運輸委員会 第5号
- 発言数
- 234 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/05/13
会議録
○委員長(高桑栄松君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十二日、広中和歌子君が委員を辞任され、その補欠として矢原秀男君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(高桑栄松君) 船舶安全法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○堀利和君 船舶安全法の一部改正の審議に入る前に、最近起きました航空事故についてまずお伺いしたいと思います。 四月十八日、花巻空港におきましてJAS・DC9の事故が起きたわけですけれども、この事故の概要についてお聞きしたいと思います。事故原因、あるいは乗客の避難状況等を含めましての調査報告が現時点でどうなっておりますでしょうか。
○説明員(玉置佑介君) お答えをいたします。 本事故は、日本エアシステム所属のダグラス式DC9型JA八四四八号機が、同社の定期四五一便として名古屋空港から花巻空港へ運航いたしました際、花巻空港での着陸時、ハードランディングをいたしまして、滑走路上で欄座したものでございます。 同機は、乗客七十二名及び乗組員五名計七十七名が搭乗しておりましたが、乗客二名及び機長が重傷を負い、乗客十九名及び乗組員四名の計二十三名が軽傷を負っております。同機は大破し、火災が発生をいたしました。同機が滑走路上に停止した後、乗客及び乗組員の全員が機外に脱出しております。客室乗務員による乗客の避難誘導などについては調査中でございますが、現在までのところ不適切な点があったという事実は認められておりません。 また、事故の原因については、現在、鋭意調査中でございます。
○堀利和君 新聞報道等から見ましても、副操縦士が操縦していたということで、本来副操縦士が操縦してはならない、しかも風等の気象状況から見て、副操縦士の場合、着陸してはならない基準でもあったということで、二重の違反があったというふうにも言われております。 この場合、仮に機長が操縦していたということになった場合、この気象条件のもとでは着陸は許可される、認められるのでございましょうか。
○政府委員(松本健治君) ただいま事故調査委員会の報告がございましたように、事故原因につきましては事故調査委員会の方で調査中でございます。 お尋ねの風の件でございますけれども、着陸直前の横風でございますけれども、これにつきましては、地上からパイロットの方に伝えた情報では、二百八十度の方向から平均風速が二十五ノットであったという報告が事故調の経過報告でなされております。この風速は、仮に機長が着陸時に操縦しておりますれば、JASの運航規程の基準の範囲内、ぎりぎりでございますけれども、であったというふうに考えております。
○堀利和君 わかりました。 そこで、この十八日の事故が起きる前日に、事故を起こした日もそうなんですが、本来副操縦士が離着陸をやってはいけない規則の中でやってしまったわけですが、前日もどうもやっていたと。 しかし、飛行日誌に記載する際に、機長が離着陸をしていたというように虚偽の記載をしたというふうにも聞いております。記載についてはもちろん機長もそれを確認するわけですので、お二人が虚偽の記載をしたということになると思いますけれども、こういうことについてJASに対してどのような指導といいますか、ことを運輸省としてやったのか、あるいはこういうことがあるのかどうかわかりませんけれども、他の航空会社に対してはどういうふうな姿勢をとられたのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(松本健治君) 今回のJAS機の事故におきましてこのような規程違反があったということにつきましては、大変私ども遺憾なことであったというふうに認識しております。 この件につきましては、日本エアシステムに対しまして、当該副操縦士の操縦に係る今先生御指摘の規程違反の事実も踏まえまして、これは四月二十七、二十八、三十日でございますけれども、三日間にわたりまして特別の立入検査を実施したところであります。これを受けまして今取りまとめ中でございますけれども、近日中に業務の改善勧告を行うことといたしております。 また、他の航空会社等でございますけれども、この規程違反の件につきましては、調査をさせましたところ、そのような事実はないという報告を受けております。しかし、この事故後、翌日でございますけれども、文書によりまして、副操縦士が操縦を行う場合を含めて関係諸規程の遵守の徹底等、安全運航の確保について万全を期するよう指導を行ったところでございます。
○堀利和君 操縦室といいますか、コックピットの中は密室であるわけですから、ニュースなどいろいろマスコミを聞いていますと、いや実はいろいろそういうような事実はあるんだということを聞いています。ないということですけれども、その辺はやはり安全にかかわる問題ですので、十分運輸省としては目を光らせていただきたいと思います。 これは何も操縦士が楽をするために副操縦士に、離着陸の一番危険な十一分と言われますけれども、操縦させるというようなことではないと思うんです。その背景にはパイロット不足があるんではないだろうか。つまり、パイロットが不足しているために、操縦士も副操縦士に対して早く一人前にさせたいというような動機から、少し無理をして操縦させてしまうということがあるようにも聞いております。 そういうことですので、もちろん社内規程、規則を守るということは当然ですけれども、こういうことを根本的にやはり改めていくためにも、このパイロット不足の現状をどういうふうに運輸省として認識して、どのような対策を講じようとしているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(松本健治君) 現在の定期航空会社におきます需給の状況でございますけれども、平成五年の、ことしの一月一日現在で約四千二百名の操縦士が在籍しております。ところが、定期航空会社におきましては、事業の規模の拡大に加えまして、これから定年退職者が増加するという、こういう状況にございます。したがいまして、見通しによりますと毎年約四百名を超える新たな操縦要員が必要になってくるのではないかという状況にございます。 一方、この不足する乗員の供給につきましては、従来から運輸省の航空大学校が定期航空会社に操縦士を安定的に供給しておりますが、同校の卒業生だけではこの必要数を充足し得ない状況でございます。このため、自社養成、それから自衛隊操縦士の民間活用、さらには外国人操縦士の採用等により平成四年度におきましては定期航空八社合計で約四百四十名を新たに採用しております。今後も操縦士の確保及び質の向上につきましては、航空会社をしっかり指導してまいりたいというふうに考えている次第でございます。 また、なお、先生お尋ねの、副操縦士が機長になるそういう過程で、足りないから早く訓練をするというような格好で今回の違反が行われた背景があるのではないかという御指摘でございます。 この件では、機長に昇格するに際しましての航空法による要件でございますけれども、これは総飛行時間が千二百時間となっております。それから、機長としての飛行時間が二百五十時間以上、こういう飛行経験の要件がございます。現実に今、日本エアシステムにおいて副操縦士から機長になるまでには約十二年間程度の期間を要しておりまして、その間の総飛行時間は七千時間程度に及んでおりますし、それから機長飛行時間も一千時間を超えるぐらいの飛行時間を経験しておりまして、わずか六カ月を待てないで早くその時間を稼ぐというような、こういう背景はなかったのではないかと考えております。
○堀利和君 飛行機を利用する私たちの立場からいいまして、パイロット不足、これは大変な問題であると思いますけれども、余りに急いでその辺が甘くなって安全に不安が残るというようなことはないと思いますけれども、規程は規程としてありますからないと思いますけれども、その辺は十分行政指導をお願いしたいと思います。 次に、飛行機というのは事故が起きますと本当に続くというふうにいつも感じますけれども、五月二日、羽田空港におきまして全日空のジャンボ機がやはり事故を起こしたわけです。これについての概要をまたお聞きしたいんです。事故原因、乗客の避難状況を含む調査報告、まだ時間もたっておりませんので十分な報告がないかと思いますけれども、現時点でわかる範囲でお願いしたいと思います。
○説明員(玉置佑介君) お答えをいたします。 この事故は、全日本空輸所属のボーイング式747-400型JA八〇九六号機が、同社の定期六三〇便として鹿児島空港から東京国際空港へ運航し、着陸後駐機場に移動中、機内に煙状のものが充満し、非常脱出を行った際、負傷者が出たものでございます。 同機には乗客四百七十五名及び乗組員十五名、計四百九十名が搭乗しておりましたが、現在判明しているところでは、負傷され病院で手当てを受けられた乗客は七十二名おられ、このうち七名の骨折者を含む八名の方が入院中でございます。 この事故調査の過程で、事故機の補助動力装置、APUと申しておりますけれども、これに附属するギアボックス内にあるギアが破壊され、この破片によるオイルフィルターの目詰まりが確認されております。現在のところ、このオイルフィルターの目詰まりによりギアボックス内の潤滑油が空調ダクト側へ流れ出し、霧化したものと考えております。 また、乗客の脱出及び客室乗務員等による乗客の避難誘導の状況につきましては、現在鋭意調査中のところでございます。
○堀利和君 事故といいますか、白煙が機内に充満してということそのものは大きな事故につながらなくてよかったんですけれども、むしろ脱出の際に、今お聞きしましても七名の方が骨折という、いわゆる二次災害的なような感じがいたします。 それで、このジャンボ機の脱出シューターというのは、一階部分が高さ五メートルで二階部分が八メートルというふうにも聞いていまして、当時雨が降ってぬれていましたから、乗客の方は垂直に滑り落ちるような感じだったというふうに言っておりました。これは全日空で国際・国内線、たしか十一機あるというふうに聞いております。こういうシューターでの避難の際の事故ですけれども、この脱出シューターについての改善といいますか改良ということはお考えで、何か対策を講じているんでしょうか。
○政府委員(松本健治君) お答え申し上げます。 今回の脱出スライドでございますけれども、これは脱出スライドは、緊急時に搭乗者全員が速やかに脱出するということを目的とするものでございます。この全日空の事故機につきましては、いろいろ改良されました新型のものが装備されておりまして、角度なんかも従来のものに比べますと若干緩やかになっておりますし、また幅も広いも の、これはアッパーデッキからのシューターでございますけれども、いうようなものが装備されておりました。 なお、先生お尋ねの改善の話でございますけれども、緊急脱出時におきます乗客の負傷防止につきましては、御指摘の脱出スライド自体の機能改良のほか、脱出方法についても乗客への周知方法の改善等について検討していく必要があるものと考えておりまして、早急にこの点航空会社を集めましてやっていきたいというふうに考えておりまして、ビデオ等、適当なそういうものについてお客様の皆様に知っていただきたいというふうに考えております。
○堀利和君 JAS機の事故でも、ニュースで、乗客の中にはお年寄りを抱きかかえて飛行機から脱出したというようなことも聞きましたし、今回の羽田の全日空の事故を見ましても、脱出シューターというのは、私もちょっとよくわからないんですけれども、テレビでいろいろ航空評論家の意見も聞きながら想像しているんですけれども、やはり大分おりるには怖いようなんです。もちろん、死ぬよりはいいですから飛びおりるんでしょうけれども。 そこでやはり、飛行機にはもちろん私のような目の見えない者やら、あるいは車いすを利用している人たちが座席に座る等の障害者の方もいますし、かなりのお年寄りの方もいると思いますけれども、特にこういう障害者やお年寄りを対象にしてこれまでこういった避難訓練、脱出訓練をしたことがあるんでしょうか。
○政府委員(松本健治君) 我が国の航空会社におきましては、非常脱出訓練においては、これは定期的に、最初新人訓練としてはもちろんのこと、その後の定期訓練を年一回やっております。その訓練におきましては、障害を持たれた方や幼児を連れられた方などの役割を演じる者を参加させておりまして、実際の運航において万が一こういう事態が発生しても、非常脱出時にそれらの方々が安全に脱出できるように訓練を行っておるところでございます。 また、航空機の設計におきましても、実際の乗客の年齢とか性別の構成を配慮し、夜間の条件のもとで、胴体の半数以内の非常脱出口を使って九十秒以内に脱出が完了する能力が要求されておりまして、製造国政府の耐空証明の際、あるいは我が国におきまして航空機の耐空証明を行う際に、この基準に適合していることを確認しているところでございます。 さらに、航空会社におきましては社内規程におきまして、体の不自由な方やお年寄りの方など、非常脱出時に独力で脱出することが困難と思われる方には援助者を割り当てるなどいたしまして、不自由な方々の脱出の安全に配慮しているというところでございます。
○堀利和君 社内における訓練ですから、外部というのか、一般の方の参加というのは恐らくないと思うんです。したがって、演じると言われましたけれども、障害を演じることはできないことはないんですけれども、幼児を演じるというのは、大人がどういうふうにやるのかちょっと不可思議に思いますけれども。 やはり実際に乗務員の方々がそれなりに、頭でわかるんではなくて体でなれるといいますか、わかる、理解するということでも、障害者、お年寄りあるいは幼児の方々、実際にこういった避難訓練、脱出訓練をすべきと思います。その点について運輸省としての行政指導をお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(松本健治君) 実際に体の不自由な方あるいはお年寄りの方が訓練に参加するということにつきましては、アメリカ等においてもそういうことも考えられたことはあるようでございますけれども、やはり万が一のことがあってはという、その辺の配慮もあって実施されていないというような状況にございまして、その辺は十分慎重に検討をしなければいけないんではないかというふうに考えております。
○堀利和君 確かに、第一義的には事故そのものが起きない、これはもう当然です。しかし、もう現実に今回そういうことですから、起きた場合にどうするかということが重要だと思うんです。 私も飛行機に乗れば、時々点字の案内といいますか、緊急時にはどうするというのが書いてありますから読んだりもします。しかし、通常の乗りおりするのはわかりますけれども、果たして避難の出口はどこか、率直に言ってわからないわけです。私がわからなくても、乗務員の方々が万全にその辺をやっていただければいいんですけれども。 大臣、JAS機とこの全日空機の二つの事故についての大臣としての御所見を伺いたいと思いますし、同時に、今ちょっと問題にしました障害者やお年寄りの実際の避難訓練というものをぜひやっていただきたい。私も非常にその辺は不安に感ずるわけです。ですから、一度そういったふうに避難訓練をすべきと思うんですけれども、大臣としてはいかがでしょうか。
○国務大臣(越智伊平君) JASの問題につきましては今までもいろいろ発表されておりますが、風の強いときに副操縦士が操縦をしておった、これはやはり規則違反でありますのでございますから、情報も得ておったわけでございますから、機長が判断して、その風で安全に着陸できるかできないかということの判断にやはり誤りがあった。ましてや、やってはいけない副操縦士がやっておったということでありますから、その点非常に遺憾だ、かように思います。 また、政府委員から御答弁申し上げましたように、報告書には副操縦士がやっても機長がやったように記載しておるというようなことでございますから、操縦時間には影響ない、こういうふうに思いますのでございますから、やっぱり決められたことは決められたとおりきちっと守ってもらわなければならない。そして、横風のようなときには、やはり機長が絶対安全に着陸できるというような判断のもとにやってもらう、自信を持ってやってもらう、こういうことが大事である。その点私は、JASの操縦関係に携わる人が、少しやはり管理上の問題があったのではないか。 御承知のように、これはストライキ権はございますけれども、あの前に各社いろいろやっておりましたが、結局ストライキに突入したのはJASだけであったわけでありますのでございますから、ストライキ権はあるわけでございますから、私はストライキをやってはいけないとは言いませんけれども、労使の話し合い、管理、そういう面にやっぱり欠陥があったんではなかろうか。言いかえますと、少し思い上がりがあるんではなかろうか、こういうふうに思いまして、社長に来てもらって十分注意を促しておきました。また、近々勧告をしよう、こういうふうに思っております。 次に、ANAの問題でありますけれども、これも事故調査委員会で今調査をしていただいておりますけれども、ギアが摩滅してその破片が詰まったというようなことでございますから、製造に欠陥があったのか、整備に欠陥があったのか、あるいは操作に欠陥があったのか、何か欠陥がなければ、不可抗力とは言えない、こう私は思います。どこかに欠陥があった、その原因は今調査をしていただいておりますのでございますから、これを見なければ何とも言えないわけでございますけれども、要は、不可抗力というようなことは少なくとも大勢の人命を預かっておるわけですから絶対にないようにしなければならない、こういうふうに考えて、今鋭意調査をしていただいておる次第であります。 それから、ガスが充満したという点で、ガスといいますと今ごろ有毒ガスもございますし、その判断まで乗務員がするというのもこれはなかなか難しいのでございますから、脱出したことは適当であった、こう思うのであります。しかし、シューターが雨が降っておりますして少し問題があったと。先ほど技術部長も申しましたが、早くおりるということもございますので、これは乗務員に徹底的な訓練、お客さんに全部訓練というわけにいきませんから、乗務員に訓練をし、それから緩衝 地帯はもうちょっとうまくできないものか。あるいは、シューターでおりた後、外へ出たところのコンクリート等で負傷したようでございますから、このところの実施する要綱といいますか、どういうふうにすればけが人が出ないか、こういうこと。とっさの、瞬間のときでございますから、そういうことを十分乗務員に訓練をすべきだ、かように思います。もう一点、身体障害者の方には特に注意をして、けがのないように脱出できるようなそういう訓練も重ねるべきだ、かように思う次第であります。 要するに私としては、後でいろいろ言いわけして、ああでもないこうでもないということより、絶対に安全、万一のときがあれば速やかにけが人の出ないように脱出、こういうことを徹底したい、こういうふうに考えておる次第であります。
○堀利和君 大臣、それは実際に障害者やらお年寄りを参加させて避難訓練をすべきということなんでしょうか。その辺もう少しはっきりお願いします。
○国務大臣(越智伊平君) お客さんは不特定多数の方が乗られますので、そのことはできないと思いますけれども、やはりいざというときに脱出方法等を機内で放送するなりあるいは説明するなり、そういうことをしておくべきだ、こういうふうに思います。それは、一部の人に、障害者の人に訓練をするということもできるかもわかりませんけれども、全体の人の訓練というのはなかなかでませんので、乗客がお乗りになってから乗務員がよく説明して、万一のときはこういう避難をしてくださいというようなことの指導をしておくべきだ、こういうふうに考えております。
○堀利和君 社内での訓練ですから、実際に乗客になるべき一般の方の参加は無理だということなんですけれども、実際に障害者の方に、不特定多数であるかもしれませんけれどもどなたかにやっていただいて、障害者自身の声を聞いていただきたい。それによってどういうふうに避難があるべきかということで、やはりそれは非常に意義深いことだと私は思いますので、きょうは前向きの答弁をいただけませんでしたけれども、訓練を受けた障害者自身、本人、当事者の声をぜひ一度は聞いていただきたいということをお願いしたいと思います。 時間も大分過ぎてしまいましたけれども、次に船舶安全法の一部改正についてお伺いしたいと思います。 今回の法改正の経緯なり目的、具体的な改正点についてお聞きしたいと思います。さらに、この検査機構は六十二年に民間法人化したわけですけれども、この辺の具体的な改正点なり、民間法人になってどういうメリットが現時点、その以後あるのか。 さらに続けて質問いたしますけれども、民間法人になりましてこの検査機構の運営状況がどういうふうになっているのか、お聞きしたいと思います。簡潔にお願いします。
○政府委員(戸田邦司君) お答え申し上げます。 先生からの質問、大分内容的には多いので簡単にというわけにもまいらないかと思いますが、まず第一に今回の法改正の経緯、目的それから具体的な改正点ということでございます。 昭和四十年代の中ごろからプレジャーボートの事故がふえてきたということで、それまで安全法の適用がなかった五総トン以下の船に対しましても検査対象として検査を行うということにしました。そのころ、五総トンというのは大体長さ十二メーター未満であるというようなことで、十二メーター未満の船舶でありますが、その構造、設備が定型的でかつ簡易であるということから、昭和四十九年以来、小型船舶として比較的簡易な安全基準を用いまして、国の代行機関として小型船舶検査機構を設立しまして検査を行ってまいってきているわけであります。 この制度が発足しまして約二十年が経過してきているわけでありますが、この間に小型船舶の形状が変化してまいっております。プレジャーボートなどを中心としまして、長さ十二メーター以上でかつ総トン数二十トン程度までの船舶につきましても、構造、設備が比較的簡単なものが多くなってきたというような状況があります。こういうことから、これらの船舶に関する安全基準を見直す必要が生じてきておりまして、この見直しを行いますと検査の業務も平易なものになるということから、このような船舶の検査につきましては小型船舶検査機構で検査を行わせることが適当であると考えまして今回の提案に及んだものであります。 なお、小型船舶検査機構の検査対象船舶の見直しにつきましては、昭和五十八年三月の臨時行政調査会の最終答申におきまして、また平成四年八月の行政監察等におきまして指摘されております。 本改正の具体的な内容としましては、小型船舶の定義を「長サ十二メートル未満ノ船舶」から「総噸数二十噸未満ノ船舶」に変更しまして、小型船舶検査機構に検査業務を行わせる船舶の範囲を「総噸数二十噸未満ノ船舶」とするなどの改正を行うものであります。 それから、機構が昭和六十二年に民間法人化した経緯と具体的な改正あるいはそれらのメリットということでありますが、小型船舶検査機構は小型船舶の検査を実施するということで四十九年に設立されて十数年が経過していたわけであります。機構の経営基盤も最初非常に難しい状況にあったのが、そのころになってようやく安定してきておりました。 このような状況のもとに、昭和五十八年三月の先ほども申し上げました臨時行政調査会の答申で指摘を受けておりまして、この指摘の内容としましては、「経営基盤の安定を図り、自立化の原則に従い民間法人化する。」というようなことであります。これらを受けまして、昭和六十二年に船舶安全法を改正しまして機構の民間法人化を行ったところであります。この民間法人化の内容としましては、例えば政府からの出資金を返還する、あるいは理事長、監事の選任方法を大臣の任今から認可制にするなどが主体になっております。このようなことで、国の規制の整理合理化等の措置を構ずるということで、機構の経営の自立化及び活性化を図るということによりまして国民負担が軽減され、さらに受検者に対するサービスが向上するなど、小型船舶の検査の一層の充実が図られたものと考えております。
○堀利和君 今回改正ということになりますと、二十トン未満ということになりますと実際には八千隻、うち五千隻が漁船ということなんですけれども、新たに検査対象がふえるわけです。検査機構としての検査の安全性、この辺が不安になるんですけれども、どうだろうかということでお聞きしたいと思いますけれども、どうでしょうか。
○政府委員(戸田邦司君) 小型船舶検査機構が現在検査の対象としておりますのは四十三万隻というようなことでありますが、この改正によりまして新たに小型船舶となる船舶というのは約八千隻あります。このうち、当面は漁船を中心に約五千隻が逐次小型船舶検査機構の検査対象となってくるというようなことであります。検査機構の検査対象となっているプレジャーボートなどにつきましては、最近の不況の影響などがありまして検査件数の増加は期待できないような事情がありまして、人員を大幅に増加するというわけにはまいらないわけでありますが、幸いにも今回の法改正によりまして当面業務量が増加するのは、主としてプレジャーボートなどを対象とした機構の業務のピーク時期とずれている漁船の検査が中心になることから、今回の法改正による若干の作業量の増加については、当面はわずかな増員だけで支障なく対応できるものと見込んでおります。 また、機構は、長さ十二メーター未満で総トン数二十トン程度までの船舶の検査につきましては既に十分な経験を積んでおりまして、今回の法改正によりまして長さ十二メーター以上総トン数二十トン未満の船舶について検査の実施主体となるということにつきまして、船舶の安全性から考えますと何ら支障がないものと考えております。
○堀利和君 そこで、運輸省からいただいた検査機構のパンフを読ませていただきました。北海道ではあの長い海岸線を持っていながら、札幌と函館の二つの支部しかないんですね。意外に私は少ないなというふうに感じました。特に、今回の改正で漁船が新たに加わってくるわけですけれども、この場合長い海岸線を、船舶検査対象がふえるわけですけれども、人員含めてこれは対処できるのかどうか、その辺はどうでしょうか。
○政府委員(戸田邦司君) 北海道の問題でありますが、我々も漁船の多い北海道、東北あるいは九州などにつきましては、今後の検査の体制についてこれまでも十分検討してきているところであります。北海道につきましては、機構の検査対象の小型船舶を取り上げてみますと、平成四年三月末現在で一万五千隻ございますが、今回の法改正によりまして新たに漁船を中心に約一千隻の船舶が機構の検査対象に加わるものと考えております。現在、北海道では札幌と函館に支部を設置して、業務用車とかさまざまな交通機関を活用しまして機動的に検査を実施してきているところであります。法改正に伴う検査隻数の増加に対しましては、検査の集約化を図るとかいうようなことで一層の業務の効率化に努めてまいりたいと思いますし、必要に応じまして支部検査員の増員も図ることを検討しております。 支部の配置につきましては、当面は現行の二支部体制で十分対応可能であると考えております。漁船の検査などにつきましては、出漁期直前に集中する傾向があるというようなことも考えまして、必要に応じまして出張検査に際して一定期間同一地域に駐在して集中的に検査を実施するなど、実態に即した適切な対応を検討していきたいと考えております。
○堀利和君 そうなると、やはり検査員の方々に集中的にということもありますから、かなり負担になるのかなということで心配にもなります。 そこで、大臣、この改正で、今答弁もずっとありましたけれども、安全性というのがやっぱり一番事ですけれども、この点について大臣はどういうようにお考えなのか、一言お願いいたします。
○国務大臣(越智伊平君) 今、十二メーター以下を二十トン未満とする改正でありますが、最近非常に技術進歩しまして、船自体小型船、新しいものは非常に優秀な船ができております。また従来のものも、今の二十トン未満にいたしましても安全性には問題はないと。今も政府委員からお答えいたしましたが、漁船等で出漁時期に集中するような場合には出張検査といいますかそこへしばらく駐在して検査を適正に行うというようなことで今まで以上に安全性の確保をしていく、またいける、こういうふうに思っております。 なお、人員につきましては、この検査の隻数に応じてまた適当に増員もしなければならない。今ちょうど不況でプレジャーボート等が少し下火になっておりますけれども、これが増加するというようなことでございましたら人員の増加もして厳密に検査をしていく、こういうことに努めてまいりたい。要は、安全確保に全力を尽くしていきたい、こういうふうに考えております。
○堀利和君 プレジャーボートが下火になったから漁船の方が少しふえても大丈夫だというような、何か経営のために法改正したのかなという、失礼な言い方ですけれども、そんな感じがしました。 それで、そのプレジャーボートなんですけれども、一般的にプレジャーボートと言ってもどういうものをプレジャーボートというのか、隻数がどれぐらいあるのか、お願いします。
○政府委員(戸田邦司君) 一般的に使われておりますプレジャーボートという言葉でありますが、これはスポーツあるいはレクリエーションに用いられる船舶を指しておりまして、具体例として申し上げますと、モーターボート、セーリングヨット、水上オートバイなどが挙げられると思います。 隻数でございますが、モーターボート及びヨットの保有隻数につきましては、平成三年末の数字になりますが、モーターボートが約二十三万一千隻、それからヨットが五万二千隻で、合計で約二十八万三千隻ということになりますが、このほかに水上オートバイが約四万九千隻ございます。
○堀利和君 そこで、次に最近のプレジャーボートの海難事故について、その発生状況についてどうなっているか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(後出豊君) 我が国の周辺海域におきまして救助を必要とする海難に遭遇した船舶のうち、ただいまのお話にありましたプレジャーボートにつきましてでございますが、近年は増加傾向で推移しております。もちろん、先ほど大臣のお言葉にございましたように、ごく最近の状況はやや活発化が低下しておりますが、長期的に見ると増加傾向で推移してきたということでございます。 平成元年には五百三十二隻だったものが、平成三年には六百六隻にまで増加しております。平成四年にはこの海難隻数が四百九十一隻に減少しているという状況でございます。 なお、これらの海難の種類を見ますと、機関故障が一番多くて八十一隻、乗り上げが八十隻、衝突が七十八隻、転覆が六十五隻というような状況になっております。
○堀利和君 そこで、一昨年、「マリンマリン」、たか号の海難事故がございましたけれども、この原因がどういうものであるか海難審判の進捗状況をお聞きしたいと思います。
○政府委員(山内辰彦君) お答えいたします。 プレジャーボート「マリンマリン」転覆事件及びプレジャーボート「たか」転覆事件につきましては、本年四月二十三日、横浜地方海難審判庁におきまして、両事件を併合いたしまして第一回審判が開かれて、現在審判が続行中でございます。したがいまして、現時点ではこの事故原因を申し上げることはできませんので、御了解いただきたいと思います。
○堀利和君 先ほどの事故の発生の問題もお聞きしましたけれども、このプレジャーボートの海難事故防止のための安全対策というのはどういうような形で行われているんでしょうか。
○政府委員(戸田邦司君) プレジャーボートの安全対策でございますが、まず第一に船舶の構造とか設備、これが一定の安全基準を満たしているかどうかというようなことを船舶検査によって確認するという、ハード面の対策がございます。それから、船舶職員の資格を有する者が船舶に乗り組むことによりまして、気象、海象等にも十分に配慮しながら安全に運航を行わせるという、いわゆるソフト面の対策、これが必要であります。 運輸省としましては、この両面の観点から必要な対策を講じているということであります。具体的に申し上げますと、小型船舶検査機構は、小型船舶の検査を執行する際に、特に火災とか爆発事故の防止あるいは転覆事故の回避などに関するパンフレットなどを作成、利用しまして、指導、広報活動も行いまして、安全思想の普及に努めてまいっております。 また、小型船舶操縦士でございますが、これらにつきましては、適切な養成機関を設けるなど教育の充実に努めているところであります。さらに、海上保安庁にも協力をお願いしまして、プレジャーボート愛好者に対しましての海難指導に取り組んでいただく。場合によってはそのための組織をつくっていただいて、それらの組織を通じまして具体的に安全策についての周知徹底を図っていただくというようなことで進めてまいっております。
○堀利和君 そこで、航行の安全を図るために、航法ルールを定めた法規としてはどういうものがあるのか、まずお聞きして、その次にプレジャーボートのハード面、ソフト面、両面に関連する規定を一まとめにして、いわばプレジャーボート法とでもいうんでしょうか、そういうものを制定したらどうかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) プレジャーボートの規制につきましては、現在、船舶安全法、船舶職員法、船舶法、海上衝突予防法など、いわば縦割り の法律によって対応を図っております。これは、プレジャーボートにしろ他の船にしろ、同じ海上、同じ海域を航行する。またその乗組員、船員につきましても、船の大きさあるいは海域によって規制していくというような目的から分かれておるわけでございます。 しかし一方、プレジャーボートにつきましては、一般の船舶と違い、一般市民といいますかアマチュアの方が操縦するということもございますので、そういった市民が参加するプレジャーボートについていろいろな安全対策あるいはマリーナ施設、そういったものも含めて全体的な法律を制定するということについても今後検討していく必要があろうかと思います。今後のプレジャーボートの普及を促進させるための振興策とあわせて、どちらがより適切かというような問題について私ども検討していきたいと考えております。
○堀利和君 次に、小型船舶の免許についてお伺いしたいと思いますけれども、この四級小型船舶操縦士免許、船舶職員法の第六条では十六歳以上の方が資格を取ることができるんですけれども、年齢が少し低過ぎはしないかなと感じますが、いかがでしょうか。
○政府委員(長尾正和君) お答えいたします。 先生おっしゃいましたように、四級の小型船舶操縦士の免許年齢は十六歳となってございますが、この年齢は中学校を卒業した年でこざいまして、この免許により操縦できる船舶の範囲は、今指摘ございました四級でございますので、総トン数五トン未満の船舶で平水区域または陸から五海里、約九キロ以内の水域を航行するものに限られておりますので、中学卒業程度の能力があれば十分にその要求される知識あるいは技能の習得が可能であると考えているためであります。 また、漁業を初めとする海事関係業務に従事する方につきましては、中学卒業後直ちにこれらの業務に従事できるように配慮する必要もございます。この点からも免許年齢を現在の十六歳とすることが適当であると考えております。 ちなみに、道路交通法の二輪免許等につきましても十六歳となってございます。
○堀利和君 そしてさらに、操縦のことでお伺いしますけれども、船舶職員法の十八条ですか、免状を持っている方が乗っていれば、いわば運転をほとんど知らない方、法規を知らない方でも操縦できるということに船はなっています。これ小型船舶の場合はそれでいいのか、やはり小型船舶の場合には操縦免状を持っている方がすべきと思いますけれども、これはどうでしょうか。
○政府委員(長尾正和君) 船舶職員法は、十八条におきまして「船舶職員の乗組みに関する基準」という形で規制を行っております。実際操縦を行っておる者に対する規制という形はとっていないところでございまして、小型船舶の場合原則として、所定の小型船舶操縦士免許を有する者が船長として乗り組んでいれば足りるということになっております。 これは、船舶という限られた空間にありましては、有資格者が常に乗船しておれば、航行中であっても危急の場合には船長の指揮により直ちに操縦を交代することができることなどによるものであります。この体制によりまして、船舶の航行の安全を確保する上で問題はないと考えております。
○堀利和君 時間もそろそろ迫ってきましたので、実は四月十六日の朝日新聞に出ておりまして、いろいろ関係者の方にも私はお話を伺ったわけですけれども、この四級小型免許のことに関してなんですけれども、この四月から省令が変わったわけです。 聴覚障害者の場合にはかなり検査基準が緩和されまして非常にいい方向に進んだんですけれども、一方色覚異常者といいますか、障害者の場合は、かなり厳しくなったように思われます。 新聞記事でも、「運輸省令改正 色覚障害、制限緩めて 小型船舶免許巡り陳情」ということで、名古屋市の代表の方の長谷川さんという方なんですけれども、色覚異常者の社会生活向上を推進する会という団体が運輸省に陳情されたわけですけれども、これは実際厳しくなったんでしょうか、色覚異常者の方々が小型船舶免許を取るについては。
○政府委員(長尾正和君) これまで非色力に係る身体検査基準におきましては、「紅緑色盲又は青黄色盲でないこと。」とされていたところでございますが、今般当該基準につきましては「色盲又は強度の色弱でないこと」と表記を改めまして、本年四月一日から施行したものでございます。 これは、小型船舶操縦士として安全な船舶の運航を確保するためには、船舶の灯火あるいは航路標識、国際信号旗などにより他船の動向や航路の状況等を認識できることが不可欠でございまして、かつ、これらは色の相違が判別できて初めて認識できるものであることにかんがみまして、これらの色の相違を識別できる能力を有する必要があるとの考えに基づくとともに、航行の安全の確保のために必要な色の識別能力を適切に検査するためには、検査方法を石原式色盲表国際版及びパネルD-15によることが必要であるとの見解を踏まえて行ったものであります。 これまでも色の識別能力のない方は不合格となっていたところでございまして、今般の改正は検査方法を適切なものに改めるとともに、基準の表記を改めたものでありまして、船舶の航行安全の確保のために必要なものと考えております。 ただ、これまでは石原式色盲表及びパネルD-15による検査に不合格となった方も、いわゆるアノマロスコープによる検査を合格すれば免許取得が可能となっていたものが、今回取り扱いを変えまして、この改正によりまして今後はアノマロスコープ検査を行わないことといたしました。 アノマロスコープによる検査とパネルD-15による検査の結果は基本的にはほぼ同様の状況になりますと言われておりますが、厳密に言いますと、これまでパネルD-15を不合格となる方のうちには、アノマロスコ一プによる検査があるために合格となっていた方が一部存在していたところでございます。このような方は、実質上色盲に極めて近い方であるために、航行安全の確保の観点から見ると問題がございますので、今回の改正を行ったものでございます。
○堀利和君 そこで、説明はわかりましたけれども、こういう質問をさせていただきますけれども、現実にやはり免許が取りにくくなったというのは事実だと思うんですが、それは検査方法が変わったから取りにくくなったのか、取りにくくしたのか。それとも、現実にいわゆる色覚異常者と言われる方々がプレジャーボートなりを操縦していて実際事故が起こってきた、だからこれは検査方法を見直してでも少し厳しくしなければいけないのか。これはどういう理由なんでしょうか。何か、検査方法が変わったから取りにくくなった、つまり医学的なといいましょうか、机上のところで検査方法を変えて取りにくくなったかのように感ずるんですけれども、果たして事故が多発して、発生して見直さなきゃならない、つまり検査が甘かったというふうになったのか、そこら辺はどうなんでしょうか。
○政府委員(長尾正和君) 今回の改正につきましては、眼科の医師の先生を含む学識経験者その他の関係者で構成されます調査検討委員会を設けまして、その検討を行っていただいた結果を踏まえて行ったものでございます。 ちなみに、この調査検討結果によりますと、船舶職員として色識別を要する色の要素あるいは必要な非色力の程度等につきましては、一つは、小型船舶の操縦に際して強度色覚異常者は避航措置がとれないおそれが生ずるなどの問題があり、色盲または強度の色弱の方については航行の安全の確保の観点から見て、小型船舶操縦士として不適格であること。それから二つ目として、検査方法として石原式色盲表国際版及びパネルD-15によることが適切であると考えられること。三つ目に、従来検査基準におきます色盲でないことの意味は、色盲及び強度以上の色弱でないことであると理解されるものであるが、この意味を明確にしておくことが適当であるとの見解となっており ます。 したがいまして、今回の改正は、以上のような医学的見地から行ったものでありまして、事故の発生が直接の理由となったものではございません。
○堀利和君 私は別に医学を否定するものでもありませんし、むしろ非常に重要なんですけれども、どうも医学的な見地から検査方法を変えて結果としてこうなったということなんですけれども、実は先ほど陳情された方々は、名古屋在住の方なんですけれども、同じ名古屋市の眼科医高柳さんという医師がいらっしゃいます。この方が調査したところでは、中学一年生一万六千人を対象に調査したわけです。そうすると以前の、改正前の検査方法でやりますと、男子が一・六%いたというんです。ところが、今回の改正された検査方法でやりますと三・〇%になるというんです。つまり、検査方法が変わることでこれだれ、一・六%から三・〇%、二倍近くいわゆるひっかかるといいますか、色覚異常者が出てくる。これは果たしてどうなんだろう。検査方法、何か検査が目的のようなというように、医学的な見地ということからこういう結果を生み出しているんじゃないかと思う んです。 色覚異常といいますか、そういった色が見えにくいという、検査によって結果として出てくることと、日常生活なり社会生活する上でどれほどそこにハンディ、不便あるいは不自由があるかということとは私は必ずしも結びつくものではないと思っております。 そういう点で、検査を厳しくして取りにくくするということと、これまでも色覚異常者と言われる方々がプレジャーボートで事故を起こしたケースがどれだけあってどうなっているのか、その事故が起きるだろうということと、検査方法を厳しくして色覚異常が発見されるということとの因果関係というのは、そういうデータなり実証というのはあるんですか。
○政府委員(長尾正和君) ただいま説明申し上げましたように、今回の改正につきましては検討委員会の報告を踏まえまして改正したものでございます。 なお、色覚障害の方でございましても、航行安全上問題がないと考えられる中程度あるいは軽度の方については免許保有が可能となっておりますけれども、事故に関してこのような方との関係を示すデータはございません。 しかしながら、今述べました検討委員会におきましても、小型船舶操縦士として安全運航のために色の識別を要するいろんな要素あるいは識別をするために必要な非色力の程度の検討などが行われたところでございまして、その中で、このような色の識別が行えない場合は航行の安全上支障が生ずるおそれがあるとされたところでございます。
○堀利和君 そこが問題だと思うんです。非色力検査をして出た結果と、やはり日常生活なり社会生活を営むこととは違うと私は思うんです。 例えば、二十年前、私ども視覚障害者が大学を受けようとすると、ほとんど門戸が開かれていませんでした。国立大学でも一大学の一学科しか開かれていないという状況の中で、私学も少なかったわけですから、入試を受けさせてくれということで直接受験する大学当局とかけ合うわけですね、私もそうですけれども。そうすると、当局の教授たちが視覚障害者に向かって、階段登れますでしょうかという質問をするわけです。つまり、これはもう偏見なり無理解です。見えないということと階段を登れるというのは別な話なんです。車いすの場合は登れませんけれども。 つまり、そういう意味ではある意味で、見えないとか見にくいということと社会生活がどうあるかというのは、一つの無理解、偏見というのもありましょうし、事実上そこがどこまで、この事故なら事故をとらえたときに、因果関係があるかというのは非常に私は実証されていないと思うんです。 今や、大学あるいは医学部も含めてですけれども、以前はそういった厳しい入試の制限がありましたけれども、今は大分開かれてきました。教師になるための教員免許についても、試験についても教育委員会ではかなりこれを制限を軽くしました。外したりしたところもあります。今や時代的に見ても、これはもうかなり緩和されている状況にあるのにもかかわらず、極めてこれは逆行するんです。 私は、色覚異常という検査によって出たものと、一人一人が生活する中で、社会生活する中で、一人一人やっぱり違いがあるわけです。イコールそれが一律にある一線を引いた形で、これはもう見えない、事故を起こすんだというのは私は違うと思うんです。 そういう点で、やはり一人一人の実際のところを実地検証するというぐらいのところまで踏み込んで、検査結果だけを見て私は切り捨てるべきでない。しかもそれは、検査結果が出て診断書があると、いわゆるペーパー試験すら受けられないという状況なんです。したがって、ペーパー試験も受けて、この色覚異常というものが、プレジャーボート、水上スキーといいますか、ああいうものなりボートを運転し、スポーツを楽しむについて本当に危険なのかどうか、この立証がない限り私はこれは非常におかしいと思うんですけれども、大臣その辺どういうお考えでしょうか。
○国務大臣(越智伊平君) 政府委員が先ほど来答弁をいたしました。それから、名古屋の方が陳情に来られた場合に私もお伺いをいたしました。そこで、できるだけ障害者の方々が参加をするという全般的なことはもちろん私も同感であります。しかし、一番大事なことは、本人の事故あるいは第三者、他の人に対する事故、こういうことを考えて検討委員会で検討をされたのであろう、こういうふうに思います。そういたしますと、これも私が否定するわけにもいかない。医学的見地からこうこうだということになりますと、検討をされた検討委員会に対する否定もできない。 でございますから、今私が言っておりますのは、ひとつなおよくほかの先生の意見も聞き、今後どういうふうにするかということを――参加するということには私も同感でございますけれども、さりとて事故が起きてからでは遅いので、事故を起こさないためにどうすればいいか、その許容範囲といいますか、参加していただく方がどういう場合だったらどうかということを検討するようにいたしております。もちろん、色ということが非常に大事でありますし、免許を持ちますと、夜間とかあるいは昼間でも霧の発生とか、いろいろございますので、その付近の関係をよく検討してもらいたい、こういうふうに言っておりますのでございますから、今後さらに検討をしてまいりたい、かように思いますので御了承をいただきたいと思います。
○堀利和君 事故を起こさないというのは、安全は第一です。しかし、検査方法によって、検査結果によってこれは無理である、事故を起こしかねないといいますけれども、そういった免許を取るために試験を受けられるか受けられないか。また、合否はまさに実証によって説明すべきだと思うんです。私はそこについて非常にある不満を持っておりますし、そういう点でこの省令を早急に見直すべきだろうと思いますので、この点についてはまだ納得できませんけれども、時間が来ましたのでこれで終わりたいと思います。
○西岡瑠璃子君 私は、船舶安全法の一部を改正する法律案につきましての質問に先立ちまして、去る五月五日、タイ国境カンボジア北東部のアンビルで国連平和維持活動に従事中、UNTACの文民警察官故高田晴行警視がポル・ポト派武装集団に狙撃されたことを、現地に近いネパールに行っておりまして情報を入れ、バンコクヘ戻り、そこにおられた森山文部大臣、そして大使館から詳しい情報を聞くことができました。そして帰国をしたわけですけれども、ボランティアの中田厚仁さんに続き、とうとい命をなくされた高田警視に対しまして心から御冥福をお祈りして、法案に関する質問に移らせていただきたいと思います。 まず最初に、東京都職員のクルーザー登録をめぐる汚職事件について伺いたいと思うわけですけれども、本来は運輸省所管の二十トン以上の船舶の登録を、国の機関委任事務である二十トン未満の小型船舶として東京都に登録することを依頼され、これに便宜を図った謝礼として百万円の賄賂を受け取ったということで、東京都職員が逮捕された事件が五月十日に報道されております。 この背景について幾つか考えられると思うのですけれども、その問題点、そして今後このような不祥事が二度と起こらないようにするためにはどうすればよいか、運輸大臣にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(越智伊平君) まず、ボランティア中田厚仁さん、それから警察官高田警視が殉職をされました。私も遺憾に思いますし、このお二人に対して心から御冥福をお祈りする次第であります。 さて、東京都の職員が二十トン以上の船を二十トン未満として報告をし、汚職をしておったということ。これは機関委任をしておりますが、甚だ遺憾であります。二十トン未満は二十トン未満、二十トン以上は二十トン以上でございますから、こういうことのないように、機関委任をしておりますから正確にやっていただかなければならない、こういうふうに思います。 今後も、各都道府県にお願いしまして、こういうことのないように、正確に報告をしていただくように指導してまいりたい、かように思う次第であります。
○西岡瑠璃子君 今回の事件の背景というのは、新聞にもありますけれども、大きなクルーザーには乗りたいけれども、手続が厳しくて困るというユーザーの不満も背景にあるとか、あるいは登録制度が五トン未満はありませんから不法係留をしているようなこともあるわけですけれども、そういったいろんなことが背景にあるわけでございます。 今後、こういった手続の問題がもう少し煩雑にならないようなこと、登録制度の問題、免許の問題、そして例えば不法係留に対してどういうふうに整備をしていくか、マリーナの整備であるとか、いろんなことがこの問題の背景には絡まってくるのではないかというふうに思うわけです。 本日は、法案に関して質問項目が大変多岐にわたっておりますもので、時間の都合もございますので、今からは簡潔な御答弁を御要請したいと思います。 まず最初に、先ほど申しましたマリーナの整備の問題について運輸省の港湾局長の方にお尋ねをしたいと思います。 それで、この問題ですけれども、四月二十二日に、静岡県の伊東港に不法にヨットの係留地を設置をして、水域の不法占拠というんですか、港湾法違反で摘発をされた例があるわけです。 現在、海洋レジャー時代だと言われていますけれども、先ほども堀委員の方に御回答になったように、約二十八万隻以上にも上るプレジャーボート、その三分の一は河川や港湾内に無断係留をされているようですけれども、このような放置艇が全国でどの程度あるのかということをまず知りたいと思うわけです。 そして、この放置されているプレジャーボートの持ち主が特定できないということで地方自治体でも大変頭を抱えていると思うわけですけれども、私はマリーナの整備問題とあわせて、自動車の検査登録制度を参考にいたしまして、プレジャーボートについても登録制度を設けるということを検討すべきではないかというふうに思うわけです。まずそのことについて先に、マリーナの整備問題に先立って、そのことについてちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(坂井順行君) 私の方から、プレジャーボートのいわゆる無断係留が現在どのくらいあるかということについてお答えします。 平成四年度、実態調査をいたしました結果でございますが、若干先ほどの数字と違いますけれども、全国のプレジャーボート、ディンギーを入れてゴムボートを除きますと、二十八万五千隻ぐらいあるんではないかなというふうに見込んでおります。このうち、いわゆるマリーナ等に保管をされているというふうにみなされるものが約四万五千ございます。それから、いわゆる陸上保管みたいな形のものを差っ引きまして、港湾のどこかとか、あるいは漁港、河川の一部というようなところで無断係留といいましょうか、勝手に置いておるというものは、推計でございますけれども、約三分の一と思われますが、約十万隻ぐらいあるんではないかなというふうに考えている次第でございます。
○西岡瑠璃子君 先ほどの東京都の不祥事件なんですけれども、私はこういうふうに思うわけです。 この間も、私は四月二十七日に逗子のマリーナの見学にも行ったわけですけれども、そこで船体検査をJCIの方が一生懸命やっていらっしゃるのを見てきましたけれども、船体検査に資格の要件ですね、例えば二十トン未満でないと操縦できないとかいったような、資格がないと操縦できないとかいったような、その資格の要件が船体の検査のときに同時に含まれて手続がなされるようになっていれば、こういったことも防げるのではないかというふうにも思うわけです。そういったような手続上の問題、行政の簡素化というんでしょうか、そういうふうなことが一遍でできるようにすればいかがかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(戸田邦司君) まず登録の問題、船籍の問題ですが、二十トン以上につきましては国に登録、それから五トン―二十トンにつきましては都道府県が機関委任事務として船籍票を交付しているというようなことですが、この手続につきましては、船が完成して使用される前に一度すれば済んでしまうというようなことであります。 それから、小型船舶操縦士の免許ですが、これは船を持っていようといまいと、車の運転免許証と同じ性格のものでありますから、登録とは全く別の扱いで進められていると、それで現状は支障がないのではないかと思っております。 それから、検査につきましては、これは定期的に検査をすることになっておりますので、その都度申請を受けて検査を執行するということになっておりますから、現在の事務の進め方といいますか、手続の進め方でそれほど大きな支障があるとは私どもは受け取っておりません。
○西岡瑠璃子君 大変これは方法としては難しい問題ではあろうかと思いますけれども、何かこういう不祥事が起こらないような方法も考えられるのではないかというふうに思うわけです。 それで、今マリーナのお話をしたんですけれども、この放置艇の受け皿整備としてのマリーナの整備計画、今後の推進計画、こういったものについて御説明いただきたいと思います。
○政府委員(坂井順行君) 御案内のように、余暇活動の活発化だとか多様化が進んでおりますので、私どもとしましては、海洋性レクリ工ーションをもっともっと振興する、そういう観点から、プレジャーボートの将来推計を、まずどのくらいいくのかなということから始めまして、平成十二年には恐らく四十万隻ぐらいに達するのではないかなというふうにまず見込んでおります。 それに対しまして、全国マリーナ等整備方針というものを六十三年につくりまして、それに基づきまして今鋭意整備を進めておるということでございます。この整備方針の中では、プレジャーボートが約四十万隻になるということをある程度前提にして考えておりますが、先ほどの放置艇も含めましてプレジャーボートの保管が的確にできるということでまず大前提でございまして、全部公共というわけにももちろんまいりませんけれども、新たに約十九万隻の保管施設、これはマリーナ等でございますけれども、マリーナだけではなくてもう少し金のかからないといいましょうか、簡易なプレジャーボート保管施設、私どもはこれをプレジャーボートスポットと呼んでおりますけれども、それの整備をいたしまして、二十万隻弱でございますが、それを収容する入れ物をとにかくつ くっていこうということを考えておるわけでございます。
○西岡瑠璃子君 私はたしか一昨年ぐらい、もっと前だったか、決算委員会のときに、私の地元の高知県の夜須町の手結港というところにマリーナが建設されるということで市民運動の方々のいろんな御意見も聞いたわけです。確かに、不法係留をしていくプレジャーボートなんかの受け皿としてマリーナの建設は急がれるわけですけれども、そのマリーナを建設するに際して、例えば高知の例ですと、サンゴ礁が破壊をされていくという環境破壊面、環境アセスメントの点で配慮がなされているかといったこと。 それから、高知の場合は既に漁業補償というものをしておりまして、漁民の方々はいただいたお金をプールしているわけです。ですけれども、本当に使ってしまえばあっと言う間になくなるぐらいの金額なんです。一遍漁場を失えば永久に海は戻ってこないと思うんです。そういう意味で、漁民の方々との話し合いが十分にできて、そしてマリーナが建設されていかなければならないと思います。 また、高知の場合はこれがそうですけれども、海水浴場の近くにマリーナを建設するときには大変危険なわけですから、航行禁止区域というものをきっちり徹底してやっていっていただかなくてはならないということ。定置網のこと、漁業権の問題とかいろいろな問題、環境破壊の問題も含めてマリーナの建設は私は考えていただかなくてはならないと思います。 もう一つは、やっぱりこれからどんどんこういう船がふえていくと思うんです。陸の方ではいろいろな規制があります。排気ガスの規制であるとか騒音の規制であるとか、それが船にはないわけです。ですから、騒音規制、排気ガス規制といったようなものも、IMO、国際海事機関では大型船舶に排ガス規制の動きがあるようですけれども、数からいって圧倒的に小型船が多いと思うわけですので、小型船に対してもそういったようなことを少し配慮していただかなくてはいけないのではないかと思うわけです。 そして、これは私はお伺いしたいんですけれども、運輸省の巡視船にはCO2の規制とかあるいは防じん装置なんかはつけていらっしゃるんですか。運輸省に巡視艇あるでしょう。それをちょっとお尋ねしたいんです。
○政府委員(戸田邦司君) 一般的に言いまして、船舶の排ガスにつきましては今のところ規制がないというのが実態でありますが、先生からお話がございましたように、現在、IMOにおきまして船舶の排ガス、NOx、SOxですが、こういったものに対する今後の規制の仕方について検討が始まっているところであります。それで、大型船といいますか、一般的にどれぐらいから上の船舶をその対象とするかというようなことになってくるわけでありますが、その適用の範囲などについては今後の問題になってくるかと思っております。 プレジャーボートなどについて申し上げますと、通常は船外機というようなものを使っているものにつきまして、これはガソリンエンジンでありまして、NOx、SOx、そういった問題は余りないと我々は考えております。それ以上のディーゼルエンジンの場合ですが、これらについては今後対象をどうしていくかというようなことは、国内問題も含めて国際的にIMOの場で検討を進めていきたいと思っております。 そういったことで、海上保安庁の巡視船でありますが、現在のところはそういったNOx、SOx対策というのはとられていないというのが現状であります。
○西岡瑠璃子君 運輸省の方の巡視艇については規制はしていらっしゃるのですか。
○政府委員(戸田邦司君) 現在のところ、先ほども申し上げましたように、規制の仕方などについて国際的に検討を進めている段階でありまして、国内的には何ら規制がないということであります。
○西岡瑠璃子君 陸上で言ういわゆる道交法、こういうものが船には適用されておりませんのですけれども、これから海の交通のふくそうを避ける意味におきましても、運輸省が率先してそういうことをおやりになってはいかがかというふうに私は思うわけです。 それでは、続いてですが、今マリーナの長期計画について御説明をいただいたわけですけれども、問題は整備財源ですけれども、それはどこからお出しになるのか。自動車の場合ですと、自動車税ですとかあるいは重量税、ガソリン税といったように、利用者が支払って道路整備に充当されているわけです。自動車はもう今や現代ではぜいたく品ではありませんで生活必需品になったんですけれども、プレジャーボートは大衆化しつつあるとはいえまだまだ購入者の担税力は大きいかもしれないと思いますが、何らかの利用者負担制度を検討して、そしてプレジャーボートの登録制度とリンクをした形でいただいて、そしてそれをマリーナ整備の財源の一つに振り向けていくというような、そういうお考えはございませんか。
○政府委員(坂井順行君) 今先生の、マリーナの整備財源について何か考えていないのか、こういう御趣旨の質問かと思いますが、マリーナには御案内のようにプレジャーボートを保管する際に、ボートの所有者というのはマリーナに対しまして、いろいろなサービスを含めました保管料というようなもので対価を支払っております。そういう意味で、外郭施設を除きますと、そのほとんどは使用料で賄われているんではないかなというふうにも思います。ただ、全部民間で賄っておるようなケースですと、大体防波堤のない、あるいは外郭施設のないようなところでマリーナ業が営まれておりまして、基本的には使用料、保管料ですべてのコストは賄われておる。それから、外海にある程度出ているようなところでございますと、基本的には防波堤に相当お金がかかるわけでございますが、それに対しては現在、公共でやる場合には普通の港湾の整備と同じように、マリーナについても外郭施設について補助をしておるということでございます。 マリーナの整備につきましては、全部民間でやる方式とか、あるいは公共事業方式とか、あるいは第三セクター方式とかいろいろな方式がございまして、基本的にはできるだけ受益者の負担を仰ぐということを原則としつつ、いろんな整備方式を今考えておりまして、それぞれの方式についてマリーナの整備をしておるということでございます。 特にマリーナだけを取り上げまして自重税に相当するような新しい税をという御趣旨かと思いますが、現在のところ、公共方式とかあるいは民間方式、いろんなものを取りまぜながら新しいニーズに対応していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○国務大臣(越智伊平君) 先生お話しの運輸省が所有しておる船舶につきましては、十分整備をいたしまして、特に公害が著しく出るというようなことは今考えておりませんので、できるだけ整備をして公害の発生しないようにいたしております。 それからマリーナの問題は、今も港湾局長から答弁いたしましたが、漁港で新しい漁港をつくったとか、あるいは河川の入り口でそういう施設があるとか、そのほか農水省関係とか建設省関係とかいろいろ場所はあるわけでありますのでございますから、それをよく連絡をとって助成するなりいろいろしてつくっていただく、こういうことで鋭意努力をいたしております。確かに、放置しておるボート等があることは事実であります。また漁船もそういうものがございますが、これは十分私の方でも海上保安庁等でよく指導監督をしていきたい、こういうふうに思っております。
○西岡瑠璃子君 話が前後して申しわけないのですけれども、陸の自動車は、自動車を買いますとどんな自動車でも車庫証明が要ります。船の場合は、特に五トン未満の船は全く登録制度がないから、もう放置しほうだいになっているというよう なのはこれはどうかと思うわけですから、やっぱり登録制度をつくって登録逃れのないようにしてきちんとしていく方がいいのではないかというふうに思うわけです。 それと、マリーナの件でもう一つ私今思い出したんですけれども、例えば私はマリーナを適正配置で不法係留を少なくするために全国につくっていくのは大変結構だと思うわけですけれども、気象条件とか港湾のいろいろな気象に対応する、波だとか風だとかそういったようなこともきちんとしていかないと、例えば高知県の手結港の場合、非常に黒潮の波の高いところでして、あそこへもしヨットが入ってきても一晩台風が来ますとひとたまりもないわけです。結局、またそれを陸に揚げなくてはならないという、二重三重の手間と経費がかかるというようなことで、あそこへつくることに私は余り意味がないというふうな、そういう主張をしているわけですけれども、そういったことも含めて、マリーナの整備をするときにはそういうことも御参考にしてやっていただきたいと思うわけです。 続きまして、船舶の検査の対象外となっている漁船のことについてお尋ねをしていきたいと思うわけです。 運輸省の資料によりますと、船舶検査の対象外となっているものに漁船が約二十八万五千隻あるということなんですけれども、これはどういう根拠でなぜ対象外となっているのかということをお聞きしたいと思います。
○政府委員(戸田邦司君) そもそも総トン数五トン未満の一般船を検査の対象とするというようなことにした時点で、漁船につきましてはそれまで総トン数二十トン未満の船舶については検査の対象外となっていたというような事情があります。 それで、これらの船舶につきましても逐次、漁業者の負担なども考えながら検査の対象としていくというようなことで、従来からその取り込みについて努力してきているところであります。現在、十二海里未満の水域で操業している小型漁船につきましては、その操業水域が限定されている、それから漁業者が操業水域の気象、海象を十分に把握しているというようなこともありまして、安全上それほど支障がないのではないかという考え方から規制の対象外となっているわけであります。最近の事故の状況その他を考えますと、やはりそういった十二海里未満の漁船につきましても、これを逐次検査の対象とすべきではないかという考え方もありまして、現在、水産庁あるいは漁業者どこれから話し合いを始めて対象とするように努力していきたい、こう思っているところであります。
○西岡瑠璃子君 船舶安全法の第三十二条が定められた経緯もあるかと思うんですけれども、これから水産庁とも御相談をしてそういうふうに安全面で配慮をしていくと今おっしゃったんですが、そうしますと、船舶安全法の対象外となっている現在の漁船については、この船舶安全法と同様な面、同様な趣旨において船舶検査は今現在はなさっていらっしゃらないんですか。水産庁にお伺いしたいと思います。
○説明員(岡本勝君) 先生今御指摘の検査については現実にはしておりません、ただし、水産庁では漁船の安全は非常に重要な課題であると考えておりまして、漁業の労働安全指導強化事業を昭和六十二年から平成三年まで実施し、さらに平成五年度からは小型漁船安全操業対策事業を実施し、操業安全のための啓蒙普及活動、それから、仮に救命胴衣を持っていましても漁労作業しづらいということで着用しないということがないように、漁労作業のしやすい作業用救命胴衣の開発を行うということで、先ほど申しました小型漁船安全操業対策事業を本年から開始しております。今後、この事業を通じまして関係機関とも協力しつつ、小型漁船の安全操業確保に有効な啓蒙普及活動を積極的に行ってまいりたいと思っております。
○西岡瑠璃子君 今お話を伺いますと、その機構検査が中心で、つまりハードの面が中心で、いわゆる安全面でのソフトの面は現在までは行われていなかったんだけれども、今後小型漁船の安全設備の推進といいますか、そういった立場でやっていかれるということだと思うんですけれども、総務庁の行政監察局が平成二年に勧告した「海上交通安全に関する行政監察」というのがあります。この中に「小型漁船の安全設備の設置促進」というのが書いてありまして、これに対して運輸省の御回答では、「船舶安全法の適用についても検討を進めていく予定である。」というふうにはっきり明言なさっていらっしゃる。この勧告につきましては、昨年、つまりこれは平成四年の七月に監察局の方から「その後の改善措置状況」まで含めた冊子が出ているわけです。 そこで、運輸省と水産庁にそれぞれお伺いしたいんですけれども、この勧告につきましてどういうふうに受けとめられて、今後どういうふうに対処なさっていかれるのかといったようなこと、特に平成四年四月の監察局への「その後の改善措置」の報告から既に一年ぐらい経過しているわけですけれども、これまでにどういった具体的な施策が実行されたのかどうか。そういうことをまず運輸省にお伺いしたいと思います。
○政府委員(戸田邦司君) 十二海里未満の小型漁船の検査でありますが、これは先ほども申し上げましたが、現在のところ、安全法の対象となっていないということで検査が行われていないということであります。法制上の問題としましては、当分の間これを適用しないというようなことになっておりましたが、先生御指摘のように、確かに行政監察局からの御指摘がありまして、我々はこれについては、検査の対象とするということで検討を進めたいという回答をしているわけであります。 ここ一年ぐらいの間に何か進んだことがあるのかという御質問でございますが、実態としましては、昭和四十九年から漁船の問題に取り組んできて、これについては例えば百海里までを対象とするとか、そういったことで逐次取り入れをやってきておりますが、非常に長い時間がかかっておりまして、十二海里未満の漁船を安全法の対象として検査に取り込むということについては、相当の時間が必要であるというふうに認識しております。 いずれにしましても、私どもとしましてはこれから相当の努力をしまして、これらを検査対象とするということで検討を進めてまいりたいと思っているわけであります。
○西岡瑠璃子君 昭和四十八年ごろに、当時の参議院交通安全対策特別委員会で附帯決議を出されて、計算すると実に二十年になりますか、たっているわけですけれども、当時の附帯決議の内容あるいはその重要性についてどのように御認識になっていらっしゃるのかということをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(戸田邦司君) 御指摘のように、小型船舶の検査を実施していくというようなことで、小型船舶検査機構を設立するというようなことをお願いしまして、昭和四十八年に参議院の交通安全対策特別委員会におきまして、 総トン数二十トン未満の漁船のうち、本法の適用除外とされる漁船については、船舶の安全性を確保するため、今後、検査の対象とすることに努めることとし、その検査にあたっては、操業の実 態に対応して実施すること。という附帯決議が付されていたわけであります。 この附帯決議を受けまして我々検討を進めたわけでありますが、すべての漁船を一度に取り入れるということにつきましては、さまざまな問題がありましてなかなか実現困難というようなことでもありましたので、順次これを取り入れていくこととしまして、具体的に申し上げますと、総トン数二十トン未満の小型漁船につきまして、当初、沿岸百海里以遠を航行するものを検査対象とし、さらに昭和五十二年から二十海里以遠を航行するもの、さらに昭和五十五年からは十二海里以遠を航行するものについて、逐次適用範囲を拡大してきたという経緯があります。 そういうことで、十二海里未満につきましても 今後我々は努力を傾けていきたいと考えているところであります。
○西岡瑠璃子君 少し時間が足りなくなってまいりましたので、後に回しておりましたのですけれども、二重船体化の問題について先にお尋ねをしておきたいと思います。 昨年の十二月からことしの一月までのわずか二カ月の間に、大型タンカーの原油流出事故がヨーロッパで二件、アジアで一件発生しております。環境への影響の深刻さから一連の事故は世界の注目を浴びておりまして、この問題への対応策が検討されているわけですけれども、特に原油流出の防止効果が高い二重船体化問題に関心が高まっていると思うわけです。我が国ではこの二重船体化についてどのように取り組んでいかれるのか今後の方針とか姿勢。 それからもう一つは、三菱重工がミッドデッキ方式というものを提唱しております。これを日本としては、アメリカが少し抵抗しているようですけれども、それらをどういうふうに克服して今後どのようにこれを採用してやっていかれるのか。IMOの場では正式に認められた方式であるわけですから、二重船体方式というのは。このミッドデッキ方式も同じ二重船体化の中に入ると思うわけです。ですから、多少建造コストがこのミッドデッキ方式の方が安くなるという点で大いに採用すればいいと思うんですけれども、まだ一隻もこの方式のタンカーができていない。それはなぜなのか。今後どういうふうに取り組んでいかれるのか。そういったことを少し簡単に、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(戸田邦司君) タンカーの二重船体構造でありますが、これにつきましては、昨年の三月に国際海洋汚染防止条約を改正しまして、これが本年七月から発効するというような状況にあります。 内容としましては、新造タンカーにつきましては、本年七月以降に建造契約が結ばれるものから二重船体化が義務づけられるということになります。それから、現在運航しているタンカー、現存タンカーでありますが、これにつきましては、平成七年七月以降に船齢二十五年になる船舶につきましては二重船体化をするなどの必要な措置をとることが要求されておりまして、実態としましてはそこでスクラップされるというようなことになるかと思っております。こういったことによりまして、二〇〇〇年ごろには現存タンカーの約半数が二重船体構造のタンカーに代替されると見込んでおります。 我が国としましては、この条約の締約国であるということもありまして、既に本年三月運輸省令を改正しまして、この規制を国内法制化しております。 先ほどお話しがありましたミッドデッキタンカーですが、これにつきましては、二重船体と同等あるいはそれ以上の効果があるものとして、国際海洋汚染防止条約改正の際に、ミッドデッキタンカー方式を採用してもよろしいというようなことになっております。具体的にまだ各社は、新造タンカーについて、これの採用については検討の段階と言ってよろしいかと思っております。
○西岡瑠璃子君 それでは、大変迫ってまいりましたので、順序が逆になりましたけれども、最初にお尋ねしたいと思っておりましたが、運輸省はJCI、検査機構の検査収支、それはもう既にJCIが民間法人化をしているという点で収支を明らかにしないという方向のようですけれども、やはり国の検査事務を代行するものですから、この収支の実態については国が十分に把握をして一般にも閲覧ができるように情報公開といいますか、明らかにすべきではないかと思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(戸田邦司君) 小型船舶検査機構の運営につきましては、民間法人化した段階でかなり自主的に進められるようになってきたというような経緯があります。この機構の業務は、船舶の安全を確保するための検査業務という、本来国が行うべき重要なものであるということから考えまして、現在機構としては、必要に応じまして国及び民間法人化の際に設けられました評議委員会などの関係者に対しましては経営状況の開示をしておりまして、必要なところにはそれなりの開示が行われていると我々は理解しているところであります。
○西岡瑠璃子君 それでは次に、この問題では最後になりますけれども、JCIの役員についてちょっと調べてみたのですけれども、理事長の岡町さんが運輸省の御出身である、残りの理事さん四人のうち三人が運輸省の方、あと水産庁の方。これはもう民間人であるとはいっても、まさしく運輸省の官僚の天下り先と言わざるを得ないと思うわけです。今、天下りについては非常に世間でとやかく言われている御時世でございますけれども、大臣はこの問題をどのように受けとめられ、今後どういうふうに対処なさっていかれるおつもりかお聞きしたいと思います。
○国務大臣(越智伊平君) いわゆる天下り天下りとこう言われますが、天下りを、これを前提としておるわけではありません。しかしながら、実際に、小型船舶といえどもやっぱり安全性、安全に航行できる、こういうことでございますから、技術、経験、これを有する人材が必要でありますのでございますから、恐らく役員の方々は運輸省からも行っておりましょうし、また農水省、漁船の関係もありますからそういうことになっておると思います。 それから職員の方も、運輸省から現役も出向さしております。またOBも雇用しておると、こう思います。また、プロパーもおると思います。こういうプロパーの方もおいおい経験を積んでやはり多くなるように、また役員にもなるように、こういうふうにしていきたい、こう思います。今言ったように、天下り先をつくるという意味でなしに、機構を別にして、非常に船も造船自体でよくなっておりますから、こういうふうにして能率的にやっていく。また、どっちかといいますと直接国がやるというよりはこの方がいい。これは出発の時点ですが、おいおい民間の方も、既に民間の方もプロパーもおりますし、民間の造船所におった方とか、あるいは長く船に乗っておった方とか、こういう方も入っておりますし、徐々に天下りといいますか運輸省なり農水省からの人を少なくしていく、こういうことが最も適切である、こういうふうに考えておる次第であります。
○西岡瑠璃子君 今回の法改正で検査機構の検査対象船舶が一挙に八千隻もふえることにもなるわけでございますし、今後JCIの組織の活性化あるいはまた優秀な人材を上に引き上げて職員の士気を高揚させるためにも、ぜひ天下りは極力避けてやっていっていただきたい。プロパーの方はせいぜい今のところ次長から課長どまりだというようなことも伺っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 時間がありませんので、大変速くなって申しわけないんですが、あと三つほどお伺いしたいと思ったんですが、全く時間がなくなりましたので、まず簡単にお聞きしたいという点で、海の記念日のことでお尋ねしたいと思います。 前の奥田運輸大臣も大変御理解を示されておられましたんですけれども、日本は四万を海に囲まれておりますし、あらゆる意味で海に働く人たち、そして国民が海というものに対して非常に強い認識を持っていると思うんです。ですから、今海の記念日というのが七月二十日、これは子供たちの夏休みのちょっと前ですけれども、あるわけでございますが、これを国民の祝祭日にされるように、ぜひ越智大臣のときにこれを制定せられてはいかがかというふうに思うわけです。 それともう一つは、私はせんだってネパールの方へも行っておりました。インドネシアの大使にもお会いしてきたんですけれども、そこでもちょっと話題が出たんですけれども、遠洋漁業の従事者や海外在留邦人の方々には選挙権がないわけです。せっかく自分たちは税金を払っているのに国民の義務を果たし得ないという、そういう残念さがあるというふうなお話を私たちしてきたわ けですが、こういったことについてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。 海の記念日のこと、そして海外在留邦人あるいは遠洋漁業従事者の選挙権について大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(越智伊平君) 海の記念日につきましては、できるだけ早くやりたい、こう思って今それぞれ皆さんにお願いをしております。また、運動も展開しております。これは、先生の言われたとおり、海洋国日本として、七月二十日、これは海の記念日にするのは私は当然だと、こう思っているのであります。 ところが、実を申しますと、ほかの日もいろいろ運動を展開しておりますので、結局まあ一度にたくさんやるということを非常に好まないところもございまして、今鋭意努力をしておる次第であります。 私の任期がいつまでかわかりませんが、私の任期中にできるかできぬかはこれはわかりませんので、引き続いて、幾ら大臣がかわろうとかわるまいと、ずっとこのことだけはもう着実に正確に申し送りをいたしまして、なるべく早く実現するように努力をいたしたい、かように思う次第であります。 それから、海外の方々、これの選挙権の問題でございますが、数年前でございますが、以前非常に前進した時期もあったのでありますが、まだちょっとおくれておるようでございますが、今その議論がちょっと下火になっておるのは御承知のとおりであります。政治改革、選挙法の改革等々の議論の方が優先しておりますので、私も海外の方々の投票権、これの行使することを望んでおるわけでございますけれども、今すぐにはちょっとできないと思いますが、私も国務大臣としてそういうふうに努力をいたしたい、かように思う次第であります。
○西岡瑠璃子君 もう本当にはしょってやらなければならなくなりましたけれども、あと最後に滋賀丸事件についてちょっとお尋ねをしておきたいと思います。 この滋賀丸事件というのは、私はもうこれで何回も決算委員会とかでいろいろと質問をしてまいりまして、一昨年の決算委員会で運輸省の当時の寺嶋潔国際運輸・観光局長さんの方から、滋賀丸の乗船名簿について運輸省の方で一生懸命努力をしたんだけれども、今に至るもこれを収集することができないという御答弁をいただいたわけです。 私のところに、この前もお見せしたと思うんですが、当時、この船は客船だったんだけれども、戦時海運管理令によって、船舶運営会によって運用されているんだけれども、土佐沖の哨戒船兼客船として、軍用船として使われて、そして乗客は何にも知らずに乗り込んでアメリカの潜水艦に沈没をさせられて、今もまだ海底深く眠っているわけですが、その遺族の方にぽつぽつとこういう死亡認定通知書というものが届いているわけです。そして、そのときの弔慰金を若干もらっているという人があるんですけれども、全員がもらっていない。しかし、こういうものがある以上は私は名簿がないというのもこれもおかしいと思うので、ぜひその名簿をやっぱりこれからも継続して御努力をいただきたいというふうに思うわけです。 この中に、結局私は、数人の遺族のみにこの文書が届いて全員に届かないのはなぜかということと、それから弔慰金というのがあるわけですけれども、厚生省の方に、戦後処理の問題はもう終わったというふうにこの前も言われたんですけれども、これは私は終わっていないというふうに思いますので、今後も引き続いてこの問題については御高配をいただかなければならないと思います。 あと、五月の三十日がちょうどこの方々が船の遭難された五十回忌になるわけです。二十回目の慰霊祭が室戸岬沖で行われるわけですけれども、昭和六十二年五月十二日付の参議院予算委員会の会議録によりますと、当時の国務大臣斎藤十朗厚生大臣が「御遺族の御心情を考えまして、本年度、昭和六十二年度には南西諸島における対馬丸を含めた沈没艦船等の御遺骨に対する慰霊巡拝を計画さしていただいているということでございます。」という記述がきっちり残されているわけです。ですから、対馬丸を初めとなっていますけれども、滋賀丸はその中に入れていただけるのかどうか。今も民間の人によって、民間の方々の浄財によって慰霊祭が営まれ、そして船体も、せんだって私どもの高知県の出身の科学技術庁長官であった谷川先生の御尽力によって、海の底を「かいよう」によって探査をしていただいたんですけれども、今に至るもあらわれないわけでございますけれども、このままでは済まされない。 それで、運輸省の方も厚生省の方も、海が鎮魂の場であって、そこで安らかにお眠りくださいというふうに言われていますけれども、私はそうではないと思うんです。このままでは遺族の方も浮かばれませんし、やはり戦時中のことであったからということでうやむやに片づけることなしに、きっちりと戦後処理という立場で名簿の完備、そしてあとの弔慰金とか補償の問題とか慰霊祭の問題とか、そういったことを一つ一つ私は誠意を持って国に実行していっていただきたいということを申し上げまして、あと一言、時間がございませんから大臣からお言葉をいただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(越智伊平君) 今の滋賀丸のお話でございますが、私も御遺族なり霊に対して何とかしたいという気持ちはございます。これは当時の斎藤厚生大臣の御答弁と同じであります。しかし、戦後もう四十八年たっておりますし、非常に古い。私の方でも名簿とかいろいろ調べたようでありますが、今まで見つかっていない、はっきりしない、こういう状況であります、これがアメリカ軍の攻撃によって沈没したということでございますので、調査はいたしたいと思いますがなかなか難しい、こういうふうに思います。 それから、補償のことについては厚生省の方の問題でございますけれども、これも名簿ができないとなお難しいということで、できることは私ははっきりできると申し上げますし、難しいことは難しいと申し上げますが、とにかく当時の状況また当時の乗船者の名簿、こういうものを今後も続けて調査はしてみたいと思いますが、非常に難しいということだけは御理解いただきたい。戦後四十八年たっていまだにはっきりしたものが見つかっていないことでございますから、非常に難しいということだけは御了解いただきたい、今後努力をしてみたい、かように思う次第であります。
○西岡瑠璃子君 ぜひ継続して御努力をお願いいたします。 ありがとうございました。終わります。
○説明員(川邊新君) 一言だけ、申しわけございません。 厚生省、今大臣のお言葉でございましたんですが、軍人軍属等の方々につきましては私どもの方の援護法等で処遇させていただいているわけでございますけれども、滋賀丸の一般乗客の方々につきましては、厚生省といたしましては補償等の問題は非常に困難であるということで、従来から先生にも御答弁申し上げているところでございますので、御理解賜りたいと思います。
○西岡瑠璃子君 理解はできませんけれども、時間がありませんので終わります。
○委員長(高桑栄松君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分まで休憩いたします。 午後零時七分休憩 ――――◇――――― 午後一時二十分開会
○委員長(高桑栄松君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、船舶安全法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山崎正昭君 昨年の七月に出てまいりました、ごくごく新米の山崎でございます。今後ともお世話になりますが、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。 質問に入りをす前に、一言お礼を申し上げたいと思います。 去る四月二十七日の日に、高桑委員長さん初め皆さんの御企画によりまして委員会視察をさせていただきました。すばらしい施設、逗子マリーナを見学させていただきました。また、その節には運輸省並びに関係各位には再々にわたる御案内、御説明をちょうだいいたしまして、非常に勉強になったわけでございます。この点につきまして、初めに心からお礼を申し上げたいと思います。 それでは、船舶安全法の改正について質問をさせていただきます。午前中、それぞれ御質問がございましたので、重複する点がかなりあると思いますので、重複する点は簡単にお答えをいただきたいと、このように思います。 さて初めに、今回の法改正は、提案理由を拝見させていただきますと、改正理由の一つは、この制度が発足して約二十年近く経過する中で、近年著しい海洋性レクリエーションの普及・活発化に伴いまして、プレジャーボートの量産化の進行が出てまいりました。そういうことによる法改正ということでありますので、まずプレジャーボートの現状等について数点伺いたいと思います。 一点でありますが、近年、御案内のとおり、余暇時間の増大等によりましてレジャーが多様化し、海洋性レジャーも普及発展してきております。そんな中で、プレジャーボートの普及状況、どのようになっておるのか、まずお伺いをさせていただきたいと思います。
○政府委員(戸田邦司君) 最近、海洋レジャーの普及につきまして相当社会的に注目を浴びてきているというようなことであります。過去十数年ぐらいを見ますと、それまでにないほどの普及ということが言えるかと思います。特に、モーターボートとかヨット、こういったものを用いての海洋レジャー、これが非常に盛んになってきているという現状であります。そういうようなことで隻数も相当ふえてまいってきているわけであります。十年前の保有隻数は約二十一万四千隻でありますが、平成三年末の数値を見てみますと、モーターボート二十三万一千隻、それにヨット五万二千隻、合計二十八万三千隻、プラス水上スクーターが四万数千隻というようなことになっております。 普及率を国際的に比較するということが妥当かどうかというようなことについては議論があるところだろうと思いますが、そういうふうに相当盛んになってきたとはいいながら、その一隻当たりの人口というようなものを見てみますと、現在我が国の場合、一隻当たり約四百四十人ということになっております。アメリカですと一隻当たり約二十二人、北欧、ノルウェーあたりは一隻当たり五人というような、けた違いの普及ということになっております。今後、海洋レジャーにつきましては相当の拡大の可能性があると我々は思っておりますし、運輸省としましてもその普及についてはこれから努めていきたいと考えております。
○山崎正昭君 今、小型船舶を初めプレジャーボートの現状をお答えをいただきまして、今日まで着実に発展された経過をよく理解させていただきました。 それでは、今後海洋性レジャーが健全に発展するにはマリーナ等の受け入れ施設の整備が不可欠であろうと思いますが、運輸省は一九九九年、いわゆる二十世紀末までに全国で約三百七十カ所のマリーナを整備する構想を持っておられると聞き及んでおるわけでございますが、現在、その整備状況と今後の取り組みについて、また既設のマリーナもございますので、その活用状況をお答えをいただきたいと思います。 そして、大変申しわけないんですが、私素人でございまして、最近フィッシャリーナというような言葉を時々耳にするわけでありますが、これはたしか水産庁との関係があると思うんですが、これとマリーナとの今後の関連、何かございましたら簡単にひとつお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(坂井順行君) まず、マリーナの現在の整備状況とそれから活用状況といいましょうか、について御説明させていただきたいと思います。 御案内のように、現在、平成四年で三十万弱のプレジャーボートがございますが、平成十二年といいましょうか、二十一世紀初頭には四十万隻ぐらいと私ども見込んでおるわけでございます。これに対応いたしまして、大体どこにどのくらいのマリーナをつくったらいいのか、あるいは港湾管理者としてはどういうところにつくりたいのかというような調査をした結果、全国マリーナ等の整備方針を策定をいたしまして、それに基づいて鋭意整備を進めておるわけでございます。増大するプレジャーボートの保管の要請というのは非常に強いものがございまして、できれば少なくとも新たに、もちろん公共だけではなくて民間も含めまして、十九万隻ぐらいの保管施設を整備する必要があるんではないかなというふうに考えておるわけでございます。マリーナ及び簡易なプレジャーボートスポット、PBSと言っておりますけれども、これでとりあえず対応したいということを考えておるわけでございます。 現在、全国に四十二の公共マリーナがございます。大体一万余の収容能力を持っておるわけでございますが、その九〇%に相当するところに約一万隻が収容されておるということでございますので、ほぼ容量いっぱいといいましょうか、個別に見ますと三割ぐらいしか収容していないマリーナとかいろいろございますけれども、収容能力一万一千に対して一万隻ということでございますので、ほぼ稼働率としては順調かなというふうに考えておる次第でございます。 こんな観点から、平成五年度では公共マリーナにつきましては三十九、約四十弱でございますが、プレジャーボートスポット二十五の整備をいたしておりまして、今後とも海洋性レクリエーションの振興の観点からも、一層マリーナ等の整備に努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 なお、今先生御指摘のフィッシャリーナといいましょうか、水産庁の方でも遊漁船と一般漁船といいましょうか、なかなか区別が難しいようでございますけれども、漁業を専ら業となさる人と遊漁船といいましょうか、釣り舟として活用されている漁船というふうにあるいは言えるかと思いますが、そういうものを分離をいたしまして、あわせて漁村の振興に資したいということで、漁港の一部でもこういうものが整備されておるというふうに我々も承知をしております。 今後プレジャーボートの保管あるいはクルージング等々を考えてみますと、我々といたしましても、このフィッシャリーナと我々の整備をしておりますマリーナとかPBSというのは、やはり相当な連携を持ってこれからやっていく必要があるんではないかというふうに考えております。増大するプレジャーボートヘの対応について漁港管理者、あるいは場合によっては建設省、一般建設海岸であります海岸管理者とか、あるいは場合によったら河川管理者等々も含めて対応策が必要かなということで、いろいろ現在情報交換をしているような段階でございます。
○山崎正昭君 今までの御説明でよく理解できたんですが、小型船舶やボート等の係留問題が非常に社会的問題になっておりますので、そういう点を踏まえてひとついろいろと横の連絡を十二分にとっていただきたい、このように要望をさせていただきたいと思います。 さて次に、プレジャーボートでございますけれども、非常に普及につれて量産化されてまいりますと、自動車もどんどんふえまして廃車、これの処理に困っておるのがこれまた一つの社会問題であります。また、大型船舶等のこともお聞きをしておるわけでございますが、これがどんどん量産化されますと、近い将来その処理という問題が出てくると思うんです。処理困難と言われますこのFRP製のプレジャーボート、この処理技術の問題について、開発とか含めまして簡単にひとつお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(戸田邦司君) FRP製のプレジャー ボートの処理の問題でありますが、先生御指摘のように確かに非常に厄介な問題でありまして、急速に普及してきているという反面で、廃船がこれから相当出てくるのではないかという予想がされているわけであります。 現時点で廃船がどれぐらいあるかというようなことを調べてみますと、放置されているというものは相当あるように思われますが、現実に廃船処理しなければならないというようなものは、漁船を除きますと、プレジャーボートではそれほど多く出ていないというような状況ではないかと思います。 これは、プレジャーボートが非常に長持ちするというようなことがありまして、大体昭和三十五年ごろから量産が始まったように思われますが、そういったものでもまだ手入れをすれば使えるというような状況にあるので、現実にそれほど多くのプレジャーボートの廃船処理が出てきていないというようなことだろうと思います。 これまで出てきているものにつきましては、一部は破砕して埋め立てるとかあるいは焼却する、そういうような方法で処理してまいっておりますが、今後のことを考えますと、これらを一つのシステムとして廃棄処分ができるようにしなければならないというようなことで、運輸省としましてもFRP船の製造を所管しているというような立場から、関係者と相談しまして、運輸省関係の団体であります日本海洋レジャー安全・振興協会、この協会におきまして平成四年度から移動式FRP廃船処理装置の開発を進めてまいってきておりまして、平成五年度には装置を完成させまして、横浜市などにおいて試験的に運転を行って、平成六年度には経済性などの評価をして、さらに数カ所においてそのような必要なテストを進めていく。将来はそういった移動式のようなもので全国津々浦々廃船処理ができるようにしたい、そういうようなことで現在対応を急いでおります。
○山崎正昭君 時間があともう十数分で、超過しますと委員長におしかりをいただきますので、早く参りますので、簡単にお答え願いたいと思います。 先ほど皆さんが御質問されておりましたが、プレジャーボートの普及が非常に増大をしておりますが、反面また事故もふえていると聞いておるわけでございます。そんなことで、海難事故等の発生状況、さらには主なる原因、これをごく簡単にひとつお願いしたいと思います。
○政府委員(後出豊君) プレジャーボートの海難の状況でございますが、いわゆる海洋レジャーの活発化ということで近年増加傾向にございます。ただ、たまたま平成四年は対前年度より若干減少はいたしましたが、それでも四百九十一隻ということでございます。これによる死亡者あるいは行方不明者は四十四名に上っております。 その原因ということでございますが、機関の取り扱い不良でございますとか、見張りの不十分あるいは操船の不適切というようないわゆる人為的要因、これによるものが約七四%を占めているという状況でございます。
○山崎正昭君 それでは、今ほど伺いました海難事故の防止策、そしてプレジャーボートの安全対策としてどのような対応をしておられるのか。さらには、船そのものはわかりますけれども、操船技術と申しますか、そういったことを含めまして施設管理、要するにマリーナの管理、そういったものもあわせて行政的にどういう安全教育とか指導をしておられるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(戸田邦司君) 安全対策ですが、先生から御説明ありましたように、船そのものあるいは設備、それから乗組員の資格、そういった面については行政側としてもしっかりやっているつもりでありますが、それ以上に、実際に船に乗る前にある程度の技量を磨いておいてもらうとか、そういったことについての指導というものも大事かと思っております。 今回の法改正で問題になっております小型船舶検査機構ですが、この小型船舶検査機構では、火災とか爆発とか転覆とか、そういったことに関するパンフレットなども作成しまして、これを検査の都度持ち主に渡してよく勉強しておいてもらっているというようなこともやっています。それから、運輸省関係のそういう安全関係の団体もたくさんあります。そういったところにも会員あるいは地域的な形での指導というようなことを積極的に進めてもらっているというような現状にあります。 最終的なといいますか、一番重要な問題は、実際に遊ぶ人自身の安全に対する意識、こういうようなものが大事であろうと思われますし、またマリーナごとにそういう安全指導のための適切な人を配置しておく、さらにそういった地域単位での気象状況の伝達といいますか、そういったことも非常に重要かと思われますので、それらの点についてもこれから力を入れて進めていきたいと考えております。
○政府委員(坂井順行君) 今先生の、マリーナ側ではどうかという話に対しまして若干補足させていただきますと、マリーナの保管のほかに、給水だとか給電だとかあるいは気象、海象の情報提供あるいは船舶航行、漁業の活動等の周辺海域の利用状況に関する情報の提供というようなことも非常に重要なことでございますので、こういうものにつきましても私どもは平成二年から、民間も公共のマリーナも含めまして、ハーバーマスターとかあるいは安全指導者というようなものを原則的に置いて、いろんなサービスが可能なマリーナを優良マリーナというような形で認定制度をつくりまして、こういう条件を満たしたものは優良マリーナですよというようなPRをして、いろんな雑誌あるいはいろんな一覧表で紹介をしているというようなことをやっておりますし、順次そういうことで優良マリーナがふえつつあるというような段階でございます。
○山崎正昭君 先ほど来お答えをいただきまして、運輸省、皆さん方、安全対策について各種の施策をとっておられることは十分理解させていただきました。 そこで、余暇時間の増す中で、危険なくプレジャーボート等で楽しめる条件整備につきまして運輸省は重要な役割を果たされておられるのでありますから、今後とも海洋レジャーの健全な発展に万全の対策をさらに図られますように特に要望を申し上げ、お願いを申し上げておきたいと思います。 それでは次に、今回の船舶安全法の改正に関してお伺いさせていただきたいと思います。 まず最初に、今回の法改正の目的とこの時期に改正を行う理由について御説明をいただき、そしてこの提出背景といたしまして特にJCI、いわゆる日本小型船舶検査機構の検査対象船舶の範囲の拡大、見直しが、昭和五十八年の臨時行政調査会答申などによって指摘をされていたと思うのでありますが、運輸省としてJCIに任せられるという条件が最近整ったという見解で提案となった、このように理解をさせていただいてよろしいのでしょうか、ちょっとお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(戸田邦司君) 先生からお話しありましたとおりでありまして、最初のころ十二メーター未満について大体五トン未満ぐらいの船を検査していたというようなことでありますが、そのうちにだんだんモーターボート、プレジャーボートを中心に非常に大きな船が出てきた。 現実には、大体この制度が発足して二十年たった現在で考えますと、十二メーターで平均十七、八トンの船が出てきているというようなことであります。一つはそういうような現実を踏まえ、それからそういった大きな船まで一律の安全基準をかけていく必要が出てきたというようなこともあり、また臨時行政調査会あたりからの指摘、行監からの指摘、そういったこともすべて考え合わせて今回の改正に踏み切ったというような事情にあります。
○山崎正昭君 次に、小型船舶は、今ほどお答えにございましたように、現在は長さ十二メートル 未満と、長さによって定義されているわけでありますが、今回の改正によって総トン数二十トン未満と、総トン数によって定義すること、これはなぜか、何ゆえか、ちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。 まことに私、素人考えで申しわけありませんが、船舶は多くの形状変化が見られる、こういう中での御提案でありますが、長さと幅なり重さ、高さ、そういうものの調和が私は安全に不可欠だ、こういうような気持ちでいるわけなんですが、総トン数だけということになりますと、長さは加味されないというような考え方だと私は受けとめるんですが、その辺はいかがなものか全く素人でございますのでお伺いさせていただきたいと思います。
○政府委員(戸田邦司君) 今回、十二メーターから総トン数二十トンに踏み切ることになった一番大きな理由というのは、最初十二メーターというのは大体五トン程度だったものが、現在平均で十七、八トンの船が出てきているというようなこともあります。 五トン未満につきましては、はっきりと数値的に船をとらえる仕切りをつくるための単位を見つけ得なかったわけで、そのときに一番簡単な長さを用いたわけでありますが、現実には相当大きくなってきているということであります。 船の大きさというのは基本的には総トン数であらわすというようなことでありますので、現実に十八トンぐらいの船まで検査している、物によってはもう二十トンを超えているものもありますので、ほかの船舶職員法での仕切りあるいは小型船の登録測度関係の仕切りとも平仄がとれる総トン数二十トンということに今回はしたわけであります。 総トン数というのは長さが加味されていないではないか、こういう御指摘でありますが、長さ、幅、深さ、そういった船の基本的な諸元を計算に入れて算出される数値でありますので、安全上、総トン数というものを使っても何ら差し支えがないというふうに考えております。
○山崎正昭君 もう五分ほどしかございません。実は安全基準の内容をちょっとお聞きしたかったんですが、時間も超過しますので、最後に大臣にお伺いさせていただきます。 運輸行政の基本は、大臣は常日ごろ安全確保にある、こういうことを述べられておるわけであります。そういった中で、今回の改正によってJCIに移るということ、これは船舶検査がおろそかになり安全性が損なわれるというようなことはないとは思いますが、大臣より御意見や確信等がございましたら一言ちょうだいいたしたい、このように思います。そして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(越智伊平君) 先ほど来政府委員がいろいろと御答弁申し上げましたが、漁船にいたしましてもあるいはプレジャーボートにいたしましても、おいおいトン数が大きくなりますし長さも長くなる、そういう状況であります。しかし、一方では造船技術も非常に発展いたしますし、非常に優秀な船ができつつございます。でございますから、今回二十トン未満、こういうことに改正をいたしました。 検査機構でこれの検査、正確にやっていただいて、間違いなく、特に安全性の面ではきちっとやっていくように指導したい。そのために、午前中も質問がありましたが、やはりいましばらくは運輸省からも優秀な者を出向させますし、また優秀な者のOBも就職さす。このことも考えて、天下り天下りということでなしに、技術的に人格的に優秀な人を検査に当たらす、こういうふうに思います。もちろん、他の方々も就職してもらうし、新しい人ももう二十年になりますから大分十分経験も積んできたと思いますが、そういう人とともどもに正確な検査、これをやっていただいて、運輸省が直接検査するのと一つも変わりのないような、要は安全で運航できるようにやっていきたい、そういうふうに今後指導していきたい、かように思う次第であります。
○山崎正昭君 今ほどの大臣の大変前向きな御答弁と御決意に大変感謝をいたしております。どうぞ今後ともひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。 時間でございますので、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○矢原秀男君 船舶安全法の一部を改正する法律案について若干の質問をいたします。 まず、今回の改正に至る経緯について伺いたいと思います。
○政府委員(戸田邦司君) 総トン数五トン未満の船舶に船舶安全法の適用の対象を拡大しまして約二十年が経過してまいったわけでありますが、当時の十二メーター、総トン数五トン程度と考えておりました、構造が簡易であるそういうような船舶が、いつの間にかだんだん大きくなってきまして、大きなモーターボートになってきていた。それで、現実に二十トン程度の船まで十二メーターの範囲内で機構の検査対象になってきていたという現実があります。 そういったことで、二十トン程度までの船の基準を見直す必要が起こってきたわけでありますが、基準を見直すと同時に、検査業務もそういった簡単な構造のものについては簡単な検査といいますか、平易な検査で済ませるというようなこともありまして、これが小型船舶検査機構で検査を行わせたいという最も大きな理由になっております。 先ほど来申し上げておりますように、この小型船舶検査機構の検査対象船舶の見直しにつきましては、臨時行政調査会の答申で指摘され、さらに行政監察などでも指摘されておりますので、この際改正をお願いしたということであります。
○矢原秀男君 午前中から先ほどまで、いろいろ私が質問したいことも重複しておりますので、ちょっと角度を変えてまた質問させていただきたいと思います。 今、提案の経緯を伺いますと、「船舶安全法においては、船舶の堪航性及び人命の安全を保持するために、船舶の構造・設備についての安全基準を定める」、そういう底流の中に、「船舶がその安全基準に適合することについて検査を受けなければその船舶を航行の用に供することができない」というふうな感覚に私も受け取るわけでございます。 〔委員長退席、理事松浦孝治君着席〕 そこで、質問を用意しておりましたけれども、全部皆さん質問されておりますので、別の角度からちょっとだけ質問します。 先ほども質疑がございましたけれども、プレジャーボート等の船型別、海難の種類別、そしてまた原因別という、こういうデータを今拝見させていただいておりますけれども、海難種類別の発生状況によると、衝突というのが一八%、乗り上げが一六・一%、機関故障、これが十六・五%、火災が二・八、浸水が四・四、転覆が十二・〇、推進器障害が一〇・〇、かじの故障が〇・七、行方不明が〇・二、その他が一九・三となっております。 これを海難原因別の発生状況で見させていただきますと、平成四年の五百四十隻のトータルの中で、見張りの不十分から運航の過誤、人為的要因、こういうふうなのが非常に多くの数字になっております。これは私は、一つは免許に際する教育、そして安全の交通ルールというものが厳しく指摘をされなければいけないと思います。 そういう意味において検査の条項ですね、小型船舶の検査及び検査時の件についてですが、船舶安全法及び同法施行規則、小型船舶安全規則、船舶安全法第三十二条の漁船の範囲を定める政令、漁船特殊規程及び小型漁船安全規則、小型船舶検査機構に関する省令等々のこういうような検査の中で、罰則というものがあるわけでございます。これは、船舶検査証書等の船内備えつけ義務違反、船舶検査済票の貼付義務違反、船舶検査手帳の船内備えつけ義務違反、こういう等々の条項がございます。 今後とも非常な数で船籍がふえていっている。 そして事故数も、交通ルールによる本当に生命を大事にする立場で運航すれば起こらないようなものが非常に多く起きている。そういうふうなものが二十万円以下の罰金でいいのかどうかというのが、私はこの事故分析の中で非常に疑問に思うわけでございますけれども、この罰金の経過的な移行というものはどういう形でこれまで進んできているのか、数字的に教えていただきたいと思います。
○政府委員(戸田邦司君) ほかの行政法とのかかわりもある問題でありますので、事実関係だけお話し申し上げたいと思いますが、現在の罰金の額につきましては、約二年ほど前に船舶安全法を無線の関係で改正したときに、一応ほかの行政法との比較におきまして額の引き上げを行っております。
○矢原秀男君 今後の問題になりますけれども、やはり陸上と同じように、非常に多くのこういうふうな過剰的なものになりますと、今後やはり問われていく問題は、車と同じように総量規制というものを、たとえ海であったって航行の限度があるわけですから、隻数の総量規制というものはどういうふうなものなのか。メーカーに対してはどういうふうに指導するのか。そういう問題が将来は起きてくると思うんです。 そうしてきて、なおかつこういうふうに事故が減らないという問題になると、やはり運輸省、そして関係筋の機構、人員にしたってそれは限度がございますから、やはり法律で厳しく事故を起こした者に対しては責任を持ってもらう。そういうふうな形ではやはり厳しいものにしていかなくちゃいけない。これは将来の検討としてお考えを頭に入れていただきたいと思います。 それでもう一つ、放置艇の問題でございますけれども、先ほどの質疑を伺っておりますと、約十万艇ぐらいと思われる、こういうふうにお話があったかなと私は思っておりますけれども、今後の推定的にはさらにこういう実態はどういうふうな認識なのか。そして所轄、指導監督の局においてはこういう対応をどういうふうにやっていくのか、そういう点を伺いたいと思います。
○政府委員(坂井順行君) 先ほども御説明いたしましたように、現在何らかの形で保管されているものを除きますと、約十万隻程度が放置艇に相当するわけでございまして、私どもマリーナを整備する立場からすればこれがないのが望ましいといいましょうか、これをできるだけ限りなくゼロに近づけるということが一つの行政目的でございますけれども、じゃその間の放置艇対策をどうするのか。 こういうことにつきましてはいろいろな手だてがございますし、私どもの基本的な認識としてはまだ保管場所が足らないということでございますので、できるだけ簡易な係留場所といいましょうかあるいは水面をできるだけ、港湾管理者あるいは場合によったら先ほども申し上げましたように漁港、海岸、河川というようなほかの水面管理者の協力も得ながら、そういう水面の提供というのが一つの方法がなというふうにも思っておるわけでございます。 現在、具体的にそれぞれの放置艇対策について地方で対応されておりますものを若干紹介しますと、やはり条例等をつくられまして、ある区域の中にはプレジャーボートを置かないようにという指導をされているところも見受けられるわけでございますが、何せ保管されている隻数に比べまして放置されている量が多いものですから、なかなか現実には前に進まないというのが正直なところでございます。
○矢原秀男君 この件で最後の一点だけちょっと伺っておきたいんです。 この船舶検査の資料をちょっと見させていただいておりますが、これは一般貨物船の場合となっているのですが、船体、機関、排水設備、操舵、係船・揚錨、救今、消防、居住、航海等々の定期検査種別があるわけでございます。事故を起こした問題を見ますと、人為的な問題もそうでございますけれども、機関の故障というものが一六・五%出ている。船舶でやはり一番大事な検査、一番目を通すでございましょう機関の整備検査の問題というのが、こういうふうに事故が一六・五%も出ているというのは、非常に厳密な検査の中でこういう問題が出てくるのは、技術的にどういうふうに把握、分析をされているのか、伺います。
○政府委員(戸田邦司君) 陸上での自動車などと比べて船舶の特に機関関係についてはどういうような違いがあるかと申し上げますと、やはり使用条件が非常に過酷であるということは言えるだろうと思います。一般的に言いまして、エンジンの最大出力に近いところで長時間運転するというようなこともあります。また、海水で冷却するとかいうようなシステムにもなっておりますので、どうしても腐食しやすい。それから、使用している燃料がガソリンとかああいうようなもの、良質なものではありませんで、一般的にはA重油とかあるいは軽油とかそういったものが使われるわけでありますが、使用する燃料も違っている。 そういったことで、検査の時点で十分であることを確認はするわけでありますが、やはり定期的な手入れをきちっと行っていくということが安全の前提としてありますので、そういう手入れを怠ったりしますとやはり事故の発生につながるというようなことではないかと思っております。 〔理事松浦孝治君退席、委員長着席〕
○矢原秀男君 そこで、大臣に最後に伺うわけでございます。 朝から、私を含めて討議をしている根底は、やはり安全性の保持の問題についての法律改正が根本だと思いますけれども、これら船舶の安全について、最後に大臣のこれらに対する決意というものを伺って終わりたいと思います。
○国務大臣(越智伊平君) 船舶の安全、このことはもう何としてでも確保しなければならない、かように思っております。 これは二つに分かれるのではなかろうか、こう思います。その第一は、船舶そのものがエンジンの不良とかあるいは復原力の弱さとか、こういう問題がありますし、先ほども政府委員からお答えいたしましたように、乗り上げとか衝突とか、こういうことについてはやはり操縦者の心の問題であろう、こういうふうに思う次第であります。この検査機構に行わせる検査、これは正確に検査をして船の構造上の問題を絶対になくする。それからもう一つは、これの操船をする船員の方々の心の問題、技術もあるでしょうけれども、技術というよりもむしろ心の問題、これが大きい原因だと、こういうふうに思います。 この両方ともよく指導して、要は陸上の自動車と同じように、船もやはり規則、規律を守らせて安全に運航ができるように、こういうふうにいたしたい、かように思う次第であります。
○矢原秀男君 どうかよろしくお願いをしたいと思います。 最後の一点、質問させていただきます。 新幹線の「のぞみ」に関する振動や騒音についての問題でございますが、東海道・山陽新幹線沿線で、まず最初は神戸市西区大津和二丁目の住民の皆さんからJR西日本に対して、「のぞみ」の振動や騒音で被害届というのを申し入れをされたことが地元紙でも報道をされております。住民から振動、騒音についての被害状況も訴えられていると思うわけでございます。その点についてどういうふうな被害状況か、概要をまず伺いたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) 先生のただいまの御指摘は、神戸市西区にございます山陽新幹線の長坂トンネル付近のことであろうと思われますが、この地域の住民の方々から、「のぞみ」が走行することによりまして家の建具とかあるいは御仏壇等ががたがたする、がたつくという苦情がJR西日本の方に寄せられているということと承知しております。
○矢原秀男君 要望がありますれば、振動と騒音の測定調査、そういうこともされると思うわけでございますが、新幹線鉄道騒音に係る環境基準の概要は既に御承知のとおりでございますけれど も、地域の類型としてはIの項であり、七十ホン以下、こういうふうに一応決められておるわけでございますから、そういう点をやはり基本にして臨んでいただかなければいけないと思います。特に、今もお答えがございましたが、「のぞみ」の運行に伴って山陽新幹線のトンネル坑口付近でトンネル微気圧波による苦情がまた多く発生をしております。そういう概要についても、いろんな地域からやはり苦情がそれぞれ出ているようでございます。広島方面では百五十件、また岩国、五日市、広島市内、それから岡山二十件、もうこういうふうに非常に沿線に多くトンネル前後の問題というものが出ております。住民の皆さんの訴えによると、玄関の戸や窓ガラスが厳しく振動する、柱が傾いた、床や壁の振動がひどくなった、テレビの映りが悪い、壁土が落ちる、こういうふうに「のぞみ」が通過するときの騒音や振動は、「ひかり」、「こだま」と明らかに違うという、そういう微妙な問題も出ているわけでございます。 私も二十数年、空や鉄道、交通、公害関係をずっと担当して、地域の皆さんと接触をいたしておりますけれども、日常生活の問題でございますので、非常にやっぱり大変な問題がございます。そういう意味で、該当の市当局にいたしましては大変な問題でございますけれども、こういう問題については再調査をして、振動、騒音を徹底解明してやはり住民の皆さんのそういう御不満を極力軽くしていく、こういう努力の方向が必要だと思うわけでございますけれども、今申し上げた点についての分析、対応を伺いたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) まず、長坂トンネルの騒音あるいは振動に関するものでございますけれども、JR西日本の方で四月二十一日にこれらに関します調査を行ったわけでございます。その結果、騒音につきましては、先ほど先生お話しのとおり、七十ホンが環境基準でございますが、現実には六十ホンから六十七ホン、それから振動の方は七十デシベルというのが環境庁さんの方から御指導いただいております勧告でございますが、これに対しまして四十六デシベルから五十三デシベルということでございまして、いずれにしましても環境基準あるいは勧告を下回っているという結果が出たわけでございます。 ただ、しかしながら、先ほど申し上げましたとおり、住民の方々の方からいろいろ建具等ががたつくというようなお話もございますので、その因果関係と申しますか、どういう原因でどういうふうにその結果が出ているのかという点につきましてさらに調査、検討、分析を行うということで、現在調査を行っているという段階でございます。 それから、先ほどお触れになりました、岡山県あるいは広島管内におきまして騒音あるいは振動等の苦情がかなり出てきております。西日本関係で申しますと、騒音、振動について約三十二カ所、それから先ほどお話しありましたトンネルのいわゆる衝撃波と申しますかトンネルに進入いたします際にドンというような音が出るというようなお申し出がありましたところが四十六ケ所という状況になっております。現在、JR西日本におきましてこの点につきましても実態調査を行っておる段階でございまして、その結果を踏まえまして対策の検討を行いたいというふうに考えておるわけでございます。
○矢原秀男君 それで、今お話が出ましたけれども、広島、岡山、神戸、沿線全部そうでございますが、「のぞみ」のいわゆるトンネル出口というのか、衝撃波、ドンという非常に激しい衝撃が起こっていることは技術的にも御承知だと思います。 これは毎日新聞が技術的に勉強されていらっしゃるデータでございますが、引用させていただきますと、「新幹線トンネル微気圧波対策」について、 昭和五十年三月に山陽新幹線博多開業のための訓練運転が岡山以西で始まると、比較的長いトンネル坑口で「ドーン」という発破音が生じたり、坑口付近の家屋の窓や戸が不意に動いて音を たて、家の中にいる人に不快感を与えるこのトンネル微気圧波発生の技術的な分析としては、もう皆さん既に御承知だと思うのですが、トンネル微気圧波の性質を、列車のトンネル突入から微気圧波の放射までですが、図一に従って、ここに図形であるんですが、列車がトンネルの入り口で、圧力波というものがトンネル内に入ってくる、そして音速、トンネルの出口では圧力波というものが、ドーンという音というのが微気圧波の現象だと思うわけでございます。 これは数字的に御当局でも技術的にいろいろと分析をされておられると思うんですが、一般の方にいたしますと、周辺の方にいたしますと非常に大変な毎日でございます。当局も今のお話を伺いますと、やはり再調査もして検討をされているようでございます。そういう中で私も、やはり技術的に解決をしていただかなければならない、そういう問題がありますので、これがJRか運輸省の研究所でどういうふうに、どの辺まで数字的に押さえることができるのか。そしてもしできないとすれば、現況の中で、トンネルフードであるとかいろいろのやはり対応というものが緩衝対応としてやらなければいけないと思うんです。一番、これらに対する非常に技術的によいと思われるようなデータと実績、そういうふうなものはどうでございましょうか技術的にちょっと伺いたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) ただいま先生お話がございました、いわゆる衝撃波と申しますか微気圧波でございますけれども、技術的に完全にこれだというものには現在まだ至っておりませんけれども、現時点では幾つかの対策が考えられております。 一番現実的に問題が少なくなりますのは、いわゆる緩衝工と申しますか、トンネルの出口のところにラッパ状と申しますか、の施設をつくりまして、それによってその圧力を減殺するというのが一番現実的でございます。JR西日本では今回の「のぞみ」の運行に当たりまして、あらかじめ影響が出るというふうに予測されました箇所のうち、十一カ所があるわけでございますけれども、そのうち九カ所につきまして既にそのトンネルの坑口にただいま申し上げました緩衝工を設置しておりまして、残りの二カ所につきましては、用地買収等の関係がございまして開業までに間に合いませんで、現在工事を進めておるわけでございます。 なお、開業後に、今先生からもお話しございましたように、各地の方から、それらの十一カ所以外のところも含めまして数多くの対策の要望が出ておりますので、これにつきまして、先ほど御説明いたしましたような調査の結果を踏まえまして、必要なところに逐次緩衝工を設置するということで進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○矢原秀男君 もう一回伺いますけれども、では一番今効果のあるのは、トンネルフードを延長して対応している、これがやはり住民の皆さんにはまあまあ納得をいただいているのか、そういう問題と、それが全国的に大体何カ所ぐらいになっているのか。 そしてもう一つは、スピードアップのときに、トンネル周辺とか都市部の過密のところでは今までの新幹線の場合はスピードを落とすという問題が、陸橋とかいろんな振動を抑えていく技術的な対応を今までにされましたけれども、なかなか大変な形だなと私も実感として思っているんです。スピードを落としていくのか、それとも橋脚に対して万全のものをきもっとしていくのか、将来は車体に対してもう少し技術革新ができるのか、いろんな形のものがあると思うんですけれども、もう一度そういう点でお尋ねしたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) いわゆるトンネルの微気圧波につきましては、先ほど申しましたとおり、いわゆる緩衝工が最も効果があるということでございまして、例えば東北新幹線につきましては三十六カ所に緩衝工を設置いたしておりまして、現在のところ、そういう意味での問題は生じておりません。それから山陽新幹線につきましては、先 ほど申しましたとおり、現在作業中のものを含めまして、さらに緩衝工の設置箇所を拡大していきたいというふうに考えております。なお、今後とも騒音、振動を含めましていわゆる環境対策について、技術革新とあわせ十分対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○矢原秀男君 動いている物体、スピード、重量、いろんな環境問題等々ありまして大変だと思いますけれども、どうか住民の皆さんが安心して周辺でも生活ができるような、そういう公害対策というものの諸問題を解決していただく、対応をお願いしたいと思います。 それで、もう一つお伺いしたいんですが、次世代の新幹線として注目をされておりますJR東日本のSTAR21、JR西日本のWIN350の開発、これも騒音、振動、微気圧波という問題がついて回ると思うのでございますけれども、これらに対する技術開発はどの程度までいっているのか明確にしていただきたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) ただいま御指摘のとおり、JR東日本あるいは西日本におきましていわゆる次世代新幹線の開発を進めておるわけでございますが、現時点におきましては車両の耐久性ですとかあるいは施設の保守等まだまだ解決すべき技術的問題がかなりあるわけでございます。 また、ただいま先生御指摘のように、騒音なりあるいは振動といったような環境対策についても十分配慮していかなければならないというふうに考えておるわけでございます。 特に環境問題につきましては、今後、高速化によります騒音の主要発生源と考えられますいわゆる空力音、空気を切る音の低減対策を講じますために最適な形状を追求したような車体とかあるいはパンタグラフのカバー等の開発を行い、走行試験を行っておるわけでございまして、こうした点を含めてさらに十分検討して実用化に向けて努力してまいりたいというふうに考えております。
○矢原秀男君 これは別な質問なんですが、かつて国際的にも日本の新幹線技術というものは非常に、世界で一番ではないかという評価もございました。フランスまたドイツ等は、いや、うちがすごいんだ、こういうふうな感じも聞いたことがあるんですが、外国から日本の新幹線技術、こういうふうなことに対しての技術協力であるとか新幹線の輸出であるとかそういうふうな引き合いは最近どういうふうになっているのか、伺いたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) ちょっと具体的な資料は手元にございませんけれども、韓国でございますとかあるいは台湾あるいは中国といったようなところでそれぞれ新幹線の計画がございまして、いわゆる民間ベースのものも含めましていろいろな相談をしておるという段階でございます。
○矢原秀男君 じゃ最後に、大臣にちょっとお願いをしたいわけでございますが、新幹線の高速化に伴い、やはり国民も大半が、旅行されるのにゆっくりされればいいんですけれども、どうしてもお仕事やいろんな関係でスピード化というところへどんどんいかれる。だから安くて遠ければ、安全であれば、やはりそこへ国民の大半が移動で動いていく。これは動脈でございますから、私やむを得ないと思うんです。しかし、反面、日本が非常に狭い国土であって、平地というものは限られておりますし、そこで住んでいる居住住民の方々にしてみると、環境というものはスピードプラス大変な問題で出てくるわけなんです。 そういう意味で大臣に対して、こういう騒音、振動、また今申し上げておりました各地域におけるトンネルの微気圧波の問題等について、運輸省も非常に努力をされていることは新聞紙上や関係者の方に伺ってもよくわかるところでございますけれども、さらに徹底的な検討というものをしていただいて、安全問題と同時に、そういう公害的な環境問題というものを極力やはり解決をしていただかなければいけないと思うんですけれども、大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(越智伊平君) 確かにスピードは速くなる方がいい、これは同感でありますし、先生もそのことは否定をされていないのであります。 フランスの新幹線、私も二度ほど乗ってみましたが、確かにフランスはフランスなりにいい、こう思うのであります。しかし、日本とちょっと違いますのは、上下とかカーブとかが非常に向こうは少ない。でございますから、日本で速度を速めようとすると大変な努力が要る、かように思います。 今御指摘をいただきましたような振動、騒音、微気圧波あるいは電波、こういう問題についていささか、率直に私は申し上げて対応が少し遅い。出ることはやむを得ないけれども、今ごろテレビが見にくいというようなことは、調査してみて、あればもうすぐ対応ができると、私はこう思うんです。確かに微気圧波等はなかなか難しい問題もありましょうけれども、早く対応するように調査を進めております。またいろいろやっておりますけれども、できることから早くして、地域住民の方に迷惑をかけない。私は安全と快適、こういうことを言っておりますが、乗客の方もそうでございますけれども、付近の住民の方々にも迷惑をかけない、なるべく迷惑を少なくする、こういうことに努めるように指導をしてまいりたい、かように思う次第であります。 今のテレビが本当に電波の関係があるなれば、これはテレビのアンテナをやりかえればすぐできる、私はこういうふうに思います。こういうことをいつまでも言われないように速やかに処置をしていく、こういうことによって地域住民の方にも御協力をいただく、こういうふうに進めてまいりたい。 その他の技術的ないろいろ問題がございましょうが、このことも早く調査して早く対策を立てていく、こういうことで指導をしてまいりたいと思いますので、どうぞ御指導、御協力のほどをお願いいたします。
○矢原秀男君 私も、越智運輸大臣は実力大臣、ナンバーワンでございますから非常に心強く思っているわけでございますが、この前も「のぞみ」のいろんな部品の事故が起きましたときに、大臣が、トラブル、一〇〇%事故原因わかった、もう絶対にありません、しかもああいう断言をされたのが新聞報道ではっと出ておりましたけれども、それで私も安心していたんですけれども、ちょっと後またいろいろ起きてきまして、当局の皆さん、それは非常に御努力されております。これはよくわかっておりますが、どうか大臣、また皆さんと御一緒によく、被害の住民の方々に本当に早く解決ができるような御努力をお願いしたいと思います。要望いたしておきます。 以上です。
○直嶋正行君 私は、まずプレジャーボートの係留地の問題について最初にお伺いしたいと思います。 けさほど来の議論の中にもいわゆる放置艇の問題が出ておりまして、けさの答弁の中で、運輸省としては、これは昭和六十三年におつくりになっていますか、全国マリーナ等整備方針をおつくりになって海洋レク振興の立場から今努力をしているんだというお話がありました。その中で、平成四年度現在で約十万艇ぐらいの無断係留があるということであります。 私もこの全国マリーナ等整備方針というのをちょっと概略拝見させていただきました。これは目標年度が平成十二年ですから、ちょうど西暦二〇〇〇年になります。そして、この二〇〇〇年の時点でプレジャーボートの数を約四十万そうと想定して放置艇をゼロにする、こういう計画で整備をお進めになるというような内容でございます。 ただ、私ちょっと心配な点がありまして、といいますのは、実はこの計画をおつくりになる前年の昭和六十二年の時点の放置艇の数は約十二万艇でございます。平成四年現在でけさお話しになったように十万艇、その間四、五年で二万艇の減少、数だけで言いますとそういうことになります。じゃ、果たして平成十二年、あと七年後に本当にこの計画のようにゼロにしていく方向で、具体的 には四十万艇分確保できるのかどうか。私はこれは相当な努力をしないと現実には実現するのが難しいんじゃないかな、こんなふうに思うんですけれども、まずこの点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(坂井順行君) 確かに、先生御指摘の点は私どもも重々承知をいたしておるところでございまして、いわゆる放置艇の防止策にはもちろんマリーナを整備するのが一番ベストな方法でございますけれども、御案内のように金と時間が相当かかるわけでございます。もちろん、それはそれとしてやります。それからプレジャーボートスポットというような、やや簡易なといいましょうか、係留施設も積極的に提供していく。さらには、先ほども大臣もちょっと御紹介いたしましたように、港湾の一部あるいは漁港の一部等々にも少し手を加えれば係留可能な場所というのがあるではないか、こういうことでございまして、いろんな手だてといいましょうか、要するにいろんなサービスレベルの保管の方式がございますので、もちろんサービスレベルが高い優良マリーナ的なものからあるいは簡易なマリーナみたいなものまでいろいろございますが、そういうものを取りまぜながら、あるいは民間のいろんな力もかりながらこの目標に向かって最大限の努力を今しておるところでございます。
○直嶋正行君 私、持ち時間が余りありませんので簡潔で結構なんですが、運輸省の方の第八次港湾整備五カ年計画、これは一九九〇年から九五年までの目標でございますが、この五カ年計画の中で、マリーナ等の整備について最終段階では約一万七千そう分、九〇年が約一万一千そうというようになっていますが、これの中間状況といいますか、それを参考までに教えていただけますか。
○政府委員(坂井順行君) マリーナの現在、第八次港湾整備五カ年計画での進捗状況でございますが、五年度では三十九港、それからプレジャーボートスポット二十五程度合整備いたしておりまして、最終年度の平成七年度では、ちょっと正確な数字は今持っておりませんけれども、大体八割を超える、八五%程度の達成率になるんではないかなと。これはあとまだ二年ちょっとございますので、プレジャーボートスポットの数がたくさん出てくればもっと上へ上がるかと思いますが、九割 を若干下回るかもしれません。
○直嶋正行君 水産庁の方、いらしていますか。―― この今のマリーナ整備と関連するんですが、水産庁の方で漁港振興ということでフィッシャリーナ計画というのがありますね。これが今ちょうど中期計画の途中にあると思うんですが、私がいただいた資料では平成十年に向けて今計画をお持ちになっているというふうにお伺いいたしておりますが、水産庁の方でおやりになっていますこのフィッシャリーナ計画の中期的な計画と、それからどういう考え方に立って今その整備を進めておられるか、お聞きをしたいと思います。
○説明員(大島登君) フィッシャリーナについてお答えいたします。 漁港の中におきます漁船と遊漁船等とのトラブル防止ということと漁業活動の円滑化という目的で、遊漁船等が多数存在しておる漁港がございますが、こういう漁港につきまして利用調整事業、これをフィッシャリーナと申しておりますが、利用調整事業を実施しております。 六十二年から始めまして現在まで二十二港実施しておるところでございまして、まだほんの手をつけたばかりというところでございます。供用開始しておりますのはまだ三港ということで、これから順次調整が済んだところから実施していくということになっております。 この事業では、利用者それから漁業者等の意向、それから遊漁船等の将来の予測等を行いまして基本計画というのを立てて、それに基づいて実行していくということになってございます。
○直嶋正行君 もう一点お伺いしますが、今お伺いしたこの計画をつくり、かつ遂行する上で、運輸省さん等との調整というのはやっておられますか。
○説明員(大島登君) 私どもの事業が昭和六十二年からというまだ比較的新しい事業でございますので、それから箇所も少ないということで、従来、調整というのを運輸省さんとやったかとおっしゃられますと、それほどやっておりません。そこは事実でございます。ただ、これから遊漁船等の増加が見込まれますので、私どももこの事業をやる上で運輸省さんなり他省庁さんと十分連携をとりながらやっていきたい、このように考えております。
○直嶋正行君 ぜひそういう方向で水産庁にもお願いしたいと思うんですが、実は私のもとにも、やはり今のプレジャーボートの現状からしましてなかなか民間のマリーナ等の整備が追いつかないので、特に漁港でロケーションがよくかつ使えるようなところがあれば、ぜひ積極的にそういう事業を進めてほしいという声も幾つか届いておりますが、それも申し上げておきたいと思います。 それで、もう一点運輸省にお伺いしたいんですが、ちょっと今の水産庁の御答弁の中にもありましたように、これまでは運輸省とそれから水産庁あるいは建設省の河川局等も含めて、それぞれの政策目標、例えば建設省でいいますとやっぱりどうしても治水ということがまずきます。また水産庁の方も、今心強いお話がありましたが、どうしても漁村の振興とか円滑な漁業、こういうところがやっぱり政策目標になると思うんです。そうしますと、この三省庁の政策目標が違うために整備全体がトータル的に円滑に進んでいかない、あるいはちぐはぐになっていく、こういうことを一番心配します。さっき申し上げたように、相当頑張って運輸省の方もやっていただかないと、今のプレジャーボートのふえ方からすると十分な係留地を確保していくというのはなかなか大変なことだと思うんです。そういう意味でぜひお願い申し上げたいと思うんですが、この点何か特にコメントありましたらお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(坂井順行君) 先生御指摘の点、全くそのとおりでございまして、それぞれ、港湾管理者、漁港管理者、海岸管理者、それから河川管理者、管理の主体、目的が若干違うわけでございますが、共通的に言えることは、プレジャーボートを積極的にしろあるいは消極的にしろ、今受けざるを得ないような状況にあるということだけは事実でございますので、お互いに共通認識といいましょうかバックグラウンド、もちろん全部というわけにもいきませんかもしれませんが、部分的に認識を共通点を見つけまして、それぞれ話し合いをしながら連絡を密にしていきたいというようなことで、現に一部そういうことを今始めておりますので、積極的に進めていきたいと思っております。
○直嶋正行君 それでは続きまして、海の関係で港湾整備についてお伺いをさせていただきたいと思います。 我が国の港湾整備、とりわけ外貿ターミナルについては、例えば日本の輸出入の総量の約九割以上は海から貨物が入ってくる。これは近年相当増加していると思うんですけれども、それに引きかえまして、特にそういった意味での外貿ターミナルを中心にしまして、国際的な視点に立った港湾整備がかなりおくれているんではないかなというふうに私受けとめているんですが、現在の港湾整備の現状についてどのように評価をされているか、簡単で結構ですからお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(坂井順行君) 特に外貿ターミナルについての国際的な比較いかんということでございますが、通常は世界に冠たる港湾と言っておりますが、例えばコンテナの船型が非常に大型化いたしておりまして、例えば水深でいきますと従来は十メーターとか十二メーター、せいぜい三万トンぐらいが主体であったものが、現在水深が十四とか五というふうにシフト、三万トンとかあるいは五万トンにシフトしているのが状況でございます。 したがいまして、世界の港といいましても特に 一番、コンテナ貨物の世界の約四割ぐらいがこの東アジアで動いております。あるいは北米で約二割、ヨーロッパで二割というようなことで、特に東アジアで動いておるわけでございますが、十三メーター以上のコンテナの岸壁のうち大体むしろ四、五万トンが大半を占めておるわけでございます。 じゃ、日本はどうかということでございますが、またいわゆる超大型といいましょうか、というものが二割程度にすぎませんので、ややおくれておるということで、今私ども鋭意整備を進めておりまして、今度の五カ年あるいは次の五カ年ぐらいには大体東アジアのほかの港にほぼ追いつくのではないかなというふうに思っております。 それから、ターミナルの奥行きにつきましても、やはり大体標準的にいいますと四、五百メーターでございますが、日本の場合は横浜、神戸あたりを平均的にあれしますと三百メーターぐらいということで、非常に狭いような状況にございます。
○直嶋正行君 今お話しありましたように、かなりおくれていると。次期五カ年か次次期というようなお話もありましたが、私がなり状況は逼迫しているんじゃないかなと思うんです。現地に見に行けばよかったんですけれども行けなかったものですから、ちょっと資料なんかいただいたり写真いただいたりしたんですけれども。 例えば、横浜港の本牧で見ますと、本牧埠頭、これたくさんありますが、その中の一例を挙げますと、例えば年間の貨物取扱量、これはつくったときの港湾計画の時点での計画に対して今の実績を見ますと大体八〇%以上超えている。つまり、計画に対して現実に一八〇%ぐらいの貨物の扱い量になっているというようなお話を聞いています。 その中に、ちょっと要望もいただいていますが、どういう点が問題かというと、例えばターミナル関係で言うと、今お話にもありましたが、ヤードが狭い、バース長が短い、水深が足りない、冷凍コンテナ施設が不足をしている、周辺の交通関係で言うと、道路交通状況が悪い、ゲート待ちが生じている、こういうお話がありました。 今の奥行きの話にも関連するんですが、一部写真なんかも送ってもらいまして、ちょっと見にくいですけれども、(写真を示す)実はこれはコンテナのトレーラーなんです。トレーラーというのは普通はすぐ使えるように横に置いて保管をしておくんだと。ところが、それはスペースがないものですから縦に立てて保管をしている、そんな現状ですという写真もちょうだいしました。 また、去年ですか、これは全日本トラック協会が運輸大臣、大蔵大臣あてに「外貿コンテナターミナル及び内貿ユニットロードターミナルの整備を早急に図られたい」という要望書を出しておられます。この中には、ゲート待ち、乗船待ち等によるターミナル周辺での交通渋滞、運転者の労働時間の増加等をもたらし、安全性の面からも大きな社会問題になっていると、こんな指摘が入っております。 国際的な比較は、今お話しにあったように、ヨーロッパあるいはアジアの国と比べても、特にコンテナターミナルの奥行き等については日本は非常に劣っている、こういう現状ではないかと思うんです。そういう意味で言うと、今ちょっと次期計画というお話もありましたが、私はかなり早急に急がなきゃいかぬのじゃないかなと。 ちなみに、例えば公共事業の港湾整備の比率を見ますと、実はこの十五、六年、もっと前からですか、ほとんどトータルの公共事業に占める比率も変わっていない。四%強で推移している。そういう状況を見ると、私はやっぱり相当逼迫してきているし、運輸省の方にも相当努力をしていただかなきゃいかぬのじゃないかな、こんなふうに思っておるんですけれども、そういう面でこれまで特にこういった整備のための財源等含めてどんな努力をされてこられたのか。それから、こういった実情というのは余り知られていないと思うんです。ですから、私はそういう実情も含めてもっと国民の皆さんに知っていただけるような努力もする必要があるのではないかと思うんですが、こういった点について御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(坂井順行君) 先ほど、船型の大型化に十分対応できていないという点を御説明いたしまして、今の五カ年計画あるいは次の五カ年計画ぐらいには何とかと、こう申し上げましたのは、幸いなことに現在、割合深いところに今手をかけておりますので、それが完成した暁には何とかほかの東アジア等々のコンテナバースに比べまして深さだけは若干取り戻せるかな、こういう意味で申し上げたわけでございます。基本的には、やはり今先生おっしゃいましたように、財政当局にも十分その必要性については説明をいたしておるところでございますが、結果的には私どもの努力不足ということで、港湾のシェアが四・二%ぐらいでほぼ一定であるということかと思います。 特に、港湾はもちろん、外貿ターミナルのほかに、内貿のユニットロードターミナルあるいは豊かなウオーターフロントの整備等々いろいろ要請がございますものですから、今後とも関係者の御理解、御支援を得るためにまた最大限の努力を引き続きいたします。 特に、今先生の御指摘のように、そういう実情が十分説明されていないのではないか、PRが下手ではないかということに対しては深く反省をしておるわけでございますが、これまで以上に港湾の実情あるいは諸外国との比較、特に国際競争力の維持という観点からも、東アジアのマザーボートであった主要港がフィーダーポートになってしまっては大変なことでございますので、関係者に御理解を得るべく努力を引き続きしていきたいというふうに思っておる次第でございます。よろしくお願いします。
○直嶋正行君 この港湾の問題の最後に大臣の御見解を伺いたいと思うんですが、例えば先般来行われておりました日米構造協議、この中におきましても、例えば「空港、港湾等の輸入インフラの整備を通じ、輸入貨物の流通の迅速化、低廉化を図る。」、こういう確認がされております。また、今度政府が出されました総合経済対策の中でも、「外貿ターミナル等輸入関連インフラの整備を推進するとともに、輸入促進地域の整備を進める。要は、こういった輸入インフラのやはり整備状況がおくれていると。 私は、日本の場合には例えば食料品にしても随分輸入に依存しています。また、その他非常に幅広い分野の物資が輸入を通じて入ってきているわけですから、港で整備が悪いために例えば荷物が滞るとかあるいはそれによって流通が時間がかかるということになると、これは最終的には消費者にはね返ってくるんです。やっぱり物価高の一つの原因にもなると思うんです。 そういう意味で言いますと、今要請されています、こういった日本のいわゆる経済構造を変えるとか、あるいは当面の経済課題であります内需拡大を図っていくためにも、インフラ整備ですから、言ってすぐできるわけはありませんが、相当遅きに失しているというふうに思うんです。 前回の委員会でも、国際空港の整備がおくれているんではないかということで大分質問させていただきましたが、この国際空港と並びまして、国際的な港湾整備というのは私はやっぱりおくれていると思うんですが、ぜひこの点踏まえて今後対処していただきたいと思うのでありますが、御見解をお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(越智伊平君) 先生の御意見、全くそのとおりであります。日米構造協議、この中にもありますし、幾ら輸入促進といいましてもなかなか、民間なり外国なりは船も大きくなるし、スピード化されますし、こういう状態でありますのでございますから、これの積みおろし、外航埠頭貿易港、これはぜひとも早くやらないといけない、こう思うのであります。 それから、時代は非常に速く進みますから、先ほど来政府委員も言っておりますが、五カ年計画というのが果たしていいのかどうか。計画はいいんですが、五カ年計画立てましても、それを縮め て四年でやるとか三年でやるとかいうようなスピードでないと間に合わないのではないか。これはひとつ、港だけでなしに、この前も御質問もございましたが、飛行場の問題でも、隣の韓国や香港には随分規模の大きい飛行場をつくろう、こういうことで計画がされておるようであります。こうした問題、これも競争するわけではございませんけれども、やはり関西空港ができたからこれでもういいというものでは私はない、こういうふうに思っております。 それから、今いろいろ議論が出ようとしておりますが、整備新幹線の問題もあるいは在来線の問題も、総理が言っております「生活大国」、これが果たして今の通勤状態で生活大国であろうか、こういうふうに思う次第であります。 また、先ほど来お話しのございましたプレジャーボートの問題にいたしましても、いずれにしても既に皆さん、今速度がちょっと落ちておりますけれども随分できておる。それが保管するところがないからあちこちほかっておる。きょうは水産庁もおいでいただいておりますが、水産庁の漁港は実によくやられておる、私はこう思うのであります。そういたしますと、漁港をやられましたら、新しい付近やられましたら新しいところへみんな持っていくわけですから、旧のところはあいておるわけであります。東京付近や近畿付近は随分保管料も高いようでありますのでございますから、そのことが今の法律でできるのかどうかは別としまして、漁業組合もそれを保管する料金をいただいて保管すればある程度の低料金にもつながる。そういうことを漁業組合も望んでおるところがたくさんございます。そういうことをやってやっぱり全体的なことで進めていかなければいけない、こういうふうに思います。 今の御質問は貿易ターミナルのことでございますが、これも思い切って早くやりたい、そのためにはやはり財源の問題だと、率直にこういうふうに思う次第であります。今までのような財源ではなかなか進まないので、今後折衝いたしまして前進さすようにいたしたい、かように思います。先生もひとつ御協力をいただいて、よりよい貿易埠頭ターミナルができますように、またレジャーボートの保管場所もできますように御協力をいただきたい。できるだけ我が省といたしましても前進をいたしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○直嶋正行君 もうちょっと時間がありますので、最後にもう一点お尋ねをしておきたいと思います。 これは実は運輸省としての規制緩和の問題でございますが、先般、これは四月二十七日でしたか、私は新聞記事で拝見したんですが、大臣が記者会見で三年以内に今の運輸省の規制の二割削減をしたい、こういう表明をされました。 実は昨日でございますが、決算委員会がございまして、私、総務庁長官に緩和の方針等を確認しましたが、とりあえず全体としては一万件以下にしたいということで、具体的には各省庁に対してこの七月、八月、どういうことを削減していくかの中間報告を求めて、十一月に最終まとめをしていきたい、こういう御答弁がございました。 これともかかわるんでありますが、今後運輸省として、大臣の三年以内に二割削減という方針を受けて、具体的に規制緩和をどういうところに重点を置きながらどんなふうに進められようとしているのか、現時点での計画、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(越智伊平君) 政府の全部の許認可事項が約一万一千件であります。そして、我が運輸省が約二千件、千九百何ぼであります。これを二割削減いたすといたしましたら四百件でございます。これは大変なのでございますけれども、事務当局者と十分打ち合わせて、とにかく三年間で二〇%ぐらい、そしてこの許認可事項が運輸省が一番多いということを言われないようにひとつ思い切ってやろうではないかということを決定いたしております。そういうことに向かって今、各局でどういうものができるか検討をさせております。 各局に二〇%ということを言わないでやりますと、なかなか出てこない。ですから、どの局も二〇%と、こう言っておりますけれども、実際は、例えば気象庁のように今度の法案を通していただいて二十件でありますから、これをその二〇%ということにもなかなかならない、こう思います。そういたしますと、やはり多い局を多く削減をしていく、こういうふうなつもりでありますのでございますから、ただいま各局で検討をしてもらっておるというのが実情でございます。少なくても三年間で二〇%、約四百件でありますが、四百件やるといたしますと初年度に、今年度にその半分ぐらいやるぐらいの目標でやらないとなかなかできない、こういうふうに思いますので、そういう目標で今鋭意努力中でございます。でございますから、今どれを廃止するとかということはちょっと申し上げられないんですが、できるだけ早くやりたい、こういうふうに思います。 そこで、先ほども議論になりましたが、なるべく取り込む方のことはやりたくないんです。例えば、今のボートにいたしましても五トン未満という部分の方、取り込む方のことをやっておりますとまた件数が多くなりますので、なるべく現状維持で、さらに少なくしていく、こういうことで進みたいと。やむを得ぬものは、特に安全に関するものはこれはやむを得ないと思いますけれども、でき得る限り新しい許認可事項、これをやっていくことは避けたい。そして、現在の許認可事項をできるだけ廃止をしていきたい、こういう考え方であります。御回答、どの部分をやりますということを申し上げたいんですが、今その段階でございませんので御了承いただきたい、かように思う次第であります。
○直嶋正行君 ぜひ頑張っていただくように最後に申し上げまして、終わります。
○高崎裕子君 船舶の安全にかかわる検査のあり方は、極めて慎重かつ十分に議論を深めることが求められていると思うんです。これは旅客船であれ漁船であれ、一たび船舶の故障、事故が起これは直接人命に及ぶ問題だという点で重要だと思うわけです。この立場から、従来国が検査に当たってきたわけですし、基本は国が責任を持って行うべきものと私どもは考えるわけです。 今度の法改正によって、今まで国が検査を行っていた十二メートル以上、二十トン未満の船八千隻が小型船舶検査機構、JCIに移行することになるわけですが、このJCIの検査体制は万全なのでしょうか。そして検査員は何人いて、年間の一人当たりの検査隻数はどれくらいになっていますでしょうか。
○政府委員(戸田邦司君) 国から小型船舶検査機構に移る船舶の検査のための体制が十分かどうかという御質問でございますが、小型船舶検査機構が現在行っております対象船舶は約四十三万隻ということになります。先生御指摘のとおり、この法律を施行することになりますと、新たに小型船舶となる約八千隻のうち、当面は漁船を中心に五千隻を逐次受け入れるということになります。これらの船舶につきましては、定期検査六年、中間検査三年ということで、三年ごとに検査を行っていくというようなことでありますので、平均的に見ますとこの五千の三分の一ずつが各年度に入ってくるというようなことになります。 昨今の検査の増加状況を過去数年と比較しますと、不況のせいもありましてそれほどふえていないということもありますし、それから漁船の検査の時期どこれらのプレジャーボートなどの検査のピークの時期が若干ずれているというようなこともありますので、割合大きな人員増などをしなくても取り込むことは可能であると考えております。また、現実の問題としまして、これまでに十二メーター程度で総トン数二十トンを超えるものももう既に検査してきているという経験があるわけですが、そういったことも考え合わせますと、これらの国から小型船舶検査機構に移っていく船舶の安全検査につきましては、支障なく実施できるのではないかと思います。 それから、現在の小型船舶検査機構の検査員で ありますが、検査員百八十名おりまして、これを全国の各支部に配置しているということであります。そのほかに非常勤の検査員三十二名がおります。
○高崎裕子君 一人当たりの検査隻数ですけれども。
○政府委員(戸田邦司君) 一人当たりの検査隻数は約九百隻ということになっております。
○高崎裕子君 JCIの平成三年度の各月ごとの検査隻数はどうなっておりますか。
○政府委員(戸田邦司君) 平成三年度の月ごとの検査隻数ということでありますので、各月ごとに全部申し上げます。四月一万九千二十五隻、五月一万九千九百七十四隻、六月二万二百二隻、七月二万二千七百一隻、八月一万四千二百隻、九月一万五百八十九隻、十月一万二百三十六隻、十一月七千七百二隻、十二月六千四百七十九隻、一月五千五百十一隻、二月八千四百六十四隻、三月一万四千三百四十五隻、合計十五万九千四百二十八隻になります。
○高崎裕子君 今お伺いした数字で見ますと、三月から八月にかけてかなり検査隻数が偏って多いわけです。特に七月は最も多くて二万二千七百一隻で、一人当たりの検査隻数で見ますと百二十六隻を超える。一カ月当たりの平均が七十二隻になるわけですから、約倍近くの隻数になっているわけです。この体制で手抜きなく検査が実施されているのかどうか不安があるわけですけれども、どうでしょうか。簡潔にお答えください。
○政府委員(戸田邦司君) こういう繁忙期の検査につきましては、マリーナなどに協力を依頼しまして集中的に一カ所で検査を進める。その際には、検査の実施につきましてなるべく円滑に進められますように準備態勢を十分整えておいてもらうというようなことで進めておりまして、手抜きとか簡単に済ませる、そういったことは一切ありません。
○高崎裕子君 先ほど非常勤の職員が三十二人いるというお話でしたが、それを加えても七月は一人当たり百七隻ということになるわけなんです。しかも、そのうち八千隻の検査隻数がふえてくる。春から夏にかけては土、日返上で行っているのではないかとか、時間外労働が急増しているのではないかとか、手抜きのない検査と検査員の労働条件の確保がしっかり守られた上での万全な体制がとられることになるかどうかがやっぱり心配なんですけれども、その点いかがでしょうか。
○政府委員(戸田邦司君) 現在、おっしゃられました隻数でありますが、八千隻が入ってくるといいましても、先ほども申し上げましたように、漁船の五千隻がとりあえず移ってくるということになりまして、これを年間で考えますと千六百隻ぐらいになるわけです。それがこちらに移ってくることになりますが、全体の業務量の中で考えれば、それらの業務量の増加は現在に比べまして一、二%ということになり、しかも漁期その他によって、この小型船舶検査機構のこれまで対象としている主な船舶でありますプレジャーボートなどとはピークの時期がずれているというようなこともありますので、十分対応可能かと思っております。 しかし、場所によっては確かに、おっしゃられるとおり、今まで以上に忙しくなるとか対応できないような箇所が出てくるものと思っておりますので、全体として数名の増員が必要ではないかと思っております。それらにつきましては、これから検査を実施していく段階で注意深く見守りながら増員をしていくとか、あるいは一時的に間に合わない場合は本部から応援検査という形で人を派遣して検査に支障のないようにしていきたい。この応援検査につきましては、これまでも繁忙期にたびたび行ってまいってきておりますので、とりあえずの対応としてはそういうようなことも可能であるということを申し上げておきたいと思います。
○高崎裕子君 次に、船舶の安全基準についてお尋ねしたいと思うんですが、まず具体的事例でお聞きいたします。 平水区域の航行船舶で、長さ二十メートル、総トン数十九トン、最大搭載人員六十四人の船舶の場合の船舶救命設備規則はどうなっているでしょうか。また、小型船舶安全規則との違いはどうなっていますでしょうか。
○政府委員(戸田邦司君) 具体的な御質問でありますが、これまでの船舶の救命設備規則によりますと、救命胴衣につきましては一〇〇%、いかだ、浮器、浮環につきましては五〇%、それから浮環二個、自己点火灯一個、落下傘信号二個というようなことになっております。 これが現行の不安則、いわゆる十二メーター未満の現行の規則を適用しますと、救命胴衣は同じく一〇〇%でありますが、いかだ、浮器または浮環につきましてはゼロ、それから浮環は現行二個に対して一個、それから落下傘信号のかわりに信号紅炎が二個というようなことになります。 ただ、現在、総トン数二十トンまでに拡大することを前提にこの小型船に対する安全規則の見直しを行っておりまして、これらの相違点、これらをなくしていくといいますか、船舶救命設備規則と同等のものに引き上げていくということを考えております。
○高崎裕子君 今局長からもお話しございましたけれども、これは大臣にお尋ねしたいんですけれども、今御説明もございましたが、この船舶の場合、二十メートル、十九トンという例ですね、今度の法改正により小型船舶となるわけで、小型船舶安全規則の対象となるわけです。すると、救命設備だけ見ても、今御説明がありましたように大きな基準の違いがあるわけです。小型で言うと六十四人分の救命胴衣でよくなるのが、今までは六十四人分の救命胴衣と三十二人分の救命艇。それから救命浮環については、小型は今おっしゃったように一個、これは人が入れない三十センチ程度の小さいものだそうですが、今までで見ると人が入れる大きいものが二個。それから小型では信号紅炎、つまりこれ手に持つ発煙筒でよくなるわけですが、今までは落下傘つき信号ということになったり、汽笛やそれから拡声器の警報装置というものがこれまでは必要なんですけれども、小型になるとないというように、十二メートル以上二十トン未満の場合、今までの安全基準より低いレベルの小型船舶安全規則の対象となっていくことになるということで、本当に安全性が一番問題だということで繰り返し指摘もしているわけです。 これらの船舶については、局長も言われましたが、安全基準は絶対落とすべきではないというふうに考えますので、ここは大臣にその点重ねて決意というか、お答えいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(越智伊平君) 先ほど局長からお答えをいたしましたが、国際基準もありますし、基準をきちっと決めて安全に、間違いなくやるようにいたします。 それから検査のことでありますけれども、これはどうしても夏は多い。夏は多いといいますのは、漁業の場合は漁法で四月とか五月とか六月とか七月から出漁するという許可の問題もありますし、それからプレジャーボートの方も夏であります。しかし、安全の面はきちっとしてもらわないといけないのでありますけれども、平水区域、私は瀬戸内海の沿線でございますけれども、今、海も海上タクシーというのが、二十人乗り、三十人乗り、五十人乗りというのがたくさんございます。しかし、それは同じ造船所でやりますとタイプが決まっておりまして、私素人でございますが、今言ったようなエンジンであるとかその他の安全施設でありますとか、そういうものの基準が決まっておりまして、きちっと型が決まっておりますから、検査もその造船所へ行ってやれば一度に二隻、三隻、五隻というようなものを同時にやれますし、私は安全についても問題はない、こういうふうに思っております。 いずれにしても安全が第一でありますから、この面はきちっといたしまして、御心配のないようにいたします。
○高崎裕子君 安全基準の見直しをやっておられるという先ほどのお話でしたし、基準が下がると いうことがないようにきちっとお約束いただけたということで、これはもうぜひお願いをいたします。 次に、もう一点ですけれども、新造船の検査について、国の検査の場合、小さい船舶でも十数回臨検に行っているわけです。同時に、製造前から、つまり計画段階から図面審査し相談に乗っているというふうに伺っているわけですけれども、JCIでは三十メートル未満であってもこうした対応と同様の措置をとっておられるのでしょうか。
○政府委員(戸田邦司君) 新造船の検査の臨検回数の問題でありますが、ただいまお話しありました長さ三十メーター未満の船舶につきましては、国の場合でも一般的に完成時に見れば十分というようなことで製造中の検査は行っていないわけであります。これについてはJCIにつきましても同様でありまして、製造中検査というのは現在行っておりません。特にプレジャーボートの場合などを考えますと、同じ構造、同じ船型で多数の船舶が建造されるケースが非常に多いというようなこともありまして、完成時の検査で設計についてもきちっと見れるというようなことでありますので、その点、安全という面からの確認については問題ないものと思っております。 臨検回数が多いか少ないかというような問題につきましては、JCIの検査については第一回の定期検査で二回ないし三回、二回ぐらいというようなことになっております。先ほど、国の検査では平均で十数回というようなことがありましたが、これらは例えば二十八万トンのVLCCを含めてすべての船舶の平均ということでありまして、これは製造中からブロックの検査とかあるいは溶接全体の検査とか、そういったことも含めて詳細な検査を行うためにそれだけの臨検回数が必要だというようなことでありますので、これらの数値の違いによって直ちに安全の検査に手落ちがあるというようなことにはなっておりません。
○高崎裕子君 要するに、JCIでは型でつくる、メーカーでつくる船が圧倒的だということですが、これメーカーがつくる前から図面で審査し現場にも行っている、そしてオーナーとの関係では一回くらい行っているというふうに聞いていますし、型式以外の場合も同様に現場には数回、六、七回ぐらい行っているということで、これは間違いありませんね。
○政府委員(戸田邦司君) 制度的には先ほども申し上げましたように、三十メーター未満の船舶については製造中の検査を必要としないということにしておりますが、実際に第一回の定期検査のときに安全のための確認を十分にするという意味から、同じ型で製造される同形式の船舶については事前に設計についての相談にも乗り、またできるだけ現場でも見ておくというようなことで万全を期しているということであります。
○高崎裕子君 完全にでき上がっての第一回の定期検査は、例えば鋼船だと中が見えない、溶接などの部分が正確に行われているかどうかわからないわけです。ですから、運輸省でこれまで行われてきたことが、法律上必要ないということだけで検査を後退させてはならないというふうに思いますが、この点は安全性という点できちっとしていただけるということを確認したいと思うんですが、いかがですか。結論だけで結構です。
○政府委員(戸田邦司君) 完成時の検査で十分に安全性が確認できると考えております。
○高崎裕子君 済みません。ちょっともう一回お願いします。
○政府委員(戸田邦司君) JCIが検査の対象としている船舶につきましては、完成時に検査するということで安全確認が十分にできると考えております。
○高崎裕子君 それでも実際には、今言ったように法律上ではなくてもやっておられるという、こういうことを法律上必要ないというだけでしないということではやっぱり心配ですから、そういうことではなく安全性には万全を期してほしいということをお願いをしておきます。 船舶の総トン数を決める測度検査がありますが、二十トン以上は国の専門官、測度官が行い、二十トン以下というのは都道府県に委任をしています。 先ほども出されましたけれども、つい最近、二十トン以上ある船舶をそれ以下として登録しようとして便宜を図ってもらったという事件があったわけですけれども、なぜ現金を渡してまで二十トン以下にしてほしいのか。これは二十トン未満は二十トン以上の船舶と違って検査とか登録が比較的簡易だと、それから登記も義務づけられておらず転売がしやすいなどのメリットがあるということで、今度の改正ではまさに問題になっている二十トンが境界となるということで、検査は本来私たちは国がやるべきだというふうに考えるわけですけれども、この二十トンを歯どめにして、これ以上は国の検査を移管するということがないようにしていただきたいと思うんですけれども、その点はきちっとお約束していただけますね。
○政府委員(戸田邦司君) 小型船舶検査機構の能力それから組織、そういったことからかんがみまして、小型船舶検査機構の対象範囲をこれ以上拡大するということは考えておりません。
○高崎裕子君 この二十トンが境界となるということで、測度官の役割というのはますます重大になってくると思うんですけれども、国と都道府県の測度の実績というのはどういうふうになっていますでしょうか。
○政府委員(戸田邦司君) 都道府県が行っている測度の実績でありますが、平成三年十二月現在の船籍票で見てみますと、測度の実績としましては、船籍票の交付に伴う測度が千五百五十五件、船籍票の書きかえに伴う測度が四十一二件、それから小型漁船の測度が千二百六十三件というようなことになっております。全体の在籍船舶ですが、平成三年十二月現在の在籍船舶で、都道府県の方につきましては一万三千三百七十二隻、それから国の方の登録船舶の在籍は一万六千八百四十七隻。それで、国の方の測度の実績ですが、新規あるいは全部の改測を行うのが六百八十四隻、一部改測三百九十二隻、合計で千七十六隻ということになっております。
○高崎裕子君 地方の実績は、国が千七十六隻に対し、新規が千百三十三、改測百三十の千三百七十五隻というのではないんでしょうか。
○政府委員(戸田邦司君) 都道府県が行いました平成三年の測度実績は約二千八百隻ということになります。
○高崎裕子君 国は測度官という専門官が実施しており、約三倍近くが都道府県ということになるわけです。東京の例もあり、技術的な講習など具体的にどう指導監督されているのか、この点お尋ねをいたします。
○政府委員(戸田邦司君) 都道府県に機関委任事務を行っております小型船舶の測度及び船籍票の交付事務でございますが、これらにつきましては、運輸省としましては従来からブロックごとに都道府県担当者会議を開催して関係法令の周知徹底を図り、さらに実践において測度の方法などを指導して、また必要に応じて都道府県に直接出向いて指導をするなど、さまざまな機会をとらえましてこれらの事務が適正に実施されるよう都道府県を指導してきてまいっております。最近は実測の例を示すビデオなども各都道府県に渡しておりますが、今後ともこのような努力を続けてまいって、問題が起こらないように十分指導監督していくことにしたいと思っております。
○高崎裕子君 それでは次に、海上保安庁にお尋ねいたします。 海難救助は海上保安庁が任務に当たることになっているわけですけれども、日本水難救済会の救難所員も救助に当たり大変な活躍をしておられるわけです。ところが、この救難所員の人たちというのは身分保障がないままボランティア活動となっているわけです。ことし初めですけれども、苫小牧沖で外国船が座礁して大量のオイルが流れて、そして大変な社会問題になったとき、私も現地に実際に行って現場も見、お話も伺ってきたんですけれども、苫小牧の海上保安署の要請を受け て、快くそれに応じてこの水難救済会の方が出動すると、海が荒れた中でも本当に必死になって活動されているということで、私はお話を聞いて本当に頭が下がる思いがしたんです。 大臣、これボランティアでやっているんです。それで、命がけの海難救助活動がこうした奉仕という形でとどまっているということは私は大変問題だというふうに思い、何とかこの身分保障を確立していただきたいというふうに思うわけです。 平成三年九月に小笠原前議員も国会で質問をいたしまして、当時の村岡大臣が検討を約束されました。その後の検討状況について詳しく御報告をしていただきたいということが一点と、身分保障とあわせて、救難所員の出動手当などの待遇改善についてもぜひ強化していただきたいと思うんです。 問題は財政的裏づけなんですけれども、すべて寄附に頼って、国としての予算を確立する必要があるので、来年度の予算案作成に当たってはぜひこれは検討していただきたいというふうに思うんですけれども、この二点について海上保安庁にお尋ねいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(後出豊君) ただいま御指摘のとおり、海難救助につきましては、海上保安庁のほかに、各地の水難救済会の所員の方に大変御尽力いただきまして、私ども大変感謝しているところでございます。 ところで、その方たちの活動がおっしゃるようにボランティアであるということでございますが、それは御指摘のとおりでございます。かねてよりこの点についての御指摘を受け、その場合に陸上の消防との比較において御指摘を受けているわけです。 そこで、陸上の消防につきましては申すまでもなく、非常勤地方公務員としての位置づけを与えられているということでは水難救済会の所員とは違っております。ただ、反面、それに伴いまして出動義務、条例でやっているようでございますが、消火についてのいわば法的な義務が発生するという形になっているわけです。ところが、海難救助についてはこれは歴史的な沿革をもって、海上保安庁のほかはこういうボランティアでやっているということで、非常に歴史の古い制度でございます。 これはどうしてそういうことになっているかということでございますが、結局は海難救助と陸上の火災との違いということに根差していると私ども考えております。陸上の火災というのは放置しておけば類焼ということになり、その辺の人たち全体の災難に結びつくわけです。海難ということについては必ずしもそうではないということで、いわば出動義務ということについての合意というか、そういう法的制度をつくるということについてなじみやすかったのではなかろうか、こういうふうに私ども理解しております。 では、私どもはそれを陸上のようにすべきかどうかという点等につきましては、その辺のことも十分考えないと理解が得られないというふうに、この辺は慎重に検討しているという状況にございます。 とはいいながらも、出動手当その他のいわば実質的な保障については充実していかなければならない、これはそういうふうに考えておりまして、例えば本年度、平成五年におきましても出動手当を、若干でございますが、四千五百円から四千七百円にアップするというようなことにしているところでございます。 それから第二番目の、国の予算ということでございます。これも国の予算としては大変わずかな額ではございますが、海難救助用の施設の整備などにつきまして予算措置を講じておるところでございます。これにつきましても私ども充実していきたいというふうには考えておるところでございます。
○高崎裕子君 済みません、時間なんですけれども、ちょっと身分保障で肝心なところがお答えいただけなかったので。 身分保障については、昨年外国に調査に行かれて、ことしは各支部長から声をお聞きするというふうに考えているというふうに伺っていますが、そのとおりですね。
○政府委員(後出豊君) 私ども海上保安庁としての考え方は先ほど申し上げたとおりでございますが、片や水難救済会内部におきましても独自の検討を進めております。先生御指摘の外国の調査ということにつきましては、その水難救済会内部におきまして昨年は英国、オランダにおきまして民間の救助機関の調査をいたしたというふうに聞いております。また、御指摘のとおり、各地の救難所員を集めて意見を聴取するという計画は持っているというふうに聞いております。
○高崎裕子君 計画はどこが持っているんですか。
○政府委員(後出豊君) 水難救済会でそういう計画を持っているということでございます。
○高崎裕子君 終わります。
○井上哲夫君 きょうは船舶安全法の法案の審議でございますが、冒頭運輸大臣に、先般答申がありましたタクシー。事業のあり方についての運政審の答申についてお尋ねをします。 これまで私、いろいろこのタクシーの業界の規制をめぐって、運政審の答申があるということもあり、二回ほど質問をさせていただきました。十一日に答申が出たということで、新聞には大臣の談話も出ておりますが、二回にわたって質問をした以上、これはきょうは船舶安全法だとはいえ、大臣にお尋ねをしておくべきだと思って質問をするものです。 先ほど直嶋委員が大臣に、運輸省の規制緩和、一万一千件ぐらいある許認可のうち運輸省管内二千件、それを三年間で二割削減を一つの目標に頑張りますと、大変私どもにとっては心強い所信の表明があったわけでございますが、今回の十一日に出されました運輸政策審議会の「今後のタクシー事業のあり方について」の諮問を受けての答申、この答申内容について改めて大臣の所感をお尋ねをするものであります。
○国務大臣(越智伊平君) 今までもいろいろ私答弁で考え方を申し上げておりますが、まず同一地域同一運賃ということが、適正なものであればそれが望ましい。しかしながら、それでは必ず皆さんこの運賃に合わしてくださいというようなことは、公取の関係もございますし言えない。でございますから、どうしても我が社は安くできるんだ、こういうことであればそれでよろしいんじゃないか、こういうことを以前から申し上げておったわけであります。 今回の答申、審議会でいろいろ御検討をいただいたわけでありますが、もうそのとおりできるだけそれを実施に移したい、こういうふうに思っております。ただ、逆に値下げの申請があった場合どうするかということでありますが、これも理論的にはそれが適正な運賃であれば認めざるを得ない、こういうふうに思います。しかしながら、それは過重労働になったり、最近時間短縮の問題もございますし休日増加の問題もございますから、一番大きいウエートはやはり労務費、運転手の給料だと、こういうふうに思う次第でありますのでございますから、安く雇用して時間で稼がすというようなことにならないように、やはり適当な労務管理、これをやってもらわないといけない、こういうふうに思いますので、二重になりましても三重になりましてもそのことの理論上は認可をしていきたい。しかし、やはり何といっても労務管理の問題、長時間労働とかあるいはスピード、これもやはり守ってもらってきちっとした、快適にお客さんを運ぶ、こういうことに特に指導をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○井上哲夫君 何も許認可の規制が緩和されればいいという問題でないことは私もわかっております。ただ、タクシーの運賃をめぐる問題というのは、京都のMKタクシーだけでなくて、この間の大阪の三菱タクシー、司法の側面から運輸行政のあり方について批判を受けた末のことである。私は、今大臣がおっしゃいましたが、安ければいい と、それは消費者も思っていないと思います。ああいう箱の中に入って移動するわけですから、単に安ければいいということではない。しかし一方では、タクシーの企業に勤める従業員の方は非常に労働時間が長くて、もらう給料もかなり一般のレベルから低い、こういう現状があるとき、やたらに運賃が自由化されたり野放しになることは非常に不安がある。 したがって、労働組合の方でも必ずしも今回の答申を歓迎しないというふうには聞いておりますけれども、現実には今の時代の反映で、それでもなお、ある程度規制を穏やかにし、かつ運輸行政の運用が今回の答申の趣旨を換骨奪胎といいますか、そういうふうにしないように願うという気持ちが私は強いわけです。 じゃ、タクシーの業界で働いている人たちの労働環境がますます悪くなるのじゃないか。いや、それは逆に国の施策としてその面を事細かくといいますか、いろいろな支援を図るべきである。タクシーの運転手の方にいろいろ聞くと、非常に拘束時間が長い一方では、年がら年じゅう走っておるわけにいかないわけで、休憩所とかあるいはリフレッシュのそういう福利厚生の施設という点で言いますと、中小企業が多いために非常に不十分というか状態が悪い。そういうのをどういうふうにこれからよくしていくかという問題はあるわけですけれども、一点だけ大臣に今のお答えを聞きまして、もう一回お尋ねをしたいと思います。 それは、この前ちょっと思いつきで御質問しますと私申し上げたんですが、今回の答申を受けて例えばサービスの向上についてかなり枠が広げられるかどうか。言ってみると、回数券は発行できるのかとか、お迎え料その他のそういう運賃に附属するところでのサービス合戦をどういうふうに促進できるか。バス等ではプリペイドカードですか、かなり大幅に値引きをする、もちろん前渡金ですが、そういうカードを発行して、定期で通うよりもプリペイドカードで毎日通勤してみえる方も多い、そういうところもあるわけです。かなり大幅な値引をしますと、もうバスの場合のいわゆる俗に言う定期で、土曜、日曜使わないのにもったいないと。こういうふうなことを考えますと、そういう直接本体の運賃でないところのサービスの競争面をどのようにお考えになってみえるか、その点だけお尋ねをしたい。 私的なことでございますが、私は運転免許を持たずに五十歳を超えて今日まで来ております。ずっとタクシーを若いときから実は利用しておる。そういうふうなことからいいますと、タクシーについては思い入れが一段と濃い。そういうことで、くどいようでございますが、またお尋ねをいたします。
○国務大臣(越智伊平君) 御承知のように、タクシーといいますのは、運転手さんの給料が八割であります。しかも、実際にやっておりますのは歩合制が非常に多い。でございますからなかなか、そうは言っても、大きい会社でやっていて合理化すれば別といたしまして、やっぱり私は中小は同じでないとうまくいかないんではなかろうか、こういうふうに思います。そういうことから考えますと、タクシー券というようなのはやっぱり持続されるものではなかろうか。 別に必ず、私の方も発表した以上、これは絶対に同一地域同一運賃とは言えませんけれども、大きい、何百台と持っておるような会社は別としまして、十台や十五台持っておるところはそういうことになるのではなかろうか。 必ずしも、中には変わり者もおりますからね、その方は、今申し上げましたように、タクシー券を組合で発行するというようなところには恐らく加入してないんではなかろうか。こういうふうに思いますし、一定のこのタクシー券でございましたら、やっぱり料金が別になりますとちょっとやりにくいんではなかろうか、こういうふうに思います。 よりよい努力をしていただいて、先ほども申し上げましたように、運転手の待遇問題も考慮し、サービスの問題も考慮して事務的な査定をいたしますけれども、適正な査定をして申請があった場合は認可をしていく、こういうことになるんではなかろうかと思います。 そして、歩合制でございますから、同じ距離を走って非常に安い、お客さんのためには安くてサービスがよければいいわけですけれども、今度は運転手の場合、同じ時間で同じ距離を走って一方は非常に少ないということになりますと、今運転手不足と言っておりますが、果たしてそういうことがうまくいくのかどうか、そういう問題もございます。 いろいろな問題ございますけれども、ただ、どうしても同一地域同一運賃で、この壁は一歩も破れませんというようなものでもないので、このことを実施していこう、こういうふうに思っておる次第であります。
○井上哲夫君 細かい問題をお尋ねしまして、本当に済みませんでした。ありがとうございました。 船舶安全法の方の質問もさせていただきます。 時間が余りないので、予定しておった中の一つの問題ですが、実はプレジャーボートの廃船、後、使わなくなった船をどういうふうに処理をするかの問題についてお尋ねをしたいと思います。 こういうヨット、モーターボートというのは、最近は軽量化でプラスチック製が非常にふえてきた。これは非常に大衆レジャーにとってもありがたいことなんですが、一方ではこのプラスチックの船というのは、遺棄されたといいますか、もう使わなくなったときにどういうふうに処理をするか。木造船ならば、これは燃やせばある程度処理ができるわけでありますが、焼却処分がなかなか難しい。しかも、こういうものの後始末というのが、えてして、さんざん使った人は最後には知らぬ顔をして、港を管理しているあるいは港で実際に生活をしている人たちが、後になって小言を言いながら何らかの形で処理を押しつけられる、こういう事態がしばしばあると思うんです。 それで、最近こういうプラスチック製のプレジャーボートの最終処分についても、運輸省の方でいろいろと知恵を出していただいておるやに聞いておりますけれども、この廃船処理について今のところどういう現状にあって、それについてどのように今後の問題を考えてみえるか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(戸田邦司君) ガラス繊維で強化されたプラスチック、FRPと呼んでおりますが、FRP製のプレジャーボートの処理でありますが、 〔委員長退席、理事櫻井規順君着席〕 これまでの処理方法というのは、砕いて埋め立てるとか焼却する、そういったことでやっておりました。現在、現実に出てきておりますのは、かなり大きな漁船の処理がありますが、こういったものについては水産庁でも検討を進めております。運輸省としましても、このガラス強化プラスチックのプレジャーボートの廃船、これは製造を所管しているというような立場もありますので、将来プレジャーボートの廃船が多数出てくるというようなことを想定いたしまして、まず第一に技術開発に取り組んできております。 運輸省所管の団体であります日本海洋レジャー安全・振興協会、ここで平成四年度から移動式のFRP廃船処理装置の開発を進めてきておりまして、平成五年度には装置を完成させまして、横浜市などにおいて試験的に運転を行ってみる、平成六年度には経済性などの評価のため、さらにその他数カ所で必要な試験を行うことを予定しております。最終的な形はどういったものになるかといいますと、プラスチックの部分が焼却されまして、中に含まれておりますがラス繊維がガラスの塊として残って出てくるというようなことになります。 それで、この廃船処理の仕組みといいますか、どういうような組織であるいはどういうような費用負担でというような点については、これからの課題として検討していかなければならないと思っております。とりあえずは技術的に処理可能にしておきたい、こう思って現在そういった対応をしているところであります。
○井上哲夫君 業界という言葉はおかしいんですが、実際にレジャーでない船の場合には、後処理も登録その他で追及もできるし、あるいは助成等による、買いかえじゃないですけれども、いろんな形で処理ができる。しかし、プレジャーボートの場合には、ほとんど個人がばらばらに持っていて、勝手に所狭しと移動もしますし、そうした場合に、今局長のおっしゃった新しい最終処理の開発ですね、これは鋭意努力をしてもらうことを待つよりしょうがないわけですが、今後のいわゆる展望として、どういう形でそういう終末処理ができるような形のものをつくり、そこへ乗せていくか。実際には、恐らくきょう最後に採決されます附帯決議にも載っておろうかと思うんですが、所有者がちゃんと終末処理まできちっと手当てをしてくれる人ばかりですと問題はないわけですが、放置というか、ほったらかし、そのままとんずら、こういうふうなことが船が小さくなればなるほど出てくる。それに対して、海におけるそれはまさに困ったごみになるわけでして、その辺のことを今後どういう形でやっていくのか。これは運輸省がすべてやりますんじゃなくて、民間のあるいは官民一体のそういう第三者的なところがやるのが確かに望ましいとは思いますが、そういう点でどういうふうな見取り図を考えられるか、もしお教え願えればと思います。改めてお尋ねをします。いかがでしょうか。
○政府委員(戸田邦司君) 原則的にはこれは持ち主が責任を持って処理するというようなことだろうと思いますが、往々にして放置されているものがあるというようなことであります。所有者の特定ということにつきましては、小型船舶検査機構の検査対象になっている船舶であれば、今後はその検査の際のデータなどについて、そういった放置艇の特定をするというような場合には、その所有者を特定できるようにしていきたいと思っております。先生御指摘のように、意図的に放置されるとこれはなかなか特定しにくいというようなこともあります。 そういったことで、現在のところは幸いにもプレジャーボートとして廃棄されているものはそれほど多くないというようなことでありますが、将来かなり出てくるということを考えますと、新しい仕組みとして、例えば製造時にメーカーから一定の積み立てをしてもらって、そういったものを運用しながら処理していくとかいうような一つの仕組みを考えなければならないと思っております。その辺につきましては、まだ具体的にどうするかというようなことについて、製造者あるいは利用者、そういった人々のコンセンサスを得るというようなことにはなっておりませんので、これからそういった点に手をつけて将来のために一つの仕組みをつくっていかなければならない、そういうふうに考えております。
○井上哲夫君 いつも時間を超過しますので、あとは、予定しておった質問ちょっと長くなりますので、これで質問を終わります。 ありがとうございました。 〔理事櫻井規順君退席、委員長着席〕
○下村泰君 本日のこの法案に対して、私は反対はいたしません。戸田局長の顔を見ているだけで、これ反対したらえらいことになりそうですので、何か不動明王を見ているみたいで、これは賛成でございます。 実は、大臣、聞いていただきたいんですが、おととしなんですが、平成三年、九一年四月のことなんですが、船舶安全法改正案について私がたった一人反対したんです。衆参両院ともにこれは全会一致で上がってきた。私はそのとき運輸委員じゃございませんでした。本会議場でだった一人だけ反対したんです。私の後ろが自民党さんのお席で、何だ何だなんて言っていましたけれども、それはそうでしょう、一人だけ反対ですから、見えませんからね。 何で反対したか。これは反対する理由があったわけなんです。と申しますのは、免許の取得に当たって、聴覚障害者への検査基準に強い不満があったんです。それに対して、抗議と問題点提起の意味で私は反対したんです。 これからその方のことを御説明しますが、大臣よく聞いていていただきたいと思うんですが、一人の聴覚障害者が財団法人日本船舶職員養成協会が開いた国家試験免除講習を受けまして、学科、実技とも試験をパスしたわけです。これは八八年、六十三年です、まだ平成になっていません。そして、八九年の二月六日に四級の小型船舶操縦士免許の交付を受けることになったんです。これはうれしいでしょう、御本人にとっては。聴覚障害でいろいろ制限のある中でこの免許が取れたということは本当に喜んだと思いますよ。ところが、一九八九年一月十九日に日本船舶職員養成協会神戸支部から説明したいことがあるからというわけで、連絡を受けて行ったんです。そうしますと、 講習申込みの時に添付した、予備身体検査証明書の医師所見が、大阪の財団法人日本モーターボート協会近畿事務所でひっかかっている。二十二日午前九時三〇分に、同事務所へ行ってもらいたい。免許を交付するかどうかは、そこの判断に まかせることになる。こういうふうに言われたわけです。ところが、この方は事前に難聴であるということをきちんとお伝えして受講をしているわけなんです。ですから、交付されるのを喜んだわけなんですね。ところが、行ったらこういうことになった。 そこで、一月二十三日、財団法人日本モーターボート協会近畿事務所へ行きました。そうしたら、こういうことになったんですね。試験員が二人いたそうです。一人の若い試験員に面会しますと、身体検査を改めてやることになり、廊下のいすに座らされた、いすに座った。そうしますと若い試験員が、「いまから何か言葉を話しますから、わかったら手を挙げて何を言ったか答えてください」と言った。御本人は、「はい」と答えました。そうしますとその試験員が、「では、補聴器を外して目をつむり、下を向いてください」と。いすに座って補聴器を外して目をつむって下を向けと言うんですね。驚いたんですよ、本人は。「えっ、補聴器を外して下を向かないとダメなのですか。しかも、目をつむるなんて……」と聞くと、「あくまでも検査としてやりますから」との返事なんです。その方は仕方なく、言われたとおり、補聴器を外して目をつむって下を向いた。そうすると、試験員は一メートルほど離れた横側から「トウキョウ」、「カナガワ」などと都道府県名を言ったそうです。この方は、何か言っている気配は感じたものの、言葉として判別できません。そこで三回目に試験員が声を出したとき、「すこし耳にはいってきていますけど、何を言ったのか聞き取るところまでは判別できません」と申し出たわけです。それで、この方にしてみれば、「なぜ、相手の話を理解するのに、補聴器を外して目をつむり、下を向かなければならないのですか。私たちには読話という方法があり、相手の口の動きを見ることによって、何を言っているか理解しやすいのです」と反論をしたんですが、試験員は「国の規定でこうなっていますから仕方がありません」と。これでついにこの方は免許証が取れなかったんです。 この検査基準が聴覚障害者への偏見と思い込みによるというふうに私は感ずるんです。そういったことに対する私は抗議の意味で反対をしたんです。 ですから、大臣、障害があるということだけで、健常者、我々何でもない人間にとっては、あの人はこういう状態だからこういうことをしちゃ危ないとか、こういうことがあるから危ないとか、勝手に机上の思い込みだけで決めているわけです。実際に科学的データも何もないわけなんです。危険かどうかは、そういう科学的とか客観的裏づけがあって初めてそういう方に対する対応を考えるべきだと思うんです。でなければ、悔しいですよ、この方は。もう免許証がもらえるって目の前に見えていて、改めて行ったら、補聴器は外されるわ、下を向けたとか、見ていればわかるんです、それを外された。じゃ、何のために補聴器というのはあるんですか。何にもならぬでしょう。 行政側はこういうことなんですが、大臣、今のお話を聞いて私が反対する理由がよくおわかりだろうと思いますけれども、この船舶免許のあり方についてどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(越智伊平君) 今のお話でございますが、まことにその方にはお気の毒だ、かように思います。まず、どうしてもいけないのならば、それまで試験をしてやるということがちょっとどうか。そういうことであれば事前に、あなたは試験を受けてもだめですならだめですとはっきり言ってあげる必要がある、かように思います。 それから、補聴器でどうかということでありますけれども、この点についてはやはり医師とかそういう方々のひとつ、補聴器で十分聞こえるのだというようなこと。先ほど、目の問題もお話がございましたが、できる限りそういう方にも、特にレジャーの問題で免許を取る、あるいは職業の、漁業の問題で免許を取るという人にはできるだけ差し上げたいと私は思います。 しかしながら、自分の安全と、自己の安全とその他の人の安全と、こういうことも考えなければならないので、その点はやはりそういう担当者と医師と十分話し合って、これならまずまず安全には、本人の安全にもあるいは第三者の安全にも間違いがないんだということの確認を、確認といいますか、そういうことをしてできるだけ救済していくように努力をいたしたい、こういうふうに思います。運輸行政、特に船の問題は何といっても安全第一でありますので、そのために事故があったということでは大変でございますから、できるだけ救済をするような方向を検討してみたい、こういうふうに思います。
○下村泰君 ありがとうございます。 私が初めてこの問題を提起したのが八九年の夏なんですけれども、関係者は八〇年ごろから要望を行ってきました。九〇年十二月に元運輸大臣の原田さんの御尽力で九一年の検討委員会の設置となりまして、ことし四月一日省令が改正され官報に示されたわけなんですが、大変長い時間がかかったわけです。 さて、この四月一日以前と今のやり方について御説明ください。
○政府委員(長尾正和君) ただいまお話しの小型船舶職員の資格に係る身体検査の基準でございますが、聴力に関する身体検査につきましては、四月一日以前、これまでは原則として「五メートル以上の距離で話声語を弁別できること」とされておりまして、「ただし、四級小型船舶操縦士の資格については、一メートル以上の距離で話声語を弁別でき、かつ、補聴器を使用して五メートル以上の距離で話声語を弁別できること」で足りておったわけでございます。 今般、四月一日からの改正でございますが、具体的には、ただいま申し上げました四級の小型船舶操縦士に限って認めておりました補聴器の着用につきまして、すべての小型船舶、一級から四級までございますが、すべての小型船舶操縦士の資格についても認めることといたしました。それと同時に、聴力の基準につきまして、汽笛音の弁別能力を有することで足りることといたして施行したものでございます。 これにつきましては、医師あるいは学識経験者などを含む関係者でその見直しについて検討した結果を踏まえたものでございまして、補聴器の信頼性の向上を踏まえまして、また航行の安全を確保する観点にも十分配慮しながら、小型船舶操縦士として船舶の運航の安全の確保のために必要な聴力のレベルというのを見直して、それによりまして聴力に関する身体検査基準について所要の改正を行ったものでございます。
○下村泰君 物すごい前進ですわな。本当にこちらがもろ手を挙げて万歳と言いたいぐらい本当にありがたい。大きな前進だと思います。 ちょっと伺いますが、じゃ例えば、聾唖者が四級の小型船舶の運転免許を持ってボートを運転します。この方の起こす事故と、それから実際に今度は陸上で車のハンドルを握っている聾唖者、難聴者、この方の起こす事故というのを比べて比較したというようなことはございますか。
○政府委員(長尾正和君) 医師それから学識経験者を含む関係者で検討会議を設け検討いたしましたけれども、そういった比較についてはしておりません。ただ、いろんな方々に参加をいただきました調査は行っております。
○下村泰君 いいんですよ、別にこれは、正確な答えが出なくても。 実は、普通ですと、海上よりも陸上の方のいわゆる普通の自動車を運転している人の方が事故が多いように感じますわな、大臣、ちょっと思ったところ、数が多いんですから。ところが、実際には難聴者といえども事故は少ないんですよ、実は。それちゃんとデータが出ておるんです。 これは東京医科歯科大学の宮崎信次先生とおっしゃる方がお話しになっているんですけれども、 一九七三年には、それまで認めていなかった補聴器使用による運転を(これも科学的裏付けなしに突然だが)認めている。だから、その気になれば、以後約十五年間の補聴器使用ドライバーと一般ドライバーの事故率・違反率に差があるかどうかを統計的に調べられたはずだが、それも試み られていない。これは日本の場合です。 この点、米国などでは一九六三年以来、聴覚障害を持つドライバーと一般ドライバーについて大規模な統計調査が行われ、両者の事故率・違反率には統計上意味のある差が認められない、という報告がいくつか出ている。また実験的な研究の結果、「聴覚障害と運転の安全性にははっきりした 関連がない」とした別の報告もある。 ここに、警察庁の交通局運転免許課で「聴力が運転に及ぼす影響に関する調査研究について」というのが出ているんです。これをちょっとお読みしますと、 本調査研究では、聴覚障害と自動車等の運転との関係について、現に免許を保有する聴覚障害者の運転の現状調査と車両を含めた車内騒音特性及び実車を用いた走行実験から、聴覚障害者と健聴者の違いを調べ、聴力が運転に及ぼす影響についてまとめ、今後の運転免許行政に資することを 目的とする。この結果が、これ全部読んでいると長くなりますから、最終的には出ておるんですけれども、 注視行動に健聴者と聴覚障害者とに大きな差異が認められず、本実験では視覚による聴覚の代 替・補完が行われているとは受け取れない。最後に「おわりに」 今回の調査研究の要旨について説明したが、本研究では、現在の基準で運転免許を与えられている聴覚障害者の運転について、特に問題を見出 すことはできなかったこうなっているんです、まとめは。 ですから、難聴者の、いわゆるお耳の不自由な方々がハンドルを握って運転していても健常者とそんなに事故の差がないわけなんです。ですから、こういうデータが果たして海上の方では出ているのかどうか、小型船舶の方で出ていますか、そういうのが。
○政府委員(長尾正和君) そういったデータについては把握しておりません。
○下村泰君 もし出ていないにしても、それだけやっぱり事故が少ないということになるわけです。ですから、机上で健常者が考えてああだこうだと言っても、実際とはまるで違うということがよくこれでおわかりだと思うんですが、どうなんでしょうか。今、補聴器を使っての運転免許ということになっていますけれども、これから先どうなんですか。補聴器なしで試験をしてみるというようなことはやってみますか。それとも全然これからやりませんか。
○政府委員(長尾正和君) 船舶職員、普通の大型船を運航する場合、それから小型船を運航する場合、それぞれ状況が違うと思います。ただいまの、例えば汽笛音だけというのを小型船舶操縦士について認めたところでございますけれども、そのほか船内における乗組員あるいは乗客の声の聴取であるとか、あるいは他の船、それから陸岸との音 声による連絡、港内着岸時、それから機関音の異常の察知、それから船体の破損音とか、あるいは浮流物への衝突音の察知、その他者による周囲の状況の察知、いろいろな音による船体の異常、運航の状況を把握する必要がございます。 そのうち特に小型につきましては、特に汽笛音ということで足りるであろうということで今回認めたわけでございますけれども、そのほかの船につきましては、実際そういった音の重要性ということから、現在の基準で、そのままでいいのじゃないかという御結論をいただいたところでございます。
○下村泰君 外洋の大きな何十万トンとか何万トンとかという船は別としても、本当にレジャー程度のものでの資格で試験を受けるときに、補聴器を使わなくてもできるようなぐあいになるんでしょうか。
○政府委員(長尾正和君) ただいま申し上げましたように、例えば夜間あるいは霧の中ということになりますと、他船との接近あるいは衝突の危険性ということになりますと、どうしても陸上とは異なりまして、音による安全性の確認あるいは危険の察知ということは大事なことでございます。したがいまして、ただいまのところは、そういった補聴器によりまして音による危険あるいは航行の安全を確保するという観点が重要かと考えておりますので、補聴器なしでということにつきましては慎重に検討する必要があるのではなかろうかと思っております。
○下村泰君 そうすると、もう頭から全然だめと、こういう結果になりますか。研究の余地はありますか、それとも全然……。
○政府委員(長尾正和君) くどいようでございますけれども、音による危険の察知あるいは航行の安全ということが、大変性能のいいレーダーであるとかその他の航行機器の発達という状況ができますればともかくでございますが、現状におきましては、音の重要性につきましては我々も十分力を入れてといいますか、大事な、重要な点として考えていく必要があろうかと思っております。
○下村泰君 非常にお言葉は丁寧で回りくどいけれども、結局はだめということですな。これはこれで、しかし時機を待ちましょう。 次は、色覚異常のことでちょっと伺います。今度のこれは聴覚障害の人にとってはありがたい、大変いい改正なんですが、ところが、色覚異常の方々にとっては物すごく大変な改悪になっているんです。 この非色力といいますか、これについて以前のやり方と今回の改正、やり方とそれぞれについて、どこがどう違ったのか、ひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(長尾正和君) これまで非色力に関しまする身体検査基準におきましては、「紅緑色盲又は青黄色盲でないこと。」とされていたところでございますが、今般この基準につきまして、「色盲又は強度の色弱でないこと。」と改めまして、この四月一日から施行したところでございます。 これにつきましては、もちろんこの小型船舶操縦士の分野で申しましても、安全な船舶の運航を確保するためには、船舶の灯火あるいは航路標識、国際信号旗などによりまして、他船の動向やら航路の状況などを認識できることが不可欠でございます。かつ、これらは色の相違が判別できて初めて認識できるものであることにかんがみまして、これらの色の相違を識別できる能力を有することが必要であるという考え方に基づくものでございます。 このような考え方に基づきまして、また航行の安全の確保のために必要な色の識別能力を適切に検査するためには、検査方法を石原式の色盲表国際版とそれからパネルD-15によるということが必要であるということの見解を踏まえまして、非色力の基準において必要とする非色力の記述を改めたものでございます。 具体的に申し上げますと、従来は、石原式色盲表とパネルD-15という検査のほかに、アノマロスコープという検査がございました。石原式色盲表とパネルD-15による検査に不合格となった方につきましても、アノマロスコープによる検査を合格すれば免許取得が可能となっていたのを、今般の改正によりまして、今後はアノマロスコープの検査を行わないことといたしたものでございます。 ちょっと長くなりますが、アノマロスコープによる検査とパネルD-15による検査の結果は、基本的にはほぼ同様の状況になりますけれども、厳密に言いますと、これまでパネルD-15を不合格となった方のうちには、アノマロスコープによる検査があるために合格となっていた方が一部存在したところでございます。 ただ、このような方は、実質上色盲に極めて近い方ということであるために、航行安全の確保の観点から見ると問題があるということから、今回改正を行ったものでございます。
○下村泰君 前は、「紅緑色盲又は青黄色盲でないこと。」、これだけだったんです。今度は、「色盲又は強度の色弱」になったわけです。それで、これは専門家の意見もちゃんと聞いて今度こういうふうになったんですか。
○政府委員(長尾正和君) 今回の改正は、眼科の医師を含む学識経験者その他の関係者で構成されます謝査検討委員会を設けて、調査検討を行っていただいた結果を踏まえて行ったものでございます。 ちなみに、この調査検討結果によりますと、船舶職員として色識別を要する色の要素、必要な非色力の程度などにつきましては、一つは、小型船舶の操縦に際して強度色覚異常者は避航措置がとれないおそれが生ずるなどの問題があり、色盲または強度の色弱の方については、航行の安全の確保の観点から見て小型船舶操縦士として不適格であること。それから、検査方法として石原式色盲表国際版及びパネルD-15によることが適切であると考えられること。三つ目として、従来の検査基準における色盲でないことの意味は、色盲及び強度以上の色弱でないことであると理解されるものであるが、この意味を明確にしておくことが必要であるということの見解となっております。 以上でございます。
○下村泰君 今、お話を聞いていると、例えば船がすれ違うといったって、色盲の方々は、あんな大きい船の形がわからぬということはないでしょう。色がどうだということはわかるけれども、船が見えないということはないでしょう。 では、今まで色盲の方々が事故を起こしたという例はたくさんあるんですか。
○政府委員(長尾正和君) ただいま、色盲の方であってもなくても船の姿が見えるというお話でございますが、特に色が問題になりますのは、夜間航行の場合に、船舶は国際的に、左舷が赤で右舷が緑というふうになっております。 したがいまして、夜間、船が行き交うときに、近づいてきている、あるいは離れていくということが、その色がどっちかということによって区別する。あるいはそのほか、灯台あるいはその他の航路標識、そういったものも一番航路側にあるのが赤であるとか緑、そういうふうに決まっておりますものですから、そういった色の識別ということが、みずからの航行の安全のみならず、他船の海上交通の安全の面から大切であるということから、色の弁別能力を船舶職員の資格要件として決めておるものでございます。 それから、色弱者の方の事故のデータということでございますが、現在までのところ、中程度あるいは軽度の色弱の方につきましては、船舶職員の資格は取れるわけでございますが、その方々と事故との関係を示すデータ、そういったものについてはございません。
○下村泰君 それはないのが当たり前なんです。 ここにすばらしいお答えが出ているんです。例を申し上げます。これは鳩山邦夫前文部大臣が予算委員会の第三分科会でお答えになっている。こういうふうにお話しになっている。 つまり、異常、正常というのは人間が勝手に区別しているわけで、物の見え方、異常、正常。 多数派が正常で少数派が異常なのか。犬は白黒なんですか、何か僕よくわかりませんが、犬とか猫は白黒の世界に住んでいるとかいうような話を聞くことがありますけれども、確かに物の見え方が違うというのが、実生活で多数派の人間が信号から何からつくっておりますから、いろんな危険性を伴うことは確かにあるのだろうと思うし、不便もあるのだろうと思うのです。 しかし、それを異常と本当に言っていいのだろうか。実存主義によれば、みんなが赤だと言うから赤なんで、みんながここにコップがあると思うからあるので、ないと思えばないのだというのが実存主義の哲学の基本的な考え方なんではないか。私は決してひねくれてそう言っているのではなくて、心底そういうことを申し上げているわけで、だからそういう色覚異常と称されている方々の個性をきちんと見抜いて、そうした方々の人間性を守るように、いろいろな検査等についてもやっていいかどうかということも改めて考え直す ということがとても大切だと思いますすばらしいでしょう、この鳩山さんのおっしゃっていることは。まさにこれは般若心経です。般若心経の中に、これにちゃんとふさわしい言葉があるでしょう。空不異色とか色即是空とか、お経がありますね。色というものは形だと、形があるんだけれども、実際はないものと同じだというのがちゃんと般若心経にもある。それと同じようなことを鳩山さんがおっしゃっている。これは私は実に立派だと思うんです。 そうすると、こういうふうに船舶の安全性を考えるときに、何がどう担保されるのか、科学的な評価、立証もなくて、ただいたずらに制限を拡大しているというのが私の印象なんです。 それで、二十年来、色覚問題に取り組んでいる高柳先生という方がいらっしゃる。これはもう皆さんも御存じだと思いますけれども、この高柳先生がこういうことをおっしゃっているんですよ。 学校用石原式色覚異常検査表は異常の疑いを選び出す検査法であって、色覚異常と診断することのできる検査法ではありません。色覚異常に対する正しい知識が普及する前に、まず簡便な検査法が普及してしまって、その検査結果から短絡的に、色盲・色弱という言葉が独り歩きをし始めて、それを何十年も放置して来たため、今のような状態になってしまったものと思います。 すでに功なり名遂げた色覚異常の方々のお話を伺いますと、色を間違える事もあるが、注意深く見れば実験も問題なく出来た、という事で、「あの見難い石原式色覚異常検査表だけで、いろいろの事が出来ないだろうと想像されるのはおかしい」ということでした。病理学者、工学博士、色彩学者、医学部教授、いろいろな分野の医師、薬剤師、教育者にも色覚異常者の方々がたくさんおります。しかも、今日の検査法の中で社会的強度異常と判定されるパネルD15テスト(日常生活で色を間違える危険のある強度異常者を確実に選出する検査法と言われている)で強度異常となっている先生もおります。こういうふうに、いろいろな方々の御意見を総合しますと、まだまだちょっと運輸省の方の考え方が間違っているんじゃないかなというふうな気がするんですが、どうでしょうか。
○政府委員(長尾正和君) このたびの調査検討委員会におきましては、そういったデータの比較などについては行っておりません。 ただ、これまで直接、かつて診断に加わった眼科医師その他の機関が実施いたしました実地調査であるとかあるいは研究に基づきまして検討が行われておりますので、その検討結果につきましては、事故とのつながり等実情を相当程度反映したものであると認識しております。すなわち、色盲あるいは強度の色弱の方が船舶の航行安全の面から不適格であるという検討結果につきましては、私どももこれにつきまして、その見解を妥当なものであるとしてこのたびの改正を行ったところでございます。
○下村泰君 もう時間ですからやめさせていたださますけれども、運輸省の方だって御存じでしょう、アメリカあたりは色盲の方だってパイロットはいますよ。夜は飛べないけれども、昼は飛行機を操縦できるんですよ、向こうは。日本はこういつ点、どうしてこうなっちゃうんですかね。大臣、何とかなりませんか。一つお答えいただいて、終わりにします。
○国務大臣(越智伊平君) 今もお話がございましたように、いろいろ検討をさせております。検討をさせておりますが、第一番には夜の問題、こういういろいろ言っております。しかし、小型船舶の場合、実際問題としてやれるのかやれないのか、なおよく研究をさせますし、またやっぱり医師の見解もひとつ考慮に入れて判断していきたい。 以前にやっておったのに途中で後退したというようなこと、事実そうでしょうけれども、そういう印象はよくない。しかし、やっぱり自分の船、相手の船、こういうものもきちっと見分けがつくというような範囲でないと危険が伴う、こう思いますので、この点さらによく検討をさせます。どういうことになるか、これは申し上げにくいんですが、私も素人でございますから色盲のことはよくわかりませんが、ひとつよく検討して、でき得れば、以前余り事故がなかったということであれば、いいじゃないかと思いますけれども。 いずれにしても、安全ということが一番大事でございますので、その上で、実際に夜間でもいいのか。まあ、免許は昼だけというようなことにもなかなかなりませんので、そういうことを踏まえてひとつ検討をいたさせます。
○下村泰君 委員長、済みません。議事録に残したいので一言だけ言わせてください。 石原式というのは軍隊で使っていたものですからね。日本の軍隊当時に使っていたものをいまだに使っているんですから。それだけ覚えておいてください。
○委員長(高桑栄松君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○高崎裕子君 私は、日本共産党を代表して、船舶安全法の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行います。 反対の理由を述べます。 第一に、船舶の安全は直接人命にかかわる重大な課題です。中でも、船舶検査のあり方は極めて慎重かつ十分な対応が求められており、本来国が責任を持って実施すべきことと考えます。運輸省自身も法改正が提案される前まで、国会答弁で、船舶の安全については国が直接担当するのが筋であると繰り返し明言してきたのであります。 第二に、改正案により、新たに八千隻の船舶が日本小型船舶検査機構に移管されることになりますが、同機構は、かつては全額政府出資の認可法人でしたが、今では完全な民間会社であり、船舶安全の最大の保障となる検査業務を、採算性を第一義とする民間にゆだねることに疑義を表明するものです。 第三に、同機構の検査体制について見た場合、何よりも支部の配置が少ない上、検査船舶の増加に伴う体制の確立、船舶所有者へのサービスの低下など、万全の対策が必ずしもとられる保障が示されていないことです。特に、検査の手間のかかる非型式証明船舶である漁船等を新たに検査対象とするのは、人員的にも経験的にも同機構の検査能力を超えるのではないかと思われます。 以上、簡潔に述べ、反対討論を終わります。
○委員長(高桑栄松君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 船舶安全法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高桑栄松君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 櫻井君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。櫻井君。
○櫻井規順君 私は、ただいま可決されました船舶安全法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、民主改革連合及び二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 船舶安全法の一部を改正する法律案に対 する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の事項につい て万全の措置を講ずべきである。 一 本法改正と並行して検討されている総トン 数二十トン未満の小型船舶に関する安全基準 の見直しに当たっては、特に人命の尊重と安 全性の確保に十分配慮すること。 二 不法に遺棄されたFRP船等が船舶の航行 の安全及び環境保全等の面に支障をきたさな いよう、問題解決に向け積極的に取り組むこ と。 三 マリーナ等の整備を長期的に推進するとと もに、その費用負担の在り方について検討を 行うこと。 右決議する。 以上であります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(高桑栄松君) ただいま櫻井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高桑栄松君) 全会一致と認めます。よって、櫻井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、越智運輸大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。越智運輸大臣。
○国務大臣(越智伊平君) ただいま船舶安全法の一部を改正する法律案につきまして、御熱心な御審議の結果、御可決をいただき、まことにありがとうございました。 また、附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、運輸省として十分な努力をしてまいる所存であります。 どうもありがとうございました。
○委員長(高桑栄松君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高桑栄松君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十一分散会 ――――◇―――――