外務委員会 第5号
- 発言数
- 262 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/04/22
会議録
○委員長(野沢太三君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨二十一日、矢野哲朗君が委員を辞任され、その補欠として加藤紀文君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) 商業及び事務所における衛生に関する条約(第百二十号)の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 本件につきましては、前回の委員会におきまして質疑を終局いたしておりますので、これより討論に入ります。――御意見もなければ、討論は終局したものと認め、これより直ちに採決に入ります。 商業及び事務所における衛生に関する条約(第百二十号)の締結について承認を求めるの件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(野沢太三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、本件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) 国際的なコスパス・サーサット計画との地上部分提供国としての提携に関する通告の書簡の締結について承認を求めるの件、国際移住機関憲章の締結について承認を求めるの件、以上二件を一括して議題といたします。 趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松前達郎君 きょうは、ただいま議題となりましたコスパス・サーサット関係、それからさらに日米首脳会談が先般行われましたがその問題、それともう一つ、今、問題になっていますロシア支援。時間がどうなるかわかりませんが、あとPKOの問題も多少触れてみたい、こういうスケジュールで質問をさせていただきたいと思います。 まず最初にコスパス・サーサット関係ですが、いわゆるGMDSSという世界的なシステム、これは海難と安全に関する世界的システムの一環でもあるというふうに考えられるわけです。昔、従来のモールス無線いわゆるトン・ツーですね、これが中心となって情報を流していた時代と比べますと、最近はGMDSS等、捜査救助あるいは海 上安全情報といいますか、こういったものの提供という面では非常に大きな進歩が見られているというふうに思います。 そこで、まず最初にお伺いしたいのは、GMDSSの構成要素それからその補完関係、これについてお伺いをいたしたい。これはGMDSSの中でのコスパス・サーサット・システムの位置づけ等も含めて全般的な問題としてお答えいただければありがたいと思います。
○説明員(河合正男君) ただいま松前先生から御質問の中で御説明がありましたとおり、最近、遭難、安全のための通信体制が技術進歩に伴いまして急速に進歩してきている。その中で今、先生がおっしゃられたGMDSS、海上における遭難及び安全に関する世界的な制度というものが、七九年にIMO総会におきましてそれを確立することが決定されたわけでございます。 GMDSSを構成する通信手段を大きく分けてみますと二つの構成要素に分かれると思います。つまり人工衛星を用いる部分と衛星を介さずに地上の通信設備間で伝達されるいわゆる地上波でございます。前者の人工衛星につきましては、南極と北極、極軌道衛星を用いた本件取り決めのコスパス・サーサット制度と、それからもう一つ静止衛星を用いましたインマルサット衛星制度でございます。また、後者の地上波につきましては、中波、短波、超短波という周波数を用いた通信手段がもう一つでございます。 このようにコスパス・サーサット制度は、まさに先生が今おっしゃられましたように、GMDSSを構成する衛星を用いた通信手段の一つでございまして、遭難通信に関しては中核になるそういう通信手段でございます。
○松前達郎君 そうしますと、このシステムで使われている衛星ですね、今おっしゃったのは二種類、極軌道衛星とそれから静止衛星。静止衛星はインマルサットで前からふだんも使われている衛星ですが、いわゆる極軌道衛星というのは今、四つぐらい上がっていると聞いたのですが、その実情はどうなっているのでしょうか、衛星そのものの。
○説明員(河合正男君) このコスパス・サーサット計画協定におきましては、今、先生がおっしゃられましたように、四つの人工衛星を打ち上げるということになっております。当時のソ連が二つそれからアメリカが二つ上げるという協定になっておりますが、実際にはそれぞれ三個ずつ上げておりまして、六個の極軌道衛星がこのコスパス・サーサット計画として打ち上げられ活用されております。
○松前達郎君 構成、どういうシステムかというのは大体わかりました。 さらに千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約というのがありますね、いわゆるSOLAS条約というのでしょうか。これは船舶の航行安全のための技術規則が定められているというふうに聞いているのですが、これが八八年に改正されたということですね。海上における遭難の際に衛星利用で遭難信号を伝達する設備を船舶に、これは船舶がその設備を持っていないと話にならないのですが、遭難信号を出す設備を船舶に設置するということが義務づけられている、こういうふうに聞いています。これに伴いまして我が国でも国内関係法令が多分整備されたというふうに記憶していますけれども、一九九九年までにGMDSSを全面的に導入していくという目的があると。 そこで、二つほどお伺いしたいのは、まず最初は八八年のSOLAS条約改正のポイントというのは一体どこにあるのか、これが一つ。 それからもう一つはGMDSS導入のスケジュール。これは広いシステムですからスケジュールといっても説明しにくいかもしれませんが、GMDSS導入のスケジュールはどうなっているのだろうか。この二つについて御説明いただきたいのです。
○説明員(河合正男君) まず第一の御質問の一九八八年のSOLAS条約改正のポイントでございますが、二点ございます。 第一点は、先生が先ほど来お話しされておられますように、従来はモールス信号を主体とするシステム、これは非常に専門的な技能を必要とするシステムでございました。これを改めまして簡易な操作の通信システム、つまり無線電話等を使ったより簡単な制度に移行することとしたということでございます。 第二点は、従来は限られた交信範囲だけの船舶間の通信を基本としたシステムが用いられておりましたが、それを改めて、人工衛星の利用を含みます最新の通信技術の導入によりまして船舶と陸上それから他の船舶との間の通信を基本とするシステム、つまり広範囲かつ確実な通信というシステムに移行するということになったことでございます。 それから導入のスケジュールでございますが、先生おっしゃられましたとおり、かなり複雑になっております。うまく説明できるかどうかわかりませんが、まず一九九五年二月一日より前に建造された船舶については、九二年二月一日から九九年二月一日までの間は移行期間とするとされております。この間の通信設備は従来の通信設備とGMDSSという新たなシステムのための設備のどちらかを選択することが許されております。 第二段階は、九五年二月一日以後に建造された船舶につきましてはすべてGMDSSのための設備の設置が義務づけられるということになっております。ただし、附属書第四章の適用を受けます旅客船及び総トン数三百トン以上の国際航海に従事する船舶等すべての船舶は、いずれにしましても、海上安全情報に関する放送の受信装置及び衛星系位置指示無線標識を一九九三年八月一日までに設置することということになっております。
○松前達郎君 大分込み入っているわけですけれども、今の導入スケジュールは国内法との関係がある、国内法で決められていると。これは国際的にはやはり約束ごとになっているのでしょうか。それとも一定の基準があってその基準のもとに我が国が独自に策定した結果としてそういうふうに移行していくスケジュールが設定されたのか。もし独自なものだとしますと、このスケジュールが諸外国と比べましてその進行状況から見て非常に厳しいのかどうかという問題ですね。せっかくこういう制度があるからこれが利用できるようになるべく早く持っていくのが本当なのでしょうけれども、それがまず一点です。 それからもう一つは、SOLAS条約が適用される船舶、今もいろいろと説明がありましたけれども、国際航海に従事する旅客船及び総トン数三百トン以上の貨物船、こういうことになっています。我が国の場合にはSOLAS条約適用船舶以外の船舶も今のGMDSS関連システムを導入するように義務づけられているというふうにも伺っているのですが、こういった船舶というのはどのような義務づけがされているのか。 この二つについて、ちょっと専門的になりますが、御説明いただきたい。
○説明員(河合正男君) 国内措置につきましては運輸省の方から御説明があると思いますが、まずこのスケジュールは国際的に義務づけられたものかという御質問につきましては、そのとおりでございます。それを日本として守っていく国際的な義務がございます。
○説明員(三島久君) お答えをいたします。 ただいま先生の方から御指摘がありました件でございますが、このGMDSSを船舶に対しまして義務づけるということで、我が国におきましては一九九一年の五月に船舶安全法を改正いたしまして既に昨年の二月一日から施行をしているところでございます。今後、一九九九年二月にかけまして順次段階的に設備の搭載の義務づけをするということになっております。 この場合に、条約で定められております適用船舶についてはもちろんでございますけれども、そのほかのもの、いわゆる非条約船というようなものにつきましても安全性向上の観点から義務づけをすることになっておりまして、例えば総トン数 二十トン以上の漁船でありますとか、あるいは沿海区域またはこれを越えるような区域を航行区域とする長さ十二メートル以上の船舶、さらには十二メートル未満でありましても近海区域またはそれを越えるような区域を航行区域とするもの、こういうものに関しましては同じようにことしの八月から原則として例えばEPIRB等の設置の義務づけが行われるということになっております。
○松前達郎君 今回の議題となっておりますコスパス・サーサット・システムの通告の書簡ですね、これについて地上部分の設置義務というものがある、これに対しての書簡だと思うのです。 国際的なコスパス・サーサット計画との地上部分提供国としての提携に関する通告の書簡、これについて地上部分の提供風となるということを通告するわけですが、地域利用設備並びに業務管理センターですかこの二つの部分から成る地上部分の設備を設置をする、そしてまた同時にこれを運営する義務も負わされてくると、こういうふうなことだと理解しているのですけれども、この書簡によりますと、「少なくとも一の地域利用設備」、こういう文言が使われていますね。それから「情報を適当な当局に伝達する一の業務管理センター」と、こういうふうなことで表現されているのです。 地域利用設備と業務管理センターというのは一体どういうものを指しているのか、またその機能としてはどういう機能を持っているだろうか、そしてまた我が国の場合は大体どのくらい設置をする予定であるのかあるいはもう既に設置されているのか、この点についてお伺いしたいのです。
○説明員(小林也埈君) 今お尋ねの地域利用設備につきましては、遭難している船舶等の無線標識から発信されました遭難信号、コスパス・サーサット、いずれかの衛星を中継しまして地上に落としてきます。それを受信する設備であります。その警報それから信号の中からそれを解析いたしまして無線標識の位置を確定いたします。それと同時に、その遭難の情報と遭難船の位置の情報を次の業務管理センターへ送ります。ここでは地域利用設備から得られた情報あるいはまた他の同じような業務管理センターから来た情報を適当な救助機関に有線で、テレタイプ等で伝達する役目を持っております。
○松前達郎君 例えば船舶の場合には、その船舶が遭難した場合に自動的に遭難警報を発するということですね。そして、それを衛星が受けて下におろしてきて、その受信したものを各機関にそれぞれ伝達していくと、簡単に言うとそういうことですね。
○説明員(小林也埈君) はい、そうでございます。
○松前達郎君 その衛星の部分は別として、地上におりてきたもの以降にすべて我が国が参加をするあるいは分担をするといいますか、そういうことで理解していいでしょうか。
○説明員(小林也埈君) 日本周辺におきます海難につきましては、日本国の救助機関、例えば海上保安庁、第一管区から第十一管区までありますが、そういう救助センターに連絡いたします。また、外国の場合については、その一番近い国に同じような業務管理センターがありますのでそちらへ連絡することになると思います。 それから日本におけるこの設置ですが、地域利用設備は横浜にあります第三管区海上保安本部の中に関東統制通信事務所というのがあります。これは海上保安庁の通信を統制している組織でありますが、そこに設置しております。それから業務管理センター、これにつきましては霞が関の海上保安庁本庁の中に設置しております。
○松前達郎君 今までの質問の結果、対象となったのは船舶の遭難警報というのが主体になっているわけですね。位置の情報というものを正確に通報する手段だということになるわけですけれども、その情報の正確度といいますか、特定するべき位置の誤差といいますか、それは一体どのくらいの誤差でしょうか。
○説明員(小林也埈君) 大体五キロ以内です。悪くても五キロ以内です。正確なときには何百メートルという範囲で把握することができます。
○松前達郎君 船舶については今、議論になってきたわけです。船舶以外にもその活用が予定されているというふうに聞いているのですけれども、一体どういう面にこれが利用できるものなのか。EPIRBといいますか非常用位置指示無線標識という小さいのがありますね。そういうものが非常に小型であってしかも安価に入手できるものであるとすれば、活用範囲は必ず広がってくるのじゃないかと思います。 システムとして活用可能な範囲というのは一体どのくらいの範囲を考えておられるか、これについてお伺いしたいと思います。
○説明員(河合正男君) 船舶以外でもこのコスパス・サーサット計画での遭難救援は受けられるということになっております。航空機等の遭難でも今まで何度もこれが活用されておりますし、今おっしゃられましたように、無線標識をつけておればそこから発信される遭難警報及び遭難の位置の情報を迅速に伝達することができますので、海上における遭難だけでなくて、航空機、さらにはその無線標識をつけていれば陸上における遭難もこの計画の対象になっております。
○松前達郎君 実は、これは私が関連しているのですが、太平洋にブイを流してそのブイが一体どういうふうに漂流していくかというのを追跡するシステムですね。これは今のコスパス・サーサットのシステムじゃなくていわゆるアルゴスというシステムですが、このシステムを使って今、追跡をしている最中なのです。 これの目的としては、北太平洋における浮遊物が一体どういう行動をするか。ハワイの北の方に全部集まってしまうという説もあるもの保ですから、これについて実際そうなのかどうかというのを確認するためにブイを流しているわけです。途中で拾われたり拾得物だということでお届けになったり、本当はそのままほうっておいてくれればいいのですが、そういうのが非常に多いのです。しかし、幾つかのブイは予定どおり今、もうハワイに近づいているわけですけれども、このシステムもまさに人工衛星利用なのですね。 ただし、これに使っている衛星というのはいわゆるアメリカのNOAA、海洋大気局が持っている気象衛星、それからNASA、航空宇宙局が持っている衛星、この二つをうまく利用しながら位置を特定していこう、こういうふうなシステムなので大体似通ったやり方だと私は思うのですが、これはいわゆる実験ですから遭難とは関係なくふだんも常に電波を流しっ放しにしているわけです。もちろん使っている周波数も違うのですね。国際的に決められた周波数を使っているわけです。 こういったような衛星利用というのがこれからどんどん進んでくると思うのですね。ですから今、航空機もというお話もありましたけれども、あるいは地上の遭難についてもというお話がありましたが、こういうものが遭難の場合できるだけ早く広がって世界的に採用されていくように努力した方がいいような気もするのです。特に衛星についていえば、何もこれだけの利用じゃなくて、そのほか地上における環境の変化の監視ですとか、これはいわゆる衛星画像情報になりますけれども、そういったようなものを入手できればそれが非常に我々の今後の環境だったら環境の将来課題に対して非常に大きなプラスになる。マクロですけれども、非常に大きなプラスになると。 これは私、前に外務委員会でお話をしましたが、一度、国連査察衛星というのを打ち上げる計画があって、これはジスカールデスタンの提唱だったと思うのですが、それがどうもうまくいかなくてそのままになっている。この提唱は大分前の話ですから、たしかまだ東西の冷戦が際どい状態にあるときの提案ですね。これは軍事的な面も含めての話ですが、そういうことをお話ししてみたことがあるのです。国連でぜひともどこの国に主権があるというような衛星じゃない共同管理の衛星というものを打ち上げたらどうかと、こういう提案だったのです。またそれは行われていないようでありますけれども。 とりわけ衛星利用については幾つかの幅広い利用方法があるわけですが、これはちょっと後でまた資料等をごらんに入れながらこういう例もあるということを御説明したいと思います。 さて、タンカー事故が最近非常に多いですね。これは海洋汚染そのものになるわけですからタンカー事故というのは起こってはいけないはずなのです。しかも、ああいう船ですから相当きちっとした航海の技術的なバックアップを持っているはずですが、どういうわけかタンカー事故が非常に多いわけです。 こういったタンカー事故の最近起こったものについて第一報というのは一体どういう方法で伝達されてきたのかコスパス・サーサット・システムがこれに活用されていたのかどうか、この辺おわかりでしたらお伺いしたいと思います。
○説明員(淡路均君) 一般的には我が国の商船隊に関する事故というものについては既に情報連絡体制が確立しておりまして、事故が発生した際には船会社、船社等から速やかに運輸省に報告されるという体制になっております。 例えば本年一月二十一日にインドネシアのスマトラ北方沖合で発生したマースク・ナビゲーター号とサンコー・オナー号の衝突事故を例にとりますと、サンコー・オナー号の運航者である三光汽船などから同日、事故発生の通報がございました。その通報によりまして対策をとったわけでございます。その後もサンコー・オナー号は衝突による被害が軽微であったということもありまして現場周辺で待機して情報収集活動をしてくださいという要請をしまして情報収集活動に努めたところでございます。 また、他方の当事者のマースク・ナビゲーター号、これは運航者がシンガポールのAPモーラー社ということでございまして直接我が省が監督するとかという関係はございませんけれども、そのAPモーラー社からも情報収集に努めたということでございます。 ほかの点については海上保安庁の方から。
○説町員(岩西武利君) 最近発生したタンカー事故の際コスパス・サーサット・システムが有効に活用されたかという先生からの御質問にお答えいたします。 一九九二年二月から一九九三年三月までの間に我が国のコスパス・サーサット制度の施設を利用しまして取り扱った海難は、いずれも外国船で六件であります。北海及びマラッカ海峡におけるタンカー事故につきましては我が国には遭難警報は入っておりませんので、本制度が有効に活用されたかどうかは判断しかねております。しかしながら、一般的には遭難位置等が他の手段で確定できないような場合に本制度の有効性が発揮されるものと考えております。
○松前達郎君 最近の事故で大きなものが北海、マラッカ海峡で起こった事故だと今おっしゃったわけですね。重油の流出が非常に問題となった事故なのですけれども、もちろんこれは衛星がその近くというかその上を飛んでないと情報はなかなか入りにくい。したがって、これを受けるのは恐らく他国の地上設備が衛星を通してきた遭難情報を受け取るのだろうと思うのです。だから日本が直接受け取ることはないのじゃないかと思うのです。しかし、六件ほど我が国でも取り扱っているというのですからある程度有効に利用されているというふうに思っていいだろうと思います。 船舶にレーダーが積まれていますね。最近、船舶同士の衝突事故も多いのですね。潜水艦の衝突事故もちょっと起こったようですけれども。しかし、船舶に搭載されているレーダーであっても気象条件等によっては情報が十分とれないケースもあるわけですが、そういったような観点からもっとトータルなシステムとして何か考えられないだろうかということなのです。 その点について研究課題として何か対象にした研究が行われているのかどうか、この点どうでしょうか。
○説明員(谷口克己君) 海難の防止のためには、海上交通の安全の確保の対策あるいは船舶の構造設備についての対策、船舶の船員についての対策など非常に多岐にわたる対策が必要となるわけでございまして、これらの対策の推進のために必要な研究であるとか開発につきましてはそれぞれの担当する行政機関で取り組んでおるところでございます。 海上保安庁におきましては、特に海上におきます交通安全の確保という分野を担当しておりまして基本的な海上における交通ルールの運用ということに取り組んでおるわけでございますが、そのほかに洋上で船舶が自船の位置を確認するために必要な航路標識、あるいはふくそうする海域において船舶の交通管制などを行う海上交通センターの整備というふうなことを行っております。そのほかに航行船舶に対して緊急に周知を必要とする情報を航行警報によりましてリアルタイムで提供するというふうなことも行っております。 このような船舶の交通安全の対策、これを適切に行うために必要な調査であるとか研究開発につきましてはこれまでも取り組んできたところでありますが、今後もこういった調査、研究開発ということについては積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○松前達郎君 つい最近ですが、ごらんになったかどうか、新聞に写真が出ていましたけれども、東京湾の船舶の移動について、衛星からの情報でもってどういうふうに移動しているかというのがわかるという写真、ごらんになりましたか。
○説明員(谷口克己君) ちょっと残念ながら私ども承知していないのでございますが。
○松前達郎君 衛星でもって時間をずらして情報をとるわけですね。そして、それをずっと重ねていきますと船舶の移動の方向とどれだけ移動したかわかっていくという、そういうことが最近になって技術的に可能になった。特に日本の衛星を使えばできるのですね。そういうふうなことがあるのでその辺も利用価値があるのじゃないかと思うのです。東京湾というのはラッシュアワーになると物すごいですね、船舶が。だから衝突が起こらないのが不思議。「なだしお」は衝突しましたけれども。そういうふうないわゆる船舶交通の安全のためにも衛星がある程度利用できるだろうと私は思っておるのです。 これから宇宙開発、後でまた質問させていただきますが、船舶だけに限らず衛星情報というのは非常に重要なファクターを持ってくるだろう、こう思います。 一つの例として資料を皆さんのところに差し上げてあると思いますが、これをごらんになりますと、これは実はフランスのSPOT衛星で撮った写真なのですが、皆さん御存じのヨンピョン、北朝鮮ですね。北朝鮮に原子力施設が建設されつつあるということが一体どういうふうな状況でわかったのかということを証明する写真なのです。 この上の方の写真が一九八六年の六月十一日の写真である。この写真と、下の方の写真が一九八九年の九月十九日、年は違っておりますが、三カ月ほどのずれがありますから気候としても多少違っていて、下の方が少し寒くなった時期ですからいわゆる植生の変化というものも多少上と下では違うということを念頭に置いてこれをごらんになりますと、ちょうど中心に川が流れていてその川の中に島みたいなものが見えておりますが、上の方の写真ですとまだここのところは十分開発をされていない。そして、下の方の写真になりますと道路が、これちょっとコピーですからはっきりしませんけれども、原図で見ますとここに建物が大分でき上がっているのが見えてきているわけです。また同時に、真ん中のちょっと上の方には、対岸になりますが、ここにもやはり施設が建設をされているということがはっきりとわかってくるのです。 ですから、この二つを倍率同じで重ねて差し引きしますとこの三年間にどれだけのものがつくられたかというのがはっきりしてくるわけですね。 実はこの写真がもとになっていろいろと論議が起きてしまったわけです。これは私どものところでやったのですけれども、こういうふうなものも、 これは何も北朝鮮がこういうものをやっているからどうのこうのということじゃなくて、こういうふうに時間を追っての対比をすることによってある程度のことがわかってくる。先ほど東京湾の例も申し上げましたけれども、そういった方面でも衛星でできるのだということですね。ですから、こういうふうな問題も含めて地球をもっと衛星でもって眺めてみよう、こういう国際的な一つの方策を何らかの形で推進する必要があるのじゃないかと思うのです。 これは外務省の皆さんには前に申し上げたはずですが、しかしちょっと専門的なものですから、いずれまた国際機関の中で討議されていくのじゃないかと思うのです。やはりこういう前向きに考えていく考え方も一つあるということですね。その例として今、皆さんに資料としてお配りさせていただいたわけです。 さて、地上部分を提供する国というので今度の締結国としての役割を持つわけですが、日本は技術的には非常にすぐれていると思うのです。衛星関係の技術、これはすぐれていますので、宇宙部分の方も受信、処理、記憶ユニット等については日本が分担してもいいのじゃないか。あるいは中継ユニットも必要かもしれませんが、こういうものもやはり日本が分担してもいいのではないかと思うのです。これは十分可能だと思うのです。国際貢献の観点から見ましてもその必要性があると思います。 これについて、外務大臣、国際貢献という立場でこういった地上部分だけじゃなくて宇宙部分も担当するというふうなことについて何かお考えはありませんでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 確かに今、先生御指摘のような技術的な面では可能かと思うのでございますが、日本政府といたしましては、一応、地上部分提供国として参加することによって海運大国としての日本の国際的な責任を果たし得るということで、現在のところそのようなことは考えておりません。
○松前達郎君 外務大臣が考えなくても恐らく科学技術庁かどこかでやるでしょうからそっちの方に任せておいてもいいと思いますが、しかし国際協力から見るとそれも頭に入れておいた方がいいというふうなことは恐らくお考えだと思います。 日米首脳会談でも衛星協力といいますかそういう問題が話し合われたというふうなことを伺っているのですが、これは日米両国における衛星の利用の面での協力体制がうたわれていると思うのです。今のコスパス・サーサットでも船舶の遭難警報とかそういうものの情報はアメリカの業務管理センターに伝達されることになっているわけですから、当然その協力体制はでき上がっているわけです。 今後、気象ですとか、さっきもおっしゃった運輸の面それから通信ももちろんです。それから地球環境、こういったようなさまざまな面で衛星が大きな役割を持つようになるのじゃないかと思うのです。衛星に搭載する機材ですとか衛星の運営なども国際的な協力が必要となってきますけれども、日米の衛星協力について政府としてどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(林暘君) 今、御指摘のように、総理が訪米されました際に経済面で両国の新たな協議の枠組みを創設することに合意したわけでございますが、その中で日米間の協力案件についても協議していくことが合意されました。総理から具体的に環境、テクノロジー、人的資源の開発等の分野ということを言われまして、クリントン大統領も了承されたわけでございます。 具体的にどういう協力をやっていくかということにつきましては、今後、日米間で話し合っていく予定でございますけれども、環境技術分野において人口衛星によるリモートセンシングを通じた地球気候の変動に関する研究とか、モニタリングなどの基礎技術の開発における協力プロジェクトといったものについても取り上げられることになろうというふうに我々としては考えております。
○松前達郎君 その日米の協力体制ですが、衛星に関連した問題として宇宙開発の問題も出てくると思うのですね。例えば宇宙ステーション・フリーダムの計画、これも最初は非常に勢いよかったのですが、途中でどういうわけか、アメリカの事情によるのでしょうけれども計画が縮小されたと、こういうふうに報道されているのです。これは恐らくアメリカの財政難の問題が裏にあるのだと思います。 これもまた一方的に、協力をしている相手方に相談もなく決められたという報道もあったわけなのですが、これは日本だけじゃないのですね。欧州各国も協力国ですからこれまで進めていた計画をそう簡単に変更できないのじゃないかと思うのです。 大体三十年間運用する当初計画を十年間に短縮ということになっているようですけれども、これは初めてやることですから研究開発の期間というものが非常に必要になってくる。そうなってくるとどうも当初のような期待を余り寄せられないのじゃないかということも考えられますが、この計画縮小に対して我が国は一体どういうふうに対応するのか。この点どういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(須藤隆也君) 先生御指摘のとおり、アメリカのクリントン政権になりましてから歳出削減策の一環といたしまして御指摘の宇宙基地計画は、継続はするけれども、より少ない予算で最大の効率を上げるように計画をデザインし直すようにという指示が出まして、現在、アメリカ政府内において計画の見直しが行われてきているところでございます。 まさに先生御指摘のとおり、この計画は日本と欧州、カナダ、アメリカとの四極による国際プロジェクトとして始まったものでございますから、アメリカ政府もその辺はよく承知しておりまして、クリントン大統領はこの計画の見直しに当たって国際パートナーと緊密な協議を行うようにという指示も同時に出しておりまして、日本初め、他の国際パートナーもこの見直し作業の検討チームに参加するとか、それから見直し案の評価を行う大統領諮問委員会のメンバーにも参加する、それから必要に応じて協定上の計画調整委員会という参加主体間における運営組織、そういうものも開いて緊密に協議を行った上で見直しについて決定するという手続になっておるところでございます。 我が国といたしましても、米国のこの見直し状況を十分にフォローするとともに見直しに直接参加いたしまして、我が国が担当する実験等の部分に影響のないようにアメリカと緊密に協議を行っていきたいと考えております。
○松前達郎君 衛星利用の件でさらに私からちょっとお考えになっているかどうかお聞きしたいことがあるのですけれども、日本人のUNTAC要員の安全確保と衛星利用の問題なのです。 十九日の衆議院の決算委員会ですか、柳井さんが、UNTACに派遣している日本人要員に対して新たな安全対策の概念を明らかにされているのです。この中で、日本独自の安全策としてUNTAC専用の無線網に加えてインマルサットを利用しよう。そして通信機器を現在の十二台から大幅にふやしていきたい。特に日本のPKO要員が集中している地点にはぜひ配置をしたい。もちろんこれは要員相互の通信に利用することもできるわけですが、こういうことをおっしゃったというふうに聞いているのです。この点もうちょっと具体的に御説明いただけますか。
○政府委員(澁谷治彦君) 現在、派遣されております文民警察には既に衛星電話を配置しております。この数を今後ふやしていくという趣旨だと理解しております。
○松前達郎君 今、柳井さんと申し上げたのは国際平和協力本部事務局長の柳井さんです。 衛星電話というのは一般的に使われますから、その意味での衛星通信というふうに解釈していいと思うのですね。これも地上波を使うのと違ってどこにいても連絡できるわけですから安全確保の意味からも、ちょっとお金がかかるかもしれませ んが、できるだけ設備を補充していただければというふうに思うのです。 先ほど衛星利用について資料を皆さんにお配りしながら説明させていただいたのですが、今いろいろな問題が出てきているのです。 例えば核不拡散条約の問題、これもさっきの北朝鮮の施設について見ますと、まさに査察に対しての問題が起きたわけですね。これは査察の内容あるいはやり方等についていろいろ議論があっての話だと思うのですが、これらを衛星から監視するというシステムについて今、盛んに研究が行われております。 データとして何がわかるかといえば、衛星センサーが取り扱うデータを幾つか挙げますと、原子力施設からの排水の拡散と温度分布、それから原子力施設の運転停止の状況、これはチェルノブイリのときはっきりわかっています。それから施設周辺の植生の変化、さらに施設の拡大、先ほどの資料にあった写真のとおり、施設の拡大あるいは新設、こういう状況。 それからさらに原子力施設の場合ですと建屋の温度分布もわかりますし排ガス中の放射線濃度もわかってきます。排ガス中の放射線の種類あるいは濃度も今後の課題でもありますが、ある程度わかるようになってくる。それともう一つ、地上の核施設、原子力発電所とかいろいろ全部含めてそこにセンサーを取りつけておいて、人がいじれないようにしておいたセンサーですが、これを先ほどのように衛星で受信して常に監視していくという方法、これも考えられるわけです。あるいはモニタリングポストからの情報も衛星を通じてやることができる。 いろいろあるので、こういった原子力関係、特に核不拡散についてこれから大きく問題になってきますけれども、これをやはり衛星でやろうじゃないかという研究が今、盛んに行われているのです。ですからこれも私は非常に将来有望な方法だろう、こういうふうに思っております。これは参考までに申し上げておくわけですが、いずれそういう時代が来るのじゃないかということを申し上げておきたいと思います。 さて、衛星ばかりにかかっておられませんので今度は日米首脳会談についてお伺いしたいのですが、先日、宮澤総理とクリントン大統領との日米首脳会談で話し合われた内容を中心としてお伺いしたいのです。 宮澤総理はずっと英語で話されたということですね。英語の程度がどの程度か、私は直接伺ったことがないからわかりませんけれども、日本側として言うべきことは言ったというふうな会談だと言われている。ところがその結果、記者会見がありましたね、私もテレビ中継で見ていたのですが、あれを見ていて実に情けなく思ったのですよ。もう全く子供を攻撃するというか、いじめるようなクリントン大統領の発言がありましたね。記者会見ですから記者の質問に対して答えているのですが、実はそうじゃなくて横にいる宮澤総理に対して恐らく厳しく発言をしたというふうに私は受け取ったわけなのです。 非常にその点は情けない思いをしたのですけれども、首脳会談の内容としては経済重視の姿勢が打ち出されてきたわけですし、日本の貿易黒字問題に的を絞ったような提案がアメリカ側から日本側に提案されてきている。結果をひとつ見ようじゃないかというふうな考え方も含めてそういった会談になったのだと私は思っております。 アメリカの方には攻められ通しだったというふうな感じも持っているのですけれども、外務大臣、どう思いますか。テレビをごらんになったでしょう、記者会見。あれをごらんになって、もし外務大臣だったらこのやろうと言い出したのじゃないかと思うくらい、私はそういうふうに思っているのですが、どういうふうにお感じになりましたか。
○国務大臣(武藤嘉文君) いろいろ見方はあるわけでございまして、やっぱりそれは背格好が違うのも先生おっしゃるような印象を私は与えたのじゃないかなという感じも見ていてするのでございますけれどもね。 記者会見はともかくとして、長い時間かけていろいろと幅広い意見交換をする。今度の目的は、クリントン政権が誕生して、宮澤総理がお会いになるのは本当に今度が初めてでございますから、電話ではやりとりが何回かあったようですけれども、そういう面では個人的な信頼関係を深めていく、そして両国の今後の協力関係をより強化をしていく、こういうことが目的であったと私は思うわけでございます。いろいろとそれぞれ御批判をされる方もございますけれども、その意味において私は大きな何といいますか、効果はあった、こういうふうに評価をしているわけであります。
○松前達郎君 名指しで質問をさせていただいて大変申しわけないのですが、特に米国にたくさん友人を持っておられる北米局長はどういうふうにごらんになりましたか。
○政府委員(佐藤行雄君) 私は、今回すべての会談に記録係として出させていただきまして、非常にお互いに正直でフランクな話し合いだったと思っております。 それから今回合意したことで一番大きかったことは二つあると思っておりまして、一つは日米関係というのは政治安全保障の面、国際的な、グローバルなという言葉が使われておりましたが、面における国際協力、そして経済関係と三つがあると。それで、この前二者についてはお互いにかなり協力関係が深まっていて、俗っぽく言えばうまくいっていると。それに対して第三の分野については、一つには世界経済が全体として低迷している。そして第二に、今、委員御指摘のとおり、黒字、赤字の問題がある。そういうことでこの分野についてお互いに話し合ってこれを強化していこうというふうな流れの会談になったわけであります。 そしてその結果として、まず第一、第二の問題も含めて日米関係は大事だから年に二回は首脳レベルで会おうと。一回はサミットのときに会うわけですが、それ以外にも必ず会おうということで、それが日米の関係の重要さを内外に示すきっかけにもなる。それからもう一つ、最後の経済の問題につきましては、これから三カ月かけてどういう場でどういう形で何を議論していったら一番効果的かということを議論しようと。それは英語ではフレームワークという言葉が使われていましたが、そういう何か仕組みを考えようということについて合意ができたと。これから議論をしていくということでございます。 そこで、確かに経済の問題に重点があったことは今申し上げたような意味合いにおいてそのとおりであります。ただ、経済の問題ばかりということでもございません。それから先ほどの結果主義云々その他の問題については、例えば総理の方から、数字を示した格好での結果主義とかそういうものは受け入れられないとか日本としての言うべきことはかなりおっしゃられておりますので、受けとめ方の問題はおありかとは思いますけれども、お互いに意見の一致しているところ、意見の違うところが明確になる格好で行われた会談であったと思っております。
○松前達郎君 会談の実際の中身は余りよくわからない。報道されている範囲しかわからないのですね。ただ、テレビだけは生で中継されているものですから、これだけはそのものずばりで見ることができたわけです。 今、結果重視型ということがいろいろと話の中に出てきているというふうにおっしゃったのですが、確かにアメリカというのはそういう国だと思うのです。そうなりますと当然いろいろな問題がそれに派生して出てくる。貿易問題を論議するとなると日本のバリアがあるのだと、これをまだ言ってるのじゃないかと思うのですね。いわゆる市場の閉鎖的な面というのをいまだにまだアメリカ側はそういうふうに考えておられる。そういう批判が相次いでいるところなのですけれども、日本の市場というのは閉鎖的かどうか、これはお互いに自分の国の中における習慣とか慣習も含めていろいろあるわけですから、日本からいうとあるいはアメリカの方がある一部は閉鎖的かもしれない。いろいろあるのですね。 しかし、こういった閉鎖的であるというアメリカの日本のマーケットに対する批判に対して一体、政府としてどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、三年前に通産大臣をやっていましたときも日米構造協議で大分向こうとやり合ったのでございますが、考え方としては、日本は決して市場は閉鎖的ではない、開放されていると思っております。今、御指摘のとおりで、まだいろいろとやってくると。アメリカが閉鎖的か日本が閉鎖的か比べたら日本の方が私は開放的だというふうに思っているわけでございます。 しかし今、御指摘のように、習慣とかいろいろの長い間の文化的な基盤から来ている違いというものがありますから、そういうものを日本でもこれから緩和していかなきゃならぬ面はあると思いますけれども、例えば関税率などを比較すれば日本がずば抜けて先進国の中で低いわけでございます。今度の貿易収支の黒字にいたしましてもアメリカとの間で見ておりましても、アメリカの生産の補完的なものを相当日本から輸出しているということも事実でございますし、あるいはアメリカでつくられていないものが結構アメリカへ日本から輸出されているというものがあるわけでございます。 しかも、数量的にそんなに伸びているわけじゃなくて、やはり為替レートの問題、あるいは日本から出ていくものがダンピングと言われないようにするために結構このごろ各メーカーは高くアメリカへ輸出しているわけでございますから、そういう面からいくと貿易収支が輸出面で黒字が出てきたというのはこれはやむを得ないことだろうと私は思っております。ただ輸入面は、国内の景気が悪いものでございますからこれは輸入量も減っておりますし輸入金額も減っておる。しかもそれに、為替レートは逆に輸入の面では黒字を増進させることになっているわけでございます。 こういう面からいって日本が市場閉鎖的だというのは非常に心外でございまして、そういう点は私は見方が非常に違うのじゃないかというふうに思っております。今後も私は機会あるごとにそういうことは言っていかなきゃならないことだと思っております。
○松前達郎君 今、大臣がおっしゃったとおりだと私は思うのです。やはり国際的な共通した商習慣といいますかそういうものがまだないわけです。とにかく文化とか慣習とかいろいろなものを含めてそのバックにあるわけですから、その辺をどういうふうに見るかによって、バリアであるかどうかというのはその見方によって変わってくるのじゃないかと思うのです。 ですから、できればお互いにそれが理解できるような情報交換とかあるいは人材交流とかいろいろなもの含めてやっていけばある程度のことは理解してもらえるのじゃないかと思うのですが、最後、苦しくなるとすぐスーパー二〇一ですからね、こうなってくるともうどうしようもない。これから長いつき合いをしていかなきゃならないし、アメリカの方も恐らく日本が重要な国の一つである、一番重要だというくらいの表現をしていると思うのですが、そういう関係にありますから、この点やはり非常に気をつけて、しかも積極的な交流をしながら相互理解を深めると。 幾つか方法はありますね。例えばアメリカから日本にいわゆる商業関係で来るような方々がいますね。そういう人に対して日本の慣習とかいろいろなシステムを理解してもらうためのセミナーを開くとか、あるいは日本から行く人がまたその逆にアメリカの状況を理解するためのいろいろな勉強をするとか、何かうまく交流できるようなシステムというか勉強会といいますか、そういうものを含めたものをどこかでつくる必要があるような気がしてならないのです。 これは全般的に見て大きな目で見て大したことはないというふうに思われるかもしれないのですけれども、努力すると案外効果があるのじゃないか。末端の人じゃなくて中心的な人に対してですね。そういうものも考えていて、いずれ何らかの提案をしたい、また実際に実行してみたいとも考えているのです。これはアメリカだけじゃなくて他の国も含めてです。一番苦労するのは恐らくロシアだと思うのですけれども。 そういったようなことも考えているわけなのですが、とにかく今後の日米関係というのは非常に新しい関係に入りつつある。アメリカがおどかしたって日本はそのうち言うことを聞かなくなるのじゃないかとまでアメリカの皆さんの意見として出てきているようですから。しかし、アメリカに追随する外交じゃなくて日本独自の外交展開というものを含めてこの辺はしっかりしていかなきゃいけないだろうと私は思っております。 そこで、次にロシア支援の問題です。 実は前回の委員会で久保田議員がロシアに対する支援の内容を質問されたわけなのですが、いろいろとあって物すごく早口で言われたものですから私もメモするチャンスもなかったのですが、これは二国間支援と多国間支援とに大きく分けられるのじゃないか、こういうふうに思うのです。総額にすると四百三十四億ドルですか、こういった支援の概要がまとめられたというふうに聞いているのですが、この内容を見ますと新規に決定されたものとそうでないものとがどうも混在している、だから非常に複雑になっているような気がしているわけです。ですから一昨日、本委員会で久保田議員は質問されたのだと思うのですが、どうもそれでもすっきりしない、よくわからないのです。 もう一度それを、申しわけないのですが、各国がコミットした支援の金額と、それから新規のものか既存のものかについて整理して説明していただけませんでしょうか。また同時に、我が国の対日支援についての既存のコミットメントの実施状況あるいは新規のコミットメントの概要と金額、こういう問題について明確に説明していただけませんでしょうか。
○政府委員(津守滋君) それでは、まず我が国がこれまでコミットした支援額それからそのうちディスバースした額、これについて申し上げます。 これまで我が国は、先週の閣僚合同会議の前に約二十八億ドル、コミットいたしております。そして閣僚会議の際に十八・二億ドル、したがって合計四十六億ドル、コミットしているわけでございますが、このうちディスバースをした額は約七ないし八億ドルでございまして、間もなく三ないし四億ドル、ディスバースできる見込みでございます。 それから各国の支援額につきましては、各国ともコミットした時点での為替レートを計算した数字はちょっとございませんので各国の通貨建てで申し上げますと、まずドイツについては八百十八億マルクでございます。これは約五百億ドルに相当いたします。それからアメリカにつきましては、先般コミットいたしました三十六億ドルを加えますと百三十数億ドルということになります。イタリアは七万二千二百七十五億リラでございます。フランスは百六十二億フランでございます。カナダは十七億米ドル、プラス八億カナダ・ドル。英国は五億ポンドでございます。それからECが三十億ECUでございます。このうちどの程度ディスバースしたかはこれははっきりいたしておりません。そういう数字は各国とも必ずしも出しておりません。 それから多国間の支援でございますが、昨年のミュンヘン・サミットの際に二百四十億ドル、G7先進七カ国でコミットいたしまして、そして今回は合計四百三十四億ドル、コミットしたわけでございます。この四百三十四億ドルのうち既に昨年のミュンヘン・サミットでコミットしました二百四十億ドルの中の若干の部分が含まれておる、これは御指摘のとおりでございまして、一番大きなものはルーブル安定化基金でございまして、これは六十億ドルでございます。 それから昨年のミュンヘン・サミットのコミットのうちに含まれておりますIMF、世銀、欧州復興開発銀行等のコミット額が四十数億ドルでございますが、そのうちこれまでの間にIMFの ファーストトランシュの十億ドルを含めまして十数億ドル、ディスバースされておりますので、その引いた分すなわち二十数億ドルが使い残しになっておりまして、それが今回の四百三十四億ドルの中に含まれているわけでございます。
○松前達郎君 随分複雑なのですね。大臣、わかりましたか。ちょっと私もメモをしてみたのですが、もう途中でちょっとごちゃごちゃになってしまったのです。とにかく問題は、支援をするというのがお金の支援というかそういうふうなものが主体になっている。今の話はそういうことですね、内容的には。 私、実際に具体的に見て一体、今のロシアにどういう内容のものを支援するか。お金はお金でまだいいとします。どういうものを支援したら一番効果的なのだろうかということを考えなきゃいけない時期が来ているのじゃないか。ただお金をこれだけ決めたからどうぞお使いくださいと言ったって、ざるに金を捨てるようなことになる可能性があるのですね。ですから、その辺きちっと頭に置いて支援をしていかなければならないような気がするわけなのです。この辺は後でまたちょっと意見具申し上げたいのですが。 今度エリツィン大統領が来られるという話が今、進んでいると思いますけれども、昨年の九月にエリツィン大統領の来日が突然延期になってしまった。もう一方的に延期ですね。私もびっくりしたのです。私は日本にいないとき聞いたものですからちょっとびっくりしましたけれども、今回も突如として今度は訪日をしようということですね。これも外務省の皆さんにも前もってそういう連絡はなかったということを聞いているのですが、突然というのは最近どうもエリツィンさんの行動の中に随分あるわけです。これは恐らくある意味で言うとほかの面からのいろいろな検討をした上での決定だろうと思いますけれども。 現在の段階でいろいろと事務的な折衝が続いていると思いますが、エリツィン大統領の来日というのはいつごろになりますか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 五月末という形で、日にちについてはまだ外交ルートを通じてこれから詰めていかなきゃならない状況でございます。
○松前達郎君 五月二十五日とかいう報道もあったのですけれども、じゃそこまでは確定していない、まだ決まっていないということで理解していいですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 確定しておりません。
○松前達郎君 今度エリツィン大統領が来られる。それからまた同時にサミットがありますね。このサミットにおいて、日本が主催国ですから、当然日本からエリツィンさんを招聘するという問題もあろうと思うのです。二回になるわけですね、もしかそうなれば。これはそういうふうなことで理解しておいていいですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) サミットのときと二回ということで、五月末にもし来られれば、当然またサミットのときはこれはもう正式に招請することに同意しておりますから二回ということになるわけです。
○松前達郎君 そうすると、来られたときにいろいろと話し合いがそこの中で展開されるわけですね。 我が国の対ロ外交というのは原則として、これは今、盛んに話題になっていますが、昔は、昔と言ってはあれですが、以前は政経不可分ということで進められてきていますから北方領土との関係を何回もお聞きしたのですが、私、答弁を覚えているぐらいですからもうそれは必要ありません。だけれども、今回はこれをさらに発展させたのかどうかよくわからないのですが、拡大均衡と。この言葉も余り聞いたことがないのですけれども、これはこの前、政府の統一見解として説明いただいたのですが、こういう新しい表現に切りかえられてきたと。 この拡大均衡の意味というのは、領土問題が進展しないならば経済支援をするその限度もあるのだよということを含めた内容であるというふうに理解していいですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) これは非常に苦心してつくった文章でございまして、ここに書いてあるとおりでございます。政治、経済両面での動きが相互によい影響を与えながらともに前進していくという意味で拡大均衡という言葉を用いているということでありまして、これ以上の何というか、踏み込んだものは持っておりません。
○松前達郎君 そうすると、今度の見解というのは恐らく来年の用語辞典には出るのじゃないかと思うのですが、国際機関による多国間の行動ならば超原則的といいますか、今まで日本がとってきた政経不可分の原則を乗り越えてでも対日支援が行われると、こういうふうな一つの逃げ道をつくっているような気もするのです。ですから今、私が問題にしたいのは二つの種類があって、二国間の支援問題、それから多国間で共同してやる支援問題、この二つに分けて考える必要があると思うのです。 さて、今度エリツィン大統領が日本に来られるとなったときに領土問題とリンクしてそれを考えるのかどうかというのが今、話題になっているわけですが、どうなのでしょうかね。二回来られるので、前半の五月に来られるときは領土問題も出すのだ、ところがサミットのときはそういうのは関係ないのだというふうに分けてやられるのですか。そういうふうに考えておられるかどうか、その辺はどうでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 五月に来られることになればこれは主に二国間の問題を議論するわけでございますから、当然領土問題というのは私どもは提起していきたいと考えております。 東京サミットの場合は、これはたまたま日本が今度は議長国でございまして、他の先進七カ国との間においては現在のところ私どもとして、ロシアと日本との間の二国間の問題であるそういう領土問題を議題として正式に提起するということはしないという方向にあるわけであります。
○松前達郎君 どうもこの領土問題に関連してロシア側の受け取り方がちょっと日本側が言っているような受け取り方をしていないのじゃないかという気がするのです。エリツィン大統領が言っているのは、宮澤総理が両国の経済問題と領土問題を切り離して考えるのだというふうにおっしゃったと、そういうふうなことをエリツィン大統領が発言しているといった報道もあるのですね。どうもそういうことは言っておられないということも報道されているし、これは悪く見ればそういうふうに世論操作をしていると、国内で今、大変な苦しい立場にありますからそういうふうなことも考えられるのです。 こういった解釈を誤解というのか、わざと曲解というのか知りませんが、そういうことがもしかあるとすれば、今度来られる前に十分これはネゴっておきませんとまた突如としてやめたということになるのじゃないのか。非常に相手としてはやりにくいかもしれませんけれども、私はどうもその辺が案外大きな問題となってくるのじゃないかという気がしてならないから、この点は恐らく相手側にも十分認識をさせておかなきゃいけないのじゃないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、先ほど申し上げましたように、宮澤さんも東京サミットにおいては議題にしないということをおっしゃったのじゃないか、それをエリツィンさんの方は、誤解か曲解か知りませんけれども、とにかく何か二国間で領土問題はないのだ、こういうふうに受け取られたのかもしれないと。 これはよくわかりません。エリツィンさんがおっしゃっていることはよくわかりませんが、私の方といたしましては、例えば私といたしましては、コズイレフ外務大臣とこの間、会談をやったわけでございまして、その中で、今回エリツィンさんが来られるという場合には当然二国間の問題が中心になるので、その中に日本側としては領土問題というものがある、そして領土問題を解決して平和条約を締結するという、そういう意欲を持っているということは当然あるわけでございま すから、それは私の方は提起をいたしますよということは申し上げてあるわけであります。
○松前達郎君 その点、外務大臣同士のお話し合いでは向こうもある程度了解しておるわけですね。今度は領土問題も出るだろうということについては特に拒否反応はないというふうに報道されているのですが、その辺が十分ネゴられていなきゃまずいだろうと私は思ったものですからちょっと申し上げたわけです。 ロシア支援の問題でお金として幾らの枠組みを持って支援すると、これは必要なことなのですけれども、じゃ何を支援するか。ただお金を渡してもどこかに消えてしまう可能性もある。相手の受け取る方もどれに使うとかそういうものが決まっていないうちにお金だけ先に枠が決められるということになったらちょっと困ると思うのですね。ですから、どのような経済協力が必要なのかということを考えておかなきゃいけないのじゃないかと思うのです。 これはいろいろと調査してみますと、今、ロシアが体質をどんどん変えていくという段階ですからその段階において問題となっているのは一体何かと、具体的にどういうことが考えられるかといいますと、これは私の意見ですが、食べ物がないというのがやはり一番問題なのですね。それは不満がもうどんどんとうっせきするわけです。 余り注目はされてこなかったのですが、もちろんモスクワへ行くと今は何でもありますね、金さえ出せば。物すごいですよ。東京の一流ホテルよりももっといいホテルがあって何でも食べられるのですけれども、ただしめちゃくちゃに高い。しかし、一般の大衆について見ると食糧というのは非常に重要なものだ。農業生産への支援というのが一つ考えられるだろう。農業生産への支援というのは、アメリカみたいに小麦を送るとか穀物を輸出するとかあるいはそれに対する借款をロシアに与えるとか、そういう問題じゃなくて生産ができるようにしてやらなきゃいけないのですね。ですからそのようなことも考えなきゃいけない。 そのためには現在のロシアにおける農業生産に何が役に立つだろうか。化学肥料もありましょうし、あるいはブルドーザーも必要かもしれませんし、あるいは冷凍輸送手段も必要だろうし、あるいはこん色とか農産物の倉庫、そういうものも必要、加工設備も必要、たくさんあるわけですからこういうものを対象として私は援助をしていくべきだろう、支援をしていくべきだろう、こういうふうに思います。それが第一。 それから第二のテーマとしては私は交通インフラストラクチャーだと思うのですね。これを改善しなきゃいけない。これは何も極東地域に限定するわけじゃないのです。ロシア全体、シベリア鉄道がございますけれども、これがロシア経済の大体九〇%を担っているのですね。そういった幹線交通網の整備がどうしても必要だろうと思うのです。これはどうしてそういうことを言うかというと、流通過程でなくなってしまうむだというのが非常に多い。これを排除するシステムの改善というものがどうしても必要だろう。鉄道の設備ももう既に崩壊寸前に来ているというふうに見ます。ですからそういう問題についての支援というのが必要だと。 それから三つ目が自動車生産と通信網の整備だと思うのです。これを充実させていかなきゃならない。特に情報網の充実というのは民主化を促進していきますから、そういう意味では非常に重要な課題だろうというふうに思います。自動車産業というのは、ロシアの場合もう既にメルセデスとかフィアットが技術導入していますし、現にモスクワなどに設置されている自動車会社の修理工場の技術水準、これも西欧に比べて決して低くはない。トヨタとか本田も各都市に修理工場を展開している、こういう状況です。こういった交通とそれから情報の面、これをやはり私はやるべきじゃないか。 いろいろとあるのですが、こういう具体的な支援体制といいますか支援の対象というものを考えていかなきゃならないのじゃないか。ただ金さえ出せばいいというだけじゃないと私は思っております。そこで、きょうの新聞にも出ているのですが、これは通産省と工業技術院の一つの提案として出ているのです。「対日支援でモデル工場」という新聞報道があります。これはもう五年ほど前から私も主張してきたのです。いわゆる品質のいいものをつくれつくれと口ばかりで言ったってつくれるわけじゃない。日本だって苦労に苦労を重ねて今日のような状況まで持ってきた。その段階が必要なのですね。それを勉強するためにモデル工場をつくったらどうかという提案もしてきたのですが、中小企業育成ということも含めてそういうことをやったらどうかという提案をしている。これは非常にいい提案だと私は思っております。 そういった面で、これから支援が始まるわけですしもう既に始まってもいますが、今後、我々として考えていくべきことをひとつ十分お考えになって支援というものの中身を充実させていかれたらどうか。もちろん人材の育成といいますかそういったものも含めてロシアに対する支援体制を展開すべきだと私は思うのです。 これは私の個人的な意見でありまして、特に最近いろいろ調査してみましてそういうことがはっきりしてきたものですから申し上げたわけであります。 きょう、ほかにも幾つか質問させていただきたい問題があったのです。例えばPKOの問題、これもまたいろいろと変化が激しいのですね。選挙の対象からポル・ポトを外して選挙を行って、やれ新しい政府といいますか行政機構ができた、機関ができたといったら、これはどうですかね、アフガンみたいになりませんかね。後でゲリラ化して専らそれでもって長期の抵抗を続けるというふうになってしまったらこれまた大変な問題になるのですね。 こういう問題もありますし安全の問題もありますし、いろいろカンボジアの問題というのはまだまだ入り口にいる状況じゃないかと私は思うのです。これも質問させていただきたかったのですが、これはたしか二十八日に本会議で中間報告を受けて質問があると思いますから、きょうは私は触れないでおきたいと思います。 以上で終わります。
○北村哲男君 社会党の北村でございます。 私は、国際移住機関憲章についての質疑を行っていきたいわけでありますが、まず最初に大臣にお伺いしたいことがあります。 というのは、今、世界には千八百万人ぐらいの難民がいると言われておりますし、難民千八百万時代の援助をどうするかということが世界的な課題となっている。その中で今、審議を行う国際移住機関すなわちIOMは、難民支援の分野、特に難民とか避難民の支援の充実に努めておりますけれども、最近のユーゴ紛争あるいはソマリア紛争に見られるように、冷戦構造崩壊後の地域紛争の多発化に伴って難民あるいは避難民問題が深刻になっていることが懸念されておるわけです。 国連は、一昨年、四十六回総会で人道緊急援助調整の強化に関する決議を採択し、緊急援助調整官を任命し人道問題局を新設するなど、難民、避難民問題を強化する姿勢を示しております。緒方貞子さんが難民高等弁務官に就任されていることもあって、我が国も難民支援の一層の拡充に努める姿勢であるということも存じております。 そこで、大臣に世界の難民問題に対する日本の基本的姿勢についての御所見をお伺いしたいわけでありますが、視点が二つあると思うのです。一つは国連の難民政策に積極的に貢献するという点、この点が一つあると思うのです。もう一つは、日本国自体の難民の受け入れ、難民認定等については日本は極めて消極的であるということが従来から言われておりますが、外務大臣のお立場、これは特に法務当局の方が大きな問題を抱えているのだと思いますけれども、外務大臣のお立場として日本国自体の難民政策の姿勢についてどうあるべきかについてお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(武藤嘉文君) 我が国といたしまして は、難民認定制度によりまして難民の地位に関する条約上の難民に該当する者については保護を与えてきているわけでございます。 各国がそれぞれの国においてどういう者の入国を認めるかということは、これは各国それぞれ出入国管理政策があるわけでございまして各国が独自に決定し得るということは国際移住機関憲章も認めておるところでありまして、この憲章の締結によって我が国が難民を受け入れなければならないという義務を負うものではないというのが従来の姿勢かと思いますし、私も従来の姿勢を今のところ変えていく必要はないというふうに思っております。
○北村哲男君 御所見はそれで結構なのですが、日本の難民に対する姿勢が今までどおりでいいかどうかということは今後、日本としては考えていかないと世界に対して、世界の難民がこれだけふえているのに日本だけは今度の条約の第一条三項で全然別なのだという態度で済むものかどうかというのは私は疑問に思っておりますが、その辺についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 我が国としましては、難民問題に積極的に対応するということは国際社会の一員としては当然の責務であります。難民が発生する原因である紛争の発生自体の予防や発生した難民への援助は中長期的には世界における平和の構築に一役果たすということから、我が国の国際貢献の重要な柱と位置づけ従来から積極的に、先ほど申し上げたように、取り組んできているというのが我が国の姿勢でございます。 これが積極的であるのかないのかという御議論はあるかと思いますが、政府としては積極的に従来から取り組んできていると、そういう姿勢であるわけであります。
○北村哲男君 IOMという機関は、UNHCRとかあるいは難民条約、あるいはUNBROと言われる国連国境援助機関というふうな華々しい活動をしているものに比べてちょっとなじみがないような気がするのですね。難民援助の国際機関はほかにも例えばIRO、国際難民機関とか、地域的な意味では国連パレスチナ難民救済事業機関とかそういうものがたくさんあるのですけれども、そういう機関の中でどういう位置づけになっておるのかという点を御説明願いたいと思います。
○説明員(小西正樹君) 先生御指摘のとおり、人道面で特に難民の保護に当たっておる国際機関は多数ございます。一番よく知られている機関としては日本においては緒方先生のいらっしゃいます国連難民高等弁務官事務所、UNHCRでございますけれども、それから今、先生の述べられました国連パレスチナ救済事業機関、カンボジアにおきまして活動しておりました国連の国境救済活動、UNBRO、こういった機関があるわけでございます。 確かに、IOM、国際移住機関につきましてはまだ比較的知名度が低いかとは存じますけれども、湾岸危機におきましてジョルダンに流出しました避難民の救済におきましてIOMは非常に顕著な活動を実施いたしまして、そういう意味で日本にも知られるようになったのではないかというふうに考えております。
○北村哲男君 湾岸危機の際については後ほど聞きますけれども、例えば今出てきたカンボジアの難民三十七万人をUNHCRが中心になって短期間のうちに本国の方に引き揚げさせたという実績があるのです。あそこにおいてUNBROも活躍しました。UNHCRも活動しました。そうするとこのIOM、国際移住機関というのはどういう活動をしたのでしょうか。
○説明員(小西正樹君) UNBROにつきましては、これはタイに流出いたしましたいわゆるカンボジア避難民の救済活動の中心といたしまして一九八二年一月から活動を開始したものでございまして、主としていわゆるカンボジア避難民に対する食糧、住居、医療、教育等の援助を行ってきたものでございます。 ただ、国際移住機関、IOMは、この帰還計画に関する活動を行っておりませんので、この国連の国境救済活動とは直接業務上の関係はございませんでした。
○北村哲男君 そうすると、カンボジア難民に関してはIOMは全く関与せずですか。
○説明員(小西正樹君) 業務上、特にそういう活動は行っておりませんでした。
○北村哲男君 IOMへの加盟の経過、今度加盟するのでしょうけれども、従来からの関係についてちょっと伺います。 我が国は一九六一年以来、IOMの前身である欧州移住政府間委員会あるいは移住政府間委員会にオブザーバーとして参加してきた、さらに一九八五年以来は任意拠出、お金を出してきたというふうに言われておるのですけれども、今回、オブザーバー参加あるいは非加盟国としての立場から踏み出してIOMに加盟するに至ったのはどういう経過でありどういう背景があるのだろうか、あるいは政府がIOM加盟についてどういう意義を見出しているのだろうか。一般的にはわかるのですが、何か相当地域的な意味が強い機関のような気がする。 質問の順序としてまず時期を区切って、一番最初オブザーバー参加をし始めた一九六一年から八五年まで、昭和六十年ぐらいまでの二十数年の間、オブザーバー参加をしながら一体、日本はどういう活動に参加しあるいは任意拠出、お金を出してきたことがあるのか、どういうことをしてきたのだろうかという点についてはいかがでしょうか。
○説明員(小西正樹君) 我が国は、先生御指摘のとおり、一九六一年からオブザーバーとして国際移住機関の前身でございます欧州移住政府間委員会に参加してきたわけでございますけれども、その理事会やセミナーやフォーラム、開催されましたそういった会合に出席参加してきたわけでございます。 一九六一年から一九八五年の間につきましては、一九八五年の難民等の関連分野の事業活動に対しまして任意拠出として二千四百万円の拠出を行っております。それ以外には我が国は同機関に対して拠出を行った経緯はございません。
○北村哲男君 それでは、今、八五年のことをおっしゃったのですから、湾岸危機に至るまでの八五年から八九年までの間はいかがですか。
○説明員(小西正樹君) 我が国は、昭和六十三年度及び平成元年度に国際移住機関に対して次のような拠出をいたしております。 昭和六十三年度すなわち一九八九年の二月でございますが、中南米難民移送援助計画に対し五千万円、平成元年度、一九九〇年三月に東南アジア難民関連計画に対しまして千万円、欧州難民関連計画に対し四千万円の拠出を行っております。
○北村哲男君 八五年の二千四百万円というのはどういう活動に対するどういうお金なのですか。先ほど言われた一九八五年です。
○説明員(小西正樹君) 八五年の拠出の内訳は次のとおりでございます。 ウルグアイ人の本国帰還定住計画へ千四百四十万円、アルゼンチン人の本国帰還定住計画へ九百六十万円、以上のとおりでございます。
○北村哲男君 湾岸戦争のときに華々しい活動をされたことはわかるのですが、この間の活動というのは日本の関与は世界的平均的に見てほとんど何もやっていないというふうな見方でいいのか、あるいは相当積極的あるいは関心を持っておったというふうな評価なのでしょうか。
○説明員(小西正樹君) 私どもは、今までこの国際移住機関が主として発足当時の事情によりまして欧州から中南米あるいは米国に対する移民を活動の対象にいたしておりました関係、また難民、避難民よりも移民を中心に活動を展開しておったという事情もございまして、そういう事情を背景といたしまして我が国としてもその活動に対してこれまで比較的、現在に比べれば積極的な参加はしていなかったわけでございます。
○北村哲男君 それでは、その次の一九九〇年から九一年にかけての湾岸戦争のとき、どのくらいの活動をしどのくらいの拠出をしたのか。それからもう一つ続けて九二年に百三十五万ドルの拠出 を行っておりますね。これはどういうふうな趣旨ですか急にふえておるということですが。
○説明員(小西正樹君) 百三十五万ドルの拠出でございますが、その計画内容は次のとおりでございます。 平成四年度に我が国が拠出いたしましたもののうち七月に拠出いたしましたものとして、ベトナムからのいわゆる合法出国計画、これに対しまして五十万ドル、クメール人の専門家帰国支援計画に対しまして五十万ドル、旧ユーゴ難民避難民支援計画に対しまして五万ドル、同じ年一九九二年の十二月におきまして、ラテンアメリカにおきます難民等の再定住帰還支援計画に対し二十五万ドル、欧州難民向け語学訓練計画に対して五万ドル、合計百三十五万ドルでございます。
○北村哲男君 今のベトナムの関係の五十万ドル、クメール民族に対する五十万ドルというのは中身をちょっと言ってください、どういうことに五十万ドルを使ったのか。
○説明員(小西正樹君) クメール人の専門家帰国計画でございますが、これは国連カンボジア暫定機構、UNTACでございますが、これと協力しながら、アメリカ合衆国、フランス、オーストラリア等先進国に在住いたします教員、エンジニア、看護婦等のカンボジア人専門家でありましてカンボジアに帰国し祖国再建への貢献を希望する者に対する帰国支援計画でございます。 国際移住機関はこれまでに二十八人のカンボジア人専門家帰国を支援いたしておりまして、一九九三年にはこの計画により六十名のカンボジア人の帰国を見込んでおります。 また、ベトナム関係の合法出国計画でございますけれども、これは国際連合の難民高等弁務官事務所、UNHCRとベトナム政府との間で合法出国に関する了解覚書に基づき、家族再会及び他の人道的ケースの場合に限りベトナム市民のベトナムからの合法出国を認める計画でございます。
○北村哲男君 今、クメール人の帰還の問題で五十万ドルと言われましたね。それで対象が二十八人とか六十人とかいうふうに言われましたが、そのぐらいのことにこの五十万ドルぐらいかかるようなあれですか。この移住機関というのは一体何にそんなにかけるのでしょうか、それぐらいの人のために。
○説明員(小西正樹君) ただいまのクメール人の専門家の帰国支援でございますが、九一年の十月から九二年の十二月までに二十八人の専門家が帰還いたしておるわけでございますけれども、この事業のために登録されている専門家、これは千百三十一名おります。今後、帰還する専門家の数はさらに増加することが見込まれておるわけでございまして、こういった者を対象として資金が拠出されるということになるわけでございます。
○北村哲男君 今、資金が拠出されると言われましたが、移住機関というのは国内に帰ってから云々するのではなくて、また出るときに云々するのではなくて、その移住、特にIOMの仕事は移動の仕事ですよね、主として役割が。例えば飛行機代とかそういうものが入るのですか。どういうものにそういうお金がかかっていくのでしょうか。 というのは今後、大量の難民を対象とするときにそこまで面倒を、今、数が何千人と言われましたけれども、そうするとこれから千八百万人という難民を対象としていこうとしているときにどういう形のどういうお金を出していくのがこの機関への協力なのかという意味で、一体その内訳みたいなものはどういうことになっているのですか。
○説明員(小西正樹君) 具体的な内訳はございませんが、一般的な考え方といたしましては、ただいま先生の御指摘になっておられるクメール人の専門家の帰国支援につきましては、これは既に外国で居住しておっていろいろ専門的な知識とか経験を持っているそういった専門家が帰国する際に、出国等の手続あるいは健康診断、語学訓練等々いろいろ必要な経費をIOMの方で負担していくということで、いわば個別的な支援でございます。 しかし、現在、問題になっておりますのは千八百万人という規模の難民の流出でございまして、こういった難民につきましては個別的な支援ということではございませんで、むしろ組織的にこれに対応するということで対応の仕方が若干差が出てくるということでございます。
○北村哲男君 先ほど湾岸戦争のときの拠出額は聞いておらないのですが、額だけで結構ですから。
○説明員(小西正樹君) 失礼いたしました。拠出額でございますでしょうか。
○北村哲男君 はい。
○説明員(小西正樹君) 千八百四十万ドルでございます。
○北村哲男君 IOMが難民支援の分野で国際的に大変貢献しているということは高く評価をされておるわけですけれども、今言った九〇年の湾岸危機あるいは湾岸戦争の際に二十万人を超える避難民の本国帰還に貢献したことも記憶に新しいところであります。 今般のIOM加盟に当たっては、湾外危機におけるIOMの活動が国際的な注目を集めたこととか、あるいは我が国の協力でIOMによってフィリピン、ベトナムの人たち、特にアジア系の避難民の本国帰還ができたということがその大きな原因ではなかったかと思うのですが、さらにもう一つ、昨年成立したPKO法の中に人道的な国際救援活動を要請できる国際機関が法律の別表に書かれております。その中で、我が国がその時点でまだ密接な関係をしていないのはIOMだけであって、あとは大体直接加盟しているものばかり挙げられておりますね。 そこで、そのIOMへの加盟とあの湾岸危機、そしてPKO法との関係も整理して説明していただきたいのですが、御指名して申しわけないのですけれども、この間、大活躍をされたというのは当時の国連局長の丹波さんであったというふうに聞いております。湾岸危機の際にいろいろと御苦労もあったと思いますし、そしてこの加盟の経緯がどういうことで日本は特に加盟していこうということになったのか、突然で失礼ですが、御説明を願いたいと思います。
○政府委員(丹波實君) 実は、IOMへの加盟ということにつきましては、IOMは相当以前から日本に要請をしてきておりまして、このためにIOMの高官が私の国連局長時代に何度も私のところに直接来たのを記憶いたしております。 日本としてIOMにそれでは加盟しようかということを考え始めましたのは、湾岸戦争のときに、先生も御記憶だと思いますけれども、避難民の輸送ということで日本の中でも名前が非常に有名になりました。実は、IOMに入りますと一定の拠出金その他の義務を負うわけですけれども、そういう資金の負担ということも、関係省庁との説得に当たりまして、IOMというものが非常に有名になったものですから、なるほどこれだけの活動をしている機関であれば日本が入るのは適切ではないかという合意が関係政府部局の中で得やすい雰囲気ができたということで、ようやくこの協定を御承認のために国会にお出しすることができるようになったということでございます。 そのPKO、いわゆるPKO法の中で先ほど先生が引用されました関係条文の中にIOMが載っかっておると、それとの関連があるから入ろうじゃないかという、そういう思考過程を経てこの結論に達したということでは必ずしもございませんので、そういうぐあいに御理解いただきたいと存じます。
○北村哲男君 今までも湾岸のときに千八百四十万ドルとの多額のお金を出して協力をしてきた。これは未加盟のときの任意拠出だと思うのです。今後は加盟すると義務的にそういうものを出していかなくちゃならないということになるのですけれども、事業資金それから管理資金、管理経費ですかね、両方あって、その点について今後、日本はどういう資金的な義務を負っていくことになりますか。
○説明員(小西正樹君) 我が国は、機関の加盟国となることによりまして憲章二十五条に基づいて機関の管理予算に係る分担金を支払う義務を負う ことになります。我が国の分担率は、機関を代表する事務局長と我が国との協議を経まして最終的には加盟が承認される理事会において決定されることになっております。
○北村哲男君 今後、加盟した場合に、事業資金それからたしか管理資金、両方ありますね、お金を出す場合。予想としてどのくらいのものを大体日本は分担していくことになるのですか。
○説明員(小西正樹君) まず分担率、分担金額でございますけれども、これは先ほど申し上げましたとおり、今後、加盟いたしましたその暁に理事会で決定されるということになるわけでございますけれども、私どもが内々事務局とこの点についていろいろ相談いたしましたところ機関の財務部長によれば、確定的なものではないけれども、日本の国連分担率、現在一二・四五%でございますが、その程度が我が国の分担率の一応の目安とされておって、このような場合には一九九四年の管理経費を一九九三年並みというふうに仮定いたしますと我が国の分担金が約三百三十万スイス・フラン。スイス・フランで分担金は出しておりますが、邦貨、日本円にしまして約三億円、この程度の見通してございます。 この分担率につきましては今後、機関を代表いたします事務局長ともう少し具体的に相談していきたいと思っております。 また、事業予算につきましては、これは先ほど申し上げましたように、最近で百三十五万ドルという実績がございますが、各事業ベース、各プロジェクトベースでいろいろ我が国として積極的に参加していくものにつきましては日本としても拠出していくという考えでいきたいというふうに考えております。
○北村哲男君 一九九三年の事業予算は二億六千三百万ドルすなわち三百億円ぐらいなのですね。それはいわゆる分担金とは別の事業予算ですから任意拠出で行われていると思うのですけれども、そうするとその中の日本というのは大体どのくらいの割合で事業予算を分担していくことになるのでしょうか。正確じゃなくてもいいのですけれども、加盟国としてこの機関に入った場合、しかも世界第二位の分担金を払う国としてどの程度のものをここに払っていくことになるのだろうかということは言えませんか。
○説明員(小西正樹君) 最近の日本の事業予算に対する任意拠出の状況でございますけれども、平成三年度の任意拠出は一・七五億円でございます。また、平成四年度の任意拠出は合計百三十五万ドル、日本円にしまして約一・七四億円でございます。こういった実績を踏まえながら、我が国としても今後、積極的に事業に参加していきたいというふうに考えております。
○北村哲男君 ちょっとヨーロッパのことに飛びますが、ユーゴの問題です。 今、とても混迷を深めているユーゴスラビアの問題で避難民の輸送支援問題が一つの大きなポイントになっているというふうに聞いておりますけれども、あそこの問題を私どもが見る場合にIOMはどういう活動をしているのか、その辺について御説明願えますか。
○説明員(小西正樹君) 国際移住機関は、旧ユーゴスラビア難民、避難民問題に関連いたしまして、国際連合難民高等弁務官事務所、国際連合児童基金ユニセフ、それから世界保健機関WHO、赤十字国際委員会、こういった国際機関と協力しながら、まず第一に難民、避難民の輸送計画、これは旧ユーゴスラビア地域及びハンガリーから近隣の欧州諸国、アメリカ合衆国、カナダ等への難民、避難民の輸送でございますが、この計画を実施しております。 また第二に、救援医療計画、これは旧ユーゴスラビア地域におきまして治療が困難な難民、避難民のノルウェー、アメリカ合衆国等医療施設提供国への輸送でございますが、この計画を実施いたしております。
○北村哲男君 日本の問題ですけれども、日本が入って資金援助をして国際的な難民問題について協力するという姿勢はわかるのですが、日本の中の移住問題というのがあると思うのですね。 我が国の海外移住は中南米諸国を中心に今までは二国間の取り決めを通じて、移民に関する支援はJICAが中心になって実施しておるわけですけれども、今般のIOM加盟が我が国の移住政策あるいはJICAの事業に何か影響を及ぼすのか、あるいは従来のまま全然別個の体系としてやっていくのか、その辺はいかがなのですか。
○政府委員(荒義尚君) IOMへの加盟と我が国の移住政策の関係でございますけれども、憲章の第一条第三項の後半部分でございますが、そこにもありますように、国際移住機関がいろいろな移民に対するサービスに関する任務を遂行するにつきましては「関係国の法令及び政策に従う」ということでございます。したがいまして、我が国が加盟することに伴って我が国の移住政策、施策に変更が及ぶということはございません。
○北村哲男君 終わります。
○荒木清寛君 まずコスパス・サーサット計画につきましてお尋ねをしたいと思います。 配っていただきました書簡の五によりますと、コスパス・サーサット計画との提携、衛星制度利用に伴う活動から発生した損害については関係国は損害賠償請求権あるいは訴えを提起するという権利を放棄する、そういう規定があるわけですけれども、この規定の制度の趣旨を御説明願いたいと思います。
○説明員(河合正男君) ただいま荒木先生から御指摘がありましたこの書簡の五の一におきましては、この計画との提携または制度の利用による活動を行い、また行わないことから生じる傷害、損害等を理由として国は相互に損害賠償を請求しまたは訴えを提起しない、それを承認するということになっております。 このコスパス・サーサット制度につきましては、各国からの協力、先ほど来議論に出ております宇宙部分とか地上部分等の設置運用等を通ずる協力の促進を行うとともに、すべての国に対して無料で遭難警報等の情報を提供しているこの制度の運営上の基盤の安定化を図るということが重要でございますが、それを目的といたしまして御指摘の傷害、損害または金銭上の損失については相互に損害賠償を行わないことにしようという約束をしたものでございます。
○荒木清寛君 そうしますと、また逆に宇宙損害責任条約というのがありまして、これは無過失責任を規定しているわけでありますけれども、例えばコスパス衛星あるいはサーサット衛星から何か落下して地上の物件に損害があったというような場合の責任問題といいますか、損害賠償請求できるかどうかということはどういうふうになりますか。
○説明員(河合正男君) 先生の御質問は、先ほどの五の一にいいます規定の適用関係がどうかということかと考えますが、この五の一にいいます「計画との提携又は制度の利用による活動」といいますのは、地上部分提供国が地上部分の設備を提供すること及びこの設備を運用して遭難警報等の伝達を行うこと並びに協定の締約国及び計画と提携した国がこのコスパス・サーサット制度により遭難警報等を受けることを通じて捜索、救援活動を支援することを基本的に念頭に置いたものであるというふうに考えられます。 そういたしますと、この「計画との提携又は制度の利用による活動」といいますのは、御指摘の宇宙損害責任条約が基本的に対象としております人工衛星が落下した場合の損害の問題というものは含まれていないと考えられます。したがいまして、本件通告の書簡五の一の規定によりまして宇宙責任条約上の請求権、これは依然として存続する、これは害されないものだと解釈されます。
○荒木清寛君 次に、この条約の趣旨というのは海難予防ということにあると思いますが、その事故が起こった場合にどうするかということですけれども、その前にそもそも事故を予防するという意味では気象情報やあるいは航路情報の十分な周知徹底ということが欠かせないと思います。この点、現行の制度ではどのような形でそういった情 報の周知徹底がなされておりますでしょうか。衛星を使っていますでしょうか。
○説明員(河合正男君) このコスパス・サーサット制度は、遭難が起きた場合その遭難の事実を迅速に連絡をする通信体制でございますので、遭難予防のための情報をコスパス・サーサット制度の中で伝達するということにはなっておりません。 それは別な人工衛星等からの情報によって船舶等はそのような情報を得ていると。先ほどもお話が出ましたが、アメリカのNOAAの気象衛星とかインマルサット等を通ずる情報を船舶等は活用しているということでございますが、それらの情報といいますのはこのコスパス・サーサット制度とは直接関係のないものでございます。
○荒木清寛君 外務省におきましては、ことしの夏の機構改革で国際情報局を新設するというふうに聞いております。この点、情報の迅速的確な把握、また在外邦人の保護等のために衛星通信を利用してこうした情報を収集するということは考えていらっしゃいませんでしょうか。
○政府委員(澁谷治彦君) そういった一般的なシステムを導入するということはまだ考えてはおりませんけれども、とりあえずカンボジアにつきましてはインマルサットを通じた衛星電話を多数配備いたしまして、それを通じて現地の事情、邦人の安全等に関する情報連絡に努めております。
○荒木清寛君 次に、IOM加盟の件につきましてお尋ねをしたいと思います。 御説明等によりますと、IOMの事業は移民に対する移住のサービスと難民支援というふうに大きく分けられると思いますけれども、現在はどちらに重点が置かれているのか最近の代表的な事例等も御紹介願いながら御報告を願いたいと思います。
○説明員(小西正樹君) この国際移住機関憲章の活動の重点は、今、先生御指摘のとおり、当初移民関係の事業が大きゅうございましたが、最近においては難民、避難民の輸送面でのサービスが多くなってきております。 もう少し具体的に御説明させていただければ、一九五一年に現在の国際移住機関の前身であります暫定欧州移民移動政府間委員会が設立されたわけでございますけれども、この委員会は、欧州諸国からの移住を通じまして人口過剰それから移住受け入れ国における労働力不足等の問題を解決することを目的としておったという事情もございまして、この委員会の行った移民、難民の輸送を見ますと、一九六一年では移民の輸送が過半数五七%を占めておりまして、難民の輸送の割合は四二%でございました。 その後この委員会は、インドシナ難民の発生等の国際情勢の変化を背景といたしましてそれまでの欧州中心から全世界へとその活動の範囲を広げまして、また新たな任務といたしまして難民、避難民等の帰国移住に関するサービスの提供を行うようになりました。一九八一年以降にはしたがいまして逆に難民の輸送が全体の九割を占めるに至っております。一九八一年の輸送実績で申し上げますと移民輸送の割合が二・八%、難民輸送の割合が九七・二%でございまして、これは主として一九七五年に発生いたしましたインドシナ難民の輸送が大きなウエートを占めていることによるものと考えられます。 したがいまして、今申し上げましたことを取りまとめますと、一九九一年末までに国際移住機関は約四百七十万の移民、難民の輸送を支援しておりますが、そのうち移民が約百九万人、これは全体の二三%でございます。難民及び避難民、これが約三百六十万人、したがいまして全体の約七七%でございます。
○荒木清寛君 先ほども御質問にありましたけれども、我が国の難民の受け入れが極めて厳格であるといいますか難民認定も厳しいということは、いろいろ国際的にも非難をされているところであるかと思います。 そこで、今回のIOM加盟に伴いましてこの難民認定が若干基準が緩和されるとかあるいは難民政策そのものの見直しが必至になってくるのかどうか、その辺、政府のお考えをお聞きをしたいと思います。
○説明員(小西正樹君) この点に関しましては国際移住機関憲章の一条の三項に「機関は、入国許可基準及び入国を許可される者の数が各国の国内管轄権内にある事項であることを認識するものとし、自己の任務の遂行に当たっては、関係国の法令及び政策に従う」というふうに規定してございまして、この国際移住機関憲章に加盟することそのこと自体によって加盟国の出入国管理政策あるいは移民政策、難民政策の直接の変化を求めるということは想定されておらないわけでございます。
○荒木清寛君 確かに条約を締結したといいましても当然にそういう見直しを要求されるものではないとは思いますけれども、しかしこの条約の加盟を一つの契機としましてあるいは国際的な世論もありますので難民の受け入れについて改めて見直しをしていくと、そういうお考えはございませんか。
○説明員(小西正樹君) 現在、我が国の難民の受け入れの現状について見ますと、インドシナの難民につきましては我が国は、アジアの国の主要な一員といたしまして人道上の見地から、また東南アジア地域の平和と安定への貢献との観点から、我が国に到着しましたボートピ一プルに対しまして一時庇護を提供してきております。平成五年二月末現在の累計で一万三千六百七十二名でございます。また、一万人の定住枠を設けて我が国への受け入れを実施いたしております。との数といたしましては平成五年二月末現在で八千七百四十一名でございます。 我が国は、難民条約の加入に当たりまして、この条約の誠実な履行を確保するために、出入国管理令を改正いたしまして出入国管理及び難民認定法というふうに名称を改め新たに難民の認定制度を導入したわけでございます。この制度が発足した昭和五十七年以降平成五年三月末までの間に難民と認定された者の数は二百一名ということになっておると承知しております。 インドシナ以外の地域におきましては、大量に発生する難民について、国際協力の観点から我が国が受け入れ枠を設けてインドシナ難民と同様に定住の受け入れを行ったり一時的な庇護のための受け入れを行うべき状況が生じた場合にいかに対処するかというようなことにつきましては、我が国の種々の事情、国内の世論あるいは受け入れ体制、いろいろ考慮すべき事情がございますので、そういったことを総合的に考慮いたしまして政府全体として検討すべき問題だというふうに考えております。
○荒木清寛君 インドシナ難民にしましても確かに一万人という枠があるわけですけれども、全体から見れば一部にすぎないというふうに言わざるを得ないわけでありまして、やはりこの際真剣に議論をしてはどうかというふうに私は思います。 ILOの移民労働者に関する条約第九十七号というのがありますけれども、これは日本は批准しておりますでしょうか。
○説明員(小西正樹君) 批准いたしておりません。
○荒木清寛君 今後その批准を検討するということはお考えにありませんか。
○説明員(小西正樹君) 基本的な私どもの立場といたしましては、国内法との整合性、国内で果たしてそのような国際約束をした場合に我が国として十分そういう条約で想定されておる義務を実施することができるかどうか、こういった点につきまして十分検討して考えたいというふうに思っております。
○荒木清寛君 先ほどの御質問でもIOMとJICAとの関係が取り上げられましたけれども、そうしますと日本から中南米等に移住する場合にはこのIOMの移住サービスの提供は受けられるのですか。
○説明員(小西正樹君) 基本的に我が国もそういうサービスを受けることは可能でございます。
○荒木清寛君 次に、カンボジアPKOにつきま して、カンボジア情勢につきまして若干お尋ねをしたいと思います。 きょうの報道によりますと、国連ボランティアの日本人を含む大半のメンバーが現場に復帰をする意向を固めだということが報道されております。この国連ボランティアの安全確保につきましてどのような改善がなされたのか、中田さんの事件を通してどのような改善がなされてきたのか、御報告願いたいと思います。
○政府委員(澁谷治彦君) 具体的な安全措置についてはUNTACとボランティアとの間の勉強会で説明がなされたと思いますが、UNTACが考えております措置といたしましては、まずボランティアの活動をする地域が危険な場合には同行警備を行うということと、それから宿泊設備につきましても例えば近隣にUNTACの基地のある場所にするとか、それからボランティアの勤務地域の中で危険な区域はできるだけ除いていくというような措置をとっております。
○荒木清寛君 大臣にお聞きしたいと思いますが、先日の外務委員会でも、非常に今カンボジア情勢がある意味では緊迫をしている、五原則との関係でもいろいろな議論があるわけでして、場合によっては政務次官を現地に派遣をするというようなことも御発言があったかと思います。 しかし今、非常にそういう意味で総選挙を前にしましてポル・ポトの動向も見通しがつかない点もありますし、大事なとぎであると思います。また、新聞等を見ましても、自衛隊の第二次の派遣部隊についても特に日本にいる家族の方から若干の不安があるというようなことも聞いているわけでございまして、こういうときこそ大臣自身が現地に行って状況を見られて、またメンバーの方の激励をしていただきたいというふうに思いますが、そういうお考えはありませんでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) たまたまESCAPの会合がバンコクでございましたので、いろいろの方がちょうどここへは集まってまいりますし、特にあの地域の当事国、例えば当然タイの方にもそこで会えるわけでございますし、いろいろの方と話し合ってみるようにと、そして必要があると判断すればカンボジアにももし入れれば入ってそして帰ってきていいよと、こういうことを言ってあるわけでございます。 そして、場合によれば国際会議が開けるようなこともいろいろ努力してみたらどうかということを私は申したわけでございまして、まだ帰ってきておりませんけれども、その報告をとにかく聞くというのがまず私のやるべきことではないか、それから判断をしたいと思っております。
○荒木清寛君 総理も去年行きたかったのだけれどもなかなか行けなかったと、警備の問題もあってというようなお話だったわけですが、今が一番大事なときだと思いますのでぜひ大臣御自身に訪問をしていただきたいということを重ねて要請をしておきたいと思います。 これもきょうの報道によりますと、昨日の国連のPKO特別委員会におきまして日本の国連代表部の重家公使が発言をされたということがあります。その発言の要旨としましては、平和執行部隊の派遣も例外的に認めるという趣旨であったと。つまりPKOのあり方ということについてはあくまでも従来の原則ということは踏まえるべきであるけれども、しかし特別な状況で例外的な場合には関係国の事前の同意がなくてもそういうPKOという形での派遣を認めるべきだというような趣旨だったというふうに報道されております。 これはそういった例外的な派遣についても日本のPKOの参加が可能である、そういう趣旨、そういう前提での御発言になるわけでしょうか。
○政府委員(澁谷治彦君) この平和執行部隊につきましては強制執行機能が付与されております。紛争当事国のあるいは当事者の同意なしに展開し行動を行い得るということでございますので、現在の法律の枠内では参加は難しいというぐあいに判断しております。
○荒木清寛君 そうしますと、この公使の御発言はどういう趣旨でといいますか、どういう目的で日本の代表としてそういう意見を表明されたのでしょうか。
○政府委員(澁谷治彦君) 先ほど御説明いたしましたように、我が国としては参加できない。しかしながら、例えばソマリアあるいは旧ユーゴのような惨状を救うためには場合によっては強制執行能力を持つようなPKOを派遣せざるを得ないというのがほかの諸国の大部分の意見でございますし、現に派遣されておりますソマリアのPKOにつきましても安保理決議によって派遣の決定が行われております。そういった平和の回復維持への各国の努力に対して我が国が、我が国の国内法制がこうであるからといってそれを阻止することはいかがなものかという観点から、特殊な状況のもとにおいては賛成することもあり得べしという趣旨で発言したものと思われます。
○荒木清寛君 確認しますと、要するに今のPKO協力法の見直しを前提にしての発言というわけではないわけですね。
○政府委員(澁谷治彦君) これは特にそういうことではございません。
○荒木清寛君 対日支援につきまして若干お尋ねをしたいと思います。 昨日ですか、大臣がキルギスタンの外相と、これは書簡を交換されたのでしょうか、生ワクチンを、百万ドル相当のワクチン支援を行うということを政府として約束をしたということです。これは百万ドルといいましても余りよくわからないのですが、何人分のワクチンということになるのでしょうか。
○政府委員(津守滋君) これは今年度の新生児を全部カバーできる量のワクチンでございます。何人かちょっと今、数字は持っておりませんが、キルギスにおける今年度の新生児をカバーする量のワクチンでございます。
○荒木清寛君 大臣にお尋ねしたいと思いますが、私も昭和三十五、六年に小児麻痺が流行したときに生ワクチンを飲んだということを記憶しておりますけれども、実はこのときの生ワクチンはソ連からの輸入であった。昭和三十五年に小児麻痺が大流行しまして、全国で五千六百人以上が感染をしまして三百十七人が死亡。翌年の昭和三十六年も七月七日までに既に患者さんが千四百十八人、死亡が九十四人。こういう状況のもとでお母さん方の非常に切実な今からの叫びがあって政府が急遽ソ連から生ワクチンを一千万人分緊急輸入をしたということがあるわけですが、こういう事実はもちろん大臣は御存じですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) かってソ連から生ワクチンをいただいたということは承知をしております。
○荒木清寛君 それに関連しまして、政府としましても対日支援の必要性等について十分PRをしていく、広報をしていくということをお決めになったようですが、そういうPRの中で過去にこういう事実があったということもぜひとも周知徹底といいますか国民に知らしめていただきたいというふうに思うわけですが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(津守滋君) 我が国の対ロ支援についての基本方針についてはたびたび御説明しているところでございますが、そういう方針につきましてはあらゆる機会をとらえまして国民の皆様方の理解が得られるよう御説明していきたいと考えております。 御指摘の生ワクチンの件でございますが、当時、ソ連及びカナダから不足しておりましたワクチンを緊急輸入したわけでございますが、昨年計上いただきました六十五億円の人道支援の一部としてソ連に対して生ワクチンを供与いたしております。こういうことも含めまして、これまでいろいろなパンフレット等を含めまして説明してきた次第でございます。
○荒木清寛君 率直に言いまして日本国民のロシアに対する感情は決してよくないわけでありまして、そういう意味では、過去に我が国においてもロシアから支援を受けたことがあるのだという意味において、古い話ではありますけれども、一千 万人の命が救われたと言っても過言ではないわけですので、ぜひともPRしていただきたいというふうに思います。 先日、キルギスタンのアスカル・アカエフ大統領が来日されました。ソ連邦が崩壊して十五の共和国になったわけですけれども、その共和国の元首としては初めての来日だと思いますが、なぜ特にこの時期にキルギスタンの大統領を招聘されたのか、その辺ちょっとお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) キルギスタンは、御承知のとおり、新たに独立をいたしました共和国の中では政治の面においての民主化あるいは経済の面においての市場経済原理の導入、こういう形においては最も進んでいる国だという判断を私どもはいたしておるわけでございます。しかも、非常にアカエフ大統領は親日的でございます。 一方、この中央アジアにおける日本の外交というのは今までは余り積極的でなかったと率直に思います。そういう面においては一つの外交のニューフロンティアと申しますか、今後あの地域との関係をより積極的に展開をしていくという意味においてはキルギスタンの大統領をお招きするということは非常に有意義ではないか、こういう二つの考え方からお招きをしたということでございます。
○荒木清寛君 大臣は大統領とはお会いになられたのですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) きのうお目にかかりました。
○荒木清寛君 特に何か具体的なお約束とかはされたのですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほどのワクチンの問題を含めた協定をきのう署名をいたしました。そして、その交換をいたしました。
○荒木清寛君 そういう意味ではぜひロシア共和国以外の共和国とも友好を深め、また支援できる部分は支援をしていただきたいというふうに思うわけです。 以前にも質問したのですけれども、ウクライナのクラフチュク大統領が今月の中旬ですか、いわゆる西側諸国を非難した。要するにこれはG7の閣僚合同会議の前後にといいますかそのさなかに発言があったと思いますけれども、結局その合同会議でわかったことは、西側のウクライナ支援あるいは民主化の支持というのは単なる口先だけのものになったというようなトーンで厳しく非難をしていらっしゃったわけです。 このG7におきましては、ロシア共和国以外の、具体的にはウクライナ共和国の支援についてはどういう扱いがされたのでしょうか。
○政府委員(津守滋君) 先週の閣僚合同会議はロシア連邦共和国に対する支援を議論するために招集されたわけでございまして、ウクライナその他、他のCIS諸国に対する支援問題は議論の対象にはならなかったわけでございます。
○荒木清寛君 そうしますと、ウクライナについて特に追加支援を今後考えていくというような日程といいますか予定にはないわけですね。
○政府委員(津守滋君) 七月のサミットでどういう議題について議論するかまだ決まっておりませんのでその点については何とも現時点では申し上げられませんが、御参考までに、我が国はこれまでウクライナに対してチェルノブイリ原発事故により発生した事態の解決、克服のために二十六億円の援助を行っておりますし、さらに現在実施中の一億ドルの緊急人道支援、その中には五百万ドルの医薬品、医療機器等をウクライナに供与することをウクライナ政府に伝達済みでございます。 ロシアのみならず他のCIS諸国の政治面、経済面での改革努力に対して技術支援を含めまして今後とも適切な支援を行っていきたいというふうに考えております。
○荒木清寛君 核弾頭についてですけれども、ロシア共和国には八千百発、ウクライナ共和国には一千六百発程度あるというふうに認識しておりますけれども、そういう情勢でしょうか。
○政府委員(津守滋君) 今の御質問のウクライナの核弾頭でございますが、ウクライナの方は千五百十四発の弾頭が配備されております。 この問題につきましては、昨年、関係国で設置が決められました国際科学技術センター、これと同様のものをウクライナに設置することも現在検討中でございますが、そのほか核弾頭の解体それから解体に伴って生ずる核物質の処理、貯蔵あるいは平和利用、そういう問題について国際協力を進めるべく現在G7を中心に関係国で協議を行うことになっております。
○荒木清寛君 ウクライナ共和国は、いわゆるSTART条約には署名はしているけれども批准はしてないというようなことだったと思いましたが、その批准をしない理由はどのように認識されていますか。
○政府委員(津守滋君) ウクライナがSTART条約を批准しない理由としまして、ウクライナ政府が主張しておりますのは三点ございます。 第一点は核兵器の廃棄のための資金援助が欲しい。第二番目にウクライナの安全保障についてのしっかりした保障が欲しい。それから第三番目に核弾頭解体後の核物質の売却等に伴う経済的利益、これを配分してほしいというようなことを主張していると承知いたしております。
○荒木清寛君 この批准をさせるべく日本としても外交努力、あるいは日本だけではなくて諸国と協調してやっていただきたいと思いますが、その辺はどういう御見解をお持ちですか。
○政府委員(澁谷治彦君) ウクライナに対する働きかけは今後とも続けていくつもりでおります。特に二国間のみならず多数国間の舞台におきましても働きかけは強化していくつもりでございます。
○荒木清寛君 この条約を批准する見通しについてはどのような予測をされていますか。
○政府委員(澁谷治彦君) 具体的な時点については私どもも予想は今できかねております。しかしながら、全力を挙げて働きかけは行っていくつもりでございます。
○荒木清寛君 大臣にお伺いしますけれども、これはたしか岐阜の講演だったと思いますが、対日支援に関しまして経営研修センターという構想を提示されましたですね。それは今、具体化しつつあるのですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、今後ロシアの支援の中においては中小企業を育成していくことが一つの大きな柱ではないかと思います。そういう意味で研修センターができたらいいのではないかということで、中小企業庁も相当そういう方向で研究をしているようでございます。 いずれにしても、しかしこちら側から勝手にこういうことでと具体的に言うわけにもまいりませんので、中小企業支援ということはいいのでございますが、それを具体化していくにはやはりロシア側のいろいろの要望も受け入れながら実施をしていかなきゃならないと考えておりまして、私としての一つのアイデアとしてあのときに申し上げた、こういうふうに御理解をいただければ結構かと思います。
○荒木清寛君 次に、日米の首脳会談につきまして若干お尋ねしたいと思いますけれども、クリントン大統領も首脳会談の席上、日本の安全保障理事会常任理事国入りを支持したというようなことでございます。この点、外務大臣は、日本がそういった常任理事国入りを志願すべきかどうかということについてはどういう御見解ですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 冷戦が終結をいたしまして、やはり国連自体が命、改革をしていかなきゃいけないという現状だと思います。 そこで、たしか昨年の十二月でございますか、国連総会において安保理事会の議席の公平な配分あるいはその拡大ということにおいての決議が全会一致で採択されたのは御承知のとおりでございます。それを受けてことしの六月三十日までに各国が意見を提出するということになっているようでございますのでそれからいろいろと議論がなされると思いますが、いずれにいたしましても、この問題は国連憲章の改正を必要とする高度な政治的なまた複雑な問題でもございます。 将来的には常任理事国になるということは望ましいことだと思いますけれども、いずれにしても息の長い、国際的な舞台でいろいろと議論をしまた方向づけをしていかなきゃならない問題だろうと思っております。
○荒木清寛君 そうしますと、現行の国連憲章のもとでは余り早急な常任理事国入りというのは望ましくないというような御見解と聞いてよろしいですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 望ましくないということではなくて、現実に安保理事会の常任理事国になるには国連憲章の改正が必要だ、こういう判断をしているということでございます。
○荒木清寛君 ちょっと私、誤解しておりましたけれども、例えば安全保障理事会の枠組み自体は変えないで単に常任理事国の数をふやすというだけの改正という意味で、そういうもとでも志願をすべきだ、あるいはなることが望ましいというようなお考えですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど申し上げましたように、どういう形でこれから各国の意見が出てくるのか六月三十日でわかるわけでございますが、これは国連でございますから、国連の各加盟国全部が常任理事国だけの国連憲章の改正でいいじゃないかその部分だけ改正していいじゃないかと言えばこれは結構な話だと思うのでございますが、いずれにしても、日本だけでできる話ではございませんので、そういう面で各国とのいろいろ協調の中で進めていく問題ではないかというふうに判断しているわけであります。
○荒木清寛君 この日米首脳会談で教育分野での人的文化交流が決定したということでございまして、私は非常に、非常にといいますか評価しましたのは、日本語教師の助手をアメリカの高校へ派遣する、その定員を増員するということが決まったようでございまして、これはすばらしいことであると思います。 逆に日本の英語教育ということを考えますと、中学、高校と勉強するわけでありますけれども、実際六年間勉強してもなかなか話せるようにならないということはよく言われるわけでありまして、そういう意味では日本の学校にもどんどん外国人のといいますか、アメリカ人も含めて外国人の英語教師をふやしていくべきであるというふうに考えるわけです。 その辺の今後の計画といいますか、あるいはこっちから行く分もふやすわけですから受け入れる枠組みもふやしたらどうかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 北米局長がおりませんのであれでございますが、方向としてはそういう人的交流、おっしゃるような形でいくという方向は望ましい姿でございます。細かいことはちょっとおりませんのであれでございますが、方向としては望ましい方向だと私ども受けとめております。
○荒木清寛君 私は、もうそれこそ全部の公立の中学校に一人ずつ配置をするというぐらいのことまで考えてもいいのではないかという意見でおります。 最後に、たびたび御質問には上がっておりますけれども、この首脳会談で三カ月以内に包括的な経済協議機関を設置するということが決まったわけでありまして、何を協議するのかということがいろいろと取りざたをされているわけであります。しかし、クリントンさんの場合には非常に結果重視主義ということが言われていますので、半導体ですとかあるいは自動車の部品というような個別分野で具体的な目標設定をそういう協議を通して迫られてくるのではないかというふうに言われておりますが、その辺はどのように対応されますか、あるいは見通しを立てておられますか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 協議の枠組みをつくるということでございまして、どういう形になっていくかあれでございますが、少なくとも個別のそういうものについて数量の目標を掲げてそしてそれに向かってやろうというようなことは、これはもう自由貿易の原則からいって非常におかしな話でございますし、その点は総理からもはっきりとそのような管理貿易につながるものは困る、こういうことでお断りをされたというふうに承っておりますので、私どもはこれから枠組みをつくっていく中でも同じような考え方でぜひともそういう方向が実現しないようなことに努力をしていかなきゃならぬと思っております。
○荒木清寛君 円高の容認発言につきましても日米双方で随分認識が違うようなことがあるわけでして、この点につきましてもきちんと今の大臣のようなお考えをアメリカに対して表明し続けていただきたいということを最後に要望しまして、終わらせていただきます。
○委員長(野沢太三君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時五十分まで休憩いたします。 午後零時二十分休憩 ――――◇――――― 午後二時五十分開会
○委員長(野沢太三君) ただいまから外務委員会を再会いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○猪木寛至君 まず最初に、国際移住機関憲章についてちょっとお伺いしたいと思います。 この憲章の説明書の中の特に「機関の活動の現状」というところの移民、難民についてということなのですが、難民というのはつい最近問題になってきたというか、歴史的に見ると移民の歴史が古い。その移民の歴史、日本の移民の歴史というのは大体どのくらいの歴史になるのでしょう。
○政府委員(荒義尚君) 委員の御案内のとおりでございますけれども、古くは明治の初め、明治元年にハワイに移民に行ったのが最初でございまして、戦後まで続いておりました。戦後は昭和二十七年ころ以降、戦後の移住が再開されたということでございます。
○猪木寛至君 ちょうど私どもが最後の移住というか、一九五六年ですかブラジルに渡ったのです。この中に募集、言語の訓練、適応のための活動、健康診断とありますが、我々、横浜の移住センターというところで一週間ぐらい、合宿と言っていいのでしょうか訓練をさせられて出ていったのです。 一つその中で、余りよく私は覚えていないのですが、たしかこの移民政策の中で渡航費というのは貸し付けになっていたのじゃないかと思うのですが、その当時の状態というのはどうだったのでしょうか。
○政府委員(荒義尚君) 今、御指摘の貸し付けの点でございますけれども、昭和二十七年に戦後移民が再開されまして、それ以降、当時の日本海外協会連合会、その後、海外移住事業団が引き継ぐのですけれども、それを通じまして移民の方のうち希望者に対しましては渡航費を貸し付けるという制度を設けて実施しておりました。
○猪木寛至君 例えばその返済方法というか、私の知っている限りでは戻した人はいないのじゃないかなと思うのですが、その決済というか、その辺についての当時の状況というものは。
○政府委員(荒義尚君) 確かに、御指摘のように、渡航費の貸し付けを始めたわけでございますけれども、大体昭和四十年ごろまでの状況としましては、やはり現地に行かれて日も浅いこと、それから必ずしも営農の成績が当初期待したほどに伸びなかったとか、いろいろな事情がございまして政府サイドとしましては回収で大変困難に逢着しておったという事実はございます。
○猪木寛至君 ここに募集というのがありますが、まさにその募集と現実の状況というのは大変格差があったというか、見ると聞くとは大違いという部分で非常に、ちょうどおとといILOをやったばかりですが、そういう基準にはまらないような状況下にほとんどの日本の移民も置かれていたと思うのです。 ただ、状況が状況でしたし、その中で補償の問題とか何かというのはほとんど我々わかっていな かったので、例えばそういうものに対して訴訟というのでしょうか、訴えがあったのでしょうか。
○政府委員(荒義尚君) ただいま御指摘の事前に期待していた状況と実際に現実に現地に行かれてからの実情の食い違いという問題に関してでございますけれども、まず私どもとしましては、移住者の方々に対しましては我々が事前に移住先国の状況等を最大限調査したそういう情報を可能な限り提供するとか、移住に先立つ支援は真剣にやったということでございます。 状況につきましては、当時、希望者に対しましては、募集要領というものをつくりましてそこの中に我々が把握した正確な情報をなるたけ盛り込むという形で実情をお知らせしていたということでございます。 ただし、御指摘のように、確かに入植前に期待しておられたような状況と入植後の現実との間に相違があったというケースは我々も承知しておりまして、それ自体は残念なことかと思いますけれども、私どもとしては、ともかく入植された方に対してはそれらの皆様が可及的速やかに安定した営農基盤あるいは生活基盤をつくっていただくよう支援、援護ということに最大限努力してきたということでございまして、この考え方で現在でも親身になってできることは前向きにやるということで移住の施策を進めております。 したがいまして、補償というような意味で何らかの措置をとるかということにつきましては、私どもとしてはそういうことは考えていないということでございます。
○猪木寛至君 これは日本に伝わってきている話と、また現地で本当に涙をのんで死んでいった人たち、我々もその一部であったわけですが、我々以前に行った戦前の移民というか、特にトメアス移民、あるいは中南米、キューバにおける移民、ドミニカ移民とかいろいろ大変苦労されました。今の時代と違いますので私もその辺は重々承知しているのですが、その辺の思いというものをひとつ覚えておいていただきたいと思うのです。 特に移住した人たちが頼りになるのは領事部ですね、領事館。その対応がいつも批判の的になっているのですが、我々行く先々で耳にするのでひとつその辺を十分気をつけていただきたいなと思います。 この件に関しては終わりにいたします。 それでは、コスパス・サーサットについて、先ほどからもうお話が随分出ておりますので私が一つだけお聞きしたいのは、この携わる人数というか、経費を含めてですね、どのくらいになるのか。
○説明員(岩西武利君) それでは、お尋ねの中でとりあえずまず要員関係についてお答えいたします。 海上保安庁の業務管理センターに専用の運用要員五名を配置しておりまして、二十四時間体制で執務を行っております。これによりまして遭難船舶等からの遭難警報を受診した場合には直ちにその位置を割り出しまして、海上保安庁の各管区海上保安本部、これは十一カ所ございますが、に設置されております海上捜索救助のための救助調整本部及び運輸省空港事務所に設置されております航空機捜索救助のための救難調整本部にテレックスなどの通信手段で伝達する体制を確保しております。
○説明員(小林也埈君) 費用の件ですが、我が国における地上部分の設備の整備は平成元年度と二年度の二カ年にわたって行いました。これに要した費用は約六億九千四百万であります。
○猪木寛至君 中東情勢についてお伺いしたいと思います。 これはけさの新聞ですが、「アラブ側「二十七日に出席」」ということで、中東問題は例の追放問題から大変話がこじれて、一時、話が進展しかかったものが中断している。 ちょうど私の方も議員派遣で一月の九日から二十一日だったですか、中東政治経済情勢の視察ということでずっと行ってまいりました。モスクワ、そしてエジプト、クウェート、シリア、ヨルダン、イスラエルと回りましてトルコを経由して帰ってきたのですが、そのときに向こうの要人あるいは議会のメンバーたちとも会見する機会がありました。団長さんが代表で質問をされた部分もありますが。 その中で、敵対する側というか、アラブとそしてイスラエルという両方と我々は今回会ってきた。なかなか今まではそういうケースというのはなかったそうです。そのときにちょうどヨルダン川を渡りまして、非常に戦時態勢というか厳重で写真一枚撮れないというふうな、なるほどそこへ行ってみますと厳しい状況だなというところがわかったのです。その中でイスラエル側もまたアラブ側も、言っていることはまず平和だということには違いないのですが、その平和というものがどうして実現できないのかということについてそれぞれの国の意見を聞いてまいりました。 そのときに、エジプトのエルバズという、これは大統領顧問というかいつもムバラク大統領のそばについておられる方ですが、この方の話では、シリアとイスラエルの二国間和平交渉がことしじゅうに達成するのじゃないかというようなことを言われたのですね。ではそれはどうしてなのかというと、ラビン首相という今の首相が大変穏健というか今までの政策とは違う政策をとっている、そういうことで非常に期待が持てるということだったのですが、まずそこからひとつお伺いをしたいと思います。
○政府委員(小原武君) 冒頭、先生が御指摘になりましたとおり、中断しておりましたアラブとイスラエルの和平のための直接交渉というものが今月の二十七日から再開するというふうに決まりました。 過去、九一年の十一月から始まったこの直接交渉というものが八回交渉が行われましてから、昨年の十二月以降延期されてきたわけでございます。それも御指摘のとおり、イスラエルが占領地の過激活動派約四百名をレバノンに追放するということが十二月の中旬にありまして、それによって生み出された障害を乗り越えるために過去四カ月のいろいろの交渉が行われてきたわけでございます。この四月の二十日に再開されることが期待されておりました第九回の交渉というものが一週間おくれでようやく始まるということになりました。私どももこのような進展を歓迎して、この交渉の進展に期待しているところでございます。 御質問のありましたイスラエルとシリアの直接交渉の見通しはどうかという点でございますけれども、このイスラエル・シリアそれからイスラエル・パレスチナそれぞれ領土問題が深くかかわった交渉が行われているわけでありまして、非常に困難な交渉が前途に横たわっているわけでございます。しかし、このイスラエル、昨年の六月の選挙で登場しましたラビン首相が平和と領土の交換ということを正面に打ち出しまして、領土問題についても積極的に交渉に応ずるという姿勢を打ち出しております。 このイスラエル・シリアの関係におきましては、イスラエルのそういう姿勢のかわりにそれではシリアが何を提供してくれるのか、イスラエルが領土の返還と交換に期待する平和の中身というものは一体どういうものなのかということをシリアに問いかけておりまして、第九次以降の交渉では、この領土それからその代償として得られる平和の中身について真剣な交渉が行われていくものというふうに見ております。
○猪木寛至君 これは今、占領地にあるクネイトラというところも訪問してまいりましてそこの州知事さんや議員さんとも話をしてきたのですが、現状を見ますと、本当に広島というか原爆が落ちたような破壊された町が残っていて、まだ三分の二が占領下に置かれている。大変景色はきれいなところなのですが、その中に今、一万二千人でしょうか、まだまだ占領地に置かれて、そしてある人は、買い物にダマスカスへ行っている途中に占領されてそのまま家族が離れ離れになっているというのです。そこでもう会えないわけですが、一つはエルサレムに嘆きの壁というものがありますけれども、これは叫びの丘というのでしょうかね、 その丘に登って拡声機を使って家族が呼び合っている姿はまさに今、一方で和平が進もうとしているにはほど遠い現状なのです。 とにかくいろいろエジプトあるいはシリア、そしてヨルダン、イスラエルそれぞれの言い分を聞いてみますと、先ほど言ったように、平和は皆願っているのですが、民族というか、特にシリアとイスラエルの関係においてはやはりゴラン高原を占領している、これについてはイスラエルにとっては水利権という絶対的な問題があると思うのですね。 我々は通常、中東を語るときに、これはもう宗教の問題だからと。これはイスラエルのウリオールという外交防衛委員長が会談のときに出てきたのですが、中東和平問題というのはシオニズムから起こったものであり百年にわたる問題である、それだけにかなり感情的で憎しみの問題となっており、信頼が欠如しているので時間をかけての解決を望んでいると。一つ非常に食い違っている点は、イスラエルが提案している第一段階は自治であり、それがある程度決まってから次の段階で漸次決めていきたい、時間をかけたいと。 一方でシリアの方あるいは中東の方の、表でとにかく早く和平を達成しろという部分と、本音の話になると今度はパレスチナの独立というのを望んでいないという声が聞こえてくるのですが、いつもながら国際社会の声とそれから本当にそこにある声というのは違うのです。 我々としてはとにかく日本に期待するものが大変大きいという、どこへ行ってもそのことが冒頭に出てまいります。そうすると、では日本はどういうことを中東に対してやれるのかということでちょっと政府の考え方を聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(小原武君) 先生御指摘のとおりに、中東和平の問題は、一九四八年以降四つの戦争が戦われまして今日まで解決を見ないという状況が続いてきているわけでありまして、アラブ、イスラエルそれぞれの利害が複雑に絡み、つい最近まではそれに東西関係の枠組みがはまるという状況が続いてきたわけでありますが、冷戦の終結というようなことあるいは湾岸危機があのような形で戦われたというそのような影響を受けましてようやく根本的な解決の見通しが出てきて、直接交渉、それと並んでの多国間協議というものが行われてきているわけでございます。 イスラエルの目から見ますれば自国の安全保障というものが密接にかかわっておりますし、またアラブ側から見ますれば国連決議の二四二、三三八というようなものに記されているような領土の返還、公正で永続的な包括的な解決というものが絡んでいるわけでございます。 しかし、幸いこの直接交渉というものが始まっていろいろの障害を越えながら交渉によって問題解決に至ろうという熱意が双方に見られるわけでありまして、日本も国際社会の一員としてその和平の動きを積極的に支援していくということが役割であると認識しております。 より具体的には、アラブ、イスラエル双方との率直に話せる関係というものを発展させていくことによりまして和平へ向けての信頼関係というものを側面的に醸成していくというのが我が国が果たせる役割の一つであると思いますし、また多国間協議の場ではすべての活動に積極的に参加していくということが役割であろうと考えております。
○猪木寛至君 最後に、八二年にレーガン・プランということでパレスチナそしてヨルダンの連邦構想というのがあります。イスラエル側も多分それはいい構想ではないかと。しかし、現実化するのは大変難しいかもしれないという意見がありましたが、これは日本としてはどうお考えですか。
○政府委員(小原武君) 御指摘の点でございますけれども、ただいまの直接交渉の枠組みに照らして考えますと、イスラエルとパレスチナの直接交渉は当面、占領地における自治をどうするかということに焦点が当てられております。これについての合意ができますと、三年間の自治を実施し、三年間がたったところでさらに二年ぐらいの時間帯の中で将来の最終的な解決をどうするかということの議論が行われるということになっております。 したがいまして、御指摘のジョルダンとパレスチナの将来の連邦というようなものは、パレスチナの最終的な自決権の姿がどうなるか三年後に討議された結果として出てくるわけでありまして、まずは自治の対応をどうするかというその第一段階を越えるというところに今、全精力が集中されております。という状況でありますので、御指摘の点が今後どういうふうな姿をとっていくかということはまだまだ未知数の段階でございます。
○猪木寛至君 もう一つだけ。 インティファーダそしてハマスという問題についてイスラエルは非常に堅固な態度をとっておりましたが、一方でイランが支援するとか、あるいは一部これはどこでしたかアラブの中から支援があって、要するにエジプトではこれをそれほど大きな問題としては取り上げていないけれども、しかしこれをもっと早いうちにたたいておけばよかったという意見がありました。今後これはますます拡大していくのか。きょうの新聞によってもやはりガザ地域において紛争が続いておりますが、その点について。
○政府委員(小原武君) この占領地にはいろいろの形の抵抗運動がありまして、御指摘のインティファーダ、占領軍に石を投げるという形での抵抗のほかにもテロあるいは武器を持って抵抗するというような過激派の動きもあるわけでございます。和平のペースが思うように進まないといろいろのフラストレーションがたまりましてこういう直接テロに訴える運動が勢いを得てくるというような状況があるのは否めないところでございます。 まさにこの過激派の動きに対する対抗として出たイスラエルの措置が原因になって和平のプロセスが約四カ月中断したというようなこともあったわけでございますけれども、結局この和平の動きを推し進めるということによってしか根本的な解決はないのではあるまいか。したがいまして、国際社会はそういう方向でそれぞれできるだけの協力をしていくということであろうかと思います。
○猪木寛至君 終わります。
○磯村修君 最初に、国際移住機関憲章に関連しましてお伺いしたいのですけれども、特に今、難民の問題が世界的にも非常に深刻化してきているということなのですね。今、世界の難民は千八百万人以上というふうなことが言われているようですけれども、この難民、いわゆる宗教的な対立とか民族的な対立という傾向が最近非常に強くなってきて、それに伴ってそうした不幸な人々が出てきているということなのです。 今度、我が国がこの憲章に参加することによってどういう具体的な協力というかそういうことが考えられるのか、こういう急増している難民に対する政府の認識とあわせましてまずお伺いしておきたいと思います。
○説明員(小西正樹君) 現在、世界各地で勃発する紛争や内乱などを原因といたしまして発生する難民は、UNHCR、国連難民高等弁務官事務所の統計によりますれば、十年前の一九八三年には約一千万でございましたけれども、アフリカの難民の増加や旧ユーゴ難民の発生等によりまして九三年には、先生がお触れになりましたとおり、約一千八百万人という数に達しております。この難民の生存のための援助が、人道上の観点からも、また同時に関連地域の平和と安定、こういうものを維持していくという観点からも、国際社会にとってますます緊急な課題となっておるわけでございます。 日本といたしましても難民問題に積極的に対応していくということは国際社会の一員として当然の責務であって、こういった難民が発生する原因であります紛争の発生自体の予防や発生した難民への援助は、中長期的には世界における確実な平和を構築していく上で大きな役割を果たすということから、国際貢献の重要な柱というふうに位置 づけて積極的に取り組んでおる次第でございます。 このたびお諮りしております国際移住機関憲章に加盟することによって我が国としてどういう貢献が可能になるのかというお尋ねでございますけれども、この加盟国となることによりまして難民問題に関する国際協力、この分野で我が国の国際協力を一層推進していきたいというふうに考えております。 具体的には、この国際移住機関の事業でございますいろいろなプロジェクトに積極的に参加していく、あるいは国際移住機関憲章の機関として設けられております理事会、執行委員会等々の機関におきまして我が国も積極的にその議論に参加して、国際移住機関が行っておる活動の政策面、企画面でいろいろと日本の知恵を出していくということも考えております。また、事務局におきましても日本人の職員を積極的に送り込むということも考えたいというふうに思っております。
○磯村修君 IOMがその任務を果たしていくに当たってはそれぞれの関係国の法令あるいは政策というものに拘束されるわけですけれども、我が国の難民政策と申しましょうか、そうしたことが非常に厳しい面があるというふうに私は認識しているのですが、憲章に参加することによって一層この難民政策というものを発展させていくために政策をよりよい方向に変更していくというふうなお考えはあるのでしょうか。
○説明員(小西正樹君) この国際機関憲章への加盟それ自体との関係で申し上げますれば、機関憲章の第一条三項におきまして、「機関は、入国許可基準及び入国を許可される者の数が各国の国内管轄権内にある事項であることを認識するものとし、自己の任務の遂行に当たっては、関係国の法令及び政策に従う」というふうに規定してございます。したがいまして各国は、自国の移住政策、難民受け入れ政策あるいは出入国管理政策におきまして自国の判断に基づいて政策を実施していくということになるかと思います。 我が国がこの機関に加盟することによって、そのこと自体によって我が国の政策が変化しなければならないということは条約自体からは想定されていないわけでございます。しかしながら、我が国がこの機関の一員となることができる場合には、この機関におきましてのいろいろと各国の難民、移住政策における意見交換、情報交換を通じ、我が国としてもこの面での国際協力に一層積極的に参加していくということが以前よりもより効果的に実施できるのではないかというふうに考えております。
○磯村修君 何といいましょうか、いわゆるその機関に参加してプロジェクトあるいはお金の問題、いろいろな面から協力していくということは当然なことであろうと思うのですけれども、実質的にこの難民の国際協力に本当に参加していくという意味合いからいえば、この憲章に参加すること自体の本当の意味を実現していくためには今までの何といいましょうか、かたい、狭い難民政策というものを少しよい方向に発展をさせ、政策を変更させていくということがなければその中身が伴わないのじゃないかというふうな感じがするのです。 これは法務省等の問題もありましょうけれども、外務省としてその辺はどう受けとめられますか。
○説明員(小西正樹君) 現時点での我が国の難民に対する政策といたしまして一番顕著なものとしては、先生も御承知であると思いますが、インドシナの難民につきまして、我が国はアジアの主要な国の一員としまして人道上の見地及び東南アジア地域の平和と安定への貢献という観点から、国際連合難民高等弁務官事務所等の国際機関を通じまして各国中最大の資金協力を行いその救済援助に努める一方、日本に到着しましたボートピープルに対する一時庇護を提供しております。平成五年二月末現在で累計一万三千六百七十二名の一時庇護を行いました。また、日本への定住受け入れを実施いたしております。平成五年二月末現在で八千七百四十一名でございます。 先生が御指摘になられましたように、難民の問題というのは人道の分野、人道の問題であると同時に平和と安定に係る政治上の問題でございまして、この難民の受け入れに当たりましては、私ども外務省だけの問題ではございませんで、そういう方々を日本国内にお迎えして日本の国民が一緒に生活をするという現実の問題でございますので、今後、先生の御意見を踏まえて関係省庁と積極的に外務省としては検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○磯村修君 それからもう一つこの問題につきましてお伺いしておきますけれども、IOM憲章の一条一項に、移民、難民、避難民等についての組織的な輸送云々というふうなことが決められているのですが、この輸送の手段というのはどういう方法がとられるわけなのでしょうか。例えば輸送等を依頼されたという場合、協力依頼があった場合ですが、どういうふうな手段というものが考えられるのでしょうか。
○説明員(小西正樹君) 手段というのは交通手段、輸送の手段ということでございますか。
○磯村修君 そうです。
○説明員(小西正樹君) これは航空機、あるいは陸上とか近距離でございますとバス、列車、船等いろいろな手段が現実に考えられると思います。そのときどきの状況に従って、かつ入手可能な交通手段、輸送の手段がどういうものであるかということを検討して決定されることであるというふうに考えます。
○磯村修君 航空機の場合はどういうものが使われるのでしょうか。民間航空ですか。
○説明員(小西正樹君) 先生おっしゃいましたとおり、民間機が使用されるのが通例でございます。
○磯村修君 それから次に、コスパス・サーサットの件ですけれども、ちょっと私、これは解釈がよくわからないのです。例えば「締約国及び計画と提携した国が、計画との提携又は制度の利用による活動を行い」云々とありまして、「制度の利用による活動を行い又は行わないことから生ずる傷害、損害又は金銭上の損失を理由として」というところがございますね。この傷害、損害というのは具体的にはどういうことが想定されますか。
○説明員(河合正男君) 五の一の損害賠償の問題でございますが、これはこのコスパス・サーサット制度の運営を安定化するという目的で規定されているものでございます。先生がおっしゃられましたように、その制度の利用による活動を行ったことまたは行わないことから生ずる傷害、損害等を理由として損害賠償請求を提起しないということで制度の安定化を図っているわけでございますが、これまで具体的に事例が発生したということはございません。 したがいまして、想定で何か事例を挙げよということかと思いますが、非常に難しいところですが、あえて理論的に例を挙げるとすれば、例えばこの制度の活動の一環として共同の実験を行うといった場合に、この計画と提携した国が提供した実験器具等の製品が欠陥製品であってそのために我が国の国家公務員に損害が起きて、それを引き起こした国に対して賠償を請求するというふうなケースが考えられます。それがいい例がどうかわかりませんが、例えばそのケースでございますが、これにいたしましても裁判等の場において損害賠償責任が立証、認定されるかどうかという判断はこれは難しいと思います。
○磯村修君 このコスパス・サーサット、こういう仕組みをこれまで利用している中で、かなりこれは実績が上がっているのでしょうか。
○説明員(河合正男君) 従前の制度、システムからいたしますと、先ほども申しましたように、一段と確度それから適用範囲が広がった制度でございますが、これまでこの制度の中で利用された事例といたしまして昨年十二月のコスパス・サーサット理事会で報告が出ております。 この報告によりますと、この計画が発効いたしましたのは八八年八月からでございますが、実は一九八二年九月から既に実験的に実施されてきて おります。それ以来九一年六月までの間に七百六十二件の遭難警報が伝達されておりまして、二千三十人がこれによって救助されております。
○磯村修君 遭難救助に非常にいい、大変役立っているということが数字の上からもわかるのですけれども、これは例えば国際航海に従事する船舶とかあるいは一定のトン数以上、三百トンですか、そういうふうな貨物船等にその装置を仕組むというふうなことが義務づけられているようですが、例えば最近非常にレジャー船舶がふえておりますね。ヨットにしても大型のレジャー船にしても非常に最近そういう船がふえている。こういう船ももちろんこれは利用はできるわけですね。
○説明員(河合正男君) 先生がおっしゃられましたように、受信装置を設置することによってこの制度はだれでも利用できることになっておりますが、その具体的な内容につきましては運輸省の方から御説明いただきたいと思います。
○説明員(三島久君) お答えをいたします。 衛星系EPIRBにつきましては、既に条約で義務づけられている船舶ばかりではなく、今、御指摘ありましたようなプレジャーボート等につきましても設置が順次行われておりまして、現在、三月末現在の状態ですが、既に八百隻ぐらいがこの衛星系EPIRBを搭載しているというふうに承知しております。
○磯村修君 そういう遭難救助というふうな面からも大いに一般の船舶も活用して役立つことがあるというのは大変いいことですから、この啓蒙をやることも必要じゃなかろうかと思います。 それからもう時間があれですから急ぎますけれども、ちょっとPKOの関連につきましてお伺いしたいことがあるのです。 おとといの当委員会で国連局長が、例の中田さんの事件をめぐりまして警察権の行使はどこにあるのだというふうな質問に対しまして、ちょっと私の受け取り方が正しいかどうかあれなのですが、その現地の行政機構にあるのだというふうな意味合いのことを言ったと私は覚えているのです。それで正しいでしょうか。
○政府委員(澁谷治彦君) 改めて御説明申し上げます。 現在、UNTACが調査をしておりますけれども、その調査結果が明らかになった場合にどのような措置をとるかということを、詳しくは承知はいたしておりませんけれどもあえて申し上げますと、まず結果が明らかになりました段階において現地を支配している既存の行政機構の捜査当局と対応につき協議を行うということになります。つまりUNTACの管理のもとで行政機構が活動するということになります。その後の逮捕、勾留等の手続の執行につきましては基本的にはこの既存の行政機構が行うというぐあいに承知いたしております。場合によってはUNTACが特別検察官を任命いたしまして、UNTACみずからが逮捕を行うということもあり得ると思います。 この手続のいずれかが採用されることになると思われます。
○磯村修君 それはパリ協定に基づいていわゆる四派なりと相談してそういうことにしていくということになるのですか。そういうことなのでしょうか。
○政府委員(澁谷治彦君) UNTACの管理のもとにおいて各派のそれぞれの行政機構が活動するということはパリ協定の第六条に書かれておりますので、これがまず根拠になると考えられます。 それから具体的な手続に関しましては、カンボジアで既存の行政機構の刑事法とUNTACの提案に基づいてSNCが採択いたしました暫定刑事法及び刑事訴訟法が存在しておりますので、これに基づいて具体的な手続がとられるということになると思います。
○磯村修君 わかりました。 もう一つお伺いしたいのですけれども、協力法が審議されている過程の中では余り予想もしなかった、想定もできなかったいろいろなことが今カンボジアで生じてきているというふうなことでこの法律の解釈というものもなかなか煩雑になったという感じもするのですけれども、そういう新しい事態に対応していくために実施計画なりあるいは実施要領なりがその都度変更されて行動しているというふうなことだと思うのです。 そこで一つお伺いしたいことは、今、問題になっておりますところのカンボジアの総選挙が安全に行われるようにということでいわゆるUNTACがそれぞれの派遣国に対して協力を要請しているようなのですけれども、例えば施設大隊に協力要請があった場合にはその協力要請に対応できるのでしょうか、または対応するお考えがあるのでしょうか、お伺いしておきます。
○説明員(伊藤康成君) UNTACの選挙の関係に関しましては、既にこれまでに例えば選挙用の天幕を張るその場所を設置してくれとか、あるいは選挙用の物資、これは机とかいすとかそういったたぐいのものでございますが、そういうものを運んでいただきたい、こういうようなことでそれぞれ従来の実施計画、実施要領の中でやってきておるわけでございます。 今、先生御指摘のこれから何が出てくるかということでございますが、これは実は聞いてみませんと果たしてできることかできないことかわからないわけでございまして、今、一般論としてお答えをするということはなかなか難しいわけでございます。
○磯村修君 私が一番聞きたかったことは、例えば投票所の安全管理、いわば警備ですね。警備について施設大隊に協力が要請あった場合にそれはできるのかできないのかということ、またそういう要請があった場合に政府としてどういうふうに対応するのか、それをお伺いしたいと思うのです。
○説明員(伊藤康成君) お尋ねの件でございますが、通常これまでの例でございますと、正式の要請の前にこういうことができるだろうかというような打診があるわけでございます。その打診を受けまして私どもは、法律なり、法律でできなければもちろんできませんし、それから現地の能力といったようなものを勘案いたしましてできるかできないかということをUNTACの方に御返事をするというようなケースが通常でございます。 現在、御指摘の警護あるいは警備という問題につきましては今のところ何とも聞いておりませんので、ちょっとここで一概にお答えするのは、まだそういう時期ではないのではないかというふうに思っております。
○磯村修君 ただ私、これまでの審議の中で予想もしなかったような、想定もできなかったような事態がいろいろと新しく生じている今日ですから、いろいろな想定に直ちに対応できるくらいの見解を持っていいと思うのです。それであえて私、その点についてもお伺いしたわけなのです。 くどくどしく申し上げますけれども、私は一つの疑問を持つのです。今、政府としてはそういう考えは、まだUNTACの方からも何とも言ってこないので答えられないという答え以上の答えが出ないということなのですな。
○説明員(伊藤康成君) 今、私どもの方が出しております部隊は御承知のとおり施設部隊でございまして、一般的な停戦監視をやります歩兵部隊とはちょっと性格を異にしておりますので、そのような打診があるのかないのかもはっきりしない以上、先生おっしゃられるように、今この場でどうするということをお答えするのは非常に難しいことでございます。
○磯村修君 終わります。
○立木洋君 議題になっております二件については両件とも賛成です。 言うまでもなく、遭難に際して捜索するあるいは救助する、そのためにコスパス・サーサットという米ソの衛星を利用するシステムに地上部分を提供する提供国として参加することは、これは国際協力を促進することになるというふうに考えます。 また、もう一件の移民と難民についての移住やあるいは輸送なんかに対してサービスを提供する国際移住機関に加盟するということも国際社会の 一員として私は当然のことだというふうに考えますので、これらについては賛成で、同僚議員がいろいろ質問されておりますので改めてお尋ねすることはございません。 ただ、国際移住機関は、私の考えている点では、これを読ませていただきまして、本来、人道的で平和的な国際機関の役割を担うべきだというふうに考えるので、この人道的な国際援助活動についてはやはり非軍事を原則にすべきだという私たちの考え方をこの機会に改めて述べておきたいと思います。 きょうはまた先日に続いて武藤大臣に、アメリカとの関係でちょっとお尋ねさせていただきたいと思います。 この間、宮澤首相がアメリカを訪問されたときに四十六億ドルを米側に提供するということを言われましたけれども、この四十六億ドルというのは在日米軍駐留経費のことというふうに理解してよろしいのでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) そう理解していただいて結構でございます。
○立木洋君 この駐留経費については、この三年あるいは四年どういうふうな推移をたどってきたのか、ちょっと数字をお示しいただきたいと思います。
○政府委員(佐藤行雄君) 換算レートの問題もございますから、日本の円の価格で言わせていただきます。 我々が駐留軍経費と俗称いたしております額の推移でございますが、平成元年度から逆に申し上げますが、元年度が三千九百七十億円、平成二年度が四千四百五億円、三年度が四千七百七十一億円、四年度が五千百七十七億円、そして平成五年度が五千六百十二億円でございます。
○立木洋君 ずっと駐留経費はふえてきているわけですが、特にまた前年に比べて九三年度は約八%余りふえているというのですが、このふえ続けてきている原因は何なのでしょうか。
○政府委員(佐藤行雄君) 現在、我々が駐留軍経費と呼んでいますものの中にはいろいろなものが含まれておりますが、例えば提供施設整備費とか労務費とか光熱水料費とかというものが含まれております。 ただ、御承知のように、特に労務費とか光熱水料の部分につきましては平成二年に特別協定をつくりましてその中で所要部分についての分担を進めてきているわけでありますが、あのときに発表いたしました官房長官談話の中にも書きましたとおり、当時、我々の自主的判断で今後これは段階的に負担をふやしていくということにしております。それが今おっしゃられましたふえ方の基本的な原因だと私は思います。
○立木洋君 支出の項目がふえたあるいはそういう支出する項目別のパーセンテージが増加したということが主な内容だとおっしゃるわけですが、この点、特に大臣にお尋ねしたいのですけれども、ヨーロッパで最近の状況を見ていますと、一九九五年までに六百五十カ所以上、米軍基地が撤収されあるいは削減されるというのがヨーロッパであります。それから特にドイツですね、ソ連の前線基地としてあったわけですけれども、ドイツでは四百カ所以上米軍基地が撤去されるということになっておりますし、兵員全体でいいますと大体三十二万のところが十五万に半減されるというのがヨーロッパの趨勢のようです。 ところが日本の場合は、そういうソ連の状況の変化がありますけれども、依然としてフィリピンなんかにいた米軍が移駐してきたということもあって強化されている。これは佐世保においてもベローウッドという強襲揚陸艦が来ましたし、それから横須賀では十隻体制が十一隻体制になりましたし、あるいは沖縄なんかでも新たな海兵師団が編成されるというふうに強化されてきているの一ですね。 ソ連がああいう事態になって今、対ロ支援というふうな問題が問題になってくる状況にあるのにもかかわらず、なぜ日本だけがこういう基地の強化あるいは資金の提供の増額が依然として続いていくのだろうかということは国民の中での率直な疑問としてあるのですけれども、これはどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) ヨーロッパの今の軍縮の傾向といいますか平和の方向を目指している状況と、アジア・太平洋地域といいますかとりわけ東アジアでございますね、例えば北朝鮮の問題、北朝鮮といいますかいわゆる朝鮮半島だってそうでございますし、ヨーロッパとはいささかその辺は様子は違うのじゃないだろうか。 ヨーロッパのような形で各国全部が今、軍縮に向かっていっているというならばこれまた話は別でございますけれども、私は必ずしもそういう情勢ではない。そういう点においてやはり日米安保条約を堅持していかなきゃならない。日本の平和と繁栄を守るためにはどうしても日米安保条約を堅持していかなきゃいけない。そうなればその必要に応じてのものは負担をしていかなきゃならないと、こういうふうに判断をいたしております。
○立木洋君 確かにアジアの情勢というのはさまざまなヨーロッパと違う状況があるとおっしゃる意味は私も何もすべて反対じゃないのです。しかし、問題になりますのは脅威の問題なのです。いわゆるソ連という問題についても、潜在的な脅威としてこれに対抗するために日本や極東の安全と平和に寄与するための駐留米軍なのですね、日本に駐留している米軍は。この間、佐藤局長にお話を聞くと、今やもう湾岸戦争にまで日本に駐留している米軍が出ていっている。現実にそれは日本政府までも認めておる。そうすると米軍が日本に駐留しているのは、日本だとか極東の安全に寄与するだけではなくて、いわゆる米軍が必要とする世界的な戦略に参加するという状況にまでなっているという一つの状況があります。 それからソ連の潜在的な脅威については日本政府は、もう述べるような状況ではなくなったと。それならアジアで日本の平和に対して脅かす存在というのは一体何なのかということをこれまで防衛庁に何回かお聞きしましたけれども、適切にこの国が脅威をもたらしているというふうに述べる国はないというのですよ。 確かに不安定要因はある。しかし、直接それが脅威だというふうな状況はない。だとするならば、私たちはもちろん賛成しませんけれども日米安保条約の枠内においても、あるいは今のアジアの情勢においても、さらに軍備をふやさなければならないというように判断されるのはいかがなものか。やはり削減していくという方向をとるのが当然ではないだろうかというふうに考えるのですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○政府委員(佐藤行雄君) 御議論の前提になっております事実関係について私はちょっと違う見方をいたしておりますので一言言わせていただきたいと思うのですが、先ほど来、立木委員の御指摘は在日米軍が強化されているということでありますが、私は必ずしもそのようには思っておりません。 もちろん寄って立つお立場での見方の問題がおありかとは思いますけれども、例えば兵員の数でございますが、ここ十年、一九九〇年代に入りましてアメリカは三段階に分けてアジア・太平洋地域の米軍を減らしていこうということをやっております。もちろんその過程でフィリピンとの問題があって、第一段階、言うなれば一九九一年と九二年の二年間をかけた第一段階においてフィリピンからの削減というのは加速されたということはございます。 ただ、第一段階におきましても日本からは四千七百名を引くということがありまして兵は減っておりますし、軍の兵器体系の近代化というのは、この間申し上げたように、ございます。ただ、兵力が増強されているというのは私の認識とは違うものだということだけを申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 今の北米局長の答弁のとおりでございまして、先ほど申し上げましたように、必ずしも軍備が拡張しているという方向とは私も受け取っておりません。 しかし、今のアジア・太平洋地域というのは、これは御同意いただいているようですけれども、ヨーロッパと比べれば不安定要因はまだある、ヨーロッパに比べれば相当不安定要因は強いわけでございますから、私はそういう点で日本を守るために日米安保条約をどうしても今後とも堅持していかなきゃならない、こういう立場でございます。
○立木洋君 安保条約の問題を議論すればこれはもう根本的に違いますから、そこまで私はきょうは論じようと思っているわけじゃないのです。しかし、そういうお立場であろうともやっぱり削減するという方向をとるべきではないだろうか。 今、局長は、軍備が増強されているという問題については兵員の問題をおっしゃいましたけれども、量よりも質の問題がありまして、強襲揚陸艦なんていうのはこれはもう大変なべらぼうなものですし、インディペンデンスにしたってかってのミッドウェーの空母なんかとも全然質が違います。それから沖縄に配備された三十一海兵遠征大隊戦闘団司令部が新設された。これは太平洋内外の重要なところにどこにでも配備することが可能だというのが、きょう私は持ってきましたけれども、この「太平洋における米軍」というアメリカ合衆国会計検査院報告書、この中に書いてある。太平洋内じゃないのです。太平洋内外のどこにでも配備することのできる海兵大隊が沖縄に駐留しているということになっているのです。 そうすると世界的な規模でアメリカが行う任務、これを日本におる米軍がやる、そのために日本が金をたくさん提供しなければならない。すると日本と極東の安全のためという安保条約の六条とは違ってアメリカが世界的な規模で行うものに日本がどんどんどんどんお金を出す、安保条約から見たっておかしいのではないかと、この間、私は局長とちょっと話し合いしたのですけれども、そういう問題もありますし、それからそういう質的な強化をするのではなくて、世界の趨勢から見るならば多少なりともこれを弱めていくという努力の方が私は必要だろうというふうに思うのです。 そして、それがどうしてもできないとおっしゃるのはなぜなのかという問題になってくると、この間クリントン大統領が登場するときに述べられたのは、世界最強の国として力を維持するというふうにクリントン大統領述べられている。そして、必要ならどこででも武力を行使するということを明確な姿勢として登場されてきたのがクリントン大統領ですね。 それで、二月十七日に経済再建計画というものをクリントン大統領が発表しました。この中で国防予算の削減を明らかにしたのです。四年間で何ぼだと。六百とか七百とか言いました。その明くる日にパネッタ・ホワイトハウス行政管理予算局長が記者会見で述べたわけですが、クリントン大統領が述べた国防総省の予算を削減するということは、同盟国からの金がふえなければアメリカ政府の五カ年防衛計画は遂行できなくなると述べたのです。これは日本の防衛のためじゃないですよ。アメリカ軍の世界的な防衛の観点ですね。それが支出の上でできなくなるといってその同盟国のトップに日本を挙げて、日本からの支援の増額ということを求めなければならないということになったわけです。 そうするともう安保条約の枠ではなくなってきて、いわゆるグローバルな地球的なシステムでアメリカの軍事戦略を日本が金を出して応援するなんていうことは一体どこでお決めになったのだろうか、安保条約とは離れてどこでそんな計画をお決めになったのだろうかという問題が第一に出てくる。そうするともう日本と極東の問題じゃなくなるのですね。 何かそんなことをお決めになったということがあるのですか。私はまさかないと思うのだけれども、何か知らぬ間にずるずるずるずる、いやもう局長はいい、あと十分足らずなのですよ。
○政府委員(佐藤行雄君) でも、ちょっと言わせていただかないと。
○立木洋君 政治的な判断だけで結構なのです。事実関係は大体、局長の言われることは私は全部知っていますよ、資料をいただいていますから。だからどうしてそんなことになるのだろうかという判断をちょっとお聞かせいただきたい。
○政府委員(佐藤行雄君) 簡潔に事実関係だけ。この間の議論の繰り返しはいたしません。 私は委員と安保条約上の解釈の問題が違うということを申し上げましたからあれでございますが、まず今の御議論の中にありましたアメリカの国防予算を削っていく過程で日本に多くの負担を求めるのではないかという点でありますが、私は必ずしもそうは思っておりません。というのは、日本は同盟国の中で言うなれば負担を計画的にやっている中で一番高いわけですから、むしろほかの国がそういうふうにしてほしいという期待はアメリカ側にあっても、我々については既に取り決めのもとでやっていることでございますのでこれに加えて新しいものがさらに出てくるということは、今直ちにこの間の御引用になられたパネッタさんの演説とかクリントンさんの演説からは私は読み取れないと思っております。
○立木洋君 御判断いかがでしょうか、大臣。事実関係については局長からお伺いしましたけれども、安保条約はそんな変わったというふうなことがあるのかないのか。私はあるというふうには聞いていないのですが。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほどから申し上げておるように、安保条約は変えていくつもりはありませんし、特別協定に基づいてのいろいろな負担については年次計画でやっているわけでございますから、その年次計画は約束どおりやっていくというのが日本の立場だと私は思うのでございます。そうすればどうしたってそこにある程度ふえていくというのが金額的に出てくるのはこれは当然の姿ではないかと、こういうふうに思っております。
○立木洋君 今、局長は日本が一番支援しているのだからと言われた。確かに公式ではアメリカ側はそう言っていますよね。日本でやった方が米本国でやるより安上がりだということで大変日本の貢献度を高く評価しているという文書もあります。ところが一方では、そうではなくて非難している文書もあるのです。結局、経済の封鎖が強いだとか、だから三〇一条をすぐ持ち出すだとか、もっと全般的にやるべきだ、やれないならこの分野でもっと出すべきだと。 国防総省が発表した防衛戦略、ことしの一月に出ましたね。あれをもうお読みになっただろうと思いますけれども、日本に対してアメリカの前方展開戦略への財政支援をより多く負担するよう求め続けるべきであると書いているのです。これは間違いないわけですよね。もっとふやしていけと求め続けるべきだというのです。これは大変な言葉ですよ。ただ単に割り当てられた分担分をパーセンテージがふえるからそれに応じてふやしていくというのじゃないのです。 こういうようなやり方ということになると、つまりアメリカの言いなりになってアメリカに追随していくと言われても仕方がなくなるのではないかというふうに言わざるを得なくなるのですけれども、そこらあたりは大臣の政治的な御判断で御答弁いただければと思います。
○政府委員(佐藤行雄君) これは立木委員にわざわざ申し上げるまでもないことと思いますが、アメリカの何かの文書はあくまでもアメリカ側の希望を書いてあったりするわけでございますね。予算面で言えば、ある意味で妙な例ではございますが、恐らく査定当局と要求側みたいなところがございます。したがって、アメリカ側としてはなるべくふやしたい、日本に持ってもらいたいという気持ちを持つのはそれはある意味では自然なことかもしれません。 ただ、この点は、従来からそういう発言は出ておりますけれども、例えば私、振り返ってみますと、この協定の中で段階的に日本が進めてくる過程の中においてもアメリカの中の文書ではそういうことをよく言っているのですね。だからといっ て我々に何を言ってきているわけでもないわけで、今はその取り決めに従った分担を日本が、先ほど最初に引用いたしました官房長官の談話で、段階的にふやしていくという日本が自主的判断で示した姿勢がございまして、それを向こうが見守っている。ただ、中でそれをどう言おうがそこは向こうの中のことでございます。 ただ、アメリカの言いなりになるということは絶対にございませんので、その点だけは御安心いただきたいと思います。
○立木洋君 施設庁おいでいただいていると思うのですけれども、水光熱費ですね、これも段階的に負担をふやしていくというふうなことになっているのですが、これはもちろん公用の分だけを負担するわけですよね、その水光熱費については。 水光熱費の支払いというのはどんなふうな支払いの仕方をしているのでしょうか。米軍の基地の中にあるメーターを検査してそれに基づいて支払っているのか、あるいは米側から一括請求されたものについて請求書に基づいて金額を支払っているのか。どういう形になっていますか。
○説明員(中田唯之君) 御説明いたします。 日本側が負担します在日米軍の光熱水料等の支払いにつきましては、まず予算が成立したときにその額と日本側の負担割合を防衛施設庁の方から在日米軍司令部の方に知らせます。そうしまして四半期ごとに、四半期の当初に在日米軍司令部に設けられた口座に四半期分を概算で交付いたします。在日米軍司令部は毎月の実績を関係書類とともに防衛施設庁の方に通知してまいります。年度末になりまして米側から通知を受けた支払い実績に基づきまして日本側の負担額が判明いたします。そのときの関係書類の中に業者からの領収書とかそういうものが入ってくるわけでございます。
○立木洋君 今、米軍の家族の人たちというのは大体四九%ぐらい人数としてはいるのじゃないかと思うのですが、この公私の費用の区別というのは何でチェックされますか。米側から出された書類に公私の費用の区別というのは明確に書かれてありますか。これは軍人の側である、これは家族のものであるというふうな明確な区別があるでしょうか。
○説明員(中田唯之君) 軍人と家族、これを分けるということはできないわけでございます。
○立木洋君 家族が使っている分についてはこれは私用ですわね。それも公用ですか。
○説明員(中田唯之君) 例えば基地内の住宅などでございますと在日米軍当局が一括しまして調達しておりますので、これにつきましてはすべて公用のものとしております。
○立木洋君 米軍側任せですよね。
○説明員(中田唯之君) はい、それから……
○立木洋君 もう時間がないので、最後にやっぱり大臣にお尋ねをしないといけないと思うのですが、今言いました確かに水光熱費の支出も公の分について負担する、こういう取り決めになっているのですよ、取り決めに。だけど、実際にはこの概算分が払い込まれてそしてそれは年度末に清算される。しかし、それは公私の区別というのは難しいのです。米側の請求によって金額は支払っておって、だから事実上アメリカの請求の言いなりになっているのですよ。公私の区別を日本側でチェックする機能というのはないのです。 それからもう一つは、九〇会計年度から在日米車の軍事建設予算というのはゼロになっているのです、アメリカ側は。だから軍事建設予算というのは全部日本側が負担するような状況になっている。挙げますと多くの問題があるのですけれども、これらの問題というのはシェルターの建設から弾薬庫の建設からいろいろあるわけです。こういうのを今後依然として情勢のいかんにかかわりなくまた日本の自主的な主張を述べることなくふやされていくというのは私はやはり国民として納得できないだろう、今の世界のあり方から見ても。 だから安保の協議会なんかで言うべきときにきちっと言うべきだ、今の情勢のもとでなぜこれ以上ふやす必要があるのかどうかという問題も含めて。午前中来、問題になってきましたけれども、宮澤総理があの記者会見でクリントン大統領が言われたときに一言言っておけば円高の問題もこんなにならなかったという可能性があるのですよ。だから言うべきときに一言言う。追随しない。この姿勢は外交上、私は自主性を貫く上で非常に大切なことだと思う。これは主義主張が違っても基本的な姿勢だろうと思うのです。 ですからぜひともこの状態は、今の情勢も見合わせながら日本国民の本当に考えていることを踏まえて、軍備の増強だとかそういう過重な負担だとかアメリカのやっていることが何にもチェックできないようなそういうやり方を直していかないといけないということをどうしても主張したいので、その点、最後に大臣の見解を伺って、私の質問を終わります。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほどから申し上げておりますように、日米安保条約を堅持していく上においてやはりそれは従属外交ではなくて、私は日本の平和と繁栄のために必要だという立場で申し上げているわけでございます。 それに伴って、当然両国間には特別協定なり地位協定があるわけでございますからその運用について、何かお話を聞いていると日本はもう全く向こうのおっしゃるとおり幾らでもというようなお話に聞こえるのですが、私はそんなことはないと。それはきちんと日本は言うべきことを言い主体性を持って、いわゆる独立国家なのですから、安保条約は安保条約であってもその運用について話し合うときは私は独立国家としての話し合いをして運用しているものと、こう信じております。
○立木洋君 一言。きょう事実関係で明確に言えなかったのは非常に残念なのです。私は、すべてが悪いだとか何とかという意味じゃなくて、そういう問題点があるのだから考えていただきたいと。今度改めて大臣がああそうかとうなずかなければならないような資料を提供して詰めさせていただきますから。
○武田邦太郎君 移民、難民の移動を助成するということにつきましては同僚議員の皆さんがたびたび言及なさったわけです。そういう移民、難民を日本に受け入れた場合のことについて若干所見を述べたいと思います。 これは先進国の人が日本に来た場合は住宅が高いとが食べ物が高いとかという程度で済むのでありますけれども、途上国の人たちを受け入れた場合、特にイスラム教の人なんかだと独特の宗教風俗がありますし食生活も非常に違うわけですね。そういうことに対して地域の人たちがどういう理解を持って包容できるかということになりますと、かなり心配なところが少なからずあるという気がするのです。 私の友人で郡山で稲作をやっておった田牧さんというのがカリフォルニアに行って四年ばかり頑張ったのですが、幸いにしてカリフォルニア第一の稲作農家というようになったわけですね。私どもの仲間が陣中見舞いに行っていろいろ聞いてみると、もう田牧さん自身は大型農業、国際競争力をどうしたらいいかというのがわかったから適当な時期に日本に帰って日本で大型稲作をやりたいと思うのに、奥さんも子供さんもアメリカの方がいい、帰りたくないと口をそろえて言っているというのですね。もちろん農家でありますから子供さんは言葉なんか学んで行ったわけではありませんし、奥さんも特にアメリカ事情をよく心得ていたわけではないのに、向こうの小学校は言葉のわからない日本の子供をカンファタブルに受け入れて、もちろん地域社会も同じことなのですね。 この一例をもって全体を判断することは危険ですけれども、そういうように日本の社会で風俗習慣になれない異民族が入ってきた場合に温かく包容できるようでありたい。これは非常な理想論でありますが、私どもの周辺とかテレビなんか見ましても、途上国の人を温かく受け入れて別れるときは涙を流しながら別れたというケースは承知しておりますけれども、一般的に見れば心配な要因が多いのじゃないかというように思うのですね。 留学生の場合でも日本に留学したために反日に なっちゃったというような、これも余り多い例であるかないかわかりませんけれども、そういう情報も少なからず聞くわけであります。何とかこれを、これは外務省よりも文部省あたりのお仕事だろうと思いますけれども、しかし問題の根は外務省の管轄、その部分にあるわけであります。 何とか外務省と文部省の御協力で、国内に入ってきた異民族に対するヒューマニズムなりあるいは高い教養なりを日本の国民の中に植えつけ培養するような努力が一面ありませんとせっかく移民、難民を包容するという場合でも結実しないという感じがしますのでそのことについて御努力いただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。どなたでも結構ですよ。
○政府委員(荒義尚君) 先進国出身の外国人はともかくとして特に開発途上国の方あるいは宗教の違う方々が日本に来られた場合に、日本の社会あるいは地域社会での受け入れの段階でいろいろ御指摘のような言葉の問題、風俗習慣、宿舎等々いろいろございます。 この点につきましては私ども大変心配しておる点でございまして、要するに私ども外務省の立場というのは、先生方の立場と同じと思いますけれども、やはり基本的な問題としまして我が国のあり方としては内外人無差別といいますか平等という大原則がございますし、それに加えてもちろん日本に来られる外国人、特に労働者の方につきましては、合法、非合法ということは一応ありますけれども、日本におられる外国人に人権面でのいろいろ配慮をしなければならない。そういう配慮をして、日本のよき理解者となってそれぞれの国にお帰りいただくべきであるということで、私どもは、そういう我々日本の現在の国際社会における国のあり方それからそれぞれの二国間を含む対外関係という点から、御指摘のような問題についてやはり解決すべきであろうという認識でおります。 それで、私ども外務省だけが関係するわけじゃございませんで、私どもとしてはいろいろな問題が外交的見地から見て問題がある場合、関係省庁と御相談させていただいて我々の考え方もお伝えしているということが一つございます。 それから特に外国人の方につきましては、御案内のとおり、国内でいろいろな法律あるいは具体的に関係省庁も多数に上っておりまして、現在、内閣の内政審議室の方でイニシアチブをとられまして十七省庁で構成しております外国人労働者問題関係省庁連絡会議、若干長いのですが、そういう場を設けましてただいま御指摘の問題についていろいろ協議検討しておるという状況でございます。
○武田邦太郎君 冷戦以後の世界で民族問題なり宗教問題が非常に沸騰しているわけですね。日本の明治中期以後の経験に照らしますと、日本は民族問題について全く失敗しちゃったわけですね。でありますから今日は新たなる形で民族問題と取り組むわけでありますが、やはり異民族の民族性なり風俗習慣なりに敬意を持って接するという民族モラルといいますか、そういうものをこれから新しく培養していきませんと、特にみずから進んでいるとは言えませんけれども、進んでいる方あるいは強い方がへりくだる、おくれた人、弱い人に対してへりくだる姿勢がもう一つありませんと世界は穏やかにいかないと思うのですね。 日本は幸いにして進んでいる方、まあ強い方とは言えないかもしれませんが、経済的には強い方だと言えましょう。だからそうでない国民、民族に対して気持ちよくへりくだるというモラルを新しく若い世代あるいは幼い世代に培養していくことが非常に大事じゃないかと思うのですね。 それからもう一つ、渡辺前大臣のときに私は、中国は米国が唯一の超大国として世界をリードすることを甚だ好ましく思わないと。アメリカの姿勢は、まだ中国に残っているアンチ民主主義ですね、特に天安門のことについては日本のように健忘症じゃない、非常にやかましい批判がまだ残っているということでもわかりますように、太平洋を挟んで中国とアメリカがお互いに不信の念を暮らすということは日本にとっても世界にとっても非常に憂うるべき時代である。できることなら両者を心から親友になってもらうような少なくとも努力はすべきではないかと。 先ほど立木委員がおっしゃったように、アメリカが武力中心の世界政策を少しでも緩和するように努力することが少なくとも親友としての日本の立場であるべきだと、こういうふうに思うのでありますけれども、もう一つ経済的に考えますと、ヨーロッパはああいう形で行っているが、デンマークは小国として非常に不安なり心配を抱いている。それからドイツ、フランス、イギリスはお互いにリーダーシップを保持したい。こういうことでなかなか前途は容易じゃないようでありますけれども、これは世界の歴史の必然でありますからいろいろなフリクションがあってもあの方向に行くと思います。 そうとすれば、例えばマレーシアのマハティールさんがアジアの経済共同圏をつくろうと言ったときに米国が直ちに反対だと、こうやってたしかあれは海部内閣のころですが、日本は一言も発しないで終わっちゃったわけです。アメリカはアメリカでカナダ、メキシコと一緒に北米自由経済圏ですか貿易圏ですかこれは非常に文明の進歩に即した当然の政策なのですね。ややもするとそれが排他的、封鎖的になるという議論でアメリカが東アジア経済圏に反対したのもその理由でありますけれども、それは間違っていると、その批判が。共同体制をとっても、ほかの共同体制と提携することは幾らもできるわけであります。 何とかしてそういう、中国は近い将来に世界で最大のGNPを持つようになると言われておりますので、しかしそれには日本の技術的あるいは資本の協力が非常に必要でありますし、そういうことをむしろアメリカが祝福するようなそういう世界政策の姿勢を日本がとれるかとれないか非常に関心が持たれるところであるということをどうかお心にとめていただきたいと、こう思います。 終わります。
○委員長(野沢太三君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認め、これより直ちに採決に入ります。 まず、国際的なコスパス・サーサット計画との地上部分提供国としての提携に関する通告の書簡の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(野沢太三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、国際移住機関憲章の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(野沢太三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とイスラエル国との間の条約の締結について承認を求めるの件、以上二件を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。武藤外務大臣。
○国務大臣(武藤嘉文君) ただいま議題となりま した所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 政府は、トルコとの間で租税協定を締結するため、トルコ政府と交渉を行いました結果、平成五年三月八日にアンカラにおいて、我が方山口特命全権大使と先方オラル大蔵関税大臣との間でこの協定に署名を行った次第であります。 この協定は、これまでに我が国が諸外国との間で締結してきた租税条約と同様に、経済的交流、人的交流等に伴って発生する国際約二重課税の回避を目的としてトルコとの間で課税権を調整するものであり、協定全般にわたりOECDモデル条約案に基本的に沿ったものとなっております。 この協定の主な内容としまして、まず事業所得につきましては、企業が相手国内に支店等の恒久的施設を有する場合に限り、かつ、当該恒久的施設に帰属する利得に対してのみ相手国で課税できるものとしております。また、国際運輸業所得に関しましては、船舶及び航空機のいずれの運用による所得に対する租税につきましても国際運輸業を営む企業の居住地国においてのみ課税し得ることを定めております。また、投資所得につきましては、配当、利子及び使用料についてそれぞれ源泉地国における限度税率を定めております。 この協定の締結によって我が国とトルコとの間での各種所得に対する課税権の調整が図られることになり、両国間の経済及び文化の面での交流が一層促進されるものと期待されます。 よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とイスラエル国との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 政府は、イスラエルとの間で租税条約を締結するため、イスラエル政府と交渉を行いました結果、平成五年三月八日に東京において、我が方小和田外務事務次官と先方アミハイ駐日イスラエル臨時代理大使との間でこの条約に署名を行った次第であります。 この条約は、これまでに我が国が諸外国との間で締結してきた租税条約と同様に、経済的交流、人的交流等に伴って発生する国際約二重課税の回避を目的としてイスラエルとの間で課税権を調整するものであり、条約全般にわたりOECDモデル条約案に基本的に沿ったものとなっております。 この条約の主な内容としまして、まず事業所得につきましては、企業が相手国内に支店等の恒久的施設を有する場合に限り、かつ、当該恒久的施設に帰属する利得に対してのみ相手国で課税できるものとしております。また、国際運輸業所得に関しましては、船舶及び航空機のいずれの運用による所得に対する租税につきましても国際運輸業を営む企業の居住地国においてのみ課税し得ることを定めております。また、投資所得につきましては、配当、利子及び使用料についてそれぞれ源泉地国における限度税率を定めております。 この条約の締結によって我が国とイスラエルとの間での各種所得に対する課税権の調整が図られることになり、両国間の経済及び文化の面での交流が一層促進されるものと期待されます。 よって、ここにこの条約の締結について御承認を求める次第であります。 以上二件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認あらんことをお願いいたします。
○委員長(野沢太三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 両件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十七分散会