたいと思います。 それから、委員長、特に委員会の方に実はお願いをしておきたいと思うんですが、地方行政委員会の中の小委員会があります。これは暴力団法と風俗法の関係の部分を中心に専門的にやっていただく小委員会でございますけれども、今私いろいろと問題点を長々申し上げましたが、ひとつ小委員会の方でもこの問題を一緒に含めて検討していただく、そして各省庁とも協議をしていただいて、小委員会の討議事項、検討事項の中に取り上げてもらいたいという気がいたします。それは最後にひとつ委員長の方から御見解を聞きたいと思います。 長々申し上げましたけれども、大臣も長官もいろいろ私が申し上げた内容で御見解があろうと思います。最後に国家公安委員長と警察庁長官の方からでも見解をお聞きしたいと思います。
○政府委員(城内康光君) 御指摘のように、いろいろこの過積載の問題について、これを根源的になくすにはいろんな問題があるということは私ども確かに御指摘のとおりだと思います。 それで、ただ現実に違反全体の中で十割以上のものの割合がほぼ一貫して伸びているような状況にありまして、御承知のとおり、過積載というものが重大な事故につながるおそれが大変強いということで私どもは悪質、危険なものについて重点的に今取り締まりをやっておるわけでございます。今回の法改正でも、そういった多少でも根源的な解決に役立つようにということで、この過積載運転の罰則の強化だけじゃなくて、車両の使用者、荷主の背後責任追及に係る規定の整備をお願いしておるわけでございます。 ただ、警察の取り締まりだけで解決する問題ではないということを私ども十分承知しておりますので、御指摘のような問題を踏まえて関係省庁といろいろと打ち合わせをして対処してまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほど来、渡辺委員からの御質問に対しまして、公共事業の施行者であります建設省それから運輸省の担当者から、また取り締まりの責任者である警察庁の交通局長から、そしてただいまは警察庁長官からの御発言がありました。 まさにこのことは、渡辺委員が非常に広範な研究を御披露なさいましたように、事故を起こしたくて運転する方はないわけでございますし、また過積載によって非常に重大な事故が起こりやすいという実態がある。そして、六省庁の申し合わせに基づいて非常によくいったときもあるけれども問題はまだまだ解決していない。これはもう各省がその問題点を指摘するだけでは事実進まないわけでありますから、私も自治大臣、国家公安委員長として過積載問題に各省庁とよく御相談をしながら積極的に早く対応しなければならないと思います。
○委員長(佐藤三吾君) 委員長に問われた問題につきましては、理事会で協議します。
○渡辺四郎君 それでは、この問題で建設省と運輸省は最後にしておきます。ぜひ今の私が申し上げた二つの問題を中心にひとつ改善を図ってもらいたい。そうすれば大体改善されてくるんじゃないかと思います。ですから、公共事業を発注する方の官公庁としてはやっぱり一立方メートル当たりの単価の積算基準に十分やっぱり運搬距離を、適正量で運んできて生活ができるようなそういう単価をぜひひとつ組んでいただいて、そして元請業者を含めて、先ほど言いましたように、これ以下で下請、孫請に落とした場合には次期の指名は遠慮してもらうとかあるいは停止をする、こういうやっぱり強い行政指導も同時にしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。どうもありがとうございました。 それでは、その次に入ります。 まず長官、私は冒頭お伺いをしたいというふうに思っておりましたけれども、どうも警察庁が出す法律の改正案、前の官房長にも私言ったことがありますが、長官の局長当時にもお話ししたことがあると思うんですけれども、どうも国会に出る前あるいは議員に説明をする前に外部に報告をする。これは車庫法のときもそうだったわけです。警察としては非常に厳しい態度で車庫法の改正問題を打ち上げた。ところが、国会に来た段階ではもぬけの殻になっておったし、この当時私は言いましたけれども非常に圧縮をされておった。 やっぱり法律案というのは、特に警察行政というのはどうしてもサービス行政もありますが取り締まり関係の部分が大きくなってくる。そういうことになりますと、それぞれの団体から、いやこれは大いにやってもらいたいという人といや絶対に反対だという人と、たくさんの圧力がかかってくると思う。そうすれば、本当の私はやっぱり警察庁がねらった行政の方向というのはなかなか難しいんじゃないか、そういう気がします。今度の車輪どめの問題だって、当初から見れば、逆に言ったら拡大をした。当初何か大型車だけぐらいが検討の対象じゃないかというふうに、私らも余り詳しくは聞いてなかったんですけれども、途中で幾らか変わってきたような気もするわけです。 そういう点について、これから後の問題としてはなるべくそういう問題は外部に出す前に立法府である国会にまずもって御相談をしていただきたいということを冒頭申し上げて、長官の見解を聞きたいと思います。
○政府委員(城内康光君) お答えいたします。 運転免許の保有者が六千四百万人を数えておりますし、また車の台数も八千百万台の多きに上っております。また、交通事故というのは御承知のように大変事故が多発しておりまして現在交通問題というのは国民全部の問題になっておる、こういうことでございます。 交通行政は、国民行政という側面が大変強い分野ではないかというふうに考えておるわけでございます。そういたしますと、この道路交通法の改正ということを考えます場合に、私どもが一応たたき台をつくりまして、それについてできるだけ国民各層の御意見を承って、そしてそういう各層の意見を聞きながら政府案をつくるというそういうことの方がいいんではないかと私ども考えておるわけであります。私どもがそういう試案として、たたき台として発表して、いろいろな御意見を吸収してやっと政府の改正案という形になる。それについて国会で御審議を願う、こういうことでございます。 冒頭申し上げたようなそういう国民行政としての非常に広く問題があるものですから、私どもは私どもなりに、もちろん私どもも素案をつくる段階でもいろいろ学識経験者とがそれぞれの専門家の意見は聞きますけれども、やはり広くそれをお示しして、各層で意見を伺って、そしてやっと政府案をつくる、こういうようなものであろうと思います。そういうことで、国会に一応の政府案ができた段階で御審議を願う。こんなふうに考えておるわけでございますので、御理解いただきたいと思います。
○渡辺四郎君 もうそのことでやりとりするあれはありませんけれども、確かに多くの学識経験者あるいは国民の多くの皆さんの御意見をいただきながら国会に出す前に法案の整備をしていく、それは提案者としては当然のことだと思うんです。 ところが、その骨格が出た段階で、まだ審議会も何もそういう専門家の皆さんの御意見を聞く前に骨格を発表してしまうでしょう。車庫法のときだってそうでしょう。あのときだって、非常に当初の警察庁の考え方はよかった。立派なものだというふうに私は思っておりましたけれども、来た段階では大きく変わってしまった。それにはやっぱり大型車をつくっておるところもあろうし小型車をつくっておるところもあろうし、タクシーの運転手さんの皆さんの関係もあろうしあるいはトラック業界の人たちの意見もあろうし、異なった意見があるわけです。そういうので、余りにそういうものを出してしまえば同じ仕事をしながらやっぱり相反する意見もあるわけです、駐車禁止の問題だってそうですけれども。 ですから、そこらは一般の行政と違った部分があるから、罰則強化じゃないですよ、そういう部分については多くの学識経験者を含めた皆さんたちの意見を聞きながら、法案になって煮詰まった段階で発表するなら別と思うんです。そして、必ずと言っちゃ大変失礼ですけれども、国会の途中で法案が出てくるものですから、できるなら国会の冒頭に出していただいて、それはいろいろ関係もありましょうけれども、そういうことを実はお願いをしてきたわけです。もう私の方の主張だけ申し上げておきたいと思う。 改正案の内容について入っていきたいと思うんですが、五十一条の二の交通事故防止関係についての車輪どめの問題で、車輪どめというのは私は全然感覚がないものだから、これは大体どのくらいの太さの器具で、それと重さはどのくらいあるのか、まずお聞きをしたいと思います。
○政府委員(関根謙一君) 車輪どめの仕組みは、違法駐車対策として欧米各国で採用されている仕組みでございます。 我が国でそのための器具といいますのは、実は現在の道交法の五十一条であったかと存じますが、違法駐車車両を他の場所に移動した場合でございますが、そのときに車輪どめを盗難防止のために設けることができるというので、これは五十一条の九項に「車輪止め装置の取付けその他の必要な措置を講じなければならない。」旨の規定がございます。ここで用いております車輪どめというのは七キロ以下でございますが、要するにエンジンをかけても自動車が動かない程度の重さのものでございます。
○渡辺四郎君 そうしますと、今度の改正案の今局長がおっしゃった五十一条の二の中で、ここでは「違法駐車行為の防止を図ることが適当なものを、車輪止め装置取付け区間として指定することができる。」というのが一項にありました。第二項の方では「警察署長は」ということで、これはこういうふうに判断をすればどこでもできるというふうになっておりますから、そうしますと、車種とかなんとかは関係なく違法駐車をしておって警察署長がそういうふうな判断をすれば車輪どめをかけるんだというふうに解していいわけですか。
○政府委員(関根謙一君) 先生ただいま御指摘のように、今回の車輪どめの仕組みは先ほど申し上げました五十一条の仕組みとは異なりまして違法駐車を防止するための仕組みでございます。 あらかじめ車輪どめを行うことがあり得る区間というものを広く広報する必要があるということで、その区間をあらかじめ定めておきます。これはこの規定にございますように違法駐車が常態として行われていると認められる道路の区間でございまして、例えばこの辺であれば六本木の道路なんかはそれに当たろうかと思います。そういったところであらかじめ広報しておきまして、そこでさらに二項の規定でございますが、交通の状況等から判断して違法駐車行為を防止するためにやむを得ないと警察署長が判断した場合にはその車輪どめの装置を取りつけることができるという仕組みでございます。 そこで、どういう場合が違法駐車を防止するため車輪どめ装置を取りつけざるを得ないような違法駐車行為であるかということの判断でございますが、一つは、大型車のようにレッカー移動が物理的に不可能であるような車は該当しようかと思います。しかし、決してそれのみではありませんで、どうしても違法駐車をした人がだれだかわからないというような、頻繁に違法駐車を繰り返す車両であって、しかもだれがやったかわからないといったようなものについてもこういう装置を取りつけるということはあり得ると考えているところでございます。
○渡辺四郎君 そういう判断のもとに設定をするわけでしょうが、先ほどお聞きをしましたように、今かなり交通巡視員という女性の方もたくさんおられるわけです。よく見ますと、お一人あるいは二人で巡視の方が小さなパトカーに乗って回っております。そうしますと、数珠つなぎみたいにずっと違法駐車が区域内にあると、あの車には七キロぐらいの車輪どめの器械といいますから余計は積めないと思うんですけれども、そういう問題もこれは一つ出てくるんじゃないかという気がします。 同時に、もうこれは素人の考えかもしれませんが、逆に交通渋滞を起こすんじゃないかと。今までであれば例えば巡視員の方がチョークで書いたりいろいろ張ったり何やらしてくれて、後は本人が運転して警察署に行って反則金を切られたり何やらしでおりましたけれども、動かそうと思っても動かない。そうしますと、警察署に連絡をして、署の方から警察官が来ていただいて、そしてその車輪どめを外してもらわなきゃいけないわけでしょう。時間も余計かかりますし、そんな警察官の多いところは私は余りないと思うんだけれども、交通関係の警察官がもしおらなかった場合は一体どうするのか。おらなかったらとは大変失礼ですけれども、今手が回らない、もうきょうじゅうはだめだよといった場合に、自動車の所有者は一たんそのまま帰らなければいけない。 今までだってどうしても邪魔になるという部分についてはレッカー車で持っていっておりますけれども、おたくからいただいた資料を見ますと年々減ってきておるわけでしょう。レッカー車の移動なんかは減ってきておるわけですね。平成二年から平成三年を見てみますと一万何千件減っておるわけです。それで、平成四年もわずかですけれども二百七十何件か減ってきておる。 そういう一つの状況も出てきながら、なおかつ今度は余計に私は交通渋滞を起こすんじゃないかという素人の感覚、心配かもしれませんけれども、車どめをするために所有者が来ても動かない。警察に連絡するけれども、巡視員の皆さん仕事が忙しいから、そういう状況が続いた場合にはなかなか来れない。お聞きをしたいのは、それでは自分が発見をして、何時間以内に警察はその現場に来てくれるのか。そういう保証がなければ、片一方だけは何か厳しくやっておるようですけれども、片一方ではいや忙しいから行けぬよといった場合には、一日も二日も放置をされるということはないかもしれませんが、そこら辺を法律では規制はどういうふうにするつもりか。
○政府委員(関根謙一君) レッカー移動の場合と比較して申し上げます。 レッカー移動の場合には大体受け取るまでに平均四十分ぐらいかかると言われております。まず警察署に出てきて、それから自動車の保管場所のところまで行きまして受け取ってくる。警察署に来た場合に交通違反の処理手続が十五分ぐらいかかるということもございます。ということで四十分ぐらいかかるという見当でございますが、車輪どめを外すという場合には、警察に連絡していただきますと警察の方でその現場に出向いてまいります。そこで外すのはせいぜい一、二分でございます。あとは必要な処理手続で、こちらの方はレッカー移動の場合と同じ程度の時間でございますから、全体としては駐車場まで取りに行く時間分だけは手間が省けるということがあろうかと思います。 それから、では、おれは受け取るのは嫌だということでそのまま放置しておいたらどうかという点のお尋ねかと存じますが、この場合には五十一条の二の第七項に規定がございまして、二十四時間以内に外さなければいけない旨の規定を置いております。レッカー移動の場合は大体二十四時間以内に九〇%以上の方が取りにこられます。九五%以上だったかと思いますが、でございますので、それよりも若干手間が省けるということからですと、二十四時間以内に大部分の方が警察に通告してくるのではなかろうかと考えております。
○渡辺四郎君 私が言ったのは、確かに局長がおっしゃる車どめを外す操作時間というのはわずかでしょう。三分間でできるでしょう。そうでなくて、今までであれば駐車違反ということで表示をしながら出頭してくるようにステッカーを張ったりなんかしておったでしょう。 ですから、自分でだれも好きこのんでする人はおらぬですよ。これは一番最後に国家公安委員長に聞きますけれども、やはり人も生きておりますし企業も営業しながら生きておるわけですから、そうしますと違法とは知りながらもそこに駐車をしなければ仕事ができないという問題だってある。私はこれはいいとは言いませんよ。あることだってあるんです。今みたいな日本の駐車場の体制ではやっぱり続くと思うんです。 しかし、違法駐車をなくさなきゃいけないというのは一緒に取り組まなきゃいけない問題ですから、そういう中で、今までであれば、連法駐車ですよ、警察へ来なさいということで済んで、自分で運転して警察に行っておった。これからは、車どめを食らいますと警察に行くときに自分の車は動かせないわけですからタクシーか電車か何かで行かなきゃいけないでしょう。また、行って連絡してもなかなか担当の警察官がいない。大きい警察署ならおりますけれども小さなところへ行った場合にはいない。行ってまた一筆書かなきゃいけないわけですから、そういうことをしますとやっぱり時間もかかる。 だから、逆に私は交通渋滞が起きるんじゃないかという心配をしておりますけれども、それがないというふうに確信を持っておるなら別にとやかく言いません。この点ひとつ聞きたいと思います。
○政府委員(関根謙一君) 違法駐車の防止のために非常に効果があるものと確信しております。 その根拠でございますが、イギリスでこの措置を講じました結果、一つの違法駐車の車両に車輪どめ装置を取りつけると五百台の車が違法駐車をしなくなるという効果があるというように言われております。どうしてそういう効果があるかというところは極めて心理的なものかと存じますが、やはり車輪どめというものを取りつけられて困惑すると。その困惑が二度と同じような困惑の気持ちを持ちたくないということにつながって違法駐車することを抑える力を持つというのではないかと考えております。必ず効果があるものと確信しております。
○渡辺四郎君 まあ局長がそうおっしゃるなら大いに効果があるんでしょう。 しかし、私はやっぱりそれじゃだめだと。これは車庫法の改正のときにもいろいろ問題になりました。やはり建設省を含めて公営駐車場をどうつくっていくか、あるいは駐車場をふやさなければ日本の風土の中で車六千数百万台あるわけですから、それに対して車庫は一体何ぼあるのか、駐車場は何ぼあるのか。先ほど言いましたように、人は生きておるし、社会は回っておるわけです、企業は営業しておるわけですから。そういう点について、やっぱり自治大臣として、国家公安委員長として、公営駐車場、駐車場の増設についてひとつ決意を聞きたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほど来政府委員からお答えを申し上げておりますように、まさに道路の面積が少ない、そしてまた駐車場が足らない、車は多い、交通の事情はどんどん増していくということで、違法駐車問題は警察の取り締まりだけでなくて、関係行政庁、団体の協力、取り組みが不可欠であると認識をしております。特に今渡辺委員が御指摘になりました駐車場の整備拡大、駐車場の有効利用の促進などを進めることが必要であると考えます。 平成二年の道路交通法の改正後、警察としても各方面に駐車場の建設をお願いしており、警視庁の調査で、都内の十台以上収容の駐車場は平成元年と平成三年度を比較いたしますと八十四万台から百十八万台分に三十四万台分、約四〇%ふえております。このように徐々に駐車施設が増加しつつあるものの、駐車場の整備は、用地確保の問題やあるいは採算性の問題などによって、いまだ十分とはとても言えない状態だと思います。 今後とも、公営駐車場だけではなく、民間の駐車場の建設も促進するために、駐車場附置義務条例の制定強化、駐車場建設に対する補助、融資制度、あるいは駐車場整備地区の指定、駐車場整備計画の策定などについて関係機関に働きかけてまいる所存でございます。 警察庁長官それから交通局長は非常に広範な教養のある人でございまして、そういったことも考えながら進めてくれておると思いますが、私は国家公安委員長としてよく警察庁長官と御相談をしながら進めてまいります。
○渡辺四郎君 それでは、次の問題に入っていきます。 いわゆる改正案では優良運転手の免許の有効期間を従来の三年から五年に延長するというふうになっておるわけです。週刊現代に、行革審の日本部会の専門委員でもありこの答申の取りまとめにも参画をした岩國哲人さんですかが、当初十年という意見もあり、岩國さん御本人も日本以外にアメリカやあるいはイギリス、フランスの免許を持っていることから、体験的にいった場合やっぱり十年が望ましいんじゃないかというふうに思っておったし、イギリスでは一回取りますと七十歳までは保証される、あるいはフランスの場合は死ぬまでこれは認められておるということでありました。 ここでお聞きをしたいのは、行革審が確かにこれにも「優良運転者」というふうに出しておりますけれども、一方では行革審は非常に行政事務の簡素化というのを言うわけです。だから行革審の答申の中で私はどうしてそこが分かれたかよくわかりませんけれども、一方では事務の簡素化というふうに言いながら、交通免許証だけは何か優良運転手の五年だけだと言っておられる。それで岩國さんのお話では、十年というふうに話が進んでおったけれども、同じ委員会に入っておる警察のOBの委員から言われてその人の方向に結論がまとまったんだというふうに言われております。 局長、自動車の免許以外に、一回国家試験に通った資格で、資格試験通ったもので二年とか五年とかで切りかえていく、これは質問通告してなかったわけですが、何かありますか。同じ運転免許の中で、飛行機のパイロットの皆さんにしてもそうですし軌道の運転手にしてもそうでしょう、資格が要りますよね。これは一回資格を取っておれば、パイロットだってそうです。それで、自動車の免許証だけは従来はやっぱり三年で免許更新をやっていくということをやってきた。だから、せめて原則五年ぐらいにという声もたくさんありましたけれども、あえて優良運転手だけを五年にしたものですから局長にお聞きをしたい。何かほかにありますか、切りかえるもの。
○政府委員(関根謙一君) 資格制度を持っているところで更新制を加味しているものというのはちょっと私も今直ちには思い浮かびません。しかしながら、運転免許に関しましてはむしろそういう期限を定めている例が国際的に多数でございます。 なぜそうであるかということを考えますと、自動車の運転はいわば危険な行為であるということを前提といたしまして一般的にはこれを禁止しているわけでございますが、一定の技能、知識、適性を備えたということで、基準に達した者につきましてはその禁止を解除するという意味で免許を与えるという仕組みでございます。その期間というのは、その技能、知識、適性がどの程度継続するか、あるいはどの程度の間隔でチェックしていけばさらに安全に運転できるかということについての判断によるものと思います。 アメリカ等では大部分の州が四年以下でございます。カナダも大部分が三年以下。オーストラリアは五年以下というぐあいで、この以下と申しますのは、一年、三年、五年の中から自分で欲しいものを選択してもいいというような仕組みをとっているところもございます。そういうものでございますが、いずれにしましても、こういうところでは一定の間隔を置いてその運転者の適性なり知識なりをチェックした方が安全性確保のために合理的であるという判断のもとにそういう制度をとっているものと考えます。 私どもも、臨時行政改革推進審議会で意見を求められました際に、国民の負担軽減という点は確かに非常に大事でございますが、あわせて、世界的に今問題となっております交通事故防止に資するような仕組みをお願いしたいということでお願いをしてまいったところでございます。
○渡辺四郎君 そうしますと、優良運転手だけを五年にしたというのは、交通事故を減らすために、交通事故防止に役立てるために優良運転手だけを五年にしたということですね。 今、局長はいろいろ五年以下とか十年以下の短いところを言いましたけれども、先ほど言いましたように、岩國さんは自分の体験からということでアメリカなりイギリスなりフランスの問題等も言っておりますし、特にイギリスは七十歳、フランスは死ぬまでだというようなことも言ったわけです、それではイギリス、フランスで圧倒的に交通事故が多いかどうかという問題もありましょうけれどもね。 これは長官どうですか。私はやっぱり今の警察行政全般から見た場合には、これは一番仕事の多い、業務量がふえておる一つの実態なんですね。だから、そういう点から見ても、やっぱり簡素化のため、そして今はもう車は人の生活に欠かせない、生活の一環に入っておるわけですから、原則五年で優良運転者はプラスをする。そういうことまで一挙に踏み切ってよかったんじゃないかという気がします。今局長からもお聞きをしましたが、あえて優良運転手だけを五年にしたということを強調したい点があれば、ひとつそこを強調して言っていただけませんか。
○政府委員(城内康光君) 今御質問にありましたように、今度考えております制度というのは、三年として、そしてまた優良運転手については五年へ延ばすと。つまり、皆が優良運転者であるように誘導するといいますか、そういうインセンティブにしていい状態をつくっていきたいということでございます。 私は素人で教育のことはよくわかりませんが、しかるよりは褒める方が教育的な効果が大きいというようなことを申します。だめな者を低くするよりは、そういう優良であれば三年が五年になるんですよという言い方の方が行政としては効果が大きいんではないのかなと思います。 それから、なお三年を五年にということでございますが、五年をさらにまた何年にと、五年から出発するというのはそういう考え方もあると思いますけれども、先ほど交通局長が答弁いたしましたように、行政の簡素化の要請が一方にあると同時に、もう一方で交通事故を減らさなきゃならないという要請もあるものですから、そういったところを考えて、三年、五年と、そういう仕組みにし、かつ三年から五年へ向けてみんながそういう努力をしていただけるそういうインセンティブにした、こういうふうに私は理解しております。
○渡辺四郎君 警察庁の方はそういう考えでやったと。私も以前、優良運転手については、警察のやり方が信賞必罰であるならば、優良運転手の皆さんについては何か持ち点をふやすとか何か検討すべきじゃないかという問題提起をしたことがあったわけですけれども、これは他の委員からもお話があると思うんです。今長官がおっしゃったように、行政指導からもそういうふうな方向の方が非常にやりやすいんだ、五年が十年で悪いわけがない。十年にしますからと言ったら、なおいいかもしれない。そこらはあとの先生方からも質問があることと思います。 それでは次に入っていきます。たくさんありますが、時間がもうあと三十分程度しかありませんから、なるべく簡単にお聞きをしていきたいと思います。 改正の中で、新設をされます応急救護処置等の受講が義務づけになるわけですが、お話を聞きましたら新規の免許取得者のみだということで、ここらはもうそれで結構だと思うんですが、受講の義務づけが除外をされるのは公認の自動車教習所の卒業者が除外をされて、あとはもう除外される部分というのはないわけでしょうか。
○政府委員(関根謙一君) 応急救護処置として私どもが考えておりますのは心肺蘇生法と止血法でございますのでございますので、そういった点に知識があるということが法律上認められている医師、看護婦、救急救命士等の方々につきましては、当然にこのような義務を重ねて課することはしないという考え方であります。
○渡辺四郎君 それでは消防の方の新たに設置した救急救命士も入るということですね。 看護婦というふうに一口に言われましたけれども、看護婦なんかもいろいろ幅が広いものですから、そこらは後から詳細な検討をされると思いますから、省略しておきたいと思います。 それでは、この部分については受講料は別に徴収をするのかしないのか、あるいは全国的に統一をするのかどうか、お聞きをしておきたいと思います。
○政府委員(関根謙一君) 受講料につきましては、政令で定めることとしておりまして、全国均一ということを考えております。その額でございますが、一時間当たり二、三千円程度であったか、ちょっと今試算している段階でございますが、負担にならないような額で実費程度のものを考えております。
○渡辺四郎君 それと、その講師は一体どういう人を持っていくのか。大学の医学部の教授を持っていくのか、あるいは教習所の中の技能検定員の中からそういう資格を取っていただいた人たちに指導させるのか。そうすれば、そういう人たちの資格というのは一体どういう資格になっていくのでしょうか。
○政府委員(関根謙一君) 現在、そういう指定自動車教習所あるいは都道府県の公安委員会において応急救護処置を教える指導員の養成につきまして研究会の提言等を踏まえ検討しているところでございますが、おおむね四十時間程度の応急救護の処置について講習を受けた人というものを考えております。指定自動車教習所一校当たり二、三人程度の人がそういう資格を持っていれば十分に対応できるという考えでございますが、将来的には指定自動車教習所にあってはすべての教習指導員についてこの種の教える資格も持っていただくように期待をしているところでございます。 なお、公安委員会における講師は警察官等でございますが、警察官の場合には救急法についての素養がございます。しかしながら、今回こういう仕組みを設けるにつきましては改めて講習を受けてもらうということを考えております。
○渡辺四郎君 それは後で国家公安委員会規則に定めるということになっております問題もあるようですけれども、四十時間程度の講習を受けて、それを終了すればその人たちが先生になって教えるんだということらしいんですね。 例えば消防の救急救命士の場合は一つの資格要件です。だから、間違った応急処置の方法を教えた場合にはまた大変な問題というのも出てきますでしょう。だから、確かにたくさんの人に知ってもらうのは、教習所の技能検定者の皆さんたちに知ってもらうのは必要ですけれども、今局長がおっしゃったように、将来はもう全員がそういう資格を持っておって教えていったらいいんじゃないかということでやりますと、これは粗雑になって私は逆に危険性が出てくるんではないかというような心配もするわけです。そこらを十分ひとつ注意をしてやっていただきたいということを要望しておきたいと思います。 全く素人で申しわけないわけですが、この改正案の中の行政処分逃れに対する道交法百三条の二の免許証の効力停止との関係で一応聞きたいわけですけれども、この中で免許証を保管するとあるが、期間についてはその当該者と協議をして決めるのか、あるいはそうでなければどのくらいの期間を保管期間というふうに考えておるのかというのが第一点です。 それから二つ目は、私が素人と言ったのは、免許証の保管といいますけれども、これは実質的には、その現場で行政処分を受けていない人を見つけた場合、悪く言えばその現場で免許証を取り上げるわけです。警察からいえば預かり証を書くわけですが、こういうことで見ればやっぱり一つの押収ではないかと思うんです。そうしますと、日本の刑事訴訟法の令状主義との関係で、こういう点から見た場合一体どういうふうに警察庁は考えておられるのか。そこらをひとつお聞きしてみたいと思います。
○政府委員(関根謙一君) 今回、百四条の三ということで、行政処分逃れをしている人を発見した場合の措置をつくっていただくようにお願いしているところでございます。運転免許人口は先ほど長官が御説明申し上げましたように六千四百万人ございます。そのうち、免許の取り消し、停止等の行政処分を受ける人は毎年百七十万人くらいおります。百七十万人のうちの五万人ぐらいが取り消し処分、百六十五万人ぐらいが停止処分でございます。 この行政処分は、本人に書面が到達したときに効力を生ずるということでありますが、百七十万人のうちの七万人ぐらいの方がその書面を受け取らないで処分の効果が生じていないということがございます。そのうちの三万人ぐらいの方は実は住所がどうしてもわからないのでございますが、そういった人たちでも再度事故を起こしたりあるいは違反をして捕まったりあるいは検問でわかったり等で見つかることがございます。その場合に、従来はそのまま免許証を返してしまっていたのですが、もともと行政処分対象者である人でありますので、その行政処分の書面を受け取ってもらうべく公安委員会に出頭してほしいということで免許を預かって、そのかわりに保管証を渡すという仕組みを設けさせていただくものでございます。 これはあくまでも行政処分という行政目的を達成するための手続でございますから、刑事手続、犯人を処罰するという目的のための手続ではございませんので、刑事訴訟法の手続とは別個に考えているところでございます。 その期間でございますが、これは出頭するに必要な程度ということでおおむね十日前後を考えておりますが、事情によってもっと長くかかる場合がある。例えば御本人が九州に住んでおられる方で、その方が北海道で捕まったというようなことが仮にあるとしますと、かなり出頭するまでに時間がかかることもあり得るということで、そういう事情は十分考慮して期限を定めることとしたい、このように考えております。 〔委員長退席、理事岩本久人君着席〕
○渡辺四郎君 刑事訴訟法との関係であるんでしょう、処分じゃないというふうに言いますけれども、それはもう行政処分を受けるために行くわけですから。行政処分逃れの人に対してそういう措置をするわけですから、そうしますと確かに行政処分ですから刑事事案としての処分じゃない。しかし、受ける方は警察から受ければ何か刑事事案と同じみたいな処分を受ける気になるわけです。これは今局長がおっしゃったけれども、それは警察庁の立場はそうでしょうけれども、私はこの問題についてはお聞きをしてストレートにはいそうですかということでの返事はちょっと遠慮させてもらいたいと思います。 それからいま一つの問題は、行政処分を不服として係争中の者もおりますね。この間、事件があったでしょう。それで逆に警察の方が敗訴したことがありましたね。そういう人については一体取り扱いはどうなるんですかというのが一点と、それはもちろんそういうことはないというふうに確信を持っておりますが、免許証を保管しておる、その中で他の犯罪に利用しないという歯どめはどこでするのかということをひとつ明確にしておいてもらいたいと思います。
○政府委員(関根謙一君) 行政処分がされた場合に、その処分の効力を争うという場合はしばしばございます。行政不服審査法の規定によりまして異議申し立てをするということもございますし、行政事件訴訟法の規定によりまして処分の取り消しを求める取り消し訴訟を起こすということもございます。 しかしながら、これらの場合には既に処分が効力を生じておりまして、その効力を争うという形でございますので、その裁判なり審査の結果、その事実関係について誤りがあったということであれば処分の取り消しを行うということは十分あり得ることでございます。
○渡辺四郎君 間違っておったから取り消すといえばそれで済むかもしれませんけれども、そういう簡単な問題じゃない。受けた方の身になれば、警察は民主警察とはいいながらやっぱり怖いもんですよ。だから、そういう感覚でおるということをひとつ警察庁の方は頭に入れて現地の方の指導をしていただきたいと思います。 次に入りますが、自動車教習所の技能検定員等の身分保障問題です。今度の改正案の九十九条の二の五項では、資格者証を一方的に返納を命ずることができるというふうになっております。六項で一技能検定員資格者証に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。」というふうに言われております。現行の九十九条の八項で確かに公安委員会が指定をする自動車教習所等の管理者については解任権が認められておりますが、九項は、公安委員会は本人に対し「弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。」となっているわけです。なぜこれを削除したんですか。 やっぱり自動車学校の場合はかなり労働条件問題で労使の争いがあるわけですね。これはいいことじゃない。お互いによければ争いはないわけですが、争いがあるのは事実なんです。そうしますと、一方的に解雇して裁判ざたになったり何やらするケースが余りにもあるものですから、何で今まであって公安委員会が管理者に対して義務づけをしておった部分の九十九条九項を今度の改正案で削除するのか。そういう点をひとつ明快にしていただきたいと思います。
○政府委員(関根謙一君) 先生御指摘のとおり、不利益処分をする場合に、あらかじめ弁明の機会を与えあるいは有利な証拠の提出の機会を与えるということが行政の一般原則でございます。 今回、私どもこの規定を十分に念頭に置きつつなおあえてこの種の文言を入れませんでしたのは、この当百二十六国会に政府といたしまして行政手続法を御提案申し上げる準備をしているということを聞いておりまして、この行政手続法の中で一般的な形ですべての不利益処分については事前聴聞手続を置くという規定があるものですから、もし行政手続法が成立した場合には、今度道路交通法のこの規定を行政手続法の施行に伴い関係法律を整理する法律といったような法律で削除するようなことになろうかと思います。 ということで、いわば二度手間になるという考えから、この際この部分についてはあえて規定しなかったところでございますが、仮に行政手続法が間に合わないということでありますれば、先ほど先生が御指摘になりました国家公安委員会規則で現行の規定とほぼ同様の規定を置くこととしたい、このように考えております。
○渡辺四郎君 では念を押しておきますが、もしも行政手続法が間に合わなければ、国家公安委員会規則で九十九条の九項に見合う身分保障の措置を講じたいということですね。
○政府委員(関根謙一君) そのとおりでございます。
○渡辺四郎君 次に、交通安全協会問題について少しお伺いをしていきたいと思うんですが、なぜ今度の改正問題の中で私が質問を申し上げるかということについては大体おわかりだと思うんです。 ここに、週刊現代の十月十日号を初め、「「交通安全協会とカネ」の不透明を働く」ということで、非常にいろいろな視点から交通安全協会のあり方についての指摘それから事実関係が列挙されておりまして、だから公安委員長は見られたと思うんですが、これを見られてどういうふうにお感じになっておるか。ついでですから、そうすれば、交通安全協会をこういうふうに変えていきたい、あるいはこういうふうに持っていきたいという考えがあれば、一緒にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今御指摘になりました交通安全協会について、特に週刊現代の記事やいろいろな御指摘がありました。 交通安全協会は、交通安全の実現のための民間の中核的組織でございまして、そして啓発宣伝活動と地域に密着した各種の交通安全活動を推進しているものと認識しております。ただ、こういった点をいろいろ御指摘がございまして、今後とも交通安全協会の活動が交通安全に寄与するとともに国民に疑問を与えることの全くないように指導していかなければならないと思っております。
○渡辺四郎君 それに関連をして、交通安全協会というのは公益法人で、都道府県段階の交通安全協会それから警察署単位の安全協会、それから各自治体の中に、専従者はいませんが事務局は電話がかかれば受けるという程度の各自治体ごとの安全協会もあるわけです。これはそれなりに交通安全に対するPR活動なんかも一緒にやるときに行事に参加をしながらやっておるという、それは知っております。 問題は、ひとつぜひ私も勉強不足であればまた教えていただきたいわけですが、全国に自動車の免許試験場の付近とかあるいは警察署の付近に行政書士の方がそれぞれ事務所を持って業をなしておりますね。行政書士法の第一条にはこう書いてあります。「他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。」ということで、私らも一年に一回行政書士会の皆さん方の会合がありますが、これは大臣も自治省関係におられたからよくおわかりだと思うんですが、やはり行政としては非常に行政書士会の皆さんのお助けを得て、おかげで行政が非常にスムーズに回っておるわけです。 そういう中で、今度の改正の中でちょっと私自身がお聞きをして明確にしておきたいというふうに思うのは、免許の更新時の作成業務も行政書士法の第一条に基づく業務であるというふうに私は解しますが、間違いないかどうかです。
○政府委員(関根謙一君) 免許の更新時に更新を求める申請書を作成いたしますが、この申請書は免許の更新を求める方が作成するものでございます。その免許の更新を申請する人にかわってこの申請書類を業として作成するということであれば、この申請書類は公安委員会という官公署に提出する書類でございますので、この規定に該当しようかと存じます。
○渡辺四郎君 もう一度念を押しておきたいと思うのですが、それでは、改正案の中で「免許関係事務」と包括的な表現がされておりますけれども、今局長がおっしゃった内容から見れば各種申請書の作成は免許関係事務には含まれていないというふうに確認をしていいわけですね。
○政府委員(関根謙一君) 今回改正をお願いしております道路交通法の百七条の十一に規定しております「法人に委託することができる」こととされる事務は、公安委員会が免許に関して行う事務でございます。公安委員会という行政機関が免許という行政に関する事務でそれを国民の利便のだめにさらに委託した方が合理的であるというものがあればそれを委託することができる。その場合に、委託を受けた法人の関係者は守秘義務がかかってくるというような仕組みをお願いしているところでございまして、この公安委員会が行政機関として行う行政の事務の一部は委託できるということでございます。 ただいまの免許申請者が申請書を提出するという事務は申請者という個人の事務でございまして公安委員会の事務ではございませんから、この新しい改正規定はその申請書に係る事務については一切影響を及ぼさないという性質のものでございます。
○渡辺四郎君 くどいようですけれども、それでは今おっしゃった中での問題は地区の安全協会なんかには委託はしないというふうに確認していいわけですね。
○政府委員(関根謙一君) 公安委員会の事務ではございませんので、公安委員会が申請書を作成する事務をだれかに委託するということはあり得ないというふうに理解しております。
○渡辺四郎君 では最後に、先ほどちょっと大臣にもお話をしましたけれども、問題は、地区の交通安全協会が警察の署内にあるんです。それは便利な点もあるでしょう。でありますけれども、大体一つの警察署に、事務局長という人は大概警察のOBが多いんですが、あと二、三名の女性の方がおります。 そういう中で、確かに安全協会に入りなさいというのは任意ですよという説明はあるようです。しかし、免許を初めて取って一番最初に更新に行ったときとか、いろいろ後から聞いてみますと、あれは警察に納めた金じゃなかったですかというふうに言うんですよ。安全協会の会員になるために今はいろいろあるようですけれども大体年額三百円ですね。三年分ですから九百円か千二百円がなんか知りませんが取っておる、私は免許証は持たぬものだからよくわかりませんけれども。それで、私の秘書にも聞いてみた。すると、確かに安全協会に入りなさい、任意ですよという話はありました、警察で取られるからと、こう言うわけですね。だから言われるとおりに出しましたと。それで息子に聞いてみた。息子もやっぱり同じことを言うわけです。 今の免許更新が三年に一回ですか。六千万人以上の免許取得者がいらっしゃる。三分の一ずつ更新していったということで年間二千万人ですよ。二千万の人たちから三百円ずつもらったら、全部は協会に入ってない、例えば八〇%近くの千五百万人が入っておると三百円にして幾らになります。その金は全く会員には何も収支の決算の報告もないわけです。あるのは三年に一回の更新前に、あなたの更新時期はいつですよというはがきが送られてくる。それで、福岡の場合であれば三年間でたった一回のはがきをもらうだけで九百円納めなければいけない。これが地区の安全協会の問題なんです。 〔理事岩本久人君退席、委員長着席〕 ですから、一般の国民が税金も高いというふうに思っておるのに、免許証おくれで警察からいろいろ言われるよりいいと言って、地区の安全協会の会費まで警察が取っておるというように国民の多くは思っておるわけですから、この部分はやっぱり明確にするためにもこんなに安全協会問題で、そしてそこで警察署長のかわるたびのせんべつが幾らだとかあるいは警察職員を連れて旅行に行ったときに幾ら払ったとか、言ってくるから払わなきゃならないと。それは警察だって余り飲食費は持たぬでしょうから、割り勘で取った後、不足する分は安全協会へ頼めということになるでしょう、そういう金に使われることはいろいろありますからね。警察そのものがそういう疑いを受けるとかいうことは私はやっぱりよくないと思うんです。 ですから、安全協会はやっぱり別に出てもらえば、家賃払わなきゃいけないから恐らく地区の安全協会置いていないと思うんです、だから恐らく警察署の中に恐らく便宜供与で私はあっておると思うんですけれども、いろいろ言いたいことはありますが時間が来ましたから、最後に、国家公安委員長として安全協会の今後の方向についてもう一回御見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 渡辺委員に先ほども申し上げたところでありますが、交通安全についての交通安全協会の協力ということは非常に大事なものだと思います。ただ、そのあり方について、これは国家国民のための組織であると思いますから、いやしくも一般に疑惑を受けることのないように、この点は十分注意をして、そしてまた今後前向きに仕事を進めていただくように対応していかなければならないと思います。
○渡辺四郎君 終わります。
○続訓弘君 交通局長に要望を申し上げます。 まず、四月八日の当委員会で、私は東久留米市が医師を乗せた例の通称赤バイ隊の問題について御質問を申し上げました。直ちに対応を検討すると、こういう御答弁をいただきました。それに関連をしまして、実は東久留米市の千葉消防長から私にファックスが送られてきました。そのファックスをちょっと読み上げさせていただきます。 私は、全職員を集めて異例の訓示をした。幹部職員も動揺しているのだから、職員はもちろんだ。運用が中止になるのか皆心配している。「皆さんに心配かけたが、予定どおり運用することになった」。隊員たちから笑みがこぼれた。「ヤッター」という感触がずしりと伝わってきた。 こうして、一一五人の職員に支えられて、PAL2を街に走らせることができた。 今後、関係法令の改正によって全国的に赤バイが走る日が来ることを期待したい。 こんな、何かの雑誌に載せられる原稿だと思います。ぜひこの間のお約束どおりにひとつ政令改正をお願いしたい。こういうことをまず冒頭に御要望申し上げます。 実は先ほど来二時間にわたって渡辺委員から今回の道交法等に関連をしたさまざまな問題について中身の濃い質疑が交わされましたので、私は重複を避けながら、以下数点にわたって御質問申し上げます。 まず、最初は過積載の問題であります。 この問題に対しましては実は私どもに何回となく陳情がございました。もちろん私どもだけでなくて恐らく各党各委員に同じような陳情がなされていると思います。 その内容は、自分たちは零細業者である。一人一車のダンプ業者、全国的には約十四万人の人たちがそんな仕事に携わっている。しかも、ダンプ業界の九〇%がそんな人たちである。こんな話でありました。そして、さらに続けて、実は公共工事というのは期間が限られている。秋から年度末にかけて工事が集中する。年間では約二百五十日。雨の日もあるし風の日もある。そんなときには働きができない。しかし、今回の法改正は一定の評価はするものの実は私どもに対して大変なしわ寄せじゃないか。公平を欠くではないか。こんな地の叫びを当局に訴えていただいて、幾らかでもこれからの行政に自分たちの声を反映してほしい。こんな実は地の叫びの要請でありました。 そこで、これから一つ、二つ御質問申し上げます。 今回の法改正の第五十八条の五の一項二号によれば、過積載の情を知りながら売り渡したり引き渡してはならないという改正がございますけれども、荷受け者に対する規制が欠落をしている、このことが我々ダンプ業界での一番の心配事だと。今後この辺のことをひとつぜひ法案の中に盛り込んでいただきたい。それは荷受け者に対しても同様の規制をしてほしい、こんな要望でございました。 今回、規制の対象から除外された理由はどの辺にあるのか、お伺いいたします。
○政府委員(関根謙一君) 御指摘の五十八条の五の一項第二号の規定でございますが、これを特に山元と申しますか売り手側、引き渡し側の行為として規定をさせていただきましたのは、過積載となることの事情を承知していながら引き渡したり売り渡したりする行為はその結果過積載運転をせざるを得ないという状態を積極的につくり出すということになることから、特に要求とかそういう明確なあるいは積極的な働きかけがなくともこれは行政命令の対象とする必要があるという判断からでございます。 他方、過積載をして到着したところで待っている買い受け側の方でございますが、こちらの方につきましてもしそこで引き取らないということがありますと、またどこかへ戻っていかなければならないということもあるわけでございますが、いずれにしましても、荷受け側につきましては、黙示、明示の要求があるあるいは働きかけがあるという時点で行政命令の対象とすれば十分に対応できるという判断から、引き渡す側と到着地点で待ち受ける側とで若干表現を異にしたというところでございます。
○続訓弘君 先ほどの渡辺委員との質疑の中で過積載問題についての政府委員からの御答弁では私はちっとも問題は解決しないんじゃないか、こんなふうに思います。 そこで、国家公安委員長であり、かつ全地方団体を指導しておられる大臣の立場でお伺いをしたいと思います。 先ほども明らかにされましたように、公共事業は御承知のように実際には地方が七〇ないし八〇%の仕事をやっております。国が直接出されるのは二〇ないし三〇%。そういう意味で自治大臣の各地方団体に対する指導というのは私は大変な重みがある、こんなふうに思います。 そこで、これは一つの私案でありますけれども、たまたま御承知のように新宿に都庁舎ができました。三十八万平米のあの大きな都庁舎を建設する際には大変な土量が出たわけで、そこで同じような週積載の問題が発生をいたしました。陳情もございました。その解決策として私は例の積算単価を公にすべきではないか、そうすることによってこの問題の解決になるんではないか、こういうふうな気がいたしまして実は検討させました。結果は、先ほど運輸省のお話がありましたように、実は契約の内容にかかわるものだから一部でも公開するわけにはいかぬ、こういうようなことで実は公開ができなかった。 しかし、今や公共工事が非常に問題になっておる。透明度を高くすべきだ、あるいは入札制度をいろいろ検討すべきだと。こんな議論の中で、この過積載問題を契機に、いわば積算単価の中にそういう標準的な経費がどのくらいとして見込まれているんだと、こんなことを公にすることによってこの問題の解決を図れるんじゃなかろうか。同時に、過積載の問題だけではなくて、特に末端の例えば鉄筋工だとかあるいは配管、配線工など、そういういわば労働契約的な単価がどのくらい積算をされているのかということを明らかにすることが私は大切ではなかろうかという気がいたします。 ぜひこの点を大臣が閣議の場でも、あるいは六省庁の協議の場でも事務当局に過積載の問題を契機にそういうことを公にしたらどうだということのひとつ指示をしていただければ大変ありがたい、こんなふうに思いますけれども、御所見を伺います。
○政府委員(松本英昭君) 技術的な面がございますので、最初にちょっと私の方からお答えさせていただくことをお許しいただきたいと存じます。 御案内のように、昭和五十八年の中央建設業審議会の答申におきましても、適正な競争を確保するためには予定価格が的確に設定されるとともに受注者が的確な見積もりを行うことが基本であり、このため、どのような品目により積算するかなど積算の基本的な考え方等の積算基準をできる限り公表し、その妥当性を世に問うとともに受注者の的確な見積もりに資することが必要であるとされているところでございます。 これを受けまして、建設省も積算基準というものをお定めになっておりますが、例えば地方公共団体におきましても、これは東京都のものでございますけれども、「運搬費の積算は、原則として運輸省東京陸運局が定める二股区域貨物自動車運送事業運賃料金」及び数量により計上する。」というような方針を定めておられます。 一方、先生御指摘の点はこの予定価格の公表ということではないと思いますけれども、同答申によりますと、その予定価格の事前公表は公表された予定価格にとらわれて建設業者の真剣な見積もり努力を失わせあるいは建設業者間の価格調整を誘発するおそれが大きく、また、事後の公表も以降に発注される同種の工事の予定価格を類推させることとなり結局は事前公表と同様の問題を招来するので実施すべきでないというような答申になっているわけでございます。 そこで、御指摘の積算基準の各品目の標準単価を公開すべきではないかということなのでございますが、各品目の標準単価そのものを公開することは、ただいまの予定価格を公開するのと同様の結果を招来するおそれがあるというようなこと、それからまた、民間の契約にも影響を与えるおそれがあるというようなことから慎重に検討すべき問題ではないかと考えているわけでございますが、いずれにいたしましても、入札手続等につきましては関係省庁とも協議しながら適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今、事務的な問題につきましては自治省の政府委員から非常に詳細な答弁を申し上げたところでございますが、続委員のお引きになられました過積載問題に関連する公正な入札等々の問題について、一般的にお答えを申し上げたいと思います。 実はきのう中村建設大臣が私のところへ協議に来られたのです。これは、今非常に政治改革そしてまた透明な行政というような時期において、これをぜひ公正にやっていきたいのでいろいろな問題について御相談をさせてもらいたい、こういうお話でございました。中村建設大臣は御承知のように非常にまじめな立派なお人柄でありますから、私はそれに対して、非常に重要な問題だと思うので自治省と建設省の事務当局で協議会をつくって早急に検討しよう、こういうふうに御返事をして、非常に建設大臣も喜んで帰られたと思うんです。 それで、できるだけ透明にそしてまたガラス張りにというのはこれはもう政治資金規制あるいは政治改革の中心点でございますが、今審議官からお話し申し上げたように、事前にそれが漏れると非常に公正取引を阻害するというおそれがございます。私はもう四分の一世紀ほどになるのでございますが愛知県で水道部長、建築部長をいたしました。そして、実務もこれはある程度知っておるわけでございますが、そういった公正取引の建前から、しっかり事前に守らなきゃならない秘密と、そしてまた、事後にこれが公明に行われたものであると国民、県民一般に知られることが同時に必要でございます。 今、例えば閣議の席上で紹介をしたらどうかというような御意見もございましたが、大変重要な問題点だと思います。関係六省庁でよく協議を申し上げ、いわゆる公共事業が適正にそして公明に行われていくような管理を建設省あるいは運輸省、農林水産省とも諮りながら進めてまいりたい、このように思います。
○続訓弘君 私は実は三十年間東京都で契約事務その他をやってまいりました。しかしながら、今政府委員並びに大臣から御心配をされるような、そういう例えば一部のダンプ関係あるいはそれぞれの労働単価について公にすることが私は御心配のような契約制度あるいは契約単価云々ということにはならないと思います。ほんの一部なんです。一方では厳しく規制をしながら、一方では一体どのくらいいわばこの工費に対して我々の積算がなされているのかということを知らない。あるいは知っていてもそれに文句を言えない。そんな弱い立場の人に対して、行政が温かくやはりこの際踏み込んでいく、門戸を開いたらどうなんだろうか、こういうことを私は申し上げているわけなんです。ぜひこのことを事務当局としても大臣としても真剣に検討していただきたい。 先ほど質疑もございましたように、この問題は三十年来いろいろな問題があってもう議論し尽くされているわけですから、この際やはり何らかの形で前向きに検討しない限り本問題の解決にはならないんじゃないか、こんなふうに思いますので、ぜひともひとつそういう方向で検討されることを御要望申し上げます。
○国務大臣(村田敬次郎君) 東京都で実質的な行政に長い間苦労なさった続委員の御発言でございます。これは非常に重く受けとめたいと思います。 そして、積算単価の公正さというのはもう御指摘のように非常に必要でございまして、個々の入札に関する透明度、これは事前に漏れてはいけない。そういうことを先ほど申し上げたのでございますが、客観的に見てこういうものにはこういう単価ということはもう全く私も同感でございますから、対応をして各行政庁を指導してまいりたいと思います。
○続訓弘君 今回の陳情その他を受けまして、この過積載の問題が今大臣から御答弁もございましたように各省庁が力を合わせで本問題の解決に向かって努力をされる。しかしながらなお努力が実らない。そしてまた一方的にダンプ業界にしわ寄せされる。そういうことがあったときに将来の法改正も含めてぜひ検討していただきたい、こんなことをひとつお願い申し上げます。その辺について交通局長の所見を伺います。
○政府委員(関根謙一君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、関係省庁一体となりまして過積載問題について根源的な対策を講じてまいりますれば必ずやこの問題は明るい方向で解決するものと確信しております。 私どもの今回の改正案の御提案がそういう方向の一助になるとすればこれは本当に望外の幸いでございますが、では仮にそういうことができなかった場合にまた改正をすることを考えているのかとのお尋ねかと存じますが、私どもは今回の改正によりまして関係省庁、団体、機関すべてが一体となってこの過積載の問題に対処していけば解決できないはずがないと確信しておりますので、それができなかった場合ということは想定しておりません。
○続訓弘君 ぜひせっかくの御努力を期待申し上げます。 そこで今度は、先ほども質問ございましたけれども、行政書士からの実は陳情がございました。それは、我々は長年の間行政書士として運転免許等々に携わってきた、今回の法改正は警察関係の外郭団体に対して配慮されるために私どものいわば生活を脅かすそんな心配があるんだと、こんな陳情でありました。 ところが、先ほど大臣もまた交通局長からも、そんなことはない、今回の法改正はそういう含みはありませんということを明言をされました。もう一回、行政書士の陳情に対して、そういうことはないということをこの場で明言していただきたい。
○政府委員(関根謙一君) 今回御提案を申し上げております百七条の十一の関係についての御疑念かと存じます。 百七条の十一は、都道府県の公安委員会が行う行政事務を法人に委託をする場合に、委託を受けた法人は守秘義務を守ってもらうという仕組みをお願いしたいというものでございます。 ところで、行政書士会の方々が御懸念になりますのは、行政書士会の方で行っております運転免許を申請する各個人の方々の申請書の作成を代行する仕事を都道府県の公安委員会の事務として交通安全協会等に委託するのではないかとの御疑念でございますが、個人である申請者の事務を公安委員会が行政事務としてだれかに委託するということは自分の事務ではございませんのであり得ないということでございます。 その点、渡辺先生にお答え申し上げたところでございますが、続先生の御指摘につきましても全く同じように、そもそも自分の仕事でない仕事を人に預けるなどということはあり得ないということから、御懸念のようなことは絶対にないということを申し上げたいと存じます。
○続訓弘君 今回の法改正に関連をして、私はドライバーだとかオートバイの運転手あるいは一般都民の方、そういう方々の声を闘いでまいりました。以下、御紹介いたします。ちょっと長くなりますけれども、時間が許せる間、私は五十八分までしか持ち時間がございませんのでオーバーしたら答弁は結構ですから、一応要望だけ申し上げます。 まず、ドライバーの声ですけれども、一つが、不正改造部品の製造、販売、使用をもっと厳しく取り締まるべきだ。二番目に、右折専用車線をもっとふやしてほしい。三番目、常時左折可能な場所をもっとふやせるのではないか。四番目、信号の変わるタイミングが交通状況にそぐわないものが一部にある。交通量のリサーチなどに基づいて信号が変わる時間の設定をしているのか。五、交通量などのセンサーつきの信号の充実を望む。六、自動車の動力及びブレーキ性能が上がった現在、特に幹線道路におけるスピード制限をさらに緩和してほしい。七番目、むだな道路標識の設置をやめるべきだ。例えば過剰な標識や不適切な場所へのむだな設置がある一方、必要と思われる場所に設置されていない。八番目、路上駐車、特に狭い道路での両側駐車などに対する対策や取り締まりを強化してほしい。 次はバイク利用者からの声であります。 一つ、四輪車に比べ二輪車に対する交通取り締まりが特に厳しい。二番目、バイクの性能が著しく上がった現在、原付の三十キロ制限を初め二百五十cc未満の自動二輪車の速度制限五十キロメーターは再考を要するのではないか。三番目、自動二輪車の自動車専用道路並びに高速道路における二人乗り制限を廃止してほしい。四番目、バイク通行禁止の陸橋やトンネルがあるが、とても危険な場所とは思えず、規制の根拠が不明である。五番目、バイク専用車線は断続的にしかつくられておらず、また、違法駐車の車に邪魔され実用的ではない。六番目、大型自動二輪車の免許を教習所で取得できるようにしてほしい。 次は一般都民であります。 一番目、運転免許取得のための料金が諸外国に比して異常に高く、研修時間も多い。二番目、目の不自由な人のための道路整備、例えばでこぼこのついたタイルや音声つきの信号機などが不十分である。三番目、大型トラックの騒音、排気ガス、土砂等の漏出が大変迷惑である。今問題になっている過剰積載も含めて検討してほしい。四番目、いわゆる通り抜け道になってしまった住宅地においては騒音や危険が問題になるが、何らかの規制はできないものか。 これが都民の声でありました。以上、御紹介を申し上げて、恐らく時間でございますので、もし一、二点、時間があれば回答を願いたい。
○政府委員(関根謙一君) いろいろと積極的な御要望を承りまして感謝しております。 私どもといたしましても、御要望を積極的に吸収して交通警察行政に反映することができるようにという考えから、平成元年五月から、各都道府県警察に苦情処理、要望処理のコーナーとして「標識BOX」という名前の要望承り所を開設しております。昨年末までに二千五百件余り御要望がございました。そのうちの七〇%以上は積極的に取り入れるべき意見だということで取り入れまして、そのうちの九七%ほどを実施しております。 ただいま先生から伺いました点のうち幾つかの部分はこの標識BOXに寄せられた意見と重なる部分がございます。こういう場合のほかに、いろいろな国民各層の方々からの御意見を承りまして行政の参考とさせていただきたい、このように考えております。
○続訓弘君 質問を終わります。ありがとうございました。
○長谷川清君 私も時間が短うございますから、三点について質問をしてみたいと思うんです。 一つは救護義務の問題、二つには過積載の問題、三点目は教習所に関係する問題という点でございます。 この救護義務の問題は、現行で言いますと七十二条に対する解釈の問題であります。七十二条ではこのようになっております。 もし事故が起こった場合でありますが、直ちに車両の運転を停止すること、負傷者を救護すること、そして、道路における危険を防止するなど必要な処置を講ずる。こういうことになっておりますから、七十二条におけるこの救護義務というこの点について、警察庁の方で、この救護義務に違反するというものが成立する要件というのは一体どういう場合が具体的にあるのか。その点を例えて言うならば、ひき逃げとなると完全にだめですね。事故がありました。負傷者を見て、ああこれなら大丈夫といって立ち退く。これはどうなりますか。あるいは救急病院まで行きました。行って、入れたから立ち去った。いろんなケースがございますね。 過去のいろんな判例によりますと、アウト、セーフが非常に微妙でございます。例えて言うならば、昭和三十八年の一月三十一日の東京地裁におきます道交法第七十二条第一項前段における判決では、「前段は交通事故の現場におけるとりあえずの措置をなすべきことを規定したものであって、医師でも看護婦でもない通常の車両運転者にとってできる限りの応急措置を命じているに過ぎない。従って、その措置自ら極めて軽易なものに限られるのである。」。七十二条の「負傷者を救護し」という、これは非常にきついものなのか軽いものなのか。軽いものであるという判例が三十八年には出ていると思うんですね。 そういう例が三十八年の十月にも出ております。これも道交法七十二条の判決でありますが、「また道路交通法の定める救護とは、医者が行なうような高度のものではなく、素人のできるその場限りのもので足りるのであり、現場に救急車が到着すれば一応救護義務は解消したことになる。従ってあとに残るのはもよりの警察官に対する事故の申告義務に過ぎない。」、こうなっております。こういうセーフの場合、それから今ちょっと例を挙げましたような微妙なところにおけるアウトの場合。このアウトの場合、つまりどこまでが警察庁の方で考えます救護義務なのか、この点について一、二の具体的例を挙げていただきたい。
○政府委員(関根謙一君) 七十二条に規定しております交通事故があった場合の負傷者を救護する義務でございますが、この場合の救護の内容は、これは人身事故を起こした者として被害者の救護のためにあらゆる手だてを尽くすということがもちろん必要でありますし、すべきであろうかと存じます。 しかしながら、この規定に違反することとして道路交通法の百十七条で定める要件に該当して処罰されることとなる行為といいますのは、これは極めて平均人として通常行い得る行為ということで、救急車を呼ぶということでありますとか病院に連れていくということでありますとか、あるいは救急車を呼んで救急車が来るまで誠実に付き添うといったことで足りるというのが過去の判例でございます。 抽象的な表現でございますが、最近固まってきた表現によりますと、具体的な状況に照らし社会通念上負傷者を救護したと認めるに足りる適切妥当な措置を講ずればよいというのが基準でございます。もちろん、この程度のことをしていれば処罰されないということだけの話でございまして、いろいろさらに手だてを尽くして誠心誠意救護をすべきであることはドライバーのマナーとして当然のことかと存じます。
○長谷川清君 現行の七十二条の一つのケースがございます。 今回、改定をすることによりまして、取得時においていわゆる受講の義務を負いますね。さらに免許取得の条件になります。そうなった場合に、もし、現行の今まで解釈上セーフであったものがいわゆる受講の義務、ここで教えたでしょう、だからあなたは免許証を取れたんでしょう、こうなったときに、この救護の義務というのは手を下さなきゃ下さないでこれまた義務を怠ったことになるのか。教わったとおりやったつもりでも、もしそれが誤って後の医者の診断によるとそれが致命傷になったという場合これは過失致死になっちゃうのかという問題等、いろいろと判例の中から、新たに今回の改正をすることによって今までの解釈はどのようになるのか。 そういう点がございますから、これは警察の方の見解をまずお聞きをしておきたいんですが、七十二条に関する救護義務をもし放置した場合はどうなりますか。処置をした場合で誤った処置を行った場合、これはどういうふうになると考えますか。その点を一つ。
○政府委員(関根謙一君) 今回改正をお願いして講習を義務づけております応急救護の処置と申しますのは、心肺蘇生法と止血法といったものでございます。 心肺蘇生法は、負傷者が呼吸をとめてしまった場合それから心臓が停止した場合についての応急の手当てでございます。呼吸が停止して五分たちますと脳が死んでしまいます。心臓がとまって三、四分しますとやはり脳が不可逆的な反応を示すということで戻らなくなります。そこで、救急車を呼んで救急車が到着するまでの間、呼吸をしない人には口から空気を吹き込んで肺を通じて脳に酸素を送り込んでもらう、それから、心臓がとまっている人につきましては心臓は自分で拍動をいたしませんから物理的に手の平で押して血液を脳に送ってもらう。こういうことをやることを習ってほしいということでございます。 それから、もう一つは止血法でございまして、腕がとれたなんという場合に、ほっておけば出血の結果やはり脳が死んでしまいます。そこで、止血の方法として直接圧迫法あるいは間接圧迫法でとにかく救急車が来るまでの間とめておいてほしい。そういう知識を知ってもらいたい。これは、特に自分の子供なり身内なりにそういうことがあった場合にはぜひ覚えておいてやってもらいたいということから、こういう知識を身につけていただきたいということを考えているものでございます。 これは諸外国ではむしろ市民の一般的なマナーということでいろいろな団体が講習をしておりまして一般的に身につけられております。ドイツは特に運転者について高い水準のこういう手当てを身につけることを求めておりますが、その結果、それが平均人としての一般的な知識となった場合に、そういう事態を引き起こしながらあえて何もしない……
○長谷川清君 ちょっと途中だけれども、聞いていることと違うんで、法務省に一般論として聞きたいんですけれども、救護義務という問題について、放置した場合そして誤った処置をした場合、こういうケースの場合に法務省としてはどういうふうに。
○説明員(大泉隆史君) 具体的事案におきます犯罪の成否は当然のことながら具体的な証拠で判断しなければならない事柄でございますけれども、最高裁判所の判例においで明らかにされております救護義務の問題と申しますのは、いわゆる人身事故を発生させたときに、直ちに車両の運転を停止して被害者の受傷の有無程度を確かめる、それから、負傷が軽微であって被害者が医師の診察を受けることを拒絶した等の場合を除いて、少なくとも被害者をして速やかに医師の診療を受けさせる等の措置を講ずべきものという程度のものと解されております。
○長谷川清君 実際にこの法律というものを現場に当てはめていった場合には、ケース・バイ・ケースでいろんな事柄がどこで線引きをするかということがございます。 私が一番問題視したいのは、今日もう既に運転免許を持っている六千四百万の人々、これは対象外でございますね、今回のいわゆる受講の義務からは。これから新たに取る人々、この法律が施行されて動き始めますと、その人々の場合でも今回のこの一部改正をする救護法の受講義務というものが加わってもこの七十二条の第一項前段の法解釈は変わらないものと、こういうふうに確認をしてよろしいですか。
○政府委員(関根謙一君) 裁判の結果の予測にわたることでございますので全く個人的な見解になろうかと思いますが、現行の百十七条の規定の解釈につきましては変わらないであろうと考えております。
○長谷川清君 私が聞いておりますのは、百十七条はいわゆる判断の問題ではなくて罰則の規定でしょう。七十二条における判断がアウトかセーフかによって百十七条の適用を受ける、こうなりますね。三年以下の懲役または二十万以下の罰金と、こうなってまいります。 そこで問題なのは、七十二条における運用それから解釈が今まではどちらかというと今読み上げたように重いものではなくて比較的に軽いという判例になっております。そこに今回義務づけをするわけですから、三時間ではありますが、これはもっと綿密にやる方がいいのかもしれませんけれども、例えば三時間教わりましても、免許証欲しさに試験では合格で免許証をもらうでしょうけれども、こういう事故などというものは五年後に起こるのか十年後に起こるのか、あしたすぐ起こるわけじゃございませんから、そんなものは実際に運転手一人一人は医者じゃございませんのですっ飛んでしまっていると思うんです。 それどころか、大変なことをしてかしたと気は動転をしているはずでありますし、そういう状況の中で手を下して、もし後において医学上それが死因であるよと、こうなる場合があり得ますね。下さないなら下さないで、これまた放置したということになりますね。ですから、そういう解釈は現行どおり変わらないものである、こういうふうに解釈すべきであると思いますが、これは同じ意味合いで法務省としてはどうでしょうか。
○説明員(大泉隆史君) 種々の法規等の変化によりまして通常の人に要求されます注意義務の程度というものが変化するということは一般論としてはあるかと思いますけれども、救護義務違反に関する裁判所の判断は先ほど申し上げたようなところでございます。 今、委員御指摘のように、事故という異常な事態のもとで通常人が通常期待される注意を果たしたかどうかということによって判断されるものと考えられます。そのようなことで、具体的な事実関係で実際にどう判断されるかということはなかなか申し上げかねるわけでございますけれども、一般的には、そういった事故という異常事態で通常人にどのようなものを期待するのか、それに反した不注意というものが認められるかどうかということが問題になろうかと思います。
○長谷川清君 関根局長にお伺いするんですが、解釈が今おっしゃるようにケース・バイ・ケースですから、いろんなケースにおいてアウト、セーフはあるはずです。それを問うているのではないんです。今回の改正で受講の義務をしょわせても今までどおり七十二条に対する解釈、運用は変わりません、ケース・バイ・ケースということを問うているんです。これは立法起案者であります局長としてその点について変わらないという答えを欲しいんですが、いかがですか。
○政府委員(関根謙一君) この原案を起案した者の一人として、もう変えるつもりであれば七十二条にその旨明確に規定したと私自身は考えます。私自身がそういう規定を置かなかった形でそういう原案となったわけでございますから、立法段階では変えるつもりは毛頭なかったということでございます。
○長谷川清君 そういう説明でございますので、これは警察庁長官それから大臣、そのことを政府の統一見解として確認してよろしゅうございますね。
○政府委員(城内康光君) ただいま関根交通局長から御答弁したとおりでございます。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今、警察庁長官及び交通局長から御答弁申し上げたとおりでございます。
○長谷川清君 それでは次に、過積載の件に移りたいと思います。 これはもう既に渡辺、続両委員の方から述べられておりますとおり、私もこの現状認識と意見は同様でございます。したがいまして、その延長線上に立ちまして私は私としての質問をしたいのであります。 よく考えてみますると、これは五十三年の五月に参議院の地行委員会において、附帯決議の中でこう書いてございます。この過積載の問題については、「これが防止のため労働条件の改善を含め、根源的、かつ、総合的対策を積極的に推進すること。」となっております。こうなっているということは、るる先ほどからも話がありましたように、この過積載という問題は、酒気帯び運転であるとかスピード違反であるとか運転手個人が心がければ防げるケースとはわけが違っていて、経済的、構造的いろんな現状がある。だからこそ、これは五月にそういう附帯決議を行いました。 その五カ月後の同じ五十三年の十月には、総理府夜通安全対策室において出されました「ダンプカーによる交通事故及び違法運行の防止対策について」という中で、「適正な輸送の実施に必要な費用の確保」として「適正な運行を前提として必要となる費用が確保されるための措置が講ぜられなければならない。」というふうになっております。恐らくこの段階にあっての認識はぴたっとこの附帯決議を足場に置いていたと思うんですね。 そこで、私は総務庁にお伺いをしたいんですけれども、総務庁はこの附帯決議というものを受けて関係する省庁にいろいろと会議その他の対策をとったはずでございますから、その点の経過それからポイントについてお伺いしたいと思います。
○説明員(松冨泰生君) お答えいたします。 昭和五十三年の道交法の改正を契機といたしまして、政府としては関係省庁から成る過積載防止対策連絡会議を設置いたしまして関係省庁の連携のもとに施策を推進してきておるところでございます。特に昭和五十六年及び六十一年には、この連絡会議での検討をもとにいたしまして、関係事業者、団体に対する指導の徹底、差し枠の装着等ダンプカーの不正改造防止、指導の徹底、過積載による違法運行に対する取り締まりの強化、公共工事における過積載防止措置、関係機関の相互協力等を内容とする関係省庁申し合わせを行ってきております。 これまでの諸対策によりまして一時的にはかなり過積載の状況が改善された例もございますが、現在においても一部地域においては依然として差し枠を装着したダンプカー等の過積載による違法運行の事例が見られるという残念な状況にあることもまた事実でございます。今後とも過積載問題の解決に向けて関係省庁とともに努力してまいりたいと考えております。
○長谷川清君 建設省にお伺いをしたいんですが、先ほどからも出ておりますいわゆる経済的問題、それはコストであり契約単価の問題ということになると思います。私が知る範囲においては、一トン当たり大体八百六十円から千円ぐらいの支払いが運転手さんにされていると聞いております。上限値の千円でとりましても十トンでいきますと大体一万ということになります。 先ほどから例がありますように、栃木から羽田ということを例にとりますと、これが十トンということになれば一万円ということになりますが、支出の面はというと燃料費だけで八千六百円ぐらいかかっておる。あとの千四百円もいろいろとある。今の一人持ち込み運転というのは、従来は一つの運送会社の中に入っていた。運送会社保有の車に社員として乗っていたものが、だんだんこれは経営が成り立たなくなって、ダンプを買ってもらって、今は持ち込みという状況で、約七割、全国で一万人それがいるというこういう人々の今の単価状況です。 先ほどのNHKの三十分の特集、私もたまたま見たわけであります。要点は全部書きとめましたけれども、そのときにも出ておりましたのは、これを年間で見ますると、一千万ちょっとの収入に対し支出はトータルすると七百万ちょっと超える。手に入る生活費は年間三百万を切るという状況が報道されているわけであります。こういうような具体的な数字というものは当たっているのかどうか、そういう点についてひとつお伺いをしておきたいと思うわけであります。
○説明員(風岡典之君) ただいま先生の方から、当初の単価に比べてダンプの運転手の方々の収入が非常に低いということを具体的に数字をもって御指摘いただきました。率直に言いまして私ども細かい実態まで正確に把握しているわけではございませんけれども、御指摘のようなことをたびたび御指摘いただいているということは事実でございます。 私どもといたしましては、もちろん突発工事の発注ということがありますから、そのときに単価を適正に設定するということがスタートでございますけれども、問題は建設業の場合には元請、下請関係というそういう複雑な施工形態というのがありますので、元請と下請の間あるいは下請業者相互間あるいは下請業者と資材の納入業者、それぞれの過程におきまして合理的な請負契約あるいはその代金の契約の設定ということが行われることが極めて大事であると思っております。基本的には、そういった認識のもとに私どもは建設生産システム合理化指針というのを定めまして、元請、下請関係あるいは先ほど言いましたような下請業者の相互関係等におきまして、契約が適正な形で実施されるように、また代金の支払いも適正に行われるようにというような指導を行ってきたところでございます。 いろいろ実態の御指摘をいただきましたので、私どもといたしましても、さらに今申し上げましたような考え方の徹底ということについではこれからも一生懸命やらなければならない、このように考えております。
○長谷川清君 やはりこの過積載の問題については、先ほどからも言われておるように、この実態というものと今なそうとしているこの法律規制というものとのギャップが非常に大きいということだと思うんです。 そういう点において、今都道府県単位に過積載を防止するためのいろんな連絡協議会が、せっかく各省庁も集まり当事者も集まっている、しかしこれが何か形骸化しているというふうに聞いておりますから、この問題についてはぜひそこらを活性化していただいて、本当に現状の中でそういう根源的な問題を解決しながら、そして、法は一たびできたら必ず守っていくもの、権威を高めていくようにあるべきだと思っております。 次は、そういう問題ともかかわるわけでございますけれども、今の道交法というこの分厚い法律の中で、いわゆる自動車教習所の問題が九十八条のあそこにだけ出ております。私はこれをそこから抜き出して自動車教習所法というものを立法化するということが結論的に必要である、こう思うのであります。 ハードな部分とソフトな部分。できるだけ運転手一人一人の自覚というものを促し高める。一方においては、これは時間がかかるでしょうけれども、地域社会の中においての各企業であるとかあるいは団体とか、いろんなものとの一体化の中でそういうものを充実させていくという方向が非常に大事になってくる。現に昨年の十月時点における交通事故の状況も発生件数が五十六万六千四百十一件で昨年よりも二万七千もふえております。死亡者もふえでおります。負傷者も六十八万八千と二万二千ふえている。年々歳々こういう車にまつわる事故というものはふえております。いろんな問題が出てくれば、それでまた法制化する。規制する。 こういうありようというものはぎりぎりのところ必要な場合がありますけれども、実情というものにマッチングさせていくというそういう視点に立って、できるだけソフトな部分を拡大していくように、ちょうどきょうは長官もいらっしゃるし大臣もいらっしゃるので、そういう点を最後にお願いして、私の質問を終わりたいと思います。 答弁はもう時間がありませんので結構です。
○有働正治君 私は今回の改正点の中心の一つであります過積載問題に絞って質問いたします。 まず、委員長にお願い申し上げます。資料配付のお取り計らい、よろしくお願い申し上げます。 〔資料配付〕 もとより、我が党は過積載を是認する立場にありません。現場の労働者も同様であります。一刻も早くこれをなくしたいと願って、そのための責任ある行政の対応、ネックになっています問題の解決を求めて、必死の思いで要請、陳情などを繰り返しているところであります。私は問題の所在を明らかにするために、まず、行政指導の歴史的経過と行政の問題についての指摘について、事実確認を求めます。先ほどの委員の話にも触れられたところでありますが、既に十五年前の昭和五十三年、一九七八年十月、総理府交通安全対策室が資料としてまとめましたダンプカーによる交通事故防止対策懇談会報告「ダンプカーによる交通事故及び違法運行の防止対策について」の中で、「ダンプカーによる交通事故防止については、問題点がすでに指摘されていながら、なぜ、この十数年間、同じようにむしかえされているのか」という指摘があるわけであります。つまり、十五年前の報告で十数年前からということは、今から数えますと三十年近く前から既に問題が指摘されていたということになるわけであります。 このときの懇談会報告でも、過積載等の違法運行の背景といたしまして、ダンプカー事業者は経済的に弱い立場にある一人一車が大部分であるが、一人一車を使用する骨材業者、建設業者もまた中小企業が大半であること、骨材価格が主として輸送単価の操作によって調整されることが多いこと、一人一車の報酬は輸送量と距離に応じて定められる出来高払いが普通であり、一人一車が過積載または長時間労働を前提とした輸送単価になっていること、これらが「骨材業界の過当競争的な体質とあいまって骨材の価格を低位に固定し、ひいては過積載等が恒常化するという悪循環となっている」と、このように指摘しているわけであります。 さらに、別のくだりでは「過積載等の違法運行が常態化する要因が、報酬が出来高払いであり、かつ、その単価が過積載をせざるを得ないような額に定められることが多いためである」と指摘しながら、「公共工事の発注予定価格の積算における「実勢価格」は、実態として過積載等による輸送のなかで形成された価格であるので、その積算方式のあり方について関係省庁において更に何らかの検討が加えられることとなろう」と述べているわけであります。 以上のように、この懇談会報告は過積載問題の根底に、骨材価格が低く抑えられる問題、さらに公共事業の発注価格の問題があることを既に明らかにしているわけであります。 そこで、まず確認を求めます。この懇談会報告に私が指摘したような点が挙げられていますけれども、この点間違いないか確認を求めます。
○説明員(松冨泰生君) この申し合わせにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、五十三年の道交法の改正を契機としまして、関係省庁で設けました過積載防止対策連絡会議の場で検討したその結果に基づいて行ったものでございます。その検討においては、五十三年の懇談会の提言についても十分踏まえて行っております。
○有働正治君 つまり、私が述べたことが含まれているかどうか。それは間違いないですね。端的でいいんです。
○説明員(松冨泰生君) 提言におきましては、先生前段先ほど申されたところでございますが、当面の措置といたしましてということをもつけ加えられております。どういうことを言っているかと申しますと、 実際上種々の制約があるのも事実であり、当面の措置として、関係事業者間において骨材等の取引価格を決定するに際しては、水平積み運動を実施することにより必要となる運送費用の確保について配慮されるよう関係省庁において建設業界等に対し適切な指導を行うとともに、その成果としての骨材等の価格の変動分は公共工事の発注予定価格の積算において可及的速やかに反映させるよう措置すべきである。 こういう内容も実はつけ加えられておるわけでございます。 このような内容もあわせましで、検討に際しましてはこの提言の趣旨を踏まえているということを申し上げました。
○有働正治君 私の指摘があることも認められたわけであります。もちろんそういうことがあることは私は重々承知しています。答えは質問に対して端的にお答えいただきたい。 この懇談会報告の三年後の昭和五十六年八月二十九日に、「過積載による違法連行の防止に関する当面の対策について」という六省庁の申し合わせが行われています。この懇談会は関係六省庁のOBが委員に加わって、この報告も六省庁に渡され十分承知しており、五十六年のこの六省庁申し合わせは五十二年のさきの懇談会報告を踏まえて行われているはずだと聞いていますが、その点間違いございませんか。
○説明員(松冨泰生君) そのとおりでございます。
○有働正治君 そこで、建設省にお尋ねします。 公共事業では、元請のゼネコンが直接かあるいは下請会社がダンプ事業者から運賃込みで骨材を購入する仕組みになっています。この仕組みの中で、さきの懇談会報告にもありますように、中小業者が多い骨材業者は過当競争の中でダンプ事業者に対しては価格をぎりぎりまで引き下げる。そういう中で、長時間労働の中で収入を一定得るには過積載せざるを得ないような結果を生み出しているわけであります。十五年前の懇談会報告で指摘されている問題点が今日も依然として解決されていない状況があるわけであります。さきに各委員からお話ございましたNHKのテレビ、私も見ました。そのことを明確に指摘しています。 そういう点で、今日なお結果として過積載をせざるを得ない。地域によりまして落差はありましょうが過積載が一定常態化している実態があると認識しているわけでありますが、建設省としてどうこの実情を掌握しておられるか。先ほど総務庁は残念ながら存在すると述べられたわけでありますけれども、存在の有無について簡潔にお述べください。
○説明員(城処求行君) 私どもの工事を発注するに際しての考え方を御説明申し上げたいと思います。
○有働正治君 結果としてあるかどうかです、それはわかっています。どう認識しているか。過積載があるのかないのか。
○説明員(城処求行君) 今申し上げましたように、直轄工事につきまして例えば大規模な工事などにつきましては、あらかじめ採取地を決めるとか、あるいは都市内を中心にいたしますけれども、リサイクルを徹底したいということでリサイクルに関しましては再資源施設へ持っていくということ、あるいは残土の処理ということにつきましては処分地を決めるというような処置を講じまして、発地それから着地というところを押さえて管理をしているということでございますので、少なくとも直轄工事については適正積載について徹底しているところだというふうに御理解をいただきたいと思います。
○有働正治君 それは極めて認識が間違っている。そのほかの分野では存在するということは認めたわけでありますが、極めて問題だと私は見るわけであります。 そこで、この懇談会報告にあります公共工事の発注予定価格の積算におきます実勢価格の問題についてであります。砕石や砂、合材などの骨材の発注単価は、財団法人経済調査会と同物価調査会が作成いたします積算資料及び建設物価の数字を用いておられるようであります。そして、建材屋とか問屋などが幾らで売ったのか、またはゼネコンなどが幾らで買ったかなどを市場の実態に基づいてその単価をはじくわけであります。その場合、異常に高かったりまたは逆に異常に低い価格の取引、つまり異常な枠外のものはサンプリングから落とされて算出されるということをお聞きいたしました。懇談会報告の後、こうした一定の改善努力が行われたこと、これは私どもも承知しているわけであります。 その前提の上に立ってでありますが、問題は過積載との関連であります。価格算出上過積載が、直轄は云々とはおっしゃられましたが、一定常態化していることはそのほかは認められたわけであります。こういう過積載が一定常態化していれば、そのもとで市場の実態調査をもとにして算出されれば、過積載が常態化している例えば関東地域などでは四倍五倍という極端な過積載はサンプリングから外されても、いわば二、三倍というのがかなり多いというその実情から考えてみますと、理の必然の帰結として、過積載を一定含んだ前提にした価格が実勢価格としてあらわれてこざるを得ないことになるわけであります。そして、これが公共工事の発注単価として決められていくわけであります。その結果過積載を生み出すという悪循環が繰り返されているということにならざるを得ないわけであります。 そこでお尋ねします。懇談会報告でも「公共工事の発注予定価格の積算における「実勢価格」は、実態として過積載等による輸送のなかで形成された価格である」としてきたわけであります。その後一定の改善が行われたにもかかわらず過積載が存在しているということから見て、公共工事の発注価格となる実勢価格というのは過積載を一定含んだ価格が結果としてベースとならざるを得ないというふうに考えるわけでありますけれども、建設省、簡単に。
○説明員(城処求行君) お話ございましたとおり、物価調査会それから経済調査会というところで積算資料をつくっております。それは全国の各地域ごとに、それから各資材ごとに調査をしているというものでございます。したがいまして、その調査の際にも取扱量が多くて信頼度の高い生産者あるいは事業者をヒアリングしているわけでございますので、現在発行されている資料の中では最も客観的であって信頼できるものであるというふうに考えております。 建設省といたしましては、先ほど申し上げましたような手だてを講じながら関係機関の方々とも連携して過積載防止に努力いたしまして、適正な積載量の運行のもとで資材価格が形成されるように努力をしたいというふうに考えております。
○有働正治君 一切含まれていないと断言できますか。端的に答えてください。
○説明員(城処求行君) 両調査会の調査は、申し上げましたとおり、取引量、契約条件について調査しておりますが、輸送について一般的な状態が反映されているわけでございます。したがいまして、その一般的な状態がすべて過積載で占められているということであれば……
○有働正治君 すべてというふうには私は言っていない。一定と言っているわけです。
○説明員(城処求行君) そういうことも考えられるわけでございますが、全国各地域ごとに調べておりますので、一般的な状況としては考えにくいのではないかというふうに考えております。
○有働正治君 一切ないと断言できますか。はっきり答えてください。
○説明員(城処求行君) 市場調査の結果の市場価格でございますので、いろんな状況があるわけでございます。そういった調査の中にはそういう要素を当然含んでいるわけでございますので、御意見ございました点が全くないと言い切れるかといいますと、そういう点も否めないのではないかというふうには思います。
○有働正治君 正直に答えた方がいいですよ、あなた。 次に進みますけれども、この問題を突き詰めて考えますと、骨材の価格が運賃込みで取引されている点にあるわけであります。つまり、お米や牛乳などをお得意さんへ配達サービスつきで販売しているのと同じ仕組みになっているわけであります。したがって、遠距離から届けざるを得ない業者ほど定量積みでは採算が合わなくて、二倍三倍あるいはそれ以上の過積載をして採算をとらざるを得ないということになるのが現実であります。 ここで、お配りいたしました配付資料をごらんいただければ幸いであります。資料一はダンプカーに取りつけられていますタコメーターの記録であります。円の一番外側に数字が書いてあります、ゼロから二十四まで。これは午前零時から二十四時までの一日の時間であります。メーターの記録があるところ、コピーでちょっと見にくい点があろうかと思いますが、地震計の波のような形があらわれているところは運転が行われている時刻を示しているわけであります。 夜中の二時前後に出発して、現地に着いて、そして持ってくるなりして二時間前後の仮眠をして、また八時前後に積み荷をおろし、また場合によっては引き取って午後四時五時六時ごろまで走り続ける。積み荷を引き渡す。そして、家に帰って食事をしたりおふろに入ったりしてすぐ寝ても、またすぐ夜中に起きて仕事に出なければならない。極めて過酷な状況に置かれでいるわけであります。十分な睡眠さえとれない。ダンプの労働者の方にお聞きしますと、我々は分割睡眠だと述べておられました。こうした過酷な労働条件を強いられて、かつ過積載をしてでも走らなければ生活ができないというのがダンプ労働者の、事業者の実態であります。 それでは、なぜもっと近いところから骨材を買えないのかということになるわけですが、例えば羽田空港の拡張工事の場合、栃木県の葛生が砕石の生産量全国一、千葉県が山砂の生産量の全国一。したがって百キロも離れた千葉と栃木から買い入れざるを得ない状況があるわけであります。四百三十兆円の公共事業を進めていく中で、羽田と同様のことがあちこちで起こり得るわけであります。公共事業推進、そしてまた日本経済の土台を築く仕事をしておられながら、その内容は過積載ということがあるわけです。 いずれにしても、公共事業とのかかわりで申しますと、過積載が常態化している点では政府の責任は非常に重いと私は考えるわけであります。本当に政府は本気で過積載をなくす決意があるというんであれば、実態を考慮して、何十年も問題が解決していないことから考えてみましても、その大もとでありますこういう公共事業の発注単価となる実勢価格について、大臣、ここからが大事でよく聞いていただきたいんですけれども、従来のやり方の枠にとどまらない新しい視点に立った研究見直しが私は迫られていると言わざるを得ないわけであります。どうしても公共事業の単価の改善が必要であると考えるわけです。 その点、政府の閣僚として、また政府及び地方自治体の公共事業について指導助言する立場にある自治大臣として、そういう公共事業の発注単価となる実勢価格を本当に従来の枠を越えて見直し研究する、そういう積極的に取り組んでいく必要があるということを考えるわけであります。その決意、決断を求めます。
○国務大臣(村田敬次郎君) 有働委員がおっしゃいました四百二十兆円というのは、日米構造協議の中における十カ年の公共投資の総額であろうかと思います。これは、御承知のとおり、国の景気にも関係し国民生活にも直接関係する非常に重要な問題でありまして、これの積み上げ単価について適正にやらなきゃならぬという御指摘はよくわかります。 そして、そのことを特に過積載の問題について御指摘いただいたわけでございまして、この四百三十兆円の公共工事の中には道路もあれば河川もあれば港もある、あるいは農業投資もあるというようなことで極めて多方面でございます。したがって一律に御答弁を申し上げることが非常に難しいわけですけれども、要は国民生活に非常に大きな関係のある公共工事でございまして、それが適切に積算をされていくということは極めて必要である。 特に今御指摘になったのは過積載という非常に長年問題になったことに関連をする指摘でございまして、そういった点は十分検討をしながら今後政府の積算単価というものを、これは例えば建設省あるいは運輸省、農林水産省等関係省庁ともよく相談をしていかなければならない基本的な問題であると思っています。
○有働正治君 ひとつ前向きに対応を求めるわけであります。 これまでの質疑でも明らかなように、過積載問題の根本的な解決はこの単価改善なしには考えられないわけであります。ところが、これまでの道交法は、ダンプ運転手の取り締まりを強化するだけで過積載を承知で引き渡しまたは引き取る業者の側に対する取り締まりを考慮されてこなかった。ここに問題があるわけであります。過積載せざるを得ない単価を要求する骨材業者や建設業者そしてその頂点にあるゼネコン、これらに対する取り締まり、対策の強化をやらなければ、一番弱い立場にありますダンプ労働者の取り締まりを強化するだけではだめだということは、従来指摘されていましたし、今日的問題でもあるわけであります。 その点で、今回改正案が初めて荷送り人及び荷受け人に対する取り締まりができるようにしたと述べておられます。もしそうだとしたら一歩前進だと評価できるわけでありますが、問題はこれが真に実効あるかどうかということが私は問われるということになると思います。 そこで確認いたします。先ほど関根局長は、荷送り人だけでなく荷受け人も取り締まりの対象になるということを明言されて、条文上明確に読み取れませんが、それは五十八条の五の一号の中に荷受け人も含めているということを述べられましたが、間違いございませんか。
○政府委員(関根謙一君) 御指摘のとおりでございます。
○有働正治君 この五十八条の五第一項第一号の規定では、「車両の運転者に対し、過積載をして車両を運転することを要求すること。」となっています。この規定で荷受け人を取り締まるということでありますけれども、骨材業者や建設業者がみずから過積載を要求したと認めるはずはないわけでありまして、その証拠となるようなものを残すはずがないわけであります。まして、その頂点にありますゼネコンにまで要求行為があったことを立証することができるのか。ほとんど不可能に近く、実効ある規定とはとても思えないと心配されるという現場の声であります。 しかし、それが含まれているという以上あらゆる方法を駆使してでもきちんと対応するということであろうかと思うんですけれども、その点そう解してよろしいんでございましょうか。
○政府委員(関根謙一君) 法律の趣旨に従って誠実に法律を施行することとしたいと考えております。
○有働正治君 具体的に聞きます。 お手元に配付させていただきました資料二です。これはゼネコンに対する納入伝票の控えを私が見させていただいたものであります。そこでは明らかに過積載重量で納入されております。これは明白な公共事業であります。建設省の先ほどの言い分は極めて欺瞞的であると明確に指摘せざるを得ないわけであります。それを承知で受領しているわけであります。こういう伝票などは五十八条の五の規定で取り締まる有力な証拠品となることができるのであるか、端的に。
○政府委員(関根謙一君) 納入伝票あるいは納品伝票で例えば五十トンほどを一回に納入したということを証明するということであれば、それは可能かと存じますが、今回の改正法案では「車両の運転者に対し、過積載をして車両を運転することを要求すること。」という規定でございますので、そういう納入伝票があるからといって要求をしたということの証明には直ちにはならない、このように考えております。
○有働正治君 これらをもとに、実情がある以上いろいろな調査を行うなどしてきっちり対応するという構えはおありでしょうか。その点はっきり求めます。
○政府委員(関根謙一君) 具体的な事案によろうかと存じますが、積極的に対応することとしたいと考えております。
○有働正治君 要するに、ゼネコンと荷受け人に対する取り締まりというのは、今後警察庁がどのように実態に即して厳格に取り締まりを行うか、その運用いかんにかかっているということが明らかにされたと思うわけであります。 この規定は今回の改正案の目玉とも言えるものではないかと思うわけでありますが、警察庁長官、これまでのようにダンプ労働者のみの取り締まり強化に終わらせず、この改正規定を実態に即して厳正に運用して、ぜひとも実効あるものにしていただきたい、その決意。そして大臣に、荷受け人に対しまして運用を厳格にやる、国家公安委員長として明確な御答弁を求めるわけであります。簡潔にお願いいたします。
○政府委員(城内康光君) 過積載が重大事故につながるおそれがあるということで、私どももかねてからその悪質、危険なものについて取り締まりをしておるわけでございます。いろいろと根源的な解決というためにはいろいろな問題があるかと思いますが、私ども法を運用する立場でそういったことを視野に入れながらいろいろと事案を処理してまいりたいと考えております。
○国務大臣(村田敬次郎君) 有働委員の御指摘の過積載問題についての問題点でございますが、重大交通事故の原因となる危険性の高い過積載車両の運転を阻止し、そして交通の安全と円滑化を図るという改正法の趣旨をしっかりと踏まえましてこれらの規定を適正に運用してまいる所存でございます。
○有働正治君 最後に、今後ともこの改正規定が実効ある運用が行われるかどうか私は当委員会としても十分見守っていく必要があると考えるわけであります。 そこで、先ほど渡辺委員からこのための暴対風営法等小委員会の課題に加えていただければという委員長に対する申し出がありまして、私もこれはなるほどと考えて、私この点は非常に賛意を表明するわけであります。そういう点で、この点委員長としても今後お取り計らいをよろしくお願い申し上げたいと思います。
○委員長(佐藤三吾君) 重要な問題でございますから、理事会で御相談して決定したいと思います。
○西川潔君 よろしくお願いいたします。 まず、昨年の交通事故死者数は昭和四十九年以来最も多いという残念な結果となったわけですけれども、その要因といたしまして、先ほどお伺いいたしまして、自動車が何と八千百万台、免許をお持ちの方が六千四百万人と大幅に伸びております。また、高齢者人口が増加し国民の生活パターンが変化したことなどが挙げられておりますが、死者一万人以下という交通安全基本計画の目標を達成する上で今回のこの法改正の持つ役割について御説明をお願いいたします。
○政府委員(関根謙一君) 交通安全対策の基本計画におきまして平成七年の死者数を年間一万人以下とするという目標を掲げております。 交通事故防止の施策といたしましては、従来から、交通安全施設整備それから交通安全教育の充実、取り締まりの強化、この三点を三Eの原則ということで推進をしていたところでございます。今回の改正法案は、このうち交通安全教育の中の運転者教育の充実ということに力点を置き、さらに運転者自身の自覚のもとに無事故、無違反を目指すようにお願いをしたいというような誘導のシステムも設けることとしております。それから、取り締まりの強化という点につきましては、従来から規範意識が比較的高くないと思われております違法駐車、過積載の問題を取り上げまして、その防止のためのシステムづくりをお願いしているところでございます。 こういった新たな規定の整備によりまして、平成七年中の事故死者数をぜひとも一万人以下としたい、このように考えているところでございます。
○西川潔君 局長さんの対談などをたくさん読ませていただきまして質問もさせていただきましたが、次に、今回のこの道交法の改正の主な柱の一つに過積載の対策がございますが、この問題につきましては先生方からもたくさん質問、発言がございました。私からも重ねて要望したいと思います。 過積載の交通安全に及ぼす影響ははかり知れないものもございますが、しかし過積載が行われる背景にはさまざまな事情がありまして、国、地方公共団体が発注する公共事業におきまして、大手ゼネコンが工事を落札し、これを下請に出すことによりまして末端において実際にダンプカーを運転する方々が過積載をせざるを得ないような状況に追い込まれるという話をよくお伺いもいたします。私の知り合いなんかも軍を持って会社に入ったりもしております。また、一般輸送トラックの場合でも、雇用者あるいは荷主から過積載を強制されてやむを得ず危険を承知で過積載運行をやらざるを得ない。 そういう事情があるにもかかわらず、雇用者や荷主の違反についての責任が立証されないためにその責任を一方的に運転者に嫁せられることもあるわけです。結局、一番立場の弱い運転者にすべてのしわ寄せが来るということではないか、こういうふうに思うわけです。過積載の規制強化の必要性はよく理解をいたしますが、規制強化の結果が一番弱い立場の運転者にしわ寄せされることのないように私からも強く要望いたしておきます。 続きまして、高齢者の問題につきましてお伺いをいたします。 昨年の交通事故死による死者数は一万一千四百五十一人。そのうち六十五歳以上のお年寄りの方々では何と二千九百九十一人もの犠牲者が出ております。つまり、四人に一人ということになっております。高齢化の進展に伴いまして高齢者の交通事故の問題が大変深刻化しておりますが、高齢者の交通事故の状況、また推移の分析についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(関根謙一君) 六十五歳以上の方を仮に高齢者といたしますと、ただいま先生御指摘のとおり、全事故死者数の四分の一、二六・一%ほどの方がこれに該当することとなります。 この高齢者の方々の死亡事故の原因でございますが、歩行中に亡くなったという方が全体の五二・三%、それから自転車乗車中に亡くなったという方が二〇・一%ということで、両方で七〇%を超える比率でございます。他方、二十四歳以下十六歳以上の若年者につきましては九五%の事故死者の方が自動車乗車中かまたは原付を含めた二輪車乗車中の方ということで、六十五歳以上の方と比べまして顕著な対照をなしております。要するに、お年寄りの方は歩行中、自転車乗用中に亡くなる危険が高いということでございます。 それからもう一つは、お年寄りの場合、自分の地域内で亡くなっている例が六四%ほどございます。つまり、余り遠くに出かけずに御自宅の周辺で亡くなるというケースが多いということでございます。 最近では、こういった傾向のほかに自動車に乗って亡くなるという方がふえてきております。その増加率の方で申し上げますと、昭和五十四年を一とした場合四・六倍ほどでございます。全年齢を平均した場合の増加数は一・六倍ほどでございますから、四・六倍というのは大変高い数字だというふうに思います。 そういったところがお年寄りの事故の傾向の特色ではないかと分析しております。
○西川潔君 高齢者を交通事故から守る。今お伺いいたしまして、地域内死者が大変多い。そうなりますと、行政はもとより、家族、地域の支え合いが本当に必要ではないか。そういう連携のもとに総合的な交通安全対策が必要であると思います。 政府におかれましては、昭和六十三年に高齢者の交通安全総合対策を決定、交通安全に関する諸対策を推進されております。また、今年度からは参加実践型の高齢者交通安全教育推進事業を実施されると伺っておりますが、これまで実施されてきた高齢者の交通安全対策と今後の対策の方向についてお伺いしておきたいと思います。
○説明員(岩崎貞二君) 御指摘のとおり、高齢者の事故は現在でも二千九百九十一人の方がお亡くなりになっているということで、大変重大な問題であると思っております。また、これから高齢化が進むにつれて高齢者の交通安全対策もますます必要になってくるんじゃないか、こういう認識で考えております。 政府といたしまして、昭和六十三年の九月九日に交通対策本部におきまして高齢者の交通安全総合対策を策定いたしました。高齢者の方に対する交通安全教育を推進していく、それから高齢者の方にとって安全な道路交通環境を整備していく、高齢者の方が利用しやすい公共輸送機関の整備を進める等々といった内容を盛り込んでおりまして、その推進を図ってきたところであります。 さらに、平成四年、昨年の九月十日には、関係省庁、関係団体で構成いたします高齢者交通安全推進会議というのを開催いたしまして、高齢者の交通安全対策をさらに強化する必要がある、こういう考えから「今後の高齢者の交通安全対策の推進について」というのを決定したところでございます。今後、この決定に沿いましてより一層効果的かつ総合的な対策を講じていきたいと考えているところでございます。 特に教育面におきましては、今御指摘のございました参加型、実践型の高齢者交通安全教育を推進していきたいということで考えております。中身は、高齢者の方に車の動きとはどういうものか、交通のルールとかマナーとかはどういうものかというものを従来から講義型、座学型でやっておりましたけれども、それよりも効果の高いと考えられます参加型、体験型にすることによりまして、お年寄りの方がそうしたものをみずから体験していただいて、みずから考えていただくというような教育手法を全国的に普及したいということで進めておるところでございます。
○西川潔君 ありがとうございました。 親やお年寄りを大切にしない町や国は栄えないと申します。高齢者の交通事故については、歩行者、自転車の利用者の割合が多くなっておりますが、先ほど局長の方からは、ここ数年では自動車事故が大変多くなった、年々増加しておるというお話をお伺いしたわけです。 今回の改正案では、優良運転者の運転免許の有効期間の延長について、七十一歳は四年、七十二歳以上は三年と高齢者には特別な規定となっておるわけですけれども、この年齢を設定された理由をお伺いしたいと思います。
○政府委員(関根謙一君) 高齢者の方々の視力等の運転適性の平均を調べた結果によるものでございますが、あわせまして諸外国の高齢者の扱い方をも参考とさせていただいております。 おおむね七十歳が基準でございまして、イギリスの場合などは、七十歳を超えると、それまで更新制がなかったところに更新制を導入するといったことにしておりますとか、イタリアの場合には有効期間十年と定めつつ、五十歳を超える者につきましては有効期間を五年に短縮、短縮といいますか縮小する。オランダはイギリスと同様七十歳を基準としているというようなことで、多くの国が七十歳を基準として制度を変えるというようにしております。私どもも、いろいろな有識者の方々それからこの問題について利害関係を有する方々、多くの方々から御意見をいただきまして、その得られた結果、コンセンサスということで日本の場合には七十五歳を基準にしてはどうかということでございました。 そこで、七十五歳までの方に優良運転者という仕組みを設けるとしますと、七十歳の方については五年、七十一歳の方については四年、七十二歳の方については三年、こういう仕組みが一番合理的ではないかということでこのような案を御提案しているところでございます。
○西川潔君 たくさん僕なんかの場合はお便りをいただきますので今局長にお伺いしたわけですけれども、素朴な疑問ですが、大臣は免許証をお持ちで運転なさいますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほどから高齢者の運転ということに関連して私に質問があったとしますと、私は非常に抵抗感を感じるわけでございます。年齢というものは自分が若いと思っているかどうかということに基準があると思うんで、私は若いと思っておりますので、その意味で御認識をいただきたいんですが、残念ながら私は免許証は持っておりません。
○西川潔君 力強い御答弁ですからお持ちかなと思っておったんですけれども、さようでございますか。全くそのとおりだと思います。私ももう二十七、八年ずっと今もお年寄りの施設、現場で勉強させていただいておりますが、お元気な方々がたくさんいらっしゃいますし、四十歳代でも痴呆になられる方も実はいらっしゃいます。 今、手元に僕は新聞を持ってまいりましたが、それでもって大臣にお伺いしたんですけれども、九十八歳で現役最高齢ドライバーという方がいらっしゃいます。七十五年間無事故無違反。目標は百歳まで運転をしたい、こうおっしゃっておられます。記事の中では、天気のいい日にハンドルを握るのが長生きの秘訣、人間を年齢で区別するのはどうかと思う、年齢に縛られず常に緊張しているのが心身ともに若さを保つ秘訣だと、こうおっしゃっておられます。 高齢者ドライバー御自身は運転には自信を持っているという方が多いようですが、心配でたまらない。やっぱり我が家もそうです。うちの父は大正四年生まれでこの問まで運転をしておりまして五十年間無事故で表彰をしていただいたわけですけれども、もう僕が家族が心配だからやめておけということでおやじに運転はやめさせたわけです。以前、私は労働委員会におきまして、定年制問題の議論の中で、歴年齢と個々の人間が持つ機能年齢には大きな差がある、必ずしも暦年齢を中心に考えるのはいかがなものでしょうかという質問をさせていただきました。最近、新聞紙上の読者投書欄では運転免許そのものの定年制について賛否両論の意見を耳にすることが多くなりました。 総理府が昨年に行った交通安全に関する世論調査では、何歳ぐらいまで自分で運転できますかという問いに対しまして、男性は七十五歳ぐらいまで、女性の場合は六十五歳までと考える人が統計の中では一番多かったわけです。また、増加する高齢者の事故の防止に有効な方法といたしましては、高齢者の運転免許取得の制限、検査の強化を挙げた人は三五・八%と二年前の前回の調査より九ポイント上昇しているわけですけれども、年代別に見ますと二十から四十歳までの人は四〇%以上が賛成しているのに対しまして、一方、制限の対象となる五十歳代は三三・七、六十歳以上が二三・四%と、やはり年代が高まるにつれて賛成が減っています。 私もこの定年制について考えてみたわけですけれども、現時点ではどちらがいいかということは言えないまでも、国民が関心を持っている問題であるということは、この調査でこういう結果が現実に出ております。この運転免許の定年制について警察庁ではどのように考えておられるか、お伺いをいたします。
○政府委員(関根謙一君) 定年制という言葉についてでございますが、これは免許を受けている方々について、その方々の技能、適性、知識等運転免許に必要な用件にかかわりなく一定の年齢に達した場合には免許の効力を失わせるという制度をお考えかと存じます。もしそうだといたしますと、先ほど来御議論がございますように、高齢の方々はそれぞれ個人差が非常にございまして、お元気な方は本当に百歳でもお元気でございますし、そうでない場合には随分若くとも適性を失うということもあろうかと存じます。そこで、そのような一律に一定の年齢に達した場合には免許の効力を失わせるという考え方はちょっととり得ないところではないかと考えております。 今回私ども御提案申し上げております改正案の中では、臨時適性検査の仕組みを設けさせていただくこととしております。百二条の第二項でございますが、これは高齢の方々がこれからふえてくるということを念頭に置きまして、その高齢の方々にいろいろアドバイスができるような機会を設けたいということで、高齢の方々が例えば通常ならば当然注意すべき信号を無視したというようなことで違反を起こしたような場合、明らかに視力に疑念があるのではないかと思われるような場合に適性検査を受けていただきまして、眼鏡をお使いになったらどうですかというアドバイスをしたいということでこのような制度を設けさせていただきたいと考えているわけでございますが、こういうことで個人の特性に応じた免許のあり方というのを進めていきたいと考えているところでございます。
○西川潔君 ありがとうございました。 いつまでも人間は元気で活躍したいものですが、想像してみますと、きんさんぎんさんが車の運転していると想像するだけでもちょっと恐ろしいような気もするんですけれども、聞くところによりますと、アメリカの方ではオレゴン州やワシントン州など合計十七州で、運転者の能力に応じましてスピードや運転する地域を制限するいわゆるハーフライセンスという免許制度が導入されているということを僕もお伺いいたしました。 それで、アメリカと日本では交通事情や道路事情も異なるわけですから即我が国でやってくれということではないわけですけれども、参考にしていただければと思うんです。このハーフライセンスというのは、お年寄りの皆さん方がちゃんと行政と約束をいたしまして、自分の自信のない遠いところまでは乗りませんよ、買物だけですよ、きょうはテニスだけです、きょうはゴルフだけです、地域の中で限られたところだけ運転をします、ちゃんと約束をさせていただきますという免許証だそうでございます。これもぜひ日本の方でも参考にしていただければと思います。 次に、歩行者対策についてお伺いをいたします。 高齢者の死亡事故の多くは歩行中と自転車の乗車中ということでございますが、この防止対策の一つとして歩道整備や利用しやすい立体横断歩道の建設など施設の整備の必要性がしばしば今まででも指摘されておりますが、現在の歩道設置率そして今後の整備の目標についてお伺いしたいと思います。
○説明員(橋本鋼太郎君) お尋ねの歩道の整備でございますが、従来より、学童あるいは高齢者の歩行者の通行の安全を確保するために重点的に整備をしてまいりました。 現在、平成四年度末で歩道の設置済み道路延長は十一万九千キロでございます。これは、将来歩道を必要としているのは我々としましては全国で二十六万キロと、こう考えておりますので、必要なものについての設置率は四六%の段階でございます。平成五年度から新たに十一次道路整備五カ年計画を策定いたしておりまして、この五カ年の中でさらに二万六千キロの歩道の整備をしてまいりたいと考えておりますので、五年たちますと五六%までなります。二十一世紀の初頭までにはこの二十六万キロ全体について完成をしてまいりたいと考えているところであります。 なお、現在の歩道につきましては、あるものについでは幅が狭いあるいは歩きにくいというような点が指摘されておりますので、この新しい五カ年の中では特に幅の広い歩道、こういうものを重点的に整備してまいりたいと思います。現在の場合、幅の広いというのは大体幅員が三メーター以上、こんなものを整備したいと思いますが、この五カ年で新たに九千キロぐらい幅の広い歩道を全国的に整備してまいりたいと考えております。 さらに、立体横断施設でございますが、現在一万三千カ所の立体横断施設がございます。このうちスロープ等が設置されているものは約一割の千三百カ所でございます。今後、駅、市役所、病院、こういう高齢者の利用の多い施設の周辺につきましては、緩やかなスロープとか昇降装置、こういうものをつけた立体横断施設、あるいは建物から直接出入りができるペデストリアンデッキ、こんなものの整備も積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○西川潔君 ありがとうございます。ノーマライゼーションという意味におきまして、お年寄りはもとより、聴覚、視覚、内部の障害者の方、身体に障害をお持ちの皆さん方のためにも配慮の方をよろしくお願いしたいと思います。 次に反射材の活用についてお伺いしたいんですが、高齢者の自転車、歩行中の交通事故のうち、時間的には大体十八時から二十時、夕方の六時から八時までの時間帯がピークとなっておるわけですけれども、この夜間の事故防止のために反射材が大変有効であります。これは一時期大変話題になりまして、でも最近は町を歩いておりましても見かけることが少なくなってまいりました。反射材に対するお年寄りの皆さん方の抵抗感が強いのでないかと思います。何か子供扱いをされているような気持ちになるんでしょう。 しかし、逆に最近では、若い方々が反射材をファッション感覚として取り入れまして、反射材を利用したジャンパーやシューズを身につけておられる方々も多く見かけるようになりました。反射材イコール高齢者ということであれば抵抗があると思うわけですが、若い人たちからファッション感覚的に普及していけば高齢者にも子供にも自然に抵抗感がなく普及していくように思います。この反射材につきまして、警察庁において調査研究を行っているとお伺いしておりますが、御説明をお願いします。
○政府委員(関根謙一君) 御指摘のように、反射材は夜間事故の防止のために極めて有効であると考えてその普及に努めているところでございます。なかなか普及しないのは、やはり高齢者のみを対象としたというような場合お年寄りから反発を受けるということでありますとか、ファッション性がないというものについて嫌われるということがあるようでございます。 そこで、そういった点について、広くいろいろな方々に利用しやすいようなファッション性の高い反射材の開発を進めていきたいということで努力をしております。現在、反射材の製造、加工、販売メーカ-等によりまして全国反射材普及促進協議会というものが設立されたと伺っております。こういった団体を初め関係の機関等と連携をとりながら反射材が普及できるようなファッション性の高いものの開発に努めていきたい、このように考えております。
○西川潔君 ぜひ、よろしくお願いいたします。 最後の質問になりますが、国民の負担軽減という観点からお伺いしたいんですけれども、週休二日制の導入に伴いまして免許証の更新の手続が大変不便になったという声もお聞きします。特に小さな子供さんを育児中の主婦、奥様方は子供同伴での更新手続あるいは講習の受講ができないという点で大変重い負担となっていますということもお伺いします。 そこで、こういった負担を軽くするために、都道府県内に休日窓口をふやしていただく、あるいは小さな子供を抱えるお母さんお父さんが安心して講習が受けられるように、せんだってもお願いしたわけですけれども行政イコールサービス業というような時代が到来しているわけで、こちらからはお願いすることばっかりで申しわけないんですけれども、こういう声を耳にしまして身近なことから庶民の代弁者としてお願いするわけですが、託児コーナーなどを設けるなどの配慮が必要になってきた、そういう時代ではないかというふうにも思うわけです。この御答弁をいただいて最後にしたいと思います。
○政府委員(関根謙一君) 日曜日などの休日における窓口の開設ということはかなり以前から進めておりまして、現在も必要な場所に必要な窓口を設けるように努力をしているところでございます。 それから、託児コーナーなどの施設につきましては現在までのところそういうものは余り多くないと考えておりますが、今後は御指摘のような傾向があることは確かであると考えますので、この点につきまして前向きに検討してまいりたいと考えております。
○西川潔君 お願いします。ありがとうございました。
○委員長(佐藤三吾君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正についで有働君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。有働正治君。
○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、本案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その提案理由と趣旨を御説明申し上げます。 もとより、我が党は過積載を是認する立場にはありません。しかし、質疑の中で明らかにしましたように、これまでのダンプカー等の過積載対策はその根本的な解決のために公共事業等の発注単価の改善等が不可欠であることが指摘されていたにもかかわらず、これらについて関係省庁の実効ある対策が講じられないまま運転者に対する取り締まり強化のみが先行してきたと言わざるを得ません。 今回の政府原案に含まれる過積載に関する改正は初めて荷送り人及び荷受け人に対する取り締まりの規定が設けられるなど一定の評価すべき点はありますが、荷受け人の頂点に立つゼネコン等の過積載要求行為をどのように立証するのか等、実効あるものとするためには今後の運用を引き続き見守る必要があると考えます。この点から、荷送り人及び荷受け人に対する取り締まり及び罰則の規定の新設は当然だとしても、運転者に対する罰則の強化は、過積載をしたくて行う者はいないと当事者のだれもが言うとおり、いたずらにダンプ事業者の生活と営業を脅かすだけであり、現行の罰則規定で十分であると考えます。 以上の点から、本修正案は、過積載車両の運転者に対する罰則の二倍引き上げ及び反則金に関する改正をやめ、従来どおりの罰則及び反則金とするものであります。 最後に、過積載の根絶を目指して、運転者に対する取り締まり強化のみに終わらず、政府が速やかに総合的かつ抜本的で実効ある対策を講じられるよう願って、提案理由及び趣旨説明といたします。 何とぞ速やかな御可決をよろしくお願い申し上げます。
○委員長(佐藤三吾君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、有働君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐藤三吾君) 少数と認めます。よって、有働君提出の修正案は否決されました。 次に、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐藤三吾君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 岩本君から発言を求められておりますので、これを許します。岩本久人君。
○岩本久人君 私は、ただいま可決されました道路交通法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・係国民連合、日本共産党、二院クラブ、日本新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 道路交通法の一部を改正する法律案に対 する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の事項について万全の措置を講ずべきである。 一、運転免許証の有効期間については、優良運転者制度の趣旨に基づき、更新期間が原則として五年間となるようその運用に努めること。 二、学科、技能一体化教習の導入に際しては、自動車教習所における検定員及び指導員の資質の向上を図ること。また、既存の検定員及び指導員の新規資格の円滑な取得に配慮するとともに、雇用の不安を招かないよう配慮すること。なお、技能検定員等に対する資格者証の返納を命ずるに当たっては、あらかじめ当事者に弁明の機会を与えるなど慎重に対処すること。 三、教習カリキュラムの全面見直しに際しては、内容について精査及び充実を行うなどの措置を講じ、免許取得者の過大な負担増を招くことのないよう必要な措置を講ずること。 四、実効性のある応急救護処置の社会的定着を図るため、習得機会の拡大、講習内容の充実に努めるとともに、本改正によって本法第七十二条第一項前段の解釈に変更はなく、交通事故現場における応急救護処置の実施者が、新たに同項前段の適用による不利益を被ることのないよう周知徹底を図ること。 五、車輪止め装置の取付けによる違法駐車の取締りに当たっては、交通渋滞の解消と違法駐車防止の観点に立ち、危険性、迷惑性の高い違反に重点を置く等適正かつ妥当な運用を行うよう取締り現場に対する指導を徹底すること。 六、道路交通の円滑化に資するため、公共駐車場、荷さばき施設等の駐車施設の拡充など駐車対策を一層推進するとともに、大都市における交通渋滞を解消するための総合的な対策を講ずること。 七、免許関係事務の公益法人への委託に際しては、委託費の収支、業務内容など、その運営について厳正公正を期するよう指導すること。また、免許申請に係る行政書士法違反に対しては、厳正に対処すること。 八、交通違反の取締りは、現下の交通情勢を踏まえ、悪質又は迷惑性の高いものに重点を置くこと。また、行政処分においては、事実認定について慎重な対応を行うこと。 九、指定自動車教習所への警察職員の立入り、行政処分に係る書面の交付を受けていない者に対する措置、及び臨時適性検査の実施については、適正に運用すること。 十、過積載を防止するため、運送事業者、自動車の使用者及び荷主・荷受人等に対する指導を強化するとともに、その責任の所在の明確化に努めるなど適切な措置を講ずるほか、重量測定機器等の整備の拡充、自重計の早期開発とその装着義務化に努めること。 十一、国及び地方公共団体が実施する工事及び輸送における過積載行為を防止するために、定量積載を踏まえた実例価格等で発注するなど必要な措置を講ずるとともに、関係省庁による各都道府県における過積載防止対策連絡会議の充実・活性化等連携の強化を図ること。 十二、本法の施行に際しては、その趣旨の国民への周知を徹底するとともに、今次法改正に伴う政令及び総理府令の制定及び運用に当たっては、本委員会における議論を十分踏まえること。また、今後、本法の改正に当たっては、十分な期間を設けて検討を行い、体系的整備に努めること。右決議する。 以上でございます。 何とぞ皆様の御賛同をよろしくお願いいたします。
○委員長(佐藤三吾君) ただいま岩本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐藤三吾君) 全会一致と認めます。よって、岩本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、村田国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。村田国家公安委員会委員長。
○国務大臣(村田敬次郎君) 道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、大変熱心な御検討をいただき厚く御礼を申し上げます。 政府といたしましては、審議経過における御意見並びにただいまの附帯決議の御趣旨を十分尊重いたしまして、交通安全対策の推進に万全の措置を講じてまいる所存でございます。 今後とも、御指導、御鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○委員長(佐藤三吾君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十五分散会 ――――◇―――――