環境特別委員会 第9号
- 発言数
- 314 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1993/06/02
会議録
○委員長(松前達郎君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。 環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中尾則幸君 おはようございます。中尾でございます。 私、先月二十四日の参議院本会議で、環境基本法案について総理並びに環境庁長官、そして関係各大臣に代表質問をさせていただきました。きょうは、本案のあるべき姿について、さらに代表質問のほかに具体的な質問を申し上げたいと思います。 先週二十六日の当委員会において同僚の堂本、大脇両委員から指摘もありましたように、本案の第三あるいは第四、第五条に書き込まれている地球環境保全についての理念でありますけれども、これについて私は理念はまことに結構だと思っております。しかし、両委員も指摘されましたように、具体性に欠けていると言わざるを得ません。いろいろ衆議院の環境委員会の質疑も、私、ずっと議事録等で目を通しましたけれども、これはいわば環境基本法は環境憲法に当たるものだから個別法とは違うと再三おっしゃっていますけれども、具体的な中身あるいは方向性が見えないと私は思います。 そして、第九条に見られるように、国民の責務は規定されております、御存じのとおりです。私も代表質問で申し上げたように、環境保全の主体は国民であり、また地方自治体ではないかと私は思います。大量消費社会の我が国において、環境保全の大きな役割を担うのは、まず主役は国民であり地域社会ではないかこれは異論がないところだと思います。その点で、国民が積極的に環境保全活動に参加し、また意見を行政等に反映させる方向性が理念として欠落しておる。つまり、責務があっても参加する権利が保障されておらないのであります。環境保全について国民が参加し、あるいは環境保全に対して国民が監視できる権利をなぜ明記できなかったのかまず大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(林大幹君) 中尾先生の御質問、私はその趣旨においては先生と同感でございます。ただ、先生の御指摘が、基本法の中に市民参加の具体性が欠けているではないかという、こういう御質問でございました。 私どもとしましては、先生おっしゃるように、すべての者が環境保全に関する活動に参加することが必要であるという認識は同感でございますけれども、基本法におきましてもこれをもちまして第四条の基本理念におきましては、環境の保全に関する行動がすべての者により、より自主的かつ積極的に行われるようにという規定を設けまして、またそのような活動を促進するために、同法案の第二十五条、環境の保全に関する教育、学習など、あるいはまた第二十六条の民間団体等の自発的な活動を促進するための措置、あるいはまた第二十七条の情報の提供の措置を規定しておるところでございまして、これらの規定に基づきまして、すべての国民、市民、そして社会が参加して環境保全に努力を払うことができまするよう、適切な施策を講じたいということで進めてまいります。
○中尾則幸君 それはこれまでも八木橋局長、大臣から再三衆議院の委員会でも、それから参議院のさきの特別委員会でもいただきました。ただ、私が申し上げているのは、具体的ないわゆる行動を起こすための指針が欠けておる。確かにそういう理念は盛り込んであります、細かくは私は精査しませんけれども。それはおっしゃるとおりであります。つまり、この環境保全に対する担い手がだれであるかということがはっきりしないのであります。それは私、後から触れますけれども、環境アセスメントの法制化の問題についてもしかり、情報の公開にしてもしかり、提供ということに変えてしまったり、この環境基本法案、私は理念はすばらしいと評価しておるんです。しかし、すべてトータリティーがないんです。後からるる御質問をいたします。私は、こうした国民不在の環境基本法案についてこれからいろいろ具体的に質問いたします。 聞くところによりますと、この基本法案の策定の過程について、三カ月余りで二十三回もの審議会を開いたと私は伺っております。それであれば、この基本法案をつくるに当たっての策定過程で、例えばNGO団体、それから一般市民、それから環境に対する市民団体、あるいは公害患者の方々等、いろいろな諸団体からこの間、これは何回という質疑通告はしておりませんでしたけれども、お答えが前と同じ、衆議院でも同じお答えしかいただけませんでしたので、全国各地で何回、どのような団体に意見を聞く機会を持ったか、そのことについて明らかにしていただきたいと思います。それは通告しておりませんので詳しい数字はいいですけれども、例えば二十五団体とかそしてどの地域、例えば全国四十七都道府県のうち二十都道府県と、それについてちょっとお答え願います。
○政府委員(八木橋惇夫君) お答え申し上げます。 両審議会の審議過程、これは審議は東京で行っておりますので、ヒアリングを行いましたのは東京でございます。ヒヤリングをいたしました対象団体といたしましては、団体で申し上げますと、連合、経団連、全国公害患者の会、地球環境関西フォーラム、日本自然保護協会等でございまして、そのほか関係各省それから地方自治体から意見を徴しております。 また、審議会会長あてにいろいろ意見書が提出されております。例えば、全国公害患者の会連合会、大阪公害患者の会連合会、日本弁護士連合会、全国知事会、経団連環境安全委員会、環境法制検討市民委員会、バルディーズ研究会環境基本法検討プロジェクト、国際協力三水会、地球環境を守る市民の会、米沢地域交通問題研究会、環境問題を考える技術者の会、そのほかいろいろございます。これらは、審議の過程において持ち出された意見書というのは十四通にわたっております。
○中尾則幸君 公害患者の会にもいろいろ聞かれたということで、そういった意見書も出されたという、それであれば本案のどこにどう生かされているかというのを簡単にお答えいただきたい。例えばこういう意見があったと、しかし採用したというのは言い方としておかしいんですけれども、採用するということ自体がおかしいんですが、ここで盛り込んだとか、具体的にわかるところがありましたら簡単にお答えください。
○政府委員(八木橋惇夫君) 例えば全国公害患者の会連合会等の御意見を例にとってお答え申し上げますれば、今日の環境問題が都市型、生活型公害に変わってきつつある、また地球環境問題というものを正面からとらえなければならないということはそれはそれなりにわかるけれども、従来の公害問題、産業公害というものをおろそかにしてはならぬというような御意見がございました。 私どもは、それは非常にもっともな御意見だということで、公害対策基本法の考え方、仕組み、そういったものはゆるがせにしないでしっかりとこの環境基本法に引き継ぐという、そういった連合会の御意見を踏まえて審議会の答申が行われている、それをもとにしてこの環境基本法はつくられている、こういうぐあいに言ってよろしいかと思います。
○中尾則幸君 答えていませんね、具体的にどこをどういう例えば字句でというようなこと。それは精神としてはわかります、いろいろな中で全体として盛り込んだ、それはわかりますけれども、ここのところは公害患者の会の団体からというところがなければ、これはもう当然審議会を開いているわけですから、ここは盛り込んだというところを、証拠をやっぱりちょっと見せてほしいんです。
○政府委員(八木橋惇夫君) 公害対策基本法の条項、これは環境基準から特定地域における公害の防止、それから公害防止計画の達成、それにあとは公害関係の被害者の救済等の規定、これらはすべてこの基本法の中に盛り込んでいるところでございます。
○中尾則幸君 いや、ですから、その公害対策基本法に比べて飛躍的と言ったらおかしいですが、これはさらに踏み込んだとか、例えば公害患者の被害救済、現に水俣病も大変ですよ。チッソが累積赤字を抱えて大変だということを御存じであろうかもしれませんけれども、そこを聞きたいんです。ほかにもその点について私は具体的に精査したいと思いますので、一言だけで結構です。その公害患者の方々の意見を盛り込んだ、公害対策基本法よりもこの環境基本法が具体的に策として踏み込んでいるあかしをちょっと聞かせてください。もちろん理念でありますけれども、理念としてもあるわけでしょう。
○政府委員(八木橋惇夫君) お答え申し上げます。 例えば第三節の規定、第四節の規定、それに第三十一条の規定、これらは公害対策基本法における規定を全く後退させることなく継承しているところでございます。
○中尾則幸君 わかりました。それ以上伺いません。後退させることなくということは前進してないということです。それは後から私もいろいろフロンガス等の問題であれします。 次の質問に移ります。 リオ宣言の第一原則、御存じのように「人類は、自然と調和しつつ健康で生産的な生活を送る権利がある。」、これはつい最近までそういうふうに仮の訳をしておりました。ところが、びっくりしたんですよ。これ、二、三日前に私に届きました、皆さんもう既にお読みになったと思います、アジェンダ21、立派な本をいただきました。めくってみました。これの四百四十九ページ、それで第一原則がこう書きかえられているんです。「人類は、持続可能な開発の中心にある。人類は、自然と調和しつつ健康で生産的な生活を送る」、次なんです、権利を有するというのがいつの間にか「資格を有する。」というんです。 これは衆議院の環境委員会の議事録を読ませてもらいました。いろいろ、なぜ「資格を有する。」か、ここに至るまでの布石を打ってあるんですよ。ちゃんとわかっていますよ。そうすると、私は英語得意じゃない、日本語もそうじゃないですけれども、これは原文をいろいろ専門家に聞きました。そうすると、衆議院の環境委員会ではエンタイトルド・ツー、エンタイトルですね、野球でもエンタイトルというふうに使います、これについては資格を有すると訳すのが適当だと言うんですよ。そうですか権利を有するということが間違っているんですか。そして英英辞典を専門家が引いてみたら、ツー・ギブ・ザ・ライトと書いてあるんです。ライトというのは権利ですよ。規定は、資格を与える、あるいは権利を与える、どちらでもいいんですよ。なぜ書きかえる必要があるんですか。 だから、いいですか、解釈論言っているんじゃないんですよ、英語の勉強じゃないんですから。私は精神を言っているんですよ。こんな小手先のことをやるから。みんなわかっているんですよ。権利を有するが間違っていたらここでは言いませんよ。権利を有するという言い方、表現が間違い なら言ってくださいよ。私が言っているのは、その表現論についてはいい。こう訳しましたと、権利を有するということが誤訳であったというんならそう言ってください。ただ私は、誤訳でない、いろいろ専門家に聞いたら、資格を有するという表現も間違ってない、権利を有するというのも間違ってない、権利があるも間違ってない。これをあえて書きかえる必要があるか、この精神を言っているんですよ。 まず、その書きかえたこと、誤訳であるかどうか。そして長官、その精神を言ってくださいよ。
○政府委員(加藤三郎君) このリオ宣言の第一原則のところにつきまして先生からのお尋ねでございますので、大変時間をとって恐縮ですが、少し詳しく御説明をさせていただきたいと思います。 このリオ宣言をつくるに当たりましては、最初地球憲章という名で準備されました。多くの国が参加をいたしまして、どの原則につきましてもかんかんがくがくの議論があったわけでございます。特にこの今お尋ねのリオ宣言の第一原則につきましては当初途上国から意見が出てまいりまして、いろいろと途上国は人間中心主義という考え方を色濃く出しまして、特に今お尋ねのエンタイトルドというところにつきましては途上国の最初の案ではギャランティーとなっていたわけでございます。人類はギャランティーされる、ヘルシーライフをギャランティーされるというそういう趣旨の言葉が最初の原案でございました。それに対しまして、私自身も参加をしたわけですが、先進国からギャランティーという言葉は少し強過ぎるのではないかという議論になりまして、むしろこれをエンタイトルドに変えるのが適当であるという議論になりました。 そこで、先ほど先生が精神をとおっしゃいましので、私ども……
○中尾則幸君 いや、間違いかどうかということを僕は聞いているんですよ、権利があるというのは間違いかどうかという。それを答えてくれたらいいんです。
○政府委員(加藤三郎君) はい、わかりました。 私どもは、地球サミットのときの文章は国連の会議でございますので国連公用語でできております。何もこれはリオ宣言だけでなくてアジェンダ21も全部いわば国連公用語でできているわけですが、それを速やかに日本の国民の方に内容を知っていただくという意味でその直後に環境庁として仮訳という格好で出させていただきました。その仮訳はまさに先生御指摘のとおり「権利がある。」というふうに訳をしてございます。 その後、会議が終わった後、このアジェンダ21でもそうでございますけれども、すべて慎重にもう一度いわば外務省と御一緒に訳を見たわけでございます。そして、訳を詰めたところで、先ほど来申し上げましたこの第一原則を議論するときの議論の過程、それからエンタイトルドという言葉を資格があると訳すかあるいは権利があると訳すかどちらが適切かというふうに考えたときに、ギャランティーから出発したことを考えますと資格があると訳した方がより適当だということで訳を変えさせていただいたということでございます。これは、何もここの部分だけそうしたというわけではもちろんございませんで、リオ宣言全体あるいはそういったものにつきまして慎重に吟味をした結果そうなったわけでございます。 じゃ最初からそういうふうにすればいいじゃないかということになるかもしれませんが、やはり会議が終わった直後に概要なりそういったものを国民に一刻も早く知らせる必要があるということで、私ども関係省庁と、何か詰めるということでなく、とりあえず速報的に仮訳として提供させていただいた。これは各種国際会議で常にやっていることでございまして、最初から資格を有すると訳しておけば適当だったのかもしれませんが、原案自体がエンタイトルドということでございましたので、慎重に審議した結果そういうふうにしたということであります。
○中尾則幸君 あり余っている時間じゃないですから、聞いたこと、要点だけ答えてくださいよ。 じゃ、環境庁長官、これについて一言。
○国務大臣(林大幹君) 国連の公用語をもとにした英文でございましたので、訳文にっきましてはできるだけ日本の国民に誤解のないように最も適切を言葉を選んだということで私は理解しておりました。
○中尾則幸君 この問題については私これ以上追及しません。ただ、こういったことの一つ一つが非常に不信感につながるんですよ。そういうことだけは申し上げておきます。せっかく環境保全を市民、地方自治体、国、事業者ともになって進めよう、その姿勢について私も大賛成なんです。ですから、こういう細かいところで不信感をあおらないようにしてほしい、これを申し添えておきます。 それでは、次に環境行政の機能強化について御質問いたします。実は、もう既に御案内と思いますけれども、日本社会党を初め今回修正要求ということで、この環境行政の機能強化についても盛り込んであります。それについては後ほど説明します。 この基本法案の提案理由の大きな柱の一つとして、都市型あるいは生活型の公害が改善されていないと長官もおっしゃっております。この大量消費時代にリサイクル型の社会をどう実現するかというのが急務ではないか、申すまでもないことです。家庭から出るごみの処分等、これは連日テレビも、つい先日の週刊誌も、私持っている「日本ゴミ列島」、これは週刊文春ですけれども、非常に関心は高いんですけれども、さりとてどうしたら防ぐ手段があろうかというふうなことで関係各省含め各自治体大変悩みが大きいと言わなければなりません。 これについては、基本法案の第八条に事業者の責務としてうたってございます。この基本法案では事業者の責務として、負荷の低減に努めなければならないとうたってありますけれども、これに類する法律が既に御案内のようにできております。その一つはいわゆる廃棄物処理法、そしていわゆるリサイクル法であります。 ちょっとここでこの基本法案の八条の事業者の責務と、廃棄物処理法そしてリサイクル法の精神について比較してみたいと思います。 なぜ今私は問いかけたかといいますと、この基本法案がさきの二法に対してより踏み込んだ方針を掲げているかどうか、これは大変気になるところなんです。 それで、まず第一番目に厚生省に伺いたいと思います。 廃棄物処理法においてはどううたっているか、事業者のこれは協力と書いてあります。私は第六条の三についてちょっと趣旨を簡単に説明願いたいと思います。
○説明員(三本木徹君) 御説明申し上げます。 廃棄物処理法六条の三は、厚生大臣が市町村の処理の状況に照らして処理が難しくなっていると認められます一般廃棄物を指定するという趣旨でありまして、市町村長はこの指定に係る製品の製造等を行う事業者に対しましてその処理について必要な協力を求める、こうなっておるわけであります。 この趣旨は、家庭から排出されますごみがいろんな種類のごみがふえておりまして、したがいまして、それに応じた処理の方法というものも複雑化しているわけであります。したがいまして、市町村が有する処理施設では処理が難しい、こういう事例がございまして、そういう廃棄物については、廃棄物の性格を十分に把握しているこれら廃棄物の前となる製品をつくるいわば製造業者、そういう者に対して協力を求めることが適当であろう、こういう観点で定められたものでございます。
○中尾則幸君 それでは通産省にお伺いします。 リサイクル法、これは事業者等の責務、第四条について御説明を簡単に願います。
○説明員(今井康夫君) お答え申し上げます。 リサイクル法第四条におきましては、工場また は事業場におきまして事業を行う者や物品販売業者、建設工事の発注者の責務といたしまして、みずから再生資源の利用に努めること、また、事業に係ります製品や建設工事に係ります副産物が再生資源として利用をされることを促進するように努めることということを規定しております。 この規定の趣旨でございますけれども、再生資源の利用の促進に当たりまして、事業者、消費者、行政などの関係者がそれぞれ役割を分担して必要な努力を行っていくということが重要であることにかんがみまして、このうち事業者の責務を四条に規定したものでございます。 本条につきましては、具体的に申し上げますと、事業者または建設工事の発注者の責務とされておりますのは、その事業の実施や建設工事の発注に際しまして再生資源を利用するように努めること。それから第二番目に、その事業に係る製品が一度使用された後、それを再生資源として利用することが促進されるように努めるということでございます。また三番目といたしまして、その事業または建設工事に係る副産物、こういうものを再生資源として利用することが促進されるように努めること。以上でございます。
○中尾則幸君 ありがとうございました。 それで、さて今回の環境基本法案について、今説明のありました廃棄物処理法、そしてリサイクル法と比べて、事業者の責務、これは大変関心のあるところなんです。どう強化されているのか。どうも強化されていなくてそのまま焼き写しといいますか、左から右へ持ってきただけ、これ一つ一つ読めばそのとおりなんですが、私は読み方が悪いんだろうかなと思っているんですが、どうも強化されているというふうに見えない、あるいはそのまま持ってきただけ、移しかえというふうな感じがするんですけれども、そこのところについてお答え願います。
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生の御質問でございますこの環境基本法案第八条第二項は、事業者に「その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要な措置を講ずる」という責務を規定したわけでございますが、これは廃棄物処理法第六条の三の規定がございますけれども、これは環境基本法案第八条第二項を個別法におろした場合の具体的なあらわれというぐあいに御理解をいただきたいわけでございます。 また、リサイクル法第四条の規定は、事業者が再生資源を利用するように努めなければならないということを規定いたしますとともに、事業に係る製品等が使用された後の再生資源としての利用の促進に努めなければならないということを規定したわけでございますが、これは主に環境基本法案第八条の第三項の具体的なあらわれであるというぐあいに御理解いただきたいわけでございます。 先生最初に御指摘になりましたように、環境基本法案というのは環境保全をこれからやってまいります際の基本法でございますので、その書きぶりは性格上どうしても個別法の規定よりも抽象的、一般的な規定にならざるを得ないわけでございますが、そういったような抽象的規定が、また一般的な規定が、それぞれリサイクル法ないしは廃棄物法という個別法の具体的な規定となってあらわれるというぐあいに法体系としては御理解いただきたいわけでございます。 ただ、先生御指摘になりますように、時間的な関係が廃掃法、リサイクル法が先になっておりますものですから、そこのところ若干概念的にちょっとわかりづらくなってはおりますが、法体系といたしましてはそのように御理解いただきたいわけでございます。
○中尾則幸君 大変わかりづらい、今の御説明だと本当はこれから個別法をつくらなきゃいけないわけです。それについてはもう局長が言いましたから、具体的にもうちょっと調べてみたいと思います。 廃棄物として処理するのが難しい物品が大変ふえていると私は思っていますから、廃棄物処理法の中で、これは厚生省にちょっと聞きたいんですが、適正処理困難物というのがありますね。それについて処理法の第六条の三の一項の規定ではこういうふうになっております。「厚生大臣は、市町村における一般廃棄物の処理の状況を調査し、」ちょっと中略、「その適正な処理が全国各地で困難となっていると認められるものを指定することができる。」。そして、厚生大臣はこれまで何かいわゆる適正処理困難物を指定したことがございますかあるかないかをお答えください。厚生省です。
○説明員(三本木徹君) 御説明申し上げます。 廃棄物処理法が改正されて施行されましたのが昨年の七月でございます。したがいまして、現在のところ先生御指摘のような具体的な適正処理困難物の指定というものはまだ行っておりませんが、私ども昨年十一月に廃棄物のこの規定を踏まえた処理状況の全国調査を実施しておりまして、現在その集計を行っているところであります。その結果を私どもは踏まえまして、できるだけ早期に適正処理困難物の指定を考えていきたいと思っております。その際には、当然のことながら指定に係る製品、容器の製造、加工、販売事業を所管する関係の大臣の意見聴取なども行っていくことにしてございます。
○中尾則幸君 私がせっかちなのか。でも昨年七月施行されていて、もう一年たっているんですよ。そしていろいろ出ているわけですよ。調査してからと言う。これはもう早くやってくださいよ。実際に処理困難物、おわかりでしょう、大変迷っているんですよ、いろいろもう各地では。北海道でも大変ですよ、東京のごみが稚内のサロベツまで、今問題になっているんですよ。稚内の原野に東京のごみが来ている、そういう状況はもう深刻な事態なんですから、そんな悠長なことを言っておられないで、頑張ってくださいよ。 そして次です。また厚生省に聞きます。 第六条の三の四項では、厚生大臣は、第一項の指定を行うに当たって、事業を所管する大臣の意見を聞かなければならない。ということは、指定したことがないから聞いたことがないということですね、これ。はい、わかりました。 私が指摘したいのは、そうしたら、第六条の三の三項でも、厚生大臣は、事業を所管する大臣に、事業者の協力を得ることができるように必要な措置を講ずることを要請することができると。これはもう本当にわからないようにわからないように書いてある。ということは、なぜこれに私こだわるのかといいますと、つまり消費者に物が流通して、廃棄処分されるかあるいは資源の再利用されるか、いろいろありますけれども、例えば自動車であれば、事業者、これはメーカー、それから流通業者、ここまでは通産省の所管だと聞いております。それから消費者が使って、例えば廃棄する、ごみとして処理する、これが厚生省ですね。いわゆる川上から川下に流れる動脈、専門用語で動脈と言うそうですけれども、動脈でさえ分断されているわけですよ、所管が御存じのように。そしてリサイクル型社会というのは、リサイクルというのは御存じのようにサイクルです、回るんです。メーカー、流通、それから消費、川上から川下へいく、これが動脈。それから消費者が廃棄した場合にはこれは厚生省の担当です。再生しよう、資源再利用しようというから今度メーカーに持っていく。逆に言えば、動脈に対して静脈の整備がない。なぜかというと、動脈そのものが寸断されているわけですよ。これは縦割り行政の悪いところです。この件については後ほど指摘します。 それではちょっと伺います。今回の基本法案の提案の趣旨は、例えば今地球規模で深刻化している、いろいろありました。海洋汚染の問題でありますとか地球温暖化の問題、それから野生生物の種の減少、これも大変な深刻な問題です。これについても今回共同修正案として四項目目にうたってございます。そしてまた、フロンガス等によるオゾン層の破壊、大変深刻な事態を迎えています。オゾン層の破壊の実態を、つい最近のデータ を私もとってみました。フロンガスによる破壊のあれは物すごいですね。ますますひどくなっている。後からちょっとデータを私も提示いたします。これは大変な深刻な状態になっている。それで、この深刻な事態に対してまず環境庁の方から、どう認識されておられるのか、オゾン層の破壊について一言御説明願います。
○政府委員(入山文郎君) 先生御指摘のように、地球的な規模でオゾン層の破壊というものが進行しておるというデータがあるわけでございます。私どもはそういったことを踏まえまして、オゾン層保護法に基づいた施策を着実に実施してまいりたいと思っております。
○中尾則幸君 着実に実施していただきたい。なかなか効果があらわれておらぬということです。九二年十一月のモントリオール議定書の締約国会議で、特定フロンCFCの九五年末全廃、それから代替フロンHCFCの二〇二〇年原則廃止が決定いたしました。さらにフロンの回収、再利用も促進すべきという決議もなされておりますけれども、法的拘束力がないといいまして我が国の環境庁はこのフロンガスの回収等に積極的な姿勢を見せていないと聞いております。しかし、アメリカでは御存じのように改正大気浄化法で故意にフロンを放出すると一万ドル以下の罰金に処せられる厳しい回収義務をつけております。ドイツ、スイス、ヨーロッパ等も大変積極的であります。 そこで、まず通産省と厚生省に聞きます。 フロンの発生源ともなる家庭用クーラー、冷蔵庫の年間販売台数、そして廃棄された量、さらに回収された数量についてどう把握しているのか、数字でお答えください。厚生省と通産省にお伺いします。
○説明員(三本木徹君) これは推計値になるわけでありますが、平成元年度に近畿地方の市町村約五十団体を対象にいたしまして、粗大ごみの収集量、これは市町村が集めるものでありますが、調査したところ、冷蔵庫、エアコンにつきましては、一カ月の人口千人当たりの収集量としては冷蔵庫が〇・三七個、エアコンが〇・一四個でありました。これをもとに推計いたしますと、全国の市町村で集めていると推計されます冷蔵庫は五十五万台、それからクーラーが二十万台であろうと思われます。 一方、これは市町村に入ってきたクーラーと冷蔵庫の話でございますが、それ以外に家電製品の販売店自体が個人から回収をするというようなことを行っておりまして、そういうのでいきますと、全体で眺めてみますと家電製品の推計の廃棄台数は冷蔵庫で約三百四十五万台、クーラーで約二百万台というような報告がございます。
○中尾則幸君 これは何%ぐらいに当たりますか、回収は。クーラー、冷蔵庫。
○説明員(三本木徹君) これは推定でございますが、直接市民から市町村に持ち込むものと市民が販売店に持ち込むものとは大体一対五の割合、すなわち約一割から二割ぐらいが市町村に持ち込まれ、残りが販売店に持ち込まれる、こういうような割合ではないかと思われます。
○中尾則幸君 そうしたら同じく伺います。 それで今の話ちょっと、数量のとり方が全国的になかなかとられていらっしゃらないということでよく把握ができないんですが、回収ルートがどう整備されているか実態を示していただきたいんです。例えばクーラーであったらこう回収ルートをつくっていると、こう業者に義務づけているとかいうことを聞きたいんですが。簡単でいいです。
○説明員(三本木徹君) 多くは市民と販売店とのやりとりで決まるものでありますが、地方自治体におきましては分別収集を行っておりまして、その際粗大ごみというカテゴリーで分別収集を行っております。そういうところに出すものと、それから市町村の指導、あるいはその地域の販売店と市民との間で、新しい製品を買う際あるいは売る際に古いものを引き取る、こういったことが一般化している、こういう状況でございます。
○中尾則幸君 いろいろ各市町村等の話を聞きましたら、大変今心配になっているのは、クーラーや冷蔵庫の回収されるのが非常に少ない。これは完璧に回収されているわけじゃないですよね、聞いたら。ごく一部なんですよ。あとは大体使い捨ての時代でつぶしていく。そうするとフロンが、押しつぶしていく、あるいは埋める、そんな段階でぺしゃんこにする、その中で大気中に漏れていっているというんですよね。それについてはどう認識されていますか。
○説明員(三本木徹君) 粗大ごみとして集められた冷蔵庫、クーラーの中にフロンガスが入っているというのは私ども承知しております。粗大ごみ全体が非常に複雑なものになっておりまして、通常はそれを破砕いたしますので、その破砕する工場の中でフロンガスを回収するということは現在の市町村で持っている技術では難しいというふうに言われております。したがいまして、先生お尋ねのフロンにっきましては、私どもとしてはできるだけ回収する方法とか、あるいはまた別の処理のシステムといいましょうか、という形での対応とかいろいろ考えられるわけでありますので、ここは関係の省庁ともよく相談しながら検討を進めていかなければならないというふうに考えております。
○中尾則幸君 今大変正直なお答えをいただきましてありがとうございました。 具体的にいわゆる回収する方法、システムについては完備されていないんです。ということは縦割り行政だからですよ。皆さんだって、それを放置していいなんて思っていないんですよ。ここまでは通産だとか、例えばこれはフロンは関係ありませんけれども、お酒の関係だったら大蔵だとか、それで廃棄物だったら厚生省だとか。そうして私が指摘したいのは、そこで環境行政とは何か。ここで環境行政が登場しなきゃいけないんですよ。ですから、今回修正案要求の中にも第一番に環境行政の機能強化をうたっているんですよ。これは本当にひとしく国民のためなんですよ。そういうことを申し上げたい。 この回収ルートがないんです、正直言って。いわゆる静脈へ戻っていかないんです。個々にいろいろ廃棄物業者とかありますけれども、経済がちょっと落ち込んだら大変なんですよ。やらないとか、それは商売ですから。そんなことじゃフロン一つとっても見捨てておけないんですよ。一言いかがですか、今の話を聞いていまして。環境庁にお答え願います。
○政府委員(入山文郎君) 先ほどオゾン層保護法に基づいて着実に施策を実施していきたいということを申し上げました。この回収の問題でございますけれども、特にクーラーや冷蔵庫等のいわゆる冷媒用のフロン等でございますが、この回収につきまして今厚生省の方からも説明があったわけでございますけれども、私どもといたしましても新たに本年度からいわゆるオゾン層保護対策地域実践モデル事業というものを実施することにしているわけでございます。この事業の成果を踏まえまして、関係の省庁と連携をしながら必要な指導をしてまいりたい、こういった面につきましても環境庁がリーダーシップをとっていくようにしたい、このように考えているわけでございます。
○中尾則幸君 今最後の言葉を聞いて大変安心しました。環境庁がリーダーシップをとらないと、これは環境行政ですから、ほかのことを言っていないんですから、しっかり頼みますよ。 私北海道出身だから申し上げるんじゃないんですけれども、最近のデータが入りまして、フロンガスの情報をお伝えします。 特に札幌上空がひどいのです、御存じのように。平年値より今月一日マイナス一三・三%、二月マイナス一五・五%、三月マイナス一三・一%、四月マイナス八・二%。極めて異常だと気象庁も言っているんです。オゾンホールというのは、私専門家じゃないんですが、二百二十atm以下の状態を指すと。一月が札幌上空が約三百五十atmですから、毎年十数%ずつ減っていくという勘定をしますと、三百五十引く二百二十は百三十なんですよ。十数%で割りますよ。一三%で 割ったら、これは十年でオゾンホールが札幌上空に起こるというんです。オゾンというのはもうどんどん今上昇を続けていますから、すぐ全廃したからといって、十年も二十年もかかるというんですよ、上空に届くのに。これは極めて異常な状態なんですよ。ですから、私はこのことを深刻な事態として受けとめているんです。皮膚がんだとか白内障だとか、もう御存じのように。ですから、今局長さんお話しになった、これは日本にももう訪れてきているんですよ。 その意味でも、縦割り行政じゃなくて、これは国民の生活を守っていくんだと、環境を守っていくんだと。強いて言えば産業を守ることなんですよ。プランクトンの話はしません。例えばこれはもう全部すべて食物連鎖に異常を起こしている、これはわかっている。ですから私は言っているんです。今回の修正要求案の第一の環境行政の機能強化というのは、そこを言っているんです。これは異論ないと思います。 ここで、環境政策の特にリサイクリングの政策について、私は先日慶応大学の丸尾教授の論文を読ませていただきまして、若干その一文を紹介させていただきたいと思うんです。 この先生は、福祉、環境、経済等の専門家で、非常に複眼的にリサイクルについて提言されています。この中で、この先生は、理念も大衆を捉えるときそれは物すごい力になると言っています。それで、福祉の分野でこの先生が実践してこられたネットワーク拠点づくりがごみ収集や廃棄物の処理について役立つのではないかと話しております。 ここの中の一部を読ませていただきますと、「福祉の分野で言われてきたネットワーク化とネットワークの拠点作りの必要性が、ゴミの収集とリサイクリングの場合にも必要であることが痛感される。少なくとも中学校区に一つ福祉サービスの拠点を置き、そこを中心に福祉サービスのネットワークを作り、ボランティアも組織し、その拠点に政策をコーディネートする人がいることが福祉サービスにとって大切であるように、リサイクリングがうまく機能するためにはゴミの収集とリサイクリングの拠点あるいはセンターが必要であり、」云々というんですよ。そういう意味では、地域住民も巻き込んでそういったシステムをつくったらどうかと。いわゆる町内会単位と言ったらおかしいですけれども、そういったシステムをつくられたらどうかと。 実際私ごとで恐縮ですけれども、札幌で今一日一人百グラムごみの減量作戦というのをやっておりまして、生ごみの排出を抑えようということで、コンポスト、これは町内会単位で回ってくるんです。四千九百円コンポストのバケツみたいのにかかるんですが、補助が二千円つくんです。そうすると広まるというか、二千円補助があるからというんじゃないですけれども、そういった単位で、これは強制じゃありませんけれども、少しずつやっぱり実現していくんです。各市町村、自治体、大変な努力をされていると思います。それを一元化して、環境庁がここで大きく予算を取って、リサイクルのための一元化のための拠点づくり、地域づくりですね、その支援措置を私は行ってはどうかと思うんです。 その前に、自治省の方がいらっしゃっていると思いますので、こうした拠点づくりに対して地方交付税等の拡充等は考えられないんでしょうか。
○説明員(田村政志君) 御指摘のように、地方団体では今リサイクルの問題について住民団体の支援であるとか普及啓発、それからリサイクル施設の整備といったことで、地域の実情を踏まえたさまざまな取り組みが行われているところでございます。それを受けまして、私どもの方で昨年の地方財政計画におきまして、従来の公害対策に加えましてこういった環境保全、あるいはリサイクルといったものをもっと地方団体が積極的に行えるように七百億国会まで計上していたものを千七百億円にいたしまして、今年度それを二千億円に増額しております。そうした中で、リサイクルにかかるソフトの経費は十分配慮していると思っております。 それから、リサイクル施設についてでございますが、これも昨年、平成四年度から地方債の対象にいたしまして、地方債と交付税を組み合わせた形で施設の整備が円滑に進むよう措置をしているところでございます。
○中尾則幸君 長官から一言、これは実現すぐというわけにはまいらないと思いますけれども、平成六年度の概算要求の際に、こういう試験的なモデル地区を試しにつくってみるとか、そういったリサイクルのシステムについてちょっと御検討願いたいなと思うんですが、それはいかがでしょうか。
○国務大臣(林大幹君) 今一番深刻な問題になっておりますのは、大量生産、大量消費という言葉の次に大量廃棄という時代を迎えまして、その廃棄物の処理に各自治体とも全く苦労なさっておられる。それからまた、先生おっしゃるようなリサイクルということの重要さも大変一人一人の気持ちの中にはもうだんだん認識の度が深まってきているという機運でもありますので、先ほど大気保全局長も話されましたような一つのモデルケースを十分に生かしながらこれに取り組んでいく。そのためにはまた各省庁の協力も得なきゃならないということで、環境庁としましてはそういう意味における総合調整官庁の立場というものをはっきり認識しまして積極的な役割を果たしていきたい、そのように考えております。
○中尾則幸君 厚生省、通産省の方、ありがとうございました。 質問に移りますけれども、今回、先ほども申し上げましたけれども、日本社会党初め六会派共同で四項目にわたる修正案を提出いたしておると思います。 それでその一つは、今も申し上げましたように、環境行政の機能強化というのは、フロン一つとってもいかに大事であるかということをおわかりいただけたと思うんです。そして、四項目のうちもう一つは私は情報の公開だろうと。例えば、今まで水俣病を経験し、イタイイタイ病を経験し、いろいろな公害を経験してきた。そしてこの悲惨な歴史をもう繰り返さないために、なぜ公害が広がったかといいますと、それはいろいろ経済的な事情、それから各企業のあり方等いろいろありますけれども、その原因の一つは、情報が一般地域住民に公開されていなかったからなんです。これはもうだれしもが指摘するところなんです。だから、どんどん広がっていった。この二の舞を踏まないためにも、情報公開というのもこれは大原則だろうと思うんです。 そこで、情報公開についても今回修正要求をした次第です。この情報公開について、しかしこの基本法案、私はもう情けなくなりました。その二十七条、これは「情報の提供」となっているんです。修正案では提供から公開にしなさいと言っているんです。二十七条をひもときますと、国は「環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。」というんです。国の意思で情報提供しますよと、それじゃいかぬのですよ。国民の側からは、知りたい情報を得るためにはこの規定じゃ不備だと言わざるを得ないんです。 例えば、これは何かといいますと、住民が積極的に参加する場合に、上からトップダウン方式で押しづけられると、これは先ほど慶応大学の丸尾教授の指摘にもありましたけれども、力にならないんです。ですから、プライバシーに関するもの以外は公開すべきだ。ですから、「提供する」から「公開する」と修正すべきではないかと思いますが、これについて一言御所見を賜りたいと思います。
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生の御指摘でございますが、情報公開ということにつきましては、一体どういうものを公開すべきかまたそれに対する支障はどうかということにつきましていろいろ議論がございます。国におきましてもこの点に関しましては、昨年十二月に出ました行革大綱に おきまして、これまでに整理された検討課題を踏まえつつ引き続き調査研究を進めるということになっておりまして、まだこういった問題が解決されておらない状況にあるわけでございます。 したがって、情報公開ということに一般にはまだ持っていける段階ではないということを御理解いただきたいわけでございますが、しかし環境に関する適切な情報が国民に行き渡るようにするということは環境保全上極めて重要な事柄であるということから、私どもは二十七条に規定いたしましたように、「環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。」というぐあいに書かせていただいたわけでございまして、この条項をもとに私どもとしては積極的に情報を提供するような体制づくり、またそういった施策というものを進めてまいりたいというぐあいに考えているところでございます。
○中尾則幸君 理屈を言えば、その御答弁は前にも衆議院の議事録を読ませてもらってわかりました。しかし、積極的に私が今申し上げたことを反映させていくのであれば、これは提供じゃなくて公開だ。これは六会派共同でこの修正案を出しておりますので、その中でも各会派の皆さんからも御説明があると思いますけれども、そして今のお話の中で積極的にと言うんですけれども、きょうは文体論をやりません。堂本議員が霞が関文学の粋だと言いましたけれども、私も一応文章を書いて御飯を食べておりましたから、これは粋でも何でもないんですよ、はっきり言って駄文ですね。だけれども、それが法規範だとかいう御説明ですから、私の説明だけで終わらせてください。これは「ものとする。」というんですよ。「努めるものとする。」、これはあるんですね。「ものとする。」というのは、これを解釈しますと、努めるように努力するというんですよ、これが一般的な解釈。「ものとする。」と、「努める」というのは努める、これが違うんです。二重に網をかけている。これは文体ですから、はっきり言って。ここで文体論を展開しませんけれども、この精神なんです。法律というのは大体多いんですが、そこら辺一つ一つをとっても後退する姿勢がもう見え見えなんですよ。これについては御答弁要りません。 そこで、今、環境行政の機能強化の話、それから情報公開の話、必要だと私は真剣に訴えているんです。多分そうだなときっと心の中で思ってくれていると思いますが、そんな甘いことじゃいかぬですけれども、ちょっと厳しいことを申し上げます。 私、手元にあるのは四月二十七日の衆議院環境委員会の会議録でございます。ちょっと確認させてください。時崎委員の質問に答えて、大臣、大変なことを言っていますね。大変な立法府軽視、大変なことを言っているのをお気づきですか。私、読みます。私たちの審査のこれにもかかわるんです。途中から読みます。林国務大臣が、「今日出し得る環境基本法としては最善のものであるということで、諸先生の議会の御審議をお願いしておりますので、修正する意思はございません。」、修正するのは政府ですか。それだったら何のために国民の代表が環境問題、環境保全について皆さん一生懸命声を聞き、やっているんですか。これだったら国会議員は要らないんじゃないですか。「修正する意思はございません。」と言ったらこの時点で立法府は必要ないということですよ。そういうことでありませんか。多分お間違いだと思いますので、それを訂正していただきたい。
○国務大臣(林大幹君) ただいま中尾先生から重大な発言ということで紹介ありましたけれども、これは政府側自身の立場で修正はする気持ちはございませんと。ですから、修正する必要は立法府が決めてくださいと、そういう意味でございますから、そのように読んでください。
○中尾則幸君 私、今の説明はなかなか理解ができない。もう一度はっきりと、私どう読んでも、「修正する意思はございません。」、これは主語が「私」と書いてないだけですけれども、これは「私」と書いてないだけですけれども大臣ですよ。「修正する意思はございません。」というのは、これは「私」が入っているはずです。ということは林環境庁長官です。もう一度その点について説明してください。
○国務大臣(林大幹君) 大変中尾先生に申しわけございませんが、時崎先生の御質問を少し読んでくださいませんか。
○中尾則幸君 「もう時間が参りましたので終わりにいたしますが、総体として見て、この政府提案の環境基本法、どうもお題目がたくさん並んでいるのですが、実際それがどう実現されていくのか、そういうものがよく見えない。今の、時間をほとんど費やした環境のアセスの法制化の問題を含めて、どうも漠としている気がしてなりません。したがって、社会党提案の基本法とも十分比較検討していただいて、この環境基本法が国民にとってより有意義なものである、こういうふうに大胆にひとつ修正などに応じていただくとか、そういう気がございますか大臣。」と、こうなっております。
○国務大臣(林大幹君) 時崎先生の御質問の趣旨をそのまま踏まえまして、政府側としてはこの法案は政府側としての取り得る最善の法案として御提出をさせていただいたことでありますから、政府側が今の時点で政府側自体から修正する意思は表明できませんと。したがいまして、ただこの法案そのものについては議会が決定することでございますので、議会の意思は私は尊重します、そういうことであります。
○中尾則幸君 これは違いますよ。それは詭弁というものですよ。当たり前ですよ。だけれども、それだったら「修正する意思はございません。」と、こんな大事なあれだったらなぜつけ加えないんですか。不用意にも、「修正する意思はございません。」、それは幾ら長官が説明したって納得できませんよ、これ。そうですよ、「私」ですよ。
○国務大臣(林大幹君) 大変言葉の使い方でそのような紛糾をさせて申しわけありませんけれども、政府側の方からこの内容を修正して提出するという意思はございませんという意味の発言でございます。議会の意思は一番尊重しなきゃならぬということは、その背後にございます。
○中尾則幸君 私はまだいろいろ質問を用意していますので、これについてここで水かけ論をしても――水かけ論じゃない、これは水かけ論じゃない、大事な議論です。(発言する者あり)ちょっと待ってください。大事なんですけれども、これは本当はもう私はもっともっと言いたいんですよ。だけれども、(「言ったらいい」と呼ぶ者あり)いやいや、これは行政府として修正して提案する必要なしなんて当たり前じゃないですか、一回提案したものを。これはだれが審議するんですか。ですから、我々がこれについて審議しているわけでしょう。こんな当たり前なことを言うためにここに書いてあるわけじゃないんですよ、これは言い切っているんですよ、そうでしょう。 わかりました。そうしたら、じゃ真意だけお答えください。
○国務大臣(林大幹君) 国会の権威を最も尊重しておりまするからこそ、この法案を国会で御審議を願っておるのが政府の立場でございます。したがいまして、私自身も国会を軽視するなどという気持ちは毛頭ございません。 ただ、御反対の、条文について納得できない御意見があって、そのために政府として政府自身に修正する意思があるかというような質問に私は受け取りましたものですから、政府自身には修正する意思はありませんけれども、国会の意思は最大限に尊重するというのが姿勢でございます。
○中尾則幸君 当たり前のことを長々と。だけれども、これは大変ですよ。国会軽視はやめてくださいよ。 それでは次に移ります。 続いて、先住少数民族、いわゆるアイヌ民族の社会、文化の保護と開発のあり方について端的に伺います。 御存じのように、ことしは国際先住民年であります。日本には先住民族として北海道に古くから住んでいたアイヌ民族、アイヌの方々が今なお生活しております。リオ宣言の第二十二原則を見ますと、先住民族の文化あるいはそうした伝統等をきちっと評価しなければならないという規定があります。「持続可能な開発の達成への効果的参加を可能とさせるべきである。」ということですね。「先住民とその社会及びその他の地域社会は、その知識及び伝統に鑑み、環境管理と開発において重要な役割を有する。」と規定してございます。 そこでちょっとお尋ねいたしますけれども、北海道日高管内二風谷というところがございます。ダムの建設が進んでおるんですけれども、この五月二十七日に、国が北海道日高管内平取町沙流川で進めている二風谷ダムの建設に対してアイヌ民族の地権者二人が、土地の強制収用はアイヌ民族の文化伝承を不可能にし聖地を奪うもので違憲であり違法であるということで、収用裁決を出した北海道収用委員会を相手取り、札幌地裁に裁決の取り消しを求める行政訴訟を起こしたわけです。 私が言うのは裁判のことじゃないんですけれども、この背景にあるものがいわゆる少数先住民族と言われているその伝統、文化、遺跡もございましょう、それから儀式もございましょう。このダムのできることによってそういった聖地がなくなり、あるいは舟おろしの儀式、いろいろなところに支障を来しているということであります。 環境庁長官にまず聞いてみたいのは、こうした先住民族に対しての取り組みといいますか、どう考えていらっしゃるか、簡単にお伺いします。
○国務大臣(林大幹君) アイヌの方々の保持しておられる文化、風俗あるいは民族の伝統、そういうものをいかに環境庁は大事に考えておるかという、こういう御質問だと思いますけれども、私は全く先生のお考えと同じでありまして、アイヌの方々にとりましては貴重な伝統、文化というものがございまして、私ども北海道に参りましたときには、それを心から勉強したいという気持ちでアイヌの方々にも接したいという気持ちを持っておるくらいでございますので、当然アイヌの方々の生活環境、それをよく保全していくということにつきましては何よりも努力をしたいと思っております。
○中尾則幸君 きょうは建設省と北海道開発庁の方にもおいでいただいていますので、簡単に伺いたいと思います。 そこで、建設省と道開発庁に聞きますけれども、事業のスタートは昭和五十七年、ダム本体の着工は六十一年、総事業費九百二十億円、平成八年の完成を目指しておりまして、現在工事進捗率は約九〇%と伺っております。この工事開始に当たってどんなアセスを行ったのか。また、その際アイヌ民族にとっての精神的なシンボル、先ほど言った聖地、アイヌ語でチノミシリと言うんですけれども、あるいはチプサンケと言われているような舟おろしの儀式等のいろいろな文化、あるいはアイヌ民族にとって生存権にかかわる問題、具体的にアセスの隣どう考慮したのか、簡単にお答えください。
○説明員(岡野真久君) 御説明します。 二風谷ダムは、沙流川総合開発事業の一環として建設している多目的ダムでございます。この沙流川総合開発事業の環境影響評価につきましては、建設省所管事業にかかわる環境影響評価に関する当面の措置方針に基づき、また北海道環境影響評価条例により、道と協議の上、昭和五十三年から五十五年にかけて現地調査等を実施した上で公聴会を開き、かつ北海道知事の意見を聞きまして、昭和五十七年度に環境影響評価報告書を作成したものでございます。 この環境影響評価では、アイヌの文化については特に触れておりませんが、二風谷ダム事業の実施に当たりましては、この地域の文化特性の把握に努め、北海道教育委員会等に委託しまして埋蔵文化財の発掘調査を行うとともに、舟おろしの儀式チプサンケ実施場所の確保、水辺公園の整備、魚道の設置を行うなど、北海道や地元自治体等と相談しながら、アイヌ文化の保存、アイヌ文化を生かした地域振興対策、生活再建等を進めてきており、今後とも二風谷地域の特性に十分配慮して事業を進めるよう努めてまいる所存でございます。
○説明員(青木東雄君) 御説明いたします。 二風谷ダムは、治水及び利水を目的として当該地域発展に必要な公共施設として建設中のものであります。北海道の総合開発を担当する北海道開発庁といたしましては、建設省、北海道、地元の町とも連絡を密にいたしまして、生活再建策のほかに、アイヌ文化の保存、それからアイヌ文化を生かした地域振興対策などを進めております。今後とも事業を進めるに当たりましては、二風谷地域の特性を十分配慮してまいりたいと考えております。
○中尾則幸君 もう時間も余りないので、これは改めて別の委員会でやらせてもらいますけれども、十分配慮してなかったんです。なぜかというと、アイヌの問題についてようやく政府がこの対策に腰を上げたのは三年少し前です、現地にようやく足を運んで。そんな状況なんです。 このアイヌ民族が先住民族であるかどうかというのは、これは別の機会に論議を譲りますけれども、それほど無視されていたんです。ですから、アセスは、先ほど言いましたけれども、アイヌ民族の伝統文化について理解してはやってないんです。これは断言できます、はっきり言って。ということは、意見聴取をしたと言っていますけれども、私は実際聞いています、その代表者はオーケーなんか言っているわけじゃないんです。それはいろいろ意見聴取のあり方もあるでしょうから、それはもう時間の関係上追及しません。 ただ、一つだけ聞かせてください。この開発、ダムの問題にしても、いろいろ反論あるかもしれませんけれども、苫小牧東部工業基地構想、これは事実上もう破綻してますからね。だから、工業用水の必要性云々というのは、ここで議論すればもう時間もありませんから私はあえて言いませんけれども、そういった中で、とにかく先に開発ありきという、それがアイヌの聖地を奪い、そしてもう一つは貴重な野生動植物があそこにあるわけです。私も何度も行っております。そういった生態系も変えていく。 だから、アイヌの文化を守るだけじゃなくて、すべて自然を、環境を守っていく。なぜ先住民族を、例えば国際的にリオ宣言でもうたっているように大事にするかという、そこなんです。先住民族は自然との共生をよりよく考えてきたわけです。物をとる、サケをとるのも必要以上はとらないんです。それを学びませんかと言っているわけです。 ですから、本来であれば私は、この環境基本法の中にこの民族という位置づけ、先住民族と国では規定しておりませんけれども、こういった精神が生かされたら、なんとやっぱり今回の基本法については自然との共生について理念的にすごいものがあるなと、区別法じゃないんですよ、民族というのは、というふうに思うんです。 それについて、時間も参りましたので、もう一度環境庁長官から、今回の基本法の中にこれは盛り込むといってもなかなか難しいことがあるでしょうけれども、例えば基本計画がございますね。これから、閣議を含めて、中環審答申を待って、その中でこういった精神を私はぜひとも何らかの形で盛り込んでいただきたい。これは質問通告にはありませんけれども、一言お願いしたいんですが。
○国務大臣(林大幹君) 先生の御質問でございますが、つまりこの基本法の精神の中には、市民であるからどう、農村の人であるからどう、どこの人であるからどうという区別は一切しておりません。ひとしくやはり日本国民という立場で積極的に豊かな環境を享受できるような、そしてそれをまた次の世代にも引き継いでいけるような、そういうすばらしいものにしたいというのがこの法 の精神のあらわれでございますので、この場合も、アイヌの方々にとりましても、それを区別してどうこうするということはいたしておりません。
○中尾則幸君 ちょっと長官誤解があるようですけれども、区別じゃないんですよ。私はそういう自然環境を守り続けてきた伝統を評価すべきだというふうに言っているんですよ。ところが、今の法整備、アセスを含め、このアイヌ文化の伝統あるいは自然との共生のこの理念といいますか、これについては生かされていないんです。これは国際社会の中では生かしているところがありますね、実際に。 ですから、そう一元的に私は区別、差別などするなんて言ってないんです。でも、先住民であるその貴重な歴史、これはもうお調べになってもおわかりですけれども、私もその一人ですけれども、倭人として入ったんです。もともと開拓した土地へ入ったんです。それで、明治政府が土地を取り上げたんですよ。そういった状況の中で、全部土地を取り上げ、自然を取り上げ、そういった中で、私は、その人たちから学ぶ、しかもきちっと環境として認める、しかも彼らにはそういう権利があるじゃないかというふうに思うんです。もちろん一人の日本国民でありますけれども、私はそう思うし、述べたいと思います。いろいろ聞きたいんですけれども、私の聞き方がまずいんで、時間をとりまして済みません。 最後に、環境基本計画の作成について聞きたいと思います。 今も申し上げましたけれども、基本法案の第十五条に規定されています環境基本計画についてですけれども、十五条の三項に、「内閣総理大臣は、中央環境審議会の意見を聴いて、環境基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。」とありますけれども、中環審だけじゃなくて広く国民の声を聞くべきだと思いますけれども、これはいかがでしょうか。 国民生活は、この基本計画によって大きく左右されるわけです。この基本計画についてどう民意を反映させていくかということについてちょっとお尋ねしたいんです。
○政府委員(八木橋惇夫君) ただいま先生御指摘になりましたように、環境基本計画の策定に当たりましては、環境の保全に関し学識経験がある方々により構成される中央環境審議会の意見を聞くことになっているわけでございます。 そこで、中央環境審議会における審議、運営を通じまして、各界各層の意見が幅広く反映される仕組みとなっているというぐあいに私ども理解しているわけでございますが、なお、審議のあり方、審議の方法等につきましては、これは審議会の御決定になるところではございますが、国民の意見を反映させる方法といたしまして、この基本法策定の際にとりましたような方法、例えば関係者からヒアリングを実施したり、また広く文書による意見を受け付ける等の方法をとることによって、そういう工夫を講ずることによりまして国民の意見が幅広く反映されるようになる方法をとっていくことができるものというぐあいに考えております。
○中尾則幸君 私の提案ですけれども、全国各地で公聴会を開くべきだと思いますし、審議の過程がやっぱり国民の前に明らかにされるべきだと思うんですけれども、大臣いかがですか。
○政府委員(八木橋惇夫君) 審議の公開の話を先生御指摘になったわけでございます。 中央公害対策審議会におきましては、審議会がその御判断といたしまして、自由な討論、また公正な審議を確保するということから原則非公開というぐあいになっておるところでございます。 中央環境審議会が発足いたしました際におけるその審議のあり方につきましても、この環境基本法案が成立された後、審議会において決定されることになるというぐあいに考えております。いろんな国会における御議論、また各界のいろんな御議論、そういうものを踏まえまして、この審議会におきまして適切に判断していただくことになろうかと存じます。
○中尾則幸君 もう残り時間も二分しかなくなりました。 環境アセスメントの法制化についてきょう伺う予定だったんですけれども、質問通告しておきながら大変失礼しました。このことについて一言だけ伺いたいんですが、基本法第二十条では、このアセスメントの法制化については、これはついに盛り込まなかったと。これは先進諸国の例を今さら引き合いに出すまでもなく、大変後退している、立ちおくれているということを国際的に何か公にしたというような感じがします。 しかし、その後、宮澤総理が法制化も含め所要の見直しについて検討すると答弁しておりまして、具体化へ一歩進み出したのかなという私は認識をしておるんです。それであれば、総理の発言後、法制化等の検討に所要の見直しを含めてもう入っているかと思います。具体的に今どうなのか、お答えください。
○政府委員(八木橋惇夫君) この問題につきましては、宮澤総理が衆議院の委員会の審議の過程で御答弁なさったところでございますが、私どもといたしましては、この総理の答弁に従いまして内外の制度の実施状況等に関し関係省庁一体となって調査、研究を行う。その結果を踏まえて見直しを検討すべきである、こういう政府の方針を総理が表明なさったわけでございます。 私どもは、今まで環境庁といたしましてはいろんな勉強もやってまいりました。しかし、この問題につきましては、やはり関係省庁含めまして政府一体となって調査、研究を行っていく必要があろうかと思います。この法律を成立させていただきました後には、早速関係省庁と相談しながらこういった手続を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○中尾則幸君 時間が参りましたのでここで終わりますが、理念だけじゃなくて具体化に向けてしっかり頑張っていただきたいと思います。 きょうはありがとうございました。
○委員長(松前達郎君) 両案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 ―――――・――――― 午後一時一分開会
○委員長(松前達郎君) ただいまから環境特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹村泰子君 質問に入ります前に一言申し上げておきたいと思います。 私ども、この環境基本法案に対しまして修正の要求を出しております。日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、民主改革連合、日本新党、二院クラブ、この六者で要求を出しております。もうおわかりのことと思いますけれども、タイトルだけ言わせていただきますと、一番目は「環境行政の機能強化」、二番目に「地球環境保全等に関する国際協力の推進」、三番目に「情報公開」、そして四番目に「生物多様性に関する施策」、これらの修正要求を出しておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。 きょうの私の質問は主としてこの一、二にかかわるところ、一番だけちょっと読ませていただきますと、「国及び地方公共団体は、環境の保全に関する施策を実施するに当たっては、緊密に連携し、相互に協力するとともに、総合的見地に立った行政組織の整備と行政運営の改善に努めること。」、その他にわたりまして質問をさせていただきたいというふうに思います。 環境基本法案の第二条三項に公害に関するところがありますけれども、「この法律において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわた る大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。第十五条第一項を除き、以下同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下」その他というところがございます。 それから、第八条「事業者の責務」というところで、「事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。」というふうにありまして、二、三、四と項目がありまして、四項の最後のところには「国又は地方公共団体が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。」というふうに書かれております。 したがいまして、私のきょうの質問はそれに関することなんですけれども、土壌及び地下水の汚染対策に関する質問を初めにさせていただきたいというふうに思います。 産業廃棄物の不法投棄事件というのが頻々と起こっていることはもう御案内のとおりであります。産業廃棄物の不法投棄が原因でその収集運搬業または処分業の許可取り消しとなった件数、これは一九八八年度から九二年度の五年間で許可の一時停止を含めてどのぐらいの数があるのか。それから、これらの事例のうち原状回復が完全にされたケースは一体どれぐらいあるのか、費用はどのように負担されたのか、これらについてお答えいただきたいと思います。
○説明員(飯島孝君) 厚生省では都道府県が行った行政処分について随時報告を受けているところでございまして、今御指摘の不法投棄が原因で産業廃棄物処理業の許可の取り消しや一部停止処分を受けた件数につきましては、昭和六十二年度から平成四年度までの五年間で三十九件ございます。このうち原状回復の措置がなされた件数は三十九件のうち二十七件でございまして、現在原状回復の措置を行っているものが三件ございます。 都合三十件原状回復の措置がなされた、あるいは措置中というものがございますが、そのうち処理業者みずからが撤去あるいは費用負担を行ったものが二十六件、排出事業者が行ったものが二件、処理業者と排出事業者が共同して行ったものが二件となっております。
○竹村泰子君 費用はどうしましたか。
○説明員(飯島孝君) 費用の詳細については現在手元に持っておりませんけれども、費用負担を行った分類は先ほど御説明したとおりでございまして、大部分が処理業者みずからが撤去あるいは費用負担をしているということでございます。
○竹村泰子君 きのう私、予備的にいろいろお話を聞かせていただきましたときには、これらの処分業の許可取り消しとなった件数は四十四件、措置済みが二十七件というふうにお聞きしたんですが、これ数字が大分違いますけれども、どっちも本当ですか。
○説明員(飯島孝君) 昨日先生に御報告した数字、四十数件となっておりましたが、処分の実績から調査し直したものでございまして、同じ事件で処理業者が複数いる場合、そういったものを整理した結果が三十九件ということでございます。
○竹村泰子君 それでは処置済みの二十九件、二十七件というのも、二十七件の方が正しいわけですね。
○説明員(飯島孝君) はい。精査しました結果、措置済みが二十七件でございます。
○竹村泰子君 原状回復が完全になされたケースというふうに私申し上げましたけれども、原状回復が完全になされるというのはどのようなことと考えておられますでしょうか。
○説明員(飯島孝君) 先ほどお答えいたしました二十七件につきましては、放置されていた廃棄物を回収、撤去したということでございまして、例えば廃油、廃酸等の液状のものが投棄されている場合には、これは完全な原状回復をするということは現在のところ大変困難な状況にございます。
○竹村泰子君 そうすると、廃酸つまり液状のものについては完全に措置をしたということにはならないということですか。
○説明員(飯島孝君) いろいろなケースがございますけれども、廃油や廃酸がドラム缶に入ったままで放置されておればそのドラム缶ごと撤去することは可能でございますが、ドラム缶から捨ててしまった、土にしみ込んでしまったというような場合には完全な撤去は大変難しい状況にございます。
○竹村泰子君 私がちょっと聞き方が悪かったのかもしれないけれども、今おっしゃったみたいにドラム缶に入っていればそのままのけられるけれども、ドラム缶に入ってなければなかなか液状のものを完全に撤去することは、原状回復は難しいということで、そうしますとこの措置済みの二十七件の中にはそれは入っていないですね、そういったたぐいのものは。
○説明員(飯島孝君) 措置済みの二十七件の部分につきましてはドラム缶に入っているものということでございまして、なお私、難しいと申し上げましたけれども、土壌を掘り起こして、そしてそれを撤去するという方式も検討されているところでございます。
○竹村泰子君 わかりました。 昨年九月に許可取り消し処分を受けた熊本県八代市の九州環境開発株式会社、これは市内二カ所に不法投棄をしていたわけですけれども、そのうち昭和同仁町の方は、鉛、カドミウム、砒素などの有害物質が含まれていた。隣接地に農地があるために、土壌及び地下水の汚染がとても心配です。これらの調査結果はどんなふうに出ておりますでしょうか。県の調査だと思いますけれども、環境庁はどのようにこれを把握しておられますでしょうか。
○政府委員(赤木壯君) 熊本県では今般の不法投棄事件による環境影響が懸念されたために、不法投棄されました現場とその周辺におきまして土壌と地下水の調査を実施してございます。その結果は、不法投棄現場の土壌において土壌の汚染に係る環境基準を超えるカドミウム、鉛が検出され、同じく現場の地下水でも地下水の評価基準を超える鉛が検出されたというふうに聞いてございます。
○竹村泰子君 それはわかっていますが、どこに何が、鉛が水道水の水質基準に比べて何PPmとか、もう少し詳しく報告が来ているでしょう。それを教えてください。
○政府委員(赤木壯君) 先ほど申し上げましたが、土壌ではカドミウムが、何カ所も調べでございますが、場所にもよるわけでございますが〇・一六ミリグラム・パー・リットル検出された地域がございます。カドミウムの土壌環境基準は〇・〇一ミリグラム・パー・リットルでございます。それから鉛でございますが、鉛は〇・一一ないし〇・一〇ミリグラム・パー・リットルというものが二カ所ばかり検出されてございます。鉛は、今の土壌環境基準は〇・一ということになってございます。これは土壌でございます。 地下水では、地下水の評価基準ということになろうかと思いますが、観測した井戸から出た水の濃度は〇・〇四ミリグラム・パー・リットルということでございます。鉛は〇・〇一ミリグラム・パー・リットルが評価基準ということになってございます。そういうものが超えているという結果でございます。
○竹村泰子君 カドミウムについては〇・一六ですから、標準の土壌環境基準の〇・〇一をかなり上回っていますね。そして、ドラム缶に回収されて投棄されたもの、それはどのぐらいになったんでしょうか。
○説明員(飯島孝君) 先生御指摘の昭和同仁町の場合でございますが、鉛を含む廃酸、これはドラム缶にして約五千本分というふうに報告を受けております。
○竹村泰子君 非常にたくさんの廃液が出たわけで、それはそのまま放置されているわけですね。 回収されて、どこかへもう移された数なんでしょうか。それともそのままそこに放置されているんでしょうか。
○説明員(飯島孝君) 私ども報告を受けたところでは、処分場の隣接した農地に五千本相当の廃酸が捨てられまして、その後、措置命令をかけまして、これをドラム缶で回収して現在貯留槽に保管しているということでございます。
○竹村泰子君 貯留所ですか。
○説明員(飯島孝君) 貯留の水槽、貯留槽でございます。
○竹村泰子君 その貯留槽というのはどこにあるでしょうか。
○説明員(飯島孝君) 先ほど申し上げましたように、業者が持っております処分場でございまして、その処分場に隣接した農地に廃酸が捨てられたということで、その処分場の方に貯留しているということでございます。
○竹村泰子君 農用地土壌汚染防止法、これは一九七〇年施行ですが、土壌環境基準、一九九一年環境庁告示に根拠を持つ対策は講じられないんでしょうかどうでしょうか。
○政府委員(赤木壯君) 今の具体的な地域での土壌汚染防止法による対策が講じられないかという御質問でございますが、御承知のとおり、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律では、農作物を経由して人の健康への影響や農作物の成育阻害の視点から、カドミウムと銅、砒素の農用地汚染対策地域の指定要件が定められてございまして、その要件を満たす場合には対策地域として指定し、対策計画を定めまして事業を実施するということになっているわけでございます。 この場合農用地で、今回の場合はカドミウムが指定要件に該当するかどうかというようなことになるわけですが、この指定要件は、米一キログラムにつき一ミリグラム以上含まれる場合というふうに要件が掲げてございまして、本件の八代の場合はカドミウムは検出されているわけでございますが、現在水稲自体は作付されてございませんし、指定要件になりますカドミウムの場合、米の中に一キログラムにつき一ミリグラム以上含まれるようになるかどうかというようなことについて要件を満たしているかどうか、これはもうちょっと調査検討する必要があるわけでございまして、そういう結果を見ないと、直ちにこの地域で対策を講ずるかどうかということを判断することはできないという状況でございます。
○竹村泰子君 おもしろいですね。既にカドミウムや鉛が検出されていることははっきりしている。しかも、かなり基準より上回っている。だけれども、お米の中からそういう数値が出てこない限り公害がある、有害であるというふうにはみなされないわけですね。じゃそこの農用地は今何がつくられているんですか。
○政府委員(赤木壯君) 今我々が聞いている限りでは何もつくられていないということでございますが、これは農用地土壌汚染防止法による対策は講じられないかということで御質問があったわけで、その対策は法律上決められてございます要件が適用されて発動されることになっておりまして、これは対応がすぐできるかどうかというわけにはまいらないということを申し上げたわけでございます。土壌の環境基準を達成するためのいろいろな措置を実施する必要があるかどうかということは、その農用地土壌汚染防止法による対策とは別の話でございます。
○竹村泰子君 土壌の汚染に係る環境基準について、環境庁水質保全局長の通知というのがあります。これを調べておりますと、まず初めにこういうふうに書いてあります。「土壌は、水、大気とともに環境の重要な構成要素であって、人をはじめとする生物の生存の基盤として、また、物質循環の要として重要な役割を担っている。」。ちょっと略しますが、「一旦汚染されるとその影響が長期にわたり持続する蓄積性の汚染となる等土壌の汚染の態様は水や大気とは異なる特徴を有している。」と。 そしてずっといきまして、この続きなんですけれども、これの第四というところにこんな記述があります。「環境基準に適合しない汚染土壌の改善対策については、汚染の程度や広がり、影響の程度、態様等に応じて可及的速やかに環境基準を達成するための対象物質の除去、無害化、汚染土壌の封じ込め等の措置が講じられるよう事業者等の指導等に努めるものとする。この場合、地下水等周辺環境への影響が既に顕在化している場合や土壌汚染の程度が著しい場合等には、直ちに環境基準を達成するための措置が講じられるよう指導等に努めるものとする。」と、こういうくだりがありますのはもう十分御承知のことだと思います。 そこで、この今の例ですね、明らかに土壌が汚染し、そしてそれが溶出や浸出をしていけば明らかにこれは地下水にもしみ込んでいくだろうというおそれがある。しかも農用地に隣接しているところであるというふうなことで、しかし水稲は作付されていない。今は農用地には何もつくられていないのではないかとおっしゃった。はっきりしてませんね、これ。 このようなことで、この水質保全局長の通知に従って熊本県が対応しているはずです。しかし、どうなんでしょうか。環境庁のこの水質保全局長通知の第四の一によりますと、先ほど私が読みましたけれども、「地下水等周辺環境への影響が既に顕在化している場合や土壌汚染の程度が著しい場合等には、直ちに環境基準を達成するための措置が講じられるよう指導等に努めるものとする。」としています。既に地下水の汚染が確認されているわけだから、ここで言う「直ちに環境基準を達成するための措置」が講じられなければならないケースと考えますが、どうですか。
○政府委員(赤木壯君) 土壌の汚染に係る環境基準の設定に伴って、先ほどお話があった通達で環境基準を達成するための措置が講じられるようにいろいろ指導してございます。 この八代のケースにおいても不法投棄が行われた現場のみであるけれども、地下水の汚染があるというふうには先ほどの話で申し上げたとおりでございますが、周辺環境の調査を実施して環境への影響は既に顕在化しているとすれば、その原因となる汚染土壌について直ちに環境基準を達成するための必要な措置が講じられるべきものであるというふうに考えてございまして、県においても業者等の指導にそういう形で当たっているというふうに考えでございます。
○竹村泰子君 これは今、国会で環境基本法案が審議されているその審議の中でありますからいいかげんなお返事をしてもらっちゃ困るんですけれども、今の御答弁ではそれでは指摘のとおりですと、もし環境そのほかのいろいろなところへの汚染が確かであれば直ちに環境基準を達成するための措置が講じられなければならないケースと考えますというお答えですね。それでよろしいですね。
○政府委員(赤木壯君) 我々が局長通達で指導しております環境への影響が既に顕在化している状況であるということの調査がありますれば、それは直ちに環境基準を達成するために必要な措置は講ずるように指導されなければいけないということだと考えでございます。
○竹村泰子君 さっきから何かよそごとみたいなお返事ですけれども、だとすればというようなことを何回もおっしゃっていますが、だとすればということはきちんと調査をしていないということだと思うんですけれども、これは早急に調査をしていただいて、もしそのような事実があれば、今私が何度も繰り返し言っているようなケースとして考えてきちんと環境基準を達成するための措置をとっていただけるということですねとお聞きしているんです。もしなんだったら長官、お答えください。
○政府委員(赤木壯君) 八代のケースでも県がいろいろ運用方針に基づきまして措置を講ずるように指導されているというふうに聞いてございますし、環境庁といたしましても、今後ともそういう考えのもとで可及的速やかに環境基準が達成され るように地元地方自治体との連絡を密にしながら、必要な対策についても指導していきたいというふうに考えでございます。
○竹村泰子君 長官、いかがですか。
○国務大臣(林大幹君) ただいま先生の御質問、八代の問題を特に取り上げておりましたけれども、環境基本法の審議のときであるからという先生の言葉もございましたので、これは環境基本法というものを踏まえて、今先生の御質問になったような事態がありました場合には直ちに対応させます。
○竹村泰子君 それでは、お約束を信頼いたしましょう。 今私がいろいろ申し上げましたけれども、それに該当するといたしましても、法律ではなくて局長通知にすぎないから「直ちに環境基準を達成するための措置が講じられるよう指導等に努める」と、そのように県に働きかける。これは政府としてはお願いということで、強制することはできないのかもしれないと思います。 しかしまた、知事は業者に対して汚染土壌の封じ込めなどを指導しているようですけれども、それも強制力がないということに加えて、費用負担の能力が危ぶまれるわけです。このような法律に基づかないゆえの困難性について、環境庁はどのような対策を講じておりますでしょうか。
○政府委員(赤木壯君) この問題は大変難しい問題でございます。土壌汚染の場合は汚染が蓄積されてくるというようなことで、過去からのものがずっと現在に関係していくわけでございまして、その汚染原因者の特定というようなこともなかなか難しい問題もございますし、費用負担の問題をどうするかという話もあるわけでございます。汚染原因者が不明だったりあるいは不在だったり、無資力であるということもまたあるわけでございます。 こういう場合にどういう方法でこの対策を進めていくかということについては、現在の法体系の中でもいろいろ整理しなきゃいけない問題がございます。外国の事例とか国内での対応状況なんかも十分調べながら検討していかなきゃいけないということで、今我々検討会をつくって検討を進めているところでございます。
○竹村泰子君 また、環境基本法案が成立するとこのような困難はどのように解決するんでしょうか。
○政府委員(赤木壯君) 先ほど申し上げましたが、土壌汚染対策の推進に当たっては、その汚染原因者の特定だとか費用負担のあり方とかいろいろな難しい問題があるわけで、これを今一生懸命検討をやっておるわけでございますけれども、環境基本法案成立後におきましても、より一層その検討が促進されるように努めていきたいというふうに考えでございます。
○竹村泰子君 厚生省は、私も厚生委員会におりまして廃棄物処理法を一生懸命やったんですけれども、そこで修正でつけられている附則などにかんがみて、このような場合における費用負担のあり方、どう検討しておられますでしょうか。
○説明員(飯島孝君) 不法投棄を行った者に費用負担能力がない場合というのは、原状回復が行われずに廃棄物の適正処理がなされないといった問題になります。この点につきまして、先生御指摘のように、昨年七月から施行されております改正廃棄物処理法の附則あるいは同法案に対する参議院の附帯決議におきまして、適切かつ迅速な原状回復のための方策について政府が検討すべきこととされているところでございます。 厚生省といたしましては、現在、まず不法投棄の実態調査を行っております。また、不法投棄された廃棄物の原状回復のための方策について検討委員会を早急に開催して検討を進めていくこととしております。
○竹村泰子君 環境庁も厚生省も両方とも検討、検討ということなんですけれども、八代市における有害物質の不法投棄、これは九〇年十二月ごろから始まったと報告されております。そこから計算すれば既に二年半が経過している。私がきのういただいたこの不法投棄に関する行政処分の一覧表を見ましても三十九件、そのうち措置済みが二十七件というふうにさっき御報告がありましたが、これは行政処分を受けた分だけですね。まだまだ隠れてどのぐらいの有害廃棄物の不法投棄があるかわからない。 二年半が経過しているにもかかわらず原状回復のめどが立っていない。水質保全局長通知に言う「直ちに環境基準を達成するための措置」がとられることが建前であっても、実際は何年も放置され、汚染され続けているんです。そこに住民は住み続けているわけです。両省庁の答弁はのんびりしていて、ちっとも環境に優しいとは私は思わない。 そこで、厚生省はこの熊本県八代市の有害廃棄物のケースについて緊急に原状回復が図られるよう指導をしてほしい。今後の見通しについて明確にしていただきたいと思います。
○説明員(飯島孝君) 御指摘の不法投棄事件でございますが、先ほど御説明いたしましたように、処分場に隣接した農地にドラム缶約五千本の廃酸が捨てられまして、それについては措置命令により撤去いたしまして、処分場の中の貯留槽に現在一時的に回収しているところでございます。そのほか処分場内に保管されている汚泥とか燃え殻とかいった廃棄物が約三万トンございまして、これらにつきましても現在県が措置命令をかけて撤去を求めているところでございますが、当事者の処理業者が倒産しているということもございまして当事者能力がないため、現在、県で他の処理業者などの協力を得まして早急に処分する方策あるいは溶出を防止するための応急措置につきまして検討しているところでございます。 厚生省といたしましては、県と密接な連絡をとりつつ保管されている廃棄物が早急に処分されるよう指導してまいりたいと考えております。
○竹村泰子君 両省庁はそれぞれに検討中の改善策について一体いつまでに結論を出そうというのか。つまり、環境庁は新たな情勢に対応した土壌環境保全対策の方向等に関する懇談会というのをおつくりになった、検討していらっしゃる。厚生省は不法投棄の原状回復の費用負担のあり方などを含めて検討中ということなんですけれども、一体いつまでに結論を出そうというのか。作業目標をはっきりさせるべきではないでしょうか。それがはっきりとしていないような仕事は公務員としては恥ずかしいと思うべきではないかと私は生意気ですが思うんですけれども、きょう、この二つについて具体的な御答弁ができないとすれば、環境基本法案の審議が終わるまでに、私も次の質問にまた立たせていただきたいと思っておりますから、次回の質問までに明確に答弁ができるように注文をつけたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(赤木壯君) 土壌汚染につきまして、近年工場等の移転や市街地再開発等に伴って顕在化するケースがだんだんふえてきているという実態にございますし、土壌の汚染に係る環境基準の達成のための施策の充実を図るということは非常に重要だというふうに考えでございます。 このために、対策技術の確立だとかそれから法制度も含めた対策のあり方の検討を今行っているところでございます。この中身、なかなか難しい問題をいろいろ含んでございます。したがって、できるだけ早期に取りまとめるよう一層努力していきたいということでございます。
○説明員(飯島孝君) 厚生省では、不法投棄、原状回復の方策を検討していくわけでございますが、この検討課題といたしまして、原状回復を行わせるために必要な行政の措置、それから民事上の損害賠償の問題、さらには原状回復を行うべき主体や先生御指摘のありました費用負担のあり方など課題が多岐にわたりますので、幅広い見地から総合的に検討を行いたいと思っております。したがって、これらのそれぞれの課題について専門的にかつ踏み込んだ検討を行うということで、私ども現在この検討のためには一両年の期間を要すると考えているところでございます。
○竹村泰子君 長官、梅雨に入りますよね、そうしますと雨が多く降ります。やっぱり溶出や浸出がとっても心配なんです。いかがですか、今の両省庁の答弁をお聞きになりまして長官の御決意を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(林大幹君) 今の先生の御質問に対する両省庁の答弁、この答弁の実現が一日も早まるようにさらに厳しく督励したいと思っております。
○竹村泰子君 私の次の質問までに何らかの御返答をいただけるでしょうか、どうでしょうか。今、両省庁からは用意いたしますというはっきりしたお返事はなかったんですけれども、長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(林大幹君) これはもう先生も御承知のように、この問題は非常に多岐にわたるし、それからまたそれなりの技術的な見方もございますので、何日までにその経過を報告させるということは私の口からも申し上げることははばかられますけれども、しかし、ただいま両省庁の担当者がこの場所で先生に御答弁なさいましたように、先生の次の質問までの間にどこまでどういう形で取り組むか、取り組み方についての報告はさせたいと思っております。
○竹村泰子君 ありがとうございます。 それでは次の段階に移りたいと思いますけれども、ところで、この土壌環境基準の適用除外の場所として、原材料の堆積場その他利用または処分のために集積している施設などが挙げられております。これも先ほどの局長通知の中に適用除外となるところというのが入っているわけですけれども、ところが、その水質保全局長の通知によれば、「土壌のもつ水質を浄化し及び地下水をかん差する機能を保全する観点から、土壌自体の環境上の条件として設定したもの」というふうにあるんです。 ここで書かれた趣旨からすれば、適用除外の土壌というのはあり得ないんじゃないでしょうか。「水質を浄化し及び地下水をかん差する機能を保全する観点から、土壌自体の環境上の条件として設定したもの」というふうにあるわけですけれども、そうすれば適用除外される土壌というのはあり得ないんじゃないでしょうか。すべてそうではないかと私は思うんです。つまり、仮に有害物質の堆積場の土壌が汚染されてやむを得ないとしたなら、その結果として直下の地下水が汚染される、それはもう必定です。それが地下水脈を伝わってどこか別の場所まで汚染するのは、これはもう小学生に聞いたってわかる理屈です。だから、このような適用除外はやめるべきではありませんか。どうでしょうか。
○政府委員(赤木壯君) 土壌の汚染に関する環境基準は、お話があったように、水質を浄化し地下水を涵養する機能について、土地利用のいかんにかかわらず保全されるべき機能であるということで、いわゆる溶出基準、土壌環境基準でございますが、原則としてすべての土壌に適用することとして設定してございます。 ただ、お話のありました原材料の堆積場だとか廃棄物の埋立地等の施設は、有害物質の利用または処分を目的として一定の場所に集積しているというものでございまして、そこの場所自体は一般環境中の土壌と区別して取り扱うことが適当であるというふうに考えられますので、一般環境中の土壌についての望ましい基準として示しました土壌環境基準の適用にはなじまないということで、適用除外いたしてございます。ただ、この適用除外した施設の周辺の土壌につきましては、土壌環境基準を適用して、周辺環境への影響の有無を判断することはもちろんでございます。 堆積場だとか埋立地の施設については、廃棄物の処分場等について別途またその処分基準というようなものを決めてございまして、そういうものによってちゃんと環境中に問題のないような対処がなされるような取り扱いをするようになってございます。
○竹村泰子君 今のお返事、それから適用除外されている条件、おもしろいんですね。原材料の堆積場、廃棄物の埋立地などが、局長のお答えによるといかにもだれも人の住まない山の中とか谷底とかあるいは鉱山の中とか、そういうところに、当然区別されるところに捨てられているから大丈夫だというふうに聞こえるんですけれども、必ずしもそうじゃないでしょう。 現に農地のすぐ隣にそういうところがあったり、それからちょっと、一キロも歩けば人の住む村落があったり、そういうところはたくさんあると思うんです。だから、原材料の堆積場とか廃棄物の埋立地とか、その他対象物質の利用または処分を目的として集積している施設というふうなことを適用除外にするのは、一般の環境中の土壌とは区別していますというこの通知はおかしいんじゃないかと私は思いますけれども、どうでしょうかもう一度。
○政府委員(赤木壯君) 今申し上げたのは、一般の地域より隔離された場所にあるという地理的なことを申し上げているつもりはなかったわけでございます。有害物質の利用または処分を目的として、廃棄物で言えばそういうものをまとめて処分する、そういう場所でございますが、そこの中にそういう有害物質が環境基準をクリアする程度しかないというふうな話にはなかなかならないわけで、もしそうだとすれば処分場自体が新たに要らない、一般環境と同じ、どこもそういうふうな形ですればいいというような議論にもなってしまうわけでございます。 その廃棄物の埋立場自体が、その中が環境基準を満たしていなきゃいかぬということにはならないから適用除外にしているということを申し上げているわけでございます。ただ、周辺に影響を及ぼすような形になりますれば、周辺の土壌については土壌環境基準を適用して、環境への影響のないような形で対応していく必要があるというふうに考えでございます。
○竹村泰子君 それじゃお尋ねいたしますが、適用除外とされている廃棄物の埋立処分場については、廃棄物処理法で周辺の一般の土壌と区別され、有害廃棄物が溶出したり浸出したりすることがないよう、それが前提となっているから適用除外でよいと、今のお答えもそうだし、考えられてきたと思います。 私も何十時間も廃棄物処理法案を厚生委員会でやりましたのでわかりますけれども、しかし溶出、浸出しないものなら環境庁はなおのことこれを適用対象とするべきでしょう。溶出、浸出しないんだったら適用対象にしてもいいでしょう。これを対象とすることによって、万一溶出、浸出して直下の土壌が有害物質で汚染された場合には、このようなことがしばしば発生しているでしょう。日の出町もそうでしたし、もう枚挙にいとまがないほどあちこちで絶対に大丈夫ですという有害物質が浸出してきている。そういう汚染があった場合には、適用対象となっていれば早くチェックされ、そして周辺の土壌や地下水が影響を受けないうちに直ちに原状回復ができるようなシステムにするべきではないかと私は思うんです。 廃棄物については厚生省が担当ですから、先に厚生省にお聞きしましょう。
○説明員(飯島孝君) 廃棄物の最終処分場からの浸出水が周辺の地下水を汚染したりすることのないよう、先生御指摘のように、廃棄物処理法の中で集水設備とか遮水工の設置、こういったことによりまして処分場の構造基準あるいは維持管理基準が定められております。これらの基準が遵守されることが重要でございまして、これまで都道府県を通じて指導しているところであります。 仮に最終処分場から汚水が漏れて、地下水が汚染されたときあるいは汚染されるかもしれないというときにどうしたらいいかということでございますが、これにつきましては都道府県知事が廃棄物処理法に基づきまして最終処分場の設置者に対して、漏出防止の措置を講ずるよう改善命令、措置命令をかけることができます。こういった形で支障が生じないように指導してまいりたいと思います。 なお、厚生省といたしましては、最近の技術の進展ということもございますので、去る三月に学識経験者に集まっていただきまして、最終処分場のしゃ水工法等に関する研究会を設けました。この研究会で、より信頼性、安全性の高い最終処分場をつくるための技術的検討を行っているところでございます。
○竹村泰子君 長官、今の議論を聞いておられましてどうお思いになりますか。今私が言った有害廃棄物を捨てる、処分するところは区別されているから、一般の環境じゃないから、だから適用除外をしてもいいと。私はむしろ、漏れる心配がないのであれば、きちんと適用対象にしておけば安全じゃないかと。もし漏れた場合にもっと早く見つけられるじゃないかというふうに言っているんですが、どうお思いになられますでしょうか。ちょっと御感想を聞かせてください。
○国務大臣(林大幹君) ただいま赤木局長から説明がありましたように、やはり処分場の中における適用除外ということは、これはあり得ると思います。
○竹村泰子君 ちょっと私の問いかけがよくおわかりになっていなかったようですけれども、今の御答弁はそういうことは措置としては正しいと、やっぱり適用除外としておいた方がいいという御答弁ですか。
○国務大臣(林大幹君) 現在いろいろな科学的知見あるいは技術開発、それをもとにして決めておることでありますが、将来どういうような形でこの問題を改めなきゃならないかというのは将来の、これからの知見の問題が出てきますけれども、現状におきましては適用除外ということがあっても私はやむを得ないと思っております。
○竹村泰子君 満足できませんが、今のところはそういう御答弁ということでありますね。 有害廃棄物の処分場については、先ほども申しましたけれども、本当に全国的に多くの場所でいろいろな不法投棄が行われておりまして、私の住んでおります北海道にもありまして、みんなが心を痛めていることであると。環境を守るというこの環境基本法案が審議されているこの国会の中で非常に重要な部分であると思いますので、かなりの時間をとって今質問をさせていただきました。 これは何があれかといいますと、私たちは空気と水がなければ生きていけません。食べ物がなくても何日間かは生きていけます。しかし、空気と水がなかったらこれは直ちに死んでしまうわけです。そういう生物である私たちだから、水というものは非常に重要な命の源であるということで、この辺で言いますと森林をどう活性化させるとかもういろんなことが出てくるわけですけれども、きょうはその議論をしている暇がありませんが、そういうことから私は、この不法に投棄されている有害廃棄物が水を侵していくということに対して非常に危倶を抱いているわけで、これからもひとつ十分に監督あるいは指導を続けていただきたいと強く要望をしておきます。 それでは、次の問題に移りたいと思うんですけれども、地球環境の保全が重大な政治課題になってきておりますけれども、種類も使用量も増大する一方の有害な化学物質、これは農薬も含みますけれども、化学物質について地球規模で管理しなければならない時代を迎えているのではないでしょうか。有害化学物質に関する環境庁の基本的な姿勢をお伺いしたいと思います。長官いかがでしょうか。
○国務大臣(林大幹君) 有害物質に対する対策はこれは非常に重要なことでございまして、先生の御指摘のとおりだと思います。 従来より環境汚染を未然に防止するという観点からもこの問題は極めて重要な問題というように私も認識しておりまして、環境庁としましても、環境の汚染状況の監視あるいはまた大気の汚染の防止あるいはまた水質汚濁の防止、それぞれの根拠法を設けてその努力をしてきておるところでありますし、また、環境媒体ごとの排出抑制を通じて有害化学物質による環境汚染の防止という施策も講じてきたところでございます。 さらに、これらの施策につきましては、今後もより一層強化し、そしてその実を上げるための充実を図っていくということはもとよりでありますとともに、環境保全のためのそれぞれの調査研究、あるいは今先生申されたようなこれからの地球という立場からとりましても、国際的な検討への積極的な参加を通じて、関係省庁とも相協力して有害化学物質対策には一層取り組んでまいりたい、そのような決意でおります。
○竹村泰子君 有害化学物質については、生産段階から廃棄物の回収や最終処分の段階に至るまで流通伝票システム、マニフェストと呼ばれるシステムを採用するなどの対応が必要ではないでしょうか。厚生省いかがでしょうか。
○説明員(飯島孝君) 有害物質を含む産業廃棄物につきましては、改正された廃棄物処理法におきまして新たに特別管理産業廃棄物に指定いたしました。この特別管理産業廃棄物を排出する事業者に対しまして先生御指摘のマニフェストの交付を義務づけたところでございます。マニフェスト制度が適用されますと、こうした有害廃棄物につきましては排出事業者がその排出から最終処分までの流れを管理することになるとともに、廃棄物の性状に関する情報を排出事業者が処理業者に正確に伝えることができるということでありまして、有害廃棄物を適正に処理する上で非常に重要な制度だと考えております。 厚生省といたしましては、このマニフェスト制度が廃棄物処理法の規定に基づきまして適切に実施されるよう、都道府県を通じまして排出事業者、処理業者を指導してまいる所存でございます。
○竹村泰子君 今のお答えは特別管理産業廃棄物についてですね。私は有害化学物質についてはとお聞きしているので、ですから今のお答えでは、もちろんわかります、特別管理産業廃棄物にはマニフェストがずっと全部ついて回る、それはわかりますが、例えば農薬やそれから麻薬あるいは爆発物、そういった化学物質についてはその義務はありませんね。
○説明員(飯島孝君) ただいまお答えいたしましたマニフェスト制度は廃棄物処理法に基づく制度でございますので、有害物質を含むものが廃棄物である必要があるわけでございます。 先生御指摘のように、現在は特別管理産業廃棄物につきましてマニフェスト制度が義務づけられているわけでございますが、現在まだ特別管理産業廃棄物に指定されていない廃棄物、もちろん廃棄物でございますが、特別管理産業廃棄物に指定されていない廃棄物でありましても、例えばバーゼル条約のリストに掲げられた品目を中心に厚生省では年次計画を立てて調査をいたしまして、必要なものについて特別管理産業廃棄物に指定することとしております。これによりマニフェストの対象になってくるわけでございます。
○竹村泰子君 そこで厚生省にもう一度お尋ねいたしますが、廃棄物とならなければそういうマニフェスト制度は必要ではない。有害化学物質については流通の段階での管理システム、そういうものはありませんね。
○説明員(飯島孝君) 廃棄物処理行政を担当する厚生省の立場からいえば、廃棄物でなければこの制度の対象に廃棄物処理法上ならないということを申し上げたわけでございまして、基本的に人の健康や生活環境に被害を生ずるおそれのあるそういった物質につきましてはこの制度は有効であると考えております。
○竹村泰子君 わかりました。 有害化学物質について私がひときわ重視しますのは、それがさまざまな経路を通じて人体に摂取されて、とりわけ女性の体などにも蓄積されるためです。そして、それは胎児への影響など、ずっと未来世代にわたって蓄積していきます。多様な有害化学物質が人体にどのような影響を及ぼしているかについて、環境庁は厚生省などと協力して共同調査、共同研究を実施すべきではないでしょうか。長官、いかがでしょうか。後で厚生省もお 答え願います。
○国務大臣(林大幹君) 農薬などを含む有害化学物質の問題でありますけれども、環境庁におきましても、従来よりこのような有害化学物質の健康に対する影響をも含めまして環境保全のための調査研究を実施してまいりました。特に厚生省との共同調査研究が重要ではないかという先生の御指摘もございますが、当然でございまして各省庁が行う公害防止等の研究費を実は環境庁に一括して計上いたしまして、総合的な調査研究も進めているのが現状でございます。 今後とも引き続き厚生省を初め関係行政機関に必要に応じて協力しながら、化学物質の人体影響に関する調査研究を実施していきたいと思っております。
○竹村泰子君 厚生省、お願いします。
○説明員(澤宏紀君) 有害化学物質の人への安全確保のため、厚生省は、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づきまして、テトラクロロエチレン等の難分解性で人の健康に係る被害を生ずるおそれのある第二種特定化学物質の安全管理のための調査や有害化学物質の総合安全対策、調査研究を進めているところであります。また、環境庁が行っている化学物質の環境汚染実態等に関する調査研究についても、環境庁と十分連絡をとり、その結果を踏まえて適切に対応しているところであります。 今後とも有害化学物質の安全確保のため、調査研究に引き続き努めてまいりたいということでございます。 以上です。
○竹村泰子君 今のお答え、共同調査、共同研究をぜひ実施できるように前向きに検討していただきたいと思います。 新潟県の問題なんですけれども、これは既に農水委員会などでも一部取り上げられていると思いますが、新潟県の信濃川及び阿賀野川の流域に胆のうがんが集中的に発生しており、しかも新潟平野で多用されている有機塩素系除草剤CNP、クロルニトロフェンがその発病主因として疫学上は絞り込めるという研究発表がございます。除草剤CNPは三井東圧化学が開発して、農薬として登録をいたしました。MOという商標で販売、全国で使われております。 農薬に関しては、微量であっても長期にわたってさらされたり、体内への吸収が続けば何らかの形での慢性症状が生じても不思議はない。しかし、この地域では胆のうと胆管を合わせた胆道がんの都道府県別死亡率は男女とも新潟が一番なんです。こうした農薬はこれまでにも多くの被害が報告されてきました。農薬に限らず有害の化学物質で、例えば富山県神通川流域のイタイイタイ病、あるいは中枢神経が破壊される、最も公害病のシンボルと言われる水俣病、それから新潟県の阿賀野川流域でもそれぞれ水俣病が発生しております。イタイイタイ病、これは神通川上流の岐阜県にある三井金属鉱業でもカドミウムがお米を汚染している。 それぞれ多くの例がありますけれども、新潟県の水道水はほとんど信濃川と阿賀野川からとっているわけです。この両河川には流域に広がる水田地帯に散布された除草剤、これが排水路からそのまま流れ込んでいるということで、新潟大学の山本教授がこの研究をずっと意欲的になさいました、医学部衛生学教室の疫学の山本正治教授なんですけれども。 そして私、最近十年間の新潟県の胆のうがんによる死者数のデータをちょうだいいたしました。これをちょっと御説明いただけますでしょうか。新潟県内の保健所別、男女別の訂正死亡率及び訂正罹患率を説明してください。
○説明員(澤宏紀君) 新潟県内におきます胆道がんの死亡率、罹患率でございますが、これは新潟県立がんセンターを中心としました研究班の報告でございます。 新潟県におきます保健所管内におきます胆道がんの死亡率、これはそれぞれの人口構成の差を補整しまして標準化死亡比ということで見ておりますが、これは全国を一〇〇とした場合にその地域でどのくらいの数になっているかということでございますが、新潟県内の下越は男性女性で一三〇から一八〇、中越では男性女性で一〇〇から一三〇、上越が男性女性で七〇から八〇ぐらいといった数字でございます。 なお、その罹患率、どれくらいの患者さんが発生するかということでございますけれども、この発生の罹患率も下越、中越で高く、上越で少ない、このようなデータでございます。
○竹村泰子君 罹患率ですが、日本全体を一〇〇として新潟市が一六三・四、あるいは今おっしゃった新津が一三四とかかなり高い数値が出ておりまして、下越から中越にかけての胆のうがん密集地帯を見ますと、多発地帯の真ん中、あるいは水道水のかなりの量を信濃川ではなくて山地のダムから引いているところというのは、加茂市などは非常に罹患率が低いという研究も出ております。ですから、その因果関係が疫学的に二つの川の水を飲んだからだというふうにはまだはっきりと証明はできないかもしれないんだけれども、こういう傾向、死亡率というのはほかのものでも死ぬ方もあるかもしれないんだけれども、罹患率などをずっと見ておりますと、非常にいろいろな問題があぶり出されてくる、そういうことがわかってきます。 この山本教授という方は、厚生省の対がん十カ年総合戦略の分野で研究を進めておられるうちにこういう研究をなさったということで、非常に興味深い。しかし、これがもし事実だとしたら、豊かな水量をたたえて流れている信濃川、阿賀野川、この水をいや応なく飲まされる住民たち、しかも中越、下越の方に多いということは下流の方に多いということになるわけで、非常に恐ろしい話だというふうに思います。 政府が一九八四年度から発足させました、先ほど私が言いました対がん十カ年総合戦略の中で取り組まれている委託研究の一つとして出てきました。この山本教授のグループの研究によれば、信濃川及び阿賀野川の流域平野部、とりわけ下越地方で胆のうがんが多発しており、その発生状況は有機塩素系除草剤CNPの使用状況と正比例の関係にあるという研究がアエラなどに発表されております。二回にわたってアエラが特集をしておりますけれども、厚生省はどう考えられますか。
○説明員(澤宏紀君) この研究は、先生おっしゃられますように、対がん十カ年総合戦略の一研究課題として調査研究をやっていただいておるものでございます。厚生省に提出されました平成三年度のこの研究報告によりますと、都道府県別農薬使用量と胆道がん標準化死亡比との地域相関研究の結果、ある種の農薬との正の相関を得ているという指摘がなされておりますが、一方では、この報告書の中に今までの実験結果では、動物の種特異性の問題もあり、簡単に結論を出すわけにはいかないと指摘もされておるわけでございます。この研究は平成三年度以降平成四年度、また平成五年度も調査研究をやっていただく予定としておるわけでございますけれども、全体の研究成果を片のように活用できるかにつきましては、検討させていただきたいと思います。 以上です。
○竹村泰子君 この有機塩素系除草剤CNP、MOという名前で全国的に売られている農薬でありますけれども、この全国的な使用状況と新潟県、とりわけ下越地方における使用状況について、農水省または環境庁は把握しているんでしょうか。
○説明員(咲花茂樹君) 使用量の統計データがございませんので、出荷量で申し上げたいと思います。 CNPの出荷量につきましては、昭和四十年の初登録以来急速に伸びまして、昭和四十九年にはピークになりました。以後また急速に減少をいたしております。その出荷量をまず全国ベースで見ますと、ピークの昭和四十九年には水田用CNP、これは四種類の合計でございます。具体的にはCNP粒剤、ベンチオカーブ・CNP粒剤、ダ イムロン・CNP粒剤、MCP・CNP粒剤、この四割でございますが、その合計で見ますと六万五千五百二十トンございました。これがピークでございます。それが以後急速に減少いたしまして、平成三年には一万二千八百六十八トンということで、ピーク時の二割弱になっております。新潟県について見ましても、昭和四十九年の三千九百九十七トン、約四千トンでございますが、そこから平成三年には千二百五十八トンへと減少をいたしております。 なお、水稲の作付単位面積当たりの投下量で見ますと、新潟県は昭和四十九年には一ヘクタール当たり二十三キログラムほど投下しておりましたけれども、近年は一ヘクタール当たり九キログラム前後ということで、これは県別に見ますと多い方から八位あるいは十位、その間ぐらいの水準というふうになっております。
○竹村泰子君 かなり減少しているようですけれども、その理由は何ですか。何か毒性が発見されたからでしょうか。
○説明員(咲花茂樹君) CNPの使用量が大幅にふえましたのは、ちょうど田植え機の普及と並行してふえたわけでございますけれども、それ以後新しい除草剤がいろいろと開発されてまいりまして、そちらの方に使用が移行したということで、結果としてCNPの使用量が減ったわけでございます。
○竹村泰子君 私の持っている資料によりますと、 「MO」は、農薬取締法に基づいて、六五年、農薬として登録されたが、この法律は七一年に抜本改正され、それまでは必要でなかった発癌性試験なども、メーカーは登録の申請に際して、農水省に提出しなければならなくなった。 これを受けて、厚生省側は、残留農薬安全性評価委員会が、試験結果を踏まえて、それぞれの農薬の、一日当たり摂取許容量(ADI)を決め、農水省や環境庁が各種の規制措置を講じるための基礎数字として示すことになった。 既に一九七七年に動物実験をしておられるんです。三井東圧化学側で各種の動物実験をしておられる。この実験の中でも既に毒性が見つかっているということなので、そういったことがあって、これはちょっとやばいんじゃないかということで規制をされたのか。その辺のところも含めてお聞きしたいんですけれども、新潟県の信濃川及び阿賀野川水系における水道原水の水質検査をしておられますね。この水道原水の検査、微量化学物質の検出状況、とりわけCNPの検出状況はどうなんでしょうか、報告をお願いします。
○説明員(浜田康敬君) ただいま先生からお話がございました信濃川、阿賀野川から取水をしております水道のうち、新潟市がさまざまな化学物質につきまして検査を行っております。その中には微量化学物質といたしましてトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、あるいは1・1・1トリクロロエタン、あるいはゴルフ場などで使用されます二十五種類の農薬などを調べております。その中には今御指摘のCNPの検査も入っております。 その結果を見ますれば、微量化学物質につきましてはCNPを除きましていずれも不検出ということになっておりますけれども、CNPにつきましては、昭和五十八年以来、信濃川、阿賀野川からとっております水道の原水について調べておりますデータの結果を見ますと、これは夏場といいますか四月から十月ごろにかけて散布される時期にはかっているわけでございますけれども、毎年低濃度ではございますけれども検出がされております。過去九年間、平成四年度までの九年間での最大値では信濃川で〇・〇七五マイクログラム・パー・リッター、阿賀野川におきましては〇・一二マイクログラム・パー・リッターという報告を受けております。 なお、この値は昨年十二月に水道水の水質基準を定めました際に、CNPも監視項目という形で監視を続けていくべき項目として決めておりますが、その指針値でございます五マイクログラム・パー・リッターに比べましてかなり低い値であるという状況でございます。
○竹村泰子君 こういった有害な化学物質、農薬とかそのほかのもので、人間が水を飲む、そしていろいろ健康障害が起きる。もちろん人間も飲みますが、動物も飲みます。生物の多様性を言ったアジェンダ21、あるいはこれは環境問題で世界じゅうが今、動物も人間もともに生きられる、そういう地球にするためにということで大変な努力が払われているわけですけれども、そういう意味でも非常に私はこの問題を重大に考えるわけです。長官がどういうふうにお考えになりますかわかりませんが、これは国の委託研究によってこの山本教授の研究結果は出てきたんです。こういう重大な深刻な報告がされている以上、緊急に関係省庁によって共同調査、共同研究が必要ではないでしょうか。 このアエラの記事はもちろん長官お読みになったと思いますけれども、CNPとの関係がないことが立証されるまでの間、疑わしきは使わせずの原則に立ってCNPの使用を中止していただきたい。これは長官及び全省庁にお伺いいたします。
○国務大臣(林大幹君) 恐らく動物実験の報告なども先生のお手元にも届いていられると思いますけれども、CNP、つまり水田の除草剤、これにつきましては現在ただいまでは動物実験からはその使用を中止すべきという知見は得られていないというのが現状でございます。 しかしながら、農薬による健康影響を未然に防止することは非常に重要な課題でもございますし、今後環境庁といたしましてもCNPの水質監視を十分に行って、毒性、残留性などに関する科学的知見の集積に努めて環境保全に万全を期してまいりたい、そのように考えております。
○説明員(咲花茂樹君) 先ほど来先生がお話しになっていらっしゃいますアエラという週刊誌の記事を読みますと、だれでもこれは大変なことだというふうに感じると思いますし、またその点では先生の御心配もごもっともではないかというふうに思うわけでございますが、ただ、私どもこの記事につきましては、やや誇張して書かれた部分があるのではないかというふうにも思っておるわけでございます。 そこで、まず新潟大学の研究の内容でございますけれども、これは一定の前提を置いた作業仮説の段階でございます。これはもう先生もそういうふうに言っていらっしゃいます。しかも、CNPを胆のうがんの直接の原因としているわけではないというふうにも聞いております。 ちなみに、新潟大学の研究グループが本年の一月に日本疫学会で発表をされました際のレジュメにはこういうふうに書いてございます。数行でございますので読ませていただきます。 胆道がんの成因に関する疫学研究から、新潟県に多発する本症(特に胆嚢がん)の原因は、「遺伝的素因、胆石症や胆嚢炎の既往歴、粗食習慣等を有する者がハイリスク・グループを形成し、彼らが新潟の地域特性を有する環境要因(例えば農薬等)に暴露されることによる」と考えるに至った。我々は、この作業仮説に基づき、新潟の地域特性を有する環境要因の発見を試みている。 以上でございます。 したがいまして、新潟大学の研究というものは現在進行形でございまして、結論的なものは出ていないというふうに私どもは理解をいたしておるわけでございます。一方でCNPにっきましては、先ほど環境庁の方からもお話ございましたように、動物実験におきまして、発がん性も認められていないというふうに承知をいたしておるわけでございます。 そういった理由で、CNPの使用を直ちに中止するという必要はないというふうに考えておりますけれども、今後関係省庁とも協議をいたしまして、科学的な知見の集積には努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○説明員(浜田康敬君) 先ほどもお語いたしまし にように、厚生省といたしましては、飲料水として摂取した場合の安全性につきまして、水質基準の検討を昨年十二月まで生活環境審議会の水質専門委員会におきまして鋭意検討していただきました。その結果、水質基準の大幅強化を行ったわけでございますが、その中でCNPにつきましても最新の知見に基づきまして、生涯にわたる連続的な摂取をいたしましても人の健康に影響がない水準といたしまして五マイクログラム・パー・リッターという指針値を定めていただいておるわけでございます。 現在の状況では、この値に比べまして検出レベルは低いということから、とりあえず監視項目として今後の水道原水等におきます濃度の推移を、体系的、組織的に行われますよう水道事業者を監督指導していきたいというふうに思っておりますし、私どもとしても、今後とも知見の集積に努めてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○竹村泰子君 これは厚生大臣がいらっしゃらないですからちょっと無理なのかもしれないけれども、今の厚生省のお答え、全然いただけませんね、それは。私そんなこと聞いているんじゃないです。同じ政府として、国が研究を委託されたものですが、対がん十カ年総合戦略の新しい早期診断技術の開発に関する研究、これは十カ年度で総額千二十四億円を投じた対がん事業です。ですから、大臣は厚生大臣ではいらっしゃらないけれども、しかし国の委託した事業としてこれだけの予算を使って、そしてこういう研究成果が出てきた。確かに疫学的には立証されていないかもしれないけれども、しかしこの阿賀野川、信濃川、二つの川が流域を汚染しているということのデータは、もうこの研究でも、それからそのほかのものでも十分に出ているというふうに思われます。 長官お聞きになっていて、国の事業として、国の予算を使って行われたこれらの問題について、こういう結果が出てきたことについて、環境をつかさどられる大臣として、どうお思いになられますでしょうか。
○国務大臣(林大幹君) 国が委託しましたその事業についての調査研究、その成果というものを非常に大事にしたいと思っておりますが、また先生の御質問のCNPに関しまして、その毒性あるいは残留性、そのようなことに関する新たな科学的知見の集積も急がなきゃならない。そして、できるだけ速やかにその結論をいただきたい、このように考えております。
○竹村泰子君 私は、きょうはもう一つ質問を予定しておりましたが、時間がなくなってしまいました。それで、ちょっと予告だけさせていただきたいと思いますけれども、それは日本の企業の公害輸出の問題でございます。 私どもは、先日この問題で三菱化成が二五%を出資しているマレーシアのARE社、エイシアン・レア・アースという会社の公害まき散らし問題でマレーシアへ行ってまいりました。これはもう新聞にもトップ記事で大きく九二年あたりから報道されておりますのでよく御存じと思いますけれども、日系の企業に操業停止命令が出た。放射性物質の撤去ということで、マレーシアで高裁の判決がもう出ると思うんですけれども、今まだ係争中でございます。三菱化成は上告も検討しているというふうなことで、私はこの問題を質問したいと思っておりました。 ただ、最後に一つだけ申し上げたいことは、この環境基本法を私たち審議をしている中で、国の環境をどう守るか、地球の環境をどう守るかということを十分に考えており、そしてこの間からのこの委員会の審議の中でも、局長答弁それから長官の御発言でも、進出している先の海外の環境を侵すことのないよう、それからもし国内基準が緩やかであれば、その環境をもとへ戻すための、原状回復のための指導をというふうなお言葉を聞いたように思います。 しかし、この問題は日本のかかわっている、二五%出資している企業が公害をまき散らして、しかも放射性の物質をまき散らしたという事件なんです。このようなことがあって、私たちは環境基本法をこの環境特別委員会の中で審議しておりますと偉そうな顔をして言えるのかという問題があります。この会社に限らず、公害まき散らしの問題はもう非常に多く、私ちょっと今数字持っておりませんが、世界じゅうで枚挙にいとまがないわけです。 最後に私は、長官からこれも御答弁というか、御感想、御所感をいただきたいと思いますが、参議院の環境特別委員会では、九一年の四月二十四日、「日本企業の海外進出等における環境への配慮に関する決議」というのをしておられます。この中で、「海外直接投資なかんずく製造業等の海外進出については、受入国において環境問題が生じることのないよう、受入国の基準に配慮しつつ、」ということがあり、また三の項には「環境破壊を引き起こすことのないよう環境アセスメントを実施するとともに、」というふうに文章がございます。この決議にまつまでもなく、経団連は地球環境憲章あるいは産業構造審議会は環境を汚染することのないよう投資国で十分配慮するというふうなことを、もうとっくにそれぞれ出しておられます。にもかかわらず、このような事件が起きている。 このことは詳しく後ほどまた質問させていただきますが、お聞きになっての長官の御所感、そして御決意のほどを伺って私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(林大幹君) これからの地球環境を考えましても、先生の御質問は当然であろうと思います。今度の基本法におきましても、その点を大変重視しておりまして、特に経済と環境との統合ということに大きな力点を置いてもございます。 したがいまして、経済活動そのものが事業者の手によって海外で経済活動を進めるために環境が破壊されるということがあってはならないということを私どもは常々考えております。したがいまして、今度の法案の三十五条二項の規定にも、そのことは十分配慮して定めてございますので、これからもこの法案の審議を通じまして、そのようなことが海外でも起こらないようにしたいと思います。
○野間赳君 地球の温暖化、オゾン層の破壊、海洋汚染、熱帯雨林の減少、野生生物の種の減少などの地球環境問題は、世界の経済社会活動が相互依存の関係を強めながら高度化する中で顕在化してきた人類の課題であり、先進国である我が国は、その原因と影響の両面で大きなかかわりを有する地球環境保全について、その対処方針を世界に対して明らかにしていくことが極めて重要であると考えます。七月には東京で先進国首脳会議が開かれます。このような場におきまして、我が国の地球環境保全への決意を基本法の制定という形で明らかにすることは、地球環境保全に対して我が国がリーダーシップをとっていく上でまことに意義のあることであると考えます。 この観点から、本法案において基本理念の一つに、地球環境保全への積極的取り組みが掲げられ、また地球環境保全等に対する国際協力に関して一節が設けられるなど、地球環境問題に対する取り組みがしっかり位置づけられておりますことを大いに評価いたしておるところでございます。 そこで、環境庁長官に対しまして、地球環境保全への取り組みに対します基本理念、また考え方、趣旨、そういったことにつきましてまずお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(林大幹君) ただいま野間先生から貴重な御質問をいただきました。このことは、今度の法案の最も根幹をなすものであろうと思います。特に、地球環境保全にかかわる本法案の第五条の基本理念におきましては、まず地球環境保全が人類共通の課題であるということを述べておりますし、そしてそれがまた国民的課題でもある、そのように立論しております。 そしてまた、日本は国際社会と密接な相互依存関係にあることも、これは事実関係として認めな ければなりませんので、その点も十分に認識をするようにうたってございます。このように地球環境保全には、我が国の持っておる能力とその立場を踏まえまして、そのような取り組みが必要であるという基本認識をこの基本法の第五条の理念には示しておるところでございます。 なお、そのような理念に立ちまして、地球環境保全の進め方につきましても、地球環境保全は国際的協調のもとに積極的に推進されなければならないという規定をいたしてございますし、そして我が国としても世界のそれぞれの国々と手を携えながら、地球環境保全により積極的に取り組むという基本姿勢も明らかにしたところでございます。私といたしましても、この基本理念にのっとりまして、地球の環境保全の推進が図られるよう、全力を傾注してまいりたいと存じます。
○野間赳君 宮澤総理が、昨年の地球サミットにおきまして、今後五年間で九千億円から一兆円もの環境関連のODAの実施をする旨の表明をなされました。そのように我が国は、資金的な面での地球環境問題の取り組みに対しましては既に積極的な対応を世界に示しております。しかし、地球環境問題に関しましては、地球温暖化問題一つを取り上げましても、いまだ十分に科学的に解明をされていない点が多くあると考えます。しかも、その解明には世界各地のデータを必要といたすわけでありまして、各国が一致協力をしてこれに当たる必要が問われておる問題でなかろうかと考えます。また、これら地球環境問題の解決には技術的な面での対応も重要でありまして、飛躍的な技術開発の進展を求められておるところであります。 我が国は、科学技術の面におきましても世界のトップレベルにあり、この観点から、資金的な面のみならず、知的な面におきましての地球環境保全への貢献をしていかなければなりません。 そこで、地球環境保全に関します科学的データの充実のための調査研究や技術開発に対しまして具体的にどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、また本法案においてどのような位置づけがなされておるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(加藤三郎君) 先生お触れになられましたように、また先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、地球環境問題は空間的にもスケールも極めて大きく、また時間的なスケールも長いということで、基本法にも触れておりますように、まさに微妙な生態系の絡み合う複雑な問題だということでございます。そういった問題の大きさに比べますと、先生お触れになられましたように、私どもが持っております科学的知見というのはまだ残念ながら乏しいものもございます。そこで、早急に人類の英知を結集して調査研究などに取り組む必要があるというふうに私どもも考えでございます。 政府といたしまして、これは環境庁のみならず多数の省庁が関係いたしますので、そういった共同作業をすることになるわけでございますが、その方向につきましては、地球環境保全に関する関係閣僚会議というところで毎年度その総合推進計画というのを取りまとめておりまして、政府一体となって調査研究などをやっていきたいということでございます。 具体的に申し上げますと、地球の温暖化、オゾン層の破壊など、地球環境問題の事象ごとに十五省庁にわたり約三百項目の調査研究項目を取り上げております。基本的な考え方といたしましては、地球環境問題を一連の問題群としてとらえまして総合的に研究を推進するというのが第一。それから第二に、特にアジア・太平洋地域に重点を置きながらも、国際的な地球環境研究計画を一体となって連携のもとに進めていくというふうに位置づけているわけでございます。 このことを基本法上はどうなっているかということのお尋ねでございますが、まず地球環境保全に関する調査研究等の重要性にかんがみまして、基本法案におきましては、第二十八条から第三十条にわたりまして調査監視等あるいは科学技術の振興を規定したところでございます。特に地球環境保全については、ひとり我が国のみの努力によっては達成し得ないものでありますので、法案の三十三条におきまして国際的な連携の確保と試験研究にかかわる国際協力の推進に努める旨の規定を置いているわけでございます。 今後、このような見地から、我が国として貢献することが特に期待されておりますアジア・太平洋地域における地球環境研究のネットワークづくりを初めといたしまして、国際協力による地球環境保全に関する調査研究等の推進に一層努力を傾注してまいりたいというふうに思っております。
○野間赳君 知的な貢献という面におきましては、アメリカでは既に一九八〇年に「西暦二〇〇〇年の地球」を発表いたしております。総合的な観点から地球環境問題への警鐘を出したわけであります。環境問題へ積極的に対応していくためには、我が国におきましても幅広い観点から総合的にデータの充実に努め、その成果を世界に対して提供していくことが求められておるのであります。 科学技術の振興につきましては、自然科学の分野あるいはテクノロジーの開発が重要であることは言うまでもありません。これについては国立環境研究所等が設置をされて研究が進んでおりますが、経済や社会のシステムと環境に関連して必要となる社会科学の分野についても力を入れていくべきでありまして、技術的な面だけでなく、制度的、政策的な面での研究を含めた総合的な研究調査を進めていくことが肝要でなかろうかと考えます。 そこで、環境保全に関します自然科学、社会科学を含めた調査研究について、現状と今後の展望についてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(八木橋惇夫君) 御指摘のように、環境保全に関する調査研究は環境行政の基盤になるものというぐあいに私どもは考えておりまして、環境庁を初めとする関係省庁及びその試験研究機関におきまして、環境汚染メカニズムの解明、環境汚染による影響の把握、汚染防止技術の開発といったような事柄に関する試験研究の推進を図ってきているところでございます。 こういう中で、各種の環境保全対策の費用効果、環境問題と経済との関連といった社会科学的な側面からの調査研究も実施してきているところでございまして、先生御指摘になったような制度面とかそういったものに対する研究につきましても、例えば二酸化炭素排出抑制交通システムへの転換に関する研究といったようなこともやっておりますし、汚水・廃棄物処理処分システムの確立と評価の問題、また砂漠化と人間活動との関係の問題、持続的発展のための世界的モデルに関する研究といったようなもの、またリサイクルに関する研究、それから低公害物流システムの研究等々いろいろやっているところでございます。 そこで、先生御指摘になりましたのは、自然科学的な研究だけではなしに社会科学的側面の研究も十分考慮に入れていく必要があるという御指摘でございました。御指摘のとおり、環境問題は人間の社会経済活動と密接な関係を有しているわけでございますので、環境負荷の少ない持続的発展の可能な社会を築いていくためには、御指摘のような側面を含めて総合的な調査研究をしていく必要があると思うわけでございます。 今回のこの環境基本法案では、地球環境部長からただいま御説明いたしましたように、二十八条、二十九条、三十条というのがそれらに関する規定でございまして、特に「科学技術の振興」につきましては、社会科学的な研究も科学技術の振興の中には含まれるということを明示的に条文化したところでございます。 御指摘のような趣旨に沿ってこれからも幅広い調査研究等の推進及びその充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
○野間赳君 さきに成立をいたしました環境事業団法の改正におきましては、草の根民間団体、NGOの環境保全活動を支援するための地球環境基 金が設けられました。まことに時宜にかなったものであると考えております。国民や事業者が自発的に草の根環境保全活動を行う意欲を増進するためには、環境教育の振興、環境保全に関する広報活動を充実していかなければならないと考えます。 そこで、環境庁として環境教育の振興、学校教育、家庭、地域社会あるいは野外活動の場のそれぞれにおきましてどのような施策が必要と考えておりますのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(八木橋惇夫君) 御指摘のように、今日の環境問題は通常の社会経済活動、日常の生活そのものから起因している問題がかなり大きくなっているということがございますことから、その解決を図るためには国民一人一人が環境保全のために自主的、積極的に取り組みができるように、さまざまな場におきまして環境保全に関する教育、それと行動に結びつく学習の振興を図ることが必要であるというぐあいに認識しているわけでございます。 そこで、御指摘の問題ごとに分けて考えますと、まず学校教育につきましては、文部省、教育委員会及び学校関係者等の協力を得るということが必要でありますことから、環境庁といたしましても、文部省による教師用の環境教育指導資料の作成といったものに協力をしていくということをやりますとともに、みずからも環境教育の教材となる資料を全国の小中高に提供するというようなことに取り組んでいるところでございます。 次に、家庭また地域社会における環境教育につきましては、現在各地方公共団体が積極的な取り組みを行っているところでございますし、それは極めて重要なことであるというぐあいに私ども考えております。環境庁におきましては、平成元年度に国庫補助をもちまして、全国の都道府県、政令市に地球環境保全基金を設置するというようなことをやったわけでございますが、これを活用することによりまして地域住民等への環境教育の推進が図られるよう私ども地方公共団体に呼びかけをしているところでございますし、また各県等の取り組みに関する情報を相互に交流する、交換するというようなこと、さらには職員の研修等の面でも支援を行っているところでございます。 さらに、野外活動の場におきましても自然との融れ合いを通じまして環境教育の推進を図ることが必要でございますので、環境庁におきましては、全国各地の自然公園におきまして自然に親しむ運動の展開、また長期滞在ができるキャンプ場などの整備、自然解説の指導者の育成等の事業を進めております。 私どもは、今回この環境教育の重要性ということをこの基本法に盛り込んで御提案申し上げているわけでございます。この規定の趣旨を踏まえまして、今後、環境教育、環境学習の一層の振興を図りまして、国民各界各層の積極的な活動が定着していくようにさらに施策の充実に努めてまいる所存でございます。 なお、先ほど私、平成元年度、地方公共団体に国庫補助事業をもって設置いたしました地球環境保全基金と申し上げましたが、地域環境保全基金の誤りでございます。慎んで訂正申し上げます。
○野間赳君 衆議院の修正提案によりまして環境の日が設けられることになりました。広く国民に環境保全に関する関心と理解を高めてもらうためには、国民の身近なところでさまざまな行事や呼びかけが行われることが効果的であります。現在、環境庁が提唱しております六月を環境月間、六月五日を中心に各種の行事等を実施しておると聞いておりますが、我が自民党といたしましてもかねてより、六月の第二日曜を自民党の環境デーとして各種行事を実施してきておるところであります。本年も六月十三日、「広げよう地球にやさしいエコライフ」と銘打ってそのキャンペーンを開催いたしたところであります。広く一般に環境保全型社会を目指す意識を高め、行動を促進する運動を展開いたしておるところであります。 今回、環境基本法案に明確に環境の日がそういったことで位置づけられたのでありますから、例えば環境庁が提唱をするということから一歩前進をさせて、政府として呼びかけてこの環境の日に全力を挙げて取り組んでいく必要があろうかと考えますが、環境庁のお考えをお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生御指摘のように、衆議院における修正で環境の日を設けることとされました六月五日でございますが、これは国運総会で定められた世界環境デーでございまして、我が国では従来からこの日を中心にいたしまして環境庁の提唱によりまして環境週間あるいは環境月間を設けて、普及啓発のための行事や講演会、シンポジウム、環境保全功労者の環境庁長官表彰など、各種の事業を行ってまいったところでございます。 今回、環境基本法の制定によりまして環境の日が法律上明確に位置づけられるということになりますと、私どもはこの環境の日の趣旨に則しまして関係省庁、地方公共団体とも連絡をとりながら環境の日にふさわしい事業を一層積極的に推進する必要があると。まさに今まで週間、月間ということでございましたが、この環境の日を山に持ってくるようにいたしまして、それにふさわしい事業というものをこれから鋭意考え、実施してまいりたいというぐあいに考えております。
○野間赳君 提案理由におきまして、今日の環境問題に対応していくためには、「国民一人一人が、環境への負荷が人のさまざまな活動から生じていることを認識し、すべての者の公平な役割分担のもとに、自主的かつ積極的に、経済社会システムのあり方や生活様式」を見直していくことが重要であるとされておりますが、私も全く同感であります。しかしながら、国民や事業者が環境保全に関して自主的、積極的に取り組みを行っていくためには、これらのものに全く任せっきりにしてしまってもこれはなかなかうまくいくものではありません。行政におきまして、国民や事業者が活動を行うための基盤の整備をしていくことが重要なポイントでなかろうかと考えます。 そこで、環境保全に役立つ社会資本整備について、政府としては理念にあります環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築するため、公共的施設に関する整備計画を策定する場合には、環境の保全に関連する公共的施設の整備を一層推進するように意を用いていくことが重要であると考えます。この点につきまして環境庁のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(八木橋惇夫君) 御指摘のとおり、環境への負荷の少ない社会を構築していくためには、事業者や国民がみずからの負荷活動に伴い発生いたします環境への負荷を低減するように努めるだけではなく、例えば自動車から排出されるNOx等の低減に資するバイパス道路、また鉄道といったような公共輸送機関、公共用水域の汚濁負荷削減に役立つ下水道など、環境の保全に関する公共的施設の整備等を積極的に推進することによりまして、社会全体そのものが環境へ与える負荷を低減していくことになることが必要であるというのは御指摘のとおりだと思います。 このため、環境基本法案におきましては、環境の保全等に関する公共的施設の整備等を重要な施策の柱といたしまして二十三条に位置づけ、第一項におきましては環境保全上の支障の防止を直接目的とする公共的施設の整備その他の事業、第二項におきましては環境保全上の支障の防止が直接目的ではないけれどもその効果を有する公共的施設の整備その他の事業、第三項におきましては自然と触れ合うために必要な公共的施設の整備その他の事業、第四項におきまして公共的施設の適切な利用に関連する国民への普及啓発や利用情報の提供といったような規定を置かせていただいているところでございます。 環境基本法案が成立した暁には、この法律の趣旨にのっとりまして、環境保全に関する公共的施設の整備等が一層推進されることになるものと考えておりますし、私どもといたしましてもそのよ うな役割を演じていきたいというぐあいに考えております。
○野間赳君 環境問題への対応は、シンク・グローバリー、アクト・ローカリーと言われますように、地域における取り組みが大変重要であると考えます。これまでの公害対策や自然環境保全対策につきましても、地方における対応が重要な役割を果たしてきたことは今言うまでもないことであります。これは地球環境問題という新たな課題についても同様であります。現在、我々が取り組むべき重大な問題であります環境問題に適切に対処しますのには、国がきっちりと施策を進めることはもちろん重要でありますが、地方におきましても地域の特性を生かした環境保全施策を進め、国と地方が相まって環境保全施策をとれることが重要であると考えます。 そこで、環境庁は、環境基本法の制定を受けた地方自治体の環境施策への総合的、計画的な取り組みに関してどのような支援、指導を行っていくつもりか、お考えをお伺いいたします。
○政府委員(八木橋惇夫君) 御指摘のように、環境政策を進める上に当たって地方公共団体の果たす役割というものはかなり重要であるというぐあいに私どもも認識しているところでございます。この基本法案におきましては、第三十六条におきまして、地方公共団体は、必要な施策を総合的かつ計画的な推進を図りつつ実施するものとするというぐあいに規定をしたところでございます。 環境庁におきましては、従来から自治省に対しまして環境保全経費の充実を要請してきたところでございます。平成四年度から地方交付税の算定に用います基準財政需要額の算定方法でございます単位費用の中に環境管理計画の策定等を都道府県の標準的な事務といたしまして位置づけをしていただきますとともに、市町村分も含めまして、その財政的基盤の整備を図っていただくということをいたしたところでございます。 さらに、市町村等の個別的な課題に対応した計画的対応を支援するため、計画策定に対する補助制度を設けまして、地方自治体の計画的取り組みを推進しているところでございます。今後とも情報交換の緊密化等、地方自治体との連携をより一層強化いたしまして、引き続き財政的支援の充実、積極的な技術的支援に努めまして、地方公共団体が環境保全施策に総合的、計画的に取り組めるよう、私どもといたしましても支援してまいりたいというぐあいに考えております。
○野間赳君 最後のお尋ねをさせていただきたいと思いますが、先日、大臣の著書「永遠の心を求めて 孔子とその学問」を拝読させていただきました。孔子の言葉から人間の本質について書かれたものでありまして、特に政治家の五つの徳、五徳については、大臣の政治に対する姿勢そのものでありまして、深く感銘をいたしたのであります。その中で、大臣は次のように言われております。 人間は天命の中に在りながら、先ず個体を養う我慾を自制することが出来ないで、「文・質」のバランスを自ら破る愚かな行為の中に身を置き、慾望を満たそうとする快のために、先人の努力の成果である文化や文明を、人間自身の手で破壊するような誤りを繰り返すものであります。科学技術の進歩という人間の知能によって開発された文明が、いままた人間の野心によってその行方に大きく赤の信号がともされておるのであります。地球の環境破壊や経済と環境のアン・バランス或は一国の覇権主義などはその最たるものになるでありましょう。しかしこの赤信号を万物共生のための青信号に出来るのも人間であります。 と書かれております。 私も全く同感であるのでありまして、本法案の持つ役割が重大であることは無論でありますが、政府がどのような施策を実行するかで赤信号を青信号にできるものと信じます。 そこで最後に、環境庁長官より今後の環境保全の展開に対する決意をお聞かせいただきまして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(林大幹君) ただいま野間先生から、私の顔から汗の出るようなお言葉をいただきまして大変恐縮いたしております。 環境問題に政府がどう取り組むのかという大事な御質問でございます。今回の基本法案を国会に御提出させていただきましたその立場からも、ぜひ御理解いただきたいことは、環境問題そのものはあくまでも人間の豊かさとそれからゆとりを実感できるような、そのような心のこもった社会を生み出す我が国の重要課題であるというように認識いたしております。有限である環境をさらに次の世代に引き継ぐという人類共通の課題もそこに含まれております。 したがいまして、基本法案はこのような環境問題に対応した新たな理念とそれに伴う施策の総合的枠組みを定立したものでございますので、本法案成立の暁には、この基本法の示すところに従いまして積極的に施策の展開を図っていく所存でありますとともに、特に環境保全に関する科学技術の振興あるいは環境保全活動の推進など、御指摘のあった施策に本格的に取り組んでまいりたい、そのような決意でございます。
○広中和歌子君 前回、五月二十六日の環境特別委員会の審議に引き続きまして、環境基本法案各条文に沿いまして質問を続けさせていただきます。 政府は、環境の保全に関する施策の総合的、計画的推進を図るため、環境基本計画を立てなければならないとされておりますけれども、これは第十五条でございます。この基本計画と既に存在している開発計画あるいは経済政策、例えば土地利用計画、生活大国五カ年計画、四全総、リゾート法等々との調和、整合性はどう保っていかれますかお伺いいたします。
○政府委員(八木橋惇夫君) この基本法案の十五条に、環境基本計画を政府が策定することを規定させていただいているわけでございます。 そこで、この環境基本計画と御指摘になりました他の計画との関係でございますが、環境基本計画が、環境の保全に関する政府全体の基本的な計画といたしまして政府部内における調整を経て、行政当局における最高の意思決定といたしまして閣議決定を経て策定されることになるわけでございます。そういうことから、国の策定に係る各種の計画におきましては、環境の保全に関しましては環境基本計画の基本的な方向に沿った内容となることが手続的に担保されているというぐあいに考えているわけでございます。 具体的に申し上げますと、国の策定する各種計画も必要に応じ政府部内で所要の調整が行われ、さらに閣議決定等がなされることから、その間におきまして環境庁も十分調整権をもちましてそこはチェックし、また物を申し上げていくということになりますことから、環境基本計画とその他の計画とは整合性が保たれることになるというぐあいに私ども考えております。
○広中和歌子君 では、今まで既に計画されているものがございますけれども、それについても大丈夫でしょうか。念を押しておきます。
○政府委員(八木橋惇夫君) 今まで既に策定されている計画があるわけでございます。それにつきましては、その計画を改定する作業がございますときにはこの視点を取り入れて改定作業が行われるということに相なるというぐあいに私ども考えておりますし、また現にある計画そのものの運用におきましても、この環境基本法ができますれば、政府が行います施策の実施に関しましては、これは十九条に規定されておりますところに従いまして環境に対する配慮ということがなされなければならぬということになりますので、そういったものの運用もこの基本計画の趣旨に沿って行われなければならないということになってくるというぐあいに私ども考えております。
○広中和歌子君 さかのぼって見直すというわけではなくて、運用面で対処する、そういうふうに解釈するわけですね。
○政府委員(八木橋惇夫君) さかのぼってこう いったものの見直しをするということは事実上なかなか難しいかと存じます。実際の運用におきましてこの環境基本法の趣旨、環境基本計画の言っているところに従って運用されていくということになります。 なお、若干付言させていただきますれば、生活大国五カ年計画におきましては、私どもこういった環境基本法をつくるということを想定しながら相当環境保全に関する意見を申し述べまして、そういったものは既にあの計画の中には織り込んでもらっているというぐあいに私どもは考えております。
○広中和歌子君 では次に移ります。 これはだめ押しの質問になりますが、第二十条で、国は、事業者が「その事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測又は評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。」と書かれておりまして、私が前回伺ったのは、国の行う「必要な措置」とは何かということでございます。これは環境アセスを事前に行うということですかということを伺った後で、はっきり基本法にアセスと書き込んだ方がいいのではないかと伺ったわけでございます。そのとき八木橋政府委員はお答えとして、政府の御答弁を引用なさりつつ、法制化に向け調査研究、検討中と、そんなふうにお答えになりましたけれども、改めてそれでよろしゅうございますね。
○政府委員(八木橋惇夫君) 環境基本法案第二十条における規定でございます。この二十条の「必要な措置」の中には、国が環境影響評価の推進のために講ずるいろいろな行政上の措置、立法上の措置全般を指すものというぐあいに私ども考えておりますとお答え申し上げまして、具体的には政府の統一見解でございます総理の答弁を引用してお答えしたわけでございます。 したがいまして、今後現行制度の見直しを政府一体となって調査研究いたすと同時に、社会的条件、経済的条件の推移等を見ながら、法制化を含めて、当然見直しをしていくという作業をすることになるというぐあいに理解していただきたいと存じます。
○広中和歌子君 ぜひ積極的に前進させていただきたいと思います。 ちょっとまたもとへ戻るようですが、第八条、「事業者の責務」についての規定の中で、事業活動に当たっては、「ばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務」等、事業者の責務が書かれておりますけれども、この責務を事業者に、これは大企業も中小企業も零細企業もいろいろあるわけでございますけれども、どう周知徹底させるか、伺います。
○政府委員(八木橋惇夫君) 環境基本法案第八条におきまして、御指摘のような事業者への責務を一般的に規定させていただいているところでございます。この規定は、事業者に係る環境の保全上の支障を防止するための施策により明確化されているわけでございまして、例えば二十一条、「規制の措置」というのがございます。これによりまして、個別の措置ということで、大気汚染防止法とか水質汚濁防止法とか個別法の規制が行われます場合におきましては、その具体的な措置の適切な施行が図られることによって、その責務の内容が周知徹底されていくということになるわけでございます。 また、そういった個別の規制等の措置によって明確化されていない一般的な責務の内容につきましては、この法案で二十五条、「環境の保全に関する教育、学習等」の規定に基づいて行います環境教育、環境学習の振興、また環境の保全に関する広報の充実のための各種の措置を通じて周知徹底を図っていくことになるというぐあいに考えております。 なお、先ほど御質問がございました、また衆議院で修正のございました「環境の日」の規定を中心にして、それらの周知徹底の行動というものを盛り上げていくことも当然中に入ってくるわけでございます。
○広中和歌子君 これは環境庁がなさるのか、それともそれぞれの関係省庁、通産省とか厚生省とか、そういうところがなさるのかどうかという点と、それからどんな法律でも違反者が出る、特に環境なんかに関しましてはついというようなこともあると思うんですけれども、違反者の取り締まりとか処罰については環境庁としてはどう対処されますかということでございます。 これは、警察の方いらしていただいているかどうかあれなんですけれども、処理業者の不法投棄など、非常に目に余ると。これは明らかに景観を損なっているところでございますけれども、こうした違反者への取り締まりについてもお答えいただければと思います。
○政府委員(八木橋惇夫君) こういった周知なり広報なりの措置をどこがとるかということでございますが、個別法に基づく周知させる行為等につきましては、一義的にこれはその法律を所管している省庁が行うことになります。 しかし、環境庁といたしましては、環境行政一般の総合調整、企画立案権というものを持っておりますから、例えば政府広報なりを通じて一般的に行った方がいいという場合には、総理府と相談してそういう広報媒体を使うこともございますし、また手薄な広報関係がございますれば、そういうものを手厚くするように調整措置を講ずるというようなことをやっていくことが考えられるということになります。 それからもう一つは、取り締まり等の問題につきましては、基本法そのものは権利義務を規定した法律ではございませんので、基本法を振りかざしてそこまでいくということにはいきませんで、こういった基本法の考え方のもとにそれぞれ体系づけられる各種の個別法に基づきまして、それらの取り締まり等が行われていくということになるわけでございまして、それもそれぞれの所管官庁におきまして、例えば大気汚染防止法、水質汚濁防止法でございますればこれは環境庁が所管し、環境庁が例えばそれに対する違反行為があればそれは権限ある当局に告発をするとか、そういった行為をやるということがそれぞれの省庁に課せられてくるわけでございます。
○説明員(片岡義篤君) 事業活動に伴いまして生じました建設廃材とか汚泥等をみだりに投棄したり無許可で処理したりする産業廃棄物の不法処分事件でございますけれども、これは昨年、平成四年中ですが、事件数で申しますと一千百二十八事件を実は検挙いたしております。依然としてこの産業廃棄物に係る不法処分事件の大規模化の傾向がうかがえるところでございます。また、県域を越えまして産業廃棄物を不法処分する広域事件も多発の傾向にございまして、特に暴力団がこの産業廃棄物の不法処分事犯に介在してくる傾向が顕著に見られております。 警察といたしましては、今後とも悪質な事犯に重点を指向した強力な取り締まりを推進していく所存でございます。
○広中和歌子君 心から声援をお送りしたいとしか今のところ申し上げられませんけれども、ぜひ頑張っていただきたいと思います。 それから、廃棄物の違法投棄、それから有害廃棄物の管理あるいはその移動についてでございますけれども、どのように環境保全を担保できるか。廃棄物の処理は厚生省の管轄でございますけれども、この法案を受け継いでの厚生省の対応を伺います。
○説明員(飯島孝君) 昨年七月に施行されました改正廃棄物処理法におきまして、今先生御指摘の産業廃棄物対策、非常に新しい措置が講じられております。一つは、従来の有害産業廃棄物を新たに特別管理産業廃棄物というものに指定いたしまして、普通の産業廃棄物とは別に厳しい処理基準を定めております。もう一つは、排出事業者が処理を委託する場合にみずから委託した廃棄物の流れが管理できるように、特別管理産業廃棄物管理票、いわゆるマニフェストと呼んでおりますが、 この交付を義務づけております。 実際に今後行っていく話といたしましては、その特別管理産業廃棄物の厳しい処理基準を厳正に運用していくために、私ども、法の施行通知とあわせましていろいろなマニュアルをつくっておりまして、例えば感染性廃棄物の処理マニュアルであるとか、廃石綿などの処理マニュアル、こういったものをつくりまして指導の徹底を図っております。また、マニフェストについてでございますけれども、これは経過措置がございまして、ことしの四月一日から適用になっているところでございまして、それまでに排出事業者や処理業者が適切にこの制度を運用できるように管理票の標準様式を示しまして、さらに運用のマニュアル、これについても指導しているところでございます。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。 私も、その法案の審議に参加したことがございまして、その後の運用の状況について大変関心を持っていたわけでございますけれども、今後ともぜひその運用面について頑張っていただきたいと思います。 次は、第九条の「国民の責務」について規定している中で、環境への負荷の低減に努めること、国や地方公共団体が実施する環境の保全に関する施策に協力すべきというふうに書かれておりますけれども、前回具体的にどうすればよいか、そういうことを伺ったわけです。そうしますと、いろいろお答えいただいたわけですけれども、その中で、思いますに国民の多くは例えばリサイクルに協力したい、むだを省きたい、そう思っていてもリサイクルのシステムそのものが不完全であったり、国や自治体の取り組みが不完全なために戸惑っている人が多いんじゃないかと思います。 二、三日前のテレビでも、一生懸命リサイクルで集めたんだけれども果たしてそれがきちんとリサイクルに使われているんだろうかというようなこともございます。例えば瓶のリサイクルについては、これは、その同じテレビ番組でドイツの例、取り組みが紹介されていました。瓶のリサイクルについて、瓶の提供者つまり製造者、瓶の提供者に回収の責任を負わせている。そして、製造者が集め、そのコストは商品に転嫁することによって消費者に負担をさせるということで、つまり製造者と消費者がともにコストを負担しているといったようなことが紹介されておりました。特に、瓶にはデポジット制が組み込まれておりまして、瓶を返還すればお金が戻る仕組みになっております。 そのときに指摘されていたんですけれども、日本のデポジット制というのはないわけじゃないんですけれども、存在いたしましてもそのデポジットの金額が非常に小さいんです。十円とか五円とか本当にそういった額でございまして、私は少なくとも瓶代のかなりの部分というんでしょうか、瓶代というのか中身を含めた、例えばジュースのボトルであればそれのかなりの部分というものをデポジットとして取るぐらいのことをしない限り、なかなか瓶を戻すという努力が報われないんじゃないか、つまりインセンティブをもっと高める必要があるんじゃないかと思います。 こうしたやり方を行うというようなことが、国あるいは地方自治体の総合的な施策ということになるんではないかと思うんでございますけれども、取り組みについてお伺いいたします。
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生のただいま御質問の中には二つの視点があったかと存じます。 一つは、ドイツのように製造事業者へ廃棄物とならないように、リサイクルできるように回収義務を課すような措置というものが考えられるのではなかろうかということと、もう一つは経済的な措置といたしまして、商品に上乗せすることによりましてそれをむだに捨てない、経済的な価値を持っているからそれがひとりでにまたリサイクルの方に回ってくるような措置をとるべきではないかと、こういう二つの中身があったかと存じます。 ドイツにおきましては御指摘のように、主に廃棄物の減量化の観点から容器、包装材を初めといたしまして各種の製品について製品の製造、販売事業者に引き取り義務をつけまして、その処理を行わせる方向での施策が進められているということで、私どもも勉強しているところでございます。廃棄物の排出抑制、リサイクルを促進することによりまして環境への負荷を低減するということは、本当にこの法案の目的とするところの理念として掲げたところの一つでございますし、事業者の責務として規定しているところでございます。 そのためどういう措置を講ずるかということにつきましては、二十四条二項に基づく措置に該当することになるのであろうかと存じますが、我が国におきまして引き取り義務を具体的な措置として課すかどうかということにつきましては、これからこういった理念をもとにしました基本法ができました後、国民各界各層の意見を聞きながら、また、我が国の取引実情、業界の状況等を踏まえながら検討していかなければならない問題であるというぐあいに考えております。 それから、もう一つのデポジット制でございますが、このデポジット制度につきましてもさまざまな角度から検討を加えていく必要があろうかというぐあいに私ども考えております。現に地方公共団体レベルでは、市町村のレベルあるいは観光地のレベルというところでいろいろな試みが行われていることも承知しております。また、特定の業界におきましては、先生御指摘のように金額の問題はあろうかと存じますが、一定の金額を上乗せすることによって回収率九九%といったような実績を上げている例もあるわけでございます。 私どもといたしましては、昨年来学識経験者から成る検討会を設置いたしまして、リサイクルを促進するための各種の経済的手法のあり方について検討を進めているわけでございますが、その検討の中の一つといたしましてデポジット制度も課題として私ども今勉強しているところでございます。この問題につきましては、製品製造の段階から消費後の不要物の発生を抑制する方策、消費後の廃棄物としての排出を抑制する方策、消費後の再生可能な不要物の回収の促進、また回収された再生資源の利用の促進という四つの側面にわたってこれは検討しなければならない、検討課題としてはかなり深い問題でございます。 私どもとしては、そういった面で今鋭意勉強しているところでございます。
○広中和歌子君 そうなんです。おっしゃるとおりこの経済的手法を使うことによっていかに実効性を高めるかということがこれから問われることではなかろうかと思います。 別の例を挙げますと、製紙会社にとってリサイクルペーパーを使う方がバージンパルプを使うより割安につくふうなシステムをつくることがリサイクルペーパーを盛んにすることだ、そういうふうに思うんです。どういうふうにするかなんですけれども、これはデポジットというわけにはいきませんけれども、現実はバージンパルプの方が安いという状況、それをどういうふうに変えていくかなんですけれども、バージンパルプには森林再生の費用を上乗せするような工夫が考えられるのじゃないかなと思うんでございますけれども、今後木材、パルプの値段には森林の保全やリプレースメントコストを加味すべきではありませんか。そういうことをこれから環境庁としては検討していただきたい、そういうふうに思うわけでございます。 さらにつけ加えるならば、輸入木材に関する対策についても伺いたいわけでございますけれども、非常に安い木材が入ってくる、あるいはパルプが我が国に入ってくることによって、我が国の森林の有効利用あるいは木材などのリサイクル、そういうものが随分おくれているんではないか、そういう気がするわけでございますけれども、コメントをお願いいたします。
○政府委員(八木橋惇夫君) おっしゃるように、 再生資源というものを業者が利用する、また、そういったものによってできる商品を消費者が好むというような場合におきましては、一つは消費者に対して再生資源使用製品の利用の重要性に関する普及啓発また情報提供を行いまして、それが結局地球に優しい、また環境を保全することにつながっていくんだという意識づけを行っていくということが一つ考えられますのと同時に、先生御指摘になりましたそういった資源を利用することが天然原料の利用に比較して相対的に有利になるような経済的なインセンティブを与えていくということが考えられるわけでございます。 後者は再生資源を使用した製品が市場のメカニズムを通じて普及していくようにということを考えているわけでございまして、これはこの法案で言いますと、二十二条の第一項に規定している助成措置を活用する方法と、もう一つは第二項に規定している経済的負担を課して天然資源使用製品への経済的負担を上乗せするというまさに先生が御指摘になった方法が考えられるわけでございます。 再生資源の需要を拡大するために、具体的にどのような措置が効果的か、またどの段階でかけたりするかということはいろいろな難しい問題がありまして、こういった措置についてはようやく緒についたばかりということでございますけれども、私どもは、これは重要な検討課題として今後考えていくべき問題であるというぐあいに認識しておるわけでございます。
○広中和歌子君 大変前向きなお答えをいただいてありがたいと思います。 我が国は戦後、焼け跡の中から多くの建物を建てなければならないというそういう中で、安い木材が最初は東南アジア、つまり熱帯雨林から、あるいはカナダやアメリカなどから大量に入ってきたわけでございます。しかも、非常に値段が安かった。それは非常に経済再建にとってはありがたいことだったわけですけれども、同時に、例えばフィリピンの山が丸裸になってしまって洪水の原因になったんではないかとかあるいは熱帯雨林のその多くを日本が輸入しているんだということで、日本はせっかく環境問題で今リーダーシップを発揮しようと思っておりましても、そうしたことで日本の環境については非常にマイナスのイメージがついて回るということもございます。 特に、私が今危機感を持っておりますのは、ロシアからの、特にシベリア地方からの大量の木材輸入計画でございます。新聞によりますと、そうした契約が商社の間で結ばれているということでございますが、昨年ですかNHKの特集でタイガ地方、タイガ、つまり凍土の上に立っている古い大木、そうしたものを伐採する、そういう実態が映されていたわけでございます。あそこの生態系をもとに戻すのには七百年もかかると。つまり熱帯雨林なんかよりもよっぽど再生するのに時間がかかる。そういった木材をどんどん切って、そしてそこでの環境破壊が起こると。 最終的には、木を切った後太陽光が入ることによって凍土が解け、そこに池が生じ、そしてメタンが発生し、そして最終的にはそれが乾燥すると塩化、塩が上へ上がってくるわけです。何も生えないといったような、そういうともかくひどい塩化現象が起こる。そういう状況を私自身直接旧ソ連の元環境大臣から伺ったこともございます。 こういったような状況を思いますときに、やはり今少し早目に、シベリアからの木材輸入に関しては手を打っておく、自主規制をするといったような方向をとるべきではないかと思うのでございますけれども、担当者のお考えをお伺いいたします。
○政府委員(加藤三郎君) 先生ももうつとに御案内のとおり、世界には陸地面積の三一%にも及ぶ約四十億ヘクタールの森林が広がっておりまして、これが各地の気候あるいは生物をはぐくむとかそれからさまざまないい環境を私どもにもたらしてくれているわけでございます。シベリアもその森林の一つでございまして、そのシベリアの森林も含めて、世界の森林を保全していくということはあらゆる観点から見て重要ということで、御高承のとおり、昨年六月の地球サミットにおきまして、世界の森林、熱帯林のみならず寒帯林なども含めた世界の森林を適切に保全し、持続可能な利用を図っていくべきことを盛り込んだ森林原則声明というものが採択されているわけでございます。 今先生は端的にシベリアからの木材の輸入などを自粛すべきではないかというふうなことでございましたが、木材の貿易の適正化につきましては、これは先進国と開発途上国の間でもいろいろと意見がございます。また、先進国の中でもいろいろと意見があります。そういうわけで、国際的な場で議論が進展することが望ましいというふうに考えております。私どもといたしましては、このような国際的な議論の動向を離れて貿易制限に直結するような措置を講ずるということは、国際的な貿易に関します諸原則や考え方から見て、慎重に対処すべきではないかというふうに考えでございます。 しかし、環境庁といたしましては、先ほども申し上げましたように、森林が持っている環境上の極めて重要な役割、そういったものにかんがみまして、ロシアなどの木材生産国におきましても持続可能な森林管理が森林原則に従って進められることが非常に重要というふうに考えておりまして、また、我が国のような消費国におきましても木材の浪費的な使用に流れないことを目指して努力をすべきというふうに考えております。
○広中和歌子君 木材の輸入といいますと、管轄が環境庁じゃないというような問題点がございまして、環境庁としては非常にやりにくい立場でいらっしゃると思いますけれども、ぜひその調整機能を働かせていただいて、この問題に関しても御関心を持っていただきたいとお願いいたします。 次に、三十七条、原因者負担の条文についてお伺いいたします。国及び地方自治体が、公害等にかかわる支障を除去する必要が生じたとき、その原因となる事業活動を行った者に、除去する作業に要する費用の全部あるいは一部を負担させるために必要な措置をするとなっておりますけれども、どういうことなんでしょうか。具体的にどういう措置をなさるのかまずお伺いいたします。
○政府委員(八木橋惇夫君) 第三十七条の原因者負担の問題でございます。 国等の公的事業主体が実施いたします公害の防止等に係ります事業に関して、原因者負担の制度を規定したものでございます。この条文は、環境法制における既存の原因者負担制度を基本的に適切に位置づける観点から、規定を整理したものでございまして、この条に規定する「必要な措置」といたしまして、現行の措置といたしましては、公害防止事業費事業者負担法、自然環境保全法、自然公園法における原因者の費用負担などを挙げることができるわけでございます。 これは、「必要な措置」ということは、負担をさせる国民に不利益を課す措置でございますから、これは立法上の措置が必要だというぐあいに私ども考えております。
○広中和歌子君 この基本法が成立しますね、そして、それから立法措置が必要なんだろうと思うんですけれども、この基本法以前に既に起こっている土壌汚染などについて、さかのぼって負担を求めるといったような方向にいくんでしょうか、お伺いいたします。 これはアメリカなどでスーパーファンドという制度がございます。原因者だけではなくて、その土壌汚染の土地を買った者、つまり所有者にその負担を求めるといった法律だろうと思うのでございますけれども、このスーパーファンドのようなものと考えてよろしいのでしょうか。
○政府委員(八木橋惇夫君) この三十七条の規定は、公害や自然環境の保全上の支障を防止するための事業の必要を生じさせた者に、それを費用負担者として規定いたしまして、原因者負担につい ての規定を整備したという条項でございます。 そこで、先生ただいま御指摘になりました米国におけるスーパーファンド法のような問題でございます。これは、現在我が国で持っております環境法制における原因者負担制度よりも、先生ただいま御指摘になりましたように、費用負担者を相当程度幅広くとらえておりまして、我が国の原因者負担というものよりは範囲が広いということになるわけでございます。 そこで、このような考え方を現在我が国でとるに当たりましては、諸外国の例、学識経験者の意見等を参考にしながら、法制的な検討を行う必要があるというぐあいに考えられますし、中央公害対策審議会、自然環境保全審議会等におきましても、現行の公害防止対策の費用を織り込むということにつきましては意見の一致を見たわけでございますが、その他の問題につきましては国民の合意が必要であって、それについては今後費用負担の対象となるべき環境の悪化の把握とか環境の利用の範囲、費用の特定及び算定、負担の妥当性等、種々解決すべき課題があるということで、この問題については結論が出なかった。 したがって、先生御指摘のような問題はこれからの検討すべき課題として残っているというぐあいに御理解いただきたいと存じます。
○広中和歌子君 ぜひ前向きに検討していただきたい。随分検討課題多いですね、この法案は。ぜひ前向きに検討してください。 次に、地球環境保全に関する国際協力の条文です。第三十二条、「国は、地球環境保全に関する国際的な連携を確保することその他の地球環境保全に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずるように努める」、この「必要な措置」というのは何かということ。そして、この三十二条の条文から国として環境ODAにコミットすることが読み取れるかどうか伺います。
○政府委員(加藤三郎君) まず、先生がお触れになりました三十二条の第一項の冒頭部分でございます。「国は、地球環境保全に関する国際的な連携を確保することその他の地球環境保全に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずる」と、この「必要な措置」とは何だということでございますが、例えば条約づくりに積極的に参加するということでございます。これまで地球サミットに向けまして条約づくりに日本は極めて積極的な役割を果たしてきたというふうに思っておりますが、現在は例えば砂漠化の対応のための条約づくりが今始まっております。これにも積極的に参加しておる。そういうことで、他の国々と一緒になりまして国際協力を推進するために必要な措置を講じているというわけでございます。 それから、国際協力、ODAなどの国際協力がこの三十二条の中に位置づけられるかということでございますが、これは第一項の後段の部分でまさにそのことは書いてございまして、御指摘の環境保全に関する国際協力プロジェクトいわゆる環境ODAなどの推進はこの中に位置づけられております。
○広中和歌子君 地球環境担当大臣は環境庁長官でいらっしゃいますし、地球環境問題関係の閣僚会議の担当大臣も一応環境庁長官ですけれども、ODAが一元化されていない中で環境国際協力はどういう形で担保されるのか、環境庁としてはどういう形で取り組まれるのか、お伺いいたします。
○政府委員(加藤三郎君) まず一般の環境保全、国際協力における環境保全に関しましては、外務省などの関係する省庁ともどもこれまでもいろいろな機会に、例えば国際会議に出かけていく、それから条約づくりに積極的に参加していく、そういったまた材料をつくっていく、またその条約でコミットしたことについてきちっと国内で実施していく、そういったことを環境庁が中心になりまして、もちろん他の省庁、特に外務省、国際関係の場合外務省などと御一緒に努めているわけでございます。 また、その環境ODAの推進ということで環境庁はどう取り組んでいくかということでございますが、これは先生もお触れになられましたように、環境ODA全体につきましては、政府一体となってやっておるわけでございますけれども、昨年の六月の地球サミットにおきまして、我が国としても大幅な拡充強化を図る旨表明をしたわけでございますし、それから地球サミットの直後に開かれました閣議におきまして政府開発援助大綱、いわゆるODA大綱というものを決めましたが、その中で、環境保全を基本理念に掲げまして、外務省を中心とする関係省庁ともども積極的な取り組みを図っているわけでございます。 今般、先ほども御答弁申し上げましたように、基本法案におきましては、その三十二条におきまして、いわゆる環境ODAの推進を位置づけておりまして、その一層の進展を期することといたしております。環境庁自身といたしましては、従来より開発途上国の環境問題に関する調査研究などを実施する、そのほか私ども所管のODA予算の拡充強化に努めてまいっておりますが、加えまして環境問題に対する途上国自身の対処能力の向上を図ることが重要という見地から外務省、JICAなどと協力をいたしまして、専門家の派遣あるいは途上国からの研修員の受け入れ、さらにタイ、中国、インドネシアなどにおきまして環境研究研修センターといったものの設立への支援を行っておるところでございます。 今後ともこの法案第三十二条の規定の趣旨を踏まえまして、途上国との政策対話を強化しながら関係省庁との緊密な協力のもとに環境ODAというものが着実に効果的に活用されますよう努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○広中和歌子君 大変に丁寧に答えていただいたので、だめ押しの質問をする必要はないとは思いますけれども、一応念を押させていただきます。 この前、ブラジルのリオでのUNCEDに提出された宮澤総理のペーパーの中だと思いますけれども、日本は地球環境に対して向こう五年間で九千億円から一兆円をコミットするということ、これは実行されるかどうかをまず伺いたいということ。それから、今局長おっしゃいましたけれども、この基本法を受けてODAの中での環境の保全に資するプロジェクトヘの配分を高めていくということ、努力がされるというふうに受けとめてよろしいか。その二点についてお伺いします。
○説明員(黒木雅文君) お答えいたします。 昨年六月の地球サミットで宮澤総理が九二年度から五年間で環境関係の援助を九千億円から一兆円までとして大幅に拡充強化するというふうに発表いたしましたが、この目標額を単純に計算いたしますと、毎年平均一千八百億から二千億円をめどに協力するということでございます。これ初年度であります九二年度の実績につきましては、現在最終的な数字は集計中でございますけれども、約二千八百億円弱に達した見込みでありまして、今後とも引き続き地球環境保全を含めて環境ODAの拡充に努力いたしたいというふうに考えております。 それから、今回の基本法を受けまして、かつ昨年六月に閣議で決定いたしましたODA大綱も踏まえまして、政府といたしましては、ODAの実施に当たって特に環境分野のODAの実施、これを重点分野の一つとして掲げておりまして、今後とも予算の拡充を含めまして、かつ優良な環境案件の発掘、形成、実施に努めていく考えでございます。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。 環境ODAに関しましては、草の根レベルに行き渡る援助が非常に大切だろうと思います。国内だけではなくて海外のNGOとの協力も欠かせないと思いますけれども、環境庁のNGOへの御対応をお伺いいたします。
○政府委員(加藤三郎君) 環境庁のNGOへの対応ということでございますが、例えば昨年の地球サミットに当たりまして、私どもナショナルリポートというのを出させていただきました。そういうときにナショナルリポートを出すに当たりま して、例えばいろんな環境に関係するいわゆるNGOと言われる方々の意見も大いに徴しまして、そういった意見も取り入れながらリポートをつくって、それを国連に提出するというようなことをいたしております。 そのように一般的にNGOとの密接な協力をとりつつありますが、いわゆる地球環境基金というものにつきまして法律を通させていただきましたので、その地球環境基金を使って、国内及び海外のNGOが地球環境保全のためにいろいろな活動をするところの支援をさせていただくということに今度させていただくことになりました。 そういうことで、今後とも積極的にNGOと建設的な対話、あるいは協力関係を保っていきたいというふうに思っております。
○広中和歌子君 では、三十五条なんですけれども、「国際協力の実施等に当たっての配慮」、全文読みませんけれども、国際協力の実施に関する地域に係る地球環境保全等について配慮するよう努めるということが書かれていますけれども、その配慮は当然我が国の環境基準に準ずるものというふうに考えてよろしいんでしょうか。 それからまた第二項の、事業者の海外での事業活動についても、現地の環境基準に従うことはもとより、それが我が国に比べて著しく低い場合には、我が国の環境基準に準ずる環境配慮をすべきだと書き込むことが必要ではないかなと思うんですけれども、御所見を伺います。
○政府委員(加藤三郎君) まず、第一項の、国は国際協力の実施に当たって、その国際協力の実施に関する地域、例えば途上国なら途上国におきます地球環境保全等について配慮するように努めるということで、いわゆる私ども国際協力における環境配慮の実施、国の実施を規定したものでございます。 それから、第二項に関連いたしまして、事業者が海外で事業活動をする場合に、先生もおっしゃられましたように、その地域の基準に従うことは当然でございます。先生はさらに加えまして、その地域の基準が特に我々から見て非常に低い場合にどうするんだということだったわけでございますが、これは、私ども繰り返して申し上げておりますが、その国がどういう基準を適用するかどういうレベルに設定をするかどういうことについて規制をするかというのは、これはすぐれてその国の主権に属することでございます。私どもから見て適切であるかどうかといういろいろな意見はあろうかと思いますが、原則としては、その国で事業活動をする以上、その国の諸法令に従うというのが国際法上の通念だというふうに考えております。 したがって、そういう趣旨でこの規定を置いたわけでございますが、私どもといたしましては、日本の関係する事業者が海外で事業活動をする場合に、いやしくも例えば公害輸出ではないかと言われるようなことがないようにするために特にこの規定を置きまして、国としては事業者に対しまして情報の提供その他必要な措置をまず講ずる。 さらに加えて申し上げますと、事業者自体は第八条の四項に書いてございますように、国の内外を問わず、事業活動に伴う環境への負荷の低減その他環境の保全にみずから努めるという責務を持っておるわけですから、まずその責務を実施しながら海外でも事業活動をしていただくわけですが、国としては事業者が適正に配慮することができるようにするために、情報の提供その他の措置を講じたいというふうに考えている次第でございます。
○広中和歌子君 情報の提供だけでいいのかどうかというようなこともあると思います。 例えば、我が国で使用禁止あるいは使用を制限するようにと言われているような薬が海外に売られるとか、あるいは日本では到底生産しないような仕方で海外で生産をする、それが向こうで許されているといたしましても、大国となった我が国、そしていろいろな公害防止技術を持っている我が国としては、やってはいけないんじゃないかと思います。 ぜひ思い出していただきたいんですけれども、当環境特別委員会におきまして、海外活動に関する環境への配慮に関する決議をいたしております。これは平成三年四月二十四日のことでございますけれども、「日本企業の海外進出等における環境への配慮に関する決議」でございます。全部は読みませんけれども、一部申しますと例えば、 二、海外直接投資なかんずく製造業等の海外進出については、受入国において環境問題が生じることのないよう、受入国の基準に配慮しつつ、我が国内の水準に照らしてできる限り公害対策を投資企業においても実施するよう努力を促すこと。 三、政府開発援助による開発については、これによって環境破壊を引き起こすことのないよう環境アセスメントを実施するとともに、受入国の社会的文化的影響を考慮するなど環境への総合的配慮を行うこと。 そんなふうになっております。こうした私どもの決議を受けまして、ぜひこの環境基本法案における三十二条から三十四、三十五条にかけての環境における国際協力につきまして、十二分の御配慮をなさいますように御要望申し上げます。
○政府委員(加藤三郎君) ただいま広中先生がお触れになられました決議、もちろん私ども十分この立案に当たりまして配慮をさせていただいております。また、その決議の趣旨は深く心に体しているつもりでございます。 ただ、先ほども申し上げましたように、およそどういう物質を規制するか、どういうレベルで規制するか、どういう基準をつくるかというのは、これはすぐれてその国の主権に属することであります。例えて言いますと、私ども日本の中でもアメリカの企業が企業活動をしております。あるいはドイツの企業も日本で活動しております。そういう活動、そのオリジンがどこであれ、日本でやっている場合には日本の規制をかけるというのが原則でございます。同様に、日本の企業がアメリカに行こうがマレーシアに行こうがどこに行こうが、そこでどういう規制を受けるかというのは、すぐれてその国の主権に属するわけでございます。 そのことが、実は先生も御記憶だと思いますが、リオでも議論になりまして、リオの原則の十一、リオ宣言、ときどき話題になりますが、リオ宣言の原則の第十一にそのことが特に触れられてございまして、ちょっと途中を省略しますと、「一部の国が適用した基準は、他の国、特に開発途上国にとっては不適切であり、不当な経済的及び社会的な費用をもたらすかもしれない。」という表現が原則の十一の中にあるわけでございます。こういうことも先ほど私、国際法上の通念だと申し上げましたが、こういったリオにおける議論も踏まえまして、この三十五条を書かさせていただいておるわけでございます。 先ほども申し上げましたように、まず、国としては、事業者が海外でおよそそういう問題を引き起こさないように、事業者に対する情報の提供その他の必要な措置を講ずるとともに、また海外の途上の国が自分たちの対処能力が足りなくて日本に支援を求める場合には、喜んで途上国の対処能力を向上するための措置を講ずるというのが、先ほどの三十二条の趣旨でございます。 したがいまして、国といたしましてはまず、事業者に対しては情報の提供その他の措置を講ずるとともに、途上国のお求めがあれば私ども喜んで途上国の環境対処能力を向上するための措置をとらせていただくという、その二つがこの基本法案に明定されているわけでございます。これを、先生が今おっしゃいましたような決議の趣旨などを外しまして、関係省庁ともども適切に実行して、日本の環境分野における海外協力の実が上がりますよう努力をしてまいりたいと思っております。
○広中和歌子君 大変難しい問題をお答えいただいているんだなというふうに感じます。 つまり、私どもが戦後の経済発展を一生懸命やっていたときを思いますときに、まず環境よりも経済発展だといったようなことでやってきたわけでございまして、これから発展していこうとする途上国におきましても同様な考え方もあるんじゃないかと思います。しかも、途上国の主権の問題ということもございます。 それも十分踏まえた上で私どもは、私どもが繰り返したつまり私どもが体験した公害を、そしてその公害を取り除く費用というのは非常に高いということを考えますと、少々おせっかいと言われましても、少なくとも自分たちが援助をするとかわざわざ海外に出て生産をするなんというときには、少々けんかをしてでも日本は日本のやり方でやることの方が将来的には日本が尊敬を得られる、そういったようなことになるんではないかと思うところでございます。ぜひよろしくお願いいたします。
○政府委員(加藤三郎君) 全く先生のおっしゃったとおりだと思っております。 前回も御答弁させていただきましたが、第五条に理念が書いてございまして、その中で、我が国は我が国の能力を生かし、及び国際社会において我が国の占める地位に応じて国際的協調のもとに積極的に推進しなければならないということで、まさに私たちが、先生がお触れになりました痛切な体験、経験、そういったものをもとに積極的に貢献をしていこうという気持ちは、あの理念に書いてあるわけでございます。 ただ、だからといって途上国に日本の基準をそのまま押しつけるということは、これは先ほど来繰り返しておりますような国際法の通念あるいはリオ宣言に盛られておりますような途上国の立場、そういったものを考えますと、それをそのまま生に出すわけにはいかないということでこういう表現になっているわけでございまして、先生の御趣旨あるいは当委員会から出ました決議の御趣旨を体してこれからも関係省庁ともども頑張ってまいりたいと思っております。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。 環境庁長官は、環境基本法案の趣旨説明の中でこんなふうに述べていらっしゃいます。読ませていただきます。 国民一人一人が環境への負荷が人のさまざまな活動から生じていることを認識し、すべての者の公平な役割分担のもとに、自主的かつ積極的に経済社会システムのあり方や生活様式の見直しを行い、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築することが求められています。 そんなふうに述べられております。環境保全型社会とか持続的発展とかそういうことについてお伺いしたいわけでございますけれども、まず環境保全型社会というのは環境への負荷の少ない、公害のない、自然環境が守られている社会、経済活動との調和のとれた持続的成長の可能な社会と考えてよろしいんでしょうか。そして、持続的成長あるいは持続的開発とはどういうことなのか、お伺いいたします。
○国務大臣(林大幹君) 先生のそのような御解釈は、私はそれで結構だろうと思います。特に、先ほどより地球環境という面をとらえまして開発途上国との関係なども先生大変御心配の上でいろいろ御意見を出されておりますけれども、開発途上国とこれからどう日本が手をつなぐかということは一番大事なことであります。 したがいまして、ちょっと話がわきへそれますけれども、例えば先般、ちょうど一カ月ほど前でありますけれども、スイスで行われた全ヨーロッパの環境大臣会議、日本とアメリカなどもオブザーバーで出ておりますけれども、こういう会議も大事な場面であるし、それからまたこの六月三十日から七月一日にかけましてエコアジア93、つまりアジア・太平洋地域の環境担当の首脳者の会議というものもこれは開かれます。東京で開かれることでありますけれども、場所は千葉県の幕張で開くことになっておりますが、そのようなことが組み込まれていくということは、これからの環境問題は一国のいわゆる経済活動、経済政策だけで進められてはならないという、私はそれぞれの環境に取り組む人たちの気持ちのあらわれだと思います。 したがいまして、今先生から御指摘のありましたようなこれからの問題につきまして、一口に言いますると、私は自然と人間とがともに生きていくためにはどうあればいいのかという、ここが原点だろうと思います。そういう意味で、環境基本法をこの国会で御審議賜りまして御決定いただきました後は環境基本法の理念あるいはそれに伴う施策というものはそこから生まれていく、そのように私は理解いたしておりますので、一生懸命頑張っていきたいと思っております。
○広中和歌子君 今、本当に持続的成長とか持続的開発とかというのは非常に簡単に使われるわけなんでございますけれども、それが地球保全型社会とどう整合性を保っていくのかとか、それからGNP、成長とのかかわりでございますね。 今我が国では経済が低迷しているということで三・三%の成長。ということを一生懸命言っていらっしゃるわけなんでございますけれども、そういうGNPとのかかわりと、そしてこの持続的成長を保ちつつ環境保全型社会を実現していくということと両立するんでしょうか。大変難しい問題でございますけれども、もしお答えいただければうれしいです。
○国務大臣(林大幹君) 大変難しい質問でありますけれども、これは先生の御質問をまつまでもなく、これは政治の場でその方向を努力しなければいけないんじゃないかと思います。それで、持続的可能というのは、一口に言うならば地球そのものは有限である、無限ではないと。だから、有限であるものを使い切ってしまえば持続できないわけであります。したがって、これを長く我々の後世代にも引き継いでいかなければならない、つまり時間的ということで申しますけれども。そのためにも、これはいつも持続していくためのものでなきゃならないので、資源をむだ遣いしてはならないということになろうと思います。 そして、GNPの問題にしましても、経済活動、経済発展というものは、自然の資源というものを、これを我々が使いやすいように変えていく作業ですね、経済活動は。したがいまして、自然の限りある資源というものがGNPの考え方だけで浪費される、あるいは追い求められるということであってはならないと。したがって、そこは有限である自然であるけれども、しかし自然も新しいものを生んでおります。したがって、新しいものを生んでいる自然と、その新しいものが生まれたその自然からそれだけの資源を求めて我々の生活を支えていくための経済行為、それが絶えず私はマッチしていかなければならないんじゃないのかなという、そういう考えてあります。 ただ、しかしマッチさせることは一人の人間がやるわけではありませんで、六十億の人が今これに向かっているわけですから大変難しい。しかし、難しくてもこれは乗り切らなければならない、そのような決意でございます。
○広中和歌子君 どうもありがとうございます。 こうした保全型社会を実現するために、長官もたびたびおっしゃっていらっしゃいますけれども、大量消費、大量廃棄を正すということを言われているわけですけれども、現在我々の消費意欲を呼び起こす、また消費の原因となるようなコマーシャル、それに使う金額、御存じでいらっしゃいますか。アメリカは一人四百六十八ドルでございますけれども、日本は年間一人平均三百ドル、コマーシャルに使っているわけです。 コマーシャルの役割というのは、もちろん商品についての知識、情報、それを与えるという非常に前向きの側面もございますけれども、今持っているものは陳腐だよ、もうあなたの自動車は古いよ、新しいのを買いなさいといったように、つまり自分の持っているものに不満を抱かせる、不安を抱かせる、そういった側面を持っているわけでございます。そういう消費をかき立てるような社 会の仕組みが現在ある中で、どういうふうに経済運営をやり、そして国民の声を守り、そしてそれでいて環境保全が保たれるのかなと、本当に素朴な疑問なんでございます。それは、ちょっとお答えいただきにくいんじゃないかと思いますけれども。 次に、汚染を出さないという点で、化石エネルギーや原子力エネルギーにかわるクリーンエネルギーというんですか、太陽光エネルギーの開発とか利用とか、そういうものが大切だと思うのでございますけれども、太陽光に関しては研究段階を超えてもう既に実用化に入っている、そういうふうに思うわけでございますが、しかしコスト面ではまだまだ利用されるシステムというのができ上がっていないし、こういう面にこそコマーシャルを大いにやっていただかなくちゃならないと思うんですけれども、普及が十分ではないということもありまして非常にコストが高いわけです。 そこで、私はまさに政治的な役割だろうと思うんですけれども、その普及に努めるさまざまな取り組みが問われているんじゃないかと思いますけれども、国家予算の中で原子力発電関係にかける予算のせめて一割でもいわゆる太陽光など自然エネルギーにかけ、かつ努力も惜しまないということをしていただけないかなと、そういうふうに思うわけで、ぜひ環境庁長官の政治的御決意というのでしょうか、それをお伺いしたいと思います。まず、太陽光その他こうした自然エネルギーに対する御所見と御決意をお伺いしたいと思います。
○政府委員(加藤三郎君) 先生お触れになられましたように、化石燃料を使うということで、そのこと自体はもちろんそれなりのメリットもあるわけでございますけれども、環境という観点から見た場合にいろいろな問題がございます。その問題の中の一つに、一つといいますか、非常に将来にわたって極めて重要な問題に地球温暖化の問題がございます。 この地球温暖化に関しましては、九〇年の十月に温暖化防止行動計画というものをつくったのは先生御高承のとおりでございます。その中におきまして、二酸化炭素を排出しないエネルギーといたしまして、安全性を前提とする原子力でありますとか、あるいは水力、地熱といったものを位置づけるとともに、先生のお触れになられました太陽光も風力などとあわせて推進をするという趣旨を述べているわけでございます。 実際に、私ども自体もいろいろとこの問題について取り組んでおりますが、通産省あるいは建設省などにおかれましても、極めて積極的にこの問題に取り組んでくださっております。しかし、現在弱みといたしましては、先生もお触れになられましたように、極めてコストが高い、相対的にコストが高いということで、何とかこの隘路を克服するということが非常に重要な課題というふうに考えております。私どもといたしましては、先ほども触れました関係省庁のお取り組みを一層促進しますとともに、利用普及策が一層効果的となりますよう関係業界、専門家等の協力を得ながら各分野への適用可能性の検討など、一層効果的な普及促進策の検討を探ってまいりたいというふうに思っております。 また、私ども環境庁自身としてもできることがあるということで、いろいろと今施策を検討しているところでございます。
○広中和歌子君 最後に、環境庁長官にお伺いいたします。 この法案は、環境保全にとって大切な基本をさまざまな形で述べているすばらしい法案だと思います。しかしながら、その多くはあいまいな努力規定であり、それをどう運用し実効を図るかは環境庁のリーダーシップにかかっているわけでございます。本日、七十分間にわたりましていろいろ質問した中で、環境アセス法とか、経済的手法についてとか、原因者負担の問題などについてこれから取り組むといったようなお答えもいただいたわけでございますけれども、まさに環境庁並びに環境庁長官の政治的決断、御決意、そういうものが非常に大切でございます。ぜひ最後に御決意を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(林大幹君) まさに先生のおっしゃるとおりでありまして、この基本法案はこれをいかに実行するかという決意が一番もとになると思います。 そこで、今度の基本法案の中で、今までと違った形で新しい理念とそれを根拠とするところの新しい施策の総合的な枠組みがまず定立されるというふうになっております。しかし、これだけでは実行に入れません。そこで、環境庁としましても、この基本法と基本法に基づく環境基本計画がつくられることになります。したがいまして、この基本計画をもとにしまして関係する幾つかの施策が相互に有機的に結び合うということで、一つ一つが実現していくということを私どもは願っているわけでございます。 したがいまして、そのような基本計画、それがひとつすばらしい実を結ぶように努力をしていきたいと思っております。
○勝木健司君 まず、この環境基本計画についてお伺いをいたしたいと思います。 環境基本法案を実効あらしめるものとするためには、基本法案の中にも明記されております環境基本計画の内容、定義が非常に重要な意味を持ってくるものと思われます。法案の第十五条に記されている環境基本計画のくだりでも、環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱と環境の保全に関する施策を推進するために必要な事項について環境基本計画に定める、としておるわけでありますが、この内容では直ちに環境保全に効果があるとは到底考えられません。 私は、この環境基本計画を本当に実効性あるものにするためには、環境基本計画の中に環境汚染を決定する要因ごとに環境保全とかあるいは回復目標を設定するという、そういう内容を盛り込むことが必要不可欠であると考えるわけでありますが、その点について見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(八木橋惇夫君) 御指摘のように、環境基本計画におきましては、環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱といたしまして、望ましい環境のあり方及び環境保全に関し講ずるべき施策の全体像等を記載することとしているところでございます。 そこで、環境基本計画の具体的内容につきましては、中央環境審議会の御審議をいただきまして計画案を作成することになっているわけでございます。実効性の観点からどういうような計画のつくり方、盛り方にすべきかということを検討していかなければならないわけでございますが、ただいま御指摘の点を踏まえまして環境政策が総合的、計画的に推進されるよう、十分な効果を発揮できる計画になるように御意見を踏まえまして十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○勝木健司君 環境基本計画は良好な環境を保全するために重要な指針となるものであります。決して単なる努力目標であってはならない。国政の遂行に当たって他の計画も環境基本計画を遵守させるような規範性を持ったものとして策定されることがその際必要になってくると思います。 しかしながら、現在の行政機構は縦割りでありまして、所轄領域も比較的狭く意思決定過程も比較的に閉鎖的傾向にあるため、実効性のある総合的な基本計画の策定は極めて難しいのではないかと思われますが、この点についても見解をお伺いいたします。
○政府委員(八木橋惇夫君) この環境基本計画は、環境の保全に関する政府全体の基本的な計画として閣議で決定されることになるわけでございます。そこで、この計画が策定された後は、この計画の基本的な方向に沿って関係各省がやっております環境保全施策が全体として展開されていくことが担保されることになるわけでございますし、そこで実効性のある計画を策定することが十分可能であるというぐあいに私ども考えております。 計画案の作成に当たりましては、環境の保全に関する学識経験者によって構成される中央環境審議会の意見を聞くこととしております。この審議会において幅広い観点から検討いただくことになるわけでございます。 環境庁といたしましては、環境基本法案を成立させていただきました後は、中央環境審議会の意見を踏まえまして検討していくことになるわけでございますが、御指摘のように環境政策というものは関係各省を通じまして、この環境基本法を提案する際には二十一省庁が閣議請議省庁になったという経緯もございますように、関係省庁これから一丸となってそれらの協力のもとに環境政策を総合的かつ計画的に推進していく必要があるわけでございます。 私ども、この環境基本法を策定する過程におきまして、関係省庁と密接な議論を行ってまいりました。それが一つの基盤となって、環境基本計画をつくる際にもその協力態勢は私どもできるものというぐあいに確信しているところでございます。そういう基盤をもとにしてぜひ先生の御指摘するような実効性のある計画をつくるべき私どもは努力してまいりたいというぐあいに考えております。
○勝木健司君 良好な環境をつくり出していくためには、総合的かつ計画的に政策を展開していくことが重要でありまして、その意味では、この環境基本計画の策定に関する規定が置かれたことについては一定の評価ができるのではないかと思いますが、この基本計画の策定に当たって特に重要なことは中原審の意見を十分尊重するということでありますが、良好な環境保全に対する国民の意見も取り入れられるような措置を講じられることが特に重要だと思いますが、この点につきましてもお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(八木橋惇夫君) 御指摘のように環境基本計画の策定に当たりましては、環境の保全に関し学識経験がある者により構成されます中央環境審議会の意見を聞くこととしているところでございます。 そこで、中央環境審議会における審議、運営を通じまして国民各界各層の意見が幅広く反映されることになるというぐあいに私どもは考えているわけでございますが、なお、この審議会そのものが審議を行う過程におきまして、これは審議会みずからが御判断をする事項ではございますが、中公審、自環審におきましてこの基本法制を検討する際にとられましたような方法、国民各界各層の意見を反映させるために、審議に際し関係者からヒアリングを実施したり、また広く文書による意見を受けるといったような方法をとることによって、先生御指摘のような国民の意見が反映できるような基本計画の策定過程を構成してまいるということが重要であるというふうに考えております。
○勝木健司君 次に、地球環境保全のための国際貢献についてお伺いをいたしたいと思います。 法案の第三十二条に、地球環境保全に関する国際的な連携を確保することとあるわけでありますが、第五条にも、地球環境保全は国際的協調のもとに積極的に推進しなければならないと記されておるわけでありますが、この内容につきましてどのように違うのかという点と、また「地球環境保全に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずる」とあるわけでありますが、この「必要な措置を講ずる」とはどういうことを指しておるのかということで、ことしはまた何を対象にどのような措置を講じていかれんとしておられるのか、あわせてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(加藤三郎君) まず、第五条でございますけれども、本条は地球環境保全の基本理念を規定したものでございます。我が国として、世界各国と手を携えながら内外にわたる施策を積極的に推進していくとの基本姿勢を明らかにすることに主眼があるわけでございます。 それから、お尋ねの三十二条でございますが、この三十二条は、この基本理念にのっとりまして我が国が国際協力を推進すべき旨を規定したものでございます。したがいまして、この三十二条の国際的な連携の確保といたしましては、条約その他の国際的枠組みづくりに参加、貢献するということが挙げられるわけでございます。本条ではさらに、各国の取り組みに対する支援等を含め、必要な国際協力を推進すべき旨も規定しているところでございます。 もう少し具体的なことを申し上げますと、必要な措置といたしまして条約その他の国際的な枠組みづくりに参加すると申し上げましたが、例えばことしはどういうことをやっているんだというお尋ねでございましたが、ことしにおきましては、さしあたりまして地球サミットでの合意事項の着実な実施に努力を傾注することが重要であるということでございまして、主要な事項といたしましては、気候変動枠組み条約それから生物多様性条約、この二つとも国会での御承認をいただきましたが、この条約が早期にスタートしますように国際的な連携に参加をしてまいりたいというふうに思っております。さらに、先ほどもちょっと申し上げましたが、砂漠化防止のための条約づくりが今国連で行われております。これに向けましても日本としても積極的に参加、貢献をしていきたいというふうに思っております。 それから、アジェンダ21を地球サミットで合意をいたしたわけでございますが、その実施状況がどうだということでこの六月に、今月でございますけれども、今月の半ば過ぎから国連の持続可能な開発委員会の審議が始まります。そこに積極的に参加、貢献をしていくということでございます。 それから、先ほど大臣も広中先生への御答弁の中でお触れになられましたが、特に環境庁といたしましては、アジア・太平洋地域にかねてからかなり力を入れておりますので、この地域の環境大臣方の御出席を得まして、地球サミットのフォローアップの方向を議論するエコアジア93というものを開催するということでございます。こんなことが三十二条に関連してことしなさんとしていることでございます。
○勝木健司君 環境ODAの増額は早急に実施する必要があるわけでありますが、ただ、環境ODAはお金を与えればよいという性格のものではないと思います。幾ら環境保全のために資金を投入して施設整備等を進めたところでアフターケアがなければ役には立たない。ODAにより立派な施設、機械が導入されたが事後の点検ができる技術者がいないために、すぐに役に立たなくなったという話は数多く指摘される事例があるわけであります。 今後、環境ODAの実施に当たっては、事前調査そして事後評価の充実とともに、ひもつきでないODA無償援助の拡大、また透明性の確保などの質的な改革の実行を断行すべきではないかと思うわけでありますが、外務省に見解をお伺いしたいと思います。
○説明員(黒木雅文君) 政府は、これまで累次にわたる中期目標のもと、ODAの量的な拡充とともに質的な改善にも努めてきておりまして、第四次中期目標のもとでも、八八年から九二年の五カ年に無償資金協力及び技術協力等、援助の贈与部分の拡充を掲げ、右に沿った努力を行ってきております。 この結果、無償資金協力の拡充が図られておりまして、絶対額では他の援助国に比べて上位となっておりますけれども、依然としてODA全体に占めます贈与の比率、これにつきましては他の援助国と比べ依然として低い位置にございますので、今後とも一層の改善に努めてまいりたいと思っております。 さらに、環境ODAを含みますODA全体を効果的、効率的に実施するというためには、先生御指摘のとおり、適切な専門家を含む事前の調査及び事後の評価の充実並びに透明性の確保等が極めて重要であるというふうに考えております。そのため、援助協力プロジェクトの維持管理、運営体制の検討を含めた事前調査の拡充及び第三者評価、合同評価等による公正、客観的な評価の充実 に努めますとともに、援助の適正使用条項、調達ガイドラインに沿った公正な入札の確保等により透明性の確保に努めてきておるところでございます。
○勝木健司君 昨年の地球サミット首脳会議での宮澤総理のメッセージの中で、一九九二年から環境分野への政府開発援助総額として五年間で九千億円から一兆円を援助すると述べられておるわけでありますが、これらの援助に当たって政府はどのような視点で援助を決定されるつもりなのかということ、それと、最も重要と考えている援助内容についてお聞かせをいただきたい。また、この財政難の折から着実に実施できるのか、あわせてこれも外務省にお伺いしたいと思います。
○説明員(黒木雅文君) 環境分野は我が国ODAの重点分野の一つでございます。しかしながら、右援助実施に当たりましては、途上国は環境保全よりも開発を重視する傾向があるということにもかんがみまして、途上国との緊密な政策対話を通じた優良な案件の発掘、形成、実施を積極的に進めていく必要があると考えております。また、途上国おのおのの発展段階や経済社会状況が異なるということからその直面する環境問題も異なりますので、各国の実情に応じた環境協力をきめ細かく実施していくということが重要だと考えております。 次いで、環境保全のための援助の主な対象分野といたしましては、森林保全、公害対策、居住環境改善、防災等がございますけれども、各国の環境問題の内容に応じた援助内容とすることが重要と考えております。また、途上国自身の環境問題への対処能力を向上させるための協力を重視しておりまして、例えばタイ、中国、インドネシアにおきまして環境研究研修センターをつくりまして、同センターを通じて人材育成を含めた技術協力を実施しております。 なお、UNCEDにおきまして宮澤総理より発表されました環境ODAの目標額につきましては、毎年平均一千八百億円から二千億円をめどとするということになりますけれども、九二年度の実績は約二千八百億円弱に達する見込みでございます。今後とも、引き続きODA予算の拡充に努める中で環境ODAの拡充にも努力いたしたいと思っております。
○勝木健司君 地球環境保全のためには国際環境協力が重要でありまして、政府また民間の積極的な援助とともに環境配慮の重要性もうたわれておるわけであります。しかしながら、熱帯林の伐採あるいは公害輸出等の海外での事業活動の規制に関する実効性ある規定が欠落しておるということで、このようなことで開発途上地域の環境保全が十分に図られるのか甚だ心もとない気がいたしておるわけでありますが、見解をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(加藤三郎君) ただいまの先生のお問いかけに対しましては、先ほど広中先生にも御答弁をさせていただきましたが、まさに国の国際協力の実施、それから民間企業が海外で事業活動を展開する場合、いずれもその当該国、進出国での環境を十分保全しながら、いわば環境配慮をきちんとやりながらやっていくということが極めて重要でございます。そのための所要の規定を三十五条に書いたということでございます。 すなわち、地球環境保全のために、まず事業の実施に当たって環境配慮をきちんとやるということと、それから民間事業者が進出する際に適正に環境配慮をしてもらえるよう国としても事業者に対して情報の提供その他の支援をするということ、これが三十五条でございます。さらに三十二条には、そういった各国、特に途上国などで環境に適切に対応できますような支援をしていく、いわゆる対処能力の向上に日本としても、国としても支援をしていくという趣旨のことを書かせていただいたわけでございます。 こういう条項に基づきまして海外でおよそ環境問題を惹起しないように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○勝木健司君 時間の関係で次に進みたいと思いますが、住民参加及び情報公開についてお尋ねをいたしたいと思います。 言うまでもなく、この環境問題解決に一番必要なのは国民一人一人の意識であろうと思います。今回の法案では、国民が自発的に行う環境保全に関する活動が促進されるように必要な措置を講ずるものとするとしておるわけでありますが、ここでは、既に起こした国民の自発的な活動に対して、それが促進されるように支援するものとされておるわけであります。私は、それより前に、市民が何か行動を起こそうとしているとき、その意欲をくみ上げることが大切ではなかろうかと思います。 例えば、ある環境問題について役所に対し尋ねたい場合に、あるいは何か行動を起こしたい場合に、一体どこに問い合わせをすればよいのかわからないという現実があるわけであります。このようなことが、NGOなどに参加していない、いわゆるごく普通の市民の参加意識を阻害しているのではないかと考えます。地方自治体などには行政相談の窓口などがあるものもあるわけでありますが、その場合はそこで適切な指導を受けることができるわけでありますが、環境問題について国がどのように対応をしているのか教えていただきたいというふうに思います。 一般の市民が環境保全活動に容易に参加できるように、国としても情報提供の窓口整備あるいは啓蒙啓発活動などの体制をこの際整備すべきではないかと思いますが、あわせてお尋ねいたします。
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生の御指摘、まことにごもっともだというぐあいに私ども理解しているわけでございます。 今日の環境問題を解決するためには、国民一人一人の行動がかぎであるというぐあいに私ども認識しております。このため、御指摘のように、国民の意見を政策に反映させていく努力を行うと同時に、情報提供、啓発活動を進め、広く一般の市民の方々が環境保全活動に参加できるような体制づくりを行っていくことが重要でございます。環境庁におきましては、一般の方々の意見を施策に反映させることを目的として、現在全国に約千五百人の環境モニターを委嘱しているわけでございますが、一般の市民の方々の相談窓口の設置、環境情報に関するデーターべースの整備など、今後情報提供のための施策の充実を図っていく必要があると同時に、六月の環境月間を中心とした各種普及啓発活動を行っているところでございます。 環境基本法案が成立した暁におきましては、本法の趣旨に基づきまして国民的に環境保全活動がなされるよう国民の方々の意見の把握に努めますとともに、情報提供の施策の充実強化、環境の日を核とした普及啓発のさらなる拡充ということを考えていく必要があると思います。 これから来年の予算に向けて私どもいろいろ準備作業を行っていくわけでございますが、国会における御審議等を踏まえまして、そういった施策の充実、また体制づくりの整備にこれから私ども取り組んでまいりたいというぐあいに考えております。
○勝木健司君 法案の第二十七条では、限られた条件のもとで環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報の提供について国に対して努力義務を課しておるわけであります。 私は、これについて国としての情報公開を明確にすべきであると思います。その場合、行政機関については原則公開とすべきであると思われますが、事業者の持つ情報の公開については今後検討すべき課題が多いのではないかと思います。特に企業秘密あるいは特許等の絡みで問題がありまして、限定的なものとすべきではないかと思われるわけでありますが、これについても見解をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(八木橋惇夫君) この条項につきましては、国会の審議で非常に議論されることが多うございますので、ちょっと丁寧に答えさせていただきたいと思いますが、法案第二十七条におきま しては、この条の趣旨を踏まえれば、提供されることが必要であると認識される内容の情報でありましても、提供の前提となる科学的な知見が得られていない場合とか国が保有していない場合など、提供できない場合がございまして、情報提供には科学的、物理的な限界があるということをまず踏まえなければならないこと。 さらに、国に対しまして情報提供を義務づけること等の情報公開に係る問題につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、昨年十二月に閣議決定された行革大綱におきまして、これまでに整理された検討課題を踏まえつつ、引き続き調査研究等を進めるという段階にあるところでございまして、こうした調査研究の動向を見守りながら慎重に処理すべき問題であることから、この条項におきましては、「努めるものとする。」という表現をとったところでございます。 そこで、また、ここで「適切に」という表現があることから、これは何を意味しているかということでございますが、これにつきましては、情報が広く行き渡るようにすることを考えていかなければならないということと同時に、行政情報公開基準というものがございまして、そこで非公開扱いにすることが適切であるとされている情報を逆に提供することによって行政上の混乱が生じないようにするというような、情報提供に当たって留意すべき点があることを示すための表現でございまして、これは情報提供を少なくする、または断るための用語ではないということをぜひ御理解いただきたいわけでございます。 前にも御答弁申し上げましたように、私どもとしては、環境保全のためには広く情報が提供されるということが重要であるというぐあいに考えておりまして、この二十七条の趣旨を踏まえまして、国民的な環境保全活動の促進に資するよう、幅広く情報の提供に努めてまいるということを考えておるわけでございます。 それともう一つの質問は、事業者に情報を公開するように指導をする場合において、それにつきましては限定的なものを同寸に考えていかなければならないという御趣旨が含まれていたようでございます。まず、行政機関が保有する情報の公開を原則的に義務づけたり、国民一人一人に環境情報について開示を請求できる権利を付与する必要があるという見解もあるわけでございます。これにっきましては、先ほど申し上げましたように、義務化、権利化につきましてはプライバシーの保護等、種々困難な問題があるということについては先生御指摘になったとおりでございます。こうした問題を含めまして、昨年の十二月に閣議決定された行革大綱におきまして、調査検討を引き続き進めるというぐあいにされているところでございますことは先ほど述べたところでございます。 事業者が保有する情報の公開につきましては、これは一般的に指導する規定を置くことは、御指摘のように、営業秘密等の保護との関係など不明確となる等の問題がございまして、提供を求めるべき情報の範囲とその必要性を個別に明確にしながら、提供されることが必要な情報に関しまして、これは個別の法律に基づきましてその公表を求めていくことが適切であるというぐあいに私どもは考えておるところでございます。
○勝木健司君 長官にお尋ねをいたしますが、近年我が国は情報化がとみに進んでおるわけでありますが、この行政の分野におきましても特に環境、福祉といった国民生活に密接した分野におきましては、情報公開は行政の効率化あるいは国民サービスの向上に大きく貢献するものと思うわけであります。法案第二十七条にも、「環境の保全に関する必要な情報を適切に提供するように努める」とうたっておりますが、私はこれは情報の提供を義務づけるものと修正すべきではないかというふうに思うわけでありますが、長官の見解をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(林大幹君) 情報を広く国民に提供して理解をいただくということは、特に環境行政にとっては大事であろうと思います。それは国民に環境行政に協力していただくためにも、情報を提供するということをおろそかにはすべきじゃないと思います。ただ、公開ということはまだこのような法律用語としても定着しておるものではないという考え方から、今回は使っておりません。しかし、あくまでも情報提供については、これは誠心誠意提供したいと思っております。
○勝木健司君 これもまた引き続き、また次の場へ回したいと思います。 時間も余りありませんので、最後に環境行政の機能強化の面について一、二お尋ねをしたいと思います。地球環境保全のために我が国は人的あるいは技術的、資金面での幅広い国際貢献を行うとともに、国内においても従来以上の環境保全対策を強力に推進していく必要があろうと思います。しかし、現在は、環境庁は調整官庁にすぎない嫌いがある。環境関連の予算あるいは権限は十七省庁にも分かれておるという実態であります。さらに、例えば労働省、建設省等は環境担当専門の審議官を置いておるわけでありますが、農水省には置かれていないなど、各省庁間で環境問題に対する取り組みがばらばらでありまして、各省庁間の環境行政のレベルをそろえる必要があろうかと思います。そういうことで、確かに環境基本法が生まれてくるんだろうと思います。 それとともに、今後早急に環境庁に他省庁の環境関係の権限の移譲とか移管とか、あるいは各省庁間の調節機能の強化、あるいは環境問題に関するデータの一層の集約など、環境行政の機能強化を断行する必要があるんじゃなかろうかと思います。それについての見解をお伺いしたいと思います。 時間がありませんので、あわせてもう一つ。平成四年四月六日の参議院環境特別委員会で、当時の中村環境庁長官は、環境基本法があって、環境に対する物の考え方をきちっとした上で、それを踏まえて今の単なる調整官庁でいいのかどうかを検討していかなければならない、現実的な検討が必要である、云々との答弁をされておるわけであります。 今まさにこの環境基本法が成立しようとしている現在、現実的にこの問題についても検討を実施すべきときが来ておるんじゃないかと思いますが、これも林環境庁長官にお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(森仁美君) 大臣のお答えの前に私からお答えをさせていただきます。 先ほど企画調整局長からも申し述べましたように、環境基本法案に今示されている理念、これをつくり上げてくるときに、全省庁といっていいぐらいの省庁が参画をいたしました。それは、とりもなおさず環境行政が政府一体となってやらねばならないということのまた証左でもございます。私どもは、地方公共団体はもとより関係省庁間の緊密な連携をとりながら政府一体となって環境行政に取り組むことがこの環境基本法案に示された理念あるいはその中に示されているいろんな施策、これを展開していくのに極めて重要な事項と考えているところでございます。 今日本の行政組織の中では、環境庁は政府全体の環境行政の中軸とでも言いましょうか、そういう位置づけがなされているわけでございまして、私どもは足腰の強い、また活力のある環境庁としてぜひこの環境行政の中軸機能を果たしてまいりたいということで事務方は燃えているわけでございます。 これから先、この新たな環境政策を展開していく、政府全体としてこれに取り組んでいくということになりますと、私どもが今持っております組織、こういうものの見直しというのも当然必要になってまいります。法案が成立しました暁には、またその見直しに着手をし適切に対応していくことが肝要と考えているところでございます。
○国務大臣(林大幹君) ただいま勝木先生の御質疑の中で、前段は官房長から答弁したとおりであります。後段の中村前長官の御発言についてのことでございますが、私は気持ちの上においては隔たりないと思っております。しかし、現実の問題 としましては非常に幅広くなってきた環境問題に的確に対応していくためにも、政府が一体となった環境行政への取り組みということ、その体制を充実強化していく必要性というものは同感であります。 環境庁といたしましては、政府全体の環境行政の中枢としてその機能が十分に発揮されるよう対応してまいりたい、その中で環境庁の機能のあり方についても今度の法案の内容を実現するためにどれだけの機能が必要かということを引き続き検討してまいりたいと考えております。
○勝木健司君 終わります。
○有働正治君 私は、法案の第八条、事業者の責務として事業者は「自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。」という問題、第十四条、施策の策定等に係る指針として「森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。」としている問題、そして十五条の「政府は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、」環境基本計画を定めなければならないとしている問題、これらの規定に関連しまして、きょうは国定公園内で開発行為を行う場合の事業者の責務の問題、自然環境を保全するための指針にかかわりまして、具体的には上信越自動車道の碓氷軽井沢インターチェンジと長野県軽井沢町を結ぶアクセス道建設をめぐる問題について質問したいと思います。 五年後の一九九八年の長野の冬季五輪に向けまして建設中の上信越自動車道碓氷軽井沢インターチェンジが建設される群馬県松井田町から長野県軽井沢町に抜けるインターチェンジのアクセス道路、これは大手開発会社のコクドの別荘予定地の一部を無償で提供してもらった上、その予定地を貫くルートだった問題で、両県の市民や地方議員三十三人が、両県の行為は巨額の税金を西武資本のためにつぎ込んだむだ遣いとして両県知事を背任罪で前橋地検に告発している問題でもあります。さらに、群馬県側のルートは、妙義荒船佐久高原国定公園特別地域内にもかかわらず、群馬県が国の国立公園内の審査指針で定めました環境影響評価、これを実施していなかったとして群馬県の知事を自然公園法違反で告発しているという問題で、マスコミでも大きく取り上げられた全国的な問題として重要視されている問題であります。 つまり、西武鉄道グループというのは、八風平付近一帯に所有します約三百五十ヘクタール以上の土地に別荘開発などの計画を予定していました。しかしコクドが、別荘開発をしたくても開発計画予定地へのアクセス道はコクドが所有している私道以外には十分な道はなくて、新たなアクセス道を建設するには自然公園法の開発行為の規制にかかるという制約があって、宝の持ちぐされとなっていたわけであります。 そこで、障害をクリアする新たな手だてとしまして、群馬県に十ヘクタール余りの山林をアクセス道用として寄附する、そしてその見返りに新設県道を別荘開発予定地内に建設をさせていると、こういう問題であります。そして、自然公園法の開発規制もクリアして開発に伴う利益を見込んでいると、こういうものであります。 そこで、具体的にお尋ねします。アクセス道建設というのは国定公園特別地域内にかかる部分があると思いますが、事実確認だけまず求めます。
○政府委員(大西孝夫君) お尋ねのアクセス道路でございますが、既にお触れになられましたように、群馬県松井田町地内の上信越自動車道碓氷軽井沢インターチェンジと長野県軽井沢町を結ぶ路線でございまして、延長およそ五・五キロのうち、群馬県側に属します三・七キロメートルの区間の大部分が妙義荒船佐久高原国定公園の特別地域内を通過いたしております。
○有働正治君 自然公園法によります国立公園内における各種行為に関する審査指針、ここでは延長が二キロ以上または幅員が十メートル以上となる道路の新築、一ヘクタール以上の面的広がりを持つ道路の新築以外の開発行為を大規模な開発行為として事前の総合調査を行わなければならないとしていますが、この点間違いありませんか。
○政府委員(大西孝夫君) その指針、通達でございますが、にそのような記述があることは事実でございます。
○有働正治君 そうした指針にもかかわらず、群馬県側は事前の総合調査をやっていないと思います。私はこれは重大な問題だと思いますが、環境庁はどう認識しておられますか。
○政府委員(大西孝夫君) まず、一点お断りを申し上げたいと思いますのは、自然公園法におきまして国定公園内におきます工作物の新築等の許可につきましては、まず都道府県知事の権限とされているというところでございます。私どもは、この自然公園法の施行をする所管庁としての立場から、その許認可を行う際の判断の目安として参考にしていただくためにその通達という形で指針をお示ししておりますが、それ自身には法的な意味の拘束力はないという点をまずお断り申し上げたいと思います。 それから、今回群馬県のサイドで許可をいたしました際に、群馬県のサイドでは計画路線が既存の道路をベースにして、その拡幅、線形の改良を行うものということで、工作物の改築及び増築に該当するというふうに判断をしたというふうに聞いております。
○有働正治君 県が規定どおりやっていない以上、行政府として必要な指導が行われる必要があると私は考えるわけです。環境庁長官もかねがね基本法制定に当たって、政府は政府として地方自治体は自治体として企業は企業としての責任云々というのを非常に強調されているところであります。今述べられた答弁では、新設道には当たらない、だからこれは行わなかったという見解でありますけれども、全く県の言い分をうのみにしたものでありまして、ここが問題なわけであります。二重三重に問題であるということを申し上げたい。 一つは、もともと県側も林道だとかいろいろ申していますけれども、群馬県か言う林道として認定されている道路ではこれはありません。私道であります。しかも、道路法に規定する道路でもないわけであります。全くの私道にすぎないということ。林道なり道路として認定されていますか。
○政府委員(大西孝夫君) そこの部分の詳細については承知いたしておりません。
○有働正治君 実情も知らないというのが実態であります。 私も現地に行って県当局から直接意見を聞いたわけでありますが、このアクセス道の起点と終点が同じだというのを一つの論拠にしてそして新設道には当たらないとしています。しかし、実態というのは、確かに起点あるいは終点、重なる部分はあります。中身は、私道の通る道とは全くかけ離れた新設道路であると。これは環境庁、地図を見て調べるだけではっきりわかることです。調べてみましたか。
○政府委員(大西孝夫君) そこまではいたしておりません。
○有働正治君 現場に行けばより明確にわかる点であります。これは明々白々です。いかなる理由をつけようとも新設道ということはだれが見ても明らかというのが現実であります。 それから、もう一つお尋ねしますけれども、審査指針で示すところの道路の増改築とは、既存の車道の幅員を超えない範囲内の舗装、勾配の緩和、線形の改良またはのり面の改良、そして既存の車道の幅員の拡大というものでありまして、建設中のアクセス道というのはこうした増改築には明白に当たらないと。そういう点からいっても新設道路と言えると私は考えるわけでありますけれども、この点いかがでありますか。
○政府委員(大西孝夫君) 先ほども申しましたように、具体的なケースにつきましての許可行為に当たりましては、都道府県知事が自然公園法に基づきまして行うわけでございますが、その際の参 考にしていただく意味で私ども指針を示しております。しかしながら、個別のケースについて私どもの方から積極的に指導をするということにつきましては、格別県から御相談を受けない限りは差し控える考え方をとっております。
○有働正治君 私は、だからこそ問題にしているわけであります。審査指針に明確に当たらないもので、先ほど述べた増改築には当たらないということもこれ明白であります。 もう一つお尋ねします。アクセス道近くの残土処理場が二ケ所あります。一つは一・七ヘクタール、もう一つは二・一ヘクタールであります。これは国立公園内の審査指針に定められた大規模な開発行為に当たるはずでありますが、いかがでありますか。
○政府委員(大西孝夫君) この点につきまして私どもが県からお聞きしております事情、状況によりますと、いわゆる土捨て場のことかと思いますが、本件道路に付随して行われる一体の工事として県はこれをとらえまして、道路の工事を総合調査の対象としなかった時点でこれに付随した土捨て場につきましても調査の対象にしなかったと、こういう説明を聞いております。
○有働正治君 この審査指針に定められた大規模開発行為に当たることははっきりしている。しかし、行わなかったというのが現実であります。こういう事前に行うべき環境影響調査、総合調査を行わなかったことから地すべり、規模は幅九十メートル、長さ二百メートルなどが起こっているわけであります。そのために、もともと三十数億円で計画した進路計画が、予算が次々にはね上がると。地すべり対策も新たに行わなければならないということで今工事中であります。六十億円を上回ると、ほぼ倍ということで県民の負担もそれだけ大きくなっているわけであります。 私は、県の担当者に、もしコクドが同じような道路を今建設したいと許可を求めてきたなら、具体的な一連の事実を、今まで述べた点を指摘して許可ができるのかということを確かめました。担当者は明確に許可できませんということまで言っているわけであります。本来許可されないような道路建設を群馬県が西武グループのコクドのために自然公園法を無視して建設を強行したと言っても差し支えないというのが実態であります。 そこで私は、県の対応が問題であると、自然公園法に違反している疑いがあるということを事実に基づいて指摘したわけであります。少なくともきっちり調査し、必要な行政指導を行うべきだというふうに考えますが、いかがでありますか。 〔委員長退席、理事堂本暁子君着席〕
○政府委員(大西孝夫君) まずその前に、今おっしゃいましたように、地すべり等が起きたことはまことに残念でございますし、そのため現在、修景緑化等につきましての工事を行っておるというふうに聞いております。 こういう形で許認可が行われることにつきましては、自然公園法の考え方といたしまして、国定公園の管理につきまして基本的に都道府県知事をその権限者としておる形でございます。私どももそういう中で一つの指針という形をお示しする形で余り行政にばらつきがないようにという考え方をとっておるわけでありますけれども、具体的な個々のケースの判断につきましては、その法律の権限に基づきまして知事がいかにこれを行使するかということでございますし、それが適法であるかどうかという点につきまして環境庁の立場から指導をするということはなかなか難しいのかなと思っております。
○有働正治君 調査もしないんですか。はっきり答えてください。
○政府委員(大西孝夫君) 調査ということではありませんが、せっかくの御指摘でございますし、大きな問題になっておるということでありますので、県からよく事情を聞いてこの実態の正確な状況の把握には努めたいと思っております。
○有働正治君 長官、私が指摘した問題から見て、自然公園法が厳格に運用されていないということを問題にしているわけで、環境をつかさどる長官としてきっちり調査して、必要があれば必要な措置をとられるということを望むわけでありますが、いかがでありますか。
○国務大臣(林大幹君) 有働先生にお答えいたします。 先生も御案内のように、国定公園の管理は知事に権限を任せておることはそのとおりであります。したがって、環境庁としましては知事を信頼するということで行政を進めてきております。 ただ、御指摘の問題でございますけれども、国定公園、つまり知事そのものが自然公園法違反で、また刑法上の背任罪を加えて告発されているという先ほど有働先生の説明がございました。したがいまして、これは今は刑事事件として知事そのものが取り扱われているわけです。ですから、環境庁はそこまで深入りできません。ただし、自然公園法に何をどのように違反しておったのかということは、これは自然公園あるいは国定公園を預かる官庁としては当然調査しなければなりません。
○有働正治君 厳正な調査を求めます。 つまり私は、法案の第二十条で環境アセスの推進をうたっていますが、現行の自然公園法で環境アセスを義務づけているにもかかわらず環境アセスを実施しないで、こうした貴重な自然を破壊する行為が行われている。そういう点で許してはならないということで問題にしているわけであります。 次に、ラムサール条約に絡みまして、干潟の保全問題についてお尋ねします。私は三月二十六日の当委員会で和白干潟の保全問題を取り上げ、和白干潟が国際的にも極めて重要な湿地だとして、ラムサール条約の登録湿地の早期指定を長官に要請いたしました。もちろんその他の干潟の登録も要請したわけであります。 その際、和白干潟の中に埋め立てによる人工島の計画が福岡市によって進められていることを指摘し、その影響が和白干潟に対し極めて甚大であることを明らかにいたしました。その際大西自然保護局長、それから八木橋企画調整局長も、その答弁の詳細は省かせていただきますけれども、重要な湿地であるという認識はお示しになられ、また環境庁として八七年、八九年の二度にわたりまして博多湾の東部地域の自然環境の重要性にかんがみて、港湾整備の検討に際して、自然海岸や干潟の保全に十分な配慮が必要であり、また鳥類等の生息の場の形成に配慮してほしい旨の意見を述べていると。そして、対応を見守っているという、概略そうした答弁をされたところであります。その上に立って幾つかお尋ねしたいわけであります。 事態はその後進行しています。福岡市など事業三者は、環境への影響は少ないという環境影響評価書の縦覧を強行いたしまして、五月七日、公有水面埋立法に基づく埋立免許を出願いたしました。これに対しまして四月二十二日、福岡県知事は「アイランドシティ整備事業環境影響評価準備書に係る意見について」という福岡市などに対する回答書を示しました。この回答書では、環境に与える影響が懸念されることから自然環境との調和を図りつつ、環境への影響が軽減されるよう十分配慮するとともに、下記事項を実施し、環境保全に万全を期す必要があるとして、具体的な課題も提起しています。 第一に、評価において記載または補充すべき事項として、水質汚濁、騒音等の公害防止対策、和白干潟及びその全面海域の渡り鳥の渡来地、野鳥の生息域の自然環境保全のための影響予測、第二に、事業の実施に当たって配慮すべき事項として大気質、水質、騒音、振動、海岸地形、海生生物、陸生生物、景観、エコパークゾーン、事故時の措置、報告等を求めているところであります。 そこで、環境庁にお尋ねします。この福岡県知事の回答書の内容をどう受けとめておられますか。また、環境庁として、従来二度まで意見を述べられた趣旨からいって、その精神とも合致するものではないかと考えるわけでありますが、いか がでありますか。
○政府委員(八木橋惇夫君) 博多湾東部の人工島計画につきましては、香椎パークポート事業に係ります公有水面埋立認可、それに百二十七回の港湾審議会に際しまして環境庁意見を述べたことは先生御指摘のとおりでございます。そこで、今回博多湾東部の人工島計画につきまして、環境影響評価準備書に対する福岡県知事意見が四月の二十二日に提出されたことも、先生御指摘になったとおりであるというぐあいに承知しております。 そこで、今後この人工島計画に係ります埋め立てに関する公有水面埋立法の認可手続がこれから行われることになっておりまして、その手続の中で環境庁長官意見を述べることとなっているわけでございます。したがって、環境庁長官意見を述べることによりまして適切に対応してまいりたい、こう考えております。
○有働正治君 その前提として私は、福岡県知事の回答内容をどう環境庁としては評価しているのか。従来二度まで意見を述べられたその趣旨からいって符合している感じがいたしますけれども、いかがかということをお尋ねしたわけであります。 意見を述べる際、そうした回答書の内容を尊重して、環境庁として環境保全に努め十分対処していただくという立場から、見解を求めているわけであります。
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生御指摘のことではございますが、これは所定の手続を経て、その所定の手続の中で環境庁長官は意見を述べるということになっておりますので、その手続の中でそういうことを申し上げることが私ども適当であるというぐあいに考えているわけでございます。 せっかく先生御指摘のことでございますが、知事が述べられた意見であるということを十分考慮して審査してまいる必要があるというぐあいに考えております。 〔理事堂本暁子君退席、委員長着席〕
○有働正治君 知事の意見を十分尊重しつつ意見を述べる、そういう点で長官に意見を求めるわけでありますが、従来二度にわたりまして環境庁としての意見を付されているわけであります。八木橋局長が申されましたように、環境庁として意見を付す時期が来た場合に、環境保全の立場から積極的に対応していただきたいということを求めるわけでありますが、御見解を求めます。
○国務大臣(林大幹君) この問題につきましては、ただいま八木橋企画調整局長の答弁のとおりでありまして、知事の考え方を十分これは検討いたします。
○有働正治君 どんなに国際的な重要な湿地でありましても、また国定公園等におきましても、私は繰り返すようでありますが、現行の環境アセスメントでは環境の保全ができないということを非常に示しているというふうに考えるわけであります。 そこでお尋ねしますけれども、今月の九日から開催されますラムサール条約締約国会議に向けまして、スイスの条約事務局が環境影響評価を義務づける勧告案をまとめました。勧告案は、事業の計画段階からアセスを実施、事前に環境への影響を十分調査する、開発利用後に環境への影響を独立した機関が監査する、湿地保護推進のための優遇税制の導入、施策のスムーズな実施のための法整備などを求めています。 環境庁は、衆議院の委員会の答弁の中で、新聞報道どおりの内容がそのまま勧告されるかどうかはわからないけれども、また勧告は強制力はないけれども、もし勧告されれば適切に対応したい旨の答弁をしておられると思いますが、この点確認を求めます。簡潔にお願いいたします。
○政府委員(八木橋惇夫君) これは私、ラムサール条約関係の担当局長ではございませんでしたが、一般論として私は、条約に関し何らかの勧告等がなされれば、そういった勧告の拘束力、具体的内容を考慮した上で適切な対応を検討する必要があるということを申し上げたものでございます。
○有働正治君 私は、今回の事務局が起草している勧告案というのは、もともと九〇年のモントルー会議での勧告の延長線上のもので、今回初めての案でも改めて検討しなければならないという内容でもないと考えるわけであります。問題は、日本政府がモントルー会議での勧告に同意しながら、国内的には勧告の内容を実行してこなかった、そこに問題があると考えるわけであります。 モントルー会議の勧告附属書、「ラムサール条約の賢明な利用という概念を実行するための指針」の中には、湿地に影響を及ぼすおそれのある事業計画に、その立案時点から環境上の評価が組み込まれること、その評価には事業実施の承認前に十分な環境影響評価を行うこと、当該事業の実施中に継続的な評価を行うこと及び必要とされる環境措置を完全に実行することが含まれ、湿地に直接かかわる事業だけにとどまらず、その水源域における事業または間接的に影響を及ぼす事業についても環境上の考慮及び影響評価が行われるべきである。それに当たっては、湿地が有している機能と価値が損なわれないよう特に注意すべきであるとしているわけであります。 そこで、お尋ねします。勧告は、実行の義務を課せられてはいないからという立場ではなくて、勧告を積極的に受けとめて環境基本法案に盛り込むあるいは少なくとも大規模民間事業から湿地を保全するため、勧告の内容による環境アセスを実施するという積極的な姿勢が今求められていると私は考えるわけでありますが、いかがでありますか。
○政府委員(大西孝夫君) まだ事務局が用意しております案が、委員会といいますかその会議の席でどういう形でまとめ上げるかちょっとわからない要素がございますが、例えば現時点で申しますと、湿地というのは極めて広い概念でございまして、それはいわゆる湖沼、河川から海、海域あるいは人工的なダムあるいは水田等も含む概念でございますので、そういう湿地について特に特定の縛りのない形でアセスメントを実施する云々という形のものが出ました場合に、すべてのものについてそう実施することが現実的かどうかという問題もありまして、そういう点について何らかのいわゆる縛りをかけた形になっていくのか、あるいは考え方を述べた勧告ということで、あとは具体的には各国がそれぞれの判断でやればいいというような形にまとまっていくのかそこらによっても我が国の対応の仕方はかなり変わるのではないかと思います。 いずれにしても、湿地の重要性を強調し、その保全のために一つの手段としてアセスメントというものを重く見るという考え方自身は、私どもとしても受けとめて考えなければならぬ問題だとは思っております。
○有働正治君 やはり積極的にやらなければいけないということを再度私は申しておきたいと思います。 それから、ラムサール条約締約国会議に関連いたしまして、締約国に提出する日本政府のナショナルリポートの事前公開の問題であります。地球サミットの事務局に提出しましたナショナルリポートは、事前に公開してNGOの意見も取り入れて作成されたものであります。先ほどの論議の中でも、担当の政府委員の方は、この点得々と意見を聞いたということを強調されていた。非常にそのことは重要であります。それを忘れないでいただきたい。ところが、私はこの姿勢こそ住民参加、情報の公開というリオ宣言の原則を示したもので非常に大事だと考えるわけであります。 環境庁は、基本法案の基本理念にのっとって、湿地の保全を積極的に実行していくためには自然保護団体等のNGOの協力がやはり不可欠ではないかと考えるわけであります。ナショナルリポートを事前に公開して、積極的にNGOの協力を得るということが大事だと思います。関係NGOもそのことを環境庁に再三要請しているようでありますが、環境庁は事前公開を拒み、極めて協力していない。これは国際的にも、例えばラムサール 条約事務局のD・ネイビット事務局長の言い分がマスコミに載せられていますけれども、非常に問題ではないかという趣旨の発言もされているところであります。かねがね長官も、そういうNGOの方々の意見というのは非常に重要だ、尊重しなければならないと一般論としては言われるわけであります。 しかし問題は、具体的にこういうときにどう答えるかという形で、具体的な形でその精神が本当のものなのか言葉だけのものかというところが示されるわけでありますけれども、私は、実のある締約国会議にしていく、日本政府のリポートを非常に豊かなものにしていく上で、事前に公開して意見を求める措置をとるべきではないかということを考えるわけでありますが、これについての見解を求めます。
○政府委員(大西孝夫君) ナショナルリポートと一言で申しますけれども、リオ・サミットのように不定期にといいますか例外的に設けられた場合のナショナルリポートで、そのためにナショナルリポートを住民参加の形をとりながらつくり上げるというプロセスも定められた形で会議の準備が進められたケースと、この締約国会議のように、既に今回五回目でございますが、そのナショナルリポートはその一回目の回からその次の回までの間に起きた条約の履行の状況を報告するという性格のナショナルリポートでございまして、これは履行義務を負っております政府が政府の責任において記述をして出すというのが従来の扱いでございました。 一般にそういう形で報告したものを条約事務局が会議文書として、会議が開かれた段階でオープンにして公の目にとまるという形が普通であったというのが一点と、従来、日本でこの種の会議の場合に、ナショナルリポートを事前に公表しなかったのが通例だということでございましたのでそれに従ったわけでありますが、特に他意はなかったわけでございます。したがいまして、今回のリポートについて事前に示せということであれば、なおもう一度外務省とよく相談をいたしまして対策を考えてみたいと思っております。 それから、今後のナショナルリポートについて、おっしゃるように住民の声をということであれば、それはまた将来のこれからの問題として考えたいと思いますが、従来はそういう事務的に進めましたし、NGOのサイドからも特にその点についてはまだ四回の会議についてはなかったということもありまして、その点を若干軽視したのかもしれません。今回の報道等を踏まえまして、あるいは考え方を変える必要があるのかもしれません。
○有働正治君 長官に前向きにひとつ対応していただきたいというふうに思います。最後に見解をお願いします。
○国務大臣(林大幹君) 今回のラムサール条約締約国会議におけるナショナルリポートは、一般論として今大西局長が答弁したとおりでございます。したがいまして、殊さらに内容を情報を秘匿するというような、そういうさもしい気持ちは毛頭ございません。これはもう情報はできるだけ広く提供したいと、先ほど私も答弁しましたけれども。今回のナショナルリポートは、今大西局長が答弁したとおりでありますけれども、また外務省ともよく話し合ってみます。
○有働正治君 終わります。
○粟森喬君 まず、私からお尋ねをしたいのでございますが、今回の環境基本法案の第二十一条第一項第三号における「自然環境を保全することが特に必要な区域」、これは環境の保全のために必要な規制をする範囲を定めたところでございます。私は、今回の環境基本法というものが日本国土全体の環境保全をするというにもかかわらず、ここに「特に必要な区域」というふうに制限的に定めた理由というのはどういうことなのか。 特に、環境という定義がどうであれ環境権というものがどうなっているのかということがよくわからない段階で、このようないわゆる規制というものが特定の区域に限られるというのは、結果として日本全体の環境が保全をされていかない傾向になるのではないか。そういう意味で、ここのところについてまず明確にしていただきたいと思います。
○政府委員(大西孝夫君) お尋ねの、法案第二十一条第一項第三号に言います「自然環境を保全することが特に必要な区域」という概念でございますが、この環境基本法案をまとめ上げていく際に、法はいわゆるいろいろな規制手法というものを法体系別に言うならば整理をしたというところでございますが、それで自然環境を保全するためのいろんな手法がありますが、区域を限ってその区域を単位として規制を加え保護を図るという手法がございまして、その類型のものとして例えば自然環境保全地域でありますとか、自然公園でありますとかあるいは保安林、緑地保全地区とか都市計画区域内におきます開発許可にかかる区域とかいうように各個別法によりましていろいろ区域を特定した上でその区域を単位とした保護を図っていくという手法がありまして、その手法を基本法において一つの概念として取りまとめたということでございます。 そういうことで、この手法のみで言うならば自然環境保全を図っていこうということでございませんで、そのほかの規制手法としましては例えば絶滅のおそれのある動植物の種の保全は、そういう特定の動植物の種を指定する形でその譲渡等を規制する、そういう規制の手法もございます。 しかしながら、自然環境をおっしゃるようにトータルでつかまえてその保全を図るという、日本国土全体を言うならば規制の網をかぶせるという方式は、区域方式の場合は限られますし、種を指定するというようなそういう個別の対象物を規制する方法は国土全体になりますが、地域的な意味の保全ということにはなりませんので、トータルにやっていくにはその規制的手法のほかにいろいろな施策を組み合わせた形でトータルで保全を図るという必要があろうかというふうに理解をいたしております。
○粟森喬君 今の答弁でもかなりはっきりしたわけですが、例えば公園であるとか自然がかなり残っているところに対してそういう規制をかけたり、人間と環境が最も密接な関係にあるのは、これからの問題を考えますと例えば日本で言います衣食住のうちの住が非常に全体として悪い。 そうすると、別荘をつくったりリゾートをやったりそれから家を建てかえたりと、こういうことが起きて大都市近郊やあるいは交通の沿線のところの今まで開発をされてないところが結果的に、これはいろんな都市計画法であるとか開発のための許可のための法律があることを承知していますが、これをトータルで保護をするというか規制をかけていくというそういう発想がなかったら、つまり何となく今自然として保たれている人間が余り行き来しないところに対して規制の対象とするだけでは極めて不十分ではないかこういう立場で考えているわけでございます。 国土全体の自然環境をとらえて保全を図るとか規制を図るということについて、この法案の中に盛り込めなかった理由についていま一度お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(大西孝夫君) もちろん基本法を大きな傘、柱といたしましてその下にいろんな個別法がつく体系でありますが、その規制的手法という形での歯どめの部分というのは、現在ある個別法あるいは今後できるかもしれませんそういう個別法によって対応できる部分というのはどうしても必然的に限られてくると思います。 そこで、国土全般についてということになりますと、これは環境基本法のみならず、むしろ国土利用計画までさらに話は広がっていくかもしれませんし、あるいはまた環境計画が各地方においてもまたつくられるというような場合に、各地域地域でもその土地利用を組み込んだような形で環境管理計画をつくるということがもし行われるとしますと、そういうような形でいろいろな各地方地方が保全されるというような形でトータルとして結果的にその望ましい姿が浮かび上がってくると いうことは期待したいところでございますけれども、この基本法の枠内においてその自然環境を国土全体のトータルとして保全をするという、その法的な意味の枠組みは、そういう意味では必ずしも一〇〇%整備されているということではございませんので、各種施策の計画的、総合的推進を通じて、そういう実を上げていくという努力が必要であろうと思っております。
○粟森喬君 私は、生物の多様性と人間がそこで生きていくということと環境の調和をとるためには、トータルとしてのその考え方というのは、今後当然盛り込むべきだと思うんです。今回の法案をつくるときもそこまでいってほしかったという気持ちもございますが、そこで具体的な問題で、これは環境庁長官にお尋ねをします。 今、私が指摘をしたように、いわゆる都市計画法などで一定の開発に対して制限がかかっていることを承知していますが、乱開発による自然破壊の歯どめというものを、この法案が今回成立をすることを契機にして、どのような方法でやっていくのか。ここは大きなこれからの課題だと思いますので、環境庁長官の考え方をお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(林大幹君) 栗森先生にお答えいたします。 今回の、今御審議願っております法案におきましては、環境の恵沢の享受と継承ということを基本理念の第一に掲げてございます。そしてまた、健全で恵み豊かな環境が将来にわたって維持されるよう、そのために必要な施策を計画的、総合的に講ずるということをも表明しているところでございます。 したがいまして、これらの施策の推進によりまして、自然環境の保全が十分図られるものと考えております。
○粟森喬君 私は、環境基本法がもし仮に制定されたとして、都市計画の中でこれはやらざるを得ない、都市計画法に基づいて乱開発を歯どめするということになるんだと思います。都市計画法というのは県だとか地方公共団体が主体的にやっているわけですから、いわゆる環境庁といいますか環境行政の立場から物を言うというのは非常に限られている。例えば、首長なら首長が意見調整をするとしても、法的な根拠というのは都市計画法の範囲ではここはかなり限界があると私は思っているんです。 したがって、今後ぜひともこれからのあり方として行政としてさらに努力をしていただかないと、開発に当たって乱開発とか自然の破壊というのは環境基本法ができたけれどもとまらないと、そういう法にならないように十分ここは留意をしていただきたいと思います。 そういう意味で、環境行政のこれからのあり方という意味で、少し全体のことで幾つかお尋ねをしたいと思います。 まず一つは、国立公園の管理官というのは、今おられる人数を全部トータルしますと、一万四千ヘクタール当たりに一人でございます。そして、自然公園指導員というのは、千二百五十ヘクタール当たり一人です。鳥獣保護員というのは、人口で割りますと四万人に当たり一人と、こういう感じになります。ちなみに私がこの単位を考えるときに、一番わかりやすい例として例えば皇居を見ますと、皇居は百十五ヘクタールでございます。国立公園の管理官は、この百倍のところを一人で管理している。自然公園指導員というのは、これは自然公園として指定をされた区域だけでこれだけでございますから、国土全体におけるこの種の人の配置というのは非常に数が少ない。 人をふやすというのは、今の行政改革の流れや定員の関係がありまして非常に難しいわけでございますが、まずこの現状について、これで足りるという認識に立っているのかどうか。これからこの法がつくられて今のままの体制で本当に十分やれるのかどうかこのことについてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(大西孝夫君) 私どもも従来からこの国立公園の管理につきまして、まず管理官の増員を大きな目標に掲げましてその充実に努めてきております。 また、平成三年度からは、林野庁から計画的に部門間配転という形で管理官の増員に役立てさせていただいているわけでございます。それから自然公園指導員につきましても、平成四年度に、それまでは二千名でございましたが、七百名一気に増員を図ったというようなことでそれなりに努力はしてきておるわけでございます。それから鳥獣保護員でございますが、各市町村ごとに一人の割合で知事が任命するということでございまして、現在約三千二百人、これは人口で割りますと四万人に一人ということになりますが、狩猟者との関係で見ますと狩猟者八十人に一人、こういう感じになっております。 いずれにしましても、自然環境の保全を図るという上で、この管理体制の強化ということは私どもにとりましてなお至上の課題であると考えておりますので、今後ともいろいろな例えば部門間配置転換もそうでありますが、そういう増員、さらには研修による資質の向上といったようなことに努めまして、体制の一層の強化に努めなきゃならぬというふうに考えております。
○粟森喬君 現状は不十分だと考えているのかどうかということについて、端的にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(大西孝夫君) 十二分とは言えないが必要最小限のものは現時点でいただいておるという言い方を政府としてはする必要ございますが、十分とは言えないけれどもまあそこそこという感じでございます。
○粟森喬君 それなら増員要求をすべきじゃないですか。私は、環境庁もちゃんと考えなきゃいかぬのは、定員をふやすとか管理官の頭数をふやすというだけでこの問題を解決しようとするからだめなんだと。 諸外国の制度を見ても、いわゆるいろんな動物保護官とか自然保護官というのは必ずしも官僚ではございません。いろんなボランティアの組織などを十分に活用してちゃんとしたネットを張る。これも多少の財政的な負担は必要ですが、必ずしも頭数をふやすだけで問題を解決するというのは、私はどうもそこに行政官庁の非常に、何とはなしに全体の行政改革の流れもわかっているにもかかわらず、そんなことで十分であるとか十二分であるという問題じゃなく、もうちょっと本質的にそのことをとらえてほしいという意味です。私は、不十分だというのは公園管理官のことを申し上げたので、何となくそのことにこだわって答弁をされたと思いますが、私は意味がこれは全く違う、こういう意味で申し上げておきたいと思います。 そこで、もう一度お尋ねします。私は、人数が足らないというふうに、これは行政官が足らないという意味じゃなく配置の体制も含めて足らないというふうに理解をしているんだけれども、今後これについてどういう対応で臨んでいかれるのかこのことについてもお尋ねをしたい、こういうふうに思います。
○政府委員(大西孝夫君) 従来からも増員要求はさせていただいておりますし、また、研修制度の充実で資質の向上に努める、さらには民間の方々の御協力を仰ぐという意味でパークボランティアの方々の御参加もいただくというような形で体制を強化しつつあるわけであります。 先生の今のお尋ねは、環境庁全体の話というふうになりますと私からお答えするのはちょっと適当でないかもしれませんが、自然公園管理の観点からいいますと、そういうことで従来にも増して努力をする必要があると考えております。
○粟森喬君 私は、ちょっと申し上げたように、現状が頭数で計算をすると非常に足らないというだけでなしに、行政の組織の制度としても工夫が足らないというんですか、もう少しNGOとか民間団体といわれる人たちの積極的な協力を含めて、環境庁がこの段階で考えなければならないことについて、どうも的確ではない。 環境行政の機能としてどういうふうにその辺の 改革についての道筋を考えているのか、プロセスを考えているのか、そういう意味で私はさらにお尋ねをしたい、こういうふうに思います。
○政府委員(森仁美君) 先ほど来お話しの国立公園に限定をいたしますと、いわゆる国立公園管理官というのが行政官としてやっているわけでございまして、自然公園指導員、これはまた民間の方々にいろいろお願いをして協力していただく、こういうようなシステムのもとで公園全体の管理に万全を期していこう、こういう考え方でございます。 行政のいわゆる行政官としての人員というのは大変厳しい状態にありますが、しかし、環境行政全体につきましては、時代の要請もあり、数少ない増員官庁が環境庁でございます。そういう中で、私どもは必要なものは必要として要求をし、その確保に努めてまいっております。しかし、それでこれから先すべて足りるかと、こういうお尋ねでございます。 これはもちろん知恵を絞ってやっていかなければならないわけでありまして、先ほどの答弁でも申し上げましたが、足腰の強い、活力のある環境庁というものをつくり出していく。そのためには今持っております現在の組織、この組織を効率的、かつ時代の要請に合った、あるいは法律に求められた役割を果たすのに適した仕組みにつくり直していくということもまた必要なことでございます。そういうことを頭に描きながら、これから最大の努力を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○粟森喬君 今の答弁を聞いておって、とにかく何とか人もふやしたいという意味と、効率的な運用というふうに言っておりますが、実は先ほど同僚議員からもあったように、環境庁の行政機能としての機能強化がこの法案の中にきちんと盛り込まれなかったことが、今の答弁で効率的に運用するとか何とか頑張ってみるという努力だけでは、私は限界があると。 この際、ここは環境行政の機能強化について、今回の法案をさらに私どもの立場からいうならば修正をしてでも、この環境行政の機能強化について明確な立場を視点としてきちんと入れるべきではないかと思います。そういう意味でここは環境庁長官の答弁をお願いをしたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(林大幹君) 環境庁といたしましては、環境問題に的確に対応していくために、これ紋切り型の御答弁になって恐縮ですけれども、政府一体となった環境行政の取り組み体制をまず強化しなければならないということの必要を痛切に感じております。 特に、先ほど来政府委員からもいろいろ発言ございましたように、今回の基本法案の準備の段階におきましても二十一省庁がみんなそれぞれ関係しながらまとめてきた。そういうことからいいましてもこれからの環境行政は、この法案作成に協力してくれた二十一省庁、その考え方が環境行政の中で進められていくということがやはり大事でございます。そういう意味におきましては、環境行政の中枢としての環境庁の機能を十分に発揮しながら、とりあえず全力を挙げたいと思っております。
○粟森喬君 環境基本法をつくるときには、当然必然的にそういうことを、今の壁を破らないと、私は法をつくっても具体的に実効、効果が上がらない、こういうふうに思います。この問題はさらに要望を続けたい、こういうふうに思います。次の質問のこともございますので、この部分は次回以降にまた改めて提起をするつもりでございます。 先ほど同僚議員からも指摘があったわけですが、いわゆるラムサール条約にかかわる、ウトナイ湖にかかわる事前の報告、NGO、民間団体に対しどういう事前の報告をするのかということに対して、そんなことについて言う必要がないという。さらにナショナルリポートの性格を申し上げたことはわかっているけれども、これは環境庁にきちんと答えてほしいのは、ナショナルリポートというのは公式なものですから、それは当然そこに出すまで、これは正規なものはただ一つしかないんですから、そんなものを事前にどの程度まで見せられるかというのは限度があると思います。 しかし、事前に求めたのは、その文書の形式や形態の問題じゃなく、どういう内容が盛り込まれているのかということについての質問といいますか、まあ情報公開というと大げさだけれども、もう少し具体的にどういう内容なのかと聞いたときに、それは言えないというふうに言ったのか、ナショナルリポートだから見せられないと言ったのか、そこはどういうふうにお答えになったのか事実関係としてはまずはっきりしてもらいたいと思います。
○政府委員(大西孝夫君) 確かにNGOの方から電話で見せてくれないかというお尋ねがあったそうでございまして、ナショナルリポートだから見せられないという答え方をしたということであります。適切さを欠いたお答えをしたのかもしれません。
○粟森喬君 私は今回のこの問題は手続上の問題だけではない問題を含んでいると思う。といいますのは、今回のリポートの中に実は千歳川の放水路計画を入れることの是非論が、私どもも環境特別委員会で行政視察に行ったときに状況などを聞いていろいろあることを承知しています。私はその是非の是も弁もとらないんですが、そういう論議を民間といいますかそれぞれの団体に提起をしながら、それを調整するために行政があったり法が私は必要なんだと。今回の問題の処理はそういう意味で非常にまずいケースだと。私はそのことも盛られてないということも既にそれぞれ別のルートから聞いておるんだけれども、行政の側がそのことについて、内容について何ら示さないというのは、これからのこの法案の中で国民の協力とか責務とかいう言葉を使っていることと物すごく認識の乖離がひど過ぎる一つの例ではないかと思います。 そこで、先ほどの答弁の中でも公開という言葉は確かに無理があると。これは法的な概念として公開なのか提供なのかというのは、非常に大事なポイントだということは私も承知をしています。したがって、情報を提供するという意味で今回のことを機にして、今回は努力義務になっておるんですが、この努力という言葉は私は外すべきではないか。提供する、ということで言葉としては切る修正をしてもいいんではないか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○政府委員(八木橋惇夫君) 公開ということについて難しいということは先ほどお答えしたとおりでございますので、それについては繰り返しませんが、「努めるものとする。」ということにつきまして、努めるじゃなしに提供するものとする、または提供するという言い方をすべきじゃないかと、こういう御質問であろうかと存じます。 これにつきましては、私先ほど御答弁申し上げましたように、政府が提供するということをやったとしても、それを持っている情報に物理的また自然的な限界があることから「努める」という表現になっているというぐあいに申し上げたところでございまして、努めるからということで、それは態度だけでやればいいという趣旨ではございません。まさに努めるということで、なるべく情報を提供するように政府としては努力しなさいということでございますから、その方向に向かって私どもはこれからやっていくつもりでございます。 そういう意味で、先生の御指摘する趣旨に沿って、私どもはこれからやっていくことになるわけでございまして、それをするものとするというぐあいにやりましても、それは物理的な限界があることから、条文上するものとする、またものとするというような表現の仕方は適切ではないというぐあいに私ども解釈しているところでございます。
○粟森喬君 行政の側の答弁としては甚だ私は不適切だと思います。といいますのは、この情報は こういう前提条件がちゃんと確立していないということを言われたときに、それはそれでみんな承知をするという、当然の常識があるわけです。そのぐらいはみんなある。これは例えば特定の地域のこういう根拠でやったんだから、その情報は限定的な意味でしか提供できませんということはできると思うんです。 ただ、ここに前提条件があり、次には提供する努力でしょう。二つのいわゆる附帯的な条件をつけて、この努力するという言葉がなくても提供する前提は、今局長が答弁をした前提が、当然どんな資料が出るときでもいかなる調査をやって、どうやったというのは出すんですから、それは当然提供するという言葉で言い切れるのではないかと思いますが、もう一度そこは答弁願いたいと思います。
○政府委員(八木橋惇夫君) 私の説明の仕方があるいは不十分で御理解賜られなかったのかと存じますが、もう一度申し上げますと、この法案二十七条におきまして、政府が提供する場合にその提供の前提となる科学的知見が得られていない場合、または物理的にそういうものを持っていないような場合、そういうような限界があるということが一つございます。 それにもう一つ、基本法におきまして私、公開することができないということで答弁は省略して申し上げたんですが、公開するというようなことになりますと、昨年十二月の行革大綱におきまして、これまでに整理された検討課題を踏まえながら、引き続き調査研究を進めるというような段階にあるときに、提供するものとするということになりますと、それはやはり義務づけを行うということになるわけでございます。 したがって、行革大綱において調査検討を進めるということとの間に矛盾が生じてきまして、これからいましばらく行革大綱で調査検討をしなきゃならぬものを、こちらの法律で一方的に義務づけを行うという矛盾した格好になることから、これにつきましてはそういう義務づけを行うことは現段階においてできませんということで、政府としては「努める」ということにならざるを得ない。 したがって、これはプログラム規定ではございますが、そのプラグラム規定の趣旨に従って私どもはそういう方向に向かって努力をしていくということを申し上げたわけでございます。
○粟森喬君 今局長答えられましたが、私は公開と言ってるんじゃない、提供でいいと言っているわけです。ほかの法案ではそういう情報を提供するというのはいろんな法案でもう既に出ています。ですから、公開のときの基準というのは、確かにある種のシビアなものがあるでしょう。提供というのは、その概念と違うわけでございますから、今調査研究を進めるということと、ここは多少トーンの落ちたところだという理解で、ぜひともここは努力という言葉をとるべきではないかという立場です。 環境庁長官に、その意味でさっきのラムサール条約にかかわる北海道の話もいたしました。私はいろんな意味で、今必要なことは行政が客観的に今持つ情報を、これは行政というのは国民の税金をもらって、それでそういう情報を集めて情報をその都度、中間的であっても、提供を求められたときに適切にそれをしていくということは、必要だと思います。 そういう意味で、これからの国民の協力を得るためには、情報の提供は、努力じゃなく提供するというふうに言い切るべきだと思いますが、環境庁長官の考え方をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(林大幹君) 重要な環境基本法案の御審議を願っているところでございますので、今の先生の御質問につきましては、先ほど来企調局長が答弁したとおりに受けとめてください。
○粟森喬君 納得できないけれども、終わります。
○委員長(松前達郎君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(松前達郎君) 速記を起こしてください。 暫時休憩いたします。 午後六時三分休憩 ―――――・――――― 午後六時十分開会
○委員長(松前達郎君) ただいまから環境特別委員会を再開いたします。 公聴会の開会承認要求に関する件についてお諮りをいたします。 環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案の審査のため、六月十一日午後一時に公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認めます。 つきましては、公述人の数及び選定等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十一分散会 ―――――・―――――