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126回国会衆議院1993/05/20

予算委員会 第22号

発言数
86
登壇者
18
会派数
1
開催日
1993/05/20

会議録

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これより会議を開きます。  平成五年度一般会計補正予算(第1号)、平成五年度特別会計補正予算(特第1号)、平成五年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、審査に入ります。  まず、三案の趣旨について政府の説明を聴取いたします。林大蔵大臣。     ―――――――――――――  平成五年度一般会計補正予算(第1号)  平成五年度特別会計補正予算(特第1号)  平成五年度政府関係機関補正予算(機第1号)     〔本号(その二)に掲載〕     ―――――――――――――

林義郎自由民主党大蔵大臣

○林(義)国務大臣 平成五年度補正予算の大要につきましては、既に、本会議において申し述べたところでありますが、予算委員会での審議をお願いするに当たり、その内容を申し上げます。  最初に、一般会計予算の補正について説明いたします。  まず、歳出の補正について申し上げます。  政府は、去る四月十三日に、今後の景気の足取りを一層確実なものとするため、史上最大の事業規模の総合的な経済対策を決定いたしました。  今回の補正予算におきましては、この総合的な経済対策を実施するため、公共事業等の追加二兆二千二百十八億円を計上しております。その内訳としては、一般公共事業関係費一兆二千億円、災害復旧等事業費四千十七億円を計上するほか、教育・研究・医療・社会福祉等の各種施設等の整備を推進するため、施設費等六千二百億円を計上しております。さらに、一般会計及び特別会計におきまして、一般公共事業等に係る国庫債務負担行為総額一兆二千八百九十六億円を追加することとしております。また、中小企業等特別対策費等一千五億円を計上しております。  このほか、歳出の追加として、地方交付税交付金につきまして、後ほど申し述べますように、当初予算において講じた地方交付税の年度間調整としての特例措置を縮減することとし、四百六十四億円を計上するほか、ロシア連邦等に対する支援を行う等のため、その他の経費六百六十四億円を計上しております。  これらを合わせた歳出の追加総額は二兆四千三百五十一億円となっております。  他方、歳出の修正減少として、まず、今回の経済対策に盛り込まれた税制上の措置を実施することに伴い、地方交付税の算定の基礎となる所得税及び法人税の収入見込み額が減少することから、地方交付税交付金を四百六十四億円減額しておりますが、これにつきましては、先ほど申し述べましたように、地方交付税交付金四百六十四億円を追加することにより、平成五年度の地方財政の円滑な運営に支障を生じることのないよう当初予算額どおりの地方交付税総額を確保することとしております。さらに、年度開始直後ではありますが、今回の補正予算における財源を捻出するためのやむを得ざる措置として、予備費の減額二千億円を計上しております。したがいまして、今後、年度途中に予想される追加財政需要につきましては、厳に慎重な態度で臨む必要があると考えております。  これらを合わせた歳出の修正減少総額は二千四百六十四億円となっております。  次に、歳入の補正について申し上げます。  まず、歳入の追加につきましては、その他収入につきまして、皇太子殿下御成婚記念貨幣の発行に伴う増収六百二十五億円を含め、八百八十七億円を計上するほか、今回の経済対策を実施するためのやむを得ざる措置として、公共事業関係費等の追加に対応するものについて建設公債二兆二千四百六十億円を追加発行することとしております。  他方、歳入の修正減少として、今回の経済対策に盛り込まれた税制上の措置を実施することに伴い、租税及び印紙収入につきまして、一千四百六十億円を減額しております。  以上によりまして、平成五年度一般会計補正後予算の総額は、歳入歳出とも当初予算に対し、二兆一千八百八十七億円増加し、七十四兆五千四百三十五億円となっております。  特別会計予算につきましては、国立学校特別会計、道路整備特別会計等十九特別会計におきまして、所要の補正を行うこととしております。  政府関係機関予算につきましては、国民金融公庫、中小企業金融公庫等八政府関係機関におきまして、所要の補正を行うこととしております。  財政投融資計画につきましては、今回の経済対策を実施するため、この補正予算におきまして、住宅金融公庫、中小企業金融公庫等三十一機関に対し、総額三兆一千五百六十七億円の追加を行うこととしております。  以上、平成五年度補正予算につきまして、その内容を御説明いたしましたが、なお詳細にわたる点につきましては、政府委員をして補足説明いたさせます。  我が国経済の足取りを一層確かなものとするためにも、何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これにて大蔵大臣の説明は終わりました。  引き続き、補足説明を聴取いたします。斎藤主計局長。

斎藤次郎大蔵省主計局長

○斎藤(次)政府委員 平成五年度補正予算の内容につきましては、ただいま大蔵大臣から御説明いたしましたとおりでありますが、なお、若干の点につきまして、補足説明いたします。  まず、一般会計予算の歳出の補正につきまして、御説明いたします。  公共事業等の追加のうち、一般公共事業関係費につきましては、治山治水対策事業費一千八百八十億円、道路整備事業費三千五百四十億円、港湾漁港空港整備事業費七百八十五億円、住宅対策費一千二億円、下水道環境衛生等施設整備費二千六百六十一億円、農業農村整備費一千七百七億円、林道工業用水等事業費四百十億円及び調整費等十五億円をそれぞれ追加することとしております。  また、施設費等のうち主なものは、国立学校船舶建造及び施設費一千七百二十億円、国立病院及び療養所施設費三百十三億円及び社会福祉施設整備費二百六十八億円であります。  中小企業等特別対策費等の内訳は、中小企業等特別対策費八百七億円及び産業投資特別会計(産業投資勘定)へ繰り入れ等百九十八億円であります。中小企業等特別対策費のうち主なものは、中小企業信用保険公庫出資金三百四十二億円、中小企業金融公庫出資金百四十三億円及び国民金融公庫出資金八十七億円であります。産業投資特別会計(産業投資勘定)へ繰り入れ等百九十八億円は、日本開発銀行等への出資を行うために必要な経費であります。  地方交付税交付金四百六十四億円は、当初予算において講じた地方交付税の年度間調整としての特例措置の縮減による追加であります。  その他の経費の内訳は、対ロシア連邦等支援関係四百十一億円及び国債整理基金特別会計への繰り入れ二百五十三億円であります。  地方交付税交付金の減額四百六十四億円は、今回の経済対策に盛り込まれた税制上の措置を実施することに伴い、地方交付税の算定の基礎となる所得税及び法人税の収入見込み額が減少することによる地方交付税交付金の修正減少額であります。  予備費につきましては、当初予算計上額のうち二千億円を修正減少することとしております。  次に、一般会計予算の歳入の補正につきまして、御説明いたします。  その他収入の内訳は、皇太子殿下御成婚記念貨幣の発行に伴う貨幣回収準備資金受け入れ六百二十五億円及び公共事業費負担金二百六十二億円であります。  公債につきましては、二兆二千四百六十億円を追加発行することとしております。この結果、五年度の公債発行額は、十兆三千七百六十億円となります。  租税及び印紙収入につきましては、今回の経済対策に盛り込まれた税制上の措置を実施することに伴い、源泉所得税七百九十億円、申告所得税百三十億円、法人税五百三十億円及び法人特別税十億円の減少を見込んでおり、全体として一千四百六十億円の減収となっております。  特別会計予算につきましては、国立学校特別会計、道路整備特別会計等十九特別会計におきまして、所要の補正を行うこととしております。  政府関係機関予算につきましては、国民金融公庫、中小企業金融公庫等八政府関係機関におきまして、所要の補正を行うこととしております。  財政投融資計画につきましては、今回の経済対策を実施するため、この補正予算におきまして、住宅金融公庫、中小企業金融公庫等三十一機関に対し、総額三兆一千五百六十七億円の追加を行うこととしております。  以上、平成五年度補正予算についての補足説明をいたしました。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これにて補足説明は終わりました。     ―――――――――――――

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。鴻池祥肇君。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 いよいよカンボジアの総選挙が二十三日に迫ってまいりました。大詰めを迎える段階に入ってきたわけでございますけれども、国民の目、世界の目はカンボジアに向けられている、こういうときでございますので、この補正予算の審議の日程の中にも大いにこのPKOの議論を深めようという時間も後日あるようでございますけれども、私からも総理並びに政府に、カンボジアに対する今、そして今後について、まず御質問をさせていただきたいと思います。  その前に、志半ばにしてカンボジアの地で凶弾に倒れられました国連ボランティアの中田さん、そして文民警察の高田警視のみたまに心から敬意を表し、そして御冥福を祈るものでございます。また、残されました御家族のあの気丈で立派な振る舞いを拝見するときに、その心の奥底の悲しみというものを拝察し、心よりこれもお悔やみを申し上げるものでございます。  さて、私は二年前の二月一日、これは湾岸戦争のさなかでございましたけれども、ヨルダンのアンマン郊外、砂漠の道を数時間走りましたところにアズラクというところがございまして、そのアズラクで湾岸戦争の戦火を逃れた避難民、安全なところへ、安心できるところへ逃れ出た避難民が二千名キャンプをいたしておりました。海部総理のときでございます。人道上のことゆえに、そういう避難をされる人々がより安全なところに、安心できるところに我々もお手伝いをしなきゃいかぬということで、C130、自衛隊機を飛ばすことも考えておる、こういう発言を受けまして、自民党より山口敏夫先生を団長とする湾岸の視察団、エジプト、ヨルダン、シリア、そういう国々で受け入れてくれるか、あるいは避難民の状況の視察に参ったわけでございます。  そのアズラクのキャンプで、砂漠でありますけれども、夕方からはもう氷点下になるような寒さであります。おなかの大きな若い夫婦あるいは老人、随分大勢、毛布一枚で脱出先を探し求めておったときであります。そのときに、ちょうど真ん中に大きなテントがありました。そこにはいわゆる国連ボランティアの青年たちが懸命の努力をし、かいがいしく働いておりました。ジャンパーの左のかいなには自分の国の小さな国旗を縫いつけて、そして懸命にいろいろな人の介護に当たる、お世話をされておるのを見て、感動を今も思い出すところでございます。  そして私は、どうかこの左のかいなに小さな日の丸をつけて働いてくれている青年を、どこにいるだろうかと思って一生懸命探しましたけれども、残念ながら一人も見当たりませんでした。たった一人として見当たらなかったのでございます。そして、結果的には、海部総理の発言をされました自衛隊機をもって避難民の救助に当たる、これも、だめなものはだめと、その反対運動のせいもありましたのでしょうか、とうとう飛ばずに終わりました。  あの湾岸戦争で我が国は増税までして、そして巨額の支援金を出したわけでありますけれども、どの国からも感謝もされずに、逆に、小切手を、金ばかりを出す、そういう金満国家日本というそしりを受けた、そういう記憶も新しいところでございます。しかし、その後、海上自衛隊によります掃海艇が大変な成果を上げてくれました。その評価も上がったというところも記憶に新しいところでございます。  その後、PKF、PKOの議論が随分高まったと承知をしておるわけでございます。PKOって何だと、よくそのころに聞かれました。私は、このように表現をいたしました。今まで御近所で火事があっても、自分の家は安全だから庭からその火事を眺めておっただけ、そして火事が済んだら火事見舞いの応分のお金を持っていっただけ、そういう日本であったけれども、これからはそうであってばかりではならない、御近所で火事があったらとにかく行って、消火活動のお手伝いをしよう、バケツリレーをしよう、これがPKOなんだよと言って、若い我々の仲間にも話しました。しかし、危ないところへは行かないんだ、危険なところには行かないんだという総理初め政府首脳の再三繰り返されている言葉も私はつけ加えて話をしておったのであります。  そこで、まずカンボジアにおける総選挙のスケジュール、そして各国のいわゆる選挙監視要員の具体的な業務についてお伺いしたいと思います。

萩次郎総理府国際平和協力本部事務局次長

○萩政府委員 各国の選挙要員、約千四百人でございますが、各地の投票所におきまして、選挙投票の監視それから選挙全体の管理、その後開票の立ち会い、そして最後には報告書の提出といったようなことを具体的な業務としております。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 先ほどの、危険なところには行かない、行かせないということに関連をいたしまして、危険であるはずがないそのPKO、UNTACの活動において、UNTACのカンボジアにおける活動が起きてから、行動が起きてから本日に至るまで、何名の犠牲者、死亡された方、また負傷された方が出たのでありましょうか。お知らせいただきたいと思います。

萩次郎総理府国際平和協力本部事務局次長

○萩政府委員 今ちょっと詳細な資料を持っておりませんのであれでございますが、もし間違っておりましたら後刻修正いたしますが、私の記憶では、敵対行為で死亡されたUNTAC関係者は十四名、事故、病気等で亡くなられた方がたしか四十一名であったと思います。  けがをされた方の詳細についてはちょっと今記憶がございません。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 結構でございます。  私が聞きたかったのは、日本の青年二人が犠牲になりました。しかし、危険にさらされているのは日本の要員だけではないということを私たちは認識をしなければならないと思うのでございます。  そこで、村田自治大臣にお伺いしたいと思います。  あの痛ましい事件がありました直後に、最初には、今答弁をいたしました国際平和協力本部事務局萩次長がカンボジアを訪れまして、日本人文民警察官のプノンペン集結あるいは安全策を求めに行ったはずであります。拒否をされた、このようにも承っております。その後大臣がお出かけになりまして、配慮を要請されたようでございますが、報道によりますと、UNTACの明石代表もサンダーソン司令官も日本だけを特別扱いにはできないんだと、従来の立場を堅持したと承っておりますけれども、五月十日に大臣が行かれまして、UNTACの明石代表への申し入れ、具体的にはどういうことを申し入れられたのでありましょうか。お伺いしたいと思います。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 鴻池委員にお答えを申し上げます。  宮澤総理の御指示によりまして、五月八日から五月十二日まで、バンコクを経由してカンボジアに参りました。  そして、主たる用務は、今鴻池委員の御指摘になる明石康国連特別UNTAC代表とお話をして、そして日本の派遣要員の安全、これは世界三十二カ国から二万六千人が派遣をされております。そして、日本から派遣をされておりますのは、文民警察官それから自衛隊さらに選挙監視要員等を含めて七百数十名と承知をしておりますが、全体の約三%前後の人数であろうかと思います。その方々を、三十二カ国、世界の中において日本から派遣をされた方々の安全をぜひ確保したい、世界とともに確保したい、そういうことで行ってまいりまして、五月十日の朝、正味一時間半、明石代表と会談をいたしました。今川大使が同席し、そしてUNTACの方ではルースという文民警察官の総隊長が途中から出席をしたわけでございます。  私は、まず宮澤総理の言っておられました、UNTACの方針に日本としては全面的に御協力を申し上げるということを申し上げ、そして文民警察官、自衛隊等の派遣をされております要員の安全の確保について、世界三十二カ国の方々と同様にぜひひとつこれを万全を期して確保していただきたい、こういうことを申し入れたのでございます。  これに対して明石康代表は、極めて誠実な答弁でありまして、大要を申し上げますと、そのことについては全面的におこたえをしたい、そして今お答えのできないことは早急に相談をして日本側に逐一御報告を申し上げる。そこで、私は、非常に事は緊急を要しますので、非常に急いでやってほしいということを要望いたしました。  そして、着々と実施をされておるのでありますが、特に、まず投票所を千八百カ所から千四百カ所に減らす。さらに、危険であると思われる投票所については減少を考える。それから、要員の派遣の安全確保については、防弾チョッキであるとかあるいはヘルメットであるとかそういう安全確保の防具を、例えば防弾チョッキはそのとき六千着と言われたと思います、用意することはもちろんであるが、そのほかにも現地をいろいろと調査をして緊急に対応したい、そういうような答弁がありまして、私どもは誠心誠意話し合ったつもりでございます。  その証拠には、もう翌日は防弾チョッキ等が日本の方に配備をされておりました。そして、投票所の縮小その他、着々とそういったことが私は誠実に履行されつつあると了解をしております。  そこで、私は東京に帰りましてから直ちに宮澤総理に御報告を申し上げまして、それに対する対応を宮澤総理を中心に緊急にやっておるところでございまして、今鴻池委員の御質問に対しては、まずそういった点をお答え申し上げておきます。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 萩次長にお伺いをした方がいいかもしれません。  十四日に柳井局長がプノンペンに到着をされております。日本の要員の安全確保のお仕事だろうとは思うのですけれども、どういう行動をされているか御報告をいただきたいと思います。

萩次郎総理府国際平和協力本部事務局次長

○萩政府委員 柳井局長、先ほど成田に着きましてこちらに向かっておると思いますが、私もまだ詳細を聞いておりませんが、要員の再配置等要員の安全対策についてはUNTACとしても最大限の努力をしているということ、それから要員の再配置というのは、特に文民警察につきましては投票所と一体不可分な関係に現在なりつつあるということでございますので、文民警察の再配置は投票所の数がどの程度削減されるかによってかなり変化が出てくるということでございます。投票所の数は現在も減らしつつあるが、状況を見てさらに減らしていくということでございます。  二十三日から投票がありますので、日々状況が変わるわけでございますが、現在そういう状況であるというふうに漏れ聞いております。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 村田自治大臣、御多忙と存じますので、この一問お答えをいただいて、お出かけをいただきたいと思いますが、五月十八日に、日本のPKF凍結には問題があると、PKO協力法の見直し問題というのを御発言なさったやに、これは新聞報道でございますが拝見をいたしましたが、それはそのとおりでございましょうか。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 御指摘の日の記者会見でございますが、これは閣議後に記者会見をしたときに私の申し上げた発言でございます。  と申しますのは、私は、プノンペンに参りまして、また、現地も視察をいたしました。そして、負傷をせられた文民警察官もお見舞いをいたしました。そしてまた、UNTAC要員やUNTAC関係の方々、特に日本から派遣をされておる隊員の方々、ボランティアの方々とも懇談の機会を持ちました。そういった私自身の印象から、これは本当に何としても今後とうとい命を落とされることのないように全力を挙げて守らなければならないが、そのためにはPKO法、PKF関係は凍結をされておる、こういったことについてよく研究をしなければならないときではないか。要は、世界の中で目がカンボジアに向けられておる、しかも、どうしてもこのカンボジアの制憲議会の選挙は、今後ともカンボジア国民の方のことを思うと、どうしてもやっていただかなければならない選挙だと思う、そして憲法を制定して民主主義国家になってもらいたい、そういう気持ちのもとにそのことを申し上げたわけでございます。  何としても日本から派遣されておる要員の方々が本当に安全であっていただきたいわけでございますし、世界から派遣をされておられます要員の方々が安全で、カンボジアの制憲議会の選挙が、もう二十三日から二十八日、まさに目睫の間に迫っておるわけでありますから、これをやり遂げてもらいたいという本当に私も心からの願い、祈りを持っておりまして、毎朝テレビを見ながらカンボジアのことを見て、本当にそのことを祈っておるような次第でございます。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 自治大臣、ありがとうございました。  武藤外務大臣にお尋ねをしたいわけでございます。  ただいまの村田自治大臣と同じくして、PKF凍結解除に言及をされておりました。けさの新聞を拝見いたしましたら、法律見直しということに修正をされたやにも承りました。そのあたりはいかがでございましょう。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○武藤国務大臣 私も、高田、中田両氏のあのような痛ましい事故が二度と起きてはいけない。しかしながら、彼らは丸腰で行動しておったわけでございまして、せっかく日本の自衛隊が派遣されている、今施設部隊として派遣されている、できれば、この自衛隊が警護に当たることができるならばあのような事件は起きなかったかもしれない、こんなことを考えますと、何とかその辺の警護のことを考えなければいけないと思っておりまして、たまたま私も同じように記者会見で、警護のためにはPKFの凍結を解除したらどうか、こういう話がありましたから、それは私も検討しましょうと、こういうことで、帰って法律を読んでみますと、なかなかこれ読めないということがはっきりいたしました。今の凍結されている部分を解除してもこれ読めない。となれば、PKO法そのものを改正をしなければいけない。  しかし、私は今すぐということを言っているわけではございませんので、外務委員会でも答弁をいたしておりますように、国民の皆さんに、やはり今度のカンボジアにおけるこのようなことはなかなか想定し得なかったこともあったと思うのです。私は、カンボジアにおけるいろいろの結果を国民の皆さんに我々としてはよくお話をし、そしてやはり、今後PKO法の見直しというものをやっていくにはこういう問題があります、こういう点にやはり問題があったと思いますということを国民によくお話をし、御理解を得た上においては、必ずしも三年を経過しなくても、国民がぜひそれやったらいいじゃないかということになれば、私は法律の見直しをしていいんじゃないか、こういうことをきのう答弁をいたしたわけであります。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 ただいまの両大臣のお話を受けまして、総理並びに官房長官の御意見を承りたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 二人の有為な青年を失いましたことを、まことに申しわけないと思っております。  これは、我々が実際上初めて行います国際平和協力を考えます上でまことに貴重な体験であると考えておりますが、今現に急迫した事態の中で対応すべきことはすぐにでもいたさなければなりませんし、いたしつつございます。しかし同時に、我々の国際平和協力ということは、これから将来にわたって長くしていかなければならない貢献でございますので、当面の問題は当面の問題といたしまして、今後にわたってこの法律をどのように運用し、あるいは場合によって改めるべきかということは、将来にわたって長い時間の間で考えていかなければならない要素が多いように思います。  実際、今回起こりましたことを考えますと、せんだってもガリ事務総長が言われましたように、武装解除が完全に行い得なかった、不完全であったということは、当初予想された事態では必ずしもございませんでした。現実に起こりました不幸なことはそこから起こっておると申しても過言ではないと思います。この法律が制定されます過程で、政府といたしましても、また国会におかれましても、過去における国連の国際平和協力の幾つかの事例を御検討になって、その平均的なケースを考えつつこの法律が制定されておりますが、おのおののケース、おのおのやはり違った部分を持っておるということが、このたびの武装解除が完全には行われ得なかったというようなことにもあらわれておるのであろうと思いますが、たまたま我々はそういうケースに現実に遭遇をいたしました。  他方で、この法律の制定の過程でもう一つ、国会も政府も大事に考えましたことは、我が国の憲法のもとで、我々の国際平和協力というものは我が国なりのやはり一つの制約と特色を持たなければならないということから、五原則というものがこの法律を貫いておるわけでございます。そのような五原則を、今後、私は基本の考え方として変わることはなかろうと思いますが、今後現実にどのように適用していくかということにつきましても、今回の我々の経験はいろいろ示唆をいたしておると思いますし、また、派遣いたしました部隊の場合といわゆる要員の場合とはいろいろ違ったケースがあり得るということも体験をいたしております。  それらいろいろな体験の中から、今回のことは今回のこととして緊急かつ急速に対応いたさなければなりませんが、この今回のことを将来に向かってどのように生かしていくか、それによりまして法律をどのように運用し、あるいは改正するかということは、やはり多少の時間の展望の中で私は考える必要があるだろう。もとより、今回のことにかんがみまして、この法律の内容、運用につきましては、いろいろな御意見が起こることは当然で、それは極めて望ましいことであります。政府部内でもいろいろな検討をいたしておりますけれども、しかし、将来のことを、遠い将来を考えてまいります場合には、やはり多少そういう時間の展望というものも恐らく必要であると考えますので、検討はすぐにでも、またこの経験にかんがみて現実に行われつつございますけれども、それが法律の仮に見直しというようなことになってまいりますためには、多少の、その間に時間をかけていたすことの方が将来に向かって大切なことではないだろうか、私はそういう考えを持っております。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 ごもっともなことだと存じますけれども、武藤大臣の御発言のこの長さと総理の御発言の長さがいささか違うような感じがいたしますのですが、武藤大臣、いかがでございましょう。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○武藤国務大臣 私は、先ほど申し上げましたように、やはり国民によくお話をし、御理解を得るという努力をしてから、そして国民の御理解を得られたときにはと、こう申し上げているわけでございまして、それが長くかかるのか短くて済むのか、私は懸命の、やはりこれは真剣に、生命にかかわる問題でございます。  特に私、あの法律を読ませていただいて、そういう丸腰の方々の警護の面というのは全然ございません。やはりこの点については、国民の皆さんにあのような事件ができて本当にショックだったと思います。その国民によくお話をするということは、私は非常に必要ではないか。その中から世論がどういう方向になっていくのか、それを見定めて、それから私どもは場合によれば法律の見直しをしなければいけないのじゃないだろうか。期間については、私は早くとも言っておりません。総理も今十分時間をかけてとおっしゃっておられます。私もできる限りこういうことは国民の合意が必要でございますから、その努力をしてまいりたいと思っております。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 カンボジアの平和に向かってそれぞれが懸命の努力をしている中で、大変危険な状況が頻繁に起きておる。UNTACも当然苦悩の中にあることだと思いますし、総理初め外務大臣、皆様方の苦悩、そしてまた我々与野党問わず、苦悩の中にいるものだと存じます。そのPKFの凍結解除の問題あるいは法案の整備のいつであるかということは、今私も突き詰めて申し上げるつもりはございません。  しかし、和平はひょっとしたら空中分解するのではないか、そういう危機にさらされているという報道に毎日接しているわけでございます。そして、情緒的な表現かもしれませんけれども、高田警視のひつぎをじっと見守っておったあの幼い子供、その姿を思い浮かべるときに、小泉郵政大臣の発言というものにやはり同調される方々も多いのではないかという気持ちがいたします。  郵政大臣、この件でここで御発言をしていただきたいのですが、いかがですか。

小泉純一郎自由民主党郵政大臣

○小泉国務大臣 私は、国際貢献活動の重要性というのは、自分なりに理解しているつもりであります。しかし、中田さんの死や高田さんのあの死の後、一部の論調に、当然このくらいの危険は承知のはずで出ていったはずだ、ある程度の犠牲はやむを得ないんだという論調が日本の一部に出てきた。そういうのを見まして、これは違うんじゃないか。当然PKOの要員の皆さんはそれなりの覚悟をして行ったと思いますが、日本のPKO隊員は、きつい仕事だ、ある程度危険が伴うのかもしれない、しかし今まで危険にさらされているような状態に行くとは、私は想定していなかったと思います。それを前提にして、そのくらいのことは当然だという議論が出てきたから、これはちょっと待ってくれ、こんなはずじゃなかった。  特に、イラクがクウェートを侵略した後、あの湾岸戦争から昨年のPKO法案が成立するまでのこの三年近くの議論を振り返ってみる必要がある。  私はこう解釈しているのです。イラクがクウェートを侵略した後、国連平和協力法案が海部内閣から提出されました。そのとき、あの国連平和協力法は廃案になったのです。あのとき日本の国民、日本の政府は一つの結論を出したと思います。どういう結論がというと、日本国民は自由とか平和の重要性は十分認識している。しかし、自由と平和のために、よその国の国民を救うために、日本は、日本政府は、日本の青年の血を流してまでよその国の自由と平和を回復するつもりはありません。しかし、廃案になった。私はこう理解しているのです。  アメリカとかイギリスとかフランスとか、日本が支援をしているバングラデシュでさえも軍隊を投入してあの湾岸戦争、多国籍軍として出したんです。それで、ところが日本は、憲法の前文もあります、憲法の九条もあります。平和の日本国民が血を流すときは、それは日本の国民の自由と平和が侵されたときは、これは立ち上がるけれども、残念ながら、よその国のそういう自由と平和のために血を流してまで、そういうクウェートを救うために軍隊を出すことはできません、自衛隊を出すことはできませんということを表明したのです。それで、せめてお金を出しますということで一兆三千億円余の資金を提供した。  ところが、果たしてこれでいいだろうかという、日本国民の中に反省が出てきた。これは日本の憲法の前文と、そして憲法の九条を考えてぎりぎりの、果たして、日本は国際社会の中で名誉ある地位を占めたいと思う、これはどうしようか、やはりお金だけじゃ国際社会の中で名誉ある地位を占めることはできない。そこで考え出したのが、お金も出します。物も出します、そして汗を流しましょう、人的貢献をしますということでPKOの法案が昨年私は成立したんだと思います。  しかし、国民の議論の中で、お金も出します、物も出します、そして人的貢献もします、汗を流しましょうという議論だったけれども、血を流してまでという、よその国とはちょっと違った姿勢を日本国政府は、日本国民は選択したんだと思います。それは憲法の前文と憲法の九条のぎりぎりの考えだったと私は思うのです。これはある程度国際社会から、それは日本国民は自己中心的ではないかと言われても仕方ない、そういう選択をしたのですから。それを当面はしっかり踏まえて議論すべきときではないか。  ですから、今回もある程度自衛隊に対して、あるいは文民警察官に対して、民間ボランティアに対して、このくらいの、常に死と隣り合わせているような、そういう危険は承知じゃないかというのは、それはよその国のPKO要員と覚悟が違う、合意が違う、その点を理解してやらないと、今の状況に合わせてほかの国のPKO要員と一緒の覚悟と用意をさせるのは、これは日本国会の議論にはなかった。その辺を踏まえて安全対策等よく検討すべきだし、そしてこのPKO法案の趣旨にないような状況だったら、これは業務の中断とかあるいは撤収とか、これも選択肢の一つとして検討すべき時期ではないかということを言ったわけでありまして、私はこれが日本国民の普通の感覚じゃないかということを言ったまででありますが、政府としては国際貢献の重要性も認識して今頑張っているわけですから、その点私の意見も踏まえて、宮澤総理初め政府は今一生懸命対応している、私はそういうふうに理解しております。(発言する者あり)

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 御静粛にお願い申し上げます。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 政府の懸命の御努力、いろいろな苦しい中での深いお考えというのは察するに余りあるものは私にもございます。  ただ、この数日間の手元にある新聞を見ましただけでも、「カンボジア総選挙 広がるテロの恐怖」「SNC傘下に三派統合軍 UNTACが編成検討」「綱渡りの和平 UNTACの苦悩深く」「内戦から軍事介入も」「支援再開棚上げ 先進国・IMF、事態見守る」、「三派への武器返却反対 各派に自制要請」、これは外相が言われました。「銃が守る総選挙」「「選挙実施なら内戦も」 カンボジア ポト派議長が警告」「カンボジア 国連職員の家族 選挙中、国外退去」「欧州文民警察官が離脱 危険地域の七人 二人は帰国 三人は復帰 「安全保証ない」」「再び内戦に戻る可能性も」「UNTAC撤退 ポト派が要求」、ほんの手元の新聞を切り抜いただけでこれでございます。  そして今の、私は小泉大臣の御発言に対して私なりの意見も後ほど申し上げるつもりでありますけれども、先ほど来、日本人は日本人で守らなきゃならない、そういうふうにはおっしゃいませんでしたけれども、その心で法律というものももう一度考えなきゃならぬのではないか私はそのように思っております。しかし、片方では、汗はいいけれども血まで流すとだれが約束したという御意見もあります。いい悪いということではありません。  しかし、今私がこのスクラップの見出しだけを読み上げましたように、極めて血の流れる、そういうおそれの、そういう時期に来ていると思うわけでございますけれども、総理は現状のままで日本のPKO活動というものを継続される、そういうおつもりでいらっしゃいますかどうか、お聞かせいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 先ほども申し上げたことでございますが、このような貴重な犠牲が出たということは、これは当然のこととして予想されておったわけではございません。私は、犠牲になられた御遺族に対して、我々としての安全措置がもっと万全であればこのようなことは起こらなかったかもしれない、そういう意味では大変申しわけないことだと申し上げましたが、そのとおり思っています。ですから、我々としてこの緊急事態には緊急に対処をいたさなければならないということは先ほども申し上げました。  小泉大臣の言われますことは、こういうことが当然のこととして予想されておったわけではない、私はそのとおりだと思います。そして、そういう御議論については、この法案の長い御審議の中で随分何度も御議論になっていたところでございます。  先刻も申しましたように、ブトロス・ガリ事務総長の言われるような、武装解除が完全に行われなかったという予想されなかった事態がこの遠因と思われますが、そのようないわば一つ一つの平和維持活動というのは、一つ一つのやはり特色を持っているということ、及び何度も御議論になりましたこの我が国の五原則というものとの関連の中で、この法律をこれから将来にわたってどういうふうに運用するか、見直すかということは、緊急の事態には緊急に対処いたしますが、将来にわたってのことでありますと、これだけ長い間の国会の御議論が両院でございました結果生まれたこの法律でございますから、我々は現実の事態から学んで、そして将来に向かってこれをどうするかということは、多少時間をかけた展望の中で私は考えるべきものだと、そういうふうに思っておるわけでございます。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 ただいま私は新聞のスクラップを読ませていただきましたけれども、ひとつ萩次長に今のカンボジアの状況について、簡単で結構ですから、御説明いただきたいと思います。

萩次郎総理府国際平和協力本部事務局次長

○萩政府委員 全体的な情勢ということでございますと外務省にお尋ねいただくことが適当かと思いますが、大まかに申しますと、御存じのとおり、カンボジアの中でも北西部がかなり停戦違反、テロ行為が多い、その割にはいわゆるタケオ州を含む南西部は比較的リスクが低いというふうにUNTACも判断をしてございます。  しかしながら、テロ、襲撃事件というのは相手の意図によりましてはどこにでも起こり得るということでございますので、今般配置されましたタケオの選挙要員の安全対策につきましても、担当のフランス部隊と緊密な連絡をとりながら絶えず協議をしている、こういう状況でございます。

池田維外務省アジア局長

○池田政府委員 ただいま萩次長からも御答弁がございましたけれども、三日後の総選挙を控えまして幾つかの動きがございますが、治安面におきましては、ただいま御紹介がありましたように、局地的にテロ行為であるとかあるいは暴力行為というものが発生しておりまして、これはある意味ではパリ和平協定が当初想定していなかったような事態であるということは言えると思います。その点では治安状況が悪化しております。  しかしながら、それではカンボジアにおいて全面的な戦闘が行われているのかということになりますと、そういうことではございませんで、依然としてパリ和平協定の基本的な枠組みというものは維持されているというように認識しているわけでございます。  特に重要なことは、カンボジア国民の多数がこの選挙を望んでいるということでありまして、既に四百七十万人の、これは有権者の九〇%以上に当たると言われておりますが、その人たちが既に登録を行っております。そういった意味では、カンボジア国民の選挙に向けての意思というものは明確であるというように考えております。  それから、国際社会では、これまで繰り返し国連安保理の決議が出ましたし、十五日にはガリ事務総長の報告も出ておりますけれども、予定どおり選挙を行うということがカンボジアの永続的な和平のために必要だということを言っております。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 UNTAC明石代表初め皆さんが大変な御努力をしておるときにこういう表現はまずいかもしれませんけれども、本当に素朴な疑問として、選挙と言っておられるけれども、押しつけの選挙でうまくいくんだろうかというふうなそういう疑問も、私だけではないと思います。果たしてシアヌークという人で大丈夫なんだろうか、虚構の上に大統領という名前をくっつけてカンボジアがその後うまくいくんだろうか、いろいろな疑問があるわけでございますが、これは質問にはいたしません。  ただ、このPKO、先ほど小泉大臣の御発言がございましたけれども、私は別のところから、私も日本人の青年が他国のわけのわからない者に丸腰で撃たれるということについては極めて遺憾なことだと思います。しかし、私は、日本人としてのかつてなかった自尊心とか風格とかそういうものをこれから持っていくためには、ここで引いてはならない、ここで頑張って、そして歴史の中に日本人の気概というものをこの時点でやはりとどめなければ、過去のいろいろな歴史の状況の中で、私たちの子供、孫の代までそういう気概というものがなくなっていくのではないかという気がしてなりません。  私は、そういういろいろな事態を本当に心配をするものでありますけれども、苦しくてもあるいは危険であってもここで頑張ってほしいという気持ちを率直に申し上げたいと思います。  そして、この歴史の事実として私たちの子、孫に残していく、そういうものだと私は思いますけれども、総理はいかがでございますか。     〔委員長退席、石川委員長代理着席〕

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 そのために、十分な上にも十分のできるだけの安全対策を講じつつございます。また、そうでなければならないと思っております。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 いわゆる政府の見解は、停戦合意は崩れていない、協力体制を続けていく。それならば、国際貢献は汗だけではなく血を流すこともあるんだということを、そして危険なところへも行ってもらわなければならないということを明確に国民に訴える必要があるんではないでしょうか。私はそういう気がいたします。そして、事実上丸腰といった現状を是正すること、日本の自衛隊がフランスの軍人に守ってもらう、これで我々の気概が示されるんだろうか、私は早急にこの法律というものの見直しをお願いしたいということを申し上げたいと思います。  総理、何か御発言ございましたら、お願いいたします。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○河野国務大臣 鴻池議員もよく御承知のとおり、PKO活動というものは、いわば武器で相手を説得するのではなくて、権威とそして誠実さとそして将来に向けてのその国の国民との協力によって和平を実現をする、新しい国づくりをする、そういうところがPKOの最も大事なところでございます。  そういったところが認められてPKO活動というものはノーベル平和賞まで受けているわけでございまして、このPKO活動に、武器を持ってこの活動をやる、これはブトロス・ガリ事務総長は新しい考え方を持っておられるということを今言っておられますけれども、私どもはまずPKO活動というものはそういう、丸腰がいいかどうかという議論を今なさいましたけれども、基本的には力で和平を実現するということではなくて、その国の国民の話し合いあるいは周辺国の協力によって和平を達成をして、そしてそれを永続的、恒久的な和平にしていくためには、互いに力によらない話し合いによって、そして一つ一つの誠実な行動の積み重ねによって永続的な和平をつくるということが一つの理想なんでございます。その理想を達成するために国際社会が一致して一つ一つの仕事に当たっているわけでございます。  ただし、先ほど来お話がございますように、そうした中で、凶弾に倒れ、犠牲が出たということはまことに残念なことであり、こうしたその国の和平のために各国から貢献するために集まってきた人を撃つというようなことに対して私は本当に強い憤りを覚えますと同時に、そうしたことがあってはならぬというふうに思うわけです。しかし、現実にそういうこともあったわけでございますから、なお一層安全対策は強化をしていかなければならないということは考えておるわけでございます。  ただ、私申し上げたいと思いますことは、何十年にわたって何百万という国民の命を失って混乱状態であったカンボジアが、今話し合いによって新しい国をつくろう、その新しい国をつくるためには、まず第一歩である憲法を制定するための制憲議会選挙を成功させることが大事だ、そういう気持ちがあって有権者の九割を超える人たちが選挙登録を行っているというこの事実は、恐らくカンボジア人の気持ちが、何としてもこの選挙によって、力によってではない、民主的な手法によって新しい国をつくろうという、そういう気持ちなんですから、その気持ちをみんなで助け、みんなでそれに協力をしていくということが今大事なんだというふうに思っているわけです。  今大事なことは、当面大事なことは安全対策でありますけれども、しかし、それは何のための安全対策がといえば、今カンボジアの新しい国づくりをみんなで協力をしてやっていくという大きな目的があって、それに参加をするということをやはり忘れてはいけないんだ。そして、新しい平和な国が一つ生まれる、新しく生まれるということのためにみんなが力を合わせているということをまず頭に置いて、そうした作業をするに当たって徹底した安全対策をやっていくということが大事なんだというふうに考えているわけでございます。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 カンボジア情勢、PKOにつきましては、後日の集中審議も予定をされておることでございますので、私からの質問はこれで終わりたいと思います。  次に、ロシアに対する最近の政府の対応について承りたいと思いますが、エリツィン大統領が昨年の秋に訪日を予定しておったのが寸前で取りやめになりました。我々国民はその非礼に随分怒りました。政府は抗議をされたのでしょうか、どうでしょうか。

野村一成外務省欧亜局長

○野村(一)政府委員 お答え申し上げます。  今先生、昨年九月の訪日、これにつきましては、御案内のとおり、直前になりまして、既に合意された公式訪問についての突然の、まあ国内事情ということでございましたけれども、これに対しては遺憾の意を表明してございます。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 その後、欧米各国の対日経済支援というものに連動してと申しますか抗し切れずと申しますか、新たに十八億二千万ドルの支援をお決めになりました。今回の補正にも含まれておるわけでございますけれども、どのようなことにロシアで使われるのでしょうか。

野村一成外務省欧亜局長

○野村(一)政府委員 お答え申し上げます。  今回、四月に開催されました閣僚合同会議におきまして、我が国は、ロシアに対する二国間の援助といたしまして、約十八・二億ドル相当の支援策を発表いたしました。その実施に当たりましては、その特に無償支援部分につきましては、マネタイゼーションと申しますか、これは現実に医療とかあるいは食糧についての人道支援の部分でございますけれども、一億ドルでございますが、これは無償で物資を調達いたしまして、それで現実に、例えば極東の町なんかでそれを、これは日本の支援であるということを明確にした上で販売いたしまして、その販売した利益を、例えばハバロフスクでございますとその市の財政で、これはルーブル貨でございますけれども積み立てまして、それをさらに社会的な弱者に分配する、そういう方法でございまして、ある意味でロシアの市民に草の根レベルできちんとそれがわかる、そういうタイプの支援でございます。これを行います。  それからまた、特にロシアにおいて、経済改革の中におきまして、中小企業、民営化、そういった部分が非常に重要でございますので、それについても支援を行う。技術支援が主でございます。  さらにもう一つ重要なのは、私ども、ロシアの今の経済改革におきまして、特にエネルギー産業においてきちんと従来の生産が回復するという点が重要でございまして、そういった必要性にこたえる意味で、これは有償でございますけれども、十五億ドル相当の融資を行うということでございます。  いずれにいたしましても、この支援におきまして、ロシア国民に直接目に見えて、かつ届くということ、あるいは本当にその必要性にこたえるというのが支援を行う場合の非常に重要な基本的な考え方であろうというふうに理解しております。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 どう考えても、外交儀礼というものをいつも欠く国というかエリツィンという人だなというふうに国民は皆思っているんじゃないかと思います。  そういうところに、外務大臣は対ロ支援はすべてを超越するといったような御発言もあったやに承っておりますし、よく文言がわからなくなりました。政経不可分から拡大均衡、これは政策の変更でありましょうか。日本は経済支援と領土問題というのは切り離しておつき合いしていくんだ、こういうふうに思っておったのでありますけれども、領土問題を含む政治の分野においても日ロ関係の進展は全く見られていない、そういう状況の中で我が国はロシアの支援というものを拡大しておる。  政経不可分あるいは拡大均衡、そして五月の十四日に判明したと報道されておりますけれども、ロシア外交指針文書「外交政策の理念」に北方領土問題は存在せず、これをどう受けとめたらいいんだろうか。それでもロシアに支援をしなければならないという理由も含めて、外務大臣からお答えをいただきたい。

武藤嘉文自由民主党外務大臣

○武藤国務大臣 ロシア支援につきましては、今、政経不可分の原則と拡大均衡の原則というお話がございました。政経不可分というのは、我々は、政治面と経済面というのは、どこの国との関係においてもこれは不可分なものであるという意味で、基本的な原則だと思っております。ただ、ゴルバチョフ以前の状態にあっては、ソ連においては全く領土問題というものは存在しないということを相手は言っておりましたわけでありますから、そのような状態の中で経済だけが進んでいくということはおかしい、こういうことで政経不可分という原則が強調されてきたと思います。  ところが、ゴルバチョフ時代になりまして、領土問題を認める方向に来たわけでございます。そういうこともあったものでございますから、それ以降、外務省といたしましては拡大均衡という言葉を使うようになりまして、これは政治面と経済面と両方がお互いにいい影響を与え合いながらともに前進をしていく、こういうことで拡大均衡という言葉を使ってきたわけでございます。  しかし、今お話のございました、それじゃ領土問題は存在しないということが報道されたではないかということでございますが、これは私どもの方からもそれはおかしいんじゃないかということを申しまして、この間向こうから、そのような内容については全く事実無根である、在日ロシア大使館がそのようにこれを訂正をいたしたわけでございます。  そこで、しかしながら我々は、拡大均衡とは言いながら、やはり本格的といいますか、あるいは大規模というか、そういうような援助はできないということでございまして、私がたまたまそのような援助のあり方を申し上げましたのは、たまたまG7の関係閣僚会議でございましたので、その中で、国際協調の中においては応分のということを、私は少し表現が大きかったのは反省をいたしておりますが、応分の援助をしなきゃいけないということで、私どもはそのような方向で先ほどお話のあった数字を決めたわけであります。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 私は、今政府に欠けておるところは、なぜロシアにそれだけ支援をしなきゃいかぬのかということは国民がわかっていない。極めて単純に言えば、来ると言って来なかった、また来ると言って来なかった、それで過去のことを考えれば、とんでもないことをしやがった国、それにどうしてそんなに応分の支援をしなきゃいかぬのだろう、町の声でございますけれども。私どもはわかります。核の問題もあるでしょう、海洋投棄の問題。今ロシアが倒れるといろいろな問題が起きてくるということも理解をするわけでございますけれども、私は、機会あるごとに、政府がなぜロシアに支援をしなければいかぬのかということをしっかりと国民にわからしめる、そういう努力が必要なのではないかと思うわけでございます。  ただ、我が国が国際協調というものを重視してロシア支援を行う、政府がそれを行う、そのときには、もう一度我が国が確認をしておかなければならない、あるいは風化させてはならない、先ほどのPKO論議ではありませんけれども、歴史に刻んで忘れてはならないということがたくさんあると思います。  例えば、申し上げます。昭和二十年八月九日、ソ連は突如として対日参戦した、日本がポツダム宣言を受け入れた八月十五日の停戦以降も侵略が続けられた、こういうことであります。  日ソ中立条約の違反。一九四一年四月十三日署名の日ソ中立条約は、五年間効力を有する旨及びいずれの一方も有効期間満了の一年前に廃棄通告をしない場合には自動的に五年間延長されたものとして認められる旨規定しておりました。一九四五年四月五日のソ連の廃棄通告により、同条約は一九四六年四月二十五日に失効するということになっておったはずでありますけれども、その中立条約違反が行われた。  文部省にお聞きしますけれども、こういった歴史上の事実は、中学、高校の歴史の教科書にどのように記載されておるのでありましょうか。大臣、恐れ入ります。

森山眞弓自由民主党文部大臣

○森山国務大臣 日ソ不可侵条約、日ソ中立条約につきましては、中学校、高等学校の日本史の教科書のすべてに記述されておりまして、その大半におきまして、ソ連の対日参戦が日ソ中立条約を破棄して行われたものであるということがはっきりと書かれております。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 まだまだいっぱい調べてまいりました。省略はしますけれども、一つだけ申し上げなきゃいかぬのは、シベリア抑留のことでございます。  ソ連は、不法に侵略した満州、樺太、千島において、日本兵、民間人約六十万人をシベリアなどソ連全土の収容所、これは二千カ所あったそうでありますけれども、そこに連行し、数年間にわたって鉄道、道路建設、炭鉱などの強制労働に従事させた。まくら木一本人一人と言われるように、氷点下四十度、五十度の寒さの中で厳しい労働を強いられたということであります。  文部大臣、そういうことも記述されておりますか。

森山眞弓自由民主党文部大臣

○森山国務大臣 ソ連のシベリア抑留の事実につきましては、高等学校の日本史の教科書の中で、例えば「ソ連に降伏した五十万以上の軍人や居留民はシベリアの収容所に移送され、厳寒のなかで何年間も強制労働に従事させられて、五万人以上の人命が失われた。」などという記述が見られております。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 これも風化させてはならないことだと存じます。  ポツダム宣言第九項は次のように規定しております。「日本国軍隊ハ完全ニ武装ヲ解除セラレタル後各自ノ家庭ニ復帰シ平和的且生産的ノ生活ヲ営ムノ機会ヲ待シメラルベシ」、こういうことであります。だんだん風化されてきている。私たちの子供に言ってもそんなことは全然知りません。  いろいろ調べてきておるのですが時間の都合で省略いたしますが、それぞれ随分我が国に対して無礼の数々というのがあるように思います。戦後の日本に対する軍事的な脅威、領空侵犯、北方海域での拿捕件数は千七百十八隻、一万四千四百十人。最近、原子力潜水艦の老朽原子炉などが、放射性廃棄物が日本海に投げ捨てられておる、これがずっと続いておる、こういう状況でもあります。  私は、このソ連の支援については、今政府に申し上げましたように、なぜしなければならないのかという愚直な疑問を持っている日本人というのは意外と多いんですよということを申し上げたかったわけであります。  旧ソ連、ロシアに絡んでいろんな情報が飛び交っております。色丹島の一部、二百七十八ヘクタールを香港の会社が五十年間借りる契約を結んでいた。昨年九月ごろの報道でありますけれども、これは外務省、御存じてしたか。

野村一成外務省欧亜局長

○野村(一)政府委員 お答え申し上げます。  香港の企業による色丹島の土地の賃借という件でございますけれども、去年の九月に香港の企業、企業名はたしかカールソン・アンド・カプランといいますけれども、それが色丹島の土地を五十年間にわたって賃借する契約を締結した、そういう報道がございました。  それを受けまして、私どもはすぐ、十四日でございますけれども、ロシア政府に対しまして二つの点をきちんと申し入れました。  一つは、色丹島を含む北方領土、これは我が国の固有の領土であるということ、それからもう一つは、事実関係をロシアの方できちんと究明した上で、サハリン州あるいは北方領土の当局者に対し働きかけて、しかるべききちんとした指導、指揮をとるように要請する、そういう点を申し入れました。  あわせて、この点についてはロシア政府に累次折衝、申し入れを重ねたと同時に、先ほど申しました香港の企業に対しても、こういった日本の基本的な立場というのを累次説明いたしました。翌月でございますけれども、その香港の企業から私どもの香港の総領事館に対しまして、こういった契約は履行しないということの表明がきちんとございました。  いずれにいたしましても、先ほど申しました私どもの基本的な立場からいたしますと、色丹、今の場合は色丹島でございますけれども、これを含む北方領土は我が国の固有の領土でございますから、この固有の領土の今の現状、ロシアにおける占拠を既成事実化する、そういった行為については、先ほど申しました基本的な立場で今後とも引き続き対処するということでございます。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 それに暗躍をしたという人物が楊文虎という人物だそうでございますけれども、埼玉県に住んでおって、東京のパチスロ店というのは何ですか、パチンコの変わったようなものでしょうか、そこの店長をしている、ここまで聞いておりますけれども、警察は御存じですか。

野村一成外務省欧亜局長

○野村(一)政府委員 先生、まことに申しわけないです。ちょっと私、今、質問の趣旨をきちんと理解できなかったので、もう一度、まことに恐縮でございますけれども、お願いいたします。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 それほど重要なことではありませんので、もう結構です。楊文虎という人物がそこに暗躍をしておったけれども、日本に住んでおる、こういう情報を聞いておるけれども、警察は御存じでしょうかということを聞いただけであります。それはもう結構です。  それでは、北方四島のビザなし交流というんですか渡航というんですが、これが四月の二十二日、二年目のそういう行事が行われたようでございますけれども、これがスタートしたそもそもの最初のいきさつと申しますか、そしてどういう行事であるのか、お答えをいただきたいと思います。

野村一成外務省欧亜局長

○野村(一)政府委員 お答え申し上げます。  今御指摘の北方四島との交流につきましては、ゴルバチョフ、前のソ連の大統領の日本公式訪問の際に、北方領土を含めまして二国間の種々の問題につきまして交渉が行われました。その中の一つといたしまして、これはロシア、当時ソ連でございますけれども、の方から提案がございまして、日本国の住民とそういった島々の住民との間の交流の拡大というのを無査証の枠組みの設定のもとで行ってはどうかという提案がございました。それに基づいて基本的に行われているわけでございますが、この点はゴルバチョフ大統領日本訪問の際の共同声明においてもきちんと記されております。  若干、先生、沿革的に申し上げますと、この北方四島の交流ということでございますけれども、基本的には査証なしの交流、交流と申しますか、査証なしで何とか北方四島に対して日本人が訪問できないかという点は、すぐれて人道的な見地からする北方の墓参の問題ということから発している点でございます。やはり法的な、先ほど申しました我が国の固有の領土であるという立場を害さない、そういう中で、そこに住んでおられた方の墓参というのをいかにして実現するかという点で墓参の枠組みというのはできたわけでございますが、今御指摘の四島の交流と申しますのは、その墓参の枠組みとは別途、やはり現実にロシアの方からむしろ交流という形で無査証の枠組みを拡大してはどうかという提案がございました。それを基本的に受けて立っている、それが現状の交流でございます。     〔石川委員長代理退席、委員長着席〕

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 墓参、これは大切なことだと思いますけれども、親善友好というものが先走りをして、返還運動というものがこれまた風化されていくことを私は恐れるわけでございます。  先日のこの交流についても、ロシアの方は経済交流を随分期待をしたようですし、我が方は人的交流にとどめたい、このようなところで食い違いができておるように聞いております。また、ジャガイモの栽培くらいは構わぬかもしれませんけれども、その交流と銘打って国家間の機密が漏れたり、あるいはこれもうわさだけでありますからお答えは結構でありますけれども、マフィアの交流というものも聞いておるわけでございまして、このあたり、このビザなし交流というものももう一度しっかりと見詰めておく必要があるのではないかということを申し上げたいわけでございます。警察はおられぬようであります。  これも範囲が限られておりますのでお答えは必要ないのですけれども、私の聞きたいのは、法務省の公安はどの範囲まで仕事をされるのか、おられましたら聞かしていただきたいと思います。

松浦恂公安調査庁次長

○松浦政府委員 御案内のように、公安調査庁は公共の安全の確保に寄与するために設置されている国の行政機関でございまして、日本国憲法の保障する民主主義体制を破壊しようとする暴力主義的破壊活動を行うおそれのある団体につきまして、破壊活動防止法に基づいて、その組織、活動状況等を常時調査いたしました上、同法に定める要件に該当し、解散の指定等の規制処分が必要であると判断されるときには、公安審査委員会に対してその規制処分の請求を行いますこと、こうした調査の遂行や規制処分の請求の要否の判断を行う前提といたしまして、国の内外の公安情勢全般を把握するのに必要な情報を収集、分析すること、及び必要に応じてこれらの情報を関係機関に伝達して、公共の安全確保に寄与することを主な業務といたしております。  お尋ねの外国関係の調査につきましては、国内の公安情勢や調査対象団体の活動に影響を及ぼす可能性のある国外の公安情勢及び我が国内におきます外国人の活動に関しまして広く情報や資料を収集しているところでございます。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 極めて機密性の高いお仕事でありますから、これ以上の公安に対する質問は私はいたしません。  ただ、択捉島に日本企業が入っておるということを時折聞くわけでございますけれども、外務省は御存じですか。

野村一成外務省欧亜局長

○野村(一)政府委員 お答え申し上げます。  今先生、日本企業が入っているかどうかという御質問でございましたけれども、私どもは、企業が入るというのはいろいろな形態があろうかと思いますけれども、常識的に考えられます特定の経済活動ということで入っているということは承知いたしておりません。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 大変小さな質問を数点いたしました。あえて申し上げましたのは、日本、ロシアのいわゆる政府間同士の合間に穏やかならぬ動きというものもあると私は思って、あえて質問をさせていただきました。  例えば、ロサンゼルスに逃亡と言えば失礼になりますけれども、出かけました小針福島交通会長は、過日の榊原病院での臨床尋問において、紛れもなくプリマコフあるいはクナーゼ次官とは極めて親しい間柄にあるということを証言をしているわけであります。旧ソ連のKGB、この組織は泣く子も黙ると申しますか、随分有名でございますけれども、ソ連が解体されてロシアになりましても、この組織はロシア対外情報局の出先機関として衣がえをしておるということも私は事実だと存じます。そして、対日情報活動は活発に行われておる、こういうことも聞いておるところでございます。  そこで、ちょっと話題を変えますけれども、先日、店頭で雑誌を買いました。文芸春秋六月号でございますけれども、「私が操った社会党と新聞」という見出しに引かれて読んだわけでございます。これはもうお読みになった方が大勢いらっしゃるかもしれませんので簡単に申しますと、アメリカに亡命をいたしましたレフチェンコという今申し上げたKGBの将校、これは一九七五年から七九年にアメリカに亡命するまでKGBの将校として秘密工作を続けておったという方でございます。亡今後、米国の下院の情報特別委員会というところでその諜報活動を告白して大変有名になりました。日本を舞台として戦後最大のスパイ事件というものが発覚をしたということでございます。  また、八三年四月には「リーダーズ・ダイジェスト」に新たな単独インタビューが載って、実に日本人八名という名前入りで、コードネームもつけて載ったそうでございますが、これは私はまだ見ておりません。  この問題のレフチェンコ氏と、上住充弘、一九五三年に日本社会党政策審議会に入り、党調査部長を経て一九九三年定年退職、四十年間社会党におられた方だそうでございますが、その文芸春秋六月号にこのお二人の対談が載っておりました。これは話半分、話十分の一といたしましても、極めてえれえことだなというような記事でございました。三月十九日には、ある社会党幹部に直接三百万円渡したとか、あり得ないことかもしれませんけれども、社会党の東京本部の副委員長を務めたことのある、どう読むのでしょうか、今(こん)さんと読むのでしょうか、今正一さんにコードネーム「キング」と名をつけて、いろいろと接触を保っておったとか、そういう記事でございました。  私は、この文春だけではなく、それまでにいわゆる旧ソ連資金が日本の特定人物あるいは政党に流れておったという記事が随分出ておりましたので、大変興味を持ってそれを見ておりました。  ところで、自民党は四月の九日に党本部でこの件で記者会見をいたしております。大原一三党調査局長、浜田卓二郎党副幹事長、このお二人がモスクワに行かれまして調査報告をこの日にされたわけでございます。その中で、両氏はソ連共産党の世界赤化戦略が戦後史の中で社会党を通じて的確に特殊な手段によって展開されていたと述べておられます。そして、社会党に対する旧ソ連共産党の資金提供ルートを確認をした。そしてこれは、一国の公党であり、野党第一党が、外国の、しかも西側同盟国が仮想敵国としてきた国、その国から資金提供を受けていた深刻な問題、これほど売国的な行為はない、このように思うわけでございます。同盟国への裏切り行為、あるいはポスト冷戦だからといって過去にけじめをつけず、このまま放置することが果たして日本の国益に沿うだろうかと思うわけでございます。  宮澤総理は、昨年の臨時国会で、この問題に関して亀井静香議員から質問を受けられました。そして、事実関係を十分承知していないとお述べになった程度だったのでございますけれども、今回は自民党がモスクワまで出かけまして、その裏づけを行いました。そうである以上、政府はこの問題をどう認識し直しておられるか、お答えをいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 大原、浜田両氏が調査に参りまして、その結果につきまして、ただいま委員の御指摘のような所見を発表されたことを承知をいたしております。具体的に、いつ、どういう人に対して、どのようなことが行われたかということにつきましては、必ずしもすべて明確であったとは聞いておりませんけれども、一般的にそのようなことが考えられるという報告をいたしたことを承知しております。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 政治資金規正法と公職選挙法の観点から違反と認められるかどうか、自治省に聞きたいと思います。

佐野徹治自治省行政局選挙部長

○佐野(徹)政府委員 御指摘につきましては、自治省といたしまして事実関係は承知はしておりませんけれども、政治資金規正法では、我が国の政治や選挙が外国の勢力によりまして影響を受けるということを防止する見地から、「何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織から、政治活動に関する寄附を受けてはならない。」とされておるところでございます。  なお、この規定は、昭和五十年に改正が行われまして今日に至っておりますけれども、それ以前におきましても、「政党、協会その他の団体又はその支部は、選挙に関し、」「外国人、外国法人及び外国の団体から寄附を受けてはならない。」旨の規定がなされていたところでございます。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 この問題は、良識ある国民全体の関心事であります。仮に時効になったからといっても、この種の重要な問題を調査するお考えはないのでしょうか。白日のもとにさらすべきだと私は存じます。

佐野徹治自治省行政局選挙部長

○佐野(徹)政府委員 自治省といたしましては、調査をする権限もございませんし、また調査をする立場にもございませんので、この点につきましては、そういうことで御了解をいただきたいと思います。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 いろんなロシアのことについて申し上げたわけでございますが、政府の対応というものについて基本的にお伺いしたかったわけでございます。  何度も申し上げますようですけれども、国民の多くはロシアに対する応分の支援というものについていささかの異議があるということ、これを申し上げたいと思います。あの国には何度も煮え湯を飲まされておるんだ、あの国の脅威に備えるために自由世界は随分多くの金を費やしたんだ、ロシアの経済的苦境というのは国内問題ではないか、日本でもっと困っている人がいるんじゃないかなどと言う方々もいらっしゃるということをどうかひとつ御記憶にとどめていただきたいと思うわけでございます。  それでは、北朝鮮のNPT脱退問題についてお伺いしたいと思います。  三月十二日、北朝鮮は核兵器不拡散条約、NPTから脱退を表明しました。これはNPT体制に対する露骨な挑戦であり、また我が国の安全保障にとっても決して看過できない極めて深刻な問題であります。  私は、北朝鮮がNPT脱退の通告を一刻も早く撤回し、みずからの核兵器開発疑惑を払拭するよう、国際社会の国々が一致協力して北朝鮮に対し強い働きかけを行い、我が国もこのような努力に率先して協力していくことが必要であろうと思います。この問題に対する政府の取り組みについて御質問をいたしたいと思います。

池田維外務省アジア局長

○池田政府委員 私どもといたしましては、三月十二日、北朝鮮がNPTから脱退するという通告を出しまして以来、私どもはNPTの脱退通告の撤回を求めておりまして、そういうことから、これまでも外交的にいろいろと努力をいたしました。そういった意味で、ただいま鴻池先生が御指摘になられましたように、一致協力して働きかけているということでございます。  より具体的に申しますと、韓国それから米国それから中国、ロシア、それから朝鮮民主主義人民共和国とも直接に私どもは接触をいたしておりまして、そういった意味で、現在のところは、この問題について北朝鮮側がとにかく撤回をするということを求めているわけでございます。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 この問題については、近々米国と北朝鮮の間でハイレベルの話し合いが持たれるとの報道がありますが、米朝接触の見通しについて政府の考え方をお伺いします。(発言する者あり)

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 委員長から御注意申し上げます。  外国の国名は、明確に、正確に言ってください。

池田維外務省アジア局長

○池田政府委員 アメリカと朝鮮民主主義人民共和国との関係でございますけれども、私どもの承知いたしておりますところでは、この十七日に米朝間での接触がございました。そして、この実務者レベルでの合意の結果、アメリカ側からハイレベルで接触することについての申し入れがあったというように承知いたしております。したがいまして、これに対して朝鮮民主主義人民共和国の側がどういうように受けとめるかという問題が残っておりますけれども、恐らく近くハイレベルでの米朝間の接触が行われることになるのではないかというように考えているわけでございます。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 今回その国がNPT脱退の通告という理不尽な行動をとった背景には、現在その国が国内の経済的不況や外交的な失敗によって、極めて厳しい立場に追い込まれているという事情があるのではないかと思いますけれども、政府は現在のその国の情勢についてどのように見ておるのでしょうか。

池田維外務省アジア局長

○池田政府委員 私どもといたしましても、朝鮮民主主義人民共和国が外交的に孤立感を深めているということが一つあると思います。これは、韓国との関係それからロシアとの関係等において言えることでございます。それから、経済面におきましても、大変深刻な経済的状況にあるというように承知いたしております。  一般に、どこの国においてもそうでございますが、内政と外交というのは一体不可分でございますから、こういった国内の情勢というものが、今回のNPT脱退と何らかの意味で関連しているのではないかというように私ども想像しているわけでございます。  ただ、今回のことにつきましては、いずれにしましても円満に話し合いによって何とか脱退を撤回するということを希望しているわけでございまして、そういう意味から、もし朝鮮民主主義人民共和国の方で核疑惑についての解消に努力するならば、十分に話し合いによって解決が可能だと思いますけれども、この問題というのは核心的な問題でございますから、この問題をないがしろにして関係の正常なあり方というものは考えられないというように考えております。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 それでは、これから余りやじの飛び交わない質問に移らせていただきます。  本予算が成立をいたしまして一カ月たちまして補正予算を提出する、これは余り例がない、三十数年ぶりというふうに承りました。景気回復に向けた取り組みのあかしであるというふうにも存じますが、まず、景気の低迷は底を打ったと総理は過日そういう表現をされておりますけれども、現状を政府はどのように見ておられるのでありましょうか、お答えいただきたいと思います。

船田元自由民主党経済企画庁長官

○船田国務大臣 お答えをいたします。  今の御質問にありましたように、景気の現状につきましては、特にここ二、三カ月明るい数字が、若干ずつではありますけれども、出てまいりました。それは、例えば景気動向指数、DIというのがありますけれども、先行指標におきましては二カ月程度プラスが五〇%を超えている。それから、一致指数につきましても、まだ一カ月ではありますけれども、五〇%を超えたという状況が最近見られました。そのほか自動車の新規登録台数の数字であるとかあるいは工業出荷額の数字もかなり上向きになってきている、そういう点が指摘をされます。したがいまして、先日、五月の月例経済報告におきましても、一部回復の動きが見られる、こういう「回復」という言葉を初めて使わせていただいた次第でございます。  しかしながら、景気の大もとといいましょうか、景気のまさに横綱格と言われている個人消費あるいは民間設備投資、そのあたりの数字がまだ十分には回復をしていない、そういう状況が見受けられるわけでございまして、まだ基本的には低迷が続いている、このような認識は現在でも持っているわけであります。  ただ、個人的には私も、景気の底入れはそう遠くないのではないか、あるいは底を打ちつつあるのではないか、このような感触は持っております。ただ、この底入れということを正式に判断をするというのは、事後的にやはり判断を正式にすべきであろう、このように考えております。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 ただいま長官からお答えが出ておるようでございますけれども、そういった景気認識等を踏まえて、今回異例とも言える補正予算を提出された、そういうことだと存じますけれども、具体的な説明がございましたらお願いをしたいと思います。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○林(義)国務大臣 鴻池議員の御質問にお答え申し上げますが、ただいま経企庁長官から御説明したとおりでございまして、景気の見通しはまだまだ予断を許さないというか、私も大体うまくいってきているなという感じはいたしますけれども、もう一つも二つも足りないところがある。我が国経済をインフレなき持続的な成長の路線へ乗せるというのが我々の基本的に考えていることでございまして、そういったことから、まさに異例な時期であるというふうなことでありますけれども、やはり早目に手を打った方がいいだろう、こういった形で今回の補正予算の提出をし、御審議をお願いしているところでございます。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 早期成立、これを図らねばならないと我々は思っているところでございます。  今回の補正予算で大幅に整備を進めようとしている公立小中学校や国立大学の施設整備の工期について、学生生徒の勉学の影響ということを考えてみますとどのような時期が適当であろうか、このようなことを今思いめぐらしているわけでございます。その辺、いかがでございましょうか。

森山眞弓自由民主党文部大臣

○森山国務大臣 公立文教施設また国立大学施設の整備等につきましては、従来から学校教育に支障が生じませんように、できるだけ夏休みのような時期に行うようにということを配慮してまいっておりますが、今回の補正予算案に係ります事業につきましても、そのようなことを踏まえまして、夏休みの間にできるだけ進めるようにということで、最善の努力をいたしたいと思っております。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 また、補正事業につきましては、地方でこれに応じた財源の手当てというのが必要になってこようかと存じますけれども、通例はいつごろ手当てするということになるのでしょうか。

松本英昭自治省大臣官房審議官

○松本(英)政府委員 お答え申し上げます。  補正予算に関連いたしました補正事業に係る地方公共団体の財源措置の問題かと思いますが、都道府県におきます補正予算計上の時期につきましては、今年度はかなりの都道府県におきまして、今回の国の補正予算に係ります補助事業を六月議会に提出すべく現在準備をしていると承知をしているところでございます。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 景気回復を図る上で、不景気の影響が大きい中小企業、その対策というのが不可欠でありますけれども、例えば中小企業向けの融資制度の利用状況、さらには中小企業者から望まれているそういう点につきまして、ちょっとお伺いをしておきたいと思います。

森喜朗自由民主党通商産業大臣

○森国務大臣 鴻池委員から御指摘ございましたように、中小企業は最近の景気の低迷化また売り上げの減少等によりまして資金繰りが悪化しておるという状況に直面しておりますし、その一方、民間金融機関の審査姿勢が非常に消極的になっております。  こんなこともございまして、政府関係中小企業金融機関等を通じましての中小企業に対する金融支援の重要性は一層増大をいたしております。政府としましても、政府関係中小企業金融機関等の融資制度の充実や信用補完制度の拡充を内容とする累次にわたる中小企業の金融対策を今実施をいたしております。こうした状況を反映いたしまして、現実にも政府関係中小企業金融機関の融資は大幅に伸びておりまして、中小企業金融公庫と国民金融公庫の平成四年度の貸し付け実績は、対前年度比でそれぞれ、中小で二〇%、国金で一五%増という伸びを示しております。  それからもう一つは、信用保証協会の保証承諾額も大変伸びておりまして、平成四年度の保証承諾額の実績は対前年度比で約一六%に伸びている、このように理解をいたしております。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 また、今回の補正予算では、景気への配慮、これだけではなく、お年寄りや障害者のための社会福祉施設、あるいは国立病院などの国民生活の質の向上に役立つ施設の整備にも力を入れており、こうした施設の一刻も早い整備は、国民皆が待ち望んでいるところでございます。  こうしたことを考えますと、一日も早い補正予算の成立が必要と思いますけれども、総理及び大蔵大臣の御見解を承っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 御指摘のとおりでございます。  実は、昨年度の補正予算の成立が大変にいろいろな事情でおくれましたために、施策の効果がかなり遅延をしたという経験もございまして、このたび、まことに異例なことでございましたが、同一会期におきまして補正の御審議を煩わすようなことになりました。そういう現状でございますので、速やかにひとつ成立をさせていただきたいと存じます。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○林(義)国務大臣 今総理から御答弁がありましたとおりでございまして、また委員から御指摘のありましたように、中小企業の問題もできるだけ早くやった方がよろしい、また公立学校等の問題につきましても、夏休みを控えまして、できるだけ早くいろいろな準備をした方がいい、こういうふうな点もございますので、早急なお願いをいたしまして恐縮でございますが、一刻も早い補正予算の成立を心からお願いする次第でございます。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 絶えず議論の的となっております所得税減税について承りたいと思います。  今回の経済対策の策定に当たって大きな問題となってきましたのが、赤字公債を発行してまで所得税減税を行うかどうかということでありました。野党からは、いわゆる戻し税を中心に所得税減税を行うべきである旨の要求が出されておったのでございますけれども、こうした戻し税方式にはどのような問題があり、また、規模によるものと思いますけれども、国民の消費を喚起する有効策たり得るかについて、大蔵大臣の見解をお述べいただきたいと思います。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○林(義)国務大臣 御質問の中で、所得税減税につきましては、たびたび申し上げておりますけれども、一般論として申し上げますならば、景気対策としての効果に疑問がある、また巨額の財源をどうするかという問題がありますし、税制全体の体系の中でどう考えていくか、広範な点の検討が必要だろう、こう思っておるところでございますし、克服すべき課題は非常に多い、こういうふうに思っているところでございます。  御指摘の戻し税減税につきましては、これを実施するに当たりましてはいろんな問題があるということでございます。いわゆるばらまき減税ということになるということでございまして、過去に三遍ほどやられましたけれども、そのときも評判は余りよろしくなかったというのが過去の結果でございます。また、戻し税減税をやりますと、翌期になりますと相対的に税負担がまた増加してくるという一過性の税負担軽減である点でございまして、これが果たして消費刺激的な効果があるかどうか、私は極めて乏しいものではないかということを考えております。また、現在の消費動向を考えますと、その効果はさらに小さくなるものではないかと思っているところでございます。  現在のところ、給与の支払いにつきまして、銀行経由の振り込み支払い制というのをとられているところが相当多いわけでございまして、そのときに、戻し税ということになりますと、一体いつどのくらい入ったのか本当にわからない、国民が受ける効果もわからないんじゃないかな、こういうことでございます。  また、源泉徴収義務者や国税当局に大変大きな事務負担がかかることでございます。まあこの事務負担は我々の方でやるわけでございますけれども、やはり相当にかかるということも考えていかなければならない。国税当局の負担というものも、負担をふやせば人手もまた要る、こういうふうな話も出てくるだろう、こう思いますので、そういった点も考えていかなければならない。  あえて御答弁を申し上げた次第でございます。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 私は所得税減税そのものを頭から否定するつもりはないわけでございますけれども、所得税減税を行うためには、財源を含めたきちんとした将来展望と効果についての確信が不可欠であると考えております。その点、今回の対策において即効性の高い住宅減税、あるいは教育などの出費のかさむ中堅層向けに特定扶養控除の引き上げを行う、こういったことは十分評価されるべきであり、与野党協議の成果として位置づけが可能であろうかと存じます。  所得税減税については、当面の課題としてだけではなく、高齢化社会の到来という大きな時代の流れを踏まえた税制全体の中で十分な検討がなされるべきと考えますが、総理は、今後の抜本的な税制改正の中で、所得課税の累進構造の是正などにどのような姿勢で挑まれるおつもりなのか、その決意のほどを伺いたいと存じます。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 昭和六十二年、三年で、前回、税制の抜本改正をいたしましたときに、確かに御指摘のように、所得税につきましては最終的な姿まで持ち込むことができずに、問題を残しておるという感じを私も持っております。それは、現在で申しますならば、中堅層の重税感ということになってあらわれておるわけですが、これを緩和いたしますと、やはり累進の刻みの数を少なくいたしまして、ちょっと昇給をするとすぐ高い税率がかかるという、そういう累進度を緩和しなければならないという問題になるわけでございますが、それだけに、逆に申しますと税収の減りが大きいという、そういう問題を持っております。  できるならば英米等のように累進構造を数少ない段階にいたしたいと私自身は存じておりますけれども、そのためには、どのようにして財源を確保するかということと、それから税制全体の中でそのような所得税がどのような位置を持つかというようなこと、あるいは、もう一つ大事なことは、今御指摘のありましたように、年金等についての財政再計算の時期が迫っておりまして、高齢者社会を展望いたしまして、将来に向かっての年金をどうするか、国民負担とそれから給付との関連でございますが、そういう問題と、当然もう時間的にもそういう時期でございますので、関係も持たせなければなりません。したがいまして、遠くない将来にこの問題にはやはり取りかからなければならないというふうに考えております。

鴻池祥肇自由民主党

○鴻池委員 以上で質問を終わらせていただきます。  冒頭の質問で申し上げましたように、いよいよ二十三日に向かってカンボジアは緊迫した情勢になってまいっております。総理初め政府の皆様方には極めてお気遣いのことと存じます。あわせて、カンボジアでしっかり頑張っている日本の青年たちが、健固で所期の目的を達成されますことを心から祈念を申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これにて鴻池君の質疑は終了いたしました。  次回は、明二十一日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時三十九分散会

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