国民生活に関する調査会 第4号
- 発言数
- 158 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/04/23
会議録
○会長(鈴木省吾君) ただいまから国民生活に関する調査会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二十二日、日下部禧代子君が委員を辞任され、その補欠として翫正敏君が選任されました。 ―――――――――――――
○会長(鈴木省吾君) 次に、国民生活に関する調査を議題とし、本格的高齢社会への対応に関する件のうち、高齢化の現状と今後の課題について、まず文部省、通商産業省及び労働省より順次説明を聴取いたします。文部省前畑生涯学習局長。
○政府委員(前畑安宏君) 文部省における高齢化社会対策について御説明を申し上げます。 御案内のとおり、私どもといたしましては、いわゆる生涯学習社会の構築ということを目指して対応いたしておりまして、昭和六十三年七月には生涯学習局を設置いたしたところであります。 先般も、小学校、中学校、高等学校の校長を務めて退職をされました退職校長会という団体がございますが、そこの幹部の方とお話をする機会を持ち、その方々がおっしゃるには、自分たちが学習をする、学ぶということも極めて大切ではありますが、今までの経歴なりあるいは学んだことを社会に役立てたい。例えば、いろんな講習であるとか学級・講座等が開かれます場合に、そこの講師になりたい、あるいは青少年等のいろんな活動の指導者になりたい、こういうふうな御希望が非常に強うございました。 そこで、私どもが高齢者に対しまして、長寿社会対策要綱に示されたところに従って学習機会を拡充する、あるいは社会参加活動を促進する、こうしますときには、その学習の内容につきましても十分配慮をして、学んだことが社会に参加して活動することに役立つような学習をしてほしいということで、基本的にはそういう気持ちで進めております。 しかしながら、総理府の平成四年に行われました生涯学習に関する調査の結果を見ましても、どういうことを学んでおりますかという生涯学習の内容について伺いますと、高齢者を含めて一般的には健康、スポーツあるいは趣味といったものがかなりな割合を占めておりまして、ボランティア活動やそのために必要な知識、技能の学習というのはまだ極めて低い割合にとどまっております。そのような学習内容を反映してか、学んだことの成果をどのように役立てていますか、あるいは役に立っていると思いますかという調査に対しましては、自分の人生が豊かになっている、あるいは自分の健康の維持増進に役立っているというのが 大きな割合でございまして、日常生活や地域での活動に生かしているとか、さらには他の人の指導に生かしているといったものは、まだそれほど大きな割合を占めておるわけではございません。したがって、今後高齢化社会対策として高齢者の学習に取り組みますときには、先ほども申し上げましたように、学んでいただく内容というものを十分考えていかなければならないし、そして学んでいかれたことを、身につけたことを持って社会活動に参加していただく、こういうふうな方策を推進してまいりたい、このように考えておるところでございます。 まず第一に、学習機会の整備につきましては、御案内のとおり学校という教育機関がございましてこれが今大きな役割を果たしておりますが、その学校を高齢者にも開放するということが一つの考え方になるわけでございます。 御案内のとおり、放送大学という新しい大学が昭和六十年四月から学生の受け入れを行っておりまして、この三月には第五回の卒業式を行ったところであります。平成四年度の二学期現在で、在学学生数は四万三千百五十一人となっておりますが、そのうち六十歳以上の高齢の方は三千四百九十二人で八・一%という割合を示しております。現在、残念ながら東京タワーを中心として放送いたしておりますので、直接放送が届きますのは関東近県の七都県、それから甲府、諏訪等ではCATVを通じて放送しておりますが、そのほかに放送エリア外にもビデオセンターというものを設けましてビデオを貸し出して、そこで学習をしていただくということをやっております。ビデオセンターが現在十八都道府県にございまして、何らかの形で放送大学の学生になり得る地域というのは既に二十七都道府県に達しております。残りの二十県につきまして鋭意努力をしてまいりたい、このように思っております。 また、そのほかに広く社会人を大学に受け入れる方策として、社会人のための特別の入学者選抜というものを各大学で推進しておるわけでございますが、御案内のとおり、一般の受験生と同じ試験ではなかなか社会人は合格できないというので、社会人のための特別の入学枠を設定していただく、そして特別の一般の受験生とは別の試験をやっていただくということを進めておりますが、平成四年度では三十四大学で、特別選抜による入学者は五百五十八人、まだ微々たる数字でございます。これを今後とも推進してまいりたい、このように考えております。 なお、学校の機能の開放として一番大きな役割を果たしておりますのは、いわゆる大学公開講座でございます。これは、国公私立を通じまして、平成元年度でございますが三百九十五大学、全大学の約八割のところで公開講座を実施していただいておりまして、既に三千百四十七講座、約四十二万人が受講しているという状況にございます。 次に、学校外の学習機会といたしまして、一つはいわゆる社会教育というのがございます。これは御案内のとおり、公民館等で学級・講座を開設するというのが主体になっておりますが、その状況を見ますと、全体として公民館等が学級・講座を開設している中の約一割が高齢者向けのものである。受講者の約一割が高齢者、こういうふうな状況になっております。 そのような一般的な学級・講座の開設のほかに、私どもでは二つの事業を推進いたしております。 一つは、長寿学園という事業でございます。この長寿学園という事業の特色は、先ほど申し上げましたように、そこで学んだこと、それをもって社会活動に参加できるような内容のものにしたいということで、受講者が受講後は地域の活動の指導者になるということを期待しているものでございます。したがって、その内容も高度なものを目指しますので、基礎課程と専門課程と二つに分けまして、まず基礎課程を受講していただく、そしてそこを終了した方あるいは基礎課程の一定の単位を取得した方がさらに専門課程に進んでもらう、そこでは近隣の大学とも協力をしてかなり高度なものをやっていただくというような事業でございます。平成四年度には二十県で実施をいたしまして、約六千九百人に受講をしていただきました。 もう一つは、高齢者の生きがい促進総合事業と称しておりますが、高齢者の生きがいを促進するために総合的な事業を推進するということでありますけれども、学習機会ということからは二つの事業が挙げられるかと思います。 一つは、高齢者を対象とする高齢者教室、それからもう一つは世代間の交流を図る。高齢者は高齢者だけにまとまって学習をするのではなくていろんな幅広い世代との交流を進めようということで、その事業の内容といたしましては、野外活動に高齢者と一緒に幅広い世代の方が参加をする、あるいは高齢者の方々が身につけている伝統的ないろんな創作活動を若い世代に伝えていこうと、そういうふうな活動を推進しているところでございます。 なお、文化活動につきましても、芸術鑑賞機会の充実とともに高齢者自体が文化活動に参加できるように幅広い施策を推進しているところでございます。 次にスポーツでございますが、高齢者の健康維持のためには、生涯にわたってスポーツ活動に取り組んでいただくということは大変大事なことでありまして、私どもの方では体育局に生涯スポーツ課というのを昭和六十三年に設置いたしました。そして、幼児から高齢者までを対象とした各般のスポーツ活動の推進を図っておるところでありますが、とりわけ高齢者に適する新しいスポーツを開発していこうということも一つのねらいといたしておりますし、高齢者になってからスポーツに取り組むというだけではちょっと問題がありますので、いわば高齢者予備軍と申しますが、中高年齢層に高齢者になっても続けられるようなスポーツにもう取り組んでもらおうではないかということで、中高年スポーツ活動普及促進といったような事業も行っておるところであります。 しかしながら、スポーツを行う場の問題がございます。なかなか適当な場所がないということで、高齢者の方々に対しましてもそういう場を見つけるということが大変大事でございますので、学校の校庭開放、体育館の開放ということについても努力をいたしておるところでございまして、平成元年度で申し上げますと、公立の小中高等学校につきましては運動場の開放状況八二・一%、体育館の開放状況は八四・七%、こういう状況になっております。今後とも学校の体育施設の開放については積極的に対処してまいりたい、このように思っております。 次に、そういった学習した中身でもって社会に参加していただこうということにつきまして御説明をさせていただきますが、一つは生涯学習ボランティア活動総合推進事業、これは高齢者の方には限りませんが、ボランティア活動というものを生涯学習と位置づけて積極的に推進していこうという事業を行っております。一つには、ボランティアになるために必要な学習をしていただく。そして、ボランティアになりたいけれどもなかなか場所がないという問題もございますので、ボランティアの場の開発をしていく。さらには、ボランティアになりたい人とボランティアを求めているいろんな施設との仲介を行うための情報提供・相談事業といったものを推進していこう、こういう事業を進めております。 先ほど申し上げました長寿学園の事業につきましては、修了者について指導員としていわば人材バンクといったところに登録をしていただく。さらに、高齢者の生きがい促進総合事業につきましては、ボランティアになっていただくための養成講座というものも実施いたしておりますし、そしてそこを修了した方で希望する方があればさらに所要の研修を実施して必要な施設に御紹介をする、そういった事業も進めておるところでございます。 最後に、学校における高齢者の福祉等に関する教育について御説明をさせていただきます。高齢 化社会ということになりますと、高齢者の方々だけの問題ではなくて、高齢者を支える若者たちについて十分な理解を求めるということが大変大事なことでございますので、学校教育におきましても、先般の学習指導要領の改訂におきましては特にその点についても配慮をいたしまして、高齢者の福祉、社会保障についての理解を深める、あるいは高齢者に対する望ましい態度の育成を図るといったことについて意を用いているところでありますし、また学校の教育課程というのは、国語、社会、理科といった教科、それから道徳、それからもう一つ特別活動という三つで構成されるわけでありますが、その特別活動の中の学校行事というところで、従来は勤労・生産的行事を行いなさいと、こうしておりましたが、先般の学習指導要領の改訂におきましては、特に奉仕的行事を行うようにということを進めておるところでございます。 このほか、高等学校におきましては、福祉、介護といった点につきましての家庭科、衛生看護科、福祉科等の学科において特にそういった教育を深めているところでございます。 以上、ごくかいつまんで恐縮でございましたが、説明を終わらせていただきます。
○会長(鈴木省吾君) 次に、通商産業省江崎官房総務審議官。
○政府委員(江崎格君) 通産省としましても、高齢者が生きがいを持って暮らすことのできる社会をつくり出すために、産業政策あるいは技術政策の面から幅広い対応を進めております。 高齢化問題は、貯蓄率の問題とかあるいは就業構造の問題あるいは消費構造の問題というようなことを考えますと、将来経済全体に長期的に大きな影響を与えるということで、私ども産業所管官庁でございますが、高齢化問題に非常に重大な関心を持っているわけでございます。 本日は、私どもの行っております施策の中で主なものを三つほど御紹介させていただきたいと思います。お手元に資料が配付してあると思いますけれども、まず初めに「医療福祉機器開発に関する工業技術院の施策」でございます。 工業技術院におきましては、既に昭和五十一年ごろから医療福祉機器の開発を行ってきておりますけれども、急激な高齢化に対応するために、平成四年になりまして、この資料の1に書いてございますが、産業技術審議会の中に福祉機器技術政策小委員会というのを設けまして、福祉機器の開発のあり方あるいは普及のあり方について検討をいたしました。ことしの一月二十九日になりまして、報告書をまとめていただいたわけでございます。これで当面の福祉機器開発の考え方をまとめたわけでございますが、ここにございますように、まず(1)にありますように、研究開発を総合的に進めるためにはどうしたらいいのかというようなこと。それから(2)にございますように、福祉機器の普及に関する施策をどのように進めたらいいのかというようなこと等を中心に御提言をいただきました。 一ページの下の方に移りますが、平成五年度からこの報告に沿う方向で施策を総合的に進めようということでございまして、まず福祉機器の技術開発の問題でございます。 ページをめくっていただきますと、(1)から(5)まで書いてございますが、まず(1)といたしまして、福祉機器に関する情報収集・分析あるいはその提供事業ということでございまして、福祉機器に関する産業技術の現状を把握します。それから使用者のニーズを把握する、あるいはそれらを具体化するための技術にはどのようなものがあるのかといったような調査研究を行いまして、そうしたものに関するデータベースを構築いたしまして、福祉機器の研究開発に寄与するというのが第一でございます。 それから二番目に、福祉機器に関する基盤技術の研究ということでございまして、福祉機器技術開発には非常に多岐にわたる技術が必要でございますけれども、その中でも特に横断的、基盤的な技術についてすそ野を広げようということで、これは国立の研究所を中心に研究を行うことを考えております。 それから三番目のプロジェクト研究開発、これは最先端の産業技術を駆使いたしまして、安全性あるいは利便性にすぐれかつ価格の安い開発をやろうということで、実はこの施策は昭和五十一年度から始めておりまして、既に幾つかのものが成功いたしまして市場に出回っているわけでございますけれども、今年度もこうした施策を強力に推進していこうというわけでございます。 今まで開発されましたものを幾つか御紹介しますと、例えば電動の車いすですとか、あるいは人工の中耳、聴力を補助するものでございますが、それから発声の訓練装置ですとか、あるいは高齢者になりますととかく体調が不調になるわけでございますが、そうした体調の監視システムですとか、こういったものが既に成功しているわけでございます。 それから四番目にございますように、福祉機器の実用化のための開発推進事業ということで、これは主として民間がおやりになる短期で開発可能な身近な福祉機器、こういった民間の活動を支援しようとする事業でございます。 それから、標準化を促進して福祉機器の生産をより容易にしようというようなことを考えております。それから、二ページの一番下に書いてございますが、JISの制定でございます。これは既に二百九十三の医療用具、医用機器等について制定されておりますけれども、今後も福祉機器を含めまして積極的にJISの制定を図っていきたいということでございます。 それから、三ページの最後の4に書いてございますが、福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案、これは現在参議院の方で御審議をいただいておりますけれども、厚生省さんと共同でこうした法律を御提案いたしまして、これによって福祉用具の研究開発とかあるいは普及を総合的に進めていこうというものでございます。 以上がこの医療福祉機器開発の関係でございます。 それから次に、「高齢化社会対策の取り組みについて」という資料がお配りしてあると思います。これは生産活動の場といいますか、企業の生産の場で高齢者の対策を進めるのにどのように考えていったらいいのかというものでございまして、これは、私どもに産業労働問題懇談会というのを設けまして今申し上げましたようなことを御検討いただきまして、平成三年の五月にその報告書をまとめていただきました。 この1のところに①、②、③とございますように、女性とか高齢者の多様な勤労観に対応できる雇用のシステムとしていろいろなものがあり得るわけですが、こうしたものの普及、確立を図る必要があるということですとか、あるいは女性とか高齢者の能力の開発をどのようにしたらいいのかとか、あるいは女性、高齢者の就業にかかわる社会環境、ここに年金制度のあり方の問題とか女子の深夜就業の問題とかございますが、こうしたものの制度を見直したりあるいは整備しようというようなことが提言されたわけでございます。 こうした報告を踏まえまして私ども施策をやっておりますが、この2にございますように、平成四年度におきましては複線型の雇用システム、先ほど御紹介したような幾つかのいろいろなタイプの雇用システムあるいは能力開発のあり方について事例の収集を行っておりまして、それの普及に努めるということをしております。それからさらに、高齢者にとって就業意欲を損なわないようにするための年金制度のあり方ということも検討いたしました。 それから、今年度でございますが、3に書いてございますが、高齢者の比率が大きくなるということになりますと産業のあり方に非常に大きな影響が出てまいります。冒頭にちょっと申し上げましたが、貯蓄率の変化ですとか就業率の変化、あるいは消費構造、産業構造、こういった問題に非常に大きな影響を与えるわけでございまして、こうしたことは我が国の将来の産業を考えますと、例えば現在貿易収支の黒字が非常に問題になって おりますが、貯蓄率が低下するというようなことになりますとそうした問題も非常に大きな影響を受けるわけでございまして、こうしたことを本格的に調査研究しようということで、平成五年度からこの調査研究事業を始めております。 それから、三つ目に御紹介しますのが、「モデル的メロウ・ソサエティの構築について」という資料をお配りしてあると思います。これは情報処理システムを活用いたしまして高齢者の積極的な社会参加を支援していこうという構想でございます。 これまでメロウ・ソサエティ構想の一環としてやってまいりましたことは三つございまして、一つが高齢者向けのインターフェースの開発、これは高齢者の使いやすい、使い勝手のいい情報処理機器を開発しようというのが第一でございます。 それから二番目に、高齢者の健康情報とか医療情報、こうしたものをファイルするシステムをつくろうということでございまして、これは厚生省さんとかあるいは医療機関等と協力いたしましてそうしたシステムの開発を続けております。 それから三つ目の構想といたしまして、メロウ・ソサエティのシステムをモデルとして実際の都市に即してやってみようということでございまして、二つのタイプの都市を選んでおりまして、新興都市型の都市、これは、今は比較的高齢者の比率が少ないんですが、中年の方、働き盛りの方がたくさん集まっている都市で、それがある時期になりますと急激に高齢者の比率がふえる可能性があるわけでございますが、こうしたタイプの都市として東京都の多摩市を選んでおります。それからもう一つが伝統都市型の都市でございまして、比較的現在も高齢者の比率が多いわけですが、そうした高齢者も含めた住民間のコミュニケーションがその地域の伝統として既に行われている都市ということで、これは三重県の上野市を選びまして、この二つのタイプで先ほど御紹介したような情報処理システムを活用した老人が社会に参加しやすいシステムをつくろうということです。 まず、多摩の新興都市型の方では、ボランティア情報ですとかあるいは生涯学習の情報、こういったようなものを情報提供しまして、高齢者の方が積極的に生き生きと社会参加ができるような実験をしようということでございますし、それから伝統的な都市の上野市の方では、もともとこの地域は歴史とか文化に恵まれているわけでございますが、こうしたものに関する情報の収集、それからその域外への発信、これにつきまして高齢者の力をかりまして、そうした情報を整備して発信していこうという構想でございまして、平成五年度はさらにこの実験を強化して続けていくということを考えております。 そのほかにも私ども通産省におきましては、例えば生涯学習の振興ですとかあるいは高齢者の方が住みやすい住宅のシステムの研究ですとかこういったこともあわせてやっておりますが、とりあえず主な施策として三つ御紹介させていただきました。
○会長(鈴木省吾君) 次に、労働省坂根職業安定局高齢・障害者対策部長。
○政府委員(坂根俊孝君) それでは、私の方から労働省関係の施策につきまして、「本格的な高齢化社会への対応」という表題がつけられております資料に沿いまして御説明を申し上げたいと思います。 まず第一に、高齢者の雇用対策でございますが、その施策の背景につきまして高齢化の進展ということで、我が国の高齢化は世界に例を見ない速度で急速に進んでおりまして、二十一世紀初頭には労働力人口の四分の一が五十五歳以上の高年齢者となる見込みでございます。 まず、人口そのものが高齢化するということで、全人口に占める六十五歳以上の人口が一九九〇年の一二・一%から二〇一〇年の二一・三%に増加する。また、労働力人口、これは就業者に失業者を加えたいわば働くことのできる人口でございますが、これに占める五十五歳以上の人口の割合が一九九〇年の二〇・二%から二〇一〇年の二七・一%に増加するというふうに見込まれているわけでございます。 それで、高齢者をめぐる雇用失業情勢でございますが、その再就職をめぐる情勢は長期的には改善されてきているものの他の年齢層に比べますと依然として厳しいということで、完全失業率につきましては、年齢計が二・二%に対して、五十五歳以上二・一、六十から六十四歳三・七というふうになっておりますし、有効求人倍率につきましては、これは平成四年の十月の数字ですが、年齢計で一・〇二倍に対しまして、五十五歳以上が〇・二七、六十歳から六十四歳が〇・一六ということで、特に六十歳以上の雇用情勢が厳しいわけでございます。 それに対しまして、労働省としては従来より定年延長の促進等に取り組んできているところでございますが、この定年の状況につきましては、平成四年の状況を見てみますと、六十歳以上定年制企業の割合は七六・六%ということで、決定あるいは予定をしている企業を含めますと九〇・二%ということで、六十歳定年はおおむね定着しつつあるというふうに考えているところでございます。 また、定年後の勤務延長制度または再雇用制度につきましては、下の図一にございますように、定年制のある企業のうち七六・八%の企業において実施されているわけでございますが、下の二回にございますように、希望者全員が六十五歳まで働くことができる継続雇用制度を有している企業の割合は二一・八%とかなり少ない状況にあるわけでございます。 下の図は、念のため簡単に御説明しますと、六十五歳以上の定年制をとっている企業と六十から六十四歳までの定年企業のうち、六十五歳までの継続雇用制度を持っていてかつ全員を対象とするものということで絞り込んでいきますと、推計として二一・八%になっているということでございます。 それに対します施策について御説明申し上げます。二ページ目でございますが、本格的な高齢化社会の到来を迎えて、豊かで活力ある社会を維持していくためには、高齢者の高い就業意欲にこたえ、長年培ってきた知識、経験等を生かして働くことのできる場を確保していくことが必要であるということで、具体的には六十五歳までの雇用就業機会の増大が極めて重要な政策課題だというふうに思っております。このため、高年齢者雇用安定法に基づきまして平成二年十二月に策定しました高年齢者等職業安定対策基本方針に沿って、まず第一に六十歳定年の平成五年度完全定着、第二に継続雇用制度の普及による六十五歳までの雇用機会の顕著な増加を目標に総合的な対策を推進しているところでございます。 さらに施策の具体的内容を申し上げますと、そこに書いてございますように三つの柱で施策を行っております。第一が六十歳定年を基盤とした六十五歳までの継続雇用の推進、二番目が再就職を希望する高年齢者の早期再就職の促進、三番目が定年退職後等における臨時・短期的な就業の場の確保でございます。 第一の六十歳定年を基盤とした六十五歳までの継続雇用の推進でございますが、これにつきましては長寿社会雇用問題懇話会等を開催いたしまして、高年齢者雇用のための国民的なコンセンサスの形成を図っていく。それから、六十歳定年の完全定着につきましては、高年齢者雇用安定法の中に、定年の定めをする場合は六十歳を下回らないように努めるものとするという努力義務規定がございます。また、同じく高年齢者雇用安定法には定年の引き上げの要請、必要がある場合の定年の引き上げに関する計画作成命令等の規定がございまして、その規定を踏まえて公共職業安定所等を通じて強力な定年延長指導を実施しているところでございます。 またさらに、六十五歳までの継続雇用の推進ということで、これも高年齢者雇用安定法の、定年に達した者が再雇用を希望するときは六十五歳まで雇用するように努めなければならないという規 定に基づきまして種々の啓発指導を実施しているわけでございますが、特に今年度からは、六十五歳継続雇用地域推進事業ということで、都道府県を通じまして地域の経済団体において六十五歳までの継続雇用の推進に向けて具体的な取り組みを行ってもらう事業、そういった事業を通じまして啓発指導を実施しているところでございます。 また、財団法人高年齢者雇用開発協会におきまして個別企業に対する相談援助等を実施しているわけでございます。六十五歳までの継続雇用を進めるに当たっては、労働時間でございますとか、賃金でございますとか、職場環境でございますとか、そういったものの見直しなどの条件整備が重要でございます。そこで、高年齢者雇用アドバイザー、継続雇用推進インストラクターといった方による高年齢者の専門的な相談を実施したり、総合的雇用環境整備事業と書いてございますが、これは企業における高齢者雇用の阻害要因を把握し診断を行うというシステムを開発しようというものでございます。略称アクセス65推進事業と言っておりますが、こういうものを実施しているわけでございます。 これらの指導等に当たりましては、そこに書いてございますような種々の助成措置を活用するということで、継続雇用制度導入奨励金、高年齢者多数雇用奨励金、高年齢者多数雇用特別奨励金等々の奨励金あるいは融資制度、こういうものを活用して進めているところでございます。 また二番目の柱として、早期再就職の促進でございますが、安定所におきまして離職された高年齢者のニーズを踏まえたきめ細かな職業紹介を実施するとともに、特定求職者雇用開発助成金、これは安定所を通じまして雇用した事業主に対して賃金助成を行うものですが、こういう助成金の活用も図りながら再就職の促進に努めているというところでございます。 三番目の柱でございますが、これはその中心は地域社会に密着した臨時・短期的な仕事、例えば清掃、駐車場の管理、あて名書き等多様にございますが、そういう仕事を会員に提供するシルバー人材センター、このシルバー人材センター事業に対する助成援助の実施。具体的には、地方公共団体が運営費助成を行う場合にその補助を行っております。このシルバー人材センター事業も確実に行っております。平成四年度末で団体数は六百四十団体、会員数は約二十七万人に達しております。 次に、介護関係について申し上げますが、1の介護休業制度の普及促進につきましては後ほどまた御説明することとしまして、二番目のマンパワーの確保につきまして御説明を申し上げます。 まず、背景でございますが、そこにございますように寝たきり老人数あるいは在宅痴呆性老人数が増大いたします。そのため、必要となる介護・看護労働力につきましては、例えば寮母・看護職員が平成二年から十一年度に新たに十一万人必要だ。とか、ホームヘルパーが新たに七万人必要になる、看護職員も十二年度までに新たに三十三万人必要になるというような見通しが立てられております。 それに対しまして、これら看護・介護に携わる人材の確保が緊急の課題になっておりまして、労働省といたしましては、昨年制定されました介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律あるいは看護婦等の人材確保の促進に関する法律に基づき、以下に書いたような施策を推進しているところでございます。 まず、看護婦関係でございますが、看護婦等確保促進の措置に関する基本指針を策定いたしまして、看護・介護分野の労働力確保の拠点となる公共職業安定所を各都道府県に一カ所福祉重点公共職業安定所として指定しまして、専門的な職業紹介あるいは潜在的な看護婦等の登録などを行うこととしております。平成四年度十一カ所、五年度十一カ所指定を予定しております。また、看護婦等雇用管理研修助成金ということで雇用管理の責任者が研修を受ける場合の費用を助成する等を行っております。 次に、介護労働関係でございますが、これにつきましても介護雇用管理改善等計画を策定するとともに、例えば特定事業主の、これは有料老人ホーム等の介護サービス業の事業主でございますが、その策定しました雇用管理改善計画を知事が認定しまして、この認定事業主に対しまして介護労働者福祉施設助成金の支給等の援助を行っております。あるいは公共職業訓練施設における介護訓練科の増設なども行っているわけでございます。 また、次のページに参りまして、介護労働安定センターということで、介護労働者の福祉の増進に関する支援機関として指定しまして、介護労働者の福祉の増進を図るための援助事業、具体的には民営職業紹介所を通じて働くいわゆる家政婦さん等の病気とか負傷に対しての援助を行うための事業、あるいは介護労働者の雇用管理研修助成金であるとか、あるいはさっき述べてまいりました介護労働者福祉施設助成金、そういったものの給付金の支給を行う、あるいはその下にございます介護労働者の求人がある場合に職業紹介事業者を紹介するといいますか、それに関する情報提供をするといった事業を行ってもらっているわけでございます。 最後に、雇用促進事業団に基金を設けまして、その運用益をもとに職業紹介事業者が福祉施設をつくるような場合の借入金の債務保証を行ったり、先ほどの福祉援助事業についての運営助成を行ったりしているわけでございます。 私からは以上でございます。
○会長(鈴木省吾君) 引き続き、労働省征矢官房審議官。
○政府委員(征矢紀臣君) 資料三ページの上段、介護休業制度の関係につきまして御説明を申し上げます。 高齢化の進展あるいは介護を要する老人の方の増加という状況の中で、家族の介護を行う労働者にとりましてこの介護が職業生活にとって大変大きな問題となっているのは御承知のとおりでございます。そういう中で介護休業制度の普及状況につきましては、徐々に増加はしておりますけれども平成二年度で見まして普及率が一三・七%ということでございまして、事業所規模別に見ますと、これは大企業の方が大きいわけでございますけれども、五百人以上の規模の事業所で見ましても二〇%程度というような現状でございます。そういう状況でございますので、介護休業制度を一層促進するためにその具体的なあり方を示すことが重要であるというような考え方から、昨年七月に介護休業制度等に関するガイドラインを策定いたしまして、それに基づいて周知徹底、指導を行っているという状況であります。 ガイドラインの概要につきましては、介護の定義としましては、家庭での医療・療養上の世話等直接的介護のほかに、入退院の手続等も含め幅広く考える。この制度としましては男女労働者を対象とすること、あるいは最低限、配偶者、本人の父母、子供、配偶者の父母を対象要介護者とすること、あるいは期間を設定する場合には少なくとも三カ月とすること、回数は要介護者一人につき一回は確保すること、それから勤務時間の短縮等の措置を講ずることというような内容のガイドラインでございます。 これの普及促進を図っているところでございますが、そのほかに、仕事と介護に関するシンポジウムの開催であるとか、あるいは介護休業制度を普及するための使用者会議の開催、あるいは具体的にどうやってその介護休業制度を導入したらいいかというような研究会、そんなものを予算措置に基づきまして進めていくことにより、介護休業制度の普及促進を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○会長(鈴木省吾君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤江弘一君 それでは、まず文部省に御質問を申し上げたいと思うわけであります。 文部省としては生涯教育ということを対策の重 点として掲げられているわけであります。しかしながら、この内容を見ましたときに、その教育というものが高齢者を対象にしたもの、あるいはそれに重点を置いたものというふうに考えられるわけでありますけれども、若年層に対する教育、これも大切なことではなかろうかと思うわけであります。どんなに立派な施設をつくったとしても、またどんなにたくさんの経費をつぎ込んだとしても、やはり私は基本的には心というものが大切だと思います。 その心というのは何か。高齢者に対する思いやり、そしてまた尊敬の気持ち、そして父母に対する敬愛の気持ちだと思います。こういうことが欠ければ私は長寿社会というものがうまく機能するとは思えません。もちろんこれは学校教育だけではない、青少年対策としてあるいは社会教育としてもっと広い社会問題としてとらえ対応しなければならない分野もあるでしょう。しかし、私は何よりも基本は学校教育だと思うわけであります。 そこで、一体文部省はこのことについてどのようにお考えなのか。先ほどもお話がございましたけれども、確かに学習指導要領の中では、小学校、中学校において祖父母を敬愛するということが掲げられております。ならば、具体的にどういうことをやっておられるのか、教科書にそのようなことが書かれておるのか。これはかってのことであるかもしれませんが、親孝行という言葉を使うことが忌避されたという事実があったことも想起されるところであります。 先般、調査会として皆様とともに山口あかり園を視察いたしました。そのときに、廊下に張り出されておりました紙、これは教育勅語です。その管理者の言われるのには、どんなにぼけた老人の方々でも教育勅語は皆さん暗記をされる、こういうことを言っておられました。確かに教育勅語の功罪についてはいろいろと論議されているところだとは思いますけれども、しかし私どもの少年時代にはやはり重要な生活規範であったと思います。ある意味で教育勅語は、勅語ということを捨象すれば普遍の道徳律と言ってもいいような部分があるでしょう。そのような勅語の中身を私どもは行動規範としてきたわけでありますが、今の青少年の中にはそういう行動規範的なものが一体あるのでしょうか。そして、文部省は何を指導しようと考えておられるのか、このことについてまずお伺いをしたいと思うわけであります。 第二点といたしまして、先ほども政府委員の方が高齢者のためのスポーツの場というものがないということをおっしゃいました。そこで学校などの施設を開放している、こういうことであります。確かに私は一つの立派な御選択であったと思いますが、しかし例えば夜間の学校施設の開放等は社会人の方々の利用がほとんどで、高齢者のためということではないんではないでしょうか。むしろ高齢者は、もし仮に希望したとしてもはじき出されてしまう、あるいは夜間のスポーツというものは老人になじまないということも言えるでありましょう。 そこで、高齢者が多くなるということは逆に言えば若年者が少なくなる、児童も少なくなる、これはもう現実の趨勢であろうかと思うわけでありまして、それならば学校施設に余裕が生じている、私はこのように考えます。したがいまして、そのような学校施設というもの、余裕の生じた施設というものを何か老人のためのスポーツの施設として専ら供用するというふうなことも考えていいのではないだろうか。ただ、もっとも、専らと申し上げましたけれども、老人の側からいえば、高齢者の側からいえば、青少年の方々との交流というものがより生きがいを感じさせるということもこれも事実でありましょう。 そのような意味からいいましても、そういう条件も充足しながら高齢者のためのスポーツ施設というものをぜひ積極的に設けることをお考えいただきたいと思うわけであります。 文部省に対しましては以上でございます。
○説明員(銭谷眞美君) 先生お尋ねのまず第一点の方から御説明をさせていただきたいと存じます。 ただいま先生御指摘のように、高齢化社会を迎える中で、学校教育におきましても小さいころから人間尊重あるいは人間愛の精神というものを培うことを根底に据えまして、福祉や社会保障制度について正しい理解を深め、望ましい態度の育成を図るということは極めて重要なことと考えております。このため、子供たちの発達段階に応じまして、社会科、家庭科、道徳などを中心に各教科、道徳の特質を踏まえまして、学校教育の中で福祉の重要性や思いやりの心、高齢者や父母に対する敬愛の念を育てるということなどについて指導することとしております。特に小学校では平成四年度から、中学校では平成五年度から実施をいたしております新しい学習指導要領におきましては、高齢化社会の進展など社会の変化を踏まえまして、豊かな心を持ちたくましく生きる人間の育成を図るということを改訂の方針の一つとして教育内容の改訂を行ったところでございます。 若干具体的に御説明を申し上げますと、小中学校の場合、例えば週に一時間ございます道徳の時間において、高齢者や親に対する尊敬と感謝の念を育てる指導の充実について特に配慮をすることといたしておりまして、指導内容として、身近にいる高齢者に温かい心で接し親切にすることや、父母、祖父母を敬愛し家族みんなで明るく楽しい家庭をつくるように努めるといったような指導事項を、低学年、中学年、高学年それぞれにわたりまして示して実践をいただいているところでございます。また、社会科におきましては、例えば中学校社会科の公民的分野におきまして、新たに国民生活と福祉について我が国における高齢化などの社会の変化と関連させて指導するように留意をしているところでございます。 こういった学習指導要領に示します内容が各学校におかれまして実際に実践されなければならないわけでございますので、文部省といたしましては、指導資料の作成あるいは研究推進校の指定といったような事業を通しまして、これらの教育の充実を図っているところでございます。また、特に今回の学習指導要領におきましては、特別活動という領域におきまして奉仕的活動というものを明示いたしまして、子供たちが具体的な奉仕活動の実践を通しまして社会奉仕の精神を養うというところを強調し実践していただいているところでございます。 今後とも子供たちに対しまして敬老精神や親を敬愛する気持ちを涵養することは大切なことでございますので、これらの充実に一層努めてまいりたいと考えているところでございます。
○説明員(石川明君) 先生お尋ねの二番目のスポーツ関係の御質問について御説明を申し上げたいと存じます。 高齢者のスポーツの振興を図るためには、生涯学習局長の方からも御説明申し上げましたように、身近な場所に使いやすいスポーツ施設が整備されているということが望ましいわけでございまして、高齢者の方々の生活圏域内に必ずあります身近な学校体育施設といったものの開放が特に重要であると認識しているところでございます。このため文部省におきましては、地域住民の方々の利用に資するように、夜間照明施設でありますとかあるいはクラブハウス等の整備事業、それから通年利用が可能な屋内温水プールの整備に対しまして助成措置等を講じているところでございます。また、開放に係ります施設の管理あるいは利用者の安全確保と指導に当たる管理指導員への謝金、そういったものに対する補助も行っておるところでございます。これらの結果、学校体育施設の開放は年を追って進んでおりまして、平成元年の調査では、公立小中高等学校の運動場と体育館につきましてそれぞれ八〇%を超える率になっておるわけでございます。 一方で、高齢者の方々が運動、スポーツを行う場所が一体どんなふうな状況になっているのかといったようなことがあるわけでございますけれども、平成四年に文部省の方でアンケート調査を実施しておりまして、これによりますと、六十歳以 上の方ではやはり家の中とか庭、公園、広場といったところがその場所としては多いようでございまして、必ずしも学校の施設を利用していらっしゃる方というのは先生の御指摘にもありましたように多くはないという状況が見受けられます。高齢者の方々は、ウオーキングとか体操のような種目を御自分で実施されるという形態が多いといったようなことにも起因するのかなというふうには考えておりますが、いずれにいたしましても、高齢者のためのスポーツ教室といったようなものを学校体育施設を利用してやっている市町村もかなりあるようでございます。 また、私ども文部省では、平成四年度から全国にスポーツ活動推進地域、これはただいま十六カ所ぐらいでございますけれども、こんなようなものも設けまして学校と地域社会が連携をしたスポーツ活動のあり方あるいは施設の連携、効率的な利用等、そんなことにつきましても先進的な研究活動を実施しておるところでございまして、高齢者を含めまして学校体育施設の一層の積極的利用に取り組んでいるところでございます。 こういったことを進めまして、今後とも身近なスポーツ施設であります学校体育施設の開放と条件整備を進めさせていただきまして、高齢者の方々によるより積極的な利用を呼びかけるといったようなことを通じまして、高齢者のスポーツの振興にさらに一生懸命努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○藤江弘一君 ありがとうございました。 私ども、在宅介護というものにだんだんと重点が移行しているというお話も聞いているわけでありますが、やはりその基本には今の高齢者あるいは御両親、祖父母に対する敬愛の気持ちというものがなければ受け入れる素地がないと言ってもよろしいかと思うわけでありまして、その点文部省、さらに頑張っていただくように御期待を申し上げたいと思います。 また、スポーツ施設につきまして実は今御説明があったわけですが、これは先ほども申しましたように社会人に対する開放ということで、必ずしも高齢者にとって事実上開放されているかどうかということはよくわからないわけでありまして、その点高齢者の枠あるいは時間枠を設定するというようなこともぜひお考えいただきたい、このことをお願いしたいと思うわけであります。 そこで、次に労働省にお尋ねいたしたいと思います。今まで御説明いただいたことやあるいは長寿社会対策大綱等に掲げられている項目等を拝見いたしますと、高齢者の就業というものについて、高齢者に適した仕事を拡大するあるいはその機会をできるだけつくるということに重点が指向されているように思うわけであります。しかし一方、高齢化の進行によりまして我が国の就業構造、あるいは年齢構造と言ってもいいでしょう、これが大きく変わってまいるわけであります。しかも、一定の傾向線をもって変わるわけではない、いろいろを言うなれば攪乱的な要因があるわけであります。例えば、その一つとしては団塊の問題がありますでしょう。今ちょうど第三の団塊に入っているところであります。そういう意味でところどころに大きなこぶがある、したがってそれをコンスタントにどうとらえていくか非常に問題のところであろうかと思います。 またもう一つは、就労の問題というのは言うまでもなく景気に左右されがちであることも、これも事実でありましょう。最近の労務行政研究所の調査によりますと、これは御承知だと思いますけれども、早期退職優遇制度というものが六〇%に近い企業で採用され、かつまたそれがふえつつあるというふうな認識もあるわけでありまして、そのような景気動向というものに左右されない形で高齢者対策というものはどうしても考えていただかなければいけない。 したがって、私が今申し上げましたことは、今のそういう就業構造の見通し、一定水準の今の日本の経済力というものを維持するためには、どうしても高年齢者の労働力というものを吸収しなければならないというのは、これは客観的な事実でありましょうから、その点の短期的あるいは長期的な見通しというもの、そしてまた対応の仕方といたしましては、今の賃金体系等を含めました労働慣行なりあるいは会社側のルールといったものを見直していく、あるいは新しいものを構築していくという、こういうことも必要でありましょう。そのような見通しと対策の両面につきましての御説明をいただきたいと思うわけであります。もとより、このことはただ労働省だけの専管ではないかもしれませんが、労働省としてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。 以上でございます。
○政府委員(坂根俊孝君) 先ほど申し上げましたように、二十一世紀初頭には労働力人口の四人に一人が五十五歳以上の高齢者になるということが見込まれておりますが、他方、申し上げませんでしたが、二十一世紀に入りますと若年、中年層がいずれも減少するということで、労働力人口そのものが絶対的に減少するということが予想されているわけでございます。 そうした中で、先生がおっしゃいますように、活力ある経済社会を維持していくためには、高齢者が長年にわたって蓄えてきました知識であるとか技能であるとか経験であるとか、そういうものを生かして貴重な人材として活用が図れるように、その場合に、特定の職種とかそういうことでなくて広く活用が図れるようにしていくことが重要であるというふうに考えております。 労働省としまして、このような観点から六十五歳までの継続雇用の推進でございますとか、早期再就職の促進であるとかの施策を講じてきたわけでございますが、今後ともこれらの施策の一層の充実に努めていきたいというふうに考えております。六十五歳までの継続雇用につきましては、特に力を入れてやっていきたいというふうに考えております。
○藤江弘一君 時間がないので以上で切り上げさせていただきますけれども、実は通産省に対しましてもう一つ御質問を申し上げていたところであります。 それは、福祉機器ということで非常に厚生省の所管と重複する、クロスする部分があるわけでありまして、その点についての調整を一体どうおとりになるのか。新しい法律ができたとおっしゃるけれども、実際の調整というものをどういうふうにお考えだろうか。いろいろな問題で重なる部分がある、これはもう行政一般について言われることでありますけれども、各省がそれぞれある特定の行政について権限を広げる、あるいはどうしても権限を放さないというようなことをよく耳にするわけでありますけれども、そういうことであってはならないと思う。したがって、その点についての調整をどうするか。 また、これは今のシルバー機器だけの問題ではありません。例えば、先ほど労働省がお述べになりましたマンパワーの問題についても、厚生省と重なる部分があるわけだと思います。そういう点の調整というものをさらにこれは円滑かつ強力にやっていただきたいというのが私どものお願いであります。 以上で終わらせていただきます。
○栗原君子君 栗原君子でございます。 私は、先ほど説明をいただきました文部省、通産省、労働省に対しまして若干質問をいたしたいと存じます。先ほどの藤江委員とは重なるところもあるかもしれませんけれども、少しまた観点の変わるものもございますので、お願いを申し上げます。 さて、最初に文部省の方にお尋ねを申し上げます。今、小中学校の福祉教育というのは、この間試行錯誤の中で私は進められてきたものと思います。学校での福祉教育は学習指導要領では規定されていないように思います。これから高齢化が進み命の大切さが叫ばれているとき、人の痛みのわかる子供を育てる、私はこれが大変必要になってくる、このように思います。学校での福祉教育というのはどういう状態になっておりますか、お伺いをいたします。 それから、こんな中で子供の数は年ごとに少なくなっているのでございます。学校におきましては空き教室もたくさんできています。全国津々浦々どこに行きましても小中学校というのはあるわけでございますが、この空き教室の活用について私は私の立場でお願いをしたいと思うのでございます。特に都市部におきましては、マンション住まいの方、アパート住まいの高齢者の方もたくさんいらっしゃるわけでございまして、土いじりをしたいけれどもそれもできないという声を私たちも何回も聞いてきたわけでございます。そこで、もっと地域に学校を開放してもらえないものかどうか、これをお尋ねいたします。 その中でデイサービス、これは今厚生省が言っておりますようなああいったデイサービスではなくして、子供たちと地域のお年寄りがそこで交流をしていく、お互いに折り紙教室をしたりとか粘土細工をしたりとか、あるいはまた給食を一緒に食べるのもいいかもしれません、おやつを一緒に食べるのもいいかもしれません、昔話を聞くのもいいかもしれません、花壇にお年寄りと子供たちが一緒に花を育てるのもいいかもしれません、こんな交流をしてもらうことはできないものかどうか、これをお伺い申し上げます。 さて、続きまして通産省にお伺いいたしますけれども、今福祉機器の開発が大変叫ばれておりまして、きのうも私も所属をさせていただいております厚生委員会でこの問題が取り上げられまして、大変結構なことだと全会一致で賛成がなされたわけでございます。私は、今まで機械に人間が振り回されてきたような状況があるわけでございますが、もっと人間が機械を使いこなせるような、そういった人に優しい機械をつくらせることを通産省さんの方で進めていただけないかと思うんです。 ここに四月十五日の毎日新聞の切り抜きを持ってきておりますけれども、この中で、「人にやさしい機械」をということで提言がなされておりまして、「いままでは人間が機械に合わせていたが、これからは機械が人間に合わせてくれる。そんな人にやさしい機械が登場してもよい」のではなかろうかと、こういう提言をなさっておられる方があります。まさにそうだと思うんです。ワープロを使いこなせる人も高齢者の中にはたくさんいらっしゃいますけれども、まだまだ使いこなせないとか、それから、今トイレに行きましてもボタン一つで温かいお湯が出てくる、温風が出てくる、そういうものも登場しておりますけれども、もっともっとそういった人に優しい、そしてだれにでも、障害者でも高齢者でも使いこなせるそういった機器の開発を進めていただきたいと思います。 それから、一つは車いす、そしてまた障害者の人が着用していらっしゃいますいろいろな装具の開発でございますけれども、これは百人いらっしゃれば百人に合ったようなものにしなければなりません、人のものでは間に合わないわけでございますから。そして、これを今までつくっておられるところというのは中小零細企業がほとんどでございました。だから、中小零細企業のこういった福祉の機器をつくっていらっしゃるところに対してもっと助成金を出していくとか、そういった技術を育成していくとか、そのためのお手伝いをする、それが今大変悪くなったと言われております景気回復にも役立つのではなかろうか、私はこのように思いますけれども、通産省さんの方のお考えを伺いたいと存じます。 さて、続きまして労働省さんの方にお伺いをいたしますけれども、今説明を伺わせていただきまして、私はこの中で思いますことは、いかにして六十五歳までの継続雇用を進めていくか、この雇用がまた生きがいにつながる雇用にならなければならないと思います。生きがいにつながる雇用とはどのように皆さんはお考えでいらっしゃるのか、お伺いをいたします。 そして、資料にも示されておりますように、六十歳の定年制を決定しているところが九〇・二%にも達しているということでございますが、実際には五十四歳から五十五歳で肩たたきが行われている、これが実態なんです。これはまだ多くの企業でなされているのが実態でございます。私がおります広島県なんですけれども、近くに大手の自動車工場がございます。ここに働く人は、五十三歳ぐらいになりますとどうしようかどうしようかと大変悩んでいらっしゃるんです。五十五歳でやめると退職金の率がいいのだそうです。だから、五十四、五歳になるとやめていく人も結構いらっしゃるわけでございます。このことをどのようにお考えでいらっしゃるのか、お伺いをいたします。 私は、この前職業安定所に参りまして、六十歳以上の人の求人をしようという企業はどういったところがあるのか、これを調べてまいりました。そういたしますと、百社ありましても十社あるかないかですね、六十歳以上を雇用してもいいという企業は。これが実態なんです。そして、その中でも俗にブルーカラーと言われる人についてはまだ雇用の場があるように思うんです。宿直とか警備とかビルのメンテナンスとか、そういった職種がありますけれども、俗にホワイトカラーと言われる人の職種というのは本当に限られているんです。私が見た中ではほとんどないと言っていい、そういった状況でございました。でも、一部の高級官僚と言われる人は立派なポストで賃金も高く迎えられているというのが実態でございます。この問題、どのようにお考えになるのか、お伺いをいたします。それぞれ御答弁をいただきたいと存じます。 それから、最初に申し上げました文部省の学校開放について、厚生省さんの担当者の方がいらっしゃればこのことについても触れていただきたいと存じます。お願いいたします。
○説明員(河上恭雄君) 学校での福祉教育のあり方についてのお尋ねでございますが、学校教育におきまして福祉について正しい理解を深めるということは大変大切なことでございます。従来から、教科でいいますと社会科とか家庭科、あるいは道徳、特別活動、こういった時間を通じまして、国民の福祉の重要性とか、あるいは高齢者、障害者に対する思いやりの心、あるいは公共のために尽くす心、こういうものを育てることなどにつきまして指導をしてまいりました。 今回、指導要領が改訂されまして、その改訂の方針の一つに、「豊かな心を持ち、たくましく生きる人間の育成を図ること。」というものがございます。その中で、他人を思いやる心や感謝の心、公共のために尽くす心、こういうものを育てることなどを重視しております。さらに高齢化、こういう社会の変化に適切に対応するということから、内容の改善を図っております。 具体的には、中学校の社会科の公民という分野がございますけれども、その中で、国民生活の向上と福祉の増大を図るためには社会保障の充実などが必要であることを理解させるという方針をまず掲げまして、その指導に当たっては、特に新たに高齢化の進展など社会の変化と関連させて指導するように、こういう留意事項が入っているわけでございます。さらに、高等学校では今回新たに家庭科が男女必修になったわけでございますが、そこでも「高齢者の生活と福祉」という項目がございまして、社会福祉のこととかボランティア活動等についての指導が行われるようになっております。 それから、そうした教科のほかに特別活動の時間でございますが、これは大体週一時間ないし二時間やっているわけなんですけれども、その中の学校行事のところで、従来は「勤労・生産的行事」という項目があったのでございますが、これを「勤労生産・奉仕的行事」というふうに改めまして、社会奉仕の精神を養うようにというふうに強調しているわけでございます。さらに、実践的な活動についてモデル的なケースがありましたらこれを全国的に広めようということで、奉仕等体験学習研究推進校というものを各県に指定しまして、そこで行われた研究の成果を私ども冊子にしまして全国の学校に配付をするというようなこともやっているわけでございます。 今後とも、学校教育におきましてこうしたこと に関する教育が一層充実していくように努めてまいりたいと思っております。
○説明員(矢野重典君) 学校施設の利用についてのお尋ねにお答えいたします。 学校施設に余裕教室が生じた場合は、文部省といたしましては、これまで例えば指導方法や学習方法の多様化に対応して多目的スペースやコンピューター教室を設置するなど、まずは学校教育施設としての活用を十分行うように指導してきているところでございます。それらの整備が既に十分図られている場合にありましては、余裕教室を例えば社会教育施設として活用したり、あるいは先ほど御提案がございましたように、子供と高齢者の交流の場として活用するというようなことが考えられるわけでございます。 いずれにいたしましても、それをどのように有効利用するかは、設置者である市町村におきまして当該地域の実情や行政需要等を総合的に勘案して判断されるべきことであると考えているところでございます。
○政府委員(松藤哲夫君) 通産省関連の御質問にお答え申し上げます。 まず第一点の人に優しい機械についての御指摘でございますけれども、これは先生御指摘のとおり、特に福祉機器の開発においては大変重要なポイントであると我々も考えております。工業技術院といたしましては従来からいろいろな福祉機器の研究開発をやってきておりまして、例えばモジュール型の電動車いすなんかを開発する際には、車いすの各部品を標準化、モジュール化することによりまして、このいろんな組み合わせによってそれぞれの利用者に最適な車いすが構成されるような研究開発を既にやってきたところでございますし、また、現在例えばディジタル補聴器というのを開発しておりますけれども、これは利用者一人一人の聴覚特性に基づいた補聴器を利用者に提供できるように鋭意研究開発を行っているところでございます。 それで、先生御指摘のように、最近大変高度な機械がいろいろ出てきておりまして、我々もどうやって使ったらいいかわからぬような機械もたくさんあるわけでございますけれども、人間と機械との接点というのをこれからどう考えていくのかというのは大変深い問題を含んでいると我々は考えています。人間にとってどういう機械が非常に使いやすいのか、あるいは非常に心地いいものなのか、あるいは優しいのか。そういったことは人間の心理とも関連いたしますし、生物的ないろんな研究を必要とする部分もございますし、また電子的な技術も必要でございます。 私どもとしては、平成五年度に新たに福祉機器の基盤技術研究というのを予算要求いたしまして、通産省工業技術院の生命工学工業技術研究所、機械技術研究所、それと電子技術総合研究所から専門家を集めまして、何が人と機械の接点で重要なのか、何が人に優しい機械なのかということを極めて基本的な部分から研究をいたすことにしておりまして、これを数年かけてぜひ実現してまいりたいと考えているところでございます。 それから、第二点の中小零細企業に対する助成の問題でございますけれども、御指摘のように福祉機器というのは極めて多品種少量生産型の産業でございますものですから中小零細企業が大変多うございます。それで、その支援措置といたしましては金融的支援と技術的支援の二つがございますけれども、まず金融的支援につきましては、こうしたメーカーあるいは流通業者に対しまして、一般の中小企業施策に加えまして開銀からの特別の低利融資制度も平成四年度から創設されておりますし、さらにこのたび御提案申し上げております法律によりまして、こうした中小企業が新しい技術を使って製品を開発していく場合に補助金を交付する道も開かれることになっておるわけでございます。 それから、技術的支援といたしましては、多品種少量生産型のものでございますから一方では規格化、標準化ということが非常に大事なわけでございまして、そのために今後とも福祉機器のJIS化をさらに一層進めるつもりでございまして、そのために「くらしとJISセンター」というのをことしから建設することにいたしております。あわせて現代のコンピューター技術を使いましていわば一品種一品生産ができないかということで、今年度から車いすを一つのモデルケースにいたしましてCAD・CAMを利用いたしまして設計から生産を全部一品種一品生産でできるかどうか、これを六年かけて研究することにしております。これが成功いたしますると、ほかの福祉機器につきましてもこうした生産方法が可能になるわけでございまして、中小企業でもこういったコンピューター技術を使うことによって非常に生産の効率を上げるような形で福祉機器の新たな開発、普及に取り組むことができるということでございまして、こうした努力を今後とも一層強めてまいりたいと考えております。
○政府委員(坂根俊孝君) お答えいたします。 まず、高齢者にとってどういう仕事が生きがいのある仕事かというお尋ねでございますが、やはり高齢者の能力、知識、経験を生かして働くことのできる、そういう場が生きがいを感ずることができるという場ではないかと思います。 それから、早期退職制等のお話がございましたが、早期退職制等の問題につきましては労使が十分に話し合っていただいて、本人の意思が十分に尊重されて行い得るということであれば特段問題はないかと思いますが、最近の景気低迷に伴いまして高齢者を対象とした雇用調整ということもあるわけでございます。こういった問題につきましては、労働省としましては高齢者の雇用動向を十分に把握するとともに、高齢者を対象とした雇用調整、特に定年年齢の引き下げであるとか継続雇用年齢の上限の引き下げという形での雇用調整が安易に行われないように事業主に対する指導を強めているところでございまして、現下のような状況にありましても、六十五歳までの継続雇用が滞ることなくさらに進むように最大限の努力を傾けてまいりたいと思っております。 それから、離職した場合にホワイトカラーの仕事が少ないではないかというお尋ねでございましたが、確かにそういうところが一つの課題でございます。私どもとしましては、ホワイトカラー向けの求人開拓を強力に行っているところでございますが、やはり離職しますとどうしても仕事が少ないというのが現状でございますので、そういう意味でも離職を経ない継続雇用の推進ということが重要でございますし、また離職を経ない企業間の異動ということもあり得るわけですが、そういうことも重要だと。 そこで、産業雇用安定センターという公益法人がございますが、そこで労働省も補助を行いながら、これは求人企業と主として中小企業の情報交換といいますか求人企業の情報を中小企業に提供するといった情報提供などを行っているわけですが、そういうことも強力に進めていきたいというふうに考えております。
○説明員(河村博江君) 文部省の福祉教育等に絡みましてお尋ねの趣旨は、今後の高齢化社会に向けて福祉への理解を深めるために学童生徒のボランティア活動、あるいは子供たちの地域のお年寄りなどとの触れ合いとか交流活動、そういったものを積極的に推進すべきではないかというお尋ねだったと思います。 私ども厚生省といたしましても非常にその点は重要なことだと思っておりまして、昭和五十二年度から学童生徒のボランティア活動普及事業を実施いたしておるところでございまして、小学校、中学校、高等学校を協力校として毎年一県当たり八十校程度を選定いたしまして、社会福祉施設への訪問、体験宿泊活動あるいは地域のお年寄りや社会福祉関係団体との交流活動、そういう活動の推進を図ってきておるところでございます。 その推進に当たりましては、実施主体は県の社会福祉協議会でございますけれども、県の教育委員会から協力校の推薦をいただき、教育関係者の方々あるいは福祉関係者の方々との連絡協議の場を設けながら必要な連携を図ってその活動の推進 を図っておるところでございまして、今後ともボランティア活動の振興でありますとか、あるいは福祉教育の推進に当たりましては文部省と必要な連携をとりながらその推進に努めてまいりたいというふうに思っております。
○栗原君子君 時間も参っておりますけれども、最後に私は文部省の方に要望を申し上げたいと思うんです。 これは、私は十七年間地方議会の中にいてずっと悩んできたことなんですけれども、今私たちの町でも空き教室ができたから学童保育をその中でやらせてくれと言ったんです。その学校の中の生徒を預かる学童保育なんです。それでも管理上問題があるからといって地教委はなかなかいい顔をしてくれなくて、結局できなくて地域に児童館をつくる羽目になっちゃったんですけれども、子供でさえもそれなんです。学校開放といいますと体育館とグラウンドしかやっていないのが現実なんですが、もう少しそれを踏み込んで空き教室を開放していく、そしてそこには高齢者が入りやすいためのスロープを設置していく、さまざまなそういった学校の改築といいますか改造といいますか、そういうことも私はお願いをしたいんです。 そして、文部省の大変閉鎖的な地教委の中で、厚生省の関係のそういった高齢者福祉、障害者福祉の問題まで引きずり込んでくれるものかどうか、それが大変私は心配でならないんですけれども、ぜひ努力をしてください。この霞が関で話ができても地域におりたときにはなかなかそれができていない。だけれども、住民にとっては教育委員会の職員であろうとも厚生課の職員であろうとも同じ市役所の職員としか見ていないんです。何であれが一緒にできないんだ、そういう疑問があるわけでございます。 要望として申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○中西珠子君 たった十五分しか時間がないので、まずお聞きしたいことを申し上げます。時間がございましたら、またたくさん御質問したいことはあるのでございますけれども、まず文部省にお伺いします。 文部省が高齢者の学習機会の整備について大変努力されていることは歩といたします。それで、先ほど学校へのアクセスの多様化というところで、社会人の特別選抜制度の導入が平成四年度は三十四大学で実施されているということを御説明になりました。これは私どもが長い間願っていたことでございますが、この三十四大学の都道府県別の分布というのはわかりますでしょうか。東京に集中しているのか、それともいろいろの県に分布していて、高齢者や中高年の人たちが学校でまた学び直すことができるのが容易になりつつあるのかどうか。入学者の数は五百五十八人とおっしゃいましたけれども、これは余り多くないですね。それがまず一点でございます。 それから第二点は、先ほどの御説明の中にもありましたけれども、今学校の公開講座というものが非常に進んでいるということで、全大学の大体八割近くが公開講座を開設しているということだそうでございます。三千百四十七講座というものがあり、約四十二万人が受講している、こういうことだそうですが、その受講料というものは有料、無料の区別がわかりますでしょうか。どのくらいの大学が有料で公開講座を行っているのかということがわかりますかどうか。 その次の点は、先ほど学習内容のテーマということが大切であるという御指摘がございましたが、私も全くそのとおりだと思うんです。社会教育の面で公民館等における高齢者を対象とした講座というものが非常にふえているというのは結構なんです。二万七千六百九十五講座あって、百八十九万人が受講している、受講者の一割は高齢者であるということは大変結構な現象だと思うんですけれども、どういったテーマが一番多いのか、大体多いところを教えていただきたいと思います。 それから、その次でございますが、家庭看護とか福祉とか基礎看護、社会福祉制度などの科目を開設している高校がある、そういう高校は専門教育を行っているというふうな御説明がございましたけれども、そういう高校はどのくらいの比率なんでしょうか。まだ非常に数が少ないのではないかと思うんですけれども、どういう比率でありますか、お教えいただきたいと思います。 それから、労働省にお伺いしたいわけです。先ほどの御説明にもありましたけれども、厚生省などの調査によりますと、介護を要する寝たきり老人の数というのは西暦二〇〇〇年には大体百万人に達すると見込まれております。政府の高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆるゴールドプランのもとでも、介護施設の整備とか介護サービスの充実が図られていくと。こういった前提のもとでも家庭において介護を必要とする老人というものはますます増大すると考えられております。このような状況に対処するために、介護施設や介護サービスの充実と相まって、介護をすべき家族を持つ労働者が雇用を継続しつつ介護を行うことを可能とするような介護休業制度の法制化を求める声も大変最近高まってきております。 先ほど御説明がありましたように、労働省は昨年の七月に介護休業制度に関するガイドラインを作成されましてその制度の普及に努めておられますが、平成三年二月現在の従業員三十人以上の事業所における介護休業制度の普及率は、先ほど御指摘もありましたように一三・七%にすぎません。労働省の大変な御努力にもかかわらず普及率がこのように低い、なかなかその普及率が高くならないというのは、どんな理由があってなかなか進まないとお考えになっているか、これをお伺いしたいと思います。 それから、その普及率が低いというのはどういう理由によるか。いろいろあると思いますけれども、私ども公明党・国民会議は、行政指導による制度の普及には限界があるのではないかと考えまして、労働者の福祉と経済社会の安定を図るためには介護休業制度を法制化する必要が急務であるという認識のもとに、ことし三月十二日に介護休業法案を参議院に提出いたしました。労働省としては介護休業法案をつくる、介護休業を法制化するということはお考えになっていますかどうか、この点もお聞きしたいと思います。
○説明員(小野元之君) 何点か御質問ございました。 まず第一点目の、社会人の特別選抜制度ということで社会人を特別に選抜する大学が三十四大学ある、その県別の分布はどうかということでございます。これはちょっと今手元に資料がないわけでございますが、特定の地域に偏っているということはございません。私どもとしてはできる限りそういった社会人の学習機会を拡充するために大学にもお願いをしているところでございます。後ほど先生の方に資料を差し上げたいと存じます。 それから二点目の公開講座でございますが、これが有料がどうかということでございます。公開講座につきましては、私どもとしては、大学の持っております教育研究機能を地域の生涯学習のために開放していこうということで、その内容の高度化あるいは充実等に今努めておるわけでございます。そういう関係もございまして、一応これについては必要な経費はいただくということで原則として有料で行っているところでございます。 それから三点目の高校についての……
○中西珠子君 もう一つありますよ。高校は後でいいです。一番最後。 社会教育ですね。高齢者向けの講座が大変ふえている。講座がふえていて、そしてまたそれを受講する人がふえているということは大変結構なんですけれども、そのテーマまた学習内容というものが問題ではないか。これをもう少し何とかしなきゃいけないというふうな意味合いのことを先ほど生涯学習局長がおっしゃいましたし、私の方も一体どのようなテーマが一番多いのであろうかということに関心を持っておりますので、お聞きしたんです。それから最後に高校のことを文部省にはお聞きしました。
○説明員(水野豊君) お答え申し上げたいと思い ます。 公民館ではそれぞれの地域の実情に即しまして多様な学級・講座が設けられております。一般的に先ほども少し御説明申し上げましたけれども、高齢者の生涯学習に対する学習ニーズという観点から見ますと、健康、スポーツ、趣味また教養的なもの、社会問題というようなことに非常にウエートが高くなっておるわけでございます。しかしながら、さまざまな社会の変化に対応してより積極的に人生を生きるという観点から考えました場合、今後の日本の社会において必要とされるような学習テーマ、例えばこれは昨年文部省の生涯学習審議会の答申でも御指摘いただいた点でございますけれども、生命、健康、人権、豊かな人間性、さらに地域の連帯や町づくり、交通問題、高齢化社会、男女共同参画型社会、また科学技術や情報の活用、国際理解や国際貢献、人口、環境、資源エネルギー、こういうさまざまな現代的な課題について積極的に公民館の学級・講座の中に取り入れていく必要があるかと思っておるわけでございます。現在、私どもは現代的課題と申しておりますが、そういうものが高齢者教室、高齢者学級などでも積極的に取り入れられるように指導しているところでございます。 また、現実の学級・講座の実施例などを見てまいりますと、やはり郷土の歴史や地域づくりという観点から学んでいたり、また消費者教育や世代間交流というところに焦点を当てたような学習内容がだんだんふえているように感じているわけでございます。 以上でございます。
○説明員(小野元之君) 家庭看護その他についての公開講座の例でございますが、これは高等学校にそういう看護系の学科が置かれているところもございますし、それから専修学校等におきましても看護系の学校もあるわけでございます。 そういったところにもお願いいたしまして、そういう専門的な分野についても、地域の高齢者の方々を含めてそういう公開講座等が充実できるように指導しているところでございます。
○中西珠子君 この見出しが高等学校になっていますでしょう。高等学校においてこういった科目が開設される、こう書いてあるわけです。ですから、そういった高等学校が果たしてどのくらいあるのかと思ったわけです。
○説明員(水野豊君) 職業高校の中に、ここに書いてございますような家庭科でございますとか衛生看護科とか福祉科という学科が置かれております。 ちょっと手元にデータがなくて恐縮でございますけれども、家庭科の中では福祉や介護といういわゆる科目として取り入れる例が最近特にふえております。また、衛生看護科は准看護婦を主として養成する学科でございまして、これは従来からあるものでございます。最近、福祉に関する学科というものがふえております。平成四年度現在で二十三校、全国で置かれております。主として介護福祉士の受験資格を得るような教育内容になっているわけでございます。今後職業高校におきましても、こういう高齢化社会を踏まえた福祉の職域に働く若者を育てる教育というものがさらにふえていく必要があるんではないかと私ども感じているところでございます。
○中西珠子君 どうもありがとうございます。 では、労働省お願いします。
○政府委員(征矢紀臣君) 介護休業制度の普及率、これは平成二年度で言いまして一三・七%と低いわけでございます。この低い理由につきましては私ども理由の調査をいたしておりませんので正確には把握いたしておりませんが、一般論として考えられますことは、こういう制度の必要性、これが非常に最近高まってきているわけでございますが、そういう必要性を背景として労使で介護休業制度の実施に向けての取り組み、話し合い、そういうものも最近活発になってきておるわけでございます。 平成二年度時点におきますと、諸般の情勢が必ずしもそういうふうな関心が現在に比べて高いような事態ではなかった。例えば労働組合の動きを見ましても、平成三年の秋の労使交渉で自動車メーカー、あるいは平成四年の春の労使交渉におきまして大手の電機メーカー、この労使が介護休業制度の導入に合意するというような状況も生まれてきております。あるいは一方、経営者団体で、東京商工会議所が平成四年の労働政策に関する提言の中で、介護休業制度の普及等を要望するというような動きが出てきているというような状況でございます。 先生御指摘のように、公明党におきまして、三月十二日に国会に介護休業法案を提出されたことにつきまして、私どもも承知いたしております。これは、公明党におきましてこれまでの検討の成果をまとめられたものと受けとめておりますし、その間に中西先生が大変御努力されたことも承知いたしております。私どもといたしましては、一方ではその普及の実態が一三・七%というような状況、これは極めて重要な課題ではございますけれども、そういうふうな状況でもございます。そういうことから昨年、介護休業制度に関するガイドラインをつくって、当面それに基づいて指導していく、こういうことで今一生懸命努力しているところでございます。 この法制化問題につきましては、これは生活大国五カ年計画の中におきましても検討課題とされているところでございまして、私どもとしましては、まずこのガイドラインに基づく普及促進に努力をしながら、今後の検討課題として認識いたしているところでございます。
○中西珠子君 とにかく、こういう制度が必要なことは確かでございますし、アメリカでも、御承知のように、ファミリー・アンド・メディカルケア・リーブ・ローという法律がクリントン政権の第一の仕事として通りました。だから、日本も負けていられませんから、どうぞよろしく頑張っていただきたいと思います。 それから最後に一つ。非常にいろいろ御努力をなすったにもかかわらず、平成四年度の六十歳-六十四歳の完全失業率が三・七%、有効求人倍率は〇・一六倍、これは不況のせいもあると思いますが、通産省の産業労働問題懇談会の平成三年五月の報告書の中に、いろいろ労働省の方で一生懸命なすっているのにそれを高く評価していないようなコメントというか項目があるわけです。例えば、「意欲や能力のある高齢者を活用するための就職情報の流通が十分進まず、企業と高齢者の労働力需給がうまく合致していかない。」と、そういうふうな表現もありますし、そのほかいろいろあるわけです。こういう産業労働問題懇談会の報告書などが出てきましたときには通産省は労働省と協力なすって、そしてまたこれは労働省の所管でございますから、労働省の方はそういった報告書の提言なども考慮に入れて、そして高齢者の職業指導、職業紹介というふうなこともなすっているんでしょうか。 私は、各省庁が有機的な連携を保ってセクショナリズムを越えてやっていただかないと、高齢化はどんどん進みますので、とてもじゃないけれども間に合わないんじゃないかと大変心配しているわけでございますが、いかがでしょうか。
○政府委員(江崎格君) 高齢化社会への対応の問題というのは、私どもだけではもちろん対応できない問題でございまして、政府全体で取り組む必要があると思っておりまして、この高齢者問題につきましても折に触れまして労働省とこれからも接触をして意思疎通を図ってまいりたい、このように思っております。
○中西珠子君 労働省はいかがですか。
○政府委員(坂根俊孝君) この懇談会の具体的な報告書について事前に一々協議したわけではございませんが、先ほどの部分につきましては、高齢者の雇用が進まないことの理由として、高齢者の情報なり求人の情報なりが十分に行き届いていないという面はあろうかと思いますが、それが主たる理由というよりはむしろ雇用の場そのものが少ないというのが基本的な問題だと思います。 いずれにしましても、情報は十分にあった方が いいことはもちろんでございますので、労働省としても努力していきたいというふうに思っております。
○中西珠子君 ありがとうございました。終わります。
○鈴木栄治君 よろしくお願いします。 五つ質問を考えてきたのでございますが、目玉の四つを諸先輩方、諸先生が全部質問なさったので一つしか残っていないので、簡単でございますが質問させていただきます。 我が国の高齢化は、二十一世紀に入るまでさらに加速されまして超高齢化社会を迎えると言われております。そしてまた、二十一世紀まで十年もない中でございます。制度や政策の再構築を急がなければならないんではないかなと私は思うのでございます。しかし、現状といいますと、行政側が受給資格者を選別して供給すべきサービスをも決定する制度が維持されているわけでございます。特に高齢者に対する福祉は、本来これは家族が面倒を見るのは当たり前である、また何らかの理由で家族の介護が受けられない人だけを選別して保護すればよいという考え方が根本にあると思います。いや、私はそれでいいと思います。しかし、時代の変化といいますか、今までそれで何とかなってきたと私は思うんです。 先ほど藤江先生がおっしゃいましたが、昔の教育の中で、「父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ」という、そういう人間的教育をしっかりしてきた時代はよかったんです。ところが、どんどん教育、時代が変わってまいりました。若者の考え方、価値観が非常に変化しつつあるきょうこのごろでございます。ということは、これからは家族の扶養機能が着実に低下するのはこれは明らかである。将来二〇〇二年には六十五歳以上の高齢人口比率が世界で最初の二〇%台となり、二〇二五年には二五・八%に達すると言われているんです。このように、これからは高齢者の面倒を見る若者の意識、考え方が非常に変化しつつある現在において、現行の行政または考え方では対応が難しいんではないか、これは考え方を変えていかなきゃいけないんじゃないかと私は考えるのでございますが、各省のお考えをお聞かせ願いたいと思います。よろしくお願いいたします。 文部省の方からお願いいたします。
○説明員(河上恭雄君) 御指摘のように、これからの社会を担っていく子供たちに対する教育につきましては、豊かな心を持ち、たくましく生きる人間の育成を図るということが大変大切だと思います。そのために、他人を思いやる心とか、感謝の心とか、公共のために尽くす心とか、他に奉仕する心とか、そういったものに配慮した教育というものが必要だと思います。特に最近の子供たち、生活経験というものが非常に希薄化しております。体験を通して勤労のとうとさとか奉仕の心、そういうものを育てるということが特に大切だというふうに思っております。 指導要領が改訂されまして、例えば中学校で申しますとこの四月から実施されているわけでございまして、まさにこれからの社会を担う子供たちのための教育が今始まったわけでございます。その指導要領の中で、社会奉仕の精神の涵養とか、あるいは公共の福祉と社会の発展に尽くそうとする態度を育成するということを重視しまして、教科だけではなくて特別活動等を通じまして知識だけではなくて体験に関する教育も行っているわけでございます。 例えば特別活動というものは週一時間から二時間、年間で申しますと三十五時間から七十時間ぐらいの時間がとられているわけでございます。その中で相当の時間を割きまして地域の実情に応じて各学校で、地域の清掃活動でございますとか老人ホームへの訪問とかさまざまな活動が行われるようになっているわけでございまして、実際にもそういう活動が行われているわけでございます。さらに、昭和六十二年度からは奉仕等体験学習研究推進校というものを設けまして、その成果を全国の学校に刊行物としまして配付をしてモデル的なケースを学んでもらうというようなことも行っているわけでございます。 そういったことで児童生徒が実際のボランティア活動に取り組むということは大変重要なことでございまして、今後とも教科や特別活動の中で配慮をしてまいりたいというふうに思っております。
○鈴木栄治君 特にそれを指導する先生の教育というのを私はぜひお願いしたい、そのように思っています。 じゃ、済みません、通産省お願いします。
○政府委員(江崎格君) 他に例を見ないスピードで高齢化が進展しているということで、これに適切に対応していくということは非常に重要なわけでございます。特に冒頭に申し上げましたけれども、人々の行動、貯蓄の問題ですとかあるいは消費の問題ですとかあるいは就業のあり方、こうした行動が高齢化が進展しますと社会全体で相当異なってきて、これが産業構造とかあるいは社会経済構造に非常に大きな影響を及ぼすわけですから、私どもはその問題に非常に重大な関心を持っております。 実は、平成二年に既に九〇年代の通産政策のビジョンというのを私どもにございます産業構造審議会で提言をいただきまして、その中でゆとりと豊かさのある生活の実現を重点的な課題として提言されておりまして、高齢者が社会参加によって自己実現の機会を持って、安心して生きがいのある生活を送ることができるような社会の実現を産業政策としても目指すべきであるということを提言されております。 そうした考え方に基づきまして私どもとしては、高齢者の肉体的機能の低下を補う使いやすい機器の開発、普及ですとか、あるいは高齢者の雇用・就業環境の整備の問題、それから余暇活動あるいは生涯学習等の諸活動の支援、さらには情報処理システムを使いました円熟化社会の実現、こういったようなことに取り組んでおります。中にはもちろん私どもだけではできない、他省と一緒になってやるというものもございますが、こうした制度面あるいは機器開発等を通じまして一層の高齢者対策をこれからも進めてまいりたい、このように思っております。
○政府委員(坂根俊孝君) 高齢化が進展いたしまして、高齢者に働く場がないということになりますとその高齢者は被扶養者になるわけでございまして、そういうことになりますと、現役世代といいますか、そういう層の負担というのは非常に大きくなるわけでございまして、そういう意味でも高齢者の特に六十歳以降の雇用の促進ということが重要だということで考えておりまして、労働省としてはそういうことを中心に対応していきたいというふうに考えております。
○鈴木栄治君 ありがとうございました。終わります。
○会長(鈴木省吾君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ―――――・――――― 午後一時開会
○会長(鈴木省吾君) ただいまから国民生活に関する調査会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国民生活に関する調査を議題とし、本格的高齢社会への対応に関する件のうち高齢化の現状と今後の課題について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○有働正治君 六十歳以上の定年制企業の割合が約七七%など、労働省としての高齢化社会への対応が強調されました。私は、いわば形式とともにその内容、内実が今問われているんではないかということで考えているわけであります。 具体的に申しますと、民間の大手企業、大企業を先頭に、労働者は定年を迎えるはるか前の四十歳代から配転、出向、移籍、選択定年制などによる雇用不安にさらされている状況であります。そして、五十歳代になりますと賃金の頭打ち、切り下 げと退職金の削減を押しつけられる。定年になりますと、継続雇用になった場合でさえも年間賃金は半分以下に急減し、相対的に労働条件は賃金とのかかわりでは何倍も過酷になるという状況があるわけであります。こうした実情が事実上行政当局によって容認され、常識化さえしていることがあるわけで、それ自体雇用不安、精神的な不安定等々、老齢化をも加速させかねない状況にあるんではないかと考えるわけです。 こうした状況を労働省としてどう掌握して、どう見ておられるのか、簡潔にお述べいただければ。
○政府委員(坂根俊孝君) 御指摘のように、定年前に五十五歳前後ぐらいを一つの節目として出向などが行われたり、あるいは一定年齢以降賃金が頭打ちになる傾向があるということは私ども承知しております。 しかしながら、個別企業におけるこのような賃金とかその他の人事管理制度につきましては、基本的には労使の話し合いによって決定さるべきものだというふうに考えております。 いずれにしましても、労働省としましては、今後ともそのような実態につきましてはできる限り詳しく把握するとともに、問題があれば必要な援助であるとかあるいは指導、そういうものを行っていきたいというふうに考えております。
○有働正治君 私は、野放しに事実上されているという状況にあることを問題にしたいと思うんであります。事態は極めて深刻だと、とりわけ今日の不況下の中で深刻さをきわめているという状況があると考えるわけであります。 一、二例を申しますと、とりわけ中高年労働者への対応あるいは攻撃が寄せられているという状況にあるわけであります。例えば、TDKで見ますと、五十歳以上の管理職九百五十人のうち約五十人を対象に六十歳まで自宅待機の状況にあります。三洋電機は、五十歳以上の四千人を対象に三つの選択肢で選択定年制が設けられている。宇部興産の場合、五十歳以上の管理職八百人を対象に早期希望退職を募る。NTTは、中堅社員を対象に一時金つき早期退職制度を実施していますし、日本IBMは、五十歳以上の社員に七つ以上の選択肢プログラムを示して第二の人生の選択を呼びかけるという状況があります。 この中の、例えばNTTで見ますと、今までは六十歳以上でも勤務していましたけれども、ことしから六十歳定年となりました。三十五歳からライフプラン研修を実施して、転職制度、これは四十五歳で四百五十万の転職援助金が出るようでありますが、これを活用した転職が奨励されている状況であります。五十歳代で研修を受けた人は六十まで頑張ろうと思った人がおられることも事実のようであります。同時に、ことしは全国で転職制度を活用して二千程度の退職が出て当局が慌てるという事態も起きているわけであります。また、例えばNKKで見ますと、九五年度までにホワイトカラー労働者を含む一千人を削減して、ホワイトカラー労働者も現場に配置する。川鉄で見ますと、九五年度末までにホワイトカラーの二割に当たる四百から五百人を削減するという状況が生まれています。 例を挙げれば切りがありませんけれども、特徴的なことは、今回の不況対策がこれまで余り手をつけられなかったいわゆるホワイトカラー層、管理職層への攻撃として出てきているというのが一つの大きな特徴で、そこに不安が増大している状況があるわけであります。そこでは中高年齢層が一つの大きないわば対象となっているわけで、高齢化社会以前にこの問題への対応が求められるという極めて重大な状況が生まれていると私は考えているわけであります。 この点どう対応されるか。企業として働かせるだけ働かせて後は、不況になれば、あるいは企業の都合でそういう一方的な対応を迫るということは、企業としての社会的責任が私は根本的に問われる問題だという立場からこの問題を取り上げるわけでありますが、どのように対応されるんでありましょうか。
○政府委員(坂根俊孝君) 先ほども申し上げましたけれども、最近の景気低迷に伴いましていろいろ雇用調整の動きがありまして、その中でホワイトカラーを中心といいますか、ホワイトカラーの中高年齢者を対象にした雇用調整の動きも報道などされているわけでございます。 この問題についてどう考えるかということでございますが、労働省としましては、まず動向をできるだけ詳しく正確に把握するということで、都道府県あるいは全国の公共職業安定所を通じまして状況を把握いたしまして、高年齢者につきましては一たん離職いたしますとなかなか雇用につくということが困難な場合が多いわけでございますので、高齢者を対象とした雇用調整、特に私どもが進めております定年の延長であるとか継続雇用の促進という流れに反するような、定年年齢の引き下げであるとか継続雇用の年齢の上限の引き下げ、そういうことによる雇用調整、そういうものは特に問題だということで、全体として安易な雇用調整が行われないように、事業主に対して場合によっては個別にも指導をするということで対応していきたいというふうに考えております。 また、特にホワイトカラー労働者の雇用機会が少ないといいますか、そういう問題につきましては、最近の総合景気対策の中でも、ホワイトカラー労働者の専門知識、技術を生かして働ける場を提供していくように、情報の収集あるいは提供、そういった機能を強化していくという措置を盛り込むこととしているところでございます。
○有働正治君 積極的な施策が求められます。 幾つかの点を具体的にお尋ねします。高齢者の意思と能力に合った雇用を保障するということは、政府として大きな義務があると考えます。そのための対策というのは多面的な施策が必要であることは当然でありますが、一つは定年の延長の問題です。それも内実が伴うものでなければならないというのは、今申しました事例からも明白であります。 第一は六十歳定年制の確立でありますが、内実を伴いつつ、これを努力義務規定でなくもっと規制力のあるものに改正して促進が図られる必要がある、六十五歳までの延長も同様の立場からの促進が求められると考えるわけでありますが、これについての見解。 そして、早期退職優遇制、これをいわば悪用した退職の強要や本人の意思を無視した出向などが行われているわけで、これについても有効な規制を講じなければならないと考えるわけでありますが、簡潔にお述べください。
○政府委員(坂根俊孝君) まず、六十歳定年制の問題でございますが、現在高年齢者雇用安定法におきましては、事業主の自主的な努力によって進めるという観点から六十歳定年の努力義務を課しているわけでございまして、それに加えまして定年引き上げの要請等の行政措置も規定されておりまして、これを活用して進めているところでございます。その結果、先ほども御説明しましたように予定企業も含めますと六十歳以上の定年年齢をとっているところが九割を超えてきているわけで、着実に定着しつつあるというふうに思っておりますが、今後とも、六十歳定年については、その完全定着に向けて一層強力な指導を行っていきたいというふうに考えております。 早期退職勧奨制度等につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、基本的にはこれは労使の問題で、あと、個々のケースで本人の意思が尊重されるというようなことが大事だと思いますので、何か問題があれば対応していくということで考えていきたいと思っております。
○有働正治君 次に、厚生年金の支給年齢の引き上げの問題とのかかわりでお尋ね申し上げます。 厚生年金の支給開始年齢が現行の六十歳から六十五歳になった場合に、東京など大都市の四割近くの企業が退職年金を延ばす考えのないということが民間の調査機関の調査で発表されました。この調査によりますと、支給開始年齢が六十五歳に繰り延べられた場合に定年を延ばしたいと答えた企業は約六割、しかし、たとえ繰り延べられても定年を変更しないと回答した企業も約四割ありま して、定年延長に対する企業の考えがいわば分かれる形になっているわけであります。 この年金支給の問題について今関係審議会等でも関係機関でも検討されているわけでありますが、仮に六十五歳となると片や定年はそこまで現実にはいっていない状況があるわけです。そうなりますとここに大きな矛盾が生まれるわけであります。現在六十歳定年でさえ完全でない中で六十五歳年金支給など私はとるべきではないと考えるわけでありますけれども、これについての厚生省の考え、そして労働省として、この矛盾が生まれないように、労働者の犠牲が拡大しないように当然厚生省等にも調整を図って積極的な対応が求められると考えるわけですけれども、簡潔にお述べいただければと思います。
○説明員(中村秀一君) 厚生年金の支給開始年齢問題についてのお尋ねでございますが、人口が急速に高齢化していく中で、世代間の支え合いの仕組みであります厚生年金制度を長期的に安定させていくということが私ども最も大事な課題ではないかと思っております。 特に、昨年九月に厚生省の人口問題研究所で出されました新しい人口推計に基づきますと、今、年金制度は平成元年の財政試算に基づいて運営されておりますが、そのときの長期見通しに比べましても、出生率の低下、高齢化の進展によりまして年金制度の財政も相当厳しい見通しであろうというふうに認識しております。年金制度につきましては、少なくとも五年に一度財政再計算を行い、制度改正を行うということで、今先生からお尋ねございましたように、支給開始年齢の問題も含めまして年金審議会で検討中の状況でございます。 支給開始年齢の問題につきましては、元年改正のときから課題になっておりまして、次期財政再計算、平成六年の財政再計算時において厚生年金の支給開始年齢の問題については見直すという附則も盛り込まれておりますので、今回の制度改正の最重要の課題ではないか、こういうふうに考えております。 それで、急速に高齢化が進む中で、適正な給付水準を維持しながら後代負担を適正な範囲におさめていくためには、やはり支給開始年齢の引き上げというのは避けて通れないものというふうに考えて、今審議会で審議をお願いしているところでございます。これは、単に年金財政の観点にとどまらずに、活力ある高齢化社会をどういうふうに築いていくかという高齢社会のあり方とも関連するというふうに私ども認識しておりまして、寿命の伸長ですとか元気な高齢者がふえている、そういうような状況、それから長期的な人口構成の変化を見ますと、社会を支える側として、六十歳を引退年齢と考えるのか六十歳代前半までは現役として働いていただけるように位置づけるのかというようなことをやはり年金制度としても考慮しながら支給開始年齢問題については対処していくということが必要ではないかと思っております。 雇用情勢の問題につきましてもいろいろあろうかと思いますが、年金制度改正、支給開始年齢引き上げを行う場合でも、元年に提案いたしました際にも二十年かけて徐々に引き上げていくということでございますので、当面の雇用情勢もさることながら、十年、二十年先の日本社会、高齢社会がどういう社会であるべきかということも考慮しながらこの問題を考えていく必要があるというふうに認識いたしております。
○政府委員(坂根俊孝君) 労働省といたしましては、高齢者の能力を生かしていくという観点から、定年延長に限りませず、勤務延長あるいは再雇用等いろんな方法で六十五歳までの継続雇用の推進を図っていくということを重点に、高齢者の雇用・就業対策を総合的に進めているところでございます。 こうした中で、高齢者が安心して生活を送れるようにするということも重要でございまして、そういう意味で雇用と年金の連携の確保ということも重要であるというふうに考えておりまして、厚生省とも十分連絡をとりつつ対応してまいりたいというふうに考えております。
○有働正治君 終わります。
○笹野貞子君 何かと不平等が目立つ現在の社会の中で、全く平等なものは時間の経過だというふうに思います。一刻一刻本当にみんなに平等に老いと死が迫ってまいります。まさに他人事ではなくて自分のこととしてみんなが考えなければいけない問題です。 そこで幾つかの質問をさせていただきたいのですが、午前中三省庁がわざわざ御説明いただいたにもかかわりませず、私はちょうど健康診断に当たっておりまして難行苦行に耐えておりまして、説明を聞けなかったことを大変おわびいたしたいと思います。さぞや高邁な理念に基づいた高齢化社会への展望を御発表になったことと思います。 そこで、通産省にお伺いさせていただきます。と申しますのは、私たち、自分の家族の中で寝たきりの者が出たらどうしようとか、あるいは年をとって足が弱って転んで足を骨折したらどうしようとか、そういうことを私などは今から何か不安材料の一つなんですけれども、このたび通産省は、福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案というのを厚生省と共管で提出されているということを聞いております。これは、私はまさにこれから医療福祉機器というものが大変に必要になってくるときに当を得た法律だというふうに思います。 この法律案をもとにいたしまして、一番日本の行政でおくれているのはこれは研究開発にたくさんの予算を使っていいものを開発していくことではないかというふうに思いますので、国を挙げて、福祉機器というものはそういう意味では十分な予算と、非常に私たちのこれから高齢化にとってためになり不安を解消する機器の開発というのに力を入れていただきたいというふうに思うのですが、そういう面でこの法律に向けてどのような展望があるのか、ひとつ御説明いただきたいと思います。
○政府委員(松藤哲夫君) 現在御提案させていただいております法律でございますが、先生御承知のとおり、通産省と厚生省が一緒になって基本方針を作成いたしまして、その基本方針に基づいて高齢者あるいは身障者のための機器の開発普及を厚生省、通産省協力して、また都道府県、市町村を巻き込んで全国的にやっていこうということでございます。 それで、これに関連して新しくことしから始まる通産省の予算の中身を若干御説明させていただきたいと思うのでございますけれども、五つの新しい柱を考えておるわけでございます。 一つは、今の高度の技術をどうやって製品につなげ得るかということについてのデータベースをまず構築することにしております。新規に五千二百万円の予算をお願いしております。 それから二番目は、福祉機器の技術の基礎的、基盤的な技術を国立研究所を中心として徹底的に勉強しようということでございます。具体的にはつくばにございます私どもの生命工学工業技術研究所、機械技術研究所それから電子技術総合研究所、ここの専門家を集めまして、集中研究方式によりまして基盤的な技術の研究を行うことにしております。ここら辺につきましては、平成五年度新たに六千万円の予算をお願いしているところでございます。 それから三番目に、プロジェクトの研究開発、これは現在継続でやっているものでございますけれども、研究組合に多数の企業に集まっていただきまして、そこで通産省と厚生省が一緒になっていろんな新しい機器の開発を行っておりますけれども、これにつきましても大幅に予算をふやしまして。今後さらに一層力を入れてやっていくことにしております。 それから四番目が実用化のための開発助成でございます。これはこの法律に基づくものでございますけれども、機器メーカーが新しい技術を使って新しい製品を開発する際に、福祉の機器のマーケットというのは多品種少量生産型でなかなか利潤につながりにくい、したがってリスクも非常に大きいというものでございますから、これに対し て政府が助成をする、厚生省、通産省一緒になって助成をするという新しい制度をことしから開くことにしております。これは法律に基づく制度でございます。 それから五番目が、こうした福祉機器の試験・評価方法の確立とかあるいは設計ガイドラインの提示といったようなことで、消費者、ユーザーのニーズに合った福祉機器を開発するための標準化、JIS化を徹底的にこれから進めていこう。そのために、ことし新しく八億四千二百万円の予算をいただきまして、つくばに「くらしとJISセンター」というものをつくります。そこで徹底的にこの標準化の問題、午前中も御質問ございましたけれども、本当に人間が使いやすい機械、人間に優しい機械というものを研究していくための標準化を徹底的に勉強していきたいと思っております。 そんなことで、平成五年度におきましては合計十六億一千七百万、去年の予算額が福祉機器関係で四億七千百万でございましたから、約四倍近い大幅な予算の増額をお願いしておるところでございまして、今後ともそうしたことでこの機器の研究開発及び普及について厚生省、通産省一体となって努力してまいりたいと考えております。
○笹野貞子君 ぜひとも私が間に合うようにひとつ急いで開発をお願いいたしたいというふうに思います。 続きまして、文部省にお尋ねをいたします。厚生省からいただいた資料を見ますと、看護職員需給見通しという表がありまして、その表を見ますと平成五年度、ことしですが、看護婦さんの実際に必要な数は百一万二千人、しかしそれに対して実際に今看護婦さんがいるのは九十一万四千人、約九〇%満たされている。ということは、十万人不足ということがことしの段階で表になって出されておりますが、まずこの十万人不足ということに対して文部省はどのようにとらえているのか、その御見解をお伺いいたします。
○説明員(遠藤純一郎君) 看護婦の養成につきましては、文部省、厚生省一緒になってやっておるわけでございまして、私どもは学校教育ということがございますので、その中でも大学、短大、高等学校といったような部分につきまして養成施設の指定等を行ってやっておるわけでございます。 私ども、その中でできる限り特に大学、高度の資質を持った看護婦さんの養成ということで大学の整備を今一生懸命やっておるわけでございますけれども、おっしゃられましたように十万人というような話でございますので、私どもは、量の拡大ももちろんでございますけれども、指導者の養成と高度の資質を持った看護婦さんの養成といったような面から、量の問題をも含めまして対応していきたい、こう考えておるわけでございます。
○笹野貞子君 今の御発言によりますと、学校教育を担当しているのでというのがありましたけれども、では看護というのは学問ではないんですか。
○説明員(遠藤純一郎君) 看護にもいろいろあると思いまして、看護学というのはこれはもちろん当然あるわけでございますし、看護婦さんの養成というのももちろん学問でもございますし、あるいは職業に必要な能力の育成ということもあろうかと思います。 今私、学校教育と申しましたけれども、いわば学校教育法第一条で言っている大学、短大あるいは高等学校、中学校、小学校といった基本的な部分につきまして、言い方が少しまずかったわけでございますけれども、学校教育法一条に言っている学校教育という意味で申し上げたわけでございまして、大変申しわけございませんでした。
○笹野貞子君 何だかよくわかりませんでしたけれども。 一時、医者が非常に足りなくて一地方自治体に一医学部をつくるという時代がありました。そして今医者は足りているわけですが、今看護婦さんが十万人足りないという現状に対して、文部省は、看護学の教育というものに対する責任は余り感じられていないということですか。
○説明員(遠藤純一郎君) 先ほども申し上げましたように、私ども特に今、大学を中心に、今年度は国立大学に、いわゆる新設医科大学、今まで看護婦さんを養成する機関がなかったわけでございますけれども、三大学に看護学科を設置いたしましたし、大阪大学の医療技術短期大学部看護学科があるわけでございますけれども、これにつきましても四年制の保健学科ということで推進をしておるというような状況でございます。
○笹野貞子君 では、次の数字にちょっと御感想をいただきたいんですが、アメリカの看護教育を見ますと、四年制大学で看護学をとっている人が八万六千四十三人おります。日本の大学の看護学を見ると二千五百二十七人です。アメリカの大学の看護の博士コースをとっている人は二千三百九人です。日本で博士コースをとっている人は六十七人です。けたが二つも三つも違うという、この教育のあり方ですね。日本はアメリカの学校教育を戦後まねたものというふうに思いますが、看護学をとると全然まねてないということですか、この二つけたが違うことにはどうお考えですか。
○説明員(遠藤純一郎君) 確かにアメリカの方では、看護婦養成に限らずいろんないわば専門的な職業人といいますか、大学で養成されているというのが一般的でございまして、それに比べますと日本はそういう意味ではちょっとおくれているなという感じはいたしておるわけでございます。 日本におきましては、先生御案内のように、看護系の大学、大学院というのが最近その整備が緒についたところと言っていいかと思いますけれども、アメリカの方は、例えば大学院で申しますと、これは看護に限らず在学者数で比べますと日本の八倍、それから、マスターあるいはドクターの学位を持っている方が十一倍もいらっしゃる、日本の十一倍もいるというようなことでございます。そういった大学制度全体、あるいはこれまでの看護婦養成のいろんな経緯というものがこういう数字になっているのかな、こう思っておるわけでございます。
○笹野貞子君 現状分析はわかっているわけですけれども、それで文部省はどう思っているかということが一言もありませんでしたね。 最後の質問になりますけれども、医学という学問は文部省がしっかり押さえていらっしゃる。ところが、看護学という学問は、厚生省がやっていても、それに対して文部省がやるということは余りおっしゃらない。これはどうしてなんでしょう。先ほど、学問であるならば学校教育でやるんだ、こう言っていたんですが、看護婦さんはじゃ学問じゃないんでしょうか。看護婦さんは看護学という学問をとらなくてもいいということなんでしょうか。厚生省とこのように共管をしているのに、厚生省にほとんどその八割方を任じ、文部省はあとの二割しかしてないということは、これはどのように受けとめるんですか。 つまり、文部省というのは、看護学という学問を文部省の管轄の中できちっと質的、量的に補充するという意識がないということなんですか。
○説明員(遠藤純一郎君) 看護婦さんの養成で学問の成果を生かした教育というのは、これは大学だけではなくて看護婦養成所の方でももちろん学問の成果を生かした教育が行われているんだというふうに思っておるわけでございますけれども、学問の進展ということで申しますと、やはり一番象徴的なものは大学院だろう、こう思います。 大学院の方もまだ整備が御指摘のようにかなりおくれておるわけでございますけれども、今年度、千葉大学の看護学部に博士課程を設置した、それから、東京医科歯科大学の医学系研究科に保健衛生学専攻ということで看護を含めたマスターコースをことしからスタートしたということ、あるいは、私学でございますけれども日本赤十字看護大学におきましてマスターコースがことしからスタートしたということでございますので、こういったようなところでの学問の深化というものを期待しておるわけでございます。
○笹野貞子君 何か本当によくわからなくて、もっと質問したいんですけれども、時間がありませんのでこれでやめますけれども、かなり看護学の方 がおくれている、しかし高齢化はかなり進んでいるんです。そのギャップが非常に大きいということをもうちょっと自覚なさらなければ、高齢化社会に対応できない。 そして、アメリカのこの例を見ていただいて、もうちょっと看護学という学問的な水準というものをきちっと文部省がとらえるということを強く要請いたしまして、私はまた機会があることに文部省に言いますので、これでおしまいではありませんので、どうぞその点をお含みおきください。
○下村泰君 文部省にまず伺いますが、ボランティア活動という言葉それからボランティアという言葉がだんだんとこれもう庶民的になって、一般に使われるようになったんですが、文部省がボランティア活動というものを評価するという何かその方の研究をしているというようなお話なんですが、そのボランティア活動を評価する研究というのは、何の意図でどういう背景でそういうことになったんですか。
○説明員(小野元之君) お答え申し上げます。 ボランティア活動につきましては、昨年の七月に私どもの生涯学習審議会におきまして、ボランティア活動の支援、推進ということは当面重点を置いて取り組むべき課題の一つではないかということで答申が出されておるわけでございます。 私どもといたしましては、ボランティア活動についての社会的評価につきまして、さまざまな考え方があるということは承知しておるわけでございます。もちろんボランティア活動の基本理念といたしまして、無償性、自発性等、そういったものを損なうことになってはいけないと思うわけでございますけれども、しかしボランティア活動をさらに支援、推進していくということのためには、何らかの形で社会において評価していただけるような、そういったことを文部省としても支援することを考えていくべきではないかということで、いろいろデータを集めたり研究をしているところでございます。
○下村泰君 ボランティアというのは、本当に心の中から、その人のためにやるとか、あるいはそのことのためにやるとかという心の動きがなきゃできないことであって、これこれこうだからやれというものでやるものじゃないんだ、ボランティアというのは。ところが、いろいろとその後の状況を見てみると、下手すると、大学の入試にどのくらいその人がボランティア活動をしたか、それも大学へ入るときの一つの査定にしようじゃないかなんという話も出ている。 殊に、前文部大臣の鳩山さんが都内で開かれたシンポジウムで、学校教育として「多面的な人間を評価する、無限の物差しを用意することこそが教育改革。ボランティア活動は有力な物差しだ」、こういうことをおっしゃっているんだそうですが、言っていること自体には間違いありませんわね。これは何だといったら、結局業者テストが禁止になったんで、どこかに物差しがなきゃいけない。何かそんな物差しの一環にボランティア活動というものが含まれるとなったら、これはちょっと大変な考え違いじゃないかと思いますね。 それからむしろ、大学とか高校でボランティア活動をどうしたかということを物差しにするんだったら、むしろそれこそ全官庁、今これ何省何省といっぱいありますわ、その何省何省へ入る人たちこそ本当に国民の奉仕者なんだから、その人たちが学生時代にどんなボランティア活動をしたのか、それを物差しにして私は役人を雇ってほしいと思う。その方がよっぽど厚生省でも何でももう少しボランティアというものをわかるような気がするんですがね。実際に将来そんなようなことになるんですか、これから。
○説明員(小野元之君) ボランティア活動につきまして、私どもとしては生涯学習の一つととらえておりますのは、自主的に人々がボランティア活動に取り組んでいただく、そして生きがいを持っていただいたり、あるいは充実感を持っていく上でボランティア活動に取り組むということは大変重要なことだというふうに思っておるわけでございます。 先ほど御質問ございました、大学入試とか高校の入試等におけるボランティア等の問題でございますけれども、大学や高校なんかで入学試験を行った場合、その人をさまざまな面で評価をしていこうではないか、多様な面で評価をしていくといいますか、単に学力だけで評価をするのが果たしてそれだけでいいんだろうかと。あるいはクラブ活動の実績もあってもいいし、ボランティア活動の実績等も評価をしていいんではないかということで、そういったボランティアも入試の際に判断する場合の一つの基準に入れていただければいいことではないかということで、私どもは大学や高校にもそういったお願いをしておるわけでございます。 それから、採用の問題あるいは企業等での昇進の問題等もあるわけでございますが、これももちろん文部省だけでできることではないわけでございますけれども、先般私どもはある銀行で入社の場合にボランティア活動を評価の一つに加えていただいたといったところに感謝状を差し上げるというようなことも行いました。これはやはりそういったボランティア活動をさまざまな形で、国が直接評価するということはいろいろ問題があるかもしれませんけれども、そういうボランティア活動に取り組んでいらっしゃる姿というのは非常にとうといものがあるわけでございます。そういったものを全人間として評価していくといいますか、そういったことがいろんな場面でもっともっと進むことが、私どもが目指します生涯学習社会を築いていくということの一つのプラスになるんではないかということがございます。 文部省といたしましても、そういった各方面でボランティア活動について温かい評価がなされるような、そういったことについて各方面にお願いをしたり、教育委員会を指導したりしていきたいというふうに思っているところでございます。
○下村泰君 一番大事なことは、小学校の時代から、ボランティア活動というのは一体どういうものなのか、自然にいけるような、自然な形で活動ができるような精神状態をつくっていかなきゃいけないと思います。こんなものをえさにしたり何かに使うようじゃボランティアの本来の姿じゃない。それはあなたの方がおわかりだろうと思いますけれども、そういう教育は大変必要だと思いますからよろしくお願いします。 それから、最近は普通学校に障害者の方がたくさん入っております。徐々にそういう体制はできつつあります。大体日本はそういうことが遅過ぎる。ただ、これを受け入れる態勢がなかなかできない、これが困る。 ところが、大阪市の方で大変いいことをやっておるんです。今までエスカレーターみたいなのがあったんだけれども、それを全部廃止して今度はエレベーターを十四校から十五校ぐらい設置して、車いすで通ってくるお子さん方が大変愉快に勉強をして、そしてその実も上がっている。それから、尼崎のある小学校では平本歩ちゃんという、この子は人工呼吸で、その人工呼吸のセットを外したらもうその場で息がとまってしまう、そういうような大変な状態の、極限にあるお子さん。尼崎の小学校に入って今二年生なんですが、そのお子さんにぴったりくっついていらっしゃる先生の努力によって、今までほとんど反応のなかったお子さんがまばたきをしたり、唇の先をとがらせてみたり開いてみたりして反応を示すようになった。この子は普通学校に通っているわけです。こういうふうに、周りの方が努力されれば幾らでもこういう方たちの道が開けるんです。 こういった学校の設備ですとか、この赤ちゃんに対する先生の努力でありますとか、こういうものをどういうふうに文部省はとらえて評価しますか。
○説明員(御手洗康君) お答え申し上げます。 御指摘がございましたように、小中学校におきまして、実際に障害を持っている児童生徒を受け入れるといったような場合がございます。そういった点につきましては、文部省といたしましては、基本的な考え方といたしまして施設整備指針 等を示しまして、施設整備上、洋式便器を設けるとか、あるいは手すりやスロープを設けたりといったような、学校の実態に応じて必要な配慮をするよう指導しているところでございます。このため、例えば小中学校の建物等を新増改築する場合や、あるいは大規模改造等を行う場合には、車いす用の便所や手すり、スロープ、こういったものを設ける場合に、そのための工事費を建築費の中に含めまして、国庫補助の対象としているところでございます。 また、御指摘ございましたエレベーターに関しましては、いろいろお考えもございますけれども、一般的には重度の障害児の移動のために必要とされるということで考えておりますので、小中学校等に整備する場合におきましては、実態に応じて慎重に検討する必要があろうかと考えているところでございます。しかしながら、現にそういった児童生徒が在学しているといったような事情があり、学校の設置者が施設の面から整備を計画したいということで国庫補助の申請をするといったような場合には、その実情に応じまして、建物の新増改築に際しまして国庫補助の対象としているというような対応をいたしているところでございます。
○下村泰君 出先の方で聞きますと、国庫補助がスムーズにいかない、大変困っている、学校の方が。そういう現場もあります。今せっかくあなたがそういうふうにおっしゃったのだから、スムーズにいくようにひとつ面倒をみてください。 それから、高齢者のために学校の施設をいろいろと開放する、これも結構なことだと思いますが、こういうお話があるんです。耳が遠くなったといっても別に耳が離れて向こうへ行くわけじゃないけれども、要するに耳がだんだん遠くなって聞こえなくなるということです。日本語というのは難しくて、うっかりそのままとると何だか、耳が遠くなっちゃったというと耳が向こうの方へ離れていったような感じがする。あるいは耳鳴りがする、そういった悩みを抱えているお年寄りが少なくない。これはありますね。私なんかでもこの年になりますと時々そんなことがある。 北海道の小樽の聾学校で、補聴器の適合状態などがわかる最新の聴力検査機器を利用して、昨年三月から高齢者のための難聴相談を実施している。これまでの延べ相談回数が百五十回を超え、地域に開かれた耳のよろず相談所としてお年寄りに好評。こういうのが本当のノーマライゼーションというのじゃないかと私は思うんですが、こういうお話を聞いて、これから、こういった方々に対する学校の利用方法とか施設の利用方法とかいうことを考えられますか。
○説明員(小野元之君) お話にございましたように、学校の機能を高齢者も含めて地域の人々のためにいろんな形で活用していただこうということは、私ども基本的に考えておるわけでございます。先生御指摘ございました小樽の聾学校の事例なんかは、本当に聾学校としてのノウハウといいますか、教育機能、そういったものを地域の方々に開放するということで、一つのすばらしい事例ではないかというふうに思っております。 午前中の御審議からも意見がございましたけれども、文部省では余裕教室をいろんな面で活用しようということも推進いたしておりますし、学校の施設や機能を、体育館やグランドというだけではなくて、教室なんかも含めてもっと開放していこうじゃないか、そして地域の生涯学習あるいは地域の人々の交流のためにもっと促進していくということはやっていかなければいけないというふうに思っているわけでございます。 私どもといたしましては、各都道府県の教育委員会の関係の課長会議等で、学校をもっと地域に開放して、地域のまさに一つのセンターとして御活用いただけるように、いろんな工夫をしてほしいということを各県に指導いたしているところでございます。
○下村泰君 文部省さん、御苦労さま。今度は労働省に伺います。 シルバー人材センター、私のところも、このシルバー人材センターというようなところを経由してくるんでしょうね、そういう人たちの集まりだろうと思いますが、いろんなものが入ってきます、パンフレットが。こういうこともあります、ああいうこともやりますよと来ていますけれども。こういうところで働く方々、会員とおっしゃるんですかね。担当者は、会員は好きなときに働け、サークル活動などを通じて他の人との親睦が図れる上、市町村にとっても高齢者の医療費節減などにつながり行政効果は高い、こういうふうに評価されているわけですが、私もこれは同感だと思います。 人間なんてのはじっとしているよりは動いた方がはるかに体にはいい。高齢化社会の中心的な役割をこれから果たしていくものだと思いますけれども、現状と今後について、近く研究会の報告もあるようですけれども、それも含めて一つお話しください。
○政府委員(坂根俊孝君) お答えします。 本格的な高齢化社会を迎える中で、高齢者に働く場を提供いたしまして、働くことを通じて社会に貢献し、あるいは生きがいを感じていただくということを主たるねらいとして設けられておりますシルバー人材センターでございますので、この役割は今後ともより一層重要性を増すというふうに考えております。こうしたことから、五年度におきましても、シルバー人材センターを二十団体増設するということで、既に六百四十団体ございますから六百六十団体になるわけでございます。そのほか、会員のための作業・研修施設であるシルバーワークプラザというものがございますが、こういうものの増設も図っていくこととしております。 今後のシルバー人材センターをさらにどう考えていくかということでございますが、定年退職後等の高年齢者の就業ニーズが相当多様化する傾向にあるわけでございまして、要するにいろんな形で働きたい、いろんな職業で働きたい、こういう多様な就業ニーズに的確にこたえられるように、その機能の充実が一層必要だというふうに考えております。今後の本格的な高齢化社会におけるセンターのあり方につきましては、現在有識者の御意見を聞きながら検討を行っているところでございます。
○下村泰君 済みません。一分前なんですけれども、一つだけお願いします。せっかく通産省を呼んでいますので、一つだけ聞きます。 高齢化社会を迎えまして、いろんな機器がございますが、お年寄りというのは注意書きを読んでもよくわからない人がいるんですよ。人に言われたことしかなぞらないで、それ以外のことは全然気にしないお年寄りもいらっしゃる。そういう方たちに事故が多発しているということも事実なんです。こういう方々のために通産省ではこれからどういうふうな対応をなさいますか、それを教えてください。
○説明員(小川洋君) お答え申し上げます。 商品の選択や使用に当たりまして、その品質や取り扱いの注意に関しまして正確な情報を伝えていくということは非常に消費者保護の観点から重要だと私ども思っております。特に、御指摘の高齢化社会の到来を考えますと、高齢者が見やすくわかりやすい表示を進めていくことは私どもとしても重要な課題だと考えております。 これまで商品の表示につきましては家庭用品品質表示法という法律がございまして、繊維製品、家電製品、それから雑貨品、非常に幅広い分野の商品につきまして、その品質や使い方につきまして表示すべき事項、どの場所に表示をするか、表示の場所、それからその大きさ、それからそこに使われる文字の大きさ等々につきまして規定を置きまして、関連事業者に対しまして指導をこれまで行ってきたところでございます。事業者の方も絵表示なんかを取り入れましていろいろ工夫をしてきているところでございます。また、JISの表示でありますとか安全基準に適合したことを記しておりますSGマーク、こういったマーク制度も消費者に対するある種の情報を提供する手段で ございます。 今年度新たに、私どもとしては、まず危険表示につきまして危険の種類や程度というのを一見して理解できるようなマークや色の統一化というものについて検討を開始したいと思っております。さらに、個別品目の表示を順次見直していきまして、必要に応じてその改善も進めていきたいというふうに考えております。その際、今御指摘のありましたように、高齢者が見やすくわかりやすいといった高齢者の視点も織り込みまして検討を進めていきたいと思っております。
○下村泰君 ありがとうございました。 ―――――――――――――
○会長(鈴木省吾君) 次に、農林水産省、運輸省及び建設省より順次説明を聴取いたします。農林水産省高橋農蚕園芸局長。
○政府委員(高橋政行君) では、お手元に「農山漁村における高齢化の現状と対策の概要」という冊子を配付してございますので、それに基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。若干字が小さくて見にくい点があろうかと思いますが、御了承をお願いいたしたいと思います。 まず一ページ目でございますが、農山漁村における高齢者の現状ということでございます。右の方に折れ線グラフと棒グラフがございますが、折れ線グラフで実線が農家人口に占める六十五歳以上の割合でございまして、平成二年を見ていただきますと六十五歳以上の割合が二〇%ということになっております。それで、下の点線で書いてございますのが総人口に占める六十五歳以上の割合でございまして、総人口で見ますと平成二十二年、二十年後に二一・一%ということでございますので、農家人口の高齢化は全人口に比べてほぼ二十年先行した状態になっておるということでございます。 それから二ページ目でございますが、では実際の農業労働力で見ますと高齢化の状況はどんなふうかということでございます。農業就業人口で見ていただきますと、右の表にございますように、六十歳以上の占める割合が五五・三%ということで非常に高くなっております。六十五歳以上で見ると三七・七というような状況でございます。 それから三ページでございますが、ではこういうような方たちが今後大体何歳ぐらいまで農業に従事したいというような、意欲といいますか、希望を持っているだろうかということでの調査でございますが、大体七十から七十五歳までの間でどんなことかと見てみますと、男性の方で七割ぐらい、女性の方でも五割の方がそのくらいまで働きたいということを言っておるということで、この辺にどうこたえていくかということでございます。 それからその下が、「各方面で活躍する高齢者」と書いてございますが、農山漁村の高齢者の皆さん方が農業生産という分野だけではなくて地域社会、地域づくりといいますか、そういうのにどんなふうな活躍をしているか。かなりいろいろな活躍をしておるわけでございますが、別紙で「農山漁村における高齢者の活動事例」、こういうペーパーをお配り申し上げていると思いますが、それに基づきましてちょっと簡単に御紹介をいたします。 まず農業の方でございますが、愛知県にあります四ツ葉グループと言われるものでございます。これは、農水省転作を進めておりますが、転作田ではなかなかつくるものがないとかいうようなこともありまして嫌がるわけでございますけれども、六十歳から八十歳の女性のグループの皆さん方がそこでインゲンとか、あるいは夏の菊であるとか、冬は稲の青刈りをしましてそれでしめ縄をつくって、それを自分たちで無人販売所で売る。いわゆる高齢者の皆さん方でもできるような、農業としてそういうものを選びまして販売をしていただいております。それから、菊でございますと、専門に菊をつくる人がいらっしゃいまして、その方たちと労働の役割分担をしながら、高齢者の皆さん方でもできるような支柱立てであるとか簡単な消毒であるとか、そういうようなものを高齢者の方がするというようなことで、グループが結成されて活動しているという事例でございます。 それから、その下が和歌山県の岡農家高齢者グループでございますが、これも高齢者の皆さん方の趣味的活動として、ヒョウタン栽培であるとか、あるいはカブトムシの飼育というようなものをやりまして、そんなことでグループが結成されまして、そういうグループが中心となって地域活動にも手を染めようじゃないかということで、遊歩道づくりであるとか、あるいは桜を植えて桜の並木をつくるとか、そういった地域活動に発展しておるという事例でございます。 それから、その下が細入地区のグループでございまして、富山県でございます。これは林業の方でございますけれども、定年退職した皆さん方が、ひとつ山を守ろうじゃないかということで、山林の簡単な作業をやると同時に、お孫さんといいますか、子供と触れ合うそういう機会をつくろうということで、そういう人たちが持っている技能を披露しながら、親子林業教室というようなものをつくって、木工をどんなふうに利用してやるかとか、イベント販売などもやるというようなことが行われている事例です。 それから次のページでございますが、これも林業でございますが、これはシイタケであるとかそば、そういった特産品を高齢者グループの方がつくられまして、それを市内の消費者の方と直結いたしまして、地そば愛好会の皆さん方に自分たちで打ったそばを供給している。それからさらに、いろんな自分たちでつくった農産物を、百円市と称しておるわけですが、市をつくりましてそれを売っている。都市と農村の交流の役割も果たしているというようなことをやったという事例でございます。 それから次が漁業、漁村の場合の例でございますが、一般に漁船漁業というのは非常に重労働でございますが、そういう人たちが船からおりましてウニ漁、高齢者の皆さんウニ漁ならできるだろうということでウニ漁をやって、それでそれを加工する、ウニの一夜漬け加工をして売るというようなケースです。 それから最後、山形県の例でございますが、これも漁船漁業をやっていた方が船からおりましてニジマスの養殖に取り組みまして、その養殖してできたものを地域の旅館であるとか民宿であるとかすし屋に供給しているということで、地域の特産品の定着を図ったという例でございます。 こういうようなことで見ますと、それぞれ農業生産の分野あるいは地域づくりの分野でいろんな形でのグループ活動というものが行われ、我々もそういったものの育成に努めておるということでございます。 それから次の四ページになりますが、農水省において長寿社会対策としてどういうような体制でやっているかということでございます。これは昭和六十一年六月に長寿社会対策大綱が閣議決定されたわけでございまして、それを受けるといいますか、そういう形で平成二年六月に、高齢者対策の連絡調整を行うということを目的といたしまして、この図の左下の方に書いてございますが、婦人・生活課という課を新設いたしまして、その課で高齢者対策も担当するということにいたしまして、現在、大臣官房審議官を議長といたします婦人・高齢者対策連絡会議というものを設置して、そこで問題、対策を協議しているという体制でございます。 それから次が五ページでございますが、では具体的に高齢者対策として農林水産省でどんなことをやっているかということでございますが、まず一つは高齢者の能力を活用するということで、高齢者の皆さん方の能力といいますか、それを一つの人材と考えて、それをいかに活用していくかということをみんなに考えてもらって、行政をやっている方、あるいは団体の方、住民の方にもそういうことをひとつ考えてもらうようなことをやっていこうじゃないかということでのソフト事業といいますか、そういうことがまず一つございます。それからもう一つは、熟達農業者の持っていらっ しゃいます農業面における技術を活用いたしまして特色ある農産物生産を振興していこうという、農業生産面での活用でございます。それから三番目は、やはりその人たちは単なる農業生産だけではなく、地域の住民としていらっしゃるわけでございまして、いろいろ昔から伝わる文化の担い手でもあるわけでございます。そういう方たちの知識、経験、技術を生かすということで地域文化的な活動もしていただくというようなことの対策を推進しておるところでございます。 それから(2)のところは高齢者の健康と安全、老後の安定化の問題でございますが、これは他省庁の問題もありますが、農林水産省といたしましては、農協の生活指導員あるいは婦人部の有志の皆さん方に、高齢者の介護をやっていただくという、そういうことの指導者の研修、人材養成をやっているということです。それから、農業者自身は年金制度がございまして老後の生活の安定を推進しておるところでございます。 なお、平成五年度には、高齢者対策の積極的な推進を図るということで、高齢者に関する中長期ビジョンの策定を行いたいということで現在準備を進め始めておるところでございます。六ページは参考資料でございますので省略させていただきます。 以上でございます。
○会長(鈴木省吾君) 次に、運輸省和田運輸政策局次長。
○政府委員(和田義文君) それでは運輸省の進めております高齢者対策につきまして、お手元の「高齢者対策の概要」、横長の資料でございますけれども、これに基づいて御説明申し上げます。 まず、一ページをお開きください。運輸に係る高齢者対策の概要及び平成五年度予算額でございます。 既に御案内のとおり、西暦二〇二〇年ごろには総人口の四人に一人が六十五歳以上の高齢者になると言われております。また、十人に一人が何らかの障害を有する七十五歳以上の高齢者になる、かように言われております。このような現状認識のもとに運輸省は、高齢者を身体障害者など移動に際してハンディキャップを負う方々と一体としてとらえまして、これらの方々のニーズを満たす安全かつ安心な公共輸送機関の実現が極めて重要かつ緊急な課題であると考えております。このため、公共交通機関における高齢者、身体障害者等の利用に配慮した車両、施設の整備等の対策を今後とも積極的に推進していくことといたしております。また、こういった直接的な高齢者、身体障害者対策以外にも高齢者の生活の質を向上させるためのさまざまな対策を行っております。 これらの対策の概要を簡単にまとめたものが一ページの資料でございまして、まず、一番目の枠にございますように人に優しい交通機関・施設実現のための施策の展開、及び第二の、交通ターミナルにおけるエスカレーター等の整備及び利用しやすい車両の導入、この二つが運輸省の高齢者対策の柱でございます。平成五年度は約四千万円の予算で四つの調査を行うこととしておりまして、その具体的内容につきましては後ほど二ページ以下の資料で多少詳しく御説明申し上げます。 三番目の枠でございますけれども、これ以下のものにつきましては高齢者の生活の質を向上させるためのさまざまな対策に当たるものでございます。三番目の枠は、高齢者等のためのバスの利便性の向上及びバスによる地域交通の確保でございます。バス交通の活性化対策の推進として、バス輸送サービスの改善によりバスを利用する際の高齢者等の利便性の向上を図っております。また、地方バスの運行の確保として、地域住民の生活に不可欠な地方バスの運行を維持することにより高齢者等の足の確保を図っております。 四番目でございますけれども、観光レクリエーション地区、いわゆる家族旅行村の整備でございます。恵まれた自然の中で多世代にわたり利用できる観光レクリエーション施設として、キャンプ場、ピクニック緑地等の中核的レクリエーション施設を中心に宿泊施設、運動施設、文化教養施設等の関連施設を備えた観光レクリエーション地区を整備いたしております。平成四年度末現在三十八地区を整備しており、平成五年度は引き続き九地区を整備することといたしております。予算額といたしましては一億四千二百万でございます。 第五は、自動車旅行拠点、いわゆる家族キャンプ村の整備でございます。自然に恵まれた地域にあって、都市住民が手軽かつ低廉に利用可能な観光レクリエーション活動を行う基地としてオートキャンプ施設、汚水処理施設等、オートキャンプ場の基盤施設を中心に観光レクリエーション施設等の関連施設を備えた家族キャンプ村を整備いたしております。平成五年度は、前年度に引き続きまして四地区の整備を進めますとともに、新たに三地区について整備を開始することといたしております。予算額は九千五百万でございます。 第六は、海洋レクリエーション施設の整備でございます。高齢者等が海と親しむことにより、健康と精神的な豊かさを享受することができる海洋性レクリエーション施設としてマリーナや旅客ターミナルを整備しております。 第七は、海辺環境の整備といたしまして二つの事業を行っております。一つ目は、海岸環境整備事業でございます。海岸の利用を増進し、高齢者等が海と触れ合うことにより、健康と精神的な豊かさを享受することができるよう、人工海浜、遊歩道の整備等、快適で潤いのある海岸環境の整備を図っております。二つ目は、港湾環境整備事業でございます。臨海部の緑地等を整備し、高齢者等が散策、憩うことのできる海辺の空間を提供いたしております。 それでは、次の二ページ目を開いていただきまして、運輸省の高齢者対策の柱であります人に優しい交通機関・施設実現のための施策の展開について御説明申し上げます。 一ページ目で申し上げましたように、予算的には四千万円でございます。まず第一は、高齢者、身体障害者等のためのモデル交通計画策定調査でございます。高齢者等の安全かつ円滑な移動を確保するためには、従来からのガイドラインやモデルデザインに沿った個々の公共交通ターミナルや車両の整備を引き続き進めていく必要がありますが、高齢者等の立場からは、こうした個々の交通施設、車両改善対策とともに、発地から目的地に至る移動ニーズを満足する連続性のある公共交通機関の体系的整備が求められております。このため、全国から二つのモデル地区を選びまして、今年度から平成七年度までの三年間をかけまして、高齢者等の移動ニーズを充足することのできる最適な交通体系のあり方等についてそれぞれのモデル地区において総合的に検討することによりまして、モデル交通計画を策定することといたしております。このモデル交通計画により、今後の高齢者等に係る交通対策の基本的指針を明らかにすることといたしております。予算額は約二千三百万円でございます。 第二番目でございますけれども、高齢者、身体障害者等のための公共交通機関に関する移動円滑化技術に関する研究調査でございます。これは今年度と来年度の二カ年かけまして、高齢者等の利用に適した構造を有します人に優しいバスシステム等について、安全性及び利便性の向上に係ります技術分析や評価を行いまして、さらに標準化をめどとしましたモデルシステムの試設計を実施することといたしております。これにより高齢者等のモビリティーの一層の推進を図ってまいります。予算は一千万でございます。 第三は、交通ターミナルにおける交通弱者用施設整備ガイドラインの策定調査でございます。これは平成四年度と今年度の二カ年かけまして、既に昭和五十七年に策定いたしました公共交通ターミナルにおける身体障害者用施設整備ガイドライン、これを見直すための調査でございます。新しいガイドラインにおきましては、高齢者のための施設整備も視野に入れることといたしており、また、最近の新しい交通関係施設の整備やさまざまな技術開発の成果を取り込むことといたしております。予算は五百万でございます。 第四は、交通アドバイザー制度の運営でございます。平成四年六月よりスタートいたしましたこの制度は、高齢者等を含む交通サービスの消費者から選任いたしました交通アドバイザーを通じての各種交通サービスに対する意向把握を行うものでございまして、全国各フロックで開催いたしております。予算的には二百万でございます。以上の四つが人に優しい交通機関施設実現のための施策の展開の具体的内容でございます。 次に、三ページでございますけれども、ただいま申し上げました高齢者、身体障害者等対策の概要を体系的に示したものでございまして、中央に四つの箱がございます。ターミナルの改良、車両の改良、交通技術の研究調査、交通体系の整備、この四つの箱がございますけれども、これはおのおの左の方にございます鉄道駅エスカレーター整備指針でございますとか、公共交通ターミナルにおける施設整備ガイドライン、これが古いものでございまして、新しい公共交通ターミナルガイドラインの充実、四年、五年度とあります。それと車両構造に関するモデルデザイン、こういったものを指導指針といたしまして、行政指導で障害者対策を実施しておるわけでございます。運輸省といたしましては、以上の対策の推進によりまして、右側の楕円の高齢者、身体障害者等のニーズに対応した安心かつ安全な公共交通の実現という最終的な目標の達成を目指しているところでございます。 次に、四ページに移らせていただきますが、これは先ほど申しました移動円滑化に関するシステムの例でございまして、まず左側の図の方を見ていただきますとバスの絵が出ておりますけれども、停車中にバスの床の高さを変えることのできますニーリングバスについての説明でございます。それから、右の図でございますけれども、視覚障害者のためのものでございまして、目的地である施設の前に設置されております誘導警告フロックにセンサーを埋め込みまして、視覚障害者がそこに来たときに特別の白いつえにセンサーが反応いたしまして、そこがどこであるかを音声で知らせるシステムの説明図でございます。二種類あるようでございます。 次に、最後の五ページ目でございますけれども、この表は平成三年度末の高齢者、身体障害者等のための公共交通機関施設整備等の状況を昭和五十七年度末と比較したものでございます。鉄道関係、自動車関係、旅客船ターミナル関係、空港旅客ターミナル関係、こういうふうに分けてございまして、おのおの鉄道関係ですとJR以下ございますけれども、総じて対策は着実に進捗してきたと考えておりますが、なおエスカレーター、エレベーターの設置等についてはいまだ不十分と言わざるを得ない状況にありますので、今後とも所要の対策を講じていきたいと考えております。 以上でございます。
○会長(鈴木省吾君) 次に、建設省三井住宅局長。
○政府委員(三井康壽君) 建設省の住宅局長でございます。 建設省から住宅と道路につきまして御報告をさせていただきますが、まず住宅の方から御説明をさせていただきたいと思います。 初めに、国民生活に関する調査会の諸先生方におかれましては、日ごろから住宅・建築行政につきまして大変な御指導、御支援を賜っておりますことを心から御礼申し上げます。ありがとうございます。 資料の一ページをごらんいただきます。時間の都合もございますので、要点で御説明をさせていただきたいと思います。 まず第一に、高齢者世帯の状況でございます。高齢者人口につきましては恐らく厚生省初め御報告ございましたと思います。私ども住宅政策といたしましては世帯数が一番の問題でございます。したがいまして、厚生省あるいは総務庁の調査をもとにいたしまして、高齢者世帯が現在どうなっているのか、今後どうなっていくかという資料でございます。 ちょっと見にくいんでございますが下のグラフをごらんいただきますと、昭和六十年、これは一番直近の国勢調査でございます。全国の世帯数は約三千八百万世帯、三千七百九十九万世帯でございますが、このうち六十五歳以上の高齢者のおられる世帯数が右にございます九百二十八万世帯で二四・四%、約四分の一ということに相なっております。その内訳は、左から単身世帯、それから夫婦のみ世帯、同居世帯、こうなっておりまして、単身世帯と夫婦のみの世帯、いわゆる本当の高齢者の世帯が昭和六十年は足し合わせますと約三〇%、三割でございます。高齢者世帯の中の三割。それが二〇〇〇年になりますと、これは推計になるわけでございますが、全世帯四千五百十四万世帯に対しまして高齢者世帯は千三百九十三万世帯、三〇%を超えるわけでございまして、このうち単身と夫婦のみ世帯は足し合わせますと四〇%に引き上がります。昭和六十年より一〇%引き上がるわけでございます。また二〇一五年の欄をごらんいただきますと、全世帯四千七百十九万世帯の推計でございますが、そのうち三七・八%、千七百八十六万世帯でございますが、すなわち四割弱は高齢者世帯と相なりまして、その高齢者世帯のうち単身あるいは夫婦のみの純粋の高齢者世帯が約五割に達する、こういった状況に相なるわけでございます。 二ページ目をおめくりいただきまして、それでは高齢者世帯の住宅事情がどうなっているか。これは五カ年ごとにやっております住宅統計調査というのがございます。昭和六十三年の住宅統計調査、一番新しいものでございますが、これによりまして御説明をさせていただきます。 まず①でございます。高齢者世帯の住宅の所有関係がございます。ここも先ほど申し上げましたように高齢者単身、高齢者夫婦、高齢者を含む全世帯と分けて書いてございまして、まず全世帯は一番下の欄でございまして三千七百万世帯、このうち高齢者世帯が九百九十万世帯あるわけでございますが、これを持ち・借別に分けてございます。持ち家につきましては高齢者世帯は八五・四%、かなり高齢者世帯の場合は持ち家率が高いというふうになっております。それから借家をごらんいただきますと、公的借家と民営借家とあるわけでございますけれども、これにつきましては、民営借家は全体の四分の一の二五%でございますが、民営借家につきましては高齢者単身世帯の割合が多くて二七%、こういう状況でございます。 そして②でございますけれども、高齢者世帯と、住宅政策で行っております最低居住水準未満世帯率というのを比較してございます。最低居住水準未満と申しますのは、住宅政策上この水準以下にはどうしてもなっていただきたくないという最低居住水準を設けておりまして、四人世帯の場合は五十平米となっておりますし、二人世帯の場合は、これは夫婦御一緒の場合は約三十平米、こういった基準を設けているわけでございます。これを世帯別に見てみますと、全体では九・五%が最低居住水準未満の世帯でございます。そのうち高齢者世帯は五・九%ということでございますから、全世帯から比べますと高齢者世帯の最低居住水準未満率は低いということになるわけでございます。 それから、全世帯のうち持ち・借を見ますと、持ち家の方が最低居住水準未満率が低い。全世帯で二・七%、高齢者世帯でも二・九%でございますが、借家が最低居住水準未満率が非常に高こうございまして、全世帯で二〇・九、高齢者世帯では二四・〇というふうになっております。特に民営借家の木造・設備共用と書いてございます、木造住宅でトイレですとかおふろですとか、そういうのを共用しているような、いわゆる木賃住宅と言っておりますが、こういった木賃住宅に入っておられる高齢者単身世帯が非常に多うございまして、この方々の最低居住水準未満率は七四・六という状況になっているわけでございます。 そこで、住宅対策といたしましては五カ年計画に基づきまして施策を進めさせていただいているわけでございますが、三ページに特に高齢化対策につきましての部分を抜き出して書いてございます。 第六期の住宅建設五カ年計画は平成三年度からの五カ年計画でございます。この五カ年計画には四本の柱がございまして、居住水準の向上対策、より広い家、より環境のいい家、そういうのが第一、それから第二が大都市の住宅対策、第三が地方の活性化といいますか、地方の住宅対策、第四が高齢化対策でございまして、その四本柱のうちの一つが高齢化住宅対策でございます。 考え方の基本は(1)に要点を書いてございますが、高齢者が可能な限り住みなれた地域社会で安心して生活できるようにするというのが基本的な目標でございます。このために、施策といたしましては、親族との同居、近居等の高齢者の多様な住まい方に応じた住宅供給、特に公共賃貸住宅の的確な供給等によりまして高齢者住宅対策を進めていくというのが第一。第二は、公的住宅も民間住宅も同様でございますが、設計、設備の面で、いわゆるバリアフリーと言っておりますけれども、高齢者に配慮をした住宅の設計、設備を備えていく。それから三つ目が、高齢化されまして自立しておられる間は当然住宅政策の対象になるわけでございますが、自立ができなくなった場合に備えまして、医療・福祉施策との連携をとりつつ住宅政策を進めていく。以上申し上げました三つの点が五カ年計画におきます高齢者対策の基本的な考え方でございます。 三ページの以下の欄は住宅宅地審議会の答申を書いてございますので、後ほどお読みいただきたいと思います。 次に四ページに移らせていただきます。大変恐縮でございますが、横書きでございますので横に向けてごらんいただきたいと思います。ここは公営住宅、公団住宅、公庫融資という施策関係をやっております、施策住宅と言っておりますけれども、これをそれぞれ設計・設備等々ごとにまとめているわけでございます。 まず、設計・設備につきましてでございますが、公営住宅の欄をごらんいただきますと、平成三年度すなわち第六期五カ年計画の初年度でございますけれども、公営住宅を建てる際にはいわゆるバリアフリーというのを標準設計といたしまして義務づけをいたしました。公営住宅にお入りになるのは高齢者に限らないわけでございますけれども、いずれ高齢化になっていくという前提で、今のうちから段差をなくすとか、手すりをつけるとか、あるいはいざというときにトイレ等に非常用の電源設備というのを設けておく、それを簡単にバリアフリーと申しているわけでございますが、それを標準設計に組み入れまして、すべての公営住宅は平成三年度からバリアフリーで実施をしているわけでございます。 それから二つ目は、老人同居世帯につきまして、これは六人以上の世帯でございます。これは三世代一緒という場合もございますが、二世代あるいは三世代の老人の多家族世帯につきましては、住宅の規模を八十から八十五平米ないし七十五から八十平米と規模を引き上げて、なるべく広い家に住んでいただけるようにしたい。さらにまた、従来の公営住宅は大体三階ないし四階あるいは五階建てでございますが、エレベーターなしでつくってまいりました。しかし、だんだんと入居者の方も高齢化しておられますので、エレベーターの設置というものに対しまして、住戸を改善する際も補助をする、新規の場合は当然補助する、こういったことを平成三年度から予算化をいたしております。 公団住宅についても考え方は同じでございまして、既設の公団住宅につきましては昭和六十二年度からバリアフリー化に取りかかりました。新設につきましては、先ほど公営住宅で御説明いたしましたように、第六期住宅建設五カ年計画に合わせまして平成三年度からほとんど全部の住宅をバリアフリー化いたしております。また、エレベーター付の中層住宅、これは三階ないし五階建てでございます。これを六十三年度からいたしております。 また公庫融資は、これは民間の方がおやりになる場合に援助するわけでございますけれども、高齢者に備えてあるいは高齢者のおられる家をお建てになる際に、高齢者用のホームエレベーターあるいはキッチンユニットあるいはバス、そういったものに対しまして工事をされる際には、戸当たり百万円の割り増し融資、それから高齢者同居につきましても戸当たり三百万円の融資、こういったことをさせていただいているわけでございます。 二つ目が、入居時の措置でございまして、入居される際に高齢者を優遇する、そういった措置が必要になってまいります。公営住宅につきましては、昭和三十九年度から老人用のやや広い住宅を特定目的公営住宅としての位置づけをいたしまして、特別枠で募集をいたします。そういたしますと、一般の方々よりも十倍の倍率優遇、優先入居という制度を設けております。さらに、単身入居につきまして、通常の公営住宅は単身の方はお入りになれないわけでございますけれども、六十歳以上の男性、五十歳以上の女性で単身の方々は昭和五十五年度から公営住宅にお入りになれるようにしてあるわけでございます。同様の措置が公団住宅もございまして、倍率優遇とここに書いてございますけれども、昭和五十六年度からこれも十倍の倍率で高齢者の方はお入りになれる。また近居、親と子供がなるべく近くに住むという場合に、公団住宅で近いところに入ってこられる際にこれも倍率優遇をいたしておりますことのほか、特別枠で高齢者用の規格の住宅をしているわけでございます。 それから、公庫融資につきまして、これは若干性格は異なるのでございますけれども、親孝行ローン制度というのを昭和六十三年に設けまして、親と一緒に子供が家を建てる、その際に、通常は二十五年ないし三十五年の償還期間でございますけれども、お子さんが債務を承継するという考え方のもとに償還期間を五十年に延ばす、これを親孝行ローンと称しているわけでございます。こういった制度をつくってございます。 また、家賃につきましては、公営住宅などで申し上げますと、建てかえをいたしますと規模が増加をいたします。したがいまして、当然家賃が高くなるわけでございますけれども、その家賃の激変緩和措置。従来の家賃から毎年三%ずつは家賃を上げさせていただきますけれども、通常五%で七年で打ち切るものを三%ずつ限度額家賃にすりつくまで、高齢者の方々には家賃の減免といいますか、をさせていただいておりますことのほか、平成四年度からは特に高齢単身あるいは高齢の御夫婦の方々だけに対しまして、福祉型借上公共賃貸住宅制度というものをつくらせていただいております。公団住宅は、大型分譲住宅の利率や分譲住宅の一時金につきまして、六十五歳以上の方々に一般の方々より優遇するという措置をとらせていただいております。 次に、福祉政策との関係について申し上げますと、シルバーハウジング・プロジェクトという、公営住宅を中心にいたしまして特定目的の公的賃貸住宅を建てまして、厚生省からの補助金をいただきますライフサポートアドバイザー、これに管理人室へ入っていただいて日常生活のお世話をするというシルバーハウジング・プロジェクトを昭和六十二年度からさせていただいております。 さらに、シニア住宅というのを公団の欄に書いてございますけれども、これはさらに福祉施設との連携をとりまして、建物の中に、日常の医療サービスを提供できる、緊急時に医療機関との連携がとれる等の日常サービス、基礎的なサービスをいたします施設を含みましたシニア住宅。ただし、入居される際には一時金を年金という形で払っていただいていくという、シニア住宅というのを制度化いたしまして、今年度から着工いたします。 その他の措置といたしましては、各市町村ごとに地域高齢者住宅計画というのを立てていただくようにお願いをしております。地域でどういうふうに高齢化が進んでいくのか、それに対して住宅政策はどうするのか、あるいは福祉政策の連携をどうするのかという計画を市町村ごとに立ててい ただこうというものでございます。 また、平成三年度からは、これは省内でも道路局と一緒になりまして、駅前でございますとかあるいは町の中心部でございますとか、高齢者や障害者の方々が相当出入りしていただくようなところで、このような方々が余り無理なくどんどんお使いになれるような施設、動く歩道とかあるいは建物の入り口なんかの改善とか、そういったことを、道路、歩道橋等々との総合的な計画に基づいた福祉の町づくり事業というのをやらせていただいておりまして、各地方公共団体にこれを御奨励をしているところでございます。 以上でございます。
○会長(鈴木省吾君) 引き続き、建設省藤井道路局長。
○政府委員(藤井治芳君) それでは、ごく簡単に御説明させていただきます。 今の資料の六ページをおあけいただきたいと思います。道路の状況をまず簡単に御説明いたします。 鉄道は、東海道本線が明治二十二年に東京-大阪間はできました。ところが道路は昭和三十六年。一方は明治二十二年ですが、昭和三十六年に東京と大阪がつながりました。道路整備は昭和三十六年ごろから本格的に現在まできておりますから、まだ三十年余というありさまです。したがって、いろいろな意味で私ども急いで参りましたので、細やかさに足りない点がございます。それを今一生懸命、いわゆるサービスの向上という点で、今回の第十一次道路整備五カ年計画におきましても人に優しい道づくりという物の孝之方のもとにやらせていただいております。 その車の利用状況の実態でございますが、昭和三十年には九十万台しか車がございませんでした。それが下の表にございますように、昭和四十五年には早くも千八百万台、そして現在は五千八百万台、まあ六千万台になろうとしております。運転免許も、昭和三十年には三百七十万人でございましたが、昭和四十五年には二千六百万、今や六千万人。こういうことで、今まではプロの方がお使いになる車社会だったのが、国民すべての方々が車をお使いになる、そういう車社会の状況のもとで、七ページをおあけいただきたいと思います。そういう中で一方、高齢化へのいろいろな問題が起きております。 そこで、まず深くおわびを申し上げたいのでございますが、七ページの下の表の二、運転免許保有者の推移の昭和四十五年(A)、全運転免許保有者二千百六十八というのがございます。これが実は男性だけの数字を取り違えまして、これ二千六百四十五万人でございます。そこで表をきれいに書き直したものを用意いたしましたので、お許しいただければちょっと配らせていただきたいと思います。 〔資料配付〕
○政府委員(藤井治芳君) そういうことで、上のグラフを見ますと、御承知のように二〇一〇年には二〇%の高齢者のおよその状況になる。現在が一二%。そのときに、下の表にございますように、現在は高齢者、六十五歳以上の一八・九%が既に車運転免許をお持ちの方でございます。それが二〇一〇年には四七%、半分の方、千三百万人が車でもって社会参画をなさる方々、こういう社会になります。そうすると、これを前提に道づくりをしなければならないわけでございます。 そこで、八ページをおあけいただきたいと思います。昨今の道路を見ますと、やはり路地に通過交通等が入っている傾向が多々見られます。その結果、安全の問題、混雑の問題、生活のいろんな環境の混乱等々の問題を投げかけております。そこで、そのような通過交通を排除するという根幹的な道路整備とあわせまして、その周辺における道路整備の大きな視点として、歩くということを交通の大きな役割として挙げたいと思っております。 そこで、歩行環境の整備。歩道が御承知のようにぶつぶつではだめでございますから、ネットワークしてつながっていくようにしたい。したがって、駅だとか病院であるとか、特に高齢者の利用の多いこういう施設の周辺は少なくともきちっと歩きやすい歩道がネットワークとして連続性を持つようにしたい、これを重点と考えております。 しかし、その際も質が問題でございます。今は一メートルでもガードレールで縛っていて非常に通りにくい、電柱はある、こういうような状況でございますので、西ドイツやイギリスのように幅の広い、すなわち幅三メーター以上の歩道を整備しようということで、今まではこれがなかなか資源配分の問題で苦しゅうございましたけれども、ここに大きな主眼を置いております。さらに、それ以外にコミュニティ道路、ちょっと恐縮でございますが、資料を四枚ほどおあけいただきますと絵が載っております。それの最後のページのところにコミュニティ道路の整備例という絵がございます。これは、歩道を思い切って広げまして車を一方通行にいたします。そして、二十キロ以下の通行にして、しかもがたがたにしてあります。ハンプというような形で、オランダでボンネルフと言っておりますが、通りにくくする。こういう形の道路を今全国かなりのところでつくり始めております。我が国では北区でこういったようなもので五百メーターのゾーンをつくったら交通事故がゼロになったというような報告事例もございますけれども、こういった質への問題。 それから、とまるという機能、これが特に大事でございますので、たまり機能。こういうことから、私どもいろいろと、散策路、広場、駅前広場、そしてさらに歩く場合にも、水がたまらないような透水性、あるいは電柱が邪魔になりますので電線類の地中化、こういった質への配慮を思い切ってやりたい。 さらに、③にありますようにいろいろな施設に対して利用しやすい立体横断施設ということで、恐縮でございますが、さらに二ページあけていただきますとカラー写真で尼崎市の絵がございます。これは本年度から事業化を始めている実例でございますが、尼崎の阪神電鉄大物駅から尼崎病院までの間をこのような形でエスカレーターつきで行っていただく、こういうようなものもその一つの事例でございます。 さらに、もとに戻っていただきまして、「福祉の街づくりモデル事業」といたしましては、いわゆる動く歩道、成田などの空港などで御経験のようなああいったものをその必要な施設のところにつくろう、こういうことも考えております。さらに、高齢者の場合には多少目が悪くなる、見にくくなる、いろんな障害も出る場合もありますので、見やすい道路標識、情報提供。さらには譲り合い車線といいまして、付加車線をなるべくつけていらいらしないようにする。それから、道の訳といいまして、昨日、実は道の駅長会議の第一回を開きまして、全国百三の道の駅がきのうから発足いたしました。これは、最後のページをもう一度おあけいただきますと絵が載っております。山形県の河北町の道の駅の例でございます。駅の字は御承知のように馬に尺と書く、馬ですから道でございます。こういったたまり機能をこれから大いにつくっていきたい。 こういうようなことを加えながら、私ども、なるべく高齢者が、いわゆるいたわれる側というよりも主人公として、大きなる主人公として利用できるような道路構造、そういう意味で道路構造令の改正も今年度からしようということで、今道路審議会にかけている最中でございます。 一応終わります。
○会長(鈴木省吾君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹山裕君 農林水産省にお伺いをいたします。 冒頭の高橋局長からの御説明にもありましたとおり、農山漁村における高齢者の人口構成は我が国全人口の構成比と比べると二十年先行しているという実態の御説明がありました。そういう意味で、農林水産省は当調査会のテーマであります高 齢化に向けての対応の先進的な役割をしてきたんだなと、それだけにいろいろ御苦労もあったろうし、御苦心の中でまた今後の計画が立てられているわけであります。 しかし、農山漁村の方がほかよりも早く年を経ているというはずはないわけでありまして、これはとりもなおさず若年者の第一次産業離れ、農業からの離脱ということが裏腹の問題として絶えずあるわけでございます。これは高齢化だけをとらえてなかなか論じにくい由もあろうかと思いますが、今回は特にそういう生味で、農山漁村の高齢者、まさにその地域地域での長い地域なりの伝統を踏まえた高齢者の生きがい、働きがいということについては先ほど幾つか事例をお示しいただいて、新しい職場づくり、ほほ笑ましい、楽しいお仕事にそれぞれのお年寄りの知恵でお働きをいただいているという実態も聞かせていただきました。 確かに、特に海で仕事をする人などは、広域の気象庁では推しはかれない雲の姿、あるいは風の方向などによってみずからの仕事場での安全渡を見込んでいこうというようなことでありますから、大事な役目もあるわけであります。大体、農林漁業、まさに天然自然現象を相手の仕事でありますから、これまたその地域地域での豊かな経験、豊富な体験を踏まえてのお仕事ぶりが大いに生かされやすい分野でもあるかなと、こんなふうに伺ったわけであります。 今日までそうした高齢化の先取りといいますか、御苦労をしながらこられたお話を一部伺わせていただきまして、やっぱり若者の定住と同時に、本当に先輩たちが楽しげにお働きをいただいていることが若者の回帰に、Uターン、Jターンにもつながっていくわけであります。そういう意味で、従来からのお取り組みの苦労とともに、先ほどお話しのとおり、平成五年度のこれらの問題に対しての中長期ビジョンを策定中という御説明がありましたので、この辺のところを少しお聞かせをいただき、農山漁村における高齢者の意欲づけ、元気づけになるようなお話が聞ければと思います。
○政府委員(高橋政行君) ただいま先生からいろいろお話がございましたが、農山漁村、恵まれた自然環境にあるわけでございますから、ある意味では都市に比べて高齢者に適した就労あるいは活動の場が比較的多いというような特色もあるのじゃないかというふうに思っております。したがいまして、こういうようなものを生かしながら何とか健康的な生活が営めるような、高齢者の皆さん方がそれなりにふさわしい役割を果たしていただくという、そういう環境にあるのではないかというふうに思っております。 したがいまして、我々としてこれから取り組む場合の視点としては三つぐらいあるんじゃないかと思っております。その一つは、高齢者の皆さん方の意欲と能力に応じました就労の場というものをどういうふうに確保していくか、それは特に農林業においてどういうような就労の場が与えられるかということ。それから二つ目が、高齢者の皆さん方は、その地域で長い間生きてこられまして、いろいろ貴重なる経験なり技能、知識、そういったものを持っていらっしゃるわけでございますから、そういう経験を生かした地域社会活動をどう促進していくかということ、それが二つ目です。それから三つ目が、そういった高齢者の皆さん方が他の世代、いわゆる子供の皆さん方、あるいは他の地域、都市の消費者の皆さん方とか、そういう皆さん方とどういう多様な交わりといいますか接触をして相互交流を図っていくかというような、三つの視点から、そういった条件整備をどういうふうにしていったらいいかというようなことからつかまえていくのかなというふうに思っております。 それで具体的には、まず一番目の就労の場の確保ということで申し上げますれば、現在でも先ほどの事例から見てもおわかりのように、高齢者の皆さん方の体力あるいは能力に適しました農作物としてどういうようなものを導入していったらいいか。例えばちょっとした花の苗づくりであるとかあるいは薬草づくりであるとか、先ほどありましたようにひょうたんをつくるとか、そういうような、どういうような作物が適しているだろうか、それからその場合どんなような作業が分担されるであろうか、さらには技術としてどんなものがあるか。 特に最近は、機械化というような状況の中で、高齢者の皆さん方も扱いやすいような作業としてはどんなことを開発し、普及していったらいいか。あるいはまた先ほども、いろんな加工をしながら消費者の皆さん方と結びついていくというようなことがありましたが、そういった地域に昔からある伝統的な加工、そんなものを生かすような方法があるのではないかと思っております。それで、特にまた平成五年度には、そういったことから、高齢者の役割が農業において無理なく十分に発揮できるための作業能力であるとか、あるいは作業の安全性、そういったものに配慮しました営農モデルというようなものも策定していきたいなというふうに思っております。 それから、二番目の点に関係いたしましては、やはり何といいましても高齢者の皆さん方が個々に活動するということではなくて、どういうようなグループをつくりながら活動をしていくかということでのグループの育成ということにも力を注いでいかなければならないんじゃないか。そうすると、そういうグループが地域社会の村づくり、地域づくりというものに貢献していく。先ほどの例でいえば、歩道橋をつくるとか桜並木をつくるとか、あるいは憩いの公園とか称しまして自分たちでベンチをつくったりなんかしながらひとつやっていこうじゃないかとか、あるいは特にいろんな伝統文化というようなものを継承していくとか、あるいは工芸品につきましてもいろんな技術を持っておりますが、そういうような地域活動に参加していく。特にいろんな技術を持っている人たちは、例えば市町村で登録なりあるいは認定をしておいて、いろんなことを協議する場合にはそういう人のお知恵をおかりしていくというような、地域活動をどういうふうに推進していくかという面から、そんなことも考えていかなきゃいけないかなと思っております。 それから、特に消費者との関係では、農産物の直売というようなことでの産地と消費者との結びつき、あるいは朝市とか先ほど例に党もれた百円市とかいうようなことで、農産物の市場、そういうものをつくることによって市民との接触をしていくとか、あるいは親子教室みたいなものを設けながら接触の場といいますか交流の輪を広げていくとか、そんなようなことをもう少し体系的に整理しながら、今後どんなふうにしていったらいいかというようなことを考えていきたいと思っているわけです。
○竹山裕君 事業の継承というのはどの分野でもなかなか難しい部分がありますが、特に農林漁業の経営の移譲の円滑な対応という意味では、お年寄りが安心して次へバトンタッチができるというのではさっき局長からも農業者年金制度があるというお話はありましたが、なかなかそれだけで安心をしっかり買うというわけにもいきません。 この辺が、今もお話のあったグループ的な対応といいますか担い手問題、後継者問題で特に悩みの深い第一次産業としての、家族構成的な小グループ的な対応、相互扶助的なものが、これは若者の対応を含めて後継者対策の大きな、お年寄りに対する安心、安全を目指した施策になるんではないかと思うわけでございますので、その辺の何か手法、施策のお考え、実際に実態的なものを踏まえてお話を聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) 農民の皆さん、一定の年代になりますと引退されて年金で暮らすというようなことで、経営移譲をされるわけでございますが、移譲後も経済的に不安をまず抱かない、また家庭内でも気兼ねなく暮らせる、それからさらに生きがいを持って生活ができる、そういうようなことが必要ではないかと思っております。先ほどお話し申し上げました年金制度によって一定の経済的な基盤が得られたといたしましても、やは り家族あるいは地域による幅広い支援がどうしても必要なことであるというふうにまず思います。 したがいまして、我々普及事業というものを持っておるわけでございますが、その普及事業を通じまして、まず家庭内の話としては、経営移譲後におきましても、そこで全く引退してしまうということではなくて、農業の中で軽作業というようなものをどういうようなふうにやっていただくかという、まず経営内における役割分担といいますか、そういうものを一つ決めていく。それからまた、生活の安定や保障というようなことでは、生活費などについてはどういうような負担にしていくかとか、あるいは介護についてはだれがどんなふうな担当をしていくかというような家族のルールづくりというものも普及事業で現在推進をしておるところでございます。 それからさらには、地域において生きがいを持って多様な活動ができるようにというようなことでは、補助事業では例えば郷土の文化、芸能の保存継承施設を設置、整備するとか、あるいは老人の皆さん方が集まっていろいろな作業なりあるいはお話ができるような場を設けるとかいうような施設整備を図るとか、あるいは農産物の販売をするための施設整備を実施するとか、そういうようなことをしながら、外に出ていっていろいろまた活躍していただくという場もつくっているというようなことをやっております。
○竹山裕君 昨年の通常国会で農協組合法の改正がありまして、それぞれの地域での農協が老人福祉事業を行うことができるという明定ができたわけであります。これらは既に各地でそれぞれ具体的な展開をしておるのも地元へ帰りまして見聞きはするわけでありますが、なかなか機構、人材を含めて難しい面もあるようでございます。 全国的なその後の実態、まあ一年経過という中でありますからそう大きなものは期待できませんが、今後の取り組みを含めて、農協と農林水産省の対応の仕方などをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(今藤洋海君) 現在、農協は組合員からの大変強い要望がございまして、各地域で老人福祉に関します活動に取り組んでいるわけでございます。具体的には、在宅福祉の活動といたしまして、農協の婦人部員等を対象といたしました介護のための研修会、既に二百数十の農協で実施されております。また、農協の職員が老人家庭を定期的に訪問して声をかけ合おうという一声運動でございますとか、地場の農産物を持ち寄りまして給食サービス活動を行うといったことが各地で実施されておるわけでございます。 また、老人福祉施設の設置につきましては、これは経費その他もかかりますのでまだ数多くはございませんけれども、社会福祉法人を設立いたしまして特別養護老人ホームをつくるとか、ケアハウス等の軽費老人ホームの設置、運営、こういったことを行っているところも何カ所かございます。 このような農協の老人福祉事業の実態を踏まえまして、先ほどお話しございましたような農協法改正を行って、農協の老人福祉事業を実施できる旨、法律上明定したところでございますが、いずれにいたしましても、この老人福祉事業、基本的にはやはり行政でございますところの市町村、こういったところが中心でございます。市町村なり社会福祉協議会、さらには医療機関等、地域の関係団体との機能分担を明確にして連携を図ってやっていくことが重要だと思っておるわけでございます。 農林水産省といたしましても、このような農協の活動を支援していくということのため、特に農協の介護活動を中心的にやっていけるような人を育成することが重要でございます。その意味で、高度な知識と技能を備えた人材、リーダーというものを農協に育成していく、さらには市町村との連携を図っていく、こういった事業を実施いたし、国としても助成するということで取り組んでいるところでございます。
○竹山裕君 いろいろ今後の対応に力を尽くしていただきたいと思います。 また、今建設省の両局長からは新しい時代へ向けての高齢者対策、まさに農水省は二十年先を行っているだけに、厚生省を中心に各省庁としっかりとした関連動作で、効率の上がる農業、林業、漁業含めて、特に生活基盤の整備充実に、私どもも一生懸命やりますが、御努力をいただくことを期待して、質問を終わります。
○川橋幸子君 それでは、先に運輸省の方に御質問させていただきます。 この長寿社会対策に盛られました運輸省関連施策一覧表がとてもわかりよいのでございますけれども、ばっと拝見いたしますと、上三つまでは高齢者対策がなと思うのですが、下の観光レクリエーション地区、特に旅行村とか自動車で旅行するようなキャンプ村とか海洋レクリエーションとかとなると、運輸省が観光行政を持っておられて、余暇時間の多い高齢者のために豊かな老後をという意味はわかるのですけれども、私個人的な意見を言わせていただければ、観光事業は高齢者というよりも全年齢層だという感じを持つとすると、むしろこの観光行政が高齢者対策の中の水増し部分、みつ豆のみつのような感じてお見受けするのでございます。こんな感じを持つことに対してはどんなふうにお考えになられるのでしょうか。
○政府委員(和田義文君) 御説明の中でも申し上げましたのですけれども、高齢者に直接関係いたしておりますのは上の三つまででございまして、四つ目の、御指摘の観光レクリエーション地区以下は健常者も含めてのものでございます。 ただ、なぜここに書かせていただいたかと申しますと、今から社会全体が高齢化社会になっていくわけでございまして、そういった意味で高齢者の観光なり安らぎなり、そういったことに対応した施策というものが従来以上に重要になる、こういった意味でここに記載させていただいたわけでございます。御理解いただきたいと思います。 〔会長退席、理事成瀬守重君着席〕
○川橋幸子君 私だけかもわかりませんが、とにかく個人的にはそんな感じがいたしまして、これから超高齢化社会というものに対して、日本の高齢者が移動する、生活圏の中で移動する、あるいは社会参加のために移動するという、そういう移動の重要性を考えるとすれば、むしろ上の三つの事業というのは実施段階に入りますと非常に大きな事業になっていかれるような気がいたしまして、並列よりは何かちょっと御工夫があった方が国民にわかりいいのではないかという、そういう意見だけ申し述べさせていただきます。 個別の対策、上の三つについて拝見いたしますと、これからという感じでございまして、非常に大きな問題を抱えていらっしゃる。今から調査をして、モデル計画をつくって、それから日本全国に実施という感じで、緒についたばかりと。おくれていることを非難しているという意味ではなくて、今までの運輸行政も、産業のためとか、あるいは経済活動のためとか、経済のためとかと非常に御苦労なさったことを思えば、またその精力をこれからに向けていただきたいなと思うわけでございます。 その中で、大変わかりやすい資料でございましたので理解できたのでございますが、一点だけ、これは運輸省さんのお仕事になるのか、あるいは後ほど建設省さんにもお伺いいたしますので、建設省さんの方のお仕事だったらそちらでお答えいただければよろしいのですが、とりあえず運輸省さんにお伺いします。 東京のような大都会の場合は非常に地下鉄が深くなっていく、あるいは駅も高層、高くなっていく。エレベーターの設置が非常に必要とされていて進められてきているのでございますけれども、どうも、例えば永田町の地下鉄も非常に深いんです。ですけれども、駅員さんのいる改札口まではエスカレーターがありましても、そこから道路に上がるまでまた結構階段があるということがございまして、その辺がどうも地下鉄は年寄りは使いにくいというのでしょうか、余り人に優しくない地下鉄というようなお話をよく聞くわけでござい ますけれども、そういうものはどのようにしたら解決できるものなんでございましょうか。
○政府委員(和田義文君) お答え申し上げます。 先生の御指摘にございましたように、エレベーターにしろエスカレーターにしろ、まだ整備が十分ではございません。ただ、例えばエスカレーターの場合、ホームから改札口までエスカレーターがあって、その後地上に出るところにはないというような御指摘もございましたですけれども、そういった場所にエスカレーターを設置している駅もございまして、全体のエスカレーター、エレベーター整備の中で今後とも考えていきたい、こう思います。
○川橋幸子君 ぜひ地上に出るまで、ひとつ人に優しく御配慮いただければありがたいと思います。 あともう一点お伺いしたいと思うのでございますが、これからの施策の展開、イメージとしてはわかるのでございますけれども、具体的な方法論でございます。調査をするとか計画をつくるとか、あるいはガイドラインの策定、公共交通ターミナルにおけるガイドラインの策定というのは五十七年度からやっておられるようでございます。 いずれも国の施策とあるいはこうした公共交通機関自身の事業とさまざま入り組んでくるのかもわかりませんけれども、こうした人に優しい交通システムをつくる場合に、緩やかな誘導指針というような格好でこれからも整備が進むものかどうか。あるいはもう少し、一遍に法的な規制といってもコストがかかるものでございますから、そう簡単ではないかもわかりませんけれども、少なくとも公共交通機関の非常に枢要な部分については何らかの義務的な措置というものがとれないものかどうか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(和田義文君) 義務化のお話でございますけれども、先ほど御説明いたしましたように、絵がございましたですけれども、私ども運輸省といたしましては、エスカレーターの整備指針でございますとかそれからターミナルのガイドライン、こういった義務化していない形で今までやってきたわけでございます。 こういったものの整備に当たりましては、既存駅につきましては、大規模な駅構造の改良、それから出入り口のための新たな用地の確保、こういった問題が多々ございまして、問題が非常に多くございます。したがいまして、現状で一律に義務化するというのはなかなか難しいのが現状でございます。
○川橋幸子君 現状は難しいということは私もよくわかりますので、ぜひ長期展望を立てられましたときにはその展望が実現いたしますように、着実に進みますような何らかの手だてを御工夫して頑張ってくださいますように御期待申し上げたいと思います。 それでは続きまして、建設省さんの方にお尋ねさせていただきます。質問の前に、これも質問でございますけれども、御説明いただいた統計数字の中でどのように解釈すればよいかがちょっとわからないことがございましたので、もしわかりやすく御説明いただければありがたいと思います。 高齢者の住宅事情、住宅の方の話でございます。二ページ目の資料でございまして、先ほどの局長の御説明の中でも、高齢単身者の民営借家比率が非常に高いこと、それから民営借家のうち木造・設備共用、居住水準が余りよくないということでございますけれども、そこで単身世帯が問題になるというような数字を特に強調されたわけでございます。 私、頭の中で描くと、家族が多い場合は部屋敷、部屋も広くなきゃいけない、でも子供が独立すれば夫婦二人になる、夫婦二人のうち夫が死にますと、後は残された女房は、後家楽という言葉もありますように、悠々と暮らせるという感じを持つのでございますけれども、それはまだ日本が豊かでない時代の方々が、単身世帯として民営借家なり設備も共用するような、割合水準の低いところに滞留しがちだという、そういう老人層の属性というのはどんなふうに考えればよろしいのでございましょうか。
○政府委員(三井康壽君) これにつきましては、この数字の本当の詳しいデータというところまでは当たりにくいわけでございますけれども、高齢の単身世帯の方々が木造・設備共用に住んでおられるということは、木造・設備共用と申しますのはいわゆる木賃という、都会を歩いておられますとおわかりでございますけれども、昭和二十年代から三十年代にかけまして建てられたものが結構多いわけです。また戦前に建てられたものも多いわけでございます。そういった住宅事情の悪いところにお入りになった御夫婦とかあるいは御家族がおられて、お子さんが大きくなられて御夫婦者になられる、あるいはどちらかがお亡くなりになって単身になられる、その方々が滞留しておられるといいますか、そういった状況にあるというふうに私ども見ているわけでございます。 ただし、ここでは最低居住水準未満率ということでその数字が非常に大きいということでございますけれども、絶対数といたしましてはないわけでございます。しかし、現実にそういう木賃の悪いところに単身の方がお一人で住んでおられる場合の水準未満率というのは非常に高い。いずれかの時点におきまして持ち家に彩られたりあるいは公的な借家に彩られたりという方の場合はここから抜け出ているわけでございますけれども、そういったことをされておらない方々が数字に出ているというふうに読み取っていただければと思います。
○川橋幸子君 何となくわかったような感じでもあるわけですけれども、私の想像ですと、今の高齢者の方々は戦争の痛手を受けられて非常に生活に大きな変化があった方々がおられる。リッチな老人もいるけれども、リッチじゃないというか、恵まれない方々も多い。非常にそのギャップの多い層だというふうに思います。これからの住宅政策はそういうところに配慮していただければありがたいと思います。 さて、御説明いただきました住宅対策のうち第六期住宅建設五カ年計画でございますが、できる限り住みなれたその地域の中で安心して最後まで暮らしていけますように住宅の供給を推進するということなのでございますけれども、これは供給するという定性的な目標だけなのでしょうか、それとも量的に何か目標値が決められているのでしょうか。
○政府委員(三井康壽君) ただいま御指摘のございました高齢単身層、それから高齢者夫婦のみ世帯層、こういった方々の最低居住水準未満世帯は、これ実数を書いてなくて恐縮でございますが、約十二万世帯でございます。 それから、今後十年間、正確に言いますと七年間でございますけれども、二〇〇〇年までにこのままでいきますと最低居住水準未満になられるであろうという方々の推計を私ども八万世帯としておりまして、二十万世帯、この方々を最低居住水準未満から引き上げていこう、こういった目標を持っておりまして、二〇〇〇年までに二十万戸新設をしたり建てかえをしたり、あるいは現在ある狭い住宅を設備等をつけ加えながら改良いたしまして、最低居住水準未満から脱却していただくようにしたいという目標を持っております。
○川橋幸子君 比較的恵まれない方々に対しては、そういう量的な目標値までつかんでおられて整備なさるということですので、ぜひ御努力をお願いしたいと思います。全体的に何というんでしょうか、住宅というのは一つの基本的人権といいましょうか、ゆとりがあって心豊かに暮らすための非常に、生活大国五カ年計画の中でも主要な計画になっていくんじゃないかと思うんです。 この第六期住宅建設五カ年計画といいますのは、最低居住未満を減らすだけじゃなくて、高齢者の方々が、高齢者というんでしょうか、人間だれでも年をとりますからあるいは人間全部なのかもわかりませんけれども、しかもそれは公的に供給するだけじゃなくて自助努力でやっていく部分もあるんだと思うんです。その住宅のニーズと供給についての量的な目標値みたいなのは立ててお られるんでしょうか。
○政府委員(三井康壽君) 今回は高齢者につきまして特化しまして御説明をさせていただきましたけれども、私どもの五カ年計画は、高齢者を含めましてすべての世帯の住宅水準の向上といいますか、それを目標としているわけでございまして、平成三年度からの第六期五カ年計画では、戸数といたしましては七百三十万戸、こういう計画を持っているわけでございます。 従来は、公的な資金によりまして援助させていただく住宅の数字は全体の計画戸数の過半を占めていなかったわけでございますけれども、今回は三百七十万戸を公的な資金住宅といたしまして、過半を超えるようにさせていただきまして、なるべく私どもの公的な施策の対象として取り上げるようにしたいというのが一つでございます。 それから、大きな目標といたしましては、先ほど四本柱の一つと申し上げたんでございますけれども、居住水準の向上対策というのが一番大きな柱でございまして、これはいわゆるウサギ小屋脱却論でございます。世界各国からウサギ小屋と言われまして、輸入輸出の問題までいろいろと議論されているわけでございますが、現在の一戸当たりの住宅の規模は約九十平米でございまして、これはヨーロッパの先進国にやや劣る、こういう数字でございます。 これを二〇〇〇年に百平米にいたそうとしているわけでございまして、そういたしますと、英独仏といったヨーロッパの各国の一戸当たりの住宅よりもやや上回る、現在のヨーロッパ諸国の規模よりやや上回る、そういう大きな戦略目標を立てまして、この五カ年計画では九十五平米までにする、その次の五カ年計画で百平米にしようと、そういう大目標を持っているわけでございます。
○川橋幸子君 大目標を立てられての住宅対策、人はだれでも老いるものでございますので、居住水準それから居住形態に合わせて、四人に一人が高齢者の社会の住宅づくり、住まいづくりに御努力いただければと思います。 ほかにも聞きたいことがありましたけれども、もう時間が参りましたので、あとは道路局長さんにお聞きしたいと思います。道の概念を、車のための移動の動脈じゃなくて、人が歩くという、歩きながら道の表情というのは随分変わりますし、道それ自体もあるいはもう都市の公園のような顔を持つということから考えますと、そちらの方に力点が移ってきておられるような御説明をちょうだいしましたので、ぜひその方向でお進めいただきたいなと思うわけでございます。 ただ、現在の日本の道路事情の現実を考えますと、とても絵にかいてあるようなところにまでたどり着くには物すごく、百年河清を待つような感じがなきにしもあらずなのでございますけれども、実現についてのスケジュール、長期でも結構でございますけれども、お持ちでいらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(藤井治芳君) それでは、より現実的なお答えをいたします。 確かに、例えば東京で今から土地を買って道を広げる、これは現実的ではございません、非常にお金がかかります。したがって私どもは、買えるところはもちろん買いますけれども、例えば災害だとか火災、そういったことで非常に危険なところは何としても、無理してでも防火帯という意味でも広げますけれども、そうじゃないところは、例えば今考えておりますのが三つぐらい。 一つの例を申し上げますと、その道路だけで解決するんじゃなくて、関連する道路三本なら三本、四本なら四本一緒にまずその地区を考えます。そして、この道路は通過交通というか、まず車のために使いましょう、そのために少しいろんな無理をしてでも車のための整備をしましょう。そのかわり裏通りは、これはもう通学路であるとか歩行者用の専用に使うような、いわゆる組み合わせたネットワークとして地区で使えるようなことをする、こういったことも一つの工夫だと思います。これが先ほど言いました北区の王子の駅前で出ているコミュニティ道路のゾーンなんかでそういう工夫をやっていただいているのもその実例でございます。 さらにもう一つ、建物と道路とを一緒につくります。そして、これを立体道路制度と言っておりますけれども、道路の上に建物をつくります。建物の中に道をつくります。そういう形で、土地は買わないけれども、建物と道路とを一緒につくることによって道路の空間もつくる、こういうようなことも考えております。 それからもう一つ。私ども目指すところは車社会から道社会を目指しておりますから、したがって道路空間というものは社会空間である、したがってみんなが自分のものだと思っていただかなきゃいけない。となると、道路の際、これ横浜の馬車道だとかいろんなところで最近出ておりますけれども、町会、グループがみんなでお話し合いいただきまして、道路沿いの地域を空間を出していただく、みんなのために空間というものを出していただきます。そうすると、それは私どもは買いません、買いませんけれども、空間を利用させていただく。そのかわり、その道路の下の地下の空間は、駐車場であるとかそこの沿道の方々の他の目的を充足するために御提供する。言ってみれば使い道をお互いに工夫し合いながら、取りかえっこといいましょうか、しながら結果として土地を買わなくとも済むような、そういう道をつくりたい。そういういろんな現実に即した道の使い方をこういう東京のような場合ではやらなきゃいかぬと思っております。 それから地方におきましては、もう少し用地が入手しやすうございますから、せめて道らしい道をつくって、一極集中を是正し、魅力にもなるような、そういうそれぞれ地域ごとの交通特性に合わせたそういう道づくりをさせていただきたいと思います。 高齢者の場合には、これは一つだけ事実を申し上げておきますと、例えば平成二年に、京阪神の地区の高齢者の方々が外に出る率、免許をお持ちの方と免許をお持ちにならない方の外に出る率を見ましたら、車をお持ちの方、免許をお持ちの方は一・五倍も外にお出になります。ということは、社会参画が、車を、免許を持つことによって非常にふえるということで、いろんな意味の豊かな生活といいましょうか、社会にかかわり合った生活ができるわけでございますので、それに合ったように道をつくっていきたい。 その際に、歩道は今三〇%しか三メーター以上の歩道はありませんので、これもこの十一次五カ年計画では大幅にふやそう。平成四年度末で申し上げますと二五・二%でございます。それを十一次五計の平成九年度には三四・六%まで三メーターの歩道を広げようといったようなことを、今言ったようなお互いがいろんな工夫を出し合っていただきながら確保してみたい、かように思っております。
○川橋幸子君 ありがとうございました。
○浜四津敏子君 それでは、建設省の方にまずお伺いいたします。 私ども高齢者の方々から寄せられる御相談の中で、先ほどお話がありました民営借家、いわゆる民間アパートを借りていらっしゃる方からの悩みが多く寄せられます。家賃が高い、そしてまた、明け渡しを求められているけれども移り先がない、こんな悩みが多くあります。ある方は、男性の高齢者の方ですけれども、不動産屋さんに移転先を一生懸命見つけにいったときに、どうしても貸してくれない。そのときに不動産屋さんの方が、これが女性だと、おばあちゃんだとまだ何とかなるけれども、男性の高齢者はどこも貸してくれないんだよねと、こういうお話をちょっと耳にしまして、その方は女性の格好をして借りにいった。こんな何か本当に悲しいような笑い話のようなお話がありますけれども、そんな悲惨な話もありました。それからまた、年金だけで暮らしていらっしゃる方が二万円とか三万円の家賃を払って、六万七万の年金でどうやって暮らしているんだろうかと思えるような方もいらっしゃいました。 こうした高齢者の民間のアパートを借りてい らっしゃる方の家賃がどれぐらいになっているのかとか、あるいは収入と家賃との関係はどうなっているかとか、あるいはそもそも貸してくれない、この入居の困難さとか、そうしたことについて実態をどのように把握していらっしゃいますでしょうか。そしてまた、こうした現状に対してどのように対処されるか、またどのように取り組まれるおつもりでしょうか。
○政府委員(三井康壽君) 先ほど冒頭に、民間借家におきます高齢者の居住の状況、持ち家の方が高齢者所帯の中で多いとか、あるいは最低居住水準未満六%とか、それから借家につきましては最低水準を満たしてない方が非常に多い、そういった御説明をいたしました。 そこで、その方々が家賃がどのくらいなのか、そういった調査は国としてはまだございません。したがいまして、これからそういった問題が相当出てくるわけでございますけれども、現実問題として高齢者住宅にこれからいろいろ取り組んでいくという中で、公共団体とも相談しながら、これをどうやっていくかということが今後の課題であると思っているわけでございます。 そこで、現在私どもが進めている中で、地域高齢者住宅計画というのを各公共団体に立ててもらうようにしているわけでございまして、これは東京都の特別区を中心にいたしまして、全国的な市町村、割と大都市を中心にしてはございますけれども、ようやく立てていただけるようになりました。全体としてお年寄りがどのぐらいおられてどういう居住水準、どういう居住状態かをその中で把握をしていただこう。そして、その中で、どういった形で高齢者の世帯の方々が住宅を取得したり、入居したりしていくか。さらに、お年をとられるわけでございますので、住宅政策としては、自立をするという前提で住宅政策をやっているわけでございますから、自立ができなくなりますと福祉政策との兼ね合いという問題になってまいります。したがって、地域高齢者住宅計画におきましては、いざというときに備える福祉政策との連携をとった計画を立てていただく、こういった状況に今あるわけでございます。 したがいまして、家賃がどのくらいとか、そういうところなかなか手が届きませんことは、私どもも努力が不足しているわけでございますけれども、一応民間ということもございまして調査もなかなかしづらい点はあるわけでございます。
○浜四津敏子君 現在、地方自治体の幾つかで実施されております優良民間住宅の借り上げ制度とか、あるいは家賃補助制度なども、こうした高齢者の方々の住むところに苦労も不安もなるべく与えない、十分に暮らしていただける、こういう政策の後押しをぜひしていただきたいというふうに希望いたします。 次に、建築基準法について少し伺います。現行の建築基準法は、つくられたときには高齢者とかあるいは障害者の方々に対する配慮というのは恐らく全く念頭になかったのではないかというふうに思います。健常者を想定して基本的にはつくられております。 今、地方自治体、例えば神奈川県あるいは大阪府、横浜市、兵庫県、こんなところで建築基準条例あるいは建築基準法施行条例といったようなもの、あるいは設計の指針等がつくられております。国としても、こうした高齢者とかあるいは障害者に配慮した内容に建築基準法を見直していくとか、あるいは指針など法的な整備をするべき段階に来ているのではないかと思いますけれども、その点についてお伺いいたします。
○政府委員(三井康壽君) ただいまの御質問は、建築基準法について高齢者に配慮したような規定を置いたらどうか、端的に言うとこういう御質問であろうと思います。 これは御承知のことでございますのでくどくどは申し上げませんけれども、建築基準法は、建築に関する最低基準を定める、それはどうしても国民の方々に守っていただきたい義務強制の規定を置くわけでございますので、国民の皆様方のある程度の合意が得られるような基準でなければならない、こういうふうに考えているわけでございます。 高齢者仕様の建築といいますと、段差をなくすとか建物の内外にスロープをつくるとか、あるいはトイレを広げるとか、エレベーターにつきまして身障者用のエレベーターをつくるとか、まあ言ってみればコストがかかるという面がかなりあるわけでございます。したがいまして、現行基準法の中では従来からそういった規定を置いておりません。しかし、高齢化社会になり、また障害者に対する優しい行政をしなきゃいかぬ、こういう声が出てきているわけでございますので、少なくとも公共的な建築物につきまして、国や地方公共団体がつくりますものにつきましては、設計の指針を昭和五十年代の後半に出しまして、これでやっていただくようにお願いをしているわけでございますし、着実にそれは進みつつあると考えているところでございます。 しかし、民間の方々に対しましては、設計関係の団体を通じまして御協力いただくという形で指針をお流ししているわけでございますけれども、何せ費用負担が物によりましては相当かかることもございまして、必ずしも思ったとおりに進んでないというふうに言えようかと思います。 しかし最近は、特に二、三年前から各公共団体におきまして、いわゆる建築基準法上で特殊建築物と言っております、デパートですとかたくさんの人が入られる学校とかそういった建物につきまして、これを特殊建築物と申してございますけれども、建築基準法の四十条で、地域の実情によっては建築規制を条例で決められるという規定がございます。これに基づいて各公共団体で高齢者、障害者に配慮した建築基準条例というのをおつくりになってきつつあるわけでございます。これは大都市を中心にした都市あるいは県に多いわけでございますが、それだけ人がたくさんおいでになるということもございまして、割合と理解を旨様方に得やすいというところでございますが、ただ公共団体の中で条例をつくるに当たりましては、費用負担の関係で、規模を千平米にするところ、五百平米にするところ、あるいはエレベーターの設置は義務づけができないところ、いろいろあるわけでございます。 こういったことを念頭に置きまして、私どもも事務的にはこういった検討を続けているところでございまして、これを全国的に適用するにつきましてはどういう問題点があるのか、費用負担はどのくらいかかるかということを現在検討しているところでございます。
○浜四津敏子君 ただいま費用の問題、コストの問題がお話に出ましたが、ある試算によりますと、介護ケアのコストで最も高くかかるのが施設におけるケアである。次に住宅改造をしないままの家でのケアが費用がかかる。その次が住宅改造した家でのケア。そして、最もコストが安いのが、最初から介護型住宅を建てた、その住宅でのケアというのが最もコストがかからない。こんな試算が出ております。 そうした意味からも、最初から介護型の住宅を新築の段階から多くの方が建てられるような、そうした取り組み、普及あるいは啓発の取り組みが必要ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(三井康壽君) ただいまの御質問は住宅についてでございますが、先ほど申し上げました各公共団体におきます建築条例は住宅は義務化しておりませんことを、お間違いだといけませんので申し上げておきます。 住宅につきましては、一般的には個人がお建てになるものが多いわけでございまして、これにつきましては住宅金融公庫で融資をさせていただく際に、高齢者仕様の住宅をおつくりになる場合、手すりの問題、おふろの問題、トイレの問題、そういったもので高齢者仕様の住宅を建てていただくのが当然好ましいわけでございます。これに対しまして割り増し融資という制度がございますが、現実には、なかなかそこまで普及が至ってないということもございますけれども、一般の方々に御 利用いただいている率は思ったよりも少ないわけでございます。ただし、私どもが直接供給をさせていただいております公共団体のやります公営住宅あるいは公団住宅につきましては、先ほど御説明させていただきましたように、平成三年度からバリアフリー化という設計をすべての住宅にほとんど適用するというふうにさせていただいております。 ただ、介護つきのというふうな御質問になりますと、どういうイメージで御質問されたのか私どもちょっとわからないところがあるんでございますけれども、私ども言っておるバリアフリーというのとちょっと違いますと、本当に介護までできるというものかどうかについてはやや差があるのかと思います。私どもとしましては、通常の公共住宅はバリアフリー化を新規はすべて進めますし、公庫融資につきましても御利用いただくように普及はしていきたいと考えております。
○浜四津敏子君 それでは最後に運輸省の方にお伺いいたします。 アメリカでは一九九〇年、アメリカ障害者法、ADA法が制定されております。その第二百二項でこの法律の高い理念が宣言されております。いかなる障害者も、障害を理由に、公共事業体のサービス、事業、活動への参加を拒否されたり、あるいはサービスの恩恵を否定されたり、差別を受けたりしてはならない。大変すばらしい理念が宣言されておりまして、法律の中で交通事業者に対していろんな義務づけ、こうした障害者の方々を差別するような事業活動、そういうものをしないように義務づけております。 日本でもこうした、少なくとも高い理念を、国としての理念を定めて、公共交通の事業者に対してこうした改善の義務等を課すADA法のようないわゆるアクセス法を制定する、それに取り組むべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(和田義文君) 御指摘のADA法、これは雇用なり公共施設の利用などあらゆる分野におきます障害に基づく差別を禁止したものであり、交通関係におきましても、障害者が社会参加をする上で不利にならないような措置をとることを先生が御指摘のように定めたものでございます。このADA法のように広範囲にわたりかなり具体的な規定を設ける立法例、先進国の中でもまれでございまして、運輸省といたしましても、この法律の内容なり施行規則、実施状況について強い関心を有しておりまして、現在関連の情報を収集しつつ勉強を進めておるところでございます。 一方我が国におきましては、心身障害者対策基本法を中心といたしまして関係省庁が各種の障害者対策を推進いたしておるところでございまして、交通関係につきましても、交通施設の構造、設備の整備等について適切な配慮がなされるよう必要な措置を講ずる、こういうふうな同法の考えに沿って従来から高齢者・障害者対策を講じてきておりまして、その結果一定の成果が出たと私ども思っております。 現行の心身障害者対策基本法、この範囲を超えまして交通事業者に対する障害者用施設の設置の義務づけ等を法律で行うことにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、施設整備に当たっての用地、空間の物理的制約の問題、各事業者の経営事情の差異、財源等々困難な問題もあり、今後かなり慎重に検討しなければならない問題だろうと考えております。 ただ、当面は施設や車両の整備に関するガイドラインの充実を図りまして、これに沿った整備を行うよう交通事業者に対し指導するということを中心に、高齢者、障害者等のための施設整備を推進してまいりたい、こう考えております。
○浜四津敏子君 ありがとうございました。
○鈴木栄治君 今回用意しました質問が諸先生の質問と重複しておりますので、今回は遠慮させていただきます。 ありがとうございました。
○有働正治君 時間の関係で建設省を中心にお尋ね申し上げます。 高齢化社会に対応した住宅政策につきまして、国民の要望とのかかわりで、私は一つのデータとして東京都福祉局が行いました高齢者の実態調査を見てみました。住宅で困っていることについての八千七百十五人の回答結果を見ますと、二割近い方が困っていることがあると答えていまして、その中の具体的内容を見てみますと、一つは構造などが高齢者向きでない、これが二割を超えています。これは、公営、公社、公団、持ち家を問わず四分の一を上回る高率となっています。第二は、立ち退きを迫られている者一一%を超え、特に一人暮らしは一六%でありました。第三に、家賃が高い九%、一人暮らしは一五%でありました。その中で、そうした状況を受けて、行政への要望を見てみますと、持ち家では、第一が高齢者向けの設備を持つ公団、公社住宅の建設四四%、高齢者向け住宅改造資金の公的融資三八%などと続いていました。 私は、こうした点を考慮いたしますと、高齢者対策の問題として掲げられました行政への要望の方向を政府としても一層促進すべきだと考えるわけでありますけれども、御見解をお願いします。
○政府委員(三井康壽君) ただいま東京都の福祉サイドでおやりになりました調査の御報告、大変参考にさせていただくような調査を教えていただきましてありがとうございます。 私ども住宅サイドといたしまして、まだ高齢者に絞った調査というのはやっているとは言い切れないわけでございます。住宅統計調査と住宅需要実態調査というのを五年ごとにやっているわけでございますけれども、そういった観点から需要実態調査の六十五歳以上の方々の部分をとりました住宅に対する御希望あるいは御不満としましては、一般の方々は住宅の収納スペースが少ないとかそういった御不満、御希望が多いわけでございますけれども、六十五歳の方々の御意見は、例えば今住んでおられる住宅の痛みぐあいが激しい、あるいは遮音性、断熱性が問題がある、暑いとかあるいはお隊との関係がうるさいとか、そういった関係がやや多いかなと。また、高齢者の方々が五カ年間に住居を移転された場合、どういう理由で移転されたかといいますと、立ち退きを迫られて従前の住居から出なくちゃいけなかった、こういった調査もございますし、また、自分で住宅を改善されたいというときにやはりお年寄りでございますので資金が少ない、そういった結果も出ているわけでございます。 さらに、住宅の中での事故といいますか、ちょっとこんなところで申し上げるのもどうかと思いますけれども、事故死をされる方のデータをとりますと、おふる場で亡くなられる、あるいは段差があったりしてつまづいて転んで亡くなる、そういった方々が、一般の若い方も多いんでございますけれども、お年寄りの方は結構多い、こういったことは把握しているわけでございます。 そこで、ただいまの東京都の調査につきましては、東京都がそういうふうな御調査だと思います。高齢者住宅問題を考えていくに当たりましては、高齢者と若い世代がどうやって住んでいくかという基本的な家族形態の問題もございまして、地方部の御意見なんかをお聞きしますと、多家族世帯が日本は好ましいんじゃないか、したがって核家族的な住居形態を念頭に置いた住宅政策はいかがなものかという御意見もございますし、都会の場合ですと現実にはそうもまいりませんし、むしろ核家族でやるべきだと、こういう御意見もあるわけでございます。 したがいまして、一概に東京都だけの調査ですべての政策を判断するのはいかがかと思いますが、ただ大都会におきましては、今申されましたような東京都の調査は、大都会の皆様方のお感じが率直に出ているというふうに思いますので、こういったことを今後とも参考にさせていただきながら、また地域地域によって住居の仕方とか問題認識も違っていると思いますので、各公共団体にはいろんな調査をしていただきながら、そして私どもも調査をしながら今後の高齢者住宅対策を推進していきたいと考えております。
○有働正治君 高齢者の住宅事情のかかわりで、先ほどの冒頭の説明によりますと、高齢者世帯の住宅の所有関係を見ますと、持ち家が全体の八七%、公的借家がわずか八%弱でありまして、公的借家は全体のウエートからは極めて少ないわけであります。 従来政府は、持ち家取得援助の政策一辺倒とも言えるような方策をとってこられました。しかし今日、高齢化社会の進行の中で、高齢者の住宅問題として、構造が高齢者向きでない、あるいは立ち退きを迫られている、家賃が高い等々、民間の中での新しい事態に迫られている状況があると考えるわけであります。そこで、東京の自治体の施策を見てみますと、例えば市独自であるいは市と都と連動して、家賃補助だとか借り上げあっせん、あるいはシルバーピアなど公共住宅以外の民間住宅向けの新しい対応が次々と打ち出されている状況にあります。特別区の場合も家賃補助を含めました施策がほとんどの区で実施あるいは計画されている状況であります。江戸川区では持ち家の改造についても公的な援助が行われているということも聞いています。こうした動きは全国の中にも幾つか波及している状況であります。 そこで、お尋ねします。こうした民間住宅への新たな対応の動きについてどのように掌握されておられるのか、またなぜこういうことが起きているというふうに考えておられるのか。私は、国としてもこういう高齢化の中で民間住宅への新たな対応について従来の施策の枠にとらわれない研究も必要ではないかと考えるわけで、その立場から質問しているわけでありますが、御見解をできるだけ簡潔にお願いいたします。
○政府委員(三井康壽君) 従来からやっておりました住宅政策は、住宅五カ年計画も政策対象は約半分と、半分を超える部分は今までどちらかといいますと政策対象じゃなくて民間にお任せっきりという状態でございました。したがって、そういった今御指摘のような問題が出てきているわけでございます。 そういった民間の特に賃貸住宅につきまして公庫融資とか農住の利子補給とか、そういうのでやってきたわけでございますけれども、今後は主として大都市を中心としまして借り上げ型の公共賃貸住宅、地主さんに建てていただいて良質な賃貸住宅を供給するということを含めまして、公的な賃貸住宅の供給の促進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○有働正治君 次に、先進国における住宅政策の動向のかかわりでお尋ね申し上げます。 私もその点では素人であるのでありますけれども、先進諸国の状況を私なりに見てみました場合に、住宅政策が福祉政策の一環として位置づけられて、社会保障制度の中で借家世帯の家賃負担を軽減するための対人的援助が行われている状況があるわけであります。すなわち、借家世帯には所得補足的機能を持つ住宅手当や家賃補助が支給され、スウェーデン、フランスでは一九四〇年代に、西ドイツは六〇年、そしてイギリスとアメリカでは七〇年代に住宅手当制度が実施されています。世帯の収入との関連で算出いたしました支払い可能額と基準家賃との差額を国が補助する仕組みをとる国も多いようであります。こうした外国の住宅政策が福祉政策とのかかわりでどういう状況にあるのか、厚生省なり建設省なり簡潔にお述べいただきたいと思います。
○説明員(水田邦雄君) 欧米諸国におきます高齢者、障害者に対する住宅手当の実態というお尋ねでございますけれども、私ども、その詳細でありますとか最近の動向を把握しているわけではございませんけれども、先生今おっしゃいましたとおり、スウェーデン、旧西ドイツなどにおいてはこういった手当が行われていると承知しております。 各国の制度の組み立て方は制度創設の経緯でありますとか目的の違い、こういうものを反映しましてさまざまでございまして、承知している限りでは、例えばスウェーデンでは所得保障、旧西ドイツでは住宅政策、フランスでは家族手当の一環として実施されているというふうに見受けられます。
○有働正治君 私は、もちろん制度の違い、歴史の違い等々ありますけれども、近年の新しい動きとしてこの問題を注目しているわけであります。 東京都住宅局の住宅白書、九二年について見てみますと、ここでも各国の概況を述べています。そこでは近年ということで紹介してあるわけでありますけれども、「近年の先進国における大都市住宅政策は、家賃補助・住宅手当といった対人的援助と民間賃貸住宅市場の活性化を図るための支援といった政策が主流となっている。」というふうに紹介いたしまして、その背景の一つに今問題になっています高齢化の進展を挙げているわけであります。東京でも民間賃貸住宅への公的支援施策の展開が先ほど述べましたように新たな対応として各自治体で進められているということ、都としてもそれに対応している問題についても論及しているわけであります。 そこで私は、高齢化社会というその中で民間の住宅においてさまざまのひずみがあり対応が求められているという今日の新しい状況下におきまして、我が国の住宅政策も、借家の家賃を低くするような住宅供給の促進、あるいは欧米諸国におけるような社会保障としての家賃補助制度の創設等々、今後重点的な民間借家世帯の援助策についても研究が求められているというふうに考えるわけであります。 特に、冒頭の説明によりますと、民間借家の居住水準は非常に劣悪下にあるという状況、その中で高齢化の進展で矛盾が深まっているという状況にかんがみて、私はそういう新たな研究、対策が求められているのではないかと考えるわけであります。厚生省、建設省ひとつその点について目を向けた研究、対応を御検討いただけないかということを求めるわけでありますけれども、簡潔にお願いいたします。
○説明員(水田邦雄君) 先生もおっしゃいましたとおり、住宅手当をどうするかということにつきまして、いろんな国がさまざまな事情を背景に行っているところでございまして、関係部局において幅広く検討する必要があるものと考えております。
○政府委員(三井康壽君) 私どもも各国の住宅政策につきましてはそれなりに調査をしているわけでございますが、社会保障という御議論、経済政策の御議論、見方はいろいろでございます。イギリスのように社会政策から経済政策に住宅を移した国もございますし、一概に今おっしゃられたような流れというふうに言えない面も私ども認識しているわけでございます。 そういった各国の勉強も当然させていただきますけれども、私どもの住宅政策といたしましては、居住水準を向上していくという点に特に力を入れまして、乏しい財政資金といいますか、予算に限りもございますので、そういった点に着目いたしました住宅政策をする、その中で、建てかえとかあるいは住戸の改善とかによって居住水準を変えて、しかも家賃が高くなってなかなか負担が難しいという際に家賃対策補助を出していくというのが基本的な考え方でございます。
○有働正治君 最後に。 先ほども高齢化社会の中での住宅の実態把握という問題、統計上なかなか出ないという問題が冒頭お話ございましたけれども、これからの時代に対応して住宅統計、実態把握に努める上での、やはり統計上も実態把握も対応が求められていると思うんですけれども、その点も御検討して積極的に掌握に努めていただくというふうにお願いしたいと思うんですけれども、一言、その点。
○政府委員(三井康壽君) 完全な統計というふうになりますと、家賃といいますと割と個人の、何といいますか、資産と言ってはなんでございますが、収入にかかわるものでございますので、やや全国統計にする際に難しい点があろうかとは思います。 しかし、今国会に特定優良賃貸住宅という形で 法案を出させていただいているんですけれども、それを実行するに当たりましては市場家賃というのを調査いたしませんと公共団体はできないわけでございますので、今おっしゃられたような正確な意味の市場家賃とか、家賃がどうなっているかというのは調べられなくても、まあ行政をやっていく上に必要な調査は進めていきたい。 それから、なお、今東京都の例でいろいろおっしゃられたわけでございますけれども、各自治体におきましてどういうふうに住宅政策をしていただくかというのは非常に大きな課題だと考えておりまして、現在の公的住宅、公団住宅は基本的には国と入居者の負担で成り立っているわけでございます。それを今後は、地域の実情に応じた住宅政策をしていただくという意味で、各公共団体にも助成措置等の御協力をいただかなきゃならないというふうに強く感じているところでございます。
○有働正治君 終わります。
○笹野貞子君 まず第一に、農林水産省にお尋ねをいたしたいと思います。 一九七〇年、国際婦人年という年がありまして、私たちは女性の地位向上のためにいろいろな方面で頑張った経験を持ちますが、それ以前にもう戦後間もなく農林省では農業の生活改善グループというのをつくりまして、農業家庭の人間関係及びお嫁さんの、嫁しゅうとの仲をいかに改善するかというようなことで、ほとんど女性が多かったと思いますが、大変地道な活動をなさっていることを、私はその方たちとおつき合いしてよくわかりました。そういう地道な、目に見えない活動があってこそ民主主義というのは農村に定着していったんではないかというふうに思い、心からまずもって敬意を表したいというふうに思います。聞くところによりますと、その改善グループは婦人・生活課というふうに名前を変えたというように聞きますけれども、ますますこれから地道な活動を続けていっていただきたいというふうに思います。 しかし、そういう方の御努力もあったにもかかわらず、農業というのはそう甘いものではなくて、今、後継者問題というんでしょうか、私たちの食料を支える農業の若い人口がどんどんいなくなってしまうという現状は、これはもうすべて認識しておるところです。しかし、かつての封建社会のように世襲ではありません。憲法二十二条に保障されている職業選択の自由というのがあるわけですから、そういうことを踏まえまして、この高齢化社会、農村に若い後継者がいなくなるということに対する農水省の対策、それをまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) なかなか難しい問題でございますが、若者が就農し、定着をしていただくためには、農業、農村が魅力があるということがどうしても必要なわけでございます。 このことは、農政の基本的な課題ということでございまして、農林水産省では昨年六月に新政策を公表いたしたわけでございます。その中では、農業それから農村それから食料政策を全般的に見直して、新しく展開をしていこうということにしておるわけでございますが、生涯所得あるいは年間総労働時間が他産業並みの効率的、安定的な形態が大宗を占めるような農業構造をひとつつくっていこうじゃないかというようなことで、現在我々、農業経営基盤強化法案というのを国会に提出いたしまして、農林水産委員会でも今御議論を賜っているところでございます。 また、特に高齢化とか過疎化といいますか、そういうのが著しくあらわれておるのは中山間地帯でございまして、こういうようなところにおきましては、どうしても農林業を中心とした事業の活性化を図っていくことが必要であるということで、そういった事業の活性化のための基盤整備をしていこうということで、特定山村地域活性化基盤整備法案というのを出しまして今御審議を願っておるところでございます。 〔理事成瀬守重君退席、会長着席〕 そういった基本的なことをまずやらなきゃいけないというほかに、今までやってまいりましたのは、農業生産基盤、あるいは農業生産基盤だけじゃなくて生活の基盤、生活環境基盤といいますか、そういうものを充実しなきゃいけないということで諸対策を推進してきているところでございます。特に、今お話がございました若い人たちが就農できるような条件も必要なわけでございますが、直接的には、今までは農家の後継者という言葉を使っておったわけですが、農家の子弟が農業にいかに従事するかというような対策でございましたが、別に農家の子弟に限らず、広く青年が農業に円滑に就農できるようなことも今後は考えていくべきであるというふうに思っておりまして、現在、金融上あるいは税制上も優遇措置を設けるなどの特例措置を講じてきているところでございます。また、これらの人たちを育成していくために、現在いろんな研修制度といいますか、技能なり経営、そういったものの知識を与えていくというようなことで、各県に農業者大学校というのを設けておりまして、そこで実践的な研修もやっておるところでございます。 我々、平成五年度におきましても、こういった新しい青年農業者が就農しやすいように、いろんな情報の提供ができるというまずシステムを確立していこうじゃないか。また、就農相談に気軽に応じられるような仕組みもつくっていこう、そしてまた、そういう人たちが技能を身につけていけるような場も設けていこうというようなことで、充実強化も図りたいということで、現在対策を練っているところでございます。
○笹野貞子君 この問題は非常に大きな問題ですし、また急務だというふうに思いますので、ひとつ腰を据えて取り組みをしていただきたいというふうに思います。本来でしたらもっとお聞きをしたいんですけれども、せっかく三省庁が来ておりますので、続いて運輸省の方に移らせていただきたいというふうに思います。 先ほど運輸省の御説明によりますと、これからは高齢者に向けて優しい町づくりという言葉を使われました。私などは気持ちは若いつもりで、若者に負けないと思うんですけれども、坂道とか階段になりますと急に、トラックじゃありませんけれども、加速が落ちちゃって寄る年波をぐっと感じて、坂道と上り階段は弱いなというふうに思います。 ところが、先ほどエスカレーターを駅とかそういう勾配のところにはつくるんだというお話がありましたので、これは何よりというふうに思いますので、もう一度、鉄道駅にエスカレーターをつくるというような具体的なことをお聞かせください。
○政府委員(和田義文君) 運輸省におきましては、高齢者のための施設の整備の必要性については十分認識いたしておるところでございます。 エスカレーターの整備に当たりましては、施設駅について大規模な駅構造の改良や出入り口のための新たな用地確保が必要となるなど、困難な問題も多いところでありますけれども、高齢化社会の到来、こういった事態を踏まえまして、平成三年六月、鉄道駅におけるエスカレーターの整備指針を作成いたしておりまして、構造等により困難な場合を除き、高低差、上下の差でございますけれども、これが五メートル以上、かつ一日当たりの乗降人員五千人以上の駅からおおむね十年程度を目標としてエスカレーターの設置を図るよう現在鉄道事業者を指導しておるところでございます。
○笹野貞子君 高低差五メートルというのはわかるんですけれども、一日五千人というと普通の在来線とか農村地帯とか、そういう余りたくさんないところはつかないということになりますと、農村地帯とか過疎地帯とか非常に高齢者が多い地帯がつかないということにはなりやしませんでしょうか。五千人という数字をちょっと具体的にお教えください。
○政府委員(和田義文君) 先生御指摘のように、五千人以上、こういう指針に基づいて整備する場合には過疎地帯等が後送りになる、こういった問 題があるわけでございます。私どもといたしまして、そういった問題点は認識しつつ緊急の課題でございますので、一応の目安といたしまして五千人をとったわけでございますけれども、やはり乗りおりの多い駅から順次整備していこうと。 したがいまして、こういった五千人以上のものにつきましては、先ほども御説明申し上げましたように、十年という期間を限ってまずやっていきたい、こう思っております。それ以下の地域につきましては今後検討していきたい、こう思っております。
○笹野貞子君 いただきました資料の三ページに「運輸に係る高齢者・身体障害者等対策」とありますけれども、今のお話を聞くと、高齢者対策じゃなくてたくさん乗るところを対象、こういうことですから、高齢者というのはちょっとこれ看板に偽りありというふうにとっていいんでしょうか。
○政府委員(和田義文君) 確かに人口の比率からいきますと過疎地域は、高齢者のウエートは高かろうとは思いますけれども、絶対数からいきますと大都市なりそういったところの方が高齢者が多うございますので、そちらの方から対策を進めていきたい、こういうふうに思っております。
○笹野貞子君 その御説明にはちょっと納得いかないんで、先ほど農水省の御説明を聞きますと、農業地帯は二十年も高齢化が早くなって非常に高齢者が多いという御説明がありました。運輸省で高齢者に対するこういう資料を配付していただくならば、ちょっと中身と今の御説明とは私は大分違うと思います。高齢化がどんどん進んでいて、本来ならば、そういう移動に困難な場所から優先的につけるべきだというふうに思うんですけれども、いかがなものでいようか。
○政府委員(和田義文君) 先生御指摘の点、私どもも完全に否定しておるわけではございません。重要性は認めておるわけでございますけれども、おっしゃるような過疎地域の鉄道と申しますのが非常に経営状況も悪うございまして、なかなか指針として私ども出して、それに基づいて事業者が整備していくというのは現実問題として非常に困難な点がございます。こういった点を御理解賜れば幸いでございます。
○笹野貞子君 それを御理解しちゃったら高齢化問題対策にならないわけです。ですから、人に優しい運輸というんであるならば、今の御説明を聞くなら、もうけないところはもう見殺しにする、もうかるところを優先、こういうことになって、もうからないところは優しくないというふうに受けとめられるわけです。その点は別に今ここですぐ決着をつけるという意味ではありませんけれども、そういうことを十分御考慮に入れていただかなければこれからの高齢化社会には対応できないんじゃないか、そういう考え方があるからなかなか高齢化社会に対する考えが進まないというふうに私は思いますので、どうぞもう一度再考慮していただきたいというふうに思います。 続いて建設省にお伺いをいたします。いろいろ多方面でありますけれども、先ほどの御説明で、最初入るときにはそんな感じなく入ったのが、だんだん高齢化して、そしてついには夫婦二人になり、そして一人になってしまう。そういうときに、階段は急だ、手すりはない、トイレは段がある、おふろも入りにくいというような状況が現状だというふうに思います。 こういう現状のときに、これをリフォームする、つまり改良するというようなときに、公庫自身の融資制度あるいはその公庫のそういう貸し付けという制度についてちょっと御説明いただきたいと思います。
○政府委員(三井康壽君) まず、公庫につきましては、改造につきましては住宅改良という名前で融資をさせていただいております。今回の総合経済対策におきまして、住宅改良を一つの重点対策といたしまして、従来が七百二十万円ぐらいの貸し付けの限度額でございましたけれども、一千万を超える貸し付けができるようにいたしました。これが一つでございます。そして、そういった改良融資の中で高齢者の割り増し貸し付けというのも従来からございまして、これは五十万円ございます。したがいまして、平成五年度からは住宅改良は一千七十万を最大限お貸しできる、こういうふうにしているわけでございます。 では、その改良に当たりましてどういったものがあるかと申しますと、二、三例を申し上げますと、例えばトイレを高齢者用に直します。少し広げたり、コンセントを入れたり、ブザーの装置の工事なり、そういったものは大体百万から二百万ぐらいで一般的にはできると考えております。これは立ったり座ったりするときの手すりなんかもつけるという前提でございますけれども。それから玄関などで段差がございますけれども、それを少し段差を解消するというふうな工事、それから簡単な、何といいますか、リフト的な、あるいは少し昇降できるようなシステム、これが二百万ぐらいでできる。それから高齢者向けのおふろでございます。なるべく入りやすいようにおふろの床を下げる、ふろ場の床から中へ入るのに入りやすくするとか、手すりをつけるとか、そういったものが工事費を入れまして三百万から四百万ぐらいかかります。それから場合によりましては、新しく開発がどんどん進んでおりますホームエレベーターなどを設置されます。あるいは斜行エレベーターとか。そういったホームエレベーターは四、五百万と実はまだコストがかかるわけでございます。 したがいまして、改良される際には、これを全部合わせましても一千万ぐらいございますと、高齢者部分についておやりになるという場合にも公庫融資で十分対応できるんじゃないかというふうに考えているところでございます。
○笹野貞子君 大変私は心強いというふうに思いますけれども、しかし、高齢者の方は借りても返すというときになると大変だというふうに思います。 時間ですのでそこまでは質問できませんけれども、ひとつ返済は利息を安く、そして返済しやすいようなそういう優しい方策をとっていただきたいというお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
○下村泰君 運輸省に伺います。 二月十九日に、日本交通公社が障害者、高齢者の海外ツアーへの参加に関するマニュアルというのを作成して、それに基づいて四月一日から障害者本人及び介助者に対し確認書への署名を求めることになった。これは、何か知りませんが障害者手帳をコピーしたり、いろんな問題が出たんです。ところが、こういう団体からいろいろな抗議が出まして、四月十一日にはこれを撤回するような通知が出た。 そうしますと、先ほどから聞いておりましても、毎回のことですけれども、人に優しい交通機関とかどうのこうのといろいろありますけれども、現実にこういう問題が起きている。こういうことに対して一体運輸省はどう対応するつもりなんですか。
○政府委員(和田義文君) お答え申し上げます。 身体障害者の方々が海外のパッケージ旅行に参加するに当たりましては、身体障害者の方々を初め海外パッケージ旅行に参加する旅行者全員が満足できる快適な旅行を実施する、こういった観点から、旅行会社において旅行の申し込みをされる身体障害者の方々に関する情報の把握を行うことは必要であると考えております。 しかしながら、その情報の把握の仕方につきましては、基本的には旅行会社において適切な方法により行うべきと思っておりますが、運輸省といたしましては、ただいま先生が御指摘なさいましたような、身体障害者の方々から御理解を得られない確認書の提出によるよりも、むしろ例えば旅行会社の個々の窓口において個別の事情を聞き取るなど、身体障害者や関係者の方々の御理解がいただける方法によることが望ましいと考えておりまして、そのように日本旅行業協会及び関係事業者を指導いたしております。今後、今回と同様のケースが生じました際には、こうした考えに沿って指導していきたいと考えております。 なお、運輸省におきましては、身体障害者の方々の海外パッケージ旅行くの参加についてはまずその実態を把握することが必要との観点から、日本旅行業協会に対して、身体障害者に係る旅行取り扱いの実績、トラブルの発生の有無等について調査を指示したところであり、今後こうした調査の結果を踏まえ、適切な方策を研究するよう必要な指導を行ってまいりたいと考えております。
○下村泰君 私ども、あゆみの箱という運動をやっていますか、そこに運輸省に元勤めた方で手伝ってくださる方がいるんですよ。その方がいろいろと交通公社、こういった交通関係、旅行関係の方々と接触をしてくれて、そして障害者だけの専用列車なんていうものを走らせて、富士五湖まで私も行ったことあるんですよ。運輸省の中にもそういう意味で一生懸命前線でやっている方がおるんですよ。ところが、あなた方みたいに上の方に打っちゃうとまるっきりわからないんだ、そういうことが。それで、机上だけでもっていろいろ、この中だけで考えて物事をやるからいけないんだ。最前線の人ともっと接触して、しかも運輸省という役所の中に、一番先端で働いているそういう人がいるんですから、もう少しそういう方の言うことも聞いてください。 農水省に伺いますが、全国農業協同組合中央会というところが心豊かな生活を実現する活動プランというのを決定したそうですが、その内容をちょっとお聞かせください。
○政府委員(今藤洋海君) 先ほどお話がございました全国農業協同組合中央会でございますが、先般の農協法の改正によりまして、農協が老人福祉事業を実施できるということを法律上明定したわけでございますが、こうしたことを契機といたしまして、本格的に老人福祉事業に取り組むということで、今後の取り組みにつきまして、JA高齢者福祉活動基本方針というものをこの四月に策定したわけでございます。 この基本方針によりますれば、高齢化が進展する中で農協が担うべき今後の活動の中心といたしまして、在宅福祉の活動といたしましては、引き続き組合員等への福祉に係る啓発、研修、ホームヘルパー等の専門的な職能の養成、それからボランティア活動を行う助け合い組織の設置の育成、婦人部員の協力によります給食サービス等を実施する。さらには、検討課題といたしまして、施設を設置するといったことで、デイサービスセンター、ケアハウス等の設置の可能性を検討するといった取り組みの強化を図ろうとしておるわけでございます。 今後の進め方につきましては、平成五年から十一年までの間におきまして取り組みを三段階に分けまして計画的に実施していく、こういうように聞いておるところでございます。
○下村泰君 農協さんは直接いろいろと農家の方に関係があるから、これ大変結構なことだと思いますがね。 さて、最近大宮の方でもやっておるんですが、車いすに乗っていらっしゃる方々がやれるような菜園ですか、それから東京都でもそういうことを始めているんですが、農水省としてはこれを今後ともどんどん応援していくというような方針はございますか。
○政府委員(中道宏君) 都市と農村の交流を深めまして、都市生活者のレクリエーションとしての農作業体験を通じまして農業、農村への理解の増大を図ることを目的としまして、平成二年に市民農園整備促進法が制定されております。この法律においては、都道府県知事が地域の実態に応じまして市民農園整備の基本的な方向を市民農園整備基本方針として策定しまして、この方針に則しまして市民農園の開設が行われるように指導しているところでございます。 既に四十五都道府県におきまして市民農園整備基本方針が策定されておりまして、例えば今先生がおっしゃられましたように、東京都においては知事の基本方針において、障害者利用の拡大を図るための大型フラワーコンテナの整備について具体的な記述がなされております。また、具体的な市民農園の整備に当たりましては、市民農園開設者は整備運営計画を作成し、市民農園の整備に関する事項等について市町村の認定を受けることになっています。これによりまして、市民農園に附帯して設置されます農機具の収納施設とか休憩施設等、農園施設の整備に当たりまして農地法及び都市計画法の特例が講じられておりまして、円滑な施設の整備が図られるよう措置しているところでございます。 御指摘のような車いすでの利用可能な施設についても認定の対象となっておりまして、認定を受けることにより、このような施設の円滑な整備が図られることとなっています。また、これらの施設も含めまして、農業構造改善事業等の市民農園等の整備の補助事業や融資事業においても、これらの施設が対象となっております。 これら施策を活用しまして、その円滑な推進に努めてまいりたいと思っております。
○下村泰君 次は建設省に伺いますが、一月二十六日に道路構造のあり方を道路審議会に諮問されておりまするが、その内容と背景、意図はどういうところにありましょうか。
○政府委員(藤井治芳君) これから私ども、先ほどほかの先生のときに申し上げましたけれども、車社会が習熟すればするほど、だんだん人と道路との関係が離れるといけない、道社会にしたい、こういうことから、そういう意味で見れば今の道路構造令はどうも機能的過ぎるんではないだろうか、こういう反省をいたしております。 そういうことで、二十一世紀に向けてもう残り少ない、非常にこれから厳しい情勢の中で道路整備、社会資本整備をするわけですから、いいものを、何回もつくり直すわけにいかないんだから、新たなどういうものをつくっていったらいいかと、こういうことの新しい道路構造のあり方について道路審議会に諮問いたしました。 そこで、最大のテーマといたしましては、人間の復権、高齢者や身体障害者等のための道路構造として今のままでいいかどうか、物流の高度化に対応した道路構造としてどうだろうか、ゆとりある道路構造、ゆとりある道路空間としてはどうか、余暇活動、地域の特性に応じた道路構造はどうしたものか。 特に例を一、二挙げますと、人間の復権、高齢者、身障者のための道路構造といたしまして、我が国の歩道は現在、最低一メートルあればいい、こういうふうにされております。しかし、現実には私ども一・五メーター以上を通常と考えておりますが、ドイツの例を見ますとこれが三メートル。特に、車いすの手動車の場合には六十三センチ、電動車の場合には七十センチがその幅でございます。そういうことを考えますと、アメリカの場合一・五メートル以上というふうにはなっておりますが、現実にはドイツでは三メートル以上と、こういう基準も出ておりますので、こういうものを私ども参考にいたしまして、植樹帯の幅も入れるというようなことを含めて、歩道の幅は最低三メートルは必要じゃないだろうか、こういうようなことを位置づけたいと思っております。 それから、例えば非常に高齢化社会になりますと労働力の不足ということから、車の運転手さん、特にトラックの運転手さんなどの問題が出てまいります。こういったことで、車両の大型化をどうしたらいいか、それに合わせた道路構造としてはどういうふうに直したらいいか。 それからもう一つ例を申し上げますと、今の道路は月曜日から金曜日までの交通量で設計をしております。しかし、現実には土曜日、日曜日とこういうものも大きな社会の構成曜日になりました。そこで、そういうものでは設計しておりませんでしたので、こういうものも取り入れたい。 それからさらに、バス交通あるいは他の交通機関との連携、先ほども言いましたが、駐車場がだんだん地下になりますと、その地下との関係での道路の構造、こういったような世の中の生活のスタイルが変わったことによる道路構造が今の構造令ではうまく対応できないんじゃないか。特に雪国の場合などはこの問題が非常に深刻でございま すので、こういったものを細かく見直しをさせていただいて、平成五年度内に最終答申をいただきたいということでお願いして、今勉強をいたしているところでございます。
○下村泰君 御丁寧に御返事をいただいたので時間がなくなりました。 まだいろいろとお伺いしたいことがございます。障害者、高齢者への住宅のあっせんとか家賃補助なんということがありますけれども、これをお尋ねし、全部お答えをもらうと、これ時間オーバーしますから。こんな記事がありました。ちょっと読んでみましょう。 これは松原惇子さんとおっしゃるノンフィクションの作家なんですがね、この方が三十五歳以上の独身女性には部屋を貸したがらない大家さんがふえているというので御本人が歩いた。三十五歳といえば女性でもこれ働き盛り。何で貸してくれないのかと思ったら、やっぱり貸さない。その貸さない理由というのは、給料の上がる見込みがないというんです。おもしろい見方があるもんです。給料の上がる見込みがない、だから貸さない、こういうことなんです。もちろんこんな状態ですからお年寄りには貸してはもらえない。この一言でもうおわかりだろうと思いますね。こういうのは建設省がこれからどうするのか。 それから、これは朝日新聞の論説委員の方なんですがね、たまたま年寄りの冷や水で、やらなきゃいいものを野球をやって、ひざの関節をがくんとやった。野球を中断して駅の階段の手すりを伝いながら我が家に、マンションに帰った。ところが、松葉づえに頼らなきゃならない。松葉づえに頼ってから初めてわかった。 意外なことに、都会の道は凸凹で傾斜が強い。ぐらつきがちになるうえ、はみ出す自転車や箱がじゃまをする。人とのすれ違いにも困惑した。 何より参ったのは、階段の多さだ。息を整え、バランスを保ちながら、一段ずつ慎重に上り下りしなければならない。 これでは、つえは無論、車イスの人などが出歩くことは困難である。 近ごろ、車イス用の施設を充実する建物も目につく。こうした努力は続けてほしい。 だが、それ以上に大切なのは道路や乗り物も含めた総合的な都市づくりの視点だろう。 人は程度の差はあれ、何らかの障害をもっている。近づく高齢化社会は、障害をもつ人とともに生きる社会なのだ。 それを自覚して取り組まない限り、「生活大国」などにたどりつけるはずもない。 これすばらしい言葉だと思います。 これを皆様方に差し上げて終わりたいと思います。
○会長(鈴木省吾君) 以上で質疑は終了いたしました。 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時三十三分散会