外務委員会 第3号
- 発言数
- 240 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/04/06
会議録
○委員長(野沢太三君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨五日、松前達郎君が委員を辞任され、その補欠として藁科滿治君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) 航空業務に関する日本国とネパール王国との間の協定の締結について承認を求めるの件、日本国と中華人民共和国との間の航空運送協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、商業及び事務所における衛生に関する条約(第百二十号)の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。柿澤外務政務次官。
○政府委員(柿澤弘治君) ただいま議題となりました航空業務に関する日本国とネパール王国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 政府は、ネパールとの間で航空協定を締結するため、ネパール政府と交渉を行いました結果、平成五年二月十七日にカトマンズにおいて、我が方伊藤駐ネパール特命全権大使と先方ジョシ観光民間航空大臣との間でこの協定に署名を行った次第であります。 この協定は、我が国とネパールとの間の定期航空業務を開設することを目的としており、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、我が国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。 この協定の締結によって我が国とネパールとの間の人的交流及び経済的交流が増進され、両国間の友好関係の一層の強化に資することとなることが期待されます。 よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、日本国と中華人民共和国との間の航空運送協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 政府は、昭和四十九年四月に署名された中国との間の現行の航空運送協定を改正する議定書を締結するため、中国政府と交渉を行いました結果、平成五年二月十七日に北京において、我が方図廣野中国特命全権大使と先方銭其シン外交部長との間でこの議定書に署名を行った次第であります。 この議定書は、近年の両国間の航空運送需要の増加等に対応することを目的として、定期航空業務の運営のため、両国が指定できる航空企業の数を現行の「一又は二」から「一又は二以上」に改めるものであります。 この議定書の締結によって我が国と中国のそれぞれ二社を超える数の航空企業による両国間の定期航空路線の開設が可能となり、両国間の人的交流及び経済的交流の促進に資することとなることが期待されます。 よって、ここにこの議定書の締結について御承認を求める次第であります。 次に、商業及び事務所における衛生に関する条約(第百二十号)の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 この条約は、昭和三十九年七月にジュネーブで開催された国際労働機関の第四十八回総会において採択されたものであります。 この条約は、商業事業所、労働者が主として事務作業に従事する事業所等における建物の清潔の保持、換気、照明等に関する一般原則及びその実施について定めております。 我が国がこの条約を締結することは、これらの事業所等の衛生に関する我が国の姿勢を内外に示し、この分野における国際協力に寄与する見地から有意義であると認められます。 よって、ここにこの条約の締結について御承認を求める次第であります。 以上三件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認あらんことをお願いいたします。
○委員長(野沢太三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○堂本暁子君 議題に入ります前に、けさ外務大臣がぐあいがお悪いという新聞報道に接しまして、大変いかがかと案じております。ちょうどG7の外相・蔵相会議、それから東京サミットの議長国として外相が議長の役をなさるはずでしたから、さぞ今、外相代理をお立てになるということを決心なさるのは大変無念でいらしたのではないかと思いますので、機会がありましたらくれぐれもお大事にということをお伝えいただきたいと思います。 続きまして、とは申しますけれども、大変にまさにG7の会議を前にいたしまして日本としては議長国として大変な時期に差しかかっているかと思います。東京サミットに向けて外交がまさに東京を舞台に展開されようとしておりますので、官房長官も大変お忙しいお役と思いますし、外務大臣の代理をなさるということで。これは政務次官にお答えいただくのは大変難しい質問かもしれませんけれども、これからの外交どのような形でなさるのか、まず伺いたいと思います。
○政府委員(柿澤弘治君) 堂本先生からお見舞いの善言葉をいただきまして、本当にありがとうございます。渡辺副総理・外務大臣も、風邪をこじらせましてきょう欠席のやむなきに至りましたが、皆様には御迷惑をかけて大変申しわけないということを申しておりましたので、おわびを皆様に申し上げます。 また、今後、堂本先生から御指摘のように、外交関係の案件ふくそうしている大事な時期でございます。一応内閣としては河野官房長官を外務大臣代理として立てていただいておりますが、今後私どもも力を合わせてその大事な時期、万遺漏なきよう努力をしていくつもりでございますし、副総理・外務大臣もできるだけ早く復帰したいという願いで療養に努めておりますので、そのようにいたしたいと存じます。
○堂本暁子君 もし病状がよくなられましたら、そういたしますと、G7まであと一週間しかございませんけれども、東京サミットのときはまた外務大臣として復帰なさる、そういう意思をお持ちでいらっしゃいますか。
○政府委員(柿澤弘治君) 私どもとしては、そう期待をいたしております。
○堂本暁子君 それでは、本題のきょうの航空協定について、航空業務に関する日本国とネパール王国との間の協定の締結について承認を求めるの件について質問をしたいと思います。 まずネパールとの協定ですが、国際的な人的物的交流の拡大が大変大きくなっておりますけれども、それに伴って多くの国が我が国との航空協定の締結を希望している状況にあると聞いております。我が国の空港整備のおくれがこういった締結交渉の阻害要因になっているのではないか。このような状況でどのような基準で航空協定の締結交渉の対象国を選んでおられるのか。そういった方針について伺いたい。 また、今度、関西空港が開港されると航空協定の締結はどのように推進されるか。その点についてまず伺いたいと思います。
○説明員(藤野公孝君) 現在、我が国と航空協定を締結しております国の数は三十六ございます。このほかに四十四カ国が日本との航空協定の締結を希望しておりまして、この四十四カ国のうちネパールを含む十二カ国との間で来年夏に開港予定の関西国際空港乗り入れを前提に現在、協定締結交渉を行っております。 今後も順次航空交渉を推進してまいりまして、政治的、経済的なつながりの深い国、相当の需要が見込まれる国等との間でできるだけ多くの国々の新規乗り入れが実現するようにしてまいりたいと考えております。 なお、当然のことではございますが、現大阪空港に入っております九カ国十三企業につきましては、関西国際空港開港後は同空港へ移管することとしております。
○堂本暁子君 ネパールとの航空協定が締結されますと、ネパール側はロイヤル・ネパールが日本に乗り入れるということなのですけれども、日本側からはどこの航空会社がネパールに乗り入れを計画しているのでしょうか。
○説明員(藤野公孝君) 日本側から乗り入れる予定の国につきましては、現在、航空事業者は大変苦しい状況でございまして企業の再編等をやっておりまして、甚だ我々としても残念な状況ではございますけれども、明確に新たな締結国に乗り入れたいとはっきり明示している国というのは極めて少のうございまして、具体的な運航計画を受け取っているものは現在まだございません。ただ、希望を表明している国が幾つかはございます。
○堂本暁子君 ちょっと質問と違ったような気がいたします。 私が伺いましたのは、日本側はどこの航空会社が乗り入れる予定がということです。
○説明員(藤野公孝君) 大変失礼いたしました。 ネパールにつきましては、現在、具体的に乗り入れる企業は明確に意思表示をしたものはございません。
○堂本暁子君 今、先にお答えになったことで航空会社いろいろ競争が大変厳しいというようなこともおっしゃったように思いますけれども、少しこの協定とは離れるかもしれませんが、日本航空は非常に値段が高くて、どちらかというと私ども外国へ行くときに外国の航空会社を使うことが非常に多いわけです。そうするとまた乗る人が少なくなる。そういった悪循環にあると思うのですが、そういった悪循環から脱皮するにはどうしたらいいか、運輸省に伺いたいと思います。
○説明員(藤野公孝君) 我々といたしましても、航空交渉を通じまして相手国と航空権益の交換をいたしたわけでございますから、当然日本国の航空企業も乗り入れることを強く期待するわけでございますが、繰り返しにはなりますけれども、現時点におきまして非常に我が国の航空企業は苦しい状況にございます。競争力をどう確保していくかということを今、鋭意内部でも検討し、我々も一緒になって検討しておる状況でございまして、そういう企業競争力、企業体力をつけて一カ国でも多く日本側からも乗り入れるように指導してまいりたい、こう考えております。
○堂本暁子君 今、私が伺ったのは別にネパールということではございませんで日本航空そのものについて伺ったので、ちょっとお答え違うかとも思いますが、とにもかくにも競争力をつけるということだけは伺っておきたいと思います。あと、先日、タイ航空がカトマンズ空港で墜落したわけですが、ネパールとの間で飛行場の問題が大変難しいと申しますか、私もよく行く国ですけれども、どうしてもヒマラヤの山ろくにある空港ですから危険も伴っております。 日本はカトマンズ空港の近代化のために協力する調査団を送っていると聞いておりますが、ネパールとの合意に達しているのか、それから今後どのような協力を考えているのか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(川上隆朗君) 昨年のタイ航空機の事故の後にネパール政府から要請が参りまして、その要請に基づきまして、カトマンズ空港の安全性の向上のために我が国としてどういう協力が可能かということにつきまして十一月に現地に調査団を派遣いたしました。先方政府と協議した結果、レーダー等の設置についてさらに詳細な調査が必要であるということを確認いたしております。 これを受けまして、ことしの二月でございますが、事前調査団を現地に派遣いたしまして具体的な調査内容についてネパール側と協議を行いまして、カトマンズ空港の航空保安施設、通信施設、管制施設等を対象としましたカトマンズ空港の安全性の向上のための調査を行うとともに、二〇一○年を目標年次とします整備計画を作成しまして、あわせて追加的なレーダー設置等に関する協力についてはフィージビリティー調査、FSもやるということを合意いたしております。 現在、六月にこれは本格調査、ちゃんとした調査を一年近くかけて行う必要がございますので、その調査の開始に向けて準備中という状況でございます。
○堂本暁子君 多分、航空管制施設とか今おっしゃったレーダーとか、大変ネパールの場合は有用だと思いますし、そしてそういった空港の施設を日本が手伝うと申しますか協力するということで今後の日本とネパールの関係は大変友好的になるのではないかと思いますので、ぜひいい協力を促進していただきたいというお願いをして、中国の問題に移りたいと思います。 日中間の航空需要は大変ふえているそうで、一九九二年は百十万人と、大変驚きましたが、多くなっております。 今回の改正による輸送力の増大、日中関係の緊密化の観点から大変、時を得ているものと思いますけれども、やはり各航空企業は大変厳しい状態にある。日中の路線が新たに参入した場合どの程度増便されることを予想しておられるか。また、中国側は昔は民航というのが一つあったわけですけれども、最近は民間企業のように民営化というふうに聞いておりますが、新規参入はどういうような会社が入ってくるのか。そのことについて御答弁をいただきたい。
○説明員(藤野公孝君) まず日本側の航空企業につきまして、今回の改正によりまして三社目以降の参入が可能になったわけでございますが、具体的な航空会社につきましては今後調整してまいることになりますけれども、現在までのところ我々が聞いておりますのは、日本エアシステム、日本貨物航空等が中国への運航の計画を有していると聞いております。 それからまた中国側の航空企業につきましては、中国西北航空公司が現在中国東方航空公司が運航しております西安-名古屋路線、これは週四便でございますが、これを引き継いで回路線を運航する計画と聞いております。 先生、先ほど最初の御質問で我が国の航空協定締結数を三十六と申しましたが、三十九の誤りでございますので、申しわけございませんでした。
○堂本暁子君 今、東京-北京間は上海の上空を経由しておりますけれども、中国と韓国の国交樹立を受けて政府は日中航空路短縮を中国側に申し入れ基本的な合意に達していると伝えられております。 短縮ルートは実際に実現の見通しがあるのでしょうか。もし朝鮮半島の上空を横断すると五十分ほど短縮になるということですが、いかがですか。
○政府委員(池田維君) ただいま先生御指摘なさいましたとおり、もし朝鮮半島の上空を直接通過することができますと五十分ぐらい時間的に短縮できるということでございますが、中国と韓国との間で国交正常化が開かれましてから今まで二回にわたって航空交渉が行われておりますけれども、まだ妥結に至っておりません。 したがいまして、我々としては、その両国間の話し合いが早く妥結されて日中間の航空路が直接朝鮮半島上空を飛べるようになることを期待しているわけでございまして、そういう意味で現在、韓国と中国の間の交渉を見守っているという状況でございます。
○堂本暁子君 台湾との問題ですけれども、現在、台湾との間ではいわゆる民間航空協定に基づいて定期便が運航されております。経済、観光を中心とする日台交流の高まりに伴って就航している航空企業を複数にしたいという希望があると聞いております。最近、中国側も日台関係について柔軟な姿勢を見せ始めておりますが、日台航空路線の拡大についてはどのように対応していかれるおつもりですか。
○政府委員(池田維君) 私どもも近年の日台の民間交流の拡大に伴いまして航空路線もさらに拡充される必要があるというように考えております。そういった事情を踏まえまして、最近、我が方の財団法人であります交流協会と台湾側の亜東関係協会との間で日台航空路線に関する協議というものが行われておりますが、この具体的内容につきましては、私どもとしては航空路線が拡大されることを希望しているということでございますが、現在のところ話し合いが続いておりますので、そういう意味で詳細はまだ十分に承知しておりません。
○堂本暁子君 どうもありがとうございました。 それでは、きょうは外務大臣と五十分間どっくりといろいろお話をするつもりでおりましたけれども、かわってぐっと若くなられた政務次官にぜひいろいろ伺いたいと思っております。 まず何はさておき、クリントン・エリツィン会談が終わったところです。やはり若いクリントン大統領が大変マイペースで会談をリードしたような印象を私は受けました。二十五日に予定されているエリツィン大統領の国民投票に対しても大変率直に、そして思い切った支援をしたのではないか。かつて核そして軍事的な問題で対立していた米ソの首脳会談とは大変に違う様子で、世界の政治の向上と申しますか秩序が本当に変わったのだということを目の当たりに見せられたような、そういったクリントン大統領とエリツィン大統領の会談ではなかったかというふうな気がいたします。 エリツィン大統領にとっては、こうしたクリントン大統領の対応の仕方が大変心強くまたありがたかったに違いないのではないかというふうな印象を受けました。それが一つです。 それから次に、対日支援の問題についても、近く日本の総理が渡米なさる前の時期そしてG7の外相・蔵相会談の前、さらに地球サミットというふうに外交的な大きな流れがある中でアメリカが大変イニシアチブをとった。そのことを見事にクリントンさんは意識して会談に臨んだのではないかというような感じがいたしました。世界にもそういった印象をもちろん与えたというふうに思っております。 日本にとってはロシアはもうすぐ隣の国でございますし、今後、日本にとってどのような外交方針が一番大事なのか、そしてどのような戦略で臨むか、これは日本の国民にとってまさにもう非常に今、大きな問題になってきている、また国際的にも注目されていることだろうというふうに思います。そういった意味で大変重要なときだと思うのです。 北方領土の問題、安全保障の問題、特に核拡散の問題、それから目の前に迫っております対日支援の問題、環境と、実に多様で多角的な対応を迫られているように思います。しかし、根底に我が国の確固とした外交方針が一つ見えてこないような気もいたします。 外交青書をゆうべ拝借して帰ったのですが、全部はもちろんこんな分厚いもの読めませんでした。私が見せていただいた範囲では、大変解析と申しますか分析はあるのですけれども、ではどのような戦略で骨太く日本がロシアに迫るのかということがなかなか読み取れなかった、そういう印象がございます。そういったことをぜひきょうは伺いたいと思っています。 まず領土問題ですけれども、印象に残りましたのは、アメリカのクリントン大統領のスポークスマンが対日支援の積極姿勢を伝えるというところのまくら言葉のようにして北方領土問題の支持と日本の対日支援という言葉の使い方をしていたということです。 日本はずっと政経不可分を貫いててまいりました。河野官房長官の談話ではこのクリントン発言を評価するというふうにおっしゃっていらっしゃいますけれども、政府はこの政経不可分を今後も貫いていかれるおつもりなのかどうか、まずそのことから伺いたいと思います。
○政府委員(柿澤弘治君) 堂本先生からお話がありましたように、米ロのバンクーバーにおける首脳会談は今後の対ロシア支援をG7をベースにして決定していく上で大変重要な会合であったと私どもも評価をいたしております。 まず何よりもエリツィン大統領が明確に今後とも政治経済の改革を推進するということを国際社会の前で明言をし約束をされたということは評価できることであろうかと思います。またあわせて、クリントン大統領が米国としてそうしたエリツィン大統領の推進する政治改革路線に対して支援を惜しまないということを約束されたことが第二の成果であったかと思います。 我が国との関係でいいますと、今、先生からも御指摘がありましたように、日本の領土問題に対する立場を支持しながら、議長国としての指導力を発揮することを期待するという趣旨の言及がありました。 我が国といたしましても、領土問題という重要な問題がありますし、この問題については今後とも拡大均衡という姿勢にのっとって粘り強く話し合いをしていきたいと存じておりますが、同時に、目前に迫りました十四、十五日のG7外相・蔵相会議におきましては議長役として取りまとめの責任を持っておりますので、各国の意向等も十分踏まえながら、多国間の援助の仕組みまた二国間の支援のあり方などを検討していきたい、こう考えておりますし、日本としてもエリツィン大統領が約束されましたロシアの民主化、政治経済改革については何としても実現をさせなければならないという立場で協力を惜しまないものでございます。
○堂本暁子君 拡大均衡という表現でおっしゃいましたけれども、前のこの参議院外務委員会でも外務大臣は経済の問題を、政治の状況が変わるのだから経済の状況も変わるのだというような御答弁で、政経不可分が建前でありながら実質的にはそれが崩れていっているような印象を受けたのです。 もう一度伺いたいのですが、これからの対ロ外交は、ずばり伺いますが、ある程度政経不可分というのをわきに置くと申しますか表に出さないで展開していくおつもりなのでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) 私どもとしては、拡大均衡ということを長期的にとにかく実現することが大事だと考えております。その意味で、エリツィン大統領は外交の問題につきましても法と正義に基づいてこれからの交渉をしていくという姿勢を示していらっしゃるわけでありますし、当面はしかしながら国内の政治情勢から見てその問題を直ちに交渉できる国内情勢にないということも堂本委員御承知のとおりでございます。 その意味では、まずエリツィンの改革路線を定着させるためにG7として歩調をそろえるということが当面の短期的な課題でありますが、しかしあくまでも我が国としては、領土問題を解決して平和条約を結び日ロ間を正常化するということが大事な課題であるという点については各関係者に忘れてもらわないように努力をしていくつもりでございます。
○堂本暁子君 拡大均衡というのは、私が理解する限りでは、政治と均衡のとれた形での拡大という意味かと思いますけれども、実質的にはやはり経済を別にするということを含んでいるのではないか。 もう一つ、今、日本の国内事情という指摘をされましたけれども……
○政府委員(柿澤弘治君) ロシアの国内事情でございます。
○堂本暁子君 ロシアの国内事情でございますか。 そういたしますと今の拡大均衡、これはやはり政経不可分ではなくて、政経がある程度不可分を破っていくということにはならないでしょうか。
○政府委員(野村一成君) ただいま先生二つの言葉を使われました。政経不可分という言葉と、私どもが最近使っております拡大均衡という二つの表現、言葉が出ております。 基本的には、政経不可分という原則、これは沿革的に言いますと、特に一九六〇年代の終わりから七〇年代の初めですけれども、片やシベリア開発その他で、当時まだソ連でございますが、日ソ間の経済関係がいろいろな大規模なプロジェクトをめぐって話があったという時代がございます。そういうときに、他方、領土問題、この我が国にとって最重要二国間懸案であります領土問題につきまして当時のソ連の立場と申しますのは、一言で申し上げれば、領土問題は存在しない、さらに強く申し上げれば、したがってまともな交渉の席にも着かない、そういう立場をとっておったわけでございます。 したがいまして、そういう政治の世界における現実を踏まえて、経済というのが果たしてこういう大きな話が進んでいいものであろうか、そういう発想から出てきたのが政経不可分の原則でございます。 他方、その後、領土問題についてソ連の立場というのは御案内のとおり変わってまいりました。現在においては領土問題は存在するということはもう当然の前提であり、かつその領土問題というものの対象は北方四島、これをきちんと明示した上でそれの帰属の問題であるということまではっきりいたしております。 そういう意味におきまして領土問題についてのソ連あるいはロシアの立場というのは大きな進展を見ているというのが基本的な考え方でございまして、そうであるならばその進展を見ている領土問題を含めての二国間、日ロの正常化の関係というものをさらに発展させようじゃないか。同時に経済の分野においても日ロの関係を発展させていく。そういうことによってやはり国と国との関係、政治経済均衡のとれた形で発展させていくというのが本来私どもの基本的に考えるべき国と国との関係における日ロ関係ではないかというのが発想にあるわけでございます。 したがいまして、あくまで拡大均衡と申します場合には、国と国との関係におきまして政治と経済が一方だけがということはそもそもないわけでございますけれども、なぜ拡大均衡ということで。申し上げるかと申しますと、そこには厳然たる事実としまして日ロ間に国家にとっての最重要懸案でございます領土問題、北方領土問題が存在しているというのが現実でございますし、それを解決して日ロ関係を正常化させていかなければならない、そういう事実があるわけでございます。 その点を踏まえての国と国との関係ということから私申し上げましたような拡大均衡という原則が出ているわけでございますので、これはあくまで従来の一貫した方針のもとで堅持すべきである、そういうふうに考えております。
○堂本暁子君 政務次官に伺いたいのですが、今度クリントン大統領が見事だったと思いますのは、アメリカの世論の中には対ロ支援に反対する声も大変大きかった、それに対してクリントン大統領はなぜ今アメリカがロシアを支援しなければならないのかということをテレビを通して言明し、そして国民の同意を得る努力をしたわけですね。 私は、外交というのは一外務省だけが行うものであってはもういけないのだ、そういう意味でいつの時代もよくないかもしれませんが、今は特に国民が理解し、そして税金がどう使われていくかということをきちんと認識しながら進まない限り外交が浮いてしまう。そして、一体日本の対ロ外交というのはどういうものなのか理解できないというような形になっていくのだと思うのですね。 後で対日支援の問題についても伺いたいのですが、まず領土の問題も日本の国民感情の中にはいろいろな思いがございます。今、局長がおっしゃったような事情はありますけれども、私どもここへ来てから短い期間ですが、海部・ゴルバチョフ会談もございました。いろいろこの領土問題の厳しい局面に日本は立たされてきた。そのことを一応目の当たりにしながら今こういう時代を迎えている。そのときに外交姿勢が国民に見えないと思うのですね。 そういう意味で、やはり外交は事務に陥ってはいけないのではないか、あくまでも。そして、もし本当にはっきりとした方向転換をするのであれば、言葉の上で政経不可分というのも大変わかりにくい言葉です。今の若い人がどれだけ政経不可分をわかっているかわかりません。拡大均衡となったらますます何のことがわからない。政経不可分から拡大均衡になったと言われても何が何だかわからない。そうではなくて、こういう問題を日本は抱えてきたのだ、今こういうふうにロシアは変わった、それに対して日本はどう対応していくのだというようなことをきちんと国民に求めていくべきだというふうに私は思うのですが、政務次官はどうお考えですか。
○政府委員(柿澤弘治君) 我々も、堂本先生、外務委員の皆様とともに北方領土の返還についていろいろと努力をし苦心をしてきたわけでございますが、現在のロシアの国内事情等から見て直ちに急速な進展が見られるという状態でないということは残念ながら認めざるを得ないと思います。 それだけに、今回のG7において国際社会全体として先進七カ国が力を合わせてロシアの民主化と改革を支えていこうという決意を新たにしようとしている時期に、日本は議長国としてそれを取りまとめていく責任がございます。その意味で、領土を盾にとってそうした国際社会の動きにブレーキをかけるか、それとも領土の問題があるということは念頭に置きつつ当面ロシアの民主化を支えるということでリーダーシップを発揮するか、その一つの選択に迫られていると私は思っております。 その意味では、昨日の米ロ首脳会談等、国際世論等も受けて、我々としてはロシアの民主化支援のために議長国として応分のリーダーシップを発揮するという決意をしているところでございます。 それでは領土問題は棚上げかという御質問があるとすれば、棚上げではありませんとお答えをしたいと思います。むしろそうしたリーダーシップを発揮することによってエリツィン大統領の対日感情を改善し、またエリツィン大統領も一人で領土問題についての決断ができるわけではありません。やはりロシアの世論、国民の意見というものも背景にして彼は外交をやっているわけでございますから、ロシアの国民世論の対日感情というものも改善をしていくということに資することができるならばまさに政経不可分としての実を上げることができるだろう、こう考えているわけでございます。 そういう点では、あくまで領土問題に関するロシア側の対日感情の改善を期待しつつ今回は援助に向けて議長国としてリーダーシップを発揮するというのが我が国の立場であろうと思っておりますし、その点はぜひとも国民の皆様にも御理解をいただきたいと考えております。
○堂本暁子君 援助に臨む場合もやはりその後ろに外交の理念と申しますか、国としての大きな大所高所からの方針が必要かと思うのですね。 今、政務次官の言われたこと、おっしゃることはよくわかるのですが、といたしますと、昨年ミュンヘン・サミットの折に日本は大変な苦労をしてその政治宣言の中に、ここに書いてある九項ですけれども、「我々は、法と正義の原則に基づき外交政策を遂行するとのロシアの公約を歓迎する。我々は、このロシアの公約が領土問題の解決を通じた日ロ関係の完全な正常化の基礎となるものと信じる」、これが入ったわけですね。大変な苦労をされたことは新聞紙上でも読みました。 ここの後段の「完全な正常化の基礎となる」ということをあえて一年前に入れたのはどういうことだったのでしょうか。できれば政務次官にこれは伺いたい。
○政府委員(柿澤弘治君) 昨年のミュンヘン・サミットにおきましてそうした宣言を入れていただいたということば、G7七カ国が日本の持っている領土問題についての関心を共有するという点を確認していただく意味で大変大きな意味があったと思います。その宣言の内容は現在もまたG7が続く限り生きているというふうに考えてよろしいわけでございますので、その意味でそれなりの大きな意味があったと、今でも意味を持っているというふうに考えておりますので、その点は一切変更する必要を感じておりません。
○堂本暁子君 今、政務次官のおっしゃったことは私も同感でございます。日本に領土問題があるのだということをほかの国が知ったということでは意味があったのではないかと思いますけれども、同時にほかにやはりデメリットもあったのではないか。 政務次官がつらつらお考えになって、この入ったことによるデメリットはございませんでしたでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) 私は、今申しましたように、G7諸国が日本の領土問題についての関心を共有したという意味で大きな意義があったと思っておりますが、一方ではエリツィン大統領がそれに反発したというようなニュースも聞いております、直接的ではありませんけれども。 そうしたことを堂本先生念頭に置いてお話しされているのだと思いますけれども、しかしここのところはエリツィン大統領もそのほかの場面で、ロシア外交は法と正義に基づいて今後実行するということであり、また日本とのいわゆる領土問題につきましてもその原則は適用されるということをおっしゃっているわけでございますから、それと直ちにそれを具体化するということとのギャップをエリツィン大統領としては感じながら若干の反発をされたというふうに考えているわけで、これはまた先方の国内政治情勢から見てそういうこともあり得るかなと考えておりますが、それを入れたがためのデメリットというふうに考える必要はないのではないかと思っております。
○堂本暁子君 私も、今、政務次官おっしゃったように、エリツィン大統領の反発と申しますか、日本へ結局いらっしゃらなかった、来日が延期されたというようなことが具体的にあったわけですが、その辺のことが無関係だったかどうかこれは知る由もございませんけれども、無関係ではなかったのじゃないかという立場に立ちますと、やはり不必要にロシアの国民の中にも反日感情を沸き起こした、大変問題になったということもございました。 それからかえって開き直って、相手の言葉、相手の立場を強くしてしまったようなところもあるような気がいたします。それからまた、先ほどから出ています拡大均衡という言葉をわざわざ使わなければならなかったというような事情、こういったものはやはりデメリットではなかったのか。そして、政務次官が今言われました、日本が対日支援に踏み切ることによって日ロ関係をより親しいいいものにしていくということが第一だといたしますと、むしろこれだけの時間とそれからそういったむだがあったというような気がいたします。むしろこれがなければもう少し単刀直入にクリントン大統領がやったような話ができたのかできないのか。 この辺は仮定では物は言えないわけですから言えませんけれども、あとそこのところでかえってロシアの側はコール首相とかクリントン大統領から日本にアプローチするというようなあの手この手で絡めてこられているような印象がなきにしもあらず。日本包囲外交というような言葉も新聞で見ましたけれども、そういったようなやり方というのはかえって日本の国民に見えにくくなってしまう。やはり一番大事なのは、最初に私が思いますのは、今、国民に見える外交であるべきでありまして、そのときに、あの時点でどうして一年前にここまで苦労して入れなければならなかったのか。 それは外交のあり方とかそれから方針とか読みとか、さまざまな大変高度な外交のあり方に関係することでございましょうけれども、それだけに、政務次官に確認させていただきたいのですが、東京サミットの折に今度は一体この領土問題についてどういう態度をおとりになるのか。また政治宣言が出ると思いますけれども、日本としては再度書き込むつもりなのかどうか、お答えください。
○政府委員(野村一成君) ミュンヘン・サミットにおける政治宣言についての幾つかの御質問がございましたけれども、これは私ども、日日関係におきましてこの政治宣言に述べられていることというのはある意味で極めて当然と申しますか、中身からいたしますとこれはロシア側にとっても全く異存のない基本的な話だろうと思っております。 重要な点は、特に私どもが対日支援とかいう場合のロシアにおいて行われている改革の中身なのですけれども、基本的には一つは経済面の市場経済化、あるいは内政面での民主化、それからもう一つ重要なのは外交面での法と正義に基づく外交の実施と、やはりこの三つの点が私どもの評価からいたしますとロシアにおいてエリツィン大統領が行っている改革という場合のポイントだろうと思うのです。 その場合に特に外交の面での法と正義に基づく外交の実施ということになりますと、これは一言で申し上げますとどういうことかというと、やはりかつて拡張主義時代の、まあスターリン外交と言っていいかもわかりませんけれども、その残滓と申しますか、それを取り除いて我々と本当の真のパートナーになる、そういうことでございまして、そういう見地からいたしますと北方領土問題というのはまさにスターリン外交の残滓であろうというふうに思うわけです。 ですから、この問題について基本的に前向きに解決に向けてロシアが対応してくるかというのも実は今エリツィン大統領が行っております改革という場合の一つの大きなポイントになるわけでございまして、ある意味で一つの試金石というふうなとらえ方も可能かと思うのです。 こういった点につきまして、G7と申しますかその間の基本的な認識が一致したというのがミュンヘン・サミットの際の政治宣言にあらわれている考え方でございます。
○堂本暁子君 大変理路整然とした御説明なのですけれども、百年に一度か二百年に一度の変革の時期というのはそういった外交のルールにのっとってはかり考えていたのではなかなか日本の立場が不利になるようなことも時としてあるのではないかというふうに考えます。 確かに、私も質問をする関係でずっと北方領土の歴史的な経緯というのを一応はトレースしてみましたけれども、そういった問題と、それから今ロシアの内部自体も非常に不安定な状況にある中で日本がどうロシアと向かわなければいけないのか。 一々アメリカの大統領から総理のところに電話がかかって、そして日本は積極的姿勢を貫くそうだとか、コールさんがロシアに行った帰りに日本に寄るとか、それから湾岸戦争のときもそうでしたけれども、何か間接的に包囲されてしまうというような形をとるのはいかにも不本意なことでございまして、やはりどれだけ先を読んでそして先手を打っていくかということが私は今の外交ではないかと。専門家に向かって僭越ですけれども、むしろ素人目に、それから国民の声としてそういうことを言いたいという気がいたします。 そういう点から去年にさかのぼって考えますと、今、局長の言われた論理からいえば確かにもっともなことなのですけれども、それが果たしてこれだけの乱世と、あえて言えばロシアはもう乱世に違いありません。その国を相手にしての外交、政治を展開するときにそういった論理の筋道で日本が外交を展開することがいいのか、それとももっと政治的にそして国民にわかる骨太な外交を展開することがいいのか、そのことの違いなのではないかというような気がしております。 あえてきょうはそういうことを伺ったわけですが、私の危惧が当たらなければいいのですけれども、やはり大国意識のあるロシア、今どんなに苦しくても大国意識のあるロシアのそのプライドにこちらがさわったようなこともあったのかもしれないとも思いますし、そこのところで日本が逆に言えば堂々と相手にして外交を展開していくということがこれからの日本が議長となっていった時期に大変大事なのではないかということを考えたものですから、きょうあえてその辺のことを伺いました。 続いて対ロ支援の問題に移りたいと思うのですけれども、これも政務次官に。 ODAにしてもそうでございますが、日本は理念がはっきりしない理念がはっきりしないということを外国からも言われ、私自身もそう思ってずっときたのです。今度はODAではございませんが、ロシアに対しての援助のあり方、これもやはり方針がなければその場での金は出したけれども大きく評価されないというようなことになりかねないと思いますので、今の時点で対日支援に対してどのような理念、どのような論理で日本は臨もうとしているのかその点をぜひ伺わせていただきたいと思います。
○政府委員(柿澤弘治君) 我が国は、対日支援につきましては多国間の支援のスキームの中に参加をするということで、IMFまたEBRD等に参加の形で協力をしてきました。これは国際的な対日支援に対して日本も積極的に参加をするという趣旨でございます。 それから二国間としては人道支援、これは当面の食糧不足に対応する、医薬品の不足に対応するということが人道的な観点から大事であるということでやってきているわけでございます。 そのほか我が国としては、チェルノブイリ発電所の事故に対する技術的な支援、また軍民転換、軍需産業を民需産業に転換するためのさまざまな技術支援、経営上の支援等も行ってきておりますし、現在私どもはそうした民生部門への転換の支援とかまたはこれからの新しい企業をつくっていく上でのノウハウ、経営上のノウハウの提供とかそうしたものがロシアの市場経済化を定着させるために大事なことだというふうに考えております。 その意味では資金を大量に投入すればよくなるというものではないということは先生おっしゃるとおりでございまして、むしろこれからの市場経済化の定着のために必要となるノウハウをいかに提供していくか、また新しい産業を興していくための技術的な基盤をどう提供していくかということが大事であろうかと思います。 もう一つは、大量に保有している核兵器等の拡散等を防止するためにどのような支援ができるか、これも一つ大事な観点であろうかと思います。 また、今回のG7等で議論されるであろうと思われます点につきましては、例えばエネルギー関係の企業に対する支援、これは本来ロシアは石油や天然ガス等供給能力があるにもかかわらず資材が老朽化して十分に市場に供給されていないという問題がございます。そういう点ではそうした分野についての支援を行うことによって短期間にロシアが外貨を獲得する、また必要なエネルギーを市民に供給できるというようなことでロシアの経済回復に短期的に速効的に効果があるということで、そうした問題は支援の対象として検討できるのではないかと思っております。 さらに中小企業支援ということも話題になっておりますが、やはり大企業の構造転換ということはこれは言うべくしてなかなか時間がかかります。その意味では民生分野に近い中小企業等を合弁その他の形で興していくことで生活の安定に資するということも速効的な効果が期待できるということで、そうした分野をいろいろな意味で検討しながら適切なそして有効な支援を展開していくことが大事だというふうに考えております。
○堂本暁子君 歯に衣を着せずに物を言えば、アメリカの場合はやはりロシアと軍拡競争はもうやりたくないという、これはお互いの経済事情であると思います。ですから、クリントン・エリツィン会談がああいう形で展開されるのも当然と思いますし、ドイツはドイツで難民の問題を抱えているそうですし、これもまたそこに利害がある。 日本がもし領土問題を少し今、棚上げではないまでも少し脇に置いたとして考えますと、今、政務次官の方針を伺っていると、日本は純粋にロシアのためにというふうに比較的良心的にと申しますか考えて事を運んでいるように思うのですね。にもかかわらず、ロシアからは日本は一ドルも一円も出さないと言われたり日本が協力しないと言われているのは大変不本意です。なぜこういうことが起こるのか。それは政務次官、なぜだと思われますか。
○政府委員(柿澤弘治君) 実はこれはODA、途上国援助も同じでございますが、日本側として支援の用意があるということでいろいろな形の資金や技術、調査団等を用意いたしましても、先方の受け手にそれを受け取る準備がなければその援助は実行できないわけでございます。 その意味で、私どもが予想した以上にロシアの国内経済またそうした援助を受け入れるべき担当者、またそれの資金の受け渡しに携わる金融機関等の体制が整備されていない、混乱しているということが実は実施上のネックになっているということでございます。そういう点を一つ一つ解きほぐしながら私どもは効果のある援助を実施していくつもりでございまして、最近その意味では貿易保険の対象になるような契約もできつつございます。 一つずつ成果を上げていくわけでございまして、日本の援助は時に生まじめ過ぎると言われることがありますけれども、必ず最終的にはある意味では時間をかけてきちっと準備をした援助の方が先方にとっても効果があったということは評価していただける。これは東南アジアにおける支援も同様であろうかと思っております。
○政府委員(野村一成君) 若干、事実関係を補足させていただきます。 先ほど政務次官から答弁がございましたように、先方の実施上の都合で若干難しい側面というのはありますけれども、現在ロシアとの関係におきまして私どもが支援を行っているコミットベースで申し上げますと約二十七億ドルございます。その中で、ではディスバースはどうかということでございますが、これは特に貿易保険なんかになりますと個々の民間の契約進捗状況をきちんと把握しないとわからないという面があるわけでございますけれども、ほぼ私ども、今の時点では大体七ないし八億ドルは既にディスバースされておるし、あるいは近く四億ドルか五億ドルぐらいさらにそれにオンされるのではないかというふうな見通しも持ち得る状況になっております。 したがいまして、先ほど先生おっしゃいましたけれども、日本が支援していないというふうなもし仮にロシアの方でそういう感じを持っているとすれば、これは明らかに間違った認識でございます。
○堂本暁子君 大変そういうことをロシアは多々言っているみたいですけれども、言わせておいていいのかという気が私はいたします。こちらが国民の税金で支援をしていながら、あげくの果てに日本は何もしないなどということを国際社会で言われたのでは困ります。 その辺のところは、今伺うと、日本は一生懸命やっているにもかかわらず受け皿がない。恐らく受け皿がないということについてはアメリカにしてもドイツにしてもイギリスにしてもほかのどこの国にしても同じであろうと思うのです。 今、混乱状態にロシアがあるということは、どこが支援するにしても同じである。そうだとすればどういう支援の仕方をするのか。それから相手にそんな一ドルも一円もやっていないなどということを言わせるということ自体が、私は外交がここでやっぱり質的転換をしてダイナミックになって、こちらも相当言うべきことをはっきり言いながらつき合っていくというような形の展開をしていかないといけないのではないか。そのためには相当に今までの外交と質が変わらなければ相手がこんな不安定な状態である場合には難しいのではないかと思います。 先ほど野村局長は、ミュンヘン・サミットのときに書き込まれました法の正義と原則、大変大事だとおっしゃった。まさにそのとおりだと思うのですけれども、その法の原則が守られるのかどうか、これすらも大変不安な気がいたします。 そうすると一番悪い筋書きというのは、ユーゴスラビアのような形でロシアがもっと大きな混乱に巻き込まれていく。そうした場合には、核兵器が本当に大変な数あるわけでございますし、そこで地理的に近い日本というのは大変危険な状況も考えられるわけで、そういった安全保障の問題、核拡散の問題、それから難民の問題、経済状況、すべてを視野に入れた場合に、全然こだわるわけではないのですけれども、東南アジアで展開してきたようなODAの技術的な援助でいいのかどうかということにもいささか疑問を持ちまして、何かダイナミックな展開をしていただきたいという、これはお願いに近い気持ちで申し上げているのです。そして、政府間援助だけではなくてもっと多層な考え方というものを入れていかなければいけないのではないかというようなことも感じております。 先へ行かせていただきます。 けさの新聞にも七から八億ドルの実施状況というのが書いてございましたけれども、その横に二十七億ドルの支援の約束があると。こういうのを盾にとられるというのも何か私は日本としては不本意で、日本はよこさない、よこさないと言われながらこちらから一生懸命上げなきゃならないという、何か大変矛盾を感じざるを得ないのですね。それだけに大胆に何か今までと違った方法も取り入れていただきたい。そのぐらいのことをしなかったら大変なことになるのではないか。北朝鮮の問題も同じだと思いますけれども、すべて危惧ならいいのですけれども、これだけ大きく時代が変わっている中でやはり日本のあり方というのが問題になってくるのではないかというふうに思います。 そういった中で大変気になりますのがやはり海洋投棄。 その前に、私は、実はロシアの方で議員さんじゃないのですけれども国際的な議員連盟に入っておりまして、アメリカのゴア副大統領が国際的な会長をしているグローブというグループがございますが、その中のメンバーでヤブロコフさんというエリツィン大統領の環境顧問の方が日本にいらしてこの参議院の部屋で会議を持ったのです。 きのう、実はあした私はロシアについての質問をするので今あなたが何を考えているかということを教えてくださいとファクスを入れたら、私が部屋を出るまでは来ていませんでした。今たくさんファクスが届いているのですけれども、その中で放射性廃棄物を今のところ決められたところにソビエトが捨てていないという問題。ヤブロコフさんは、膨大な百ページよりもっと物すごく厚いもののようですが、それをエリツィン大統領に報告したその当人でございます。 彼からのけさのファクスによりますと、日本海と太平洋に核の潜水艦が二十台ある。今後この二十台を解体しなければならないのではないか。二〇〇〇年までに廃棄物を捨てる場所、そして大きなコンテナ、外に漏れないような容器を確保したい。こういったことをやるためにも海外の協力が必要で、日本の技術的な援助をぜひ求めたいということをおっしゃってこられました。 また、先ほど政務次官が指摘されたエネルギーの問題についてですが、持続可能なエネルギーのためにも非核の、核を使わないエネルギーの開発協力をしていただけないだろうか。ロシアにとって必要なことは軍備のための工場を民需に変えていくということ、これは先ほども出た問題でございます。 ほぼ同じようなことが多々あると思いますが、オホーツク海で魚をとり過ぎるための問題が起こっている。オホーツク海の中心に禁漁区を定めたらどうか。それも日本の協力が必要である。そして、ロシアの野生生物は今、密猟されている。トラやクマだそうですが、剥製としてアジアに売られているというようなこと。 これは今回は書いてこられませんでしたが、去年ワシントンで会議がありましたときに同じヤブロコフさんは、シベリアでの木材の伐採、これで大変ツンドラが乾いてしまう、このことはやはり日本としてはぜひ考えてほしい、生態の保全ということを考えてほしいということをおっしゃっていました。そして、環境教育のための教科書がない、特に子供向けの教科書を日本でつくって援助してもらえたら大変ありがたいのだけれどもというようなことをおっしゃっています。 それから最後に、これが私は大変うれしかったのですが、こちらから別にこういうことを生言ったわけではないのですが、きょうこれからまさにお願いしようと思っていたことを相手からも言ってきました。日本政府はもっとロシアのNGOを支援してほしい。政府は人がかわることがよくあるけれども、NGOは変わらないのだと。ですから、ロシアの政権は変化する、変わる。もしかしたら二十五日にエリツィンさんが失脚しないという保証はないわけですね。しかし、NGOは変わらないのだと。だから、変わらないそのNGOの部分に目を向けてほしい。私は今初めて実は読んだものですから、最後の部分が一番大事かと思います。 それで、そのことで海洋投棄の問題に入っていきたいと思いますが、これも日本の、日本と申しますか国際的なNGOのグリーンピースがヤブロコフさんのここにございますけれども大部の報告書を手に入れた上で報道されたという経緯をとったと思いますが、核の問題、核廃棄物が投棄されていた問題は外務省は正式には報告を受けていらしたのでしょうか。
○政府委員(野村一成君) 旧ソ連あるいはロシアの放射性廃棄物の海洋投棄につきましては、国会でも何回が御指摘がございました。私どもこれは経緯的には去年の十二月の終わりにロシアの政府委員会が問題提起を行ったのを受けまして累次その事実関係の確認というのを外交ルートを通じましてロシア国防省、外務省に対して行ってまいったわけでございます。近々その調査の結果を白書の形で公表するであろうということは把握しておりましたところ、四月二日、海洋投棄を調査したロシア政府委員会が白書の形で投棄の調査を公表いたしました。 もしよろしければその内容、ちょっとポイントを触れさせていただきますが。
○堂本暁子君 いや、結構でございます。内容はこちらも持っておりますので結構なのですが、むしろ条約局長に伺いたいのですけれども、これはロンドン条約の違反になる。それから驚いたことにこの報告書にも、これはロンドン条約違反であるということを書いているわけですね。ですから確信犯と申しますか、そういった条約違反であるということは、日本から見ても、ロシア側も自分でも認識しているということですと、これは条約上、汚染された場合にはどういう扱いになるのでしょうか、
○政府委員(丹波實君) 先生御承知のとおり、ロンドン条約は海洋投棄禁止物質を二つに分けておりまして、一つは高レベルの放射性物質、これを附属書のⅠに掲げておりまして、これにつきましては海洋投棄を一般的に禁止しておるということでございます。それから二つ目に低レベルの放射性物質というものを附属書のⅡに掲げておりまして、これにつきましては一般的な許可を必要とするということになっておるわけでございます。 したがいまして、高レベルの放射性物質につきましては、その投棄というものは明らかにそれ自体が条約違反であることは明らかでございます。低レベルの放射性物質につきましては、別途この条約の運用上の問題といたしまして一九八三年以降投棄の一時停止ということが締約国会議で決議されておりまして、そういう意味でそれ以降は低レベル放射性物質の投棄というものはこういう決議を通じてやはり一つの条約違反になろうかと判断されます。 したがいまして、そういう意味も込めて私たちはロシア政府に対して問題提起をしておるわけでございまして、今後ロシアの対応を見ながら場合によっては、先ほど申しました締約国会議というものが定期的に先生御承知のとおり開かれておりますので、そういう違反というものをこの締約国会議でも提起していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○堂本暁子君 例えば具体的に今、ヤブロコフさんからもそういったものを回収するのを日本で援助してほしいというような、それから日本側でもそういったことの調査をしなければならないというようなことも考えておられるようですけれども、条約上はだれが原状回復の責任を持つのでしょうか。
○政府委員(須藤隆也君) ロンドン条約によりますと、各締約国はこの条約を実施するために必要な措置をとるということが第七条に書いてございます。「各締約国は、この条約の規定に違反する行為を防止し及び処罰するため、自国の領域において適当な措置をとる」というような規定もありまして、基本的には各締約国が自国の責任においてこの条約を実施、確保するための措置をとるということになっておりまして、我が国におきましては所要の国内法を整備してございます。
○堂本暁子君 ロシアの方にその原状回復をさせる、後のそういった汚染を防止するというような後始末をするということの責任はないわけですか。
○政府委員(須藤隆也君) 基本的には各締約国が自国の責任において条約の内容を実施するということになっているわけでございますが、仮に問題が起こって国家間で、締約国間で問題が起きるというような場合につきましては、条約の第十条というところに「投棄についての責任の評価及び投棄に関する紛争の解決のための手続を作成する」ということになっておりまして、それから続いて第十一条におきまして「この条約の解釈及び適用に関する紛争の解決のための手続」を定めることになっておりますが、現在までのところ第十条の手続につきましてはまだ作成されておりません。 それから十一条の紛争解決のための手続につきましてはロンドン条約の改正として作成されておりますが、現在までのところまだ未発効になっております。これを発効するためには締約国七十カ国の三分の二の受諾が必要でございまして、現在まだ十八カ国が受諾しているだけであって発効はしておりませんが、紛争になった場合にはこういう手続を通じて追及する道は開かれているわけですけれども、まだその詳細については合意されていないというのが現状でございます。
○堂本暁子君 こだわるようですが、法と正義の原則というところで言えば、まさに旧ソビエトからロシアはずっと条約違反をしてきたということですね。やはり日本の隣の国でありますし、守るべき条約はきちんと守ってくれなければ困るということが原則だと思います。 そういった意味でも単に経済支援をすればいいということではないと思うのですね。もっと本当にどう腹でつき合っていくのかというあたりを、これはですから外交技術上の、今お読みになったそこのところはまだ書かれていないとか発効するのにどうのこうのと言っている時期ではないようなそんな気がいたしますね。私は本当に知りませんでしたからぞっとします。これから魚に影響が出て、それをロシアの人も日本の人ももしかしたら食べるかもしれない。二十一世紀、二十二世紀になってどういう形で汚染が出てくるのか。チェルノブイリどころではないのかもしれない。 そこまで大きく考えた場合に、こういうことを経験した日本としてどういう外交姿勢でロシアに臨んでいくのか、もう本当に難しいと思うのですね。その辺のところで、この問題というのは単に技術的とかそれから調査をするとか支援をするとかというレベルではない。 もしこの九項でどちらが大事かと言えば私は前段だったのではないか。後段のこの領土のことは書かれなくても私はよかったのじゃないか。書いた方がいいですか。わかりません。ですけれども、それは外交技術上の問題としてはわからないのですけれども、素人判断としては前段にとどめておいてそこを強調するということはとても大事だったのではないか。きょうは実はもうちょっと話したいことがあるものですから、この続きはいずれゆっくり。 政務次官、短く何か。
○政府委員(柿澤弘治君) ただいまの旧ソ連による放射性の廃棄物の海洋投棄の件につきましては、今、欧亜局長から説明したとおりでございますが、今月の二日に枝村大使からコズイレフ外相に対して改めてかかる投棄を即時停止するよう強く申し入れたところでございますし、今後ともそうした申し入れを引き続き行っていきたいと思っております。これは国益にかかわる問題だということでございますので、その点外務省としても日本政府としても断固たる姿勢で申し入れを行ってまいります。 それから先ほど、一銭も日本は援助していないということに対して言いっ放し、聞きっ放しになっているではないかという御指摘がありましたが、これは昨年八月に渡辺副総理・外務大臣がモスクワを訪問しましたときにもエリツィン大統領にそうした誤解を解くべくきちっと説明をしておりますし、その後も随時やっております。現在ではそういう誤解はございませんので、その点もつけ加えて申し上げさせていただきます。
○堂本暁子君 ありがとうございました。 できれば、なかなかそう日本はすぐカーブが切れるほど小さい国ではないと思いますけれども、やはり今度は言わせないという方針でぜひ外交をダイナミックに展開していただきたい。それから汚染の問題についても二十一世紀まで押し上げたダイナミックなつき合い方をしていただけたら、やる方になってみれば本当に大変だと思いますが、お願いいたします。 そして、この前もアジアのことでNGOの重大さというのを申し上げたのですが、私はまさに今のロシアのような状況の中でそういった市民同士のつき合い方、いろいろな企業のつき合いとか政府のつき合いだけではなくて本当の草の根のグラスルーツのNGOのつき合いが大変大事だと思います。それは今、ロシアの方からもそのようなおっしゃり方でぜひNGOに対してのということですけれども、そうなると政府からNGOにということは難しいわけで、やはり日本がここで大胆に日本のNGOを使って相手のNGOとつき合っていくということをやらなければいけないと思うのですね。今、NGO支援、例えば外務省もそれから郵便貯金もありますけれども、それはもう手続をして一年もかかってお金が来るとかそういうことなのです。 私は、今やるべきことは早くやらなければいけない、そして対応していかなければロシアのしたたかさに負けるのではないかという気がするのです。したたかに何かやらなければいけない。それができるのは草の根のつき合いをどんどん拡大していくことではないかというふうに思います。 そのこともお答えいただきたいのですが、この前のときにも私はもう既にこういった貧困それから混乱のときに一番ひどい目に遭っているのは老人であったり子供であったりそれから女性であるということを申し上げてしまいました。 その中で私は、今できることを何かそれなら提起しなければいけないのではないかと思ってずっと考えてきたのですが、やはり今ロシアで大変苦しい思いをしているのは女性です。避任の道具もなければノウハウもない。結局ほとんどが中絶という形で女性たちは子供の数を減らしているということが現実にございます。その数は非常に多くて、世界じゅうでの中絶というのが五千万、そのうちの二〇%、一千万以上の女性がロシアで中絶をしている。ECは直ちに家族計画のプログラムを対日支援に入れました。それは女性の声を聞いて入れました。 ですから、これはたまたま家族計画の会議がインドであったときにヨーロッパやアメリカや欧米諸国から言われたのですが、あなたも日本に帰ったら主張してくださいと。私は同じ女性として、麻酔もないということは、盲腸の手術を麻酔なしでやるのと同じようなことを一千万人の旧ソビエト、ロシアの女性たちは経験しているわけです。そういったような悲惨さをやはり少しでもなくしていくということが大変日本としてはやるべきことなのではないか。 一人子供を生むために三人の子供を中絶しているという、確かなデータではないのですが、データが国際的に出ています。それから例えば幼児死亡率も大変に高くて、日本の場合は千人中の五人ですけれども、ロシアの場合は千人中の三十人の子供が出産時、幼児のときに亡くなる。幼児死亡率も非常に高い。それから幼児死亡率だけではございませんで妊婦の死亡率も大変高い。十万人の中でロシアの場合は四十七人が亡くなっています。日本の場合は十六人です。いずれにしても大変そういう悲惨な状況にあるわけで、私は人道的な支援とおっしゃるのであれば一番こういうことが手っ取り早いのじゃないかと思うのです。 そこへもってきてちょうどいいぐあいに、これはロンドンに本部があります国際家族計画連盟がロシアを支援するためのそういった家族計画のプロジェクトのこういう紙がもうできていました、偶然にも。そして、これは三年がかりのプロジェクトなのですけれども、その中にモスクワを中心として三カ所にそういった支援のクリニックをつくってはどうか、それを土台として保健婦さんを使ったりそれからいろいろな技術を教える。こういうことであれば今言われているように援助の物資が横流しされるというような心配もございません。 どこへ届くかわからないからということが圧倒的にロシアの場合多いわけですから、確実に相手に届く援助であるし、一番草の根のすべての人が感謝する。それもできればやはり日本に近い極東には厚くするというぐらいのこちらは思い切った大胆な政策をとってもいいのではないかという気がいたします。 そして、日本にはちゃんとJOICFPという大きい大きいNGOがあって、この問題については中国でも大変感謝されている。それから東南アジアの国々でも感謝されている。アフリカでも感謝されている。私は、もう七年ぐらい前になりますけれども、ナイロビまでそのことで参りました。中国も一カ月ぐらい、日本のそういった援助の問題やなんかも調査して歩いたことが記者のときにございます。日本は、地味ですけれどもその領域では非常に先進的で、そしていいNGOを持っているわけですね。ノウハウを持っている。 とすれば、予算が全部で、ゆうべ計算してみたのですが、三年で一億五千万円ぐらいなのです。年間五千万。しかも、確実に一人一人の草の根まで届く。相手のNGOの中にもそれが浸透する。そして、日本へ保健婦さんや看護婦さんを連れてきてある程度そういった技術や何かを支援する。避妊具もないということですから日本からそういったものも支援するということにすれば、どんどん乳児死亡率も低くなりますでしょうし、子供たちが産まれることで大勢の女の人たちが亡くなったり、そして何よりも大変苦しい思い、麻酔をしない手術というのはこれは女性という性だけが経験していることですけれども、そのことをきちんと援助すれば私は間違いなくだれからも感謝されるのではないかというふうに思います。 大所高所からとか理念的な物の言い方は簡単ですけれども、やはりこういった具体的なプロジェクトを実施していただけたらうれしいと思うのですが、政務次官、いかがでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) 堂本先生御承知のとおり、ことしは我が国も人道援助ということで一億ドルの援助を既に実施いたしております。その大半は医薬品でございまして、先生おっしゃいましたように、極東部を重点的に配分できるように努力をしているところでございます。 その医薬品の中でどういうものが先方にとって最も望ましいかという点につきましては、先方のニーズといいますか要望等も承って医薬品の選定等をしているところでございますが、今御指摘がありました点は入っていたかどうかは私も確実に覚えておりませんが、内容をチェックしまして検討してみたいと思います。
○堂本暁子君 大変ダイナミックなところからそして大変細かいところまできょうはロシアのことを政務次官にいろいろお話しさせていただきましたけれども、やはり相手のニーズで渡しても医薬品までが七割ぐらいが売られてしまうとか、そういうことで私も一つ経験いたしました。 チェルノブイリにミルクを送った名古屋のグループがあるのですが、倉庫に入った途端になくなってしまったのですね。暮れでしたけれども、まだソビエトの時代にソビエト大使館にもうこれは何だと。子供たちの絵とそれからミルク、そういったものを飛行場で持っていっちゃうとは何事だということで言いましたら、元日の日に大使館から電話がかかってきました。先生、安心してください、全部何一つなくさないでチェルノブイリに届けましたからというお返事だったのです。 でも、たまたま私がそのことを知って抗議に行ったということでそういうことになったわけですが、そうじゃないほとんどのものは何割かはそういう形で市場で売られてお金のある人たちのところへ行ってなかなか届かないという現実がございます。そのためには、ですからもし三つクリニックをつくるのであれば日本から看護婦さんや何かをそこへ常駐させるとか、そういった非常に具体的に、もうお金を出したり援助をするのですから、そのためにはこの領域では必ずこういった人をここに置いた上でやらせてくれというようなことを条件をつけてぜひ実行していただきたい。 そして、JOICFPにしろJICAにしろ、まあJICAよりJOICFPはノウハウをずっと持ってやってきたわけですから、日本のそういったNGOがもう活躍しています。ですから、そこに人員を倍増するなりお金を思い切ってたくさん渡すなりしてぼんとロシアの女性たちに支援を送っていただけたら大変同性として私はうれしいと思うのです。ぜひ政務次官、きょうは大臣の代理ですから、本当に前向きに研究していただいて、御検討いただけたらうれしいと思います。 どうもありがとうございました。終わります。
○田英夫君 渡辺外務大臣にどうぞお大事にということを政務次官からお伝えくださるように私からもお願いをいたします。
○政府委員(柿澤弘治君) ありがとうございます。
○田英夫君 きょう議題になりました二つの航空協定につきましては何の問題もないことでございますが、航空協定について一つだけ伺っておきたいことがあります。 最近、日本の航空会社と外国の航空会社のいわゆる共同運航という形が大変多くなってきているように思いますが、これは政府としてふやす、そういうことを多用していこうという方針なのかどうか、最初に伺いたいと思います。
○説明員(辻通明君) お答え申し上げます。共同運航は、ただいま先生から御指摘になりましたとおり、二つの航空会社がその一方の航空会社が運航しております機材を利用して共同で行う運送行為を指す言葉でございます。 本来、航空運送事業というのは、自己が保有する機材、乗員によりまして運航するいわゆる自主運航形態というものを基本とすることは当然でございますが、我が国航空企業の国際航空ネットワークの効率的な展開を図る、それによりまして利用者の利便の向上を図る、それに資すると認められる一定の場合に限りまして補完的な運航形態として認めることとしているわけでございます。
○田英夫君 それをやる場合はやはり両国間の航空協定に明記する必要がありますか。
○説明員(辻通明君) この運航につきましては、二国間の航空協定に基づきまして相互に付与された権益に従いまして運航することになりまして、その運航企業は当然指定航空企業になることが必要でございます。
○田英夫君 先日といいますか、この前チューリヒまでスイス航空と日本航空の共同運航便に乗ったことがあるのですけれども、機材はスイス航空、それからパイロット、乗務員もそうですね。日本人のスチュワーデスが何人か乗っているという形をとっておりまして、日本人乗客にとっては大変便利だということで乗客を獲得するという意味からもいいのでしょうけれども、そのときにスイス航空の地上勤務の人に聞きましたら、利益はどうなるのだと言ったら、折半ですという話でしたが、事実なのでしょうか。そうなると機材を提供している方が損にならないかと思うのですがね。
○説明員(辻通明君) お答えいたします。 一般的な形を申し上げますけれども、共同運航便の旅客収入につきましては、それぞれ二社が座席を配分するわけでございますが、自社に配分された座席についてはそれぞれの会社が販売するわけでございますので、その収入は当該会社の収入ということになります。 一方、運航に係る費用でございますけれども、これについては機材等の提供を受ける会社、ただいま先生の御指摘になりましたスイス航空と日本航空の共同運航に関して言いますれば日本航空となりますが、その会社が自社に割り当てられた座席の配分比率に応じまして運航に要する費用の一部を機材を提供する側の会社に支払うという形になっておりまして、費用についても案分をしておるということでございます。
○田英夫君 どうもありがとうございました。 次に、けさの各紙に出ておりますが、毎日新聞などは一面トップに載せておりましたけれども、在日韓国人の女性が元従軍慰安婦ということで日本政府を相手取って謝罪を要求するという訴訟を起こしたというニュースが出ておりました。この戦後補償の問題というのは、まさに毎日新聞が一面トップに扱ったというのは私も一つの見識だと思って見ていたのですけれども、日本にとって非常に大きな問題であることは言うまでもないわけです。 この問題についてはしかし、取り扱いが大変難しいことも事実だということを承知しておりますが、この際、戦後補償の中で強制連行とか従軍慰安婦とかいうつまり相手国の民間人のかかわる問題についての戦後補償というものについての日本政府の基本的な姿勢を確認しておきたいと思います。
○政府委員(池田維君) 戦争にかかわります日本と中国の間の請求権の問題でございますが、韓国につきましては後ほど申し上げます。中国につきましては、一九七二年の日中の共同声明の発生の後、存在していないということでございまして、このような認識は中国政府も明らかにしているところでございます。 他方、ただいまお問い合わせの韓国でございますが、日韓両国の間では、日韓両国及び両国民間の財産・請求権の問題につきましては一九六五年の基本条約によりまして最終かつ完全に解決済みであるということは日韓両国政府の間で確認されているというのが法的な現状でございます。
○田英夫君 政府は当然ながら政府間の条約、相手政府との条約、協定、そういうことを根拠にして判断されるわけですから今のアジア局長の御答弁のようになるわけですけれども、フィリピンの場合も同様だと思いますが、フィリピンの女性も元従軍慰安婦の人が今、訴訟を起こしているという事実があるわけです。 私が伺いたいのは、けさの新聞の場合などは民間人が政府を相手取って謝罪を要求しているということになりますから日本政府は被告当事者になるわけでありまして、よそごとではないはずであります。こういう場合をどう考えるかということを聞いているわけであります。この点についてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(丹波實君) 先ほどアジア局長の方から御答弁申し上げた視点の一点は、韓国との関係あるいは中国との関係あるいはフィリピンその他との関係を考えた場合に、サンフランシスコ平和条約以降のいろいろな条約、協定で請求権の相互放棄ということを言っておりまして、その場合の意味は二つありまして、国家として持っている国の請求権そのものを放棄するというのが第一点、それからそれぞれの国がその国民に対して持っているところの相手国に対する外交的な保護権というものを放棄するというのが第二点目の意味でございまして、そういう意味から申し上げますと、個々人があるいは持っているかもしれない請求権というものは直接の条約上の効果としては消滅させられていないということは政府が従来から御答弁申し上げてきておるところでございます。 しからば個人があるいは持っているかもしれない請求権の処理はどうなるのかというのが田先生のお尋ねだと思いますが、この点につきましても、従来から御説明申し上げてきておりますとおり、請求権放棄といった場合にその個々人の相手国の裁判所に訴える訴権と申しますか、そこまでは消滅させてはいない。しからば個人が相手国に出てきて、この場合はフィリピン人であるとかあるいは韓国の方でございますけれども、日本に出てきて裁判を提起した場合に裁判所がどう判断すもかというのは司法府の問題でございまして、行政府としてもそれを注目しておるというのが大きな第一点でございます。 第二点目は、今申し上げましたとおり、基本的には私たちは法的な解決というものはしてきたというふうに考えておりますが、最近出てきておる問題について法的な解決をしたからそれでおれたちは知らぬということで果たして通るのだろうか、日本国民の良心が果たしてそれで休まるのだろうかという問題、それから相手側との関係でそれで済むのだろうかということとの関連で、何と申しますか、そういう法的な枠を離れてどういう措置がとられてしかるべきかというのが現在検討の段階にある、それが先生御指摘のように今日も報道されておる、こういうふうに全体としては分けて御説明申し上げることができるのじゃないかというふうに考えております。
○田英夫君 大変明快だと思うので確認をいたしましたが、従来からそういう態度をとっておられるわけですが、ここから先は、柿澤さん、お互いに政治の領域になってくるのじゃないかなという気が私はしております。 そこで、実は今、条約局長言われたわけですが、この点について中国政府、韓国政府の態度が微妙に違う。この辺も請求をする側のそういう国民を持っておられる側の政府としても非常に苦慮しておられるというふうに私は感じているわけです。政治に携わる者としてこの辺は相手側の政治の立場も理解しなくちゃいけないという意味を込めて私は非常に大事なことだと思っているのです。 私の方から申し上げてしまいますと、昨年の秋、北京を訪ねましたときに、中国側の日本問題に大変かかわりの深い、また過去に非常にそういう意味で重要な役割を果たされた方が特に会いたいと言ってこられて一緒に話し合いをしたときに、その目的はこの問題であったわけです、向こう側が言いたかったのは。 それは簡単に言ってしまえば、日本の皆さんが過去の問題について、特に中国人の民間の人たちがこうむった被害に対して、それを謝罪し補償すべきだという活動をされることは大変ありがたいことですと。しかし、中国政府としては周恩来総理の配慮で賠償問題を解決しましたのでその点については中国側から問題を提起することは好ましくないと思っています。それから中国の被害をこうむった人たちがその被害に対して問題を提起することについては政府としては黙っています。こういうことを言われたわけですね。非常に中国らしいある意味の配慮が行き届いたことだったと思います。 それから韓国については、ごく最近金泳三大統領が就任をされた後、日本に対するそうした従軍慰安婦の問題に関連をした発言の中で、韓国政府が日本政府に対してこの問題について補償を要求するというようなことはしないという意味のことを言われた。これに対して実は韓国の国内でいろいろな反発や反応が起きております。そして、ややこれを修正というよりも説明をするような発言を金泳三大統領がまたしておられる。これも御存じのとおり、韓国では民間の間で特に従軍慰安婦の問題を中心にして過去の強制連行などについて非常に強い対日要求、謝罪要求という動きがある。 こういうことはもう政務次官以下外務省の皆さんは十二分に御存じのことと思いますけれども、今申し上げたようなことについて政治の立場から政務次官はどういうふうに両国の違いということを含めてお感じになっていますか。
○政府委員(柿澤弘治君) 先ほど来、政府委員から御説明申し上げておりますとおり、この問題につきましては法的には決着がついた問題でございますが、国民感情として先方にもいろいろなわだかまりが残っておりますし、我が国においても何らかの形で日本国民としての誠意を示す方法がないであろうかということを今、検討していることは御承知のとおりでございます。 中国と韓国の対応の違いについて今、田先生から具体的な例を挙げてお話がございました。私どもは政府の立場でどちらの政府がどう違うということを申し上げることはできませんけれども、若干のニュアンスの相違があることは私も政治家として感じております。 ただ、特筆すべきことは、やはり韓国側で金泳三新大統領がこの問題について日本側に賠償請求のようなことをするつもりはないとおっしゃって、先般来日をされました韓・新外務大臣も同様の趣旨をお述べになっておられまして、今後、未来志向型の日韓関係、韓日関係をつくっていきたいという意思表示をされておられましたことは私どもにとって大変心強いことでございました。その意味では、両国間の微妙な国民感情の違いについても若干ずつその差が縮まっているのではないかという印象を私は持っております。 しかしながら、それにもかかわらず我が方としては誠意をもって調査を続け、そしてその結果に基づいて何らかの対応策を検討していきたいという従来の姿勢を変えるつもりではございません。
○田英夫君 韓国の金泳三大統領が言われた言葉は、私は彼と長い友人ですから言われたこの心情はよくわかりますし、そのとおりだと思うのですが、韓国の一般の国民の皆さんの心情は表現は大統領と同じであっても実際はかなり違う。ということは、今回、きょうの新聞に出ている在日の元従軍慰安婦の宋さんという方の訴訟のやり方も謝罪を要求するということであって、通常この種の裁判では損害賠償、補償を要求するということがついてくるのが通例でありますけれども、あえてそれをつけていない。 これは大統領は、さっきから申し上げたように、言葉どおり受け取るべきだと思いますけれども、あの言葉も韓国人の一般の方から理解すると、日本から金など受け取れるか、こういう意味を込めているなというふうに韓国の皆さんは受け取るのじゃないかなと思います。今回の訴訟も日本からお金で賠償を払ってもらうというようなそんなことでは済まない、お金に換算できるような苦しみではなかったということをこれは御本人が記者会見で言っておられます。 そういうところをよほど考えてやらないと、中国は中国の皆さんらしく表現をされているし韓国の皆さんは韓国の皆さんらしく表現をされてそこに違いが出てきていますけれども、日本側からすると今の私が申し上げた韓国の皆さんの心情ということを非常に重要に考えなくてはいけないのじゃないか、そのくらい厳しいものだということを考えておかなければいけないなというふうに私は思っております。 そこで、実はきょうはこの時間、外務大臣がおいでにならない、政府委員の皆さんに御質問をするということを前提に考えましたので、条約の専門家とあえて議論をしてみたいと思いまして。 この問題について実は最近、今回の韓国の宋さんの訴訟もそうですけれども、国際法を楯にして訴訟を提起しておられるという特徴がありますね。これは日本の国内法でこれに適切にこたえ得るという法的なものが乏しいということを代理人の日本人の弁護士さんが考えられたからかもしれませんけれども、同時にいろいろ原因があると思うのです。 例えば今回の在日韓国人元従軍慰安婦の宋さんの場合は、強制労働ニ関スル条約、ILO二十九号条約というものを引用されております。あるいはフィリピンの訴訟でも出てきておりますが、今後も出てくる問題として、醜業、汚いとかそういう仕事、醜業ヲ行ハシムル為ノ婦女売買禁止ニ関スル条約、これは一九二五年に日本が批准をしておりますから大正時代の条約でありますけれども、これを取り上げている訴訟もあります。また、陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約いわゆるハーグ条約、これに至っては一九〇七年、今世紀初めに発効している陸戦のための条約ですけれども、これを取り上げている訴訟もあります。 念のために一つ一つ若干の内容を、なぜそれが強制労働や従軍慰安婦とかかわるかということを申し上げますと、ILO二十九号条約、強制労働ニ関スル条約では、強制労働とはという定義が二条にありましてこれをちょっと読んでみますと、「本条約ニ於テ「強制労働」ト称スルハ或者ガ処罰ノ脅威ノ下ニ強要セラレ且右ノ者ガ自ラ任意ニ申出デタルニ非ザル一切ノ労務ヲ謂フ」というような定義から始まりまして、その中で「強制労働ノ不法ナル強要ハ刑事犯罪トシテ処罰」する、こういう二十五条の規定があります。 ここで条約局長に伺いたいのですが、こういう条約を日本が批准しているわけです。今回、韓国の元従軍慰安婦の方はこれを取り上げて訴訟を起こしているのでこの判断は当然裁判所がなさるわけですが、日本が批准しているこの条約というのはそういう意味では日本はもちろん守る義務がありますけれども、こういう訴訟が起こった場合には、国内法とは違いますからどういうふうな取り。扱いになるのですか。法律の専門家として。
○政府委員(丹波實君) 必ずしも自信はございませんけれども、幾つかの問題点があろうかと思います。 まず第一点は、先生御自身そうおっしゃったので私、大変何と申しますか、御理解いただいているなと思った点は、現在訴訟が起こされているということでございますので、この段階でこういう訴訟の対象になっておることにつきまして行政府としてこういう公開の場で一定の御意見を申し上げるということ自体は勘弁させていただきたいなということでございます。 さはさりながら一、二点申し上げますと、問題になりますのは、まず第一にいわゆる問題になっている括弧づきの従軍慰安婦の問題が果たしてこれに当たるというような実態を持っているかどうかという点、これは当然その点は現在いろいろな事実関係が究明されているところでございますけれども、そういう実態がこの二条の一項でいうところの労働というものに当たるのかどうかということが判断の対象になることは当然だと思います。 それから第二点として、日本は締約国でございますけれども、関係国であるところのフィリピンですとか韓国が果たして締約国であったのかどうかということももちろん判断の対象になろうかと思います。 それから第三点といたしまして、先生もお読みになられたと思いますけれども、この条約の二条の二の(d)項、ここでいう強制労働には、戦争の場合「及一般二住民ノ全部又八一部ノ生存又ハ幸福ヲ危殆ナラシムル一切ノ事情ニ於テ強要セラルル労務」は含まれないということが規定されておりますので、今、問題になっておりますあのようなことがたとえこの条約上の規定に合致するような形で行われていたとしても、この第二条二(d)項との関係で排除されるということになるのかならないのかという問題がございます。 それから第四点として、もちろん先ほど冒頭で申し上げました請求権の放棄という問題がございますので、それとの関係でこれをどう解釈するか。 そういう幾つかの問題が判断の対象になるのではないかということだけは申し上げることができると思います。
○田英夫君 先ほど申し上げた醜業ヲ行ハシムル為ノ婦女売買禁止ニ関スル条約、これは全くそのものずばりいわゆる従軍慰安婦に当てはまる条約だと思いますね。 第一条に、大変昔風な言葉ですが、「何人タルヲ間ハス他人ノ情慾ヲ満足セシムル為醜行ヲ目的トシテ未成年ノ婦女ヲ勧誘シ」というような書き出しで始まっておりまして、今の言葉で言えば、勧誘をして本人が承諾しても未成年の場合は処罰されるというのが第一条です。第二条は成年の婦女の場合、これは「強制手段ヲ以テ」というのがついておりますから、つまり強制連行的なこと、これが第二条になっておりました。 今回訴訟を起こしておられる方、あるいはまだ訴訟という形ではありませんが中国人でも名のり出ている方がありますけれども、そうした元従軍慰安婦と言われる方々は全部未成年ですね。そういうことになりますと、強制だったかどうかという問題はこの条約の条文に関する限りは問題ではなくなってしまう。 したがって政府が今、韓国政府との間で調査を約束されておりますけれども、その中でちらちらと強制であったかどうかという点についてということが問題になっているように思いますけれども、この条約を、もし裁判でもあるいは政治的にも、もとにして考えた場合には、日本も批准していることですから、これをもとにして考えると強制ということは意味がなくなるというふうに思いますが、この点はいかがですか。
○政府委員(丹波實君) この条約につきましても、一見、条文を読ませていただきますと先生がおっしゃったような結論になるような印象を受けますけれども、現在、事実関係は調査中ということでございまして、果たしてその実態がずばりこれに当たるのかどうかということが一つやはり判断の対象になろうかと思います。 それから第二番目に、先ほど申し上げましたけれども、関係国の加盟関係、この条約への加入関係ということがあろうかと思います。 それから第三点といたしまして、先ほども申し上げましたように、請求権の放棄という条項がございますから、たとえ日本がその結果としてこの条約違反を戦争の過程で犯したとしても、例えばフィリピンの関係で申しますと、サンフランシスコ平和条約第十四条(d)との関係、戦争の遂行中に日本国及び日本国民がとった行動につきましての請求権の放棄ということが行われておりますので、それとの関係でどう考えるかという同じような問題がやはりこれにもあろうかと思います。 いずれにいたしましても、現在裁判が進行中でございますのでこれ以上のことは差し控えさせていただきたいということでございます。
○田英夫君 そこで、今申し上げた条約、実は私が勝手に取り上げたのではなくて、訴訟で取り上げられているのを三つ例に挙げたわけですけれども、これらはいずれも戦前の条約であります。同時に今、問題になっている強制連行とか従軍慰安婦というのは、当然戦前といいますか昭和二十年以前のつまり旧帝国憲法時代に起きた問題でありますから、したがって今の条約三つも含めて法律との関係も旧帝国憲法時代の法律という体系の中での問題というふうに考えなければいけないと思います。 その場合に一つ問題になりますのは、帝国憲法時代は天皇が条約の批准権を持っておられるといいますか、旧帝国憲法十三条で「天皇ハ戦ヲ宣シ和ヲ講シ及諸般ノ条約ヲ締結ス」という条文がありまして、それをいわば当時の言葉で輔弼する意味で条約の批准については枢密院が枢密顧問官によって推准の手続を決める、こういう段取りになっていたようであります。 ということになりますと、当時天皇が批准された条約はこれは絶対のものになって、戦後は条約を批准するには当然国内法を整備してということが条件になるわけでありますけれども、そういうことはなしに、条約を天皇が批准されたならば即それは国内法を含めた国内法的効果までも持ってしまうということだったのじゃないかと思うのですね。したがって、枢密院が何をやったかというようなことは新聞にも出なかったようですから、一般の国民の皆さん、かなり情報に詳しい人でも日本が何の条約を批准したかというようなことを知り得なかったという話を聞いております。 そういう状況の中で決められたこうした条約、先ほどから申し上げたような条文は、当時の法体系の中で完全に国内法的効果までも含めて持ってしまうということになるのじゃないかと思うのですが、条約局長、これはどうでしょうか。
○政府委員(丹波實君) 明治憲法の解釈あるいは明治憲法の慣行につきましては私、ちょっとお答えする能力、資格はないわけでございますけれども、一般論として言えば、田先生が御指摘になられたような今の憲法体制からは考えられないような慣行というものはあるいはあったのかもしれません。したがいまして、戦後まさに今の民主主義的な憲法というものを日本国民が受容しそれを大切に守っておるということであろうかと思います。 ちなみに今、先生が御指摘になっておられるあるいは裁判でも問題になっていますこの三つの条約に関しましてはそれぞれ日本が加入する際に官報に公布されておりますので、一応国民にお知らせするという手続はとられた模様でございますけれども、しかし一般論として、私は先生が指摘されたことまでそうではないというふうに申し上げる立場にはございません。
○田英夫君 私はきょうは、繰り返しますけれども、非常に重要な日本の政治課題、外交課題と言えるこの戦後補償問題、しかも当面裁判所に提起をされて具体的な問題になってきているというこの問題について、一つの考え方といいましょうか問題点を提起してみたわけであります。これからも私も勉強してみますけれども、日本としてのこの対応をぜひ政府として誤らないでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。 次に、北朝鮮のNPT脱退の問題、余り時間がありませんから問題点を絞ってお尋ねをしたいと思いますけれども、これもアジア、東北アジアの中で非常に重要な問題になってしまったわけです。こういう問題のときに私は、新聞記者のころの癖が抜けないのかもしれませんが、相手側がどういう言い分を持っているだろうかということを大変重視しなければならないと思っております。 その意味では、去る二月二十一日に北朝鮮の原子力工業部が公表いたしました見解、「IAEAによる特定査察の真相」という題がついておりますが、これは外務省は入手しておられますか。
○政府委員(須藤隆也君) 御指摘の文書は、二月二十一日付の保障措置協定履行上の問題に関する北朝鮮原子力工業省の詳細報告書ではないかと思いますが、それであれば入手しております。
○田英夫君 この北側の言い分といいましょうか、これをつぶさに読んでみますと、大まかに言えば、アメリカに対する不信、そのアメリカの言い分をもとにして査察をやり特別査察まで発展をさせたIAEAに対する不信というものに終始しているように私は読めるわけですね。例えば北朝鮮側の言い分を無視してアメリカの衛星による写真、これをもとにして査察対象を決めているじゃないか第三者のそうした資料をもとにしていいのかというふうな言い方をしております。 そこで、科学技術庁がおいでになりましたらお答えいただきたいのですが、この中に当方は天然ウラニウム黒鉛ガス型原子炉を使っているというくだりがあるのですけれども、これはどういう原子炉ですか。
○説明員(坂田東一君) 原子炉というものの構成でございますけれども、普通、熱を取り出しますものとして日本では水を使います。同時に、中性子というものの速度をコントロールしなければなりませんが、減速材というものを使います。日本の場合はこれも水でございますが、先生が今おっしゃいました原子炉というものは、私どもの承知している限りでは、まず熱を取り出します媒体としてガスを使う、それから中性子を減速するものとして黒鉛を使う、そういうものであろうかと承知しております。
○田英夫君 ここに書いてあるところによりますと、それが濃縮ウランを使うよりも技術的、経済的に我が国つまり北朝鮮に適しているからだというふうに書いているので、天然ウランは北朝鮮は若干産出するというふうに聞いていますし、それから黒鉛を使うという費用の問題、経済的な問題なのかなというふうに思うのですけれども、もちろんこの原子炉によっても結果としてプルトニウムが出てくるということは間違いありませんね。
○説明員(坂田東一君) 原子炉の一般的な理論といいますかそういうことで申し上げますと、まず結論といたしましては、プルトニウムがやはり御指摘の原子炉でも発生をいたします。 一般に天然ウランを燃料といたします先ほど先生御指摘になったそういう原子炉の場合でございますけれども、その場合は、燃えるウランすなわちウランの235というのが天然の濃度でございますので燃料として薄い燃料ということになります。したがいまして、余り長く原子炉の中では燃やすことができません。濃縮ウランを使います我が国のような原子炉では長い時間、相対的にでございますけれども、より長い時間燃やすことができます。 この短い燃焼時間とそれから長い燃焼時間では、原子炉から燃料を取り出した場合その中にできておりますプルトニウム、これは実はいろいろな同位体がございますけれども、その同位体の組成が少し変わっております。天然ウランガス冷却型の原子炉でございますと、日本が使っております軽水型の原子炉に比べました場合いわゆる燃えるプルトニウム、これはプルトニウムの239でございますけれども、ある意味では核爆弾をつくる場合に最も重要なエレメントでございますが、このプルトニウム239の比率が天然ウランガス冷却型の場合の方が高い、軽水型の原子炉に比べましてより高いということが一般的に言われております。
○田英夫君 実は、私も昨年まで参議院の産業・資源エネルギー調査会長をやっておりましたので、若干ながら原子力発電の問題については勉強をいたしました。ヨーロッパも歩きました。したがって、今のようなことは承知しているつもりですけれども、この北朝鮮の文書、言い分によりますと、一番怒っているといいますかIAEAに対して怒っているのは、プルトニウムの量の計算についてIAEAの方が間違っていた。自分たちの方は現実に自分たちの持っているものだから現実の材料をもとにして計算をした。ところがIAEAの方はある部分推定で計算をした。結果として数値が違う。この点について当事者間で査察の際に話し合ったところ、結果としてIAEAは、あなたたちの説明に間違いはなさそうだ、十分理解できると言っていたにもかかわらず、その後ウィーンの正式のIAEA会議でいきなり特別査察を提起してきた。自分たちの計算の間違いを直そうともしなかった。こういう言い方をして非常に不信感をあらわにしているのですね。 この辺のことはもちろんわかりません。わかりませんけれども、こういう行き違いというのは非常に残念なことだと思いますね。それがどんどんエスカレートする。 それで、最初のアメリカの衛星写真による疑惑の場所という、これは確かにアメリカの衛星写真をもとにして提起したようですけれども、それは査察の結果、疑惑が晴れて、そうしたらすぐに次にまた二カ所アメリカの衛星写真をもとにして提起してきている。こういうことでは我々はIAEAを相手にできない。こういう言い分になっているわけです。これはひとつ予見なしにというか冷静にというか読んでみる必要があるのじゃないかなと思いますよ。 特に日本の場合は、政務次官、日朝政府間交渉がまだ続いていて、遠藤大使が新たに任命をされたと。遠藤さんはIAEAの議長もされて北東アジア課長もされて、まさに朝鮮問題の専門家であると同時に、科学技術について詳しい適役中の適役でしょう。こういう方が就任をされて、こういうものをよく検討されて話し合うということが非常に大事じゃないですか。日本までもがそういう、アメリカが巻き込まれているとは私は言いませんけれども、北朝鮮は少なくともそう見ているわけですよ。そういう中で冷静に日本だけは対応していただきたいと思います。 最後に政務次官からこの問題についての対応の基本的なお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(柿澤弘治君) 本問題は、御承知のとおり、IAEAの決議によりまして安保理で議論をされることになっているわけでございます。 我が国は、関係の韓国、米国等と緊密に連絡をとりながら、また北朝鮮と国境を接します中国についても話し合いに加わってもらいたいということで呼びかけをいたしておりまして、できるだけNPTからの脱退を思いとどまるように説得する努力を続けていくつもりでございます。
○田英夫君 最後に、今の御答弁は私は非常に不満なのですけれども、そのことはさておきまして、北朝鮮の国際問題の責任者も実は六月十二日ですか、NPT脱退の三カ月の期限、それまでまだ時間があるのでこの問題については十分に検討し話し合う余地があるということをつい数日前に表明をしておりますね。こういうことも念頭に置きながら、今言われたように、アメリカ、韓国と仲よしクラブでそっちとだけ話をして、それで改めて説得しますという、これは北朝鮮には通じませんよ。 それは実際そうであるかもしれませんけれども、やはり政府間交渉というルートもあるわけですから、その問題が解決するまでは政府間交渉は再開いたしませんということ自体も私は反対でありますし、むしろ今、遠藤大使が直接北側と話をされるという機会を持つべきではないか、その場で説得をしていいじゃないかというふうに思うということを申し上げて、時間が来ましたので終わります。
○政府委員(柿澤弘治君) 日朝交渉につきましてはもう田先生御承知のとおりでございまして、この問題で交渉が中断しているわけではなく、李恩恵の問題で先方が一方的に席を立った形のままで中断をしているわけでございます。私どもは、先方のその姿勢が改まれば日朝交渉を再開することに何の問題もありません。
○委員長(野沢太三君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分まで休憩いたします。 午後零時十七分休憩 ――――◇――――― 午後一時十五分開会
○委員長(野沢太三君) ただいまから外務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○荒木清寛君 まずは大臣が一日も早く健康を回復されまして公務に復されますことを私も心からお祈り申し上げたいと思います。 私の方からは、まず日米航空協定に関しまして若干お尋ねをしたいと思います。 日米間の人的往来の実に八五%が日本人である。しかるに、航空会社の飛行機の供給シェアという意味ではアメリカ側が六五%、日本側が三一%と圧倒的にアメリカのシェアが多いという問題があるわけであります。 今回提出をされておりますネパールとの航空協定の第十条の三項によりますと、両締約国の指定航空企業が提供する輸送力といいますか、それにつきましては両締約国の航空当局が協議をして合意する、そういった趣旨の約束になっております。これはこれで平等な規定だと思いますけれども、この点について日米航空協定ではどのような定めになっておりますでしょうか。
○説明員(加藤良三君) 日米の航空協定も、俗に言われますバーミューダー型の航空協定といたしまして英国を除くヨーロッパ諸国と米国との間に結ばれた協定と大体同じ形になっております。 日米航空協定につきましては、これは戦後サンフランシスコ平和条約の発効によって日本が独立を回復して間もない一九五三年に締結されたものでございます。その上で、今、先生が御指摘になられましたような協定上の権益の不均衡が存在しているということは政府もつとに申し上げているところでございまして、我が国といたしましては、こういう不均衡を建設的に是正していくということを目的として今後とも米国との間で航空交渉に臨みたい、こういう考えでございます。
○荒木清寛君 特に以遠権の問題につきましても日米の紛争が生じているというふうに伺っております。 特に昨年ノースウエスト航空が、大阪以遠、シドニーの以遠権の問題で、大阪-シドニー間の旅客数がニューヨーク-シドニー間の五〇%を上回らない、そういう条件でこの路線の認可をした、ところがこの条件を一向にノースウエスト航空は守らないという問題があるようですが、これにつきまして政府としてはどのように対処といいますか制裁等考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
○説明員(藤野公孝君) 日本政府といたしまして、米国企業の日本を経由して第三国へ運航いたします権利、すなわちこれを以遠権の行使と申しておりますが、その行使に当たりまして、日米航空協定第十二条の趣旨が第三、第四の自由の輸送というものが主たるべきであること、言いかえますと、日本と当該第三国への輸送すなわち第五の自由の輸送は従たるべきであるということになっております。したがいまして、日本以遠区間におきましていわゆる第五の自由の旅客輸送が大半を占めるといったようなことは協定の趣旨に全く合致しないと考えております。 このような考え方から日本政府は、このノースウエストもそうですが、米国企業がこのような以遠権を行使する場合に、協定第十二条の趣旨にのっとりまして以遠権行使に当たっておのずから制限がある。具体的には第五の自由の輸送比率、全体のおおむね五〇%以下によることがかかる協定の趣旨に合致した運航を確保する上で合理的なものというふうに考えておりまして、私ども航空法上の認可を行うに当たりましてもその旨の条件を付しているところでございます。 ノースウエスト航空に対しましてこの認可条件を遵守するようこれまでも強く求めてきておりますし、また数次にわたります日米航空協議の場におきましてもこの主張を強くアメリカ側に申しておるところでございます。
○荒木清寛君 きょうの朝刊によりますと、異例の制裁措置を実施する見通しであると。具体的には大阪からの搭乗を禁止するというような報道がございますけれども、これは具体的に考えていらっしゃいますか。
○説明員(藤野公孝君) 今、先生御指摘のノースウエストの大阪-シドニーの運航状況が非常に我々の解釈、今御説明申し上げました協定の趣旨から逸脱しておるという状況が続いております。したがいまして、我々としても今これをどういうふうな形で是正していくかということについて検討しておりまして、最終的な三月のデータがきょうないしあす我々の方に届くと思われますので、それをよく見た上で制裁措置も含め対応策を検討してまいりたいと思います。
○荒木清寛君 一方、USTRが先般三十一日に発表しました九三年版の外国貿易障壁報告によりますと、ここで初めて航空協定についてのくだりがありまして、日米航空協定に基づくアメリカ航空会社の以遠権を十分に保障していない、これが貿易障壁になっている、そういう主張を初めてしてきているわけですけれども、これに対してはどのように対処していかれますか。
○説明員(加藤良三君) ただいま先生御指摘になられましたUSTRの外国貿易障壁に関する国家貿易評価報告書の記述は、私どもとしても十分承知いたしております。 先ほども運輸省の方から御説明がございましたが、米国の航空企業によります以遠権行使のあり方ということについては、現在、日米間においてまさに協議が行われているところでございます。若干繰り返しになるかもしれませんけれども、アメリカ側は日米航空協定上の以遠権の行使は自由かつ無制限であるというふうに主張しております。私たちはこのようなアメリカ側の協定解釈は当を得ていないものと考えております。 我が方といたしましては、日米航空協定第十二条の趣旨、すなわち自国と最終目的地との間の輸送を第一次の主たる目的としなければならない、そう書いてあることにかんがみまして、米国、日本、第三国、例えばニューヨーク-大阪-シドニーというような運航があります場合には、米国とその第三国すなわちニューヨークとシドニーとの間の輸送が主たる輸送であるべきでありまして、日本と第三国との間の以遠区間の輸送は従たるものであるべきだというふうに考えておりますし、私たちはこれが正しい解釈だと思っている次第でございます。 これまでの米側との交渉におきましては、こういう協定の解釈の点についていまだ見解の一致を見るに至っておりませんけれども、我が方といたしましては、今、私が申し上げましたとおり、日本側の解釈に正当性ありというふうに考えておりますので、今後とも毅然たる態度でアメリカとの交渉を行ってまいりたいと考えております。
○荒木清寛君 先ほども御指摘がございましたけれども、日米間の航空協定につきましては一言で言うと不平等である、そういう認識は一致していると思います。 かつてイギリスもアメリカとの間で不平等な航空協定を結んでおりましたけれども、それを破棄して七七年には新協定を締結した、そういう経過がございます。日本も近々、日米航空協定の見直しの交渉を再開するというふうに聞いておりますが、その際に新協定といいますか対等な関係の航空協定締結に向けて具体的にスケジュール闘争を考えていらっしゃるでしょうか。
○説明員(加藤良三君) 先生御指摘のように、米国と英国との間には俗にバーミューダⅡ型といわれる航空協定が成立いたしております。他方、その他のヨーロッパ諸国、アジア諸国を含めて、米国との間には大体バーミューダー型の、日本もその例でございますけれども、航空協定が存在しているという事実がございます。そして、例えばフランスのように、またタイのように、米国との航空協定を破棄した国があることも事実でございます。 しかし、一応日本側といたしましては、まず総合的な考え方の上に立って一九五三年の協定の枠組みの中で交渉を取り進めたいと考えておるわけでございます。もちろん協定の破棄という前例が諸外国の場合にあることは今申し上げましたとおりでございますけれども、私たちとしては、協定破棄を云々する前に日米航空関係における基本的な権益の不均衡、これをどうしたら一番よく是正できるかという立場に立ってアメリカとの協議を続けてまいりたいというふうに考えております。
○荒木清寛君 午前中の質疑でも、現在ネパールを含めまして四十四カ国が航空協定の締結を希望している、そういうお話がございましたし、来年には関西新国際空港が供用を開始する、そういう事情があるわけでございます。 仮にこの関西空港が開港しまして供用を開始した場合には、この四十四カ国すべてとこうした航空協定を結ぶだけのキャパシティーといいますか余裕があるのでしょうか。
○説明員(藤野公孝君) 今、先生御指摘の関西新空港が開港したと、現在協定締結を希望しています四十四カ国についてこれを全部受け入れるつもりかどうかあるいは余裕があるかどうか、こういうお尋ねだろうと思うのですが、我々といたしましては、我が国との新規の航空協定の締結を希望しております四十四カ国のうちネパールほか相当の需要が見込まれる国あるいは政治的、経済的なつながりの深い国等、ネパールを含めまして十二カ国と予備交渉をやり、同空港への乗り入れを前提とした航空協定締結の促進というものを図っておるわけでございまして、最終的に四十四全部入るかどうかというのは今後の相手国との調整、推移を見守りつつ検討してまいりたい、順次拡大の方向で検討してまいりたい、こういうつもりでございます。
○荒木清寛君 それだけ航空需要があったとしても、恐らくは四十四カ国すべてにつきまして関西空港だけのキャパシティーでは受け入れはできないと思うのです。そういう意味で新たな新国際空港といいますか、具体的には中部新国際空港等の建設も十分に促進をしていただきたいというふうに考えますが、この点、政府のお考えといいますか方針はいかがでしょうか。
○説明員(坂井利充君) 今、先生、中部新国際空港についてでございますが、御案内のように、現在私ども進めております第六次空港整備の五カ年計画におきまして本コースにつきましては、将来における航空需要を勘案しつつ現空港との関係を含めた整備の内容、採算性と費用負担、空域、アクセス等の諸問題について、地域の創意工夫を反映させつつ関係者が連携して総合的な調査を進めるとしているところでございます。 運輸省といたしましては、この考え方に沿い、本五カ年計画期間中に地元と分担してフィージビリティー調査を行うこととしております。既に調査は平成三年度から着手しておりまして、平成三年度には一千万円、平成四年度七千万円の調査費をもちまして空域及び空港島の建設技術等に関する基礎的な調査を行ってきているところでございます。また、平成五年度は一億五千万円の調査費を計上し、地元で分担される海象、地象、地質関係の現地調査の結果をまって、私どもといたしましてはそのデータに基づき空港計画、空域、空港島の概略設計等の調査を進めたいというふうに考えているところであります。 今後とも地元と連携しつつ調査の円滑な実施を図り、新空港の成立可能性を評価していきたいと考えているところでございます。
○荒木清寛君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 それでは、続いてカンボジアPKOについて若干お尋ねいたします。 先般、ポル・ポト派の戦闘部隊がブルガリアの歩兵部隊駐屯地を襲撃しましてブルガリア兵三人が死亡した、これによりましてポル・ポトとの交戦によるUNTAC側の兵士の死者は四人になった、そういうことでございまして私は非常に心配をしている点でもあります。 そこでお尋ねしたいのは、一部の報道によりますと、ポル・ポト派が総選挙を前にして攻撃の対象をカンボジア政府軍からUNTACへと変えたのではないか、戦術を転換したのではないかというふうにも言われておりますけれども、この辺どのような情報を収集していらっしゃるでしょうか。
○政府委員(小西正樹君) ただいまの先生のお尋ねは、攻撃の対象が変わってきたのではないかということでございますけれども、先生御質問の際に念頭に置かれているのは、最近のUNTAC要員の殺害事件ということを念頭に置いていらっしゃると思いますが、この事件につきましては二つございまして、バングラデシュの歩兵部隊の隊員が殺害されたという事件、それからブルガリアの兵隊三名が殺害されたという事件でございます。この二つの事件につきましては現在UNTACの方で調査中でございまして、ポル・ポト派はこの事件のいずれについてもこれを彼らの責任ではないというふうに否定しておるというふうに承知しております。 私どもは、したがいましてUNTACで行われている調査を十分見きわめて、どういう状況のもとにこの犯行が行われたのかということについて判断してまいりたいというふうに考えております。
○荒木清寛君 報道によりますと、このブルガリア兵の襲撃事件につきましては、ブルガリア部隊がポル・ポト派将校を食事に招いた際にポト派の将兵がだまし討ちのような形で殺害をした、そういう報道もあるわけでございますが、これについてもまだ未確認ですか。
○政府委員(小西正樹君) 私ども今、先生御指摘のような情報も得ておりますが、最終的な状況についてのUNTAC側の調査結果というものは現時点ではまだ発表されておられないわけでありますして、それを待って判断したというふうに考えております。
○荒木清寛君 このブルガリア兵襲撃事件のあった現地はタケオ市にも非常に近いというふうに聞いておりますが、この点、自衛隊の安全の確保という面では心配はないのでしょうか。
○政府委員(小西正樹君) 今、先生の御指摘のとおり、私どもはこの一連のUNTAC要員の殺害事件につきまして非常に大きな懸念を持っておりまして、こういった事件に対してUNTACの要員の安全が確保されるように私どもとしてUNTACに対して十分安全確保のための措置をとるように申し入れていく考えでございます。 当面のところ、先生御指摘のタケオの施設大隊に対するリスクが増加しているという情報は私どもは得ておりません。
○荒木清寛君 続きましてモザンビークPKO、ONUMOZについてお尋ねをしたいと思います。 先般、政府は、モザンビークPKOに我が国も参加をすると、そういう決定をされましたけれども、四月一日の宮澤総理の記者会見におきまして総理は、こういう問題は最終的には国民から政治を預かる総理が決めることだ、行政が安易に方向づけをするべきではない、そういうコメントを発表されております。 その意味は、特に外務省が国連から非公式の要請を受けまして、当初、首相官邸に問題点を十分に説明しないまま派遣の方向で準備を進めていた、それについて総理が批判したのではないかというふうに受けとめられておりますし、その批判の対象には恐らくは柿澤次官が現地に行かれまして帰ってこられて各地で派遣必要論を説かれたということも入っているのではないかというふうに考えますが、政務次官、いかがでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) 荒木先生御指摘のモザンビークへのPKO派遣決定への経緯でございますが、私どもは外務省が先行したというふうには考えておりません。国連から内々といいますかの御相談がありましたのに合わせまして、果たしてそうした形で日本が参加をすることができるかどうか関係の省庁に相談をしたことは事実でございます。ただ、それは派遣を前提としたものではなく、その可能性、受けられるかどうかの可能性を探るという面での検討であったと思っております。 その段階で、私は東アフリカ六カ国を訪問する機会を得ましてモザンビークも訪問したわけでございますが、先方のシサノ大統領、それから反政府組織のRENAMOのウルルという事務総長に会いましたところ、どちらも昨年の十月にローマで行われました停戦合意に基づいて停戦を厳守していくと、また日本からの参加があれば歓迎するという話がございましたので、現地の比較的安定した状況等もあわせて我が国のPKO法の五原則には合致する条件がモザンビークにあるということを帰国して御報告をしたところでございます。 それに基づきまして国連協力本部は、宮澤総理本部長、河野官房長官副本部長ということでございますので、副本部長におかれましてさらに現地の事情を十分に把握する必要があると御判断をされまして関係省庁による調査団を現地に派遣することになり、そして調査団の派遣の報告を待って慎重に検討した結果、日本としても参加すべきものと本部副本部長として河野官房長官が閣議に御報告をされたというふうに私どもは承っております。
○荒木清寛君 国連からこのモザンビークにつきまして非公式の要請が日本にあったのはいつごろのことでしょうか。
○政府委員(小西正樹君) 国連のモザンビーク活動、ONUMOZと呼ばれておりますが、この設置について国連の安全保障理事会が決議いたしましたのは昨年の十二月十六日でございます。その後、私どももこの決議の内容を検討するとともに、モザンビークの情勢等についても情報収集を始めたところでございます。 国連からの非公式な打診はその後さまざまな機会を通じて私どもの方にあったわけでございまして、特定のこの時期この日にあったというふうに特定するのはなかなか難しいかと思います。
○荒木清寛君 私ども見ておりますと、そういった要請がありまして、どっちかというと外務省は派遣の方向で積極的に検討しておったと。ところが、防衛庁の方はUNTACの問題もありますので若干腰が引けていた、一遍に二カ所はどうかというような構えであったというような理解をしておりますけれども、こういった理解は間違っておりますでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) 私どもが承知している限りでは、そうした違いはなかったと思います。 ただ、防衛庁は実施をする主体でございますから、それなりに情報収集等、真剣であったということは言えるかと存じます。
○荒木清寛君 そうしますと、こだわるようですけれども、総理が行政は安易に方向づけをするべきではないとおっしゃったのはどういう点を注意をされたといいますか批判をされたのでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) 総理の真意は私ども推察をするところでございますが、今回の経緯に関しましては行政が先走りをしたということは私ども感じておりません。 ただ一部、例えば防衛庁の内部で資料収集等検討をし始めたというようなことを新聞に報道されたことが、前向きに検討している、派遣を検討しているというふうに受け取られたと、その点は報道との関係で関係省庁が先走りをしていたというふうに官邸がお受け取りになったのではないかと推察をしているわけでございますが、事実は、先ほど申しましたように、国連の安保理の決議を受けての編成の過程で果たして日本が参加できるものかどうかということを冷静客観的に主観を交えず情報収集をし勉強していたわけでございますので、そうしたことはないと信じております。
○荒木清寛君 そういった政府内における意見の違いというのが単に報道に基づく誤解ということであればそれでいいかとは思いますけれども、ただPKOにつきましては法案成立のときにも反対論もあったわけでありまして、国民にしっかりこの活動の意義を理解してもらうということが大事であると思いますから、今後も慎重にやっていただきたいというふうに思います。 その点に関して河野官房長官は二月十八日の記者会見では、参加五原則を満たしているからといってすべて派遣をするものではないというふうにおっしゃっておりますが、三月二十六日の会見では同じ官房長官が、日本のPKO活動への国民の認識は深まったというふうにおっしゃいまして、最終的にはこのモザンビークヘの参加ということを決定されたわけであります。 しかし、私が見ておりましても、その二月十八日から三月二十六日とわずか一カ月間でありましてその間に特段に世論が変化したというわけでもないと思いますし、あるいはこのモザンビークをめぐる国際情勢が変化をしたというわけでもないと思うのですね。ところが、官房長官の会見では一転して方針転換をされているわけでありますけれども、そういう政府としていわば方針転換をした根拠をもう少しわかりやすく国民の皆さんに説明をしていただきたいというふうに思います。
○政府委員(柿澤弘治君) 先ほど来申し上げておりますように、国連モザンビークPKO活動への日本の参加の意思決定までについて方針転換をしたというふうには私ども受け取っておりません。あくまでも官邸においては、現地に大使館がないというようなこともあり、派遣する以上派遣された隊員等の安全の面について十分に注意を払う必要があるということで、慎重の上にも慎重な調査を必要としたというふうに考えております。そのために時間がかかったということだと考えております。 また、国民の理解を得るという点につきましては、カンボジアで現在PKO活動が行われているわけでございますが、そうした活動に関する国民の理解は私どもも深まりつつあるというふうに認識をいたしておりますし、またあわせてモザンビークに派遣するということの是非についても、その問題が報道されましてからも特に国民の中からモザンビーク派遣については慎重であるべしという御批判の声も大きく上がってきたということはなかったというようなことが官房長官の御判断の根拠になったのではないかと思っておりますので、これは一連のプロセスとして考えていただきたいと思っております。
○荒木清寛君 確かに当初、派遣をしないというふうにはっきりはおっしゃっておりませんけれども、ただいろいろなところでの官房長官あるいは総理の発言を聞いておりますと、事実上は見送る方針であったというふうに我々は受け取ったわけでありますが、それが一転して派遣をするということになったわけで若干釈然としない点があるということを申し添えておきたいというふうに思います。 続きまして、午前中も詳しい質疑がありましたけれども、対ロ支援につきまして再度お聞きをしたいと思います。 米ロ首脳会議が終わったわけでございますけれども、政府としてはこの会議の結果をどのように評価をされますでしょうか。一部には日本だけが過度な負担を要求されるのではないかそういう心配をする向きもあるわけでありますけれども、その辺の評価をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(柿澤弘治君) 米ロ首脳会談につきましては、けさの委員会でも申し上げましたとおり、エリツィン大統領がロシアの政治経済の改革について決意を述べられたことを私どもは高く評価をすると同時に、クリントン大統領がそれを積極的に支援していくということで具体的なパッケージを示されたことも評価をいたしたいと存じております。 また、クリントン大統領は主要先進国G7諸国に対して同様の対日支援を呼びかけておられますが、その機会に日本の領土問題に対する支持と理解を表明されながら、日本の議長としてのイニシアチブ、主導権、リーダーシップの発揮を期待している旨の話がございました。 日本といたしましても、領土問題を解決して日ロ正常化を実現するというのは国としての大きな課題でございますが、現在エリツィン大統領が置かれている国内政治における厳しい情勢等を考えて、議長国としての責任を果たし、関係諸国と相談をしながら多国間支援のあり方また二国間支援のあり方等を積極的に取りまとめていきたい、その中で日本も応分の責任を果たしていきたいというふうに考えております。
○荒木清寛君 今、日本も応分の責任をという御発言がありましたけれども、アメリカは今回の首脳会議でおよそ十六億ドルの緊急支援を約束したということでございます。 今月の十四、十五とG7があるわけですけれども、日本としては有償無償を含めまして二国間支援としてはどの程度の新たな支援を考えていらっしゃいますか。
○政府委員(柿澤弘治君) 現在、日本は御承知のとおりG7の議長国でございますので、各国から提示をされますパッケージの取りまとめをまず優先して行うということが必要であろうかと思っております。そして、各国のさまざまな提案の取りまとめのプロセスと並行しながら日本として、今申しましたように、応分の責任を果たしていくということで最終的に日本の支援の内容を決定していきたいと思っております。 ただ、支援をどのくらいするという金額の問題だけが問題ではないということをけさも堂本先生がおっしゃいましたけれども、やはり実行可能なそしてロシア経済の回復のために有効な方策であることが必要だと思っておりますので、その意味で日本としては、エネルギー関連の支援とか中小企業支援のためのパッケージとか、どのようなものがどの程度の規模でできるものかということを関係省庁で今、相談中でございます。
○荒木清寛君 午前中も御質問の中でありましたけれども、アメリカにつきましては、ロシアを支援するということは米国にとっても国防費の支出を削減することができるのだ、そういった平和の配当といいますか自国の利益と結びついているのだという、そういう説明をクリントンさんはしているわけですし、あるいはドイツにつきましても、ロシアの民主化が後退をすると難民問題等でドイツがもろに負担を求められる、だから支援をするのだというのは明確な話であるということであったわけです。 それでは、日本としては対日支援をすることがどういう形で自国の利益、国益に結びつくのかということをもう少し納税者である国民にわかりやすく政府としても説明をしていただきたいと思うのですが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) 米ソの冷戦構造が崩壊をして旧社会主義諸国が市場経済を導入し、そして国内政治の民主化を図っていく努力をしていることは、国際社会全体にとって大変大きなメリットでございます。そういう意味では、先進国の一員としての我が国もそうした国際社会全体としての旧ソ連支援の輪の中に入ってその一員として応分の努力をしていくことは、これは我が国の安定と平和とそして将来の繁栄にもつながるものと考えているわけでありまして、この点は先進諸国と利益を共有するというふうに考えております。 また、ヨーロッパ諸国にとってはロシアが混乱した場合の難民の危険ということが言われます。その点では、ロシア極東部の人口密度はロシア・ヨーロッパ部の人口密度のような高いものではありませんので直接的な懸念というのはないかもしれませんけれども、しかしやはりロシア極東部における経済的な不安、社会的な不安というものは陰に陽に我が国の経済社会の安定にも影響を与えるわけでございます。 また、核の脅威、旧ソ連諸国、ロシア共和国における核の脅威という点を考えれば、これは我が国もアメリカやまたヨーロッパ諸国とその懸念を共有するものでありますので、その点について核拡散の防止とか核技術の流出の防止とかについて協力をしていくということは我が国の安全にも大きくかかわるものと考えており、その点は国民の皆様にも御理解をいただけるものと考えております。 ただ、米欧と違うところは、先ほど来、荒木先生も御指摘のように、我が国には北方領土の問題があり、そしてロシアとの間で平和条約が結ばれていないという非正常な状態にございます。その意味では、この領土問題を解決して平和条約を結んで正常な関係をつくっていくということもあわせて悲願でございますので、それに資するような形の援助でありたいというふうに考えております。
○荒木清寛君 米ロ首脳会議の席上でもエリツィン大統領から、ココムの規制の対象からロシアを外していただきたい、そういう要請がアメリカ側にあったというふうに報道されておりますし、また副首相のショーヒン氏が新聞社との記者会見に応じた中で、やはりココムによる制限を撤廃していただきたい、そういう制限がなくなるとヨーロッパからシベリアを経由して日本へ光ファイバー通信施設を建設する、そういうことも可能になってくるというお話をしているわけでありますけれども、仮にココムによる制限を撤廃した場合にそういった光ファイバー通信を建設するということは現実性がある話なのかどうかお聞きをしたいと思います。
○政府委員(林暘君) 米ロ首脳会談でココムのことについてエリツィン大統領からクリントン大統領に話があったようであるということは記者会見でも明らかにされております。 ココムの規制につきましては、御指摘のように、東西冷戦が終えんしたということを受けましてそういう国際情勢に合わせるようにいろいろな努力が続けられております。ただ、まだココムの役割は完全に終了したという状況には至っていないというふうに考えられておりますので、ココムそのものは、御案内のとおり、現在も存続しているわけでございます。 どういう努力が続けられているかと申しますと、一つは九一年の五月に戦略的観点から真に規制の必要な品目に削減した新産業リストという削減されたリストを採用したということがございますし、かつまた戦略的脅威が低下しております東欧の諸国、特にハンガリー、チェコスロバキア、ポーランドの三カ国でございますが、チェコスロバキアを当時一カ国と勘定しての三カ国でございますが、これらの国には従来より若干緩和された手続が採用されておりましたけれども、さらに実効的な輸出管理体制を整備いたしましたハンガリーについてはココムのリスト対象国から除外したというようなこともございます。 さらには昨年の十一月にココムを対立から協調の組織へ変容させようというようなことでココム協力フォーラムというものが開催をされまして、そこでココムの方の参加国とそれからロシアを含みます規制対象国との間で、規制対象国におきます輸出管理体制の整備というような点での協力その他についての話し合いが行われております。 問題は、御指摘のように、ロシアその他の旧ソ連邦が民主化していくということに合わせるということもございますが、片やこれらの国々にココムを撤廃して物品が流れたときに、これらの国々からさらに懸念すべき国にそれらの品が流れるのではないかという懸念がございまして、そのための輸出管理体制、つまりこれらの現在ココム規制をしております対象国におきます輸出管理体制が整備されないとココムというものをすぐにやめるわけにいかないという状況で、今こういう国における輸出管理体制の整備ということに対する協力その他をしておるわけでございますので、その辺の整備状況が進捗いたしませんとココム規制を緩和しかつ撤廃していくということは若干難しいのではないかというふうに考えております。
○荒木清寛君 そういう意味では、その国を経由して第三国に行くという可能性は何もロシアに限った話でなくて、ほかの自由主義諸国に輸出をする場合でも同じことは言えると思うのですね。 もうロシアは共産主義国家でなくなったわけですし、東ドイツなんかも当然ですけれどもドイツに合併をされまして規制対象国でなくなっているわけですし、やはりこれが対日支援の障害となるのであれば、条約そのものの存在意義は別としましても、少なくともその規制対象国からロシアは外すべきであるというふうに考えますが、政務次官、いかがですか。
○政府委員(柿澤弘治君) 今、事務当局から御報告をしたとおり、いろいろ技術的な問題があるようでございます。 そのほかにロシアを規制対象国から外してはどうかという御提言がありましたけれども、御承知のとおり、ロシアは依然として核兵器を保有する軍事大国であることは間違いございません。そういう意味で、果たして即座に日本がイニシアチブをとってそれをやるというような立場にあるのかどうか、この辺はアメリカを中心とするココム体制の中で話し合いを行いつつ、ロシアにおけるそうした面での懸念の払拭とあわせてココムに関する見直しをしていくのが現実的ではないかというふうに考えております。
○荒木清寛君 次に、午前中の質疑でもありましたけれども、ロシアあるいは旧ソ連における核廃棄物の不法投棄問題について改めてお聞きをしたいと思います。 午前中のお話でも、今後、不法投棄がないように強く即時停止を申し入れたというお話がありまして安心をしたわけでありますけれども、しかし一方では、四月二日にはメニシコフ・ロシア最高会議環境委員会副委員長という方が記者会見をしまして、「海軍の極東での液体放射性廃棄物の海洋投棄は、地上の保管基地が満杯のため、残念ながら続けざるをえない」ということをおっしゃっているわけです。要するに捨て場がないわけですから、どう考えても今後も投棄をするのではないかという懸念が非常に強いわけですけれども、この点どのように考えていらっしゃいますか。
○政府委員(津守滋君) 御指摘のとおり、四月二日にロシア側からこの問題についての報告書を白書という形で発表があったわけでありますが、その際の補足説明及びその白書自体に、今、御指摘のございましたように、地上での貯蔵施設が完備しない限り、液体、固体の放射性廃棄物の投棄は継続せざるを得ないという説明がございました。
○荒木清寛君 そうしますと、即時停止を強く申し入れるというだけのことでは今後の海洋投棄を禁じることはできないのじゃないかと思いますが、この点、政府としてはどう対応していくつもりですか。
○政府委員(津守滋君) 午前中、政務次官からもお答えいたしましたように、四月二日にまず枝村大使からコズイレフ外務大臣に対しまして即時停止を強く申し入れたわけであります。しかしながらこの問題は、ロシア側が停止をするという発表をしておりませんので、今後とも粘り強くロシア側に対して繰り返し停止の要求を行っていく必要はございますが、同時に白書を十分分析した後でさらに打つべき手があれば、例えばロンドン条約に基づく措置等を含めて検討してまいりたいと思います。
○荒木清寛君 今回、日本海にあるいはオホーツク海に投棄をされた対象物件の中には原子力潜水艦の原子炉、ただし燃料は抜かれているという話ですが、あるいは原潜の原子炉の遮へい機器、こういうものが含まれているというふうに報道されておりますけれども、こういったものはロンドン条約の規制の対象となるのでしょうか。 といいますのは、軍事船舶にロンドン条約の規制が及ぶかどうか若干その解釈に異論があるというふうに聞いておるのですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(須藤隆也君) ロンドン条約の規定につきましては、午前中も政府委員の方から答弁がありましたが、ロンドン条約におきましては、放射性廃棄物を高レベルの放射性廃棄物と低レベルの放射性物質に分けて、それぞれ前者については禁止し後者については特別許可に係らしめるように規定しているところでありまして、こういう規定に反した投棄を行うことはロンドン条約の違反になるということでございます。 御指摘の軍艦による投棄の場合につきましては、ロンドン条約の第七条の四項というところに、国際法上、他国の主権が及ばないことが認められている船舶及び航空機、軍艦がこれに当たると思われますが、そういうものについては同条約を適用しない旨規定されておりまして、いわゆる条約の適用除外を認めております。 しかしながら同時に、その第七条の後段におきまして、各締約国は自国が所有しまたは運用するこれらの船舶及び航空機がこの条約の目的に沿って運用されることを確保するために所要の措置をとる義務を負っております。したがいまして、そのような所要の措置をとることなく放射性廃棄物の海洋投棄を行うことはロンドン条約違反となり得るものと考えられますけれども、詳細はやはり報告書を分析した上でないと断定的に判断することは難しいかと思います。
○荒木清寛君 このロンドン条約に違反して不法投棄を行った場合に何か条約上、罰則といいますか制裁措置といいますかあるいは損害賠償義務ですとか、そういった措置は規定されておりますか。
○政府委員(須藤隆也君) 条約上、条約違反を追及するための罰則等の規定はございませんが、午前中も簡単に申し上げましたが、条約上、投棄についての責任の評価及び投棄に関する紛争の解決のための手続については別途合意されることになっております。特に紛争の解決のための手続については改正案ができておりまして、まだ批准に必要な発効要件を満たしておりませんが、そのような手続を作成する過程にあるわけでございますが、今現在はっきりした形で罰則ないしは責任追及の手続が決まっているという体制にはなっておりません。
○荒木清寛君 やはり条約の履行を確保するためには直接的なその違反に対する制裁措置といいますか、そういったものをきちんと条約上確保するということが必要になってくるのではないかというふうに思います。 そういう意味で午前中にも、締約国会議の開催、定期的な締約国会議でこの問題を取り上げるというお話がありましたが、その場でこのロンドン条約の改正問題といいますか、制裁措置をつけるといった意味での改正を提言してはいかがかと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(須藤隆也君) 御指摘のロンドン条約の締約国会議につきましては、現在までに十五回の会議が開かれておりまして、昨年十一月の第十五回会議の場におきましても問題になりました、旧ソ連邦における一九六〇年から一九八六年までのカラ海及びバレンツ海での放射性廃棄物処分に関しましてノルウェー及びロシアが行った共同調査について経過報告がノルウェーから行われた経緯がありますし、九三年の八月にその最終報告が出される予定になっておりますし、また同じ締約国会議におきまして、ロシア連邦に対しまして、太平洋方面、シベリア沖合それからカムチャツカ沖の北西太平洋海域も含めまして放射性廃棄物の海洋投棄についての正確な情報提供を既に要請しております。 したがいまして、そのような前回の会議のフォローアップも含めまして次回の会議、十一月に予定されておりますが、次回の会議におきまして、今後ロシアがこの問題にどのような対応を行うかという点も見守りながら、我が方の調査結果も踏まえてその締約国会議等の場で適切な処置について検討してもらいたいと考えております。
○荒木清寛君 最後に、政務次官に対米関係につきまして御質問したいと思います。 先般、アメリカ上院下院両院でスーパー三〇一条の復活を求める法案が提出をされたということでございます。もし日本としても一たんこれを受け入れますと管理貿易の巨大な要求を突きつけられるということになりかねないと思いますけれども、この点、政府としてはどのように今後対応していきますか。
○政府委員(柿澤弘治君) クリントン大統領は自由貿易を大事にしながら国際経済問題を処理していこうという姿勢をとっておられると理解をいたしております。ただ日米間には、御承知のとおり、巨額の貿易不均衡がございますので、そうした点を今後両国の努力によって是正をしていく、縮小をしていくということが管理貿易への誘惑を断ち切るためにも大事なことではないかと思っております。 その意味で、先般、衆参両院において平成五年度予算を成立させていただいたわけでございますが、政府においてはできるだけ執行を早めて国内景気の浮揚を図るということが大事なことではないかと思っております。 さらに現在、党、政府におきましてさらなる景気浮揚策を検討中でございますが、そうしたマクロ経済における努力を通じて輸入の拡大を図っていくということが大事であろうかと思います。それにあわせまして国内市場の一層の開放というものをアメリカ側も求めておりますし、またこれは我が国にとっても利益になることでございますので、できる限りそうした形で開かれた自由貿易体制の維持のために日本としてできることをやっていくということで対応していきたいと思っています。
○荒木清寛君 ありがとうございました。
○猪木寛至君 冒頭に、外務大臣の一日も早い回復をお祈りしたいと思います。 そしてまた、きょうは外務大臣が出席されると思いましたのでいろいろ御質問を考えたのですが、政務次官が出席されたのでもうちょっと別のことをお聞きしたいと思います。 特に先日もお話に出ておりますアフリカ訪問ということで、私もちょうど三月から政府の派遣員と一緒に、一緒というか同じ時期にモザンビークも訪問させてもらったのですが、政務次官が言われているように、そしてまた政府の派遣員も報告されているとおりで、私も向こうの関係者とも会ったわけですが、そのとおりだったわけです。 アフリカ関係に関しては後から質問させていただきますが、今回のネパール王国の条約の問題で一つ、今四十三カ国日本に申し入れがあるということを先ほど聞きましたが、そのほかにはありませんか。例えば正式じゃなくてぜひ日本にと。
○説明員(藤野公孝君) 今、猪木先生、四十三カ国と申されましたが、四十四カ国、ベトナムを入れて四十四カ国でございます。 さらにそれ以外にはないかというお話でございますが、一応協定締結を正式に表明する場合、外交ルートを通じた口上書の提出ということで我々は意思表明と受け取っておりますので、この四十四という数字以外にはないということでございます。
○猪木寛至君 とにかく私どもも外国へ行くたびに表玄関というか、その国のまず最初の第一印象というのは空港で判断してしまう。それじゃいけないとは思うのですが、入った瞬間に大体その国のレベルというものを見てしまう。そういう意味で、直接には航空協定と関係ないかもしれませんが、成田の現状というか、聞くところによりますともうパンク状態である。そのために大阪の方へ今度は国際空港をつくるということは聞いていますが、その成田の現状についてちょっと聞かせていただきたいと思います。
○説明員(高橋朋敬君) お答えいたします。 成田空港は五十三年にA滑走路一本とそれから第一旅客ターミナルビルによりまして開港したわけでございまして、今日まで日本の表玄関として重要な使命を果たしてきたわけでございますが、国際航空事業の大幅な増大によりまして現在その取り扱い能力の限界に達しているという状況でございます。平成三年度一年間で十二万回の発着をこなしているわけでございます。 したがいまして今後、残されたB滑走路、C滑走路の二期施設の完成は急がなければなりませんし、国民的な課題であるというふうには認識しております。このため現在、工事可能な区域の工事をやっておりまして、旅客ターミナルビルにつきましては、その混雑緩和を図るため昨年の十二月に第二ビルを完成して供用いたしたところでございます。 しかし、二期施設の完成につきましては、BC滑走路上に未買収地がございまして、この問題の解決がぜひとも不可欠でございます。そのために現在話し合いによって問題の解決を図るべく、一昨年の十一月から地元で反対派農民も含め運輸省、公団、千葉県、関係者が一堂に会します成田空港問題シンポジウムというものを開催いたしております。 私どもとしましては、このシンポジウムの場などを通じまして成田空港問題の平和的な話し合いの解決を図って、できるだけ早く二期施設が完成するよう今後とも最大限の努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
○猪木寛至君 日中の改正の部分もそうですが、日本から今、西安を含めてシルクロードへ入っていく人たち、数字で見ますと四十五万八千人ということ、中国の方から九万二千人ということで、今、中国が大変経済成長というか、ある意味では非常に観光ブームも含めてますます増大していくと思います。その意味でのこれは条約の改正だと思うのですが、今後どうでしょう、見通しとしては。ますますまだ数字は伸びていく潜在的な可能性というのは。
○説明員(藤野公孝君) 中国と日本の交流につきましては、先生今おっしゃいましたとおり、年々拡大してまいりまして、我々といたしましてもこの需要増に応じた航空網の整備拡充ということを中国と相談しながら協議の場で対応してまいっております。 お尋ねの今後どうなるかということにつきましては、我々といたしましては潜在的に非常に需要が伸びていくものというふうに考えております。
○猪木寛至君 そうしますと、これから事故という問題も非常に考えなきゃいけない。これは大分前の話になりますが、列車事故で修学旅行で中国へ行っていた私の友人の娘さんが死亡するということで、その補償問題というか、今後事故があっては困りますけれども、そういうようなことも予測しておかなきゃならないのではないかと思うのです。 そこで、シカゴ条約というか、この中に例えば事故とかそういうものに対する条約はこれは別途にあるわけですか。
○説明員(河合正男君) 今、猪木先生、シカゴ条約とおっしゃられましたが、これは国際民間航空条約でございますが、それと別途にワルソー条約という条約で国際航空運送における事故での死亡者または負傷者に関する民事上の責任について規律している条約がございます。これは古い条約でございまして一九二九年につくられたものでございますが、これが一九五五年に改正されてへーグ議定書という形で現在適用されておるわけでございます。 このワルソー条約の補償額も非常に小さかった、低額だったものですからへーグ議定書で改定されたわけでございますが、これも責任限度額が二十五万金フラン、これは米ドルにいたしまして二万ドル相当、今二百二十万円弱というところでございますかということで非常に私どもの感覚では低額なものになっております。 条約上はそういうことでございますが、この条約の規定ではそれとは別途に、航空会社と旅客との間で特約を結んでその限度額を別途定めてもよろしいという規定がございます。そういうことで、アメリカの航空会社につきましては、つまりアメリカに出入りする航空機につきまして別途責任限度額を七万五千ドルとするという、これは民間レベルでの協定でございますが、そういう特約がつくられております。 なお、我が国の定期航空会社、これは運輸省さんの方の問題でございますが、ついでに申し上げますと、昨年の十一月に国際線での賠償限度額を無制限とするという運送約款の改正を認可したところでございます。
○猪木寛至君 もう一つ、アフリカの中で先日ちょっとエチオピアの方へ行ってまいりましたが、内戦で非常にあれしている状況の中でどういうわけか、飛行機の整備というのでしょうかね、建物自体はそんなに大したものでないのですが、技術的なものはアフリカの中で大変すぐれているということで、サウジだとか南アフリカとかいろいろな国からの飛行機がその整備をエチオピアに持ってきてしてもらっているという状況を見たのです。 この整備に関しての例えば安全基準というかこの辺はいかがなものでしょうか。
○説明員(安川醇君) 御説明申し上げます。 我が国航空会社の整備についてでございますが、我が国の航空会社は八社ございまして、約三百機のジェット機とそれから約五十機のプロペラ機が運航しております。これらの航空機の安全性を確保するため各エアラインは整備規程というようなものを定めておりまして、これに従って定期的に整備を行っているわけでございます。この整備規程には、整備の実施方法でございますとか実施の時期がメーカーの推奨する方法やそれからその会社の経験に基づいて決められておりまして、運輸大臣もこれを認可しておるということになっております。 これらの整備は、故障やふぐあいがなくても時期が来れば必ずやるという点検や調整が主なものでございます。それからまた、航空機の使用中にいろいろな故障やふぐあいが発生することがありますが、この場合には速やかに原因調査を行って、必要がある場合にはメーカーの協力も得ながら整備方法の改善や機材の改修を行っていろいろなふぐあいの再発の防止に努めているという状況が我が国の航空会社の状況でございます。
○猪木寛至君 政務次官もよく外国に出られるので、新しいゲートで何か感じられることはありませんか。おりた瞬間に大変風が舞っているのですけれども、私の場合はたまたま風が強い日というか行くたびに大変風の強い日にぶつかるというか、車をあけた瞬間にその車のドアがみしみしというようなあるいは人間が吹き飛ばされるような状況というのでしょうか。これは感じられたかどうかということだけで結構なのですけれども。
○政府委員(柿澤弘治君) 猪木先生のように私は体重がないせいか、風圧を感じずに出たり入ったりしております。
○猪木寛至君 一つは今、風工学という大変これはまた難しい専門的なものになると思うのですが、私もいろいろなことに顔を突っ込みまして。風車の問題とかを取り扱っているそんなグループの中に吉田先生という人がおりまして、たまたまNECのビルを穴をあけましてビル風公害をなくすということで、副都心もまさにそういう一部というよりは非常にその風公害に関しては失敗だったのじゃないかということが言われています。 そういう風公害のことで私が今、空港の問題を申し上げたのは、非常に日本というのは外国から今、特に途上国からそういう技術的な問題で尊敬される立場にある。お金もさることながら。その辺で、空港をおりた瞬間に非常に風で吹き飛ばされるあるいは持っていたものが飛んでしまう。いろいろな苦情を拾い上げるともう切りがないのです。 私自身が成田空港で感じたことですが、非常に時間的なロスというか、開港までに問題があったと思うのですが、先進国と比較したときに、成田の設備とかあるいはそういうような風の問題について計算されていたのかなと、そのことをちょっとお聞きしたいのですが。
○説明員(高橋朋敬君) 今、先生、成田におりられたときに風に関して迷惑をこうむられたことのお話でございましたが、私どもも、空港公団の方で非常に苦情が寄せられている窓口があるのですけれども、そこで調べました限りでは、風公害ということでの苦情は今のところないわけでございます。それからビル風という面で考えてみますと、建物の高さで三十メートルぐらいなものですからいわゆるビル風というようなものが起きるような高さなのかどうか、そういう点での御指摘も今のところ受けていないという状況ではございます。 しかしながら、この地域は冬から春にかけまして強風日というのが多くなるということも事実でございます。このような日に成田空港を御利用になった場合に、ターミナルビルの出入りだとか空港の付近で風に関して不愉快な思いをされた方もあり得るのではないかとは考えております。 いずれにしても、実態がよくわかりませんので、せっかくの御指摘でございますので少し調べてみまして、何ができるか少し勉強してみたいと思っております。
○猪木寛至君 多分、風はしょうがないなと思ってみんなが余り問題にしないのじゃないかなと思うのですが。一つは、女性の方にしても、せっかく髪結いさんに行って、出てきた瞬間にばっとすっ飛んでしまったりとかね。大阪空港を今度は開港されるわけですから、その辺もぜひ取り入れてもらってやっていただきたいと思うのです。 そこで、先ほどからもう同僚議員からも出ておりますが、核の廃棄物ということできょうも新聞をにぎわしております。私も六ケ所村の問題があったとき、私としては独自の発想で、旧ソ連ですが、ソ連政府と話したことがありました。リサイクル問題が非常に日本では難しいというときに、それであればひとつお互いの安全保障というような形でこういうリサイクル施設をつくったらどうかという提案もしたことがあるのです。 これがちょうど今から四年ぐらい前になりましょうか、カメンツェフという当時の副首相ですが。そのときに向こうの方が言われたのが、いや我々は大変領土が広いし核の廃棄物を捨てるところは幾らでもあるのだということを言われて、私自身もそのときは余り核に関して知識もなかったものですから、なるほどな、広いからどこかに深いところへ埋めてしまえばいいのかなと思ったのですが、しかし現実にこういう問題が起きてきますと、まあロシアというのか、旧ソ連から体制を引き継いでいるロシアはそう変わってはいないと思うのです。非常に核に対する認識が甘いということ、新聞にも指摘されております。 そこで、どう思うかと言ったって多分甘いと、ソ連の方は甘い、ロシアは甘いという御返事が返ってくると思いますので、これから日本がそれに対してどういう援助ができるのか。技術的な協力を考えるという記事がありますが、実際に具体的にはどんな形の技術協力をされるのでしょうか。
○政府委員(津守滋君) 昨日も官房長官からその趣旨の発言をしたわけでありますが、その白書をまだ十分に検討分析をしておりませんので、まずその検討、分析、評価を行った上で、どうしても日本が協力しなければ例えば垂れ流しが続くとかあるいは汚染が広がるとか、それは例えばの話でございますけれども、そういう場合に初めて日本として協力の可能性を検討する、こういうことではないかと思います。 技術的には、科技庁の方おられるかどうか知りませんが、まだこれからそういういろいろ前提条件がありますので、まず事実関係を十分把握して分析評価を行って、その上で要すればそういう支援の方策についても考えていきたいと思っております。
○猪木寛至君 事実関係をつかまえるところが前提でしょうけれども、先ほども言いましたように、非常に認識が甘いという、ちょっと我々と核に対する問題意識が違うということ。これは非常に大勢の方がいるからどの人を基準にして言うかということはありますが。 ただ、私の体験からいいますと、例えば旧ソ連であったトルクメニスタンあるいはグルジア、アルメニア、そういうところを回ったときに、環境問題ということで私自身テストパックという水を調査する紙を持っていって大体行く先々で水はチェックしているのですが、日本でいいますと環境庁というのでしょうか、その辺のオフィスはこれは本当にお粗末というか、中学校の実験室にも劣るような感じのところでそういうような環境問題あるいは核の問題もやられているのじゃないかと思います。 ですから、これはもっと積極的に、向こうから言うのじゃなくて、ほっておいて向こうから上がってきたところで検討するのじゃなくて、逆に独自の調査団というものを日本のレベルで見ていかなきゃいけないのじゃないか。実際にこの被害というものは私どもにはわかりませんけれども、現実には大変な量が、ベクレルというのですか数字が出てきますけれども、要するに汚染度というものですね。 これはアメリカの方も既に軍事的な廃棄物の問題については大変頭を痛めているということが出ておりますが、日本として独自な何か調査団を出すとかという考えはどうでしょう、あるのでしょうかね。
○政府委員(津守滋君) 繰り返しになりますが、まだ白書を入手したばかりでございますのでこれをまだ概要しか我々つかんでおりませんし、さらに精緻な分析が必要でございますので、科学的な現象なんかでどの程度汚染されているか含めまして。そういう上であるいはその調査をするためにもし必要ということであれば、やはり関係省庁と協力をいたしまして何ができるかを考えていきたいと思っております。
○猪木寛至君 それでは、政務次官に最後にお聞きしたいと思うのです。 先ほどアフリカ六カ国ですか回られたということで、特に私は今回モザンビークよりも南アフリカに大変興味というか、これからやはり白人政権から黒人政権に移譲していく状況の中で、たまたまマンデラさんは病気ということでナンバーツーかナンバースリーでスポーツ部長というツウェテさんという方にお会いしました。今、政権移譲に備えて受け皿というかそういう準備を進めている最中ではあったのですが、事実上、南アフリカのスポーツに関してはこの人を通さないとサッカーであろうと何であろうともできないというような力を持った方です。 もう一つ、やはり難民問題というよりは都市に流入してくる人たち、それからかつて犯罪が非常に少なかった南アフリカが今はもう非常に犯罪が多くなった。モザンビークの方がよっぽど安全だという感じがしますけれども、その南アフリカについて見解があればお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(柿澤弘治君) 私も長い間、反アパルトヘイト議員連盟のメンバーとして南アの問題にかかわってまいりました。 今回の旅行でも南アを訪ね、デクラーク大統領それからマンデラANC議長ともにお目にかかってまいりました。両者とも共通していることは、何とかして一人一票制の民主的な選挙を実現して、白人、黒人、カラードもおりますけれども、共通した平和な民主的な南ア共和国をつくらなければいけないという強い決意でございます。それには感銘をいたしました。暴力事件等引き続き発生はいたしておりますが、デクラーク大統領、マンデラ議長、それにインカタ自由党というところのブテレジ、その三者が合意をしながら制憲議会に向けて今、一生懸命努力をしているところでございまして、その意味では南アにおける民主的な議会の確立を心から念願をいたしております。 それに対して日本が何ができるかということでございますが、一つは自由選挙を行うまでの間に、やはりカンボジアも同じなのですけれども、妨害のための暴力行為というものが、時々暴力事件が発生をいたします。これについては国連が国連南ア暴力監視団というのを送っておりまして、五十人ほどの方々が、暴力事件が発生したときにはそれが自然発生的なものであるか、もしくはその背後に政府その他の陰謀があるか等を調査して、そして客観的な立場で暴力事件の再発を防ぐというような努力をされておられます。 これもPKO活動と同じように暴力事件の現場へ直行するという意味では命がけの仕事でございますが、そうした活動を国連関係の五十名の方がしていらっしゃる。そこへECやその他国際機関の方々もオブザーバーを出しているということで、私はそうした国際社会の協力のもとで南アの民主化が進んでいるということに感銘を受けました。 キングさんという国連代表の方から日本にもぜひ南アの暴力監視団へ参加をしてほしいという要請がありました。デクラーク大統領もその趣旨のことをおっしゃっておられましたが、御承知のとおり、モザンビークヘPKOを出すのですらといいますか大変な努力を要するわけでございまして、南アの暴力監視までなかなか人を送るというところまでいかないのは御承知のとおりでございます。 しかし、アフリカ諸国が現在、飢餓と内戦と難民の多発の中で大変苦しい状況にある。しかも、その中で政治の民主化とそれから経済の市場経済化を目指して悪戦苦闘しているということは私どもにとっても黙って見過ごすことのできない状態であろうと思いますし、国連における構成国の中でもアフリカ諸国の数、五十六カ国でしたか、一番大きなグループでございますので、これから日本としてはアジアに目を向けるだけでなく、アフリカ、中南米等にも関心を持ち、その地域の平和と繁栄のために日本として何ができるかということを模索していかなければいけない、こう思っております。 その意味で、猪木先生が常にアフリカ、中近東等を幅広く御関心を持っていただいて御活動いただいていることに心から敬意を表する次第でございますし、今後とも外務省の活動にいろいろと御支持、御支援を賜れば幸いと思っております。
○猪木寛至君 終わります。
○立木洋君 まず最初に、航空協定の問題についてお尋ねしたいと思うのです。 今までこの航空協定にかかわらず二国間の協定においては、それが本当に相互主義に基づいてそれぞれの国が平等互恵の立場で内容が貫かれているかどうかということをその一つの重要な視点としてこれまでも私は審議に参加してきたわけですが、ちょっと今回の場合、目新しいのがあるのは付表で書いてある件で、付表の中で上海と大阪との間の運輸権の問題に関してネパールの航空企業については運輸権を与えないという趣旨の明示があるのですが、これは相互主義の見地からいってどういうことになるのか、まず最初に御説明を聞いておきたいと思います。
○政府委員(小池寛治君) 先生が御指摘されましたように、日本とネパールとの間の航空協定の付表におきまして大阪それから上海との間の運輸権について一定の規定がございます。 この趣旨は、航空市場としての上海の価値が高いということを踏まえまして日本とネパールとの間で交渉して、それで日本とネパールとの間の航空協定の目的としては、日本とネパールとの間の人、物の往来というものを主としましてそれ以外のところは従とするという基本的な考え方にのっとりまして、上海についての運輸権について一定の制約をかけるということでネパール側と合意したものでございます。
○立木洋君 それぞれ締約国間の輸送ということが第一の目的だということは、これは大体すべての航空協定の内容でも原則として認められていることですから、今回の場合にはそれであってもなおかつ上海を中継地点に選ぶという点は、ネパール側が合意したということであるならばそれはそれとして私はいいのではないかと思うのですが、この問題も状況が変わってきた場合にやっぱり将来とも相互主義の立場で本当に貫いていけるようによく念頭に置いておいていただきたい。 これは次の問題と関連があるのですが、先ほど同僚議員も言いましたけれども、相互主義の見地からいっていわゆるこの第一義的な目的が十分に守られていないという典型が私は日米航空協定だと思うのです。この問題については先ほど外務省の方の説明をお聞きしましたけれども、日米間の航空協定の不平等性の内容を十分真剣にお考えになっておられるのかどうかということを疑われるようなどうも答弁だったような気がしましてね、そうでなければいいのですけれども。 この日米間の四十年間にわたる経過を見ても、当初この問題については部分的な改定なんかも三回にわたって行われ、その後、沖縄の協定のときに問題になって包括的に協議し直そう、検討し直そうというふうな問題が出たにもかかわらず、大変な時期中断しましたね、けんか別れみたいになって。その後、暫定合意というのが三回にわたって出たけれども、根本的にはやっぱり問題は解決されていないというのが私の認識なのです。 ですから、現状で日米間の航空協定の見地から見て実態がどうなっているのか。これは航空便の問題から以遠権の問題からいろいろありますが、これらの問題のベネフィットは現時点でどうなっているのか、ちょっと簡潔に説明していただきたい。
○説明員(藤野公孝君) ただいま先生御指摘のございましたように、日米航空協定につきましては、同協定が戦後間もない一九五二年に署名されたということもあり、協定付表上の以遠権、特に以遠権などの路線構造につきまして不平等ないし不均衡な面があることはもう明らかな事実でございます。 これを具体的に示せと、こういうお話でございますが、まず米側航空企業の以遠権の行使につきましては、日本からアジアあるいはオセアニア内の以遠土地点につきまして、旅客、貨物合わせまして週間百四十二便アメリカ側は運航しております。これに対しまして日本側、日側の航空企業の以遠権は、行使しておりますのはわずか一地点、週間二便にすぎないといったような状況でございます。 それからもう一つ御指摘申し上げたいのは、日米間の市場におきます日本と米国との航空企業のいわゆる供給力、輸送力のシェアでございますが、十数年前、一九八一年度におきましてはこれが約フィフティー・フィフティー、五〇対五〇でございました。その後、年々格差が生じまして、統計的にちょっと最新ではないのですが、一九九一年度、要するに十年後でございますが、日側が三〇、米側が七〇というようなアンバランスな状態になっております。
○立木洋君 この点で、先ほどの御説明があったもう当初から最大の問題になってきた以遠権の問題については、申請すればそれは無条件に以遠権の行使が認められるというふうな考え方を米側が持っているようだと、そこが最大の問題の一つだというふうにおっしゃっていたわけですけれども、これは今度のユナイテッド航空の問題でもそうですね。これは本当に今後交渉してこの問題を決着できるというふうなお考えなのでしょうか。 先ほどのお話では、つまり四十年前に結んだ日米航空協定の枠内で何とか解決をしたいというふうにあなたおっしゃったのだけれども、本当にその枠内で交渉して解決できるという見通しをお持ちになってそう述べられたのかどうなのか私は大変信用しがたいので、その辺本当にそういうふうに確信持って述べられているのかどうか、お聞きしたいのです。 もしかあなたがお答えになった後、柿澤政務次官からも一言あれば。
○説明員(加藤良三君) 先生御指摘のとおり、日米の航空交渉は大変難しい交渉の歴史であったと思いますし今後もあるかもしれないというふうに考えます。 一九七六年から日本は日米の権益の平等化と申しますか権益の均衡を目指しまして協定改定交渉を開始したわけでございますが、米国の例の空の自由化の政策の問題なんかで何度か中断を余儀なくされました。しかし、御案内のとおり、八二年、八五年、八九年にその協定改定が全般的なものは当面望み薄ということで、それまでの間の暫定措置として旅客便の路線拡大やら貨物便の参入等々についての日米の合意が重ねられてきたということでそれなりに前進はあるのだろうというふうに考えております。 そして、もちろん協定の枠内で協議を続けるというのは、実はこれは協定自身に問題がある場合には協議をもって解決せよ、できるだけ最後まで協議によって解決をするようにという精神をうたっているということにかんがみ、それに日本側としても従っているということを申し述べたつもりでございます。
○立木洋君 今度のユナイテッド航空の問題も以遠権の問題で問題になっているわけです。 この以遠権の実態を私たちもいろいろ調べてみたのですけれども、一九六五年当時のアメリカ人が日本を経由してアジアの諸国に行くというふうな実態を見てみると、それ相応にアメリカ人にも利用度があったと思うのですね。一九六五年にアメリカ人が利用して香港に行くのは二八・四%が九〇年には一〇・三%に減った。あるいは韓国に行くのが当時四三・五%のところが一一%になった。それからタイに行くのが四一・三%だったのが五・四%。だから、アメリカ人が日本を経由してアジアのその他の国に行く利用度というのはもうがたっと落ちてきているのですね。 こういう実態を見ると、アメリカの航空企業が自国民のニーズを満たすためにアジア地域に乗り入れを必要とするというふうな状況は実態ではなくなってきているということが一つ言えると思うのです。 それから先ほど来もう問題にもなっていますけれども、この以遠権の権益については主たる権益ではないのだ、基本は当事国、契約国間の輸送に当たるというのが基本だという見地からいってもそうですね。 それから最近ではもう技術面で長距離でノンストップの便というのも可能になって、アメリカの航空会社でもソウルだとか台湾、台北なんかでもノンストップで行っているわけでしょう、今現実に。ところが、日本に来て以遠権を行使して、さらになおかつそれを要求が通らなければけしからぬというふうな態度をなぜアメリカ側がとるのか。これはどんな数字を出してきて議論をしてみても私は実態に合わないと思うのですよ。 この問題は、今の航空事情が非常にさまざまな問題が起こってきて、さらに四十四カ国の協定の問題もあっていわゆる空港の状態といってもさまざまな問題があるのだけれども、一国だけのそういう特権を認めてそれを保存するような状態にしておいて本当に国際的に航空問題に関しても平等な立場で日本が対峙していっているのかということになると、これはやっぱり大きな問題だと思うのですよ。 これからの国際社会で本当の意味で貢献するということになるならば、そういう不平等な状態を根本的になくしてすべての国々と対等平等の航空権が行使できるようにする。そういうことを考えると私はこの問題はいいかげんに済ましてはならない問題だと思うものですから、その点について真剣にお考えいただきたい。 だから、これはただ単に今までの協定の枠内で見たって十一条、十二条違反ですよ、日米航空協定の。私はそれは引用しませんけれども、時間がないから。これは協定違反ということも明確になっているのだから、そういうことも含めて抜本的に直していくという点について、きょうお越しいただいた外務政務次官に最初にぜひ決意のほどを明確にしていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょう。
○説明員(加藤良三君) ただいま立木先生から御指摘になられました諸点というものは、日本のみならず多くの欧州諸国それからそれ以外の地域にあるアメリカとの航空協定を結んでいる国の問題点の指摘というのと軌を一にする部分が多いというふうに考えております。 他方、私、先ほども申し上げましたように、一応航空レジームのあり方を考えます場合に、健全な秩序ある発展、それをなるべく拡大的な方向に持っていくということが航空需要への対応という観点からも妥当なところかと考えます。 今の協定すなわち一九五二年に署名されました協定というものも、まずとにかく第一義的にとことん誠意を尽くして交渉により協議により物事を解決せよということをうたっておりますので、私どもは今のところそれを忠実に踏襲しているということでございます。 問題は、その中で、先生も御指摘のように、協定十二条に関するアメリカの解釈は私たちとしては受け入れがたい解釈であると思います。それはとりもなおさず以遠権無制限自由ということであり、したがって東京をあたかもアメリカの中の一地点、シカゴであるかのごとくアトランタであるかのごとく扱うことを認めるような解釈というのでありますが、東京がアメリカの航空会社の俗に言われるハブ空港になるということまで今の航空協定は私は認めていないと考えております。 そういう線に沿って毅然とした立場でアメリカと、しかしまず協議を尽くすという立場から交渉いたしていく、これが日本政府の立場でございます。
○政府委員(柿澤弘治君) 私は運輸政務次官も務めましたので、この日米航空協定の改定の問題が大きな課題である、それには外務省、運輸省それぞれ全力を挙げて取り組んできたということを立木先生にはぜひ御理解をいただきたいと思います。 協定の枠内でと先ほど政府委員が申しましたのは、憲法改正を行うにも憲法における手続に従って改正をする必要があるわけでございまして、憲法を破棄してそれで新しい憲法をつくるというのとは違うのでありまして、そういう意味であくまでも協定に基づく話し合いによってこの協定を正常化していくということに我々は努力をしていきたい、こう思っております。
○立木洋君 これは憲法と違うのですよ。相互の協定というのがそれぞれの国に不合理な状態が常時、不利益という状態が露骨になった場合には、これについては直すということは国際間の常識としてはあり得ることなのですから、そういうことを外務政務次官が言ったらだめですよ、それは。あなたの見識が疑われる。 だから、やっぱりそういう問題は真剣によくお考えいただきたいと、全力を尽くして取り組んでいただくように重ねて要望いたします。
○政府委員(柿澤弘治君) 全力を尽くします。
○立木洋君 実は、政務次官、先般、渡辺さんにモザンビークの問題で質問しようとして五分しか時間がなかったものだから、次の機会に長い時間をとってぜひ質問したいというふうに言っておったのだけれども、こういう事情になって極めて私も残念なのです。できるだけ早く出てきて討論を闘わせることができるようにぜひお伝えください。
○政府委員(柿澤弘治君) ありがとうございます。
○立木洋君 まずこの外務委員会の場所で闘わせられるかどうかはわかりませんけれども、いずれの場にしろ国会で議論が闘わせられるようにお待ちしておるというふうに言っていただきたいと思います。 さて、そのモザンビークの問題ですが、この問題ではこの間お聞きしたときに自衛隊を派遣する要件が整っておるという趣旨のことを大臣言われたのです。私は本当にそうなのだろうかと思っていろいろ調べてみました。 それで、事実関係をぜひお聞きしたいのですが、RENAMOの本部は首都のマプトに移動することになっているのです。これが依然としていまだにモザンビークの中部に置かれていまして、ミランジェに置かれていて、まだ本部がマプトに移っていないのですね。停戦協定が合意してからもう半年ぐらいになるわけですけれども、どうして本部をマプトに移すという状況になっていないのでしょうか。
○政府委員(小西正樹君) 先生御指摘のとおり、マプトに現時点においてはRENAMO側の本部が設置されるには至っておりません。 これにはいろいろな事情がございますが、その一つの大きな理由は、ローマの和平協定、十月締結されましたローマの包括的な和平協定におきまして、RENAMOが政党として活動をするための基盤、具体的に申しますれば住宅、輸送手段等そういった面での便宜をモザンビークの政府側がRENAMO側に提供することになっております。このような基盤の上にRENAMOは政党としての活動を展開することができるということが期待されているからであります。 しかし、この事務所設置あるいは政党としての活動を行うために必要ないろいろな便宜、特に住宅でございますけれども、住宅については既に二度モザンビークの政府側から提供がございましたが、RENAMO側はこれに対してセキュリティー、RENAMO側の身辺の安全という観点から不十分であるということで拒否して、その後まだ合意ができていないという状況でございます。
○立木洋君 安全が保障されないというのを最大の要件として主張していますね。 それで、モザンビークの政府のチサノ大統領、そしてRENAMOの議長をやっているデュラカマ議長、これは停戦協定のときにはもちろん双方が会ったわけですけれども、十二月にジンバブエで会って以降このお二人の指導者は一回も会っていませんね、まだ。 そして、三月の六日にいわゆるCSCという包括和平合意履行の監督監視のための委員会が開催されることになったけれども、国連の代表はもちろん参加した。政府代表も参加した。西側の六カ国のいわゆる監視国の代表も参加した。しかし、RENAMOの代表はこれをボイコットしましたね。これはどういう理由でしょうか。
○政府委員(小西正樹君) この理由について必ずしも私どもは、先ほどの調査団のミッションにおいては理由ははっきりとは承知いたしておりません。
○立木洋君 あなたは三月四日に日本を出発して三月六日に向こうの現地に行ったわけでしょう。七日か。その六日の会議がボイコットされている事情を調べてこない。これは停戦が進むかどうかという、合意が進展するかどうかという重要な問題ですよ。これをRENAMO側がボイコットした。なぜボイコットしたのか。それぐらい重要な問題をあなた報告書に一言も書いていない、一行も。私はこの点あなたの報告書というのは十分じゃない報告書だ、適正を欠く報告書だと私は言わざるを得ない。 もう一つ聞きます。今、問題になっているのは、六つの停戦違反というのを政府側が主張しています。六つの停戦違反とは何でしょうか。どういう停戦違反を政府側は提起したのでしょうか。
○政府委員(小西正樹君) 六つの個々の停戦違反について現在具体的に触れる資料は持ち合わせておりませんが、そのうちの典型的な一つの例として政府側がRENAMO側に対して主張している点は、部隊の移動に関してRENAMO側が合意された事項に違反して部隊の事前通報を行わなかったという点が一つ停戦違反として主張されているというふうに承知しております。
○立木洋君 テンプラ地方の、あなたは行かなかったのだけれども、あそこのナミトリアとナマポンダ、この二地点をいわゆるRENAMOの軍が依然として占拠しているのですね。そして、この両地点というのはどうなっているかというと、政府側とRENAMO側が我々の支配地域だといって双方に主張し合って譲っていないのですよ。それで依然としてRENAMO側がそこを占拠して鋭い対立が生じているのです。そして、その中で一つ挙げているのが、つまりRENAMOのアンゴチェというところにおける作戦はモザンビーク政府としてこれは停戦委員会に通知した六つの停戦違反の一つだというふうに指摘しているのです。 こういう問題についても、北部で若干何か問題があったみたいだけれども今は平穏ですという報告書になっているのです。これは事実に合っていないのですよ。依然として鋭い対立があるのです。我々は情報を調べたのです。六つのそういう停戦違反の状態があるということについてもあなたは報告書に書かれていない。 それから確かに今、言われたけれども、RENAMOの軍が依然として軍事訓練をやっていますよ。軍事訓練をやってRENAMO地域に対する道路の開通を拒否している。今、あなたは言いました、その一つとして挙げていると。これはモザンビークの政府が停戦違反を調査するためにといって国連に出したでしょう、初めてもう怒って、これは何としても直らぬのだからけしからぬと言って提起したのです。そのうちの一つにあるけれども、あなたの報告書の中にその道路の開通を拒否しているという文章はないですよ。 それからRENAMOがケニアから航空機を買いましたね。機密裏に登録しないで。これも停戦違反だと問題になっているのじゃないですか。承知していますか。
○政府委員(小西正樹君) 先生が今、最後に御指摘された点私は承知しておりません。 ただ、私の提出いたしました報告書におきましては、先ほど触れました点を念頭に置きまして、政府及びRENAMO側との間に相互の不信感が生じているという面がありまして、これが国連側よりも指摘されている、関係者から指摘されているという点については触れております。 また、先生が御指摘になりました北方の地域、これにつきましては、停戦合意ができました直後においていろいろRENAMOと政府側で衝突のあった地域でございまして、そういう意味におきまして簡単ではございますが触れでございます。
○立木洋君 あなたの文章の中には、外国からいわゆる軍事物資が入るということは全くなくなったというふうに報告書に書いてあるけれども、航空機を機密裏に購入するということはこれは重大なことなのですよ。それも書いていない。 それからRENAMOの納税が拒否されていますね。これは知っていましたか。
○政府委員(小西正樹君) 納税というはどういう……
○立木洋君 税金を納める。拒否されていますでしょう。RENAMO側は拒否していますでしょう。
○政府委員(小西正樹君) そういう拒否ということで私どもは情報は得ておりませんでした。
○立木洋君 私、この文章、政府の提出されている「モザンビーク調査団報告書」の内容を見ました。政務次官は二月においでになったからその前の時点ですね、これは。政府は三月に行かれて、そしてあなたがおいでになったのは三月の最も重要な時期、三月四日に成田を立って帰ってきたのが三月十六日です。だから、向こう側で最大の問題になっている六つの停戦違反のことはどうなるのだということが問題になり、いわゆる会議がボイコットされている。あそこの最も中心的な会議ですよ。これをRENAMO側がボイコットした。こういう問題について全く書かれていない。 そして結論が、これはもう紛争当事者間の停戦の合意及び国連のモザンビークにおける活動に対する紛争当事者の同意は確保されておる。こんな結論がどうして出てくるのですか。会議をボイコットしている。その会議がいつ開かれるかまだ見通しが立たないのです。 確かに私の調べた情報によりましても、この問題に関して言うならば、停戦違反の問題を調査するためにといってモザンビークの政府が訴えたのです。これを何とかして開きたいということになっているけれども、結局ボイコットした後、彼らが言っているのは、国連の会議に出るドミンゴという代表とそれからRENAMOの事務総長のウルル、これが地方に行って今のところいないからその会議には参加できないという理由を説明しています。これが本当かどうか。 ボイコットしたのは何かという理由をあなたは御存じない。そうするとそれは、これが理由で何かRENAMO側が停戦合意を破ったかのように国際的な批判を受けないためにこういうふうなことを言っているのか、それともその後にはこれに出るというふうになるのかという重要な問題点でもあるわけですよ。 これらの問題については、私は正確に、やっぱり政府から派遣された代表団ならば、調査団ならば、それは完全に精査して不十分なところは不十分だと、この点はまだわかりませんと明確に報告すべきだと思うのです。これを見て私は政務次官がどういう工夫をしたなどというようなことを言いたくないけれども、結局政府が判断して、紛争当事者間の停戦の合意及び国連のモザンビークにおける活動に対する紛争当事者の同意が確保されておりという結論を出したら、ああそうか、それなら停戦の合意もあってこれで時代が進展していくということになるのだなと、それなら問題ないのじゃないかというふうなことになりかねないのです。 最大の問題は何か。武装部隊が集結地点に集結されて完全に武装解除ができるということが重要なのです。これがやられなかったためにアンゴラみたいなことというのは起こるわけで、今カンボジアで問題になっているのもそのことなのです。いわゆるポル・ポトがこのことを拒否しているからどうなるかということが最大の問題になっている。この停戦の合意、いわゆる日本政府が言った、PKOの法案についても問題になったが、停戦の合意というのは、停戦が現実に確保される、そして停戦の状態を維持するという状況で紛争当事者が完全に合意しているという状態のことを停戦の合意と言うということになってくると、停戦の合意の上で問題が多々残っているということにならざるを得ない。 私は、政府のこの報告書は現実に照らして不適切であり問題の点を十分に報告されていないものであるというふうに指摘せざるを得ないと思うのです。厳しく言えばそういうふうに指摘せざるを得ないのだけれども、まずその代表団長、調査においでになった団長としてお考えを聞かせていただきたい。
○政府委員(小西正樹君) 今、立木先生が御指摘のとおり、この和平プロセスにおいて非常に重要な点は、両当事者すなわち政府及びRENAMOの軍の武装解除のプロセスでございます。 立木先生が御指摘になられましたそのボイコットにつきましては、私ども調査団がマプトに滞在した期間にたまたまそういう事件が発生したことは私どもも十分承知しております。その背景等については関係者によって異なった説明が与えられておりまして、私どもとしてそのいずれを選ぶかということについては必ずしも確信の持てるそういった材料はございませんでした。 一つの見方を御紹介すれば、RENAMO側は連絡協議のために彼らの本拠のゴロンゴザに残るということを言っておりました。また一つの見方によれば、政府側の対応についての不満があるという説明もございました。したがいまして、調査団の報告におきましては、一方的な見方を紹介するということでは誤った印象を与えるおそれがあるという考慮から、そういうものについては相互不信感が生じているという一般的な表現でそういう問題の存在を指摘したという考え方でございます。 政府の調査団の報告書につきましては、私どものマプトの滞在が二日、ベイラにおきましては一日程度の滞在でございましたので、その間、可能な限りの関係者との面談あるいは現場の視察を行いました。もちろん完璧というわけにはまいりませんのでいろいろ多々御批判の点がございますと思いますが、これらの点につきましては今後また調査団あるいはいろいろな方面からの情報収集を待って完璧を期したいというふうに考えております。
○委員長(野沢太三君) 時間が参りましたが、次官、ございましたら一言。
○政府委員(柿澤弘治君) 立木先生からいろいろ御指摘をいただきましたが、停戦合意は守られておりますが、それを引き続き実施していくためのいろいろな手続の点で今、問題が起こっていることも事実でございます。 しかし、ニューヨークからの情報、また昨日、一昨日、朝日新聞がマプト現地からニュースを送ってきておりますが、そういうものを見ましても比較的現地が冷静であるということは事実でございますので、私は大筋においてこの報告書に間違いはないものと確信をいたしております。
○立木洋君 大筋ね。
○磯村修君 ILO条約百二十号が提案されておりますので、関連しましてお伺いしたいと思います。 これまでのILO条約の批准状況を見ますと、我が国の場合その批准が大変おくれているという印象を強く持つわけであります。政府は政策の大きな柱として生活大国ということをうたっているのですけれども、労働条件の改善あるいは労働者の権利、こういったことを一層高めていくためにも国際水準の労働基準を達成することが必要である、そういう意味合いにおいてもこのILO条約の批准ということが強く求められているわけです。 これまでの状況を見ますと、例えば基本的人権に関する条約について批准しているものが四条約と、それから一般労働条件に関して批准している条約がわずか二つである。あるいは児童、少年に関するものに至ってはすべて未批准であると、こういうふうな状況に置かれているわけなのですけれども、やはり生活大国をつくっていくという大きな柱を据えている以上、こういうILO条約というものを批准していく姿勢を強く持たなければその政策を上げている意味というものも薄らぐ、こういうふうな意味合いが出てくると思うのです。 百七十三の条約のうち我が国はこれまでに四十の条約を批准しているにすぎない。ヨーロッパ諸国を見てみますと百を超えているところもある。例えばスペイン、フランス、イタリアなどは百を超えている。あるいはそのほかノルウェー、オランダ、ベルギー等はこれに迫っている。こういうふうな状況でありますけれども、政府としてこれからのILO条約の批准につきましてどういうふうにこれを認識して取り組んでいくのか、その辺から伺いたいと思います。
○説明員(河合正男君) ただいま磯村先生から御指摘がございましたように、ILOにおいて採択されました国際労働基準、これを国際協力のもとに我が国としてもできるだけ前向きに検討してまいりたいと考えております。 条約の批准に当たりましては、その条約の目的、内容、さらに我が国にとっての意義、意味合い等を十分検討いたしまして、またそのときどきの国際世論の動きそれから国内のコンセンサスの高まりということも勘案いたしまして、批准することが適当だというふうに判断できるものにつきましては国内の法制度との整合性を確保する法整備を進める、その上でできるだけ前向きに批准のために検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○磯村修君 具体的にお伺いしたいと思うのですけれども、一九七〇年の第百三十二号条約、つまりこれは有給休暇の問題の条約です。例えば二労働週非分割というふうなことがうたわれているのです。これは非常に我が国の企業側の立場を考えた場合に難しい面もあるでしょうけれども、何らかそこに手当てを加えていくと容易に批准できる内容のものではなかろうか、こういうふうな感じもするのです。 この百三十二号条約に対するお考えはいかがでしょうか。
○説明員(木村富美雄君) 先生御指摘の百三十二号条約でございますが、この条約では年次有給休暇につきまして例えば一年につき三労働週以上にすべきだとか、あるいは今お話がございましたようなその一部については少なくとも中断されない二労働週、それについては継続してとるようにということが条約上明記されておりまして、私ども国内の労働基準法の規定どこの点が大きく相違しておるという問題がございます。 細かになりますと、年次有給休暇のとり方は各国の雇用慣行とかあるいは生活慣習の相違といったものが背景にあるのではないかというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、条約の表現と現行国内法との関係からして批准はなかなか難しいのではないか、そんなふうに私どもとしては考えているところでございます。
○磯村修君 ゆとりあるいは豊かさということをよく言われます。生活大国の政策の中にもゆとりということが大変大きく打ち出されているのですけれども、例えば連続して休暇をとるという場合に、具体的に中小企業とかあるいは零細企業という立場に立ってみれば人の手当てとかそういう問題も生じてくると思うのです。 それは例えば助成だとかあるいは融資的な面から手当てをしていけば、法の整備ももちろんですけれども、実現に向かって一歩一歩大きく前進できる条約ではなかろうかと思うのですが、その辺どうでしょうか。
○説明員(木村富美雄君) 仕事の仕方あるいは休暇のとり方、こういった点につきましてはやはり長年の積み上げ、積み重ねといったものがあるのだと思います。 労働省といたしましても、年次有給休暇の取得率が現在非常に低い状況の中でそれを高めていく一つの方策として、連続した休暇を特に夏の時期とかあるいは四月末から五月の初めにかけてとるようにということでのいろいろな面での指導等もいたしてまいっております。また、この休暇の関係につきましては、労使の間でも真剣な話し合い、交渉も行われていることと思いますが、やはり二週連続して休まなければいけないというのが今すぐ果たして日本の実情に沿う形で実現するだろうかという点についてはなかなか難しい問題もまだあるのかなというふうに感じておるところでございます。
○磯村修君 一つの工夫によってその道を開いていく手がかりというのは必ずつかめると思うのです。ですから、これから前向きにこういう条約の批准というものに取り組んでほしいと思うのです。 それから例えば一九八一年の第百五十六号条約、家族的責任という条約があるのですけれども、これは我が国ではもう既に何といいましょうか、育児休業法という法律が制定されまして施行されているのですが、やはりこういう法律がつくられ、しかも介護休業法という法律も考えられあるいはパート労働法という法律もやっていこうというふうな環境に今、置かれているわけですね。そういう中でこの条約の批准というものも当面できるのじゃなかろうか、こういうふうな考えも持つわけなのですけれども、労働省の考えはいかがですか。
○説明員(木村富美雄君) この百五十六号条約、この条約につきましては、先生御指摘の育児休業等に関する法律もその趣旨に沿った形で私どもとしては国会に提案させていただき成立を見たということがございまして、国内法の整備等に当たりましてもこういった条約も念頭に置いて作業を進めてまいったという状況にございます。 そういう意味ではこの条約の批准に向けての環境が徐々に今その整備が進んでおるというふうに言ってよろしいかと思いますが、なお本条約と国内法制との整合性について見ますと、例えば「家族的責任のみをもって雇用の終了の妥当な理由としてはならない」という規定がその条約の第八条にございます。これはこの家族的責任を持つ労働者は男女の労働者ということになっておりますが、これあたりは現在の男女雇用機会均等法の規定との関係で条件を満たしているのかどうかといったような問題もございます。 さらに批准につきましては我が国の実情等も考慮の上、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○磯村修君 さらにもう既に来年の四月から労基法が改正されましていよいよ四十時間というふうな制度がスタートするわけなのですけれども、これなどは条約からいきますと第四十七号条約ですか、大分古い、一九三五年ですから。これがようやく実ろうとしているわけですね。 もう来年からそういう制度がスタートしていくということになりますと、当然これは批准すべき条約の一つである、こういうふうに考えられるわけですけれども、政府としてこれに向けての対応というものは今どんな立場でいられますか。
○説明員(木村富美雄君) この条約はいわゆる四十時間制条約と言っておりますが、具体的には、生活水準の低下を来さないようにしつつ一週四十時間制の原則を裸用することというふうに言っております。 今回、私どもが国会に提出させていただいております労働基準法の改正法案が成立をいたしますと、週四十時間労働制が平成六年の四月、来年の四月から原則として適用されるということになるわけでございますが、なお一定規模業種の事業につきましては猶予措置がとられるとか、あるいは十人未満の商業、サービス等における特例問題といった問題もございます。あるいはまた、生活水準の低下を来さないようにという意味合いがどんな条約の意味を持っているのかというような点につきまして、なお細部にわたり慎重な検討が必要であろうというふうに考えておるところでございます。
○磯村修君 お話を聞いていますと非常にいろいろな面でもって壁があるようなのですけれども、やはりILO条約というのは、いわゆる労働条件を高めていくために批准する姿勢というものがその国の姿勢でもあるわけですから、その辺のことにぜひ積極的にこれから取り組んでほしいと思うのですね。 僕らが不思議に思うことは、いろいろなそういう権利の問題等につきまして取り組んでいくために、例えば政府側とかあるいは労働側とか使用者側がお互いに話し合う機関というものをつくってきちっとした制度をつくりあるいはその制度を推進していくという形が好ましいわけなのですけれども、これが我が国の場合はいまだに批准もできない法体制にあるというふうなことを私は不思議に思うのです。 こういう三者協議といいましょうか、百四十四号条約というのがあるのですけれども、これが今までなぜ批准できない形であったのか、状態であったのか伺いたいのです。
○説明員(木村富美雄君) まず百四十四号条約でございますが、この条約の趣旨とするところにつきましては我が国においても一部実施されておるというふうに考えております。しかしながら、個々の条約の条文の規定との関係で申し上げますと、例えば「効果的な協議を行うことを確保する手続」という規定がございますが、どの程度のものを求めているのか、あるいはその手続というか協議に参加する者に対する必要な訓練をしなさいと言っておりますが、その訓練といったものがどのようなものをILO条約として要求しておるのか、こういったまだ不明確な点もございます。 こういう解釈上不明確な点が幾つかございますもので、条約の解釈と国内法制との整合性、こういった点についてはさらに検討する必要があるというふうに考えておるところでございます。
○磯村修君 ILOがつくられてから来年は七十五周年ですか、大変節目の年でもあるわけですね。そういう意味からいっても、やはり積極的にこの条約の批准に取り組んでいく法整備というものを、非常にこれは難しい面もあるでしょうけれども、ぜひ促進をお願いしたいと思うのです。 そういう意味合いから今、当面できるはずの、努力すればできるはず、積極的に取り組んでいけばできるはずの条約というものも幾つかあるわけなのですけれども、これから政府としてこのILO条約の批准作業というものをどういうふうなスケジュールをもって進めていこうとしているのか、その辺もし考えがありましたらお伺いしたいと思います。
○説明員(河合正男君) ただいま木村課長から、それぞれ御質問いただきました条約につきまして検討課題になっている点について説明があったわけでございますが、これらの検討は、まさにその批准した条約を日本としては誠実に履行するという基本方針のもとに種々の検討を行っているわけでございます。先ほども申し上げましたとおり、国内法制との整合性を十分に確保できるということを確認した上で締結することとしております。 外務省といたしましても、このたくさんございます全部で百七十二ございますILO条約のうちどれが批准に適当かということにつきまして関係省庁とともに国内法制との関係について検討をしてまいっておりまして、国内法制上問題がないという結論が得られた条約につきましてはできるだけ早く批准のための手続を進めてまいりたい、このように考えております。
○磯村修君 でき得れば通常国会に一本ずつ批准するぐらいの積極性を持ってほしいと思うのですが、いかがですか。
○説明員(河合正男君) 通常国会で何本ずつ批准のお願いを、国会承認のお願いをいたしますということは申し上げられませんが、昨年の通常国会におきましても一本ILO条約の御承認をいただいておりますし、今国会におきましてもこの百二十号条約の御承認をお願いしている次第でございます。
○磯村修君 条約の批准を促進していくためにも、これからやはり関係方面との話し合いを十分に積み重ねて努力してほしいということをお願いしておきます。 それから政務次官にお伺いしたいのです。 先ほどからモザンビークのお話がたびたび出ているのですけれども、そこで一つお伺いしたいことは、今、政府として要員をモザンビークのPKOの司令部に派遣するというふうなお考えがありますね。それは具体的に詰まっているのでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) 目下、国連本部の方と相談をしているところというふうに聞いております。
○磯村修君 もし派遣するという場合、派遣を考える場合、任務はどういう任務になるのでしょうか。
○政府委員(小西正樹君) 現在、私どもは輸送調整部隊という部門で貢献するということで準備を進めておりまして、そのための国連との打ち合わせを行っておる段階でございます。 具体的な輸送調整部隊の任務については、御案内のとおり、物資及び人員の受け入れ等についての調整を行うということでございますが、先生が御指摘になられました点等につきましては、どういう対応となるかという点も含めまして現在まだ私どもの態度は決まっておりません。
○磯村修君 カンボジアでは要員が司令部に張りついているというふうな、張りつくと言うと言葉が変ですけれども、司令部に行っているというふうな状況にあるのですね。いかがですか。
○政府委員(柿澤弘治君) 一部の要員が連絡要員として本部に詰めているというふうに聞いておりますし、そうした作業をしております。
○磯村修君 モザンビークに仮に派遣するということになった場合、やはりそれは連絡要員として派遣したいという考えなのですか。
○政府委員(小西正樹君) 現在、輸送調整部門における人的貢献ということで考えておりまして、先生の御指摘の点につきましては具体的に私どもまだ態度を決定しておりません。
○磯村修君 非常に今、国際情勢も変化しているという中でPKOの活動の中身もいろいろな形でもって変わってきている、性格が変質してきているというふうなことも言われるのですけれども、渡辺外務大臣のこれまでの発言を報道等によって伝え聞いているところでは、いろいろな状況変化というふうな中から協力法の凍結部分を解除することもというふうな趣旨に受け取れるような発言も私は見たり聞いたりしているのですけれども、政府としてその辺のことは今、頭にあるのかないのか伺っておきます。
○政府委員(柿澤弘治君) 政府として頭にあるのかないのかという御質問になりますと、私も政府の立場でお答えするということはできませんが、現在、国連のPKO活動がいわゆる伝統的なPKO活動の範囲を超えて多様化していることは事実でございます。ソマリアの例もユーゴスラビアの例もそういう例でございます。 その意味では、我が国としては国連における平和維持活動にできる限り協力をするという方針を持っておりますが、そうしたPKO活動の多様化の中で我が国が参加できる範囲が非常に限定されてきつつあるということに苦慮しているということも事実でございまして、国民の合意を得ながら、また憲法または現行法の範囲の中でできる限り幅広く国連の平和維持活動に参加をしていきたい。そして、そこでどういう点が問題点として浮かび上がるのか検討をして、見直しをお願いすべき点が出てくればこれは国会等にもお諮りをする必要が出てくるのではないかというふうに考えております。
○磯村修君 そうすると、最後に一言、今は具体的にどうのこうのということはないということなのでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) 私の個人の考えはありますが、政府として考えているという段階ではありません。
○磯村修君 終わります。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、北修二君が委員を辞任され、その補欠として松谷蒼一郎君が選任されました。 ―――――――――――――
○武田邦太郎君 最初に、日中航空協定改正についてお尋ねをします。 今回の改正内容は、要するに日中間の定期航空路線の運営を行う航空企業の数の制限を外すというのがその内容の主なるものと思いますが、その背景として現在の協定締結当時と比較してどういう状況変化があったのでしょうか。
○政府委員(小池寛治君) 先生お話しになられました日中航空協定においては、一または二社ということでそれぞれ指定できる航空企業の数というのを二までに限定されておるところ、先生御指摘のとおりでございます。 この協定を締結する時点におきましてはそういう指定航空企業の数を二までに限定するような状況というのが存在したわけですけれども、状況の変化によりまして、特に中国側におきましていろいろな国内における制度の改正がございまして航空に実際に従事する会社の数というのがその後増大したということを踏まえまして、もはや協定におきまして「一又は二」というふうに限定する必要がないということで「一又は二以上」と改定する議定書を結ぶということになっております。
○武田邦太郎君 私は、若いころ十年ばかり中国におったので中国の運命については非常に関心が深いわけであります。 この前も発言して十分のお答えがいただけなかったのですが、中国はその潜在勢力においてずば抜けた潜在力を持っていると思うのですけれども、現在アメリカと中国が太平洋を挟んでどうも険悪な状況を醸し出そうとしているのではないか、こういうふうに感じられてなりません。中国は、文化大革命のようなあるいは天安門事件のようなああいう乱暴もやりますけれども、一面、本当に世界の平和をともに憂い、ともに語り得る民族あるいは国家ではないか、こういうふうに思っております。 それで、他日、アメリカと中国とが非常に険悪になった場合に日米安保が中国に向けられる心配は絶無であるのか。日本などは核ミサイル一発やられればそれで終わりの国でありますけれども、中国に愛情を持つほどそういうことを思うといても立ってもおられない、そういう気持ちになるのです。日本がアメリカとも心からな親友となり中国とも心からな親友になってこの険悪な空気を払拭することに主要な役割を演ずることができればと、こういう夢も持たざるを得ないのであります。 日本がアメリカとの外交を外交の主軸にするということがよく言われるのでありますけれども、それほど日本はアメリカと心から仲よくなっておるでしょうか。アメリカの側は日本をそれだけ敬愛しておると思われますか。どうですか。
○政府委員(柿澤弘治君) 戦後、我が国の外交が日米関係を基軸として動いてきたことは御承知のとおりでございます。それと同時に、アジア諸国との関係の中で日中関係の重要性を説き、昨年は天皇陛下、皇后陛下御訪中によってそのきずなが強化されたということも我々の努力の成果であったと思っております。 その意味で、日米、日中ともに友好関係を維持していくというのが我が国の外交の基本でございまして、今、武田先生が御指摘になりました米中の間の波乱というお話がありましたが、それぞれの国においてそれぞれの政策に一部批判はありますけれども、しかしそれぞれ抑制された批判というのにとどまっているという点で、私どもは米中が相争うというようなことが起こることは当面ないと楽観をいたしております。
○武田邦太郎君 私は、それは非常に楽観的な観測だと思います。両陛下が中国に行かれて仲よくなったということは、それは中国側が両陛下に対して親愛の情を深めたことは事実だろうと思いますけれども、そのことによって日本政府あるいは日本政府を支持している国民に対する中国の考え方が著しく変わったというふうには考えられないというのが私の観測であります。 アメリカにしましても、米国との間を仲よくしようという点においては私も少しも変わりはないのでありますけれども、日米安保が日本の政治的独立に全く制約を加えるところがないかといえば、私は非常に制約されたところがある、こう思います。 日本の安全保障を本当に保とうと思えば、それは米国、ロシア、中国はもちろん、韓国、北朝鮮からも頼むに足る、敬愛するに足る、ともに手をとって共存共栄なり世界の平和に貢献しようという点で完全に国家の歩調あるいは国民の心が一致したときにのみ安全保障があるのであって、現在の日本の安全保障政策はその方向に一致していないというのが私の憂いであります。それは結局は見解の相違ということになるのでしょうけれども、これは十分心得ていただきたいと声を大にして発言しておきたいと思います。 それで、その次に途上国援助の形ですね。これを何十名か何百名かの自衛隊が行ったからそれでその国際貢献したなんていうようなことはとんでもない話で、これはもう中国人などは腹の中では笑っていると思うのですね、ちっともそんなもの貢献じゃないと。 私、これは唐突な発言でおかしく思われるでしょうけれども、三十数年の研究の結果でありますが、自衛隊などは半減してその半分を平和建設部隊に改編していく。この飢えたる民あるいはどんどんと森林が破壊していかれるものを何千人あるいは一万何千人単位の大部隊をもってこれに突撃する。あるいはけさほど堂本議員が言われたように、その平和部隊の中には御婦人も入ってもらって、そして婦人や子供のみじめな状態あるいは病気、病人のみじめな状態に効果的に的確に対応できるような国のあり方がもしできれば、むしろ途上国の圧倒的な信頼なり支持なりを得ることは必ずしも無理ではない、夢ではないと思うのであります。 そういうことを背景にして初めて、米国あるいは中国あるいはロシアとも相互信頼を得ようじゃないかという呼びかけにおいて単なる表面だけじゃなくて心の通い合う外交が展開できるのではないかと、こういうふうに思いますけれども、こういう平和建設部隊をつくるということについてはどうお考えですか。
○政府委員(柿澤弘治君) 冷戦後の日本の安全保障についての中で日米安保条約がどのような役割を果たしていくべきか、また我が国の防衛力がどの程度の規模であるべきかいろいろ御議論のあるところであろうかと思います。 しかし大方の合意は、冷戦後も日米の安全保障条約はアジア一太平洋地域の安全の基盤である、基軸であるという認識でございまして、これは我が国と米国との間に分け持たれている合意だけではなく、中国も含むアジア諸国も日米安保条約の存在を一つの安定要因として見ているというふうに考えておりますので、その点は武田先生の御意見でございますが、日米安保条約が中国に向けられるものである、もしくは向けられる可能性があるというような事態を私どもは想定はいたしておりません。 また、自衛隊を半分に減らして平和部隊を創設してはいかがかという御提案でございます。途上国に対するいろいろな意味の協力のために海外青年協力隊等の活動を今、展開をしているところでございまして、それはそれとして、またJICAの技術協力要員の派遣等をできるだけふやしていきたいということでございますが、それと自衛隊を半減するということとは直接リンクして考える必要はないかと思いますし、また自衛隊の規模についてはこれは冷戦後といえども大規模な削減が可能な状態になっているというふうには私ども考えておりませんので、その点は若干武田先生と御意見を異にするところでございます。
○武田邦太郎君 これも非常に楽観的な御見解だと思いますけれども、例えば自衛隊を現在のスケールで保存する、あるいは日米安保を今後とも堅持するということだけとって国民投票をやったと仮定しますね。それでも大方がそれを支持すると思われますか、本当に。
○政府委員(柿澤弘治君) 今、私は冷戦後の国際政治における日米安保条約の意義と、また自衛隊、日本の持つべき防衛力の規模についてのお話を申し上げましたが、それで足れりとするわけではございません。最近におきましてもASEANの拡大外相会議その他の場を通じまして我が国はアジア・太平洋における安全保障に関する対話の機会を拡充するということでいろいろな努力をしているところでございますし、またそうした機運がその他の国にも出てきているところでございます。 ただ、ヨーロッパその他の地域と違って集団安全保障の体制をつくるというようなところへ一足飛びに行けるかどうかという点は疑問がございますが、安全保障に関する対話を強化していくということから着実に積み上げていきたい、こう思っているところでございます。 また、さっき自衛隊をカンボジアに出したことについて中国はちゃんちゃらおかしいと笑っているというお話がありましたが、中国自身がカンボジアにはPKO部隊を我が国よりも多い数を出しているわけでございますし、ある意味ではカンボジアの和平のために日中が手を携えて協力しているという状態でございますので、我が国の参加についてそのような見解を中国が持っているとは私ども考えておりません。
○武田邦太郎君 それはこの席では完全に説得して納得させ得るとは思っていないのです。ただ、次官がおっしゃっておるのは各国の権力者が口に出して言っているところを基礎にして立論していると思うのですね。私が言っているのは各国の民衆あるいはその良識がどう考えるのかそういうことを恐々と想定しながら立論しているのでありまして、これはアメリカの国民においてもその良識は相当数私どもの意見に賛成するはずだと、こういうふうに思っております。 武力によって国際問題を解決するということ、これは日本の憲法が厳禁するところでもありますし、同時に国連憲章も同じように国際間の問題を武器によって解決することは厳に控えると、こういうことを明記しておりますから、そういう良識の上に立って我々は国政を考えていきませんと、現在権力を持っている人の考え方がその国の国民大衆の大部分の考え方をカバーするとかあるいは良識を十分満足させ得ておると判断することは非常に危険だと、こういうふうに思います。
○政府委員(柿澤弘治君) 私どもは武力だけで世界の平和が守れると思っているわけではないことは武田先生と同様でございまして、その意味で、できる限りODAを拡充しながら途上国の経済の発展と社会の安定を図るということにも最大限の努力をさせていただいているところでございます。 また、国連を活用しながら予防的な外交といいますか、そういうものを展開する必要もあるというふうに考えておりますし、近隣諸国との友好善隣のためにさまざまな努力をするということはもちろん大事なことだと考えておりまして、その点では武田先生と意見をともにするものだというふうに考えております。
○武田邦太郎君 きょうはこれぐらいにしましょう。 どうもありがとうございました。
○委員長(野沢太三君) 他に御発言もなければ、航空業務に関する日本国とネパール王国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び日本国と中華人民共和国との間の航空運送協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより両件について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、航空業務に関する日本国とネパール王国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(野沢太三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、日本国と中華人民共和国との間の航空運送協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(野沢太三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十分散会