予算委員会第四分科会 第2号
- 発言数
- 399 件
- 登壇者
- 43 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1993/03/05
会議録
○粟屋主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算及び平成五年度政府関係機関予算中厚生省及び労働省の所管について審査を進めることとし、補充質疑を行います。 厚生省所管について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細谷治通君。
○細谷分科員 社会党のシャドーキャビネット委員会の予算担当委員長をしております細谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 きょうは、保育所問題について若干の御質問をさせていただきたいと思います。 まず、連合が去年行いました調査で「未就学児の保育に関して行政に要望すること」、この調査によりますと、保育所について、保育時間の延長、二番目に保育科の引き下げ、三番目に産休明け保育の充実、これが三大要求ということになっているようであります。 保育事業の現状と将来展望について、特に社会構造の変化に対応して保育ニーズも多様化、高度化しているわけでございますけれども、今後どのように対応しようとされておるのか、御見解を承りたいと思います。
○丹羽国務大臣 まず、社会党のシャドーキャビネットの予算担当委員長として、かねてから児童福祉の問題に対して大変御熱心にお取り組みをいただいております細谷先生に対しまして、心から敬意を表する次第であります。 ただいま御指摘がございました保育問題は、御案内のように、女性の職場進出が年々ふえる中におきまして、いわゆる子育てといかにして両立していくかという大変重要な課題でございます。 ただいま御指摘がございましたいわゆる保育ニーズの多様化でございます。例えば、延長保育、夜間保育、乳児保育、こういったいわゆる保育ニーズの多様化、さらに保育料の軽減問題、入所児童の処遇水準の向上など、いろんな問題を今抱えておるわけでございます。 そういう中にありまして、厚生省といたしましては、現在、有識者で御議論をいただく場として保育問題検討会というものを設置したところでございますけれども、その場を通じまして今後の保育所のあり方を多方面から検討していきたい、こういうような考え方に立っておるわけでございます。
○細谷分科員 私は、保育事業というのは、本来国の事業、国の責務で行うべき問題ではないかというふうに考えているわけであります。 ところが、この保育所の措置費の国庫負担率というのは、当初は十分の八、その後十分の七に下がりまして、平成元年度には二分の一というふうに国庫負担率が引き下げられてきておるわけでございます。この背景について御説明をいただきたいと思います。
○清水(康)政府委員 御指摘のように、保育所等の社会福祉施設に係る措置費についての負担割合でございますが、昭和五十九年までは八割でございましたけれども、その後、昭和六十年に補助金問題検討会といったようなものを設けていただきまして、その報告を踏まえまして、三年間にわたる暫定期間を経まして、その間いろいろな支障がないということを確認しながら、地方の自主性、自律性の強化、あるいは地方の実情に合った総合的、効率的行政の実施の見地、あるいは事務運営の簡素化というふうなさまざまの観点から、措置事務等につきまして、これを従来機関委任事務であったものから団体委任事務に改める、こういうふうなこととあわせまして、平成元年から現在の二分の一に恒久化されたということでございます。 もとより、保育事業についての国の責任もあるわけでございますけれども、本来、保育事業については、最も身近な市町村、国と地方、とりわけ市町村との共同においてそれぞれその責任を分かち合いながら保育事業の充実を図ってきているというふうに考えております。
○細谷分科員 具体的に問題を掘り下げてお尋ねをいたしたいと思います。 国の徴収基準額というのがございます。これは一体どんな性格で何を根拠に定められているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○清水(康)政府委員 費用徴収でございますが、御案内のとおり、根拠の法律としましては、児童福祉法の第五十六条第二項というところに基づくものでございます。保育所に係る費用の一部を保護者の方に負担していただくという趣旨から設けられているわけでございますが、この徴収事務につきましては、先ほど申し上げましたとおり、昭和六十二年の四月に機関委任事務から地方団体への団体委任事務に改められたという経過がございまして、これに伴いまして、国で定めておる徴収基準額というのは、いわば国と地方団体との間でこの国庫負担金を精算する際の精算基準といったような性格の位置づけになっております。
○細谷分科員 父母の負担になりますこの徴収額、これについて少し突っ込んでお尋ねをいたしたいと思います。 平均的サラリーマンの共働きの世帯でほぼ大体五万円台の徴収負担になるということのようでありますけれども、少し私は過重に過ぎるんではないかというふうに考えます。そしてまた、所得階層別に区分されておりますけれども、非常に細分化されているという気がいたします。負担の軽減とそれから所得区分の集約を図るべきではないかというふうに私は考えます。その際、もっと応益負担の考え方を導入し、生活保護世帯を除いて最低限の一定レベルの定額負担という考え方をベースにすべきだというふうに私は考えます。 さらに、次の問題といたしまして、高額の所得者については、全額コストを負担するということで全額徴収になるわけでありますけれども、この徴収額が定員によって違うわけであります。私はこれは不公平な徴収制度ではないかというふうに考えております。 なぜなら、保育園の規模が違うということで保育の単価が違うということは、これはわかります。しかしながら、父母負担である徴収額が違うというのはおかしいのではないかというふうに思います。また、同一市町村内で各保育園によって父母の負担が異なるというのも、住民感情からして納得性がないんではないかというふうに考えております。 地方自治体は、父母の負担軽減措置といたしまして、独自の徴収基準額を設定いたしております。これは各自治体間でまちまちになっているわけであります。例えば、平均徴収負担率の最も低いのは東京二十三区でございまして、国の基準の半分以下、すなわち四一%、それから最高は宮崎県の九一%、福岡県では八八%というふうになっております。すなわち、父母の負担額を見ますと、倍以上の格差がついている形になっております。これによります地方の持ち出し分が推計で一千億に達するということであります。地方にとって大きな財政負担になっているということでございます。私は、先ほど言いましたけれども、本来国の負担であるべきものを地方にしわ寄せをしているということだと考えています。 また、このほかにも保育園に対して市町村から各種の補助が出ておりまして、これもまた自治体間で格差が大きいということであります。 このように保育にかかる父母の負担が、たまたまどこに居住するか、どこの自治体に属するかによって違っているということ、これは地方の財政事情、それから首長の裁量によって大幅な格差があるということになるわけでありますけれども、これは納得性がないというふうに考えているわけでありますが、これについての御所見を賜りたいと思います。
○清水(康)政府委員 保護者から徴収します保育料についてさまざまのお尋ねがあったわけでございますが、まず、私どもとしましては、かってまだ機関委任事務であったころには十七段階に分けて徴収しておりましたけれども、団体委任事務化したことに伴いまして、それ以降、現在はお話しのとおり十区分で徴収させていただいているわけでございます。 基本的な考え方は、所得税転用方式といいますか所得税を基準としてその負担能力を判定するといいますか、そういうことでやらせていただいているわけでございますが、御指摘のように、基本的にもう少し応益原則を加味してもいいんではないかということについては、そのような意見があることを十分知っておりますので、今後検討させていただきたいと思います。 また、地域差あるいは定員規模差によって料金が違うのはどうか、こういうお尋ねでございますが、確かにコストがどれだけかかっているかという原価主義とでもいいますか、そういうものからいいますと、定員規模あるいは地域差に応じてという考え方はある意味で十分合理的だと思いますが、他面、確かに契約施設ではなくて市町村が入所措置をするわけでありますから、どこの施設に入所措置されるかによって保育料が違ってくるという問題も現実に出てまいりますので、私どもも、この点につきましてもよく御指摘の趣旨を踏まえて検討させていただきたいと思います。 料金の軽減でございますけれども、御指摘のように、ある民間団体の調査によりますと、自治体が単独で国の徴収基準よりも軽減しているという実態がございまして、それは団体によって四割強から九割くらいまでの段階になっているということはそのとおりではなかろうかと認識しております。私どもは、この保育料の独自の軽減というものについては、それはその市町村のいわば単独の政策、単独施策として実行されているわけでございますので、精算基準たる国の徴収基準をベースにして地方負担を計算し、それを基準財政需要額に反映していくという仕組みについては、これを変えることは難しい、独自に政策として減額している部分について交付税で算入するということは、自治省当局ともお話をしてみましたが、困難であるというふうに考えております。
○細谷分科員 市町村によりまして、徴収基準額について例えば五万円で頭打ちになっている、そういう市町村があるというふうに伺っております。これは保育コストというのはもっとかかっているわけでありますから、むしろ高額所得者優遇という指摘がなされても仕方がないんじゃないかというふうに思います。きょうは自治省お見えになっておりませんが、こういう実態があるということは厚生省としては把握されておられるかどうか、お尋ねいたします。
○清水(康)政府委員 私どもが直接全部の市町村を調査したわけではございませんので、そういう意味での資料はございませんけれども、関係団体のお話の方から、おっしゃるとおり、国の基準の一年おくれでやるとか二年おくれで実行するとか、五万円を超えた部分は取らない、五万円を超えないように条例や規則で決めるというふうな団体があると理解しております。
○細谷分科員 その辺は、厚生省は自治省とも、この問題をどう考えるか、お話し合いをしていただきたいというふうに思います。 さて次に、措置費積算上の問題について、特に保母さんの配置基準、配置のあり方についてお尋ねをいたしたいと思います。 職員の配置基準の見直しは一体どういうふうになされてきたのか。特に、昭和四十四年の改正で乳児、ゼロ歳児の保母配置基準の見直しが行われて以来、いろいろの保育ニーズの多様化とか時短の促進というような問題があるにもかかわらず、本格的な見直しはなされていません。既にもう二十年以上が経過しているということであります。その間とうしてきたかということを見ますと、残業手当で措置したり、それから非常勤職員で措置したりやってまいりましたけれども、正規の職員の増員措置というのは行われてきていないということであります。今後どう対応しようとなされているのか、お伺いをいたしたいと思います。 その際、具体的にもう少し問題点を指摘したいと思いますけれども、まず第一に、満年齢、年度首起算の積算方式というのが保育現場では運営上大きな悩みを生んでいるのであります。 具体的に申し上げますと、四月一日に二歳児で入園いたしました。五月に三歳児になったといたしますと、これは通年して二歳児の単価、すなわち職員の配置基準でいえば二十対一ではなくて六対一で算定するという形になっています。ところが、五月に三歳児で中途に入所いたしますと三歳児以上の基準が適用される、すなわち二十対一が適用になる、こういうことのようでございます。そうしますと八カ月間も異なるルールが適用になる、したがってその分だけは保育所の持ち出しになる、こういうことでございます。ところが、保育の実際は六対一基準並みにやらざるを得ないということであります。そういう問題が一つあります。それからまた、父母の費用の徴収の面でも格差が出てくる、こういうことでございます。 さらに、乳児指定保育園の問題で申しますと、国の基準では乳児に対する保母の配置基準は三対一といいながら、現実には最低六人以上でないと乳児保育の指定を受けられないという形になっています。六人未満でも三対一のルールに私は変更すべきだと思います。現実には、これは地方が負担をして行われているということでございます。厚生省としては、保育ニーズが非常に高まっているということで、来年度もかなりの指定箇所をふやすということのようでございますけれども、中途で仮に定員割れになっても、最低一年間はそれで継続するということで基準緩和を図るべきだと私は思います。そうすることが、逆に言うと乳児保育の促進につながるのではないかというふうに考えているわけであります。 それから、保育現場では三歳児以上四歳児未満の現在の配置基準、二十対一の基準について、特に厳しく、実態を反映していないという批判がなされております。六対一から二十対一の基準に変更されるというのは余りにも急激で、保母さんの経験年数が少ないと、大変これは対応ができていないということも言われておるわけであります。 こういうふうに幾つか例を挙げましたけれども、保母の配置基準についてやはり見直すべき時期に来ているんじゃないかというふうに考えますが、御所見をお伺いしたいと思います。
○清水(康)政府委員 御指摘のとおり、保育所の配置基準は、昭和三十年代、四十年代前半にはいろいろ専門家の意見等を参考にしまして配置基準の改定をやってきたわけでございますが、現在は、お話しのように昭和四十四年度以降四歳児以上は三十対一、三歳児は二十対一、三歳児未満は、乳児を除いて六対一、乳児は三対一というふうな制度になって今日に至っているわけでございます。 もちろん、保育需要の多様化、増大に適切に対応するために、また職員の勤務条件を改善していくということは大変重要でございますから、それ以後何もしていないというわけではなくて、昭和五十年代後半からはいわゆる業務省力化等の勤務条件改善費という予算をお願いしまして、いわば当時の四十八時間勤務体制から、現在では四十二時間体制へ移行するよう予算措置をし、努力をしてきているところでございます。 私どもとしましては、もとより配置基準そのものについて、相当時代も変わってきておりますし、いろいろ具体的に言いますと、例えば主任保母をこの基準外に、枠外で加配してくれないかとか事務職員の常勤化をしてくれないかとか、さまざまな要望が関係方面から寄せられておりますので、先ほど大臣が御答弁になりましたとおり、ちょうど先月の二十五日に保育問題検討会というものをスタートさせたばかりでございますので、この検討会において十分御議論をいただきながら、しかるべき検討の結果に基づいて必要な措置をとってまいりたい、こう考えております。
○細谷分科員 相当時間もたっておりますので、ぜひ抜本的に見直すという見地に立って御検討をいただきたいというふうに思います。 次に、事業費積算のあり方について、ちょっと細かくなりますけれども、お尋ねを申し上げたいと思います。一般生活費と言われる中の給食費の問題でございます。 給食費の積算については、三歳児未満は主食と副食の完全給食ということになっているようであります。三歳児以上は副食だけ、主食抜きのようでございます。一体これはいつからこうなったのか、このサービス上の差というものは合理的な根拠があるのかないのか、この辺をお尋ねする次第であります。 食費は、ざっと計算してみますと、これで千二百億ぐらいになっているようでございます。私は、生活保護家庭を除いて給食費は原則自己負担としてよいのではないかというふうに考えております。こうやって生み出された千二百億近くの金をいろいろの保育所の運営の改善のために振り向けていくということも、検討すべきところに来ているんじゃないかというふうに考えておるところであります。この辺についてまずお尋ねをいたします。
○清水(康)政府委員 まず、三歳未満児については主食と副食の完全給食をし、三歳以上は副食だけという制度は昭和三十三年度から実施されておりまして、もう三十五年近くたっわけでございまして、保育関係者の中には一応定着をしているというふうに考えております。 その考え方の基本は、家庭と保育所が一体となって乳幼児の保育をすることが本来の保育所の趣旨であるというふうなこと、あるいは三歳児以上の児童につきましては、保護者に余り負担のかからない主食、御飯とかパンでございますが、そういうものを持参していただいて、副食につきましては入所児童全員について栄養面も配慮して統一的な給食を行う、こういう考え方で一貫してやってきているわけでございます。また、保護者の就労の形態によって、手づくりの弁当を持参させることが負担となるという場合もありますし、また、低年齢児の離乳食といったようなものについては弁当をつくることも難しいというふうなことから、三歳未満の児童について主食を持参してもらうことなくすべて給食している、こういうのが実態でございます。 ただ、保育所入所の実態を見ますと、確かに近年三歳未満の入所が次第に増加してきておりますし、三歳未満について主食を提供するということの結果、三歳未満児の家庭と三歳児以上になりますといわゆる費用徴収の額に若干の差が出てきている、そういうふうな問題等もございますので、現行のままでいいのかどうか、広く関係者の御意見を聞いて検討してみたいと思います。 その際、御提案のあったような、給食費を一部浮かすことによって他の職員配置その他の方へ回せないかという具体的な御提言もございましたので、それらも含めて検討させていただきます。
○細谷分科員 三歳児でそれを基準に分けるという合理的な根拠は私は見出し得ないというふうに考えます。ぜひこの辺について御検討いただきたいと思います。 そういう意味で、例えばこの保育所の事業費というものは、厚生省としても毎年改善をなさっているようでありますけれども、私は必ずしも実態に合っていないものがあるのではないかというふうに考えます。 一例でございますけれども、児童採暖費というのがありますが、暖房費ですね、私の郷里、福岡県の大牟田市で言いますと、定員九十大規模の保育所で年額九万一千円ということになっています。どう見てもこれでは不足するということは明らかだというふうに皆さんおっしゃっています。こういうふうに実態に合わないものがかなり出てきているのじゃないかというふうに思うわけでありまして、その辺については、ただ伸ばしているから、ちゃんと物騰分ぐらいは経費をふやしているからというだけじゃなくて、個々に費目の洗い直しというものが私は迫られているのじゃないかというふうに考えております。 そういうことでございますので、せっかくそういう審議会ですかそういうものができたということでございますから、抜本的な見直しをぜひお願いしておきたいというふうに思います。 時間が迫っておりますので先を急がせていただきますけれども、公立と私立の保育園のあり方ということでお尋ねをしたいと思います。 児童福祉施設については、従来は公立が主体で私立は往の位置づけであった。児童福祉法施行令十一条が昭和六十二年に削除されるまでは、こういう建前でやってこられたということでございます。将来の保育所のあり方を考える際に、両者の関係、どういうふうに位置づけて考えたらいいのかということだと思います。 たまたま本年は、公立保育園の保母の人件費負担を地方自治体に肩がわりさせるという動きがございまして、公立、私立のあり方を考えさせられたわけでありますけれども、この公立、私立を考える際の一つの素材として、最近公立保育園の民間による運営委託という動きがあるということでございまして、現在、全国でも約二百内外の施設がそういうふうに民間委託されているというふうに聞いております。また、公立と私立で入所率を見ますと、私立の九〇%に対して公立は七七%、すなわち、公立には欠員が非常に多いということになるわけでございます。それから、特別保育の実施状況を見ますと、公立に対し私立の実施率は圧倒的に高くなっています。すなわち、機動的に対応ができるということではないかと思います。 保育事業の将来展望として、女性の職場進出、核家族化の進展、労働形態の多様化等女性の労働環境の変化を考えますと、保育ニーズの多様化、高度化は必然であります。これらのニーズに対応するのに公立がよいのか私立がよいのか、それとも全く関係ないのか、この辺はどういうふうに考えておいたらいいのか、御所見を賜りたいと思います。
○清水(康)政府委員 御指摘のとおり、昭和六十二年までは、いわば公立優先の原則とでも言ったらいいのでしょうか、児童福祉法施行令の中にそういう考え方があったというふうなことなども背景にありまして、現在でも全保育所のうちの公立保育所、公営保育所の占める割合というものは、施設数で見て約六割、定員数でも六割、入所児童数で見ますと五五%程度、こういうのが実情でございます。また、残念なことですけれども、特別保育事業の実施状況等を見ますと、乳児保育や延長保育を実施する保育所というものは民間保育所の場合が非常に多くて、公立保育所は少ないというのが実情でございます。 そういう状況を見ますと、非常に多様になってきた保育ニーズにこたえるためには、現時点では、民営保育所が非常に積極的に取り組んでいただいているのに比べて、公営保育所の方の取り組みがややおくれているということは、率直に認めざるを得ないのではないかと思っております。しかし、数からいいましてもあるいは定員からいいましても半分以上、六割近いものが公営保育所でございますから、私どもとしましては、公私両々相まって、公営保育所については、特に今後より一層特別保育事業を積極的に推進していただけるようにどのような条件整備をすればいいのか、そういうことについていろいろ検討し、先般設置していただきました保育問題検討会等においても積極的な御提言をいただきたい、そう考えております。
○細谷分科員 保育事業の運営上の諸問題について考えてまいりました。時代の変化、状況の変化に合わせて徐々に改善の努力がなされていることは承知いたしております。大変多くの制約条件、財政事情その他の福祉施設とのバランスもありますし、難しいことはよく理解をできます。 しかしながら、保育ニーズというものは、先ほど大臣も言われましたように、改善、見直しのテンポ以上のスピードで、質的に変化をしてきているのではないかというふうに思うわけでございます。改革すべきは思い切って見直していくということが私は必要だというふうに思いますけれども、最後に、この辺の問題について、改革をどう進めていくかということについて、大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○丹羽国務大臣 先ほどもお話を申し上げたわけでございますが、女性の職場進出が年々大変ふえておるわけでございます。そういう中にあって、保育所の果たす役割は大変大きく、重大になってきておるわけでございます。その一方で、出生率がまた極めて低下をいたしております。そういう中で、私も保育園の定員割れの話をよく聞かされます。保育事業そのものも大変厳しくなってきておるわけでございます。 そういう中で、ここ数年来一部で、例えば、高齢化社会を迎えましてデイサービスと併存して保育事業というものを行っていくとか、あるいはまさに今度の保育問題検討会の一つのテーマとなると思いますけれども、専業主婦の子育ての相談に当たるとか、こういった多方面の問題が今提起されておるわけでございます。 いずれにいたしましても、基本的には保育事業というのは、地域の育児センター的な役割がこれからますます強まっていくのではないか。こういうことを踏まえながら、ひとつこれから早急にこの検討会で一つの方向づけを出していただき、私どももこの問題に真剣に取り組んでいく決意でございます。
○細谷分科員 保育の実態に即して不断の見直しをぜひお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○粟屋主査 これにて細谷治通君の質疑は終了いたしました。 次に、草川昭三君。
○草川分科員 公明党・国民会議の草川であります。 私は、今都市にたくさんございますところの児童公園の砂場を黄害から守れということを言いたいわけでございます。犬、猫のトイレがわりに公園の砂場がなっておりまして、この及ぼす影響の問題を放置できませんので、質問をさせてもらいたいと思います。 実は、この質問をいたすに至りました経緯を若干申し上げておきますと、これは、私どもの隣の県の三重県でございますが、ここの公明党の三重県本部の健康政治推進本部というのがございまして、本部長はかつての公明党の政策審議会長の坂口力前衆議院議員でございます。この坂口さんはドクターでございまして、この方が中心になりまして昨年の十月からちょうど十一月にかけまして、正確な日付を申し上げますと、十月十二日から二十日までの曇りの日に三重県下十二の市、このうち熊野と尾鷲を除いた十一の市の非常に利用頻度の高い公園を各市で一、二カ所選びまして、この砂場にどのような大腸菌がいるのか、あるいはまた生菌、こういうものがいるのか、これをすべての砂場から検出をしたわけであります。 そういたしますと、大腸菌数の最高は、名張市の場合だと砂一グラム中二万四千個、平均が四千百二十個、この数値は海水浴場の遊泳基準と比較をいたしますと、平均値が約一千倍になるわけであります。二十検体のうち十検体で探してまいりますと、生菌数が一グラム中百万個以上も発見をされておるわけでありますし、松阪市の公園では一グラム中二千四百万個もあったというのがわかったわけであります。この検査は、三重県の衛生研究所、ここへ持ってまいりました結果でございますから、これは客観的に見ましても非常に重要な数値が明らかになっているのではないかと思うわけであります。 それで、三重県本部は県にも非常にこれは重要ではないだろうかということで申し出ておるわけでございますが、ひとつ本日は、厚生省あるいはまた公園を管理いたしますところの建設省、あるいはまた住宅公団等々、都市には大変多くの公団住宅があるわけでございますが、当然のことながらそこには公園もあり砂場もあるわけでございますので、そのあたりをお聞きしたいと思うわけであります。 そこで、まず厚生省にお伺いをいたしますが、このような子供の遊び場となっている砂場に衛生上問題があるというのが先ほど来からの問題提起でございますが、児童遊園地等の砂場に衛生基準というのは一体あるのかないのか、これをまず厚生省にお伺いをしたいと思います。
○清水(康)政府委員 児童遊園につきましては、児童福祉施設の最低基準というのがございまして、そこで「屋外の児童厚生施設には、広場、遊具及び便所を設けること。」ということがございまして、また、具体的には課長通知でこの遊具の中に砂場というのが例示してございますから、児童遊園には砂場があるということになるわけでございます。標準的な設備として砂場を設けられておりますけれども、具体的にその衛生基準というものは定められておりません。
○草川分科員 定められていないという答弁でございますから、私は、この際これを契機に砂場の衛生基準というのがあってしかるべきではないか、こう思いますので、これは後ほど大臣の方で一括して御答弁を願いたいと思うので、よくお考えを願いたいと思うわけでございます。 そこで、児童公園とか児童遊園、あるいはまた近隣公園、地区公園、総合公園、運動公園、さまざまな公園があるわけでございます。これは建設省所管あるいは厚生省所管、こういうように分かれているようでございますが、まず、建設省の所管の公園というのはどのような形になっているのか、機能、箇所等々について御説明を願いたいと思います。建設省の方からお答えを願いたいと思います。
○山田説明員 建設省で都市公園整備を進めておりますうち、都市公園の種類といたしましては、ごく近隣地域で整備しております児童公園、またやや広目の児童公園、近隣公園、それからさらに広目の地区公園、あるいは都市レベルで整備しております総合公園、運動公園といったように、小さな公園から都市全体の公園にわたるものをネットワークとして整備を進めているところでございます。 平成二年度末におきます全国の都市公園の箇所数でございますが、都市公園全体で五万九千三百二十四カ所、面積にいたしまして六万七千二百五十四ヘクタールという現況でございます。このうち児童公園だけ見てみますと、箇所数で申しますと四万八千五百七十六カ所、面積では八千六百四十五ヘクタールという現状でございます。
○草川分科員 では厚生省にお伺いします。 厚生省の方はたしか児童遊園ということになっておるようでございますが、この制度の概要あるいはまた予算措置というものがどのようなことになっているのか、お伺いをしたい。と思います。
○清水(康)政府委員 児童遊園は、児童福祉法に定める児童厚生施設ということになっておりまして、平成四年四月一日現在、全国で四千百九カ所ございます。そして、設置者は原則市町村でございまして、規模は三百三十平方メートル以上ということでございまして、先ほどの建設省の説明のあった児童公園に比べますと小規模なものということでございます。児童厚生員というのが配置されて、児童館、児童センターなどとあわせてでございますが、その指導管理を行っているということでございます。 財政措置につきましては、実は設置の際に補助金というものはございませんけれども、施設整備について土地代も含めまして融資をする。これは厚生年金の還元融資という形の融資を行っておりまして、ちなみに平成三年度では七件、十五億八千万円の融資が行われております。 なお、維持につきましては地方交付税上若干の措置がなされているということでございます。
○草川分科員 きょう提起したい問題は、一つは、メンテナンスというのですか維持管理ということを申し上げたいわけです。若干の地方交付税で地方にも配慮しておるということでございますが、これは細かいことはきょうは申し上げませんけれども、砂場の維持管理という名目で必ずしも項目が出ておるわけではない、こういうように実は承知をしているわけであります。 そこで、先ほど来三重県の例を申し上げましたが、実は最近の報道によりますと、東京の三鷹市でも昨年の八月、市内公園の砂場百九カ所に遊んだ後に手洗いを促すような看板をつくろうというようなことも言っておみえになるようでございますし、あるいは日本獣医畜産大学の林先生の武蔵野市などの五つの公園の砂場を対象にした調査報告が出ております。この数値等を見ましても、砂一グラム当たり二万五千から三万個の大腸菌が検出をされた、さらに動物のもやふんを原因とする皮膚病を起こす細菌も見つかったというような報告もあるわけでございますけれども、砂場の衛生状態をどのように厚生省は把握をしておみえになるのか、お伺いをしたいと思います。
○清水(康)政府委員 個々の児童遊園の砂場の個別の衛生状態ということについては把握をしていないわけでございますけれども、一般的に申し上げますと、太陽が当たり乾燥している砂場の表面には大腸菌などは少ない、また、砂の中の高湿度のところに存在しているというふうに考えておりますので、いわば砂をよく掘り返すとか、太陽に当てるというふうなことが一つの衛生管理上必要なことではないかというふうに思っております。
○草川分科員 実は一番最初に、公明党の三重県本部の実態調査の中では曇りの日ということを言ったわけです。今お話がありましたように、必ずしも毎日天気がいいとは限りませんし、砂場というのは、御存じのとおり一つのコーナー、囲いの中に入っておるわけですから、雨が降りますと底の方にはどうしても水がたまることになりますし、湿気というものが多いわけであります。そこで、この三重県本部の調査の場合も、砂場の内層というのですか、表面から十センチの砂というのを採取をし県の衛生研究所で分析をしていただいた、こういう数値を先ほど説明をしておるわけであります。 でございますから、一般論的には表面からからと乾いたところでは問題がないわけでありますけれども、子供がしゃがんで砂場で穴掘りをするとか、あるいはまたいろいろなものを積み立てるというようなことをやってまいりますと、当然十センチ以下のところにも手を突っ込むわけでありますから、細菌等がある、こういうことになるわけでありまして、私はこれはちょっと真剣に考えてもらいたいと思うのです。 今度は建設省の方に同様の質問をしたいわけですが、建設省所管の公園の砂場に対するメンテナンス、あるいはまた砂場の衛生状態というものをどのように掌握をしておみえになるのか、お伺いをしたいと思います。
○山田説明員 都市公園法では公園施設の設置基準というものを定めておりまして、その政令六条でもって「公園施設は、安全上及び衛生上必要な構造を有するものとしなければならない。」という規定がございまして、これに基づきまして施設については整備をしておるところでございます。 また、管理につきましては、都市公園法上、各地方公共団体が管理条例をつくりまして、その条例に基づき公園の管理をしておりますが、その条例の中で、公園については衛生上の配慮をするというようなことを実施いたしております。
○草川分科員 それで衛生上配慮をするということになっておるわけですが、今私が申し上げましたように、この砂場に対して犬、猫がトイレがわりに使うなといっても、動物でありますから勝手に入ってくるわけですから、なかなか難しいわけですが、飼い主に対するいろいろなモラルということも呼びかけなければいかぬと思うのであります。いずれにしても、定期的に掘り起こすということ、そして先ほどの答弁にありますように、太陽の熱に砂を当てることによって滅菌をする、そういうことも必要だと思うわけであります。 そこで、定期的なメンテナンスについての必要な経費ということを砂場に限定して考えることができないのかどうか。あるいはまた、いろいろな遊具等があるわけですから、それも破損をいたしますから、そういうことを含めたメンテナンス、その費用というのはあると思うのです。砂場にもう少し関心を持つべきではないだろうかと思うのですが、その点について厚生省と建設省にそれぞれお伺いをしたい、こう思います。
○清水(康)政府委員 御指摘のとおり、犬、猫のふんの問題等もあると思います。それで私どもは、一番適切な方法は、細菌が存在している砂場の改善としては、砂そのものの入れかえというものが確かに有効であるわけでございます。したがって、児童遊園の管理経費の中に、これは地方交付税上の措置でございますが、標準団体で市町村の場合二百二十四万八千円というものが算入されております。これで十分かどうかという御議論はあるかもしれませんが、砂場の適切な管理のために適時必要な場合に入れかえが行われるように、地方団体を啓発指導してまいりたいと思いますし、また、先生御指摘のとおり、飼い主の方々その他のモラルの向上といったような問題についても、できるだけ啓発に努めてまいりたい、こう思います。
○山田説明員 都市公園につきましても、地方公共団体では実績ベースで平米当たり三百四十五円という管理費をかけて管理をされております。また、交付税でもって平米当たり百一円という市町村に対する公園の維持経費を見ております。 こういったことから、砂場につきましても、今後適正な衛生上の管理がなされるように指導もしてまいりたいと思っております。
○草川分科員 今、平米当たり三百四十五円とか百一円という数字が出ておりますけれども、先ほど来報告がありますように、公園の数が四万八千だとかあるいは都市公園全体でございますと五万九千とか、数は非常に多いわけです。ですから、今数字ではおっしゃいましたけれども、一つの公園に割ってまいりますとメンテナンスの費用というのは、人件費等を考えると実際はやっていないわけです。 砂を掘り返すといいましても、これは専門業者に頼まなければいけませんし、それから、それなりに掘り起こし機というのですか砂を撹拌する機械のようなものも要るわけであります。ところが、どこの市町村へ行っても、あるいはまたどこの住宅公団のメンテナンス会社の倉庫を見ても、砂場を掘り起こすような機械はないわけです。ということは、結局やっていないのです。砂というのも風等で拡散して少なくなりますから、新しい砂を入れるというようなのがせいぜいよい方のメンテナンスではないかと思うのです。 でありますから、この際ひとつ児童公園の砂場というものにもう少し目を向けていただいて、いわゆる大腸菌だとか生菌というものについても関心を払う。それだけを神経質に言うわけではありません、靴下の方がもっと大腸菌が多いと言う人もいるわけですから。そうではなくて、子供が遊ぶわけですし、手に傷をしておったらまた大変ですから、砂場のメンテナンスと同時に、そのそばに手洗い場をつくるとか、トイレ等も完全に設営をするとかいう全体的なことをしなければいけないと思うのです。あるいはまた、一般論ではありますけれども、外出から帰った場合にはまず手を洗うとか、うがいをするということを完全に励行する、こういうことも必要だと思うわけであります。 そこで、ひとつこれを契機に、犬だとか猫などのペットの飼育方法に対するモラルというのですか、もっと全国的に何か関心を持つような努力をすべきではないだろうか、こう思うわけであります。実は、動物の保護及び管理に関する法律というのが総理府にあるようでございますが、総理府は、犬、猫は正しく飼ってもらいたいというようなPRをすべきではないかと思うのですが、その点総理府からはどのような御回答が出るか、お伺いしたいと思います。
○関根説明員 総理府でございます。 総理府におきまして行っております犬、猫の関係でございますが、動物の保護及び管理に関する法律に基づきまして、昭和五十年に適正な飼養に関する基準というものをつくっておるわけでございます。この基準に基づきまして、この基準をより詳しくあるいは理解しやすくという形でリーフレット等を作成いたしまして、一般国民の方に理解を賜っているという状況でございます。 先生御指摘の点は、最近いろいろと砂場の衛生上の問題は御指摘がございますので、さらに総理府としても広報の実を上げてまいりたい、こう考えております。
○草川分科員 それで、総理府は「犬・ねこは正しく飼いましょう 犬及びねこの飼養及び保管に関する基準のあらまし」というPRをやっておるわけですけれども、「最近こんな苦情やトラブルをよく耳にしますが…? 困りますね」というのがあるのです。「夫やねこが公園、道路、他人の土地、作物などを荒す、汚す。夫やねこの汚物などから悪臭が発生する。夫やねこの抜け毛が飛んでくる。犬のふんを始末しない。夫やねこを捨てる。犬を放し飼いにする。」云々というのがあるわけですが、こういうPRの中に、公園の砂場等をトイレがわりにするのは飼い主として責任を持とうという文言を入れるお気持ちはございませんか。
○関根説明員 先生の御指摘でございますが、先生の今言いました点につきましては、犬や猫を公共施設において適切に、こういうふうなものに含まれているように私は理解しておりますが、先生御指摘の点につきましては、さらに検討を加えまして充実を図ってまいりたいと考えております。
○草川分科員 ついでにお伺いしますが、このパンフレットは年間十万部だと聞いておりますが、そんな程度ですか。
○関根説明員 そのとおりです。
○草川分科員 きょうは住宅公団に来ていただいておりますが、住宅公団は集合住宅の最も基本的な構図になっておるわけです。大体どういう建物、人口にどのような割合で公園が設置をされているのか、あるいはまた公園の中にほとんど砂場があると思うのですが、どういう状況になっておるのか、お伺いしたいと思います。
○斎藤参考人 公団の仕事そのものにつきましては、先生御案内のように、できるだけすぐれた住環境を用意させていただこうということで進めてきております。お子様方ですとか御老人方が憩う場という形で、当然いろいろな空地が必要になってまいります。ですから、その空地も一律に申せませんで、あるものは都市公園という形でお引き受けいただくものもございます。あるいはそうではなくてい中の単なる空間としてお使いいただくようなものもございます。いろいろまちまちになろうかと思いますが、私どもといたしましては、できるだけ事情の許す限りそういう空間もとっていこうということでございます。
○草川分科員 これはどこの公園ということはあえて言いませんけれども、きょう私は写真を持ってきているのですが、きれいに維持管理をするといっても、犬、猫のふんというのが公園の砂場にいっぱいあるわけです。それで、時には地域のボランティアの方々が熱心に公園のメンテナンスに協力をしてみえるということで、どうやら公園が維持管理をされているという例が多いと思うのです、もちろん大がかりな修復工事は別といたしまして。ですから、ボランティアの方々がやっているからいいのではないかということでは相済まぬと思うのです。ぜひ私は、この児童公園あるいはその他の公園の整備等については真剣な維持管理をやっていただきたいと思うわけであります。 この公明党の三重県本部の点検結果によりますと、先ほど申し上げておりますように十一の市でございますが、例えば児童公園の中に水道の設置があるというのが二十二件に対して、ないというのは六件あるわけであります。この水道というのは手洗いという意味です。便所の設置等についても、あるというのは十三件に対して、ないというのは十六件、清掃が行き届いていないというのが五件あるというような点もあるわけでございまして、これは単に砂場の問題だけではなくて、公園全体の維持管理についても真剣な対応を立てていただきたいと思うわけであります。 時間が来ておりますので、あと二問、厚生省に児童公園の砂場を利用する子供たちに対して今後衛生上の指導をどのように進みていくのか、お伺いをしたいと思います。
○清水(康)政府委員 ふだん私どもが見落としがちな砂場の衛生管理の問題について、貴重な御指摘をいただいて感謝を申し上げております。 大腸菌はある程度どこにでもいる常在菌ということで、まあ特別な場合以外の病原性というのはそんなに強くないかもしれませんけれども、しかし、生菌の中にいろいろそういう可能性があるということもございますので、砂場の砂ということに限らず、生活環境の中に病原性を有する菌がある可能性ということを考えて、これはどうも一般的な指導になってしまって恐縮でございますけれども、遊びから帰ってきた場合には手を洗うとか、外出から帰ったら手を洗うとか、食事の前には手を洗うとか、そのような生活習慣というものをぜひ確立するよう、基本的な衛生教育の中で努力をしてまいりたいというふうに思います。
○草川分科員 建設省にもう一問お伺いして、大臣の答弁を最後にいただきたいわけですが、建設省所管は、これは住宅公団の方も含めた総合的なことでお伺いをしたいわけですが、今申し上げたような砂場の汚染について、今後効果的な対策としてどういうことを考えているのか、あるいは砂の入れかえ等も念頭に置かれるのかどうか、ひとつお答えを願いたいと思います。
○山田説明員 公園の砂場の汚染につきましては、先ほど来先生のおただしのとおりでございまして、犬、猫のふんによる原因が大きいと思います。その対策といたしましては、現在この問題が取り扱われまして、全国の公園の管理者がいろんな方法を講じております。例えば、汚染された砂の入れかえといったことが有力でございますが、このほかに、ただいまおただしになりましたように、ペットの飼育者のマナーの向上あるいは砂場を利用された方の手洗いの呼びかけ等、いろんな方面で総合的に対策をとっております。 したがいまして、建設省といたしましては、公園などの砂場の現状をもう少し把握いたしまして、なおかつ、公共団体がどういう方法をとっているか、有効な方法を今後見つけ出しまして、それに対して適切な措置を講じてまいりたいと考えております。
○草川分科員 最後に、大臣にお伺いしたいわけですが、まあ長々と申し上げました児童遊園等の砂場の衛生問題に関しまして、この三重県本部の坂口医師の取り組みをどのように評価をしていただいたのか、あるいはまた砂場を利用する子供たちの衛生管理についての今後の取り組み姿勢について大臣から答弁をいただいて、私の質問を終わりたい、このように思います。
○丹羽国務大臣 まず、子供の健康を守るという立場から、児童遊園等の砂場の衛生問題につきまして大変御熱心に取り組んでいただいております坂口先生に対しまして、その熱意に対しまして心から敬意を表したいと思っております。 具体的な問題につきましては、草川先生の方からも御指摘がございました砂の入れかえの実施を行うことであるとか、トイレと手洗い場の設置を行うとか、さらにそういうところに看板を掲げた方が子供たちによりこういうことがわかりやすいのではないか、さらに、犬や猫の飼育に対する、いわゆるペット愛好家に対する御理解をいただく、こういうような御提案をいただいたわけでございます。 いずれにいたしましても、今後専門家の研究等を見守りながら、総合的に必要な対策につきまして厚生省として勉強をしていきたい、このような考え方でございます。
○草川分科員 ありがとうございました。以上で終わります。
○粟屋主査 これにて草川昭三君の質疑は終了いたしました。 次に、安田範君。
○安田(範)分科員 私は、一つは今日の我が国における看護婦の問題につきまして、もう一つの問題は、個別的な話でありますけれども、栃木県の国立療養所宇都宮病院、さらに国立療養所東栃木病院、この統合の問題につきましてお伺いしたい、かように思います。 では、まず最初でありますが、我が国の医療事情という総体的な感じの中でお尋ねをいたしますけれども、看護婦の問題が時々話題になりまして、慢性的な不足だ、こういうような話もしょっちゅう承っているわけであります。そういう中で、医療事情の中における看護婦の今日の充足度合いとでも申しましょうか、国立、公立、私立とそれぞれの病院がありますけれども、そういう中での看護婦の充足、こういうものについてまず最初にお伺いをしたいと思います。
○寺松政府委員 今先生から御質問の看護婦不足の問題でございます。 この理由は一般的に三つか四つか大きな問題があるわけでございますが、その一つは、医療の高度化とか専門化ということが進行しておる。それから、御承知のとおりの高齢化の進展ということもございます。それから、福祉施設を初めといたします病院以外の看護婦等の就業の場の拡大というのもございますし、それからまた、最近在宅の老人のための訪問看護事業というようなものも始まりました。というようなことによりまして非常に需要が増大しておる。加えて病床の増加が、最近少しとまりましたけれども、一時相当な病床の増床が行われました。そのようなことで不足の状態になっておるわけでございます。 そこで、私ども、今この看護婦の確保というのは非常に重要なものだと認識いたしておりまして、養成力の拡充とかあるいは就業の促進、離職の防止というようなものを柱といたしまして、総合的な対策を進めておるわけでございます。 一方、先生も御指摘になっておると思いますが、若年の労働力人口の減少が今心配されておりまして、事実着々と進んでおるようでございます。したがいまして、離職の防止と就業の促進というものに力を入れて取り組みたいと考えております。 なお、昨年の看護婦等の人材確保法及びそれに基づきます基本指針というものを基盤といたしまして、私どもは今後看護婦の確保により一層努力をいたしてまいりたい、このように思っております。 それから、先生からちはっと御質問いただきましたが、国立病院・療養所あるいは自治体立病院、民間病院の看護婦はどうなっているんだろうか、こういうふうなお話がございまして、ちょっと私どもで調べました数字をお話ししてみたいと思います。 平成二年度の数字でございますけれども、国立病院・療養所におきましては、看護職員の定員は二万九千人ほどでございますが、現員は二万九千をやや下回っております。それから自治体立の病院でございますけれども、看護婦の現在の就業者数は十二万四千ほどでございます。それから民間病院でございますけれども、看護職員の就業者というのは四十一万六千人ほどでございます。 大体各施設におきます就業者は以上のようなことでございます。
○安田(範)分科員 ただいま看護婦の数について答弁がありました。平成二年度ベースでという話なんですけれども、国立の関係で二万九千を若干下回るという話がありましたね。どのくらいなのか、これはもうちょっとはっきり答弁願いたいと思います。 それともう一つは、自治体の関係でありますが、十二万四千名、これはこの充足率とでも申しますか、そういうものからするとどのような数値になっているのか、民間についてもしかりであります。これをちょっとお知らせいただきたいと思います。
○寺松政府委員 国立病院・療養所におきます私どもが平成二年度としていただいております数字では、定員が二万九千四十九人でございますが、現員はその当時二万八千三百九十八人というふうに伺っております。先ほど申し上げましたのは現在就業している数でございます。 自治体立病院の方でございますが、定員との間の数字をちょっと今手元に持っておりませんので、詳しいことは承知いたしておりません。
○安田(範)分科員 最初の答弁で総合的に病院で不足をしている、そういう答弁がありましても、今のような御答弁で、民間なりあるいは自治体ということではきょうはわからないという話なんでしょうが、全体として把握しておられると思うのです。そういうものがいつでもわかるという状況でないと、これは不足をしている、そして早く充足をさせるために養成をしようということを言いましても、なかなか実態にそぐわないのではないか、こういうことが思われますから、その点についてはひとつしっかりと受けとめておいていただきたい、かように思います。 それと、もう一つの問題としましては、看護婦免許の取得者というのがありますね。それと実際に看護婦ということで今日医療業務に従事をされている方々、その差は大変なものがある。ただ、その中には、免許の取得者であっても、高齢化をしているとかあるいは家庭の事情ですとか、そういうこともあろうかと思うのですけれども、まずは把握をしておられる免許の取得者。もう一つは実際に従事している数、それともう一つは、免許を持っていて就業したいけれども、希望は持っていてもなかなかやはり家庭の事情でできない、そういう方々がおられるかと思うのです。そういうものについての検討というのはされたことがあるのかどうか。多分あると思うのですが、数をお聞かせいただきたいと思います。
○寺松政府委員 前半の答えをまずちょっと申し上げたいと思います。 先生の御指摘いただきました、現在まで累計として免許を交付しておるのはどれくらいかとおっしゃったわけでありますが、百五十九万ほどでございます。それから、亡くなった方もいらっしゃいましょうし、御年配の方もいらっしゃるというので、私どもの方で就業可能なと思っております数は百二十七万七千ほどでございます。それから、実際就業しておりますのが、平成二年の数字でございますが、八十三万四千ほどでございます。そこで、潜在看護婦と呼んでおりますが、就職していない看護婦さん、可能なのにもかかわらず就職していないという看護婦さんたちが四十四万人ほどいる、こういうふうに推計いたしております。したがいまして、私どもは就業率というのは六五%くらい、このように思っております。 では、就業を希望しておるというのはどのくらいかとかいうお話もございました。ちょっと私どもそのずばりの数字は持っておりませんのですが、ナースセンターという、潜在看護婦さんといろいろとコミュニケートいたしまして、そして就職をお世話しているナースセンターがございます。それによりまして大体年間一万五千人くらいが就職されておるということでございますので、先生の御質問ずばりではございませんけれども、およそ想像ができるのではないかと思います。
○安田(範)分科員 今お話がございましたように、大体六〇%就業ということで、特に就業したいという希望の中でナースセンターに登録をされている方々が一万五千人ですか、四十四万人のうち一万五千というような状況になろうかと思うのです。これはなかなか状況も違いますから、そう簡単にはきちんとした数字が出ないということについては了承しますけれども、ただ、現実の問題といたしましては、四十四万の中でセンターに登録をされているのが一万五千ということは、これは就業したいという希望者数と登録の数というものに大変ギャップがあるのじゃないか、かように私は考えております。 ただ、後で申し上げたいと思うのですけれども、今日の看護婦の就業と申しますか勤務条件、こういうものによってなかなか家庭と両立をしない、こういうようなことで、希望していても実際には就業できない、こういうのが非常に多いというふうに聞いておるわけですね。 なぜかというふうにいろいろ私ども考えるのですが、まずその前に、看護婦さん、女性ですから、看護婦さんといえども結婚はされるわけですよ。したがって、通常の職場にいる女性の勤労者の方々とある程度同じような、これは患者さんがおられますから、すべて同じような条件というふうにはまいらないことは百も承知なんですけれども、それであっても、なおかつ一般の女性の従業員と同じような勤務の状況、夜勤は別ですけれども、そういう労働環境というものがもう少し緩和をされるならば、あるいは別の形で研究をされるならば、この四十四万人のうちの一万五千人より相当大きく上回った形で数が出てくるのじゃないかな、かように思うのです。 そのことは、先ほどお話がございましたように、慢性的な看護婦不足、これを解消していく大きな一つの要因になってくるのじゃないか、こんなことも考えるわけでありますが、今日の看護婦の勤務状況とでも申しましょうか、他の一般の職場と比較をして女性の就業者、こういう中で看護婦の就業状況というのはどういうふうに把握をしておられるか、どんなふうな印象を持っておられるか、これをひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○寺松政府委員 今私お答えいたしました一万五千人というのは、ナースセンターで紹介を受けて就職された方でございます。 それで、実は今おっしゃっておりますように、勤務の形態とかというようなことにつきましても、私ども業務改善のための検討会をやっておりまして、そこで最も就職しやすいような勤務形態はどうしたらいいかというようなことも検討していただいておるわけでございます。早晩その成果がまとまることと思っております。 それから、実際就職しやすいようにというようなことで、特に結婚された方々あるいは子供さんを持っていらっしゃる方々というようなことで、私ども院内保育所というものの設置も進めております。そういうような形、あるいはいろいろな夜間専門のような看護婦さんの方々の勤務形態も出てまいりましたし、各病院におきましては、看護婦さんの一番勤務しやすいように、それぞれの希望に沿った看護勤務形態というようなものをいろいろ研究しておって、それに対応しておるようでございます。 しかし、先ほど申し上げましたように、国としましてはちょうど今検討会をつくってやっておりますものですから、その辺の検討をまって対応していきたい、このように考えております。
○安田(範)分科員 大変適切な答弁だなというふうに実は受けとめております。と申しますのは、今日まで看護婦の皆さんのいろいろな意見を聞いてみたり実態を見させていただきますと、なかなか希望に沿った形での勤務条件がない、こういうふうに私は見てまいりました。したがいまして、これからの検討も含めて、それぞれの御意見をいただきながら希望に沿った勤務体制を確立をする、こういうことについては大変よろしい話だな、こういうふうに受けとめさせていただきたいと思うのですが、ただ、検討会というのはどういう名称なんですか。どこに設置してあるのですか。
○寺松政府委員 私ども、健康政策局長の諮問機関といたしまして、看護業務検討会という名前で呼んでおります。
○安田(範)分科員 わかりました。それでは、私もこの問題につきましては、看護婦の勤務条件の再検討、こういうものについて十分心してもらいたい、こういうことで大臣からぜひお聞きをしたかったわけであります。今局長の方から話があったようでありますが、再度大臣の方からも一言それに加えて御答弁いただけませんか。
○丹羽国務大臣 看護職員の確保の問題というのは大変大きな問題となっております。私もこの問題につきましては、ずっと深い関心を持って政治活動の中で取り組んできておるわけでございます。 ただいま局長の方から御答弁を申し上げましたように、養成力の拡充であるとかあるいは就業の促進、さらに離職の防止等、こういうことを柱にいたしまして諸般の施策を講じてきたところでございますけれども、昨年の診療報酬におきましては、初めて看護職員に対しましていわゆる待遇改善というものを講じてきたわけでございます。これからいわゆる高齢化社会を迎えまして、この看護対策というものは大変重要な柱だと認識をいたしまして、今後とも万全の方策を講じていきたい、このような決意でございます。
○安田(範)分科員 それで結構だと思うのです。話にございましたように、これからさらに高齢化が進む、あるいは医療技術の高度化、そしてまたいろいろ細分化をされて専門化される、こういう状況の中で、看護婦の需要というものはこれからも非常に大きい。このことをひとつ踏まえていただきまして、やはり他と比較をして人間らしい生活ができるかできないかというのが、これが充足できるかできないかというものの基本だと思うのですね。したがって、そのことを十分に理解をしていただいて、この辺につきましては御努力をいただきたい、かように思って申し上げておきます。 時間がありませんものですから、二番目の個別的な国立療養所宇都宮病院と東栃木病院統合の問題についてお聞きをいたしたいと思います。 もう既に検討を始められまして随分長い年月、今そろそろ着工という状況になっているかなというふうに思うのでありますが、この統合の進捗状況、今後の見通し、これらについてまず御説明をいただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 お尋ねの東栃木病院と宇都宮病院の統合の問題でございますけれども、昭和六十一年の一月に公表されました国立病院・療養所再編成の全体計画の中で、国立療養所東栃木病院とそれから国立療養所宇都宮病院を統合いたしまして、東栃木病院の地におきまして骨・運動器の難病に関する高度の専門医療などの機能を備えました基幹施設として整備されることになっております。それで、平成二年の十二月に東栃木病院の増改築工事に着手をいたしまして、現在整備中でございます。ことしの七月一日には統合が成りまして、仮称でございますけれども国立療養所東宇都宮病院としてオープンをする予定でございます。 なお、統合後の宇都宮病院の跡地でございますけれども、これは栃木県が「とちぎ健康と生きがいの森」、これも仮称でございますけれども、この構想に利用される予定だというふうに伺っております。
○安田(範)分科員 お話しのとおり進んでいるようでありますが、実はこの問題につきましては私も大分前からかかわりがありまして、もうほぼ十年ぐらいたちましょうか、厚生省と栃木県と地元の当該病院がいろいろな協議を進めて、当初は宇都宮病院の方の地元、これは歴史が古いものですから非常に利便性があるということ、そしてまた信頼されているというようなこともありまして、住民はぜひ合併をしないで、統合しないでこのまま存続をしてほしいというような幾つかの陳情なんかもありまして、それをもとにして大変な議論をしてまいった、こういう経過があるわけです。 その辺については私も十分承知をしているわけなんですけれども、そのときに、ともあれ超近代的、超まで言ったかどうかはわかりませんけれども、近代的なすばらしい総合病院をつくる、これからも住民の皆様に御迷惑をかけるようなことはありませんというようなことを何遍も何遍も説明の中で厚生省の考え方が表明された、こういう経過があるわけです。そういう面からしますると、今度七月一日オープンですか、ということで話がありました東宇都宮病院につきましては相当期待が持てるな、こういう気持ちを持っているのです。 実際問題として考えてみますると、ここに概算要求における新病院の要求人員と定員というような表が実はあるのですが、これを見ますると、これは九二年七月一日につくったものだと思いますけれども、今までの東栃木と宇都宮病院両方を合わせた医師の場合には、定数二十二、そして現員二十一ということで、新たに要求したのが三十四。さらにまた技師、これが両病院を合わせまして現員が二十二、そして定員が二十四、こういうことになっておりまして、この新しい病院での要求人員というものは二十六名、こういうふうになっているのですよ。 ところが、看護婦さんの数字がどうも私は合点がいかないのです。東病院の定数が従来百三十四名、現員が百三十四、これは現も定数も同じです。それと宇都宮病院の方も、定数五十六、現員五十七、こういうことで、実際には現員百九十一名、定員が百九十名なんですけれども、これに比しまして概算要求の中では看護婦さんが百七十六名なんですよ。お医者さんも技師も大変人員増ということになっているのですけれども、看護婦さんが百九十一名から百七十六名、大変な減なんです。この概算要求の数字というものは一体どういう事情なのか、ひとつ理解できるように御説明いただきたいと思うのです。
○田中(健)政府委員 概算要求の数字の御質問でございますけれども、いただきました査定の数字で御説明させていただきたいと思います。 先生今百七十六名というお話でございましたが、私どもが査定をいただきました看護婦さんの数は百九十九名、こういう数字でございます。
○安田(範)分科員 わかりました。じゃ、ただいまよりは少々、それにしても医師、技師よりも率にしては大変低い、こういう状況でありまして、今日以降の特に県民医療等を考えますると、看護婦の充足というものはぜひやってもらいたい。定員になってしまいますとなかなかそれを上回るというのは困難かと思いますけれども、この問題についてはひとつ留意をしていただいて、今後も増員について御努力をいただきたい、このことだけ申し上げておきたい。答弁されますか。
○田中(健)政府委員 御案内のとおり、大変定員事情が厳しい状況でございます。その中で私どもも毎年看護婦の増員については努力をしております。そういう背景がございますけれども、看護婦さんの増員については今後とも努力をしていきたい、こういうふうに思っております。
○安田(範)分科員 実はここに看護婦の三交代制というのがあるのです。これは既に御承知だと思いますけれども、レギュラーと表現している三交代制がありますね。それとレギュラー以外という形態が三交代制の中にあるのですけれども、このことについて、レギュラーの方式でありまするとなかなか夜中の、これはもっと細かく申し上げますると、零時三十分に夜勤に入りまして九時まで、そしてその次は八時三十分に入って十七時まで、さらに十六時三十分に入って一時まで、これがレギュラーと表現される一つの仕組みなんですね。 実は、ただいま話がありました東栃木病院の場合は、六時から入りまして十四時三十分、そして十四時から入りまして二十二時三十分、さらに二十二時に入って六時三十分。三十分の誤差というものは引き継ぎということになっているようでありますけれども、実際には三十分、一時間ではなくて、深夜二時間ぐらい、あるいは長いときには三時間ぐらいの引き継ぎが必要だ、こういう実情などについても聞かされております。いずれにしましても、東栃木の場合とレギュラーの場合、言うならば全国版とでも申しますか、そういうものは大分差がありまして、このレギュラーに東栃木病院も組み入れてはどうかという形での強い指導があるやに聞いておるわけであります。 時間の関係で私の方から申し上げますけれども、もうほとんど全員が今日までの勤務形態を継続してもらいたい、こういう強い強い要求があるわけですけれども、その辺はどのように理解をし、同時にまた今後の問題としてどのような形で対応してまいるか、これについてもお聞かせをいただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 先生お話のあった東栃木病院で現在実施しておりますのは、我々は変則四交代制というふうに俗称で呼んでおりますけれども、確かに、今おっしゃいましたように、メリットとして、早出の勤務者、これは六時から午後二時半まででございますが、この方は二時半に帰宅できるというメリットがあるとか、あるいはまた準夜勤務といいまして、変則旧交代では午後二時から午後十時半まで、この準夜勤務を終わりますと次の日に日勤で出る場合に八時半からになりますので、十時間という長時間あけられる。我々が言っている三交代制の場合はこれが七・五時間ということで、こういうメリットもあるわけでございます。 逆に、今お話がございましたように、看護婦さんは引き継ぎで申し送りというのを次の担当の看護婦さんにいたしますが、その申し送りが一日四回必要になってくるということで、非常に時間のロスがあるということ、それから、お話しいたしました午後二時に申し送りがあるということでございますが、これは病棟診療の脂の乗り切った時間でございまして、そういう意味で円滑な診療に支障を来すという問題もございます。それから、四種の勤務体制でございますので、患者にとりまして午前と午後で看護職員が変わるということで、患者に不安を与える、こういう問題もございます。 これらを検討いたしまして、私どもとしては、円滑な診療それから看護体制を確保するために、できます新しい病院においては通常の三交代制による体制を採用することとして指導いたしている、こういうことでございます。
○安田(範)分科員 実はここにほぼ全員の看護婦さんのアンケートといいますか、所感を述べたものがずっとあります。これを見てみますると、例えば医療関係でそごがあるとか、あるいはまた交代のときにうまくいかないとか、いろいろ今答弁がありましたけれども、そういうようなことは一切なくて、むしろ東栃木でやっていた方が引き継ぎもスムーズに行われるし、同時にまた、患者の手術が終わるのは大体四時とか五時とか言っておりましたけれども、その後の大変重要な時期にそのまま見ておられるというようなこともあって、やはり現体制が患者にとっても一番いいのじゃないか、こういうような非常に強い要求と申しますか意識がこの中に出されているのですよ。 そんなことを含めますと、厚生省内部で物を考えるということじゃなしに、同時にまた、従来の全国的な立場でレギュラーがいいというような感覚だけではなしに、やはりもうちょっと現場に即した対応の仕方というものがあっていいのじゃないか、こういうことを非常に強く思うのです。 時間がありませんものですから余り多くは申し上げられませんけれども、これは私は門外漢で、あなた方は専門家ですね。そういう意味では大変失礼な話になるかもわかりませんけれども、これからの医療というものも、よその産業や何かと同じょうに、社会の変化、構造の変化というものに合わせて、それぞれの病院が専門性あるいは高度化、こういうものによって特殊性がある病院、特性のある病院とでも申しましょうか、そういう形に変遷していくのじゃないかと思うのです。これはかつての村おこし運動ですか、県や市町村みんなそれぞれやっておりますけれども、そういうものと同じような形で、地域に根差した特性ある医療というものもこれから必要だということで認めていく必要があるのだろう。 こんなことを考えますると、今までの画一的な厚生省の考え方なり指導の方向でいいのかという疑問が当然出てくるのではないかと思うのです。その辺がやはり一つの大きい視点ではないか。これをまあまあということで先送りしてしまいますると国民のニーズに合わない、こういうことにもなりかねないと思うものですから、この辺を中心に、お考えの押しつけじゃなくて、特性あるいは実情というものをしっかり見詰めながら対応してまいる、こういう形に持っていってもらいたいということを非常に強く私は考えますが、その辺はいかがでしょうか、これは大臣からでも結構ですけれども。
○丹羽国務大臣 昭和六十一年に、先生御案内と思いますけれども、国立病院あるいは国立療養所の統廃合計画というものが打ち出されたわけでございます。そのとき、今先生が御指摘なさったような高度医療を中心にやっていくとか、あるいは専門分野の特色のある国立病院・療養所、こういったような位置づけで、一般の民間病院と余り競合しない方がよろしいのじゃないか、こういうような観点も十分に配慮しながら国立病院の統廃合計画というものを打ち出したわけであります。 いずれにいたしましても、これから地域の皆さん方のニーズというものを十分に考えながら、この問題に取り組んでいく決意でございます。
○安田(範)分科員 時間が来ましたからこの辺にしますけれども、先ほどの答弁の中で、看護婦の意見も十分聞きつつというような話がありましたし、不足をどう充足させるかということについても、ただいま申し上げましたような話はやはり中心的なものとしてお考えをいただきたい、かように考えます。 ここで大臣がどうのこうのと最終結論を出すわけにはまいらないと思いますので、そこまでは申し上げませんけれども、ぜひ地域に根差した、そしてまた患者が安心できるような医療の確保、こういう面で一層頑張ってくださいますようにお願いいたしまして、終わります。御苦労さまでした。
○粟屋主査 これにて安田範君の質疑は終了いたしました。 次に、秋葉忠利君。
○秋葉分科員 社会党の広島一区選出の秋葉でございます。事によったら今度は川島議員の時間ですけれども、我々ちょっと都合がありまして、先ほど川島議員と順番を交代いたしましたので、恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。 広島そして長崎といえば、第二次世界大戦の末期に原爆によって大きな被害を受けた両市ですけれども、この原爆によっていまだに苦しんでいる方々がたくさんいる。それと同時に、こういう被爆者を中心にした非常に人間的な努力が継続することによって、世界の平和に非常に大きな貢献をしてきた。その両面があるわけですけれども、その視点から、被爆者の援護について、きょうは幾つかの点について厚生省のお考えを伺いたいと思います。 最初に、質問を通告いたしましたが、幾つか順序それから細部にわたって違うところがあると思いますけれども、特にここで揚げ足をとるつもりというわけでもございません。一般的な御理解の中でお答えいただければと思いますので、その点御容赦願いたいと思います。 まず、これまで厚生省それから政府においても、広島、長崎における被爆の意味を十分理解した上でさまざまな施策を行ってこられている。そういった努力については評価したいと思いますけれども、非常に残念ながら、それだけでは十分ではないというのが現状ですし、基本的な考え方においても再検討をしていただかなくてはならない点も多々あるというのが現状です。 まず最初に、これまで政府が取り組んできた被爆者対策の概要といいますか、政府自身、厚生省自身、どういったものを被爆者対策あるいは被爆者援護の骨子にしてきたというふうに御理解なさっているのか、その辺の厚生省御自身の把握、認識というものを伺いたいと思います。
○谷政府委員 原爆被爆者対策についてでございますが、先生御承知のように、原爆被爆者対策につきましては、被爆者が受けた放射線による健康被害という他の戦争の犠牲者には見られない特別の犠牲ということに着目して、いわゆる原爆二法によりまして、医療の給付あるいは手当の支給等の措置を講じてきたところでございます。 また、被爆者対策の内容につきましても、特に平成五年度の予算におきましては、手当額の物価上昇率に見合った引き上げ、あるいは被爆者の高齢化等に対応いたしました福祉関係の事業、あるいは相談事業の充実等を図ってきたところでございます。
○秋葉分科員 もう少し私は大枠といいますか、総体的な把握状況を伺いたかったのですけれども、非常に細部にわたるところにすぐ目が行ってしまうという感じだったのですが、それでは質問の角度を変えて伺いたいと思うのです。 広島、長崎の被爆者、現在いろいろな問題を抱えながら、それを一つの概念として被爆者援護法制定という要求を政府に対してずっと長い間してきたわけです。これが参議院においては被爆者援護法案が通過いたしまして、しかも二度も通過したということがございますけれども、残念ながら衆議院の段階では、今国会はまだ審議されるに至っておりません。我が国は二院制をとっているわけですから、その一院において通過した法案、しかもこれほど広い、日本だけではなくて世界的な支持を得ている法案について、政府としても当然積極的な取り組みをしていると思います。 きょうのこの分科会の座長の粟屋代議士も広島一区の選出でございまして、党が自民党でございますので、建前としてはいろいろとお立場があると存じますけれども、当然広島一区選出の衆議院議員として、陰ながら被爆者援護法制定のために御努力をされているんではないかと、私もその効果があらわれる日を期待しているわけでございますが、そういったところを総合的にまとめる役割を担っている厚生省として、援護法制定のためにどのような積極的取り組みをしてきたのか、そのあたりをぜひ伺いたいと思いますし、今国会、さらに近い将来、制定に対してどういう努力をしていくのか、この点を伺いたいと思います。
○谷政府委員 被爆者援護法案につきましての私どもの考え方ということでございますが、現在衆議院の方にかかっておりますこの原爆被爆者等援護法案につきましては、戦争責任に基づく国家補償を前提にしているけれども、戦争という政治行為による国の不法行為責任は成立しないのではないか、また、この法案では、被爆者の遺族に対する特別給付金あるいは被爆者全員について障害の有無にかかわらず年金を支給するといったようなことになっているわけでございますけれども、これにつきましては、従来から主張しておりますように、他の戦争犠牲者との不均衡を生ずるのではないかといったような基本的な問題があるということから、この法案については私ども厚生省としては賛成しかねる、反対であるという立場でございます。 ただ、しかしながら、先ほども申しましたように、この被爆者対策ということにつきましては、私どもといたしましても、被爆者の方々のいろいろな御要望あるいは御意見に十分耳を傾けながら、現行のいわゆる原爆二法を中心にいたしまして、被爆者の保健、医療、福祉その他全般にわたる施策を講じてきたつもりでございますし、先ほども申しましたように、今後ともその充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
○秋葉分科員 今のお答え、いつも繰り返される点ですけれども、時間があれば各点についてすべて論破することができます。とりあえずきょうは時間がありませんので、その点については触れませんけれども、後日、そして近い将来、そういった点について国会の場できちんとした議論をぜひさせていただきたいと思いますが、一点だけお伺いいたします。 国連中心主義ということを我が国はうたってきたわけですけれども、もっとも、都合のいいときだけそういうのを引っ張っ出してくるという悪い癖もあるようにも思いますが、その国連の演説において、一方ならず政府の代表が唯一の被爆国日本という発言をしています。その唯一の被爆国日本というのはどういう意味で国連において使われているのか。ただいまおっしゃった中では、要するに政府の戦争責任ということは全く問えないんだということをおっしゃいました。唯一の被爆国という意味合いとそれから戦争責任とはまるきり関係がない、こういう点については私は整合性が全くないというふうに思いますけれども、唯一の被爆国というのはどういう意味合いで言われているんでしょう。
○丹羽国務大臣 まず、ちょっと不勉強で恐縮でございますが、どなたが唯一の被爆国というふうに……。
○秋葉分科員 例えば、古いところになって申しわけありません、今覚えているのは、園田直外務大臣がかなり前におっしゃいまして、それから大平正芳総理大臣もおっしゃったと思います。
○丹羽国務大臣 二度と戦争を繰り返してはならない平和への決意としてこのようなことを申し上げたのではないか、このように受けとめております。
○秋葉分科員 それもちょっと。唯一の被爆国というのは非常に特定された意味を持っておりまして、まあこの点について論争しても今は仕方がありませんのでいたしませんけれども、唯一であって、例えば今の大臣のお答えですと、唯一というところには全く意味がない。戦争を起こしたくないというのは、別に原爆の被害に遭った国だけではなくてもたくさん言っているわけですし、そういったところからさまざまな議論ができるところです。 しかしながら、唯一の被爆国ということを公の場で国際的に長い間、宣伝と言って悪ければ、それを我が国のアイデンティティーの一つとして使ってきた政府が、国内的な措置としては被爆者援護法、これに対して反対であるというのは、外に対しては一つ外向きのことを言う、内に対してはまた別のことを言うという、非常に矛盾した態度であるということだけを指摘しておいて、済みません、時間がありませんので、次の問題に移っていきたいと思います。 その国際的な場における被爆者救済ということも非常に大事なわけですけれども、これまで被爆者に対して、海外に在住する被爆者に対して我が国がどのような事業を行ってきたか、あるいはどのような手を差し伸べてきたのかというところを、厚生省の理解している範囲で、ここでどういうような認識を持っておられるか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
○谷政府委員 海外におられる被爆者についての私どもの対応でございますが、主として北米並びに南米におられます被爆者の健康診断ということにつきまして、在北米の被爆者につきましては、広島県の医師会が中心になりまして、広島の放射線影響研究所あるいは広島県、市などの協力のも、とに五十二年度から隔年で実施をしてきております。また、南米の被爆者の健康診断についてでございますが、これは広島県を中心にいたしまして、長崎県あるいは外務省、厚生省の共同事業として、昭和六十年からこれも同様に隔年でございますが実施をしてきております。 私どもといたしましては、この内容の充実が図られてきたのではないかというふうに考えているわけでございますけれども、厚生省といたしましても今後ともこれらの事業についてできる限りの協力をしていきたい、このように考えております。
○秋葉分科員 なぜそういうことをやっているのかというところの議論をぜひしたいのですけれども、またそれは後に譲ることにして、ともかく厚生省の肝いりでと私は言ってもいいと思いますけれども、北アメリカ、それからブラジルを中心にした南米における海外在住の被爆者のための健康診断、それからその他の相談、健康だけではなくてさまざまな相談あるいは援助ということが非公式、後者の方は非公式ですけれども行われている。その点については海外からも非常に高く評価されているわけですし、私も厚生省の努力に対しては心から感謝申し上げたいと思います。今おっしゃったように、今後ともぜひこの健康診断を継続していただきたい、その希望を改めて申し上げておきたいと思います。 それから、海外というのは実は南北米だけではなくて、例えばアジアもあるわけですけれども、そういったところに対してのこれまでの措置はどうなっているのでしょう。
○武藤説明員 お答え申し上げます。 韓国につきましては、七〇年代後半より日韓政府間で話し合いが行われました結果、一九八一年から五年間、渡日治療ということで、医療費は日本側が持ち、渡航費は韓国側が負担するという渡日治療が行われまして、三百四十九人の被爆者が渡日治療を受けたものでございます。八六年になりまして、韓国政府は、渡日治療が必要な者はほぼ治療を受けたという点、それから韓国の医療水準が向上いたしまして国内での治療が可能になったということで、この渡日治療継続は、私どもはそれを提案したわけでございますけれども、韓国側はそれは必要ないということだったわけでございます。 その後、原爆病院の建設の要求とかいろいろの要求がございまして、韓国政府とも外相会談等いろんなレベルで話し合いを行いまして、平成二年五月に盧泰愚大統領、当時の大統領でございますけれども、盧泰愚大統領が訪日されました際に、韓国人被爆者に対しまして今後医療面で四十億円程度の支援を行うといった意図表明を行いまして、これを踏まえまして、平成三年度に十七億円、平成四年度に二十三億円を拠出しております。こうしたお金によりまして、今後在韓被爆者の方々の治療費ですとか健康診断費、健康福祉センター建設等の支援に充てていきたいというふうに考えております。
○秋葉分科員 わかりました。 アジアで被爆者に手を差し伸べたのは在韓被爆者だけであるということだと思いますけれども、とりあえず朝鮮民主主義人民共和国、ここに在住する人たちに対しては、在住する被爆者に対してはどのような措置をとられたのか。
○武藤説明員 北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国でございますけれども、日朝間にはまだ国交が正常化されていないということでございますので、今のところ何らかの措置をとったということはございません。日朝交渉におきまして、北朝鮮側が財産請求権の問題についてこういった問題も提起する場合には、そこで話をしていきたいというふうに考えております。
○秋葉分科員 国交があるかどうかが被爆者に対して、その国に住んでいる被爆者に対して手を差し伸べるための唯一の条件だというふうにおっしゃっているわけですね。
○武藤説明員 いずれにいたしましても、これまで日朝間の政府間の交流というのはなかったわけでございますので、北朝鮮については何もできなかったということでございます。
○秋葉分科員 それでは伺いますけれども、今援助をしているというふうにお答えになった各国において被爆者の実態調査をされたことがあるのかどうか、そして、その結果として、例えば、時間がありませんので詳しいことは結構ですから、それぞれの国において大体何名ぐらいの被爆者が住んでいるというふうに認識をされていらっしゃるのか、その点を伺いたいと思います。これは北米も入れてください。
○武藤説明員 私の方から韓国と北朝鮮についてお答えさしていただきまして、別に岩田課長が来ておりますので、北米とブラジルは岩田からお答え申し上げたいと思います。 韓国につきましては、韓国の保険社会部の所管団体で韓国保険社会研究院というところがございまして、ここが一九九一年五月に出した調査結果によりますと、二千八十五名が被爆者として認定されているということでございます。 北朝鮮につきましては、その実態は明らかになっておりません。
○岩田説明員 お答えいたします。 私ども外務省では、長崎県、広島県、厚生省と一緒になりまして、先ほど来お話のありました被爆者巡回医師団を南米に派遣しております。その際に、現地の受け入れ先の調査でわかりましたのは、ブラジルに関しましては、平成四年十月で百六十三名の被爆者の方がおられます。また、そのときに参りました五カ国でございますけれども、そのほかのパラグアイとかでございますが、全部合わせまして百九十八名被爆者の方がおられます。 それから、北米に関しましては、在米の被爆者の団体の方の陳情、あるいは先ほど来話のありました日本から派遣される在米被爆者健診団、これは広島県医師会が中心と理解しておりますけれども、この報告で大体千名、これは平成三年七月の段階で九百四十一名、アメリカにおられるというふうに私どもは聞いております。
○秋葉分科員 そうしますと、人数の上で単純に計算しますと、韓国に約三千というふうに、二千数百と……(武藤説明員「二千八十五でございます」と呼ぶ)済みません。そうすると二千というふうに考えていいですね、概数として。アメリカに千ですね。その韓国の被爆者の医療その他のために四十億円を拠出した。そしてこの四十億円というのは、先ほどの被爆者援護法についてのお答えからいたしますと、戦争責任とは無関係に出している。被爆者であるという点によって出しているということですけれども、となると、アメリカに住んでいる千人の被爆者に対しては、少なくとも半分の二十億円ぐらいの拠出があっても当然だと思います。 厚生大臣、そういう英断を下されて、アメリカの被爆者救援のために、さらにはブラジルの被爆者、南米被爆者の救援のためにこういった英断を、しかもそういうきちんとした数字、だれにも反論のできないようなきちんとした数字をもとに、そういった英断を下されるおつもりはありませんか。
○谷政府委員 先ほど外務省の方からお答えがございましたように、在韓国被爆者の問題につきましては、五十六年の日韓両国政府の合意に基づいて始められたものでございます。一方、アメリカあるいは南米についての被爆者の健診を現在やっているわけでございますけれども、これは先ほど来申しておりますような広島県医師会あるいは広島県等を中心にした健診団を派遣して、地元におられる被爆者、先ほど来数字が出ました被爆者についての健診をやっているということでございます。 現実に現在外国在住の被爆者の処遇の問題につきましては、それぞれの国の国内問題として考えるべきことであって、主権の及ばない我が国がいろいろなことをする、実態調査等をするということは困難じゃないかというふうに厚生省としては考えております。
○秋葉分科員 主権の及ばない我が国がというふうにおっしゃいましたけれども、その主権の及ばない我が国が四十億円を出したということをもとに私は伺っているのです。主権の及ばない韓国に対して被爆者援助という名目のもとに四十億円を拠出できたのだから、主権の及ばない例えばアメリカに対して、被爆者の人頭割にするとその約半額である二十億円の拠出を行っても、これはだれでも納得するであろう。しかも今のお話で伺いますと、四十億円は日本政府が出している。しかるに、北アメリカ、南アメリカの被爆者の健康診断というのは市あるいは県、そして医師会が中心になって行っている。政府がこれを肝いりでやっているということは確かに評価いたしますけれども、とても拠出の額から比べると四十億円には及ばない、そういうところがあると思います。 ですから、ある程度均衡ということを考えるのであれば、当然四十億円に見合うような、あるいはそれ以下でも構わないかもしれませんけれども、そういったことを考えてもいいのではないかと思います。その点、その角度からお答えいただければと思います。
○丹羽国務大臣 御指摘の点は今後の検討課題にさせていただきます。
○秋葉分科員 最近の国会の審議を見ておりますと、我が党は検討するという答えには大変弱いようですので、私もその伝統に従いまして、よろしく御検討方お願いいたします。 それと、もう一つこれに関連してのお願いですけれども、今海外における実態調査はしないというふうにおっしゃいました。そうすると、先ほどの例えば四十億円の基礎になった韓国における被爆者の調査、それは当然韓国側で行われたということだと思いますけれども、その国の政府あるいは責任ある科学者の団体、あるいは市民の団体が行った調査をそのまま日本政府としては信用するといいますか、それを基礎にした上で被爆者援護の人道的な手を差し伸べるというようなことを行うというふうに理解してよろしゅうございますか。 例えば朝鮮民主主義人民共和国の場合ですけれども、仮に日本政府がそれを行わない場合に、朝鮮民主主義人民共和国の政府が仮に調査を行い、それに基づいて援助を例えば国際赤十字その他のルートを通じて、あるいは被爆者団体の相互のネットワークを通じて要請してきた場合には、当然その数字を基礎に援助の手を差し伸べるというふうに理解してよろしいわけですか。
○谷政府委員 先ほど外務省の方からお答えがありました北米あるいは中南米における被爆者の数、これは今先生お話がございましたように、現地の関係団体等からの報告あるいは日本から行った健診医師団の報告に基づくものでございます。 ただ、北朝鮮の問題につきましては、先ほど外務省の方からもお答えがございましたように、現在国交がない段階でございますので、これについてどのようにするか、少なくとも私どもとしては今のところ具体的な考えは持っておりません。
○秋葉分科員 具体的な考えがないということですので、ぜひこれも検討していただきたい項目として厚生省にお願いしたいことですけれども、朝鮮民主主義人民共和国を含めて、韓国、それからアメリカ、ブラジル等の被爆者の実態調査、これは、その主体となるのは、例えば委託研究を行うというような形で、あるいは委託調査を行うというような形で、外務省の協力を得て、現地の例えば大学あるいは研究機関等の手を煩わせることによって、それほど費用はかからないけれども、その調査の主体が日本であるというところに私は意味があると思いますけれども、そういった形での実態調査をぜひお願いしたいと思います。 それはなぜかといいますと、先ほどのお答えの中で、主権が及ばないところに対しては援助の手を差し伸べていないということをおっしゃいましたけれども、それは少々不正確で、被爆者健康手帳の交付というのは何も国籍に縛られているわけではありませんし、さらに、被爆者に対するさまざまな援助というのは、国籍にとらわれずに、ともかく被爆者であるということに基づいて実は厚生省はその行政を行ってきた。 これは、新しい二十一世紀において世界各国が主権の問題と人道的な立場とをどういうふうにマッチさせるかという点で、日本の厚生省がこれまでとってきた態度が時代の先を行っているというふうに私は評価をしているわけですけれども、その立場から考えると、当然そういった実態調査を行った上で、厚生省が主権という十九世紀的な考え方に立って後ろ向きの被爆者対策を行うのではなくて、新しいボーダーレスの世界になりつつある二十一世紀における世界の福祉といいますか、あるいは人道的な立場におけるさまざまな施策を行うという観点から、ぜひ行っていただきたいというふうに思います。
○谷政府委員 現行の原爆二法につきましては、御承知のように、国籍のいかんを問わず、日本国内に在住する被爆者については、この対策の対象にするということになっているわけでございます。ただ、外国在住の被爆者につきましては、先ほど来申しているようなことと同じでございますが、それぞれの国の国内における問題という考え方から、この原爆二法の対象にはしていないわけでございます。 それから、先ほど来お話のございますアメリカあるいは南米を含みます海外におきます被爆者の調査ということでございますが、私どもといたしましては、従来から進めております北米あるいは南米におきます健康診断というものを通じまして、そういった地域におられる被爆者の方に対する健康問題ということに対応していきたいというふうに考えております。
○秋葉分科員 実は今のお答えは少し、非常に謙虚に過ぎるのではないかと思います。日本に在住というのは、非常に長期的に在住というかあるいは短期的に在住というか、その両方あると思いますけれども、ともかく外国から日本に来られた被爆者に対してもそれなりの手が差し伸べられているということで、これは私は胸を張って世界にPRしてもいいことではないかと思いますから、今の局長のお答えは少々謙虚に過ぎるという感想を持っております。 ただ、それもやはり人道的な立場に立っての施策だと私は思いますし、現在行われています北米、南米における健康診断についても、その範囲を例えば広げたり、さらに充実して続けるといったことで、そういった厚生省の持っている非常によい人道的な伝統というものをなお一層強化拡充していただきたいと思います。 当然そうするのだというお答えを最後にいただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○谷政府委員 従来からやっております北米あるいは南米におきます被爆者の健診につきましては、今後必要に応じまして、厚生省といたしましても協力すべきところは十分やっていきたいというふうに孝之ております。
○秋葉分科員 ありがとうございました。
○粟屋主査 これにて秋葉忠利君の質疑は終了いたしました。 次に、遠藤登君。
○遠藤(登)分科員 先ほど安田先生から国立病院のことでちょっと質問があったのでありますが、私も、通告していない問題で恐縮でありますけれども、要望を兼ねてまず最初に申し上げたいと思います。 それで、お話によりますと、北海道を初め、国立病院あるいは国立療養所を初めとして、いわば日給月給の職員というか臨時職員というか、それは構成として実態はどのようになっているのかなのですが、約三分の一強を占めるというような状況の中で、高齢化社会あるいは過疎化が加速するという状況の中で、社会的にも非常に大きな不安と、あるいは雇用のあり方についても問題があるのではないかと思います。 五年も十年も勤めて日給月給、いわば臨時職員というような雇用のあり方、それは今回整理に入っているというお話を頻繁に聞くのでありますが、これは大きな社会問題が提起をされている状況があります。全体的にいわば雇用問題をどのように対応されようとするのか、その改善が強く求められている状況があると思うのでありますが、そのことについて、わかっている範囲内でお聞かせをいただきたい。もしあるとすれば、ぜひそれは再検討していただきたい、こういうように思うのであります。
○丹羽国務大臣 国立病院のあり方だと思いますけれども、私どもはまず昭和六十一年に国立病院あるいは療養所の今後のあり方につきまして一つの指針をまとめたわけでございます。今後高齢化社会を迎えまして、また、病気そのものも大変難病であるとかいろいろ複雑な病というものが生じてきている中におきまして、いわゆる国立病院あるいは療養所におきましては、まず基本的には高度医療であるとかあるいは難病であるとか、そういった専門分野を中心として、地域の実情というものを十分に勘案しながらこの統廃合問題に取り組んでいきたい、こういうことでございます。 この北海道の問題につきましては、いわゆる賃金職員の問題でございまして、ぜひとも御理解を賜りたいのは、賃金職員というのはあくまでも任用更新というのが一年交代であるわけでございます。今先生が御指摘のあった五年も十年もとおっしゃいますけれども、基本的には一年一年いわゆる契約を更新する、そういう中で今の賃金職員の存在というものがあるわけでございます。 基本的に国立病院のあり方というのは、決められた予算あるいは決められた定員の中で運営をしていく、こういうことでございますけれども、年々国立病院あるいは療養所の一般会計のいわゆる貸し出しといいますか、これがふえてまいりまして、平成五年度には二千五百億円にも及ぶわけでございます。 今民間病院を含めまして病院経営が大変厳しい、こういうことが指摘されておるわけでございますし、いろいろな面で今回の北海道におきます問題は、例えば本来賃金に使ってはならない部分を充当するとか、こういったような問題があるわけでございますので、私どもは本来の姿に立ち戻りまして、襟を正して今度の適正化を進めていきたい、こういうことでございますので、ぜひとも先生の御理解を賜りたいと思っております。
○遠藤(登)分科員 看護婦さんの確保の問題についても、法的な制定を初めとして大変な状況があると思うのであります。したがって、人的構成はどういう状況になっているのか定かでない状況もありますが、仄聞するところによりますと、いわば賃金職員というのが三分の一を超える、看護婦さんでも三分の一を超えるという病院もあるようであります。それはやめなさいということになりますと、これは大変な問題。病院の経営にとっても大変なのです。患者さんにとっても大変なのです。 したがって、この適正化の指針を施行するに当たりましても、全体のそれぞれの分野で最低限度必要な構成要員というのはきちっと確保していく必要があるのではないか。そして、十年も一年更新で雇用しておった。それは一定の試験などもして雇用する体制をつくるとかなんとか、そういうこともあわせて再検討してみる必要があるのではないか、これは強い要請も含めてお願いをしたい、こう思うのであります。
○丹羽国務大臣 看護体制の確保のことだと思いますけれども、私どもは看護婦職員の確保につきましては、御案内のように看護婦確保法、またその指針に基づきましていわゆる二・八体制というものを確保したい、こういう観点で努力をいたしておるわけでございます。 北海道におきます国立病院あるいは療養所のいわゆる定員の適正化につきましても、この二・八体制というものは十分に守っていかなければならない、このように考えております。
○遠藤(登)分科員 よろしくお願いをいたします。 それから、老人の保健福祉のことについては細かい分野でそれぞれ御心配をいただいて、それなりの対応をされておられるわけでありますが、いよいよ今、それぞれ都道府県を単位にしてあるいは市町村におきまして具体的な計画策定が進んで、新年度から順次施行するという状況が進んでいると思うのでありますが、どのような実態にあるのか。 また、時間がありませんので、老人とか身障者の入所施設に対する入所措置権、これは都道府県から市町村に移るということで、これも具体的な対応が進んでいるわけでありますが、財源を含めてどのような対応状況にあるのか、お聞かせをいただきたい。
○横尾政府委員 まず最初の老人保健福祉計画の策定の進捗状況でございますが、現在までのところ非常に順調に進んでおりまして、約三割の市町村で計画を作成中でございます。また、残りの七割の市町村におきましては、計画策定の前提となります実態調査の実施中でございまして、新しい年度に入りますれば比較的速やかに所期の目的が達成されるものではないかと存じております。 また、二番目のお尋ねの入所措置権の町村移譲の関係でございますが、この円滑な実施が図られるように必要な支援に努めているところでございます。 具体的に申しますれば、町村の担当職員に対します研修でありますとか、また町村の幹部職員に対します研修、あるいは事務処理マニュアルの送付等々を行っているところでございます。また、具体的な職員の体制等につきましては、町村職員の増員等につきましてこれまで手当てを済ませてきたところでございますし、平成五年度の地方財政計画にも織り込まれているところでございます。
○遠藤(登)分科員 これは年々増大する状況にあると思いますが、大ざっぱで結構でありますから、お年寄りで施設に入所されている、措置をされている人数、それから身障者、合わせてでも結構でありますから、現在どのような状況にあるのか。 それから、町村に譲る場合、これは国の財政問題それから都道府県も含めて、財源手当てをどのように新年度予算編成の中でお考えになっているのか、措置費等の問題についてお聞かせをいただきたい。
○横尾政府委員 まず、寝たきりの高齢者の数でございますが、現在約七十万人と推定しております。うち在宅の寝たきりの方が約二十四万人でございまして、残りが特別養護老人ホーム、老人保健施設あるいは病院への御入院というふうに考えております。 また、二番目の御質疑の財源の手当てでございますが、先ほど申し上げました平成五年度の地方財政計画に新たに町村が負担することになります措置に要する費用、いわゆる措置費全体の四分の一に相当するわけでございますが、これを手当てをしたところでございます。
○遠藤(登)分科員 これは都道府県の段階では財源としては出さないということになりますか。
○横尾政府委員 従来都道府県が負担していた部分のうち市町村分について、つまり、従来都道府県負担分の二分の一が町村分として変更されることになります。
○遠藤(登)分科員 それは、措置費と施設運営費というものもまた違うと思うのでありますが、運営費も国の手当ては年々減額をしてきたという経過があるわけでありますけれども、今、都道府県の財源負担については明確な答弁がないですね、制度として。都道府県は出さないということですか。
○横尾政府委員 特別養護老人ホームの運営費の財源でございますが、全体の費用のうち、入居者が負担をしていただく分を除きました二分の一を国庫が負担をいたしまして、残り四分の一、四分の一を都道府県と町村が持ち合うという形になっております。
○遠藤(登)分科員 それから、介護支援センターという具体的な項目を起こして、それぞれ介護体制を強化をするという方向にあるようでありますが、具体的な内容と対応の方向などについてお聞かせをいただきたい。
○横尾政府委員 在宅介護支援センターでございますが、そのねらいといたしますところは、身近な介護の相談、指導の場であるということとともに、市町村の窓口に出向かなくても必要な保健福祉上のサービスが受けられるような仲介調整を行う機関、こういう二つの役割を目的としているところでございます。身近なというところに着目をいたしまして、このゴールドプランでは中学校区に一カ所、数にして一万カ所の整備を目標としているところでございます。
○遠藤(登)分科員 まことに結構な方針だと思いますが、これはゴールドプラン、十カ年計画の中で全国一万カ所、中学校区ごとに年度計画を立ててつくっていきたい、こういうことですか。
○横尾政府委員 そのように進めていきます。
○遠藤(登)分科員 この建設費あるいは運営費の財源措置はどのようになりますか。
○横尾政府委員 まず施設整備費でございますが、これは他の社会福祉施設と同様の整備、先ほども申し上げました二分の一国庫負担という形を行っております。また、一カ所当たりの運営費が年間約一千万円ということでございまして、その二分の一を国庫補助しているということでございます。
○遠藤(登)分科員 それから、身近なところでいわば仲介調整のセンター、在宅介護というのはさらに拡大をして強化が図られる、これはゴールドプランの中でもきちっと出ているのでありますが、それを上回る必要があるのじゃないかというのでいろいろ問題提起がされている状況があるのでありますけれども、在宅介護を強化をする。このセンターは窓口的な調整の機能だけですか、それともそれから在宅に派遣をする体制もとる、こういうことになりますか。
○横尾政府委員 在宅介護支援センターに具体的な要請がありました場合には、調整役としてホームヘルパーが在宅に派遣される、あるいは必要に応じましてショートステイを御紹介をするということになりますが、そのホームヘルパーの拠点がこの在宅介護支援センターと一緒にあっても大変結構であるという、運用面で一体的な運用が行われるように指導をしているところでございます。
○遠藤(登)分科員 それからヘルパーの問題になりますが、これは今の在宅あるいは介護要請患者の状況などからして非常に足りないのではないかということがまず一つ。それから、これは事業実施主体が市町村であるというけれども、財源手当てその地やはり厚生省、国側の対応というのが非常に大きなウエートを持つ。 それで、ヘルパーが足りないのじゃないかということと、それから、役所の職員からおれば、福祉団体の職員からおれば、福祉協議会の職員からおれば、バートからと、いろいろな職種というか、ヘルパーの中でもそれぞれの分野があるわけです。だけれども、同じヘルパーであってもそれぞれの分野で違うのは当然だと思いますが、雇用の、いわば待遇の問題もまちまちで、二十年も勤めたところと一年雇用更新のところと手当は同じだというのから、手当なども役所職員と同じように出すところからさっぱり出さないところから、退職金もなければ雇用保険もないというところから、まちまちなんですね。 これはもっと増員をする、ヘルパーを拡大するということと同時に、その待遇改善というか雇用条件について研修をきわめるということとあわせて、一つの規範をつくって方向を出して指導を強化する必要があるのではないか、こういうふうに思うのでありますが、どうですか。
○横尾政府委員 ホームヘルパーはゴールドプランを達成していく上で大変重要なかなめに当たる人々でございます。 その確保を図るためには、御指摘の手当等の処遇面の対応といったもののほかに、研修の充実等多面的な対応が必要かと存じますけれども、これまで手当額については大幅な引き上げを行いますとともに、また、福利厚生という面では、民間の常勤ヘルパーさんを社会福祉施設職員の退職手当共済制度の対象にするということで退職金が支払われるようにしたようなこと、あるいはチーム運営方式の推進ということでございまして、これは一人である地域を受け持つということではなく、チームを組んで柔軟な勤務ができるような体制の中で働くというような、勤務方式も多様になるような状況をつくっております。また、研修制度についても年々充実を図っているところでございます。 そういうこともございまして、ホームヘルパーについては平成三年度の実績で四万八千人を超えるところまで確保ができているところでございます。
○遠藤(登)分科員 ゴールドプランの計画を前倒しして、何といっても在宅で寝たきりあるいは痴呆性の患者が増大をしていくというような状況の中で、例えば施設入居者なども、いわば入所相当の指定を受けても、それぞれの市町村で待機組を何百人と抱えているというような状況がますます拡大する、こういう状況の中で、ぜひヘルパーの増員の確保あるいはそのための条件の統一というと問題があると思うんだけれども、統一的な指導というものをもっともっと強化をして、安心して働けるような条件をつくっていただきたいと強く要請をしたいというふうに思います。 それから、今ひとり暮らしの寝たきりのお年寄りが七十万、こういうふうにおっしゃったのでありますが、寝たきりのお年寄りあるいは痴呆性の患者、これはなかなか判別しがたい部分があると思いますが、厚生省側として把握されている部分について、一体どういう実態にあるのかということについてお聞かせをいただきたい。 それから、今時に福祉の機器の問題、この開発研究についても厚生省としてもそれなりの力を入れているようであります。福祉機器の開発研究あるいは普及、税制の面からあるいは助成措置の面から対応されるというような新年度の方針が提起されているようでありますけれども、その具体的な内容についてお聞かせをいただきたいと思います。
○横尾政府委員 先ほど私、寝たきり老人の数を約七十万人と申し上げましたが、これはひとり暮らしである方に限りませんで、御家族と一緒の方も含まれております。また、痴呆性のお年寄りの数は約九十九万人と推計しております。 そのほかに、別の観点からのとり方で、いわゆるひとり暮らしのお年寄りは約百六十万人という数字が出ておりますが、私どもの考え方は、ひとり暮らしであってもお元気な方もいらっしゃいますので、ひとり暮らしであるということで介護を要する方というふうにはとらえておりませんで、このゴールドプランの考え方は、寝たきりであるとか痴呆性の症状を持っておられるという点に着目して計画を立案し、実施をしているところでございます。 また、福祉機器の開発等についての法案のお尋ねでございますが、これは表題を福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案としております。 主な内容を申し上げますと、こうした福祉用具の研究開発と普及に関しまして、厚生大臣及び通産大臣が、どのように研究開発を進めるか、どのように普及を図るかということについての基本方針を定めるということが第一でございます。 第二に、国及び地方公共団体の責務といたしまして、こうした観点からの財政上、金融上の措置を講ずることを責務としております。 また、福祉用具の製造業者といわゆる賃貸業者に対しまして、用具の品質の向上を図るよう努めるとともに、利用者から苦情がありました場合の適切な処理を義務づけることとしております。 そのほか、地方公共団体が講ずる措置といたしまして、高齢者でありますとか障害のある方々が福祉用具を適切に利用できるような情報の提供、展示等を行うことを求めている。 以上が主な内答でございます。
○遠藤(登)分科員 時間がありませんので、二、三まとめて。 国民健康保険制度を一つは見直す必要があるんじゃないか。これはその運営の基盤が市町村である。過疎化が進み、高齢化が極度に進んでいるという状況の中で、三千三百の運営機関がどうにもならない部分が出てきているのではないか。これは調整機関も必要だと思いますが、やはり少なくとも都道府県単位くらいまでに、あるいは大きくブロック別的にもっと制度を見直していく必要があるのではないかということについて、どのような方針、方向に立っているのか、お聞かせをいただきたい。 それから、子育て事業の問題が提起されているようでありますけれども、出生率の低下というのは大変な問題でありますので、安心して産みあるいは育てる環境をいかにつくるかということが、しかも女性の雇用機会の拡大、社会参加の増大という状況の中で、これは極めて重要な課題だと思いますので、この事業の内容。 それから最後に、高齢化社会あるいは障害者がふえる。それはともに共生する社会ということが極めて大事なことではないか。アメリカなどにおいても既に国民障害者法の制定などが行われてきている経過がありますが、世界的な高齢化社会に立って、日本も新しい世紀に向かって、すべての分野で、障害者も含めて国民の深い理解と協力を求めながら共生する社会をつくっていく必要があるのではないかと思いますが、どうでしょう。
○古川政府委員 先生のお尋ねの第一点についてお答えを申し上げたいと思います。 国民健康保険事業の広域化という問題につきましては、従来からさまざまな議論があるわけでございますが、私どもとしては、運営の効率化とか市町村の保健活動との関連等を考えるならば、当面はやはり市町村に基盤を置いた事業運営を行うことが現実的な選択である、こう考えておるわけでございます。 しかし、先生御指摘のように、社会経済情勢の変化等によりまして保険者の規模が二極分解している。今、国保は三千人未満の被保険者の市町村が千を超えるというふうな状態にございまして、いわゆる財政運営基盤というものが大変脆弱化してきている、こういった点も事実でございます。このために、小規模市町村対策として、いわゆる財政調整交付金による財政調整とか、あるいは都道府県国保連合会の行う高額医療費共同事業の推進、こういったこと等を図りまして、その運営の安定化に努めているところでございます。 そこで、お尋ねの今後の問題でございますけれども、今後ともそういった市町村の構造的な問題、これはますます深刻化してくる、私どもはこういうふうな危機を抱いておりまして、現在この保険者運営のあり方につきまして、医療保険審議会というものが昨年健康保険法の改正で創立されておりますので、国保を含めまして医療保険全体の審議をお願いしているところでございますが、この国保の問題についても検討項目の対象となっておりまして、審議会の御議論等を踏まえながら適切に対応してまいりたい、かように考えている次第であります。
○清水(康)政府委員 出生率が低下しているけれども、今後の少子社会対策をどう進めていくかというお尋ねでございます。 お話しのように、出生率が大変低下しておりまして、御案内のとおり、合計特殊出生率というのは平成三年は一・五三でございますが、平成四年は出生数がなお一万人前後減るというふうな見通してございますので、さらにまた低下することが。心配されております。 私どもは、子供を産み育てやすい環境づくりを進めることが政府全体として大変重要な政策だというふうに考えているわけでございます。そこで、近年では、政府におきましても、児童手当制度を改正したりあるいは育児休業法を制定をしたつさまざまな努力をしておりますし、また関係十八省庁から成る連絡会議なども設置しまして、子育てに喜びや悲しみを感ずることのできるような社会づくりを総合的に推進したいという姿勢で臨んでいるわけでございます。 厚生省としましても、官民挙げての啓発活動の推進とか各種保育サービスの拡充とか相談支援体制の強化とか、一連の施策の充実に努めていきたいと思いますが、とりわけ就労と出産、育児の両立ということからいいますと、全国に二万二千以上ある保育所の役割というものは大変重要になってくるというふうに考えておりまして、実は平成五年度予算においても、保育所を地域の子育てセンターにするためのモデル事業を実施したいというふうなことなどなどの予算要求もさせていただいております。 今後とも子供を産み育てることが本当に楽しい、そして一般的にいいますと、三人、四人いますと、多いですねというのが今の社会の風潮でございますが、私は、先生は何か七人兄弟だというふうに伺っておりますが、昔は六人や七人の兄弟姉妹がいるのがごく普通であったわけでございますので、そういうような社会一般の考え方、風潮をつくっていくということにも努力をしたいと思います。
○土井政府委員 ADA法のようなアメリカの動きをどう考えるかというお話であったかと思いますが、一つの動きとして注目をいたしております。 我が国におきましては、ご案内のとおり、心身障害者対策基本法という法律がございまして、さまざまな分野における施策を計画的に進めようということで取り組んでおりまして、一月でございますけれども、中心協からも新しい意見具申をいただいております。今後これにのっとりまして、政府としての取り組みを強化してまいりたいと考えているところでございます。
○遠藤(登)分科員 どうもありがとうございました。
○粟屋主査 これにて遠藤登君の質疑は終了いたしました。 次に、常松裕志君。 〔主査退席、大野(功)主査代理着席〕
○常松分科員 戦後四十数年間入院患者のお世話をしてきた付添婦さん、それからその付添婦さんの看護や介護を受けておられる入院患者の方々の問題について大臣にお尋ねをいたします。 昨年の四月の診療報酬の改定をきっかけにして、付添婦さんが病院から追い出されているということを大臣はきっと御存じだろうと思うのです。私のところにぜひ大臣にお届けしてほしいということで随分たくさん手紙を預かりまして、大臣のお手元にもお届けをしてあるはずでございます。それらの手紙はぜひ御一読をいただきたいと思いますが、そのほかにも、これは朝日新聞の報道ですが、「付添婦さん苦境」「お年寄り転退院促す動き」というような記事であるとか、あるいはこちらには、これは九州の有明新報という新聞ですが、「遣われる付き添い婦」というような記事が出ておりますように、社会的な問題にもなっているわけでございます。 こうして、今病院から付添婦さんたちが追い出されているという事実を厚生省は御存じかどうかということがまず第一。 続いて、この新聞報道によりますと、家政婦さんあるいは紹介所の団体である日本臨床看護家政協会、高木さんという方が会長だそうですけれども、こちらから厚生大臣に対して申し入れなどもあったというように報道されているわけでありますが、どんな申し入れがあって、どんなような話し合いが行われているのか、この二つについてお答えいただきたいと思います。
○古川政府委員 第一点でございますけれども、お話の件は、昨年の四月の診療報酬改定におきまして付添看護の適正化に関してもろもろの施策を行ったのでございますが、その結果としての御議論ではなかろうかと思うわけでございます。 私どもは、昨年は、患者に対する良質な看護・介護サービスの提供あるいは保険外負担の解消等を図るという観点から、看護・介護サービスは、従来より医療機関の適切な管理体制のもとに医療機関の看護スタッフによって一体的に提供されることが望ましい、こういう考え方から、看護スタッフの充実のためのいわゆる看護サービスの院内化を進めてきたわけでございます。 したがいまして、付き添いの方々を追い出すとかというようなことではございませんで、あくまでも看護体制のサービスの強化あるいは保険外負担の解消という趣旨から行っており、付き添いの方々についても、従来は付き添いの方々が患者さんと契約をして付き添いをやっておられた、これからは病院と契約して付き添いをやっていく。付き添いといいますか病院の看護サービスと一体の中でやっていただく、こういうふうな方向でございますので、決して遣い出しというようなことはございません。 それから、第二点の請願書でございますが、これについては私どもも承知いたしております。手元にございます。承知いたしております。
○常松分科員 その請願書というのはどこから来ている請願書ですか。その日本臨床看護家政協会の会長の高木さんという方と局長はお会いになったり、この点について申し入れを受けたりしたということはないのですか。
○古川政府委員 社団法人日本臨床看護家政協会が東京都知事にあてられた請願書でございます。私自身は高木さんという方と会ったことはございません。
○常松分科員 今のお話ですけれども、結果として付添婦さんたちが病院から追い出されている、客観的にこういう新聞の報道もされているわけですから、家政婦さんの立場から見れば追い出されるという事実が大であるわけなんです。局長の答弁によりますと、患者の自己負担を減らして、そうして保険の中で十分な介護・看護が受けられるような趣旨の診療報酬の改定ということだったのですけれども、しかし、事実はそうじゃないんじゃないかというふうに私は思うのです。 これも大臣のお手元にお届けしてある手紙でございますから、既に読んでいただいていると思います。二、三御紹介いたしますと、これは文京区の家政婦さん、この方は元看護婦さんですが、こういう手紙であります。 看護婦不足の為患者さん及び家族は泣いて居ります。大病院に入院しても婦長から”看護婦 の仕事は三分の一、三分の二は家族の方達の援助がなければ看護婦不足の為出来ませんので、三度の食事は食べさせに来る様に”と云はれるとの事。家族が行けない人は食べても食べなくても食事は下げてしまい、一日も二日も食べずに居る患者さんもあるのです。 痴呆のある患者は両手両足をベッドにくぐりつけられ身動も出来ない状態です。長寿国日本で此の様に虐待とも考えられる行動が許されるものでしょうか?。基準病院を強いられる中で看護婦の仕事量は増加、体力がついて行かない今日、医療ミスや退職をする人が増加しているのです。 こういう手紙。 あるいはこれも文京区の家政婦さんからの手紙ですが、 六月、基準看護病院になってみんな引きあげて了いましたが、先日何かの用事でその病院に行ったところ、廊下から見るともなく通りすがりに見ましたら、みんな手をしばられて、お水頂戴!横に向けて頂戴!私は思はず中に入って、とうとう半日無料奉仕して来ました。みんな一斉に人影をみると何かうったえるのです。 こういう手紙。 あるいはこれは武蔵野市の高嶋さんという方の手紙ですけれども、この方は家政婦さんですが、そのお母さんが病気になって基準内病院に入った。 基準内病院で母は入院して八カ月の間に、腰から両足にそれはすごく床ずれの疵跡ができてしまいました。 私たち付添婦は、まず患者さんに床ずれはつくらないものです。 こういう手紙。 あるいは墨田区の澤村さんという方の手紙は、この方のお母さんが基準看護病院に変わった病院に入院をしたところ、ある日、 トイレのなかで倒れて動けなくなりました。どのくらいの時間倒れたままになっていたのか誰も分かりません。やがて同室の患者がトイレに倒れている義母を発見しました。病室に備えられているブザーで宿直の看護婦に知らせようとしましたが、二人いるはずの看護婦はいくら経っても応答してくれません。そこで同室の患者は、病院中を捜し回ってやっと看護婦を呼び、義母を助け出した始末です。 私の義母のように介助が必要でありながら、たまたま基準看護病院になったために十分な介助か受けられなくなった話をよく聞きます。 これが付添婦さんがいなくなってからの病院の実態なのではないのでしょうか。大臣、どうですか。
○丹羽国務大臣 問題は看護職員の確保の問題だと思います。そういうような話も実は私も身近で何回となく聞いたこともございます。しかし、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、昨年成立いたしました看護婦等人材確保法及びそれに基づきまして作成されました基本指針をもとにして、まずとにかくいわゆる看護婦さんの養成、拡充、こういう面に力を入れていくべきだ、このように考えております。 それから、非常に難しい問題でもあると思いますけれども、私どもの基本的な考え方といたしましては、先ほど局長から答弁いたしましたように、あくまでもいわゆる良質な看護・介護、こういうサービスの提供、保険外負担の解消、こういう観点から、私どもが目指しておりますのは院内看護サービス体制の強化にある、こういう点で御理解を賜りたいと思っております。
○常松分科員 であるにもかかわらず、大臣は政治家ですからきっと御存じのとおり、大臣の手元にも患者さんからのそういう悲痛な、あるいはその家族からの悲痛なお手紙やお電話や御意見がきっと届いていると思うのです。つまり厚生省は、保険料で全部やるんだ、今の病院で看護体制を充実をして、それで全部看護も介護もやるんだと言うんですけれども、実際にはできない。 大臣、国立病院とかあるいは国立大学の病院の中で、ですから、例えば東大病院とか東京医科歯科とか、そういう病院の中で、これは本来基準看護病院ですから付添婦さんはいないはずです。しかし、現実には家族という名目で、きょうはどこの大学病院にいるとは私言いませんけれども、現実にはそういう国立大学病院、国立病院の中にも付添婦さんが入っている、これが実態なんですよ。どうですか局長、これが実態じゃありませんか。
○古川政府委員 基準看護の承認に当たりましては、付添看護が行われていないということが要件とされているわけでございまして、承認を受けました医療機関におきましては、その医療機関の看護婦さんあるいは准看護婦さんによって看護が行われているというふうに考えております。 もう一つ答えでございますが、したがいまして、そういう基準看護病院についてはそういう状況でございますが、例外といたしまして、患者さんの病状によりまして、医師の許可を得まして家族など患者の負担によらない方々が付き添いをするということは差し支えない。これは特別の例外といたしましてそういうふうな制度を設けているわけでございますので、恐らくは先生御指摘の点はそういうことではなかろうかと思いますが、いわゆる基準看護の承認を受けました病院におきましてそういう事実があるとすれば、私どもは遺憾なことだと思いますし、調査をしたいと思います。
○常松分科員 それは局長、建前で言ったってだめですよ。大臣だって僕だって政治家だから、そういう実態があることは恐らく委員長だって御存じですよ。現実に大病院の中で家族と称して付添婦さんが患者の負担でいるのは事実ですよ、事実。これは局長、あなた、うなずいているけれども、それは事実だってところは立場上言えないかもしれないけれども、そこから出発しなけりゃ本当に患者のための厚生行政ができますか。私はできないと思いますね。やはりそういう現実から出発してもらいたいと思うのです。 昨年、入院医療管理病院とかあるいは入院医療管理病院移行計画制度が創設をされたわけですね。これによって付添婦がいなくなったはずの病院において、実際には別の県の紹介所さんを通して、家族という名目で付添婦さんが入っているという実態はあるのです。名前を挙げろといえば僕は挙げます。その病院の名前を挙げろと言われれば挙げます。挙げますけれども、それは挙げればえらいことになるからここでは挙げませんけれども、局長でも大臣でも挙げてくださいといえば、幾らでも挙げることはできる。そういうことが実態なんでありまして、その移行後に本当に十分な介護が行われているのか、患者さんに対して。本当に十分な介護が行われているかどうかということです。付添婦がいるかいないかということじゃないですよ。 基本は、そういった入院医療管理病院なりあるいは入院医療管理移行計画病院になった場合に、そこで患者さんにとって手厚い看護が行われているかどうかという点については、これは局長、ぜひ調査をする必要があるんじゃないですか。いかがですか。
○横尾政府委員 入院医療管理病院につきましては、病状の安定している老人、慢性疾患の患者さん、こういう方には点滴や注射よりはお世話が重要であるという考え方から導入したわけです。したがいまして、看護婦さんのほかに介護職員を配置し、そのことを評価したわけでございますが、その導入の後調査が行われておりまして、その調査によりぎすれば、看護婦、介護職員の業務内容が、注射であるとか処置であるとか検査であるものが減少いたしまして、逆にリハビリテーションや療養上の指導が増加した。あるいは介護職員については入浴の介助といったような業務が増加した。こういうことを踏まえた結果であろうと思いますが、結果として患者さんのADLが向上するなど、それについてはかなりはっきりした調査結果が出ているところでございます。
○常松分科員 その場合に、そういう病院から本当に困っている寝たきりのお年寄りや痴呆のお年寄りがどれだけその前に追い出されているかということを、局長、調べましたか。手に負えない患者はみんな追い出してしまっているのです。手に負える患者だけにして、そして手に負えない患者はもう全部自宅に帰してしまっているという実態もあるんです。そういう実態も含めて、患者の立場で調査してくださいよ。どうですか、そういうことも含めて調査してくれませんか。
○横尾政府委員 ただいまの調査の内容は、入院中の患者さんのADLが向上したということでございます。 また、軽症の患者のみを入院させるようになってきているのではないかという御指摘でございますが、そうしたことにつきましては、この入院医療管理病院制度を導入するに当たりまして、病棟単位でこの制度を適用することを可能にしているわけでございますから、手のかかる方については一般病棟、慢性的な老人の方については入院医療管理病棟という形で、患者さんの態様で処遇を分けるということも病院に対しては許されるような状況をつくったところでございます。
○常松分科員 ここにその手紙もまた来ていますけれども、実際にはその移行した病院で、先ほど言いましたように、家族ということで付添婦を黙認してもらった。そして結果的としては、この方の場合は、二十四時間の介護で月に四十万円自己負担で家政婦さんに支払ったというような手紙です。これも大臣のところにお渡ししてあります。局長もごらんになっていると思うのですよ。ですから、そういう欺瞞行為の結果、結果として保険外負担がむしろ非常に過酷に患者さんの家族にかかってきているというのが実態だと思うのですけれども、どうなんでしょうか。 昨年の診療報酬の改定なりあるいは入院医療管理病院やその移行計画病院、今回また療養型病床群の特定看護料というのをつくりますね。こういうことによってこれまでにどのくらいのところの病院が移行し、幾つぐらいのベッドが付添婦なしの方に移行していったのでしょうか、あるいは今度の療養型病床群でどのくらいのベッドを付き添いなしに移行させようというふうな計画をしているのでしょうか。その計画及び実績のベッド数を教えてください。
○横尾政府委員 まず、これまでの状況でございますが、昨年の十二月末現在で入院医療管理科承認病院は四百三十六病院、ベッド数で約六万床という状況でございます。移行計画の加算承認病院は、昨年の八月未現在でございますが、二十九病院、病床数については把握しておりません。 また、今後の見通してございますが、特に目標というようなものは定めていないところでございます。
○常松分科員 目標は定めてないかもしれませんけれども、とにかくいずれにしても、先ほど言ったように、私の場合は現実は今のスタッフ不足の中で非常に介護が手薄くなっているというふうに見ているのです。そういう点からしても、一体毎年幾つぐらいのベッドがそういうふうに移行していったかということは調査して、御報告をしていただきたいというふうに思いますけれども、それはお願いいたします。 次に、厚生省が今後付添看護の制度をどんなふうにしようとしているかという点について二、三お尋ねをしたいと思うのです。 そもそも付添看護の制度というのは、これは健康保険法の第四十四条の一あるいは老人保健法の第三十二条などの規定によって、我が国の医療制度の中で明確に位置づけられている制度だというふうに私は理解しているのですが、そういう理解でよろしいですか。
○古川政府委員 この付添看護にかかわる療養費払いの制度でございますけれども、これは御指摘のとおり、医療保険制度の中で位置づけられたものであることはおっしゃるとおりでございます。 ただ、付添看護はあくまでも療養の給付として行われる看護サービスを補完するものである、これは健康保険法等にも明らかにそういう趣旨のことがございますが、そういった意味で、この補完するものであるということから療養費払いという制度をとっている、あくまでも療養の給付が基本であって、それを補完するものとして療養費払いということで認められているものだ、こういうふうに理解してよろしいかと思います。
○常松分科員 補完するとか補完しないとかいうのはともかくとして、法律的にきちっと明記されているわけですから、それは日本の医療制度の中でちゃんと位置づけられている制度ですねと、そういうことを聞いているのです。
○古川政府委員 そのとおりでございます。
○常松分科員 そのきちっと法律的に保障されている付添看護制度が、実は大臣告示たる診療報酬の改定によって事実上廃止されているんじゃないか、あるいは廃止することを目的としているんじゃないか。 先ほど言ったように、この四月からまた療養型病床群特定看護料が新設をされます。局長は嫌かもしれませんけれども、私はこれによってまた相当付添婦さんがそれこそ追い出されるんじゃないかというふうに恐れているわけなんです。法律的にきちんと位置づけられている、そして事実問題としても、戦後四十年間日本の医療制度の中にあって患者さんたちを介護あるいは看護してきた家政婦さんたち、付添婦さんたちを、診療報酬の改定という大臣告示によって事実上廃止をしていくというふうな印象を持つのですけれども、そんな印象を持つのはやや心配のし過ぎなんでしょうか。
○古川政府委員 先ほど来申し上げておりますが、基準看護をとっている病院におきましては、これはもう付き添いは原則なしである。先ほど申し上げたような医者の許可を得てという場合を除きましてはないわけでございますが、基準看護をとってない病院におきましては、付き添いという制度は、いわゆる療養給付を行うことが困難な場合に、それにかえまして認められている、こういうことでございます。したがって、大臣が申されたように、今後の措置につきましては、あくまでも一体として良質な看護サービスを行っていこう、こういう趣旨であり、また保険外負担の解消ということでございますから、私どもは今後ともこういうことを進めてまいりたい。 ただ問題は、おっしゃるような看護婦さん等の養成の問題あるいは診療報酬上の問題でございますから、昨年の改定におきましても五%の引き上げを行ったわけでございますが、その多くをこの看護といいましょうか、そういった問題に対する手当といいましょうか、そういった考え方でこの診療報酬の引き上げ等も行った、こういうことでございます。今後とも院内化を進めてまいりたい、このように考えております。
○常松分科員 後で大臣にお尋ねをし、御答弁をいただきたいと思っているのですけれども、私が局長に聞いていることは、先ほどの質問の趣旨は、先ほど確認したように、法律できちっと認められている付添看護という制度が、新しい診療報酬の改定ごとに、付添婦がいないところの方が有利になるような診療報酬の改定を行われるということによって、事実上付添看護が行われなくなっているわけですね。この付添婦さんに看護してもらっているおじいちゃんたちの方から見ればそういうふうになるわけです。そういうことをやっていいのか。法律できちっと認められていることを、診療報酬によって事実上変えていくというようなことをやっていいのかということなんです。 ちょっとその論争は別にして、私もう一つ手紙を読み上げますから、大臣にぜひ聞いていただきたいのです。これは渋谷区広尾にお住まいの金子住江さんという方から丹羽大臣あてに来ている手紙です。読み上げさせてください。 大切な母が五年前脳梗塞で倒れました。当初 は基準看護の病院に入院致しました。 基準看護制度を施行している病院は、患者が 必要とする看護のすべてを病院の看護婦さんが やってくださると伺いましたが、それはとんで もないはなしたという事がわかりました。 私の母はナースコールさえ出来ません。特に 夜間は看護婦さんの数が極端に少くなります。 従って、「しも」の世話、又母は汗を多くかき ますので、即肺炎のおそれがあるという事で、 私は自分の仕事を放棄して、母に付ききりで看 護致しました。この方は母一人子一人なんです。 しかし、そのような事に馴れない私自身の体 力にも限度があり、又、仕事も放棄したままで すと、母と共倒れになる事になってしまいま す。さりとて、私の母のような病状の場合、二 十四時間だれか傍に居る必要があります。 そこで、家政婦さんの付添を認めている現在 の病院に転院致しました。 現在、母は鼻から流動食をとっております。 「しも」の世話、多汗も相変らずです。更に、 手足はこまめに動かしてあげないと固まってし まいます。つまり、親身になってのリハビリが 必要です。 母は自分で意志表示が出来ませんので、常に 母にふれ、母の意識をのぞき込みながらそれを 察し、寝たきりの体位を変えたりして、床ずれ が出来ないよう、こまやかな看護が必要です。 右のような事を現在家政婦の山口好子さんと いう方がやって下さっています。というのがこの手紙でございます。 それで、私はこの手紙がすべてを物語っているんじゃないかと思うのです。寝たきりや痴呆などが出た患者さんたちを今の基準看護病院の体制では、ましてや入院医療管理病院、そして今度の療養型病床群などでは、私は絶対に十分な看護・介護はできないと思うのです。にもかかわらず、厚生省は躍起になって矢継ぎ早に、毎年の診療報酬の改定によって付き添いを置かないような病院経営をするようにしむけている。その結果、患者さんやお年寄りが、先ほど言ったように家庭に追い返されてしまうということになっているのじゃないか。そして、家庭で介護できないような場合には、付添婦がいない病院でベッドに結わえつけられたりして最後の老後を送っているということなんじゃないか。大臣、私はこれが政治家としての大臣や私たちが知っている現実だと思うのです。 したがって、先ほど局長の答弁がありました。いかにも冷たい答弁だなと私は思いました。本当に良質な看護・介護が厚生省の政策によって進められるのならいいのですけれども、現実は今言った基準内病院でさえそうなんですから、そこのところに血の通ったものを何か工夫してもらえないかということを大臣の御答弁を求めまして、私の質問を終わりにさせていただきます。
○丹羽国務大臣 私的なことで恐縮でございますが、私の身近なところでも実は昨年の夏、やはり寝たきりの年寄りが長期間にわたりまして入院をいたしておりました。基準内病院でございまして、三人の姉妹がかわりばんこに介護をいたしておりました。大変よくしてくださる病院であったわけでございますけれども、現実問題として、長期間にわたって入院をして、その介護というものが大変厳しいものであるということを聞かされたわけでございます。 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、今先生が御指摘のあった、あるいはお手紙を御披露していただきましたことは、大変残念なことかもしれませんけれども、一部の病院においてはあるいは存在するのかもしれないのかな。その点を私は本当に遺憾なこととは思っておりますけれども、基本的には、先ほどから私が申し上げておりますように、あくまでも医療というものは良質な介護あるいは看護、こういうサービスの提供、こういう保険外負担の解消、これを目指してどうやって進めていくかということが一番大切なことでございます。 私どもはあくまでも、いわゆる付添看護婦を追い出すとかそういう観点ではなくて、患者に対する看護サービスというのは本来医療機関と看護職員によって一体的な管理のもとに行われるんだ、こういう観点からこの問題の解決に取り組んでいきたいと思います。 要は、先ほどから申し上げておりますように、看護職員の確保であります。これに対して私どもは、昨年成立いたしました看護婦等人材確保法に基づきまして、今鋭意努力いたしております。看護婦の処遇につきましても、先ほど局長から答弁申し上げましたように、診療報酬において初めて評価したわけでございますけれども、我が国の医療というものは世界の中でも大変高く評価されておるわけでございます。医療と看護というのは一体でございますので、そういった方向で私どもが目指しておるということにつきまして、どうかひとつそういった観点から御理解をいただきたい、このようにお願いを申し上げます。
○大野(功)主査代理 これにて常松裕志君の質疑は終了いたしました。 次に、志賀一夫君。
○志賀(一)分科員 私は、一カ月ほど前でありますが、私の地元の福島県内の福祉施設について何カ所か見てまいりました。そういう中で具体的にいろいろと陳情もいただき、また要請書もいただいてまいりました。その施設は、事業団による経営のものと純然たる民間の施設であります。 そういう中で私がお話を申し上げたいのは、まず第一に、国は今福祉十カ年計画というようなものを立てたり、ゴールドプランということで華やかに未来への福祉の充実について、いわばバラ色の夢を振りまいていると言ってもいいような感なきにしもあらずだと、そんなふうに思うのでありますけれども、今のこの福祉施設の現状では、非常に重度化あるいは重複化あるいはまた高齢化、こういうふうになってきている施設の現状の中では、あらゆる職員が非常に不足をしておって、大変苦労をなさっておるというふうに聞いておるわけであります。 しかも、時代の潮流というか、いわゆるきつい、汚い、危険だというような三Kのこういった職場には若い人が勤めない、こういうふうな傾向の中で、かつて十数年前は私ども県会議員をやっておりましたけれども、その中で、福祉大学卒の皆さんが大変ごそっと卒業するものですから、施設にぜひということで、いろいろと要請されたことも数多くあったのでありますけれども、最近はそういう時代の潮流からか全くなくなってまいりまして、そういう施設が非常に人員の不足を訴えるような状況下にあって、これからの二十一世紀を迎えた高齢化社会に向けて、非常に何とかしなければならないなという感じを実は抱いているわけでありますが、このような現実にどう国として対応されていくのか、まずお聞かせをいただきたい、このように思います。
○土井政府委員 ただいまお話がありましたように、確かに将来の福祉施設を考えますと、人材不足というのは非常に重大な問題であろうと私どもも考えております。 昨年の通常国会におきまして、福祉の分野における人材確保のための法律案を政府提出した原案どおりお認めをいただきまして、現在、その法律に従いまして将来に備えた準備を着々としつつある段階でございます。 全体的に見ると、今日の時点で福祉施設に働く職員が非常に不足しているということではなくて、むしろ将来をにらんだ場合に、これが大変だろうという御指摘だろうと思います。地域差の問題あるいは摩擦的な現象が部分的にはあるかもわかりませんけれども、そういう意味で、この四月を目途に基本指針を作成するとかあるいは福祉人材センターをきちっと全国に配置していく等々の施策によりまして、今お話がありましたような将来の問題に備えてまいりたいと考えているところでございます。
○志賀(一)分科員 お話をいただきましたが、まさに先ほども申し上げたように重度化、重複化、老齢化、こういうふうに福祉施設に携わっている人たちが大変容易でない状況下になっておるわけであります。そういうことについてどのような実態になっておるか、こういうことについて今日まで実態調査をやられて実態を把握している、だからゴールドプランに向けてどういう施策をやっていくか、こういうことが当然出てくるべきだ、そんなふうにも思うのでありますけれども、その実態はどういうふうに把握されているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○清水(康)政府委員 福祉施設全体ということにつきましては、それぞれ具体的なトータルの数字というのはございませんけれども、私どもの方で精神薄弱者更生・授産施設というものについて、おっしゃるような重度化、重複化、高齢化というものの実態をある民間の関係団体の調査をベースに御報告させていただきますと、重度の者が昭和六十一年には五五・一%であったものが平成二年には五七・六%というふうに、確かに多少ふえているわけであります。それから、施設入所者のうち身体障害を持つ者とあわせ持つ者の割合、これは残念ながら時系列的な比較の資料がございませんけれども、昭和六十三年で見てみますと一六・二%というふうな数字になっております。それから高齢化でございますが、六十歳以上の高齢者の方の割合は、施設入所者について見ますと、昭和六十一年度が全体の二・二%、千二百七十五名ほどであったわけでございますが、平成二年にはそれが約二倍の二千四百十七人になっておりまして、比率としても三・五%ということでございます。 したがいまして、確かに御指摘のとおり、年々重度化、重複化、高齢化というものは進展しつつあるということでございますので、先ほど社会・援護局長が御答弁申し上げたように、現在非常に人材に困っておるというよりは、むしろ今後将来に向けて必要な要員の確保に全力を挙げていかなければいけない、そういう課題としてとらえているわけでございます。
○志賀(一)分科員 私の手元にありますが、実は全国精神薄弱者施設関係の日本精神薄弱者愛護協会、そういう一つの全国的な愛護施設関係等で調べた数字を見てみますと、今おっしゃられた実態よりはもっと進んでいる、こういうふうに私は思っているところであります。 この数字を御紹介いたしますと、IQ三五以下と測定不能、こういうものを合わせた数字でございますが、昭和五十三年度で六一・一%、それが平成元年度は六八・二%。これが児童施設でありますが、更生施設で見ましても、六〇・八%から六四・五%というふうにかなり重度化が進んでいる、そういう実態を見ます。 また、別な資料でありますが、やはり同じように重いという数字をあらわしておりますので、この実態把握を、先ほどお答えになった精薄施設のみではなくて、全体の福祉施設に対してどう対応をすべきなのかということがやはりゴールドプラン、十カ年計画の福祉要員の充足をどうしていくのかという基礎的なことになると思うのでありますから、その辺十分な調査をしていないというお話ではどうかなと思うのでありますが、お聞かせをいただきたいと思います。
○横尾政府委員 ゴールドプランの達成には人材の確保が欠かせないわけでございます。 また、お尋ねのありました入所者の状況で申しますと、特別養護老人ホームにおきましても毎年高齢化が進展をいたしまして、平成二年では約六割の方が八十歳以上でいらっしゃるというような状況になっております。加齢に伴いましてお世話もなかなか困難な方が増加をしているのが状況でございます。 こうした方々をお世話をする老人福祉施設の職員等の確保でございますが、まずは処遇の改善、第二には養成力の強化、第三には社会的な評価の確立、こういったことを柱にいたしまして施策を進めているところでございます。 また、在宅の高齢者の方々につきましても、同様に処遇が困難な方がふえていくことが予想されます。ホームヘルパーにつきましても、給与等の改善あるいは研修等々の施策を進めているところであります。
○志賀(一)分科員 さらに、私が先ほど申し上げました全国通園施設実態調査ということで、民間団体でやった結果についてお話を申し上げたいと思うのでありますが、重複化という点では、実は八〇年で一九・一%であったものが九〇年には三九・二%に非常に進んでいるわけですね。それからまた高齢化も、実は六十年、八五年に五十歳以上の占める割合が一一・六%であったものが、平成二年、九〇年には一四・四%、非常に伸び率が高いわけです。この伸び率ではもうここ数年間で恐らく三〇%以上になる、こういうふうな推定もしているわけであります。 ですから、私は、ゴールドプランの数値ももちろん大事でありますけれども、今各施設の実態はどうなのかというものを厚生省が十分把握していないで、いかにゴールドプランを強調してみても絵にかいたもちにすぎないのではないか、そんなふうに思うのですが、そういう調査をした上でゴールドプランを立てる、こういう当然のことを、行政の基礎的な仕事をなぜやらないのですか。
○清水(康)政府委員 先ほど私の申し上げた数字も、おっしゃられるように愛護協会の調査でございますが、たまたま私の方では更生施設と授産施設をトータルとした平均値で申し上げましたので、先生のお話の数字よりは若干下がっておるわけでございますが、確かに更生施設にだけ限定して申し上げればお話のような数字になろうかと思います。 私どもは、重度化あるいは重複化というものがだんだん進んでいるということについては、十分それを認識しております。ただ、完全に精神の方と身体の方がともに重度であるという者につきましては、御案内のとおり、重症心身障害者施設という別の施設体系がございまして、そちらの方ではさまざまな一般の施設よりはより多くの職員配置あるいは加算というものも実現しておりますので、いずれにしましても、施設全体について高齢化、高度化、重複化が進む中で、要員の配置に遺憾のないような対応を年々予算措置その他で少しずつ努力をしてきているということでございますので、御了解を賜りたいと思います。
○志賀(一)分科員 もう一度お聞きしたいのでありますが、今の現状の分析をしないで、前の十カ年計画というものを単なる机上プランで立てたのでは、私はそれはまずいと思うのですね。それは後でまた申し上げたいと思うのでありますけれども、財政問題も非常に絡むわけでありますから、その財政が裏づけとなって全体のすばらしいゴールドプランも可能なのでありますが、その辺実態調査をしないで、単に机上でだけどういう数字のはじき方をして、まあ十カ年後にはホームヘルパーを十万とか十一万とかにするというようなことができるのでしょうかね。 私も昨年、決算委員会の理事をいたしている関係でノルウェー、二年前にはスウェーデンなども見てまいりましたけれども、もう既に日本の十カ年計画を立てた以降ぐらいの数字にまでいろいろな福祉職員をちゃんと設けているという実態を見れば、やはりそういう長期見通しを立てるには基礎的なきちんとした調査をした上でやるべきだ、こういうふうに思うのです。この辺は大臣、今まで十カ年計画にかかわっていないでしょうけれども、もし大臣のお考えがあれば聞かせてほしい。
○横尾政府委員 高齢者保健福祉十カ年計画でございますが、今先生いろいろ御質問がありました各種の福祉施設、施策の中で、高齢者に限って将来計画を立てたという性格を持っているわけでございます。その実情把握でございますが、これは平成五年に各市町村がみずから地域の実態を調査したことを踏まえまして具体的な計画を立てていく、そういう状況にございまして、障害の方、児童福祉の関係はまた別の対応が必要なものではないかというふうに考えております。
○志賀(一)分科員 では、その他の施設については担当者から。
○土井政府委員 先生おっしゃいました重度加算の問題でございますけれども、それぞれの施設におきまして重度の介護を必要とするというような状態の方々が入っている場合に、その方々が一定数以上の人数になりますと重度加算という形で職員の加配を行っております。 したがって、今ちょっと手元にございませんけれども、施設ごとにそういった重度加算の人数がどの程度いるかというのは調べますればある程度わかりますので、そういう意味では、現状におきましても重度の方々が多く入っている施設に対する配慮というものはなされる、そういうような仕組みで運営しているところでございます。ただ、現在何%ぐらいいるという数字は、ちょっと手元に持ち合わせておりません。
○志賀(一)分科員 それでは、別な視点からちょっとお聞きをいたしたいと思います。 いわゆる施設職員の基準を五十一年に見直しをしました。精薄施設で言えば五対一から四・三対一というような数字に変えましたけれども、それ以降今日まで変えていない。全く変えていないという中でどうしてこれからの計画が立つのだろうか。重度化、重複化、老齢化というふうに変化していく中で、そういう施設に対して、変化の状況に対応してどうするのかという視点の調査がなくて前に進めますか。
○清水(康)政府委員 御指摘のとおり、精薄児施設につきます職員の配置基準は昭和五十一年度に、当時、それ以前は一日九時間労働というふうな計算があったようでございますが、それを八時間労働に変えるというふうなことなどを契機としまして、五対一から四・三対一というふうに改定しております。 それ以後は、そういう基本的な配置基準の見直しということではなくて、年休代替要員を改善するとか、あるいは業務省力化等勤務条件改善というふうな形で逐次勤務時間の短縮に取り組むとか、あるいは管理宿直専門員、これは非常勤でございますが、そういうものの配置を図るとか、それから、先ほど社会・援護局長からお話ししましたように、重度あるいは最重度の障害児の処遇向上のために重度加算という形で改善をするとか、そういうふうな形で、いろいろ職員の勤務体制の充実、負担の軽減といったことに努力してきたわけでございます。 今後とも、職員の勤務条件の改善ということは非常に重要だという認識を持っておりますので、このような年々の予算措置の改善というものを通じて、適正な職員の勤務条件の確保ということに努力をしてまいりたいと思っております。
○志賀(一)分科員 それでは、いつまで同じことを話してもしょうがないですから、基本的な調査を今後やる考えがあるのかどうか。私はそれは必要だと思うのですが、それを単純に答えてください。 それから、今、公私を問わず施設で困っておりますのは、週四十八時間から四十二時間に、そしてまた四十時間にするようにという指示を受けておりましても、それに対応する措置が国の方でなければ、国の講ずる措置費で十分見る、職員の定数を変える、基準の定数を変えるということをやらなければなかなか対応できない、こういうふうに言っているわけですが、このことについてどうお考えですか。
○土井政府委員 まず、調査の関係でございますけれども、私が先ほど申しましたとおり、重度加算の関係がどうなっているか、一度よく調べさせていただきまして、その上でまた検討させていただきたいと存じます。 それから、勤務時間の問題でございますけれども、お話がありましたとおり、現在の予算の積算の根拠としては、週四十二時間という勤務時間でお願いをしてあります。その場合に、四十八時間と四十二時間の差の六時間に相当する分につきましては、業務省力化等の改善費という形で一定の予算措置を講じておりまして、これをそれぞれの施設の経営者の方にお配りするという形で対応しているところでございます。 なお、四十時間の問題につきましては、これは今日の段階ではまだ将来の検討課題という受けとめ方をしているところでございます。
○志賀(一)分科員 東京都の社会福祉協議会で福祉関係の皆さんに世論調査をやりましたところ、その世論調査の結果、本当に今勤めている仕事にやりがいがあるから充実感を感じているという方々が六〇%いる。しかし、その反面、処遇が悪いのでやめたい、夢を持ちながらも処遇が悪いためにやめたいという人が九〇%ある。調査の結果はそういうふうになっているわけです。その中で、理由としては、低賃金、少ない休暇、人員不足、こういうことがやはり問題になっているわけですね。それが福祉施設の現状だと思うのです。 長野県では、御存じのように市町村福祉協議会の職員、それぞれ福祉職員が町村段階ではやっていますが、その人たちは待遇が十二、三万円と非常に待遇が低い、身分的には非常に不安定だ、こういう状態でもあります。それから、国の試験で社会福祉士に合格した方がおりますけれども、この方が町村の職員になっておりましても、それに対する特別な待遇が全くない。こういう状況をお聞きしますと、今の民間あるいは公立てもそうですが、これらの処遇を抜本的に改善しないと、いかに立派な福祉計画を立てられても職員が集まらないという結果になるだろうと私は思います。 したがって、さっき言ったように施設の職員の基準を五十一年以降変えていないのですから、これをまず抜本的に見直しをして、そして十分な処遇をやっていくというのが大事ではないか、私はそういうふうに思うのです。精薄施設のすぐ隣にはどこでも養護学校がありますね。そこで養護学校の職員は、一日に正規で五時間程度しか精薄の子供さん方を見ないでしょう。しかし、施設の職員は休日も日曜日も祭日もなく、あるいは昼、夜となく、片っ方では五時間働いているけれども片っ方では十九時間も働く。こういう格差が、教育の面と厚生省の福祉の面でそれだけ開きがあったのでは、いかに福祉に対して情熱を持って勤めていても長続きはしない、やれない、人は集まらない。こういう結果になることを考えれば、福祉施設の職員の基準をこの際抜本的に見直すことが必要ではなかろうかと私は考えますが、いかがでしょう。
○土井政府委員 お話がありました九〇%の職員がやめたいという調査は、私は存じませんので、また勉強してみたいと思います。 それから、福祉施設の職員の勤務時間でございますけれども、国の予算上の基準としては週四十二時間という勤務時間になっておりますので、それが世間のいろいろな企業その他における勤務時間の実態と比べてみて、極端に悪いというような認識は持っていません。我々も毎年毎年努力をして、昨年の十月から週四十二時間の勤務時間ということがやっと実現したわけでございまして、それはそれなりに関係者から評価をいただいていると考えているところでございます。 なお、給料が安いという御指摘もございましたが、国家公務員に置きかえてみまして私どもその給与の基準を定めておりまして、国家公務員の給与が安いのかどうかという議論と結びつく議論になりますけれども、必ずしもそれほど悪い条件ではないだろうというふうに思っているところでございます。 なお、お話は最低基準の話だろうと思いますけれども、これはあくまで施設を運営する場合の最低基準としての職員の配置の問題でありまして、私ども、先ほど児童家庭局長もお答えしましたように、施設の運営の実情に即した加算その他の措置によりまして、最低基準ではカバーできないような問題点についてはできるだけ対応してきているというような形で運営しているわけでございまして、現時点でこれを見直すという考え方は持っていないので、御了解を賜りたいと思います。
○志賀(一)分科員 今のような答弁は、福祉施設の実態を十分把握していないからそういう答弁になるのです。現場に行ってきちんと把握してくださいよ。そうでないと、本当にあそこで働いている人たち、今私が質問しても、重度化がどんどん進んでいる、それからまた重複障害児も多くなっている、あるいは高齢化もしているという実態を数字できちっと把握もしていないで、これだけで十分対応できるお金だ、そういうことであれば、施設に希望する方々が採用し切れないくらいたくさん集まってくるのではないだろうかと私は思うのですが、現実は違いますね。 だから、例えば長野市では公務員と同じ給与を払う、あるいは同じ待遇をするという条件で、実は二年前は百三人だったけれども、今度はヘルパーが百二十一人にふえた。東京都内なども、神奈川とかそういう財政力の豊かなところはかなりな手当てをしている。そういうところとの格差が、全国的に地域格差、公私間の格差、そういうものが実はだんだんと広がっているというのが実態ですから、そういう実情というものを把握した上で、そしてさっき申し上げた基準、職員の見直しをやらないで措置費の中の運営費でそれをカバーするというのは、やはり福祉政策の安上がりではないでしょうか。内容がどうなのかということをきちっと十分把握して初めて前に進むことができるのですね。そういう実情を把握して、前に進むために見直しを今後慎重に検討する、こういうことを私は大臣に期待したいと思うのです。 大臣、ひとつそういう場所を見て、十年後後悔しないように今から対応を真剣に取り組んでいただきたいと思いますが、大臣の所信をお聞かせいただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 先生から先ほどから御指摘がございました社会福祉関係の施設にお勤めになるいわゆる社会福祉事業従事者の確保というのは、大変大きな問題でございます。 昨年の六月にいわゆる福祉人材確保法というものを制定いたしました。この人材確保のための基本指針の策定、福祉人材センター、さらに福利厚生センターの設置など人材確保対策の基盤整備を図っていこう、こういうねらいでございます。 この法律を踏まえまして、来年度早々には人材確保のための基本指針を策定いたしまして、いずれにいたしましても、社会福祉施設で働く人々あるいはホームヘルパーを中心としたいわゆる社会福祉事業従事者につきましての、先ほどから御指摘がございます処遇の改善あるいは資質の向上、こういった面を多方面からひとつ抜本的に考えていく決意でございます。
○志賀(一)分科員 どうもありがとうございました。
○大野(功)主査代理 これにて志賀一夫君の質疑は終了いたしました。 次に、川島實君。
○川島分科員 時間が余りございません、大分おくれているようでございますので、ひとつ簡潔にお答えをいただきたいと思います。時間の範囲内で私は終わる予定をいたしておりますので、答弁の方も御協力をいただきたいと思います。 既に通告をいたしております高齢者福祉推進十カ年計画は、今も議論があったところでございます。厚生省はゴールドプラン、十カ年計画ということで高齢者に非常に希望を与えておるわけでありますが、今日までの進展状況はどのようになっておるのか、特に重点事業の推進状況についてまずお伺いをしておきたいと思います。
○横尾政府委員 まず、在宅福祉関係で申し上げますと、平成三年度まで実績が出ておりますが、ホームヘルパーは目標の十万人に対しまして約四万八千人が充足できております。ショートステイ、デイサービスも比較的順調な経過をたどっております。 入所型の施設について申し上げますと、特別養護老人ホームは二十四万床に対しまして平成三年度十八万六千床の整備が行われました。老人保健施設は二十八万床に対しまして五万六千床、ケアハウス等につきましては十万人の目標に対しまして二千五百人分ということで、ややおくれを見ているのが実情でございます。
○川島分科員 この計画は、お年寄りの皆さんが身近なところで福祉医療のサービスを受けられる、こういうことで、地域によって各市町村は平成五年度じゅうに計画を出すことになっているわけです。市町村の小さなところは非常に施設面で問題が出てきておるわけでございますが、そのような全国三子三百の市町村に対しての的確な指導というのはどのように行われておるのか、お伺いをしておきたいと思うのです。
○横尾政府委員 老人保健福祉計画の策定につきましては、かねてより各自治体に向けまして作成マニュアルのお示しをしたり、職員の研修を図るなどの準備の支援を行ってきたところでございます。 こういったことも踏まえまして、現在約三割の市町村で計画が作成中でありまして、また残りの市町村におきましても実態調査が実施されているところでございます。
○川島分科員 各市町村は福祉センター等の建設に向けていろいろ取り組んでいるだろうと思いますが、その福祉センターの予算の確保の状況を見てもまだまだ十分でないと思われますので、その点についてはひとつ十分御配慮をお願いをしておきたいと思います。 この計画の中心的な役割を果たすと言われております医療事業団の出資金七百億ですね。結局金利がこれだけ下がりまして、バブルの崩壊等がございましてバブルの影響を受けることがなかったかどうか、そして今日その七百億円から生まれる運用益がどのように使用されておるのか、まずお伺いをしておきたいと思います。
○土井政府委員 事業団の基金でございますけれども、平成元年度の補正までで七百億積んでおります。その運用益でございますが、平成二年度三十七億、平成三年度四十六億、平成四年度四十一億、これは見込みでございますが、平成五年度につきましては現在私ども推計中でありまして、三十億台になるのではないかという見通しを持っております。 事業の使われ方でございますけれども、平成二年度は九十二事業、三年度は百十三事業、四年度は百十五の事業でございまして、御案内のとおり、中身につきましては高齢者、障害者のための在宅福祉事業等々、高齢者、障害者の生きがい・健康づくり事業まで、細かい事業に気配りをしながら配分をしているという状況になっております。
○川島分科員 次に、愛知県に建設がなされております国立長寿科学研究医療センター、この進捗状況、それから将来に対して、愛知県はここに「あいち健康の森」というのを付設して整備がなされておるわけでございますが、それらとのかかわり合い、このことについてお伺いをいたします。
○瀬田政府委員 長寿医療センターというものは、長寿科学医療等を推進するための中核的、総合的な機関とするべく、平成四年度から予算を計上いたしまして、愛知県大府市の国立療養所中部病院において整備するための準備を行っているところでございます。平成五年度の予算におきましても二十三億三千二百万円の整備費を計上しているところでございまして、その運営の開始は平成七年度を予定しております。 長寿医療センターにおきます研究というのは、その整備の趣旨からも、臨床部門と研究部門とが一体となりまして、また、先端的な技術も十分に取り入れて実施をすべきものと考えておりまして、老化の機構の解明ですとか痴呆性疾患の原因究明、治療法開発など、長寿医療の分野における重要テーマについて全国的なモデルとなるように配慮してまいりたいというふうに考えておりますし、また、愛知県とも十分連携をとりながら進めていきたいというふうに考えております。
○川島分科員 次に、高齢者にとって老後を支える年金問題が非常に――どうやって年金が信頼を取り戻すかということが課題になるわけでございますが、現在は二十五年間保険料を納め続けなければ年金を支給されません。しかし、現実は高齢化が進んで年金財政がパンク寸前、こういうように言われているわけでございまして、財政再計算や支給開始年齢、こういうものの問題や一元化の問題等非常に困難な問題に当面しておるわけでございます。 そこで、わかりやすい年金を私はまずお願いをしたいと思うわけです。例えばアメリカでクリントンが、自分が掛けた年金の掛金はきちっと将来もらえるんだ、それがいろいろな事情で掛けた年金よりも少なくしかもらえないということはやはり社会公平公正上問題があるんじゃないか、こういう提起をしておるわけで、これらの改正に向かってアメリカは努力をしている、こういうふうに受けとめておるわけでございます。 我が国もそういうわかりやすい形での年金、掛けただけはきちっと将来もらえる、こういう常識的な取り決めといいますか、国民との間で信頼関係がなければ、今言われておりますように、国民年金を滞納してでも生命保険だけはきちっと掛けるという情勢が続くのではないかと思うわけでございますが、これらに対しての対策はどのようにお立てになっておみえになりますか、お伺いをいたします。
○山口(剛)政府委員 先生御指摘のように、年金制度は国民の連帯を基盤にしておりますので、国民の皆さんの年金に対する信頼感というのは大変大事なことだと思います。私どもも、来年財政再計算をし、その際に制度改正を行うということで今準備をいたしておりますけれども、その基本的な目標は、やはり長期的に安定した制度、そして国民の皆さんに信頼を置いていただけるような制度にしなければならないというのは基本にしております。 ただ、先生御指摘がございましたけれども、私どもは、公的年金制度は確かに社会保険方式をとっておりますので、拠出に応じた年金を給付をするという仕組みにはなっておりますけれども、その年金額につきましては、そのときどきの国民の生活水準等に応じて年金額の改定をして、水準としては適切なものをいつの時代にも出していく、それが個人年金と違って公的年金の果たす大変大きな役割、また国民の皆さんはそれを期待しておるということだと思いますので、そういう制度を安定的に運営をしていきたいということでございます。 そういうことができますのは、これは恐縮でございますけれども、国民皆年全体制にして強制加入を前提にして、お年寄りに対する適切な給付を今の若い世代がその部分について負担をしていただく。もちろん本人の拠出もありますけれども、負担をしていただく、それを順繰りにやっていくということによってそういう仕組みが維持できる。自分が拠出したものを返していただくという貯金とは違いますので、社会保険方式というものの理解というものを国民の皆様にしていただかなければならない。 そういう努力は私どももこれから大変大事だと思いますのでやっていきたいと思いますが、どうか今の公的年金制度が、一般の個人年金のように自分が貯金をしたものが利率がある程度回って、そして、その何十年か後にその利回りで回ったものが返ってくるという制度では基本的にないというところはぜひ御理解をいただきたいと思いますし、そういう公的年金制度の持つ本来の役割、機能というものを十分国民の皆様に御理解いただけるような努力、まだ足りないと思いますけれども、その辺は今度の改正に向けても十分御理解をいただくような努力をさせていただきたいと思っております。
○川島分科員 私が言っているのは、そういうことじゃないんですよ。公的ないろいろな、お互いに相応補助をし合って助け合っていかなければならぬ、そういう基盤は理解できるのです、国民は皆さん。しかし、預金は十年たてば元金が倍増になるという時代もありましたですね、複利複利でずっと。それが二十五年ですか、ひどい人は四十年も掛けている人もおるわけですわ。そして、亡くなったら自分の掛けただけの元金も戻ってこない。遺族に戻ればまだそれでもいいですけれども、それも戻ってこない。利息分、本来ならば、その人が通常でいけば政府の補助金も入るわけですね、その年金の上積み分として。そういうものも恩恵を与えられない。これは公平公正からいってやはり考え直す、そういう変化の時代じゃなかろうか、こう思うわけです。 私ども年金問題を、いろいろな問題点を勉強させていただいております。そういう理解度、国民から理解が得られないと、国民年金みたいになかなか納めない人が多くなってきている。そして、それを徴収するために非常な経費をおかけになっている。こういうことの問題点はもっともっと真剣になって取り組まないと、それこそ掛けたお金が、取り立てる、積み立てをやってもらうための事務費で消えてしまうなんということ、せっかくの果実を生む利息が全部経費で消えてしまう、こういう財政であってはいけないと思うわけでございますが、もう一度その辺のことについてお伺いをしたいと思います。
○山口(剛)政府委員 先生の御指摘の、国民の皆さんに年金の制度の趣旨を十分理解をしていただいて拠出をしていただく、また、その国民の皆さんがその拠出を喜んでするような制度に向けて努力をしろというのは、おっしゃるとおりだと思いますし、私どももそういう努力をしていきたいと思っております。 ただ、これは御理解をいただきたいと思うのですが、先ほども申し上げましたように、公的年金制度は、本人が積んで、積んだものが必ず返ってくるということであっては成り立たない制度で、やはり老後あるいは遺族、遺族であっても例えばお子さんが残されて母子家庭になったとかいうような、本当に社会的に助け合っていかなければならない遺族の方々にはそれにふさわしい年金を支給する。しかも、その年金を国民の生活水準に応じて引き上げていく。 それから、本当に老後を迎えて長生きをされるという方々には、老後の十年、二十年という長い期間を国民の生活水準に応じた年金が、ある程度水準が改善をされるような、老齢、障害あるいは遺族の方々が本当に役に立つような年金を国民連帯の中で支給をしていきたいというのが本来の目的でございますので、今先生が御指摘になりましたような、例えばずっと保険料を納めていただいて、不幸にして途中でお亡くなりになられたというときに、残された遺族が、今申し上げましたようなことで本当に手を差し伸べなければならない遺族か、それとももう十分に働いて一人前でいける遺族ということであれば、そこのところは遠慮をしていただく。どちらかといえば、やはり必要なところに手厚い給付をしていくというのが公的年金制度のまず目指すべきことだと思います。 財政的な余裕等があって、必ず本人が納めたものはどんな遺族であっても返すというような仕組みがよろしい、しかも、それだけの拠出をみんながしていこうということになれば、そういう制度も可能かと思いますけれども、私どもはむしろ、本来年金が目指すべき方々に対する適切な手厚い給付を重点的に講じていくというのが公的年金制度の目指すべきところだろうと思いますし、また、そういうことを国民の皆さんにぜひ御理解をいただいて、公的年金制度の運営をしていきたいというのが私どもの気持ちでございます。恐縮でございますけれども、ぜひその点は御理解を賜りたいと思います。
○川島分科員 私どもは、今運営されている年金事業の中で一元化問題も出ておりますけれども、先に払った人たちのお金が、元金が幾らで利息が幾ら、国の補助金が幾ら、そして実際使われたのは幾ら、お国の公務員の皆さんが使う事務費はまた別個で幾ら、明らかにして、ガラス張りにして、そして年金制度がみんなが理解ができるような形でないと、今非常にわかりにくい。掛けたお金も戻ってこぬという不満もありますし、そういうものを一つずつわかりやすくガラス張りに、これがやはりこれからの年金制度の方向じゃないかと思います。 それから、先ほどの高齢者福祉十カ年計画にいたしましても、政府が幾ら旗を振っても末端の市町村ではいろいろな苦しみがあるわけでございまして、権限移譲の問題や予算の関係もいろいろなかなか十分とはいってない。そうでなくとも、医療費だけとらえても一年間に一兆円近い伸び率ですから、それに対応するのは大変なことだと思いますけれども、大臣、今の簡単なやりとりを聞いておりまして、ひとつ厚生大臣としての御所見をお伺いをしておきたいと思います。
○丹羽国務大臣 ただいま局長の方からもお話があったわけでございますけれども、まず公的年金制度というのは世代と世代の支え合いによるものだ、これが個人年金とはまず基本的に異なるんだということを御理解をいただきたいと思っております。 それから、先生の御指摘がございましたように、年金給付の三分の一は国庫補助を出しておりますし、また完全自動物価スライドでございますので、いわゆる経済情勢に対応できるとか、あるいは来年がそうでございますけれども、五年に一度財政再計算がある、こういうメリットがあることも今後十分に国民の皆さん方にPRをしていきたいと思っております。 それとともに、先ほどからガラス張りの年金制度、こういうような御指摘でございますので、当然のことながら国民の皆様方に情報を公開いたしまして、そしてガラス張りの年金制度確立というものを目指していく決意でございます。
○川島分科員 最後に、時間がございませんので一つだけお伺いして終わりたいと思いますけれども、我が国はポストハーベスト、農薬の基準を変更されました。このことは、今市民運動を含めまして、農薬が人体に与える影響、我が国は基準を国際化に合わせて緩めたのじゃないだろうか、こういう話も出ております。 特に、私ども身近なところで、水道の飲料水の入り口の近くヘゴルフ場ができて農薬がまかれる。それから、山に対しては、森林に害を及ぼす虫を防止するためのいろいろな農薬がまかれる。そして家庭では、台所洗剤の基準も違う、ふろもまた違う、それからトイレに使う洗剤も違う。厚生省は、台所の洗剤を使うところの役所も違う、ふろも違う、便所も違う、全部聞かなければならない、こういう行政が今の実態なのです。こういう流れの中で、生物がこれからお互いに共存をして生きていかなければならないのに、例えば川には蛍やザリガニやオタマジャクシというものが消えてなくなってしまう、こういう現状を考えるときに、もっともっと地球に優しいそういう地域を取り戻していくために、どうしてもそれらに合った基準を我々は望むわけでございますけれども、この辺のことについての御所見をお伺いして、終わりたいと思います。
○柳沢(健)政府委員 食品の残留農薬基準の問題でございますけれども、新規農薬の開発でありますとかあるいは輸入農産物の増大等ございまして、かねてから農産物中に残留する農薬の安全性、これに強い関心が持たれてきたところでございます。 そこで、厚生省といたしましては、農産物の安全性を確保する見地から、食品衛生規制の一環といたしまして、平成三年九月以降、順次残留農薬基準を新たに設定してきているところでございます。 この残留農薬基準でございますけれども、食生活を通じて摂取する農薬の量が科学的に定められた安全レベルである一日摂取許容量、これをADIと称しておりますけれども、これを超えることがないように設定されてきておるわけでございまして、これにより食品の安全性は十分に確保されているというふうに考えているところでございます。 なお、合成洗剤につきましても、食品やあるいは食器の洗浄に使用されるいわゆる台所用の洗浄剤につきましては、食品衛生の観点から、食品衛生法に基づきまして所要の規格基準を設定し、安全性の確保を図っているところでございます。
○川島分科員 要望いたしておきますけれども、私どもは、メダカや蛍やオタマジャクシやザリガニ、そういうものが河川に帰るような地球に優しい施策を講じてほしい、こういう要望をいたしております。もう難しいことは言いませんので、このことをお願いをしておきまして、終わらしていただきます。 ありがとうございました。
○大野(功)主査代理 これにて川島實君の質疑は終了いたしました。 次に、伊藤英成君。
○伊藤(英)分科員 最初に、社会福祉施設の問題についてお伺いをいたします。 先日、私は地元の社会福祉施設を訪問する機会がありました。そして、関係者から具体的な状況等について伺ったのですが、実は豊田市の特別養護老人ホームの豊田福寿園、身体障害者養護施設の光の家、それから精薄者の更生施設の無門学園というのを見てまいりました。見てまいりまして、ああこれからますます現在の施設の内容を充実する必要もあるな、あるいは身体障害者と精薄者に関して社会の受け入れがまだまだ不十分だな、あるいは精薄者で社会復帰が可能なのだけれども、施設を卒業した方々の生活の場が足りなくて、いろいろな問題も引き起こしているのだなというようなこともいろいろ伺ったりいたしました。ぜひ実情も見ていただいて、ますます充実をしていただきたいと要望いたします。 そこで、一つだけこの件について質問をし、また要望をしたいと思うのですが、特に精薄者の場合、訓練が終わって、卒業した後に家庭に戻るわけでありますけれども、家庭に戻っても十分に面倒を見切れないし、それが原因で家庭が崩壊するケース等々の話も聞いたりいたしました。政府としても、国が施設づけにすると社会復帰をおくらせることにつながるし、大変難しい問題であると思いますけれども、精薄者については施設を出た後の生活の場の確保に一層尽力をお願いしたいと思うのですが、この件についていかがですか。
○清水(康)政府委員 福祉施設の現場をいろいろ御視察いただきまして、いろいろ御激励もいただきましてありがとうございます。 私どもは、入所型の精神薄弱者更生施設及び授産施設というふうなものについて、入所者の障害の程度あるいは特性に応じて必要とされるような指導、訓練というのを行ってきているわけでございますが、一方で、お話しのように中軽度であって、ある程度の援助を受ければ地域での自立が可能な方々については必要な支援を行って、地域生活への移行を促進するということが御本人の御希望あるいは御家族の御希望からいっても適切なものだと考えているわけでございます。 したがって、そういうことを促進するために、食事の提供あるいは金銭管理等の援助を受けつつ、通常の住宅等において数人の精神薄弱者が共同で生活できる場として、いわゆるグループホームという事業を平成元年度から創設しております。この事業については、大変希望も多うございますし、また、精神薄弱者の方々の地域での自立を支える事業としてニーズが大変人きゅうございますので、毎年その整備を図っておりますが、平成五年度予算におきましても、前年度に比べて百二十カ所増の五百二十カ所ということを考えて助成対象とするということで、必要な予算もお願いしておりますので、これからもこのグループホームの一層の充実を図ってまいりたいと思います。
○伊藤(英)分科員 ぜひ強力にお願いをいたします。 次に、生活者、消費者の視点から、食料品や水の安全問題を中心にしてお伺いをしたいと思います。 最初にポストハーベストの問題でありますけれども、農薬をポストハーベストとして農産物の収穫後に使用いたしますと、育成時における農薬使用と異なり、太陽や風雨の影響を受けません。また、長期保存を目的としているために効果の持続性が高い農薬が多く、農産物に比較的高濃度で残留をすることになります。このため、ポストハーベストに対する消費者の不安はかなり根強いものがあるわけであります。このポストハーベストについての厚生省の基本的認識をまず伺います。
○柳沢(健)政府委員 厚生省といたしましては、食品の安全性を確保するために、農薬の収穫後使用、いわゆるポストハーベストに限らず、収穫前使用をも含めまして、食品中に残留する農薬の許容基準、残留農薬基準、これを順次設定するとともに、その監視体制の整備に努めているというのが基本方針でございます。
○伊藤(英)分科員 今申し上げたように、食品中への農薬の残留問題というのは、今大変な関心を持ち、またその不安も持ちながら見ているわけですね。その農薬の残留基準を設定するときに、情報公開とかあるいは国民の意見が反映されるようにする必要があるわけでありますけれども、この辺についてはどういうふうになっておりますか。
○柳沢(健)政府委員 残留農薬基準の設定に当たってでございますけれども、これはまず第一に、科学的、専門的見地に立脚いたしまして、食品の安全性確保という見地から行われるべきものだというふうに考えておるところでございます。そこで厚生省といたしましては、食品衛生に関しまする専門家から成る食品衛生調査会、ここに諮問をいたしまして、その科学的な論議に基づく結論、これを尊重し、基準設定を行うこととしているところでございます。 この食品衛生調査会における審議は、委員の自由な発言、これを担保するという見地から、審議内容につきましては公表しないこととされているわけでございます。しかし、審議終了後であるならば、御希望に応じまして審議に用いられた資料を見ることができるように引き続き配慮してまいるとともに、食品の安全性の問題につきまして広く国民の理解が得られるように努力をしてまいりたいと存じます。
○伊藤(英)分科員 ポストハーベストは食品添加物に該当するのではないかと思うのですね。もしもそうであるならば、厚生省は昨年の十月に三十四品目の残留農薬の基準値を設定をいたしておりますけれども、これは食品衛生法違反にはならないのでしょうか。
○柳沢(健)政府委員 従来より、収穫後使用される農薬、いわゆるポストハーベストにつきまして一律に食品添加物として取り扱っているわけではございませんで、ある物質を食品添加物として取り扱うか否かにつきましては、個別物質ごとにその使用目的であるとかあるいは使用方法、使用実態等々を踏まえまして、それで判断しているところでございます。 具体的には、収穫後使用される農薬のうち、腐敗あるいは変敗、これの防止を目的とするものにつきましては、食品添加物として規制を行っているというところでございます。
○伊藤(英)分科員 ちょっと具体的なことを聞きますけれども、厚生省が告示をした残留農薬基準の一部について、例えばジャガイモの発芽防止農薬クロルプロファムの残留農薬値は、以前の環境庁の基準と比較して一千倍になっているというふうに言われております。これに対して残留基準が緩い、そういう批判も出ていると思うのですが、厚生省の見解はいかがですか。
○柳沢(健)政府委員 今先生から具体的にクロルブロファムという農薬につきましてのお話があったわけでございます。先生仰せのとおり、このクロルプロファムの環境庁の登録保留基準がございますけれども、これは国内における除草剤としての使用を考慮したものでございます。一方、先般厚生省が告示いたしましたクロルプロファムのバレイショに係る基準値は、外国におきましてバレイショの収穫後に発芽防止の目的で使用されることをも考慮して設定したものでございます。 それで、このバレイショの基準値、環境庁の基準値は五〇ppmということになっているわけでございますけれども、これも含めまして、他の農産物のすべてに基準値の上限までクロルプロファムが残留したと仮定いたしまして摂取量を計算しても、一日摂取許容量、ADI以下になっておりまして、ざっと計算いたしましてADIの約三〇%ということでございますので、安全性には何ら問題がない、こういうことになっているわけでございます。
○伊藤(英)分科員 先日テレビでも私は見たのですけれども、米のポストハーベスト問題というのがいろいろ心配をされておりますね。この間もコクゾウムシの行動というのですか結果といいましょうか、そういう状況のことも詳しくいろいろテレビで報道されたりしておりましたけれども、この問題についてどのように考えますか。
○柳沢(健)政府委員 厚生省といたしましては、食品の安全性を確保する見地から、残留基準を整備してきているところは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、その際、米をも含めまして、農薬が使用される可能性のある農産物すべてにつきまして基準値の設定が行われているところでございます。したがって、この基準に従いまして、米も含めまして、農産物に使用された農薬が収穫前であるかあるいは収穫後であるかを問わず、必要な安全チェックを行っていく所存でございます。
○伊藤(英)分科員 厚生省は、かんきつ類などのカビを防ぐための薬として収穫後に使用されるポストハーベストでありますイマザリルを安全な食品添加物として指定いたしましたですね。ちょっとその経緯を見ますと、厚生省は昨年九月二十八日に、収穫後にイマザリルを使用したかんきつ類は食品衛生法違反として取り扱うようにと通達をして、わずかその三日後には食品衛生調査会にイマザリルを食品添加物として指定するように諮問をしました。食品衛生調査会は十月二十九日には、このイマザリルを食品添加物として指定してよいとの結論を出していますね。そして厚生省は十一月六日に食品添加物に指定をしたということであります。 この問題については、アメリカなどから輸入されるオレンジ・レモンなどに使用されていることを追認するためにとられた措置ではないかという批判が強いようでありますけれども、なぜこのような措置をとったのか。なかなかわかりにくいことをやっていると思うのですね。いかがですか。実態はどういうふうになっておりますか。
○柳沢(健)政府委員 具体的なイマザリルの問題についてでございます。これにつきましては、当初、使用目的あるいは使用方法等につきまして不明な点がございましたため、農産物の主要輸入先国でございます米国及びオーストラリアに担当官を派遣いたしまして、そして使用実態の調査を行いまして、その結果に基づきまして検討した結果、かんきつ類等に防カビの目的で収穫後使用する場合には、その使用目的あるいは使用方法等から見て食品添加物として取り扱うべきもの、こういうふうに判断したところでございます。 そこで、この判断に基づきまして、平成四年十月一日に食品添加物として指定の可否を食品衛生調査会に諮問しましたところ、イマザリルは安全性の面で問題はなく、食品添加物として指定して差し支えないという答申をいただいたわけでございます。このため十一月に指定を行ったというところでございまして、先生おっしゃったようなそういうことはなかったものというふうに考えております。
○伊藤(英)分科員 大臣に伺いますけれども、やはりこういう食品の安全問題というのは極めて重要な問題ですね。私も本当に大きな関心を持ってこの問題について考えたい、こういうふうに思っておりますけれども、食品の安全の問題について、国民から見て本当に信頼できる行政が行われなければならぬですね。そしてまた、これからますますそのために、この安全のために大いなる決意で取り組んでいかなければならぬ、こういうふうに思うわけでありますけれども、大臣にこれからのそういった取り組みの考え方についてお伺いをいたします。 もう一つつけ加えますが、私は、国際比較とかいろいろなことが行われたりしますけれども、日本がこれからますますこうしたことについてリードする立場で取り組んでいかなければならぬ、こういうふうに思うのですね。そういうことも含めて大臣のお考え、決意を伺いたいと思います。
○丹羽国務大臣 先ほどから先生が御指摘になっております食品の残留農薬でございますけれども、局長からも御答弁を申し上げましたけれども、一日の摂取許容量、つまり、ADIを超えない範囲で国際的なハーモナイゼーションを図るとの方針でこれまで臨んできたところでございます。 率直に申し上げて、消費者団体であるとかそういった各方面から、農薬は少なければ少ないほどいいじゃないか、こういうような御主張がなされておるわけでございます。私どもといたしましても、これは当然のことながら、すべて今我が国に輸入されております食品については、このADIの範囲の中でございますけれども、今後ともFAOであるとかWHOであるとか、こういう場におきまして、さらに厳しい基準となるよう機会があることに主張をしていきたい、こういうような決意でございますので、御理解を賜りたいと思っております。
○伊藤(英)分科員 先ほど来の問題についてもお伺いをいたしました。御承知のとおりに、今自由化の問題等々についていろいろな議論がされているところであります。もちろんこの結果がどうなるか、いわゆる自由化問題について言えばどうなるかということはありますが、私は、現実問題として、もしも何らかの形でそういう自由化のような話があるとしたならば、すぐに問題になるのは安全の問題ですよね。ポストハーベストという形での米の安全は大丈夫なんだろうか、まさに自分たちが生きていくそのもとになるわけでありますから。そういう意味でも、ぜひこの安全の問題についてはまさに重大な決意で取り組んでいただきたい、こういうふうに思います。 次に、食品の安全問題で、加工食品の日付表示を、今製造年月日とそれから賞味期間の表示の仕方がありますけれども、期限表示に改めるかどうかという問題が出ております。それから、アメリカやECからは、一本化は国際基準であり、日本の制度は非関税障壁であるという声もあるようですね。また一方では、一本化を支持する意向も一部日本の中にもあるとも聞いたりもしています。しかし、消費者の立場からいたしますと、賞味期間だけの表示ではやはり不安ではないかという声も私は相当強いと思うのですね。 厚生省では食品の日付表示に関する検討会を設けて検討を開始したと聞いておりますけれども、その趣旨についてお伺いをしたいと思います。そしてまた、政府は消費者の声を反映できるように考えるべきだ、こう思いますが、この点についてもあわせてお伺いをいたします。
○柳沢(健)政府委員 食品の日付表示の問題でございますけれども、近年の加工食品の多様化あるいは製造・加工技術の進歩、流通形態の変化等々に伴いまして、現在の食品の日付表示制度を公衆衛生的な見地から再検討するために、昨年の十二月に食品の日付表示に関する検討会を設置いたしまして、現在検討を行っているところでございます。 この検討会では、これまでに国内外の日付表示制度に関して御検討いただくとともに、その検討に際しまして、消費者団体を含めました食品関係団体等の関係者の御意見、これを伺ってまいったところでございます。今後、こうした御意見も十分に踏まえつつ、公衆衛生の観点から望ましい日付表示のあり方につきまして御検討を引き続いていただく予定にしているところでございます。
○伊藤(英)分科員 具体的なことで聞きますけれども、輸入ビスケットに輸入日付だけが入っている、すべてなのかどうかちょっとわかりませんが、そういうことがあるようであります。こういうことはありますか。要するに、製造年月日とか賞味期限とかそういうのじゃなくて、輸入日付がという話を聞いた。これは事実ですか。
○柳沢(健)政府委員 輸入食品についてでございますけれども、製造年月日が不明の場合、この場合にあっては輸入年月日の表示、これを求めているところでございます。そして、食品衛生監視等を通じましてその適正な運用に努めているというところでございます。
○伊藤(英)分科員 輸入日付だけですと、これはいつできたのか、いつまで賞味できるのかということはわかりませんね。それでもって食品の安全を確保することは私は難しいんではないかと思いますね。これはどういうふうにこれから考えますか。
○柳沢(健)政府委員 もちろん今、食品衛生監視等を通じて適正な運用を期しているわけでございますけれども、さらに、先ほど申し上げました検討会におきまして輸入年月日表示の問題も含めて御検討いただいているところでございまして、その検討結果を踏まえて、制度の適正な運用の確保に努めてまいりたいと存じます。
○伊藤(英)分科員 次に、水の問題についてお伺いをいたしますけれども、最近、町のスーパーやあるいは自販機で「おいしい水」と表示された瓶や缶に詰めた商品がよく売られております。いわばこういう水というのは最近大変な売れ方をしていますね。御承知のとおりに、実は衆議院の議員会館にも浄水器が配られておりますでしょう。もうこういうものが国会の中でも配られているぐらいでありますから、現在の水に対する意識というのはわかると思うのです。 そこで、まず現在の水道の水に対する国民の苦情はどの程度あるのか、地域別に異なると思いますけれども、特に悪い状況と想定できる首都圏と私の地元の中部圏について伺います。
○藤原(正)政府委員 厚生省では、昭和五十八年度より全国的な異臭味被害調査と呼んでおりますが、水道の水が臭いとか変な味がするとかという人口の割合を調べておるわけでございます。その結果によりますと、その被害人口はここ数年増加の傾向にございまして、平成三年度では全国で約二千万人に及んでおります。十年前と比べますと倍増しておるというような状況でございます。 異臭味被害人口につきましては、首都圏がやはり多いのですが、首都圏では年々拡大傾向にありまして、平成三年度では約七百万人であります。中部圏では幸いにしまして首都圏とか近畿圏に比べまして極めて少ない被害人口でありまして、平成三年度では約二万人という状況でございます。
○伊藤(英)分科員 今言われたように大変な状況ですね。どんどん水に対する苦情も多くなる。最近のにおい、異臭の状況あるいは味の状況等も大変悪くなっておって、その苦情も倍増しておるという状況ですね。私、本当に残念だと思います。世界の中でも日本は水がきれいな、そのまま飲める国として誇りを持っていたんだと思うのですが、どうも最近はそうでもなくなってきたりしていますね。 それで、ことしの二月に水道水源の水質保全に関する有識者懇談会の報告が出されました。私も読んでみましたが、抽象的な表現ながらといいましょうか、いろいろなことが書いてありますけれども、そこに提起されたいろいろな課題についてどういうふうにこれから取り組んでいかれますか。
○藤原(正)政府委員 委員御指摘のように、この二月四日に、都内で設けておりました有識者懇談会が水道水源の保全に関しまして提言をいたしました。この提言は、水質の規制、農薬の使用制限、生活排水の対策、その他もろもろの総合的な対策を提言いたしておるわけでございます。 その対象は、関係する省庁も非常に幅広いというような状況になっておるわけでございますが、厚生省といたしましては、総合的な水質保全の対策の制度が必要ではないかということで、関係省庁の理解と協力のもとに、このような水質保全の制度の実現に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○伊藤(英)分科員 実は今のお話を聞いていますと、もう一つ本当にどういうふうにやるかなというふうに私はやや疑問に思うのですが、時間もほぼなくなりましたので、大臣に最後にお伺いいたします。 現行の水質基準といわゆるおいしい水の要件との間には、結果を見ますと非常に大きな開きがありますね。厚生省はこのギャップをどういうふうに埋めていくんだろうか。そういうことも含めて、先ほどもちょっと話がありましたけれども、これから厚生省はこの水質保全のために、あるいはもっと浄化するためにどういうふうにしてやっていきたいのか、大臣としての決意を伺って、終わります。
○丹羽国務大臣 安全でおいしい水道水を供給するということは大変大きな課題となっております。厚生省では昨年の十二月、水質基準の拡充強化を行いました。さらに、平成五年度のこの予算案におきまして高度浄水処理施設関係、三十四億円ほど計上いたしております。こういったことを一つ一つ積み重ねていく一方、さらに合併処理浄化槽の普及促進、こういうものに今後とも積極的に取り組んでいきたい、このように考えております。 それから、先ほど部長の方に御質問がございましたいわゆる水道水源でありますが、こういうような施策だけではなかなか根っこの部分で、最近は有毒性のいろいろな物質であるとかあるいはゴルフ場の開発であるとか、こういうことがございまして、水道水源の部分の規制というものに取り組んでいかなければならないのではないか、こういうような観点から、先ほど来御説明を申し上げております厚生省内部の有識者懇談会において一定の方向づけを出したわけでございますので、関係省庁と十分に連絡をとりまして、その実現に向けて頑張っていく決意でございます。
○伊藤(英)分科員 ありがとうございました。 終わります。
○大野(功)主査代理 これにて伊藤英成君の質疑は終了いたしました。 次に、大畠章宏君。
○大畠分科員 日本社会党の大畠章宏でございます。地域の中から上がってきている事情をベースとして、何点か御質問をさせていただきたいと思います。 質問に入る前に、私も茨城県出身でありますが、同じ茨城県の出身の丹羽議員が大臣になられたということを、同郷の議員の一人として心からお祝いを申し上げたいと思います。 それでは質問に入らせていただきます。 まず最初に、私のところにいろいろな方から御意見をいただいておるわけでありますが、障害者福祉に一生懸命取り組んでおられるある会の代表の会長さんからのお話を聞く機会がありました。その中で幾つかの御指摘をいただいておりますが、それをベースとしてまず最初にお伺いしたいと思います。 時間が経過しているということでありますから、効率的に御質問させていただきたいと思うのですが、一つは在宅福祉の問題でございます。在宅で懸命にいろいろ介護している介護人の方への慰労金の問題でありますけれども、地方自治体等で、特養入所者との均衡を図る上でも、介護人に対する慰労金を給付している自治体もあると伺っております。こういう問題については、やはり国としてもきちっと何らかの介護人の方の応援をするためにも支援をすべきじゃないかという意見が一つはございます。 それから、もう一つあわせてお伺いしますが、人工透析の障害者の方からは、何とか移植を受けても生きていきたいという悲痛な叫びの訴えを受けている。ところが、なかなか腎臓の提供者があらわれないために、移植が受けられなくて非常に困っているという実態をたくさん見聞きしている、そういう声もいただいているわけでありますが、人工透析障害者のためのいわゆる腎バンク拡充対策等について厚生省として現在どのように進められておるのか、まず最初に伺いたいと思います。
○横尾政府委員 まず、高齢者の介護に当たっている方への手当の問題でございます。 厚生省といたしましては、現に高齢者あるいはその家族が求めておられるのは、まず高齢者にとりましては必要な介護サービスが受けられるようになること、また家族にとっては一時期でありましても介護から離れることができること、あるいは介護をするに当たって適切な介護方法について指導が受けられる、そうしたことが最も求められていると考えておりまして、これは「高齢者保健福祉推進十か年戦略」に基づいて在宅サービスの推進に努めているところでございます。 具体的な金銭給付として手当を支給することについては、いろいろ問題がありまして消極に考えております。
○谷政府委員 腎移植のことにつきましてお答えをさせていただきます。 お話ございましたように、現在人工透析を受けている患者の方は十一万人を超えております。これらの方のうち、腎移植を希望してあるいは腎バンクに登録をされているという方が、昨年の七月現在で一万八千人に上っているわけでございますが、一方、お話ございましたように、現在我が国で実施をされている腎移植というのは、死体腎、生体腎を合わせまして七百件以下でございます。 このような現状にかんがみまして、腎移植、とりわけ善意によります死体腎移植を推進していきたいというふうに私どもも考えております。このための腎移植体制の整備ということをやってきているわけでございますけれども、当面各県に一腎バンクを設置するということを目指して、ドナー登録の募集等を行っているところでございます。また、毎年十月には腎移植推進月間というものを設けまして、全国的な普及啓発活動等を行っております。 さらに、御承知のように、昨年の一月に脳死臨調の答申が出されまして、その中で今後の我が国の臓器移植体制の問題に関連いたしまして、臓器移植のネットワークを検討すべきだという御意見をいただいております。その際には、現行のこの腎移植の移植システムというものを一つのモデルとしつつ、多臓器にわたる移植体制ということを検討しろというような御意見でございます。 もちろん、御承知のように、この臓器移植の問題につきましては、現在国会内の各党の協議会において基本的な問題について御議論をいただいておりますが、私ども厚生省といたしましては、その脳死臨調の意見を踏まえて、臓器移植のネットワークシステムの問題について、昨年の秋以来検討会を設けて検討しております。その中で現行の腎移植システムの見直しということについても御議論をいただいておりますので、腎移植の問題について、そういったようなことを踏まえて今後改善をしていきたいというふうに考えております。
○大畠分科員 介護人に対する支援の問題については、私もよくわかります。県会議員時代もいろいろそういう福祉施設あるいは介護の家庭等にも行った経験がありますし、また身近に聞いています。したがって、国の大きな形としては在宅福祉を重点としていくんだ。ただ、その在宅の方をどう援助していくか、あるいはなるべく介護人の方が精神的にも肉体的にも疲れ果てないようにどういう形の共通したサービスができるか、そういう方法でこれはいいと思うのです。 しかし、総論としてはそうなんですが、実態としては、この介護をするのが大変だといっても、特養ホームがいっぱいでなかなか受けてもらえない、そういう実態も地方の方に生まれてきているのですね。そこで一生懸命頑張っている。頑張っているけれども肉体的にも精神的にも疲れ果ててしまう、そういう実例も出てきているのですね。 だから、ではそういう人をどうするのか。総論のところはわかるけれども、そこのところからはみ出してしまって、今お話がありましたが、そういう思想からはみ出した人はどうするか。せめて金銭等で、ぜひこれでたまにはおいしいものでも食べてくださいとか、あるいはたまには何か楽しんでくださいというので、地方自治体の方でも同じような考えだろうけれども、一つの方法として慰労金を差し上げているという事例もありますので、国としてこういう方針ですから、そういうのを考えておりませんとばっとやるのじゃなくて、まさに地方の実態に合った形で国がどう支援できていけるか。一番地方自治体がその前面にいるわけですから、ぜひそういう問題についても考えて、今後やっていただきたいということを一つはお願いしたいと思います。 それから、腎バンク問題については、今お話がありましたけれども、確かに今脳死の問題等々大変シビアな状況に入ってきています。したがって、それを十分見据えて行動していきたい、これもよくわかります。したがって、今のところは不幸にして死亡された方から移植するということだと思うのですが、その腎バンクを各県に一個ずつつくったということで、今お話があったような形で、既存のせっかくつくった腎バンクをどう活用していくか、お互いに情報交換とか何かをしよう、そういうネットワークもぜひやっていただきたいと思います。 そこで、この方の提案では、透析障害者を救済するために献腎運動の輪を広げるとともに、毎年交通事故で多くの若者がとうとい生命を失っていることはまことに痛々しい限りである。この若者たちの死をむだにしないというのはあれですけれども、その腎臓を提供して透析障害者の生命を救済し、障害者とともに生き続けるということも考えられないのだろうか。免許証の取得時等に、この協力要請等のような形でいろいろやっていただいてはどうかというような提言がございます。 アメリカとかヨーロッパもこういう問題についてはかなり進んでいる実態があると伺っておりますが、この運転免許取得時の腎バンク登録協力依頼等のいわゆる胃バンクの拡充のための対策等について、今どういうふうな形で厚生省として考えておられるのか。これは関係先として警察庁もありますから、警察庁の考えもお伺いしたいと思います。
○谷政府委員 今お話のございました運転免許を取る際の腎バンクへの登録ということでございますが、これにつきましては、私ども平成二年の夏に関係都道府県あるいは関係団体に対しまして、運転免許関係施設窓口に腎臓及び角膜の提供登録申し込みの用紙を置いていただきたいということについてのお願いをいたしております。 その年の八月の末かと記憶しておりますが、警察庁におかれましては「腎臓移植及び角膜移植の普及促進事業に対する協力について」ということ。で、通知を出していただいたというふうに理解をしておりますが、現時点におきまして私どもが把握しておりますのでは、先ほど申しました胃バンク、現在全国で四十一カ所でございますが、そのうち運転免許施設の協力が得られた地域については少なくとも二十四カ所というふうに把握をいたしております。 私どもといたしましては、このようなことは、先生お話ございましたように、腎臓の献腎運動のためにも非常に有益なことだというふうに考えておりますので、引き続きこの実施が図られるよう、また御協力がいただけるようお願いをしていきたいというふうに考えております。
○片山説明員 腎移植の臓器提供の諾否確認欄を運転免許証に設けることについてでございますけれども、これは免許を取り消されたとき、あるいは免許の効力を停止されたときは免許証を返納しなければならないということとされております。したがいまして、取り消し以後あるいは効力の停止期間中には臓器提供の意思確認ができなくなる、こういうふうな問題もございますので、今後とも慎重に検討してまいる所存でございます。
○大畠分科員 そうですね。地方の実例の中でも無理強いがあったという話も伺っていますので、それはもちろん慎重にやっていただきたいと思いますが、慎重にして前進しないということではいけないと思うのですね。したがって、アメリカでは運転免許取得時に自分の意思表示をきちっとカードにしておく、あるいはヨーロッパ等では、免許には何も書いてありませんけれども、拒否のカードがなければ提供に同意しているという意味づけだというところまで来ていると伺っております。 日本の政治の悪いところは、みんな縦割りで、そっちの方はおれ関係ないからということがあるのですが、いろいろ難しい問題かもしれないけれども、厚生省の方とよく話をしながら、これだけモータリゼーションでほとんどの人が今免許証を持っておりまずし、また若者もたくさん持っておりますので、そういうところとの関係を十分考えながら、慎重にしながらもこの方の御提言等が少しでも実現して、そして腎バンク登録の方がふえて、人工透析の障害者の方が少しでも明るい生活ができるように御協力をぜひお願い申し上げたいと思います。 それから、先ほどの実態については、そういうことをやっているところをおっちめるのじゃなくて、実際どうですかと、もっと詳しくその実態をよくとらえる努力をしていただけませんかね。大網をかけて、私は答弁は百点ですと言っただけじゃ、今の答弁のままで地域に適用してもなかなかいかないところがあるのですよ。ですから、ぜひ地方の実態を踏まえてやってくれませんか。
○横尾政府委員 地方における高齢者保健福祉のありようにつきましては、たまたまこの平成五年度は各自治体が福祉計画を立てられる時期に当たっておりますので、その計画の内容を徴するような場合でも、先生おっしゃるようなことについてあわせて聞いてみたいと考えております。
○大畠分科員 この問題はなかなか複雑なところがありますが、頑張って介護している方々がいるから日本のこの福祉制度が成り立つということになっていますので、そういう意味で、ぜひ実態を踏まえて、いい方策をお願いしたいと思います。 次に、先ほど丹羽大臣の答弁の中で合併浄化槽の話が出ておられました。この合併浄化槽の問題についてちょっとお伺いしたいと思います。 各地域、特に山村は今過疎化が進んだり、東京の一極集中が言われていますが、地域社会の中で落としだめ方式のトイレを何とか水洗トイレにしようという動きがたくさんございます。やはりトイレの問題も文化の大変重要な一つだと思いますし、そういう問題からも各地域、特に町村等からの合併浄化槽設置の促進に関する御要望等も私どももたくさん受けているのですが、この合併浄化槽の整備事業、拡充事業の地域ぐるみでの総合対策等の現状と問題点、対策等についてお伺いしたいと思うし、また、つくった場合の維持管理がなかなか大変だというのですね。維持管理が大変なので、これに対する公的助成をしてもらえないかという意見も出ておりますが、あわせてお伺いします。
○藤原(正)政府委員 この合併処理浄化槽の整備事業でございますが、厚生省では昭和六十二年度から補助制度を設けまして、積極的にこの合併処理浄化槽の普及に努めてまいったところでございます。六十二年度のときには国費約一億円ということでございましたが、平成五年度の予算案におきましては百億円を計上しておるところでございまして、このように年々予算額も増額し、普及を進めてきておるところでございます。 合併処理浄化槽の設置整備事業は、平成四年度には約千四百の市町村によりまして実施されておるところでございますが、この事業実施上の課題といたしましては、合併処理浄化槽の整備区域をより積極的に設定し、地域ぐるみで面的な整備を推進するとともに、設置後の適正な維持管理体制を確保していくということが重要な課題でございます。 この維持管理でございますが、法律上は設置者である住民の責任というふうに一応なっております。それで、実際は個々の住民が維持管理の関係業者にやってもらっておるということになりますが、その際に契約をそれぞれ結び、またその都度料金を払うというふうなことでございまして、住民にとって煩わしいといいますか、負担感が大きいのではないかというふうなことは認識いたしております。 このため、市町村によりましては、浄化槽設置者の組織と維持管理の関係業者との間で一括契約を行うなど、組織的な維持管理により住民の負担軽減を図る取り組みが進められておりまして、このような組織に対して市町村が公的な支援を行う場合も見られるところでございます。 厚生省といたしましては、このような維持管理への組織的な取り組みとこれに対する市町村の積極的な支援により、住民の負担感を軽減しつつ浄化槽の適正かつ効率的な維持管理を図ることが重要、このように考えております。
○大畠分科員 この問題も、先ほど申し上げたと同じように、各市町村といいますか、町村が必死に町の活性化といいますか、町づくりに取り組む中での一つの大変重要な問題でもありますし、切実な悩みも抱えていることを聞いておりますので、ぜひ今お話がありましたことをベースにしながら、各地方自治体の実態、要請等を踏まえて積極的に推進していただきたいということを申し上げたいと思います。 次の質問に移りますが、外国人の医療制度についてお伺いしたいと思うのです。時間がなくなってまいりましたのでちょっとはしょりますが、合法的に入国している方の場合と非合法的に入っている方の場合と二つのケースがあると思うのです。合法的に入っている方に対する医療制度等については割と整備されていると伺っているのです。これについてもお伺いしようと思うのですが、時間がありませんので、合法的に入っている方の場合で、なかなかお金がなくて困っているという留学生に対する医療制度はどういうふうになっているのか、文部省の方からお伺いしたいと思います。 それから、非合法的に入ってきておられる外国人の方、私の友人で産婦人科の方がおられるのですが、大変な実態にあるという話も伺っています。そこで、医療機関もなかなか財政的に大変だということで、地方自治体が財政的な支援を開始しているという群馬県での事例等もあります。それから、非合法的に入っている方の何か相談機関を設けるべきじゃないかという意見も出ています。あるいは言葉の問題があるのですね。これは合法非合法を問わず、大きな病院等ではできるだけ言葉がわかる、そういうサービス体制も整えるべきじゃないかという意見も受けているわけでありますが、そこら辺を含めて答弁をお願いしたいと思います。
○瀬田政府委員 総括的に御答弁をさせていただきたいと思いますが、まず、日本国内に適法に居住する者につきましては、内外人平等の原則に基づきまして、国籍を問わず、健康保険とか国民健康保険とかというもので必要な医療が受けられるような仕組みになっております。 それから、先生から特に御指摘をいただきました我が国に不法に滞在する外国人というものにつきましては、御承知のように不法滞在が判明いたしますと、出入国管理及び難民認定法とかというものの規定に基づきまして強制退去等の取り扱いの対象になるということ、また、こういう人たちに対して特に医療保障を行うということは不法滞在を容認、助長するおそれがあるというふうなことから、現時点におきましては、不法滞在を前提とした形で医療保障を行うということは困難だろうというふうに考えております。 しかし、先生御承知のように、医療機関といたしましては、これは正当な理由がなければ患者からの診療の求めを拒んではならないということになっておりまして、いろいろ自治体病院とか赤十字病院とかといったところで医療費が支払えないというふうな人もございまして、非常に医療機関の負担になっているというふうな場合もございます。 そういったことがございますものですから、この点につきましては、不法滞在の外国人の診療費のいわば医療機関に対する未払いによります医療機関の負担につきまして、何らかの形で措置を講ずることができないだろうかということで、現在関係する省庁との間で検討を行っている、こういう実情でございます。 それから、先生御指摘いただきました群馬県、それから神奈川県でもそうでございますが、医療機関に対する未払いの医療費につきまして医療機関等に助成を行う事業というものを検討しておりまして、県議会等で質疑をしているというふうに伺っております。 以上でございます。
○西澤説明員 留学生を受け入れるに当たりまして、留学生が安心して勉強できるような条件を整備するということは重要な課題でございまして、特に万が一病気等にかかりました場合に、安心して治療が受けられるような医療制度が必要になるわけでございまして、このため文部省では、従来から、外国人留学生が日本国内の医療機関で疾病、負傷のために治療を受けました場合に、本人が支払いました医療費につきまして、健康保険法に基づいた算定の八〇%を財団法人の日本国際教育協会を通じて援助する制度を実施してきております。 また、先ほど御答弁がございましたように、昭和六十一年から、一年以上滞在する予定の外国人につきましては国民健康保険制度に加入することができるようになりましたので、これに加入いたしますと、留学生の場合、実質的には六%の自己負担ということで医療のあれを受けることができるようになりまして、この制度への加入につきましても同時に促進しているところでございます。
○大畠分科員 もっと討論したかったのですが、時間がありませんので、最後に丹羽大臣にお伺いしたいのです。 今いろいろお話し申し上げました外国人の医療制度、あるいは障害者の対策法ということでアメリカの方で最近障害者法というのが適用されたということで、町づくりやあるいは住宅問題、交通問題、情報問題なんかも含めて始まったということでありますが、ここら辺を含めて丹羽大臣としてこれからどういう形で進められていこうとしているのかお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○丹羽国務大臣 国連障害者の十年というのが昨年終わりまして、今後の障害者対策のあり方につきましては、先ごろ中央心身障害者対策協議会というところで意見の具申をちょうだいいたしました。この中で障害者の自立と社会参加の促進を一層進めていく、こういうことが強調されたわけでございます。 厚生省といたしましては、これに基づきまして、新たな長期計画というものの策定について今検討中でございますけれども、私はいずれにいたしましても、社会全体で障害者を受け入れていくような環境づくりが大切である。例えば駅やビルの改善を行っていくとか、さらに教育の面であるとかあるいは雇用の面において、いわゆる障害者ゆえに差別を受けないような社会づくりというものが何よりも大切だ、このように考えているような次第でございます。
○大畠分科員 ありがとうございました。
○大野(功)主査代理 これにて大畠章宏君の質疑は終了いたしました。 次に、藤田スミ君。
○藤田(ス)分科員 けさの新聞は、陣痛促進剤の用法・用量の改訂が昨日の薬事審議会で決定されたということが大きく取り上げられております。私は、この陣痛促進剤の問題についてお伺いをしていきたいと思います。 この問題は、最近でこそテレビで取り上げられてきておりまして大きな社会問題になっておりますけれども、もう本当に長い間、陣痛促進剤の乱用で深刻な被害を受けた人たちがつくっている陣痛促進剤による被害を考える会の皆さんによって厚生省交渉が行われたり、真剣な取り組みがなされてまいりました。 私は、今回の改訂はそうした皆さんの熱意があったからだというふうに思っておりますが、この会が独自に調べました陣痛促進剤の被害実態を見てまいりますと、陣痛促進剤に関する調査報告九十三例、その中では陣痛誘発のために六十人、そして陣痛促進のために三十三大使用されておりますけれども、驚くべきことに、その九十三人中の七十四人までが本人に何の説明もされないままに打たれていたということであります。そして、そのために大変大きな被害を受けているのです。例えば被害は、母親の死亡が十四人、子供の死亡が死産も加えましたら三十五人、そして後遺症、脳性麻痺の子供が四十人という数字に上っております。 その使用の理由を調べておりますけれども、お正月にかかるからだとか、あるいはお医者さんが旅行に行くためにという医療側の都合で使用された事例や、自然陣痛だというふうにだまして使用されている事例もあるわけであります。大臣、このような陣痛促進剤の乱用による被害についてどういうふうに受けとめていらっしゃるか、まず明らかにしてください。
○丹羽国務大臣 個々の医療現場において提供されます医療内容につきましては、これは本来私から申し上げるまでもなく、医師の専門的な判断のもとに行われるものでございますけれども、今先生が御指摘があったようないろいろな被害事例があるということは、私も承知をいたしております。 いずれにいたしましても、今般の中央薬事審議会におきまして一定の方向づけがなされたわけでございますけれども、その判断を踏まえまして、陣痛促進剤の適切な使用について今後周知徹底を図っていく決意でございます。
○藤田(ス)分科員 被害を考える会の方はこうおっしゃいました。今回の改訂はまさにこれからの第一歩になった、こういうことなんです。私は、大臣の認識をそういう点では甘いと言わざるを得ません。 この陣痛促進剤の乱用による被害の温床になっているのは、大臣ももう御承知かもしれませんけれども、計画出産であります。私は、今手元に厚生省の人口動態統計を持っておりますので、委員長のお許しをいただければこれを大臣に一部見ていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。 ごらんください。この統計を見ますと、本来、曜日でいけば均等に出産されるべきところが、日曜日の出産が極端に少ないでしょう。また、出産時間についても、もう一つの用紙にありますが、昼間の出産が夜間の出産に比べると一・六八倍、昼の二時と夜の一時を比べますと二・三六倍も昼間の方が多いということになっているのです。明らかに医療側の事情のもとで出産がコントロールされているわけであります。そして、そのコントロールのために欠かせないのが陣痛促進剤でありまして、その使用によって被害が多発しているわけです。 大臣、本来、出産というのは病気ではありません。自然に分娩する力を人間は十分持っているのです。自然分娩がベストという考え方、これを基本にする、そしてそのためにも医療側の体制を確立する、そのことが今厚生省に求められているのではないでしょうか。 〔大野(功)主査代理退席、主査着席〕
○丹羽国務大臣 いわゆる計画分娩につきましては、医療上必要な場合のほか、あるいは医療機関や妊婦の都合で出産日を調整する場合もある、このように承っておりますけれども、今先生が御指摘のあったような、何か医療関係側の都合によって御批判のあるようなことがあるとするならば、これはちょっと許されないことでございます。 いずれにいたしましても、今後日本母性保護医協会でそのあり方につきまして検討してもらいたい、このように考えておる次第であります。
○藤田(ス)分科員 日母であり方を検討されるということですが、私のもう一つの質問は、医療側の体制を確立することが大事ではないか。 私は、助産婦の実態がどうなっているかということを厚生省に調べていただきまして、資料をもらいました。これを見ますと、何と五十歳以上の助産婦さんが四〇%を占めているのです。その中でも六十歳以上が三一・七%。二十代を見ますと二六・四%しかありません。そして、養成所の充足率は八二・五%ですから、本当に若い人が少ないのです。私の知っている助産婦さんももう七十を過ぎておりますけれども、二十四時間勤務をやっている。そういう人もやめさせられないような状態になっているのです。私は、こういうことも含めて産科の医療体制の充実ということを求めているわけでありますが、いかがですか。
○寺松政府委員 先生からの御質問でございますが、産婦人科の病院あるいは病棟の問題もさることながら、全般的に、私ども医療法によりまして各病院は一定以上の人員を配置することになっております。これを標準と呼んでおります。 そこで、今先生、出産の時間的な問題をいろいろお述べになりました。それから曜日についてもお述べになりました。このようなことでございますけれども、これはやはり施設の院長といいますか、その辺でそれに対応します看護体制というものもやっていかなければなりません。 それから、先ほど大臣からお答えがありましたように、先生が御指摘なさっております、あるいは新聞等で御指摘なさっておるように、計画出産は余り望ましいことではないわけでございますから、その辺は大臣のお言葉にもありましたように関係の団体とも十分議論をいたしまして、そして今検討されておると聞いておりますので、その辺で対応していただくようにまたこちらからもお話をしてみたい、このように思います。
○藤田(ス)分科員 私は医療体制の充実の問題についてこれ以上いろいろと言う時間がありませんから、要望だけにとどめます。ぜひとも産科の医療体制の充実、とりわけ助産婦さんの養成、確保という問題については力を入れていただきたいと思うのです。 それから、この問題を日母で検討する、関係諸団体にお任せをして検討するというのは、私は無責任ではないかというふうに思っています。陣痛促進剤の製造量も決して減っていません。この五年間の推移で見ますと、やはりふえているのです。そして、被害もそれに合わせてふえてきています。だから、悠長なことを言っておれないところにあるのではないかというふうに思います。本来、計画出産のために陣痛促進剤を使うことは正当な使い方ではない、認められないはずであります。このことははっきりしてください。さらに、陣痛促進剤の副作用が非常に強い。これは専門用語で皆さんがこのことを強調していらっしゃるので読み上げます。 この薬剤に対する子宮筋の感受性は個人差が大きく、少量でも過強陣痛になる症例がある。過強陣痛や強直性子宮収縮により胎児死亡、頚管裂傷、子宮破裂、羊水塞栓等を起こす可能性がある。過強陣痛等は点滴開始直後に起こることが多いので、特に注意が必要である。 みずからそういう副作用を認めていらっしゃるではありませんか。そして、大学病院でも、医療サイドの都合による計画分娩はできるだけ避けるべきである、分娩は自然が一番よいと原則的には考えているというような考えを表明しているところもあるわけであります。ならば、陣痛促進剤は母体の安全や胎児の安全の確保以外、つまり医学的適用以外は、計画出産に使用することはもう認めない、自然分娩を基本とする、そういうきっぱりとした厚生省の考えを打ち立てていただいて、産婦人科医を指導するべきであります。このような深刻な医療事故を極力なくしていくためにも、私は今そのことが欠かせない施策であるというふうに考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○丹羽国務大臣 先ほど申し上げましたように、基本的には、私もよくわかりませんけれども、自然分娩が望ましい、こういうふうに考えておりますけれども、医療上の都合によりましてこういうようなことが行われておるということも事実のようでございます。 ただ、医療機関が、先ほど局長の方からもお話がございましたけれども、いわゆる産婦人科医というのは、どちらかというと個人開業的な病院が実際問題としては多いわけでございますし、また助産婦さんにおいてもそういうようなことが多いというふうに聞いておるわけでございますので、その辺のところも含めまして、今後のいわゆる出産のあり方、いわゆる病棟のあり方、こういうものもあわせて検討していかなければならない、このように考えているような次第であります。
○藤田(ス)分科員 大臣の今おっしゃっていらっしゃることは、そういうふうにぜひ考えてお取り組みを進めていただきたいというふうには私は思っています。 しかし、もともと人は母子とも安全を求めて医療を頼りに入院するわけでしょう。ところが、そこが医療施設のいろいろな事情で計画出産だということで、つまり、前日に産ませてしまおうとか日勤の間に産ませてしまおうとかいうことで、陣痛促進剤という副作用の強い薬を使われて、そして母子とも死んでしまう。子供が死ぬ、親が死ぬ、こんな悲劇はないじゃありませんか。だから被害を考える会の皆さんは、自分の悲しみはもう自分で十分だ、同じその悲しみをもうだれにも味わわせたくないということで、計画出産などということでこの陣痛促進剤を医学的適用以外に使用するな、どうぞ厚生省はそういうふうな指導をしてほしい、そういうことを求めているんです。 私も子供を一人失っていますから、このお母さんの悲しみが痛いほどわかります。どうぞ大臣の在任中に、ひとつこの産婦人科医の皆さんに厚生省からぜひそういうことをきっぱりと言っていただきたいのです。
○丹羽国務大臣 先ほどから申し上げておるわけでございますけれども、関係団体あるいはよく実情を調査した上で、ひとつそういうような被害者があってはならない、こういうような基本的な認識のもとに取り組んでいきたい、このように考えております。
○藤田(ス)分科員 大臣のそのお言葉が一刻も早く前進していくように、心から期待をしておきたいと思います。 それでは次の問題に移ります。 五日制の土曜休日の児童の過ごし方について、文部省に来ていただいていると思いますが、地域での活動が基本で、学校開放は過渡的措置として、その条件整備のために各省庁への協力を要請されているところであります。特に養護学校等の障害児が地域で活動するには、設備、指導員の配置など多くの対策が必要であることは言うまでもありません。文部省は昨年九月から半年の全国実施状況を踏まえ、厚生省にどのような対策を求めていらっしゃるのか、また、厚生省はそれを受けでどのような対策を進めていらっしゃるのか、明らかにしてください。
○霜鳥説明員 先生お尋ねの学校週五日制の問題でございますが、これを導入するに当たりましては、学校教育の改善ということのみならず、家庭とかあるいは地域社会において子供たちが望ましい生活ができるように条件整備を進めていく必要があるということから、平成四年九月から実施をしたわけでございますが、それに先立ちます平成四年三月に、各省庁に対しまして私ども官房長名で必要に応じて御協力をお願いする旨、文書で依頼しておるところでございます。 また、特に私ども関係の深い厚生省につきましては、個別にも協力を依頼いたしておりまして、今後とも必要に応じまして各省庁に御協力をお願いしたいというふうに考えております。
○清水(康)政府委員 厚生省といたしましては、昨年九月から毎月第二土曜日を休業とするいわゆる学校の週五日制の実施に伴いまして、小中学生の自由時間が増大することになるわけでございますので、その自由時間を活用いたしまして、さまざまな遊びや文化活動の体験を積み重ねていくというふうなことが児童の健全育成という見地からも大変重要であるというふうに認識しているわけでございます。 私どもは、従来から児童館、児童センターの整備もしておりますし、また、放課後児童対策ということもやっております。母親クラブ等の活動の助成もしておりますが、特に重要性にかんがみまして、平成五年度の予算案におきまして、学校の週五日制に対応して、児童館の休館日を利用していろいろ親子のグループ交流等ができますよう、児童館地域活動促進事業といったようなものを新たに予算に計上しているところでございます。これからも文部省とも十分連絡をとりながら、自由時間を活用した創造的な遊び、文化活動というものが推進されますよう努力してまいりたいと思います。
○藤田(ス)分科員 具体的な問題で文部省にお伺いいたします。 私の地元の養護学校では、学校開放でこの土曜日の休日を過ごすというやり方をとっておりますけれども、だんだん子供の人気がなくなって、もう皆目子供が学校にやってこないということになっているわけです。 そこで、先生方とそれから父母とが協力をし合って、学校開放は学校開放としながら、なおその周辺六カ所で自主的な取り組みをやっていらっしゃるわけですが、その中には会場費が必要な場所もあります。ところが、会場費の援助もなければ、もちろんボランティアの援助もありません。文部省の考えとしては、その五日制の休日に使用される場所というのは、学校開放だけではなく地域にも広く出かけていく、つまり、学校外活動にも援助をするという考え方を持っていらっしゃるのかどうか。こういう場合、その周辺で行われている養護学校の子供たちの学校外活動についての援助はどうなっているのか、聞かせてください。
○霜鳥説明員 お尋ねの学校五日制の具体的な場合でございますが、私ども基本的には、盲聾養護学校におきましても、そういう児童生徒につきまして、休みとなります土曜日について家庭あるいは地域社会において主体的に生活をするということが基本になろうかというふうに考えてございます。 しかしながら、それが困難な子供たちもいるわけでございまして、とりあえず、まずは学校が中心となりまして、当面必要に応じて遊びとかスポーツ、文化活動といったようなことを学校あるいは地域社会において行っていくことが必要であると考えております。そのため、地方交付税で指導員の謝金あるいはスクールバスの運行、推進のための委員会の設置などといったものに必要な経費を措置してございます。 また、休業日となります土曜日の活動でございますが、私どもとしては、地域社会における心身障害児と地域の人々との交流機会を充実するということから、各教育委員会を指導もしておるところでございます。これらの活動というのは、障害児の社会自立ということだけじゃなくて、心身障害児理解の推進にも資するものだというふうに考えてございます。 したがいまして、お尋ねの学校以外の場所ということでございますが、基本的には、教育委員会あるいは学校と御相談いただいて措置するということは可能なものというふうに考えております。今後とも適切な対応措置が行われますよう、意を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
○藤田(ス)分科員 障害児の場合、この問題で受け入れ先が極めて狭いというところに大きな問題がございます。 厚生省、先ほど児童館についてもお触れになりましたけれども、もともと児童館というのは子供をケアしていくという思想がないために、障害児の受け入れ先になりにくい、そういう厳しさがあります。児童館についても、この子供をケアするという考え方の転換が時代の要請になってきているのじゃないかというふうに考えるわけです。 さらに、その現実的な受け入れ先の一つになり得るのが、何といっても学童保育、皆さんが今学童クラブとおっしゃいましたが、この学童保育であります。この学童保育についても、今はその運営に当たって親の物心両面の負担が大きいなど大変な状況に置かれておりまして、その強化が不可欠であります。そのために、放課後児童対策事業の補助の抜本的な増額を私は求めたいと思いますし、何よりも、今自主的に障害児を受け入れていこうということを決めた学童に対するこの補助の加算が必要なことは言うまでもありません。この点についていかがお考えでしょうか。 さらに、学童が自主的に障害児受け入れのために指導員の養成を求めた場合には、公費による指導員の養成ができるようにしていくべきではないでしょうか。お答えください。
○清水(康)政府委員 先ほど文部省の方からもお答えがあったわけでございますが、私どもは、学校週五日制における養護学校等の児童の適正な対応ということにつきましては、基本的には交付税措置などをもって自治体を文部省の方で御指導いただいておるところでありますので、その実績に注目していきたいというふうに思っております。 もとより私どもでやっております放課後児童対策その他につきましては、特に障害を有する児童は参加することができないというふうな制限はないわけでございますけれども、現在は大体二十名程度の単位で、そして、その二十名の単位について指導職員一人という配置になっておりまして、この職員の配置を加配して対応していくという考え方もあるかと思いますが、私どもは現在のところ、平成五年度、今回お願いしております予算ベースで三千九百二十カ所と、前年に比べまして約五百弱くらいふやしておりますし、予算額も十四億ということで、前年の十二億に対して一億八千万、十数%のアップをしておりますので、それなりに努力をしているつもりでございますが、全国の実施市町村数ということからいいますと、まだまだ少ないという認識に立っておりますので、当面は職員の加配云々ということよりも、まず実施市町村数をふやす、実施箇所をふやしていくということに努力をしたいと思います。 また、指導員の方々につきましては、軽度の障害を持つ児童の方々の処遇に関して、十分対応できるように研修が必要だというふうに考えておりまして、平成五年度から児童クラブ指導者研修事業というものをメニュー事業の一つに加えておりますので、この中で十分必要な対応を図っていきたいと考えているわけでございます。
○藤田(ス)分科員 やはりあなた方は実態を十分御存じないんですよ。そんなこと言っていられな。いような実態なんです。私はぜひ実態をもっと調べるべきだというふうに思います。障害児加算の問題についてもぜひ御検討ください。 待てない需要という言葉を大臣、御存じですか。子供は待てないのです。働くお母さんは放課後の生活、そしてまた週五日制の導入による不安、そういう中で、もう仕事もやめようかというような悩みを持ちながら頑張っているわけですけれども、子供は待てないのです。だから、私は厚生省が今学童クラブに力を入れてくださることは評価しています。しかし、やはりこれは法的に制度化して、本当に腰を据えて厚生省が取り組んでいただきたい、そのことを心から願わずにはいられません。 時間がありませんので、最後にもう一問聞きながら、最後に大臣の御答弁を求めていきたいと思います。 昨年の予算委員会の総括質疑で、私は砒素を含むCCA処理材、このCCA処理木材の廃棄物処理について質問をいたしました。そのことによって、これまで野放しの状態にされていたこのCCA処理材の廃棄物処理を産業廃棄物扱いにしていただきました。ところが、このほど砒素の毒性評価が何と五倍も厳しくなりまして、これは国際的にも厳しくなりまして、厚生省の水質基準の変更も行われるというふうになりました。そういうような状態の中で、これまで以上に厳しい取り扱いにしていかなければならないCCA処理材であります。ぜひとも特別廃棄物扱いにするべきだというふうに考えますが、御答弁を求めたいと思います。
○丹羽国務大臣 ただいま先生から御指摘がございましたように、CCA処理木材を焼却することによりまして生じます燃え殻であるとかあるいはばいじんにつきましては、昨年の廃棄物処理法の改正におきまして、有害なものについては特別管理産業廃棄物として指定をいたしました。厳しい処理基準を課しているところでございます。 今御質問がございましたCCA処理木材そのものについては、これを含めまして、バーゼル条約の規制対象廃棄物について現在順次調査検討をいたしておるところでございます。その結果を見まして特別管理廃棄物に指定するかどうか検討したい、このように考えております。
○藤田(ス)分科員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。
○粟屋主査 これにて藤田スミ君の質疑は終了いたしました。 次に、北側一雄君。
○北側分科員 公明党の北側一雄でございます。 まず最初に、在日外国人障害者の方と障害基礎年金の受給資格の問題についてお聞きをいたしたいと思っております。 昭和五十七年に、難民条約の発効に伴いまして国民年金法も一部改正されました。国籍要件が撤廃されたわけでございます。在日外国人の方も国民年金に加入できるようになったわけでございます。ところが、昭和五十七年一月一日現在満二十歳に到達し、かつ障害認定日が同日以前の在日外国人障害者の方については、障害基礎年金が支給されておらないわけでございます。 厚生省の方は受給資格がないと言うわけでございますが、その理由というのは、国民年金に加入していなかった時点での障害を取り上げて年金支給というのはできないんだ、その一点に尽きるのじゃないかというふうに思います。しかし、私はその理由は少なくとも、大臣、ここをぜひ聞いていただきたいのですが、永住権を取得されている在日韓国・朝鮮人のような方には全く妥当しないというふうに考えます。 彼らが日本に定住するようになった歴史的経緯につきましては、もうよく御承知のことと思いますので詳しくはお話ししませんが、かつて日本の国籍を有した方々とその子孫であります。それが戦後の一九五二年、昭和二十七年にサンフランシスコ条約発効によって、本人の意思にかかわらず一方的に日本国籍が失われた方々でございます。日本人と同様の我が国への定住性を有しておりますし、その中には現在日本に帰化された方々もおられます。彼らは昭和五十七年までは、国民年金に加入したくとも、サ条約と年金法の国籍条項のため法的に加入できなかった。国民年金に加入しなかった時点での障害ではなくて、加入したくてもできなかった時点での障害でございます。 在日韓国・朝鮮人の方の有する歴史的経緯とかその定住性からして、日本でより安定した生活を営めるようにするのは、一昨年の日韓覚書にもあるとおりでございまして、日本政府としてもそのようにしていくのは当然の責務であると考えます。可能な限り日本人に準じた法的地位と待遇にしなければならない。昭和五十七年、一九八二年ですが、この一月一日現在満二十歳に到達し、かつ障害認定日が同日以前の在日韓国・朝鮮人の障害者の方についても私は障害基礎年金が支給されるべきと考えますが、大臣、御答弁をお願いいたします。
○丹羽国務大臣 先生御案内のように、公的年金制度は、一定の保険料を拠出した者に対して老齢、障害等の保険事故に該当した場合に給付を行ういわゆる社会保険方式をとっております。国民年金に加入せず、保険料を納付していなかった者に対しては給付を行わない、これがまず一番の基本でございます。 そういう観点で、ただいま御主張がございました社会保険方式をとっている年金制度において、その時点で既に障害であった在日韓国人の方について障害基礎年金を支給するということは極めて困難でございます。
○北側分科員 一般論ではなくて、在日韓国・朝鮮人のような永住権を取得されておられる、またその歴史的経緯を持っておられるような方々についての質問を私はさせていただいているわけなんですね。 大臣、今、在日の第一世代の方はお幾つになられていると思われるでしょうか。多くの方は、戦前の昭和十四年から二十年ぐらいにいわゆる強制連行されてきた人が第一世代の方には多いわけでございます。それからもう今は五十年前後だっているわけでございまして、当時二十歳の人も今はもう七十歳になっているわけでございます。 また、在日の方で戦後生まれの人が今やもう七割以上を占めている。日本で生まれて、日本で教育されて、日本で定住し、日本の社会で日本の社会の一員として、日本人と全く同様の役割を果たしている方が在日韓国・朝鮮人の方々でございます。こうした方々が昭和五十七年より前に障害に遭ったという一点だけで障害年金の支給ができないというのは、私は全くおかしい、法の不備である、そのように思いますが、いかがですか。
○山口(剛)政府委員 先生、経緯も含めてすべて御存じの上での御要請だと思いますけれども、在日韓国人の方々について、その歴史上の経緯に基づく特別な事情があるということは私どもも理解はできるわけですけれども、大臣からも申し上げましたように、国民年金という制度は社会保険制度に基づく一般的な社会保障制度でございますので、特定の方々だけにこの年金制度で社会保険の原則を崩して対応をするということはまことに困難な問題でございますので、御理解をいただきたいと存じます。
○北側分科員 その保険の理屈、要するに保険料拠出の時点で事故に遭い、障害に遭ったというものでないと年金給付というのはできないのですよとおっしゃっているわけなんですね。それはわかるのですが、これらの方々はもともと日本国籍を有しておられたわけなんですね。また、その方々の子孫なわけなんですよ。その後、サンフランシスコ条約で国籍が本人の意思にかかわらずなくなってしまう。そして、保険に加入しようともできなかったわけですよ、現実には。その後に、昭和五十七年に国籍条項がなくなる。五十七年以前に障害に遭ったかどうかというふうなその一点だけで区別されるというのは、非常に私はこの場合には理解できないというふうに思うわけなんです。 それで、ちょっと観点を変えて質問させていただきたいと思うのですけれども、大臣、保険の理屈は理屈として、現場では物すごくこういう要請というのは強いわけなんです。そこで、この国民年金、障害年金が給付されない人、すなわち昭和五十七年一月一日現在満二十歳に到達し、かつ障害認定日が同日以前の在日外国人障害者の方について、年金給付ではなくて、現在給付金支給事業というのを行っている幾つかの地方自治体があるのですね。厚生省の方でこれまでこういう給付金支給事業をやっている自治体、またこの新年度、平成五年度からやろうとしている自治体について掌握をされているでしょうか。
○山口(剛)政府委員 先生御指摘がございましたような趣旨で、幾つかの市等でそういった支給制度が存在をするということも私どもは承知をいたしております。 それから、一部ではございますけれども、特に大阪府下の市町村におきましては、五年度にそういった方向で物事を考えている市町村が幾つかあるということについても、私どもなりに状況は把握をいたしております。
○北側分科員 幾つかあるじゃないのですよ。大臣、ちょっとここを聞いていただきたいのですが、まず、既に実施しているのが神戸市なんです。神戸市、高知市、高槻市。神戸市は九一年からやっています。去年からやっていますのが大阪市、それから八尾市、池田市、東京都葛飾区。これだけ、私の知っている限りでは、この六市、それから一特別区が今既にこの事業をやっているのですね。九三年度から、私が知っている範囲です。ですから、これだけじゃないのかもしれませんけれども、京都市は新年度、この四月からスタートしようとしているのです。それから名古屋市、大津市、そして大阪府下の市町村。 今局長の方からは幾つかというふうにおっしゃったけれども、幾つかじゃないのです。全市町村がやろうとしているのですよ。全市町村いったら、今まで既に大阪市、高槻市、八尾市、池田市が実施している。それ以外の二十九市十町一村、合計大阪府下の三十三市十町一村がすべてこの外国人障害者給付金支給事業を新年度からやろうとしているわけなんですよ。ここまで地方自治体で、障害基礎年金の受給資格がないと言われている在日の外国人の方々のために給付金支給事業をやろうというふうにしているわけなんです。こういう状況を厚生省はどう見られているのか。 私は、こうした外国人の障害者給付金支給事業を行っている地方自治体に対して、厚生省はこの事業を助成していくことを考えるべきじゃないか、ぜひそうしていただきたいというふうに思うわけなんです。これはおる意味では一種の法の不備だと私は思っております。せっかく地方自治体でこのような盛り上がりが来ておりますので、私はぜひ大臣の前向きな御答弁をお願い申し上げます。
○丹羽国務大臣 地方自治体がそれぞれの独自の判断で在日外国人に対しまして手当てを支給していらっしゃる、こういうことでございますが、これはあくまでも公的年金制度とは別なものでありまして、年金制度というのは、先ほどから御説明申し上げておりますように、社会保険方式に基づくものでございます。それぞれが実施しておるわけでございまして、これについては各自治体の独自の判断でありまして、私どもは給付金の支給事業に対して助成する考えは持っておりません。 しかし、私どもは、いわゆる障害を有する者に対していかにして福祉の充実を図っていくか、こういう考え方に立っておるわけでございますので、厚生行政にとってこの障害者問題というのは大変大きな重要な柱である、このような観点から、今後障害者対策というものに積極的に取り組んでいきたい、このように考えておる次第であります。
○北側分科員 これだけ地方自治体の方々が、この昭和五十七年一月一日以前に障害に遭われた在日外国人の方々について、現場で要請が強くて、給付金の支給事業をやっていこうとしているわけですね。それについてどう御認識されておられるのですか。これは厚生省とは全く関係ないことだ、地方自治体が勝手にやっていることだというふうに御理解されておられるわけですか。今のこの国民年金法の法の不備の部分を地方自治体が補おうとしてやっていることじゃないですか。それに対して助成する意思が全くないなんというのは、私はとても理解できません。どうですか。
○山口(剛)政府委員 大臣から申し上げましたように、先生は年金制度の不備ということをおっしゃいますけれども、地方自治体の独自の判断でそういう方々に手を差し伸べるということでございますので、それは私どもも一定の理解はするわけでございます。 それを私どもが積極的に現時点で助成するというようなことにつきましては、先生とは公的年金のあり方ということで見解を異にいたしますけれども、公的年金の社会保険の方式で救えない部分をそういう形で救済している自治体に対して特別の助成をするということは、少なくとも現時点では考えられないことでございます。御理解をいただきたいと思います。
○北側分科員 いや、私は納得できないですね。この問題については前にも委員会で取り上げられているのですね。当時、下条大臣のときですけれども、そのときも下条大臣の方からは、「そのようなお体の悪い方に対してこのまま放置するわけにはまいりませんので、今後国としてもしかるべき福祉の面において適切な措置を講ずるように努力をしてまいりたいこそのような答弁を当時の厚生大臣はされているのですよ。 大臣、聞いてください。その後、今言っているように、多くの地方自治体でやろうとしているわけなんです。それについて何ら調査検討もせずに助成しないなんというのは非常に問題である、現状を認識されておられない、そのように私は思いますが、大臣、いかがですか。
○丹羽国務大臣 御案内のように、地方自治体というのはそれぞれ独立というものが尊重されておるわけでございます。こういった分野、例えば、先生御案内だと思いますけれども、乳幼児医療についても無料化を行っております市町村などがあるわけでございまして、私どもといたしましては、そのような一つと受けとめておるような次第であります。
○北側分科員 その一つと受けとめて、これは厚生省があくまでやるべきお仕事の、お仕事というか管轄の業務の中の一つだと思うのです。福祉の問題ですから、一つなわけです。それに対して地方自治体が、昭和五十七年以前に障害に遭われた在日外国人障害者についても、年金給付が受けられないのであれば、別の給付金支給事業をやっていこうじゃないかということでこのように出てきているわけです。 今こうやって、特に関西を中心とした市で、市町村でやっていこうというふうになっているわけですから、ぜひ一遍調査をしていただいて、一体何人ぐらいの方がおられるのか、それによって予算も全然違ってくるわけですから、きちんと調査をなされて、そして市町村の御意見もよく聞かれて、その上で判断されても遅くはないのじゃないかな、私はそのように思いますが、いかがですか。大臣、御答弁いただけませんか。
○丹羽国務大臣 公的年金制度の根幹そのものを揺るがすようなことについては、私は、先ほどから申し上げておりますように、御理解を賜りたい。 ただ、先生が幾つかの市町村で、市でございますか、こういうようないわゆる手当てを行っておるということで挙げていただいたわけでございますので、そのことについて一度お話を承りたい、そう思っております。
○北側分科員 平成五年度、新年度からスタートする市町村が大変多いですので、新事業をやるわけですね。その辺の、一体どういうニーズがあったのか、市町村としてはどういう判断をしたのか、一体どれくらいの予算規模なのか、そういうものをぜひ調査していただきまして、ぜひもう一遍検討をお願いしたいと思います。大臣一言だけ答弁をお願いできますか。
○丹羽国務大臣 調査はしたいと思っております。
○北側分科員 ありがとうございます。また別の機会でこの問題については質問させていただきたいと思っております。 次に、テーマが変わるわけですが、難病の問題について、難病対策について幾つか御質問をさせていただきたいと思います。 難病対策要綱で言う難病について、その対策の柱の一つに調査研究の推進というのがございます。きのうの報道で、ALS、筋萎縮性側索硬化症、通称ルー・ゲーリッグ病というのですけれども、アメリカの研究グループがその原因について、SOD遺伝子の異常と関係しているとの研究結果が発表されたという報道があったのです。 こうした原因不明の難病につきまして調査研究し、原因を究明していくというのは、私は極めて重要なことであると思います。患者の方やその家族にとりましてももちろん重要なことなわけでございますが、もっと大きく言えば、医療分野における国際社会での我が国の役割という大きな視点に立って考えてみても、こうした難病の調査研究の持つ意味は非常に大きいと思うのです。 ところが、我が国では、この難病として三十四特定疾患が指定され、そしてその調査研究がなされているのですけれども、その予算額が昭和五十四年から本年度までずっと十二億円台、特に昭和五十八年から十年間ずっと十二億八千七百五十万円と、全く同じ金額なんです。これは一体どういうことなのかなと私は思うのです。難病の調査研究の重要性からすれば、もっと予算をふやして、この調査研究に力を入れるべきではないか。これは厚生省に言うよりも大蔵省に言うべきことなのかもしれませんが、私はそう思います。大臣、いかがでしょうか。
○谷政府委員 ただいま先生おっしゃいました難病についての対策でございますが、難病対策要綱に基づきまして調査研究等の総合的な対策を実施をしております。 この研究につきましては、御承知のように、今お示しございましたように、いわゆる調査研究事業、それからもう一つは、その研究成果に基づきまして診断基準等が確立をされた疾患を対象にした医療費の負担を行います治療研究事業、この二つの事業を推進をしているわけでございます。 今お話のございました調査研究事業につきましては、現在四十三の研究班を設けてやっているわけでございますが、内容としては、原因の究明あるいは治療方法の確立等を主たる目的としております。それぞれの班につきましては、大体二、三年ごとに専門家の集まりであります難病対策懇談会におきまして評価を行って、研究の重点課題あるいは研究の方向、あるいは研究の課題等について見直しをしてやってきているわけでございます。この調査研究事業の成果として、先ほど申しましたような、ある程度の成果が出たものについて今度は治療研究事業の対象として追加をしていくということでございます。 したがいまして、難病対策全体としては、毎年予算をふやしてやってきているというふうに考えております。
○北側分科員 時間がありませんので次に行きますが、私は、ぜひこの調査研究にもっともっと力を入れていただきたいというふうにお願いいたします。 そこで、特にALSという難病について、このALSのような進行性の神経疾患に対する対策についてお聞きをします。 ALSというのは、もう大臣御存じかと思いますが、原因不明、治療方法未確立の難病でございまして、実を言いますと、私の高校時代からの同級生、親友なのですけれども、ちょうど一年前にこのALSで死亡いたしました。まだ四十歳でして、前途有望な弁護士だったのですけれども、私は彼の発病から約二年間、彼の闘病生活の一端を見てまいりました。本当にこの難病の原因究明と治療方法の開発というのが早くなされてもらいたいということを願っておるわけなのです。 私は外から見ていただけでございますけれども、その介護・看護、本当にその大変さは筆舌に尽くしがたいものでございました。進行性の神経疾患ですから、徐々に筋肉の萎縮が進んでまいります。私の友人の場合は下半身から上半身へ移ってきたのです。発病当初はつえをついて歩けたのですけれども、ついには自力で動けなくなりまして、最後は呼吸をすることも大変になって、ちょうど一年前に亡くなったわけでございます。 まとめて御質問させていただきますが、一つは、病院側の受け入れやすいような条件整備というものを私はぜひ考えていただきたいということなんですね。具体的に言いますと診療報酬体系の問題なんですが、入院時医学管理料というのがございます。入院時医学管理料がだんだん減っていくんですね。入院後一年半以降は入院時の五分の一以下に減る。具体的には五百二十一点が九十六点になるんですね。ところが、ALSというのは進行性の難病ですから、時間がたてばたっほど逆に病院の負担というのは大変になってくるわけでございます。だから、このような進行性の神経疾患、ALSのような神経疾患についてはむしろ特別の措置を考えるべきじゃないか、そのように思います。医学管理料が下がらないような特例措置を考えるべきじゃないか。 また、看護婦さんの負担が入院した場合非常に大きいわけなんですね。この看護料というものも、やはりこの種の進行性の疾患の場合には別途検討すべきじゃないか。 さらに、介護が本当に大変でございまして、今介護料の負担については治療研究費から出ておらないわけですね。こういう介護料の負担についても国から何らかの支援というのを検討すべきじゃないか。また、在宅で治療をされている方、在宅で療養をされている方が多いのですけれども、在宅介護の場合、家族の方がもう二十四時間で介護をされております。この在宅介護についても、例えば二十四時間の介護を要するような家庭にあっては、家族だけで手が足りずに介護人を雇わなければいけないのですけれども、その費用を公的に助成するとか、そうしたことを検討すべきじゃないのかなというふうに、私は、その二年間の彼の闘病生活を見ておりまして、本当に痛感をいたした次第でございます。大臣、いかがでしょうか。
○古川政府委員 御指摘の問題については、入院に関する診療報酬のうちでの入院時医学管理料の問題でございまして、これは御指摘のように入院期間により逓減制をとっている、これが難病の方々に関しまして適切ではないのじゃないか、こういう御指摘だと思います。 この逓減制の趣旨は、一般的に申し上げますと、入院時には患者の容体が安定していないこと、あるいは病名の診断が確定していないというようなこと等によって、密度の濃い医学管理が必要とされることが多いというようなことから、早期に手厚い評価を行って、入院期間が長期になるに従って点数を低く設定した、一般的に言えばそういうことでございます。 この入院時医学管理料につきましては、これは診療報酬のあり方の問題でございますが、病院における医師の配置など、病院を全体として評価するというような性格が強いものであるということと、もう一つは、難病にもいろいろございまして、多種多様の疾病が存するというようなことで、疾病ことに特別の点数を設定するということは非常に困難である、こういったことでございますので、御理解を賜りたいと思います。 ただ、申し上げますように、難病の患者の方々に限りませず、長期入院を要する方々が必要な療養の給付を受けるということは、私ども当然のことだと思っております。ここで申し上げておりますのは、療養の給付という形で費用をお支払いする診療報酬のあり方としてこういう仕組みをとっているということでございまして、私ども、医師がこういった方々、難病等の患者さんに対しまして必要な医療を提供しないというようなことがあってはならない、こういうふうに考えておりまして、厚生省としては、今後ともこの難病等の患者さん方に対しまして適切な医療の提供が確保されるように努めてまいりたい。 こういうことで、診療報酬上のあり方としてのことでございますので御理解を賜りたい、こう思うわけでございます。
○北側分科員 介護の問題は。
○谷政府委員 今お話のございましたALS等を初めとします難病患者の介護負担の問題、あるいはケアの問題かと思います。 難病対策事業の一環といたしまして、難病の患者さんを対象といたしました難病患者の医療相談事業、それから難病患者さんを対象にしました訪問指導、訪問診療というようなことをやっております。その中で、日常環境等の改善についてのアドバイスですとかあるいは治療介護上のアドバイス等も、主治医あるいは看護婦、ケースワーカー等がやるというような事業を始めております。 私どもとしては、今後ともこういったような事業の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
○北側分科員 大臣もぜひ御答弁を。
○丹羽国務大臣 実は私の友人も、私と同年輩で、この間知ったのですけれども、半年前にやはりALSで亡くなりまして、大変私もショックを受けておるわけであります。 いろいろな難しい問題、介護等を含めましてございますけれども、この難病患者さんの置かれた気の毒な状態というものを十分に踏まえながら、今後ひとつ対策について検討していきたいと思っております。 それから、今度の国会で、いわゆるエイズであるとか難病などを中心として、もっと国が積極的に全面的に支援していこうではないかということで、オーファンドラッグの法案というものを提出しておるわけでございますので、先生も十分御理解を賜りたいと思っております。
○粟屋主査 これにて北側一雄君の質疑は終了いたしました。 次に、吉岡賢治君。
○吉岡分科員 平成四年十一月二十六日、防衛庁の厚生施設、防衛庁共済組合の直営であるグランドヒル市ヶ谷に宿泊をしていた長崎県大村市教育次長である和田正昭さん、当時五十七歳でございますが、この方が死亡された事件について質問をしたいと思います。 概要についてでございますけれども、簡単に申し上げます。グランドヒル市ヶ谷、その二十六日の晩の当直長斉藤さん、そして当直者相馬さん、白水さん、この方が牛込警察署に出された報告書であります。 十一月二十六日二十時三十分、男子トイレに和田正昭氏が倒れていると宿泊者、第一発見者竹島さんから通報があり発見をし、部屋へ連れていった。十一月二十七日零時二十分、今度は本人が廊下に座っているのを長谷川さんという宿泊客が通報し発見、そして部屋に連れていき休ませ、ただこのときには脱ぷんをしていたと書いてあります。それで朝六時、容体が変で口から血を流していたことを発見しております。六時五十分、救急車要請、それから七時十分、東京女子医大に急行、それから九時二十五分、牛込警察署が介入、当人は二十八日に亡くなられたわけであります。簡単にこう申し上げます。 もう一つ、ここに死体検案書というものがございます。これは東京都監察医務院監察医木村寿子さんが書かれた和田正昭さんの検案書であります。それによりますと、「後頭部のやや右に鶏卵大の皮膚変色巣を伴い大字縫合の離開を示す大後頭孔縁より右頭頂骨・側頭骨にいたる骨折」、二つ目に「約百ミリリットルの急性硬膜下出血を伴い両側前頭葉及び側頭葉にみられた挫傷、脳の軽度の腫大」「随伴性外傷性くも膜下出血」、こういうことも書かれているわけでございます。 先ほど、私は第一分科会で本件について質問をしてまいりました。そういう中で、ひとつぜひお聞きしたいわけでありますが、御案内のとおり、このグランドヒル市ヶ谷は防衛庁の共済組合の直轄されております公的宿泊施設であります。厚生省にお聞きしましたところが、これは旅館業法の範疇だというふうに承っているわけでございます。 私がここで最初にお聞きしたいことは、この方が普通、一般的でも結構でございますけれども、要するにその宿泊所にチェックインするという一つの契約行為でありますから、そしてチェックアウトするまで、この間にいろいろなことがあったといたしましても、安全配慮義務というものが生ずる、う思うわけであります。 確かに、旅館業法によりますと、公衆衛生上の問題であるとか火災のときにどうのこうのであるとか、そういうことが書かれておりますが、配慮義務については当然宿泊施設として営業をされる場合にはつくものだ、このように私は考えるわけでございますが、まず厚生省のお考えをお聞きしたいと思います。
○柳沢(健)政府委員 御指摘の市ヶ谷会館、グランドヒル市ヶ谷での死亡事故につきましては、まことに不幸な出来事であったわけでございます。 ただし、厚生省が所管しております旅館業法では、先生も今お触れになりましたけれども、主に公衆衛生上の見地から、ホテル、旅館の構造、設備等について規制しているわけでございまして、この種の問題に対しまして旅館業法上の規制を行うということは困難であろうというふうに考えているところでございます。
○吉岡分科員 したがいまして、安全配慮義務というのは当然あるわけでありますね、それぞれの宿泊施設に。
○柳沢(健)政府委員 旅館側の法的義務についてでございますけれども、法的には、ホテル、旅館側は、宿泊客が急病となった場合に一義的に契約上の対応義務を負うものではなく、信義則上、社会通念的に必要とされる措置をとる義務が生じるものだというふうに考えておるところでございます。
○吉岡分科員 判例によりますと、安全配慮義務に関しては、「ある法律関係に基づいて特別な社会的接触関係に入った当事者間においては、一方が他方にその生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務(安全配慮義務)を信義則上負っているものと解すべきである。」このようになっておりますから、一致すると思うわけでございます。 さて、そこで、防衛庁の方、来ておられますか。防衛庁の方に先ほど、この事件の中身といいます問題で、要するに、先ほど紹介しましたように、八時三十分に実はトイレのタイルで打ったというふうにこの死体検案書は書いておりますけれども、まあ推定であります。それで、人手縫合離開というのは大変なことで、普通倒れても起きないそうで、金属バットで殴って起こるような状況だそうであります。 そういう状況に立ち至っているわけでございますけれども、そのときに部屋に二人で抱えて連れて入る。そして、これは問題があるであろうということをお感じになったと思うわけでございますけれども、ロックせず、そして電灯をつけたまま出られたわけであります。そして、巡回をしておられて、夜の零時二十分、今度は本人が、自分の部屋をはって出たと思いますが、その廊下に出まして、パントマイムのようにこうやっていたことをまた宿泊客が見つけたということであります。そのときには脱ぷんしておるわけであります。 この二回にわたるチャンスに、一度も医療的な見解ということを求めて救急車へ運ぼうとされていない現実があるわけであります。そしてもう一つは、今申し上げましたことに加えて、こぶであるとか血液であるとかというものが出ているのは明らかであります。ワイシャツに血がついておるということもあるわけでございます。 そういうようなこと等を考えてみまして、先ほど簡単に触れましたけれども、グランドヒルの職員の皆さん、六人がいろいろ対応しているのに、そういう中で、先ほど申し上げました大変な状況に立ち至っている事故者を目の前にしながら、こういう実態が生まれたわけでございます。この件について、当然しなければならないと今言われた安全配慮義務が欠けているのではないかと私は思うわけでございます。 まず、厚生省の方からお聞きすると同時に、その後に再度、向こうで申し上げましたけれども、防衛庁の見解をお尋ねをしたい。
○柳沢(健)政府委員 宿泊客が宿泊中に急病となった場合には、通常、ホテル、旅館側は宿泊客との信頼関係を維持するためにも、いち早く適切な対応をとるべきものというふうに考えておるところでございます。
○嶋口説明員 御説明申し上げます。 本件の事案につきましての事実関係は先ほど私どもの局長の方から御答弁したとおりでありまして、その点について何の補足する点もございませんけれども、ただいま先生から御指摘の点につきましては、事実関係につきまして若干私どもと違っている部分がございますので、御説明申し上げたいと思います。 十一月二十六日、八時半でございますけれども
○吉岡分科員 委員長、求めてないのですよ。こういうことがあったという牛込署のことを読んでおるんだから。時間とることないのですよ。だから、結論だけ言ってくれればいいのですから。
○嶋口説明員 牛込署の件についても申し上げたいと思いますけれども、牛込署につきまして、報告書は出しておりませんで、当直長ほか二名が事情聴取を受けておるというのが事実でございます。
○粟屋主査 今の質問に対してお答えなさい。
○嶋口説明員 事実関係について、私どもが先ほど第一分科会において申し上げたとおりでありまして、その点について補足する点はございませんけれども、今先生が言及された点につきまして、私どもの報告と違うところがありますので、御説明申し上げたいと思います。
○吉岡分科員 委員長、答えになっていない。安全配慮義務ということに対してどうお考えになっていますかということです。
○嶋口説明員 その点につきましては厚生省から御答弁があったとおりだと思います。
○吉岡分科員 だから、防衛庁にもお聞きしたい。
○嶋口説明員 厚生省と同一見解でございます。
○吉岡分科員 もしそういうことになりますと、今申し上げましたように、この和田正昭さんという人が安全配慮義務を十分尽くされていた状態であるかということについて、私は疑問を持たざるを得ないと思うのです。それは何といっても、人命に対する、二度にわたる宿泊者の身体的異状に的確に対応する判断力というのが六人の方々になかった現実を指摘しなければなりません。 それと同時に、就業規則に類するもの、あるいはここにいただきましたけれども「職員の服務心得」、こういうことの中にもそういうことは書いてない。ところが、ほかの民間に行きますと、きちんと救急の問題、人命については記載され、あるいは責任者に連絡をし、応急処置をとることというふうに明記をされているわけです。そういう点についても、十分職員の皆さん方に行き届いた安全配慮義務というものについての理解と、その接触がなかったのではないかと思料されるところです。 それと同時に、もう一つ問題は、客室のロックをする、しないということをそのホテルの方はどのようにするのでしょうか。入室された人はがきを持っているわけであります。そのときにホテル側がロックするとかしないとかということを決めるものでしょうか。厚生省さん、ちょっと見解を聞きたいと思います。
○柳沢(健)政府委員 その個々の、今の先生の御質問のケースにつきましては、私ども一般論として先ほどお答え申し上げたのでございますけれども、この事情について詳細に存じておりませんので、何ともお答えしょうがないところでございます。
○吉岡分科員 いや、ロックをするのは一般的にお客さんがするものですね。チェックインしてキーを渡したのです。ロックをするとかしないとかということについては、従業員の方で安全を守るために、入室したらお客さんが意識不明だということであれば、ロックできないということであれば、当然何らかの措置をとらなきゃならぬのです。お客さんは寝ておるわけですよ。ロックをしないでおくということがグランドヒル市ヶ谷では起こっておるわけです。これについて厚生省、どう思われますか。
○柳沢(健)政府委員 一般的には宿泊客がロックをするべきものであるというふうに考えております。
○吉岡分科員 考えられるのは、このロックをしなかったことによって、医師の見解によりますと、倒れたくらいで頭の一番かたい人手縫合の離開は起こらないのではないかというふうに言われているわけで、そのロックをしないことによって第三者が入ったという可能性も出てくるわけであります。これはもう仮定論でありますから、いいです。そういうようにして、いわゆる安全の配慮義務というのが欠けていたというように私は思うわけでございます。 それと同時に、もう一つでございますけれども、今申し上げたようなことを含めて、一般論でない具体論で防衛庁の方にお聞きをしますけれども、今申し上げたように本人は死亡に至っているわけであります。この現実の中で安全配慮義務についてどのようにお考えになっているのか、お聞きをしたいと思います。防衛庁、お願いします。
○嶋口説明員 安全配慮義務につきまして、その関連でドアにロックをしていなかったという点について先生が言及されました。 この点については、第一分科会におきましても私どもの局長から御答弁申し上げたとおりでありまして、その点について何らつけ加える点はございませんけれども、念のため申し上げますと、ドアをロックしていなかったのは泥酔状態にあったということでございまして、職員の経験によりますと、しばしば泥酔状態の宿泊客は異常な行動に走ることがあり得る。そのような場合に対応するためには、ドアをロックせずにフックをかけて、定時巡回なり適宜見回る等のことによって宿泊客の安全を確保しょう、そのような行動に出たものであります。 結果につきまして、死亡されたということに対しましては、私ども大変お気の毒だということは思っておりますけれども、安全配慮につきましては、先ほどからお答えしているとおりであります。
○吉岡分科員 今おっしゃっていること、矛盾しておりませんか。どういうことかといいますと、もう一つそれじゃ申し上げますけれども、先ほどの脳の骨折を起こしている人は、医師の診断でございますけれども、物が言えたか言えないか。大丈夫がいと言ったら大丈夫だと答えたから、ベッドへ持っていった。大丈夫だからというのが、これが二回続いておるのですね。これだけの大きいけがをしていながら、物が言えたかどうかさえ疑問に思われるところでございます。 したがいまして、結論として、向こうではどうこうというふうに言われておりますけれども、酒に泥酔状態だと言われました。牛込署の報告書の中に泥酔状態などという言葉は出てきていないわけであります。しかも、夕食でビール中ジョッキ一つ、それからお酒は一・八合飲まれているということは「都田川」で明らかでありますから、それで泥酔状態というように言われたところに今回の本質があるんです。予断と偏見で見ているわけであります。よくよくお酒を飲む人がいらっしゃるから、そういうケースが多いんだということで、そういうケースで見ているところに今回の原因があるのです。 二回にわたって命は十分助かった。皆さんの方では酒だ酒だと言われます。言われますけれども、それが問題なんでしょう。皆さんの方で、宿泊施設としてそこなんですよ、問題は。何でも、なれ、そういうことの中で、一番かたいところの腿骨折を起こしている人、その人を泥酔状態だと見る、こういう現実の中に大変なことが起こったわけであります。 そういう意味で、私はあえて申し上げておきますけれども、やはり安全、それに対する配慮義務が欠けていたという現実は否めない、そう思わざるを得ません。訓練をされているのかということを遺族が聞いたら、そのことについても記録なし、こういう答えが返ってきたということ等があるわけであります。民間の旅館業はどうしているかというと、そういう事件が起きましたら、旅館組合の中でいろいろ研修したり、やっているわけです。公的宿泊施設ということは旅館組合に入っていない。そういうことの中で安易さがそこに生まれているというように私は指摘をするわけですけれども、いかがですか。
○嶋口説明員 安全につきましては、先生が御指摘のとおり、私ども大変大事なことだと思っております。 先般もお答えしたとおりでありますけれども、累次の機会をとらえまして、お客様の安全をモットーとして職員は励むようにということで、各種のトレーニングもしているということでございまして、今後とも安全については万全を期していきたい、このように考えております。
○吉岡分科員 今後ぜひそうしていただきたい、このように思っているところでございます。 もう一つだけお尋ねしておきますけれども、防衛庁の方に安全問題について瑕疵はなかったというふうに言われるのか、いやいや、問題がやはりあったなという反省をされながら今後臨まれるのか、その点についてきちんと聞いておきたいと思います。
○嶋口説明員 今後とも万全を期していきたい、このように考えております。
○吉岡分科員 反省はなかったのか。
○嶋口説明員 お亡くなりになったことに対しましては、大変お気の毒なことをしたというふうには考えております。
○吉岡分科員 答弁になっておらぬですよ。グランドヒル市ヶ谷のとった行動について、万全であったとそれではお考えですか。
○嶋口説明員 所要の措置をとったものと考えております。
○吉岡分科員 所要の措置とはどういうことですか。
○嶋口説明員 状況に応じまして必要な措置をとったというふうに考えております。
○吉岡分科員 そのことによって死に至らしめたという現実はぬぐえませんので、私は責任は十分にある、このように思います。 さてそこで、最後に厚生省にお願いをしたいと思います。 旅館業法には、先ほどから言いますように、宿泊者の人命、とりわけ安全配慮義務についての規定が明記されておりません。 旅館業法を見てみますと、すぐれて現場のことが載っているわけであります。いわゆる公衆衛生上の問題であるとか構造上の問題であるとか火災に対する対応であるとか、そういうようなこと等を含め明らかにされているわけでございますが、今申し上げますようなことを今後起こしてはならないという立場から、例えば法の改正であるとかあるいは規則の整備であるとか、さらには指導を強化していくだとか、こういうことをお考えになりませんか。 といいますことは、今後この種宿泊施設は、旅館と言わずホテル生言わず公的宿泊施設と言わず、どんどんふえてくる。こういうことの中で、今回グランドヒル市ヶ谷で起きましたことを一つのケースにしながら、この種問題が起きないように注意喚起すべき、こういうように私は思っているわけでございます。私は防衛庁に憎しみもございませんし、何にもありませんけれども、人命ということだけに私は非常に重要な意味を持つ。というのは、やはり人命は地球より重い、私はこういう信念ておりますから、あえて申し上げさせていただきました。 そこで、ひとつそういうお考えはないのか、お願いをしたいと思います。最終的には大臣、お答えをいただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 御指摘の市ヶ谷会館での死亡事故につきましては、大変お気の毒な不幸な出来事であります、このように考えております。 一般論として申し上げさせていただきますけれども、ホテルや旅館においては、宿泊客が急病になったときには、一般的にはその外見上の程度はよくわかりませんから、とにかく親切に、速やかにやはり対応をとるということが原点ではないか、こう考えております。 いずれにいたしましても、今後とも人命尊重や安全配慮につきまして適切に指導してまいりたい、このように考えている次第でございます。
○吉岡分科員 法的なことについていろいろお考えはないのか。
○柳沢(健)政府委員 ただいま大臣がお答えされたとおりでございます。
○吉岡分科員 では、検討していただきますように心からお願いを申し上げて、終わります。
○粟屋主査 これにて吉岡賢治君の質疑は終了いたしました。 次に、佐々木秀典君。
○佐々木分科員 佐々木です。 私は、国立医療機関、特に北海道に十五の国立の医療機関がありますけれども、ここに対しまして厚生省が改善命令、それから改善計画というものを出されている。これはいわばこの機関の施設、それからそこの人員などに対する合理化の問題であろうというように把握しておりますけれども、この問題についてお尋ねをしたいと思います。 この問題につきましては、去る二月二十三日の厚生委員会で、私どもの同僚議員であります池端議員からも厚生省、それから厚生大臣に対してもお尋ねをしたところでありますし、それから本日はお昼の大変お忙しい時間を差し繰っていただきましたけれども、厚生大臣にいろいろと御要請も申し上げたところでございます。多少重複になるかと思いますけれども、現段階での状況なども踏まえてお尋ねをさせていただきたい、こう思っております。 それで、厚生省の改善命令あるいは改善計画が出されたいきさつというのは、従来の北海道の国立医療機関の状況というものが本来の姿から逸脱をしている、あるいは経費の使われ方、それから人員の雇用の状況についてもこれは問題がある、これを姿を正すのだということが言われているのですね。 特に一番問題になっているのは賃金職員であるわけですけれども、しかし、この賃金職員の中でも大宗を占めているのは看護婦さんであるわけですね。看護婦さんというのは、これはやみくもにふえたというわけではないのだろうと思うのです。全国的に看護婦さん不足ということが言われておりますけれども、各種の医療機関でやはり看護婦さんが足りないのではないかということで、看護婦の養成学校などをもっと地域につくってもらいたいというようなことも、厚生省の方にもいろいろと陳情などもあると思うのです。 そういう中で、北海道が賃金職員である看護婦が他の地域よりも異常に多くなっているのだという御指摘があるのですけれども、しかし、これは北海道の十五の医療機関のうちの特にどこだけが突出しているというのなら別ですけれども、十五の機関いずれもやはり多くなっているということは、その地域の医療機関としてそこに根差した要請があり、看護婦さんを必要としているからそれだけの人員がふえてきたのだろう、こう思われるのですね。 そこで、この賃金職員の採用の仕方ですけれども、これはどんな方法で採用してきたのですか。よく今度のことについて言われるのは、労働組合が非常に強く言って、施設長などがそれに応じざるを得なかったというような言い分もあるようなんですけれども、しかし、そうだからといって、労働組合の人が自分たちの知っているような看護婦さんをコネで入れだというような採用の仕方ではないだろう。やはり必要があって、きちんとした公募なりなんなりの方法によって看護婦さんを採用してきたのではないかと思うのですけれども、従来の経過はどういうことだったのですか。
○田中(健)政府委員 賃金職員の採用のお尋ねでございます。 賃金職員は、先生御案内のとおり日々雇用の非常勤職員ということでございますけれども、北海道管内の施設の賃金職員を採用する際に、職種によりましては、これまでその身分あるいは雇用形態等の説明に一部十分でない点があったということは御指摘のとおりでございます。 それは雇用に当たっての説明の段階で不十分だったということでございまして、賃金職員は制度といたしまして、先ほど申しましたように日々雇用の職員でございます。また、採用時にその旨の辞令交付も行っておりまして、賃金職員が現実として定員内職員に採用されるのは、あくまでもそれは定員職員に欠員が生じたときに賃金職員から定員職員になれる、こういうことでございます。また、その賃金職員の給与につきましても給与法に定めがございまして、定員の職員との権衡を考慮して予算の範囲内で定めるということになっていまして、給与法に基づいて支給されるものでございます。 そうした若干説明が不十分だったという点もございまして、私どもは明年度、平成五年度におきます賃金職員の処遇につきましては、これまで各職員に十分説明をしておるところでございますが、今後とも賃金職員の採用あるいは任用更新時の説明につきましては、御指摘の点も踏まえまして適切に対応していきたい、こういうふうに思っております。
○佐々木分科員 どうも私の質問に対するお答えとしては非常に不満足で、何かすりかえられているような気がしてならないのですよ。それは従来のやり方が間違っているから正せ、正せというか、それを直せということを私は言っているのじゃなくて、従来の採用の仕方についても、いいかげんなやり方じゃなくて、ちゃんと公募するというようま方法、あるいは労働関係の機関を通して紹介を求めて、その紹介を見て応募した人が採用されるというようなことが常態だったのではなかろうか。 それからまた、私ども実は二月に、社会党の北海道本部として医療機関の調査をしようではないかということで、三カ所ばかり実際に行ってみたわけですね。一つは七飯町、これは数の七つに御飯の飯という字を書いてナナエチョウと読むのですけれども、ここの国立療養所北海道第一病院、これは道南です。それから道東で国立の弟子屈病院。それから三番目、私の地元ですけれども、二月八日でしたが、五十嵐代議士と私など、それに地元選出の北海道議会議員、それから旭川の市議会議員など一緒になりまして、社会党としての調査団ということで国立療養所道北病院、これは旭川市内にございますけれども、ここに行きまして施設長のお話も伺い、それからまた働いている方々の話も聞き、それからまたそこで入院されておる患者さんの話も聞くというようなことをやってきたわけです。 その中で、賃金職員の方も一様に言っているのは、その採用のときに、今もお話がありましたけれども、今は定員内の職員ではない、しかし、やがては定員職員になり得るんだ、なれるんだ。しかし、現在は賃金職員という身分で一年限り。そして三月三十一日という日には一々そこで身分が切れるけれども、再雇用を希望する場合には改めてまた四月一日から採用ということになるんだというようなことでみんな働いてきて、やがては定員職員になれるんだという希望を持ちながら、しかもその公募のときには公務員並みの給与というような表示があって、そういう公務員の皆さんと同じようにやっていけるんだ。やってみたら、実際にその定員内の職員である方々と、現業においても看護婦さんにおいても待遇は給与その他変わっておらないということで、希望を持ちながら、国立医療機関の職員として誇りも持ちながら働いてきたんだ、こう言っておるのですね。 そういう公務員並みのというような表示もあったんだということなんですけれども、その点についてはどういうふうに掌握されているのですか。ということになると、当然地方医務局だってそういう方式というのは知っているはずだし、地方医務局が知っているということは、厚生省だって知らないわけがないと思うのですよ。それを知らなかったなんというのは、今まで何十年もの間厚生省は何をやっていたかということになりそうなんだけれども、どうなんですか、それは。
○田中(健)政府委員 私どももこういう話を聞きまして、北海道の各医療機関の職員の募集案内、募集内容というのを最近求めまして、見てみました。そうしますと、いろいろ条件が書いておりますが、これは定員職員の内容を書いた募集案内でございまして、これでいろいろと説明しておったので誤解があったのではないか、こういうふうに思います。私ども本省としましては募集案内までチェックをしておりませんで、最近その辺のことに気がついたわけでございます。 そういうことで、募集の段階で誤解を与えたということでございますけれども、先生のお話にございました何年たったら定員職員になれる、これは看護婦さんの場合だと思いますけれども、そうした確としたお話をしておるとは思えませんで、先ほどお話をしましたように、将来定員職員にあきができれば定員職員になれるでしょう、こんなお話ではないかと思います。
○佐々木分科員 そんなことは一般の人が聞いたら納得しませんよ。最近になってやっと気がついたとか募集のパンフレットを見たなんて、そんなことはないでしょう。それはおかしいと思うんだよね。私どもは現に賃金職員の人、一人一人に当たって聞いたのですから、ちゃんとその場で言われているのですから。 それは旭川の道北病院だけではないのですよ。どこでもそうなのですよ。そんな施設長の個人差によって違っているということじゃないのです。そうかといって、労働組合から言われたから言っているわけでもないのです。やはり施設として必要があって、看護婦さんの足りない中で来てもらう。そういう中で、今は直ちに公務員としての正規の身分は持たないけれども、いずれはなれるんだ。現にまたなっている人もいるわけでしょう、何人も何人も。そういう希望を持たせながらやってきたのですよ。 それを今度は、今までのやり方が違っていた、あるいは庁費の使い方について会計検査院からいろいろ言われた、そこで周章ろうばいしてはたばたと慌てふためいて改善命令だとか改善計画を出す。その中で今あなたの言われるような言い方をするというのは、まことに私はおかしいと思う。 それは従来はそういう必要があったからそうしたのだろうということが事実だとすれば、やはり率直にお認めになる方が職員の皆さんの納得だって得られることになる。そういうふうな言い方で突っ張られるから、職員との間でも今度のこの処置についても信頼関係というのはできてこないのじゃないかと思って、私は心配しているのですよ。これはお答えは要りませんけれども、そのことを言っておきたいと思います。 いずれにしても、今度のこの処置によって大幅な賃金職員の削減というのがこの二月の段階で行われようとしているわけですね。通知状も出して、一人一人について、今度あなたはさらに雇用の希望があるか、雇用ということになった場合にはあなたの給与というのはこういうようになりますよ。 これもまた私どもの調べですけれども、明らかに従来よりがたんと落ちる。平均して年間の所得で何十万も落ちる。甚だしい人になると二百万から落ちる。それで扶養手当なんかはもうもらえない。今までそれはやりくりしていたということなのでしょうけれども、これはもう賃金カットというか、雇用条件の切り下げであることは当然なのですよね。 そこで、この改善計画の中では、それぞれの施設について、平成七年までの間にこれだけの削減をしなさいという指針が出ているわけだけれども、実際にはそういうような通知をもらって、こんなことだったらとてもやっていけない、そしてまた、定員職員になる見通しもないというような絶望感、そしてまた、一般の民間の医療機関では看護婦さんが足りないということもあるものだから、大変たくさんの人が退職の意向を示しているということが言われていますね。 これは例えば毎日新聞の二月の十六日付ですけれども、北海道でこの段階で二百人以上の賃金職員、その多くは看護婦さんですが、これが退職の意向を示しているということが言われていて、これは計画で出されている削減の人数よりもはるかに多い。恐らくきよう段階でもっとふえているのではないかと思うのです。 そのために例えば旭川の道北病院などでは、大変大勢の人が退職希望を出されたので大いに慌てて、逆に今度はパートの看護婦さんの今募集に入っている、こういうことになっているのですよ。こういうことを予想されていたのですか。パートの看護婦さんを今募集するということは、それだけ多くの看護婦さんにやめられると病院の診療機関としての体制がもたない、こういうことの反映でしょう。この辺についてはどう考えられていますか。
○田中(健)政府委員 改善計画後の意向調査で退職者数はどんな状況かということでございまして、私どもも任用更新の意向調査につきまして、平成五年度以降の給与等の説明をいたしまして、提示した条件で任用更新の意思のある人を現在把握中でございますけれども、まだその辺の掌握をし切っておりません。 それで、各施設におきます感触でございますけれども、私どもが全体として当初の改善計画数で考えましたよりも多くの退職希望者が見込まれるというのは事実でございます。そうした状況でございまして、現場におきましては、やはりパート職員で勤務体制をとるということも考え始めておるのかと思います。
○佐々木分科員 そんなのんきなことを言っていていいのかな。つまり、それだけ多くの人々が将来に希望を持てなくなったということでやめていく。そのために診療機関として体制を保てないということで、そのゆえに今募集をしているわけでしょう。これはあなた方から考えて好ましいことだと思っているのですか、それでよいと思っているのですか。
○田中(健)政府委員 病院の体制、特に看護婦さんを中心としました夜間看護体制等につきましては、私どもも非常に重要なことと認識をしておりまして、従来からその点につきましては重点事項といたしまして取り組んできたところでございます。 しかし、今回の北海道で起こっておりますケースにつきましては、先生も先ほどお話しになりましたように、職員が異常なふえ方をいたしまして、そのための予算が完全に破綻をした。それもここ数年のことでございます。そうしたことがございまして、会計検査院からも重要な指摘を受けまして、どうしても私どもはこうした状況を立て直す必要があるわけでございます。国立医療機関といいましても、法律それから予算の枠を超えた運営はできないわけでございまして、法律や予算を無視して医療を提供することは許されない、こんな状況でございます。 私どもは、今般の改善計画の実施によりまして、私ども本省が示した数を超えるような賃金職員数の退職が見込まれる場合も、今お話がございましたように考えられることでございまして、こうしたことにつきましては、まだ全体の退職者数の掌握が終わっておりません状況でございますが、個別具体的なケースの中でこれからいろいろ工夫をしていかなければならない、こういうふうに思っております。
○佐々木分科員 私は、そもそもこの国立医療機関としての定員そのものについて、実情に余りにも合っていないのではないか、少な過ぎるのではないかという感じがしてならないのですよ。 具体的に申しますと、例えばこの旭川の道北病院の場合には、外来の定員というのは婦長さん一人ということになっているのですね。中には定員ゼロという部署もある。これはどうもお聞きをするところによると、本来道北病院などもサナトリウム、診療所としての性格だからなのだ、こういうお話のようなんですけれども、旭川の道北病院の場合にも頭に国立療養所というのはついていますけれども、しかし道北病院となっているんですよ。これは一般の受益者、住民、患者さん、外来の人を含めてですけれども、こういう人々から見ると明らかに病院、ホスピタルと考えているんですよ。幾ら頭に療養所とつけているから、それは違うんですよ、サナトリウムなんですよ、だから本来のホスピタルとは違うんですよなんということを言ったって、承知しないわけですよ。 そんなことはいわば内部の勝手な話であって、本来国立の医療機関というものが持っている役割というものを考えた場合には、そういう体裁だとか形式のことよりも、もっと実際に実質的に民間の療養機関で果たせないような役割を国立の療養機関として果たしていくんだ。だから道北病院の場合だって、筋ジスだとかいろいろな難病関係の難しい科も置いて、住民医療のためにというようなことで頑張っているわけです。ですから、それは手間もかかり金もかかる。それをやることにこそ国立療養所としての役割が私はあると思うんだ。 だから、幾ら法律に一のっとる、それは法律にのっとらずにやれなんということは私も言わないけれども、しかし、そういう本来の目的のところから考えれば、余り形式にかかずらわっていてはそれこそ角を矯めて牛を殺すようなもので、国立医療機関そのものの成り立ちというのがなくなってしまうのではないだろうか。それを心配するんですよ。 その中で、今の賃金職員を含めて従業員の待遇の問題なんかについても、あなた方の言ってきたこと、やってきたことというのは余りにもつじつま合わせのこそくなことが多いんじゃないだろうか。しかも、そうした労働条件の問題などについては、公務員法との関係でこれは交渉事項にならないとかいろいろ言われるけれども、しかし、これまでも労使というか施設長と従業員との間で、あるいは従業員の組合との間で、基本的なところは中央で決めるにしても、具体的なことについてはそれぞれの地域、それから診療機関の規模あるいは内容が違っているわけですから、その実情に応じて話し合って決めていくということがより好ましいことが多いということはあると思うんです。従来もそういうことをやってきた。 そこで、協約をつくるということについてはどうかとは思うけれども、そういう約束事というのが一つの労働慣行というか慣行になって、それが機能してきたということもあると思われるんだ。しかし、今度のこの改善命令、改善計画からいくと、それを一気に全部ひっくり返してしまおうというようなことで、これは本来の医療機関としての存立の問題にもかかわってくると考えるんですけれども、その辺について大臣、どんなお考えですか。
○丹羽国務大臣 今回の北海道の国立病院、医療機関のそもそもの発端は、御案内のように、先ほど部長からも答弁申し上げましたように、国の医療機関というのは定められた予算、定められた定員の枠の中で運営していく、これが基本原則でございます。この基本原則から著しく逸脱しておった。人件費等につきましても違う部署から持ってきて充当してきた、こういうことが国民の皆さん方から大変厳しい指摘を受けておるわけでございます。こういうような反省から今回の改善計画というものを策定したわけでございます。 国立病院・療養所の財政状況というのは、年々一般会計からの繰り入れが大変増大いたしております。二千五百億円にも達しておるわけでございます。そういう中において、要はやはり国立病院・療養所のあり方、そこに一番の問題が起因するのではないか、このように考えているような次第であります。
○佐々木分科員 持ち時間が少なくなってまいりましたので、いろいろとまだ議論したいことがたくさんあるのですけれども、しかし、今の大臣のお話を聞いても、どうも国立の療養機関、医療機関としての役割がこれで果たしていけるのだろうか。 最も具体的に考えた場合には、今度期限の三月三十一日が来ますね。残る人たちと、それから仮にそれが足りないからといってパートを入れるということになった場合に、この三十日、三十一日、それから四月一日に関係してくる深夜勤務それから準夜勤、この関係は一体どういうように整合性を持たせるのか。果たして現実に機能していてのか。場合によったら、勤務職員が例えば実際には外来のところに集中しているなどということになった場合に、深夜勤の問題もありますし、そういう受付の問題もありますけれども、休診体制なんということにならざるを得ないのではないかというような心配だって、それぞれの診療機関によっては出てくると思うのですよ。 これは時間がありませんから、そういう問題の指摘だけしておいて、一体どうされるのか、また後に別のところでお尋ねもしていきたいと思っているのですけれども、現場は私は相当混乱してくるのではないかと思うのですよ。それがひとり診療機関だけではなしに、そこでの受益者である患者さんにどんなに多くの不安と不便を与えることになるか、このことを本当に心配しているのです。ここのところを真剣に考えていただかなくてはいけないのではないだろうか。 そしてまた、従来培われてきた人間関係、働いている人々との間の信頼関係とか人間関係というものが、今度の厚生省の態度によって、現場にかえってぎくしゃくを強いることになりはせぬかということを非常に心配しているのです。だから現場でお互い同士で話し合って、決められることは現場にある程度の権限を認める、裁量権を認めるようなやり方でやる方が好ましいのではないかなと私どもは考えておるので、そういうことも含めてひとつ御検討いただかないと、診療機関そのものの存立に本当にかかわってくるのではないかということをつくづく心配をしております。 きょうはお互いの意見の交換を尽くすだけの時間がありませんので、また別の場を設けてぜひこの点はこれからもやっていきたいと思っておりますし、もう三月の末が差し迫っておりますので、このことについてもまた討議し合いましょう。そのことを一つ問題として指摘をしておきたいと思います。 あと、国保の問題についても本当は質問を予定していたのですけれども、どうも時間が参りましたようですから、これもまた別の機会にお尋ねをすることにいたしまして、一応ここで終えさせていただきます。 ありがとうございました。
○粟屋主査 これにて佐々木秀典君の質疑は終了いたしました。 次に、山元勉君。
○山元分科員 社会党の山元でございます。大変遅くまで皆さん御苦労さんでございます。 私は、生活雑排水の処理についての合併浄化槽についてお尋ねをしたいと思います。 私の地元の滋賀県は、琵琶湖を抱えて、水の問題について大変強い関心を持っていますし、今の状況からいいますと国の指導なり援助というものを大変期待しているわけでございます。 先般、琵琶湖総合開発の計画五年延長のときにも私はこの合併浄化槽問題について触れて、大事な課題だという指摘をしていたわけですけれども、ついせんだって、二月十九日に厚生省の浄化槽専門委員会が報告を出されました。 最初に、その報告の概要について厚生省のお考えをお尋ねをしたいと思います。
○藤原(正)政府委員 去る二月十九日に、厚生大臣の諮問機関であります生活環境審議会廃棄物処理部会浄化槽専門委員会によりまして、「今後の浄化槽行政のあり方について」と題する報告を受けたところでございます。 この報告では、合併浄化槽というものを地域ぐるみで活用でき、国民一人一人の生活に溶け込み、環境保全効果を実感できるリサイクル型の生活排水処理施設であるというふうに位置づけた上で、今後の設置整備事業の実施に当たりましては、市町村の生活排水処理計画の中で合併処理浄化槽の整備区域を積極的に設定し、集落等を単位とした面的な整備を推進すべきである。それから、市町村が浄化槽設置者等で構成する維持管理組織の設立を支援し、適正かつ効率的な維持管理の確保を図るべきであるというふうなことが提言されております。 また、このほか、浄化槽に関する技術開発の推進や国民へのPR、民間業者の社会的役割についても種々貴重な提言が行われております。
○山元分科員 私もこの報告書を読みまして、幾つかのところで大変思い切った提言をしているというふうに高い評価をしています。問題は、これから国がどのように指導をして、どのように援助をしていくかということが実現していく大きなかぎになるだろう。確かに地域の自治体あるいは住民の皆さんの努力も要りますけれども、ポイントは、こういう思い切った提言に対しての国の指導や援助が大事なのだろうというふうに思います。 そこで、浄化槽の、特に合併浄化槽の現在の全国的な状況と、そしてこの提言がされるまでの厚生省の指導についてどうであったのか、お知らせをいただきたいと思います。
○藤原(正)政府委員 厚生省としましては、合併処理浄化槽は、生活排水について下水道と同等の処理ができ、短期間でどこにでも設置できるものであることから、地域における有効な生活排水処理施設と位置づけまして、昭和六十二年度から、合併処理浄化槽を設置する住民への助成の事業を実施する市町村に対しまして国庫補助による支援を行っておるところでございます。 本事業は昭和六十二年度にスタートしたわけでありますが、そのときは国庫補助額一億円、実施市町村数は全国で五十五カ所ということでありましたが、地域住民の強い要望を背景にいたしまして年々これがふえてまいりまして、平成四年度には実施市町村数が約千四百カ所とふえてきております。国庫補助額も平成五年度予算案におきましては百億円を計上いたしておるところでございまして、この予算によりますと、五万基、人口にしまして約四十万人分の合併処理浄化槽が整備できるというふうに予定されておるところでございます。
○山元分科員 確かに六十二年、六年前一億円であったのがことし百億円、六年間で百倍になるというような予算は余りないだろう。その点は厚生省が力を入れていただいているということについてはわかるわけですけれども、問題は来年度五万基、四十万人にするということだけではなしに、この報告書に基づいて飛躍的に伸ばしていこうとすると、幾つかの施策が必要であろうと思うのです。 そこで、幾つかありますけれども、一つは、この報告書にも言っていますが、個々の人たちの住民の意識の向上だとか努力ではだめで、集落ぐるみとか町ぐるみとか、そういういわゆる面的整備が必要だと提言でも言っているのですけれども、確かに実態からいってそうだと思うのです。そして、そういうふうにしなければ有効な処理能力というものを上げていけないだろうと思うのです。 そこで、そういう面的整備ということについて、実際に行政的にどういう努力をされるのか、お伺いをしたいと思います。
○藤原(正)政府委員 委員御指摘のように、合併処理浄化槽の面的整備の促進というのは、非常に重要な課題だというふうに認識いたしております。この浄化槽専門委員会の報告の中でも、面的整備の促進ということが重要だという指摘をしております用地域において目に見える環境改善効果というものを得るためには、やはり面的な整備が必要だし、また、維持管理も組織的に効率よく行われるようにするためには、集落等を単位とした面的な整備を地域ぐるみで推進した方がいいというようなことが言えるわけでございます。 そういうふうにしていくためにどうしたらいいかということでございますが、この報告の中でも、市町村が指導要綱または条例等に基づいて合併処理浄化槽の設置を義務づけるといったようなことも必要に応じてやっていくことが必要ではないか、こういうふうな指摘がされております。 厚生省といたしましては、こういう報告を踏まえまして、市町村への指導を進めるとともに、国庫補助の優先採択というふうなことを通じまして合併処理浄化槽の面的な整備の推進を図ってまいりたい、このように考えております。
○山元分科員 おっしゃることはわかります。その報告書にも確かに書いてある、条例化、法律化あるいは補助の優先採択と。例えば補助の優先採択というのは、具体的にどういうふうに予算などを考えていらっしゃるわけですか。そうでないと、例えば今一基ごとに設置のための補助がありますね。けれども、各市町村に条例として落ちつける、あるいは法律である程度そういう義務づけを誘導していく、そういうことは、優先採択という言葉だけではなしに、どういう手当ての仕方があるのかということが見えてこないと、条例化せい条例化せいと言っても、それはいいことだと思うけれども、そんなことは言葉だけでは個人の生活を縛れません。そういうことについてはどうお考えですか。
○藤原(正)政府委員 その辺のところは、この専門委員会の報告をいただいて、これから行政の方も具体的なやり方、特に国庫補助の補助金の配分の仕方等について具体的に詰めていきたいというふうに思っております。今この時点で具体的に優先採択の方式はこういうことだということを申し上げかねますが、報告の中ではそういうことが指摘されておりますから、その方向に向かってこれから鋭意検討していきたいということを考えております。
○山元分科員 私はしつこく言いますけれども、具体的にどういう方向で優先的に援助してもらえるのかとか、あるいはどういう筋道を立てればそういうことが成っていくのかということについて、しっかりとした指導を繰り返していかなければならぬと思うのです。 現に今まで、例えばふるさと一億円を使って集落ごとやったような例も私は聞いているわけです。現にそういう集落ぐるみやっているところをしっかりと把握をして、それがこの施策のいわゆるパイオニア的な役割を果たしてくれるような情報の交流だとか指導が必要だというふうに思うのですけれども、そういう具体例についてはお持ちですか。
○藤原(正)政府委員 各市町村に生活排水処理計画というのをつくっていただくことになっておるのですが、その生活排水処理計画の中で合併処理浄化槽の整備区域を設定していただいて、そして各年次の整備目標をそこで明らかにしていただく、こういうことにしたいと思っているのですが、そういう各市町村でつくられました計画を尊重して、そういうものが設けられたところには優先的にという考え方になろうかと思います。
○山元分科員 きょうは時間がゆっくりありませんから、詳しいことをやりとりするわけにまいりませんけれども、これを推進をしていくのに面的整備が必要だ。それも大事ですし、もう一つは全体的な補助、援助の問題ですね。 先ほども言いましたように、六年間で百倍になった百億円になった、これはいい。ところが、やはり今までに個々の人たちが単独浄化槽などで努力もしてきた。あるいは、家を建てるのだけれども、五人槽でもおよそ百万円ほど余計に要るわけで、どうしようかな、あるいは単独槽よりも合併槽の方に切りかえた方がいいのだけれどなと、よくわかっている個々の人たちに対する援助というものもしっかり考え直さなければいかぬ、手厚くしなければいかぬと思うのですね。 そういう点で、先ほど言いました百億というのは設置補助ですけれども、工夫が要るだろうと思うのです。例えば、ただ家を新築するときにこれをつけるというのは、割合に思い切れると思うのです。今まで単独浄化槽を持っている人がやはり合併浄化槽、生活雑排水も排水も含むという形でかえた方がいいというような思い切った協力というのですか、そういうことをする場合には援助を上積みするとかそういう形に誘導していく、そういう施策はとれないものですか。
○藤原(正)政府委員 委員御指摘のように、既に単独浄化槽がついておる家庭でこれを合併浄化槽にかえようという場合には、この単独浄化槽を掘り返して、そして新たに合併浄化槽を取りつけるということが必要なので、余計な費用がかかるということもあり、この利用者はなかなか合併浄化槽に切りかえがしにくいというふうな事情はあると思います。そのこと自体私どももよく認識いたしておりますが、現時点でそういう場合に限って手厚い補助ができるかどうかということは、もう少し検討してみないとという感じでございます。しかし、実際各市町村でそのようなことを既に実行しておる、市町村独自にそういうことをやっておるところがございます。 国の立場としてどういうふうに考えるかということでありますが、厚生省としましては、合併処理浄化槽の面的整備のための生活排水処理計画づくりを中心としたアクアエコビレッジ構想、こういうふうに名づけておるわけですが、そういう事業を進めていきまして、これは市町村のモデル事業のようなものでありますが、その事業を進展させつつ既設単独処理浄化槽対策に取り組んでいきたい、このように考えております。
○山元分科員 今の部長のお言葉で、もう少し検討しなければならぬということです。先ほども、優先配分についてもこれからだとおっしゃっていました。確かにこれからの部分が多いわけですけれども、そのことは、これを強力に推進していくという意味では大事なポイントだということをぜひ認識をしておいていただきたいというふうに思います。 次に、推進をしていくために個人個人の負担ということでいうと、維持管理の問題ですね。これは例えば保守管理をしなければならぬ、あるいは清掃をしなければならぬ、法的点検がある。そして、この維持費というのですか、業者に年間契約で、普通の世帯で言いますと四、五万円ですか費用もかかる。こういう維持管理、機能をしっかりと維持しながら管理をしていくということは大変個人的な努力が要るわけですね。そういう維持管理への支援についてもこの報告書でもちょっと触れているわけですけれども、これについて、面的整備の問題と絡むわけですけれども、今までどういう工夫なり誘導をしてこられたのか、指導してこられたのか、お伺いしたいと思うのです。
○藤原(正)政府委員 この浄化槽の維持管理というのは、法律上住民が責任を持ってやらなければいけないというふうに一応なっておるわけでありますが、実際には、各住民は保守点検業者とか清掃業者にそれを委託してやってもらっておるということになります。 したがいまして、それぞれこういう関連の業者に委託するわけでありますので、その際の契約の手続だとかその都度料金を支払うといったような煩わしさがあるわけでございます。この専門委員会の報告でも指摘しておりますが、こういう煩わしさをできるだけ軽減するために、浄化槽の設置者等により構成される維持管理のための組織を地域の集落等を単位として設立しまして、そして維持管理業者との契約、料金の支払いを一括して行うといったようなことをすれば、維持管理に伴う住民の負担軽減が図られるのではないかということでございます。 厚生省でもそういう方向がこれからの浄化槽の維持管理のあり方の一つの方向ではないかというふうに考えておりまして、こういう維持管理組織が市町村の支援によって設立されるように、そういうふうな指導及び財政的な支援の方策というのを検討してまいりたいと考えております。
○山元分科員 これは面的整備のところでもおっしゃった優先ということもあります。これは一軒二軒努力してやっていただいていても、管理組合あるいは管理組織というのはできぬわけです。面的な整備ができぬことにはそういうものは機能しないわけですから、ぜひあわせてそういう指導をしていただきたいと思うのです。 管理費、金の問題について少しお尋ねしたいのですけれども、お願いになるかもわかりません。公共下水道を使っている家庭、これは下水道料金を払って使っているわけですけれども、先ほど部長もおっしゃったように、これは合併浄化槽と同等の値打ちがある、役割を果たしている。そういう立場で見ますと、例えば全国の公共下水道で、九〇年度で合計すると三千八百億円の赤字が出ているというのですね。三千八百億円の赤字というのは、もちろんこれは自治体あるいは国がいわゆる税金で補てんをしているわけです。そのときの利用人口割で見ると一人八千円、三人家族で二万四千円、月二千円税金で公共下水道の赤字が補てんされているわけですね。下水道の使用料というのは平均で言うと二千円にも満たないわけでして、下水道使用料金よりも赤字補てんの方が平均で言って大きい、そうなっているわけです。 そういう実態から見ると、合併浄化槽を思い切ってつけた人たちが維持費までしっかりと個人負担をしなければならぬということについては、どうしても不公平感があるわけですよ。ですから、この合併浄化槽をつけた人に対して、公共下水道の赤字が補てんされているような援助というもの、市町村そしてそれを援助する国の措置というものが必要だろうと思うのです。これは今言いましたように、面的整備ができなくてもあるいは管理組織ができなくても頑張ってつけてもらっている人に対する あなたのところ不公平だ、確かに。その額はもう繰り返しませんけれども、明らかに大きな補助というか補てんが行われているわけですから、そういう今までの財政的な支援ですね、どういうふうにお考えですか。
○藤原(正)政府委員 維持管理費に対して公共の方が直接補助をするというふうな考え方はなかなか難しいだろうというふうに思っておりますが、しかし、委員御指摘のように、この浄化槽の維持管理というのは大変重要なことで、この維持管理がきちっとできなければまた浄化槽の機能が十分発揮できないということでありますので、この維持管理費に対して公共側がどのような支援ができるかということについては、いろいろ工夫をしてみなければいけないなと思っております。 そして、この専門委員会の中でも随分議論されましたのですが、一つの方向として今考えておりますのは、維持管理組織をつくりまして、その維持管理組織の効果的な活動、安定的な運営を図るために、市町村が基金を設けるというふうなことはどうかということが提言されております。その基金をうまく運用して維持管理組織が活動をしていくというようなことでございますが、厚生省といたしましても、今のところそういうふうな方向がいいのではないかと思っておりまして、市町村をそのような方向に指導してまいりたい、このように考えております。
○山元分科員 重ねて言いますけれども、私の地元滋賀県は、大臣の茨城も水のことについては大変努力をしていただいているわけですけれども、私のところもやはり環境先進県だと自負するほど気張って、頑張ってやっているわけですね。それでもやはりそういう組織というのはできないし、基金というのはまだまだ遠い話ですね。だから、それまでじっと歯を食いしばって頑張ってもらいたい、あるいは思い切って設置をしてほしい、そういうことにはならないだろうと私は思うのですね。 ですから、今部長は、言葉じりをつかまえるわけではありませんけれども、やはりいろいろ工夫しなければならぬとおっしゃいました。ぜひいろいろ工夫をして、早くそういうことを実施しないと、全部できてからというのでは意味がないわけでして、今の時点でそういう工夫をしていただきたいというふうに思います。 次の問題ですが、時間が余りないですから少し項目的になりますけれども、そういう推進をするためにも性能を高めていくという研究が必要だろうと思うのですね。さらには汚泥の処理の技術など、そういう研究も必要だろうと思うのです。強調し過ぎかもしれませんけれども、せっかく思い切ってつけたけれども性能が余り芳しくないとか、つけたらやはりよかったということになかなかならないとか、あるいは汚泥の処理で困るということがないような工夫をしなければならぬ、研究をしなければならぬと思いますが、そういう研究の体制についてはどうなっていますか。
○藤原(正)政府委員 現在の合併処理浄化槽の性能は、BODの除去率で九〇%以上でおりますし、またBOD濃度は二〇ppm以下というふうな能力を備えておりますので、かなりの性能であるということは言えますが、しかし、なお一層の技術開発ということが必要だと思います。 特に水道水源等の生活排水対策というようなことを考えますと、先ほど言いましたような性能以上の合併処理浄化槽というのが開発されることが望ましいということでありまして、官公民の研究機関におきましてそのための研究や技術開発を推進するようにしておるところでございます。 それから、汚泥の処理でございますが、抜き取りました汚泥の処理につきましては、コンポスト化とかその他汚泥の処理について研究を行うことといたしております。
○山元分科員 大臣にお尋ねすることがなかったわけですけれども、この問題では、先ほども言いましたように、霞ケ浦を抱えでいろいろなことを考えていらっしゃる大臣、今この研究というのは、例えば制度そのものを進めていくのでも建設省や厚生省や環境庁、皆一緒ですね。そして、研究の問題についてもさまざまな分野があるわけです。 ですから、そういうものを総合的に研究をする国が設置をする研究所、そういうものをつくることは、これからの快適な生活というのですか、生活大国づくりにとっては大事なことだろうと思うのですが、そういうセンター、研究所づくりということについてはどうでしょうか。思い切って前向きに検討していただけないでしょうか。
○丹羽国務大臣 先生は琵琶湖を抱えていらっしゃる、私も霞ケ浦を抱えておりまして、地域におきまして合併処理浄化槽に対します関心というのは、私どものところでも大変高まってきております。申し上げるまでもなく、文化的な生活を営んでいく上にも欠かすことができないものでございますけれども、先ほどからお話し申し上げていますように、厚生省といたしましては平成五年度で百億円を計上いたしております。 今のセンターのお話でございますけれども、大変貴重な御提言として承らせていただきたいと思っております。
○山元分科員 幸いにそういう評価すべき報告が出ましたから、こういう機会にぜひこれを進めていく、本物にしていくんだということで言うと、今私が申し上げました研究所を前向きにぜひ検討していただきたいと思いますし、かぎは、一番住民に近い自治体が努力することだと思いますね。 そういう点で言うと、私の滋賀県で言いますと、例えば今まで琵琶湖条例で、石けんを使って洗剤は追放しようとかヨシを守ろうとか、さまざまな努力をしてきた自治体です。また、浄化槽も、今一生懸命になって売っている環境生協という、これは全国に一つしかない、全国どこにもないと思うのです。消費者生協というのはたくさんありますけれども、環境生協といって石けんを売ったり浄化槽を世話したりという生協をつくっているのは滋賀県だけですね。そういう先進的な努力をしているのは、私は滋賀、滋賀と言いますけれども、滋賀だけではなしにそれぞれたくさんあるだろうと思うのですね。そういう自治体をあるいは都道府県を励ますような思い切った政策というのをこの機会に順次出していっていただきたいということをお願いして、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○粟屋主査 これにて山元勉君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして厚生省所管についての質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○粟屋主査 次に、労働省所管について質疑の申し出がありますので、これを許します。大野由利子君。
○大野(由)分科員 若干時間がおくれているようでございますが、きょうの分科会の最後の質疑者ということでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。 昨年をもって国連障害者の十年が終わりまして、この十年間でもってノーマライゼーションという理念が大分社会に浸透をしてきたかな、私はそのように思っておりますが、しかしその実態は、ようやく、やっと動き出したというのが実態ではないか、そのように思っております。 障害者雇用のことについてきょう若干質問をさせていただきたいと思いますが、この障害者雇用の実雇用率も一向に改善されない、そういう実態でございます。 障害者雇用促進法に基づきまして、一般の民間事業主に対する法定雇用率は一・六%以上、そういうふうな法律になっているわけですが、実際には一・三六%にとどまっている、それが現状でございます。今民間の企業で一・六%を下回っている企業が約半数ある、また大企業は約八割がこの一・六%を下回っている、非常にゆゆしき状態ではないか、これがなかなか改善されていないという実情ではないか、そのように思っております。しかも、小さな企業ほど雇用率が高くて大企業が比較的雇用率が低い、こういう実情があるわけです。 労働省で出されております職業安定業務統計で障害者の求職登録状況を見ましても、現在就業中の人数を見ますと、平成四年で若干持ち直しているわけですが、昭和六十二年をピークに年々減少しております。私は、今のような不況の時代の中で、障害を持つ方とか高齢者の方とか女性とか、そういう弱者にこのしわ寄せがいくのではないかということを大変心配しているわけでございます。 そこでお聞きしたいわけですが、法定雇用率を著しく下回っている企業に対しまして、職業安定所長が出します障害者雇い入れ計画作成命令を出すことができる、そのようになっておりますが、現行では雇用率何%の企業を対象にしていらっしゃるのでしょうか。
○坂根政府委員 お答えします。 雇い入れ計画作成命令は、原則といたしまして障害者の雇用率が〇・八%未満で、かつ法定雇用達成に六人以上不足している企業を対象に発出することにいたしております。
○大野(由)分科員 今おっしゃった対象企業というのは大体どれぐらいあるんでしょうか。一般企業の中のどれぐらい、また大企業では何%あるんでしょうか。
○坂根政府委員 まず、雇用率によりまして雇用義務のある企業は、平成四年六月現在で五万二千八百八十四社あるわけでございます。このうちの〇・八%未満で不足数が六人以上の企業の割合ということかと思いますが、申しわけないのですが、この数は把握していないということで、割合は不明である。したがいまして、そのうちでの大企業についても割合は不明であるということでございます。
○大野(由)分科員 では、実際にこの障害者雇い入れ計画作成命令を出されたのはどれぐらいありますでしょうか。
○坂根政府委員 この雇い入れ計画作成命令の発出件数でございますが、平成三年度におきましては二百七十二社でございまして、昭和五十二年からの累計で四千百四十五社に発出いたしております。
○大野(由)分科員 この数は多いと見ていらっしゃるのでしょうか、少ないと見ていらっしゃるのでしょうか。
○坂根政府委員 その辺は見方にもよるわけでございますが、最近はかなり多くなってきておりまして、先ほどのような数字になっているということと理解しております。
○大野(由)分科員 今二百七十二社とおっしゃったわけですが、これが多いか少ないかということも、要するに判断ができないわけですよね。該当する企業がどれだけあるかということがわかった上で、該当する企業に対して、また、そのうちどれだけ実際に発出できたかどうかということが判断できるわけでありまして、実際に一生懸命御努力をしていただいているのでしょうけれども、実際それが全体のどれだけに対してこれだけの作成命令を出されたのかどうか、つかんでいらっしゃらないということ自体が私は問題じゃないかなと思うのです。本当にこの十年間、国連障害者の十年ということで、雇用の面でも一生懸命促進をしようということで、恐らく努力はしてきていただいたと思いますが、それがこの実態というのは私は問題じゃないかと思います。 ぜひこれは、今おっしゃった該当企業が一体どれだけあるのかということは、早急につかむべきではないか、実態を掌握するべきではないかと思いますが、御見解を伺いたいと思います。
○坂根政府委員 各都道府県において、末端で、公共職業安定所段階で実務をやっておりますので、いろいろな事務上の都合もございますが、いずれにしても、実態を把握するということは大事なことでございますので、なるべくどういうことができるのか研究していきたいというふうに思っております。
○大野(由)分科員 ぜひこの点はよろしくお願いしたいと思います。 それから、いろいろ作成命令を出されて、それは全部ちゃんと計画書は上がっているのでしょうか。今二百七十二社とおっしゃいましたが、それは全部上がっているのでしょうか。
○坂根政府委員 要するに出してもらっているかということですが、出してもらっている件数が先ほど申し上げたその件数でございまして、お尋ねの趣旨が、その後どういうふうに対応しているかということであれば、その作成命令に基づいて、問題があればさらに適正実施勧告などをしていく、こういうことで対応しているわけでございます。
○大野(由)分科員 じゃ、その適正実施勧告を出されたのはどれぐらいあるのでしょうか。
○坂根政府委員 昭和五十二年以降、現在までに適正実施勧告を発した件数は六百五件でございます。
○大野(由)分科員 平成四年度についてはいかがでしょうか。
○坂根政府委員 平成四年度については四十四件でございます。
○大野(由)分科員 この適正実施勧告を出されましてもなおかつ改善の努力が少ないというところに関しましては、企業名の公表をされる、そのようになっているわけでございますが、今まで企業名の公表をされたのはどれだけあるか、平成四年度においてはどれだけあるかについて伺いたいと思います。
○坂根政府委員 四年度はまだ実施しておりませんが、過去の実績ということで申し上げますと、平成三年度におきまして、それまでに適正実施勧告を発した企業のうち、なお雇用状況の改善が見られない百十三社に対しまして特別指導を実施しまして、一定の改善が見られない四社を公表したところでございます。
○大野(由)分科員 今お話を伺っておりまして、まだ非常に雇用率が低い、一・三六%という現状の中で、平成四年度は適正実施勧告を出されたのがゼロである、そういう状況、また、企業名の公表をされたのも、平成三年ですか、今まで過去さかのぼって四社にすぎない。私は、このような実態から見て、やはりこういう状態では障害者の雇用の促進というのがなかなか進まないというのはやむを得ないのじゃないかな、そのように思うのです。本当にもっとやる気を持ってこの辺を一生懸命やっていただかなければいけないのじゃないか。企業の中にも、一応法定雇用率が決まっているわけですけれども、お金さえ払っておけばいいんだというような考えのところも現実にあるわけですね。企業の中にもそういうところもある。また、私は、労働省がそれを追認するような形であってはいけないのじゃないか、そう思うのです。 今、宮澤内閣も生活大国を目指すということを大きなスローガンに掲げていらっしゃるわけですけれども、この障害者の雇用の問題、また、昨年はILOの百五十九号条約を批准されて、そして障害を持つ方のリハビリテーションや雇用を大きく促進していこう、そのように決意をしたわけでございます。私は今お話を伺っていて、こういう態勢では余り進まないのは無理ないのじゃないか、もっと本気になってやるべきではないか、そのように思うわけですが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○齋藤(邦)政府委員 私ども障害者の雇用促進ということにつきましては、我々の行政の最重点ということでやってきておるつもりでございます。雇用率制度の厳正な運用を図るということは当然でございますし、今年度につきましては、現在いろいろな指導をやっておりますので、まだ公表する企業をどれくらいにするかということはわかりませんけれども、いずれにしましても、今年度も公表を前提といたしました強力な指導をやっておりますし、さらに各種の助成金制度等も活用しながら、私ども対策の充実強化を図っておるつもりでございます。
○大野(由)分科員 民間企業に対しての現行の法定雇用率一・六%、これもまだまだ低いのじゃないかなと私は思っております。もっと欧米並みに二%ぐらいに引き上げるということも必要ではないかと思いますし、アメリカではADA法、障害を持つアメリカ人法という法律が制定されておりますが、日本も障害者差別禁止法、このような法律もつくって、本当に障害者の方の差別を撤廃していく、障害を持つ方の雇用をもっともっと促進をしていく、こういったことが今最も必要ではないか、そのように思っておりますので、重ねて大臣の御見解を伺いたいと思います。
○村上国務大臣 障害者の雇用については、障害者が健常者とともに働けるような社会を実現していくことが重要であると認識いたしております。 今お話ございましたが、アメリカにおいてはADAによる差別禁止という手法により、障害者の雇用対策が進められております。我が国においては、従来より我が国の国情、国民性も踏まえてより実質的に雇用が進むよう雇用率制度を設け、未達成企業から納付金を、金だけを納めさせればいいのではないかというお話でございますけれども、納付金を徴収し、達成企業に調整金を支給するなど、事業主の社会連帯という理念に立って対策を進めております。なお一層その対策を充実さしてまいりたい、このように考えております。
○大野(由)分科員 障害者の方に対する対策は、もちろん労働省だけじゃありませんし、厚生省とか各省庁にまたがることが多いわけですけれども、総理府が平成四年八月に実施をした障害者に関する世論調査の結果で、今後最も力を入れるべき国や地方公共団体の施策としては、雇用とか就労の場の確保が一番必要ではないかというのが四〇・八%で最も大きい、そういう数字が出ております。そういった意味でも、この障害者対策というのはどこよりも労働省が先頭を切ってぜひ頑張っていただきたい、そのように私は思います。 それからもう一点、この障害者の雇用の問題なんですが、ちょっと違った角度の質問をさせていただきたいのです。 障害者の雇用の促進等に関する法律の施行令、これの第一条の二の中に「除外職員」というものが十六項目列挙されております。障害者の方を雇用したくてもとても無理、無理というのでしょうか不可能であるという職場に関して、十六項目の職場に関して除外職種が設けられているわけですが、その中の四番目に「医師及び歯科医師並びに保健婦、助産婦、看護婦及び准看護婦」、こういった職種は除外されていいと出ているんですね。それから六番目に、「児童福祉施設において児童の介護、教護又は養育を職務とする者」というものも除外していい、そう出ているのですが、老人ホームの介護職員、ヘルパーさんは例外規定に入っていないわけですね。 でも、現実には老人ホームの介護職員の方というのは、寝たきりのお年寄りの方を抱えておふろに入れてみたり、またそういう方のリハビリをやってみたりということで、障害者の方にできるだけ働いてもらう雇用の場を広げるべきだけれども、現実には老人ホームの介護職員の人に限定いたしますとこれは不可能だ、そういう状況がございます。そして、実際には不可能なので障害者の方を採用しないで、例の障害者雇用納付金制度を活用してお金でもって罰金を支払っているという現状がございます。 しかし、さっき申しましたように、児童福祉施設における児童の介護とか教護とか養育を職務とする者は入っているのにもかかわらず、どうして老人ホームの介護職員は入っていないのかな、老人ホームの介護職員も当然この例外職員の中に入れるべきではないか、そのように思いますが、御見解を伺いたいと思います。
○坂根政府委員 先生がおっしゃった除外職種でございますが、これは公務員に関するものでございます。その点まずお断りしておきたいと思います。 この除外職種に関しましては、私ども、障害者の雇用の義務は事業主が基本的には平等に負うべきで、原則としてすべての事業主に一律の雇用率を適用すべきものじゃないかなというふうに考えているわけです。 御指摘の老人ホームに勤務するヘルパーの方でございますが、確かに身体的強度を要する仕事が含まれていると考えられるわけでございますが、技術革新などによりましてその職務内容は変化していくわけでございますし、実は障害者雇用審議会におきましても、障害者の雇用を促進するという観点からは、基本的には障害者の職域を拡大するという観点から検討する必要があるという御指摘もあるわけでございます。 いずれにしましても、今の御指摘の問題は、技術革新の進展とかあるいは障害者雇用に係る環境の整備とか、そういう状況を踏まえて、要するに時代の変化も踏まえて検討さるべき課題であるというふうに考えております。
○大野(由)分科員 このヘルパーさんというのは大変重労働で、大変な職種でございます。ただでさえマンパワーの確保が大変という立場でございますので、障害者の方の雇用促進とともに、やはりこうした特殊事情のところはきちっと配慮していくべきではないか、そのように私は思いますので、その点についてもぜひ御検討をお願いをしたい、そのように思います。 それから、来年は国際家族年ということで、ILOの例の百五十六号条約また百六十五号勧告の問題でございますが、このILOの男女労働者、特に家族的責任を有する労働者の機会均等及び均等待遇に関する条約、このことについて伺いたいわけでございます。 一九八一年、今から十一年前に採択をしておりながら、日本はまだ批准をしていない、そういう現状がございます。毎年、なぜ日本は批准できないのかという報告を外務省がしていらっしゃると思いますが、どういう報告をしていらっしゃるのか。外務省が報告をしているんだと思うのですが、労働省はこれをどのように認識していらっしゃるかについて伺いたいと思います。
○松原政府委員 先生御承知のとおり、このILO百五十六号条約は、家族的責任を持っている方であって就業している人または就業を希望する人が、差別的待遇を受けることなく、また、できる限り就業に係る責任と家族的責任とが相反することなく就業する権利を行使することができるようにするということを国の政策の目的とすべきであるということなどが、この中に規定をされているわけでございます。 ILO条約の批准につきましては、政府としましては、批准後はこれを厳正に実施するという基本的な方針のもとに、国内法制との整合性を確保した上で批准に当たっているわけでございます。 そこで、本条約についてどういうことが問題になるかということでございますけれども、本条約の第十条におきまして、子供について家族的責任を持つ者に対する措置は、男女労働者に対してとることを求めているわけでございます。また、第七条におきまして、家族的責任を持つ労働者の再就職のための措置などをとることがこの条約では要請されている。一方、国内の実態を見ますと、我が国では男女雇用機会均等法におきまして再就職の援助の措置というのが規定されておりますけれども、その対象が女子に限定をされて規定をされているということがございます。 そういうことから、これが条約上許容されるかどうかといったような問題がございますし、これ以外にも条約の要請と国内法制との整合性という点において幾つか検討しなければいけない、直ちには批准できないというような点があるということから、いまだに批准には至っていないということでございます。
○大野(由)分科員 女子の再就職、再雇用について男女にするということについてのお話が今あったのですが、介護休業についてはいかがなんでしょうか。やはりILOの百五十六号条約を批准するためには介護休業を法制化する必要があるのではないか。そのことについて伺いたいと思います。
○松原政府委員 この条約は、先ほど申し上げたような家族的責任を持つ労働者が家族的責任と仕事とが両立できるような措置をとるようにということを要請しておりますけれども、そのとる措置というのは、国内の事情に応じて段階的、漸進的にとるということでいいということになっているわけでございます。そういうことから、介護休業が法制化されていなければこの条約の批准ができないということではないわけでございます。 先ほど申し上げましたように、この条約は、子供について家族的責任を持っている場合には、そういう労働者に対する措置というのは、女子だけではなくて、男女にそれが措置されているものでなければならないという第十条の要請がございます。そこが最大のネックだということでございます。
○大野(由)分科員 では、先ほどの再就職も、女子だけじゃなくて今後の大きな課題になるのではないかと思います。 これに関連をいたしまして介護休業、これももちろん段階的でいいわけですから、介護休業が法制化してなければこの条約の批准ができないということでにないと思うのですが、どちらにしましても、この介護休業というものを法制化していくということは必要なのではないか。条約の精神にのっとって考えたときに、これはやはり法制化の方向でやることがこの条約の精神に合ってくるんじゃないか、そのように思っているわけですが、この介護休業の法制化の見通しと今後の予定について、労働省のお考えを伺いたいと思います。
○松原政府委員 高齢化社会が急速に進展している中で、介護を必要とする家族を抱えた労働者の方が働き続けるためには、介護施設ですとか介護サービスといったようなことに加えて、介護休業制度の普及というのが極めて重要なことであるというふうに私どもも考えております。そういうことから、昨年の七月に介護休業制度等に関するガイドラインというものを策定し、これに沿った介護休業がなるべく多くの企業に導入されるようにということで指導をいたしているわけでございます。 先生御指摘の法制化問題でございますけれども、もちろん今後必要に応じまして法制化を含めた有効な普及対策の検討を行うということにはしておるところでございますけれども、現段階は昨年七月にガイドラインをつくったばかりということもございますので、当面はこのガイドラインに沿った介護休業制度の普及指導というところに全力を入れていきたいと思っているところでございます。
○大野(由)分科員 今我が党でも介護休業の法案化をいたしまして、間もなく国会に提出できるように一生懸命努力しているところでございますが、ぜひこの点についてもお願いしたいと思います。 時間がなくなってまいりましたので、最後に一問だけ。 男女雇用機会均等法が一九八六年四月一日に施行されまして、間もなく七年を迎えるわけですが、これはもう見直しをしなければどうしようもないという改正への期待が非常に大きいわけでございます。労働省でも今これを検討してくださっているんだと解釈をしておりますが、いつごろこの見直しをされるのか、見通しを伺いたいと思います。
○松原政府委員 機会均等法の施行を契機にいたしまして、おかげさまで多くの企業で雇用管理の改善が進み、また、社会的にも女性の労働についての理解が非常に進んだというふうに思っております。ただ、全く問題がないかといいますと、必ずしもそういうわけではございませんで、一部企業には雇用管理上の問題があるところもあるわけでございます。 私どもは雇用機会均等法の趣旨が定着するようにということで、さまざまな施策を展開してまいりました。そういう中ではございますけれども、第二次女子労働者福祉対策基本方針の中に書きましたように、男女雇用機会均等法の趣旨をさらに徹底させるための有効な方策について、法令、指針の見直しも含め検討することにいたしておりまして、私どもももちろん事務的に検討は進めておりますけれども、近いうちに審議会においても議論をしていただきたいというふうに思っているところでございます。
○大野(由)分科員 最後に、大臣に伺いたいのです。 今、超高齢化社会に向かって非常に進んできておりますが、反対に少子化社会で子供たちの数が少なくなってきている。そういった意味でも、ますますこれから女性の労働人口がふえていかなければいけないということが差し迫った問題としてあるわけでございますが、育児休業についても所得保障もないという状態では、一向に女性の働く環境、家庭責任と両立する状況が整ってないんじゃないか。 育児休業もぜひ所得保障を早くすべきですし、さっきちょっと質問させていただきましたILO百五十六号条約も批准できるような環境にしていかないと日本の社会は進まないんじゃないか、介護休業も早くやっていく必要に迫られているんじゃないか、女性の労働環境はまだ非常に悪いんじゃないか、そのように思っておりますが、最後に大臣の御決意を伺わせていただいて、終わりたいと思います。
○村上国務大臣 働く人たちが仕事と家庭を両立できるような環境を整備することが生活大国実現という観点からも重要なことであります。そのために、労働省といたしましては、先ほども婦人局長がお答えいたしましたように、育児休業法の定着や介護休業制度の普及促進に全力で取り組んでまいります。 このような育児休業や介護休業を取得して働く人たちに対する経済的援助の問題につきましては、今後の検討課題であろうかと、鋭意検討をしてまいりたい、こう思っております。
○大野(由)分科員 以上です。
○粟屋主査 これにて大野由利子君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして労働省所管についての質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の補充質疑は終了いたしました。 これにて散会いたします。 午後九時二十八分散会