予算委員会 第24号
- 発言数
- 350 件
- 登壇者
- 43 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1993/05/24
会議録
○粕谷委員長 これより会議を開きます。 平成五年度一般会計補正予算(第1号)、平成五年度特別会計補正予算(特第1号)、平成五年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 三案審査のため、本日、参考人として財団法人日本鯨類研究所理事長長崎福三君及び動力炉・核燃料開発事業団理事須田忠義君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○粕谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中野寛成君。
○中野委員 カンボジアの総選挙もまずはスムーズに始まったようでございます。 UNTACの明石さんがその投票所の視察中に俳句を二句詠まれたことがきょうの新聞で報道されておりました。「晴れ着着て投じる票へ込める思いは」また「人集い雨にもめげずつくる国土よ」。明石さんの感慨がよくここに出ていると思いました。 私もまた、この明石さんがつくられた俳句を見て、ひとしお二年前にプノンペンを訪れたときのことを思い起こしながら、あれから随分と町の様相も変わっているんだろうなと。しかし、あのときに触れた人々、あの日本橋のたもとの道路沿いにちっちゃな板を渡してその上に、我々が飲み物かと最初は間違えましたけれども、瓶入りのガソリンを売っていたお母さんとお嬢さんの姿を思い起こすわけであります。 あれだけ投票所に早朝から行列をつくったカンボジアの国民の皆さんの願いは、まさに晴れ着を着て、この明石さんのつくられた俳句にも思いが込められているように、晴れ着を着、これからカンボジアの国づくりの新しいスタートだ、そういう思いを込めて投票所に皆さんが集まられたのであろう、こう思うわけでありまして、この姿を中田さんや高田さんにも見ていただきたかったなと。彼らのその願いを完遂するためにもこの選挙を成功させなければならないし、そしてまたカンボジアの復興がしっかりとなされるように、我が国はとりわけ近隣の国として力を注がなければいけないなと改めて思わせていただいた次第であります。 そこでまず、投票日初日が一夜明けた現在であります。現在の状況それから今後六日間にわたって移動投票所に至るまで、この状況から見て、どのように政府としてはごらんになっておられるか、まず今日段階での御見解をお聞きしたいと思います。
○武藤国務大臣 本当に、今お話のございましたように、カンボジアのあの国民の皆さんが朝早くから列をなして投票所へ行っておられる姿を見て、同じ地球の上に住んでいる我々人類の中で、民主的な国家がない、それをぜひつくりたいというそのお気持ちで集まっておられる、今明石さんの句も御紹介ございまして、私どもは何としてもあそこに平和な民主的な国家ができ上がることを心から願っております。 そこで、状況でございますけれども、投票所は千四百三十カ所だと承知をいたしております。今後も同じように午前八時から午後四時までの投票と聞いております。移動投票所を含めてできる限り、我々としては、平穏なうちに、選挙妨害もないような形で行われることを心から願っておるわけでございます。
○中野委員 総理も昨日、一昨日、ほとんど私邸からお出かけにならないで、マスコミ報道によると、このカンボジアの様子もじっと見守っておられた、こういう報道もきょうはされておりますけれども、今日まで四派がそろって本当のカンボジア和平に向かっての前向きの、しかも我々平和を愛する日本人が期待する手順で進行できればいいと思いますが、現在の心境をお聞かせいただきたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 カンボジアの人々が、自分たちの手で平和な国づくりをしようというそういう努力、また、それに対する、何と申しますか、今中野委員の御引用になりましたような、明るいといいますか、そういう投票をしておられるのを見て、これがパリ和平協定が何とかして実現しようとしているカンボジア人の手による国づくりの現実の姿がその第一日を迎えたという思いで私も見ておりまして、願わくば、このようなカンボジア人の手によるカンボジアの平和な国づくりが、この選挙を無事に終わることによってその第一歩を踏み出すようにということを、祈るような思いで画面を見ておりました。 同時に、我々の送りました隊員あるいは要員がこの選挙のために貴重な貢献をしている、そのために既にとうとい犠牲も出したということについて、どうかこれ以上そのようなことがないように、また、我々としてもカンボジア人のカンボジアづくりに何がしかの貢献をすることができた、そういう国づくりが無事に成功することを祈っておりました。 また同時に、万一のことがあって我々としてもそれに対応しなければならないということが何ときにも起こり得る状況でございますので、私としては、そのための必要な指示をすることが、そういうことがないことをもちろん祈っておりますけれども、怠りがあってはならないという思いで、事態の進行を見守っておるというところでございます。
○中野委員 PKOは、国連にとりましてもかなりの歴史を持ちますが、しかし、まだまだ試行錯誤の繰り返しの状況であることは論をまたないと思います。今回、まあ今のところは何とか、比較的最悪の事態を迎えない状況で推移をいたしておりますが、しかし、いかなる状況になろうとも、そのことを謙虚に見詰め、そしてまた将来の教訓にしなければならない、こう思うわけであります。 そういう意味で一つお尋ねをしたいと思うのでありますが、これは外務省でしょうか。私は、PKOというのは、もともと和平協定が結ばれて、それからPKFがそこで出動して、そして武装解除をきちっとやって、そしてこれで組織的な武力衝突というものはなくなったという確認がきちっとされて、その上で、ある意味では治安警察が整備をされる、それに対してまた文民警察が指導をする、そして、そういう治安、安全というものが保たれる状況になって初めて選挙を行うというのが本来の正しいPKOのあり方ではないだろうか、こう思うのであります。 今回は、国連のカンボジアについてのUNTAC予算は二年分です。二年間ですべてをやろうとまず決めて、そこから、武装解除が中途半端にもかかわらず文民警察を派遣し、選挙監視員を派遣し、選挙をやる、そういう状態があった。私はここに、やっぱり拙速ではなかったかという反省はきっちり持たなければいけない、こう思うのであります。 これは、決して現地の責任とかまたはUNTACの責任とかというのではなくて、言うならばその派遣をしている本体、国連の安保理でしっかりとその議論をしなければいけない。そして、その安保理がしっかりした指示をその現場、UNTACに対して出すということでなければならない。その派遣をした側の安保理の重要な構成国の一員が日本であります。言うなら、日本は派遣者でもあります。また、UNTACの要請を受けて、そして具体的に文民警察官や、そして自衛隊施設大隊を出している。言うならば、出すことを要請した国であり、かつ要請を受けて派遣をした国でもあるわけであります。 その両面を踏まえるときに、私は、出す方に立った、安保理の一員としての日本の役割というものが極めて大きな意味を持つ。PKOを出すその段取りについて、和平協定からPKF、武装解除、警察、選挙というこの段取りを踏むことについて、このカンボジアのUNTACの活動を見て、反省すべき点はないのか。これは今後のことに関連するわけでありますから、私は、極めて重要に、かつ謙虚に受けとめて判断をしなければならない、こういうふうに思うのであります。 私は、選挙というのは武器を持たない戦争だと思います。我々もまたことしじゅうにやらなければいけないのかもしれませんけれども。これは言うならば、政権また権力を争うのが、武器を持ってやればそれは内乱、内戦であり、そしてマイクを、ビラを持ってやれば選挙であるのです。これは言うならば同じ性格を持つものだと思うのです。だから、武器を持った人がいる、武装解除がきちんとされていなければ、選挙を行うときに内戦状態の危険が常に伴うというのは当然のことだと思うのであります。 我々が審議し、そして賛成をしたこの国連平和協力法案も、こういう順序をたどって行われるというのが、ある意味では政府としても前提になっていなかったんでしょうか。そのことを踏まえて、私は、これからのPKO活動というものはやっていかなければならない、そしてそれを踏まえた上で、見直しやまた法改正等をすべきことはやっていく、その前提をきちっと確立をしておかなければいけないと思いますが、どうお考えでしょうか。
○武藤国務大臣 御指摘の点はそのとおりでございまして、大体私は、パリ協定を読んでみますと、今の和平協定でございますが、SNCに参加をしている、これは四派すべてを含めてでございます、停戦には合意をする、武装解除七割はオーケー、すべてこう書いてあるわけでございます。私はやっぱりその辺のことをみんなが善意に受けとめて出発したんではなかろうか。 しかし、現実的には、残念ながらポル・ポト派はほとんど武装解除に応じなかったし、他の派についても七割というところまでは現実いっていないわけでございます。そういう点が、私は決してそういう事態が、せっかく協定が結ばれて、SNCに参加している人間もそれを全部オーケーをしている、やはりそうなるものということで、そういう判断に立って国連もUNTACをあそこに派遣をし、その和平プロセスを進めるようにという形で行った。その点が多少はもう少し慎重であるべきだったのかもしれませんけれども、私は、それはやはり善意で、そういう気持ちでやったんではないかなという感じはいたしておるわけでございます。
○中野委員 今お聞きしたいのは、それぞれがカンボジア和平を願う、善意ですべては始まったことだと思います。ただ、善意だから正しいとは限らないということを先ほど申し上げたわけであります。 善意なるがゆえに、その段取り、手順というものをきっちり踏んで、そして誤解されることのないように、そしてまた、心配がこれ以上積み重ねられることがないようにすることが大事だ。今回は、手順において拙速があったのではないか。しかし、それを今さら悔やんで、引き揚げましょうというばかなことは申し上げません。むしろこれは、私はきちっと、ここまで来たんですから、貫かなければいけない。それがあの選挙に行列をつくったカンボジア国民の願いである、こう思いますから、全力を尽くしてこのカンボジアのPKOは達成しなければなりません。 しかし、今後の反省点として、善意であればいいというのではなくて、今私が申し上げたような手順をしっかり踏んでいく。外務省は国連で努力をする。そしてまた、協力本部はそのことをしっかり見きわめる。そして、本来であれば、五原則に照らしてそれがきっちり派遣する状況にあるのかどうかということを全国民で判断する。しかし、国民ができませんから、国会がそのことをきちっと判断をして、承認をして派遣をするという、そういう手順というものが確立されて初めて国民のみんなも納得するのではないのでしょうか。 今後の課題として、善意であれはすべてが正義であるということではなくて、やはりそこには手順、法律、そういうものがきちっと背景になければならぬ。その手順についての考え方をお聞きしているわけでありまして、これは外務省や協力本部にも関係をいたしますので、総合的な判断から、姿勢から、総理にお聞かせをいただきたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 それは私はごもっともな御指摘だと思います。我々として、国会でこれだけ御議論をしていただいた法律のもとに今度のことに参加をいたしました。また、UNTACとしても、パリ平和協定をあれだけ詰めてUNTACの行動を開始したわけでございますけれども、このように、例えば武装解除というものが十分には行われ得なかった。それはなぜであったのか。しかし、そういう状況のもとで選挙を行うことが相当であろう、そういうことで選挙に入っていきます。 そういう状況でしたから、思わない犠牲を、我々としても貴重な犠牲を出さなければならないようなこともあった等々、おっしゃいますように善意ですべてのことは行われたと思いますけれども、しかしすべてのことが予想どおりいったわけではないので、そういう意味では、今回のことは今回のこととしてきちんとしなければならない。これは中野委員の言われるとおりでありますけれども、一つの貴重な、国連の平和維持活動というものの貴重な一つの実例として今後の、こういうことはそう何度もあってはいけませんけれども、しかし、国連としてはやはりあちこちでそういう活動を期待されている。今後もそうでございましょう。とすれば、やはり参考の貴重な資料として考えていくべき問題がいろいろあるであろうと思います。
○中野委員 聞くところによりますと、これは場合によっては政府委員からでも結構ですが、国連のガリ事務総長等も、今私が申し上げたように、武装解除をまずしっかりとやる、今後のPKO活動はそのことを念頭に置いてやっていこう。このカンボジアの反省点からそういう考え方を持つ方々が、国連ガリ事務総長を初め、また日本の政府の中にも、そのことを今後はしっかりと踏まえてやろうというお気持ちが大変強くなっているということも仄聞したことがございます。この辺のことについてはどういうふうに今お考えでしょうか。
○澁谷政府委員 ガリ事務総長が具体的にそういうお考えをお持ちなのかどうか私どもはまだ承知いたしておりませんけれども、確かに武装解除と選挙との関係はアンゴラ以来問題になっておりますので、今後どういうぐあいに考えていくか、検討すべき問題点の一つだと思っております。
○中野委員 外務大臣にお尋ねしますが、私が申し上げたような方向で今後外交努力をやはり真剣に続けていかないといけないと思いますが、いかがお考えですか。
○武藤国務大臣 いろいろの今回の教訓を生かして、外交努力を一生懸命続けてまいりたいと思っております。
○中野委員 それでは、若干内容について触れたいと思います。 選挙監視要員、我が国からの選挙監視要員が四十一名、比較的安全な地域であるタケオ州に配置されております。直接、投票所の駐留、巡回はフランスの歩兵部隊が行うとなっておりますが、既に行われておりますように、現在の日本の法律で、選挙支援と選挙監視要員の安全確保のために、自衛隊も含めていろいろな努力がなされております。 きのうもニュースを見ておりますと、自衛隊員が投票所の日本から派遣された選挙監視要員のところを訪れて、何か不自由なことはありませんかと。また、監視要員が、個人的なことをお願いしてもいいですかと。いやいや、何でもどうぞと。実は水がというふうな会話をしているのがテレビでも流れておりまして、大変心強く、かつほほ笑ましくも感じました。 そういう血の通ったこと、法律の範囲内ではあるけれども、しかし、実際に人間同士として血の通ったことをやはりやっていかなければいけないと思うのであります。政府も四角四面に考えてはいけないと思いますし、野党もまた変に四角四面な批判をしてはいけないのではないか。法律を守るということは大事でありますが、そういう前提に立ちつつも、やはりぎりぎりの、人間がなすべきわざとしての血の通った行為、行動というものがなされなければならないと思うわけでありまして、その実態についてまずお伺いをいたしたいと思います。現状、どうでしょうか。
○河野国務大臣 御指摘がありましたように、タケオ州に配置されました四十一名の選挙監視要員の人たちを中心に、施設大隊の人たちが精神的な激励をする、バックアップをするという意味も含めて、できる限りの作業をいたしております。 例えばここに、毎日タケオの現地支援チームが選挙要員の人たち四十一人に向かって出す新聞といいますか、ミニコミでございますが、こういうものをつくって送っているわけです。ほほ笑ましいことですが、中にはお相撲の勝敗表とか野球の結果なんかも入れまして、そして届けているわけですが、その中には一人一人のやりとり、つまり今中野委員がおっしゃった、水がきちんと欲しいとか、あせもが非常に多くなったので薬を届けてほしいとかということまでやりとりがございまして、そうしたことを連絡をしながら、あるいは情報収集をしながらやりとりをしているわけです。これはもうまさに、ここには情報収集、例えば、このコミュニケーションメモ用の中には、どこのどういう住民にはうわさがあるがこういうことは注意してくださいとか、こういう話があるけれどもほかに行って聞いてみるとそういうことはなさそうだとか、あるいは、きょうは涼しい一日だったけれどもこういうことに気をつけてほしいとかいうことまで書いたものを毎日届けるという作業をしております。 また、短波放送を使ってこうしたこともこの人たちに聞こえるようにやっているのですが、多少地形の問題があって短波が完全に入らないところもあるということもありまして、これをむしろ毎日届けるという作業もできる限りやろうということで支援体制をつくっております。 このことは、その現地の四十一人の方から家族にこういうことを伝えてほしいというようなことまで聞いて帰って、それを伝えるという作業までしてくれているようでございまして、現地は全員一丸となってこの仕事を何としてもやり遂げたいという努力をしているということでございます。
○中野委員 そこで、一つ私が、まだこういう不幸な事態が起こっていないのでいいのですが、ちょっとPKO協力法の運用面で不合理な状態があるのではないかと思うことが一点あります。これはPKO協力法二十四条三項の武器使用でありますが、我が国協力隊員のために行うということに限定されているわけでありますが、他国の選挙監視要員、タケオの場合は五十七名が他国人の方であります。そういう方々や国連ボランティア、UNVなどは対象外になっているのではないか、こう思うのであります。 これを例えて言うならば、日本人選挙監視要員や、そして不幸な目にお遭いになられましたが、高田さんのような立場の方の場合にはこの対象になるのですけれども、外国人の選挙監視要員や中田さんのようなケースの場合には、この武器使用、いわゆる命を守るために武器使用してもいいというこの規定から外れるのではないか、こういうふうにも思うのでありますが、そういう意味では、もしそうだとすれば大変不合理だな、こう思うのでありますね。 ですから、結局、この我が国協力隊員とかということではなくて、その現場において襲われたときには、国籍を問わず守るべきは守るということがやはり大事なのではないか、このようにも思うのでありますが、このことについての解釈はどうでしょうか。
○河野国務大臣 協力隊法二十四条の三項の規定に武器使用の規定がございます。そこでは、自己または自己とともにある隊員及び平和協力隊員ということを規定しておりまして、今委員お話しのとおり、自分自身を守ること、それから自分自身とともにいる自衛隊員及び平和協力隊員を守るということが平和協力隊法には書いてございます。したがって、今委員がおっしゃった外国の人がそこにいたときに守れるか、平和協力隊員でない者がいたときに守れるかどうかということについては、この平和協力隊法の法令にはそう書いてございません。 しかし、その平和協力隊法は、例えば我が国派遣要員が自己の傍らにいる外国人などの命を守るために武器使用したことが、刑法三十六条もしくは三十七条、正当防衛あるいは緊急避難、こういうものに該当する場合にはその違法性が阻却されることまで否定しているものではないという解釈でございまして、その場に例えばフランス人がおったあるいはカンボジアの人がおったというときに、もう目の前でそういう事態が起こる、そのことを守るために行動をすることは、正当防衛あるいは緊急避難ということで、否定されるものではないだろうという解釈でございます。 平和協力隊法それ自体には、自衛隊員もしくは平和協力隊員を守るため、こう書いてございますが、正当防衛、緊急避難というものの解釈ではそうしたものも見られるだろうということでございます。
○中野委員 現場の自衛隊員の皆さんから考えますと、法律ではこうなっております、それ以外にも刑法の規定の違法性が結局阻却されるということで、言うならば除外規定のように解釈されるということは、大変彼らの任務の意識からすると、どう見ても納得できないという気持ちが出てくると思うのですね。 例えば、先般も私も自衛官の皆さんといろいろ議論をする機会を得ましたけれども、そのときにも、何か言いわけめいた形でやらされるよりもきちっと任務規定をしてください、我々は文民警察官や選挙監視要員をそういう形で、たまたま自分たちが一緒にいたらという形で守るというのではなくて、守るのなら守ると書いてください、はっきりしてくださいという意見がかなり多くの方から出されました。これは憲法解釈論とかいろいろあると思いますが、しかし、現場の皆さんからすると率直な意見だと思います、気持ちだと思います。 そういう意味で、もし可能な限りで、私は憲法解釈はまた私なりの憲法解釈論を持っておりますし、政府の法制局の解釈でさえ間違っているとさえ私は思いますけれども、しかし、そのことを今時間をかけて論じようとは思いません。しかし、少なくとも政府の現在の見解の中ででも、刑法ではこうでしょうというのではなくて、こういう場合はと、せっかく協力法があるのですから、その中にそれは、たとえ一見ダブるように見えても明記するということぐらいのことはせめてやらなければいけないのではないだろうか、こう思うのであります。 時間の都合もありますから、まとめて私は、今後協力法を見直すという上で必要なことと考えることをまず申し上げたいと思います。 まず第一に、PKF凍結の解除であります。これについては、今回のPKO部隊の派遣、日本の自衛隊の派遣によって、少なくとも、事前にとかく言われた近隣諸国に脅威を与えるとか、近隣諸国の危惧の念を助長するとかという心配がなかった、または、あったとしてもそれが完全に払拭されたというふうに思います。そういう意味から考えますと、PKF凍結についての解除というものは、私は可能な時期を迎えているというふうに思います。環境は整っていると思います。少なくとも、PKOというものがいかなる形であれ近隣諸国に脅威を与える行為でないということは、私は証明されたと思います。 二番目に、国会承認であります。第六条七項に規定する国会承認について、私どもは、今申し上げたいろいろな問題がありますが、その条規以外の業務のすべての業務にその対象を拡大をするというのが私は時宜に照らして合ったものだ、こう思います。 というのは、こういう問題はいろいろな心配があります。事件、事故のおそれがあります。となりますと、私は、国民みんなが協力する、せめて国会が承認をしてやっていく。五原則に照らしてそれが崩れていないかどうかという議論もありますけれども、これこそ国会が論議をすべき内容なのではないか、このように思うわけであります。 現状は、私は、和平協定に違反する行為がポル・ポト派によって行われている、または四派以外の無謀な人たちによってそういう事件が起こっているという状況だと思いますし、五原則が崩れたとは思いません。むしろ、五原則の前提となるパリ和平協定に違反する派があるというのが正確な表現なのではないかというふうに思いますが、いずれにせよ、そういう微妙な解釈が必要になってくるときに、国会の承認というものが加わっていた方が国民の皆さんも納得するし、また、それぞれの国の皆さんも了承できるものだと思います。 次に、指揮権の明確化であります。第八条二項の「事務総長の権限を行使する者が行う指図」を「指揮」に改めるべきだと思います。 今回、もう既に村田自治大臣も行かれて実感されたと思いますが、結局、UNTACに派遣をいたしますと、現在で言えば明石さんの、または司令官の指揮に従わなければならないのです。勝手な行動をとれるのではないのであります。それを日本では指揮というのだと思うのですね。指図などというごまかしの言葉ではなくて、やはり少なくともPKOにおいては、国連の活動なのでありますから、国連の指揮に従う、それを明記することがかえって混乱を生み出さない。これは明確にする必要があると思います。今回のカンボジアの経験を通じて、指揮は国連にしかないのだ、国連にあるのだということが、むしろ政府の皆さんだけでなくて国民の皆さんもよく理解された、こう思うのでありまして、これもはっきりされるべきだと思います。 四番目に、待機部隊制度の創設でありまして、「国際平和協力業務」の次に第四章として国際平和協力待機部隊の規定を置いて、迅速適切に対応できる体制を整備してはいかがかと思います。これは自衛隊の別組織という意味ではありません。自衛隊の中にこの待機部隊をつくって、そしてPKO部隊に、語学を含めて、PKOはPKO法独自の活動があるのですから、それに対応する訓練を日ごろからしておくということが大事だ。それは何カ月か何年かごとにそのメンバーが入れかわってもいいと思うのですね。私は、待機部隊の規定を置くことが必要ではないかと思います。 そして五つ目は、自衛隊の本来任務の位置づけとして、国際貢献を本来の任務だとする。自衛隊法第三条にそのことを規定することによって、派遣された隊員の皆さんもまさに心から納得をし、誇りを持って、そしてまた使命感を持ってその任に当たることができると思います。 せめて、こういうものがこれからPKOに関する見直しを前提とした検討の対象となるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 いろいろ貴重な御指摘をいただきまして、まことにありがとうございます。 私どもも、今回のカンボジアのPKO活動は、いわば国際貢献に、言ってみれば初めて本格的に参加をしたという状況の中で、日々新たな体験、確認をしつつございます。こうした経験を踏まえて、次の国際貢献の際にはさらにスムーズな、納得のいく、円滑な国際貢献ができるように考えていかなければならぬ点もあろうかと思っております。 今御指摘をいただきましたような点は、まさに問題点ではあろうと思います。しかしながら、委員も大変御協力をいただいて昨年成立をいたしましたこの平和協力隊法は、その法律の中に三年後の見直しという項目も入っております。こうしたことを考えますと、今回の経験を踏まえ、これはまだカンボジアの問題は完結したわけではございません、これからどういう事態がまだまだ待っているかわからない状況でございますから、でき得る限り十分慎重に、今回の経験を踏まえまして考えていくべきものと思います。 それがいつ、どのようにこの法律の改正を行うかということについては、この法律に三年後の見直しということが書いてございますから、私どもといたしましては、三年後の見直しということをこの法律どおり考えたいというふうに思っておりまして、恐らく、経験を踏まえ考えていきますれば、一定の時間は必要かというふうに思っております。 今御指摘の問題はそれぞれ重要な問題というふうに受けとめておりますが、それをどういうふうにいざ具体的に行っていくかということについては、国内外それぞれいろいろな見方、問題がまだあろうかと思いますので、もうしばらく慎重な検討をさせていただきたい、こう思います。
○中野委員 外務大臣にお尋ねをいたしますが、今申し上げたような内容というのは、外務省が国連で発言をする、また折衝をする、外交努力をいろいろするという上において、やっぱり私は必要な前提条件になると思うのですね。 五つ申し上げましたけれども、そういうものの見直しについて、今官房長官、三年後の見直しの件を触れられ、私どももよく承知をいたしておりますし、このことについては我が党が主張をして入れていただいたという経緯もありますから、よく承知をいたしておりますが、しかし、その前倒しの考え方も私はあっていいと思うのですね。随分貴重な、カンボジアのようなケースというのはこれからそう起こるものではないと思います。これは、私はむしろ、これから経験することのないぐらい貴重な経験を今回は我が国はしたと思うのですね。そういう意味では、そしてまた今後国際情勢に臨機応変に対応していくためにも、見直すべきは早急に見直した方がいいと思うわけでありまして、外務大臣、実務に当たる、折衝の担当大臣としてはどうお考えですか。
○武藤国務大臣 いろいろと御指摘をいただきました点、私もいろいろ考えておりまして、見直すべきときにはそのような点をいろいろ検討さしていただかなきゃならないと思っておりますが、私はやっぱりこれ、国民のコンセンサスといいますか、国民の理解が必要であることは当然でございます。とりわけやっぱり日本人の、今回のこのカンボジアのことで考えますことは、非常に日本が、余りにも平和で、余りにも治安のいい国でございますので、安全という概念そのものが、私は、国際的な概念と日本人の安全という概念が多少は違うんじゃないだろうか、この辺がやっぱり一つの問題点であろうと思います。 そういう点では、これからカンボジアのこのいろいろの実態というものを、国民の皆さんも相当これでマスコミを通じてもよく知っていただいたと思います。そういう面で、これから我々は国民の御理解をいただく努力をしていかなきゃいけない。総理も時間をかけてとおっしゃっておられますので、私も時間をかけて国民の理解を得るような努力をし、また国連の舞台においては国連の舞台で、日本の平和憲法との整合性というものが日本にはあるということもよく訴えながら外交努力をしていかなきゃならない、こう思っております。
○中野委員 時間をかけてとか慎重に検討とかというのは、国会用語では、やらないということに通じるという解釈論もございますが、今のは前向きの、積極的に取り組むんだという意味での御発言だと受けとめてよろしいですか。これから減税問題をやろうと思うのですが、前向きというのはやらないことだというのはこの前もう痛いほどよく味わわされておりますが、どうですか。
○武藤国務大臣 やはり国民の理解を得るには相当の時間がかかる。また、国会の承認を得るのにはやっぱり国民の理解を得なければ国会の承認も得られないわけでございますので、決して、時間をかけてというのは、やらないということではないと思うんでございますが、十分な時間をかけていかなきゃいけない、こう思っておるわけでございます。
○中野委員 時間はかかるかもしらぬが、やる、こういうことですね。
○武藤国務大臣 問題点があることは、主管の大臣でございます官房長官、いわゆる副本部長もおっしゃっておられるわけでございますから、これから我々政府一体となって、時間をかけて国民の理解を得るように努力をしていかなきゃならないと思っております。
○中野委員 顔の表情で読み取らせていただくことにいたしまして、これ以上時間をかけましてもかえってむだですから、次に行きたいと思います。 所得税減税の問題についてお尋ねをいたしますが、今回の総合経済対策、補正予算案は、公共投資の拡大、前倒しや、教育、福祉、情報など生活に配慮した社会資本整備、中小企業や住宅対策に資する政府系金融機関の融資拡大、民間投資促進、雇用対策、金融・証券対策、輸入促進対策などについてかなり前向きに盛り込まれておりまして、その部分については我が党も評価をしたいと思います。ただし、所得税減税が盛り込まれていないことが最大の欠陥だとまず申し上げておきたいと思います。 さて、政府は五月十二日の月例経済報告で、日本経済は「調整過程にあり、なお低迷しているものの、一部に回復の兆しを示す動きが現われてきている。」と分析をし、その一部回復の兆しのところをむしろ誇大におっしゃっているのではないか対外的には、そういう気もするのであります。経済が心理学であることはよく承知をいたしておりますが、しかし実態をしっかり見据えることも一方で必要であろう、こう思うのであります。 国民生活に最も関係する雇用、消費関連の指標はますます悪くなっております。有効求人倍率は、ことし一月、二月、三月が〇・九三から〇・九一に落ち、〇・八八に落ちております。百貨店販売額は、昨年三月以来伸びがマイナス、ことし三月の一世帯当たりの消費支出の実質伸び率は三・四%減少、三カ月連続のマイナスであります。 先般、同僚委員の質問で、お答えをここで聞いておりましたら、新車新規登録が三月ようやくプラスに転じたという答弁をしておられましたけれども、四月にはマイナス九・五%となったということについては答弁で触れられませんでした。私はそのところは注意深く聞いておりましたが。 このように、政府はきちっと実態を見据えるということが必要だと私は思います。こう考えてまいりますと、私はもっと、しかもこの経済指標というのはある意味では抽象的な世界でありまして、必ずしも実体経済を率直に素早くあらわしているとは言えないと私は思うのであります。 そう考えますと、それから消費不況、円高、構造不況が重なり、どん底に落とされた人たちもいます。例えば、戦後の日本経済を支えてきた綿紡績業界などでは、操業停止、設備廃棄、自宅待機、これは例えば、具体的な企業名を出して恐縮でありますけれども、豊橋のユニチカ豊橋事業所の紡績工場は三月に四十二年間の操業に終止符を打とうとしているわけであります。名門東洋紡の従業員三千人の自宅待機は三カ月続いたままであります。鐘紡は九月末までに国内の三工場を閉鎖すると発表しているわけであります。日産座間工場の経緯もあります。 これらのことなどを考えますと、しかし一方では、政府は金利の引き下げとか公共投資拡大とか、目いっぱい行ってきました。消化不良を起こすぐらいやっております。そうなりますと、あとラストリゾートは所得税の減税しかないのではないでしょうか。このことについて、改めて政府の姿勢をお伺いしたいと思います。
○林(義)国務大臣 中野議員からの御質問、多岐にわたりましたけれども、最初に、今回の新しい経済政策につきまして御評価をいただきましたこと、お礼をまず申し上げたいと思います。 いろいろな点がございますが、雇用、消費の問題であるとかいろいろなことのお話がありました。自動車の問題につきまして、三月はよかったけれども四月が悪い、こういうお話、全くおっしゃるとおりでありまして、いろいろな業界の実情もあるのだろうと思いますが、数字としてはそういうふうな形になっている。消費につきましても、まだまだはっきりとした回復の基調があるというような数字が出ていないというのが私は実態だろうと思います。 しかしながら、一方におきましては、いろいろな数字を見ていますと、そういった新しい方の兆し、回復の兆しというものもあらわれていることも私は事実だろうと思いますし、むしろそういったような状況であるということで、もう少しやらなければならないという感じを持っているということは事実だろうと思いますし、恐らく中野議員も同じようなお感じで見ておられるんじゃないかと思います。 お話がありました綿紡のお話でございますが、綿紡も、かつては綿紡というのは大変な人気業界だったと私は思うんです。それがこういうふうな形になったというのは、やはり時代の変化がなということを私はつくづく考えておりますし、綿紡業界がやはりリストラその他のことをやっていかなければならない問題だろうな、こう思っておるところであります。 そうした形で、日本がこれからの持続的な成長をやっていくためにはやはり何をしてやっていったらいいだろうかという形で、私たちの方で考えていましたのは、やはり社会資本の充実というのをやっていかなければならないだろう。こういった形で、社会資本の充実を幅広い角度から、新しい社会資本の充実というような格好でやっていく。これによりまして仕事を起こしていく。仕事を起こしていくことによりまして景気をよくしていくというのが大きな新しい方向ではないか。新しい社会資本をどうつくっていくかというのが私たちの一つの大きな方向ではないかと思いますし、欠けたるところを補っていくということをやっていくということだろうと思います。 欠けて、そして政策として落ちているのは所得税減税ではないか、こういうことでございます。 所得税減税につきましては、たびたび私はこの場におきまして申し上げておりますけれども、景気対策としての効果が、先ほど申しました公共事業その他のものに対しまして劣るというか、いろいろと問題があるということでございますし、また、こうした財政事情の中でございますから、巨額の財源を必要とするであろう、その財源を一体どうするのか、赤字国債によってやるのかどうかというような問題がございます。さらには、一般の所得税の体系の中でこうしたことをやっていくというのは一体どういうものであるかという形で、幅広い広範な検討をすべき問題が残っているということでございます。 ただ、この問題につきましては、委員先刻御承知のとおり、また委員も御参加いただいておりますような各党の協議の場におきましていろいろと話をしておられるところでございまして、公党間での御協議、御議論をしておられるところにつきましては注意深く見守っておるということでございますが、私の方の考え方を申せと言われれば、先ほど申し上げたような考え方であることを改めて申し上げておきたいと思います。
○中野委員 実務者協議の方もこの予算委員会の審議を見守っております。お互いに見守っておったんでは、これは相撲にならぬのでございます。むしろ積極的に、やはり政府がこの問題については取り組む姿勢を示していただかないといけないと思うのですね。 例えば、自民党側も、昨年末までは政調会長が赤字国債所得税減税論を打ち上げるなどの動きもありました。今さら、これは初めて言いますが、この夏の戻し税減税などとは言いません。もう物理的にこれは残念ながら間に合いません。しかしながら、先般、五月十四日でしたか、政府税調会長の加藤寛慶応大教授が、二兆円程度の減税なら自然増収、納税者番号導入などで乗り切れる可能性に触れております。 これは私は、来年に向けての税制改正を早くやって、そしてせめて年末調整に前倒しをして実施するというふうなことを考えるべきではないか、年末対策も含めて。そしてまた、そのことが後で約束されることによってこの夏の消費も安心してできるという心理効果もあることを含めて考えますと、私はこの加藤政府税調会長の発言は、その真意はまた政府の方で否定的に解釈されるかもしれませんが、意図的にでも前向きに解釈をしてやっていくという気持ちをお持ちになったらいかがでしょうか。 好景気になりますと法人税も伸びてまいります。税率を若干高くしても企業はたえられるのではないでしょうか。そのときには。利子株式所得課税も九二年に見直すと法律に書いてあるのに、政府は何もしませんでした。もちろん、納税者番号の導入とか総合課税体制の確立は時間がかかります。しかし、今減税をやって、その過程の中で将来こういう制度を導入することについての検討もあわせ行い、そして制度改正をやっていけば、少なくとも将来に向かっての財源対策にはなるではありませんか。これらのことを積極的に計画的に行っていくことが国民の政治不信を払拭することにもつながるのであります。 一時しのぎに、前向きで検討をするなどという答えはなしにして、今政府の責任ある御答弁をお聞きしたいと思います。
○林(義)国務大臣 今お話がございまして、加藤税制調査会会長からのお話を引用されたお話がございました。 実は、加藤さん、税制調査会の会長をしておられるわけでありますから、加藤さんにも事務当局からどういうことかということでお尋ねをしたところでございまして、その趣旨は、中期的な論議であることを前提とした上で減税を検討する際には、あわせてその財源を検討する必要があり、大規模減税、例えば五兆円減税なら消費税上げが必要であって、それが幾らになると消費税以外の恒久財源をどこまで探していくかというのは、全く仮定として、二兆円とかでもそうしたものに手がつくかどうかいろいろ議論が出たという話はいたしました。何兆円というのは、まあ五兆円なら消費税の増税であろう、二兆円ならその他だ、こういうふうな話ではなくて、何兆円というのはいろいろな議論があることを説明したためのいわば言葉のあやないし比喩であって、具体的に改正案を頭に置いての発言ではありません。したがって、数字には何の根拠もありません。いずれにしても、適切な代替財源を確保することなしに減税を実施することは困難であるというのが加藤さんの御意見だというふうに聞いているところでございます。 私どもも考えておりますのは、消費税というのは今のものが不磨の大典であるとも考えておりません。社会情勢に応じましていろいろ考えていかなければなりません。六十三年に所得税の減税、大幅な減税をやりました。いろいろとそのときのことにつきましてはまた議論があるかもしれませんけれども、私は、相当大きな減税をやったものだ、こういうふうに考えているところでございます。 税というのは、そういった意味で、これからもやはり簡素、透明ということを前提にしてやっていかなければなりませんし、税としてのあり方は、公平、中立、簡素といったことを考え、所得、資産、消費にわたってどういうふうなバランスをとっていくかという基本的な問題から私たちは取り組んでいかなければならないと思っているところであります。 特に申し上げますならば、これからやはり高齢化社会を控えていく、年金の改正の問題等もございますし、そうした問題も含めまして、私たちは、税制の問題、あるべき税制というのはどういうふうに考えていくかということをやっていくのが一番の筋道じゃないかと思っております。委員も御指摘になりましたように、単にこの夏に戻し税をやるのはもうだめだ、時間的にないとおっしゃいますけれども、戻し税というもの自体が、私たちは、ばらまきであって、余りいい制度ではないということを前から申し上げているところでありますが、基本的にはやはり将来に向かって大きな方向づけを私たちはじっくりと考えていくべきものではないだろうか、こういうふうに思っておるところでございます。
○中野委員 加藤税調会長の発言を否定的に解釈して言いわけされるだろうと申し上げたとおりにおっしゃいました。 私は、加藤さんの真意は、決して大蔵大臣が今答弁をされた、それがすべてではないと思います。加藤さんは、やっぱり所得、消費、資産のバランスのことも、直間比率のことも念頭に置きながら、将来の税制改正を踏まえ、しかし、今これだけ国民が熱望をしている所得税減税について何とか前向きに検討できないか、表現できないかという工夫の一つであったと私は思います。私も決して知らない方ではありませんから。むしろ、これをより一層積極的に考えて、前向きにそれこそ考える、実施する、そのことが私は大事だと思いますし、政府税調がまた検討するにしても、政府御自身の考え方が積極的でなければ税調の審議にもまた大きな影響を与えると思うのです。 そういう意味で私は、将来の抜本税制改正のあり方については、土地税制も含めて幾つかの案を持っておりますけれども、それはまた折に触れて今後申し上げたいと思います。 例えば、所得、消費、資産の税収比率は、八九年度と九三年度を比較しますと、所得が七〇・七%から六七・四%に下がっております、幾らか。消費税収については、二〇・一%が二四・〇%に若干上がっております。しかしながら、資産の方は九・二%が八・六%に下がっております。 資産課税というのは、今バブルがはじけて、土地、株等の資産についてはいろいろと苦しい実態は一面でありますけれども、しかしながら、税のバランスからいうと、ここはもっと私は注目しなければならない視点だ、こう思うのです。むしろ、消費税の導入とかなんとかという、または消費税の税率のアップだとかいろいろうわさされる部分もありますが、やるときには、私は、むしろ資産課税のところにはもっと視点を当てていかなければならない。 そのときに、地価税の負担が大きいから地価が下がったんだ、または地価税が重過ぎるとかいろいろな批判もありますけれども、私は、むしろそれは別の視点でクリアしなければいけないことだ、こう思うのでありまして、そういういろいろな見直しについての視点はよく承知をいたしておりますが、しかしながら、私は、これから政府税調の論議、加藤会長の考え方ももっと前向きにむしろ受けとめて、政府がより一層積極的に所得税減税のあり方等について論議をし、かつ国民の願いにこたえてそれを前倒しして行うということが必要なのではないかと思います。 最近までよくマスコミの分析では、これは選挙対策に自民党政府は残しているのではないかなどと書いたマスコミ論調を見たこともございますし、そういううがった見方はしたくありませんけれども、むしろ私は、政府は率直に、この時期にこそまさに、せめて年末調整ではやりますよ、その姿勢をこそ政府は責任を持って示すべきです。選挙対策の道具に使うべきではない。それが政治改革を唱えている人の姿勢ではないのでしょうかと思いますが、どうでしょうか。
○林(義)国務大臣 今いろいろとお話がございましたが、先ほど来申し上げておりますように、所得税というものはまさに資産、所得、消費、それのバランスの中でどうしていくかということでございまして、中野委員からの御指摘もそのとおりであったということに私は思っているところであります。 加藤さんのお話がそういうふうにありましたのも、何もそんなことを考えておられなかったならば恐らくそういった発言は出なかったであろうと私も思っております。加藤さんも、いろいろやはり考えていかなければならない、こういうことでございますでしょうが、やはりいろいろと税調会長としても考えているならば、やはり基本的な問題を議論していくのがこの際筋ではないか。今の当面の問題として、すぐにこの七月、八月に景気をよくしようとかというような話ではなくて、または選挙対策でどうだというような話ではなくて、税調会長としてはやはりそういった形であるべき税制のあり方というのはどうであるかというものを追求していかなければならないというお気持ちだったんだろうと私は思うのです。社会的な状況というものがやはりいろいろと動いてきておりますから、そういったものを反映して先ほどの、というような話だろう、こう思っておるところでございます。 いずれにいたしましても、私どもは、先ほど来申し上げましたように、不公平是正であるとかあるいは納税者番号制度であるとかいろいろな諸問題を抱えておりますので、それらを総合的に考えて、あるべき姿を追求していかなければならないものだろう、こういうふうに思っておるところでございます。
○中野委員 これについては、この予算委員会の今後の審議もございますので、この意見についてはまだ別に議論をしたいと思います。別に時間ではありませんが、この内容の論議についてはなお続いてやるということで、結論は留保いたします。 最後に、政治改革について総理に一言お尋ねをしたいと思います。 二十日の総理と後藤田副総理との会談は、大変大きな期待を集めております。選挙制度改革がいよいよ大詰めに来て、政治改革について大詰めに来た、その象徴ではないかとさえ思われているわけであります。御当人たちに聞くと、大した話はしなかったとまたおっしゃるのかもしれませんが、しかし、大した話をしたことであっていただきたいと思います。この会談を受けて、党執行部 に対して、妥協案づくりの作業を進めるように総理はなさったかどうかを聞きたいと思います。 なぜならば、四月一日の記者会見ではありましたが、政治改革は、これは総理の言葉です、政治改革は「民主主義が危機に陥っているという意識があれば、今国会でできると思う。どっちみち、ぎりぎりの場面まで行かなければできないだろう。その時は退いてはいけない。不退転じゃないとできない」と述べておられます。 「ぎりぎりの場面」まで来ているのではないのでしょうか。だからこそ副総理ともお会いにもなったのではないのでしょうか。そのことが一点。 よって、私は、総理が約束されている政治改革四法案の一括処理、直近の選挙から導入するという方針を改めて確認したか、またその方針に変わりはないかどうか。そのことと、選挙制度の改革についての妥協案づくりについて、場合によっては自民党の総務会などの機関決定、党議決定を、これは変えなければいけないわけですから、そういうことも含めた総理の執行部に対する指示というものが当然あってしかるべき時期を迎えた、総理のお言葉をかりれば「ぎりぎりの場面」を迎えていると思いますが、現在の総理のお考えはどうなんでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 やはりこの国会におきまして、一括しまして抜本的な改革をお願いしなければならないというふうに考えていることに変わりはございません。 自民党といたしましても、随分長いこと審議の上、ただいま提出されております四法案について決定をいたしておりますし、また、私自身はそれが一番いい解決策であるというふうに考えておるわけでございますが、特別委員会においていろいろ御審議があり、また、地方の公聴会等もおやりになられまして、再度東京における御審議に今入ろうとしているところでございますので、各党ともおのおのの御主張がおありになって、それが今一巡、お互いに検討を終わった段階であると思います。さらに特別委員会において審議を進められていくことの中から、おのずから一つの流れといいますか考え方が出てくるならば、これはいずれにいたしましてもお互いの土俵の問題でございますから、ただ数だけで、これで済むというような、数と申しますのは、多数、少数で話が済んでということでは、簡単ではない。殊に、参議院でも御審議をいただかなければなりません。そういうようなことをいろいろお考えの上で特別委員会においてなお審議を進めていただくべきであろう。 いろいろ自民党の中の事情についても御紹介がございましたが、私として、ただいま自民党の案を中心になお御審議を進めていただくべき、まだそういう段階にあるという判断でございます。
○中野委員 時間が参りましたから終わりますが、きのうのテレビを見ておりましても、自民党の若手の方々が随分活発な意見を展開をしておられました。社会党の方々も含めて、それぞれの党の党首の政治決断が下される時期を迎えたとそれぞれ言っておられました。まさに私も同感であります。これは世論の盛り上がりも必要であります。しかし、それを見て最後に決断するのは党のリーダーであると思います。そうしなければ物事がまた実際に進んでいかないと思います。私はそういう意味で、総理にはもちろんでありますが、各党のリーダーに対して、その政治決断をもはやするべきときに来たということを改めて申し上げておきたい、こう思います。 終わります。
○粕谷委員長 これにて中野君の質疑は終了いたしました。 次に、竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は、カンボジアの問題とPKOの問題に若干触れながら、政治改革、それからガット・ウルグアイ・ラウンドをめぐる農業問題、それにタクシーの自由化の問題、行政審議会のあり方、こういうことについて質問をしたいと思います。 まず最初に宮澤総理に質問をいたしますが、去年私たちは異常な決意でPKOの法案を日本の憲法との関係でいろいろ検討した。当時、カンボジアの問題も考慮しておりましたが、慎重に、真剣に誠意を持って対応してきたつもりでありますけれども、残念ながら多数でこれは押し切られた。国会議員としてこの経過に対して、いろいろなことがありましたけれども、我々もこれに対して責任を感じなきゃならない、そういうふうに思っております。 そこで、総理大臣にお伺いするわけですけれども、二十三日から現地では投票が行われている。そして、この間に二人の生命が失われた。心から御冥福を祈ると同時に、けがをされた方々の全快もお祈りをしたいと思いますけれども、さてそこで、しばしば総理は国会で、失われた生命に対して御冥福をお祈りをするということを言われますけれども、この国会で法律を通すときに、この質疑の中で大事なことが抜けていたのではないか、現地の実情というものが十分に法案の審議には反映されないで、法案を通すことにはかり集中してしまって、本当の実情に合わないような形でこの法律を通してしまった。きのうあたりもテレビを聞いていると、やはりその点が抜けていたということを当事者も言われているとおりに、そういうような状態になっている。 そこで、現在選挙が行われておりますが、終了をしても現地はなかなか落ちつかない、平和国家としてはまだかなりほど遠いものがある。そういう中で終了までには何が起こるかわかりませんが、ともかくいずれにしても終了するわけでありますから、したがって、この経過と、終わった後においてどのように処理をされるかという問題についての展望等について、見通しについて、まず総理大臣の考え方をお聞きしたい。
○宮澤内閣総理大臣 パリ協定の基本的な考え方は、やはり最終的にはカンボジア人による投票、選挙によってカンボジア人によってカンボジアの政府がつくられなければならない、しかし、長年の戦乱の暁でございますので、カンボジア人だけでそのことをやることは現実的でないというところから、UNTACというものをつくって、そして各国がその平和維持活動を助けよう、こういうことで今その選挙の段階まで来たところでございます。幸いにして選挙がまずまずの経緯を経て終了いたしますならば、制憲会議というものでカンボジアの憲法がつくられていく、そういうことになっていく、それがパリ協定の考え方の筋道でございます。 そういう中で、したがいまして、UNTACはおのずから任務が終了したときに任務を終えまして、後はカンボジア人による国づくりが行われる、こういう考え方でございますので、できるだけ早くカンボジア人がよその力をかりることなく自分の国づくりを進めていくことが望ましい、私は考え方としてはそれが基本であるように思います。 しかし、場合によりまして、それが本則の中で、カンボジア人としてもある種の助けをなおかりたいという局面が出てまいるかもしれません。それは今から予測しがたい、いずれとも予測しがたいことでありますが、それはどちらかといえば原則でなく、いわば現実の事態に処しての要請と考えるべきでございましょう。それにどう対応するかということはまたそのときにUNTACを構成する国々で決めてまいらなければなりません。 他方で、いろいろな援助の仕方があるように思います。それはUNTACというような形での援助、それはただいま行われておりますが、国づくりということになれば、例えば我が国がカンボジア復興会議というものを唱道いたしておりますが、それらは、関心を持っておる国々が一緒になりましてカンボジアに対して外からいろいろな意味での援助、支援を与えようと、国連というものを一応離れましてそういう発想もございますしいたしますので、その辺のところは柔軟に考えていかなければならないであろう。ただ、いずれにしても、カンボジア人による選挙が終わって彼らによる国づくりが始まる、それが前提であろうというふうに思っております。
○竹内(猛)委員 次に私は、やはり総理にお伺いをしますが、総理の政治哲学というか、政治姿勢というかカンボジアだけじゃありません、政治改革についても、基本的に私はまあ総理は日ごろから平和憲法を守る、非常にハト派的要素を持った人だというふうに思っているんですけれども、そういう点で、政治姿勢ということについて、政治哲学ということについてひとつ述べていただきたい。
○宮澤内閣総理大臣 余り広い範囲で申し上げることができませんけれども、我が国は第二次大戦までの経験にかんがみまして、いわゆる海外において武力行使をするということは非常に危険を伴うということを学んだというふうに思っております。それは、国連というものがいわゆる普遍的な正義を代表するものでなければならないと最終的には思いますけれども、国連が国連らしい機能を始めましたのは、ほんのこの冷戦後のまだわずかな時間しかたっていないこの時代においてでありますので、国連の旗のもとにおいてであればすべてのことが正義化されるというところまでまだまだ世界の理解なり事態は行っていないであろう、残念でありますが、一応そう思っておかなければならないであろうと思います。 しかしながら他方で、明らかに関係国が国連の関与を望んでいる、国連が関与をすることによって戦争後の事態の終了を図りたいといったような場合には、ここに国連の平和維持活動というものが行われるということになるわけでありまして、それが今カンボジアで起こっていることであり、我々はそういうことに対しては、関係者の希望があり、同意があり、いたします場合には参加をすることができる。できるが、しかし、それには先ほど申しましたような憲法の制約というものがあって、そういう場合であっても我々の行動が海外における武力行使に発展する危険があるような場合、発展しかねないような場合には、十分そこは注意しておかなければならない。これがこの法律の五原則であると思いますが、それは五原則の考え方の一つの哲学の問題と、他方で、使用される武器あるいはその武器を使用してよろしいケースについて非常な制約を置いておるわけでございまして、まことに皮肉なことですが、それが我々の要員や部隊の活動を大変に難しいものにする。いわゆるべからず、べからずというものがたくさんあって、行動をする人にとってはそれは大変にやりにくいでありましょうけれども、しかし、そういう困難の中からなお我々の平和維持活動というものを、やはりできるとき、すべきときにはすべきであろうというふうに考えます。 それはなぜならば、それによって我々はできることはやります、しかし、できないことは残念ながらできない、そこを明白にすべきであろうと考えるからでございまして、したがいまして、例えば湾岸戦争のような場合に、我々がいわゆる多国籍軍の中で行動できるかといえば、それは残念ながら我々の憲法からいえば実は非常に危険な領域に、危険と申します意味は憲法上問題のある領域に極めて踏み込みやすいということから、これは参加をしないことが適当である。そのような、何と申しますか、おわかりいただいたとは思いますけれども、我々の憲法を十分に守っていくという、そのためにこそ、できることはやはりしなければならない、しかし、それ以上できないことははっきりできない、そこを明確にしておくべきではないかというふうに今日まで考えてまいっております。
○竹内(猛)委員 できることはできるだけやるし、できないことはやらない、そのとおりですね。 そこで、もう一つお伺いしますけれども、よく人の命は地球より重いという言葉があります。この人の命というものと平和というものが両立をするのかしないのか、いずれをとりますか。
○宮澤内閣総理大臣 今私のこの立場でその問題にお答えいたしますことはいろいろ誤解を招きやすいと実は思っております。したがいまして、真っすぐお答えを申し上げることを御遠慮すべきであろう、この点はおわかりをいただきたいと思いますが、ただ、他方で、自由であるとか独立てあるとかいうこと、これはやはり非常に高い価値を持つものであるということは、いつの時代に申しましても誤りでないであろうとは思っております。
○竹内(猛)委員 答えにくいと思いますけれども、しかし、平和のためにはやはりやむを得ないということでどんどんどんどん拡大していく傾向というものがなきにしもあらずだから、これに対してはやはり慎重に対応しなければまずいということを、私は特に大東亜戦争に学徒出陣で行った経験を持っていますから、仲間が幾人か失われていますから、東洋平和のためにはやむを得ない、あの当時の憲法はそういうことであったから、これは経験者として再びそのようなことのないようにしなければいけないということで、今のようなことを申し上げました。 そこで、自治大臣にこれはお伺いします。 連続する金権腐敗政治というものが継続して、何としても政治を変えなければならないという声がほうはいとしていることはよく承知しています。そこで、今政治改革が言われていますが、昨年の参議院の選挙を見ますと、五〇・五七%が投票しているのです。だから半数は棄権をしているのですよ。そのときには日本新党も出て立候補者を立てたのです。だから、その中で、地域でそのような話をしてみると、率直に、いや、現在の政治がいいから別に変える必要はないんだと言う人もいる、行かなくともいいと。もう一つは、いや、だめだ、だめだけれども、どうせ選挙したって結果は同じだからこれはしょうがないじゃないか、こういう声が率直な声ですね。この二つの声がある。 そこで、この際選挙制度を変えて、長い一党政治を打ち破って、新しい、政権をも変えていこう、そして棄権をしている皆さんにも投票所に出てもらおうというのが政治改革だと思うのです。私はこの点については賛成なんです。だから、ぜひそういうふうにしてもらわなければまずいということを前提にして、次のことをお伺いします。 私は、選挙というのが、今の政権の問題は、まさに衆議院の選挙もこの問題に関係をするけれども、選挙は衆議院選挙だけじゃないのですね。これは特別委員会でも議論がありました。市長選挙、県会選挙も、市町村選挙も、すべて選挙なんです。そこのところに実は問題がある。例えば県議会の選挙等には一名区というものが非常に多い。ところが無競争、無投票でどんどんどんどん決まってくる議席がある。だから、一名区にしたら金がかからない。金は要らないんです、それは。相手がいないんだから。こういうような選挙区をたくさんつくっておいて、また今度は一名区でやろう、これは衆議院の選挙。大変難しい話ですけれども。 そこで、そういうところあるいは首長選挙で問題になることは、政策とかなんとかいうよりも、その人にお金があるかないかということが大体当落の基準じゃないですか。あれは出たけれども、あいつは金がないからだめだ、あいつは金がある、山を売った、土地を売った、あいつは金があるからそこへ行こう、そうじゃないですか。 それから、地方議員には、地方の建設業をやっている人たちが非常に多いですね、利権とのかかわり合いが。そういう形になって、中央政治もよろしくないけれども、地方の政治にもいろいろ問題がなしとしない。ここらも直さなければ政治はきれいにならないと私は思うのですよ。その点について、自治大臣、どうですか。いかがですか、感想は。
○村田国務大臣 竹内委員にお答え申し上げます。 非常に広範な御質問でございます。 ですから、考え方を申し上げますと、私は、政治改革に対する国民の希望、ぜひ改革をしてもらいたいという声は、今日本国じゅうに満ちでいると思うのです。そして、衆議院の制度改革を中心にして政治資金規制あるいは政党助成、そういう考え方で今各党が非常に熱心な議論をしていただいております。この各党の議論はいまだかつてないぐらい国会が活性化をして、そして意見を闘わせておる。こういう形に国会こそなるべきである。したがって、総理が申し上げましたように、この国会で政治改革の言うなれば結論を見出していただいて、そして次の選挙からはそれをやっていきたい、それが私は一番正しい方向だと思います。 それに関連して、都道府県、市町村でありますが、今竹内委員が御指摘になられたような点が地方公共団体によってはあると思います。したがって、地方自治、都道府県、市町村の問題についても、これから根本的にこれを検討していかなきゃならぬ時期であると思います。 過般のここの政治改革委員会にも私、総理のお供をして出たときに、地方分権論が政治改革の重要な一環だということが御指摘ありました。これはやはり各党で、これからの地方の政治改革をしていくにはどうしたらいいか真剣に考えて、政治改革の重要な一環として進めるべきであると思っております。
○竹内(猛)委員 それには選挙法の中で政治腐敗防止というものをちゃんとしなければ、これはどうにもならないんじゃないですか。だから、中央においての今進められている政治改革を仕上げると同時に、地方においても政治腐敗の防止ということをはっきりしなければこれはどうにもならない。 そこで、法務大臣、いよいよ皇室の御祝事がありますけれども、恩赦、大赦、特赦、これをやりますか。
○後藤田国務大臣 その件はかねての委員会でもお答えいたしましたように、恩赦は実施をするという方針で今事務的に最後の詰めを行っておるというのが現状でございます。 もちろん恩赦は、言うまでもありませんが、行政権の作用で裁判の結果を変更する、場合によれば国の刑罰権を消滅させるといったようなこれは特別の制度でございますから、それだけにその運用に当たってはあくまでも慎重で、しかも謙抑的でなければならない。あわせまして、そういうやり方によって国民の理解も得るという範囲の中で処理をすべきものである、こういう基本的な考え方のもとに今回もやらせていただくということで準備をいたしております。
○竹内(猛)委員 ここの数年、昭和天皇の御逝去に伴う恩赦があり、あるいは平成天皇の御即位に伴う恩赦があり、またここで、今政治改革をやり、選挙違反にひっかかった者が約四千名ぐらいいると聞いていますけれども、そういう者を恩赦の対象にするということは、それは今の議論と逆行するということで、私は余り好ましいことじゃないと思う。その点は、法務大臣、はっきり答弁できるでしょう。いかがですか。
○後藤田国務大臣 政治改革は、これはもう言うまでもありませんし、断行しなければならぬと思います。これもまたこの委員会で先般お答えしたとおりでございます。 しかし、同時にまた、恩赦というのも、これは憲法上の制度でございますし、それから、終戦後もこれは何回となしに行われておることですね。そして同時に、やはり法律の、何といいますか、画一性とでもいいますか、固定性とでもいいますかね、そういうものからくる避けがたいマイナス面もあるわけでございますから、やはりこういう恩赦というような制度を活用してそういう欠陥を是正をして、刑事政策的な目的を達成するということでなければならぬと思いますね。 だから、この恩赦の運営は、先ほど言ったようにあくまでも慎重に謙抑的でなければなりませんが、だからといって、従来のやり方がとかく、何といいますか政令恩赦等で選挙違反だけを救済しておるじゃないかといったような点についての、今の竹内さんの御批判の中にそれがあるんじゃないかな、こう思います。 この点は、やはりこういう時期でございますから、恩赦と政治改革、おのずからこれは別の問題でございますから、別の観点に立って、私は、やるべきことはやる、やっていかぬことはやらぬ、こういうことで処理をしたい、こう思っております。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○竹内(猛)委員 恩赦だけじゃなくて、百二十万と言われる交通達反の対象もあるのですから、何か交通達反あるいは選挙違反というのは、あれは捕まったのがどうも運が悪いんだ、みんなあちこちやっているじゃないか、その程度にみんな思っている、ここらのところがまずいんです、それは。そういうものに対して恩赦とか特赦とか大赦なんというものを適用していったら、世の中暗くなっちゃう。だから、明るくしてください、明るく。これは要望です。 そこで、政治改革の問題にまた触れていきますが、特別委員会が百二時間にわたって議論をされたことに対して、その熱意と行動には敬意を表します。そして、公聴会もし、地方で参考人を呼んで、もう大体最終段階に来たような感じがする。 それで、包んでみると、大体四つないし五つに整理されるんじゃないですか。第一は選挙と金の問題、政治腐敗防止に関する法律の云々の問題。第二は政治資金の集め方、献金の問題ですね。三番目が政治倫理の確立。それから、番号はどうでもいいですけれども、逆にしてもいいけれども、その次が選挙制度ですね。それは、一名でいくか、それとも比例を加えたものにするかという形。それから政党交付金の問題。整理をすればそういうところになる。 そこで、一番難しいことがあれじゃないですか。政治資金を集めるのに、会社、企業の献金というのは政治活動上やむを得ないということを盛んに自民党の方がおっしゃっている、聞いてみたら。これだから話がつきにくい、これは。それから、政治腐敗防止法も、イギリスでは一八八三年に政治腐敗防止法をやって一八八五年に小選挙区をやったが、別に同時でだんごにしてやっているわけじゃない。いろいろな例もありますよ。だから、あの国はこうだから、この国はこうだからなんということは言いたくはないけれども、日本には日本の道があるんだから、これは一固まりでやれということですから、ぜひそういうふうにしてもらいたいけれども、これについて、総理としてはいよいよ差し迫ったときに、これはどう考えますか。
○宮澤内閣総理大臣 今御指摘になりましたような幾つかの要素が政治改革のいわば中身にならなければならないわけですが、例えばイギリスにおいては、一八八三年と八五年と分かれてこういうことがあったという御指摘がございました。 それで一つは、したがって資金関係のことでございますが、今特別委員会で御議論になっておるところを伺っておりますと、資金というものは、それは例えば今竹内委員の言われましたように、一切企業、団体からは受けるべきでないというお立場の方々と、いや、個人が受けることにはやはり問題がある、しかし政党であれば、そこは企業、団体も社会的存在であるからいいのではないかという、そういうふうにお立場が分かれるように拝見をしておりますが、いずれにいたしましても、資金という関係を厳格にしてまいりますと、最後に言われました政党助成法というところに行かざるを得ないということは、多くの皆様がお考えのように承っております。 国による政党の助成ということも各国で歴史的にいろいろな議論があって、それをよしとするところと問題があるとするところとに分かれておるように思いますけれども、我が国の現状では、やはり資金というものをきちんとするとなれば、国による助成というところに行かざるを得ないであろうというのが、ただいま各党が共通にお考えになっていらっしゃる問題意識のように思います。 そういたしますと、それを受ける政党、あるいはむしろ団体と言った方がいいかもしれませんが、仮にごくごく普通の意味で政党と言わせていただきますが、というもののあり方、それから、その政党がいたします選挙の内容というものが、どうしても政党助成との関係で問題にならざるを得ない。政党本位で選挙が行われるゆえに政党が公費補助を受ける資格がある、公費補助を与える理由がある、こういうふうに考えていくのだろうと思います。 そうしますと、それは選挙制度の問題に触れてこざるを得ない。どういう選挙制度でもいい。仮に中選挙区、今の制度でございますと、一つの選挙区から同じ政党に属する者が何人か立候補するということが現実にございますが、その場合に、政党に対する資金援助というものはどのような意味を持つのであろうかということは当然議論にならざるを得ませんので、したがって、選挙制度の問題にそれはかかわってこざるを得ない。 これは一つの例を挙げて申しましたのですが、そういうふうに考えてまいりますと、やはり全体を一つの関連した問題として一括して取り扱わざるを得ないのではないか。もし政党助成ということが、これが入り用がないあるいは適当でないということで、これがないという話でございますとまた話は変わってまいりますけれども、それがやはりどうしても入り用だと各党が共通に考えられる限りにおきましては、やはり全体の問題として政治改革を扱わざるを得ない。いろいろな切り口があると思いますけれども、そこから申しましたら、私はそういうことになってくるのではないかというふうに思っております。
○竹内(猛)委員 この問題は、これ以上言ってもなかなか難しいことですから、私はその程度にとどめておいて、次には自治大臣にお伺いします。 この国会も六月の二十日、あとわずかですね。ここで、今話があるように、議論としては政治献金の問題で、今まで個人がいただいた金を今度は政党がもらうという形をとる、その一方においては国からもお金をいただきます。両方からいただくのですね。非常にぐあいがいいようですね。そういうことで、出る方のことについてはどうだ。政治腐敗防止、出る方ね。そういうことについてもはっきりしなければ、これはどうにもならないことになるということの議論をしていくと、長くなっていって、最後の詰めの段階に来ていますが、もし六月の二十日で終了した場合に、うまく党首が集まってまとまったとしたときに、一体その後のいわゆる法律の施行、運営、これはどういうふうになるのですか。つまり、臨時国会を開くのかあるいは法律をつくったりあるいは選挙区割りをしたり、主権者にどういう徹底をしたりして、来年の二月になるとこれはもう解散ですからね、任期で、満期で。その間に何をどういうふうにしようとするのですか。その点についてちょっとスケジュールを、これは難しくはない話だ。
○村田国務大臣 竹内委員にお答えします。 あと三十日足らずになりましたね。そして、先ほど総理からお答えがありましたように、この三十日足らずが一番大事な時期だと思います。したがって、総理と後藤田副総理との先週のお打ち合わせも極めて重要な意味を持っておると思いますし、それから各党が熱心に議論をしていただいておる、非常に大変な議論を積み上げていただいておる、これは重要だと思います。 それで、幸いにしてこの国会でそれが成立しますと、区割りをしなければなりません。これが一番大きなことでございますが、いずれにしても、この国会で関係法が成立すれば、次の選挙には必ずその制度で実施をするということが必要だと思います。したがって、区割りそれからまた周知期間等を、いろいろ必要ですけれども、私は、必ずそれでやるんだというそういう総理の決意があれば、必ずそれに皆様方とともに進む、いろいろな準備を進めていくつもりでございます。 私も自治省の選挙局でこうした事務はかつて扱っておりますから、いろいろどういう関係があるか、これは今各党の政治改革委員と自治省のスタッフとが対応していろいろと教えていただいておりますが、必ず次の選挙には施行をするという気迫で進むべきだと思っております。
○竹内(猛)委員 どうも日程のスケジュールが不明瞭ですね。会期が延長されるのかされないのか、例えば法案をつくるのにどのくらいの時間がかかるのか、区割りはどうするのかという、もう少し具体的な説明はできないですか。非常に抽象的ですよ、その話は。
○佐野(徹)政府委員 事務的にどういうようなことが必要であるかということでございますけれども、今、自民党案それから社公案が、国会に法案が提出をされております。いずれにいたしましても関係の法案が成立いたしました後の作業でございますけれども、選挙区の区割りの作業がございます。 これは、第三者機関を設置をいたしましてそこで作業をする、これが自民案、社公案共通している部分でございます。この作業が行われますと、区割りの原案、これが第三者機関でつくられることになりますが、この区割りの関係につきましては、すなわち選挙区の関係につきましては、これは憲法上も法律で定めるということになっておりますので、第三者機関で作業をされました区割り案が公のものとなるためには、国会でこの区割りに関する法律が成立をするということが必要になってまいります。 この区割り法が成立をいたしましてから、それから実際の選挙が行われることになるわけでございますけれども、その場合に、その新しい制度に基づきます選挙を実施するためのいろいろな関係政省令の整備、それからさらには新しい制度を国民の方々に周知をする、こういったことが事務的には必要になってまいるわけでございます。
○竹内(猛)委員 まず、もうその辺でいいですね、もうこれ以上……。 今度はウルグアイ・ラウンドの農業問題をやります。 この間の委員会では二回にわたって農業問題を中心にやり、宮澤総理もかなり前向きの答弁を出してもらったと思うんです。農業と工業との生産過程の違い、それからウルグアイ・ラウンドに臨むときの米に対する態度、中山間地帯におけるところの認知という形を、市民権というようなことで、これは環境庁長官もそのとき同じような考え方であったし、自治大臣もそうであった。そういう点では大変合意をした。 ただ、惜しむらくは外務大臣が今度はかわったんですね。武藤さんにかわった。渡辺外務大臣は非常に怪しかったけれども、武藤大臣、どうですか。ウルグアイ・ラウンドに対する、農業問題に対する、農林大臣もおやりになりましたし、通産大臣も経過しておるわけだから十分に承知しているだろうけれども、まあ大臣になる前の武藤外務大臣の態度はちょっと怪しかったが、今いかがです。
○武藤国務大臣 外務大臣になりましてから、米だけを守れということなのか、それとも農産物全体を守れということなのか、この点は農業関係の皆さんの意見を聞いてみなきゃいけないということを私は申し上げました。その後、農業関係の皆さんの意見を聞いてみますと、米だけではなく、他の農産物関係についてもひとつぜひ慎重に対処してもらいたい、こういうことでございましたので、私は慎重に対処してまいります。
○竹内(猛)委員 ひとつ慎重にしてほしいということを重ねて要望して、質問をします。 戦後の農地改革があり、それから農業基本法ができて、今度新農政というのが実施をされるわけですね。それで、新しい農村・農業政策というものを出してきた。これは、いってみれば三回目の大きな農村におけるところの波であろうと言われている。これに伴って、平場、中山間、それから機械等々に関する三つの法律が、先般二十八の附帯決議と三カ所の修正によって衆議院を通過した。社会党も衆議院に同じような趣旨の法案を、より中身の濃い法案を提案をした。参議院でも法案を出す、こういう形になっていて、一緒に日本の農業をよくしていこう、こういう考え方では、これはちょっとPKOとは違う、まさに国内問題であって、一緒にやろうという形ですから。 そのときに、附帯決議や要望の中で一番問題になっていることは、今やもう農林水産省がどれだけ知恵を絞っても力を出し切っちゃっている。農林水産省だけの力では、あのだんだんだんだん過疎化していく中山間地帯から奥地はもうどうにもならない。やはり自治省それから農水省が中心になり、生産の方は農水省がやるけれども、財政的な、交付金であるとか起債であるとかそういう問題は、これは自治省と手を握らなければいけない、縦割りではできない。そして、今まで山村振興法とか過疎法とかというものがありましたけれども、これは道路をつくったり建物をつくることはやるけれども、人を住ませて、そこで永住させて、所得を与えていくということについてはいささか熱意が足りない、愛情がない、こういうふうに考えてきて、今度の附帯決議の趣旨もそこにあったと思うんです。 それで、西欧ではそういうところについてはデカップリング方式で農政から切り離して別な所得をやっている。農林大臣は、そのことを質問すると、それは日本は違うとこうおっしゃる。それはそうですよ。中山間地帯に農民だけが住んでいるわけじゃない、いろいろな人が混在していますからね。だからそれはわかるけれども、そればかり言っていたんでは話にならないんだよ。青森県だってそれは過疎地帯なんだから、あんなことばかり言ったんじゃしょうがないじゃないか。 そういうことじゃなくて、もう一つ進んで、やはり所得のできるところでは所得を与えていくということと、それから、どうしても所得がないところには、それは第三セクターなどをつくって、公有林や国有林や民有林などを活用しながら第三セクターをつくって、そこでリゾートをもう一遍見直しをしていく。リゾート法も六十二年に私たちは非常に期待を持って通したけれども、やってみると、ゴルフ場になったり財界が入ってきてどうにもならない、そして今はもうお手上げた、見直しをしなきゃならない。やはり地元の人たちの知恵と協力がなかったらうまくいかないのですよ。そういう点ではこのリゾート法運営についても考える余地があります。 そこで、これは大蔵省だ。大蔵省は今度の予算の中で農村関係にどういう観点から予算を回したか、この点についてひとつ聞きたい。
○林(義)国務大臣 竹内議員の御質問は、今回の補正予算でと、こういうことだろう、こう思いますが、第一に、集落排水等立ちおくれている農山漁村の生活環境の整備に重点を置きつつ、生産基盤の整備等を一層推進するために、公共事業費を三千四百四十五億円追加することにいたしました。第二に、バイオテクノロジー等の研究施設や農山漁村の情報化基盤、生産基盤等の一層の整備を図るため、施設費を九百七十八億円追加しました。第三番目に、中小農林漁業金融の円滑化を図るため、農林漁業信用基金に対し四十四億円の追加出資を行うことによりまして、国費総額で四千四百六十七億円の追加を行って、農林水産業及び農山漁村の健全な発展を図るように配慮しているところでございます。
○竹内(猛)委員 集落排水とかあるいはバイオテクノロジーとか、そういうのはそれは結構な話だけれども、中山間地帯においても所得のないところに金を貸すという。金を貸せば返さなきゃならない、これは。それじゃ借りないでしょう。無利子でも借りないんだ。返せる自信がないからね。だから、そういうところをどうするかということについてはもう少し知恵を絞って、本当に愛情のある方針を出してもらいたいと思うのですね。これからまた恐らく参議院でもこの議論はあの法律を通じて続いていくと思いますけれども、せっかくここで補正をするのですから、予備金だってあるのだから、予備金だってちゃんとそっちの方へ回すというくらいの愛情を持って、せっかく法律を出して今から新農政をやっていこうというのですから、予備費を回すくらいの――五十億でしょう、今度の中では多分中山間の方へ行くのは。それでは心細いですよ、これは。
○林(義)国務大臣 いわゆる中山間の地域振興対策につきましては、先般衆議院を通過いたしました法律、先生もたしか農林水産委員だろう、こう思いますけれども、そこのところの附帯決議の中に、 特定農山村地域における農林業が国土・自然環境の保全等に果たしている役割の重要性にかんがみ、適切な農林業活動を通じてその機能が維持増進されるよう各種施策の一層の充実に努めるとともに、いわゆる直接所得補償方式については、構造政策の達成状況、国民的コンセンサス等も踏まえ、引き続き検討を深めること。 こういうふうな附帯決議が第一項に入っております。 私どもの方の考え方といたしましては、いわゆるデカップリングと申しますか、そういったようなものにつきましては、直接にこれをやるということになりますとなかなか問題があるということは先生も御指摘のとおりでございますし、対象地域、農家を一律的に限定することがなかなか難しいことであろう。それから、現在まで集団、組織を対象として我が国の農業助成をやってきておりますから、今度直接に農家にやるというような話になりますと、また地域を限定してどうするというようなことになりますといろいろな問題があるということであるし、三番目の問題として、職業人たる農家への直接的な所得補償は国民的コンセンサスを得ることがなかなか難しいのではないかということで、農水省では昨年六月にいわゆる新政策を策定し、今後十年間の抜本的な構造改革の緒についたばかりであり、ECとはちょっと今までの経過も違うんではないか等のことがございまして、いろいろ問題があるんじゃないか、こう思っておるところであります。 しかし、御指摘のことでもございますし、これからもいろんな点で研究は進めていかなきゃならない問題だろうというふうに考えているところでございます。
○竹内(猛)委員 三塚政務調査会長も言っているように、十年計画をつくる、こう言っているんです。新農政のための十年計画をつくる。珍しいことを言うのですね。十年計画をつくる、結構な話ですよ。十年計画をつくったら計画だけじゃなくて、その後ろに金をつけて、初年度はこうする、次はこうするということをして、その成果を見ながら進めていくということを、ぜひその附帯決議の精神を生かしてもらいたいと思う。三つの法案に二十八項目、三つの修正点、それで私たちは、社会党も法案を出したけれども、その趣旨は完全には通っていないがその中には盛り込まれたものだと見て、法案はそのままになっていますが、中身だけはちゃんと修正、附帯で通っていますから、ぜひそれはそのような扱いをしてほしいということをまず要望をして、もう一つの問題のウルグアイ・ラウンドの問題を質問をしていきます。 五月の七日のアメリカとECの定期首脳会議及び十四日の四極通商会議でも確認をされたと伝えられているが、物とサービスの市場アクセスの交渉を当面の優先課題として、特にアメリカとECは東京サミット前までに大枠の合意、あるいは具体的に目に見える交渉の成果を上げるために今後集中的な協議を進めると一般的には予想されております。この関連で次のことをお聞きしたい。 まず第一に、今後の交渉は一体どのような形態で進められるのか。アメリカとEC、カナダとの個別交渉が中心となるのか、四カ国の交渉となるのか、一定のところでサミット前でもジュネーブの多国的交渉の場へ移っていくのかなと、目に見える成果についてどのような見通しを持っておられるのかということについて、これは外務省がな。
○森国務大臣 後ほどまた外務大臣から、外交交渉でございますから、基本的なお話をいただくことにいたしまして、先般十四日に、今委員からお話しのとおり四極の貿易大臣会合がございました。これは、ウルグアイ・ラウンド交渉につきましては、御承知のようにアメリカの政権がかわりましたこと、あるいはまたアメリカとECとの間の交渉などが少し、何といいますか、ウルグアイ・ラウンド交渉そのものがちょっと冬眠状態に入ったというような感じもあったわけでございますが、やはり自由貿易体制というものをしっかり堅持して維持発展をさせるということは、世界の繁栄のためにはこれは不可欠なことでございますし、また、多くの国々もそのことを望んでおられるのも御承知のとおりでございます。 そういう意味で、今回十四日に四極の貿易担当大臣が集まりまして、ともかくウルグアイ・ラウンドについては年内には合意に向けて努力しようではないか。さしずめ、いろいろ問題はあるけれども、東京サミットもございますし、それまでには物とサービスの分野についてある程度の目鼻をつけよう。そういう意味で、四極で一つの大きなパッケージをつくろう。そしてサミット以降、多くの国々がございますから、多国間交渉に弾みをつけていこうではないか、こういう実は合意を得たわけでございます。 今後の手順という御質問でございますが、なかなか問題も多うございますが、とりあえず先日の四極の会議では問題点をある程度出し合いました。そして、お互いに痛みを分かち合って、そして大きなパッケージをつくろうではないかというような考え方で合意をしたわけですが、六月の二日にまたOECDの閣僚会議がございますので、四極の関係大臣が集まりますから、そのことを御相談申し上げましょう、あるいはまた二十四カ国のそれぞれ経済閣僚もおりますので、非公式的になりますでしょうか、そうしたお話を申し上げよう。なお、七月のサミットにはある程度の目鼻をつけるということは先ほど申し上げましたが、それまでに必要があれば閣僚レベルの会合もいたしましょう、その間、それぞれ交渉を進めてまいります担当官、専門官がございますから、四極通商会議で問題になりました点などを整理しながら各国間で交渉も進めていこう、大体こういうことの話し合いがまとまっているところでございます。
○武藤国務大臣 今通産大臣からお話のあったことで大体尽きていると思うのですけれども、今後の外交交渉の日程ですけれども、今お話のありましたように、事務レベルでのいろいろの交渉がずっと続いているわけでございますが、閣僚レベルでは、今通産大臣の話のありましたOECDの閣僚理事会を利用いたしまして、四つのグループ、日本、アメリカ、カナダ、EC、これの閣僚レベルの会合を予定をいたしております。 それから、東京サミットまでにということでございますので、六月の下旬、大体六月二十四、五日ぐらいになるかと思うのでございますが、場所は決まっておりませんが、もう一回閣僚レベルの会合をやろうというのが大体今のおおよその外交日程でございます。
○竹内(猛)委員 四極通商会議で通産省は約七百七十品目の関税引き下げ計画を打ち出したと聞いているけれども、それは本当かどうか。それからまた、今後東京サミットまでにさらに譲歩案を出していくのか、いくとすれば、それは非鉄金属や木材などの関税撤廃を受け入れるのか。また、金融、保険などのサービス貿易の分野において海外企業への規制緩和を具体的に打ち出すつもりなのかどうか。いかがですか。
○森国務大臣 先ほど申し上げましたように、自由貿易体制の中で一番その成果を享受さしていただいているのは我が国でございます。そういう意味で、このウルグアイ・ラウンドを年内に何とか交渉に持っていくためには我が国がやはりイニシアチブをとっていくということが重要だろう、こういう認識をいたしておりまして、既に一千品目にわたりますオファーを出しておりますけれども、さらに工業製品につきましては七百七十品目、これは我が国の経済もいろいろな意味で厳しい状況でございますけれども、これをさらにオファーする用意がございます。 ただし、これには前提がございますよ、例えばECではエレクトロニクスの問題もございますし、あるいはアメリカには繊維などの高関税もございますし、そうした問題についてもやはりそれぞれの国も協力していただくということが前提ですよ、こういうふうに申し上げて、言いにくいことだけれども、そういうことがなければ撤回することもあり得ますよということも申し上げておきました。 ただ、その中で、また交渉の中で、今委員から御指摘がございましたように、我が国に対しましては農産加工品でありますとか非鉄金属あるいは蒸留酒、例えば化学製品などもそうでございました、そうしたものについてさらにオファーを求める、努力をしてほしいという改善の要求がございました。 そのほか、いわゆるサービス分野におきましては、金融サービスなどにつきましてもやはり改善のオファーが求められているということでございまして、こうした問題につきましても我が国としても十分慎重に検討した対応をしていかなければならないだろう、このように考えております。
○竹内(猛)委員 この農産物の市場アクセスの問題に関連をして、例外なき関税化を日本政府は受け入れられないという方針を堅持をしており、これはしばしば宮澤総理からもその点については困難だというお話がありましたね。例外なき関税化は困難だ、これはアメリカへ行ったときにもそういうふうに言われており、ルールができ上がっていないのに米などの関税云々の論議に入れないのは当然であり、そうした交渉が求められたとしてもこれを拒否するべきだと考えておるが、これについては間違いないかどうか。
○森国務大臣 今回のトロントの会合では、この問題も、アメリカ側からは農産加工品の説明の中で出ました。私はその際、これはルールの問題でもあるし、それぞれの国が抱えた困難な問題があるので、今回はとりあえず物とサービスについてのある程度の目鼻をつけようではございませんか、したがって、この問題については協議の対象としないようにしたらどうかという提案をしたのですが、アメリカ側はさらに、カンター通商代表は、いや、それは避けるわけにはいかないという話でございましたから、それたとすれば、我が国としては例外なき関税化は受け入れることはできないとこの際申し上げておきますということをその場では申し上げておきました。
○竹内(猛)委員 さらに、この農業に関連をして確認しておきたいことは、酪農製品などの加工食品やワインなどのアルコール類など、農産加工品の関税引き下げも東京サミット前までに市場アクセスの交渉の中で議論されるのではないかといった観測が流行しています。 米などの基礎的な食糧及びガット十一条二項(c)の関連品目の加工食品、例えばナチュラルチーズであるとか米調製品について、関税引き下げの交渉の対象とすることは極めて危険である。もしもこうした対応をするならば、それは、あくまで国境措置に関する公正なルールをつくることだという日本政府の従来からの主張を崩しかねないと憂慮しております。この問題について、明確な方針及び答弁をいただきたい。
○森国務大臣 先ほど申し上げましたように、こうした農産加工品等につきましてもさらに関税等のいわゆる改善の要望が出されておりますが、私から、それはあくまでもテークノートしておくという立場で留保してございますが、それにつきましては担当事務当局からお答えをさせたいと思います。
○眞鍋政府委員 ただいまお尋ねのアクセス交渉と包括的関税化等についての関係でございますが、これにつきましては、農産物につきましては、非常に截然と、アクセスはアクセスあるいは包括的関税化は包括的関税化、こういうふうに分けられない部分がございます。委員御指摘のとおり、包括的関税化については、我が国は受け入れられないというふうなことでこれまで主張を行ってきておるわけでございます。また、今回の四極通商会合その他でも、農業と、あるいはダンケル・テキストの修正にかかわるような難しい問題はどちらかというと後にするというふうなことで進んでおるわけでございますので、我が国のこの包括関税化に関する方針を踏まえながら今後の交渉を進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 次に、アメリカとECとの間では、農産物の市場アクスセに関連をして事務的なレベルの話が進められているということを聞いておりますけれども、これに関連をして、第一に、昨年の十一月二十日のアメリカとECの農業基本合意、いわゆるブレアハウス合意については、双方の輸出補助金の補助も、削減を勝手にダンケル案から後退させて、かつて生産調整を伴うような作物への国内関係の削減対象から除外をするといった内容のあることを理解をしているが、こうした内容はまさに輸出国の理論が貫徹されたものである。数量ベースの輸出補助をダンケル案の二四%の削減から二一%の削減に後退させたが、これでは輸出国は生産調整を条件にして輸出用作物の生産をどんどん進行させ、七九%も残した輸出補助でほぼ永久に安売りを続けることができる。食糧の輸入国の農業にとってこれほど不平等な取り扱いはない、合意はない。 こういうことは認められないわけでありまして、我が国の主張を認めさせるのは当然だと考えるわけですが、この件についての見解をお聞きしたいし、同時に、政府は米国とECの農業基本合意に対して一体どのような評価をされているのかという点についてもお伺いをしたい。
○眞鍋政府委員 ただいま御指摘の米・EC間で農業についての合意が昨年十一月に行われたわけでございます。 この合意につきましては、御指摘のとおり、ダンケル・テキストの修正の問題を含んでおるわけでございます。そういうことでございますし、また、アメリカはその他の問題、アンチダンピングでございますとかMTOにつきましてもダンケル・テキストの修正を求めておる、こういう状況でございます。 いずれにいたしましても、ガットの交渉はマルチの交渉でございますので、二国間で合意してもそれが決まるということではございません。多国間で合意を見て初めて交渉が成立する、こういうことでございますので、我が国が提起いたしております包括関税化に関する修正問題もあわせて検討していくということが必要であるという主張を我々は行っておるわけでございます。 そこで、ブレアハウス合意につきましても、我々としてはそういう修正を認めるのであれば我々の修正も認めるべきだ、こういうふうなことで、これまでのところブレアハウス合意についていろいろと問題点を指摘をし、修正問題についても先ほど来申し上げているような主張を行っておるところでございます。
○竹内(猛)委員 なお、アメリカ側は、ECの農産物の関税化計画はアメリカからのEC輸出を実質的にふやさないものであり、どうも物によっては減る危険もあると聞いたことがあります。 このECの関税化提案に関連をする情報は、ほとんど我々議員のところにはニュースが入っておらない。ECの関税化案はダンケル案の内容をどのように解釈をして出たものなのか、あるいはまた、米国が指摘しているように本当に実質的な輸入がふえないのかどうか、まして日本政府としては、ECが関税化計画をどう評価しているのか、日本も品目によってはECと同じことを考えているのか、こういう情報を詳しく聞かしてもらいたい。
○眞鍋政府委員 包括的関税化につきましては、ダンケル・テキストで一応原則が決まっておるわけでございます。非関税障壁をすべて関税に置きかえるというふうなこと、あるいはミニマムアクセスを設定するとかあるいは現行アクセスを設定するというふうなことになっておるわけでございますが、関税に置きかえる場合に、そのはじき方、どの程度の関税にするか、あるいはミニマムアクセスについてどの量を設定をするかという細部にわたりましては、いろいろとまだ議論の余地があるところでございます。そういうことで、EC側はそれをECの解釈に基づきまして算定をして出してきておる、こういうことでございます。そういうことで、関税化の方式といいますか、あるいはモダリティーといいますか、どういうふうに計算をしどういうふうにやっていくかという点について、まだ合意が米・EC間でもできていない、こういう状況でございます。 我々といたしましては、我が国の従来から主張しておる例外を設けるべきだというふうな主張とあわせて、方式についてもいろいろと議論をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 今お答えがありましたように、私も米国とECとの関係の市場アクセスの交渉は短期間には決着が難しいと思いますが、さらにその見通しについてはどうかということも含めて、日本政府として、例えば東京サミット前までに、こうした農産物の関税化でみずからの主張を通すために米国やECに働きかける用意があるのかないのか、当面は事態を静観するのか、その点について、これは事務局じゃなくて、政府の方から答弁をいただきたい。
○眞鍋政府委員 包括的関税化の例外の問題でございますが、これにつきましては従来から日本政府としていろいろな機会に、農林大臣がいろいろ行く場合、あるいは外国の要人と会う場合に我が国の主張はいろいろと主張をし、また先般も日米首脳会談において宮澤総理から我が国の主張をしていただいたというふうなことで、いろいろな機会にこれまでも我が国の主張をしておるわけでございます。 先ほど来御答弁申し上げておりますように、ウルグアイ・ラウンドは今後どういうふうにして進められていくかということでございますが、包括的関税化のように非常に難しい問題、各国が抱えている難しい問題はどちらかというと後の方に残して、市場アクセスのような比較的簡単な方から進めていこう、こういうふうなことでございます。そういうふうなことでございますが、我々としてはあらゆる機会をつかまえて、我が国の主張が交渉結果に反映されるように主張してまいりたいと思っておるわけでございます。
○田名部国務大臣 お答え申し上げます。 従来から政府の方針は全然変わっていませんし、日本の立場というものは世界の主要国はよく理解をいたしておるわけであります。 ただ、理解をしておるけれども日本だけにこれを認めるということは、ほかからも同様の要求が出てくるであろうということを心配しておる国もありますし、おっしゃるように、先週もオランダの農業大臣が私のところにお見えになりまして、日本の立場というものをはっきり伝えておきましたし、ニュージーランドにもオーストラリアにも、まあこっちから出向くことも大事でありますが、来た農業大臣等に日本の立場というものを明確に伝えておるつもりであります。今後もそういう機会をとらえて日本の立場というものを主張をしてまいりたい、こう考えております。
○竹内(猛)委員 四月十六日に日米首脳会議で宮澤首相は、農産物の包括的関税化を受け入れられない、今後さらに交渉を続けて現実的な合意を目指すべきだとクリントン米大統領に主張したと伝えられております。当然の主張であったと私は思います。 これに関連をして、次のことをお伺いします。 東京サミットにおいても同様の基本方針で臨まれると予想しておりますが、これは大丈夫かどうか、まず第一。 それから二番目は、現実的な合意とはどのようなイメージなのか。そのために例えば一部の品目あるいは課題については、当面、先ほど農水省の経済局長から話があったように、棚上げをするのか、そういったことを他の国に働きかけたことがあるのかないのか、あるいはこれから働きかけるのかどうなのか。この点についてお伺いします。
○宮澤内閣総理大臣 先ほどからお尋ねがあり、また御説明を申し上げておりますことは、アメリカのいわゆる一括処理法というものがとにかく時間の延長が行われたという中で、東京サミットが近づいてまいりますが、このままほうっておきますと、東京サミットが来ましたときに、その後何にも進展がないということになります。 それではいかにも将来に向かってよくないではないかということがありまして、先ほど森通産大臣が言われましたような、いわゆる四極会議におきまして、ダンケル・ペーパーの根本にかかわるような問題、アメリカもECも我が国も幾つかそういう意識を持っております、今委員の言われます問題もその一つでございますが、それはそれとしておいて、それは到底七月までにどうというわけにはまいりませんから、それはそれとしておいて、今停とんをしております。そのアクセスであるとかあるいはそのほかの部分についてはもう少し進められる余地があるではないか。それをとりあえずやりましょうということがございまして、通産省が七百数十品目を条件つきで出しましたのも相手の譲歩を引き出すためでございますけれども、そういう形で工業製品等々の、サービスを含めまして、いろいろな意味でのアクセス交渉の進展というものがこれから七月のサミットまでの間に図られる。 それは、先ほどもお話がありましたように、まず六月初めのOECDの機会であり、次に六月の二十日過ぎの会合であるといったようなことで、その種類の問題、これは先ほどお尋ねがありまして、ちょっとお答えが落ちておったようでしたが、金融等々につきましては、仮に日米間で詰めをするといったようなことを含めまして、サミットまでにそういう交渉が事務当局間と言ってはちょっと語弊がありますが、まだ済んでいない部分についてもっと詰めていこうではないか。 と申しますことは、今竹内委員の仰せになりましたような基本の問題、ダンケル・ペーパーについて我が国も、例えば関税化については異論がある。アメリカは幾つかの点について、これも異論がある。あるいは、ブレアハウス合意そのものがダンケル・ペーパーの修正を必要とするものでございますので、そういう問題は、東京サミットが終わりました後、年末までに議論をしていこうではないか、こういうことでございますので、したがいまして、お尋ねに対しましては、東京サミットが行われました七月の現在において我が国の立場は、包括的関税化については、我が国としてはダンケル・ペーパーに異論がある、その修正を求めたい、こういう立場を維持する。もちろんサミットにおいてそういう細かい議論がなされるとは考えておりませんけれども、その段階における我が国の立場は、ただいま申し上げたようなことになります。
○竹内(猛)委員 通産大臣にお尋ねします。 五月十一日に発表した諮問機関から出ている、産業構造審議会のこれは答申といいますか、不公正貿易報告書といいますか、海外からはいろんなことを言われてくるけれども我が国の方からも一つの何かを言おうじゃないか、つまり管理貿易的なものについて物を言おうということで、大変元気のいい報告書が出てきた。まだ全部を読んでいないからその部分だけ見ると、珍しいことを言うものだな、いいじゃないかということで私はその部分だけは賛成なんだ。何でもかんでも言われっ放しで、それで受けて、はい、はいと言ったらおかしい。 やはり言うべきことは言う、こういう姿勢というのは大変いいことだと思いますし、それからここで、前のときも申し上げたけれども、この農産物のような、工業と生産過程が違うんですから、それをもう六年も七年もガットの十一条二項(c)というところで議論をしてみても、これは各国が違うんですから始まらない。やはりOECDの会議があるならば、そこで人口や環境や食糧という問題を新たな角度から取り上げていって、そして長期的に問題をとらえていくということが必要であるし、ジュネーブ宣言なんかでもそういうことを言っている。それからFAOでもその話はしている。多角的貿易機構の問題でもやっているわけですから、そういうところに移していって真剣に各国がこの問題を考えていかなかったら、人口と食糧と環境という問題はますます悪くなるだけだ。これをひとつぜひ取り上げてもらいたい、こういうふうに思うのですけれども、いかがですか。 これは通産大臣、せっかくこういう元気いいのが出たんだから、それのついでにそこら、外務省はなかなかそこのところは、外務省の経済局長はこの前黙っていた、黙っていたんだね。黙っていないで、少し物を言ったらどうです。
○森国務大臣 竹内さんから今御指摘ございました平成五年度版の不公正貿易報告書、これは平成五年度版でございまして、大変御評価をいただきましたことにつきましては感謝を申し上げますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、我が国は絶えずいろいろな機会をとらえまして各国の皆さんには言うべきことはきちっと申し上げております。 例えば関税の問題にいたしましても、鉱工業製品につきましては我が国は数量制限を全くいたしておりませんし、また関税につきましては平均二・五%で、大体EC、アメリカの半分ぐらいでございまして、先ほど申し上げたような新たなオファーを仮に実施をいたしますと大体一・五%ぐらいになる。世界で一番関税の低い国ということになるわけでありまして、そうしたことなどはきちきちっとその都度申し上げてきておるわけでございます。 今回の報告書も、そのためにあえて力んで申し上げたというわけではございませんで、淡々と事実の問題を、諮問機関でございます産構審のウルグアイ・ラウンド部会の不公正貿易政策・措置調査小委員会から意見具申として提出をいたしたものでございまして、この報告書は、ガットなどの国際的に合意されましたルールに照らしまして、各国の不公正貿易政策あるいは措置の問題点を調査、分析を行ったものでございまして、我が国といたしましては、かねてよりガットなどマルチ国際ルールに則した通商政策を推進すべく努力しておるところでございまして、この報告書を有力な意見として参考にしてまいりたい、このように考えております。
○竹内(猛)委員 クリントンの方から管理貿易というように数量を規制してそこへ追い込んでいくなんということは、これは自由貿易に反するんだから。一方でガットでもってやれと言う、一方では管理貿易をするなんて、そんなばかな話はない。ひとつ頑張ってもらいたい。 そこで、農林大臣に注文をします。 前の農林水産委員会で問題になったのは、新農政の中で食糧の自給率、穀物自給率、カロリー、それから土地の、耕作農地の保有、それに伴うお金、財政的措置、こういう問題については答弁ができなかったですね。だから、ここでも聞いても恐らく答弁できないと思うから、いずれかの機会にこのことについてはただすようにしたいから、十分に答弁ができるようにひとつしておいてください。答弁ができないなんてそんなことはおかしいということです。(発言する者あり)いや、答弁ができない。 そこで、いよいよ米価を決める季節になりまして、田植えは済んだ。食管法の第三条及び四条、生産者の米価、消費者の米価が決まることになっているんだが、農家の生産費と所得を補償するというのが第三条の趣旨なんです。それを最近は、もう米価の決定というのは著しく変化、変動して、ごまかしにごまかしを重ねている。なるべく生産者米価を安くしよう。機械化をし、近代化をすれば安くなるに決まっているんだ、これは。そうしたら、その所得が農家の懐に入らないで、機械屋に入ったり、そういうところへ行ってしまったんでは、これはどうにもならないでしょう。だから、やはり努力をしたら努力をした者のところに所得が入るように、そういう所得構成をしなければだめですよ、これは。 ことしは一体どういうふうにするつもりか。今までみたいに生産力の低いところの中間のところをとって、なるべく安いような資料を出してきて、さあこれでどうですかなんて、これはまずいですよ、そんなことは。それは農業に対する愛情がないんだ。だめだ、それは。どうです。
○鶴岡政府委員 米価の算定につきましては、かねて、農政審議会あるいは米価審議会でいろいろ御論議をいただきました中で、算定方式を決め、毎年の米価を適正に決定しておるところでございます。 現在も、御案内のように、地域方式ということで、それぞれの地域の生産性、大規模平均をとりますと偏るというようなこともありますので、それぞれの地域の生産費の平均をとります。その平均以下の生産費をもとに各地域で積み上げて、価格を決定しておるわけでございます。 これは、従来からの御論議を踏まえて、私どもとしては合理性のある方式だというように考えておるわけでございまして、そういうことを中心に、ことしも食管法の規定にのっとりまして適正に決めていきたいというように考えております。
○竹内(猛)委員 それが適正でないから文句が出ている。 これは総理大臣、ちょっと聞くけれどもね、総理大臣、米は高いと思いますか、安いと思いますか。それともどう思いますか。一食の食事は何ぼだということについて、計算したことがありますか。
○宮澤内閣総理大臣 高い、安い、まあ適正であると思っております。
○竹内(猛)委員 消費者に対しては、いい米が十キロ五千円としますかね。大体六十キロですよ。そうすると三万円になる。一年間に米は三万円。それを三百六十五日で割れば、一日百円ですね、これは。大体百円でしょう。それを三食で割れば三十円ですよ。一杯三十円の米が高いということであれば、これはもうどうにも話がならない。だから、米自体は非常に安いんです、安い。だから、そのことだけはちゃんとしておいて… それを今度は、半分に値切ろう、こういう話なんです。努力すれば努力するほどほかの方へ行ってしまうのでは、これはしょうがない。だから、食糧庁も少し、わかるよ、外圧はわかるけれども、内部のことについても考えてもらわないと、担い手がいなくなってしまう。本当ですよ。そういう点で、余り細かいことは言わないけれども、大筋ではそういうこと。 これは大臣、どうです、ちょっと答弁してください。
○田名部国務大臣 まあ、なかなかこの価格の問題は難しいんですね。選挙制度と同じで、どういうふうに決めてもやはり問題がある。米も同じようなことであって、その線の引き方が、どこを基準にしてやるかというと、例えば今の方法でやっても、その以下の人は不満が出てくるということになるわけでして、私ども、適正にやるためにいろんな、このやり方を変えてきました。これ三年間、今の地域方式ということでやったのですけれども、これも米審、農政審、農家の代表も入っていろいろ議論した上でこういう算定方式というものを決めるわけですけれども、それでもやはり不満というものは残る。 おっしゃるとおり、規模拡大をして生産性が上がる、機械を使うということになると、確かに価格は下がってくる。そればかりではないのです。金利であるとか電気代、いろいろなものを計算してみると、下がらざるを得ないときもあるし、やはり上げなきゃならぬときもあるということで、私どもはそういう資料に基づいて、いろいろな不満があってもその基準、再生産を確保できる、そういうことで米価の決定というものをやっていきたい。 気持ちの上では、努力したら下がるというのは心情としては私もそうであろう、こう思うのですが、一方では、多額の負担をしている国民の皆さんに安全で安い農産物を供給する、また一方ではこういう責任があるものですから、その辺のところを、状況をよく見きわめながら決定していきたい、こう考えております。
○竹内(猛)委員 あと用途別の米の問題についても質問をしたかったが、ちょっと時間がないから最後に、タクシーの問題は省略しますから、ひとつ済みませんが、運輸省、呼び出して申しわけありません。 それで、最後に総務庁にお尋ねします。 総理府の中で行政監察局ですか、そういうものがありますね。これはどういう法律に基づいて、何をするのですか。
○田中(一)政府委員 御説明申し上げます。 総務庁設置法に基づいて、行政監察は、各行政機関を監察して、必要に応じて勧告する、こういうことになっております。
○竹内(猛)委員 私は、ここに文部大臣もいらっしゃるが、自分のところで、ここにも大臣が二人もいらっしゃるけれども、文化財の保護の問題をめぐって、昭和十年に文化財の保護を受けてから今日まで五十年以上たっているけれども、その文化財は文化財としての実体をなしていない。土塁は壊され、堀は埋められ、お城は焼けて、その後ろにただ木が立っているだけであって、その周辺は全く田んぼであり私有財産になってしまっている。そこへもってきて、本丸には家ができた。それから周辺にもまた家ができているというところで、すべてこれは農地法なり建築基準法なり許可を得ているし、それから都市計画法の許可を得て宅地になっている。宅地並み課税も払っている。こういうような状態のときに、今度は私有財産が制限されて家も建てかえてはいけない、土も切ってはいけない、盛ってもいけない、こういうような不満を、行政的不満を何とかしてくれという要求があった。 それで、この間科学技術委員会で、行政監察局から来てもらって説明を聞いたら、そういう細かい問題には手を出さないんだ、こうおっしゃる。 じゃ今度は大きい問題に手を出したかと思ったら、ここに稲作に関する総合行政監察結果に基づく報告というのがある。この報告を読んでみると、農政審議会の報告と一緒だ、こんなものは。ここの結果どうなったかということは何にも聞いてもいないし、どうにもなっていない、現実は。こういうものだったら、こんなものは、こんな役所は要らないんだよ。やるんならちゃんとやるように、きちんと、こういうものをつくったら、こういう結果がどうなったかということをはっきりしなきゃいけない。農協の査察もしたけれども、農協の査察もしっ放しで、その農協については何らの手当てもしない。やるんならやるように、ちゃんと腹を決めてきちんとしなければ、これは行政不満ですよ。そうですよ。 一方において私有財産が抑えられて、そして今度は相談をしようとしたらどこにも相談をするところがない。国会に呼んでも、そんなことはやらないと言う。ところが、役所はある。こんなばかなことがありますか。これはどうですか。
○田中(一)政府委員 お答え申し上げます。 委員御存じのとおり、行政監査は、先ほども申し上げましたが、行政機関の業務の実施状況を監察しまして、必要な勧告を行います。行政の制度、運営一般の改善に資することを目的としておりまして、行政に対する信頼性の確保のために機能を発揮しておると考えております。 そういう行政監察の性格上、専ら個別具体的な問題それ自体の是正を目的とした監察を行うことはしておりません。これは方針でございます。また、私どもの実施体制から考えましても、多岐多様にわたります行政上の問題すべてにわたりまして監察を行い得るものでもございません。したがいまして、限られた体制のもとで政府の重要政策課題につきまして効果的に監察を実施しますために、計画的に取り組んでいるところであります。 しかしながら、そうは申しましても、緊急に調査する必要が生じた場合、当然あるわけでございますけれども、計画を変更して機動的に対応することも当然のことながらやっておりますし、実施することにしております。 また、今お話しの、地方地方でいろいろ課題がございます。行政相談ということで持ち込まれることもあります。それはどうしてもやる必要がある、どうも一般的な問題としてあり得るということになりますと、私どもの出先機関、管区行政監察局あるいは監察事務所がございますが、その限りでの調査はやって、必要な所見を提示し、是正に努めさせていただいておるということでございます。 今お話に出ました農協等の監察につきまして、私ども、それは結果を公表しておりますが、勧告を我が長官から農水大臣にいたしますとともに、後、放置しておるわけではございませんで、三カ月あるいは六カ月後に回答をいただいております。今、その監察について、いつ回答をいただいたか手元にございませんが、当然回答をいただいておりまして、それは公表しております。 また、なお改善されない問題につきましては、数カ月それからまた一年ぐらいで、大体十二カ月ですが、一年たってその後の改善状況も聴取しておりまして、改善のフォローアップは十分やっておるつもりでございます。もちろん、いろいろ難しい問題もあります。 それから今お話しの、委員御指摘の文化財の問題でございますが、本件につきましては、問題の所在について文化庁におきましても十分認識しておると承知しておりますし、また、今後の対処方針につきましては、現在、地元の筑波市におきまして、関係者を集めた検討委員会を開催するための話し合いが行われたと聞いております。 したがいまして、私どもとしては直ちに監察を行うということは考えておりませんが、私どもも必要に応じまして、先ほど申し上げました出先が茨城県にもございますので、その機能を活用しまして、現地における状況の推移を見守ることにしております。 また、この問題が全国的な広がりを持ち、制度の運営とか改善を要する問題であるというようなことについても勉強してまいりたいと思っております。
○竹内(猛)委員 時間が来ているけれども、今の答弁だけを聞いていると非常にいいように見えるけれども、実際、目薬にもならない、こういうものをやっても目薬にもならない。目薬をつければ目が少しはよくなるけれども、目薬にもならないのだから、もう少し、長官、役所が存在するなら存在価値があるような、腹が痛かったら頓腹ぐらいのものの役割をするぐらいのしっかりした役所にして、信頼を得てもらいたい。 文化庁は迷惑していますよ。文化庁は迷惑しているんだよ。文化庁は被害者ですよ、これは。だから、行政監察局というものがあるのだから、その決まった行政がちゃんとうまくいっているかどうかということをその地域を監察をして、これはだめだというならそれでだめだということについて、しなければ、何のためにこういうものを出すのか。これ、出したって、これは農林省の農政審議会の答申や報告と一緒だ。これでは役所の価値を有しないんだよ。どうですか、長官、ちょっとこれはちゃんと、目薬じゃなくて頓服ぐらいの価値のある話をしたらどうだい。
○鹿野国務大臣 ただいま先生から御指摘の行政監察につきましては、監察局長から答弁申し上げましたとおりに、きちっとやるべきことはやらさせていただいております。ただ、一つ一つ個別の問題というふうなものについて取り上げるというふうなことは考えておらないということを申し上げさせていただいているわけでありまして、文化財の問題等につきましても、全国的にいろいろなるところの保護、管理というようなことで問題を生じてきているというふうなことならば、それを取り上げていくというふうなことも検討していきたい、こういうふうな基本的な考え方であります。
○竹内(猛)委員 いろいろあるけれども、時間が来たからやめます。
○石川委員長代理 これにて竹内君の質疑は終了いたしました。 午後二時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時四十五分休憩 ―――――◇――――― 午後二時七分開議
○粕谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。目黒吉之助君。
○目黒委員 きのうからカンボジアの制憲議会選挙が始まりました。私は、この間に犠牲になられましたお二方に哀悼の意を表しますとともに、今後このようなことが起こらないように、またカンボジアの選挙が平和につながるように思いをいたしながら質問をしていきたい、こう思います。 カンボジアの問題で、最初に、我が国のPKO活動と国連のPKO活動の違いについてひとつ改めて確認をさせておいていただきたい、これが第一点であります。第二点目は、カンボジアの現状は条件つきの敵対関係に入っているのじゃないかこういう状況認識についてお伺いをしていきたいと思います。三つ目は、今後犠牲者が出た場合に、国際条約による犠牲者保護に関する適用などがあるのか。この三点を中心にして幾つか質問をしてまいりたい、こう思っております。 申すまでもないことでありますが、昨年八月十日にPKO法が施行されましてから足かけ十カ月になります。カンボジアの現地ではさまざまな、予想しなかった事態に遭遇して、我が国のPKO法は一体これでいいのかどうかという多くの疑問を投げかけております。 その最も大事な問題は、武装した自衛隊を派遣することによって、現地での活動は、我が国の憲法上の制約を受ける反面、UNTACの要請にこたえて活動しなければならない。特に外国の平和維持軍と同じレベルで業務を要求をされる。日本だけが別な業務につくというのは、現場ではなかなか困難というような状況があるようでございますので、この辺についてやはり明らかにしていかなければならないのじゃないかというふうに思います。 それからもう一つは、大事なことでありますけれども、危ないところには行かせないと言ってきた政府が、今日、血が流れたことはやむを得ない、百八十度態度を変えざるを得ないような状態になった。 以下、この二つの問題について質問をしていきたいと思います。 初めに、我が国憲法の定める平和維持と国連憲章の平和維持活動についてお伺いをいたします。 我が国憲法と国連憲章との間には、国際平和の構築について多くの共通点を持っておりますことは、今さら申し上げるまでもありません。と同時に、異質な部分もあることも御案内のとおりであります。国連憲章の設置目的であります平和的手段によって国際の平和を維持する、この点は我が国憲法と共通する部分でございます。しかし、例外的な措置として、軍事的な強制措置を国連はとることがございます。憲章にこれは明確に定めてございます。 御案内のとおり、今UNTACは、ポル・ポト派に対してこの軍事的な強制措置、すなわち、武力行使を容認された中でPKO活動を進めておるわけであります。国連安保理事会は五月二十日、パリ協定による選挙を妨害する者があれば武力行使も辞さないと警告をいたしまして、UNTACも、攻撃があればためらうことなくこれを反撃する、こういうことをSNCの作業部会の会議で宣言をいたしております。 この国連とUNTACの決定を日本の自衛隊は受け入れることができるのかできないのかということになりますれば、この部分については明確にノーのはずであります。総理はこの点について、これはもう明確だと思いますけれども、改めて確認をさせていただきたい、こう思いますが、いかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 国連憲章が定めております平和維持行動と、この法律が我が国に許しております。その内容とは、確かにいろいろな意味で違っております。我々が現地に行ってもらっております部隊あるいは要員の諸君は、我が国がこの法律によって、あるいは憲法によって定めました枠内の行動、それを出ることは許されないという、そういう意味で一般よりは厳しい制約に服しておる。それだけに仕事がやりにくいということは十分に理解のできることでございますけれども、さりとて、しかし、我々は我々の法律、憲法の許すところを出ることはできない。また現実に、そのような趣旨から、携帯しております武器の種類も制約をいたしておりますし、その使用の場合についても制約をいたしております。 それらのことがございますから、ただいまお設けになられました仮説、十分正確には把握いたしませんでしたが、私の理解するところによれば、もしUNTAC自身が武力攻撃を受けて、それに対して武力反撃をする、あるいはUNTACの目的を遂行するために武力行使に出るということが、そういうマンデートをUNTACが与えられておったとした場合に、そのような行動に我が国から派遣された部隊、要員が共同できるかということでありますれば、それは法律の認めているところではないと考えております。
○目黒委員 特別協定に基づくやむを得ざる武力行使には、明確に日本は参加できない、ここのところはやはり理解をし、さらにそれに向かって適切な措置がとられないと、ずるずるとやってはならない業務に引き込まれていくのじゃないかという心配を私は持っておるわけであります。 特に最近、業務計画の変更もなしに新たな任務が次々と実行されておる、ここのところに大変な危惧を持っておるわけであります。例えば、要員の安全対策と称して巡回をする、あるいはまた要員の輸送をしながら警護をするといったような、言葉で表現されるものと中身が違った業務というのが幾つかやはり見受けられるわけでありまして、このままいきますれば、まさに特別協定、四十三条に基づく、国連憲章七章に基づく、特別な事態に対する武力行使に巻き込まれていく危険というのが大変最近色濃くなっているのじゃないか、こう思うわけでありますが、この点は総理じゃなくても結構でございますので、お答えを願いたいと思います。
○河野国務大臣 大変御心配をいただいておりますが、私どもといたしましては、実施計画、実施要領というものを定めておりまして、この実施計画、実施要領に基づいて現地で行動をいたしております。 御指摘がございました輸送につきましては、実施計画の中に既に入っているものでございまして、その輸送を行っているわけでございます。 巡回あるいは警護というふうに御指摘がございましたけれども、私どもは、輸送の際、つまり人員の輸送の際、輸送すべき人員の警護という意味ではなく、輸送すべき車を運転する音あるいはそれに同乗する者がそれ自身の自己防衛のために一定の火器を持つことはあるわけでございますが、そうしたこと、それらはいずれも輸送を目的としているわけでございまして、警護を目的としてそうした行動をしているわけではございません。 また、巡回につきましても、巡回という御指摘がございましたけれども、私どもは、情報収集、とりわけ治安情報の収集、あるいはそうした情報を伝達をするということのための行動をしているわけでございまして、警護とか巡回とか、そういったことを目的に行動しているわけではございません。
○目黒委員 とにかく、おっしゃるような理屈というのは後からつけることなんでありまして、法案審議の過程でそういうものが確認されておったかということになりますれば、私は、今の御答弁、これまでもずっと同じことを繰り返してこられましたけれども、そういうことをあらかじめ確認した上でPKO法案ができたとはとても理解できないわけであります。 したがいまして、私は、これから申し上げますのは、PKO法十カ月やってみまして、いろいろな点に問題が出た。出たのであれば、これから本当に国際社会で貢献していくにはどうあるべきかということの検討材料の一つとしてきちっと押さえておかなきゃならない。いいかげんに法律を拡大解釈をしてそのままずるずる残すというのは、これはもう一番悪いケースだ、こういうふうに思うものですから、お伺いしておきたいと思います。 その点では、今の巡回もそうでございますし、それから警察官の活動領域が、選挙監視と申しますか、こういうものは、出ていった後、業務計画の変更によってつけ加えられたものなんですね。そうでしょう。だから、現地の警察官は恐らくそういう業務に現地でつくということは承知していないと思うんですよね。こういうことがどんどんやられていくということになってまいりますと、やはりこれは法の趣旨を大きく逸脱することになるわけですね。そういうことがないように、申し上げることをひとつ受けとめていただきたい、こう思います。 次に、安全問題について質問をいたします。 カンボジアの現状は、ポル・ポト派が、武力行使をしてでも選挙を妨害する、こういうふうに宣言をいたしまして、ラナリット派、プノンペン政権それからソン・サン派、つまりSNCのポル・ポト派を除く人たちが作業部会を開いたわけでありますが、ここへ出席した明石代表が、先ほど申し上げましたように、万一武力行使があれば、これはちゅうちょなく撃退をすると申しますか反撃をする、こうおっしゃっておるわけでありますが、私は、こういう状態というのは紛れもない敵対関係だと思うのですね。 どうですか、敵対関係じゃないんでしょうか、いかがですか。これはパリ協定が破られるとか破られていないとかということとは別な問題として確認をしておきたい。
○柳井政府委員 お答え申し上げます。 敵対関係とおっしゃることの意味いかんにもよると思いますけれども、UNTACの要員が例えばポル・ポト派の攻撃を受けるというような場合に、その安全、自己の生命、身体の安全を図るということは、これは当然認められていることでございまして、そのために武器を使用するということも元来認められているわけでございます。 明石さんがおっしゃったことの詳細は必ずしも承知しておりませんけれども、そのような場合に、要員の生命、身体を守るというために武器を使用するということ自体は、これは当然予想されていたことでございますし、また、その限りにおいては我が国の国際平和協力法二十四条も、非常に厳重な要件をつけておりますけれども、その場合のやむを得ざる武器の使用ということを認めているわけでございます。これを敵対関係と言うかどうかにつきましては、私はこれは攻撃に対する防衛であるというふうに言うのが正確であろうと思います。
○目黒委員 柳井局長、今おっしゃったこと、非常にあいまいなんですね。UNTACが意思表示をし、ポル・ポトも意思表示をする。今、要員の安全を守るというふうに、こうおっしゃいましたが、それも当然入っているでしょう。だがしかし、目的は、選挙を平和裏にやりたい、ここなんじゃないですか。選挙をパリ協定に従って実施をする、選挙妨害はさせない、あるいは選挙を破壊はさせない、そのために必要な武力行使はやむを得ない、こういうことなんでしょう。いかがですか。それならわかるのです。
○柳井政府委員 選挙を平和裏に行うというのは、これは当然国際社会の一致した目標でございまして、そのためにUNTACとしてもこれまでいろいろな努力をし、また安全対策等をとってまいったわけでございます。 最近の安保理決議におきましても、すべての派に対しまして、UNTAC要員の安全を確保し、またUNTACの要員に対するいかなる妨害をも阻止するためにあらゆる必要な行動をとることを要求するということを言っておるわけでございます。その中に、ここではあらゆる必要な行動ということで、必ずしも武器の使用というふうには言っておりませんけれども、これは、法案の審議のときにも武器の使用あるいは武力の行使ということにつきましていろいろ御議論があったわけでございますが、その中で、これまでのPKOの武器の使用の場合というものに大別すれば二つあるということは、しばしば政府側からも御答弁申し上げた点でございます。 一つは、先ほど申し上げたような要員の身体、生命の防護のためということでございますが、この点は、我が国におきましても自己保存のための自然権的な権利だということで憲法上も禁じられていないということを御答弁申し上げてきているところでございますし、そういう考え方に立ちまして国際平和協力法二十四条の規定ができているわけでございます。 他方におきまして、今までのPKOの慣行によりますれば、任務を妨害するものがある場合、これを排除することのためにも最終的には武器を使用してもよろしいということがあるわけでございます。我が国の場合には、この点につきましては場合によっては憲法上の問題も生じ得るであろうということで、二十四条の規定はそういうものは含んでおらないわけでございます。この点は、制約といえば確かに制約でございますけれども、我が国の法律が成立いたしましたときに、またその後いろいろな機会に、国連側に我が国の武器使用の範囲は、この最初に申し上げた方、すなわち要員の生命、身体の防護という点に限られるけれどもそれでいいだろうかということで、国連側の了解も得ているところでございます。 したがいまして、これは仮定の問題でございますが、我が国の法律制度上の問題として申し上げれば、我が国の要員がやむを得ず武器を使用する場合があるとしても、それは我が国の国際平和協力法二十四条の定める範囲内でしかあり得ない、こういうことでございます。
○目黒委員 ちょっと答弁が長くて肝心なところがどうも余りはっきりしないのですけれども、選挙を成功させるために武力行使もあり得るというのを若干、断定的ではないけれども、そういうふうにおっしゃったように思いますし、官房長官、その点は、一言でいいですが、そういうことなのでしょう。 この間の質疑で、官房長官の方で敵対関係で既に死亡した人がある、UNTAC要員ですね、こういうふうに答えていらっしゃいますから、私はそれは間違いないと思うので、ここのところを誤ると、これからのPKO活動で、現地は限りなく敵対行動あるいは敵対関係にあるのに日本のPKOが行かなければならないというようなことになっては大変なのですよ。ですので、ここのところはどういう状態が敵対関係または紛争の状態、これは民族紛争もありましょうし、宗教紛争もありましょうし、PKO法案の審議の過程ではテロ、ゲリラもその中に入る、こういうふうにお答えに政府側からなっておるわけであります。したがいまして、そういう観点で申し上げますれば、今のカンボジアの状況は紛れもない敵対関係にあり、犠牲者が出ておる、こういうことだろうと思うのです。 その目的は何かということになれば、繰り返すようですけれども、これは選挙を成功させる、パリ協定を遵守する、こういうことなのじゃないでしょうか。
○河野国務大臣 過日、私が御答弁申し上げましたときは、カンボジアで何人犠牲者が出ておるかという御質問がございまして、敵対行為によって亡くなられた方が十数名、その他事故、病死の方々がたしか四十数名というふうにお答えを申し上げたと思います。つまり、事故で亡くなったのではなくて、敵対行為、つまり明らかにねらわれて撃たれたあるいは攻撃を受けたという意味で、敵対行為というふうに申し上げたわけでございます。
○目黒委員 私は、やはり唯一の安全対策というのは、今日時点でいいますれば、ポル・ポト派が武力行使宣言をおろし、UNTAC初め他の三派も武力行動はとらないという状態をつくることが、ちょっと理屈になりますけれども、一番安全である。当然のこととしてそういう外交努力というのは、もう私が申し上げるまでもなく、究極までやられているだろうとは思いますけれども、しかし、ポル・ポトの言っていること、あるいはUNTACと敵対することの中身は何かといえば、選挙を成功させるかさせないか、これで分かれているわけですね。 でありますので、紛争の原因というのは選挙であって、あえてこれが紛争だ、あるいは戦争だという場合は、条件つきの紛争なんですね、これは。条件つき紛争です、間違いなく、国際社会において。条件つき紛争なのですから、この条件が除去されればいいわけですけれども、とうとう除去されないまま走ってしまいましたから、新たな課題として後に残ることは、これは明確でございます。 でありますので、選挙が終わった後もそういった問題が尾を引くことは、これはもう確かなんです。そういう状態の中で、日本政府は、なかなか国連憲章と日本国憲法のはざまでぎりぎりの選択肢、非常にわかりにくい難しい選択肢を選択されながら今対応しておられる。これはよくわかります。わかりますが、やはり日本のPKO隊の安全を盾にしてどんどんと一方の当事者を攻撃する側に回っておる、こういう状態が日に日に強まってきておることにやはり注意を払っていかなければならないのではないか、こんなふうに思うわけであります。 国連憲章は、先ほど申し上げましたように、四十三条の三項で、例外的な軍事的強制措置がとられる場合は、加盟国の憲法に照らして批准をする。ですから、参加の義務はないんですね。参加の義務はないんです。私は、ここのところを明確にしてほしいというのが、今質疑をしておる最大のやはり課題として受けとめておるわけであります。この例外的な軍事的強制措置には入らなくてもいいんだ、入らなくたって名誉ある地位を確保することができるんだ、こういう認識を持ってもらわなければいけないと思うのですよね。何かしら他国の軍隊と同じことをやらなければ恥ずかしい、こんなことではないわけでしょう。 パリ協定ができて、選挙の有権者登録まではスムーズにいった。ところが、選挙をめぐって条件つきの紛争が現に起こっておる。こういうときには、私は、宮澤総理もPKO法案を審議する過程では、そういうときは撤退するんだ、そのくらいの決意でおられたんじゃないかと思うのですよね。ところが、現地の状況の変化と時間がたつにつれて撤退をしにくくなってしまった。つまり、法の趣旨を生かされない方向で今走っておる、こんなふうに思うわけでありますが、とにかく日本政府は、例外的な強制措置には参加しなくてもいいんだ、こういうのを前提にして、この事態についてどう思っていらっしゃいますか。
○宮澤内閣総理大臣 もう一度設問の場合を明確にしてお答えをいたしますが、例えば今クメール・ルージュのようにいろいろゲリラ戦行動に出ている、これは選挙を妨害する行為であるという立場から、何かの理由でUNTACがこれに対して武力をもって鎮圧をするあるいは対抗するというような決断をした場合に、我が国の部隊、要員はそれに協力をする必要があるかということにつきましては、ありません。
○目黒委員 現在の状態は、そういう状態なのですね。 紛争がどの程度なら撤収条件が満たされるのか。全面的な紛争に発展した場合に撤収なんかできませんよ、常識として。この点、また後からちょっとつけ加えて質問をいたしますけれども、今までの政府答弁は、全面的な戦争になっていないからパリ協定は守られており、撤収の条件はまだ到来していないという判断でございました。 しからば、先ほどから私が申し上げておりますように、敵対する両者が武力行使を宣言をしておるという中での撤収の条件とは一体何なのですか。
○柳井政府委員 今の御質問の御趣旨を正確に理解したかどうか、私ちょっと自信がございませんけれども、撤収の条件いかんということでございますれば、これはいわゆる我が国の五条件、なかんずく初めの三つの条件が満たされなくなった場合には撤収をすることができる、正確には終了ということでございますが、すなわち停戦の合意、紛争当事者による同意の条件、それから国連平和維持活動の中立性という、そのいずれかの条件が満たされなくなった場合には撤収あるいは終了をすることができるということでございます。 そこで、現在の状況はどうかと申せば、そのような状況には至っておらない。確かに一部の派による停戦違反というようなものはございますけれども、基本的な停戦の合意なりあるいはPKOを受け入れるという紛争当事者の同意あるいは我が国がそれに参加するということに対する同意、そういうものが撤回されているというわけでもございませんし、また、中立性も守られている、こういうことでございます。
○目黒委員 この点については後からもう一度お伺いしますから。 先ほども申し上げましたように、官房長官はこの委員会、二十一日の質疑ですけれども、草川委員の質問で、敵対行動で十二人が死亡しておる。もし自衛隊だったらこれはもう大変なことになるわけでありますが、これからのPKO活動にもあることでございますけれども、こういうときに、敵対行動の中で連行されていった、普通は金目当ての、誘拐するとかあるいは拉致するとかということはありますけれども、実力をもって、敵対関係にあって、日本の自衛隊が連れていかれちゃったという場合は、これはやっぱり捕虜ということになりましょうし、不幸にして亡くなられたというような事態が出るとどういうことになるのか、戦死になるのか単なる犠牲者になるのか、その辺よく私もわかりませんけれども、この辺を探るために若干指摘をしながらお答えをいただきたい、こう思います。 我が国は、開戦ニ関スル条約、これは一九〇七年にできて、一九一一年に批准をし、翌年発効した条約でございます。この開戦ニ関スル条約によりますれば、締約国は、理由を付した開戦宣言の形式または条件つき開戦宣言を含む最後通牒の形式を有する明瞭かつ事前の通告なしに、その相互間に、戦争を開始することを認めない、これは第一条でそう定めております。 そこで伺いますけれども、開戦ニ関スル条約が今日本に残っておるというのも、これも不思議の一つなんですけれどもね。日本は戦闘行動できないんですから、なぜ残っているか。これはまあ古い条約ですから。しかし、ここの中に示されておることというのは、開戦の状態、戦争の状態というのは一体どういう状態なのかということについては、やはり国際的な常識の一つなのですね、これは。戦争が始まっていないのに捕虜というのもないわけですし、戦争が始まっていないのに戦死というのもないのですね。だから、いつの時点で開戦なのかということを判断する一つの手がかりだろうと思うのです。これに従えば、敵対する一方が武力行使を宣言して、他方がそれに応ずるという、何遍も言っておりますが、態度決定した場合に、既にこれは形式的には条件つきの紛争ということになる。 国際法では、いつの時点から紛争なのかについて、例えば現実に武力闘争が行われていなくたって、さっき申し上げました理由を明示した意思表示があれば、これは開戦である、こう見て、それ以降、傷ついた者は戦傷、連れていかれた者は捕虜、こういうことになるんだろうと思うのですね。この点についてはいかがですか。
○丹波政府委員 先生、突然の御質問でございますけれども、二、三点先生の御質問に対してお答え申し上げたいと思います。 まず第一は、開戦ニ関スル条約でございますけれども、これはもう先生篤と御承知のとおり、国際連合憲章ができます以前の段階、つまり戦争の遂行というものが、国家の紛争解決の手段として一般的に戦争をすることが国際法上認められていた時代の条約でございます。それは先生御承知のとおりで、現在は国連憲章の第二条で、武力行使あるいは武力の威嚇というものが一般的に禁止されておりまして、戦争という概念が止揚されておる、アウフヘーベンでございますが、止揚されておる時代でございますので、開戦という概念、したがいまして、開戦手続というものも、今やそういう考え方は存在していないということは先生よく御承知のとおりであろうかと思います。 それから第二点の、それではそれは別として、国際紛争というものは一般論としていつ開始されるのかという点につきましては、これは括弧づきのその国際紛争の性格、態様によりまして判断されるものでございまして、一般的、抽象的にこういう時点と言うのは難しいのではないかというふうに考えられます。これは、かつてこの国会におきまして、例えば紛争開始の時点として「ニイタガヤマノボレ」の電報が発出されたときか、それともそれがどうかされたときかという議論が行われて、政府の統一見解を出しまして、やはりその主眼は抽象的には申し上げられないということを申し上げた次第でございます。 それから第三点は、先生はPKOを論じられる文脈の中で戦争あるいは紛争ということを論じておられるわけでございますけれども、PKOといいますのは基本的にそういったぐいのものとは違いますということは一貫して御説明申し上げてきておるとおりでございます。
○目黒委員 PKO活動に関して質問していることはそのとおりなんですが、敵対する勢力があって、そして武力が行使されておるという現状は、そういたしますと、いわゆる紛争状態、こういうふうに言えると思うのですが、この点はどうですか。
○丹波政府委員 お答え申し上げます。 国際社会におきまして武力行使が行われておる事態と申しますのは、大ざっぱにでございますけれども、分けて二つが大きなものとして考えられると思います。 一つは、ある国が他国を侵略している事態あるいは被侵略国がそれに対して抵抗している事態、こういうのが一つあろうかと思います。もう一つは、実力が行使される状況として、先ほど先生も言及になられた国連憲章第七章のもとにおきまして、国際社会が国際連合として実力を行使しておる段階というもの。以上、大きく分ければ二つ考えられる。その他バリエーションとしてはあり得ると思いますけれども、大きくはその二つであろうかと思います。 それを紛争と呼ばれるかどうか、これはそのときのいろいろな状況によって、言葉の使われ方いかんによって違ってくるのではないかと考えます。
○目黒委員 二つお伺いします。 一つは、一九〇七年の開戦条約というのは、形の上では日本ではまだ生きておるのですね。先ほどの答弁は、もう死んでいる、そんなものはないんだ、古いんだから使えないんだと、こういうことになっておりますが、これは一つ大きくこの議論には関係する問題でございますので、直ちにじゃこれを廃止するのか、これははっきりさせておかぬといかぬと思うのですね。これが一つであります。 それから、ここだけははっきりしておいてもらいたいと先ほど来お聞きいたしておりますのは、いわゆる敵対関係の発生もしくは敵対関係にかかわる武力行使、どういう状態が今申し上げました範疇に入るのか、ここのところをやはり明確にしてもらいたい。UNTACもしくは国連の決定があるわけですけれども、こういう状態になったときというのはやはり紛争の状態と言わなきゃならぬと思うのですが、この二点について。 一点はこっちの話だと思うのですよ、あの条約をどう扱うかという問題ですから。二点目について明確に、先ほどお答えになった二番目について、カンボジアの状況に照らしてもう少し具体的にお答えを願いたい。
○丹波政府委員 お答え申し上げます。 第一点目につきましては、形式上開戦条約というものが存在している場合、しかし、現実にはそれは国連憲章上止揚されておるということを申し上げたわけでございますが、それじゃ形式的に存在しているものをどう考えるか、この点につきましては、調べた上で先生に御報告させていただきたいと存じます。 それから、第二番目の紛争の問題につきましては、累次の国連事務総長の報告あるいは安保理のいろんなステートメントその他がございますけれども、私どもは、カンボジアにおきますところのPKO活動は、基本的にはその性格は従来のものと変わっていないという認識でございます。
○目黒委員 冗談じゃないですよ。従来のものと変わってないということはないでしょう。あなた、選挙を挟んで対立しておるんですよ。明確でしょう。詭弁ですよ、そういうのは。そんなことをおっしゃっちゃ困りますね。明確に対立しているから問題が出ているわけでしょう。いかがですか。こんなところで余り時間とりたくないんですけれども、一言ちゃんと答えてくださいよ、そうでなきゃこんな心配要らないんですから。
○柳井政府委員 私どもの観点からもお答え申し上げたいと存じますが、ただいま条約局長が従来のものと変わっていないと申し上げましたのは、従来のいわば伝統的なPKOの一つであるという趣旨で申し上げたものと思います。すなわち、長くなりますから簡単にしますが、要するに、停戦の合意ができて、紛争当事者の同意があって、その上で出ていくPKOであるという意味で、このUNTACというのは従来のPKOと変わりがないということを申し上げたことだと思います。 なお、UNTACの要員に対して、例えばポル・ポト派等から妨害工作がある、これが紛争かどうかということになりますれば、通常の紛争、国際紛争という意味は、国家間の紛争、特に武力紛争あるいは国内のいろいろな武力集団の間の紛争というものを武力紛争と言っておりますので、通常の意味では、UNTACに対する妨害工作はいわゆる武力紛争というふうには呼ばないものと思います。 ただ、いわゆる実力がぶつかるという意味で、いわば俗な意味で武力紛争ではないかといえば、あるいはそういう言い方もできるかもしれませんが、その性格は対等な国同士の紛争ということではなくて、国際社会の行っているPKO活動というものに対して、それに反抗しているという状況でございますから、通常の場合の武力紛争というものとは非常に性格が違うということでございます。
○目黒委員 そういういいかげんなことを言ってもらっちゃ困るんですよ。パリ協定ができて、第一段階の武装解除、それから第二、第三段階の選挙というところまでは、いろいろ無理はあったにしても、パリ協定どおり来たんですよ。ただ、選挙になって敵対関係が生まれたんですね。そこで、武力を行使をしている状態というのは、紛争状態なのかどうかといって聞いているわけですよ。明確に答えさしてください。
○柳井政府委員 あらゆる選挙がそうだと思いますけれども、選挙が近づきますと大変に緊張が高まるわけでございまして、カンボジアの場合にも、それ以前から停戦違反等の状況がございましたが、選挙が近づくにつれてそういうものが多くなってきたというのは事実だろうと思います。 その場合に、UNTACと例えばポル・ポト派の間で武器を使うということが確かにございますけれども、それを武力紛争と呼ぶかどうかにつきましては、先ほど申し上げたとおり、通常の使い方としては、独立国家間のあるいは紛争当事者間の武力による衝突を武力紛争と言っていますので、そのようなものとは性格が違うであろう。 ただ、確かに、先ほど官房長官から御答弁ございましたけれども、いわゆる敵対行為による死者というような分類をする場合に、病死とか事故とかそういうものではなくて、武器の使用による死亡というような意味、その武器が衝突する、武器の使用を行うという意味で、あるいは場合によっては武力紛争というふうに言われることもあるということを申し上げておる次第でございます。
○目黒委員 どうもここへ来て歯切れの悪い答弁ばかり続いておりまして、紛争というのは国家間だけの概念じゃないのですよね。先ほど言いましたように、民族紛争もそうだし、宗教戦争もそうだし、地域における部族闘争もそうなんですよ。国際平和協力に関する特別委員会の中では、テロ、ゲリラもそうでございますと。テロまで入れるかどうか、それはまあ別といたしまして、少なくともゲリラ、ここまでは紛争当事者、国と同じ当事者として扱われるでしょう、紛争の場合は。そんないいかげんなことを言ってもらっちゃ困りますよ。これはとてもだめですよ。――紛争というのは国と国との間だけのことを指すのか、ゲリラですね、それからカンボジアにおける四派の一つが敵対行動をとったような場合どうであるかということについて、お答えを願いたいのです。
○河野国務大臣 紛争が国と国とのものだけではないということは申し上げていいと思います。ただし、今委員がお尋ねになりましたように、カンボジアの今日の状況に照らして、つまり四派のうちの一つが行っている行為が紛争と言えるかどうかということについては、もう少し委員から、委員がお考えになっている紛争の定義というものを伺わないとはっきり申し上げることは難しい。 私どもは、パリの和平協定で決めている和平プロセス、それは武装解除であり、制憲議会選挙でございますが、その制憲議会選挙までポル・ポト派は認めていたわけでございます。四派はこの和平プロセスに合意をしてきたわけでございますから、その選挙をやることがいかぬということで条件つき紛争ではないかという先生の御指摘には、私は直ちにそうですとは言いかねるものがございます。 選挙直前になりますると、それぞれがさまざまな宣伝、情報合戦を行うということはあるわけでございまして、それぞれの派がそれぞれの派なりに、選挙をよりよく遂行しようと思う者、あるいは選挙を妨害しようと思う者、それぞれがおっしゃるわけで、そうしたことに対してUNTACはUNTACなりに選挙を公正に行うための作業を宣言することによって、より安全に選挙を行いたいという思いもあるだろうと思います。
○目黒委員 とてもこれはちょっと承知できないのですが、もう一度伺います。 国と国との関係だけではないというのはわかりました。しかし、紛争当事者というのは、まさにこれは紛争当事者なんです。国じゃない、ゲリラでもない、一般に言われている紛争当事者ですね。カンボジアでいえば四派です。四派が対立したときというのは紛争状態なんじゃないですか。
○柳井政府委員 ただいま官房長官が御答弁になりましたことで明確になったと思いますが、私も先ほどの答弁の中で、国と国との間の紛争だけが紛争ということを申し上げたつもりではございませんで、内戦のような場合に、カンボジアの場合でいえば四派の間の紛争、武力紛争というものもあるわけでございます。 それで、四派の間の紛争が長年続きましたので、まさに和平の交渉が行われたということでございまして、パリ協定が成立したわけでございますが、現在行われていることは、そのいずれかの派による停戦合意の違反という状況であろうと思います。
○目黒委員 停戦合意の違反というのを紛争状態というのですよ、両方とも宣言しているのですから。私は、冒頭も言いましたように、こういった停戦が部分的にせよ破られている中で、いろいろな事象が起こる。捕虜になる、奇襲が続くというようなことがあった場合に、果たして国際条約である捕虜の待遇に関する条約以下ジュネーブ条約が適用になるのかどうか。戦争というか紛争前ならこれはならないのですよ。そういうことをきちっとしたいので聞いているのであって、余計なことを言ってもらわぬでいいのです。どうですか。
○丹波政府委員 先生の御質問の趣旨は、いわゆるジュネーブ四条約というものがございまして、そのうちの第三条約、捕虜の待遇に関する条約を特に念頭に置いておられるんだろうと思いますけれども、まず第一に、PKOの要員に対しますジュネーブ諸条約の具体的な適用の問題につきましては、紛争当事国とその要員派遣国との関係等によりましていろいろ異なった点が多いわけでございますので、一律に今論じることはなかなか難しいのでございますけれども、あえて純理論的な問題として、例えば日本の国際平和協力隊員がカンボジアにおきましてあるグループによりましてその権力下に陥った場合、それは捕虜として保護されることになるのかどうかという御質問と引きかえと申しますか、そういうぐあいな御質問と受けとめさせていただいてお答えさせていただきますと、この捕虜の待遇に関しますジュネーブ条約は、軍隊の構成員を一般的に対象としているのではございませんで、紛争当事国の軍隊の構成員ということを対象にいたしております。 したがいまして、今の設問の場合には、日本の国際平和協力隊員は紛争当事国の軍隊の構成員ではございませんので、私どもの考えでは、ジュネーブ第三条約の保護というよりは、むしろジュネーブ第四条約、戦時における文民の保護に関する条約の保護の対象になるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○目黒委員 戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態の改善に関する条約の適用になる、こういうことですね。
○丹波政府委員 まず、ジュネーブ条約には四つございまして、今御議論の対象になられておるのは恐らく第三番目の捕虜の待遇に関する条約であろうかと思います。 しかしながら、捕虜の待遇に関する条約が扱っておりますのは紛争当事国の国の軍事構成員ということでございますので、日本はそれに該当しませんので、もし保護の対象になるとすれば、第四番目の条約でございます戦時における文民の保護に関する条約が適用になるのではないかというふうに考える次第でございます。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○目黒委員 わかりました。失礼しました。 同じ八月十二日にでき上がった、おっしゃった文民の保護に関する条約、第四条約の適用になる、こういうことなんですよね。ですから、そういうことでいいますれば、官房長官、今までずっと答えてこられたのは少し違うんじゃないですかね、この状態で負傷者が出た場合ですから。 そこで、これを一つお答え願いたいと思いますし、さらには、こういう状態になっておりますと、やはり冒頭に申し上げましたように、自衛隊が日本から出ていくときとは違ったいろいろな現地の状況に応じた任務が課せられるわけで、敵対関係にある中に入っていくわけですから、なおさらそういうことになるわけでありますけれども、安全対策の要請にどこまでこたえられるかという線引きもやはり明確にしておかないと、これからのPKO活動というのは私はなかなかやってはならない領域に踏み込む一つの大きな原因になると思っておるわけでありますが、先ほど言いました戦時における文民保護の条約等々との関連の中で、今の問題についてひとつ考えておられること、あるいは国連との約束はどうであったのか。PKO法を施行するについて、日本国憲法の立場もあり、こういった問題についてどのような合意を得て今日に至っておるのかという点について明らかにしていただきたい。
○河野国務大臣 まず最初のお尋ねでございますが、私どもは現在カンボジアを戦地と考えておりませんので、戦時における条約云々ということを持ってこられてお尋ねになりましても、基本的な認識のベースが違うと申し上げる以外にはございません。 それから、もう先生十分御承知の上でのお尋ねでございますけれども、先ほど来政府委員からも御答弁申し上げておりますように、我々はPKO活動を展開しているわけでございます。カンボジアにおいて国連がPKO活動を展開するということで、それに参加をしているわけでございまして、このPKO活動は、御承知のとおり、武力によって、強制によって和平をつくるという作業ではございません。でき得る限り武力を使わない、武力を使わず信頼と権威によって和平を築き上げるということがPKOの理想でございます。その理想のために努力をしているわけで、たまたま今日、今回のカンボジアにおきましては、和平プロセスの中で武装解除が十分できないという、本来、当初期待しておった状況ではございません。 それから、選挙に対する妨害行為があるということが今起こっております。しかし、これはあくまでも、私ども思いますのに、UNTACは申立を保つために四派すべてのグループに対して選挙への参加を呼びかけて、最後までその努力は捨てないと言ってきているわけでございます。これに対して、どうも最近の状況が気に入らぬということで選挙の妨害をするということを言っておりますが、私は、いずれにせよ選挙の妨害のために戦闘開始宣言をしたというふうには思っておりませんし、UNTACがこれまた戦闘開始宣言をしたという事実はないというふうに承知をいたしております。
○目黒委員 ともあれ、国際社会の常識をああでもないこうでもないと言っても認められないわけでありますから、逆に質問をいたしますが、宮澤総理、日本の犠牲者は二人目です。万が一、私が今申し上げたような状況の中で再び不幸な事態が起こった場合、総理は一体どのような責任をおとりになるのかここのところをはっきりしておかなきゃならぬと思います。あっちゃならぬことでありますけれども、もしあった場合、総理、それから防衛庁長官を初めとして、これはやはり大変な責任を負わなきゃならない、内閣の総辞職にもつながる問題だろうと思うのですよ。 私の理解では、戦争状態が起こっておる、敵対行動で武力行使が行われておるという中に入っていくのですから、そして皆さんは、これは紛争の状態じゃないんだ、紛争の状態ということになれば日本政府は適切にそこでとる措置というのは決めておるわけですから、それを行使しないで進んでいって、万が一不幸にして命を落とすというような事態が発生した場合、どのような責任をとられますか。
○宮澤内閣総理大臣 まず、そのようなことが起こりませんように万全の策を尽くしつつあるということは、申し上げるまでもないことでございます。 それで、そのような仮定の場合でございますが、それがどのような状況において起こったかということによって、とるべき道がいろいろ異なってまいるであろうと思います。
○目黒委員 今ちょっと最後におっしゃったことが気になるのですが、どのような状態で犠牲が出たかによってとるべき態度が違う、こうおっしゃいました。道が違う。 私は、先ほど来指摘しておりますように、くどいようですけれども、紛争当事者が実力行使を宣言をしておる中ですから、これは紛争状態、こう見ておるわけです、政府はここは承知されませんけれども。紛争状態の中で起こった事件ということになりますれば、私は、政府がとるべき措置を承知をしておりながらしなかったと、これは明確ですよ。 そういうことで申し上げておるわけでありまして、まあ向こうで交通事故で死んだとか、あるいはまた事故に遭ったとか、そういうことを言っているのじゃなくて、紛争状態の中で、二十一日に答弁されましたように、犠牲者が出るということになりますれば、これはいろいろ議論をしてまいりました国際社会の中で取り扱われる問題にも関係するわけでありますけれども、日本政府として、やはりそれなりの責任ないしはそうなった場合の決意というものがなきゃならぬと思うんですね。この点いかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 先ほどから、紛争状態ということを私どもとしては思っていないということを申し上げましたが、次に申し上げるべきことは、目黒委員の言われます紛争状態であるとして、その紛争状態はどの地域において起こっておるかということが大切であると思います。 すなわち、我々の部隊が行動している地域において紛争状態が現実に起こっておるとすれば、我々の部隊の与えられました任務は遂行することが困難になる場合があり得ると思います。その場合には、法律上の中断ということでは必ずしもなく、任務は事実上行い得ない、一時中止をする、そういう事態というのはあり得ると思いますけれども、今我々の部隊がおります地域で紛争状態というものが起こっているということではない、こう判断をいたします。
○目黒委員 よその部隊が入っているところについて戦闘行動があっても、日本はそれを戦闘行動と認めないと、これは大変矛盾した御答弁ですね。そういうふうに理解していいんですか。
○宮澤内閣総理大臣 そう申し上げておるのではありませんで、カンボジアという国はかなり大きな国でございますから、その一部においてゲリラのようなことがありましても、全体が紛争状態にあるというふうに考えることは現実的ではないであろうと思います。
○目黒委員 だれも全体が紛争状態なんて、これはとてもじゃないが、撤収もできないし中断もできないんですよ。PKO法はそういうことを前提にしているわけじゃないでしょう。これはすぐれて政府の判断なんですがね。 先ほどの御答弁は、日本のPKO部隊が行っていないところはどうあろうと関係ないんだというふうに聞こえたのですが、現実には紛争は起こっているのですよ。それはお認めにならない。お認めにならないから、私は、万が一起こったらどういうふうに責任をとられますか、決意のほどはどうですかと、こう聞いておるわけです。
○河野国務大臣 先ほどから伺っておりまして、目黒委員はカンボジアは現在紛争状態だと、こういうふうにおっしゃっておられるように伺いましたが、カンボジアが紛争状態だというおっしゃり方は、カンボジア全土が紛争状態だというふうにも聞こえるわけでございまして、昨日、本日とあれだけの、数百万人の人たちが投票所に行って選挙に参加をしているという状況をごらんいただきましても、また我々がその報道を受けましても、カンボジア全土が紛争状態であるというふうには認めるわけにはいかないわけでございます。
○目黒委員 この点ははっきり申し上げておきますが、紛争状態というのは、対立する一方の当事者が闘争宣言を発した場合は紛争状態なんですよ。これは常識です。両方がやった場合はなおさらです、これは。何にもしないで紛争が起こっている場合もあるわけですからね。そういうふうに理解しなきゃだめなはずなんですよ。そんなめちゃくちゃを言われたんじゃ困りますが、時間がどんどんなくなってきますから、先へ進ませていただきます。 最後に、責任のとり方について、事態はどうあろうとも、どんな事態で事故が起こったかということによって考え方が違うというふうにおっしゃったわけでありますけれども、私は、伝えられる戦闘行動などに巻き込まれて不幸な事態を引き起こしたということになりますれば、紛れもないPKO法が前提とする状況じゃないところへ日本のPKO活動隊を出してやったということになるわけでありますし、長い時間かけて審議をしてまいりました、PKO法案審議の過程で述べられたことが全部うそになる、こういう判断をしなきゃならぬと思っておりますので、もう一度総理からこの辺の関係について決意のほどを簡単に伺っておきたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 万全の策を講じましてそのようなことがないことに最善の努力をいたしますが、万一仮定の問題として起こりましたときに一番考えなければならないことは、同じようなことがもう一度起こってはいけないということでございます。 そういう意味で、どのような状況において起こったかということを大事に考えなければなりません。もしその状況が、我々の派遣した部隊がこれ以上任務を行うことができないような状況において起こったというふうに判断されますならば、それは任務の一時、これは中断ではございません、必然の一時中止というような状況と判断をせざるを得ないことがあるかもしれない、そういうことを申し上げておるのであります。
○目黒委員 今度事故が起こったら中断しますよと。私の聞いているのは、内閣総理大臣は本部長でございますが、本部長の責任と申しますか、日本政府の責任というのは、事故が起こって、じゃ引き揚げましょうや、そういうことをおっしゃっているのでございましょうか。私の質問しているのは、起こった場合に政府がどう責任をとられるか、こういうことを申し上げているのですけれども、いかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 くれぐれも、私は引き揚げるということを申し上げておりませんので、中止、一時中止ということを申し上げました。私の申し上げようとしておりましたのは、そういうことが起こってはならないし、起これはそれは本部長である私の責任でございます。 だが同時に、もう一つ私にとって大事な責任は、そういう状況が起こりましたときに、今現に我々が現地で仕事をしてもらっております部隊や要員の諸君にどうしてもらうか、どうあってもらうかという決断をすべきかすべきでないかということが、これが本部長としての大きな私に与えられた任務でございますので、それについての決断をすべきかすべきでないかということ、これをきちんといたすことがもう一つ私に与えられた責任であると思っていまして、私自身は、ここまでまいりましたこれだけの大事な仕事を、ぜひ国際貢献を果たしたいと考えております。考えておりますので、中断とか撤退とかいうことを申し上げておりません。 おりませんが、今お尋ねが仮想の場合であるといたしますと、不幸なことが起こった状況、それによってどうすべきかという、そういう決断をする、しないということは、私にとりましての大切な責任だと、こう心得ておるということを申し上げております。
○目黒委員 最後に伺いますが、少なくとも今度の選挙ではポル・ポト派が参加していないわけです。それを前提にして、選挙結果が出た場合、日本政府はやはり歓迎をするということになるのでありましょうか。いかがでしょう。
○河野国務大臣 繰り返しの御答弁で恐縮でございますが、カンボジアにおいて有権者の九割以上の人たちが登録をし、現在まだ投票が継続中でございますが、公正な選挙が行われるものと確信をいたしておりますから、選挙の結果は当然我々は歓迎したいと思っております。
○目黒委員 それじゃ、ちょっと先へ進ませていただきます。武器輸出の問題で二、三お尋ねをしておきたいと思います。 日本は武器輸出三原則というものをもって今日この問題に対処をしてきておるわけでありますが、「南洋商報」という新聞がマレーシアにございます。ことしの五月十日の記事によりますと、次のような内容の記事が載ってございます。 これ、見ていらっしゃるのかもしれませんが、委員長、これをちょっと見てもらっていいでしょうかね。
○石川委員長代理 はい。
○目黒委員 これによりますと、「イランと日本がわが国に」、我が国というのはこの場合マレーシアのことですが、「優遇価格で武器売却を提案」という見出しで報道されておる問題でございます。これはナジブ国防大臣の談話として伝えられておりますから、かなり信憑性のあるものだろうと思うのですね。 それによりますと、「マレーシアは軍事強国の本地域」、自分の地域以外という意味でしょうね、「における争奪目標になり、イランと日本が別個に優遇価格での武器売却と武器協力を提案してきた。ナジブ国防相が今日(五月九日)発表したところでは、……日本さえも、経済(協力)のあと武器に関する協力(軍備、部品、国防を含む)を表明した。」こうなっておるわけでありますが、我が国の場合、武器輸出については制限を設けておりますことは、これはもう申すまでもございません。 こういう事実はあったのかどうか、まず一つ確認をさしていただきたいと思います。
○澁谷政府委員 我が国の経済協力政策の基本的な原則からして、このようなことは考えられません。
○目黒委員 考えられないというのは、考えられないと言ったって、事実確認しているんですよ。あなたの考えを聞いているんじゃないんです。
○池田政府委員 私どもはこのような事実があったということは承知いたしておりません。ただ、こういう報道があったということですから、念のために調べてみたいと思います。 しかし、そういうことは、ただいま国連局長からも答弁がありましたように、あり得ないことではないかと思います。ただ、念のためにお調べいたします。
○目黒委員 それじゃ、事実関係をきちっと確認をして御返事をいただきたい。 この報道の二番目の問題についてもひとつ確認をしたいと思いますが、これはちょっとこの新聞に載った中身とは違うようでありますけれども、マレーシアの信頼できる筋からの情報として、マレーシアには、アメリカがF16、ロシアがミグ29の売り込みを図っており、日本政府は、日本がミグとの差を払うからアメリカの飛行機を買ってくれ、こういう提案をした。これは捏造できないですよね、中身は。こんなばかな捏造というのはだれもするはずはないのでありまして、これについても、こういう事実があったのかどうか。
○池田政府委員 そのような事実は全く承知いたしておりません。
○目黒委員 この二つの報道もしくは情報についてきちっと確認をしてほしいのですが、よろしいですか。前段はマレーシアの国防大臣ですから、確認をして、御報告願いたい。二番目の問題についても同様に取り扱ってほしいのですが、いかがですか。
○池田政府委員 早速確認をいたします。
○目黒委員 では、早速確認してください。 次に、武器輸出について、私、特に申し上げたいのは、これは常識的なことですけれども、国際連合の常任理事を務める国が世界の武器の大半を輸出しておるという状態に現在もございます。カンボジアも含めまして、地域紛争が惨たんたるものになる原因というのは、やはり大国が武器を輸出するからなんですね。大国がもし武器輸出をきちっと管理する状態になりますればまた少し話は別になるかと思うのですけれども、アメリカ、旧ソ連、中国、イギリス、フランス、こういった国々が武器の輸出をしておる。いずれも紛争地域がやはり一番たくさん輸入をしておるという状況がございます。 政府は、こういった事態に対応するということで、国際連合に武器の登録制度をつくることに非常に努力をされてきたというふうに承知はいたしておるわけでありますが、九二年分の武器の輸出入について、四月三十日を期限にして、初めてこの登録制度が実施されるという状況にあるわけであります。 聞きたいことはたくさんあるわけですけれども、ちょっと時間の関係で省きますが、せっかく登録制度ができたんですから、私は、この制度の対象になっておる大型の兵器というよりも、地域紛争で今盛んに使われておる自動小銃だとか、あるいは兵隊が持ち運びができるロケットだとか、こういうものこそやはり対象にしないと地域紛争がなくならない。一生懸命PKOで協力しても、その裏で大国が武器を売っておったんじゃ、これは国連がパンクしちゃうんじゃないでしょうか、PKO活動がパンクしちゃうんじゃないでしょうかね。こんなものはもうだれでもわかることなんですね。 でありますので、せっかくできたんですから、そういう意味で地域紛争にも実効性のある中身につくり上げていくことが今喫緊の課題だろうと思うのですね。この点について、ぜひ私は実現できるように努力をしてほしい、こういうことを申し上げたいわけでありますが、外務大臣、いかがですか。
○武藤国務大臣 平和憲法を持っている世界で唯一の日本としては、やはりこのような武器輸出ということが行われないような方向で努力をしていくというのは当然の姿だと思いますし、今御指摘のように、各地でいろいろの、せっかく東西冷戦がなくなったのに、地域紛争が依然として続けられている、その原因は、その国々で武器がつくられているわけではないわけでございまして、そういう点から考えれば、この武器の登録制度をより一層充実したものにし、我々は国連の場でそのような武器の輸出をできるだけやめるような方向に一層の努力をしていくというのは当然の日本の姿勢だと私は思っております。
○目黒委員 それじゃ、財政問題、補正予算そのものについてもかなりたくさんの質問を申し上げようと思っていたんですが、時間がちょっと足らなくなりました。まとめて幾つか申し上げてお答えを願いたい、こう思います。 まず一つは、平成五年度実質三・三%GNPの伸びということで予算が出発したわけでありますけれども、この時点で何度もお答えになっておりますように、平成四年度の一-三月期の伸びが出ていなかった。三・三実質達成するには一-三月期の伸びが三・二、非常に高い伸びにならぬとだめなんですね。十-十二月期が一・一を見込んでおきながら〇・五で終わってしまったということになってまいりますと、平成五年度、かなり厳しい現状にあるのじゃないか。 私は、この点で、今補正が出ましたけれども、再度補正を提案しなければならないような状態が起こるのか起こらぬのかということにも若干関連をすると思うわけでありますが、一体、三・三達成は大丈夫なのかどうかというのが第一点でございます。 それから第二点目は、今度の補正予算は、平成五年度予算に過不足が生じて緊急に補正すべき事態が発生したわけでもない。にもかかわらず、三月三十一日、予算が成立をして、そしてわずか二週間後にこういった大型補正を組むというのは、やはり財政秩序を確保していく上で必ずしも好ましいことではない、こう思うわけですが、この点についての御見解。 それから、総合対策と称しながら、極めて限られた事業を対象にした、もっと言えば公共事業を中心にした対策に終わっておる。確かに景況判断などを見て、まだまだ不景気を脱出していないということはあったにいたしましても、例えば生活者の立場に立った、勤労者の立場に立った対策、政策、あるいは病気で言えば御臨終に近いみたいになっておる日本の中山間地域の社会経済をどうやって維持していくかという課題、こういったものについてはほとんどと言っていいほど、どうもこの経済対策もしくは予算補正の対象として余り重視されていないように思います。 例えば、農村の場合でいいますと、私は、これはもう素人ですから、お聞き願いたいのでありますが、今全国に十二万の農村集落というのがございます。大半はその地域社会経済を維持できないような状態になっておるということは、たくさんこれまで指摘されてまいりましたから、一々申し上げませんが、これらの活性化対策として、新農政でも、その地域で産出される農産物を原料にして簡単な工場などを設置をして、加工施設を設置して、加工、流通、販売まで持っていくことによって地域活性化を図っていこうというのがございます。 十二万集落全体で仮に一千万国が考えたといたしますれば、これは一兆二千億円ですね。これを三集落一つにしてそういった措置をとるということになれば、これは四千億円ということになる。十年間でやるということになれば、これは四百億円で済むのですね。これも、何も国が押しつけるのじゃなくて、そういうことをやる場合は十分に対応しますよといったような施策も一つの大きな、社会資本整備にもつながりますし、地域社会の維持にもつながりますし、やり方によっては景気対策にもなるというふうに私は思うわけですが、こういう広い視野に立ったやはり対策というものがなければ、弱いところはどんどん置いていかれてしまうのではないか。こういった点について、ひとつぜひこれは実行されなければならぬじゃないかという点についてどう受けとめられるか。 それから、今度の補正で地方自治体が起債で負う分が非常に多くございます。私は、このままいったのでは、財政力の強いところはいいといたしましても、財政力の弱いところはやはりついていけないということで、自治体間の格差を広げやせぬか、こういうことを非常に心配をいたしますので、この点はどういうふうに考えておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。 それからもう一点は、公共事業、昨年十月の十兆七千億円がまだ今年度に持ち越されているのがどのぐらいあるかわかりませんけれども、やはり持ち越されている分があると思うのですね。それに五年度予算が出、今度の補正です。そして、当初予算は前半で七〇%前倒したというのでしょう、七七%ですか、公共事業について。果たして消化できるのかどうかというのを非常に心配するのですけれども、この点はどうですか。 以上、お伺いしておきたいと思います。 〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
○船田国務大臣 目黒委員にお答えいたします。 私に対しましては、まず、今回の補正予算において五年度の政府経済見通し三・三%達成は可能であるかどうか、こういう御質問であったと思いますが、御承知のように我が国経済は、まだ調整過程にあり、なお低迷をしているという状況であります。しかし、一部に回復の兆しを示す動きもあるということは御承知のとおりであると思います。 私どもとしては、昨年三月の緊急経済対策、それから昨年八月の総合経済対策、また景気に配慮した五年度予算を編成をいたしまして、逐次実行に移してまいりました。今般、景気の足取りをより確実なものにするということで、総規模十三兆円を上回る新総合経済対策を決定をしまして、そして、その着実な実施を図るために、今回の補正予算において所要の措置を講ずるということにいたしたわけであります。 このような一連の累次の対策によりまして、公共投資、それから既に回復の兆しが出ております住宅投資とが相まちまして景気を支え、こういう中で、個人消費、設備投資も徐々にではありますけれども回復に向かっていくであろう、このように見通しております。このようなことで、政府経済見通しでお示しをした三・三%という数字の達成においてはより確実なものになる、このように考えております。 それから、第三問であったと思いますが、農村に対する配慮がどうだろうか、こういうことでございます。 今回の経済対策の中では、社会資本の整備なども幅の広いものをできる限り取り上げていこう、こういうことで対応しておりますし、特に農村地域におきましては、例えば快適な生活環境の形成に資する集落排水等の事業を推進することなど、農村の生活の向上にも資するような政策を入れているということでございまして、この点は御理解いただきたいと思っております。
○林(義)国務大臣 御質問が多岐にわたりましたので、私に対する質問は二つだと思いますが、一つは、予算成立後二週間で補正を組んだけれども少しおかしいのではないか、こういうふうな御質問があったと思います。 確かに、三月三十一日に予算を上げていただきまして、それから二週間足らずというようなところでいろいろ政策を発表いたしました。しかしながら、その当時におきまして、景気の見通し、これからの経済運営を見ますとやはり不安なところもありますし、いろいろなことをやっていって持続的な経済成長の方向へ持っていくというのが私たちに与えられたところの役割であろう、こういうふうに考えまして、改めて補正予算の審議をお願いすることにしたところでございます。 そうしたもので、我々としても臨時異例の措置であるというのは十分存じておりますけれども、委員からもいろいろと御指摘のありましたように、まだまだいろいろな点でやっていかなければならない点がたくさんある、そういったふうに考えて、あえてこういったことをお願いをしているところでございまして、二遍も予算の御審議をお願いするというのはまことに恐縮だということは重々承知をしているところでございます。 それからもう一つは、生活者に配慮したあるいは勤労者に配慮した、こういうふうなお話でございまして、恐らく所得税減税のお話だ、こう思いますけれども、所得税減税のお話につきましては、もう私からくどくど申し上げるまでもありません。各党間で御協議をいただいておりまして、その間におきましていろいろな点を御協議いただいておりますし、それを私たちとしては見守っていきたい、こういうふうに思っているところであります。 所得税減税そのものにつきましては、私はその効果というものが、公共事業に対する影響力よりはやはり低いものがある。それから、やるにいたしましても、財源をどうするかという問題があります。第三番目の問題としては、所得税の体系として一体どういうものであるかというふうに考えておるところでございまして、いろいろと問題があるということを改めて申し上げておきたいと思います。 あとの質問は各大臣からお願いしたいと思います。
○中村国務大臣 私に対する質問は、公共工事、その受注能力、これだけの前倒しで大丈夫かという御質問でありましたが、民間建設工事がかなり落ち込んでおりますので、公共事業は昨年度と比べて大体横ばいという状況でございますし、あるいは労働力、資材、用地等のストックもございますので、七七・五%の大幅な前倒しをやり、さらに補正をやっても十分対応できるだけの体制は整っている、このように認識しております。
○目黒委員 終わります。
○粕谷委員長 これにて目黒君の質疑は終了いたしました。 次に、元信堯君。
○元信委員 私は、去る五月の十日から十四日まで京都で開催をされました第四十五回のIWC、国際捕鯨委員会の年次総会の結果について、これからの我が国の漁業あるいは外交について大きな影響を持った会議であったというふうに考えますので、これから皆さんに御見解をただしてまいりたいと思います。 なお、きょうは、漁業資源の問題等に関して、財団法人日本鯨類研究所の長崎福三理事長にも御足労願いまして、ありがとうございました。後に専門のお立場から伺いたいと思います。 まず、今度の年次総会の問題点と成果、前進面、あるいは問題を残した点についてどういうふうに御認識をいただいているか、まず農林水産大臣に伺い、次いで、日本政府代表として大変御苦労いただきました島コミッショナーから詳しい御報告をいただきたいと存じます。
○田名部国務大臣 どのように評価をするか、こういうことでありますけれども、我が国が目標としておりました南氷洋での商業捕鯨の再開及び沿岸小型捕鯨に対する五十頭のミンククジラの暫定救済枠、これが認められなかったことは本当に私は遺憾だ、こう思っております。 他方、南氷洋サンクチュアリの設定を回避できたこと、あるいは我が国が提出いたしておりました沿岸小型捕鯨の窮状を認め、必要な作業の遂行を促す決議及びシロナガスクジラの回復調査決議が全会一致で採択されたということは、まあ評価できる、こう考えております。 また、日本でIWCの総会を開催したことによって、広く国民にこの鯨問題に対する正しい理解というものが非常に深まったという成果もあるというふうに考えております。
○島(一)政府委員 水産庁の次長の島でございます。 今回IWCのコミッショナーといたしまして会議に臨みました。その結果について御報告を申し上げたいと思います。 今回のIWC総会は、五月十日から十四日まで、京都で、加盟国四十カ国のうち三十四カ国が参加して開催されました。 本総会の結果は、モラトリアムの見直し前提条件である改定管理制度の作業は前進いたしましたけれども、モラトリアムの見直しそのものは先送りになったことは非常に残念なことであります。また、フランス提案の南氷洋鯨類サンクチュアリにつきましては、回避はされましたが、次回総会で再検討されることになりました。 一方、我が国の沿岸小型捕鯨に対する五十頭の暫定救済要求は遺憾ながら否決されましたけれども、次回総会で窮状緩和策を検討するとの決議が全員一致で採択されたことは評価できると思います。 これ以外に、我が国の捕獲調査計画に対しまして再考決議が採択されましたけれども、我が国提案の南氷洋におけるシロナガス等の大型鯨類の調査については実施することが決定され、内容の詳細については科学小委員会でさらに検討されることになっております。 結果概要は以上のとおりでございますけれども、我が国代表団といたしましては、事前の準備も含めまして、会議期間中、我が国の主張が認められるよう最大限の努力を払ってまいりました。私といたしましては必ずしも十分満足すべき結果ではないと思っておりますけれども、我が国の主張を裏づける科学的根拠もほぼ出そろっておりまして、また、国内世論の捕鯨問題に対する正しい理解も深まったと考えられるので、今後とも総力を挙げて、我が国の主張が受け入れられるよう粘り強く努力してまいりたいと考えております。
○元信委員 我が国の捕鯨に対する基本的な要求は、何といっても第一に南氷洋における商業捕鯨の再開と、そうして沿岸小型捕鯨のこれまた再開、こういうことに尽きると思うのですけれども、この問題は多くの側面を持っているということが今度のIWCの総会で明らかになったと思います。 まず、そもそも鯨の資源というのは漁獲にたえるのか。これから鯨をとっていくともう鯨はいなくなってしまうのじゃないかという危惧に対して、IWCはどういうような結論を出したのか。あるいはまた文化的な側面、一部の国からは、鯨は知能のあるかわいい生物であるからこれを食べることは野蛮であるというような非難が浴びせかけられた。 さまざまな側面を持っているわけでありますが、まず、おいでをいただきました参考人に、鯨の漁業生物学的と申しますか、鯨資源の状態と漁業の可能性についてIWCはどのような見解をとっているのかを承りたいと存じます。
○長崎参考人 日本鯨類研究所の長崎でございます。 御質問にお答えしたいと思います。 鯨の資源は捕獲にたえられるのかという御質問でございますけれども、管理の仕方が十分であれば、つまり管理の仕方を開発すれば、実は魚よりも安定した利用ができる。鯨というのは、人間の人口と同じように、非常に大きなバイオマスを持っておりまして、中のメンバーが余り時間とともに変わらないわけですので、資源量が確実に把握できますと、利用する量を調整すれば急に減らしてしまうというようなことはないわけでございます。 しかし、残念ながら、御存じのとおり、かつて、一九四〇年から五〇年あるいは六〇年にかけて、先進諸国が南氷洋で乱獲をやったことも事実でございます。あのようなとり方をしたらば、これはもう鯨ならずとも、お魚でも参ってしまうと思います。 それで、最近のIWCの特に科学小委員会、科学者の見解といたしましては、新しい鯨の利用管理法というのを開発いたしました。この点について少しお話を申し上げておきたいと思います。 南氷洋のミンククジラにつきましては、既に科学小委員会でその頭数が推定されております。推定数は南氷洋全域にわたって約七十六万頭、未調査の水域がこれに加わりますので、七十六万頭というのはかなり控え目の数字というふうにお考えいただいて結構だと思います。 この全体の資源量をつかむと同時に、その資源をどういうふうに利用するのか、どういうふうに管理をするのかということが長い間がない重要な問題でございました。これを開発いたしましたのが、最近、改定管理方式という専門用語を使っているんでございますけれども、この方法は、人間が余りいろいろな推定をしないで、間違った推定を入れることなしに、コンピューターによって利用法を考え出させるという方法でございます。そして、ある節目節目で完全な調査をいたします。モニターをして、それでチェックをして、資源の動向を見ながら捕獲量を決めていくという割合に信頼のできる方法というふうに私は考えております。この方法を用いますと、南氷洋のミンククジラはかなり効率よく利用できるというふうに考えております。
○元信委員 先ほど大臣の御答弁の中にも、このIWCの総会を通じて我が国の国民の中にも鯨問題について理解が進んだ、こういう御答弁がありましたが、我が国の中にも鯨は保護すべきだという意見が実はなくはないわけであります。全く利用してはならぬという意見の持ち主の方もあるようでありまして、それらの方がおっしゃるのは、鯨の資源というのはあれだけ大きな海に点在しているものだからわかるはずがないではないか、まして目で眺めただけで何がわかる、海の底にいるものじゃないかこういう御主張であろうかというふうに思いますが、今お話のありました改定管理方式、そのもとになっております資源量の推定について、国際的にはどのような評価を受けているのか、改めて伺いたいと思います。
○長崎参考人 お答えいたします。 南氷洋のミンククジラにつきましては、過去五年間、正確に申しますともう十年以上、全域にわたりまして目視調査というのをやってまいりました。これは、船を走らせまして目視をいたします。視界に入った鯨の頭数を全部調べまして、それを面積法を用いまして全体数を推定するという方法でございます。これは方法といたしましてはかなり正確な方法でございまして、これを既に十数年間にわたってやっております。 南氷洋は非常に広いものでございますので、一年間にカバーできる水域というのは南氷洋の約六分の一でございます。したがって六年でワンラウンド、そして既に二回目のラウンドを終了しております。このようにして得られた数字は、科学小委員会の場では、恐らく大きな疑問を持っている科学者はいないのだろうと思います。正確には、先ほど七十六万頭と私申し上げましたが、七十六万頭プラス・マイナスという表現を使いますと大体九%から一〇%ぐらいの誤差で、自然の状態における生物の推定としては確度が非常に高いというふうに申し上げられると思います。
○元信委員 もう一つの問題といたしまして、フランスが南氷洋のサンクチュアリということを提案をいたしております。幸い今回の総会ではこれが採択されるに至らず、次回に延ばされたことは今水産庁次長の御説明にもありましたけれども、一体このサンクチュアリというものが何を意味しているのかそして鯨の保護のために何か積極的な意味を持つものであるかどうか、もう少し詳しくお話をお願いしたいと思います。
○島(一)政府委員 それではお答えいたします。 フランスの南氷洋サンクチュアリ提案と申しますのは、南緯四十度以南を鯨の保護区域とする、一切そこでは鯨をとってはならないということを目指す計画でございまして、もしそのような考え方を北半球に当てはめますと、マドリード以北の北半球をすべて鯨のサンクチュアリとするという、非常に広大な水域を目指したものでございまして、もしそのような水域において鯨を一切利用してはならないというような概念が認められますと、そのような概念が世界に、ほかの水域に及ぶということは否定し得ないことでございます。 さらにもう一つ申し上げますと、その南で保護されました鯨というものはさらに南緯五度程度まで回遊いたすものでございますので、そこにおける水産資源の利用、そういうようなことにも影響を及ぼす。もし鯨というものがそこで聖なる獣というようなことになりますと、それに依存いたしております他の水産生物資源の合理的利用というものが阻害されるわけでありまして、この点を我々が問題といたしているわけでございます。 以上でございます。
○元信委員 いま一つの点は沿岸捕鯨でありますけれども、我が国の沿岸捕鯨の伝統の灯が今まさに消えようとしている、何とかこの灯をともし続けていかねばならぬというのが関係者の切実な願いであるというふうに考えますけれども、今回のIWCの総会ではこの沿岸捕鯨が認められることにならなかった、大変残念なことであります。 これはアメリカを中心とする反捕鯨国が一切の捕鯨を認めてはならぬという立場でこういう決定を下したのであろうと考えますけれども、反面、アメリカでは極めて資源の少なくなったホッキョククジラ、恐らく世界じゅうで千頭はいないだろうと言われている希少な鯨を捕獲をしている、こういう事実というのは余り知られていないのではないか。いわゆる原住民生存捕鯨としてある種を絶滅させていいのかどうか、ここらも大いに議論のあるところであろうと思います。 ホッキョククジラの資源の状態と、そして漁獲の状態について、参考人から御意見を伺いたいと思います。
○長崎参考人 お答えいたします。 ホッキョククジラは、現在、IWCで保護資源というふうに認定しております。保護資源と申しますのは、最初の資源の状態、水準から比べて極めて資源量が小さくなっている、したがって一切捕獲をしてはいけないという水準でございます。初期資源に比べますと極めて低い水準にございます。 当初は、先ほど先生申し述べましたとおり、千頭から二千頭と言われていたのですが、アメリカはこのホッキョククジラについて大変な調査努力をここ五、六年払ってまいりまして、調査をすればするほど、少しづつその調査域が広くなったり、精度が高くなったりいたしまして、現在、IWCが認めておる頭数が約七千五百頭でございます。七千五百頭でもこのホッキョククジラは極めて初期資源に比べれば小さい、保護資源であることは間違いございません。この資源から現在、アメリカは、原住民生存捕鯨という形で年間四十頭前後の捕獲をいたしております。これは本来ならば、保護資源ですので、捕獲をしないにこしたことはございませんが、原住民生存という特別の理由で、これだけの捕獲がIWCによって認められているということでございます。
○元信委員 サンクチュアリ案というのは、いろいろな言い方はしているでありましょうけれども、我々の認識としては、要するに、日本が商業捕鯨を再開することの芽を全部摘んでしまおうというものではないかと考えざるを得ないと思うのです。それを主張しているアメリカが、資源状態は極めて悪い鯨をみずから捕獲をしているというのは余り知られていない事実でないかと思いますが、極めて矛盾した態度であると言わなければなりません。 こういうIWCの実態についてはおいおい質問の中で明らかにしていくといたしまして、議論をする前提といたしまして、鯨というものをどう考えるかあるいは鯨を食料として考えるということについてどういうふうにお考えなのか二、三伺ってみたいと思いますが、総理大臣、あなたは、新聞の記事によると、鯨を食べたことはないとおっしゃったそうでありますが、戦後、我が国の国民で鯨を食ったことがない人というのはよっぽど恵まれた人かなと思いますが、そのとおりですか。
○宮澤内閣総理大臣 非常に正確に申しますと、終戦の年に私は品川に住んでおりまして、その辺で、市場で買って食べました。
○元信委員 我が国は戦争直後の飢餓の時期に、実は鯨に大変なお世話になったわけですね。古い記録を調べてみますと、今の国会になって最初の衆議院本会議ですか捕鯨の再開に関して連合国最高司令官に感謝する決議というのを、たしか最初の国会と、それから最後の帝国議会でもやっているというふうに思うわけでありまして、我が国は鯨なしには今日の生存はあり得なかったのではないか、こういうふうに思われるわけであります。 しかし、今日においては、無理に鯨を食べなくてもほかに食べるものがあるじゃないか、こういう議論もありますし、新聞の論調なんかを見ましても、中には、国際摩擦を招いてまでどうして捕鯨にこだわらなきゃならないのだ、こういうような見方もあるわけですね。とりわけ鯨が環境運動のシンボルにされておる。鯨を守ることが環境を守ることと直接的にどういうふうに結びつくのか理解しがたいところでありますけれども、これは環境庁長官、環境行政の責任者として、鯨問題についてはどういう御見解をお持ちか、この際承っておきます。
○林(大)国務大臣 お答えいたします。 鯨につきましては、我が国を初めといたしまして幾つかの国々でこれを食するなどの伝統的な利用を行っており、このような食の文化というのはこれからも尊重されてよろしいと考えております。 その反面に、鯨は貴重な海洋性の大型哺乳動物であり、絶滅させることがあってはならないという考えも同時にありますけれども、しかし、これは鯨に限らず、野生生物の種の保存ということは大事でありますので、それはやはり絶滅はさせないようにしたいということが一面にございます。 したがって、鯨につきましては、科学的な知見に基づきまして、ただいま科学的な知見の一例が参考人からも発表されましたけれども、そのような知見に基づいて種の保存を図りつつ、資源としての利用を図ることが必要であると考えております。
○元信委員 外国へ参りますと、鯨を食べるというのは理屈抜きに野蛮だというそういう見解もある。先般、在外公館で公館員の皆さんと意見交換をしていた中でも、大変苦労されているというふうな感想も承ったところであります。 しかし、我が国の文化と伝統を守るということでもあるわけでありますから、ここは一番頑張っていただかなきゃならぬと思うのですけれども、外務大臣、これから諸外国とつき合う上で鯨を食べるということについてどういう基本的なスタンスで接していかれるか。これはもう当然だということなのか、やむを得ず食べているということなのか、どんなふうにお考えでしょうか。
○武藤国務大臣 大変難しい御質問で、私も最近は鯨を食べておりませんのですけれども、考え方としては、日本のこの間の京都におけるいろいろの主張も私もよく聞いておりますし、また一方、世界の環境を守る人たちが、誤解に基づく点も多いとは思いますけれども、非常に大きな運動であるということも承知をいたしておりますので、その辺をどう調整をしていくのか大変難しい局面があるかと思いますが、できる限り日本の商業捕鯨がある程度認められるような形に、IWCがいわゆる捕鯨取締条約に基づく機能を十分発揮していただいて、日本も何らかの形での、今調査捕鯨ですか、ひとつ商業捕鯨も将来においてできるような形に努力をしてまいりたいと思っております。
○元信委員 この捕鯨問題というのは、鯨の問題にもちろん間違いはないわけでありますが、反面、もしこの捕鯨において諸外国の理不尽など言ってよろしいかと思いますけれども、主張に屈して、我が国が鯨をとることを放棄するようなことがあれば、これは野生動物を保護するという、野生動物というのは食べてはならぬ、食べていいのは年とか馬、馬はどうですかね、年とか豚とか要するに食用の家畜であるという主張がその裏側にあるわけなんで、それを推し進めていくと一切の野生動物は食べてはならぬ。鯨だけじゃなくて、サンマもイワシもすべて、海の中にいるものは養殖していなければ野生ということでありますし、養殖している魚でもイワシをえさに与えているわけですから、結局は同じということになる。結局、漁業を否定することになるのではないか。絶対ここは負けられない線であると思うのですが、農林水産大臣、その辺はどうお考えでしょうか。
○田名部国務大臣 おっしゃるとおり、それぞれの国において食にしておるもの、これは違うわけですね。 外国は、どれとは申し上げませんが、例えばアメリカで私はバッファローの肉というものを初めてごちそうになりましたが、私どもはバッファローというものは余り食べる習慣がない、あるいは宗教上で食べないという国もある、これはさまざまあるわけですね。 ですから、この間も私も総会へ行きまして議長と話をしたのですが、鯨がかわいそうだ、かわいいんだということでこれに反対するということはいかがかと。例えば、私は鯨をかわいいと思ったことがないが、かわいいと思うのは犬とかウサギとか馬はかわいいなと思ったけれども、鯨はかわいいと思わなかった。そのように、かわいいという基準を設けるとすれば、人によってこれはみんなかわいさが違うという話をいたしまして、その前の記者会見のときもその議論でいって、かわいいものは食べてはいかぬということになれば、魚だって非常にかわいいと思うのもある。そういうことになれば、イカでもシャケでも一切食べないようにしたらどうかということを、無理を言ったことがありますが、いずれにしても、おっしゃるように変な形でこれを認めるということになれば、じゃマグロはどうかとか何はどうかとかどんどん波及していく可能性というものがあるということで、私もこの総会では随分言いにくいこともはっきり申し上げたり、各国の代表団にも話をいたしたという経緯があります。 何としても私どもは全力を挙げてさらなる努力をしてまいりたい、こう考えております。
○元信委員 全く大臣の言われるとおりでありまして、我々がかわいいと思う犬を食べる習慣のある国もあるし、あるいは英国では貴族が争ってキツネを殴り殺すというようなこともスポーツとして定着をしておる。あるいはまた、かわいらしいというウサギをシチューにして食べるというところもあるわけで、これはみんながそれぞれにあれがかわいいとかこれは聖なるものだとか言い出せばどうしようもないものと言わざるを得ないと思います。要は、それを利用し尽くして、いなくなってしまうようにしてしまうのは全人類共通の損失であるけれども、科学的に管理をして、そうしてこれを永続的、発展的に利用できるならば、他の民族が何を食べようが、そのことには口を差し挟まないというのが国際的なルールでなくてはいけないと思うのですね。IWCの中ではそういう理性的な議論が一体行われているのか。 先ほど長崎参考人のお話の中では、科学小委員会の中では一致して改定管理方式、こうやってとっていけば鯨は持続的に利用できますよということが認められたにもかかわらず、IWCはそこから導かれたとは到底思えない総会の結論を出したわけでありますけれども、IWCというのは一体どういう歴史を持った、何のための団体であるのかということを改めてちょっと御説明ください。参考人、お願いします。
○長崎参考人 IWCの歴史は大変長うございますので、大変長くなってしまいますので、至極簡単に説明をさせていただきます。 IWCができましたのは一九四六年、戦後でございますが、最初のころのIWCというのは、鯨を管理しようとかうまく保存しようとかいうことを考えていたわけではなくて、たくさんの国が鯨をとっておりました。マーガリンをとって食料にしていたわけですが、特にヨーロッパ諸国は大変な努力をして、鯨を南氷洋にとりに行っていたわけです。そのころは、鯨油の価格が非常に大きく振れますので、生産調整の意味でかなり全体の鯨の漁獲量を制限したということがございます。そのころはIWCに加盟していたのが全部捕鯨国だったわけです。つまり捕鯨国のクラブだったわけです。 その後だんだんに、そういうことをやっておりましたために、資源が悪化いたしました。科学者が何回かに分けてその資源の状態を警告してきたわけでございますが、なかなかそれが取り入れられないで、一九六〇年から七〇年に入ってきたわけでございます。 一九七〇年に入りまして、もっと厳しく捕鯨を規制しなければいけないということで、IWCは本格的な規制に乗り出したわけでございます。当時、七〇年代にかなりたくさんの鯨種が捕獲禁止になりました。これはかなり有効に作用したと私は考えております。 しかし一方、先ほど来お話し申し上げました南氷洋のミンククジラのように、極めて資源の大きいものもございました。今までほとんど手つかずに残っていた資源もあったわけでございます。したがって、とっていい鯨ととっていけない鯨というのをきちんと分けて、IWCはそれを利用、管理しでいこうというかなりいい姿勢であったように思います。 ところが、いつのころからか、一九八〇年以前、七〇年から八〇年にかけてIWCの中に余り捕鯨に関係のないような国がどんどんと加入いたしまして、票のナンバーゲームを始めてしまったわけです。そこでついに例のモラトリアムが決まってしまったということになります。それは、私たちはその時点ごろまではまだIWCには科学が存在すると考えていたわけです。 ところが、IWCが、モラトリアムに対して、こういう条件があれば捕鯨は再開しようという条件がございますが、それが先ほど申し上げました、資源量がきちんと出ていること、十分に資源量があること、そして管理方法がきちんとできていること、この二つが条件でございますが、その条件があれば捕鯨の再開が結構でございますよというふうなシナリオをつくったわけでございます。そのつもりで科学者も努力をしてまいったわけでございますが、ごく最近になりまして、実はその二つの条件が整ったにかかわらず捕鯨再開はなかなか困難になってきた。つまり、先ほど申し上げました改定管理方式をまだIWCは正式に認めないということになってしまったわけです。ここで科学者の言うこと、科学者の意見というのがIWCの総会に余り反映されなくなってしまったというのが実態だろうと思います。
○元信委員 IWCのWは多分ホエーリングということだろうと思いますが、ホエーリングというのは、鯨を動詞にすると捕鯨をする、鯨をとるという意味であって、鯨を保護するという意味ではないわけであります。しかし、今のIWCというのは、もう鯨をとることは、先ほど言ったアメリカの沿岸原住民生存捕鯨などの例外はありますけれども、まず鯨をとることは、どんな科学的根拠があってもなくても、何が何でも絶対にだめだ、これがIWCの基本的なスタンスになってしまっているんではないか本来の機能とは全く違う団体に成り下がっているのではないかという気がしてなりません。 このIWCの年次総会の後、農林水産大臣はコメントを発表されました。そのような、すなわち無条件で鯨を保護せよというような団体はIWCの趣旨に合わない国であるから出ていくべきであるというふうにコメントされたと報道されましたが、農林水産大臣のお考えを改めて伺いたいと思います。
○田名部国務大臣 そういうコメントはいたしました。それは、IWCというのは、今委員お話しになったように、捕獲しちゃいかぬというのではないのですね。管理をして適正に活用していくというのが趣旨であって、とらないというのでこの会を開くのであればやめたらどうか。むしろ私たちはこの規定を忠実に守ってきた国であって、これに反対する方が間違っておるのであるから、そっちの人たちが脱退すべきであって、そのころ日本が脱退しろという話が随分あったものですから、私は、私の方が脱退するのではなくて、その趣旨に反している方が脱退すべきであるという発言をいたしました。
○元信委員 まことにおっしゃるとおりではあると思いますが、具体的に脱退させる方法というのはあるでしょうか。
○田名部国務大臣 脱退させる方法というのはなかなか難しいと思うのですね。要するに捕鯨に全く関係のない国が圧倒的に多いわけです。捕鯨国というのは三、四カ国でありますから、これだけで見ると多勢に無勢ということになろうかと思います。ECの全く海に関係のない国も加盟しておるのを私は不思議に思って聞いたのですが、昔は鯨というのはおかにおった、それが海へ出て、そうしてああいうふうに大きくなって、その化石が出たというので加盟しておるんだ、こういう話もありまして、まあなかなかこの争いというのは、最初からもう反対と。我々の主張を聞いて、よかったら賛成するというならばこの会の存在意義というのはあると思うのですが、もう会議が始まる前から賛成と反対が決まっておって会議を開くというのですから、なかなか大変な会議だ、私はそう思っております。
○元信委員 お話を聞いていますと、どうもIWCというのは大体歴史的使命は終わった国際機関ではないかと思われるわけです。最近、IWCから脱退をしたとか、あるいはIWCの中にとどまっているけれども、また別の資源保護機関をつくって、そっちの方で活動をしながら商業捕鯨を再開した国もあるやに伺いましたが、御説明いただきたいと思います。
○島(一)政府委員 お答えいたします。 鯨とかイルカとか、そのほかもう少し広めまして海産哺乳動物というものを利用している国というものは非常に局限されておりまして、特に極北の民に多いわけであります。 そのような状況の中で、イルカも鯨もアザラシも一切利用してはならないというこういう世界的な風潮の中にありまして、海産哺乳動物の管理とその合理的利用の国際会議というものをアイスランドのアスグリムソン漁業大臣が主唱いたしまして、そのような会合に私どもも参加してやってきたわけでありますので、昨年、その会議がもととなりまして北大西洋海産哺乳類委員会というものが発足いたしまして、その加盟国はノルウェー、それからアイスランド、それからデンマークの自治領になりますけれどもフェロー諸島、それから、これもデンマークの自治領でございますがグリーンランド、これが正式な加盟国となりまして、さらにオブザーバーといたしましてロシア、それからカナダ、さらに日本が特に招かれましてそれにオブザーバーとして出席いたしているというわけでございます。 ただ、そこにおきましても、アイスランドがミンクをその委員会のもとでとりたいという提案をいたしましたけれども、委員会そのものはまだ時期尚早であるということで現在のところはペンディングになっているという状況でございますが、そういう北大西洋におけるようなそういう地域機関というものをやはり各地域に設立していくというのが、混迷をいたしておりますIWCのこれからの将来方向を示唆するものであると考えます。
○元信委員 各国さまざまに工夫を凝らし、努力を積み上げているようでありますけれども、日本の今の基本的な方針はなおIWCの中へとどまって努力を続けるということでありますが、もし仮に来年の年次総会でサンクチュアリが採択されたということになりますと、商業捕鯨は全く再開の見込みはなくなるということになるかと思います。 我が国の関係者の中には、もうIWCは歴史的使命が終わっているのだから、日本も今お話しのあったような諸国に倣って新しい国際活動を始めるべきときではないか、こういう考え方があるわけですが、これは総理大臣、どうでしょうか。
○田名部国務大臣 そういう考え方があるということは、私も先般の会合で感じました。感じましたが、前段に委員がお話しになったような、あるいは島次長が答弁申し上げたようなことも一つの方法であろうし、あるいは、そういいましても、大変日本の主張というものが評価されて、少しではありますが、日本に同調的な国、とにかく沿岸の捕鯨等にも非常に理解を示している、あるいは、日本の努力というのはあったと思うのですが、サンクチュアリを否決した、そういうことを考えますと、直ちに脱退してどうなるのかなという感じもあります。十分これは検討してみなければいかぬことであって、十分私ども他の国とも連絡をとりながら、どういう方向が一番ベターなのかということをこれから研究していかなければいかぬ、こう考えております。
○元信委員 我が国が国際機関から脱退をするということになりますとすぐ松岡洋右の亡霊が浮かび出てきて、そんなことはとてもできる話ではないと、こういうことになるのかもしれませんが、外務大臣、どうですか、我が国が国際機関から脱退したというようなことは戦後ありましたですかね。
○武藤国務大臣 私の承知しているところでは、戦後はないと思っております。
○元信委員 大国の中で国際機関から脱退したというようなところはありますか。
○林(暘)政府委員 全部ではないと思いますが、承知しておりますのは、ユネスコからアメリカ、イギリスが脱退した例があると思います。
○元信委員 こういうように国益が絡んだときには、ユネスコに余り国益が絡んだかどうかわかりませんが、遠慮なく行動するという側面も外交の中にはなくてはならぬと思うのです。IWCから日本が脱退すればどういう影響があるとお考えでしょうか、外務大臣。
○林(暘)政府委員 お答え申します。 脱退それ自体ですぐに影響が出てくるかどうかはわかりかねますが、アメリカにペリー法案という法案がございまして、例えばIWCの規定に反して日本が捕鯨を再開するとかいうようなことになりますと、制裁措置を科するというようなことがあり得ると思います。
○元信委員 ペリー法による実際的な影響というのはどれぐらい見積もられますか。
○林(暘)政府委員 どのくらいの影響が出てくるかということは即答申し上げかねますが、一つの参考としての数値といたしましては、我が国のアメリカに対する水産物の輸出が、九〇年で三百四十二億円ございます。当然のことながら日本はそれの十倍ぐらい輸入はいたしておりますけれども、対米輸出ということで考えますと、三百四十二億円を九〇年にはいたしております。
○元信委員 自由貿易の精神から考えてそういうようなことは決して好ましいことではないと思いますが、もしアメリカがこういうものでペリー修正法を発動するというようなことになりますと、我が国だって当然とり得る方法というのはあるんじゃないでしょうか。どうお考えでしょうか。
○林(暘)政府委員 アメリカがペリー法案という国内法に基づきまして日本の貿易に対する制裁を科するということになりますと、これは当然のことながらガットの規定には違反する措置でございますので、ガットに提訴する等のことが考えられると思っております。
○元信委員 要するに、横車と言うしかないと思うのですね。それにおびえて我が国がなすべきことをしないというのは、我が国の政治のあり方としては問題があると思うのですよ。 さっきから経済局次長が大臣になりかわって答弁をしておるけれども、我が国の外交の責任者として、その辺どうお考えですか、伺いたいと思います。
○武藤国務大臣 とりあえず来年までの一年間の猶予期間もございますから、これは農水省が中心となられてこれからいろいろと各国とも協議をするという農水大臣の答弁も先ほどございました。よく農水省とも打ち合わせをしながら、場合によれば脱退をしなきゃならないという事態が起きれば、そのとき私どもは考えなきゃならぬと思っております。
○元信委員 脱退あり得べしというふうに承りました。場合によってはということでしたけれども、私は、その一つのボーダーラインというのは、サンクチュアリだと思うのですね。このサンクチュアリが採択されたということになりますと、これはもうどんな努力をしても何の意味もない。鯨の資源に対しても、かつてインド洋でサンクチュアリが設定されたことがありました。サンクチュアリが設定されると、今細々行っているところの調査捕鯨も、これはだめになるのですね。調査すらできない。調査できないということは資源状態がわからない。 ちょっとさっきもお話がありましたけれども、鯨の資源というのは、大きな百五十トンもあるシロナガスクジラとか、百トンぐらいのナガスクジラとか、五十トンぐらいのセミクジラとか、こういう大型の鯨がとり尽くされて、ミンククジラというのは十トンかそこらしかない鯨の中では小さなもの。今まで捕鯨の対象にされてこなかった。一律禁止したものだからこれがめきめきふえてしまって、七十数万頭という数字が南氷洋だけでも推定されるに至っている。管理をしなければ、絶滅が危惧されているシロナガスクジラその他の超大型の鯨の資源の再生にも大きな影響があると科学者は警告をしているわけですね。 ですから、サンクチュアリに手をかすということは、あるいは一、二の種については絶滅に手をかすということになりかねないという見方もあるわけでして、我々はサンクチュアリだけは絶対に阻止をする。もしそういうことをするのであれば、これはもうIWCがみずから自殺行為を働いたとみなして、我々はこれから決別せねばならぬというふうに思います。 サンクチュアリの採択とIWCの脱退ということをリンクさせて考えるお考えがあるかどうか、外務大臣と農水大臣にそれぞれお考えを承りたいと思います。
○田名部国務大臣 サンクチュアリとIWCの脱退問題ということですが、そういうことをさせてはいかぬし、今お話にあったように、鯨もえさが必要であります。ふえればふえるだけ、オキアミ等をえさにしているわけでありますけれども、今度はそっちが不足してきたときに、今お話しのような別の鯨のえさが不足してくるという事態になると、保護しようと思った方も保護できないという問題になっていくであろうということで、今回もこのサンクチュアリは否決をされた。 来年また検討ということになりましたけれども、いずれにしても、そういうことをさせないという行動をどうとるかということになりますから、脱退するともう発言権も何も、行動もとれないということにもなるわけです。ですから、その辺のところはもう少し勉強して、やはり中で仲間をふやして、これだけは絶対阻止するということにする方が最も適切なのかどうかということもありますので、十分検討をしたい、こう考えております。
○元信委員 慎重な御答弁ということだろうと思いますが、私は、IWCというのはなかなか理性的な議論というものが難しい場所じゃないかというふうに思うのですね。常に感情に訴えるというレベルの議論があって、気に入らなければ、日の丸を焼いてみたり、卵を投げつけてみたり、インクをかけたり、粗暴な行動も目立つわけでありまして、その中で議論をしていくということには甚だ困難がある。皆さんも御苦労されているというふうに思うんですね。 そこで、この脱退というのを実際にするかどうかはともかくとして、サンクチュアリをやるなら日本はそれ以外に対抗手段はないよということを明らかにしておけば、日本がIWCから脱退をする、既にアイスランドが脱退をした、そうしてノルウェーも恐らくそうなると脱退をして、いわば新IWCみたいなものをつくることになるでありましょう。そうすると、今あるIWCというのはもう何の機能も果たせなくなる。研究もできなければ、何ら実効ある措置ができなくなって、しばらくはそれでも続くかもしれませんが、そのうち雲散霧消するでありましょう。そのことはIWCの構成国である反捕鯨国も決して望まないと思うのですね。 だから、サンクチュアリを何が何でも阻止をするというためには、これはリンクするんだという決意を示しておくということもまた有効な手段ではないかなというふうに思うのですよ。そういう意味で、我々の譲れない一線としてこれだけは言っておく。このことについて政府を代表して、どなたですか、ひとつ決意を示してもらいたいと思うのですがね。
○田名部国務大臣 調査捕鯨をいたしておるわけでありますから、調査捕鯨もできないということになれば、IWCの存在そのものがもう必要なくなるわけでありますから、脱退しなくても全く機能を果たさないことになりますから、当然そういうふうになるであろうというふうに私ども考えております。 ですから、いずれにしても、日本に今日まで理解を示して同調した国というのが中にたくさんあって阻止できたわけでありますから、今直ちにがいいのかどうかは別として、そこのところは少し私どもに十分検討させていただきたいということでございます。
○元信委員 今の大臣の御答弁の中にもありましたように、数は少ないわけでありますけれども、世界の中には、日本の主張に理解と共感を示してくれている国がある。大変ありがたいことだと思います。 しかし、今の世界の趨勢から見てまいりますと、こういう国々に対して非常に不当な圧力がかかりつつあるのではないかというふうに思われるのですね。例えばデンマークの自治領フェロー諸島の問題なども報道されておりますし、あるいは中米の幾つかの国が今度のIWCの年次総会で日本に理解のある態度を示してくれた、そういう国にも早速圧力がかかるという懸念があるわけです。 これらに対して一体どのような対策をお持ちなのか、承りたいと思います。
○川合政府委員 今のお話につきまして、私ども確証を得ているわけではございません。それぞれの国がそれぞれの主権に基づいて今回のIWCで行動をとったわけでございます。 もちろん、そうした国と私どもはいろいろな形で連絡を密にし、また、私どもの考え方の理解を求めるとともに、そうした国々の考え方の理解も深めていくということが必要であろうと思っております。今後ともそうした国との連携を強めていくということが一番大事ではないかと思っております。
○元信委員 そんなのんきな事態じゃないと僕は思うのですけれども、時間の関係でそれ以上の議論はいたしません。 最後に、鯨問題でもう一つ、イルカ問題というのがあるのですね。 イルカの資源というのは非常に大きいと言われていますが、反面、イルカはまたかわいいという議論が出てまいりまして、我が国でイルカを積極的にとるのはおろか、浜へ乗り上げてきたのをそのまま助けなかったといって非難をされたりするというような考えられないことが起きているわけです。イルカはかわいくもあるけれども食料にもなるわけでありまして、私の静岡県ではイルカはおいしくいただくものでもあるわけです。 また反面、イルカというのは害獣という側面もあるわけですね。大量に回遊してきては、例えば五島諸島とかそういうところでは、ブリとかそういう高価な魚を食い尽すというところもあって、害獣駆除という点での漁業というのもやらなければならない。 しかし、イルカをIWCの中に入れよという議論があるのですが、入れてしまえば、今申し上げたような実情でありますから、これはまたイルカを一〇〇%保護せにゃならぬ。アメリカでは、マグロをとるときに一緒にイルカがどうしてもとれてしまうというようなことがあって、そのマグロと一緒にとれるイルカはどけて、マグロだけとった缶詰はドルフィンフリーといって別のラベルを張って売るというようなことまで起こっているわけでありまして、イルカ問題については早急に手を打たなきゃならぬと思います。 イルカというのは沿岸に定着している資源でありますから、それぞれ沿岸国が責任を持って、よその国からごちゃごちゃ言われることなく適切に管理をするという国際ルールをつくらねばならぬというふうに思いますが、その点についての御見解を承りたいと思います。
○田名部国務大臣 お答え申し上げます。 イルカなどの小型の鯨類は世界で六十六種、二百系統群にも及んでいるわけでありまして、生息分布域が地域的であるということで、また、国連環境開発会議において地域間による管理が認められているということでありまして、したがって、IWCで小型鯨類を管理することは適当ではない。地域間のもとで、沿岸国が適切に管理するという国際ルールが確立される必要があるというふうに私ども考えております。 このため、我が国周辺の小型鯨類の管理について関係国と協議を進める必要があり、当面関係国の科学者間の交流を深めることが必要であるというふうに考えております。
○元信委員 今度の京都総会で我が国の国民の鯨に対する関心が高まり理解が深まった、これは結構なことだと思いますが、諸外国については、先ほども申しましたけれども、まだまだという感じが否めないわけであります。ノルウェーはことしからIWCの中にありながら商業捕鯨を再開する、そういう方針をほぼ決めたようでありますが、そのことについては随分神経を使って、外交官を呼び寄せてそのことについて勉強をしたり、あるいはまた海外への広報活動に大変努力をしている、こういうふうに聞いております。 我が国について、この鯨問題を外交の中でどういうふうに扱っていくお考えがあるのか、海外広報活動を具体的にどういうふうにお考えになっているのか外務省のお考えを伺いたいと思います。
○林(暘)政府委員 鯨の問題につきまして、先ほどから御議論がありましたように、それぞれ異なった文化を持っている等のことにつきましては、IWCの総会その他の機会に各国に理解を求めるべく広報はいたしております。そういう形での広報をいたしております。パンフレットをつくったりというような形での広報をいたしております。
○元信委員 ぜひ充実をしていただきたいと思います。 鯨問題の最後に、我が国の主張を達成し、捕鯨の展望を開いていくためには、これからも広報活動をやると同時に、調査捕鯨などを積み重ねていかねばならぬというふうに思います。その効果というのはすぐ出てくるものではありませんけれども、我が国にとってこれらを継続していくことは極めて重要な意味があるというふうに思います。 このために必要な予算や人員ですね、手当てが不可欠であろうかと思いますが、これらについて、農林水産大臣、これからどういうふうにお考えであるかということを伺いますと同時に、林大蔵大臣、あなたはかって自民党の水産部会長をなさっていたこともあったと聞いておりますし、この問題については格別御造詣が深いように承っておりますが、大蔵省としてどのようにサポートしていくかについて伺っておきたいと思います。
○田名部国務大臣 捕鯨再開に向けて政府による内外に対する広報活動、これは非常に大事なことでありますし、引き続き充実したものとしていかなければならないということは十分認識をいたしているわけでありまして、本件については関係省庁とも連絡を十分とりながら対策を講ぜられるように努力をしていきたい、こう考えております。
○林(義)国務大臣 大蔵大臣としての答弁は、今農林水産大臣からお話があったようなことと同じでございまして、私も鯨の問題につきましてやはりいろいろな内外に向けての広報活動は非常に必要なものだという認識を持っておりますし、関係方面とよく相談をしてやっていきたい、こう思っています。 先ほどお話がありまして、私がということですが、実は私の地元は大変鯨のことについては関心が深いところでございまして、二十メートルぐらいの鯨の銅像がありまして、鯨の、捕鯨の歴史館みたいなものもあるわけでございまして、私も地元の問題でもありますし、いろいろ非常に関心を持ってきょうは元信堯生のお話を聞かせていただきました。ありがとうございました。
○元信委員 以上で鯨に関する質問を終わりまして、もう一つマグロについて簡単に承っておきたいと思います。 マグロについては、去年のワシントン条約締約国会議、CITESが、これまた京都だったと思いますが、開かれまして、マグロをひょっとしてワシントン条約の対象にするのではないかということで甚だ心配されたわけですが、直接的な影響はとりあえず回避されたわけですが、その中で明らかになってきたことは、CITES、ワシントン条約に関与させるようなことになる前に、マグロの資源の国際管理の枠組み、大西洋においてはICCATが一応機能しているわけですが、北太平洋がその穴になっているわけなんですね。これを早く整備するべきであるということは、私も場所を選んで何回か申し上げたことはあるわけでございますが、その点の進捗状況、議論の様子について伺いたいと思います。
○川合政府委員 今お話がございましたように、昨年のワシントン条約の締約国会議でこの問題が出たわけでございます。この会議での最終的な取り扱いといたしましては、ICCATという御承知の国際機関がございまして、ここで適切に管理するということを理由に提案が撤回されているわけでございます。したがいまして、今後こうした国際機関での管理を強化していくということが非常に必要でございます。 今お話しの北太平洋におきますマグロ類の資源保存のための国際的枠組みにつきましても、特にアメリカなどは関心を深めておりますし、我が国もこの会議につきましては積極的に進めていかなければいけないと思っております。 現在まだ具体的な枠組みというような形が浮上してきておりませんが、関係国の間に、徐々にではございますが、そうした機運が生まれてきておりますので、我が国は積極的に対応していかなければいけないというふうに考えております。
○元信委員 この問題もかなり切迫した問題であって、CITESで取り上げられてからというのでは遅いわけでありますから、ぜひ早急なお取り組みをお願いしたいというふうに思います。 もう一つは、マグロ問題といいますと、便宜置籍船問題ですね。幾ら国際的な枠組みを決めても、ある国がその枠組みの外側の船籍を使ってマグロの漁業をする。そうするとそれは全部枠外のものとして扱われてしまうので、いろんな規制がしり抜けになってしまうということがかねて指摘をされているわけであります。この便宜置籍船問題についてどのような対応をお考えになっているかということについて、あわせて伺っておきたいと思います。
○川合政府委員 便宜置籍船の問題は、ある意味ではこうしたルールを脱法化しかねない問題であります。現在、具体的な国ベースの議論というところまでまだ進んでおりませんけれども、かなり実質的な議論が国際機関などで出てきております。将来はこれに関する条約などというところまでいくのではないかという見通しもありますので、我が国といたしましては積極的にこれに対応するということで、個々の実務者レベルではございますが、会議に今臨んでいるところでございます。
○元信委員 ぜひこれも積極的にお取り組みをお願いしたいと思います。 以上で漁業に関する質問を終わるわけでありますが、まだ多少時間が残っておるようでございますので、先日、同僚富塚議員から建設業を中心とする談合問題、幾つか御議論がありました。多少重複するところがありますが、もう少し詰めた議論をしてみたいと思います。 まず、建設大臣あるいは農水大臣、自治大臣等に伺ってみたいと思うのですが、公共事業において談合がなされているという認識がおありかどうか、その辺からまず伺いたいと思います。
○中村国務大臣 談合がなくならない実態というようなことをどう認識するかということで答弁をさせていただきたいと思います。 一般競争入札を行っている米国においても、先日も富塚委員に答弁をさせていただきましたが、談合というものが年間に数十件行われているということも報告を受けておりますのでございますので、入札方式と談合の発生が直接結びつくかということについては、必ずしもそう言い切れるものではなかろうと思います。独占禁止法違反等は基本的にあってはならないことであり、建設省としても独禁法を遵守するという指導徹底を図っているところであります。 今回、改善策の中で、一般競争入札の長所を取り入れて、入札・契約制度の透明性、競争性を確保するために、指名基準の具体化、明確化の対策を取りまとめて、その実施に着手しているところであります。
○元信委員 農水大臣それから自治大臣。
○村田国務大臣 元信委員にお答えいたします。 談合ということはあってはならないことであり、このようなことが取りざたされること自体大変遺憾なことである、こういうふうに思っております。しかし、一義的にはこれは建設業者の問題、それから二義的には関係省庁間の問題、そういうことになろうかと思いますが、業者の数が非常に多いのですね。実務の上から申しますと、業者の数が非常に多いので、これをどういうふうにして整理をして指名競争入札にするかということは、建設省もあるいは農水省も自治省も都道府県も非常に苦労をしているわけです。そのために指名競争入札制度ということを制度化をしてやってきておるわけでございますが、いろいろな問題が起こるので、それについての委員の御質問だと思います。 実は、建設大臣が御相談に来られまして、この問題の適正化のためにひとつできるだけの努力をしようというので、建設省のスタッフと自治省のスタッフとがこういった問題について、入札制度の適正化のための協議会を発足をいたしました。今そこで一生懸命勉強をしておるところでございます。 入札制度、それから公共事業というのはこれから非常に大切なことであって、それが適切に行われていかなければいけないというところに政治改革の大きな問題点があるわけでございまして、建設省やあるいは農水省やいろいろなところが相談をし合い、また都道府県の意見も聞きまして、これに対する対応を適切にやっていかなければならないと思っております。
○田名部国務大臣 省内でも今、入札問題をどうするかという検討をいたしております。いろいろ今自治大臣もお話しになりましたように、大きい業者から小さい業者までたくさんありまして、一体どういうふうにして公平に入札をやれるかという問題等もあるし、あるいは入札の制度もそうでしょうし、あるいは入札の基準といいますか、そういうものを明確にするということも必要であろう、こう思います。 いずれにしても、大変御指摘の多い問題でありますので、しっかりとした対応をいたしたい、こう思っております。
○元信委員 談合は悪であるという認識では皆さん異論はなかろうというふうに思いますが、談合というのはそもそも一体何なのかということになるわけです。談合はいかぬが相談ぐらいならいいだろうという意見があるようですね。 これはきのうの朝日新聞に、建設省の技監、近藤さんという方が話をされているのが載っております。「どこが受注するかを業者が話し合って決める談合はよくないが、集まってどこが熱心なのか探り合うのもいけない、というのは酷だ」、こういうお話なのですが、どこが受注するかということと、どこが熱心であるかということは、どこに違いがあるのかと思わざるを得ない。建設大臣、こういうのをどう思われますか。
○伴政府委員 新聞の報道をもとにの御質問でございますけれども、どの産業におきましても、受注をめぐって競争会社の動向を探る活動とかあるいは情報交換を行う、これによって得られた情報をもとに自社の経営判断を行うということは一般的でありまして、それは独禁法上も容認されていると理解しております。 ただ、こういうことによりまして、例えば事業者団体の会合等の場で、関係事業者やらあるいは事業者団体が公共工事の受注計画、そういったものにつきまして任意に情報あるいは資料を収集して、あるいは提供を行うということもまた独禁法上認められているものであろうというふうに考えておりますので、多分私どもの建設技監が答弁したのは、インタビューにおいてこういう趣旨でお話したんだろうと思います。 ただ、こういった活動の度を超えまして、例えば事業者間に受注予定者とかあるいは受注予定価格について暗黙の了解とかあるいは共通の意思が形成されたら、これは当然独禁法違反になるということは言うまでもありませんので、業界にこういうことについて誤解がないようにしっかりと指導していきたいというように思っております。
○元信委員 少し私が申し上げたのと趣旨が違うと思うのですね。 ここに書いてあるのは、「集まってどこが熱心なのか探り合うのもいけない、というのは酷だ」、こういうお話なんですね。それぞれに営業活動をして、どこが熱心が、あそこはどこでどれぐらいで入札しようとしているかということを考えるのはもちろん自由でありましょうけれども、「集まって」というのはいかがなものでしょうか。公正取引委員会の委員長の御見解を承りたいと思います。
○小粥政府委員 私ども、ただいまお尋ねのいわゆる入札談合という行為は、その入札に参加する事業者があらかじめ入札予定者を決めるそういう行為、あるいはあらかじめ入札予定価格を決める、そのような行為がいわゆる入札談合に当たると理解をしております。そういうことであれば、入札談合という行為は、これは競争入札制度の根幹を否定する行為でありますし、申すまでもなく、競争の制限を禁止をしております我が国の独占禁止法上明らかな違法行為であります。私どもは、従来から、このようないわゆる入札談合行為に対しては厳しく対処をしてきたところでございます。
○元信委員 今の公正取引委員長の御見解では、集まってどこが熱心なのか探り合うのはよろしくない、こういうふうに受け取らざるを得ないと思うのですね。 建設省の技監というのはどうなんですか、「次官に次ぐ地位。」だと書いてある。ナンバースリーですわね。この人が公然、新聞に出てこういうことを言っているようなんじゃ問題じゃないでしょうか。大臣、見解をちょっと伺いたいと思いますよ。
○伴政府委員 先に答弁させていただきますが、建設業の場合は特に計画的受注が大事でございます。したがいまして、いろんな情報交換があり得るわけでございますけれども、公取委員長と違わないと思っておりますけれども、事業者間に受注予定者とかあるいは受注予定価格について決める、あるいは暗黙の了解をする、共通の意思が形成される、こういうことにつきましては独禁法違反になると思っておりますが、そうでなければ情報交換があるということはあり得る、あるいは容認されている、独禁法上も容認されているというふうに理解しております。
○中村国務大臣 公正取引委員会がガイドラインというものを認め、公共工事に係る建設業の諸特性を勘案して実態に即した指針を定めたものであり、この指針においては、計画的な事業の実施等経営の合理化に資するものは一定の情報提供活動が認められております。 この場合においては、一定のルールを定める等により受注予定者または入札価格を決定すれば独占禁止法違反となるとしており、建設省としては、この指針が決して独占禁止法違反行為を容認したものではないと考えております。むしろこの指針の正しい理解を徹底することが独禁法違反行為を防止することにつながっていくと考えておりますので、今後ともこの指針を含めて独禁法の遵守徹底を図っていきたい、このように考えております。
○元信委員 指名を受けた業者が集まって、どこが熱心かということを話し合えば、これはどこが受けるということを相談するなということは事実上無理なんですね。集まっちゃいかぬのですよ、集まっちゃ。それぞれに入札に応じなければならない、これが僕は入札制度の根幹だと思いますよ。 それがなぜならないかというと、指名入札制度をとって、お互いがわかっているからなんです。そこのところを改善しなければ、これは建設業者だけに聖人君子たれということを強要するに等しいことであって、お説教の域を出ないことだと思うのですね、制度的にそういうことができないということをつくってやらなければ。制度的には集まれるようにしておいて、そうしてやるなというのは、これは無理な話だと思います。 一般競争入札にしておけば、一体だれが応札するのかということはわからないですね。だれも現場説明に来たからといって、入札するとは限らない。こういう仕組みの方がいいというんですけれども、この建設省の技監も、このようなことまで言いながら、指名入札制度に執着をする。どうして指名入札制度でなくてはいかぬのですか。一般競争入札ではいかぬのですか。 ランクがまちまちだから、大小いろいろあるからと言います。あるいはまた、得意分野があるとかいろいろ言いますけれども、そんなものはランク別につくっておけばいいんであって、今の指名競争入札だと、指名されれば、今度は応札しないとその次から指名を外されるというペナルティーがあるわけですね。だからみんないや応なく集まる。集まりゃ必ず相談する、相談すれば談合する、これの繰り返しできたわけですから、根本的に解決するためにはこの指名入札制度をやめなきゃならぬと思うのですが、いかがです。
○中村国務大臣 一般競争入札につきましては、指名競争入札があることが談合を生むすべてであるというような御指摘でありますが、先ほども申し上げましたように、一般競争入札の制度を我が国へ取り入れないということは、中建審において、過去においてもいろいろ協議してまいりました。 御指摘いただきましたような制限的一般競争入札を導入できないかということも検討してきたわけでありますが、建設工事というものは単品受注であり、現場で組み立てなくちゃならない、あるいは疎漏工事というもの、不誠実な業者、こういうものを完全に排除することはできない。こういった問題があり、そのほかにダンピングというものも行われる。こういったことでございますので、我が国においては指名競争入札というものを改善をしながらしていくことが一番ベターである、このような結論になったわけであります。 御指摘をいただきましたように、公共工事というものは、先生御案内のとおり、大体三割が国の公共工事であります。その中の約半分が建設省発注ということでございますので、建設省が中心となりまして新しい入札制度、指名基準の具体化、こういうようなことをやることによって、中央官庁にもぜひこの新しい制度というものを御理解をいただいて、まず中央においてこういったものを、新しい制度というものを、透明性、競争性を確保していくことが大切である。 さらに、地方が七割仕事を発注いたしますので、やはり仕事を発注する側の地方、特に都道府県知事、市町村長という立場の方々は、どちらかというと選挙を通じて勝ち組あるいは負け組というようなことで、偏った仕事の発注の仕方も行われる可能性もあるということで、自治省との間に協議機関を設置しまして、地方においてもこういった制度について御理解をいただくように努力しながら、現在の指名競争入札制度の欠陥を改善しながら運用していきたい、このように考えております。
○村田国務大臣 元信委員の御質問に公正取引委員長、それから建設大臣から法律的な問題、実際的な問題の御説明があった、そのとおりでございます。 私は実態を県において知ってもおりますし、この問題の重要性をよく心得ておりますので、なお補足説明を実態から申し上げたいと思うのです。 業界は数万業界あります。そして、その中でも大きな公共工事その他に参加をする資格のあるものは非常に多いわけですね。したがって、一般競争入札をすれば一番公正であるということは形式的にはよくわかるのですが、しかし、例えば数億円あるいは数千万円という工事を発注をする際に、そういう受注をする方が、例えば、能力があるか、あるいは資本金がどうであるか、それから雇っている方がどのくらいであるかそういったいろいろなことをまず整理をしておかなきゃなりません。そして、長い時間をかけることはできませんから、したがって、競争入札制度は指名競争入札が一番能率的だという結論に達しておったわけでございます。 しかし、これによって金が動いたり、あるいは独占的な利益をある業者が得たりすることは、これはもう絶対避けなきゃなりませんから、そのために独占禁止法の府であります公正取引委員会が監視をしておる。 それと同時に、建設大臣が申し上げましたように、七割以上が都道府県、市町村の発注でございます。したがって、知事や市町村長が不公正なことをしないように、これも監視をしておるわけでございますし、また公共団体の長というのはその地域の住民を代表しておるわけでございますから、責任を持ってやってもらわなきゃならぬ。 したがって、いろいろな事件があったために、この際、政治改革の一環として競争入札制度もやらなきゃならぬということがあって、建設大臣と相談の上で、先ほど御答弁を申し上げました建設省の建設経済局長、自治省の行政局長がキャップになって、スタッフでこの公共工事をいかにやっていったらいいかという研究を今一生懸命やっております。必ずその成果は出てくると思いますし、また、これほど与野党が熱心にやっておっていただく公共工事等の発注について、成果を上げなきゃならないと思います。どうぞそれを見守って、またいろいろと御指導、助言をいただきたいと思うものでございます。
○元信委員 御懇篤なる御答弁をいただいたものですから、時間がなくなりました。 最後に一言だけ申し上げておきたいと思いますが、指名をして数を限って、その上で談合をするなというのは、これはできぬ話なんですよ。それをやる、やると言うのは、何か下心があるのではないかと疑われても仕方がないのじゃないか。先例がないわけじゃありませんから、そう思わざるを得ないわけであります。 どの制度にもベストの制度というのはないわけでありまして、これは建設大臣がおっしゃるようなことも一理あるところもあるかと思いますが、これだけ大きな政治不信を引き起こしたそのもとが談合問題にあるとすれば、幾つかの不都合はあったとしても、やはりその談合の根を絶つということ、その談合の可能性をなくしてしまう、これが今政治課題として最も大きな問題であると改めて申し上げて、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○粕谷委員長 これにて元信君の質疑は終了いたしました。 次に、日笠勝之君。
○日笠委員 カンボジアにおきます選挙もほぼ順調に推移をしておるようでございます。私は、殉職されました中田さん、高田さん、御両人に心から弔意を表しながら、カンボジアにおける選挙が、二十八日の投票日、そしてその後の制憲議会がつつがなくできますように思いを込めながら、まずPKOの問題について何点か質問をさせていただく次第でございます。 まず、東西冷戦が終結したものの、国際情勢は羅針盤が故障した船がジグザグに航海をしているような感がする現在でございます。今や不透明の時代といいましょうか、カオスの時代といいましょうか、ジレンマの時代とも言うべき状況を呈しておるわけでございます。竹をすぱっと割ったような方向性であるとか、そういうまた判断というものが極めて難しい、そういう時代でもないかと思うわけでございます。 このカンボジアのPKOにつきましても、そもそも論がまずあるわけですね。例えば、ポル・ポト派の武装解除に失敗したではないか、そこがボタンのかけ違いだ、またある人は、大量虐殺をしたと言われるポル・ポト派の責任は問われていないではないかとか、またある人は、シアヌーク殿下はどうもわがままではないかとか、またある人は、UNTAC本部そのものの、本部員の皆さんも評判よくない、またある人は、国連は大国中心で、出資金すら払ってない国があるじゃないかなぜそういう国がリードするのか、こういうふうないわゆるそもそも論もあるわけでございます。 そこでまた、このカンボジアにおけるPKOにつきましても、お二人の方が殉職されたということから、もう即座に撤退せよ、こういう声もあります。また、血を流してまでやる必要ない、そういう声もございます。また、そのうちに赤紙が来るのではないかというようなことを言う人もいらっしゃいます。人より物や金でいいのだ、経済大国のメリットを生かせばいいのだ、そう言う人もいます。しかし、反対に、今こそ胸突き八丁だ、踏ん張るときなんだよ、こう言う人もいます。そしてまた、国際的に今撤退できないのだ、こう言う人もいます。百家争鳴の感がするわけでございます。 そこで、まず総理にお伺いしたいのですが、こういういろいろな百家争鳴の議論、意見がある中で、総理は国際平和協力本部の本部長でもございます。国民に肉声で、本音でこのカンボジアにおけるPKOの理解を求めなければいけないのじゃないか、このように思いますが、まず御所見をお伺いしたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 既にいろいろな機会におきまして考えを申し上げておるつもりでございますが、まことに有為な二人の人を失いましたことは胸の痛む思いであります。これは我々にさらに安全対策を強化しなければならないという貴重な教訓を与えてくれまして、私どもとしては、村田大臣に現地に行ってもらいましたのに続きまして、今日まで関係者が交互に現地に参りまして、UNTAC当局等々とかなり詳細にわたって安全の方法を協議をし、また実施しておりますことは、ここに御報告を申し上げたとおりであります。 それによって再びあのような残念なことが起こらないように万全の策を尽くしまして、そうして、せっかくカンボジアの有権者の九割の人々が登録に応じた、それほどの熱意のあるカンボジア人によるカンボジアの国づくりをぜひ助けたい。選挙が始まりまして、昨日の投票率は四割を超えたと言っておるそうでございますけれども、その熱意が実現をして、カンボジア人のカンボジアができるというために我々も国際協力の一翼を担いたい。何とかそのためには安全が確保されなければなりませんので、そのことに全力を尽くしつつ、我々の願いが達成されますことを祈る気持ちでおるわけでございます。
○日笠委員 また一両国民が不安を感じておるのは、閣僚の一部の方ではございますが、思いつき発言と言っては失礼かもしれません、PKOの見直し前倒しであるとか、PKF凍結を解除せよとか、こういろいろ発言があるわけですね。これらについて、私は、総理以下全閣僚が心を一つにしてこの問題に取り組まなければいけない、こういう意味で、PKFの凍結解除であるとかPKO法の見直しを早くせよとか、閣僚の中に一部そういう意見があるわけでございますが、総理はそれらを総括してどのようにお考えでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 この法案は、長いこと両院において御審議がありまして、いろいろな修正もございました。また、御審議の過程において大変に有意義な御議論を政府も承ることができました。そういう長い御審議の後この法律が成立したわけでございます。 しかし、実際にこの法律を適用いたしまして部隊、要員にカンボジアに行ってもらったわけでございますけれども、当然予想されたことではあったものの、パリ協定が予想したとおりの事態と幾つかの点で現実に起こった事態が違ってまいって、それは例えば武装解除が完全には行われなかったということ、あるいはクメール・ルージュが投票をボイコットするという挙に出たこと、殊に前者は派遣されました人々の安全に非常に大きな影響を及ぼすに至ったわけでございます。 また、それが部隊に対してよりも、やはり要員と申しますか少数のあるいは個人のグループに対して行われた場合が多いといったあたりは、政府も十分予測をいたしておりませんでしたし、国会の御議論でもそこまでの御議論は必ずしも行われていなかった。そのようなことは、私どもが想定をし、法に基づいて派遣をいたしました部隊、要員、それと実際に起こりました事態との間の食い違いについてはいろいろに反省をいたしております。 また、これからもなお反省を事後にありましてもしなければならないことがいろいろあろうと思います。それは、法が定めておりますことすべてがそのままでよろしいのか、あるいはいろいろに国会におかれましても政府においても考えなければならないことがあるのか。とにかくしかし、短兵急にこれは反射的に考えていいことではないので、これだけ長い経緯のうちに成立いたしました法でありますだけに、短絡的にあるいは反射的にここを直せばいい、あれをやればいいだろう、その辺のことは十分に実は長いこと御議論になっておるわけで、それでありますからこそ三党合意というものがあって、そして、もしそういうときにはお互いに協議会をつくってやはり相談しようではないかとか、あるいは凍結解除の場合にはどうするとか、細かいことが御協議で定められた上でこの法案が修正され、できたわけでございますから、政府がこう思いますからすぐにというように、本来、経緯上そういうことにはこれはなっておりません。 閣僚の中にいろいろ御意見があるのは、私は当然政治家として、初めての事態でございますから、十分な御議論があってよろしいのですけれども、ただ、この法案の生まれる経緯というものについては必ずしもすべての閣僚がよく知っておられたわけではございませんので、その点も官房長官からも説明をしたりいたしまして、今御指摘になりましたような、つまりおのおのが自由な意見は持ちながら、しかし、これからとるべきコースというのは所管大臣あるいは総理大臣に任せるべきだという、そういう意味で閣内はただいま統一をいたしておると考えております。
○日笠委員 公明党も参加五原則を法案に盛り込んで賛成をした、いわゆるPKO与党と言われておるわけですね。ですから、殉職された事件があったときにはもう党本部には電話が殺到して、公明党が賛成したからこういうことが起こったんではないかという大変おしかりをたくさんの人から受けたのも事実でございます。ですから、私たちは法律どおりきちっと安全を確保しながらやっていただきたい、こういう思いを込めて申し上げておることもどうぞ御承知いただきたいと思うわけでございます。 そこで、選挙監視要員の方は四十一名、うち六名は女性でございますが、カンボジアの情勢というものをいろいろ説明を受けて今任務につかれておるわけでございます。 これは新聞報道ですが、代表何名かの選挙監視要員の方々のコメントが出ておるわけですね。そういうコメントで例えばこういうのがございます。「危険は承知のうえだ。村の人たちとできるだけコミュニケーションをはかりたい。」またある方は「自分のやれる仕事があるならどこへでも行くという気持ちだ」、またある方は「不安だらけだが、それを上回る気持ちの高ぶりがある。」またある方は「カンボジアでどんなふうに役立てるか考えた」結果であるとか、またある方は「危険はつきものだと最初からある程度は覚悟していた。」とか、またある方は「早く行きたくてたまらない」、カンボジアのためにとか、こういうふうな本当に胸を打たれるような決意を持って行かれる。 ところが、片一方、あの事件が起こった後いろいろなテレビや新聞の報道を見ますと、例えば自衛隊の留守家族の方の奥さんなんかは、もう心配だ、すぐ帰ってもらいたい。また、もちろん文民警察の家族の方も、すぐ帰ってくれとか、撤収すべきだとか、こういう温度差があるのですね。これはどこから来ているのでしょうかね、総理。また、どうしてそういう温度差があるのでしょうか。選挙監視要員で決意を持って行かれる方、もう既にカンボジアに行っておる自衛隊や文民警察官の家族の方の意識の乖離というものがある。私は、情報が留守家族の方に少ないのじゃないかな、こういうことも思うのですが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 御指摘の点はあるかと思います。 例えば文民警察の方々はもう既に九カ月でございます。施設大隊の方々は六カ月で交代をいたしておりまして、文民警察の方だけは当初からずっと交代なしでやっていただいているというようなこともあろうかと思います。選挙監視要員の方々は、今委員おっしゃったとおり、まだ現地に行ったばかり。しかも、だんだん我々も経験を積んで、コミュニケーションを図る方法などを考え始めております。そういったことが原因ではないかというふうに思います。
○日笠委員 どうぞしっかり情報を皆さんと共有をして、安心していただけるような努力もお願い申し上げておきたいと思います。 具体的にさらにお聞きいたしますが、総理は、このカンボジアにおける総選挙の投票率は、大体これぐらいまでいけばいわゆる公正で有効性があるとお考えでしょうか。明石代表は六、七〇%の投票率であれば有効性、また公平性はある、こう言われているようでございますが、総理はどうお考えでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 私としては、特に何をもって判断すべきかを存じませんので、やはり明石さんが言っておられることが比較的客観的な線ではないかと思いますが、いずれにいたしましても、投票が行われた最後は一九七二年であったと言われております。それは二十年前でございますけれども、実は二十年前ということは、それを経験した人は本当は非常に少ないのではないかと思いますので、多くの人にとっては初体験であると思われます。そういたしますと、やはり自分の投票で国をつくるんだという、そういうことに多くの国民が参加をするということに非常に大きな意味があるのではないだろうか。 きのうもテレビでございましたが、見ておりますと、決して暗い雰囲気ではなく、明るい雰囲気のようにその参加が見えますが、こういうことはやはりこれからのカンボジアの国づくりをする上で大切なことだと思いますので、一番大事に思いますことは、投票率よりはむしろ多くの人が自由に自分の意思を表示できる、そういう機会を現実に持ったということではないか。もとより、率は高ければ高いほど好ましいことには違いございません。昨日の推定投票率は四二%と申しましたか、四割を超えたように聞きましたが、それは大変に希望の持てることだと考えております。
○日笠委員 余り投票率が低いと、ポル・ポト派から有効性がないとかいういわゆるクレームがつくという意味で申し上げたわけでございます。 それからもう一点、先ほど文民警察官のお話が出ましたけれども、文民警察官の任期は七月十二日までと聞いておりますが、それ以前に日本に帰国をする、こういうことはあり得るのでしょうか、どうでしょうか。
○河野国務大臣 選挙が終わると事態は新しい事態を迎えることもあるいはあるかと思います。しかし、私どもは、今の段階では、任務は七月、今お話しのありました当初の期間を予定をいたしております。
○日笠委員 それから、村田大臣と柳井事務局長がカンボジアまで行かれましていろいろ折衝をされました。柳井事務局長は帰国報告で総理に報告されて、総理も了承、了解、こういうことの中で、一つは文民警察官の再配置、それから二つ目は選挙後の早い時期に撤収を含めてしかるべき措置をする、こういうことで総理は了承、こういう報道をされておりますが、これはそのとおりでしょうか、また、このとおりにいくのでしょうか。
○柳井政府委員 お答えを申し上げます。 村田大臣がいらっしゃいまして、再配置の問題、安全対策の問題等について筋道をつけてくださったわけでございます。私はそのフォローアップということで参ったわけでございます。 まず、先ほど御指摘の第一点、すなわち再配置の問題でございますが、この点につきましては、特に北西部の比較的危険度の高い地域がございますが、その一つ一つにつきまして、私どもが得ている情報をもとに、率直にUNTAC側に意見を申し上げたわけでございますので、非常に危険が高いあるいは生活条件が厳しいというところで、文民警察の本来の業務ができないような状況になれば、そこはひとつ再配置を考えていただきたいということを申し上げた次第でございます。 それに対しまして、UNTAC側と現状認識につきましてはまあ大体同じようなところに至ったわけでございますが、ただ、文民警察もいわば選挙シフトになっておりますので、場所によっては投票をあきらめるという場所もございますけれども、しかし、そうあちこちで投票をあきらめるというわけにもまいらない。ただ、投票所の数は、御承知のように、当初千八百を考えておりましたが、私がおりましたときまでに千五百になりまして、その後千四百三十というふうに減ってきたわけでございまして、投票が始まっても柔軟にその辺は調整をしていく、その中で必要がなくなれば再配置ということも考えたいということでございました。ただ、具体的にどこをということはございませんでした。 それから、文民警察官の撤収と申しますか帰国と申しますか、そういう点につきましては、基本的には先ほど官房長官から御答弁のあったとおりでございます。
○日笠委員 カンボジアの選挙は、これは非常に日本にとっても教訓があると思うのですね。PKOとはちょっと関連が違うのですが、この後政治改革の問題をやりますから、それにちょっと絡んでいるんですが、これは州ごとの比例代表制なんですね。それから、十八歳以上の方には選挙権があるのですね。それから、オーストラリアとかニューヨークの海外の居住のカンボジア人も投票権があるのですね。これは非常に進んでおりますね。 どうでしょうか、総理、日本も十八歳以上の選挙権であるとか海外在留邦人の選挙権とか、こういうものはそろそろ、先進国の中でこれがないのは日本ぐらいなものですよ。それから州ごとの比例代表制、これもすばらしい選挙制度ですね。それらを総括して、お考え、いかがですか。
○河野国務大臣 御指摘のとおり、各州全体で百二十名を選ぶわけでございますが、州ごとの比例代表制でございます。州によっては比例代表とは申しながら一人区もございます。これは、こういうこともあるということを申し上げただけでございます。 外国、例えばニューヨークも投票所を設けておりますが、これらはいずれも相当の人数が外国に出ておられるということの証左であろうというふうに考えます。 十八歳以上の方々に投票権を与えるということは、世界的に見てもそうしたことを実行している国も幾つかございます。我が国には我が国の考え方があって、御当局がいろいろとお考えになっておられることと思います。
○日笠委員 じゃ、御当局は自治省ですか、自治大臣どうですか、十八歳以上の選挙権、海外在留邦人の選挙権。カンボジアの、これから民主主義国家をつくろうという国がもうやっておるわけですから、これは前向きに選挙制度審議会なんかでも検討してもらうべき課題だと思いますが、いかがですか。
○村田国務大臣 お答え申し上げます。 カンボジアの問題につきましては、担当の大臣でございます官房長官からお答えになられたとおりであります。 日本は選挙権は二十歳以上、そして自民党は単純小選挙区制を今言っておるわけでございますが、これは国によって非常に違うのですね。しかもUNTACの場合は三十二カ国が参加をしており、その中でカンボジアの国民の九十数%が登録をして選挙が行われておるところでございまして、ある意味では、そういういろいろな各国の制度を参照しておるのではないかと思われる節があります。 日本の問題はこれからの問題でございますから、よろしくお願い申し上げます。
○日笠委員 答弁になっていないような気がしますが、検討してください、十八歳以上、海外在留邦人の選挙権は。 じゃ、政治改革の件に移ります。 私、今社会・公明党案の提案者ということで、百時間以上の審議の答弁者ということで、本会議や、また閣僚の皆さんが座っている席へ座りまして御答弁を申し上げた一人でございます。きょう、質問要旨でたくさん大臣の方々列記しましたけれども、これは私もずっと座っていて、一口座っていても全然質問ない日が二日ございまして非常に寂しい思いがしましたので、まんべんにどの大臣にも質問できるようにと配慮したつもりでございますが、時間の関係上、さてどこまで行きますか、これはまたこれからの進捗状況によりますが。 そこで、まず総理にお伺いいたしますが、百時間を超える政治改革特別委員会で、ほぼ特別委員の皆さん、提案者の皆さんで合意をしているといいましょうか、まとまっておる意見がございます。それは、一つは中選挙区制は廃止をしようということ、二つ目は一括処理をしようということ、三つ目は今国会で決着をつけようということ、四つ目は次の総選挙から新しい選挙制度、これがいわゆる特別委員会の提案者また委員の皆さんのほぼ一致した意見でございますが、総理はこの四項目についてどのような御感想をお持ちですか。
○宮澤内閣総理大臣 中選挙区制には問題があるということ、それから一括処理でなければならないということ、それから今国会で成立をさせたい、それから次の選挙から施行されなければならない、私がかねて願っておりますこと、同様でございます。
○日笠委員 そこで、もう一つ、これは政治改革特別委員会の自由討議で出た意見でございますが、腐敗防止先行はだめだ、腐敗防止だけ先行させるのはだめだ、一括処理と関連しますが三つ目は、衆参ワンセットの選挙制度議論は今はなじまない。この二つについて私が自由討議で、これはもう特別委員会で議論はやめましょう、この二つ、腐敗防止先行それから衆参ワンセットでの議論、これはやめましょう、こういうふうに申し上げまして、これに反対の方は手を挙げてください、だれも手を挙げなかった。ということは、特別委員会の皆さんは、腐敗防止先行もだめ、衆参ワンセットの議論というけれども、参議院はまだ準備してないわけですから、今はこの衆議院の選挙制度を議論すべきだ、こういうことで衆議一決しておるわけですが、この点について総理はどうお考えですか。
○宮澤内閣総理大臣 余り申し上げておりますと、特別委員会の御審議に何か政府があれこれ申し上げるようになってはいけないと思いますので、それは心得ながらお答えしなければなりませんが、腐敗防止云々の点は、先ほどお話しになられました一括処理ということの中に実は問題は含まれておりますと思います。それを含めまして一括処理をお願いいたしたということでございます。 それから、仮に中選挙区が不適当であるとして、どのような選挙制度が実際に採用されるかにもよりますが、それいかんによりましては、現在参議院で行っております制度のある部分といわば同じような制度になり得るということもあって、二院制が設けられている趣旨からすれば、当然、衆議院制度の改革は参議院制度の改革と一つ、無関係に処理されることがあってはならないだろうという御議論は、私はごもっともな御議論だと思っております。 ただ、そうではありますけれども、参議院の改革は、比較的最近と申しましてもかなり時間がたちましたが、一遍行われておりまして、なおその後どうするかということを御検討中でございますので、時間の問題として、両方が必ず同じ時期から新しいものとして行われなければならないと、そう申すことも現実的でないかもしれません。ただ、二つのことを、両方のことを考えながらやはり選挙制度というものを検討すべきであるという、そういう基本の考え方は私は十分意味のあることと思っております。
○日笠委員 そこで、これは通告しておりませんが、通産大臣、二十二日岐阜県で、報道によると、腐敗防止優先を強調、こういうふうに報道が出ております。これは各紙皆出ていますね。これは総理が言った腐敗防止先行じゃないというのとちょっと違うようですが、これは真意はどうなんでしょうか。腐敗防止はあくまで先行すべきだ、こうお考えでしょうか。
○森国務大臣 岐阜県で同僚の個人の後援会の会合がございましたので、そこでいろんなお話を申し上げました。その中で、政府が今御審議をされていることに閣僚として発言するのは慎まなければならぬが、私も昨年一年間、いわゆる政治改革の実務者会議の座長をいたしておりましたから、野党の皆様方の、そのときの委員の皆さんの本音の御意見も大分私は承知をしております。したがって、どうも政治改革というのは、もちろん一括して今審議をしているわけですが、どうも選挙区制度のことだけが象徴的になってますねと、仮にそういうことになればこの選挙区はどういうふうになるでしょうか、例えば岐阜県の一区はどういうふうになるでしょうかというような話をいろいろと具体例を挙げて申し上げました。 正直言って、皆さんそういう中で、選挙区をどちらを選ぶかとか、後援者の皆さんが従来推してこられた、支持されている候補者と別れるとかいろいろな問題がございますねというお話を申し上げておりました。そういう中で、皆さんの御意見などはどうでしょうかねというように座談調でお話を伺っておりました。やはり政治の中で一番求められているのは、資金の問題とか倫理の問題でありますとか、どちらかというと腐敗防止の問題に国民が少なくとも関心を持っておるという感じが私もいたしまして、選挙区制度そのものについては、やはりこうした会合では、自分たちの支持している政治家との関係が薄くなって別れるケースもありますね、そういう面ではむしろそちらの方にウエートがかかっているような感じがいたしますねというような話を、こっちの意見もこっちの意見もいろいろ引き合いに出して申し上げて、これはあくまでも私個人の意見ですがと、しかしこれだけ大きな選挙区制度を抜本的に改革するということになると、やはり選挙区制度というものは政治家のものではないのであって、これは国民のものだから、そういう意味ではもう少し国民に熟知をして、よく知ってもらう必要があるという感じがいたします、余り選挙区制度ばかり優先させるというのはいかがなものかなという、私はそういう感想も持っております、こういうふうに申し上げたわけでございます。
○日笠委員 いずれにしても一体で処理をする、こうなっていますから、後ろから鉄砲の弾を撃たぬようにひとつお願い申し上げておきたいと思いますよ。 そこでもう一つ、いよいよ百時間を超す特別委員会での議論が、まあ地方公聴会が終わりました。あすですか、特別委員会で地方公聴会の報告を聞くというところから、さあ今週からどうなるのかということが最大のいわゆる政治的な課題、関心になっておるわけでございます。 そこで、その合意、模索、妥協といいましょうか、これが今続いておるわけでございますが、総理は、政治民間臨調が提案しました連用制というものですが、わかりにくい、官房長官も何かそういうふうにおっしゃっていますね。これはわかりにくい、今でもそう思っておられますか。
○河野国務大臣 わかりやすい、わかりにくいというのはまあ比較の問題もあるかと思いますが、しかし連用制は、恐らくかなり大勢の方々にとってはわかりにくい議論だと思っておられるのではないかと今でも思っております。それは、例えば、日笠議員に一票を投じた方がもう一票で公明党と仮に投票されたとしても、その県で公明党の当選者が多数出れば、公明党と書いたもう一方の方は必ずしもそれが一番多い票であってもなかなか公明党の当選者は出にくい、こういうことになるわけですから、投票をなさった方からしてみると、なぜそうなのかということは、説明を相当しないとわかりにくいのではないかというふうに私は感じたわけでございます。
○日笠委員 それは、三百の小選挙区制でいわゆる政権の軸をつくろう、あとの二百の方の比例はいわゆる民意を反映しようという、まさに第三者の知恵なんです。そういう意味では官房長官がおっしゃるような御意見もわからないではありませんが、参議院でドント方式を採用したときだってわからないと言ったのです。しかし、これはもう皆さん何回も選挙やりましたから周知の事実ですね。その変形ドントでございますから、そうわかりにくいというふうには思いません。 というのは、政治改革特別委員会で政治民間臨調の亀井正夫会長をお呼びして冒頭意見をお聞きしました。そのときに、こういうふうに言われていますよ。この案に対してはいろいろ批判もある。わかりにくいという意見もある。わかりにくいというのは、ドント方式が一般の人にはなかなかわかりにくい仕組みであるということだ。しかし、国会ではドント方式はよく理解されており、連用制が、ドント方式について新しい工夫を加えたという点では理解が得られると思う。私も、これは初め聞いたときにはおやっと思いましたけれども、世界各国の選挙制度、いろいろ見ますと、増加議席だとか死票だけ集めて再分配するとか、まさに選挙制度はベストがないんです。だから、いろいろなことを考えて、政権の安定も考えなきゃいけない、民意の反映も考えなきゃいけない、そういうことでいろいろな各国の選挙制度があるわけなんですね。 そこで、私はこの連用制というのは一つの案である、このように思っておりますし、わかりにくいというのは、これは少し先ほど言ったようなことを理解いただければ、これは十分クリアできる問題であろう、このように思っておるわけでございます。 そこで総理、自民党は単純小選挙区制ということで法案を出されました。我々は比例代表制を出しました。これが相打ちになったんでは何の成果も得られない。先ほど申し上げた今国会で決着をつけるということにも相ならぬわけでございます。総理、どうなんでしょうか。これは、いろいろな選挙制度がございますよね。単純小選挙区制もあれば完全比例代表制もございます。また、我々が言う併用制、また皆さん方がかつて出された並立制、最近は両立制ですか、いろいろな制度があるわけなんです。だが、一つ言えることは、小選挙区制と比例代表制を混合型、ミックスしたものがやはりいいんではないかな。それが何かとはきょうは問いません。それを問うと並立だ、こう言われちゃ困りますからね。しかし、小選挙区制とこの比例制がミックスした混合型の選挙制度が、やはり今の日本の大方の皆さんの理解が得られるのではなかろうかと私は思っています。中身については言いませんが、そういう私の認識について総理はどう思われますか。
○宮澤内閣総理大臣 自民党からも自民党の案を御提案をいたしておりまして、私はその案のいわば責任者でございますので、今の御質問にはなかなかお答えが申し上げにくいので、委員会におかれまして練達堪能のお方々がいろいろ御審議をいただけるものと思っております。
○日笠委員 そうすると、その合意の案をつくる場所、これはどういう場がいいと思われるか。何点か出しますから、そのうちこれだというのがあったら、おっしゃってください。一つ、党首会談。二つ、政治改革特別委員会の理事会または小委員会。三つ、政治改革協議会。四つ目、幹事長、書記長に政治改革特別委員会に出席をしてもらって意見開陳をして、党議拘束を外してもらって合意をつくっていく。まあ四つぐらい考えられるんですが、総理はどう思われますか。
○宮澤内閣総理大臣 これは院の運営のことに関することでございますので、私がとやかく申し上げるべきものでないと思います。
○日笠委員 いや、だけど総理は自民党の政治改革推進本部の本部長でもあるわけですね。その本部長が、党議拘束を外す、それから妥協案、合意案目指して各党でやりましょうとか決断をしなければ、いつまでも政治改革特別委員会の第一線の理事の皆さん、提案者の皆さんは何にもそこから一歩も進まぬわけですよ。そういう意味では、今言ったような場で合意を目指していけ、こういうゴーのサインを出さないと、もう膠着したままで今国会中に決着なんかできませんですよ。そういう意味で、自民党政治改革推進本部長として党議拘束を外し、合意を目指すべきかどうかそこぐらいはお答えできるでしょう。
○宮澤内閣総理大臣 地方公聴会までやられまして、明日からは東京に帰られてさらに御審議が行われるということで、先ほど日笠委員のお話を伺いますと、四つの点については内々でお話をしていらっしゃる、大体の合意があるんだということも承りました。そういう委員のお互いの間での、長い間の御審議の中からやはりいろいろな、ある意味での共通点、相違点が出てきておるのだと伺いましたが、そうでありますと、また私どもの方の委員あるいは理事等々の人々は、これから先の進行につきまして、恐らく党の執行部に対していろいろ御相談が行われることであろうと、私はまだそれを伺っておりませんけれども、そういうふうにして委員会の運営が行われていくのではないかなと思いますけれども、ただいまのところ、まだそういうことになったとは承知しておりません。
○日笠委員 総理は五月二十一日の我が党の草川質問に答えて、会期はまだ十分あります、こう言われたのですね。しかし、まだ現場から上がってこない。これは会期が六月二十日でしょう。その間皇太子の御結婚もございますし、宮中での饗宴の儀もございますし、なかなかそういうのを考えますと、またOECDで行かれる閣僚の方もいらっしゃるし、このようになかなか国会の場で合意を目指すといったって、会期が十分残っているというふうに私は思えないのです。 では、総理は六月二十日までの会期内でどういう展望を持って十分だと、こうお考えなんでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 いずれにしてもこの公聴会のところまではおやりにならなければならなかったわけでございますから、ここから今お話しのようなことになるのだと思いますけれども、御審議の中で恐らくは私はいろいろなお考え、先ほども御紹介がありましたけれども、実体問題についてはいろいろなお考えが出ておるのであろうと思います。 それから、どういうふうにまとめていくかということですが、内容そのものは、ひとつお互いの意見がまとまればそれ自身はそんなに難しい話では恐らくございませんから、これを法案に書くという作業であれば、それは私はそんなに時間がかかることではないように思います。過去においていろいろな、まあ何と申しますか、そういう練習みたいなものも事務当局もしておりますし、ですから、時間がそんなに私はかかると思っていないので、要はどういう形で院の意思が決まっていくかということにかかるのではないかと思っています。
○日笠委員 ぜひひとつ今国会で決着を一括してつける、これは先ほど総理もそのとおりだと、こうおっしゃったとおり、リーダーシップを大いに発揮していただきたい、かように思います。 釈迦に説法になりますが、最近の新聞記事に司馬遼太郎さんがリーダーシップについてこのように言っております。参考になると思いますよ。 「遊牧民族は、冬どこの草が青いかということを、リーダーは時に数万キロの規模で情報を集め、そこへ移動する決断をした。よき指導者が、よき判断をしなければ、草のない地に導かれて人も動物も全滅する。ロシア、中近東、欧州は、文化の基底のなかに、指導者への待望が、生死の問題としてある。日本のような稲作社会ではべつだ。庄屋が無策であってもイネは自然に同じように伸びる。ときに庄屋は、重要な情報でさえ村内の人心の動揺を考えて握りつぶす。日本の政治は多分にその原型の上にある。」「だから情報にはクールで、決断には明確で、魅力的な言語でそれを説明するリーダーを」日本は「必要としている。」これを贈りまして、見事なリーダーシップを発揮して今国会、政治改革をなし遂げるように心から要請をする次第でございます。 続きまして公取委員長、済みません、お時間がないようですから、先にお聞きします。 先ほどから談合の問題の話がございましたので、一点だけ。 山梨県の建設業組合におきまして談合が行われておったのではないかということで、公取は立入検査をいたしましたね。ところが、立入検査する前の日にもう証拠といいましょうか書類を隠滅した、隠しちゃった、こういうような報道も流れておりますが、この件についてはきちっと調査をされて、告発辞さず、そういう強い決意でいかれる予定ですか。それともう一つは、なぜそういう情報が漏れたのか。二つお聞きしたいと思います。
○小粥政府委員 ただいまお尋ねの山梨県の建設業者に係る問題でございますけれども、公正取引委員会は、今月の十三、十四の両日、社団法人山梨県建設業協会本部及び同支部の事務所並びに同協会加盟の建設業者の事務所、計五十数カ所におきまして、いわゆる入札談合を行っていた疑いで独占禁止法に基づき立入検査を実施したところであります。 私ども、今後所要の調査を鋭意進めまして、その結果、独占禁止法に違反する事実が認められますれば、法に照らして厳正に対処してまいりたいと考えております。 なお、お尋ねにございました証拠が事前に隠されていたのではないかという御指摘でございますけれども、私ども、どのような証拠が今回の立入検査によって収集をされましたか、その点は、実はただいま収集をいたしました証拠を整理をしている段階でございますので、その点は何とも申し上げかねるわけでございますし、あるいはまた、一部に伝えられます私どもの立入検査が事前に察知されたのではないかという点につきましては、私ども正直なところ、その点は確認ができておりません。 しかし、いずれにいたしましても、私どもは、私どもが独自に行いました情報収集に基づきまして、先ほど申し上げましたようないわゆる入札談合を行っていた疑いが認められましたので、法律に基づいて立入検査を実施したところであります。 今後の見通しにつきましては、ただいま申し上げましたとおり、何分調査に着手したばかりの事案でございますので、その点は、お答えは恐縮ですが差し控えさしていただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、私どもは、仮にこの調査が進められました結果法律に違反する事実が認められれば、当然のことながら厳正に対処する方針でございます。
○日笠委員 談合というと、社会保険庁のシール談合ということが大変大きな社会的問題になりました。談合というのは、先ほどの元信委員のお話にありましたように、もうこれは許すべからざる社会への挑戦であると私は考えております。これは基本的な、納税者にはね返ってくる問題でもございます。 そこで、このシール談合を一つ例にとりまして、これは官房長官にお願いをしておるわけですが、一体、入札に参加させない、指名停止はどういう省庁に及びましたですか。これについてお答えください。
○河野国務大臣 シール談合事件を契機とする各省庁の対応状況についてお尋ねだと思います。 五社の入札・随契からの排除でございますが、これは社会保険庁は当然のことでございますが、裁判所、総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通産、運輸、郵政、労働、建設、自治、全省にわたっております。
○日笠委員 ぜひ経済事犯には経済的制裁で国民のそういう厳しい目を、これをきちっと対応をしていくということで、今後も毅然たる態度を各省庁お願いしたいと思います。公取委員長、結構でございます。 それから次に、経済問題にちょっと移りたいと思います。 大蔵大臣、九二年度の、平成四年度の税収不足が大幅な金額で、巨額に上るのではないか、このように言われておりますが、現在の見通しはいかがですか。
○林(義)国務大臣 四年、九二年度の税収見積もりにつきましては、三月末現在の進捗割合がまだ七割程度でございまして、確たることを申し上げる段階にありません。四月分、五月分の税収動向を十分に注視をしていかなければならない、こういうふうに考えているところでございます。
○日笠委員 その歳入不足の額にもよりますが、どういう対応を考えておられますか。
○林(義)国務大臣 今申し上げましたように、四月、五月の状態を見ないとまだはっきりしたことが申し上げられませんので、いろいろなことを想定しながら考えるのもどうかと思いますし、そのときになりましていろいろなことは考えていかなければならないだろう、こういうことでございます。
○日笠委員 あした大蔵委員会があるそうですから、そちらの方で、じゃもう少し詳しく聞きましょう。 所得減税についてお伺いをしたいと思います。 総理は、景気の底を打った、Vカーブのようにはいかないけれども、底を打った、こういうふうに本会議でも答弁されています。どういう経済指標を見られて、景気は底を打った、こういうふうにおっしゃっているのですか。
○宮澤内閣総理大臣 それは実際、指標的に説明せよとおっしゃれば、統計が出てから後で申し上げるしかありませんで、そういう意味では余り科学的な表現ではないのでございますけれども、やはりまあ、公共事業の水準が高いのは、これは当たり前でございますが、住宅建設は割に多うございますし、何よりも在庫調整が大体済んだらしいなという感じ、そこらのところでございます。 実は、消費についてもまだ整合的によくなっているという資料は余りありませんし、投資についてはいわんや二けたの投資が長いこと続いておりますから、すぐに投資がまた、殊に製造業については急に動き出すとも思えませんで、したがって急速な回復はないと申し上げることと同時に、そういう意味では、二つの大きな要因であります消費、投資ともまだ、これで確実といったような資料をもって、データをもって申し上げることはできない。ただ、ディフュージョンインデックスなんかが割によくなっているなということは申し上げられると思います。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○日笠委員 反面、雇用の調整がどんどん進んでいます。ことしの夏のボーナスも去年より減、マイナスになるだろうとも言われていますね。倒産件数も、金額ベースでは去年より下がりましたが、まだふえております。それから、先ほどからおっしゃっている消費、民間設備投資の冷え込みですね、こういうふうなもの、家計調査を見ても、そんなに伸びていない。いろいろな観点から見たときに、やはりこれは、三月三十一日までに平成五年度の本予算を通したときの幹事長・書記長会談の前向き答弁というものがどうしてもここに出てくるわけです。 大蔵大臣、減税をすべきであると言えば、お答えがもうこの前から出ておりますね。それについて若干反論しますから、またその反論をしてください。 一つは、財源の問題があるように言われました。二つ目が、ばらまきで、過去三回行われたけれども評判がよくなかった、こう言われました。三つ目は、一過性で消費を刺激する効果が乏しいとも言われました。四つ目は、戻し税方式だと減税効果が国民に不明である。いわゆる銀行口座で幾ら減税があったかよくわからないという意味ですね。五つ目が、国税当局に大変な事務の負担がかかる。大体この五つでよろしいですか。
○林(義)国務大臣 答弁の方を先に言っていただきまして大変、大体今の……(日笠委員「まだありますか」と呼ぶ)ポイントとしては、効果がないということと、財源の問題、ばらまき、効果、大体そういうことだろうと思っております。
○日笠委員 じゃ財源の問題からまいりましょうか。 これは、赤字国債はだめ、こういう観点でおっしゃられたと思うのですね。私も、赤字国債、それは出すのは忍びない、こう思います。しかし、後世にツケを回さない、三年なり五年なりの短期の国債ならば、景気回復のためならやむを得ないんじゃないか。これは通産大臣「あれ、外務大臣どこへ行かれたのかな。(発言する者あり)そうですか、まあいいですよ。外務大臣も、自民党税調会長のときのインタビューではそういう発言もあるのです、いざとなれば赤字国債。それから、通産大臣も二月の商工委員会で、いざとなれば赤字国債、おっしゃっているわけですね。ですから、赤字国債絶対だめということはないのです。閣僚の二人までがおっしゃっている。 で、先ほどから申し上げている、短期の、後世にツケを回さない、償還ルールをきちっとつくったものであれば、これは私は、今政治として何とかして内需拡大をさすためには、これは目をつぶってもいいんじゃないかと思うのですね。隠れ借金と称する今後処理をすべき措置ですか、これも一兆円ふえているのですよ、平成五年度。 建設国債はいいが、赤字国債はだめだ、こういう議論もわかるような気がしますが、また反面、わからぬような気がします。借換債した後は、建設国債も赤字国債も色がついてないんです。ただ帳簿上だけですよ。ある新聞を見ると、赤字国債はピンク色の台帳に書かれているとか、建設国債は白い台帳の上にちゃんと帳簿上あるとか、そういう新聞もございましたけれども、わからないのですよ、これはもう。だから、そういう意味では赤字国債絶対だめよということは私は言えないと思うのです。これが一つの反論。答えられますか。 全部まとめて言いましょうか。 二つ目、ばらまきは過去三回行われたが評判よくなかった。とんでもありません。皆さんだって賛成されたんでしょう。あのときに林大蔵大臣、過去三回のときに反対されたんですか。過去三回も賛成されていて今回だめだというのは、議論になりません。 それから、一過性で消費を刺激する効果が乏しい。これはそういう議論もありますが、しかし国会図書館の「所得税減税をめぐる論議」という調査及び立法考査局の「イシュー・ブリーフ」を見ますと、所得減税の効果は相半ばする、こうあるんです。相半ばする。ですから、必ずしも効果がないとは言えないということなんです。とにかくエコノミストによってはもうばらばらなんです。わからないんです、これは。そういうことで、効果が乏しいというのもいかがなものか。 特に今はもう公共事業の消化であっぷあっぷなんですよ、地方は。ある県の県知事さんに、今度補正がついたら少し箇所づけで頑張りましょうか、結構です、九月までいっぱいです、こう言うんですよ。そういうふうなことで見れば、公共事業もいろいろとこれは効果が所得減税と比べて著しくあるというふうには私は言えません。エコノミストによっては大きく意見が分かれております。(発言する者あり)そんなことはいいんです。 それから、戻し税だと減税効果が国民によくわからない。アメリカみたいに小切手出せばいいじゃないですか。小切手、アメリカ並みに。 それから、国税当局の大変な事務負担がある。これは御足労願わなきゃいけません、今までやったんですから。 以上、へ理屈かもしれませんが、絶対だめだといういろいろ理由を並べますが、反対に、それもおかしいという議論も、これはエコノミストの中でもあるんです。それらを含めてどうですか。その反論がありますか。
○林(義)国務大臣 日笠委員からの御指摘でございます。大蔵委員会でしばしば御議論しておりますから、また繰り返しになるかもしれませんけれども、改めて本日も答弁申し上げますが、財源につきまして、赤字国債である、こういうのは同じではないか、一つには建設国債も同じ国債であるから同じではないか、こういう議論でございますが、建設国債はやはり財政法の四条に基づきまして認められたところのものである、そして一つの歯どめがここにかかっておるわけでありまして、資産見合いのものである、こういうことでありますし、それに相応したところの償還年限というのを考えているのが建設国債。 赤字国債といいますと、そういったものの歯どめがないということでございますし、過去十何年間ほど赤字国債が出ました。それを何とかしてやらなければならない。初めは、赤字国債でありますから十年償還でやりましょう、こう言っておったのですけれども、とてもそれができないということが、私は歴史の教えるところの事実だろうと思うのです。 再びそういったような財政の形にしてはならないというのが私たちの悲願ともいうべきところでありまして、ここは絶対に私たちは守るべきところの一線だろうと思っておるところであります。財政の再建も目指していかなければなりません。今百八十四兆円にも上るような累積債務を抱えておるわけでありますから、これをどういうふうにしてやっていくかというのは、大変厳しい道をこれから歩んでいかなければならないのが、私たちの与えられたところの宿命だろうと思うのであります。 それにかてて加えて、やはりこれからの問題としては、大きな高齢化社会の問題がある。今の負担を新しい形でまた将来にもたらすことはいかがなものであろうか。そのときに、資産見合いのようなものであるならばまだしもでありますけれども、資産見合いでもない、単なる現在のことを考えての負担というものを将来の我々の子供や孫たちに残すのはどうであろうかというのが、私がたびたび申し上げているところでございまして、先生にも大体この辺は御理解をいただいているところだろうと思います。 短期の五年とかあるいは三年とかというようなお話があります。私はそれも、もしもそういったことが、例えばこの前、湾岸のときに債券出しました。二年というような格好でやりました。ああいうふうな形のもので、はっきりした財源見通しがあればそうでありますけれども、今のところなかなかそういったところにならない、こういったのが私は置かれたところの現実のあり方ではないだろうかと思っておるところであります。 次に、第二番目の問題は、ばらまきである、こういうふうなことについて、ばらまきもかってやったではないか、こういうふうなお話があります。確かにかつてやりました。やりましたけれども、そのときの効果たるや、後で考えたならば、余りよくなかったな、当時の新聞その他を調べてみましても、何でこんなことをやったんだな、こういうふうな批評でありまして、決していいことではなかった。私は、そういった点についての率直な反省を込めて今申し上げておるところでございます。 第三番目の効果の問題。先生から今、国会図書館のというのがありましたが、後で資料はいただかせていただいて、私も勉強させていただきたい、こう思っておりますが、我々の方では、世界経済モデルというのがありまして、経済企画庁ではじいている数字があります。乗数効果をはじいているところでやっておりまして、それをベースにしていろいろなことを計算してきておるところでございます。私は、この乗数効果でやっているところが一番正しいのではないかと思いますし、先生のところにありますのは恐らく産業連関表を用いたところの表ではないかな、私はこう思うのです。思いますが、それは、産業連関表というのは、産業間の移動がどうなるかということでありまして、むしろ消費とかあるいは所得とかということに影響しますということであるならば、世界経済モデルの方を使った方が当たっているんじゃないかな、私はこう思っております。もしもこの点詳しく御説明が必要ならば、事務当局から説明させます。 それから最後に、戻し税でございまして、小切手で、こういうことでございます。確かに小切手でということはありますが、果たしてそういったことが一体現実問題としてやれるかどうか。私は、大変な手間がかかるし、一体どこまでやるかということになりますと非常に難しい問題がある。 最後のお話がありました国税庁の職員の問題等もありますが、事務的な経費は大変なことになるわけでありまして、それほどのことが一体果たして、まあ、やれと言われればそれはやらなくちゃしょうがないことかもしれません、しれませんが、やはりそういったことまでやってやるのはいかがなものかなということを考えておりますのと、それから、普通に考えられますところの源泉所得というのは、いわば給与所得の中から減税をする、こういうことでありますと、給与の支払いが銀行振替などということになっていますと、一体どのくらいの減税になったのかというのがはっきりわからないというような問題も出てくるだろう、こう思っておりまして、そういった点もいろいろ考えまして、いろいろ検討すべき点があるということを私の方では申し上げているところでございます。
○日笠委員 そのまた反論もしたいのですが、では、結論的に言うと、与党の幹事長が三月五日に、所得減税については前向きに検討するというのは、そういうできないことを知りながら、そういう約束をされたのかということになりますよ、これは。幹事長の責任や重大である。空手形を出して落とすことできなかった、こういうことで、実務者会議でも、今期開会中さらに財源等を広く求めて協議するとありますから、もう少し、一カ月ございますが、協議はやりますけれども、最終的に手形が落とせなければ、幹事長の食言ということで、これは大変な政治問題に発展するということをここで指摘をしておきたいと思います。 そこで、さらに申し上げたいことは、総理、サミットが七月にございますが、私考えますのに、サミットでもう一層の内需拡大を求められるのではないかな、そうすると、一つにはいわゆる七年前の前川レポートのようなものをある程度考えなければいけないのかな、その中にやはり所得税減税ということも入れ込まなければいけないのかな、こういうふうに個人的に思いますが、まず、サミットを前に、この貿易黒字の解消といいましょうか縮小ということで前川レポートのようなものを想定はされていますか。
○宮澤内閣総理大臣 今、所得税減税に続くような展開は予想しておりません。 もちろん、我が国の貿易黒字、経常収支の黒字は、これは当然議論になりますし、それは実は先般クリントン大統領との会談におきましても当然のことながら問題になりまして、日米間のそういう問題に対処するための、フレームワークと呼んでおりますが、そういうものをこのサミットのときまでに合意をしようということで約束をいたしました。 そのための作業は既に始まっておりまして、これはいろいろな問題を含んでおります。いろいろな問題を含んでおりますし、その内か外かは別としてマクロ経済の運営といったようなことも一般的にはございますけれども、それはむしろそういう一般論でありまして、フレームワークの中で我が国の、すぐ景気刺激策がとられるべきであるとかなんとか、そういうようなことに問題が発展するというふうには考えておりません。
○日笠委員 税制問題で最後に一つ。 高齢化社会への対応、医療とか年金ですね、こういうものに対して一体国民負担率はどうあるべきか、税とか社会保険料はどうあるべきかまた財政はどう対応していくべきか、これは真剣な議論を今から始めなければならないわけなんですね。私たち公明党は税財政基本問題特別委員会をつくりまして、今からこういう問題を真剣に議論していこうというので、八つのワーキンググループをつくりまして今一生懸命調査研究をしておるところでございます。 これは、もっと言えば、政府自体がこういう統合的な高齢化社会の税財政のあり方、国民負担率のあり方、こういうものを本気になって真剣に検討し、結論を出して、国民の目の前に青写真を示していかなければならないようなときが来たんじゃないかな、かように思いますが、この点については総理はどうお考えですか。
○林(義)国務大臣 今のお話は、その方向はごもっともな御指摘だと思っております。高齢化社会に対応してどうしていくかというのは非常に大きな問題でありますし、私の方ではございませんけれども、年金の問題であるとか医療の問題であるとか、そういった問題が上がってくる。特に年金の問題につきましては、年金制度の一元化の問題であるとかそれから年金全体の制度をどうしていくかというような大きな問題があります。いわゆる社会保険料負担というような形のものがありますし、国民に対する負担というのは税及び社会負担という形でございますから、そういったものと一緒にしてどう考えていくかということをやっていかなければならない、私たちもそういうふうな認識でおります。 いずれにいたしましても、いつからこれをどうするかこうするかというのはまだ決めておりませんけれども、新しい大きな方向としてはそういった問題は考えていかなければならない問題であろう、こういうふうに思っておるところでございます。
○日笠委員 そういう何かプロジェクト、各省庁の連絡会議のようなものをつくって、これは労働の、いわゆる働く方の問題もありますし、六十五歳年金支給となれば、じゃ何歳まで働いて何歳からもらうのか、総合的に各省庁、関係省庁が集まって、具体的に国民に早急に青写真を出して理解を求めていかなければ、突然こうなりますよと言ったって困るのです、これは。そういう意味で、そういうふうな方向性が今後考えられるかどうか、これは総理か官房長官にお聞きしたいと思います。
○林(義)国務大臣 この問題につきましては、年金の一元化の問題なり年金の再計算の問題というのがまず私は出てくる話だろう、こう思います。それから医療保険の問題等もありまして、今鋭意厚生省の方でやっておられるところでもあります。むしろそういったところの一つの方向がある程度出てこないとそれからの話というのはなかなか進められないんじゃないかな、こう思っておるところでございまして、いろいろそういった点、それからまた所得税そのものについてもいろいろと問題はあるだろう、こう思いますので、そういったところをにらみ合わせながら、将来の問題として私は検討していかなければならない話じゃないかな、こう思っておるところであります。 御指摘の形のように、いろいろと役所の中でどうしてやるかというような話でございますが、この辺は事務当局でいろいろ内々には話し合いをしていると思います。ただ、これは今すぐに最初に何ぼにするとかどうだという話は私はできない、地道に私はこの問題はやっていかなければならない話じゃないかなというふうに考えておるところでございます。
○日笠委員 それに関連を若干しますので、委員長、資料をお配りお願いしたいと思います。 資料が配られるまで、ちょっと概括的に申し上げておきたいと思いますが、近年は少子化社会ということが言われております。合計特殊出生率でいきますと一・五三。この状態が続くと、厚生省の人口問題研究所の調査によりますと、百年後には日本人口は半減して、千年後には消滅をすると言われているんですね、まあそういうことはないと思いますけれども。問題は那辺にありゃということなんです。 どうしてじゃ子供が少なくなったのか。それは、経企庁の方で調査をされた「子供が減っていく日本 少子社会の到来、その影響と対応」という国民生活白書がございますね。その中を見まして、「出生率の低下の原因は何だと思いますか。」男性と女性と分けて質問しておるわけですが、三つ選択をしなさいという中で、一番多いのは「子育ての費用の負担が大きいから」、これが圧倒的で五四%、二つ目は「育児をする施設・制度が充分でないから」というのが五一%。それから「家が狭いから」とか「子供の将来が不安だから」とか「生活環境が悪くなったから」、大体これは二〇%ぐらいですね。 だから、理想の子供は何人だ、しかし実際に産みたい子供さんは何人だ、この乖離があるわけです。阻害要因、こう言います。その阻害要因を政治できちっと対応していけば理想の子供さんと実際に産む子供さんが合致するわけですね。一番多いのはやはり三人なんですよ。三人欲しいという方は五〇%以上いらっしゃるわけなんです。それが一・五三なんです。そこで、この阻害要因をなくしていくことが政治の一つの使命だろう。私は決して産めよふやせというようなことは全然思っておりません。国民の希望どおり、理想どおり子供さんが持てる社会が、これはすばらしい社会なわけですから。 そこで、お手元に「少子化社会の環境整備」ということで、子供さんが生まれる前から生まれた後、それから、育てることとか健康とか住む家のことまで、今考えられる範囲内のことを現行制度と私たちが考えていることを並び挙げました。これは全部やる時間はございません。私が平成二年の税制特別委員会でこのグラフを、海部総理のときでしたか出しまして、早急に連絡会議をつくるべきじゃないか、こういうふうに提案もさせていただき、そして平成三年一月と平成四年の六月に二回にわたって中間答申といいましょうか、概略が出ました。これは総理府にあるんですか、健やかに子供を生み育てる環境づくりに関する関係省庁運絡会議というのができたわけです。ぜひひとつその連絡会議で活発な、財政的な、制度的な裏づけのあるものを考えていただきたい、かように思うんですね。 きょうお手元に持ってきましたのは、これは「長寿社会対策関係施策の概要」というこんな厚い立派なものができております。この長寿社会対策関係施策というものは、これを見ますと、まず「雇用・所得保障システム」それからその次が「健康・福祉システム」それから「学習・社会参加システム」それから「住宅・生活環境システム」そして「研究開発の推進」「その他」、各省庁の長寿化社会に対応する施策名、趣旨、開始年度、事業内容、実施主体、関係省庁ということで、非常に膨大な長寿社会への具体策はあるのです。 しかしその反面、この裏側である少子化社会の環境整備についてはまだ、やっと連絡会議で緒についたかなという感じはします。しかし、これが早くきちっとした制度、財政的な裏づけを持たしてもらわないと、これは一たん子供さんができるとずっとですから、そういう意味では大事な課題だと私は思いますので、まず官房長官、この関係省庁運絡会議、過去二回、六月にまた三回目が出ようということですが、私も見させていただきましたが、抽象的なことが多うございまして、長寿社会対策施策に比べるとまだまだ見劣りがするような気がいたしますが、まず今後の取り組みをどうお考えでしょうか。
○河野国務大臣 御指摘がございましたように、少子化社会といいますか、随分と子供の数が減っております。昭和四十八年に生まれた子供は二百九万人でございますが、平成四年に生まれた子供の数は百二十一万人でございます。こうした状況を考えますと、しかも、今委員お話しになりましたように、若い夫婦の気持ちは、三人ぐらい子供が欲しいという気持ちを調査などでははっきり表明しておるわけで、三人ぐらい欲しいというその若夫婦が持っている子供の数は大体一人あるいは二人、こういうことでございまして、そのギャップをどうやって埋めるかということは極めて重要だ、つまり環境をつくるという意味で重要だというふうに考えております。 御指摘がございました、健やかに子供を生み育てる環境づくりに関する関係省庁連絡会議、関係省庁は大変数が多うございまして、その多くの関係省庁を集めて今議論を重ねておるところでございます。 御指摘がございましたように、健やかに子供を産み育てるよりよい環境といいますと、やはり何と申しましても家庭生活が職業生活との間にどう調和するか。つまり、子供を産み育てる段階でせっかく勤めていた職場をやめなければならぬ、あるいは育児休暇が仮にあったとしても、制度的には育児休暇ができたとしても、なかなかそれが財政的にサポートされない、したがって一たん職場をやめなきゃならないということもある。あるいは仕事を続ける場合には子供を預かってくれる託児所、育児所、そういったものの整備が、数の上では随分整備はされておりますけれども、しかし、それは配置先その他、もっと言えば職場にそういうものが完備しているかどうかということで、やはり今の状況では子供を産むことをためらってしまう、そういった問題もあろうかと思います。こうしたことについてはできるだけサポートしていかなければなりません。 さらには、生活環境の問題がございます。住環境を初めとして、子供の数、もう一人産みたいけれども今のアパートの広さでは難しいとおっしゃる方も多かろうと思います。こういったことも改善をしていかなければならないと思っております。 こうしたことは、宮澤内閣の生活大国を目指す施策の中に盛り込まれておりまして、この問題、各般の検討が進んでおるところでございます。もうしばらく、その具体策の進捗状況を御報告申し上げるのには時間をかしていただきたいと思いますが、具体的計画は着実に進んでおるという御報告だけきょうは申し上げます。
○日笠委員 労働大臣、一つだけお聞きしますが、スウェーデンが出生率が一・四とかぐらいから今二以上になっているんですね。その一つの大きな施策は育児休暇制度、育児休業法だ、いわゆる所得保障のある育児休業法だ、こういうふうに言われていますが、日本も育児休業法はできましたが、所得保障というのがまだ確保されておりませんね。これらのことも各般にわたって鋭意結論を見出していくべきではなかろうか、こう思いますが、それだけお聞きしたいと思います。
○村上国務大臣 お答えいたします前に、私、結婚式の媒酌人になりますときにお約束をしてもらうんですよ。最低三人は子供を産んでくれ、そのお約束ができるならば媒酌人をお引き受けいたしましょう。それからもう一つ、中絶はよくありませんね。こういう約束をするわけでありますが、やはり出生率が低下し、子供の数が減少することは我が国の経済社会の活力を維持するという観点からも問題でありまして、そのため、政府といたしましては、子供を産み育てる環境をきちんと整備する必要がある、こう考えております。 そこで、御質問の育児休業につきましては、休業を取得した人に対する経済的援助の問題、これにつきましては平成三年の婦人少年問題審議会建議において、さまざまな意見、見解の違いがあります中では、一定の方向を定めることは困難な状況にあり、さらに広範かつ多角的な観点から議論を深める必要があるとされたところであります。 現在なおこの審議会において検討しているところでありますが、やはり多少前向きにこれは取り組んでいかなきゃならぬことなのかな、こう考えております。
○日笠委員 大変力強い決意表明がありましたので、ぜひ在任中にめどをつけていただきたいと思う次第でございます。 続きまして、産業廃棄物の処理問題について、もう時間がありません、一問か二問だけお聞きしたいと思います。 年々厳しさを増しつつあります産業廃棄物問題は、我が国のみならず地球的規模の問題として、環境問題、資源問題と連なって、我々の身近な問題として、特に女性層、婦人層にこのことは関心が高いこともございますが、重要な問題でございます。 公明党は、先般、四十七都道府県と十二の政令指定都市の首長さんにアンケート調査を行いました。回収率は一〇〇%でございました。非常に関心が高い証左だろうと思います。その中で一、二、政府としてこれはぜひ取り組みを強化しなければならないだろうという点がございますので、その点についてまず御質問をするわけでございます。 それは、一般廃棄物の事業系、事業系の廃棄物の割合の全国調査は今回が初めてだそうでございます。都道府県や政令指定都市のうち、事業系の廃棄物の量を調査していたのは全体の七五%。この事業系廃棄物は年々ふえておりまして、家庭廃棄物と異なった体系と責任のもとに産業廃棄物と同様企業責任で処理を進めなければならないんではなかろうかと思います。要は、メーカー及び事業所責任を強化していくべきではなかろうか、こういうように思いますが、これが第一点でございます。 第二点目は、越境処理ですね。一般廃棄物の越境、県を越えて処理をする県、市が四一%もございます。産業廃棄物は一〇〇%が越境処理でございます。こういう越境処理について、実態が正確に把握されているという県は少ないわけでございますが、これは県を越えるわけでございますから、政府が越境処理の実態を把握した上でルールづくりを、ルールをつくり適正な指導をすべきではないか、かように思います。 二点、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 ごみについてのお尋ねでございますが、人間は一日に一キログラムのごみを出すそうでありまして、御案内のことと存じますけれども、もう最終処分場があと七、八年ですべて埋まってしまう、こういうことで、廃棄物の再生利用というのも大変大きな問題となっておるわけでございます。 そこで、厚生省といたしましては、廃棄物の再生利用、減量化のために、中央に国民会議を開き、あるいは市町村に推進会議を設けて、さらに、御質問の事業者に対しまして減量計画を策定させるなど、こういったような方向で再生利用の指導強化に努めているところでございます。 それから、もう一つの県境処理の問題でございますけれども、これは特に産業廃棄物の観点で、いわゆる県域を越えた越境処理の実態というものが必ずしも十分に今把握されておらないわけでございます。現在、調査を進めておるところでございますけれども、産業廃棄物につきましては、基本的には、県内で排出されたものについてはできるだけその県内で処理をする、こういうことで、一昨年の法改正で、各県ごとに第三セクターによって産業廃棄物処理場をつくってほしい、こういうような一つの誘導策というものを打ち出しておるわけでございますので、できるだけひとつ各県ともこの第三セクターによる産業廃棄物の処理施設をつくっていただきたい、このように考えているような次第でございます。
○日笠委員 特段にひとつ御配慮をお願い申し上げて、最後に建設大臣。 昨年の六月十五日に「今後の有料道路制度のあり方についての中間答申」、いわゆる下肢不自由者の障害者の方は有料道路は割引がございますが、内部疾患であるとかその下肢不自由以外のいわゆる障害者の方とか、それからまた精神薄弱者、発達障害者ともいいますが、そういう障害者の方を乗せている方、つまり介護者の場合、こういう場合について、昨年の六月、もう一年前に中間答申が出ました。 その後、いろいろな委員会で早く実施すべきだということをお聞きしておりますが、まとまり次第やる、まとまり次第やるということで、具体的にいつということは出ません。まとまり次第、周知徹底するのに六カ月かかるということはわかりました。じゃ、それらを踏まえて、最後に建設大臣、いつをめどに実施ができる、こういうふうな御決意を持っておられるか、また、そういうふうに督促をするか、お聞きして終わりたいと思いますが、いかがでしょうか。
○中村国務大臣 御指摘をいただきました問題につきましては、先生もう御承知のとおり、現行の有料道路の料金につきまして、身体障害者の割引措置は、五十四年から肢体不自由者の方に対して、みずから運転する場合を対象として実施しているわけであります。これは、平成三年度、台数にして四百五十五万台、割引額にして十九億やっておるわけでありますが、さらにその適用範囲を拡大して、重度精神薄弱者の方の介護の運転あるいは障害者全般に対して検討すべきではないかということで、これは道路審議会においても適用要件を含めて検討する、そして百二十二回国会におきましても請願が採択されていることは承知しておりますが、具体的な問題として、料金の割引は他の利用者の負担になるという点と、自動車の場合は鉄道と違いまして、一人一人に対して自動車の場合は一台一台ということになりますので、こういったことに対して他の利用者の方々の理解を得るという手続を踏まなきゃなりませんので、関係機関と調整を図りながらできるだけ早く検討を進めて、検討結果がまとまり次第、対応の措置を考えていきたい、このように考えております。
○日笠委員 終わります。
○石川委員長代理 これにて日笠君の質疑は終了いたしました。 次に、関晴正君。
○関委員 私は、まず第一に総理にお聞きしたいと思います。 総理にお聞きしたいことは、パリ協定というものを総理はどう認識し、そうしてこれが守られていると本当に思って対処したのかどうか、第一にお尋ねしたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 短く勘定すれば十二年でありますが、もっと実は長い間の戦乱、いろいろないきさつがあって。戦いにうんで、関係国も国連もこれは何とか和平をつくりたいというのが結局パリ協定に結実をしたわけであります。その際にはいわゆる四派も、みんないろいろ立場はありましたけれども、どこまで戦争をしてもこれは切りのあるものでもないということから、おのおの支援する国もあったり、関係の深い国もあったりいろいろありましたが、まあともかくこれに応じることになって、そしてそういう四派の合意と、それからSNCというものをつくって、そのSNCの名においてUNTACの活動に同意をするといったような、そういう一言で申すと経緯でございました。 で、UNTACの活動が始まりまして、第二段階のところで武装解除が道半ばにしてクメール・ルージュの反対によって進まないということになり、選挙になりました現在でも、したがってそういう武器を持った人たちが、殊にクメール・ルージュがそうでございますけれども、選挙に参加せざるのみならず選挙を妨害するというような状況が今日の状況であります。 しかしながら、考えてみますと、まずそのクメール・ルージュといえども、自分はパリ協定を認めないとは決して言っていないわけであります。むしろ、まだベトナム人が残留しているではないかとか、あるいはSNCが完全にプノンペン政府から独立して権限を行使していないではないかとか、いわばパリ協定が完全には履行されていないではないかというのがクメール・ルージュの立場であって、協定そのものを否定するよりは、むしろ協定を認めた上でその協定が忠実に行われていないから自分には文句がある、こういう立場をとっております。これはそうでありませんと、協定を認めないと言ってしまいますとクメール・ルージュの立場はなくなってしまいますので、そういう立場をとっている、それが第一です。 それから、UNTACというものを認めているかどうかということになりますと、これはSNCというもので明らかにUNTACを認めた。クメール・ルージュとSNCの関係ですが、クメール・ルージュはSNCを脱退すると言ったことはないわけであります。SNCの会合がプノンペンで開かれれば、自分たちの安全にかかわるのでちょっと出席できないというようなことはございましたけれども、SNCを離脱するとは言っていない、それが第二です。 それから第三に、SNCの行動が本来の趣旨である不偏不党、中立的であるかないかといえば、それは恐らく客観的に考えてSNCはもうぎりぎり中立的に行動していることは確かであって、そうでありませんと、例えばクメール・ルージュからああいういろいろな扱いを受けましても、ともかく我慢をしてこの選挙をやろうではないかという、これはSNCがやはり申立性の維持に非常に努力をしているという証拠であると思います。 これで三つ条件がそろいました。三つ条件がそろいましたので、パリ協定というものは守られて、そうして国連の平和維持活動が行われている。そのことはまことに当初予想された、あるいは期待したところから見ますと不満足な現状ではありますけれども、明石代表の言われるように、まさに大枠において協定は守られたままこの選挙に到達した、こういう判断をいたしております。
○関委員 大変、総理なりに把握した点での御説明を承りました。 私は、この協定が非常によくできた協定だと思っております。パリにおいてこの協定が締結されて、我が国もまたこれに参加することになりまして、これからのカンボジアは立派になるであろう、またそのためには日本も協力し、また貢献しなければならないであろう、これには何人も異議がないものだ、こう思うのです。 だがしかし、我が国がPKOに参加する場合には条件があるわけですよね。よその国と違うところは何か、それは我が国の憲法が厳然としてあるということです。 この憲法下においてどう処理するかという場合に、いろいろ論議しました。大変な論議でした。私ども日本社会党は、自衛隊を海外に派遣することは憲法違反である、自衛隊そのものもまた憲法違反である、二重の憲法違反になるのではないかということで大論議をしたわけであります。しかしながら、多数をもってこれは可決されました。その可決されたときの最大の条件は何であるかというと、これは平和五原則という、言うなればみんなに承知されていることなのですが、この平和五原則というものが守られているのか守られていないのか。この点になりますというと、私は、平和五原則が守られないままにPKOへの参加をさせてしまったのではないのか。 今総理もおっしゃったように、武装解除の問題はこれは協定にきちんとあるわけですよね。この武装解除はどこまで進められました。派遣の段階においては武装解除はなされたのですか、なされないのですか。四派のうちの一派は全然なされていない。三派においてはそれぞれなされておったのか。言うなれば、PKOに参加させたときには武装解除の実態というのはどういう実態であったのですか。これをひとつ御報告いただければと思います。 〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
○柳井政府委員 パリ協定におきましては御承知のとおり七割まで、七〇%まで武装解除する、第二段階におきましてそのようにするという規定でございましたが、御案内のとおりポル・ポト派は武装解除に応じませんでした。そのほかの三派につきましては、ある程度まで武装解除に応じまして、たしか全体で二十数%ぐらいだったと思いますが、三割弱だったと思いますが、その程度の武装解除のところで、それ以上三派だけ武装解除をするということになりますと軍事的なバランスが崩れるというような考慮もございまして、そこで残念ながら武装解除はストップしたということでございます。
○関委員 このパリ平和協定の最大のポイントというのは、平和裏に事が進められるということが最大のものである。平和裏に事が進められるためには、私どもの国としては平和五原則、派遣に当たっての五原則というものを設定したわけなんです。さればこそ政府の側も、危険ではない、危険なところはないんだ、大丈夫、安全でございます、こういうお答えをまた繰り返すことができたんだろうと思います。 しかしながらPKOに派遣されて行く場合に、今申し上げたように武装解除ができていない。三派においては三割いったかどうかというただいまの報告、ポル・ポト派に至っては全然解除していない、この事実を見れば、政府としては安全は保障されているとは言えないではないですか。にもかかわらず、なぜこの問題の解決を見ないうちに、協定どおり行われていないのを、協定どおりにさせる努力をしたかどうかわかりませんよ。どの程度したかどうかわかりませんが、それについて全然考慮しないで、そうして出してやるというのは、これはどういうことです。ここも私どもにとってはわからないところです。よその国は言えないにしても、我が国としては言えることじゃないですか。しかも、UNTACの問題についても、日本としてこの協定を認めて、そうして賛意を表しているわけですから、独自の主張というものがここにあっていいのじゃないでしょうか。なされたと思うのだけれども、どの程度なされたのです。それとも、なされないままにしゃにむに出勤ということにさせたのですか。その点をひとつ総理に伺いたいと思います。
○河野国務大臣 和平プロセスは、第一段階は停戦の合意でございます。第二段階において武装の解除、そしてその和平プロセスが進んで制憲議会選挙、こういうことでございます。 私どもは、その第一段階である停戦の合意というものを確認いたしまして、さらに、今関委員がおっしゃいましたように、外務省を中心に外交努力をいたしました。この詳細について今ここで私から申し上げることはできませんが、外務省を中心として武装解除への要請を相当強くしたわけでございます。そういう段階におきまして、私どもはPKO参加を決断をして派遣をいたしました。 御指摘のように、ポル・ポト派が武装解除に応じなかったことは極めて遺憾でございまして、まさにおっしゃるように、そのことが多くの犠牲者を、我が国を初めとして各国のUNTAC要員に犠牲者が出た一つの原因であることはおっしゃるとおりだと思います。 当初の計画どおり、と申しましても当初の計画は一〇〇%の武装解除ということではございません。先ほども政府委員が御答弁申し上げましたように、七〇%の武装解除を目指しておったわけでございますが、残念ながら、現在では三派が二〇%を超える武装解除を行っているということでございます。極めて遺憾なことと存じますが、現状はそういうことでございます。
○関委員 努力をした、武装解除をとにかく実現するように努力をした、努力が報いられなかった、だが行くことだけは決断した。私、ここがわからないわけですよ。危ないこと、わかっているじゃありませんか、武装解除しないんだもの。武装解除しないのを承知していながら、安全だからといって行けということは、これは欺瞞になりませんか。だましになりませんか。見切り発車といっても、先が見えていればいいですよ。今行く段階においては武装解除はできないが、一カ月以内にはできるとか、二カ月以内には大丈夫、行くとか、その見通しが全くないままに出してやるということは、これはどういうことです。平和五原則の一番上にあるところの条項に反しているのではないですか。 私は、ここは実はパリ平和協定なるものを読んでもなかなかわからなかった。どこに書いているのだろうと思った。探すに目にあいました。第一条、第二条、ずっと読んでも、三十二条まで読んでも書いていませんよね。附属書一に書いているのかと思ったら、そこにも書いていませんよね。やっと附属書二なるところへいって出てきた。出てきたけれども、七割停戦である。では、七割という線は実際に行われているのかといえば、三派においてはその半分以下、三割にもいってないでしょう。そうしてポル・ポト派に至っては一〇〇%解除されていない。そういう状態のところにどうして出せますか。私はそこのところが、賢明な宮澤総理にしてはどう考えたんだろう。そこだけひとつはっきり国民に、考えたその経緯というものを私はここで示してほしいと思うのです。 あれほど安全だ、あれほど危険でない、何を根拠にしてあれほど安全でありあれほど危険でないと言ったんだかわからない。だまされたような気持ちですよね。結果的には私どもの国民の子弟が二人とも命を失いましたよ。残された家族にとっては、これほどの悲しみはない。これほどの悲しみはないけれども、日本の将来のためにはそのくらいの犠牲はやむを得ないといって、泣く泣く、涙を流しておられる、我慢されたんでしょう。残された奥さんやその子供さんのかわいい姿を私は見たときに、私も戦時中の生活をした人間の一人です。いかに戦争というものが悲惨なものか。毎晩毎晩遺骨を迎えに行くのが我々のあの青年時代の仕事でしたよ。小学生のときから遺骨を迎えに行くのが我々の仕事。そんな仕事はもう御免であるというところから生まれたのが我が国の憲法なんです。 私は、高田さんが亡くなられたとき奥さんの嘆き、悲しみはどうであったろう。昔の軍国時代の妻であるとか軍国時代の母であるとか軍国時代の父であるとか、そういうものとは今は時代は変わっているわけです。変わっているのだけれども、それをほうふつとさせるよう宣言動が出てきておりますよね。私は、けなげだとは思いながらまた悲しいと思います。私が親であって私の子供であったら、今は私は何と言うであろうか。何でおれの子供を殺したんだ、何でそんな危ないところに行ったんだと必ず私は怒ると思います。 そういう意味において私は、このパリ協定というものが非常に長々とあるけれども、これを理解するのに、これが理解を普及させることもほとんど私はなかったと思う。私が外務省にパリ協定持ってきてちょうだいと言いますというと、パリ協定ないと言う。ないということないじゃないか、見つけて持ってこい。そうしたら、小さな字で書かれたものを持ってこられました。とてもこんなもの読めるものじゃないから、もう少し読める字で持っておいで。持ってきましたよ。持ってきましたのがこれなんです。これですよ。何としかも、これだってかすんだ字で読むのに容易じゃありませんでした。ですから外務省の方に、もう少しパンフレットみたいなものや、こういうものについて印刷したものがないか。ないと言うんですよ。 きのう外務大臣はこれに目を通したという御報告がありましたよね。外務大臣はいいものを持っているんですか。大臣だけが持っているのかどうか知らぬけれども、外務大臣読んだという御報告があったときに、私は、よく読んだなと思いました。さすがに外務大臣だ。読まないわけにいかないよね。しかしこれを読みながら、そうして今申し上げたように武装解除の件がどこにあるかってあなただって探したでしょう。探すに目にあったでしょう。まあ宮澤総理は読まなくてもわかっておったんでしょうからね。 それで私は、やはりここで反省しなきゃならない。我が国の一番の誤りは何であったのだろうか。武装解除もしない国に、武装解除をするといった協定に違反して、協定が守られないままであるところに送り込んだというこの責任、私はこれは宮澤総理にあると思いますよ。少なくとも武装解除だけは完了してもらう。完了してもらわないならもらわないまでも、半分ぐらいはやってもらう。七割というんだけれども、七割までいかないならば半分でもやってもらう。何も行われないままの一派があり、行われたとしても、三派が三割に満たない。二七%程度なんでしょう。 そうして最後には、今度はこの武装解除した武器を返してもらう、そうして皆さんの方にまた預ける、こういうお話が出てきた。いや、それはだめだよというお話もあったけれども、結果的には返したんでしょう。返すことになって、返されているんでしょう。十八日に返されているんじゃありませんか。これはどうなっているんです。外務大臣でもいい、どなたでもいいですよ、お答えください。
○澁谷政府委員 確かにポル・ポト派を除く三派から武器返却の要請は出ておりますけれども、まだニューヨークの国連本部で決定はなされておりません。
○関委員 決定はなされておらないということは、この後もそういうことはしないということですか。
○澁谷政府委員 ガリ事務総長の報告書によれば、目下検討中ということになっております。
○関委員 つまり、武器の使用をまたもとのとおりにしてくれ、そうしょう、しかしそうならないままに現在検討しておると言っております。私のところへ来た報告の文書の中にはたしか、それは返した、返すことになったというのが来ておるのですが、その点が違っておりますというと、その点はまだだということで理解いたします。 とにかく、大変に大事な命を、若い命を二つ落とした。それにさらに、けがをする方々にも大変な迷惑をかけた。そういう意味において私ども、とにかく撤収する条件というもの、これが守られない場合は当然撤収できるものだと思いました。しかし、一たん行ってしまいますというと、なかなか難しくなる。特に言われたことは、日本だけがどうしてひとり帰られるか、これは渡辺外務大臣のときの答弁でも出てきたことです。一たび行くようになった場合に、直ちにすぐ帰るなんということは日本としてはできないであろう、これはさきの予算委員会でもお答えになっておったこと。しかしながら、私は、こういう平和五原則、派遣に当たって、参加するに当たっての五原則のうちの一番大事なことが不履行のままに、そうして、いつそれができるかという見通しもないままに出してやったということは、大きな間違いであったと思うのです。 それから、日本という国はよその国と違う国だ、どこが違うかといいますというと、武力において紛争の解決の手段とはしないというのが違う。陸海空軍はこれを保持しないというのも違うところだ。これは大事なことです。明治憲法が五十年、今の憲法だってもうやがて五十年近くなりますよ。この憲法になじみ、この憲法に親しみ、この憲法で今日の日本の繁栄があるわけなんです。そういうときに日本の貢献というものを、何かしら軍事力における貢献に変わっていくということは、とてもとても耐えられない。 私も、間もなく七十歳になります。あの戦時中の苦しみ、あの戦時中の経験というものは、平和への歩みとしての原動力になって今日あるわけです。こうしてこの国会で物を申し上げることのできるのも、学徒時代の動員だとか、あるいはあの戦時中の苦しみだとかというものに思いがあるだけに物を言える、こう思うし、この点については宮澤総理も、憲法を擁護することにおいては人後に落ちない、そういう人だと実は思って、その点だけは頼もしく思っているのです。それだけに、何でこんなことをしたんだろうという面がまた強く感ずるわけです。 私は、とにかく、せっかくうまくできたパリ協定が大事なところにおいて欠けている。欠けているのは、みんな約束していながら守らないでいることが欠けているんです。守らないものに守らせるための努力をしなかったところに私はこちらの間違いがあるし、そういう状態であれば行くべきじゃないんだ、行けないんだとなぜ主張しなかったんだろうか。このままでは我が日本は送ることはできませんよ、こういう外交交渉を一つでもなされたんでしょうか。伺います。
○池田政府委員 ただいま武装解除が行われていない段階で日本からの要員が出ていったということに対する御批判がございました。 確かに、このパリ和平協定を実施する上で武装解除をどのように実施していくのかというのが一つの大変重要な課題であったわけでございまして、結局これまでの間、カンボジア各派、ポル・ポト派を除きます各派、それから主要関係国すべてが大変な時間と努力をかけてポル・ポト派を説得しようとしたわけであります。そして特に外交的には、我が国がタイと一緒になりまして、去年の夏から秋にかけまして四回にわたって武装解除の条件が何かということを徹底的に話し合う機会を持ちました。このときには、ポル・ポト派に従来最も近いと思われていた中国の支援というものも受けまして、中国が側面的にポル・ポト派と話をするという形で行ったわけでございます。しかもこれは日本とタイと中国だけではなくて、実は、その他欧米諸国を含めました関係諸国が安保理の決議を出しましてこの日本とタイの努力を支援するということで、国際社会を代表した形でポル・ポト派と武装解除の条件を話し合ってほしいという決議を出したわけでございまして、そういう過程を経て、結局、ポル・ポト派が果たして武装解除に応ずるための本当に誠意のある条件を出しているのかどうかということを話し合ったわけでございますけれども、結論的には、彼らの主張には根拠がないということがわかったわけでございます。 それは、ベトナム人がカンボジアに住んでいるということでございまして、例えばベトナム兵の存在あるいはSNCの強化といった問題は、これはパリ和平協定にございます。ですから、パリ和平協定に従ってこういった問題を解決するということであれば、これはもう関係国が協定の許す限りにおいてそのポル・ポト派の主張も入れて妥協できる余地があるわけでございますが、カンボジアに何十万とベトナム兵がいるからもうだめだということになりますと、これはもうどちらが誠実な主張をしているかということは明白でございます。 こういう過程を経まして、国際社会全体が、ポル・ポト派が拒否をしているがゆえにカンボジアの和平全体をおくらせるということはできない。これは、パリ和平協定というのは、それこそ何年もかかって当時のカンボジア人とそれから国際社会の英知を集めたものでございます。ただいま先生も御指摘になられましたパリ協定そのものは、恐らくその当時考えられていたものの中では最善のものでございます。そしてこれを、一派が必ずしも従わないために、それでは和平の過程をおくらせるか。では、おくらせた場合に、いつまでおくらせればできるのだ。それが、例えば半年であればできるのか、あるいは一年であればできるのか、もしそういったところで具体的な条件というものがわかっていればもう少し待つということはできたと思います。 しかし、それを待っても、幾らたっても、やむを得ない、しょうがない条件ではないかということになったわけでございまして、そういう過程を経て、中国、タイを含めまして、これまでポル・ポト派に一番近かった国々も、それからカンボジア三派も、シアヌーク殿下を初めといたしまして、これはもうやむを得ない、選挙を行おうと。しかしながら、その場合でもポル・ポト派に対して窓口をあけておく。我々はポル・ポト派に対して見切り発車をしたことはございません。いまだに、ポル・ポト派がもし和平の肩へ乗ってくるのであれば、いつでもこれを歓迎するという姿勢をとっているわけでございます。そういった形をとらざるを得なかった。これは確かに理想的な形ではないと思いますし、やむを得ない形になったわけでございます。 しかしながら、ことしの一月の二十八日に北京でポル・ポト派のキュー・サムファン議長も入れました会合を開きましたときに、選挙をいつ行うかという議論をしております。そのときに、選挙を五月の二十三日から行うという決定を行っているわけでありまして、キュー・サムファン議長、この場に出ておりましたけれども、それは反対しませんでした。 したがいまして、クメール・ルージュを含めた形でこの選挙の日にちというものは確定したわけでございまして、そういった意味で、大変な努力を重ねて、できるだけ理想の形に近づけた格好で選挙を行いたいということであったわけでございますが、残念ながら今のようなポル・ポト派の主張というものがあり、しかもそれはいつまで待ってもそれで和平が進むというものではない、そういう見通しがつかない以上、やむを得ずやはりカンボジア国民がこれだけ平和を熱望している以上、それにこたえなければいけない、これはもうカンボジア人と国際社会の義務でございますしたがいまして、一派だけの拒否権のためにそれをおくらせるということはできなかったということでございます。
○関委員 仕方がないというのはここから出てきたのですね。ここが大事なところだと思うのです。よその国と違うところは、日本の立場からいけば、そういう場合であれば、向こうさんが仕方がないというんであればこっちも仕方がない、行くわけにいかない、これでいいのじゃないでしょうか。PKOに参加するといって、それぞれの事情によってはみんな参加をやめたり引き揚げたり、そういう事例は各国にあります。何か日本だけがそれに参加しないことが特別間違いであるとか、また特別信を失うことになるとか、そんなことはないはずです。 PKOの姿を見ますときに、それぞれの国の自主性において、事情において見合わせている、途中で引き揚げている、幾らもあるじゃありませんか、例が。それをどこにも例がないかのごとく、そうして引き揚げてくることはとてもできるものではない、許されるものではない、随分この宣伝もございましたよね。 とにかく私は、見切り発車ではないと言いましたけれども、完全なこれは見切り発車です。見込みがないものに出ていくんですもの。見切り発車というよりもなお悪いじゃありませんか。ならないのだということを知って、やむなく出してやるんだという決断だっていうのでしょう。大変な間違いですよ、これは。 総理は、協定に違反することがない、協定は守られている、協定は破られていない、随分聞きました。しかし、協定は守られているということよりも破られている。ただ、なくなってはいない、協定は存在をしておる。存在しているということと破られているということ、守られていないということは、イコールじゃないですよ。完全に守られていない協定、なくなってはいない、あるにはある。傷ついた協定でしょう。今はやりの言葉で言えば欠陥商品みたいなものでしょう。ここにおける我が国の一つの判断と、ここにおける我が国の物の見方が、私は急ぎ過ぎたんじゃないだろうか、そう思います。 この問題でこれ以上お話しするというのも時間の関係がありますので、ここでおきますけれども、私は、とにかく総理が安全である、安全であると言った言葉の後ろには何の根拠もないということ。武装解除でもされておるというならば、まだわかる。武装解除されていないところにぞっこん突っ込んでいって心配ないから、こういうことは欺きですよ。私は、亡くなって残された奥さんやその子供さんの、その家族のことを思うときに、国のために、あるいは命を受けて行ったかもしれないけれども、この事態を招いたということについては総理に大きな責任がある、そのことについて強く申し上げておくし、この後も、協定が守られていないのはここばかりじゃないのです。いろいろあります。いろいろありますけれども、それを述べるのにも今は時間がありませんし、これは明日それぞれ集中質疑もあるようでございますからそちらにお任せしますけれども、そういう点について、平和国家の日本、平和国家の宰相としての宮澤総理、そして、このことにおいては国民挙げていろいろ論議をして、その結果出てきた一つの結論の中に尊重されたところの五原則、この五原則というものの一番大事なものが欠けておったということだけを承知しておいていただきたいと思うのです。 次の質問に入ります。私、二番目の質問はロシアの原発廃棄物の海中投棄について。 大国でしょう、ロシアというのは。我が国より科学的に進んでいる国でしょう、少なくとも原子力発電や核の問題については。それが何です、日本海に廃棄物を捨てるとは。許されますか、こういうことを。ロンドン条約に抵触するでしょう。どうするつもりです、この状態について。 外務大臣、科学技術庁長官、それぞれ交渉されていることがあるならば、また考えていることがあるならば、示してください。
○武藤国務大臣 ロシアの放射性廃棄物の海洋投棄は、今おっしゃるとおりロンドン条約に違反していることは明らかでございます。 私も、たまたまコズイレフ外務大臣が参りましたころにちょうどそのような報道がなされましたので、それを確認の上で厳重に抗議をいたしました。そして、即刻投棄をやめるようにということを申し入れたわけでございます。その結果、それに対しては、コズイレフ外務大臣の方から善処するということになりまして、現在、いわゆる固定の放射性廃棄物についてはもう投棄をやめたということでございます。液体性の廃棄物につきましては陸上における貯蔵がまだできていないということで、どうも今のところその点ははっきりいたしておりませんが、いずれにいたしましても、両国間でその実態を明らかにするために海洋調査をする作業部会を設けることになりまして、これはこの間十一日と十二日とモスクワで会議をやりまして、作業部会を発足をいたしました。 ちょっと細かいことは事務当局からなんだったら説明させますが、それに基づいて調査を始めることになっております。
○関委員 ソビエト・ロシアがこの条約をつくるときの先立ちの国なんです。ロンドン条約をつくるときの先立ちの国。ほか五カ国ありますよ。いずれも進んだ国々です。そして、この条約を決めておりながら、平気で海洋に投棄するというのは考えられない。我が国もまた我が国だと思う。これからそういうことをしないでくれとは何です。投棄したものはどうしろと言っておりますか。片づけると言っているのですか、片づけなくてもいいと言っているのですか。片づけさせたらいいじゃありませんか。これからやるなというのじゃなくて、これまでの誤りを片づけることですよ。 北方領土の問題だって、どうなるんです、どこへ行くんです。物もしゃべれなくなったとか、気の毒だから経済が先だとかといって、今、政経不可分という言葉がだんだん薄れてきているんでしょう。 とにかく私は、もっときちんとこの国に要求したらいいと思うんです。そうして足りないところは日本も手伝いしたらいいと思うんです。深いところに入っていくだけの船は日本にありますよ。そういうお手伝いをするならお手伝いしてもいい。しかし、お手伝いが先じゃないんです。向こうの国がそういうことをして平気でいることについて、これはやはり申しわけないというおわびの言葉、世界に向かって言わなきゃなりませんよ、ロンドン条約における違反行為ですもの。それをそのままに放置しておいて、単に助けますとか面倒見ますなんということは、私は適当ではないと思う。 いずれにしましても、今度の予算でも四百億以上の金が出て、対ロ関係において放射能の問題についても予算をとったというんでしょう、説明によれば。何に使わせるのに、どれだけの予算をそこに向けるのですか、お答えください。
○武藤国務大臣 まず、今のお話の中で、私どもは、厳重に抗議をして、即刻投棄をやめさせたわけですが、過去のものについては、やはり海の中でございますから、これは海洋調査をしなければ引き揚げるわけにもまいらないと思うんです。その作業部会をこの間から始めた、こういうことでございますので、これは御理解をいただきたいと思うんです。 それから、液体の放射性廃棄物につきまして、それを陸上で貯蔵ができるようにすることなどを含めて、約一億ドルの放射性廃棄物の処理の助成をこの間のG7合同閣僚会議で決めたわけでございます。
○野村(一)政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの御指摘の合計四百十一億円のうち、核兵器の解体という問題が一つございます。その点、それから今御議論いただいております放射性物質の海洋投棄といったことを含めまして、そういう点につきまして、これは私ども今考えておりますのは、日ロ間で一種の合議機関、委員会的なものを設けまして、そこに対して必要に応じて一億ドル、これは具体的に円にいたしますと百十七億円の内訳でございますけれども、拠出しようということでございますが、基本的な考え方といたしましては、先ほど大臣から答弁もございましたように、特に放射性廃棄物の海洋投棄の問題につきましては、まず事実関係の究明が第一と思っております。 この作業部会におきまして、その点について共同海洋調査をするという提案をいたしまして、それでロシア側はそれに対してオーケーというか同意いたしております。まずもってできるだけ早くこの調査をいたしまして実態を解明した上で、その上で具体的な措置等について考えていく。さらに、その過程におきまして、先ほどございましたように、液体廃棄物につきましては、これにつきましても実際の処理の状況その他について情報をきちんと把握した上で、今後必要とあらば対応を考えていきたいと思っております。 他方、これは私、今二国間の話で申し上げておりますけれども、この問題はほかの国、実は北方海域の方の点もございます。やはり海洋環境汚染の防止という、そういう見地からもとらえていくべき問題であろうというふうに思っております。
○関委員 とにかくこれはやはりロシアの大統領にも物を申しておかなければならないと思うのですよ。下の事務的レベルだけでお話をして済ませる問題じゃない。 また、ロシアとしてもどう思っているか。全世界にこれはおわびしなければならないことだと思う。まことに申しわけないことをした、このことが先になければならない。それから、片づけます、これが二番目になければならない。今後はしませんということもやはり答えてもらわなければならないと思うのです。悪いことをして威張っているような格好じゃないですかこれは。それで、被害を受ける我が国の方が何か小さくなっているのじゃないですか。ガラスを壊した者が悪くなくて、壊された者が悪いような格好でいるようなものですよ、これは。 とにかく私は、この問題について日本はやはりきちんとして、言うべきは言う、ただすべきはただす。そうして、救援活動は救援活動、協力活動は協力活動、それはしていかなければならないことだと思うのですよ。これは二つ目の問題として、これ以上申し上げません。とにかく善処を求めたいと思っております。 第三番目の問題は、ニュージーランドの問題です、ニュージーランドのリンゴ輸入解禁について。 これは、何せ大臣は我が青森県の出身でありますから、一番実はリンゴに詳しい人ですよね。リンゴの気持ちが一番わかる人。ところがこの人が、どう迷ったのか知らぬけれども、公聴会もろくになされないまま見切り発車しようとしていることは、私はやはり困ると思う。公聴会の模様を見ますというと、公述人の申し込みというものが、意見書を出した者が六十五人、出席し意見を述べた者はわずかに七人、そうしてそれぞれの意見があるわけです。 私どもの青森県の生産者の皆さんの中で、ニュージーランドヘ行ってきて、コドリンガも火傷病も大変にある。あのままで、きちんとした防疫体制ができてやるとは言っているけれども、これは、万が一コドリンガが日本に入ってきた場合に、火傷病が日本に発生したときに、この対策は大変なことになる。 リンゴ百年の歴史からいっても、リンゴ生産者にとっては、いろいろな駆除対策をしてきたわけです、病気に対しても害虫に対しても。また新しいものに向かっていかなければならないのかとなるというと大変だ、何とかしてこれはひとつ思いとどまっていただけないだろうか。ちょうど青森県出身の農林大臣だから大丈夫だろう、こう思っておったのだけれども、なかなか大臣も国際人になってきましたものだから、簡単に、はいきたとはいかない。 だがしかし、大変な殺虫剤をかけ、防腐剤をかけて、かけられる薬の名前を聞きますというと、これだって余りいい楽じゃないですよね。大変に環境に影響を与えるようなものです。臭化メチルで対応すると言っているけれども、これはオゾン層破壊の物質だ、こう言われています。 いずれにしましても、私は、単に生産者だけじゃない、消費者の立場に立っても意見というものがあると思うのです。そんなに薬づけになったようなもの食べられるかい、それよりも新鮮な青森のリンゴを食べた方がいい、こうなるのじゃないですか。それでも足りないというなら別ですよ。バナナのように日本に産しないものならば別ですよ。青森県のリンゴ生産者にしても、とにかく日本の半分は我が青森県です、それだけに大変心配している。 どうです、公聴会における運営ぶり、またこの模様というものを見ますときに、きちんともう一遍公聴会をおやりになったらどうですか。そうして、これからまた入れるといってもそう簡単じゃないでしょう、収穫ももう終わってしまって、この後次の段階に入ることでもありましょうから。でも、しゃにむに五月のうちに入れなければ農林大臣の仕事が勤まらないのだと思っておられるのですか。ここはひとつ大臣、よく考えて、国内の事情というものについても、消費者の気持ちにどういうものがあるのか、あるいは生産者の気持ちにどういうものがあるのかを、もう一遍私は公聴会を開いてその上で対処するのが筋じゃないだろうか、こう思うのです。六十五人のうちたった一割の程度が意見を述べて終わっている。もちろん、この意見を述べる公聴会を開いたとしても、それぞれにまた反対の向きがあってうまくいかないことは承知しています。だからといってあきらめることは適当ではないんじゃないか。きちんときれいな公聴会をもう一遍やって、その上で結論を出されていいんじゃないかと思うのですが、どうです。
○田名部国務大臣 リンゴの気持ちはよくわかっておるわけでありますが、この問題につきましては、ニュージーランドが開発をいたしました、コドリンガ、火傷病、この殺虫、殺菌技術が、農林水産省として検疫上何ら問題ないものという判断をいたしておるわけでありまして、植物防疫法に基づいて公聴会の開催をいたしたわけであります。 当日の模様を私も一々報告をいただいておるわけでありますけれども、議長の選任問題について数時間にわたって問題がある、こういうことで公聴会の意見公述ができなかった。夕方になりましたら、食事をさせろとかお茶を飲ませろというのでまた紛糾したということのようでありまして、どうも、粛々とみんな意見を言ってくれれば全部終わったんだろうと私も思うんです。まことに残念だと思っているんです。 それで、この公聴会で発言をされました公述意見及びあらかじめ公述意見書というものを出しておりますので、意見を述べられなかった方々には、これを精査をいたしておるわけであります。これは、お話のように、六十五人の人が出席をし、七人の人が意見を述べたにすぎない。これは多数決で決める問題でもないものですから、技術的な問題で、コドリンガと火傷病に疑義がある方が意見を申し上げる、こういう性格のものでありますから、そこのところは御理解をいただきたい、こう思うのであります。その結果、検疫措置に問題がないことがこの今精査中のもので明らかとなれば、解禁に向けて諸手続を進めることになる。それで、今調べておるものについても早急に結論を出したい、こう思っております。 私どもとしては、公聴会は植物防疫法施行規則に基づいて適法に行われたと考えておりまして、再度開催するということは考えておりません。ただ、その後、地元の方々が意見を申し上げたいということで、機会をつくりましてそれぞれの意見は十分聴取をいたしたという経緯があります。
○関委員 時間がありませんので、この論戦はこれ以上することは避けたいと思いますが、少なくとも公聴会というものは、これは形式的になされるべきものではないと思うのです。そうして、今のように、六十五人のうち七人より意見は述べなかった、述べられた意見は次のようにあると、こう言っても、法律に基づいて行われる公聴会ですから、欠陥公聴会はやはり正して、そうしてきちんとしたものにして対処することが私は行政上これは必要なことである。公聴会というものは形だけやっておけば済むものだということではないはずでありますから、その意味においても、私はきちんとやっていただきたいと思う。 消費者の立場や生産者の立場や、そういう意味において十二分に意見を徴した上で、しかも正規の意見を徴した上で対処するのが望ましいことじゃないだろうか、こう私は思いますので、この点についてはひとつ農林大臣、よくよく御採択くださるようにお願い申し上げておきます。 次の質問に入ります。 次の質問は、日本輸出入銀行のNEWJECへの融資の問題なんですが、これはまた次の機会にしたいと思いますので、ここは飛びます。 次、六番目、エネルギー政策について。これは、森通産大臣に何としてもお答えいただかなきゃならない問題であります。 と申し上げるのは、せっかく、昨年、我が国が太陽光発電を個人の家で、役所の方も認めて取り組むことになった。これは、電事連の会長にも私はよくやったな、こう思って感謝しているところなんです。ところが、ことしになりましたら、昨年のガイドラインと違いまして、今度、ことしの四月からのガイドラインでは難しくなりました。何で難しくしたのです。 そうして、去年まではとにかくある程度、うんと安く頑張って三・四キロワットの家庭で六百五十万というところまで進む方があった。ことしは、さらに頑張って四百五十万ぐらいでやろうかというのも出てきた。そうして取り組んでおったら、今までのやり方ではいけませんから、四月からはガイドラインが変わりましたので、あなたの持っているインバーターではうまくありません、今度はインバーターについてしかじかかくかく対処してもらいます、こういうお話だ。 なら、そのインバーターすぐあるのか、すぐ買えるのか。いつできるかわからないと言うのですよ、大臣。せっかく太陽光発電を自力で六百五十万も負担してやってみようかという偉い人が出ている。坂本竜馬じゃないけれども、竜馬と名づけて、ここの井口さんという人が太陽光発電所をつくった。その方はこれまでのとおりのことでよろしい、こう言っておるのです。これからの人はそうはいかない、こう言うのです。 だから、これからの人にしても、すぐインバーターが買えて、そうして取り組むことができるというならば別です。全然できませんよ。大変な金がかかる。製作者の方においても、難しいものだというとそうすぐつくるわけにはいかないとくる。それならば、そういうものができるまでの間はこれまでのとおりでやってもよろしい、こうして太陽光発電の普及を進めることにひとつ誠意を示したらどうです、だめだと言わないで。ここはよその方はできません。森大臣でなきゃできない。他の、下の人の書いたものを読むだけじゃなく、僕の話を聞いて答えてもらいたいのです。 しかも、我が国の独自でやっているそれぞれの方々というのは、世界のどこの国々でやっているものよりもいいのです。何の文句もない。それを何でそんなに難しくして、そうして停滞させるようなことをするのか。どこの会社で、どのくらいのものをつくって、差し上げますからというものができていますか。早速やりましょうというときに何にも用意がないじゃありませんか。そういう点からいきますならば、これはやはり、せっかく開いた道を閉ざすんじゃなくて、広げることにおいてお考えいただけないものか。 そうして、これからは太陽光発電は、電気だけじゃない、温水器の問題についても心を広げて持っていただきたいと思うのです。温水器についても、そうして電気についても、太陽光がどんなにありがたいものであるか、太陽熱がどんなにありがたいものであるか。そうして少しでも早く、原子力発電の方に頼らなきゃならないなんということじゃなくて、そこから抜けることに力を向けた方がいいと思うのです。 昨夜九時にNHKの放送がありましたね。大臣、ごらんになりましたか。プルトニウムにかかわる放送がありましたよ、放映がありました。昨夜の九時です。いい放映でした。NHKの皆さん方がよく頑張ったなと私は思います。本当ですよ。大臣の皆さんは、夕べのNHK九時、ごらんになった方は何人おられますか、ここに。貴ノ花は見ただろうけれども、こっちの方は見ていないでしょう。貴ノ花もいいけれども、プルトニウムにかかわる各国の、外国の状態ということの、本当に苦労をしてつくったなと私は思いました。科学技術庁なんかあれを参考にしなければならない。石田局長が何も答えていない。口はしゃべっているけれども答えになっていない。石田さんをここでしかるのは大変申しわけないことだけれども、私はあそこで、日本の原子力局長というものはもう少し物をちゃんと言ってくれたらいいと思った。それは資源小国の日本だから、資源小国の日本だからと口で唱えてさえおればいい返事だと思っているかもしらぬけれども、そうじゃないのです。 太陽光発電の道を広げることが大事ですので、この点について、ひとつ通産大臣お答えいただきたいと思います。
○森国務大臣 太陽光発電、石炭、石油にかわりますクリーンなエネルギーでありますし、今委員からお話しのとおり、エネルギーの安定供給の上からもこの確保、及び地球環境保全の観点からも極めて重要なエネルギーであるというふうに承知をいたしております。また、委員のお考え方にも、日ごろから傾聴させていただいておるわけでございます。 この太陽光発電を初めとしますいわゆる分散型の電源の導入を促進するという観点から、太陽光発電等を一般の配電線へも電力が送れるような状況、状態で連系をするために、本年三月三十一日に、系統連系技術要件ガイドラインを整備をいたしましたところでございます。このガイドラインによりまして連系のための技術的な要件を統一的に取りまとめたことによりまして、連系手続が実質的に簡素化されるなど、太陽光発電の導入がより円滑に進められるというふうに我々は期待をいたしております。 ただ、今、関委員からいろいろ具体例を挙げておしかりをいただきましたが、どうしてこういうガイドラインになったのかむしろ煩雑になったではないか、せっかく前に進んでおったものを阻害しているではないかという御指摘につきましては、これは技術的な面もございますし、過去からの経緯もあると思います。政府委員などの答えではだめだよ、君が答えろ、こういうことでございますが、むしろ、これまでの経緯や事務的な手続や、また技術的なことがございますから、これは私よりも担当の事務当局の方がよく理解をしていると思いますので、まずその事務的な話、その経緯について事務当局から一応お聞きをいただきたい、こうお願いを申し上げます。
○黒田政府委員 ただいま大臣からお答え申し上げたのが基本的な考え方でございまして、私ども、太陽光発電の重要性にかんがみまして、むしろ円滑に導入を進めていくという観点から、本年の三月三十一日に技術ガイドラインを発表させていただいたわけでございます。 関先生十分御案内のことでございますけれども、この太陽光発電、ある意味では小さな発電所でございまして、これを電力会社の既存の系統につなぐということになりますと一つの発電所ができるわけでございまして、その間の例えば保安の問題、一方の電力会社の系統が停電を起こした場合に、こちらの方に、太陽光発電の方に流れ込んできてしまうというような問題、あるいは逆のケースもあるわけでございますが、そういったことから連系保護装置というようなものをつけていかなくてはいけない。あるいは電気の質、電圧とか周波数等の問題がございまして、そういったものを同質的なものにしていかなきゃいけない。そういったことから、従来は、このガイドラインができるまでは、個別の電力会社と太陽光発電装置を設けられる個々の需要家の間で個別にお話し合いが行われた、どういった設備をつけるかといった点についてお話し合いが行われた、こういうことでございます。 で、私どもこの三月にガイドラインを設けましたのは、個々の、個別の協議ということになりますとそれぞれ時間がかかるわけでございますから、むしろ一律の基準で、こういうものに合っておればどの電力会社とどの需要家との間でも適用できる、そういったものをお示しをいたしたわけでございます。そういうことでございますから、従来の個別の協議でやってこられた方が、今度ガイドラインができたから直さなきゃいけない、そういうことは全くないわけでございます。従来のものは従来で結構でございます。 それから、今後の問題といたしましても、ガイドライン以外のところでもちろん個別の協議というのが行われることがあってもいいわけでございますけれども、むしろ私どもの今度のガイドラインにおきましては、例えば技術的な面で、連系保護装置を従来は、一般的には個々のお話し合いでは二系列設けていたものを一系列にするとか、いろいろ簡素合理化を図っているわけでございますし、それから、インバーターの中に電子化してそういった連系保護装置なども内蔵していくような方向というのも可能にするといった、いろいろな配慮を加えているわけでございます。 ただ、一つ、関委員からお話がございましたように、まだそういったガイドラインに則した、連系保護装置を内蔵したインバーターの販売というのは行われておりません。現在、関係のメーカーで開発を急いでいるところと承知いたしております。 そういうことでございますので、基本的には先ほど大臣からお答え申し上げましたように、手続は実質的に簡素化されているわけでございますし、また技術的にも、今後そういった製品が販売されることになれば、これは非常にコストダウンにもなって、したがって、太陽光発電の導入の促進には大いに寄与していくものと期待しているわけでございます。 そういったことから、私どもも今後とも今申し上げましたような簡素化された機器ができるだけ早く販売されるように各メーカーに督励をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
○関委員 私の言いたいのは、とにかく何の障害もなくやってきているのに、今みたいなお話をして、あたかも障害が生ずるようなことを言っておる。これは事実に反するんです。とにかく電力会社におもねって物を言っているのか、あるいは大企業の、会社のために物を考えて言っているのかわかりません。しかし、庶民がこの自然の太陽の光を使って、そうしてインバーターも開発して、難なく電気を起こして貢献しておるんです。私は、こういうような方々に少なくとも我が国の将来のエネルギー政策のためには助成の措置を講じなさい、少なくとも三分の二ぐらいの助成の措置を講じなさいよ。それによって百万キロワットの電力をつくることができる、二百万キロワットにもなる、年数がたてば五百万キロワットにも千万キロワットにもなるんです。プルトニウムに金をかけるよりは、原子力発電所に金をかけるよりははるかにいい道がここにあるんです。そういう意味において、私は普及することに力を注ぐべきだと思うんです。せっかく芽生えてきた芽をつぶすことに力をいれること、これは正しくないと思う。 しかも、高知県でおやりになっている太陽光発電普及協会の井口正俊さん、これはぜひ通産大臣、行って見てきていただきたいと思うんです、羽田から飛行機に乗っていきゃすぐですから。それで、私もここへ行って見てきたんです。しかも、よく一人で頑張ったな、何のお世話にもならないで。今、公の施設で必要だとするところには三分の二の助成をしていますよね。何とかしてこれを普及しようと思う。何の助成も受けないままやっているんです。大変な苦労です。しかし、その心は本当にけなげなものだと思いますよ。 ですから、ドイツでもう既に取り入れているように、個人の家でも、それをやろうという場合には三分の二の助成をする、こういう道を講ずることが不景気対策のためにもなりますよ。ぜひひとつそれは考えていただきたい、こう思います それから、新しいガイドラインでやって、では、いつそのインバーターをたやすく買えるかといえば、全然見通しがつかないんですよ。引き受けてくれる会社がない。とすると、一月、二月やろうと思って計画して、三月三十一日まではできなかったけれども、四月になっちゃった。今度は、その障害がそこにあるために、黙っていなきゃならないでしょう。むだですよ、これは。行政というものは、そういうふうに迷惑かけるものじゃないんです、官僚的な物の考え方で。まあこれもベターになるガイドラインのことはガイドラインでしょう。じゃ、それに即応してつくられるインバーターの値段はこのくらいでできますよ、いってきますか、いつごろにできますよ、それまでは自主的開発することを認めましょう、このくらいの措置は、大臣やっていいんじゃないでしょうか。御返事要りません。十分ひとつ考えて、そうかなと思っていてください。 そして、とにかく井口さんという人のけなげな働きは、私は本当にありがたいなと思っていいんじゃないかと思うんです。何も公の金を特別に出してやらなくてもやっている。そこまで来ているんです。ですから、三分の二の助成をしてこれを普及していくようになれば、太陽電池の生産も大きくなっていくでしょう。それによって電池の値段も下がってくるでしょう。補助しなくてもいいところまでいきますよ。そういう意味において、私は大いに当たるべきじゃないか、こう思っておるのです。 それから、インドネシアに対するNEWJECの助成の問題も、とにかくああいう国には太陽光発電が一番いいんです。あのインドネシアに原子力発電所つくるために金を出してやろうなんということはやめた方がいいんです。それよりは太陽光発電だよ。これをしなさいよ。これが、おくれた国に貢献する日本の道なんです。いい道なんです。 そういうことも申し上げておいて、この点についての質問は終わりますから。 じゃ、次に入ります。 次は、実は創価学会のことです。私は、創価学会については何度も取り上げてまいりましたび宗教法人法にかなっておるかどうか、認証を受けている内容どおりの教義が、目的が、普及が、行事がなされているか、こう申し上げてまいりました。 ところが今日、この間も文部大臣にいろいろ申し上げておきましたし、警察庁長官の方にも申し上げておきました。全国至るところにおいて日蓮正宗の方々と創価学会の方々がけんかですよ、けんか。脱講運動、法華講におる者をやめさせて、創価学会に入れとか、そうしなければ罰が当たるとか、殺してやるとか、とても聞くにたえないような脅迫的言辞が弄されておる。その姿というのは、北海道から九州の果てまでどこの県にもあるんだから。その実態を私は、被害調査ということで文部大臣、警察庁長官に申し上げておきました。大変分厚いものだから読むに大変だろうと思います。読まなかったかもしれません。見ただけで終わったかもしれません。 いずれにしても、そういうような状態があるものですから、これは考えなければならないな。これが一体宗教法人として適正なんだろうかという点は、一つ考えなければならない。 そこへ、今度は大変なことが一つ起こった。それは創価新報という学会の機関紙ですよね。この新聞の中に、日蓮正宗の阿部日顕先生が芸者遊びをしているという写真ですよ。芸者の方々と一杯飲んでいるという写真です。これはひどい写真なものだから、日蓮正宗の皆さん方はびっくりした。そうしたら、その写真は、日蓮正宗がお祝い事に出席して、そうして奥さん方もみんな行って、御夫人同伴で行った。古希のお祝いをする方の御招待で行った。その写真の中から、出席している人たちを削って隠して、そうして障子の姿や絵の姿も後ろにあるのだけれども、それもみんな塗りつぶして、そうして日顕上人先生と芸者の皆さん方と一杯飲んでいるような写真につくったのです。大変ですよ、これは。 そこで、この五月一日、日蓮正宗の方では、これはひどいことをされた、五億円の損害賠償だ、池田大作と、それから学会に五億円ずつ、十億払え、それからわび状も入れろ、こういうような訴えになりましたよね。 それで、私は、どうしてここまで事が運ばなきゃならないのだろうかと悲しくてしょうがない。こういうような写真をつくって、そうして創価新報に載せて大々的に宣伝していますよ。新聞、持っていますよ、ここに。びっくりするようなものです。また、これは週刊誌にも出たし、それから駅売りのものにも出ておったから大方の方が知っているでしょう。少なくとも国が認めている宗教法人のなすべきことですか、これ。宗教法人というのは、その目的のために特別面倒を見ているのでしょう、税金の部面においても。どれだけ国の恩典を受けているかわからない。そのためにはきちんとやってくれよと。そういうような姿というものを見るときに、これは本当にゆゆしき事態だ。この問題については、そういうようなことをしていること、これは当然に問題になるでしょう。少なくとも宗教法人としては、これはその資格を剥奪すべきじゃないだろうか。 また、こういう行為をしているものについて、国はどう思うのだろうか。こういうようなことがなされて当たり前であるものかどうか、これは法務大臣にもひとつ、この問題はどう見ておられるか。 このこととあわせて、青森の宗教法人の香取神社と善知鳥神社というのがあります。その香取神社というのがすっかり財産処分しちゃって、そうして山の上にお宮をつくって、そうして受けた利益で善知鳥神社の方に四億円という金を寄附した。宗教法人が自分の財産を他の用に供してはならないという法律の第十八条の五項がありますよね。この点に私は触れるのじゃないだろうかと思うのです。そういう点からいっても、とにかく宗教法人というものに非常に乱れが今日あると思う。そういう点からも、この際、今の問題についての考え方をお答えできれば、こう思います。
○佐藤(禎)政府委員 香取神社の件につきましては、細かい事実の関係もございますので、最初にこの件について私から御答弁をさしていただきたいと思います。 青森県の香取神社をめぐりましては、平成元年から三年にかけまして境内地の移転をいたしておりました。このことをめぐって御指摘のような意見あるいは不適当な行動があったのではないかといったことが氏子の方々から提起をされているわけでございます。 これは問題が二つございまして、一つは、そういった礼拝施設が欠けてしまったのではないかということがございますが、この点については、特にその後、施設が完成をし、大祭も行われておりますので問題はございません。 いま一つは、この売却をされましたお金の支出先等について氏子の方々の御理解を得られていないという問題がございまして、不幸なことに告発というようなことに至っているわけでございます。この件については不起訴処分となったわけでございますが、検察審査会におきまして、本年の四月に不起訴は適当ではない、より捜査を継続をするようにというようなことがなされたということを報告として受けているわけでございます。私どもといたしましても、これは刑事事件でございますけれども、この成り行きについては関心を持って注目をさせていただきたい、このように思っております。 いま一つは、宗教法人の要件というようなことについてのお尋ねでありまして、この件については、私ども再三お答えを申し上げておりますとおり、戦後、我が国の宗教法人法は、憲法に定めております信教の自由あるいは政教分離という原則にのっとって、世俗面での活動について法的なステータスを与えるという面から制度をつくっているわけでございます。要件としては、御承知のとおり、宗教の教義を広め、儀式行事を行い、信者を教化育成をすることを主たる目的とし、かつ単立法人の場合には礼拝施設が存在をするというようなことが要件として定められているわけでございます。再三お答えを申し上げてございますけれども、この創価学会につきましては、東京都の所轄に属する法人でございまして、ただいま申しました要件につき、具体的にこれを欠いているという報告を私どもはちょうだいをいたしていない、こういう関係にあるわけでございます。 写真の話につきましては、委員からも先ほどお話がございましたように、これは訴訟を提起をされたということでございます。争訟中のことで、当事者間での争いでございますので、コメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○濱政府委員 法務当局の方からは、刑事法との関係についてお答えを申し上げたいと存じます。 まずお尋ねの前段にございました写真の件でございますが、これはもう改めて申し上げるまでもないことでございますけれども、具体的事案における具体的事実につきまして、犯罪が成立するかどうか、あるいはどういう犯罪が成立するかということは、これは捜査機関が法に定められた手続にのっとって収集した証拠に基づいて事実を確定した上で個別に判断されるべき事柄でございますので、法務当局からお答え申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。 それから、お尋ねの後段の、香取神社境内の売却をめぐる告発事件のことでございますが、これは今政府委員の方からお答えがございましたとおりでございまして、一つの告発事件の方は、平成三年三月に青森地検において背任罪により事件送付を受けまして、同年すなわち平成三年十二月に不起訴処分に付したわけでございます。この事件につきましては、不起訴処分後に青森検察審査会が平成五年四月二十八日に不起訴不当の議決を行いましたために、青森地検におきまして再起した上で捜査、検討を行っているという段階でございます。 それからもう一つの告発事件につきましては、平成四年二月に背任罪による告発を受けまして、同年すなわち平成四年十二月に不起訴処分に付しているわけでございます。この事件の不起訴処分につきましては、検察審査会に審査申し立てがなされまして、現在、同検察審査会において審査が行われているというふうに聞いておるわけでございます。
○関委員 文部大臣、何か。
○森山国務大臣 先生からちょうだいいたしました資料は一通り目を通させていただきまして、いろいろとその実態の様子を拝見したわけでございます。しかし、宗教の自由あるいは信仰の自由ということは非常に重要な憲法上の課題でもあり、また、宗教法人法の中にも厳しくそれが規定されておりまして、関係の諸官庁がその内容にわたって干渉するとか、あるいは調査研究をするという権限が非常に限られております。慎重に対処すべきことだと考えておりますし、その所轄庁もそれぞれ、創価学会については東京都であり、またもう一つの事件については青森県ということになっておりまして、そのいずれからも格別の報告を聞いておりませんので、慎重に見守っていきたいというふうに考えております。
○関委員 とにかく写真を捏造してまで相手を悪く言う、こういう宗教法人というものはないですよね。常識からいっても考えられないことです。だれも知らないだろうと思ってつくったのでしょう、きっと。しかし、化けの皮があらわれてしまった。ですから、こういうようなことをして、宗教法人たるものが事実に反することを平気でやって、おれの方がいいとかそっちの方が悪いとかと言ってけんかしているなんというのは情けないことです。情けないことです。 しかも、これをきちんと指導すべき文部大臣、私は、眞弓ちゃんなら大丈夫、やるだろう、こう思っている。文部大臣に申し上げましたよ。あなたは名前がいい名前だ、真っすぐ弓を射なさい、正しい道をつくるようにしてください、こう申し上げてまいりました。 それから、今度は法務大臣、後藤田正晴法務大臣には、正晴と晴正とは同じ名前の関係もあるのだから、ぜひ正しきについて、あなたはあの金丸氏でも退治できるだけの腕を示した人だから、悪に対してはひとつ腕を振るって対処してもらうことを希望申し上げておきます。 次にもう一つ、参議院の新間正次君の経歴詐称の事件。このことについては、経歴詐称は当然当選無効だと思うのですが、何の調査をまだ続けているのかわかりません。そろそろきちんとした結論を出していいのではないだろうかと思うのですが、これは自治大臣ですよね。自治大臣、きちんと答弁してください。恥ずかしいじゃないですか、いつまでも。
○濱政府委員 これも法務当局の方から、刑事事件の捜査の問題についてお答えを申し上げます。 まず、委員今お尋ねになっておられます公職選挙法違反の事件につきましては、公職選挙法二百三十五条一項違反の事実、すなわち、昨年の参議院選挙に関して偽りの経歴を掲載した選挙公報を頒布させたという事実で、愛知県警察本部から名古屋地方検察庁が事件送付を受けまして、現在なお捜査を続けているところでございます。
○関委員 何の調査をしているのです、何の調査。こんなことで時間を食うものじゃないよ、これ。自治大臣、あなた責任者でしょう。ちゃんとした答え下さいよ。この間から調査、調査で、何を調査するものがありますか。
○村田国務大臣 関委員にお答え申し上げます。 これは予算委員会の分科会でも実は御質問がありました。今法務省の濱局長がお答え申し上げましたとおり、事件の捜査中であります。これは、公職選挙法の第二百三十五条第一項は、当選を得または得さしめる目的をもって公職の候補者または公職の候補者となろうとする者の経歴に関し虚偽の事項を公にした者は、二年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処する旨が規定されておりますが、果たしてこの事案に当たるかどうか、これについて法務省で調査中と心得ております。
○関委員 時間ですから、終わります。
○粕谷委員長 これにて関君の質疑は終了いたしました。 次に、石田祝稔君。
○石田(祝)委員 本日最後の質問ということでお時間をいただきましたので、これから高齢化社会に向けての年金問題について、また、時間がございますれば財政投融資についてもお伺いをしたいと思います。 平成六年の年金の次期の再計算が、もう財政再計算が迫っておりますけれども、内閣としましては六十五歳支給ということを閣議決定もされている、こういうことも承知をしておりますけれども、この問題はいわゆる世代間の扶養だ、世代間を年金というものを通して支えていく、こういう仕組みを長くやはり継続させていかなくちゃならない、こういうことであろうと私は思いますが、まず総理にお伺いをしたいと思います。 特にこの問題は、国民全体がある意味では対象になるわけであります。ですから、国民の合意形成、こういう制度であれば我々も納得をする、また、自分たちが一生懸命現役世代のときに保険料を納めて、そして退職をしたとき、リタイアしたときに、また現役世代から順に支えてもらう、こういうふうなことだろうと思うのです。ですから、まず国民の合意形成、これをどのようにお考えになっていらっしゃるのか、私は、一番この合意形成というものをなされなければ、この年金の問題というのは非常に決着をつけるのは難しいのではないか、こういうふうに思いますけれども、まず総理のお考えを最初にお伺いをします。
○宮澤内閣総理大臣 毎年九月十五日、敬老の日に人口についての統計が発表されますが、昨年の九月十五日の発表によりますと、六十五歳以上の人口が全体に占める割合は現在のところまず一三%ぐらいでございますけれども、二〇二〇年には二五・五%になる、これは昨年の発表でございました。ですから、事実上倍になるということで、これは恐らくもはやほとんど避けられない事実と思われます。そのようなことをまず国民に知ってもらうということが大事なことであろう。つまり急速な高齢化がその時点までに進むという事実であります。 そういう高齢になられた方々のことを考えますと、やはり高齢者の雇用ということを大事に考えなければなりません。ただ社会福祉の施設だけでなく、生きがいを感じてもらうということが大切なことでございますので、そういう意味で高齢者の雇用を考える必要がある、そして、それらのことと連携のとれた年金制度というものを構築していく必要があるということは、このような社会の年齢構成の変化が急激にある、しかもだんだんおのおのがそういう立場に立つということは、恐らく国民には、説明をすれば実感としてわかっていただけることであると思います。 ところで、そのような人口の高齢化が急速に進展していきます中で、給付水準は適切なものでなければなりませんが、当然のこととして、そのときの人に対しては非常に大きな、若い人に負担を負わせなければならないということも確かであります。ただ、その負担にはもう限界がございますから、いつぞやもこの委員会で御議論になっていましたが、負担し得る限界というものがございますから、そういう意味で負担と給付との水準をどう考えるのか、勢い支給開始の年齢を引き上げていくことは避けられないのではないかという問題がございます。これも比較的わかりやすい話でございますので、そういうことを国民の皆さんに説明をしていく。 で、これは先刻、租税の問題が御議論になりましたときにもお話に出ておりましたが、国民負担全体、こういうものの、つまり年金の負担ということと同時に、社会保障の負担と同時に租税負担というものもあわせまして、このような高齢化社会に向かってどのような国民給付と国民負担を考えていくかという全体の問題としてももはや取り上げなければならない時期が来ている。これも比較的国民にはわかりやすい問題でございますから、そういうものとして事実関係を国民にまず理解をしていただく、そういう努力が必要であると思っております。
○石田(祝)委員 この問題、国民に理解を得るのが大事だ、こういうことでありますけれども、これは一つは、数字的にこういう形になっていくんだ、ですから、給付と負担の公平、こういうことから考えれば支給開始年齢を繰り下げるということも必要だ、例えばそれは理屈の上でそういう形になったとしましても、だけれども、じゃ、おれの生活、自分の生活はどうなるんだろう、そう考えたときに、私は二つ問題があると思うのですね。一つは、さっき総理が言われたように、理解を得るということ、それともう一つは、実際の問題として雇用の問題、この問題が私は二つ大きな問題としてあると思います。これはこれから徐々にお聞きをしていきたいと思っておりますが。 私も二月の二十四日の予算委員会の質問をさしていただきましたときに、厚生大臣に、前回の再計算のときになぜこの六十五歳支給繰り延べの問題ができなかったのかこういうことをお聞きをいたしました。そのときに厚生大臣も、理解を得るということが不足をしておった、それからもう一つは、雇用の問題があった、この二つが大きな問題として前回の再計算では理解が得られなかった、できなかった、こういうことをお答えになりまして、そのとき私も、では現在においてその当時に問題であったことがすべて解消しておりますか、今はそういう問題はありませんか、こういうふうにお聞きをしましたら、やはり全部そういう問題が解決はできていない、こういう御答弁でございました。 これからお聞きをしてまいりますけれども、厚生大臣として、二月二十四日ですからちょうど三月前ぐらいになりますが、その認識で今もお変わりはありませんか。
○丹羽国務大臣 ただいま総理から御答弁がございましたけれども、厚生年金の保険料率は現在一四・五%であります。これを現在のいわゆる年金水準、つまり現役労働者の賃金の六九%前後でこれからも維持していく、こういうことになりますると、三十年後には六十歳支給の場合には三四・二%、ここまで上がってしまう。六十五歳ですと二八・八%程度で抑えることができるわけであります。 それから、総理の方から人口構成についての御説明があったわけでございますけれども、年金の分野におきましては、三十年後には一人のお年寄りを二人で支えなければならない超高齢化社会がまさにやってくるわけであります。ですから、基本的には私はこの六十五歳問題というのは避けて通れない、このように考えているような次第でございます。 問題は、先生からも御指摘をいただきました、いわゆる雇用と年金というものは連動しなければならないわけでありますけれども、私も前回一〇〇%実現したとは言えない、しかしかなり大きく前進した、こういうことを申し上げたわけでございますけれども、いわゆる六十歳の定年問題というものが非常に進捗してまいりまして、これから六十歳定年も要するに見込まれておる、こういうところも入れますと九〇%以上がいわゆる六十歳定年になる、こういうことでございます。ですから、問題は、六十歳から六十五歳までの間のいわゆる雇用関係をどうするか、働く意欲があっても働けない人や、あるいは衝いたとしても十分な賃金を得られない人に対してどういうような救済策を与えていくか、これが大きな課題である、このように考えているような次第でございます。
○石田(祝)委員 この給付と負担の問題、極端に言えばこれは給付水準を引き下げて負担を上げる、こういう形しか私はないと思います。 その中で考えられるのが四つございまして、まず一つは国庫負担をふやすということ、そしてもう一つは支給開始年齢を繰り延べる、給付水準を引き下げる、現役世代の負担をふやす、こういう四つぐらいのものの組み合わせに私はなろうかと思います。これはどう考えてもこれ以外にはちょっと私の考えたところではありませんが、そういうものを前提としまして、情報の公開、要するに理解を得るためにどうすればいいのか、これをぜひ私今からちょっとお伺いをしたいのですが、情報の公開というものをぜひお願いをしたいと思います。 これはやっていただいていると思いますけれども、まだまだ自分の年金がどうなるのか、今から三十年後どうなるのか、これはなかなか認識が不足しております。ですから、例えば今六十五歳問題を取り上げて、こういう形でやりますよと。政府のお考えでは、一九九八年から十二年間かけてやるというのがお考えだったと思いますけれども、そのときにやはり一番大きなお声を上げられるのは、実は現在もらっている方が一番関心を持って、大変だと。本当は影響があるのは、今四十四、五歳の方から影響が出てくるわけでありますけれども、そういうふうな年齢の、自分がどこが影響するのか、どの世代が影響するのかということ一つとっても、なかなか正確な知識というのは私は行き渡ってないと思います。 ですから、今回、これは賛否は別にしまして、私は、ぜひ情報というもの、いろいろな情報を積極的に公開をしてもらいたい。これは隠しているところはないと思いますけれども、十二分にこういう情報は出してもらいたいと思いますが、この点についていかがでしょうか。
○丹羽国務大臣 お答えいたします。 年金制度につきましては、御案内のように国民の皆さん方の関心も大変深まっております。年金財政のいわゆる将来の見通しにつきましては、先ほども私が具体的な数字をお示しを申し上げたわけでございますけれども、やはり広く国民の皆さん方に情報を提供いたしまして、そして御理解をいただきながら必要な制度改正を進めていかなければならない、こう考えているような次第であります。 本年三月には、初めてのことでありますけれども、二千人の有識者を対象といたしまして、いわゆる公的年金制度のあり方について御意見を伺ったわけであります。いずれにいたしましても、今後あらゆる機会に国民の皆さん方にいろいろな情報を提供いたしまして、そして議論を深めていく中においていわゆる年金制度というものを形成していく考え方に立つものでございます。
○石田(祝)委員 ちょっと時間がありませんので、まとめてお伺いをしたいと思うのですが、これからの改革案、どういう形でまたこの年金制度をやられていくのか。いろいろなやり方があると思うのですね。 その中で、私は複数の案を提示をする方法をとってはどうかというふうに思います。一つの案をいろいろ説明してもなかなかわかりにくい。ですから、こういう形でいくとこういうふうになりますよ、これを複数案を提示をして、それの試算もつけて提供をして考えていただく、こういう案はとられないのかどうかということと、あと第三者機関の設置ということで、私はこれを提案させてもらいたいのですが、二月のとき、私もいわゆる厚生省の人口問題研究所の人口推計の話を取り上げまして、やはり日本大学でやっている人口研究所ですか、そこと数字が大分違うという話をそのとき申し上げました。この人口推計の問題は非常に大事な、根本となる資料なんですけれども、その資料が、厚生省の数字と大学の数字、これが違うということをそのとき私申し上げました。ですから、そこのところの信頼性というのですかその数字を出発点として議論をして間違いない、こういうふうな、ある意味でいえば数字に対する信頼性というんでしょうか、一つのことでいろいろ数字があるということでは、私は非常に困るのではないかと思います。 ですから、この複数の案を試算をつけて出せないのかどうか、それから第三者機関的なもの、こういうものをつくって進めていったらどうか、こういうふうに私は思いますけれども、この二点についていかがでしょうか。
○山口(剛)政府委員 年金改革について複数の案を提示をするという方法が考えられないかということでございますが、年金改革につきましては、先生も御承知のとおり年金審議会がございまして、関係の方々に大変長期にわたって御議論をいただいているところでございます。現在も最終的な詰めをしていただきまして、私どもの心づもりとしましては、この秋には審議会から意見書をいただいて、それをもとに私ども最終的な改革案をまとめたいという段取りにいたしております。したがいまして、その段階で、現に改正項目も多岐にわたりますし、大変御議論がございます。そういう中で、複数案というものにつきましても、水準の問題、支給開始年齢の問題、あるいは御指摘のございましたような負担の問題等、いろいろでございますので、その議論を集約をしていく中で、その方向を明らかにする意味である程度の試算をしてみたらどうかというようなことになってくれば、私どももできるだけそういう作業をいたしまして、改正案の方向づけに資するという努力はさせていただきたいと思っております。 それから、年金の将来推計に最も大きな影響がございます人口推計の問題でございますが、私どもはかねてから、厚生省の人口問題研究所が作成をしております人口推計によりまして将来推計を行っております。最新の数字が出ましたので、今回の財政再計算ではそれをベースにやらせていただきますし、また、その人口推計についていろいろ御議論があることは承知をいたしておりますけれども、私どもが現在最も信頼をして年金の将来推計のベースにするものとしては、私どもは人口問題研究所の推計をベースに考えたいと思っております。
○石田(祝)委員 この問題は非常に大事な問題ですので、厚生省としては当然そういう御意見かと思いますが、ちなみに、前回の再計算のとき、二〇二五年にどういう姿になっているかという推計をしました。そのときに、六十歳支給を続けた場合には三一・五%の負担になる、これが平成元年の再計算のときです。今回は三四・二%だという数字なんですね。ですから、五年間の間に三%も数字が上昇するという、これはやはりそれだけの短い期間に三%も負担をしなくちゃならない割合がふえるということですから、これはやはりもう少し衆知を集めてやるという考え方でやっていただかなくてはならないんじゃないかと私は思います。 この厚生省の人口問題研究所と私が知っている日大の場合は、非常に厚生省の方が数字が、合計特殊出生率も含めて甘く出るということは前から言われておりまして、特殊出生率も非常にある意味でいえば乖離がございました。そういう意味で、非常に根本になる数字ですので、ぜひこれは御検討をいただきたい、こういうふうに思います。 それから、情報をオープンにするということで、私これも提案をしたいんですが、先日、議員間討議の場というものを衆議院の厚生委員会の場で設けまして、自由に議論をするという形式でやっておりました。これは新聞にも載っておりましたけれども、ぜひこれは議員間討議の場というものを設けて、お互いにやはり意見を濶達に述べて合意形成を図っていくという形にぜひ私はしていただきたいと思うのです。 これは例を申し上げますと、ドイツで昨年の一月一日から年金改革を行いました。そのときにどういう形でやったかと申しますと、与党も野党もやはり話し合いをしまして、お互いに案をつくり上げて、そして共同提案という形で連邦議会にかけた。そしてその後、全く同一の内容の法案を政府が提出をして、わずか八カ月で成案を見て、今ドイツは昨年の一月一日より新しい年金法のもとで年金を支給をしておるわけであります。 ですから私は、議員の中での討議の場を通してやはり合意形成を図っていく、こういう形をとった方がいいのではないか。政府提案、内閣提出法案としてやるということももちろん一つの方法でしょうけれども、やはり話し合いをしてお互いに議論を尽くして、二十一世紀の年金の姿というものを真摯に考えて私はやる必要があるのではないか、こういうふうに思います。これについて一回厚生委員会でやられておりますので、今後定期的に持って議論をされてはどうか、議論の場をつくってはどうかと思いますけれども、この提案はいかがでしょうか。
○丹羽国務大臣 御案内のように来年次期制度改正、さらに再来年には一元化の話がある、こういう中におきまして、厚生年金の支給開始年齢やあるいは給付と負担の問題につきまして、さきに厚生委員会におきまして大変自由に長時間にわたりまして大変熱心な議論がなされたということを承っておりまして、大変結構なことではないか、このように高く評価をいたしておるような次第であります。 今後につきましては、年金審議会等で十分に御議論をいたすわけでございますけれども、いずれにいたしましても、国会の場におきましても十分な御議論を賜りまして、ひとつ世論の形成に十分に役立っていただきますよう心からお願いを申し上げる次第でございます
○石田(祝)委員 続きまして、雇用の問題をお伺いをしたいと思います。 要するに、頭ではわかりましても、では実際自分が六十になって退職をする、六十五歳になった、六十三歳になった、そういう年金支給が順々に繰り延べられたとしますね。そのときに、自分の身に当てはめたときに、では自分が生活がしていけるのかどうか。頭では大変なことはわかるけれども、いざ自分がもらう段になったらやはり早くもらいたいのはこれは人情ですから、その間に働ける道、そういうものがあれば、これは六十五まで雇用が保障されれば、働く場があれば、では年金は六十五からでもいいや、こういうことに私はなると思うのです。 これは労働大臣にお伺いをしたいのですが、現在、六十歳定年をやっているところ、これから間違いなくやろうとしているところ、合わせて九割になったとおっしゃいましたが、こういう数字が出ておりましたけれども、六十五歳までこれをつないでいく道というものは、これからできる可能性があるんでしょうか。それは階段でも結構だと思うのですね。まるっきりフラットに床をそろえるという必要は私はある意味ではないと思います。ですから、それを階段ででもつなげる、部分年金とか部分就労という形もとれるかと思いますけれども、何らかの形で六十歳から六十五歳、これは連結できるのかどうか、年金と雇用ですね、これはぜひ担当の大臣、労働大臣からお伺いをしたいと思います。
○村上国務大臣 高齢者がその知識、経験などを生かして働くことができるよう雇用の場の確保を図っていくことがまず重要でありますが、高齢者がそれぞれの状況において雇用あるいは年金その他の収入により、安心して生活できるようにしていくなど、雇用と年金の連携の確保を図っていくことも重要であろうと、こう思っております。 そこで、六十五歳までの継続雇用の推進を最重点課題として高齢者の雇用対策に取り組んできたところでございますが、今後は六十五歳までの高齢者が現役として働けるような雇用の仕組みを確立するよう、高齢者雇用対策の見直しを進めているところでございます。
○石田(祝)委員 続きまして、負担の問題でお伺いをしたいと思います。 この負担は、現役世代、OBの世代、いわゆる受給する世代ですね、その方々とともに国庫、国ですね、この三者が、ある意味でいえばお互いに少々我慢をして痛みを分かち合うということが、私は最後は必要じゃないかというふうに思います。 それで、これは大蔵大臣にお伺いをしたいんですが、厚生大臣にも続いてお伺いをしたいんですけれども、現在、国庫負担は、基礎年金の支給の部分の三分の一を国庫で負担をしております。我が党は最前からこれを二分の一にできないか、二分の一に国庫負担をふやせないかというふうに考えておりますが、この点につきまして、まず最初に丹羽厚生大臣のお考えをお聞きをして、それから大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
○丹羽国務大臣 御案内のように、公的年金制度のいわゆる基礎部分に対する給付が今三分の一出されております。平成五年度でこの三分の一の部分というのが何と三兆六千億円に及ぶわけであります。こういうものを含めまして、平成四年度ではこの年金関係予算が四兆円を実は超えておるわけであります。そういう中で、今後国庫負担というのは、先ほどから御指摘いただいておりますように、高齢化がどんどんどんどん進んでいく、それから五年に一遍財政再計算ということでいわゆる見直しも行われる、こういう中で大変な給付増がさらに見込まれていくわけであります。 私どもといたしましては、国庫の引き上げにつきましては、問題はその財源をどうするか。今平成五年度の厚生省予算、十三兆一千七百億円でありますが、御案内のように、いわゆる政管健保の繰り延べであるとか、いわゆる国保の一般財源化であるとか、こういうことによってようやくやりくりをしておるのが実情でありまして、このいわゆる財源の問題と、さらにいわゆる社会保険方式というものを原則といたしておるわけでございますので、これを原則とした場合にどういったような問題が起きてくるか、いわゆるバランスの問題であります。こういうことを考えながら、いずれにいたしましても中長期的に、先ほどから御議論を賜っておりますように、国のいわゆる財政事情などを十分に考えながら中期長期的に御検討を賜る問題だ、このように認識をいたしておるような次第でございます。
○林(義)国務大臣 基礎年金の三分の一を国庫負担でやっているということは、昭和六十年の年金改正をやったときにやったわけであります。当時やりましたのは、基礎年金というものをオーバーオールでつくっていこう、国民年金につきましても基礎年金、厚生年金につきましても基礎年金、それから共済年金その他の年金につきましても全部基礎年金を一律にしてつくっていきましょうと、こんな形でやりました。 その中で三分の一にいたしましたのは、やはり社会保険方式でございますから給付と負担とのバランスを常にとっていかなくちゃならない。それを余りにも国庫負担というか、税金でもって負担をするものを上げていくと、その辺がやはりぼけてしまうんではないか。やはり考え方としては、社会保険方式という形で、給付と負担とのことを常に考えていくというのが年金制度の姿ではないだろうか。こんな形でやってきたところでございまして、これからもしもこれを上げていくということになれば国庫の方でも大変な問題になってくる、こう私は思っておりますし、今のところでは国庫負担を上げるということはなかなか困難ではないかというふうに考えているところでございます。
○石田(祝)委員 この国庫負担の問題は、また時間をかけてやらしていただきたいと思うのですが、例えば無年金の方も、払えないとかそういう方が非常にたくさんいらっしゃいます。こういう方々は最終的に生活保護というところに来ざるを得ない。そうすると、やはり今度は同じ税金を出さなくてはならない。ですから、基礎年金の部分を三分の一ということでガードを固められるのもわかりますけれども、最終的にその人たちが健康で文化的な生活に足る年金ですね、いわゆる暮らせる年金というところまでいかなければ、これはまた国庫の方で生活保護とかいろいろ形を変えて税金を出さなくちゃならない、こういう問題もございますから、これは三分の一が永劫に続くということではなくて、ぜひこれはふやす方向で検討をお願いをしたいと思います。 時間になりましたけれども、本当にきょうはカンボジアのこと、PKOのことを質問は私はできませんでした。明日、同僚議員が集中審議でやると思います。ともかく私も、個人としては何としても二十八日まで無事に選挙が終わってもらいたい、祈るような気持ちで今見守っております。総理も同じだと思いますけれども、ぜひ無事に終わるようにお互いに全力を尽くしていきたいと思います。 きょうはありがとうございました。
○粕谷委員長 これにて石田君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十五日午前九時より委員会を開会し、PKO等についての集中審議を行います。 本日は、これにて散会いたします。 午後八時五十一分散会