国民生活に関する調査会 第3号
- 発言数
- 168 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/04/16
会議録
○会長(鈴木省吾君) ただいまから国民生活に関する調査会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二月十九日、竹村泰子君及び大脇雅子君が委員を辞任され、その補欠として山口哲夫君及び千葉景子君が選任されました。 ―――――――――――――
○会長(鈴木省吾君) 次に、国民生活に関する調査を議題とし、本格的高齢社会への対応に関する件のうち高齢化の現状と今後の課題について、総務庁、厚生省及び経済企画庁より順次説明を聴取いたします。総務庁池ノ内官房審議官。
○政府委員(池ノ内祐司君) では、総務庁の高齢化対策につきまして御説明申し上げたいと思います。 既に資料をお配りしてございますので、その資料に基づきまして説明を申し上げたいと思います。 総務庁の役割といたしましては、長寿社会対策、こう称しておりますけれども、長寿社会対策の総合的な推進をするというのが総務庁の役割になっております。関係省庁といたしましては十八省庁ございまして、それの取りまとめをするというのが総務庁の役割でございます。 そこで、具体的にどのような施策を行っておるかということでございますけれども、一つは長寿社会対策大綱というものの策定を行っております。これは、いわゆる人生五十年時代から八十年時代へということでございまして、その人生八十年時代に見合った経済社会システムをつくる、こういうような観点から、昭和六十一年六月に十八省庁参加しております長寿社会対策関係閣僚会議で決定をしたものでございます。 この長寿社会対策大綱の性格でございますが、一つは、非常に長期でございまして、二十一世紀初頭の本格的な高齢化社会に備えるという、二十一世紀を念頭に置いているというのが一つでございます。それから、ただいま申し上げましたように人生五十年時代から八十年時代へというようなことでございまして、既存の諸制度であるとかあるいは慣行というものを見直しまして、八十年時代にふさわしい経済社会システムをつくるということでございまして、言うなれば幅広く、単なる高齢者対策という以上に幅広い分野を網羅しておるという特徴がございます。三番目といたしまして、この大綱と申しますのは、政府が推進すべき対策の指針であるということでございまして、いわゆるタイムスケジュールを持った計画ではない。この三つの性格を持っておるわけでございます。 中身といたしましては、お配りしております資料の四ページの参考一にございますが、一応基本方針としましては三つ。一つは、経済社会の活性化を図り、活力ある長寿社会をつくる。二番目が、社会連帯の精神に立脚した地域社会の形成を図って、包容力のある長寿社会をつくる。三番目が、健やかで充実した生活を過ごせるよう、豊かな長寿社会を築く。この三つを基本方針としております。 具体的な施策といたしましては、そこに書いてございますように、大きく四つのシステム、それから研究開発の推進という五本立てになっておるということでございます。 まず第一に、雇用・所得保障システムというのがございますが、これはいわゆる雇用とか年金の問題をここでは取り扱っております。それから二番目には、健康・福祉システムということで、いわゆる保健・医療・福祉サービスの問題を取り上げておるわけでございます。それから三番目が、学習・社会参加システムということでございまし て、これは生涯学習であるとかボランティアであるとか、生きがいというような問題を取り上げております。それから四番目が、住宅・生活環境システムということでございまして、住宅・生活環境の問題を取り上げておるということ。この四つのシステムに加えまして、研究開発の推進というものを取り上げているところでございます。 それで、この長寿社会対策を推進するに当たりましては、毎年毎年その推進状況はフォローアップをするということで、フォローアップを行っているわけでございます。この冊子につきましても既に配付を申し上げているところでございますけれども、ただいま申し上げました大綱に基づきまして、政府がどのような施策を推進してきたかということを毎年毎年フォローアップをするということでございます。既に五回フォローアップをしております。 どういうことをやっておるかということでございますけれども、人口高齢化の状況あるいは高齢者の生活意識につきまして説明をするとともに、平成四年のフォローアップにおきましては、平成三年あるいは四年度の施策の推進状況あるいは将来展望について述べておるところでございます。 そこで、若干御説明申し上げますと、参考二、参考三ということで、五ページでございますけれども、既に御承知の数字ではございますが、老年人口の推移と将来推計ということでございまして、表にございますように、平成四年、六十五歳以上の人口が一千六百二十四万人ということで、総人口に対する割合が一三・一%、こういう数字に現在なっております。それが二〇二〇年、平成三十二年でございますが、これは二五・五%の割、四人に一人とよく言われますけれども、いわゆる高齢社会を迎える、こういうことでございます。ということで、これは老年人口の推移と将来推計の表でございます。 それから、次の六ページでございますが、簡単に二つグラフがございまして、一つは高齢者親族のいる一般世帯の家族類型別割合の推移ということで、昭和五十五年それから平成二年、これを比べてみまして、三世代同居が約一〇%減っておる、逆に夫婦それから単独世帯というものがふえている、こういう状況でございます。下は、これは平均寿命の推移。女性が八十一・九〇歳、男性が七十五・九二歳、こういうことになっております。ただいま申し上げましたようなさらに細かい資料につきましては、既にお配りしましたフォローアップの報告書の中でいろいろなデータを記述してございます。 それから、総務庁がやっております二番目の仕事でございますが、いろいろ各省共通のベーシックな調査研究というものを行っておりまして、老人に関する総合的な調査研究ということで、各種の調査研究を行っております。 そのあれといたしましては、細かい話でございますけれども、七ページ資料の参考四でございますが、このような各種の調査研究を行いましてデータ収集を図り、いわゆる長寿社会対策を進めるための基礎資料を整理、提供しておる、こういうことでございます。 それから三番目としましては、いわゆる高齢社会の広報啓発という仕事を行っております。来るべき高齢社会を明るく活力あるものにするということで、国民すべてに長寿社会のあり方を考えてもらうというようなことで、例えば「心豊かな長寿社会を考える国民の集い」というようなものを主催したり、あるいはエイジレス・ライフということで、年齢にこだわらないで自由に生き生きとした生活を送っている、実践している方々を全国的に紹介したりというようなことで、広報啓発を行っているということでございます。 以上、簡単でございますが、総務庁の対応策について御説明申し上げました。
○会長(鈴木省吾君) 次に、厚生省瀬田総務審議官。
○政府委員(瀬田公和君) 厚生省の総務審議官の瀬田でございます。 国民生活に関する調査会の委員の先生方におかれましては、日ごろより厚生行政の推進に深い御理解と多大な御尽力を賜っておりまして、この機会に改めてお礼を申し上げたいと思います。 また、このたび、本格的な高齢化社会への対応ということをテーマにして厚生省における取り組みを御聴取、御調査をいただく機会をいただきまして、あわせて感謝を申し上げたいというふうに思います。では、この配付をさせていただいております資料に従いまして御説明をさせていただきたいというふうに思いますが、「本格的高齢社会への厚生省の対応」という資料の一ページからごらんをいただきたいというふうに思います。 まず、一ページの高齢化社会への基本的対応方針ということでございますが、下の方に表がございますので、ちょっと見にくい表になっておりますが、ごらんいただきたいと思います。 ごらんいただきますように、平均寿命の伸びによる高齢者の増加とそれから出生率の低下によります子供の数の減少によりまして、人口構成の高齢化というものが急速に進展をしているという状況でございます。 現在の十五歳未満の人口というのは、詳しく言いますと二千百九十万人でございますが、ごらんいただきますように平成三十七年、二〇二五年のいわゆる十五歳未満の人口というものは千八百二十五万人ということになりまして、平成二年を一〇〇といたしますと子供の数は八三に減少するというふうなことになります。 また、現在の六十五歳以上のいわゆる老年人口というものは千五百五十八万人でございますけれども、今後三十年間増加を続けまして、平成三十七年、いわゆる二〇二五年の老年人口というものは三千二百四十四万人というふうに推定をされておりまして、これは平成二年を一〇〇といたしますと二〇八ということで二倍以上になる、こういうことでございます。 これを人口の割合で見ますと、いわゆる十五歳未満の年少の人口というものは、平成二年がこの表にございますように一八・二%というのが、平成三十七年には一四・五%というふうに下がる。また、老年の人口というものは、ここにございますように平成二年には一二%でございますけれども、平成三十七年には二五・八%に達するというふうな状況でございます。 こうした我が国の高齢化の特徴というものは、もう先生方は御承知でございますが、そのスピードというものがいわゆる欧米の諸外国に比較いたしまして例を見ない速さであるということでございまして、例えばこの老年の人口比率というものが七%から一四%に達する年数というものを諸外国と比較をいたしますと、我が国はイギリスやかつての西ドイツの二倍、フランスやスウェーデンの三から五倍ぐらいのスピードというふうなことになるわけでございます。 またさらに、我が国の子供の出生数、出生率というものは、戦後二回のベビーブームをピークといたしまして近年は御承知のように急速に低下をいたしておりまして、平成二年には、先生方これも御承知のように史上最低の一・五四という出生率を記録いたしてございます。こういう状況でございます。平成三年度には、第二次のベビーブームに生まれた者が出産適齢期に入ったというふうなこともございまして、出生数というものは十八年ぶりにやや増加に転じてはおりますが、出生率として見るとさらに下がりまして、出生率一・五三というふうにさらに低下をしている、こういう状況でございます。 こうした現在の出生率の低下の主たる原因というものは、これは晩婚化の進行によりまして女性が結婚する年齢が遅くなっているということもございますし、ただ、いろんな形での調査をいたしますと、結婚した女性が平均二人程度の子供は産みたいというふうな調査結果もございますので、こういう傾向、こういう女性の考え方というものを前提として考えますと、出生率はいずれは少しずつ回復していくだろうというふうに考えております。 いずれにいたしましても、子供を産む産まないというふうな問題は個人の価値観でございますとかプライバシーにかかわる問題でございまして、国がこの領域に直接踏み込んでいくということは非常に困難だとは思いますが、調査の結果から見て、欲しい子供の数と実際に生まれてくる子供の数にギャップがあるというふうなことを考えていきますと、厚生省としては、全体として、子供を生み育てやすい環境づくりというものをさらに推進していく必要があるだろうというふうに考えております。 また、労働力の需給という面からも、平成十二年、二〇〇〇年までは労働力人口の伸びというのは鈍化しながらも少しずつは伸びていくという状況でございますが、それ以後は絶対的にマイナスに転ずるということでございまして、二〇〇〇年以後ということを考えますと、労働力不足の状態というものも徐々に深まってくるだろうということが考えられるわけでございます。 こういった状況でございますが、高齢化社会というものは非常にこういった意味でのネガティブな面が強調される嫌いがあるということもございますが、しかしながらむしろ医学や科学技術の飛躍的な進歩によってこういった高齢化社会が達成できるという状況になってきたわけでございまして、私たちといたしましては、二十一世紀の本格的な高齢化社会におきましても、すべての国民が健康で生きがいを持ち、安心して生涯を過ごせるような明るい活力ある長寿福祉社会を築き上げていく、こういったことを厚生省の責務というふうに考えております。 そこの上の表の中にも若干書いておいてあるわけでございますが、年金や医療保険につきましては、既に各国と比較をいたしましても基本的には遜色のない制度が確保されており、今後は高齢者を中心とする保健・福祉分野の施策を緊急に充実強化をさせていくことが必要であろうというふうに考えております。 また他方、高齢化等によりまして増大が避けられない国民の負担というものが国民生活や経済社会の活力を損なうことがないように必要な改革を進めていくということも特に重要であるというふうに考えておりまして、特に第二次の行革審の答申、これは平成二年の四月十八日の答申でございますが、高齢化のピーク時においても国民負担率が五〇%を下回ることを目標とするという答申をいただいておるわけでございますが、それを一つの指針として必要な改革を進めていきたいというふうに考えております。ちなみに、平成三年度の国民負担率は三九・二%という状況でございます。 二ページの方をお開きいただきたいと思います。 まず初めに、老人保健・福祉でございますけれども、高齢者に対する保健・福祉サービスの整備ということでございますが、老人保健・福祉の推進に当たっての基本的な考え方というものは、高齢者が可能な限り住みなれた家庭や地域の中で暮らしていけるように在宅福祉サービスの充実を図るとともに、在宅の生活が困難な場合には特別養護老人ホームその他適切な施設が利用できるように施設整備の充実を図っていくということでございます。 このために、先生方御承知でございますが、平成元年の十二月に、今世紀中に実現を図るべき具体的な目標を定めました高齢者保健福祉推進十カ年戦略、略称ゴールドプランというふうに称しておりますが、このゴールドプランを作成いたしまして、その積極的な推進を現在図っているところでございます。 このゴールドプランの概要というのは、この二ページの下の方に表で図示をしておりますが、現在までの実績といたしましては、ホームヘルパーが平成三年度の実績で四万八千六百人、ショートステイが平成三年度の実績で約一万三千四百床、デイサービスセンターが平成三年度の実績で二千二百カ所というふうに、ごらんいただけますように大体着実な歩みで推進をさせていただいております。特別養護老人ホームにつきましても、老人保健施設につきましても、ほぼ計画に沿って進行をしているというふうな状況でございまして、今後ともこのゴールドプランの達成に向けまして着実に取り組んでいきたいというふうに考えております。 また、ゴールドプラン等の推進に当たりまして、住民に最も身近な行政主体におきまして、在宅サービスと施設サービスというものが一元的かつ計画的に提供されるような体制を組んでいくことが必要であるというふうに考えております。 このため、本年の四月からは特別養護老人ホーム等の措置事務というものを都道府県からそれぞれ各市町村へ移譲をいたしております。また、今年の四月から全市町村及び都道府県におきまして老人保健福祉計画というものを策定するということにいたしておりまして、これによりまして高齢者のそれぞれのニーズと将来必要なそれぞれの地域におきます保健・福祉サービスの量を明らかにいたしまして、必要とされるサービスの提供体制というものを計画的に整備していく、そしてまたそれを促進していくというふうなことにしたいというふうに考えております。 三ページをごらんいただきたいと思います。 三ページは、高齢者に適した居住環境の確保ということでございまして、高齢者が可能な限り住みなれた家庭または住みなれたそれぞれの地域におきまして安心して暮らせるということが非常に大切なわけでございまして、極力そういった家庭、地域で自立した生活を行っていくことができますように、居住環境の整備というものを図っていきたいというふうに考えておるわけでございます。特に、御承知のように、最近はひとり暮らしや高齢者の世帯というものが増加をしておりまして、高齢者の生活というものに配慮した住宅の開発、供給というふうなものが必要になってきております。 こういった観点から、厚生省といたしましても、建設省などともまた協議をしながらということでございますが、高齢者の世話つきの住宅、シルバーハウジングなんて呼んでおりますけれども、に対する支援、これは平成三年度ではモデル事業として三十七カ所を指定というふうなことをやっております。またケアハウス、これは車いすやホームヘルパー等を活用いたしまして高齢者が自立した生活を継続できるように工夫された老人ホームというふうなことで、平成三年度の実績といたしましても約二千五百人分の整備ということで推進をいたしておるわけでございます。 また、地域の特性に応じまして官民一体となって総合的にこの高齢化に対応する町づくりというものを推進したいということで、二十一世紀に向けまして、ふるさと21健康長寿のまちづくり事業といったものを推進いたしております。そして、こういったふるさと21健康長寿のまちづくり事業の基本計画を策定する地方公共団体に対しましては若干の補助をいたしますとともに、有料老人ホーム等を民間事業者が整備する場合の税制上の優遇措置、または低利融資等の資金上の優遇措置というふうなものも実施を始めている、こういう状況でございます。 四ページをごらんいただきたいと思います。 四ページは高齢者の生きがいと健康づくりの推進ということでございますが、長い将来を高齢者の方一人一人が健康で生きがいを持って過ごせるような社会とするためには、高齢者の生きがいと健康づくり対策ということが特に重要であるというふうに考えてございます。その推進母体として、都道府県に明るい長寿社会づくり推進機構というものを設置いたしまして、高齢者の社会活動についての国民の啓発、また高齢者のスポーツ活動、また地域のボランティア活動といったものを推進するための組織づくりを実施いたしております。また、モデル市町村を設定いたしまして、各種事業の推進を重点的に進めているところでございます。 このほか、各地に老人クラブの活動の活発化を図るための助成事業、また、就労の機会の確保や、 高齢者が社会活動を行うための各種情報の提供等々を行う高齢者能力開発情報センターといったものの設置、また全国健康福祉祭、私たちは「ねんりんピック」というふうに呼んでおりますが、この全国健康福祉祭の開催など、多様なメニューの施策を実施させていただいているという状況でございます。 また、特に重要なのは、ここの下の方の表にちょっと書いてございますが、「ねたきり老人ゼロ作戦」ということで、寝たきり老人ゼロを目指して地域におきまして機能訓練を受けやすくするための体制の整備、また脳卒中の情報システムの整備、また脳卒中とか骨折の予防のための健康教育の充実というふうなことを図っているわけでございます。 さらに、若いころからの健康づくりということが特に大切でございますので、そのための栄養、運動、休養のバランスのとれた健康的な生活習慣の確立を目指しまして、若いうちからそういった健康的な生活習慣の確立をお願いしたいというふうに考えまして、第二次国民健康づくり対策、私たちはアクティブ80ヘルスプラン、八十歳になっても健康でということを目標にいたしましてアクティブ80ヘルスプランというふうに言っておりますが、そういったものを実施いたしまして、具体的には、適切な食生活の指導、また健康増進施設の認定制度の実施でございますとか、また健康づくりのための運動指針、休養指針等の作成といったことも行っているわけでございます。 五ページの方をお開きいただきたいと思います。 五ページはシルバーサービスでございますけれども、高齢者が老後の生活を送る上におきまして必要な基礎的なサービスにつきましては公的な部門の施策によって確保を図るというのが私たちの第一義的な考え方でございますが、また同時に、多様かつ高度なニーズにつきましては民間部門を活用すべきだということが私たちの基本的な考えになっているわけでございます。 今後、御承知のように高齢化の進展とか、また年金制度の成熟等によりまして、いわゆるシルバーサービスというものは一層の拡大が見込まれるわけでございますが、私たちといたしましては良質なシルバーサービスの育成というものが今後の高齢化社会にとっては不可欠のものであるというふうに考えております。 シルバーサービスの具体例につきましては、その五ページの下の方の表に一部書かせていただいておるわけでございますが、こうしたシルバーサービスを民間の事業者に行っていただくというわけでございますけれども、民間の事業者が行う高齢者の介護とか自立というものを支援する調査研究プロジェクトへの支援体制の整備等、民間サービスの健全育成化を図る。また、有料老人ホームの設置とか、在宅の介護サービスとか、在宅の入浴サービスというものを民間のシルバーサービスが実施する場合におきましてのガイドラインの設置でございますとか、また社団法人としてシルバーサービス振興会というものがございますが、こういったところにおきますサービス内容についての自主規制でございますとか、また社会福祉・医療事業団等によります公的な低利融資といったものを実施していきたいというふうに考えている次第でございます。 特に、有料の老人ホームにつきましてはいろいろ問題点もあるところから、入居者保護の観点から、その指導につきましては今後できるだけ強化をしていきたいというふうに考えている次第でございます。 それでは六ページをごらんいただきたいと思います。 六ページは保健・医療・福祉マンパワーの確保ということでございますが、これまで御説明を申し上げました各種の福祉関係の施策を初めといたします保健・医療・福祉サービスの拡充のためには、御承知のようにこれを担う人材の確保というものが不可欠なわけでございまして、下の方に表を載せさせていただいておりますが、簡単に申し上げますと、平成二年におきます保健・医療・福祉のマンパワーの数というのは総計で約二百二十万人ほどでございますが、さきに御説明申し上げましたような高齢者の数の伸びというものを考慮いたしますと、平成十二年、二〇〇〇年にはほぼ三百五十万人近い人材の確保というものが必要になってくるわけでございます。 これを端的に申し上げまして二〇〇〇年の労働力人口に占める割合で見ますと、大体五%以上というふうなことになりまして、大体五・二、三%になるものというふうに考えております。現在の福祉・保健関係のマンパワーの労働力に占める割合が約三・六、七%ということから考えますと、やはり非常な増加であろうというふうに考えております。 また、さきにゴールドプランの御説明をさせていただいたわけでございますけれども、ゴールドプランの円滑な推進のためには、ゴールドプランの期間中に新たにホームヘルパーが七万人、また看護関係の看護婦さんを初めといたしまして看護関係の職員が五万人ほど、また老人ホーム等の寮母とかそれから看護関係の職員の数が十万人から十一万人ほどは必要ということでございます。 さきにもちょっと御説明申し上げましたが、今後若年労働力が絶対的に減少するということが予想される中におきまして、こうした福祉・保健関係の人材確保を図っていくということは本当に困難であり、またかつ重要な問題でございまして、処遇の改善でございますとか、またこういった分野への就業の促進とか、またこういった分野で御活躍いただく方々の資質の向上でございますとか、そういった点につきまして中長期的な視点から息の長い取り組みが今後必要になってくるだろうというふうに考えております。 このため、昨年の国会におきましては、看護職員、また社会福祉施設の職員、ホームヘルパー等の確保のためにいわゆる人材確保法というものを御制定いただきまして、これに基づきまして現在総合的な施策というものを推進させていただいているということでございます。 看護職員の確保に当たりましては、処遇の改善のほか、現在四十数万人というふうに推計をされておりますいわゆる潜在的な看護職員というものを視野に入れまして、再就業の促進のための都道府県ナースセンターの設置でございますとか、子供を持っている看護婦さんのために病院の院内保育の充実でございますとか、また看護に関する普及、啓発等の各種の施策というものを現在推進させていただいておる、こういう状況でございます。 また、社会福祉施設の職員、ホームヘルパー等の確保に当たりましても、職務の専門性等を適切に評価をいたしました処遇の改善、また再就業の促進等のための都道府県福祉人材センターの設置をやりましたし、また育成施設への助成等を実施させていただいておる、こういう状況でございます。 七ページの方をお開きいただきたいというふうに思います。 七ページはボランティア活動等の振興でございますけれども、今後長寿福祉社会の建設に向けて地域福祉の推進を図っていくためには、できるだけ多くの国民に自発的に社会福祉的な活動に御参加をいただくということが重要であろうというふうに考えております。このため、ボランティア活動が円滑に行われるような基盤づくりを行うという視点に立ちまして、国民へのボランティアヘの参加の呼びかけ、またボランティアが活動しやすいような条件整備というふうな支援を行っているところでございます。また、このたびボランティア活動促進のための指針を策定いたしまして、ちょっと長い名前でございますが、国民の社会福祉に関する活動への参加の促進を図るための措置に関する基本的な指針といったものを策定させていただきまして、各種のボランティア対策の推進を図っているというふうな状況でございます。 具体的には、ちょっとそこにも書かせていただいておりますが、国民へのボランティア活動への 参加の呼びかけとか、ボランティア活動を始めるに際しての基本的な条件整備とか、県や市町村のレベルで具体的なボランティア活動ができるような体制の整備といったようなボランティア活動のための基盤づくり、そういったことを中心にして推進を図らしていただいておる、こういう状況でございます。 それから、八ページをお開きいただきたいと思います。 八ページは年金制度の現状と方向ということでございまして、これは先生方既に御承知いただいている部分が大部分でございますが、公的年金制度は国民の老後の生活の主要なる柱ということで、長期にわたる老後の生活の基本的な部分というものを確実に支えるという使命を担っているわけでございまして、本格的な高齢化社会が近づいているわけでございますが、公的な年金制度というものがこうした役割を十分に果たしていけるように、諸状況の変化に対応しながらもその長期的な安定を図るための施策を行っていくということが重要であるというふうに考えているわけでございます。 そのために解決しなければならない大きな課題というのは、実は二つございます。 その一つは、活力ある高齢化社会、人生八十年時代というものにふさわしい社会システムを構築するため、既存制度というものをどのように変えていくかというふうな観点から、年金制度におきましてもどのような対応を図っていくかという問題だろうと思います。特に、御承知のように、厚生年金の支給開始年齢の引き上げという問題は、高齢化が急速に進んでいく中で、適切な年金の給付水準というものを確保しながらも後の世代への負担を適当な範囲に抑えていくためには、これは避けて通れない一番重要な問題である、避けて通れない課題であるというふうに考えております。 このことは、単に年金財政の問題だけにとどまらず、長寿社会における高齢期の生活のあり方というものとも関連する問題でございまして、高齢者の雇用という問題とも深くかかわっている問題でございますが、こういった高齢者雇用の状況等も勘案しながら、御承知のように、平成六年に予定されております財政再計算の中で幅広く検討を進めさせていただきたいというふうに考えている問題でございます。 なお、支給開始年齢の引き上げという問題に当たりましては、実はそれぞれの方々が、働いでいるという、就労という状態から引退という生活へ円滑に移行していく、また老後の生活における多様な選択というふうな観点からも、円滑にいくということを考えました年金制度の中での何らかの仕組みといったものも御相談をさせていただかなければならない非常に重要な問題だろうというふうに考えております。 いずれにいたしましても、この支給開始年齢の問題を含めまして、次の制度改正に向けて、御承知のように、年金審議会で本格的な御審議をいただいているところでございまして、遅くとも本年の秋ごろまでには基本的な御意見をいただきまして、来年、平成六年の通常国会には改正法案を提出させていただきたいというふうなスケジュールで進ませていただいている、こういう状況でございます。 第二の問題というのは、これは年金制度全体にわたる給付と負担の両面における公平を確保するとともに、産業構造、就業構造の変化にも対応し得る安定的な年金制度を構築するという課題でございまして、この問題につきましては、先生方も御承知のように、昭和五十九年の二月に実は閣議決定が行われておりまして、平成七年を目途に公的年金制度の一元化を完了させるということが既に決定済みでございまして、既にこの方針のもとに昭和六十年改正で基礎年金制度が導入をされたところでございまして、残る課題は、そこにもございますが、いわゆる二階部分、すなわち被用者年金制度の一元化というふうな問題でございます。この点につきましては、平成二年度から当面の措置として被用者年金制度間の費用負担の調整を図るための制度間調整事業というものが実施されているというふうな状態でございます。 いずれにいたしましても、平成七年度を目途とする被用者年金制度の一元化につきましては、鋭意検討を進めさせていただきたいというふうに考えております。 それからもう一つ、老後の所得保障の主たる柱は公的な年金制度でございますが、いわゆる企業年金といったものも老後における多様なニーズにこたえる、サラリーマンのより豊かな老後生活を保障していく上には非常に重要なものでございまして、私たちといたしましては、企業年金の中核でございます厚生年金基金といったものの一層の育成普及といったものにも積極的に取り組ませていただきたいというふうに考えているわけでございます。 では、九ページの方、最後のページになりますが、ごらんいただきたいと思います。 医療保険制度の現状と方向ということでございますが、簡単に医療費の動向をまず初めに御説明させていただきたいと思います。 国民医療費は平成二年度で約二十兆六千億円ほどになりまして、その前年、平成元年度に比較をいたしますと約八千九百億円ほどの増加、率にいたしまして四・五%ほどの増加ということでございます。また、国民医療費の国民所得に対する割合としましては平成三年度で約六%ということになっておりまして、近年におきましては昭和五十年代の初めごろよりは国民所得に対する割合ということですと若干下回るような水準というふうなことで推移をしているわけでございます。 厚生省といたしましては、昭和五十九年以来国民医療費の伸びというものを国民所得の伸びの範囲内にとどめるということを政策目標に掲げまして、制度改正や医療費の適正化対策というものを進めてきたところでございまして、今申し上げましたように、近年の医療費の動向というものは比較的落ちつきを見せているわけでございますが、ただ、最近は医療費の伸びというものがまた高くなってきておりまして、今後の動向というものを注意深く見守る必要があるだろうというふうに考えております。 また、今後高齢化の進展や医療技術の進歩等に伴いまして国民医療費が増大をしていくということは避けられないことであるというふうに考えますけれども、今後とも国民にとって必要な医療費というものは確保しながら、また医療費の国民負担というものが過大なものにならないように各般の医療費の適正化対策のようなものを進めることによりまして、医療費が社会経済の実態に見合ったものになるように配慮をしていきたいというふうに考えております。 また、二十一世紀の本格的な高齢化社会におきましてもすべての国民が良質な医療を安心して受けられるように、医療保険制度につきましては給付と負担の公平化等を図ることによりまして制度の長期的な安定化を図ることが重要であるというふうに考えております。こうした医療保険制度の将来構想につきましては、御承知のように、関係者の間にさまざまな考え方がありますし、また、高齢化の進展とか疾病構造の変化とか国民の医療ニーズの高度化とか多様化といったような医療保険を取り巻く状況というものは非常に変化をしておりまして、いろいろ問題点はあると思っております。 このため、昨年、御承知のように、社会保険審議会を発展的に解消いたしまして、医療保険審議会を設置させていただきました。そして、現在、公的な医療保険の役割、医療給付の範囲、内容、給付と負担の公平といった医療保険制度全般についての幅広い観点から御審議をいただいているところでございます。医療保険審議会におきましては、当面こうした公的医療保険の役割とか保険給付の範囲、内容を中心に検討を進めさせていただいておりまして、本年夏ごろを目途といたしまして中間的な取りまとめをいただくというふうな予定にいたしております。 また、診療報酬につきましては、その基本的な 骨格というものが昭和三十三年に整備をされて以来、長年御承知のように経過をしているわけでございまして、そのあり方についての幅広い見直しを求める声というものも関係者から出されております。このため、診療報酬に関する多岐にわたる基本的な問題について中長期的な観点から検討をするために、平成三年七月に中央社会保険医療協議会の中に診療報酬基本問題小委員会というものを設置させていただいたわけでございますが、以後その検討が進められておりまして、これにつきましても本年夏ごろを目途に取りまとめをいただくというふうな予定になっているわけでございます。 以上、厚生行政を取り巻くいろんな問題につきまして御説明をさせていただいたわけでございますが、「本格的高齢社会への厚生省の対応」ということで概要を御説明させていただいたわけでございますけれども、どうか御審議をいただきまして、またいろいろな点につきまして問題点を御指摘いただければ私たちとしても非常にありがたいと思いますし、また積極的に対応をしていきたいというふうに考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
○会長(鈴木省吾君) 次に、経済企画庁加藤国民生活局長。
○政府委員(加藤雅君) 国民生活局長でございます。私どもは、お手元にお配りしてございます「平成四年度国民生活白書」というのがございますと思いますが、この資料を中心に御説明をさせていただきたいというふうに考えております。 この国民生活白書は高齢化問題そのものを取り上げたものではございません。少子社会といいますか、子供が生まれなくなったという問題を取り上げまして、それはどうしてかと、それに対してどういう影響が考えられるかというふうなことを中心に問題を取り上げたものでございますので、御関心とややずれる点もあるかと思いますが、そういうことでお聞き取りいただきたいと思います。 まず第一に、子供がなぜ生まれなくなったかということでございますが、これは先ほどからいろいろ御説明がございましたけれども、私どもの方は国民生活選好度調査というのをやっておりまして、これは全国の二十歳以上の男女三千人を対象にいたしました調査でございます。この調査でどういう結果が出ているかということを中心に御説明いたしますが、こういう調査といいますのは、その調査の性格上、質問のつくり方でございますとか質問の聞き方によりまして結果が変わってくる可能性がございますので、そういうことで限界があるということをお考えの上、お聞き取りいただきたいと思います。 まず、なぜ出生率が、先ほども一・五四とか一・五三という話がございますが、なぜ下がったかということでございますが、それに関しましては、これは三つ答えを選んでもよろしいという条件で聞いておりますが、一番数の多かった答えは、子育ての費用負担が大きいと、だから子供を産まないということが一番数としては多うございまして、答えた方の五四・六%の方がそういうお答えをなさっているわけでございます。それから二番目は、育児をする施設、制度が十分でないという指摘でございまして、これも五一・二%の方がそういうお答えをなさっているわけでございます。この二つが非常に数としては多うございます。特に女性の場合には、この育児をする施設、制度が十分でないというお答えをなさった方が五六・七%いらっしゃいまして、これは女性ではトップでございます。それから、三番目以降はかなり少なくなりまして、結婚しない人がふえたというのが二五%ぐらいというふうなことでございます。やはり費用負担とか制度が悪いという御指摘が圧倒的に多いということをまず申し上げておきたいと思います。 次に、子供をなぜ産まないのか。つまり、先ほども厚生省の方から御指摘がございましたけれども、実は結婚しなくなったということではないわけでございまして、圧倒的に九十数%の方は結婚はなさるわけでございます。ところが、結婚をなさって、これも子供をもう産まないということではないのでございます。ところが、三人産みたいけれども、理想は三人なんだけれども予定は二人だという方が非常に多いわけでございまして、これが何とかならないかということが一つの我々の問題意識なのでございますが、なぜ理想は三人なのに予定は二人かということを聞いたわけでございます。 〔会長退席、理事岡部三郎君着席〕 そうしますと、また答えといたしましては子供を育てるのにお金がかかるという答えが一番多いわけでございます。二番目は、これは女の方が中心でございますが、年齢的にもう無理だと、三人は持てないという方が二番目でございます。体力がないというようなこともやはり同じような比率で出てまいります。 次に、よく言われておりますが、結婚したいけれども相手がいないという問題でございます。 これに関しましては、実は必ずしも田舎でそうだという問題ではございません。むしろ第一次ベビーブームというのがございまして、今その年齢の方が四十歳代になっておられますが、この年齢で、例えば三歳年下の女性を探すというのは大変難しい。これはベビーブーム期に非常にたくさん生まれて、あと生まなくなったわけでございますから。例えば三十歳代から四十歳代の前半の男性というのは、未婚者でございますと未婚の女性というのが大体その半分以下しかいない、そういう状況でございまして、非常に相手を探すのが難しいというような状況であるわけでございます。こういう状況は、特に今の三十歳代後半から四十歳代の男性について非常に難しい問題がある。しかし、若い方がそれほどそうかというと、若い方についてはそれほどこの問題は厳しくはない、少なくとも数の上では厳しくはないのではないかというふうに、一応そういう数字が出るわけでございます。 それから、結婚をするのに男の方からいいますと、女の方というのは三高というのを望んでいるのではないか。つまり収入が高い、容姿がいい、それから資産があるとか、そういうことを非常に望んでいるのではないかというようなことでございますが、これは男と女のそれぞれに関しまして、男に対しては女の方はどう思っていると思うかと、それから女の方については男の方はどう思っていると思うかということを質問しているわけでございますが、例えば男の容姿ということについて、男の方は女の方の二七%ぐらいは容姿がいい人と結婚したいと思っているだろうと思っているわけでございます。ところが、実際女の方にその質問をしますと、わずか八・八%しかそうは思っていないということでありまして、この三高というのはどうも実際はそれほど問題にされているほどのことではないのではないかという結論が出てくるわけでございます。 例えば資産でございますと、男は一三%ぐらいの女の人が資産がある人と結婚したいと思っているだろうと思っているのに対して、実際女の方はたった三%しかそういうふうに思っている人はいないというふうなことでございまして、三高というのは思ったほどのことはないというふうなことでございます。 同じことで、今度は結婚の条件ということでございますが、これはやはり条件ということで考えてまいりますと年齢によってかなり違うわけでございます。例えば五十歳代の方でございますと、例えば男性では五〇%ぐらいの方が女性には家庭を第一に考えてもらいたい、こういうことを思っておりますけれども、それは男性でも二十歳代になりますと三五%しかそう思っていないというようなことで、年齢によってかなり違いがございます。しかし、条件として一番比率が高いのは性格が合うということでございまして、これはもう男の方でも女の方でも同じでございまして、特に年齢の若い層ほど性格が合うという条件を重視されております。これは非常に常識的な結果ではなかろうかと思います。 それから、結婚のメリット・デメリットと申しますか、そういう問題がございます。なぜ結婚したいかという、結局結婚に何かメリットを見出すから結婚するわけでございますけれども、何がメリットと考えるかという質問でございますが、一番数として大きいのは精神的な安らぎの場が得られるという答えでございます。これは、例えば男性の独身の方ですと約六割ぐらいの方がそう思っておられますし、これが結婚しますと七四%ぐらいに上がるということでございまして、女性の場合も独身の方で六七%ぐらい、これが結婚しますと七八%、いずれにしましても、これも答えは二つしていいわけでございますが、圧倒的に結婚することによって精神的な安らぎの場が得られるということを皆さんお考えになっている。 逆に何が不利益になるかということでございますが、これは男の場合には一番多いのは自由に使えるお金が減ってしまうという答えでございまして、これが特に若い方ですと五割ぐらいそういうお答えです、これも二つ選択ができますが。それから二番目に、やりたいことの実現が制約されるというお答えでございます。実は、女性の場合はやりたいことの実現が制約されるという答えが一位になっております。お金の方はかなり比率としては少ないということでございます。 それから、そのほかにもこの選好度調査はいろいろな質問をいたしておりますが、何をすれば子供を産みやすくなるかという質問があるわけでございます。これは三つまで答えてよろしいということになっておりますが、全体で申しますと、出産費用を補助してほしいというのが三七%、これが一位でございます。それから二番目が育児手当を充実してほしい、これが三四%。それから三番目が育児休業を充実してほしい、これが三二%。以下、住宅の改善、それから育児を助け合えるような環境をつくってほしいというようなことが四位と五位にくるわけでございます。 ただ、これは全体の平均でございまして、共働きの女の方の答えはちょっと順番が違います。共働きの女の方の場合には、育児休業を充実してほしいというのが四七%でダントツになります。二番目が出産費用の補助で三三%、それから三番目が労働時間の短縮という答えで、これが三二%ぐらいということでございまして、実際働いて非常にそういう問題に直面しておられる方は、やはり今育児休暇を充実してほしいということを一番切実にお感じであるということだと思います。 それから、私どもの国民生活白書では、実は日本ばかりではございませんで、いろいろな国の家族対策というものを比較いたしております。これはかなり詳しい表がございまして、例えば、産む、零歳児とともに過ごす、働きながら育てる、あるいは学ぶ、それから家族の制度、その他というふうなことで、子育てをめぐる制度とか政策が国によってどんな政策をとられているかということをかなり詳しく御紹介をしているわけでございます。 この検討いたしました中で一つ問題と申しますか、この問題を考える上で非常に重要なポイントとして浮かび上がってまいりますのは、実は御案内のとおり日本では子供が生まれなくなったということが問題になっておりますけれども、実は世界的に見ますと、今世界というのは非常な勢いで人口が増加をいたしておりまして、特に日本の隣の国でございます中国では、最近かなり出生率は下がってまいりましたけれども、それでもなお人口は相当な勢いで増加をしておるわけでございます。 最近の人口調査で見ますと十一億数千万というようなかなり大きな人口でございますが、これが二〇二五年には約十五億人になる、まだ四億人ぐらいふえると。これは日本三つ分ということでございますから、大変恐ろしい数の人口が日本のすぐ隣の中国でふえてくるという事実がほとんど確実に予測されるわけでございます。日本で人口がふえなくなるということと、隣の中国で物すごい勢いてまだ人口がふえてくるということの関係をどう考えるのかということは、やはりこれは国民生活とは直接関係のないことかもしれませんが、例えば労働力の問題でございますとか、それから移民の問題というようなものを考える場合にはどうしても無視できない問題だろうというふうに我々は考えておるわけでございます。 それから最後にもう一つ、この子育ての関係で非常におもしろいデータを申し上げたいと思うわけでございます。 一つは、この出生率が低下した理由というのは、以上のように意識調査から見るといろいろな原因が挙げられるわけでございますが、実際に例えば女子が高学歴になったというふうなこと、あるいは教育にお金がかかるようになったというふうなこと、それからあるいはそのほかに考えられる理由というのはいろいろあると思いますが、実際にそれらの変化が出生率を説明する力がどのくらいあるかということでございます。 私どもいろいろな研究をいたしました。その結果、一番説明力があるのは女子が短大、大学にどのくらい進学するか、その比率がどうなったかということが実は一番説明力としては高い。女子が高学歴になると確実に出生率は下がるという結果になっておるわけでございます。それからもう一つ、やはり教育関係費の支出がふえるとこれもやはり確実に出生率は下がるという、この二つが実は過去の日本のデータで見ますと出生率低下に対しては一番大きな力を持っていたように統計的には思われるということでございます。 それから国際比較をいたしますと、非常におもしろいことが一つございます。それは、日本の場合はどうして子供を産むのかということになりますと、やはり子孫を残すといいますか、次の社会を担う世代をつくるというふうなことが一番重要だというふうに皆さんお考えでございます。日本の場合は六二%ぐらいの方がそういうお答え、これは三つ答えができますが。それで二番目が家族の結びつきを深めるという答えでございます。これはアメリカでも大体同じような傾向でございますし、韓国も、韓国の場合は家の存続のためというのが二位にまいりますけれども、そういう傾向でございます。 ところが、イギリスとフランスは傾向が全然違いまして、一番高い比率でございますのは子供を育てるのは楽しいという答えが非常に高いわけでございまして、イギリスでは七一%、それからフランスでは実に七七%が子供を育てるのが楽しいから子供を産むんだという答えをしているわけでございまして、これは日本と全然違うなというふうに、ちなみに日本の場合は二一%のお母さんしかそういうふうにお考えになっておりませんので、そういう違いがあるということだけ御説明をいたしたいというふうに思っております。 国民生活白書で少子化の理由と申しますか少子化をめぐるいろいろな問題といたしまして指摘しておりますのは、大体以上のようなことでございます。 なお、この国民生活白書で、子供が少なくなったらその子供にかけるお金が減ったのかとか、子供に関する費用というのはどういうふうに使われているのかという分析も若干いたしております。若干お時間をいただいてそのお話をさせていただきたいと思います。 一つは、御案内のとおり、やはり家計的に見ますと余裕があるというのは比較的中高年の方、いわゆる高齢世帯と私ども一応言っておりますけれども、その方が比較的余裕があるわけでございます。 一つの例を言わしていただきますと、例えば五歳の子供を持っておられるお母さんに伺ったところでは、例えば子供用の和服というのは、五四%がおじいさん、おばあさんに買ってもらっているという結果が出ております。それから子供のスーツでも二二%ぐらいはそうだと。これは着るものだけでございます。全体としては一三%でございますから、やはりこういう着物でございますとか高いものというのは結構おじいさん、おばあさんのポケットから出ている面があるということでございます。 ちなみに、子供に対する支出というのは、これ例えば和服だとか洋服だとか、シャツ、セーター、玩具、乗り物とか学習机とか、ランドセル、いすというようなものを一応考えて計算いたしますと、これはもちろん三十歳とか四十歳ぐらいのところが一番支出がふえておりまして、この支出自体も着実に増加をしておるわけでございますが、実は六十歳ぐらいのところにまたピークがございまして、これは要するに孫に何かを買ってやるということがかなり一般的に行われている。これは家計調査から出てまいります。そういうデータでございます。 そのほかに、子供の数と家計支出の傾向はどうかというようなことでございますが、実は子供が複数おりますと、かえって子供はファミリー消費といいますか、要するに家計でどういうふうなお金の使い方をするか。例えば自動車を買うときにどうかとか、それからVTRを買うときにどうかとか、旅行を計画するときにどうかというようなことを調べておるわけでございまして、実は子供が一人のときに一番子供の意見がよく通る、二人三人以上になるとかえって子供の意見は無視されてしまうという非常におもしろい結果が出ておりまして、例えば自動車の場合は、子供が一人のときに子供が自分がこういう自動車がいいという意見を言ったらそのとおりになったというのが実は五二%、ところが三人以上子供のいる場合には二二%しか子供の意見のとおりになってないという非常におもしろい結果が出ているわけでございます。 それから子供の欲しい商品というのはいろいろございますけれども、そういうものをどういうふうに入手しておるかということでございますが、やはり親に買ってもらうというのが多うございます。それから小遣いをためてというのがやはり一番多いわけでございますが、この小遣いというのは非常に大きな額になりまして、それで貯蓄の方も例えば中学生でございますと大体三十万円ぐらいは貯蓄を持っているというような結果がございまして、子供の貯蓄というのは非常に最近ふえてきておる。したがって、子供の数は減っているけれども、子供の関係の消費というのはそんなに落ちてはいない。むしろ一人の子供になればますますたくさんお金をかけるという傾向があるのではないかというふうに考えております。 どうも大変ありがとうございました。
○理事(岡部三郎君) ありがとうございました。 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉川芳男君 きょうは本格的高齢社会への対応に関する件ということで、経企庁を初め、厚生省、総務庁からの御説明が今終わったところでございますが、私は年金の問題についてお聞きする前に、今述べられた経企庁の四年度の国民生活白書の御説明の中でちょっと聞きたいんですけれども、その前に、実はきのうテレビを見ておりましたら、世界の人口は五十五億五千五百五十五万何千人で、もう何時間たつと五の数が十けた並ぶと、こういうことを報道していまして、そう遠くない将来に人口は百億を超えるだろうと、何十年後でしたかちょっと覚えていませんけれども、そういう報道をされておりました。そうなったときの地球上の資源、エネルギー、食糧というものは一体どうなるのかな、その配分はどうなるのかなということも思い半ばに至ったわけでございます。 ところが、おたくで出された資料の六ページを見ますと、これまた愕然とするんですね。人口の動態を推計されているんですけれども、高位の推計でいけば大体今の人口一億二千万を維持できますけれども、中位推計でありますと約一億ちょっと、それで低位の推計で見ますると、おおむねこれ百年後ということなんでしょうけれども、二〇九〇年には七千万人に減ってしまうということを予測されているわけでございます。 これに対しまして、この資料を持ってきてくれた職員に、一体役所はこれに対してどういう対策を考えているんだと言ったら、別に考えてないというんですね。確かに厚生省でも先ほどの御説明で子供を産みやすい環境づくりが必要だと甚だ抽象的なお言葉でくくってしまわれましたし、また今の経企庁は日本のことをおっしゃらないで中国の、隣の国の人口爆発が恐ろしいというお話でございまして、日本の国の役所というのは余り日本の国の人口推計に、関心はもちろんおありなさるでしょうけれども、どうあるべきだということについての指針がないように思うんですね。 俗な言葉で言えば、どうも人口政策にはニュートラルでないかとこう思うんですけれども、もし低位推計のような傾向をたどっていくなら、私は日本の国民にとってはこれは甚だ憂慮すべきことだと思うのでございますが、ニュートラルはニュートラルで結構でございますが、一・五三ショックと言われておりますけれども、何かもっと出生率が減った場合にはどういう手当てを考えているんだということの御所見があったらまず聞かせてください。
○政府委員(加藤雅君) お答え申し上げます。 先ほど厚生省の方からもおっしゃっておりましたけれども、子供を産むか産まないかという問題は、本来は個々人の選択の問題であろうというふうに考えるわけでございます。しかしながら、出産、育児をめぐる種々の制度の整備というものをしなければならないというふうに考えるわけでございますが、それはもちろんただでできるということではございません。当然コストがかかるわけでございまして、そういうものを社会全体の負担としてやっていただくということを決めてコンセンサスを形成していただかないと、企画庁がやりますと言ってできる問題ではないのではなかろうかというふうに考えているわけでございます。 そのほかに、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、例えば住宅とか都市公園などの空間の充実というふうなことも当然必要になってくるということだと思いまして、それは、もちろん子供を産むということだけではなくて、国民生活を豊かにするという点でももちろん必要なことであろうというふうに考えております。 白書では、「制度整備のコスト負担といった様々な要因を充分に考え合わせて、長期的な視点にたって諸制度の整備を進める必要がある。」というのを一応結論としては言っているわけでございます。スウェーデンはよく制度を整備したら出生率が上昇したという例に挙げられておりますが、実際はかなりのことをやっておりまして、スウェーデンの場合決してコストの負担というのはそう小さくない。小さくないけれども、それは社会的にコンセンサスを得られているからできているのであるというふうに理解をしておりまして、そういうコンセンサスができているかというと、まだ私どもは必ずしもできていないというふうに考える次第でございます。
○政府委員(瀬田公和君) 厚生省でございますが、厚生省からもちょっと御答弁をさせていただきたいというふうに思います。 厚生省にも人口問題研究所というのがございまして、実は平成四年の九月に人口推計を発表いたしております。その中では、先生おっしゃいましたが、中位推計におきましては、ピーク時、二〇一一年になりますけれども大体一億三千万人、それから低位推計におきまして一億二千七百万人というふうな推計をいたしておりまして、出生率というものも現在先生がおっしゃいましたように一・五四、一・五三というふうに非常に下がってきておりますけれども、また健やかに子供を生み育てるための環境づくりを通じまして、できるだけ出生率というものの穏やかな回復を図りたいというふうな実は施策を講じさせていただいているところでございます。 きょうは高齢化社会ということでございましたので極めて抽象的な言葉で締めくくらせていただいたわけでございますけれども、ちょっとだけ具体的に御答弁をさせていただきますと、具体的な厚生省の対策といたしましては、家庭生活と職業生活との調和の問題、また子供を生み育てること のできるような労働時間の短縮の推進の問題、また労働省等と協議をしながら進めております育児休業制度の確立の問題、また保育サービスの推進といったことに力を入れさせていただいております。また、家庭生活と生活環境の整備というふうな面で、子供を育てられるような住環境の整備、または建設省等と対応しながら進めております遊び場の確保といったような問題、また文部省と協議をいたしながら進めておりますゆとりある教育の確保とか、また児童手当の充実、また育児に関する相談支援体制の整備といったふうなことを総合的に進めさせていただきまして、こういった施策を通じまして、できるだけ出生率の回復というものに取り組みたいというふうに考えているのが厚生省の立場でございます。
○吉川芳男君 経企庁やあるいは総務庁は、いろいろかくあるべきだという御指摘があってもなかなか政策官庁といいますか予算が十分にある他の官庁とは違うわけでございますけれども、私は大いに自分たちの思っておることをずばりずばりといってはなんでございますけれども、やっぱりある程度言って指針になってもらいたいというふうに思いますがゆえにちょっと申し上げた次第でございます。 次に、高齢化社会の問題で一番、一番ということはないですけれども、大事なことは、医療や雇用や住宅や生きがい等いろいろありますけれども、やっぱり経済的な裏づけ、各種年金、中でも政府管掌の厚生年金というのは非常に加入者も多いわけですし、国民の大宗を占めておるわけでございますが、最近若い人の中では、現在年金をもらっている人たちもいいでしょう、またここ十年や十五年ぐらいは年金の積立金もあるわけでございますから、これは約束どおりのものは払えるといたしましても、我々が受給者になるとき、つまり団塊の世代の四十五歳ぐらいの人は約二十年後ということを見たときには、もらえないんじゃないかというある種の不安感を持っておるわけでございます。 そこで、実は来られた厚生省の方に、今のままの受給、それから保険料の段階でプラス・マイナス・ゼロといいますか、収支が相償うところまで何年なのか、それから積立金が九十七兆五千億余、一口で言えば約百兆の積立金、ファンドがあるんだけれども、これも今の制度のままで食いつぶすまでいったら何年なんだということを聞きましたら、そんな計算はしてないと。確かにそれはペシミスティックというか悲観的なものでございましょう。また五年ごとの再計算というものもやっておられるわけでございまするから、それはファンドを食いつぶすだの支払い不能になるだなんて、そんなことは答えられないというのも無理もない気もしますけれども、私は、先ほどから年金審議会に諮って平成六年には新しい再計算があるんだ、こういう話なんですけれども、このことにつきましても、どうもすべてお役所は、自分たちで考えたことではありまするけれども、その案を権威づけるといいますか納得させるために審議会に図る。 これはその道の専門家ではありまするけれども、私はもっと、保険料を払っておる現役の人たちにも、このくらいの負担の増になるのだがこれでいいですか、しかしあなた方の年金はそのかわり保障できるんだというような説得がほしいと思うのでございますし、いわゆる野に遺賢ありとでもいいますか、民間ではどういうふうな考え方を持っている人がいるかということもやっぱり考えてもらいたいと思うのでございます。そうしましたら、さすがにやっぱりすぐ対応して返事がありまして、そういう専門家には四百人ぐらいの方から意見を聞くんだと、しかし実際の保険料を払っておる方には各業種百人ずつだということなんです。これは反対でもいいんじゃないですかね。やっぱり利害が直接かかわり合いのある人にこそ余計幅広く意見を徴して、専門家の意見というのは常に皆様方は聞いていらっしゃるわけでございましょうから、私は減らせなんてこと睦言うつもりはございませんけれども、そこそこでいいと思うのでございます。 そんなわけで、何を聞きたいかというと、そういう計算をなさったことがあるかどうかということと、来年に向けましてまだこれから部内で計算をするんだから到底何%上げなんていうことまで言えないかもしれませんけれども、どんな方向で考えていらっしゃるのかということについてお聞かせ願いたいと思うんです。
○政府委員(山口剛彦君) 年金をめぐりましていろいろ御指摘をいただきましたけれども、私どもの年金に対する基本的な考え方と、今先生御指摘のございましたような問題点についてどういうふうに対応していこうとしているのかということを簡単に申し上げさせていただきたいと思います。 御指摘がございましたように、我が国の年金制度は厚生年金でももう五十年たちましたし、皆年金になりまして三十年過ぎました。老後の生活の支柱として定着をしてきている、高齢者の世帯の所得の中でも大変大きな比重を占めておって、まさに期待をされている、そういう地位を国民生活の中で占めるまでに至っていると基本的には認識をいたしております。これを、先生御指摘のように、二十一世紀の高齢化社会になりましても、きちっとその機能が果たせるように、長期的に安定した制度にするというのが今の私どもに求められている最大の課題であろうかと思います。 その場合に、これも先生御指摘がございましたけれども、公的年金というのは、いわば社会的に扶養をしていく、世代間の扶養を順繰りにやっていくことによって物価あるいは生活水準の構造に見合った年金をきちっと支給をしていける、こういう制度でございますので、一番大事なことは、御指摘のございましたように、年金の給付とそれを支えていただく方の、若い人たちの負担がほどほどのところでバランスがとれているということが大変大事なことだと思います。年金を受ける方はたくさんもらう方がいい、支える方はできるだけ軽い負担にしてくれということだと思いますので、それを長期的にバランスのとれたものにしていくということであろうかと思います。 私どもは、年金制度を五年ごとに、将来どういう姿になるのかと、今積立金の御指摘もございましたけれども、長期的に安定した運営をしていくためにはどういう財政計画でいったらいいのかということをお示しする、またそれにふさわしい負担もしていただく、また給付が高過ぎるということであればそこで制度改正をして給付についても適正なものに抑えるということをしてきているわけです。ちょうどその五年ごとの再計算が来年、平成六年にそういう時期を迎えます。したがいまして、今、その六年の財政再計算に向けて審議会でも御議論をいただいておりますし、また審議会よりもっと国民各層に問題点等を明らかにして問いかけたらどうかという御指摘がございますので、今二千名の方を対象に有識者調査というふうなこともやらさせていただいています。 また、審議会も、専門家専門家ということでございますけれども、一番議論が白熱をいたしますところは、いわば年金を支えていただく層の労働組合を代表された方々とそれから使用者側の方々との議論が大変白熱をするわけでございますし、それにあわせて学識経験者にも参加をいただいているということで、私ども、審議会だけではございませんけれども、審議会にはその費用を負担する側も、それから年金の給付をどれくらいにしたらいいかという観点からも幅広く御議論がいただけるような体制にはなっていると考えております。 ただ、なるべく国民の皆さんに年金の役割なり、それからどういう負担が将来に及ぶのかというふうなことについては、できるだけわかりやすく納得をしていただけるようなことをしなければ、年金制度は連帯の上に成り立っているわけですから、そこのところはもう先生おっしゃるとおりでございますので、これからもそういう面で努力をしてまいりたいと思っております。 そういうことで、将来の費用負担が当面どうなるのかということでございますが、五年前に正式 には推計をいたしております。このままいきますと、現在、厚生年金でいえば給料の一四・五%の保険料を労使折半でいただくということでやっているわけですが、ピーク時には三一・五%ぐらいにはなる、したがって倍以上になる、こういう推計でございます。この先の推計を六年にするわけですけれども、先ほど来御議論がございますように、先般新しい人口推計が出まして、これが私どもの予想以上にやはり高齢化が進む、長生きをされる、それから若い人たち、特に出生率が従来の予想よりはかなり下がるというようなことで、年金財政にとっては大変厳しい状況でございます。 正式には六年に再計算をいたしますけれども、とりあえず今の制度でどれぐらいになるかという推計は、先ごろ暫定的な推計ということで出させていただきました。このままいきますと、三一・五%と言っておりましたのが、三四ないし三五ぐらいにはなるであろうということでございます。そういうことで、将来の若い人たちにそういう負担を残しておくのがいいのかどうかというのが最大の課題でございまして、これを審議会にもお諮りをし、あるいは有識者調査等におきましてもそういう情報を提供いたしまして、給付と負担のバランスをとるという観点からどういう制度改正が必要かというのを御議論いただくということで、今鋭意御検討いただいているところでございます。 私どもの基本的なスタンスといたしましては、十年来懸案になっております支給開始年齢の問題、特に今、年金は六十から出すという原則にしておりますけれども、果たして今のような状況を考えましたときに、そういう制度をこのまま維持していくというのが本当に年金制度として、また我が国の社会のありようとしてもいいのかどうかというあたりが、そのほかいろいろ議論はありますけれども、中心的なテーマとして検討すべき課題というふうに認識をいたしております。
○吉川芳男君 私に与えられた時間は十七分までですから、もう一問だけお願いいたします。 今企業と本人折半で一四・五%の負担を、次回には三一・五%ないしは三四%までに上げなければ収支が償えなくなるだろうという話、これは実に驚くべきアップ率だと思うんですね。今までのこの日本だけでなくてよその国のを見ましても、皆さん釈迦に説法ですから申し上げるまでもございませんが、スウェーデンでは一番高くても十年間で約一二・三%、これは国民負担率ですね。あとはフランスで四・一%、ドイツでは逆にマイナスの〇・九%、イギリス二・三%増、日本でもこの十年では国民負担率では約六・九%ぐらいしか上がってないのに、これは本格的な高齢化社会を迎えるのだといえばそれまでですけれども、大変なアップ率だと思うのでございます。 ちなみに、この問題について、もちろん保険料だけでなくて税金も含めたいわゆる国民負担率という問題に対しましては、平成二年四月十八日の臨時行政改革推進審議会の答申では、国民の負担については租税と社会保険料を合わせた国民所得に対する比率は社会保障関係費がかさむ高齢化のピーク時、二〇二〇年においても五〇%を下回るような目標にしてくれ、こういう答申が出ているわけでございます。 私は、今の数値を即入れていけばもう確実にこれは突破するわけだと思うのでございますが、現に私のような素人でなくてこれは専門家、大阪大学経済学部教授の本間正明氏の試算によれば、二十一世紀の高齢化の税負担というところに書いてあるんですけれども、それによれば、ゴールドプランを維持して厚生年金六十歳支給で現状のままでいけば、こういっただし書きがついておりますが、そうなると二〇二〇年では七二%、そしてやや抑制して中福祉中負担という形にしても国民負担率は五五・二%になる。そして、最後に自助努力を期待してようやく四九・七、五〇%の中に入ってくるということを教育テレビの土曜フォーラム「二十一世紀高齢化社会の税負担」という番組で述べておられるわけでございます。 そうしてみると、私はやっぱりスウェーデンのような高福祉高負担ということになりますと、負担率はもう七五・九%にもなってくる。いろいろの国の類型を見ますと、まず日本とアメリカが自助努力型だと思うのでございます。私自身もやっぱりこの方針はぜひ貫いてもらいたいと思うんですね。これは確かに高齢化になってより国が面倒を見てもらう高負担だ高福祉だということは願わしいことではございまするけれども、勤労意欲や若い者がこの国に働いて、そしてという気持ちをなくするようなことのないような政策を続けてもらいたいと思うのでございますが、今のお話ですとどうもそういうことも無理なのかなというように感じるわけでございますが、そういう選択の幅といいますか、どの程度あるものですか、お聞かせ願いたいと思うんです。
○政府委員(瀬田公和君) 先生のお話でございますけれども、現在の我が国の国民負担率というものは大体三九%弱ぐらいのところでございまして、先生がただいまおっしゃいましたように、国民負担率というものは昭和五十年代以降毎年上昇を続けておりまして、現在三九%弱ぐらいのところに達しているわけでございます。 今後、さっき年金局長からお話がございましたように、制度の改正というものが仮にないというふうに仮定すれば、国民負担率が五〇%を上回るというふうなことも懸念をされるわけでございまして、これを五〇%未満にとどめていくためには社会保障制度を初めとした制度、施策の改革といったことはどうしても必要になってくるんだろうというふうに私たちは考えております。 しかし、いずれにしても、厚生省としては高齢化のピーク時においても国民負担率が五〇%を下回るという第二次行革審の最終答申の考え方を尊重しながら所要の改革に取り組んでいるわけでございまして、さきに年金局長御説明申し上げましたように、現在年金の審議会におきまして、厚生年金の支給開始年齢のあり方等を含めまして次期制度改正のあり方につきまして集中的に御審議をいただいているところでございますし、また、有識者の方々につきましても、年金制度の現状や課題につきまして幅広く国民に情報を提供するとともに、今後どうしたらいいかということにつきまして、各界各層の方々の御意見を伺うための有識者調査といったものもさせていただいているというところでございます。 また、先生お話ございましたように、私たちはそういった幾つかの過程を経ましていわゆる日本型の福祉社会といったものを確固として形成していくということを考えているわけでございますけれども、先生おっしゃいましたように、福祉社会のあり方としては高負担高福祉の社会でございますとか、または民間の自助努力というものを中心とした社会でございますとか、いろいろと幅広い議論がございます。 しかし、我が国における社会保障のあり方といたしましては、自助努力の精神、それから社会連帯という考え方を両立させていきたい、そして国民の基礎的なニーズにつきましては公的な施策をもって対応する、またそれ以上の多様かつ高度な国民のニーズにつきましては個人または民間の活力の活用を図るような日本型の福祉社会、そういったものを形成いたしまして長寿福祉社会の実現を目指していくべきだろうというふうな目標を持って考えているわけでございまして、先生おっしゃいましたようにいろいろと困難な面というのはあるわけでございますけれども、また御意見などを拝聴しながら努力を続けていきたいというふうに考えているわけでございます。
○理事(岡部三郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分に再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時二十分休憩 ―――――・――――― 午後一時二十一分開会
○会長(鈴木省吾君) ただいまから国民生活に関する調査会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国民生活に関する調査を議 題とし、本格的高齢社会への対応に関する件のうち高齢化の現状と今後の課題について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○木宮和彦君 きょうは厚生省来ていらっしゃいますね。それでは質問させていただきます。 厚生省がゴールドプラン、名前は余り好きじゃないんですけれども、老人にはわからないと思うんですが、高齢者保健福祉推進十カ年戦略と銘打っております。その中にたくさんいろんなことを、老人問題を勉強すればするほどなかなか奥が深くて難しい問題がたくさんございますが、要約してみますと、これは三つの大きな幹といいますか、一つは在宅福祉、二つ目は高齢者の生きがい、それから三つ目は総合的な施設というふうにうたっているように思われます。しかし、何といいましても一番大事なことはマンパワーといいますか、このプランを遂行するためには福祉マンパワーが中核となっていくと思います。 マンパワーの中にも社会福祉士と介護福祉士と二つ種類がございます。私たち素人にはこれ十二分にわかりにくいんですが、まず最初にこの社会福祉士とそれから介護福祉士の定義、これをひとつお教えいただきたいと思います。
○政府委員(土井豊君) 昭和六十二年に社会福祉士と介護福祉士の法律が制定されました。社会福祉士につきましては、四年制の福祉系の大学を卒業した人に国家試験を受けていただくということでありまして、福祉の専門職というようなことでございまして、いろいろなコーディネーターとしての福祉の役割が期待されている、そういうようなものでございます。一方、介護福祉士につきましては、高等学校を卒業して二年間の養成課程を経ればその資格が取得できる、ある意味では介護の専門性をいろんな訓練等を通じて取得した人というような意味合いでございます。それと同時に、福祉の施設の現場で働いておりまして、試験を受けることによって介護福祉士の資格を取得するという道もあわせて置いておるところでございます。 いずれにいたしましても、福祉の担い手として社会福祉士あるいは介護福祉士というものがこれから大変大きな役割を果たすべきものとして期待をされている存在である、そのように考えているところでございます。
○木宮和彦君 よくわかりましたが、それではそれを養成する機関ですね、全国どのくらい養成する機関があるのか、そして現在その資格を持っている方々がどのくらいいらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(土井豊君) まず社会福祉士でございますけれども、この養成学校でございますが、現在九校ございまして、一学年の定員が千三百十五人ということになっております。それから、先ほど言いましたとおり六十二年にスタートしましたが、平成元年度から実際に登録をして社会福祉士としての業務を開始している者がございますが、それの平成四年度末までの累計でございますけれども、千九百十三人という人数でございます。 一方、介護福祉士についてでございますが、現在百五十一校、一学年の定員が七千八百二十六人というのが養成施設の状況でございます。それから、同様に、平成元年度から平成四年度までに養成施設を卒業した音あるいは国家試験の合格者、両方合わせた登録者の合計人数でございますが、二万六千六百二十八人という状況になっております。
○木宮和彦君 そうしますと、社会福祉士というのはコーディネーターですから、主に四年制学部といいますか、社会福祉系の学部の方が取られるというふうに解釈していいわけですね。それから介護福祉士の方は、高校を出て二年間の養成所、ですから短大だとかあるいは専修学校とかというようなところでもってそれに必要な単位を取ればいい。あるいは必ずしも短大、大学を出なくてもそれぞれの国家試験に合格すればこれになれる。こういうふうに解釈していいんですか。
○政府委員(土井豊君) 基本的に先生のおっしゃるとおりでございます。
○木宮和彦君 そうすると、今のお話で現在大体社会福祉士が約二千人弱、片方が二万七千人弱というお話でございました。このゴールドプランは平成二年から十年間の間にいろいろ達成しなくちゃなりませんが、それを推進するためにこの程度の人間ではなかなか達成することが難しいんで、絵にかいたぼたもちにならないか、ゴールドプランがおくれやしないかという私は懸念を持ちますが、その辺の見通しについてひとつお話しいただければありがたいと思います。
○政府委員(土井豊君) 社会福祉士、介護福祉士、確かに制度ができてからまだ年数もたっておりませんので、絶対人数が非常に少ないという点は御指摘のとおりでございます。 私ども、特に介護福祉士につきましては年間一万人ぐらいが新しく資格を取るというようなことを目標として掲げまして、そのために先ほど言いました養成校の卒業生と国家試験の合格者、両方合わせてごく最近では一万人にようやく達することになりましたが、そういう形で人材を確保してまいりたい。 ただ、これはあくまでも資格制度でございまして、業務独占という性格のものではございません。したがいまして、全体としての福祉のマンパワーという意味では、このような方たちに中心になって働いていただくという意味では大きな役割を果たすことが期待されておりますけれども、それ以外の方々も同時に一緒になって福祉マンパワーを支えていく、そういう体系の中でこれからの高齢化社会に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございまして、全部をこのような方で埋めるというのではございませんけれども、今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
○木宮和彦君 もう一つお伺いしたいんですが、この社会福祉士と介護福祉士、女性が多いのか男性が多いのか私もさっぱりわかりませんが、比率的にもしおわかりでしたらどの程度の比率か、大ざっぱで結構でございますが。
○政府委員(土井豊君) まことに恐縮でございますが、手元にちょっとデータがございませんので、後ほどわかるかどうか調べましてお届けしたいと思います。 感じで言いますと、比較的女性が、特に介護福祉士に関しては多いのではないかというふうに思います。
○木宮和彦君 常識的に考えて特に介護福祉士は女性の方が多いような気がいたします。しかし、介護福祉士の仕事は内容的には非常にハードな肉体労働的なものも相当加味されているのじゃないかと思うんですけれども、しかも若年層の人間がだんだんこういう仕事を嫌うといいますか、必ずしも希望していかないという昨今の状況もございますので、その点、若年労働者が減少してしかも仕事はふえる、老人はふえる、マンパワーはたくさん要る、何とか確保しなきゃならぬという、そういう非常に困難な問題があろうかと思います。 厚生省としても相当頭を悩ましていらっしゃるとは思いますが、それにつきまして将来にわたって明るい計画がございましたら、ひとつ御披瀝を賜りたいと思います。
○政府委員(土井豊君) 福祉の将来にわたる人材の確保という問題は、非常に大きな問題であると認識をしております。 昨年の通常国会に私どもこのための福祉人材確保のための法律案を提出させていただきまして、国会で成立させていただいた次第でございます。現在、この法律に基づきまして種々の準備を開始しているという状況でございますが、一つには、福祉人材確保のための基本指針の策定ということをいたしました。これは、去る四月十四日に官報に告示をしたところでございます。それからもう一つは、福祉人材センターの設置でございますけれども、中央に一つ中央福祉人材センターを設置すると同時に、四十七の都道府県の全県設置を今年度中に実施したいというふうに考えております。また、もう一つの柱でございます福利厚生セ ンターにつきましては、これは今年度はもう一年かけて検討させていただきまして、次年度において事業が実施できるように準備を整えたい、このように考えておるところでございます。 いずれにいたしましても、このような形で将来に備えた人材確保のための取り組みを、私どもそれから地方公共団体が手を携えまして努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○木宮和彦君 なかなか難しい抽象的なお話ですのでまだよくわかりませんが、これから十年間、何とかして人員を確保するためにはやはりいろんな人を養成、研修させて、そしてより質の高いマンパワーを養成していく必要があろうかと思います。 同時にまた、今お話しのように地方自治体にそれぞれのセンターをつくって人材派遣といいますかマンパワーを派遣する試みがあるように聞いております。私も大変結構なことだと思いますが、しかし私の身近でよく聞きますと、どうも町役場で聞いてもあるいは市へ行っても、いざ必要なときにはなかなか派遣してくれない。今はだめだ一週間待てとか、ひどいときにはまだまだ一カ月待たなければだめだよとか、あるいは登録制であるとか、あるいはそんなおふろに入れるなんてできないよとか、あれだこれだとなかなか親切にやってくれないという苦情めいたことを聞くことがしばしばあるわけでございます。 何とか人員を確保して速やかに需要が満たされるような方策と、同時にまた、民間の手をかりて、やはりお金を持っている人も大勢いらっしゃいますから、それはもうお金を出してでもやっぱり必要なものはやってもらう方が本人にとって、どうせ死んでまであの世へ金を持っていくわけじゃないですから、ぜひそういう点もお考えになって、ひとつ民間の法人か何かでもってそういう人間をプールして、いつでも即応できるような体制、しかもそれによってその企業がある程度もうかるような方策というものをお考えでしょうか。その辺をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(阿部正俊君) 先生の基本的な視点、かなり幅広い視点でございますので的確なお答えになるかどうかわかりませんが、私どもの考えでいることを二、三申し上げてみたいと思います。 先ほど、先生の方から社会福祉士、介護福祉士といったような、いわば特定の養成機関で養成するような方々を前提にしてお話がございましたが、私どもこれからのゴールドプランを進めるに当たりましてマンパワーということを考えますと、特に数が圧倒的に多いのがホームヘルパー、これは十万人ということを予定しておるのでございますが、その辺のことになりますと、御指摘のようなことで特定の新しく養成されてくる方をお待ちしていたのではなかなか足らぬかなというふうなこともありますし、あと一面、やはりホームヘルパーさんというふうなことの業務内容等を考えますと、ある程度やっぱり基礎的に、いわば特に家庭の主婦をなさっていた方とかいう方に対しましてかなり集中的な研修等をしまして、それで任務についていただくというふうなことも必要ではないかということで、かなりそういう実際的な研修体制というものに力を入れていくつもりでおります。 先生がおっしゃいましたようなさまざまなサービスがあるわけでございますけれども、これにつきましても私どもは、やはり必ずしも公務員といいましょうか、という方々がやるというだけではなくて、お話のございましたようないわゆるシルバー事業というふうなことに携わる方々、いろんな新しい事業も展開され出しておりますし、幅広くそういう方々あるいはそういう事業者の参画しやすいようないろんな仕組みというものを導入しまして、広範なマンパワーの確保という視点からも対応できましょうし、あるいは先生御指摘もございましたように、利用者のさまざまなニーズというものにも対応できるようにしていかなきゃいかぬのじゃないか、こんなふうに考えて、今地方自治体等と一緒になってかなり多面的な事業展開に努力しているというところでございます。
○木宮和彦君 ひとつよろしく。そういう点で幅の広い、しかも先ほどの多様なニーズにこたえられるような、そういう制度というものが今後ますます必要になってくるんじゃないかなという私は思いがいたしますので、余り一方的に一つ事にこだわってはかえって不満を来らすんじゃないかという心配をしております。 ところで、その一つとして、やはり専門的な福祉パワーだけではなくて、温かい高齢者社会をつくるためにはやっぱりボランティアですな。老若男女、男でも女でも若い者でも年寄りでもできる範囲内においてボランティアの人間を養成していくということが緊急の問題であるし、またそのボランティアにも、ただの物好きがやるだけじゃなくて、やっぱり使命感を持ってその仕事をやっていただくような、そういう有機的な組織をつくるのが私は一番今大事なことだと思います。 同時にまた、学校教育の場ですね、小学校、中学校において、受験も大事ですけれども、そうじゃなくて、やっぱり社会の一員として老人の方々に温かい手をひとつみんなでもって施そうという、そういう教育内容が今後ますます必要になってくると私は思うんですけれども、その辺は厚生省としてはいかようにお考えでしょうか。
○政府委員(土井豊君) お話がありましたとおり、できるだけ多くの国民の方々が福祉活動に積極的に自発的に参加していただくということは大変重要であるというふうに思っております。私どもも、先ほど申しました法律改正の中にこの部分も入っておりまして、国民の社会福祉に関する活動への参加の促進を図るための基本指針、大分長い名前でございますけれども、こういったものを関係審議会でいろいろ御検討をいただきまして、去る四月十四日に官報に告示をするというような形で進めているところでございます。 ただ、具体的に、先生がおっしゃいますとおり子供のころからの教育というものも大変重要であると思っておりますので、私ども毎年新しく小、中、高等学校を協力校として指定いたしまして、そこに若干の事業ができるような助成をしていくというような仕掛けで、子供のころからこういった活動に対する目覚めといいましょうか、意識を涵養していくというようなことも努めておりますし、あるいは昨年から全国ボランティアフェスティバルといったような行事を通じまして広く社会にこういうものに関心を持っていただくということにも努力しております。 それと同時に、ボランティア活動を行うためのやはり条件整備というのがいろいろ必要であろうということで、ボランティア保険というのは社会福祉協議会が中心になっておりますけれども、三百円、五百円という年間ごくわずかで何か事故があった場合ある程度の補償が受けられるというような仕組みも考えておるところでございます。 また、これは市町村という一番住民に身近な自治体におけるいろんな活動が大切であろうということで、ボラントピア事業とか、ふれあいのまちづくり事業というものを市町村にお願いして実施していただいているというのが今日までの状況でございます。
○木宮和彦君 ぜひひとつボランティアの養成、しかもボランティアはやっぱり心から社会に奉仕するという、これは難しいことかもしれませんが、やはり皆で社会を支えていくという、そういう心構えなんですね。これはまず役所からやってもらわないと困るんで、地方自治体まで、やはりボランティア精神というものが仕事の上にも必要だと思いますので、ぜひとも今後それを広げていただきたい、かように思います。 さて、最近障害者を特別扱いするなと、例えば障害を持った子供たちを普通の学校へ入れてもらいたいというようなことが間々ございますが、私はそれがむしろ自然であると思うんです。その意味で、やはり高齢者の方も特別扱いするんじゃなくて、年寄りといえども若い人と同じようにできることは何でも、それは仕事の面でも、そんなに若い火みたいにできないかもしれぬが、やっぱりできることもありますし、給料を減らされても構 いません、就業できる、あるいは学校にも――この間、実はこの調査会で九州、山口県へ視察に行ってまいりました。そのとき、たしか門司でしたか、北九州市でもって老人大学というか寿大学ですか、市がつくってそれを運営しているところを見せていただきました。 私に言わせると、どうも老人大学というのは一見よさそうだし、また安い月謝でもある。ただ、収容能力に限界がありますし、必ずしもその受講者の希望に応じてやるわけにいきませんので、私はむしろ生きがいの問題、先ほどもゴールドプランの話がございましたけれども、老人の生きがいの問題からいっても就業とそれから就学ですね。特に短期大学などは、これから十八歳人口も減っていきますので、しかも短期大学というのはそんな専門的なことをやるわけじゃございません。 実は私も関与しておりますが、特に短期大学には、美術であるとか音楽であるとか、あるいは国文学であるとか保育であるとか、そういう学科をやっているものが非常に多いんですから、むしろそういうところへ再教育といいますか生涯教育と申しますかなるべくたくさん就学させて、もう一度勉強することによってぼけというものを防止するというとおかしいですが、生きがいの問題として、やはりやることがないと人間ぼけちゃうと思うんで、ぜひそういう意味からも、たとえ月謝を半額補助してでも、その方がトータル的に言えばむしろ税金の使い方としてはいいんじゃないかというような気がしないでもないわけです。 そういう点で老人の生きがいの問題について厚生省は取り組んでいらっしゃるのか、そんなことは無理な話だとおっしゃるのか、やってみようと思われるのか、その辺もしお話しできることがありましたらひとつお話しいただきたい、かように思います。
○政府委員(阿部正俊君) ただいま先生が申されましたように、やはりゴールドプランというものはえてして、例えば体に障害があるお年寄りだとか御家庭でいろんな御苦労をなさっている方とかというところを厚く支えていくというふうなところがどうしても中心にならざるを得ない面もございますけれども、御指摘ございましたように、圧倒的大多数といってはちょっと語弊があるかもしれませんけれども、かなりの方々が元気なお年寄りでございます。その方々は先生御指摘のようにお年を召されたというだけでございまして、特別扱いをするというふうなことはやはり適当なことではないだろうと思いますし、私どももそういう心がけでいろんな対策を講じていきたいというふうに思っております。 そういう意味で、先生の御指摘のありましたようないわゆる生きがい対策といいましょうか、幅広い社会参加を促進するための手助けとなる施策というふうなものをさまざまな工夫をして展開しているところでございます。 ちょっと実例を挙げさせていただければと思うのでございますが、私どもそういったふうなさまざまな事業を支援するために、例えば中央に長寿社会福祉基金というふうなものを設けて、その基金の収益等を前提にして各都道府県、市町村に対する助成をするとかということをしておりますし、それから各都道府県にも明るい長寿社会づくり推進機構といったような、一つの県民運動というふうなものをやっていただきたいということでそういう組織をつくって、そこを中心にさまざまな事業をやっていただこうというふうなことをしましたり、また先生が今御例示になりましたいわゆる老人大学、これにつきましても私どもの補助事業の項目の一つとして、ほとんどの都道府県でもう実施しておられますけれども、大学に対する事業費の助成等も行っておるところでございます。 あともう一つ例示させていただきますと、いわゆるねんりんピックというのを先生御存じでしょうか。これはかなり大規模な行事になってきていまして、もう既に六、七年の歴史になります。例えば昨年は山梨県で開催させていただきましたけれども、約三十万人ぐらいの参加者がございました。その参加を一つの目標にいたしまして、各都道府県でそれに向けてのいわばいろんな競技会、県レベルでのねんりんピックというふうなのも行われるようになっていますし、その際には、必ずしも肉体的な競技能力を競うということだけではなくて、そこでの交流ということを一つの出会いにいたしますし、あとは少しずつ文化的な側面といいましょうか、例えば作品展をやりましょうとかいうことで、いろんな意味での生きがいづくり、お年寄りの社会参加の一つの大きなイベントとしてそういったふうなものを設定いたしまして、そういう機運づくり、具体的な参加ということを促進していくようにしておりますし、これからもますます力を入れてまいりたい、こんなふうに思っております。
○木宮和彦君 老人はややもすると家にこもりがちでございますので、そういうイベント、こういうものをやはり若い者だけじゃなく年寄りにもぜひひとつ大いにやっていただくということが必要だと思います。 それから、このゴールドプランの三つ目の柱には「総合的な施設」というところがございますが、これまたこの間の視察のときに山口に行きまして、山口リハビリテーション病院といいましたか、そこにはリハビリだけではなくて、寝たきりの老人を扱う病棟、それからそこで持っている老人ホームがございまして、ホームステイといいますか、それぞれのホームヘルパーの派遣もやっていらっしゃる。総合的に恐らくこれは医療法人と社会福祉法人とが一体になってやっているんだろうというふうに私は理解したんですけれども、やはりこれからは、そういう意味では老人がぽつんといるだけではなくて、同じ構内に病院があるということは大きな支えになると思いますし、これからひとつ総合的な施設として安心して住めるようなこともぜひとも考えていただきたい。 そういうことについて、プランにはありますが、これは今支援だけでございます。相当お金の面でも面倒を見てやるようなことが今後必要だと思うんですが、その辺の現状と将来の見通しについて、もう時間もありませんので簡単で結構でございますが、ありましたらひとつお話しいただきたいと思います。
○政府委員(阿部正俊君) ゴールドプランに書いてございます「総合的な施設」というのは、念頭にございましたのは、今先生が例示されたような形で、必ずしも同じものではございませんけれども、いわばお年寄りのお住まい、それからさまざまなサービス、それから必ずしもいわゆる公的なサービスではございませんけれども、ある意味での生きがい対策に結びつくような施設といったふうなものを、個別にぽつんぽつんとつくるんではなくて、それをある程度地域的なまとまりの中に位置づけるというようなことで、新しいいわば町の開発というふうな構想でやったものでございまして、これにつきましては、新しいものでございますのでなかなかまだ箇所数が大変少のうございますけれども、一、二できつつございます。 ただ、先生今御指摘にございましたように、やはりお年寄りの生活ということを考えますと、単一のサービスで完結するというケースはむしろ少ないんではないか。生活全体、それからお体が不自由になったときの例えば医療の問題、それから在宅したときの住まいの問題、それからお食事の問題等々、多面的でございますので、そういったふうないわば福祉サービス及び医療サービス、それから地域サービスの連携というものに十分配慮してやっていかなきゃいかぬのではないか、こんなふうに思っておりまして、それもゴールドプランの精神の一つとして掲げましてこれからもやっていきたいなと、こんなふうに思っておるところでございます。
○木宮和彦君 時間が参りましたので質問を終わりたいと思いますが、年金も公的年金と民間の私的な年金がございますが、マンパワーも専門家だけじゃなくてボランティアと組み合わせる、あるいはだれにも最低限のサービスを平等にやってもらうと同時に、また、それぞれの嗜好とかあるい はその人のプライバシーがあると思いますが、それらにも応せられるように、そういう多様な対策を厚生省として今後ぜひともとっていただくように要望をいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○日下部禧代子君 きょうは、政府が十三日に決定いたしました総額十三兆二千億円の新総合経済対策を中心に質問をさせていただきたいというふうに存じます。 新社会資本整備という概念、考え方を導入されたということは、これは非常に画期的なことだと高く評価させていただきたいというふうに思います。しかし、きょうは少し苦言を呈させていただきたいというふうに思います。 これは十三日の午前中に自民党がまとめた緊急総合景気対策を受けたものというふうに聞き及んでおりますが、いわゆる自民党主導ということで、景気対策に対する政府のいささか主体性のなさ、あるいは見通しの甘さというふうなことをまず最初に指摘させていただきたいというふうに思います。 また、今回の景気後退局面で経済対策を発表なさるのは、昨年の三月、八月に続き今回で三度目だというふうに思います。しかも、新年度予算が成立した直後に策定されております。いかにも本予算が不十分であるというふうな印象を否定できないのではないかというふうに思うわけでございます。経済の状況というのはわかっていたはずでございますね。それを織り込んで新年度予算というものを編成すべきではないかというふうに思いますが、いかがでございましょうか。 そういうふうにしますと、経済対策も年度当初から実行できまして、いわゆる産業界の要望にもこたえられたはずではないかというふうに考えます。政府の経済財政方針が、この一年の間に二度の本予算を含め五回も修正されたということになっているわけであります。しかも、財源の相当部分が国債その他の借金でございます。バブル経済の後退という事態は変わっておりませんのに、長期的な見通しを立てられずに次々といわばその場しのぎの経済対策をお出しになっているように見受けられます。経済の見通しが甘いのではないかという気がして仕方がないのでございます。 そこで、経済企画庁にお伺いいたします。 経済対策を担当なさいます経済企画庁といたしまして、経済見通しをどのように考えていらっしゃいますか。そして、今回の新総合経済対策でこの後退局面はどのくらい改善されるというふうにとらえていらっしゃるのでしょうか。報道ではGNPが二・六%上がるというふうなことも報じられておりますけれども、今回は果たしてそのようなことが実現するのでございましょうか。経済企画庁の御見解をお伺いいたします。
○政府委員(柳沢勝君) 先生御指摘のように、我が国のこれまでの経済の動向につきましては、今までの過去の常識がなかなか当てはまらないような極めて難しい情勢を推移してきたというふうに考えております。それゆえ、政府といたしましても、先生御指摘のように、昨年三月には緊急対策を、八月には総合対策を実施いたしたところでございますけれども、補正予算の成立がおくれたということもございますが、なお公共投資につきましては順調な増加を見てきたというふうに思います。しかし、予想を上回る勢いで民間個人消費支出あるいは民間の設備投資の低迷が続いたということがございまして、政府の予想していたよりも事態の改善がなかなかはかばかしくなかったということがあったわけでございます。 しかしながら、今般二十二年ぶりに年度内予算の成立を見るというようなことで、大変両院の御協力のもとに速やかな景気対策の執行が整っているという段階でございますが、最近の日本経済の動向を見ますると、新車の販売台数とかあるいは住宅着工戸数等、一部には明るい指標も見られますけれども、百貨店販売額がなお依然といたしまして対前年を割っているというようなこともございまして、引き続き予断を許さない極めて低迷した状況にあるというふうに判断いたしております。かかる状況にかんがみまして、政府といたしましては景気の足取りを確かなものにするためということで、十三日、新しく総合経済対策を策定いたしたところでございます。 この総合経済対策につきましては、先生御指摘のとおり十三兆二千億ということで、史上最大の規模ということになってございます。それと同時に、こうした規模のみならず、その内容におきましても、先生先ほど御指摘ございましたように、公共投資の配分の方向、社会資本整備の新たな展開ということを強く打ち出しているところが大きな特徴であるわけでございます。 この総合経済対策の効果についてでございますけれども、総事業規模十三兆二千億ということでございまして、これは平成四年度実績見込みのGNPと比較いたしますと約二・八%相当に当たるわけでございまして、その波及効果等も考えますならば相当程度の大きな効果が予想されるというふうに考えているところでございます。 いずれにいたしましても、今後の動向につきまして、平成五年度まだ始まったばかりでございまして、まだ何かと言うことはできないわけでございますけれども、こうした景気対策の効果、また最近回復の目立って続いております住宅投資と相まちまして、徐々にその効果が浸透していきまして、年度後半におきまして民間個人消費支出あるいは設備投資というものが緩やかながらも回復するということが予想され、トータルいたしまして政府の経済見通してあります三・三%は達成可能であるというふうに考えているところでございます。
○日下部禧代子君 私が申し上げた中に、財源の相当部分が国債その他の借金ではないかということを申し上げましたけれども、この点につきましてはいかがでございますか。
○政府委員(柳沢勝君) 財源の点につきましては、いわば経済対策の景気に及ぼす効果ということになりますと、有効需要をつくり出すということが景気に対しましては一番大きな効果があるということになるわけでございまして、そういう点におきまして国債の増発ということを財源といたします公共投資の追加ということも景気対策としては十分効果があるというふうに考えることができると存じます。 一方、財政のいわば体質ということを考えますと、将来におきます財政の対応力を考えますならば、いたずらに国債の発行額が多くなるということは極めて問題でございますから、しかるゆえに政府といたしましては建設国債という対象の範囲内でそのような景気対策を講じてきたということでございます。
○日下部禧代子君 そこで、福祉の方の問題に持っていきたいというふうに思うんですけれども、高齢化対策予算について少し触れさせていただきたいと思います。 私は、社会党のシャドーキャビネットの市町村高齢化対策委員長といたしまして、いわゆる高齢化社会を住民主役の本当に豊かで本当に人間性を取り戻す社会としなければならないという、その具体的な提言を今まで幾つかさせていただいてまいりました。三月二十六日の厚生委員会の予算委嘱審査におきまして、これからの予算配分のパラダイムを公共事業中心からソフト中心、福祉や医療などの付加価値の高い産業としてのすそ野の広いところに配分するように、そのように変えていかねばならないのではないかというふうに厚生大臣に御提案したところでございます。 二十一世紀の超高齢社会を迎えるためには、これまでの公共投資の概念というものもそこから自由にならなければならないというふうに思うわけであります。いわゆる高齢社会を展望して本当に社会的に必要な福祉施設やあるいは医療施設、保健・医療・福祉マンパワー対策、あるいはまた福祉・医療供給サービスの有効なシステムづくりなどのソフトの分野というものも含めて重点的に財政投入を行わなければならないというふうに思っております。 今、日本の経済あるいは技術というものは、い わゆる成熟期に入っているというふうに思います。航空機とかテレビ、ICといったいわゆる画期的なイノベーション、そういったものが時代を引っ張って経済成長を持続するということはもはや望めない、そういう時期に来ているというふうに思うわけでございます。この辺で本当の豊かさとは何なのか、本当に生活の質とは何なのかということを改めて問い直す時期ではないかというふうに思っております。 さて、今回の対策では所得減税の実施が見送られております。そしてまた、これは相変わらずと言ってもよろしいと思うんですけれども、これまで金丸事件に見られるような政治腐敗の温床となっている利益誘導型の公共事業のあり方といったものや、あるいは行政官庁の既得権益による硬直化した事業配分、いわゆる予算の取り合いでございますね、そういったものは抜本的に改善されているとは思えないわけであります。さらにまた、地方自治体が主導すべきはずの社会資本の整備を国がバックアップする体制もまだ十分な体制にはなっていないというふうに思います。 しかしながら、自民党のおっしゃいます新社会資本整備、政府のおっしゃいます社会資本の新たな展開という視点では、福祉や医療に一兆千五百億円の枠を配分されたということ、また公共事業も四兆千七百億円で生活関連施策に重点を置いている。また、従来の道路、治山治水重点型から下水道、廃棄物処理、住宅、公園整備など生活関連事業を多く取り入れていらっしゃることは評価したいというふうに思います。社会福祉や文教関係の施設、そしてまた設備整備費というものが一兆千五百億円程度盛り込まれたことは、これは額は多いとは言えないけれども、これは社会党のシャドーの考え方にも沿ったものだというふうにとらえております。 ところで、経済企画庁にお尋ねいたしますが、今回の経済対策の基本方針及びその中で、保健、医療、社会福祉関係の対策の概要、そしてその金額というのはどのようになっているのでございましょうか、お尋ねいたします。
○政府委員(柳沢勝君) 今次の新しい総合経済対策におきまして、先生から若干一部御評価いただいて大変ありがたく存じますけれども、いわば新しい社会資本の整備の方向を重点的な方向としてお示ししているところでございまして、社会資本整備の新たな展開という柱を今回十三のうちの一つとして出しているわけでございます。このような重点的な方向を明らかにしたということは、今回の総合経済対策の一つの特徴として私どももいささか自負しているところであるわけでございます。 すなわち、今回の景気対策を足がかりにいたして、二十一世紀を見据えた生活大国五カ年計画の一層の推進を図ることをまず一つのねらいといたしまして、また同時に、景気対策の観点からさまざまな幅広い分野に投資が及びまして、対策の効果がより広範にかつ直接的、即効的に見られるようにするということを考えたわけでございます。 具体的には、情報化あるいは高齢化等、社会経済情勢の変化を踏まえた都市再開発事業でございますとか、あるいは電線の地中化などとともに、先生御指摘がございましたような医療、社会福祉等の施設、あるいは町づくりなどにおきましても高齢者に配慮した町づくりをするということなどを推進することを強く打ち出しているところでございます。 ただ、先生お尋ねの件でございますけれども、具体的な内容につきましては、政府といたしましては今後速やかに補正予算を編成することとしておりますけれども、その補正予算の編成過程の中で明らかになってくるものというふうに考えているところでございます。
○日下部禧代子君 総額が決まっておりますのに積算がないというのは少しおかしいのではないかというふうに思うわけでございますが、もし内容が決まっていないのでございましたら、一兆一千五百億円というのはどのようにしてお決めになったのか、いわゆる積算の根拠というものを御説明いただきたいと思います。
○政府委員(柳沢勝君) 景気対策ということを考えます場合に、日本経済全体の置かれました状況にふさわしい事業規模というものがどれほどの大きさのものであるかという、いわばマクロ的な観点からの検討が一つございます。それからもう一つは、個別具体的に実施すべき分野ということで、あるいはその中の消化可能な量がどれだけであるかという意味で、部門別のおおよそのめどをつけるという形の作業がございます。しかしながら、必ずしも個別の積み上げということを経て総額が決まるものではないわけでございます。
○日下部禧代子君 それでは、厚生省にお尋ねいたしますけれども、生活大国づくりということでは福祉予算というもの、厚生省関係予算というものは最も重要な部分だというふうに私とらえております。その中で、今回の対策の中での厚生省関係予算というのはどのくらいにとらえていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(瀬田公和君) 今回の総合経済対策の中で、先生も御指摘いただきましたように、公共投資の拡大にあわせまして社会資本整備のための新たな展開ということが行われるということが決まったわけでございまして、一つには国民生活基盤、研究開発基盤等の充実を図るために、教育、研究、また医療、社会福祉等のための施設等の整備を推進するということで、先生も御指摘いただきましたけれども、一兆一千五百億円の追加支出ということが決まったわけでございます。また、下水道とか廃棄物の処理施設等の住民に最も身近な社会資本の整備と申しますか、そういったことを一層積極的に推進していくために、これにつきましては二兆三千億円というふうな事業費の追加ということが行われるということが決まったわけでございます。 こうした政府の総合経済対策を受けまして、私たちといたしましては、お決めいただきました平成五年度の予算の早期執行に鋭意努力をするとともに、今後予算措置が必要なものにつきましては、経済企画庁からも御説明がございましたけれども、早急に補正予算の編成に着手するということになるわけでございます。 その中におきまして、厚生省といたしましては、まず簡易水道等の水道関係の施設、それからごみ、し尿等の廃棄物の処理施設を初めといたしまして、ゴールドプラン等でお決めをいただいております特別養護老人ホームなどの社会福祉関係の施設、それから国立病院・療養所などの医療施設の施設設備、そういったものに重点を置きまして補正予算におきましては必要な額を確保してまいりたいというふうに考えております。
○日下部禧代子君 この一兆一千五百億円の積算根拠ということについて、もう少しその根拠を明らかにしていただけますでしょうか。
○政府委員(瀬田公和君) 総合経済対策の中におきましては、国民生活基盤、研究開発基盤というふうなものにつきまして、教育関係とか研究関係、または医療、社会福祉というものを重点にして一兆一千五百億円、また、ごみ、し尿等の廃棄物の処理施設の関係または下水道関係等々というふうな身近な社会資本の整備ということで二兆三千億円というふうに承っておりまして、こういった関係の対策につきましては、先生御承知のように、厚生省のほかにも建設省でございますとか農林省でございますとか文部省でございますとか、そういった関係各省庁の予算を概括的に積み上げた形で要求額というのが決まってきているわけでございまして、今度は精密な形での予算要求の中で各関係省庁間の配分というのが決まってくるわけでございます。 いずれにいたしましても具体的な形というものが出てくるのは五月の連休後ぐらいではなかろうかというふうに私たちは考えておりますが、今後積極的に大蔵省当局に要求をしていきたいというふうに考えております。
○日下部禧代子君 今お話を承っておりますと、やっぱりもう少し計画性とか系統性というものがその計画にもなくてはならないのではないかなと いうことを改めて感じたわけでございます。また積算根拠というものは、これはやはり非常に重要なことなんじゃないか。いわゆるどんぶり勘定ではなくて、こうであるからこうなるのだ、この額が必要なのだというふうな、そういう積み上げ方というのがやはり計画的に、それこそ系統的に積み上げられていかねばならないんじゃないかなというふうに思うわけでございます。 例えばホームヘルパーさんの数にいたしましても、これは六十三年の福祉ビジョンにおきまして五万人と言われたのがいわゆるゴールドプランになりまして十万人となった。なぜ五万人から十万人になったのか、その根拠につきまして私たびたび厚生委員会で質問させていただきましたけれども、なかなかはっきりしたお返事をいまだにいただいておりません。政治的判断ということもあるかもわかりませんけれども、やはり厚生省は厚生省なりに威厳を持ちましてこの積算根拠というものをきちっと明らかにして要求をしていくというふうなことが必要なんじゃないか。私は厚生省を一生懸命応援しておりますから、頑張っていただきたいというふうに思います。 そしてまた、文教、福祉予算というふうに言われておりますけれども、文教の場合にはかなり具体的な数字も出ているわけでございますね。例えば東大、大阪大学、東北大学の研究施設を増設するために百億円を出すというふうな形でかなり具体的な数字も見えているわけでございます。ところが、厚生省関係の場合には丸ごとという感じで、具体的な姿というものがなかなか見えていないというふうに私には思えてならないわけでございます。 これから予算をおつくりになりますときに、今回の総合計画の中でのいわゆる一兆一千五百億円というものをやっぱり重点的に予算投入をなさるというふうなおつもりなのか、それとももう少し薄く均等化するというふうなお考えなのか、そういう御方針はもう既に決まっていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(瀬田公和君) 厚生省といたしましては、さきに御説明をさせていただきましたけれども、水道関係または廃棄物関係の処理施設、それから特別養護老人ホーム等の社会福祉関係の施設、それから国立病院・療養所の施設設備といったものに対してできるだけ公共投資拡大という見地からお願いをしたいというふうに考えております。
○日下部禧代子君 社会党のシャドーでは、高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆるゴールドプランの期間を三年短縮して前倒しするということで一兆円の財政効果があるというふうに主張して発表させていただいておりますが、今回もゴールドプランの予算というものを大きく伸ばしていただけるというふうに思っております。そのゴールドプランの中では特養ということを今おっしゃいましたが、特別養護老人ホームでございますが、私はそれ以外にも、このゴールドプランの進捗状況というものを見ておりますと、かなり進捗がおくれているというものがたくさんあるんじゃないかと思います。思いますのでなくて具体的にございます。 四月八日の厚生委員会におきまして、社会福祉・医療事業団法の一部改正、この審議の際にも私指摘させていただきましたけれども、予算と実績とにかなりの乖離がございます。例えば在宅介護支援センター、予算では七百カ所でございますが、実績は四百カ所でございます。老人保健施設、予算では六万九千八百十一床、ところが実績は五万六千二百三十八床。ケアハウス、予算は四千七百人、しかし実績は二千五百二十人。これは平成三年度でございます。かなりの予算と実績との差がございます。むしろ特別養護老人ホームの方がその差が少ないわけでございます。 そういたしますと、このゴールドプランの中で、今厚生委員会でも申し上げたことをもう一度申し上げているわけでございますが、この部分に関して重点的に見直すということ、そしてそれと同時に、今三つの例を申し上げましたけれども、ゴールドプランがなぜこれほど進捗状況がおくれているのか、その辺のところをお答えいただきたいと思います。
○政府委員(阿部正俊君) いわゆるゴールドプランの進捗状況ということでございますが、私どもとしては、全体的に見ていただきますればゴールドプラン全体としては決しておくれておるというふうには必ずしも考えておりません。 確かに今先生御指摘のございましたように、中には例えばケアハウスだとかあるいは在宅介護支援センターというふうなものが年次計画の数字よりは下回っているという点がございますけれども、これらにつきましては、例えば在宅介護支援センターといいますのは平成二年度から制度化した、いわばゴールドプランのスタートと同時に新しく制度化をした。厚生省関係のこういったふうな福祉関係のものは、いわばその建物をどんどんつくるということではございませんで、それが一つの拠点でございますけれども、それにあわせましてサービスの体制をつくっていくということが絡んでくるわけでございますので、新しい事業等につきましてはやはり最初は、なかなかいきなり量が拡大していくというのは率直に言って難しい面があるということを御理解いただきたいというふうに思っております。 それからケアハウスにつきましても、これも平成元年度に初めて制度化したものでございまして、確かに予算の予定といいましょうか、ゴールドプラン上の計画とは若干の乖離がございますけれども、これも徐々にスピードがついていくのではないかと思っております。そういったふうな促進策というふうなこともございまして、これらの在宅介護支援センターなりケアハウスにつきまして、予算面でもあるいは運営面でも、例えば補助対象部分を拡大したりとか、あるいは運営費補助の対象事業主体として新たなものを加えたりとかということでやっておるわけでございまして、最終的には事業全体の総量が達成できるのではないかと思っております。 ただ、その中で先生今御例示ございましたように特別養護老人ホームというふうなものはむしろ計画の超過をしているというふうな状況になってまいっておりますけれども、これはやっぱり一番歴史のある施設でもございまして、かなり地方公共団体のニーズが強いというふうなことで非常に伸びているということでございまして、先ほどの新しい総合景気対策ということの中でもこの辺を重点に取り上げていただくというふうに考えておるわけでございます。 それから、あとぜひ御理解いただきたいと思いますのは、ことしから市町村の老人保健福祉計画というものをつくりまして、改めて市町村が自分の仕事として今申し上げたようなさまざまなゴールドプランにあるようなサービスあるいは施設というふうなものを展開していくわけでございまして、そういった計画づくりというものを通じまして、今まで多少おくれぎみになっていた事業項目につきましてもスピードがついてくるのではないかというふうに期待しておるところでございます。
○日下部禧代子君 補正予算を編成する際にも、社会福祉施設、医療施設を整備するということで国庫補助単価というものを実勢に合わせて引き上げていくというふうなお考えは今のところございませんでしょうか。
○政府委員(瀬田公和君) 実は補正予算につきましては、先生からいろいろ具体的な御質問をいただいているわけでございますけれども、今から具体的な内容につきましては大蔵省等々と折衝するという形になっておりますので、できるだけこういった施設ができやすくなるようにという気持ちで折衝は続けていくつもりでございますけれども、具体的な数値等々については今はちょっと御質問に答えられない、こういう状況でございます。
○日下部禧代子君 この際一つ指摘させていただきたいのは、いわゆる景気対策というのが非常に必要でございます。それは単にバブル崩壊前の経 済状態をもう一度再現するというのでは何の芸もないのではないかというふうに思うわけでございます。バブル崩壊というのは、これまでの生産と消費のあり方、あるいは経済成長と福祉との関係を問い直すいい機会でもあったというふうにも私には思えるわけでございます。 この機会をとらえまして、いわゆる産業中心、生産と労働優先、ハード中心だった資源、社会資本の配分のパターンというものを、生活福祉、ソフト重視型へとそのパラダイムを転換するときが今こそ来ているのではないか、そういう重要な時期に今立っているんじゃないかなというふうに思います。そういった意味では、社会資本の新たな展開として、医療や社会福祉施設の整備への投資というのは、これは先ほども申し上げましたように評価できるところだというふうに思っております。 経済対策の評価といいますか、いわゆる効果分析というのは重要でございますが、特にこのような社会資本整備に対する投資の効果分析という、こういう問題があると思うんですね。人が余り通らないようなところに政治的な意味で道路とか橋をつくる効果と、高齢化社会を迎え住民からの需要があって、本当に役立つ社会福祉施設をつくる効果と、どちらが大きいのかと。同じ十億円を投資するのでも、産業としてのすそ野が広くて材価価値が高い福祉とか保健・医療の方の効果が高いのか、そういうふうな価値観の転換というものもこれからは非常に重要になってくるのではないかというふうに思うわけでございます。 海外への貢献というものも、今までの土木技術の普及という段階から、保健・医療・福祉サービスといったノーハウの移転という時代に輸出ということも私これから入ってくるんじゃないかなというふうに思います。 そういった観点から、経済企画庁では土木事業への投資と福祉関係医療への投資とどちらが効果が高いのか、そういう発想で効果測定ということを試みたことがおありでしょうか。
○政府委員(柳沢勝君) 先生の御指摘の点につきまして結論だけ申し上げますと、そのような分野別の効果測定ということにつきましては、さまざまな技術的な困難な問題がございまして、今まで試みたことはございません。 しかしながら、先生御指摘の基本的な発想法につきましては私どもも十分重要な点であるということを認識しておりまして、今般の景気対策につきましても、当面の日本経済の状況が予断を許さない状況であるということから進めたわけでございますけれども、もともと国民生活の安定と発展にとりまして最も重要なことは、雇用不安というものを実現させないということが基本でございますから、それらの観点から雇用の安定を図るということで今般の景気対策というものを史上最大の規模にするというふうなことをしたわけでございます。 しかしながら、これまでもお話しいたしましたように、短期的な景気対策という視点のみならず、この景気対策を足がかりにいたしまして、長期的な意味で真の豊かさといいましょうか、生活大国五カ年計画の一層の実現に資するという視点をかなり重視いたしまして、そのようなことから社会資本整備の新たな展開ということを打ち出したということでございます。
○日下部禧代子君 経済企画庁いらっしゃっているので質問させていただきたいんですけれども、これは少し違った観点からでございます。 海外からの輸入農産物にポストハーベストなどが添加されているおそれがあると非常によく言われているわけでございますが、消費者の側からの救済の場というもの、苦情処理の場というものが設けられないというふうに常々感じているところでございます。保健所に行ってもこれは時間がかかります。 外国の企業が貿易問題でクレームをつけるときにOTOがございますね。OTOというのは、これは日本語で言いますと市場開放問題苦情処理推進本部といろことになっているそうでございますが、日本国民が貿易に起因する問題を迅速に解決してもらいたいということを考えますと、これはなかなかその場がございません。いわゆる消費者保護基本法というのがございますけれども、これには消費者の果たすべき役割というものは明らかになっておりますけれども、消費者の権利というものはうたわれていないわけでございます。常に消費者は保護され指導されるという、そういうような考え方がこの法律の背景にあるように思われてならないわけでございます。 したがって、逆OTO組織というようなものを経済企画庁に設置するということはお考えないのでございましょうか。国民の苦情処理というのはいつも裁判とか国民生活センターとか保健所とか、そういう形でしかない。そしてなかなか時間がかかるというふうな問題もございますが、この点に関しまして新たな何か機関を設置するというお考えはいかがでございますか。
○政府委員(加藤雅君) お答え申し上げます。 輸入食品等に関します苦情相談でございますが、私どもの所管しております国民生活センターでは、全国の消費者センターからありました苦情を全部集中的にコンピューターで集めまして、それを集中管理しておりまして、必要なことにつきましてはすぐにアクションをとれるという体制をオンラインで整えているわけでございます。 それで、平成四年度はまだ全部苦情が集まっておりませんが、平成三年度につきまして申し上げますと、そういう相談が大体全国から一年間で十七万件来ております。その中で食料品に関するものは八千三百件、うち輸入食料品に関するものは百九十件ということでございまして、相談全体に対する比率というのは比較的少ないというふうに私どもは考えているわけでございます。 しかしながら、食品の安全性というのは大変重要な問題でございます。そういうことでございますので、私ども、消費者保護会議というのがございます。これは消費者保護基本法で定めております総理大臣を会長といたしますほとんど閣議と同じような会議でございますが、そこでも輸入食料品に対する体制の整備でございますとか基準の策定というふうなことにつきましては、これは各省庁全部入れました会議でございますが、そういう段階でこれをしっかりやっていくということについて毎年決定をしております。 私どもとしてさしあたり非常に重要だと思っておりますのは、一つは、検疫所で食品衛生検査員というのがおりますが、まだその人数が昨年の十月でございますとわずか百六十五人でございまして、非常に大量な輸入食料品を検査するにはまだなかなか不足をしている、まずそういう基本的なところをもっとしっかりやっていかなきゃいけないというふうに考えております。そういうことを進めておりますとともに、御指摘のポストハーベストにつきましては、現在安全性に関する資料を収集いたしまして、さらに厚生大臣の諮問機関でございます食品衛生調査会というところで残留農薬の基準設定ということを今進めていただいておるところでございます。 私どもは、消費者団体と毎月お話し合いをしておりまして、消費者団体からそういう苦情が来ているということはよく承知をしております。したがいまして、そういう苦情につきましては、私ども行政関係でも毎月関係省庁と連絡会議をいたしておりまして、そういう会議の場を通じまして関係省庁とも御連絡をいたして対処していく。ただ、経済企画庁でまた新しい組織をつくるということになりますと、現在も既にそういう組織がございますので、この組織を活用してさしあたりはやらしていただきたいというふうに考えております。
○日下部禧代子君 私が申し上げましたことの本質というのは、やはり消費者を保護ということで見るのでなくて消費者の権利ということ、そして消費者が自分たちの権利としてさまざまな苦情の問題とか申し上げたいことがあることを、これは裁判でなければ、あるいはさまざまな陳情書、署名でなければなかなか伝達することができないと いう問題がある。私はそこに中心を置いて御質問させていただいたわけでございますが、ちょっとお答えがずれているようでございますけれども、もう時間がございませんので、この問題はまた続けてさせていただきたいというふうに存じております。 最後に、今円高が非常に進んでおりますけれども、国民がその利益になかなかあずかってはいないというふうに思うわけでございますね。物価を監視する立場にいらっしゃる経済企画庁としましては、この円高差益を国民に還元するよう企業に強力に指導するということはできないわけでございましょうか。あるいはまた、物価対策関係閣僚会議などを開催なさいまして、円高差益を国民に還元するように、そういう努力をさらにすべきではないかというふうに思いますが、その御意見を承りまして、質問を終わりたいと思います。
○政府委員(小林惇君) ただいま先生の御指摘の点でございますけれども、まず円高が定着するかどうかということについても十分ウォッチしてまいらなければいけないわけですが、円高傾向が仮に定着した場合には、その効果が我が国経済全般に円滑に及んでいくように、物価の一層の安定を図るということを目標に、円高メリットを消費者が十分かつ速やかに享受し得る状況をつくっていくことが大事であるというふうに考えております。 消費者と小売という接点では、消費者に価格についての交渉力が一般に乏しいわけでございますので、輸入品の価格動向を政府が把握、分析して、必要に応じてその結果についてさまざまな形で情報提供を行ってまいりたいというふうに考えておりまして、そのための調査のいろいろな手法、四種類ほど用意をいたしまして今スタートをしたところでございます。 それから、後段の御指摘の閣僚会議等をということでございますが、今まで何回か円高の経験というものを日本経済は経験しておりますけれども、その際に閣僚会議ももちろん使われましたし、それから各省の担当官をもって構成しております物価担当官会議というのがございまして、これもさまざまな場面でよく機能を果たしてきておるわけでございます。そういった閣僚会議のみならず、政府レベルの各種の会議体を利用して、円高のメリットの浸透ということについて配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
○前畑幸子君 老人と一概に言いましても、私の感覚では、八十五歳になってでも元気かくしゃくと趣味に生きたり畑づくりに生きたりという方もありますし、六十五歳でもお体を悪くされて人の介護を受けなきゃならないという方もあるでしょうし、六十五歳でももう一度社会の中で働きたい、第二の人生を持ちたいというお気持ちの方もあられるでしょうし、いろんな老人というあり方があるような気がいたしますけれども、この「本格的高齢化社会への厚生省の対応」という中に沿いまして、ちょっとお尋ねさせていただきたいんです。 要するに可能な限り住みなれた家庭とか、そして地域社会の中で安心して生活していきたいというのが大半の方の気持ちではないかなと思いますけれども、また逆に町の中である人生をがむしゃらに働いてきて、あとの人生を静かなところへ行って趣味と実益を兼ねた人生を持ちたいという物の考え方も出てきているのではないかなと思います。 私は愛知県でございますけれども、労災でけがをされた方たちの特別の施設とか、それから目の見えない盲目の方たちだけの施設とか、それからまた福祉の森というような構想がございまして、その近くにやはり老後の居住を求めて移り住んでいくという計画もありますし、それからまた福祉施設に入っても、そこから一線にでも勤めにいくというような、そういう施設もできております。 厚生省としては、これから高齢化社会に向かっていろいろな行き方があると思いますけれども、私は、住宅にお金をかけて住みやすくしなさいとか、それからそういう融資にたくさんのお金をお貸しいたしますということも大変大事かとは思いますけれども、お金を一千万かけても満足されない、住宅事情さえよければいいということばかりではないような気がいたします。その辺をどういうふうにお考えになっていますでしょうか。
○政府委員(阿部正俊君) 先生の御指摘は、全体的に言いますとお一人お一人の生き方のようなことでございますので、どういうふうに考えるかということでございましてもなかなか行政というふうな視点から一概には申しかねるところがあるわけでございますけれども、ただ、私ども、高齢者対策といいましょうか、これからの長寿社会というものをどういうふうに考えるかというふうなときには、あくまでもやはりお一人お一人が独立した人格を持った方であるということ。それから、どうしてもやはり従来は福祉といいますと画一性というふうな感じが若干感覚としてあったのかなという感じがしますのですけれども、これからやはりお年寄りが大変多くなる、その中にはもちろん介護等々いろいろな必要性の非常に高い方もたくさんおられますけれども、必ずしもそういう方だけではないというふうなこと。それから、いろんな価値観といいましょうか、あるいはニーズというものが多様化してくるということ。やはりそういったふうな背景の中で、かなり選択が可能なメニューというふうなものをそろえるというふうな考え方が基礎になければいけないんではないだろうかな、こんなふうな気がします。 先生今御例示されました、どっちかというと中心部に住まわれて日常的な便益を享受しながら余生を送りたいというような方もあれば、あるいは御指摘のように少し郊外あるいは保養的な地域に住みたいというふうな方もおられましょうし、さまざまあるのかなというふうに思っております。 ただ、私ども心がけなきゃならぬ、そういう一つの選択ということで画一的になってはいけないんですけれども、従来、例えば福祉施設の設置等を考えますと、どっちかというと積極的にいい土地柄を選んだというよりも多少土地が安くてといいましょうか、あるいは余り目立たないところでと、こう言っちゃなんですけれども、というふうな傾向があったところは少なくとも直さにゃいかぬじゃないかということからしますと、私どもの持っていき方、お勧めとしては、やはり皆さんが住みなれた地域でやれるような施設というふうなものをどちらかというと中心にして当面積極的に進めていくことの方が今の時点では大事なのではないかな、こんなふうに思っております。
○前畑幸子君 そうしますと、御自分の持ち家の場合はそういう資金を得て住みやすくするわけですけれども、公共的な建物の場合、これは建設省の問題になるかもしれませんけれども、例えばドア一つとか廊下の幅とか、それからトイレとかおふろとかそういう施設などですね、今後公的な住宅などにやはり住みやすい住宅というものも例えば五百戸の中に何月かを確保されるとか、そういうことも考えられているようでございますけれども、今後の方針としては公的な施設に対してもやはりある程度の割合というものは確保されるんでしょうか。
○政府委員(阿部正俊君) 先生御指摘いただきました住宅ということで考えてみますと、現在、住宅の提供のシステムといいましょうか、公的な関与のあるケースということになりますと、二つあるのかなと思っております。 一つは、いわゆる公営住宅、一種、二種という、これはどちらもいわば行政の担当という意味では建設省さんが中心でございますけれども、いわゆる県、市等がやっておられる公営住宅というのと、それからもう一つは県レベルでは住宅供給公社というふうな、あるいは全国的な形では住宅・都市整備公団というふうなところでおつくりになって分譲したり賃貸という形で提供したりというのがありますが、これらにつきましても、やはり私どももできればそういう中のかなりの部分を、先生御指摘いただいたような設備構造を持つこと。 それからもう一つは、単に設備構造だけではな くて、お年寄りはやっぱりそこでお住まいになりますと加齢とともにいろんな変化が出てまいりますので、いきなり多少不自由になったからすぐそこからどこかいわゆる施設へというふうなことではどうかなと思いますので、ある程度までは在宅の中での一定程度の手助けを、介護と言っちゃなんですが、そこまでは無理でございますけれども、生活サービス面でのいろんな支援をそこにサービスとしてくっつけていくというふうなことがやはりどうしても必要なんじゃないかなと思っております。 公共住宅につきましては、横文字であれですけれども、シルバーハウジングというふうな構想で、建設省さんと一緒になりまして各都道府県にもお勧めし、建設省さんの方ではいろんな条件、住宅建設という面で少し奨励的なことをやったり、私どもは私どもで、そこで付加的なサービスをつける場合には例えばホームヘルパー制度の一つの形態としてその経費を補助したりとかいうことでやっております。 それからもう一つは、公営住宅になりますと所得要件等がございますが、これは、お年寄りというのは別に所得要件で支障が出たりなんかするわけじゃありませんので、いわゆる住宅供給公社ということでの住宅提供の対象になっている方々の住宅につきましても同じようなことが必要ではないかと思いまして、これにつきましては、ついせんだってでございますけれども、建設省さんと私どもが協力しながら、住宅・都市整備公団及び各都道府県の住宅供給公社等々から出資をしていただきまして、そういう公共住宅を提供していくためのシステムづくりと普及促進のための財団をつくりまして、そこを中心にして拡大していこうというふうに思っております。 ただ、残念ながら、先生御指摘のように一定割合というふうな目標をどうするというところまではまだいってないわけでございますけれども、少しずつそういう取り組みを強めておるというふうに御理解願いたいものだと思っております。
○前畑幸子君 そういう住宅問題も大切ですけれども、もう一つ前の段階で、高齢者が地域で、なるべくならば長時間の通勤をしない、なるべく近い、歩いて、自転車で走れるような、地域で第二の就業の機会というものを地元の企業と提携して促進するということも努力をしていただいて、今まで働いてきた専門的な分野を生かすとか、それからまたあるいは、私はもう単純な頭を使わない気楽な仕事がしてみたいとか、それからまた時間的にも、二、三カ月働いて二、三カ月休んでみたいとか、十時から三時ぐらいまで働きたいとか、いろいろな条件を加味したパートタイム的な勤務を希望するとか、そういういろいろなことが出てくると思いますけれども、そういう、高齢者が地域で暮らしながら、また多少の時間を働けるような就業の機会を促進していただきたいと思うんですが、その辺に対してはどうでしょうか。
○政府委員(阿部正俊君) 就業ということになりますと、私どもはやはり中心はぜひ労働省さんにお願いをしなきゃならぬことだなというふうに思っておりますし、長寿社会といいますのは、先生よく御存じのとおり、いわゆるお年寄りを福祉という視点だけじゃなくてあらゆる点で通常の形で社会参加をいただいていくんだというふうな物の考え方で各行政分野ごとにさまざまな工夫をしていっていただかなきゃならぬものではないかなと思っております。 そういうことで考えておるわけでございますけれども、例えば労働省さんなんかではシルバー人材センターというふうなものを、一つの拠点をづくりまして、そこがお働きになりたい方の登録を受け、一方で就業の場所の開拓というふうなことを、情報を持ちながら両方をつなげていくような一つの事業をおやりでございます。これにつきましては、私どもの承知しているところでも各都道府県でも主な都市には今続々そういう拠点ができておりまして、そういったことなどを通じて、今先生御指摘のような形での就業というものが促進されていくんではないか、こんなふうに思っております。 ただ、私どもの方としましても、広い意味でのお年寄りの社会参加ということで、必ずしも雇用ということにこだわらずに、それはボランティアと言うかどうかちょっとあれですけれども、給料を得るということももちろんありましょうけれども、具体的に世の中にお役に立っていくといいましょうか、いわゆる福祉の分野に手助けをするというだけじゃなくて、お年寄りが広い分野にボランティアというような形で社会参加をしていくためのいろんなある意味での生きがい事業というふうなものに対する助成等を通じてそういったふうな機運づくりということに努力していきたい、こんなふうに思っております。
○前畑幸子君 これから福祉、高齢者という問題が大変大事な問題になってくると思いますけれども、働いて最後まで自分で自分のことができるということは最高のことですけれども、そのためにはやはり今おっしゃったボランティアということ、世の中で最後まで自分が求められている、自分の存在価値があるということは人間にとって大変大きなことであるし、年をとらない一番もとかもしれません。 そういう方向に持っていっていただくことをお聞きしたいし、それからもしなった場合に、今私どものぐるりで聞きますのは、先ほども御指摘がありましたけれども、相談窓口がなかなかどこへ行ったらいいのかわからないとか、それから今自分が求めていることとそのサービスがマッチしないとか、あそこへ行って手続をして待っている間にもう一カ月もたってしまったとか、いろいろなそういう苦情を実際聞きますので、やはり福祉というのは、国の政策も大きいところでは必要ですけれども、一番地元の、地域の市町村できめ細かい取り組みをしていただかなきゃいけないし、市町村でまた格差が大変あるということもこれは今後の問題として是正していただく方向に持っていっていただきたいなと思います。 時間がなくなりましたので、きょうはありがとうございました。
○浜四津敏子君 それでは、まず厚生省にお伺いいたします。 高齢者福祉のあり方、施設ケアから在宅ケアへの移行が図られてきておりますが、現状のままでは家庭で介護する家族の負担が大変重くなっております。それは、物理的にもまた経済的、金銭的にも大変負担が重いという実情にあります。まことに施設と在宅との間では費用負担の著しい不均衡があるというふうに言われております。こうした在宅介護をしておられる家庭の負担を軽減するための対策についてお伺いいたします。 まず、年金制度による介護給付ができないものかどうか、年金の介護加算ができないかという点でございます。現在の年金の給付水準、介護は全く念頭に置いておりません。老齢年金受給者が寝たきりになったりあるいは痴呆状態になった場合に、こうした年金に介護加算をつけてはどうかというふうに考えます。 それから二点目は、老人保健制度の中で介護給付を実現できないか、現物給付等で介護給付への検討をできないものか。これが二点目でございます。 そしてまた、それはお年寄り御本人に対するものというふうになるかと思いますが、もう一つは、介護する家族に対する介護手当を本格的に検討すべき段階に来ているのではないか。先ほどお話しさせていただきましたが、施設と在宅ケアとの間で費用負担が大変著しい不均衡の状態になっている。それを是正するためにも、介護されている家族、その介護を労働として正当な評価をするべきではないか。その意味での介護手当という制度が考えられないか。 そうした三つの制度の導入を考えられないか、それについてお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(山口剛彦君) 御提案のことにつきまして、年金制度の立場から若干お答えをさせていただきたいと思います。 高齢になって既にいわば年金制度としては老齢 年金を支給されている方が、保険事故が発生して、その後障害あるいは寝たきり等になられるというようなケースについて、年金制度で新たに加算をするというようなことができないかという御提案でございます。 年金の仕組みといたしましては、御承知のとおり、例えば障害年金ですと、保険料を納めて加入をしていただいた期間に事故があったときに、それに着目をして現金給付をするということでございますので、仕組みの面で年金制度としての対応は非常に難しいということが一つございます。 それと、この問題につきましてはかねてから年金制度でそういう工夫ができないかという御提案があって、年金制度も先ほど御説明をさせていただきましたように次の制度改正を控えているので、その中で検討しろという御要請もいただいておりまして、私どもも真剣に受けとめさせていただいて、また年金審議会でもこの問題について年金制度としてどういうふうに対応するかというのは大きな検討テーマになっております。 ただ、現時点で率直に申し上げさせていただきますと、この問題について、年金制度の側から単に現金給付の額を加算するというようなことが、御提案のような介護で大変苦労をされておられる方あるいはそういう方々の周辺の方々に本当に手を差し伸べることになるかということになりますと、やはりこの問題は年金だけではなくて医療、福祉にかかわる問題ですから、そういう社会保障全体の中でこの問題にどういうふうに対応をしていったらいいのかというのをまず検討して、年金制度としてそれにどういう役割分担ができるかという、そういう検討をすべきではないかというのが審議会でも大変強い意見でございまして、私どもも検討の方向としてはそういうことではないかということで、大きな問題でございますけれども、年金制度としても真剣に検討させていただきますが、そういう大変大きな解決しなければならない課題が周辺にたくさんあるということは御理解を賜りたいと思います。
○政府委員(横尾和子君) お尋ねの第二及び第三についてお答えを申し上げます。 まず、現物サービスとして介護給付を行うべきではないかという点でございますが、これにつきましては、老人福祉法に基づくサービスとして、高齢者保健福祉推進十カ年戦略を掲げまして、具体的にサービスの供給体制を整備しているところでございます。今後もその内容充実に努めてまいりたいと存じます。 〔会長退席、理事岡部三郎君着席〕 次に、介護手当という経済的な給付についてでございますが、現在自治体で行われております手当は、一年に数千円から数万円にわたるまで、やや介護を実際になさっていらっしゃる方の慰労でありますとか激励といった色彩の強い給付が行われているようでございますが、私どもの基本的な認識と申しますか考え方では、そういった経済的な若干の支援があるよりも、具体的に介護をなさっていらっしゃる方の介護の負担が軽減されるような施策が今一番望まれているというふうに認識しておりまして、その意味でも介護手当よりはまずゴールドプランの進捗を図るべきであると考えている次第でございます。
○浜四津敏子君 ただいま提案させていただいた施策につきましては、全体の中のこうした局面からもということで提案させていただきまして、それだけで十分という趣旨では決してございません。 今のお話に出てまいりましたそのほかの面での負担の軽減策というのは、具体的にはどのような施策を考えでいらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(横尾和子君) 御説明を申し上げました趣旨は、介護手当を出すということよりはまずゴールドプランに基づきます具体的なホームヘルパーの事業でありますとか、デイサービスの事業でありますとか、また場合によってはショートステイを御利用いただくなどの施策を進展することが一番現在介護にお困りになっていらっしゃる方々をお助けする方法であろうということを申し上げたつもりでございます。
○浜四津敏子君 それでは、在宅ケアと車の両輪と言われております施設ケアについて次にお伺いいたします。 施設ケアにつきましては、何点か問題あるいは課題を抱えておりますけれども、一つは、殊に例えば東京の特別養護老人ホームなどでは待機者が定員の五、六倍待っているというような施設もございまして、そもそも絶対数が不足している、こういう問題がございます。 そしてまた二点目には、私も幾つか社会福祉法人、経営されておられる方にお会いしてお話を伺いましたが、大変経営が厳しい、経営難の問題を抱えておられます。そしてまたよく言われますようにマンパワーの不足、そしてまたこの施設の質の向上、いろんな問題を抱えております。 その中で一つ、今後ますます都市部における高齢化が進んでまいりまして、都市部の施設を確保するということが大変困難な状況に現在もなっておりまして、将来的にも危惧されております。自治体では合築等を進めておりますが、その際に五十床の基準がネックになっている、こんな声も聞きますが、これについてはどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。そしてまた、それも含めまして、都市部のこうした施設確保のための計画についてお話を伺いたいと思います。
○政府委員(横尾和子君) 高齢者の問題が厳しくなっておりますのは、やはり家族との関係がなかなか困難な問題を抱えている、委員御指摘の都市部の問題と、それから特に過疎の地方で高齢者がやはり単独で生活をしなければならないという、両極端の場面で問題が大きくなっているというふうに私ども考えております。 特別養護老人ホームは、過疎町村に関しましては三十床という小規模を認めているわけでございますが、それは非常に地域的に交通が不便なところで整備をするという意味合いで小規模を進めているところでございます。 他方、都市におきましては、多くの高齢者の方々が特別養護老人ホームをお求めでいらっしゃることは承知しておりますが、地域的には交通事情も地方とはまた異なるような便利な状況がありますので、必ずしも五十床が困難であるような状況にはないというふうに私どもは考えております。したがいまして、都市の整備のためには、定員を下げるということよりは、委員御指摘がございましたような一部合築を行うあるいは高層化を行うというようなことで整備を促進してまいりたいと考えております。 そのため、合築あるいは高層化を行いますための補助面積の割り増し等を行っておりますし、また特に大都市でこのゴールドプラン関係の施策を整備する場合には、その補助単価についても五%以内の特例を設けるとしているところでございます。また、用地の取得がネックになっているケースが見受けられますので、社会福祉・医療事業団の低利融資の対象ともしているところでございます。
○浜四津敏子君 ただいま補助単価のお話が出てまいりましたが、社会福祉法人経営の老人ホーム、こうした施設などが借金を抱えて大変経営難にあるところが多いというふうに理解しております。これが施設が会社だったら大半は倒産しているというふうに言われております。 その原因の一つに、措置費が少なくとも現在の倍でなければとても経営は成り立たないんだ、こういう声が経営者の方々からは寄せられております。実勢単価と補助単価のギャップが大きい、これは何度もいろんなところで声が出ているかと思いますけれども、施設単価だけではなくて、すべての補助単価を実勢単価に見合うものにしてほしいというのが現場の切実な要求でございます。また、これは十カ年戦略の中で解決しなければとてもこの現実に合った施設の増加は見込めないというふうに言われておりますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(横尾和子君) まず施設整備費の関係 でございますが、特別養護老人ホームにつきましては逐年その改善を図ってきているところでございまして、平成四年度におきましても面積の改善等を行ってきたところでございます。また、平成五年度の予算におきましても、特に実勢単価の高い都市部については割り増しの補助単価を用いるなどの工夫をしてきているところでございます。また、その後の経営状況でございますが、さまざまな経営の主体がさまざまな運営をされていらっしゃるわけでございますが、総じて申せば、特別養護老人ホームの運営については比較的安定した経営が可能であるというふうな御意見が多いように私ども承知をしているところでございます。
○浜四津敏子君 ちょっと認識のずれがあるかと思いますけれども、私がお会いした限りでは、かなり多くの経営者の方々がこの経営難の問題、本当に善意だけで一生懸命やっていらっしゃるし、使命感がなければとてもやれない仕事であるというような声がたくさんございますので、ぜひ今後の施策をお考えになるときにこの点を御考慮いただきたいというふうに思います。 次に、マンパワーの確保について一点お伺いいたします。 こうした現場で、特養ホーム等で働いておられるパートの方が多いわけですけれども、現在のパートの非課税限度枠、あれが大変なネックになっているという声も寄せられております。年度末の大変人手が要るときに、あの限度枠がネックになってみんなもう働かない、現場では人手が極端に少なくなる、こういう現状が多いというふうに言われております。 これは一つの案ですけれども、例えば福祉関係の施設で働いておられるパートの方、この方々については特別にこの非課税限度枠を大幅に引き上げる、こういうふうなことで厚生省としても検討をされてはいかがでしょうか。お考えを伺わせていただきたいと思います。
○政府委員(横尾和子君) 働く場所によって税制上の控除の適用について差を設けることが税制の理念として可能なのかどうか、ちょっと私は恐縮ですがなかなか難しいんではないかというふうに思っております。検討はさせていただきます。
○浜四津敏子君 それと、近年四十代、五十代のいわゆる若年層の方の脳卒中とかあるいはアルツハイマー等、あるいは痴呆症等も増加しているというふうに言われております。現に、本来高齢者の方々のための施設である特養ホーム等に、こうした家族の方からの緊急の要請を受けて、見放すわけにもいかずこうした若年の方を引き受けているという施設もかなりございます。 今後、こうした若年層の方のための中間施設というようなものも必要ではないかというふうに思われますが、いかがでしょうか。
○政府委員(横尾和子君) 御質問の中身は若い障害者の方の処遇の問題でございましょうか。ちょっと私趣旨を理解したいので、恐縮でございますが。
○浜四津敏子君 いわゆる障害者ということではございませんで、高齢者の方が老人性痴呆症に陥るとか、あるいは介護が必要な状態になる、寝たきりの状態になる、こういう本来高齢者のかかる症状が若年化してきている。これも現場の特養ホームで幾つかのところで伺いまして、本来は特養ホームでは受け入れられないけれども症状が同じである、家族の方が困っていらっしゃる、そこで受け入れざるを得ない、こういう現実にあるようでございますので、それに何らかの対応策が必要ではないかというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
○政府委員(横尾和子君) 具体的にどういう障害をお持ちかによって対応ぶりができるものとできないものがあるかと思いますが、現在の運営はいわゆるアルツハイマー症など初老期の痴呆については入所をお認めしているというような状況でございます。それ以外の寝たきり等の方が具体的にどういうような障害をお持ちで、どういうケアが必要かということについてはまたいろいろなものがあると思いますので、一概なことでお答えは難しゅうございます。
○浜四津敏子君 それでは次に、ゴールドプランについてお伺いいたします。 このゴールドプランによれば、二〇〇〇年までにホームヘルパーを十万人とする、こういう目標が設定されております。仮にこの目標が達成されたとしても、六十五歳以上の高齢者千人に対してヘルパーは四・七人にすぎない、こういう試算がございます。ちなみにデンマークでは一九九〇年の段階で六十五歳以上の高齢者千人に対して三十五人、こういう数が出ておりまして、日本とは格段の差がございます。このゴールドプランで設定されておりますヘルパー二〇〇〇年までに十万人という目標の設定は果たして現実的に妥当なのかどうか、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(横尾和子君) 私ども二〇〇〇年までの高齢者の増加、あるいはその介護の状況等を念頭に置きまして、ホームヘルパーのみならず中学校区に一つずつのデイサービスセンターを設ける、あるいはショートステイを設ける、訪問看護ステーションを設けるという一連の在宅サービスを進めるとともに、また住宅面では建設省と共同してシルバーハウジングを進めるなど、多様な施策を進めていく中でこのホームヘルパーの数も設定をしたわけでございまして、そうしたさまざまの施策の進展もあわせて考えますと、この数で適切なサービスが提供できるものと考えております。
○浜四津敏子君 それでは、時間の関係で次に移らせていたたぎます。 先ほど出生率の低下、少子社会のことにつきまして御説明いただきましたが、女性の社会進出で仕事と育児の両立が容易でないことも原因の一つ、こういう原因が挙げられましたが、その子育て支援策についてお伺いいたします。 児童手当につきましては、第一子から支給がされるようになりました。ただし、欧米ではこの児童手当の制度、ほとんど十八歳ぐらいまでは支給しているのに対しまして、我が国では三歳で打ち切りというのは余りにも格差があるのではないか、こんなふうに思っております。この児童手当制度の将来の方向性について一つお伺いしたいと思います。 そしてまた二点目は、現在の児童扶養手当あるいは遺族年金、例えば母子家庭のお子さんに対する支援等もほとんど全部十八歳までで打ち切られております。恐らくこの十八歳という年齢制限ができた時点では、社会全体で高校を卒業するのが普通である、大学には一部は行くけれども多くの人が行くというような状況でない時点で設定されたのではないかというふうに思いますけれども、今こうしたほとんどのお子さんが大学に行く現状にあって、十八歳で打ち切られるというのはまさに高校三年生、最も教育費にお金がかかるときに打ち切られるということになっております。これを何とかせめて二十ぐらいまで引き延ばしていただけないものかどうか、そうした方向で検討はしていただけないかどうか、これをお伺いしたいと思います。 そしてまた三点目は、各地方自治体のほとんどのところで現在乳幼児の医療費の無料化が実現しております。条件がそれぞれ自治体によって異なりまして、親の立場にしてみますと大変な不公平感があるわけでございますけれども、国として統一的にこうした三歳未満児の医療費の無料化を図るべき段階にもう既に来ているのではないかというふうに思いますが、この点についてもお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(清水康之君) 三点のお尋ねでございましたので、一つ一つお答えをさせていただきます。 まず児童手当でございますが、御案内のとおり平成三年の法律改正のときに、それまで第二子以降であったものを第一子に拡大するというようなこととあわせて、あるいは金額をそれまでの二倍にするということとあわせて三歳未満に重点化するという改正が行われたわけでございまして、こ の改正は現在いわば経過措置をもって進行中ということでございます。平成五年でその経過措置が終わりまして、来年からは制度本来の形になってまいります。 その法律改正の際にいわば審議の過程において検討条項というのが加えられておりまして、新しい改正法の施行状況を見て、あるいはその後の社会経済情勢の推移なども総合的に勘案して給付及び負担のあり方など全般について検討すること、こういうことになっておりますので、私どもはこの問題について検討を進めてまいる時期がもうそろそろ来るな、そういうふうに考えております。 ただ、あえて申し上げさせていただきますと、ヨーロッパでは確かに第一子から支給をいたしましてかつ十八歳ぐらいまで出すというふうなことが主流でございますけれども、御案内のとおり、これはいわば税制との絡みというのがございまして、スウェーデン、イギリスなどにおいても、第一子から児童手当を出す際には、それまで認められておった扶養控除を廃止しまして、税制の方における控除を廃止して手当に一元化した、こういうふうな経過がございます。 日本においては、税制における扶養控除もあり、また会社その他もそれぞれ家族手当のようなものも出している、児童手当も出しているという、そういう形になっておりますので、これらを全体として我が国の制度が諸外国に比べて大変おくれていると考えるのかどうか、あるいは税制の方の見直しをして手当の方に一元化するというふうな議論が可能なのかどうか、そういう難しい問題がいろいろあるということでございます。 私どもは、当面現金給付が中心になっておりますけれども、例えば五千円を何割か上げるというふうな形がいいのか、それとも、現在でも福祉施設事業としていわゆるサービスの方を児童手当の会計でも若干やっておりますが、こういう現物給付とでも言いますか、サービスの充実といいますか、そういうものも含めたいわば現金給付と現物給付を総合したようなものとして充実していく方がベターなのか、そういう事柄について関係者の方々の御意見を十分聞きながら慎重に検討していきたい、こう考えております。 二番目の児童扶養手当の問題でございますが、私どもは昔からこの問題が指摘されて、十八歳で打ち切らないで、せめて十八歳になったときの学年度末といいますか卒業時まで対象にすることができないかという御議論があることは十分に認識しております。 ただ、児童扶養手当だけを改正するということはこれはなかなか難しい問題でございますので、社会保障制度全体において児童や子供の範囲をどう考えていき、その均衡を図っていくのか、こういう問題がございますので、御案内のとおり平成六年度で年金制度の大改正があるということで、現在総合的にこの遺族基礎年金の問題も含めていろいろな議論がなされているというふうに承知しておりますから、私どもは御指摘の点についてはこれからの宿題というふうに考えて、いろいろな議論を重ねてまいりたいと思います。 ただ、十八歳に達したその年の年度末までというのが当面の目標でございまして、御指摘のように二十歳までということは今のところ考えておりません。 それから、最後に乳幼児医療の無料化の問題でございますが、これは先生から予算委員会の方でも御指摘をいただきまして、大臣や私の方からも答弁させていただきましたが、確かに既に今年度末には大阪、東京などの大都市も含めてほとんどの都道府県でこれが何らかの形で実施されるという状況になってきていることはよく承知をしておりますけれども、やはり基本的には医療保険制度の中で対応しておりまして、医療を受ける者と受けない者との均衡というふうな問題もありますし、また、本当に必要だと思われる難病の子供、未熟児あるいは障害児といった方々等については、現在既に公費負担医療ということで公費負担をしておりますので、こういう制度を乳幼児一般に広げて、そしていわば本来保険で給付した残りを保護者の方が負担するという制度になっているものを全部公費で肩がわりをするということが果たして適切であるかどうかということについても大いに議論する必要があるのではないかと思っております。 福祉的措置を全面的に拡大するということは難しいと同時に、地方団体が単独の政策でやっておりますわけでございますので、それを国が何か統一的な制度にするということは、やりようによっては非常に国民の立場から見ますと後退になるというふうなおそれもあるのではないかという気もいたしますので、私どもとしましては医療保険制度の基本に立脚しながら何らかの工夫ができないかということについて大きな宿題というふうに思っておりますけれども、現時点で何か新しいことをやるつもりがあるか、全国何か統一するかと言われますと、大変申しわけありませんが、それは今のところ考えていないというふうにお答えをさせていただかざるを得ないと思います。
○浜四津敏子君 ありがとうございました。
○鈴木栄治君 よろしくお願いします。 先日当調査会の勉強会において、ヨーロッパ、要するに福祉先進国では高齢者の養護施設が、初めはどんどんふやしていたのでございますが、最近はどんどん減らす傾向にある、要するに重点を在宅介護に方向転換しつつある、そのように勉強させていただいたのでございますが、最近の現状を見ますと、やっぱり我が国はそれとは逆行するような形になるんでございますが、どうでしょう。そういう福祉先進国の現在のあり方を見て、どのようにお考えでしょうか。厚生省さんお願いします。
○政府委員(横尾和子君) 私どもの高齢者対策を進める基本は、昭和六十三年にお示しをしました福祉ビジョン、また具体的な数値につきましてはゴールドプランで目標を掲げているわけでございます。 〔理事岡部三郎君退席、会長着席〕 その基本は、高齢になって心身が弱くなってもできる限り住みなれた地域や社会で安心して暮らせることができるような施策として位置づけているわけでございまして、今後もその方向で各種の在宅サービスの拡充に努めてまいる所存でおります。
○鈴木栄治君 多分、そういう福祉先進国、ヨーロッパも初めはそのようなお考えから出発なさっていって、いろいろな障害があってそれを方向転換しつつあると思うんでございますが、日本もこれからどんどんそうなっていくとその辺の壁にぶち当たるということはあるんじゃないんでございましょうか。
○政府委員(横尾和子君) 在宅サービスがどこまで進捗できるかということでございますが、基本的に多くの高齢者の方ができる限り自分の家で暮らしたいとお考えになっていらっしゃることは間違いがないと思っております。 ゴールドプランでお示しをするサービスに加えまして、各般の住宅対策あるいはさきに国会に御提案申し上げました福祉用具の研究開発、普及についての条件整備といったことをあわせて考えませば、この住みなれた地域で、住みなれた家で暮らし続けるための条件というのは整っていくのではないかと考えております。
○鈴木栄治君 私も勉強します。 高齢者社会に向かってもう今の若いやつもおちおちしておられぬと、いろいろなことがありますよとか、そういうことでよく脅かされると、私なんか団塊の世代の人間でございますから何となくわかるのでございますが、しかし、じゃどういうことが大変であって、将来自分たちが老いてどういう行政サービスを受けられるのか等、非常に何かもやもやとしてよくわからない。その辺でもっと今私たちまだ頭が固くならないうちにやっぱりちゃんと教育してもらうといいますか、それから広報活動も私はもっとするべきではないかと思うんでございますが、その辺のこれからのお考えをお聞かせ願いたいと思うんです。
○政府委員(横尾和子君) 高齢者問題を所管させ ていただいておりまして時折痛感いたしますのは、社会でばりばりと働いていらっしゃる万ほど自分は年をとることがないと確信していらっしゃいますし、人に介護をされることは万が一にもないということを気持ちの上でお持ちでございまして、そのために年をとるということがどういうことなのか、年をとって介護を必要とされるような状況がどういうことなのか、全く日常生活の中では念頭にないということを感ずることがございます。 その意味で、最近は高齢者問題についての勉強会や研修会というのは大変多うございまして、いろいうお話をする機会がございますが、私の実感は、現役でばりばり働いていらっしゃる方々が、一度でいいから高齢者が現に暮らしていらっしゃる老人病院でありますとか特別養護老人ホームでありますとかといったところに、でき得れば奥様と御一緒にお訪ねくださいまして、物事の実態をごらんいただく。その中で高齢者問題というのはみんなの問題であるからみんなで支えなければならないということを意識していただくということが出発点でありまして、お言葉を拝借すれば、若い人たちが知るということがまさに高齢者問題解決の第一歩だというふうに考えております。
○鈴木栄治君 私も家内と一日も早く参りたいと思います。 これは私、議員の間ずっと言い続けてやろうかと思うんですが、実は七、八年前でございますか、私のおばが入院しました。それで、おばちゃんどうだい調子はなんていろいろ言っていたら、健ちゃん、那須さん呼んでくれと言うんです。いやいや、お医者さんが何かあったら那須さん呼べと言うんだからと。私は看護婦さんのところに行って、済みません、那須さんという方いらっしゃいますかと言ったら、いやそんな方はいない。済みません、どこかにいるか。私はもう本当に三、四十分は探し回ったんですが、違うんですね、ナースさんなんです、那須さんじゃないんですよ。 私、予算委員会の総括質問でも宮澤総理にお願いしたといいますか質問したんでございますが、私たちは日本人じゃないですか。ましてや公共のもの、やっぱり万人にわからせなきゃいけないことは日本語を使うべきだ。和製英語が多過ぎるじゃないですか。ミドルステイだの何とかステイだの、キャバレー、キャバレーなんか出ていませんが、そんなのが多過ぎるんですよ。どうでしょう、老人の人たちなんですからね、やっぱり日本語を使いましょうよと思うんでございますが、厚生省さん、いかがでしょうか。
○政府委員(瀬田公和君) 私も先生に全く同感でございます。たまたま過日の予算委員会にも出席をさせていただきまして、先生の御質問も総理の御答弁も聞かせていただいたわけでございますけれども、国民生活にかかわりの深い私たちの厚生行政におきましても、先生の御指摘のとおり、できる限り国民にわかりやすく、誤解を避けるような用語を使用するように心がけることが重要だろうというふうに考えております。 実は、厚生省にもかつては用語適正化委員会というのがございまして、次官を座長といたしまして、できるだけ国民にわかりやすいような言葉を使おうということで、用語の適正化を図っておりました。また、平成元年八月には、特に総務課長の通知が出まして、片仮名用語の適正化についてという通知を出しまして、できるだけわかりやすい用語を使おうというふうなことを私たちみんなで努力をしておりました。 こういったふうに、かねてから片仮名用語の使用というものをできるだけ避けたい、そして例外的に使う場合にもわかりやすくするための工夫をしたいということで努力はしてきたわけでございますけれども、先生御指摘のように、ちょっと気を許すとまたよくわからない片仮名用語が入ってくるというふうな訴えもございます。また先生の御指摘も受けたわけでございますので、今後ともお年寄りを含めまして国民にわかりやすい用語をできるだけ使うようにということで、改めて厚生省全体として努めてまいりたいというふうに考えております。
○鈴木栄治君 そうなんです。ゴールドプランって、私生命保険の何かかと思いましたよ。あるんですよ、生命保険のゴールドプランというのが。偉い人はみんなわかった、考える、努力するとかいろいろおっしゃいますが、本当にやってくださいよ、私、議員でいる限り言い続けますから、ひとつよろしくお願いします。 質問を終わります。
○有働正治君 生活大国の五カ年計画では、不安のない老後生活の確立が掲げられています。その中では、保健・医療サービスと福祉サービスの連携・統合がうたわれています。 そこで、本日は医療と福祉とのかかわりの問題で質問する次第であります。 まず、病院が老人病院とみなされる基準はどうなっていますか。また、診療報酬、入院時の医学管理料は一般病院と老人病院と比べてどうなりますか、お答えください。
○政府委員(横尾和子君) 老人病院についてまず申し上げます。 老人病院の多くは、まず、病院からの申請によりまして、老人の収容比率が高く、看護婦に加えて介護職員を配置した病院として医療法上の許可を受けた特例許可老人病院、これが多うございます。また、これ以外の老人病院として、医療法に定められた標準を満たさない病院で六十五歳以上の者が病床数の六〇%以上を占めている病院は、これは特例許可の有無にかかわらず原則として診療報酬上老人病院として扱われております。この老人病院におきましては、一般病院に比べまして看護婦数は少ないものの、介護者数の多い基準看護が設けられていることが特徴でございます。 また、二番目のお尋ねの入院時医学管理科でございますが、入院時医学管理料は、一般病棟でありますと、入院の日から起算をいたしまして二週間以内の五百二十一点から一年六カ月を超えた場合の八十点まで八段階に分かれております。老人病棟では、一月以内の二百七十七点から一年を超えた場合の九十五点まで六段階に分かれております。
○有働正治君 一点十円でありますので、片一方は五千二百十円から落差がありますし、片一方は二千七百七十円からということで、一般病院と老人病院の場合、事態の落差、これが一つ大問題であります。同時に、一般病院、老人病院とも入院期間が長くなりますと、入院時の医学管理料は低減してきます。低減率は一般病院の方が極端に高くなっていると思います。入院二週間以内を一〇〇として見た場合、入院三カ月を超えた場合、老人病院、一般病院それぞれ幾らに低減されるんでありましょうか。
○政府委員(横尾和子君) パーセンテージの計算が暗算で恐縮でございますが、一般病院ですと三カ月を超えたところで入院当時のものの約三〇%程度でありますし、老人病院の場合ですと六〇%程度かと存じます。
○有働正治君 御答弁のように、一般病院の低減率は老人病院の約二倍になっているわけであります。 つまり、病院の経営効率から申しますと三カ月が一つのキーポイントになっておりまして、俗に言えば、病院の側から見ますと老人に三カ月以上入院されると収入が減るので困るということになるわけであります。したがって、一般病院では三カ月を目安にして老人を病院から追い出そうという働きかけが行われるわけであります。同時に、六十五歳以上の老人が六〇%以上いますと自動的に診療報酬の低い老人病院にされてしまうために、一般の病院では老人にできるだけ早く出ていってもらい、老人病院の指定を逃れようとするわけであります。 こうしたシステム自体が一般病院からの老人追い出しになっていると言わざるを得ないと私は考えますが、いかがですか。簡潔に御答弁願います。
○政府委員(横尾和子君) 御指摘の診療報酬につきましては、一般病院、老人病院、それぞれが本来病院が持っている機能がございまして、特に一 般病院につきましては積極的な治療を行うという病院の趣旨からしまして、長期にわたるような場合には医学管理料を低減している次第でございます。 また、いずれの病院につきましても、特に御指摘のありました実際に六〇%以上老人が入院している病院についてのお取り扱いは、医療法の標準を満たしている病院でありますとか単価でありまして特に老人の入院が多いものは除いておりますので、それ以外の医療法の標準を満たさない手薄な病院についての取り扱いであるということを御理解いただきたいと存じます。
○有働正治君 極めて答えになっていません。老人追い出しになっていると言わざるを得ないという問題について正面から答えになっていない。 こうしたシステムが自治体の公立病院にまでひずみをもたらしている現実があります。 例えば、都立の病院では経営管理体制として、収益の向上、在院日数の大幅な短縮が強力に叫ばれて、事実上退院が強制される事態さえ生まれています。都立病院というのは基本的な役割といたしまして、がん医療などの高度の医療、リハビリ医療、難病医療などの専門医療、並びに救急医療、伝染病医療、島嶼医療など行政対応が必要な医療を適正に都民に提供している病院であります。要するに、都民の要望にこたえて不採算医療をも受け持っている病院の性格を持っているわけであります。 ところが、こういう病院であるにもかかわらず、各病院ごとに経営指標といたしまして、収益対費用の比率を示す自己収支比率を比べさせたり、あるいは取り扱いの患者数、病床利用率、平均在院の日数等を比べさせたりいたしまして、入院日数を短くして収益を上げる。そうやって各病院を競い合わせている実情があります。こういうことが鈴木都政のもとで公立病院施策として行われている、これが現実であるわけです。これが老人追い出しに拍車をかけている。それを私も見聞しています。このことを御承知でありますか、簡潔に。
○政府委員(横尾和子君) 都立病院の経営方針については承知をしておりません。 また、病院から退院をする高齢者の問題につきましては、それが本来病院で治療を受けるべき方であるとすればそれは問題であろうと思いますが、本来病院での治療よりも介護等で対応すべき方であるとすれば、介護対策の充実で処遇をお引き受けすることが一番適当な処遇になるのではないかと考えております。
○有働正治君 厚生省の指導方針なり方策がそうしたひずみを生んでいるわけで、状況把握をやっぱりやるべきだということを指摘しておきます。 事態は極めて深刻な事例が生まれています。私も具体的な相談を幾つも受けています。一例を申し上げます。 その人のお母さんは七十八歳です。クモ膜下出血で、まず公立病院で手術をいたしまして、一定安定してきましたが、三カ月後の昨年十一月、ある都立病院に入院いたしました。それはリハビリのできる病院として考えてのことでありましたが、入院に際し言われましたことは、三月は見ますと。最初から三カ月が一つの目安にされています。その後の経過の詳細は省きますが、本当に痛々しい痛苦の私への訴えてあります。 三カ月目のことし二月初めには、病棟がかわってもうちは合算で計算します、できるだけ早く退院をと告げられました。三月中も引き続き病状の悪化等で病院で過ごすことになりますが、その際も再三転院を迫られ、四月一日に退院確認書が渡され、その結果、現状ではどうしているかと申しますと、団地の五階の一DKに住む深夜労働の弟に引き取ってもらって昼間の介護を頼んで、もう一人の弟と三人で面倒を見ていると。今、三人とも仕事を続けながらの介護で兄弟が共倒れになることが極めて心配されている事態です。 これが一、二の例じゃないんです。まさに老人追い出しと言われているというのは当然だと思わざるを得ないのでありますが、こういうことはいかがでありますか。
○政府委員(横尾和子君) 具体的な事例については私承知をしておりませんので判断をする材料を持ち合わせていないわけでございますが、基本的に病院というのは医療を積極的に行う場であるというふうに考えております。したがいまして、積極的な医療が必要かどうかということについてはそれぞれの医師の判断にゆだねられているものでございます。その判断が適切かどうかということについてはまた御意見があろうかと存じます。 したがって、仮に医療が必要でない方々でなおお世話をする必要があるということであれば、これは医療機関へどうやって長く入院を続けるかというよりも、さまざまな福祉サービスをどう供給するかという点で対応をすべきものでありまして、その点につきましては私どもも積極的に整備を進めてまいりたいと考えておるところであります。
○有働正治君 建前の講釈を私は聞いているわけじゃないのであります。行政の光が届いていないこの現実を厚生省自身実態を調べて掌握して、それに応じた政治、行政を進めるべきだという立場から事例を挙げているわけであります。しかも、そうした事例というのは何冊もの本になるぐらいの事例で百出している状況がある。そういう認識がないということ自体が私は大問題だということを率直に指摘しておきます。 老人病院の対象要件が、六十五歳以上の老人が六割以上になったのは昨年十月からであります。それまで七十歳以上の老人が入院患者の六割以上になっていました。この対象年齢の引き下げが行われたことによりまして、老人病院逃れのため一般病院での老人追い出しにさらに拍車をかけたというのが現実の実態であります。老人締め出しは拡大しています。一般のマスコミでも、お年寄りの転退院が続出とか、追われるお年寄りたち、たらい回しで寝たきりなど、大問題として報道されました。本の中でも事例が何百例と紹介されて、幾つもの本が出ているわけであります。やはりこういう現実を厚生省としても掌握して直視すべきだと思いますが、簡潔に答えてください。
○政府委員(横尾和子君) 昨年の取り扱いは私どもとしては老人にふさわしい医療が提供できるための施策というふうに考えておりまして、老人病院という扱いをすることによりまして従来の形よりは介護力を強化した病院になりやすいとか、さまざまな面で積極的に評価をいただいている向きもあるということを恐縮ですが申し述べさせていただきます。
○有働正治君 問題があるということを逆に認めて、積極例もあるということであります。問題は、その問題があることを直視して行政の光を当てる、そのための政府の対応が求められているということであるわけであります。 私が相談を受けましたさきの事例で何が問題かを結論的に申しますと、社会的入院を減らすという厚生省の方針のために実質三カ月で病院を追い出される、こういう事態、これが第一の問題であります。その後は老人福祉施設に入れるか、在宅でホームヘルパー等のケアを受けるか、家族が介護するか、あるいはヘルパー、家族のミックスで対応するかということになるわけであります。この人の場合も、特別養護老人ホームのことも考えましたけれども二年待ちと言われたのが現実であります。老人福祉施設はすぐに入れない。そしてホームヘルパーもなかなか病状その他の関係で対応していただけなかった。そのため、結局本人や家族の無理を承知で引き取らざるを得なかったというのが現実で、これが第二の問題であります。 もちろん、市町村では病院や福祉施設、ホームヘルパーなどについて総合的に相談できる窓口というものが建前上あるでしょうけれども、実際上それが十分に機能できない状況もあるわけであります。つまり、受け皿がなくて相談体制も十分確立していないのに、病院からは追い出されるという事態が先行している、これが現実であります。 政府は不安のない老後生活の確立を言います。あるいは保健・医療サービスと福祉サービスの連 携、統合を推進するというふうに言います。また、繰り返されているように、ゴールドプランで老人保健・福祉施設の整備とかホームヘルパーなどマンパワーの確保も推進すると言います。しかし、どれもまだまだこれからというのが現状ではありませんか。そうした中、厚生省の施策として老人追い出しにつながる施策を先行させて、片やその受け皿は、言葉では行政の方向として示されているものの受け皿が確立していない。それは厚生省として相矛盾した態度と私は言わざるを得ないわけでありますが、この点どうですか。
○政府委員(横尾和子君) 高齢化の進行というのは大変深刻であります。その中で、福祉につきましても病院につきましても、それぞれが大事な資源であります。したがいまして、将来を展望いたしましたときに、それぞれの資源が最もよくその機能を果たすように総合化を図るというのが、これから我が国が考えていかなければならない基本スタンスでございます。その意味で、私どもは真剣に、また各自治体におかれましても大変な御尽力をいただいて、今老人保健福祉計画の策定とその実現に向かって努力をしていただいているところでございまして、決しておっしゃるようなことではございませんで、高齢者にとって一番ふさわしい処遇の場を用意する、こういうことで取り組んでいることをぜひ御理解いただきたいと存じます。
○有働正治君 あなたの答弁と現実性の乖離の甚だしさを私は痛感せざるを得ません。老人追い出しが具体的に行われているこの現実、受け入れ態勢のない中でのこういう現実、これに対する対応、それが問題だという点であります。 老人や国民が泣き寝入りせざるを得ないような、何が何でも医療費を抑制する施策、病院経営効率化施策、これを根本的にやっぱり再検討の時期が今求められているということを言わざるを得ません。医療費を抑制するためには、病気やけがそのものを減らす。そのために長時間労働をなくすとか、公害をなくすとか、病気にならないような予防医療対策に力を入れなければなりません。さらに、薬価引き下げ、総合的な対策、こうしたことが講ぜられる必要があります。 老人を痛めつけるような医療費抑制施策、病院経営効率化施策、その結果としての病院からの老人追い出しをやめて、また老人や家族が安心して介護が受けられるような施設整備やマンパワーの確立など受け皿づくりをピッチを上げて進めるべきだと思うわけであります。生活大国を言うのであれば当然のことだと思いますけれども、最後に、正面から受けとめていただいて対応されることを望みまして、所見を求めます。
○政府委員(横尾和子君) 従来、高齢者が体が弱くなった場合に、唯一幅広に門戸が開かれていたのが病院であったわけでございますが、その老人医療のあり方については、数年前に、薬づけであるとか検査づけであるとか、あるいは生活の場が極端に悪いといったような御指摘があったわけでございます。 政府といたしましては、そういった御批判も受けとめながら、医療の場では介護力強化病院というように、薬や検査をしなくても介護力によってお支えをするような病院をつくるとか、訪問看護ステーションのように在宅で療養することができる制度をつくると同時に、病院以外に本当に安心して過ごしていただける特別養護老人ホームの緊急整備でありますとか、ケアハウスでありますとか、新しい施策を次々と打ち出しまして、その施策の整備に邁進をしているところでございます。長生きをする社会でございますから、長生きが喜べる社会をつくろうというのが私どもの方針であるということを恐縮ですが申し述べさせていただきます。
○笹野貞子君 老人問題を考えるときには、これは人類であるならば必ずやだれしもが経験することなわけですから、きょうこの場において私たちは立法府だ行政府だというそういう立場ではなくて、自分のこととしてこの問題をしっかりとやっぱり考えていかなければならないという共通認識を持っていただきたいということをまずもってお話をいたしまして、総務庁に質問をさせていただきたいというふうに思います。 国と国との間の文化、経済、いろんな問題の垣根を低くするときには国際化とか国際的という言葉を使いますし、学問の分野でいろんな分野が相互乗り入れすることをこのごろは学際的と申します。そうするならば、各省庁の間のいろいろな問題をお互いに話し合うことはまあ省際的と呼んだらよろしいんでしょうか。そういう意味では、この老人問題というのはまさに政府が一体となって考えるためには、そこに縦割り行政と言われる行政の障害をいろんな意味で取り除かなければならないと思います。 そういう意味で、総務庁の中の老人対策室という室があるということは私は大変いいことだというふうに思っております。しかし、どうも行政の縦割りというのは、私たちが考えるほど簡単ではないように拝察いたします。 そこで、この長寿社会対策大綱という立派な冊子を昭和六十一年につくられて、これで対策室がいろいろな企画をし、そしてその大綱をフォローアップするということですけれども、さて御質問ですが、こういう具体的な政策を進めるに当たって各省の間で何か問題が、こういう大綱を進めるに当たって何か障害があるか、あるいは非常にスムーズにいっているかをまずお聞きいたします。
○政府委員(池ノ内祐司君) 総務庁の役割につきましてお聞きいただきまして、大変ありがとうございます。 総務庁といたしまして、先ほども申し上げておりますように、十八省庁関係省庁ございます。その中で、長寿社会対策大綱という一つの物差しをつくりまして、その物差しに基づきまして各省庁がそれぞれ施策を進めておるわけでございます。 したがいまして、今具体的に何か障害があるのかどうかと、こういうお尋ねでございますけれども、私ども具体的な障害というものが現在あるというふうには考えておりません。なお、各省庁間でいろいろ問題になる場合、例えば従来雇用と年金というような非常に大きなテーマがあったわけでございますけれども、そういう問題につきましては、各省庁で協議機関をつくりましてそれぞれ協議をするというようなことで、政府一体となって進めてまいってきておるという状況でございます。
○笹野貞子君 それでは次の御質問をさせていただきますけれども、非常に心強い、そういう何の障害もなくスムーズにいっているとなれば、そういう各省庁をまとめてどんどん高齢化社会のためにやっていただくとなると、まずスタッフは何人おりますか、そして予算は幾らですか。
○政府委員(池ノ内祐司君) 私どもは事業官庁ではございませんで、取りまとめの官庁でございますので職員は十四人でございます。それから予算でございますけれども、これも直接的な事業をやることではございませんで、いわゆる事務費でございます。平成五年度で一億一千六百万でございます。
○笹野貞子君 今十四人とおっしゃいましたけれども、省庁は十七あるとおっしゃいましたから一省庁一人も足らないということなわけですね。そして、予算が一億といいますと、何か私も国会議員をやりますと大きなお金の単位になれてしまいまして、何兆というのを聞かないと何かおかしいんですけれども、一億なんというのはこれは非常に少なくて人件費だけという意味でしょうか。
○政府委員(池ノ内祐司君) いいえ、人件費だけじゃございませんで、いろいろな先ほど来申し上げておりますような調整に要する事務的な経費あるいは啓発に要する経費、あるいは午前中お話し申し上げましたけれども、調査研究等も行っております。そういうようなものの経費を含めまして一億一千万ということでございます。
○笹野貞子君 何か調査研究といいましても、たった一億で十四人の給料を払って、そのほかの事業というと、これは何もできない、ただ口だけという省庁でしょうか。
○政府委員(池ノ内祐司君) 大変失礼しました。人件費は除いておるそうでございまして、十四人分は除きまして、いわゆる先ほど来の中身をちょっと申し上げますと、啓発関係の経費であるとか調査研究の経費というようなものを含めまして一億一千万と、人件費は別だそうでございます。
○笹野貞子君 これから超高齢化社会という大変な社会に突入するそういう時期に、最もかなめとなって推進していく対策室が、非常に人員も少ない、予算も少ないということは、急に私などは不安に陥りますので、どうぞひとつこれからはそういう点ではきちっとした体制を整えていっていただきたいというふうに思いますし、私も及ばずながらお役に立ちたいというふうに思いますので、頑張っていただきたいというふうに思います。 続きまして厚生省にお尋ねをしたいというふうに思います。 実はあらゆる形態の差別撤廃条約という条約が批准される前後から、日本の国は女性問題と言われる大きな問題をテーマとして歴史が流れてまいりました。そういうときに私はどういう関係か看護学校から声がかかりまして、笹野、来て講義をしろということで、合わせますと五つばかりの看護学校にかけ持ちして教えたことがありますし、今でももちろんそうですけれども、その看護学校で講義をしているうちに、看護婦さんに対するいろいろな学校制度の矛盾、社会的な矛盾、そして労働条件の矛盾、いろんなものが見えてまいりました。 この高齢化社会という社会は、医療という問題は欠かせない重大な問題であって、皆さん方も、私も何度も入院いたしましたけれども、病院で入院しますと、お医者さんはもちろんのこと、一番ありがたく思うのは看護婦さんなんですね。ですから、看護婦さんという問題に対しては、これはもっともっと私たちは温かく、優しく、いろんな意味で応援をしなければいけないとそのときからずっと思っておりますので、私はいろんなところで、これは愛情を込めて、いろんな意味で声を大にして言っております。 そこで、きょうはこの看護婦さんの問題を幾つかお尋ねしたいわけですけれども、日本の看護教育、また養成というのは、七割以上が厚生省が受け持っていることは間違いない事実です。 そこでお尋ねしますけれども、残る三割強はこれを文部省が学校教育としてやっているわけですが、それぞれの教育を受けた看護婦さんは、出た後何か社会的に違いますか。
○政府委員(寺松尚君) 今先生の御指摘の文部省の系統の看護関係の大学等でございますが、そういうところを出た看護婦さんと、それから厚生省の養成施設等を出た看護婦さんとの違いがあるか、特に就職する上での違いがあるか、仕事、働く場所の違いがあるかというふうなお話かと存じます。 原則的に言いまして違わないと存じます。ただ、恐らく大学とか短期大学を卒業された方々は、どちらかというと教職の方へおつきになる方もあるというふうに聞いております。
○笹野貞子君 それではお尋ねしますけれども、看護婦さんが違いかなければ、医者の養成はどうして厚生省はなさらないんでしょうか。
○政府委員(寺松尚君) いろいろ医療関係者の場合の教育の問題は各部によっていろいろ事情が違います。歴史的な背景もいろいろあるかと存じます。医師の場合は、最初からそういう学校、大学といいますか、文部省系統の学校を出てきておるというコースが普通でございますが、日本の場合には、看護婦さんの場合は主として厚生省が所管しております学校を出てくるというのが通常のコースでございまして、他の医療関係職種いろいろございますけれども、そういう方々は厚生省の所管のと申しますか養成施設を出てきている人たちが多いというのが実情でございます。
○笹野貞子君 実情はわかりましたけれども、何が何なのか、よくわかったようでわからないので、どうして看護婦さんもお医者さんと一緒に文部省の学校教育をなさらないんですか。
○政府委員(寺松尚君) いや、文部省の所管の大学等を否定しているわけでも何でもございませんで、歴史的にはそういう流れがありまして、特に最近では世の中全体が高学歴化という大きな波がございますが、その中で文部省の方の所管の大学に行かれる方々が多くなってきております。それから、そういう志向される方も多いということを受けて文部省がおやりになっているのではないかというふうに思います。
○笹野貞子君 残念ながらまたよくわからないんですけれども、結果的には、じゃ医者はもう文部省に任せる、しかし看護婦さんの養成は厚生省でやると、こういうことですか。
○政府委員(寺松尚君) 申し上げておりますように、厚生省で看護婦さんの場合は全部やるとか言っておるわけではございませんで、私どもやはりこれから超高齢化社会を迎える、先生もおっしゃいましたが、そういうようなときにやはり看護婦を量的にも質的にも確保していかなきゃならぬ、こう思います。 そこで、私どもがやはり量的な確保あるいは資質の向上も図っていくという観点から、私どもも養成所の方も十分力を入れていくと同時に、大学でもそういうふうに取り扱っていただいておりますので、そこらで養成していただくということが私どもの考えでございます。
○笹野貞子君 そこらで養成するというのはどこらで養成するのかよくわかりませんけれども、今量的質的という言葉をお使いになりましたけれども、これは私からいいますと、量はわかりますけれども質は全然違うと思います。 例えば、私の研究によりますと、厚生省が養成している看護婦さんにかける費用は約六十万から七十万ですが、文部省が一人の看護学生にかける費用は二百六十万から三百万の間です。ですから、けたが違います。そういう意味で、私はけたの違う養成費用というのはやっぱり確実に質は違うと思います。そういう点で、なぜ厚生省はそういう安上がりの看護婦さんをいつまでも養成すると言うとおかしいですけれども、文部省はそれだけ一人に費用をかけて質の高い看護婦さんを社会に送り出しているわけですから、文部省にお任せになってはいかがですか。
○政府委員(寺松尚君) 私が申し上げておりますのは、これからの高齢化社会の中で、やはり保険、医療、福祉にいろいろ国民のニーズが多様化、高度化してまいりますが、それに対応するような看護婦の養成をやっていかなきゃいかぬ、このように考えております。しかもそういう専門的な技術だけではなくて、今先生がおっしゃいましたように心の優しい方々を養成しなきゃならぬ、こういう心の問題もあるかと存じます。そういうことで私どもは養成しておるわけでございまして、特に専門的な面におきましてはいろいろと文部省とよく連絡をとっておりまして、いわゆるカリキュラム等の設定等につきましても、専門的な問題につきましては十分調整した上でやっておりまして、中身は一緒だと考えております。
○笹野貞子君 一生懸命お答えいただけばいただくほどわからなくなるという、本当に申しわけないような気持ちなんですけれども、私がきょう言いたいのは、だから厚生省はやめろという意味ではなくて、やはりこれからも厚生省は看護婦さんはただ職場に送り出せばいいんだという、そういう発想ではなくて、やっぱり女性の職業として誇りを持てる、社会的に意義のあるそういう看護婦さんに養成するような、そういう心構えをつけていただきたいというふうに思います。 さて、厚生省が出している看護職員需給見通しというのがあります。これは、看護婦さんがどのぐらい必要で、これからどのぐらい足りなくて、それに対してどのくらい養成するかという一覧表なんですが、これで見ますと、昭和六十三年のときにつくった見通しが平成三年になりますとがらりと変わった見通しになっております。これは、時間がありませんので細かく申し上げられませんけれども、ここの表を見て一番私がびっくりしますのは、新しい看護婦さんが平成五年で五万八千 六百人卒業いたします。ところが、同じ年に四万七千人の看護婦さんがやめていくんですね。ちょうど学校を出た新しい看護婦さんとやや同数の看護婦さんが同じ年にやめていくというのは、新しい看護婦さんを養成しても次から次へとやめていくということなんで、こういう現象があるということは非常にゆゆしい事実です。 そこで私はお尋ねしたいのですけれども、女医さんは結婚して子供を産みますとやめますでしょうか。その統計はありますでしょうか。
○政府委員(寺松尚君) 今先生毎年の養成数とそれからやめていく数ということでございましたけれども、養成力の方はこれは私どもでかなり確実な数字がございますが、やめていく方はどういう理由でどのぐらいやめるかというのは推計値というような格好になっております。その辺はお許しいただくとしまして、私どもはこういう実態がございますものですから、何とか離職防止、それから再就業の道、と申しますのは、今いわゆる潜在看護婦と言われておりますのが四十四万人ぐらいいらっしゃいます。そういう方々に何とか仕事の方へカムバックしていただきたいというようなことで再就業の促進ということもやっております。 このようなことの施策に非常に重点を置きまして今現在ここ一、二年前から積極的に進めておるわけでございまして、平成五年度も同様にそこら辺に重点を置きまして、何とかとどまってほしいし、またやめていらっしゃる方々をカムバックさせたい、こういうようなことで、例えば院内保育所を増設するとか、あるいは一病院でできないものは共同でそういう保育所を設置する、そういうようなものにも補助金を出したりしてやる、それからカムバックの場合にもいろいろなナースセンターなんかを置きましていろんな潜在的にいらっしゃる看護婦さんも調査したりいたしまして、カムバックの道を努力しておる、こういう状況でございます。
○笹野貞子君 女医さんのやめる数はわかりますか。質問の二番目でしたけれども、看護婦さんは年間に五万ぐらいやめていく、では女医さんは何か事情があったときにやめる数はつかんでおりますかと聞いております。
○政府委員(寺松尚君) 女医さんの方でございますが、ちょっと私今手元に持っておりません。大体全体の医師の中で一一、二%が女医さんでございまして、実際やめていくかどうかというのは、その辺の数字は私ども持っておりません。
○笹野貞子君 私の推計からすると、やめるはずがありません。仕事や社会的なステータスとかいろんな意味で、どんなに苦労があっても頑張りがいがあるから頑張るわけです。私は、なぜ看護婦さんがこれだけ一年に大量にやめていくのかという、その基本線を厚生省はもっと真剣に考えて、看護婦さんのやっぱり社会的ステータスをしっかりと向上するような、そういう施策をとっていただかなければいけないと思います。 医者のことはお医者さんと言います。じゃなぜ看護婦さんをナースと言わなきゃならないんでしょうか。看護婦さんということが誇りであるような、そういうやっぱり施策をとっていただかなければ困ると思いますが、これから看護婦さんの社会的地位向上のためのひとつ御所見をお願いします。
○政府委員(寺松尚君) 確かに先生おっしゃるとおりでございまして、やはり誇りを持って働くということ、ニーズが非常に高い中にあって、やはり看護婦さんの方として生きがいがある、働きがいがあるということが必要だと思います。したがいまして、私ども端的に申し上げまして、例えば五月十二日を毎年看護の日と、こういうふうにしまして、その周辺は看護週間というような形でいろんなことでPRをしておりますし、先生お笑いになっていますが、これはなかなか人気がございまして、実際その日、一日看護婦体験とかいうようなことも入れたり、あるいはシンポジウムをやったり、いろんな形で講演会をやったりして、その地位の向上には努力いたしております。
○下村泰君 質問をするに当たっていきなり横文字を言わなくちゃならないんです。先ほど鈴木委員から、余り横文字が多過ぎる、横文字を使わない方がいいだろうというお話を聞いた途端に私もしゃべりにくくなった。最初から横文字で質問しなくちゃならない。なるほどできるだけ横文字は少ない方がいいと思いますけれども。 先ほど局長がおっしゃった、若いつもりでいても年をとっている人はいつどこでどうなるかわからない。私もその一人なんです。いまだに若い者に負けずに、お休みの日には朝起きて十キロの競歩をやっていますから、体には万々の自信があります。しかし、いつ倒れるか、これはわかりませんわな。私みたいにまだ運動している人間はようございますけれども、してない人が随分この参議院にはいらっしゃるわけであります。そういう同類項の方も非常に気をつけていただかなくちゃいけない。 前置きはこのぐらいにしまして、早速横文字なんですが、ホームヘルパーについて、これは日本語で言うとどういうことになるんですかな、家庭看護人ということになるんですか。今年度はゴールドプランの四年目で、老人福祉法施行三十年、それから老人保健法施行十年目という節目になります。そうしますと、厚生省の方でも何らかここで記念行事なんというものは予定なさっていらっしゃるんですか。まず、そこから伺います。
○政府委員(横尾和子君) ホームヘルパーにつきましても、先ほど御答弁を申し上げました。語を適正にするという委員会で大分議論をいたしました。このホームヘルパーは、事業としては大変長い沿革がございまして、以前は家庭奉仕員という呼び名をしていたものでございます。これに対しまして、実は実際に働いていらっしゃる方の方から、家庭奉仕員といういかにも古い言葉というのは働いていく者としてはやや抵抗があるというような御指摘もありまして、ある時期ホームヘルパー、これはいわゆる鈴木委員から御指摘があったような和製英語ではなくて、世界に通用する言葉だとは思いますが、ホームヘルパーにさせていただいたところでございます。したがいまして、片仮名ではございますが、でき得ればこういう形で定着をさせていただきたいものだと担当局長としては念願をしているところでございます。
○下村泰君 それはわかりました。
○政府委員(横尾和子君) それで、ホームヘルパー等でございますが、三十周年、十周年という記念の年になりますので、私どもはこれまでたくさんの方々が高齢者問題について知識をたくさんお持ちいただいたというふうに思っております。この三十一年目、十一年目からは、ぜひ高齢者保健・福祉というものに実際に触れていただいて、触れながら、さわりながら、かかわりながら考えていただくようなことが必要なのではないかと考えております。 したがいまして、記念行事もいわゆる大会とかいったようなものではなくて、一年を通じまして、なるべく多くの方々が特別養護老人ホームやデイサービスセンターをお訪ねくださるような、そうした仕事ができるようになったらいいと考えておりまして、関係の方々にも御相談をしているところでございます。
○下村泰君 何か局長と話をしていると、こっちは豆腐みたいになりそうでね。大変話術的に私はお上手な方だと思います、あなたは。へなへなにされそうです。 ところでホームヘルパーが十万と、これは大変な数だと私は思うんですけれども、そのホームヘルパーの十万という数を出した、それは一体どういうところに原因があって十万という数が出てきたのか、それを教えていただきたい。
○政府委員(横尾和子君) これは、二〇〇〇年の高齢者の状況を念頭に置きまして、要介護老人等が約百万人、その中でおよそ三十万人程度の方々が在宅でお過ごしになるであろうというふうに考えております。こういった在宅の方々に対しまして、さまざまなホームヘルパー以外の在宅サービス、デイサービスというのもなかなか言いにくくなりましたが、サービスセンターでありますと か、訪問看護事業であるとか、さまざまな施策を利用していただきます中で、ひとり暮らしの老人に対しては週に一回ないし二回、寝たきりの要介護老人に対しては週四回ないし六回程度のサービスができるものとして設定をさせていただいたものであります。
○下村泰君 それはまことに結構なことだと思いますけれども、さあそれから先が問題なんですが、もう局長御存じだろうと思いますけれども、元デンマーク福祉大臣で、ベント・ロルド・アナセンという方がいらっしゃるんですが、この方が日本とデンマークの福祉のことについて比較しながらお話をしてくださっているんですが、この方のお話によると、日本の場合には二〇〇〇年には約二千百五十万人と急増すると、六十五歳以上が。デンマークは横ばいで八十二万。こうした高齢者をケアするホームヘルパーが、一九九〇年で日本は三万六千人、デンマークは二万八千人。高齢者千人当たりのホームヘルパーの数は、日本が二・五人なのに対しデンマークは三十五人と圧倒的に多いわけです。 日本がゴールドプランで在宅ケアを充実して寝たきり老人を減らす方針を掲げて、二〇〇〇年にはホームヘルパーを十万人までふやすというのが今の計画、今局長がお話しになったとおりですが、しかし十万人でも高齢者千人当たりのヘルパーは四・七人です。高齢者の人数はとてもじゃないけれども満足させられない、こういうことになるんですが、寝たきり老人も減らせないのではないか、こういう心配をなさっていらっしゃる、他国の方が。どうお考えですか。
○政府委員(横尾和子君) 私も、わずかな期間でございますがアナセン大臣とお話をすることがございました。その中でアナセン大臣も御指摘になりましたが、日本ではやはり総体として見れば、ホームヘルパーのような人に家の中に入ってもらうということについては、デンマークとは非常に風土が違うということは御指摘になりました。 したがいまして、これからの高齢者福祉を進展させるために私どもは、ホームヘルパーについてはこの数で大丈夫だと思いますが、それはやはりさっき申し上げたデイサービス、言ってみれば高齢者の方の保育所的なものでございますが、保育所のようなところに出かける施策と相補い合ってこの数字で適切なサービスができる、そういった水準だと理解をしております。
○下村泰君 ただ、この方のおっしゃっているのは、デンマークの方ではいわゆる女性の社会進出が盛んになったことで、家族で結局在宅していらっしゃる方を面倒見切れないというところから女性のパワーが大きくなってこういう現象が出てきたと、こういうことなんです。日本も今そういう現象に進みつつあるわけですね。この方のおっしゃっているのは、そのパワーは伸びたのはいいんだけれども非常に事務的だと、やり方が。愛情も何もない、ただやってあげる、それだけのことなんだと。だから、日本ではこれから先は家庭的に充実した公共サービスができるようになるだろう、こういうふうなことをおっしゃっていますが、御自信ありますか。
○政府委員(横尾和子君) 行政的にはなかなか親切にやるサービスというのを進めるのは難しいと思いますが、現実に私自身がホームヘルパーさんにお会いをしてそのサービスの内容を拝見している限りにおいては、非常に心のこもった、なおかつ臨機応変な対応をしていただいているというふうに認識をしております。
○下村泰君 ある自治体では、登録されているというだけでヘルパーを確保したとカウントされている。そうしますと、厚生省の言う実績と果たして合っているのかどうか。登録または確保されたヘルパーが十分に活用されていないというような面が多分出てくるんじゃないかと思うんですね。中には、そのヘルパーさんに対して非常に評判の悪いところがある、それからありがた涙をこぼす方もいらっしゃる。いろいろなふうに今実態が出てきています。 厚生省としては活用されているということを前提にしてお話をなさっていると思うんですが、実態はどういうふうに把握していますか。
○政府委員(横尾和子君) ゴールドプランを始めまして、各自治体におかれてホームヘルパーの確保をされるように依頼をしてきているわけでございまして、中には御指摘のような事例があると私も認識をしております。物事はこのホームヘルパーさんの人数だけで評価はできないというのは、御指摘のとおりでございます。 私どもは、保健・福祉マップということで実際に活用状況についての調査をしております。この状況も市町村ごとに千差万別ではございますが、非常に急速な勢いで活用が進んでいるというふうに思っておりまして、御指摘いただいたようなところも早晩解消が見込めるのではないかと考えております。
○下村泰君 それはもう局長も恐らく聞いていらっしゃるでしょうけれども、大阪あたりでも随分その格差が激しいんですね。来るところもあれば来ないところもある。役所の方では体裁のいい返事はするが実際には来ないとか、いろいろあります。 ヘルパーを十分に活用するためには、今後その身分の処遇、これは大変な問題で、この間ある民間放送を聞いていまして、実際にこれに従事していらっしゃる方がおる、自分の周りにもそういう仕事を自分もやりたいという希望がおる、ところが実際に携わってみてその処遇問題でとても勤まらないという方が出てくる。これは看護婦さんにも言えることです。 こういう問題が非常に多いわけです。だから、完全な公務員、民間、常勤、非常勤といろいろあるでしょうけれども、一義的には自治体の判断としても、これから先長い間、とにかく高齢者問題がこれだけ問題になっているんですから、国の方としてはどういうふうに考えていらっしゃるのか。
○政府委員(横尾和子君) 在宅サービスそのものが非常に地域ごとに区々な対応を迫られております。また、ホームヘルパーさんとして働いてくださる方々についても地域の実情は非常にさまざまでございますので、基本的に私どもはホームヘルパーが常勤である非常勤であるということを統一的には求めませんで、派遣をする時間帯が早朝でありますとか夜間にかかる時間とか、だんだん幅広なサービスが必要になりますので、弾力的に運営するためには、常勤で全体を管理するような方と、そのときそのとき弾力的に対応できるようなことであれば非常勤も含めて積極的に活用していただきたいというふうに思っています。 念のために申し上げますが、男性のヘルパーさんの活用もぜひしたいと思っております。
○下村泰君 私の顔見て言わないでください。私もやらにゃいかぬかなと思っちゃう。 ありがとうございました。 次は、訪問看護について伺いますが、指定老人訪問看護ステーションの現状、まだ始まって一年だと聞いております。しかし順調に伸びていると思うんですが、都道府県単位で未設の県があると思いますが、あればその数を教えてください。
○政府委員(横尾和子君) 本年一月末の状況で申し上げますと、まだ設置がされておりませんのが、神奈川県、富山県、滋賀県、和歌山県の四県です。
○下村泰君 私の資料を調べると、長崎、愛媛というのがありますがね、それはようございます、それはそれで結構です。 けれども、この中で私は一番気になるのは神奈川県なんですね。神奈川県というのは東京都と福祉関係では競り合うくらいに一生懸命福祉の問題をやっている県なんです。例えば、私は中曽根さんが総理時代にお願いをいたしまして予算をつけていただきましたが、小規模作業所、この件については東京よりよかったんです、神奈川が。そのくらい神奈川というのはこういった福祉に対しては先見の明がある県なんです。そこが何でやっていないのか、ここのところをおわかりですか。
○政府委員(横尾和子君) 恐縮ですが、具体的な 実情は把握しておりません。調べさせていただきます。
○下村泰君 別にそれが、そちらがおわかりにならないからそれを取り上げてどうのこうの言うわけじゃないんですけれども、恐らく私は、まだ私自身も調査してないんでよくわからないんですが、これにかわるべきものをやっていると思うんです、あそこは。だから、別にこれを取り上げてやってないんじゃないかなとは思うんですけれども。 ただ、今問題はステーションの運営のあり方ですね、どういう収入でどういうふうになるのか、これがちょっと問題のような気がするんですが、御説明ください。
○政府委員(横尾和子君) 訪問看護ステーションの収入というのは単純明快でありまして、社会保険から支払われます老人訪問看護療養費、それから利用者の方からいただく利用料、それ以外に交通費やおむつ代等の実費というようなもので構成されるわけでございますが、大体四十人の患者さんを週一回ずつお世話をするというようなことで月間の収入が百十九万八千四百円プラス実費収入というような状況になると思います。
○下村泰君 この件につきましても細かくやりますると時間がかかってしようがないんですけれども、例えば一回看護することによって准看護婦あるいは准看護士ですと四千二百円。一日に四ケースも五ケースもやれりゃいいんですよね。ところが、一ケースというのは二時間ですね。しかも二時間で必ず上がりませんわ、相手の症状によっては。四ケースやれば一万六千八百円だから、これ割に合いますね。だけれども、恐らくこんなにできない。二ケースでおしまいになることもあるだろうと思うんです。そうしますと、これは収入がぐんと落ちるわけですね。そうなりますと、この人たちが果たしてこれから先どういうふうな生活をしていっていいのか、またここからも脱落者が出てくるのじゃないかというのが私の心配なんですが、どういたしますか。
○政府委員(横尾和子君) 具体的に申しますと、准看の場合ですと一回訪問するごとに四千二百円、これは正看ですと四千七百円でございますが、それ以外に老人訪問看護管理療養費というものが設けられておりまして、言ってみれば回数ごとではない管理費になるわけでございますが、それを合わせて療養費が組み立てられているわけでございます。 先生御心配のような、それで運営ができるかどうかということが将来のこの訪問看護事業の進展につながってくるわけでございますけれども、今後その運営状況あるいは経営状況を見ながら調査をいたしまして、必要があればその療養費の引き上げ等について、これは中医協で御審議をいただくべきことでございますが、お諮りをすることにしたいと存じます。
○下村泰君 時間が来ましたのでこれで終わりにしますが、老人医療のあり方ですとか痴呆老人のことですとか、まだ数点にわたってお尋ねしたかったんですが、これでやめさせていただきます。どうぞひとつ老人問題というのは、高齢社会に向かってとにかくひた走りに走っている我が国ですから、よろしくお願いいたします。
○会長(鈴木省吾君) 以上で質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○会長(鈴木省吾君) 次に、先般本調査会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。三重野栄子君。
○三重野栄子君 委員派遣の報告を申し上げます。 去る二月二十三日から二十五日までの三日間にわたって、鈴木会長、岡部理事、浜四津理事、鈴木理事、有働理事、笹野理事、木宮委員、藤江委員、日下部委員、下村委員と私、三重野の十一名は、国民生活に関する調査会の委員派遣として福岡県及び山口県に出向き、保健医療、福祉、住宅、雇用などの高齢社会対策について実情調査をしてまいりました。 以下、その概要を御報告いたします、 まず、福岡県についてですが、同県は福岡市、北九州市を中心とする高い産業・商業機能の集積を初め、教育、医療、文化の集中など、九州、西日本の拠点としての地位を高めております。最近では自動車産業の立地が進み、かつての石炭、鉄など素材型中心の産業構造からの転換が図られております。また、歴史的、地理的に関係の深いアジア諸国との国際交流が活発化しております。 こうした中で高齢化の現状を見ますと、六十五歳以上の高齢者人口比率は平成二年で一二・四%と全国平均一二・〇%を上回り、高齢者人口比率が二〇%を超える市町村が増加しております。同県の高齢者対策の特徴は、特別養護老人ホーム、老人保健施設などの施設整備が充実していることでありますが、一方でホームヘルプサービスなどの在宅福祉事業については利用度が低いことであります。 この背景には、公的サービスを利用するのに心理的な抵抗感がある、サービス提供の認知度が低いなどの事情があるようでして、県民へのPR活動、福祉マンパワー対策が今後の課題となっております。このほか高齢者対策として、高齢者対応公営住宅モデル団地の建設、県立高校における社会福祉科の設置などが実施されており、平成五年度からは介護休業中の生活資金貸付事業も予定されております。 次に、高齢者福祉関係団体として福岡県社会福祉協議会、福岡市福祉公社、大野城市シルバー人材センターからそれぞれの取り組みについて、また中間市から福祉・医療の町づくりを中心とするウエルパークヒルズ計画の現状と課題について意見聴取をいたしました。社会福祉協議会からは本格的な地域福祉の時代の到来に対応して、同協議会の基盤強化、住民等のボランティア活動への積極的な参加協力の推進を趣旨とする五項目の要望がありました。 福岡県での視察地について申し上げます。 まず、福岡市の南にある老人保健施設楽陽園及び隣接地にある有料老人ホーム・アビタシオン博多を視察いたしました。楽陽園は、県下で初めて痴呆専門棟を併設した施設で、平成四年十月に開設されたばかりであります。明るくゆとりのある家庭的な環境のもとで、高齢者へのケアが提供されているとの印象を受けました。 次に、北九州市に参りまして、労働福祉事業団の九州労災病院と年長者研修大学校周望学舎を視察いたしました。 九州労災病院は、リハビリテーション医学で先駆的役割を果たしており、最新の設備と機器を整備し、早期の社会復帰を目指して、理学療法、作業療法、言語療法などによる訓練を行っております。また、義足など障害者用装具の開発研究も行っており、ますます重要な役割を担うことが期待されます。周望学舎は、年長者を対象に宿泊つきの研修を行っておりますが、人気が高く、第二学舎の建設が予定されているとのことであります。 次に、山口県につきましては、瀬戸内海沿岸に中小都市が散在する分散型都市構造となっておりますが、二十一世紀に向けて新しい県づくりを進めるため、県下八つの広域生活圏を軸とするオクトピア構想やハイテクベルト構想などを掲げて取り組んでいるとのことであります。高齢化の現状を見ますと、高齢者人口比率は平成二年で一五・九%と全国第七位になっております。同県は、在宅福祉の先進県で、デイサービスなど在宅福祉の大幅拡充に努力しており、平成二年度には申請手続の簡素化を図るため在宅福祉総合利用券方式、ふれあいカードを全国に先駆けて導入しております。また、平成四年には山口県福祉マンパワー財団を設立し、人材の養成、福利厚生の充実を進めることにいたしました。高齢者の健康づくり対策の面でも、機能訓練、市町村保健センター整備率は先進県となっています。福祉教育では、福祉教育研究指定校の設置、高齢者と児童生徒との交流を熱心に進めております。 山口県の視察先ですが、山口市内の特別養護老人ホーム山口あかり園、ケアハウス山口温泉ホー ム、山口リハビリテーション病院、老人保健施設山口幸楽苑、山口あかり国デイサービスセンターを訪問いたしました。これらは同じ敷地に併設されており、設備、人員の面で効率的な経営が図られるように工夫されております。視察後、これらの施設の第一線で頑張っておられる作業療法士、ケースワーカー、ホームヘルパーなどの担当者の方々から、現場の率直な御意見をお聞きし、意見交換をいたしました。この中では、地域における高齢者福祉サービス窓口の一本化、四十、五十歳代の若年痴呆対策、スタッフの充実、ミドルステイ事業の実施、医療と福祉の連携の必要性などについての意見がありました。 次に、両県から国政への要望についてであります。 福岡県からは、ゴールドプラン推進のための総合的な財政支援、老人福祉法等の改正に伴う地方公共団体における業務執行体制の確保、福祉マンパワーの確保対策、社会福祉施設の整備に係る国庫補助等の充実など十二項目について要望がなされました。また、山口県からは、高齢化社会に対応した保健・医療・福祉対策の充実強化、子供が健やかに生まれ育つ環境づくりの推進の二項目について要望がなされました。以上の要望につきましては、今後の調査の中で十分参考にしてまいりたいと考えております。 最後に、今回の派遣に当たりまして、福岡、山口両県並びに関係各方面の皆様から多大な御協力をいただきましたことに対し厚く御礼申し上げるとともに、各方面から提出されました要望書の会議録末尾掲載方を会長においてお取り計らいいただきますようお願い申し上げまして、御報告を終わります。
○会長(鈴木省吾君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 なお、ただいまの報告にありました福岡県及び山口県並びに関係団体からの要望事項につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(鈴木省吾君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ―――――――――――――
○会長(鈴木省吾君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国民生活に関する調査のため、来る五月二十一日午後、参考人として慶応義塾大学経済学部教授島田晴雄君及び日本大学経済学部教授、同人口研究所研究部長小川直宏君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(鈴木省吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十六分散会 ―――――・―――――