国際問題に関する調査会 第4号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1993/04/26
会議録
○会長(佐々木満君) ただいまから国際問題に関する調査会を開会いたします。 国際問題に関する調査を議題といたします。 本日は、昨年の外交・総合安全保障に関する調査会の調査報告書に関する政府の対応について調査を進めたいと存じます。 議事の進め方でございますが、まず、提出いただいております文書報告に基づいて、九つの課題ごとに関係省庁から説明を聴取した後、質疑を行うことといたします。 それでは、課題の一、「新しい環境保全型文明」について説明を求めます。 環境庁、外務省、通産省、経企庁の順でそれぞれお願いをいたします。
○政府委員(加藤三郎君) 課題一につきまして御説明をさせていただきます。 まず、課題一の「新しい環境保全型文明」のいわば創造ということでございますが、そのうち、まず提言の一の「共生と循環の環境保全型文明の提唱」につきましては、三月十二日に国会に上程をいたしまして、現在衆議院の環境委員会で御審議をいただいております環境基本法案の関係部分についてごく簡単に御説明をさせていただきたいと思います。これが私ども環境行政の法制面からこの御提言におこたえするものというふうに考えておるからでございます。 まず、この基本法案は、環境政策の基本理念、社会の各主体の役割、基本的な施策の枠組みを示しておるものでございます。特に、本件に関係する部分につきましては、これはこの法案の三条から四条、五条に当たる部分でございますけれども、この基本理念におきまして、環境を健全で恵み豊かなものとして維持することが人間の健康で文化的な生活に欠くことのできないものであること、人類の存続の基盤である限りある環境が人間の活動による環境への負荷によって損なわれるおそれが生じていることにかんがみ、現在及び将来の世代の人間が恵み豊かな環境の恵沢を享受するとともに、これが将来にわたって継承されるようにしなければならないというのをまず第一に規定し、第二に、我々の経済社会活動を環境負荷の少ないものとし、恵み豊かな環境を維持し、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図り、もって持続的発展の可能な社会の構築を図ることを明示しております。また第三に、地球環境保全のため、我が国の持てる能力を生かし、国際的地位に応じて、国際的協調のもとに積極的に取り組むべきことを規定しております。 先ほど申し上げましたように、これらの理念は標記御提言の趣旨に沿うものと私ども考えておりまして、このような内容の環境基本法を世界に先駆け制定し、これらの理念のもとに環境政策を推進していくことが環境保全に関する我が国の取り組む方向を内外にアピールするものというふうに考えております。 それから、提言の二の「環境に留意した国民経済計算方式の開発」に関してでございますが、まず環境及び自然資源の現状及び変化を国民経済計算体系に反映させるために、地球環境研究総合推進費というものを用いまして、環境庁の国立環境研究所、経済企画庁の経済研究所、農林水産省の 農業総合研究所及び森林総合研究所、これら四研究所が共同で平成四年度より環境資源勘定体系の確立に関する研究というものを開始してございます。 この研究の中身をごく簡単に申し上げますと、まず第一に、我が国の経済活動と地球規模の環境変化や開発途上国の環境変化との関係を踏まえた環境資源勘定体系を設計し、評価のためのデータ収集、試算をする。第二に、森林資源及び農業資源について、環境保全に果たす機能を踏まえた部門別勘定体系を設計、試算する。第三に、国民経済計算体系に付加する環境経済統合勘定の手法を検討し、設計、試算することを目標といたしております。 なお、先ほど触れさせていただきました環境基本法案におきましても、その第二十九条第一項におきまして、こういったことが可能ならしめるような規定も置いてございます。 環境庁からはとりあえず以上でございます。
○政府委員(鈴木勝也君) 課題一の提言一につきまして御説明いたします。 御提言いただきました共生と循環に立脚した環境保全型文明という考え方につき、私どもといたしまして国際的にどのような働きかけを行い、またどのような結果を得たかということでございますけれども、昨年の六月にリオデジャネイロで開催されました国連環境開発会議が環境と開発に関するいわゆるリオ宣言というのを採択しておりますが、この宣言に至る審議の過程におきまして、日本代表団といたしまして御提言のような趣旨を十分主張いたしたわけでございます。 その結果は、同宣言におきまして第七原則、これは宣言の中の第七原則でございますけれども、ここで「各国は、地球の生態系の健全性及び完全性を、保全、保護及び修復する地球的規模のパートナー・シップの精神に則り、協力しなければならない。」という文言として入っておりますし、第八原則におきましては「各国は、全ての人々のために持続可能な開発及び質の高い生活を達成するために、持続可能でない生産及び消費の様式を減らし、取り除き、そして適切な人口政策を推進すべきである。」ということで、以上申し上げました第七原則、第八原則は我が国のこのような主張を反映するものとして宣言の中に収録されたということでございます。
○説明員(石黒義久君) 課題一、御提言の一でございますけれども、私ども通商産業省といたしましては、リサイクル社会の構築に向けて、まず、平成二年十二月の産業構造審議会の答申におきまして、事業者に対し一般廃棄物、これは品目別でございます、それから産業廃棄物、これは業種別でございますが、それぞれ事業者が遵守すべき基本的事項というものをガイドラインとして提示いたしまして、その進捗状況につきましては毎年点検をいたしてきております。また、平成三年十月には再生資源の利用の促進に関する法律、リサイクル法と称しておりますが、リサイクル法を施行いたしましてその適切な運用を行っているところでございます。さらに、平成三年九月には産業界、消費者等の幅広い参画によるリサイクル推進協議会を設立いたしました。この協議会におきましては、毎年十月をリサイクル推進月間として各種のイベント等の普及啓発活動を推進しているところでございます。 また、先般、リサイクルに資する事業活動に対しまして税制、金融面での支援措置を講ずるため、エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法、省エネ・リサイクル支援法と称しておりますが、成立をしたところでございまして、今後これらの施策の実施を通じまして再生資源の利用の一層の促進を図ってまいる所存でございます。 以上でございます。
○説明員(久米重治君) 経済企画庁の方は、提言一につきまして、昨年の六月に策定されました生活大国五カ年計画においてこの環境問題を大きな柱としておりまして、環境と調和した内需主導型経済構造の定着を図ることを政策運営の基本的方向と定めております。 対外的には、八章の「地球社会への貢献」というところで地球環境問題への貢献を述べておりまして、地球環境保全へのODAの活用とか我が国の経験と能力の活用等について述べております。 また、国内的には、「環境と調和した経済社会の構築」ということでございまして、「生産・消費活動、企業行動、国民のライフスタイル、都市・地域構造等、我が国の経済社会の在り方を、資源・エネルギーの有効利用や環境保全の観点から幅広く見直し、環境と調和した持続可能な経済社会の構築を図る。」ということで、その具体的な施策について述べております。 生活大国五カ年計画に関する部分については以上でございます。
○説明員(枝村文夫君) 同じく経済企画庁でございますが、私どもとしましては環境と調和しましたライフスタイルの形成のための省資源・省エネルギー国民運動を推進しているわけでございます。具体的には、都道府県への省資源・省エネルギー国民運動推進のための交付金の交付や省資源・省エネルギーを呼びかけるパンフレットの配布等により国民の自発的活動を積極的に支援してまいっているところでございます。 今後は、昨平成四年十一月に第十三次国民生活審議会の答申をちょうだいいたしまして、これは提言一の内容にも十分おこたえするものでございますが、これを踏まえまして一層国民運動の推進に取り組む所存でございます。
○説明員(小林良邦君) 私ども国民経済計算を預かる立場から、提言二について若干御説明させていただきます。 御案内のように、国民経済計算の推計方式については国連の方で基準を設けてございます。いわゆるSNAと申しますが、このSNAがこのたび四半世紀ぶりに改定になりました。この改定の中の一つの柱がサテライト勘定と申し上げまして、現在の国民経済計算の外側にいろいろな関心分野に応じてサテライト勘定というものを設けるということになってございます。このサテライト勘定で一つの非常に注目を集めておりますのが環境に関するサテライト勘定ということでございまして、これらの国連の動き等々を勘案し、当庁といたしましては九二年度から三年計画でこの問題に取り組んでいるということでございます。一応三年計画ということで勘定の枠組み及び試算を行って公表してまいりたいと思っております。 以上でございます。
○会長(佐々木満君) ありがとうございました。 次に、課題二、「国際貢献の体制整備」について御説明を求めます。 環境庁、外務省、文部省の順でお願いいたします。
○政府委員(加藤三郎君) 先ほども御説明いたしました今国会に御提案申し上げております環境基本法案におきまして、環境分野での国際貢献というものを大変重視いたしてございます。 具体的に申し上げますと、基本法案の第六節に「地球環境保全等に関する国際協力等」という節を特に設けまして、その中で「地球環境保全等に関する国際協力等」、「監視、観測等に係る国際的な連携の確保等」、次に「地方公共団体又は民間団体等による活動を促進するための措置」、そして「国際協力の実施等に当たっての配慮」というこの四条を置きまして、国際貢献の体制に法制面で備えてまいりたいということでございます。 また、昨年六月の地球サミットで採択されましたアジェンダ21の国別計画につきましても、昨年七月のミュンヘン・サミットにおきます先進国間での合意を踏まえまして、本年末までにいわば日本版のアジェンダ21をつくるべく外務省その他関係省庁ともども今策定作業を進めているところでございます。 また、地球環境行政の体制につきましては、平成五年度に講ずべき措置を中心とする行政改革の実施方針、これは昨年の十二月二十六日の閣議決定でございますけれども、それに沿いまして検討を進めてまいりたいと思っております。その中 で、環境庁としても、政府全体の環境行政の企画調整を担当するいわば中枢的機能が発揮できますよう環境庁の組織体制の充実強化に積極的に取り組んでまいっております。 それから、提言二の地球環境関係のNGOの活性化なり環境教育につきまして申し上げますと、これまた地球環境保全に取り組む民間団体いわゆるNGOの活動の重要性にかんがみまして、今国会に環境事業団法の改正をお願いしておりましたが、きょうの午前に成立をさせていただきました。その中に地球環境基金というものを設けまして、民間団体による地球環境保全活動への助成、その他の支援を行うことが法制面でできるようになりました。また、予算の方も平成五年度から十五億円確保しているところでございます。また、基本法案におきましても、先ほどちょっと触れました第六節に民間団体への支援の措置の趣旨を規定をいたしてございます。 さらに、環境教育・学習に関しましても基本法案の二十四条に規定をいたしておりまして、今非常に盛んになってきております環境教育、環境学習といったものの一層の促進を図っているところでございます。 以上でございます。
○政府委員(鈴木勝也君) 続いて外務省から御説明申し上げます。 提言の二の方でございますが、NGOについて外国の事例の把握、公表に努めるということ及びNGOの活性化を図るためにどのような努力をしているかということについて申し上げます。 NGOの果たす役割が非常に重要であるという点につきましては、御案内のとおり政府開発援助大綱の中にも明確に言及されておりますが、具体的にどのような措置をとっておりますかといえば、私どもといたしましてはNGO事業補助金、それから小規模無償資金協力によるNGO援助活動の支援といったようなことを行っております。 それから、外国の事例の把握、公表等の点でございますけれども、これにつきましては、外務省におきましては平成二年度に委託調査という形をとりまして、「欧米の環境NGOの地球環境問題への取り組み」と題する報告書を取りまとめさせまして、これを公表してございます。 なお、先ほどのNGO事業補助金の実績でございますけれども、平成四年度におきましては、我が国NGOが開発途上国で行う環境保全事業に対して、NGO事業補助金を通じて三団体三事業、総額で千五百二十七万二千円を供与いたしております。それから、小規模無償資金協力の方でございますけれども、これは我が国及び外国のNGOが開発途上国で行う環境事業に対しまして、小規模無償資金協力を通じて四十四件、総額で一億四千万円を供与いたしております。 以上でございます。
○説明員(工藤智規君) 御提言の二の後段の部分につきまして御説明申し上げます。 報告書の五ページから六ページに記してございますけれども、まず高校以下の初等中等教育の場におきましては御案内のとおり学習指導要領というのがございまして、高校以下の学校における教育の枠組みを定めておるわけでございますが、それによりまして、従来から小中高におきましては主として社会科ですとか理科あるいは保健体育などの科目の教科の授業におきまして、児童生徒の発達段階に応じました環境に関する学習が行われているところでございます。また、昨年から小中高と段階的に新学習指導要領への移行が進められておりますけれども、その新しい学習指導要領におきましても内容の一層の充実を図っているところでございます。 そういう正規の教科のほかに、自然環境の中での体験的な活動を行って、子供たちと自然との触れ合いを深めるために自然教室等の事業を行っておりますし、また先生方の教師用指導資料というのを作成、配付いたしておりますほか、さらには環境教育に関するシンポジウムでございますとか研究協議会を開催しているところでございます。平成五年度からは新たに環境教育の推進に取り組むモデル市町村指定事業ということも実施を予定しているところでございます。 次に、大学教育につきましては、これは高校以下と違いまして学習指導要領はございませんで、学問の自由の反射的効果といいましょうか、それぞれの大学における教育内容につきましては大学の自主的な取り組みに委ねられているところでございますが、そうは言いながら、環境に関する学部、学科あるいは研究施設等が近年次第にふえておりますほかに、そういう一定の組織がなくても授業の中で環境問題が取り上げられる事例がふえているところでございます。 さらに、ボランティア活動につきましては、環境問題についてのボランティア活動のみならず、近年は特に社会福祉活動につきましてそれを正規の授業の中に取り込むような積極的な試みも見られているところでございます。 以上でございます。
○会長(佐々木満君) ありがとうございました。 次に、課題三、「森林の再生及び地球的規模での森林率復元のための行動計画案」について説明を求めます。 農林水産省、外務省、環境庁、建設省の順でお願いいたします。
○政府委員(塚本隆久君) 課題三、「森林の再生」、提言一、「地球的規模の大造林計画の実施」の項目について、まず前段について申し上げます。 熱帯林等世界の森林が大規模に減少しているということが言われる中で、各国が一体となって世界的な造林に取り組んでいくということは極めて必要なことであるというふうに考えております。昨年六月に開催されました国連環境開発会議におきましても、森林問題が重要課題の一つとして取り上げられまして、熱帯林等世界の森林保全のための国際的な合意である「森林に関する原則声明」が採択されたところでございまして、我が国も提言等の趣旨を受けまして、積極的にこれに貢献してまいったところでございます。 この御提言との関連では、「森林に関する原則声明」の中で、各国の森林については持続的経営というものを基本にして、その維持、保全、造成に努めるということ、先進各国はこれに対し技術的、資金的に援助する、こういったことが言われておるところでございます。また、国連食糧農業機関あるいは国際熱帯木材機関、こういったところに対しましてもこれまで専門家を派遣いたす、あるいは資金を拠出する、こういったことで、このような造林に対して対応いたしておるところでございます。 今後の方針といたしましては、「森林に関する、原則声明」等を踏まえまして、熱帯林等の世界の森林保全、造成と持続可能な森林経営の確立に向けまして、国連によるUNCEDのフォローアップへの協力、ITTOの強化への支持等、国際的な森林・林業協力の一層の推進、特に国別造林計画の推進について努力してまいるつもりでございます。 それから、提言一の後段、特に植林後成木になるまでの保育、その後の森林管理に細心の注意を払う、こういったことについてでございますが、これまでもこうした森林の保育、管理につきましては、二国間協力といたしまして国際協力事業団を通じて専門家を派遣する、あるいは相手国の研修員を受け入れる、それから相手国に対しまして機材の供与をする、こういったことでいろんな面で協力を行ってきておるところでございます。それから、ITTOやFAOのこういった国際機関に対しましても専門家を派遣する、資金を拠出する、こういったことでございまして、引き続きこういったことを通じまして森林の保育、管理について国際的な貢献をしてまいりたいと考えております。また、森林の保育、管理に不可欠な民間団体等いわゆるNGOの育成のため、数年前に財団法人国際緑化推進センターというものをつくりまして、これを通じて国際緑化に関する普及啓蒙の展開あるいはNGO等民間部門の緑化活動に対して支援を行っておるところでございます。 今後とも、こうしたものをあわせ、平成五年度 からは熱帯林の保全、造成に直接従事する現地の指導者等に対する技術研修、これを実施することにいたしておりまして、引き続き努力をしてまいりたいと思っております。 それから、本報告の末尾に調査会が作成した行動計画案が付されておりますが、こういった趣旨も今後十分参考にさせていただきまして、熱帯林の造林問題に取り組んでまいりたいと思っております。 次に、提言二、「熱帯材の秩序ある輸入、針葉樹への原料転換」ということでございます。 熱帯木材の貿易につきましては、私ども熱帯木材貿易三原則というものを持っておるところでございます。 この第一は、熱帯木材貿易のモニタリングでございまして、①としてございますように、我が国が熱帯木材を輸入しておる各国につきましてどのような地域からどの程度の量の木材を輸入しておるか、こういったことを調査いたしております。さらに、②に書いてございます熱帯木材需給デザインプロジェクトと申しますのは、先ほど来申し上げております国際熱帯木材機関におきまして、西暦二〇〇〇年における熱帯木材貿易につきましては持続的経営がなされている森林から生産される木材のみを貿易の対象とする、こういう申し合わせが行われておるところでございまして、西暦二〇〇〇年において、そうした我が国が輸入しておる国々の森林が持続的経営としてきちんと整備されるかどうか、こういったことについての見通しを行っております。さらに、そうしたことに対して必要な援助等を考えていくということでございます。また、次に申し上げますように、消費の面でも熱帯木材というものを合理的に消費して、できるだけその量を少なくしていくということも必要でございますので、そういったものを勘案いたしまして西暦二〇〇〇年における熱帯木材需給量の予測というものを立てまして、それに向けていろいろな努力をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。 それから、熱帯木材貿易三原則の二つ目は熱帯林産物の付加価値向上ということでございます。現在輸入されているものは、ラワン等大変太いものだけしか選んで輸入していないわけでございますが、未利用資源、こういったものはまだまだたくさんあるわけでございまして、こうした未利用の木材というものをいかに利用していくか、あるいは木材に限らずつるでありますとか薬草でありますとか、そういった熱帯の森林に生えておるいろいろな植物等につきましてもこれから有効活用していく、こういう観点に立っての調査を行っておるところでございます。それから、熱帯木材の付加価値向上推進事業ということでございますが、やはり丸太で輸入するよりは製品として輸入をするという方が途上国の経済のためにはよいわけでございますし、また住民の雇用の場もふえるということでございまして、そういった輸出国における木材の付加価値向上対策につきましてもいろいろと調査等を行っておるところでございます。 それから、熱帯木材貿易三原則の三つ目が熱帯木材消費の合理化ということでございます。これは原料の転換の促進ということでございまして、現在熱帯木材を原料にしてつくられておる合板等につきましては国産の針葉樹材をもってつくるような形に転換していくということで、そのための技術開発でありますとか、あるいはそうしたものをつくる機械を導入する際の利子補給、こういったことについて現在実施をしておるところでございます。また、現在コンクリートの型枠合板と言われるものは一回ないしは二回使用した程度で廃棄されておるわけでございますが、これに塗装を施す等々いたしまして反復使用する、こういったことについても技術面でいろいろと研究をいたしておるということでございます。 今後、こうした熱帯木材貿易三原則というものに基づきまして、さらにいろんな施策を充実させながら御提言の趣旨に沿ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○政府委員(鈴木勝也君) 続きまして外務省の方から提言の一及び提言の二について御説明申し上げます。 提言一の方では、地球的規模の大造林計画を策定するよう国連に働きかけるべしという御提言がございます。これに対しまして日本政府としてとっている措置でございますけれども、先ほど申し上げました昨年六月の国連環境開発会議、UNCEDのときの我が方の総理のスピーチにおきましてこの点に言及をいたしまして、地球の緑化推進のために我が国の緑化の経験を生かしたいということを表明するとともに、五年間で九千億円から一兆円を目途として強化拡充を図るという環境ODAの重点分野の一つに森林保全ということを位置づけたということが第一点ございます。 それから、国連環境開発会議で採択されました文書の一つに森林原則声明というのがございますが、この作成に当たりましては我が国も積極的にイニシアチブをとったわけでございますけれども、この第八項におきまして世界の緑化ということがうたわれております。これを体して、今後開発途上国への協力についても取り組んでいくということでございます。 それから、提言二の方でございますが、率先して熱帯材の秩序ある輸入、適切な消費を図り、熱帯材から針葉樹への原料転換を促進すべしという点でございますけれども、御承知のとおりこの分野におきましては国際熱帯木材機関、ITTOというのがございまして、これを我が国としては大いに支援しているわけでございます。この熱帯材の問題につきましては、ITTOのような場を通じて、特に生産国側との対話ということを行いながら熱帯木材の効率的な利用を図っていく、こういうことで対処している次第でございます。 以上でございます。
○政府委員(加藤三郎君) 環境庁にとりまして、森林は生物種の多様性を確保するという点、あるいは気候の安定、また温室効果ガスの一つであります炭酸ガスの吸収源、さらに土壌や水資源の保全といったことから森林の保全というのは極めて重要な施策というふうに考えておりまして、先ほども説明のありました林野庁、外務省ともども、環境庁としても各種施策に努めてまいりたいというふうに考えております。
○説明員(矢野進一君) 課題三の提言二でございますが、建設行政におきましては、主にいわゆる型枠の関係の原料転換とか効率的使用ということが問題でございます。 この関係につきましては、まず技術開発といたしまして、コンクリート構造物のプレハブ化を初めといたします工場生産化の推進のための研究開発に平成二年度から取り組んでおりますほか、民間が開発いたしました床用の鋼製型枠、鉄でつくった型枠でございますが、こういったものにつきまして技術的な評価を与えて、その普及を図るというような対策を講じております。 これ以外に、これらによって開発されました技術を活用いたしまして、直轄の土木及び営繕の工事におきましていわゆるプレキャスト工法、それから針葉樹によります型枠の使用といったような利用合理化に係るパイロット事業を実施しております。特に、営繕工事につきましては、平成五年度から共通仕様書におきまして針葉樹合板及び複合合板、これは熱帯材と針葉樹を組み合わせたものでございます。そういったものが使用できるということを明確にしております。 さらに、建設産業、特に建設会社におきます熱帯材の型枠用合板としての使用を抑制するという方向を二年前につくりました建設産業の第二次構造改善推進プログラムの中で位置づけているところでございます。 こういうことを進めてまいりまして、今後とも熱帯材の利用の合理化に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○会長(佐々木満君) 次に、課題四、「食の安全確保」について説明を求めます。 農林水産省、厚生省、環境庁、外務省の順でそれぞれお願いをいたします。
○政府委員(日出英輔君) 課題四、「食の安全確保」について御説明申し上げます。 私どもは、熱帯林の減少なり砂漠化の進行といったような地球環境問題の解決には、途上国を中心として急増しております人口を養うための食料確保対策が不可欠といいますか、大前提であるというふうに認識しているわけでございます。 そこで、この提言一の前段で穀物生産の見通しの調査なり研究についてお触れになっていただいておりますが、私ども今のような考え方に基づきまして、世界の食料需給の動向を的確に把握するために短期的な需給動向の正確かつ迅速な把握に努める一方で、中長期的な食料需給に影響を及ぼします人口なり耕地面積などの要因についても常に調査、情報収集を行っているところでございます。また、地球温暖化等が農林水産物の生産に及ぼす影響を解明し、農林水産物の生産力の変動を予測する技術の研究を行っているところでもございます。 また、昨年六月に私どもは「新しい食料・農業・農村政策の方向」というものを世の中に出しましたが、この中で実はおおむね十年後の世界の食料需給に係ります予測をいたしました。結果といたしますと、今後逼迫基調で推移するのではないかということでございます。特に、地球環境問題等から生ずる制約が単収の伸びを制約する、こういったようなことでございます。今後とも世界の食料事情の的確な把握、情報収集に努めるとともに、地球環境の変化が農林漁業生産に与える影響の研究等を進めていく所存でございます。 それから、後段で飢餓対策に触れておられますが、これにつきましては、我が国はFAO等において低所得開発途上国で慢性化しております食料不足の問題を取り上げ、途上国各国みずからが基礎食料を生産し、確保することの努力の必要性を従来から主張してきているわけでございます。一方、FAOでは八五年に、開発途上国政府はまず国内食料生産を振興すべきであり、過度の輸入依存による危険を回避すべきであるといったような行動原則が採択されているわけでございます。 今後とも、FAOを初めといたしまして、国連の場において、地球環境問題の視点も踏まえまして世界の食料問題の解決に向けた取り組み強化を訴えてまいる所存でございます。 つけ足しますれば、我が国は一九八七年以来、世界最大の農業援助国でございまして、開発途上国の食料自給の向上に寄与するということで頑張っております。今後ともこの方向で取り組みを強化してまいりたいと思っております。 以上でございます。
○説明員(織田肇君) 提言二の「食の安全基準の策定」の問題でございます。これにつきましては、科学技術に立脚した施策の推進、消費者のニーズの重視、国際的な連携の推進等を基本方針といたしまして、食品の規格基準の設定あるいは輸入食品の監視体制の強化等の施策を推進しているところでございます。 また、二国間及び多国間の交渉におきましても、食品の安全性の問題につきましては、生命や健康の保護は当然の前提として必要な対応を進めておるところであります。 以上であります。
○政府委員(加藤三郎君) 御提言二の前段でございますが、環境庁は農薬を使用することによって農作物等の汚染が生じ、かつその汚染に係る農作物等の利用が原因となって人畜に被害を生ずるおそれを未然に防止するために、作物残留に係る農薬登録保留基準を設定してございます。今後も引き続き上記施策に基づきまして、適宜作物残留に係る農薬登録保留基準の設定をしていくことといたしております。 以上でございます。
○政府委員(鈴木勝也君) 提言の一につきましては、簡潔にいたしますが、FAOの場でさまざまな形で積極的な役割を果たしていく。 提言二の方につきましては、FAOとWHOとの合同食品規格委員会というのがございますが、食品規格の国際的統一が望ましいという観点から、こうした場で積極的に対応いたしております。 以上でございます。
○会長(佐々木満君) 次に、課題五、「環境ODA・技術移転」について説明を求めます。 外務省、経済企画庁、環境庁、通商産業省の順でお願いいたします。
○政府委員(鈴木勝也君) まず、外務省から御説明いたします。 昨年の六月に政府開発援助大綱というものができましたけれども、これにおいても環境問題というものをODAの重点分野ということにいたしておる点は先ほど申し上げたとおりでございます。 私どもといたしましては、政策対話、それから相手国の学者、専門家の知識、技術等をできるだけ活用する、あるいは我が国が送り出す調査団の中に環境配慮専任の調査団員を含めるというようなこと、それから相手国あるいは第三国のコンサルタントを活用するというようなこと等をやっておりますほか、先ほど申しました小規模無償資金協力も活用しておりますし、それから青年海外協力隊の活動と技術協力との連携を図るというようなこともやっております。 以上でございます。
○説明員(永谷安賢君) ODA大綱につきましては、今外務省の方から御説明があったとおりでございます。 ODA大綱と同日付で閣議決定されております生活大国五カ年計画におきましても、政策対話を通じて途上国の環境保全に対する理解を深めるということ、それから援助を積極的に活用して途上国での環境問題に対する優先順位と対応能力を高めるということが明記されております。その際、とりわけ途上国の自助努力を支援するために、中進国の環境案件に対して技術協力のみならず、有償資金協力を行うことですとか、あるいは途上国への技術移転に当たっては低コストの脱硫装置等を相手国の実情ですとか必要性に合った適正技術を共同で選択、改良、開発するという形で、その相手国の内発性を重視した協力ということをうたっているわけでございます。 今後ともそういう考え方にのっとりまして、環境保全を重視した援助の質的、量的拡充を図ってまいりたいと考えております。
○説明員(飯塚和憲君) 引き続き経済企画庁の方から御答弁申し上げます。 提言一の後段でございます。現地の実情にふさわしい適正技術に配慮した内発性を重視した技術の提供という点で具体例をちょっと申し上げたいと思います。 我が国として、昨年の十二月に、場所はタイでございますが、ここに環境保護促進計画というものに対するツーステップローンというものを供与しております。金額は三十億円でございます。御案内のようにタイにおいても最近経済開発とともにいろいろ公害問題が起きておりまして、これに対応するためのローンの供与でございます。これはタイの民間企業が自発的に環境保護を目的として事業に使います例えば公害防止機器等の設備購入資金に充てるものでございまして、我が国からの円借款を一たんタイの産業金融公社に入れまして、ここでまた次の最終ユーザーに対して低利で融資を行うというものでございまして、我々としてはまさに現地の実情にふさわしい適正技術に配慮したものであるというふうに考えております。 今後とも、こういうものをモデルケースとしまして、途上国からの同種の援助案件の要請に積極的にこたえてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○政府委員(加藤三郎君) 提言一に関連いたしましては、先ほど来出ておりますODA大綱、環境庁もそういったものに基づき、それからさらに私どもの審議会からの答申「国際環境協力のあり方」、そういったものに沿いまして途上国への環境分野でのODAに関する協力をしておるわけで すが、特に適正技術に関しましては、途上国の実情に適した環境保全技術移転を図るために平成四年度より二年計画で技術移転促進調査を実施しているところでございます。 また、御提言の二に関しましては、海外の企業活動における環境配慮につきましては、日本企業により海外に設置された企業といえども現地法人である場合がほとんどであります。したがいまして、直接我が国の法令等の基準を適用することは主権の問題等もあり適切ではないと考えておりますが、事業者において海外における活動に際して環境保全上の支障を生じないよう十分な、最大限の努力が払われる必要があるということは当然というふうに考えております。こういった観点で、経団連が環境配慮のための十の配慮事項を定めておりますなど、経済団体や個々の企業においても自主的な努力が昨今積極的になされておるということを私どもも承知しております。 このような見地から、先ほど来繰り返して御説明しております環境基本法案におきましては、海外における事業活動に際して環境配慮が適切に行われるよう情報の提供その他必要な措置を講ずるように努める旨の規定を置いたところでございます。また、開発途上国等が当該国の地域的自然的条件等に適した法令を整備することなど、みずからの環境保全に関する対処能力の向上が重要であるとの観点から、我が国としても相手国の対処能力の向上が図られるよう支援していく旨について同法案にも定めておりますし、また現に専門家の派遣あるいは途上国からの専門家の受け入れによる当方における研修、そういったものを通じましていろいろと努めているところでございます。
○説明員(野村誠君) 海外企業活動における環境配慮について御提言をいただいておりますけれども、八九年五月に産業構造審議会総合部会におきまして「海外事業展開に当たって期待される企業行動(十項目)」という提言がなされました。この中におきまして、技術移転ですとか調達、雇用面の現地化等々の問題と同時に環境配慮について一項目が設けられております。この中で、「投資先国の環境上の基準を満たすことを前提とし、可能であれば、それ以上の環境上の配慮を行うこと」という提言がなされております。 通産省としては、こうした提言に立ち、これを我が国企業に対して周知徹底を図ってきているところでございます。なお、その後、九一年には経団連が地球環境憲章といった自主的な取り組みを始めております。 なお、まだ決まっておりませんのでここに書いてございませんが、現在、地球環境問題に対する認識の深まり並びに日本企業の海外進出規模の圧倒的な増大という現状に照らしまして、この十項目自体を改定、見直しする方向で検討を進めております。 以上でございます。
○会長(佐々木満君) 次に、課題六、「科学研究・技術開発」につきまして、環境庁、通商産業省、文部省の順でお願いいたします。
○政府委員(加藤三郎君) 提言の一に関しましては、地球環境保全に関する施策を適切に推進するためには科学的基盤の強化が必要であるということで、平成元年十月の地球環境保全に関する関係閣僚会議におきまして、「地球環境保全に関する調査研究、観測・監視及び技術開発の総合的推進について」の申し合わせを行いました。それとともに、毎年度、地球環境保全調査研究等総合推進計画というものを策定し、地球環境保全に関する調査研究等を政府一体となって学際的に、また国際的に推進をしているところでございます。 環境庁におきましては、平成二年度がう地球環境研究総合推進費によりまして、関係省庁の国立試験研究機関等広範な分野の研究機関、研究者の有機的な連携のもとに地球環境研究を学際的、国際的、省際的に総合的に推進をしているところでございます。また、基本法案におきましても必要な規定を二十七条から二十九条の三条にかけて置いているところでございます。 また、御提言の二につきましては、技術開発に当たって地域レベルの環境安全保障に役立つリサイクル可能な適正技術に重点を置いて開発すること、さらに開発されるべき技術は、生産により発生する排せつ物を処理し、自然に還元し得るような循環可能なものの開発を目指すということに努力をいたしているわけでございます。 廃棄物の再資源化技術の開発等に係る研究を国立機関公害防止等試験研究費を重点的に活用して実施いたしております。また、環境保全に資する商品を推奨するいわゆるエコマーク事業の実施、さらに環境に優しい企業行動指針等の策定等を通じましてリサイクルに関する技術開発等の促進を図っているところでもあります。 さらに、新たな技術による環境への影響を未然に防止していくために、環境庁では平成五年度より、新技術に伴う生産、流通、使用、廃棄の各段階での環境影響を事前に評価するための指針の策定につきまして、廃棄段階での再利用に配慮した技術開発をも含めまして検討を開始いたしております。 なお、これに関しましても、先ほど来繰り返して触れております基本法案にも所要の条項を置いているところでございます。
○説明員(本城薫君) まず、御提言の一でございますけれども、私ども通産省といたしましても地球環境問題というのは非常に重要なものと認識いたしておりまして、地球環境問題に技術の面から率先して取り組んでいこうということで、具体的には新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOと言っておりますけれども、こういったものとか、あるいは財団法人地球環境産業技術研究機構、略称RITEと言っておりますが、こういったものを地球環境分野の技術開発の中核的な機関といたしまして、新しい地球環境分野の技術開発あるいは世界の国々とのこういった面での研究協力を推進していこうということ、さらには知見の充実、こういったところに現在鋭意努力をしているところでございます。 また、本年度、この四月からでございますけれども、サンシャイン計画、ムーンライト計画、それから地球環境技術研究開発制度、こういったエネルギー、地球環境の技術開発制度を本年度から一体化いたしまして、エネルギーとか地球環境分野の技術開発、研究開発を総合的、統一的に実施していこうということで、全体といたしましてエネルギーとか環境技術研究開発の効率的な推進を図ろうということで鋭意進めているところでございます。 以上が御提言の一でございますけれども、引き続きまして御提言の二でございます。 私ども通産省といたしましては、リサイクル可能な適正技術の開発といたしまして、廃棄物の処理あるいは再資源化技術の開発、普及、こういったものを行うための実証プラントの建設、あるいは再生資源の用途をふやしていこうといったような分野の技術開発等につきましても鋭意実施しているところでございます。 以上でございます。
○説明員(長谷川正明君) 提言一に関してでございます。 地球環境問題の解決には、その原因を学術的、科学的にきちんと解明すること、これがその基礎になるわけでございまして、またその解明に当たっては幅広い自然科学各分野から、場合によっては人文・社会科学に至るまで広範なる研究協力というものが必要になってこようかと考えております。そういう意味で、大学は非常に幅広い分野の研究者を擁しておりまして、また研究が蓄積されているところでもございます。そういう意味で、大学の研究の役割というものが地球環境問題解決には大変大きな責任を有しております。 このような観点から、文部省におきましては、平成五年度においてこれら大学の研究協力の中核になります、あるいは窓口になります職として地球環境学術企画官というものを設置いたしました。さらに、従来の研究所を改組、転換、充実させることによりまして名古屋大学に大気水圏科学研究所を設けるなど、地球環境関連の研究施設等 の充実を図っております。そのほか、科学研究費補助金によります地球環境関連のプロジェクト研究の推進、さらには地球環境問題につきましては国際的な研究協力というものが大きな意味を持つわけでございますけれども、その関連の幾つかの研究プロジェクトを推進しております。その他ユネスコへの協力等、諸般の施策を展開することによりまして地球環境に関する学術的意味での貢献を強めようということで施策を展開しております。 以上でございます。
○会長(佐々木満君) 次に、課題七、「積極的平和の秩序づくり」について、外務省、文部省からお願いいたします。
○政府委員(鈴木勝也君) 国際社会の緊密化、組織化のために努力すべしという点でございますけれども、近年、国際社会の相互連関性というものが極めて深くなっているという点については私どもも日ごろから痛感している点でございまして、当然のことながらその方向で各般の努力をさせていただいております。 先般、東京で開かれましたG7の対日支援に関します外相・蔵相合同会議なんかも一つの国際協調の例であろうかと思いますけれども、一般的に申しましても世界経済の繁栄の確保、平和と安定の確保、普遍的な価値の促進、それから環境とか難民とかいった地球的な規模の問題、こういった現在国際社会が抱えております主要な問題はすべて各国間の緊密な協力なくしては解決できない問題であるということで、その方向で努力をさせていただいております。 それから、提言の二の方でございますが、文化交流、知的交流、それから文化財の保存等の面でもっと努力をすべきではないかという点であろうかと思いますけれども、日本語の普及につきましては、最近各国で日本語学習熱も非常に高まっておりますので、中等教育機関に対する協力も拡充するという方向で努力をしておりますし、それからまた日本研究支援につきましても強化を図っております。それから、逆に、文化交流というのはやはり双方向、両方向でなければいかぬという認識に基づきまして、世界各国の文化を我が国に紹介するということにも努めております。その他、スポーツ交流についても各般の努力をしておりますし、文化財の保存の点につきましてはユネスコを通じてのものが多うございますけれども、ユネスコの中に日本信託基金というものを設立いたしまして、世界の有形無形の文化遺産の保存、振興に協力をいたしております。具体的にはアンコールワットとかガンダーラ、あるいはモヘンジョ・ダロ等の修復等がございます。 以上でございます。
○説明員(福島忠彦君) 十八ページの後段でございますが、今の外務省の方の説明の補足にもなろうかと思いますけれども、近年世界の人々の我が国の文化に対する関心が高まっております。また、文化面あるいは文化財面において我が国の国際的地位に見合った貢献を果たすよう求める声も強くなってきております。 文化庁におきましては三つの柱、一つが芸術フェローシップ等芸術家、専門家の人の行き来の問題でございます。それから二つ目が展覧会、公演等による交流をやっております。三つ目が、文化財が中心でございますが、敦煌、アンコールワット等文化財保存修復に関する協力というような事業をやっておりまして、平成五年度もさらにこれを充実していきたいと思っております。 さらに、文化庁に文化政策推進会議というものを設けまして、そこに国際文化小委員会を設置しまして文化の国際交流、協力の推進方策について必要な検討を行っているところでございまして、今後とも一層の活発化に努める所存でございます。 以上でございます。
○会長(佐々木満君) ありがとうございました。 次に、課題八、「アジア・太平洋の平和・軍縮」について、外務省、環境庁、通商産業省の順でお願いします。
○政府委員(鈴木勝也君) まず、外務省から御説明申し上げます。 提言の一でアジア・太平洋平和会議といったものを設立するよう提案したらどうだという点でございます。 御承知のとおり、近年アジア・太平洋地域におきましても政治・安全保障問題についての対話の機運というものが高まってきております。現在はASEAN拡大外相会議という場を通じて多国間の安全保障対話がようやく始まったところでございますが、私どもといたしましてはあくまでも当該地域の関係諸国の意向というものに十分に耳を傾けつつ将来の姿というものを考えていきたいということでございますので、ASEAN諸国等がどういう考え方をしているかということも酌み取りながら将来のことを検討していきたいということでございます。 いずれにいたしましても、この地域の安全保障にとってはやはり米国のプレゼンスというものが維持されるということが極めて大事でございまして、どのような枠組みが将来にできることがあるにしてもこの点は変わらないものというふうに考えております。 それから、提言の二のところで「アジア・太平洋議員フォーラムの開催」がございますけれども、これは当然のことながら先生方の間で御検討いただくということが本来の姿であろうと思います。御参考までに申し上げますと、既に例えばアジア・太平洋国会議員連合、それからアジア・太平洋議員フォーラムというようなものもございますわけで、こうしたものを活用されるということも一案かと存じます。 三番目に、経済・技術協力と我が国の市場開放等の面でアジア・太平洋地域というものをもっと重点的に扱うべきではないかということでございますけれども、先ほど申し上げました政府開発援助大綱でも明確にうたっておりますが、我が国は政府開発援助の分野におきましてもアジア地域というものを援助の重点地域と明確に位置づけているわけでございまして、環境保全のための協力とか基礎生活分野への協力等もアジアを重点ということで従来から進めております。それから、太平洋地域の島嶼国につきましては、これは大体非常に小さな国が多うございまして、我が国からの援助というものはこうした国々にとって極めて重要な位置づけになっておりますので、基礎生活分野を中心とした援助ということで対応しております。 以上でございます。
○政府委員(加藤三郎君) 御提言三の技術協力に関連いたしまして、環境分野での技術協力に関することを一、二申し上げますと、環境庁といたしましては、外務省などと協力をいたしまして専門家の派遣、研修員の受け入れといったものを特にアジア・太平洋地域をかなり重点的にやってまいっております。加えまして、タイ、中国、インドネシア等に環境研究研修センターといったものの設立への支援も環境庁として行っております。 そのほかに、例えば温暖化、オゾン層の保護、酸性雨、野生生物の保護等におきましてもこれまでアジア・太平洋地域の方々と御一緒にいろいろと協力関係を進めてきておりますが、その一環といたしまして、本年の六月の末にアジア・太平洋地域の大臣を含む有識者にお集まりいただきまして、地球サミットの合意についてその実施上の課題を明らかにするとともに、アジア・太平洋地域における長期展望を踏まえた環境協力について討議する場としてアジア・太平洋環境会議、私どもエコ・アジア93と呼んでおりますが、そういったものの開催も企画をいたしております。 以上でございます。
○説明員(足立芳寛君) 提言の三につきまして御説明申し上げます。 先ほども御説明ございましたように、我が国は発展途上国の自立的発展を支援いたしますためにアジア地域を重視いたしつつ援助を続けているところでございますが、特に援助と投資と輸入、これらの連携を図った総合的経済協力を推進してお るところでございます。 特に、私ども通産省といたしまして、アジア地域の総合的な産業振興計画、また業種別産業育成プログラム、これらの策定を通じまして外貨獲得のための輸出産業の育成を総合的に支援しているところでございまして、特に我が国への対日輸出促進ミッションを受け入れますとか買い付けミッションを派遣いたしますとか、そういう形での日本市場への参入も推進しているところでございまして、これらの事業を新アジア工業化総合協力プランと名づけまして現在も推進しているところでございます。 以上でございます。
○会長(佐々木満君) それでは、最後になりますが、課題九、「国連の強化」について、外務省、お願いします。
○政府委員(鈴木勝也君) 簡単に御説明申し上げます。 提言の一のところでございますが、国連機構の整理、統合等を推進するべしという点でございますけれども、この点につきましては宮澤総理、渡辺大臣等も国連の会議に出席された際にこれと同じような問題意識というものを演説の中で提示しております。特に、我が国が昨年十二月の国連総会で採択された安保理議席の見直しに関する決議についてはイニシアチブをとったこともございます。 それから、地球環境問題等に関する理事会などを新設するべきであるという点でございますけれども、この点につきましては、現在国連の環境分野の作業というのは、昨年六月の国連環境開発会議の結果を踏まえ、その延長上で進行しておりまして、国連事務局内に持続的開発委員会というものが設置されておりまして、これの事務局がニューヨークに設置されるというような状況になっております。当面はUNCEDのフォローアップのラインで進めていくのがよろしいのではないかというのが私どもの考え方でございます。 それから、提言の二でございますが、紛争の未然防止、それから軍事活動モニター制度の創設等につきましては、これまた昨年の一月の安保理首脳会議に宮澤総理が出席された際、及び昨年九月の国連総会演説で渡辺外務大臣からも同じように指摘をしておりますけれども、紛争を未然に防止するためには国連事務局の担当部局を強化するべきであるという主張を展開しておりまして、具体的に紛争情報クリアリングハウスというものをつくるべきであるという提案もしております。 それから、通常兵器の移転登録制度というのは、これは我が国、EC等がイニシアチブをとってできた制度でございますけれども、これを円滑に実施するためにさまざまな努力をしておりますし、これを通じて軍備の透明性というものが高められるべきであるという考え方をとっております。ちなみに、この通常兵器の移転登録制度による各国からの武器移転についての第一回目の申告というものが本年四月末までに行われることになっております。 最後に、軍縮等を行った結果、浮いたお金で地球環境、難民等のための財源をつくるべきではないかということで、国連に平和保障基金を設けるようにとの御提案がございます。これにつきましては、これは大多数の諸国も同様と存じますけれども、やはり軍縮は軍縮ということで進めるべきであるということ、それから環境問題、これも非常に大事でございます、難民も非常に大事でございますが、これと軍縮というものを結びつけるということはいかがなものかという考え方がかなり強うございます。私どもといたしましても、軍縮は軍縮で大いに推進する、他方環境とか難民といった問題につきましてはそのメリットに従ってそれぞれの観点から対応を行っていくということで臨んでいる次第でございます。 具体的には、地球環境基金とか、あるいは国連の難民高等弁務官事務所等に対しても資金協力をいたしておりますし、他方軍備管理・軍縮の分野におきましては我が国がイニシアチブをとって、先ほどの国連軍備登録制度の面でのさまざまな活動、あるいは一九八九年以来、毎年我が国で国連軍縮会議を主催するといったようなことも行っている次第でございます。 以上でございます。
○会長(佐々木満君) 以上で関係省庁からの説明の聴取は終わりますが、この際、私から申し上げておきますが、課題八、「アジア・太平洋の平和・軍縮」のうちの提言二、「アジア・太平洋議員フォーラムの開催」につきましては、今後引き続き本調査会において検討を重ねてまいりたいと思いますので、御了承をお願い申し上げます。 これより関係省庁に対し質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○岡野裕君 私どものまとめました課題、提言につきまして関係各省庁から詳細にその取り組み、現況をお話いただきました。御苦労さまでありました。二つばかりお尋ねを申し上げたい、こう思っております。 まず最初の一点は、課題一、「新しい環境保全型文明」、提言の一で「共生と循環の環境保全型文明の提唱」というのが御存じのとおりにあるわけでありますが、課題の一であって提言の一ですから、この関係は報告書全体を貫く基本的な思想だということであります。 ところで、環境庁さんの御報告ですと、今般、さきに国会提出になりました環境基本法案、これの根本理念はやっぱりこの提言の趣旨に沿うものだというようになさっている趣でありますが、このことは私ども調査会の提言が正規の法案である環境基本法案の策定に反映をされ、生かされたんだ、こんなふうに私どもとして理解をしてよろしいのかどうか、これが第一点であります。 それから、二つ目でありますが、今度は課題の五、「環境ODA・技術移転」の提言の一、「適正技術に配慮した内発性重視の環境ODA」の関係でありますが、これ外務省さんでありますか、経済企画庁さんでありますか、にお尋ねであります。 三年前、私ども参議院が行いました国際開発協力に関する決議というものにつきましては御承知のとおりで、外務省はその趣旨を踏まえて、あるいは環境庁さんはその趣旨を最大限に取り込んだ形で去年の六月、あの政府開発援助大綱に結実をしているというように私ども理解をし、よかったな、こういう印象を受けているわけであります。 ところで、この決議に引用されている私どもの調査会の合意事項の中で、実施体制の一元化に関して大綱は、JICAとOECFの相互の連携強化、それからこれらの機関の実施体制の整備、これについてお述べになっているだけで、この両機関の一元化というのは難しいのでありましょうか、どんな問題がおありなのか、以上二つの点について御質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。
○政府委員(加藤三郎君) 先ほども御説明させていただきましたが、御提言の「共生と循環の環境保全型文明の提唱」といいますこの御趣旨は、私どもの環境基本法案の基本理念、すなわち「環境の恵沢の享受と継承等」あるいは「環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築等」の中に生かされているものというふうに私ども考えております。
○説明員(北島信一君) 岡野先生の第二点目の御質問にお答え申し上げたいと思います。 JICAとOECFの相互の連携強化のことでございますけれども、先生の方から両機関の一元化は難しいのかという御質問がございました。JICAとOECFの連携、それから協議体制、これの強化には努めてきているわけでございますけれども、この両機関をさらに一元化し得るかどうかという点につきましてはなかなか難しいというふうに考えております。 どんな問題があるのかという御質問でございましたけれども、JICAは専門家の派遣、研修員の受け入れなど技術協力を実施しており、他方OECF、海外経済協力基金はソフトな資金を貸し付ける金融業務を実施する機関であるということで、その目的、機能、必要とされる専門知識、能力といったものが全く異なるというふうに考えて おります。したがいまして、両機関を一元化、統合しても異質な業務を抱えた肥大化した組織となる危険がございます。効率性はむしろ低下するのではないかという懸念から、むしろ定期協議、それから実際面での連携等を通じてできるだけ問題がないように心がけていきたいというふうに考えております。
○説明員(飯塚和憲君) 岡野先生からの御指摘についてのお答えはただいま外務省の方からお述べになったとおりでございますが、補足をいたしますと、もう一つの問題点としまして、私どもこういった問題について調査いたしましたところ、例えばドイツですとかフランスのような国につきましては有償資金協力と技術協力とが違う機関で行われているという事実がございます。こういったものもやはり別の機関で相互の効率性を追求していくという方が合理性があるという証左かと思っております。 以上でございます。
○山田健一君 私の方から、じゃ、きょうはちょっと一点だけ。 調査会でして、事前に皆さんの方に質問の通告をしていないわけでありますが、ちょっと気になる記事がありましたので、このことについてわかる範囲で結構ですからお答えをいただきたい。 〔会長退席、理事岡野裕君着席〕 これは外務省、環境庁、通産、農林みんな関連するんだろうと思うんですが、特に課題の四、それから課題の五、ODA等にかかわる部分でございます。 実は、この三月二十四日、これはイギリスのフィナンシャル・タイムズの評論で、「危険な贈り物日本からカンボジアへ」、こういうタイトルでして、日本が実は五億の食料増産援助の一環としてカンボジアへ一億円相当の農薬、これを三万五千トン船積みした。特に、カンボジアの場合は農薬使用に関する立法や規制がない、それから農民も農業省も農薬の取り扱いについて余り経験がない。こういったところへ農薬を無償援助するということで、これは環境保護団体あるいはFAOからも非難が出ておるという実は指摘がされておりまして、日本政府が農薬を提供するのはカンボジアの農民を助けるためではなくして日本の化学産業の市場確保のためではないか、こういう疑いすら出ておるというふうに実は新聞の指摘があるわけであります。 〔理事岡野裕君退席、会長着席〕 特に、農薬の取り扱いについては、先ほど言いましたように大変暑いところなんで防護服なんかも着られない、防護服を着用するには気候的にも無理があるんではないか。これに対して日本の対応ぶり、プノンペンの日本大使館の援助担当官はこうしたいろいろ批判が出ていることについて過剰反応ではないかと。日本では噴霧器の提供はするが防護服は提供しないことを認めて、農薬の配分と安全な取り扱いはカンボジア農業者の責任である、こういうふうにしておるけれども、カンボジアの農業省そのものにきちっとしたそういった機能がない以上、現実を無視した援助ではないか、端的に言えばそういう実は批判が出されているようであります。 九つの課題があるわけでありますが、やはり開発援助の問題にいたしましてもそうですが、我が国の開発援助大綱を含めて、現地の実情にふさわしい技術や内発性重視の支援をしていくんだ、こういう趣旨からいうと果たしてその延長線上に今回のこうした問題があるんだろうかな、本当に現地の内発重視の発展にこれからつながっていくんであろうか、こういう実は疑問を感じているわけであります。これは言ってありませんので、勝手な記者の記事ということになるのかもしれませんが、国際的にもこういう問題でいろんな反響が出ているようであります。直接的にはこれは開発援助のかかわりですか、環境庁なり外務省なり、その辺についてわかる範囲で結構ですから御見解があればお願いをいたしたい。
○説明員(北島信一君) ただいまの御質問につきましては、これまでも参議院の外務委員会等で取り上げられてきております。私どももただいまの御指摘の問題意識につきましては十分以上に受けとめております。 そもそもカンボジアに対する農薬の援助につきましては、昨年の春だったと思いますけれども、カンボジア側から、先方側から希望の表明があったのを受けて、これを供与するということを決めたわけです。他方、報道それから外務委員会等で本当にカンボジアにおいて環境を害することがないのかといった御指摘を受けて、この農薬を供与するに際して過ちのないように、例えば現地で非常な経験を積まれてきているNGOの方、それから国連の関係機関の方、こういった方々と連絡をとりつつ、適正規模のものが環境に害悪を及ぼさないように、適正な形で行われるように、現在、外務省経済協力局からの幹部の派遣を含めて検討しているところでございます。したがいまして、指摘されたような悪い形でこの援助が実施されないように十分以上に気をつけてまいりたい、そういうふうに考えております。
○山田健一君 わかりました。 それで、ちょっともう一点だけ。これは船積みされたというふうに書いてある。じゃ、もうこれは現地に行っておるわけですか。趣旨はよくわかりましたが、このブツそのものはどうなっていますか。
○説明員(北島信一君) 既に現地に到着していまして、倉庫に保管されております。まだ使われておりません。使うに際して、事前にNGOの方々等を含めて十分な意見調整等をしてから行いたいというふうに考えております。
○大島慶久君 課題四の提言一でございますけれども、「穀物生産見通しの調査・研究と飢餓対策」について農林水産省にお尋ねをしたいと思います。 提言は、こうした問題について我が国は常に世界に向かって注意を喚起し、そのための具体的な方策を提示するよう求める趣旨から行われたというふうにお聞きをいたしております。 特に、課題四の前文に表現されておりますように、激増する人口、砂漠化に伴う一人当たり耕地面積の減少、また化学物質の大量使用による土壌と水の汚染がもたらす環境の破壊、あるいは人体への影響、気候変動の影響等々によって毎年世界の穀物不足はどんどんふえていっております。そういう観点に立ちますと、そう遠くない将来にはこの地球は深刻な食の危機に直面するのではないか、こんな危惧に発したものと思っております。それにもかかわらず、一方ではグルメだとか飽食と言われるこの時代状況を反映して、食の安全保障を論ずる必要はもうないんだ、こんなような考え方すらありますけれども、これには大変重大な疑問を感じております。 そこで、提言は、穀物生産と人口増加、地球環境の破壊に関して地球が危機的状態にあるという問題について、これに責任を持つ政府が世界の穀物需給の中長期的見通しを毎年公表し、食の未来を考えるデータを開示すべきであるとしたと思うわけであります。 農林水産省の報告を拝見しますと、こうした面での調査研究、その公表は行っているとのことでありますけれども、食の未来を考えるといった見地から、これをさらにインパクトあるものにしていただきたいと強く思うわけであります。 また、報告は、我が国は「途上国各国自らが基礎食料を生産し、確保することの努力の必要性を主張。」とあります。提言は、今さまざまに破壊されつつある地球環境を改善し、その破壊原因を総体的に解決する努力が相伴うことによって、地球上の多くの地域ではその地域ごとに食の確保が可能であるとの考えに立っております。そうした観点から、いわば総合的、国際的な基本戦略の樹立、さらにはその達成に向けた我が国の具体的なプランを求めたと理解いたしております。もちろん、こうしたことが直ちに可能になるというふうには思っておりませんが、長期的な展望に立った農林水産省の御意見をこの際改めて伺っておきたいと思います。
○政府委員(日出英輔君) 先ほどお話し申し上げましたように、農林水産省としましては昨年の六月に「新しい食料・農業・農村政策の方向」を世の中に公表したわけでございます。従来でございますと、農業政策という中で食料政策なり農村政策を語るというのが大体常でございましたけれども、今回の考え方は、一応食料政策と農業政策と農村政策の三つに分けまして私どもの考え方を世の中に問うたわけでございます。その中で、先生今お話しのような、この御提言にもございますような問題意識がこの食料政策の中に述べられておるわけでございます。 その裏づけとなりましたのが、先ほど私ちょっと簡単に申し上げましたけれども、世界食料需給モデルによる試算をしたわけでございます。この結果は、逼迫基調で推移するというふうに私簡単に申し上げましたが、このシナリオとしまして、今までの単収の伸びでありますとか、今までの傾向が大体現状程度で伸びていくといういわば現状推移のシナリオと、もう一つは地球環境問題の制約等から単収等がなかなか伸びていかないといったようないわゆる生産制約的なシナリオという二つのシナリオを描いた上でいろいろ試算をしてみたわけでございます。私どもは、この地球環境問題等の制約から生産が制約されるんじゃないかというところに気持ちとしてはあるわけでございます。この生産制約シナリオの方によりますと、この逼迫基調の中身でございますが、穀物等の国際価格が現在の二倍程度まで上昇していく、あるいはこの結果逆に需要の伸びが抑えられていくといったようなこと、こうなりますと開発途上国におきます一人当たりの穀物消費水準なんかも実は現状より悪くなってくる、こういったような大変気持ちの悪いシナリオが描けるわけでございます。 そういうことで、先生のお話のように、我が国では飽食の時代あるいはグルメといったようなことが言われておりますが、世界的な目で食料問題を見ていく必要があるということで、私どもとしますとこういった食料需給モデルをベースにした物の考え方を持ち、さらに我が国の食料供給と食料輸入の関係につきましても、食料輸入発展途上国の食料調達を困難にするようないわゆる食料輸入の拡大というのはやっぱり好ましくないといったようなことをこの「新しい食料・農業・農村政策の方向」で触れておるわけでございます。私どもとしますと、こういったことにつきまして、これからも幾つかの事情が変わりますたびに、こういった需給モデルの勉強をして世の中に中長期の国際需給予測なども大いに打ち出していきたいというふうに思っておるわけでございます。これによりまして、国民にわかりやすい形で中長期の需給見通し、あるいは我が国の役割といったことを訴えていきたいというふうに考えておるわけでございます。 私どもは、そういう考え方のもとに、先ほど申し上げましたように農業援助につきましても既に世界最大の援助国ということでございます。開発途上国の食料自給力を極力上げていくということが世界全体の食料問題にも大いに役立つんだという観点で、FAOを通じ、あるいはいろんな多国間協力等を通じまして引き続き開発途上国の農業生産力の発展に努めていきたいというふうに考えている次第でございます。
○猪木寛至君 課題三の「森林の再生」及び「地球的規模での森林率復元のための行動計画」に関して農林水産省にお聞きしたいと思います。 提言に盛り込まれた地球的規模の大造林計画については基本的に賛同を得たものと理解いたしますが、これは地球の陸地を覆う森林の割合、すなわち提言で言う「森林率」が急激に減り続けており、このままでは地球の生態系が激変し、人類も含む地球上のすべての生物に大変な影響を与えることになるとの問題意識によるものであります。しかし、この問題については、熱帯林の伐採制限など消費抑制に基づく発想は聞かれても、今砂漠化してしまっているかつての豊かな森林地帯、実はそこは古代の四大文明発祥の地と言われているわけでありますが、そうした地域において大造林、大育林を実行し、再び森林を再生させようといった声はほとんど聞かれないというのが実情であります。もちろん、世界各国で、厳しい条件にもかかわらず、数多くのNGOが造林、育林に献身していることはよく承知しておりますが、各国の政府あるいは国連機関がもっと真剣にこの問題を取り上げる必要があると痛感しております。 こうした趣旨の森林の再生には相当多くの問題があることはよくわかりますが、これまで我が国が行ってきた造林、育林の実績、資金をもってすれば全く不可能なことではないと思うのであります。我が国がいかに積極的に森林率の復元目標を掲げ、これをどう実現していくかというプロセスを示し、実行していくかが重要な点である。 提言では、ノルドベイク宣言に言う二十一世紀初めまでに世界の森林面積の純増を年間千二百万ヘクタールとする目標を踏まえて、日本として行うべき高い目標を掲げ、これを実現していくための実施体制、所要資金、その調達方法などにまで踏み込んでみたわけでありますが、これに対する率直な意見をお伺いしたいと思います。 もう一つ、課題九の「国連の強化」に関して、提言の一つで地球環境問題に関する理事会の新設を提案したわけであります。もちろん、これを実現するには国連憲章の改正が必要であり、なかなか困難なことは承知しておりますが、外務省から「国連事務局内に持続的開発委員会が設置された」との報告をいただいておりますけれども、この提案について報告がありません。この提案は、今日における地球環境問題の重大性に照らして、事務局の一組織ではなく、安全保障理事会のような国連の主要機関として強い権限を持った地球環境問題理事会の新設を意図したところに特徴があるということは言うまでもありませんが、地球環境問題の緊急性から見て、提案した際に各国はどのような反応を示すと思われますか、外務省の見解、意見を聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(塚本隆久君) まず、課題三の御質問についてお答えいたします。 FAOの調査によりますと、熱帯林におきましては、一九八一年から八五年までの間に年間約百十万ヘクタールの造林が行われております。これが、一九九〇年に資源評価をした数値によりますと、一九八一年から九〇年までの十年間に百八十万ヘクタールの造林が行われるということで、大幅にはふえておるわけでございます。しかし、ノルドベイク宣言で言われております千二百万ヘクタールという数値は、これは世界の森林面積の純増を年間千二百万ヘクタールとするということでございまして、劣化あるいは減少しておる熱帯林等の面積が千五百万から千七百万と言われておりますので、これを合わせれば二千七百万から二千九百万という膨大な造林をする、こういうことを目標にしているわけでございまして、ただいま申し上げました百八十万という数値に比較いたしますと大変大きな数値になっておるわけでございます。 しかし、先ほど御説明で申し上げましたように、昨年のブラジルで開かれました国連環境開発会議におきます森林原則声明におきましても、各国が協力して世界の緑化に積極的に対処する、こういう大きな方向が出されておりますし、また現に国連におきましては国別の熱帯林行動計画、こういったものが国連の援助でつくられておりまして、それに基づいて各国がいろいろとそれぞれの立場で造林に努力をしているということもございますし、もちろん各国独自で造林計画をつくって、それに従って造林を行っているという国々もあるわけでございます。 我が国といたしましては、これまでやってまいりましたように国際機関に対する人材の派遣とか資金の拠出、こういったものをさらにこれから充実していくということ、二国間において行われております各種プロジェクト協力の実施につきましても、人材面、資金面につきましてさらに充実をする、それからNGOに対する支援、こういったものをあわせて、引き続き世界の造林につきまして積極的に協力をしてまいりたい、このように考 えておるところでございます。
○政府委員(鈴木勝也君) 課題九の提言一につきまして、猪木先生からお尋ねがございました点について外務省の方からお答えいたしますが、地球環境問題等に関する理事会などを新設してはどうかという点でございます。 まず、おわびしなければなりませんが、私どもの方から書面で御提出申し上げておりました報告の中で、「国連事務局内に」と書いてございますが、これは全くの誤りでございまして、「経済社会理事会の中に」ということでございます。大変申しわけございません。したがいまして、先ほどの猪木先生のお尋ねの点につきましては、国連事務局の中につくっているんではなくて、国連の主要な三つの理事会のうちの一つである経済社会理事会の傘の下にこの持続的開発委員会というものがメンバー国によって構成されているということでございます。 なお、信託統治理事会を廃止して地球環境問題に関する理事会をというお考えでございますが、私どもも地球環境問題の重要性というものは十分認識している次第でございますけれども、憲章改正を伴うということ以前の話といたしまして、現在の国連加盟各国の考え方の趨勢という点で申しますと、やはり環境問題というのは従来から経済社会理事会の中で扱われてきたものであるから経済社会理事会の中での環境問題の取り扱いぶりというものを一層強化して対応するということがまず第一ではないかということで、信託統治理事会をつぶして別の理事会をつくるという考え方は現段階では多数の支持するところとはなっておらない状況でございます。 なお、信託統治理事会につきましては、巷間もう大体の役割を果たし終えたという見方が強うございますけれども、他方、信託統治理事会にはまた新しい任務を与えるべきではないかという考え方も実は出てきているわけでございます。例えば、最近地域紛争が各地でいろいろ起こりますけれども、そういう中には単に二つの勢力が対立しているという場合だけでなくて、ソマリアなんかが若干それに近い例だったと思いますけれども、無政府状態になってしまっているようなところ、そういうところについてはやはり国連が行政権限を獲得して統治していかなければならないというような考え方も実はいろんな方面から出てきているということで、信託統治理事会を廃止というのもまだ若干早いんではないかという考え方もあるという点をちょっとつけ加えさせていただきたいと思います。
○井上哲夫君 井上でございます。 きょうのフォローアップで二つほど、お尋ねというよりも確認をさせていただきたいと思います。 一つは、環境庁の方にでございますが、課題の五の提言二に関するものであります。 先ほど山田理事は、提言一の環境ODAに関して、カンボジアの場合は憂慮すべきかもしれないということでお尋ねをしたわけでありますが、この提言二の方は、日本の企業が海外で企業活動をする場合には、原則といいますか、本来であれば日本のそういう環境規制の法規を守ってやるべきである、こういう考えにあると思うんですが、先ほど来のお答えを伺っていますと、十三ページですか、主権が存する以上、各国の主権の問題を侵害することはできないとは書いてないわけですけれども、その主権の尊重の中でしかできないんだ、したがって日本の政府、とりわけ環境庁としては、日本の企業に対して日本における諸法規の趣旨を体してできるだけ努力してもらいたいということしか言えないのではないか、そういうふうにも読みとれる、あるいはうかがい知ることができる。その点に関して若干調査会の提言とずれがあるかもしれない、こういうふうなことを思いますので、いま一度その点についてお答えを願いたい。 それからもう一点は、実は課題八の提言一ということになるかと思いますが、外務省にお尋ねをいたします。 アジア・太平洋の平和の問題、これは極めて日本にとっては重要なことであり、かつ大変難しい問題でもあろうかと思います。提言では、大臣にアジア・太平洋平和会議(仮称)、こういうことをやって日本がアジアにおけるリーダーといいますかイニシアチブをとったらどうか、こういうふうなことを言っているわけでありますが、先ほど来のお答えといいますか、あるいはフォローアップでの政府の説明を外務省の方からお聞きしておりますと、十九ページにも書かれておりますけれども、現実にはASEAN諸国とともに考え、ともに行動していくんだというふうなことを書かれておりますが、ASEANの拡大外相会議が緒についたばかりで、そこを起点に関係各国の意向を酌んで努力します、あるいはしかしそうは言っても米国の存在といいますかプレゼンスを考えなきゃいかぬのでというふうな言い回しで終わっていると思います。 私が尋ねたいのは、現時点で今の状況の説明としてはそれでよくわかるというよりも、それも一つの御説明だと思いますが、一体今後長期的なビジョンとしてどうしていくのか、この問題を。宮澤総理は一月に東南アジア諸国を回った後で、その点では前段の部分は今私が説明したようなことをお答えになってみえますが、長期ビジョンも必要なんだということもたしかおっしゃってみえる。その点については今回の外務省のお答えの中にはちょっと欠けているかもしれない。その点を私としては非常にお聞きしたいと思いますので、以上二つの御質問をいたしたいと思います。
○政府委員(加藤三郎君) まず、井上先生の最初の御質問に環境庁の方からお答え申し上げたいと思います。 先生の御指摘は、日本からの公害輸出などと非難されないために進出先での環境の保全のためには日本国内並みの規制なり措置をすべきではないかという御趣旨かと存じます。私どもといたしましては、各国がどのような規制を設けるか、どういう対象を規制し、どういうレベルに決めるかということは各国のすぐれて主権に当たる、主権の内にあるというふうに考えております。また、国際会議等におきましてもそういう強い主張が特に途上国の方からなされておるわけでございます。例えば、リオ宣言によりますと、環境保全のための基準のレベルは当該地域の自然的社会的条件に応じて定められるべきだという趣旨のことが言われております。 したがいまして、私どもとしては、例えばある国がある基準を置いてないからといって一概に我が国の基準を持っていってそのまま適用するというのは必ずしも適切ではないというふうに考えているわけでございます。ただ、環境保全をすることの重要性は私どもも先生と同様十二分に理解をいたしております。 そういうことで、今回の基本法案におきましては、まず特に途上国におきます対処能力といいますか、こういった環境問題等に対処し得る能力を必要とするなら、向上することを彼らが必要とするならば日本として積極的に対処能力の向上に支援をするというのが第一でございます。それから第二は、日本から進出する日本の企業に対しまして、企業としての自主的ないろいろな努力を支援し奨励するような措置をとるということでございます。 先ほどの御説明でも申し上げましたように、例えば経団連では海外進出するに当たってのいわば経団連としての環境配慮事項を決めてございます。その中で、先生方も御高尚のとおり、特に安全上問題がある物質については日本並みの基準をつくるということを彼ら自身の、産業界自身としてのいわば自主的な申し合わせをいたしてございます。こういうものを支援していくということが重要というふうに思っておりまして、そういう趣旨を今回の基本法案の中に盛り込んであるわけでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、繰り返しになりますが、環境保全上の支障を生じないよう環境配慮の強化を期するとともに、開発途上国の対処能力の向上等が図られるようこれらの 国に対して支援をしていくことが重要というふうに考えております。
○政府委員(鈴木勝也君) 課題八の提言一のアジア・太平洋地域の安全保障についての長期的なビジョンはどうなのかというお尋ねでございますので、その点について御説明申し上げます。 長期的なビジョンというものが必要であるという点については、御指摘のとおり宮澤総理のバンコク演説の中でも述べられておりますし、私どももいずれそういうものが煮詰まってこなければならないという認識のもとに、ようやくアジア・太平洋諸国間の多数国間の枠組みにおける政治・安全保障対話というものに乗り出した、こういう段階でございます。したがいまして、現時点で長期的ビジョンを示せとおっしゃられましても、やはりもう少し関係諸国間の相互信頼関係あるいは相互理解というものが進みませんと、日本としてはこれだということを打ち上げるということはなかなか難しいのではないかという感じを有しております。 今までにも、例えばオーストラリアとかカナダとかいそれから従来ソ連が何回かアジア・太平洋全域を巻き込むような大きな構想というものを打ち上げたことがございますけれども、いずれも関係諸国すべての支持するところにならないままに終わっているというのは、やはりこの地域というのが非常に多様性に富んでいると申しますか、あるいはそれぞれの諸国が持っております脅威認識というものがまたばらばらであるというところからスタートしているわけでございまして、そういうことを考えますと、いま少し時間をかけて地域内のコンセンサスづくりというものを進めてまいりませんと、長期的ビジョンというものだけを今急に打ち上げてみてもなかなか難しいのではないか、そういう感じでございます。
○説明員(小島誠二君) 今御指摘の点でございますけれども、実は総理のなさいましたバンコク演説の中でも今説明がございました同じラインの趣旨の演説をしておられるわけでございます。 すなわち、「アジア・太平洋地域諸国がこの地域の将来の平和と安全のあるべき秩序につき長期的ビジョンを持つことが必要です。」、こう総理が言われた後、これに続けまして「域内諸国間の政治・安全保障対話の中でいろいろな考え方が提示され、そのようなプロセスを経て、共通の問題認識に基づいたこの地域の安全保障のあり方が次第に明確になっていくことを期待するとともに、そのような論議に日本も積極的に参画していきたいと考えております。」、こう総理は言っておられるわけでございまして、まさに私どもといたしましては域内の各国の間で議論を尽くしまして、そういう中からその域内諸国のイニシアチブとかコンセンサスとかそういうものが生まれてくることを期待しておるわけでございまして、もちろん我が国としてもこういった論議に積極的に参加していくということは当然のことでございます。
○会長(佐々木満君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 関係省庁におかれましては、本日、委員より述べられました意見等を十分御検討の上、今後、諸施策の上に一層反映させてくださるよう要望いたします。 なお、各省から提出されております報告文書につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(佐々木満君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時散会 ―――――・―――――