労働委員会 第3号
- 発言数
- 200 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1993/02/23
会議録
○岡田委員長 これより会議を開きます。 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古賀正浩君。
○古賀(正)委員 自由民主党の古賀正浩でございます。 このたび、初めて私は労働委員会に属することになりました。大変ふなれな分野でございますが、しっかり労働政策を勉強してまいりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 このたび、宮澤新内閣の発足に伴いまして村上大臣が労働大臣に御就任になりました。自民党のエースの一人であり、また、私ごとを申し上げれば、同じ郷里福岡県の御出身でございます。どうか大臣の御活躍を心からお祈りを申し上げる次第であります。 さて、現在日本は世界に冠たる経済大国になったわけであります。よく考えてみますと、我が国は大変小さな、三十八万平方キロしかない島国、大した資源もない、そういう国でありますけれども、そういう国でどうしてこれだけの国家になることができたかといえば、これは、何と申しましても、やはり日本国民の資質と努力によるということだと思います。まさに勤労者のモラルの高さによる、こう言っても過言ではございません。私は、そのことをしっかり肝に銘じながら、あわせて、そのような特質を十分に発揮させる環境をつくってきました我が国労働政策の成果でもあるということを特に申し上げたいと思うのであります。もちろん労働省とされては自己の評価については謙虚であるべきだと思いますけれども、私はこれは自他ともに許す成果であると考えております。 大臣は先般の所信表明の中で、「労働行政の使命は、働く人一人一人の能力、天分が十分に発揮でき、喜びと生きがいを感じつつ、働く意欲を持てるような職場の環境をつくっていくことである」とおっしゃいました。私も全く同感であります。 今、宮澤内閣は、政治改革の推進とともに生活大国の実現を最大の政策課題と掲げられておるところであります。我が国の経済的地位にふさわしい働きがいとゆとりのある勤労者生活を実現するということは、まさに生活大国実現のための大きな柱であると思います。現下の各般の政策課題に取り組まれる村上大臣の御活躍を心から期待する次第でございます。そしてまた、その使命達成のために全力を尽くしていただくようにお願いを申し上げます。 そのようなことから、労働行政推進に取り組むに当たりましての大臣の御決意と抱負を、改めて この際お伺いさせていただきたいと思います。
○村上国務大臣 おはようございます。 ただいまは御激励をいただきまして、感謝申し上げ、一生懸命頑張ってまいりたい、このような決意でおります。 そこで、御質問でございますが、ただいまも古賀委員の質問の中にもございましたように、先般私の所信表明を申し述べさせていただいたところでありますが、私は、労働行政というものは、働く人一人一人がその能力、天分を十分に発揮でき、喜びと生きがいを感じつつ、働く意欲を持てるような社会をつくっていくとともに、生活大国の実現に向けて、我が国の経済的地位にふさわしい豊かさとゆとりのある生活を送ることができるようにすることが重要であると考えております。 私が労働行政の最も基本姿勢といたしておりますのは、人間愛あふれる人間尊重の労働行政でございます。 そのため、この国会に御提案をさせていただいております労働時間の短縮しかりでございます。そしてまた、安全の確保と健康で快適な職場づくり、最近の雇用失業情勢に対応した機動的な雇用対策、総合的なパートタイム労働対策、女性や高齢者の方々が生き生きと活躍できる環境づくり、障害者の方々の雇用の場の確保などの施策の推進に全力を挙げてまいりたいと考えております。
○古賀(正)委員 ありがとうございました。 先ほど触れましたように、我が国の目覚ましい発展の背景には、働く人の高い勤労意欲ということが大きな役割を果たしてきたところでありますけれども、二十一世紀を間近に控えた現在、中長期的には若者を中心に労働力人口の減少が見込まれます中で、技術革新、サービス経済化、高齢化、国際化などにより経済社会は大きく変わってきておるところであります。 そういう中で国民の価値観、職業観にも多様化が見られてまいりました。特に若者の中には安易に離転職をしたり、地道な労働を疎んじたりするような傾向がないとは言えません。こういった傾向は大変憂うべきものであると私は考えておりまして、改めて勤労の意義を考えていかなければならぬと思っているところであります。 日本には西欧と少し異なる歴史的、伝統的な労働観があるように思われます。西欧のキリスト教思想と我が国の儒教思想との違いでもありましょうか、バイブルには労働を必要悪とする思想が示されているそうでありますけれども、我が国は二宮尊徳とか太閤秀吉の出世物語といった、労働をむしろ美徳とする歴史的な、伝統的な風潮があると思うところであります。 そういう中で、大臣が御就任早々のことであったかと思いますけれども、勤労の精神、勤勉性の重要性等について積極的な御発言をなさった。私は、大いに同感もし関心も持っておるところであります。ただ、新聞によりますと、非常に短い記事であったわけでありますが、何か少し誤解されて報道されているような気がしないでもありません。例えば二宮尊徳を単に労働時間というような切り口だけで評価すべきではない、私はそんなふうに思うわけでありますが、せっかくの機会でございますので、この際、大臣の労働観と申しますかお話をいただければ幸いであります。
○村上国務大臣 いろいろ二宮尊徳像というものに誤解もあろうかと思いますが、端的に私は一つの象徴として申し上げた。それはやはり働くことのとうとさ、汗を流すことのとうとさ――私たち日本人の伝統的な価値観の中に、働くということは美徳なんだ、そして働くということは御先祖さんに対する御恩報じなんだ、働くということは親に孝なんだ、こう言いますと、親に孝なんて今さら言うと、あいつはタカ派だ、右翼だ、どうも古いということになろうかと思う。しかし、これはとうとうと流れている不変の日本人の持つ真理だ、私はこう思っております。親に孝なんというのは、日本人だけじゃなく世界共通の一つのあるべき姿であろうか、私はこう思っているわけでありますが、そうした一つの象徴として二宮尊徳像というものに対する尊敬の念を私は率直にあらわした。 それが今たまたま時短という中で、薪を背負って、とにかく朝霜がおりておるころから山に出て、畑に出て、そして夜暗くなってまで働く。とにかく働く働く、働く虫だ、そんなものは今の時代に逆行しているのだ、こういうふうなとらえ方もしたわけでありますが、二宮尊徳像というのは、また二宮尊徳というお方のいろいろな伝記を読んでみますると、ある面では非常に合理主義者で、むだを省いて能率主義者である、そういう文献もこれございまして、むしろ逆に、時短という思想の中からいけば最もふさわしい、時短の先鞭をつけた先駆者ではないのかな、私はこういう感もするわけでございまして、それぞれの私、村上正邦に対する一つの潜在意識の中で二宮尊徳像というものの解釈がいろいろ多様にとられたのかな、こういうふうに感じております。 いずれにいたしましても、働くことのとうとさというもの、このことをしっかり今の若い人たちが――働くということは苦しいことなんだ。だから、苦しいことはできるだけ短い時間がいい。そして、遊ぶことが第一義であって、遊ぶために働く、こういう考え方がもし時短の思想の中に今後受け継がれていくとするならば、資源のない日本の国は一体どうなるのかという、ここらあたりの危惧を私はしたものでございますので、この際、いい質問をいただきましたので誤解のないように申し上げておきたいと思います。 以上であります。
○古賀(正)委員 ありがとうございました。大変よくわかりました。私も意を強くしたところでございます。そういう思いでひとつしっかり前進をしていただきたいとお願い申し上げます。 そこで、今時短の話にもなりましたが、大臣はさきの所信表明の中で、週四十時間労働制移行を内容とする労働基準法の改正案の今国会提出を表明されました。詳しくはその法案審議の際にいろいろな御議論ができると思いますけれども、ここでは基本的な考え方を一つ二つお伺いしておきたいと思います。 何と申しましても、労働時間の短縮というのは生活大国実現のための大きな柱でもございますし、国際的な調和のことを考えても千八百時間を目標に努力していかなければならぬ、当然だというふうに思っておるところでございます。 昨今、時短につきましては、総論的にはもう反対の人はいない、こんなふうに私は思います。また、企業やいろいろな事業主あるいは関係団体も、今大変な努力をしているところでございます。しかしながら、現実を見ますと、中小企業とかあるいは業界、業種によりまして大変跛行的になっておるということもまた現実でございます。それは、実態的に時間短縮がなかなか進行しない障害、原因がいろいろあるということでもございます。そして最近では、加えまして、現在、不況の長いトンネルを通っておるわけでもございますし、また、この数日来の急速な円高みたいなことも、また先行きいろいろな不安も、心配もあるところであります。そういった意味で、私もよく地元の鉄鋼団地のおやじさんたちとかいろいろな方と話をしておりますと、そういう不安を非常に訴えられるということがございます。こういう中で、この時間短縮の問題というのは、実態的な障害の克服ということ、実態的な努力をするというのが一番先行しなければならぬのじゃないか、こんな思いが私はいたしておるところでございます。 そういう面からいたしますと、現在の労働基準法というのは罰則を伴う強行法規ということでありますけれども、そういったもので、言葉はよくありませんけれども、無理に、無理強いに実現していくというのはなかなか抵抗が大きいのではないか。罰則が怖いからということで時短は進むのでは必ずしもないわけでございます。逆に言うと、罪人づくりになりかねないところもあるわけであります。 そういった意味からいたしますと、一昨年、例の 労確法もできました。昨年、時短法等もできて、 そういう支援立法で時短を進めるということが始まっておるわけでございますが、そういうような効果が十分上がったところで労働基準法も手直ししたらどうかみたいな考え方もあるわけであります。 時間短縮に当たりまして、労働大臣がどのようなお考えであるのか、この際、承りたいと思います。
○村上国務大臣 いろいろと時短を進める上において、特に中小企業、こうしたところにはきめ細かな配慮が必要だということはもう言うまでもないわけであります。 さりながら、今の世界の大きな流れの中で、また宮澤内閣の生活大国実現という一つの大きな政治課題の中で、時短ということの位置づけというものは非常に大きい柱だ、このような認識に立ちまして、先ほども申しましたように、時短を進めるについては、我が国の今日の経済的発展は長い間に培われてきた国民の勤勉、実直、すぐれた創意工夫、これは資源がございませんので、資源の輸入によって製品をこしらえて、その製品に付加価値をつけて、これをまた海外に輸出していくというこうした中にありまして、この創意工夫というのは日本人のかけがえのない大きな財産でございます。私は、日本人の実直さであるとか勤勉さであるとか、こうした伝統的な価値観を大切にしながらこの時短の政策を推進していきたいと考えております。 また、ただ単に時間を短くしていくということだけではなくして、働く人々がこの時間をいかにうまく使っていくかということが大事だと思うのです。学校なんかの場合でも、週休二日制で土曜日が休みになって、その土曜日に塾に通えば意味がなくなるじゃないか、こういう議論もなされてきておりました。また、土日を休みにしてもアルバイトを土曜日にやるなんということになりますと、時短の趣旨にかなわない。こういうことを思いましたときに、何ゆえに時短をしていくのかという、その趣旨を徹底していかなきゃならないと思っております。 そうしたことから、特に家族とのコミュニケーションを非常に大事にしていかなきゃならない。今まで働き虫で、とにかく女房も子供も忘れて一生懸命働いてきた。結婚式などに行くと、女房や家庭を大事にしなさいなんという祝辞を聞くわけでありますが、この家族とのコミュニケーションを第一にしていく。やはり家庭の幸せというのが社会生活を送る根本だ、こう私は思っております。そしてまた、この時間を健康の維持に役立てて、心身を健全にして、能率的でよりよい仕事をするための大きな一つのものに役立てていく、こういうことが生活大国を実現していくことにつながっていく、このように私は思っております。 皆さん方もチャップリンの「モダン・タイムス」という映画を見られたと思いますが、ああいうことであってはいけない。私自身せっかちで、とにかくせかせかして、朝から晩までどちらかというと動き回るのが好きなタイプでございますが、これは政治家のさがとでも申しましょうか、しかし、時間的余裕はもう少ししっかり持っていった方が非常に雄大な考え方、新しいアイデアもどんどん生まれてくることになりましょうし、そういう意味において意識革命が必要だ、このように私は思っております。
○古賀(正)委員 ただいまの大臣のお話にもありましたように、時短の推進に当たってはいろいろな課題がありますけれども、そういう中で、特に中小企業などへの配慮と申しますか、またいろいろな支援策と申しますか、そういったことは非常に大事だと思います。きょうはその点について詳しく聞く時間がございませんので、この支援策をひとつしっかりやっていただきたいということをお願いいたしまして、次の問題に移ります。 次に、障害者雇用対策についてお伺いさせていただきます。 「完全参加と平等」をテーマにしました国連障害者の十年は、昨年をもって終了いたしました。そういう中で、関係の事業主の大変な御努力等もございまして、雇用される障害者の数も年々増加してくるなど、障害者の雇用は着実に進んできていると思います。 しかしながら、現実には、一応法律で定められております身障者の雇用率は一・六%でありますけれども、まだ一・三六の水準にとどまっておるみたいなことでございます。今後もこの率を上げること、そしてまた精神薄弱者、精神障害者の雇用等もまた大きな課題になってくるわけでございます。 国連障害者の十年は終わりましたけれども、引き続き障害者の雇用対策を一層充実強化していくことが必要であると思いますが、今後の障害者雇用対策につきまして大臣の御決意のほどをお伺いさせていただきます。
○村上国務大臣 先日も私、埼玉の職安の実態を視察に参りました。そのときに、お母さんが障害者を伴って職安の窓口で真剣にいろいろ御相談をなさっている姿を見たわけでありますが、障害者を持つ親の気持ち、そしてまた障害者自身の働くという、どんなささいなことでもいい、仕事をしていく喜びというものをそこで感じられ、それをやはり一つの生きがいとして職を求めておられるということを私は知りましたときに、非常に心打つそうした場面に遭遇をいたしました。 そういうことからいきまして、障害者の雇用については、障害者が健常者とともに働けるような社会を実現していくことが私どもに課せられた大きな仕事であろう、こう思っております。 そのために、労働省といたしましては、身体障害者雇用率制度の厳正な運用を図るとともに、障害者のための施設設備の設置または整備のための助成金制度等を活用しつつ、重度障害者に重点を置いて、障害者の雇用の場の確保とその雇用の促進に積極的に取り組んでまいりたい、このように思っております。
○古賀(正)委員 ありがとうございました。 私の友人のお嬢さんが、女子大生でございましたが、一昨年思いがけない病気で片足切断ということになりました。一度はもう人生に絶望のような状態であったのですが、ある大きな会社の御配慮で、この春からそこに就職できるということになった。僕はやはり企業にもそういう精神が浸透してきていることを本当に非常にうれしく思った次第でありますが、いろいろ話を聞きますと、まだまだ心配なことがたくさんある。例えば、会社としてはいいけれども、やはり周りの方々の協力とか理解というのは非常に大事だけれどもその点は大丈夫だろうかとか、いろいろな問題もございます。そういうきめ細かい点にわたっても、ぜひいろいろな御配慮を政策に賜りますようにお願いを申し上げます。 時間の関係で次に進ませていただきますが、高齢者雇用対策についてお伺いさせていただきます。 今後の高齢化、これはもう確実に進展してきておるわけでありますけれども、そういう中で我が国の経済社会の活力を維持発展させていく観点からも、高齢者の方々が長年にわたって培ってまいりました技能や経験、これを十分に発揮できるようにしていくということは非常に重要なことでございます。しかしながら、現実からいいますと、例えば六十歳を超える高齢者の方ということになりますと、一たん離職しますと再就職は非常に難しい、こんな状態でございます。 本格的な高齢化社会の到来を迎えまして、高齢者雇用就業対策に関しまして、労働大臣の御決意を承りたいと思います。
○村上国務大臣 本格的な高齢化社会を迎えます中で活力ある経済社会を維持していくためには、高齢者がその知識、経験などを生かして働くことができるよう雇用の場の確保を図っていくことが重要であろうかと思います。 このため、六十五歳までの継続雇用の推進、シルバー人材センターの拡充による就業機会の確保などに重点を置いて、高齢者の雇用就業対策を総合的に推進をしていく考えでございます。 さらに、離職された高年齢者の早期再就職を図 っていくことも重要であり、公共職業安定所や高年齢者職業相談室など公的機関はもとより、社会福祉協議会などの民間の活力も活用しつつ、きめ細かな職業紹介その他の援助を行っていきたい、このような考えで取り組んでまいります。
○古賀(正)委員 ありがとうございました。 ただいまの御答弁の中にございましたけれども、民間の活用のことでちょっと触れさせていただきたいと思うのです。 私も地元でよく転職の相談を受けたりするわけであります。もちろん立派な公共職業安定所があるわけでありますから、その機能は非常に大きく評価をいたしますけれども、やはり今きめ細かくいろいろな対応をするためにはまだまだ足りないところがあるのではないか。これは職業安定所自体の御努力も必要かと思いますけれども、片や、例えばもう可塑性にも富まなくなった高齢者について、しかし長年のことでいろいろな特別の技能とかなんとかを持っている、そういったものをうまく企業につなぐみたいなことは、もっと民間の活力なんかを使うやり方があるのじゃなかろうかな。特に年配の方は、プライドもありまして、職業安定所になかなか行きたがらぬというようなこともあります。それともう一つは、せっかく技能を持つけれども、雇用者の方も、企業の方もなかなかそういう人を雇うことに思い至ってない場合がある。何かその会社に行きまして、こういう人をおたくで雇ってはどうですかみたいな、売り込みみたいなことをいろいろやる道もまだ残されているのではないか、こういう気もいたします。そういった意味で、民間の能力を活用する方策をぜひひとつ検討していただきたいと思います。これはとりあえずお答えは要りません。 時間の関係もございますので、最後に、女性の介護に関しての対策についてお伺いしたいと思います。 御承知のとおり、最近女性の職場での活躍の場は非常に広がった、本当によいことでございます。一方、女性というのは家事、育児あるいは介護などの理由がありまして、そういうハンディの中で職業生活を中断せざるを得ないみたいなことも多くあるわけであります。 そういった中で、昨年四月に育児休業法が施行されまして、多くの企業において育児休業制度は定着をしてきておると仄聞しておるところでありますけれども、一方で、最近急速に大きくなってまいりました介護の問題ということも非常に重要であります。介護を必要とする家族を抱えているということでせっかくの能力を生かすことができないというようなことになっていくために、何とかこの介護休業制度というものももっと普及する方法はないだろうか、このように考えておるところであります。 このような状況を踏まえまして、今後、国として、介護休業制度の普及に関してどのような対策を講じていかれるお考えなのか、大臣の御所見を賜りたいと思います。
○村上国務大臣 介護休業制度につきましては、昨年「介護休業制度等に関するガイドライン」を策定いたしまして、一つは男女を対象とする、一つは休業期間は少なくとも三カ月とする、そしてまた、一つは介護休業制度のほか勤務時間の短縮等の措置を設けることなど、制度のあり方を示したところでございます。 今後は、このガイドラインに沿った制度ができるだけ多くの企業に導入されるよう、労使その他関係者に対するシンポジウムや事業主を対象とする集団説明会を開催するなど啓発指導に努めていきたい、こう思っております。 それから、ちょっとさきの質問で、先生、特に福岡でいらっしゃいますので、福岡に私が参りましたときに、地理情報株式会社というのがございまして、ぜひそこへ行っていただきたいと思うのですが、それは、手のない右足のない方が、車いすだとか義足をつけられて、こういう義足で五本の指があるわけじゃありませんね、これで非常に細かな航空地図なんかのあれを一つの機械の操作で、動かなくても一つのあれで地図をずっとかいていた、そういう現場を私は見てまいりましたが、本当に健康な方と一緒にまじって仕事をしている。そのためにはやはり企業主の努力ですね。そして、それによって自活をしている、ボランティアじゃないのですね、これによって生活している、こういう会社を見てまいりましたが、こういうあり方がこれからの障害者に対する職場の理想的なあり方だな、私はこう思って帰りました。ぜひひとつ福岡に帰られましたらこの会社をお訪ねしていただいて、激励をしていただければと思います。会社は、三十人くらいの規模の会社ですが、十何人ここはそういう方を採用していらっしゃる。こういうあれを今ふと思ったものですから、つけ加えさせていただきます。
○古賀(正)委員 わかりました。ありがとうございました。これで終わります。
○岡田委員長 以上で古賀正浩君の質疑は終了いたしました。 次に、岩田順介君。
○岩田委員 岩田でございます。 村上労働大臣におかれましては、このたびの御就任、心からお祝いを申し上げる次第であります。さらにまた、同じ産炭地、筑豊の出身ということでありまして、ひときわ感慨を私も覚えるものであります。 所信表明をお伺いいたしました。さらに、石炭対策特別委員会における大臣の所信も同時に承ってまいった次第であります。大臣御就任の際に二宮尊徳の話が出まして、世間は、関係者はあっと驚いたわけでありますが、今の御答弁でなるほどなというふうに納得する点が多々あるわけであります。なお、御答弁の姿勢を拝見させていただきまして、極めて積極的な姿勢といいますか、その態度に敬意を表しますけれども、一層の期待にこたえていただきたいというふうに思います。 そういう関係でありまして、大臣が筑豊、産炭地出身だということもありまして、本来ならば石炭対策特別委員会での質問の方がふさわしいのじゃないかというふうにも思いましたけれども、時間の都合もありまして、あえてこの場で幾つか所見を賜りたいというふうに考えている次第であります。 昨年、産炭地域振興臨時措置法が延長になりました。十年間の延長になったわけであります。御承知のように、この産炭法というのは石炭衰退以来、筑豊のみならず旧産炭地、稼行炭鉱地もそうでありますけれども、極めて大きな働きをした法律でありますが、十年をもってこれを打ち切る、よもや延長はないだろうというふうに我々も自覚をいたしますけれども、さて、十年間でどれくらい産炭地域が復興するかというのが、県を初め地元の関係者の総意にもよりますけれども、大変心配されるところであります。 この間、昨年でありますけれども、例えば産炭地域にかかわる指定地域、十条だとか六条だとかありますけれども、これが、六条が解除されて卒業する、十条も同時に卒業するというような事態がありましたが、しかし、それらのいわゆる一定の条件をクリアした自治体の財政状況がよくなっているかというと、決してよくなっていませんね。これは構造的に脆弱な性質を持つということがあります。それにまた、バブルの崩壊によりまして、福岡県などは特にそうでありますけれども、当初計画をされておりましたリゾート法で実行に移されるというものがほとんど皆無と言っていいのではないでしょうか、ごくわずかになっている。さらに、経済の冷え込み等が重なりまして、産炭地域の振興に非常に懸念をするところであります。この十年間、何をなすべきかということがまさに問われているわけであります。先ほども申し上げますように、産炭地域にかかわる指定地域は、補正係数を掛けましてもなおかつ財政上の問題があったにもかかわらず、この十年間でどうしていくかということが大変重要になっていくわけであります。 そこで、この問題につきましては、通産大臣が中心となられて労働大臣がそれに協力していく、また、自治省もそうでありますけれども、関係省 庁会議、連絡会議等がつくられておりますが、期待というふうに申し上げましたのは、そういった意味で地元自治体住民の産炭地域振興の期待というものが労働大臣に極めて大きいものがある、これは私が言うまでもないと思います。そういった意味での大臣の御決意をひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○村上国務大臣 ことしの初めでしたか、田川の市長さん、これは御承知のように社会党の御出身でいらっしゃいますが、滝井市長さんを中心にして、田川郡市の町長さん、村長さんが発起人になってくださいまして、私の大臣就任の歓迎会を開いていただきました。そのときに、地獄で仏に会ったようなと、そういう表現で歓迎をしていただきました。というのは、それほどやはり産炭地区における、特に田川、先生はお隣の飯塚でいらっしゃいますけれども、飯塚はまだまだでございますが、田川のこの地区からすれば、労働大臣がそこから出たということは本当にそこに私に対する大きな大きな期待が込められているんだな、こういうふうにまず感じました。 今までも、自民党の中にも石炭対策特別委員会というのがございますが、私も参議院から出ておりまして副委員長を長年やってまいっておりましたし、石炭対策、そしてまた旧産炭地域の振興には、今日までも人一倍関心を持ってきたところであります。 旧産炭地域においては、長年にわたって石炭産業に大きく依存し、これにかわる産業の発展がおくれていることから、このような地域の振興を図り、雇用の場を確保することは重要な課題であろうかと思います。 このために、産炭地域振興臨時措置法に基づく産炭地域振興実施計画に沿った対策の円滑な実施が大きな役割を果たすもの、このように思っておりまして、今後とも通産省との連携も密にいたしまして、そうした期待に十分こたえていきたい、このように思っております。
○岩田委員 ありがとうございました。 つまり、私のもう一つの思い入れといいますのは、思い入れというか感じでございますけれども、私も一年生議員で経験が浅うございますが、何回かこの種の問題で議論をさせていただきました際にそういう御答弁が返ってくるわけでありますが、ではその効果がどこでどういうふうに感じられたかという点が希薄なものですからあえてお尋ねをしましたけれども、今回の御答弁は私は違うと思うのですね。産炭地域出身の村上大臣の御決意のほどをぜひ期待を申し上げたいと思います。 時間がありませんから、短絡的になると思いますが、次の質問に入らせていただきたいと思います。 今大臣の御答弁にもありましたように、田川のお話が出ました。田川で申し上げますと、例えば失業率も多い、高齢化社会にも一足二足先に進んでいるという地域でございますね。これはやはり石炭の影を引っ張っていると言ってもよろしいでしょう。そのために、ボタ山はまだたくさん残っているし炭柱も残っているという状況ですね。失対の方々も極めて、極めてというよりも一番密集している地域ではないかというふうに思いますね。 このいわゆる田川の地域と石炭の関係でいいますと、三井石炭ですよね。三井石炭も、聞くところによるとそう長い間稼行しないんではないか、もう終息するんじゃないかというお話がございます。石炭鉱業審議会の答申によりましても、いつとは書いていませんけれども、あれでは均衡点という言葉を使って、国民の負担の問題、コストの問題もありましょう、そういった点で均衡点を求めていく、こういうことになっていますが、しかし、ちょっと私の感じでは、三井などもやがて終息をするんではないか、それに伴う心理的な影響が出始めているんじゃないかという気もするのですね。あそこの田川、筑豊でいいましても、三井石炭が閉塞をするということになりますと、重大な影響が残っていくし、今申し上げましたような産炭地域振興の実施計画のいわゆる進捗状況というのもかなり影響してくるんじゃないかと思いますね。 何よりも、石炭で働く労働者というのは、いわゆる地底で働かれるという特殊な労働ですからね、過去のように一挙に大量な失業者が出る、それを移動させるという再就職、大変な問題を抱えているわけですよ。こういう観点から、さらに、申し上げましたように、いわゆる審議会の答申は出ていますけれども、日本のエネルギーセキュリティーの観点からはやはり残すべきじゃないかという議論も、いわゆる学者さんの議論も含めて議論がより多いのは現実なんですよね。 これにつきましても、先ほどの質問同様に、安易につぶすということは許されないことはもちろんですけれども、稼行炭鉱の存続ですね。幾つか観点を申し上げましたけれども、諸般の状況にかんがみ、いわゆる御覧察をいただいて、稼行炭鉱を、いたずらに失業者を出さないという会社側の努力、さらに政府の努力も相まって、やはりこの辺についての御配慮もぜひいただきたいと思いますが、いかがでありましょうか。
○村上国務大臣 平成三年六月の石炭鉱業審議会の答申においては、石炭企業の多角化・新分野開拓を図りつつ、国内炭の段階的縮小を図っていくことが必要であると明記されております。 そこで、このような答申の趣旨を踏まえまして、炭鉱の合理化等による離職者の発生をできるだけ避けるよう、石炭企業の新分野開拓による炭鉱労働者の雇用の安定を図ってまいりたいと考えております。 具体的には、石炭企業の新分野開拓に伴い炭鉱労働者の職業訓練、配置転換等の措置を講ずる事業主に対して支給する助成金制度を積極的に活用してまいりたい、このように考えております。
○岩田委員 ぜひ努力していただきたいと思いますが、第八次が終わりましていわゆる第九次に移行しているこの最中にも、幾つか炭鉱が閉山いたしましたね。それに対する労働省の手当ては、これは十二分とは言えないまでも歩といたします。 申し上げたいのは、日本の労働行政、産業行政、いわば通産と労働の関係を見ましても、なぜか労働が後追いをしているという状況ですよね。産業構造の変化がある、転換がある。石炭でいえばエネルギー転換ですよ。大合理化があったわけですけれども、さっさと山は資本を引き揚げていく。新天地に新しい企業展開をする。労働者はこれに群をなして大移動をするわけですよ、日本を北に南に。こういうのは日本だけですよ。外国はこういうことはありませんよね。問題は、やはり産業政策の都合によって労働者が失業する、路頭に迷う、この歴史はやめてほしいというふうに思います。 そういった意味では、労働省の発言、とりわけ村上労働大臣の発言はこれまた期待されるところではないか、大いに真価を発揮していただきたいという気持ちを込めて言っておりますことを申し添えておきたいと思います。 次に、失対問題について若干触れておきたいと思います。 失対というのは、石炭と同時に始まった。これはもう全国的に始まったのですが、とりわけ石炭地域に重きを置いた政策で、まだ現存して残している。一般失対でさえ残っているんですね。緊就、特開というふうに残っています。 過日も労働委員会で福岡県に視察に行った際に、ここにおられる大野先生から、福岡県は裕福県と聞いておったけれども、過去バブルの隆盛期に有効求人倍率が一・〇を超えてないというのは驚きだという指摘をされました。確かに超えてないんです。一番よかったときは〇・九二ぐらいですか、〇・九五というのがありますが、平成三年度の平均は〇・九一なんですよ。今もっと減っています。 地域別に見ると、筑豊は御承知のようにどんと落ちるんですよ。政令市の中で雇用問題を含めてやはりちょっと活性力がないなどいう北九州が、この足を引っ張る。もちろん三池、有明地域かご の足を引っ張るんですね。こういう特徴があるので、アジアに開かれた福岡というけれども、一・〇を超えたことがないんですよ。いずれにしても、全国平均に比べて格段の差がついたという、これは私が申し上げております産炭地の問題、石炭との関係だろうというふうに思うんです。 最近は光明が見え始めたという部分もありますよ。自動車という問題がありますからね。しかし、ここにきてはんと落ち込んだでしょう。石炭で隆盛期を誇って、石炭がだめになって鉄に移行して、ICに移行して、今度自動車に行くからいいんじゃないかというイメージがあると思うのですが、有効求人倍率は今御報告したとおりであります。 それから、失対の問題に関連をして言いますと、いわゆる産炭地はこういうふうに変遷をいたしてきましたね。ICは四〇%ぐらいのシェアを持っているところなんです、九州・福岡というのは。しかし、いずれにしましても、そういう産業構造の変化に対応できない、就職ができないという人たちが、今、失対戦線に残っているというふうに見るべきではないかというふうに私は思います。いまだに一般失対か緊就か開就かという議論があることは、私は十二分に承知をいたしております。 これらの方々の中については、これは労働省や厚生省も考えていかなければならなかった問題だと思いますが、一般失対に入る、制度失対に入る。そうすると、これはどういうことでしょうか、国民健康保険を掛けてなかったという方々が最近まではかなりおられたんですよ。こういう陥没点もあるんですね。じゃ国民健康保険を掛けるかといったら、一般失対の賃金、失対の賃金で比重が大きくなるわけですよ。ほぼ解消したと思いますけれども、そういう問題がつい最近まであったわけですね。やはり制度の一つの欠落点というふうに思います。 つまり、大臣にお伺いをしたいわけですが、これも答申の中でいろいろ書かれておることは私も十二分に知っております。それから直近の平成四年九月三十日のものでは、例えば失対でいきますと六十・八歳、緊就が六十・七歳、それから開就が五十三・五歳という高齢になっていますよ。彼らがやっている仕事のいわゆる評価については、いろいろ学者や関係者の議論で労働省も頑張ってもらっているけれども、どうしようもないということがあるでしょう。しかし、高齢化社会を迎えて高齢者医療も相当なものになっておりますが、これらを考えていきますと、つまり高齢化対策というふうに考えていきますと、急ぎ足でこれを整理していくというような労働省の考え方はちょっと歩を緩めてもよろしいのではないかというふうに思います。したがって、関係諸団体の方々の要求は、まあそんなに大きな問題ではなくてささいなものですよ、ぜひこれらにも耳を傾けていただいて、この失対事業全般にわたる大臣の御所見を賜りたいと思います。
○村上国務大臣 この一般、緊就、開就の中身等については、もう先生十分熟知なさっておられますのでくどくどここで改めて申し上げませんが、今おっしゃられましたように、御指摘なさいましたこと等々耳を傾けろ、こういうことでございますので、十分耳を傾けさしていただきまして、地元の関係者の御意見もお伺いさしていただきながら適切に対処すべく検討いたします。
○岩田委員 御本人たちは、行きたくて失対に入ったわけではないのですよね。やむなくそういう人生を歩いてこられた、振り返ってみればそういうことが言えるわけですね。ですから、こういう議論の際には、石炭産業というのはかつて日本を支えたとか日本の復興の基礎になったとかという賛辞がありますけれども、本人たちは無関係に生活をしておるわけですよ。ぜひそういったことにも思いをはせていただきたいというふうに思います。次に、これまたちょっと角度を変えた質問になるわけでありますけれども、きょうは、私は古い新聞を探してまいりまして恐縮なんですが、大臣の郷里であります田川郡の川崎ですね、中元寺川の底がドーンと抜けて、そして、たまたま雨季でありましたものですから水量が多い、川の下を二重にも三重にも坑道があって古洞になっておるのです、水がたくさんたまる。その下を掘っておったいわゆる豊州炭鉱の炭鉱坑道にドーンと穴があいて、六十七名が生き埋めになっているわけですね。以後、これは上がらないのですよ。未来永劫上がらないのじゃないでしょうかね。この亡きがらは上がってこないのじゃないかと思いますね。石炭産業における労働災害の多かったことはもう御承知のとおりでありますが、極めて痛ましい事故があったわけですね。 大臣、こういった問題を放置か棚上げかしたままに、冒頭申し上げましたように、産炭地域振興臨時措置法が十年で終結するということはどうかというふうに思うのですが、御感想を。 ですから、六十七名だけじゃないですよ。これはガス爆発、炭じん爆発なんかで私も現場に赴いたことがあるのですが、岡田先生は特に御専門でありますけれども、一瞬にして胴体がばらばらになってしまうのですよ。これは遺族の方に申しわけない話ですけれども、医者が何十人も坑内に入って徹夜で何日も縫合をしているわけですよ。ですから、果たして頭と手と遺体が一緒のものかということも私疑問に思ったことがあるのですが、それらを含めまして、この思いは遺族の方々には大変残っているわけですね。 産炭地という言葉もこれで終わった、石炭地域という言葉も終わったということでいいのかなというふうに思いますが、いかがでしょう。
○村上国務大臣 私も炭鉱災害の悲惨さはよく知っておるつもりでございます。 私は、東京に出ましたのは昭和二十七年、大学に入るために出てまいりましたが、そのころは炭鉱の全盛期。私は田川で、田川というのは添田の方でございまして、中小炭鉱が非常に点在していた地区でございまして、三井だとか三菱と違いまして、特に中小における炭鉱の災害の補償などといいますと格段の違いがあった。そうした痛ましい事故に遭われた、そのこと自体痛ましいことではございますが、また、残された御家族の皆さん方の先々の不安な気持ちも私はよく理解をしておるつもりでございます。 私もかつては、こんなところでどうかと思いますが、組合運動に情熱を燃やし、北九州鉱山株式会社という、今の添田の町長が組合の組合長をやっておりまして、私はこの町長に、組合長をやっているときに頼みまして、実際坑内に測量器を持って測量に入りまして、特にそういう災害が起きたときなんかは現場も一、二立ち会ったことがございますが、その痛ましい姿というのは、今おっしゃられたように、本当に何とも言葉に言い尽くせない痛恨の切なさ、そういうことを痛感をいたしております。ですから、先生の今おっしゃられるようなことはもうよくわかります。 そういうことからいけば、閉山して産炭地がそういういろいろな国の厚い保護の中で、厚いといったって今いろいろ問題が残っておりますが、それで事足りるのかと言われれば、そこに思いが今日もあるわけでございまして、そうした思いを抱きながら福岡へ帰るたびに――今懐かしい中元寺川などという名前が出てまいりますと、その中元寺川のところを車で通りながら私は添田へ帰るわけでありますが、そうしたときに、つわものどもの夢の跡と申しましょうか、そうした炭鉱の裏面史の中で本当に多くの災害に遭って犠牲になられた方々のみたまというものに合掌せざるを得ない、こうした気持ちでおります。
○岩田委員 全く同感であります。 かつては九州でも三百を超える、四百を超えたんじゃないでしょうかね、大変な炭鉱がありまして、私も炭鉱のど真ん中に住んでおりましたが、どこの炭鉱に行っても山の神というのがありましたね。それで、あれは安全祈願をするし、一年に一回は祭礼をして霊を慰めたんだろうと思いますね。そこには必ず忠霊碑、忠魂碑というのがありまして、みんな大事にしたわけです。大手、小山を問わず炭鉱がなくなりましてからは、これをき ちっと残した炭鉱はごくまれですね。これは心の問題としても私は許せないと思うのですよ。そしてまた、極端な例ではないでしょう、何例もあったのですが、いわゆる炭鉱の跡地に忠霊碑が、また忠魂碑が放棄してある。こういうことは残念ですよ。 私の地元に中垣屋蔵さんという方がおられまして、お年はもう七十を超えているのですが、とにかく炭鉱で亡くなった方々に対して相済まぬ、これを磨いて、お金を出して建立をして公園を自分でつくられた。町も多少は加勢をしたようでありますけれども、絶えずお花としょうちゅうや酒が上がっているのですよ。遺族の方々の思いは連綿と続いているわけですよ。どこに行ったって言いようがないです、この悲しみと放置された状況、無責任さに対して持っていくところないのですよ。こういう方もおられます。 したがって、できれば大臣、きょうやるというお答えは無理と思いますが、ぜひお願いをしたいのは、十年を経過するその過程でこれらの霊を祭るというか、これは宗教上いろいろ問題ありましょうが、こういった記念公園といいますかメモリアルパークみたいなものをつくる必要が、私は残された遺族の方々、地底に眠っている方々に対してもぜひ何らかの形でこれはつくらなきゃならぬのじゃないか、形あるものにしなければならぬのではないかというふうに思うのです。 部かにみころも堂というのがあるのですね。これは全産業の犠牲者を宗教別に祭ってあるということをお聞きをいたしましたが、立派な緑の空間ができているみたいであります。私は行ったことないのですが、それも昨日たまたまお聞きをしたのですが、石炭の思い出というのは国にとっても歴史でありまして、ぜひこの点について――我々も地元県市町村、それから全国の産炭地等相提携をする必要があると思います。どこにつくるか、ブロックにつくるか一つにするのかとかという議論を私はきょうはするつもりはありませんが、ぜひ大臣のお力をもってそういう方向を任期中に示していただければ、これはまた関係者は無上の喜びとするところではないかと思いますが、いかがでしょう。
○村上国務大臣 私もきょう初めて実は知ったわけなのですね、高尾にみころも霊堂というのがあるということを。本当にうかつでございまして、これは昭和四十七年に建立したというのですが、知らない人が大半じゃないのかな、こう思いました。しかし、このお祭りされておりますみたまと申しましょうか奉納されておる名簿は、約十六万人とお聞きしました。これは当然炭鉱でとうとい命をなくされた方々も含まれている、こういうことを聞いたわけであります。そして、その年々に亡くなられた被災者の家族の方々をお招きをいたしまして、時には内閣総理大臣、衆参両院議長が御臨席なさって、私はきょうここのパンフレットを見せてもらいましたら、皇太子殿下、今の天皇様でいらっしゃいますけれども、皇太子の時代にお参りなすっておられます写真を見せていただきましたが、こうして毎年、営みというよりこの慰霊祭をとり行っておるということを聞きまして、ぜひ一度私も、これは労働省が主催でやるというので、毎年十月ですか、十月までこの内閣が続いておればぜひといいながらも、十月といわず時間があれば早速でもお参りに行きたい、こう思っております。 そこで、今の先生のお話ですが、炭鉱はやはりかつては日本の資源のない中で、石炭だけだったですからね、掘れ掘れ黒ダイヤということで戦後この石炭がもてはやされた。しかし、一番危険な仕事なんですね、あの石炭を掘るという坑内に入っていくわけですから。この日本の一つの石炭政策、エネルギー政策ということだけに絞ってでも、そうした中でとうとい命をなくされた方々のこうしたみたまをお祭りすることについての必要性、必要性というのはどうかと思いますが、その切ない思いというものを、また私どももそう思うのですから、やはり残された家族の方々にとっては、まだその遺体も引き揚げられてないという、こうした方々のそうした鎮魂の場がつくられて、建立されて、そこでお参りができて魂の安らぎを覚えるということについては、これは十分今後の研究テーマとして考えていってもよろしい事業じゃないだろうか、このように思っております。
○岩田委員 産炭地域振興の実施計画が、その前は基本計画として通産大臣がこれを許可される。全国関係自治体はそれぞれに基本計画をつくって今実施計画に移そうとしているわけですが、いろいろな計画がありますけれども、こういう趣旨の、大臣今おっしゃっていただきましたが、鎮魂の場といいますか、こういうことはないですね。私の見る限りではどこにもなかったと思いますね。今の心ある大臣の御答弁を私も非常に喜ぶわけでありますが、ぜひ御努力のほどをお願いをしておきたいと思います。 歴史を引っ張る問題ばかりで申しわけないのですが、もう一つは、やはり人の問題として申し上げなければならないのは、労災被災者の問題であります。 私の友人も二十代で脊損患者になりまして、いまだにもちろん独身で車いすの生活を余儀なくされておる者もおります。それから、いわゆる妻帯をされている、家族を持っている方は、独身の方が気楽とは絶対言うわけでありませんけれども、御家族を持たれる方々はまたそれなりに御苦労が多いのですね。三十で被災をしましても、もう六十七、八、七十近いわけです。この間ずっと一番介護されてきた方は奥さんですよ、配偶者です。それから子供だとか兄弟だとかいう人たちが多いのですが、やはり圧倒的に奥さんが多いのですね。それで本人たちの共通の悩みは、おれが死んだらこの女房はどうするだろうか、子供はどうするだろうかというのが一番心配なんですよ。とりわけ配偶者に対して心配ですね。何十年もずっと付き添ってきておられるから、それこそ仕事に行くこともできなかったわけですから、収入もないし各種年金等もないわけですよ。まさに労災の保険金が唯一の生活の糧で生活をされてきているわけです。それで、夜も昼も、おれが死んだら女房はどうなるのだろうか、路頭に迷うのじゃないかというのが心配だ。看病疲れで亡くなっている方だって、奥さんの方が先立たれたケースだって多いのですよ。 これにつきまして、労災保険審議会というのですか、そこでずっと審議されている経過を私も知らないではありません。しかし、この労働災害にかかわる遺族補償というのは、私は石炭だけに限って言っているわけじゃないのですが、石炭でいうと、炭じん爆発等の問題もありますし、落盤で脊損がありますね。それから、じん肺患者というのはまだまだ認定されていない患者も多いのでありますが、非認定、認定患者にかかわらずこの問題ですね。全国の労災被災者の共通の悩みの一つが、この遺族補償の問題です。したがって、一体これをどういうふうにするかというのは、審議会の審議や議論を待っていましても、いや因果関係が医学的にはっきりしなければだめだということが何年続いていますか。この問題をテーマにして与党、野党問わず議論をすると、本人の悲鳴にも似た要望にはこたえなきゃならぬというのが一様にあるのですよ。医学的にどうするかというのが問題で、ここで突き当たってしまうと、ぱたっと先に進まないのですよ。 高齢になっている、死亡者も相次いでいる、御本人よりも介護された方の方が先に死んでいる、一体これをどういうふうにしていくのか、もうそろそろ判断をすべきじゃないかと思いますが、見通しというか現況の御判断はいかがでしょう。
○石岡政府委員 労災保険制度は、事業主の災害補償責任が確実に果たせるようにという趣旨から設けられたものでありますので、被災労働者の死亡が被災の原因となった業務によって生じたものと認められた場合に限り、その御遺族に対しまして遺族補償給付を行うこととしております。 したがいまして、先生御指摘のように、じん肺など業務上こうむった傷病によりまして年金を受けている方が死亡した場合にも、被災の原因とな った業務との因果関係が認められれば遺族補償給付を行っているところでございます。しかしながら、このような因果関係が認められないものにつきましては、労災保険制度の趣旨からいいまして、遺族補償給付を行っていないところでございます。 この点につきましては、労災補償審議会でもかねてからいろいろ議論がございまして検討を続けているところでございますが、平成元年十二月の審議会の建議におきましては、余病による死亡と業務上の傷病との因果関係の調査・研究を専門家会議を設置して進めるという方向を出していただいておりますので、鋭意その辺を研究しながら、また、審議会での御議論をいろいろ進めながらこの問題を検討してみたいと考えております。
○岩田委員 そういうことでいいのかということを私は聞いたのですよ。余病との因果関係、これからますますこのテーマは、少しは鮮明になるかもしれない、テーマの選別というか特定というのはそれは議論が一歩進むかもしれませんけれども、行き着かないと思いますよ。それは、どうなるかというのは答弁できないでしょう。どうなるかということを私は聞いているのです。高齢化社会はひとしく彼らを迎えているが、彼らが、皆さんが持っている悩みは厳然としてあるわけですから、それを解決するためには、審議会でこうだ、これはよくわかるのです。これをいつまで議論しますか。何十年たってもらちが明かぬのではないですか。ですから私は聞いているのです。 これはもう一回大臣にお尋ねしたいと思いますが、今の六十五歳の年齢の方々というのは、ひとしく、一九四五年の敗戦のときは十七歳の少年ですよ。ですから、戦前、戦中を思春期、少年期で過ごされて、戦後は、やれ炭鉱だとか鉱山だとか建築現場だとか、いろいろ日本の戦後復興のために営々として汗みどろになって働かれた方々というふうに思えば、労働省は恐らくそういうふうには分類しませんが、そういうふうに思えば、私はまさに建国の貢献者だというふうに思ってもいいのじゃないかと思うのですよ。 議論はちょっと違いますけれども、その趣旨ではありませんが、ここに私は「西ドイツ、フランスにおける遺族補償」というのを持ってきています。今のドイツでもそうだと思いますが、時間がありませんから詳しくは申し上げませんけれども、やはり日本よりも進んでいると思いますよ。いや、そういうことはない、岩田さん、あなたそういうことを言うけれども、先進国のどの国の労災補償を見ても日本にはかなわないと言われるかもしれません。それは本人に限ってはそうかもしれません。私が聞いているのは、遺族補償をどうするか。という問題です。 そこで、私が申し上げますようなこれからの被災者については、議論を促進させることもいいですけれども、何らかの形で生前に、生きておられる間に一つの光明を、救済としてするのが、戦後政治の総決算なんと言われた方もたくさんおられますが、一番引きずってこられておるのはこの方々だと思いますので、そういった意味で、政治的な判断というのがもうそろそろいいのじゃないかということをお聞きしているのです、議論すればいろいろありますがね。
○石岡政府委員 労災補償制度は、あくまでも仕事と死亡の間で因果関係があるという場合にのみ遺族補償を行っているわけでございます。また、因果関係がない場合におきましては、例えば国民年金あるいは厚生年金保険において遺族補償も行われているところでございます。 したがいまして、現行におきましても、給付水準が十分かどうかという問題などはもとより今後の検討課題としてございますけれども、一応、労災補償と国民年金等でそのような事態に総合的に対応できる制度には我が国はなっているというふうに考えているような次第でございます。 もとより、給付水準などにつきましては、労災補償についても改善の努力をしてまいりたいと思います。
○村上国務大臣 岩田委員、このことにつきまして、けさ私と大分やりとりしたのです。議論をやったのです。普通のあれだったら、前向きに考えていきましょう、また、さきの鎮魂碑、これは大蔵相手に予算をやらなければいけませんけれども、こういうことについては事務方も、じゃそこまではという話になってきたのですが、このことだけは……。私も何とかならぬのかと、私も政治家ですから、政治判断としてどうなんだ、こう言って随分と詰めたところでありますが、これは労災保険制度としてこういう形になっているので、これだけは大臣ひとつまず御理解をと私言われて、そのことを岩田委員に、まあひとつここは御理解をと、こう申し上げたいのでございます。 とにかく因果関係という、この因果という判断基準等々も非常に難しいことなのかな、こういうふうに思っております。岩田先生、できることだったら、私は、前向きにこれはやらせます、こう御答弁したいところでございますが、私においてきょうは一歩下がったところでございますので……。 以上であります。
○岩田委員 いや、そこで一歩下がってもらっては困るのです。大臣、子供の塾が問題ですね。偏差値問題ですね。鳩山文部大臣はそれを大変憤慨されて、記者会見でどんとやられたのですよ。文部省は今大慌てに慌てていますけれども、しかし、発言されたらそのように大体向いていきますね。きょうの大臣の答弁をいただくために私は質問をしているわけじゃないです、質問の趣旨がちょっとずれてもいますしね。そういう回答を前提に僕はお話をしているわけですから、これは引き続き大臣にしつこく、了解というか前向きになっていただくために、これで終わるのじゃなくて議論させていただきたいと思います。 次に、時間がもう迫ってまいりましたが、江東区の水道本管工事の事故がありまして、先般労働委員会で視察をいたしまして、局長も御同行いただきました。これは全体的、専門的にはこの後沖田委員の方から御質問がありますけれども、私は一、二点だけ時間の範囲でお聞きしたいと思います。 まず、この事故についてでありますが、私の地元に、あれは通産省の工業技術院の所属の試験炭鉱というのがあるのですね。嘉穂郡碓井町に試験炭鉱というのがあります。これはずっと斜坑をつくって切り羽までいって、いろいろ複雑な構造になっていますが、石炭を掘る現場まで、現実の石炭の坑道があるのですね。その中で炭鉱事故の防止のための実験をするわけですよ。私は、先週の日曜日にそこに行ってまいりました。これが目的で行ったわけではないのですが、職員の皆さんと議論をしていまして、たまたま江東区の事故が話題になったのですね。炭鉱の坑内事故の経験から言われておりましたが、おおよそこの江東区の事故もそうではないかというような印象で話されておりましたけれども、やはり慢心、安心感が最大の敵である、こうおっしゃっているわけですよね。私の地元の三井山野炭鉱もかつて大量の死亡者を出しました。私は、当時福岡県の飯塚労政事務所の職員でありまして、徹夜で取材をさせられた経験がありますけれども、慢心だと思います。ここにはガスは出ないというのでどんどん掘っていくわけですね。何かの、例えば電気のスパークだとか、カッターとかたい石がこすれ合って火花が出て着火をする、いろいろ原因があるのでしょうが、慢心だと思うのですね。 灰皿も置いてあったわけでしょう。あと残りが少なくなったという気の緩みもあったと思いますが、これらについて調査の状況、今進行中だと思いますけれども、一言だけ感想をお聞かせください。
○石岡政府委員 今回の事故の爆発はメタンガスによるものと見られておりますが、現在、東京労働基準局に対策本部を設けまして、原因の早期究明に努めているところでございます。 ただいまたばこの灰皿の件について御指摘がございましたが、この件につきましては、衆議院労働委員会の現地調査の際にも、元方事業者から、 喫煙については坑内の定められた場所でのみとするとの申し合わせがなされていたという旨の説明がございました。もしこれが事実だとすれば、先生おっしゃるように慢心があったのではないかと考えております。 安全衛生規則では、可燃ガスが存在して爆発または火災が生ずるおそれのある場所では火気を使用してはならないと定められておりまして、これに違反するおそれが多分にあるケースではないかと思っておるわけでございます。 現在、この点も含めまして鋭意調査いたしまして、まとまり次第御報告を申し上げたいと思います。
○岩田委員 その点を含めて後ほど詳しい御質問が沖田委員の方からあると思いますので、これ以上は尋ねることをやめたいと思いますが、私はやはり慢心だと思いますよね。もう一つは、これらを含めて労働安全の点で再発をさせないという体制をどうつくるか、これは一にかかって労働省のこれからの取り組みと責任の問題になっていくことは当然だと思いますね。 これはどういうことか、私も新聞その他の情報でしかわかりませんが、例えば新幹線御徒町駅の事故がありましたね。あれは、今回の事故やその他の事故と比べまして、労働省の頑張りぐあいというか努力が目に見えたのですよね。スタッフも多かったかどうか知りませんけれども、目に見えたのですよ。しかも、その中で評価をするというかなるほどというふうに感心をしましたのは、あのときは凝固剤の使い方が問題だったのですね。これを指摘したのはまさに労働省だったのです。だから、今回の事故は遜色があるかどうかという点で聞くのじゃないのですが、あの御徒町の事故に対する労働省の対応というのは非常に迅速で的確ではなかったかと私は思いますね。 そういう点でもう一つ御質問をしてみたいと思いますが、一つは、一九八〇年に労災の適用事業所というのは三百二十二万一千百二十九カ所ですね。それに労働基準監督官数は三千百七十八名です。九二年度の労働基準監督官数は三千三百二十六名ですから、若干ふえてはいますね。しかし、事業所の数というのはべらぼうに、百十万もふえているわけですね、四百三十五万四千何がしという。まあ全部が全部振り分けてそのとおりになるとは思いませんよ、そのようにはなりませんが、しかしどうですか、現在でいきますと四百三十万の事業所に三千三百人で対応するとすると、一人当たりはこれは千三百になるのですよね。千三百カ所という事業所に一人の監督官が対応するという、かつては、十年前は千だったものが千三百になるわけですよ。この数を見ても監督官が果たしてこれでいいのかどうなのか、いつも議論になるところですよね。 それからもう一つは、警察と労働省の対応の仕方というのもいろいろ御苦労があると思いますが、例えば化学とか物理だとかいう点についての調査を進めなければならない事故というのは、頻度を増していくと思いますね。こういう専門官の配置だとか、第一そういう専門官が配置されているのかどうなのか。それから数において、定数はやはりもっと当面配置をしなければいかぬのじゃないかという気がするのですが、時間がありませんから、以上二点だけをちょっと……。
○石岡政府委員 江東区の事故につきましては、大臣も発生直後に現場に駆けつけられまして陣頭指揮をなさっておられます。労働省としましては、全力を挙げて積極的にこの事故に対応してしかるべき処置を厳正に行いたいと考えている次第でございます。 それから、監督官の御質問がございましたけれども、安全関係の監督官も採用いたしておりますし、また、各監督署には安全専門官なども配置しでいるところでございます。今後も安全専門官の拡充等に努めてまいりたいと思いますと同時に、監督官の増員につきましでも、関係機関と協議しつつ努力してまいりたいと考えております。
○岩田委員 これではしょりますけれども、国家公務員の定数削減の方向というのはまだ続いているんですよ。時代は日進月歩変わるわけでしょう。産業構造も変わるわけでしょう。火事一つ、火災一つとっても状況は変わっていくわけでしょう。それに対して、いつまでも連綿としてというか、いつまでもじっと定数を削減するのを黙っておる省庁というのもどうかと思いますよ。事人命の問題にかかわるこれらの問題については声を大にして、いつまでも同じ答弁をすることのないように、ひとつぜひ御努力をいただきたいと思います。 春闘が間もなく山場を迎えますが、かつてない状況も生まれております。先ごろの予算委員会で船田経企庁長官は春闘問題に触れられましたが、影響を及ぼすところが多いということで村上大臣はこれをちょっと遠慮なさっておりますが、私はそういう事態じゃないだろうと思いますね。かつてないような、自民党、政府から春闘頑張れなんという声を聞くとは時代も変わったなと思いますけれども、変わっている背景があるわけですよ。アメリカの対日政策がどうであるのか、欧州の連合がどういうふうに対応してくるのか、その中で一千二百億ドルに近い黒字を上げた日本がどういうことになるのか。円高になりましたね。そういう意味では、日本の産業の構造、とりわけ企業のいわゆる発想の転換が求められているので、勢いああいう発言になっていったのだろうと思います。 あえて、この問題につきましては後日春闘問題での集中審議を希望いたしておりますということを申し上げまして、これで質問を終わります。 ありがとうございました。
○岡田委員長 以上で岩田順介君の質疑は終了いたしました。 次に、沖田正人君。
○沖田委員 二月一日午後十一時三十分ごろに、江東区の豊住給水所送水管新設工事の現場でメタンガス爆発による災害が発生をしたことについては非常に遺憾に存じますし、四人が死亡して一人が重傷という参事となったわけでございますが、本当に残念でたまりません。 一九九〇年の上野御徒町のトンネル崩落事故、そして一昨年の広島新交通システム工事での橋梁落下事故、長野県小川村の林業災害復旧工事での土砂崩壊事故、草加市の槐戸橋かけかえ工事での土砂崩壊事故、松戸市の隆道水没事故、昨年の厚木自衛隊基地体育館新設工事での床の崩落事故、首都高速道路工事でのクレーン事故、羽田空港管制塔工事での事故等、公共工事での重大な災害が頻発しているわけであります。 昨年、こうした公共工事での重大な災害というものを契機といたしまして労働安全衛生法の改正が行われたわけでありますけれども、またしても公共工事でこのような惨事が起こってしまったわけであります。 一連のたび重なる公共工事での重大災害とともに今回の江東区の事故は極めて重大だと思いますが、江東区豊住給水所送水管新設工事の現場での災害の概要及び事故原因について、まだ調査中であろうとは思いますけれども、若干経過をひとつお伺いをしたいと思います。 あわせまして、さきに例示をいたしましたたび重なる公共工事での事件、八件挙げましたけれども、この工事についてはどういう原因によって発生をしたのか。 さらには、この防止措置・対策、こういうものを含めまして、いわゆる遺家族等に対する補償であるとかお見舞いであるとかいうことについては十分な措置がとられたかどうか、わかる範囲でどうぞひとつ適切にお答えをいただきたい。
○石岡政府委員 去る二月一日に江東区において東京都水道局が発注いたしました上水道の送水管を新設するトンネル工事で発生した爆発災害は、立て坑から一・三キロメートル掘削した切り羽付近で発生したものであります。この結果、四名の方々が亡くなられたほか、現在も一名の方が重体でございます。 爆発の原因は、メタンガスによるものと見られておりますが、現在、東京労働基準局に対策本部 を設けまして、ガスの詳細な種類、突出のメカニズム、点火源等、その原因の早期究明に努めているところでございます。 続きまして、先生御指摘の八つの公共事業について経過を御報告申し上げます。 先生御指摘の八つの労働災害のうち、松戸市の隆道水没事故と厚木基地の事故を除きます六つの公共工事の事故につきましては、すべて司法送検をいたしております。安全衛生法違反の疑いで地方検察庁に送致済みでございます。残る二つの松戸市と厚木市の事故につきましては、現在、所轄の労働基準監督署で捜査中でございます。 労災補償の状況でございますが、八件のうち御徒町トンネル事故については、工事に従事していた者に被災者はいないので労災補償は行っておりませんけれども、他の七件につきましては、工事に従事していた被災労働者について労災補償を行っているところでございます。
○沖田委員 私は、三K労働と言われるようなこのような建設現場で起こった痛ましい事故、これについての十分な対応というもの、反省というものがあったのかどうか、行われたのかどうかということをお伺いしたいわけです。 労災補償が行われたことは最低の保障でしょう。でございますから、そういう点はある程度オープンにしていただきながら、遺家族等に対するお見舞いを含めて、私は、上積み補償等も十分指導する立場に労働省はお立ちになっていただきたい、このように考えるわけであります。 同時にまた、三K労働と請負単価との因果関係、安い工事だから重労働を強いられた、こういうことになっているのではないかというふうに思いますし、また、出稼ぎの人たちが多く犠牲者になっている、こういう点も残念至極だと言わざるを得ないわけです。したがって、このような事故が頻発するにつれ、さらにいわゆる三K労働としての建設産業におけるイメージダウンというものをどう回避するか、この点についての努力というものがなされなきゃならぬのじゃないか、このように思いますが、見解をお聞かせをいただきたい。
○石岡政府委員 労働災害につきましては、労災補償法に基づきまして的確な補償が行われているところでございますが、企業によりましてはこの補償にさらに上積みをしているところでございます。 この上積みの問題につきましては、いろいろ御指摘もございますけれども、基本的には労使間で決められる性格のものではないかと考えております。 それから、労働条件が非常に悪い、あるいはまた出稼ぎ労働者、下請労働者が事故の犠牲になるという点につきましては、非常に遺憾でございまして、先般、労働大臣は元請大手建設会社二十三社の、しかも経営のトップを招集いたしまして、かかる元請下請の重層的な構造のもとで出稼ぎ労働者や下請労働者に犠牲が出ないように、元請としても抜本的な改革を検討するように指示をなさったところでございますし、また、労働省におきましても、大臣の指示によりまして、建設業におけるこういう災害が発生する構造的な要因にメスを入れる、そういうプロジェクトチームを近く発足させていく予定といたしております。
○沖田委員 いわゆる遺家族に対する補償についての詳細な説明が行われないことについては残念でありますが、私は、今後に照らして、遺家族等に対する補償については努めてオープンにしながら大事に大事に扱っていただきたい、このように手厚く措置をお願いしたい、こういう立場から申し上げているわけでありますから、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 続いて、先ほど岩田議員からもいわゆる慢心がこの大きな事故につながったのではないかということを言われたわけでありますけれども、今度の江東区の災害事故の現場の周辺というものは、東京ガス田と言われて、一九七〇年代前半までは、日量最大十万立方メートルのメタンガスを産出して事業化されていたことは御案内のとおりであろうと思います。工事の発注者は東京都水道局でありますから、これは労働省や建設省は知らぬとおっしゃるかもしれぬけれども、そうじゃなくて、このような工事の事前のボーリング調査などについても、メタンガスを検出されなかったということだけでおしまいにしたという経過についても、やはり目配り、気配りを十分行っていただく必要があるのではないかという気がいたします。この東京都水道局と受注者の共同企業体のメーンの鹿島建設の労務安全責任者の方々のいろいろな配慮があったのだろうと思います。つまり、気配りは十分やったんだ、こうおっしゃっておられるようでありますけれども、事前ボーリング調査ではメタンガスが検出されなかったので、計画書はガスが出ないことを前提にしていた、こう述べておられると聞いておりますけれども、そのとおりであるかどうか、聞かせていただきたい。 隧道工事では事前に労働大臣または労働基準監督署長への計画の届け出を義務づけられていると思いますけれども、安全面でのチェックが具体的になされていたのかどうか、この点はぜひともひとつお伺いをさせていただきたいと思うわけであります。
○石岡政府委員 この江東区の工事を担当いたしました鹿島建設を初めとしますジョイントベンチャーは、事前の段階でボーリング調査をいたしまして、ガスが出ないということを確認いたしまして所要の工事の計画をつくられた、そういう報告を受けております。 それから、御指摘のとおり労働安全衛生法に基づきまして、その後計画の届け出を監督署になさなければならないわけですが、この計画の届けは平成三年八月六日に共同企業体、ジョイントベンチャーから所轄の亀戸労働基準監督署にございました。 同監督署では、届け出られた計画を綿密に審査いたしまして、労働災害防止のための法令違反等の問題は認められなかったということで届け出を受理いたしたわけでございます。
○沖田委員 二百メートル間隔でボーリング調査をやったと聞いておりますが、それに間違いがないかどうか。 そこで、いわゆるメタンガスの発生について十分な調査と気配り、目配りというものがラフではなかったのだろうかという心配を持ちます。その点についての見解を伺いたいと同時に、シールド工法は安全なものだと思いたいが、たび重なるこういう事故について、工法自体に問題があったのかどうか、専門的な立場でお伺いをしたいと思います。
○石岡政府委員 ガスの発生のボーリング調査につきましては、私どもも関係者から二百メートルごとにそういう調査を行ったという報告を受けているところでございます。 それから、後半の問題につきましては説明員からお答えさせていただきます。
○大関説明員 先生御指摘の工法の問題でございますけれども、工法につきましては、例えば圧気工法という工法もございますが、これは外部に向かって圧力をかけていくような形でございます。そのため、ガスが突出するというようなことにつきましてはかなりの効果がある工法でございますが、今回のような工法につきましても特に危険であったというふうには考えておりません。
○城処説明員 シールド工法の問題につきましてお答えを申し上げます。 シールド工法は、シールドと呼ばれます強固な鋼製、鉄の筒を地中に埋め込みまして、それによって防護された空間内の前面で地山を掘削いたしまして、後ろで外周にコンクリートなどから成ります覆いを組み立てて、これを足がかりにしてシールドをさらに前進させていく、こういうプロセスを繰り返しながらトンネルをつくり上げていく工法でございます。 シールド工法につきましては、トンネル前面の切り羽が開放されております開放型というものと、それから隔壁によりまして切り羽を密閉しております密閉型というものがございます。開放型 につきましては、切り羽を安定させるために必要なときには空気の圧力、圧気をかけて掘削作業を行うものでございますし、これにつきましては一九六〇年代の半ばごろから広く使われるようになったものでございます。密閉型と申しますのは、その後開発されてまいりました工法でございまして、切り羽を安定させるために泥水圧でありますとか泥土圧といったものを用いる工法でございまして、この工法は一九七〇年代の半ばごろから普及いたしまして、今日では多く使われているものでございます。 そういうことでございますので、私ども、例えばシールド工法、泥土圧シールド工法も含めまして今日では施工実績も多くございますし、適切に施工することによって安全に施工ができる工法だというふうには考えております。 ただいまお話がございましたように、事故に関しての原因等につきましては、現在、警察でありますとかあるいは労働基準監督署の方でお調べだというふうにお伺いしておりますし、また、東京都の方でも技術調査委員会等を設置されているというふうにお伺いしておりますが、これらの事故原因等の調査を踏まえまして、必要に応じて適切な対応に努めてまいりたいと考えておりますし、なお一層の安全確保に取り組んでまいりたいと考えております。
○沖田委員 安全管理体制として統括安全衛生管理者とか安全管理者等の選任が労働安全衛生法で義務づけられておりますけれども、今回の事故現場ではどのような安全管理体制がとられていたのか、お伺いをしたいと思います。 事前の調査でメタンガスが検出されなかったとはいいながら、ガス検知及び警報システムがとられていたにもかかわらず、日常的に喫煙が認められていた。喫煙についてはどのような見解をお持ちなのか、もう一度きちっとお答えをいただきたい。 ガス検知及び警報システムについても、坑内三カ所にガス検知器が設置されて、メタンガスを感知した場合には、中央管理室で警報が鳴り、掘削機の運転手に知らされることになっていたと聞いておりますけれども、ガス爆発のときには、中央管理室は、掘削機が作動していなかったので鹿島建設の管理者は不在であったこと、また、坑内に入るときに作業員は携帯用のガス検知器を持っていたわけでありますけれども、坑内に入る前は、坑口のところでは作動させていたが、坑口から坑道に入ってしまうとスイッチを切っていた、こういうふうに言われるわけであります。 だれがどのようにこういうことを指示されたのか、なぜなのかということを問題にしなければならないわけでありますから、今回の事故現場での安全管理体制に関する考え方をもう一度ひとつお伺いしたいと思います。
○石岡政府委員 最初に、安全管理体制の問題についてお答えいたしますと、トンネル工事におきましては、現場の労働者数が常時三十人以上の場合におきましては、元請事業者において統括安全衛生責任者及び元方安全衛生管理者を選任しなければならないことになっております。また、この場合においては、下請事業者におきましても安全衛生責任者を選任することとされております。 調べましたところ、このような責任者の設置の届け出がなされております。 しかしながら、こういう責任者たちが実際どのようにして安全衛生管理体制をしいていたかということにつきましては、いろいろ疑問もございますので、現在これらについても調査中でございます。 それから、ガス検知器等警報システムがとられていたにもかかわらず喫煙があったという点でございますが、先般当衆議院労働委員会が現地を調査された際に、元方事業者から、喫煙については坑内の定められた場所でのみとするという申し合わせがなされていたという説明がございました。 労働安全衛生規則では、可燃性ガスが存在して爆発または火災の生ずるおそれのある場所では火気を使用してはならないことになっておりまして、もし先ほどの元方事業者の説明が事実だとすれば非常に問題でございますので、現在鋭意その点も調査を進めているところでございます。 また、衆議院の労働委員会の現地調査の際に、元方事業者より、事故当時には中央管理室が無人であったという説明がございましたが、なぜこのときに中央管理室に人がいなかったのか、そういう事実関係及び事故との因果関係につきましても、現在、鋭意調査中でございます。 最後に、また、当委員会の現地調査の際に、元方事業者より、先生御指摘のようにスイッチを切るという指摘がございました。この点につきましても、問題意識を持ちまして事実関係及び事故との因果関係について鋭意調査をしているところでございます。
○沖田委員 先日の労働委員会の現場調査、現地視察について、私もお願いをして参加をさせていただきましたが、そのときのやりとりの中でも、坑口で携帯検知器を作動させてオーケーとなればもう消してしまうということだけじゃなくて、切り上げのところでも当然検知できるような検知器というものができているはずだから、そういう点は十分配慮したらどうかという指摘も委員長から出されたわけであります。 したがって、本当によく理解できないのは、二十年前はガス田として採掘をしていた、そういう現場であったにもかかわらず、先ほど申し上げたように二百メートル間隔でボーリングをした、そのことに頼っていたことに問題がありはしないかということをもう一度申し上げざるを得ないわけであります。 ガスの警報システムにおいては、中央管理室だけではなくて、作業現場にダイレクトに警報ブザー等が鳴って直ちに作業員が退避できるようになっていたのかどうか、なっていなかった場合は、そうなるように改善すべきではないかと思いますが、その辺の考え方についてお聞かせをいただきたいと思います。
○石岡政府委員 今までの報告では、警報ブザーが鳴らなかったという報告を受けておりますが、問題意識をこの点についても持ちまして、現在、事実関係及び事故との因果関係について調査をしております。
○沖田委員 村上労働大臣は、二月の十八日に大手の建設会社二十二社の首脳をお集めになられまして、元請指導責任での現場安全管理の徹底について要請をされて、出稼ぎ労働者への十分な教育訓練、ジョイントベンチャーの場合については各社一体となって安全管理などが行われていかなければならぬけれども非常に不十分だったのじゃないかというような指摘もされたように思います。重層下請構造の建設現場も同様に思われますけれども、とりわけジョイントベンチャーの場合は、大臣が御指摘されるようにやはり問題があったのではないか、こういうように思いますが、この点についてお考えを聞かせてください。何らかの法的な見直しをお考えであるのかどうか、この点についてもお伺いをしたいのであります。 また、建設業における重層下請構造にあって、安全管理者の権限の強化、さらには、元請企業の経営者トップへの責任に言及をして法的制裁も検討されるべきではないかと考えますけれども、見解をお伺いいたしたいと思います。
○村上国務大臣 私は、いずれにいたしましても、事故というもの、災害というものに天災はない、人災、そう確信をいたしております。ですから、今もいろいろ議論がございましたが、やはり怠慢、惰性、こうしたところに問題がある、こう思っております。 それから、最初にお話がありましたように、たび重なる各所におけるこういう災害を繰り返しておるわけでありますが、そのたびに二度とこういう災害は起こしません、こう言いながら、特に今回の三社ジョイントのある一社は三年前も事故を起こしている。やはりこういうところにもその企業内の体質に問題があるということも私は指摘をしたわけでありますが、いずれにいたしましても、この際、背広の重ね着の上からかくようなこ とではいかぬ、根本的にどこに原因があるのか真摯に、やはりそれぞれ企業がこういう反省を洗いざらい出して、メスを入れるところは入れていく、こういう基本的な姿勢が必要なのかな。 そうした中で、まずジョイントという、この場合は三十四億ぐらいの総額の中で大手が三社でジョイントするという。なぜ三十四億ぐらいの工事でジョイントしなければならぬのか、しかも下請を置いて。まあ下請までは認めますよ。下請が受けて、そしてまた二次下請が受けて、また孫請が受ける。じゃ何のための元請なんだと、やはりこういう建設業の体質というところにも問題があるのかな。 といいますのは、元請からだんだん孫請までなってまいりますと、孫請の人たちがどういう健康状態でどういう技能を持ってどういう家族構成でやっているかなんというのは、元請なんか知りやしませんよ。私は鹿島の副社長に、孫請の人たちの実態をあなた知っていますか、知っていますと言うから、どういうふうに知っているのだと聞いたら、一応名簿、ペーパーにおける高正工業の何の何がし何歳……。これはペーパーを見ればわかることですからね。そういうことで監督また管理ができるのかと。やはり責任体制が希薄になっちゃうんですよ、孫までいきますと。ですから、やはりこれはせめて第一次下請が全責任を持って工事をやるということにしていかないと。しかし、それじゃ人夫が集まらない。人手が足りない。ですから、この季節労働者を雇ってくるということについてはどうなるのか。それは下請が全責任を持てばいいのですよ。第一次下請の社員、そういう位置づけをしていけば、指導監督、管理はぴちっとできるのじゃないのか。 だから、こういう孫請までのあり方、ここにもやはり最大のメスを加えていかなければならない問題があるのではないか。それから、ジョイントのあり方についても問題があるのじゃないか。 それから、そういういろいろな一次、二次、三次、四次、またはジョイントというのが入るということは、それだけ入れば入るほどそこに何がしかの利益を計上していくわけです。それが、安全管理の必要な予算というものが末端にいったときになくなってしまっている。今言った管理体制の中に、なぜ上の、地上の指令室にだれもいなかったのか。大体あそこにだれもいないなんというのはおかしいことなのですね、作業をやっている間は。それはやはり人件費等々を予算がないから切り詰めるためにやっていたのではないのかという疑問が出てくるわけでございまして、そういう指摘を実は先日、これも労働省としては大手二十三社を、その企業のトップを一堂に集めたということも異例なことであったようでありますが、あえて来ていただきまして、そこらあたりをこれは私の素人の考えとして聞いてもらいたい、これは建設省とも今後十分話し合いをしていかなければなりませんが、指摘をいたしました。 いずれにいたしましても、この反省に立って真摯に、謙虚に、大手ゼネコンがこの問題を一つの転機として我々労働省、建設省とも一体になって、いかにして安心して最先端の職場の改善をしていくか、あらゆる角度からこの際出してもらいたい、そのために労働省、建設省、そしてまたこういう業者が一体となって、災害防止のプロジェクトチームをつくってそこで検討してもらいたいということを私は指示いたしました。 それから、今御指摘の、同じことを三年以内に繰り返すなんという企業にあっては制裁も考えていくような措置をこの際十分考える必要がある、やはり少し甘く見ているのではないか、こういうことも私は考えております。それからまた、指名停止も、これも今の三年、また地域の範囲においても公共事業についてはそれでいいのか、そこらあたりも十分今後検討していく。 やはりとうとい生命を亡くすことがいかにつらいことなのかということを我が身として考えるような、トップにおいて、元請において痛みを感じるような、そうしたことを私はこの際やるべきだ。少しゼネコンの方々に対してきついことを申し上げましたが、私はそういうことを先般申し上げて協力を要請したところでございます。そして警鐘を乱打いたしたところでございます。
○沖田委員 村上労働大臣の勇気ある発言については、本当に敬意を表したいと思いますし、どうぞこれからも決断と果敢な行政指導、行政措置というものを含めて、労働省も建設省との連絡提携を密にしていただきながら、事故防止のために、再発防止のためにお力添えをいただきたい、このように思います。重層下請構造が低賃金構造を形づくっていることは御案内のとおりです。だから、季節労働者の集まらない、きつい、汚い、危険、こういう三K労働の最たるものでありますから、どうぞそういう点についての御配慮を特段にお願いをしたいと思います。 次に、公共工事で重大な災害が続発をしていることから考えましても、施工者側の企業に安全管理を徹底させるだけではなくて、この発注者の公共機関の安全管理に関して法的義務はどのようになっているのか。 今回の事故につきましても、発注者の東京都水道局が設計を行っているわけでありますけれども、単に設計監理というレベルではなくて、工法や安全管理等の工事全般に対する安全衛生管理責任を明確にすべきではないか、このように思いますが、見解をお伺いいたしたいと思います。
○石岡政府委員 公共機関等を含めまして発注者は、労働安全衛生法上、その請負人の労働者について直接義務を負わないということになっております。ただし、労働安全衛生法第三条におきまして、発注者は、注文した仕事の「施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。」こういう義務が課せられているところでございます。 したがいまして、先生御指摘の点は非常に難しい問題がありますが、労働省では、別途、建設省あるいは地方公共団体等々の公共工事発注機関との連絡会議の場も設けております。そういう場を通じまして、今後とも安全で適正な作業が発注に当たって配慮されるようにいろいろ協議をしてまいりたいと考えている次第でございます。
○沖田委員 建設業における災害防止のための抜本策を考えるに当たりましては、労働者への十分な安全衛生に関する教育、作業での危険性に関する情報の提供と同時に、もっと大切なことは、さきの第百二十三国会でも論議をされたわけでありますが、労働者の危険・有害作業での就労拒否権というものが極めて重要ではなかろうか、このように考えるわけであります。 そこで、日本は国際貢献をするとか、いわゆる国連に対して積極的に協力をするとかいう発言が相次いでおるわけでありますが、ILOの、国際労働機関の百五十五号条約、さらには百六十七号条約の批准というものを大臣どうぞひとつ早く進めてもらいたい、このように考えるわけです。 御案内のように、百五十五号条約とは、職業上の安全及び健康並びに作業環境に関する条約、百六十七号条約は、建設業における安全及び健康に関する条約、この二つについては何としてもひとつ急いでいただきたい。日本がなぜおくれをとっているのか、こういう点についてもお聞かせをいただきたいところであります。国内法との関連があってなかなか難しいんだ、こうおっしゃるならば、どの国内法に抵触をしてこういう点の改正が必要なんだというようなことを含めて御説明をいただかないと、これは納得できないのでございます。 もう一度申し上げますが、なぜ日本がこの両条約の批准におくれをとっているのか、このことについて大胆な発言をひとつ大臣からお願いをいたしたい。
○石岡政府委員 大臣がお答えする前に、事務的な諸点を私からお答えさせていただきたいと思います。 まず最初に、労働者の危険・有害作業での就労拒否権についてお触れになりましたけれども、このような考え方は、御指摘のILO百六十七号条 約の第十二条で書いてあるところでございます。このように、有害であり危険である作業につきましては、労働者は当然ながら緊急避難的に退避できると考えております。 また、そういう考え方を前提にいたしまして、現行の労働安全衛生法第二十五条におきましては、労働災害発生の急迫した危険がある場合には、事業主の義務としまして労働者を退避させなければならないという規定を置いているところでございます。 このように、百六十七号条約、それからお触れになりました百五十五号条約も、その内容につきましては労働安全衛生法等によりおおむね担保されている状況にございますが、なお個別に見ますと、国内法制との整合性がとれない問題が残っております。 例えば百五十五号条約についていいますと、十四条におきまして、学校教育などの義務教育や職業訓練における段階におきまして安全衛生に関する教育を行わなければならない、そういう規定を設けておりますが、現行の労働安全衛生法ではここまでの規定は設けてないという問題がございます。それから、百六十七号条約につきましては、例えば第一条及び第七条におきまして、労働者を使用しない自営業者も義務主体として対象になっておりますけれども、我が国の現行の労働安全衛生法では、こういう労働者を使用しない自営業者まで対象にした法体系になっていないという問題があるところでございます。 以上、事務的なお答えをまず最初にさせていただきました。
○村上国務大臣 十分もう先生御承知の上の御質問かと思います。そしてまた今局長からお答えいたしましたように、国内法制との整合性を確保した上で批准すべきものと考えております。 こういうことでございまして、現時点では、批准する上においては幾多の国内法の整備をやらなければならない、こういうことでございます。
○沖田委員 もう少し前向きな発言をお願いできないでしょうか。 国内法の整備が必要だ、こうおっしゃるならば、それはいつごろまでに準備をする、少なくとも村上労働大臣の任期中に完了させ、両条約の批准が行われるよう努力を願いたいと思うのですが、いかがでございましょう。
○村上国務大臣 私もおだてられるとどこまでも上るものでございますが、いろいろ研究をしていかなければならないことが、これはやはり法律でございますので、ございますので多少時間もかかろうかと思いますが、研究テーマとして預からせていただきます。
○沖田委員 少なくとも、やはりこの問題については幾つかの条約批准がおくれていることは十分承知をしておりますけれども、これは少しく行政の側の研究不足であり、怠慢とまで言うのはどうかと思いますけれども、やはり非常におくれをとっている条約批准があるのじゃないか、私はこういうふうに思います。したがって、私がきょう申し上げるのは、この二つの条約についての国内法の整備というものはどうぞひとつ労働大臣の任期中に完了していただいて、この両条約の批准というものを国会で行いながら、建設産業における、公共事業におけるところの災害の防止に向けて突き進んでいただきたい、このように私はお願いをしておきたいと思うところでございます。 建設省にお伺いをいたしますが、先ほど大臣も言われましたけれども、ジョイントベンチャーというものが重層下請構造をさらに助長させ、このような現場での悲惨な事故の発生につながったのではないか。したがって、ジョイントベンチャーという仕組みについて建設省はどう考えておられるのか、ひとつ考え方を聞かせていただきたいと思います。 それからもう一つは、重層下請について、一体これは当然だと考えられるのか。下請構造というものはだんだんシンプルに考えるべきである。先ほど大臣の御発言にもありましたように、この重層下請が低賃金構造の重大なネックになっていることは言われるとおりでありますから、そういうことについてもひとつお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○折笠説明員 ジョイントベンチャーについてのお尋ねでございますけれども、ジョイントベンチャーには、先生御案内のように、特定建設工事共同企業体、それから経常建設共同企業体とあるわけでございます。いずれの場合におきましても、建設工事の場合においては、その建設現場で働く労働者の安全確保というのは重要な課題であると考えております。 そのような労働者の安全を守るための講ずべき措置につきましては、労働安全衛生法によって具体的な基準が定められておるのですけれども、ジョイントベンチャー、共同企業体の場合においても、単体の企業の場合と同様にこの法律に基づく基準を守ることは当然のことである、こう考えておりまして、私どもとしましては「共同企業体運営指針」というものを定めまして、この中で、安全衛生管理に係る計画等の策定をする、その場合には共同企業体の構成員の間で十分協議をする、それから、策定された安全衛生管理に係る計画は掲示、閲覧などによって全職員に周知徹底を行う、現場における安全衛生管理の理解の向上を図るというふうに指導しているところでございます。 重層下請については建設業課長から答弁いたします。
○風岡説明員 重層下請の問題につきましてお答えをいたします。 先生御案内のように、一般的に建設工事を実施します場合には、建設工事の施工システムというのは非常に複雑になっておりまして、基本的には、元請といわれるものと下請、ここが分業関係で生産活動を行うというのが一般的なことでございます。 ただ、この元・下関係につきましてはいろいろな御指摘がなされております。一つは、例えば片務性が非常に残っている、元請の力が非常に強いというような問題もありますし、また、今御指摘がございましたような不必要な重層下請がある。これによって、例えば生産効率が非常に落ちたりあるいは責任体制が不十分になってしまう、また、それが安全の問題にもいろいろつながってくるのではないか、そういった問題も指摘をされているところであります。 このような状況から、良質な建設生産物を安全につくっていくためには、元請と下請が適切な役割分担をしてお互いに協力するような関係を確立する必要がある、このように考えております。 こういった考え方に基づきまして、建設省におきましては、平成三年二月でございますけれども、「建設産業における生産システン合理化指針」というのをつくっております。これで、総合工事業者、元請と、下請であります専門工事業者の役割と責任の明確化を図っていく、また、その両者の間の契約についても適正な契約が締結されるようにする、また、安全管理に遺漏がないように、例えば技術者の適正な配置を行うとか、あるいは不必要な重層下請を排除するとか、あるいは施工の安全性も考慮した下請企業を選定するとか、そういう適正な施工方法の確立というようなことについても、先ほど申し上げました指針に基づいて指導しているところであります。 いずれにしましても、元請・下請関係の実態というのを今後とも十分把握いたしまして、特に不必要な重層下請の問題というのは私どもも基本的には同じ問題意識を持っておりますので、そういったものを排除するというような元請・下請関係の適正化ということにつきまして努力をしてまいりたいと思っております。
○沖田委員 ジョイントベンチャーについてはいろいろ指導している、こうおっしゃるけれども、ジョイントベンチャーであるからこそ、今度のように共同企業体における公共工事、今度の爆発事故については、いわゆるもたれ合いで責任のなすり合いみたいなことがあったのではないかと心配をいたします。 重層下請についても、今いろいろ言われておりますように、余りよくない印象が強いわけでありますから、建設省がそういう点ではもっと大胆に指導を行うべきであろうし、ジョイントベンチャーと重層下請の構造のかかわり合い等についてはもっと近代化、民主化をさせるべきだろうと思いますが、見解を明らかにしていただきたいと思います。
○折笠説明員 先生御指摘のジョイントベンチャーあるいは重層下請の問題につきましては、私どもはいろいろと問題意識を持って研究しておりますので、今回の事件につきまして、現在、警察あるいは労働基準監督署において調査中であると聞いておりますので、その調査の結果を待って建設省といたしましても適切に対処してまいりたいと考えております。
○沖田委員 もう一つその点につきまして納得できませんのでお伺いいたしたいわけでありますが、さきに例示をいたしました六件の事故については、これは調査が終わって送検をされたというふうに伺いました。この六件の公共工事についてのいわゆるジョイントベンチャーと重層下請との関係における災害の発生、こういう点についてどう考えておられるか、お伺いしていきたいと思います。
○折笠説明員 ジョイントベンチャーあるいは重層下請について、先ほど先生御指摘のありました六件の事故との関係について、必ずしも明確にそのためであったというふうには私ども考えておりませんが、先ほど申し上げましたように、不必要なもたれ合いをするような、あるいはお互いの責任が不明確になるようなジョイントベンチャー、あるいは不必要な、必要以上の下請構造というのは事故の遠因になるというふうには考えておりますので、そういうことについては適正化するよう今後とも指導してまいりたいと考えております。
○沖田委員 いわゆる送検をされた六件の事故発生状況について、十分に調査が行き届いているわけですか、その点建設省の見解を明らかにしてください。
○風岡説明員 ちょっと今資料を持ち合わせておりませんけれども、私ども、既に結論が出ている、原因が明確になっているものもありますし、現在調査中というふうにお伺いしているものもあります。 この内容につきましては、私どもとしてもその事故の原因というものを確かめまして、それにふさわしい対応ということは当然やっていきたいというふうに思っておりまして、そういう意味での安全指導というのは、既にもちろん通達等で進めているものもあります。 また、事故の原因がはっきりしていないものにつきましては、今後その原因が確定した段階で、建設省としての対応というものについて十分考えてまいりたいと思っております。
○沖田委員 今は資料がないようでありますから、後日ひとつその六件についての資料をお届けいただきたいと思いますので、お願いをしておきたいと思います。 そして、この安全管理の問題等については、JVと重層下請との関係が私は重大なかかわり合いを持っているだろうというふうに心配をいたしますので、特段の御配慮をお願いいたしたい、こう思うところであります。 最後にお伺いしたいわけでありますが、労働省としては事故の原因究明、再発防止に真剣に取り組んでいただかなければなりませんけれども、被災者及びその遺家族に対する速やかな労災補償を図っていただきたいし、その努力がなされているだろうと期待をいたしているわけでありますけれども、一連の公共工事での企業の補償に関しても、労働基準法や労働者災害補償保険法が使用者の最低保障義務を規定していることでございますから、行政指導としてもやはり何らかの対応をすべきではないだろうか。とりわけ、どういうふうにきちんと措置されたかということについても労働省としてもかかわっていただきたい、このように思うのですが、見解をもう一つお聞かせいただきたい。 そしてまた、この上積み補償などについても、これは労使の問題だとおっしゃいましたけれども、これについてはやはりもう少し人命尊重、さらには人権を守るという立場から踏み込んでいただいていいのではないか、こう思いますが、見解をお漏らしをいただきたい、こう思います。
○石岡政府委員 今回の事故につきましては、原因の究明、事故の再発防止に努めますと同時に、災害補償につきまして遺漏のないように対処してまいりたいと考えております。 さて、そこで御指摘の企業による上積み補償でございますが、これにつきましては、先ほどお答えしましたように、基本的には労使間でお決めになる問題だと考えております。例えば、中小企業などを考えてみますと、そうしたくてもできない企業もあるわけでございまして、その辺も考えますと、これはなかなか難しい問題でございますけれども、基本的には、企業の労使間でこの上積み補償につきましては御検討いただくという性格のものではないかと考えているような次第でございます。
○沖田委員 労災補償というものは最低保障だと何回も申し上げているとおり。したがって、そういう点についてはもう少し行政がかかわり合って適切な配慮というものを遺家族に対して行うべきではなかろうかというふうに考えます。皆さんが御努力をされているだろうと期待をいたしたいわけでありますけれども、具体的な事実なり結果というものをやはりどこまで把握されているかということについては、少しく疑問に思える節があるわけであります。したがって、労働者の権利を守る立場からも、労働基準監督署は言うまでもありませんけれども、さまざまな行政窓口での補償を受ける権利及び情報の提供を図る必要が当然あるだろう、こう思いますけれども、その点について考え方を明らかにしていただきたいと思います。
○石岡政府委員 労働基準監督署におきましては、労災につきましても相談窓口を設けまして、いろいろ情報の提供をしているところでございます。その情報提供の中には、企業が行います上積み補償を含めての労災補償に関する統計資料もございます。こういった情報を今後とも窓口を通じまして企業労使に提供してまいりたいと考えております。
○沖田委員 元請責任が当然存在をすると思いますが、今度の場合は、例えば鹿島建設がすべてその労災補償についての責任者たり得るのか、それとも熊谷組や鴻池も含めて労災補償についての努力をあわせて行っているのかどうか、その点について事務的にお答えをいただきたいと思います。
○七瀬政府委員 官房長でございますが、労災保険法の場合には、保険料を納付するとかそういった形での責任は元請になっているわけでございますけれども、さて、その上積みの民事上の補償ということになりますれば、直接雇用している当該下請がやるということが法律の仕組みでございます。
○沖田委員 先ほどもおっしゃいましたように、補償金を下請の立場から払えないという人もあるかもしれないということをおっしゃったと思うのですね。だから、いわゆる上積み補償についてはなかなか難しいということをおっしゃったようでありますけれども、これはやはり元請責任において考えられるようなところを進めていただかないと、あくまでも労災保険というもの、労災保険金というものは、これは最低基準を定めたものだ。でございますから、これはむしろ使用者側の元請側を保護する立場に立っているのではないか、こういうふうに言わざるを得ないわけでありますので、どうぞひとつそういう点では人命尊重、そしてまた遺家族の援護という立場からも十分な配慮をお願いいたしたい、このようにお願いをしておきたいと思います。 大臣にもう一度伺います。 公共工事現場においてたびたび事故が発生をいたします。これは、再発防止に努力されることは当然でありますが、例えば、先ほどもおっしゃら れたように、ちょいちょい事故を発生させるようなゼネコンまたは下請、こういうものについてはやはり十分審査をして、そしていわゆる指名業者から外すという努力も当然あってしかるべきではなかろうか、私はこのように思います。 したがって、そういう立場から協議を急いでいただきたいと思いますし、先ほどもくどいほど申し上げましたけれども、いわゆる百五十五号条約、さらには百六十七号条約、こういうものを具体的に批准に向けて走り出していただくことによって国内法がいや否なくやはり整備されなければならぬわけでありますから、あわせてこの批准についてもう一度大臣としての決意をお伺いをして、私は終わりたいと思います。
○村上国務大臣 今も元請責任、災害補償、これは雇った雇い主と当事者との間で上積みについては決める、では鹿島はどうなんだ、こういう御質問でも明らかなように、鹿島はその責任はない、こういうところにやはり問題がある。痛みを感じないというところに、下請に任せれば後は下請に任せっ放したというところに私は問題がある、こう思っておりますので、重層の下請のこうしたあり方について十分メスを入れる必要がある。それから、ジョイントの責任体制はどこにあるのかということにもある。 こういうこと等につきまして実は昨日も、これは公的な建設大臣、労働大臣という立場ではございませんでしたが、たまたま建設大臣とあるところでお会いしましたので、このことについて十分建設省は考えてほしいという申し入れをしたところであります。これについても建設大臣から、労働省と協議いたしましょう、こういう話もいただいておりますので、即刻きょうも、けさもどうなっているんだということを基準局長に尋ねたところでありますが、これは一刻も早くこうしたことについて協議に入らなければならないと思います。そして指名停止の期間、その範囲等々についてもこの際メスを入れるということは大事なことだと思っております。 ILOにつきましては、国内法を整備しなきゃならぬところがあればこれは速やかに整備していく。いずれにいたしましても、今国内法の整備ということからいかなければ批准はおぼつかないということでございますので、これらを洗いざらい研究をしてまいりたい、こう思っております。
○岡田委員長 以上で沖田正人君の質疑は終了いたしました。 午後一時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十一分開議
○岡田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。石橋大吉君。
○石橋(大)委員 きょうは、労働委員会に所属をして初めての質問でございまして、初当選をして初質問をするような気分でここに立っております。まだ労働省の局長さんも、この間水道の現場視察でお会いした石岡労働基準局長さんだけは顔を知っておりますけれども、あとの方は全部顔も名前もよく承知をしていない、こういう状況です。また、私も長い間労働運動をやってきましたけれども、労働行政についてはしばらく遠ざかっておりましたので全くの素人みたいな立場であります。したがって、きょうの質問も余り次元の高い質問ができないだろう、こう思われているかどうか知りませんが、与党の理事さんもなかなか興味を持って参加をしてもらえない、こういう状況ではないかと思ったりしていますが、いずれにしましても、これから少し頑張って勉強もしたいと思っていますので、よろしくお願いをしたい、こう思っております。 今申し上げましたように、私が国会へ出ましてことしで七年になりますが、ずっと農林水産委員会で農業、林業、漁業問題などをやっていまして労働行政は久しぶりなんですが、久しぶりに労働行政にかかわって、最近の労働省が出されたいろいろな文書を読みまして、ある意味で非常に感心していることといいますか、世の中も変われば変わったものだな、こう思っているのは、労働運動よりも労働行政の出されている文書の方がはるかに前へ行っているような感じが率直のところしているわけであります。一昔前までは、まず労働組合の要求があって、そしてまた一方で経営者なり使用者側の要求があって、労働行政はその少し前を歩くというか、大体そういうのが普通だったと思うのですが、どうもこのごろ労働省の文書を見ると、労働運動よりもはるかに先のことをいろいろ書かれているような感じがして、改めて今昔の感にたえないな、こう思ったりしています。 例えば、去年の労働白書の冒頭を見ますと、賃金だとか時間短縮だとか、いろいろな労働条件は経済成長や企業の収益の従属変数として扱われてきた、しかしそういう扱い方はもう切りかえるべきだ、独立変数として、経済大国になったのだから、労働者の賃金や時間短縮や労働条件をむしろ中心に考えるべきだ、こういうような白書の冒頭の書き出しにもなっていますし、雇用審議会などの答申を見ましても、人間中心の社会を目指して新しい雇用政策を追求する。そういう意味では、このごろの労働組合が言っていることよりも労働省の言っていることがはるかに前に行っているなという感じがしているわけです。労働組合に実力がないから書いても大したことがないということで書かれているのかな、ちょっとそんな感じもしないことはないのですが、車ほどさように、そういう意味では労働運動がもっと頑張らなければいかぬな、こういう思いをしているところです。 率直なところそういう感じがしていますので、ぜひひとつこのことを大事にして、これからの労働行政をさらに積極的に進めていただきたい、このことだけ最初にお願いをしておきたいと思います。 そういう意味で、まず午前中、岩田理事の方からは、地元のネタを中心にしていろいろと具体的な質問がありました。私も地元の質問をしたいのですが、私のところは、御承知のとおり非常に産業発展から取り残されていまして、どこを掘っても炭鉱の坑道なんかは出てこない。弥生時代か縄文時代の古墳の跡だけはもう至るところから出てきますが、ほかには何にもありませんので、余り地元の話をするわけにはいかない。そこで、きょうは、景気が停滞をする中で雇用問題がますます厳しくなりつつある、こういう状況ですので、雇用問題を中心にして一時間ばかりいろいろと質問をさせていただきたい、こう思っています。 まず最初に、今後の雇用失業情勢の全般的な見通しと当面の対策について伺いたいと思います。 二月三日の新聞報道によりますと、総務庁が二日に発表した昨年十二月の完全失業率は、前月に比べて〇・一ポイント上昇して二・四%、一九八九年五月の二・四%以来三年七カ月ぶりの高い水準になった。二カ月連続の上昇で、総務庁は、長引く景気低迷が失業率にも影を落としている、こう言っているわけですが、完全失業者数は百四十四万人で前年同月に比べ十七万人の増、こうなっていると報告されています。一方、労働省が発表した十二月の有効求人倍率は、前月と同じ〇・九三倍と三カ月連続一倍を割り、職を求める人の数が企業の求人数を上回っている。九二年平均の有効求人倍率は一・〇八倍、前年の一・四〇倍を大きく下回った、こういう報告がされているわけであります。 いつごろ本当に景気が回復するのかどうか、経済の見通しにもいろいろありますが、どっちにしましても、景気の低迷に伴いまして急速な有効求人倍率の低下や完全失業率の上昇が見られる、こういうことになりかねないわけですが、労働省としてはどういうふうに今後の情勢を見ておられるのか、当面の対策についてどういうふうに考えておるのか、こういうことについて最初に伺いたいと思います。
○齋藤(邦)政府委員 ただいま先生御指摘のように、雇用情勢は、有効求人倍率が三カ月連続して 一を下回るというような状態でございます。また、失業者数もふえてまいりました。さらに、いろいろな業種、業態によっても違いますけれども、管理職ですとか中高年齢者を対象にしましたような希望退職、勧奨退職、あるいはパートタイムあるいは期間工のような方々の契約の更新をしないというような事態というのが見られるようになってまいりました。今後こういう状態がいつまで続くかということになりますと、景気全般がどのような時点で回復をしているかということにかかわることでございますが、いずれにしましても、引き続き十分な警戒をしておく必要がある事態ではないかというふうに思っております。 当面の対応策いかんということでございますが、私どもとしましては、こういうような事態、状況の中で一番大事なことは、失業者を出さないようにするということが一番の基本ではなかろうかというふうに考えております。 そのために、雇用調整助成金という制度がございますし、これを十分活用することによって、事業主の方の雇用維持の努力を支援することにいたしたい、このように考えております。幸いにしまして、来年度予算案は五百億を超える予算規模で経費を計上することができましたし、こういうようなものを十分活用していきたいというふうに思っております。 また、全国の職業安定機関を総動員いたしまして、事業主の方々に対していろいろな雇用維持のための努力をお願いいたしてまいりましたし、またあわせて、不幸にして離職されました方には再就職の促進というのを一日も早く図っていただきたいということで努力をいたしておる次第でございます。
○石橋(大)委員 次に、これからの雇用調整の中で企業内失業者が百万人くらいおる、こういう推計が従来出されているわけですが、これがどういうふうに展開していくか、こういうことに関連をしてお伺いをしたいと思います。 二月十六日に日本銀行の調査統計局が発表した「最近の雇用情勢と今後の展望」、こういう文書があります。詳しいことは申し上げませんが、これによりますと、 一つは、新規求人の業種別動向を見ると、製造業における落ち込みが目立っているが、非製造業については建設業が引き続き高水準・横ばいで推移しているほか、サービス、卸・小売業についてもごく小幅の低下にとどまるなど、製造業に比べれば求人の低下幅は総じてマイルドなものにとどまっている。 二番目に、次に雇用者数の推移を見ると、製造業では九一年後半以降増勢鈍化傾向にあり、足元の前年比はほぼゼロ近傍にまで低下している。ただ、これまでのところオイルショック時や円高不況時のような大幅な減少を示すまでには至っておらず、伸び率の低下テンポも過去の調整局面と比べマイルドなものにとどまっている。一方、総雇用者数の七割のウエートを占める非製造業については、増勢こそ緩やかに鈍化しているものの、足元でも前年比三%前後の底がたい伸びを維持している。 三番目に、常用雇用者数の動向を業種別にやや子細に見ると、製造業では、電気機器、輸送用機器など加工業種の伸び率低下ないし減少が目立つ一方、非製造業では主力の建設、卸・小売、サービス等、いずれについても増勢の目立った低下はうかがわれていない。 四番目に、また、事業所の従業者数による規模別で見ると、小規模事業所の常用雇用が相対的に底がたい動きを示している。特に非製造業では、従業員三十人以上の事業所の常用雇用の伸びが昨春以降鈍化しているのに対し、同五ないし二十九人の事業所においては、引き続き前年比五%前後の高目の伸びで推移しており、ごく最近においても増勢が鈍化している様子はうかがわれない。こういうことが言われておるわけであります。 要するに、今回の景気調整局面では、生産や企業収益が大きく落ち込んでいる割には、これまでのところ雇用面での調整は総じて比較的マイルドなものにとどまっているとの評価が可能である、こう言っているわけであります。 今まではそうですが、しかしながら、元来、雇用動向は景気遅行的な性格を有するものだけに、むしろ、今後雇用調整圧力が強まり、常用雇用の削減など雇用調整が一段と深化していく懸念がないとは言えない、こういうふうに言われているわけであります。 そして、雇用調整圧力の評価に関しましては、まず、足元の雇用調整圧力の程度を見ると、企業は厳しい生産調整を継続しているにもかかわらず、依然として常用雇用の温存を続けていることから、収益が大きく圧迫されており、この点から見れば、雇用調整圧力は既にかなり高まっているものと見られる、こういうふうに分析をしまして、特に大企業において管理部門(ホワイトカラー層)、なかんずく、給与単価の高い四十代から五十代前半の年齢層(団塊の世代中心)のウエート上昇が目立っており、このことが最近大企業を中心に見られる企業内失業論の土壌になっているとともに、現実問題として、人件費の上昇を通じて収益を圧迫する一因となっているものと考えられるとしています。 こういうことに関連しまして、富士総研は、去年の秋に、企業内失業者が昨年八月時点で国内の総就業者約六千五百万人のうち百万人に達した、こういう試算結果を発表しておりますし、日興リサーチセンターも、去年の四-六月期の製造業の企業内失業者は大体九十万人というふうに過去最高の水準に達している、こう言っているわけであります。 これからの景気の動向いかんによっては、こういういわば潜在失業者といいますか企業内失業者として残っている人々が、本当の失業者として表に出てくるという状況が出てくるのじゃないかというふうに心配されますが、この企業内失業者百万人という分析に対して、労働省としてはどういうふうに見ておられるのか、今後の常用雇用の削減などの深化というおそれに対してどういうふうに見ておられるのか、伺いたいと思います。
○齋藤(邦)政府委員 先ほども申し上げましたように、最近、雇用調整を実施する事業所がふえてきております。電機など非常に業況の悪い業種では、希望退職者の募集とか勧奨退職といったような厳しい方法をとっているところもありますが、ただ、総じて申し上げれば、今のところ、何とか雇用の維持を図らなければならないということで各企業は努力をしていただいておるのではないかというふうに思っておるわけでございます。したがいまして、残業の規制ですとか、そういうふうないわばマイルドな形での雇用調整が広く行われてきているというふうに認識をしております。 先生今御指摘のように、民間の研究所が、昨年からことしにかけまして、いろいろな調査結果といいますか研究結果を発表いたしております。その中に、百万人とかあるいは九十万人とか企業内失業者がいるというような形の調査結果が出ております。この調査結果を拝見をさせていただきましたけれども、いろいろな仮定を置きましてその仮定に基づいて計算をしておりまして、必ずしも厳密な数値であるというふうにも思えないと感じております。それからさらに、我が国の企業一般の行動パターンだろうと思いますが、生産の変動に直接に対応して労働者の数を変動させるというような対応はとらないというのが通常の企業パターンでございますので、このそれぞれの研究機関の推計結果といいますのは、生産減に対応して労働者数はこうあるべきではないかというようなことをもとにして計算をしておりますので、この百万人という数字は、そういう意味で、数がちょっと多過ぎるというか少し大げさではなかろうかという感じがいたしております。 ただ、私どもが昨年十一月に実施した労働経済動向調査によりますと、製造業では一五%の事業所が雇用過剰感を持っているということでございますし、そういう意味で、企業内の雇用過剰感というのは高まってきておるのではないかと思いますし、また、先ほどの百万人の推計もちょっと大 げさではないかということを申し上げましたけれども、こういう見方をしておられる方もあるということはやはり無視できないということもあると思います。 そういう意味で、雇用調整の広がりということにつきましては、私ども、十分警戒をしなければなりませんし、そのようなことにならないようになるべく早目早目に手を打っていくということが大事ではなかろうかと思っておる次第でございます。
○石橋(大)委員 次に、不況になるといつでも真っ先に雇用調整の対象にされるのは、女子労働者あるいは高齢労働者、外国人労働者で、こういうところにまず真っ先に雇用調整の手が加わる、こういうことになるわけですが、こういう意味で、不況下の女性雇用の問題についてこの機会にちょっと伺っておきたいと思うのです。 御承知のように一九八六年に男女雇用機会均等法が制定をされ、労働基準法の女性保護規定の改廃もありました。また、九二年の四月一日には育児休業法の施行がありまして、働く女性の就業環境に対する法律が整備をされてきました。そういうこともありまして、最近女子の雇用が急ピッチで拡大をしている、こういう状況にあることは御承知のとおりです。特に、九一年四月の四年制大学卒業の女子の就職率は過去最高の八一・八%、男子の八一・一%を上回る、こういう状況になっているわけです。しかし、こういうふうに不況が長期化をしてくると、やはり真っ先にそういう女子の雇用問題に深刻な影響が出てくる。 そこで、この機会に伺っておきたいと思いますのは、まず一つは、最近における女子学生の採用取り消し等の動向は一体どうなっているのか、これが一つ。 それから、さっき言いました総務庁発表による十二月の完全失業率を見ると、男性二・三%、女性二・七%、女性が多いわけですが、総務庁の見解によると、主にパート労働者の就職が困難になっているためではないか、こういうふうに見ていますが、労働省はどういうふうに見ておられるのか。 それから、今ちょっと労働市場が緩んでいるといいますとあれですが、長期的に見て労働者不足が深刻になる、こういうことは労働省の分析でも明らかにされているわけですが、いずれにしましても、そういうことを考えたときにますます女性労働力を活用していかなければいかぬ。もちろん、女性の社会的進出も高学歴化に伴ってますます進んでいく、こういう状況にありますが、こういうことを考えたときに男女雇用機会均等法の見直しをする必要はないのかどうか。目下のところ、この均等法は募集・採用、配置・昇進に関しては使用者の努力義務にとどめているわけですが、これはやはり禁止規定ぐらいに変えてちゃんと女子の働く人々の権利をもっと大事にしていく、こういうことがますます必要になっているのではないかと思いますが、この点とういうふうにお考えになっておるのか。 それから四つ目に、圧倒的に女性はパートタイム労働者として働いていることは御承知のとおりです。パート労働者をめぐっていろいろ問題があるために、今度の国会でもパートタイム労働に関する新しい法律を出そう、こういうふうな動きにもなっているわけですが、きょうはここでそう詳しいことは言いませんけれども、そういうパートタイムの労働者に対する対策、法案のねらいなどについて、ごく簡単に基本的なことだけこの機会にちょっと承っておきたいと思います。
○齋藤(邦)政府委員 最初に、女子学生の問題でございます。 私ども二月上旬までに採用内定取り消しで把握をいたしました数を見ますと、高卒の場合、男子三十名、女子二十四名、こういうような状況でございますし、また、大学等の新卒者につきましても、男子三十四人、女子三十四人、こういうようなことでございます。 私どもが把握いたしております状況から見ますと、男子六十四、女子五十八でございまして、特にこれで女子と男子の間で区別があるということはないのではないかと思っておりますが、男子、女子を問わず、採用内定取り消しというのが発生することは極めて遺憾な問題、重要な問題だというふうに思いまして、企業に対しましてこのようなことのないように指導をいたしておるところでございます。 また、パート労働者のことについてのお尋ねでございますが、先ほども申し上げましたように有効求人倍率は、一般の求人倍率も非常な速度で下がってきておりますが、さらにパートの求人倍率は、まだ一を超えてはおりますけれども、下がってきております。 また、各県からの報告によりましても、パート労働者につきまして再契約の停止というような事例も多く見られておるというようなことでございまして、問題であろうというふうには思っておりますが、ただ、依然として中小企業の方々を中心にして根強い労働力の不足を訴える企業もございます。そういうようなところを中心にしまして再就職のあっせんに努力をいたしておるところでございます。
○松原政府委員 私から男女雇用機会均等法についてお答え申し上げます。 雇用機会均等法につきましては、施行後七年たっているわけでございます。御指摘のように、募集・採用と一部の条項につきましては事業主の努力義務ということになっているわけでございますけれども、この七年間の成果を見ますと、そういった努力義務であるか禁止規定であるかということよりも、これによりまして社会の女子労働に対する認識というのは非常に大きく変わったというふうに私ども思っておりまして、企業がこの法律に沿った形で雇用管理の見直しを進めてこられたということを私どもは評価をいたしているところでございます。 ただ、それでは全く問題ないかといいますと、必ずしもそうではない問題がございます。今先生から御指摘ございました女子学生の問題につきましても、昨年の秋、就職活動する時点におきまして女子に門戸が非常に狭いといったこともマスコミで報道されました。これにつきましては事実関係がどうなっているか、私ども今調査をしまとめている段階でございますし、また、御指摘のように、女子にだけ特に不利に採用内定が取り消されるといったようなことがもしあるとすると、これは均等法の趣旨に照らして非常に問題があるというふうにも思います。 いずれにいたしましても、雇用機会均等法の趣旨というのがどの程度徹底してきているのか、徹底していないとすればどういったところに問題があるのかということにつきまして十分実態を把握した上で、今後、法律ですとか指針とかそういったことの見直しも含めまして、有効な対策を検討していきたいというふうに考えているところでございます。 それから、もう一つのパートタイム労働対策でございます。 御指摘のように、パートタイム労働者はこのところ非常にふえてきておりまして、昨年の数字でございますけれども、八百六十八万人ということになりまして、そのうち女子が五百九十二万人、女子雇用者に占める割合は三〇・七%というふうにふえてきております。ふえ方は男性の方が多いのですけれども、やはり大宗は女性であるという実態でございます。 そういうことで、これまでも労働省としましては、パートタイム労働者の労働条件の改善とか雇用の安定などを図るために、パートタイム労働指針というのを既に策定し、その周知徹底を図るということを一生懸命やってきたわけでございますし、加えまして、パートバンクとかパートサテライトを設置する、パートタイム労働者に対する職業能力開発を積極的にやるといったような施策をやってきたわけでございますけれども、昨年十二月に、今後のパートタイム労働対策の一層の充実に向けてこういったような対策をとるべきであるということを内容としましたパートタイム労働問 題研究会からの報告が出されました。 後先になって恐縮ですが、その研究会の報告の内容をちょっと御紹介させていただきますと、基本的な考え方は、これまでパートタイム労働というとどうしても補助的労働と同義語とみなされがちであった、こういうことではやはり問題ではないか。パートタイム労働というのを我が国経済社会に正しく位置づけ、パートタイム労働者を適正に育成する必要があるという観点に立ち、これまで大臣告示でございましたパートタイム労働指針、つまり、法律に根拠が特段なくて大臣が告示で示しておったものでございますけれども、これをさらに周知徹底させるということから法的な根拠を与えるべきだという点が第一点でございます。それから第二点は、短時間労働者につきます情報提供とか相談援助をやるパートセンターといったものを、設置といいますより既存の団体にそういう機能を行わせるべきであるということを内容とするものであったわけでございます。 現在、今申し上げました二点を主たるポイントといたしまして、私どもいわゆるパート労働法案というものを作成いたしまして関係審議会にお諮りをしているところでございます。できるだけ早く関係審議会から御答申をいただきまして、国会に提出させていただきたいというふうに思っているところでございます。
○石橋(大)委員 続いて、もう一つの高齢者の問題についてついでに伺っておきたいと思います。 景気後退に伴いまして、どうも女子労働者とともに高齢者が非労働力化をする、そしてそれが完全失業率の低下に結びついている、こういう関係があるようですが、高齢者に対する継続雇用の促進の問題は、これは高齢者自身の生活にとって非常に重要であるばかりでなくて、これから高齢化社会が進めば進むほど、社会保障費負担の軽減などのためにも、定年延長だとか、高齢者が元気な場合にはやはりちゃんと遅くまで仕事をする、こういうことの社会的な必要性もますます高まってくるというような状況があるわけです。 こういう将来展望も含めまして、この不況下、高齢者に対する継続雇用の促進、今後の高齢化に対応する高齢者雇用対策の強化、こういうことについて、この機会に労働省の見解を承っておきたいと思います。
○坂根政府委員 先生がおっしゃいましたように、最近の雇用失業情勢を反映いたしまして、高年齢者につきましても一層厳しさが増しているわけでございます。 労働省といたしましては、こうした状況の中でできる限り高年齢者にこの影響が及ぶことのないように、その雇用の安定について万全を期していきたいというふうに考えております。 そこで、このため、まず定年延長や継続雇用制度の導入を推進しているわけですが、これが景気停滞を理由に停滞したりあるいは逆行したりすることなく、さらに推進されるように事業主あるいはその団体に対して強力な指導を行うとともに、積極的な求人開拓あるいはきめ細かな職業紹介を行いまして、各種助成金制度も活用しつつ、高年齢者の雇用の促進に一層積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○石橋(大)委員 次に、時間短縮の問題に関連をして、去年、平成四年における労働時間短縮の状況及び不況に伴う時間外労働の減少を景気回復期においても持続させるような対策が必要ではないか、こういうことについてちょっと伺いたいと思うのです。 大臣の所信表明の第一は、生活大国の実現に向けて働く人々の生活の充実を図ることであり、そのために労働時間の短縮を推進していきたい、こういうことが最初に強調されております。 そこで伺いたいのは、今日の不況下におきます雇用調整の第一段階においては、先ほどからいろいろ話がありましたように、まず、時間外労働の削減など労働時間短縮によって雇用調整が行われる、こういう状況になっているわけです。そこで、週休二日制の早期実現、千八百時間に向けて労働時間の短縮、こういうことを目指して労働行政が進められているわけですが、収入が下がるというような意味も含めれば二面性がありますけれども、時間短縮という面だけからいえば、災いを転じて福となすというか、この不況下短縮された時間をそのまま固定をして、労働時間短縮をやはりちゃんと固定化をしていく、そして千八百時間はもちろんですが、週休二日制をやはり早期に実現をしていく、こういうことに結びつけていく必要があるのではないか、こういうふうに考えますが、その辺の対策について伺いたいと思います。
○石岡政府委員 平成四年の年間総実労働時間は、前年と比べまして四十四時間減少し、千九百七十二時間と初めて二千時間を下回りまして、過去最低の水準となりました。 前年と比較しまして実労働時間がかように大幅に短縮された背景には、御指摘のように経済情勢の影響がございますけれども、今後とも労働時間の短縮が着実に進展していくよう、千八百時間を目標にしながら努力をしてまいりたいと考えております。 特に、そのうち時間外労働につきましては、前年を二十六時間下回りまして平成四年は百四十九時間となりましたが、これには不況の影響もございますけれども、今後は経済情勢にかかわりなく時間外労働の削減が図られるように労使の取り組みを促進してまいりたいと考えております。 このため、労働省といたしましては、ことしの一月より施行をされましたのですが、新しい時間外労働協定の適正化指針、これは三六協定を労使が結ばれる際の目安を定めたものでございますが、この目安に基づきまして適正な協定を結んでいただくよう指導するとともに、平成三年八月に策定したものでございますが、「所定外労働削減要綱」というもの、これに基づきます所定外労働時間の削減の啓発指導もあわせて行いまして、時間外労働の削減に努めてまいりたいと考えております。
○石橋(大)委員 次に、労働大臣、ちょっと手持ちぶさたのようでございますが、改めて賃金引き上げについて大臣の見解を承っておきたいと思います。 昨年の下期から製造業においては前年比で実質賃金指数がマイナスに転じたことなど、実質賃金がほとんど増加しない、こういった実態になっております。そういう中、いよいよ今次春闘が大きな山場を迎えようとしておりますが、景気低迷の一つの大きな要因は国民消費が停滞をしていることだから、消費拡大のために賃金を思い切って上げる、労働時間の短縮や所得減税も実施をする、こういうことが労働組合側の大きな要求になっているわけであります。また同時に、このことをめぐっては、日経連などを中心にして労使の間でかなり大きな見解の違いなどもあって、大変論議を呼んでいるところです。 前の大臣は賃上げについてかなり積極的な姿勢を見せられておりまして、日経連と労働大臣と討論でもするか、こういうようなことを、どこまで本当だったか私はわかりませんが、新聞によるとそういうようなことも一時報じられた経過もありますが、村上労働大臣としては、私もぜひそういう姿勢を持ってやってほしいと思いますけれども、この点についてどういうふうにお考えになっているのか、ひとつ前向きに答弁をお願いしたいと思います。
○村上国務大臣 こういうことになってまいりますと口がかたくなるのですが、春闘における賃上げは、もう言うに申さず、労使が自主的に交渉して決定することが原則でございまして、私としては、とかくこのことについてはマスクをはめて見解を述べることは差し控えなければならないと思っております。 まあ近藤前大臣は一つの考え方を申し述べられたのだと思いますが、やはりこれは置かれた立場、労働行政を一応お預かりしている立場として申し上げることは、私自身がそう思うのですから、ちょっと踏み込んだ発言ではなかったか、こう思うのです。三塚政調会長、それから経済企画庁長官、いろいろ申されておりますが、これはや はり現在の景気の低迷に非常に憂慮なさった、そうしたことからかんがみての御発言であろうかと思っておりますので、そういう意見がどんどん我が自由民主党の中からも出てくるということは、私は、議論がなされるということは結構なことだ、こう思っております。 しかし、いずれにいたしましても、今日の労使関係というのは非常に私は成熟している、こう見ておりますので、どうすれば経済の安定成長を確保し、国民生活の向上を図れるのかといった大局的観点から私は円満な一つの解決が図られるものだと信じております。この信じておるというところに力を入れさせていただきたい、このように思うわけであります。 それから、時間短縮は、これはもう生活大国を目指す上での大きな課題だと思っております。宮澤内閣の生活大国実現という大きな柱の中で、第二次労働大臣を宮澤総理が私にその責任の一端を担わせる、ここらあたりの総理の期待、また、この私が今そうした時短ということに取り組んでいくスタンスというものは、労働大臣として明確にこれは出していかなければならない、こう思っております。 幸いに、我が党の中にもいろいろこの時短について、商工部会、建設部会、中小企業調査会等々議論のあったところでございますが、そこは十分こうした一つの大きな政府の方針に対して御理解を示していただいてまとめていただき、この国会に、先日、十九日の閣議において基準法改正案を提出をさせていただいた、こういう経緯があるわけでございます。 さらに、所得減税等については、働く方々の所得税負担が年々高まっているところから、暮らしの安定に向けて取り組むべき重要な課題であろうと考えております。しかし、一方では財政状況は大変厳しいということもあわせて念頭に置いていかなければならないのかな、このような考え方を持っております。 先生の御期待に沿えるようなめり張りのきいた春闘の私の見解を申し述べることについては、御期待に沿えなかったことを私自身残念に思っております。
○石橋(大)委員 口に出しては言えないということですが、ひとつ精神的にもちゃんと後押しをしてやっていただきますように、お願いをしておきたいと思います。 次に、余り時間がありませんが、外国人労働者をめぐる問題について二つ、三つお聞きをしたいと思います。 まず一つは、不況下における外国人労働者の就労実態などについて伺っておきたいと思います。 平成二年の外国からの新規入国者、二百九十二万七千五百七十八人、うち観光などを目的とした短期滞在者約二百七十万人、全体の九二・四%、就労を目的とした入国者数は九万四千八百六十八人、同年入国管理局によって不法就労者と認められた外国人は二万九千八百八十四人、こういうふうになっています。しかし、長期滞在者を含めて現実には十五万人を超える外国人労働者が不法就労している、こういうふうにも言われているわけです。 この不況下、これらの不法就労者、不法就労者という言葉がいいのかどうかちょっとわかりませんが、を中心に真っ先に解雇をされたり首を切られたりする。不法就労者と言われるくらいですから、労働法上何らの権利の主張もできない、こういう立場に置かれているわけですから非常に弱い。したがって、真っ先に雇用調整の対象にされる、こういうことがあるわけですが、こういう外国人労働者が、いわばちまたにルンペン化をして非常な生活困窮者になってさまよう、こういう状況はやはり経済大国日本のある意味では恥さらしだ、こういうことにもなりかねないと思っているわけです。 そういう意味で、この長期不況と、そのもとにおける外国人労働者の就労実態、正確な数字は出てこないと思いますが、こういう問題についてどういうふうに労働省としてはちゃんとした対策をしようとしているのか、この点について最初に伺いたいと思います。
○齋藤(邦)政府委員 現在、我が国で就労しております外国人労働者の方、合法あるいは不法、両方合わせまして五十万人を超えておるのではないかというふうに推計をされております。 最近の景気後退の影響はどのように及んでいるかということでございますが、現在、私ども上野に日系人雇用サービスセンターというのを設けまして、日系人の方々の御相談に応じておりますが、そこの来所状況等を見てみますと、求職の相談あるいは労働相談というようなものが、前年に比べますと、月平均にしますと大体倍ぐらいになっております。ちなみに、平成四年一月から十二月までの求職相談、月平均八百七十五件、こういう形になっておりますし、大体倍くらいにふえております。それからさらに、私ども地方の各公共職業安定所からの報告を徴しておりますけれども、その報告によりましても、我々の安定所に来られる外国人求職者の方の数もふえてきておるようでございます。それから、一部の地域におきましては、雇用調整が外国人労働者の方に行われているというような報告も聞いております。 こういうような状況でございましで、私どもとしては、日系人を初めといたしまして正規に外国人労働者を雇用している事業主の方々には、とにかく安易な解雇を行わないようにということで適切な指導なり啓発をいたしております。それからまた、離職された外国人労働者の方につきましては、先ほど申し上げました雇用サービスセンターあるいは各公共職業安定所におきまして、迅速、的確な職業紹介を行うということにいたしておるわけでございます。 それからもう一つ、不法就労者の方の問題があろうかというふうに思いますが、この問題につきましては、関係機関、警察、法務省とも十分に連絡をとりながら、従来から同じ態度でございますけれども、厳正に対処してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○石橋(大)委員 外国人労働者に関する二つ目の問題として、いわゆる外国人技能実習制度の具体化の問題について、ちょっとこの機会に伺っておきたいと思います。 平成三年に研修の在留資格で我が国に入国した外国人の数は約四万三千人で、前年比約一六・二%の増、五年前からでは約三倍という激増ぶりを示し、今後とも確実な増加傾向を示すものと考えられているわけでございます。 こういう中で、外国人研修の適正かつ効果的な実施を確保しつつ、外国人研修生の受け入れを拡充するため、平成三年九月に労働省、法務省、外務省、通産省の四省共管によって財団法人国際研修協力機構が設立され、この財団を通じ、研修生受け入れ企業等に対する各種指導・援助が行われているわけであります。 我が国における外国人研修生の受け入れについては、現行制度による外国人研修がともすれば単純労働力化してしまう等の問題点があるため、一昨年十二月の臨時行政改革推進審議会第二次答申において、「現行研修制度上の各種基準についてその合理性を再検討した上で、開発途上国から来日する外国人が、一定の条件の下に日本人と同様の待遇を受けつつ帰国後は本人の就業及び母国の経済社会開発に役立つ技能を修得できる制度(技能実習制度)を創設すべきである。」こういうふうにされまして、その後その具体化に向けて労働省でもいろいろ検討が進んでいるようですが、この実施枠、法制面での整備、適正な実施方法、不法残留者対策などについて、時間がありませんから、ごく基本的なことだけで結構ですから、この機会に伺っておきたいと思います。
○伊藤(欣)政府委員 先生御指摘の技能実習制度につきましては、一定期間の研修を経た上で研修成果の評価等を行いまして、一定の水準に達したということの要件を満たした場合に、その後は雇用関係のもとで労働者として技術、技能等を修得できるという制度を検討しておるわけでございます。 この制度につきましては、先生お話しのように、人づくりを通じまして国際貢献を推進する観点に立って、外国人研修生に対しましてより実効ある技能移転を行うための新たなシステムとして平成三年十二月に第三次行革審の第二次答申において提言されまして、昨年六月の政府の「生活大国五か年計画」におきましてもその制度の創設・具体化を図ることということが決められまして、来年度実施に向けまして政府部内におきまして検討、協議しておるものでございます。 まず、この制度の法制面のことでございますけれども、この法制上の取り扱いにつきましては、外国人の方々の流出入の動向であるとか制度の今後の利用動向等に予測できない面がございますので、そういうことを勘案いたしまして、最初から法制度による恒久的な制度として創設するのではなくて、既存の政策手段によって対応することとしているわけでございます。ちなみに、現行の入管法令上の取り扱いにつきましては、当面は、研修期間につきましては研修という在留資格を、また、雇用関係に入って実習をする場合の実習期間につきましては、法務大臣が個別に活動内容を定めておりますいわゆる特定活動という在留資格を活用するという形で対応することとしておるわけでございます。 また、実施枠につきましては、当面は受け入れ数の枠は設けないということで、実施状況等を踏まえまして、もしこの制度の実施の状況等の問題でいろいろ必要ある場合については、その受け入れの制限の方法等について関係省庁間で協議をいたしたいと考えておるわけでございます。 また、この制度の適正な実施を確保するための措置といたしましては、この制度は、先生御指摘のように、人づくりによる国際貢献の観点ということから、良質な研修生をまず確保していただく、それから、適正な研修・実習を確保する、それから、母国への確実な技能移転を確保する、すなわち、確実に帰国してその技能を発揮していただく、こういう三点が特に重要でございまして、労働省といたしましては、制度を円滑かつ適正に実施するために必要な事業としまして、送り出し国との協議あるいは実習生のあっせんの問題、それから、研修成果を適正に評価する、あるいは、研修・実習の状況を把握し指導する、あるいは、実習生の相談等の事業を御指摘の国際研修協力機構を通じて実施することとして、必要な予算をお願いしておるところでございます。 なお、不法残留の問題につきましては、実習生の帰国を確実なものとすることが技能移転を目的とする本制度の重要な要素でありますので、法務省においては、入管法等の告示におきまして、受け入れ企業等に対しまして、帰国旅費の保全措置あるいは帰国報告制度等の要請措置を講ずる考えであると聞いておるところでございます。 いずれにしましても、この制度につきましては、来年度からの実施をめどに関係省庁間でさらに細部について調整をしているところでございます。
○石橋(大)委員 余り時間がなくなりましたが、もう一つ、外国人雇用状況報告制度の創設について承っておきたいと思います。 外国人労働者雇用状況報告制度については、中央職業安定審議会外国人雇用対策部会において、その創設の必要性が指摘され、平成五年一月十四日に、中央職業安定審議会から労働大臣に対しその旨についての建議がされているところであります。 その具体的内容は、外国人労働者雇用状況報告制度の目的が、外国人労働者を雇用する事業主を把握し、当該事業主に対する指導・援助を通じ、外国人労働者の適正な雇用管理と適正な就労を促進するものであることから、当該目的を達成するために、公共職業安定所長が外国人労働者を雇用する事業主から事業所ごとの職種別、属性別の外国人労働者の人数、入離職の状況等について年一回定期的に報告を受けることとなるものと考えている、こういうふうにされているわけです。 そこで伺っておきたいのは、労働省は、かつて、急増する外国人労働者問題に対処するために、雇用許可制度の創設を考えられたことがあるようです。八七年十二月に外国人労働者問題研究会を発足させ、八八年三月に報告書をまとめた。その報告書の要旨は次のとおりであります。 ①単純労働者については、従来どおり受け入れを認めない。 ②知識、判断力、技術・技能等を要する専門的または管理的な仕事をする外国人の受け入れは、拡大の方向で検討する。 ③外国人労働者を雇用する事業主は、事前に雇用許可を取得する必要がある。 雇用許可に当たっては (1)賃金など労働条件が日本人と同等であること。(2)安全教育などの体制整備ができていること。(3)労働法の違反がないこと。(4)雇用許可制度に違反した事業主、ブローカーに対しては罰則を科す。 こういうものでしたが、これに対しては法務省が非常に強い反発をして、在留資格による入国許可制度に加えて雇用許可制度を新設することは屋上屋を架すことになりかねない、こういう主張をして、また、経営者側からも二重手間だ、こういう批判もあって、どうもそのときは引っ込められた、こういう経過があるようです。 今回の雇用状況報告制度は、この雇用許可制度とかなり違ったものになるのかどうか。 また、きょうは法務省は呼びませんでしたけれども、八九年十二月の国会で成立した入管法の改正によりまして、①企業が過って不法就労者を雇用しないように就労資格証明書を発行することとしたり、②不法就労者を雇用した企業やあっせんブローカーに対する罰則規定、不法就労助長罪が設けられた。 こういう入管法の改正事項などと照らし合わせると、再び屋上屋ではないか、こういう反発が法務省から出てくるのではないか、こういう心配もされるわけですが、この辺が法務省とのすり合わせがうまくいっているのかどうか、そういう心配はないのかどうか、念のためにちょっとこの機会に伺っておきたいと思います。
○齋藤(邦)政府委員 外国人雇用状況報告制度につきましては、ただいまことしの六月一日現在で御報告をいただくようにということで準備作業を進めております。 この報告制度の趣旨は、先ほども先生おっしゃられましたように、外国人労働者を雇用している事業主に対します指導・援助のための一助にいたしたいということで設けようとするものでございまして、かつて世の中を若干騒がせました許可制度とは趣が違うというふうに私どもは思っております。 また、先生、法務省との関係を御指摘いただきましたけれども、この新たにつくろうとする報告制度につきましては、法務省とも十分打ち合わせをいたしておりますし、警察、法務省、労働省というところの三省庁の連絡会議等でも十分御報告をして、その辺関係各省でそごがないような形で仕組んだものでございますし、また、その運用に当たりましても、関係省庁と十分連絡をとりながらやってまいりたい、このように考えております。
○石橋(大)委員 最後に、過労死問題についてもう一点お聞きをしたいと思っていましたが、予定をされた時間が来ましたので、次回に回しまして、きょうはこれで終わりたいと思います。どうぞひとつよろしくお願いをいたします。 ありがとうございました。
○岡田委員長 以上で石橋大吉君の質疑は終了いたしました。 石田祝稔君。
○石田(祝)委員 私も労働委員会は初めての質問でございますので、大臣ほか皆様、よろしくお願いをしたいと思います。 私は、まず個別の問題について若干お伺いをいたしまして、その後に大臣の所信に関係すること等をお伺いをしたいと思います。 まず最初に、エイズの企業内対策についてお伺いをしたいと思います。 我が党の宮地議員が予算委員会の総括質疑で村上大臣にお伺いをしましたが、私もそのときおりまして、必ずしも、というよりも、ちょっと大臣の御認識はどうかな、正直こういう感じがいたしました。ですから、大臣の名誉回復のこともございますので、ぜひ企業内対策についてのお考えをまず最初にお伺いしたいと思います。
○村上国務大臣 こういう機会を与えていただいてありがとうございます。 予算委員会で宮地委員にエイズの質問を受けましたときに、実は何の質問を受けていたのか、まさか私とエイズとの関係なんて及びもつかない、考えたこともない、そしてまた、エイズというのは労働省とどんな関係があるのかな、実はこれは勉強不足でございましたが、労働省に行きまして二カ月余り、エイズのエも労働行政の中で聞いたことも見たこともないという認識に立っていましたので、いきなり、質問通告も何も受けずに、質問通告受けたのは別のことでありまして、そこへエイズの問題が、これも文部省とやっておられて、私にその矢が飛んでくるなどということは思いませんので、うつらうつらいたしておりまして不覚をとったわけでございます。終わりまして、エイズと労働省の関係はどうなっているのか改めて勉強を、勉強まではいきませんけれども、どういうことだったのかなということを聞きました。 そこで、エイズに対する最優先の対策は、エイズに関する正しい知識を普及していくことである、これは当然でございます。 労働省といたしましては、平成五年度を初年度とする第八次労働災害防止計画を策定することとしていますということでありますが、その中に、職場におけるエイズに関する正しい知識の普及等エイズ予防対策に関する事項を盛り込むこととしております。今後、この計画に基づき職場におけるエイズ対策が一層効果的に進められますよう努めてまいります。こういうことになっております。 名誉回復のために、どうぞこのことをしっかり速記録にとどめて、また宮地議員によろしくお伝えをしていただきたい。
○石田(祝)委員 大臣の基本的なお考えはわかりましたが、これは教育とともに、いわゆる企業の社員の方の、人権問題もやはり絡んでくるのですね。 いろんな事例を散見しますと、例えば無断で血液検査、エイズの検査をやられたとか、結局それがもとで解雇、また、やめざるを得なくなったとか、こういう問題もございますし、また、さらに申しますと、これは厚生省の分野になるかもしれませんが、実はいわゆるエイズのキャリアの方が、発症を抑えるのにAZTという非常に有効な薬があるのですが、この薬を使うといいのですけれども、例えばこの薬を保険で使いますと、保険のレセプトから要するにその企業にこの人がAZTという薬を使っていることがわかってしまうのですね。そうしたときに、その企業の中でプライバシーを守れるかどうか。結局そこから、あの人こんな薬使っている、こういうようなことで、いわゆる解雇にもつながりかねない、いろいろな問題がございます。 ですから、エイズの教育というのは、学校に行っている人は学校を通して、そして社会に出たら一番有益なのは企業の方で教育に御尽力いただくのが一番効果的ではないかと私は思いますので、そういう意味で我が党の宮地議員も尋ねたのではないか、こういうふうに推察をいたします。ですから、大臣のお考えは議事録にもちろん残るでしょうし、私の方から宮地議員にも大臣の決意のほどを伝えておきます。(村上国務大臣「新聞にも書いてもらわないと」と呼ぶ)ぜひ言ってください。 では、続きましてこの関係で伺いますが、次は大臣でなくてももちろん結構でございます。 医療従事者が過って針刺し事故等に遭ってエイズウイルスに感染したときの問題で、新聞等を読みますと、労災を適用してもらいたい、こういうことを厚生省が要請したという記事が載っておりました。 これについては、いわゆる労働基準法に基づく業務上疾病として取り扱うべきであるし、もちろんそのようにお考えだと思いますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○石岡政府委員 御指摘のとおり、厚生省から、先般事務的に、医療従事者の針刺し事故の場合の労災保険の適用について御協議がございました。 この問題も含めまして、エイズ患者等の治療に当たる医師、看護婦等の医療従事者が業務上の事由によりましてエイズウイルスに感染した場合は、当然のことでございますが、業務上の疾病として労災補償の対象としていくという方針でございます。
○石田(祝)委員 前の肝炎ウイルスの感染の場合、これは労働基準局に通達を出されたようですけれども、今回のこの件で通達は出されておりますか。
○石岡政府委員 先ほど言いましたように、今回、労働省と厚生省といろいろ協議中でございます。協議調い次第、通達等を出してまいりたいと考えております。
○石田(祝)委員 今お答えをいただきましたが、医師、看護婦という医療従事者に限定されるお考えでしょうか。 私が心配しているのは、例えば、いわゆる医療廃棄物を扱う方々がいらっしゃいますが、こういう方々も可能性があるわけなんですね。この場合も明確に業務上の疾病になるんじゃないか。ですから、医療廃棄物を扱っていて、その中にもちろん針も血液も入っておりますね、そういう意味で、そういう方が感染した、こういう場合もなるわけでしょうか。
○石岡政府委員 御指摘のとおり、清掃従業者などが感染性の廃棄物を取り扱ったことによりまして業務上エイズウイルスに感染したという場合は労災保険の適用があると考えておりまして、このようなケースを初めといたしまして、医療従事者以外の者でありましても、業務上の理由によりましてエイズウイルスに感染したことが明らかなものは労災補償の対象としていくという方針を固めております。
○石田(祝)委員 ぜひ、これは早急に厚生省と詰めていただいて、通達を出していただきたいと思います。 私が心配するのは、明確な因果関係を求めるということになりますと、証明するといういろいろな問題が出てくるわけですね。ですから、そのときに、実際そういう厳しい証明を要求する余り、労働省としては業務上疾病として扱うということは決めても、適用例がなかったりとか事実上門が閉ざされている、こういうことにならないようにぜひしていただきたいというふうに私は希望を述べておきます。 エイズの問題を終わりまして、続いて、最近の雇用状況を見ますといろいろな問題が起きてきております。その中で何点かに絞りましてお伺いをしますが、一つは、新卒者の内定の取り消し、この問題が最近新聞に見られるように思います。 私も、大学を卒業して、また大学院に進んで、その後就職するのに会社を回って非常に苦労いたしました。これは学生の方からしますと自分の一生がかかるわけですから、会社を選ぶのはもちろん慎重ですけれども、それ以上にやはり雇ってもらわなくちゃならぬ、こういう気持ちで祈るような思いで就職活動をしていると思います。それで、大体就職が内定をする、誓約書も出しなさい、健康診断書も出しなさい、こういうことで決まってほっとするわけですね。 だから、大体ほっとしまして、一つ決まった、そうすると、ほかのところはほとんどこれは手を打たないわけですね。A社、B社、C社といろんな会社があっても、A社に決まったらまずそこに行こうということで、後はほとんど求職活動はストップしてしまう、そしてそれ以後は健康に気をつけて無事に卒業できるように頑張る、これが通常の学生だと思うのですけれども、そういうふうに採用内定をもらっておいて、急に、あなたはことしは採用できなくなりました、ですからほかの ところを当たってください、こういうことを年明けて言われても、企業はもう残っていないのですね。採用内定を取り消すぐらいですから、ほかのところも新たにその後一月、二月から人を雇い入れることはないわけです。 こういうことについて、労働省として現状をどのように把握されておりますか、先にそのことをお伺いしたいと思います。
○齋藤(邦)政府委員 確かに、先生御指摘のように、新規学卒者の採用内定の取り消しというのは非常に大きい重要な問題だというふうに思います。 そういうようなことは本人はもとより家族にも大きな打撃を与えることでございましょうし、また、社会全体に与える大きな不安感というのも無視できないことがあるというふうに思います。さらに、内定者の方にとりましても、先生御指摘のように就職機会というものを失うということも考えられるわけでございまして、そういう意味で、私どもは、採用内定取り消しにつきましては迅速かつ的確に情勢を把握をして対応策を講ずるということが大事だというふうに思っております。 現在までに私どもが把握した状況を御報告申し上げますと、高校新卒者につきましては、八件、五十四人把握をいたしております。それから大学等の新卒者につきましては、五件、六十八人把握をいたしております。
○石田(祝)委員 ここでちょっと確認の意味でお伺いをしますけれども、いわゆるこの内定者の法的の地位と申しましょうか、内定をもらっている人のいわゆる労働者としての権利と申しましょうか、どういうふうな法的な地位を約束されているのか、どういうふうな会社との関係になっているのか、これについてお考えをお聞きしたいと思います。
○石岡政府委員 一般論でありますが、企業が学生を採用するという内定の通知を出します。それに対しまして、学生の方が承諾いたしましたということで会社の方に通知をいたしますと、いろいろなケースがあるのですが、これが労働契約が成立したとみなされるケースもございます。判例でもそういうものが過去にございます。そういうふうに判断いたしております。
○石田(祝)委員 もう一回明確にお答えいただきたいのですが、労働契約が成立した、そういう地位が与えられるというお考えですか。
○石岡政府委員 いろいろなケースがございまして、個々のケースごとに慎重に判断をしなければならないものだと考えておりますが、一般論で言えば、先ほど申し上げましたような状況で採用内定が労働契約の成立ということになるというケースもございますということでございます。
○石田(祝)委員 ちょっとお答えがはっきりしないような、何か語尾もはっきりしないような気がしたのですが、例えば、私が資料をちょうだいしました大日本印刷雇用関係確認等請求上告事件というのが昭和五十四年七月二十日にございまして、いわゆる会社が採用内定を取り消して訴えられたわけですね。その訴えられた会社が、多分一審等で自分のところが不利益になった。ですから会社が上告をしたわけですが、この上告棄却ということで判決が出ております。 採用の仕組みにまで言及いたしまして判決が出ているわけですけれども、このときは「採用内定の法的性質について一義的に論断することは困難というべきである。」ということは出ております。例えばこの人の場合、結論として「採用内定者の地位は、一定の試用期間を付して雇用関係に入った者の試用期間中の地位と基本的には異なるところはないとみるべきである。」そして、これはもちろん留保がついているわけですが、「留保解約権の行使は、右のような解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存在し社会通念上相当として是認することができる場合にのみ許されるものと解すべきであることは、当裁判所の判例とするところである。」こういうのが出ているわけですね。 ですから、絶対にいけない、例えば、これ以上人を入れたらもう会社が倒産してしまうとか、これは一つは、そういうことがあれば、本来はその経営者の判断が甘いということで経営者が責任とって、自分のかわりに入れるぐらいじゃなきゃいけないのですね。ですけれども、そういうことは別といたしまして、こういうふうな例が判決として出ておるわけです。 ですから、今回の場合、百二十二名の方を労働省でつかんでいるということですけれども、全部が全部社会通念上からいってもしょうがない、こうじゃないと思うのですね。単にちょっと景気が悪くなってきた、これはいえば自分の見通しの甘さなんですね、経営者の方から見れば。ですから、そういうもので例えば学生さんの一生を左右するようなことを簡単に決めてしまっていいのか。これは、労働者の人権というものを考える場合に、労働省としてどういうふうにお考えになっているのか、この対応策をお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
○齋藤(邦)政府委員 先ほど申し上げたとおりでございますけれども、採用内定取り消しがあった場合につきましては、全国の公共職業安定所を通じましてその撤回につきまして強く指導をいたしております。さらに、やむを得ない事由で採用内定取り消しを回避できないという場合には、その人数を最小限にとどめるように企業にも指導いたしておりますし、また、あわせまして、学校との密接な連携のもとにきめ細かい職業相談あるいは求人の確保というのも行いまして、採用内定が取り消されました方の就職促進に最大限の努力をいたしておるということでございます。
○石田(祝)委員 そういうふうに企業に働きかけているということでしたけれども、実際、そういう働きかけをして、じゃもう一回採用しますわ、こういうふうになった例はありますか。
○齋藤(邦)政府委員 ただいま御報告を申し上げた事例につきましては撤回をさせた事例は承知しておりませんが、ただ、大卒の場合は、大学がやっておりますのでその後どういうことになっているかということをまだ正確に把握いたしておりませんが、高卒の場合につきましては、八割の方について別のところで就職をしていただくように先を決めることができた、こういうように報告を受けております。
○石田(祝)委員 いろいろと御努力をいただいていることもわかりますけれども、こういう問題はやはりもうちょっと敏感に反応していただきたいというふうに思います。全部何でもかんでも労働省がやれというわけじゃないのですが、これはある意味では、企業と就職を希望する個人がイコールの関係じゃないのですね。圧倒的に企業の方が優越しているわけです。そういう中でこういうことをされると、これはもうどうしようもないわけですね。ですから、その場合に労働省として、そういう働く人たちの権利を守るという観点から、ぜひ御努力をいただきたいというふうに思います。これは個々の企業だけじゃなくて、経済団体もあるわけですから、そういうところにもしっかりと御指導をいただきたいというふうに思います。 これは新卒者の問題でありますけれども、あと、現在勤めていらっしゃる方の問題も最近非常に出てきております。 これは新聞に載っておりましたけれども、要するに、労働問題の専門弁護士らが今月の十五、十六の両日雇用調整ホットラインというものを設けて電話相談を受けた、この電話相談が二日間で四百八十九件になった、こういうふうなことが新聞記事に出ておりましたけれども、こういうことの内容について承知されておりますでしょうか。
○石岡政府委員 私も二月十八日付の日経新聞で先生御指摘のケースは承知いたしておりますが、ただ、この具体的なケースについて事実がどうであったかどうかまでは把握しておりません。
○石田(祝)委員 それでは、どこのどなたがということではなくて、こういう例があったということで、これは新聞に載っているとおりですので、申し上げます。 一つは、「ある大手音響メーカーの管理職は、昨年四月に「あなたに与える仕事はない」と、会社の地下室に追いやられた上、半年後に退職を強要され、結局「自己都合」で辞めさせられた」もう一件は、「育児休暇制度を利用した女性社員から「不況で職場復帰はできない」と会社から通告された」というこの二件があったそうです。 この二件は法的に問題がありますか、ないでしょうか。これはどこのだれかということじゃなくて、こういう例があったらどうかということですが。
○石岡政府委員 先ほど言いましたように、この具体的なケースの事実関係はよく把握していないのでございますけれども、一般論で申し上げますと、例えば会社の地下室にその人を追いやりまして退職をいろいろな形で強要したということであれば、その実態いかんによりましては、民法九十六条の強迫に該当する場合もあり得ると考えております。しかし、そうではなくて、こういうケースにおきましても、使用者が必要な説得を行って労働者がそれを理解して退職したようなケースにつきましては、法的には問題がないと考えております。 また、地下室というのは少し異常な感じがありますけれども、地下室の部署に配置転換をしたこと自体が問題かどうか、これも一般論でございますが、この配置転換が労働協約あるいは就業規則などに違反していない限りは問題ではないと思いますけれども、この配置転換がいろいろな意味でその必要性がなかったにもかかわらず行われたり、あるいは本人が著しく不利益に扱われた、その結果人権上にもいろいろ問題があるというような場合は、この配置転換が人事権の乱用にも当たるケースもあろうかと思います。人事権の乱用に当たるかどうかは裁判所が判断すべき問題であろうか、以上、あくまで一般論でございますが、考えております。
○松原政府委員 先生御質問の後段の育児休暇中の女性云々の件でございますけれども、私どももこの件について事実関係を十分把握しておりませんので、報道されたケースについてどうかという判断を示すことはちょっとできないのでございますが、昨年施行されました育児休業法におきまして、その第七条で、「事業主は、労働者が休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者を解雇することができない。」というふうに規定をされているわけでございます。したがいまして、専ら育児休業を取得したことを理由として解雇されたものということであれば、これは育児休業法上問題となってくるわけでございまして、その解雇は民法上無効になるというふうに考えられるわけでございます。 ただ、このケースがそういうケースに当たるのかどうかということは、事実関係を十分把握いたしておりませんので、申しわけありませんけれども、確たることは申し上げられないところでございます。
○石田(祝)委員 いろいろな事例がありまして、個々の問題についてはなかなか表面に出てこない場合もあろうかと思いますが、二日間で四百八十九件が多いか少ないか、これは一概に判断できないと私は思いますけれども、こういう声が出てきているということは間違いなく事実だと私は思うのです。ですから、個々の事例全部を把握するのは難しいことかもしれませんけれども、大きな流れとして、先ほどの新採の内定取り消しとか現職の方の雇用調整の行き過ぎ、こういう流れが現実には起こっているというふうに私は思います。これは労働省自体もお認めになっているのじゃないかと私は思うのです。 ですから、こういうことを含めまして、新採の方はもう当然ですけれども、こういう現職の方の雇用調整の行き過ぎ、こういうことをぜひしないように経済団体等に申し入れをしていただきたいと思うのですが、そういうお考えはございますか。
○齋藤(邦)政府委員 先ほど御議論がございました採用内定の取り消しあるいは雇用調整の行き過ぎというような問題につきましては、先般、日経連を初めといたします三団体の代表の方に私のところにおいでをいただきまして、傘下の企業に対しまして厳にこのようなことのないように指導方よろしくお願いしたいということを申し上げてまいりました。 それから、各都道府県にもそれぞれ都道府県単位の商工会議所等の経営者団体がございますので、そのようなところに対しましてもそのような要請をするようにということで、指示を既にいたしておるところでございます。
○石田(祝)委員 ぜひこの件も強力にお願いしたいと思います。 それから、これは運輸省の管轄になると思いましたので、雇用の問題と関係しますので、きょうおいでをいただいていると思いますが、JR西日本というところが、五十歳から五十五歳の中高年社員を対象に退職を前提にした新たな休職制度を導入することを決めた、こういう新聞記事も載っておりましたけれども、この事実関係について御説明いただきたいと思います。
○村上説明員 今議員御指摘のJR西日本の退職前提休職制度でございますけれども、JR西日本の経営側におきましては、JR西日本の各労働組合といろいろ協議を行って合意に達し、協定を締結している、こういう状況でございます。 具体的に申し上げますと、主要な組合が四組合ございますけれども、西労組とは二月五日、国労とは二月六日、西労とは二月五日、全勤労とは二月九日に協約を締結している、こういう報告を受けております。
○石田(祝)委員 ありがとうございました。 それでは、大臣の所信の中からちょっとお伺いしたいのです。 私は当選以来、社労委員会、また、それから分かれまして厚生委員会に所属しておりまして、障害者雇用については非常に大事だということを常々厚生委員会等でも主張してまいりました。 それで、所信を読ませていただきますと、大臣は障害者雇用対策についても言及をされております。どういうふうに今後大臣としてお進めになるのか、そのお考え、決意なりをまず最初にお伺いをしたいと思います。
○村上国務大臣 やはり障害者という立場上非常に弱い立場にあるこうした方々に温かい政治の手を差し伸べるということは、労働行政としては非常に大事なことだ、まず私はこう思っております。 そうした中で、民間企業における障害者雇用率は、平成四年において一・三六%であり、これは前年に比べ、わずかでございますけれども、〇・〇四ポイント伸びておりますが、法定雇用率との間で依然隔たりがあるなど、今後さらに一層の努力が必要であるという認識に立っております。 障害者の雇用については、障害者が健常者とともに働けるような社会を実現していくことが重要であります。 このため、労働省といたしましては、身体障害者雇用率制度の厳正な運用を図るとともに、障害者のための施設設備の設置または整備のための助成金制度等を活用しつつ、重度障害者に重点を置いて、障害者の雇用の場の確保と雇用の促進に積極的に取り組んでいくために企業等々にも私どもはこうした立場に立って積極的に働きかけていきたい。 先日も予算委員会で、共産党の議員の方から作業所等々においても補助等々考えたらどうだ、こういう御質問、御提言もございまして、私は、そういう問題については、これは共産党だからという政党政派、政党イデオロギーを超えて労働省としては取り組んでいかなければならない、こう思っております。 〔委員長退席、永井委員長代理着席〕
○石田(祝)委員 実は私、国会に上がります前は都立の養護学校で何年間か勤めておったことがございまして、そのときに、中等部、高等部とありまして六年間子供が通ってくるわけですが、卒業の日が一番嫌なのですね。親子ともに卒業の日が 来なければいいというのが実感なのですね。要するに、学校ですから卒業しなければいけません、施設じゃありませんから。ですから、卒業したらもう翌日から行くところがないのですね。いろいろ予算委員会のときにも共同作業所、そういう受け皿ということで相当お話になっておりましたけれども、私は、それ以上に雇用していただければ一番いい、これはそのために法定雇用率もつくっているわけですから、大臣にも力強い御決意もちょうだいしましたので、まず頑張っていただきたいということをぜひお願いをしたいと思います。 それで、きょうは総理府の方にも来ていただいております。実は、去年で国連障害者の十年が終わりました。そして、新たにアジア・太平洋障害者の十年というのが始まっております。 この件について、国連障害者の十年の総括と、アジア・太平洋障害者の十年の決意をまず最初に総理府の方からお聞きをしたいと思います。
○中山説明員 国連障害者の十年の成果と評価につきましては、先般いただきました中央心身障害者対策協議会の意見書におきまして、「この十年における長期計画の実施状況についてみると、各分野において制度の創設、改正を含めて、着実な施策の進展が図られ、成果が上げられてきた」というふうな評価をいただいているところでございます。 しかしながら、意見書においては、残された課題や新しい課題、今先生おっしゃいましたような、アジア・太平洋障害者の十年にどう対処するかというような新しい課題があることも指摘されておりまして、今後とも新たな長期計画を策定する方向で一層施策の推進を図っていくことが重要であるというふうに考えておるところでございます。
○石田(祝)委員 そこで、「障害者に関する世界行動計画」というのがございます。八二年の第三十七回国連総会の総会決議でありますが、この中に、障害によってもたらされる諸結果の対処に対する究極的な責任は、政府にある、こういうふうなくだりがございますけれども、我が日本国政府としてもこの趣旨、要するに、最終的な責任は政府だ、政府が責任を持ってすべてのこういう問題は解決していくのだ、責任は政府にある、こういうお考えに立っておられるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○中山説明員 障害者対策の目標は、今おっしゃいました国連の「障害者に関する世界行動計画」の趣旨等も勘案いたしまして、障害者が社会の一員として、社会、経済、文化等のいろいろな分野で他の一般の市民の方と平等な生活を営むことができるようにすることにあるというふうに考えております。 政府といたしましても、このような考え方のもと、障害者の「完全参加と平等」を目標に、障害者の自立と社会参加の一層の推進が図られるよう努力してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○石田(祝)委員 これは政府の責任としてぜひやっていただきたいと私は思います。 それで、これは私の方から述べさせていただきますけれども、アジア・太平洋障害者の十年ということで日本も共同提案国となって決議もしたわけです。それでいろいろと調べてみますと、障害者に関する立法のある国は、私の調べていただいた段階では、アジアでは中国と韓国にしかないということであります。中国は障害者保障法、韓国は障害者福祉法また雇用促進等に関する法律、こういう二つの国にしかない。 ですから、障害者立法という観点から考えた場合に、日本は、特に障害者の雇用という観点から考えましたら、労働省としてもアジアに貢献ができるのではないか、私はこういうふうな率直な実感を持っております。そのためには日本国内での法定雇用率をクリアする、これがまず一番大事なことではないか、そういうふうに私は思っているのでございます。 この件で、先ほど大臣から所信も御決意もいただきましたので、若干お伺いをしたいのです。 まず、障害者の雇用の現状について、昨年で一・三六%、こういうふうにお話をなさいましたけれども、これをもうちょっと細かく規模別に、また最近伸びてきておるのかどうか、ある一定のところでとまっているのじゃないかという気もするのですが、そこらあたりの現状についてどういうふうに把握されておりますか。
○坂根政府委員 お答えいたします。 まず、規模別の状況でございますが、全体としては一・三六ということでございますが、千人以上につきましては一・二三、五百から九百九十九人が一・二二、三百から四百九十九人が一・二九、百から二百九十九人が一・五一、九十九人以下が二・〇四ということで、規模が大きいところほど雇用率がよくないという状況は従来から続いている傾向でございます。 時系列的に見ますと、ここ五年間ぐらいで見ますと、一・三一から三二ぐらいでずっときておったわけでございますが、昨年は先ほど大臣が申しましたように一・三六ということで、そういう過去の経緯からすれば一定の改善を見た、こういうことでございます。
○石田(祝)委員 今御報告いただきましたように、企業の規模が大きくなればなるほど雇用率は悪いわけですね。これは分母になる数が大きいわけですから、一人、二人と努力して雇用していただいてもなかなか率が上がらないということは私も認めますけれども、それにしてもこの傾向はずっと変わらないのですね。小さいところだから雇いやすいとかはないと私は思うのです。大きなところはそれだけのお金もあるし、企業としての体力もあるわけですから、なぜこういう形でずっと続いているのか。労働省として放置していると私は思いませんけれども、十年もたって一向に同じ傾向が改まらないというのは、やはりこれはやり方に問題がありはしないか、正直こういう実感もするのです。 こういう大企業ほど、規模の大きいところほど雇用率が低い、こういうことについて今後どういうふうにされるお考えでしょうか。
○坂根政府委員 大きいところほど成績といいますか雇用率がよくないということを当然是正していかなければならないわけでございますが、それには、まずこの雇用率制度の厳正な運用ということで指導をしていく。そこで、実は大企業の幹部もお呼びするなどしまして指導をしているわけでございます。やはり社長あるいは重役などの幹部の方の御理解が非常に重要でございますので、そういうことで幹部の方に御指導をする。 そういうことでも改善されない場合には、昨年から実施したわけでございますが、企業名の公表、そういうことも辞さないということで、厳しく対応していきたいと思っております。
○石田(祝)委員 さっき言いましたけれども、十年間、もうちょっと手前からかもしれませんけれども、傾向が変わっていないわけですね。ですから、去年初めて会社の名前を公表した。これも我々が公表しろ、公表しろということでやっと公表の運びになったわけですね。そういう形でやってこられて、なおかつ変わらない。 そうすると、いろいろなことをやっているのだということはよくわかりますけれども、今後明確に効果が出て、大企業も法定雇用率が達成できる、そういうふうな見通しがおありでしょうか。
○坂根政府委員 もちろん、従来から一生懸命やってきたわけでございますが、こういう状況を踏まえまして、一昨年あたりから幹部を呼ぶなどさらに力を入れてきたこともあって、若干の改善を見たわけでございます。この傾向をさらに引き続き進めていきたいと思っております。 また、大企業が、大企業に限りませんが、障害者の雇用の難しい理由の一つは、企業だけではどうしようもない例えば環境の問題がございます。通勤とかそういう環境の問題もございますので、そういうこともあわせていろいろな地方公共団体とも協力をしながら、あるいは重度な方のリハビリテーション、そういうことも充実しながら総合的に対策を講じていくということでやってまいり たいと思っております。 〔永井委員長代理退席、委員長着席〕
○石田(祝)委員 この問題は、また今後折に触れて委員会等でもお取り上げをさせていただきたいと思います。 とにかく、社会は健常者も体の不自由な方もともにいる社会が私は通常の社会だと思うのです。みんながみんな元気な人ばかりだったら、かえっておかしいです。ですから、そういう人たちがともに働ける、ともに参加できる、そういう社会を私はつくっていくべきだろうと思います。 そういう意味で、単に保護の対象として見るのではなくて、権利の主体として考えていただいて、残されている能力をフルに発揮できるように雇用の場も確保する。そういう中で、雇用を通して自分も社会の一員だ、こういうふうな意識が芽生えていけば本当にすばらしい社会になっていくのじゃないかと私は思います。法定雇用率一・六%、これは単なる数字上の目標として置かれているわけではないと思いますので、これが一日も早く達成できるようにぜひ御尽力をお願いをしたいと思います。 続きまして、労働基準法の改正の問題についてお伺いをしたいのです。 大臣は並み並みならぬ御決意で労基法の改正に取り組まれたと伺っております。新聞によりますと、どこかの神社にも行かれて御祈念をされたというふうにも言われておりましたけれども、それだけの並み並みならぬ御決意のあらわれじゃないかとも思います。 大臣の労基法改正に対するお考えを若干お伺いをしたいと思います。
○村上国務大臣 労基法につきましては、いろいろ中身についてはもう熟知なさっておられると思いますので省きますが、私たち今までよく聞いてきた言葉の中に、衣食足って礼節を知る、こうよく言われてきたものであります。この衣食足って礼節を知るということは、心が豊かになって初めて礼節を知る、短絡的に言えばそういうことかな、こう思うのでありますが、現在、衣食はある程度満足するところまで来ている。そうした中で、実際の生活の豊かさ、ゆとりというものが実感できるということになれば、問題としてはやはり住まい、住であろうかな、こう思いますね。それから、時間だと思います。ですから、衣食とこの住、時という四つの条件が整って初めて生活大国、日本は本当に豊かになったなということを感ずることになるのじゃないだろうかな、こういうふうに私は思うのであります。 そうした中でも、なかんずく私ども労働省に今課せられている問題としては、時間をつくるということであろうか。先ほども言いましたように、チャップリンの「モダン・タイムス」のような、とにかく時間に追っかけられて、機械に追っかけられて一日を過ごすということでは、豊かさ、ゆとりなどというのはなかなか感じられない。 しかし、日本でも今通勤ラッシュということで、これは都心を中心にしたことだけかもしれませんが、一極集中というところに問題があるのだと思いますが、とにかく二時間、三時間かけて満員電車の中で通勤してこなければならない。霞が関の私が今おります労働省の建物、第五号館というのですけれども、朝八時半ごろあそこのエレベーターに乗ろうとして行きますと、とにかく着いたとき顔を見ているとくたくたになって、僕がおはようと言ったって、おはようございますと声もかけない。ぶすっとしてエレベーターに乗り込む。これでは明るい職場、快適な職場なんてまずスタートからないわいと私は実際思っておるわけであります。そういうことからいって、チャップリンの「モダン・タイムス」というのは二十一世紀を示唆した一つの物語なのかな、こう思います。 そこで、あくせく時間に追われるのではなくして、ゆったりとした時間を持つことが何よりも大切だ。ゆったりした時間を持てば、そこにいろいろな発想も生まれてくる、また、いろいろなアイデアも生まれてくる、それが会社、社会に貢献していくということにもなろうし、そして、何といってもやはり家庭とのコミュニケーションが大事だ、そういう時間は日本人はどっちかというと持ち合わせがなかったのじゃないだろうか等々考えますと、やはり労働基準法の改正は非常に大切なことである、そして、日本人の生活の意識改革をしていくスタートにもなる、こういうことを最近つくづく思うようになりまして、この法律の成立を期して、先ほど言いましたように、ここにおります基準局長や官房長を伴いまして、これは何も神社仏閣、神様に頼るということじゃなくして、みずからの誓いを新たにするという意味で実はお参りに行った、こういうことでございます。 私は、労働省に行きまして、初め時短などというこんな難しい問題が労働省にあるなんて思いもせずにおりました。今基準局長が担当でありますが、おまえさん、おれを無理心中させるのか、こう言っておりましたが、私は、最近は一緒に心中してもいいというような決意で、この法案成立には全力を傾けていきたい、こういう決意でおります。
○石田(祝)委員 大臣の御決意も伺いましたが、労働省もやはりたくさん難しい問題があるんですよ。エイズの問題もしかり、時短の問題もしかり、また、最後に聞こうと思っています女性の権利の問題とか、いろいろな難しい問題がございますので、ぜひ並み並みならぬ決意で取り組んでいただきたいと思うんです。 それで、大臣がそこまで思い込んでおられるこの法律ですね、本来二月の十二日に閣議に出されるというふうに伺っておったんですが、一週間おくれたわけですね。そこまで大臣が必要だと感じられるぐらいの法律でなぜ一週間もおくれたんだろうか。まだ国会にかかっておりませんから我々野党の責任でないと思うんですが、これはどういうものなんでしょうか。
○村上国務大臣 私は今閣僚でございますが、自由民主党、政権与党であります自民党の商工部会、建設部会、中小企業調査会の中でなかなか合意を得るに至らなかった。と申しますのは、やはり今日の経済の低迷の中で、中小企業のこの現状の中で説得しにくい部分も、これはあからさまに私は申し上げておるわけでございますけれども、説得しにくい部分があったということは確かでございまして、そういった点につきまして、英知をそこに結集していくための時間が必要であったということでございます。 しかし、そこはそこなりに、やはりこうした生活大国実現のためにはこの国会に何としてでもこの法案を出さなきゃならないという労働省の諸君の熱意、努力そしてその中身、中小企業に配慮したところの中身に御理解を得て、一応ここまでこぎつけたということでございまして、ぜひひとつこの国会で御審議を賜り、成立のためにお力をおかりしたいと思っております。
○石田(祝)委員 この問題は、また当委員会に付託をされた段階でやらしていただくこともあろうかと思いますので、この程度にとどめておきたいと思います。 それで、最後の問題ですが、それは先ほど申しました女性の問題であります。 これは男性の問題かもしれませんが、労働基準法の六十七条に「育児時間」という項目がございます。これは、現在も女子のみにということになっておりますが、育児休業は男女どちらでもいいというふうになっておりますね。なぜこの育児時間だけ女子のみという文字が入っているのか、これは取ってもよろしいんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○松原政府委員 労働基準法第六十七条の育児時間でございますけれども、これは、女子労働者が生後一年未満の生児を哺育している場合に、これに授乳その他の種々の世話のために要する時間等を確保する、あわせまして、一般にこの時期というのは産後でございますので、産後にある女子労働者の母性を保護する観点から規定されているものでございまして、いわゆる母性保護規定というものでございます。そういうことから、これを男 子労働者に適用するというのは本来の趣旨に合わないということから、女子に限られているわけでございます。 ただ、先生御指摘のように、育児というものにもう少し男性がかかわった方がいいということは一般に言われているわけでございまして、そういう観点から、育児休業法は男女とも育児休業がとれるということにいたしておりますが、その中で、育児休業をとらない労働者、男女ともに一歳に満たない子を養育し育児休業をとらない場合には、事業主は勤務時間の短縮その他の措置を講じなければならないということになっておりまして、その中の一つの方策として、短時間勤務の制度を育児休業をとらない労働者に用意するということも事業主の一つの、これは幾つかの選択肢の中から選択してということでございますけれども、そういったことを設けることが義務づけられているということでございますので、育児のための時間を例えば父親に確保するというのは、むしろ育児休業法の体系の方でやってもらうのが適当であるということから、こういう仕分けにいたしているわけでございます。
○石田(祝)委員 御趣旨はよくわかりますが、こういうことも選択でいいのじゃないかと私は思うのです。 基本的には育児休業法も全然男女ということを外しておりますし、その中で御夫婦で話をされてどちらがとるか、具体的には女性の方がとるのが多いと私は思いますけれども、そういうことも考えて、母体の保護とかいろいろ言われておりますが、それは女性の方がとればいいわけであって、そのときに選択肢として選べるようにしておいても不自由はないのじゃないかというふうに私は思います。 例えば、これをなくしたら女性が今より大変になる、そういうマイナスの部分はあるのでしょうか。
○松原政府委員 繰り返すようで恐縮でございますけれども、労働基準法の育児時間の規定は、あくまでも母性保護規定ということで概念されている規定でございます。そういう意味から、やはりその対象は女子に限るということにならざるを得ないものでございますので、そこは御理解をいただきたいと思います。
○石田(祝)委員 余りよくわかりませんが、これは時代とともにやはり考え方も、育児休業というのは、当然一昔前だったら考えられないような制度が、一昨年時代の動きに乗って成立をして今施行されておるわけですね。そういう意味では、もともとこうだったからこうですということじゃなくて、やはり見直すべきところはそういうふうに前向きに、選択肢を広げるとかいう観点で見直していってもいいのじゃないかというふうに、私の個人の見解としてはそう思います。私が男性だからということからかもしれませんが、正直、この女子のみというのが若干私はひっかかります。 とにかくいろいろとお伺いしましたが、最後に、大臣の労働行政全般にわたる御決意をお伺いしまして、終わりにしたいと思います。
○村上国務大臣 たびたび申し上げておりますように、私は、働く人一人一人がその能力、天分を十分に発揮できて、喜びと生きがいを感じつつ、働く意欲を持てるような社会をつくるとともに、生活大国の実現に向けて、我が国の経済的地位にふさわしい豊かさとゆとりのある生活を送ることができるようにすることが重要と考えております。人間愛あふれる人間尊重の労働行政を、私は基本にしてまいります。 そのために、今いろいろと御質問いただいた、労働時間の短縮、安全の確保と健康で快適な職場づくり、そして雇用、失業者を出さない、またパート、女性、高齢者、障害者、こうした山積いたしております課題につきまして、全力を注いでこの解決のために、また、一歩でも前進するために頑張ってまいりたい、このように決意を心に深く秘めておる次第であります。
○石田(祝)委員 終わります。
○岡田委員長 以上で石田祝稔君の質疑は終了いたしました。 次に、金子満広君。
○金子(満)委員 この春卒業する大学、高校の学生に対する採用内定の取り消しの問題について、既にもう質問され、労働省の側からの見解もかなり出ていますから、重複しないように幾つか質問したいと思います。 今、内定取り消し問題というのは、単に社会問題だけじゃなく政治問題になっておると思うのですね。しかも、就職を直前にしての取り消し、これから社会に出ていこうというその寸前で取り消しをされるわけですから、その受ける打撃というのは非常に深刻だし、ひどい仕打ちだとさえ言えると思うのですね。 そういう点で、こういうような内定取り消し問題について、これをなくすという方向で労働省がどういう基本的な考え方で、どんな対応をしているか、まず伺いたいと思います。
○齋藤(邦)政府委員 採用内定取り消しの問題でございますが、先ほどからもるる申し上げてまいりました。 基本的に申し上げれば、内定取り消しというのは本人あるいは家族はもとより、社会全体に対しても大きな打撃と不安を与えるのではないか、したがって、あってはならない重大な問題だというふうに考えておるわけでございます。 対応策といいますか対策でございますが、私ども、二月九日に経済三団体の代表の方に私のところにお出ましをいただきまして、採用内定取り消しというような事態が起こらないように、傘下の団体あるいは企業に十分周知徹底していただくようにお願いをいたしました。 それからまた、各都道府県にもそれぞれ、都道府県ごとの団体にそのようなことがないように要請をするよう命じてあります。 またさらに、こういうような事態が万一あった場合には、情勢を的確かつ迅速に把握して対応をするようにという指示もいたしております。公共職業安定所を通じまして撤回するように強く指示をいたしておりますし、また、やむを得ず取り消された方々につきましては、就職の促進のために万全を期すようにということを指示いたしております。 以上でございます。
○金子(満)委員 確かにあってはならないことが現実としてあるわけで、そういう意味で、今お話がありましたように、公共職業安定所を通じて撤回させるように指導もしているということですが、そこで、そこまでくるのですから、労働省として今の段階でつかんでいる内定取り消しした企業の数、企業の名前、あるいは取り消しの理由、それから取り消された学生の数、どんな状況か、概略で、短くて結構ですから話してくれませんか。
○齋藤(邦)政府委員 私どもが把握をいたしておりますのは、二月八日現在でございますけれども、企業数で高卒、大卒含めまして九企業でございます。人数と申しますか人員は、合計いたしまして百二十二名の採用内定取り消しの発生があったというような報告を受けております。
○金子(満)委員 理由は不況ということだけですか。
○齋藤(邦)政府委員 私どもが承知している限りでは、雇用調整のため、こういうふうに聞いております。
○金子(満)委員 そこで、指導をやった結果、取り消しを撤回した企業というのが一つや二つぐらいあるのですか、どうなんですか。
○齋藤(邦)政府委員 私どもが報告を受けている限り、残念ながらそのような企業はございません。
○金子(満)委員 それほど深刻な事態だと思うのです。私は、不況ということを理由にして、内定を取り消さなくてもいいところで過度に取り消しているところが中にはあると思うのです。それが、あってはならないことという一つの内容だと思います。 そこで、悪質な企業というか筋の通らない企業 については、労働省としても公表するようなことは考えていいと思いますけれども、その点はどうです。
○齋藤(邦)政府委員 制度的に公表するということになりますと、いろいろ問題があろうかというふうに思います。 ただ、私ども実務の問題としてやっておりますのは、採用の内定を取り消した企業が翌年度の新卒者のために求人票を出すというときには、その求人票に、要するに前年採用内定を取り消しましたということを書かせるようにいたしております。 そういうことによりまして、翌年、新規の学卒の方を含めまして、いろいろ就職先を選定される際にその辺も十分参考にしていただく、こういう趣旨からそのような取り扱いをやっておりまして、そのような取り扱いが今の事態では一番ふさわしいのではないか、このように思っております。
○金子(満)委員 その点はわかりますけれども、私は、労働省がいろいろな企業の代表を呼んで取り消しをしないようにという指導をした場合には、どういう企業とその話をしたかということぐらいは公表しても別に社会的にどうということはないのですから、秘密じゃないと思うので、この点は考えてほしいと思うのです。 さて、そういう中で、今度は違った角度からの問題ですけれども、採用を内定するということ、それは企業と就職当事者間で一つの労働契約ができたと思っていいと私は思うのです。雇用の契約、約束がこれでできましたということは、これは確認できる。これは公然としたものであるわけですね。 それで、企業が社会的存在であり、社会的に責任を持っているということであれば、この公の労働契約、約束というものを守っていくというのは当然の義務だと私は思うのです。これをやらないで簡単に取り消しをするということについては、これは納得できないわけですけれども、そういう労働契約である、雇用の約束だ、契約だという点について労働省はどんな考えを持ちますか。非常に軽いものだというように済ましているのかどうなのか。
○石岡政府委員 採用内定の実態は多様であるため、その法的な性質について一義的に論ずることは困難でございますけれども、先ほども御質問がありましたが、最高裁は昭和五十四年に、大日本印刷事件で判決を出しております。それによりますと、採用内定通知は労働者の労働契約の申し込みに対する承諾であり、応募者による誓約書の提出と相まって解約権留保つきの労働契約が成立したと判断したところでございます。 このように採用内定について労働契約が成立していると判断される場合におきましては、その内定の取り消しをする場合は、これは労働契約の解約に当然なるわけでございますから、基準法の規定に従いまして、労働基準法第二十条でございますが、この規定に従いまして所定の解雇予告等の手続が必要であると考えております。 また、採用の内定の取り消しといいますか、これが無効かどうかは、その労働契約の解除が権利の乱用などによるものかどうかということでございまして、この点につきましては、それぞれの具体的な事案ごとに裁判所において判断されるべきものと考えております。
○金子(満)委員 私も外国の例を全部知っているわけではありませんけれども、この内定という制度は、ある意味では日本独特みたいなことが感じられるわけです。 いずれにしても、今言われるとおり、これは企業と就職当事者間における労働契約であることは間違いないわけで、今言われた一九七九年の最高裁の判決の中でもこういう指摘があるのですね。「客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認することができるものに限られる」というくぎが刺してあるわけで、私は、内定の取り消しというのは、そのものずばりで言えば、解雇権の乱用にまでなるということを指摘したいわけですね。つまり、解雇権の乱用にならないように忠告をしているわけです、最高裁は。 そういう中で、例えば労働者が解雇される場合にはどうなるか。予告手当が出ます。退職金もあります。そして雇用保険の適用も受けます。ところが、内定者は何もありません。こんな不合理なことはどう考えてもないわけですね。それで受けた精神的経済的打撃、全部考えて、将来のことを考えたら、これは非常に重大な問題だと思うのですね。 私もあちらこちら聞いたり見たり調べたり、いろいろ文書をもらったりして学生のあれを聞いたわけですけれども、一人、埼玉県の女子学生で昨年十一月に内定を取り消されたわけです。それで、企業の側はどんなことをしたかというと、取り消しの通知書と一万円分の図書券を入れて、そして履歴書を同封して郵送で来て、これで終わりなのですよ。こんなことが平気でやられている。やっている企業というのは何を考えているのだろうとどうしても思わざるを得ない。この女子学生の場合は昨年七月に父親が亡くなっているわけです。六十過ぎた母親がパートで生活を支えている。そのときに就職内定したというので大変喜ぶわけです。それが土壇場へきてパアになる。この事態を考えたときに、一万円分の図書券で、あとは郵送でちょんなんということは到底血の通った人のやるべきことではないと思うのです。いろいろの考え方、解釈はあろうと思うけれども、内定の取り消しでもしかるべき賠償があってもいいのじゃないか。これは法学者の中でもかなりこの点は指摘しているところなのです。 労働省、私は、そういう点での問題について具体的な事実をつかんでぜひ指導してほしいし、都道府県、職安にもこの点言っておかないと、ただ督促だけして、以上かくかくのとおりでやむを得ません、終わりということに下手をするとなりかねないのですね。その点もう一度伺っておきたいと思うのです。
○石岡政府委員 いろいろなケースがあると思いますけれども、採用内定について労働契約が成立していると判断される場合におきましては、先ほど言いましたように、使用者がこの労働契約の解約をする場合には、労働基準法第二十条の定めによりまして、解雇予告等の手続をとる必要があろうかと思います。 そうすれば、その限りにおいては基準法上は問題はないわけでございますけれども、さらにお尋ねのように、損害賠償とかあるいは無効の訴えとかいろいろなケースが出てくる場合もあろうかと思います。その場合は、先ほど言いましたように、それぞれの事案ごとに裁判所でこれらは判断されるべき問題であると考えております。
○金子(満)委員 最後に大臣、労働省は、就職あっせんするところの大学当局に対しても職安に対しても、取り消しした企業と取り消された学生、その実情を一つ一つ丁寧に掌握して解決を図っていく、大変な仕事だけれどもそれをぜひ図っていかなければならない。これは労働大臣の大きな号令がかからなければなかなか、それこそ惰性みたいな形でいったら、四月過ぎれば終わりということになってしまったら、大変なんです。こういう点で、私は、ひとつ大臣の考え、決意だけ伺って次に移りたいと思います。
○村上国務大臣 私は、やはり学窓を出て夢も希望も持って、それまではいろいろ会社を訪問して、さっき言ったように自分の天分また自分の能力をこの会社ならば生かしていけるといって決めたのですね。ところが、今おっしゃられたような一通の内定取り消しという、こういう状況の中で、私はことしの初め、コダックの会社の新規取り消しの新聞記事を朝見まして、役所へ参りまして齋藤局長に、これはやはり大きな社会不安を呼ぶよ、こういうことではいかぬ、会社を一遍呼んでほしい、私が会うから、こう指示をしたわけでありますが、国会の都合でなかなか私が会えなかったということで、齋藤局長がこれらの関係者に来ていただいて先ほど申しましたような対応をしておるわけであります。ですから、これはやはり ゆゆしき問題だと私は問題意識を持っております。 そこで、なお事務当局に指示しておりますのは、法令上こうした学生に対して、内定者に対して保護することができないのか、そうしたあたりを検討してくれ、こうして今命じているところでございまして、この認識については金子委員と私は同じ認識を持っておりますことを申し上げ、そうした法的保護をも含めて検討していかなければならない、そのようにまた事務当局へ申しておりますことを申し上げておきます。
○金子(満)委員 今大臣が言われるように、やはり社会不安を呼び起こしていることは間違いないわけで、法令上の保護をできるかできないかという現行法の問題がありますけれども、私は、もう少し広げて、法律の上でも保護できるような、法律を必要があればつくるというところまでいかないと、こういう悪いことが慣例になっては困る、この点ぜひやってもらいたい、これを申し上げておきたいと思います。 そこで、次には、これももう午前中にも質問がありましたが、江東区での水道工事現場の爆発事故についてであります。 災害は忘れたころにやってくるというのは昔の言葉で、今は、涙の乾かないうちに次から次に起こるのですね。これは首都圏を見ても、午前中も出ましたけれども、何度もある。こういう事態が現実にあるわけですね。大臣は、その点で、こういう災害というのは天災ではない、怠慢であり惰性だ、それがこういう結果を生んでいるのだと、私はそうだと思うのです。本当に怠慢で惰性に陥っている。問題は、だれがここに陥っているかという問題です。私は、行政の面も姿勢を正すと同時に、企業に対してはもっと厳格に当たらなければならないと思うのです。 あの水道工事現場については、元請が鹿島と熊谷と鴻池であることはもう天下周知の事実ですよ。その下請が大綱建設であり、孫請が高正建設、こうなっているのも御承知のとおりで、それはいろいろ分担してやっていますと言えば、言葉ではそれで終わるわけです。それでは災害とか防水対策をどうするかとか、どんな分担をしていますかと言ったら、ちょっと言葉が出ないくらい私は複雑になっているのだと思うのです。 そこで、水道工事の安全を守っていく、その安全対策の責任はどこにあるのか。それは現場のだれべえですという立て札のことじゃないですよ、どの企業に一番の責任があるのか。もう時間もたっていますから、一日ですから三週間以上たっているのですから、どう考えているか、ここをひとつ伺いたいと思います。
○石岡政府委員 今回のような隧道建設工事におきましては、労働安全衛生法令によりまして、元請事業者は次のような義務を負っております。 一つは、関係請負人が行う労働者の安全または衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと、もう一つは、関係請負人が行う避難等の訓練に関し、その実施時期及び実施方法を統一的に定め、これを関係請負人に周知させるとともに、それにより訓練を実施することでございます。 これらの点につきまして、元請事業者に法令違反があったかどうか現在鋭意調査中でございます。 また、事故を起こしました第二次下請の高正工業につきましても、労働安全衛生法令に照らしまして、違反があったかどうか今調査中でございます。
○金子(満)委員 我が党もこの事故が発生した直後に、現地に対しては参議院の吉川春子議員及び秘書関係の皆さん、それから青森の出稼ぎの方で亡くなった方の遺族を実家に訪ね、これは衆議院の藤田スミ、それから参議院の吉川議員を中心に行って、お見舞いを申し上げると同時に出稼ぎ労働者にいろいろなことを聞いてきたわけです。 そこで、念のため労働省に伺っておきたいのですが、この工事現場において、これまで安全のための研修とか教育あるいは避難訓練とかいろいろの災害防止のための機器の取り扱いとか、こういう点で、元請でも下請でも孫請でもいいですが、全従業員を対象にしてやったことはあるのですか。
○石岡政府委員 今回のケースにつきまして、安全衛生のための教育訓練がどのように行われたか、あるいはまた機器の取り扱いにつきまして、どのような指導が行われたか、現在鋭意調査をしている段階でございまして、調査がまとまり次第御報告を申し上げたいと思います。
○金子(満)委員 大変重大な問題だと思うのです。これもさっき大臣が言われましたように惰性、怠慢ということに類するかどうかは別として、私は次のことを申し上げたいと思うのですね。 去年の四月に、建設省は事故を未然に防止するために「土木請負工事工事費積算基準」というのを改正したのですね。その中では、現場の請負工事をやる、そのところに、請負工事費の中に現場管理費というのを明確に今度は盛り込んだわけですね。そして、それを位置づけると同時に、現場従業員全員を対象とした研修・訓練、この訓練は避難訓練とか機器の取り扱いで、これは元請企業ですよ、元請企業が一カ月ごとに半日程度その訓練をやることを義務づけているのですね。しかも、そのほかに現場に水洗トイレをつくる、この費用もみんな入るわけですね。それから、プレハブの詰所なども費用をアップしてつくるように、これは生活環境、働く環境をきれいにする、安心させる、心の安らぎということも含めてやったということになっているのですね。それを月一遍半日程度やるというのだから、建設省はチェックするということになっているのですね。去年の四月ということですから、もう十カ月以上たっているわけです。そういうときに現場で訓練がなかったわけですよ、出稼ぎ労働者に青森で聞くと。この責任はだれがとるのか。 こういう点で言えば、請負工事費の中に現場管理費、現場管理費の中には安全対策費も入っているわけです。やらなかったら、言葉はうんと悪いですけれども、元請が横領してしまったと言われても仕方がないような事態ですよ。そして、事故が起こると、孫請の高正建設、おまえ悪いやないか、名札がちゃんとあって、責任者いるんじゃないか、これをやられたらたまったものじゃないと思うのですね。 ですから、そういう点では徹底した管理をしなければならぬし、見ていかなければならぬ。現場管理費が入っているということ、これは建設省の事務次官通達として出されて各都道府県と政令都市には全部行っているわけですよ。もちろん東京都にも行っているわけですから、これをやらなくてはならぬわけですが、建設省、この点についてお伺いしたいと思います。
○城処説明員 建設省所管事業につきましての今の積算の考え方について御説明を申し上げます。 私ども、安全を確保するための費用といたしましては、直接的な工事費でありますとか安全費、仮設費、それから現場管理費とそれぞれに計上しているわけでございます。 直接的工事費に計上する安全費といたしましては、構造物を施工するときの足場というような直接的なもの、例えばそういうものを見ております。それから、安全費に計上する費用といたしましては、安全標識といったものについての費用になるわけでございます。さらに、仮設費に計上する費用につきましては、例えば転落防止さくといったような防護施設を設置する費用、そういうものを見ておるわけでございます。 さらに、今お話がございました現場管理費に計上する安全対策費として、安全に関する研修・訓練に要する費用あるいはまた救護薬品とかそういったものも入るわけでございますが、そういったものを見るというような考え方に立っているわけでございます。 積算基準につきましては、必要に応じまして毎年改定をしているわけでございますが、特に平成四年度におきましては、今申し上げました安全管理費の中におきます安全訓練費というものを新し く盛り込んだということでございます。この内容は、今先生からお話がございましたとおり、現場で月に一度、半日以上時間を割り当てるようにということで、作業員の日当の相当分を積算に計上しているということでございます。 こういった考え方に基づきまして、私どもは、安全訓練等の実施状況につきましても工事報告に記録させましてそれを提出させているということでございます。今後ともその趣旨の徹底に努めてまいりたいと考えております。
○金子(満)委員 建設省と労働省が違っているという意味じゃなくて、お聞きのとおりなんですけれども、とにかく安全のための訓練をやっていなかったことは事実なんです。このことがこうした結果を生んでいるという一つの要因にもなっていると思うのですね、労働者が避難場所もわからないというのですから。そんなことで一体どうするんだ。ベルが鳴っても遠くの方で鳴ったから聞こえなかった、こんなずさんな状況は絶対許されないと思うのですね。午前中も労働大臣がこの点はかなり明確に企業に対して言っていますから、私はこれは即刻やってほしいと思うのですね。全国のトンネル工事、いっぱいある。そこにこうだということも、大臣のあれで、新聞にも出ていますけれども、大変ずさんな内容で、決めても実行しないのだったらないと同じで、こういう点は手厳しくやっていく必要がある。 大臣、午前中も言われましたけれども、こういう中で企業に対する制裁措置というのを考えていかなければならぬ。これは直接法的なものもありますけれども、どうするかという点で最後に伺っておきたいのです。 制裁措置の中で指名停止、これをやるというのも当然だ。これはだれをやるのかという問題になってくるわけです。孫請をやったんでは全然だめなんです、元請をやらなきゃ。去年でしたか、厚木の防衛施設庁の体育館の事故のときには、銭高組だったですか元請が、これが短期間であったと思いますけれども指名停止をされたと思うのです。今度もそういう措置をとるべきだ。さらにどういう措置があるかも労働省は検討してほしい。 最後に、これはぜひ実行してほしいと思うのは、大体事故があると、そのときに労働省、現場の基準監督官が飛んでいくんですね。これは大体人員が少な過ぎるんですよ。今やれやれと言ったって、過労死になっちゃうですよ、監督官は。寝ずにやったって回り切れないんですから。重大事故が起こるのを未然に防ぐためには、とにかく転ばぬ先のつえなんですよ。そこのところで、人員の要求は、何か小さな政府で大きな仕事だとかいろいろの能書きはあるんだけれども、私は、こういうのを見たときにいかに監督官の数が少ないか、現場がひいひい言っているかということを痛切に感ずるんですね。 ですから、私は、責任追及ということよりも対応できる体制を、村上労働大臣、あなたのときに断固として要求してしないと、これは同じことをいつでも繰り返す結果になる。この点もひとつ大いにやっていかなきゃならぬのじゃないか、この点を一つ質問し、答弁を求めて、終わりたいと思います。
○石岡政府委員 労働基準監督官が労災防止に十分な役割を果たすことができますよう、関係機関と協議しつつ、その確保に努めてまいりたいと思います。
○村上国務大臣 私は、こういう災害については下請だとか孫請、これは対社会的な責任はない。これは、言うなら元請の中の問題であって、社会的責任は元請がとらなければならない。発注者から受けるのは元請なんですから、元請がやはり全責任を持たなければならぬ、これは三つ子だってわかり切ったことでありますので、そうした意味で、元請の責任体制というものを追及していかなければならない。今おっしゃられたように、私はやはり指名停止、その範囲も検討を加えなければならない。それから、その指名停止の期間もやはり再検討する必要がある。要するに、痛みを感ずるそうした一つの、やはり一人事故で亡くすということはこれだけ会社にとって大変なことだ、社会的にとって大変なことだということを身をもって元請の企業責任をその責任のある人たちが感じるような方法を考えていきたい、こう思っております。
○金子(満)委員 終わります。
○岡田委員長 以上で金子満広君の質疑は終了いたしました。 次に、伊藤英成君。
○伊藤(英)委員 まず、時短の問題に関連することについてお伺いをいたします。 昭和六十三年に閣議決定をされました経済計画「世界とともに生きる日本-経済運営五カ年計画-」の中に、労働時間短縮について、「おおむね計画期間中に」すなわち平成四年度までになるわけですが、「週四十時間労働制の実現を期し、年間総労働時間を千八百時間程度に向けてきる限り短縮する。」こういう目標を掲げております。 平成四年度は、速報によりますと、年間総労働時間千九百七十二時間ということでありまして、計画期間の五年間で百二十八時間短縮したことにおります。しかしながら、政府目標であり、かつ国際公約でもあります千八百時間にはほど遠い状況でありまして、何が原因で目標が達成できなかったかということだと思うんですね。どういうふうに思われますか。
○石岡政府委員 御質問のように、前の経済計画の目標千八百時間は達成されなかったわけでございます。その原因といたしましては、いろいろなものがございますが、一番大きな原因は、所定内労働時間は着実に減少しているものの、中小企業で週休二日制などの普及がなかなか進まなかった、この点にあろうかと思っております。
○伊藤(英)委員 それでは、去年の六月の「生活大国五か年計画-地球社会との共存をめざして-」というものの中では、先回の反省もあってでしょうけれども、あいまいな言葉は消えて、千八百時間の目標達成を明確にしております。そうでありますけれども、この目標達成には今後百七十時間減らさなければならぬという話になります。したがって、労働省には計画当初から抜本対策と強力な指導性が要請されているというふうに思いますけれども、この「生活大国五か年計画」に対する認識と労働行政についての基本姿勢を伺います。
○村上国務大臣 今回の経済計画は、国民一人一人が我が国の経済的地位にふさわしい、勤労の喜びを感じながら、豊かさとゆとりのある生活を送ることができる生活大国の実現のための基本となる指針であります。 労働行政としても、この計画に沿って、そのための政策の強力な展開を図っていく必要があると認識いたしております。さらに、強力な展開を図っていく必要があると申し上げます。 そのために、その実現に向けて、ただいま申し上げました年間千八百時間の達成を目標とした労働時間の短縮、安全の確保と健康で快適な職場づくり、総合的なパートタイム、女性や高齢者の方々が生き生きと活躍できる環境づくり、障害者の方々の雇用の場の確保、またその促進に全力を挙げていかなければならない。そのために、労働省総力を挙げていきたい、その先頭に立って旗上げ役を果たしていければという決意であります。
○伊藤(英)委員 今大臣が強力に推進する、展開されるということを繰り返して言われ、しかも労働省総力を挙げて、その中でも大臣が先頭に立って取り組まれるという力強い言葉をいただきました。ぜひ頑張っていただきたいと思います。 この週四十時間労働制に移行すること等を内容とする労働基準法の改正案を今国会に提出されたわけでありますが、これは十九日だったですね。一時はこれはどうなることかというくらいの状況でありまして、一部の新聞には、労働基準法の改正案は今国会に提出するのは見送ることになるんではないかということまで報じられたんですよね。だから、当初の予定よりもおくれて、十九日にまでなってしまったわけですが、このおくれた理由はどういうことですか。
○石岡政府委員 労働基準法の改正案の国会への提出は、当初、予算関連法案でございますから二月十二日までと予定しておりましたが、御指摘のとおり、これを提出したのは二月十九日でございました。 かようにおくれたのは、中小企業をめぐる経済情勢が非常に深刻になってきておりまして、これらを背景にいたしまして、関係省庁等各方面から、現行の四十六時間の猶予措置の延長を初めといたしまして、中小企業の実情に配慮すべきであるという非常に強い意見が出されたわけでございます。一時は、新聞にも出ましたように、基準法の改正案がまとまるかどうかという状況もございましたけれども、大臣を先頭に関係省庁等各方面と調整を図りまして、その法案を十九日に国会にお出ししたわけでございます。 経済情勢の変化によりまして各方面との意見調整に時間を要した、時間がかかったというのが遅延の理由でございます。
○伊藤(英)委員 大臣が、昨年十二月に大臣就任後の初の記者会見のときに、私は二宮尊徳の考え方であって、働く価値観あるいは時間短縮目標に違和感を持っているというふうに述べられたと伝えられておりますけれども、この点についての大臣の考え方を御説明いただきたいと思うのです。
○村上国務大臣 まず、二宮尊徳翁という一つの固有名詞を出しました。これは、私ども、昭和七年生まれで、戦前の小学校の教育を受けてきましたが、小学校へ行きますと校庭に二宮尊徳像が、ちょうど入り口にあるのですね。そして、私たちが教えられたことは勤勉ということなんですね。そうした一つの勤労観というもの、日本人の勤労観という一つの価値観の中に日本人の持つ勤勉さ、実直さ、そして二宮尊徳翁は薪を背中にしながら本を読んでいるのですね。これはすぐれた創意工夫、資源がない国だからやはりそこに知恵を使わなければいけないという今でいえば付加価値ですね、こうしたすぐれた創意工夫、そういうものの一つの象徴として二宮尊徳翁を私は頭に浮かべたものですから、固有名詞を出したわけでございます。 それと同時に、違和感を感ずると確かに申し上げました。これは、ただ単に時短というものが、午前中の話にもありましたけれども、あのアダムとイブの話ではございませんが、禁断の実を食べて追放されていく、その苦役として――仕事というのは苦役を与えられる、こうした考え方で時短というものを考えていくということはいかがなものだろうか、私はここに違和感を感ずる。ということは、余暇というものが第一義にあるのじゃないんだよ、働くことが第一義にあって余暇があるのだ。遊ぶことが先にあって働くということが後にくっついていく、逆さま、転倒妄想のような時短というものであってはいけない。時短には、そこには長い間培われてきた日本人の働く価値観という哲学がしっかりなきゃいかぬ。最近の若い人たちが面接に行って、土曜日は休みなんですか、こういうことをまず聞く、こういうのですね。ですから、もう働くことよりも休むということの方が先にある。労働条件も、ややもすると、そうした考え方で考えているということについては違和感がある。とにかく、私がたびたび申し上げておりますように、余暇というものは、家族とのコミュニケーションであり、健康な心身をつくっていくための時間にしていく、そうした時短でなければ意味がないわけでございます。 それと同時に、私もこれは教えられたのでありますが、なるほどそれはそうなのかなと思ったのは、先ほども言いましたように、二宮尊徳翁のいろいろな解釈があるのですけれども、二宮尊徳翁ほど、むだ、無理、そうしたものをなくして早く楽に仕事をするということの非常な合理主義者はいなかった、そういう説もありまして、そういうことになれば、これは時短の神様だな、時短の先駆者だな、おれがたまたま二宮尊徳翁という名前を出したのは時短の驥尾にぴしっと付した人物像というものを申し上げたことにもなるのかな、こういう考え方を持ったわけであります。 いずれにいたしましても、むだを省いて、能率的で、よい仕事をしていく、そうしたことが仕事をしていく、時短という意味からいってこれからの一つの課題になるのではないか、このように思っております。
○伊藤(英)委員 この話をやっておりますと時間もあっという間になくなりそうでありまして気にもなりますが、大臣のお話は、私は若干気になるところもあるなと思っております。 いわゆる労働のあり方についてはまだ改めてと思っておりますし、私は、日本の将来に対して、ある意味では非常に危機感を持っているということもありますから、日本の経済がいつまでうまく続くかなということにつきましてはいろいろな思いもありますし、また改めてと思っておりますが、最初に大臣が言われたように、時短を今の日本の状況では進めていかなければならぬことは事実でありますね。その部分についてはぜひよろしくお願いいたします。 また、今のことに関連するのですが、これは私は二月十八日の読売新聞で見たのですけれども、ドイツの公共放送の番組で日本人に対する差別発言があったということは大臣も承知しておられると思います。日本人について、欧州人には理解できない異質の文化、生活様式であり、そして欧米を経済的に制覇しようと図っている、というような内容でありますけれども、これは新聞にも書いてありますように、日本人は文明人ではないという考え方の番組ですね。 この番組についてどう思うかということと、しかし、考えてみれば、私はこの委員会でも何度も申し上げたのですが、ILO条約の批准件数もよくない、あるいは今度の労働基準法の改正に当たっても、審議会で議論された内容等を見てみますと、なかなか文明国というふうにはなっていないのかなという気がしないでもない、こういうふうに思いますけれども、大臣はいかがですか。
○村上国務大臣 私も、この放送番組においての詳細は承知しておりません。しかし、御質問ということで新聞記事を見ました。そしてまた、事務方ともこのことについて相談をいたしました。直接には労働政策と関連はないように思われます。 しかし、このことについてどう思うか、文明国ではないと言われることについてどう思うか、こういうことでございますが、私は、もしこうした誤解があるとするならば、いろいろな国際会議の場を通して我が国の実情について、これでもかこれでもかというほど実情を説明して正しい理解をしてもらう必要がある、こう思っております。 これまでも我が国の経済的地位にふさわしい豊かでゆとりのある生活の実現に努めてきたところであります。このことにかんがみ、今回の労働基準法の改正案の作成に当たっても、審議会において週四十時間制の実現のためにいろいろな角度から非常に精力的に審議をいただいたと承知いたしておりますので、今委員の御指摘なされたような考え方はとらないものでございます。
○伊藤(英)委員 実は、今のようなお話も、それから最初から私が質問している内容も皆そうなんですが、大臣は、これから時短の問題にしてもまさに強力に強力に取り組んでいって、しかも労働省が総力を挙げていろいろやってまいりますという話をされたんですが、私は、本委員会でも何度も申し上げたりいたしました。それから、労働省の幹部の皆さん方にも何度も申し上げたりするんですが、いろいろな問題で、これからの日本はこういう方向で向かうべきではないか、何をすべきだというようなときに、本当に多くの場合に、労働省の幹部の皆さん方は、ああこれは今審議会で検討を願っておりますとか、あるいは関係者の合意が得られませんとかいうような話ばかりというぐらいの印象を受けます。自分たちはどういう方向でやりたいんですよ、そのためにこういうふうに頑張りたい、そういうようにお願いしますよというような話というのは非常に少ない。これは他の省庁に比べて労働省にそういうことを私は非常に感じるんですよ。だから、どういうふうに労働省は取り組むんですかという質問をしたりするの はそのためであります。婦人労働問題でも、例えば、M字形カーブの是正の問題にしてもあるいは育児休業の問題にしても介護労働の問題にしても、これから最も重大な問題ですよね。でも、こういうものがなかなかうまく進まぬな、私は、労働省の行政ということに対する不信感もこれでは生まれてしまうという気がするんですよ。いかがですか。
○村上国務大臣 私は、これは労働省に対する不信感というよりも御激励だ、こう受け取らしていただくわけでありますが、実は、先般も次官、そして官房長初めそれぞれ担当の局長に対しまして、今おっしゃられたような何かあれば審議会、何かあれば有識者を集めて懇談会をやる、そういうことでいいのか。役所の中には優秀なやつがたくさんいるはずだ。それぞれ大蔵省に引っ張られたやつもいるでしょう、通産省にも引っ張られておる。その中で、いやおれの人生は労働行政にすべて打ち込んでいきたい、そうした希望を持って入省した連中がたくさんいるはずだから、こういう連中に、今労働行政で何が大事なのか、二十一世紀を目指してどういう問題を労働省はテーマとして掲げていかなきゃならぬのか、労働省の皆さんからそういうものを出さしたらどうだ、個々に出させろ、レポートを出させろ、そしてそういうものをくみ上げて、吸い上げて政策として政治に反映をしていく、こういうあり方を考えたらどうだ、こう言って、私は、先般我が労働省の職員のそうした考え方をくみ上げていくことを提言をしたばかりでございます。 今までの労働省がどうであったか、私はそんなに労働畑じゃございませんので、御承知のように私は国対畑でございまして、各役所全般のいろいろな御相談に応じて、法案の上げ屋でございますから上げてまいったわけでありますが、しかし、労働省に入ってみてそういうことを私も感じました、本当に率直に言って。何かあれば有識者、有識者、そんなのばかり集めてやらしている。そういうあり方についてはやはりいかがかな、こう私も考えておりますので、そういう方向に今後労働省の中の英知を少しでも結集して、そして出たものを審議会にかけるとか、そういう形の知恵を出していきたい。そうすると生きたものが出てくる、血も涙も通う政策が生まれてくるんじゃないだろうか、新機軸を労働省に私自身も期待をいたしております。
○伊藤(英)委員 大臣からそういうふうに言われますと本当にもっともでありますので、ぜひ頑張ってくださいと申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。 現在の雇用問題についていろいろと御質問しようと思ったのですが、余り時間がなくなってしまいましたけれども、時間がもしも少しあれば、先ほど来語も出ております就職の内定の取り消しの問題とか企業内失業の問題とか、いろいろなことについてお聞きしようと思っております。 その前にまずお聞きするんですが、雇用問題で、この間テレビを見ておりましたらこういう場面を特集でやっておりました。これはNHKのテレビでやっていたのですが、ある大手の会社で五十歳以上の人は全員キャリアカードなるものをつくって、会社が大変なものですから管理職にある者を転職なりあるいはほかの会社に出向なりで出すための作業の状況等々をいろいろやったりしております。 私はそのときに、それを見ていてすぐ思ったのですが、一体日本は今何をやっているのだろうか。世界に冠たる経済大国であって経済的に最も高いパフォーマンスを持っている日本が、しかも、国際収支を見たって日本が最も成功している状況ですよね、その日本が、ついこの間まで猛烈なバブルだとかそういう経済運営をやってきた。山が高ければ当然谷は深くなりますよね。そして、そのために一生懸命でみんなが頑張ってきた、その人たちが五十歳以上になって、今度はいわば雇用調整のためにほかのところへ移るような、そういうようなことがどんどん行われているなんという話はいかにもおかしいですね。 だれがこういうことをやったんだろうか、だれに責任があるんだろうかと考えれば、まずは、それは私たち政治家も含めてでありますが、これは経済運営のまずさですよね。これは政府にあるいは行政にあずかる音あるいは立法に携わる者は、本当にそのことを真剣に考えなければならぬと思うのですね。大臣いかがでしょうか。
○村上国務大臣 政府としてはいろいろと施策を講じてまいりました。昨年三月の緊急経済対策に続き、八月には総額で十兆七千億に上る総合経済対策を策定し、その円滑な実施を図っております。また同時に、平成五年度予算においても景気に配慮した編成を行っておるわけであります。 しかし、今御指摘のように、結果としては、現象的に見ますとそのようなことが言われるとは思いますけれども、私は、今閣僚でございますので、閣僚として聞かれた場合は、政府としては適時適切に対策をとってきたものとしか答えようがないわけでありまして、今後とも経済情勢の変化に十分に注意を払いながら、宮澤総理も不況対策のためには打つべき手は打つと珍しく御自分の顔を出されながら閣議等々においても御発言をなさっておられますので、私は、今後の政府の対応については信頼を置いていただいて結構ではないだろうか、こう思っております。
○伊藤(英)委員 現在の雇用の状況についてどのように認識をされておりますか。
○村上国務大臣 それは、今までも言ってまいりましたように、非常に憂慮すべき状況が続いておる。雇用調整など先ほどもいろいろな問題が出ておりました。数々ございますが、ゆゆしき問題だと思っておりますので、労働省としては雇用の面において失業者を出さないということについてあらゆる施策を講じてまいりたい。 ただ、私は、時間もありませんが、ここで申し上げておきたいのは、労働力というものを物という見方をするということについては、絶対これはいけない。人間尊重の労働行政という立場からいって、労働力を市場だとか需給だとか需要だとか、こういう言葉で考えていくということは間違いである、この点を私は強く申し上げておきたい、こう思っております。
○伊藤(英)委員 現在の雇用情勢については極めて憂慮する状況にあり、重要閣僚として、今閣僚としてやられるわけですね。例えば、過去数年の日本の経済運営を見れば、あの大変な景気のいいときには日本は何兆という補正予算をばんばん組んできたのですよ。これは明らかに間違っていますね。経済運営の原則からいえば間違っている。当時は閣僚でなかったかもしれません。しかし、今まさに閣僚として日本の経済運営を決定するメンバーでありますね。 そうすると、今ちょうど予算案をやっているときでありますが、労働問題の担当大臣であり、かつまた閣僚の一人としてやられるときに、今の予算で本当にいいのだろうか、今の雇用の状況を救うためにも所得税減税などをやらなくて本当にいいのかということを大閣僚として言っていらっしゃいますか。
○村上国務大臣 これはあらゆる角度から精査をして御提示いたしました予算でございます。しかし、刻々と社会情勢は変わってまいるわけであります。私は、労働行政をあずかっている立場で、そうしたことに適切に発言もし、その対策も講じていきたい、こう思っております。
○伊藤(英)委員 時間も参りましたので終わりますけれども、適切に、適切には正しいのですね。その言葉自体は正しい。問題はどう実行するかなんですよ。最初に大臣が、これから労働問題についてまさに全力で立ち向かっていこうという決意を言われたと私は思うのですが、それは言うだけではなくて、必ず実行していただきたいと心からお願いをして、終わります。 どうもありがとうございました。
○岡田委員長 以上で伊藤英成君の質疑は終了いたしました。 ――――◇―――――
○岡田委員長 次に、内閣提出、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。村上労働大臣。 ――――――――――――― 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○村上国務大臣 ただいま議題となりました駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。 駐留軍関係離職者及び漁業離職者につきましては、それぞれ、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法に基づき、特別な就職指導の実施、職業転換給付金の支給等各般の施策を講ずることにより、その再就職の促進と生活の安定に努めてまいりましたが、これら二法は、前者が本年五月十六日限りで、また、後者が本年六月三十日限りで失効することとなっております。 しかしながら、駐留軍関係離職者及び漁業離職者につきましては、今後においても、国際情勢の変化等に伴い、なおその発生が予想されますので、政府といたしましては、現行の駐留軍関係離職者対策及び漁業離職者対策を今後とも引き続き実施する必要があると考え、そのための案を中央職業安定審議会にお諮りして、その答申に基づき、この法律案を作成し、提案した次第であります。 次に、その内容を御説明申し上げます。 第一に、駐留軍関係離職者等臨時措置法の有効期限を五年延長し、平成十年五月十六日までとすることであります。 第二に、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の有効期限を五年延長し、平成十年六月三十日までとすることであります。 以上、この法律案の提案理由及びその内容につきまして、御説明申し上げました。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○岡田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十七分散会