予算委員会 第19号
- 発言数
- 254 件
- 登壇者
- 46 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1993/03/06
会議録
○粕谷委員長 これより会議を開きます。 この際、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴いまして、現在理事が四名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 それでは、理事に 串原 義直君 中西 績介君 松浦 利尚君 草川 昭三君 を指名いたします。 —————◇—————
○粕谷委員長 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 この際、各分科会主査より、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。 第一分科会主査唐沢俊二郎君。
○唐沢委員 第一分科会における審査の経過を御報告いたします。 質疑応答の詳細は会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものを申し上げます。 国会、内閣、総理本府、総務庁及び科学技術庁関係では、国会会議録のOA化の推進、カンボジアの停戦合意と現状認識、軍人恩給欠格者の処遇対策等戦後処理に関する諸問題、同和対策の推進、南関東直下型地震の予知対策と研究の推進等について、 防衛庁関係では、米軍基地内施設の返還交渉、厚木基地のNLP訓練の縮小と硫黄島への全面移転の可能性、自衛隊及び米軍基地周辺地域の騒音対策と安全対策、国際情勢の変化に対応した防衛政策の見直し、自衛隊カンボジア派遣隊員の処遇改善等について質疑がありました。 以上、御報告申し上げます。
○粕谷委員長 第二分科会主査越智通雄君。
○越智(通)委員 第二分科会における審査の経過を御報告申し上げます。 質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。 まず、法務省関係では、人権擁護に対する法務省の取り組み姿勢、同和問題の啓発活動の実態、登記特別会計の現状と登記手数料のあり方等であります。 次に、大蔵省関係では、パート労働者の実態と非課税限度額の引き上げ、公共事業のあり方の再検討、所得税減税に対する積極的取り組みの必要性、沖縄県発展のための与那国貿易港の開港、カード破産防止対策等であります。 外務省関係では、ボスニア、ソマリア等の人道的援助のあり方、海外文化交流の推進、沖縄の米軍基地に係る諸問題、サハリン残留韓国・朝鮮人問題等であります。 以上、御報告申し上げます。
○粕谷委員長 第三分科会主査臼井日出男君。
○臼井委員 第三分科会における審査の経過を御報告いたします。 質疑応答の詳細は会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。 まず、自治省関係では、選挙公報記載経歴に対する公職選挙法上の取り扱い、旧産炭地域自治体の振興、景気不況に伴う地方交付税不交付団体の財政悪化と交付基準等であります。 次に、文部省関係では、生涯学習の推進及び地域社会に対する学校施設の開放、義務教育等の教員給与の改善、史跡、文化財の保存・保護対策、著作隣接権範囲の拡大による実演家等の保護、児童の権利条約の邦訳の妥当性、高齢者に対する教育機会の推進、大相撲における入場券販売制度の改善、ボランティア教育の意義と大学教職課程への組み入れ、学校給食の意義と国の助成策、税制面による教育費の負担軽減等でありました。 以上、御報告申し上げます。
○粕谷委員長 第四分科会主査粟屋敏信君。
○粟屋委員 第四分科会における審査の経過を御報告申し上げます。 質疑応答の詳細は会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。 まず、厚生省関係では、保育行政のあり方、看護婦不足対策、国立病院・療養所の再編成の進捗状況、原爆被爆者対策、腎移植体制の整備・充実化、難病対策の充実強化策、高齢者に対する保健・福祉サービスの推進、国民年金への加入促進策、ポストハーベスト等食品の安全性の確保、合併処理浄化槽の普及促進、児童遊園等の砂場の衛生管理対策など、 次に、労働省関係では、障害者の雇用促進策、介護休業制度の法制化の見通しなどでありました。 以上、御報告申し上げます。
○粕谷委員長 第五分科会主査柳沢伯夫君。
○柳沢委員 第五分科会における審査の経過について御報告申し上げます。 質疑内容の詳細は会議録に譲ることとし、ここでは主な質疑事項について申し上げます。 まず、農林水産省関係では、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉に臨む基本方針、国営農地開発事業の現状と問題点、農業生産基盤としての農道利用のあり方、政府米及び他用途利用米の需給動向と安定確保、酪農並びに肉用牛肥育農家の経営安定対策、生糸の一元輸入制度の意義と今後の取り扱い、沖縄のサトウキビ等の生産振興対策、ニュージーランド産リンゴの輸入解禁に伴う植物防疫対策、農業における女性の地位向上対策、国有林野の保全管理の現状、流域林業活性化のための施策のあり方、カツオ・マグロ漁業経営の現状と経営安定対策、IWC京都総会に臨む基本的姿勢、日韓漁業関係の現状と今後の対応等であります。 環境庁関係では、環境基本法案についての考え方、酸性雨による森林被害の現状と対応、公害工 場の移転集団化事業のあり方、窒素酸化物等による大気汚染、三河湾の水質汚濁の浄化施策等であります。 以上、御報告申し上げます。
○粕谷委員長 第六分科会主査松永光君。
○松永委員 第六分科会における審査の経過を御報告申し上げます。 質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。 まず、経済企画庁関係では、景気浮揚のための施策、輸入食品の安全性確保等であります。 次に、通商産業省関係では、円高差益の還元、中小企業対策の充実強化、新エネルギー開発への取り組み、古紙・空き缶のリサイクル促進、資源回収業者の保護対策、遊技銃の安全基準の整備、海外進出企業の環境破壊防止、大店法の適正な運用、伝統的工芸産業の育成、原子力発電の安全性の広報活動、中長期的な視野に立った基盤技術開発等であります。 以上、御報告申し上げます。
○粕谷委員長 第七分科会主査大石千八君。
○大石(千)委員 第七分科会における審査の経過について御報告申し上げます。 質疑内容の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。 まず、運輸省関係では、新幹線建設のあり方、新幹線の騒音防止対策、在来線の高速化とミニ新幹線の活用、首都圏の通勤混雑の緩和策、鉄道の相互乗り入れの推進、私鉄の複々線化の進捗状況、信楽高原鉄道列車衝突事故の原因及び鉄道輸送の安全対策、障害者に対する運賃割引制度のあり方、釧路沖地震による鉄道施設の被害への対応、空港への交通アクセスの整備、地方路線バス事業の活性化、港湾整備の推進及び海岸侵食対策、ホームステイ・ツアーのあり方などであります。 次に、郵政省関係では、電話料全体系の見直し、郵便局と福祉施設の合築、郵便切手発行政策、郵政省関係印刷物の発注のあり方、離島・山間地域の難視聴対策、沖縄県における新たな民放局の開設などであります。 以上、御報告申し上げます。
○粕谷委員長 第八分科会主査愛野興一郎君。
○愛野委員 第八分科会における審査の経過について御報告申し上げます。 質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。 まず、国土庁関係では、地方拠点都市の地域指定のあり方等であります。 次に、建設省関係では、高規格幹線道路及び地域高規格幹線道路の整備、第二京阪道路建設における周辺地域の環境問題、一般国道の拡幅及びバイパスの整備、立体交差事業の推進、明石海峡大橋の進捗状況、精神薄弱者への有料道路割引制度の推進、首都高速道路公団の事業運営のあり方、市街地周辺の補助河川整備、都市河川改修のあり方、公営住宅の入居基準の見直し、公団住宅の建てかえ及び家賃の適正化問題、公園施設の見直しの必要性等であります。 以上、御報告申し上げます。
○粕谷委員長 以上をもちまして分科会主査の報告は終了いたしました。 —————————————
○粕谷委員長 これより締めくくり総括質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松前仰君。
○松前委員 私は、二月四日の総括質問のときに七分間を残したわけでございますが、その七分間をきょうは許されたわけでございます。しかしながら、それと裏腹に、予算委員会の集中審議のときに空白となった七時間は戻ってこないのであります。予算審議で七時間が殺されて、七分間が生かされる意味は一体どこにあるのでしょうか。これが委員長の予算委員会の運営に対する考えなんでしょうか。 集中審議のとき、中川議員の質問の後、委員長は一方的に審議をとめました。とめた理由は各党の予算の理事に聞いてくださいと言う。私たちは何のことかわかりませんでした。減税要求に対して何らかの前向きの回答があるんじゃないかと期待をして受けたのでありますけれども、その後、減税問題について与野党が合意できない状況が生じたのでありますが、その予算委員会で議論を進めるのが明らかに困難である、非常に中途半端な状態であったにもかかわらず、委員長は次の日に一方的に委員会を開会いたしました。そして、野党が出席できる状況ではないということ、これがわかっていながら、そして、それで出席をしなかったというそういう状況の中で、長時間、ただひたすらに時間の切れるのを待った、時間の費やすのを待った。大体、これは野党が出席できないことを利用した言論封殺じゃないですか。委員長の、歴史に残る恥ずべき行為だと私は思うのです。 国民が、この状況の一部でもかいま見たらどう思うでしょうか。これが国会なんですか、本当に。国会で議論をぶつけ合って、国会を生きた場にしようとして国会改革をしようとしているんですよね。その先頭に立つべき委員長が、公正であるべき委員長が、みずから国会改革を放棄して、昔の国会、以前に逆戻りさせた責任というのは重大だと私は思うのです。私は強く委員長に抗議をいたします。委員長、どう考えますか。
○粕谷委員長 委員長としては、松前委員の御発言の趣旨を重く受けとめております。
○松前委員 世論は、もはや政治の現状について、政界全体の枠組みを変えなければいけないという危機感に立っておりますね。これは世論調査でも出ております。そして、今の政治の流れは変わらないという失望感もあるわけですね。こういうときに、何という委員会運営をしたのでしょうか。私は本当に残念でなりません。政党のトップによって、トップの交渉によってすべてが決まってしまう、予算委員会のことは、予算委員会の議論は全く無視されるような形のこの現状、これを改革するのは今がチャンスだったはずなんです。その先頭に立つのが委員長だったのじゃないでしょうか。私は強くこのことを委員長に抗議を申し上げたい。そして、そのことに、政治改革に関連して、次に本題に移らせていただきたいと思いますが、総理にお伺い申し上げます。 私どもは、二月二十六日、竹下元首相議員辞職勧告決議案を提出いたしました。総理は、この辞職問題に関しまして、竹下元首相をかばおうとする発言が随所に見られるのであります。私は少なくともそう感じました。どうにもやりきれない気持ちでいっぱいでございます。だから、総理のこれまでの御発言について、一つだけきちっと真意をお伺いをしておきたいと思っております。 総理は、本会議や予算委員会の中で、竹下元首相の進退問題に対して、選挙民から信頼があるかないか、選挙民の負託にこたえることができるかどうか、本人自身が判断する、そのようにおっしゃっておられます。一方、小沢一郎議員が証人喚問のときに証言の中ではっきりと言われたことは、国民から信頼があるかないか、国民の負託にこたえることができるかどうか、本人自身が判断すると証言しておられます。お二人の発言の違いは選挙民と国民の違いでございます。 竹下元総理につきましては、多くの国民が非難の声を上げておりました。七八%の人が何らかの辞職要求の意思表示をしておるのでございます。これはつい最近の世論調査でもそれが出ておりました。総理という国権の最高の地位についたときの問題ですから、多くの国民から出されている辞職要求を率直に受けとめなければいけないと思います。それは出身の一選挙区の問題ではないと思います。総理はそれを選挙区の選挙民に責任をかぶせてしまうがごとき発言をされている、私は少なくともそうとらざるを得なかった。 もし中選挙区制度で選挙をして竹下元総理が当 選してこられたとすれば、島根の選挙民が悪いとおっしゃるのか、またはみそぎを受けたとして、晴れてすべてを水に流そうとされているのか、いずれでしょうか。私は小沢一郎議員の証言の方に政治改革の意思を感じ取ることができるのです。総理の御所見をお聞きしたいと思いますが、また同時に、こんなに不信を買っている国会を総理はどのようにして変えていくつもりか、その決意をお聞かせいただきたい。総理自身が先頭に立たなければこの国会は変わらないのじゃないか、そう思います。総理、御答弁をお願いします。
○宮澤内閣総理大臣 議員に対する国民の支持、不支持は選挙を通じてあらわれるものであります。それは選挙区における選挙民の投票によってあらわれるものでありますから、国民といい選挙民といい、それは私は同じことだと思います。 なお、念のためつけ加えて申し上げますが、国会法によりますと、万一議員が籍を失う、除名ということだと思いますが、その場合、選挙区がこれを再び選んだときは、それを院は拒否できないということが書いてございます。
○松前委員 国民ということで解釈をするということで、私も総理がはっきりそうおっしゃったということで理解をしていただきたいと思います。 こんな汚い政治は本当にたくさんでございます。どうか政治を変えてください。恐らく国民は納得しないと思います。政治に無力感を今持っていると思います。我々が変えなければいけないと思いますから、総理、どうか政治改革の先頭に立っていただきたい。そして、大いに議論をして、すばらしい国会にしようじゃありませんか。 これで質問を終わります。
○粕谷委員長 これにて松前君の質疑は終了いたしました。 次に、松浦利尚君。
○松浦(利)委員 今、松前委員からも指摘がありましたが、私自身の反省も含めて委員長に申し上げたいことがあります。 御案内のとおり、本予算委員会は、証人喚問問題をめぐりまして、証人を出すという野党と出さないという与党がぶつかり合って、空白をつくりました。また、所得税減税問題をめぐりまして、野党要求について与野党間の意見が対立をして、空白ができました。これは、与野党ともに空白をつくったという事実については反省しなければならぬと思っています。 しかし、こうした審議が中断をしたときに、私は、常任委員長というものが存在をしておると思うのであります。確かに常任委員長は、所属政党は自民党であります。社会党の常任委員長あるいは公明党の特別委員長等もおられます。党籍は野党であれ与党であれ、常任委員長の職責というのは、与党、野党の立場に立ってはならぬと思うのであります。今度のこの空白した事実を見てきましたときに、委員長がどういう役割を果たされたのか、私は極めて残念だったと思うのであります。与野党が激突して、最終場面で一体どこで調整をするのか。私は、理事会の運営すらも行われないような状態のときには、常任委員長個人が、与野党を問わず接点として行動すべきだと思うのです。その機会を失ってしまったのであります。 私は、そういう意味で、与党の方が正しかったと言うなら、そのことは問わないで結構です。我々野党は、少なくともこうした事態を招いたことに反省をいたします。しかし、その上に立って、常任委員長が今回とられたことについて反省はないのか、こういう事態を招いたことについて常任委員長の責任はないのか、その点を私は常任委員長に明確にしていただきたいと思うのです。
○粕谷委員長 ただいまの松浦君の発言に対しまして、委員長としては、今後とも御趣旨の点を体して、与野党の皆様の御協力をいただき、委員会の運営を円満にやっていきたい、こういうふうに思っております。 また、松浦委員自身から、謙虚に反省をしているというお言葉がありました。私もそういう心境にあります。
○松浦(利)委員 また、御承知のように、与野党の幹事長・書記長会談で、きょう締めくくり総括に入っています。先ほど松前委員も指摘しましたように、私どもが本委員会に出席しなかった事実は確かに存在をいたしておりました。しかし、かつてなかったような、自民党だけが出席をして、しかも審議なき予算委員会が展開をされる、そういう事実が現に存在をいたしました。 しかし、少なくとも幹事長・書記長会談が円満に解決をして、きょうこうしたまともな姿に戻っておるわけでありますから、あの質問者なき審議における公式の会議録等は、私は、少なくとも抹消されるべきだ、このように思います。委員長にその扱いをお願いいたしたいと存じます。
○粕谷委員長 御指摘の点につきましては、十分重く受けとめさせていただきます。(発言する者あり)
○松浦(利)委員 与党の方は全く反省をしておられません。私は、それはそれで結構だと思う。やじを見る限り全く反省はしておられない。私は反省をすると申し上げたのです。お互いが反省をしない状態で国会改革はできない。みずからの反省があって初めて改革ができるのです。私はそのことを今のやじに対してお返しする言葉として申し上げておきたい。 また、国会改革としては、衆議院の議長、副議長のように、常任委員長は党籍を離脱することが私は国会改革の道だと思います。そのことも私は強く指摘をしておきたいと存じます。 それでは、続いて本論に入りますが、本論に入る前に、外務大臣、大変だと思います。せっかく健康を回復されるときですから、無理をして後にまた影響してもいけませんから、どうぞきついときには自由に退席をしていただきたい。そのかわり、外務大臣に対する質疑は総理あるいは官房長官にいたしたいと存じますから、どうぞ遠慮なく退席されるように前もって外務大臣に申し上げておきたいと存じます。 続いて、大蔵当局に冒頭から申し上げておきますが、あなた方は、「赤字公債発行の問題点」というこうしたパンフレットを与党を含めてあらゆる場所にばらまかれました。いいことだと言う人もおられる。あるいは社公民の要求に対して、「社・公・民 共同の予算修正要求について」ということに対して、大蔵当局がいろいろな解説をしてばらまいている。 私は、大蔵当局が財政関係に対する意見を、一定の意見を持つことは自由。しかし、こういうパンフレットを大量にばらまいて、私は与党がこの言論に従ったとは思わないけれども、先ほど言うように、与党は、もう大蔵省はこういうのをまいて与党をリードすることは当たり前だと言ってやじっておる。官僚の良心だと喜んでいる。(「そういう人もおるのだよ」と呼ぶ者あり)そういう人もおると言っている。ほかにやじる人はないのか。ほかにやじる人はおらぬのかね。 大蔵当局はどういう見解を持つことも自由だ。しかし、与野党間で政策論争をしようとするときに、財政のすべてを握って、克明にいろいろな税制措置というものも知っておられる、そういう財政当局がこういうものを配りまくって与野党間の言論を抑えてしまう、議論をさせないようにする、あるいは国民に向かってできないという宣伝をする、こういう財政当局のやり方というのは私は改めてもらいたい。こういうことは絶対にやめてもらいたいと思う。私は、財政当局が、金があるからかどうかわからぬけれども、意見を求めたときには意見を述べるべきだ。しかし、こうしたことを一方的にやるということについては私は改めてもらいたい。大蔵大臣、お答えいただきたいと思う。
○林(義)国務大臣 松浦議員からのお話は、松浦議員のお立場としてはそういうことかもしれませんが、財政を預かっている私といたしましては、財政の置かれているところの諸問題、大変難しい問題があるということを皆さんにわかっていただくということは私たちの責任でもあろう、こういうふうに考えているところでございます。 いろいろな点の御批判がある、御批判は私は自 由だと思います。しかし、私としましては、ぜひ、こうした状況にある、難しい状況である、そのときにどうするかということについて広く御理解いただくことが当然の責任だろうと私は思っておるところでございます。
○松浦(利)委員 大蔵大臣、あなたはそう言われたけれども、これは、赤字公債の発行はこれまでの財政改革努力を水泡に帰する、歯どめがなくなると。歯どめがなくなるのは財政当局じゃないですか。あの大平蔵相と私は、特例債の発行のときに延々として議論しましたよ。そのときに大平さんは、今回限りという特例債の発行の答弁をなさった。ところが、それ以降延々と特例債を歯どめなく出したのは財政当局、大蔵当局じゃないですか。それならこの赤字は、この歯どめがなくなるということは、大蔵省の無能をみずから発揮しておることじゃないですか。そうじゃないですか。我々が歯どめをなくしたんじゃないですよ。財政当局がなくしたんじゃないですか。 私は、こういうやり方は野党が主張する赤字公債是認論とは異質のものだと思いますね、これは。こうした財政当局みずからが歯どめがなくなるなどというこういう書き方をして、あたかも国民が赤字公債を発行したごとく宣伝をする。そうじゃない。財政当局がもっと規律を持っていればこんなことはなかったはずなんだ。私は、そういう意味で反省を求めたい、そう思うんです。
○林(義)国務大臣 大平内閣のときに赤字公債の発行をいたしまして、十五年もそれを回収するのにかかったという苦い経験を私たちは持っておるのでございます。財政当局におきましても、その反省を込めて、こんなことをしてはならないという反省を込めて今まで努力をしてきた、その気持ちがそういったところにあらわれているんだと私は理解をしております。
○松浦(利)委員 この議論はもう本論ではありませんから、大蔵当局の反省と、こうしたやり方についての再考を促しておきたいと存じます。 それでは、経済企画庁にお尋ねをいたしますけれども、今年度の経済成長は三・五%を一・六%と下方修正をなさいましたけれども、昨年度の一月−三月期のげたが一・一%あるわけです。差し引くと〇・五%の今年度の経済成長。げたを差し引きますと、一・六から一・一を差し引くと〇・五、大変低い経済成長ということに今年度はなるわけですね。現実に、一・六%と下方修正をなさいましたけれども、あるデータによりますと、昨年十月−十二月期は〇・〇四%マイナス、これを年率に換算をいたしますと、年率マイナス〇・二という数字が上がってきておるんですね。そうすると、今年度の一・六%の経済成長すらも政府は危ないと理解をしておられるんじゃないかと思うんですが、実際に一六%の経済成長を達成するためには、十月−十二月、それから本年の一月−三月期にどれくらいの成長を見込めば一・六に達すると判断しておられるのか、お聞かせいただきたい。
○長瀬政府委員 お答えいたします。 ただいま先生御指摘のように、平成四年度に対するげたにつきましては一・一%程度というような状況でございまして、御指摘のように、一・六%のためにはそれに〇・五というようなことかと思います。 本年度上期の実績を前提といたしますと、一・六%を達成いたしますためには、必要な四半期の平均の前期比はおよそ〇・九%程度、このように見込まれているところでございます。
○松浦(利)委員 今、調整局長が言われたように、〇・九%の成長が必要なんですね。ところが実際に、先ほど申し上げましたように、十月−十二月期のある試算による統計、民間統計によりますと、マイナスの〇・二、そういう状況に現実になってきておるわけですが、今言われた成長を達成する御自信があるかどうか、そのことをちょっとお聞かせいただきたいと思う。
○長瀬政府委員 ただいま先生御指摘のように、昨年の十−十二月期に関しましてさまざまな民間の予測がなされ、また経済の諸指標が出ていることは事実でございますけれども、これがGNPベースでどのような姿になるかということになりますと、十−十二月期のGNP統計速報が近々発表される予定と承知をいたしておりまして、それまでは確たることは申し上げられないと思います。
○松浦(利)委員 私は非常に不安に思うのですね。 それでは、大蔵当局にお尋ねいたしますが、こういう状況下で税収見込みは大丈夫でしょうか、お聞かせください。
○濱本政府委員 お答え申し上げます。 経済情勢が推移いたします過程で税収にもその影響が出てきておるということは事実でございまして、昨年の秋に四兆八千七百三十億円の減額補正を計上させていただいた次第でございます。 減額補正をいたしましたその後、その補正後の姿と実際とがどうなっておるかということでございますが、最近の実績を見ますと、例えば十二月分の税収というのは、前年の同月に比べまして一三・二%ふえました。これはいろいろな事情がございます、相続税が入ってまいりましたり。 一月がどうなったかということなんでございますけれども、つい過日一月の集計ができまして、この結果を見ますと、補正後の予算の伸率を多少上回っております、一月分としましてはですね。 したがいまして、松浦先生の御心配の点でございますけれども、現時点におきまして、想定しました税収動向の基調に大きな変化は私は認められないと思います、数字で見ます限り。ただ、その進捗割合はまだ六割程度でございますから、これから後出てまいります確定申告でございますとか三月決算法人の動向、このあたりを注視してまいりたいと思っております。
○松浦(利)委員 税収についてはもう心配をされておられないようでありますが、将来として、今後の動向について注目をしたい、こういう御意見です。しかし、いずれにいたしましても、昨年十兆七千億の景気対策をいたしましたが、実際的にはその効果があらわれてきていない。今度の予算を見ましても、来年度の予算も公共事業に対して極めて大胆に多くの予算を充てておるわけでありますけれども、これはどなたにお聞きすれば、大蔵大臣にお尋ねした方がいいと思うのですが、公共事業に対してこれだけの手厚い予算措置を昨年の補正、そして来年度予算で行うわけですけれども、受け皿としてもう限度が過ぎておるんじゃないでしょうか。公共投資、公共投資でもう満杯。要するに、受け皿そのものが、政府が要求する事業そのものを吸収できる能力というのはもう限界に来ておるんではないか、こう思うんですね。しかも建設大臣は、本予算が成立する前に、これは景気対策上言われたことですから別段責めるつもりはありませんが、七五%の公共事業の前倒しということを発表しておられる。これは本当に大丈夫ですかね、どうでしょう。
○林(義)国務大臣 総合経済対策を昨年八月に発表いたしまして、昨年の暮れに補正予算で所要の手当てをしていただきました。その後、順調に発注等も進んできておるように私は伺っております。また、契約、発注が相当伸長しているということは、手いっぱいだから発注も受けられない、こういうことではないと私は思っておりますし、予算の執行は、予想しているというか予想以上にと申しますか、割と順調にいっているという報告を受けているところでございます。
○中村国務大臣 お答えをいたします。 ただいま御指摘をいただきました公共事業の執行に当たりましては、労働力と資材が十分確保できるかということが一つの大きなポイントだと思いますが、労働力につきましては、ことしの一月の段階で不足率が〇・九%、二十三カ月連続前年同月を下回る緩和傾向にございます。そして、資材といたしましては、形鋼、アスファルトを除いては大体同月水準を下回って推移しておりますし、また形鋼、アスファルトも十分生産能力はあると認識しております。 そして、先生御指摘をいただきましたように建 設業界は民間が冷え込んでおりますので、十分そういった面から見てもこれだけの事業が受注できるだけの環境にある、このように認識しておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○松浦(利)委員 これもいろいろの見方があって、それぞれが都合のいい指数をとればそれぞれ違った、逆になる数字というのが出てくるわけですけれども、私が知る限りにおいては、一兆円の景気浮揚策をとった場合に、産業関連上各業種でどれくらいの生産が誘発されるかというのを比べた場合に、公共投資の場合には一兆五千三百億、所得税減税をした場合には一兆四千三百億、それほど変わらないんですね。これはいろいろの計数のとり方によってこういう数字になってくる。 ですから、所得税減税は景気に対して効果がないというのは、効果がないような指標をとるから結局そういう数字になる。我々の立場で数字をとればこういうことになる。こういう論調に金森さんが立っているんだね。金森さんは、所得減税は当然やるべきだ、しかも今日までの日本の景気浮揚策というのは余りにも公共投資に偏り過ぎていると。 本来ですと公共投資と消費とがバランスしていかなければいけないのに、我が国の場合は、一九八七年から九〇年までの四年間、設備投資主導型の景気浮揚を図りましたために、GNPの中の投資の比率が、逆に設備投資がぐっとこう、公共事業が比率が上昇して、消費の比率が低下をしている。名目GNPの中で消費の割合が八六年には五八・三%だったものが現在は五六%と、二ポイント落ちているわけですね。公共事業は逆に上がっておるけれども、消費の方は二ポイント下がっている。 この二ポイントを具体的に金額にあらわすと約十兆になるんですね。ですから、現在の消費の冷え込みというのは、企業からの消費が減っておるんだ、大型商品の消費が減っているんだ、それは事実そういうことがあるかもしれません。しかし、最近は、具体的に日常生活にかかわる分野についても消費が冷え込んできているんです。ですから、少なくともバランスしていかなければならない設備投資、公共事業と消費とのバランスを確保するためには、何としても消費拡大という意味で私たちは所得税の減税が必要だという主張をしているんです。 私は、この際、総理にお願いをしたいと思うんだけれども、バブル経済で国民の皆さん方は、自己責任を全うせよということで、借金をして株を買った個人は損失を全部かぶってしまった。ところが、企業の方は損失補てん等でやってはならないことをして穴埋めをする。いつも泣かされるのは個人、国民なんだ。金融機関でも金融不祥事に対して、本来なら金融の自由化なんだから、金利の自由化なんだから、アメリカのように銀行がつぶれることもあるんだ。ところが、悪いことをした銀行も救ってやるように一生懸命大蔵省が肩入れをしてやる。企業は救われるけれども、いつも泣くのは国民なんです。何で国民が求めておる所得税の減税をやってあげないんですか。赤字国債の発行についてはいろいろな意見がある。私たちは、国民の皆さん方の消費を拡大をさせる、そういった意味で所得税の減税を強く求め、一回限りの赤字公債はどうですかという主張をし続けているんですよ。 総理、私は経済通である総理にぜひお願いをしたい。私のような意見もあるんだ。野党はすべてそういう意見なんだ。せっかく与野党間で合意をいたしました。幹事長・書記長会談で合意をいたしました。所得減税については前向きに検討する、きょうの新聞によるとあれは言葉だけ野党にやったという自民党の発言も出ておりましたけれども、私はまじめに受け取っていただきたい。恐らく幹事長もまじめに受け取って、前向きに検討すると言われたと思うのです。総理ぜひ、これはもう国民の願い、しかもアンバランスになっておる消費を拡大するという意味で所得税の減税を考慮してください。そのことを強く総理に望みたいと思うのでありますが、お聞かせいただきたいと思います。
○林(義)国務大臣 松浦議員の御質問、いろいろありました。私も慎重にお話を聞いておったところでございますが、先ほどのお話の中で、消費、設備投資云々、こういうお話がございました。そこは日本総合研究所の発表だろう、私はこう思います。その辺の詳細につきましては政府委員から御説明をさせますが、いわゆる乗数効果というのと生産力誘発効果というのはちょっと違う概念でございますので、その辺はもちろん松浦議員は御承知であると思いますけれども、私は、そういったところで物の考え方がちょっと違う、こう思っておるのです。 それから、消費を拡大して、こういうことでございますが、公共事業をやって仕事をつくるというだけではなくて、それが回り回って消費に回ってくるということは、これは経済の上で当然のことでございますし、そうした意味で私は、日本経済全体をレベルアップするためには、いわゆる公共事業によってやるところの方が効果が大きいというのが私たちの考え方でございまして、私たちが国民全体の消費動向を無視したり何かしているということでは全然ないことだけは御理解を賜りたいと思っています。 いろいろな点で与野党で協議をされました。私たちは、協議をされましたことは、これを高く評価をしているところでございます。また、その中で協議機関をつくられていろいろとこれから話をしていく、こういうふうになっておりますから、それはその推移を見守ってまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○宮澤内閣総理大臣 この問題につきましては、従来から本委員会におきまして何度か御議論がありまして、その都度いわゆる乗数効果の問題あるいは財源の問題、税制の全般的な改正との関連等々いろいろ私どもの立場を申し上げてきたわけでございます。それは繰り返しませんが、先般、与野党間で不況対策としての税制上の措置について御相談がありまして、実行可能な施策を協議する、そういう合意がございましたことはよく承知をいたしております。政府といたしましては、その御協議の推移を見守ってまいりたいと思っております。
○松浦(利)委員 大蔵大臣の言われたことも理解できますが、ケインズ理論によれば、公共事業で迂回して乗数効果がやがて消費を呼ぶ。しかし、実質的に公共事業と消費がアンバランスになっているから、設備投資それから消費というものが数字的に、先ほど言いましたようにアンバランスが起こってきておるのですから。ですから、私は、少なくとも消費需要を喚起するというものは直接的になさった方がいい、当面は。そのことを強くお願いをしておきたい。 ですから、与野党間で合意した所得税の減税、ぜひ実現するように財政当局にもお願いをしたい。消費需要が回復するためにはどうしても所得税減税が必要だというふうに私は思います。総理も注意深く見守る、こう言っておられるわけですが、ぜひひとつ大臣の方は、積極的にひとつ財政当局としても先ほどのようなこういうことに加担をしないようにお願いをしたい。事務当局のこういうのに、林大臣、加担しないようにひとつ、無視をして、よろしくお願いをしておきたいと思います。 続いて、円高の問題について少しくお尋ねをさせていただきたいと思います。 まず、林大臣にお尋ねをしますけれども、最近の円高の要因は、もう一遍お尋ねをしておきますが、何なのか。それから、これもなかなか言いにくいと思うのですけれども、円相場の妥当な水準というのはどの辺に大蔵大臣は見ておられるのか。それから、円高のメリットとデメリット、現在の円高が景気の不況下において我が国のマクロ経済に与える影響はどういうものがあるのか、こういう点について簡単にお聞かせいただきたいと思うのです。
○林(義)国務大臣 円の相場がこの二、三年なだらかな形で動いてきておりましたことは委員御承 知のとおりでございますが、昨今の動きを見ますと急激な動きがあった。これはやはり思惑的な動きだろうと私どもは考えておるところでございまして、それは市場で決めるわけでございますけれども、市場の中にいろいろな思惑が出てきておる、こういうふうに私どもは認識をしているところでございます。 第二の問題といたしまして、円の相場の水準はいかがとか、どんなものだと考えているか、こういうことでございますが、為替相場というものは国のファンダメンタルズを反映して動いていく、こういうことでございまして、そういった意味で、今私の口から一ドル何円だなどということを申し上げることは私は差し控えさせていただきたい、こう思っているところでございます。 それから、円高になりましたならば、一般的に言われることは、円高になれば当然に輸出が難しくなって輸入がやりやすくなってくる、これは当然一般理論として言えることでございます。ただ、そういった形で経常収支の調整などというものが進んでくるということは考えられるわけでございますが、現実の姿を見ておりまして、かつてのときのような円高の状況になってきますと、いわゆるJカーブというのが働きまして、既に契約をしているなんかということが出てきます、そうしますと、輸出の方は非常に難しくなるけれども、依然としてドルベースでの金額は変わらない。したがいまして、一時的に、これが一年ぐらいになるかどのくらいになるかは別にしまして、Jカーブというものが働きますものですから、経常収支がかえって黒字が増大していくというような状況も今までの経験からしては見られたことだろう、こう思っているところでございます。そうしたようなことを考えながら、私たちはいろいろなことをやっていかなければならないものだろう、こう思っているところでございます。
○松浦(利)委員 これは通産大臣にお尋ねをしたいのですが、大体円高差益で、通産省の試算で、一円円高になった場合に、これが一年間仮に継続したときには、電力会社あるいはガス会社、石油業界、どれくらいの差益を手にすることができるわけですか。
○森国務大臣 松浦委員の、今仮にということでございますが、電力十社では百十億円程度、ガス大手三社では十七億円程度というふうな数字が出てまいりますが、これはあくまでも今先生のおっしゃいましたように、一年間続いた場合ということでございますが、同時にまた、原油価格などのそういう実勢を織り込んでいかなければならぬ面もございます。 細かなことをもう少し必要でございましたら、事務当局、長官からお答えを申し上げますが、基本的には、原油等原材料の価格動向等によってこれらのメリットもまた相殺されるケースもございます。基本的には今のこの、先ほど大蔵大臣もお答えになりましたけれども、円高がやはり急激に動くということは、まだ、そのこと自体私どもとしては容認できないわけでございますし、仮にそういう数字をどの程度とういうふうにするのかということを申し上げることは、今のこの円高を容認するということになります。御承知のとおり今景気回復がまず大事でございまして、そういう意味で景気回復の足を引っ張るということの方がむしろ私どもにとって大変懸念されるところでございます。
○松浦(利)委員 今大臣からお話がありましたように、十電力会社で百十億円程度、三大ガス会社で十七億円、石油業界では四百億円程度円高差益が出るという試算になっておるのです。ですから、円高であるということは国民に対してメリットもあるわけですね、安くなるという。 ここで、これは通産大臣あるいは総理にもお尋ねしたいのですが、この円高差益を国民に還元をするということをお考えになったらどうでしょうか。
○森国務大臣 ただいま申し上げましたように、円高メリットが実際に発生するためには、ある程度の期間この円高が継続する必要があるわけでございます。もちろん一年という今前提で御質問なさったということでお答え申し上げるわけでありますが。それに先ほど申し上げましたように、原油等原材料の価格動向等によっては、これらのメリットが相殺をされるということになるわけでございます。 一般的には、円高メリットが発生した場合には、それが市場メカニズムにも通じる我が国経済の各分野へ浸透することになりまして、物価の一層安定に資することになる、このように考えております。円高のメリットが末端までに波及するには、かなりそれ相応の時間を要するものであろうというふうに考えております。 いずれにいたしましても、通産省としましては、為替レートの動向等を踏まえまして、円高メリットの発生及びその波及の状況につきましては、十分に注視をしてまいりたいと考えています。 再度申し上げますが、今景気回復という大事な命題を抱えております。また、この予算委員会でもそのことの御論議は大変大きいわけでございまして、むしろこういう思惑による急激な円高の推移というのは、日本の景気回復の足を引っ張ることになるということを再度つけ加えさせていただいておきます。
○松浦(利)委員 言われる理由はわかりますね。しかし、現実に円高がもう進行してきておるわけですから。仮に、仮定の場合、一年間ずっと続いた、当然円高差益が出てくるわけですから。例えば電気料金でも一方的に決められていきますので、上げるときにはさっと上がるけれども、値下げするということはなかなか起こってこないわけですね。 ですから、景気回復、確かに景気回復のための施策を早期にやらなきゃならぬということも事実でしょう。しかし、それと同時に、円高差益が出たときには国民の皆さんに還元をする。それは将来のことだと言われてしまえばそれまでだけれども、しかし、現実にそういう円高差益が出たときには、そのメリットを国民に還元をするということぐらいは念頭に置いておられてもいいのではないかというふうに思うのですが、それすらも頭の中にはありませんか。
○森国務大臣 先ほど申し上げましたように、いろいろな意味での波及効果という面もございますが、かつてやはり円高の御論議もこの国会で、そしてまた各党いろいろな御意見ございました。 もちろん公共料金をお返しをするという一つの還元の仕方もあろうかと思いますが、そのことをまたいろいろ実施してみていろいろな反省も、先生もそうだったと思いますし、私どももいろいろなやはり反省点もあった。むしろその円高によるメリットを、先ほど申し上げたような数字を逆に公共事業に加えていって、そして全体的な景気回復に資していくという一つの選択もある。いろいろな選択の道があろうかと思っておりますが、現段階では先ほど申し上げましたようなことで、もちろん事務当局もいろいろな考え方は持っておると思いますが、現時点はこのようなお答えを申し上げることにとどめておきたいと思います。
○松浦(利)委員 それでは、ちょっと今の質問は中断をして、何が外務大臣の方のメモが入ってきましたので、外務大臣に対する質問をまず申し上げたいと思います。外務大臣、それじゃ、この質問が終わりましたら、どうぞ御退席ください。 一つは、日米外交の問題なんですけれども、実は外務大臣がお帰りになりましてから、二月の二十二日、カリフォルニア州のシリコンバレーでアメリカ大統領、ゴア副大統領も御一緒だったようでありますが、質問に答えて、日本に対して厳しく貿易不均衡について指摘をして、市場開放の圧力を日本にかけ続ける、あるいは中小企業の対日ビジネスのノウハウ取得を助けるとか、こういった演説をして、対日輸出促進を公約なさったわけですね。 公の席上でこうした、大統領が友好国に対して強硬姿勢の発言をなさるというのは外交事例上珍しいことだ、こう言われておるらしいのですが、 これは明らかに日本に対して、言葉は悪いのですが、相当厳しい対応を米大統領は迫ってきておるあらわれだと思うのです。恐らく、この前もお話しいただきましたが、スーパー三〇一条の発動等も当然のごとく出されてくると思うのですが、こういう点について外務大臣の御所見を承りたいというふうに思います。
○渡辺国務大臣 お答えをする前に、一言お礼を申し上げます。 今般の病気によりまして、国民を代表する国会並びに内閣を初め関係者の方々に大変な長期間の御迷惑をおかけをいたしましたことを、まずおわびを申し上げます。それと同時に、また関係者の方々、与野党の方々から温かい御待遇といいますか御接遇を賜り、また今後とも温かいお言葉をちょうだいしておりまして、心から御礼をまず冒頭に申し上げます。 さて、ただいま御質問のありました二十二日の新聞報道等につきましては、私も新聞だけ読む時間がありまして隅から隅まで読んでおりましたので、承知をいたしております。御承知のとおり、選挙中からクリントン大統領としては、アメリカの再生を図っていかなきゃならぬ、特に国内経済問題というものを一番大きく取り上げて選挙のテーマにしてきたことは御承知のとおりでございます。 そこで、いろんな時期にいろんなことを言っておるわけでございますが、大統領が言ったことは、ただいま松浦議員からおっしゃったような内容でございます。日本に対しましては市場開放を求めている。要するに、対日赤字というものが経常的にずっと数年間続いてきておる、だんだん拡大をしてしまった、これを見逃しておくということはできない。日本は米国がただ一つ継続的な構造的な赤字を抱えている国だ。ほかの国に対してはある程度赤字を解消できたのですが、日本に対しては解消どころじゃなく、ここ二年ばかりふえちゃったということを言っておりました。 これは私も説明いたしましたが、要するに、日本が好況時代には赤字をずっと減らしてきたのです。ところが、それがまたここ二年間ばかり不況になって、輸入が減ったために輸出がふえて、赤字がふえちゃったということは事実なので、まず国内の内需を拡大して日本の景気を、皆さんからいろいろ御心配いただいておりますが、取り戻して、それで輸入の拡大につながるようにしていきたい。できるだけ市場開放についてもやっていきますよということはお答えをしておるわけでございます。 ただ、言葉だけでは、それは向こうも、はいそうですかと言うわけにはなかなかいかぬでしょう。今後の我が国の出方、実際に赤字が減るのかどうか、大きな現実の問題がございます。したがって、これに対しましては、我々は、今までのようにただおんぶにだっこのようなわけにはいかないのでありまして、日本を対等なパートナーとして扱っていきたいということを彼らは言っておるわけでございますから、やはり我々としては果たすべきところは果たしていかなければならぬ。今までも随分やってまいりました。やってまいりましたが、今後とも構造協議またはそれに類するようなものをとりながら、我々としてはこの輸入の拡大には今後ともいろいろな手を用いて続けていきたい、さように思っておりますので、時間をある程度かしてもらう以外にはないだろう、そう思っております。
○松浦(利)委員 それから、これも突然発表されたのでありますが、全アジア安保機構を五カ年以内につくるんだ、こういう発表をなさいました。どちらかというと、ASEAN諸国が独自の安全保障体制をつくろうとしたことについて、アメリカは従来は不快感を示してきておったはずなのですね。ところが、現実的に、クリントン政権になって、全欧安保協力会議と同じようなものをアジアにもつくろう、五カ年間につくり上げる、こういう方針なのですね。 この前、宮澤総理がASEAN諸国を歴訪なさいました。そして、アジアにおける多国間協議を軸としてアジアの安保問題を考えていこうという、そういう御提起を総理の方からお話しになっておられたと思うのであります。しかし、実質的にこういうアメリカの提起がなされてまいりますと、我が国の基本的な防衛政策に深くかかわってくる、あるいは今後の安全保障政策全体を見直していかなければならないという可能性すら秘めておる大変大きな問題だと私は思うのです。 突然発表されて、またこれに対する正確な内容、あるいはこれに対する対応等については、現在直ちにどうこうということはできかねる大きな問題だとは思うのでありますけれども、こういう問題についての大臣の考え方並びに総理の考え方を承りたいと思います。
○渡辺国務大臣 総理大臣がお答えする前に、一言お答えをいたします。 そういう報道は私も見ましたけれども、実際にそのような構想を具体的に持っているかどうかについては、外務省、大使館をして確認をさせておりますが、実ははっきりしたことはわかっておりません。いずれにしても、もしそういうことがあるとすれば、これは大きな大問題でございますが、しかし、仮定の問題について余りここで大げさに取り上げることもいかがかと考えております。 いずれにいたしましても、アジアについては、今まではいろいろな価値観の違う国が、共産主義の国もあれば社会主義もあれば自由主義もあれば発展途上国もあれば、いろいろごちゃまぜで、ヨーロッパとちょっと違うのですよ。したがって、ここで安保ばかりでなくて、例えばECのような一つのブロックみたいなものができるかといったって、そう簡単に実はいかない。 ましてアジア安保というような問題につきましては、なかなかそう私は簡単にいかない。一つの理想は理想としてわからないわけではありませんが、現実は現実の問題があるわけであります。したがって、政治や安全保障の問題については、当面はASEAN拡大外相会議というようなものもございますので、そういう中で、これには我々も参加をして、米国も参加をできることになっておりますから、アジアの安全という問題については、そういう中でとりあえずいろいろ話し合いを進めていくというのが私は現実的な対応ではなかろうか、さように考えております。
○宮澤内閣総理大臣 今外務大臣が答えられたことに尽きますが、実情を知っていればいるほどそういうことを考えるはずはないと私は思いますので、だれがそういうことを申しましたか、少なくともアメリカ政府の考え方というものではないのじゃないかというふうに私は思っております。
○松浦(利)委員 今の総理の答弁、お聞きをいたしまして安心をいたしました。ぜひこのことについては調査をお願いしたいというふうに外務省の方にお願いをしておきたいと思います。 さらに、先ほどの日米間の、言葉は悪いのですが貿易戦争とでも言うのですか、アメリカからの大変厳しい状況で、何でもかんでもアメリカはもう裁判に持ち込んでしまう。ダンピングという解釈が何か違ってきている。日本を目のかたきにして裁判に持ち込むというようなことがもう再三今行われかかっておるわけでありますが、ここで、日米構造協議そのものはもう事実上終わったと思うのですね。それで、実質的にこの日米構造協議というのは成果があったのかどうか、その判断はどうしておられるのか、そして、仮に日米構造協議が終わってしまって、協議方式を新たに日米間で考えるとすればどういう方法を考えておるのか。 私は日米間に一定のルールが必要じゃないかというふうに思うのです。これは駐米大使も言っておられるのですけれども、どうも日本とアメリカとの解釈が違う。ダンピングというのはどういうのをダンピングというのか、あるいは公正、対等というのはどういうことなのか、こういったことについて相互に理解をするルールづくりが必要じゃないかということを、これは新聞のインタビューに答えて粟山さんが言っておられるのです が、私は、まさしくそういうことがクリントン政権になればなるほど必要になってきておるんじゃないかと思うのです。 恐らく今度訪米される総理もそういう点については頭の中に入れて行かれると思うのですけれども、その点についてのお考え方をお聞かせいただきたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 総理大臣のお答えの前に、一言申し上げます。 私は、日米構造協議というのはそれなりの成果をおさめてきた。例えば自動車の問題にしても、部品の問題にしても、半導体の問題にしても、私は成果をおさめてきたと。具体的な成果については通産大臣からお答え願うのが適当だろうと存じます。 また、今後やれ三〇二だとか、やれいろいろなアンチダンピングとかというようなことをやたらに持ち出されることは、これは好ましくないことでありまして、我々としては、そういう協議をやっているのならば協議を続けるべき、片っ方で協議をやりながら片っ方で訴えていくというようなことは、これは私はルールに反するんじゃないか。 したがって、今後どういうふうに取り組んでいくかについては、今後まさにこれは協議の問題である。内閣というか政権がかわりまして、担当者も全部一新をされたわけですから、いずれにいたしましてもこれは新しい人たちでありますので、今までのいきさつについて必ずしも理解を持っているとは限らない、私はそう思っています。したがって、そういう点は最初から、私は理解を求めるための努力は今後とも続けていかなければならぬ、かように考えております。
○宮澤内閣総理大臣 構造協議というものが始まりましたそのいきさつは御承知のとおりでございますが、いわゆる非関税障壁と言われますように、関税以外にいろいろな、自由経済、自由貿易のための障壁があるというそういう発想からもとは出てきたわけですが、それをどんどん突っ込んでまいりますと、おのおのの国の伝統であるとか歴史であるとか社会のでき方であるとか、どうしてもそういうところへ入っていくことになります。 構造協議というのは、日米がこれだけ親しい間柄でございますから、そのことを承知の上であえてお互いにかなり踏み込んで、お互いの制度というものをいろいろ議論をし合い、改めることができるものは改めようではないかということでやりました。これは親しい間柄であるからできたのでありますけれども、同時に、突っ込んでいきますと、いろんな制度はきのうきょう生まれたものでなくて、長い間の社会のでき方であるとか伝統であるとか風習であるとか、国が古ければ古いほどそういうものはございますわけで、したがって、この構造協議というものもこういう親しい間だからできたのでありますし、それなりの成果を私は上げた、確かに上げたと思っております。殊にクリントン政権になって、財政赤字の問題を正面から取り上げるようになったということなどは、そういう意味で構造協議の、こちらがしょっちゅう申しておったことの成果であるということも言えると思うのでございます。 ですから、過去においてそれなりの成果は上げた。しかし、何年かやりまして、かなりの問題は私はもう洗いざらい出し尽くしてきているのではないかというふうに思い、この点は正確によく事務当局に聞いてみないとわかりませんが、考えられる問題は随分お互いに議論をしたと思うのでございます。系列なんていう問題が御承知のように残っておりますけれども、系列というようなことは国の長い間の伝統であるとか風習であるとかいうことに関連いたしますので、何も貿易を阻害するためにやっているわけではない。しかし安いものがあれば安い方から買ったらいいじゃないか、いやしかし長い間のつき合いというものは必ずしもそういうもんじゃないといったような、その辺のことでございますから、随分いろんな問題をお互いに話し合った。それなりの成果は上げました。さあ今後さらに生産的な効果の上がるような分野がありましたら、それは私はいいんだろうと思いますけれども、随分やることはやったなという感じがいたします。 それで、今もう一つ大事なことは、外務大臣が言われましたように、そういう話をしておるわけでございますから、突然アンタイダイピングだとかスーパー三〇一条だとか、ガットということを言いながら、ガットで考えていないようなことを突然やるということは、私はやっぱり賛成できないというふうに思います。その点は外務大臣と同じように考えます。
○松浦(利)委員 それでは外務大臣、今度のサミット、対日関係でどうぞ御退席ください。 もうだんだんサミットが近づいてきたわけですけれども、エリツィン大統領は大体お呼びするということで七カ国の合意が成り立ったんでしょうかね、その点どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 いろいろ各国の御意向についてはそれとなく承っておりますが、まだ正式に決まったわけではありません。最終的には議長国である議長の宮澤総理が決定されることでございますので、総理からお聞きを願いたいと存じます。
○宮澤内閣総理大臣 今外務大臣のおっしゃいましたとおりなのですが、御承知のように、このG7のサミットの会議のためには、各国を代表する個人特使というものが、俗にシェルパと御承知のように言っておりますが、シェルパが準備の会合をいたしましていろんなことを取り決めていくわけでございますけれども、アメリカのシェルパの任命が大変おくれまして、極めて最近、ほぼ人選が決まってきたというようなことがありまして、シェルパの会合が実はまだ開かれておりません。 したがいまして、ただいまの問題もまだ各国の間で全く下相談すらできる状況にありませんで、私としましては、そういう下相談の状況を見ながら、各国がどういう考えであるかを知りました上で、相談をしつつ決めたいと思っておりますが、ただいまのところ、そんなことから、その事務的な進捗を見ていないというのが実情でございます。
○松浦(利)委員 それから総理に、ロシアとの支援の関係でありますけれども、どうもコールさん、ドイツのコールさん、日本とドイツではもう完全に立場が違うわけでありますけれども、私たちはロシアを支援することについて反対をするつもりはありません。ですから、ミュンヘン・サミットで合意いたしました援助総額の見直し等が当然サミットで行われると思うのですが、御承知のように何といっても我が国は北方領土というものが現に存在をしておるわけですから、このサミットで政治宣言されました中に領土問題が含まれてきました。ですから、これが調整の対象になって政治宣言の中から取り外されてしまうというふうなことが新たな東京サミットにおいて出てこないように、政経不可分の方針というものは堅持をされて対ロ支援というものをお考えになっていかれるもの、そして政治宣言の中には領土問題は含まれるもの、こういうことで恐らく日本政府は調整が進められていくと思うのでありますが、そういうふうに理解してよろしいでしょうか、総理にお尋ねします。
○宮澤内閣総理大臣 ミュンヘン・サミットで我々がソ連を支援しようと考えました政治宣言の背景は、第一に、ロシアが民主主義的な国家になってほしい、第二に、市場経済というものに進んでほしい、第三に、スターリン主義による外交を改めてほしい、こういう三つの願望を我々が持っておるがゆえにロシア支援をするということが政治宣言の背景でございます。 最後のスターリン外交を改めてほしいということは、端的に申しますと、例えば北方領土の問題はスターリン外交の結果でございますから、そのようなことについての考えを変えてほしいという意味でございます。エリツィン氏はそれに対して、法と正義に基づいてこの問題を考えるということを言っておるわけでございますから、そういう意味で、ミュンヘン・サミットで七カ国が考え ました考え方の基本というものは変わるはずがない。今後ともそれに基づいてこの問題を考えていかなければならない。またエリツィン大統領も、法と正義に基づいてこの問題を考えると言っておられる立場でございますから、そこに話し合いの道はあるというふうに思っております。
○松浦(利)委員 それでは、先ほどの円高の問題について質問を戻します。 それで、御承知のように、この円高等が来年度の三・三という経済成長の足を引っ張ろうとしておることも事実ですから、そういった意味では円高そのものについても妥当な水準に戻されるべきだ、戻っていくべきだ、こう思うのでありますが、しかし、いずれにいたしましても、中小企業とかあるいは地場産業、こういった人たちについては極めて大きな問題だと思います。しかも、内需拡大によって輸入がふえてくるということも大変中小企業等については経営に重大な影響を与えるわけですから、こうした中小企業あるいは地場産業に追い打ちをかけないようにどう対応されるのか、ぜひひとつ通産大臣からこの対応策についてお聞かせをいただきたいというふうに思うんです。
○森国務大臣 我が国の経済は、御承知のように個人消費、設備投資が低迷をいたしておりまして、企業をめぐります状況が一層厳しくなっております。特に、売り上げの低迷等、人件費など固定費の上昇がその大きな原因でございます。こういう状況の中で、今回のような急激な円高は輸出関連企業の円ベースでの手取り収入を減少させる、収益のさらなる悪化を招くなど、景気には好ましくない影響を与える、このように憂慮いたしております。先ほど申し上げたとおりでございます。 そのために、もちろんこの円高を容認するという意味ではなくて、事務当局に命じまして、主要業種二十二業種、さらに輸出型産地二十五地域に対しまして今回の円高が企業経営に与える影響等について調査を行いました。これを昨日、その調査結果を発表したばかりでございます。 調査結果を見てみますと、やはり急激な円高が輸出関連企業の企業収益に悪影響を与えるだけではなくて、すそ野の広い加工組み立て産業等を通じまして、直接的には影響がない産業等につきましても大変大きな悪影響を及ぼしている。国内景気をまたこれによって冷やすのではないかというふうに、私は大変心配をしておるところであります。景気の現状及び企業の状況をこれから注意深く見守りながら、今回の調査結果をも踏まえながら、早期の景気回復を目指して今後とも適時適切な経済運営に全力を尽くしていきたい、こう考えておる次第でございます。 その際、当然為替相場の動向というものも十分踏まえていかなければなりません。今調査をいたしましたところでございますし、さらに中小企業、もちろんこうした相場の問題も含めて、中小企業、特に小規模企業、日本の産業の大宗を占めておりますだけに、十分その点につきましての措置を考えていかなければならぬ。また事務当局にも十分そのことを今指示をいたしておるところでございます。
○松浦(利)委員 ぜひ中小企業、地場産業等について大臣の今言われたことを実行に移されるように要望しておきたいと思うんです。 それから、日銀来ておられると思うんですが、要するに経済というのは、金利の水準それ自体よりも、金融政策がうまく運営されておるかどうかということに左右されると思うんですね。ところが、最近の日銀の状況を見ておりますと、どうも金融政策が機動的にされておらない。何か独立性というのが失われてきておるという気がしてならないんですね。ですから、もう一段と金利を下げてくれという声も出始めておるんですけれども、この前三野委員からも指摘がありましたように、金利政策そのものが与える影響の大きさというものも考えていけば、やはり日銀というのはそれなりの機動的な運営というものを自信を持ってしていただかなければならぬと思う。 私たちが今反省をするのは、プラザ合意以来低金利政策が続いた。そのために、大変な経済混乱が起こってきたわけですから、逆に今度は、景気が回復すれば機動的に金利の引き上げ、こういったことに直ちに取り組まれるという、そういう姿勢がなければまた経済の混乱を招くということがあり得るわけですね。ですから、この点について副総裁の御見解を承りまして、お帰りいただきたいというふうに思います。
○吉本参考人 本日は、三重野総裁がちょっと外国出張中でございまして、私がかわりにお答え申し上げることをお許しいただきたいと思います。 ただいま委員から金融政策の機動的な運営について配慮しろということをおっしゃられましたが、私どももこれは全く私どもにとって一番大事なことだというふうに考えておるところでございます。 ただいまのプラザ合意以降の金融政策について若干御批判がございましたが、当時の経済情勢を考えますと、円高というのが大変問題になりまして、内需主導型の経済運営をしなければいかぬ、さらにそれを通じて対外不均衡の是正、これがいわば国是的な経済の中心的な課題であったと思うのであります。私どもといたしましても、物価の安定に配意しながら、金融政策の運営も金融緩和という線に沿って運営をしたというのが実情でございます。 結果として、対外収支の黒字の縮小とかあるいは円高不況からの立ち直りというようなメリットもあったわけでありますが、一方、実体経済の振れを大きくしたとか、資産価格の高騰を招いた、こういったようなデメリットもございまして、私どもとしても、これについては今後反省材料として今後の経済運営、金融政策の上で配意していかなければいかぬ、このように思っております。 最近の経済情勢につきましては、これは委員会でもいろいろ御議論がございましたけれども、私どもとしては現在の経済の局面をかなり厳しい調整局面にあるというふうに考えておりまして、先月、二月四日の第六次の公定歩合の引き下げもその線に沿って実施をしたものであります。幸い、公定歩合の引き下げ等に伴って市場金利あるいは貸出金利も下がってきております。かなり低下をしてきているわけであります。 ただ、一番気がかりなのはマネーサプライが伸びない、伸び悩んでおるということでございまして、私どもとしては、その主たる要因はやはり資産取引が低迷しておる、あるいは景気の調整局面からして資金需要がなかなか出てこない、また金融機関も従来の姿勢に比べて慎重な貸し出し姿勢になっておる、こういうふうなことが要因かと思いますけれども、やはりマネーサプライが伸びないということが私どもの目下の一番気がかりな点でございます。 先行き、経済が好転した場合に速やかに措置をとれという御指摘でございますが、この点につきましても経済情勢の、これは早く調整局面を脱して景気が回復軌道に乗る、安定成長軌道に乗るということが一番望ましいわけでありまして、その段階になりましてまた情勢の推移を見守りながら、私どもも手落ちのない措置をとっていきたい、このように考えております。
○松浦(利)委員 どうぞ。ありがとうございました。 それから、今度は経企庁長官にお尋ねをいたしますけれども、政府の景気判断について、要するに経済企画庁の景気判断が誤ったのではないかということは、冒頭の総括質問でも各党それぞれ指摘をされたところなんですけれども、今の景気指標が経済の実態を反映しておらない。また即応性でもちょっと問題がある。消費に関しては十分な指標が整備されていない。にもかかわらず、景気の分析に当たってはその指標を重視し過ぎる。要するに、指標そのものが整備されておらないにかかわらずその指標を重視する。その指標の不備な点が都合よく出てきて、結果的に誤りを犯したということがあるんじゃないか。さらにまた、経済企画庁の景気判断というのは、経済に関係のない 要因、一つの例を言えば財政状況に大きく左右されているんじゃないか。ですから、純粋な意味での景気判断というのがなかなかできない。財政等の要因から独立をする。 ですから、端的に言えば、そういったものを含めて経済企画庁の景気判断機構というのは今のようなあり方でいいのか。適切な措置が、新たな措置が検討されてしかるべきではないかと思うのですが、そういった点について経済企画庁はお考えになったことがあるのかどうか、そういう点について整備を図られようとしておるのかどうか、その点についてもお聞かせをいただきたいと思うのです。
○船田国務大臣 松浦委員にお答えをいたします。 御質問は、前半の部分で、私ども経済企画庁としまして、今回の景気の後退局面あるいはその低迷が長引いている、こういう状況の中で判断がどうだったのか、こういう御質問であろうと思いますけれども、まず私どもとしては、これも従来からお答えしているところでありますけれども、今回の景気の低迷の原因としまして、一つは従来のパターン、すなわち在庫を中心とした循環があった、これが一つあると思います。しかし同時に、今回の特徴は、やはり安定成長期以来初めての経験と言われているいわゆるバブルの崩壊、そして逆資産効果なりあるいは資産が非常に下がってしまったということが実体の経済に非常に大きな影響を与える。これは確かにこれまで余り経験をしたことのなかったことでございまして、言いわけを申し上げるつもりはありませんけれども、確かに予測しがたい側面があったということは事実であろうというふうに思っております。 ただ、私どもとしては、常に景気の状況、足元の判断ということをできるだけ的確に把握をしていこう、こういうことで、経済指標のとり方ももちろんでありますけれども、同時に産業界あるいは企業経営者などからヒアリングも逐次行っておりまして、そういう生の声をお伺いをしながら経済の的確な実態把握に現在努めているという状況でございます。 各種の経済指標、このことについては非常に技術的な問題もありますので、また後ほど政府委員からもし必要があればお答えをいたしますけれども、私どもとしてはできる限りこの経済指標というものを的確に把握をするということ、そして同時に、やはりタイムラグということがあることを従来から指摘をされております。これも正確ということはポイントとして押さえておかなければいけませんけれども、正確さを押さえつつもできるだけ迅速にその経済指標を出していく、こういう点につきましても今後とも私どもとして最大限の努力をしていきたい、こう思っております。
○松浦(利)委員 ぜひそういう方向で努力をしていただきたい、そういうことをつけ加えて申し上げておきたいと存じます。 それから、続いて環境税の問題について環境庁長官にお尋ねをしたいと思うのですが、OECD加盟各国に環境税を導入するという勧告が報告書としてOECDでまとめられたという報道がなされておりました。三月中に理事会で正式に決定をして、今後二年間かけて具体的な実施方法と国際協調のあり方について検討を進める方針だというふうに聞いておるわけでありますが、政府自身はOECDからどのような連絡を受けておられるのか、まずお聞かせいただきたいというふうに思います。
○林(大)国務大臣 先生の御質問にお答え申し上げますが、OECDが環境税の導入を進める観点から種々の検討を進めておりますことは先生の申されるとおりであります。その点につきまして、環境庁といたしましては、現時点では公表をしたという連絡はまだ受けておりません。しかし、先生の問いにありましたように、三月末か四月に入るころにはそのような連絡を受けるものと実は考えております。
○松浦(利)委員 三月中に理事会で決定するということはありませんね。どうですか。
○林(大)国務大臣 私どもの方で伺っておりますのは、作業部会で進めておることでございますので、いずれこれは理事会の決定がないと公表できませんので、それは三月末か四月初めにはというように承っております。
○松浦(利)委員 OECDの租税と環境作業部会の報告書とはどういう効果を持つものでしょうか、効果の問題。
○八木橋政府委員 ただいま先生御質問のOECDにおける租税と環境に関する作業委員会、タスクフォースの報告書の性格でございますが、これはOECDが各国における環境税に関する検討に役立つ情報を取りまとめるということからなされているものであって、したがって、この報告書はそういった各国に役立てもらうという視点から取りまとめられるものでありまして、それをもって何らかの勧告を行い、義務づけを行うという性格のものではございません。
○松浦(利)委員 同作業部会は、環境税というものは環境問題の解決に効果的である、こういう立場で炭素税を非常に有力視しておるわけでありますが、最終的には理事会決定ということになるのでしょうけれども、どういう手順をこれから踏んでいくというふうになるでしょうか。事務局からで結構です。
○八木橋政府委員 先生先ほど御質問の中でお触れになっておりましたが、この租税と環境に関する報告書案は一月の段階で環境政策委員会、租税委員会においてそれぞれ承認されておるわけでございますが、手続的にはこの報告書の公表には理事会の承認を得るということが必要でございまして、現在、承認のための手続をとっているというぐあいに聞いているわけでございます。 それからさらに先生、これから二年間おやりになるということについて触れておりましたが、この件について申し上げますならば、当初予定いたしました租税と環境のタスクフォースを設置するということを取り決められましたのが一九九一年の六月でございますが、そのときに作業目的として考えておった仕事については結論が出たということでございますが、この問題の重要性にかんがみ、さらに検討を深めていく必要があるだろうということで、約二年間かけまして議論を深めていきたい。例えば、具体的に実施するためにはどういう戦略をとったらいいかとか、また国際競争力への影響をどう考えたらいいかとか、国際協調の問題をどう取り扱おうかとか、またちょっとケーススタディーもやってみたいというようなこともございまして、このタスクフォースそのものが二年間継続するということに決まったものでございます。
○松浦(利)委員 今国会に提出されることになっておる環境基本法で、経済手段についてはどこまで現在煮詰まっておるのか、煮詰まっておるとすればどういう内容なのか、教えていただきたいと思います。
○八木橋政府委員 ただいま政府におきまして、お触れになりました環境基本法案の策定作業を進めている最中でございますが、これは昨年十月にいただきました中央公害対策審議会及び自然環境保全審議会の環境基本法制のあり方という答申を踏まえまして、現在政府で鋭意検討作業を進めているところでございます。 なお、この答申におきましては、現在の環境問題の特質が、従来の産業型の公害から一般の生活または経済活動そのものに起因するというような状況、また地球環境問題というものを視野に入れて今後の環境政策を進めていかなければならぬという視点から見ますと、従来の規制的手法のみでは限界があって、経済的手法一般というものを視野の中に、政策手段として取り込んでいく重要性について述べているわけでございます。 したがって、経済的手段といたしましては、ただいま先生がお触れになりました税のほかに、課徴金もございますれば、またデポジット制度ということでリサイクル等に役立つような手段もございます。そういったような手段が今後の政策を考えるに当たって非常に重要であるというような点 や、しかし、そういった事柄を取り入れるに当たっては広く国民各層の合意を得ることも必要であるとか、また経済社会への影響等について十分議論をするというようなことも同時に言われております。 私どもは、この答申を今熟読玩味いたしまして、この答申の趣旨を最大限盛り込むようにということで政府部内で今鋭意検討中でございます。近々結論が得られますれば、政府提案として国会の御審議を得るように、私どもは今最大限の努力をしている最中でございます。
○松浦(利)委員 この環境問題というのは、御承知のように、ヒューストンのサミットあるいはロンドンのサミット、それぞれ経済宣言の中に盛り込まれた事項なんですね。 それで、この炭素税というものの問題点、あるいは具体的に産業あるいは経済社会に与える影響、どのように分析しているのか、事務当局、お聞かせいただきたいというふうに思うのですがね。
○八木橋政府委員 先生御指摘になりました炭素税等の環境税に関する議論につきましては、お触れになりましたように、過去数回行われましたG7のサミットにおきまして、その開発検討ということが推奨されておりますし、また、昨年開かれましたリオでの環境と開発に関する国連会議の中におけるリオ宣言においても、それはその採用が推奨されているところでございます。 ただ、また現に炭素税については北欧の国々を初め世界で既に五カ国の国で採用されているところでございます。そういう中から、経済的にどういう大きなインパクトがあったという報告が必ずしもないわけではございますが、しかし、国際経済動向の中でこれはやはり慎重に取り扱っていくべきということで、環境庁におきましても、今研究会を開いて研究中でございまして、まだそういうことではオンゴーインクの話でございますので、結果等についてまだ申し上げる段階ではございません。
○松浦(利)委員 この炭素税の導入いかんによっては、環境のためとは言いながら、我が国経済社会に私ははかり知れない影響が出てくることは間違いないというふうに思うんです。ある試算によりますと、CO2排出量安定化に実効ある炭素税ということで炭素税を取るとすれば、約六兆から十兆の増税ということが試算として出ておるのですね。これはただ単なる試算ですから、これが、そのものがずばりということは申し上げませんけれども、そういった意味で、炭素税について、大蔵当局あるいは通産、運輸当局等はどういう考え方を持っておられるのかをお聞かせをいただきたいというふうに思います。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○八木橋政府委員 まず環境庁からお答えさせていただきたいと思うわけでございますが、おっしゃるように、炭素税等の環境税の効果につきまして、いろんな機関でいろんな研究を進めておりまして、私どもにおきましても、環境税の環境改善効果から経済に与えるインパクト等々いろいろ研究経過を集約し、分析しているところでございます。そういった研究の中には、御指摘のような試算があるということも私ども承知しておるわけでございますが、幾つかのモデルを見ましても、その影響につきまして、ほとんどないというものから経済成長率で一・五%程度まで影響するといったようなもの、いろいろございます。 私どもといたしましては、さらに環境改善効果、経済への影響との関係につきましては、今後とも十分調査研究を進めていく必要があるというぐあいに考えているわけでございます。
○林(義)国務大臣 政府委員から御答弁したところとそんなに違わないところでございますけれども、大蔵省といたしましても、この問題は、環境問題は大変大切なことだ、こう思っていまして、全体としての、環境政策全体の理念や枠組みなどの問題もございますし、国内外での諸動向もありますから、そういったことを注目いたしまして、引き続き勉強を続けてまいるというのが今の状況でございます。 松浦先生からの御指摘でございますけれども、私も思ってますのは、環境税というのが恐らく二つの物の考え方があるんだろうと思うんです。それは、いわゆる汚染物質、環境汚染を抑制するというための経済的手段としての税制の活用というのが考えられるんじゃないかなということが一つです。それから、環境の問題は日本だけじゃなくて世界にもわたりますから、国の内外を通じまして環境汚染に対していろんなことをやっていかなければならない、そういったものの財源をどういうふうな形でもって調達していったらいいかな。こういった二つの問題があるんじゃないかな、こう思っているところでございまして、いろんな点を含めまして私たちの方も勉強してまいりたい、こういうふうに思っておるところでございます。
○森国務大臣 先ほど環境庁事務当局からお答えを申し上げておりますが、環境基本法案につきましては、政府部内で今検討を行っておりますし、特にいわゆる炭素税等の経済的手法の位置づけにつきましては、これも政府部内で今調整をいたしておるところでございます。 昨年の十月の答申では「有効性が期待される経済的手法の考え方を環境基本法制に位置づけることが重要」というふうに指摘いたしておりまして、個々の施策の導入につきましては、「その施策の必要性及び効果、経済社会への影響等につき十分な議論を行い、広く国民各層の合意を得ることが必要」である、このようにいたしております。かかる答申の趣旨に従いまして、十分な検討を行いまして、政府部内での調整に努力をしてまいりたいと考えております。
○越智国務大臣 大蔵大臣、通産大臣のお答えしたのと大差ございませんが、特に運送業者にも影響を及ぼすことでございますので、十分今後検討、論議を重ねていきたい、かように思っておる次第であります。
○松浦(利)委員 いずれにいたしましても、OECDの理事会が、三月あるいは四月初めに理事会で正式決定をするという手続になっておるようであります。それで、完全にCO2の排出量安定化に実効ある炭素税ということになってくると、大変金額が大きくなる、それが産業にあるいは経済活動に重大な影響を与えるということも事実だと思います。 しかし、逆に言うと、経済サミットの中で地球の環境問題というのは常に取り上げられる重要な案件であるということも事実です。ですから、東京サミットでも当然こうした問題について議論が進められるというふうに思うんですが、こうした状況の中で、今環境庁を含めて各省庁検討中であるということですから、恐らくOECDの報告書等が出てくれば具体的に議論が進んでいくんだろうと思うんですが、この際、サミット議長国になる総理の方からも、この問題についての宮澤内閣としての御所見を承っておきたいと思います。 〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
○宮澤内閣総理大臣 基本的に税というのはなるべく取らない方がいい、どうしてもやむを得ないというときにはそうでございますが、基本的にはなるべく国民にそういう負担をかけない方がいいというふうに思います。 そこで、この環境税の話ですが、今大蔵大臣が言われましたように、恐らく考え方といいますかねらいは二つ、いずれかだろう、あるいは両方かもしれませんが、二つあると思うので、一つは何かの施策をする、国内的あるいはおっしゃるように国際的にこの環境問題についての施策に相当な財源が必要であって、そのために環境税を起こすという考え方であれば、それらの施策がどの程度に必要であるのか、ほかの財源をもっては賄い得ないのかということをきわめなければいけないと思いますし、もう一つ別に、そういうことよりはむしろ消費を抑制したいということであるとしますならば、どの程度に消費を抑制しなければならないのか、また、その結果としてどの程度に国民負担になるのかといったようなことを、やはりこれも究明しなければならないと思いますから、そ れらのことをよほどきちっと究明をいたしませんと、漠然と環境税というようなものを取ればいい、それは環境問題が大事なことはわかっております、それはわかっておりますが、それがすぐに環境税につながるという余り短絡的な発想は、私は慎重でなければならないというふうに思っています。 サミットとの関連でございますが、今度クリントン大統領のせんだっての教書を見ておりますと、いわゆるエネルギー課税というのは、BTUでございますから熱単位について課税をするというふうに考えておられるようでして、そのことは環境税の、例えば炭素課税といったようなこととはちょっと違うのだろうと思いますから、まあアメリカがどういう方向に進むかも見ておかなければなりませんが、とりあえず今度のサミットで、OECDがどういう所見を出しましょうと、サミットで環境税というようなものを正面から問題にするということには私はならないだろう、環境問題は当然議論になるとは思いますけれども、そのような見通しを持っております。
○松浦(利)委員 それから、環境問題についてこれは最後の質問になりますが、環境事業団、今回法改正をして基金を設ける、その予算が計上されておるやに聞いておるわけでありますが、しかしいずれにしても、環境というのは国のみならず企業にとってもあるいは個人にとっても大変重要な問題ですから、この環境事業団に政府が資金を出すということももちろん重要ではありますけれども、この環境事業団に対して指定寄附という形の、企業からの損金算入といったような方法をとることによって企業や個人が自由にこうした環境事業団に資金を提供される、そういったことをお考えになる必要があるんではないか。むしろそういうことを政府自身が積極的に支援をする、そういったことも大変重要な問題だと思いますので、この環境事業団、公益法人に対する、この基金提供者に対する損金算入、こういったことをお考えになられたことはないのかどうか、大蔵大臣にお尋ねをいたします。
○濱本政府委員 御指摘は環境事業団に対する寄附金につきまして税制上の優遇措置を与えるという、いわゆる特定公益増進法人に関するものであろうかと承るわけでございますけれども、これにつきましては現在環境事業団法の一部を改正する法律案が既に国会に提出されておると伺っておりますけれども、地球環境基金の設置などを含めました環境事業団の業務の拡大が予定されておりまして、今後その業務内容等を踏まえまして、国会の論議も承り、適切に対応してまいりたい、かように考えております。
○松浦(利)委員 ぜひ、こうした非常に重要な問題ですから、企業あるいは個人が自分の判断で資金を提供する道を広げていただきたい。そうすることは、私は極めて国民に環境を意識させる上でも大きなものがあるというふうに思います。ぜひ大蔵大臣、善処方お願いをしておきたいと存じます。
○林(義)国務大臣 御質問の問題は、私もごもっともな御意見だろうと思いますが、現在環境事業団法の一部を改正する法律案、国会に出ておりますので、それの御審議の過程等でいろいろと御議論も出てくるんだろうと思いますので、そういったことをも踏まえまして対処をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○松浦(利)委員 続いて、御承知のように先ほどから円高問題で議論をしてまいりましたけれども、円高が物価値下げということに結びついていくように、私はカルテルとかあるいは談合とか、こういったことに対して公正取引委員会の、競争条件の整備という意味での公正取引委員会の、ぜひ活躍を期待しておる一人なんでありますが、御承知のように二月の二十四日、社会保険庁発注シール事件、まあ事件ではありませんが、シールについて印刷業界が談合した、これに対して公正取引委員会が告発を行いました。同一事件について刑法と独禁法の両方で罪を問うということは初めてのことでありますし、また、入札談合をめぐる独禁法での刑事告発も初めてなので、私はその成り行きを非常に注目をしておるところでありますが、これは大きな先例になると思います。 ですから、公正取引委員会はぜひ重要視して頑張っていただきたいと思うのですが、先ほどの競争条件の整備という意味で円高が国民にプラスになっていくように、談合とかあるいはカルテルとかこういった行為について今後も厳しくやっていくかどうか、そういった決意のほどを公取委員会からお聞かせをいただきたいというように思います。
○小粥政府委員 お答えを申し上げます。 まず、先ほど円高関連の御質問がございましたが、既に通産大臣からも御答弁がございましたけれども、公正かつ自由な競争を通じて円高の効果が国民経済の各分野に円滑に浸透してまいりますことは、国民経済的に見ましてもまことに望ましいことでございます。 したがいまして、公正取引委員会といたしましては、御指摘のカルテルでありますとかあるいは再販売価格維持などの独占禁止法違反行為によって円高差益の還元が不当に妨げられることのないように関連情報の収集に努め、もし具体的な端緒に接した場合には所要の調査を行いまして、違反事実が認められた場合には厳正に対処してまいる方針でございまして、この点は御指摘をそのまま承りまして、私ども一層注意をしてこの問題に、独占禁止法所管官庁といたしまして十分に対処してまいりたいと存じます。 さらに、いわゆるシール談合事件の告発についてただいま御質問をいただきました。告発の経緯等につきましては省略をさせていただきますけれども、私ども、独占禁止法が我が国の経済社会におきましてより一層定着し、これが遵守されてまいりますことが、先ほどお答え申し上げましたように、円高差益の円滑な還元にとどまらず、市場経済を基本といたします我が国にとりまして望ましいことと考えております。したがいまして、この独占禁止法の運用に当たりまして違反行為が行われました場合には、私ども当然のことながらこれに対して法に従い厳正な対処をする所存でございます。 先ほど御指摘がございました最近のいわゆるシール談合事件についての告発は、これは談合事件につきましては初めてのケースでございますけれども、私ども既に平成二年六月にいわゆる告発に関する方針、考え方を公表しておりまして、今後ともその方針に従いまして厳正な対処をしてまいりたい、そのように考えておるところでございます。
○松浦(利)委員 これは総理もぜひお聞きいただきたいと思うのですが、この印刷業界というのは、首都高速道路公団の発注する高速道路の通行券、この受注をめぐりまして談合がありまして、排除勧告を受けたことがある業界なのです。ところが、また今度の社会保険庁発注のシールでやっている。結果的に告発という行為が出てきたわけですけれども、どうもこういった談合をやる業態というのはもう決まってくるわけですね。そして、せっかく競争条件を整備する努力をしてみても、こういうことが頻繁に行われる業界などは、おきゅうを据えるという意味ではなくて、やはり厳しく対処していく必要があるのじゃないかというふうに思いますね。 ですから、ぜひ公正取引委員会は、今までこういったことが再三繰り返される業態については、人員その他の関係でなかなか手が回らないということもあるでしょうけれども、やはり日ごろから調査をしておく必要があるのではないかというふうに思います。ですから、そういう点についてもぜひ公取の方で事務的に考えておいていただきたい、検討していただきたい、こう思います。どうでしょうか。
○小粥政府委員 ただいまお尋ねいただきましたのはこの種の独占禁止法違反行為がしばしば繰り返されているという御指摘でございますが、私ども、このような行為が繰り返し行われることのないように、先ほど申し上げました告発というの は、ある意味では、私ども公正取引委員会の行います行政処分だけでは法の目的が達成されない、そういう考え方からも告発という刑事処分を求める手段に訴えたわけでございますけれども、私どもその告発という手段の前に、具体的な独占禁止法違反行為を排除するために勧告という法律上の厳しい処分をとることが間々ございます。 そして、この勧告を行います場合には、例えばカルテルでございましたらそのカルテル合意の破棄ということを命じますけれども、これを命じただけでは十分ではない、今御指摘のように将来また再発のおそれがある、そういうふうに考えられますときには、これは、将来にわたって同種の行為、カルテル等の独禁法違反行為を繰り返し行わないようにといういわゆる不作為命令、これを私どもの勧告処分におきましては命ずることが最近かなり例も多くなってきております。そして、この不作為処分にもし当該事業者等が違反をいたしまして、また繰り返し行います場合には、これは不作為命令の違反として、法律上、審決の違反行為として場合によっては刑事罰にも問い得る、このような法の仕組みになっているところでございます。 それから、これは違反行為が具体的に行われた場合の対処でございますけれども、何より大事なことは違反行為を未然に防止することでございます。例えば、私ども行政処分、それでも十分でない場合の刑事告発を求めます処分、これらの処分を厳正に行いますことが、そのままとりもなおさず一般的な違反行為に対する未然防止、抑止力につながると思っております。 それから、独占禁止法違反行為につきましては、刑事罰の定めがございますが、昨年十二月の法改正によりまして、法人等につきましての刑事罰の上限を大幅に引き上げたところは御案内のとおりでございます。 それからまた、独占禁止法違反行為として比較的件数の多いものはやはりカルテルでございますが、このカルテルにつきましては、我が国独自の制度でもございますけれども、カルテルによる不法利得徴求のための課徴金制度がございます。この制度はカルテル違反を私どもが処分いたしますときには、これは必ず徴求するものでございますけれども、この課徴金につきましても、一昨年の法改正によりまして、これまた従来に比べまして大変大幅な引き上げを行っております。このような課徴金ないし制裁としての刑事罰の大幅な引き上げも、このこともまた先ほど申し上げました違反行為を未然に防止する抑止力につながるというところでございます。 さらに、御指摘のように公正取引委員会の機構、人員等につきましても、極めて全体的に抑制されている中で、公正取引委員会の機構、人員等は関係方面の御理解もいただきまして最近着実に増加をしているところでございます。 それからさらに、独占禁止法の理解を、企業社会あるいは一般国民にもその理解を深めていただくということがまた違反行為防止につながるゆえんでございますから、私ども、法解釈につきましてのいわゆるガイドラインの整備、公表あるいは企業における独禁法遵守体制の整備、そのような点につきましても、最近特に意を用い、努力をしているところでございます。
○松浦(利)委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。 また、アメリカでは日本に対してこうした談合とかこういったものについて極めて不快感を持っておるし、そのこと自体が参入できない理由だというようなことも言い続けておるわけですから、ぜひ公取の活躍を期待をいたしたいというふうに思っております。 それで、これは私は、今度のシールの発注問題は、社会保険庁の発注システムそのものもちょっと問題があったんじゃないかというふうに思うんですが、こうした発生システムについても、その後改善をされておられるのかどうか。また、これは報ずるところによると、このシールによって不当利益が十五億円、こう言われておるんですが、これの返還を業界に要求しておるやにも聞いておるんですが、これは確実に確保できるのかどうか、お聞かせいただきたいというふうに思うのです。
○丹羽国務大臣 社会保険庁の発注のシールの調達につきましては、法令の定めに従いまして慎重に行ってきたところでございますけれども、結果的にこのようなことが起きましたことは、まことに遺憾に存じておるような次第でございます。 この事件の反省に立ちまして、再びこのようなことが起きないように、指名対象業者の拡大、具体的にどういうことかということでございますけれども、このシールでございますけれども、新しいいわゆる特殊技術を要するということでございまして、当初この分野には、導入当時は四社しか実はこういうような技術を持っておるような業者がなかったわけでございますが、その後、現在は十社程度にふえておるということでございますので、この業者をふやしていきたい、このように考えております。 またさらに、契約事情のチェック体制の強化を図っていきたい、このように考えているような次第でございます。 それから、今回の事件に関しましていわゆる不当利益につきましては、現在、契約相手方でございます関係業者から返還を求めるものと考えておりまして、協議を進めておるような次第でございます。(松浦(利)委員「見通しはどうですか」と呼ぶ)見通しと申し上げましてもあれでございますが、まあいずれにいたしましても、引き続き協議を進めていきたい、このように考えております。
○松浦(利)委員 やっぱりぜひ、悪いことをしてもうけた十五億円は、懐に、政府に取り戻してもらいたい、それが国民の声ですからね。総理、お笑いになっていますけれども、ぜひやっていただきたい。それはもう話し合いだから、難しいといえばそれまででしょうけれども、大臣の腕にかかっておるんじゃないでしょうかね。
○丹羽国務大臣 話し合いを進めておりますけれども、向こう側のいかんによっては訴訟も辞さない決意でございます。
○松浦(利)委員 それでは、続いてPKO関係について、我が党の質問者の詰められなかった部分について若干質問さしていただきたいと思います。 それは、まあ外務大臣おられませんから、官房長官、代理——総理が手を振っておられるから、それじゃ総理ですかね。それでは総理にお尋ねをいたしましょう。 まず、事務方にお尋ねをいたしますが、五原則に現状当てはまっておるかどうかということについては、政府と我々との意見の違い、見方の相違があることは事実です。我々は、五原則にもう当てはまらない状況が来ておるんではないかという主張をしてまいりましたが、政府は、いや、そうではないというふうに言い続けてこられました。しかし問題は、それでは現状のカンボジアに対する撤収をきちんと、どういう状態が発生をしたときには具体的に、五原則という大ざっぱな法律によるくくりではなくて、要するに撤収をきちんと議論したことがあるのかどうか、本部長が出席した会議をやったことがあるのかどうか、そういう点についてまずお尋ねをしておきたいと思います。
○柳井政府委員 お答え申し上げます。 ただいま五原則についてのお尋ねでございました。当委員会におきましても、これまでいろいろな機会に政府側の考え方を申し上げた次第でございますけれども、重ねてのお尋ねでございますので、簡潔に確認的な意味で私どもの考え方を申し上げたいと存じます。 まあ最近一部の地域で武装集団による襲撃事件でございますとかあるいは停戦違反事件が発生しているのは事実でございますが、現在カンボジアにおきましては、全面的に戦闘が再開されているというわけではございませんで、パリ協定に基づく和平プロセスの基本的な枠組みは維持されておりまして、いわゆる五原則は満たされているとい うふうに認識している次第でございます。 また、UNTACによりますれば、プノンペン政権及びポル・ポト派の両派ともパリ和平協定を守る旨表明していると承知しておりまして、UNTACとしても、和平プロセスの基本的枠組みは維持されているとの同様の立場であるというふうに理解している次第でございます。したがいまして、我が国から派遣された要員あるいは部隊の業務の終了、まあいわゆる撤収というようなことを検討するというような状況にはないと判断しております。 なお、国際平和協力業務の現況でございますとか現地の情勢等につきましては、随時私どもとして情報の掌握に努めているところでございます。 なお、この撤収あるいは中断の手続と申しますか具体的な制度につきまして、簡単に御説明さしていただきたいと存じます。 御承知のとおり、前提が崩れた、あるいは崩れそうになったというような場合につきましては、撤収ということの前にいわゆる中断ということがあり得るわけでございますので、この中断に関する事項につきましては、実施要領に定めております。(松浦(利)委員「それはいいです。はい、わかりました」と呼ぶ)必要に応じまして、また御説明さしていただきたいと存じます。
○松浦(利)委員 本部長が出席をなさって国際平和協力本部できちんと議論をしたことがありますかどうかと聞いておるんです。
○柳井政府委員 その点につきましては、先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、現在のカシボジアの状況と申しますものは撤収を検討するというような状況にはございませんので、具体的にそのような会議を催したということはございません。
○松浦(利)委員 ですから、私がここでお願いをしておきたいのは、事務方の判断だけで、せっかく本部長を中心とした会議というのが全然持たれておらない、これは重大な問題だと思うんですね。確かに事務方から見れば、撤収する条件はないから、だから本部長会議をしてきちんとした議論は詰めなくてもいいんだというお話で、それはそれで理屈としては通っていますけれども、現実的にはもう総選挙が目の前、ポル・ポト派は武装解除に応じない、それからUNTACとしてはもう総選挙後は撤収をする、存続するかどうか新たな角度からまた検討されるかもしれませんが、修正をしなきゃならぬという状況が生まれてくる。こういう条件下にあるんですから、きちっとやっぱり本部長が出席した会議を持って、そして具体的な今日の状況の認識、そういったものについて、私は責任あるところで詰めていただきたい。ただ単に、一方的に事務方の判断だけで処理をされないように、そういうことを強く要望として申し上げておきたいと思います。ぜひその点についての政府としての御努力をお願いをしておきたい。事務方だけに任せると、また大変な過ちを犯すことがあるということを強く指摘しておきたいと思います。 それから次に、これはもう既に報道されて、この委員会でも質問が若干あったところですが、実はこの前、大変不幸なことですけれども、カンボジア派遣の自衛隊の方が業務中に、現地の人が二人事故で亡くなられました。このことは事実関係として一体どうなっておるのか。そしてどのように処理されたのか。向こうの方では交通法規というのが整備されておりませんから、向こうから飛び込んできたという説もありますしね。また、御承知のように、国連のPKOでは、派遣国の裁判になる、こういうふうになっていますね。ですから、これが業務上過失致死罪になるとすれば日本の裁判にかかるわけですけれども、国外の道路ですからこれは我が国の刑法が適用されない地域ということで、我が国の裁判にもかからない。ですから、非常に、何といいますか、あってはならないことだけれども、今後もやっぱり起こり得ることがあるのですね。こういうものは私たちは想定しておらなかった。だが現実に起こってしまった。現地の自衛隊の方も大変心配しておられると思いますね。 ですから、こうした問題について相手方に対しての補償は一体どうなっているのか。そういった補償規定というのが、国外におけるPKOに伴ったこうした人身事故というものについてきちっとした損害補償の法律というものがどうなっているのか。どうしようとしているのか。その点について簡潔で結構ですから、お答えいただきたい。
○澁谷政府委員 先生がおっしゃいましたとおり、昨年の十月三十日とことしの一月十二日に自衛隊施設部隊による交通事故が発生いたしまして、おのおの現地人一名が死亡したというぐあいに承知いたしております。この二件の事故に関しましては、UNTACにおいて現在調査中でございます。この調査結果を踏まえた上でなければ、我が国としてどうすべきかということは申し上げられないという事情にございます。 また、補償につきまして、これは一般的に申し上げれば、UNTAC要員が公務でUNTACの車両を運転中に交通事故を起こして第三者に損害を与えた場合には、この第三者によりUNTACに対し損害賠償を請求するということがあり得るかと思います。その場合には、国連が締結している保険契約に基づいて保険金の支払いが検討されるという仕組みになっていると承知いたしております。
○松浦(利)委員 補償はどうなっていますか、この二人に対する補償は。
○澁谷政府委員 この問題につきましては、UNTACが現在調査中でございますので、その結果いかんによると思います。
○松浦(利)委員 今UNTACが調べておるからそのまま放置されておるわけですよね。そのことが逆に今度は自衛隊員の批判に、PKOでせっかく苦労しておられる皆さん方に対する現地からの批判として上がってくるのじゃないですか。亡くなっておるのはもう事実なんだから。だから、これはもう既に昨年の話でしょう、十月。今度新しく一月でしょう。これだけ経過をして補償されておらない。日本の場合はすぐ保険が払われるでしょう、死亡なんかの場合は。これは自衛隊の施設大隊の人はたまったもんじゃないですよ、みずからの意思で起こっておる事故じゃないのだから。しかも裁判手続というのは、国連PKOによる関係は派遣国の裁判になっておるでしょう、標準運用手続によれば。ところが日本では裁判できないでしょう、業務上過失致死の、道路が国外だから。 だから、今現在どうなっているのですか。全然その補償も何にもないままですか。どうですか。
○澁谷政府委員 この事故につきましては、国連のコマンドのもとにおける公務に従事しているさなかにおいて起こった事故でございますので、UNTACが現在それを調査中でございますので、その結果を待ってからやはり我が方が対応を考えるというのが筋だと思います。
○松浦(利)委員 もうここであなたと議論していても意味がないから議論はしませんが、大体人が死んでおって、それでUNTACが調査中でございますからといって放置されて、たまったものじゃないですよ、その一生懸命仕事しておる人たちは。一体こういうところをどうやって政府は埋めようとされるのでしょうかね。こういうことが、せっかく努力をしてみても批判に変わっていくわけですよ。向こうの人に幾ら説明したって、亡くなっておる人が生き返るわけじゃないのだから。その点について、この穴を、UNTACが云々と、こういうことだから、もう事務方に聞いておったってしょうがないのですが、こういうことについてはどう処理されようとするのか、責任あるところでお返事いただきたいと思うのですがね。
○河野国務大臣 本部長は総理大臣でございますが、私が副本部長をいたしておりますので、私から御答弁をさせていただきたいと思います。 先ほどのお尋ねがございました、本部長を交えて会議をやっておるかというお尋ねが前段ございましたけれども、副本部長のところへPKO事務 局にしばしば報告に来てもらって、私のところで判断をできるものは判断をするという状況に今なっております。現時点では、本部長に上げて御判断を仰ぐような状況は今まで一度もなかったということで御了解をいただきたいと思います。 今お尋ねの二名の人身事故につきましては、国連局長も御答弁申し上げましたように、UNTACの隊員、UNTACの業務として現地で活動をしているさなかの事故でございまして、これは日本だけがこうした事故を起こしているわけではなくて、UNTACの作業の中では幾つかの事故があるわけでございますが、これらは一義的にUNTACがすべて調査をし処理をするということになっておりまして、この問題についてもUNTACが懸命に調査をし、その収拾に当たっておるというのが現状でございます。私どもはUNTACからの指示があれば、その指示に従ってどうするかを検討に入るわけでございますが、現在ではこの問題についてUNTACから特段の指示はまだいただいておりません。
○松浦(利)委員 手続上は間違っておらぬのだと思いますけれども、十月に亡くなって今日なお何にも手が打たれておらない。ですから、こういう穴をどうやって埋めるのか。これは将来いろんな形でやっぱり問題になってくると思いますよ。せっかく道路をつくってやっておっても、そのことが小さな批判からずうっと広がっていって、逆に日本に対する批判に変わっていく。しかも経済大国ですからね、日本は。だから、そういう点も考慮して、私は、手続は間違っておらないような御答弁ですけれども、しかしそれではどうしても割り切れない。だから、その点について副本部長としてぜひ議論してみてください、どうやったらいいのか。即座に、即効性のあるものを。
○宮澤内閣総理大臣 おっしゃっていらっしゃることはよくわかりますので、答えとしては、UNTACが速やかに事態を調査して、そしてUNTACは恐らく保険契約を結んでおりますから、それによって保険を支払う、こういうこと、筋はそういうことだと思います。 我が国は、そのようなUNTACに対しては、カンボジアの活動費用について非常に大きなものを負担しておるわけでございますから、それでUNTACの責任において速やかに解決されるべきことである、それが物事の筋と思います。
○松浦(利)委員 本部長からのお話ですから、ぜひそういった現地の方とPKOとの間で、我が国の施設大隊との間でトラブルが発生しないように、今総理が言われたことを多として、ぜひ検討していただきたいということを申し上げておきたいと存じます。 それでは、もう時間がなくなってきたわけですが、今私の方にやはり本委員会で質問が漏れた事項が来ておりますので、これは質問通告を事前にいたしておりません、しかし、農林大臣所管ですから、農林大臣、おわかりだと思いますから、お尋ねをいたしたいと思います。 それは、リンゴの輸入の解禁問題について、アメリカ、カナダ、豪州、ニュージーランド、こういったところからの輸入が解禁されると、実質的には産地の青森とか生産農家は大変心配をしておられるんです。実質的に病虫害とか、あるいは残留農薬等はどうなっておるのか。そして、この問題をめぐって三月下旬には輸入に向けての公聴会をやろう、こういったことすら計画をされておるというふうに聞いておるのでありますが、そういう事実関係についてまずお尋ねをしておきます。
○田名部国務大臣 お答え申し上げますが、アメリカ、カナダ、オーストラリアからは輸入のお話はありません。ニュージーランドからはございまして、担当官を派遣して現地の状態の調査を数回にわたってやっておりますが、その場合、火傷病とコドリンガが問題になっておりまして、これはもう既に自由化はいたしておるわけですから、防除体制が確立されておるかどうか、それが確立されておれば拒むことはできない、こういうことになっておるわけですので、そのことを今いたしております。まあ万全の体制がとられておるようでありますが、専門的な知識が必要でありますので、公聴会等で各界の、これはもちろん農業団体も入ってきますが、そういう中で、公聴会で最終的には御判断をいただくということになっておるわけであります。
○松浦(利)委員 大臣、もう少しこう、今ニュージーランドに行って現地調査等を行って、その結果について三月下旬に公聴会を開く、こういうことだと思うのですが、しかし、いずれにいたしましても、産地の農家が非常に心配をしておられるわけですね。ですから、生産農家の皆さん方のことをもう少し考慮に入れていただいて、三月下旬に輸入のための公聴会を開くということについてはむしろもう少し延期をしてもらえぬだろうか、そう思うんですが、あえて混乱を起こさないために、この点についてはどうでしょうか。
○田名部国務大臣 問題があればこれは輸入できないわけですから、そういうこと等含めまして、ただ三月、まあまあはっきり決めたわけではありませんが、では、どういう理由で延ばすのかということになると、延ばす理由というのが明確でないと、これは延ばすことができないわけでありまして、従来もいろんなこの種の、果物等でも野菜でもそうですが、いろいろ問題があったところでもきちっと体制を整えて、相当数もう既に日本に入っておる現実があるわけですね。そういうこと等を踏まえて見る。あるいは、逆に日本の防除体制ができなくて輸出できないものもあるわけですね。ですから、これはその個々、その国々の体制がどうなっているかということが科学的にきちっと解明されてくると、それを延ばすとか断るとかというわけにはまいらぬだろう、私はこう思っております。
○松浦(利)委員 もうここで、もう時間が来ておりますから、余り押し問答するつもりはありませんが、生産農家の皆さん方としてみれば、病虫害、残留農薬等について非常に不安がある。ですからもう少しチェックを強めてもらいたい、ぜひ輸入のための公聴会はやめてくれぬか、延期してくれぬかという御要望が来ておりますから、農林大臣として、そういう声に耳をかしていただいて、慎重に対処していただきたいということを申し上げておきたいと存じます。 せっかくの機会ですから、今度総理が訪米をなさいますと、当然お米の市場開放という問題が総理に、個別案件として具体的に大統領との間にあるかどうかはわかりません。しかし、従来の大統領と違う大統領でありますから、個別案件でも直接総理にぶつけてくるかもしれぬ、こう思うのですが、農林大臣にお尋ねしておきたいのは、また総理にも最終的にお尋ねをしておきたいのは、我が党の調査団がアメリカに参りまして、上院下院の議員あるいは精米業者等と会ってきましたけれども、大変市場開放の要求が強い。農林大臣は、国会決議というものが存在をしておるわけですから、厳にこれからもその方針を堅持をしていただきたい。同時に、総理にも、もしそういう事態が、まさかとは思いますけれども、向こうからそういう要求が出されたときには、ぜひ我が国の国会決議というものも存在をすることを明確にしていただきまして、日本の立場を鮮明にお伝えいただきたいというふうに思います。 農林大臣から、それで総理、お答えいただきたいと思います。
○田名部国務大臣 社会党の代表団がこのために交渉に行かれた、大変感謝申し上げておりますが、アメリカでも賛成というか包括関税化すべきだという意見と、そうでないという意見もある。まあ日本も、各国同じようにあるわけです。従来から関係者は厳しい対応をしておるわけでして、私も交渉に当たって、随分その辺では激しいやりとりがあるわけでありますけれども、従来からの基本方針にのっとって努力をしていきたい、こう考えております。
○宮澤内閣総理大臣 これは二国間の問題ではございませんので、もし提起されるとすれば、ウルグアイ・ラウンドの早期終結ということとの関連でお話しになることがあるかもしれません、別に そういうことは決まっておりませんけれども。そうでありますと、これはやはり毎々申し上げておりますように、いわゆるダンケル・ペーパーの中で輸出補助金と国境措置との間の扱いがバランスがとれていない、これがダンケル・ペーパーのやはり私は欠陥だと思っておりますので、そのようなことを申し上げてこようと思っています。
○松浦(利)委員 よろしくお願いをいたしておきたいと存じます。 なお、あともうわずかになりましたが、最後に、法務当局にお尋ねしておきたいと思うのです。 この予算委員会で、金丸さんに渡した五億円の献金の行き先というのが極めて不透明で、渡した人ともらった人ははっきりしておるのですが、その先が、どういう方法でどういう皆さん方に配られたかということがさっぱりわからずに、再三中断をしたりどうかしてきたわけですが、具体的にちょっとお尋ねをしておきたいのです。六十数人の与党の代議士の皆さんが呼ばれたということが報道されておりますが、その内容について、あなたは金丸さんからお金をもらったことがありますかと聞かれたら、ないと。そうすると、用意されていた供述書が示されて、私は何年何月生まれですと、学歴に始まって、平成二年前後に金丸さんから金銭を受け取ったことはありません、秘書が受け取ったこともありませんという供述調書がとられて、三十分ぐらいで終わるということが言われておるわけですが、そういう取り調べ方だったのかどうか、まあ取り調べじゃないですね、事情聴取だったかどうか、お尋ねをしておきたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 今委員がお尋ねになっておられます、どのような取り調べをしたかということにつきましては、これは申し上げるまでもなく捜査の秘密にかかわることでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。 ただ、今委員御指摘のような報道を前提にお尋ねになっておられるわけでございますが、その報道自体について、もちろん御論評申し上げる立場にはないわけでございます。 ただ、申し上げられることは、検察当局といたしましては、取り調べる必要のある事項については必要な取り調べを行うなどの適切な捜査を行って、その結果を適正に証拠化しているものというふうに考えているわけでございます。
○松浦(利)委員 じゃ、刑事局長、これはもう完全に幕をおろしてしまったわけですね、すべてのもの、一切合財。もう終了でございますか。
○濱政府委員 お答えいたします。 たびたびこの委員会でもお答え申し上げておりますように、この東京地検に対しましては、政治資金規正法上の量的制限違反あるいは収支報告書不記載、それから所得税法違反等の事件について告発がなされておるところでございまして、先般、この量的制限違反の事件につきましては、時効の切迫等の関係もございまして、先に捜査処理が行われているわけでございます。なお、現在、東京地検におきまして、残りの事件について捜査を続けているということでございます。
○松浦(利)委員 どうも不思議に思いますのは、要するに、税金をかけようにもどうしようにも、もらった、調査をしてみたけれども、もらっておらぬ、こう言うのだから、税金のかけようもないでしょう。事情聴取を受けた御本人たちが、そんなものもらっておらぬ、こう言うのだから。だが、しかし、金丸さんのところに五億円、お金が行って、それでこの前、小沢さんの証言によりますと、そんなのは私は知らぬから、おやじさんに聞いてやれと。ですから、金丸さんは生原君がみんなやったと、こう言っておられて、生原さん自身が六十数人に配ったということまではわかった。ところが、それは言葉の上だけであって、五億円が金丸さんのところからだれに行ったのか、全くわからない。もう宙に浮いてしまっている。金丸さんの政治団体を見ますと、年間一億数千万の収支報告書。ところが、五億円の方が大きいわけですよね。収支報告書よりも大きい。ですから、これが俗に言うやみ資金ですわな。ですから、裏金の方が政治資金規正法による届け出よりも多いわけですよね。しかも、その多いやつがわからない。これが実は国民の皆さんが政治家に対する不信を持つ原因なんですよ。 私はぜひ、一生懸命捜査当局もやってこられて結果的に壁があったのでしょうから、こうした問題についての国民の批判を謙虚に受けて、やっぱり出たものは終着がどこなのかは明らかにする努力はしていただきたい、幕はおろさないでいただきたい、そのことを強く要望して、時間が来ましたので、質疑を終わらせていただきます。
○粕谷委員長 これにて松浦君の質疑は終了いたしました。 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 —————◇————— 午後一時開議
○粕谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川であります。 午前中の質問で、我々野党が所得減税の要求をしているわけでございますが、その問題について総理、大蔵大臣の方から、今後の与野党の協議機関の推移を見守りたい、こういう答弁があったと思うわけであります。 ところが、宮澤総理にお伺いをいたしますけれども、まあ総裁というお立場もあるわけでございますが、野党が非常に激しくこの所得減税というものを迫ったわけでございますが、梶山幹事長は、当初この件については、当初というよりも最終段階ではニュートラルだということを言われたわけです、ニュートラルだよと。しかし、最後のいわゆる書記長・幹事長会談で前向きという言葉を使われたわけであります。この前向きというのを私はぜひ重く受けとめていただいて、また同時に、その前向きという言葉があったからこそ本日の締めくくり総括という経緯があるわけでございます。この前向きという言葉を総理はどのように受けとめられるのか、重く受けとめられるのかどうか、一言お伺いをしたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 いろいろ考えた、お考えになった末に選ばれた言葉と思いますので、言われたことは十分私としても尊重いたします。
○草川委員 言われたことを十分尊重したい、まさしく前向きを、そのまま前を向かれた、こういうことになると思うんです。 いろいろと新聞紙上では、今回の一つの解決案というのが玉虫色だというような表現をしているプレスもあったようでございます。私どもは、決してこれは玉虫ではない、前向きというのはまさしく非常に重い一種の妥協案として受けとめなければならない、こう強くいま一度申し上げたいわけであります。玉虫というのはもう今日、環境破壊の現状ではほとんど野原に玉虫はいません。いるのは永田町だけてあります。そういう意味で、ひとつ大蔵大臣もしかと、今総理がせっかく前向きということを非常に強く受けとめておみえになるようでございますので、いま一度大蔵大臣としての決意をお伺いしたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 いずれにしても、これから御協議が各党間で行われるということでございますので、幹事長としては協議に臨まれる心構えについてそういう言葉を使われたものというふうに思います。
○草川委員 ぜひ事の経緯ということを十分承知をされまして、もう大蔵大臣、答弁結構でございますので、また変な答弁をされると困りますので、流れというものがありますから、今の総理の答弁を率直に、素直に受けとめて、経緯を重視をしていただきたい、こういうように思います。 そこで二番目に、順番がこういう通告になっておりますけれども、二番目に、横田、厚木基地騒 音訴訟判決と日米地位協定の問題についてお伺いをしたいと思います。 もう既に御存じのとおり、二十五日、最高裁から厚木基地騒音訴訟及び横田基地騒音訴訟判決というのが出たわけでございます。防衛庁の方としては、厳粛にこの判決を受けとめるというような声明を出しておみえになります。横田基地の判決については過去分の損害賠償請求が認容されたものと私どもも受けとめるわけでありますし、この判決によって、軍用機、米軍機の長い間騒音に耐えてきました基地住民の騒音被害というものが最高裁で初めて認められたと思うわけであります。この件について防衛庁の見解をまず求めたいと思います。
○中山国務大臣 今お話がございましたように、今般の横田基地の判決におきましては過去分の損害賠償請求が認容されたものでありますし、今後はこの判決の趣旨に従って適切に処置して対処をしてまいりたいと思っておりますし、地域住民の御理解と御支援というものは、基地使用あるいは防衛政策の遂行のためには非常に大事、欠かすことのできないものでございますので、今後とも周辺対策、生活環境の整備等には一層の努力をしてまいりたいと思っております。
○草川委員 では、外務省にお伺いをいたしますけれども、日米地位協定というのがあるわけでございますが、この日米地位協定の第十八条の五項(e)によりますと、米軍による損害に対し損害賠償がなされる場合は、米側にすべての責任があれば米側が七五%、日本側がその残りの二五%を持つ、すなわち、日米双方に責任があった場合には日米双方が均等に五〇%、五〇%でそれぞれ費用を分担するということになされています。 今回の判決を踏まえまして、日本政府は米側にどちらの方で問題提起をするのか、地位協定に従いどのような損害賠償の分担を求めるのか、外務省から答弁を願いたいと思います。
○佐藤(行)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のとおりの地位協定の規定がございますので、我々としても地位協定に則して処理をしていくということの考えてあります。 ただ、御質問の点につきましては、何分この判決が出ましたのがまだ十日ぐらい前のことでございまして、判決そのものにつきましては、我々、防衛庁の方からも出しましたように、厳粛に受けとめて対応するということでございますけれども、その第二審以来の判決文、いろいろな意味合いのものが含まれておりますものですから、今関係省庁の間でこれをどういうふうに受けとめるか検討中のところでございます。したがって、地位協定十八条にある分担をどういうふうにするかということについては、今検討中ということでお答えをさしていただきたいと思います。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○草川委員 検討中はいいわけですけれども、いわゆるこの地位協定の、私が先ほど触れました十八条五項の同ということになるならば、これを素直に私どもが読むとするならば、あるいはこの判決文の理由というものを我々が理解をするならば、私は、先ほど触れましたように、米側にすべての責任があるというような趣旨になるわけでありますから、当然米側が七五%を負担する、こういうことになるのではないだろうかと思うわけであります。 一般論として、じゃ、置きかえて、このようなものをどのように受けとめるのか、いま一度局長の答弁を求めたいと思います。
○佐藤(行)政府委員 お答え申し上げます。 地位協定上の規定の問題はもう御承知のとおりでございますし、我々としてはそれに則して今回の事実を解釈して処理していきたいと思っているわけであります。ただ、大事な話でございますので、我々の検討が済む前に、どちらの分担にするか、あるいはどれぐらいにするかということについてのお答えを差し控えさせていただいた次第であります。 一般論と申しましても、この場合には非常に個々具体的な話でございまして、一般的な規定は地位協定にあるところが原則だと思っております。それを離れまして、賠償の問題のみならず、もう少し幅広い一般論といたしましては、今回のああいう判決が出たということでございますし、我々も従来から、基地の運用については、公共の安全だけではなくて、周辺の住民の方々に対するいろいろな意味での負担の軽減ということが大事だということでアメリカ側にも協力を求めてきたことでございますので、今のこの賠償のものに限らず、今回の一つの判決ということはそれなりに大きなものと受けとめて一層の努力をしてまいりたいと思っております。
○草川委員 もう一回お伺いをいたしますけれども、今の判決を非常に重いものとして受けとめる、そしてまた、事実、基地住民の方々には、過去のいろんな判決を踏まえて、前倒しで既にその賠償金というんですか、前倒しでお金を渡しておみえになるわけであります。そういう長い間の経過の延長線でこの判決が出たわけでございますから、私の今の質問が、ずばり七五%を米政府に要求するのかということについて直ちにお答えができないとするならば、今までの経過の上に立つならば当然米側が責任を持つべきではないだろうか。こういう流れの中から一定の方向が出ると思うんですが、その点はどうでしょう。
○佐藤(行)政府委員 お答え申し上げます。 大変難しい御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、今回の裁判経緯も、一審、二審と積み重ねられてきた経緯もございます。関係省の間でこの辺も詳しく勉強いたしまして、適切な答えを出したいと思っているわけでありまして、今、実は、例えばその七五%であろうということを申し上げますこと、あるいは五〇%だと、どちらにいたしましても、アメリカ側とかいろいろな関係者に対して誤った意味での予断を与えてもいけないと私は思っておりますので、まことに心苦しいのでございますが、きょうのところは、もう少し、今申し上げたような、慎重に検討させていただきたいというところでとどめさせていただきたいと思います。
○草川委員 私は、先ほどの答弁ではありませんけれども、一審、二審、そしてまた地域住民の方々が、因果関係として、直接どこの国の飛行機によって被害を受けているのか、これはもう明確に米軍にあるわけでありますし、少なくとも基地のこの訴訟判決の理由には明確にその因果関係、責任というのは私は出ているのではないかと思うわけであります。 この席上で七五を要求するか五〇かということを即答しかねると言いますけれども、いずれにしてもどちらかですね。五〇、五〇で要求するという腹は私は外務省にはないと思うんです。当然のことながら七五になると思うんですよ。七五になるということをこの席上で言えない。言えないというのは、相手側があるからだ、影響があるからだ。影響はもう既にあるわけですよ、具体的に判決がおりたんだから。私は、いかにお役所の判断といっても、従来のその基地周辺の住民の苦悩から考えていくとするならば、かかる問題については即答ができると思うわけであります。 ひとつ、これは対大臣になりますが、ちょっと済みませんが、お話し中ですが、外務大臣、今のこの問題については、やはり政治判断だと思うんですよ。政治家として、速やかに米側に申し入れをするならする、七五ですよと、この基地の、日米地位協定の考え方からいけばこうなりますよということを、私は、判断をされてもおかしくない、こう思うんです。大臣の政治的な立場からのひとつこの点についての答弁を願いたいと思います。
○渡辺国務大臣 一応の条約があることでありますし、また法律論からだけ、だけですよ、政治的なものを抜きにして言えば、二審判決が破棄されたといっても差し戻しですから、高裁が、こうこうしろと決めたわけじゃないので、それも実際は決まっていない。しかし、今までの前例からいえば一審判決と同じことは全くあり得ない、これも事実だろうと思います。 いずれにせよ、判決は二月の二十五日、おりた ばかりなんですね。関係方面、たくさんございますし、そういう方面ともよく連絡をして、地域住民等のことも考えて、法律論だけでなくて、そこは十分に配慮をして、今後考慮をしていきたい。 それが、パーセンテージがどっちになるかということは、直接住民には私は関係のないことじゃないか。それは政府間、政府の間では関係のあることでございます。したがって、そこらも含めましてなるべく早く、どうするかは政府全体として、外務省もあれば法務省も防衛庁も大蔵省も、たくさん関係あるわけですから、相談をしていきたい。 いずれにせよ、日米安保条約が重要であるということについては、新政権もよくこれは認めておるところでございます。この日米安保が今後とも円滑に運用されていくためには、時代の変遷もかなりございますから、やはり実情に合ったような運営の仕方をしなければならない。したがって、基地問題その他につきましても、不急というか不要なところの返還というものについてはなるべくしてくれとか、いろんな騒音防止、訓練、その他につきましても、地域の問題を十二分に今後配慮してやってほしいということは、もう既に申し入れてございます。それが両々相まって、今後日米間の安保体制というものがトラブルなく運営されるように努力をしていきたい、そう思っております。
○草川委員 具体的になかなかおっしゃいませんが、この判決を受けて、もう一問外務大臣にお伺いしますが、周辺住民に多大の迷惑をかけているこの米軍各基地で飛行訓練を行われておりますけれども、この判決の趣旨を受けて、米軍各基地での飛行訓練の中止、これを米政府に強く働きかけをすべきではないだろうか。既に日本も代替の基地というのは提供しておるわけでありますから、いろいろな意見はあると思うのでありますが、その種のことの行動を起こされる考えがあるのかないのか、いま一度お伺いをしたいと思います。
○渡辺国務大臣 これは短兵急に、騒音問題があるから飛行訓練やめてしまえとか、そうはすぐには私は言える問題ではない。事の大きさの問題がございますから、そこらの点については、そのやり方を変えるとか回数を減らすとかいろいろな、そういうようないろいろな問題については十分にそれは配慮をしていかなければなりません。したがって、今直ちに飛行訓練の中止をこの点について申し入れるということは考えておりません。
○草川委員 飛行訓練を中止というよりは、何か、この判決というものをしっかりと理解をするならば、私は政府としての行動があってしかるべきだ、こういうことが言いたいわけであります。 そこで、大臣もう結構ですから、防衛施設庁にお伺いをしますが、今回の判決によって、横田基地における防音工事、基地周辺対策が不十分であるということが明らかになったわけでありますが、将来同基地において再度訴訟が起こされれば、これは同様な判決が出ることが当然のことながら予想をされるわけであります。政府としては、一体この横田基地における対応というものをどのようにお考えになっておられるのか、防衛庁にお伺いをしたいと思います。
○藤井(一)政府委員 横田基地の判決につきましては、先生おっしゃいますように、過去分の損害賠償請求が容認されたものでございます。厚木基地の判決につきましては、これがまた東京高等裁判所に差し戻されたものでございます。 このような訴訟にかかわられたと同じような立場に置かれている方の訴訟が提起された場合どうするかという問題につきましては、この判決があってからなお日が浅い状況でございますので、判決の内容を検討しなければなりませんけれども、この検討を待って、今後とも誠意を持って対処してまいりたいと考えております。
○草川委員 誠意を持って対応したいというお話でございますが、厚木、横田、それぞれの基地周辺の第一種区域内の住宅の方々は一体何世帯ぐらいみえるんだろう。いわゆるうるささ騒音という一つの基準があるわけでございますが、厚木の周辺の世帯数はどれだけか、横田飛行場の周辺の住宅の方々はどの程度の世帯数になっているのか、お伺いをします。
○藤井(一)政府委員 騒音対策の対象となります七十五WECPNL以上の騒音を受けておる区域、これを第一種区域とこう申しておりますが、その区域内の住宅防音工事対象世帯数でございますけれども、厚木飛行場につきましては約十万四千世帯、横田飛行場におきましては約三万四千世帯でございます。
○草川委員 横田で三万、厚木で十万、こういう方々が、当然のことながら今回の判決を踏まえて何らかの行動が起きてくると思いますし、それからまた、未来分についても毎年出てくるわけでありますのでございますから、私が先ほど申し上げたように、基地の騒音の問題に対します今回の判決というのは、これは相当重要な問題提起をしているわけであります。ぜひ私は今後の展望も速やかに立てていただいて、軍用基地周辺の住民対策、あるいは軍用基地の移転そのものを考えなければいけないと思うわけであります。 そこで、最後になりますけれども、防衛庁にお伺いをいたしますけれども、同じような立場に置かれている人に対して、訴訟の提起がなくても賠償等の措置を講ずべきだ、前倒しでひとつ考えるべきではないかと思うのですが、その点はどうでしょう。
○藤井(一)政府委員 その点につきましては、今回示されました訴訟の判決と同じような立場にあられる方々に対してどのような対応をすべきかということにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、この判決があった日から日がまだ浅く、判決の内容を検討しなければなりませんけれども、この検討を待ちまして、今後とも誠意を持って対処してまいりたい、かように考えております。
○草川委員 総理、今私がいろいろと判決を踏まえたことを申し上げました。日米間の問題が一つあると思います。そしてまた、この判決の意味するものを素直に受けていくとするならば、その他の周辺住民の方々にも同様な一つの賠償を支払わなければいけないということになります。もしそれがなければ繰り返し裁判というのは行われるわけでありますし、あるいはこの確定をした方々も未来分についてはまだ繰り返し行うということになると思うのです。事は非常に重要だと思うのでございますが、総理の御見解を賜りたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 判決の趣旨は明瞭だと思いますので、それに沿って考えていくということだと思います。
○草川委員 だから、その判決の趣旨に当然沿わなければなりません、政府としては。ですから、ただ、判決があれば、その都度対応すればいいということではないということを私は実は申し上げているわけです。 それは、役所の機構からいえば、判決があれば、確定したものについては払えばいいんじゃないの、これでは私はこの横田あるいは厚木の判決というものの重みを総理は御理解なすっていないのではないかと思うのですが、いま一度御答弁を願いたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 それは、いろんな意味で、日米間で日米安保条約の円滑な運用というようなことについてはお互いにいろいろ配慮をしていかなきゃならないことはそのとおりでありますし、また、従来同様、そういう配慮は米軍にも求めていくことは、もとより変わりのないことでございます。
○草川委員 じゃ、この問題は押し問答になりますから、次に移ります。 三番目にございます変額保険の被害ということについて、問題提起をします。 実は、変額保険というのが随分あるわけであります。契約高でいきますともう十兆円を超すのでございますか、これはまた後でお伺いをいたしますけれども、この変額保険という保険制度そのものはさておきまして、都市銀行がたくさんあるのでございますが、それぞれの銀行が、銀行が紹介 をした変額保険の契約者に対して、一時払いの保険料を貸すわけであります。要するに、銀行が、あなた、これ、保険に入りなさいと言ってお金を貸すわけであります。そのお金を借りて、それをそのまま生命保険に払い込むわけでありますので、その生命保険はそれで運用をするわけであります。 ところが、非常に株が上がった、土地が上がったときは、どんどん上がってまいりますから配当が当然高いわけですから、あなたは、亡くなったときには生命保険も保障されますし、それから子供さんが相続税を受けるときに大変高い相続税を払わなければいけないのだが、それは十分ここで貯えますよと、そしてさらに配当がありますよというわけですから、一億、二億、三億、四億、五億という非常に高額な変動保険に契約される方がたくさん全国にみえたわけです。 しかも、その対象者というのは、会社の管理職のOBだとか、それこそお役所のかなり地位の高いOBの方々だとかという、そういう対象者に契約をしたわけであります。なぜそういうことができるかというと、銀行は情報を持っておりますから、自分の銀行の預金の高を見ると、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんというのはかなり貯金をしてみえるな、この方は会社を定年でやめられたな、退職金入ったな、さあそこへ行こうというので変額保険を勧めるわけです。それで、あなたの土地、あなたの建物、これを担保に銀行が融資をしますから変動保険に入りなさい、配当がありますよと、子供さんの相続も助かりますよ、こういうことでどうっと広げていったわけです。 ところが、御存じのとおり、バブルは崩壊をしたわけですから、逆ざやになってきておるわけです。すってんてんになっておるわけです。銀行は金利だけ取るわけですから、銀行は何も痛手でない。 こういうのが変動保険の概略でございますけれども、平成三年度で十二兆五千億になっておると言われておりますが、この数字で間違いないかどうか、お伺いしたいと思います。
○鏡味政府委員 平成三年度末の変額保険の保有契約は百十九万件で、保有金額は十二兆五千億でございます。
○草川委員 大変な金額なんですよ。 それで、問題は、銀行が、本来、銀行業務以外に保険の勧誘はできないことになっておるのでございますが、それを現実にはやっており、銀行員がいわゆる企画書、提案書といったようなペーパーをお客さんに提示をし、あるいは説明あるいは相談に乗るようなことをやっておるのですが、それは法律違反ではございませんか。お伺いをします。
○鏡味政府委員 銀行員が顧客に対して、銀行が行うローンに関する説明書等を提示することは、銀行の融資業務の一環としてよくあることと承知しております。 しかし、銀行員を含めまして保険募集人以外の者が保険の募集を行うことは、法律により禁止されております。また、銀行法の他業禁止の趣旨からも、銀行による保険販売はこれまで認められてきておりません。 いずれにしましても、銀行の融資活動に当たっては、ただいま申し上げましたような諸法令を遵守するというようなことで努めていく必要があると考えております。
○草川委員 今の部長の答弁でありますけれども、もう少しきちっと、だめなものはだめ、それから紛らわしいものは、ここまでやっちゃだめですよというような明確な指導を求めたいと思うわけであります。 私が今問題提起をしようとしている銀行は、実は都市銀行多くやっているのです、きょうは名前を言いませんけれども。銀行員が変額保険の説明を繰り返し説明をして、お客が納得をして保険契約をしようとする段階になって初めて生命保険がそこへ来るのです。本来の保険は、生命保険がその法律に従って、こういう商品がありますよ、契約をしなさいと言うのですが、銀行員がまず説明をするわけです。それで、大体話がわかった、じゃ、私もそれで契約しようかという段階になって生命保険が来る。しかも○○銀行○○支店というところで五十人とか六十人とかというお客を集めできますと、六十件、例えば五十件契約を集めたとすると、Aという生命保険に一割、Bという生命保険にまた一割と割り振るのですよ、生命保険会社に。そんなことおかしいですよ。 銀行がやっちゃいけないことを現実にやっているのです。名前を挙げろ言ったら全部言います、それは。たくさん私のところへ資料が来ておるわけですから。しかし、そういうことは言いませんが。保険屋は、保険屋と言っては悪いのですが、生命保険は最後の段階でその支店長なり変動保険を扱う銀行員のところで判をつく、こういうことになるわけです。そこで契約が成立します。 そうすると、その生命保険は、銀行の系列の下請の紹介業とするところがあるのですが、そこにバックマージンを払うのです。これは私、いかがなものかと思うのですが、これはある都市銀行の例を言いますと、このマージン料というのが、銀行系列の紹介代理店と言っているのですが、その紹介代理店は変額保険しか扱っていない。ペーパーカンパニーなのです、銀行のところにあるその紹介をする保険代理店というのは。変動保険しか扱ってない。例えば私のところへ持ってきた方は、終身の三億円の契約をします。〇・八%バックマージンがある。一万分の四十。こういう計算になりまして、九十六万円というマージン料がこの保険代理店に入るわけであります。こういう実態を大蔵省の方は御存じでしょうかね。お伺いをしたいと思います。
○鏡味政府委員 銀行が保険の契約を予定している者に保険料相当額を融資し、保険会社が保険商品を販売するいわゆる保険料ローンの取り扱いが行われたことは承知しております。このような保険料ローンの取り扱いにつきましては、私どもとしては従来から、生命保険の募集については生命保険募集人が行い、銀行の融資については銀行員が行うよう指導してきているところでございます。 具体的な今の事例につきましては、私どもとして事実関係を把握しておりませんものですから、コメントは差し控えさせていただきたいのですが、いずれにしましても、今後とも保険料ローンの勧誘に伴い顧客との間で無用の誤解やトラブルが生ずることがないよう厳正に指導していきたいと考えております。
○草川委員 私、今変動保険と言っておりますが、変額保険の間違いでありますので、ここで訂正をしておきます。 そこで大蔵省、今保険部長の方から答弁がございましたけれども、これは実は今社会問題を引き起こすところまで来ておるわけであります。銀行の融資を受けて変額保険に加入をする、先ほど触れましたように、バブル崩壊の場合は、加入期間が長期になれば銀行への返済額が保険金額より大きくなるという逆ざや状況になるわけであります。このような商品は、言葉をかえて言えば、早く亡くなればいいのですよ、これは。早く亡くなればその基礎の保険料が入りますからいいのですが、高齢化社会で長く生きようと思えば当然逆ざやになりまして、金利だけ払わなければいけない、あるいは担保に提供したところの、借り入れのときに担保を提供するわけでございますが、この担保が流れてしまうという、こういうことになるわけであります。 私は、ぜひもっと保険会社は責任を持って対処をしてもらいたい。すなわち、銀行と保険会社が一体となってリスクの大きい変額保険を銀行の融資つきでセールスするということは問題だとして、私は明確な指導をすべきだと思うのです。 昨年大蔵省は、内々に業界に対して自粛を要請したと聞いておりますけれども、それは事実かどうか、また、いつ、どのような形で指導したか、その後の生保、銀行の両業界の対応はどのように大蔵省にこたえているのか、お答えを願いたいと思います。
○鏡味政府委員 一般論として申し上げますと、変額保険の運用実績及び銀行ローンの金利は、ともにそのときどきの経済環境等によって変動するものでございますから、銀行の要返済額と死亡保険金または解約返戻金の大小を一義的に見通すことはできない性格のことでございます。このような変額保険の持つ特性に配慮しまして、従来から利用者への十分かつ適切な説明等、契約者に対する適切なディスクロージャーに努めるよう指導してきておるところでございます。 また、保険会社に対しましては、昭和六十三年六月に、いわゆる財テクを勧める等、保険本来の趣旨を逸脱した保険料ローンの提携の自粛を要請したところでございまして、その後、いわゆるバブル期において変額保険においてかなりの保険料ローンの取り扱いがなされたのは事実でございまして、この自粛要請の趣旨は現在でも尊重されるべきであるということで保険会社の方にも指導してまいりまして、保険会社の方では自主的に現在保険料ローンと組んだ形で変額保険を勧めるということは行ってないというふうに承知しております。
○草川委員 今行ってないという答弁でありますが、いずれにしてもたくさんの被害者の方々がいろいろな行動を起こしておみえになります。 そこで大蔵大臣、私は、いずれにいたしましても、業界に対して自粛を要請したかどうかは今の答弁では非常に不十分でございますが、今はやっていないということを言っていますが、明らかに行き過ぎはあったと思うのです。その行き過ぎがあったということについて、大蔵大臣としてどのような指導を今後なされていくのか、あるいはまた今までの過去のそういうあり方についてどうお考えになっておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○林(義)国務大臣 草川議員の御質問にお答えいたしますけれども、銀行及び保険会社というのは、いずれもそれぞれ業法がございまして、免許企業でございます。免許企業だということは、やはり公共的な側面を持っているから免許企業になっているものだろうと思いますし、社会的批判を受けるようなことがあってはならないものだろう、こういうふうに思うわけでございます。 御指摘の変額保険の諸問題、いろいろと質疑がございましたが、私は具体的な諸問題についてコメントすることは避けたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、銀行業務の遂行上、または保険業務の遂行上、それぞれのところが適切な内部管理体制をとり、また諸法令を遵守していく、顧客に無用な誤解等を与えないようなことをするということが業務の健全化を図る上において大変大切なことだろうと思っています。 当局としては、昨年以来いろいろな点で指導してまいったところでございますが、銀行や保険会社の行為につきまして、御指摘のような行き過ぎた面がもしもあったとすれば大変遺憾なことだろう、こう思っておるところでございます。恐らく、今お話にありましたようなことは、バブルの時代に少し利益第一主義に走ったところのことではなかったかと私は思いますし、そういった点につきまして、当局の方でやるべきことがやってなかったということがあるならば、当局としても謙虚に反省をしていかなければならない問題だろうと考えておるところでございます。 いずれにいたしましても、今後とも銀行業務なり保険業務に対しまして国民の信頼が損なわれることのないように適切に指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
○草川委員 では、次に移ります。 医療廃棄物の不法投棄の問題について、担当大臣にお伺いをします。 医療機関から排出をされます使用済みの注射器や血液のついたガーゼなどの感染性の廃棄物は、急性肝炎やエイズをうつすおそれがあるわけでありますけれども、不法投棄の例が非常に最近目立っております。特にB型肝炎は一億分の一ccの血液でも感染力があると言われておりますし、これはマスコミ等でも医療廃棄物の危険性が指摘をされているところであります。 厚生省と警察庁は、こうした感染性の医療廃棄物の不法投棄の実態をどのように把握をしているのか、あるいは把握をしていないとするならば早急に調査をすべきであろうと思うのですが、厚生省と警察庁の答弁を求めたいと思います。
○丹羽国務大臣 先生御指摘のB型肝炎などうつすおそれがございますいわゆる注射器針、こういう医療廃棄物の不法投棄というものが最近マスコミ等で大きく取り上げられておるわけでございます。 厚生省といたしましては、この事態を深刻に受けとめておりまして、現在、医療廃棄物を含めまして産業廃棄物の不法投棄の実態について、全国的に調査を行っておるところでございます。 いずれにいたしましても、その結果を踏まえまして、マニフェスト制度の徹底など不法投棄の未然防止のために取り組んでいく決意でございます。
○中田(恒)政府委員 警察庁といたしまして、廃棄物に係る事件のうちで特にいわゆる医療廃棄物について区別して不法投棄に関する統計をとってはおりませんですが、各都道府県警察から検挙報告のありました廃棄物の不法投棄事件のうち、医療機関等から排出された廃棄物に係ると思われる事件は、過去三年分を拾ってみますと十八事件ございました。 いずれにいたしましても、警察といたしましても、国民の健康を保護し、生活環境の保全を図るという立場から、特に医療廃棄物につきましては国民の健康を直接脅かす悪質なものでございますので、そのような観点から、不法投棄事犯については今後とも積極的に取り締まりを推進してまいりたいと存じております。
○草川委員 第二問にいきますけれども、厚生省は、先ほど大臣の答弁にも少し出ておりますが、感染性の廃棄物などの処理状況をチェックするために、医療機関などの排出者と収集運搬業者、焼却処分をする中間処理業者の三者間で、マニフェストという四枚つづりの伝票を使用をするように指導しておりますけれども、この中間処理業者の判が、印があらかじめ押されている不正なマニフェスト、これを使うと実際には不法投棄をしても書類上は正規に処理されたように装えるわけですけれども、この不正マニフェストが高値で実は取引をされているということが最近明らかになっております。 マニフェストの用紙が百枚二千五百円でございますけれども、不正マニフェストは百枚百万円で売買をされている。しかも、暴力団の資金源になっていると言われておりますけれども、医療廃棄物の不法投棄を助長するおそれが強いこういう問題について、警察庁と厚生省の対応をお伺いをしたい、こう思います。
○藤原(正)政府委員 委員御指摘のこのマニフェストでございますが、産業廃棄物の排出事業者がその産業廃棄物が処分されるまでの流れをみずから管理できるように交付する伝票でございますが、これが不正使用されることは、この制度の目的が達成されないことになりまして、極めて遺憾なことでございます。 厚生省としましても、今回のこの新聞報道を機に、二月の九日付でございますが、全国の都道府県、政令市に対しまして、感染性産業廃棄物を処理している業者におけるマニフェストの使用実態について緊急に調査することといたしまして、このマニフェストが不正に使用されることのないよう厳正に指導することなども通知したところでございます。 なお、従来のこのマニフェスト制度は行政指導で行ってきておりましたのでございますが、本年の四月からは法律に基づくマニフェスト制度を適用することにいたしております。この制度の確実な運用を図りまして、御懸念のような事態が生じないように万全を期してまいりたいと思っております。
○中田(恒)政府委員 ただいま委員御指摘の医療廃棄物も含めました廃棄物全般の不法処分でござ いますけれども、これが暴力団の資金源の一つになっているということは、私どもとしてもそのようなことをうかがい知るところでございまして、私ども、この種の事犯の取り締まりには積極的に取り組んでおるところでございまして、昨年一年間で暴力団絡みの、廃棄物全般でございますけれども、不法投棄処分については三十四事件を検挙しておるところでございます。 お尋ねの、御指摘のような件につきましては、現在のところ具体的な事案について承知しておりませんけれども、御質問のように暴力団の資金源となっているような行為がありました場合には、時にマニフェストの関係につきましては関係省庁とも緊密な連携をとりつつ、刑罰法令に触れるものがありましたら、徹底した取り締まりをしてまいりたいと存じております。
○草川委員 では、残りの時間を佐川急便問題、特に小針氏の証人喚問を我々は要求をしてまいりまして、後刻、証人喚問の議決をお願いをするわけでございますが、この問題についてまず総理からお伺いをします。 今国会において、佐川問題の真相解明の審議が証人喚問等を通じて行われてきましたが、この佐川問題に対する国民の方々の政治不信は、これによって、今度の国会によって解消をされたと総理はお考えになっておられますか。どのような判断をされているのか、お伺いしたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 それは、判断の基準をどこに置くかということは難しゅうございますけれども、一般の世論調査等によれば、国民の多くの人がなお事態についての十分な理解をしていないということが世論調査等にはあらわれておると思います。
○草川委員 総理、率直に世論の気持ちを表現されておられるが、そのとおりだと思うのです。だから、私どもは、国政の場で特に政治的道義的な問題について我々はなお真相解明のために努力をしなければいけないと思っております。 特に、私は金丸氏に対する出張尋問にも参加をいたしました。例えば、一つこういう例があるのですが、いわゆる政治家と、暴力団稲川会の石井氏と金丸さんは何回会ったのですか、二回会ったのですかと私が問うたら、金丸さんは、とんでもない、一回ですよと、こういう御答弁がございました、証言をされました。 ところが、いわゆる東京地検特捜部のいろいろな調書が一部法廷で明らかになっておりますが、そのような調書等、あるいはまたその暴力団の一員であると言われる庄司という人がおりますけれども、これも被告でございますけれども、この人の東京地方裁判所における裁判所での証言を聞いておりますと、二回金丸さんと稲川会の石井は会っていますよ、こういうことがあるのです。少なくとも公になった、もう時間がございませんのではしょりますが、公になったことを比べてみても、金丸さんは一回だと言う、二つの東京地検特捜部の方の調書あるいはまた法廷での証言では二回だと言っている、こういう食い違いなんというのは私はやはり真相にほど遠いのではないかと思います。 あるいは十一月五日の東京地方裁判所で行われました裁判の中で、渡邉元東京佐川急便社長の検面調書というのがありますが、ここの融資の支援関係というところを見てまいりますと、東京佐川急便が一千億円から千五百億円の当座資金を必要としているということを渡邉は知った。金融機関が相手にしてくれない。そこで、小針暦二福島交通会長に相談をしたところ、政治家に言うのが手っ取り早い、金丸さんは三和銀行、竹下さんは住友銀行に顔がきくと提案をされた。そこで、六月十三日の夜、小針の知人宅に、金丸、竹下、渡辺秀央さんが集まった。金丸さんは、三和銀行の頭取に連絡する云々という、こういう検面調書が明らかになっているわけであります。 あるいは告訴取り下げ工作というのを渡邉被告は言っておるわけでございますが、これもことしの一月、というのは昨年のことですが、五、六日ごろ、渡邉元社長と佐川清の共通の知人である日本画家の秘書である木村文三と福島交通の小針さんからうまくいきそうだと言ってきた云々ということがございまして、渡邉社長は悩んだ末、どうしても処罰を免れたいと思い、小針にお願いをしてもらうことにした。金丸さんも快く快諾、協力を約束をし、佐川清さんに電話をしたけれども、佐川は出なかった。 渡邉元社長の調書、こういうことがございますが、これはもうそのまま私は裁判所で聞いてきたのを言ったので間違いないと思うのですが、法務省、どうでしょう。
○濱政府委員 お答えいたします。 今委員が御指摘になられた点は、おおむねそのとおりと承知しております。
○草川委員 また、生原氏に対する十一月五日の法廷で朗読をされましたところの検面調書によりますと、生原氏は、平成四年の一月、渡邉さんの告訴取り下げで佐川急便の佐川清会長に電話を切られた経緯について述べております。この生原氏は、ことし一月、小針が馬堀法眼の秘書の木村を、さっきの話とダブるわけですが、連れて、金丸氏に渡邉の告訴取り下げで佐川急便の佐川清会長への電話を依頼してきた。木村氏が最初電話をかけたが、佐川会長は電話をいきなり切ったとあります。これも事実だと思うのです。 続いて、もう一つの生原氏の調書によりますと、平成三年六月の下旬、三和銀行頭取に電話で金融支援をお願いをした云々というところがございまして、しかも金丸さんが外遊に出発する直前、小針氏が訪ねてきて金融支援の要請を依頼してきた。金丸氏は、電話で三和銀行頭取に再建計画をつくっているのでと話した。しかし、七月中旬、帰国した時点で渡邉は既に東京佐川の社長を解任されており、協力要請の話は断ち切られたとあります。 この件も同様だと思うのですが、簡潔にお答え願いたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 委員が御指摘になられました公判で取り調べられた供述調書に、そのような内容の記載があることはそのとおりでございます。
○草川委員 それでもう一つ、十一月五日、東京地方裁判所で開かれました、小針調書というのがございます。小針氏は調書を検察官にとられているわけでありますが、金丸、竹下を通じ東京佐川急便への支援を要請した経緯ということをかなり詳しく書いております。 問題点だけ申し上げますと、平成元年六月末、渡邉が千五百億がすぐないと倒産をしてしまうと言ってきた。竹下、金丸に相談をして融資してもらうしかないと思い二人に連絡をとって伝えると、とにかく渡邉廣康に直接会って話を聞こうとなった。竹下、金丸、渡辺秀央さんが猿楽町の私の家に集まった云々ということがあって、さらに二番目の問題として、三日後に、三日後の日曜日、渡邉廣康が再度早乙女、津村を連れてきた。直前に金丸は都合が悪くなり竹下だけが来た。渡邉らはとりあえず千五百億以上必要だ以上のことは言えず、竹下は住友に声をかけるつもりだったが、いずれにしてもしっかりした計画をと言った。東京佐川では再建計画を立てていたのかもしれないが、七月に渡邉廣康が告発をされ、私の仲介の労も無になったというのが第一番目の調書であります。 第二番目に、東京地方裁判所で開かれました同じこの裁判の中で、小針氏が別の調書をとられているのを検察官は読んでおるわけでございますが、渡邉への告訴を取り下げてもらうべく金丸に佐川清会長に電話をかけてもらおうとして不首尾に終わった経緯について、平成四年一月六日、グアム島から帰ると、馬堀の秘書の木村が佐川清が五つの条件を出してきた云々というのがあるわけであります。 こういうような検面調書があるわけでございますが、これも大変時間がなくて申しわけございませんが、刑事局長に答弁願いたいと思います。
○濱政府委員 御指摘のような供述調書にそのような内容の記載があることは、そのとおりでござ います。
○草川委員 でございますから、その福島交通の小針氏という方と東京佐川急便との関連というのが非常にこれは重大な問題になってまいりますし、実は東京地検特捜部は、この小針グループというものの強制捜査をいたしておるわけであります。九二年の五月の二十五日でございますけれども、関連グループ六カ所のガサ入れというのですか捜査をいたしております。相当東京地検特捜部もこの福島交通の存在というものを意識的にしていたのではないかという節がございます。 しかし私どもは、これは永田町裁判所ではございませんから、政治的道義的な問題点、小針氏を通じて政治家との関連ということを我々は明らかにしたいわけであります。金丸さんは私の質問に対しまして、臨床尋問でございますけれども、東京佐川の再建策について相談があったかと聞きましたら、金丸さんは、呼びかけ人は小針です、こういう答弁であります。小針は渡邉と利用されたり利用した関係ではないか。小針はいわゆるこの告訴を取り下げてくれると、その取り下げをする条件として再建計画についても話し合いに応ずるというようなことを言っているわけであります。 もっと重要なのは、実は北洋産業というのが暴力団稲川会系の会社としてあるわけでありますが、東京佐川が北洋産業を救済した際に、小針氏が無償で、ただですよ、無償で不動産の担保を提供したわけであります。この土地を担保にノンバンクから融資が四十一億引き出されているわけであります。小針氏は、結果的に北洋産業を救済をしているわけであります。非常に重要な問題が山積をしているわけであります。 どうかこれは委員長、ぜひこの小針証人喚問ということを重く受けとめて、対応を立てていただきたいと思います。 同時にまた、私が先ほど触れまして、法務省刑事局長がそのとおりだとおっしゃいました十一月の五日に東京地方裁判所で読み上げられました小針調書というのは、実は病院で検察官は事情聴取をしているわけであります。ですから、小針氏がたとえ病院に行こうとどこへ行こうと、私どもは、このようなきちっとした調書をとって、調書に答えているわけでありますから、ぜひ予算委員会として小針氏の証人喚問を、きちっと対応していただけることを強く要請をしておきたいと思います。 残念でございますが、時間が来ましたので、以上で私の質問を終わりたいと思います。
○石川委員長代理 これにて草川君の質疑は終了いたしました。 次に、児玉健次君。
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。 九三年度予算の審議、修正とか減税等の問題、それらは、本来国民の前に広く開かれているこの予算委員会の場における堂々の審議の中で進めなければならない、私はそう思っております。そして、もし政党間の協議が行われることがあるとすれば、それは予算委員会の理事会における協議に参加しているすべての会派が参加して進めることが求められている。そういう立場で、以下、質問をいたします。 まず、減税の問題ですが、深刻な不況のもとで、現在最も生活に困窮している労働者、サラリーマン、中小企業者等への対策が急がれます。 この三月の一日、総務庁の統計局が発表した九二年家計調査報告、速報値ですが、それによると、対前年比で家具、家事用品がマイナス三・五%、被服及び履物がマイナス四・九%、そして食料品はマイナス〇・三%になっています。広い国民の生活が非常に今切り詰められているということをよく示していると思います。国税庁が昨年十月にまとめた民間給与実態統計調査によれば、サラリーマンの租税負担率は六・三四%。これは一九五七年、三十四年前のことですが、当時の六・五五%に次ぐ重い負担になっています。 最初に私は総理にお尋ねしますが、この点だけを見ても所得減税が急がれるのではないか。いかがですか。
○林(義)国務大臣 大変な不況でありまして、いろいろなことはあるだろうと思いますが、私どもはそういった不況に配慮した予算を編成し、昨年の八月以来総合経済対策を実施いたしまして、持続的な経済成長、インフレなき成長の方向へ持っていくという形で一生懸命努力をしてきておるところでございまして、私たちの方としては、今まで一生懸命やり、またこの予算を通していただくことが最大のことだということでお願いをしておるところでございます。 先般来、各党でいろいろなお話がありました。そうした立法府におけるところの御議論は御議論として私たちもこれを受けとめて、御議論の推移を見ながらやっていかなければならない、こういうふうに考えておるところでございます。
○児玉委員 ちょっと大蔵大臣に言っておきますが、最初に私が言ったことの意味を深くとらえていただきたい。私たちの出している減税の要求に対してあなたたちはこたえておりません。 さて、日本共産党は、二兆円の所得減税を行い、所得税の基礎、配偶者、扶養控除を現行の三十五万円から四十五万円に引き上げる恒久減税とすることを求めています。これは赤字国債を伴うことなく実施可能だと考えます。その点、以下お尋ねします。 あわせて、消費税の廃止を目指して、当面とりあえず食料品の非課税化を実施する必要がある。 そこで、総理に聞きますが、先日、総理は私たちの質問に対して、税制問題両院協議会で各党各会派の一致がなかったとお答えになった。端的に聞きますけれども、税制問題両院協議会で消費税の食料品非課税化に反対した政党が一つでもあったでしょうか。あったかなかったか、お答えいただきたいと思います。
○林(義)国務大臣 平成三年の税制問題等に関する両院協議会におきまして、各党でお話がありましたけれども、専門者会講座長から、各党各会派の意見の一致が見られなかったという報告がなされたところでございまして、政府といたしましては、こうした立法府における御議論の経緯、結果を踏まえてやってきたところでございます。
○児玉委員 質問に答えてほしいんですがね。食料品非課税に限定することなく、もっと大幅な減税をやるべきだと私たち日本共産党も当時主張しました。私が聞いているのは、いろいろと主張、要求の幅はあるけれども、とりあえず消費税の食料品非課税化をやることに反対した政党が一つでもあったのかなかったのか。お答えください。
○林(義)国務大臣 立法府でいろいろとお話しされました結果、当時消費税の問題につきまして非課税化というようなお話がありました。その問題を含めまして結論を得なかったというふうな御回答でございますから、その結果を尊重してやってまいるというのが私たちの考え方でございます。
○児玉委員 この予算委員会での堂々の論議では、尋ねたことに答えてほしいですね。 当時の経過を見ると、全野党が自民党の食料品非課税化だけでは不十分だ、そのことは確かに批判しました。しかし、最低そこで一致することも可能でした。それをやるべきでないと主張した党は一つもなかった。食料品非課税化は全会派が一致していたのです。それを無視して、両院協議会の座長、自民党の方です、各会派の意見の隔たりが多いと、勝手な取りまとめを行ったのです。 あなたたち自身、九〇年の三月に、食料品非課税化を含む消費税見直し法案を提出しているではありませんか。総理、とこのところはやはり私は総理に聞いているので、食料品の非課税化、まずそこから実施すべきではないですか。
○林(義)国務大臣 たびたびお答えを申し上げておりますけれども、当時におきましては、食料品の問題について消費税に関し軽減をしていくというような案を出したことも事実であります。しかしながら、あの国会におきまして、立法府の皆さん方でいろいろな点を御議論された上で話し合いがまとまらなかった、こういうことでございますから、そのことを踏まえて私たちはやっていかなければならない、こういうふうに考えておるとこ ろでございます。
○児玉委員 ある人は、旅行に行こうというとき、大阪まで行きたいと言った、別の人は名古屋までだと言った、皆さんは横浜まで行くと言ったのです。横浜まで行くという点では一致しているじゃないですか。どうですか。
○林(義)国務大臣 国会の御議論でおまとめになったところで意見がまとまらなかった、こういうことでございます。どこまで行こうかどうだという話ではございません。国会でおまとめになるかどうかというところで御議論があったわけでございますから、私たちはそれを尊重してやらなければならないということを申し上げているところでございます。
○児玉委員 総理、ちょっとこれをごらんいただきたいと思う。多分見て、覚えていらっしゃるだろうと思う。これは一九八九年十二月二十四日。「家計簿に、はっきりと出る見直しです。」こう書いてあって、「暮らしを、そして将来を。 自民党」と書いてある。「毎日の食料品 非課税です。」これは前回の総選挙での自民党の公約だったのじゃないですか。 公約を尊重し、公約を実施するというのは、政党政治における最低のモラルです。公約を実施されたらどうですか。
○林(義)国務大臣 重ねて申し上げますけれども、そういったことで私たちの方も出して、国会で、立法府の中で御議論をいただいたところでございます。残念ながら立法府ではおまとめになれなかったので、私はこれは立法府でまとまらなかったのでしょうがないな、こういうことでございますから、まさに国会でのこうしたいろいろな御議論があった、その経緯や結果を重く重く受けとめて、私たちの方としては対処してまいったところでございます。
○児玉委員 大蔵大臣は今の私の質問に答えることはできませんよ。自民党の総裁としてこの公約に責任を負うかどうかと聞いているんだから、総裁が答える以外にないじゃないですか。
○宮澤内閣総理大臣 一つの税法のことでございますから、全体が関連していますので、全体で一致しなくても、どこかここで一つだけ一致したらそれだけやれと、税法というのはそういうわけにいきません。さっきの例えで言えば、横浜でとまらない電車に乗るわけにいかない。
○児玉委員 ちょっとつい噴き出しましたが、この問題については最低皆さん方が御自身の公約なさったことですから、速やかに実施する。厳しく求めます。 そこで、減税の問題でさらに進めたいのですが、減税の財源をどこに求めるかというのが非常に重要な問題です。先ほど申しましたように、赤字国債を伴わずに実施することが可能だろうと私たちは考えております。 そこで、まず検討すべきは、大企業の優遇税制に対してメスを入れることです。さまざまにあります。たくさんありますが、私はここであえて一つの例だけ出したいと思います。日本にあっては、償却期間が国際的にも例がないほど過大に見積もられているのではないか。NTTが使用されているディジタル交換機、日本とアメリカとドイツでそれぞれの償却期間は何年となっていますか。これは大蔵大臣に尋ねます。
○濱本政府委員 ディジタル式交換機につきましては、日本の法定耐用年数は六年でございます。 先生、今の、失礼いたしました、アメリカとドイツとおっしゃいましたですか。(児玉委員「アメリカとドイツ」と呼ぶ)昨日お尋ねをいただきまして、アメリカとドイツの耐用年数表を繰ってみたのでございますけれども、当該このものがそのどこに該当するかというのを私どもこの一晩では確認し切れませんでした。まことに申しわけございませんけれども、アメリカ、ドイツの正確なる耐用年数というものをここでお答えすることができません。
○児玉委員 集中審議のときに既にこの質問をしようというので、大蔵省には通告しておりました。アメリカの商務省はかなり真剣に調べたようですね。私たちのその結果を聞いているところによれば、先ほどのディジタル交換機、アメリカにあっては償却期間を十七・五年と算定しています。ドイツでは十年です。日本は六年です。これはほんの一例ですが、せめて設備投資の償却年数を平均二割延長することによって、税収は年間五千億円増加します。このことを検討なさってはどうですか。
○濱本政府委員 法定耐用年数につきましては、これは、その資産の物理的な寿命あるいは経済的な陳腐化の度合いというものを加味いたしまして、客観的に定めるべきものだというふうに心得ております。 従来から資産の使用実態に応じまして個別に見直しを行ってまいっておりますけれども、そういう実態がございました上での客観的な物差しによる基準というふうに心得ておりまして、私どもといたしましては、何か個別の物品につきまして法定耐用年数がこれでいいのかどうかという問題が提起されましたときには、その実態をよく調べまして、それに適合しない場合には直すということがございます。 しかし、今までいろいろ提起されてまいりました問題も、一通りそういう形でチェックをいたしておりまして、現在の耐用年数は適正なものだというふうに心得ておりまして、これを例えば今児玉先生おっしゃいましたように、二割なら二割縮めてみるという御指摘でございますけれども、それはちょっと事柄の性質としまして難しいというふうに考えます。
○児玉委員 ディジタル交換機を私は挙げましたが、例えば光ファイバーケーブルで言えば、日本は十年、ドイツは二十年、アメリカは二十七・二年ですね。今大蔵省は、耐用年数、そして償却期間を実態に合わせて見てみなきゃいけないというふうに述べましたが、その点での検討を私はこの後真剣になさるように求めます。 次に、減税を進めていくときの財源の問題ですが、軍事費が、当然世界の大きな流れの中で軍事費の削減が取り上げられなければなりません。さまざまにあります。例えばイージス艦、その他さまざまにあるけれども、その中の一例として、九三年度予算に盛り込まれているAWACS。日本には早期警戒機としてE2Cが既にあります、十三機、これまで千三百九十億円を要しております。世界でE2CとAWACSを二重に配備している例はありません。 宮澤総理、私の調べでは、あなたは九〇年七月の二十日、ワシントンで時事通信社のインタビューに答えられて、記憶を喚起していただければ、その前日、あなたはアメリカのチェイニー国防長官にお会いになっているわけですが、この点でこう答えていらっしゃる。「空中警戒管制機(AWACS)は買うとすれば多分四機ぐらいになるが、機体のボーイング707はもう作っていないから、新たに作るとなると、最低生産ラインは十機ぐらいで、とてもコスト高になってしまう。早期警戒機(E2C)も既にあるし、購入はあまり現実的でない。」こうインタビューに答えていらっしゃるのですよ。当時のこの問題をめぐる論議をあなたは正確に承知なさっていたと、私はこれを読みながら思いました。 そこで伺うのですが、この予算に計上されているAWACSは二機です。一機五百七十億円、まさにコスト高ではないのでしょうか。いかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 E2Cを買いましたときには、いろいろ議論がありましたけれども、まだまだAWACSというのは我が国ではいろいろな事情でE2Cの方がいいんだという決定があったわけです。その後、かなり時間がたちまして、AWACSをだんだん導入するのがいいのではないかという議論にはなったのですけれども、今おっしゃいましたように、そのころにはもうもとのボーイングの707でしたかしらの生産ラインがとまっておって、したがって、もし新規に買うとすればかなり割高になる、そういう状況がございましたのです。 私は、チェイニーさんとそういう話をした記憶がございます。それは実は両様の意味がありまして、AWACSを実は買うのがいいんだろうなと私は思っているのですが、そういう事情から、いかにも高いので、本当にこっちも買う気になるにすれば、もう少しアメリカ側もやはりそこは勉強をしてもらわなきゃいかぬなという気持ちが半分ございました。それでそういう問答をしたことは確かにあったと思います。
○児玉委員 その結果がえって高くなったのではしょうがないのですね。七九年に防衛庁自身がE2CとAWACSのどちらを買うかというとき、AWACSを二百九十六億円というふうに見ておりますね。今度の五百六十九億八千万、実に一・九三倍ですよ。それだけ高くなってなおかつ買うというのは、これは私は防衛に関しては自民党の皆さんと立場が違うけれども、自民党の立場に立ってもこれは抜本的な再検討が必要じゃありませんか。いかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 その七九年のときはみんながAWACSを買っておりまして、サウジや何か。それで二百——数字は忘れましたが、安かったんでございますね。そのとおりでございます。ところが、それから十年余りたちましてもうAWACSというものをどこも持つところは持ってしまった、したがって生産がやまっちゃったというあたりがチェイニーさんと私とのお話をしている時期なんですが、実は私も正確なことを覚えておりませんけれども、そのときのアメリカの言い値というものはもっと実は高かった。今度妥結をいたしますにつきましては、随分防衛庁当局がアメリカと折衝をしていろいろな苦労をして、そしてともかくこの価格で話をしたという経緯がございますのは実はそういうことなんでして、もとへ返ればそれならAWACSは要るか要らないかということになりますが、私どもは、やはり我が国のように専守防衛をしている国にとっては、それは最新鋭のそういういわば情報の耳を持っているべきだと思いますので、そういう意味ではやはりAWACSは買っておいた方がよろしい。 十年前に買えばもっと安かったろうという話は、それはそのとおりだと思いますが、そのときには我が国はAWACSを使いこなせるだけのいろいろな意味での能力がなかったわけでございますので、これはやむを得ない。その後確かに高くなりましたので、防衛庁当局等々大変苦労をして今予算で御審議いただいておる価格のところまで交渉をして引き下げてきたという経緯というふうに私は承知をしております。
○児玉委員 二つのことを言いたいのですね。一つは、767型に乗せることになる。まだ実機はありません。実際に運用されている飛行機はない。風洞テストから強度テストから開発費まで日本がなぜ引き受けなきゃいけないのか。たまたま今総理のお話を伺っていて、ドネリーという在日米空軍の司令官がおりますが、十年前に彼はE2Cで十分にバックファイアに対抗できる、もしE2Cで無理だと言う人がいればそれはボーイング社の回し者じゃないかと言ったことがあります。まさか総理がボーイング社の回し者になったとは思いたくないですね。767の開発費までなぜ引き受けなきゃいけないのかというのが一つです。 もう一つは、二月二十五日にアメリカの空軍は、世界の脅威が減少している結果、これは私の仮訳で、「アズ ア リザルト オブ ザ ディクリージング ワールド スレト」、そういう言い方ですが、世界の脅威が減少している結果、アイスランド・ケフラビック空軍基地、そして沖縄の嘉手納基地からAWACSを本土に引き揚げる、嘉手納の場合一機ですがね、そういうふうに言っています。専守防衛と言いますけれども、周辺空域の防衛であれば地上司令部とレーダー基地とE2Cで十分ですよ。今日本の地上基地の脆弱性を問題にしなきゃならないような脅威がどこに存在するでしょうか。 私は総理に聞きたいのは、もしAWACSの導入が強行されるとすれば、どの国のいかなる兵器にこのAWACSは対抗しようとしているのか、お答えいただきたいと思います。
○畠山政府委員 後段の方の嘉手納の基地からの引き揚げの問題は、別途必要であれば別の政府委員からお答えすることになると思いますが、なぜそのAWACSが必要かという点に係るわけでございます。 E2Cを導入いたしましたときには、低空で侵入してまいります飛行機に対して地上のレーダーサイトがそこをカバーできないということから、単に低空侵入の能力だけをカバー、捕捉すればいいということの必要性からその当時E2Cが選択されたということでありますが、それに対しまして、その後航空技術の進歩が非常に著しくて、飛行機の飛行距離が延びた、航続距離が延びたことと、それからミサイルの射程が延びたということから、洋上遠くからスタンドオフ攻撃が可能となるという事態に一般的になったというのが、これが諸外国におきます一般的な技術の動向でございます。 それに対応するためにAWACSというものが必要になった、こういうことでございまして、このAWACSのみならず、我が国としては、具体的にどこの国の脅威に対して対抗するという考え方で防衛力を整備しているものではございませんで、必要最小限度の、しかも航空軍事技術の動向に見合った形で整備をしているというのが我々の立場でございます。
○児玉委員 今の点については時間があれば十分反論したいんだけれども、例えばこれは昭和五十四年七月の「日本の防衛」ですよ。この中で既にバックファイアの配備、今彼が言った航空技術の進歩を見通しています。 最後の質問です。 減税の財源として赤字国債によるべきでない。財政法四条、規定は総理よくよく御存じです。侵略戦争が膨大な戦時国債によって行われたということに対する痛切な反省から財政法四条はできたと私は承知しております。そして、この赤字国債がその後どのくらい日本の財政を困難にしているか、そのことを考えると、赤字国債によることなく大企業の優遇税制に対するメスと軍事費の削減、ましてや消費税率のアップなんということが既に議論され始めていますけれども、その道によるべきではない。 総理、最後の質問ですが、いかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 冒頭で消費税は食料品等はまずやめるべきだというお話があり、赤字国債は出してはいけない、しかし所得税の減税はするんだというのは、どうも私にはちょっとそろばんがわかりかねるということでございます。
○児玉委員 終わります。
○石川委員長代理 これにて児玉君の質疑は終了いたしました。 次に、伊藤英成君。 〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
○伊藤(英)委員 景気対策の問題について伺います。 昨年の六月に内閣は、ここにありますこの「生活大国五か年計画」を策定をいたしまして、生活者、消費者重視の政策を掲げました。しかし、一昨年以来のいろいろな景気対策を見ておりますと、どれだけ生活者、消費者の重視というスタンスをとったのか私は疑問なしとしないんですね。 そこでまず一つの政策は、預金金利の大幅な引き下げを連動する金融政策であったわけですね。これの影響を考えますと、いろいろな影響があるんですが、一つは、利子収入を生活の糧とする老人世帯あるいは一般の世帯に与える影響というのが大変大きいと思うんですね。 幾つかの試算があるんですが、一般世帯の平均貯蓄額が一千五百万円であるといたしますと、一%の金利引き下げはざっと家計の所得の十万円以上を低下させることになりますよね。そうすると、所得税減税でバランスをとろうといたしますとざっと四兆円ぐらいというふうになりますよ ね。 それからまた、マクロのこういう試算もありますね。家計部門の正味金融資産残高、九〇年末で六百三十兆円、一年間の利子収入が三十二兆円、預金金利が一%下がりますと家計は六兆円の減収となります。そういたしますと、九〇年度の雇用者賃金の総額が二百兆円でありますから、六兆円といいますと三%の賃上げに相当するという話になります。 あるいはまた、高齢無職者世帯数が三百二十三万世帯、この年金利子生活者の世帯にとっては利子収入が半分になっておりまして、生活難にこういう人は陥る可能性もあるということですね。 こういう状況の中で、どうやって老人の預金者に対して手当てをするんだろうか等々も考えられるわけであります。この利子引き下げの大きな影響という問題等について、一体総理はどういうふうに考えられますか。
○林(義)国務大臣 伊藤議員の御質問にお答えいたしたいと思います。 利子率の引き下げ、こういうことでございますが、公定歩合を下げるのは、やはり公定歩合を下げまして金利を安くする、安くすることによりまして企業の方も低い利率で金が借りられる、また、低い利率で借りるということになれば借りるところの数もふえてくる、金額もふえてくる。そういったことによりまして、在庫もふえるし、投資もふえる、そういった形で生産活動を大きくしていく、それによりまして経済全体のパイが大きくなってくる。そういったことによる一般的な影響がいわゆる利子生活者その他にも及んでくる、これが私は一般的な考え方だろう、こう思うのであります。 ただし、御指摘のように、限界的な場合あるいは一部的な問題として今の利子生活者に対するところの影響というものが出てくるということでございますから、今回の公定歩合の引き下げにつきましては、同じような利率で、公定歩合が下がりました、その下がったと同じような利率で下げていくのではなくて、その下げ幅をほぼ半分ぐらいの下げ幅にしたというのが預金者に対するところの問題でございますし、また、もう一つ申し上げますならば、本当に困っているところの、いわゆる福祉年金等の受給者が持っておるところの定期預金につきましては今三百万円、こういうことにしておりますけれども、これは昨年の八月に上げたところでございますし、そこにつきましては預金利率を変えない、こういった形でやっているところでございます。私たちの方といたしましても、全体の枠組みの中で、今伊藤議員御指摘のような高齢者やその他のいわゆる社会的弱者の問題につきましては、配慮をしてまいったつもりでございます。
○伊藤(英)委員 私は、本当に高齢者の、あるいは年金生活者の意見というのは十分に反映されるかなということをやっぱり非常に心配いたしますね。したがって、例えば日銀政策委員の中にもそういう生活者、預金者の代表者の意見を反映させるようなシステムとかいうことさえも考えた方がいいんではないかということも思ったりするんですね。 総理、今申し上げたようなことも含めて、総理はこれからどういうふうに考えられますか。ーー総理にお伺いしていますが。
○林(義)国務大臣 私から先にお答え申し上げますけれども、日銀政策委員というのはいろんな各界の代表が出ておりまして、当然にそういったような御意見のことも反映されてやれるような形に私はなっている、またそういった学識経験者が入っておられるものだ、こう思っておるところでありまして、いろんな階層の人をそれぞれの段階で出すということになりますといろいろ問題があるでしょうから、私は現在の日銀政策委員の構成でもって今お話しのような問題は十分に配慮されるものだろう、こういうふうに思っているところでございます。
○宮澤内閣総理大臣 確かに以前には公定歩合というのは下げれば下げるほどいいんだという御議論がほとんどであったんですけれども、この節にはやはりそういう預金利子で生活している人たちという立場を考えなければいけないという、まあいわば先進国型とでも申しますか、そういう意見が公定歩合を動かすときに考慮されなきゃならないという時代になってまいってきていると思いますから、それは今後ますますそうなるであろうと思いますので、十分それも配慮しなきゃいけないと思います。
○伊藤(英)委員 次に、最近のとられておる政策というのは、やっぱり公共投資優先の景気対策をとっておりますね。この公共投資の優先ということなんですが、本当にどういう意味を持つんだろうかということを考えますと、既にいろいろここでも議論をされたりしておりますが、公共投資をある単位やった場合の効果、あるいは所得税減税をやった場合の効果ということが問題になります。 民間の調査機関等によりますと、その効果を生産額の誘発額及び増加労働者数、労働者をどれだけふやすかという指標で試算をいたしますと、所得税減税、公共投資それぞれ一兆円やった場合に、生産額の誘発効果でいきますと、所得税の場合ですと一兆四千三百億、公共投資の場合ですと一兆五千六百億、それから増加労働者数でいきますと、所得税の場合が十四万三千五百人、公共投資の場合十三万五千人というふうに、こう試算もされたりしていますね。 私は、これ、さらに今度は業種別に、じゃどんなふうになっているかと、こう見たりいたしますと、公共投資をやった場合にはもちろん建設業には非常に効果は大きいという話が出ます。ところが、製造業だとかあるいは卸、小売業、金融保険、不動産業、運輸通信業、サービス業等を考えますと、これはおわかりだと思いますけれども、所得税減税の方の効果が大きく出ます。 最近、雇用問題等が大変いろいろ言われますね。雇用問題がいろいろ言われております。そして雇用調整があり、内定の取り消しの問題等が言われておりますけれども、例えば今回の内定取り消しの問題でも、私立大学協会の調査によりますと、内定取り消しのうちの六割以上が情報サービス産業であります。それから、大学職業指導研究会の調査によりますと、九割がソフト業界となっております。公共投資公共投資とやっていることが、現在の日本の産業構造の中でその効果がやや偏ったところにいっているということを意味していると思うのですね。いかがですか。
○濱本政府委員 主税局長としてお答えすることが適当な部分とそれを超える部分があろうかとは存じますけれども、所得税減税に関連した御指摘でもございますので、多少御答弁を申させていただきたいと存じます。 民間の調査機関の発表しておられますいろいろな試算というものの中には、御指摘のように、生産誘発額を求める形で所得税減税、公共投資の追加の場合の違いというものを明らかにしておられるケースがございますけれども、これと、政府がしばしば申し上げております乗数の概念というのは、けさほどもちょっと御議論ございましたけれども、相互に質の違ったものでございまして、前者はその中間生産物を含む一回限りの生産額をすべて合計したものでありますのに対しまして、後者の方は、初年度の追加額の何倍の付加価値がもたらされるかという意味におきます乗数計算をあらわしておるわけでございますから、この両者をそのまま比較するということはちょっとなかなか難しいという気がいたします。 ただ、一般の民間のいろいろな試みの中にも、そのモデルの形によりまして計算を行っておりますケースにつきましては、ほぼ政府の試算というものに近い傾向、所得税減税と公共投資追加の場合の差異というものはそれほど大きく隔たっているものではないというふうに思うわけでございます。 それから、伊藤先生から御指摘がございました、こういった民間の試算の中に増加労働者数を試算しておるものも確かにございますけれども、 そのことも私どもデータを見まして考えさせられたのでございますが、たまたまそういった計算によりましても、公共投資の方が所得税減税に比べまして、より製造業あるいは建設業で労働者数を増加させているというデータになっております。 現在の雇用動向を見ますと、製造業において在庫調整の動きなどから労働需給が緩和してきている面が確かにあろうかと存じますけれども、サービス業、卸、小売業では雇用者数は依然堅調に推移しているというふうに見受けられまして、そういった意味からも直ちに矛盾を御指摘いただくような状況にはないのではないかという気がいたします。
○伊藤(英)委員 私に本日与えられた時間は余り多くありませんで、特にきょうはいわば日本株式会社の経営者の会長であります総理大臣に、どういうふうに物を考えて国家を運営するんだろうかという意味でお聞きしたいと思っておりますので、お願いをいたします。私は、衆議院五百十二名、私も日本の経営者の一人だと思っておりますが、そういうつもりで取り組んでいるつもりでありますが、何といったって会長は総理大臣でしょう。そういう意味で、どんな意識で、どういうふうに物を考えて運営をしていくのだろうかという意味でお聞きしたいと思っております。 今の主税局長のお話も、余り瑣末なことをと言ったらしかられるかもしれませんが、本当に日本の産業構造はどういうふうになっているのだろうか。その上で、本当にどういうふうに運営していくんだよと、そして今どういう国民の意識にあるんだろうかというようなことを考えてやっていきたいというふうに思います。 今の問題は時間があればまたの機会にさせていただきますけれども、総理、今本当に深刻な不況の状況にある。そして、いろいろな管理者の肩たたきも起こったり、あるいは配転やら解雇も起こったり、あるいは採用の内定の取り消しの問題も起こったり、あるいは大工場の閉鎖計画が起こったり等々というような状況を見ていますと、ああ、今日の状況をつくったのは、日本の経済の情勢の認識は本当にここ数年正しかったのだろうか。そしてその上で、本当に適切な経済や財政運営を、あるいは経済対策を実行してきたのだろうかということを、これは私は猛烈に反省しなければならぬと思うのですよ。どうですか。今日の状況を見て、そういう政策の問題やらあるいはタイミングの問題について、総理としての責任は極めて重大だと私は思います。私たちも責任はありますけれども、総理の責任は極めて重大だと思いますが、総理はどのようにそれを認識をされますか。
○宮澤内閣総理大臣 先ほどのことにお答えしたいと思っていたのですけれども、乗数効果あるいは景気刺激効果、公共事業か減税かというお話がありまして、それについてはいろいろ議論があると思いますが、主税局長が申し上げたことのほかにもう一つ私は申しておきたいのは、我が国が現実に住宅であるとか下水であるとか公園であるとか、あえて生活大国と申しませんでも、公共投資を実際必要としているわけでございますね。ケインズの言うように穴を掘って埋めればいいというようなことを言っているのではありませんで、今申しましたように、実際公共投資をたくさんしなければならない、そういうところにおるということもどうぞひとつ御勘案をいただきたいと思います。 それから、次のお話は何度もこの委員会で御議論がありまして、長くなってはいけませんのでごく簡単に申しますならば、やはりプラザ合意以来の円高というものに対応して、我が国の経済をとにかくそこから救ってきた。あのときに非常に大きな公共投資も減税もいたしました。そこから長い好況が続きます。円をなるべく急速に上げないために為替の介入もいたしました。そういうところからかなり大きな過剰流動性が生まれて、最後のところでそれが株に行った、土地に行ったということでございますから、政策そのものは目的を達したのですが、過剰流動性の最後のところを何とかもう少し上手に処理できなかったかということが反省として残っているのだと私は思います。それは、あるいは金利を非常に下げていきましたその最後のある段階で反転させるべきときがあったのかもしれないといったようなことにも通じるわけですが、これはやはりプラザ合意以来の円高に対応するための政策がかつて経験したことのないブームになり、それがバストになった、こういうことが反省材料だと思います。
○伊藤(英)委員 財政運営等のいろいろな経済政策のまずさということについては、さきの臨時国会のときの予算委員会でも、総理とも日本の単年度主義の問題も含めていろいろな議論をいたしましたけれども、私は、今の日本の状況認識なりあるいはその対策というのは妥当でなかったということはこれはやはり言わなければならぬ、こういうふうに思いますね。 次に、私は、今の不況というのは、何といったって結果として個人消費が低迷しているという状況ですね。なぜ個人消費がこんなに落ちるのだろうかということなんですが、いろいろな要因はありますが、何といったって将来に対する不安なんですね。景気に対する不安もある。しかし、何よりも気になるのは、日本の国民は将来の自分の生活に対してやはり不安があるなというふうに私は思いますね。だから、例えば世帯主の年齢別の一世帯当たり貯蓄保有額というのをこの間もある学者に聞きました。そういたしますと、日本は欧米先進国とは格段に、異常なくらいの状況にあります。大変な、六十歳以上ぐらいでいきますと、千六百万か千七百万くらいは持つわけですね。年齢が上がってきたときに貯蓄保有高は多くなるのですよ。不安なんですよね。 私は、いろいろな問題はありますが、日本の大きな基本的な制度の中にやはり三つあるのじゃないか。一つは土地の問題、次は相続税、そして年金の問題。これは非常に、今の日本の状態というのは、自分たちの将来を見たときにやはり不安を感じさせる状況になっていると思うのですね。 例えば土地についていえば、日本の三千七百七十八万ヘクタールの土地、これは必ずしも狭くはないですね。しかし、本当にそれのうまい利用の仕方をしているんだろうか。減反の面積が住宅地の面積とほぼ同じくらいということを考えれば、これはもっと使い方があるかもしれない。あるいは今回の生産緑地法の改正の問題でも、本当にどれだけ住宅地として出てくるのだろうかというようなこと等は考えなければなりませんよね。今の土地の供給ある。いは価格を本当にもっと下げて、そして年収の五倍で住宅が持てるように本当にしなければならぬと思います。総理、どうですか。
○宮澤内閣総理大臣 そう思います。
○伊藤(英)委員 時間が余りありませんのでそれ以上申し上げませんが、そうでありますというふうに総理は言われるわけでありますから、本当に下げるようにぜひそれぞれの関係省庁によろしくお願いしたいと思います。 同じようにといいましょうか、相続税の問題について伺いますが、これは先般も御承知のとおりに新聞で報道されましたけれども、田園調布のその土地、百坪にも満たない相続税、これが払えなくて初老の夫婦が自殺した状況が報道をされておりました。このことについてはまたいろいろあるかもしれませんよ。しかし、本当に日本の相続ということを考えたときに、今の制度は、基本的には、ずっと将来にはこれは国や地方自治体や法人や宗教法人等に保有をされていくという基本的な性格を持った制度だと私は思いますね。だから、せめて例えば土地百坪までは相続税の基礎控除の対象にするとか、こういう考え方が必要ではないかと思いますが、どうですか。
○林(義)国務大臣 相続税の負担軽減のお話は、伊藤議員からもこの前お話が当委員会でございました。やはり小さなところを持っているところを考えていかなければならないということの考え方はあるわけでございますけれども、相続税というものが、東京だけでなく、全国一律の制度になっておりますから、東京で非常に高いところの土地 で持っているところの財産をどうするかという問題とお互いの地方にあるところの財産と随分違ってくるのだろう、こう私は見ます。そういったものをどうしてやっていくかというのが相続税の問題じゃないかな。 ただし、基本的に申しまして、相続税というのは世代間の移転の話でございますから、やはりそこは相当な高い税金を今までの保有者にかけて、そして新しい時代は自分たちの努力によって賄っていくというのが基本的な考え方ではないだろうか、そういった形の上に相続税というものは成り立っているのだろう、こういうふうに私は理解をしておるところでございます。
○伊藤(英)委員 そうでありますが、しかし、制度そのものからいけば今の法人等、先ほど申し上げたところの相続の問題といいましょうか、そういうところからいけば、先ほど私が申し上げたような本質的な性格を持っているということは言えますよね。したがって、多くの土地を云々とは言いませんが、ある限度のというか、最小限の土地について、それを相続するということの意味というのは考えていかないと、将来に対しては不安を持たざるを得ないということだと思うのです。 同じように、年金の問題ですね。今の年金の状況から考えれば、本当に自分たちの生活は将来安心しておられるだろうかというと、そんなことはありませんよね、日本の現在の状況は。しかも、今は基礎年金も三分の一しか国庫負担はありません。というようなことを考えれば、そしてまた、今学者等も試算もしておりますけれども、ある年代によりますと、自分たちの掛金よりも支給される金額の方が少なくなってしまうことが予測されますよね。ああ、日本の年金制度はあるいは自分たちの将来は、今の年金制度で本当に大丈夫なんだろうか。大丈夫じゃありませんよね。だから、次の制度改定のときには、こういう国庫負担のあり方の問題、あるいは夫が死んだ後の妻の受給額、受給率、この問題についても含めて私は見直すべきだと思いますが、いかがですか。 ついでに申し上げておきますが、きょうの新聞に、二〇二五年の厚生年金の保険料率が現在の二倍以上になると大きく報道されていますね。今のような経済情勢の中でああいう新聞をぱっと見ますね、ああ、消費は抑制しなきゃというふうにも思えますよね、ああいう記事を見ますと。今のこれは、年金制度の持っている問題としてどう思いますか。
○林(義)国務大臣 若干私のところの所管外のことになるかもしれませんけれども、今のお話の中で、これからのお年寄りの問題をどうしていくかというのは、私は非常に大きな問題。それが年をとってからやはり生活に不安になってくる。先ほど先生から御指摘のありました貯金の話なんかも、やはり老後の不安の話だろうと思うのですね。長寿社会になりました我々がどういうふうな形でこの不安を解消していくかというのは、私たちの政治的な大きな問題だと私は思います。 そうした意味で、いろいろなことは抜本的に考え直していかなくちゃなりませんけれども、今私は、その地ならしとして、ぜひ早い形でインフレなき持続的な成長へ持っていくということがまずは大切だろう、こう思っているところでございまして、ぜひこの予算案に御賛成のほどを心からお願いを申し上げまして、答弁にならないかと思いますけれども、お願いをする次第でございます。
○伊藤(英)委員 答弁になっていないと私は思っていますので、総理に一つだけというか、最後にお伺いをしておきたいと思います。 一つは、今お話をいたしました日本の基本的な構造の中での不安感、本当にどうすれば日本人はもっと安心できるだろうかということが一つ。もう一つは、この四月中旬に訪米されるというふうに報道されておりますが、その訪米の目的と主要なテーマをどういうふうに考えていらっしゃるか、この二点について質問をして終わります。
○宮澤内閣総理大臣 先ほど、例えば相続の関係で土地は百坪までは外したらどうだ。ところが伊藤委員、考えてみますと、やはり相続税というのは従量税じゃなくて従価税なんですね。百坪の土地を外しますと、東京じゃ何億円というものが相続価格から外れます。ということは、土地を買っておいたら得だということになりますね。ですから、やはりそういかなくて住宅用の減額をする、小規模住宅のあれを減額をしていくということの方が公平なんじゃないかと思いますですね。 それから、年金のことは確かにそのとおりでございますから、やはり将来に向かって、多少苦しいことがありましても、こういうことであれば先々の年金というものが、しかもけさもございましたが、余り大きな若い人の負担にならずにとにかく二〇二五年あるいは二〇三〇年、その辺で大丈夫、やっていけるということを構築しないといけないんではないかと思います。日本人が非常にそういう意味で不安になるということは、今こういう経済状況でございますからそのとおりだと思いますけれども、やはり雇用のことを私は一番大事にしていきたいと思います。 そういたしますと、ともかくこの経済状況が普通になりましたら、雇用の心配さえなしに過ごせましたら、私はやはりもう一度まだまだ我が国の経済は頼りになる、国民が信頼できる経済だというふうに思っています。 アメリカには、大統領もかわられましたし、七月には我が国がサミットの主催国になりますので、そういうこともありまして、比較的早い機会にお互いの意見の交換をしておきたい。両国間の話もございますけれども、まあ世界の第一、第二の経済大国として共通に世界に対して負っていく責任をどうやって果たすかというようなこともお話をしてみたいと思っております。
○伊藤(英)委員 時間が参りました。終わります。ありがとうございました。
○粕谷委員長 伊藤君の質疑は終了いたしました。 これにて締めくくり総括質疑は終了いたしました。 以上をもちまして平成五年度予算三案に対する質疑はすべて終局いたしました。 —————————————
○粕谷委員長 この際、日本共産党児玉健次君外一名から、平成五年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。 これより、本動議について提出者より趣旨の弁明を求めます。児玉健次君。 ————————————— 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計 予算及び平成五年度政府関係機関予算につき 撤回のうえ編成替えを求めるの動議 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○児玉委員 私は、日本共産党を代表して、平成五年度予算三案につき政府が撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要を御説明いたします。 まず、撤回、編成替えを求める理由についてです。 一九九三年度予算案に何よりも求められているのは、ますます深刻さを増している不況に対し、国民の立場からの抜本的な対策を打ち立てることです。しかし、政府予算案は、中小企業予算を削減し、国民の減税要求を無視しています。また、金利引き下げや大型プロジェクト中心の公共事業の拡大など、大企業・大銀行中心が貫かれています。 臨調予算のもとで軍事費は最優先の扱いを受ける一方で、社会保障、教育予算は低く抑えられ、福祉・教育制度の改悪が行われてきました。九三年度予算でも、医療、教育にかかわる国庫負担を地方自治体に押しつけるなど、福祉・教育の一層の切り捨てが行われています。アメリカと財界の要求に沿った政府予算案の撤回と抜本的な組み替えを強く求めるものです。 次に、編成替えの概要について述べます。 第一に、大幅な所得減税と確実な内需拡大策です。二兆円の所得減税、消費税の食料品非課税を実行することです。パート・住宅・教育減税などきめ細かな減税の実施、公示地価七割への評価基準引き上げの中止を求めます。 第二は、中小企業予算を倍加し、不況に苦しむ中小企業・労働者への対策の強化、政府系中小企業金融機関への出資と利子補給の大幅増額、激甚災害融資並みの緊急融資制度の創設を求めます。下請中小企業を切り捨てる大企業の海外進出を規制し、進出を後押しする優遇措置の抜本的な見直し、官公需の中小企業発注率の引き上げを求めます。 不況打開のためにも、労働基準法の抜本的改正で賃下げなしの時短を実現すべきです。 第三は、大胆な軍縮政策に踏み出し、世界的な平和・軍縮の流れの強化に貢献することです。当面、米軍への思いやり予算の廃止、AWACS、大型輸送艦など正面装備増強費の全額カットなど、軍事費の半減を要求します。飢餓に直面している国々への援助を拡大し、人道的な支援を第一目標とし、憲法、PKO法にも違反しているカンボジア派遣部隊を直ちに撤収させるべきです。 米輸入自由化を前提にした新政策を撤回し、農業の再建に踏み出すべきです。また、新たな障害者対策長期計画の策定、三十五人学級の実現など、福祉、教育予算の充実を求めます。財源確保の上で、過大な減価償却制度など大企業優遇の不公平税制にメスを入れ、歳入を確保するとともに、歳出面では国債利払いの低利資金借りかえによる圧縮、大企業補助金の大幅削減など抜本的に見直すべきです。 以上が動議の概要です。 委員各位の御賛同を期待して、趣旨弁明といたします。
○粕谷委員長 これにて本動議の趣旨の弁明は終わりました。 —————————————
○粕谷委員長 これより討論に入ります。 平成五年度予算三案及び児玉健次君外一名提出の動議を一括して討論に付します。 討論の通告がありますので、順次これを許します。小杉隆君。
○小杉委員 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となっております平成五年度予算三案に対し、賛成の討論を行うものであります。 現在、我が国は、円高不況以来と言われる深刻な経済状況に直面しております。各種経済関係のデータを見ても、住宅投資に回復の兆しが見られるものの、製造業を中心とした設備投資の落ち込み、個人消費の伸び悩みが続いており、また、在庫調整の動きから鉱工業生産は停滞傾向で推移し、企業収益も減少するなど、依然として景気は低迷を続けており、今や一刻も放置できない状態となっております。 政府は、このような事態にかんがみ、昨年八月に総事業費十兆七千億円の過去最大規模の総合経済対策を決定し、十月には公共事業の追加を盛り込んだ補正予算を組むなど、景気回復のため、可能な限りの努力を行ってきております。 平成五年度予算は、現在、緊急かつ最重要課題となっている景気対策に十分な配慮がされており、先般の第六次公定歩合引き下げと相まって、需要を拡大して景気の回復と経済のさらなる成長を促す原動力となることは間違いなく、国民の要望と期待に十分こたえ得るものと確信するものであります。 以下、本予算に賛成する主な理由を申し述べます。 賛成の第一は、公共投資の拡充等を行うなど景気回復のために十分な配慮がなされていることであります。 すなわち、速やかな景気回復を図るため、公共事業関係費は、一般歳出が対前年度比三・一%増と平成二年度特例公債脱却後最も低い伸び率となっている中で、NTT事業等を含めると八兆六千四百億円強が計上され、対前年度伸び率は五・八%と近年最大の高い伸びとなっております。また、財政投融資による事業や地方単独事業についても、それぞれ一二・四%、一二%と前年度を上回る高い伸びが確保されているのであります。 また、住宅・下水道や環境衛生等の分野に公共事業関係費の重点的配分が行われており、その対前年度伸び率は七・一%と一般公共事業関係費の伸び率を大きく上回っており、内需拡大に資するとともに「生活大国五か年計画」の初年度にふさわしい予算となっております。 賛成の第二の理由は、社会保障の充実を初め、国民生活の質の向上への配慮など、時代の要請に的確に対応した予算となっていることであります。 まず、社会保障関係費においては、来るべき高齢化社会に向かって活力ある福祉社会を形成していくため、一般歳出が低い伸びに抑制されている中で十三兆一千四百億円強が計上されており、その構成比は一八・二%と一般歳出中最大の支出項目となっております。 内容的にも、本年で四年目を迎える「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、いわゆるゴールドプランは、ホームヘルプサービス事業等の在宅福祉対策の大幅な拡充を図るなど、老後を安心して送れる社会の実現に向け、着実にその施策が推進されているのであります。 また、最近、エイズ患者・感染者が急増している現状にかんがみ、エイズ総合対策として、実に前年度の五倍に当たる百億円強の予算が計上されておりますが、これなどはまことに時宜にかなった措置と言えるのであります。 このほか、住宅宅地対策の推進、労働時間の短縮対策など、潤いとゆとりのある生活大国の実現に向けて、きめ細かな配慮がなされているのであります。 賛成の第三は、国際国家日本として、国際貢献の姿勢が強く打ち出されていることであります。 すなわち、一般会計政府開発援助予算は、対前年度比六・五%増の一兆百四十四億円が計上され、初めて一兆円の大台に乗り、事業費においても、総額一兆七千百億円余に上り、世界でも一、二位を争う規模となっております。 内容においても、無償資金協力や人的協力の拡充、援助実施体制の整備強化、地球環境保全への積極的な協力が図られており、量的にも質的にも国際貢献に対する我が国の決意のほどがうかがえ、国際的にも高い評価が得られるものと確信しております。 第四の賛成理由は、厳しい財政事情にもかかわらず、特例公債の発行を回避し、財政改革路線を堅持したことであります。 平成五年度の税収は、企業業績の悪化による法人税収の落ち込み等により、前年度当初税収より一兆二千億円余りの減収となっております。 こうした状況を踏まえ、本予算においては、既存の制度・施策の見直しを行うなど経費の徹底した節減合理化が図られ、一般歳出における経常部門経費は対前年度伸び率二・四%と近年になく厳しく抑制されているものの、社会経済情勢の変化に応じた財政需要に対しては、財源の効率的、重点的配分が行われております。 景気浮揚のため建設公債発行のやむなきには至りましたが、厳しい税収動向から、ともすれば陥りがちな特例公債の発行を回避したことは、財政節度を守る観点からも賢明な選択であり、高く評価するものであります。 しかし、特例公債の発行は回避したものの、平成五年度末には公債残高は百八十二兆円にも達する見込みであり、我が国財政は依然として厳しい状況に置かれております。 今後、政府におかれては、歳入歳出構造の抜本的見直しなど引き続き税財政改革を強力に推進され、速やかに公債依存度の引き下げを図るとともに、財政の対応力を回復し、財政が効率的にその本来の機能を発揮できるようなお一層努力されるよう、強く要望するものであります。 以上、政府への要望等を交えながら、平成五年度予算三案に対する賛成の理由を申し述べまし た。 なお、日本共産党提出の編成替えを求めるの動議につきましては、各般の考え方に大きな隔たりがある上、現実的な提案とは到底認められず、断固反対の意を表明し、私の討論を終わります。(拍手)
○粕谷委員長 串原義直君。
○串原委員 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました一九九三年度予算案に対して、反対の討論を行います。 現在、バブル経済の崩壊に伴って急激に景気が落ち込む中で、その対応が問われております。ところが、本予算案は景気回復の面から見て、まことに不十分なものと言わざるを得ません。 そこで、本予算案に反対する第一の理由は、我々が予算修正要求を提示し、強く迫った所得税減税や福祉一時金の支給、住宅、中小企業対策の拡充などのための予算修正が行われなかったことであります。我々の要求は、不況に苦しむ方々に対する不可欠の施策であり、景気対策として差し迫ったものに限定し、早急に実施するよう求めたものであります。現在の段階でそれが実現されていないのは極めて遺憾であります。 とりわけ所得税減税は、税制の面からも、景気対策の面からも不可欠であります。景気停滞の影響は個人消費にも重大な影響を及ぼしており、景気対策として欠くことができません。また、公平な税負担を実現するためにも必要です。消費税導入時以来実施されていない、相当規模の所得税減税を実施すべきであります。財源問題や財政均衡に固執する余り、所得減税を回避することは許されません。所得税減税については前向きに検討することを表明した自民党幹事長の回答を受け設置される与野党協議機関で早急に合意を得、実施されるよう強く求めます。 第二の理由は、予算全体を見ても、景気対策の面からは言うに及ばず、生活充実策としても不十分です。 経済の現状は、昨年から公共事業拡大と住宅建設に若干回復の動きが見られるほかは悪化の一途をたどっております。こうした経済状況から、九二年度の当初の政府経済見通しては三・五%の実質成長が見込まれていましたが、九二年末の実績見込みで一・六%と半分以下に引き下げられました。これは近年では全く異例のことであり、まさに異常事態であります。九三年度の政府経済見通しは、実質成長で三・三%を見込んでおりますが、民間調査機関と比較して昨年以上にその突出が際立っております。その達成に向け九三年度予算が大きな役割を担っていると思うのでありますが、経済見通しの達成はそれでは困難と断ぜざるを得ません。 一般会計予算を見る限り、対前年度当初比で〇・二%増、政策経費である一般歳出でも三・一%増とほとんど景気対策予算になっておりません。また、景気対策の柱である公共事業も、国の一般会計では対前年度当初比で四・八%増としたとされておりますが、今年度補正後と比べれば大幅な減額であり、これだけでは対策としての効果は見込めません。その配分、内容も依然として硬直的であり、生活重視の観点からの洗い直しは不十分です。また、地方交付税交付金の減額措置の継続など、国の財政破綻のツケを生活の基点である地方財政に転嫁する措置が拡大していることもあり、生活重視に逆行していると言わざるを得ません。 特に問題なのは、不況の深刻化で大きなダメージを受けているのは中小企業であり失業した人たちであるにもかかわらず、中小企業対策費も失業対策費も削減されていることであります。これでは景気対策に配慮した予算とは到底言えないのであります。 反対理由の第三は、生活関連の予算が抑制される一方、防衛費が増額される予算案が継続されていることであります。 中期防衛力整備計画の見直し、縮小も不十分であり、冷戦崩壊という情勢の歴史的変化を看過していると言わなければなりません。防衛関係費は対前年度比一・九五%増の四兆六千四百六億円と低い伸びとはいえ増額されておりまして、軍縮を率先して実行すべき我が国の立場から全くの時代錯誤であります。平和と軍縮推進は日本の世界に果たす使命です。中期防衛力整備計画は若干削減するだけにとどまらず根本的に見直し、軍縮計画を明らかにするとともに、来年度防衛関係費については、AWACSなど不要な兵器の購入・開発の中止などを行い、前年度を下回る規模に抑制すべきでした。 この際、強調しておきます。三月三日集中審議の水田委員以下及び三月四日の分科会は、自民党単独による質問者不在、理事会での合意なきまま強行された暴挙であり、断じて容認されるべきものではありません。 最後に、政治疑惑の徹底究明と政治腐敗の根絶に向けた宮澤総理の断固たる決意と、景気対策のための施策の拡充を強く求めまして、私の反対討論を終わります。 なお、日本共産党提出の撤回のうえ編成替えを求めるの動議については、反対をいたします。 以上です。(拍手)
○粕谷委員長 石田祝稔君。
○石田(祝)委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました平成五年度予算三案に対し、反対の討論を行うものであります。 以下、反対の主な理由を申し述べます。 反対の第一の理由は、今回の不況は、景気循環による景気後退に資産デフレが加わった、我が国が戦後初めて経験する複合不況でありますが、それを克服する対策が著しく不十分であることです。 一般会計の規模は、わずかに四年度当初予算比で〇・二%増という超緊縮予算となっております。これでは、不況時に財政規模を拡大し、民間経済をカバーするという財政の本来の役割を放棄していると言わざるを得ないのであります。 また、公共事業関係費についても、五年度は四年度補正後の額より約一兆三千億円も少なくなっており、景気に配慮したとは到底言えないのであります。 公共事業には一定の景気浮揚効果があることは当然であります。しかし、深刻な不況に対処する景気対策としては、公共事業だけでは力不足であります。今回の景気回復のかぎは、いかに消費の喚起を図るかということでありますが、その消費を喚起するための所得税減税が欠落しているのであります。このままでは景気の回復がおくれることは必至であります。そうなれば、平成四年に過去最高を記録した貿易黒字はさらに増大し、経済摩擦が激化することは避けられません。 また、最近の円高は、不況に追い打ちをかけることが懸念されるのであります。我が党など野党の強い要求によって検討することになりました所得税減税の速やかな実施を求めるものであります。 反対の第二の理由は、総理の公約である生活大国を実現するための措置が十分盛り込まれていないことであります。 国民が生活大国を実感できないのは、生活関連社会資本の整備が大きく立ちおくれていることが一因であります。高齢化社会を目前にして、生活関連社会資本整備は急がなければなりません。しかし、予算における公共事業は、産業・生産優先時代の配分比率をそのまま踏襲し、事業別、省庁別の配分比率にはほとんど変化がなく、固定化されたままであります。これでは、閣議決定した「生活大国五か年計画」で示す生活関連社会資本の充実は不可能であります。生活関連社会資本の整備を優先するよう、公共投資の配分比率を変えることを強く要求するものであります。社会保障関係費の伸び率の鈍化も納得できないのであります。 反対する第三の理由は、冷戦構造の崩壊、ソ連邦の消滅によって、軍縮、軍事費の削減が世界的な潮流になっているにもかかわらず、防衛関係費は依然として増加していることであります。 五年度の防衛関係費は、減額するか、せめて据 え置きにすべきであると強く主張するものであります。 防衛予算については、冷戦構造の崩壊を受けて、アジアにおける緊張緩和を積極的に創出するためにも、自衛隊の装備体系の再検討や、陸海空三自衛官定数の削減を含む組織の再編を進めるべきであると思うのでありますが、そうした検討の跡は見られないのであります。 以上、平成五年度予算三案に反対する主な理由を申し述べました。 なお、日本共産党提出の組み替え動議には、見解を異にするため、反対であります。 以上、討論を終わります。(拍手)
○粕谷委員長 古堅実吉君。
○古堅委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の予算三案に反対し、我が党提出の予算編成替えを求める動議に賛成の討論を行います。 政府提出の予算三案に反対する理由の第一は、政府案が、深刻な不況の影響を最も多く受けている中小企業・業者と国民の暮らしと営業を守る根本的対策とはなっていない点です。 我が国全事業所の九九%、全従業員の八割、工業出荷額の五割以上を占める中小企業は、日本経済の中核であるにもかかわらず、この中小企業予算を年々削減し、さらに減税要求を無視するなど業者と国民に追い打ちをかけることは許せないのであります。大型プロジェクト中心の公共事業の拡大など、大企業の利益保障を正当化するトリクルダウン論からの脱却は、日本でこそ緊急課題と言わなければなりません。 我が党は、中小企業対策予算の倍増とともに、一世帯四人家族で五−六万円になる二兆円の所得減税、消費税の食料品非課税の緊急実施を求めてきましたが、これこそ国民の願いにかなう根本的要求であることを強調するものであります。減税の財源について言えば、軍事費と大企業優遇税制の二つの聖域にメスを入れれば確保できるのであります。赤字国債の追加発行は、九三年度末で残高が百八十二兆円の負債をさらに拡大し、将来、消費税の税率アップにつながることは必至であり、断固反対であります。 第二は、臨調路線のもとで大きくゆがめてきた財政構造をさらに推し進めて、国民生活を一層圧迫する予算だからであります。 臨調予算の十二年間で、中小企業対策予算は二一・九%、食糧管理費は六八・七%も減らされました。国立大学の学費は一・六倍、私学も含め世界一高い学費となっています。生活保護費は連続して削減され、保護対象者はこの間百四十七万人から九十万四千人に減少しています。国の補助金削減政策のもとで苦しむ自治体は、さらに負担転嫁の拡大を強要されています。 第三は、国民が不況に苦しみ、また冷戦構造の劇的変化に伴って世界各国が軍事費を削減しているにもかかわらず、相変わらず軍事費をふやしていることであります。 政府予算案は、アメリカの言いなりに、一機五百七十億円にも上る空中警戒管制機AWACS二機を購入し、米軍思いやり予算を一五・三%も急増させるなど、アメリカヘの貢献を強化する予算にほかなりません。自衛隊のカンボジア派遣をばねにして、大型輸送艦を導入するなど新たな増強へ踏み出そうとしていることも認めるわけにはいきません。 我が党は、軍拡を目指した中期防衛力整備計画を撤廃して、大胆な軍縮政策に踏み出し、在日米軍への思いやり予算の廃止、正面装備増強費を全額削除し、軍事費の半減を強く求めるものであります。 討論の最後に、予算委員会の運営問題について一言申し上げます。 予算の修正をめぐって自民党と社会、公明、民社三党の協議が繰り返されましたが、重大なことは、自社公民四党の協議中は予算委員会を空転させ、決裂すると自民党が単独で審議を強行するという、国会の私物化とも言うべき議会制民主主義のじゅうりんが行われたことであります。しかも、私的な政党間協議の結論が予算委員会に問答無用とばかりに押しつけられたことです。こうしたやり方はあしき密室国対政治そのものであり、厳しく批判せざるを得ません。 私は、日本共産党が提出した予算組み替え動議こそが、自民党政治の枠組みを根本的に改めて、国民が望む根本的な不況対策となり、福祉・教育の充実、真に国民の暮らしを守る道であることを強調して、討論を終わります。(拍手)
○粕谷委員長 中野寛成君。
○中野委員 私は、民社党を代表して、ただいま議題となっております平成五年度予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。 反対の第一の理由は、当初予算案について、減税を協議会で検討することにはなりましたが、今日時点では何ら修正されず、所得税減税実施が盛り込まれなかったことであります。 宮澤内閣が甘い経済分析を続け、対策を後手後手に回してきた結果、日本経済は深刻な不況に直面しています。実質経済成長率は、昨年四月−六月期はゼロ%、七月−九月期はマイナス〇・四%となり、その後も低迷が続いています。昨年十月以降有効求人倍率は一を下回り、大量の従業員、パート・内職者が職を失っています。 また、この不況はこれまでにない深刻な消費不況となっています。乗用車や家電製品などの耐久消費財を中心に消費が低迷する異常事態が生じ、百貨店販売額の伸びは昨年三月以来マイナスを続けています。GNPの約六割を占める消費の著しい落ち込みが景気回復の足を引っ張っています。これまで政府は、公共投資拡大、公定歩合引き下げなどの対策に取り組んできましたが、公共投資は消化不良、金融政策ももはや限界に達しています。こうした状況において残された手段は、消費拡大策としての所得税減税実施しかありません。 こうした考え方に立って、民社党は、他の野党と共同して、戻し税減税、基礎控除及び給与所得控除の引き上げによる制度改正、住宅及び教育に焦点を置いた政策減税から成る総額四兆二千六百四十億円の減税実現を求めて、予算修正要求を政府・与党に提出いたしました。しかし、政府・与党は、今までの対策で十分だ、財源がない、減税は効果がないなどの理由を挙げ、我々の提案を拒否してきました。所得減税実施は国民生活に関する緊急かつ不可欠の課題であり、何にもまして重要なものです。平成五年度予算案の総額は約七十二兆円ですが、その全体の中で政策の優先順位を明確にし、政府が減税実施を最優先させる政策判断をこそ行うべきだったと考えます。 反対の第二の理由は、住宅、中小企業などその他の景気対策が不十分なものにとどまっていることであります。 我々は、譲渡益課税軽減による三大都市圏の市街化区域内農地の宅地転用推進、住宅金融公庫の貸付制度の大幅拡充、中小企業の投資減税実施、政府系金融機関の中小企業向け融資の充実などの景気対策実施についても提言を行いました。しかし、この点でも政府・与党は我々の政策を取り入れませんでした。 反対の第三の理由は、生活先進国づくりのための予算となっていないことであります。 労働時間短縮、内外価格差是正、文化・教育政策の充実、高齢者雇用確保、介護保険制度確立など福祉政策の充実、女性の能力が生かされる社会づくり、魅力ある地域づくりなどについてきめ細かな施策が講じられていないことはまことに遺憾であります。 反対の第四の理由は、行財政改革が不徹底なものにとどまっている点であります。 今、政府が取り組まなければならない課題は行革の断行であります。政府・自民党は、国鉄、電電公社、専売公社の民営化などを除いて成果を全く残しておりません。許認可数は八五年末一万五十四件だったのに九二年末は一万九百四十二件、省庁の官房局の数も七九年以来百二十八のままと、政府は行政改革どころか行政の肥大化を放置していると批判せざるを得ません。 さて、米国のクリントン大統領は二月十七日、議会で経済演説を行い、四年間で三千二百五十億 ドル、すなわち三十九兆円の財政赤字削減に取り組むことを表明しました。大統領は、連邦政府職員の大幅削減、諮問機関の整理、行政事務経費の削減、政府所有機の使用の大幅制限などの高官の特権の廃止など大胆かつ具体的な計画を示しました。これに比べれば、日本政府の行革への取り組みは全くお粗末と言わざるを得ません。具体的な歳出削減額を明記した新行財政改革五カ年計画の策定・実施を宮澤内閣に求めます。 最後に、反対の第五の理由は、地球環境保全や経済援助など国際協力の面で不十分な内容となっている点であります。 特に、地球サミットで批准・調印された条約・合意事項を誠実に遂行するとともに、軍事支出の多い国にはODAによる援助を抑制するべきであります。 以上、五点にわたって理由を申し述べましたが、民社党は、国民生活を守り、早急に不況を克服すべしとの考えに立って、予算案についてはまじめに審議を続けてきました。佐川問題や減税の扱いについて政府・与党のかたくなな姿勢が審議を一時中断させ、国民の政治に対する信頼を傷つけたことはまことに残念であります。憲政の神様と言われた尾崎行雄先生の「議事堂とは名ばかりで、実は表決堂である」との言葉を教訓として、私たち政治家一人一人がよりよき政治の実現について努力するべきだと思います。 最後に、所得税減税実施について政府・与党は約束を守るよう重ねて要求し、私の反対討論といたします。 なお、日本共産党提出の動議については、見解を異にしますので、反対であります。 以上。(拍手)
○粕谷委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○粕谷委員長 これより採決に入ります。 まず、児玉健次君外一名提出の平成五年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○粕谷委員長 起立少数。よって、本動議は否決されました。 次に、平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して採決いたします。 三案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○粕谷委員長 起立多数。よって、平成五年度予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) お諮りいたします。 ただいま議決いたしました平成五年度予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録掲載〕 —————◇—————
○粕谷委員長 この際、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の実施状況に関する事項について、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————◇—————
○粕谷委員長 次に、証人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の実施状況に関する件の調査に関し、東京佐川問題について、来る十一日木曜日午後一時に小針暦二君を証人として本委員会に出頭を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 衆議院規則第五十三条の規定により、その手続をとることといたします。 —————◇—————
○粕谷委員長 この際、委員長として一言ごあいさつを申し上げます。 これにて予算に関する議事はすべて終了いたしました。委員各位におかれましては、連日国政全般にわたる熱心な御討議をいただき、委員長といたしまして感謝にたえません。 申し上げるまでもなく、今我が国は大変厳しい景気の低迷にあえいでおります。このときに当たり、各党理事、委員各位におかれましては、このことを深刻に受けとめ、真剣に予算審議に取り組んでこられました。その姿勢は、選良として国民の期待にこたえる姿でもあると思います。委員各位の御精励に深甚なる敬意を表するものであります。 この上は、本予算が景気回復と国民生活の向上に寄与することを願ってやみません。 しかし、一方においては、今日国民の間に政治不信が広がりを見せております。 この際、この予算審議を通して、私、予算委員長として感じました率直なる所見を述べさせていただきます。 委員各位が審議の過程で国を思い、国民を思うあふれる心情は、ほとばしる言葉により、それぞれの御発言の随所で伺うことができました。それは私の心を強く打つものがあり、必ずや今後国政に対する国民の理解も一段と深まるものとかたく信じております。 予算審議を終了するに当たり、足らざる委員長ではありましたが、委員各位の御温情をもっての御協力を賜りましたことを、謹んで御礼申し上げます。(拍手) 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十二分散会