決算委員会 第2号
- 発言数
- 229 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/04/05
会議録
○委員長(大渕絹子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る三月二十五日、真島一男君及び喜屋武眞榮君が委員を辞任され、その補欠として北澤俊美君及び下村泰君が選任されました。 また、去る三月二十九日、下村泰君が委員を辞任され、その補欠として島袋宗康君が選任されました。 また、去る二日、矢野哲朗君が委員を辞任され、その補欠として加藤紀文君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大渕絹子君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に高崎裕子君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) 平成二年度決算外二件を議題といたします。 本日は建設省、国土庁及び住宅金融公庫の決算について審査を行います。 ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大渕絹子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○西野康雄君 最初に、建設省にお伺いいたします。金融の自由化と都市銀行のことについてです。 金融の自由化に伴いまして都市銀行、地方銀行、農協を問わず信託銀行業務ができるようになりました。信託業務ができるということになると不動産取引が自動的にできるということになるわけですが、しかしながら不動産業者にとってはこれは大変な痛手であるということで、建設省が大蔵省と話をして、不動産業者の要請を受けたかどうかそこまでは詳しくは存じませんが、不動産取引業務にこれら新規参入者は加わらせないということで合意したということを聞いておりますが、そのあたりの詳しい経緯を御説明願えますか。
○政府委員(伴襄君) 今御指摘の点でございますが、現在の信託銀行等は、信託業務の兼営に関する法律という大蔵省の法律がございます。大蔵省の法律に基づきまして大蔵大臣の認可を取り、それから宅建業法、これは建設省の法律でございますが、建設大臣への届け出という形をもちまして宅地建物取引業者として信託業法に規定されている不動産の仲介業務を行えるようになっております。 今、おただしの今度の新しい金融関係の法律によりまして新たに設立される信託銀行の子会社あるいは地域金融機関がどうなっているかということかと思いますが、信託業法上の業務は大蔵大臣の認可を受けてやれるようになります。しかしながら、今おただしの不動産の仲介業務につきましては、仲介業務は非常に中小企業者が多いという実態もございます。そういったことでございますので、新たに参入される金融機関につきましては、既にこういう同種の業務を営んでいる関係業界に配慮しまして業務範囲から除かれるということになったわけでございまして、その旨、これは大蔵省から各金融機関に対しましてこの四月一日付けで通達されております。 したがいまして、こういった新しく参入される信託銀行の子会社あるいは地域金融機関につきましては、現在の信託銀行が行っておりますような不動産の売買あるいは賃貸の仲介ということが行えないように措置されているところでございます。
○西野康雄君 ありがとうございます。やはり既成の不動産業は中小もございますので、そういった配慮をよろしくお願いいたします それでは次、河川局に質問を移したいと思います。 先日、赤須賀漁協でシジミの大量死があるということの関連で私質問いたしまして、低酸素水が随分と伊勢湾の奥から入り込んでいるんじゃないか、それが原因ではないか、一部では高濃度の塩分じゃないかというふうなことで、局長もそんな答弁をなさいました。そして、その後も調査をするということでしたので、その原因、どういうふうなことになったか、ちょっとお答えください。
○政府委員(岩井國臣君) 先生御指摘のとおり、この二月二十三日の参議院建設委員会におきまして西野先生から御質問がございました。それに対しまして私から三重県が一月二十六日に発表いたしました内容を踏まえてシジミの大量へい死の原因につきましてお答えいたしました。そのときは「河川流量の減少による高塩分化が原因であると推察される」、こうお答えしたわけでございます。 しかし、その後の調査によりまして、いろいろ三重県の方で調査、検討がなされました結果、若干ニュアンスが違ってきておりまして、河川流量、降水量とも昨年九月あるいは十一月におきまして平年より大変少なかったわけであります。あわせまして、この時期に伊勢湾奥部の底層、海の底でございますが、底層では酸素が少なくてそしてかつ塩分の高い水塊があって、それが停滞していたというふうなことが判明したわけでございます。 また、過去の三重県の資料によりますと、シジミがべい死いたしました事例というのは過去幾つかあるわけですが、例えば昭和四十八年、五十三年、五十七年におきましては、先生御指摘のとおり、低酸素水塊の浸入が原因と考えられるというふうな報告が実はあるわけでございまして、以上のことから三重県農林水産部におきましては最終的な見解といたしましてこのように申しております。 今回のへい死は木曽三川の河川流量が少なくなった昨年の九月から十一月ごろに起こったものと考えられる。また、この時期、伊勢湾奥部に酸素が少なく高塩分の水塊が停滞していたため、この水塊が潮汐等により木曽三川河口部まで影響を及ぼし生息するシジミに被害を与えたものと推察される、以上でございまして、たしか二十三日の建設委員会におきまして西野先生、苦潮というふうなことをおっしゃったと思いますが、御指摘のとおり、高塩分だけではなくて酸素が少ない低酸素の水塊が原因であるというふうなことでございます。
○西野康雄君 そうすると、対策としてよくやられておりますけれども、例えばエアレーションですね、そういうふうなものが低酸素水の場合にはある程度有効ではないかなと思うんですけれども、そういうふうな対策というのはお考えになっておられるでしょうか。
○政府委員(岩井國臣君) 確かに酸素を補給するということは一つの今後の対応として考えられないことはないと思うんですけれども、現在のところ河川の側で海から来るものについて酸素を補給するというふうなことはまだ考えていないわけでございます。 基本的にはやはり海の方の問題ということで、なかなか河川サイドだけでは対応し切れないのではないかというふうな感じを持っておるわけでございますけれども、先生の御指摘といいますか御意見につきましても一つの提案として承りまして今後の検討課題にさせていただきたい、そんなふうに考えております。
○西野康雄君 十二分に検討していただきたいんです。 ただ、工事との因果関係の中で木曽、揖斐の過去のデータを見ますというと、確かにシジミの大量死というものがあることはあります。しかし、これほど頻繁にと申しましょうか、例えば長良川において、今までだったら夏場だけだったものがもう絶えずひっきりなしに起きておるというふうなことで、どうしても海水が遡上する、それが頻繁に起きているという部分において工事との因果関係が全くないとは言い切れないんじゃないだろうか。 そういう部分において、さらに継続した調査、そして工事との因果関係がはっきりしてきた場合には、こちらもいろいろとデータをそろえますけれども、そこの部分はきちんと認めてほしいな、そしてまた漁民の皆さんにそれだけの補償はしていただきたいなと私は思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(岩井國臣君) 今回のシジミの大量へい死につきましては、これは長良川だけではなくて木曽川、揖斐川とも生じておるわけでございまして、それは海からの影響というものが大きく関係しておれば三川ともにそういう状況が生じてまいるわけです、先生の御指摘は、海の方の問題が長良川河口ぜきと関係があるのではないか、あるいはそういうことがあり得るのではないかという御指摘かと思いますが、現時点で全く関係はないと言い切れませんので、当面は三重県のいろんな調査を見守りながら私どもも必要な検討をしてまいりたい、このように考えております。
○西野康雄君 長良川だけが頻繁に起きてきているなというふうなことが赤須賀漁協の皆さん方の聞き取りだとかで出てきておりますので、その辺だけは少し考慮していただきたいと思います。 それと、シジミだけではなくて、内水面漁業でございますが、長良川でもアユだとかサツキマスの人工養殖を随分いろいろとなさっておられるようですけれども、それの漁獲高の推移をちょっとお教え願えますか。
○政府委員(岩井國臣君) 長良川のアユとサツキマスの漁獲高につきまして御報告申し上げたいと思います。 まず、長良川におきますアユの漁獲高でございますが、岐阜県の統計書によりますと、昭和四十年が約四百六十トン、五十年が約四百トン、昭和六十年が約六百二十トンというふうになっております。サツキマスの漁獲高の方でございますが、これは昭和四十年代前半にはほとんど漁獲されていなかったようでございまして、岐阜県の統計書にも昭和五十二年以降のものしか記載されておりません。四十年、五十年の漁獲高は不明でございます。それ以降ということですが、五十三年が約九トン、そして昭和六十年の漁獲高は約十トンというふうになっております。 それで、サツキマスは降海型のアマゴということでございますが、降海型のアマゴにつきましては、昭和四十年代前半にはほとんどとれなかったものが人工種苗の量産化技術が確立いたしまして着実にふえてきておるというふうなことでございます。 昭和六十年に岐阜市市長がそのふえてきた降海型のアマゴをサツキマスと命名してその名前が世に知られるようになったわけでございまして、これは質問の外の話でございますけれども、関連がございますので御報告させていただきたいと思います。
○西野康雄君 私がなぜこんな質問をしたかと申しますと、河川においての人工養殖の放流が随分とふえてきております。これをば河川環境がよくなったからだとか河川環境に力を入れたからだとか、そういうふうな解釈をなさる人がいらっしゃいます。しかしながら、実はそうではなくて、川なら川、海なら海、そういうものは養える量というのは決まっているわけなんです。そこへ大量に人工種苗のものを放流するということは、かえって自然破壊につながっていくことにもなる。また、地元の例えば長良川のウ飼いです。ウ匠の皆さんが喜んでおいでになるかというと、そこのところは若干違うんではないか。だから、漁獲高だけで長良川の自然が回復したんだとか、そういうふうな判断は自然というものを大変に冒涜しているんではないだろうか、そんな気がしてならないわけです。 例えば、長良川の足立さんというウ匠の方がどんなことを言っているかというと、「最近の鵜飼いはプールの中の鵜飼い。まともな天然アユは一回に数匹しか捕れない。他は十センチ以下のやせた放流アユで、ウから吐き出させる価値もなく、そのままウの胃袋に入れてやる」、こういうふうなことをおっしゃっているんです。 ですから、人工放流というものがなかなか難しいところというのは天然物にとてもかなわないという点と、事アユに関しまして言うならば、人工種苗というものは皆メダカの学校みたいに群れ泳ぐんですね。ですからウ飼いをやっておりましても、その群れなしたアユが片方のウ飼い船じゃなくて遊覧船の下に入っていく、そこへそのアユを追いかけてウが行ってしまうものですから川面にはウがいない、ショーがめちゃくちゃになってしまう、そういうふうな例もございます。そしてまた、そういうふうなものですから縄張り意識がないわけです。 ところが、人工種苗で一つだけ縄張り意識というか縄張り本能を持っているアユがございます。それが琵琶湖産のアユなんです。ですから、そういうふうなものがどうなるかというと、人工種苗のアユをいろんなところで放してもアユ釣りのだいご味である友釣りができない。そうすると、どないするかというと、琵琶湖産のアユを持ってくる。その稚魚の中にブラックバスだとかブルーギルだとか、そういうものが含まれている。それが今四万十川でも長良川でも随分と繁殖して今までの自然体系と違うものになってきているというふうなことで、私は軽々に人工放流をすべきではないというふうに思うわけです。 もちろん土地の漁師さんとの整合性というんですか、そういうふうなものも要求はされますけれども、そこのところは、何ぼでも漁獲高をふやせばいいんだというふうなものでも私はないと思うし、人工種苗にいろんなところで力をお入れになっていますけれども、その辺で転換点を今迎えつつあるんじゃないだろうかな、そんな気がしてならないわけです。 これも参考までに聞いていただきたいんですけれども、自然というのは不思議なもので、流れが急になったりするとそこで魚種が絶える。例えば、逆に今度は流れが緩やかになったらそこでまた魚が絶えてしまう。これは淀川の例ですけれども、既に淡水魚が五種消えました。これは流れの変化ではないかと言われております。イチモンジタナゴ、タイリクバラタナゴ、ムギツク、ゼゼラ、タモロコ、こういうふうなものが見つからなくなってしまったということです。「河川改修やブラックバスの繁殖のほか、淀川大堰の建設の影響も原因として考えられる。流れがゆるやかになりすぎ、魚の産卵、成育場所になっている河川敷の入り江や池に泥やゴミがたい積、水が浄化されなくなっているのではないか」と。 私は、河口ぜきを建設する際に、ごくごく最初のころの議事録を精査していただくとわかるんですけれども、産卵場所に微粒な微細な砂がたまったりするとその魚種は産卵できなくなりますよと いうふうなことを指摘したかと思います。ですから、今後いろんなところで開発をなさる場合に、そういうふうなことも考慮に入れていただきたいと思います。 昨日ですか、読売新聞を見るというと、モニターのようなものを募集なさるというふうなことで、これは非常にいいことだなと思うので、質問外ですけれども、その概要をお答えになれるかと思うので、どうですか。河川環境モニターですか、そういうふうなことがきのうの新聞にちょっと載っておりましたのでお答え願えますか。
○政府委員(岩井國臣君) まず、先生最初の御指摘の点でございますが、長良川のアユでございます。 御承知のとおり、建設省の方で当時まだそういった技術はできていなかったんですけれども、河口ぜきとの関連もあるというふうなことで、アユの卵をぶ化させて養殖するという人工種苗生産の技術をいろいろ調査いたしましてその技術を確立したわけでございます。 現在、アマゴの方もそうなんでございますけれども、私どもが確立した技術に基づいて漁業組合が生産をして放流するということでございますので、そこまでなかなか私ども放流量をコントロールするというようなことはできないわけでございますけれども、私どもの考え方といたしましては、先生御指摘のとおり、アユについてその人工種苗生産したアユがおるからもういいじゃないかという考えはもちろん持っておりませんで、やはり天然のアユが尊重されるべきじゃないかということで、まずいろいろ魚道の改良といいますか、技術開発なんかもやっておりまして、いわゆる呼び水式魚道というふうなものとか幾つか新しい形の魚道を今やろうとしておるわけでございます。 そのほかいろんな生態系につきましての調査を五年タームで実施していく河川水辺の国勢調査というものも始めておりますので、長良川なら長良川でどんな魚種がいるのか、それの経年的な変化というものも今後長期的ですけれどもつかまえるようにしております。できるだけ多くの魚種がおる方が望ましいと私どもも考えておりますので、そういった調査を通じまして必要な対策を講じてまいりたいというふうに考えております。 それから、最後に御指摘の河川モニターでございますけれども、河川はそういった生態系だけではなくてさまざまな形で利用されておりますが、生態系につきましても、魚、鳥、昆虫その他いろいろあるわけでございまして、そういった調査をやりながら、地域の人々のいろんな意見を私どもお聞きしながら連携する形でいい川をつくり上げていきたいというふうなことで、御指摘の河川モニターという制度を先般、つい最近ですけれどもつくりまして、これからそういった人たちの意見を十分尊重しながらとにかくいい川づくりに努力してまいりたいというふうに考えております。
○西野康雄君 続いて、しゅんせつについてお伺いいたします。 シジミとも関係があるわけですが、長良川で随分としゅんせつをなさっておいでですけれども、しゅんせつの計画量とそれから今のしゅんせつの進捗度、できるならば区間ごとに少しわかるところがあったら詳しくお述べいただきたいと思います。
○政府委員(岩井國臣君) 御答弁申し上げたいと思います。 長良川下流部のしゅんせつでございますけれども、河道しゅんせつにつきましては河口から上流三十キロの間で実施する計画であります。現在、長良川には河口から約十五キロ付近に上下流の河床高に比べまして河床が高い、現地ではマウンドと称しておりますが、少し高い部分がございます。この地点で海からの塩水の遡上というものがほぼとまっておる、その地点でとまっておるわけでございます。このため、このマウンドの部分につきましてはせきが完成した後にしゅんせつをするという基本的な考え方でございまして、現在まではそのマウンド部分以外のところにつきまして様子を見ながら進めておる、こういうことでございます。 まず、しゅんせつの計画量でございますが、三十キロまでの間を四つの区間に一応分けて申し上げたいと思います。 まず、河口付近でございますが、これは五百五十万立米、それからせきの付近でございますが、約四百五十万立米、それからせきからマウンド、先ほどのマウンド部分まででございますが、六百五十万立米、それからマウンドから上流が七百五十万立米ということで、合計二千四百万立米のしゅんせつになっております。このうち、平成四年度末までのしゅんせつ量ですが、建設省と水公団で八百六十万立米掘りました。民間の砂利採取で四百八十万立米、合計で約千三百四十万立米ということで、全体の五六%の進捗になっておるわけであります。この進捗率を区間ごとに見ますと、河口付近につきましては約五%、それから河口ぜき付近につきましては五三%、せき上流からマウンド部分までで言いますと約九二%、それからマウンドから上流が六三%というふうなしゅんせつになっております。 それの費用でございますけれども、平成四年度末までで建設省分と水公団分合わせまして約二百四十億円、平成五年度以降につきましては三百二十万立米程度を民間の砂利採取でとらせようというふうなことでございますので、残りの約七百三十万立米を建設省で実施する予定でございまして、それに要する費用はおおむね四百億円程度になるものと考えております。
○西野康雄君 質問の先の経費のことまで答えていただきまして、ありがとうございます。 このしゅんせつですけれども、砂利採取業者にやらす、そしてまた建設省と水資源開発公団もやるということですけれども、これは二百四十億なら二百四十億というのはこっちから出す分でしょう。建設省なら建設省が出す分ですわな。しかし、一般的に考えるならば砂利というものは売れるもんだということがこれが常識ですわな。そしたら、そこで建設省や水資源開発公団がとったものをなぜこれ金かけてやってるんだ、売ればいいじゃないかと。その辺の収支のことについてちょっとわかっているならばお答え願えますか。
○政府委員(岩井國臣君) しゅんせつにつきましては、基本的にできるだけ砂利採取、骨材として利用できるものは砂利採取として掘らせようという考えでございますが、量的にやはり限度があるわけでございます。河口ぜきは御案内のとおり治水対策として一日も早い完成が望まれておると、しゅんせつも含めてでございますけれども、ともかく長良川の安全度を早急に上げなきゃいかぬということでございまして、すべてを砂利採取ということでそちらの方にゆだねるわけにはいかないということで、一つは堤防とかそれから高水敷造成とか、そういったものにつきましては私どもの方でやっておりますし、それから治川地域の土地改良なんかに関連いたしまして、地盤改良といいますか、地上げ等が要る場合には、それは公共的な意味合いがあるというようなことでそちらに使っておるというようなこともあるわけでございます。 御指摘の費用の関係でございますけれども、まず砂利採取料でございます。採取の単価が県によって違いますが、三重県、岐阜県が一立米二百六円、それから愛知県が一立米二百円ということでございまして、三県分合計いたしますと、これは四十六年から平成四年までの間でございますが、採取料が約七億円ということでございまして、これが県の方に採取料として入っておるということでございます。
○西野康雄君 それで、建設省が処理する場合には一立米大体何ぼかかっているんですか。
○政府委員(岩井國臣君) 今までのところ一立米三千円程度かかっておるようでございまして、これからのものにつきましては場所等の関係もございまして一立米五千円程度かかるものと考えております。
○西野康雄君 民間業者は民間業者で入って砂利採取しているんでしょう。委託しているわけでも 何でもないんでしょう。
○政府委員(岩井國臣君) これは砂利採取法に基づきましてこれからも砂利採取業者にしゅんせつをさすということでございます。
○西野康雄君 片っ方で五千円かかって、片っ方で二百六円で売っている。どこか腑に落ちませんわな。
○政府委員(岩井國臣君) 砂利採取のコストというのは、採取するコストだけではなくてそれに伴う運搬費が当然加算されるわけでございます。他の地域とのコストの競争といいますかバランスがありまして、河口ぜきについて言いますと、やはりある一定範囲の需要に対して砂利採取業者がそれを掘るということでございます。 したがいまして、この木曽三川地域といいますか濃尾平野地域といいますか、そういうところについて無限に需要があるというのではなくて、一定の需要があってそれ以上はなかなか砂利採取業者が取ってくれないという事情がございます。
○西野康雄君 その辺はまた詳しく追及いたします。 しゅんせつ土砂の処理先ですね。何かこの間長島町の松蔭ですか、土砂置き場をつくるというふうなことでございましたけれども、松蔭の土砂置き場にどれくらいの規模でやられるのかちょっとお答えください。
○政府委員(岩井國臣君) 平成四年度末までで約千三百四十万立米掘ったわけでございますが、これにつきましては、先ほどもちょっと触れましたけれども、堤防の補強とかブランケットと称していますが高水敷等に有効に使っておるわけでございます。そのほか土地改良だとか公共用地もございます。 問題は平成五年度以降でございますが、これからのしゅんせつにつきまして、堤防補強等河川事業に使うのが約二百万立米ございます。公共用地造成とか土地改良地域に使うのが五百三十万立米あるわけでございます。これはあくまでも見込みでございますけれども、合計七百三十万立米程度のものをこれから掘らなければならない。 そういったしゅんせつの土砂は多分に水を含んでいるために、一たん排砂地に仮置きいたしまして乾燥させた後に搬出することにしておるわけでございます。そういう観点から、従来は高水敷が利用できるものは利用してまいりましたけれども、河口付近につきましては余り余地がないものですから、今先生御指摘のとおり、平成五年度以降実施する河口付近のしゅんせつにつきましては松蔭地区というところにその排砂の池をつくろうというふうなことで、現在地元と借地等について協議しているところでございます。 その計画規模でございますが、全体面積で約四十五ヘクタール。それで、その周囲に高さ二メートルの小堤を設けまして、その外側には排水路を設けるという計画でございます。その排砂地につきましては、その小堤から五十センチ低いところまでしゅんせつ土を吹き上げるということに考えておるわけでございます。
○西野康雄君 十二分に周りに迷惑のかからないような、そういう配慮をお願いしたいと思います。 ところが、工事の影響でしょうか、そこの松蔭の住民の家が三十センチ領いたりとかタイルが落ちてきたりとか、これはダンプカーが通ったりするせいもあるんでしょうけれども随分と被害がある。ところが、被害の補償区域外というふうなことで、役場へ行っても相手にされないというふうなことで私の方にも訴えがあったわけでございます。 しかしながら、工事の影響ならば、それはそれなりの誠意というんですか、そういうものをもって対処しなければならないと思います。訴えが来た時点からまだ余り日もたっておりませんから、その後どう調査をなさったのか、そういう調査経過も踏まえて今後どうするのか、少しお伺いしたいと思います。
○政府委員(岩井國臣君) 長良川河口ぜきにつきましては、せきの本体だけではなくて、その他関連するいろんな工事をやっておるわけでございまして、それに伴いましていろいろ民家に被害を与えるということが生じております。例えば河口ぜき本体とか高水敷の造成工事につきましては、鋼管ぐいあるいは矢板等重機による工事をやるわけでございまして、それに伴って振動によって少し民家の方に影響を与えるとか、そういうことが生じます。 したがいまして、できるだけそういうことのないように細心の注意を払いながら工事を進めるわけでございますが、もしそういうことで民家に被害が生じた場合には十分調査をいたしまして、事業損失補償ということで適正に補償をしてまいってきております。したがいまして、これからももちろんできるだけそういった被害が生じないように注意してやっていくのは当然でございますが、万が一、せきの本体工事あるいは堤防の工事あるいはしゅんせつ土砂の運搬、いずれにいたしましても、工事によってもし被害が生じるというようなことがあれば、十分な適正な調査をいたしまして適正な補償をするということでございます。
○西野康雄君 どうかぜひとも誠意ある補償をまたきっちりと因果関係がわかったならばしていただきたいと思います。ありがとうございました。 それでは、木曽川水系のフルプランでございます。 この基本計画、おくれにおくれてまいりました。当初から七年おくれましたけれども、国土庁にお伺いしたいのは、その基本計画がなぜおくれにおくれたのか、そこのあたりからお聞かせください。
○政府委員(加藤昭君) お答えいたします。 水資源開発基本計画は、指定水系におきまして長期的な水需給に関する計画でございます。改定に当たりましては、当該水系における水資源の利用、開発に関する諸問題の整理が必要でございます。 木曽川水系における水資源開発計画につきましては、水需給の目標年度が昭和六十年度になっておりますので、利根川、荒川水系等の他の指定水系と同様に、昭和六十二年に策定されました四全総とかあるいは全国総合水資源計画を踏まえますとともに、関係県の計画等と整合を図りながら新しい計画に改定すべく鋭意検討、調整を進めてきたところでございます。 しかしながら、木曽川水系につきましては、フルプラン地域、水供給の地域が主でございますが、この地域の拡大の関係とかあるいは既存水利の有効水利、三重県の水を愛知県へ転用するとかあるいは工水を上水へ転用するというような、こういうような事項とかあるいは地下水や他の河川水源の将来における利用の可能性に関する事項等非常に多くの調整事項がございまして、関係者も多岐にわたること等もございまして改定に予想以上の時間を要するようになったということでございます。
○西野康雄君 要するに、三重県は水が余っているから愛知県で引き取ってくれ、名古屋市に引き取ってくれ、あるいは工業用水余っておるから上水にしたいというふうなことの中での調整ということは、これは水が余って大変だというふうな中でのフルプランだったわけですよね。 この中でえらい随分とふえていますね。昭和六十年実績値、変更フルプラン平成十二年計画値、需要が昭和六十年で三十七・〇、これが何と平成十二年では八十三・〇というふうなことまで、これは全部毎秒トンですけれども、出てきております。 なぜ、そういうふうに昭和四十五年から昭和六十年の十五年をとるとマイナスであるのにもかかわらず、こっちの昭和六十年から平成十二年までになると倍以上に伸びてきているか。その倍以上伸びるというふうなことはどう考えても考えられないことですね。四十六トン正味の増加量があるということですが、その辺は一体どういうふうに割り出してきたわけですか。
○政府委員(加藤昭君) 都市用水の増加量は二つの面から推算をしておりまして、一つは水道用水 の増加量と工業用水の増加量とが相まって需要量を想定しているというふうな方法をとっております。 まず、水道用水につきましては二つの面で需要量がふえてくるだろうというふうに想定しております。 一つは、この地域の人口が昭和六十年度に比べますと平成十二年までに一〇・六%の伸び。人口でいいますと、昭和六十年度における人口が七百六十三万八千人でございますけれども、これが平成十二年度は一〇・六%増の八百四十五万一千人という、こういう数字になるだろうというふうに想定しております。この人口の伸びにつきましては、昭和五十五年から六十年までの年平均伸び率が大体〇・七%でございまして、ほぼこの数字と同じ伸び率を示すということで人口想定をしてございます。 それから二番目は、水道の普及率の問題でございまして、昭和六十年度は九四・三%という普及率でございますが、その普及率が平成十二年度では九八・八%まで伸びるというようなこともございまして、この二つの面をとりまして水道用水の需要量を平成十二年ではじいた数字になっているわけでございます。 また、工業用水につきましては、工業出荷額と、それと原単位と言っていますが一億当たり水がどれぐらい必要かという、こういう面をいろいろ精査いたしまして、その面から積算した数字で工業用水の水量をはじいているというふうな状況になっているわけでございます。 この両面を足しまして都市用水としておりまして、この地域につきましてはそういう点におきましては中部地方の非常に都市活動の活発な地域でもございますし、また産業集中が非常に進んでいるような地域でございますので、それぐらいの水需要は十分出てくるんじゃないかというふうに考えております。 また、前の計画との比較で言いますと、確かに昭和四十七年につくりました計画でございますが、ちょうど高度成長期の真っただ中というようなこともございまして、上水道及び工業用水の伸びともども非常に大きな伸びを示すだろうというようなこともございまして、非常に大きな数字を掲げてございました。 今回は、その数字とは非常に大きく減少させた数字でまとめておりまして、前の計画が木曽川依存量で言いますと百三十二トン・パー・セタでございましたけれども、それを四〇%減にいたしまして約八十三トン・パー・セタの必要量というふうなことでまとめたわけでございます。
○西野康雄君 今一〇・六%と言いましたか一六%と言いましたか、水道用水の人口のところ。
○政府委員(加藤昭君) 人口の伸びは、総人口の伸びは一〇・六%でございます。それから、給水人口が先生御指摘の約一六%近くになるというふうに考えております。
○西野康雄君 厚生省ではその人口の伸びそのものも八・六%というふうなことで、そしてさらに給水人口ということになるとこのあたりはほぼ一〇〇%に近い水道の普及率も示しておる。水洗トイレとおふろでも普及率が水洗トイレが八〇%、そしておふろが九五%。 増加要因というのは一体どこにあるんだろう。一日一人平均給水量四百四十九リットル、一日に今から百リットルもふえるような増加要因というのは一体どこにあるのか。一番基本的な部分のふろだとか水洗とかで増加要因の来ようがないのにもかかわらず、そういうふうなものを出してくる。一体理由は何なんですか、一日平均給水量四百四十九リットルとしてきた理由は。どこの要因が伸びると考えているんですか。
○政府委員(加藤昭君) 一人一日平均給水量は、水道用水の一日当たりの平均給水量を給水人口で割った値でございます。この中には、各家庭において使用されます家庭用水に加えまして、事務所等に使用されます都市活動用水及び中小の工場等で使用されます工場用水が含まれておるわけでございます。 水道用水の必要量につきましては、関係県が過去の動向や今後の発展等を踏まえまして県内の各地域別に推定したところでございます。本計画における一人一日平均給水量は、これらをもとに四全総等との整合を図りつつ計画対象地域の全体量を求め、これを地域の人口で割り戻して推測しているわけでございます。 この結果、今回の計画においては昭和六十年度の一人平均給水量三百六十四リットルが平成十二年度には四百四十九リットルに増加するものと見込んでおります。これは家庭用水の着実な増加に加えまして、今後の地域の発展に伴い都市活動等の増加が見込まれているというものでございます。 また、今回変更された計画においては、平成十二年度の四百四十九リットルを見込んでいるわけでございますが、これは首都圏の利根川、荒川水系では四百四十三リットル、近畿圏の淀川水系では四百七十三リットルとほぼ同じでございまして、妥当な計画値であると考えているところでございます。
○西野康雄君 まず、保有水量で言うならば昭和六十年の実績に比べて二三%も増大させている、水洗トイレの普及とか人口集中も含めますと明らかにこれは水増しである。工業用水はずっと平均して大体五百六十万から五百七十万でずっと推移してきている。 余りにも過大過ぎる上に、木曽川流域では岩屋ダムの開発水量が三百九万トン、うち二百万トンが未使用になっている。未完水の地域で一番高いのが愛知と三重でしょう。あなた方が本当にフルプランだとかそういうふうなことをやるならば、今、未完水のものはどういうふうになっているのか。 そしてまた、このフルプランの中にも排水の処理の水のことについても触れておいでになる。二十一世紀になったときに下水道再生処理を、その高度処理の水はどうするんだとか、まるで何にも触れていないわけですよ。 そして、一九九〇年の時点で未完水を多量に抱え込むと予測される事業主体に愛知、三重。愛知で一日二十六万トン、三重で二十万トン。水源開発が済むというと愛知県で九十五万四千トン、三重県で六十九万九千トン。以上は八一年現在水源開発中のもの、自治省の資料によってこれだけの未完水が出てきておる。そこへさして、これだけのものを要ります、要ります、農業用水足りないんですと。 佐藤改良さんという岐阜大学の農学部の人が「豊川用水の成立と農業の展開」という中で、豊川用水路のファームポンドの水収支を実測したところ、流入量の六ないし七割が無効放流されていた。ファームポンドだけで六割から七割であるから、幹線水路の余水吐きからの放流量も加えると無効放流の割合がもっと高くなると。 水が足りないのではなくて知恵が足りないんです。全部集めてきてきっちりとやったならば今ですら半分以上の余剰がある。こういうふうな状況で、閣議でこれ出したら、新聞が書くと赤っ恥かくのはあなた方ですよ。今の余剰水量をそのままあなた方のに当てはめたってまだ余剰が出てくる。そして、その二年後にはまた新たなるダムが完成していく。これはもう一度見直す必要がきっちりとあります。これだけのものは幾らでもデータ出してあげますよ。幾らでも時間があれば議論しますよ。しかし、もう時間がないからあれですけれども。 今、長良川の河口ぜきでは大変にいろいろな問題が起きておる。公共用工事のことについても、今週のアエラでも「たとえば、砂防、河川、港湾、下水の担当者は、同じ水を扱うのに互いにそっぽを向いている。長良川河口堰、過疎地での高速道路、海岸のコンクリート化など、無駄と批判されているプロジェクトも少なくない。」、こういう批判の中で、あなた方、長良川の河口ぜきの水が必要なんだ、さらに徳山ダムの水も必要なんだ、余り倒している。国民の税金を何だと思っているんだ。こんなもので閣議出したらまさにあなた方の 方が信用を失いますよ、もう一遍このフルプラン慎重に考えるべきじゃないですか。
○政府委員(加藤昭君) 先生の今言われた本の件等については、ちょっと手元に資料もございませんので十分なお答えはできませんけれども、この木曽川地域のフルプランそのものにつきましては、総量というだけじゃなくて地域ごとに言いますと、例えば愛知用水地域という名古屋市の北部地域から知多半島にかけてのこの地域の水需給からいいますと、非常に現在でも水に困っておられるというふうな状況もございます。 また、今回フルプラン地域が拡大された津市を中心とする三重県の中勢区域につきましては、雲出川という小さな流域だけしか水供給する川がないというような状況もございまして、現在ほとんどの上水道の供給量が夏場にはすべて使われるというふうな、こういうふうな事情もございます。そういう点におきましては木曽川地域から水の供給が待たれているというような地域もございまして、今回のフルプランを水需給がほぼ調整がとれるような形でまとめさせていただいたというふうなことでございます。
○西野康雄君 中勢地域の津、久居のところは、三重県が説明に来ましたよ。上水道は足りませんけれども、工業用水は余っているんです。そういうふうなことを考えると、水が足りないんではなくて知恵が足りないんだ。日本国土の全部にこれほど国民が税金の使い道というものに対して注目をし出している。そんな時期にそんなおかしなことを言っていたら笑われますよ。農業用水の話にしてもそうですよ。全部余ってきている。四日市のコンビナートもそうですよ。引き取ってくれと言うのに引き取らない、工業用水の水道がパンクするからと。 それなら一つ一つのデータを出していきましょうか。いろんな流域でと言うんだったら、木曽三川だけに頼らずにほかの流域で出したらどうなんです。下水の再生処理水はどないするんですか。そういうふうな問題が何一つ解決されていないまま出してきているからこのフルプランはおかしいと言っているんですよ。 こんなもので閣議に出したらだめだということを申し添えて、私もう時間が超過しましたから、これで終えさせていただきます。
○堀利和君 昨年で国連障害者の十年が終わったわけです。一九八一年は国際障害者年、その後八三年から昨年の九二年までを国連の障害者の十年として加盟各国が障害者政策を進めたわけです。 ことしは、これで障害者年が終わったかといいますと、決してそうではなくて、アジア・太平洋地域ではことしの九三年から二〇〇二年までの十年間を新たにアジア・太平洋の障害者の十年と定めたわけです。そういうことからいえば、我が国の障害者年はまだまだ終わっていない、むしろ半ばであるというふうに考えていいかなと思います。 この十年を振り返ってみますと、確かに行政の側も、あるいは国民の意識の面も少しずつは進んできました。障害者の問題といいますと、多くの方々が厚生省なりあるいは福祉課の問題だというふうに認識されてしまうことが多いんですけれども、障害者の十年の中でも明確に示されているように、障害者は一人の市民であるわけです。社会人として生活するわけです。 そういうことからいいますと、所得保障だとか保健医療とか福祉サービスというような限られた問題で済むというわけではありません。社会人として日常生活するわけですから社会のあらゆる場面に登場するわけです。そういう観点から実は建設省のやってこられたことを見ますと、私の主観ではありますけれどもどうもお寒いという感じがしてならないわけです。 ここ一、二年、実は私も運輸委員会に入りまして、障害者が安心して、またいつでも利用できる公共交通機関を進めていきたいということで私なりに微力ながらやってきたわけですけれども、これまで福祉といえば、障害者の問題といえば厚生省に押しつけてきた嫌いがある。そういう傾向がここにきてようやく運輸省の方も、みずからの運輸省の問題としてせっかく取り組むようになったと思います。 そういうことから考えましても、どうも建設省はどうなんだろうかなと私は思っているんです。ですから、この短い数十分の中で、それが誤解である、いや建設省は実は非常にやっている、むしろそういうような結果に終われればと期待しております。 それで、建設省といいますと、障害者の問題あるいは高齢者の問題、どんな施策が実際あるんだろうか、こういうことでまずは初歩的な御質問なんですけれども、建設省において障害者あるいは高齢者対策ということからいいまして一体どのような分野があるんだろうかと思います。 私なりに見てみますと、大きく言えば二つの問題だろう。一つは住宅政策、もう一つは町づくりといいますか、そういう二つの柱だろうと思います。 八二年に政府が障害者対策に関する長期計画を策定しまして、そこにも「生活環境改善」という項目がございます。ここでも障害者向けの公的住宅の整備、既存の住宅の改造、公共建築物の整備あるいは道路の改善といいますか段差をなくしていく、こんなことが盛り込まれているわけですけれども、建設省としてその辺、当時これを具体的にどんなふうに施策として講じたのかもあわせて、まずお伺いしたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) ただいま先生の方から御指摘がございましたが、一九八二年でございますから昭和五十七年の三月に障害者対策に関する長期計画が策定されたわけでございます。 当時建設省としてはどういう取り組み方をしておったかといったようなところを振り返ってみました場合には、ただいま御指摘ございましたように住宅、官公庁施設、それから道路関係につきまして、必ずしも十分ではないかと思いますが、主として公営住宅に関します障害者世帯向けの住宅の建設、供給、あるいは官公庁施設関係のいろいろな面での改善、それから道路関係で特に歩逆の面での改善策等を講じておったわけでございます。一九八二年に長期計画が策定されましてからは、そういった従来から行っておりました施策を一層推進するということとあわせまして、特に福祉行政との連携を図りながらいろいろな制度の拡充等も行ってきたつもりでございます。 非常に理想的な意味におきまして見ました場合に必ずしも十分な成果を上げているというふうに私どもも評価するわけにはいかないかと思いますけれども、まず項目的に見ますと、住宅関係につきましては、公営住宅のほかに公団住宅も含めましてかなりの措置を講じてまいっております。それから、住宅金融公庫の融資制度もいろいろと改善されております。 それから二番目に、一般建築分野におきましてのいろいろな建築設計標準の改善といったようなことも取り組んでまいってきております。 それから、順不同で恐縮でございますが、官公庁施設関係につきましても、特に障害者の方や高齢者の方々の利用に配慮した施設の整備ということで、窓口業務など多くの外来者が予想される機関の既存施設につきましていろいろと改善策を講じておるところでございます。 四番目といたしましては、町づくり分野における対策でございます。これにつきましては、特にいろいろな形でモデル事業化いたしまして、一つのテーマを設けた町づくり改善事業を全国各地でやっていただいておりまして、それに対して計画策定の補助等も行っております。 それから道路関係につきましては、歩道の段差の切り下げとかあるいは視覚障害者の方々の誘導用のブロックの設置等もかなり意欲的に取り組んでおります。 六番目に公園関係では、主として障害者の方用のトイレの設置等に重点を置いて取り組んでまいりました。 こういったようなところから、やや具体的な成果を申し述べさせていただきますと、例えば官庁 施設におきましては、とりあえず整備が必要とされる施設につきまして、九割強でございますのでほぼすべての施設、例外もございますが、一応の改修を終えでございます。 それから歩道におきます視覚障害者の誘導のためのブロックの設置枚数は、当時二百六十万枚でございましたが、現在では八百八十万枚にふえております。この辺は何を基準にどれぐらいふえればどれぐらいいいのかといったところにつきましての正確な見通しを申し述べなきゃいけないと思いますが、一応それだけの数がふえておるということでございます。 それから公園におきましても、障害者用トイレの設置数が二千カ所を超えるようになってまいっております。 それから最近におきまして、特にバリアフリi化という言葉を使わせていただいておりますが、いわゆる障害の除去という観点から、公営住宅の例でまいりますと段差を設けないとかあるいは手すりを設ける、そういったようないろんな配慮もしながら、設計等につきましても具体的に新しい観点も入れまして取り組んでいるところでございます。 最近もう一つ進んでおりますのは、先ほどもちょっと触れましたが、福祉の町づくりモデル事業といった形で全国各地でそれぞれの地域社会に適合したような形でアイデアを出し合いながら取り組んでおる、大体そんな状況が現状でございます。
○堀利和君 私も結構地方といいますか回らせてもらって感じるところがあるんですね。それは、確かに進んでいる自治体では道路も歩道も非常に歩きやすいし、建物もいわゆる障害者向けに整備されている場合もあります。しかし、また片方なかなか段差も削っていない、車いすにとってはそこは非常に歩きにくいだろうと思うんですね。建物も十分整備されていない、こういうまた自治体もあるわけです。私は、進んでいる自治体が積極的になってその辺の建物やら道路、公園の整備をやってきたと思うんですね。そういったばらつきが現実にあるわけです。その辺の国、建設省と地方自治体との関係はどういうふうになっているんでしょうか。 先ほどの説明ですと、これだけやったという成果は成果で見せていただきましたけれども、果たして建設省、国が旗を振ってやったんだろうかな。いやいやそうじゃなくて、むしろ福祉に力を入れている先進的な自治体がまずやって、後を追うような形でやったんじゃないかなという気もするんですが、その辺の国、建設省と地方との関係はどういうふうになっているんでしょうか。
○政府委員(市川一朗君) まず、概略的に私の方から答弁させていただきますが、建設省と地方自治体の関係につきましては、ただいま先生御指摘ございましたように、国という立場で建設省が積極的に取り組んできておりますものと、それから自治体側がむしろ積極的に取り組んでおるテーマに対しまして建設省側が助成をしてまいったものと両方あるわけでございまして、その結果といたしましてかなり進んでいる自治体とおくれているところといった差が出てまいっておるのも事実だと思います。 ただ、例えば住宅関係で見ました場合には、先ほども御答弁申し上げましたが、公営住宅の関係でまいりますと、障害者世帯向けの住宅の供給あるいは障害者の方々の優先入居の扱い、それから具体的な設備といたしましてエレベーターの設置とかあるいは非常にきめの細かい障害者等に配慮いたしました設計、設備関係等につきまして相当の配慮がなされておりますが、この辺は大体全国的にそういう改善が進んでおる、また国の制度としても進展しておると理解しております。 それから住宅金融公庫の関係の制度も、これは大体利用といたしましては国の制度は一律でございますので、この辺は住宅関係の中で特に国が力を入れてやってきた分野と言えるのではないかと思っております。 それから道路におきます歩道等の改善等につきましては、これは基本的には補助制度でございますが、直轄の部分も含めましてかなり取り組んでまいっておるところでございます。その辺を含めましての評価の問題等につきましては、私もはっきりとここで自信を持って申し上げられる状況ではないわけでございますが、それなりに改善は進んでおるのではないか。しかし、まだまだやるべきことはたくさんある、そういった認識でおる次第でございます。 次、もう一つ条例関係等ございますので、答弁かわらせていただきます。
○政府委員(三井康壽君) 建築関係はまた後ほどお答えをさせていただきたいと思いますけれども、建築基準法という形で建築物につくります身障者の方々とかあるいは高齢者の方々のエレベーター、手すりその他の設備をつくるような基準がつくれるわけでございますけれども、一般論から申し上げまして、建築基準法が最低の基準ということで建築確認の対象とすることもございまして、どちらかというと公共団体の方がやや先行してやっていく場合の方がかなり多いかなというふうな状況でございます。 ただ、建設省としても、公共団体が建築基準法の規定に基づきます条例をつくられる際は当然御相談に乗っているところでございまして、私どももそれなりにこの行政が前進するような形で検討を進めている、こういう状況でございます。
○堀利和君 その条例に関してまた私も後で触れたいと思いますけれども、障害者の問題といいますと高齢者の問題でもあるわけです。 といいますのは、大体、年をとってくると感覚機能が低下し行動能力が落ちてくるわけですね。目がかすみ、耳が遠くなり、なかなか体が思うように動かないという、場合によっては寝たきりになってしまう、こういうケースもあるわけですから、高齢者の問題、高齢社会をどう迎えるかというのは、実はこの十年間障害者の問題をどう国として積極的に施策を進めてきたか、こういうことが同時に問われている問題だと私は思っております。 そこで、障害者向けだけじゃないんですけれども、高齢者向けのさまざまな住宅政策、施策が講じられてきたと思いますけれども、その辺の経緯と、現在どんなふうな施策がいわゆるメニューを含めてあるのか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(三井康壽君) お尋ねの高齢者、障害者につきましての住宅政策の現在までやってきましたことの御説明でございます。 多少お時間をいただきたいと思いますけれども、公営住宅、公団住宅あるいは住宅金融公庫融資住宅、そう分けまして御報告をさせていただきたいと思います。 住宅政策の中におきましても、高齢化社会に対応する高齢者住宅政策あるいは障害者住宅政策につきましては、第五期住宅建設五カ年計画あるいは現在進行中でございます第六期住宅建設五カ年計画におきましても、その重要性にかんがみまして特に重要視しながら政策を進める、こういう前提に立っているわけでございます。 ちなみに、第六期の住宅建設五カ年計画におきましても、高齢者が可能な限り住みなれた地域社会で安心して生活できるような住宅の整備を進めるという中に、親族との同居、近居等高齢者の多様な住まい方に応じた住宅供給の促進、あるいは設計、設備等の面で高齢者に配慮した住宅の供給、あるいは医療・福祉施策との連携を図りつつ住宅政策を進める、そして障害者などの方々に対しましても高齢者と同様に居住環境、住宅の設計、設備等に関しまして世帯特性に応じた適切な措置を行う、こういう基本的な計画を持っているわけでございます。 ところで、今までにやってきましたものを申し上げますと、まず公営住宅についてでございますけれども、昭和三十九年度から高齢者につきましてまた昭和四十六年度からは障害者につきまして優先入居という制度を設けまして、公営住宅をつくる際に老人向け、高齢者向けあるいは障害者向けの規格の住宅を供給いたしまして、それらの方 が入りやすくする優先入居の制度を設けております。また、昭和六十二年度からは高齢者向けの公共賃貸住宅の供給と福祉政策との連携をとりましたシルバーハウジング・プロジェクトという、公営住宅の中に福祉の一般的な業務をちょっとやっていただくようなライフサポート・アドバイザー、管理人になっていただきまして日常のお世話を高齢者にする、そういうシルバーハウジング・プロジェクトを実施しておりますし、また平成四年度からは福祉型の借り上げ公共賃貸住宅と高齢者向けの賃貸住宅の借り上げ型という制度をつくっているわけでございます。 また、平成三年度におきましては、先ほども五カ年計画の項で御説明いたしました公営住宅の全戸数にわたりましてバリアフリー、若くして老齢化の前の段階からお入りになる方々も、いざ高齢化したときに仕様を直すというんじゃなくて今のうちからバリアフリーの設計で公営住宅の建設をする、こういったことを政策として積み上げてきているわけでございます。 また、住宅・都市整備公団の賃貸住宅、分譲住宅につきましても、昭和五十六年に公営住宅と同様に高齢者あるいは障害者の方々の優先入居という制度を導入いたしました。また、昭和六十二年度から、既に建てられております既存の公団住宅、賃貸住宅でございますけれども、これにつきまして住戸改善を行いまして、手すりの設置でございますとかあるいはトイレ、浴室におきます高齢者あるいは障害者向けの手すりを設置したりあるいはブザーを設置する、そういった改善を行ってきているところでございます。 また、平成四年度からシニア住宅と申しまして、先ほど申し上げましたシルバーハウジング・プロジェクトよりもさらに福祉施設との連携をとりまして、いざというときは医療施設と直ちに緊急連絡がとれるような住宅というものをつくっていこう、これは平成五年に建設着工いたすわけでございますけれども、予算化といたしましては平成四年度にシニア住宅制度をつくっているわけでございます。 また、住宅金融公庫につきましては、これは民間の方々が住宅をお建てになる際に、特に親族と同居するというような場合は同居される場合の割り増し貸し付けをいたしますとか、あるいはバス、トイレなど高齢者用の設備をつくられます場合に割り増し貸し付けをする、あるいは障害者の方々にも同じような工事をする際に割り増しをする、そういったことによりましてより安い金利で割り増し貸し付けをいたすといったことを制度として持っておりまして、これによりまして高齢者あるいは障害者向けの住宅、あるいは高齢者や障害者が同居する住宅の建設をされる際に御援助をしているというのが実態でございます。 以上、少し長くなりましたけれども、現在やっております住宅関係につきましての高齢者、障害者対策の概要でございます。
○堀利和君 そこで、今説明を受けましたけれども、私はこれからこの問題というのは非常に大きな問題になっていくと思います。言うまでもなく、二十一世紀は目前に迫っておりますし、四人に一人が高齢者という、そういう社会であるわけです。こういう社会は先進国でもなかなかまだ経験したことのないほどの高齢化率になるわけです。 先ほども言いましたように高齢化、つまりお年寄りがふえるということは、やはりそれだけ障害者になる方もふえるというふうに理解していいかと思うんです。そうしますと、これまでの住宅政策は確かに高齢者向けあるいは障害者向けということで行われてはいるんですが、これから高齢社会、障害者が恐らくふえてくるであろう、そういう社会に備えてどうするかということをやはり今考えなければならないと思うんですね。 公営住宅関係では、バリアフリーということで、今体が不自由ではないけれども将来長く住む中で体が不自由になってくる可能性がある。そのときに備えて今から段差のないようなそういう住まいにしようというようなことで公営住宅の方も手が打たれているわけですけれども、個人の住宅ですね、新しい家を購入するあるいは建てる、こういう際に今から二十年、三十年、長く住み続けるであろうその家に年とったときにも安心して住めるように準備をしていくということがやはり私は国のレベルからいえば政策として今からやっていかなきゃならないことだろうと思うんです。 そういう点で一つ御提案申し上げたいんですけれども、住宅金融公庫の場合、確かに、段差をなくすとかあるいはトイレや浴室を体が不自由になった場合にも使いやすいようにする、そういったプラスアルファの部分でお金がかかるところについてはこういった貸し付け割り増しというのがあるわけですけれども、今から家を建てる四十代、五十代の方々が将来を見越して建てやすいような誘導策をやるべきだろうと私は思うわけです。 誘導策としてはいろいろ考えることはあるかと思いますけれども、例えばプラスアルファでかかった分を含めて償還の期間が二十五年でも三十年でも返す時点で非常に有利になるというような、融資の利率を一般よりも若干下げるということで、今からそういった二十年、三十年後に備えた住宅をみずから用意するような、そういった政策というものが一つの方法としてあってもいいんじゃないかと思うんですけれども、その辺の住宅金融公庫の利率の考え方というのはどうでしょうか。
○政府委員(三井康壽君) 先生も御承知だと思いますけれども、住宅金融公庫は財投資金から原資を調達いたしまして国民の方々が住宅を建てる際に低利でお貸しする、その差額は利子補給金として一般会計で予算化する、こういった仕組みになっているわけでございます。 現在、国会でも御審議していただいたわけでございますけれども、平成五年度の予算におきまして住宅金融公庫の予算は四千四十五億でございまして、住宅対策費の約半分近くを占めております。しかしながら、利子補給金の予算額は約三百億円弱ほど予算が組めない、こういった状況でございまして、予算がどんどんふえる状況でございますれば利子補給金がふえましてもすなわち金利を下げましてもそれだけの財産措置ができるわけでございますけれども、この十年間にわたりまして利子補給金が予算化できないという状況でございます。 また、現在の金利は、いわゆる基準金利と申して一番安い金利が、百二十五平米まででございますけれども、これが四・三%でございまして、市場でも一番低いのから二番目という金利になっているわけでございます。金利を安くすればするほど住宅を建てられる方は非常に返済負担が楽になりますし、いいものを建てやすくなる、それは御指摘のとおりでございます。これらは一般的に財政とか全体の政策の中で総合的に判断せざるを得ないのかなと思っているわけでございますが、先ほど申し上げましたように、貸付金利自体をかなり低くするということにつきましては、現状におきましてはかなり困難な状況にあると考えておるわけでございます。しかし、金利をいじるというところが非常に難しい。金利体系になりますと、金融公庫ばかりでなくほかの中小公庫とか国民公庫とか、いろんな金利との関係もございます。 したがいまして、御指摘のようなことを実際に移していくにはなるべく安い金利での貸付額をふやしていく、それによって実質上金利を軽減していく、こういった方法がなと思うわけでございます。それが割り増し貸し付けの制度でございまして、先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、高齢者や障害者と同居される際の住宅、あるいは高齢者用、障害者用のトイレ、バスユニット等につきましては百万円の割り増し貸し付けのほか、平成五年度におきましては高齢者や障害者と同居の場合の割り増してございますけれども、これを百五十万円から倍の三百万円に引き上げまして、この分が実質上金利を低下させるという効果を持つわけでございます。こういったことによりまして対応させていただきたいというふうに考えているわけでございます。
○堀利和君 財政事情を言われると大変難しい問題になりますけれども、みずから年をとったときにも安心して住み続けられる家を今から準備するという点で、私はやはり利率のいい意味での差別化、そういう家を建てることで誘導策をとる方法というのは必要じゃないかなということを申し上げておきます。 次に、最近地方公共団体、市レベルで建築基準条例の改正だとかあるいは福祉の町づくり条例というのが制定されるなどの動きがございます。これもやはり戦後、昭和二十五年に建築基準法が制定されてもう四十年たっているわけですね。この建築基準法を見てみますと、もちろん最低限の基準を定めたものではありますけれども、その定めたところの基準というのが、昭和二十五年ごろですと国民の平均寿命も六十歳程度、今やもう人生八十年と言われる時代です。しかも、二十一世紀には四人に一人がお年寄りになってくる。そうしますと、その建築基準法というのはどうも健康で体に余り不自由のないそういった方々を対象にといいますか、基準に法が制定されてきたという経緯を考えたときに、現在、もちろん障害者の問題もそうなんですけれども、これからの高齢社会を考えたときにそういった体の不自由な方々、建物を利用する人たちを前提にどうもこの建築基準法を見直さなきゃならないんじゃないだろうかと思うわけです。 つまり、これまでの社会状況に基づく建築基準法はもはや限界にきているんではないだろうか。二十年、三十年後の高齢社会を考えたときには、今からそういう建物をやはり考えておかなきゃならないだろうと思うわけですね。大体建築物というのは三十年利用するわけです。ですから、今建てたその建物がお年寄りに使いにくいものだとすればそれを改造、改築するというのはなかなか難しいわけですね。二十年、三十年たって慌ててももう遅いわけです。そういった二十年、三十年の時の流れを考えたときに、戦後二十五年につくられた建築基準法を今変えていかないことには将来どうなんだろうなというふうに私は思うわけです。 そこで、建築基準法の第一条の目的ですね、これをわかりやすく御説明願いたいということです。今の私の申し上げたような観点から果たしていかがなものかと。 それと地方自治体が、これは地方自治法に基づくものですけれども建築条例の改正なり福祉の町づくり条例を制定している。こういうことからいいますと、建築基準法の四十条で地方公共団体は条例を制定できるわけですけれども、現在では安全上、衛生上あるいは防火上の観点からその条例を定めることになっておるわけです。しかし、神奈川県にしろ横浜にしろ、あるいは大阪、兵庫、そしてつい先ごろは東京都も建築基準条例を改正しましたけれども、この中には公共建築物を含めて特殊建築物は車いすの方、障害者の方が使いやすいように基準を設けたわけです。これは要するに、現在の障害者の方々が使いやすいというのはもちろんですけれども、やはりこれから高齢社会を迎えるに当たってはこうした措置をとらなきゃならない。つまり、単にこれまで従来考えられてきた安全だとか防火上とか衛生上に加えて福祉的な視点というものを考えていかなきゃならないということになろうかと思うんです。そういう点から一連の建築基準条例の改正、福祉的な視点を盛り込んだこういった条例について、どういうふうに国として評価しているのかをお聞きしたいと思います。
○政府委員(三井康壽君) ただいま御質問二つあったかと思います。一つは現行の建築基準法が第一条の目的から見て現在の世の中、社会情勢に合っているかどうかという御質問と、それから公共団体の建築条例の最近出ておりますものに対する評価とございました。 第一の、建築基準法の第一条には、確かに御指摘のように建築規制に関しまして最低の基準を決める、お守りいただかなければならない最低の基準を決めるということでございますので、今おっしゃられましたような、例えば高齢化社会に応じた意味での最低基準をもっと引き上げてもいいんじゃないか、こういう御議論があるということは承知はしているわけでございますが、現実には基準法の規制によりまして、その規制を受けて実際にお建てになっていただく方の負担といいますか、そういったことにつきましても考慮しながら建築基準法は運用し、あるいは必要な法改正をしていかなければならないというふうに考えているところでございます。 したがいまして、現段階におきましては、昭和二十五年につくられました割と古い法律ではございますけれども、最低の基準という意味では現在やっておりますものが一応私どもは有効であろうかというふうに考えておるところでございます。ただし、今後当然いろいろな議論をさせていただきまして、この最低基準というのも引き上げていくことを否定するものではないということをつけ加えさせていただきたいと思います。 そこで、現行の建築基準法は、先ほど申し上げましたような最低の基準ということでございますので、建物をお建てになる方々の負担、規制の態様等を考えまして、それを超えて制限を公共団体が付加したりあるいは緩和したりすることができるように四十条の規定が設けられているところでございます。これは社会的な意味での地方の実情等を含めましてこの規定が読めるというふうに一応は考えられるわけでございますが、条文上は地域の実情等々というようにきちんと書いているわけでございません。「その地方の気候若しくは風土の特殊性又は特殊建築物の用途若しくは規模に困り、」と書いてございまして、特殊建築物に限りまして現在は地方公共団体におきまして福祉関係の条例の規制の付加が行われているわけでございます。 ところで、これらの状況を見てみますと、確かに社会の進展によりましてまた障害者の十カ年計画等の議論が進むに応じまして、最近特に大都市を中心とする都道府県あるいは指定都市におきまして建築条例、四十条に基づく条例というのがふえてきているところでございます。ただ、いろいろな公共団体の御議論の中で、対象とする建物の種類でございますとかあるいは規模に差がございますし、また規制の内容についてもそれぞれ地方公共団体の実情に応じた内容となっておるわけでございます。 一、二御紹介させていただきますと、例えば学校とか図書館とか、そういう公共建築物につきましては割と規制がきちっと行き届く。公共団体がやるものでございます、あるいは国がやるものでございますので行き届くわけでございますが、例えば民間の施設でございますデパートですとかあるいは小売店舗になりますと、千平米を超えるものとかあるいは五百平米を超えるものとかそういった規模の髪もございますし、ある公共団体で規制をしていてもある公共団体で規制がしにくい、していないというふうな例もございます。また、制限の施設の態様につきましても、エレベーターの設置義務をすべての建物に課す、あるいは学校以外は課す、あるいは出入り口の広さも八十センチぐらいのところ、九十センチぐらいのといろいろ多様に公共団体の御議論の結果出ているところでございます。 総じまして、今後の方向といたしましては、建築物につきましても高齢者や障害者の利用に配慮した建築物の規制というものを考えていくべきだというふうに考えられますので、現在できつつございます公共団体のこれらの条例につきましては我々はそれなりに意義あるものというふうに考えているところでございます。
○堀利和君 福祉というと大体北欧というようによく言われるわけで、私もスウェーデン等を見てもきましたけれども、スウェーデンの方とお話をしますと、あえて言えばスウェーデンというのは予防型社会だというんですね。つまり、十年、二十年、三十年後にはこのまま行くとこういう社会になってしまう、こういう問題が出てくる。それは科学者が客観的な目で分析して、そして予想を 立てて提案するわけです。それを政治家が、まさに政治というものの重要なところだと思いますけれども、その科学者の客観的な目を受けて二十年後、三十年後そうならないように今から政策を講じていく。まさにこういうことがスウェーデンなりの福祉社会をつくっていく哲学であるといいますか、政治なんだというふうに聞かされました。それに比べて日本というのはどうも治療型社会じゃないんだろうか。何か事が起きてから一生懸命対策を講じてやる。公害が起きてきて、さあ大変だ、人間の健康、今までもむしばまれているというので、公害防止の技術がそういう意味で発展する。どうも日本というのは治療型社会なんだろうかな、そういうことから考えましても二十年、三十年後の高齢社会に本当に今備えないと間に合わないだろうという私自身の気持ちもあるわけです。 そういう点で地方公共団体では建築条例を改正したり福祉の町づくり条例を制定したりやっているわけですが、これは必ずしも東京なり大阪なり兵庫、神奈川に住んでいる人たちだけに必要な条例ではないんですね。まさに建築基準法の四十条でいえば、その地方の気候、風土のというようになっていますけれども、必ずしもそれは大阪、兵庫、神奈川、東京の風土、気候の問題じゃないんですね。これはもう北海道へ行ってもそうですし、九州へ行ってもそうなんです。年をとった方あるいは体の不自由な方が劇場なり図書館なりを利用するというのは、これは同じなんです。これはやはり国が旗を振らなければどうしようもないんだろうと思うわけです。そういった将来のことを考えれば建築基準法のあるべき姿という、こういうことを思うわけです。 大臣にその辺の御所見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(三井康壽君) 少し事務的なことをまず申し上げたいと思います。 御承知のとおり、建築基準法は、どうしても最低基準ということを決めるという法律の制度になっておる関係で、そういった意味では土地を持っている方、建物を建てようとされる方々の規制につきましては最低限度だと、こういう観念に立っているわけでございます。しかるがゆえに、今おっしゃられましたように、二十一世紀の高齢化社会に向けて理想的な建築物はどうなのかという御議論からしますと隔靴掻痒の状況じゃないかというふうに思われてもやむを得ない面があるいはあるのかもしれませんが、基本的に建築基準法は最低の基準を決める、そして最低のどうしてもここだけは守っていただきたいということを国民の方々にお願いするというところから、そこに考え方を含めましてやや差があるということはお許しを願いたいわけでございます。 しかし、だからといいまして、建築物が旧態依然として規制は昔のままというわけではございません。やはり社会の情勢に応じあるいは社会的な通念が変化するに従いまして、当然変えていくべきだと思うわけでございます。そういった意味では、公共団体におきまして割と積極的にやっておられる県あるいはなかなか積極的でない県、市町村、たくさんあるわけでございます。そういった議論が今後とも展開してまいると思いますし、私どもといたしましても建築基準法につきましては、常日ごろからいろんな検討をし、あるいはさまざまな議論を言っていただきながら検討し、その必要性に応じまして基準法の改正ということをやってきているわけでございますが、先ほど御議論をしていただきましたあるいは御指摘いただきましたものにつきましては、まだ最低の基準としてこの基準法を改正するという方向で御議論を申し上げる段階には至っていないというふうに御認識いただきたいと思うわけでございます。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま政府委員がお答えをいたしましたように、先生から御指摘をいただきました高齢化社会の中で障害者の方あるいは高齢者の方々が住みやすい環境というものは、やはり自立できる環境とともに社会全体がこういった問題について考えていかなければならない喫緊の課題であるということは、私も先生の意見に全く同感であります。 しかし、御指摘をいただきましたその中で、建築基準法だけを取り上げてこの問題について改正云々ということにつきましては、先生の御意見は一つの御意見として参考にさせていただきたいと思っておりますが、基本的なことはただいま政府委員が答弁したことで今のところは対応していきたい、このように考えております。
○堀利和君 認識の違いということでここでおさめるしかないんですけれども、最低基準とかいう場合に、やはりこれからのことを考えたときには、本当に福祉的な視点を盛り込むことこそがこれからの社会における最低基準だろうというふうに私は思っております。 それで、時間がそろそろ参りましたので、最後にエレベーターのことでお伺いしたいと思います。 今、鉄道駅舎にエレベーターを設置してほしいという運動が障害者の方々からいろいろ起こっております。少しではありますけれども、新駅なり大改造する際にはエレベーターを設置する方向にも動いております。ただ、駅によっては構造上どうしても通常のエレベーターが設置できないというケースもあるわけですね。両開きのエレベーターであれば構造上可能なんだと。 これは日本では本当に珍しいといいますかほとんど見受けることもないんですけれども、ヨーロッパなりへ行くと両開きのエレベーターもありますし、中には、中の箱がなくて壁をすって動くという怖いようなものまであって、それがいいかどうかは別にしまして、日本ではとても、我が国では安全の基準というのは厳しいと思います。そういう点で、マンションとか住まいなり、建物も構造によっては両開きのエレベーターの方が非常に外との出入りがいいというケースがあるんですね。 私も自治体のそういった担当の方ともお話しすると、ぜひそれを積極的に進めてほしいということも聞きます。駅のエレベーターの問題もやはりそうなんですね。この辺が建築基準法の三十八条のかかわりだろうと思うんですけれども、まずその辺の御見解をちょっと伺いたいと思います。
○政府委員(三井康壽君) 確かに今御指摘のございましたように、エレベーターにつきましては、建築基準法の施行令によりまして、寝台用エレベーター、これは医療機関、病院などでよくございますけれども、寝台用エレベーターを除きまして出入り口は二つ以上あってはならないという規定を置いているところでございます。 この理由でございますけれども、一般的にエレベーターにつきましては、上下動いたしまして普通の出入り口というのはきちっと段差がないようにとまるように、そういう制御装置というのが必要でございます。これが一つ、これは技術的なことでございます。 それからもう一つは、両方から出たり入ったりできるというふうになりますと、安全上はやや疑問があるんじゃないか。押したりへしたりということもございますし、知らないうちに反対側があいてしまうとか、そういったこともございまして、安全上あるいは技術上の観点からエレベーターにつきましては出入り口は一つ、しかし、寝台用エレベーターという病院のような非常に特別の条件のところにつきましては二つ以上可能だ、こういうふうに規定上なっているところでございます。
○堀利和君 それで、これ例外といいますか、特例でそういう形で認められるわけですので、どうしてもやむを得ない場合できれば通常のエレベーターがいいんだろうと思いますけれども、構造上どうしても扉が二つといいますか、両開きのエレベーターでなければならないというようなケースについては、どうでしょうか、積極的に運用するという方向でやっていただけるんでしょうか。
○政府委員(三井康壽君) 先ほどの御質問の中にマンションなどについてというのもちょっとございましたけれども、マンションにつきましてはや や私ども疑問に思っております。むしろマンションにつきましては、先ほどの御質問の中にありました公共団体の条例で、エレベーターの入口、扉の面積、扉の間隔を八十センチとか九十センチにしろ、こういった御議論があるんですけれども、そういった方向で対応すべきかなと思いますが、その前に、駅とか非常に乗降の方が多くてまたスペースもあるような場所につきましては、両方の扉があくというエレベーターにつきまして、建築基準法三十八条で技術上安全ということが確かめられればその方向で検討するという考えは十分ございます。 ただ、その安全基準を議論いたします際に、同一階で二つの扉があかない、例えば車いすで乗られた方が一階で乗られて、そのまま上がりまして二階へ行って反対方向に出ていただく、こういった方向で制御できるものであれば、両方扉があかないということであれば建築基準法の三十八条の検討対象にしまして鋭意検討していきたいというふうに考えております。
○堀利和君 時間が来ましたので、その辺も含めて積極的にお願いしまして終わります。
○会田長栄君 海部内閣が日米構造協議の中で十年間で四百三十兆円の公共投資をするという公約を出して今日来ているわけでありまして、金丸前衆議院議員の建設業界にかかわる裏献金問題というのは、その意味では二度とこういうことがあってはならないということを提起しているんではないのかということと関連をいたしまして、以下私は質問していきます。 その第一は、公共工事の入札制度とそして談合問題、とりわけ使途不明金の問題等にかかわって、以下建設省、会計検査院、公正取引委員会、法務省など含めて質問をしていきますので、限られた時間でありますから、私も率直に質問申し上げますので、率直に答えてほしいという要望を出して質問に入ります。 その第一は、何といっても今日問題になっているのは公共工事の入札制度であります。この点について、現行の入札制度ではこういう問題は引き続き起こるという警告であろうと私は受けとめています。この点、三月二十九日ですか、二十七日ですね、建設大臣がこの問題について改善策を談話として発表していますから、それを率直に聞かせてください。
○国務大臣(中村喜四郎君) 先生御指摘をいただきました、三月二十七日ではなく二十九日に建設大臣談話を発表させていただきました。 その中で、先生御指摘をいただきました問題意識の中で改善策が示され、談合という問題が今後なくなっていくのかという御質問としてお答えをさせていただきたいと思いますが、建設省の直轄工事においては本年度より技術力を重視し、広範な参加機会を確保するための新たな入札方式を積極的に導入していきたい、このように考えております。 そのために、透明化、適正化を図っていくために省内におきまして全局長を構成メンバーにした入札手続改善検討委員会を設けて、指名基準の具体化、非指名業者に対する理由説明などを検討し早急に結論をまとめていきたい、このように考えております。具体的には、約一カ月ぐらいでできるものをまずまとめていきたい、こういうことで今作業に取り組んでおります。 そして、独禁法の違反行為問題についての御指摘もございましたが、昨年の十月に設立をいたしました財団法人の建設業適正取引推進機構を通じまして、昨年だけで十ブロック、約二千名を超す方々にお集まりをいただきまして、独禁法の精神遵守ということについて徹底を図るための研修会を行ったところでございます。独禁法行為に対する指名停止措置やあるいは建設業法に基づく監督処分による厳正な対応等により独占禁止法違反が今後発生しないように業界全体に強く指導していきたい、このように考えております。
○会田長栄君 公共工事の発注制度には四つの柱があると言われています。それはもう御承知だと思いますが、指名競争入札、予定価格制度、ジョイントベンチャー、土木工事における企画、設計は官庁でやる、この四つの柱があると言われております。 そこで、お尋ねいたします。指名競争入札というのは、本来会計法に基づきましてこれは一般競争入札が原則だとされております。だから、今度の改善策というものをこれから検討するわけですが、限りなくこの会計法に基づくところの一般競争入札に近づけるのかどうか、その考えを聞かせてください。
○政府委員(伴襄君) 先生御指摘のとおり、会計法では物品等もございますので、一般競争が原則になっておるわけでございます。 ただ、こういう建設工事の請負のようなサービス関係のものにつきましては、運用としては指名競争が原則になっておるわけでございますけれども、やはりこの指名競争の制度のメリットというか特徴は、これをとることによりまして不良な工事を排除できるとか、あるいは工事の施工の質を確保できるという意味で信頼できる施工業者を選定できると。要するに、信頼できる施工業者を選定することによって不良な工事を排除したり、工事施工の質を高めることができるという点にメリットがございます。 ところが一方、一般競争入札は、入札参加資格のある業者に対しまして広範な参加機会の確保を図るという利点もあります。これは先生御指摘のとおりだと思います。したがいまして、先ほど大臣から答弁がありましたように、この指名競争入札を改善するとすれば、そういう一般競争のメリットみたいなのをできるだけ取り入れる、それが先生のおっしゃっている近づけるという御趣旨かなというふうに考えるわけでございます。 そこで、例えば現行の指名競争入札制度でございますけれども、これを一般競争に近づけるように広範な参加機会を確保するようにするというのは、例えば今回とろうとしています新しい方式でございますが、幅広く施工業者の技術力等の情報を募る、募って指名を行うというような選定を行うといったような方式が考えられるわけでございます。 そのほか、指名基準でございますけれども、指名基準をなるべく具体的に、具体的な指名基準はこうなっている、こういうふうなことに当たれば指名されるんだよということを明らかにするとか、あるいはもし指名されなかった場合にはそれがどうして指名されなかったかという理由を説明するとかいったような形でもって、限りなく透明度を高めるという心がけが大事かと思っておりますので、そういったことも含めまして幅広くこの指名競争の今の制度を改善し、それを実行していこうというところでございます。
○会田長栄君 現行法上、国または地方公共団体が一方の当事者となる契約は、今お話のあったとおり一般競争入札が原則なんですね。しかし、その実態を見ますと、八〇%以上というのが指名入札なんですね。随意契約というのは残りの二〇%なんですよ。したがって、私は何でもアメリカやイギリスやドイツやフランスなどのまねをしろという意味ではないんです。しかし、これらの国はやっぱり指名入札制度というよりは一般競争入札制度というものを原則にして実行しているんですね。そういうことがあるから、今お尋ねしたわけです。 そこで、二番目の問題をお尋ねします。この指名入札制度のもとに、建設省は公共工事に関連をして、予定価格制度というものが二番目にありますね、予定価格制度。これが金丸さんの裏献金の問題と関連をして、実はこの予定価格制度に三%の上積みがあったんではないのかとかなんとかといろんな疑問を呈しています、今日。 そこでお尋ねしているんですが、この予定価格制度というものは建設省は何をもとにして積算しているんですか。これちょっとお尋ねします、簡潔でいいですから。
○政府委員(望月薫雄君) 御指摘のとおり、私ども公共事業を発注するに当たりましては予定価格制度をとらせていただいております。この予定価 格というものは、言うまでもありませんけれども、予算を的確に執行するということになりますと、むやみやたらの金額での入札ということは基本的にあり得ないということが前提になっております。 私どもの予定価格の設定でございますけれども、これちょっと細かくなって恐縮ですけれども、予定価格というのはいわゆる直接工事費、これがベースになります。それからもう一つは共通仮設費、それから現場管理費、加えて一般管理費等、言ってしまえばこの四つの要素によって予定価格を構成しております。 問題はその予定価格の中の直接工事費ですけれども、これは材料費、労務費、こういったことがベースになりますが、これは一口に言いまして材料費は端的に言いますと中立の公益法人、具体的には財団法人ですが建設物価調査会、あるいは同じく財団法人の経済調査会、こういったところが毎月いわゆる建設材料の物価資料を公表しております。これを使っていく。言うなれば最新の新しい価格を使うということでございます。 労務単価につきましては、これは建設のみならず運輸、農林、三省共同で毎年毎年、最近では二回でございますけれども実態調査を行いまして、これは賃金台帳まで全部当たりまして実態調査を行って、具体的にどう払われたかということを踏まえたものをベースにしながら大蔵省とも協議の上でもって労務単価を決める。それにいわば歩掛かりというのを、これも我々長いこと標準的につくっておりまして、これをぶっかけたものがいわば労務費ということになります。 機械経費につきましては、これまた実態調査を踏まえまして標準的な価格で積み上げる、こういったものでございます。 二番目の仮設費でございますけれども、これはもう先生御案内のとおり、工事の現場での準備費用あるいは機械器具の運搬費用などなどでございまして、これも率を用いて、これ経験的に我々実態調査したものを踏まえた率がございますのでこれを使わせていただく、あるいは道路工事のような場合にはいろいろと現場の状況でもって要素が変わりますので積み上げも行うということでございますが、とにかくこれは必要な直接的な共通仮設費ということでやらせてもらっています。 現場管理費は、労務管理、安全管理が大事でございますので、これも当然のように計上させていただく。 さて、問題は一般管理費等というものでございます。これは本支店におきます従業員の給与あるいは広告宣伝費、交際費、税金、配当金、内部保留金、こういったものでもって構成されるわけでございますが、公共事業でございますので、基本的には広告宣伝費だとかあるいは交際費、こういったものは要らないはずでございます。こういったことを頭に置きまして、私ども財務諸表を毎年分析させていただいていますけれども、この財務諸表の分析の中で、今申しましたようないわば民間の工事の関係ではあり得ても公共事業の場合には考えられない必要でないものは外すとか、あるいは民間の企業になりますと当然民間の建築物等の発注もございます。こういった民間部門も全部排除しまして、直接的に公共事業について必要なものを抽出しまして、それで分析をし率を決めていると、こういったやり方でございます。 ですから、一言で言いまして、こういった予定価格を決める過程におきまして妙な要素が入らないということについては、私どもも常に厳正な調査を踏まえたいわば積み上げ計算ということをやらせていただいているわけでございまして、今先生おっしゃったように、これから何%が妙なお金になったとかいうようなものについては、こういった考え方からすると出てくる余地は本来ないものと、こんなふうに考えておる次第でございます。
○会田長栄君 それじゃ、ちょっと私短くお尋ねしますから。 実際、建設省の職員のここ十年間の状況を見たら、そういう細かいところまで手を入れるほど職員の定数などというのは完備されていませんよ。これは総定員法でここ十年間の間にどのくらい減ったかというのは後ほどやります。ここではそうじゃない。実際は、建設省は財団法人建設物価調査会というところにこの調査を依頼して、公表したものをもとにして積算単価しているんじゃないんですか。建設省の職員が自分でやっているんですか。
○政府委員(望月薫雄君) 先ほど私が御答弁申し上げましたように、資材価格につきましてはおっしゃるような財団法人が調査しているものでございます。これは私どもが委託するとかいうことでなくて、基本的には資材価格の動向がどうであるかということを幅広く調査している財団法人でございます。その最新の毎月毎月のデータを私どもが積算に当たって使っておる、こういうことでございますので御理解いただきたいと思います。
○会田長栄君 それから、四番目の柱であった、これとかかわって土木工事における企画、設計は官庁、これはインハウスとよく言われていることですが、これが独占をしているんですね、実際は。これは本当ですか。自分たちだけでやっている。他にゆだねない、委託しない。そのとおりですか。
○政府委員(望月薫雄君) 基本的な構えは、今先生おっしゃられたように、私どもいわゆるエンジニアリング・インハウスといいましょうか、建設省の仕事だったらば建設省の職員がみずから設計をするということが基本でございます。 ただ、今お話しちょっとありましたが、昨今私どもの役所も直轄事業についていいますと定数等も大変厳しくなっております。そういった中で、本当に国民に期待される、求められる仕事をしっかりとやっていくということになりますと、おのずからすべてをということができない面が出てまいっています。そういった意味で俗に言う外部委託ということをやらせていただいておりますが、これも当然のような基本を踏まえておりまして、言ってしまえば設計業務について補助的な業務、こういったものについてだけやっていただくという考え方でございます。 最終的に金額をチェックしお金を入れるということについては、これはまさしくインハウスでもっていわゆる秘密を厳守しながらやらせていただいておる、こういった次第でございます。
○会田長栄君 例えば、そうでなけりゃ大変失礼だけれども、今問題になっているところの大手ゼネコンの下請関連団体などの力はかりていませんか。
○政府委員(望月薫雄君) 先ほど来申しましたように、私どもは地方建設局直轄の現場におきまして設計をやるその際に、基礎的なデータの収集、端的に言いますと先ほど言いましたようにあくまでも補助的な業務をやっていただくということでございまして、コンサル業務、ちょっと申し上げさせていただきますと、例えば設計業務につきましては、工事に必要な平面図あるいは縦横断図、詳細設計図等の設計図書の作成、それからこれに基づきまして必要となる土量、コンクリートなどの数量の算出、こういったことまでやらせていただいております。 ただ問題は、このそれぞれについて先ほど申しましたような単価をあるいは歩掛かりをどう掛けでいくかということについては、私ども職員がやるところでございます。 なお、そうはいいましても今先生おっしゃったような疑念というものがあってはならないということで、業務委託を行う場合に請負者と私ども当局の間でもってしっかりと秘密を厳守するように、業務の処理上知り得た秘密を他に漏らしてはならないとか、あるいは成果品を他人に閲覧させたり複写させちゃいけないということをぴしっと決めさせていただきまして、私どもは、くどいようですけれども補助的な業務と言っておりますけれども、これを今申しましたように外部に委託させていただいているという次第でございます。
○会田長栄君 これは後ほど建設省の職員の定数問題のところで改めて関連してお聞きします。 そこで、次に公正取引委員会にお尋ねします。 独占禁止法に基づいて談合問題というのは何年かに一回ずつ公正取引委員会は指摘をして改善策を出しているようでありますけれども、いわゆる今日の建設業界を取り巻いている表献金、裏献金、これと関連をしての談合と思われるようなことにつきましてどのような改善策をお持ちですか、それを聞かせてください。時間が短いからできるだけ端的に私もお聞きします。端的に今やっているならやっていると、こういうふうに答えてちょうだい。
○説明員(平林英勝君) いかなる理由であるにせよ、談合はやはり独占禁止法違反行為でございますから、公正取引委員会としましては入札談合に対しては厳正に対処するという立場でございます。 具体的に私どもそのほかにどういったことをいたしているかということでございますが、まず一つは、業界に対しまして研修会に職員を講師として派遣して、独占禁止法に対する周知徹底を図るということで独占禁止法違反行為の未然防止を図っているところでございます。先ほど建設大臣からもお話しありました建設業取引適正化機構というものが業界に対する独占禁止法の研修を行っておりますので、そこに職員を派遣しているというようなことが一つございます。 それからまた、最近独占禁止法運用強化ということで、企業の方でコンプライアンス・プログラム、いわゆる独占禁止法の遵守マニュアルというものを作成しておりますので、それに対しまして私どもも積極的に支援するというようなことをいたしております。 また、そのほかにも独占禁止法違反事件の審査の過程におきまして発注制度あるいはその運用について問題があるようなときにおきましては、その改善を要望して公正かつ自由な競争の一層の促進に努めているということでございます。 以上でございます。
○会田長栄君 前回建設委員会で、要するに公正取引委員会というのは、こういう場合は談合にならないと親切丁寧に各自指導しているという話をしました。その中身にどうしてもやっぱり談合を誘発するような中身まであるから、そういうことまで含めて今後検討するのかどうかということを聞きたかったわけです。しかし、いわゆる独占禁止法違反にならない場合はこういう条件ですというのを、あの点について内部検討しましたか。
○説明員(平林英勝君) 今先生がおっしゃったのは、いわゆる建設業ガイドラインのことではないかと思いますけれども、事業者団体の活動につきましては、一般的に私ども事業者団体の活動に関するガイドラインというものを設けているわけでございまして、そのガイドラインにおきましては、入札価格の決定とか受注予定者の決定というものは独占禁止法に原則として違反するということがはっきり書いてあるわけでございまして、それを前提にした上で、建設業のガイドラインというものは建設業の特殊性にかんがみまして、どの範囲ならば独占禁止法に問題にならないかということを明らかにしたわけでございます。 ですから、基本的には事業者団体のガイドラインというものが前提になるわけでございまして、その辺を私どもとしては誤解のないよう業界に対して周知徹底を図っていくということで、先ほど申し上げたような研修会などできちんと説明をさせていただいているということでございます。
○会田長栄君 先ほどから私が質問していることがここに結びつくんです。いわゆるそのガイドラインの第一項目で、情報の収集、把握、こういうことは違反しませんよということになっているんだけれども、この問題を運用するとすれば、間違いなくこういうことができるように私は土壌として醸成されるということを指摘したいんです。だから、公取としてもそこは検討してもらわなきゃいけないという意味で質問しました。 次に、会計検査院にお尋ねします。 これは宮澤総理が三月二十九日大蔵委員会で、金丸前自民党副総裁に対するやみ献金疑惑問題を契機に公共事業の入札、発注制度などへの批判の高まっていることについて、次のように答弁しています。 入札価格などに政治献金を含むのが事実なら、事実ならと言っているんだが、ほとんど事実ですよ。税金が適正に使われているかどうかに関係する行政としてはゆゆしき問題であるという認識の上に立って、入札や発注などが適正に行われているのかについて厳しく再検討してみなければならないと答弁している。 そこで、公共事業の発注の実態調査を含め政府の対応策というのは、総理が答弁したのに基づけばどこが一体主務になってやるんですか。これは建設省がやるのか、会計検査院がやるのか、あるいは公正取引委員会がやるのか、そういう打ち合わせはまだしていないね。これは建設省にお尋ねしますよ。そういう打ち合わせはしていない、まだ。
○政府委員(望月薫雄君) 今先生が御指摘されたような意味での打ち合わせは、まだ入っておりません。ただ、どこがやるかということについては、第一義的にはまず私どもの発注する仕事でありますならば建設省については建設省が責任を持ってやるべきこと、こういうふうに受けとめております。 そういった今いろいろとおっしゃられました中で、私どもも積算の問題がどうであるかとかあるいは入札の方法はどうであるかなとなどの問題がいろいろと出てこようかと認識しておりますが、そういった意味で、先ほど大臣の御答弁でもお話ありましたような談話を踏まえて、私ども今逐次その取り組み体制を整理しているさなかでございます。 いずれまた、こういうことが会計検査院等とも必要になれば私どもそのときには御相談させていただく段階が来るな、こう思っております。
○会田長栄君 総理初め建設大臣もこれ答弁の中では非常に厳しく受けとめていますということを言ってこういう結論になっているわけでありますから、会計検査院といたしましてはこの発言にどういう所見を持って今後対応しようとしていますか。
○説明員(佐藤恒正君) ただいま建設省の方から御答弁がありましたとおり、この問題はやはり発注官庁である建設省がまず第一に責任を持って調査に当たられることは当然でございますが、私どももその過程で建設省御当局の方から何か御相談があれば御相談にあずからせていただきたい、こういうふうに考えております。
○会田長栄君 それでは、もう一つ会計検査院にお尋ねいたします。 予定価格というものは適正なのか不適正なのか、これから調査研究する気持ちありますか。
○説明員(佐藤恒正君) 私どもは、公共工事の検査に当たりましては、契約金額決定の基準と申しますか基礎となっております予定価格の積算が適正であるかどうか、こういったことは重要な検査の観点の一つとなっているわけでございます。そして、こういった観点から従来より検査を実施してまいっているところでございます。 まず、予定価格が妥当かどうかという観点から検査するに当たりましては、各発注官庁で定めております積算基準や市場価格等に照らして予定価格は適正な価格となっているかとか、また積算基準自体が社会情勢の変化や工事の実態を反映したものとなっているか、こういった観点から検査を行っているわけであります。今後とも、これらの点を十分踏まえまして、検査を実施してまいりたいと考えているところございます。
○会田長栄君 もう一つ、会計検査院にお尋ねします。 この建設業界では、電話帳と言われるものが言い古されて、だれもが承知しているんです。建設業界では電話帳と言えばもう本当の電話帳じゃないんです。そのことを御承知ですか。
○説明員(佐藤恒正君) ただいまおっしゃっているのは、積算基準のことをあるいはおっしゃっているんじゃないかと思いますけれども、一応そういうことだと承知しております。
○会田長栄君 わかりました。ありがとうございます。知っていると言えばそれでいいんです。 問題は、この建設業界の利益の源泉というのはこの電話帳だと言われているんです、一方で。だから、このことと関係すれば、予定価格の問題を会計検査院として内部吟味する必要性が私はあるんではないかという視点に立ってお尋ねしているんですよ。まさしく建設業界では公共工事用の積算基準のことでございます、あるいはその資材の価格を一覧表にしたものでございます、これを通称電話帳と言っているんです。一般に市販されているんです。
○説明員(佐藤恒正君) 少し答弁を間違いましたので、訂正させていただきます。 先生今御指摘になった電話帳とおっしゃるのは、あるいは民間で市販されております積算資料とか物価資料とかそういったものをおっしゃったのじゃないかなと想像いたします。
○会田長栄君 これは、だから一般でも買うことができる市販されているものです。だから、このことと関連をして予定価格というものの仕組みというものは、会計検査院だって一応それは買ってあるんだろうと思うけれども、今後こういうことが再発しないようにやっぱり検討の、検査院の役割と任務の上からいって検討材料ぐらいにするのが普通ではないかという視点に立って私はお尋ねしているから、聞いたんですよ。
○説明員(佐藤恒正君) 私どもも十分そういった観点からその物価資料の内容ですとか積算資料の内容とかを、果たして正しい物価動向を反映しているかどうかというような観点から常に注意深く見守っているところでございます。
○会田長栄君 そういう意味では、公共工事の入札制と発注の四本柱と関連をして、会計検査院としてもそういうことが二度と再発しないように国民にやっぱり約束をして、きちっとさせなきゃいけないんじゃないか。公正取引委員会も同様です。建設大臣初め建設省だけにこの問題をしわ寄せしてはいけないというところから私は言っているんです。これは意見です。 それでは次に、これは大蔵省国税庁にお尋ねいたします。いわゆる使途不明金問題について質問いたします。 その第一は使途不明金の中身が大体どのように把握されているか、それから国税調査をやって資本金一億円以上の企業に対してどんな割合で調査を完了して結果として公表したか、これを聞かせてください。
○説明員(藤井保憲君) お答え申し上げます。 使途不明金につきましては、原則として資本金一億円以上のいわゆる大法人のうち実際に調査を行ったものにつきまして、私ども計数を取りまとめてございます。 これに基づいて年度別に申し上げますと、平成元事務年度には五百九十八法人につきまして使途不明金が把握されまして、使途不明金の総額は五百六十二億円でございました。以下平成二事務年度には五百八十五法人につきまして四百七十六億円、平成三事務年度につきましては五百五十四法人につきまして五百五十八億円の使途不明金が把握されているところでございます。
○会田長栄君 三万二千三百三十五社、そのうちの四千七百二十二社、率にして一四・六%、調査をしてみて使途不明金がこれだけになったという提起が出ました。もちろん業界そのものは一億円以下の業者もいますから、大体五十二万社だと言われています。したがって、こういう風習という、私特に言います、風習が蔓延しているとすればこれは大変な金が動いている。したがって、この使途不明金の問題というのはもっと国税庁自身が明確にしなきゃいけない。ついにわかりませんでした、したがって税金さえいただけば国税庁としてはお仕事は終わりですと言う限りこの問題は永遠に続く、そう思いませんか。
○説明員(藤井保憲君) 国税当局といたしましては、真実の所得者に課税するというのが私どもに課せられた役割であろうというふうに考えておりまして、その意味から考えましても使途不明金は問題があるというふうに認識をいたしております。したがいまして、その解明に特段の努力を払っているところでございまして、今後ともその使途の解明に最大限の努力をしてまいりたい、かように考えているところでございます。 しかしながら、解明のために最大限の努力をいたしましてもなお法人がその使途を明らかにしない場合があることも事実でございまして、そういった場合にはやむを得ず法人が使途を明らかにすれば損金となるべきものでございましても損金算入を認めず支出法人に対して法人税を課する、こういうふうに対処をいたしておるところでございます。
○会田長栄君 前の海部総理もそうだった。現在の宮澤総理もそうです。企業も社会的存在であります、したがって政治献金しても何ら差し支えない、こう言っています。これは表の話、政治資金規正法に基づくところの献金の問題で言っているんです。 これは国税庁が調査しても、かつて何年か前に、今から十五年前、相手に迷惑がかかるので使途は絶対に言えないと言って、国税庁は税金だけかけてこの問題は終わったことがあるんです。いいですか。これがいわゆる政治家と金との結びつきなんです。今は確かに金丸さんが所得税法違反で裏献金を暴かれた。しかし、この問題で警告しているのは、使途不明金などという扱い方をさせてはならないよということを一面で警告しているんです、これ。だから、国税庁が重加算税含めて五〇%いただけば結構なんですと言う限り、これは国民の政治不信などというのは解消されない。したがって、商法上、刑法上、当然この問題は出てくる。そうでしょう。使途不明金と言って会社の、宮澤総理が言っているように、大変あなた社会的存在だと言って認めておるんですから、そういう人たちがこの金はどこさ使ったんだかわかりません、こういうことを言って逃れられるわけがないと言うんです、私は。 これ、皆さん公務員ならどうするんです。役所ならこれですよ。役所なら首です。公務員なら首ですよ。それは公務員法の中にきちっと位置づけされているからなんです。なぜ企業の使途不明金だけ法的にそういう位置づけができないのかということなんですよ。 前回は、私こういう答弁を聞きました。事業やるときにはいろんな手土産持っていったり話し合いするのにお酒買っていったり、いろいろと言って答弁しました。そんなのは何も使途不明金に使うことないですよ。堂々と使えばいい。だから、これはもう十五年前に相手に迷惑をかけるので使途の先は言えないと言ったことが十五年も生きているんです。 だからその意味では、金丸さんはアメリカとの約束で公共投資十年間で四百三十兆円投入する、投資すると言った。これ以上ほうっておいたんでは日本の政治はどこへ行くかわからぬという警告にもなっているんです、これ。これにこたえるのがこれは当然国税庁であり、あるいは通産省でありあるいは法務省なんです。宮澤内閣はこの点についてはこたえなきゃいかぬ、今度こそは。そうでなけりゃ幾ら決意のほどを述べてみたってだれも信じない、教訓にならない、こう私は見ています。 したがって、使途不明金、最後にもう一度言います。こういう理由なら企業の経営者はぽっぽに入れたってわかりませんよ。ぽっぽ、懐、私的利用だ。わかりますか、国税庁。企業の経営者が使途不明金で国税庁は通ると言うんだったら、ぽっぽに入れたってわからないんですよ。私腹を肥やしたってわからない。もちろん政治家にくれたってわからない。昔は犯罪の陰には○○ありと、こう言われました。今は犯罪の裏には使途不明金ありと。私はもういつ何ときでも犯罪は必ず後ろに金融機関があるから本当はそこを言いたいわけですが、きょうは時間がないのでその点にはさわりません。 したがって、この使途不明金の問題について、今は建設業界の問題で盛んに言われている。しか し、公共工事というのは建設省だけでありませんよ。政府丸抱えの問題なんですよ、これは。農水省しかり運輸省しかりと言って並べたら、もう切りも限りもない。宮澤内閣、建設省頑張ってくれやなんという人ごとじゃないんです。総理自身がこの問題について不退転の決意でかからぬといかぬ。まだ幾分か気は薄いようですよ、私から見る限り。そういう意味で、この使途不明金の問題について以上お尋ねしたわけでありまして、きょうはこのぐらいで質問を使途不明金の問題についてはやめますが、どうぞ検討してください。 残り六分ぐらいですから、あと二つ聞きます。 一つは、道路整備十カ年計画でも国道百十八号から石川町を通っていわきまで通過する地方道、ここでの交通渋滞というのは私再三指摘しています。この点について、第十一次計画ではどのように検討されているか聞かせてください。
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。 先生御指摘のは、主要地方道いわき-石川線においてのうち、石川町で渋滞が非常に出ております。特に朝夕の通勤時には一キロに及ぶ交通渋滞が出ております。そのことを御指摘いただいての御質問だと思います。 私ども、十一次五カ年計画の中でも当然これは主要な課題として考えておりまして、特に福島県において石川町都市整備マスタープラン、こういうものをお持ちでございます。これとの整合を図ってバイパスの検討を進めてまいりました。この十一次五カ年計画の初年度でございます平成五年度、これからこの五年度に混雑するこの石川市街地を迂回するバイパス、これを約二・五キロでございますが五年度から事業化するということで、この渋滞対策にすぐにでも対応する考えでございます。
○会田長栄君 それから次に、これは福島の摺上川といって、今建設省がダム建設に拍車をかけていますね。この問題と関連をして、実はこの地域は文化財保護の指定地域にもなっていたんです。ここは文化庁とあるいは地元の教育委員会と建設省と争いが起きないように、あるいは片方が困らないように調整してやってくれているんでしょうね。
○政府委員(岩井國臣君) 摺上川ダムは、先生今お話しのとおり、福島市に建設中の建設省直轄施行の多目的ダムでございます。このダムにつきましては、昭和五十七年に実施計画調査に着手いたしまして、六十年度に建設事業に着手しております。必要ないろんな調査を実施しながら用地交渉を行ってまいりまして、平成二年七月には用地の補償基準が妥結いたしました。 現在、用地補償費の支払いを行うとともに、いろいろなダム本体工事の準備工事を実施しております。一つは、工事用道路、それから国道三百九十九号のつけかえ道路の工事、それから昨年の十月には転流工工事と言っておりますが、これはダムの工事は川の中でやりますから、洪水そのものにつきましてはバイパスさせなきゃいかぬわけで、それを転流工とこう言っておりますが、その工事にも着手したところでございます。そういった準備工事を現在鋭意進めているところでございますが、先生御指摘のダム本体工事につきましては、平成五年度中に何とか着手したいということでございます。 問題の文化財でございますけれども、御指摘のとおり大変な文化財がございます。全体で三十カ所、面積で二十ヘクタールに及んでおりますが、縄文時代、奈良時代、平安時代からずっと近世にかけてのいろんな文化財が眠っておるというようなことでございまして、その調査を福島市の教育委員会と協議しながら平成三年度からずっと進めてきておりまして、そういった発掘調査につきましては、ダム工事の工程に支障にならないように教育委員会の方と十分に綿密な連絡調整を図っておりまして、ダム本体工事に影響があると考えられるとりあえず十三カ所、約四・五ヘクタールにつきましては優先的に調査を実施してもらっていただいておりまして、本体工事着手までに完了できる見通しになっております。 それから、残る箇所もまだ随分あるわけでございますが、それらにつきましても市の教育委員会と綿密な連絡調整を図りましてやってまいりたい、文化財調査がダム事業の進捗に影響を与えるというふうなことにならないようにしてまいりたいというふうに考えております。
○会田長栄君 もう時間が間もなく来ます。秒単位です。この問題は通告だけしておいて後の機会にいたしますので、よろしく検討していてください。 それは、建設省の事業費の伸び率というのは物すごく高くなってきている。事業もまた拡大されている。しかし、先ほど関連してお尋ねしたように、建設省の職員というのはここ大変な減り方なんです。一体どういう手品で、仕事は多くする、職員は少なくする、一体そういう手品というのがあるのかなということと関連をして聞きたかったわけでありますから、これは次回に時間をかけて聞かせていただきます。 以上で終わります。ありがとうございました。
○清水達雄君 まず、建設大臣にお伺いいたします。 公共事業の発注と、それからこれを請け負う建設業界のあり方につきまして、大きく世間から問題視され、問われているわけでございます。 私は、現行の指名競争入札に加えまして、新しい例えば技術情報募集型でありますとか意向確認型だとか、そういう新しい方式を採用されるというのは結構だと思いますが、一般的な指名競争入札のいわゆる指名基準につきましてこれをできるだけ細かく具体化をして、できればこういう基準に照らして各業者のその現実のあり方がどうなっているのかというふうなことが公開をされる、定期的にでもいいと思いますけれども、そういうようなことになりますと、業者の方も自分が競争力が高いとかあるいはほかの業者が競争力が高いとかというふうな判断ができるようになってくるんじゃないかというふうに思うんですが、その辺につきまして大臣のお考え方を承りたいと思います。
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。 先生から御指摘をいただきました公共事業の執行に対しまして、今日いろいろと国民の皆様を含めましてこの問題に対していろいろの御意見があることは私も承知しておりますが、基本的には会計法令等に基づいて厳正かつ公正に現在までも行ってまいりましたし、今回の入札契約制度の運用については不透明な点が多かったんではないかという疑問に答える形で、今後どうしていくべきかということで、今御指摘をいただいたような新しい方式について、現在入札手続改善検討委員会においてこのことを検討しているところでございます。 約一カ月ぐらいの間に結論を出したいと考えておりますが、その中で、御指摘をいただいたように、いろいろな意味で情報というものが公開できるような環境にしていくことは透明性、競争性を確保していくためには必要ではないかという先生の御指摘に対しては、前向きにその意見を検討させていただきたいと考えております。 そして、この機会でございますので、先ほどからいろいろ御議論をいただいているところでありますが、公共工事につきましては他の省庁、公団、地方公共団体等多方面にわたっておるわけでございますので、今回私どもが取り決めました基本的な考え方が他の発注機関においてもその方向で取り組まれるように関係機関を通じて要請を続けていきたいと、このように考えております。 若干御説明をさせていただきますと、平成二年度の建設投資として全体で八十二兆六千億円でありました。その中で民間が六七・三%、政府関係投資が二十六兆九千億円、全体の三二・六%でございますが、先生御案内のとおり、この中で公共事業関係費ということになりますと十五兆一千億円でございます。その中で建設省が直接直轄事業としてやっておりますのは、直轄事業全体二兆八千億円のうち一兆四千億円でございます。 こういうことになってまいりますと、公共事業関係工事費あるいはその他施設工事費あるいは地方単独費、こうした全体の二十六兆九千億の中で建設省が直接発注するのは一兆五千億円でございますので、全体の五・六%でございます。そして、具体的に地方単独補助事業その他の事業を合わせますと十九兆円。これは七〇・六%は発注主体が地方で発注するということになっておるわけでございますので、今回の問題も含めまして、まず直轄でこういった問題が疑問を持たれることがないような環境整備に建設省として最善を尽くしていき、そのことがやがて地方に一つの模範となるようなものをつくっていきたい、こういうことで今懸命に関係省庁取り組んでおりますので御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○清水達雄君 ありがとうございました。 次に、土地問題についてお伺いいたします。 地価対策につきましては、国民の間の意見がなかなか一致しないという面がございます。それから、今回の地価の乱高下を通じまして、私もかつては関係者の一人であったわけでございますけれども、大変な教訓といいますかあるいは今後に残された課題というふうなものを今回の地価の乱高下の、あるいはその中で行われた対策についていろいろ感ずるところがあるわけでございます。やっぱり、こういう今後の地価対策を強力に進めるためには対策の骨格について国民的なコンセンサスが形成されなきゃいけない、そういう意味で議論を大いに進めるべきであるというふうな感じで質問させていただきたいと思います。 まず第一点は、地価は土地の需要と供給の関係によって決まる。今回の地価の暴騰は、旺盛な需要とそれを見越した仮需要に支えられながら、金融によって過大な需要をつくり出したことにあるというふうに私は思っているのでございますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(鎭西迪雄君) 昭和五十八年ごろから昭和六十二年ごろまで、東京圏を初めといたしまして大変地価が上昇したわけでございますが、その直接の契機は都心部におきます事務所ビル需要の急激な増大あるいは都心部等の業務地化に伴います住宅地の買いかえ需要の増大といったようなことでございましたし、これらの需要増大を見込んだ投機的取引等が金融の緩和状況等を背景にいたしまして複合的に影響して生じたのであろうと、かように考えております。 それから、さらに六十一年ごろからこの東京圏の地価の上昇というものが大阪圏を初め地方の主要都市に波及していったのでございますけれども、この要因につきましては、今申しましたそういう金融の緩和基調というものが背景にあった、そういう中で、例えば先行して高騰した東京圏と比較いたしまして相対的に割安感が生じまして、投資的需要あるいは一部投機的需要を呼んだというようなこと。それから特に関西圏におきましては、新空港だとかあるいは文化学術研究都市といったような大型プロジェクトが相当メジロ押してございまして、そういうものの整備等に伴いますいろんな成長、先高期待感というものが強まったということが影響して、これだけ長くかついろんな地域に波及していったんだろう、こういうように考えておりますけれども、ただいま委員御指摘のように、その背景には金融の超低金利、超金融緩和という状況が大きく左右していたということは否めないところであろうと、かように考えております。
○清水達雄君 そういうことになりますと、必要な宅地はちゃんと供給がされる、そういう状況になれば地価は上がらないと思うのでございます。農地や山林から宅地への利用転換が現実にはなかなかうまく進まない。したがいまして、宅地供給が構造的に過少になる、つまり不足するということのそういう国民の認識が定着をしちゃって、それが土地神話を生んでいる。つまり、土地は買って持っていれば必ず将来不足するから値段が上がるからもうかるよと、こういうのが土地神話だと思うのでございます。 したがいまして、今後土地対策を進めるに当たっては、構造的な土地対策としては、土地基本法第三条に、「適正な利用及び計画に従った利用」を進める。これはどういう文章で書いてあるかといいますと、「土地は、その所在する地域の自然的、社会的、経済的及び文化的諸条件に応じて適正に利用されるものとする。」というふうに書いてあるわけでございまして、これは地主の意思だけではなくて、その土地が置かれている状況に従って的確に利用されなければならないということ、そういう理念を書いたものでございます。土地基本法を提案した最大の力点はここにあるわけでございまして、これを大いに進めなきゃならぬということ でございます。 それからもう一つ、法十二条に「適正な土地利用の確保を図るための措置」というのがございまして、「国及び地方公共団体は、土地利用計画に従って行われる良好な環境に配慮した土地の高度利用、土地利用の適正な転換又は良好な環境の形成若しくは保全の確保その他適正な土地利用の確保を図るため、土地利用の規制に関する措置を適切に講ずるとともに、土地利用計画に係る事業の実施その他必要な措置を講ずるものとする。」ということになっているわけでございまして、要するに供給を需要に合っただけ進めていく、供給以上に需要があるならば需要を抑えなきゃならぬ、そういうふうにしていかなければならないというふうに思うわけでございますが、その点はいかがでございますか。
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいま委員御指摘のように、土地対策といたしまして、私ども平成元年に制定されました土地基本法及びこの基本理念にのっとり良して、総合的な土地対策の指針として平成三年一月に総合土地政策推進要綱というものを策定したわけでございまして、ここには土地政策の目標というもののほかにかなり個別的な対策、需要供給両面にわたります個別的な対策について内閣としてどういう方向でやるかというような処方せんを相当明確に書いているところでございます。 したがいまして、私ども宮澤内閣が掲げます生活大国の実現を図るという観点から、この総合土地政策推進要綱に従いまして、ただいまお話しのような計画的な住宅宅地供給の促進を含めまして、取引の適正化あるいは土地利用計画の整備充実、税制の活用等の構造的かつ総合的な土地対策を着実に推進してまいりたい、かように考えております。 なお、供給促進が非常に重要であることはこれは当然でございますけれども、土地の特性からその供給というのは、委員御指摘のように、土地の利用転換によって行われるということで相当時間とコストがかかるということでございますので、これはかなり中長期的観点から着実に実施されることが必要なんだろうというように理解をしているところでございます。
○清水達雄君 今お話がございましたように、供給を進める唯一と言ってはちょっと語弊がありますけれども非常に大事な対策としては、市街化区域農地におきまして農地として残していいのは生産緑地だけであとは宅地化をするんだというふうな、つまり行政措置を伴った対策をとられたわけでございます。これが既成市街地の中におきましてもあるいは地方の中枢都市等においてもやっぱりこういうふうな対策を講じていかないと土地利用転換はうまく進まないだろうというように思いまして、これは建設省に非常に大きく関係するところでございますが、そういう点につきまして言葉では書けるけれども実行がなかなかできなかったというところに問題があるわけでございまして、一層の御尽力をお願いするわけでございます。 そういうことになると、地価が上がってくると短期的な地価抑制対策をどうしても講じなきゃならない。今回の地価高騰期におきましては、土地取引規制とかあるいは金融による調整とかあるいは税制措置というふうなものがとられてきたわけでございますが、こういう対策をとりますと副作用としていろんな問題が起きる。例えば譲渡所得 課税を強化すると、今度は実需のための土地の供給が進まないというふうな問題が起きる。あるいは地価税を課すと、高度利用をしている人は自分は何ら地価に関係しているような作用をしていないのに地価税を取られちゃう。あるいは相続税も同じことでございますが、そういういろんな問題が起きてくるわけでございます。 それで、実は三月二十六日に産経新聞の社説が「地価監視区域は撤廃せよ」という論説を掲げております。これは先ほど土地局長からお話がございましたように、東京の都心部の地価上昇というのはこれはビルを建てるための実需だった。ところが、東京都全体に地価上昇が広がっていったのは昭和六十一年からで、六十一年と六十二年の二カ年間で物すごい地価上昇を起こしております。それから、大阪圏は六十三年と平成元年に非常な地価上昇を起こしている。 この論説の中でちょっと肝心なところだけ読んでみますと、「しかしその上昇が東京都全体から全国に広がっていったのは、野口悠紀雄一橋大教授が指摘するように、低金利や株式市場の活況を背景に、企業がエクイティファイナンスで調達した巨額の資金を土地に投機しつづけた結果だ。要するにバブルの結果だ」と。政府は六十二年の八月に土地取引監視区域制度を導入し、また日銀が金融引き締めに転じたのは平成元年の五月からである。譲渡益課税とか地価税とか、そういった土地税制を見直したのはその後である。「これでわかるように一連の地価対策がとられたのは、多くの場合、地価が狂乱し終わってからだ」。上がり過ぎだから地価対策がとられた。「地価狂乱にたいして、政策当局も金融当局も、要するに何もしなかった。」、こう言われるのは私も非常につらいわけでございますが、「それゆえ「地価沈静は諸対策の結果」とするのは正しくない。」、いろんな対策を打ったから地価が鎮静しているんじゃない、「監視区域制度導入の結果でもないのだ。したがって監視区域制度は撤廃してよい。地価税も地価対策のためならいらない。」という、かなり厳しいことが書いてあるわけでございます。 これに関連しまして、この土地取引規制、金融調整、それから税制措置につきまして、この三つにつきまして国土庁の事務当局からお答えをいただき、あと国土庁長官から全体的な御感想を伺いたいと思います。
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいま委員が引用されました論説、確かに一紙はそういう論説でございますが、二十六日から三十日ぐらいにかけまして今回の地価公示に関連いたしまして、現在の地価の認識、それから、これからどういう対策を講じていくべきかということについてほとんど全紙が論説を書かれておりますけれども、私は全部読んでおりますが、この一紙を除きましてすべて東京を中心として地価の水準はまだ高い、したがって構造的な土地対策を中心にして手を緩めずに政府はやっていくべきであると、かような御認識であるというふうに理解しているところでございます。 それから、具体的に三つの点についてお話がございましたので、長くなるといけませんので簡潔にちょっと私の方からまず御説明いたしたいと思いますが、監視区域制度につきましては、私ども制度が六十二年の八月から、東京、神奈川、横浜、川崎という四地域から始まりまして、それの発動がやや後手を踏んだのではないかということについては十分我々としては反省をいたさなければならないと思いますが、東京圏から大阪圏あるいはブロック都市への地価の波及の中で、投機的取引を抑制するあるいは異常な高値取引をチェックするということについては相当効果があったのではないかというように評価をしているところでございます。 ただ、これは御承知のとおり時限的な制度でございますので、これから地価が下落、鎮静化していく過程の中で、各自治体が責任を持ってこれについて機動的、弾力的に取り扱っていくというような方向がこれから出てくるんではないか。そのとき、私どもはやはり懸念なく各自治体がそういう機動的、弾力的な対応ができる、そういう条件整備についてお手伝いをいたしたい、かように考えているところでございます。 それから土地関連融資規制でございますが、これも先ほど来の御議論の中にございますように、今回の地価高騰の相当大きい背景の一つが超低金利、超金融緩和、その中でいろいろとマスコミ等々で話題が出ましたような金融機関のいろんな問題というのが背景にございまして、実需とかけ離れた相当な高い価額というものが実現したということでございまして、最終的には一定期間のいわゆる総量規制というものがとられたわけでございまして、これも発動のタイミングについてはいろいう御意見があろうかと思いますが、私は実需とかけ離れた異常に高い地価高騰、これを抑制する上で相当大きいこれは効果があったんだろうというように認識しているところでございます。 それから土地税制でございますが、今回の地価高騰に対応いたしまして、いろんな方面の幅広い御議論と時間をかけまして平成三年度土地税制についての総合見直しというのが行われたわけでございまして、そのときの認識は、土地税制についてはこれは短期対症療法的観点よりは長期構造的、体質改善的役割が期待されるということで、もちろん異常に高騰した地価を抑制するというねらいも一方であったわけでございますが、四度目の地価高騰を我が国の経済社会に生じさせない、こういう決意のもとに取得、譲渡、保有、各段階にわたりまして総合的に見直されたということでございますので、私はこの平成三年度の土地税制の総合見直し、これが着実に実施されるということによって今後四度目の地価高騰を生じさせない、そういう我が国の経済社会的フレームの一環として定着されるべきなんだろう、かように考えておるところでございます。
○国務大臣(井上孝君) 清水さん御指摘のように、産経新聞の社説の、確かに土地対策といいますか地価高騰に対する対策が少しおくれたという事実はあるいはあろうかと思います。しかし、今政府委員からお答えをいたしましたように、今回の地価高騰に対処するために私どもがとりましたいわゆる土地基本法の基本理念に沿ったいろんな土地対策、特に平成三年の一月に閣議決定いたしました総合土地政策推進要綱に従ってとった政策がある程度功を奏して、今日の大都市における顕著な下落というのにつながった、こう私は思っております。 ただ、今も政府委員も申しましたが、過去三回私どもは戦後地価高騰を経験しておるわけでありますが、その毎回、やはり地価が高騰する、規制をする、監視をするというようなことで地価が下がってきた、それをまた緩めたためにまた上がった、こういうようなことの繰り返してございますから、私どもとしては過去三回の教訓を生かして四回目の高騰にはつながらないように、今申しましたように総合土地政策推進要綱に定めております土地取引の適正化、これは監視区域を含む監視制度でありますが、それから土地税制の活用、それからもう一つは冒頭清水さんがおっしゃった、これは主として建設省の仕事になろうかと思いますが住宅宅地の供給の促進、こういうような対策を進めまして、いましばらく規制という土地政策を進めていきたいと。 特に、これも政府委員が触れましたが、生活大国の実現、そのためには勤労者の平均年収五倍以内で良質な住宅が持てるようにするには、今まだ下がったとはいいながら大都市圏の地価は高こうございますから、いましばらくこの政策を続けていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○清水達雄君 四度目の地価高騰を生じさせないためには、やっぱり需要に見合った宅地供給をやる以外に方法はないんです。税制を幾らいじくっても、それから監視区域云々の取引規制を幾らやっても、余り効果がなかったんじゃないかなということを私自身は非常に感じております。 というのは、東京が前に条例でやりましたのが、六十一年の十二月からその前段の監視区域と 同じような対策をやりました。そのときは五百平米以上を対象にしました。それから、六十二年の七月に三百平方メートルに引き下げている。それでも、六十二年は六八・六%という地価の暴騰があったわけでございます。 それから大阪につきましても、大阪市は六十二年から始めましたけれども、大阪府全体では六十三年一月から監視区域に指定をし、それから平成元年には百平米に落としているんですね。それでも物すごい地価の暴騰があっているわけですよ。平成元年には四十何%とかという暴騰があるわけですね。だから、私はこの点はよく今後国土庁として本当に冷静にいろいろ判断をしていただきたいと思います。 それから土地税制につきましては、私は今の税制では宅地供給はないだろう、三九%も税金を取られたら土地を売る人はいないというふうに思っている。じゃ、その優良住宅地供給の二〇%を使えばいいじゃないかと言うけれども、これがどのくらい使われているかという実績がない。建設省でこの間ちょっと推計をしてもらったら、全体の土地譲渡の一六%ぐらいじゃないかなという話がありましたけれども、それじゃだめなんですね。やっぱりそういう点を冷静に、今までの行きがかりにこだわらずにやっていただきたいなと思います。 それからもう一つ大蔵省にお伺いしたいわけでございますけれども、金融機関の不動産融資につきましては、六十一年の四月に銀行局長通達が出ました。「土地関連融資の取扱いについて」というのが出ました。それから、六十二年の七月から金融機関からの特別ヒアリングを行いました。しかし、これでもだめで、結局平成二年の四月から総量規制に入ったわけでございます。平成二年の四月というのはどういう時期かといいますと、東京の地価は六十一年と六十二年に上がっちゃって、もう平成元年には〇・四%とか、その次も六・六%というふうな地価上昇しかないんです、その後は。それなのに平成二年に総量規制に移行したという。この関係はどう考えてもなかなか、これは後になってからのことなんですけれども、初めからわかっていればそんなことやらなかったと思うんだけれども、結果としてはそういうことになっちゃっている。そういう意味において私は、いわゆる地価抑制のための短期施策としては金融による調整が唯一のものだと思っております。取引規制でもなければ税制でもない。金融で需要を抑える以外にないんですよ、地価が上がるときは。供給がないんですから。 そういう意味におきまして金融というのは物すごく重要でありますが、大変銀行局としてはつらいと思いますけれども、土地需要の調整を単なるトリガーというふうな、伸び率だけじゃなくて地価を監視しながらちゃんとした金融調整をやる、あるいは供給を抑えないようなちゃんとした融資もやるというふうなことをやっていただけるものかどうか、御所感を伺いたいと思います。
○説明員(北村歳治君) 金融機関の土地関連融資につきましては、先ほど御指摘がございましたように、総量規制の導入以前におきましても、昭和六十一年四月以降、通達の発出、特別ヒアリング等の一連の措置を実施してまいったわけでございます。このような形で投機的土地取引に係る融資を厳に排除するように求めてきたところでございます。 平成二年三月末の総量規制の導入の背景には、まずその直前の三月二十三日に発表されました平成二年地価公示による地価動向におきまして、大阪、名古屋地域で著しい地価上昇が見られたことがございます。さらに、地方圏におきましても著しい地価上昇を示す都市が相当数に上るなど、地価上昇の地方への波及傾向が一段と強まっていた状況であったわけでございます。 こうした中で、金融面からの措置でございますが、私どもといたしましては民間取引行為の介入につきましてはできるだけ慎重にしていきたいというふうに考えているわけでございますが、いずれにいたしましても、今申し上げましたような状況の中で金融面からも地価問題に対応するため、それ以前の措置からさらに一歩踏み込んだ措置を講ずることが適当であると考えて実施したわけでございます。したがいまして、遅きに失したというふうなことではないのではないかなという感じを持っているわけでございます。
○清水達雄君 ひとつ今後よろしくお願い申し上げたいと思います。 それから、もう時間も余りありませんので、最後になりますけれども建設省と建設大臣にお伺いしたいわけでございますが、大手、中堅の民間企業による住宅用地の取得量、これが平成二年には千百二十六ヘクタール、それから平成三年はぐっと減って六百二十二ヘクタール、それから平成五年度の取得予定面積は二百七十一ヘクタールというふうに非常に減少をしているわけでございます。こういうことになりますと、今後の住宅建設用地が大変不足して、また地価の値上がりが起きるんじゃないかということを私は非常に心配をしているわけでございます。 そこで、まず第一点として、土地の長期譲渡所得課税が国税、地方税合わせて三九%になっている、これでは土地の流通とか住宅用地の取得は到底活性化し得ないのではないかというのが一点。 それから第二点は、市街化区域農地の宅地化用地につきましては生産緑地と混在化しておりまして、区画整理事業によって整理をするとかあるいは道路等のインフラ整備を早急にやらないと宅地化がなかなかできない。これにつきまして、今後非常に重要だと思いますけれども、対策をお伺いしたい。 それから第三点といたしまして、住宅金融公庫の宅地造成融資につきまして規模要件の引き下げ、それから金利の引き下げ、それから用地費、一般的には用地費に対する融資は行っておりませんが、それに対する融資の拡充等を行うべきではないかというふうに思っております。これにつきまして事務当局なり大臣の御所見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○政府委員(伴襄君) 今三点にわたって御質問がございましたけれども、まず税金の関係でございますが、これにつきましてはたびたびの税制改正でもって優良な住宅地供給あるいは公共用地の確保につきましては軽減税率が適用される、その範囲も拡大されつつありますので、今の基本的なスタンスとしてはこれをできる限り活用して住宅地供給、宅地供給に結びつけていきたいというふうに考えております。 基本的には、経済の活性化がなされないとなかなかその需要喚起はないわけでございますが、こういった税制の活用によりまして、やはり前回の土地投機、土地高騰、その後の値下がり段階でもって供給不足から非常に宅地の価格が上がったということがございますので、その経験にかんがみましてその轍を踏まないようにしたいというふうに考えております。 それから市街化区域内農地の関係は都市局長にお答えいただくとしまして、住宅金融公庫の宅地造成融資でございますけれども、これにつきましても、今おただしの金利とか対象区域とか対象規模等々につきまして、現在非常に民間の金融機関が厳しい融資体制になっておりますし、その反面住宅金融公庫に対して宅地造成融資をしてほしいという希望も来ているところでございますので、何とかこの住宅金融公庫の宅地造成融資、それを拡充、改善していきたいという考えでございまして、今般いろいろまた総合的な経済対策の取りまとめがあると思いますので、そういった中にも盛り込んでいくように努力したいというふうに考えております。
○政府委員(鹿島尚武君) 市街化区域内宅地化農地の計画的市街化を図りまして、良好な都市環境の創出を図るために道路等の公共施設整備が緊急であるということは、先生御指摘のとおりでございます。そこで私ども、昨年九月二十八日でございますけれども、関係都道府県知事等に対しまして通達を出させていただきました。 内容は、特定市におきます市街化区域内農地を 対象として、計画的な市街化のための基盤整備等の計画、事業スケジュール等を具体的内容といたします整備プログラムを早急に策定していただこうというわけでございます。このプログラムに基づきまして、私ども宅地化すべき農地につきましては、基盤施設整備を積極的に実施することによりまして良好な住宅宅地供給の推進を図るように考えております。 具体的に幾つか申し上げさせていただきます。 一つは、道路整備特別会計の補助によりまして土地区画整理事業を積極的、機動的に実施をしていただければいかがかというのが一つでございます。 それから二つ目は、市街化区域内農地緊急整備型土地区画整理事業に対する無利子貸付金制度というものを創設するようお願いをいたしてございます。これによりまして、市街化区域内農地を含む組合等によります土地区画整理事業を積極的に推進を図っていきたいというわけでございます。そのために、土地区画整理法等の一部改正法をこの国会に提案をさせていただいております。 第三点目は、農地の宅地化に資する街路事業の推進ということでございます。必要に応じ補助幹線道路の先行的都市計画を図るというようなことによりまして基盤整備を進めてまいりたいと考えております。 それから第四点目は、地区計画等の活用によりまして、市街地整備を誘導していきたいということを考えております。 全般を通じまして、生産緑地と宅地化農地との整序につきましてお話がございましたとおりでございますので、地区特性に応じまして農地所有者等の意向を踏まえながら、生産緑地の集約等を土地区画整理事業によりまして実施をしていくように指導してまいりたいと考えております。
○国務大臣(中村喜四郎君) 先生からいろいろ御指摘をいただきました宅地供給をもっと促進しろと、こういうようないろいろの御質問をいただきましたが、政府といたしましては、生活大国で大体新築マンション七十平米で一時間から一時間半以内で、年収の五倍ということを一つの目標に掲げておりますが、実際には三年ほど前には大体八・五倍ぐらいの年収がないとできなかった。しかし、今日は大体五・九倍ぐらいの年収でマンションが買えるようになったわけでありますが、しかし床面積は大体平均すると六十三平米ということで、七十平米ということになりますと六・五倍ぐらいの年収がないとだめだと、こういうことになっておりますので、そのためにはやっぱり宅地の供給というものが円滑に図られなければ年収の五倍でマンションを買うということは実際に難しかろうと、このように思います。 そして、御指摘をいただいておりましたお話の中で非常に私は関心を持って聞いておりましたことは、我が国の国土は三十七万七千平方キロメートルでありますが、市街化区域というのを調べてまいりますと大体一万三千四百平方キロメートルであります。これは日本の国土の三・六%に七千八百万人の人が住んでいると。こういった状況で果たして宅地の安定供給というものが図られるのかということを考えてまいりますと、やはり低末利用地あるいは農地、そうした宅地の供給をいかにしていろいろの政策の中で進めるかということによって地価の安定や地価の下落を目指していくことができるだろうと、このように考えておりますので、本年一月、住宅宅地審議会におきましてこのことに対して検討をお願いいたしました。六月ごろには答申をいただけると思いますので、まとまり次第それに対して取り組んでいきたい、このように考えておりますので、先生の御意見、積極的に取り組んでやっていきたいということでお答えにかえさせていただきたいと思います。
○清水達雄君 ありがとうございました。
○常松克安君 まず、高潔にして有能なる大臣に単刀直入にお伺いいたします。 唐突で失礼でございますが、大臣の議員会館の電話番号は何番でございましょうか。
○国務大臣(中村喜四郎君) 三五〇八-七〇二一です。
○常松克安君 同じく、長く議員宿舎にお住まいでございましょうけれども、議員宿舎は住所はどうなっておりましょうか。
○国務大臣(中村喜四郎君) 千代田区富士見町です。
○常松克安君 建設大臣の後援会は幾つあるんでしょうか。
○国務大臣(中村喜四郎君) 正確には私ちょっと把握しておりませんが、多分三つだと思います。
○常松克安君 まず、三つお持ちであるということを精査したわけでございますが、その中で喜友会のお届けになりました住所及び電話番号はどうなっておるんでしょうか。
○国務大臣(中村喜四郎君) ちょっと今突然の質問で私、担当者に聞いてみないとわからないんですが。
○常松克安君 まことに細かいことを冒頭から聞いて失礼かと思いますが、これを質問いたしますのはあくまで建設大臣の名誉を守らんがためでございます。 と申しますのは、こちらにはその住所というものが、喜友会の住所は富士見町二の十四、議員宿舎、こうなっております。電話番号〇三-三五〇八-七一四七、こうなっております。議員宿舎及びこの電話番号の所有権は個人にあるんでしょうか。
○国務大臣(中村喜四郎君) これは国の所有であります。
○常松克安君 それでは、昭和五十一年五月十三日、議院運営委員長田澤さんがお出しになりました、議員会館の議員室を各種団体、関係団体の事務所に使用することは従来から禁止されている。まず一つ。 第二番目、電話は国のものでございます。それが後援会事務所として指定されるということに対してはいかがなものでございましょうか。
○国務大臣(中村喜四郎君) 突然のお話でございますので、私ちょっと調査をしてみないと答弁ができませんが、もしそのようなことであるとするならば直ちに適正な処置をしなければならない、このように考えております。
○常松克安君 これはさすが大臣でございます。既に訂正されておるんです。御安心ください。ただし、平成四年三月二十六日に訂正されております。 じゃ、それまではどうなんでしょうか。ずっと創設以来三つの政治団体、後援会の電話番号は、こちらの調査によりますと議員会館の電話番号です。中でも喜友会の平成二年度の収支報告書を閲覧させていただきました。これは議員宿舎なんです。片一方では国有財産法の十八条に基づきますと、そういうものに使っちゃならないと。御案内のように国有財産は普通、行政両方にわたります。しかし、普通財産の方はまた別にいたしましても、行政財産というものは借り貸しはまことに厳しゅうございます。これが実態でございます。 こういうことを途中でお気づきになって、これは大変なことだと、たとえ数年間であろうともその申し合わせ及びそういうふうな法に基づく届けはいかんせん誤ったと、だから訂正されたと、このように私、善意に解釈してこうして申し上げているわけです。平成二年度までについては事実このままでずっと来ているわけです。 これから建設省、ゼネコン問題、入札問題、やみ献金問題、こういうふうな問題の提議をされる、それを大臣が思いっきり国民が納得するような形に持っていかれようとするときに、こういうことは大臣のみならず、私を含めて政治家全員であります、これは。こういうことにまで国民自身が厳しいこだわりの眼を持って政治不信につながってしまうとすると大変なことだから、大臣のわざわざ名誉を守りたさにこういうふうに私は申し上げておるわけです。 こういう事実の調査が間違いであれば間違いとしていただいて結構でございますが、私が精査をした上については、これについて間違いないと。 あるいはまた失礼でございますけれども、大きな政治家になりますと、それはすぐ秘書任せだ、担当者だといろいろ任せられますけれども、少なくともこういう時代でありますから、一文、一円、百円、千円たりとも、あるいは財産権であろうとも、あるいは資産公開の上にありましょうとも、やはりここからスタートして謙虚にし、そして正は正、邪は邪として政治姿勢を持っていかれることが当然かと思いますが、これが事実とした場合について大臣はどういうふうな見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(中村喜四郎君) 先ほども申し上げさせていただきましたように、私は直接そのことについて担当しておりませんので詳しく今の段階で把握しておりませんが、先生お調べをいただいたことが事実であるとするなら、直ちにそのような誤解、問題を起こさないようにきちっと今後対応していくというのは基本的に当然のことである、このように考えております。
○常松克安君 そうかたばって答弁なさらぬでいいんです。直されているんです、ちゃんと、平成四年には。しかし、五十九年から後援会をおつくりになった、あるいはそういうふうな時点の三本ではそれまでがずっとそういうふうな住所、中でも喜友会については議員宿舎なんです。 こういうふうなことでありますから、これに対してはやはり事実をお調べになって、済んでしまったごととはいえ、ここのところに対してはやはり誤りは事実を認められてこれはきちっとしていただかなければいけない、こう申し上げているんです。 後ほどその報告をちょうだいできましょうか。
○国務大臣(中村喜四郎君) 今、先生お調べいただいたことで訂正してあるということであればそれまでの間のことについてのお話でございますが、私は東京に事務所を持っておりませんしまた自宅も宿舎だったりというようなことで、もしかしたら担当者がそういうふうなことを安易に行っていたのかもしれませんので、そういった点があったとすればおわびをしなければならない、このように考えております。 また、先ほどお話し申し上げましたように、今後はそのようなことが指摘されないようにきちっと対応していかなきゃならない、このように考えております。
○常松克安君 そのようにひとつしていただきたい。ここまでにしておきます。 さて、金丸信被告の脱税事件、または大手ゼネコン各社が前副総裁に対し恒常的に巨額のやみ献金をしていたことが司直の手で明らかになりました。このゼネコンのやみ献金は、大規模な公共事業の工事費に絡んで捻出された疑いもまた一面指摘されているところであります。これが事実であればいわば国民の税金が横取りされたに等しいと、こういうふうな見方もやんぬるかな、国民の怒りは今や頂点に達しております。政府はもとより、建設省としても毅然とした態度で臨まなければ国民に申しわけないと私は痛感いたしております。 その上に立ちまして、まず今回の公共事業の工事費に絡んだ大手ゼネコンのやみ献金問題について、建設大臣はどのような認識を持っていらっしゃいましょうか、お尋ねいたします。
○国務大臣(中村喜四郎君) 今回の公共事業にかかわるこうした問題でゼネコンに対していろいろと捜査の手が伸びたということは、日本を代表するような会社がこういった捜査の対象になったということは、まことに遺憾なことである、このように考えております。
○常松克安君 遺憾ではいかぬのでありまして、建設省にお尋ねいたしますが、今回の問題について独自の調査を行い、公表する方針はありましょうや。
○政府委員(伴襄君) 今回のやみ献金問題でございますが、実は私どもしては十分に捜査権もありませんし、例えば書類の押収権もないというような立場でございますので十分な把握はできないのでございますが、大臣が申し上げたように非常に建設業界が国民の厳しい批判を受けている、その中でそういう大手ゼネコンを含んだ企業活動につきましていろいろ批判があるわけでございます。私どもとしましては、そのことを非常に重大に受けとめまして、ヒアリングをしようというようなことを考えておりまして、建設業にかかわります企業活動が適正かどうかとか企業倫理の確立はどうかといったようなことを十分に指導する意味からも、建設業者あるいは団体につきましてその活動状況のヒアリングを行いたいというふうに考えておるわけでございます。 個々の建設業者に対してどうこう監督処分するとかということになりますと、これは十分なまだ、まさに検察庁で捜査段階というふうに聞いておりますし、また起訴状等を見ましてもその関係もまだ全くつまびらかではありません。そういった段階でございますので、むしろ個々の業者に対する監督処分ということよりも、一般的に建設業を育成指導する、そういう立場で調査を実施したいというふうに考えております。 そういう観点から、主要団体あるいは関係企業に対しまして、事業活動の実態はどうかとか会計処理はどう行われておるかとかあるいは会費の徴収方法はどうかといったようなことを調査したいと思っておりまして、現在その実施方法を詰めております。できる限り早期に実施いたしまして、この結果を踏まえた業界の信頼回復のための適切な指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
○常松克安君 いつまでにおやりになりますか。
○政府委員(伴襄君) 現在、対象それから調査内容等を詰めておりますので、できる限り早期に調査にかかりたいというふうに考えております。
○常松克安君 早期とはいつまでですかと聞いているんです。
○政府委員(伴襄君) 相手の受け入れの関係もございましょうし、それからこちらの態勢もございますので、御期待の線に沿ってなるべく早く早期にやりたいというふうに考えております。
○常松克安君 じゃ、今度は立場を変えまして、会計検査院にお尋ねいたします。 平成二年度決算におきまして住宅公団のところを厳しく指摘していらっしゃいますが、その点の御報告をまず願います。
○説明員(佐藤恒正君) 平成二年度の決算検査報告におきまして住宅公団における敷地造成工事に関する機械土工費の積算過大について記載しておりますが、その概要について述べさせていただきます。 この工事は、住宅・都市整備公団東京支社が多摩ニュータウンにおきまして住宅等を建設するために平成元、二両年度に敷地造成工事、道路工事、管渠工事等を各工事区域別に四工事に分けましてのその一工事が、平成元年度の工事でございまして、仮設道路工事、これが一億八千六百九十四万五千円でございます。その二工事が、これも平成元年度の工事でございまして、敷地造成工事、一億四千十八万三千円でございます。その三の工事が、仮設道路工事でございまして、二億九千五百四十万四千円でございます。それから、その四の工事が、平成二年度工事でございまして、ブロック造成その他工事、これが一億一千九百四十八万円でございます。 以上、この四工事に分けまして工事を発注しておりまして、工事費総額が七億四千二百一万二千円で請け負わせて実施いたしております。 これらの工事につきましては、各工事区域内で不用となる土砂が多量に発生いたしますために、これらの土砂を掘削、積み込み及び運搬して残土処分場へ投棄することといたしております。そして、残土処理費用の算定に当たりましては、ブルドーザーにより土砂を掘削し、残土を積み込む位置まで押し土して集積し、これをバックホーによりダンプトラックに積み込みまして残土処分場へ運搬することとして工事費を積算しておりました。しかし、平成元年度の積算要領の改正によりまして、敷地造成工事の残土処理に当たりまして用いる土工機械は、それまでのブルドーザーとト ラクダーショベルの組み合わせから、土砂を直接掘削し積み込むことのできるようなより経済的なバックホー、この機械一種を用いて積算することというふうに変更されておりました。 したがいまして、本件各工事の残土処理につきましては、ブルドーザーとバックホーの組み合わせにより積算したのは誤りでありまして、バックホーのみの積算とすべきでありました。この点の修正計算をいたしますと、本件工事費総額は七億一千九十万四千九百七十円となりまして、契約額が約三千九十万円割高となっておったという私どもの指摘でございます。 以上、大変長くなって恐縮でございますが、説明させていただきました。
○常松克安君 今申されましたことを一口で言いますと、正しくは一億七千四百八十八万六百十円と積算すべきところを公団は誤って一億八千七百五十万七千円と積算をいたしました。これを指摘しました。こういう答弁をしてもらえばすっきりするんです。専門委員会じゃないですから、ここは。 さて、ここで公団につきましてお尋ねいたします。いろいろな御事情はあったことでありましょうけれども、これは事実でありましょうか。
○参考人(河原昂君) 事実でございます。
○常松克安君 それは人間いろいろな間違いはあることですから、たとえどうこうということがありましょうとも、大事なところはこの入札指名業者の十社、これはプロです。プロが積算して、電話帳を手繰って計算すりゃ、どんなものであるかわかるはず。一千二百万円、ああ普通の工事よりようもうかるなと、こう思ってそれを見過ごして、そして入札をしてしまったんでしょうか。
○参考人(河原昂君) お答えいたします。 公団といたしましては、入札の予定価格というのは非常に厳正に取り扱っておりますし、入札手続も非常に適正に実施しておりますので、これが漏れるということは私どもはないというふうに思っております。
○常松克安君 いや、そういうお尋ねは実は質問としてしていないんです。そこまでおっしゃるならば、普通不思議で仕方ないです、一般の方々は。入札をするときに一千億円の事業がある、不思議と五十万違えてずらっと並ぶ、ああやっぱりプロだなということですわな。 しかし、今回は違うんです。もともとが一千二百万円間違って積算してしまったんです。それであるならば、十社の入札参加の業者はプロでありますから、計算すりゃこれはもうけ過ぎかいなということはわからねばならぬ。にもかかわらず、この十社、会計検査院の調査では、五十万という差をつけてずらっときれいに行儀よく入札が完了している。そうすると、これは予定価格が事前に漏れたんじゃなかろうかとうがった見方をしてもやむを得ない、一つ。 第二番目。いやいや、今度の仕事はようもうかるんや、おいわかっとるか、わかっとるね、そうかと。これはしとこまい、たまにはもうけさせてもらわなあかぬ、と言いながら十社の業者が集まって、まあまあそこは黙ってお互いに一千二百万円、相当これはありがたい、平素もうからぬでこの際参加しよまい、こういうふうなことをして参加したんではなかろうかと、こういうふうな平素から持ち続けている疑惑というものが、この際ひとつこの例を通してぴたっと証拠はここに出てしまっているんじゃなかろうか、こういうふうに申し上げておるんです。いかがでしょうか。
○参考人(河原昂君) 先ほどお答えいたしましたように、私たちとすれば業者が私どもの価格を知り得る立場ではないというふうに信じておるのでございますが。
○常松克安君 そのように、あすもあさってもそうおっしゃり続けてください。 じゃ、方向を変えます。 会計検査院にお尋ねしますが、よく言われるところの一般管理費の比率について妥当性を検査したことは今日までございましょうか、まずお尋ねいたします。
○説明員(佐藤恒正君) 私ども、予定価格を構成しています各費目につきまして常に厳正に検査いたしております。もちろん一般管理費等につきましても厳正に検査いたしております。
○常松克安君 建設省にお尋ねいたします。 一般管理費というのは、大体相場として何%なんですか。
○政府委員(望月薫雄君) 一般管理費の率というのは、率直に申しまして公表はいたしておりませんが、先ほど一般管理費の内容等について考え方は御答弁させていただいたとおりでございます。 それで、大ざっぱなことでお許しいただきますと、規模によって大きな工事ほど一般管理費率が下がりますが、大体八%ないし一〇%の中に入っていようかなと、こんな感じでございます。
○常松克安君 この辺のところは、今回ひとつ非常に迷惑料や騒音料や、しかしここで浮いた金をやみ献金をした材料になっている、こういうふうな一般的な見方もこれあり、特にこの辺のところ、会計検査院にもう一度お尋ねいたします。 ここだけを集中的に検査して、来年度これを重点に報告願いたいと思いますが、いかがですか。妥当性。
○説明員(佐藤恒正君) 私ども国の会計経理全般につきまして検査いたすという立場でございますので、この点につきましてだけを検査するというわけにはとてもまいりませんが、この点につきましても十分注意を払って検査してまいりたいと思います。
○常松克安君 高速道路公団総裁、長らくお待たせいたしました。 高速道路公団にありましては、せんだっての岡崎市、薬物がはんらんし大変な事故の要因になったようでもありますし、また平素からいろいろなこの路上におきます非常に特殊な地域性というものからかんがみまして、救急医療の実態について私が精査したものをお尋ねし、総裁に政治決断を求めたい、こういうふうに思います。 まず一つ、建設省にお尋ねいたします。 高速道路上におけるところの救急車が搬送し、かつまたそういうことに対しての活動の実態、件数をお知らせください。
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。 高速道路における救急業務、これは主として市町村の救急業務にお願いしているわけでございますが、交通事故そのものをとりましても、高速道路の交通事故は、例えば平成四年でいいますと死者が三百五十五名、死亡事故件数といたしましては三百十四件、こういうような形になっております。死傷事故件数でいいますと五千六百五十九件。 これらを救急業務の出動回数というような形でとるデータというのはなかなかそういう形のものはございませんけれども、オーダー的に大体言いますと、自主業務として平成三年度のデータが整理されておりますので大ざっぱに申し上げますと、平成三年一年間で大体二十件弱、約十八件ぐらい。それから市町村、これが救急隊の新設された市町村あるいはその他の市町村合計いたしますと、九千件、九千回と言った方が正確でございますが、その程度の出動回数をしていただいております。
○常松克安君 まことに申しわけございませんが、もう少し的確におつかみ願いたい。人の命に関するものを余りにアバウト通ぎますと、高速道路における所管建設省が人の命を軽視しておると言われてもいたし方ありません。この辺のところを申し上げておきます。 道路公団、本四連絡橋公団、首都高速、阪神高速合わせて、平成三年度出動回数一万一千三百四十四件、搬送人員一万五千七百五人、死亡者四百六十一名、これが一つの今日までつかまれておるところの数値でございます。 そういう上に立って質問を続けていきます。 これが十年前と比べてどのような増加率になっておりましょうか。今度は公団の総裁にお尋ねいたします。
○参考人(鈴木道雄君) お答えいたします。 高速道路におきます死亡者をとってみますと、平成四年は三百五十五名、昭和六十二年ですと百七十五名ということで、二倍以上になっております。
○常松克安君 十年前の搬送業務の上からいきますと、これは約三倍近くになっておるわけでございます。 どうしてもここで皆さんの御理解をいただくために、これから道路公団の総裁としてお答えになる数値は、道路公団と本四連絡橋公団のみの数値である、こういうふうに限定してお伺いいたしますから。首都高、阪神はこれは別になっておりますのでそのようにいたします。 第二点にかかりますが、これは交通の非常に煩雑な特殊地域でございまして、救急隊が現場へ参りますまで時間が相当かかります。どのように認識していらっしゃいましょうか。
○参考人(鈴木道雄君) 高速自動車国道におきます救急車の要請から現場到着までの時間について私どもで調べた最近のデータで申し上げますと、五分以内が全体の三%程度、細かい数字をはしょりますが、大体二十分以内が全体の八三%、平均は十五・八分、約十六分かかっております。
○常松克安君 突然でございますけれども、公団でトイレットサービスカーをおつくりになりました。一台幾らで何台おつくりでございますか。
○参考人(鈴木道雄君) ちょっと手元に数字がなくてお答えできませんが、後ほど資料を提供させていただきます。
○常松克安君 これは見事なやっぱり公団総裁の決断だと思います。大事故が起きた場合に渋滞します。そうした場合、一番困るのは排せつである。よって一台二千八百万円かけて三台つくられまして、そしてあの後ろ側には公衆電話、無線機までもつけ、非常にサービスのいい、きめ細かな気配りをなされました。しかし、救急医療に対しては余り気配りがない。これからそれを逐一申し上げてまいります。 第三番目。一番困りますのは、建設省もおっしゃいますけれども、救急隊については市町村に任じてある。布ならまだ五、六台ありますけれども、あのインターチェンジの上下線方式でいきますと、大井町というその町に救急車は二台しかない。その組合の二台の救急隊が上へ乗って七十キロまで守備範囲を持っておる。これに大事故のときは二台、足らずしてもう一台よそから回す事例がございます。こういったときに原則として市町村がきちっと救急体制をつくるというこれがねじ曲げられまして、数時間救急空白地域をつくってしまうんです。こういうことを御認識でしょうか。
○参考人(鈴木道雄君) 高速自動車国道におきます救急業務につきましては、先生御案内と思いますけれども、関係行政機関あるいは地方自治体と学識経験者で構成されました高速道路救急業務に関する調査研究委員会で検討され答申が出ておりまして、その答申に基づいて当道路公団といたしましては、救急業務に対する体制あるいは市町村に対する財政措置を行っているわけでございます。 簡単に申し上げますと、高速自動車国道ができることによって市町村で新たに救急隊を新設する場合には、その供用開始年度及び翌年度は救急隊一隊の年間維持費用の三分の二、それから第三年度から第五年度までは同じく二分の一の額を支弁することにしておりまして、さらに救急隊を新設せず既設の救急隊で対応する市町村とそれから救急隊を新設して助成が出なくなった六年度以降につきましては救急隊の全出動回数に対する高速自動車国道への出動割合に応じた額を支弁して救急業務を行っているところでございます。それで……
○常松克安君 そこまでいかれますと先の質問の答弁なんです、それ。えらい急ぎ過ぎますな。早う終わろう、終わろうとされる。これはもうまとめて申し上げておきます。 そこで大事なのは、総裁、これは実は制度疲労を起こしている面があるんです。こういうふうなものの今の体制の基盤になっておりますのは、実は昭和四十九年の答申を受けてずっとこうきております。確かに、今おっしゃいましたその地方の救急車にはお気の毒だ、支弁金という名において全国の救急車に対して支弁金を支払い、これは四十億円になんなんとする支払いをしていらっしゃいます。ただし、その金額の査定というものが今ではもうひん曲がって非常に無理なんです。まず一つ、自治省が持っております救急隊一隊に対して、一台に対して五名の配置員で年間一億四千万を交付基準に立てております。そちらで総裁が、トンネルで事故が起こった、よし自主救急の手前があるから、ここへ民間委託して置いておこう、こうして委託になったのが全国で二カ所、それも知っております。それを一隊につき年間七千万をそこに計上していらっしゃいます。 ところが、一つ指摘いたしますけれども、平成三年度百五十三回、御殿場小山消防本部。六%があの上に上がってその町を預かる救急隊に対しては、この基準からいくと何と年間一千四百万なんです。どのように計算をしても、本当にこの救急体制をと考えてまいりますと、経済的ないろいろシステムがございます。そういうことをまずお考え願いたいと思います。その金額というものは非常に妥当でないというところを一つ認識をしていただきたい。 しかし、これまた公団さんかどう言ったって建設大臣がうんと言わなかったらできやせぬし、建設省がオーケーしても、大蔵省にペーパー回すと、何ということだといってまた戻されますよ、お気の毒。本当にしっかり頑張っていただきたいと思うんです。そのあやもわかってます。 大臣、済みません、全部の論議を聞いて、後ほど大臣にも政治決断を求めにゃならぬもんですから、よくお聞き願いたい。 総裁、こういう言葉を御存じですか。一〇一、一〇二、一〇三、一〇五、一〇九、一一〇、オペ、カルテ、アポ、チス、ブル、ベス、パルス、プシ、アド、フラク、クランク、これは知らぬで結構です、当然です。これは高速救急隊の専門用語なんです。 東京都内においては四分以内に今挑戦しております。御殿場におきましては、二十分以上かかるのがおっしゃいませんでしたけれども九・一%になっております、資料で見ますと。八〇%が十分以上、これじゃ助かるはずの命が助からない交通渋滞特殊地域だということで、少なくとも救急隊員の皆さんは、これは全部専門用語で通話をすれば、時間がおくれておりますから、早く医療機関にその症状を専門用語で伝え、行ったらすぐ処置を、診断を仰ぐとかオペに入るとか、いろんなものの症状をあらわしている専門用語なんです。これはどういう意味であるか全部言いたいんです、ここで。しかし、それは専門用語、秘密になっておりますから言えません、私。 こういうふうにして時間短縮を、せめてもの御家族や同乗した人に対して死んだとかいう言葉をなるたけ避けて、こういう専門用語をつくってまでも時間短縮ができ得ないところをカバーしようとこんなに熱心に頑張っている最先端なんです。これは一つの例として申し上げておきます。 その上に立って、次の質問に入ります。 しかし、地上においてはこれから救急救命士制度ができ上がって、高規格の車が走っております。これを上に乗せたときに、もう一つひっかかっている問題がある、重大問題が。無線が通じないんです。こういう豊かな日本、生活大国と言われる中で、中継塔を建てるのに一億かかるか二億かかるか僕は知りません。しかし、その通信不能のときの救急隊員の言葉、事故を起こす寸前まで必死になって運転し、わずか距離数七キロ半でございます。それを出ないことには無線で救急医療の病院へその連絡ができないんです。必死の思いでサイレンを鳴らして走る。これが生活大国日本にふさわしい日本道路公団として、これから全国物流経済の血管と言われるそういうふうな源に携わっておられるような場所で、こういう現実でいいんだろうかと胸を非常に痛くして帰ってまいり ました。 どことは申しません、本日は。全国に数カ所あるはずです。この辺のところに関して抜本的にこれは総裁としてやはりチェックし、対応を早く建設省、警察庁、消防庁、いろいろな省庁とも相談の結果、無線が通じないというところをなくすことが最前線の人の命を守るすべじゃないでしょうか。お答えください。
○参考人(鈴木道雄君) 救急用の無線の不感地帯に対する取り組みの問題でございますが、先ほど先生も御指摘になりましたように、この通信連絡体制の整備につきましては、日本道路公団及び市町村とがそれぞれ連絡体制を確立するということに四十九年の答申ではなっております。しかしながら、その間そういう状況でございましても、道路公団としては市町村が行う無線通信設備の整備に公団の施設を活用する場合にはこれに協力するというふうに答申が出ております。 当公団はそれに基づきまして、まず高速自動車国道の長大トンネルにおきましては、トンネルの防災設備として消防無線通信補助設備を公団が設置いたしまして、トンネルの坑内と坑口間の無線通信の確保を図っております。そこからインターチェンジの間までは公団の回路を使って救急業務が連絡できるようになっております。 その他の区間につきましては、先生御指摘のように、大変そういった不感地帯があるということは問題でございますので、今後そういった地域の救急用の通信の確保につきましては、これは移動電話というものがだんだん普及しておりますけれども、そういった状況も見ながら関係機関と対策を十分協議してまいりたい、かように考えております。
○常松克安君 余り私言いたくなかったんですけれども、胸を張っていろいろ御答弁賜るのはいいですけれども、おれたちのやっていること何が間違いあるんだと、そういうふうな態度で言われると、こっちは現場を何カ所も踏まえてきているんですからね、そこまでおっしゃるんならきょうはもっと、こう思いましたけれどもやめます。 次に移ります。 警察庁来ていただいていると思います。警察庁にお伺いいたしますが、これは今、警察庁では非常にこちらの提案を入れていただきまして、来年一月一日ですか、時期は確定しませんでしょうけれども道交法を改正し、新運転免許者に対しては全員に対して救急医療という基礎知識をカリキュラムに正式に法律で入れる、もう本当に大英断をし、これがやはり一番大事な救急の第一発見のときの対応である、お見事であります。 そうしますと、今、一年間で新免許を受けるのは二百五十万人。そして先日は衆議院の交通特別委員会で局長はこうおっしゃいました。六千八百万人の今運転免許のペーパーを持っている人はどうするんだと。そういう人も自主的に自分も受けたいという人があるならば、そういうような受け入れる窓口を鋭意努力してつくる、こういうふうなおっしゃり方をいたしました。 それから、消防庁も鋭意です。日本医科大学の山本教授を中心にいたしまして、これより消防という枠の中で、一般救急医療に対して初級と上級に分けて、そしてその人たちを訓練し、道端でも運動場でもどこにありましても、今までさわらぬ神にたたりなしといわれた、何の技術もないから死にそうな人間の応急処置ができなかったものをできるような枠を広げられていく。 としますと、ここでこれだけ徹底されてまいりますと、今度は事故現場へ行かれました警察官がただ荘然と見ておって、はたの人が一生懸命やっておるのに、ああ、警察官というのは取り締まり専門で人命尊重は何もないのか、こういうふうな嫌いの突き上げを受けないかなという老婆心があるんです、私は。 ところが、聞いてみますと、警官は皆救急業務というものをちゃんと訓練を受けて交通課に入っていらっしゃる。やったことがないだけなんです、現実に。下手していろうて死んでしもうたらかなわぬというんでいらわぬというんです。これで取り締まりでプープープープー、サイレン鳴らして追っかけまくってばかりでは、これは人命尊重とうたわれている警察庁としてもちょっと片腹痛いと思う。 今後、これに対して国民的なベースに広がったとき、なかんずく高速道路上においては、非常な交通混雑でやっぱり着くのは警察のパトカーが一番早い、こう聞いておりますから、やはり第一番にそういうことがあったときにはちゃんと手を差し伸べてあげる。あるいはまた、一番要求されますのは酸素ボンベです。その酸素ボンベをパトカーにつけてそこに行かれる、こういうことも考えあわせて民主警察の名を一段と上げていただきたい。いかがですか。
○説明員(五十嵐忠行君) 救急法につきましては警察官の必須教育科目といたしまして、気道確保の方法とか人工呼吸法、止血法、添え木固定法、運搬法等の実戦的な教育訓練を行っているところでございますが、今後ともこれらの技術が実際に事件、事故の現場においてより一層活用されるよう指導を徹底してまいりたいと考えております。
○常松克安君 じゃ、今度は道路公団総裁にお尋ねいたします。 それと同じことをそちらに申し上げたいんです。道路パトロール隊というのがこういう責務を負うということはこれから大変だと思いますが、周辺にそういうふうな方々がふえてまいりますと、何にもやってくれなかった、こういうふうなことの指摘は必ずこの法が育ってまいりますとそういう視点が出てこようと思うんです。やはり私はある程度の基礎的な知識というものは網羅していただきたいな、こう思うんですが、いかがでございましょうか。
○参考人(鈴木道雄君) 公団では自主救急隊員の研修の充実について考えておりまして、日本赤十字社の講習を受講し、または救急適任証を取得した者を救急隊員として自主救急活動に対応しているわけでございます。今後そういったことについても公団として積極的に取り組んでいきたいと考えております。
○常松克安君 えらい一生懸命自主救急、自主救急と主張されますけれども、まあきょうのところはやめておきましょう。そこまでおっしゃるんだったらずっと突っ込んで専門的にいってもいいんですが、それはもういきませんから言いません。 私が申し上げているのは、一般道路パトロールの職員の方々も大変でしょうけれども、そういう時代の変化に対応したやはり専門的なものを持っていただきたい、できましたならば救急救命士を育てていただきたい、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(鈴木道雄君) 先生のおっしゃることについては十分検討してまいりたいと思います。
○常松克安君 じゃ、これ再度まとめて申し上げますけれども、例えて言いますと、警察高速隊はインターチェンジには全部分室がございます。しかし、そこには消防署の分室はございません。あるいはまた、成田空港を見てください。成田消防出張所が正式に成田空港の中に入って設置されました。これというのも時間短縮が救急業務の一番大事なことなんです。そう考えてみますと、当然公団であります、一面消防署も協力しております。ただし一面また四十九年の答申からいたしますと、自主救急こそ原則であるともうたわれております。よって、少くともこの自主救急というものが一番の原則ながら、これをやりますと何百億円というものが要ります。 第二番目、これからプロを育てていくということは十年を得たぬことにはでき上がってきません。これらがありますから、百歩譲って、やはりそういうふうなチェンジのところにきちっと出張所的なものを警察パトロール隊と同様に扱って、あとは財政的な面倒をそこで見ていく、こういうふうなことをしていくのもこれからの時代の対策がと思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(鈴木道雄君) 現在、高速自動車国道の路線単位または都道府県ごとに公団、道府県及び市町村で構成する消防連絡協議会が設置されてお りまして、そういった会議の中で今先生が御指摘になりましたことについて十分御相談をしてまいりたいと考えております。
○常松克安君 じゃ、まとめて建設大臣にお尋ねいたします。 ただいまの論議を踏まえまして私があれこれと制度の欠陥を指摘したが、そういうものだけではございません。なぜなら、二十一世紀にふさわしいこれからの高速道路というものは、皆さんの高速道路、そして万々一にも思ってもいないようなそういう間接的な事故に遭ったとき、人の命は一生一度でございます。そういう立場に立って、考えというものがそこに集中することの難しさもわかっております。しかし、どうか人命尊重という立場におきまして、これより大臣も建設省内におきまして抜本的な検討会、研究会を設ける、あるいはまた一番今待たれている大事なことは、現実にやっているところの救急隊に対してもう少し財政的な措置というものを抜本的にやはり考えるべきでありましょう。 第三番といたしましては、大臣、あすと言わずきょうにひとつ一番御決断願いたいのは、せっかく道路上を必死で走るんですが、通信不能。これは救急車の問題もあるでしょう。あるいは電波法の問題もございましょう。あるいは公団側にもいろいろな接点だとか決めもございましょうが、そこを大臣の政治決断の一環として一刻も早く通信不能というものの解消をしていただきたい。 この三つについて、大臣の政治決断を求めます。
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。 先生から先ほどから交通事故に対する、特に高速国道においての事故に対する緊急体制というものにていて、通信あるいは医療体制、そうしたものが十分でない。それがためにとうとい生命が失われるなんということが現実に起こっている。こういった問題に対して警察あるいは関係公団、こういったところとの御質疑をいただいたわけでございますが、私は基本的には先生の御意見に賛成でございます。 ただ、役所の組織というのは御案内のとおり縦割り的なところがございまして、こうした問題はややもすれば横の調整というものがなかなか難しいという点はあろうかと思いますが、御指摘をいただいたように、どこかの役所がその中心的な役割を担ってそういった問題解決のために取り組んでいくということは当然必要なことだと考えております。そのためにその役割を、建設省ができるだけ汗をかいて関係省庁に理解をいただいて、先生の御指摘をいただいたような問題にできるだけ早いうちに結論を出せるように努力するということは当然やらなきゃならないことだろうと今のお話を聞かせていただきました。前向きに検討させていただきます。
○常松克安君 国土庁長官、お久しゅうございます。ごぶさたしております。最後はいろいろなところからお知恵を拝借したかったのですけれども、限られた時間であと三十秒しか残っておりません。 私の言いたかったのは、日本の国で国家危機管理の上からいって一番そのノウハウを持っているのは自衛隊である、こう思っております。そういうときに、大地震が起こったときにはいろいろなシステム、いろいろなお考えはございましょうけれども、防衛庁は防衛庁できちっと持っておりますが、残念ながら、一歩前へ出るということが憲法第九条の不毛の論議の中に流れたら困るから差し控える、こういうときもあったようでございます。何十兆という国家的な資産をつぎ込んでおるんですから、どうかそういうふうなときに、国家危機管理について、そういうところも十二分に国土庁長官の指揮下において生かしていかれることを要望し、これできょうの質問にかえさせていただきます。 以上で終わります。ありがとうございました。
○直嶋正行君 民社党の直嶋でございます。 きょうは私の持ち時間が十七分ということで大変短い時間でございますが、かいつまんで現在の公共事業のあり方、とりわけ道路整備事業についてお伺いさせていただきたいと思います。 先ほど来御指摘ありますように、今回の金丸事件等で言われていますが、一つは公共事業を通じて政治家へ資金が還流されている、あるいはその捜査の過程を通じて出てきたことでございますが建設業界では談合して落札価格の維持を図っている、こういうことが言われております。こういう報道に接しますと、一体公共事業というのはだれのために行われているのか、こういう疑問がやはり多くの国民各層から今出ているんではないかと思います。私は、もちろん公共事業は国民のために行われるものであって、道路整備事業をもその例外ではない、このように思うわけであります。 そして、道路整備事業を見ました場合、例えば第十次道路整備五カ年計画の事業費の実績でございますが、これは昨年の補正予算を含めまして約五十四兆円とされております。また、今度新たにスタートいたしました十一次五計、これもトータルで七十六兆円、大変巨額なお金をかけて行われているわけでありまして、そしてこれらのお金の大半は国民の皆さんの血税で賄われておるわけであります。したがいまして、そういう状況を見るとやはり一銭のむだ遣いがあってもならない、こういう立場で行っていかなければいけないというふうに私は思うわけであります。 そこで、まず政府委員の方にお尋ねしたいと思いますが、平成四年度で終了いたしました第十次五計におきまして、事業費は先ほど申し上げましたようにトータルで五十四兆二千四百五十八億円、当初予定の五十三兆円を上回っているわけでございます。一方、じゃ実際の事業量はどうだったかということで見ますと、例えば一般道路整備事業を見ますと、補正予算で行われている部分についてはまだ最終的な締めができていないというふうにお伺いしておりますが、私の想像では多分当初の事業計画に対して一〇%前後ショートするのではないかというふうに推定いたしております。今申し上げたような例も含めて、ほとんどの事業について事業量としては未達に終わってしまうのではないか、このように思うわけでございますが、どうしてこういう結果になってくるのか。いろいろと御事情があると思うんですが、簡潔にお教えを賜りたいというふうに思います。
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。 先生の御質問の一般道路事業に限って端的に申し上げます。 計画額二十三兆八千億に対して事業費では確かに九五・一%の達成率でございます。それに対して事業量について、補正予算を含まないと大体九〇%弱、まあ八九・五とかいろいろな平均の仕方はありますが九〇%ぐらいでございます。補正予算を入れますと九〇%以上の達成率になるかと私ども思っております。 じゃなぜこうなるか、事業量と事業費というのは本来一致しないのか、こういう物の見方が出てまいります。これは、事業費と例えば完成延長というものは基本的には必ずしも一対一になりません。例えば五カ年になって新たに手がける事業が多い場合は、五カ年間では達成をいたしません。そして次の五カ年で達成する。それから、しかかっている事業が多ければその五カ年で完成をする事業が多くなる、こういうものがあります。 ただ、全体の事業費が非常に多いですから、そういう意味では、そういうものが前後で大体平均的にいっている、こういうふうに見た場合であっても、私ども五カ年計画の目標をセットした場合に、これは一つの目標でございます。したがって、五カ年間の中でどんどんニーズが変わってまいります。環境問題、生活環境問題、いろいろと社会変化が多様化してまいります。一番大きいのがトンネルでございます。昔は二百メートルぐらい、それでも五百メートルぐらい。今は一キロ以上のトンネルをどんどん採択させていただいているようになっております。歩道でも、今までは一・五メートルぐらいであったものを今は三メートル。自転車歩行者道というような形のものをどんどん 採択して、むしろその五カ年の中でもいいものに変えていく、こういうこともやらせていただいております。 そういうことで、こういう質的に変える、あるいは五カ年間の中で、実は初年度と最終の五年度では、私どもの計画は初年度の言ってみれば実質で計画額をつくるというのが我が国の五カ年計画の一つの共通の考え方でございますが、実際のフローはそれぞれの年度の予算で名目的に事業費が上がってまいります。そういうふうな物の見方をいたしますと、例えば道路の場合、全体の平均で大体六十二年を一〇〇といたした場合に平成四年度は一二〇。ですから、平均すると一〇%ぐらいは余計かかっているような形にもなります。こういったものが、用地費も含めましてもろもろの内容が加わりまして事業費の達成と事業量の達成に若干の差が現実の姿として出てくるわけでございます。
○直嶋正行君 今理由をいろいろ御説明いただきました。私もぴったりいくとは思いませんが、例えば初年度で計画しているものが途中で土地の値段等によって価格が変わってくるとかあるいは工事のやり方が変化するとか、こういう御説明がございましたが、やはり私が思うのは、これだけ巨額のお金をかけているわけですからそういう中でもできるだけ効率よくお金を使っていく、そういう視点に立ってこれから事業を遂行される、こういうことが大変重要になってくるんではないかなというふうに思います。 それで、今のお答えの中にもちょっとございましたが、次に大臣にひとつお答えをいただきたいと思うんです。例えば、今巷間よく言われていますことは、こういった請け負う事業者の間で談合して入札価格の引き上げが図られているとか、あるいはこの間雑誌も指摘をしておりましたが、工事区間を物すごく細分化することによってたくさんの業者が入る、それによって結果的に事業としての効率が低下していくとか、あるいは用地買収においてはやはりどうしてもごね得のようなことが生じて用地費が高くなってしまうとか、あるいは工事の発注の仕方として一次業者に発注されましてもその後二次、三次と下請業者につながっていってそれぞれの業者のマージン等を含めて全体的に価格が上がってくるとか、これはすべてが正しいかどうかわかりませんが、今いろいろと指摘されているところだと思うんです。 今御説明があったような事情もあるとは思うんですけれども、私はこういうことを突き詰めていくとポイントとして三つあるんじゃないかなと思うんです。 一つは、用地の問題でございます。これはさっきお話が出ておりましたが、第十次五計の途中で土地基本法ができました。そこではやはり土地というのは公共の福祉のために用いなければいけないということが明記されているわけであります。そういう観点に立ってできるだけごね得をなくしていく、用地を適正な価格で購入していく、こういう努力。 二点目は、建設業者に対して、先ほど議論ありましたように、指名競争入札方式もこれから委員会をつくっていろいろと改善されていくというお話でございましたけれども、発注の中にいわゆる自由競争的ないわば競争原理をもっと導入していくべきではないか、こういうふうに私は思います。 それから三点目としては、実際に事業を管理し執行されるお役人の方に対しても、さっき申し上げたような巨額のお金を使うわけですからもっとコスト意識を持っていただいてできるだけ非効率な部分をなくしていく、こういう努力をしていくべきではないかと思います。 とりわけ、今公共事業をめぐっていろんなことが言われている社会的なバックグラウンドを考えますと、積極的な努力が必要だと思うんですけれども、この三つの点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中村喜四郎君) 公共事業に対しまして先生からいろいろ御指摘をいただきましたが、改めて申し上げるまでもなく公共事業は国民の血税によって行っていくわけでありますので、その執行に対しては厳正でなけりゃならないということは当然のことでございます。 しかし、今日いろいろと御指摘をいただくような公共事業にまつわる問題に対して、国民の中からもまた一部の報道の中からも疑問を投げかけると言われるような状況になっているということに対しては非常に残念であり、そういった問題はできるだけ早い機会に信頼回復につなげていかなきゃならないその責任が建設省にある、このように考えておりますので、そのことをまずお話させていただきます。 用地の適正価格、こね得をなくするような用地取得について努力をしろ、こういう御指摘でございますが、実は用地取得につきましては担当者が一番苦労して取り組んでいるところでございまして、その購入の時期、購入したときの周りの方々との価格、こうした問題で差が生まれたり不公平なことが生まれないような、そういったことにつきましては現在も十分適正な価格で購入できるように努力をしているところでございますが、御指摘をいただいたことも踏まえまして今後もさらにそのことに対して努力をしていきたい、このように考えております。 それと、指名競争入札と公共事業の執行に対して役人の中でもコスト意識をもっと持つべきではないか、こういうことでございますが、公共事業はできるだけ適正な価格で、そしてできるならば安い公共事業執行ができると一番いいのでありますが、しかし公共事業というのはやはり質も高いものでなければならないわけでございます。そういう面では指名競争入札というものはこの中で現行のシステムにさらに新しい応募型あるいは技術導入型、こういったことを今検討しておりますので、この成案がまとまってまいりますと指名競争入札の質の向上というものにはかなり情報もオープンに公表することができるようになってまいりますので、その点ではかなり改善が期待できる、このように考えております。 そして、役人の事業執行に対してのコスト意識というものは、当然言われるまでもなく現在もそういうことに対しては重要な認識として持っていると思いますが、御指摘をいただいたことも踏まえて今後もさらにそういうことの重要性というものを改めて認識しながら事業の執行に当たっていきたい、このように考えております。
○直嶋正行君 あと時間があればじっくりお聞きしたい点があるんですけれども、時間がございませんので、一点だけ御指摘をさせていただくだけにとどめたいと思います。 一つは、今大変な不況下でございます。国民生活を見ましても、そういう中でやはりかなり締めているというような状況ではないかと思います。先般、私は予算委員会で申し上げましたけれども、例えばことしの春の賃上げを見ましても、やっぱりどうも四%を切るぐらいの低率賃上げに終わりそうだ。私がここで念を押しておきたいのは、そういう中で国民の皆さんが税金を払っている。例えば、今回が仮に四%ぐらいの賃上げだとしますと、年収五百万とか七百万ぐらいの人は所得税、住民税のアップ率だけで大体一四%近いアップ率になるんです。それで、申しわけないですが、それに加えてまだ道路特定財源としてのさまざまな目的でこれを国民の皆さんが払っている。ですから、やっぱりこれだけの税を国民の皆さんからいただいて事業をしているんだ。私個人としては、今の日本の道路事情を考えますと、基本的にはもっと積極的に整備をしなければいけない、こういう考えを基本に持っておりますけれども、やっぱり一方でそういうことを踏まえてやっていく必要があるんではないか。今のお答えの中で、十分そういう点も構想的なことも踏まえているよという御答弁をいただきましたから、ぜひ重ねて要望させていただきたいと思います。 それで最後に、国土庁長官に一点お尋ねを申し上げたいと思います。 実は、今我が国は経済的な面でもあるいは国民 生活の面でも国際化が急速に進展をしていると思うんです。また、世界情勢も大幅に変わりまして、その中で多くの面で日本がもっと国際社会の中で役割を果たしていかなければいけない、こういうことも指摘をされているわけであります。四全総でも言われていますように、均衡ある国土の発達を考えますと、やはり各地域における国際化への対応ということが必要不可欠だというふうに思うんですけれども、公共事業の内容を見ていきますと、例えば国際化に必要だと言われる国際空港とかあるいは港湾の整備のようなものが相対的に見ると残念ながら随分おくれているんではないかなと思います。 例えばちょっと数字で申し上げますと、これは昭和六十年を一〇〇として日本に発着した国際線の旅客数、これが指数で見ますと一七六・五です。同様に貨物は一八一・三です。これは済みません、平成二年度の数字しかありませんので六十年から平成二年までです。この間のGNPの伸びが一二四・五。それに比べますと、例えば空港の滑走路の総延長、これは国内も国際も一緒ですが一〇九%。空港の数を見ますと三カ所しかふえていない。これは一つの数字でございますが、こういう点から見ましても国際化への対応の部分が大変おくれているんではないかと思うんですね。 私はこういう視点に立って、例えば今の四全総は二〇〇〇年までということででき上がっておりますが、こういうおくれを踏まえて若干見直しをしていくとか、こういう対応が必要ではないかと思うんですけれども、そのほかの公共事業のあり方も含めて長官の御見解を承りたいと思います。それを最後にして終わりたいと思います。
○国務大臣(井上孝君) 直嶋先生御指摘のとおり、ただいま我が国のグローバリゼーション、国際化というものが非常な勢いで進んでおります。昭和六十二年につくりました四全総、その中でもやはり国際化の問題に触れておりますけれども、現在四全総は五カ年を経過いたしましたが、この点が足りないということも痛切に感じておるところでございます。 したがいまして、国土審議会というのがありましてここで四全総を決めていただいたわけですが、その国土審議会の中に調査部会というのをつくっていただきまして今四全総の点検をしていただいております。例えば、東京一極集中を排除する、こういうことで東京を抑えていこうと思ったんですが、昭和六十二年に東京の人口が十六万人ふえておるわけです、一年間に。それが平成三年には八万人に減りました。減りましたけれどもまだふえているわけです。したがいまして、こういう点もひとつ点検をして必要あれば見直して、そして国際化の問題も含め、それからこのごろよく言われております国土軸という考え方も出てきております、そういうものも含めて点検の結果必要あれば見直しをする。さらに必要あれば改定して五全総にするというようなことまで御審議をお願いいたしております。 先生のただいまおっしゃいましたことを十分踏まえましてやってみたいと思っておりますが、この作業はことしいっぱいには結論を出していただきたい、こう思って進めておる次第でございます。
○高崎裕子君 金丸氏のやみ献金で不正蓄財を図っていた脱税事件は構造的な金権腐敗事件であります。まじめに働き税金を厳しく取られている国民や中小業者は余りの事件で驚き果てているというのが実情です。 このやみ献金の大もとのルートに大手ゼネコンからの巨額な献金が含まれています。とりわけ重大なのは、公共事業の受注に応じてやみ献金が支払われているという疑惑です。国民の税金でやる公共事業が食い物にされ、それが金丸氏の不正蓄財となっていたということなんです。これらの大手ゼネコンは発注ランクで言いますとAランクに該当します。Aランクというのは土木工事で五億円以上、そして建築工事では四億五千万円以上の受注額を言いますが、このAランクの工事件数及びその工事額はどれぐらいになるでしょうか。
○政府委員(望月薫雄君) 先生お話しのとおり、建設省直轄工事、各地建ごとに登録をいただいております。その地建ごとにまたランクづけも行っているわけでございますが、Aランクの業者数を申し上げさせていただきますと、各地建ごとにばらつきございますけれども、一般土木工事については大体十五ないし三十社程度、建築工事については三十ないし六十社程度、こんな状況でございます。 今お話しのAランクの工事の発注件数の御質問でございますが、平成三年度で申し上げさせていただきますと、一般土木工事、お話しのように五億円以上の工事でございますけれども、これで約百八十件、建築工事四億五千万円以上、これで約三十件という状況になっております。
○高崎裕子君 工事額については今わからないということですね。
○政府委員(望月薫雄君) 平成三年度の工事額といたしましては、Aで言いますと、一般土木千九百三十九億円でございます。それから建築が二百八十億円でございます。
○高崎裕子君 大手ゼネコンが占めている金額それから件数というのは非常に莫大なものであるということがこの中でも浮かび上がってくるわけですけれども、私、大手ゼネコン二十一社の官公需の工事実績を八七年度から九一年度までの五年分を調べてみました。これがその調べた結果になりますけれども、これは有価証券報告書からまとめたもので、その年度の官公需工事の売上高実績になっています。 これを見ますと、二十一社でほぼ各年度三兆円を超え、九一年度では三兆六千四百十六億円となっています。そこで注目されることは、これらのほかに手持ち高、つまり既に契約されている、受注されている工事額、これが約七兆円に上っている。ですから、それを合わせると九一年度では十兆六千億円という膨大な受注額、つまり官公需の工事を抱えているということが明らかになったわけです。この額はいわゆる公共事業費、財政投融資等も含めて三十兆円と言われている、ですからこれの三分の一を超える莫大な金額で、大手ゼネコンの公共事業への食い込みというものがすさまじいものであるということがわかるわけです。 そして第二に明らかになったのは、この二十一社で合計五年間で実に十五兆七千四百億円という膨大な金額になっております。その中でもとりわけ売上実績の一番多いのが鹿島建設なんですが、これが九一年度で三千三百二十億円、五年間で合計一兆二千八百億円という膨大な工事額になっています。大成建設を見ますと、五年間で一兆二千四百四十億円、金丸氏と縁戚に当たる元社長がいた西松建設、これは官公需工事の占める割合というのがこの五年間を見ても四〇%と極めて高いというのが特徴になっています。実績額でいつでもナンバーシックス、六番目ということで、かなり高いものになっているということが明らかになったわけです。 こうした公共事業を確実に受注していくために金丸氏へのやみ献金が行われたわけで、言われているその中身は公共事業費の一ないし三%献金していたと。山梨の建設業協会では、この会費のほかに受注額の四・五%を公共工事を受注するたびに事業割会費として徴収したということで献金していたと言われています。 大臣、この二十一社で九一年度で見た場合でも一%として三百六十億円です。三%で約一千億円、それに先ほど言いました、もう既に契約されている手持ち分、これを含めると一%で約一千億円、三%で約三千億円という途方もない裏金となっているわけです。これはもとをただせば国民の税金である、この点が私は非常に重要だと思うんですね。ですから、国民は極めてこの点について重大な関心を寄せているということです。 先ほど伴局長が一般的に育成、指導をする、その立場で調査するというふうに言われました。しかし、法務省の中間報告でも、大手ゼネコンそれから山梨の建設業協会が供与した、これがやみ献金のルートになっているということを明らかに指 欄もしています。記者会見も行われました。やみ献金があったことは事実として日建連の会長も認めているということで、少なくともこの捜査された業者というのはわかっているわけですから、一般論ではなくて、やみ献金の有無について具体的に調査してそして是正する、行政指導をするということが所管の担当庁として強く求められることだというふうに思うんですけれども、この点、大臣の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(中村喜四郎君) 建設省といたしましては、建設業界が国民の厳しい批判を受けているということを重大に受けとめて、建設業にかかわる企業活動の適正化、企業倫理の確立の指導を図るために、建設業者及び団体からヒアリングを行い、活動状況の把握を行うとしているところでございます。主要団体、関係企業に対して事業活動の実態、会計処理、会費の徴収方法等について調査するべくその実施方法等について事務方に現在検討をさせておりますので、できるだけ早い機会に早期に実施させる予定であります。 この結果を踏まえて、建設業界の信頼回復のために適切な指導を図っていきたい、このように考えております。
○高崎裕子君 できるだけ早く調査をし、そしてそれを踏まえて具体的に指導をしていくという大臣のお話でした。 捜査を受けているこういう個別の業者についてその調査の結果を踏まえて厳しく当たっていただけるというふうに今大臣言われたというふうに伺っておりますが、そのとおりで結構ですね。
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えいたします。 今申し上げましたことは、主要団体の会計処理と会費の徴収等について調査をしていくということでございますので、そうしたほかにまた建設業法違反というような問題が明らかになるということになれば当然それだけの厳しい処置をしていくということでございます。
○高崎裕子君 国民が厳しく監視しておりますので、ぜひ厳しく対応をしていただきたいと思います。 国税庁にお尋ねいたします。 先ほど、国税庁で行われた調査で把握されたその実態が出されましたけれども、使途不明金で判明している政治献金の額と建設業における使途不明金の現状ですけれども、どうなっていますでしょうか。
○説明員(藤井保憲君) お答え申し上げます。 国税当局が実地調査を行って把握いたしました原則として資本金一億円以上の法人について、使途不明金の金額、そのうちの建設業の金額、さらに政治献金の金額というお尋ねでございました。 直近の年度で申し上げますと、平成三事務年度で使途不明金の総額、把握されたものは五百五十八億円でございまして、うち建設業が三百八十二億円、率にいたしまして六八%ということになっております。なお、こうして把握いたしました使途不明金のうち約八割につきましては最終的に使途を解明するに至っておりませんので、お尋ねの政治献金につきましてどれぐらい充てられているかということは申し上げることができないわけでございます。 ただ、私どもの調査により使途が判明いたしました金額につきまして申し上げますと、平成三事務年度、先ほど申しました使途不明金の総額五百五十八億円のうち百二十九億円について使途が判明しておりまして、うち政治献金と見られるものが二十四億円ということになってございます。
○高崎裕子君 同様に、平成二年は政治献金として把握されたものとして十三億円、そして元年としては十六億円ということで間違いありませんね。
○説明員(藤井保憲君) そのとおりでございます。
○高崎裕子君 建設大臣、今国税庁から答弁がありました中で明らかになったわけですけれども、建設業というのはそれぞれ元年で四百八億円、二年年で三百五億円、三年で三百八十二億円、全体の約七割つまり圧倒的部分が建設業界であるということが明らかになりました。これは一時的な現象ではなく、一貫して巨額な不明金を出しているということなわけです。今度の金丸やみ献金というのは、使途不明金として扱っているわけです。東急建設の社長が記者会見の中ではっきり述べておりますけれども、国政選挙があるときは多額の献金をし、使途不明金として処理したと。やみ献金のための裏金づくりとして使途不明金が使われているわけです。 そこで大臣、業界に対して今までこのことについて是正指導したことがあるんでしょうか。そして、これについてはここまではっきりしたわけですから、実態調査を含め厳しく改善指導するのが担当所管庁の責任であるというふうに思いますが、大臣の決意を含めて御答弁をお願いいたします。
○政府委員(伴襄君) 建設業界の使途不明金の額が他の産業に比べて多いということにつきましては国税庁の調査結果に関する報道等から、今御答弁もありましたが、承知しております。 ただ、ぜひとも御理解いただきたいのは、建設業というのは現場生産という特殊性がございます。例えば、工事迷惑料とかあるいは周辺の住民対策等々やむを得ない支出がありまして、使途をはっきりさせ得ない、例えば領収証をとれないといったようなものがございまして、そういう支出があるということはぜひとも御理解いただきたいと思いますが、それにいたしましても多いことは事実でございますので、法人として経理をできる限り明確にして社会経済的な信頼を確保するということは重要だと考えております。いずれにいたしましても、会社経理は企業会計原則にのっとりまして適正な経理処理が行われるよう今後とも指導してまいりたいというふうに思っております。 それから政治献金でございますけれども、これも関係法令に基づいて適法に行われる必要があるのは当然だと思います。大臣からは、大臣談話という形で企業倫理の確立、企業行動の適正化ということを申し上げました。それにこたえるような形で、先ごろ日本建設業団体連合会あるいは全国建設業協会におきましても政治献金の自粛決議をしております。そういう決議で自発的な自助努力をしようというところに入っておるわけでございますので、その実行の徹底を見守ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○高崎裕子君 自助努力はこれは当然のことでして、指導官庁として、使途不明金がこういう多額の裏献金という形で本当に行政がゆがめられているという問題ですから、公共事業の透明性ということを本当に求めるとすれば、建設省としてそれについて主体的に実態調査をして厳しく指導するということが求められているわけで、ここは大臣の決意を簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま政府委員がお答えをいたしましたように、私の談話に対しまして、業界が自主的にこういうようなことに対して今後企業会計の透明性というものを高めていくことが企業倫理につながっていくという自主的な判断の中でそのような対応を決定したということを私は非常に重く受けとめておりますので、必ずそのことは成果が上がってくるものである、このように確信しております。
○高崎裕子君 もう時間がありませんのでこれ以上やりとりはしませんけれども、今建設省の姿勢が求められているわけですから、建設省としても厳しく是正するということでやっていただきたいと思います。 最後に、公団住宅について身体障害者世帯に対して優先入居措置をとっておりますけれども、これを精神薄弱者、精神障害者等にまで範囲を拡充することについて検討中と一年前の予算委員会で山崎建設大臣は答弁されましたが、いつからどうされるのかお答えいただきたい。 それから有料道路の通行料金の割引ですが、現在の肢体不自由者だけではなくそれ以外の障害者、それから介護者も含めて範囲を広げるべきだと思います。道路審議会で審議ということでしたけれども、社会参加あるいは治療という点では足 を確保するという点で大変重要ですので早く実現すべきと思いますが、その点とうなっていますでしょうか。
○政府委員(三井康壽君) まず、住宅・都市整備公団住宅についてお答えを申し上げます。 御承知のとおり、高齢者世帯とか身体障害者世帯につきましては、従来よりいわゆる優先入居といいますか、当選倍率を十倍にするということでやってまいりました。重度の精神薄弱者などの精神障害者につきましても、常時介護を必要とする者につきましての優先入居というのを検討してまいったところでございます。 平成五年度より、親族の方々が介護をしていただくという場合につきまして、入居者の選考に当たりまして高齢者世帯と同様当選倍率十倍という優遇倍率、優先入居の措置を講じることといたしたいと考えているところでございます。平成五年度からでございます。正確に言いますと、予算を通させていただきました四月一日からでございます。
○政府委員(藤井治芳君) 高速道路等の障害者の割引制度につきましては、道路審議会の答申及び百二十三回国会の請願の採択を踏まえて今検討いたしております。特に障害者は従来の障害者に限らず拡大をするということと、その介護者及び同乗者の要件、こういったものについての検討をやっております。 いずれにしても鉄道と違って車は、バスのように一人乗ってきた場合のバスをどうするかといったようなことまで含めて、ちょっと鉄道や何かの切符を買う場合と自動車とは違いますので若干検討に時間を要しておりますが、いずれにいたしましても検討結果がまとまり次第所要の措置を講じたいと思っております。
○高崎裕子君 終わります。
○井上哲夫君 大分時間がおくれていますが、私の方もお尋ねをしたいと思います。きょうは最初から入札の件について質問が続いておりまして、私もその点についてこれまで審議の中でお聞きをしておりましたが、重複を避けながら入札のことについてお尋ねをしたいと思います。 今こういうときで、やみ献金とかあるいは談合とかそういうことに絡む報道も多いわけでございますが、まず入札で現在とられている指名競争入札の欠陥というのは、三つぐらい挙げるとすればどれがどのようになるんでしょうか。そして、いわゆる一般競争入札の場合にはそういう欠陥がないかどうか、まずお尋ねをいたします。
○政府委員(望月薫雄君) しばしば御答弁ございますように、現在公共事業の入札は原則的には指名競争入札制度をとらせていただいています。 これについてちょっと一言申し上げさせていただきたいのは、公共事業というのはいわゆる物品の調達等と違いまして、言うなれば契約をするときにまだ物ができていないという性質のものでございます。そういった意味では、設計どおりの仕事をきっちり所定の工期にそういった立派な内容で実行していただくということが絶対的に不可欠な大前提でございます。 そういった公共工事の発注に当たってどういう制度がいいかということで、私ども現在は今申しましたように指名入札制度をとっておりますが、指名入札制度は当然のように一般入札制度と相対置させていただきますけれども、それぞれメリット、デメリットがございます。今申しましたように、公共事業の発注というものはやはり予定どおりの仕事をかっちりとやっていただくという意味で、いわば不良不適格業者を排除する、あるいは技術力、資力のある業者を確保するということが大事であるという意味で指名入札制度はベターである、こういう考え方に立っております。言いかえれば、疎漏工事だとかダンピングの発生を防止するということでございますし、もう一つ言うならば入札手続も簡便である、こういうことでございます。 一般入札制度になりますと、言うなればこのメリット、デメリットが全く逆転するところでございまして、一般ということになりますと入札参加者の範囲が非常に広がってしまうということからして、懸念しましたような事態が起こりかねないということでやらせていただいているところでございます。
○井上哲夫君 私の乏しい知識なので間違っているかもしれませんが、例えばそういう悪質な業者による工事というものを回避しなければいけないとか、あるいは粗雑な施工を避けなけりゃならぬということはわかるわけですが、そうした場合にそういう責任をだれがとるかということで、アメリカのような場合はボンド制度と呼ばれるような工事の保証人をそういう別の機関が受け持つというふうにして、むしろ指名競争入札よりも一般競争入札に近い形の実施をしていると。人の見方によって変わりますけれども、そういう評価もあるわけですが、このボンド制についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(伴襄君) 特に税金を使います公共工事につきまして、もし疎漏工事とかあるいは悪質な工事があったときに、それはもう取り返しがつかなくなるということが非常に考えられるわけですね。例えば出水までに河川の堤防をつくらにゃいかぬとか、学校が始まるまでに学校をつくらにゃいかぬというときに間に合わないということになったら大変なことになりますので、もう一回やり直しということはきかないと思います。 それで、ボンドの制度というのはこれは原則として金銭で保証するということになりますので、どうしてもそれにかわって工事を仕上げてしまうというところまではなかなかいかないというところがございます。日本の場合にも工事完成保証人という形でつけておりますけれども、やはりやってみないとわからないということじゃなくて、実績のあるというか、こういうことが必ずなし遂げられるというその工事の質の確保、工期も含めて工事の質を確保するためにまず安心な業者を指名するという仕掛けがどうしても質の確保の点から必要じゃないかということでこういう制度をとっているというふうに理解しております。
○井上哲夫君 先ほど来建設省のお答えなり大臣のお答えを聞いていまして私は感じたんですが、昨年の十一月に第一次の答申があって、入札あるいは契約制度の基本的なあり方に関してアドバイスがあったわけです。それを今回このような金丸事件を契機にして、大臣も早急に新しい改善策を考えたいということはおっしゃってみえるわけですが、その中身を聞いておると指名競争入札の中での改善を考えていると、私はそういうふうに受けとめたわけでございます。 それで、一体一般競争入札というのは本質的欠陥あるいは根本的な是正不可能なものかどうか、これほど世間を騒がせたという言葉は不適当だとは思いますが、こういうときにはあるいは一部分先見的というか、テスト的に一般指名入札の中でも知恵を働かした方法をやってみるとか、確かに今ボンドの制度を導入した場合には金銭賠償しか方法がないので大変なことだと言いますが、もっと考えてみますれば、それは国民の税金ですから、それが金銭賠償ではかなわないという論理のほかに、やはり不正に使われたりあるいは疑惑のもとになってはかなわないというところもあるわけですから、したがって一般競争入札方式を徹底的にとらないというところにちょっと私は疑問を感じておるわけでございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま政府委員が答えておりますことに関連しますが、先生の御質問に対しましても、一般競争入札をなぜとれないのか、こういうことでございます。 今アメリカのボンドの話が出ましたが、実はイギリスにおいてもそのような問題が以前に起こりまして、一般競争入札を行ったことがございます。しかしその後、疎漏工事が起こったりその他いろいろな問題が起こりまして、やはり指名入札制度に切りかえていったという、これは具体的なことであります。 一九六四年にバンウェルという委員会報告書の中で、 一般競争入札は価格のみに比重を置き過ぎて、工事の仕上がり具合に注意を払わないという問題があり、工事は低廉であるということ以上に仕上がりの質が求められなければならない。そのためには誠実でかつ当該工事の施工に関して十分な資質と能力を持った相手方と契約をする必要がある。 一般競争入札を採用した場合、万一の場合に備えて履行保証制度を採用していれば良いという議論もあるが、履行保証制度では、不良工事の手直しや未完成工事を継続するのに相当の不便や時間のロスが生じることとなる。 イギリスで広く採用されている方式は指名競争入札方式の一つの形態であり、入札に際して、施工業者の入札意向を確認すること(意向確認方式)、落札後に価格入り数量明細書を提出させる審査を行うことが特徴となっている。こういうこともございまして、イギリス、あるいはフランス、ドイツ、こういったところはこういった一つの制度がございますので、むしろアメリカのボンドというものが欧米の中では極めて特殊な例である。私どもは今回の改善によってかなりそういった透明性、競争性が確保できるような結論を出すように努力をしていきたい、このように考えております。
○井上哲夫君 私は実は中央建設業審議会の十一月二十五日のコピーをいただいて読ませていただいたんですが、この審議会の答申書を見ますと、中身として本当に徹底的に議論がなされているのかどうか全くわからない。答申のもとになる日本の審議会の議事録は、御承知のように公開されません。こういう非公開の審議会だけで本当に議論を尽くされているかどうか。今、大臣はイギリスの例をおっしゃいました。それはこの四月二日の朝日新聞にも少し書いてありますけれども、実際に審議会の審議経過もほとんど知ることができずに、ただここに書いてあるので見ますと新しい方法を導入したらどうかということで、よくよく理解するとほとんどそれは現行の指名競争入札のアレンジというか手直しにすぎないものになっている。 私自身不思議に思うのは、ここまできているならば一部試験的にでも一般入札をとったらどうか。一般入札をとって大きな公共工事を受けた建設会社が例えば工事の完成ができなくて途中で倒産をしたとか、あるいは非常にひどい工事であって国民から激しく非難の的になったという例を私は寡聞にして知らないわけですね。この間道路が陥没して手抜き工事であったというのも、実は指名競争入札の事例ばかりなんです。あるいは極端に低い、まことに一般市民からは理解に苦しむような低い金額で落札をしたケースでも、その後の是正である程度の金額に直しているとか、あるいはそういう思いもかけない低い金額で落札をした結果その工事が粗悪であったということを我々が知った経験はないわけですね。そういうことを見ますと、なぜ一般競争入札をこうまでしてとらないかと、いうところは、どうも私が素人だからかもしれませんが、いま一つ納得ができないわけです。どうでしょうか。
○政府委員(伴襄君) 先生のお手元にございますような中建審の答申にも出ておることでございますけれども、その審議の過程は確かにいろんな議論がございましたので、最終の結論の形で出ておりますけれども、そこにもございますが、ぎりぎりのところまで一般競争入札を採用できないかということを議論いたしました。 〔委員長退席、理事会田長栄君着席〕 例えば、今おっしゃったように限定的でもいいから、条件をつけてでもいいから採用できないかということを議論いたしまして、その結果を書いてあるわけでございますが、最終的にやっぱり議論になりましたのは、一般競争入札にしますとこういう条件の人が一般競争へだれでも入れますよという具体的な条件を示す必要があるわけですけれども、その条件を客観的に書けるかどうか、書き切れるかどうかというところが非常に微妙なところでございます。例えば、工事をやりましてもそれぞれの工事現場ごとによってそれぞれ状況が違います。それに対して、施工の経験だとか技術者がどうだとかそんなことを全部調べて、そしてこういう条件でないと困りますということを客観的にあらわすということが非常に難しいわけです。 そこで、指名競争入札の変形ではありますけれども、一応あらかじめそういういろんな技術情報を出してもらってそしてそれを審査いたしまして、そして最後のそういう微妙な判定のところだけ指名行為を残そうという形でもってやったのが、このたびやっている変形の技術情報募集型指名競争入札というやつでございます。これは言ってみれば本当に制限つき一般競争紙一重のところまで来ているわけでございますが、そういう微妙な条件を書けないところがありますので、ここまで来ているわけでございます。 そういったことでございますので、決して議論しなかったわけじゃなくて、非常にいろんな議論を交わしました結果がこういう形になったということをぜひとも御理解いただきたいと思っております。
○井上哲夫君 もうあと一問だけ質問をいたします。 一般に民間では、御承知のように設計監理、施工監理、いわゆるそういう形で施工業者の施工を監視する仕事をやっておりますね、建築士さんが。国の場合には、設計や施工は全部国の技官が、技術者が監理し監視する。そのこと自体は当然のことであって私は異を唱えるつもりはありませんが、万一一般競争入札方式でやってリスクを負うなら、二重監理、二重設計といいますか、二重監視をやってもいいんじゃないか。民間のそういう設計及び施工の監理、監視をやっている人たちをもう一枚かみ加わらせれば、それも一つの知恵ではないだろうか。あくまで一般競争入札方式はだめだ、だめだ、だめだでは、私は、ちょっと素人の我々あるいは国民感情から見ると、これだけのことがあったにしては改革について熱意が足りませんぞやと言われかねないと思うんですが、その点お尋ねして質問を終わります。
○国務大臣(中村喜四郎君) お言葉を返すようで恐縮なんでありますけれども、私どもといたしましては、今回の改革案を真に実効あらしめるならば他の省庁も当然それに対して同じような対応をしてくる、このように確信しておりますし、これがやがて県知事あるいは市町村、こういったレベルまでこの新しい制度というものが周知徹底できるならば、相当の問題の解決につながっていける。むしろ建設省がみずからこの問題について、公共事業の全体の今のところ五・六%が建設省のテリトリーになっておりますので、これを完全に新制度の中で定着をする、そして他の省庁にも協力を求めていく。まず中央レベルがきちっと足並みをそろえるということがやがて地方にこうした問題に対する連動性が出てくる、このように考えておりますので、できるだけ国民の期待にこたえられるような新制度の定着に努力をしていきたい、このように考えております。 〔理事会田長栄君退席、委員長着席〕
○井上哲夫君 ありがとうございました。 農水省、運輸省の方、申しわけありませんでした。
○島袋宗康君 二院クラブの島袋宗康でございます。四全総の総括的な評価についてお尋ねしたいと思います。 全国総合開発計画が一九六二年十月にスタートして、三十年が経過しております。その一次から四次までの総合計画に一貫して流れるモチーフというのは、日本列島における過疎と過密の解消ということであったはずであります。しかし、我が国の一極集中はとどまるところを知らず、このままの状態が続いていくならば二〇〇〇年には東京圏の人口は三千五百万人台というふうに警告されております。また、一方の過疎問題は現在でも解消していかないというふうな状況の中で、各地の中核地方都市、離島などから人口が移動し、その結果末端では過疎が進行している状況にありま す。 これらの困難な問題などを受けて、現在四全総の見直し作業が進められておるやに聞いておりますけれども、この際、これまでの四全総計画を踏まえ、とりわけ三全総と四全総の掲げた定住と交流などという目標が現在どの程度達成しているのか、これまでの四全総計画の総括的な評価を国土庁にお伺いしたいと思います。
○政府委員(糠谷真平君) お答え申し上げます。 三全総は昭和五十二年に策定をしたわけでございますけれども、昭和五十年代前半は地方への人口定住というのがかなり進んだ時代でございましたけれども、昭和五十年代の後半から、東京の世界都市化という言葉に代表されますように、高次都市機能の東京圏への一極集中、あるいは地方圏におきましては素材型産業あるいは輸出依存型産業の停滞に伴います雇用の深刻化、こういった問題が生じてきたわけでございます。こういう状況に対応いたしまして、昭和六十二年に国土の均衡ある発展、多極分散型国土の形成ということを目標といたしました四全総を策定したわけでございます。 四全総を策定いたしました後、東京圏への人口の社会移動、昭和六十二年の最盛期には十六万人ほど社会移動があったわけでございますけれども、平成三年には八万人弱ということで、東京圏への人口の集中というのに若干の変化の兆しが出てきているということは私ども評価をしていただきたいと思っているわけでございます。ただ、相変わらず社会増加が続いているということは御指摘のとおりでございますので、さらに定住と交流ということを進めていかなければいけないと思っております。 そういうことで、四全総策定後いろんな大きな変化が生じてきております。出生率の予想以上の低下に伴います人口増加率の低下、高齢化の進行、あるいは世界情勢の大きな変化に伴いますグローバル化といいますか、そういったものに地域がどういうふうに対応していくかという問題もございます。あるいは、生活大国という言葉に代表されますように、時間的にも空間的にも質の高いニーズに対応していこう、こういったいろんな変化が出てきておりますので、そういった変化に対応いたしまして、長期的な国土政策のあり方ということを御議論いただくために国土審議会に調査部会というものを設置をいたしまして、現在総合的な点検を行っていただいておるところでございます。
○島袋宗康君 もう時間がないので前へ進めたいと思います。 これまでの総合計画によってハード面での社会基盤整備が相当進んでいるように思います。同時に、我が国の国土行政に大きな課題を突きつけているようにもまた見受けられるわけであります。国土開発の面における人間と自然のあるべき調和に関して大きな課題が残っていると思います。 昨日の朝日新聞のトップ記事によりますと、水道水源の汚染が全国的に深刻になっていると。これは全国の水道事業者の集まりである日本水道協会の調査の中で述べられているわけでありますけれども、いわゆる開発や農薬や工場排水による汚染が広がり、そのため浄水段階での処理は限界に来ている、水源を守るためには水質保全法などによる規制強化が必要だというふうなことがそこで述べられております。ここで気になるのは、リゾート施設やゴルフ場の開発で水源の変更が迫られているケースが非常に多くなっているんではないかというような調査結果が出ております。 一九八七年に成立施行されたリゾート法は、国民の余暇の増大にこたえるという目的でありましたけれども、当初からその法律の施行による環境問題、開発による自然破壊問題などが心配された法律でもあったわけでございます。この法律には、これらの批判のほか、法律そのものの撤廃運動までも起こっているというふうな状況でございます。全国で強い抵抗を受けているという理由はどういう理由でありましょうか。また、全国ではいわゆるバブルの崩壊の影響でリゾート計画が中止もしくは縮小へ変更される事例が相次いで報道されておりますが、現時点でその実態をどのように把握しておられるか、簡単に御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(秋本敏文君) リゾートについてお答え申し上げます。 今御指摘ございましたように、昭和六十二年に総合保養地域整備法が制定をされまして、今日まで四十の道府県の基本構想の承認が行われ施設整備等が進められてきているわけでございますが、今御指摘もございましたように一部で開発事業者が撤退したところもある、こういうことを私どもも聞いておりますけれども、ただいままでのところ事業を中止するといったような形で基本構想の変更承認を求めてくる、そういったところまでの動きにはなっておりません。 このリゾート整備につきましては、ただいまも御指摘ございましたような撤退の問題のほかに、あるいはまた自然環境保全との関係でございますとか、施設整備につきまして全国画一的であるとか料金が高いとか、あるいは地域との結びつきが弱いのではないかとか、いろいろな御意見があるということでございますので、昨年の四月から有識者の方々に御参加をいただきまして総合保養地域整備研究会を開催して、これからのリゾート整備のあり方について御検討をいただきました。 これから先のリゾートということを考えますと、労働時間の短縮あるいは余暇活動の拡大といったようなことが進むだろうということが考えられますし、総理府の世論調査を見ましても国民の皆さんのリゾート滞在に対する潜在的な需要は相当大きなものがある、こういう状況でございました。 今申しました総合保養地域整備研究会の御報告でもこういったことに触れておられまして、そういったことを踏まえた上でこれからのリゾートについて、国民のためのリゾートあるいは地域のためのリゾート、そしてまた自然環境の保全との調和を図ることといったような政策理念に立ちながら、国民の多様なニーズにこたえる多様なリゾート整備、これを長期的な視点のもとに着実に推進していく必要があるとか、このためには総合保養地域整備法の適切な運用を図ることなど、そういったような指摘がございました。 私ども国土庁におきましては、研究会の御指摘を尊重しながら大規模リゾートにおける多様な施設整備あるいはまた農山漁村などにおける小規模なリゾートなどの整備につきまして総合保養地域整備法の適切な運用あるいは国等の関連支援施策の活用の促進、地方団体に対する情報提供、助言指導、これらを進めまして関係省庁との緊密な連絡のもとに支援をしていきたいと考えております。
○島袋宗康君 時間がありませんので準備したもの、そこは飛ばして沖縄問題にちょっと触れておきたいと思います。 四全総の中で位置づけをされております沖縄地方の整備の基本的方向は、地理的特性を生かした国際交流拠点の形成と国際規模の観光保養地を形成し、自立的発展を図るということになっておるわけであります。昨年スタートした第三次沖縄振興開発計画でも、それを受けた計画が策定されております。 沖縄は、御承知のとおり、長年アメリカの施政権下にあった関係上、産業の基盤や構造の問題など課題が山積しております。経済自立は県民挙げての大きな課題であります。その意味で観光産業が沖縄の産業で占めるウエートは大きいわけであります。したがって、慎重にそして確実に振興させていかなければならない産業であるわけであります。しかし、地理的に観光産業が最適だと言われながらも、国際線よりも割高な航空運賃は沖縄の観光産業の発展を大きく阻んでいるというふうなことがよく言われております。貴重な観光資源であるはずの自然や景観が破壊される問題も確実に顕在化しておる状況にあります。大企業による土地の買い占めなどをめぐってのトラブル等、全国各地と同様な問題が発生しておる状況にありま す。 そこで、沖縄のリゾートを、全国の失敗事例を教訓として、真の国民リゾートのモデルケースにし、地域の活性化に寄与できる産業に持っていくためにどうすればいいかというふうなことが今大きく問われていると思います。したがって、開発庁とされましては、そういった指導助言といいますか、そういったふうな沖縄の観光産業とあるいはリゾート開発というふうな方向性について、どのような指導助言をなさるおつもりであるのか。 また、管轄外ではあると思いますけれども、航空運賃の低減問題は県民挙げて大きな要請活動をしているところでございます。その航空運賃の解決策の問題について、もし開発庁の御所見があれば承っておきたいというふうに思っております。
○説明員(勝野堅介君) お答え申し上げます。 昨年策定されました第三次沖縄振興開発計画におきましては、沖縄の地域特性でありますところの亜熱帯性、海洋性を生かしたリゾート地域の形成につきまして、沖縄を「国際的規模の観光・リゾート地として整備することにより、健康で豊かな国民生活の実現に貢献するとともに、地域の経済発展にも資することが期待されている。」、このような認識のもとに「観光・リゾート産業を沖縄の先導的・戦略的産業として位置付け、一層の振興を図るとともに、地域の各産業との連関強化を図り、地域経済への波及効果の拡大を促進する。」とされているところでございます。 リゾート地域の形成に当たりましては、沖縄のすぐれた自然環境の保全や地域社会との調和等に十分留意する必要があるわけでございますけれども、第三次沖縄振興開発計画におきましても「観光・リゾート開発を進めるに当たっては、自然環境の保全、農林漁業の健全な発展、地域社会との調和等に配慮した総合的な視点から秩序ある開発の指導及び誘導に努める。」とされているところでございます。 沖縄県におきましては、平成二年三月に全県的な見地から適切なリゾート開発のあり方を示したリゾート沖縄マスタープランを策定いたしまして、さらに平成三年十一月になりまして総合保養地域整備法に基づく基本構想が承認されたところでございます。この基本構想の中におきましても、総合保養地域の整備に際して、自然環境保全や地域との調和について十分配慮することとされているところでございます。また、これらに基づきまして県は、今後のリゾート開発に係る事前協議に当たりまして、総合保養地域整備法に基づく特定民間施設及びそれに準ずる開発プロジェクト、だけを認める旨の対応方針を定め、市町村に対しましても秩序と調和のとれた段階的なリゾート施設の展開を指導していると聞いているところでございます。 沖縄開発庁といたしましては、沖縄における国際的なリゾートの形成が、貴重な沖縄の自然環境の保全等に配慮し適切に行われますよう沖縄県に対する助言に努めるとともに、沖縄県の意向を踏まえつつ、関連する道路、空港、港湾などの交通基盤や必要な施設の整備を図ってまいりたいというように考えているところでございます。 なお、御質問のございました航空運賃の問題につきましては、所管外でございますので答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、御要望の趣旨は十分承りまして、必要な連絡等はとってまいりたいと思います。
○島袋宗康君 航空運賃の問題については、所管外であるということで答えがないわけでありますけれども、この問題についてはほとんど毎年というほど県議会の中でも決議をし、また観光業界の皆さんにとっても非常に大事であるというような観点から政府に対して航空運賃の値下げの問題については絶えず要請を続けておるということは開発庁も十分御承知のことと思いますので、側面的にその問題についてどういうふうな立場をとっておられるのかという点で、一言お願いしたいんですが。
○説明員(勝野堅介君) 航空運賃につきましては基本的に運輸省の所管事項でございますけれども、沖縄は本土とも遠く離れておりまして、また多くの離島から成っているため、航空機は必要不可欠な交通手段でございまして、先生御質問のとおり、県民の航空運賃の低減に対する期待というものも大きいものがあるということは十分承知しているところでございます。 こういったことから、航空運賃が低減されれば県民にとりましても、観光等地元産業の振興にとりましても非常によい影響を与えるものと思いますが、いずれにしましてもこの問題は全国的な広がりを持つ問題でございますので、私どもといたしましてはこういった沖縄の事情を関係省庁等によく説明はしているところでございます。
○島袋宗康君 終わります。
○委員長(大渕絹子君) 他に御発言もないようですから、建設省、国土庁及び住宅金融公庫の決算の審査はこの程度といたします。 ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) 次に、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を議題とし、派遣委員の報告を聴取いたします。 まず、第一班の御報告をお願いいたします。沢田一精君。
○沢田一精君 決算委員会の委員派遣第一班について御報告いたします。 大渕委員長、西野理事、常松理事、佐藤委員、堀委員、下村委員及び私の七名は、去る一月十八日から二十日までの三日間、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する実情調査のため、沖縄県に行ってまいりました。 第一日目は、まず那覇市において、沖縄総合事務局、沖縄国税事務所及び沖縄地区税関から業務概況について、沖縄県から県勢概要について、それぞれ説明を聴取いたしました。 その際、沖縄県から、米軍基地の返還及び返還跡地の有効利用の促進、米軍基地の整理縮小等に伴う駐留軍従業員の雇用の安定、駐留軍関係離職者等臨時措置法の有効期限の延長、沖縄の厚生年金の格差是正、戦時中の沖縄県八重山地域におけるマラリア犠牲者遺族の国家補償、那覇空港自動車道の整備促進、東シナ海における漁船の安全操業の確保、以上七項目にわたる要望を受けました。 次いで、浦添市にある国際協力事業団沖縄国際センター及び国営公園として整備されている首里城地区を視察いたしました。 沖縄国際センターでは、アジア、中南米を初め世界各国から研修員を受け入れて情報処理技術など各種研修事業等を実施いたしており、現在四十八カ国、百三名の研修員が受講中であるとのことでありました。 首里城地区におきましては、正殿の復元を初めとして、首里城一帯の貴重な国民文化遺産の回復が行われておりました。 第二日目は、まず天久地区の米軍用地跡地を利用して行われている地域振興整備公団の那覇新都心開発整備事業の実施状況について説明を受けた後、石川市に向かい、電源開発株式会社石川石炭火力発電所を視察いたしました。この発電所は、石油ショック後におきましても一〇〇%石油に依存していた沖縄の電力供給における脱石油化、電源の多様化を図るために建設されたものであり、沖縄本島における電力量の約四〇%を発電しているとのことです。 午後は、沖縄の地域特性を生かした先導的、基幹的産業としての振興が期待されている観光・リゾート産業の先駆的施設である万座ビーチホテルを視察した後、宜野座村にある漢那ダムに向かいました。漢那ダムは、漢那福地川の河口から一キロ地点にある多目的ダムで、昨年十月から試験湛水を実施中です。ダムの堤体コンクリートに石積み模様の化粧型枠を採用するなど景観に配慮するとともに、自然環境の復元、保全にも努めているとのことでありました。次に、名護市に向かい、製造業の少ない沖縄にあって発展が期待されるオリオンビール工場を視察した後、本部町にある国営沖縄記念公園海洋博覧会地区を視察してまいりました。 第三日目は、那覇に戻り、沖縄振興開発特別措置法により、沖縄における企業立地と貿易の振興を目的として設置されている自由貿易地域那覇地区を視察し、その現状について意見の交換を行いました。 以下、今回の調査の主な内容について申し上げます。 沖縄県経済は、県民所得の面から見ますると、財政及び基地収入への依存度が高く、生産財、消費財の多くを県外からの供給に依存しているという特徴があり、産業構造の面におきましても第三次産業、中でもサービス業の割合が高く、第二次産業、特に製造業の割合は極めて低いものとなっております。 こうした経済の特徴は、平成三年度における租税収納額の二八・一%を占める法人税が、沖縄国税事務所管内では一八・九%を占めるにとどまっているというように、税収の構造面におきましても顕著にあらわれております。 また、沖縄地区税関管内における外国貿易船、貿易機の入港数は、ここ数年、対前年度比で一〇%を超える伸びを示しております。これは、年々、中国、台湾、東南アジアとの交流が盛んになっているためであるとのことです。その一方で、麻薬を初めとする社会悪物品などの密輸入に対する警戒を強める状況にあるとのことでありますが、一人勤務の監視所があるなど税関の監視体制は必ずしも整っていないように見受けられ、今後の体制整備が期待されるところであります。 次に“沖縄自由貿易地域についてでありますが、これは昭和六十二年十二月に沖縄開発庁長官の指定を受け、沖縄県によって国庫補助金十三億五千万円を含む約二十億三千万円の事業費によって施設整備が行われ、昭和六十三年七月から供用されているものであり、地域内で加工、最終調整等を行い、国内に輸入するという機能が中心となっております。ここには当初二十七社が入居しておりましたが、六社が撤退し、現在では二十一社となっております。平成元年以降三年間の入居企業の事業実績を見ますると、搬入額は五十四億円から四十六億円、さらに十六億円に、搬出額は五十四億円から四十八億円、さらに二十三億円へと著しく減少しております。自由貿易地域は、通関の迅速性、関税繰り延べによる経費の節減、税制・金融上の優遇措置などの利用上のメリットがあるとのことでありますが、運用実績を見る限り、沖縄における企業立地を促進するとともに貿易の振興に資するという目的を達し得ない状況にあると言わざるを得ません。今後、政府及び沖縄県当局において所期の目的を達成するために必要な改善措置を講じられることを期待するものであります。 最後に、今回の調査に協力いただきました関係各位に対しお礼を申し上げまして、第一班の報告を終わります。
○委員長(大渕絹子君) ありがとうございました。 次に、第二班の御報告をお願いいたします。会田長栄君。
○会田長栄君 決算委員会の委員派遣第二班について報告いたします。 第二班は鈴木理事、中尾委員、西岡委員、森委員及び私会田の五名により構成され、第一班と同様の目的で、去る一月十八日から二十日までの三日間、兵庫県及び香川県に派遣されました。 第一日目は、近畿財務局から管内の経済概況と業務概況について、大阪国税局からは管内の概要と租税収入について、神戸税関からは管轄区域の概況と最近のトピックスについて、兵庫県及び神戸市からはそれぞれの財政状況等について説明を受けました。 その後、多機能型複合都市として整備の進められている六甲アイランドを視察し、また特色ある地場産業として田崎真珠株式会社と白鶴酒造株式会社を視察いたしました。 第二日目は、建設の進む明石海峡大橋を視察しつつ淡路島に渡り、淡路島の自然保全と開発の実情について視察しました。 午後は鳴門海峡を渡り高松市に向かいました。高松市では、四国財務局から管内の経済概況と業務の概況について、高松国税局からは管内の概要と租税収入について、香川県からは財政状況等について、それぞれ説明を受けました。その後、高松港の機能変化に伴う高松港頭地区の総合開発を視察しました。 第三日目は、完成した四国横断自動車道を経由しながら坂出港に向かい、瀬戸大橋を海上と橋上から視察し、また展示館を参観しました。 午後は、備讃瀬戸を航行する船舶に対する航行援助業務と航行管制業務を担当している備讃瀬戸海上保安センターを視察し、三日間にわたる調査を終えました。 次に、今回の調査の主なるものについて申し上げます。 近畿財務局からは、管内の経済規模が全国の約二割を占めていること、また産業構造的には素材型及び加工型産業が大宗を占め、加工型では家電が大きなウエートを占めており、他方、製造業に占める中小企業の割合が全国に比べ高い構造になっているため、近年の景気情勢の中で家電の不振を背景とした景況感に対する厳しい見方が多くなっている等の説明を受けました。 国有財産については、管内で全国の一割を管理しており、大阪大学医学部附属病院跡地や物納相続税の管理、処分が問題となっている旨の説明を受けました。 大阪国税局からは、管内の税目別国税の徴収の実績の特色として、管内の酒税徴収実績が全国の酒税に占める割合の約四分の一強となっており、特に清酒に限定してみれば全国の半分を占める実態にあること、また清酒業界の中小企業事業者の割合の高さとその経営基盤の脆弱性等についての説明を受けました。 神戸税関からは、管轄都道府県数と管轄開港数で全国一の地位にあり、密輸の現況と地方空港開設への対応等についての説明を受けました。 兵庫県及び神戸市からは、三年度までの歳入の増加状況と、単年度収支では二年連続の赤字の状況にあること、また県内の市町村レベルにおいて同様の状況が見られること等の説明を受けました。 四国財務局からは、四国の高齢化率全国一の状況、県民所得の低迷状況、四国経済が四%経済と言われている状況、そして本四連絡橋と高速道路網の整備の地域開発への効果について説明を受けました。 高松国税局からは、平成三年度で一兆一千億円強の国税収納済み額の内訳と推移等について説明を受けました。 香川県からは、三年度までの歳入の増加状況と、他方(単年度収支での三年連続の赤字の状況等についての説明を受けました。 次に、視察しました事業の概要についてであります。 六甲アイランドは、船舶の大型化、物流システムの多様化に対応する港湾施設の建設と高度情報化、国際化に対応した住宅、商業、文化、教育等の機能を備えた多種機能型複合都市として整備が進められているものであります。港湾関連用地、産業基盤用地等は、近代的な港湾施設を有し、産業の振興を図るものとなっており、都市機能用地は、住宅と業務・商業ゾーンを中心に多機能を総合的に備えた町づくりが行われていました。 明石海峡大橋は、本州と四国を結ぶ三経路の一つであり、その位置は自然条件の厳しい海上交通の要衝にあり、これらを克服しつつ総経費一兆円の事業が平成九年度末完成を目指し鋭意進められていました。完成時には世界最大規模の道路専用つり橋となり、本州と四国の交通運送をさらに効率化し、関連地域における経済、文化及び生活利便性の向上が期待されるものであります。 淡路島は、豊かな自然と「くにうみ」の神話として古い歴史を有する島であります。他方、明石海峡大橋と大鳴門橋により本州と四国と陸続きになろうとしている等、淡路島を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。こうした中で、無秩 序な開発を抑制した新しい淡路島の地域環境づくりが進められておりました。 四国横断自動車道は、四国縦貫自動車道とともに、今後の四国の交通ネットワークの重要なかなめとなるものとして期待されているものであり、全線開通目標まではまだかなりの時間を要するものの、供用開始区間にあっては順調な利用の伸びが見られておりました。 高松港頭地区の総合開発は、瀬戸大橋の架橋と宇高連絡船の廃止等に伴う高松港の機能の変化に対応して、高松港頭地区を約四十ヘクタールの規模で再開発するとともに、高松の地方中枢都市としてふさわしい新たな都市機能の集積を図ろうとするものであります。 備讃瀬戸海上交通センターは、東京湾海上交通センターに次いで我が国二番目のセンターとして設置されたものであり、瀬戸大橋を中心とした備讃瀬戸海域を航行する船舶の安全と運航能率向上のため、海上情報の提供業務と航行管制業務とを行っているものであります。 最後に、今回の調査に協力いただきました関係各位に厚く御礼を申し上げて、報告を終わります。
○委員長(大渕絹子君) ありがとうございました。 これをもって派遣委員の報告を終了いたしました。 次回の委員会は四月十二日午後一時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時三十八分散会 ―――――・―――――