決算委員会 第4号
- 発言数
- 198 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/04/19
会議録
○委員長(大渕絹子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十二日、岡利定君が委員を辞任され、その補欠として守住有信君が選任されました。 また、去る十三日、高井和伸君及び下村泰君が委員を辞任され、その補欠として井上哲夫君及び喜屋武眞榮君が選任されました。 また、去る十四日、尾辻秀久君、清水嘉与子君及び合馬敬君が委員を辞任され、その補欠として陣内孝雄君、藤江弘一君及び木暮山人君が選任されました。 また、去る十六日、西野康雄君が委員を辞任され、その補欠として翫正敏君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大渕絹子君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に翫正敏君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) この際、武藤外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。武藤外務大臣。
○国務大臣(武藤嘉文君) このたび、渡辺前大臣が病気のため辞任の意思が固くなりまして御辞任になりました後、突然のことでございましたけれども、私が外務大臣の指名を受けまして、今後、この国際社会の中における日本の現在の非常に重要な地位の中で、できる限り世界の各国と協調と対話を図りながら日本の外交を進めていきたいと思っております。 先生方の温かい御支援を心からお願い申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきます。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) 平成二年度決算外二件を議題といたします。 本日は外務省の決算について審査を行います。 ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大渕絹子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○森暢子君 武藤新外務大臣、御就任おめでとうございます。私は新大臣には、日米首脳会談であるとかまた子どもの権利条約についてであるとか、たくさんお聞きしたいことはございますけれども、本日は外務省所管の二年度決算審査ということでございますので、湾岸平和基金への拠出とその使用状況を中心にお尋ねしたい、このように思います。 まず初めに、去る四月八日、カンボジアの選挙監視活動に従事されていた国連ボランティアの中田厚仁さん、そしてカンボジア人の通訳、この二人の方が武装グループに襲われ死亡したことにつきまして、大変深い悲しみとそして怒りを覚えるものでございます。カンボジアの平和と復興を願った中田さんに対して心から御冥福をお祈りいたしたい、このように思います。武藤大臣も十八日には中田厚仁さんの御遺族を弔問のために大阪の御自宅にいらっしゃったということもお聞きしております。 また、現在武器を持たずにカンボジアの平和活動に従事しておられる国連ボランティアを初めとする多くの人々の安全が確保されるように、政府としても最善の努力をしていただきたい、このように願うものでございます。 今、カンボジアの情勢は日増しに悪化しているというふうに聞いておりますが、政府としても、派遣要員また大使館を含め在カンボジアの邦人は八百人と聞いておるんですが、この人たちの安全対策の徹底とか情報の収集に全力を挙げるべき、このように思いますが、具体的にはどういうことを現在なさっておられますか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 御指摘のとおりで、本当に中田君の死というものはまことに残念なことでございまして、私も心から御冥福をお祈りいたしておるような次第でございます。ただ、私もきのうたまたまお参りをさせていただきましたときにお父様ともいろいろお話をしたのでございますが、お父様からも、この厚仁の死がむだ死ににならないようにぜひカンボジアの平和の実現のために努力をしていただきたい、こういうお話もちょうだいをいたしました。 本当にあのような丸腰で一生懸命カンボジアの平和の実現のために努力をしておる、しかも民主的な選挙が行われるためにいろいろと仕事をしてきた方にあのような不法なことをした人間というのはまことに憎んでも余りあるものでございますが、今の御指摘の、それではその後どういう形で安全確保のためにやっているかということでございますが、今川大使を通じてUNTACの方に対し、今後はそのような丸腰の人がもし非常に治安の悪いようなところへ行くときには必ず警備をつけるようにということと、それからできるだけ集団で皆さんが行動していただくように指導していただくことと、今御指摘のございました情報交換を十分すること、とりあえずそれだけは私どもから早速厳重にお願いをいたしたわけでございます。
○森暢子君 そういうことでは何か甘いんではないかという大変な危機感を感じているわけでありますが、パリの和平協定の枠組みは崩れていないというふうなことを前提にして、今後の作業も予定どおり進める方針というのが政府の立場のようでございます。 しかし、情勢が大変悪化した際に、カンボジアPKOに大きなかかわりを持っているオーストラリアとかインドネシアの参加国間が協議を、つまり何を協議するかというのは撤収に向けた協議をしているんではないか、始まるんではないかというふうなことも予想されますが、これらの国が撤収するような状況になった場合、日本はどうされるおつもりですか。
○政府委員(澁谷治彦君) 現在の情勢は、確かに治安状況は悪化しつつありますが、直ちに撤退するという状況ではないと考えております。もちろん将来の情勢は、その都度各国とも相談しながら判断していくことになると思います。 オーストラリア、インドネシアにつきましては、それぞれの政府の要人が発言をしておりますけれども、これは大規模な攻撃があった場合には撤収を検討しなければならないけれども、今の時点ではそのような状況にないと考えるというような一般的な発言があったというぐあいに了解しております。オーストラリアとインドネシアの間に協議があったかどうか、それは承知いたしておりません。
○森暢子君 日本の情報はどういうところからとっていらっしゃるのか、私も詳しいことはわかりませんけれども、やっぱりUNTACから受ける情報というのが中心だと思うんですね。しかし、そのUNTACの発表を待って対応したのではもう手おくれになるのではないか、危険性のある状況になるんではないかということを大変心配いたします。 それで、私どもが考えますのは、いろいろなところから情報をとって、本当に個人の情報でも小さい情報でもそれが確かなときがあるわけですから、UNTACだけを頼りにしないで、外務省としては手を尽くして情報をとって、少しでも安全な対策を緊急にとっていただくということが大事ではないかと思います。その点、よろしくお願い申し上げます。 それでは次に、二年度の補正予算に計上されました一兆一千七百億円、つまり湾岸平和基金として九十億ドルというものを出しました。これについて、その積算とかいうことについては平成二年のあたりで大変たくさんの方が議論なさって、どうもあいまいだと言いながら具体的な積算なしに要求して大蔵省はこれを認めたということで、既にそれが出されているわけであります。しかし、はっきりした積算も示さないで国会の議決を求めるということは、憲法八十三条で国の財政を処理する権限というものが国会にあるわけでありますから、その国会の議決の原則に反する重大な事態ではないかということを思っております。外務省所管の経費でありますので外務省の責任も大きいと言わなければなりませんが、この辺を外務省からお答え願いたいと思います。
○政府委員(佐藤行雄君) 財政法上の問題につきましては私たちの方で正確にお答えすることはできませんが、我々といたしましては、これだけ大きな額でございますし、当時の国会の御議論を踏まえてその使用の用途その他についてはきちっとした使われ方をするように確保することが大事だと思っておりまして、そういう方針でやっております。
○森暢子君 ちょっと質問の角度を変えますが、平成三年一月二十日の橋本さんとそれからブレイディさんの会談でアメリカの財務長官から我が国の負担分九十億ドルの申し出があった、これはほぼ公知の事実なんですが、外務省はこのことを承知していますか。
○政府委員(佐藤行雄君) 御承知のように一月二十日の橋本大蔵大臣とブレイディ財務長官との会談については、二人きりであったということもございますし、橋本大臣御自身がその後国会でもお答えになられて、すべてを明らかにすることもできないということもおっしゃっておられます。そういうことでございますし、我々としてはその程度のことは存じておりますが、それ以上のことは 承知しておりません。
○森暢子君 ですから、橋本・ブレイディ会談に関する中身について、そのときに駐米大使からの連絡、大使館からの公電、これは外務省になかったのですか。
○政府委員(佐藤行雄君) 私は、今その点右左よく存じておりませんので調べてみますが、いずれにせよ、この間から新聞、雑誌にもいろいろな記事が出ておりましたので調べてみましたけれども、我々として承知している限りではその会談の中身については詳しいことはわかりません。
○森暢子君 中身のことは詳しくわからない、わからないまま承知してお金は出ている、こういう現実でございますね。 次の質問に移りますが、政府が出した湾岸平和基金へのお金、これは何回にも出ております。第一回目が平成二年に約九億ドル、それから第二回目も平成二年に十億ドル、それから第三回目が二年度の二次補正で九十億ドル、四回目が平成三年に五億ドル、こういうふうに出ているわけですね。 その中で、三回目に拠出した九十億ドル、これの国別の支出済み額、これを明らかにしてください。
○政府委員(佐藤行雄君) これから申し上げますが、その前に一言お断りを申し上げておきたいと思います。 実は、国会の場でもたびたび政府としてお約束申し上げましたことは、お約束というかお尋ねを受けましたことは、決算報告が出ているかということでございまして、今この時点で申し上げられることは間もなく出てくると思います。 ただ、なぜそれじゃこれだけおくれていたかということでございますが、いろんな事情が三点ほどございました。これすべてサウジアラビアに置かれました湾岸平和基金の運営委員会、そして向こう側の事務局を通じて処理は行われていたわけでございますが、一つは、拠出相手先が十六国に及んでいたということがあっていろいろな事務処理がおくれていたということもあるようでございます。それからもう一つは、そのうちの一つのサウジアラビアに提供いたしました病院車というのがございましたが、二台でございますけれども、それのスペックの問題がなかなか決まりませんでおくれにおくれておりまして、それがやっと終わったということでございます。したがって、きょう時点で申しますと、一応支出は全部終わっておりますのでこれから各国別の額を申し上げますが、まだ最終報告はそれを踏まえて出てくるという状況でございます。そこで、その間に、この四月一日付で先方の事務局長が交代したということもございますもので最終報告書が我々にまだ届いておりません。我々が我が方の大使館を通じて運営委員会から聞き取った数字でございます。そういうことで、まず間違いはないと思いますが、最終報告が出たものを見た上で申し上げるというわけじゃございませんので、その点だけお含みいただいた上で御報告させていただきたいと思います。 九十億ドルについてということでございましたので、九十億ドルに限って申し上げます。 先ほど私十六国と申し上げましたのは、先生御指摘の四回にわたる支出すべてで十六国でございますが、九十億ドル分ということでございますので、これは十二カ国が相手でございます。 それで、米国が一兆七百九十億円、英国が三百九十億円、サウジアラビアが百九十二億八千万円、エジプトが百四十七億二千万円、シリアが七十六億三千万円、フランスが六十五億円、パキスタンが三十億七千万円、バングラデシュが六億六千万円、モロッコが六億五千万円、セネガルが七億一千万円、ニジェールが五億八千万円、クウェートが六億三千万円でございます。
○森暢子君 それでは、四回目の七百億円、これはわかりますか。
○政府委員(佐藤行雄君) これは、米国に六百九十六億五千万円。
○森暢子君 米国に全部行ったということですね。
○政府委員(佐藤行雄君) 結果的にはそうなっております。
○森暢子君 それでは、それが何に使われたか。 どの国へ幾ら行ったというのは今お聞きしました。しかし、その中身、これが大変拠出するときも国会の討論になって、五項目か六項目か決めまして、その範囲内でやりますということはいろいろと前海部総理がおっしゃっておりました。そういうふうな中身がわかりましたらお答え願いたいと思います。
○政府委員(佐藤行雄君) 今の先生の御関心は九十億ドルと五億ドルを足した九十五億ドル分の中身だろうと思いますが、その点について個別の積算は今まだ報告書が出ておりませんので私持っておりませんが、運営委員会からの報告ですと、こちらの言った六項目、輸送関連、医療開運、食糧・生活関連、事務関連、通信関連、建設関連に使われていると承知しております。
○森暢子君 交換公文では「日本国政府は、拠出金の使用につき、委員会の決定する適当な経路で通報を受ける。」となっているわけですね。 我が国への財務報告の内容と項目について当然それが詰められている、私どもは、それが詰められていないときょうの決算委員会は審議できない、そういうふうに思っているんですが、ひとつもう一度答弁してください。
○政府委員(佐藤行雄君) 先生の御質問の中で二点に分けてお答え申し上げますが、我が方との連絡につきましては、我が方のサウジアラビアの大使館を通じまして運営委員会から聞き取って報告を受けております。そして第二点でございますが、向こうの財務報告が最終的にまとまりましたところで我々のところに報告が来ると思っております。 先ほど冒頭にお断り申し上げましたように、まだつい最近に最後の支出が終わった、そのサウジアラビアに対する移動自動車、病院車の支出が終わったところで向こうが取りまとめにかかっておりますので、最終の決算報告書はまだ私の手元に届いておりません。先ほど申し上げました数字は、事前に概要聞き取ったことを申し上げたわけであります。 そこで、その上で、当然向こうがまとまり次第我々のところに来ると思いますので、そのときの経路と申せばまた大使館を通じて送ってくるということになると思います。
○森暢子君 再度申しますが、当時の海部総理大臣は、平成三年三月四日、参議院の予算委員会の中でこのようにお答えになっておられます。我が国からの拠出金は、輸送、医療、食糧・生活、事務、通信、建設、この六分野に充てられる、我が国の意に反した使途には充てられない仕組みを確保する、それがどのように使われたかは我が国は報告を受ける、それらについて国会に適切に報告する、このように国会答弁で約束なさっておられるわけですね。 この総理の意向とか国会への約束は当然GCCの運営委員会の決定に反映されているものと、このように私ども出した立場の者は信じているわけですね。したがって、総理の国会約束に沿った財務報告が来る、こう思っていいんですね。
○政府委員(佐藤行雄君) まず、使途目的どおりに国会で総理がお約束した方向の枠の中で使用がされているということは、我々は運営委員会を通じて十分確保してきたつもりでございます。 残念ながら、ただこの時点でその報告書がまだ届いていないものですから、これこのとおりでございますと言ってお示しができないわけでありますが、今お読み上げになられました当時の海部総理の国会における御答弁は我々十分踏まえてやっております。
○森暢子君 まだ正式な報告は来ていない、こういうことでございますね。 しかし、来ていないからといってじっと待っていて、本日は平成二年の外務省所管の決算を審査しているわけでございますから、それでよろしいんですか。
○政府委員(佐藤行雄君) 私たちも心苦しくは思っております。それで、これは御信用をいただけるかどうかわかりませんが、実はもうここ一、二年、私この仕事につきましてから一年数カ月になりますが、何度も何度もこの問題は催促を続けておりますし、ついこの間は二回にわたりまして我が方の関係者に現地まで出張をしてもらい、東京の事務所長をしておるこの運営委員会の日本側の事務を扱っている方にも二度現地にも行ってもらって、催促をしてきたわけであります。 残念ながらおくれた理由は、一つは、先ほどのサウジアラビアの自動車の問題が小さな話でありますが一つ残っていたということ、それから、その間にアラブの休暇が狭まりましたり、事務局長の方がいろいろなことを兼任されていますものですからニューヨークに図られたり、事務局長の方がいらっしゃらないと物事が動かないとかという事情が重なりましておくれていたことは事実でありますが、やはり決算委員会の御審査としては報告書がきちっとあった上でいただくのが筋だろうと思います。そういう意味で、我々が今やっておりますのは一刻も早く出してもらうということでありまして、やっとここまでこぎつけたというのが残念ながら私の方の感じでございます。 おくれていて申しわけないとは思いますが、しょせん相手が十六カ国ありましたりいろいろな今申し上げたような事情がございましたので、おくれてきたわけでございます。
○森暢子君 平成二年度の予算から九十億ドルを拠出して、今二年以上たっているわけですね。昨年三月の北米局長の答弁では九九%がもう支出済みということで報告されて、それからでも一年たっているわけですね。 いろいろな国が相手ですからその国の事情もありましょうし、こういうふうになる事態を外務当局は予想していましたか。 また、交換公文の結び方が悪かったんではないでしょうか。いかがですか。
○政府委員(佐藤行雄君) 予想していたかどうかという点については、予想はしていなかったというのが正しいお答えだと思います。その後に起きましたことにつきましては我々の予想を超えた難しさがございました、その報告をとるに当たっての問題点でございますけれども。 それから、交換公文につきましては、私はあれでよかったろうと思っております。問題は書いてあることをどうやってその実行を担保していくかということでございまして、現地のサウジアラビアの大使館を通じてそれを催促し一つ一つ努力を積み重ねてきたということでございますので、おくれておいてどうしようもなかったと申し上げるつもりはございません、おくれたことは残念だと思っております。ただ、我々何もしないできたわけではなくて、一生懸命何度も催促してまいってここまできたということでございます。
○森暢子君 運営委員会に早く報告をするように何回も催促をなさったということはわかりましたが、昨年会計検査院からも内々に指摘を受けていますか。
○政府委員(佐藤行雄君) 我々は、この問題について会計検査院がどこまでの権限を持っているかということについて国内法上の問題があることは承知しておりますが、とにかくこれだけの先例のない大きな額の使用でございますので、会計検査院にも十分御相談をして、今後にとって遺漏のないようにしたいと思っております。 そういう過程の中でいろいろ会計検査院とも御相談をいたしておりますけれども、その内容については会計検査院と外務省との間のことでございますのでこの場で申し上げるのは控えさせていただきたいと思います。
○森暢子君 これは別の方向からの資料なんですが、アメリカの法律の中に一九九一年ペルシャ湾岸紛争補正権限等法というのがあるんですね。御存じですか。そして報告名というのがありまして、「湾岸紛争における米国の費用及び右費用を相殺するための外国の貢献に関する報告」、こういうのがあるやに聞いておりますが、御存じですか。
○政府委員(佐藤行雄君) 承知しております。
○森暢子君 これは月報としてアメリカの連邦議会へ提出されているということなんですが、これも御存じですか。
○政府委員(佐藤行雄君) 承知しております。
○森暢子君 この資料をとっていただいて、そしてこの委員会にすべてを出していただいたらその中身がわかるんじゃないですか。
○政府委員(佐藤行雄君) 資料について、毎月出ておりまして、昨年の十一月十五日だったと思いますが、その時点における最終報告というものが出ております。実はそれ自身もまだアメリカについては兵が残っておりまして、完全に終わっていないという感じのところがございます。御承知のように、イラクが国連の決議案を完全に遵守していない部分がありますものですから、私今日時点でどれだけ残っているか承知しておりませんが、最新、昨年九月の段階では二万数千人残っているというようなこともございまして、アメリカ自身は当初の法律では昨年の十一月十五日でもって終えるということだったようでございますが、最後の報告書もまだ今後の問題については推定だというところが残っているようでございます。 ちなみに、大変詳しい資料でございますので、私どもは実はアメリカの政府の議会に対する報告書というものを日本政府が日本の議会に対して出していいものかどうか、そこのところがいま一つよくわからないところがございます。そういう意味で、今のここへ出せという問題について私、この場でちょっとお答えがしにくいものでございますが、先生その他御関心の方にそういうことでなくて差し上げるのであればもちろん私手元に持っておりますので差し上げます。 ただ、読みましたけれども、これだけを読みましてもなかなかわかりません。日本の経費そのものにつきましては総額が幾らだというのは出ておりますが、それは各国がどれだけ出してくれたかということを言っているだけでありますので、日本の国家予算に基づく支出につきましてはやはりこの運営委員会からとる報告書が一番詳しくなると私は思っております。
○森暢子君 私が関心を持っているんではなくてここにいる委員はもうみんな持っているだろうし、そして後ろにいる国民がみんな関心を持っているわけでありますから、これはぜひ委員長にお願いしたいんですが、その資料が出るんなら関心を持っている委員だけじゃなくこの決算委員会の場にそれを出していただきたい、このように思います。
○政府委員(佐藤行雄君) 一言お断り申し上げておきますが、先ほど申し上げましたのは非公式ということを申し上げたわけで、アメリカの政府がアメリカの法律に基づいて議会に対して出している報告書であります。我々が知っていますのは、そういう意味で間接的に我々が知っているということでございますので、もし正式に委員会に出すということであればアメリカ政府と議会の了解をとる必要がございますので、その点の手続をとらせていただきたいと思います。
○森暢子君 外務大臣、今のいろいろな質疑をお聞きになって、行政の経費を切り詰めてそして湾岸増税をして捻出した九十億ドル、これがどういう大きさのお金かということなんですね。我が国が一年間に世界各国に出すODA総額とほぼ同額なんです。それを出している。そしてその使途について議論もあったけれども出したということですから、財務報告というのは大変大切だと思うんですね。拠出して二年以上も経過する今も報告がないしよくわからないというふうなことで、国民の血税を出したんですからこういう結果を出した外務省の責任は大きいと思うんです。 私は最後に申し上げたいのは、九十億ドルの国別支出額を何とか今おっしゃいましたけれども、財務報告がないということでは二年度の外務省の所管の審査を終えることができない、このように思います。そういうことで外務大臣、一言最後にお願いしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 大変おくれていることはまことに遺憾でございますが、日本側は今局長が答弁しておりますように一生懸命努力をしてきたと私も判断をいたしておりますので、ぜひとも決算については御理解をいただけるようにお願いを申し上げます。
○森暢子君 以上です。
○委員長(大渕絹子君) ただいまの要求の資料につきましては、情報公開の原則からも出せるものについては早急に出していただけるように私からもお願いを申し上げます。
○政府委員(佐藤行雄君) その方向で努力いたしますが、ちょっとしつこいようで恐縮でございますが、アメリカの法律の中でアメリカの政府がアメリカの議会に出した資料でございますので一応それを出すに当たっては先方の了解を得る必要があると思いますので、早速その手続をとらせていただきたいと思います。
○委員長(大渕絹子君) よろしくお願いをいたします。
○村田誠醇君 まず、カンボジアの難民の問題についてお伺いをしたいと思います。 国連の難民高等弁務官等の御努力をいただいて、カンボジアの周辺に避難していたといいましょうか、難民としてまとめられていた人たちがカンボジアの国内に帰られた。今カンボジアの状況について私どもいろいろな危惧をしている点はございますけれども、それはまた別の同僚委員が論議すると思いますけれども、一応手続としては総選挙の体制に入る、そして総選挙が行われればそれに基づいて新しい政府がそこにでき上がってくる。四派体制が完全に組み上がったままでいくかどうかという論議はちょっと別といたしまして。 仮定の話でまことに申しわけないんですけれども、カンボジアに新しい政府ができ上がったときに、現在ボートピープル等に見られるように多数のカンボジア難民あるいはインドシナ難民が日本にいる、あるいは日本の周辺にも結構いるわけですけれども、新しいカンボジアの政府ができ上がった時点において、我が国に定住を認められているこの人たちは、将来的に外交課題としてカンボジアの新しい政府に引き取ってもらうと言っては語弊があるかもしれませんけれども、我が国として難民受け入れの要求をするつもりなんでしょうか、それとも日本の入管法で定住が認められているので、特に希望する者以外は将来日本にこの人たちはずっといるんですということになるのか。我が国の方針といいましょうか、方向性はどのような考え方をお持ちなのか、ちょっとお聞きをしたいと思います。
○政府委員(澁谷治彦君) もちろん外国人の出入国管理につきましては外務省の直接的な所管ではございませんけれども、我が国が定住を認めたカンボジア難民のうち、カンボジア新政権成立後も引き続き我が国での定住を希望する者については我が国で引き続き定住することを認めるものというぐあいに了解しております。
○村田誠醇君 入国を認めるかどうか、定住を認めるかどうかはそれは確かに法務省の権限ですけれども、カンボジアの周辺に避難しておった難民の人たちは全部、選挙の関係もあるのか別として、受け入れているんですから、当然新政府ができたら基本的にはカンボジアにもう一度戻るというのが私は一番いい方法ではないかと思うんです。定住を認められている人なんですから、出ていけということじゃなくて当然受け入れられるものだと思いますけれども、その点について、これは先の話でございますからひとつ内部で論議をしていただきたいと思います。 それから、国際貢献と非常によく言われます。今もお金の貢献に関しての質問が出ましたけれども、一番問題になるのはやはり人的な貢献ということが言われると思うんです。その過程の中で中田さんの不幸な事件があって大変我々も悲しい事件だと思っているわけですけれども、国際的な人的貢献の中でもう一つ言われる点は、外国の人たちを日本に連れてきて、そして日本で技能を習得させて、その国の発展に役立たせるということが言われているわけでございます。 本年度にも外国人二万人の労働力を入れようかという構想、これは予算が通ったんですから現実化すると思うんですが、この窓口となっている財団法人国際研修協力機構、ここが今考えています外国人研修生の受け入れの概要というんですか、実態というんでしょうか、ちょっと御説明をいただきたいと思うんです。
○政府委員(荒義尚君) 国際研修協力機構についてお尋ねでございますけれども、これは既に御案内のとおりかと思いますが、これは平成三年の九月に我が国が御指摘のように外国人の人づくりあるいは技術移転を円滑に振興する目的を持ちまして設立されたものでございます。平成三年以降は、主として民間ベースの研修生を受け入れ、これの受け入れに伴いますいろいろな問題の解決につきまして関係方面に助言をしたり援助を行うということをやってきたわけでございます。 それで、このような民間ベースの外国人研修生受け入れに加えまして、さらに技能実習制度という制度をことしの四月から制度として発足することに決定いたしました。これは基本的には従来の外国人研修生受け入れという大きな枠組みの中におきまして、それをさらに一部分実態に合わせる、あるいは技術移転をさらに効果的にしようという趣旨でございます。 技能実習制度といいますのは、一言で言いますと、前半は主として研修をやりまして、研修が終わった時点において一応の技能認定を行って、その後技能実習という段階に移るわけでございます。技能実習の段階に移りますと、これは基本的には受け入れ機関との間で雇用関係を結んでやっていく、こういうことが国際研修協力機構の目的及び事業の主な点でございます。
○村田誠醇君 この機構は、我が国の省庁の管轄でいきますとかなり多方面にわたっていると思うんですね。一体ここの窓口というか、行政上どこの所管庁が中心になって運営、管理されるんでしょうか。
○政府委員(荒義尚君) 御指摘の点でございますけれども、これは平成三年九月設立のときにおきましては四省庁共管の財団法人ということで設立いたしました。四省庁は外務、法務、通産、労働ということでございますが、その後建設省も共管に加わっていただきまして、現在はただいま申し上げました五省庁が共管をしておるということでございます。
○村田誠醇君 そうしますと、五省庁が主たる管轄ですね。問題によっては他の省庁も入ってくるということになると思うんですが、先ほど御説明の中にございました技能実習制度を本年からやり出す。確かに説明を聞いてみるとこれはわからぬわけではないんですけれども、よくよく考えてみますとかなりな矛盾が生じてくるんですね。 つまり、技能研修をしている間は労働じゃない、労働じゃないので国内法の労働関係の法規は一切適用されない。ところが実習が終わった時点から、これは就労ですから労働法規の関係法規が全部適用される。そうするとこういう問題が起こってくるんですね。健康保険とか厚生年金の部分については、技能実習の時点では適用除外、つまり入れない。そして労働に入った六カ月過ぎてから健康保険や厚生年金が適用される。こういう問題が出てくると思うんです。これは一例です。 その年金の部分についてだけ特にお聞きをしたいんですけれども、社会保険の事務所なんかに行って窓口なり所長さんによく聞いてみますと、実は年限を区切って日本に大学の先生で知識を教えに来ている人だとか、技能を伝習しに来ている人だとか、いろんなタイプの要するに日本国内で就労を認められている方々がいるわけです。この方々も含めて、自分は一年とか二年とか有限の時間しか日本国内で働かない、したがって年金を幾ら引かれても自分は将来的に日本国内において年金を受給することがないのに金だけ取られる、これは非常に矛盾がある。働いている人の方からですよ。日本の法律はそうなっていないのでそれはしようがないと言えば、窓口で、そこでけんかに なるわけですけれども、そういう意味でかなりトラブルが起こっている。 そこでお聞きをしたいんですけれども、この国際研修機構をつくるとき、それからその後この技能実習制度を採用する際に、福利厚生、特に帰国基金の問題、帰国の資金をプールする問題だとかあるいはこういう年金・医療の要するに社会福祉上の保障の問題について当然論議をされているものだろうと思うんです。我が国の現行制度とそれから海外から技能実習なり研修生あるいは就労可能な人で入ってきた場合のその制度上の矛盾をどういうふうに調整をするのかというのは当然論議になっていると思うんですけれども、その辺についてはどのような見解なんでしょうか。
○政府委員(荒義尚君) 確かにただいま御指摘のようないろんな問題がある点は我々つとに承知しておりまして、関係省庁ともいろいろ協議を行い、さらに現在でもいろいろ話し合いを続けているわけでございます。 それで、国際研修協力機構との関係でお答えいたしますけれども、確かにまず研修生、この間の従来型の研修生の場合は、先生御指摘のように一応法律制度上は、確かに外国人登録をやる、あるいは一年以上日本に住所を有する研修生には法の建前としては適用になるということでありますけれども、実際問題としまして、研修生は短期間の方が多い、それから研修生という身分で来ておられるということで、実際問題いろんな公的年金であるとか健康保険には入らないという欠陥があることは我々知っております。 そこで、国際研修協力機構ともいろいろ相談しまして、いわゆる研修生保険、これは民間の保険ではありますけれどもそういう研修生の方に入っていただくのに好都合な保険を関係業界と相談いたしまして開発いたしまして、そちらの方になるべく入っていただくということで現にやっておるということでございます。 それから技能実習制度との関係でございますけれども、技能実習の段階に入りますれば先ほど申しましたように基本的にはその外国人の方と受け入れ機関は雇用関係に立つわけでございますので、年金あるいは健康保険に関する国内法は適用になるということでございます。 ただし、実際に受け入れ機関等が所要の手続等をとる等いろいろやりまして、技能実習生に対して公的年金であるとか健康保険が実際に適用になるよう、この国際研修協力機構が関係方面にいろいろ指導するということでやっていこうということでございます。 私ども外務省としましても、そういう観点から国際研修協力機構に対して受け入れ機関等に対する指導を円滑に行うよういろいろ指導をやっておるという状況でございます。
○村田誠醇君 そこで、厚生省の方、済みませんです。 今言いましたように、日本の法律では原則として日本で働いてそれに応じて年金をもらうというシステムになっておるわけで、一定の年限を経なければいけないんですけれども、このような技能実習生だとか海外から来ておられる研修生については日本に永住するということは前提になっていませんので、一定の年限がたてば必ず帰国して自国の発展のために頑張る、こういう前提条件でございますから年金を受給するまで掛けるということは余り考えられないわけです。 そうしますと、日本の年金制度をそのまま適用するというのは不都合が起こってきますので、この人たちを対象とする何らかの特別な年金システムといいましょうか、今言ったように健康保険の部分と年金の部分とを合わせたようなものを考えるのか、あるいは前に年金でとっていました脱退一時金みたいな制度を採用するのか、何らかの特別な制度をこの人たちを対象にしてつくるべきではないかと思うんですけれども、その辺については省としてはどのような御見解なんでしょうか。
○説明員(中村秀一君) 技能実習生の方々などあるいは広く研修に来られている方、あるいは先生のお話によりますと大学の教官の方、あるいはそれに限らず短期間外国から日本に働きに来られている方に対します年金制度の適用についての御質問というふうに承りました。 日本の年金制度は二種類ございまして、まず、日本国内に住所を有していただきますと、先生御承知だと思いますが、日本人と同様に適用される国民年金制度がございます。それから、勤務されている方で厚生年金の保険制度を適用されています事業所にお勤めの方は普通のサラリーマンということで、これは国籍にかかわりなく日本人同様に厚生年金制度が適用されております。 年金の歴史から申し上げますと、国際化の波に伴いまして、むしろ国籍要件とか内外人平等にということで制度改正がなされまして、年金の制度を広く外国の方々にも適用するように進めてきたというのがこれまでの流れでございます。 と申しますのは、年金は、確かに老齢年金という長期間加入していただいてリタイアするときに年金を支給する年金がございます。そのほかに障害になった場合の障害年金の問題ですとか、不幸にして亡くなられた場合に遺族給付を行うといった部分もありますので、短期間日本で働いておられる方につきまして年金制度を適用しないということはむしろ外国から来られております労働者の方にとって不利になりますので、むしろ内外人差別をなくして平等に適用するという観点から公的年金制度を適用しているところでございます。 それにいたしましても、先生御指摘のように一定の年限しか確実に日本にいないという人たちについてどうするんだという御議論はいただいているところでございますので、基本的には私ども外国との年金通算協定というようなものを進めていってこういった問題について外国の制度と接続できるようにするというのが長期的には筋だと思いますが、短期のこういった問題について先生御指摘のようないろいろな制度的な工夫ができないかというような議論もございます。ただいま制度改正に向けて年金審議会でも議論をしておりますところでございますので、ひとつ外国の方に対する年金制度の適用といった意味で検討の対象として議論をさせていただきたいと思っております。
○村田誠醇君 本来的には内外人差別をしないというのが原則ですし、今言いましたように、国際的に協調してといいましょうか、制度を統一して無年金者をなくすというのが一番のポイントだと思うんです。けれども、現実的には国際間のそれができ上がっていないと思うんです。 今、日本と年金通算の条約というんでしょうか、を交渉しておるところはたしかドイツと聞いておったんですけれども、この国際間の年金の交渉の状況を、ちょっと御説明していただけますか。
○説明員(中村秀一君) ただいま申し上げましたように、国際化に伴いまして社会保障制度もさまざまな意味で国際化に対応できる仕組みにしていかなければならないというふうに基本的には認識しているところでございます。 特に先生からお話がありましたように、我が国の年金制度、そこから学んだと言われておりますドイツは、ヨーロッパの中でも在留邦人の方が多いということもございますので、ドイツを対象に、公式な外交交渉の前の、日本の厚生省とドイツの連邦労働社会省との間で行われております非公式レベルでの協議でございますけれども、年金の通算協定ができないかということで御相談申し上げております。また、日本人が多く行っているという意味ではアメリカ合衆国が多いわけでございますので、これも断続的ではございますが、日米年金通算協定ができないかということでアメリカとの間でも話を続けているところでございます。 我が国の仕組みと両国の仕組みとなかなか異なる点がございまして、実際に通算協定を結ぶためにはその辺がきちっとできないといけませんので、ドイツにつきましては、ことしの六月にもまたドイツの担当官に来ていただきまして厚生省と事務レベルの協議を予定しているところでございます。
○村田誠醇君 それじゃ今度は、また同じ年金ですが、形を変えてお聞きしたいと思います。 きょうの昼のニュースを聞いておりましたらいよいよ円も強くなってまいりまして百十円台を記録したということでございます。そうしますと、我々からすれば歓迎、人によって少し違うかもしれませんけれども、一番困っている人は国際機関に勤務している日本人だと思うんですね。というのは、国際機関で年金受給資格を取得して、そしてリタイアして日本に戻ってきたときに受け取る年金が、円高がどんどん進むに従って自分が想定していた金額よりもどんどんと減っていくんじゃないかということをかなり心配なさっている方がいるわけなんです。 実は大蔵委員会で元の橋本大蔵大臣にこの辺についてちょっと聞いたことがあるんですけれども、現実的にはどういうような目減りに対する対策というか、何かあるやに聞いておりますので、そこら辺をちょっと御説明していただけますでしょうか。
○政府委員(澁谷治彦君) 年金を含む国際公務員の勤務条件につきましては、国連総会等における審議を通じて適正な水準が確保されるような仕組みになっております。 御指摘の年金受給額目減りの問題につきましては、一昨年、現地通貨建てで年金を受給する際の調整方法が改められた結果、日本において受け取る年金額が大幅に改善されております。 一つ例を申し上げますと、例えば一九九一年一月一日、二十年勤務で六十歳で退職された場合のケースでございますけれども、その直前がP4と申しますか、課長補佐クラスで退職された場合、それまでの年金額であれば五百二十六万円であったのが七百八十四万円になっております。それから課長クラスの場合は、六百六十七万円であったのが九百七十四万円に改善されております。
○村田誠醇君 随分上がるものですね。上がるのは結構でございます。わかりました。 これは何も国際機関だけじゃなくして、多分海外で年金受給の資格をもらった人は大体みんな同じようなことになるんじゃないかと思います。ただ、そこまで政府に全部面倒見ろというわけにはいきませんので、ひとつ将来何らかの論議をするときに頭の隅っこに入れて論議をしていただきたいと思うわけです。 最後にお聞きをしたいんですけれども、海外といいましょうか世界の国々から見て、我が国の輸出競争力というか国際競争力が一番強いということが言われるわけですが、他の国から見て最大の国際競争力のある産業というのは要するに労働力の輸出に伴う部分が一番大きい分野を占めているわけですね。つまり、日本でいうところの出稼ぎをしてその稼いだ資金を本国に送る、これが統計上一番多く出てくるということが起こってくるわけでございます。現にそのために、国際的には労働力の移動、これは技能労働だけじゃなくて単純労働力も含めた移動の自由について発展途上国からかなり要求が出ているということが言われているわけでございます。 そこでガットの場でも、これが正式の議題としては取り上げられていませんけれども論議が交わされているということを聞いておりますので、一体どのような国際的な論議がされているのか、それから我が国はどのような方針を持ってそれに臨んでおられるのか、それをお聞きをいたしまして、時間が来ましたので質問を終わらせてもらいます。
○政府委員(小倉和夫君) 先生御案内のとおり、ガットにおける労働の移動の問題は二つの点で議論されていると申し上げていいかと思います。 一つは、いわゆるウルグアイ・ラウンド交渉の中でございます。これの中で、今回は従来の多国間交渉と違いまして、物だけではなくサービスの提供に関する交渉も行っております。したがって、労働につきましても、あくまでサービスの提供という意味における労働の移動と申しますか、についてはこのサービス交渉の中で交渉の対象になるということになっております。今、先生がおっしゃいました技術のみならず、単純労働力というものの定義が問題でございますが、いわゆる熟年労働以外のものにつきましても一応この交渉の対象にはなるということになっております。 ただ、今の先進国、日本もそうでございますが、いわゆる単純労働者の受け入れの問題につきましては、これはウルグアイ・ラウンドの交渉の範囲には入っておりますけれども、日本やほかの先進国は一応この交渉の中でそういったものをオファーすると申しますか、それを交渉の中で提供すると申しますか、受け入れということを提供するというような交渉は行っておりません。あくまで技術と申しますか、企業内転勤と申しますか、技術、特殊な技能と申しますか、ある特定の場合にのみサービス強化の対象にするという態度をとっております。 もう一つ、ポスト・ウルグアイ・ラウンドと申しまして、ウルグアイ・ラウンド後の問題としまして、一部の国が、労働の移動とそれからむしろ労働の移動と申しますよりもあるいは労働条件と申し上げた方がいいかと思いますが、それと絡めた形で将来の貿易交渉の問題として取り上げたいということを申しておりますが、この辺の議論はまだ非常に煮詰まっていない、こういう状況でございます。
○会田長栄君 会田であります。 まず、質問に入る前に、カンボジア平和構築のために国連ボランティアとして活躍されていた故中田厚仁さんに謹んで哀悼の意を表したい、こう思います。 そこで質問に入りますが、まず第一に、今日我々の耳にどうも故中田厚仁さんはプノンペン政府軍にやられたのではないのか、あるいはポル・ポト派にやられたのではないのかという情報が流れてきています。中田さんにとってこれほどまことに不幸な情報はございません。 そこで、外務省といたしましてどのように一体情報を把握しておられますか、聞かせてください。
○政府委員(池田維君) ただいま先生から御指摘ございました中田さんの今回の不幸な死去につきましては、私ども大変遺憾であり痛ましいことだというように考えているわけでございます。 最近のカンボジアにおきましては、プノンペン政権軍とそれからポル・ポト派との間に基本的な対立というものがございます。そして、中田さんの死因につきましては、UNTACが中心になっていろいろ調査を行っておりますけれども、まだ最終的な結論が出たというようには聞いておりません。 いずれにしましても、カンボジアにおきましては、最近治安状況が悪化いたしております。これはテロ活動であるとか、あるいは武装集団の襲撃等でございます。それから、ポル・ポト派が選挙に参加しないということを決めましてプノンペンの事務所を引き揚げたということがございますし、そういった意味では、全体的に不安定な状況が強まっているということを認めざるを得ないと思います。 しかしながら、それではカンボジア全体で全面的な戦闘が行われているのかということになりますと、私どもはそうは考えておりませんで、UNTACが予定どおり選挙を進めるということを考えておりますし、また、この間のポル・ポト派のスポークスマンの談話によりましても、ポル・ポト派もSNCを離脱することはない、そしてパリ協定を遵守するというように言っております。したがいまして、私どもとしましては、パリ協定に基づいて予定どおり選挙が実施されること、これがカンボジア和平を進めていく上で最も重要なことではないかというように考えているわけでございます。
○会田長栄君 貴重な時間でございますので私も率直に御質問申し上げますから、ひとつ答えるようにお願いしたいと思います。 なぜ私はこの質問をしたかというと、故中田厚仁さんにとって、家族にとって、我々国民にとってこれほど不幸な情報というものがないから、日 本政府は正確にそういうものについては伝える責務があるということでお尋ねしたんです。 そこで外務大臣、今日のカンボジアの情勢というのは政情不安、治安状況というのはまことに悪い。そういう意味で、国論を二分して自衛隊を海外に派遣して今日まで御苦労をかけている、こういう状況の中にあって今日のカンボジアの情勢というものをどのように外務大臣として把握しているか、端的にお答え願いたい。
○国務大臣(武藤嘉文君) 確かに最近は治安が悪くなってきているということは私も率直に認めております。 ただし、まだ全面的な戦闘に至っているわけではございませんし、またこの間うち、ポル・ポト派もSNCからの脱退の意思はない、パリ和平協定は遵守する、こういうことを言っておるわけでございまして、少しでも治安が回復しそして総選挙が無事行われるように一生懸命努力をしていくのが我々としての方向であると思っております。
○会田長栄君 もちろん今日のカンボジアの国連平和維持活動というのは、パリにおける和平協定が私は基礎にある、したがってこりパリ和平協定というものを基礎に置いて日本も判断しなければいけない、こう思っているところであります。 そこで、お伺いいたします。 今日考えてみますと、このカンボジアの最高国民評議会というものは、四派の中でどのような共通認識で一体取り組んでおられるのかということを端的に聞かせてください。プノンペン政府軍と三派とが仲よくカンボジアの和平構築のためにやっているんですというのならそのように言ってほしい、そうではなくて少しずつお別れになっているというのならそのように答えてください。
○政府委員(池田維君) カンボジアの最高国民評議会は、現在のところ、ポル・ポト派はプノンペンの事務所は閉鎖いたしましたけれども、依然としてSNCのメンバーとして残るということは明言いたしております。そういった意味でSNCは依然として非常に重要な役割を持っていると思います。
○会田長栄君 それでは、カンボジアの最高国民評議会というのは本来の機能を果たしていないのでないかという疑問にはどう答えます。
○政府委員(池田維君) SNCは、パリ和平協定上はカンボジアの主権の源泉であるというように認められておりますし、そういった意味で大変重要な役割を付与されているわけでございます。同時に、パリ和平協定の事実上の実施というのはUNTACに任せられているわけでございますし、そういった意味でUNTACとSNCが協力しながら和平を進めているというのが現状だと思います。 そういった意味から、ポル・ポト派がSNCの事務所を閉めたということは残念なことだというように考えておりますけれども、依然としてSNCにはとどまってパリ和平協定を守ると言っていることは、これは従来と変わりはないというように考えております。
○会田長栄君 もちろんUNTACはカンボジアにおける外交、防衛、財政、治安、情報の五省を監督下に置いてカンボジアの和平構築に活躍しているということを前提に置いてです。実際それではUNTACが何を基本にしてそういう五省を監督下に置いて活躍しているかというと、パリ和平協定なんですね。 その一角が崩れていることは認識なさるでしょう。
○政府委員(池田維君) ただいま申し上げましたように、UNTACとSNCが協力しながら和平を進めていくというのがパリ和平協定の基本的な構図でございます。そういった意味で、SNCの一部が、ポル・ポト派が欠席しているということで問題が生じているというようには認識はいたしております。 しかしながら、それをもってすべてのパリ和平協定の枠組みが崩れたというようには思っていないわけでございます。
○会田長栄君 すべてと言っていないんだよ、私は。 パリ和平協定に盛られているところの基礎というものは、一角がもう崩れているんじゃありませんかと、こう聞いているんです。崩れていないなら崩れていないと言ってください。
○政府委員(池田維君) この点はただいまの繰り返しになるかもしれませんが、先日ポル・ポト派の代表が記者会見をいたしましたときにも、SNCのメンバーから離脱する考えはないということは明言しているわけでございます。 したがいまして、そういう意味で私どもはカンボジア全体の治安状況は悪くなっているということは十分に認識いたしております。しかしながら、それではパリ和平協定が全面的に崩れたのかということになりますと、そこまでは考えていないと、そこまでは認識していないということでございます。
○会田長栄君 それでは、また具体的に聞きますよ。 パリ和平協定の中の重要な基礎事項として、各派が兵力、武装解除、武器解除、こういうことが基本になっているけれども、四派の具体的なこの進捗状況はどうなっていますか。
○政府委員(池田維君) 先生御案内のとおりでございまして、パリ和平協定上は各派とも七割武装解除するという取り決めになっていたわけでございますが、実際にはポル・ポト派はこれに応じることをいたしませんでした。したがいまして、その段階でプノンペン側が武装解除に応じた程度が一部にとどまったわけでございまして、そういう意味で武装解除の点で大きな問題を残してきたということは事実でございます。
○会田長栄君 したがって、パリ和平協定というものは一角が今日崩れているということだけは確かなんです。ポル・ポト派が協定に基づいて武装解除をしないということが根底にあるんです。 私が心配しているのは、よく日本では国連平和維持活動、PKOというのはいわゆる紛争の地域に行って、私どもは武器を持たない、持っても小火器しか持たないと言っているけれども、大体紛争という言葉が悪いんです。戦争なんだ、あれは小銃とかロケットとか迫撃砲なんというものを持って殺し合いするなんというのは紛争などというものじゃないんです。これは戦争なんです。 だから、カンボジアの今日の情勢というのは、その一角、ポル・ポト派の動きによっては何があってもおかしくないという情勢になっているんじゃありませんか。このことを一番心配しているのは、私はカンボジアに行っている自衛隊の隊員だと思いますよ。そのことについてどのような認識を持っていますか。
○政府委員(池田維君) 私たちも最近カンボジア情勢が全般的に治安状況が悪化している、それから武装集団の暴行事件のようなものが発生しているということで深く憂慮はしております。 したがいまして、何とかそういう面で我が方から派遣されました要員の方々の安全というものを万全に保つということで努力しなければならないということで、これまでも日本政府としてはUNTACと協力しながらやってきたわけでございますし、UNTACにさらに十分な警備措置をとるようにということを申し入れはしているわけでございます。しかしながら、さればといいましてこれですべてそれでは和平の枠組みが崩れたかと申しますと、先ほども申しました、繰り返しになって恐縮でございます、例えば現在全体の九割の有権者の人たちがもう登録を終えて選挙を行おうということで準備が行われているわけでございまして、そういう面の進捗ぶりということもやはり私どもは忘れることはできないというように考えております。
○会田長栄君 じゃ防衛庁にお尋ねします。 これも率直にお聞きします。カンボジアにいる自衛隊が攻撃されたらどうなりますか、聞かせてください。
○政府委員(畠山蕃君) 現在の状況は、ただいま外務省の方から話がございましたように、治安状態が悪くなっているということでございますが、 今御質問の自衛隊の部隊が攻撃されたらどうかという点でございます。 その意味では仮定の御質問でございますので、どういう具体的な状況でどういうことになるのかということで、私どもとしては自衛隊の部隊に対して本格的な大規模な攻撃があるというようには想定しがたいというふうに思っておりますが、仮定のお話として一般論としてお答え申し上げますと、実は実施要領の中に「一時休止」ということがございまして、大隊長ないしはそれの指定する者が、安全のために必要である場合であって、かつ本部東京と連絡をとるいとまがなく、UNTACとも連絡をするいとまがないという場合におきましては、事業の一時休止を行いまして安全確保のための回避措置を講ずるということになっているわけでございまして、しかる後に直ちにその旨を報告する、こういうことになっているところであります。
○会田長栄君 私が心配しているのは二つあるんです、これは外務省、防衛庁を含めて。情勢判断がおくれて、後の祭りという言葉があるんだよ、我々には。そうなったときに国民との約束、これはどうなるのかということが問われるんですよ。これは記憶しておいてください、あり得ることだと。あの情勢の中では、後の祭りというのは。 自衛隊が攻撃されて、言葉は悪いけれども、逃げるなどという、そういうことはできないんだよ、隊というのは。これは人間の心情として、やられたらやって返すという気持ちがあるんだよ。これは何も日本人だけじゃないんですよ。 そういうことであるだけに私は外務省も防衛庁も含めて本当に慎重にこの対応を急がなきゃいけない、こう思って質問したんです。どうぞ頭に置いてください。これが国連ボランティア活動だとすれば国連の事務総長が真剣に考えなきゃならないこと、そう思います。この問題は終わります。 そこで、次に移ります。 外務大臣、外務大臣が就任早々思っていることを言ったということで、私は意外と素直に受けとめているんですよ。そのうちの一つ、新多角的貿易交渉、いわゆるガット・ウルグアイ・ラウンドに関して、米の市場開放問題について発言いたしましたね。米だけ守るのか、すべて守れというのか、世論の方向がわからない、米だけなら守れる、そのかわり他の農産物はお任せいただけたら、こういう発言の真意というものを聞かせてください。
○国務大臣(武藤嘉文君) このごろはよく米、米と、こういうお話がございますので、これは私がたまたまNHKに出ましたときにお話をしたのでございますが、本当に米だけでいいんだろうか、他の農産物は全くこちらは譲歩していいんだろうか、その辺がよくわからない、米並びにその他の農産物もすべて守るということなのか、米だけでいいのか、米だけでいいという場合になればこれはまたやりようがあるし、他の農産物をやっていくというのはまたそれなりにやっていかなきゃいけない、本当に米だけであれば私は守るというだけのことはできるんじゃないかということをNHKで申し上げたわけでございます。しかし、そのときも、いろいろと農林関係の皆さんとよく話を聞きながらまた世論の動向も見ながら対処していかなきゃいけないこういうこともつけ加えて申し上げております。 その後、農林関係の皆さんのお話を承りますと、やはり現時点においては米だけではなく他の農産物についてもひとつ慎重な態度で臨んでもらいたい、こういう御要望でございましたので、現時点においては米だけではなく他の農産物も含めて慎重な対処でウルグアイ・ラウンドに臨んでいきたい、こういう姿勢でございます。
○会田長栄君 それでは、農水省にお伺いいたします。 一つは、世界的な食糧の需給の見通しというのはどうなっていますか。
○説明員(宮本晶二君) お答え申し上げます。 世界の食糧の需給の見通し、これはいろんな見通しがあると承知いたしますけれども、世界の人口の増加、その他農産物の生産の不安定、いろんな要素がございます。そういう要素によりましてはかなり厳しい状況、特に開発途上国におきまして厳しい状況も生じ得るというような見通しもございます。
○会田長栄君 日本は米は一粒たりとも輸入していないという話になりますが、実際は一粒たりとも輸入していないんではなくて既に輸入している。どこからどのくらい輸入していますか。
○説明員(宮本晶二君) 米につきましては年間約一万一千トン、これは主として沖縄の泡盛の製造用としてタイから輸入してございます。
○会田長栄君 それでは、農水省、ありがとうございました。 なかなか慎重を要する問題であります。私は、外務大臣というのは意外と勇気のあることを率直に言うものだなと思って一面で感心していましたし、一面では、この農業問題というのはまさしく日本の政治課題の中では非常に難しい、今後の日本民族の将来を考えるときに大事な問題だということで質問いたしました。どうぞ今後ともよろしくお願いしたい、こう思います。 次に質問したいのは、湾岸戦争九十億ドルの問題と関連をいたしまして実は質問したかったわけでありますが、その点について同僚の森委員の方から質問されていますからそれを外しまして、これと関連をして二、三聞かせてください。 一つは、GCC湾岸平和基金の中には会計監査をするシステムというのはあるんですか。
○政府委員(佐藤行雄君) あると承知しております。
○会田長栄君 あるんですね。
○政府委員(佐藤行雄君) 私はあると承知しております。
○会田長栄君 あるなら、どういう組織をされていますか。
○政府委員(佐藤行雄君) ちょっとその点については私、今詳しいことを申し上げかねますので、お許しいただきたいと思います。
○会田長栄君 これは九十億ドルだけじゃないんだ。四回にわたって資金を提供して湾岸戦争というのは終わっているんだから、その使途についての金額というものを監査するシステムがあるなら、こういう仕組みになっていますぐらいのことは、後ほどでいいですから資料を提供してください。お願いしておきます。 それでは二つ目。日本への財務報告はその会計監査のシステムを経た後、国会に報告されるんですか。
○政府委員(佐藤行雄君) 私の理解しておるところを申しますと、向こうの運営委員会の責任においてきちっとした会計検査を経てこちらに財務報告を出してくると承知しております。
○会田長栄君 先ほど議論になりましたけれども、アメリカ政府は「湾岸紛争における米国の費用及び右費用を相殺するための外国の貢献に関する報告」というのを九二年十一月十五日にアメリカ議会に提出されている。その提出されている資料というのは実はこういう中身ですというのは請求すればいただけますか。
○政府委員(佐藤行雄君) 先ほども申し上げましたように、私たちとして提出する気持ちはございます。 ただ、これはアメリカ側のアメリカの法律のもとでアメリカの政府がアメリカの議会に対して出した報告でございますので正式に委員会の方に提出するに当たっては先方の了解を得る必要があると思いますので、早速その了解をとりたいと思っているわけであります。
○会田長栄君 いわゆる一兆五千億円近い金を日本政府がこのGCCに出している。この金がどのように使われているのかについて決算審査に対して必要だ、こうしているわけだから、それはちょっとアメリカに相談をしてやりますと言うんではなくて、できる限り早急に了解をとってその資料をこの委員会に提出しますぐらいの答弁をしてくれたっていいんじゃないですか。
○政府委員(佐藤行雄君) おっしゃるとおりでご ざいますので、なるべく早くアメリカの了解をとって本委員会に提出するように努力いたします。
○会田長栄君 日本の政治というのは、内閣総理大臣は大体長くやらないということになっているんだよ。だから、どんなに国会で約束してもだめなんだ。例えば外務大臣といったらここ十年やってくれるというならいいんだよ。そうではないんだ。だから、そういう意味ではもう早急にこの問題は国民が忘れないうちに本音を出して報告をして協力を求めるというのが、私は政治家の、政府の当たり前の姿勢だと思うからこういう質問をしているんです。どうぞよろしくお願いいたします。
○政府委員(佐藤行雄君) 先ほど森委員のときにもお答えしたことの繰り返しになって恐縮でございますが、我々もこれだけの大きなお金のかつて例を見ない支払いを行ったわけでありますので慎重に取り扱いたいと思っております。 しかし、何分にも運営委員会がサウジアラビアに事務局があり、そこが十六カ国を相手にしてやってきたことなのでこれまでおくれにおくれているという事情がございます。我々本当に一年半ほど催促に催促を重ねてきておりますので、今後ともその気持ちでやりたいと思っておりますので、その点だけは御理解いただきたいと思います。 先生の御指摘の政治的重要性を体して処置してまいりたいと思います。
○会田長栄君 よろしくお願いします。 実はいわゆる湾岸戦争にかかわったこの費用の問題について、アメリカとの二国間協議で実はこれぐらい出します、いやそれほどかかりませんからこれぐらいはおたくの国に戻しますというほど話が進んでいるんですよ。なぜ日本の関係だけ明らかにならないかと言うと、これは意見を申し上げておきますよ。私は、GCCというのは実際から言うとトンネル機関だったんではないかという気がしてならないんですよ。いや、そう言ったらお怒りになるでしょう。まあ私は怒られてもいいわ。でなければ私は率直に報告できると思うから、こういうことを申し上げているんです。 残り二分ありますから、もう一つだけ伺わせていただきます。湾岸戦争にかかわる資金援助の問題は終わります。ありがとうございました。 最後でありますが、旧ソ連軍による放射性物質の廃棄物の問題について、いわゆる海洋投棄の問題について、外務大臣、基本的に外務省はロシア政府とどういう方針で今折衝しているんですか。これだけは聞かせてください。
○国務大臣(武藤嘉文君) この報道がなされましたときに、早速枝村大使を通じてロシア政府に厳重に抗議を申し入れまして、即刻中止をするように申し入れをいたしました。コーズィレフ外務大臣が参りましたときも、私から即刻中止をするように申し入れをいたしました。それから、G7外相・蔵相会議におきましてもこの問題を日本側から提起いたしまして、最終的にそのような方向を議長声明にうたうことができました。 コーズィレフ外務大臣もこの点は理解を示しまして、どういうふうに早く対処していったらいいのか、できるだけ日本側と共同で話し合いをする場所を持つことにいたしまして、今月中にその会議は発足をする予定でございます。
○会田長栄君 ありがとうございました。終わります。
○鈴木貞敏君 鈴木でございます。武藤大臣、御就任おめでとうございました。東京サミットを控えまして外交日程がメジロ押しでございますけれども、そういう中での御就任、まことに御苦労さまでございます。 正確な数字じゃございませんが、重光さんあるいは吉田茂さんという敗戦後の外務大臣から数えて恐らく五十九代三十二人目の大臣、ちょっと正確じゃございませんが、私そういうことになろうかと思います。先ほど年限の話がございました一が、大変多数の方が外務大臣にずっと就任されたわけでございます。任期も一年ちょっとぐらいの平均になるのでございましょうか。こういう激動の中での御就任、恐らく激務と時差との闘いの中で毎日をお過ごしにならなくちゃならぬ、こういうことだと思いますが、ひとつくれぐれも御自愛の上、存分の御活躍のほどを心からお祈り申し上げる次第でございます。 ところで私、武藤大臣の書かれました何冊かの本を国会図書館から借りていろいろ読ませていただきました。いろいろの面で大変共感を覚え、また大臣の生きざまやあるいはおじいさん、お父さんを初め、そういった生きざまといったことをその本で初めて知りまして、大変参考にさせていただいたわけでございます。大臣は農林大臣を大平内閣時代にやられ、そしてまた海部第二次内閣でございましたか通産大臣もやられるというふうなことでございまして、本当にいろいろ経験が深いわけでございます。その本の中で読ませていただきますと、日本の外交には顔がない、こういう言葉のもとにいろいろの事例を挙げられているところもございました。 さらにまた「政治のおもてうら・思いだすまゝ」という著書の中では、「僕は、外務大臣になるかどうか、」「わからないけれども、もしなったら心がけたいと思うのは、気合いの外交」「理屈プラス気合い。」「こちらが向こうをのまなきゃ」というような、そういう意気込みでやらぬといかぬというふうなこともその本の一節にありまして非常に印象的でございました。いろいろ今までの御経験で政治と経済の問題あるいは外務省のいろいろの事務の問題、JICAの改革の問題等にも触れられておるわけでございます。 私は最初に、こういったもろもろのものを読ませていただいた上に立ちまして、こういう時期に大臣に御就任されて我が国の外交にどういう顔を持たせようとするのか、その御所信なりあるいは御決意のほどをまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 正直、外務大臣になりますまでは案外気楽に申し上げておりましたけれども、このポストにつきますとすぐ私の発言が全世界に広がるようでございますので、どうも今非常に慎重にせざるを得ない立場になっておるわけでございますが、率直に申し上げまして、これだけ日本も世界で注目をされる国になりましたのでできる限り主体性を持った外交を私は展開をしていくべきだという考え方を持っております。 しかも、東西対立、冷戦構造が崩壊をいたしました。今これからの新しい世界秩序づくりに世界じゅうが模索を続けているわけでございます。先ほど来お話のございましたカンボジアにいたしましてもあるいは旧ユーゴにいたしましても、まだまだ残念ながら紛争というか、先ほどは戦争とおっしゃいましたが、いずれにしてもそういうものが続いておるわけでございまして、何とか一日も早く世界じゅうが本当の平和な世界になり、そしてお互いに自由な民主的な国家としてそれぞれが栄えていくように、そしてまた貧困な難民その他の方もいらっしゃいますけれども、できる限り世界じゅうの人類が少なくともある程度の生活水準を確保できる、そういうような国にそれぞれなっていくように、そういう形での世界の秩序をつくっていかなきゃいけないんではないか。 そういう面においては、日本は幸いにもこれだけの経済大国になってまいりました以上、国民の御理解を得てやっていかなければならないことは当然でございますけれども、日本はできる限りその面において国際的な貢献を果たしていく、そこに日本が世界から信頼される国になっていくんではないか、私はそういう考え方でこれからの日本外交を進めてまいりたいと思っております。
○鈴木貞敏君 ひとつ御健闘をお祈りいたします。 私も持ち時間が二十分ということで非常に短こうございます。そういう意味で許す限りの時間内で御質問をさせていただきたいと思います。 次は、対日支援の問題でございます。 同僚議員の御質疑もあったわけでございますが、この十四日、十五日、対日支援に向けてのG7の外相・蔵相会議があったわけでございます。連日いろいろ新聞に報道されておるわけでございますが、私も、今こういった世界状況の中で平和 と繁栄の見地からロシアというものが安定してもらわぬと困る、この安定なくしてやはり世界の平和とそしてまた繁栄はないだろう、そういう意味におきましてロシアの支援ということにつきましては、日本が先進諸国と協調してそしてまたサミットの議長国としての立場からも支援に積極的な役割を果たしていくということには異存はございません。 しかし、それにいたしましても、これまで我が国がとってきた政経不可分あるいは拡大均衡というふうなことで言われてきたわけでございますが、これとの整合性は一体どうなるんだろう。あるいはまた、今まで北方領土問題の国際化というのでしょうか、九〇年からの議長声明、そして昨年のミュンヘン・サミットでは政治宣言の中にこの北方領土の問題をとにかく組み込んだことで成功だったということで国民一般も非常にそれを喜んだというふうな経緯があったわけでございます。そういった今までの経緯あるいは二月の七日、北方領土の日を設定して、国民挙げてひとつ一日も早く北方領土を返してくれというようなことで今まで努力してきた。 そういう国民の期待といいましょうか、そういったものをもろもろ考えますると、今までの政経不可分なり拡大均衡といった基本的な立場を今変更したのかどうか。その面について何といっても国民にわかるように説明するということは当然でございますけれども、そういった土台の上に立って、サミットの場なりあるいはロシアに対しましての日本の基本的な態度といいますか、やはり捨てるべきではないと私は思っているわけでございます。この点につきましてもいろいろ誌上に書いておるわけでございますが、ひとつ大臣の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私どもは政経不可分の原則というのは今後も堅持をしてまいりたいと思っております。 その中で拡大均衡という言葉が最近出てきておるわけでございますが、これは従来は相手国がソ連時代でございまして非常に領土問題にはかたい姿勢でございました。しかし、幸い政権もかわってまいりまして、領土問題についてもある程度の話し合いができる雰囲気が出てまいっております。私どもはそういう雰囲気の中でこれから領土問題を一日も早く解決をし、平和条約を結び、そして完全な二国間の国交が正常化の状態になるということをぜひ進めてまいりたいと思っております。 同時に、この間もG7の会議をやりましたように、国際的な場ではロシアが少なくとも全体主義から脱却をして、新しく我々と同じ自由主義経済体制、民主的な政治体制というものを目指している以上、それが後退をするようなことになってはいけない。再び全体主義の国家にならないように、やはりこれは国際的にお互いに協調し合ってロシアを助けていかなきゃいけないんじゃないかというのが国際的な会議での雰囲気でございます。私どもはその中で、日本は領土問題があるから思い切ったことがなかなかできないけれどもできる限りの範囲は日本としても協力をしていこう、こういう形でロシア支援の問題をやっておる、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○鈴木貞敏君 わかりました。 それにつきましても外交は内政の延長というふうなことも言われるわけでございますが、国民全体にそういった御趣旨をひとつ折に触れ機に触れ、また組織的にいろいろPRといいますか、広報といいますか、その理解を訴えかけていくということにつきまして、これからもひとつ外務省挙げて御努力願いたいということをお願い申し上げておきます。 次は、カンボジアの問題でございますが、それぞれ同僚議員からいろいろの面から御質疑がございました。私もUNTAC日本人選挙監視員としての中田厚仁さんの、二十五歳という本当に若い青年がボランティア精神に殉じたということ、そしてまたそれを支えた御両親のお言葉その他を聞きながら、何とも言えない感激と胸を締めつけられるような思いを抱きながら、やはり一国平和主義あるいは一国繁栄主義というものを乗り越えてこれから国際貢献をしていかなくちゃならぬという前提に立ちまして、中田さんの御冥福、そしてまた御家族のお気持ちに対して心から敬意を表したい、こういう意を表させていただきたいと思います。 ところで、こういったボランティアの方たちに対して、何としても政府としてもあらゆる支援といいましょうか、援護の手を差し伸べなくてはならぬ、こう思うわけでございます。そういう意味で大臣の閣議での御発言も拝見いたしました。それにつきましても、このボランティアの方に対しましてはいろいろの手当てが相当薄いんじゃないかという感じを受けるわけでございまして、例えば戦争特約的な保険、こういった面での補助もなかなか出ておらないんじゃないかというふうなことを聞くわけでございますが、この点一体どうなんだろうという問題。 それから、私は警察出身でございますから、文民警察官、これが七十五名派遣になっているわけでございますが、配置あるいは連絡の問題、あるいは危険に対するクライシスコントロールのいろいろの問題もそれぞれ御連絡をいただきました。その中で、時間もございませんので、要望を含めてこれからお考えいただきたい点を二つだけお願いしておきたいわけでございます。 危機管理の面として、いろいろ危険な場所に少数で分散して勤務しておるというボランティアの方、自衛隊の方は比較的まとまってやっているというような形態でございましょうが、文民警察官の場合、タイの国境に近いところに二、三名がいるとか、何かあったらもう全然逃げ場所がないというふうな状況じゃなかろうかとも思うわけでございます。そういった際、インマルサットという例の衛星通信を使った国際電話等を使えるような装置もあるわけでございまして、一部それが設置されておるということも聞いておるわけでございますが、こういったものを枢要なところにはもっとたくさんつけていただくということを情報手段の確立という面でお考え願いたいということ。 あるいはまた、文民警察官は九カ月の滞在でございますので七月に帰ってくると聞いておりますけれども、帰ってきた際にはそれぞれ協力本部の本部長の感謝状とか、そういったことをひとつお願いしたいな。実は総括質疑の際のこの決算委員会でも同僚永野委員から、功労賞ですかそういったものをぜひ考えていただきたいという非常に積極的な発言もあって、当時の加藤官房長官等の御了承の返答もあったと記憶するわけでございますけれども、協力隊員としてそれぞれ行かれた方に対する政府としての心温かいこれからの処遇をひとつお願いいたします。 その点、ひとつ大臣の御所見を伺って私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(武藤嘉文君) できるだけ今の御趣旨を体して努力をいたします。
○鈴木貞敏君 終わります。
○山下栄一君 まず、カンボジア問題を質問させていただきたいと思います。 まず最初に、去る四月八日、カンボジアにおきまして国連の選挙監視員として献身的なボランティア活動をされておりました大阪の中田厚仁さんが殉職されたことに対しまして、心から哀悼の意を表するとともに、御冥福を心よりお祈りいたしたいと思います。 彼の死をむだにしないためにもカンボジア和平のために精いっぱいの努力をしていかなきゃならない、このように思うわけでございます。先ほども言われましたけれども、昨日大臣も直接この中田さんの御自宅を弔問されたそうでございますが、大臣のお気持ちを少しお聞かせ願えればなと、このように思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、中田君の壮烈な死をお聞きいたしましたときに、若い人があのような危険な場所へ丸腰で行って、一日も早くカンボジアの和平を実現するために、しかも民主的な国家を再建するために選挙が円滑に行われるようにという目的で行動されておりましての途中の殉職でございまして、本当に痛ましい気持ちでいっぱいであり、そしてまたその後、お父さんのごあいさつが非常に立派でございましたので私としてはそのお父様にも心から感謝を申し上げたい、こんな気持ちで実はお参りをさせていただいたような次第でございます。 今後このような犠牲が起きないようにできるだけの配慮を政府としてもやっていかなきゃならないということで、早速UNTACにも強力にその点を申し入れたような次第でございます。
○山下栄一君 中田さんの事件の後も我が国の文民警察官の一人が武装グループに襲撃されたわけでございますが、事件の正確な情報を教えていただきたい、このように思うんです。先ほども少し御質問ございましたが、中田さんの事件、また文民警察官襲撃事件の犯人についてわかっておりましたらお願いしたいと思います。
○説明員(貞岡義幸君) 御説明申し上げます。 事件は、去る十四日早朝、シエムレアプ州アンビルで、一人で移動中の我が国文民警察要員が武装グループによって停止を命ぜられ、車両と現金等を奪取されました。 犯人像につきましては、現在のところUNTACにおいて調査中でございます。
○山下栄一君 現地で活躍されている日本人の方々の動向が大変心配されるわけでございますけれども、現地の我が国の文民警察官七十五名、それから停戦監視員の方八名は現在どうなっておるのか、特に配置計画の変更があったのかどうか、その点についてお願いします。
○説明員(貞岡義幸君) カンボジアにおいて配置されております文民警察署員七十五名、これにつきましては、我々協力本部事務局としましてはインマルサットやUNTAC通信網によって常時連絡をとっており、現在のところ全員元気で勤務しております。それから停戦監視要員八名でございますが、これとも常時連絡をとっており、現在元気で勤務しております。
○山下栄一君 文民警察官の方、停戦監視員の方についての情報をお聞きしたわけでございますけれども、それ以外に日本のボランティアの方々、NGOのメンバーとして活躍されておられる方々の状況につきまして日常的に掌握できるそのような体制があるのかどうか、この辺ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(澁谷治彦君) 私どもといたしましては、まず第一にUNTAC、それから大使館自体の活動を通じてUNVのボランティアの動向は把握いたしております。 中田氏を含めて三十名、UNVのボランティアに勤務しておりましたけれども、そのうち五名は目下帰国しているということでございます。事件の起こりましたコンポントム州のUNVのボランティアは、目下プノンペンに呼び戻されております。そのほかの州のボランティアにつきまして、これは日本だけではございませんけれども、やはりブリーフィングのためプノンペンに目下呼び戻されているということでございます。
○委員長(大渕絹子君) 聞こえるように答弁をしていただきたいと思います。
○山下栄一君 もう一度確認させていただきますけれども、UNV以外のボランティアのメンバーについてもプノンペンに戻っておる、こういうことでございますか。
○政府委員(澁谷治彦君) 一時的に戻っている、呼び戻されているというぐあいに理解しております。
○山下栄一君 UNTACを通しての情報提供はあるようでございますけれども、私は、非常に心配な状況が続いておりますもので、PKO協力本部、国際平和協力本部の責任ある方がみずから現地へ行かれてきちっと状況を把握されることが今必要なのではないかな、このように思うわけでございますが、この点どうでしょうか。
○説明員(貞岡義幸君) 御説明申し上げます。 協力本部事務局としましては、プノンペンに現地支援チームを設置して、常時五、六人の事務局職員を配置し、種々情報収集に努めておる最中でございます。 今、先生から御指摘ございました点でございますけれども、先生の御趣旨を踏まえまして検討いたしたいと思います。
○山下栄一君 ぜひとも責任ある方が直接現地へ行くべきだと思いますので、今のお話ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。 続きまして、先ほどもちょっと伺いましたが、ボランティアのメンバーの万一の場合の補償についてでございます。大臣も少しお触れになりましたが、UNVのメンバーにつきましては日本独自の補償を検討すると、このように首相みずから野党との党首会談でお話があったわけでございますけれども、それも含めまして、UNV並びにNGO一般のメンバーについても補償問題をできれば検討する必要があるんではないかなと、このようにも考えるわけでございますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) とりあえずは中田厚仁さんの死がございまして、これに対して今のところ何らの補償措置が政府ではなかったわけでございますから、こういうことについてとにかく何らかの救済措置がとれないかということで今政府部内で検討いたしておるわけでございます。 NGO全体につきましてということになると、NGOはこういうところだけじゃございませんで世界各地に展開をされておるわけでございまして、その点はやはり今後どんな形での救済策を考えるにいたしましても何らかの物差しを考える必要が私はあるのではないかと思っております。
○山下栄一君 どうもありがとうございました。 ちょっと質問通告してない問題でございますが、日米首脳会談につきまして少しお聞きしたいと思うんです。 日米首脳会談は、我が国の大幅な貿易黒字の削減につきまして非常に話題が集中したわけでございますけれども、分野別の市場開放問題を協議する機関を設置するということが合意されたと聞いておるわけでございますが、この協議機関の内容につきましてはこれからだと思うのですけれども、従来のMOSS協議また日米構造問題協議との違い、この辺ちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私の承知しておるところでは、先方からはそういう要望もあったようでございますが、宮澤総理がそれをオーケーされたとは承っておりません。 たまたまきょうもアメリカの国務次官が私のところへ訪ねてまいりましたので、協議をする場合には、あくまで自由主義経済体制、自由貿易体制を堅持しておる二国間で少なくとも管理貿易につながるような協議機関というものはおかしいではないか、できるだけマクロ的な形での協議機関というのならばこれは私は理解ができるということをお答えしておきましたが、総理もそのようなお話をきっとしていただけたものと私は理解をいたしております。
○山下栄一君 続きまして、先ほども少しございましたが、対ロ支援問題につきましてお聞きしたいと思います。 先週十五日に行われましたG7プラス1会合において、ロシアに対する先進七カ国による包括支援策といたしまして総額四百三十四億ドルの対ロ支援、議長国として大臣もいろいろ御苦労されたわけでございますが、この支援がどこまで有効性があるかということが非常に心配な面もあるわけです。特にロシアの自助努力が進まないと絵にかいたもちになってしまう、昨年の二の舞になりかねないという、そういうふうな心配があるわけでございますけれども、今回の支援策の全体の枠の中で、特に実効性については何かこれだというものがございましたら挙げていただきたいと思います。
○政府委員(野村一成君) ただいま御指摘のございましたとおり、支援がやはり持続的に実効性のあるものである、効果のあるものである必要があるということで、今回の合同会議においてもそういう点に着目いたしました。 この点につきましては、十四日に会議が開かれたわけでございますけれども、総理があいさつの中で、具体的に対ロ支援を進めるに当たりまして、まず第一に、ロシアにおける改革の帰趨を制するロシア国民自身の真のニーズにこたえる支援を行うということ、第二に、ロシア国民に市場経済や民主主義に向けての改革を行っていくための手だてを与えるような支援を行うという具体的な方針を明らかにいたしております。 それで、今回できました具体的な支援策の中で見ますと、特にエネルギー部門では石油・ガス生産がやはりロシアの経済において重要ないわゆる外貨獲得源なわけですけれども、その生産が今非常におっこっちゃっているということで、その分野に特に重点的と申しますか支援を行って、何よりもその生産を上げて外貨を従来と同じように獲得するというふうなことを考える。さらには、生産性がロシアで今おっこっているわけですけれども、その一つのネックがやはり大企業で国営であるということになっている。これはもう一般に言われていることでござますので、やはり中小企業を育成し民営化を促進する、そういう具体的な施策についてどうすればいいかという点に着目した点があろうかと思います。 そういうことで、持続的な実効性のある支援というのに今回特に着目いたしてやった点と、それからもう一つは、これは我が国が特に主張していた点でございますけれども核兵器の解体とか、先ほど大臣から御指摘もございましたけれども廃棄物の海洋投棄の問題とかあるいは原子力発電所の安全、これは経済そのものとは直接関係ないわけでございますけれども、やはり、私ども国際社会にとってのロシアに対する支援ということを考えます場合に非常に大きな関心事でございますので、そういった点に着目しての内容というのもあわせて今回打ち出している次第でございます。
○山下栄一君 続いて、経済支援と領土問題との関連で、先ほども少しございましたけれども、エリツィン大統領は今回のG7における日本の態度を高く評価したわけでございますが、それは支援問題とこの領土問題とを切り離したという、そういう点を評価して、その上で五月に日本訪問というようなことも表明したわけです。それに我が国も歓迎の意思の表明をしたというわけですが、この領土問題の原則をあいまいにしたままで大統領の訪日問題をやりますとまた昨年のような状況になりかねないというふうに考えるわけでございまして、やっぱり領土問題の基本原則をしっかりロシアと確認しておく必要がある、そのためにも外務大臣のロシア訪問がそういう観点から必要なのではないか、こういうふうなことを考えるわけですけれども、その御予定はございますか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほどもお答えをいたしましたように、私どもは、領土問題はもう日本の今日までの長年の国民の悲願でございますから、この領土問題を解決して平和条約を締結していくというその方向のプロセスは、できるだけ早くそれが実現するように努力をしていくのが当然だと思っております。決して領土問題と経済支援とを切り離したと私どもは考えておりません。 私がそれじゃロシアを訪問する必要があるかどうかという点につきましては、私の考え方は、エリツィン大統領が昨年の九月に訪日される予定になっていたわけでございまして、それが突然中止になった。これに対しては国民の皆さんも大変不快な念を持っておられると思うのでございます。今回の訪日は、その延長されていたものが実現をする、こういうふうに判断をいたしておるわけでございまして、昨年の九月の前に渡辺前大臣がロシアを訪問いたしておりますので、私として今ロシアへ行かなければならないということはないんではないかというふうに判断をいたしております。
○山下栄一君 核廃棄物の海洋投棄の問題で少しお願いしたいと思います。 十五日に行われました日ロ外相会談においてどの程度話し合われたのか、特に合同調査ですね。また、ロシア領海内における合同調査等も含めましてその辺の確約はとれたのかどうか。この点と、海洋投棄の中止について要請はしたということを聞いているんですが、その中止の約束といいますか、これはできたのかどうか、この二点お願いしたいと思います。
○政府委員(野村一成君) まず、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、即時中止の要請というのは外交ルート、それから大臣から直接外務大臣に強く申し入れを行っておりまして、それに対して先方は承ったということでございます。今のところそれ以上の発言はございませんでした。 他方、この点実は私ども、この調査結果というのを向こうが発表したわけですけれども、それを詳細見ただけでは実態というのはよくわからないわけです。ですから、これはあくまでロシア側と一緒になって事実解明をする必要があるということで合同作業部会の設置を提案いたしまして、これは先方も即座に同意いたしまして、これも一日も早くその会合を開催したいと思っております。 海洋調査につきましても、これは延長線上の話ではございますけれども先方に申し入れてございまして、今申します合同作業部会の会合において、きちんとそういう必要性について重ねて先方と折衝してまいりたいというふうに思っております。
○山下栄一君 海洋調査の合同調査につきましては、ぜひとも実現していただくように御努力をお願いしたいと思います。 それから、先ほどのロシア支援の中で、核廃棄物処理関係で約一億ドルの無償支援を決めたということでございます。この核廃棄物の処理関係の範囲をどこまで広げるかという問題ですが、これから検討されると思うんですけれども、私は、支援内容を絞りまして、海洋投棄をやめさせるために不足している放射性廃棄物の処理施設の建設に重点を置いたらどうかなということを考えるわけでございますが、いかがでしょうか。
○政府委員(野村一成君) まず事実関係をきちんと解明することが先決だと思っております。と同時に、基本的な考え方としまして、海洋投棄を即時やめるということのためにはやはり陸上処理ということが裏返しで必要になってまいりますので、そのために、事実関係を解明した上でさらに必要とあれば具体的な支援ということを考えたいということでございます。私の頭の中にございますのは、まず実際何が起こったのかということをよく解明した上で先のことを考えたいと思っております。この先のことを考える用意があるというのが今回の考え方でございます。 他方、先ほど先生一億ドル云々とおっしゃいましたけれども、それは核兵器の解体という側面にも着目しての点でございますので、この点ちょっと補足させていただきます。
○山下栄一君 ODAの問題に少し触れたいと思いますが、第四次ODA中期目標五百億ドルにつきましては達成の見通しがついたというふうにお聞きしております。今回、政府で新たな設定をする第五次中期目標、五年間で七百億ドルから七百五十億ドル、このことが報道されておるわけでございますけれども、我が国のODA予算につきましては非常なペースで増大しております。 ところがそれに見合う人的な面の体制が追いついていないというふうに思うわけでございますけれども、事務処理に携わる外務省職員、それから海外経済協力基金、OECF及び国際協力事業団、JICAの職員の合計はODAの増大ペースと比べまして非常に伸びが低い。予算の方は一・七倍、金額では三・五倍ですか、ところが職員の増加につきましては一・四倍の伸びのままであるということでございます。 今後さらにODAの規模拡大のためには、事務処理能力を、対応できるような状況をつくる必要がある、このように思うわけですけれども、職員の増強計画につきましてお聞きしたいと思います。
○政府委員(川上隆朗君) まず、御指摘の第五次中期目標につきましては、現在ODAは国際貢献の非常に重要な柱の一つでございますので、これを引き続き着実に拡充する必要があるというふうに考えておりまして、政府部内で鋭意検討中という段階でございます。 先生御指摘いただきましたODA額の伸びに比しまして援助要員の伸びが十分ではないのではないかという点でございますが、我々といたしましては、厳しい定員状況のもとで、各方面の理解をいただきまして長年にわたって拡充に努力をいたしてまいったわけでございます。若干数字で見ますと、例えば外務省の経済協力関係定員、これは本省とそれから在外の両方を含みますけれども、八一年度におきまして百九十七名でございましたのが、九三年度、十二年後には三百八十七名。これは在外の増が主たる理由でございますけれども、三百八十七名へと増員されております。 また、国際協力事業団の援助関係定員につきましては、同じ期間中に七百二十三名から千五十二名へと増加してきております。 しかしながら、御指摘のとおり、我々といたしましては、援助をさらに国民の御期待に沿えるものにするためには効果的、効率的な実施に格段の努力を払っていく必要があるという認識でございます。特に、事前の調査の入口の段階から援助を実施した後の評価の出口の段階に至るまで、一連の過程におきまして援助要員を十分拡充して、それを強化してまいるというふうな努力を御理解を得ながらしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○山下栄一君 次に、ODA予算に対する会計検査院のチェックの問題でございます。 ODAにつきまして我が国の審査体制が問題になるわけですけれども、受け入れ側の体制というか、これが問題になっております。会計検査院の指摘のとおり、国民の税金が本当に困っている世界の方々に有効に使われるようにするためにも、ODA対象国に対しましての日本の会計検査技術の支援、これはODAの一環として行うべきであると、このように考えるわけでございます。それによって日本の内政干渉的な検査をする必要もなくなり、その国が自立する手助けにもなる、こういう観点から会計検査院が、ODA関係省庁は現在十八省庁あるわけですけれども、その仲間入りをしまして会計検査院独自の技術協力体制を考えるべきではないか、このように思うんですが、会計検査院よろしいでしょうか。
○説明員(天野進君) お答え申し上げます。 政府会計検査セミナーにつきましては、一九八〇年以降毎年、国際協力事業団の協力を得まして主にアジアの開発途上国の会計検査院職員を日本に招きまして、検査能力の向上を目指して一カ月余りにわたる研修を実施しているところでございます。 開発途上国に対する本院の有する検査技術の提供につきましては、従来から積極的に実施してきておるところでありますが、各国からも高い評価を受けております。本院といたしましても、先生の御指摘を念頭に置き、開発途上国の研修ニーズ等をより的確に把握しつつ、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○山下栄一君 ODA予算の中心省庁の外務省の大臣にお聞きしたいんですけれども、今の私の提案、会計検査院もODA関係省庁の中に入ってしっかりした技術協力ができるような体制を独自につくったらどうかという、この点について大臣の御所見をお願いしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 今私どもも会計検査院のお話を聞いているだけで具体的にどうこうと詳しいこともわかりませんけれども、やはりそのような方向で、研修を受けている人たちが帰ってできるだけ開発途上国がきちんとした会計がなされるようにすることは、その国の財政が健全化することでございますから大変結構なことだと私は思っておるわけでございます。
○山下栄一君 現在もやっておられるんですけれども、今はどちらかといいますとJICAの一環としてやっておられるとお聞きしているんです。独自の体制を考えたらどうかという提案ですので、ぜひ御検討をよろしくお願いしたいと思います。 最後に一点、ODA予算のうち環境ODAでございますが、昨年度、一九九二年度の環境ODAの実績はどれくらいになりそうか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(川上隆朗君) 先生御案内のとおり、昨年六月のUNCED、地球環境サミットにおきまして宮澤総理から環境ODAの新たな目標を世界に公表されたわけでございます。九二年度から五年間にわたりまして九千億円から一兆円の環境ODAを供与するということでございますが、このことを受けまして、九二年度におきまして積極的な案件採択に努めました結果、有償資金協力につきましてはブラジル、タイ等に対しまして合計二千二百五十億円の円借款を環境分野を対象として供与いたしました。 無償資金協力につきましても、上下水道の整備、環境管理センター、都市衛生等の分野に約三百億円の援助を供与いたしております。このほかにも、技術協力ということで研修員の受け入れでございますとか専門家の派遣でございますとかを行っております。その結果、私どもの見積もりでは、総額で見ますと、その前の年でございますが、九一年度の実績が実は千百二十七億円だったんですが、その二倍を相当程度上回る額になったんではないかというふうに見ております。
○山下栄一君 じゃ、首相が約束された五年計画の第一年目の目標は一応達成されているというふうに考えてよろしいですか。
○政府委員(川上隆朗君) 先ほどの計算で単純に計算いたしますと、五年間で九千億円から一兆円でございますので、年間千八百億円から二千億円ということになります。したがって第一年度、初年度だけをとりますと、それよりかなり上回る規模で達成したと。 環境案件というのは、先方との政策対話というものを通じまして優良な案件を選択するということが大変重要でございますので、今後ともそういう案件の形成、実施を積極的に進めてまいりたい、そういうことによって目標を達成するよう努力してまいりたいと考えております。
○山下栄一君 終わります。
○直嶋正行君 民社党の直嶋でございます。 まず冒頭に、カンボジアで御不幸に遣われました中田厚仁さんの御冥福を心からお祈り申し上げる次第でございます。 この事件の発生しましたカンボジアを含めまして、今日本の外交は多くの難しい課題に直面していると思います。私も、今後の日本にとって政府諸機能の中で何が最も重要かというふうに考えますと、まずイの一番にやはり外交であろうというふうに思います。先ほど武藤大臣も質問に答えて所信の一端をお話しなさいましたが、そうした課題を実践していくためにも外務省の充実強化というのは急務ではないかなと、このように思うわけであります。 とりわけ、長期的に見ました場合に、実際に外交の任に当たる定員の増大がやはり最重要ではないかと思います。私も今回質問するに当たりましてちょっと調べてみましたが、過去五年間、国会の委員会等で十五名の議員の皆さんが外務省の定員拡充の必要性を質問として取り上げておられます。政党も特に特定の政党に偏っているわけではなくて、ある面で言いますと超党派でこういう質問が出ている。このことはやはり国民全体の大変大きな課題になっているんではないかなと、このように理解するわけであります。 しかるに、外務省の定員の推移をちょっと見てみますと、昭和六十年を一〇〇として、例えば平成三年度で見ますと一一四でございます。確かに他の省庁に比べまして相対的には伸びておりますが、例えば邦人の海外での長期滞在者を見ますとこの指数は一七四であります。海外旅行者二一五。先ほどのお話しにあったように、外交的な懸案事項がふえておる、こういう状況もあわせて考 えますと私は極めて不十分ではないかなと、こう思うわけであります。 そこで、まず最初にお聞きしたいのは、この定員拡充について外務省当局は具体的にどういう努力をされてきたのかお伺いしたいと思います。たしか昭和六十一年のこの国会の質疑の中で、当時の中山外相が総務庁の方の答弁をとらえて、総務庁は実態を知らないんだというようなこともおっしゃっておられます。したがいまして、そういった総務庁やあるいは財政当局への理解活動を含めて、簡潔にお答えをいただければと思います。
○政府委員(林貞行君) 外務省の機能強化、とりわけ定員増の問題につきましては、本委員会を初め多数の方々から御支援いただきまして、本当にありがとうございます。 外務省といたしましては、速やかに一千名程度の目標で増員を図るという外交強化懇談会の報告を踏まえまして、この報告書が出されました直後の平成四年度におきましては百三十名の増員を得ましたし、それからアタッシェ等も入れますと百五十八名の増員を得ました。平成五年度におきましてはさらにこれを上回る百四十名の増員を確保いたしまして、アタッシェ等を入れますと百六十名の増員でございます。厳しい財政事情でありますが、関係者の御理解を得つつ、今後とも増員に努力していきたいと考えております。 これまでの増員が十分であるとは決して思っておりませんが、他方苦しい財政事情もございますわけでありますから、そういうものを踏まえて、できるだけ関係者の理解を得るように努力していきたいと考えております。
○直嶋正行君 外務省の努力を別に否定するわけではありませんが、今おっしゃったように早期に一千名増員ということになると、早期にというのをどうとらえるかですけれども、やはりまだまだ努力していただきたいなと思います。 その中で、例えば外務Ⅰ種の公務員試験、専門職の試験等を見ますと、例えば平成四年度の例で言いますと、Ⅰ種の合格者が三十名、応募者七百六十四名、専門職は合格者五十三名、応募者一千二十一名、大変狭き門になっています。恐らく努力をすれば、落ちた方でもこの中にかなり優秀な方がいらっしゃるんじゃないかなと、このように思うわけであります。 例えばこういうようなこととか、先ほど中山外相の発言を紹介しましたが、あれは実は総務庁の方から、全体の定員は減っていますけれども外務省は二四%ふやしています、こういう答弁があったのを受けて、実態を知らないというふうにおっしゃったわけであります。 私も思うのは、やはり外交が最重要でしかも外務省の強化がこれだけ国民的なコンセンサスを得られているなら、従来のように、定員の枠の中で全体を抑えながら外務省だけ少しずつ増員を図る、こういうやり方ではなくて、短期的に何か思い切った抜本的な発想で人材をふやしていくということが必要ではないかなというふうに思うわけであります。 例えば、在外公館の駐在員の方の一覧表をいただきましても、二名から四名というところがたくさんございます。これで本当に十分な外交ができるかというのは極めて心配でございます。 また予算面でも、先ほどODAのお話が出ていましたが、ODAを除いた外務省予算、これは本来の外務省の活動費あるいは人件費だと思うんですが、これを見ると全体の伸びに比べましてかなり低い数字が出ているわけであります。 こういった人材面、予算面あるいはその他含めた外務省の体制強化についてどのように考えておられるか、ぜひ大臣の御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 大変御激励をいただいてありがとうございます。 私も外務省の定員を思い切ってふやさなきゃいけないということはよく承知をいたしております。特に、そう単純によそから持ってきて、他省庁にいる人間を持ってきてすぐ外交官というわけにもいきません。やはりこれは研修も要りますし、本当に採用をもっと思い切ってふやしていかなきゃならない。そういう面では、いわゆる国家公務員の定員はございますけれども、その削減計画とは別に、思い切ってこういう外務職員だけは伸ばしていくようなことを努力しなきゃいけない。 私も、来年度の予算編成に当たりましてはひとつ思い切った計画を立てて、幸い大蔵省には、相当長い間税調会長をやっておりましたので、ひとつせいぜいそれを利用させていただいて頑張ってまいりたいと思っております。
○直嶋正行君 ぜひ御努力をお願い申し上げたいと思います。 最後に、少し時間がございますので、最近の在外外交官を含めました邦人の海外における安全問題についてちょっと御見解をお伺いしたいと思います。 最近の三年間の邦人の犯罪被害の状況を見ますと、全体でいいまして件数は若干落ちているんですけれども、内容的に見ますと殺人等の悪質なものがふえていると思います。また、意外に議論されませんが、例えば外交官の方が海外で危難にお遭いになる、こういう数字も調べますとこの三年間でかなりふえています。五十件近くふえております。 そういうことを考えますと、もちろん外務省の人的な拡充は必要なんですが、同時に、これだけ世界が非常に混沌とした中でございますから、やはり身の安全ということも当然図っていかなければいけないと思うんです。これらの点について、現時点での対応等を最後にお伺いしたいと思います。
○政府委員(荒義尚君) 先生御指摘のように、確かに昨今海外におきまして邦人の関係する事件事故がふえておる、しかも凶悪犯がふえておるという点は御指摘のとおりでございます。 これらの邦人の安全につきましては、私ども外務省としましては、そういう点が外務省の重要施策の一つであるという認識でございまして、安全対策の充実に目下鋭意努力しておるということでございます。 まず、予算的に一つ申し上げますけれども、平成五年度予算におきましては、海外邦人安全対策経費としまして幸い前年度の三倍増、合計四億円強を計上していただきました。 具体的な施策でございますけれども、まず海外におきましては遭難、災害等の緊急事態への対応としまして無線の整備、それからこれは平成五年からの新規事業でございますけれども邦人の旅行者、渡航者用の食糧備蓄を平成五年度から逐次整備したいというふうに考えております。 それから、緊急を含む一般的な安全対策としまして、現在世界各地にある我が方在外公館に必ず一人ずつ邦人安全対策担当官というのを指名いたしました。それが中心になりまして、現地における日本人会あるいは商工会議所等の邦人の方々と共同で安全対策連絡協議会というのを現在世界百十二カ所において設置済みでございます。そこにおきまして安全情報の提供であるとか安全対策にかかわる共同研究、意見の交換等を行い、また、具体的な現地に即しました安全マニュアルというのを作成しまして現地の邦人社会に配付しておるということでございます。 それから、日本におきましても関係諸団体を構成メンバーとします海外邦人安全対策官民協力会議というのを昨年設置いたしまして、その場におきまして安全対策についていろいろ研究、情報交換を行っておるということでございます。 また、これは御案内のとおりと思いますけれども、世界各地の情勢を子細にフォローしまして必要に応じ、これは具体的には観光自粛であるとか注意喚起でございますが、渡航情報を出しておるという体制になっております。 なお、在外公館館員について御言及でございますので一言申し上げますけれども、もちろん在外公館の館員についても先ほどの施策は適用になるわけでありますが、館員の日常の行動あるいは住居の安全確保につきましてはいろいろガイドブッ クを渡して研修指導するということ、それに加えまして、治安が悪い地域に駐在する館員につきましては、警備員の雇い上げとか警備機器の借り上げにつき公費による補助ということも行っておるということでございます。 これらの施策につきましては、今後とも各方面の御理解を得て一層充実してまいりたいと考えております。
○直嶋正行君 終わります。
○高崎裕子君 子どもの権利条約は、発達、成長する子供の人権の尊重と確保を詳細かつ具体的に規定した画期的な条約です。この条約により我が国が負うことになる義務の中で、四条は、権利実現のためすべての適当な立法措置、行政措置その他の措置を講ずることとし、四十四条では、批准して二年以内にその進捗状況について国連へ報告するということになっております。 この報告をする際のガイドラインをいただきました。英文でいただいたので私びっくりしております。大臣、これはもうぜひ訳文を早急につくっていただきたいと思うんですけれども、この九のの(a)で、条約の規定と国内法及び国内政策を調和させるためにとられた措置、こうなっています。十三条以下でも各具体的な権利について同様のことが書かれているわけです。国内法を改正する必要がないという立場については私たちは違うわけですけれども、これは置いておいても、条約に基づいて行政措置など国内政策をとり、それを報告するということになるわけですね。
○政府委員(澁谷治彦君) 条約の御承認をいただきました後の段階でそのような措置をとることになっておるということでございます。
○高崎裕子君 中身ですから答えてください。批准することを前提で、そのガイドラインの今の中身の解釈ですから、それについてお答えください。
○委員長(大渕絹子君) 質問に的確に答えてください。
○政府委員(澁谷治彦君) 御指摘の本件条約第四十四条に基づき締約国が児童の権利委員会に提出する報告のガイドラインは、一九九一年の児童の権利委員会第一会期において国連事務局が作成したガイドラインの草案に基づき検討が行われ、採択されました。このガイドラインにつきましては、各国が提出する最初の報告書に記載すべき事項を統一することにより、児童の権利に関する委員会における報告書の検討を容易かつ効果的ならしめることを目的とするということでございます。 このガイドラインにつきましては、締約国が提出する最初の報告において、各条約国の現行の主要な立法、司法、行政上の措置、条約の規定の実施に当たって当面する困難及び達成された進展、将来の目標等を含む関連情報を提供すること、主要な法令の写し、詳細な統計情報等を報告に記載することが期待されております。もちろん、各国がこのガイドラインに従いまして報告することが望ましいわけでございますけれども、これはあくまでもガイドラインでございますので、各国を法的に拘束するというぐあいには考えられません。
○高崎裕子君 それでは、日本としては拘束されないからということで国内政策は全くやらないということにはならないと思うんです。国内法はつくらないとしても、国内政策については、各省庁の関連する法律が実施及び運用の観点でさまざまな行政措置をするということになるのではないですか。
○政府委員(澁谷治彦君) もちろんこのガイドラインの趣旨をできるだけ尊重するような形で報告を提出することになると思います。
○高崎裕子君 ということは、さまざまな行政措置について具体的な施策をし、そしてそれを報告。するということになるんですけれども、大臣、そうであれば各省ばらばらではなくて、例えば国際婦人年のときには、総理大臣を本部長に置いて、婦人問題企画推進本部を設置して、女性の地位向上のための施策を行うために国内行動計画を策定いたしました。そして、国際障害者年のときにも、やっぱり同様の措置をとりました。今、子供が置かれている状況は、小中学校で登校拒否が平成三年で約五万四千人と十年前の四倍になるなど、教育や福祉、さまざまな分野で深刻な事態、解決が迫られる問題が山積しています。 そこで、大切な条約ですから外務省が音頭をとって関係省庁の実施についての何らかの態勢をとるべきだと思いますし、国内行動計画も策定すべきだというふうに考えるんですけれども、ここは大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 政府内でよく検討をさせていただきたいと思っております。
○高崎裕子君 画期的な条約ですので、ぜひ積極的によろしくお願いいたします。 また、この子どもの権利条約ということで、ほかの条約と違う特徴があります。それは、政府の広報義務が、大人だけではなく子供に対して適当かつ積極的な手段により知らせるということが義務づけられています。具体的にはどういうことを考えておられますか。
○政府委員(澁谷治彦君) もちろん、この条約について国会の御承認をいただいた際には、外務省としては関係省庁と一層協力いたしまして、本件条約の内容、考え方を関係方面に広く広報してまいります。 具体的には、既に政府の広報誌等において本件条約の精神や内容について紹介、普及に努めているところでございますけれども、今後とも各種のメディア、講演会等を通じて必要かつ適切な広報活動を行っていきたいと思っております。広報の方法につきましては、児童の意見を聞くべしという御意見もございますけれども、これにつきましては今後一つの御示唆として検討してまいりたいと思います。
○高崎裕子君 ここは十二条で子供の意見表明権という画期的な権利もうたわれていますので、ぜひ今言われた立場で児童の意見を聞いていただきたいと思うんです。 具体的な施策として、例えば小学生、中学生、高校生といますが、この子供たちに学校を通してパンフレットをつくるというお話なども伺っております。あるいは、児童福祉施設等についても配布するというふうに伺っております。それは間違いないわけですね。
○政府委員(澁谷治彦君) 現在、先生御指摘の方法も含めて政府内部で検討中でございます。
○高崎裕子君 パンフレットも含めて検討中ということですが、子供の意見を聞くという点で、小学校から高校という発達段階のうちでさまざまな中身が要求されると思いますので、具体的に意見を聞いていいものをつくっていただきたいと思うわけです。そして、こどもの日がせっかくあるわけですから、子どもの権利条約の内容を周知徹底させて子供にその内容を身につけてもらうという意味でも、いろいろな形でこの条約を周知徹底させるための企画をぜひ工夫していただきたいと思うんですけれども、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほども申し上げましたけれども、政府部内でよく検討を続けてまいりたいと思います。
○高崎裕子君 ぜひよろしくお願いいたします。 それから、次に国際先住民年に関連してお尋ねをいたします。 ことしは国際先住民年の年ですが、人権、環境、教育等の分野において問題を解決するために、アイヌの人々や国民にとって国際先住民年を意義あるものにしなければならないと思います。政府としては、広報など具体的な取り組みを積極的に行うべきと思いますけれども、この点とうなっているでしょうか。 そして、とりわけこの国際先住民年を本当に実りのあるものにする上でも、具体的な取り組みについて当事者であるウタリ協会から要望、意見を聞く必要があると思うんです。外務省としては聞いておられるということですが、外務省だけではなくて、これは複雑多岐な問題があり、関係省庁も多方面にわたっております。関係省庁の連絡会があるわけですから、ここにウタリ協会を出席さ せて意見を聞くべきと思いますが、この二点についていかがでしょうか。
○政府委員(澁谷治彦君) 広報関係につきましては、政府といたしましては国際先住民年の意義に関する国内広報施策として、昨年十二月十五日付の政府広報誌「時の動き」でこれを紹介いたしましたし、今後も政府広報誌「フォト」等を活用してこの国際年の趣旨につきまして一般的な広報を行ってまいるつもりでございます。 それから、ウタリ協会の代表の件でございますけれども、北海道庁や北海道ウタリ協会からそれぞれ数度にわたり陳情を受けました。この内容は、そういった連絡会を通じて関係省庁に伝えでございます。先生の御示唆の点については今後検討させていただきたいと思います。
○高崎裕子君 もう時間ですので、最後にちょっと質問の中でお答えがいただけなかったので確認したいんですが、アイヌの人々を外国に紹介する英語のパンフも用意されているというふうに伺っていますが、それは間違いありませんね。
○政府委員(澁谷治彦君) これも積極的に取り組んでおります。
○高崎裕子君 終わります。
○井上哲夫君 私も極めて短時間しか質問時間がありませんので、急いで質疑に入りたいと思います。 冒頭、武藤外務大臣の御就任、心からお祝いを申し上げます。私の隣の県から外務大臣という極めて重要な大臣が誕生されました。健康に留意されて、これから大いに御活躍をお願いしたいと思います。 きょうはカンボジアの問題についてお尋ねをするということでありますが、多くの方がこれまでいろんな角度で質問をされました。私も質問が重複しないところでお尋ねをしたいと思います。 冒頭、中田厚仁君があのような形で亡くなられたことに本当に心から哀悼の意を表したいと思いますし、御冥福をお祈りしたいと思っております。大臣も先ほど、壮烈な死であり、殉職だという趣旨の御発言をされましたが、襲撃の状況を見ますとまさに痛ましい限りだと思います。 それで実は、選挙監視要員をこれから日本も出していかなければならない。カンボジアの選挙、制憲議会の選挙は五月二十三日からあるということですが、日本が派遣する選挙監視要員について、いつ、何名、どういう形で派遣を予定しているか、お尋ねをいたします。
○政府委員(澁谷治彦君) 約五十名を派遣の予定ということで、総理府の国際平和協力本部で人選を終えたというぐあいに了解いたしております。大体五月の中旬以前には派遣の予定となっております。具体的な日にちについてはまだ未定でございます。
○井上哲夫君 五十名の選挙監視要員がこれから行かなきゃならぬ。これは各国からの要員が来ますから現状の中では派遣をしなきゃならぬわけでございますが、実はカンボジアの国内の状況は、伺うところ、治安が非常に悪化している。先ほどの同僚議員の質問の中には、四月十四日に文民警察が襲撃をされて車両と現金を奪われただけにとどまったわけでございますが、治安が非常に悪化していることはもう明白であります。そうしますと、実際に選挙監視要員はどのような選挙監視活動がカンボジアでできるか、これは現地のUNTACとの打ち合わせで、今その具体的な内容はつかみようがないと私も思います。 ただ、どういう形で安全配慮をするか。私は一昨年二月にバングラデシュの選挙視察に超党派で行ってきまして、選挙監視の事業あるいは選挙の行われ方について少しだけ勉強をしてきました。実際に選挙監視といっても、治安が大変悪化している中でどのように行えるか。バングラデシュの場合には、急遽最高裁の前長官が大統領代行になったこともあって、日本で言うと戦前のように治安攪乱者を選挙期間の相当事前に拘束をして排除した。そのために外国から非常に褒められるような選挙が現実には実行されたわけですね。 そういうふうなことを考えますと、これから日本が送る選挙監視要員五十名についてどのように安全策を考えていかなければならないか。UNTACとの打ち合わせにおいてもどこを基本に考えなきゃならないかについてお尋ねをしたい。特に選挙監視要員がほかの国から来た要員とまざり合って地方に分散をする場合には危険ゾーンというのはある程度わかるわけですから、そういうところについての問題も含めてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(澁谷治彦君) UNTACといたしましては、中田氏の事件の直後に会議を開きまして選挙をめぐる安全確保の点につきまして一応の原則を定めております。 その中には、各投票所の警備はUNTACの軍事部門、これは歩兵部隊が守るんだと思いますが、また文民警察が直接責任を負うということは書かれております。そのほか、文民選挙監視要員の行動につきましては、護衛が行われるということでございます。そのほか、詳細な点につきましては選挙の前一週間ぐらいをとりましてUNTACから詳細な説明、注意が行われることになっております。
○井上哲夫君 今のお答えでは、そうすると具体的に危険ゾーンには行かせないとか、あるいはその配置について日本政府としてはどういう申し入れをするか、そういう点はいかがですか。
○政府委員(澁谷治彦君) もちろんこの点につきまして、日本側の選挙要員の安全だけにつきまして申し入れを行うということは難しゅうございますが、選挙要員全般につきまして既に申し入れはしておりますし、今後ともUNTAC側と話し合いをしていく方針でございます。
○井上哲夫君 もう一点、カンボジアのPKO状況についてお尋ねをいたしますが、もう時間が迫っております。 現実に選挙が終わりますと、三カ月以内に新しく政権が樹立される。新政府が樹立されると基本的にはUNTACは撤収をするという図式だと思うんですが、日本の自衛隊の施設大隊の場合には今月、交代といいますか入れかわりが現実にあったわけですね。業務も道路建設、補修という後方支援が任務でございますから、新政権が樹立されたからすぐ用なしになるというかあるいは撤収するということは、治安状況に大きな変化がない限り現実問題としてはそれもなかなか予測できないと思うんですが、一説によれば例えば八月の未までには新政権は樹立されるだろう。 そうすると、その後、各国のいわゆるPKFといいますか歩兵大隊は撤収するかもしれませんし、逆に増強になるかもわかりませんが、今後の施設大隊についでどのようにお考えでございますか。
○政府委員(澁谷治彦君) UNTAC自体につきましては、総選挙を経て新政権が樹立されると本来の役目を終えることになっておりますけれども、総選挙後も一定期間カンボジアにとどまることが当初より予定されております。 我が方の施設大隊につきましては、我が方の実施計画では十月末までとなっておりますけれども、これは撤収に要する期間等を考えての期間設定でございます。十月末までには任務を終えて帰ってくるということになると思います。
○井上哲夫君 最後に大臣、今御答弁ありましたが、今施設大隊は一応十月までの区切りになっておりますが、その後もさらに状況によっては入れかえで派遣をするというふうなことについていかがでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) これは、やはり国連からの要請がそのころになってどういう形で来るかということが問題でございまして、建設関係その他の非常に大切な後方的なもので、まだ不十分な点で国連が要請してくれば、日本として前向きに対処していかなきゃならないと私は考えております。
○井上哲夫君 終わります。
○喜屋武眞榮君 私はいつも思うんですが、最後の番である上にしかも時間も短縮されておる、非常に不満を持ちながらもやらぬわけにいかない。 こういう気持ちを持って、今真っ先に日本をよくし沖縄をよくするためには、総理以下大臣がたくさんいらっしゃるけれども、私は沖縄の現状並びに日本の現状、将来を思うときに、外務大臣の姿勢がいかに大事であるかと常に考えておる一人であります。それで、ただいまも極めて短い時間の中で大きな希望と期待を外務大臣に寄せながら幾つかの問題をお尋ねするわけであります。 その一つは、日本政府の対外的な政治姿勢といえば、その中核は何といいましても外務大臣でございます。特に沖縄の立場から外務省というと、アメリカとのやりとりのすべてであると言ってもいいくらいであります。そのような立場に置かれておる沖縄の問題が、いまだにこれでいいんだと心安らかに認めるわけにはいかない。もう半世紀にも近くなっておる今日、何で沖縄がいつまでもこのような状態に置かれておるのか、きょうも時間さえあればぶちまくってうっぷんを晴らしたいという気持ちもありますけれども、しかし花よりだんごという言葉もありますから、何か一つ実のあるものをちょうだいしたい、こういう気持ちで申し上げるわけであります。 世界の自由と平和を守る立場と国際世論への配慮という観点から日本も対ロシア支援を積極的に行っていかなければいけないわけでありますが、同時に、日本の国益を守る立場から北方領土の返還要求も強く主張していかなければなりません。この関係はちょうどガットのウルグアイ・ラウンドを成功させる必要性と日本の米を守るという立場をどのように調和させていくかという問題とも相通ずるようなところがあると思いますが、外務大臣はこの点についてどのような御所見を持っていらっしゃるのか、かつまた今後の北方領土の返還実現はどのようなプロセスで進めていきたいと思っておられるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 二つの非常に関連する問題を例に取り上げられました。 まず、北方領土の問題につきましては先ほどから申し上げておりますとおりでございまして、やはり日本の固有の領土である北方領土の返還という領土問題については、今後もできるだけ早い機会にこの問題が解決されて平和条約が締結され、そしてロシアとの間が本当に完全な正常な国交状態になるように努力をするというのは当然の私どもの方向だと思います。 同時に、今お話がございましたけれども、国際社会の中におきましていわゆる東西の冷戦構造が崩壊をし全体主義の国でありましたソ連が崩壊をして、今、自由と民主主義を求める政治的な面、そして経済面においても自由主義経済体制の市場経済原理を導入しようとしておる、そういうロシアが成功してもらうことが世界平和のためにも必要であると私どもは考えております。そういう面において、これがもう一回後退をして全体主義にまた戻るようなことだけはどんなことをしても避けなければならない。 こういう観点からまいりますと、日本は一方で北方領土の問題を抱えてはおりますけれども、国際社会の中で他の先進国と協調しながらできる範囲のロシア支援はしていかきゃいけない、こう考えております。 また、ウルグアイ・ラウンドと米の問題も同じようなことでございまして、日本の農業というもの、とりわけ米というのは日本の文化の源泉でもございます。そういう問題の中で片一方はまたウルグアイ・ラウンドをまとめていかなきゃいけない。これも、粘り強く日本の立場というものを主張し、それを十分理解をしていただく形でウルグアイ・ラウンドがまとめられるように努力をしていくというのが日本の立場だろうと思います。
○喜屋武眞榮君 結構でございますと言いたいですけれども、そういうわけにはまいらないというのが私の所感でございます。 と申しますのは、それは言葉のあやは幾らでもつくり上げることができるわけです。問題は、事実は何よりの真実であるということなんです。どれだけの事実を実現してもらったかというこのことが朝な夕な私たちが聞きたいすべてでございます。言葉のあやはその場で消えてしまいます。事実は必ず痕跡が残ります。その残る事実を私は目に物見せてもらいたいというのが、日本外交の中でさすがはと言いたい日が来るかどうか知りませんけれども、それをきょうの場でも強く要望いたすわけでございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) これは外交でございますから、結果がどうなるか、それは御指摘のとおりだろうと思いますが、私といたしましては今申し上げたような線で今後懸命の努力を続けていきたいということを申し上げておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 外交でございますからということは、おっしゃらぬでもそれは十分知っております。子供に諭すようなことはおっしゃらぬ方がいいと思います。それですべてあなたの答弁は尽きるということになるんじゃありませんか。 外交であるからその姿勢でしっかりやります、そういうすべてのこともかみしめてその中からこれだけはこうしたんだと。事実は何よりの真実であるということを、私が重ねて申し上げたいことはそういうことであります。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私の申し上げましたとおり、一生懸命努力をいたします。
○喜屋武眞榮君 いつも、もう言いたくありませんけれども、結局日本外交の姿勢は、ずばり言いますならば対米従属、追随姿勢である。これは私が言うまでもなく世の人々が、今の日本の外交は対米従属姿勢だ、こう言うことをたびたび聞きますし、私も腹の底からそう思っております。対米従属姿勢。上下関係ではいわゆるパートナーシップはあり得ぬはずで、対等の立場に立って向かい合って、しかも胸襟を開いて問題を論じ合う、これがパートナーシップであり本当の対等外交だと思うんですが、まだまだそういう外交になっていない、私から見ますと。あえてそのことの御答弁を求めませんが、世の多くの人々、わけても沖縄県民は外務大臣の姿勢をそのように見ておるということをひとつお忘れにならぬように願いたいんです。この次にお目にかかるときには、喜屋武はパートナーシップを対米従属姿勢だと言ったが今はそうでないよとはっきり外務大臣の決意をお聞きしたい。
○国務大臣(武藤嘉文君) 対米従属外交と誤解をされないように主体性を持った外交を私はやってまいりたいと思います。
○委員長(大渕絹子君) 他に御発言もないようですから、外務省の決算の審査はこの程度といたします。 次回の委員会は五月十二日に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時十二分散会 ―――――・―――――