建設委員会 第2号
- 発言数
- 221 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1993/02/23
会議録
○委員長(梶原敬義君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として三上隆雄君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(梶原敬義君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 建設事業及び建設諸計画等に関する調査のため、本日、住宅・都市整備公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梶原敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(梶原敬義君) 建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○青木薪次君 私は、建設大臣にまず質問いたしたいと思うのでありますが、第十次道路整備五カ年計画が今年度に終了いたしまして、来年度から新たに第十一次の五カ年計画がスタートすることになるのでございます。 先般、五カ年計画の投資規模を総額七十六兆円とするという閣議了解がなされたわけでありますが、私どももこのことについては重く受けとめているわけであります。今後、本格的高齢化社会の到来を前にいたしましてこの七十六兆円を道路整備にどのように使っていくのか、生活大国の実現のための大きなキーポイントになってくるのでありますが、また、この四百三十兆円の公共投資基本計画を達成するためにも、第十一次計画の果たす役割はまことに重要であると思われるのであります。 第十一次計画の本格的策定作業は法改正の後の五月ごろになると思うのでありまするけれども、その策定に向けての基本的考え方をひとつ述べていただきたいと思います。
○国務大臣(中村喜四郎君) 御答弁申し上げます。 ただいま先生の方から御指摘をいただきましたように、公共投資基本計画四百三十兆円の中で第十一次道路整備五カ年計画七十六兆円は極めて大きな役割を果たしている、このようなことでお願いを申し上げているわけでございます。 若干具体的なところで恐縮でございますが、我が国の免許の保有者数は昨年末で六千二百五十五万人であります。車の保有台数は五千九百八十万台ということでございますが、この旅客部門において現在車が果たしている役割は全体の五九・三%、そして物流では五〇・五%を車が担っているわけであります。 にもかかわらず、高規格幹線道路一万四千キロの計画の中で現在供用しておりますのは五千九百二十九キロ、全体の四二%にすぎないわけであります。国道あるいは都道府県道合わせますと大体十八万キロございますが、その中で四車線化が進んでおりますのは全体の五%、九千キロに満たないわけであります。 総理府が平成二年に調査した居住周辺のいわゆる社会資本の整備についてのアンケート調査を見ていただきますと、福祉施設に対する不足というもので二三%、そして体育・レクリエーション施設二三・二%、下水道二四・一%でありますが、道路が不足しているということは全体の二九・四%の方々がこういった不満を漏らしているわけでございますので、国民のニーズは非常に道路に対する期待が大きい。 このようなことで、多極分散型の国土形成を図っていくためにもどうしてもこの七十六兆円の予算を満額確保いたしまして、そして豊かな地域づくりというものを目指していくために、一つの大きな方向としてはいわゆる生活者の生活水準の向上、あるいは良好な環境、地域の活性化、こうしたことを目標にいたしまして、具体的には幅員の広い歩道、緑地帯の建設、そして毎年三百七十キロずつ供用いたしましてこの五カ年間に約千九百キロ、七千八百キロの高規格幹線道路を整備したい、二〇〇〇年までには大体全体で九千キロ、二十一世紀初頭には一万四千キロ完成したい、このようなことでこの計画を立てさせていただいているわけでございます。この計画を進めてまいりますと交通渋滞の解消にもつながりますし、環境問題にもつながる。 このようなことで、こうした不況の時期に新たな負担をお願いすることにはなりますが、この予算をひとつ満額確保できて、そして社会資本の整備の中核として道路が果たせますように、皆様方のぜひ御理解と御協力をお願いしたいというのが基本方針でございます。
○青木薪次君 高規格道路の、特に高速道路の整備計画について、第十一次計画の中身については法案審議の際に機会があればお尋ねいたしたいと思っているわけでありますが、今回は活力ある地域づくりという、こういう観点から数点質問いたしたいと思います。 まず、地方を活性化して東京一極集中を是正するためには、全国をネットワークする高速道路網というものを整備することがまず第一の課題であると思われるのでありますが、高速道路を初めとする一万四千キロの高規格道路について現在の整備状況、第十一次計画期間中における今世紀中の整備計画をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。 大臣からお話がございましたように、この十一次五カ年計画の末で千八百七十七キロ、平成九年度末の供用延長は七千八百キロ、供用率現在四二%でございますから、供用率が五カ年末で五六%になるように私ども計画を立てております。 その内容は、一番ポイントになりますのは今現在が縦貫系の高速道路、これが五四%までできております。これを六四%にいたしたいと思います。しかし特に横断系、これは二〇%しかこの平成四年度末でできておりません。これを四二%、ほぼ倍増にする、こういう内容でございますから、路線としても地方圏の横断道、大都市圏の環状道路、第二東名、名神等への着工といったようなものがその内容になるわけでございます。 特にここら辺の考え方は、いわゆる四十年代、これは平均二百キロでやってまいりましたけれども、第十次が三百キロのペースでやってまいりました。今回三百七十キロということで考えておりますので、当然のことながら整備資本につきましては従来の国幹道法だけに頼らないで、公共事業によるいろいろな手法、こういったものも取り組みながら工夫をしてやってまいりたいと思っております。
○青木薪次君 第十一次の期間中の供用の見込みについて説明してください。
○政府委員(藤井治芳君) 少し具体的な路線を例として挙げさせていただきますと、十一次五計における供用路線の特徴といたしましては、すべての都道府県で高規格幹線道路が供用される、こういうことに相なります。そして青森県と鹿児島、これが高速道路で直結いたします。すなわち徳島県での供用、それから九州縦貫の人吉-えびの間の供用、これがいよいよ果たせるわけでございます。 それから、もう一点目は、横断道路等が順次開通をするということで、中心都市間のネットワークが形成されます。具体的には東北横断道のいわき1新潟線、四国縦貫道の全線の供用、中国横断道岡山-米子線、九州横断道長崎-大分線の概成といったところに特徴がございます。 さらに三点目といたしましては、本州四国連絡橋の明石海峡の大橋が完成いたしますので、これに伴う全線の供用がもう一つあるわけでございます。 さらに首都圏といったような環状道路といたしましては、首都圏中央連絡自動車道が新規に一部ではございますが供用いたします。 さらに東名、名神等の改築工事の完成、いわゆる渋滞対策でございます六車線化という今現在着工しているものが完成をいたします。 さらに新たな着工としては、昭和六十二年に新たに加えられた路線のほとんどすべてに着工いたすことになります。すなわち、第二東名、名神、北関東自動車道、東九州自動車道、日本海沿岸東北自動車道、東北中央自動車道等でございます。 そういうことで、十一次というのはかなり地方に向かって大きな夢をお見せできるのではないかと私ども期待をいたしております。
○青木薪次君 今回の七十六兆円の道路特定財源を確保するために、軽油引取税の引き上げというのがリッター当たり七円八十銭という問題で議論をしている最中でありますけれども、私どもの手元に中小の運送業界からも相当に組織的な反対陳情も実はあるわけであります。私どもは何といたしましても、このことによって中小の運送業者の負担を軽くするということはなかなか困難でありまするけれども、やはりこの業界をしっかり守っていくという心意気が絶対必要であるというように考えております。 そのこととはまた別に、今回の法案にも出ておりますけれども、何としても中小都市における流通拠点を何とか確保してやりたいという問題も実はあるわけでありますが、一番私どもが関心を持っておりますのは、この問題とは直接つながらないにしても、重量制限を緩和してやろうという動きがあります。このことについて私も理解をしている一人でありますけれども、しかしながらこれは主に路線業者が多いんです。しかも今の、例えば私どもの近所にある東名高速道路、第一東名、この東名高速道路なんかについても一車当たり二十トンというような計算を実はして設計をされている。まあ重量積載オーバーをしているから問題がないということを言ったにいたしましても、二十五トンというようなことになる可能性というものについて建設省はどういうようにお考えですか。
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。 私ども道路をつくる際に、道路構造令というものに沿ってつくっております。この現在の構造令は、戦前からの流れの中で昭和四十五年に大改正をいたしました。そこで、以後この基本的な構造は変わらないまま現在になっております。 現在、交通渋滞が激しい、事故死者が非常に多い、そしていろいろと生活の豊かさを求めるための余暇の活動であるとか、あるいは活動時間が二十四時間化して物流社会になっているとか、高齢化であるとか、いろんな問題がございます。こういうような社会の変化に対して道路構造が果たして現在のままで十分か、同じようなものをこれからさらに十年、二十年つくっていくのか、こうなったときに大きな問題意識を持ちました。 そこで、去る一月二十六日に建設大臣から「二十一世紀に向けた新たな道路構造の在り方」というものを道路審議会に諮問していただきました。その中で、今申し上げましたような問題意識、人間を中心とした、高齢者、身障者のための道路構造、あるいは物流の高度化に対応した道路構造、雪国であるとかいろいろあったときのゆとりある道路構造、それから余暇活動等を考えたときの道路の設計がいいかどうかといったようなものについて御議論をいただいております。 そういう中で、私どもこの十一次五カ年計画の中に、既に大きなテーマといたしまして物流の一層の効率化、言ってみれば人間が歩くということからトラックに至るあらゆる交通手段、飛行機も船も入れたそれぞれの手段をうまく組み合わせるというモーダルミックスという思想を入れて現在考えております。そういう中で、物流の高度化に関しましては何よりもネットワークを整備する、それから広域物流拠点を整備する、あるいは荷さばき等々共同集配施設を整備する、それから設計車両の大型化を含めた効率化はどうあるべきかを検討していく、それから情報システムを整備していくというような課題があると認識しております。 今言った設計車両の大型化につきまして、この審議会の御審議を踏まえながら、建設省といたしましては橋梁等の設計基準の見直し、車両諸元の規制緩和の具体的な実施方策を検討しているところでございます。現在の構造令の設計荷重は二十トンと十四トンでございます。都道府県道上の橋梁、四万二千橋ほどありますが、これをもし上げるとすれば大補強をしなければならないのが事実でございます。 さらに、排気ガス、騒音、振動といったような環境への対応、あるいは車両制動性からくる交通安全への対応、いろんな問題がございますが、これらは国際的な流通世界においてやはり解決しなければならない問題だと思っておりまして、審議会の答申を経ながら必要な道路構造令の改正を実施させていただきたいということで、今着々と準備を進めているという状況でございます。
○青木薪次君 この問題は、今道路局長の言われたように、道路構造令の改正や車両制限令というものがあるんですな。これらの関係の検討をしながら、中小都市における流通拠点の整備、これは別の法律で、参議院先議でありますからじっくりやっていきたいと思っておりますが、トラックターミナルその他今言われた問題等を中心といたしまして、いろいろと審議をしていきたいと思っているところでございます。 それから、国土庁長官にお伺いいたしたいと思いますが、国土軸という考え方があります。この国土軸は、東京、東海道、山陽道、あるいはまた九州と言われるようないわゆる高規格幹線道路と、それからJRの新幹線なんかを軸にいたしましたこういう一つの大きな交通の流れというものを誘導いたしまして、そうしてこの国土交通軸というものをたて糸とよこ糸という形で将来ひとつ結んでいく。この中に第二国土交通軸というものが存在をするということになります。この辺については、やっぱり人とあるいはまた産業の動き等を上手に誘導しながらさらに発展を約束する、住民の住みやすい環境をつくっていくというようなことが必要だと思うのでありますが、この点についてはいかがでございますか。
○国務大臣(井上孝君) 青木委員御指摘のとおり、ただいまの我が国には東海道、山陽道それから九州の高速道路、ああいうものを中心とした軸が一つ形成されておりますけれども、その軸だけではなくて複数の国土軸をつくるということは、非常に国土の均衡ある発展を図る上で重要なことであるというふうに認識をいたしております。既に東京から東北、北海道へ至る軸、あるいは名古屋から和歌山、四国を通って大分へ参ります西日本の国土軸、さらに日本海沿岸を縦断いたします日本海国土軸というようなものが各地で提案されております。そのことは承知をいたしております。 国土庁では、昭和六十二年に策定いたしましたいわゆる四全総、第四次全国総合開発計画、これを今国土審議会の調査部会で点検作業を行っていただいております。その中心課題がやはり複数の国土軸の形成ということにあると聞いております。したがいまして、国土庁におきましても来年度予算で国土軸に関する調査を始めようということで、予算要求もいたしておる次第でございます。四全総の点検の中で、見直しという中で国土軸が中心課題になっておるということを申し上げておきます。
○青木薪次君 今言われました第一国土交通軸というものと第二交通軸と言われるもの、そういう中には今大臣の言われた愛知県豊橋から三重県を渡って紀伊半島へ行って、紀伊半島から紀淡海峡を通って、四国を縦断して豊予海峡に通じまして大分県へ通って、それから熊本その他西九州に至る、あるいはまた東北を通って北海道へ行くというような関係等の中で、地図を見てみましても北海道はまだ投資を相当重要視しなきゃいけないということを考えているわけであります。 私は、大分県と四国の豊予海峡に至るこの関係についてはやっぱり真剣に検討をして、そして交通軸がしっかりとひとつ定着するような方向で――なかなか困難もあると思います。恐らくこの工事は、今世紀の中においてなかなかこれはやはりこの工事を制覇するには困難だというような点もあるかもしれません。しかし、青函トンネルもかつてこれを完成させたこの技術力。しかし、水深が百九十五メーターもあるわけですから、これよりもなお大変であります。 しかも、私はもう一つ京都の舞鶴から兵庫県の北部を通ってそして鳥取に至る、いわゆる宮津から鳥取に至るこの関係がとぎれている。一万四千キロの国土開発幹線自動車道等の建設計画が終わっても、ここはまだその到達する見込み、方向にはないということを考えると、この辺について、これはどうですかな、国土庁も建設省もやっぱり答弁してもらった方がいいですかな。そういう方向でこの点に焦点を当てて検討すべき時期に来たというように私は考えているのですが、いかがですか。
○国務大臣(中村喜四郎君) 先生から御指摘をいただいた点につきましては、国土庁とも連携をとりながら、この問題、国全体としてどうするかということを早急に対応を考えていかなければならないと思っております。 この問題につきましては、建設委員長の方からも以前にお話をいただいておる件でございまして、いろいろ関係者に聞いてみますると、技術的にも非常に難しい点もあるというようなことも聞いておりますので、そうした問題も踏まえながら、関係省庁と連携をとりながら今後対応していきたい、このように考えております。
○政府委員(藤井治芳君) 今の大臣のお答えに一つだけ補足をさせていただきます。 それは、豊予海峡等を含めたこのような難しい条件に対しまして、私ども土木研究所を中心に海峡横断道路プロジェクト技術調査委員会、こういうものを設置しております。そして、その中で技術的可能性を総括的に調査して、方針の検討を今重ねているところでございます。そういう中で、今先生からの御指摘の問題を大臣の御趣旨に従いながら今後詰めさせていただきたいと思っております。
○青木薪次君 我が国は、本四架橋の三ルートもほとんど不可能と思ったけれども、あの地域のプロジェクトに参加した人たちによってクリアできて、九年、十年にはもう全部完成するわけでありますから、このことを考えると、私はやっぱりこの技術陣を督励して励ましてやっていくべきだ、こういうふうに考えております。 それから、今言った宮津-鳥取のこの関係も、もう地図を見れば一目瞭然としてはっきりしているわけでありますから、これも検討いただくということでお願いいたしたいと思います。 それから、東海道を走る第二東名ですね、これが静岡県から西の方はまだいいんですよ、非常に協力もあるし。それから東の方、いわゆる神奈川県から横浜を経て将来東京に至る、これが全くもう皆無の状況です。ここをしっかりつくっていかないと、将来、仏つくって魂を入れないというような形になる可能性があるというように考えておりますが、私なんかはこの問題については相当積極的にこれをやるべきであるといって地権者や皆さんとも相談をしたこともあるし、いろいろと御意見も拝聴いたしているわけであります。 これと同時に、静岡県には北へ向かう肋骨道路として中部横断自動車道というのが、これは長野県の佐久市にぶつかってそれから上越市に至る道路でありますけれども、これはいつごろ整備計画が実現するのか。そして、着工はいつごろになるのか。 また、第二東名等についてはいつ着工命令が出されるのか。これはもう早くすべきであると思うのでありますが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(藤井治芳君) 今第二東名と中部横断自動車道、二つについての御指摘をいただきました。第十一次五カ年計画の目玉の路線でございます。 先生御承知のように、このうち愛知県の東海市から静岡県の長泉町までは既に全線六車線で実際上は百四十キロで走れる規格でもう整備計画が出ております。これを今施行命令を出すための準備をやらせていただいております。施行命令の準備とは、ここの土はどこから持ってくる、どの山を切り崩す、この土はどこへ埋める、この石はどうするといったようなレベルから、アクセス道路をどうするかといったようなことまで含めたより具体的な調査でございます。それを今やらせていただいておりまして、これが終われば終わった区間から順次こういう施行を現実にしていただく、こういう準備になっております。 問題は、先生御指摘の長泉町から東京に向けてが今ございません。これは基本計画という形になっております。そこで、実は昨年の十一月三十日に所要の調査を終えまして、長泉町から神奈川県の海老名市間についてルートの公表を行い、都市計画の手続を開始させていただきました。したがって、静岡県はすべてルートが確定したわけでございます。また、横浜以東の区間、これについては現在調査をしているわけでございますが、基本的な考え方として、第一東名のように用賀に一点集中型の路線だとそこで大きな交通混雑が生じますので、ばらばらに分散させる分散型の入り口、出口を持った第二東名という思想で、今、東京-横浜間のルートの検討をいたしております。 それから、中部横断自動車道につきましては、同じように基本計画及び整備計画をそれぞれ出している区間があるわけでございますが、特に第二東名と一緒に議論をしなければいけない部分がございます。それは、第二東名と接続する中部横断自動車道が第二東名及び現東名と接続する区間、すなわち第二東名と接続する吉原ジャンクションと現東名と接続する尾羽ジャンクション、これが四キロございます。これはもう既に整備計画を第二東名という形で出しております。特に、渡り線内に伊佐布インターチェンジを設けまして、これも実際に事業にするための調査を今やっております。いわゆる施行命令を出す寸前の調査をやっております。これらは、今言いましたいろいろな具体的な調査が終わり次第、逐次出させていただきたいと思っております。
○三上隆雄君 私は、本日、建設委員会に差しかえで、去る二月一日の東京都江東区の東京都が発注した水道工事現場の事故について、限られた時間でございますが、質問をしたいと思います。 今回の事故の犠牲者は五人であります。その中で四人が死亡、一名が重傷を負っているという大変痛ましい事故であります。その被災者の四人が私の出身県である青森県の出稼ぎ者であります。出稼ぎしなくとも成り立つ農業を、そして日本の経済発展と都市構造に出稼ぎ労働者が必要ならばその人たちにも人並みの安全と待遇を与えなさいという、私は日ごろそういう運動をしている出稼ぎ連合会の代表として、今回質問をしたいと思います。 今回の事故は、東京都が発注した工事現場で、メタンガスの爆発による事故であります。その中には親子で被災に遭った大変痛ましい悲惨な事故であるわけであります。一昨年は、埼玉県の草加市で橋のかけかえ工事のときも二名が生き埋めになりました。これも当時青森県の犠牲者であったわけであります。この一連の死亡事故、建設現場の事故を見るときに、日本の何か建設行政の基本的な問題にかかわりがありはしないかという、そういう疑問さえ持つわけであります。今回の事故を初め、多くの工事現場の事故は、安全管理が徹底されているのか、その管理の不徹底による事故であると思わざるを得ないわけであります。いわば人災と言わなければなりません。 そこで、今回の事故の一応の結果については文書で報告をいただいております。そしてまた、さきの衆議院の建設委員会で我が県選出の山内議員が、そしてまた予算委員会では関晴正議員がそれぞれその段階での経過を聞いておりますけれども、その後の事故の原因、そしてその調査の状況がどうなっているのかお尋ねをしたいと思います。これは主管官庁が、きょうは建設委員会ですけれども、厚生省、労働省が絡んでおりますので、適切な省庁からの御答弁をまずいただきたいと思います。
○説明員(大関親君) 今回の事故の発生原因でございますけれども、爆発はメタンガスによるものと見られますが、現在、東京労働基準局に対策本部を設け、ガスの詳細な種類、突出のメカニズム、点火源等、その原因の早期究明に努めているところでございます。
○三上隆雄君 それでは、まだ一向に調査が進んでいないという判断になりますね。大体この種の工事現場の調査の場合は今のようなペースで進んでいるんですか。
○説明員(大関親君) 今回の事故は特にメタンガスと思われる爆発でございまして、事故発生後におきましても一部ガスが検出されたというような状況もございまして、調査が現在進んでいないような状況でございます。私どもといたしましては、早期原因究明のため早急に調査を進めるよう努めているところでございます。
○三上隆雄君 事故の発生当時からもう二十日以上過ぎているんですよ。またそのような調査をしている現状ではあきれて物が言えないわけでありますけれども、順次質問を進めていきたい、こう思います。 それでは、これまた労働省の管轄になると思いますけれども、今回の工事の発注者、そして元請、一次下請、二次下請の契約の仕方と今回の事故に伴う責任はどの部分にどんな責任があるのか、お尋ねしたいと思います。
○説明員(大関親君) この工事は、発注者の東京都水事局から元請の鹿島・熊谷・鴻池建設共同企業体が工事全体を請負金額約三十七億円で請け負い、このうち立て坑掘削作業、シールド機械の設置及びシールド機による掘削の作業を一次下請の大綱建設が請け負い、さらに二次下請の高正工業がシールド機による掘削作業の一部を請け負ったものであると聞いております。 労働安全衛生法におきましては、建設工事の安全を確保するため、発注者も含めた注文者については施工方法、工期等について安全で衛生的な作業の遂行を損なうおそれのある条件を付さないように配慮すべきこと、元方事業者については統括安全衛生責任者の選任などにより一定の事項について現場の統括安全衛生管理を行うこと、事業者については爆発性なものなどによる危険や掘削等の業務から生じる危険を防止するため必要な措置を講ずることなど、それぞれの果たすべき責務が規定されております。 今回の事故についても、それぞれの立場で労働安全衛生法上の安全確保措置が講じられていたか否か、現在調査中でございます。
○三上隆雄君 これもこれも現在調査中ということになりますと質問の仕方もないような感じもしますけれども、設計どおりの工法と工程で今までのところ進んでいるのかの調査はしていますか、指導官庁として。
○説明員(大関親君) ただいま御説明申し上げましたように、現場の状況等もございますけれども、私どもは安全衛生法令に照らしまして種々調査を進めているところでございます。
○三上隆雄君 事故が起きるまでの調査よりも、そこまでの段階で工法上、工程上契約どおりに進んでいるかということを聞いているんです。
○説明員(大関親君) まだ詳細な報告は受けておりませんが、現在までは予定どおりに工事が進捗していたということの報告を受けております。
○三上隆雄君 それでは、現場のことについて若干質問したいと思います。 私ども午後の段階で、一時ごろでしたか現場に行ったわけでありますけれども、現場の責任者からは一定の報告をいただきました。そのときの報告では、掘削現場のガスの濃度を探知するその機械から制御室に通報されてそれをキャッチするというか、そこに管理する人がいなかったという報告を受けました。当然、あの場所に管理者がいればそのことを現場に即刻通報して避難できるはずでありますけれども、その実態はどうなっていますか。
○説明員(大関親君) 先生御指摘のように、事故発生当時に制御室に人がおらなかったという報告は受けております。 なお、その救護に関しまして、必要な機械であるとかあるいはどのような訓練が行われていたか、そのような点は現在調査中でございます。
○三上隆雄君 限られた時間でありますから、まだ調査の段階ですから詳しい報告はなされていないと思いますけれども、この後に労働委員会あるいは厚生委員会でまた質問を重ねたい、こう思っています。 現段階での質問を続けたいと思います。 元請と一次、二次請負の今回の工事の進め方、いわゆるジョイントベンチャーのあり方、そしてそれぞれの段階の工期と設計と請負工事費、それを書面でお答えいただきたいと思います。 それはできますね。
○説明員(大関親君) 後ほど先生のお手元へお届けしたいと思います。
○三上隆雄君 今までもこういう事故が二度と再発しないように万全を期すという政府の答弁があったわけでありますけれども、今回また同じような事故が起きました。こうなった以上は、被災者をいかにして最大限に待遇、補償してあげるかということになるわけでありますから、そのことについてどうなっておるか簡単にお尋ねをしたいと思います。
○説明員(近藤斉君) まず、労災保険法に基づきます災害補償についてお答え申し上げます。 お亡くなりになりました方々の御遺族に対しましては、労災保険法に基づきまして遺族補償給付、これは御遺族の事情によりまして年金であったり一時金であったりいたします。そのほかに葬祭料、さらに遺族特別支給金、これらを請求に基づいてお払いいたします。それから、現在けがをされまして療養されております方につきましては、これは現物給付になりますけれども、療養補償給付、さらに休業補償給付、これらも同じく請求に基づいてお払いすることになります。 労働省といたしましては、これらの請求がなされた場合には迅速適正な支払いをするように万全を期してまいりたいと考えております。 次に、これは先生の直接のお尋ねでないのかもしれませんけれども、事業主が独自に行います損害賠償等につきましては、行政としては把握しておりません。
○三上隆雄君 労災保険法に基づく補償は当然でありますけれども、今回の事故はやはり私は、さっき前段で言ったように人災による災害であると言わなきゃならない、こう思うわけであります。それもまた最終的な判断は事故の調査の完了後でないとこれははっきりしたことは言えないけれども、今の段階で言えることは、私は施工者の方に大部分の責任がある、こう思っております。 そこで、簡単に聞きますけれども、あの工事現場でたばこをのむことを許しておったんですか。
○説明員(大関親君) 衆議院の労働委員会の先生方が現場を視察された折に、元請より坑内におきましてたばこを吸うことを認めていたという発言がございましたけれども、その事実につきましては現在調査中でございます。
○三上隆雄君 そこで、実は私どもの立場で実際現場を調査したいわけであります。あの現場の調査をどうかお願いしたい、早期に調査をしたい、こう思うわけでありますけれども、そのいかんはどうでしょうか。もしそれができないとすれば、東京区内に最もあの工事に類似した現場があるでしょう。そこでもいいから調査をすることをお認めいただきたいと思いますが、いかがなものでしょうか。
○説明員(大関親君) 事故の発生いたしました現場につきまして調査できる状況にあるかどうかは、私ども現地局と打ち合わせた上御返事を差し上げたいというふうに考えております。
○三上隆雄君 きょうはこの席に関係省庁がおられるわけでありますから、国会議員による調査をぜひとも、これは委員会の所管になるかな、調査方をお願いしたい、こう思います。 それでは、建設大臣に最後に。この種の日本の公共事業の大部分は建設省が担当し、そしてまた指導しているわけでありますから、この種の事故が二度と起きないように建設大臣の所感、決意を伺いたい、こう思います。 なお、この機会に要望申し上げたいことは、やはり日本の産業を支えていくに底辺労働者である出稼ぎ労働者がなくてはならないとすれば、出稼ぎ労働者に一般労働者並みの、人並みの条件を与えるということも私は大きな国家としての責任だと思うわけであります。その意味も含めて、今国会で出稼ぎに有給休暇の条件を、まだ不満でありますけれども、与える道が開かれておるようであります。我々国会議員は一週間に一回ぐらい帰省していますから、家族と地元の人と接する機会があります。出稼ぎ者は一たん出れば帰れないような状況。ですから、家庭的な問題、社会的な問題を考えるときに、出稼ぎ者にも少なくとも月に一遍ぐらいは、国が半分、企業が半分の帰省手当を出して、そして日本全体の健全、公平な発展を願いたい、こう思うわけでありますが、その点を含めて建設大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま先生から御指摘をいただきましたさきの江東区の爆発事故におきましては、建設省といたしましても、建設工事の安全というものに対しては日ごろから万全を期して取り組んできたわけでございますが、今回このようなことでとうとい生命が奪われたということに対しては衷心より御冥福をお祈り申し上げます。 現在の状況ですと五年ぶりに建設工事でお亡くなりになった方が一千人を下回るということで、九百六十六人、底落ちでありましたので、そういう点では少しずつ事故が減りつつあるということを確認していたところに起こったのが今回の事故でございます。 御承知のとおり、この事故は、シールド工法の中で切り羽部分においての事故であろうというようなことは予測されるわけでありますが、このことにつきましては現在、警察庁、労働省において事故原因の究明を行っているところでありますが、建設工事は一般的にほかの産業と比べまして野外工事でございます。そして省力化というのはなかなか進みにくい。特に、最近の労働者の動向の中では熟練工が不足しているというような状況にあるわけでございます。さらに一番大きな問題となってきておりますことは、全産業の労働者の平均年齢が三十九・七歳でありますが、建設産業は四十四・三歳、平均にしますと四・六歳高齢化が進んでいるというような状況にあるわけでございます。 こうした状況の中で、今後事故が起こらないようにしていくためには従来のような安全指導だけでは不十分である、このように考えておりますので、厳しく規制をしたりあるいは書類によって安全管理の書面を提出させたりというようなやり方以上に、一人一人が安全に対する意識が高揚できるような問題意識、あるいは熟練者を中心としたチームワークのその安全対策のあり方、こうしたものも考えていかなきゃならないことだろうと思いますし、また工期の設定の仕方あるいは工賃の積算の仕方、こうしたものについてももう少し弾力性のある無理の起きない方法というものを考えていかなきゃならない、このように考えているわけであります。 特に、今回事故が起こりましたようなシールド工事等につきましては、二十一世紀の建設技術のビジョンで今、省人化という問題を進めようとしているわけでございます。こうした問題を進めていくことによって、できるだけ建設工事現場で事故が起こらないような環境づくりというものは、大型機械を扱う場合の安全管理の技術を向上する、こういったものも含めて総合的にやっていかなきゃならない問題である、このように考えるわけであります。 そして最後に、先生から出稼ぎ者の方々のいわゆる帰省等についての云々という御指摘もございましたが、これは先ほど申し上げましたように、工賃の積算の中で適正な積算を確保できるように今後徹底した見直しを行って、その中で各企業がそうした方々に対してきめの細かい対応ができるような方法を建設省としても考えていく必要性を強く認識しておりますので、出稼ぎ者に対する対応というものは、この間全建の代表の方々と私も直接お話をいたしましたが、こういった建設産業の実際に現場で苦しまれている方々にきめの細かい対応ができるように、今後とも業界を通じて指導していきたいと考えております。
○会田長栄君 社会党の会田でございます。 過日の本委員会で建設大臣から建設行政の基本方針及び当面の施策等、そして国土庁長官から国土行政の基本施策について所信を聞きました。改めて国の公共事業の約七〇%を所管する建設省の使命と責任、責務というものを深く肝に銘じたところでございます。 そこで、生活大国五カ年計画で示された、国民一人一人がひとしく豊かさとゆとりを実感できる社会を実現していくためには、十年先、二十年先を見据えて国土の均衡ある発展を図り、東京への一極集中構造を是正することが何よりも基本だと述べられました。したがいまして、率直に大臣、長官から、もう簡潔で結構でございますから、次の質問をいたします。 一つは、大臣、長官として現在の東京をどのように見ているかということについてお答えいただきたい。 それからもう一つは、過密過疎というのは地方自治体にあっては今増加の一途をたどっている。したがって、その均衡ある国土発展の上からいってもこの点は見逃すことのできない一つの課題だと思いますが、その点についてどういう御所見をお持ちか、二つ目にお伺いいたします。 それから三つ目は、東京一極集中構造を是正するということを掲げて実は久しい。そこで、このままいきますとミニ東京というのを一体国の施策として発展させていくのかどうか。この点についての感想があったら聞かせてほしい、こう思います。
○国務大臣(中村喜四郎君) 御指摘をいただきました東京一極集中について大臣としてどのように考えるか、このようなことでございますが、現在の東京は日本の政治、経済、教育、文化、すべてを集積した世界的な大都市になってきているわけでありますが、一方社会資本の整備も含めまして都市機能が必ずしもこれだけの人口が集積するに足りるだけの十分な対応ができているだろうかということになりますと、私は非常に大きな問題が出てきている、このように考えるわけであります。道路あるいは下水その他のものをつくるにしても、なかなかその用地を確保することも難しい、こういったところでございますし、住宅問題を考えていったりしていく場合にも、やはり今の東京一極集中構造というものをいかにして計画的に是正できるかということは国として最大の課題である、このように考えるわけであります。 そこで、具体的な問題としてどうするのかということになりますと、国会の中で御議論をいただいております国会の移転という問題も、国会の中での一つの議論のテーマに上がってきているわけでございます。この問題は行政府の移転も含めまして大きな問題となってくるわけでございますので、すぐにはこの問題を具体的なスケジュールにのせることはできないにしても、やはりこういった考え方というものを一方で持っていきませんと、東京の一極集中構造是正という問題はなかなか言葉だけで前に進まないという問題に終わってしまうだろう、このように考えるわけであります。 また、第二問の過密過疎の問題につきましては、現在過疎がどんどんふえておりまして、人口減少が全国の市町村で二千六十六市町村と国勢調査でなっているような状況にございますので、そういう面では過密と過疎をどうやって是正できるかということになりますと、今の社会資本の整備によってできるだけ交流がしやすいようにしていくことと同時に、やはり若者、私たちよりももっと若い人たちがどういうところに住みたがるかということをソフトの面から考えていって、若者が住めるような環境づくりとはどうなのかということを含めて今後豊かさというものの新たな価値基準をつくり上げていく、そういう考え方というものもこれから必要になってくるんではなかろうか、このように考えております。
○国務大臣(井上孝君) ただいま建設大臣が述べられましたこととほとんど同じでございますが、私ども昭和六十二年につくりました第四次全国総合開発計画、これは東京への一極集中を排除して多極分散型の国土をつくろうという目標で作成をし、それに沿っていろいろな手当てをしてきたわけでございますが、御指摘のように、東京への一極集中はまだ弱まっておりません。ただ、かつて昭和六十二年には東京への人口移動が年間約十六万人ふえておったというのが、平成三年では八万人に減ってきたというような程度でございまして、まだ人口の集中は完全にとまったというような状況ではございません。したがいまして、前の国会で成立をさせていただきました地方拠点法、こういうものによってさらに東京一極集中を地方で食いとめていこう、こういう施策を強化していこうと思っておるわけでございます。 それから、過密過疎につきましても四全総に従いまして地方への産業の分散、人口の分散等をさらに進めていこうという施策をとっておるわけでございます。 また、ミニ東京というお話ございましたが、私ちょっと誤解をしておるかもしれませんが、地方にも東京と同じような町が、規模の小さい町ができていくということじゃないかと思いますが、地方拠点法におきましても地方に個性のある都市をつくっていこう、こういう方針でいろいろな施策を今後も講じてまいりたいと思っております。
○会田長栄君 それでは、これは本来であれば労働大臣にお聞きすればいいんですけれども、建設省、国土庁を初めとして本当にこの社会資本整備のために年々計画を策定して努力していることには敬意を表します。しかし、一面で私は内閣として忘れてならないのは、豊かさとゆとりを実現できる社会、こういうことを命題にしてやっているわけでありますが、今日の経済不況の中で現実には本当に豊かさとゆとりを実現するといったら、一番大事なのは私は働く場所、この確保、これを安定させるということが最も大事な施策ではないかと見ているんですよ。だから、そういう意味でいえば労働大臣にお聞きするところなんですけれどもね、やっぱり建設大臣、国土庁長官を含めましてこれは内閣の主要大臣でありますから、ぜひこの機会に参考に御意見を聞かせてほしい、こういうことなんです。 それは、経済不況が全く深化してきた。なかなか手を打っても思うようにならない。したがって働く場所、それがまず最初にあらわれたのは外国人労働者の雇用関係をなくす。その次に臨時、パートの関係を切り捨てる。そしてそれで足りずに今度は正規社員、これを四十歳代、五十歳代、この人たちを希望退職として職場で募っている。こういう現実が今企業の中に起きている。ましてや平成五年度新規採用者に至っては歯どめがかかっている。見通しが立たない。こういう状況の中で一体豊かさとゆとりある社会ということを目標にしていても、私は安定した職場とか就業の機会というのは政府がやっぱり保障するというような環境を整えていかない限り、この言葉というのは裏腹になるのではないのか、こう思っているものですから、こういう機会でありますが、建設大臣を含めて長官にも考え方があれば聞かせてほしい。これが最も基本ではないのかと私は見ているものですから、この際門外だと思いますが、ひとつ御意見などを聞かれればと、こう思っているわけであります。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま先生から御指摘をいただきました点につきましては、我が国産業は戦後長く輸出依存型の産業構造を蓄積し、省力化あるいはコストダウン、こうしたものを図ることによって競争力を非常につけてきたわけであります。しかし、ここに参りまして貿易の不均衡という問題が出てまいりまして、なかなか輸出というものが思うに任せない、そして今日的な円高問題、こうした問題がさらに深刻になってまいりますと、我が国の産業の中で外需という問題はこれから先行きなかなか明るい状況に転換することはしばらくは難しかろう、このように考えるわけであります。 そこで政府といたしましては、外需依存型の産業から内需主導型の産業に方向転換をしなきゃならない。そのために公共事業というものが果たしていく役割が非常に大きい。このようなことで、昨年八月の総合経済対策によって十兆七千億円の総合経済対策を決めさせていただきました。そして今度の予算においても、公共事業に非常に大きなウエートをかけた予算を提出させていただいているわけでございます。 そうすることによって内需というものを拡大し、国民のいわゆる消費というものに対して安心して消費が伸びられるような環境をどれだけ公共事業主導の中で進めていくことができるかということがまさしく景気対策の決め手になってくる、このように考えておりますので、私どもは公共事業を中心とした内需拡大という問題に対して全力を挙げてこれに取り組んでいきたい。そのためには、この年度内にこの予算を早期に成立をさせていただきたい。そういう間断なき経済政策を続けていくことが内需拡大につながっていく道であるとこのように確信しておりますし、また先生御指摘いただきました職場の確保にも必ずつながっていくと考えておりますので、ぜひ本予算の早期成立に御理解と御協力をいただきたいということをお願いしたいと思います。
○国務大臣(井上孝君) ただいまの建設大臣の御答弁と全く同じでございます。 私も景気対策を着実に進めるということが今先生のおっしゃいました職場の確保につながると思います。特に我が国の場合は、企業内失業という表に出ない失業が非常に多いというようなことも伺っておりますし、内需拡大を柱とした先般の補正予算、それから今御審議を願っております平成五年の予算を早く成立させて、そして内需の拡大を図るということが一番効果のあることではないかと思うのであります。
○会田長栄君 ありがとうございました。 私は、もう建設省、国土庁を含めまして、いわゆるゆとりある、豊さを実感できる社会建設のために諸施策をやっているということについてはそれは敬意を表しますが、この点もひとつ頭に置いて内閣の中で御意見を出してほしいということをお願いしておきます。日本の企業社会の経営者の人たちぐらいわがままな者はいないという考え方を私持っているものですから、景気が悪くなればもうどんどん首を切っていく。だから、安定した職場、職業というものがない限り、これは最も豊かさを実感できる社会などというものではないということを御意見として申し上げておきたい、こう思います。 次に、地方拠点都市等の問題についてお伺いいたします。 昨年五月二十九日に地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律、地方拠点都市法が成立をして八月一日に施行された。関係六省庁では昨年七月十六日に担当局長をメンバーとする地方拠点法推進協議会を設置されたと伺っております。そこで、地方拠点都市地域の指定に関する協議について平成四年十二月十日、五点について確認したと聞きました。 そこで第一点、地域の指定については知事に指定権があることにかんがみ申し出のあった地域については最大限尊重することとしてすべて協議の対象にする、こうなっておりますが、そのとおりでございますか。
○国務大臣(井上孝君) さきの国会で成立いたしました地方拠点法に従いまして、今までのところ全国から三十二地域が国土庁に申請がございました。これにつきまして関係省庁と協議を進めました結果、先般そのうちの十四地域について知事さんの方で指定をするように協議が調ったわけでございますが、残りの十八地域についてもなるべく速やかに指定をされるようにただいま作業中でございまして、近く全地域が指定できるような段階に立ち至るであろうと思っております。
○会田長栄君 その申し出のあった三十二県そして協議に入った十二県と言いましたか、残りの県について可及的速やかにという、どうも私どもにはこういう難しい言葉を並べられると、これは時間の話なんですね、可及的速やかに。そうすると、可及的速やかというと非常に短い時間に見えるんだ、私どもにすれば。私にすればだよ。これはどのぐらいのめどなんですか。
○国務大臣(井上孝君) 実はこれ、残りの十八地域につきまして今一生懸命速やかに指定できるように準備をしておりますが、何分にも関係省庁がたくさんございまして、その協議に今手間取っております。しかし国土庁としては、また可及的速やかと言うとおしかりをこうむりますが、なるべく早くやろうと思っております。
○会田長栄君 どうも可及的速やかというのは時間の話だから私言っているのであって、私どもが可及的速やかと言うときに、本来であれば短時期なんですね。それが往々にして長期的なことも考えられるから一定のめどを教えてくださいと。例えば二月下旬までには調えるとか、三月下旬までには調えるとか、あるでしょう。
○政府委員(鹿島尚武君) 既に先生御案内のとおり、この地方拠点都市地域の指定につきましては、知事が地域のことも十分御勘案をいただいてお申し越しを昨年秋に私どもちょうだいいたしておるわけでございます。 その事務的流れを簡単に申し上げますと、昨年法律が通りました後、十月十三日でございますけれども、こういった法案の趣旨にかんがみまして基本方針というものを六大臣のもとに決めていただいております。これによりまして都市の指定の考え方をこの中に申してございますので、知事はこれを受けまして、秋口に先生が仰せられました三十二の道県の知事さんからお申し越しをちょうだいしたところでございます。 もとより法律が施行されて間もないことでもございますので、なかなか資料の中身のこと、これは国土庁の担当等とも私ども話をいたしてございますけれども、足りないものあるいは補充すべきものいろいろあろうと思います。そういった資料を補充しながら、そしてまた一方法律上の手続といたしましては、国土庁長官が申されましたとおり、運輸大臣、郵政大臣を初めとする関係行政機関の長にも指定に関する主務大臣である六大臣がお諮りをして指定の協議の同意を出すわけでございます。そういったいろいろの事務手続そして協議の手続等ございますものですから、三十二を一遍にできないというような状況のもとに十四の地域をまず調整をして、今日各道県におきまして指定が進められているところでございます。 そこで、残り十八地域につきましては、先生仰せのとおりできるだけ速やかに私どもこれを進めなきゃいけないということで、今指定に関する五省庁事務当局こぞりましてその準備作業を始めようとしているところでございまして、御要請でございますので、事務的にできるだけ速やかにやらせていただくようにいたしたいと考えております。よろしくお願いを申し上げます。
○会田長栄君 この問題に関連をして三つ目に、この三十二地域以外でも関係市町村から都道府県知事に申し出て主務官庁に和協議すればそれは成り立つということは確認していいですね、今後。
○国務大臣(井上孝君) 結構であります。受け付けます。
○会田長栄君 それでは、次に道路の整備についてお伺いいたします。 第一は、第十次道路整備五カ年計画の達成状況について簡潔に聞かせてください。
○政府委員(藤井治芳君) 第十次五カ年計画、目的が交流ネットワークの強化、よりよい都市のため、地方の定住と交流の促進といったようなものでございます。 そこで、全体の事業費から見ますと五十三兆に対して一〇二・四%、こういう達成でございますが、内容から見ますと、一般道路事業と有料道路事業、いわゆる公共事業の達成は九七・六%という形になり、かつ一般道路事業の達成率は残念ながら九五・一%と相なっております。しかし、その整備の水準を見ますと、現在精査中ではございますが、高規格幹線道路については目標六千四十一キロの供用に対して五千九百二十九キロ、九八・一%。一般道路を国道でいいますと、千七百九十一キロ整備しようと思っておりましたが千七百四十キロ、九七・二%。歩道は二万六千キロを整備しようと思っておりましたが二万三千六十九キロ、八八・七%。バイパス、環状道路については千百八十七キロつくりたいと思っておりましたが千四十キロ、八七・六%。区画整理事業等による供給については五カ年間に二百三十平方キロ整備する計画に対して二百三十一、これは一〇〇・四%。このような形になっております。
○会田長栄君 次に、道路審議会の建議の中で長期計画で総延長句キロという目標を出されましたか。
○政府委員(藤井治芳君) 全体で高規格幹線道路の場合は一万四千キロというものを長期構想と上げ、そして十一次五カ年計画の目標といたしましては七千八百キロというものを上げております。
○会田長栄君 次に、国道昇格の地方からの要望は大変強い。一般国道の追加指定は先回ありました。したがって、新規変更、これは路線からいえば今申し上げられたとおりでありますが、一体幾つの路線で一般国道への昇格の要望があったのか、そして今日まで幾つの路線が指定されたのか、残りの路線についてはいつごろをめどに指定するのか、それらをちょっと簡潔に聞かせてください。
○政府委員(藤井治芳君) 国道昇格、昭和五十七年に八十二路線、五千五百四十八キロを指定し、そして今回平成四年に全国からの要望百八十路線、一万二千キロに対しまして百二路線、六千六十一キロの追加指定をいたしました。したがって、現在の一般国道の延長は五万三百十四キロという形になっております。 私どもの国道の将来構想というものは、四十年のころは五万キロを一応の目標といたしましたけれども、我が国の多極分散型の国土といったときの思想はその当時はありませんでした。そこで、今回の四全総の思想のもとに国道網の将来構想を御議論いただきまして、長期構想の中でおおむね七万キロ程度を想定して今後の幹線道路網の再編成を進めていきたいと思っております。
○会田長栄君 次にお伺いしたいのは、過日参議院の決算委員会で四国に参りました。したがって、その調査に基づきまして本州四国連絡網と四国の道路整備、この問題についてお伺いいたします。 なるほど本州四国連絡橋というのは三ルートすべて平成十年には完成しますね。物すごい投資をして完成するわけであります。しかし、この三ルートの連絡橋が完成しても四国の道路網が整備しない限り、これは効果は半減です。その意味では、平成十年度までに四国の横断自動車道、縦断高速自動車道並びに一般国道まで含めてどのぐらいまで完成するのか率直に聞かせてください。
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。 本州四国連絡橋が完成した時点、平成十年時点でございますが、このときに四国内の高速自動車国道六百八十五キロございますが、このうちの四百二キロ、五九%が供用されることになります。この際、その中で特に問題になっておりますのは神戸-鳴門ルートでございます。ここは高速道路と徳島県の鳴門のところでつながっておりません。これは全部事業中ではございますが、今現在その段階ではつながりませんけれども、国道十一号、吉野川バイパスを介しまして四国縦貫自動車道と接続されます。尾道-今治ルートの場合には、十年度末で一般国道の百九十六号と今治バイパス、小松-今治自動車道の供用が図られますので、これらの道路を介しまして四国縦貫自動車道と接続されます。したがって、実態的にはこの四国の三つの橋が幹線道路網として使えるような形になると考えております。
○会田長栄君 それでは、次に常磐高速道についてお伺いいたします。 この常磐高速道というのは、実は日立北までは完成が非常に早かった。いわきまでも早い。ところがいわきから仙台までの間というのはちょろちょろしか進まない。なぜ私はこの質問をするかというと、これはもう建設大臣も国土庁長官も御承知のとおりでしょう。いわきから北の方が実は日本の最大のエネルギー基地なんです、あそこは。ところが、最大のエネルギー基地として発展させておきながら、実はこの高速道路についてはちょろちょろとしか進まない。私はわからない。これは通産省の責任だと思う。地域の人にとって心から余り歓迎しないものについてはどんどんつくる。しかし、地域住民がこれだけは早くしてほしいというのにはちょろちょろでは困る。この点について計画がされているようでありますけれども、今私はちょろちょろという言葉を使いました。いわきまでは一定の速度で進みました。しかし、それからどうも進まない。 そういうことに関して、建設大臣といたしましてやっぱり関係省庁と協議してこれを進めるような気持ちをお持ちなのか、今の計画のままでいいと思っているのか。十年先、二十年先生言うけれども、これは道路というのは入り口はできても出口ができない限りどうにもならないんです。私は、そういう意味でエネルギーの最大基地として都会が提供させておいと、道路はもういいわと、十年先、二十年先でいいわというのではちょっと気おくれがする。これは第十一次道路整備計画の中では本気になって検討してほしい、こういうことです。
○政府委員(藤井治芳君) まず、私から現状を御説明いたします。 川口市からいわき市間の二百キロ、これは昭和四十一年に決めましたから急いでやれました。二十年後の昭和六十二年に、いわき市から仙台市間の百五十キロを決めました。そこで、この分がおくれておりますから急がなければいけない、こういうことで、少しでもやろうということから現在いわき市中央からいわき四倉間十三キロについては十一次五計内にも完成をいたす予定でございます。それから、四倉から富岡町間三十キロについては整備計画を出してなるべく早く施行命令を出すための準備を今いたしております。それから上の七十八キロでございますけれども、これはいわゆる富岡町から亘理町間でございますが、これは環境アセスメントの準備を今進めているところでございます。それから、亘理町から以北につきましては常磐自動車道に並行する自動車専用道路として仙台東道路二十一キロ、これをかねてからやっております。このうち十四キロについては平成五年度に供用をいたす予定でございます。 このようなことを入れますと、現時点では常磐自動車道の五割に当たる百八十七キロが供用、二割に当たる六十四キロが事業中でありまして、七割が大体今取りかかっているということでございますので、あと三割について、先生にちょろちょろと言われないように頑張りたいと思います。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま道路局長が答えたことでございますが、先生御指摘のように、エネルギー基地、青森の六ケ所とか福島の東電の原子力発電所、こういったものを視野に入れての御質問ではなかったかと思います。 我が国にとって東北は重要なエネルギーの供給的なまた新しい技術開発の拠点になっているということは十分承知しておりますし、またそのために地元の方々から道路に対する、特に常磐道に対する期待が大きい、こういう御指摘をいただいたことにつきましては、私もたまたま茨城でございますので、その常磐道の通行量がだんだんだんだんふえてまいりまして、現在日量東京が八万台、いわきが現在一万台でございますが、これから多極分散型の国土形成、特に縦貫道路を動脈道路として整備していくということになってくると思いますし、また横断道路も含めますとこの常磐道の果たしていく役割というのは非常に重要だと考えておりますので、ただいま道路局長が答弁したことにさらに督励をいたしまして、先生の御要望にこたえられるようにスピードアップをするように大いにやっていきたい、このように考えております。
○会田長栄君 よろしくお願いします。 最後になります。これは簡潔に質問いたします。ルート二百八十九号、甲子工区についてお尋ねいたします。 これは本年の三月二十日、福島空港というのが開港します。したがって、二百八十九号線というのは実は奥会津-新潟と福島の県南をつなぐ路線であります。そこで、今建設省が平成元年度から甲子工区のトンネル路線問題について調査に入っています。したがって、元年度から調査に入っているわけでありますから、これはことし平成五年度、もう調査結果はまとまったんでしょうね。こういう質問であります。
○政府委員(藤井治芳君) まとまっておりません。 なぜならば、明快にお答えしますが、実はここのところは非常に難しいところでございます。先生が一番御承知だと思いますが、積雪寒冷地域でございまして、高さによって全部その前後の道路の使い勝手が変わります。しかも、非常にここは環境的に保全しなければいけないところを通りますから、いろいろなルートを引きます。そして、それごとにトンネルの延長も変わります。そういうことで、いろんな比較検討をしながら今計画線調査に着手したところでございます。 具体的な路線を今やっておりますからいこういうものが決まれば、後は早くなります。そこで調査だけは慎重にやらせていただきたいと思います。調査がきちっと終われば、後は早くやりたいと思います。
○会田長栄君 どうぞよろしくお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ―――――――――――――
○委員長(梶原敬義君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、三上隆雄君が委員を辞任され、その補欠として松本英一君が選任されました。 ―――――――――――――
○西野康雄君 岩井局長とは初めての質疑ということになります。どうして西野は河川局ばかりいじめるんだ、道路局だとか住宅局だとかほかにいじめるところがあるじゃないか、そういう嘆き節が聞こえてきそうな感じもいたしますが、今私は河川行政というのを大変に高く評価をいたしておりますし、こちらが魚道を見直しなさいよというふうな提案をいたしますというと、やはりきっちりとそれにこたえてくださっている。 これは、「アユの目で魚道やせき点検」ということしの一月十九日の新聞でございますが、そういうふうに非常にいいように河川行政が随分と変わってきているな、いろいろ注文をつければつけるほど、何というんですか、よいものはよいということで取り入れてくださる局だな、それじゃほかはだめなのか、こういうふうなことになるわけですけれども、非常に最近の河川局の行政の姿勢というものは僕は評価をしているわけでございます。何もいじめているわけじゃございませんので、その辺誤解のないようにお願いをいたします。 最近、新聞紙上でシジミの大量死というのが木曽三川で起きているということで、せきのすぐ上流でへい死率九〇%、塩分濃度が急上昇、海水遡上が塩害の原因だ、塩害であるというふうなことで報道されておりますが、シジミの被害についてちょっと木曽三川の現状報告を願えますか。
○政府委員(岩井國臣君) 木曽三川におきますシジミのへい死被害につきましては、三重県の水産担当部局が地元の赤須賀漁協からシジミへい死状況調査の依頼を受けまして、平成五年一月二十一日に現地調査を行いました。その結果につきましては一月二十六日に記者発表されているところでございますが、概要を簡単に御報告申し上げたいと思います。 調査につきましては揖斐川六地点、それから長良川が五地点、木曽川五地点、合計十六地点で、調査船四隻を使用いたしまして、三重県農林水産部水産事務局漁放課、それから水産技術センター、そして地元の桑名市及び漁業関係者等によってその調査が行われた、こういうことでございます。 調査項目はいろいろあるわけでございますが、まず水質に関するものといたしましては、川底ですね、底層、それから水面、水面といいますか表層におきまして、水温、塩分、酸素、COD、濁度、PH、それからSS、栄養塩類、そういった項目につきまして水質調査が行われております。 それから、泥といいますか底質調査につきましては、川底の粒度組成、それからCOD、有機炭素、硫化物あるいは酸化還元電位といったことで川底の底質の調査が行われている。 それからさらに、シジミ貝の採取調査といたしましては、へい死の状況、へい死率といいますが、それから貝の状況、それから稚貝の実態、そういったことを含めたシジミの採取調査が行われております。 それで、問題のシジミのへい死率でございますけれども、へい死率につきましては揖斐川、長良川とも場所によって違うのでございますけれども、八キロ地点から上流部ではへい死率が五〇%以下でございました。八キロ地点から下流四キロ付近までは五〇%から七〇%のへい死率であった。揖斐川、長良川のその四キロから下流河口付近まででございますけれども、これはへい死率が比較的高くて八〇%以上であるということでございます。 それから木曽川でございますが、木曽川のほうにつきましては一地点を除きまして、全般的に言いますとへい死率は七〇から八〇%という数字でございました。 以上でございます。
○西野康雄君 その結果から被害原因は何であるというふうにお考えですか。
○政府委員(岩井國臣君) 以上、先ほど述べましたような調査結果から三重県が一つの見解を出しておるわけでございますが、木曽川、長良川、揖斐川とも同じへい死の状況となっていることから、河川流量の減少による高塩分化が原因と推察されるということでございまして、長良川河口ぜきの工事と関係のない木曽川におきましてもシジミ被害が発生しているわけでございますので、長良川河口ぜきとか、あるいは長良川のしゅんせつが直接の原因とは考えにくい、そういう見解が示されております。
○西野康雄君 しゅんせつをすると被害が出るというふうな予想はしていましたか。
○政府委員(岩井國臣君) しゅんせつとそれから長良川河口ぜきにつきましては、もう一つ取水がございますので河川の流量がその分だけ減ります。そういったことで塩分濃度の変化が生じる、それによりましてシジミの生息状況に大きな変化を与えるということは当初から予測しておりました。
○西野康雄君 取水をするとこのような被害がまたできると。何か塩害防止のためにせきをつくりながら、せきの下流では塩害が出てくるという皮肉な結果が一つ指摘できるかと思いますが、私、この三重県の調査を見ておりますと非常に雑だな、これ。一遍の調査で、一日だけの調査で河口ぜきだとかそういうふうなものの原因ではないんだというふうなことは断定できないし、誠意を持ってきっちりとやっておかなければならない、これは河川局みずからがきっちりとやっていかなきゃならぬのじゃないかなと思います。 例えば長良川の4と7の地点です。つまり河口ぜきのすぐ上流部ですね、7がこれはへい死率が九〇%ですが、塩害とするならば塩分濃度が非常に低い。4というへい死率が上流部よりも非常に低い地点がございます。そこがへい死率が七〇%未満。その七〇%未満のところが底層で塩分濃度が二四・〇四パーミル。そこの表層はというと八・五四。ところが、7のところを見るというと、片方で表層で九・二三パーミルでありながら、今度は底層のところでは五・三パーミルという。普通、常識的に考えますと、表層の方が塩分濃度が薄くて、下の方が、底層が濃いというのはこれは当たり前ですし、よその調査地点を見ると皆そうなっている。ほぼ同じか、それとも底層の方が塩分濃度が高い。ところが、この4と7を考えてみると全然違うわけですね。 だから、これは果たしてこの調査自身が本当にいいものなのか。これだけで判断をして、河口ぜき工事とは何ら関係がございませんと果たして言い切れるのかどうかというふうなことが全く疑問なわけです。これで三重県がこう判断をしたならば、大変にずさんであるというふうなことが言えるかと思いますけれども、どうでしょうか。
○政府委員(岩井國臣君) 三重県の行いました調査につきましては、その調査そのものがずさんということではなくて、やはり調査対象が河川という自然の状況でございますので、場所によりましてやっぱりいろんな状況があるのだろう、そんなふうに思っております。 三重県におきましても、先般の調査でもう終わりということではなくて、今後も実態調査を実施する予定があるというふうに聞いておりますので、私ども建設省といたしましては、三重県の今後の調査の推移なんかも見守りながらいろいろとまた適切に対処していきたい、そういうふうに考えております。
○西野康雄君 そうすると、今の答弁からは、被害原因が今後とも調査を継続して変わってくるという、そういうふうな可能性も出てくるということですか。そういうのを三重県にはきっちりと継続的に調査をさせていくというふうに私はとったんですが、それでいいんですか。
○政府委員(岩井國臣君) 先般の調査によるその見解につきましては、先ほど申し上げましたように、長良川だけではなくて揖斐川においても、それからまた木曽川においても同様のへい死の状況があるわけでございまして、そういった精度の問題いろいろあるかもわかりませんが、大きく見まして長良川と全く関係のない揖斐川だとか木曽川においてもやはりシジミがべい死、死んでおるわけでございますので、そういったことから先般のへい死被害については河口ぜきと直接関係ないのだろうと私どもも思っておるわけでございます。
○西野康雄君 まあ大まかにそういうふうにおっしゃるならば、長良川の方が一番、河口ぜきの上流部と下流部、最下流部のへい死率が八〇%以上、こういうふうなことになるわけですから、木曽と揖斐とよりも長良川のところのへい死率が高いわけですから、そうするとしゅんせつによる遡上ということも十二分に考えられるわけです。ここのところは漁民の方が大変に苦しんでおられる。アサリやらハマグリだとか、それで人工の干潟をつくった、それでいいんだというふうな問題ではないと思います。 というのも、ここのシジミというのはヤマトシジミで日本全国にも出荷されておりますし、宍道湖七珍なんて言われておりますけれども、実はあそこのシジミも、これは宍道湖の人に怒られるかもしれませんが、赤須賀漁協から行っておったりもするわけですね。アサリやハマグリとは比べものにならないわけです。漁民の皆さんの生活がかかっているわけですから、そこら辺は十二分に調査をし、そして補償もするというふうな方向で取り組んでいただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(岩井國臣君) 先ほども申し上げましたけれども、ヤマトシジミにつきましては汽水域を主な生息の場所としておるわけでございまして、長良川の河口ぜきによりまして、しゅんせつそれから取水等の影響によりまして生息環境が大幅に変わりますので、当然そのシジミの漁獲量が減るということは予想されるわけであります。 そういうことで、水資源開発公団におきましては、公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱、これは昭和三十七年に閣議決定されておるものでございますけれども、その要綱に基づきまして関係漁業協同組合と十分話し合いを行って適切な補償に努めておる、こういうことでございますが、補償をすればもうそれで事が済んだということではもちろんございませんで、シジミのへい死に関する調査も、先ほど申し上げましたように、三重県がこれからもやっていくということでございますから、一つはそういった今後の調査の成り行きも見守っていくということと、それから長良川河口ぜき工事の実施に当たりましては、シジミ等に与える影響をできるだけ最小限にとどめるように、濁水の流出を防止するなど水質汚濁防止にも万全を期していきたいと思いますし、それからしゅんせつ等の年度ごとの工事に当たりましても、漁業関係者と十分連携をとるなどして細心の注意を払いながらやっていきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
○西野康雄君 確かに塩害であると。そして、そのシジミに塩害としての被害を与えるということは、この河川局が平成四年九月に出した長良川河口ぜきの質問へのお答えの中にも、せき上流側は河口ぜきの完成後淡水化するため、汽水域で繁殖しているヤマトシジミは繁殖できなくなります。また、せきの下流域では汽水域が維持されるため生息環境は保たれますが、川底を掘り下げる工事などの影響を受ける区域で漁獲量が減少することが予算されますというふうなことを言明なさっておられますから、当然のことながらしゅんせつすれば塩が上がってくる。そこで汽水域が狭められる、あるいはせきのところまでほぼ私は海水が遡上していくんじゃないだろうか、そのように思いますし、今後とも漁民の皆さんの生活だとか、あの周辺にはシジミから肝臓によいというふうな食品をつくっておられる業者さんもたくさんいらっしゃいますから、その辺も御考慮を願いたいと思います。 そのしゅんせつの話が出ましたが、河口ぜきに伴うしゅんせつ、今どのようなしゅんせつの状況になっているのか。しゅんせつ箇所、しゅんせつ量、しゅんせつによる河床はどの程度低下しているか等々、ちょっとお答えくださいますか。
○政府委員(岩井國臣君) まず、河口ぜき建設地点五・四キロ付近のしゅんせつでございますけれども、三キロから七キロの間昭和六十三年度から実施しておりまして、本年度百万立米の予定でございますが、それを加えまして平成四年度末見込みでトータルといたしまして約二百四十万立米の進捗になります。それから、三キロから下流、河口までの間でございますけれども、この間につきましては、シジミその他漁業との関係もいろいろ深いということもございまして漁業関係者へ事前に説明をいたしまして、そして了解を得た形で平成三年度から実施しておるわけでございますけれども、本年度は十万立米の予定でございまして、それを加えまして平成四年度末見込みで約三十万立米の進捗になるわけでございます。 それから、河床低下のお話を合されましたので河床低下についてお答えいたしますと、しゅんせつすることによる河床低下量、これは実際の河床に凹凸があるものですから場所によっていろいろ異なるわけでございますが、河口から河口ぜき付近までの間でございますが、現在までにしゅんせつを行った箇所の河床低下量は一メートルから四メートルの間ということでございます。深いところは四メートル下がっておりますし、浅いところは一メートルぐらいのところもある、場所によって違うわけでございます。
○西野康雄君 河床年報等でまたお知らせ願いたいと思います。 伊勢湾というのは非常に厄介な海ですよね。つまり、塩分濃度だけで考えられない、あそこは苦潮の発生なんかでおわかりのとおり、無酸素水というんですかね、そういうふうなものの遡上が大変に考えられる。塩分を希釈すればいいというだけのものでもないんですね。恐らく、このへい死というものを考えたときに無酸素状態の海水が遡上したんではないかというふうなことも考えられますし、汽水域の確保ということを考えたときに、私、引き潮のときにゲートを上げるというそういうふうな操作は技術的に可能なんだろうかな、そんな感じもするわけですが、そういうふうなことは検討はやっておられますか。
○政府委員(岩井國臣君) そういったことも調査検討の中には入っておりまして、いろいろ検討はしておりますが、なかなか難しい問題もございまして、現在のところその成果について申し上げられるようなものはまだ出ておりませんけれども、検討はいろいろとしております。
○西野康雄君 つまり、ここがぎりぎりのところなんですよね。川底をはっていくいろんな魚類の遡上だとか汽水域の確保、そして取水だとか治水だとかの部分における操作のぎりぎりのところではないかな、そんな感じもいたします。 長良川ばっかりやっておってもなんでございますので、今度は千歳川放水路、今大変に問題になっておりますが、石狩川の治水計画の基本高水流量一万八千トン・パー・セタ、これの設定根拠をお伺いいたします。
○政府委員(岩井國臣君) 一般的に河川の治水計画につきましては、御案内のとおり、河川法に基づきまして建設大臣が工事実施基本計画という形で決めるわけでございますけれども、決めるに当たりましては当然河川審議会の議を経るという形になっておるわけでございます。 それで、石狩川につきましては、昭和四十年に策定されました工事実施基本計画というのがあるわけでございますが、それに基づいていろいろ工事を進めてきたわけですけれども、昭和五十年八月に基準地点でございます石狩大橋において同計画に定める計画高水流量毎秒九千立米に匹敵する出水がございました。さらに、昭和五十六年八月にこれを大幅に上回る一万二千立米、毎秒でございますけれども、程度の出水がございまして、その五十六年八月の出水では浸水戸数が一万九千八百戸ということで、大変な大水害になったわけでございます。そういうことで、それを受けまして五十七年三月に再度災害防止の観点から計画の改定を行ったわけでございます。 改定に際しましては、昭和五十六年八月の出水が当時の工事実施基本計画で想定いたしておりました百年に一度の洪水、それと同程度の規模というか、むしろそれを上回っておったというふうなこと、それから石狩川が北海道の枢要な地域を流れておる極めて重要な川であるというようなこと、それからこれからの地域開発もいろいろ考えられておるというようなこと、それから全国の類似の河川と同等のやはり安全度を確保する必要があるんじゃないかというふうなことをもろもろ総合的に勘案いたしまして、計画の規模を百五十年に一度程度の割合で発生する洪水というものを対象に計画を改定しようということになったわけでございます。 それで、基本高水流量、その基本高水につきましては、石狩川流域におきますこれまでのいろんな水理水文資料、それから降雨の形態等いろいろ解析いたしまして、百五十年に一度の割合で発生すると想定される降雨、これは三日雨量、石狩川というのは非常に流域が大きいものですから三日雨量というのが一つの基準になるわけでございますけれども、三日雨量で二百六十ミリというものを計画の基本に据えるということを決めました。 そして、あとは雨の降り方がいろいろあるわけでございますが、昭和三十七年八月の洪水、昭和五十年八月の洪水、それから昭和五十六年八月の洪水等、そういった代表的な洪水のタイプをいろいろ考えながら解析を進めまして、そして基本高水といたしまして一万八千というものを定めたものでございます。
○西野康雄君 その決め方ですな、基本高水。三十六時間で二百六十ミリが降ったというふうなことで計算をしておられますね、三日間の降水と言いながらも。その辺あたりに若干私自身は疑問が残るわけですが、時間もございません。今度またゆっくりと議論したいと思います。 千歳川放水路建設によって掘削の土の量が随分と出てまいりますが、その処理方法についてどのようにお考えなのか、お願いします。
○政府委員(岩井國臣君) 一般に放水路等から発生する掘削土といいますか掘削残土といいますか、それにつきましては、一つは放水路にも堤防ができたりしますので築堤材料として使うというようなことがございますし、それから都市的開発だとか圃場整備だとかいろいろ地域において行われますから、そういったところに活用するというふうなことが一般的に行われております。 千歳川放水路につきましては、今のところ約一億二千万立米程度の掘削土量が発生するのではないかと想定しております。その処理はなかなか大変でございますが、先ほど言いましたように、一つは築堤材料等に極力使っていくということがございますけれども、そのほか周辺地域の地域振興を考えながら盛り上等に使えないかというふうなことを考えておりまして、現在その可能性あるいは具体的な方法等につきましていろいろ調査検討を行っているさなかでございます。
○西野康雄君 工事に伴う地下水や自然環境に対する影響をどのように考えておられますか。
○政府委員(岩井國臣君) 千歳川放水路の建設に当たりましては、先生御指摘の地下水だとか自然環境の保全に最大の努力を払っていきたいというふうに考えております。 具体的には、美々川という川がございまして、そこに湿原がございます。それからウトナイ湖、これも非常に良好な湖になっておりますが、そういったものが、この流域が千歳空港だとかそれから非常に札幌市に近い、それから苫小牧にも非常に近いというふうなことで、大変これからの発展が期待されておる地域でございますけれども、発展しつつある本地域に残された貴重な自然環境であるというふうに私どもも認識しておりまして、放水路計画につきましてはそういった自然環境にできる限り影響を与えないよう、例えばルート選定に当たりましてもいろいろと配慮をしていきたいと考えております。それからまた、地下水に対する影響につきましても、ほっておけば対策を講じなければいろいろ影響を与えるわけですけれども、必要な対策を講じまして支障が生じないようにしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○西野康雄君 長い間ありがとうございました。 河川行政、僕は過去のは余り評価はしませんけれども、近年は随分と評価しておりますので、今後とも頑張っていただきたいと思います。 それでは、環境庁お願いいたします。 先般、新聞を見ておりますと、神戸空港に前向きの姿勢というふうなことで林環境庁長官の談話というふうなのが載っておりました。 私、林環境庁長官というのは随分と自然に対しての考え方、自然保護だとかそういう面においては非常に理解度の深い方だなと思ったりもするわけですが、この報道自身が少しはしゃぎ過ぎかなというふうな感じもせぬことはないんです。瀬戸内海の埋め立てを伴う神戸空港の建設について環境庁の考え方が違ってきたんだろうかななんて思うんですが、環境庁の対応はどんなものでしょうか。
○説明員(和田茂樹君) お答えいたします。 御指摘の、神戸市において計画をしている海域についてでございますが、御案内のように、瀬戸内海環境保全特別措置法等により海面の埋め立ては厳に抑制すべき海域とされているところでございます。したがいまして、このような海域において埋め立てを計画するというような場合には、その必要性あるいは陸域でそういうところが設けられないかというような代替の可能性、あるいは海域環境に与える影響等、総合的にそれらのものを勘案の上、慎重に対応していくという考えでございます。 これまでの状況から判断いたしまして、御指摘の空港、関西圏全体の広域的な観点から考えますと空港建設の必要性というようなものについてまだ未解決の課題というようなものが多々残され、熟度が低い状況というふうに判断しているわけでございます。このため、環境庁といたしましては、今後とも空港建設の必要性も含め、瀬戸内海環境保全特別措置法に基づく埋め立ての基本方針とも照らし合わせながら、環境保全の観点から慎重に検討していかなければならない、そういうふうに考えているところでございます。
○西野康雄君 そうすると、熟度が低いということは、前とは考え方が変わってないと考えていいわけですな。
○説明員(和田茂樹君) そのような状況でございます。
○西野康雄君 最近、梅津寺だとかあるいは私の地元の須磨でもそうなんですけれども、随分と瀬戸内海で自然海浜の海水浴場を埋め立てている、そのかわりに人工海浜の海水浴場をつくる、そういうふうな動きが見られます。しかしながら、やはり兵庫県の高砂、そこでは人工海浜をつくったのはいいんですけれども、海流の流れ等々でヘドロがたまってきて、とうとうそれを放棄しなければならないというふうなことで、いいかげんに人工海浜、人工海浜と言いながら大変にこれは問題を含んでいるわけなんですね。人間の技術力というのはそこまで及んでいないなというふうな気持ちもいたします。 このことについて、瀬戸内海の環境保全の観点から環境庁の御見解をお伺いいたします。
○説明員(和田茂樹君) お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、瀬戸内海は御案内のように、瀬戸内海環境保全特別措置法及びそれに基づきまして閣議決定されておりますところの瀬戸内海の環境保全に関する基本計画というものがございます。その中で、自然海浜の保全等をうたっているところでございます。 この計画は、もっと具体的に申し上げますと、海水浴とかあるいは潮干狩り等の海洋性レクリェーションの場として多くの人がそこを利用し、そして親しまれているというような自然海浜等、これはできるだけその利用に好ましい状況で保全されなければならないというふうにうたっているところでございます。 このような観点から申し上げますと、今御指摘のような自然海浜の海水浴場をつぶしまして新たに人工海浜の海水浴場をつくるというようなことであれば、この計画に照らして相入れがたいというふうに判断されます。安易にこのようなことが行われないように、従前もそうでございますけれども、今後も指導していく必要があるというふうに考えているところでございます。
○西野康雄君 人工海浜をつくるというと、どこかから砂を持ってくるわけですね。例えば瀬戸内海の島の奥から持ってきたりする。そうすると、掘削するものですから、今度どんどんどんどん島の形が崩れてきたりするんですね。片っ方で自然をつくっていると言いながら、片っ方で自然を壊しているというふうな状況が随分と見られたりもいたします。直立したコンクリートの護岸を何とかしようというときに、砂浜をつくるとかそういうふうな努力はある程度僕も認めるわけですけれども、人工干潟なんかも大体浄化能力が自然の干潟に比べると三分の一であるというふうなことも聞いておりますし、なるべく自然の海浜を残しておくということが瀬戸内の環境保全に一番よいかと思うんですが、このごろ国立公園の中で、わざわざ自然海浜の海水浴場を埋め立ててそして新たに人工海浜の海水浴場につくりかえるというふうなこともあるわけですが、環境庁としてはどうお考えですか。
○説明員(鹿野久男君) 国立公園内で行われます各種の行為、これらにつきましては、その行為の必要性またその行為が自然景観に与える影響等、そういうものを勘案しまして、その行為の適否を個別に判断しているところであります。しかし、今お尋ねのような自然海浜を人工海浜に改変するということにつきましては、国立公園というものはすぐれた自然の風景地を保護する、そういう目的で指定されております。そういう趣旨からして、一般的に言って好ましいことではないというように考えております。
○西野康雄君 本当に今自然海浜というのは、東京湾でもそうですし、大阪湾周辺もそうですし、地方自治体が何か開発に乗りおくれまいというふうな意向があるんでしょうか随分と埋め立てればいいんだというふうなことをやっているようです。大阪湾ベイエリア開発構想もなぜ浮上してきたかというと、埋立地が結局遊休地になってしまった、余ってきているというふうなことで、地方自治体が安易に埋め立てをするということに対してはきっちりと環境庁自身が歯どめをかけていただかないと、私自身困るな、取り返しのつかないことになっていることが多いなと思うわけで、最後にその決意のほどというんでしょうか、その辺だけお伺いしたいと思います。
○説明員(和田茂樹君) 先生御指摘の環境保全に対して、我々も万全を尽くしていきたいというふうに思っております。
○西野康雄君 どうも長い間ありがとうございました。
○委員長(梶原敬義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時から再開いたします。 午後零時六分休憩 ――――◇――――― 午後一時一分開会
○委員長(梶原敬義君) ただいまから建設委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡部三郎君 三大臣、御就任おめでとうございます。大変困難な時期ではございますけれども、ベテランの先生方ばかりでございますから、ひとつ大いに頑張っていただきまして、立派な成果を上げていただきたいと存ずる次第でございます。 私は、まず最初に、昨今の景気対策についてお尋ねをしたいと思います。 景気の状況につきましては、私ども地方を歩いておりましても、企業経営者はもちろんのこと、一般の消費者も、今や一億総弱気と言ってもいいような状況にあると思いますし、特にここ二、三日の状況で円高が大変に進行してきたというふうなことも加わりまして、このまま推移しますと日本経済の将来は大変憂慮すべきものがあるのではないかというふうに思うわけでございます。 自民党におきましても、御案内のように、一月から総合景気対策本部を設置いたしまして、各界の有識者を招いて協議を重ねておりますし、また現地調査等も実施しておるところでございますが、何といっても景気はやはり心理的な要因で左右されるという面が非常に多いわけでございまして、そうした意味からも景気回復に対する政府の確固たる姿勢というものが大切ではないかと思うわけであります。 そこで、まず最初に、昨年の秋の公共事業を中心とした総合経済対策の実施状況、補正による公共事業の拡大によって用地であるとか建設労働力であるとか、あるいは建設資材の面で円滑な事業の執行に支障が生じてはいないだろうかそういう状況につきましてまず御報告を願いたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) お答え申し上げます。 総合経済対策は、各般にわたりましていろんな施策がとられたわけでございますが、公共投資につきましては、まず昨年の九月二十五日におきまして弾力条項により財政投融資資金の追加が実施されております。それから、さきの臨時国会におきまして、十二月十日に補正予算が成立しておりまして、この追加されました財投資金に係る事業と補正予算に係る事業につきまして現在事業が行われておるわけでございますが、補正予算に係る事業につきましては、特に予算成立後速やかに発注し得るようあらかじめ諸般の準備を行ってきておりまして、現在のところそれなりに順調に発注が進んでいると評価してございます。十二月末の契約率で見ますと、当初予算と補正予算を足した全体の契約状況が建設省所管で八二・七%、国全体でも八一・一%と八〇%を超えでございます。これは例年の予算の契約状況から見ましてもかなりの進捗状況ということで私どもは見ておるところでございます。 この結果といたしまして、公共工事の着工統計としては、十二月に対前年同月比一七・一%増という結果が出ておりまして、十月、十一月とちょっと落ち込みまして、特に十一月は前年比マイナスの結果も出たのですが、十二月になりまして補正予算の成立とともにプラスに転じておるという状況でございます。 お尋ねございました。地等の問題でございますが、まず用地の面につきましては、現在一・一二年分といった分が建設省所管で確保されているといったような状況も踏まえまして、用地の面からの支障は生じていないと認識しております。 それから、建設労働につきましても、建設業技能労働者不足率が平成四年の十二月で二十二カ月連続で前年水準を下回るという緩和傾向にございまして、この点につきましてはまた問題があるわけでございますが、労働状況としては特段の支障は生じていないと認識してございます。 それから、建設資材につきましても、最近の主要建設資材の需要量を見ますと、一部を除きまして前年水準を下回って推移してございます。これは官公は頑張っておりますが、民需が非常に落ち込んでおりますので、そういう結果になっておると思います。したがいまして、いずれの資材も供給余力という点では十分な面があるということで、事業の執行面における支障は生じていないと認識しております。
○岡部三郎君 ありがとうございました。 今回の不況は、いわゆる景気循環要因だけではなくて、バブル崩壊によるところの資産デフレ効果が予想外に大きかったために生じた複合不況であるということが言われておるわけであります。したがって、従来型の利下げや公共投資の拡大だけでは不十分で、もう少し幅の広い対策が必要だという意見もあるわけでありますが、しかし、景気浮揚策の中心をなすものは、これはもう何といっても公共事業の着実な拡大であることは間違いのない事実であります。公共投資の経済効果が一部の業種に偏るとか、あるいは消化能力に限界があるのではないかというふうな意見もありますが、公共投資の生産誘発効果というものは、これは単に建設業にとどまらず、各種のメーカーであるとかあるいは商業、金融、保険業など広い範囲に及んでいることは、これはもう産業連関表を見れば明らかな事実であります。 また、当面の消化能力につきましても、今御説明がありましたように、十分余裕があるということでありますから、今後もひとつ自信を持って公共投資を中心とする景気対策を機動的かつ弾力的に実施をしていただくことが極めて大切ではないかと思うわけでありまして、こうした公共事業の景気対策としての一層の推進にかける大臣の御決意をひとつ承りたいと思う次第でございます。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま岡部先生から御指摘をいただきましたように、今日の不況は複合不況ということで、非常に予算委員会においてもこのことについては熱心な議論をいただいているところでありますが、私どもといたしましては、この不況というものを着実に脱出できるためには公共事業の果たしていく役割は今まで以上に大きくなってきている、このように認識するわけであります。 何とならば、我が国は社会資本の整備というのがおくれているわけでありますので、これを進めることによって資本の整備は進みますし、また経済に対する波及効果もある、両面から公共事業の果たしていく役割は非常に大きい、このように認識しております。 昨年八月の総合経済対策で八兆六千億円の公共事業、そしてことしの予算の中でも事業費、国費合わせまして五兆七千五百七十億円、対前年度比で一・〇五倍を確保しているわけでございますので、そういう面では、問題はこの予算の成立を待って直ちに事業が執行できるような万端遺漏なき体制を組むということが大切だと思っておりますし、また、先生から御指摘をいただきましたように、景気対策というのは心理的要因が大きい、このようなことも言われておりますので、この予算が年度内に成立するということはそういう面での心理的影響も大きいだろう、このように認識しておりますので、ぜひ早期に予算が成立てきますように御理解と御協力を賜りたい、このように思っております。
○岡部三郎君 今年度予算の年度内成立ということはもちろんでございますし、また年度が改まりましたならば、その前倒し実施ということをぜひお考えをいただかなければならないのではないかと思いますが、さらにその後の個人消費や設備投資の状況いかんによっては、あるいは追加的な措置が必要になろうかとも思います。今年度予算がまだ成立前の段階でして、政府としてはそれに対して言及するということは、これはできないこともよくわかるわけでありますが、そうした事態が生じた暁にはひとつ先進国の中でも最も社会資本整備のおくれておる我が国のことでございますから、建設公債によって財源確保が可能な公共投資の着実な実施を中心とした追加対策を早期に実施していただきたいと思います。 所得税減税を行えという意見もございますが、現状ではこれを実施してもなかなか直ちに消費に結びつくということは難しいのではないか。減税額の相当部分は貯蓄に回ってしまって、そのために子孫に赤字を残すことはいかがかとも思われますが、先ほども申しましたように、やはり景気はマインドによるところが多いわけでありますから、この際多少とも減税を実施するということになれば、これはもう確実に投資につながるような住宅減税、こういうようなものをまず第一に行うべきだと思います。これも政府の立場ではなかなか言明しがたいことかと思いますが、何か御意見がございましたらお願いします。
○政府委員(三井康壽君) ただいま住宅建設と経済に対する影響というふうな御質問と承りました。 御承知だと思いますけれども、平成四年度の民間住宅投資は約二十四兆円でございまして、全体のGNPの五%を占めているところでございます。それだけの経済的な位置づけというのがあるれけでございまして、仮にこの住宅建設の促進策をすれば、いわゆる五%というシェアを持っている住宅につきましての経済に対する波及効果がある、それは御指摘のとおりだと思っております。 平成五年度の予算案で御提案していろいろやらせていただいているわけでございますけれども、住宅政策は居住水準の向上ということを一番大きな柱でやらせていただいておる、経済的な効果もある、こういうふうに認識しております。 特に減税ということについて申し上げますと、平成五年度の予算案あるいは税制改革案によりまして御提案をさせていただいているのは、大きく言って三つございます。 一つは、ローン減税につきまして、従来、中古住宅につきましては十五年以下の住宅しかローン減税の対象ではございませんでしたが、これを二十年以下というふうに延ばさせていただきました。 二つ目は、住みかえの促進、特に居住水準の向上対策に効果のございます買いかえ特例の一部復活をさせていただきまして、適正な価格で取引する等の厳しい条件をつけさせていただいておりますけれども、これによって住宅の建設あるいは住みかえ促進を図っていく。 さらにまた、固定資産税につきましても、居住水準向上対策という意味合いも込めまして、従来、百平米までが減額対象面積でございましたが、これを百二十平米保まで引き上げまして、より広い住宅を取得される際にも減税の効果が及ぶ、こういったことを柱にいたしまして住宅関係の減税というものを提案させていただいておるところでございまして、これを一日も早く御審議、御議決いただきたいというのが現在私どもの心境でございます。
○岡部三郎君 従来もいろいろと御努力をいただいておるわけでありますが、こういう事態でございますから、さらに新たなアイデアをひとつ出していただいて、住宅建設の促進に御努力をいただきたいと思うわけであります。 次に、国土庁に地価問題についてお尋ねをしたいと思います。 景気対策のもう一つの項目として地価問題があるわけであります。最近、大都市圏の地価は大幅な下落を示しておりますが、生活大国の実現という面から見るとまだ高い水準にあることは大臣所信にも述べられておるとおりでございます。しかし、景気対策として考えますと余り急激な下落はかえって金融不安等をもたらして、景気回復の足を引っ張りかねないわけでありまして、その辺のかじ取りがなかなか難しいところだろうと思うわけでありますが、国土庁としては現状の地価水準をどのように評価し、今後これに対してどのような対策を推進されようとしておるのかお伺いをしたいと思います。
○政府委員(鎭西迪雄君) 昨今の地価の動向でございますが、ただいま委員がおっしゃいましたように、大都市圏におきましては顕著な下落を示しておりますけれども、勤労者世帯が平均年収の五倍程度を目安に良質な住宅の取得が可能となるそういう水準にはなお高い水準である、かように理解しております。 なお、このように地価が下落いたしました理由でございますけれども、総合的な土地対策の効果というものがもちろんあったわけでございますが、基本的には地価高騰によりまして地価水準と取得能力等との間に大きな乖離が生じたということが要因であろうと考えられております。したがいまして、潜在需要を含めまして、住宅需要、土地需要というのは非常に底がたいものがあるわけでございますので、実需に見合った適正な地価水準の実現を図ることが土地取引の活性化、ひいては関連産業の活性化にもつながるものだろう、かように私どもは理解しております。 このことは、昨今、例えば住宅の一次取得者の取得能力に見合うそういう価格帯での契約状況、これが非常に堅調でございますし、あるいは住宅の着工戸数、これがかなり回復してきているというようなことにも裏づけられているのではないかというように考えておるわけでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、宮澤内閣が掲げます生活大国の実現を図る観点から、引き続き総合土地政策推進要綱に従いまして、土地取引の適正化、税制の活用あるいは住宅宅地供給の促進等といった需給両面にわたる総合的な土地対策をこれからも着実に推進していく必要がある、かように認識しているところでございます。
○岡部三郎君 当面の景気対策につきましてはこのくらいにいたしまして、次に、少し長い目で建設業の将来ということを考えてみますと、やはり一番問題になるのは、これから優良な労働力をどのようにして確保していくかという問題だろうと思います。 ことし成人式を迎える若者の数が約二百万人ということでございますが、九一年に生まれた子供は百二十万人だそうでございますから、生産年齢人口が減少し、労働者の高齢化が進むということはこれは確実なことでありまして、そうした中で、公共投資十カ年計画に定められた事業量をこなしていくためには、やはり労働時間の短縮なり作業環境の改善を進めて、建設現場というものが若者にとって安全でしかも魅力あるものだというイメージをつくり上げなければならないと思うわけであります。 そこで、まず労働省にお伺いをしたいと思いますが、今回の労働基準法の改正によりまして、産業の実態を踏まえながら労働時間の短縮を進めるということになっておることはこれは大変にいいことだと思います。ただ、建設業というのはその業務の特質上季節による繁閑の差が激しい。北海道開発庁長官もおいでになりますが、例えば北海道等では冬場は除雪とかその他のわずかな仕事しかありませんけれども、春から秋にかけては非常に仕事が集中するというようなこともあるわけでございまして、このために今回一年間の変形労働時間制が認められたということはこれはまことに適切な処置だったと思うわけであります。これを有効に活用することができるようにこの制度をできるだけ利用しやすいものにしていただきたいと思いますし、その普及を大いに促進してもらいたいと思うわけでありますが、そのための具体策につきまして、何かありましたらひとつ教えていただきたいと思います。
○説明員(上村隆史君) ただいま先生からお話がありましたように、先般、今国会に労働基準法の改正案を提出させていただいたところでございます。 この改正案の中では、今お話がありましたように、年単位での休日増を図るという観点から、最長一年までの変形労働時間制を新たに設けることといたしております。この改正案につきましてはこれから国会で御審議いただくわけでございますが、この制度につきましては、改正案が成立しました際にこの制度が労働時間の短縮や休日増に向けて有効に活用されますように、施行に向けましてその趣旨等につきまして周知方を十分積極的に図ってまいりたいと思っております。あわせまして、制度の利用に当たりましての相談等につきましてできるだけきめ細かな対応を図るよう努めてまいりたいと思っております。
○岡部三郎君 もう一つ、建設業というのは中小企業が大半を占めておるわけでありますし、日給制の労働者が多く、また屋外作業でありますから天候の影響も受けやすいというようなことで、他の産業に比べますとどうしてもこの時短を受けるごとに対して消極的になりがちであります。そこで、他産業以上にひとつ十分な助成措置を講じてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(上村隆史君) 労働時間の短縮を進めるに当たりましては、業種ごとの実態を踏まえまして十分きめ細かな対策を推進することが必要であると認識いたしております。このため、労働省では、建設業等労働時間の短縮のおくれている業種につきまして特定業種労働時間短縮推進事業というものを実施いたしておりますが、建設業につきましても全国建設業協会と一緒になりましてその内容の検討を行い、労働時間短縮の目標あるいは業界、個別企業が取り組むべき課題等を内容とする建設業労働時間短縮指針といいますものを平成三年に作成いたしますとともに、この指針に基づきまして個別企業におきます取り組み方法ですとかマニュアルの作成、労働時間短縮推進員の選任の促進等を実施してきたところでございます。 先生御指摘のように、建設業におきましては日給制等の労働者が多いことや天候の影響を受けやすい、あるいは事業量が季節的に大きく変動するといった労働時間の短縮に向けての制約要因がございますが、今申し上げました建設業協会と一緒になって検討してつくりました建設業労働時間短縮指針の中におきましても、建設業を営む企業が取り組むべき課題といたしまして、所得水準の維持、向上に配慮しつつ労使間のコンセンサスの形成に努めることや、天候による休業日等を織り込んだ工事計画を策定することなどを促してきているところでございます。 また、来年度に向けましては、これは建設業に限ったということではございません、全産業対象でございますけれども、労働時間短縮に取り組みます中小企業に対する助成制度を創設いたすことにしております。 今後ともこういった施策によりまして、建設省を初め関係省庁と十分連携を図りながら労働時間短縮を進めてまいりたいと思っております。
○岡部三郎君 ありがとうございました。ぜひそういう方向で強力に推進をしていただきたいと思います。 次に、建設省に対してお伺いをいたしますが、優良な建設労働力を確保するために、今労働省からもお話があったようなことのほかにも、安全対策の徹底であるとか、あるいは作業環境の改善、あるいは工事発注に当たっての適正な積算の実施、特に建設業というのは決して三Kなどと言われるようなものではない魅力のある産業だというPR等を強力に行う必要があると思います。関係各省とも十分御協議をいただいて率先してそうした面での御努力をいただきたいと思います。 それともう一つ、施工現場の安全性の確保あるいは省力化、無人化を図るためには民間建設業における研究開発の促進ということが大変大切なことだと思います。先ほども同僚議員から江東区のトンネル事故の話が出ました。私も実は十五年前にメタンガス事故に直接立ち会いをしまして、いかに産めなものかすさまじいものかということを体験いたしたわけであります。本当に犠牲になられた方々に対しては御冥福を祈るばかりでございますが、こうした事故もトンネル掘削の無人化ということを極力進めていけば相当程度なくすことができる。現に今、相当省力化されてきまして、私どもの事故が起きました十五年前には一つの爆発で九人もの方が亡くなったんですが、今回は四人。四人だからいいということじゃ決してありませんけれども、さらにこれをゼロにするための機械化、技術の開発ということを進めていかなければならないと思います。メタンガスというのは、ガスそれ自体では酸欠になることはあるかもしれませんが、爆発することは絶対ないわけでありまして、やっぱり火の気があるということが最大の原因であります。これは電気系続かたばこかどちらかということでありますから、人的な要因を極力減らしていけばその原因を除くことができるということではないかと思います。 そうした面で、業界でも最近はそういった研究開発の意欲も相当出てきておりますから、ぜひひとつ政府でもこれに対して大いにバックアップをしていただきたい。特に中村大臣は元科学技術庁長官でもあられますし、こうした面には大変な熱意をお持ちの方でございます。基礎研究推進の面でも大きな業績を残されました。ぜひ今回は、こうした建設面における研究開発を進めることによって社会資本整備のための合理化投資がスムーズに進むように格段のひとつ御努力をお願いしたいと思います。 事務局の説明に紡いで、できれば大臣から決意を承れれば幸いでございます。
○政府委員(伴襄君) 先生の御質問は二つございますが、そのうちの前半の方の労働力の確保の問題でございますけれども、良質な人材を着実に確保するのは大変な問題でございまして、建設業の場合は構造的にいろいろ問題があるというようなことで構造改善推進プログラムというのをやっておりますが、その中でも大変大事な問題として位置づけておるところでございます。 具体的に申し上げますと、安全の問題が出ましたけれども、工事の安全確保を図るためには研修教育をやる必要があるとか安全教育ビデオをつくるとか、あるいは発注に当たって弾力的な工期とか適正な積算をするとかあるいは作業環境を改善するというようなことで食堂、休憩室、浴室、シャワー等の現場福利施設の充実を図る。あるいは労働時間の短縮のために必要な積算あるいは工期の設定というようなことをやるとか、建設産業に対する一般の理解を深めていただくために構造改善週間というようなPR週間を設けたり、あるいは現場見学会をやってみたり、パンフレットをつくってみたりというようなことをやっておるわけでございます。 加えて、大変これは大事な問題ということで、中央建設業審議会という審議会がございますけれども、その中に人材専門委員会というのを設けておりまして、そこでいろいろ人材確保についての問題点を今詰めていただいておりまして、近々この答申をいただくことにしております。 こんな努力を重ねながら、今後とも人材確保のための施策に全力を傾けてまいる所存でございます。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま岡部先生から御指摘をいただきました建設現場の技術革新のための研究、こうしたものをもう少し進めたらどうかという御指摘でございますが、全く私も同感でございます。 特に、今回の江東区の爆発事故などは、こういった省人化というものを今後進めていくことによって事故を未然に防ぐこともできましょうし、そういった面では省人化あるいは無人化、そして施工現場の安全管理の中で、いわゆる大型クレーンとかそうしたものが稼働する中で基盤がしっかりとしたものかどうかということを自動的に察知できるような機械なんかも装置することによって、こうした初歩的な事故を未然に防げるような環境づくりを目指していかなければならない、このように考えております。安全対策というものは何よりも必要でありますので、そうした中で技術革新と安全意識の高揚、両方の中から安全対策を進めていかなければならない、このように考えております。
○岡部三郎君 ぜひそういうことで御努力をいただきたいと思います。 次に、災害対策につきまして国土庁にお伺いをいたしたいと思います。 国土庁の主要な業務の一つに防災対策があるわけでございます。井上国土庁長官は長らく党の災害対策特別委員長をおやりでございまして、いわば防災対策については党内きっての専門家でございますから、これから申し上げることはまさに釈迦に説法でございますけれども、最近の災害は結構範囲が広く、またその実態も複雑化してきております。 特に、雲仙・普賢岳の噴火災害は依然として終息の兆しを見せておりませんし、被災者の苦労も多大なものがあるわけであります。またおととしの十九号台風による風倒木、これも被害地域の山村は壊滅的な打撃を受けまして、今なお二次災害発生の危険をはらんでおるわけであります。こうした地域に対しては、長期にわたって周到な配慮が必要であると思います。 特に今回は、私は震災対策について御意見を申し上げたいと思うのですが、現在の首都圏では、いわゆるプレート型の地震が起きる確率は若干遠のいたということでありますが、そのかわりに直下型地震が起きる確率は十年以内に五〇%ぐらいある、こういうふうに言われておるわけでありますし、現に釧路だとか能登半島でも発生をいたし、被災者の方々には大変お気の毒な状況にあるわけであります。これが一極集中の首都圏で起きたならば、その被害ははかり知れないものがあるだろうと想像されます。 もちろん、これに対する対策はハード面を中心に相当周到に立てられているということは私もよく存じております。そしてまた、さらに万全を期すべく頑張っていただかなければなりませんが、私は、むしろ問題があるとすれば、ソフト的な分野についての対策ではないかという気がいたすわけであります。 一九八九年にサンフランシスコでマグニチュード七・二のロマプリータ地震というのが発生をいたしました、これは、アメリカでは史上最大規模のものだったそうでありますが、その割に混乱が少なかった。それには二つの原因があったと言われております。 一つは、地震情報が早期に、的確に流されたということ、それからもう一つは、市民のボランティア活動が大変活発であったということであります。こういうハード面のみならず、ソフト面の要因が大変に大きいということは、これはもう大臣御承知のとおりでございますが、やはり地震で一番怖いのは、一般の人たちが不安感に駆られてパニック状態になるということでありますから、そうしたことを防ぐためにもこうした二つの教訓というのは非常に大事なことだと思うわけであります。 地震情報につきましては、もちろんラジオ等で流されるわけでしょうが、具体的な被害が発生した場合に、その地点での臨機応変の退避指導等は、なかなかこれはラジオでやるというわけにまいらない。やはりラジオの情報というのはどうしても一般的なものになりがちでございますから、こういった緊急の場合には、空からヘリ等で直接指導をするということも必要になってくるのではないかと思います。そういった態勢が今の日本で十分に備わっているかどうか私は大変心配でございます。 それから、ボランティア活動については、これはどうも日本では余りそういうことが十分に行われていない、大変弱い点ではないかと思うわけでありまして、アメリカのようにやるためには、やはり早急に組織づくりなり教育訓練を実施するということが必要でありましょうが、今からそういうことをやっても間に合わないということならば、何らかそれにかわるべき処置を考える必要があるのではないかと思います。 もちろんそのほかに、基本的には市民生活に欠かせない重要な施設については地方分散を図るとか、あるいはダブルトラックにするというような必要があることも言うまでもありません。 要するに、こういった総合的な対策を、ひとつ専門家の大臣でございますから、大臣御就任中にぜひしっかりと立てていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(井上孝君) 岡部委員は私の後、自民党の災害対策特別委員長をお引き受けいただきまして、私にまさる専門家であります。ただいまの先生の御意見、大変貴重な意見だと思っております。 特に、正確な情報を与えるということは非常に災害時には重要なことであると思いますので、先生も御承知のように、かねてより情報連絡網の整備に努めておるところでございます。 特に、国土庁と関係行政機関を結びます中央防災無線、それから都道府県と市町村を結ぶ都道府県防災行政無線、それから市町村と集落を結ぶ市町村防災行政無線、大きく三つに分かれるわけであります。この中で、もう都道府県行政無線以上はほとんど整備が終わりに近い、完全とはまだいっておらないことは御承知のとおりであります。 そういうことでございますが、最後の市町村防災行政無線、これの整備にさらに努力をいたしまして、今先生おっしゃいましたような体系的な情報網の整備に今後とも努力していきたいと思いますし、現地にヘリコプターでも飛ばして空から直接住民に現状をお知らせするというようなこともこれからの問題として真剣に検討してまいりたいと思っております。 それから、ボランティアの問題につきましてはいろいろ今研究中でございます。おっしゃいますように、アメリカのロマプリータ地震では大変効果があったということは承知いたしておりますが、それが直ちに今の日本にすぐできるかどうかというふうなことになりますと大変問題がございます。ただ、こういうものを育てていく必要があるだろう、こう思っておりますので、平成三年、おととしから消防庁、厚生省、国土庁、それから日赤ですね、そういうものも入れてこういうものを育成する協議をいたしておる次第でございます。
○岡部三郎君 ありがとうございました。 それでは、次に北北海道開発庁長官にお伺いをしたいと思います。 このたび北先生が長官におなりになりました。長官は北海道で生まれられ、長らく北海道で活躍をされ、そして北海道の将来に対しては大変な情熱をお持ちの方でありますから、まさに水を得た魚のごとき御心境ではないかと拝察をするわけでありますが、ひとつ長官の二十一世紀にかけての北海道開発のビジョンにつきまして、本来なら一時間でも二時間でもお伺いしたいところでありますが、ちょっと時間もありませんので五分ぐらいでひとつよろしくお願いしたいと思います。
○国務大臣(北修二君) 岡部委員の北海道に対する理解と日ごろ御支援をいただいております点、厚くお礼を申し上げたい、かように存ずる次第でございます。 北海道は御承知のように、明治時代から一歩一歩開拓を始めて、あるいは屯田兵などという制度がございまして、そして開拓をしてきたわけでございます。非常に大きなところで、東北六県に新潟を足しただけの面積、日本国土の約二二%を上回る大変に大きなところであるわけでございます。したがいまして、今日まで、戦後二十五年に北海道開発庁が設置されて急速に北海道の開発が進んできておるところでございます。 しかし、例えば道路で申し上げますと、今、高速道路あるいは高規格道路、本州と比較をいたしますとまだ半分以下でございます。これから一層投資をして、北海道の基盤づくりに最善を尽くしていきたい、かように考えておるところでございます。 御案内のように、交通網で申すと青函トンネルができた、あるいは空港につきましてもただいまは十四の空港があるわけでございます。千歳空港についてはまことに近代的な空港ができてきておるわけでございます。こういう北海道の豊かな国土資源を活用して、我が国の長期的発展に貢献する力強い北海道形成を基本的目標とする第五期の北海道総合開発計画を推進中であるわけでございます。計画の全般を通じまして、ただいま申し上げましたような青函トンネルあるいは千歳空港あるいは高規格道路の整備、新たに発展する基盤を着実にただいま整備をいたしておるところでございます。 また、生活重視の時代の流れの中で、北海道の美しく豊かな自然環境は、国民の保養の場の提供や生活の質の向上のため貴重な資源としてますます重要性を増しておるわけでございます。現在、北海道に観光で来られる方は大変多数になってまいりまして、年々増加をいたしておる、こういう状況でございます。 一方、国際環境の変化によりまして、北海道に隣接するサハリンだとかあるいはロシア、極東地方との交流やアジア諸国との地域の交流を拡大して今日に至っておるわけでございます。特にエアカーゴということで、どの飛行機も北海道の上空を通って東京に、あるいはその他に行くわけでございまして、北海道の千歳空港を東南アジアあるいはECに至るまでぜひ拠点にしたいものだ、かように考えておるところでございます。 第五期の計画の後半をスタートしたわけでございます。引き続き計画に沿って北海道内外にわたる交流基盤や生活環境の整備と産業の振興を推進してまいりたい、かように考えております。柔軟な活力ある産業群の形成、あるいは生産性の高い農林水産業の育成や苫小牧東部も一万一千、国際的にも広大な工業基地があるわけでございます。しかし、当地域は鉄鋼あるいは石油化学等を大々的にやる予定でございましたが、御承知のように、時代の変化に伴いましてこれが実現していないわけでございます。今、新しい形でこの重要な貴重な基地を開発をしていきたいということで、ただいま苫小牧市あるいは北海道庁あるいは各省と協力しまして審議会を設けまして、これから新しい事業に着手してまいりたい、かように考えておるところでございます。 なお、高度な交通情報通信ネットワークの形成、あるいは我が国の北の国際交流拠点としての形成を目指し、国際エアカーゴなどを積極的にやっていきたい、かように考えておるわけでございます。 また、安全でゆとりのある地域社会の形成ということで、御承知のように、北海道につきましては石狩川、大きな川がございまして、これの大変大きな災害があるわけでございます。したがいまして、これに対して千歳川の放水路を設けて、そしてこの災害を除きたい。今、鋭意関係団体とも相談をさせていただいておるわけでございます。ぜひ実現をしたい。 あるいは北海道には冬があるわけでございます。冬は寒い、苦しい、こういう北海道の名じゃなく、「ふゆトピア」ということで楽しい冬を過ごせるような環境づくりをしてまいりたい。あるいはニューカントリー事業の推進、あるいは地方中核都市、中心都市の活性化などを主にいたしまして計画の積極的な推進を図っていきたい。特に平成五年におきましては、北海道の特色である広大な国土空間と豊かな自然を生かして自然と生活の調和のとれた北海道らしい生活大国の実現を目指して、今後もゆとりある大地北海道をテーマに施策を推進してまいりたい、かように考えておるところでございます。 また、国際環境が非常に変わってまいりまして、北海道は北でございますから、サハリンだとかシベリアだとか、御案内のようにソビエトには無限といわれる天然ガスがあり、あるいは石炭もあるといわれる。二十一世紀につきましては、石油も中東は限度が来るであろう、ここに投資をすることこそまさに日本の将来の発展があり得る、こういうように言われておるわけでございまして、今後ともこの二十一世紀について北海道としての役割は非常に大きい、かように自負をいたしておるところでございます。 今後とも北海道の開発計画につきましてはより一層努力をして皆さんの御期待に沿っていきたい、かように考えております。よろしくお願いをいたします。
○岡部三郎君 ありがとうございました。 私も長らく北海道と親しくさせていただきまして、北海道の開発をだれよりも願う者の一人でございますが、おっしゃるとおり、北海道はやっぱりその地理的な特徴というものを生かして、農工一体のひとつすばらしいユートピアをつくることが何にも増して大切なことだと思います。ぜひ長官御在任中に、二十一世紀に羽ばたく北海道開発の基本方針をしっかりと立てていただきたいとお願いをいたしたいと思います。 次に、建設省に二、三残る時間で御質問をしたいと思いますが、まず最初は建設副産物についてでございます。 おたくの資料によりますと、平成二年度の建設事業から発生した土の量が三億七千万立米、これは関西国際空港埋立土量の二倍だそうでありますし、コンクリート、アスファルト等の建設廃棄物は七千六百万トン、これは東京ドームの四十個分に当たるそうであります。今後、公共投資十カ年計画を進めていく上において、これらの建設副産物の発生というのはますます増大をしてくると考えられますし、その対策を適切に推進していきませんと先ほどの環境との問題も生じてくるのではないかと思いますし、極めて重要な課題だと存ずるわけでありますが、これについての建設省の基本的な考え方なりあるいは具体的な取り組みにつきましてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(伴襄君) 先生御指摘の建設発生土あるいはコンクリート塊、アスファルト塊、大量に出ております。特に近年は大都市部を中心にいたしまして建設工事のそういう副産物の発生量が非常にふえております。また、一方では最終処分場も不足しているといったような状況でございますので、この建設事業を円滑に進めていくには大変重要な問題であるというふうに私ども認識しております。 ただ、建設副産物の場合は非常に大量に出ますけれども、幸いなことに安全なものが多い、しかも資材として再利用が可能なものが多いといったようなことがございますので、そういった認識のもとに、一つは極力工事現場から発生量を少なくしよう、発生量を抑制しようというのを一点言っております。それからもう一点は、できるだけ他の建設工事で再利用しよう、利用可能なものは再利用しようというようなことを言っております。それから三点目は、不法投棄が非常に多い、こう言われておりますので、不法投棄防止のためのいろんな適正処分の徹底というようなことをやりたい、この三点を柱として今対策を講じているところでございます。 先生御案内のとおり、一昨年でございますけれども、リサイクル法ができております。再生資源の利用の促進に関する法律という法律ができておりまして、この中で建設副産物も、例えば建設発生土、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、こういったものは指定副産物にいたしまして再利用をやっております。これはもう指定されておりますけれども、これを実際に具体的に再利用するにはどうするかということで、例えば公共建設工事でリサイクルして使うということを先導的にやってみたらどうかといったようなことを今やっておりまして、建設省の発注する工事につきましてはいろいろな条件をつけまして、建設発生土が五十キロメートルの範囲内でもし再利用できるようだったらばそこに搬出させる、あるいは受け入れさせるといったようなことをやったり、それからコンクリート塊等は再利用の方でございますが、四十キロメートル範囲内に砕いて再資源化する施設があればそこに持っていって再生資源として利用するといったようなことをしてもらっておりまして、具体に設計書の上で処分方法だとか、それから処理場とかそういうのを指定したり、それから運搬の費用だとか再資源化する費用を積算上で見るといったようなことをやらせていただいているところでございます。 こんなことを先導的にやりながら一層のリサイクルを進めていきたいと思っておりますし、それからあわせて適正処理を進めるための基本的な考え方を、建設副産物適正処理推進要綱というものをことしの一月に決めております。これを関係機関に、特に発注者、施工業者、両者にわたりまして徹底するようにしていきたいというようなことを考えているところでございます。
○岡部三郎君 ありがとうございました。 最後に、環境対策について一言御質問をしたいと思います。 建設行政といいますといわば開発のための行政である、したがって環境保全とは相反するものだというようにとられがちでございますけれども、私は決してそうではないと思います。開発と環境というのは十分に共生可能なものでありますし、さらに開発を進めることによって、生活環境はもとよりでありますが、今国民の強い関心の的でございます地球規模の環境問題に対してもこれを改善することに役立っている面がたくさんあるのではないかと思うわけであります。しかし、こうしたことは余り国民の一般の方々には知らされてない面が多いと思います。 そこで、具体的にそれではどういうふうな分野についていかなる取り組みがなされておるのか、そのことをお伺いをしまして、大体時間でございますので、私の質問を終えさせていただきたいと思います。
○政府委員(伴襄君) 建設省におきます地球環境問題に対する具体的な取り組みでございますけれども、建設省といたしましても住宅、社会資本整備だとか、あるいは都市整備を通じまして省資源、省エネルギーといったような環境への負荷の軽減の観点からいろいろな課題に取り組んでおります。 具体的に申しますと、例えば地球温暖化の防止のためには二酸化炭素の排出を少なくするということが必要でございますが、そのためにそういった二酸化炭素の排出の少ない町づくりといったようなことで住宅とか建築物の省エネ化を進めるとかあるいは都市緑化を推進するといったようなことが一つあろうかと思います。また、交通渋滞を解消するということも大事なことでございますので、交通渋滞の解消だとかあるいは公共交通機関の利用促進といったようなこともその施策がと思われます。 それから、熱帯林の減少を防止することも必要でございますので、そのためには熱帯木材を用いた合板製型枠、これを回数多く使うとか、あるいは他用途のものに、他のものに転用するとかといったようなこともございます。それから、オゾン層の保護のために、官庁施設の冷房設備が特定フロンを使っているものがございますので、その特定フロンを使用しない設備に置きかえるといったようなこと、これは先般の補正予算でも大幅にそれが手当てされております。 その他、開発途上国に対して、特に水質汚濁なんかにつきまして技術援助するといったようなこともあろうかと思いますし、それから私どもの研究機関、国土地理院とか土木研究所がございますので、そういったところで海面上昇の測定技術、それを開発するとか、あるいは緑化技術、リサイクル技術につきまして、土木研究所を中心にしてやるとかといったようなことに取り組んでおるところでございます。
○中川嘉美君 私は、今国会で審議される第十一次道路五カ年計画について、ここでは基本的な問題に関してのみ伺っておきたい、このように思います。詳細に関しては、改めて法案審議の場において明らかにしてまいりたい、このように思うわけです。 今回の五計は、投資規模において十次五計より二十二兆円も上回っている。事業ごとに見ても大幅な投資増になっているわけでございます。私は、景気対策に資するからといってただ単に投資規模が大きければいいというのではなくて、やはり時代の流れというものを見通したものでなければならない、このように思います。 まず、建設大臣に伺いたいのは、今回の五計に際してどのような点に留意をされたのか、これが第一点です。次に、五年前の十次五計との大きな違い、差異といったものは一体何なのか、これが第二点です。第三点としては、十一次五計の理念、考え方についてどのように受けとめておられるか。これらの点について大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま第十一次道路五カ年計画に対する基本的な考え方についてお尋ねをいただきました。 我が国の道路網は若干立ちおくれているということはもう先生もよく御承知のとおりでございます。我が国は自動車一万台に対してわずか一・〇八キロメートルしかありません。アメリカの三・七九キロ、そしてフランスの二・七一キロと比較しても非常に高速道路網の整備がおくれている。そこへもってきて、アメリカの場合は九一年に陸上輸送合理化法というのができ上がりまして、現在の七万キロを二十五万キロに延ばす、こういうことでございますし、ECにおいても一万二千キロこれから十カ年間に延ばしていく。 こういった欧米の国々と比べて我が国の高速ネットワークというのは非常に立ちおくれた状況にございますので、今回の第十一次道路五カ年計画におきましては、豊かさの向上と地域の活性化、そして良好な環境創造と大きな三本柱を立てました。 具体的には、これから五カ年間に幅の広い歩道等を約九千キロ、そして十五万台の駐車場の整備によって地域の安全、利便性を確保していきたい。そして年間に三百七十キロぐらいずつ供用いたしまして、五カ年間で千八百七十七キロ、約七千八百キロの高速道路を供用できるようにしていきたい。そのほかに、地域と地域を結ぶ地域高規格道路を約二千キロ整備していきたい。このような考え方でこの方向を進めているわけでございます。これは、渋滞対策としてもまた環境対策としてもこの第十一次道路五カ年計画は十分寄与できると考えております。 また財源の問題としては、揮発油税と軽油引取税との差がリッター当たり二十九円五十銭あるわけでございますので、やはり道路の損修比率ということから見ても、今回は不況の中ではありますが御理解をいただきまして、特定財源の拡充に努めさせていただくことが景気対策にも寄与できますし、また走行便益、時間便益、こうしたものを考えてまいりますと、大体十一次五カ年計画が成立するころになりますとドライバー一人当たり年間四十六時間ぐらいの時間短縮ができる。 こういったものを考えながら、ぜひ今回の問題について御理解をいただきたいということで基本的にお願いをさせていただいております。
○中川嘉美君 今回の道路五カ年計画が順調に整備されて目標が達成された場合、現在と比較してどのようなメリットが増大するのか。今の御答弁の中にも若干触れられておりますが、つまり国民にとって今までと違った恩恵というものがどのような形で享受できるかという問題、これらを具体的に説明をいただきたいと思います。
○政府委員(藤井治芳君) 先ほど大臣からお話し申しましたように、三つの大きな観点から私ども道路整備をやらせていただきます。 その一つの例を例えば渋滞対策、こういう形で見た場合に踏切道が約七百カ所なくなります。いわゆる交差点、踏切、こういったような交通隘路が七百カ所ほどなくなります。そして立体化とか連続立体、こういうような状態になりますし、高規格幹線道路や四車線以上の道路等いわゆる質の高いネットワーク、こういうものをふやしてまいりますので、朝夕のラッシュ時間帯の速度が大都市圏では現在一時間当たり平均すると十八キロぐらいでございますが、これが二十キロぐらいになるということでございます。それから、地方都市では現在二十二キロの平均速度で走っておりますが、これが二十四キロぐらいになる。 交通対策で見ますと、一般道路に比べて死傷者数で十分の一となる安全性の高い高速道路等いわゆる自動車専用道路、こういったものの整備を私どもはやります。さらにそれに加えて、歩道や道路照明の設置、交差点等の改良、こういったような事故多発箇所の改良等もやらせていただきます。その結果、現在一万一千人を上回る死者数を五計期間内には一万人を下回るような改善ができるものと考えております。 また、駐車場という面で見ましても、五カ年計画では路上駐車の著しい都心商業業務地区を中心に十五万台分の自動車駐車場のサービスができるとか、高齢者、身障者、児童、こういったような面から見ますと、現在三メーター以上の幅の広い歩道が非常に少のうございますが、これが約九千キロほどできる。こういったようなことが出てくるわけでございます。 そして、例えば地域の生活圏というような意味で申し上げますと、一時間でカバーできるそういう集積圏の状態が地方圏では現在、平成四年度末でございますが、四九%でございます。これが次の五カ年では五四%になる。こういったような状態で、いわゆる生活圏域が広がるのにも非常に役立つ、このような感じを持っております。これらはいろんな試算の仕方がありますけれども、一つ一つ地区ごとに各県で五カ年計画をつくらせていただきますので、そういう各地域ごとにもこのような物の考え方で効果を十分整理して、そして地域の方々にお示ししていく努力をしたいと思っております。 大きな意味でこの道路整備は、走行時間の短縮、燃料の節約、こういったものにもメリットがあるわけでございますが、そういう意味の直接的な便益としては、五カ年計画が終了いたしますと年間十兆一千億のいわゆる便益が出てくるといったようなマクロ的な計算もしておりますし、それから間接効果として、平成五年度から十四年度までの十年間では二百十二兆円の国民総生産の増加ももたらされる、こういったようなマクロ的な効果もございます。 こういったことで、私どもはこれから一つ一つを積み上げながらその効果をよりあらしめるように努力したいと思っております。
○中川嘉美君 要するに、国民的レベルで見た場合、達成された成果というものが明確にわかるようなものでなければならない。そうでないとメリットの増大とは言えないのではないかというふうに私は思いますので、今の御答弁の中身を踏まえて、ぜひともそれが実現されるように要望をしておきたいと思います。 次に移ります。 地域高規格道路ですが、これは今回五計の注目施策の一つになっているわけです。この道路の性格づけ、さらにはイメージ、こういったものはどのようになっているのか、また、これからの整備の目標とか質的な水準に関する現状について御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(藤井治芳君) 地域高規格道路は、私ども一万四千キロの全国的な高規格道路をつくればいわゆる多極分散型の国土ができるのではないかと当初考えておりました。しかし、どうもいろいろな方々の御意見を聞きますと、それだけでは地域はストロー効果が出てしまう。やはり強い地域構造を持った集積圏をつくりたい、そのためには地域の高規格の道路網という一つのネットワーク社会をつくらざるを得ない、こういうふうな判断に至りました。 そこで、その路線のイメージといたしましては、それぞれの都市圏といいますか都市といいますか、そういうものの通過交通を排除して、その都市を活性化させるための放射環状道路、東京でいえば東京外郭環状道路といったようなものがこの一つのイメージかと思いますけれども、ここまでいかなくともこういったような性格のもの、あるいは空路、海路などと総合的な交通体系をつくる連絡道路、あるいは全国的なこういう高規格幹線道路を補うもの、現在足らざるところがございますのでこういったものを補うもの、あるいはこういう高規格幹線道路等へのアクセスをもう少し補強しながら地域の連携、都市と都市の連携を強化して都市圏をつくっていくもの、こういったようなものでございます。いわゆる自動車専用道路または同等の機能を有する質の高い道路、質の高いというのは、完全に専用道路ではなくとも立体交差が連続していくということで、事実上専用道路的に使える、こういったようなことで、六十キロから八十キロで走れる、少なくともそういう性格の道路にしたいと思っております。 そこで、現在、広域道路整備基本計画というのを各県、地元でつくっていただいております。私どももお手伝いしておりますが、この中でこういうものの母集団をきちっと整理し、この中から新たに地域における柱となる地域高規格道路を指定していきたい、かように思っております。 そこで、こういうものができたときにどういうふうになるのかという、一つのイメージとしてこういうことがございます。例えば、現在人口五十万人以上の集積を有する都市などでは人口が事実上増加しております。数十万以下になりますと余りふえておりません。したがって、五十万ぐらいの人口集積圏ができるということは地域にとって非常にメリットがある。なれば、一つの都市でできないわけですから、都市と都市、町と町を連携させまして、その連携した構造の中で集積効果を発揮していく、そういうことで強い地方圏をつくってみたらどうか、こういうことでございます。 そういう意味で、各地域における振興計画と整合を図りながらこのネットワーク構造をつくる、このようなことが非常に大きいと思いまして、現在一時間圏あるいは三十分交流圏というような意味で各自治体が構想を立てでございます。これなどはまさしく私どものこの計画と同じ思想の系統になるものと思っておりますし、現在地方圏において、県庁所在地あるいは同一都道府県内の人口三十万人以上の都市へおおむね一時間以内で到達する定住人口は約五〇%以下でございます。したがって、これを私ども二十一世紀初頭、平成十二年までには七割までこの一時間圏カバー率を引き上げたい、そういうことも考えた高規格な地域における道路網、こういうものをセットしていきたい、かように思っております。
○中川嘉美君 地方の活性化ということで地方中枢都市間を結ぶ地域高規格道路あるいは大都市圏を結ぶ高規格道路の整備を進めても、いわゆるストロー効果ということで逆に大都市や中枢都市などにその地方の人口が流れてしまう、こういうような実は批判もあるわけです。地方の人口が大都市に現実に流れ込むとするならば、いわゆる地方の活性化という原点は失われてくるんじゃないだろうか。その地域の人口が仮にふえなくても、せめて減りぐあいが少なかったと言われるような目標の達成すら相当これは難しいんじゃないかなと思うわけですが、建設省としては、人口が大都市に流れ込むということはほとんどあり得ないと最終的に判断しておられるのかどうか。私は、この道路整備そのものには決して反対するものではありませんけれども、この点についていま一度ちょっとお答えをいただきたい。
○政府委員(藤井治芳君) 従来の道路整備、正直言いまして、全国的に縦貫道、都市圏では放射道路、こういうものをつくってきたのが現実の姿でございます。 その結果どうなったかというと、それぞれの沿線地域の活性化には非常に役立ってきた、寄与してきましたけれども、結果は首都圏への集中。したがって首都圏のポテンシャルが高まる。そして、結果的に一極集中という要因になったということも私は事実現状から見て理解できると思います。そこで、高規格幹線道路の考え方は、こういった地域の魅力を高めて産業立地の増大等を通じて地域の活性化、人口の集積に資するという視点でございます。 そこで、現実の姿を調べてみました。そうしますと、この高規格幹線道路の沿線地域では人口がおおむね増加しております。そこから大体三十キロ以内。それから産業立地についても、インターチェンジ周辺に立地する例が非常に多く見られます。したがって、高規格幹線道路というものの持っている性格、吸引力、こういうものが非常に高いことがわかります。 したがって、今後の道路整備に当たりましては、多角型の都市圏と自立した都市圏、これを結び合わせてやっていくことによって地方圏同士が結べば、何も大都市圏と結ばなくてもいいわけでございます。結果として大都市圏と結べばいいわけでございますから、そのような形でこのストロー効果を防ぐことができるのではないかということから一万四千キロと地域高規格を考えました。
○中川嘉美君 今回の五計を進めるに当たっての考え方についてはこれは同意できるものですけれども、我が党は常日ごろから人に優しい道づくりの推進、これの検討を進めてきているわけで、そのための提言も行っております。子供とかそれから高齢者、障害者といういわゆる交通弱者に対する優しい道路整備ということが重要であるわけですけれども、今回の五計ではこの点にどのような配慮をしておられるのか、この点を伺っていきたいと思います。
○政府委員(藤井治芳君) 具体的な例で申し上げます。 まず、児童、高齢者、身障者、こういうものを主役に、要するにこういうものを弱者というのではなくて、主役にするような設計をしていかなきゃいけないだろう、計画をしなきゃいけないだろうということで、新たに小学校と連携いたしまして、通学路における安全点検を平成五年度から大々的に実施するつもりでございます。この準備を今進めております。その点検結果を大いに尊重するわけですが、歩道や防護さく等交通安全施設の整備とか、その幅とか、こういったものをそれに沿ってつくっていこう、要するに子供を中心にまず歩くところをつくろう。 それからもう一つ、これはちょっと違うことでございますが、モーダルミックスとして、なるべく駅まで行くのに車だとか自転車で行かなくとも、歩いていけるようにしたい。したがって、駅からある時間帯までの、十五分とかそういうところの歩道は意識して歩道整備をしていこう、こういったような歩道整備あるいは車いすの利用者というようなものは少なくとも一メーター幅が余計必要でございます。したがって、三メーター以上の幅の広い歩道、これを積極的にやっていく。それからさらに、ある駅周辺とかといったようなところでは、スロープ、エレベーター等のいわゆる昇降装置付の立体横断施設とか、おりないで済むような、ビルに直接行くようなペデストリアンデッキ、こういったものも積極的に誘導してみたいと思いますし、舗装などでいえば水がたまらないような透水性舗装とか、電線類はなるべく地中化して少しでも歩道から障害物をなくすとか、植樹帯もその地域に応じて低い植樹帯をつくるようなものも考える。そしてさらに、高齢者の運転が非常にふえてまいりますから、とまるところをつくらなきゃいけませんから、いわゆる譲り合い車線、それからわかりやすい照明、それから道の訳といったような休憩施設、こういうものも今まで以上に考えていきたい。 さらに、今度は路地になりますと、通過交通を入りにくくするためのコミュニテー道路を一層工夫いたしまして、そういうものをネットワーク化するように、今までは単発的なコミュニティー道路でしたが、それをネットワーク化するようなこともやってみたいなと思っております。 それから、バスなどではいわゆるバス停のハイグレード化とか荷さばき施設でトラックを少し横に置いて、普通の車がとまらないでも行けるとかといったようなこと、あるいは自転車駐車場、もろもろのことを考え、そういうのに合うように道路構造も直さなきゃいけませんから、構造令の見直しということも含めて道路審議会に建設大臣の方から道路構造のあり方の諮問もいただいております。 そういうことで、つくる構造、基準から始まっていろいろとやらしていただきますが、そのベースになるのは、地方でいろんな懇談会を開き、地方の声を集めてきた結果の内容を今後この五カ年の実施に当たって生かしたい、こういう趣旨からでございます。
○中川嘉美君 非常に広範にわたって丁寧な御答弁で大変感謝しておりますけれども、やはりこれは、我が党が愛知県で児童の通学路といいますか、総点検をやったときに、地方議員が児童と一緒になって歩いて、同じ目の高さから信号を見てみたら、見えないところがたくさんある。同じに歩いてその立場から見るとよく見えないところがたくさんある。これはもちろん改善する方向にあれしましたけれども、あとは、一緒に歩いて信号が変わるまでに渡り切れないとか、そういうことが現実に総点検で出てきた。このことも加味して人間的な立場からそれらのひとつ改善に当たっていただきたい、こう思います。 あといろいろ道路関係ありますが、二、三残りをちょっと伺ってみますが、昨年末の予算折衝において、当初要求の十一次五計、当初額七十六兆円ですね。これは変わらなかったわけですけれども、調整費一兆四千億円がついて、その分この一般道路あるいは有料道路分が削られる、そしてまた地方単独事業がふえている。この三者のそれぞれの内訳というのか、バランスはどのように見たらいいのか、この点はいかがですか。
○政府委員(藤井治芳君) 私ども一般道路事業、有料道路事業、地方単独事業、いずれもそれぞれ特色を持って重要な事業だと思っております。 そこで、私ども過去の実績をベースにしながら財政当局、自治省とも調整をさせていただきました。その結果、平成四年度以降のバランスのとれた伸び、一・〇八%の伸びでございますが、それをいずれの事業においても確保しよう、こういうことでセットいたしまして、それぞれ一般道路事業が二十八兆八千億、有料道路事業二十兆六千億、地方単独事業二十五兆二千億、こういうような形にさせていただいております。それぞれの事業を同じ伸び率で確保していこう、こういう思想でございます。
○中川嘉美君 各都道府県においてこの地方版道路五カ年計画とそれから地方版道路整備長期構想、これを策定して地方と国が一体となって整備していくようでありますけれども、この地方の計画それから長期構想と今回の道路五計との整合性はどのようになっているのか、どのように協力して進めていかれるのか、この点もあわせて伺っておきたいと思います。
○政府委員(藤井治芳君) 私どもこの国の五カ年計画は、いわゆる平成三年から四年まで一年半ほどかけまして、地方ブロック、都道府県、各市において懇談会を合計二百二回、八千二百人の方々に御参画していただいて声をまとめました。その声が実は五カ年計画のベースでございます。したがって地方の声がベースだと、そうなれば当然のことながらフォローアップをしなきゃいけない。その方々にもこうやりましたということがわからなきゃいけないということでございますから、地域の五カ年計画をつくっていただいて、それと国との五カ年計画が全く一致する形で、それは表現方法についてはいろいろと差はあると思います。しかし、内容そのものについては少なくともその地域のいろんな経済活動、生活活動をするのにその道路がこうなるということが当てにできもような、そういうものがブロックごとでもその地域ごとでもわかるようにしていこう、こういうことでございますので、ぴたり一致させたいというのが私どものねらいでございます。
○中川嘉美君 五年間七十六兆円という投資額というのは強力なものであって、この投資額の確保ということが非常に重要になってくると思うんですね。この特定道路財源の暫定税率の継続とかあるいは軽油引取税の増額等で対処するようですけれども、景気の後退等もあって果たして財源をコンスタントに確保できるのかどうかという疑念が出てくるわけですが、この点について政府としてはどのような手段あるいは施策を講じていかれるつもりなのか、この点も伺っておきたいと思います。
○政府委員(藤井治芳君) 七十六兆円の道路財源の総額をどのように確保するか、大問題だと思っております。国民の方々の御理解をいただくわけでございますが、当然のことながら一般財源と特定財源の両方に御負担をお願いしなければならない。したがって、一般財源につきましても従来に増してその投入の拡大をお願いするわけでございます。しかし、それにも限度がございます。そこで、今度は自動車の利用者にもこの計画の内容が利用者のサービスをこういう形になりますということを御理解いただきながら御負担を求める、そういう特定財源の拡充をお願いするところでございます。 その特定財源の内容というのはガソリンと軽油の税負担、ここにかなりの差がございます。二十九円五十銭現実にございます。それは諸外国から比べてもかなり大きな差でございます。そういうことを縮小することによって自動車利用者の負担の公平を図るということとした結果、軽油引取税の税率のみを引き上げることとしたものでございます。しかし、その際ガソリン税の税率は据え置くわけでございますけれども、国の所要の財源も確保させていただきたいということで、ガソリン税の国、地方の配分の調整も同時にさせていただきまして所要の国費、地方費を確保させていただく、このような形をとらせていただいて今回の道路の財源の確保を回らせていただきたいということでございます。よろしくお願いいたします。
○中川嘉美君 地方道路税については揮発油税との関係で減額がなされていますけれども、地方道路税は全額地方の財源になっているわけです。逆に地方税の軽油引取税などは増額されていますけれども、この差し引きのバランス、これはどういうふうになっているのか。すなわち地方に負担をかけない配慮はどのようになっているめか、この点はどうですか。
○政府委員(藤井治芳君) 現行制度では地方道路譲与税、これはガソリンにかかる税でございます。これが八円二十銭、地方に地方税という形で整理されております。この八円二十銭の中から県に配分するに相当する分が約三円ございます。この三円を揮発油税ということで国税の方に振り向けさせていただきます。そうしますと、当然のことながらこの地方に行くガソリン税は五円二十銭という形になります。そうすると地方に行くものは減るわけでございます。そこで、そういうものを含めて軽油引取税を七円八十銭上げさせていただきます。この軽油引取税は全部地方に行く財源でございますから、この七円八十銭の中で先ほど言いました三円という揮発油税に持っていった分は中に込ましていきますから、地方もふえ、国も三円ふえるという形の中で、増税という形では軽油が七円八十銭でございますが、国と地方がそれぞれの形で応分のバランスを持った増額を果たす、こういう形の計画とさせていただいているわけでございます。
○中川嘉美君 道路問題はこの程度にして、あとは法案審議のときにただしてまいりたい、このように思います。 次に、住宅政策ですけれども、住宅政策における国と地方の役割分担というような角度からちょっと伺ってみたいと思います。 我が国の住宅事情というものは、東京周辺などの大都市部と地方部との間でかなりの地域差がある。地域の実情をよく理解している地方公共団体が地方の具体的なニーズを踏まえて主体的な施策を行うことが非常に重要であると考えます。昨年十二月の住宅宅地審議会の中間報告でこの点を重視しているわけですけれども、今国会に提出される特定優良賃貸住宅供給促進法案、これでは国と地方の役割分担についてどのように考えておられるのか、この点ちょっと説明していただきたいと思います。
○政府委員(三井康壽君) 特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律案というのを今国会に御提案申し上げているわけでございます。 〔委員長退席、理事種田誠君着席〕 これにつきましては法案審議でまたきちっと御議論いただくと思いますけれども、趣旨をまず御説明いたしますと、現在私どもの住宅政策の一番大きな柱は居住水準の向上対策、持ち家は年々歳々よくはなってきておりますけれども、借家が必ずしも順調にいってない。そこで、借家対策の居住水準の向上を図るという意味から、民間の地主の方々にこれを、通常は民間の賃貸住宅でやっておられるのに助成措置を講じましていいものをつくっていこう、家賃の水準も適正なものにしたい、これがねらいでございます。 そこで、国と地方の役割ということでございますが、事業主体のメーンは民間の方々を考えておるのでございますから、そういった民間の方が事業をやられるに当たりましてはその事業が行われる地域の実情に最も詳しい地方公共団体が当然主役としてかんでいただくというのが大事だと思っているわけでございます。今回は、例えばお建てになる戸数とか規模とか構造とか家賃とかもろもろのことにつきまして供給計画を事業主体で立てていただいて、それを地方公共団体の都道府県知事にしっかり見ていただいて、そしてこの供給がいいものか、適正なる家賃で供給できるものか等々を見ていただいてこの事業を進めようということでございます。 私どもは、この制度の基本的な枠組みでございます補助の制度あるいは建設基準、そういった基本的なところにつきましては国が決めさせていただきまして、事業の実施あるいは計画、それに対する指導、これは公共団体にほとんどお願いするということでございますので、先ほど先生おっしゃいましたような地域のニーズをよくわきまえている地方公共団体の役割を重視しながら今国会に御提案申し上げているわけでございます。
○中川嘉美君 平成二年の東京都の住宅政策懇談会の報告でも、国への要望として、地域の実情に応じた住宅政策を行うためには権限や財源の移譲を望みたい、こういうふうになっているわけです。 ここで建設大臣の御意見も聞いてみたいんですが、住宅問題には、全国一律の解決策ではなくて地域に応じたきめ細やかな対策というものが当然必要であるというふうに考えますが、大臣からもこの点についてお答えをいただきたい。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま先生から御指摘をいただきました地域に合った住宅政策をということでございますが、確かに地域の実情に精通する地方公共団体が地域に合った住宅政策をやるということが必要であるということは私も同感であります。しかし、住宅としての全体的な公平性あるいは公益的な調整、統一性、そうしたものを図っていくために、やはり国と地方とが一体となってやっていくことが住宅政策として非常に重要である、このように私は認識しております。
○中川嘉美君 次に、賃貸住宅政策と住宅基本法に関して若干伺います。 今国会に提案される特定優良賃貸住宅制度は、従来の地域特別賃貸住宅制度を拡充したもの、このように伺っているわけですが、また平成二年六月十九日の参議院の建設委員会、当委員会において当時の住宅局長から、地域特別賃貸住宅B型の制度は家賃補助制度と思想的には全く同じであるという意味の御答弁がありましたけれども、この点について再度御説明をいただければと思います。 〔理事種田誠君退席、委員長着席〕
○政府委員(三井康壽君) ただいま家賃補助ということについての御質問と承りました。いわゆる家賃補助についてはいろんな御議論がございます。入居者に直接補助をするというお考えもございますし、それから事業主体に実質上の家賃の補助をするという考え方もございます。 私どもの考え方は、いろんな御議論の中でやはり居住水準の向上を図っていくというのが非常に大きな課題でございますので、居住水準の向上を図れる形で家賃に対する御援助をしていくというのが現在は正しいんではないか。そういたしますと、お住みになっている方に直接そういった補助をするということよりも事業主体が建てかえられるとか、あるいはこれは民間も公共も同じでございますけれども、その際にいい住宅、良質の住宅が建てられるわけでございますのでそういった際に入居される方々の実質上の家賃がある程度負担が軽くなるといった意味の、いわゆる家賃対策補助と言っているわけでございます。そういった補助をするのが妥当ではないかというふうに考えているわけでございます。 したがいまして、ただいま御質問ございましたが、この委員会におきまして家賃補助の御質問が平成二月六月ございました。このときに政府委員の住宅局長が御答弁を申し上げたのもそういった意味で御答弁をさせていただいているというふうに理解をしているわけでございます。
○中川嘉美君 法案審議のときにまたいろいろと伺いたいと思います。 地域特別賃貸住宅B型の現在までの実績戸数ですね、それが何月ぐらいかということ、それからまた地域間の住宅事情の差を踏まえて大都市地域を中心に供給をされているのかどうかという点。あわせて伺いますが、平成五年度の予算要求ではどのようにこれを拡充しようとしておられるか、特に住宅問題の深刻な大都市部で重点的に施策を展開すべきじゃないかというふうに思いますけれども、あわせてひとつ御答弁をいただきたい。
○政府委員(三井康壽君) まず一つは、昭和六十一年度からやらせていただいております地域特別賃貸住宅の実績でございます。現在までに約二万戸の実績ということに相なっております。年々歳々ふえてまいりまして、現在では平成四年度に一万戸の予算戸数、当初発足当時は六十一年度四千戸から始まりまして、現在は予算戸数一万戸ということでございます。なお、先ほど申し上げましたように実績は二万戸というふうに御理解をいただきます。 この二万戸の実績のうちどういう地域で主としてやられてきたかということでございますが、やはり大都市圏が多うございます。東京都が六千戸、神奈川が三千戸、これはおおむね切り上げたり切り下げたりしておりますが、約六千戸に約三千戸。また、愛知県が約千戸、大阪府約四千戸ということでございますが、ただ供給の実績は大都市圏に限っておりませんで全国で建設がなされております。なお、四十都道府県全部ではございませんで、まだ供給されていない県が十三県ございますけれども、かなりの大多数の県におきましてこの制度を使っていただいているということでございます。 そこで、私どもこの制度を使っていただきまして、大都市がいわゆる賃貸住宅の困窮度が高いわけでございますけれども、地方都市におきましてもこの地域特別賃貸住宅はUターンとかJターンとか、そういった地方にお戻りになる方々、あるいは地方でも多少所得の、収入の高い方にこの制度を利用していただこうというふうにお勧めしているところでございます。平成五年度の予算におきましては二万戸ということで予算案では計上させていただいているわけでございますが、その四分の三程度は三大都市圏というふうに想定しておりますが、四分の一はそれ以外の地方圏でこれをお使いいただきたいというふうに考えているところでございます。
○中川嘉美君 これは大臣もちょっと聞いておいていただきたいと思うんですが、特に大都市部の住宅難を解決するためには従来の持ち家中心の考え方から優良な賃貸住宅の供給ということに比重を移す新たな発想が求められているわけです。したがって、この際各種の公共住宅の一元的制度への再構築というものを図って、家賃を初めとする住居費の負担のあり方についてだれもがわかるルールというものをこれは確立する必要がおるんじゃないかというふうに思います。 山崎前大臣は、この住居費負担のあり方、国、地方公共団体の責務について国民的合意ができていないから住宅基本法の制定は時期尚早というふうに答弁されている。中村新大臣に対しては、これらに関する国民的合意の形成あるいは住宅基本法の制定についてのリーダーシップをぜひとも発揮されることを期待するわけでありますが、大臣の御決意のほどを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま御指摘をいただきました住宅基本法につきましては、現在住宅建設計画法、そして公営住宅法、大都市法、そして住宅公団法、金融公庫法、そして今回お願いをしております特定優良賃貸住宅供給法等もございまして、現在の法律の中で充実した政策を進めてきていると私は考えております。 さらにその上に住宅基本法を制定というお話も以前からあるということは聞いておりますけれども、そうなってまいりますと、ただいま前大臣の答弁の中に出てまいりました国、地方の責務あるいは目標、あるいはその他居住水準、こうしたものに対する国民的なコンセンサスというものは今の段階で十分に得られているとは私は認識しておりませんが、ただ今までのいろいろの御意見があったということを踏まえて広く意見を聞きながらこの問題に対して対応していくべきである、このように考えております。
○中川嘉美君 住宅関係もう少しお聞きしたいテーマもあるわけですが、法案の審議のときもございますので、ちょっと時間の関係でリゾート法の方に移ってまいりたい、こういうふうに思います。 昭和六十二年六月にリゾート法が制定された。三重県のサンベルトゾーン構想を初めとして現在まで三十九地域において基本構想が承認されて整備を行っているわけでありますが、いわゆるバブル経済の崩壊による景気の後退という本法制定時には考えられなかった経済状態によって本業不振に起因するところの開発事業の撤退というこういう問題がクローズアップされてきているわけです。こういった現象によって事業規模の縮小あるいは計画それ自体が宙に浮くというケースも多いようでありますが、このような事態に至った背景とかあるいは現状をどのように分析しておられるのか。ここでは挫折した計画の具体的な事例等も絡めてお答えをいただければと思います。
○政府委員(秋本敏文君) リゾート法についてでございますけれども、御指摘ございましたように、最近の経済情勢の変化等ございまして、開発事業者が撤退をしたといったような報道を私どもも承知をいたしております。そのようなことを耳にしました県に聞いてみますと、他の開発事業者の誘導などについていろいろ今検討しているところだというようなことでございまして、現在までのところ具体的な施設の整備計画を取りやめるといったようなそういう形の基本構想の変更承認申請といったようなものは出てきていないという状況でございます。 しかし、リゾートをめぐりましてはただいまの撤退の問題、あるいはその他いろいろの問題が指摘をされているところでございますので、私ども昨年の四月から総合保養地域整備研究会といったようなものを開催いたしまして、学識経験の方々、あるいは実際にリゾートづくりに携わっておられる方々、あるいは利用される方々の事情に詳しい方、そういったような方に参加をしていただきましてリゾート全般についての御検討をお願いしてまいりました、 先般その御報告をいただいたわけでございますけれども、その中でもリゾート整備については、これまで十年、二十年といったような長い期間を要しているのが通例だということで長期的な視点に立って取り組む必要があるというような趣旨の御指摘をいただいております。だからといって問題がない、こういう意味で申し上げておるわけじゃもちろんございませんけれども、そういったようなことも念頭に置きながら着実にリゾート整備を積み重ねていく、そういう姿勢は必要であろうというふうに考えております。
○中川嘉美君 リゾート整備におけるもう一つの大きな課題は、言うまでもなく環境問題ですね。 今月、国土庁地方振興局長の私的諮問機関であるところの総合保養地域整備研究会が最終取りまとめを発表しているわけですが、この中で自然環境の保全の観点や地域振興の観点というよりも短期的な事業の成果が重視されてきたと、率直に環境面への配慮が足りなかったことを指摘しておられる。実際各地においてさまざまな形の住民運動が活発に行われているということ、それで計画が中断を余儀なくされたのも実はあると聞いているわけですね。 このような事態に対して国土庁は法改正によらずに法律の運用でこれに対応しよう、このように考えておられるようでありますが、法改正の必要は全くないものかどうか法律の運用における見直しの必要性も今後さらに出てくるんじゃないか、このように考えますが、国土庁の見解を伺っておきたいと思います。
○政府委員(秋本敏文君) リゾート整備を進めるに当たりまして、自然環境の保全とその調和を図るというようなことはもう当然大事なことであると存じます。このことにつきましてもいろいろ御指摘をいただいているところでございますので、これも含めまして先ほど申し上げましたように総合保養地域整備研究会、今御指摘もございましたが、設置、開催をいたしまして御検討をいただきました。 現在の総合保養地域整備法のもとにおきましてはどうかと申し上げますと、現行の法律におきましても自然環境保全は当然リゾート整備に当たって重視すべき事項、配慮すべき重要事項ということでうたわれておりまして、法に基づく基本方針におきましても配慮すべき重要事項の一つとして「自然環境の保全との調和」という項目を掲げまして自然環境に与える影響を調査、検討することなどの配慮を義務づけるといったようになっております。そしてまた、具体的な基本構想の承認、審査に当たりましては、それぞれ重点整備地区ごとに保全対象となりますような貴重な動植物、あるいは地域にどういったものがあるかということを出していただいて、それぞれそれについて、例えばこの地域については施設は設置をしないことにしようとかあるいはこの貴重な動植物を守るためにどういうようなことをやるとか、そういったようなこともこの基本構想の審査に当たりましては出していただこう。そしてまた、この基本方針あるいはまた基本構想の承認ということにつきましては、これは法律に明記されているわけでございますけれども、環境庁長官などの関係行政機関と協議をするということになっておりまして、環境庁とも協議をして、その上で承認等を行うというようにいたしているところでございます。 そういったようなことをしておるわけでございますが、今御指摘ございました総合保養地域整備研究会におきましては、これからのリゾート整備のあり方につきまして広範に御検討いただいたわけでございますけれども、総合保養地域整備法はリゾートの理念に基づいて適切に運用されることによって将来にわたって必要とされる我が国のリゾート整備に寄与することができるものであり、その適切な運用を図っていく必要がある、こういうようにされております。私どもといたしましては、関係の各省とも連携を保ちまして、援言の趣旨を踏まえて法の適切な運用を図っていくというようなことによって自然破壊といったような批判を招かないように精いっぱいの努力をしてまいりたいと考えております。 また、地方団体におきましても、御存じのようにいろいろな条例あるいは要綱などを使って環境問題についてもできる限りの配慮をしているところでございます。
○中川嘉美君 研究会の最終取りまとめにおいて、「民間事業者は、高度化・多様化する国民のリゾート需要に対応し、創意工夫により良質で個性あるリゾート施設の整備と運営を行う主体」である、このように定義しておりますけれども、家族が一年に一週間程度滞在するようなリゾートライフが料金水準の面から実現できるのかどうかということは非常に疑問が残るわけですね。 平成三年十月の総理府広報室の「余暇と旅行に関する世論調査」、これによりますと、約四割の人が滞在型の旅行をしてみたい、しかしながら実現できそうにもないというふうに答えている。その中の三割以上の人たちが金銭的負担の大きさそのものを挙げているわけです。高級感のあるものとか大衆的なもの等、あらゆる所得層の人たちがリゾートライフに参加できるようなそういうシステムの確立が当然必要ではないかというふうに考えます。 最近の報道においても、「労働時間の短縮は時代の流れだ。施設が簡素でも、低料金で美しい自然にひたれるなら、利用客は増えていくに違いない。巨大開発中心のリゾート法の仕組みを手直しして、だれもが利用できるリゾートづくりを支援する必要がある」、こんな主張も実は見られるわけです。 例えば、リゾート法における重点整備地区と各省庁がかかわっている各種保養施設ですね、これらとのネットワーク化等による料金の低廉化というかそういったものも考えられる対策の一つではないか、こんなふうに思いますが、こういった問題に対するアイデアを含めて御答弁をいただければと思います。
○政府委員(秋本敏文君) たびたび御指摘いただいております総合保養地域整備研究会の御報告の中でも、国民のニーズが極めて多様である、したがってその多様なニーズにこたえられるようなリゾート整備体制が必要である、こういうことが指摘をされておりまして、そういう考え方のもとで私どもも進めてまいらなければならないと考えております。 現在、総合保養地域整備法に基づいて承認をしております基本構想におきましても、それぞれの構想を見ますと、やはり多様なリゾート整備ということが考えられていないわけではございませんけれども、しかしやはりこれからさらに引き続いてそういう多様な、言いかえますと低廉な料金でも利用できるようなリゾート整備というのは必要だろうと思います。そういうことを実現していく方法の一つとして、今御指摘のありましたようないろいろなリゾート施設のネットワークを整備していって適切な情報提供をしていくということも大事なことであろうと思います。私どももそういったことについてさらに努力をしてまいりたいと思います。
○中川嘉美君 リゾート事業が思うように軌道に乗らない理由の一つなんですが、どの施設においても金太郎あめ的なものばっかりで魅力に欠けるという問題があるんではないか、こんなふうに思います。各自治体もブームに乗るばかりではなくて、地域の特色をさらに生かしたリゾート整備というものを行うことで集客力をつけることが必要じゃないだろうかこんなふうにも思います。 政府として積極的に各事業主体に対してこの点に関する指導とかあるいは助言をすることはもちろん言うまでもないことですけれども、各自治体にこのような方針で行ってもらうように、すなわち地域の特色をもっと生かしたリゾート整備を目指すことが重要ではないか、このように思いますが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(秋本敏文君) 御指摘のように、それぞれの地域の個性、特色を生かしたリゾート整備は大事なことであろうと思います。研究会の報告におきましてもそういった趣旨のことが言われておりますが、私どももその趣旨に沿って今後ともさらに努力してまいりたいと思います。 この中で、具体的なあり方としまして地方団体に対する情報提供、人材育成あるいは研修といったようなことをやる、さらには地方団体から要請がございましたときに適切なるアドバイザーの派遣といったようなこと、それらにつきましても明年度の予算に若干のものを盛り込ませていただいておりますので、それらが実現できるようになりましたら我々もそういったものをうまく使って適切にやっていきたいと考えております。
○中川嘉美君 バブル時代に画一的で採算性の乏しいリゾート計画を生む一因になったというんでしょうかこれはリゾート整備を手がけるコンサルタントの不足である、こんなふうに言われております。今御答弁がありましたけれども、いわゆるアドバイザー制度におけるアドバイザーは、大学とかシンクタンク、民間企業の専門家を中心に十人程度というふうに言われているわけですが、この程度の人数でいいものかどうか、また専門家としてのバックグラウンドは具体的にどのような条件が要求されているのかこの辺もちょっと触れておきたいと思います。
○政府委員(秋本敏文君) アドバイザーについての具体的なこと但まだ決めておりませんけれども、今お話がございましたように、特定の専門分野の方だけというわけには恐らくいかないだろうと思いますので、それぞれの地域の個性を生かす、あるいは利用者のニーズを的確に把握できる、そういったような適切な方々を私どもも十分検討してまいりたいと思います。 人数をどのようにするのか、アドバイザーグループといったようなものの人数全体をどうするか、あるいはそれぞれの地域に派遣するときの人数をどうするか、いろいろなことがあろうと思いますので、さらに関係の各省でも御意見があるかもしれませんが、それらも伺いながらよく相談をし、検討をしてまいりたいと思います。
○中川嘉美君 全国的に、先ほど冒頭に申し上げたように構想というのはたくさんあるわけなんで、十人とか二十人というんじゃ恐らくとても対応できないんじゃないかというふうにも思うわけで、この辺も総合的にひとつ検討を加えていく必要があるんじゃないか、こんなふうにも思います。 最後になりますが、国土庁長官のお考えも最後にできればお聞きしておきたいと思いますが、リゾートブームのあらしの中、国民の間で少なからずリゾート法の廃止とかあるいは反対の運動があったことはこれもう否定できないわけですが、ここにももう一つの報道として、同法の適用地域については農地転用基準が緩和される、従来、開発の防波堤になっていた国有林がリゾート開発の拠点に変わってしまった地域もある、現行の法律は開発側に都合がよく、利用者や地域住民の視点が欠けている、乱開発を放置している行政の責任は大きいと言わざるを得ない、こんなようなちょっとした厳しい見方も当然出てくるわけです。 ただ、リゾートの整備というのは十年、二十年という長い視点でとらえなければならない問題である、このように認識しているわけですが、そこで国民的な要望の強さとの矛盾を解決して、そして国民に幅広く受け入れられる施設を政府は打ち出す必要があるんではないか、このように思います。 ここで伺いたいんですが、リゾート先進国であるフランスと我が国のリゾート整備に対する取り組みにおいての比較、これは一番欠如しているのは、そもそもリゾートとはという哲学ではないかというふうに思います。そこで、このテーマの最後に国土庁長官に伺いますが、今後のリゾート政策はどうあるべきか、率直なお考えと御決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(井上孝君) 六十二年に作成いたしました総合保養地域整備法に基づいて今までやってきたわけでございますが、ただいま中川委員からいろんな観点からの御批判を拝聴いたしました。 ただ、昨年の六月に閣議決定いたしました生活大国五カ年計画におきましても、これから今国会でも御審議願うわけでありますが、労働基準法の改正等によって労働時間が短縮される、したがいまして余暇活動の場を提供しなきゃならぬ、それに先ほど先生お触れになりました総理府の世論調査もございます。そういう観点から私ども、従来のリゾート法を見直して、欠点は直しながら、やはり法律の趣旨に基づいて余暇活動のための健全な場を提供していかなければならない、こういうふうに思っております。 ただ、政府委員が申しましたように、研究会においてはいろんな観点からも指摘されておりますし、先生も今おっしゃいましたように、何よりもやはり自然破壊や環境悪化につながらない、それから地域の個性を生かした多様性のある施設を整備する、あるいは料金が安くて長期滞在ができるというようなこと、それから何よりも地元に貢献ができるような、地元に喜んでいただけるような保養地をつくっていく、こういう観点から、実際に今行われておりますものを見直しまして、真に今いろいろな観点からの御批判に耐えられるような地域整備を進めていきたいと思います。 特に、研究会の中で触れておられます国等の関連支援施策というものを調べてみますと、随分たくさんあるのでございまして、こういうものを組み合わせて、そして、安くて環境破壊につながらない保養地の整備というものを今の計画を見直しながら進めてまいりたいと思っております。
○中川嘉美君 終わります。
○委員長(梶原敬義君) 暫時休憩いたします。 午後二時五十六分休憩 ――――◇――――― 午後三時開会
○委員長(梶原敬義君) 休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山田勇君 まず、一極集中の是正、国会等の移転に関して質問をいたします。 国土庁長官は、所信の中で第四次全国総合開発計画、いわゆる四全総の推進を第一に挙げておられます。四全総を着実に実施し、東京一極集中の是正、もって多極分散型の均衡ある国土の開発を図ることは、私も我が国の基本課題として最も重要な問題だと考えております。また、一極集中を是正しなければ政府の目指す生活大国の実現など絵にかいたもちになるんでしょう。そこで、こうした問題の抜本的な解決策として首都機能の移転が強く叫ばれ、さきの国会においては待望の国会等の移転に関する法律も成立したところであります。 しかし、こうした国家的プロジェクトがやっとスタートしたわけですが、法の成立をしたときのマスコミの扱いは思ったより小さく、ことしになってからも国会や政府機関が本当に移転するといったムードは全く感じられません。法律には移転の年月日は具体的に記されておりませんし、調査会も発足してないわけですが、現在も進行している東京一極集中を少しでも抑えるためには、首都機能は本当に移転するんだということを国民に周知徹底させるPRが必要なのではないでしょうか。もっとも、PRの仕方を誤れば各地で誘致合戦が激しくなることも考えなければなりません。大変難しい問題でもありますが、国土庁長官の決意のほどお聞かせいただきたいと思います。 まず、この点について長官の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(井上孝君) 山田委員御指摘のとおり、東京一極集中を是正するというのはただいまの四全総の中心課題でございます。したがいまして、その一環としてさきの国会におきまして議員立法によって国会等の移転に関する法律が制定をされました。 国会等の移転というのは、二十一世紀の我が国の政治、経済及び文化、そういったもののあり方に大きな影響を及ぼす極めて重要な問題であると認識をいたしております。法律には御承知のように、この国会等の移転に関する方向を決めるのは国の責務だということをまず明記しておりますし、そのためには衆知を集めるという意味で国会等移転調査会を設置する、こういう二つのことが規定されております。 国土庁といたしましては、この事務局をお預りする立場といたしまして、ただいまはとりあえずこの調査会の設置に向けて努力をいたしております。今、人選等やっておりますが、何とか来月、三月には第一回目を開かせていただきたいというつもりで今進めておりますし、その調査会の審議を円滑にやっていただくということに全力を挙げてまいりたいと思っております。 それから、PRの問題でございますが、確かに私ども役所でございますので、そういった点が非常に先生方に歯がゆい思いをあるいはお持たせいたしたかと思いますけれども、やはりこれからもそういうPRといいますか国民の合意を形成するという点に重点を置いて努めてまいりたいと思います。
○山田勇君 次に、国の行政機関の移転については昭和六十三年七月に移転の対象が閣議決定されておりますが、五十の対象になっている機関で移転が進んでいるのは見当たらないようでございます。 そういった中で、今月十三日の新聞記事では、国土庁長官が建設省所管の本四連絡橋公団の総裁に対し、本社の神戸移転について具体的な計画を来月中にまとめるよう指示したと書かれておりますが、長官、どういう経緯かお聞かせください。」 また、本四連絡橋公団としては今後どのようなスケジュールで移転を進める予定なのか、よければ聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(井上孝君) 国の行政機関等の移転につきましては、平成元年に既に移転先、あるいは移転候補地、そういうものが取りまとめられまして閣議決定をいたしております。 既に四機関が移転をいたしておりますが、また十機関、自衛隊の十一部隊も含んでおりますが、そういったものが用地取得、または工事の段階に入っております。また、埼玉県の大宮、与野、浦和地区には国の行政機関の地方支分部局が集団移転するというようなことで用地の取得等着実に今実施をいたしておるわけでございます。 平成三年十月には、この調査検討中の国の機関につきましては、原則として平成四年度中、今年度中でございます、したがって三月末までに移転計画の策定を行うこと。また、特殊法人につきましてもその実現に向けて指導、要請すること等を関係各省で申し合わせておるわけでございます。 これが私が国土庁へ参りましていろいろと引き継きあるいは説明を伺いますと、どうもなかなか進んでおらないというようなことでございますので、特に私は、本州四国連絡橋公団、仕事場が瀬戸内海でございますから、しかも閣議で神戸に移すということが決まっておりますので、どういうわけではっきりしないのかということで、公団の総裁に来ていただきまして実情を伺いました。 新聞には私が神戸移転を早くするように指示したと書いてございますが、私には公団総裁に指示をする権限はございません。要請をしたということでございますが、いろいろ打ち合わせをした結果、いろんな支障があるようでございますけれども、すべて努力すればできないことではないということで総裁も納得をして、これにはまた予算が必要でございますから、三月までに計画をつくって、そして移転に向けて一歩進めるということで了解を得たわけでございます。
○山田勇君 長官の熱意に対して心から敬意を表します。 新聞等の記事を見ますと、二百人から二百数十名になるそうですが、それだけの移転をしなければならない、宿舎の確保とか事務局とか。僕は、そういうのは、この間、あるパーティーで神戸市長と会って、こういう話があった場合、神戸市に相談あったら十分相談を受け入れられるのかなんて、軽い立ち話ですがお話ししたんです。まあ神戸市の用地等々なんかもありますし、そんなことは幾らでも相談に乗りますよなんて市長言っておりましたので、それはもうぜひ地元行政側との連絡を密にしてやられたらいいんではないかなというふうな気もいたしました。
○国務大臣(井上孝君) ただいま、たまたま建設大臣おられませんけれども、建設大臣がこの責任者で指示するのは建設大臣でございます。建設大臣も新聞記事を見て、私のああいった行動を非常に大切だと、私も全面的に応援するということをわざわざ私に言っていただきましたので、監督官庁でございますからお伝えしておきます。
○山田勇君 国の行政機関の移転についてはそのほとんどが首都圏内の移転であり、一極集中排除に実効性があるかは当初から疑問視されている部分もありますが、そうした比較的楽な移転でもなかなか進まないようでは国民の行政への信頼を失うことにもなりかねません。どうか長官といたしましては、本四公団だけではなく、今後もリーダーシップを発揮して各機関に対して移転を行うよう強く指導していただきたいと思います。 その際、まず隗より始めよのことわざもありますように、国土庁長官の水資源開発公団、地域振興整備公団の移転を進めてはいかがと思いますが、長官の御所見をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(藤原和人君) 経緯がございますので、私から答えさせていただきます。 特殊法人の移転につきましては、先ほど大臣も申し上げましたが、平成三年十月二十四日に国の行政機関等の移転推進についてという申し合わせがございます。これができているわけでございまして、私どもといたしましてもこれによりまして、国土庁の所管の地域振興整備公団と水資源開発公団でございますが、地域振興整備公団については川崎市に、それから水資源開発公団については横浜市へという移転計画を平成四年度中に策定するように両公団に要請をしているわけでございます。 それから、もちろん移転ということになりますと移転候補先の整備がどうなっているかといったようなこともいろいろ情報を集めなきゃいけないというようなこともございますから、そういうところも怠りないようにというような指導もいたしているわけでございます。 それで、両公団におきましては、公団内に従来から移転問題に関する検討会のようなものを設けましていろいろな問題点を検討してまいっておりますが、私どもの今申し上げましたような要請、指導等を受けまして現在鋭意移転計画の策定を検討している、こういう段階だと承知をいたしているわけでございます。 先生の御指摘もございました。私どもといたしまして、本件につきましては引き続き努力をさせていただきたいと考えております。
○山田勇君 関西国際空港の整備について運輸省にお尋ねをいたします。 一極集中是正、また東京にかわる核となる地域づくり、こういった観点からも関西圏の整備は重要課題であります。長官の所信の中でも触れられている関西空港は関西最大のプロジェクトであり、地元の期待も極めて大きいことは言うまでもありません。 そこで、運輸省にお尋ねをいたしますが、来年の夏の開港に向け第一期計画の工事は順調に進んでいるのかどうかまた滑走路三本の全体構想については具体的にどのような手順で進めていくのかをお答えいただきたいと思います。
○説明員(磯田壯一郎君) 運輸省の関西国際空港課長でございます。ただいまお尋ねの件についてお答え申し上げます。 まず、第一期の建設工事の進捗状況でございますが、昭和六十二年一月に埋立工事に着手して以来、約五年弱で埋め立てを完了いたしました。平成三年十二月に空港島が完成しております。その後、上物のいわゆる滑走路とか誘導路、それから旅客ターミナルビル、こういったものの工事を今進めておるわけでございますが、比較的工事としましては順調に進んでおりまして、既に昨年の十一月には私どもの航空局の庁舎、それから管制塔が島内の第一号の施設として完成をしております。 そのほか、特に工事が非常に複雑になりまして問題がございます旅客ターミナルビルにつきましても、屋根が非常にカーブが特殊な屋根でございまして、この大屋根に一部既にかかるなど極めて工事は順調でございまして、工程面から考えますと平成六年夏ごろの開港に技術面からの問題は特にないというのが現況でございます。 あとは、これにあわせまして開港に向けてエアライン、それから中で働きますいろいろな方々の教育訓練、慣熟と呼んでおりますが、これが問題になってくるわけでございまして、現在これを鋭意詰めさせまして、平成六年夏の開港をぜひとも実現したいということで取り組んでいるところでございます。 それから全体構想でございますが、全体構想につきましては、先生も御存じのとおり、平成三年十一月に第六次空港整備五カ年計画が閣議決定をされました。この中で、「その推進を図るため、調査検討を進めるとともに、事業の健全な経営と円滑な実施を図るための措置に関し関係者間で具体的方策を確立する。」ということが五カ年計画の中に盛り込まれたわけでございます。 私どももこれに基づきまして、平成四年度には三億五千万円、それから平成五年度予算では、現在お願いをしておりますが五億三百万円の調査費を確保いたしまして所要の調査を進める。さらにあわせて、先ほど問題が出ましたいろいろな点について関係者間で検討を進めて、合意をぜひともこの五カ年計画内につくりつけたいということで現在鋭意努力をしておるところでございます。
○山田勇君 滑走路は今のところ一本ですね。
○説明員(磯田壯一郎君) さようでございます。
○山田勇君 それでは緊急用の西風滑走路もできないしダブルも入らない。これ、あと二本つけることでどのぐらい予算が要ると課長はお思いでしょうか。
○説明員(磯田壯一郎君) 実は、それを去年からことしの調査費をいただきまして、その調査費でその点を詰めさせていただこう、こう思っております。 一期の予算が、御存じのとおり事業費といたしまして一兆四千三百億円かかっておりますが、これの倍以上はかからざるを得ないという感じでございまして、その辺を十分詰めて少しでも安くかつ効率的なつくり方ができないか、これが今最大の課題だと思っております。
○山田勇君 先日、建設委員会で横浜ベイブリッジ、レインボーブリッジ、それから羽田沖の拡張を見てまいりました。そのとき、これは半分冗談ではございますが、やっぱり国のやることはすごいと、これでは民間第三セクターをつくってやっている関西新空港は、それは滑走路をせめてあと一本という予算要求してもなかなか出てこない。 大体、空港なんというのは、まあこれは課長にぼやいても仕方ないですが、空港自体はやっぱり国の大型プロジェクトでやるべきことを中曽根内閣のときに民活という形の中で第三セクターをつくって、国と地方自治体と民間の活力の導入という形で一生懸命地元地方自治体、民間、関西財界も含めて頑張ったんです。いかんせん、滑走路一本では十二万回、それでは今の時点では何とかいくでしょうが、ここ二、三年すれば、いわゆるエアカーゴなんということを考えて貨物線も入ってきたりしたら到底一本ではどうしようもない、安全性が期待できる空港じゃないと思うんです。 僕は、その点、これは運輸省の責任だけでもない、建設する側の建設省にも多少の予算要求に対するお願いをせにゃいかぬわけですが、地元も今必死で株の増資をしようかとかそういう形で頑張っているんですから、せめて安全性という面から考えていただいて二本は入れないと、あの関西新空港はできてもそんなに活用できないんではないか、期待感が薄いんではないかと言われております。 そういう形の中で、我々も地元選出議員として何とか予算をいただきながら、知恵を絞りながら、何としても二本は、あの西風滑走路は伊丹がありますから緊急空港としてまだできますが、ダブルは入れておかないと、絶対に僕は関西新空港としてのていをなさないし、空港にでもいろいろ言われているとおり、やっぱりその空港の目的というのは何なのか。アジアヘ向かうのかアメリカへ向かうのか、いや全世界に向かって開港する空港なのかその辺をもう一遍考える必要があると思います。 あのルーフの問題も、イタリアのデザイナーですからね、なかなかうるさいんです。僕もよく知っています、事情は。屋根の少しカーブを曲げるだけでもクレームがついたりします。一本の屋根でこれだけのルーフを持つんでしょう。それはやっぱり電気自動車で行ったり来たりせないかぬ。それから、柱のない空港をつくらないかぬということですが、それも予算の関係で縮小して、そして工事に入っている。 地元の皆さん方、運輸省の皆さん方の御苦労は十分わかるんですが、いかんせん滑走路というのは僕は空港のもう主体な一番大事なものだと思います。それが一本では心もとない。打ち上げている花火はチャンギ空港をしのぐ空港と言うけれども、それはもう滑走路だけでは負けています。設備にはどれだけのこれから大きな附帯設備をするか期待をするところでありますが、そういう意味で、大変申しわけないんですが、運輸省もひとつ予算獲得のため――調査費も少ないんですよね、実際言って。まあまあいただくだけでありがたいと思って調査をしなきゃいかぬのでしょうが、羽田のああいう大きなプロジェクトを見ていますと、やっぱり国が主導権を持ってやる空港はすごいなというふうに、ひがみかもわかりませんが、考えたりしております。 運輸省の皆さん、大変御苦労が出先でございましょうが、今後とも第二滑走路をつくるまでひとついろんな意味で御努力をいただきたいと思います。答弁は結構でございます。 そこで、国土庁にお尋ねいたしますが、空港とあわせて、りんくうタウン等の関連施設の整備が重要な課題であります。この点についてどのような進捗状況かお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(内藤勲君) 関西国際空港の関連施設整備の進捗状況のお尋ねでございますが、関西国際空港に関連する道路や鉄道などの関連施設整備につきましては、昭和六十年十二月に関係閣僚会議で関西国際空港関連施設整備大綱というものが決定されました。これに基づきまして関係省庁等におきまして鋭意整備が進められている、そういう状況でございます。 現時点におきましては、全体の事業費が三兆四千三百億円ということでございまして、平成四年度までの累積事業費は二兆八千三百億円というふうに見込まれます。八三%ということでございまして、ほぼ順調に進んでいると言えると思います。 それから、国土庁といたしましては、平成六年夏ごろの開港ということでございますので、関係省庁の局長クラスから成る関西国際空港関連施設整備連絡調整会議というのがございますが、その場で所要の調整を行っておりまして、今後とも関連施設の整備が大綱に基づき計画的に推進されるよう努力してまいりたいと思います。
○山田勇君 内藤さんね、今の御報告はちょっと納得いかぬですよ。りんくうタウンに入っている企業はもう全部撤退して、まあまあ困っている状況なんですよね。それはカメの音やないんから、出たり入ったりされたら困るんでね。やっぱり大阪府がそれだけの大きなプロジェクトを組んで企業を誘致してきちっと仕上げようというときに、それはバブルという特殊な経済がこういう不況になったものですから、企業は一斉に撤退をするということですからね。で、これが景気よけりゃまた参加しようかと。だから、僕は知事に申し上げたんですが、そんな勝手のええようなことばかりされては困ります、もっと強気の商売しなさいというふうに申し上げたこともあるんですが、実際はうまくいってないんですよね。 だから、りんくうタウンにしても、これから関連事業としてもう一遍見直す時期であるかもわかりませんね。いろんな意味で、流通の大きなウエアハウスをつくっていくとか、更地でほっておくわけにいきませんのでその点もこれから少し方向を考えて、それはもう国の方にでも考えてもらって、りんくうタウンも関連施設が完全にでき上がるようにひとつ御努力をいただきたいと思います。 次に、大阪湾臨海地域開発整備法、いわゆるベイエリア法についてでありますが、これがさきの国会で成立し、その目的に書かれているように、大阪湾臨海地域が世界都市にふさわしい機能と住民の良好な居住環境を備えた地域として発展するよう、さらに瀬戸内の自然環境の保全にも最大限の配慮をしつつ関連地域の整備開発を進めていただきたいと思います。 国土庁長官は、その担当大臣として環境、通産、運輸、郵政、建設、自治の各主務大臣と密接な連携をとりながら最大限の努力をしていただきたいと考えますが、長官の決意のほどを伺いたいと思います。
○国務大臣(井上孝君) ただいまのお尋ねでございますが、さきの国会で成立をさせていただきました大阪湾臨海地域開発整備法、この施行に当たりましては、関係省庁が大変多うございますので、その密接な連携が必要であるということで、去る二月四日でございますが、まず主務省庁の局長レベルの大阪湾臨海地域開発整備連絡調整会議というものを発足させました。また、法律ではこれから基本方針を決めたり、整備計画を県から出てきたものを承認したりという作業がございますが、まず一番先に必要な基本方針の決定というものをこの夏までに、というのは、来年度の予算要求に間に合わせるように、この夏までに基本方針を決めたいと思っております。 国と地方との関係につきましては、これは国土庁が窓口でございますので、円滑な推進を図るように一層努力をしてまいりたいと思っております。
○山田勇君 まあこれは長官がもう御専門でいらっしゃいますが、法文化していくと小さい項目たくさんありますから作業は大変だと思いますが、ひとつ一日も早くでき上がるようにお願いをしておきます。 次に、リゾート法についていろいろお尋ねをするつもりでございましたが、同僚議員であります中川委員の方から本当に私が尋ねようとすることを全部質疑ありました。その中で、長官も御承知のとおり、我々も賛成者としてこのリゾート法を上げたわけです。だから、今も青木委員と言っていたのは、賛成をした以上は、この法律に対して我々も責任があるんだという気持ちがあります。決して僕はこのリゾート法はもうすべてが間違ったとは言いません。 先ほど申しましたとおり、やはり特異な経済情勢の中で、このリゾート法がいち早く後退をしたというか、それも今言うふうに、いわゆる日本の大手と言われる商社関係の開発というのは、全部とは言いませんが、抜ける髪のようにもうどんどんと引いていったわけであります。そうなりますと、これもいわゆるリゾート法をくわえて口を振り回されたような、国の大きなリゾート法という法をかけて、そこへそれなりの商社がそれなりの計画なり資金手当てなり、そういうものを考えてリサーチを十分して入ってきた。しかし、経済がこれだけ下落した。そうだからうちはちょっと台所苦しい、引きますと。それでは、地域、地元の人たち、いわゆる弱者に対してやはり大きな僕は損害を与えていくと思うんですね。これは、物質的なものでなく精神的にも、おらが村に、おらが町に、おらの市にこれだけの大きなプロジェクトが来るんだと、大いに頑張ろうと一生懸命地元が頑張っているやさきに、ちょっと撤退させていただきます。これはもう簡単に撤退をしていく。だから、ゴルフ場を開設するのに法律を変えました。完全にでき上がるまで会員を募集してはいけません。それと一緒なんです。 リゾート法だって一たんやるといったら、それはどういう事情があろうと、やっぱり日本を背負う大手商社が、計画をプロジェクトをつくって、このリゾート法へ乗っていきますと、地元に入った以上そんなに簡単に、これはちょっとまずいんですわね。規模でも縮小してやってもらえば、まだ地元は救いがあるんですよ。もう完全撤退しますからね。そんな大手企業が勝手なことを、先ほど来言うように出たり入ったりできない。そういう意味で非常に長官もその辺は苦慮なさったんでしょう。いろんな調査会とか、そういうことは今、中川委員に対しましての御答弁の中で十分わかりました。 だから、僕はやはりもう一遍法を改正してもいいと思うんです。改正というと、どうしても関係各省は嫌うんですね。僕は、一たんできた法律が永久にということはないと思うんです。特に関発なんというのは経済とも非常に緊密な関係にあるんですから、経済がへたればそのときの情勢によって法律をどんどんと変えていったらいいと思うんです、経済が生き物なら法律も生き物だという形で。だからそういう意味で、一たん入ってきた事業主に対しては、簡単に撤退できないような、資金計画からもう一遍検討してよろしいという形で、僕は認可をするなり許可をするなり、やっぱり国の大きな資金を使ったり、金利の手当てをしたりしてあげるんですから、そんな簡単に出たり入ったりされたんでは困るわけであります。と言って、今の情勢ですから、法律はそういう意味で改正まではいかなくても、十分またいろんな要綱を御検討いただきたいと私は思います。 それと同時に、これは大変思いつきで質疑通告しておりませんが、国民休暇村とか国民休養地とか国民年金保養センター、これは前は厚生省の所管、今現在は環境庁ですが、全国の景勝地を選んで建設しとなっております。だから僕は、そういうところももう一遍リゾートとここと、自然を破壊するという意味でなく、もうここに既存の建物などがありますから、これに附帯的な設備をリゾートの一環としてつくってやる。例えばすばらしい音楽のセンターとか、そういうもの。マイケル・ジャクソンだって山奥でも入っていきますよ、施設があれば。 それで長官、この間豊田市ですばらしい会館ができたんです。これはトヨタさんも努力なさって地元の豊田市も頑張ってつくったんですね。それでブーニンというソ連から亡命した世界的なピアニストを呼んでオープニングをやろうとした。立派なシャンデリアはつっているし、いすはもう電動式ではたばたっとすぐしまえるようになるし、出せるようになるし、立派なんです。 で、ブーニンが来て、手拍子を二つたたいただけで、済みません、私はここの会館ではピアノは弾けませんと。で、びっくりしよったんですね、つくった側は。何でですかと。こんな立派な設備をと言うけれども、音楽の初歩であります音を吸収する反射板が会館の中に入っていない。 だから、そういうようなもので、どんな立派な設備ができても、そこで演奏できないものであれば来ないんです。だから、どんな山奥でもいいんです。立派な設備をつくってやれば、世界のエンターテイナーは行きます、演奏もします、歌います。 だから、そういうようなものを少し、今あるところに何かをつくっていけないか、付加価値をつけていけないか。そういう点もひとつ長官として今後考えていっていただきたいと思います。それについて何か御所見がありましたら伺いたいと思います。
○国務大臣(井上孝君) 先ほど中川先生に最終的に御答弁申し上げたとおりでございますが、今御指摘のような国等の関連支援施策と私は先ほど中川先生に御答弁で申し上げましたが、国民休暇村とか、そういうものを私は含めたつもりで申し上げております。ああいうものと一緒になれば、私は、安くてしかも環境を破壊しないものができるのじゃないかと思います。 最後の音楽堂等の御意見は、本当に傾聴に値する御意見と思ってしかと承っておきます。
○山田勇君 ちょっと最後になりましたが、建設大臣お戻りになりましたので、まず大臣に住宅問題についてお尋ねします。 大臣は、所信表明の中で、住宅、社会資本の整備の重要性を強調されました。また、当面の諸施策の第一にも国民生活の基礎としての住宅対策を挙げておられます。私は、大臣が住宅問題を最重点に考えておられることは大変すばらしいことだと思います。 さて、そこで現在、来年度予算に関して住宅減税の必要性が野党はもとより与党の一部からも強く叫ばれていることは御承知のとおりでありますが、住宅は景気への波及効果が高く、景気対策の観点からも、また近年の地価高騰による国民の住宅に対する不満解消という点からも、住宅減税は実施すべきだと考えます。具体的には、持ち家に住む人への住宅取得促進税制の控除額を二十五万円から三十五万円への拡充、また賃貸住宅に住む人への年額六十万円までの家賃の所得控除制度の創設などであります。 大臣は、これらの住宅減税について効果があるとお考えでしょうか。それとも、いや今の時期ではこういうことは無意味だとお考えなのか、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま先生から御指摘をいただきました住宅促進税制の拡充につきましては、景気に対する影響は非常に大きなものである、このように私も認識しております。 現実問題として、昨年度のマンションの販売戸数を見てまいりますと、対前年度比三八・一%マイナス、分譲住宅は二五・四%マイナスということで、伸びているのは貸家住宅が偏って伸びているというような状況にございますので、そういう面からまいりますと、促進税制の拡充というものは景気に与える影響もタイミング的にも非常に時宜を得ているとは思いますが、政府としては今年の予算を一刻も早く成立させるという基本方針で臨んでおりますので、ぜひ予算の早期成立によろしく御協力のほどをお願い申し上げたいと思います。
○山田勇君 最後の質問をさせていただきます。 住政策に関する基本法の制定に関連してお伺いします。 住宅には価格の問題、質的向上の問題など重要課題が残されております。しかし、政府の住宅に対する取り組みは決して今日まで十分ではなかったと私は思っております。その証拠に、土地に関しては平成元年に土地基本法が成立しておりますが、住宅、住生活に関しては住生活を統括する役割を持った法律さえ制定されておりません。住宅と名のつく法律は、住宅金融公庫法、住宅地区改良法など幾つかあります。この地区改良法は今度新しい法案がまた出てまいりますが、この中でも多少なりとも政府の住政策全般にかかわりを持つものは住宅建設計画法程度であります。これさえも住宅建設五カ年計画を決めている程度で、国民が良好な住生活を営む権利は全く保障されておりません。 近年、地方自治体レベルで、自治体の責務、家賃補助、町づくり、住民組織、また開発事業者への要請などを内容とした住宅条例が多数制定されております。例えば、平成二年の東京中央区、平成三年の新宿区、台東区の各条例などであります。やはりこうした基本的な住宅政策については、まず国が住宅及び住環境に関する基本法を制定するのが先決ではないかと考えます。 先ほど来この件についても、中川委員が質問しましたが、大臣は、このことについての御検討をお約束願えますか、なお今時期尚早とおっしゃいますか。どちらかの御返事をいただいて私の質問を終わります。
○国務大臣(中村喜四郎君) 先ほど中川委員に答弁させていただいたことと同様の答弁をせざるを得ないわけでありますが、今までこの問題についていろいろ議論があったことは私も承知しております。しかし、この問題のコンセンサスを得るという状況に今の段階で残念ながら来ていないというのが私の認識でございますので、ただいま御指摘をいただきましたことにつきましては今後検討をさせていただきながら広く意見を求めてこの問題について取り組んでまいりたい、このように考えております。
○山田勇君 ありがとうございました。
○上田耕一郎君 きょうは、住都公団の問題について質問させていただきます。建設大臣も住宅局長も住都公団の総裁も、皆さん新しくおなりになりましたが、お伺いしたいと思います。 まず、個別問題ですけれども、練馬区の光が丘団地のパチンコ問題、これは私も建設委員会で取り上げてまいりました。もと赤羽駅の西口の再開発に協力したということで、光が丘団地の中央一号棟、大きな住宅ですけれども、その地下にパチンコ店ということで始まったんですね。区議会で反対陳情が満場一致で採択されて、私も質問をしました。それで、九〇年三月に業務施設、オフィス、あるいはショールームということで譲渡契約が結ばれて、一応解決したんです。 ところが、その後またゲームセンター、パチンコ等の問題が出てまいりまして、私も当時の海部首相に質問主意書を出しました。公団の問題なので、一パチンコ店の問題じゃないと。海部首相の答弁書は、業務契約どおりカラオケハウスなど娯楽施設は用途に該当しないという趣旨の政府の答弁書が来たわけです。それで一応けりがついていたんですけれども、また問題が再燃しまして、去年の十月十九日、区議会の議長並びに区長あてに配達証明の文書が業者から出まして、「公団との譲渡契約時の約束に基づき、パチンコ店を近々開業させて頂きたく存じております」と、裁判までやると書いてあるんですね。去年の十二月に工事がいよいよ始まったんです。 簡潔にお願いしたいんですけれども、こういう契約違反の事態が進んでいることに対して、公団としてはどう対処しようとしておられるのかお伺いします。
○参考人(立石真君) 今御質問の施設についてでございますけれども、御指摘のように、公団は当該施設の用途を業務施設等として譲渡契約を締結したところでございます。この譲渡契約に沿って使用するように、かねてから施設の譲り受け人に対しまして要請をしてきたところでございまして、現在のところパチンコ店出店を前提とする工事等が行われていないというように考えております。したがいまして、契約違反の状況ではないと考えているところでございますが、公団の方からも、パチンコ店出店を前提とした用途の変更には応じられない旨を伝えてきております。 今後の問題でございますけれども、施設の譲り受け人が契約に定められた業務施設等という用途に使用するように重ねて要請していきたい、そして施設が適正に使用されるように引き続き努力していきたいと考えているところでございます。
○上田耕一郎君 二月三日付の朝日新聞に大きな記事が載っています。この記事によりますと、会社側が「公団には「パチンコ店の工事をする」と説明した」と、そう言っている。公団の東京支社の村山邦彦再開発企画課長の談話が載っておりまして、「もしパチンコ店なら契約違反。住民や区、業者の話を聞いたうえで買い戻しするかどうか考えていく」と、こう記事に載っているんですね。 今のお話では、まだパチンコ店ではないと、工事が進んでいないと思うとおっしゃっていますけれども、万一契約に違反してパチンコ店の工事を行って開店された場合、契約違反が実際に行われた場合、この村山企画課長が述べておられるような買い戻しするかどうか、これも検討をしますか。
○参考人(立石真君) 施設譲り受け人との譲渡契約の中におきましては、この施設を業務施設等に利用するということで譲渡しているところでございます。パチンコ店はこの業務施設等に該当しないというように考えております。したがいまして、契約に違反して使用が行われた場合には、必要な措置が必要になろうかと思っております。 なお、譲渡契約書の中におきましては、譲渡契約が締結されてから五年間に限りでございますが、契約の解除または施設等を買い戻す機能が与えられておりますので、その時点でこういうような必要な措置をとりたいと考えております。
○上田耕一郎君 一パチンコ店の問題のようですけれども、国会でも問題になり、政府答弁書も出ている問題なので、ぜひ総裁も問題が公正に進められるよう措置をいただきたい、要望しておきます。 次に、住宅問題、特に家賃問題です。 中村大臣は、所信表明で住宅政策を非常に重視されて、「そこに住む人々が誇りと生きがいを持ちながら豊かさを実感できる地域社会をつくるため、国と地方がそれぞれの役割と責任を踏まえ一丸となって取り組むことが肝要」、「住宅は、家族の団らんの場であり国民生活の基礎となるものであります」、そう述べられております。私どもも全く同感であります。 住都公団は六十万ですか世界一の大家さんですね。その住都公団を指導監督する責任を建設省はお持ちなんです。非常に大きな役割を私は住都公団が果たしてこられたと思うんですが、昭和三十年代に建て始まって、管理が始まって、もう三十数年たって非常に大きな社会的な変化が生まれている。 そこで、実態として、当然御存じと思うんですけれども、共通の認識としておきたい問題は、まず高齢化が進んだことですね。公団自治協の世論調査によりますと、三割以上が六十歳以上の高齢者世帯だと。二番目に、高齢化に伴って、所得、生活上の変化も不可避的に起きている、年金生活者がふえてきましてね。自治協の調査によりますと、第一分位、つまり年収四百十万円未満三五%、第二分位五百三十二万円未満二一・一%。所得五分位のうち、第一、第二分位が五六・一%、六割近くが第一、第二分位に入っておられる、こういう状況があるわけです。 三番目に、この間に非常な地価暴騰が起きましたので、一時若い間公団に入って、そのうち持ち家をと皆さん思っておられるのがなかなか困難になっているので、ついの住みかにしたいという希望がふえているわけです。自治協の調査によりますと、永住希望四〇・七%、条件次第では永住したいを入れますと四七・三%、五割近くの方が団地に住み続けたいという希望をお持ちになっている、こういう状況があるわけです。こういう実態についてはよく御存じでしょうし、議論するところはないんだと思うんですね。 ところが、こういう世界一の大家さんの住都公団の住宅で、こういう社会的変化のもとで非常に重大な不安が今広がりつつある。その中心は家賃問題です。 まず、第一は三年ごとの家賃の値上げ、三年ごとに家賃の値上げになって、この建設委員会でも家賃の値上げごとに集中審議を行ったことがありますけれども、そういうふうになりますと年金生活者は、いや一回一万円程度と言われても三年ごとに上がってごらんなさい、これ大変ですよ。 この間関西で、家賃滞納して裁判で負けて、その後追い出される直前に老夫婦が心中された非常に悲惨な事件が起きたんですね。これは大臣の言われる本当に国民生活の基礎となる住宅問題で、老夫婦が追い出されそうになったということで死を選ぶ、これはやっぱり国の住宅政策として非常に悲惨な事件だったと思うんですね。 私は大臣に、この三年ごとの家賃値上げ問題、これが年金生活者の生活を直撃しているという事態をよくお考えになって、今すぐなかなか即答は難しいでしょうけれども、この公団住宅の三年ごとの家賃値上げ、こういう問題が非常に重大化しているということについて御認識を持っていただいて、ぜひ御検討をいただきたいという要望をまず最初に申し上げておきたいと思うんです。これは答弁は要りません。ぜひ検討をしてほしいということです。 二番目は、私はより重大な問題だと思うのは建てかえ問題です。私は、この建設委員会でこれまで八六年以来七回にわたってこの建てかえ問題の質問をしています。私は率直に申し上げて、今の政府がやっている事業の中でこれは最大の悪政の一つだと思うんですね。誇張なしに社会的暴挙だと思うんです。私は七年間質問し続けてきて、きょうも傍聴の古いらっしゃるけれども、去年は三多摩、二十二区、建てかえ対象の団地の方々や自治協の方々とずっと私懇談して歩いたんですけれども、つくづく思うんです。 緑町団地に行ったときはこういう話が老夫婦から出ましたよ。建てかえ指定になってから、目が覚めると二人でこの話だ、家賃の話。三倍になったらどうしようかと。三倍になるまでにはこれは減額措置がありますよ。減額措置はあるけれども、七年たつと三倍になっちゃうんだから、年金生活でふえないんだから、収入が。だから、それはもういきなり家賃が三倍になって、その分ほかのものを削らなきゃなりませんから、目が覚めると夫婦でその話だという非常につらいお話などを聞いたんです。 これは前回、九一年十二月十七日の質問でも言ったけれども、家賃が平米当たり三倍、ひどいときは四倍になる。西経堂は十五万を超えるんですよ。そうすると三〇%を超すんだ、家賃負担率は。建設省が考えている適正な家賃負担率というのは、第一分位で二人世帯だと一五%です。それが実際に適正負担率の二倍以上になっちゃうと、これはやっぱり三倍化四倍化という高家賃だ。 二番目に、その結果住み続けられなくて出ていく方がいらっしゃる。これは公団からいただいたデータを見ますと、東京でやった蓮根、亀有団地の調査、七十歳以上の高齢者世帯の中で団地を出られた方が三六・八%、七十歳以上の方で四割近くが結局住み続けられなくてお出になった。出た方々がどこに住んでいるか。公団住宅以外に移転した人の六割は親族同居だと。つまり、お子さんのところだとかあるいは親戚のところに転がり込んだということですよ、七十歳を超えた方が。これは今まで公団からいただいたデータに出ているんですから。 それで、こういう点でこれはマスコミでも大分取り上げられ始めておりますし、今、公団自治協としても大きな問題として運動を展開されておりますけれども、これは何とかして考えていただかなきゃならぬ。これまで地域リロケーション住宅だとかあるいは減額措置を高齢者の場合五年を十年に延ばすとか、あるいは公営住宅を併設するとかいろいろ公団側としても世論や要求に即した幾つかの措置をおとりになって、これは私どもも評価します。評価するけれども、一番基本の高家賃、三倍化というこの問題は動いていないんですよ。これが解決されない限りこの建てかえ問題が生む悲劇というのはとまらない。三多摩では今までお二人自殺していますからね、建てかえ問題で。これは、そういうことを国が指導責任を持つ住都公団の施策の結果生み出しているということを、政府だけじゃなくて我々建設委員会としても本当に真剣に受けとめるべきだ、こう思う。 大臣にまずお伺いしたい。 平成二年六月二十二日、住宅宅地審議会で「経済社会の発展に対応したゆとりある住生活を実現するための住宅・宅地政策についての答申」が出ました。これは民営借家の高齢者の三割以上が五年間で移転しちゃった。この多くは立ち退き要求、契約期限切れだと。だから、これらの世帯の居住の安定を図ることが課題となっていて、つまり高齢者については公共賃貸住宅で積極的に受け入れるべきだ、民間でもどんどん三割も高齢者が立ち退かれているから公共賃貸住宅で受け入れるべきだ、こう述べているんですよね。受け入れる公共賃貸住宅が建てかえでは高齢者をそんな目に遣わすんだろう。これは住宅宅地審議会の答申を本気に受け入れようと思ったら住都公団の建てかえ問題、これを考え直すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(中村喜四郎君) 先生から御指摘をいただきました住都公団の問題でありますが、入居者の方、今七十万世帯でございます。そういう面で非常に高齢化というものが急速に進んできておりまして、我が国の平成二年度の段階で六十五歳以上の方が一二%を超す、こういうような状況でございますし、ますます高齢化というものが進んでまいりますと、その中で高齢者のここに入居されている方々の家賃という問題が大きな問題になってきているということは先生御指摘のとおりでございます。 またしかし、いかにしてその住都公団の住宅の水準を向上するかという問題もまた一方の課題として私たちは向かわなきゃなりませんので、そういった整合性をどのようにして保っていくかということの中で、先ほど先生御指摘をいただきましたように、いわゆる身障者の方々とか生活保護の方々に対する特別措置、あるいは公営住宅の建設とかあっせんとか地域リロケーションとかそういうものをやりながら、先生が御指摘いただいたことに対して一挙に問題解決にはつながっていかないかもしれませんが、現実的に少しずつ高齢者の方々のこうした困った立場というものに対応できるように住都公団にも対応させていくように今後とも指導していきたい、このように考えております。
○上田耕一郎君 公団自治協は、去年の九月にこの問題で建てかえ後家賃についての提言というのを出したんですね、もう御存じと思いますけれども。 第一は、従前居住者の戻り入居と定住を保障するため適切な負担限度内の家賃制度を確立する。つまり、定住要望は非常に強いわけだし、定住できるような住み続けられるような家賃制度というのが第一点。第二点は、建てかえに当たって従前居住者のうち公営住宅入居資格に相当する世帯には公営住宅の家賃制度を準用すること。建設省は建てかえ十カ年戦略をお立てになって、公営、公団、公社の総合的な建てかえをおやりになろうとしている。その点で、私はこの公団自治協の二つの援言というのはなかなかやっぱり練りに練ったいい提言だと思うんですね。 これは一月初めの数字ですけれども、地方自治体の議会で自治協の援言について賛成だという意見書が続々生まれているんですよ。県では神奈川県、兵庫県、政令指定都市では横浜、川崎、大阪、神戸、福岡など二十七の市議会、一区議会、一町議会、一月七日で全国三十一議会でほぼこの意見書が通っているんですね。やはりそれは僕はかなり事態の核心をついた公平な提案だから、自民党も賛成なんですよ、各議会でね。これは既にもう三十一の議会が二つの県議会を初め賛成してきている。そういう点もぜひお考えになって、世論がこの問題で沸き始めているということをよく御認識いただきたい。 きょうは余り時間がございませんので、じゃ、なぜそういう僕の言う恐るべき暴挙で、世論も公団自治協の提案を支持してきているにもかかわらず、建てかえがどんどん、どんどん進むかということですよ。 丸山前総裁は私の質問に対して、合意率は九九・八%だと、うまく進んでいるというんですよ。強権発動をしないで御理解賜っているからうまくいっているんだと。それはね、何でこういう恐るべき暴挙が、七十歳以上の方の四割も出なきゃいけなくなる、自殺者も出ているような暴挙が丸山前総裁の言う九九・八%うまくいっていることになるかというと、やり方が強権的だからですよ。そのやり方は、国家権力をバックにした極めてひどいものです。 私は、この問題もこれまでにも取り上げてきたんですけれども、指定されると二年間の猶予期間なんですね。二年の間に判こをつかせるわけですよ。どういう判こかというと、今までの三十年住んできた居住権を無視して、もう今までの契約は合意してやめるんです、解除する。新たに一時使用賃貸契約書というのに判をつかせるんですよ。ちょっと一時入居するときに入る、それから判押してからしばらくいるという場合にもそこに住めると。だから、今までの居住権をその判こをつかせることによってパアにするんですな。そういうやり方するんです。これは僕は民間よりひどいと思うんだ。民間でも建てかえするときは話し合いして、話し合いがまだいろいろあっても立ち退き料か何か払ってそれで出てもらったり、いろいろやりますよ。それで裁判になるときもある。 公団は私の質問に対して、これは契約にはないんだから借地借家法に基づくんだと、こう言っているんですよ。借地借家法に基づくやり方なんだが、やり方は民間よりひどいんです。二年の間に判こを押さないとじゃどういうことになるかというと、裁判でおどしてくるわけですよ。それも一方的にもう契約更新はしませんというのを通知してくるんです。ここにありますけれども、内容証明でこういうのが来るんですよ。その来方も、例えば千葉県柏市の光ケ丘団地、二年間の期限終了の半年以上前にもう期限更新しないぞという内容証明が来るんです、半年前に。 それから東伏見団地、これは東京です。説明会から一年たっていない。つまり、二年の猶予のうちまだ一年残っているんですよ。そこへ来るんですから。今までにもう二十人来ているんです。去年の八月二十四日、一年たたないときに契約更新拒絶という予告が来てね、それから内容証明、これが来るんですよ。 それで、僕はちょっとこういうことはおかしいと思うんだな。九一年四月二十六日の当参議院建設委員会で、全会派が一致して委員長要望をまとめたんですね。その中にこう書いてある。「公団は、既存賃貸住宅の建替えについては、引き続き建替え後の家賃の抑制に努力するとともに、入居者の理解と協力を得るよう努め、特に年金生活者等の生活実態を考慮すること。」と、こういう要望があるのに、年金生活者にまだ話し合い期間一年もあるのに内容証明でもう更新はしないぞと、拒絶を送りつける。どうしてこういうことやったんですか。豊藏新総裁御存じですかこういうやり方。
○参考人(斎藤衛君) 先生、今いろいろお話しいただきましたが、先生のお話にもございましたように、私どもの契約関係は借家法の中で処理されておるというふうに考えております。 そうしますと、今の建てかえというのは、もう申すまでもございませんけれども、今お住まいのところを一遍出ていただいて、そこに新たに建てるということになりますので、出ていただかなきゃどうしてもいけないわけでございます。そのためには契約の関係が、いろいろ入居なさった時期等がございまして契約の期間がばらばらでございますので、工事をやっていくという観点からいきますと、それぞれの例えば借家法で定められております法定更新の場合ですと、六カ月以上十二カ月以内であらかじめ見なさいという規定がございます。そういうのを踏まえて私どもとしてはあらかじめ御用意をいただくという、その一つの手続の一環として申し上げているというふうに考えている次第でございます。 ただ、おっしゃられますように、中には大変御高齢になられた方、あるいはまた、結果として年金の生活になられた方々おいででございます。これは私どもも承知しております。できるだけそういう方々の御負担が軽減されるような例えば激変緩和措置、七年間で七段階の措置ですとか、あるいはまた、ほかの団地で今と同じぐらいの家賃でお住まいということを御希望であればそういうような団地をお世話させていただく、それから公営住宅の併設だとか、そういうようなことに鋭意努めているところでございますので、その点はひとつ御理解をいただきたいと思います。
○上田耕一郎君 皆さん年金生活者の方は判を押したくないんですよ。判を押せば七年間の減額措置の後三倍になるんです。しかし、出ていくのは嫌だと。判を押さないと裁判で追い出されるというので泣く泣く判を押すんですよね。しかし、どう考えてもこれは不当だというので判は押したくない、もっとちゃんと国家らしい、政府らしい、公共賃貸住宅政策らしい家賃政策をという要求で判を押さない方も当然出てくるんですよ。それがどうなるかです。 これはすごいです。久米川団地では七人の方が判を押さなかった、自治会の会長さんを初めね。それで裁判が始まったわけですよ。その裁判のやり方も、例えば久米川のIさんは、契約更新の拒絶通知が期限の一カ月前に来た。九月三十日が過ぎたら半月余りで明け渡し請求提訴、裁判をすると。それで公団は一方的に去年の六月三十日、契約終了期限です、それが過ぎたら二日後に仮処分ですよ、仮処分請求、出ていけと言ったんですよ。明け渡し裁判を出しておいて、今度は仮処分で出ちゃえというんでしょう。仮処分というのは、本訴が決着した段階で勝っても権利が行使できなくなるおそれがある場合に仮に権利を保全しておこうというものなんですよ。ところが、明け渡しの仮処分というのは公団にとって本訴の目的そのものでしょう。仮処分認められちゃったら、本訴の目的一〇〇%達成ですよ。それで、訴えられた方にしてみれば、後で裁判勝ったってどうにもならぬですよ、出ちゃえば。こういう仮処分、今までずっとやってきたんですよね。 ところが、今度八王子地裁で去年の十二月八日、これは乱暴だというので却下されたんです。初めてですね、これがひどいというんで。ここに裁判所の主文決定があります。これは借家法に言う正当事由じゃないと言うんですよ、公団の言い分は。「債権者において本件賃貸借契約の終了日として予告した期日経過後の明渡しであるとして一切の代替給付措置を講じないとしたうえでの本件更新拒絶の申入れは、正当事由を欠くものといわざるを得ない。」、「債権音主張の被保全権利の存在を認めることはできない。」、公団が言う権利は存在しないと言うんですよ。 これはどういうことかというと、内容証明に書いてある。つまり、判こを押せば「建替後住宅への優先入居、仮移転住宅のあっせん、移転費用の支払い等について取り扱う」と。判こを押さないとこれ全部なくなるぞというんですよ。優先入居もさせない、住宅あっせんもしない、移転費用の支払いもしないというんです。立ち退き料も出さぬというんですよ。この「等」には戻り入居後の家賃減額も入っているんでしょう。どうです、理事さん、入っているんでしょう。
○参考人(斎藤衛君) 今の先生のお話でございますけれども、確かに仮処分の申し立てがございますが、その正当の事由のところでちょっと私ども、これは法律議論になるのでございますが、顧問の弁護団の先生方ともいろいろ御相談申し上げましたところ、あの仮処分の却下のときには、正当の事由の存在の時期の問題のことにつきまして、私ども従来の判例などでいきますと、それは契約関係が終了する時点まであればいいというふうな理解を過去の最高裁の判例等でなされておったように理解しておったわけでございます。 しかし、どうも今先生おっしゃられたその決定の際には、その事由がそういう期間を経過した後においても、とにかく事実関係としてお出になられるまでそういうような事実がなければいけない、こういうような理由であったかと思うのでございます。そこは、従来の私どもが理解していた考え方とちょっと違う。したがって、そこのところはもう一回公平な立場の方に御判断をいただくということで、今もちょっと先走ったかもしれませんが、その処分につきましては再度即時抗告をお願いしたというような形になっておるわけでございます。
○上田耕一郎君 十二月八日に却下されまして、翌日本訴の公判があったんですよ。そのときに裁判長が公団に対して、一裁判官による決定じゃない、三裁判官の合議による仮処分却下の決定なんだと、三人の裁判官合議だと。だから、本訴の請求をどうするか検討したらどうかという見解まで裁判所が言ったんでしょう。ですから、今度は今までと違うとおっしゃるけれども、初めてなんですよ。ですから、私は非常に重要な、裁判問題ここで議論するつもりはないけれども、重要な判決が一つ出たんだと思うんですよね。 考えてみたら当たり前ですよ。判こ押さなかったら一切全部、認められている代替給付措置、優先入居、あっせん、それから移転費用の支払い、戻り入居後の家賃減額一切やらないというんですから、これはひどいものですね。それで、判こ押さない限りもう契約終わったら一切のあれはないぞと。これは民間にもないですよ。立ち退き料も一切払わないで、言うことを聞かないなら出ていけ。裁判で仮処分で裸で出ていけというやり方ですよ。僕は、こういうことを国家権力を背景にしてやっているということは許せないと思うんですね。こういうやり方が背後にあるから、皆さん嫌々、泣き泣き判こをつくんですよ。こういうやり方をやっている。 僕は、だから公団がやっている、さあ今までの契約はこれでパアだ、一時賃貸使用契約に判こ押せと、今までのパアだ、このやり方はこれはもうけしからぬと思うね。大体三十年間の入居してきた居住権を一切無視しているやり方じゃないですか。こういうやり方をやって、今度裁判所がこういう初めての決定を出したでしょう。僕はこのやり方全体を本当に真剣になって見直してほしいと思うんですよね。今後こういう仮処分全部だめになったらどうします。そうしたら、あなた方が一方的に通告した契約が解除された後でもこういう代替措置は認めるということをせざるを得ないでしょう。そうすると、今までのやり方を根本的に変えなきゃいかぬですよ。僕はね、本当に民間よりもひどいやり方を国家権力がやっている、これは全く許せない。もう時間もありませんから後でちょっとまとめて答えてください。 千葉の光ケ丘団地、これは千葉の方ですよ。千葉の光ケ丘団地はどういうことが始まったかというと、かなりの方が、これは光ケ丘団地では判こを押した人も含めて今九十名の居住者が工事差しとめの請求裁判を起こした。こういうひどいことをやっていると、あちらこちらで裁判問題起きてくるんですよ。当然です、権利をやっぱり守るんだから、皆さんが。定住権守ろうというので裁判になるんですよ。 光ケ丘でじゃ何が始まったかというと、これはまあ半年以上前に更新拒絶の通告をやって、いざ始まったことは、これもひどいんだな、昨年の九月三十日が二年間の期限、第一ブロックで十人が判こ押さなかった。九百七十四戸のうち九十人、約一割ですよ。一割の方が仮処分申し立てをした。公団は、十一月十六日、突然先行区を高さ三メートルの鉄板で囲い始めて、十二月二十五日囲い込みを完了したんです。見てきて、写真全部撮ってきました。鉄板でずっと囲っちゃうんですよ。判こ押した人のところは工事ができるんで、そこをずっと囲って、あとは全部鉄板で囲って除却が始まったんです、建物の。さあそれで道は通れなくなる。郵便物も届かなくなる。あの建物はどこにあるかわからない。三万を鉄板で囲まれたうちができちゃった。自動車道路も通れなくなる。ゲートボールやっていた場所も囲い込んでしまう。これはもう大騒ぎですよ、現地じゃ。建物壊すので何か仕切りしなきゃいかぬというんだったら、鉄板でやらなくてもネットか何かでもいいでしょう。もう本当にこれは嫌がらせですね、人が通れなくなるようなやり方は。 以前民間でこういうことをやったところがあった。文京区小石川三丁目で藤和不動産というのが土地の買い占めをやって、立ち退いたうちは鉄板で囲って、残っている家の三万を鉄板で覆う。これは社会問題になった。国会でも参議院土地特で内藤議員が追及して、建設省の指導で鉄板が取り払われた。現に居住者が残っているのに、その周りを鉄板で囲んでしまうなんというやり方、これを住都公団がやるんですからね。民間でさえ問題になった。 私は、総裁ね、やっぱり現地に行って、ひとつごらんになっていただきたい。こういうことをやっているというのは、私が指摘した強権的なやり方の一つの具体的なあらわれなんですよ。もう半年前、一年前に契約の更新拒絶を一方的に内容証明で送りつけるやり方。期日が過ぎればすぐ裁判で提訴し、今度は仮処分申請をする。そして、判こ押さなかった人は鉄板で取り囲む。こういう強権的なやり方自体を是正することは、私は家賃問題の根本的解決の前にやろうと思えばやれることなんですから。ということで総裁いかがですか。
○参考人(豊藏一君) ただいまいろいろ段々に、先生から各団地の模様等につきましてはお話を伺いましたが、基本的には私ども過去建設してまいりました住宅が百三十五万戸ばかりございますが、そのうちの賃貸住宅は約七十万戸ばかりあります。その中で、昭和三十年代に建設されました住宅が賃貸住宅で約十七万戸存在しております。これらは、御承知のとおり年代も三十数年たっておりますだけに規模も狭く、設備その他も老朽化いたしております。一方に居住水準の向上という問題を実現するということがありますし、また一面これらの団地につきましては大体平均の容積率が約六〇%程度でございますが、指定容積率といいますか、法律で定められております容積率が二○〇%ばかりございます。したがいまして、土地の高度利用を図り、そしてまた公団住宅を待っていらっしゃる方々にも新しい住宅を供給したいというようなことで、建てかえという問題を皆さんと御相談しているわけでございます。 もちろん、これらの実施に当たりましては、当然住んでいらっしゃる方々と十分なお話し合いをして、それぞれの御要望をできるだけ実現すべく、我々に与えられました手だてを十分に駆使しまして実施してまいりたいと思っておりまして、現に平成二年度までに御相談を始めました団地が全部で約一万六千戸ばかりございますが、その九九・九%の方々が御同意をいただいておる状況でございます。そして、これらの方々の一部には仮住居を用意しまして、そちらの方へ移っていらっしゃって、次早く戻って新しい住宅入りたいといって待っていらっしゃる方もおられるわけです。したがいまして、ある時期にはやはりいろいろ御相談する中で、必要な措置をとらしていただくというケースも間々あるということはやむを得ないことじゃないかと思っております。 ただ、それにいたしても、先ほど来先生からお話がありましたように、御高齢の方であるとかあるいはまた生活に非常にお困りの方等のことも考えまして、私ども一般的には七年間の家賃の減額あるいはまた他の公営住宅あるいは家賃同程度の公団住宅のあっせん等もさせていただいておりますが、さらに御高齢の方で一定の条件に合うような方々につきましては家賃の減額を十年間に延ばすとか、あるいはまた平成二年度に創設されました地域リロケーション住宅というもので国の補助もちょうだいできますし、家賃も安くなりますので、そういった住宅も団地の中に建設していくとか、さらには最近特に、平成四年度から公営住宅の併設も認められましたので、団地の中に公営住宅も建てていただきまして、本当に困っていらっしゃる方々のための準備もさせていただきたいと思っております。 ただ、今ちょっと光ケ丘団地の囲いの問題が出ましたが、同意をいただいた方々に対しましては、先ほど申しましたように、なるべくお約束した期限の中で建てて入っていただく必要もありますので、部分的に工事に着手した地域もございます。これは御承知のとおり、工事の安全を確保するために建築基準法その他の法令で定められております基準に従って必要な囲い等をして安全を図るというのは当然のことであろうかと思います。そのために若干幾つかの住宅につきましては囲いが邪魔になるというようなこともあろうかと思いますが、私たちは安全ということ、それからまた日照ということも十分考慮して現地で対応していると伺っております。 個別の具体の問題につきまして、我々も今後ともなお平穏裏にお話が進められるように御相談をしてまいりたいと思いますが、以上のような状況でございますので、私どもの建てかえ事業につきましてどうか御理解を賜りたいと思います。
○上田耕一郎君 もう時間が過ぎておりますので、大臣に一言この問題についてお伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいままで先生の御意見を聞かせていただきましたが、先生の意見を一つの意見として、今までの経緯を踏まえつつ参考にさせていただきます。
○上田耕一郎君 終わります。
○萩野浩基君 十時から熱心な討論を聞いておりまして、私お聞きしようと思ったことは大部分同僚の委員の方から質問が出、また熱心に所管の大臣並びに局長さん方、それぞれお答えいただきましたので、私は簡潔にひとつやらせていただきたいと思います。 本日は主に建設行政の基本施策、そういうものに関しての質問と、また国土行政の基本施策、そういうことに関する質問ということなので、また法案につきましては、ディテールにわたってはその法案審議のときにいたしたいと思いますので、きょうは広い範囲から御答弁していただければ結構だと思います。 まず、最初に建設行政でございますが、所信表明でも述べられておるとおりに、私も全く同感でございます。建設行政の基本的な使命というのは、住宅なり社会資本の整備などを通じて国土の均衡ある発展を図っていく、ひいてはこれで、今大変沈んでおります経済、この活性化を図っていこう、そしてそれが我々の快適な生活につながっていくんだというので、全くそのとおりだと思います。 特に、経済が行き詰まってまいりますと、これはニューディール政策以来、ケインズ経済学が行ってきた公共事業ということによって経済の活性化を図っていく、そういう重要な任務を特にこの建設省というのは担っておる。だから、今しきりに日本の経済がどうなっていくか、円高はどんどん百十六円までついに来ましたけれども、こういうときであるからこそ内需拡大という形をとるということも大事じゃないかと思います。 そういう意味におきまして、公共事業の約七割以上と言っていいと思いますけれども、建設省が扱っておる。だから、これは日本の運命を決めるというような意味において非常に重大ではないかと思いますので、その辺につきましてどのような抱負を持っておられるか、まず大臣にお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(中村喜四郎君) 先生からただいま御指摘をいただきましたように、今の不況が非常に深刻な状況になってきておる、そういった時期だからこそ公共事業を中心とした景気対策を間断なく実行することによって内需拡大を図っていけ、このような御指摘は全く私も同意見でございます。 昨年八月の総合経済対策の中で八兆六千億円の公共事業費、そしてことしの予算の中でも五兆七千五百七十億円の公共事業費というものを、対前年度比で一・〇五倍を確保させていただいておりますので、そういう面ではこれから景気対策をこの公共事業を中心として切れ目なくやっていくことが非常に重要である、このように考えております。 建設省といたしましては四百三十兆円の公共投資基本計画、八つの五カ年計画を網羅しながら、こうした景気対策を進めていくことによって何とか複合不況と言われているような深刻な不況を脱出できるきっかけをつくれるように、この予算を一日も早く通していただきたい。そして、その期待にこたえられるように効果を上げていきたい、このように考えております。
○萩野浩基君 次に、主な施策として全部で七点挙げていらしたと思いますが、その中の第七点目に「建設産業、不動産業の振興」ということを大臣挙げていらっしゃいます。それで、この建設産業というのはやはり国土建設の重要な担い手であると大臣もおっしゃっておられるが、そのとおりであります。若者が魅力を感じる活力ある産業として健全な発展を図るとともに、技術と経営にすぐれた企業の育成を図っていく必要がある、このようにおっしゃっております。 私もこれは同感なんですが、私がちょうど大学に入りました当時は、大学で大体土木とか建築というのがもう一番倍率が高かったんです。特に土木なんかは難しかったですね。それが最近は、私も大学で教鞭をとっておりますからよくわかるんですが、優秀な者がほかの分野に行ってしまう。これでこの日本の国を背負って立つ建設とかそういう産業の中において、果たして優秀なそういう人材が確保できるんだろうか。第二次構造改善推進プログラム、それに基づいてやるとおっしゃっておられますけれども、特に土木とか建築のこれからの優秀な人材の確保というようなことについてはどのように考えておられるか。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま先生から、優秀な人材を建設、土木関係で確保できるような環境づくりについてはどう考えているかこのような御指摘だったと思います。 私もまた若い優秀な人材が建設、土木関係に就業できるような環境というものはどうするべきなのかということは、まず大企業でこういった抱えていく問題と、それと中小企業がこういった人材確保という問題と必ずしも同じ状況ではなかろう、このように考えております。大企業としては、いろいろの意味で技術革新の最前線に立っているわけでありますので、この人材確保というのはある面ではかなり可能性があるわけでありますが、中小ということになりますと、先生御指摘いただいたような地方のいわゆる全建と言われるような建設業者の方々は優秀な人材を確保しにくい状況にあるということは御指摘のとおりでございます。 そこで、やはり今後、月給制だとか週休二日制だとか時短だとか、あるいは無人化、省人化、あるいは安全管理のあり方、こうしたものを他の産業と比べて見劣りのしないような職場環境というものをつくっていく努力というものを、工賃の面からもあるいは工期の設定の仕方からも無理のないものを公共事業の中で位置づけていく、こういう努力をしていかないと、先生御指摘いただいたような若い優秀な人材が建設、土木関係に就業できない、このように思いますので、そういったことについて大いに建設省の内部でも努力をして御期待に沿えるようにやっていきたい、このように考えております。
○萩野浩基君 人は石垣と言いますけれども、本当に人材が大切なものと思いますので、ぜひその面においての御努力もお願いいたしたいと思います。 また、所信表明の中で、国際社会に我が国が果たす役割ということがしきりに言われておるのですけれども、特に発展途上国に関して建設省としてもダイレクトに関係することが多いだろうと、その辺での国際協力ということを触れておられます。簡単な言葉で表現なさっておられるので、国際社会に我が国が果たす役割、それに対して建設省として特にどのように対処しようとしておられるか、特に発展途上国に対して、その点もう少し詳しく御説明ください。
○国務大臣(中村喜四郎君) 国際社会に対する建設省としての国際貢献はどうかということでありますが、実は今まで他の省庁と比べますと、この分野が若干後発的なところがございます。私といたしましては、今後、建設省のやってまいりました各種の事業、技術力、人材、そういうものをやはり発展途上国、後進国に仕事の面と人材の面で貢献できるように組織的に計画を進めていかなきゃならない、このように考えております。 また、国土庁の中でもいろいろ防災戦略計画等もございますので、そうした国土庁とも連携をとりながら、建設省としての果たしていく役割は国際的に非常にこれから大きくなってくる、このように確信しておりますので、ぜひいろいろの面で御指導、御協力を賜りたい、このように思います。
○萩野浩基君 それでは、今国土庁とのリンクをもってやっていくと、大臣の方からのお答えでございましたから、続いて国土庁長官に若干質問をいたしたいと思います。 同僚の委員からもありましたが、まず一番大きな目標として、第四次全国総合開発計画、四全総と言っておりますが、これを進めていくとおっしゃいました。その中で最も重要な点というのは、私どもやはり関心を持ちますのは、東京に余りにも一極集中し過ぎたと、その一環として国会の移転ということも出ております。私は、宮城の仙台に国会を持ってくるという話もちらちら聞いておりますが、反対でございます。東京のような変な、またいろんな公害を抱えたものにしたくない、杜の都仙台はやはり健全な発展を遂げたいと思いますので、私はそういう軽く国会をどこに移すとかいうようなものではなくて、本当に地方の活性化を図っていく、それにはどうしたらいいかというような点から考える必要があるだろうと思います。 私、イギリスにしばらくおりましたときに、道に迷っても歩いて行きますと、その道は必ずピカデリーに通じているんですね。それじゃなぜみんな道はピカデリーに行くんだろうか。そこにはやはりパンがあり、スリルがあり、ファッションがあり、いろんな人を引きつけるものがあるわけです。それは、そこが一つの情報の発信源として、ちょうど電磁石が動くようにどんどん電気が起こされていって、そして電磁石に引きつけられていくように、そのようになっているんだろうと思うわけです。 それで、私思うんですが、日本の場合は歴史的にもどうしても中央集権化のやり方でずっとやってきたわけですね。だけれども、デモクラシーの根源というのはやはり地方から出てくるのがデモクラシーのベースで、そのためには一体国の行政機関がどうあるべきかと考えるときに、私はまあある意味では、思い切って省庁を動かしてみる。国会を動かすのはこれはなかなか難しいんで。そうなると今度は大臣が答弁をするときに困るといえば、それに答えられないような大臣は大臣にならなきゃいいんであって、私はある意味では思い切って、例えば仙台でしたら厚生省でも文部省でもすぐお引き受けできるんじゃないかと思いますし、また奈良の方ですと文化庁あたりはすぐでも持っていける。そのくらいの一つのニュー・ウエーズ・オブ・シンキングといいますか、発想の転換というか、やはりそういうことが必要じゃないか。四全総なら四全総の中にもう少し思い切った発想が出てくるんじゃないかと思ったら、ちょっとがっくりいたしたわけでございます。ちょっと未来的なことを申すようですけれども、国会の移転等も出てきておりますから、抜本的にその辺をどのように考えるかというのを、四全総の責任者でもあります国土庁長官のひとつお考えをお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(井上孝君) 先生御指摘のように、四全総は東京一極集中を是正する、そして多極分散型の国土をつくるということを中心課題としてその四全総に基づいて今いろんな施策をやっておるわけでございます。 午前中も申し上げましたけれども、東京一極集中は若干速度は落ちてはおりますけれども、まだ集中の傾向はやんでおりません。まあしかし、私どもとしては何とか四全総の目標に沿うように、例えばさきの国会で成立させていただきました地方拠点都市法、それによる指定も今進めておる次第でございますし、また多極法による振興拠点地域の開発整備というようなものも進めております。テクノポリス法とか頭脳立地法とかいろいろなものを実施いたしておるところでございますが、その中で今御指摘の国会等の移転に関する法律も昨年通していただきました、今その準備に国土庁は努力をしておるわけでございます。 そういういろんな施策を今やっておるのでございますけれども、なかなか目立った効果が上がってこないということが一つの悩みでございまして、今四全総そのものを国土審議会の調査部会というのがございますが、そこで徹底的に点検をしていただいております。その点検の結果、この四全総を見直せということになれば五全総ということにもなるかもしれませんが、そういうところで常に新たなものを、今先生のおっしゃったような外国の例とかそういうものも見きわめながら、現在、四全総を徹底的に点検をして見直していこう、こう思っておる次第でございます。
○萩野浩基君 当然四全総があるんですから五全総もあっていい、次の二十一世紀もすぐ目の前ですから。 ともすると日本の行政機関というのがよく言われる縦割りという、建設省なら建設省というようなそういうのではなくて、特に国土庁と建設省なんかは完全にリンクして、そしてそれに総務庁だとか、またあと自治省も加わっていくという、これからは特に大きいプランニングはやはりお互いにリンクしながら、オーバーラップしながら考えていく必要があるんではないかと思います。 先ほど申し上げましたとおりに、ディテールにわたってはまた次の機会に法案等を通じて質問いたしたいと思います。 以上をもって終わります。
○委員長(梶原敬義君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十分散会