予算委員会 第14号
- 発言数
- 333 件
- 登壇者
- 40 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1993/02/25
会議録
○粕谷委員長 これより会議を開きます。 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。串原義直君。
○串原委員 まず最初に、林野行政について伺いたいのであります。 アメリカ、カナダ、ニュージーランド、マレーシアなどでは、森林資源保護などのために相次いで森林伐採の規制を打ち出しているわけであります。殊に日本の木材輸入の二〇%を占めると言われておりますカナダなどは、大変なこの規制を強めようとしているようであります。これからは世界的に木材需要が逼迫すると思われるのでありますけれども、この政府のまず見解を伺って質問に入りたいと思います。
○田名部国務大臣 お尋ねのように、確かに木材の需給は厳しくなってきております。これは木材輸出国における環境保護運動というのが大分高まってまいりまして、特に木材加工産業を振興しようという国が多くなりまして、丸太の輸出ということは極力規制をしておるということから、不透明な状況になっておることはそのとおりであります。私どもも安定的かつ持続的に木材を供給しなければなりませんので、国内の森林資源を有効に活用するということは大事なことでありまして、そのためには林業の生産基盤の整備でありますとか林業事業体の体質強化、特に生産面、あるいは流通、加工、そうした改善を通じて国産材の低コスト、これを図っていきませんと、どうしても国内産材ということになりますと高くなりますものですから、その努力をして整備をしていきたい、こう考えております。
○串原委員 そこで、我が国の木材需給量は、昭和六十二年以降一億立方から一億一千万立方で推移している、こう言われているのであります。ところが、その供給量は外材が七〇%から七四%、つまり自給率は三〇%を割るという状態なんですね。この状態の中で考えなければなりませんことは、先ほど申し上げましたように、海外の伐採規制というものが日本国内の木材関連産業に与える影響は非常に大きいというふうに考えるのであります。したがいまして、これからの国内の木材需給状況、これはどの程度に見通しておられますか、お答えください。
○馬場政府委員 我が国の木材の需給事情、今委員仰せられのとおり、最近は一億立方を超える水準で推移しておりますが、国内の自給率は約二五%ということでございます。 今後の方向でございますが、御案内のとおり戦後我が国におきます人工林、植林が進みまして、森林の約四割、一千万ヘクタールの人工林があるわけでございます。ただ、これは戦後植えたものが大部分でございますので、資源的にはまだ成熟の途上でございます。したがいまして、これを国内で供給するのは、年々供給可能量はふえるわけでございますが、まだしばらく時間がかかる。その間は国内において需要がありますとやはり海外からある程度資源を仰がなくちゃいかぬという状況にあろうかと思います。そういう意味では、この国内の供給力はだんだんふえるものの供給の割合というものはそうにわかに高まらないだろうというふうに考えております。
○串原委員 今御答弁にございましたように、なかなか需給を考えると厳しい状態だと私も思う。したがいまして、海外の伐採規制というものと、それからこれに伴います外材の価格上昇、これは大変な動きのようでありますけれども、これは一時的なものではないだろう、こう思うんですね。それから、先ほども大臣ちょっと触れられましたけれども、世界が地球環境保全に向けていよいよ行動を開始したものだ、こう受けとめるべきであろうというふうに思うのであります。したがって、我が国も森林整備の促進、林業振興に向けまして抜本的な対策を打ち出して、構造的不振に陥っている森林・林業の立て直し、これを思い切ってやる契機にすべきではないのか、こう考えるのであります。政府の見解を伺います。
○田名部国務大臣 森林の整備、振興につきましては、森林資源の長期的な整備の基本方向を定めました森林資源に関する基本計画、これに則して全国及び地域の森林計画を策定し、これを踏まえた各種事業計画、これは森林整備事業計画でありますとか、第八次治山事業五カ年計画、そうしたものでありますが、これに基づいて多様な森林の整備、林業生産基盤の整備を初めとした各般の施策を総合的に推進をいたしております。森林・林業の直面している厳しい状況と、その国民生活及び環境保全に果たす役割の重要性を踏まえまして、今後とも森林・林業施策についてはその計画的な実施に努めてまいりたい、こう考えております。
○串原委員 そこで大臣伺いますけれども、先ほど林野庁長官からも話がありましたけれども、平成二年の木材総需要量は一億一千万立方前後となっておりまして、自給率は長官のお答えによると二五%ということでありました。これは大変なことだというふうに思うのでありますけれども、まあ林野庁長官も触れておりましたが、しかし一方、年々木材の成長が進んできて供給量は少しずつふえつつある。ある資料によりますと、毎年約七千万立方程度ずつ成長しているのではないかこういうふうに言われているのでありますが、既に触れましたように、年々厳しくなっております外材の供給動向からいたしまして、昭和六十二年の七月ですか、閣議決定をいたしました林産物需給見通しの見直し、対策、これが必要になってくるのではないか、こう考えるんです。大臣いかがですか。
○馬場政府委員 委員御指摘のように、昭和六十二年の七月に、重要な林産物の需要及び供給に関する長期見通しというのを私ども立てております。それにおきましては、平成十六年には木材の自給率が四三ないし四八%くらいの数字になる。これは、先ほど私が申し上げたような資源の成熟の度合いからいうとそのくらいの供給は可能である、こういう見通しを立てておるわけでございますが、現実には林業の生産基盤の整備のおくれあるいは担い手の不足、さらにはコストが非常に高いというようなこともありまして、国産材の供給力が予想のとおりふえてきていないということは事実でございます。 ただ、委員もお触れになりましたように、最近におきます外国からの木材の輸入につきましていろいろな制約要因も出てきておるということでございますから、数字的には確かに見通しとやや違ったものになっておりますけれども、これをもし見直すといたしますれば、その前提となる今のような国内の生産の条件あるいは海外におきます動向、こういうものをある程度見きわめるといいますか、前提を踏まえて見直さなくちゃいかぬ、こういうふうに思っておりまして、私ども、これらの国内、海外両面の情勢をいましばらく見た上で見直しを行うかどうかということを決めていきたい、こういうふうに思っております。
○串原委員 長官、私はあなたの言うことわかる、わかりますから、この議論を深めていこうとか、これから進めようとはこの際思いませんけれども、やはり外材の輸入状況ですね、こういうのを見ますととても厳しい。ということになると、つまり国内生産を充足させなきゃならぬ、こういうことになるわけであります。したがいまして、国内の諸条件を踏まえて考えるという長官の答弁は了解しておきましょう、この際は。要するに私の申し上げたいことは、国内の自給量をふやしていくために、より諸条件を充実させなきゃならぬ、こういう立場に立ちますと、林産物需給見通しというものを見直さなければならないのではないか、こう申し上げたわけであります。 したがいまして、その立場に立って、以下何点か触れてまいりたいというふうに思うのでありますけれども、そこで、四年度からスタートいたしました森林整備五カ年計画、この予算を見ますというと、国が行い、または補助する事業費の規模は、年平均およそ五千七百億円となっていますね。ところが、四年度及び五年度当初予算では、それぞれ四千五百六十億円、四千六百五十億円という規模にとどまっているわけであります。公共事業予算、ゼロシーリングの枠内では五カ年計画の事業規模を達成することは、これではとても困難であろう、こう判断をするのであります。世界的な、先ほども触れた木材需給の見通しからも、森林整備の促進と、このための担い手対策などを確立させなきゃならぬ、これは急がなきゃならぬ、こう考えるわけですね。 そこで、私は、五年度を初年度として、少なくとも十年間くらいの間、森林整備などのために特別の財政措置をとる必要があるのではないかとらなければ大変なことになるのではないか、こう思うのであります。つまり、その立場に立って政府の決断を求めたいと思うのでありますが、そこで具体的に伺います。 よく言われておりますように、これはある意味では国民的合意が形成されつつあると言ってもいいと思うのですけれども、森林の公益的評価、林野庁の試算によりますというと、年間三十二兆円というふうにも言われています。私は、専門家ではないにしても、実はもう少し多いのではないかと考えている者の一人なのであります。この公益的評価を国民の皆さんに定着させてまいりますために、あるいはよく理解をしてもらうために政府、林野庁の努力がより必要である、こう思うのです。 それからもう一つは、山、森林を公共財と位置づける国民的合意の形成が必要なんですね。このことに対して政府はどのように対処するつもりですか。
○田名部国務大臣 森林は、木材の供給だけではなくて、国土の保全でありますとか環境あるいは水資源の涵養、いろいろ公益的な機能を有しておるわけでありますけれども、今お話ありましたそういうものを計量化するということはなかなか困難でありますけれども、林野庁で四十七年に大体こういうものを調査して試算したことがありますけれども、それでいきますと平成三年時点で年間約三十九兆円ぐらい、こういう積算をしております。 それで、私は、今お尋ねの、おっしゃるとおり国民の皆さんの森林に対する認識といいますか、こうした評価、こういうことは理解を得る努力をしていかなきゃならぬ。一生懸命いろいろな機関を通じたりパンフレットを通じて、森林というものはこれだけ国民生活にとって重要でありますということを一生懸命やっておるつもりであります。引き続きそういうことの理解を得て、そして国民が本当に森林というものに関心を持って、みんなで力を合わしていろいろな面で協力していこう、こういう高まりといいますか、そういうものはぜひ達成したいというふうに考えております。
○串原委員 これは私は思い切ってやってもらいたいと思うんです。やり過ぎはないと思うくらいでありますね。今、私は三十二兆円と、当時の林野庁の試算に対して大臣は三十九兆円と言われました。まあ私は実はもっとあるだろうと思っているのです。この評価は難しいといたしましても実は大変なものであるというふうに思っているわけでありますから、このことに対する国民的合意形成についての努力、これはし過ぎはないと思っているわけでありますから、より一層汗を流していただきたいというふうに思うところであります。 そこで、自治大臣に伺いたいわけなんですが、不在者森林については施業代行制度を積極的に活用して国、自治体による森林管理を徹底しなきゃならぬ、してほしい。このことは、山を守るということになりますと、一番最前線であるのは市町村、自治体、地域なんですね。そういう意味で、林野庁の努力と相まって自治体が本当に本気になって取り組む、必要な諸経費は計上するなり関係方面に要請するという努力がなきゃならぬ、こう思うのでありますので、その立場から大臣の所見を伺いたいのであります。
○村田国務大臣 串原委員にお答えを申し上げます。 いわゆる森林等の管理の問題、不在者森林における施業代行の問題、いろいろ重要な問題が横糸でございます自治省にも農林水産省と同時に課せられておるわけでございます。したがって、自治省の施策においては、いわゆる森林を守る、そういった御趣旨に沿って農山村の対策、森林の対策等に全力を挙げてまいりたいと思っておりまして、森林を適正に管理していくことは森林の有する公益的機能の維持向上を図る上で極めて重要である。自治省としては、平成五年度から森林の管理を行う第三セクターの設置などを支援するために、地方公共団体の第三セクターに対する出資、立ち上がり時の人材養成の経費等に対する地方公共団体の助成について交付税で措置を講じよう、こういうことで全面的に対応することとしております。
○串原委員 農林省、今自治省から御答弁願いましたが、自治省と連携をしてやる大事な仕事だろうと今の問題を思うのでありますが、考え方を伺っておきます。
○馬場政府委員 今お話のありましたように、森林の管理、実際にはそれぞれの地域におきます地方自治体あるいは森林組合等がやっているわけでございますが、私どもの施策といたしましては、一昨年森林法の改正を行いまして、そこでいわゆる森林施業の共同化を推進するために、森林所有者による協定制度、これは森林所有者が協定をしてお互いのその管理をする約束をするわけでございます。そういう制度を法律上盛り込んだ。 それから、どうしても早急に間伐なり保育をしなければならない地域につきまして、不在地主あるいは地主がいてもそれになかなか手を入れないというときには、知事の裁定を前提としまして市町村が強制的に分収育林契約を結びまして森林の整備を行う、こういう制度も法律に盛り込んだところでございます。 ただ、制度だけではございませんで、そういうことを進めるためには、いわゆる間伐促進のための助成措置、あるいは森林組合によります。その施業の受託事業、不在地主から委託を受けて森林を管理する、そういうような事業も助成事業等を通じて推進しているところでございます。 今自治大臣から御答弁がございましたように、自治省の方におかれましても、これらの森林の管理につきまして大変御理解をいただいて財政措置をしていただいているわけでございますが、今後、このような制度の活用をいたしまして、さらに森林整備の水準の向上に努めてまいりたいと考えております。
○串原委員 森林の流域管理システムと言われますが、このシステムが機能するように、国の指導と助成を充実することが重要だと思うのであります。特に、国有林のある流域においては営林局あるいは営林署が先導的な役割を果たせるような組織体制、こういうものを整備しなきゃいけないのではないか、こう思うんです。この点についてどのように取り組んでまいりますか、お答えを願います。
○馬場政府委員 国有林野事業におきましても、森林の上流から下流に、あるいは民有林、国有林を通じて流域の管理システムをつくろうということで、基本的にこのシステムの推進に努めているところでございます。 具体的には、これは地域によって国有林のあるところ、ないところございますが、都道府県なり市町村あるいは森林組合等がつくります流域林業活性化協議会へ国有林の組織も積極的に参加する。それから、民有林の方でつくっております地域森林計画と連携を図りながら、国有林につきましてもそれぞれの地域で森林計画を樹立する。そして、民、国一体となって森林の管理施業に当たる。さらに、国有林地帯におきましては、林業事業体という国有林の仕事を請け負う事業体があるわけでございますが、これらに計画的な事業の発注を行うというようなことによって地域の林業関係者の経営の安定にも寄与するということを具体的に行おうということにしておりまして、昨年、各営林局支局におきまして、それぞれ流域管理推進会議というものを組織的に置きまして、各地域の情報の収集でありますとか、あるいは自分の地域で行っている活動の情報の提供でありますとかいうようなことを行わせ、また都道府県との連携、調整を行うということを推進しているところでございまして、近々私ども営林局長会議を開きますが、そういう場においてさらなる推進を図りたいと思っております。
○串原委員 この林業労働力確保は、林政上の重要な課題であります。これまで林野庁、地方公共団体がさまざまな施策を行ってきているわけですけれども、なかなか実効が上がっていないというのが実態ですね。 五年度では、先ほども自治大臣ちょっと触れてくださいましたが、自治省としての施策五百億円というものが打ち出されておりまして、これは一定の評価をしているところでありますけれども、労働基準法が林業労働に全面的に適用されることになったことを踏まえまして、労働条件の抜本的な改善、技能訓練の制度化などに対する国、地方公共団体の助成措置を伴った法律の制定が必要になっていると思うのであります。 とにかく、この問題は議論されて久しいわけでありますが、なかなか前進していない、年々労働力が減っていくという状態です。 実は、私、個人的なことをここで触れてはいささかどうかと思うのですけれども、私も実は山が好きなんですね。まさに箱庭みたいな小さな山を持っておりまして、持っているというか、これは先祖伝来、もらって持っているわけでありますが、なたやかまを持って山へ上がるのが好きなんですけれども、そんな箱庭みたいな小さな山がありまして、選挙で木を切ったものだから植えておいた。それが木となってきて間伐をやらなきゃならぬ。 実は四、五年前までは、私の生まれた村に六十歳代の人が二人山仕事をやってくれる人がいてくれて、時々私は自分もやるけれども、伊藤君、代田君というのですけれども、その二人に頼んで山をやってもらっていた。それが、このところ四年ほど前からゴルフ場ができて、そちらの方へ二人が行ってしまって一人もいなくなっちゃったわけですよ。実はことしの冬、狭い山をちょっと間伐して整理してもらおうと思ったら、人がいない。困っちゃった。そこで、随分遠いところの阿智村の横川というところのある人を、友人をお願いしてまいりましてやっているということなんですね。ところが、私の友人の横川の方も六十数歳なんですね。五、六年たつとどうなりますかということなんであります。実態はそうなんですよ。これは、ただただ何とかしなきゃならぬで済む問題じゃないと思うんです。 さっきお答えの中に触れられましたけれども、担い手がなければどんなことをしても山の管理はできない、山を守れないという話がありましたが、最も大事な施策だと思うんですね。したがいまして、これを思い切って、腹を据えてという言い方はどうかと思うけれども、思い切ってやるときに来ていると思うのであります。 したがって、私ども社会党は、林業労働者の雇用安定及び雇用管理の改善等に関する法律案を準備をしているところでありまして、ぜひこれは政府と協議の上で制度化をしたいと、こう考えているのであります。これは越えなければならない難しい問題もあるでしょう。あるでしょうけれども、どうしても法制化をして具体的に取り組む時期に来ていると思うのですね。農林水産大臣の決意といいますか、腹を据えた御答弁を願って、取り組もうじゃありませんかということをあえて私は申し上げながら質問するわけなんです。いかがですか。
○田名部国務大臣 担い手の確保ということは、これはもう林政の重要課題だとは思うんですが、どこも担い手の確保ということは、もう大変な状況にこれからもなっていく。出生率が低下すればいよいよどの業界でも大変な状況になっていくんだろうと、こう思います。 まあいろんな、我々の方にも法律もたくさんありますし、あるいは一つ一つ、人手不足に対して法律制定をしてみんながやるかということになると、もうこれは社会全体の問題になっていくだろうと思うんです。したがって、私どもは何といっても非農業部門といいますか、今おっしゃったようにゴルフ場、そういうものができれば、どうしても賃金がいい、待遇がいいということで、安いところで頑張っていなさいと言うことはできませんものですから、どうしても他産業並みあるいはそれ以上でなければ、そこで生き生きとしてというわけにはいかぬと思うんです。 おっしゃるように、私の方も山が多いものですが、たまに行く山は非常にいいんですね。ただ、一年三百六十五日、何十年もそこに住んでいると、どうもだんだん都会がいいというふうに感ずるわけでして、そこのところを一体どうするかということで、先ほど来流域管理システムとかいろんなことをつくりながら、やはりある程度所得がよくなる方法というものを考えなければならない。おっしゃるように、労働条件、労働時間、そうしたものも他産業並みにする、環境の整備もしていく、そういうことが大事でありますし、特に林業は、どうも労働が非常にきつい、雨も降れば、もういろんな条件に左右されておりまして、そういうことから、事業体の体質を強化するとかあるいは機械化、これを促進をしていくとか総合的なことをやっていかなきゃなりませんし、地方財政措置、これは自治省と国土庁と、異例のことですが三省庁で、私の方と一緒になってやっている。 新しい時代へ、もうどんどんどんどん変わるものですから、いろんな意味に対応していかなきゃならぬ、国際経済もありますし、外国の林業の実態というものは変わっていくし、これは五十年、六十年たたないと使えないというものを手がけているわけですから、そういう面での難しさはありますけれども、いずれにしても労働基準法の改正等を図りながら、さらに各省庁との連携、協力のもとに一生懸命やっていきたい。だから、もう全力を挙げて取り組もう、そのためには予算でありますとか金融あるいは法制度、そうしたものの措置を活用して、何としても担い手を確保したいというふうに考えております。これからも一生懸命取り組んでいきたい、こう考えております。
○串原委員 自治大臣、今農林水産大臣が御答弁になりました。先ほど私触れましたけれども、山を守るというのは最前線は自治体ですね。最前線の森林組合ですね。地域ですね。そうなってまいりますと、一番具体的に苦労するというのは前線の市町村、こういうことになりますね。したがって、ただいま農林水産大臣の御答弁になった立場に立って、この問題に対する法制化、法律をつくってきちっとやっていこうということに対しまして、自治大臣はどう受けとめますか。
○村田国務大臣 串原委員の御質問を伺っておりまして、実は私は愛知県の東三河でございます。したがって、伊那谷をさかのぼっていくと串原委員のふるさとに行き当たるのかなと思いながら承っておりました。そして、非常に重要な御質問があり、農水大臣から大変適切な御答弁があったわけですが、もう一度先ほどの御答弁を補足する意味で自治省の基本方針を申し上げたいと思うんです。 これは四つありまして、第一に、森林等の公有化の推進。それから適正な管理の推進。適正な管理ということは人手の問題も出てくるわけでありますから。第三に、林業の担い手対策。それから四番目が林道の整備。この四つを基本方針として、自治省の方針としても山を守る、そして農山村の活性化を図る、過疎問題としっかり取り組むということを考えております。 そして、農水大臣がお触れになった林業従事者について、昭和四十年には二十六万二千人おったんですね。ところが、平成二年、二、三年前になりますと十一万一千人で、しかも五十歳以上の高齢者が比率的には非常にふえているんです。昭和四十年には二五%だったのが、平成二年には全体の六九%になっている。したがって、労力の不足と同時に、高齢化というものが非常に多くなっておって、串原委員が持っておいでになる山林についての人手が非常に足りないという御指摘、これは私も自分の選挙区で身にしみて感じておりまして、森林組合あるいはそういった町村等との適切な対応をしなければならぬということを考えております、これは個人的な体験でありますが。 自治省としては、おっしゃるとおり森林対策、農山村、これは中小企業の振興と同時に重要な地方振興の中心であると考えておりますので、心を込めて対応するつもりでございます。
○串原委員 農林大臣、もう一度。 自治大臣も今御答弁になって重要性を強調されました。数字をお述べになりましたけれども、まさに今林業労働者は十一万人前後、それも高齢者が何と七〇%なんですね。これはもう大変な事態だと思うんです。でありますから、あなた、熱意のある答弁をなさったけれども、やはり法的な裏づけを持って対応するというところに来たと思うんですよ。ぜひ法制化しようじゃありませんか。社会党も提案をすると同時に、これは真剣に各党の話し合いも進めさせていただく中でやりたいと思っているんです。法律をつくろうじゃありませんか。いかがです。
○田名部国務大臣 冒頭申し上げましたように、私の方は農業も漁業も林業も全部がそうなっておるわけでして、一つ一つを法制化すると、私の方ばかりではなくて、見ておりますと、建設業でも何業でも同じように若い人がいない。そうすると、それ一つ一つ、みんな法制化してやるということはどうかなと。社会の進展というものは、もうえらいスピードでいろんなふうに変わっていく。今度バブル経済で、今度は雇用が調整したり、あるいは新規採用がもう落ちていくという中で、この人たちが一体どういう行動をとるのか、いろいろ変わっていきますので、それだけで対応できるかなと。 しかし、実質的に自治省、国土庁とも相談しながら、やはり何とか所得の上がる方法というものを見出して、そのときどきに対応できる、臨機応変にやらなきゃいかぬというふうにも考えますので、私も心を込めて対応していきたいと、こう考えております。
○串原委員 よくわかりますよ。大臣の言うこと、よくわかりますが、これは建設労働者等々の問題もありますね、いろいろありますが、それと異質なほどに担い手がなくなりつつあるわけですね。これは大変な事態だということを痛感しているわけでありますから、それは一つの法律をつくった、法制化をしてあすから担い手ができるなんて、そんな簡単なものじゃないことはよく承知です。法制化するためにも越えなければならない大変なハードルがあることも承知をしている。しかし、そういうことを具体化することによって担い手は確保するという方向になっていくであろう、こう思うんです。 所得を保障するという制度も、きょう時間の関係で労働大臣には伺いませんけれども、労働条件の改善等々の問題も含めてやはり法制化という一定の方向づけをすることによって担い手は順次確保できていくという方向をつくらなきゃいかぬ、どうしても私はそう考えているのであります。必要性は高い、こう思っておりますので、先ほど申し上げましたように、社会党は法案の準備もいたしています。その際にまた改めて協議をさせていただきながら推進をしてまいりたい、こう考えております。 そこで、通産大臣、触れさせていただいて御答弁を願いたいと思うのでありますが、この林野の問題は確かに農林水産省であることは、これはもちろんであります。しかし、先ほどから申し上げておりますように、外材をめぐる情勢というものはますます厳しくなってきているわけですね。でありますから、国産材を生産するための諸対策が必要になってくる。これは大事でありますし、自給率をだんだん高めていかなきゃならぬ、こういうことで、それぞれの施策を推進願いたい、それが大事だと思っているわけでありますし、私は、ずばり申し上げますならば、二十一世紀の初頭には国内の木材自給率は五〇%程度に高めなきゃならぬ、こう思っているんですね。そうなりますと、それは農林省だけで対応できるとはなかなか思わないわけなんですね。 したがいまして、通産大臣に伺いたいと思いますことは、外材の輸入が難しくなりつつあるということも踏まえて、やはり木材の貿易、輸出入、こういう立場に立っても考慮してもらわなきゃならぬ大事な課題であろう。貿易のコントロールと言ってもいいでしょう。言い方によれば規制と言ってもいいかもしれませんね。あそこの国のあそこに大変木材がある、だから経済取引、商取引だけで話をして、伐採して輸入すればいいという発想ではなくて、やはり規律ある、コントロールされた輸出入というものを貿易の立場でも考えていってもらわなきゃならぬ。木材産業の育成等々も含めましてそれは考えてもらう大事な問題だろうというふうに思っているのであります。これは、商取引、経済行為は自由だとはいいますものの、環境問題を含めてまいりますと大事な政治課題になりつつある、こう思っているのであります。そのことに対する大臣の見解を伺います。
○森国務大臣 お答えを申し上げます。 国内の森林資源の保有、保全育成、これは委員が御指摘ございましたように、二十一世紀に向けての我が国の大変重要な課題であるという認識は同じでございます。国内の森林の保全育成を適切に行うためには、森林資源を持続可能な方法により有効に開発をしていくことが重要であろうと考えております。このためには、国内材の需要の安定的拡大が今委員から御指摘のとおり肝要であろうと考えておりまして、この観点から、森林事業者等の努力に加え、関係業界の協力が極めて必要であるという認識を持っております。 通商産業省といたしましても、紙・パルプ産業等木材のユーザー業界を所管しておりますので、原材料としての木材の安定確保の問題が重要であるという認識をいたしておりまして、関係業者、関係業界の所管官庁として積極的に協力をしてまいりたい、このように考えております。 今、森林を大変大事に、しかもみずから山に登って木の手入れをなさっておられるという話、大変感銘深く拝聴いたしておりました。最近、新しい家なども建ちますと、どちらかというと、化学繊維、化学素材でできたものよりもやはり木材に心の安らぎを得まずし、おふろに入りましても、やはり木材でつくったおふろの方が日本人の私たちに最もなじむものだというふうに、私も非常にその都度考えております。 もちろん、これはまた建設省等の所管にもなるわけでございますが、そうした素材、資材、そういうものを当然所管する通産省としては、いろんな角度で木材の需要というものをやはり十二分に考えていかなきゃならぬと思っております。特に、森林というものを大変大事にしていただきますと、私と林さん、二人合わせて森林でございまして、大変うれしく拝聴いたしておりました。森林を大事にしていただくというのは、本当にありがたいことでございます。
○串原委員 さて、そこで、国有林について触れさせていただきますが、国有林は、一口に言いますというと山奥が多い、脊梁地帯が多いわけですね。したがいまして、それだけに公共性が高いと半面言えると思いますね。そのことを承知をしながら、先ほども触れましたけれども、地域の活性化あるいは地域の山との連携をとりつつ役割を果たしていかなきゃならぬ、つまり先導的な役割を果たさなきゃならぬのが国有林だと思っているわけであります。 ところが、御承知のような財政事情になってまいりまして、まことに厳しい財政事情である。一般会計からの支援を受けながらも伐採量の縮減、それから材価、木材価格の低迷によりまして収入金額がだんだん少なくなる、こういうこともあって、加えてまた借入金の利子がふえてくる、こういう状況の中で国有林会計はまことに厳しい、こういうことでありますけれども、結局は、山を公共財と位置づけた政策の展開がない限りこの問題は解決しないのではないか、こう私は考えているわけであります。国有林全般にわたりまして、経営改善のために労使ともに努力をされている、汗を流しておることは承知をしておりますし、高く評価をしているところでありますけれども、なお一層この問題については真剣に取り組むべき政治課題だなというふうに思っているわけであります。 しかし、昨年来、一昨年来からですか、政党間の協議を通じて今の制度、枠組みというものを確立されまして、国有林の役割を果たしていくために、国民の要請にこたえる経営を維持していくためにもそういう協議や、あるいは制度、枠組みを確立したけれども、十分ではないというふうに私は考えているのであります。 そこで、その国有林が森林・林業の中核的存在として先導的役割を果たせるよう、先ほど申し上げましたが、再建することが喫緊の課題ではないか。今年度、つまり五年度の予算について今審議をしているところでありますけれども、これは確定したものでありますから、それを踏まえて、つまり長期的視野に立つならば来年度の、つまり六年度の予算編成に向けて可能な限りの努力、検討を加えていかなきゃならぬ、こう考えているわけであります。 そこで、大蔵大臣にまず伺っておきたいわけなんですけれども、今触れましたように、国有林は公共的な分野が非常に多い、公共財である、こういう立場に立って考えます場合に、いよいよこの機能を高度に発揮するための山づくり、施業が必要でありますから、これに要する費用は公共投資として財政措置を行うべきである、この姿勢に立つべきである、こう考えているわけです。大蔵大臣の所見を伺います。
○林(義)国務大臣 串原議員の御質問にお答えいたしますが、古来、山というものは、治山治水といいまして、東洋では政治の一つの大きな柱になっています。私も、森林の重要性というのは大変高いものだというふうに考えておりますが、先ほど来お話がございましたように、民有林、国有林を通じましていろいろな施策を今までもやってきているところでありますし、また森林から出てくるところの木材その他のものにつきましてのいろいろな諸施策も農林省でやってきておるところでございますから、そうしたようなものを考えながらこれからやっていったらどうかな、基本的にはそう考えているところであります。 公共事業の中に入れるかどうかというような問題は、非常に技術的な話でございますから、いろいろと御検討いただかなければならない点もたくさんあるのじゃないかなと思っているところでございます。
○串原委員 つまり、山は、特に国有林は、公共的な立場で理解し、財政援助をしなければ育っていかない、こういうことを強く強調させていただきたいと思うのです。その姿勢で、いささか早い感はしないわけではありませんけれども、次々年度、六年度予算編成に当たっては、もう既に始まるわけでありますから、今国会が終わりますと、強く要請をしておきたいと思うのであります。 そこで、先ほども少し触れましたけれども、農林大臣、森林の流域管理システムの推進のために中心的な役割を果たす組織体制、これを国有林はきちっとつくっておかなきゃならない、こう思うのです。この点に対する御見解を伺っておきます。
○馬場政府委員 国有林野事業の流域管理体制についてのお話は、先ほど御答弁申し上げましたけれども、やや今のお話に敷衍させていただきますれば、国有林野というのは非常にいろいろな機能を持っていると私ども考えておりまして、その機能によりまして国有林の機能別分類といいますか類型化を現在しておるところでございまして、国土保全林、自然維持林、空間利用林、木材生産林、大体四つぐらいの機能に分けまして、それぞれの機能に応じた森林の施業管理ということが必要であろうというふうに考えているわけであります。 そこで、私どもの営林局支局におきまして従来の組織体制を若干来年度から改めよう、特に部におきましては森林管理部というような部を設置いたしまして、今言ったようなそれぞれの森林の機能に応じた管理を進めていく。そういう意味では、単なる産業としての木材生産ということが中心の組織から、森林を公益的機能も踏まえて類型別に管理をしていくという組織体制をつくろうというふうにしております。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○串原委員 林野行政について、最後の質問ということになりましょうか、官房長官に伺いたいのですね。 時間の関係で触れたいと思いながら触れられなかった点もありますが、以上林野行政について若干の質疑をしてまいりました。そこで、我が国の森林・林業と国有林の立て直しに向けて具体的諸施策を検討するために、ぜひ政府、与野党との協議の場を設けることを提案をしたいのであります。 環境問題は今やサミットにおける最重要政治課題であるというふうに言われているわけですね。であるといたしますれば、いろいろな大事なことはありますけれども、特に森林・林野行政というのはその立場で最も重視されなければならない分野であろう、こう思うのです。山を守りましょう、あるいは緑を守りましょう、こういう視点に立ちますならば、だれも賛成する、どなたも賛成、総論賛成ということになるわけですね。ところが、具体的な施策あるいは予算等々になってまいりますと、なかなか話が停滞するというのが従来の傾向です。 これは無理からぬとは思いつつも、もうそんなときではない。既に私は先ほどの議論の中で若干触れましたけれども、そんな時期ではない。どうしても、総論も賛成、各論も賛成だよ、できる限り、可能な限りみんなで汗流していこうということで政策を推進すべき時期に来ていると思うのであります。したがいまして、政府を含めてこれは与野党ともに話し合いをして、協議の場を設けて、国民的な視野、国民的な立場に立ってこの問題は推進しよう、その姿勢で取り組む時期に来ているんじゃないかこう思うのです。 きょうは総理がお見えにならないときでありますから、あなた、総理の立場も代弁をするという意味も含めて、官房長官から、私の提起をいたしました問題についてどうお考えになりますか、お答えを願いたいのであります。
○河野国務大臣 本来、総理がお答えをするべき大きな問題の提起だと心得ております。 先ほど来、委員がこの問題について大変幅広い御提起をなさいました。関係閣僚からそれぞれ御答弁申し上げたところでございます。私も伺っておりまして、環境問題を初めとして労働問題その他大変幅広く、考えてみますともうほとんど全省庁にかかわるような大きな問題というふうにも拝聴をいたしました。元来、この問題は、これまで農水委員会その他で与野党委員の熱心な御討議が積み重ねられてきたと承知をいたしております。しかし、まさに予算委員会で委員がこの問題を取り上げられたのも大変意味のあることだというふうに拝聴いたしました。 ただ、先生御指摘のように、与野党さらに政府も一緒になってこの問題の解決のために共通の場を設けてはどうか、こういう御提起でございますが、私思いますのに、国会という場はまさにその場でございまして、この場で党派を超えて林業の問題解決のために御議論をいただく、これはもう農水委員会もそうでございますし予算委員会もそうだと思いますが、まさにこの場がその場なんだというふうに私は拝聴をいたしました。さらに、政府といたしましては、審議会その他、広範な学識経験者の御意見なども拝聴をいたしまして、でき得る限り先生の御指摘なども十分参考にさせていただきながら問題を一つずつ克服していく努力をこれから先も続けさしていただきたい、こんなふうに考えた次第でございます。
○串原委員 官房長官、ですから、国会の場が議論の場であることは、これはもちろんでありましょう。そう受けとめます。だが、具体的にどう当面取り組むのか、長期的視野にどう立つのかということを話し合うということになりますと、私は、与党も野党もない、したがいまして、少なくとも与野党話し合いの場をぜひつくっていって具体的な取り組みをしよう、こう考えるのであります。このことを強調させてもらいたいし、そのことに対して、官房長官、そういう方向を踏まえてやりましょうというふうになってもらいたい、そういう気になってもらいたいと思うのです。いかがでしょう。
○河野国務大臣 与野党と申しますか党派を超えて議員の皆さんが御議論をこの問題でしていただくことは大変有意義なことだというふうに思います。しかし、与野党間の協議は、これはあくまで党レベルの協議でございまして、政府がそれについてこれ以上コメントすることはひとつ御勘弁をいただきたい。大変私は有意義なことであろうというふうに感じてはおります。
○串原委員 自民党という立場においても重要な地位を占めているわけでありますから、そういう場をつくるために御高配を願いたい、汗を流してもらいたい、要請をさせていただいておきます。 次の問題に移ります。ガット・ウルグアイ・ラウンドについて伺います。 一月十九日のガット貿易交渉委員会でダンケル・ガット事務局長は、ウルグアイ・ラウンドの早期決着を目指して各国政府に政治的な決断を迫ったものの、今後の交渉のスケジュールについては明確な言及を避けたと伝えられるのであります。その後、アメリカ政府の交渉権限の延長問題に関係者の関心が移ってきたために、ラウンドの交渉日程そのものについて情報が明らかにされておりません。この関連でまず次の点を伺っておきたいのであります。 一つ、農業やサービス貿易など主要な分野に関する交渉再開の日程は決められているのかどうか。二つ目、二月十一日ワシントンでECのブリタン通商担当委員がアメリカ政府のカンター通商代表と会談をいたしました。その際に、交渉再開に向けた具体的な日程が協議されたのかどうか。三つ目、当面は各分野で事務レベルの会合から始められるものというふうに思っていますけれども、今後の交渉方式も含め、これからの交渉の流れについてどのように予想されておりますか、伺いたいのであります。
○小倉政府委員 先生御指摘のとおり、一月の半ばに貿易交渉委員会が開かれまして、おっしゃいますように、一応交渉の早期妥結ということについての一般的な、それに努力しようということの合意はあったわけでございますが、具体的な交渉日程については特に決まっていないわけでございます。現在の状況は、貿易交渉委員会がいつでも開かれるように皆さん一種の待機態勢をとってくれ、こういう状況になっているわけでございます。 ただ、その間二国間の交渉、御承知のとおりウルグアイ・ラウンドは多数国間の交渉でございますけれども、具体的な品目の交渉、個別な措置の交渉については二国間の交渉は妨げられませんので、この間二国間のいろいろな話し合い、公式、非公式の話し合い、これはある程度行われておるということでございますが、多数国間の交渉の日程は、具体的な日程として例えば貿易交渉委員会をいつ開くかということは決まっておりません。 それから、二月、先生御指摘のブリタンEC委員の訪米につきましては、一般的に、そのときの共同発表と申しますか会談の内容を見ますと、ウルグアイ・ラウンドの早期妥結のために両方とも頑張ろうということは合意されておるようでございますけれども、具体的な時期については決まっておりません。ただ、そのときに新しい動きといたしましては、先生御案内のことかと思いますけれども、ファストトラック、アメリカの授権法案の延長につきまして議会にこれを求めるということを初めてアメリカ側がはっきりとブリタンさんに明言したということはございます。 それから最後の、これからの様子、どうなるかということでございますが、これは率直に申し上げまして、アメリカの政権交代ということがございましたので、単に法案、今申し上げましたファストトラックと申しますか授権法案の延長の問題のみならず、人事の任命、交渉者の問題等ございますので、そういうものの中でこれからどうなるかということを踏まえて、各国が多数国間交渉をいつ具体的に開くかダンケルさんと相談しながら決めていく、こういうことになるかと思います。
○串原委員 今触れられましたけれども、米国政府の交渉権限、いわゆるファストトラックの延長問題は、ラウンドの今後の展開を考えていく場合に重要なかぎになると思う。ただ、延長の期限も重大でありますけれども、それよりも、延長を認める取引として米国議会がどのような条件を求めてくるかに注視しなければならぬ、私はこう考えています。 その関連で、スーパー三〇一条の復活や、日本の輸出産業をねらい撃ちするというダンピング提訴などの動きが強まるのではないかこう懸念をしているのであります。もしこうした動きが現実化するならば、それこそウルグアイ・ラウンドが追求する方向と逆行するものだ、私はこう考えているのであります。都合のいいときだけはガットを使う、自分の国が都合悪くなりますというと報復措置を振りかざして一方的な通商法を活用するといった手法は、まさに私は身勝手なものだなというふうに考えざるを得ないのであります。そんな手法が通用するとするなら、それがラウンドを失敗させるもとになる、私はこう思うのです。 ラウンドの目的との関連で日本政府は、アメリカのこうした動きが出てくるのかどうか、あるいはこの動きをどう認識されておるのかということですね。もしスーパー三〇一条が不公正な貿易相手国ということで日本に適用されるということになりますならば、ガット提訴を用意するのかどうか、お答えを願います。
○小倉政府委員 先生御指摘のとおり、いわゆるスーパー三〇一条と申しますか、アメリカの一方的措置の可能性、それから保護主義的な動きの問題、これは非常に深刻な問題になり得る問題であります。したがいまして、先般渡辺副総理が訪米いたしました際も、特に総理の伝言というような形も兼ねまして、スーパー三〇一条についてはクリントン大統領御自身に対して、このような国際的なルールに反するような一方的アプローチは適当でないという日本側の立場を申し入れたわけであります。 また、保護主義の問題につきましては、同時にいろいろな閣僚との会談、例えばベンツェン財務長官との会談におきましても、米国の今おっしゃいましたダンピングの運用も含めて保護主義的な動きということを抑える努力をしてもらいたいということを要請しております。 したがいまして、このようなアメリカへの申し入れ、これは今後とも引き続きやってまいりたいと思うわけでございますけれども、同時にいろいろなこうしたアメリカの動きというものに対しましては、そういった申し入れのほかに、やはり日米間でいろいろな問題があれば建設的に話し合っていくという態度、これはまたこれで大事かと思います。 先生御指摘の、もしアメリカがそういうことになったらどうするのか、ガットに訴えるのかという点につきましては、まずそういうことにならないように努力するということはもちろん本筋でございますし、その一環としてもウルグアイ・ラウンドについての交渉に双方が積極的に参加していくというようなことも大事でございますけれども、御指摘のように万一そういうような事態になった場合には、まず話し合いによって解決するということが、ガットの精神に照らしましても、まず話し合いで解決してくれとガット自身も言っておりますので、その上でやることであろうと思います。 しかし、話し合いがまとまらない場合どうするのか、あるいはアメリカが一方的措置を一方的に発動した場合どうするのかということにつきましては、当然、それがガット違反ということになりますれば、日本側としましても国際的なルールに沿ったことを検討していかなくちゃいけないんじゃないか、こういうふうに考える次第でございます。
○串原委員 時によれば腹を据えてやってくださいということを強調しておきます。 さて、ラウンドを取り巻く状況に関する質問はまあまあこの程度にしておきますけれども、そこで、二月二十二日、日本記者クラブで松永信雄外交問題政府代表はウルグアイ・ランウンドについて見解を述べられた。その中で米の関税化問題に触れて、当初の関税化率が六〇〇%ならば実際に農家に被害はないだろう、ウルグアイ・ラウンドの成功終結に日本も応分の協力をしなければならない、こう述べまして、米の関税化を受け入れるべきなどの考えを明らかにしたというふうに伝えられているわけであります。 これが事実だとするならば、私は重大な発言だと思うのです。内閣によって任命された者が、政府のガット提案に反するばかりか、国会決議をも踏みにじるものであるということになりかねませんね。言い方によるならば、政府と出先の代表の考え方、方針が別々だということになれば内閣不一致とも言えるわけでありまして、今後の交渉に重大な影響をもたらすのではないか、私はそう受けとめます。仮に私見だというふうに断っての発言だといたしましても、もしそうだとするなら、これは政府代表という立場はどういうものなんだと問いたくなるわけであります。 私は、この発言が事実であるとするなら、責任問題だろうというふうに思うのです。松永政府代表を厳しく処置すべきではないか、こう思います。いかがですか。
○小倉政府委員 ただいま御指摘ございました松永政府代表の日本記者クラブにおきまする講演と申しますか、会談と申しますか、それにつきましては、私ども、新聞報道もございましたし、確かめたわけでございます。 松永政府代表は、今月の十五日にジュネーブでダンケル・ガット事務局長に会っておりまして、この記者会見と申しますか、記者クラブでの懇談と申しますか、会見と申しますかの際に、そのウルグアイ・ラウンドについてダンケル事務局長と話し合ったときのダンケルさんの考え方、そういったものを紹介した。その中で、今先生がおっしゃいましたようなことについて、ダンケルさんの例えば包括関税化とかそういうことについての考え方を説明したということが一つでございます。 もう一つは、ウルグアイ・ラウンド交渉がまとまらない、あるいはまとまる場合には、非常に国際的に見て各国とも厳しい問題についてもいろいろな対応を迫られるだろうという認識を示したということでございまして、御指摘のような関税何%であれば農家に影響はないというようなことは言っていない。私も、現に御本人にお会いして確かめたり、その会議の出席者にも確かめてみましたけれども、そういうことではなくて、むしろ農民の方なり日本の国内に不安があるようなことではいけないのじゃないかというようなことも指摘しておるということでございますので、そういう農家に関税何%であれば影響はないといったような発言はなかったというふうに理解しております。
○串原委員 外務大臣、外務大臣はいないようで代理大臣。今の答弁ではそういうことを言ったようではないということなんでありますが、私はこれは、今の答弁で、そうですかと言うわけにはいかないわけですよ。これは間違った報道がなされているというふうには受けとめられない、それらしきことを言ったに違いない、こう私としては承知したいわけですね。これは先ほど申し上げましたように、どこかにすきがあったか、口が滑ったかということかもしれませんよ。(発言する者あり)今言われるように本心かもしまませんね。とするなら、私は責任問題だと思う。 大臣は、きちっと松永代表をして、事実を確認すると同時に、少なくとも誤解されるようなことを言うな、言ってはいけない、政府の対応はこういうものであるということをきちっと伝えながら、処置してもらいたい。厳重に注意するならする、きちっとしなければいかぬ、こう思うのであります。 したがいまして、これは今の答弁で、さようでございましたかと言うわけにはいきませんので、政府のきちっとした対応をこの際伺っておきたい、こう思います。お答えを願います。
○河野国務大臣 松永政府代表はこれまでの政府の基本方針は正確に承知しておられるはずであります。練達の外交官でもございます松永代表でございますから、この政府の基本方針を踏まえて御活動をいただいているものと私は確信をいたしておりますが、今委員お尋ねの問題について、いささかでも疑念が委員におありだというふうに承りましたので、一度正確に真意を調べてみたいと思っております。その上で、もし何か必要とあらば、やるべきことをやらなければいかぬ。まず事実関係をきちっと調査をするということで御了解をいただきたいと思います。
○串原委員 では、事実関係を調査をして、その上で対処することはしてもらいたい、厳しく注文をしておきたいわけであります。 そこで、昨年貿易収支の黒字が速報値で千三百二十六億ドル、経常収支の黒字でも千百七十六億ドルと、史上最高の水準に達したと伝えられているのであります。クリントン新政権及びアメリカ議会が対日通商問題で緊急に是正すべきだと求めているのは、まさにこの黒字の問題なのでありまして、この問題の解決を米ですりかえようとするような方向なり考え方は、もはや何としても許されるべきものではない。これはもう総理以下政府の皆さんも一致してそういう方向を確認されていることだろうと思う。 そこで、こうした貿易黒字問題を具体的にどうするのか、さらにはラウンドの成功のために日本は何をどう譲歩するものはすべきなのか、国民の前に政府の考え方を明確に示して、日本の貿易政策のあり方そのものについて、国民レベルで議論する素材を政府は提供すべきときに来ていると思うのです。御見解を伺いたい。
○森国務大臣 我が国の貿易黒字が九二年で千三百二十六億ドル、対前年比で二八・七%増と大幅に拡大をいたしております。このことは委員も御承知のとおりだと存じます。これは、主といたしまして、輸出面での円高等によるドルベース輸出価格の上昇、それから、輸入面ではやはり景気低迷が大変背景として影響をいたしておりまして、製品輸入の減少ということが大変大きな実は原因になっておるところでございます。 このため通産省といたしましても、今後とも、内需中心の持続的経済成長を図るとともに、製品輸入の促進税制、ジェトロの輸入促進事業の拡充及び製品輸入金融の活用等の輸入拡大策の推進に積極的に努めてまいりたい、このように考えております。 さらに、国際産業交流の積極的な推進によりまして、諸外国との調和ある対外経済関係の構築に努めてまいりますとともに、発展途上国等に対する資金環流の促進を図る等幅広い施策を講じてまいりたい、このように考えております。
○串原委員 今の大臣の答弁ではいかがかというふうに思うんでありますが、先ほど私が申し上げましたように、これは我が国の将来にとりましても重大な問題でありますから、この問題にどうすべきかという国民的レベルで議論する素材というものを考えるときが来ている、政府は提供しなきゃいかぬ、こう思うんです。せっかくの努力を期待をしておきたいわけであります。 そこで大蔵大臣、今申し上げた立場に立ちましてこの貿易黒字の問題、国民的レベルで議論する素材を政府は提供すべきであるというふうに申し上げましたが、そういう立場に立ちましても、金融政策を含めてこの貿易黒字問題にあなたはどう対処しようとされるのか、お答え願います。
○林(義)国務大臣 御指摘のように貿易黒字がありますが、私は、貿易の問題というのは一国対一国の間の貿易の問題ではなくて、日本の対外的な経常収支の問題という形でいろいろと議論をしていかないと困ることになると思うんです。先ほど委員御指摘のように、アメリカが三〇一条どうだ、こう話しました。二国間で話をしたならば、必ずやアンバランスはあるわけでありますから、日本が世界に対してどういうバランスをとっていくかということで考えていかなければならない問題だろうと思うんです。 そうした観点に立ちまして、全体としての日本の貿易収支の黒字あるいは経常収支の黒字という問題でいろいろなことを考えていくならば、やはり着実な内需拡大というものを日本がやっていくことが一番大切なことだろう、私はこう思うんです。内需拡大によりまして、相手方からの日本に対する輸出、日本の輸入も促進する、こういうふうな格好のものが私は望ましい形だろうと思いまして、現在政府の方といたしましては、平成五年度の予算におきましても景気に配慮したところの予算という形でいろいろな施策を講じて国内の経済発展を図っていこう、それによりまして、それが貿易ないしは経常収支のバランスの方へ向かっていくものだ、こういうふうに考えておるところでございます。 公定歩合の引き下げなどというものも、金融面におきましてはやはりこれはいい影響をもたらしてくれるものだろう、こういうふうに思っているところでございまして、これが調和ある対外関係のいろいろなことに資していくものだろうと思います。 先ほど森通産大臣からお話がありましたような、個別のいろいろな通商政策上の諸問題、こうしたこともあわせて私たちはやっていかなければならない、こういうふうに考えているところでございます。
○串原委員 ウルグアイ・ラウンドを取り巻く状況の変化について見解を伺いたいのでございます。 ラウンドは一九八六年九月に開始されました。過去六年と五カ月余の間に、ラウンドを取り巻く情勢は大きく変化をいたしました。例えば、冷戦構造の終えんや東西ドイツの統合、ECの統合、北米自由貿易協定など、経済のブロック化の動き、為替の変動、債務問題等々、国際的な金融情勢の変化、そして環境問題に対する各国国民の関心の高まりなど、極めて重大な変化が起きていると私は思っているのであります。 こうした状況変化の中で、ウルグアイ・ラウンドはいわばふろしきを広げ過ぎてもうひもを締めることができなくなった、ちょっと表現は適当だかどうかわからぬけれどもそんな感じが実は私はしているのであります。しかも、ガットは貿易の量的な拡大ばかりを追求するために、その結果として出てきた失業、産業の調整、環境悪化の問題、農産物の輸入国における自由化による社会的な影響などの問題に取り組んでいない。取り組む仕組みも今のところではないようですね。 こうした状況変化の中でいろいろな今後のことを考えますならば、ウルグアイ・ラウンドの仕組みそのものを再検討するべきときに来ているのではないか。例えば、既に合意されている分野だけ先に決着をさせまして、いわゆるミニパッケージで今度のラウンドを終結させて、合意できなかった部分については、なぜ合意できなかったかの検討を子細に加えながら、かつ新たな状況変化を踏まえて新たなラウンドを構築していくことも検討課題ではないのか。こうした問題について、政府は積極的に主要国に働きかける考えはございませんか。
○小倉政府委員 先生御指摘のとおり、ウルグアイ・ラウンド交渉が農業、サービス、知的所有権、非常に幅広いものであるということはそのとおりでございますが、その背景は、世界経済が先生御指摘のとおり変わってきておる。物の貿易のみならず、サービスとか特許権とかそういう問題が非常に重要になってきているということ、あるいは南北間の、開発途上国と先進国との間の関係がまた変わってきているというような、世界経済の変化に即してそこでまた幅広くなってきているという面があろうかと思います。 したがいまして、ウルグアイ・ラウンドをやり出しました一九八六年の時点あるいは現在におきましても、各国としましては、一応そういう幅広い分野を一括して交渉しかつ一括して合意する、アメリカのファストトラックの授権法案の精神も実は多少それと関連していると思いますが、そういうようなことになっておりますので、確かに先生御指摘のとおり、物によりましては多少でこぼこ、交渉の前後があったりございますけれども、全体として各国とも、やはり全体をまとめてやらないと、つまみ食いをされるとどこかの国だけが得するというようなことになりますので、今のところ国際的にはやはりみんなでなるたけ努力して幅広いところでやっていこうということになっておりますので、当面その方向で努力していくのが国際的な流れということで、今のところ私どももそのように考えております。
○串原委員 大臣、今御答弁になりました。一応はああいう答弁でしょう。しかし、私はそんな情勢じゃないと思うんですよ、率直に言って、先ほど申し上げましたように。これだけ六年数カ月やってきた。なかなかまとまらない、十五分野の中にはいろいろあって。だから、これは難しい問題抱えているわけだから、まとまるものはまとめる、難しいものは今後に引き継ぐ、こういう措置をしませんとだんだんだんだんおかしなところへ入っていく、こう心配するわけであります。 この基本的な方向、大臣どうなんですか、考えてみるべきときではないですか。いかがです。
○河野国務大臣 この交渉にずっと携わってきた農水省、外務省、通産省その他関係各省の方々の御苦労、そしてそうした方々のお話を伺ってみますと、委員御指摘のようなまとまるものだけでとりあえずまとめてはどうだという誘惑に駆られる部分もないことはないとは思いますが、しかし、今経済局長から申し上げましたように、この問題の持つ意味を考えますと、そうしたことではなくて、やはり今問題になっているものを各国の話し合いによってまとめていくということが今大事なことだというふうに考えざるを得ないと思います。
○串原委員 いや、この問題は車ほど簡単ではないことを承知しながら伺っているわけでありますが、しかし大きな分岐点にあるような気がしてならない、私は。検討されることを要請をして、最後の質問に移ります。 実は、ここに新聞がありまして、政府は環境基本法を制定するために汗を流していらっしゃる。そこで、三月十二日の閣議で正式決定をする予定で環境庁は各省庁に文書を出した、こういうことでありますが、この報道によりますと、環境庁が素案で、「国は、環境への負荷を生じさせる活動を行う者に対し、必要かつ適正な経済的負担を講じるものとする」としていた経済的負担を課する措置については、「経済的措置」と言葉遣いが変わって一歩後退した表現になった、こう新聞は報道されているわけですね。これはどういうことでそういうことになったのかということを明らかにしてもらいたい、これが一つ。いま一つは、環境汚染者の経済的負担は、私は当然という基本姿勢の上に環境基本法は制定されるべきものであるというふうに考えているんです。いかがですか。これは環境庁長官に聞きます。 もう一つ、通産大臣に伺いますが、環境の汚染者に経済的負担を課すことは、環境税の導入につながり、経済的停滞をもたらすと通産省は考えているのではないかという報道があります。もしそうであるとするなら、これは私はちょっと了承のできかねる見解なんですね。まさかそう考えていらっしゃるとは思わないがね、通産大臣はいかがですか。 この二点について伺っておきます。
○林(大)国務大臣 串原先生にお答えいたします。 先生の御質問の中で、環境基本法の制定に向かって原因者負担の線が後退しているのではないかというのが第一問であったと思いますが、この点についての新聞報道を私も見ました。ただ、新聞報道は各社によってまちまちでございまして、必ずしも新聞の見出しと内容とは一致しない点も相当見受けられますが、原因者負担の考え方が後退するということはございません、結論から申し上げますと。環境汚染のコストに対して汚染者が支払うべきであるといういわゆるPPPの原則、これは国際的にも広く認知されておるところでございますし、我が国においてもそのように進めてきておりますので、この点につきましては、これからも継続していくつもりでございます。特に、公害対策基本法等による公害防止あるいは汚染されました環境の回復措置、あるいはまた公害被害の補てん、このような汚染者原因によるものについては、これからも当然考えられなきゃならないということで、後退はなされないという考え方ております。 ただ、その次の御質問につきましては、先生の頭の中には環境税のようなものを意識されながらの御質問がもう一点あったかと思いますけれども、これにつきましては、環境税という言葉は使いませんけれども、しかし、これからやはり経済的手法の中で道を開かなきゃならないという考え方は、これは今アメリカだけじゃなくヨーロッパにも、また国際的な取り組み方になっておりますし、日本としても環境の負荷を軽減していくという意味からも、基本法の中にそういう環境に対する取り組み方の問題については道を開いてありますが、さればといって環境税という言葉を使うことは、基本法は総合的な法律でありますし、それからまた環境税ということになりますとこれは個別法になりまして別個の問題でございますので、その時点でまたいろいろ御検討しなければならぬと思っております。
○森国務大臣 先ほど委員から御指摘ございました件につきましては、今政府部内で調整をいたしておるところでございますので、調整の段階で私からコメントを申し上げるということは差し控えたいと考えております。 ただ、昨年の十月の中央公害対策審議会、自然環境保全審議会の答申によりますと、これは委員は十分御承知だと思いますが、「有効性が期待される経済的手法の考え方を環境基本法制に位置づけることが重要」というふうに指摘をいたしておりまして、「個々の施策の導入については、その施策の必要性及び効果、経済社会への影響等につき十分な議論を行い、広く国民各層の合意を得ることが必要」である、このように答申をされております。 したがいまして、私どもといたしましては、その答申の趣旨に従って十分な検討を今行っておるところでございまして、今政府部内での調整に努力をいたしておるところでございますので、そのように御理解をいただければと思います。
○串原委員 終わります。
○石川委員長代理 これにて串原君の質疑は終了いたしました。 次に、伊藤忠治君。
○伊藤(忠)委員 質問の趣旨をメモにしましてお配りをさしていただいたのですが、官房長官は御都合がお悪いそうでございますので、質問の順序を少し変えまして、国際貢献の項については水道水源の後に譲りたいと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。 まず初めに、所得減税のことについて大蔵大臣にお伺いをいたします。 昨日、社公民三党共同しまして減税に関する修正要求、自民党に対して申し入れを正式に行ったところでございます。これに対する回答は三月一日にいただきたい、こうなっているわけであります。 御承知のとおり、本予算委員会を通じて、現在の不況状況から我が国がいかに脱出をするか 一日も早く景気回復をどのように図るべきかという議論もかなり深められてきたと思います。そういう観点に立っての三党共同の修正要求でございます。今日さらに急激な円高も加わるという状況、その中で一層事態は深刻になっている、このように私も考えるわけであります。恐らく国民全体の声として、その中にはもちろん労働界、財界も含めて声が高まっている、減税を実施してほしいという声がかつてなく高まっている状況だと私たちは判断をしているわけでございます。ですから、もはや理屈を論じている段階ではなくて、あらゆる手段を講じて不況から脱出を図らなければならない、こういうところに今日来ているのではなかろうか。つまり、決断と実行の段階を迎えている、こう私は判断をするわけであります。 自民党さんと宮澤内閣は一体でございますから、そういう立場に立たれるならば、この減税、四兆円規模の大幅減税の実現に向けて今やその決意を示されるときではないのか、こう私は強調したいわけでございます。もし、三月一日に回答がなされるだろうと思うんですが、それが私どもが判断をさしていただいて、回答になっていないというような中身であるならば、重大な決意をしなければならない、こう考えているわけでございます。大蔵大臣の見解をまず伺いたいと思います。
○林(義)国務大臣 野党三党間で平成五年度予算に対する共同修正案要求がまとめられましたことは承知をいたしております。 今お話ございました所得税減税の要求につきましては、私から申し上げますが、税制としてのあり方、景気対策としての有効性、さらには財源の問題等種々の問題があり、適当でないというのが現在における私の考え方でございます。 たびたび本委員会でも御説明を申し上げましているところに少しも違いはないところでございますが、せっかくのお話でございますから改めて申し上げさせていただきますけれども、この現在出しております予算案は、異例に厳しい財政事情、昨年度を下回るような税収というものをバックにしながら、既存の制度を改め、歳出のカットをするというような形で取り組みまして、一方で景気に十分配慮して、先生から御指摘のありましたような不況を最重点に考えろ、こういうふうなお話がございましたけれども、そういったようなものを頭に置きながらつくったところの予算でございまして、これを修正するということは今のところ考えておりません。 また、減税問題につきましては、所得税減税、それからいわゆるおっしゃるところの教育減税あるいは住宅減税等々がございます。一般に申しまして、私はいかな減税をやるにいたしましても、やはりその財源措置をどうするかというのが大きな問題だろう、こう思うのでありまして、安易なる赤字公債を出すということについては厳に慎むべきであるというのが私は基本的な考え方でなくてはならない。これは、国会としてお願いをしたいのは、やはり後世にそういった負担を残すということはお互い政治家として考えていかなければならない問題であろう、安易なる赤字公債は私は出すべきでない、こういうことをたびたび申し上げているところでございます。 そのほかの問題といたしましても、所得税減税につきましては、消費の現状にかんがみますと、所得税減税を行っても貯蓄に回る可能性が多い。消費の刺激策としては効果は期待できない。また、この前やりました税制改革を見ますと、中低所得者を中心とした税負担は大幅に低下しておりますし、その後の給与上昇を勘案いたしましても、まだまだ抜本改革前の水準に比べては税負担水準というのは低いものである。また、諸外国に比較いたしましても、中低所得者の所得税は相当低い水準にあるということを御理解いただきたいと思うわけでございます。 そうしたようなことで、特にまた戻し税方式というような所得税減税につきましては、あるべき税制の姿を無視したばらまき減税にほかならないということでございますし、また、規模のいかんにかかわらず翌朝にはまた返ってくるわけでございますから、一体そういった一過性の税負担ということについては極めて経済的な効果が乏しいのではないかと思っておるところでございます。 住宅減税につきましては、現在既に相当な住宅減税をやっておりまして、年間二十五万円を六年間にわたって所得税額から税額控除をする、こういうふうな話になっておるわけでございまして、これは年収約六百五十万のサラリーマン、中堅サラリーマンと私は言ってもいいのだろうと思いますけれども、その年間の所得税額に相当するところの金額であります。これをもしも上げるということになれば、その平均的なサラリーマンの方々を、同じ二十五万の税額控除しかありませんが、高い人に対して減税をする、こういう形になりまして、私は税の公平という観点から極めて問題があるのではないか、こう思っておるところでございます。住宅推進につきましては、税はもちろんでございますが、そのほか財政上、金融上いろいろな諸施策をやって住宅推進をしておるところでございます。 また、家賃控除というようなお話もございますが、これはより高額な家賃を払っている者がより大きな恩典を受ける、こういうふうな形になることでございまして、納税額のないような低所得者には利益が出てこないというようなアンバランスの問題もあるわけでございます。 また、教育減税につきましては、扶養親族の控除につきましてこの前の税制抜本改革の際に行いまして、年齢十六歳から二十二歳までの扶養親族を持っている人につきましては、一般の扶養親族控除三十五万円にかえまして四十五万円の控除をする、こういうふうなことでやったところでございまして、単なる教育費云々というような話になると、私は非常に問題があるのではないか。また、今のところ、それを上げていきますと、そのほかの子供を持っているところをどうするのだというような私はバランスの問題も出てくるというふうに考えておるところでございます。 以上、大ざっぱに申し上げましたけれども、いろいろな点が問題があるという形で、現在のところでは、私どもの方といたしましては、こうした案をやるのは適当でないという判断をしているところであります。改めて申し上げておきます。
○伊藤(忠)委員 断るための理屈を全部並べられたという感じなのですが、実際町に出られて、大蔵大臣、これで余り時間をとれないのですが、今言われたことを消費者の皆さんに一度説明されたらどうですか。恐らく何を言うのかというので大変な状況になると思いますよ。今そういう状況じゃないですか。デパートの売り上げたって落ちていますし、利益だって沈んでいますし、雇用不安が出ているじゃないですか。日産の座間の問題、NTTの合理化の問題、雇用不安が全体に広がっているのですよ。あなたが言われるようにそういう理屈どおり実際の庶民の生活がいっているのだったら、景気はこんなに悪くならないですよ。回復するじゃないですか。回復しないからどうしようかというので国会で議論をやっているのでしょう。理屈の段階じゃないと私が言っているのはそうなのですよ。まさに決断の段階なのです。実行の段階なのです。だから、早くこれは結論をつけなければいけない。そういう立場で言っているのですから、大蔵大臣がイロハのイからこの段階に来てそういう理屈を並べられて、だからだめだというような答弁をされるというのは、私は非常に心外ですね。 いずれにしても、このことを議論するあれではありませんから、これは両党問といいますか、党間の話し合いなり、それに絡んで政府との対話のレベルに移るのだろうと思いますが、そういう立場で私たちはとらえて、大変重要な時期に来ているということをひとつ理解をいただきたい、こう思います。特段の答弁は要りませんので、次に行きます。 次は水道水源の水質保全、一転しまして地味な問題ですが、順次質問をさせていただきます。 水道水源の水質保全の問題といいますのは、これはもう過去十年来、私もかかわりましてちょうど九年になります。随分地元でもそういう問題にかかわって努力してまいりましたし、国会でも二度にわたって私は具体的に問題の解決と対応を求めて質問にも再三立ってきたわけでございますが、御承知のとおりこの水道の水源というのはさまざまございます。湖から取水している場合もあれば山間上流域から取水口に流し込んでいるというケースもありますから、実態は区々ではございますが、だから現行法を実態に合ったように見直していくというのは非常に難しい、こういう立場での政府答弁に今日まで一貫しておったと思いますね。 ところが、実際、全国には水道水源があまたあるわけですから、現実にその水源が汚染される危険にある。実際にはまた汚染をされて、水道事業者が大変浄水の段階で苦労されているというケースもむしろ近年ふえてきている。これはデータが示しているところでございます。それを食いとめようとすれば、問題の解決を図ろうとすれば、当該の自治体が条例でもって何とか防ごうとしなければ問題の解決が進まないわけですね。 そういう対応に対して、これまではどういう政府の対応であったかといいますと、自治体が個々に法律を上回るような内容の規制を条例でやられたのでは困る、むしろ迷惑だという立場での陰に陽に自治体に対するプレッシャーというものがかかってくるという中で、随分苦労が絶えなかったわけですね。こういうふうな対応が政府としては一貫してやられてきておりまして今日を迎えている。しかし、それではどうにもならないというところに今日来ているのではなかろうか、私はこのように判断をしているわけであります。 次に、水道事業でございますが、これはもう言うまでもなくて、人々の健康と命を守るという点で水道水の安定的な給水というのは大変重要な仕事であるし、使命を持っていると私は思うわけであります。それは水道法の第一条の目的に書かれているとおりでありますし、したがって、良質な水源の確保がそのためには必須の条件であります。近年、水道の原水における各種の化学物質、それから農薬、肥料の散布、使用にかかわる影響、三点目は水源地上流の開発、四点目はにおいがする、味が悪くなったというそういう被害の拡大が非常にふえているわけですね。これはとりもなおさず水源の水質悪化が顕在化して、住民、市民の間で大変大きな問題になってきている、こういうことが言えるのではなかろうかと思うのです。それだけに国民の関心は高まっておりまして、水道水が汚れている、水質が非常に悪くなってきたということに対して不安感が広がってきております。 これは一つの省だけのデータではございませんが、メーカーに聞いてもわかるのですが、御承知のとおり、家庭用の浄水器あるいはボトルウオーター、これが非常に今売れていますね。私たちの事務所にも、議員会館にもつけています。それをつけると何か安心して水が飲めるという精神的な面ももちろんあるのでしょうけれども、実際、悪いところは、においがするからだめだ、この水はどうもなあというところは、こういう機器が非常に今売れていますよ。これのふえ方が極端なんですね。つまり、ある統計によれば、平成元年はどれだけ使用されていたかというと、大体六十万台ぐらいなんです。平成二年は何と二百四十万台ですね。平成三年はこれが三百六十万台ぐらい。もう極端に伸びているわけですね。利用家庭がそういうふうに広がっているわけです。 御承知のとおり、こういう面でもなるほど水に対する関心なり警戒心すら高まったなというふうに思える数字なんですが、一方の見方としては、ミネラルウオーターというのが最近すごく伸びていますよね。これは一つの例ですが、議員宿舎でもミネラルウオーターを配達に来られる若い衆に会いまして、これくらいの、ガソリンをよく入れる大きなポリの入れ物がありますね。あれを三つぐらい手押し車に乗せまして、ガラガラと玄関を引いてエレベーターに入られるところに私ぱたっと会ったものですから、これは何ですか、ガソリンですか、ガソリンを宿舎に運ぶのですかと言ったら、私が認識不足でして、いや先生、これはミネラルウオーターですよ、次々契約をいただいていまして、もうこの大きなやつで運ぶ時代になりましたと説明されたわけですね。これ、お値段は一個幾らですかと聞いたら、高いのですね。水なんですが高いのです、やはり高い。それを常用されている先生方も多いのですね。 というのは、やはりおいしくてきれいな安全な水を飲みたいという、そういう水に対する関心というのは適当じゃないと思います、やはりその心の底には不安があるのだと思います。だから、自分の健康にいい水だったら、お金を出さなくても飲めればそれにこしたことはないのですが、実際にやはり健康を守るためだったら、おいしい水を飲むためだったら、お金を出してでも——ありがとうございます、これはおいしい水だと思います。いただきます、あまりうまくないですけれども。とにかくそういう世の中なんですね。ですから、このようにデータが示すとおり、もう当たり前のことになってきた。これは喜ぶべきことなのか悲しむべきことなのかといったら、私は余り喜ぶべきことじゃないと思っております。 閣僚の皆さんも国際経験豊かな方ばかりですから、世界を施されて、水道の蛇口に口を突っ込んで実際に水を飲める国は幾つありますか。私の知る限りでは、まず日本でしょう。それから朝鮮半島もいけるのですか、アメリカですかカナダですか、それからあとはイギリスぐらいじゃないのですか。もっと少ないかもわからないし、もう少しあるかもわかりませんが。スイスなんかはエビアンのミネラルウオーターで有名なところですが、いずれにしましても限られていますよね。大陸へ行ったらまず水は飲めないじゃないですか。 そうすると、水に関しては本当に胸を張れる。清い水、美しい水、おいしい水、健康な水ということで日本は歴史的に国民はなじんできた。それに頼って健康に生きてきたというような格好なんでしょう。その水が今日大変危機に瀕している、オーバーな表現かもわかりませんが、私はそう言っても決して間違いではない、こう思っているわけであります。 恐らく関係省庁もその現状を憂慮されまして、これを何とか打開をしようじゃないかという姿勢に立たれて、その一策として、お聞きするところによれば中央公害対策審議会の答申が出されました。これは水質基準の見直しということで出されたわけですね。それから、環境基準の見直しも、もちろんこれに関連して行われるという段階を今日迎えているわけです。やっとそこまで政府の方も腰を上げられた。態度が非常に積極的な態度に変えられてきつつあるということについては私は評価をしたいと思っているわけです。しかし、余りにもその腰の上げ方が遅いのではないか、こういうことは当然指摘をせざるを得ないと思います。 いずれにしましても、水道水源の水質保全のためにどれだけ努力してもその努力は惜しくないと私は思いますし、努力すればするだけのしがいがあるし、国民の支持を集めることができる、このように思っているわけであります。 ただ問題は、水質保全のために、それを阻害している条件を排除しなければなりません。排除するためには、関係省庁、それから地方自治体などが一体になって取り組むかどうかということが今後問われるのではなかろうか、私はこう思っているわけです。そのためには当然、関係法令の改正を含めた積極果敢な態勢が組まれなければ到底問題は解決をしない、こう思うわけでございます。したがって、この点について、まず基本姿勢について厚生大臣の御答弁をいただきたい、こう思います。
○丹羽国務大臣 安全でおいしい水を供給するということは国民の大変大きな課題となっているところであります。 厚生省は、昨年の十二月、水質基準の拡充強化を行う一方、また今年度、平成五年度の予算におきまして、いわゆる高度浄水施設事業として三十四億円ほど計上いたしております。しかし、先ほどから伊藤委員御指摘のように、最近化学物質などの使用やあるいはゴルフ場の開発、こういうことに伴います水質の汚染というものが大変重大な関心事となっておるわけでございます。先ほどから私が種々申し上げましたけれども、やはり基本的な水道水源の根っこの部分を規制しなければならぬ、こういうような観点に立ちまして抜本的な対策が求められておるところでございます。 そこで、厚生省といたしまして、有識者によります懇談会でこのような水道水源に関する一つの方向性を打ち出したわけでございます。先ほど御指摘のように、各省庁にまたがっている問題でございますけれども、各省庁と十分に連絡をとりながら、ひとつできるだけ早い機会に法制化を目指していきたい、このような考え方でございます。
○伊藤(忠)委員 次に、水質基準にかかわる問題点についてお尋ねをいたします。 水道水源の水質基準、これは関連する言うならば基準も含めてでございますが、私の判断では三つあるんじゃないかと思っておるわけです。 一つは、厚生省の水道法があり、水道法にかかわって水質基準が定められております。これは、水道事業者が浄化する場合に、浄化をして飲み水にしましてそれを家庭給水をするというこの段階で、水の質はこのように守りなさいよというのが水質基準、こう判断をしています。 二点目は、環境庁の水質環境基準というのがございまして、これは公共用水を規制することになっていますから、河川やら湖沼等の水質全般について網を張っているというか基準を設けていることだろうなと私は思っているわけです。 三点目は、環境庁の水質汚濁防止法がございまして、ここで排出基準を決めているわけです。これは工場だとか産廃処理業だとかさまざまございますが、そういうところから言うならば排水をされる水はこういう水質でなければいけないよという排出基準ではなかろうか、私はこう思っておるわけです。 そこで、この排出基準と水質基準の間には十倍の差がございますね、数値でいいますと。それだけ排出基準は緩くなっているわけです。これはどのような根拠で大体十倍ぐらいというふうに決められたのか。それには科学的根拠があるのかないのか。そのあたりの説明をひとつしていただきたい、こう思います。
○赤木政府委員 お答え申し上げます。 排水基準と水質環境基準の関係についての御質問であったわけでございますが、排水基準は、お話のように水質汚濁防止法に基づきまして総理府令で基準を定めて、工場、事業場に対しての排水規制を行うという趣旨のものでございます。この総理府令で定める排水基準は、現在カドミウム等有害物質について環境基準値の十倍値ということで、基本としてこういうことで定めてございます。また、有機性汚濁などの生活環境項目もあるわけでございますが、これにつきましてはナショナルミニマムとして必要な基準を定めているということでございますが、御質問の有害物質の十倍値の根拠ということでございましたが、排出水の水質は、河川に排出されますと、そこを流れる河川水などによって通常少なくとも十倍程度には速やかに希釈されるというような想定の中で、環境基準に定めております基準値の十倍値を基本として排水基準を定めているという、こういう考えでございます。
○伊藤(忠)委員 一口に言えば、河川に流水すれば希釈されるから十倍ぐらい高くても、緩くてもいいだろう、言うなら、まぜ合わせて流れに入っていくから、それで水道水源へ行ってもいいじゃないかということなんでしょう、結局。しかし、その十倍というのは別に科学的根拠がなくて、大体十倍かというふうにして決めたんですか。そこのところはどうなんですか。
○赤木政府委員 これらの排水基準というのは、規制対象事業場からの排水に適用されます最低限の基準ということでございますので、全国の公共用水域一律に適用されるような形での排水基準ということでございますので、最低基準として十倍ということで決めておるわけでございます。 ただ、地域の実情を熟知しております都道府県が、水域の水量だとかあるいは流速等の自然条件や、水域で排出されます排出量、排水量ですか、あるいは汚染の状況だとか水域の利水状況なんかの社会状況なんかも判断いたしまして、いわゆる上乗せ規制をできるようなシステムになってございます。こういうふうな上乗せをその地域の実態に合った形で運用していただく。つまり、全国的には最低の排水基準、最低限の基準としての排水基準が決められており、地域での実態に合った形での上乗せが都道府県によって決められるというようなシステムになってございます。
○伊藤(忠)委員 そうすると、こう理解していいですね。これは一般的な基準であって、水道水源に向けて排出する場合のそのことを念頭に置いて決めた基準じゃないんですね。
○赤木政府委員 排水基準は、いろいろな水利目的がございますから、そういうものを全般的に含めて、だから水道水源なんかも一応頭には入れながら、利水目的いろいろあるという前提の中で、全般的な考えの中で決めてございます。
○伊藤(忠)委員 もう一度聞きます、十倍の根拠。科学的に十倍が正しいのですか、大体十倍なんですか。
○赤木政府委員 先ほど来申し上げでございますが、排出水の水質というのは、河川などに排出されますと、そこを流れる河川水などで通常少なくとも十倍には希釈されるという想定で十倍ということにしてございます。
○伊藤(忠)委員 では、次に水質保全の対策に移りますが、ということを前提にしますと、何としても、この水道水源に流れていく排水基準として決められているんじゃないんですから、取水口に近くなればなるほどその濃度は高いということですよ。希釈されないわけですよ。これはおわかりいただけるでしょう。ですから、ずうっと上の方にあるところ、全然別のところにあるところも、取水口の至近距離に排水されてくる水も同じ基準なんですよ。これが一番問題なんです。ここが一番問題なんです。 ですから私が提案をしたいのは、取水口上流での距離別の基準の設定がどうしても必要だと。そういうやり方しか現行法上できないと思うのですよ。例えばその基準を細かく決めるといったって、これは際限ありませんからね。観測地点を今設けられていますけれども、それが全部取水口の周辺とは限ってないわけですよ。何千カ所ありますが、それはもう無理なのです。そうすると、実態は区々ですから、これを統一的にやっていけるというか規制していけるなということの方法は、取水口の上流で距離別に基準を決めていく。近いところはきつく、遠いところは今の水質基準の十倍でもいいじゃないですか。というふうにやっていかない限り、結局安全な水ということにならぬわけですね。ですから、取水口の至近距離で、非常に汚染度の濃い、濃密な排水がされたとしますと、これはもう処理業者としてはやりようがないという場合が、私も経験しております。流れ込んでからでは浄水段階で大変これは苦労するわけですね。高度処理が必要じゃないかというと金がかかります。簡易水道なんかとてもできませんよ。だから、そういうのは実態が区々なものですから、私は、流れ込む以前の段階でどう規制をしてやるかということをむしろ国は考えていただく、そういうときが来ているのじゃないか、こう思いますので、距離別に基準を設定する必要がある、私のこの主張に対してどうお考えでしょうか。
○赤木政府委員 現在の水質汚濁防止法の考え方は、排水基準というのは規制対象事業場からの排水を規制するということで最低限の基準として定めておるわけでございまして、今御質問のように、地域の実態に合わせた形で工場なんかも規制をするという考えに立つならば、その実態にきっちり合った形での必要最小限の規制という形になる必要があると思うわけでございまして、そのためには、地域での水量だとか川の流速等がいろいろ違うわけでございまして、それから、排出される排出水の量も違うわけでございまして、そういう川の汚染の状態あるいは利水の状況に合わせた形で水質汚濁防止法は都道府県が判断して上乗せをするようなシステムができておるわけです。 現に、こういう制度によって水道取水口の上流につきましては一般の排水基準じゃなくて厳しい上乗せ排水基準で設定しておるところもございまして、水道取水口においての水質汚濁が懸念があるような場合はこういうふうなものを運用して対応している事例も見られるわけでございまして、そうなってないところもあるというようなことだと思いますけれども、今後そういうふうな観点からの配慮もしていくように指導していきたいというふうに思っております。
○伊藤(忠)委員 いまいちはっきりしないわけですね。ですから、私が言っておるのは、それを距離別に厳しくしていく基準を国の方で、中央で全部つくって、これでやりなさいということが一挙にはできないと思いますよ、それはやはり実態が違うことはわかっていますから。ただ、取水口に近くなればなるほどこれはきつくしなければいけないですよという物の考え方、これはまず打ち立てることができるじゃないですか。そうしてそれは実態に合わせて、言うならば、その基準は距離別に考えれば、全体の排水基準はこうなんだけれども距離別に言えばこういう数値かなということは出せるじゃないですか。 問題は、それを受けて、実態は区々なんだから、当該の自治体がそれを上回るような、言うならば条例でもって対応するということは、これはやってくださいよというふうに整理をしてあげないことには、何か上回ることをやったら、そういうのは中央は迷惑だというようなことを裏面で指導するようなことがこれまであったわけですからね。そんなことは今はないと思いますが、私が申し上げたようなことだけは、少なくとも基本的なことだけは中央できちっと整理をされればおのずからそれは広がっていくというか、実行されていくのじゃないですか。そのことについてどうお考えなのかということを聞かせてほしい。
○赤木政府委員 先ほど申し上げたとおりでございますが、今先生おっしゃられるとおり、我々といたしましては、取水口との関連あるいは河川での状況を踏まえて適切に排水基準が上乗せされていくということが必要じゃないかというふうに考えてございますし、そういう形で地域で、水道取水口の上流なんかにおいては一般の排水基準より厳しい形での排水基準が上乗せされていく必要があるとするならば、そういう形に上乗せ基準が設定されるようにひとつ指導していきたいというふうに思っております。
○伊藤(忠)委員 時間の関係がありましてなかなか突っ込んでできませんので残念ですけれども、対策が幾つかありますので、次に移ります。 汚濁防止策というのは幾つか考えられますが、一つは農薬散布などの問題なんですね。上流域には、ゴルフ場だとかそれから水田だとか、さまざまありますよね。特に殺虫、除草ですかそういうことを目的にした農薬散布というのが、場合によってはこれがヘリコプター借りてきてはあっと空からまくケースだって散見できるわけですね。それが結局しみ込んでいって排水ということになるわけで、これはなかなか健康を守るという意味から放置できないことなんですね。 私がここで申し上げたいのは、もう絞って申し上げますが、そういう場合の適正な使用基準。水をやはり汚しますから、適正な使用基準の設定が必要ではないのかというのが第一点。それから二つ目は、大量に使用される場合、これは自治体に対して届け出制をとるべきではないのか。私はさまざま考えましたが、この二つがあればこの排水そのものも相当いい状態になっていくのではないのか、こう思いますが、このことについて農水省からひとつ答弁をいただきたい、こう思います。
○高橋(政)政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの先生からお話ありました農薬等に関してでございますが、我々、水質の保全につきましては、先ほどから御議論ございますように、環境基本法に基づく環境基準であるとかあるいは水道法による水質基準を遵守していくということが基本であるという考えに立っておるわけでございまして、そういう基本的な立場から、農薬につきましては農薬取締法によりまして登録ということを行っておりますが、その登録検査の際に、環境庁が定めます水質汚濁に係る登録保留基準に照らして安全性を確認いたしまして、いつ使用するといいのかという使用時期の問題であるとか、あるいは使用方法、これは液状がいいかとか、あるいは粉がいいのか、あるいは何回ぐらいまくのがいいのかとかそういうような方法につきまして一定の基準を設定し、水質の汚濁を生じないようにということで現在指導をし、現場におきましてもそういったことで適正な使用についての指導をしてきているところでございます。 ただいま先生がおっしゃいましたように、新たな水質保全、水源における水質保全ということに関係してどうしていくかということにつきましては、我々も重要な問題という認識のもとに十分検討をしていきたい、こんなふうに思っております。
○伊藤(忠)委員 前段はよかったんですが、時間がないからもう急いでおります、後段だけ言ってもらえばいいのです。だから、いずれにしてもまだ考えていないから検討する、こういうことなんですが、そのことが私は非常に重要だ、こう思うのですよ。これはまた、機会がありましたら具体的に論議をさせていただきたい、こう思っているわけです。 次が、上流に工場や産廃業者が立地しているケースというのは多いんですね。どうしてもそういうところへ開発が進むんですよ。これは、例えば琵琶湖だとかそういうところを余り言っているんじゃないのですね。ローカルの、言うならば山間の上流域なんですね。水道水源の上流なんですね。こういうところというのは、意外と産廃業者がとりわけ進出するわけですね。私、地元のことを言って恐縮ですが、大阪の隣接県なものですから、大阪のごみが全部こちらへ持ち込まれる。そうすると、山林は安く買えるわけです。だから、広い処理場を知らない間に購入してしまう。申請書出されるというところで、ああ、こういう問題かというのがわかる。さあ大変だということになるんですが、もう遅いんですね。こういうケースというのが全国で随分、市民運動とのかかわりで問題になっている地域が私は結構ふえているんじゃないのかこういうふうに思っているわけです。 ですから、いろいろ対策の方法はあると思うんですが、取水口、水源といいますけれども結局取水口なんですから、この取水口から一定のエリア内には一切そういうものを規制するということです。これは、日本にそういう考え方がありません。これまで許しているものですから、さまざま問題が起こるんです。ところが、これも御承知のとおり、アメリカにも、そういうゾーンをつくって、水源地トラスト基金というのをつくって、そこに土地を買って森林保護、自然保護ということが、つまり地下水を清くしていきますし、保水機能を持っていますから、非常に安全の条件をつくるというので、これは早い段階からアメリカもやっております。それから、イギリスもそういう考え方で規制措置を厳しくやっております。フランスもやっております。ドイツもやっております。大体サミットに来られる国は全部やっておるのです。今回は日本が議長国でございますが、宮澤総理大臣はホストとして、この問題がもし持ち上がったときには答えることできませんよ、日本はないんですから。 だから、先進国とは言うんですが、水の安全に関する限りは、先進国例と比較しますと、やはり日本はおくれているんですね。ですから、私は、こういう先進国の例に倣って言うことではないんですが、いろいろ考えましても、経験から考えても、それしかないだろう、こう思うのです。だから、そのエリアの中につくる工場は規制するだとか産廃処理業者は規制するだとかといっても限界がありますから、一定のところ、エリア内は一切これはもう聖域にするということで、そういう考え方で規制措置を加えるしか自然は守れないかな、こんな気が私は強くしているわけでございます。 実は、こういう厳しいといいますか、苦い経験をしているわけです。つまり、九年前ですけれども、山林を買い占められた業者がございまして、かなり広大な面積だったわけです。そして、七万五千平米といいますから、山林地域としてはかなり広いんですね。最終処理場が五十一万トン、一時間の処理能力が約三トンといいますから、まあまあの処理場なんです。それで、その処理汚水が放流水として水源に流れていくわけですね。そうすると、土地取得の段階ではチェックのしようがありません。表面化したときにはもう遅いということで、結局それを条例化でもってどう対抗するかという訴訟を繰り返してきて九年かかるということなんですね。 最終的にはこれは和解が成立しましたけれども、何と和解の条件というのが振るっていまして、土地はおれが買ったんだから、それから九年間、さまざま建屋の建設にも金がかかったから、許さないというんだったら、その話には応じていいけれども、和解成立の条件としては、そのいろんな諸経費も当然払ってもらわなければいかぬ、でなければ撤収することはいたしませんよということになりまして、なけなしの自治体が金をはたいて、六億八千万、金を払いました。六億八千万といいますと、皆さん、小学校の校舎が一つぐらいは簡単に建ちますよ。これがまた後で市会で問題になる。市長さんはいい決断をし、市会もそれを応援したんですが、住民もこぞって賛成したんですけれども、結局、何でそんな高いもの払ったのかというので後でまた四の五の言われなければいかぬという、大変板挟みで苦しんだ経験がございますが、こういうことを考えますと、結局は、業種を選定するなんということは、これは適当じゃありませんから、一定のゾーン内はこれは聖域にして、開発も立地も認めないという考え方でやってはどうかと思うのですが、これは厚生大臣ですか、ひとつお考えを聞きたいと思うのです。 〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
○丹羽国務大臣 先ほど、厚生省内部でまとめました有識者懇談会のことについてお話を申し上げましたけれども、その有識者懇談会の報告書の中におきましても、ただいま先生が御指摘がございましたような、いわゆる上流地域におきます水源地周辺の開発行為については一定の規制を設けるべきだ、こういうような考え方が示されておるわけでございます。
○伊藤(忠)委員 もう一つ対策ありまして、生活排水です。上流域の住宅がございますから、そういうケースに対する、生活排水垂れ流しはだめだということなんです。し尿はさすがに今日処理をされてきております。団地だったら当然ですし、個々の御家庭でも、いかにローカルの寒村、失礼しました、寒村まではいきませんが、そういう地域でも、自然に恵まれた地域でも、やはりし尿の問題はそれぞれがきちっとやられていると今日では私たちも考えているわけですが、生活排水になりますとこれはまた別であります。そこまではきちっと住民の皆さんも考えられてない。自分が上流の至近距離に住んでいても、なかなかそこまでは思いがいたさないというのが実態ではないのかな。 しかし、それではよくないわけでありまして、これはもう国民総がかりで、いかに飲み水を守っていくために個々の立場でどのようにそのための自己努力を重ねるかということを考えなければいけない時代に来ている、私はこう思うわけです。そうしますと、結局それには、もちろんやっていこうという意欲も前提になければいかぬわけですが、経費もかかるということになるわけです。 こういうことについて、どういう解決策があるのかということについて、関係省庁では検討いただいていると私は思うんですが、もしございましたらお聞かせをいただきたいな、こう思うわけでございます。
○藤原(正)政府委員 水源地域におきます生活雑排水対策の強化は、水道水源の水質保全のために大変重要な課題でございます。厚生省におきましても、これまでも合併処理浄化槽の整備等を中心に生活雑排水対策を進めてきたところでございますが、水道水源の水質保全という観点から、このような地域の市町村に対しましては、生活排水の処理計画に基づく合併処理浄化槽の面的整備を指導しまして、これに対する国庫補助の優先採択というようなことを行うなど、強力な対策を進めていきたい、このように考えておるわけでございます。
○伊藤(忠)委員 考え方はわかりましたけれども、実際にはこれは利用されているのでしょうか。こういう制度、補助金の関係は活用されているのでしょうか。その辺の現状について報告をいただきたいと思います。
○粕谷委員長 よく打ち合わせてから、いいですか、よく打ち合わせてから正確な答弁を。
○藤原(正)政府委員 厚生省では、先ほど申しましたように合併処理浄化槽というのを設置する、そういう促進を図っておるわけでございますが、予算も、平成五年度の案では百億円という相当の額を計上させていただきまして、今後この生活雑排水対策には重点的な取り組みをしていきたい、このように考えておるわけでございます。
○伊藤(忠)委員 どれぐらい活用されているのですかと、そのことを聞いておるのです。
○藤原(正)政府委員 平成四年度のこの合併浄化槽の設置の状況を申し上げますと、大体これで二十万戸分が整備できた、このように考えております。
○伊藤(忠)委員 時間の関係がありますからこれ以上ちょっと聞けないのは残念なんですが、それは一般的なことでしょう。別に水源に、その上流域に限った話じゃないのでしょう。だからそこなんですよ、問題は。私が言っておるのは、水質保全策として機能させようと思う、だからそのための特に重点的な施策として、もしあるのだったらそれを今後どのように活用しようとされているのかというところを聞いていきたかったのですよ。ありましたらどうぞ。
○丹羽国務大臣 先ほど政府委員の方から御答弁申し上げたわけでございますが、この合併浄化槽というのは大変最近人気があるわけでございますけれども、こういう水源の周辺地域の市町村につきましては最優先として採択していきたい、こういう考え方でございますので、御理解をいただきたいと思います。
○林(大)国務大臣 御答弁申し上げますが、ちょうど三年前に水質汚濁防止法の改正をいたしまして、生活排水対策に本格的に環境庁も取り組みましたので、詳しくは政府委員から一言答弁させます。
○伊藤(忠)委員 いや、もういいですよ。大体わかります。結構でございます。次へ移らせていただきます。また私、次の機会がございましたら関連してやらせていただきますので、次の課題に移らせていただきます、恐縮ですが。 国際貢献についてお伺いをしたいと思います。 外務政務次官、御本人お見えですから、御本人にお聞きします。 外務政務次官に伺いますが、一月の十三日に外務省で記者団にお話をされたわけですが、ソマリア、モザンビークヘのPKO派遣に関連をしまして、新聞報道でもされているわけですが、前回私質問させていただいたのですけれども、外遊中でございましてお会いすることができませんでした。そのお話をされた中身は、ソマリア、モザンビークなどへの自衛隊によるPKOに即応するために、一つはPKO法に定めた停戦の合意など受け入れ五条件の緩和、二つはPKF本体業務の凍結解除、三つはPKOに参加する定員二千人の倍増、それから四つ目としては三年後の見直しまで待つことは許されない、外務省や防衛庁、自民党内で検討すべきだ、こういうことを述べられているわけですね。 それで、まず第一点、PKO五原則の緩和というのは具体的に何項を指すのですか。五原則ですから五つ項目ございますが、どの項目を指されます。
○柿澤政府委員 伊藤忠治先生の御指摘の点につきましては、実はその懇談をやります数日前に国連大学でのシンポジウムがありまして、ブトロス・ガリ事務総長の平和への戦略についてのシンポジウムに私も出席をいたしました。その中で、ブトロス・ガリ事務総長が提案しております予防展開もしくは平和執行部隊等の議論をいたしました折に、現在のPKO法では対応できない部分があるということを説明すると同時に、そうしたものに対応するとすれば三点ないし四点の見直しが必要であろうということに言及したわけであります。 その一つがPKF凍結の解除。第二が、国際人道援助に関しましても五条件が必要となっているためにソマリアの救援活動等に参加できませんので、国際人道援助に関しては五条件を一部緩和していただくということも一つの考え方ではないか。そして、定員につきましては、実はこの法律の制定の過程で、一カ所七百人として三カ所で二千人ぐらいが上限であろうというような議論が放ったわけでございますが、カンボジアの状況を考えますと、交代という事態が出てまいりまして、その交代のときにはダブルの定員が要るという問題が出てきて、カンボジア一カ所で千八百人、二千人の上限に近い人数が必要だということを考えますと、この点についての見直しが必要なのではないかということを申し上げたわけでございます。 それから、懇談の中では、そういうふうに世界のPKOを取り巻く条件が急速に変化してきているので、三年の見直しという項目はあるけれども、その前にでもいろいろ御議論をいただく必要があると思うということを申し上げたわけでございまして、今すぐ改正法を提出するとかそういうことを申し上げたわけでないことはぜひ御理解をいただきたいと思っております。
○伊藤(忠)委員 人道援助の場合に現行法では不自由だから、制約があるからその制約を取るために検討する必要がある、それは五原則のうちの一項ですか、二項ですか。
○柿澤政府委員 失礼いたしました。 この法律の第三条、「定義」というところで、第一が「国際連合平和維持活動」、いわゆるPKOについての定義をしておりまして、その中に五原則が含まれております。そして第二で「人道的な国際救援活動」という項目がありまして、その中にもほぼ同種の条件が付されているわけでございます。つまり、人道援助を行う国において、その国の「当該活動が行われることについての同意があり、かつ、当該活動が行われる地域に属する国が紛争当事者である場合においては武力紛争の停止及びこれを維持するとの紛争当事者間の合意がある場合にこと書いてございます。 実はこの二つについて、ソマリアでは非常に困難がございます。御承知のとおり、政権が革命で倒された後無政府状態でございまして、私自身モガディシオヘ行ってまいりましたが、政府と称するものが存在いたしません。存在いたしませんし、部族が、十八部族等が争っておりまして、その全部族の同意を得るということはなかなか容易ではない。しかし、目の前で人口の五分の一が餓死をしていくというような悲惨な状態で、人道救援活動は、これは国際世論としてやらざるを得ない。しかし、救援物資を送れば、途中で武力集団に略奪をされてしまって、末端の飢餓に瀕している子供たちの手に入らない。この状態を何とかして救済をしなければならないというのが、まさに人道的な観点に立っての国際社会の合意ではなかったかと思います。 しかし、この紛争当事国の同意、そして紛争当事者の同意というのを前提につけますと、せっかくの人道支援活動に関する項目をこの中に加えながら、実は日本は手足が縛られて何の協力もできない、そこへ荷物すら運ぶことができないということでは、国連の一員として、国際機関の一員として、国際社会の一員として十分な責任を果たすことができないという思いで、その点を申し上げたわけでございます。
○伊藤(忠)委員 そうしますと、これは一項、二項ということになりますよね、特にソマリアの場合は。ただ、ソマリアは今も検討の対象には政府はされていないようでございますが、実態は御承知のとおりだろうと思いますね。それは僕らもわかります。何とかしたいという気持ちは日本国民だったらみんな持っているんじゃないんですか。問題は、どこまでできるか、何ができるか。しなければならないというのは、皆一緒だと思いますよ。ただ、そこでやはり日本には日本の事情があるし、お互いに国論を二分してまで悩んできたということなんですからね。 それで、現行法ができて、これはまだ一年もたっていない段階で見直しの問題まで、執行する立場にある政務次官が、それは教育の場というんですか、そういう講座の一環の場で言われたにしても、これは与える影響大きいと思いますよ。それは執行責任があるんですもの。そうでしょう。あなた、大学の講師とかそういう立場で物を言うということにはならぬと思いますよ。だから、その政治責任をやはりきちっと自覚してもらわないと、こういうことがどんどんどんどん進んでいくということになりますと、例えば、議論があって法律ができた、その法律を完璧に実施していこうというのが執行部の責任でしょう。これは執行部責任なんですよ。ところが、その責任を、やっている過程で、ここには問題があるからこうやった方がいいわなんということを、一年もたたない間に、舌の根も乾かない間にそういうことがどんどん出てきたというのは、これは僕は大変問題だと思いますよ。そういうことを議論を十分尽くして一つの法律というのがまとまってきたことの経過を考えれば、私はこれは重大な責任がある、このように思います。
○柿澤政府委員 執行の責任を担う一員としてでございますが、立場にあるということは十分自覚しなければならないと思います。その点で先生からの御注意は頂門の一針としてありがたくお承りをいたしたいと存じますが、逆に申しますと、執行の責任にあるだけに、そうした現実とのギャップに悩み、それを国民の皆さんの同意なしに実施することはできないわけでございますし、国会の御承認なしに、法律改正なしに実行することはできないわけでございますから、それをいろいろな機会に訴えていくという行為は、私は一人の人間として許されることと考えております。国務大臣につきましても、憲法遵守義務はございますけれども、憲法について論ずることを妨げるものではない。言論の自由については、伊藤忠治先生の政党も非常に厳しく言論の自由を御主張なさっているわけでございまして、その範囲の私の発言と御了承をいただきたいと存じます。
○伊藤(忠)委員 余り余分なことを言わないでいいんですよ。僕が聞いているんですからね。余り挑発的なことを言わない方がいいですよ、私は冷静に言っているつもりですから。お互いにそういう立場でやり合いするんだったら、もう全然おかしくなりますよ。それはきちっと整理してください。私は冷静にやっていますよ。そういう発想というのはよくないと思いますよ、正直言って。そんなばかな言い方はないですよ。後でまた取り上げますけれどもね。社会党が賛成してくれたらモザンビークはオーケーになるんだということを官邸の高官が言っているんですからね。それも後で取り上げますけれどもね。言うことが非常にセンセーショナルですよ。それは余分だと言うのですよ、そういうことは。あなたはその前に外務次官ですからね。 それだったら聞きますが、学校で言われるのも結構ですけれども、その前に国会で言ってくださいよ。こういう問題がある、こういう問題があるということを、議論の場があるのですから、その場にあなたは出てきて、私はこういう問題があります、やってみたけれども、三カ月の結果としてはこういう問題がありますと訴えてくださいよ。また議論をしようじゃないですか。そういうのを抜きにして、余り外で言いなさんな、外で。
○柿澤政府委員 本日は、その意味で、伊藤忠治先生からお招きをいただいて、こうして私の心情を訴える機会をつくっていただいたことを心から感謝を申し上げます。
○伊藤(忠)委員 そういう言い方はないと思いますよ、そんな言い方は。外務大臣のもとで仕事をされているからだんだん似てくるんだと思いますけれども、そういう言い方はありませんよ。そういうスタンスでやるんだったら、国会の議論は冷静にできませんよ。 次へ行きます。 そこで、官房長官に御出席いただきましたので、モザンビークヘの派遣は正式に結論が出たのでありましょうかどうなんでありましょうか。
○河野国務大臣 関係省庁から資料を集めまして、その資料を整理して、慎重に目下検討をいたしております。現地から来てほしいという協力の要請があること、国連の事務総長を初め国連当局からは期待があること、こういったことがございます。 しかし、そうしたことはそうしたこととして、我が国がモザンビークのPKO活動に参加するかどうかについては慎重に政治判断をいたしたい、その慎重な政治判断の材料を目下収集中でございます。
○伊藤(忠)委員 次に、カンボジアの選挙が終了した後も三カ月間は当初計画で残留をするんだ、こういうふうにガリ事務総長もおっしゃってみえましたですね。その当初計画をかなり上回る規模で残留せざるを得ないのかな、こういう変更を安保理に報告をされたと聞いているわけです。それがどこまで固まっているのか。もしそうだとするならば、日本のPKOもこれは関連してくると思うのですが、その残留の期間、規模、これもどのようなものになるのかこれは官房長官、把握されておりましたら、その場合はUNTACの手を離れるのかどうなるのか、位置づけも変わると思いますが、その点について御答弁をお願いいたします。
○澁谷政府委員 現在日本が派遣しております要員を初めとして、UNTACの任務は、九月十五日で終わるということになっております。それ以上の決定はまだ行われておりません。今後の情勢を見ながら、国連安保理における協議、主要諸国との話し合いをしていきたいと思っております。
○伊藤(忠)委員 次に、実施範囲の拡大についてお伺いいたします。 これは、官房長官はたしか記者会見でも発表されているわけですね。他国のPKOの後方支援に回るということだろうと思うのです。期間あるいはその範囲、これは限定的なものなのかそれともそうでないのか、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。
○澁谷政府委員 UNTACの任務の期間が限定されておりますので、その枠内での変更でございます。
○伊藤(忠)委員 ちょっとすれ違っていますが、支援に行くというのは、施設部隊がみずからの仕事を持っているわけでしょう。この部分を割いてフランスのPKFのどの部分を支援するのか何を支援するのかということ、それが、言うならば、範囲は限定的なのか、応援に行く期間というのはどういうふうに考えていらっしゃるのか。つまり、オールフリーにしたら全体を散開することになるでしょう。そのこととかかわりが出ますから、私、聞いているのです。
○河野国務大臣 施設大隊がカンボジアに行っておりますが、この施設大隊が行う業務の内容はきちんと決まっております。輸送業務でございますとか、その他たしか三、四点だったと思いますが決まっておりまして、恐らくお尋ねの点は、UNTACからの指図がございまして、フランスの部隊の周辺の溝を掘ってくれ、これはこれから雨季に入りますから、その前にかんがい用の施設でございますとかあるいは周辺の溝を掘ってほしいというようなコマンドがございまして、これらも一々東京まで連絡があって、我々全部把握をいたしております。 さらに、ガーナの歩兵部隊だったと思いますが、引き揚げについて荷物を港まで運んでもらいたい、これもまたUNTACからコマンドがございました。これらも決まっております業務の内容、つまり輸送とか施設の内容に合致して、その範囲内でございますので、私どものところで了承をして、その作業に従事をいたしております。
○伊藤(忠)委員 つまり、外務省、いいですか、その範囲でやられているうちは、私は個々具体的なケースでとどまると思うのですね。ところが、ここで一点、現地のPKFの実態を私も不案内ですからお聞きするのですが、日本は自己完結型で行っているわけですよね。これが非常に特徴なのです。政務次官、詳しいですね。ところが、他の国はそういう派遣態勢になっているのかどうかという点についてはどうでしょう。
○澁谷政府委員 各国が送っております要員につきましては、ほぼ自己完結型が基本になっております。ただ、その業務の執行の過程において、自分たちでできないものあるいは不足する部分が認められるということは間々ございます。それを日本の要員にやってくれないかということでございます。
○河野国務大臣 ちょっと私から申し上げた方がよかったかと思いますが、例えばフランスから側溝を掘ってほしいという依頼は、私どもでも確認をいたしましたが、フランスのその手のものが、カンボジアのかなり北部の奥地の方に施設部隊が行っておって、それを呼び返して側溝を掘るというのには相当な時間とロスがある、たまたま日本の施設部隊がその近くにおりましたので、日本でやってくれないかというのがUNTACからの指図でございました。これらにつきましても、本部に諮って我々が了承を与えたところでございます。
○伊藤(忠)委員 いずれにしても、恐らくそれは安全だと政府が考えられています日本のPKO施設部隊の周辺地域だろうと私は判断をしますから、議論としてもその程度でいくんですが、これが業務の地域がうんと拡大しておったり、向こうからお呼びがあったからだっと行くなんということになりますと、これはもう現地の状況が、議論されておりますとおり大変これ危険だと思いますね。それはもう文民警察の皆さんというのは身も細る思いで任務につかれているんだと私は思っていますよ。ですから、若葉マークつけて行っているからあの辺でいいということなんでしょうけれども、若葉マークがとれたら恐らく全域にUNTACから要請が来るんじゃないですか、期間がだんだん広がっていきますし。 UNTACですら、これは新聞報道で、もう有名な話ですけれども、一月に調査をしたら、何と、選挙やったらラナリット派が三〇%、ソン・サン派が一八%、プノンペンは九%しか支持がないだろう、このことが大体世論なんですよね。UNTACの調査なんですよ、これ。問題なのは、そういうことがわかっているものですから、選挙やって新たな政府ができるのは今一番いいけれども、そのときにプノンペンの官僚の協力をもらわなければ、ラナリット派にしたってソン・サン派にしたってなかなか政治はやっていけないよということはわかっているから、言うならば大統領選挙、しかもそれはシアヌーク殿下に立っていただいて、シアヌークさんが強大な権限を持った大統領として存在しないことには我々も助からぬという、そういう感情が入っているんじゃないんですか、現地の状況としては。それぐらい現地は厳しいということですよ。 だから、場面場面によって、ケース・バイ・ケースですが、そのときにはUNTACが邪魔になる場合だってあるんですよ。UNTAC無用論、政治的な判断、利害が働きますから、もうUNTACがおってくれない方がいいわなと。UNTACがいる限りは、結局ポル・ポト派との対立関係というのはずっとこのまま続いていかざるを得ない場面があるわけですから、そういうところまでやはり政党、政治家というのはいろいろと判断というのが錯綜するんじゃないですか。それぐらい複雑だと私は思っておるんです、現地の状況は。 そうしますと、実際の話が、プノンペンの大攻勢があった、今度はポル・ポト派も反撃をした、これは続くかわかりませんよ。これは断続的に続いていくんじゃないでしょうか。私は、その危険性が大いにある。そうした、公聴会でもある先と言われましたけれども、パリ協定というのは紙の上では存在するけれども、カンボジアの現地の実態というのは全くこれはもう停戦合意という状況は崩壊しておる、実際に崩壊している。だから、結局UNTACとしても、選挙が終わってもこれは長くその後も駐留していかなきゃいかぬなということにならざるを得ないんじゃないですか。そういうふうに考えるのがむしろ常識的だと私は思っておるのですよ。このことについて政府は、いや、そうじゃない、部分的なあれは戦闘行為であって、決して紛争状態でもないし、パリ協定は厳然と息づいているんだというような表現なんですが、これは見解の相違と言わざるを得ないんですが、私は、常識的じゃないのか。自分はそういう判断が常識だというふうに現状を認識しているわけですが、どうでしょう。
○河野国務大臣 長い年月にわたって対立抗争を続けてきた人たちでございますから、それは委員おっしゃるように、一つの紙で完全にそうした長いしがらみが解消するというわけにはいかないかもしれません。しかし、パリの和平協定が、ああやって全体がテーブルに着いて、紙の上とはいえ合意をした。それにはそれなりの、やはりこれまた逆に言うと、長年にわたる大変な経済的な疲弊もございますでしょう、社会的な混乱もございますでしょう。そうしたものを乗り越えて、何としても和平が欲しいという多くの人たちの願いが込められていたというふうにも思います。したがって、この和平協定は大事にしていかなければいけない。これはもうみんなが大事にしていかなければ、これはなかなかそう簡単に固まっていくものだというふうにも私は思いません。 委員おっしゃるように、なかなか難しい状況ではあっても、しかしこのパリの和平協定をもとにして、何としてもカンボジアに新しい本当の和平が育っていくということのために努力を続けたいというふうに思っております。決して楽観できるとも思いませんし、さらばといって悲観をする必要もない。誠心誠意この作業を続けたい、そう考えている次第でございます。
○伊藤(忠)委員 私はこう思うんですね。言われたように、目的はやはり平和の確立、戦後復興です。ただ、PKOに危険はつきものだ、長期化すると見るのは常識だと私も思っているわけです。 そういうふうに思うから、言うならば我が国が自衛隊という組織をストレートに出していくというのは我が国の国内事情なんですよ。憲法との絡みがあって、国論が二分をしてああいう国会になったわけでしょう。ですから、私は集中審議の際にも、それは国際貢献庁というハトのPKO専門の組織をつくって、基本的な任務がタカである自衛隊をハトにお化粧直して持っていこうとするから、ここでおかしくなるんですよ。そうでしょう。だから、別組織については、政務次官一言言ったけれども、社会党だけじゃないんですよ、別組織でいこうというのは。日本新党もそうなんですよ。社民連もそうなんです。連合参議院もそうなんですよ。だから、国論は二分している状態なんですよ。しかし、PKOは皆積極的なんですよ。私、聞きますけれども、自衛隊だけがPKOに熱心じゃないんですよ。そういうとらまえ方、おかしいんです。これは国の責任でもって強権的に行ってもらおうという、そういうやはり関係にあるわけですよね。 ボランティアはどうですか。特に、ボランティアの言うならば非常に実効ある組織として世界的に有名なんですが、IRCなんかは現地に行きますと頭下がりますよ。そうでしょう、皆さん。あれは戦場に行って、後方支援で、人命救助のために命を的にして救うじゃないですか。そういう組織だってあるんでしょう。日本の海外青年協力隊もそうでしょう。ところが、復職の保証は確立されていないでしょう。そういうこともきちっとやっていかなきゃいかぬという課題が残っているわけですよ。 だから、私が言いたいのは、ここで日本の国がさまざま外国からも言われる、国内でも世論を二分しなきゃいかぬという状態を一日も早く克服するためには、なぜこの別組織をつくってやっていくことについて政府なり与党の皆さん方は汗をかかないのかということを私は訴えたいのです。モザンビークは、社会党がオーケーしたらこれは行けますよと言った。別組織をつくるという約束してもらったら、私、社会党を説得してすぐ行くようにしますよ。ここの皆さんも皆オーケーするでしょう、恐らく。そういうことなんでしょう。そうじゃないですか。だから、その一番ネックになっている問題を解決せずに、言うならばこれからの流れに日本も乗っていこうなんということだけが前に出ますと、どうしても私は原理、原点の議論に立ち戻るようなことにだってなりかねません。それは決して有益じゃありませんから、私は強調しているわけです。
○河野国務大臣 PKO法案の審議に当たっても、多くの方々からさまざまなお考え、御提案がございました。大変長時間の御議論の後で、現在の法律を決めさせていただいたわけでございます。まだまだ大勢の方からも御議論はあろうかと思いますけれども、現行法でまずカンボジアのPKOに参加をして、カンボジアに行っている日本のPKOの関係者は本当に真剣に作業を続けているわけでございますから、どうぞひとつこの作業を見詰めていただいて、一つ一つ経験をし、一つ一つの実績を上げて、そして問題があればまた検討をする、そうでなければこの実績を踏まえて次にまた進む、また他の貢献をする、そういうことでやっていってはどうかというのが私どもの考えでございます。経験を積み、その経験に教えられながら、問題があればそれは改善をしていくということで考えたいと思います。 まず最初に取りかかっておりますカンボジアのPKOの作業、これを我々は本当に、今委員おっしゃるように、決して一日としてゆるがせにできない緊張感を持って我々も見詰めているわけでございます。どうぞひとついろいろお気づきの点は御注意をいただきながら、この作業を成功させたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○伊藤(忠)委員 終わります。
○粕谷委員長 これにて伊藤君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○粕谷委員長 この際、分科会設置の件についてお諮りいたします。 平成五年度総予算審査のため、八個の分科会を設置することとし、分科会の区分は 第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府(ただし経済企画庁、環境庁、国土庁を除く)並びに他の分科会の所管以外の事項 第二分科会は、法務省、外務省、大蔵省所管 第三分科会は、文部省、自治省所管 第四分科会は、厚生省、労働省所管 第五分科会は、総理府(環境庁)、農林水産省所管 第六分科会は、総理府(経済企画庁)、通商産業省所管 第七分科会は、運輸省、郵政省所管 第八分科会は、総理府(国土庁)、建設省所管以上のとおりといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、分科会の分科員の配置及び主査の選任、また、委員の異動に伴う分科員の補欠選任並びに主査の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決し、ました。 次いで、お諮りいたします。 分科会審査の際、最高裁判所当局から出席発言の要求がありました場合は、これを承認することとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 この際、暫時休憩いたします。 午後零時七分休憩 —————◇————— 午後二時三十三分開議
○粕谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。目黒吉之助君。
○目黒委員 きょうは、中央公害対策審議会の農薬専門委員会委員長の松山参考人、それから食品衛生調査会毒性部会長の戸部参考人に御出席いただいております。忙しいところありがとうございました。ちょっと順序を変えまして、残留農薬の問題を先にひとつやらせていただきますので、お願いをいたします。 残留農薬基準の国際統一の問題につきましては、先般のこの委員会でも議論をさせていただきました。その中で、基準策定に当たりまして、国際機関あるいは諸外国の基準を参考にして食品衛生調査会の諮問を受けて設定をするというようなお答えもありましたので、どのような参考基準と申しますか、参考にされて定められておられるのかといったあたりも含めまして、これからお聞かせ願いたいと思いますので、よろしくひとつお願いをいたします。 今、食品の残留農薬問題につきましては、ハーモナイゼーションという言葉がずっと走っておりまして、消費者の間ではかなり不安も広がっておるようでございます。もともと農薬ですからそれなりに毒性があるわけでありますが、特に基準が定められるものにつきましては、それなりに確認をされた毒性があって基準というのが定まるわけでありますが、必ずしもその辺の定め方や定まっておる数値というのが安全なのかどうかというのも含めまして消費者の間でいろいろと関心が持たれておる、かつてない私は関心が高まっている今日じゃないだろうか、こんなふうに実は思っておるところであります。できますればそういったいわば疑問にも答えていただければありがたいな、こんなふうに実は思って御出席を願ったところでございます。 食品そのものは、本当を言うと、私はやはり近くでとれて、新鮮で安全というのがもう一番ベターな供給の仕方だろう、こう思っております。食品を生産するに当たってはやはり農薬を使いますから、完全に農薬がないということは、これはまああり得ないことは私も承知しております。特に消費者の間でいろいろと関心が高まった一つの要因は、やはり輸入食糧にかかわる残留農薬の問題、特にポストハーベストで、収穫後に用いられる農薬というのは残留性が非常に高いというようなこともありまして、最近の我が国の食糧事情、もう御存じだと思いますけれども、カロリーベースで四六%しか自給率がないという状況ですから、大部分はもう外国から食料品が入ってくる、こういう事情の中でこういった問題がやはり大きな、まあ社会問題とまでは言いませんけれども、先ほど申し上げますように消費者の関心になっておる、こんなふうに思います。 きょうは主としてこの問題を中心にしてお二人の専門の先生から、ひとつこういった疑問も解明していただくように御努力を願いたい、こんなふうに思っております。 そこで、まずお伺いしますけれども、今申し上げましたこのハーモナイゼーションにつきましては、御案内だと思いますが、ガット・ウルグアイ・ラウンドで、検疫・衛生措置の適用に関する締約国による決定案ということで、次のような案が提示されております。ちょっと読んでみますが、「検疫・衛生措置が偽装された貿易制限となることを防止し、国際基準に基づいて各国の検疫・衛生措置の調和を図ること等を目的として、次に合意する。」一つは「国際基準が存在する場合には、自国の検疫・衛生措置を国際基準に基づかせることを原則とするが、科学的正当性等がある場合には、国際基準よりも厳しい措置を採用し、維持することができる。」二つ目は「各国の検疫・衛生措置を通報することにより透明性を確保する。」この二つになっておるわけであります。 この決定案につきまして専門のお二方から、ひとつ考え方と申しますか御意見がありましたら聞かせていただきたい。私は、これまでも申し上げてきたわけでありますが、まあ後からいろいろとお尋ねする中で申し上げますけれども、やはりそれぞれの国が科学的に定めたものですね。世界各国がそれぞれ英知を結集をして、これは後からお尋ねしますが、動物実験をしたり、あらゆる人間の健康に害がないように分析し、実験をし、そして一つの基準をつくるということになっておりますから、むしろそちらが原則であって、でない場合はいろいろな仕方でやるというのが、少なくとも健康を維持するという立場から見ればあるべき姿なんじゃないだろうかと思っております。 しかし、なぜこうなったかといいますれば、もう御案内だと思いますけれども、ある国が余り基準を強くすると、それが貿易の非関税障壁になる、こういう理由でこうなっているわけですね。ところが、この検疫・衛生の世界というのは、そういう貿易ルールづくりの一端に位置づけて、そして議論されるべきものではないんじゃないかというのがあるものですから、松山先生、戸部先生、どのようにお考えか、まず最初にお伺いをしておきたい、こう思います。
○松山参考人 お答えをいたします。 私は環境庁の公害対策審議会土壌農薬部会の農薬専門委員長でございます。したがいまして、環境庁が所管しております農薬登録保留基準、これにつきまして関連する部分をお答えをいたしたいと思うわけでございますが、この登録保留基準につきましては、国内で使用いたしております農薬の販売を規制することを目的として基準をつくるということでございまして、つくり方も御存じのように試験的に農薬を散布する。この試験的というのは、登録申請された使用方法どおりの方法で使用した場合に農薬がどの程度作物に残留するかということを、そういう残留データを勘案して基準を設定いたしておりますので、今先生の御指摘のような諸外国の問題等については勘案をいたしておりません。そういうことでございます。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○戸部参考人 戸部でございます。 今お尋ねの問題でございますが、食品衛生調査会の立場といたしましては、私はその中の毒性問題の専門家という形で担当さしていただいておりますけれども、今、御案内のように、この安全問題というのは、我々国民の生命あるいは健康を守る上で非常に重要な問題でございますので、今のお尋ねのガットとかいろいろなそういう問題とは別に、我が国の人たちの健康を守るという立場が大事でございまして、その基本姿勢でやっているわけでございます。 安全性の評価というのは、その基本になるのは、科学的データに基づくということは、これはもう基本でございますので、その科学的データというのは現在のところ主体が動物実験ということでございます。動物実験が主体でございますけれども、人でのデータのあるものは当然人でのデータも用いまして、現在の科学的レベルで最も鋭敏な方法で検討いたしまして、一定の我々人を含めた生き物に対して影響のないレベルというようなものを求めまして、それを基本に、あとそれをどういうふうに作物に残留が許されるかという形で配分するというような形でやっておりますので、あくまでも健康を守るということが第一義でございます。それに付随いたしまして、それをやっていく上で、例えば国際基準のあるものあるいはそれが参考にできるものは参考にするという形でございますが、くどいようでございますけれども、あくまでも我々国民の健康を守るということを第一義にしてやっているわけでございます。よろしゅうございましょうか。 以上でございます。
○目黒委員 残留農薬基準が定められる農薬は、その基準を超えて摂取するといろいろな障害が発生するということであるわけでありますが、例えば急性中毒とかあるいは慢性中毒とかがんとか、典型的にはそういうものだろうと思うのですが、しかし、いずれにしても農薬であり、化学兵器なんかにも塩化ナトリウムとかいろいろな化学物質——ナトリウムじゃない、何と言いましたかね、農薬の中に入っているいろいろな化学物質というのは化学兵器にも使われる、殺りく兵器に使われるぐらいですから、たくさん飲めば死んでしまうわけですね。したがって、人間が毎日食べても生涯余り支障が起こらない、こういうのをまず皆さんの方で求められて、一日摂取許容量というものを算出されて、これをもとにしていろいろと定められる、こういうわけですね。これを作成されるに当たりましてどのような実験をされるのか、動物実験、毒性実験をされるのか。どなたか、どちらでもいいですが、ちょっと……。
○戸部参考人 お答えいたします。 お尋ねの安全性の評価の手順でございますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたように、人で実験をするわけにまいりませんので、人のかわりとして動物を使っているわけでございますけれども、その動物を使った実験にはいろいろな種類がございまして、今お話に出てまいりました急性の影響の問題から慢性影響、あるいは胎児に対する、例えば奇形が起こるかどうかというようなことも含めて、あるいはさらにがんが起こるかどうかというようなことも含めて広い範囲の実験をやっているわけでございますけれども、そういう実験の結果、いずれの試験でも、与えた農薬の影響が出ないというところをまず一点調べることになっております。これは動物で影響が出ないということは、すなわち人でもおよそ出ないのではないかということを推定する材料になるわけでありまして、そういう意味で影響が出ない量を一つ求める。また一方、出るとすれば、どんな影響が出るかということで、量を上げまして、影響の出る量までやっているわけであります。例えば量を上げたときに肝臓に対して影響があるとか、腎臓に対して影響があるというようなことが出てくるわけでございます。そういうことでその農薬の性質を調べてまいるわけであります。 安全性の評価に使うのは、最初に申し上げましたように、影響のない量というのを利用するわけでありまして、これは動物の結果でございますので、その値を人に直接当てはめるわけにまいりませんので、これに一定の安全量というのを掛けるわけでございます。例えば百分の一にするというようなことが一つの方法としてございますけれども、そうしてその値を人で設定できる安全量という形にいたしております。今お話ございましたように、この量というのは、人が一生涯その量を食べても一応問題はないであろうということを推定させる量でございますので、その量を基準に安全レベルを見つけていくということでございます。 以上でございます。
○目黒委員 委員長、ちょっとお願いしますが、この辺の話がかみ合わないとちょっと先へ進めなくなりますので、私、わかりやすくパネルを用意してきたのですが、このパネルを使わせていただいてよろしいですか。
○石川委員長代理 はい。
○目黒委員 これからちょっとお尋ねしながら聞かせてもらいますが、今おっしゃったのは、ここが一日許容摂取量である。それで、この高さがADIである。それで、ここに達するには、例えば米から摂取するもの、それから小麦から摂取するもの、それからミカンから摂取するものと、こう積み上げるわけですよね。積み上げて、いわゆるこのADI基準としてここを定める、こういうことでございますね。 それで、これをつくるのに、今公的機関でこれをつくるのか、大体農薬メーカーがつくっておるのをそのまま使うのか、割合はどんなふうになっておりますか。
○松山参考人 お答えをいたします。 今の先生の御質問でありますが、昔は、いずれにいたしましても、これは農林水産省が、農薬を使う場合には登録しなければいけない。それで、登録するために農薬のメーカーは、先ほど参考人からお話しの毒性試験、残留試験その他もろもろの法律で定められた試験データを出すということでございまして、かつて公的な機関である程度試験をしなさいということもございましたけれども、国際的な取り決めがございまして、一定の操作手順でその試験を行う限り、その基準に合った試験機関で行った試験成績はそれを採用するということになっております。したがいまして、現状では農薬メーカーの試験、このメーカーの試験といいましても、メーカ自体がする場合は余り多くございませんで、むしろ実際に、毒性試験の専門機関がございますので、そういうところに委託をして試験する場合が多うございます。それから、先ほど申しましたように国際的な取り決めがございますので、一部は外国のそういう試験研究機関で試験されたデータも取り入れている、そういうことが現状でございます。
○目黒委員 大体話の筋はわかりましたが、例の外国の試験機関の部分ですけれども、私はそれはいわゆる毒性試験の適正実施に関する基準制度の導入、これを言っていらっしゃるのだろうと思うのですね。これは後からまた別に時間があればお尋ねしていきたいと思いますが、私が今申し上げましたのは、以前は公的機関で大体、大変これは金のかかる試験ですから、やっておられたのですが、最近試験の実施方法もかなり科学的に進んでまいって以前とは違うんだろうとは思いますけれども、いずれにしても少なくとも最低十二の実験はしなければならない。特に、例えば急性毒性試験みたいにばっとくれて、どのくらい与えたら百匹のうちネズミが半分死ぬのかというようなのは、これは簡単ですよね。ただ、二世代にわたってどんな影響があるかといったような実験については、これはかなり長期に実験を進めていかなければならないという問題がありますね。こういうことで、今のお話では大体民間のものを使うけれども、公的機関で実験をする。その公的機関というのは、先ほど申し上げました毒性試験の適正実施に関する制度の導入の対象施設として認められたところは全部公的機関とおっしゃったのですか、それともこれは区別されるのですか、どうですか。
○松山参考人 私は昔はと申し上げましたが、昔はと申しますのは、国、県等の機関でございます。大学も含みます。ただ、今先生御指摘のように、これは非常に金と、非常に施設が立派でなければ、恒温恒温、無菌状態の施設でなければ慢性毒性試験はできませんので、そういうことで、そういう施設等につきまして、現状の農薬につきましては農林水産省が検査をいたしまして、その検査で合格をされた受託研究機関が行っておるということであります。
○目黒委員 どうもちょっとよくわからない。民間機関と公的機関の割合はどんなふうになっていますか。
○松山参考人 ちょっと私はわかりませんが、慢性毒性試験は昔は大学等でもやっておりましたが、今申し上げたようになかなかできませんので、そういう試験はほとんどが農林水産省の審査に合格をした受託機関、例えば残留農薬研究所というのがございますが、そういったところでやっている、さように承知しております。
○目黒委員 これは参考人というよりも局長さんでもいいのですけれども、大体民間機関にだんだん権限を委譲するというか、メーカーがきちっとしかるべき施設で試験したものについてはそれを採用する、これは恐らく交換公文を外務省で交わしているのかどうかわかりませんが、そういう形で実施されておる、こういうことですね。 それで、さっき松山参考人の方からちょっと何か基準がまるっきり別みたいなお話ございましたが、用いられる、もとになる最大一日摂取許容量については同じものを使っていらっしゃるのですよね。ここのところはそのように踏まえておいていただかないと、環境庁の定める農薬登録保留基準というものがまるっきり別な根拠であるのかといえば、そうじゃなくて、先ほどお話がありましたように、農林省がメーカー等でいろいろと実験したものを使う場合は、当然ここの部分は同じものになっておるということですね。これはよろしゅうございますか。
○松山参考人 同じでございます。 ただ、敷衍して申し上げますと、農薬登録保留基準は、農薬登録の申請の際に申請者から試験成績がいろいろ出てまいりますので、その試験結果を中央公害対策審議会の土壌農薬部会農薬専門委員会で審査をして、基準値案を作成しまして、それを土壌農薬部会の審議を経て設定をいたしております。 設定に当たりましては、一つは先ほど御指摘の一日摂取許容量、ADIを決めまして、もう一つは今先生の御指摘のその表がございますが、一日当たりの農薬成分の摂取量を決めまして、それを勘案をいたしまして、ADIの中に入っているかどうか、十分安全側に入っておれば、その仮置きをした基準値案を基準値と、そういうように設定をいたしております。(目黒委員「水と空気も計算されるのですね」と呼ぶ)はい。
○目黒委員 このADI基準に基づいて、国民栄養調査などをもとに個々の食品の残留農薬基準を定める、こういうふうになるわけでありますが、昨年十月に三十四種類の残留農薬基準を新たに設定されました。設定に当たって、いわば三つの原則みたいなものを物差しにして策定をされた、こうなっております。それはお手元に持っていらっしゃるさっきの表の反対、裏側ですが、ちょっと申し上げてみますと、「残留農薬基準は、」「当該農薬の一日摂取許容量(ADI)等の安全性に関する資料、」二つ目「各農産物の摂取量を基に各農産物の農薬残留実態を考慮のうえ、国際機関、諸外国の基準を参考として、食品衛生調査会の答申に基づき設定する。」それから大きな二つ目「残留農薬基準は、各農産物について農薬毎に設定する。」大きな三つ目「残留農薬基準は、各農産物の摂取量から試算される理論最大一日摂取量がADI以下となるように設定する。」こういういわば原則に基づいて三十四種類の基準を新たに設定をされた、こう理解してよろしゅうございますか。——はい。 それで、私が特に説明していただきたいと申しますか思っておりますのは、この第一原則のうち、「国際機関、諸外国の基準を参考として、食品衛生調査会の答申に基づき設定する。」というくだりであります。 そこで、順次伺いますけれども、農産物中に残留する農薬に関する食品規格の設定に係る食品衛生調査会の答申、これはここにございます。これは皆さんから出されたあの答申ですが、これは平成四年四月二十八日に答申されたものであります。これがさかのぼること三年九月十二日に諮問されたものでありますが、諮問に当たって、原案は一体どなたがおつくりになるんですか。
○柳沢(健)政府委員 諮問に当たっての原案でございますけれども、食品衛生調査会の事務局は厚生省生活衛生局の方で担当しておりまして、そちらの事務局の方で原案をつくるということになるわけでございます。
○目黒委員 この前お伺いしたところと少しニュアンスが違うみたいな感じもいたしますが、この三十四農薬について毒性試験というのはすべて行われていなきゃならぬわけですけれども、これは少なくともこの部分についてどんな機関で毒性試験を実施されましたか。
○柳沢(健)政府委員 これは、毒性試験につきまして実施したというよりかも、各機関でもって実施したデータをでき得る限り収集したということになるわけでございます。
○目黒委員 おかしいですね。資料を収集してぽんぽん数字を書き込む。これは毒性試験の結果、やはり科学的に証明された数字が登載されなければだめなんでしょう。これはどうなんですか。
○柳沢(健)政府委員 毒性試験の結果をもとにしてADIを決定するわけでございますから、できるだけ幅広く知り得る範囲内でのデータを収集して、それを分析、解析した上での検討ということになるわけでございます。
○目黒委員 それはどこのデータですか。
○柳沢(健)政府委員 データは、我が国内外の民間、公立を問わずに、できるだけ幅広いデータを収集するということになるわけでございます。
○目黒委員 お話しになっておることはわかるんですよ。わかるんですので、もう少しその辺はっきり言っていただかぬとちょっと質問のしようもないのですが、先ほどの答申された農薬の中には、日本で使われていないものがありますね。これらのデータは国内で得られるはずがないんですよ。ですから、外国のものを使うのでしょう。だから、どこの試験機関で実施したのを登載されたのかと私聞いているのですよ。
○柳沢(健)政府委員 御指摘のように、当然我が国で保持していないデータにつきましては諸外国のデータを使用するということになるわけでございますけれども、個々にどこのデータを使用したのかということにつきましては、現在ちょっと資料を持ち合わせてございません。
○目黒委員 これは先回もそうですが、大体同じところを聞いているのですよ、私。きょうは資料がなくて答えられない、こういう話。先回は食品衛生調査会で議論をされて定めたと、こうなったものですから、私はこの質問はあそこで打ち切ったわけですよ。今度はまた資料がないでわからぬじゃ、これは困るわけでありまして、それはないはずはないのです。しかし、本当にないとすればそれは問題ですけれども、先ほど申し上げました日本、アメリカ、ドイツ等々については、試験研究機関の相互乗り入れとでも申しましょうか約定したのがございますね。あれに基づいて試験機関施設も検証し合う、データもお互いに検証し合うというわけですから、あなた、一億二千万の国民の健康を守ろうというのに、どこのものを使ったかと聞かれて、これは二回目なんですよ、わかりませんという話は私はないと思うのですがね。(発言する者あり)
○石川委員長代理 お静かに願います。
○柳沢(健)政府委員 現在、本日手元にはございませんけれども、後日そのデータにつきましてお出しいたしたいというふうに存じております。
○目黒委員 これじゃとても、これでもう二回目ですよ。 じゃ、ちょっと伺っておきますが、私特に問題にしておりますのは、後から申し上げますが、いわゆるポストハーベスト農薬と言われるものについて申し上げているのですよ。これはアメリカで使われる、あるいはまたよその国でも港を出るときに使われるというわけでありますから、必ずしもその国でつくった農薬とは限らないわけですね。ですから、やはり安全性について科学的にどのように証明されているかということについては、これはやはりしっかりきょう答えてもらわなければなりませんですよ。後からちょこちょこ持ってこられても、わかりましたというどころじゃないのですよ、これは。はい、よろしいですか。
○戸部参考人 今お尋ねの件は、調査会におきます資料については、一つの農薬についてもかなり大量のデータがございます。したがいまして、今の御質問のようにとこのデータがどのくらいあったかという、あるいはその比率はどうかというふうにお尋ねになられますと、実は全体を通してどのくらいというお答えをしなきゃなりませんので、非常に答えにくいわけでございます。したがって、細かいデータは今ここで申し上げても恐らくもう尽きるところなくあるわけでございまして、今御案内のように、一つの農薬についても少なくとも十種類くらいの毒性試験をやっておりますので、その試験をまた一つの研究所がやるというふうになっておりませんで、急性試験はAというところ、あるいは慢性試験はBというところというふうになっておりますので、それぞれの農薬についてどういう資料があったかということは、そのときの資料をもう一度よくまとめないと正確なお答えができないわけでございます。 したがって、全体としてはそうでございますけれども、今のお話のように、我が国で使っていないものについては我が国にはそういう資料がないのではないか、つまり国内でやられた資料はないのではないかというお話でございますが、まさにそういうものもあるわけでして、外国の資料が主になるものもあります。したがって、そういうものについても、国内の資料でも国外の資料でも、本来調査会のメンバーは余りそれがどこで行われたかということにはそう主眼は置きませんで、そのデータの信憑性を主眼にしてやっておりますので、それはそういうふうに御理解いただいて、国の内外ということでは余り資料についての、最初からそれを差別するということはないということを申し上げておきたいと思います。
○目黒委員 せっかくお答えいただいたのですけれども、私がなぜこんなところで長々と時間をとっているかと申し上げますと、後からハーモナイゼーションをやるとき、つまり統一基準をつくるときもしくは参考にするときにどのようにされたかということにかかわるものですからお尋ねしているわけですよ。 それで、先ほど来申し上げておりますように、農薬のGLP、毒性試験の適正実施に関する基準は、何度も申し上げておりますが、それぞれ検証したものについては交換し合う、情報交換するというわけですから、例えば日本で使われていない農薬で今回残留基準が定められたものについて、カナダならカナダ、米国なら米国のこういう農薬メーカーでつくったものですとか、こういう試験機関でつくったものですというものぐらいはなきゃならないんじゃないですか。そこのところきょうはちょっと聞けなかったんですけれども、ちょっとその辺が見えてこないとどうも先に進みにくいわけでありますが、どうですか、その辺はもう少し、私だけじゃなくて、一般消費者の皆さんも聞いていてわかるようなお答えというのはできないものですか。
○戸部参考人 今GLPの話がございましたけれども、一般の方に少し理解を深めていただきたいということで、少し長くなるかもしれませんがお答えをさせていただきたいのですが、今お尋ねのGLPの協定というのは、今試験のデータの信頼性を保証するという意味で各研究機関の精度を一定にしようということでやっておりまして、それとデータとの関連は一応ちょっと別の角度でございます。したがって……
○目黒委員 そういうことじゃなくて、もう御存じだろうと思いますから私余り説明しないのですが、「取り決めの主な内容」というところに「GPの適合状況」「毒性試験データの検証報告」「制度の運用に関する情報」、これで決まっているんじゃないんですか。
○戸部参考人 その協定というのは、試験機関の信頼性の協定でございます。したがって、例えばアメリカと日本で結んでいる協定に基づきまして、アメリカでやったデータも我が国でやったデータもそのデータをお互いに交換して評価できるということでございまして、交換しようということではございません。
○目黒委員 だから、何かちょっと心配をしておられるようですが、ここにデータが出たから直ちに日本に当てはめているんじゃないかなんということを私申し上げるつもりはないんですよ。さっき局長のお答えにありましたが、詳しいものを今持ってきていませんという話でしたが、この実験データの検証報告、交換だとか参考にするためのお互いの提供というのは、これは決まっておるわけですから、そんなものはとろうと思えば幾らでもとれますし、それなくして私は日本で使われていないポストハーベストに使う農薬の基準を決められるわけはないと思うんですよ。参考資料も何もない、なかったら決められないですよ。こういうものを参考にしてお決めになるのでしょう。そうでしょう。ですから、それはあったんでしょう。 そこで、ここにだけつかまっておられませんからお聞きしますが、これまで日本に何らかの基準が定められておった農薬で、後から問題にしますが、クロルプロファム、除草剤、殺虫剤、フェニトロチオン、それからマラチオンなど、すべてこれはポストハーベスト農薬として使われておるのですが、この答申に基づく数値は、すべて非常に高い数値が基準値になりました。これはどうしてもなかなか理解しにくいところでありまして、環境庁の登録保留基準よりもはるかに高い数値にそれぞれなっております。ですから、実態としてはポストハーベスト農薬入りの食品が入ってきても差し支えない数値に大体置きかえられている。これは後から申し上げます。これは一体どういうことなんですか。そういうデータを参考にしてそうされたのですか。もっとも原案は事務局がおつくりになったそうですから、どうしてそういう数値原案になったのかも聞かせてもらいますけれども、いかがですか。
○戸部参考人 このたび答申された数値でございますけれども、今お述べになりましたように我が国が持っていた登録保留基準よりも数値が大きくなった、つまり緩くなったというふうに一口で申しますけれども、大きくなったものもありますし、あるいは逆に強くなった、厳しくなったものもあるわけでございます。 それはなぜそうなるかといいますと、先ほど来申し上げておりますように、安全性の一つのよりどころは、ちょっと横文字で恐縮でございますけれども、ADIという実験の結果に基づいた安全量に基づいているわけでございます。仮にそれが例えば一〇という数値であるといたします。先ほどパネルをお示しになりましたが、その一番上に書いてありましたADIというのがそれでございますが、それが一〇あるとすると、それを各作物に一、二、一、一というふうに割り振っていって一〇の中におさまるというふうにやっていくのが原則でありまして、先ほど下から積み上げたというふうにおっしゃいましたが、それはちょっと順序が逆で、全体としては同じことになりますけれども、ADIが先にありまして、そのADIの一〇を各作物に割り振れば、各作物当たりどのくらいになるかということで割り振っているわけでございます。したがって、その範囲内で事がおさまれば、安全の今の評価方法から申し上げまして問題はないということになるわけであります。 それで、今まで決められていた作物残留、例えば一〇のうち一決まっていたとしますと、あとまだ九はあるということになります。その九をどういう配分で割り振るかというのは、その農薬が使われる作物の状況によってそれぞれ別でございまして、例えばそのうちから三なければならないというものには三、一でいいというものには一というふうに割り振っているわけでございます。それが一つの割り振りの道筋でございます。 よろしゅうございますか。
○目黒委員 いろいろ御丁寧に説明をしていただいて、これは大変恐縮でございます。 伺いますが、このクロルプロファム、先ほど申し上げました農薬、この新しく設定された基準は、環境庁のこれまでの基準が、バレイショ、里芋、カンショ、山芋、コンニャクその他の芋類、これはすべて〇・〇五ppmでした。もう一度申し上げる、〇・〇五ppmです。ところが、バレイショだけがなぜ五〇ppmに引き上げられたのですか。これはわからぬところなのですね。 最近、バレイショの加工食品というのは非常に消費がふえているのです。御案内だと思いますが、子供がケンタッキーフライドポテトだとかなんとかかんとかとたくさん食べるようになっている。このバレイショだけが、輸入してくる場合に、発芽防止剤としてこのクロルプロファムを使うのですね。わざわざ芋類の中からバレイショだけが従来の環境庁基準の千倍になった。これはどうしてこうなったのですか。
○柳沢(健)政府委員 先生ただいま具体的な事例といたしましてクロルプロファムという農薬を御引用されましたわけでございますけれども、仰せのとおり、クロルプロファムの登録基準と、それから残留農薬基準にはそのように大きな差があるわけでございます。 クロルプロファムの登録保留基準は、これは国内における除草剤としての使用を考慮したものであるのに対しまして、一方、残留農薬基準としてのクロルプロファムは、外国においてバレイショの収穫後に発芽防止の目的で使用されることを考慮して設定いたしたわけでございます。残留農薬基準は、仮に設定された基準値の上限まで農薬が残留した食品を摂取いたしたといたしましても、先刻御案内のとおりに、農薬の摂取量が科学的に定められた安全レベルである一日摂取許容量、いわゆるADI以下となるように設定されているところでございまして、したがって、クロルプロファムの残留農薬基準はいずれもADIを超えることはなく、安全性の面で全く問題はないというふうに考えられるわけでございます。 例えば、クロルプロファムにつきましては、バレイショにつきましてこの残留農薬基準値を五〇ppmとしたわけでございますけれども、この場合、一人一日当たりのクロルプロファムの摂取量は、最大でも、これは計算によりますと一・五ミリグラムでございます。この摂取量はクロルプロファムの一日摂取許容量、いわゆるADIの三〇%にしかならないということから申しても、安全性は十分に確保されているものと考えておるところでございます。
○目黒委員 医療機関の専門家の皆さん、今のお答えでいいのですか。
○戸部参考人 大筋として結構でございます。
○目黒委員 ちょっとはっきり言わないで悪かったですが、そうすると、公害対策審議会も食品衛生調査会の方も、ADI基準を突破しなければどんどん食べるようにこれからセットするのですか、農薬を。
○戸部参考人 安全性の考え方といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、ADIというのがよりどころになっておりますですね。そのADIの中におさまる範囲であれば、これは現在の科学的な水準の考え方からいって一応安全というふうに認めているわけでございますので、先ほどの、我が国では除草剤として使っておりましたけれども、そのADIの残り分がかなりありますので、その範囲内におさまるようであれば、これは安全上問題ないということになりますので、その範囲内で今の五〇ppmが決められたということでございますので、一応問題がないというふうに言えるわけでございます。
○目黒委員 だから、これからやはりそこが問題だろうと思うのですね。 本来、食品の中に有毒物質というのはやはり混入されているべきじゃないのですよね。ないのですよ、それは。それがいろいろとやってみて、ポストハーベストなどというものを使わなければそんなに高い基準は必要がないから、今までも〇・〇五ppmで、バレイショについては環境庁基準の適用で走ってきたわけですよね。あなたの今の御説明でいいますと、別に反論をするわけじゃないのですけれども、いや、これだったら芋類全体をおやりになっても摂取量からいってそんなに違わないというふうに受けとめるのが一般の感じなんだろうと思うのですよ。 私、言いたいのは、高いよりも低い方がよろしいという物の考え方で臨んでおられるのか、それとも基準までだったら残留農薬を食べさせてもいいわいというお考えで職務を遂行しておられるのか、ちょっと心配になってきたので、もう一度ひとつ。
○戸部参考人 できるだけ低い値で抑えるというのは、同じように原則であります。したがって、その範囲内でおさまるものはできるだけ低いところにおさめてきているわけでございます。
○目黒委員 そういうことで、私はこれからも、この間の局長のお答えですと、六十九農薬について今調査会でいろいろと審査をしておられるのだそうですね。やはり外国の農産物がどんどんどんどんとふえればふえるほど、あるいはまた設定されていない残留基準をこれからどんどんどんどんと設定していくに当たって、どうしても今申し上げたような外国のデータもしくは高い基準が日本の基準になっていくことは避けられないと思うのですね、ハーモナイゼーションをやっていくについて。 したがって、私はそういうことにならないようにこの間も申し上げたわけでありますが、やはり今申し上げましたような大変毒性の強い農薬についてはできるだけ下げる、こういう考え方がやはり基本にあって、そして対応される必要があるのじゃないか、こんなふうに思うものですから、あえて申し上げさせていただきました。 同じ意味で、マラチオンですね、マラソンなどと言う呼び方もあるようですが、これなんかも実は穀類の中で米だけ残して、麦は今度引き上がりましたね。それから、果実に使う農薬についても、これはうんと今までの環境庁の定める基準よりも緩められました。いずれもこれ日本にたくさん輸入をされておるもので、基準が大変緩められたのです。これから定められるものも含めまして、私はやはりどうもまだきょうは納得できませんが、千倍、それから物によっては八十倍、十六倍というふうに引き上げられておる残留基準、これは再検討して、高い基準については、やはり私は少なくとも環境庁が今までおやりになった数値との国内の科学的正当性というものを得るための協議は必要なんじゃないかと思うものですから申し上げておるのです。 環境庁に伺いますけれども、千倍も超える基準を定められますと環境庁の基準というのは消えてしまうのですが、これは環境庁と厚生省の間で協議をされて、そして基準を定められたものなのですか、いかがですか。 もう一つつけ加えますと、環境庁の基準というのは別に科学的根拠のない基準じゃなかったと思うのですよ。そういう観点でひとつ答えてもらいたい。
○赤木政府委員 環境庁で定めております作物残留に係る登録保留基準は、国内で販売、使用される農薬で、国内での使用の方法を前提とした場合の登録するというときの判断基準でやっておるものでございまして、先ほど来お話ありますように、そういう使用方法によって毒性試験等をもとにADIというものの範囲内で基準値を定めておるものでございまして、したがってその数値というのは、国内で使用した場合に登録できるできるだけ低い数値という形で決めておるものでございます。 そういうことで決めてございますので、もともと食品規格基準というのは国内で流通する食品全部について基準値を設定しているわけなので、流通規制もこの措置には整っているということになってございまして、作物残留に係る登録保留制度の発足時から、食品規格基準があればそれを登録保留基準として適用するということを原則としてやっているわけでございまして、そういう食品規格がない農薬については環境庁独自で別途の基準をつくるという制度にいたしておるわけでございます。 したがって、こういう考えから、環境庁が定める基準についても、食品規格基準が設定されますと、本則、それ以降は食品規格を登録保留基準として適用するという考え方になってございます。先ほど来お話ございますように、食品規格も一日摂取許容量を前提としてございますので、そういう形で農薬の登録保留基準として適用することについては問題ないというふうに考えてございます。
○目黒委員 食品規格基準の方へ言及されることはないと思うのですが、私は、環境庁の基準は、今ほどお話にありましたように、厚生省の基準が定まるまでの間はそれを基準として用いるという点では、この基準ができ上がる基礎になっておるものは皆同じだという立場で物を言ったわけで、その点は何も変わりないわけですよね。 もう時間がなくなりましたが、これからもあることですけれども、アメリカと日本で大変、食品の貿易量、というのは日本は輸入国で、日本が輸入してくるのが多いのですが、明らかに違っている数値のがたくさん残っていますね。日本が〇・一ppmに対して向こうが八ppmといったようなもので、ここにもアメリカのポストハーベストの部分の基準と日本の基準を比較したのがございますけれども、一々皆読み上げられません。たくさんありますが、これはやはり日本で食用に用いているものについては恐らくこれからも基準設定が行われるのだろうと思うのですが、違った基準というものを、ほとんど違っている基準というものを皆さんの方では合わせる、これはそのとおりなんですよ。今までも、昨年十月やられたのは、先ほどの五〇ppmもそうですけれども、みんな合っているのですよ、ちゃんと。合わされているのですよ。 どうやって合わしたかということについては、向こうの試験データはきょうは出てきませんでしたから、合わせ方の全体像というのはまだわからないのですけれども、皆さんの方は書類審査をして合わせるというお答えしかどうもちょっときょうは理解できないのですけれどもね。そういうことではなしに、やはり合わせるについては、農林大臣、厚生大臣いらっしゃいますが、やはりこれらの問題は皆さんの指揮のもとでやっていただかなきゃならない問題だろうと思いますので、環境庁、厚生省、それから農水省、この取り扱いについては、私はやっぱり非常に、何といいますか、密室でやられるような感じで、出てきてみんなびっくりするといったようなことではなしに、きちんと今後は不安のないようにこうしてやりたいというようなことについて、お話を聞いていらっしゃって、御意見あるいは考えていらっしゃることがありましたら、それぞれお伺いしておきたい、こう思うのですが、いかがですか。
○柳沢(健)政府委員 先ほど来先生の御指摘の問題でございますけれども、私どもといたしましても、安全性に問題のない限り国際基準の採用についてまず検討を行うということにいたしておるわけでございますけれども、それはあくまでもその前提は安全性に問題のない限りということでもってこれからも進めてまいりたいと存じます。
○林(大)国務大臣 大変うんちくの深い目黒先生のお説も伺いながら、やはり第一に安全性の問題でございますので、その安全性をどうするか、これは規格基準が大事でありますけれども、それにつきましては、自信を持って安全性について取り組んでおるということで、政府委員の方から答弁させますが、よろしゅうございますか。
○赤木政府委員 環境庁長官が定める農薬登録保留基準でございますが、データに基づきまして、国内での使用を前提としながら必要最小限の基準で今後とも設定していくような考えていきたいと思っております。
○田名部国務大臣 この種のものは、なかなか国民の皆さんに、どこからが安全で、どれが危険かというのはわかりにくいと思うのですね。私たちもそうであります。もう信頼をして食物は食べるわけでありまして、その都度どうかということは我々ではなかなかわかりにくいというだけに、やっぱり信頼されるに足るきちっとした対応、国民はもうこれを信用するかどうかですから、自分で実験できるわけでも何でもないだけに、目に見えないものに対する不安というものは常に、水でも空気でも、こういうものでもあるわけですから、そういうものはやっぱり責任を持って安全なものを、間違いないものを、こうした態度で取り組んでいく必要がある、こう考えております。
○丹羽国務大臣 先ほどから先生と参考人の先生とのやりとりを拝見いたしておりまして、基本的には、私ども、これまでも申し上げておるわけでございますが、食品の残留農薬につきましては、一日の摂取許容量の範囲を超えない範囲で国際的なハーモナイゼーションというものを図っていく。しかし、私どももこのウルグアイ・ラウンドにおいて主張いたしましたように、あくまでも我が国の実情というものを主張して、科学的な正当性というものをこれからも主張していきたい、こういうことでございますけれども、非常に率直に申し上げて、専門的な先生同士のやりとりをお聞きいたしておりまして感じましたことは、残留農薬というのは、確かに先生がおっしゃるとおり、基準をさらに厳しくできればできるにこしたことはないな、こういう素朴な感じがしないでもないわけであります。しかし、その一方で、御案内のように食料品も輸入に依存しておる、これも紛れもない事実でございます。 そういう中において、私どもは今後機会あるごとに、FAOであるとかあるいはWHOなどにおいてさらに厳しい基準が設けられるように機会があることに働きかけていきたい、こういうような決意を新たにいたしているような次第であります。
○目黒委員 少なくともデータなどについては公開されておるんだろうと思いますが、これは必要があれば全部公開されますね、入っておるのは。いいですね。はい、わかりました。 次に移らせていただきます。非常に時間がなくなってしまいました。参考人、ありがとうございました。厚生大臣もこの辺でよろしゅうございます。 きょうは、実は環境と農業の問題で幾つかお尋ねをしたいと思っておったわけでありますが、大変一つの問題で時間が過ぎてしまいました。お話を申し上げた課題全部というわけになかなかまいらなくなったわけでありますが、まず一つは地球環境サミット、昨年六月ブラジルで開かれたわけでありますが、ここでは地球温暖化防止のための気候変動に関する国際連合枠組み条約、それから生物種保全のための生物多様性条約、この二つに調印をされて、そしてリオ宣言、アジェンダ21宣言というのに集約をされた形で一応終わっておるわけであります。 いろいろ聞かせていただきますと、日本もそれなりの役割を果たして、一兆円の拠出を約束されてきておるというような、いわゆる環境ODAと称して21宣言に盛り込まれた一兆円の拠出約束と申しますか、これは環境庁お聞きになっていますか。環境庁長官が出席されての話のようですが。
○加藤(三)政府委員 先生おっしゃられましたように、昨年六月の地球サミットにおきましては数々の成果を上げたわけでございます。その中で、日本政府といたしましては環境分野のODAにつきまして今後五年間、九二年度から五年間にわたって九千億円から一兆円をめどに拡充をするということを政府として表明をしたわけでございます。
○目黒委員 これはどこまで検討が進んでいるのかわかりませんけれども、環境ODAといったような一つの考え方というのが、これまでの政府開発援助とは違った形で構想されているのでしょうか。これはどなたがいいのでしょうか。
○川上政府委員 お答え申し上げます。 今御指摘の環境分野の援助の問題でございますが、環境庁からもお答えがございましたように、リオでああいう形で五年間の九千億から一兆円というめどを国際的に示したということでございます。 援助につきましては、一般論で申し上げますと、環境の分野も同様でございますが、おのおのの相手国の発展段階だとか、出てきますニーズといったようなものに応じまして機動的に適切に運用していく必要があるということで、そのような発展段階等を十分頭に置きながら、どのセクターが一番ふさわしいセクターなのかといったようなものを勘案しながら考えていく。ただし、昨年つくりましたODAの大綱、政府開発援助大綱にもございますように、環境と開発というものを両立させるということが政府開発援助の大きな原則、第一の原則に盛り込まれたわけでございまして、環境分野に対する今申しましたような援助を充実するとともに、それぞれのプロジェクトにおける環境的な視点というものに今後十分配慮してまいりたい、かように考えている次第でございます。
○目黒委員 わかりました。 次に、先進二十四カ国で構成しておりますOECDの農業と環境に対する関心あるいはまたそれに基づく作業というのが非常に進んでまいっておりまして、ポスト・ウルグアイ・ラウンドの大きな課題と言われておりますこの環境と経済活動にかかわる部分のうち、農業にかかわる部分についてはかなり検討が進んでおる、こんなふうに聞いております。 検討課題というのは、農業と環境政策をどう統合させていくか、それから持続的農業の経済分析、貿易、農業、環境の相互関係、農業の公益的機能、農業と環境の因果関係といったようなテーマに分けて検討が進み、一定のまとめができますと、大体このような農業はどうでしょうかという形になってあらわれてくるんだろうと思うのですけれども、農水大臣、この辺はどんなふうに受けとめていらっしゃいますか、あるいはまた環境庁の方でも受けとめていらっしゃるといたしますれば、考え方をお聞かせ願いたい。
○加藤(三)政府委員 先生まことに御指摘のとおりでございまして、OECDにおきましても農業と環境につきましてはかなりこれまでも検討がなされてきております。と申しますのも、農林業は自然の物質循環にその生産の基礎を置くものでございまして、その基本的性格が環境保全型のものであるというふうに思いますが、その一方で過剰な肥料や農薬の投与といったような環境にさまざまな影響を及ぼす面もあるわけでございます。 そこで、OECDにおきましては、これまで主に環境政策委員会におきまして、農業政策と環境政策の、先ほど先生のお触れになりました統合の問題に重点を置きまして活発な議論がなされております。また、ことしに入りまして、一月でございましたが、環境政策委員会におきましてもOECDの農業委員会との合同の作業部会を設置をする、これはことし、九三年、九四年の二年にわたって作業を進めて、先ほど先生のお触れになりましたような農業と環境が持つさまざまな側面を検討するということになってございます。
○目黒委員 こういった状況を踏まえまして、これまでのOECDの環境大臣会議、農業大臣会議等を経て、そして各国の環境政策も含めてレビューをするということで、ことしはどうやら日本にOECDのミッションが参るようですが、これは環境庁あるいは農水省、関係省庁で対応されるんだろうと思うのですけれども、日本の場合はこれはどのように対応されていくお考えでしょうか。
○加藤(三)政府委員 OECDにおきましては、いろいろな政策分野につきましていわゆるカントリーレビューという方式をいろいろとやっておるわけでございますが、環境分野につきましても、平成三年一月に開かれました第四回の環境大臣会議におきまして、新たなイニシアチブといたしまして、各加盟国の環境政策といったものをレビューをしようということが合意をされまして、平成四年から五年にかけましてはパイロット的な審査を行うということになってございます。既にドイツその他幾つかの国がパイロットの審査を受けでございます。 日本につきましては、平成五年にパイロット的な審査を受けるということになってございまして、その第一陣といいますか、最初の作業として、この四月にもレビューをする調査団の訪日が予定をされておるわけでございます。これに対しましては、外務省その他関係する省庁ともどもと一緒になりまして、積極的にこのレビューに応じてまいりたいというふうに思っております。 私ども環境庁といたしましては、環境政策に係るこれまでの経験や成果というものを広く諸外国に分かち合うとともに、今後の政策の進展、加盟国での進展にも役立つということで全面的に協力してまいりたいというふうに思っております。
○目黒委員 それにしても農林大臣、あるいは環境庁長官もそうですが、日本をレビューするに当たって、どうも、少なくとも農業と環境を結合させた施策というようなことになってまいりますと、日本の場合まだ大変、ヨーロッパと比べますとまだまだ緒についたばっかしといったようなことで、施策が十分にまだ取り入れられていない段階になっているんじゃないかということを私は思うんですね。 特にそういう立場から中山間地の状態などを見てまいりますと、中山間地は農業にとっては大変条件不利の地域でありますが、荒廃が大変ひどくなっておる。それで、過疎化も進んでおって、人口の自然減市町村が全体の四〇%にもなっている、高齢化も進んでおる、そして担い手もいない、耕作放棄地もどんどんと増大する一途であるというようなことから、このままではなかなか日本の中山間地域の生産基盤の維持が難しいという状態で、ある意味ではもう限界まで来ているんじゃないか、こんな感じが実はいたします。 それで、新農政でもそれなりの取り組みはあるようでございますが、しかし、現実の施策というのを見てまいりますと大変これは寂しい限りでありまして、今インフラの整備が進められておるわけでありますけれども、生活に直接関連してまいります集落排水なんというのを見ますと、十二万集落あるうち十年間に三万集落に整備を進めていこうというような水準にあって、私は、このまま十年推移したなら、整備される三万は別として、あとは生き残れないような状態になってしまうんじゃないかということを大変心配するわけでありますが、実はこれ、本当は総理あるいは大蔵大臣にも加わってもらって、こんな状態をいつまでも続けていていいのかということについてそれぞれ決意を聞こうと思っておったんですが、中山間地域の荒廃に対して、このままのペースで、農林予算を中心にした施策の展開で果たして守れるのかということになってくるわけでありますが、この点ひとつ伺っておきたいと思います。 私はどうも、環境保全と農業とよく言われますけれども、何をどのように持っていくのかという理念みたいなのが日本じゃ決定的に不足しているんじゃないか。国民に向かっては、国民的な合意が得られてないと、こういうふうに言われますが、ヨーロッパで所得補償政策を導入するまでの過程というのは、私も若干振り返ってみますと、それなりにああいう施策を展開をしなきゃならないいきさつというのがあって今日に来ております。 一時期、やはり農業生産を高めよう、合理化していこう、機械化していこう、近代化していこうといってやった。ところが、過剰生産を生み出した。そして、気がついてみたら環境を著しく破壊しておった。このままいったんでは農業を持続することができないというようなことで、所得政策の導入、あるいはアメリカでは低肥料、低農薬に対して補助金を出すといったような政策展開になっておる。 日本の場合はそのちょうど中間みたいで、どっちが環境保全と農業を結びつけた政策になっているのか、これまでの、市場経済一辺倒とは申しませんが、いわゆる生産第一主義で走っていくのか、ここが全然中途半端なまま今走っている状態になっておる。それで的確な施策が展開されない、まあこんなことなんじゃないかと思うんですね。ヨーロッパを見てみますと、やっぱり環境を破壊してしまって、そこを復元する費用よりも、やはり所得政策によって環境破壊を防止する、こういう政策の方がより効果的であるという認識に立ってあのような政策展開になった、こう思うわけですが、日本で環境と農業ということを口にされる場合に、どういった物の考え方でこの施策を展開されようとしておるのかここのところがよくはっきりしなくて、国民にわかりにくいところになっているんですが、いかがですか、この点は。
○田名部国務大臣 環境の中でも、国土の保全でありますとか、そういうものと、あるいは食糧という面で環境を保全するということと、まあ両面あるんだろうと、こう思います。一つの、今ブラジルのサミットで言われておりますアジエンダ21、こういうものは、増大する人口ですね、大変ふえると、こう見ておる。その食糧の確保をどうするか、環境の配慮をどうするかということで、私たちも今いろいろと、農薬でありますとか肥料、家畜のふん尿、そうしたもののリサイクル等を含めていろいろと検討をする。確かにアメリカ、ECよりおくれておるという面は、これは事実でありまして、まあそれだけ、例えば農薬等の使用による汚染度、こういうものは、農業、水田が多いものですから、割合汚染されにくい状況にあったということで、そういう面ではおくれておったろうと思うんです。 そこで、中山間地につきましても今おっしゃるようなことでありますから、環境を維持しながらどうしてこの中山間地を守っていくかということで、今いろいろと検討をいたしております。間もなく法案でお願いをするわけでありますけれども、何といってもECと日本とは基本的に、まあ土地の条件が全然違うということですね。国土が狭くても平地が多いヨーロッパと、まあ四〇%が中山間地と言われる日本、このことを向こうの条件でやるとすれば、いろいろまたここに問題が出てくるわけであります。 もちろん国民のコンセンサスというものも見なきゃなりませんけれども、一体どこからどういうふうにやるかというところが非常に難しい。基盤整備がECの場合はもう大体完全に行われておるという状況、私の方は基盤整備もおくれておりまして、それもしていかなきゃならぬということと、やっぱり所得政策、これができないと、中山間地に残れ残れといっても、現状もどういう状況にあるかというと、まあ私の方でもそうですが、割合、比較的都市部に近い、一時間程度のところは、そこで所得を得ながらそっちを守っているという格好になりますが、そうでないところもあろうと思うんです。 そういうことを、ばらばらなもんですから、一概にこのECのデカップリングのようなものをすぐ取り入れるということはなかなか困難もあろうと思うので、今度はそういうことで、詳しいことはもう時間がありませんから申し上げませんが、いろいろとそんなことを言っても、所得が他産業並みになれるような体制、それからどういうものをやるかということについても、いろいろと具体的に指導しながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。 時間が限られた時間でありますから詳しい話ができないことが残念でありますけれども、大体大ざっぱに申し上げてそんな感じで進めていきます。 〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
○目黒委員 私は今、大臣それから環境庁長官も、意見として聞いていただきたいのですが、簡単に申し上げたのですけれども、環境が破壊されて、そしてそれを復元させるために投資する費用よりも、今やはり環境を維持し持続させていった方が、安上がりと言っては語弊がありますけれども、経済的であるという物の考え方があって農業のデカップリング等が実行されておる、簡単に言うとそういうふうに理解をしておるのですけれども、日本でも今やっておかないと中山間地域というのは、農業がだめになるという話じゃもうないんですね。地域社会経済が丸ごとなくなっちゃうんですね。 ですからこれはもう大変なマイナスの資産をつくっておるのでありまして、いつかアメリカ上院の、あれは何委員会でしたか、日本で生産調整をやったときに日本に調査に来て、向こうへ行って報告した報告書がございましたね。あの報告書には、あれだけ生産調整をやっておる日本が、荒らしてしまった農地を復元するのに莫大な費用がかかるから、アメリカから安定的に食糧を供給すればそういった投資はしないであろうと書いてありました。それよりもまだ悪いですね、もう環境復元なんかはできなくなるのでありますから。これは相当思い切った施策の展開がないと、私はもはや中山間地を維持することはできないと思いますね。 それで、大臣の決意も伺いたいと思いますし、そういう状況でありますから、きょうは、官房長官もどこかへ行かれたので、これは大蔵大臣も、大臣のという立場でおっしゃっていいのかどうかは別といたしまして、財政を賄っていらっしゃるわけですから、私はそれこそGNPの一%ぐらいはつぎ込んでこういった状態をやはりなるべくこれ以上深化させないようにしていく施策と決意が必要だと思うんですが、両大臣、いかがですか。
○田名部国務大臣 山を守ってもらうということでそういう補償ということは、これはないわけではないのだろうと思うのですが、じゃしからばどの程度やるのか、それで本当に残るだろうかという問題があるわけですね。ですから他産業並みに補償すればこれは別でありますけれども、そうでないとすると、やはりそこで農業として本当に生計が成り立つ、まあしかし全部とは私は思っておりません、今申し上げたように七割が二種兼業でありますから、それをなくしないという方法も一つ。そういうことをいろいろと検討すると、なかなか国民が、ああそれは結構だということになるだろうかなという疑問も感じます。いろいろと考えながら、そうはいってもやはりそこに住んでおってそこで収入が上がる道というものを探してやらぬと、これは定着しないと何にもならぬわけですから、そんなことで御理解をいただきたい、こう思います。
○林(義)国務大臣 目黒委員の今のお話でございますが、中山間地域というのは私は大変な問題を抱えていると思うのです。農業のやはり集約化、機械化というものがなかなか正直言ってできない、こういうふうなこともありますし、それぞれの地域においてどういうふうなことをやっていくかということを本当に真剣に考えていかなければいけない問題がたくさんあると思いますし、大蔵省といたしましても、農林省の方で新政策を考えておられますし、それに沿ってことしの予算も相当思い切ってつけておるところでございます。 思いますのに、農業生産性の問題もさることながら、私など見ておりまして、この山間地域というのはだんだん農業人口が減ってくる、若い人がだんだんいなくなりまして、もう農業をやっているのはみんなお年寄りだ。今私らのところでも、両方海に面しておるところがありますが、海に面したところより、山の中の方に入りますともう老齢化率が物すごく速くなっちゃって、二〇二〇年に老齢化だとかなんとかといいますが、もうそのぐらいの率になっちゃっているのですね。これから一体どうなるんだという私も心配をしておりますし、これは全国的なことだろうと、こう思っておりますし、ここをどうしていくかというのは国土の保全ということからしても大変な問題だろう、そういう認識を持って取り組ませていただきたいと思います。
○林(大)国務大臣 時間がございませんので、極めて簡単に申し上げます。 農業と環境の統合というこの理念でございますけれども、これはいずれも自然と離れられないということに一番の根本があると思うのです。今、環境を大事にするというのは、まず自然を大事にするということでなければいけないわけです。自然破壊が余りにも進んだからこそここで改めて自然を大事にする意識が初めてよみがえってきた、これが今世界的な趨勢になっておる。そのときに、農業はやはり自然の中にあって自然とともに生きていく、これが農業でありますので、ちょうど一致するわけであります。しかも、いずれも生命を大事にする点においては同じであります。一粒の米、一本のネギ、一羽の鶏、これはみんな生命です。それを大事にするのが農業でありますので、そういう意味において農業と環境の統合ということはこれから非常に大事にしていかなければならぬ課題だろうと思っております。
○目黒委員 ありがとうございました。
○粕谷委員長 これにて目黒君の質疑は終了いたしました。 次に、平田米男君。
○平田(米)委員 公明党・国民会議の平田米男でございます。 きょうは、まず建設大臣に質問をさせていただきます。 昨年、市街化区域内農地に対する宅地並み課税ということを大転換を行いました。同時に生産緑地法の改正も行いました。それで約三万五千ヘクタールの農地が宅地化予備軍として上がってきたわけでございます。それに対しまして、政府は、生活大国ということで年収の五倍で住宅を得られるように、こういうふうにお考えでございまして、それなりの施策をやっておいでになられたことは私も認めたいと思います。 特に今回は、特別優良賃貸住宅の供給促進を新たにやろう、これは我が党がこれまで主張してきたものを大幅に取り入れていただいたものであるというふうに認識をしておるわけでございますが、今まで出てきたものはどちらかというと、公営であろうと公共であろうとあるいは公団のものであろうと、賃貸というものが非常に多かったわけでございます。しかし、国民のニーズというのは賃貸よりも持ち家というものがまだまだ大きいわけでございまして、やはりこれに対して何らかの対応をきちっとしていかなければいけないのではないかというふうに思います。 と同時に、農地というのはあちこちにございまして、大変便利なところ、駅から歩いて十五分とか二十分ぐらいのところにある農地もあれば、もっともっと不便なところにもあるわけでございまして、今回の特別優良賃貸住宅などは、やはり相当便利なところにないとなかなか家賃を払ってそこに住むなどということは、需要として出てこないのではないか。そうしますと、今の施策では、便利なところにはある程度対応できるにしても、駅から遠く離れた宅地化予備軍の農地に対してはコミットしない、こんなふうにも見れるわけでございます。 と同時に、やはり特別優良賃貸住宅を建てるにはそれなりの広さがなければできないわけでございまして、そうしますと、小規模な土地に対してもそれは対応できない、駅から近くであってもなかなか対応し切れないという部分があるのではないか、こんなふうに思います。 それで、こういうものに対してはどういうふうなターゲットにしていくのか。特に今不況でございまして、いろいろな石に対する補助が政府、自治体から行われたとしても、やはり賃貸住宅を建てるというのは、それなりの資金を大家さんが借りて事業としてやらなければいけない。これはなかなか勇気の要ることでございまして、これもただ土をさわってきた人に対して急にやってくださいと言っても、なかなかできることではないのではないか。そういうことをこもごも考えますと、持ち家を対象にした上で、こういう宅地化予備軍の農地に対して何らかの施策を考えなければいけないのではないかというふうに思うわけでございます。 それで、ここへ出てくるのが、ひとつそういう農地をどんどん売ってくださいという話になるわけでございますが、しかし、農民の皆さんというのは、土地に対する執着というのは非常に強いわけでございまして、もうぎりぎりにならないと、追い詰められないと土地は売りたくない、相続税でやむなくというような事態にならない限りは、土地を譲渡するなどということはなかなかお考えにならないわけでございます。 そういたしますと、土地を売らなくてもなおかつ一戸建ての宅地として利用できるような制度がないか。ここで上がってきますのが昨年できました定期借地権、これを使った住宅供給ができないかということが考えられるわけでございます。私は、これはでき上がった制度でございまして、すぐ定着するかどうか、推進できるかどうかわかりませんが、政府がその気になって推進をすれば相当な効果が上がるのではないか。現に、私が調べましたら、昨年だけでも、定期借地権を設定して公庫融資で家を建てられた方が、一件でございましたがございました。政府が特段のインセンティブを与えなくても、そういうようなニーズは一応あるわけでございます。ですから、こういうものにターゲットを当てた新しい施策をぜひやっていただきたい、こんなふうに思うわけであります。 それで、新しい施策として考えられますのは、まず融資制度が考えられます。今、公庫融資は借地権の上の住宅に対しても住宅に対する融資は行うわけでございますが、しかし、適当かどうかわかりませんが、借地権を設定するに当たっては権利金の授受というのは行われるわけでございまして、やはりまとまったお金が必要になってくるわけでありますが、しかし、今のところ権利金の融資というのはございません。こういうものはやっぱり考えていかなければいけないのではないかと思います。 それからあと、地主がやはり貸しておきたいというためには、いろいろな優遇策をやらなければいけないのではないかと思います。 一つは、固定資産税が住宅が建てば安くなる、そうするとこれはインセンティブになりますが、最も大きいのは相続税がそれなりに軽減されるということではないかというふうに思うのです。大蔵大臣もぜひ御関心を持って聞いていただきたいのですが、この場合、底地の評価、これに対する特例というものをひとつ考えていかなければいけないのではないかと思います。また、何らかの、例えば地代に対する補助、こういうようなものも別途考えていく必要もあるのではないかと思います。もう一つ重要なのは、地主とそれから定期借地権を設定をしてそこに家を建てたいという借り主、この間を仲介する制度というのをきちっと確立しなければならないのではないかというふうに思うわけであります。 こういう点についての十分な調査をした上で、新しい施策をぜひ確立をしていただきたい、そして強力に実行していただきたいと思うわけでございますが、建設大臣の御意見を伺いたいと思います。
○中村国務大臣 お答えをいたします。 ただいま先生から御指摘をいただきました定期借地方式による賃貸住宅宅地の供給につきましては、建設省といたしましても、昨年の七月にこの約款案を作成し、公表したところでございます。そして、これをさらに促進していくためには、先生今御指摘をいただきましたように、住宅金融公庫の融資の問題、そして税金の優遇問題、こうした問題につきまして現在検討中でございます。この検討がまとまりましたならば、こうした融資、税、両面から支援をしながら、御趣旨に沿えるようにこの施策を強力に推進していきたい、このように考えております。
○平田(米)委員 一応、大野委員に交代をいたします。
○粕谷委員長 この際、大野由利子君から関連質疑の申し出があります。平田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大野由利子君。
○大野(由)委員 初めに、通産大臣に中小企業の不況対策について伺いたいと思います。この問題につきましては、当院におきましても今までもいろいろ取り上げられたようでございますし、時間もございませんので、私も簡潔に要点を絞って質問をさせていただきたいと思います。 政府の総合経済対策でございますが、中小企業に対して行われましたこの経済対策、運転資金向けの緊急経営支援の貸付融資制度の規模が二千億円、しかも受け付け期間が一年、そういうふうになっておりまして、これに対しまして設備投資促進開運の融資枠が二年間で六千九百五十億円、そのようになっております。非常に設備投資向けの制度拡充に重点が置かれているわけでございますが、現場の認識と政府の見方が非常に食い違いがあるのではないか。中小企業では資金繰りに大変苦労しておりまして、本当に今、もっと運転資金向けの融資枠の拡大をしてほしい、そういう声が圧倒的でございます。 通産大臣、中小企業対策としまして、運転資金向けの緊急経営支援貸付融資枠をぜひこの際拡大をしていただきたい、そのように思っておりますが、いかがでございましょうか。
○森国務大臣 大野委員にお答えをいたします。 昨日も当委員会で同様の趣旨の御質問ございましたし、それから先般も、この委員会が開催されましてからも、各党の皆さんから同趣旨の御質問がございます。それだけ中小企業の経営にとりまして今大変厳しい環境であるというふうに私どもも認識をいたしております。 今回、補正予算で創設をいたしました緊急経営支援の貸付制度は、国と都道府県等が協調して、経営の安定に支障が生じている中小企業に対して低利融資を実施するものでございまして、この制度のもとでは、地域の実情に応じて都道府県等が金利、償還条件等の融資条件について柔軟に対応できるように措置をいたしております。本制度は、今お話がございましたように、昨年八月の総合経済対策に基づきまして緊急特例限度貸し付け、マル経制度、この限度額の引き上げあるいは構造改革のための設備投資を支援するための低利融資制度の創設など、総合的な中小企業金融対策の一環として実施に今移されているものでございます。 中小企業対策としての補正予算の規模も円高の不況時の当時を上回る、史上最高の実は額を確保しているわけでございます。さらに、平成五年度予算案におきましても、中小企業信用保険法の保険限度額の大幅引き上げ、中小企業金融公庫、国民金融公庫の貸付規模の大幅拡大など、思い切った中小企業対策も盛り込んでいるものでございます。 したがいまして、これらの施策が相まって現下の情勢における中小企業に対する支援が有効かつ十分に機能するものであると確信をいたしております。そういう意味で、今御審議をいただいておりますこの予算案をできる限り早くまず成立をさしていただきたいというふうに私どもは願っておるわけでございます。 なおまた、私はきのうも遠藤議員にも少しお話し申し上げましたが、確かに委員のおっしゃいますとおり、各地域の中小企業、さらに小規模な経営者の皆さんのお気持ちはやはり大変厳しい状況であること、先ほど申し上げましたように十分承知をいたしております。設備資金というよりはむしろやはり設備投資ができるほど、その余裕がなかなかまだないという感じで、むしろ運転資金に対して大変要望があるということも承知をいたしております。 もちろん今申し上げました補正予算で裏づけをいたしましたこの中小企業対策で一応完全に実施をさしていただく、さらに平成五年度の予算案の中に盛り込んでございます諸制度、これが相まって進んでいけばと考えておりますが、さらに私どもは中小企業庁長官に対しましても、さらにもう少し実情によく合ったきめの細かい融資というものがないかどうか十分に検討しておくようにというふうに指示をいたしておるところでございます。
○大野(由)委員 この緊急経営支援貸付融資枠につきまして前向きに拡大について御検討をいただけるものだと、そのように今御答弁を伺って、確信をしております。 続きまして質問をさせていただきたいんですが、今中小企業が抱えております大変大きな問題の一つは、既存の借り入れの負担軽減がございます。償還期間の延長を希望する声が非常に高いわけでございますが、今回の緊急経営支援貸付制度の返還期間も非常に短い状況でございますし、設備資金の返還にいたしましても、この償還期間の延長ということについて何とか配慮ができないものか、政府系の中小企業の金融機関の償還期間の延長についてぜひ決断をお願いをしたい、そのように思います。
○関政府委員 お答え申し上げます。 今先生から政府系金融機関の借り入れの場合の償還期間の延長というお話がございました。私どもも必要に応じて償還期間の見直しをさしていただいておりますが、現在のところ、一例を申し上げますと、中小企業金融公庫の場合には、設備資金が十年以内、それから運転資金の場合には五年以内ということで運用さしていただいております。 しかしながら、今のような経営の状況、経済の状態のもとで非常に返済が困難を来すという例もあり得るかと思っておりまして、実は私ども、昨年の三月及び十一月の二回にわたりまして、各金融機関に対しまして、その返済につきまして個別の中小企業の実情に応じて弾力的に取り扱うように指示をいたしたところでございます。 その結果として、昨年の四月から十二月までの実績で申し上げますと、件数にいたしまして約二万八千件、金額にいたしまして約六千八百億円につきましては、償還期間が来たものにつきましても返済をしばらく御相談の上猶予するというような形で、今のこの一般的な返還、返済期間、これについてなお困難を伴うものについては対応さしていただいているところでございます。この運用はこれからも弾力的にやってまいりたいと考えております。
○大野(由)委員 個別にいろいろとやっていらっしゃることは伺っているわけでございますが、個別だけではなくて広く具体的にやっていただきたい、そのように思うわけですが、これについて通産大臣と大蔵大臣の御意見を伺いたいと思います。
○関政府委員 この償還期間については、私どもも中小企業の皆様の負担の難易度とかそういうようなことで時期に応じて見直さしていただいておりますが、現在のところは、さっき申し上げましたように、十年、五年と、一般的な貸し付けについてはそういう形でやらしていただいておるわけでございます。 今回は、平成五年度予算におきましては特にマル経、小企業の経営改善資金融資制度につきましては、これは返済になかなか困難を伴うであろうということもございまして、設備資金、運転資金、それぞれ一年間延ばす措置を準備さしていただいているところでございます。
○林(義)国務大臣 御指摘は、中小企業も不況でありまして返済もなかなか大変だということで、政府の関係金融機関、これに対して返済の猶予をしたらというような話でございますが、先ほど来政府委員からも答弁いたしましたように、平成四年の三月三十一日及び昨年の十一月二十日に二度にわたりまして通達を出しまして、償還期間の延長、設備・運転資金ともどもについて対応するというような通達を出して運営しているところでございまして、その金額も、先ほどお話がありましたように、相当な金額に上っているという報告をいただいております。いろいろと中小企業なかなか大変なときでございますから、私はこういった点については十分配慮してやってまいらなければならない、こう思っておるところでございます。
○大野(由)委員 マル経につきましてはそれぞれ償還期間が一年ずつ延びたということは承知しているわけでございますが、マル経以外の中小企業についても、本当に今中小企業の置かれている実情を考えましたときに、これはぜひ英断をお願いをしたい、そのように要望をさせていただきます。 それから、新規借り入れが必要な場合でございますが、担保が不足しているということが大変大きな問題でございまして、信用保証協会で保証してもらうにしても原則担保が要るわけでございまして、保証料を払うわけでございますから、それだけで足りるという制度にしていかなければいけないんじゃないか。保証料を払う場合は原則担保要らない、そのようにすべきではないか、そう思いますが、この点について通産大臣の御意見を伺いたいと思います。
○森国務大臣 御承知のように、無利子の融資制度は中小企業設備近代化貸付資金、高度化資金助成制度、それから無担保無保証の融資制度としましては小規模等、今お話出ておりましたマル経などの貸し付けがあるわけでございます。 中小企業の置かれております現下の厳しい状況にかんがみまして、金融の範囲内においてどのような一体支援策が可能だろうか、幅広く今事務当局勉強をいたしておるところでございます。現制度は現制度として、今大蔵大臣からもお話ございましたように、できる限り柔軟な対応をするように、そういう指導もいたしておるところでございます。
○大野(由)委員 同時に、今国民金融公庫で行われておりますマル経でございます小規模の企業経営改善資金でございますが、これもぜひ、まあ期間の延長とか少し規模の拡大等々の多少のいろいろ努力をしていただいているのは承知をしておりますが、融資枠の拡大とかそういった面で、もっと融資条件の緩和といった面で大きくこの辺も御検討をお願いしたい、そのように思います。
○森国務大臣 さらに柔軟な対応ができ得るように努力をいたしたいと思っております。
○大野(由)委員 よろしくお願いいたします。 次、厚生大臣にお尋ねをしたい、そのように思います。 院内感染の問題についてお伺いしたいわけでございますが、今非常に深刻化しておりますMRSA、例のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌による院内感染が非常に問題になっております。ことしの一月の二十日に厚生省は、昨年の七月に実施をいたしました三百床以上の規模を持つ病院を対象にした調査結果を発表をしております。そして、院内感染総合対策を打ち出されているわけでございますが、非常に事態は深刻な状況でございます。ぜひこの際、総合的な対策に取り組むためにも、全医療機関を対象とした全国の実態調査を今やるべきときではないか、そのように思いますが、厚生大臣の御意見を伺いたいと思います。
○寺松政府委員 お答えいたします。 今先生御指摘の調査、やったわけでございます。それから、私どもも平成三年から四年にかけまして、これは五百床以上なんでございますけれども、そういう病院の調査をいたしました。それを見ますと、前者の方では、全菌株を調査いたしまして、そしてその中で大体MRSAが一一%から一二%くらいだったわけでございます。それからブドウ球菌の中では大体六二%、こういうふうに数字が出ております。私どもその数字でもって大体病院の状況は把握できるんじゃないか、このように考えておるわけでございます。
○大野(由)委員 私も厚生省で調査をなさいました調査データをいただきました。そして私その調査データを見まして、非常に実態とかけ離れているんじゃないかというのを、非常にそういう実感を持ったわけですね。五百床以上の病院とか三百床以上の病院を対象にしたデータでございますのでやむを得ないのかな、そのように思うわけですが、東京都で調査をした結果が発表になっております。東京都で去る二月五日に、都内の中小の病院、二十床以上百床未満の病院七百五十五病院を対象に調査をいたしまして、半数以上が院内感染の防止について何らの対策を講じていない、院内感染の対策委員会も設置をしていない、防止マニュアルもつくっていない、そういうデータが東京都で出ているわけでございます。人手の少ない病院ではとても追いつかないという実態が浮き彫りになっているようでございますが、厚生省、今三百床以上とか五百床以上の実態のみしかつかんでいらっしゃらないのでは実情とはほど遠いものがあるのではないか、そのように思いますので、私はもっと小さな病院も対象にした実態の調査をぜひやっていただきたい、そのように思っております。厚生大臣、お願いします。
○丹羽国務大臣 先ほど政府委員の方からお答えを申し上げたわけでございますが、実態と調査とがかけ離れているのではないか、こういうような御指摘がなされたわけでございますけれども、このMRSAを中心とする院内感染の問題は、医療機関に対する患者の信頼関係を根底から覆す問題でございますので、先生の御提言があったことも含めまして、今後、今総合的な対策というものをもう既に打ち立てておりますけれども、さらに鋭意この問題について推進していく決意でございます。
○大野(由)委員 ぜひこの点についてお願いをしたいと思います。 イギリスでは既にICNと言われますインフェクション・コントロール・ナース、感染症対策専門看護婦などというのがどの病院にも必ず最低一名はいる、そういう状況でございまして、イギリスだけではなく、アメリカ、カナダ、オーストラリアとか多くの国で活躍をしている。いまだに先進国でこうした看護婦がいないのは日本だけ、そういう状況でございます。また、看護婦だけではなくて、院内感染チーム、医師とか検査技師とか看護婦等々のこうしたチームがどれだけの対策を講じていくかということについて、非常に今問われている現状がございます。 日本の院内感染の対策は約二十年おくれている、そのように言われておりますが、ぜひ、先ほど厚生大臣お答えいただきましたが、実態調査等含めまして、本当に国民の皆さん非常に今不安を持っております。病院に病気を治すために入院をしたのに、別の院内感染によって、MRSAによって反対に命をなくしてしまったということが現実にはあるわけでございますので、国民の皆さんの不安を解消するためにも、ぜひ厚生省さん、今いろいろ努力をしていただいているのは承知をしておりますが、もっともっと全力をもって、全国の調査を初め対策を講じていただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 私が大臣に就任をいたしましてから総合的な対策をまとめさせていただいたわけでございますけれども、一つは過剰な抗生物質の投薬、これが大変問題になっておりますので、これの適正な使い方、さらに病院の中におきます感染防止のための教育あるいは研究、さらにいわゆる自動消毒器の施設など施設の改善、それから先生から今御指摘がございましたいわゆる院内感染を専門とする専門職というのが、実はヨーロッパなどでは盛んにこういうものが確立されておるわけでございますけれども、まだ率直に申し上げまして我が国においてはそのような存在がないわけでございますので、とりあえず平成五年度の予算においてモデル的にそういうような専門職を設けてひとつ実施したい、こういう考え方に立っておるわけでございますので、御理解を賜りたいと思っております。
○大野(由)委員 もう一問伺いたいのですが、福祉施設におきまして、このMRSAの感染者もしくは保菌者というものは特別養護老人ホーム等の福祉施設に入所することができるかどうかについてお尋ねしたいと思います。
○横尾政府委員 高齢者の中でMRSAが既に発症している方あるいはその疑いが濃厚であるような場合には、医学的な管理のもとに置くべきであるというふうに存じますが、一般的に、保菌者であってもその方の健康状態が安定をしている場合には、他の入所者の状況等を勘案しながらではございますが、受け入れを原則とすべきであるというふうに考えております。この考えを原則としまして、施設が行うべき具体的な対応ぶりについてはただいま検討中でございますが、近くマニュアルのような形でお示しをしたいと考えております。
○大野(由)委員 このMRSAの保菌者は必ずしもすべて発症するというわけではない、それは私もよく承知しているわけでございます。しかし、健康な人の場合は保菌者であっても発症することがないということがあるわけですけれども、非常に体力の衰えた、特別養護老人ホーム等にあっては、保菌をしているということが既に判明をしているという人の場合、現状では特に症状が出ていないということであっても、保菌をしているということがわかった段階で私は老人ホーム等に入所させるということは問題があるんじゃないか。この福祉施設は、もうまさに無医村に近い状況なわけですね。百人の入所施設でドクターが一人、しかも非常勤でもいい、そういうスタッフでございます。看護婦さんは三人、寮母さんが二十二人と、まさに百人のお年寄りに対してドクターが一人いるかいないかという無医村と同じような状況の中にあって、既にMRSAを保菌しているということが病院等にかかっていてわかっている、にもかかわらず、今現在は症状が出ていないということで福祉施設に入所させるということは問題があるんじゃないか、そのように思いますが、厚生大臣、いかがでございましょうか。
○丹羽国務大臣 先ほど政府委員の方から御答弁を申し上げました。基本的には先ほど申し上げたような立場を私どもはとっておるわけでございますけれども、ただ、MRSAの保菌者だけで差別と偏見をしていいのか、大変これも難しい問題でございますが、今後、人道上あるいは医学的にどういう対策が一番適当なのか、十分に先生の御提起を吟味して検討していきたい、このように考えております。
○大野(由)委員 これは決して差別ではございませんで、他の人たちに感染をするおそれのあること、また、福祉施設のスタッフの人手が足りない中でそういうことを押しつけるということは決してよくないんじゃないか、そのように思っております。これから福祉施設の院内感染の対策についてのマニュアルをつくられるようでございますので、ぜひこの点についても御検討をお願いしたい、そのように思います。 それでは、続きまして、化学兵器の問題について外務省もしくは官房長官にお尋ねをしたいと思います。 一月にパリで調印が行われました化学兵器禁止条約に関連して何点か伺いたいと思いますが、化学兵器というのは大変な大量殺りく兵器、全面禁止を定めた多くの多国間条約が実現したということは大変喜ばしい、世界の軍縮、平和へ向かって大変歴史を飾る画期的なことである、そのように思っております。 ところで、この化学兵器廃絶に向けまして我が国も大いに努力をしていきたいとまさに署名を済ませまして、これから早く批准に向かうべきではないか、そのように思うわけでございますが、その一月のパリでの調印に際しまして中国の銭其シン外相は、国外に化学兵器を残した国家は条約の関連規定に従って化学兵器を廃棄する義務を負うなどとする中国の政府声明を国連のガリ事務総長に手渡したと、そのように報道されております。それで、旧日本軍が残しました化学兵器について日本は早く処理を求めるようにという、そういう中国側の立場を表明したものでございますが、この旧日本軍が遺棄しました化学兵器について、中国からいつ、どのように正式に日本に要請が来たのかについてお尋ねしたいと思います。
○池田政府委員 一九九〇年に中国政府から我が方の在中国大使館を通じまして、特に東北地方を中心にいたしまして、旧日本軍が中国国内に遺棄したと思われる化学兵器の処理問題について日本政府の協力を求めたいという要請がございました。これが最初でございます。その後、日本から二回調査団を出しまして、現在その事実関係を調査中でございますけれども、さらにことしじゅうにも第三回目の調査団を出すことになるという見通してございます。
○大野(由)委員 昨年の二月に、中国はジュネーブの国連軍縮会議で、「ある外国によって中国に遺棄され、発見された化学兵器に関する情報」と題する報告をしております。実は、私もその報告書を手に入れたわけでございます。英文でございますが、翻訳をいたしました。 その中に、英文の翻訳をしてみましたところ、中国の特に東北地方、黒竜江省とか吉林省とか山西省、河北省、内モンゴル自治区等々で、マスタードガスやホスゲンなどの化学兵器が見つかったと、そのように記されております。百五十ミリ砲とか百五ミリ砲、七十五ミリ砲など、中には九十ミリの原動つき化学破裂弾などがあったそうでございます。ほぼ半世紀にわたってこのような化学兵器が中国の東北地方でどんどん発見をされている、非常に中国人民の健康を害している、そういう状況がございます。 直接的には、今まで既に二千人以上に上る犠牲者が出ている。また、河北省の高校のキャンパスに放置された化学兵器が発見をされて生徒や先生二千人が非常に脅威にさらされているとか、また給水地の上流でこの化学兵器が発見をされて、ひどくさびて腐って、地域住民の生活を非常に脅かしているとか、大変中国の人たちの不安の種になっている、そういう状況でございますが、外務省は今まで二度調査団を派遣されまして、化学兵器がどれぐらいあって、これからどのようにしようとなさっているのかについてお尋ねしたいと思います。
○池田政府委員 先ほどお答えいたしましたように、これまで二回調査団を送りまして、東北地方それから華北地方を調査いたしました。その結果、まだ不明な点はございますけれども、いずれにしましても、日本といたしましては、先ほど御指摘がございました化学兵器禁止条約、それから日中の共同声明の精神にのっとりまして、誠意を持ってこの問題を解決したいと思っておるわけでございます。 具体的内容につきましては、もちろん中国側等からの説明を受けておりますけれども、実態がどういうものであるのか現在調査中でございますので、まだ確たるところはわかっていないという状況でございます。
○大野(由)委員 この兵器は、日本軍が遺棄した兵器であるということを日本はちゃんとお認めになっているんでしょうか。
○池田政府委員 日本軍が遺棄したかどうかにつきましては、調査結果が判明いたしましてから結論的なことがわかると思いますけれども、今の段階では日本軍が遺棄したという可能性が非常に強いということで、そういう角度から調査をいたしております。
○大野(由)委員 これは日本軍が残したものかどうかというのは、どういう調査を今国内でなさっていらっしゃるのでしょうか。
○池田政府委員 大部分の、中国側の申します旧日本軍が遺棄したと言われております化学兵器につきましては、まだ地下に埋設されている状況でございます。したがいまして、これを掘り起こしてそれから検査を始めるということでございますけれども、もちろん一部につきましてはサンプル的に中国側から提示されているということもございます。したがいまして、今までのところは、基本的に中国側の説明を聞き、その現場を訪れておりますけれども、まだ地下の埋設されたものを掘り起こしてはいないという状況でございますので、今後そういう方向に進んでいくということを考えております。
○大野(由)委員 これが今日本のものかどうか調査をしていらっしゃるということなんですが、日本のものであるということが確定をするまでは処分をしないというお考えなのかどうかについて伺いたいと思います。
○池田政府委員 埋設されたものを掘り起こしまして、それを調査しまして、それが旧日本軍が遺棄したものであるということが判明すれば、日本側としては責任を持ってその処理に当たりたいというように考えているわけでございま。(大野(由)委員「今質問は、日本のものだと確定しない場合はしないということですか」と呼ぶ)現在のところはわかっておりませんけれども、確定しない場合には、例えば化学兵器禁止条約に基づきまして、日本側において特別の責任はない、直接的には、そういうことになるかと思いますけれども、いずれにしましても、実態をまず見きわめてから考えたいということでございます。
○大野(由)委員 私は、非常に消極的なんではないかそのように思うわけですね。かつて日本軍がいた地域に最も多くこうした兵器が残されているという、そういう現状でございまして、確かになかなか今確実に日本のものであるという証拠が、今調査をしていらっしゃるということでございますが、確定しない限りはその処理に向かって日本は責任を持たないという、そういう姿勢で果たしていいのかどうかと、大変思うわけです。 日本の化学兵器の処理能力は非常に高いものがございます。防衛庁にも確認をいたしましたが、先日イラクの化学兵器に対する国連の査察団にも我が国から参加をしておりますし、先日のペルシャ湾における機雷の処理にも行っているわけでございます。そのように日本は貢献をしているわけでございますが、日本軍が遺棄したと思われる四十八年前のこの中国の問題に対して、日本のものであると確定しない限りは手を出さないということは、私はこれは国際信義上にももとるのではないか、そのように思うわけでございます。 現実に中国は、この化学兵器禁止条約に基づきまして日本に処理をしてほしいということを既に要請をしてきているわけでございますので、誠意を持って対処すべきではないかと思いますが、官房長官、いかがお考えでしょうか。
○河野国務大臣 アジア局長がお答えいたしましたように、我が国の残してきたものである可能性が多いという認識で目下調査をしているわけでございまして、責任が全くないというふうに思ってやっているわけではないことはぜひ御理解をいただきたいと思います。 しかも、我々は、日中共同声明、日中平和友好条約、そういったものの精神をもって、日中関係の友好ということを踏まえてこの作業に当たっているわけでございます。さらに、化学兵器に関します条約に基づいて、我が国が遺棄したものであるならば、これは当然の義務としてやらなければなりません。しかし、そうでないということになれば、それは当然の義務としてやるのではなくて、これは中国側との間の、先ほど申しましたさまざまな平和友好条約でございますとか日中共同声明でございますとか、そういった精神に基づいて話し合いが行われるということになるわけでございまして、私どもといたしましても、委員御指摘のとおり、誠実にこの問題を調査をし、調査の結果を踏まえて処理をするということを考えているということを御理解をいただきたいと思います。
○大野(由)委員 一九七二年に日中国交の正常化が行われまして、そのときの日中共同声明の第五項で、中国は日本への戦争賠償責任の請求の放棄をいたしました。当時周恩来総理の英断によって行われまして、その後日本は大変な経済復興、ある面では中国は大変恩義のある国ではないか、そのように思っているわけでございます。 そういったことを考えましても、今中国が日本に要請をしてきております化学兵器の処理の問題、技術的には十分日本はその能力がある。そういう状況の中で、本当に受け身の状況ではなくて、積極的にこの問題は貢献をして、そして化学兵器の廃絶へ向けて日本は世界のリーダーシップをとれるような、そうした平和へのイニシアチブをとるべきではないか。みずからのやった後始末も十分にしないで、大きな顔ができる状況ではない、そのように思っております。 そして、化学兵器禁止条約の批准の見通しについてお尋ねをしたいと思います。いつごろ国会に提出をされる予定か、伺いたいと思います。
○澁谷政府委員 この条約の内容は、重要かつ広範囲なものとなっておりまして、これを誠実に履行いたすためにはいろいろ国内措置も考える必要がございます。したがって、その批准の時期を現段階で明確な形で申し上げることは難しいと思いますけれども、できるだけ早期に締結できるように、政府部内での検討を急いでいるところでございます。
○大野(由)委員 この化学兵器禁止条約の中に、締約国は他の締約国の領域に遺棄した化学兵器を廃棄する、そういうふうな項目がはっきりと書かれているわけでございますので、日本のより積極的な対応をお願いをしたい、そのように思っております。 それから、もう一点伺いたいわけでございますが、本日は韓国の第十四代大統領金泳三氏の大統領就任の日であります。三十二年ぶりの文民大統領の誕生であり、韓国の民主化運動の先頭に立って活動をされてきました金泳三大統領の就任を心からお祝いを申し上げたい、そのように思うわけですが、昨日の新聞に、ソウルの夕刊紙中央日報が、韓国政府が元日本の従軍慰安婦として届け出た百三人に対し、一人一千万ウォンの生活資金を来月支給する方針であると。これは与党民自党の消息筋が明らかにしたもので、日本政府による金銭的償いより、元慰安婦を強制的に連行したことなどの真相解明への努力を日本側に促すための措置である、そのような新聞報道がなされておりますが、これについての官房長官の見解を伺いたいと思います。
○池田政府委員 韓国政府が元従軍慰安婦とされております方々に対して何らかの支援措置をとるという報道は、私どもも承知いたしております。ただ、正式に韓国政府としてこれを決定したということではないというように承知しております。
○大野(由)委員 これもぜひ誠実に、日本としてはいつまでも後手後手じゃなくて、積極的に新政府との友好のためにもぜひ取り組んでいただきたい、そのように思っております。 だんだん時間がございませんので、最後にひとつ簡単に質問させていただきたいと思いますが、昨年の十二月、第二次宮澤内閣で内閣官房長官に就任されまして、また、我が国初めての婦人問題担当大臣になられたということで、非常に女性は期待をしております。どうぞよろしくお願いをしたい、そのように思っております。 宮澤総理も、この間の所信表明の中で、男女共同参画型社会の実現を目指していくと、そのように所信表明の中でもおっしゃっております。私、これからそういう社会を目指していく上におきまして一番おくれているのが政治の世界、女性の社会参加が一番おくれているのがこの政界ではないかそのように思っております。現在、衆議院の女性は十二名、全体の二・三%。現在、世界の議会制民主主義をとっております百三十一カ国の中で第一院に占める女性の割合ですが、百三十一カ国中の日本は百十番目、そういう状況でございます。特に、与党自民党の衆議院過半数の中に女性議員が一人もいないということは非常に残念なことである、そのように思っております。 そして、このことについて官房長官、これから女性の政治参加を促すためにどのような、いろいろ施策を考えていらっしゃるのかということについて伺いたいと思いますし、時間もございませんのであわせてお尋ねをしたいと思うのですが、政府は今単純小選挙区制をこれから政府提案として出される御予定のように伺っておりますが、この単純小選挙区制になれば女性議員がふえると思っていらっしゃるのかどうかということと、それと、この前一九八九年、列国議会同盟のシンポジウムにおいて、選挙制度と女性国会議員の選出にどのような関連があるか、非常にこれが話題になったようでございますが、この話の中でも、比例代表制の方が小選挙区多数代表制より女性に有利である、そういう声が多く聞かれたと、そのような報告がなされております。こういった意味でぜひ単純小選挙区制について、女性の政界参加についてこれがどういう影響をもたらすのかというふうなこととか、列国議会同盟でのこの話し合いについての感想、御見解というものを伺いたいと思います。
○河野国務大臣 女性の皆さんが政治に参加をされるということは、申し上げるまでもなく極めて重要なことでございます。有権者の半数は女性でございますし、昨今では投票率を拝見しましても、女性の方が投票数は多いということが数の上で示されております。政党によりましては、党員の構成を見ますと、政党によっては女性の党員は四〇%を超える政党が幾つもございます。その一方、政党の役員の中に占める女性の割合は、党員が四割いながら、その党の役員は極めて少ないというようなこともあるわけでございます。 で、女性の政治参加というものは、ただ単に議員になるということが政治参加ではなくて、投票に参加する、あるいは政策決定に参加をする、そういったこともあるということは申し上げておかなければなりませんが、委員おっしゃるように、しかしそれはそれとして、やはり議員の数が少な過ぎるではないかとおっしゃられれば、それはもう否定できない事実だろうと思います。 さて、そこで一体どうすれば女性の議員がふえるかということになるわけでございますが、しかしこれは、議員は投票によって選ばれるわけでございまして、恣意的に女性を、クオータ制をしいて女性の議員の数をふやすとかというようなことは、私どもはとるべきではないのではないかと思っております。 そこで、今考えられております選挙制度の改正の議論を拝見いたしますと、小選挙区制の議論も比例代表制の議論も、いずれも政党が前面に出て戦う、論争をする、あるいは政党単位で選挙を行うということが議論の中心になっているわけでございますから、女性が政党の候補者になるかどうかは、それぞれの政党の考え方によるものだというふうに思います。比例代表だと女性が出やすいとおっしゃるのも、その比例代表の候補の中にその政党が女性候補をたくさん入れるか入れないかということになるのでございまして、同じように、小選挙区制であっても、その選挙区における唯一の候補者に、その政党が女性を候補者として選ぶか選ばないかというところがまず問題になるわけでございますから、これは制度として考えることももちろんあるかもしれませんけれども、一つは政党が女性を候補者としてどういうふうに選ぶかという点が極めて重要だ。 私の立場からこれ以上申し上げるのは少し差し出がましいと思いますけれども、政党が女性を候補者としてどういうふうに選んでいくかということも極めて重要ではないかということだけ申し上げたいと思います。
○大野(由)委員 ありがとうございました。 以上です。
○粕谷委員長 平田君。
○平田(米)委員 小泉郵政大臣に、大臣としてといいますか、郵政大臣としてではなくて国務大臣として、内閣を構成する大臣として質問をさせていただきたいと思いますが、二月の二十三日に憲政記念館で、自民党の有志国会議員七十二名お集まりになったといいますか七十二名で首相公選制を考える国会議員の会、これの設立が行われたそうでございます。 新聞報道によりますと、小泉郵政大臣も出席をされまして、山崎前建設大臣が会長になられて、その横にお座りになって見るからに中心的な立場におられる、こういうふうな報道がございますが、どのようなお考えで現職閣僚の立場でこのような会合に参加をされたのか、お伺いをしたいと思います。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○小泉国務大臣 今、政治改革が大きな課題になっておりますが、私は政治改革の一環として、選挙制度の改革も結構でありますが、同時に、今政治に対して国民が非常に不信感を持っている、首相選びも永田町だけで決めているのじゃないのか、こういう国民の政治不信を解消する上においても、首相を国民投票で選ぶという制度改革というのは大きな政治改革になり得るな。また、政治に対して国民が積極的に参加しようという機運も醸成できるのではないか。ひいては、今までどちらかといえば、首相というか総理大臣の考え方あるいは指導性に対して疑問を持っているという国民層にも、もし首相になる場合は、今の議院内閣制よりももっと国民に向かって明確に自分の考え方を述べていかなければならない。そういう上からも、国民が一体となって、国会の中だけで決めるよりも、全員参加のもとに首相を決めることができるという制度というのは、非常に国民にとっても魅力的なものではないか。そういうことから、私は、この首相を国民投票で選ぶというのは大きな政治改革になり得る。 そして、今国民は、県知事を選ぶにしてもあるいは市町村長を選ぶにしても、直接選挙の経験があります。そういう経験の積み重ねがありますから、それほど首相を全国民投票で選ぶというのに対しても、そんな突拍子な考えでもない。かなりの国民多数が政治に関心を持ち始め、この改革に大きな関心を持ってくれるんじゃないかな。そういう気持ちで、これは将来の問題として今から十分国民に判断する材料を提示していくための準備が必要である、今から政治改革の一環として考える必要がある問題ではないかなということで、この首相公選制を進めていきたいと思っております。
○平田(米)委員 新聞報道によりますと、「議院内閣制を改めない限り派閥政治の弊害はなくならない」、こういうようなことを会長がおっしゃり、そして憲法六十七条や天皇の国事行為を定めた条文、これを改正するに当たって見直すということについて議論をする、こういうような御発言があったということでございますが、そのとおりでございますか。
○小泉国務大臣 私は、議院内閣制であろうとなかろうと派閥はなくならないと思っています。いつの時代においても、またどんな社会においても、政界のみならず経済界においても、あるいはどんな文化的な会合においても、派閥的な問題は残ると思っています。 しかし、首相を公選することによって今のような派閥とは変わってくる。よりもっと国民に受け入れられるような、支持されるような、また明確な考えを持った、そういう指導者というのが政党の首相候補として出てくるのではないか。国民ももっとその候補者について知りたいと思うでしょうし、候補者の方も、永田町だけで理解されればいいということじゃない、永田町の支持と同時に、国民にもっとわかりやすく自分の考えを提示しなきゃ支持を得られない。そういう意味において、質が変わってくると思います。しかし、議院内閣制がなくなったといっても、派閥はなくなるとは思っておりません。
○平田(米)委員 現行の議院内閣制度のもとでどのような弊害があるというふうにお考えでございますか。
○小泉国務大臣 まず、今政治不信の一つの大きな要因というのは、自分たちが首相選びにかかわっていない、総理大臣がどこで決められているのかわからない。特に自由民主党、長年国民から支持を受けて政権を担当しておりますが、国会で決めるといいながら自民党だけで決めてしまう。しかも自民党も、どっちかといいますと派閥の力が強いわけですから、派閥の談合的体質というものを国民は敏感に感じ取っている向きがある。長年経験した方が総理になるといい点もありますが、基本的に自分たちは総理選びにかかわっていない、参加できない、このいらいらというのは私はかなり大きなものだと思います。 そういう国民全体参加していこう、自分たちの選んだ首相なんだ、自分たちも総理選びに加わったという権利と責任、そういうものを首相公選制によって、今の議院内閣制、国会だけで決める、あるいは自由民主党がずっと政権をとっておりますから自民党だけで決めるという、何か自分たちの手の届かないところで決めているという風潮は、この首相公選で私は大きく変わってくるのじゃないかそういうふうに思っております。
○平田(米)委員 そういたしますと、今の自民党が考えておられます選挙制度改革では、総理大臣が、自民党の総裁が派閥の談合的体質で選ばれるという、そういう弊害を除去することはできない、こういうふうにお考えだというふうに伺ってよろしいのでしょうか。
○小泉国務大臣 いや、そういう面もあるということでありまして、場合によっては全く談合のない形で選出される場合もあります。また談合……
○平田(米)委員 現状を聞いているのではなくて、選挙制度改革、新しい改革をした上でという話です。現状を聞いているのじゃありません、改革案のもとでもという意味です。
○小泉国務大臣 いや、私は首相公選制と選挙制度改革は両立できると思っているんです。首相公選やってから小選挙区やってもいい、あるいは小選挙区やってから首相公選やってもいい、どちらが先でも後でも私は構わないと思っております。首相公選やっても、選挙制度改革論議というのはこれから継続していかなきゃならない。衆議院、参議院の選挙制度改革、これはたとえ首相公選が実現できたとしても、改革の俎上にのせなきゃならない問題だと私は思っております。
○平田(米)委員 いやそれは、私はそんな話は聞いてませんで、両立できるかできないかじゃなくて、まさに派閥の談合的体質で総理大臣が選ばれるというその悪弊が、自民党がお考えになっておられます選挙制度改革、それに付随する政治資金等の改革、それによって解消することができないというふうに小泉郵政大臣はお考えなのかどうかをお伺いしておるわけでございます。
○小泉国務大臣 小選挙区制度になれば、今の体質は私はかなり変わってくると思います。
○平田(米)委員 官房長官にお伺いをしますが、政府は選挙制度改革、またそれに付随する政治資金等の改革に対してどれだけの決意をお持ちなんでしょうか。内閣としてどういう決意をお持ちなのか。 今、首相公選制について両立できるという話がございました。政治改革のもう一つの柱だという話が小泉郵政大臣からございました。現職閣僚では、中村建設大臣もこの首相公選の会に入っておいでになりますが、宮澤内閣といたしまして、首相公選制まで政治改革の柱としてお考えになっておいでになるのか、その点についても御意見、開陳していただけますでしょうか。
○河野国務大臣 宮澤内閣が政治改革にかける決意がいかに強いかは、総理大臣の施政方針演説に語られているとおりでございます。 願わくば、この国会に政治改革の各党案が提案をされて、各党の合意を得て抜本的な政治改革が行われることを心から念願をいたしておるわけでございますが、一方で、宮澤総理は自由民主党の総裁として、政治改革本部の本部長として、自民党の政治改革案についても積極的に議員の皆さんの意見を聞き、また皆さんと一緒に自民党案をつくるために活動をいたしております。本日もそうした会が行われたと承知をいたしておりますが、この自由民主党の政治改革案は、自由民主党の中で既にその考え方は了承をされて、その法案づくりのための作業が今行われつつある。これは議員立法で提案をされるというふうに伺っておりますので、政府の立場で余り詳細申し上げる立場ではございませんが、議員立法で提案をすべく作業が行われているというふうに伺っております。 今、郵政大臣からお話がございました首相公選についてのお考えは、私も新聞等で拝見をいたしておりますが、これは首相公選を考える会というグループをつくって、そこで今小泉大臣お話しのように、よりよい政治の形態を皆で考えていこうということのためにグループをおつくりになったというふうに伺っておりまして、政治家たる者、いつでもよりよいアイデアを練り上げるために一刻一刻努力をしていくのは、これまた政治家として当然のこと。 ただ、国民の皆さんに、今行おうとしている政治改革と将来のための勉強とが混同をされて理解をされないように、そこはおのずから気をつけていかなければならないことであろうと思いますが、いずれにせよ、そう遠からず自由民主党は自由民主党としての議員提案とすべき法律案をおまとめになって提案をなさると伺っておりますから、そこで、事柄はそう混乱なくすっきりと皆さんにおわかりいただけるのではないかというふうに考えております。(平田一米)委員「落ちていますよ、首相公選まで考えているかどうかということ」と呼ぶ)宮澤政権が首相公選を考えているということはございません。
○平田(米)委員 新聞報道によりますと、きょう二十五日に宮澤総理が、予算成立後最重要課題として基本方針に沿った四法案を提出する決意を示す、こういうお話でございます。そして新聞報道によれば、しかしながら自民党内でこの四法案をつくることはなかなか容易ではない、難航必至である、こういう報道が行われております。今、容易じゃないという自民党席からも意見が、声が出ました。容易じゃない。しかし宮澤総理は、政治改革をやる、重大な決意でもってやるという、そういうお考えだというふうなお話がございました。 私は、選挙制度改革をやるということは、海部内閣のときもそれでつぶれてしまったわけでございまして、なかなか容易ならざることだと思います。まして、今自民党がお考えの案と、そして野党が考えておる案とには大きな隔たりがございます。しかしながら、今の国民の政治不信、これを解消し、いや、それのみならず、今日本の政治が抱えておる、これから高齢化社会へ向けていかなる施策をしていくのか、また財政基盤をどうするのか、また国際政治において日本がいかなる地位を占め、また責任を果たしていくのか、そういう点から考えるならば、政治改革は急務でございます。しかし、その第一歩としてやろうとしておいでになるこの四法案の提出が難航している。 そういうときには、確かに議員提出だとしても、内閣の責任としてやろうということならば、内閣の閣僚が一丸となってそれに臨んでいかなければいけないんじゃないかというふうに思います。おっしゃるとおり、政治家としていろいろなことを勉強されるのは結構でございます。宮澤内閣の時代に、できればこの国会で成立させよう、こういうときに、もう一つ政治改革の柱がありますよ、そちらの勉強会に出ます、そういう余裕が現職の閣僚にあるんでしょうか、またあっていいんでしょうか。そういうことは勢力の拡散になり、また内閣の熱意を国民から疑われることになるのではないか、私はそのように思えてなりません。 官房長官、いかがお考えでございますか。
○河野国務大臣 どこまで私が御答弁を申し上がればいいのかちょっとよくわかりませんが、自由民主党という政党は幅の広い政党で、さまざまな考え方があって、そのさまざまな考え方をお互いに闘わせながら一つの答えを出していく、そういうことをこれまで長い間続けてきている政党でございます。 これから行おうとする政治改革は、そう簡単なたやすい改革ではない。根本的な、極めて大きな改革をやろうという段階でございますから、法案をつくるのにもそう簡単なことではない、相当難航もあるかもしれない。しかし、自由民主党がこれまで大変長い時間をかけ、回数を重ね、広く党員の声も聞き、一つ一つ積み上げてきて今改革案をおつくりになろうとしているというふうに私も承知をしておりますし、この努力は自民党の中では必ずまとまるという方向に実ると思います。 ただ問題は、今委員お話しのように、与野党間の提案にはまだ相当な開きがあるのではないかという御指摘がございました。まだ各党の案が出そろっているわけではございませんから、今それが、その差が広いとか広くないとかということを申し上げる段階ではもちろんございませんが、少なくとも、委員がおっしゃったように、今、国会議員ひとしくこの政治不信、あるいは我々が今変化の激しい国際情勢の中でどう機敏に的確に対応していくか、そのために国民の声をできるだけ正確に反映させる選挙制度、あるいは政策をベースに国民の判断を仰ぐ、そういった選挙制度をつくっていかなきゃいけないという大きな認識においてはかなり合意ができつつあるのではないか。そういう危機感、そういう合意の中で、ぜひひとつ各党がそれぞれの案をお示しをいただきながら一つの答えに収れんをしていってほしいと心から念願をいたしております。
○平田(米)委員 官房長官、答えになっていないわけで、私は、内閣が一丸となってやらなくちゃいけない、選挙制度改革に向けてやらなくちゃいけないというときに、現職閣僚がほかのことをお考えになっている余裕があっていいんでしょうか、宮澤内閣はこの法案が成立すること、法案がそもそも出ること、これについてはそれだけの余裕、自信があるんでしょうかまた国民から宮澤内閣の決意というものが疑われませんか、そういうことをお伺いしておるのです。
○河野国務大臣 どうも御無礼いたしました。 先ほど来小泉郵政大臣、お名前を出して申しわけありませんが、小泉大臣からもお考えが示されましたように、小泉大臣自身小選挙区制に反対ではないとおっしゃっておられるとおり、議員立法として自由民主党が提案をなさると言われる改革案について、我々もまた全力を挙げてこれの成立のために、政府としても、議員立法で提案をされ、これから御議論をいただけるということでございますから、これを側面的に協力をして成立を期したい、こう考えている点には、閣僚ひとしく間違いはございません。
○平田(米)委員 郵政大臣にお伺いしますが、先ほど、首相の指導性ということで今の制度では問題がある、こういうようなお話がございました。今、首相の指導性でもって選挙制度改革、一丸となって闘わなければならない、そういう時期ではないかと思うのです。そういうときに現職閣僚が、そのような指導性のもとに結集するのではなくて、それは確かに一つの柱かもしれませんが、宮澤内閣は今考えてないとおっしゃっている首相公選制を考えるような余裕を持っていていいんでしょうか、また、その指導性のもとに結集していると言えるんでしょうか。どのようなお考えでございますか。 もう一点、自民党の中で、自民党の改革案というのが早期に出る、それについて郵政大臣としてどのような努力をされるお考えでございますか。
○小泉国務大臣 私は、この首相公選制というのは、将来の問題として今から勉強していこう。それで、今私が心配しているのは、いつまでも自由民主党が過半数をとっているとは限りません。いつの日か自由民主党は過半数を割る時期が来るかもしれない、連立政権のときが来るかもしれない。そのときの不安定さを私は心配しているのです。単なる自民党内だけの派閥の談合じゃ済まない。与野党の駆け引き、総理大臣の不安定性。現に私は郵政大臣仰せつかっておりますが、歴代の郵政大臣、この六十年の間に、恐らくもう八十人ぐらいかわっているんじゃないんでしょうかね。一年もってない、この戦後。今でも、自由民主党が安定しているときでも大臣は一年足らずで交代してしまう。これがもしも過半数を割った場合、私は大変憂うべき状況に来る可能性がある。そういう場合に、国民から、全体から選ばれた首相がいるということは不安定さを抑制する安定装置として働いてくるんじゃないかという観念を持つものですから、そういう点も踏まえてこれを勉強していきたい。 それで、現在、自民党がそれぞれ小選挙区制度等、政治資金規正法等いろいろ改革案をもって今党議としてまとめようとしています。また、野党の皆さんとも話し合いを進めておられる。私はこの党の決められたことを、今党の審議を見守っておりますから、その決められた方向に従って、また、野党の話し合いによってどういう改革案が出てくるのか今のところ定かではありませんけれども、それについては、やはり内閣としても政治改革の最大課題として全力で取り組んでいかなきゃいかぬと思っております。 ですから、選挙制度改革どこの首相の公選制というのは両立てきるものだ、そして現在宮澤内閣でこの首相公選をやる考えはないとはっきり申しているのですから、それはそれでいいんじゃないでしょうか。
○平田(米)委員 自民党の中の論議を見守っていくというお話で、ちょっと第三者的な発言をされました。しかし、宮澤内閣はこの選挙制度改革、何とか法案化をして出したい、こうおっしゃっているのに、そういう第三者的な立場でよろしいんですか、現職閣僚として。いかがでございますか。それは一政治家としていろいろな議論をされることは結構でございます。しかし、現職閣僚として、先ほど首相の指導性とおっしゃいましたその指導性に従って全力投球で努力をしていくというのが、これが内閣の構成員としての責任だと私は思います。 そもそも小泉郵政大臣は、この自民党の「政治改革の基本方針」というのは、これは御賛成なんですか。いかがでございますか。
○小泉国務大臣 自民党内のいろいろな議論がありました。しかし、自民党で決まったことを守っていくというのが政党人ですから、今大臣としては大臣としての仕事をやるし、同時に、首相公選を考える会というのは私的な議員連盟です。党の正式な機関ではありません。大臣として党の正式な会合に出て、政治改革本部に出るという立場には私は今ありません。
○平田(米)委員 全然お答えになってないんですわ。それは一政治家としてやられることは結構です。しかし、あなたは今一政治家ではありません。宮澤内閣の内閣の構成員です。そういうお立場でいかがお考えですかというふうに伺っておるわけでございまして、一政治家というお立場での御意見を伺っているわけではありません。もう一度お願いいたします。
○小泉国務大臣 宮澤内閣の政治改革方針にのっとってやっていきたいと思います。
○平田(米)委員 官房長官、今のお話を伺っていますと、要するに内閣はまさに勢力は拡散している、こういうふうにしか私には見えません。確かに、議論として首相公選を考えるのはどんどんやっていただきたいと思いますが、しかし、内閣が選挙制度改革を実現するなどということは、大変な結集力、集中力を持って当たってできるかどうかということです。それにもかかわらず今のような現職閣僚の御発言では、内閣全体が果たしてそういう決意に立っているかどうか、私から見たら疑わしい、ないように見えます。そういう内閣なんでしょう、きっと。 どうですか、今国会で宮澤内閣としてはこの選挙制度改革を含めた政治改革を実現するお考えなんですか。いかがですか。
○河野国務大臣 閣僚はそれぞれ仕事を担当しております。小泉郵政大臣には郵政を担当していただいているわけでございまして、つまり、つかさつかさ、それぞれの担当を懸命にやっていっていただいているわけでございますから、議員の御心配はないと思います。 宮澤内閣が宮澤総理を中心にして、「変革と実行」を掲げてこの国際社会の変化あるいは国内の景気対策を初めとするさまざまな重要な政策について懸命に取り組んでおりますし、内閣はきちっと一致結束をしてこの難問題に当たっております。そして、それは与党でございます自由民主党とは全く一体となって、あうんの呼吸で仕事に当たっているわけでございます。 委員からいろいろ御心配をいただいておりますが、この政治改革につきましても、先ほども申し上げましたように、自由民主党が相当な時間と労力を費やして練り上げてきた抜本改革案を今法律化する作業がもう大詰めに近づいてきているところと承知をいたしておりまして、議員立法として四法案がそう遠からず今国会に提案をされると私は確信をいたしております。 問題は、政治改革が実現するかしないかは各党間の意見の調整にかかっているというふうに思います。各党それぞれお考えがあって、しかも、とりわけ選挙制度については、いわば土俵づくりと言われる作業でございますだけに、でき得る限り多くの方々の合意の上で法律を作成しなければならないわけでございますから、ぜひとも各党がそれぞれお考えを開陳していただいて、そして御議論の上、しかるべき合意をつくるためにぜひ努力をしていただきたい。 宮澤総理を中心に、宮澤内閣はそうしたことを懸命にやっていくということを……(平田(米)委員「もっと肝心なことを答えてください。今国会でやる気があるかどうかを私は聞いているのですから」と呼ぶ)今申し上げましたとおり、今国会に議員立法として提案をなさる、これは議員立法でございますから、自由民主党は議員立法として提案をなさると私は伺っておりますということを申し上げているわけで、各党もそれぞれ、今国会にそれぞれの政治改革案を提案をなさるに違いないと私は期待をしております。それはつまり、国民が政治改革に対するこれだけの期待をしている中でございますから、各党はそれぞれ御提案があって、そこでさまざまな議論が行われ、答えが出されていくに違いない、そう確信をいたしているところでございます。
○平田(米)委員 今国会で法案が提出されるかどうかも疑わしいというような官房長官の発言でございました。違いますか。
○河野国務大臣 そんなことは申し上げておりません。
○平田(米)委員 そうですか。私にはそのように聞こえてまいりました。議員提案であることはわかっております。しかし、宮澤内閣が責任持ってやろうとしているのが、それが議員提案だからといって逃げていいんでしょうか。総理・総裁じゃないんでしょうか。そういうことで私は逃げるべきではないと思います。私は、当然野党とのすり合わせが今後必要かというふうに思いますが、しかし、まず自民党、そして内閣総理大臣、総理である宮澤首相、この方が、そしてそれを固める内閣の皆さんが、何としてでも今国会で成立させようという決意があるかどうかが極めて私は重要だというふうに思います。 先ほど、つかさつかさというお話がありました。つかさつかさであるならば内閣は必要ありません。内閣は合議体でございます。そういう点もしっかり考えていただきたいと思うのです。一政治家、そういう言葉で逃げていただきたくない。また、議員提案だということで逃げていただきたくない。我々は、今本当に政治不信の中で投票率はどんどん落ちておりますこういう中で国民にいかにこたえるか、まさに今国会が正念場であるという認識があるのかどうか。私は今のお話を伺っていて、今国会が正念場であるという熱意は私には残念ながら伝わってまいりませんでした。 時間がございませんが、最後に官房長官、できれば総理に伺いたいわけでございますが、今国会で成立させるために具体的にどのようなスケジュールでお考えなのか、いつ法案を提出されるめどをお考えなのか、また、場合によれば会期を延長してでも今国会で成立させるというぐらいのお気持ちがあるのかどうかお答えをいただきたいと思います。
○河野国務大臣 繰り返しになって恐縮でございますが、宮澤総理、宮澤自由民主党総裁は、自由民主党の政治改革本部長として本日も政治改革本部の会合に出て、でき得る限り早期に法案をまとめて国会に提出をしてほしいということを申し上げているわけでございます。 私は、繰り返して大変恐縮でございますが、自由民主党の中におきまして、この四法案を議員立法として提案をし、各党間の提案を待って議論をして進めようというお考えでございますから、そのお考えに沿ってぜひお願いをしたい、こう政府としては考えているわけでございまして、その自由民主党がおまとめになって提案をする時期がいつになるかは、できるだけ早期にお願いをしたい、こう申し上げる以上に申し上げようがないことでございます。そこはぜひ御理解をいただきたいと思います。
○平田(米)委員 時間が来ましたので、終わります。
○石川委員長代理 これにて平田君、大野君の質疑は終了いたしました。 次に、関晴正君。
○関委員 日程の都合でどうしてもお出かけにならなきゃならないという外務大臣代理の方に先に伺っておきたい、こう思います。 と申しますのは、先ほど委員会のときにもお尋ねしておいたのですが、使用済み燃料の燃焼度からプルトニウムの量と組成が算定されるわけですけれども、今回返還されたプルトニウムの輸送物設計変更承認申請が提出されたということは、返還プルトニウムの組成が算定想定の範囲を超えたものであって、日本の使用済み燃料から抽出されたプルトニウムではなく、外国の使用済み燃料から抽出されたプルトニウムであることを証明していると思うわけであります。日本の使用済み燃料から抽出されたプルトニウムでなくても、算定される核分裂性プルトニウムの量さえ合えば問題はないとしているようであります。 日本の使用済み燃料から抽出されたプルトニウムでなく、組成の違う外国のプルトニウムが返還されても、IAEA保障措置上、日仏・日米原子力協定上何の問題もないのか、またアメリカはこのことを承知、合意しているのか。この点、科学技術庁、外務省、外務省でよければ外務省の方から御答弁いただきます。
○須藤(隆)政府委員 お答え申し上げます。 御質問の点につきましては、日米・日仏原子力協定並びに日本とIAEAとの保障措置協定上いずれも、我が国から移転された核物質等と同一の組成の核物質等を返還することについては何ら定めていることはないということはこの前御答弁申し上げたとおりでございますが、再処理工程の性質上、我が国の使用済み燃料に含まれるプルトニウムが他国のプルトニウムと混合されることによりまして、再処理後発生するプルトニウムが物理的にいずれの国の起源のものか判然としないということが起こり得ることでありますので、生成したプルトニウムのうち、計量管理によりまして、我が国起源の使用済み核燃料中に存在したものと分裂性プルトニウムの量で、同量のプルトニウムを今回の再処理契約上我が国のプルトニウムとみなしておりますので、日米及び日仏原子力協定上もこれを我が国から移転された核物質とみなすということになります。複数の起源の使用済み燃料を混合して処理する場合に、生成されたプルトニウムの起源を便宜上このような方法で決定することは国際的にも行われているところでありまして、このような取り扱いは日米・日仏原子力協定においても当然の前提となっておりまして、特に問題はないと考えております。
○関委員 今回のプルトニウムの量といい、質といい、これは日本のものだというふうに考えていますか。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 今回輸送して持ってまいりましたものは、まさに所有としては我が国のものでございます。 今先生お尋ねの件は、そもそも物理的に我が国から搬出しました使用済み燃料から出てきたプルトニウムであるかどうかということであろうかと思うわけでございますが、先ほどの須藤科学技術審議官の御答弁にもありましたように、まさにフランス・コジェマの再処理工場の運転のプラクティスというのはそういうことでございますので、物理的には必ずしも我が国から持ち出したものが我が国へ返ってきたものになるということではないと思っておるわけでございます。
○関委員 どうしてこのプルトニウムの輸送に当たって、当初の容器の承認が百三十三個であったものが、その輸送直前に当たって百四十九個に変わっているわけなんですが、これはどういうわけです。
○石渡参考人 お答え申し上げます。 まず前回の輸送から申し上げますが、前回はフランス製のFS47十六基、それと英国のPUB型容器四基で百九十キロ弱のプルトニウムフィザイルを輸送したわけでございます。そして、これは両方とも俗に言うリースでございまして、借りて使ったという経緯がございます。したがって、現在、容器承認を得ているものが十六基あったわけでございます。フランス製のものとして十六基あった。今般も借りることを交渉したのでございますが、フランス側の事情でこの十六基は貸せないということでございましたので、百三十三基を製作いたしました。しかし、容器の承認申請を行いました際に、十六基も含めまして、百三十三プラス十六、百四十九基について容器申請を行い承認を得たものでございます。したがいまして、十六基はフランスのものであり、現在フランスにありますが、今回は借りることができなかったということでございます。
○関委員 おかしくありませんか。動燃理事長、今の答弁おかしくありませんか。八月の二十九日に設計変更をして、そうして百四十九にされましたね。なぜ百三十三個から百四十九になったのだろうか、そこを聞いているのです。
○石渡参考人 百三十三基つくりましたが、今度借りようとして借りられませんでした十六基は同じ型のものでございます。したがって、将来のことも考えまして、将来この十六基も借りることがあるべしということでまとめて承認申請をいたした、こういう事情でございます。
○関委員 おかしくありませんか。八月の二十九日になって、二十五日になって、その必要があったから設計変更の容器についての申請をしたのでしょう。そうして、翌月にこの承認をもらっているわけでしょう。ですから、設計の変更の必要がなぜ生じたのかということを聞いているのです。借りようと思ったけれども、借りられなくなったから、だめになったからやめた、そんなことないでしょう、重要なこの問題の輸送に当たって。ただごとじゃないですよ、あなた。何か大きな理由があったでしょう。それは組成上の問題、燃焼度の問題で事情が変わったからじゃないのですか。答えてください。
○石渡参考人 お答え申し上げます。 その時点におきまして、従来我々が想定していた組成と変更があったというのが設計変更の申請の理由でございます。
○関委員 だから容器に、数多く必要とされたから申請したのでしょう。組成の内容が違っているということは、燃焼度が違っているからでしょう。ですから、日本で送ったものの燃焼度と、それに伴うところの組成から計算するというと百三十三個でよかった。それが直前になってなお十六個ふやさなければならない。十六個ふやしてもらうための設計変更申請をしなければならない。そうして、承認をもらった。ですから、そこの十六個の変更申請というのは、なぐさみにやったのじゃないでしょう。今輸送しなければならないという直前に当たって、必要があったからでしょう。その必要というのは、日本のものの再処理したそういう数値からいくというと百三十二個で間に合うつもりだった。しかし、実際上になったら間に合わないということがわかったから、あわてて十六個申請する。その必要に迫られたのじゃないですか。どうなんです。
○石渡参考人 従来、我々が想定しておった組成と、少し幅が広くなったと申しますか、変更があったので設計変更の申請をいたしました。それで、百三十三個だけ使えばいいということは、これは変更がございません。ただ、同じものが、前回借りたものがあるので、この際一緒に変更しておけば将来この十六個は借りることができるだろうということで、十六個もあわせて申請をしたということでございます。
○関委員 そうすると、申請したそれは利用することなく、使うことなく置いてきたということですか。
○石渡参考人 冒頭申し上げましたように、十六基につきましては前回のときに借りた実績がございます。それで、今回は百三十三基で十六基は借りる必要はないということはわかっておりましたが、将来のことも考えて、この際一緒に変更申請をやっておけばよかろうという判断をしたということでございます。 〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
○関委員 こんなおかしい話はありませんよ。五月には必要の分を申請し、そうしてもういいかというときに、三カ月後に、さらに直前に当たってふやしているわけですよ。ふやしているというのは、借りたものを返すためにふやしているなんて、そんなことないでしょう。そうして、それを承認もらっているでしょう、よろしゅうございますといってきちんと。そうして、今度は置いてきたんでしょう、それ。百三十二個から百四十九個来るのかなと思ったら、来たのは百三十三個でしょう。じゃ、十六個どこへ行ったんですかというのが質問。それで、また何でそんな必要があったのか。こういうことになりますというと、それはやはり組成が違っておったから、こちらで燃焼度によるところの組成からいけばこういう内容になる、その点の数字の違いが、変わったからその必要があって来たんでしょう。どうなんです、そこは。
○石渡参考人 十六基は、前回借りて輸送が済みましてからフランスに返しております。したがって、今回は関係が全然ないわけでございます。ただ、したがって、百三十二基必要だから全部日本でつくろうということにしたわけでございますが、設計承認のときに、同じことであるから十六基も承認を得ておけば将来百三十三プラス十六が使い得る、そのまま使い得るだろうということで一緒に承認申請をしたということでございます。
○関委員 じゃ、これはしてもしなくてもいい申請であったんですね、緊急度からいけば。どうなんです。
○石渡参考人 仰せのとおり、しなくてもよかったということは言えるかと存じます。
○関委員 どうしても腑に落ちない問題があるんですが、こういう数字がそういうような、何といいますか、今の答弁、この答弁はもう少し私どももまた検討してみたいと思いますけれども、フランス側からも事情を聞いてみたいと思うのですが、余裕の分をとっておきたいために前もって申し上げておいた、そうして許可をとっておいた。 それ、いつ使うんです、今度。
○石渡参考人 動燃が次のプルトニウム輸送を必要とする時期にこの十六基も含めて検討いたしたいと思っております。それから、いつかという御質問につきましては、前にもお答え申し上げましたが、三年ないし五年後になろうか、動燃だけの事情を申し上げますと、三年ないし五年の間にその必要が生ずるであろうというふうに考えております。
○関委員 全くなっていない設計変更の要請であったし、しかもいつ使うのかということもないままに、前もって承認をもらっておこうなんというのも、これは筋の通らない話なんです。でも、申請をしておりながら、どうして百三十三個しか来ないんだろう、十六個どこへ置いてきたんだろうというのが私どもの疑問でありましたから、その疑問については今のようなお答えをしておりますけれども、このお答えは私どもからいけば極めて、輸送に当たっての容器の申請に当たって、必要でないものを前もって許可もらっておこうなんというのは、不必要なこれは申請だと思うのです。しかも、この申請のおかげでまたおくれたでしょう、それぞれにおいて。また、この申請のないうちに、また積み荷もされたわけですよね。 ですから、どう理解すればいいかわからないようなものもあったものですから、大変疑問が残っているわけですけれども、これはこれ以上その話をしても意味がありませんので、大変にわからないことをされたんじゃないか。そうしてしかも、今、今度はいつ運ぶんだと言ったら、いつ運ぶかわからない。いつ運ぶかわからないものに十六個だけ前もって承認もらっておくなんという話も、これはおかしな話です。でもまあおかしな話を続けてもいけませんので、質問はその程度でおきますけれども。 そこで、私の方から申し上げたいことは、この千七十六キロのプルトニウム、これは日本のどこの原子力発電所から行ったものです。そうして、燃焼度は幾らのものでした。そうして、来たものの内容からいけば、我が国の燃焼度からいけばこれは極めて高い燃焼度のものが来た、こう我々思っているのですが、我々の方が間違っていますか。お答えください。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 このプルトニウムがそれぞれどこの電力会社から来たものかということにつきましては、現在のところ私ども、フランス側の方から報告を聞いておるわけではございませんので、それにつきましてはお答えできかねるところでございます。 ちなみに、今回輸送しました約一トンのプルトニウム、これは動燃事業団が、この前も申し上げましたように七電力会社、具体的には東京電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力及び日本原子力発電株式会社から購入したものでございます。
○関委員 その日本から行ったものがフランスのどこの、じゃ、再処理工場でやったものですか。UP2ですか、UP3ですか。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 これは時期によりまして早し遅しはあるわけでございますけれども、一部のものにつきましてはフランスのUP2という再処理工場で再処理いたしております。さらに、そのほかのものにつきましては、御承知のUP3で再処理しておるところでございます。
○関委員 UP2のものだと今言ったし、UP3のものも入っておる、こう言いました。しかし、いずれにしましても、我が国のものだというならば、我が国のものは非常に燃焼度が低いわけですよね。低い燃焼度によって組成というものが、プルトニウムの239というものはずっと高くなっていくんだ。ところが、今度来たやつは、プルトニウムの239は低いんです、組成の率が。六三・三でしょう。我が国のものの例からいきますというと七〇から七一ですよ。ですから、これはどう見たって三万メガワットから四万メガワット、その間の燃焼度のものなんですよ。それをあなたはこの間、二万二千五百時間の燃焼度だ、こう言ったでしょう。燃焼度を、あなた、時間で答えてあったけれども、大体この時間という答え方も、あなた、間違っていたでしょう。直してくださいよ、きちんと。
○石渡参考人 燃焼度の単位を間違えておりまして、議論を大変混乱させまして、大変申しわけなく思っております。 それから、二万二千五百と申し上げました数字は、東海再処理工場で「もんじゅ」の初装荷の燃料のために抽出いたしましたプルトニウムの燃焼度のことを申し上げたわけでございます。
○関委員 今の数字だって、あなたの方の東海の再処理工場で出しているそれぞれの燃焼度に伴う組成のデータを見ますというと、六三・三なんていうのは出てこないはずですよ。プルトニウム239でですよ、241は入れないで。 だから、これはどう見たって日本のものでないというふうに少なくとも科学者はみんな見ていますよ。そうして、燃焼度と組成にかかわる専門家もみんなそう見ているのです。だけれども、日本のものでなくてもいいということもあるから、そういうことでやったというのならば、そういうことでやったといって我々は理解しますよ。 でも、それぞれの電力会社に、あなた方、買ってくるとき金を払っているでしょう。金を払うときは、それぞれあなた方の電力会社の消費燃料はこれこれで、燃焼度はこれこれで、したがってプルトニウムの量は、比率はこうなるから、そういうことで計算をして金を払っているはずですよ。どんぶり勘定で払っているわけじゃないでしょう。あるいは概算で払っているのかどうか知りませんけれども、少なくとも数字的に計算して電力会社に金を払っているのでしょう。その場合の根拠になるのは燃焼度と組成じゃないのですか。それはどうなんです。
○石渡参考人 御指摘のように、我々は、先ほど原子力局長が答弁をされました七電力会社と契約を結びまして、トータルで約十一億円の料金を支払っております。その根拠は、プルトニウム239プラス241のフィサイルを根拠にいたしまして、その料金をお支払いした次第でございます。
○関委員 これはもう時間がないから、それぞれの電力会社がどのくらい払ったかというような話までは問いはしませんけれども、とにかく、我が国のものであるか我が国のものでないかということについてはきちんとしてほしいと思うのです。 あなた方は、願わくは我が国のものであってほしいと思っているかもしれない。しかし、来たものは、化学的に分析すれば、我が国の燃焼度というのは低いのです、二万二千から二万五千でしょう。三万だとか四万メガワットというふうには燃焼度はいっていませんよ。ところが、来たところの品物の組成は、三万メガワットから四万メガワットに至るところの燃焼度による組成の内容なんです。これは否定しますか、肯定しますか、どっちです。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 この間から先生、三万あるいは三万五千ないし四万ということで、私どもそういう燃焼度になるように一生懸命考えてみたのでありますけれども、どうしても、なぜ三万五千あるいは四万とおっしゃっておられるか、なかなかつまびらかにし得ないところでございます。 基本的には、この間も御答弁申し上げましたように、コジェマの再処理工場の中では、いろいろな国から持っていったものがまざることはあるだろう、それはまざっておるだろう。しかし、それはいずれも、コジェマのUP3の再処理工場では各国の軽水炉からの使用済み燃料を持っていっておるわけでございます。その意味では、いろいろなことはあったといたしましても、我が国が持っていったものと我が国に持ち帰っておるものは基本的に変わるものではない、そういうプラクティスでこの再処理の委託をやっておるということをぜひ御理解賜りたいわけでございます。
○関委員 今のは答弁にならないのです。答弁にならないけれども、問うてもその程度しかわからないのでしょうから、これはどうにもならないと思うのですが、この組成と燃焼度の問題については専門書がありますから、専門書をよく読んで、そうして、なるほどなということでやってください。私ども、ただここでしゃべっているのじゃないのですから、権威ある学者の資料に基づいて言っているのですから、ここはそういう点でよく考えていただきたい、こう思います。 それから、今の数字の点も、言えといえば全部私、言ってもいいですよ、ここであと幾らもないのですもの、一時間しかないのにとても言うわけにもいかぬけれども。 もう少し通産省、通産省が答えていいのですよ、これ。通産省はこの燃焼度と組成の問題については知っているはずですよ、ちゃんと。知らないというなら仕方がない。知っているというならば、それだけでもいいから答えてください。
○黒田政府委員 これまで我が国の電気事業者が再処理のためにフランスのコジェマに搬出した使用済み燃料の燃焼度は、もちろん使用済み燃料によって異なっているわけでございますけれども、平均しますと大体二万五千メガワットデー・パー・トン、こういうふうに承知をいたしております。
○関委員 これも聞いたことに答えていません。でもいいです、これ。この話は後。とにかく十二分にその点を今後検討していただいて、これからの問題に対処してもらうようにこれは希望しておきます。 そこで私、再処理工場の話に入りたいのですが、何か運輸大臣は、どうしても質問を先にさせていただけないかというのでまた飛び込んできているものですから、運輸大臣の方に先にお尋ねしたいと思います。 運輸大臣、実は整備新幹線のことです。整備新幹線のことで、とにかく、盛岡以北の東北新幹線がミニ、フル、またミニというまだら新幹線ですね。これは昨年、奥田運輸大臣はいい言葉を言いましたよ、まだら新幹線で申しわけありませんと言ったのですから。 そこで、このまだら新幹線というのは、いろいろ整備新幹線それぞれ対処してやっているけれども、全部フル規格なんです、全部。それで、盛岡以北のこの間だけがミニ、フル、ミニなんですよ。そうして八戸——青森の場合は、一千億以上も投じてどれだけ短くなるかといえば、五分ですよ、五分。千百億投じて五分。一分幾らにつきますか。二百二十億ですよ、一分。こういう投資の意味というのはあるのかと言うたのです。それよりも、もう二千億足せば、八甲田の山にトンネルを掘ってフル規格の新幹線がつくれるのですよ。 それで、ミニ、フル、ミニでやっていったって、そんな情けないことでこれを位置づけるという手はないと思う。それでも、青森で終わるというなら別ですよ、山形で終わるとか秋田で終わるとか、あとは海で行けないというなら。青森の場合は青函トンネルというのがあって、向かいの北海道へ行くでしょう。それこそ幹線中の幹線なんですよ、これは。それをミニで投げておくという手はないと思うのです。 自民党と政府の方では五年たったら見直すということを言っておりましたから、この年が見直しのときです。私は、オリンピックで長野の方が、オリンピックだからといって金を先につき込まれることについては別に異議は申しません。しかし、残念だとは思っていますよ。近いところが近くなるし、しかも遅いところの計画なんです、これは。早いところの計画の方がおくれにおくれ、そうしてまた、さらに捨てられるだけ捨てられて、そうして、来るのは六ケ所のごみの捨て場でしょう。どこも嫌だというものが青森県に、いいだろうといって、これをありがたくいただく知事もあるものだから仕方ないけれども。 だから、やはりこの点については、同じ国民でありながら、同じ東北の人でありながら、同じ日本人でありながら、何でここだけミニ、フル、ミニなんという妙な格好で位置づけておくのですか。金がないと言うけれども、内需拡大でやったらいいじゃないですか、これ。景気をよくするためにも、ここにかかったらいいじゃないですか。そういう意味で私は、これは通産大臣にきちっと当たっていただきたいと思うのです。ひとつ我が親愛なる——通産じゃない、運輸大臣、余りそこに並んでいるものだから間違うんだ。そういうことで運輸大臣、ひとつちゃんとしてポジションをとっていただけませんかお尋ねします。
○越智国務大臣 整備新幹線の問題は、今いろいろ御説がございました。五年前に基本スキームを決めまして、それに基づいて予算要求をし、特別長野をということではございません。オリンピックの関係がございますから、どうしてもこれは間に合わせなければいけない、こういうふうに感じております。 五年後、ことしの八月が見直しの時期でございます。ただいままでに国会議員の先生方あるいは知事さんあるいは市町村長さん、あらゆるところからいろいろ陳情をいただいておりますのでございますけれども、ただいま予算要求をして御審議をいただいておりますので、ここで私がこれをどうするというようなことを申し上げるまでに至っておりません。今後いろいろ御議論をいただいてやっていく。特に、フルとかミニとか組み合わせをいたしましたのは五年前のことでございます。今私が、ミニがいけないとか、フルでないといけないとか、そういうことでなしに、基本スキームに従っての予算要求をいたしております。 それから時間の問題ですけれども、局部的な時間をとるのでなしに、要は盛岡から青森、もう一つ言いますと、東京から青森までの全体をどうするかという問題で新幹線の効果がある、こういうふうな考え方でございます。 でございますから、今後皆さんの御議論によりましてでございますが、運輸省としては、ただいま予算の御議論をいただいておるときでございますから、基本スキームに従ってひとつ早く予算を通過させていただいて着々と進めたい、かように考えておる次第であります。
○関委員 すぐ帰そうと思ったけれども、これじゃすぐ帰されないですよね。 大臣、今予算のさなかだから答えられないということはないのです。今の予算に入れろと言ったって、これは入ることもできないでしょうから。そんなことを言っているんじゃないんですよ。方針さえ立てれば次へ進んでいくでしょう。その方針ぐらいはあなたの大臣のときにとりますよと言ったらいいんじゃないですか、あなた。何も遠慮することないでしょう。この新幹線だけはミニ、フル、ミニ、フルなんですよ。カラフルならいいけれども、ミニ、フルだもの。 ですから、九州の方も、それから中部の方も全部フルなんです。あなたは首をこう振っているけれども、知らないんです。特別新幹線と言っているけれども、新幹線が来るようになればちゃんとつながるようになっているんですよ、よその方は。私の方はつながらないんですよ。一本足す、三本、三本、六本足なんですよ、ミニというのは。よその方はちゃんと規格をフルにしておいて、それでも特別新幹線にしておいて、やがてつながればちゃんとフルになるんですよ、みんな。うまい調子でやっていますよ。投げられているのはここだけなんです。 ですから、運輸大臣、やはりこれはそうだなと、国民すべてひとしくこの恩典に浴するようにしなきゃならないんですから。あなたはそれでも今いいことを一つ言いましたよ。全部日本的なつながりで東京から北海道まで行くんだから、そのときここだけ悪くていいということにならないでしょう、あなた。なるほどな、いいこと言っているんだなと思うけれども、でもあいまいだなと思うのだ。重ねてお答えしてくれませんか。頑張ってちょうだい、あなた。
○越智国務大臣 今お話がございましたが、ミニ規格、必ずしも東北だけではございません。ほかもあります。また、北陸の方はミニ、フルではございませんけれども、飛び飛びでやっておるということでございます。 したがいまして、御議論をいただくことは結構でございます。皆さんが御議論をひとつしていただくということは結構でございますけれども、前に決めましたのが八月でございますので、公式に言いますと、見直しということになれば八月でございますが、私は、八月といっても、この予算が通過すれば運輸省の方もまた耳傾けてお説をひとつ承る、こういうことを指示しておる次第であります。
○関委員 まあ、大臣はわかりました、やりますということだけは口には出なかったけれども、格好を見ているというとそうしたいというふうに見えますので、ぜひ私は、これは前向きにあなたが取り組んで、そうして当たっていただくことを重ねて希望しておきます。 特に、この青森の貧弱な財政の中から、何ほどこのために宣伝活動をして、青森のリンゴをどうぞ食べてくださいと言っては、新幹線よろしくと言っているはずです。本当は、嵐のためにリンゴがどれほどえらい目に遭ったかわからぬけれども、でもなお頑張って、新幹線についてはすごい希望があるわけですよ。しかも、これは何も青森県民だけじゃない、東北の皆さん方すべて賛同しておられますし、北海道もまたそうしてほしいといって願っているんですよ。そういう意味において、ひとつぜひ力を入れていただきたいし、余りこういうことで青森の諸君たちに陳情させたり余り動かさせたりしなくても、よし来たと言って大臣が胸をたたけばそれで決まるんだから。これはよろしく私の方からお願いしておきたいし、ちょうど大蔵大臣もよく聞いておったわけですから、十二分に耳に入れて、頭に置いてこれもまた対処していただきたい、こう思います。 それじゃ、運輸大臣、どうぞ行ってください。 じゃ次、これは科学技術庁長官並びに通産大臣、それからあそこの動燃事業団、それぞれにまたお尋ねしておきたいと思うのですが、フランスにおいて今再処理をお願いしているんだけれども、今日までフランスは日本のものをどれだけ再処理されたのですか。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 現在までに、御承知のように、イギリス、フランスにそれぞれ使用済み燃料を搬出しているわけでございますけれども、現在までのところ、日本からフランスに持ち出しておるものでございますけれども、合計七百七十一トン再処理したと承っておるところでございます。
○関委員 それじゃ、プルトニウムがどれだけつくられました。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 先ほど申しましたようなフランスの再処理事業の姿であるわけでございますので、我が国からフランスに搬入いたしました使用済み燃料から出てまいりますプルトニウムがすべて我が国のものとしてラベリングといいますか国籍づけをされるわけではないということをまず御了承いただきたい、御認識いただきたいわけでございまして、そういうコジェマのやり方によりまして、現在までに我が国のものとして位置づけられておりますプルトニウムといいますのは、一九九一年末、これは一年末でございまして、若干さっきの七百七十一トンとフェーズは違うところがあるわけでございますけれども、一九九一年末におきます回収総量は二・二トンと承っておるところでございます。
○関委員 何も一九九一年と言わなくてもいいでしょう、あなた。今一九九三年ですよ。そうして、一九九二年の十二月末で七百七十一トンなんでしょう。何も難しいことないですよ。この間、動燃の理事長は〇・四%だと答えたでしょう。プルトニウム239はどのくらい含まれていますかと言ったら、私は〇・五六で計算したら、理事長は〇・四で計算して、これは純粋の239はそう計算します、合わせるとまた別ですがと答えたんだ。仮に〇・四%と見ても、掛け算したらわかるでしょう。四、七、二十八、二上がって、四、七、二十八といったら、三十・八と出るでしょう、あなた。三トン以上あるということになりませんか。そのうち一トン来たとすれば、残っているのが二トン、そういう意味で二トンということなんですか。そう理解していいんですか。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、累積の回収量でのトン数を申し上げたわけでございまして、そのうちから、今回も運びましたし、あるいは昭和五十九年でございましたでしょうか、晴新丸で運んであるわけでございます。したがいまして、これは累積の回収量で申し上げたわけでございます。 どうしてそうなるかということになるわけでございますけれども、これは、先ほど申しましたように、全体、各国から搬入されます使用済み燃料をそれぞれコジェマの再処理工場では再処理していくわけでございますけれども、必ずしも持ち込んだどおりのプルトニウムが戻るわけではなくて、むしろプルトニウムの国籍の割り当てというのは、その前の年にありますところの使用済み燃料の総量に応じて割り当てておるということもあるわけでございます。そういうプラクティスをやるものでございますから、先ほど申しましたように、七百七十一トン、これは一九九二年まででございますけれども、七百七十一トン、あるいは一九九一年末でございますとそれから百何十トン少ない量でございますけれども、それから出たもので今先生掛け算なさったものとそれから二・二トンの間に差がある、かように御認識賜れば幸いであるわけでございます。
○関委員 そうしますと、とにかく一トン運んだ。二トンの余は残っている。これはどういう格好で残っているものですか。
○石田政府委員 どういう形というのは難しい御質問でございますけれども、化学的な格好ということでございますれば、二酸化プルトニウムということであろうかと思っております。多分粉末状の二酸化プルトニウムと思っております。
○関委員 余剰プルトニウムは持たないというのが我が国の方針ですよね。そうすると、今フランスにそれだけあるということは、これはフランスに置いている限りは余剰でないと見るんですか、それともフランスにあるのも日本のものなのだから余剰だ、こう見る。余剰と見るんですか、それとも余剰と見ないんですかそこだけ答えてください。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 今フランスに残っておりますプルトニウムにつきましても、さらに将来フランスで再処理されて出てくるであろうプルトニウムにつきましても、これは最終的にはいずれも我が国に持ち帰りまして、我が国におきまして利用するということになるわけでございます。そういう意味では、まさに利用計画のあるプルトニウムとして我々は認識しておるところでございます。
○関委員 そうすると、このプルトニウムは我が国で必要とするときに持ってくる、こういう考えですね。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 これから我が国でいろいろプルトニウムを使う原子力発電所あるいは原子炉の計画があるわけでございまして、我が国の中におきましてプルトニウムが必要になりましたとき、すなわち、例えば軽水炉におきますプルトニウム利用の準備が整いましたとき、あるいは動燃等におきましてプルトニウムが不足したときに我が国に持ってくるというふうに御認識賜れば幸いでございます。
○関委員 動燃の理事長が答えられるのか、あるいはどっちが答えられるのかわかりませんが、プルトニウムの生産に当たって、再処理に当たって、高レベルの廃棄物それから高レベル以外の廃棄物、この量はどういう推定をされていますか。あわせて、それは高レベルは日本に持ってくるけれどもそれ以外のものは向こうに置いてくることに契約されていますか、それともみんな持ってくることになっていますか。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおりに、再処理に伴いまして発生いたします高レベル廃棄物、一つは、典型的なものは御承知のようにガラス固化いたしますガラス固化体、いわゆる返還固化体でございます。これにつきましては、英仏合わせまして全体、英仏に委託しております再処理、全部終わりましたときには三千数百本の、御承知の大きさのキャニスターでございますけれども、三千数百本当てくるというふうに思っているわけでございます。それとは別に、先生御指摘のとおりにガラス固化体以外の廃棄物もあるわけでございます。このガラス固化体であろうとそれ以外のものであろうと、再処理から出ます廃棄物につきましては、再処理契約上いろいろな条項はございますけれども、結果として申し上げますならば、我が国に返ってくるものというふうに認識しておるところでございます。
○関委員 我が国に返ってくる。そうしますというと、再処理する使用済みの燃料に対してどのくらいの比率で廃棄物が送られてくることになりますか、高レベル、低レベル、中レベルすべて合わせて。どういう計算になっています。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 先生今おっしゃった比率というのは、これはなかなか難しいわけでございますけれども、比率というのは多分重量の比率ではないと思うわけでございます。容積、恐らく実態的には多分容積の比率というのが一番現実的な比較の仕方であろうと思われるわけでございますけれども、容積比にしてどうなるかという、そういうことがあるわけでございます。 これはなかなか今推定が難しいわけでございますけれども、いろいろな推定があるわけでございます。一部には百六十倍ぐらいにふえるのじゃないかという御推定があるというふうにも承っておるわけでございますけれども、百六十倍ということにつきまして、私どもこれ、いろいろ計算してみますと、多分もともとの使用済み燃料に入っております重金属、あるいはウランでもよろしゅうございますけれども、ウランの容積でございますね、容積に対して百六十倍になるというようなものであるようでございます。 ところが、実際、もともとの使用済み燃料は御承知のように燃料ピンになっておって、燃料ピンが軽水炉の場合、BWRでございますと御承知のように八本掛ける八本、六十四本、マイナス何本というそういうことで束になっておる。したがって、ある程度容積もあるわけでございます。したがって、当然もともとの重金属あるいは燃え残りのウランあるいはプルトニウムの比重よりもはるかに見かけの比重は小さくなるということも御認識賜りたいわけでございます。 そういうこともいろいろ配慮しながら考えてみますと、全体、これはなかなか、御承知のように廃棄物といいますのはいろいろな付着物もあったりいたしますから、推定は極めて難しいわけでございますけれども、いろいろ考えてみますと、その百六十倍ベースというのは多分二、三十倍ということになるんじゃないかと思ったりしておるわけでございます。 それからさらに、御参考までにお答え申し上げますならば、ことしの一月に私ども中島科学技術庁長官のお供をいたしましてフランスヘ参りました。そのときに、フランスのラアーグの再処理工場なんかでの廃棄物の出方の説明をしてくれたことがあるわけでございます。あるいは先生も別の機会にお聞きになったかと思います。それ等によりますと、全体、使用済み燃料の中に入っておる重いものに比べまして、実際ガラス固化体という格好になりますと、それ自身の体積が減るわけでございます。ただし、それ以外の付着物とかあるいは被覆管とかそういうものがありますので、そういう全体をプラス・マイナス、バランスやりますと、今フランスが将来こうなるであろうという数字は大体四倍とかという、そういうような数字もあるように承っておるところでございます。
○関委員 高レベルの廃棄物が千四百四十本という計算で取り組んだつもりであるけれども、フランスは、何ですか、今回二千本とってくれと言っているんですか。それはどうです。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 今先生、二千本とおっしゃったかと思いますが、多分二千本という話は、少なくとも私自身は承っていないところでございます。
○関委員 実は千四百四十本ということで取り組んでおるんですけれども、二千本という話が来たものだから、これは一体どういうことかということで聞きたいと思っているんですけれども、原子力局長は聞いていないというんですから、それじゃ、その点はまた、向こうの方のお話がどこで出たものか、どこで聞いたものかわからぬけれども、確かめていただければと、こう思います。 その次、私はなぜこういうことを聞くかといいますというと、今度再処理工場を青森県でよろしゅうございますというふうに政府は許可しましたよね。科技庁長官、あなた一番の責任者ですからね。この許可に当たって、許可された後、今度青森県の一万人訴訟原告団の皆さんが十九日に参りまして、再処理事業指定処分に対する異議の申立書というものを出してきました。非常にこの異議の申立書の内容が立派ですよ。これは大臣、お読みになりましたか。
○中島国務大臣 「異議申立書」、ここにございますが、中身を全部詳しくは読んでいません、膨大なものですから。事務当局から中身の主なものについては説明を受けております。
○関委員 ぜひこれは読んで、そうしていかに許可が間違っておったかということを知っていただきたいと私は思うのであります。 そこで、そこまでいくのにはまた時間がかかるでありましょうから、とりあえず私の方からお尋ねしておきたいのですが、この再処理工場を許可するに当たって、技術的な部面とそれから経営的な部面、経済的な基礎、こうあるわけなんです。安全上の問題でいけばこれまたいろいろ論がありますのでも、きょうはその話はしませんが、経済的基礎の部面において、先般私は、この再処理工場というものは将来どれだけの金がかかって、そうしてそれはどれだけの借金をして、そしてどういう収入を得て返していくのかということについてきちんとしてくれ、そのためには再処理の費用を一トン当たり幾らにするのかということも聞いておるじゃないですか。 これは何ですか、秘密でございますとかなんだとか言って、答えないままで終わりましたよね。これは答えられるところは科技庁なのか通産なのか知りませんが、とにかく国の方が、経営的基礎においても経済的基礎においてもこの再処理工場、商業ベースで進む再処理工場が成り立っていくのだとしたならば、どういう計算をしてそう見たのかというのをひとつ示してください。
○佐竹政府委員 お答えいたします。 日本原燃の再処理事業の経理的基礎につきましては、その申請書に添付されました事業の収支見積もりに基づいて判断いたしました。その考えは次のようなものでございます。 まず、総原価は、減価償却費あるいは人件費、補修費を含みました運転費、それに利息支払い等から構成されております。それから、この総原価に対しまして売り上げは、使用済み燃料の処理量、それに再処理役務単価を掛け合わせた金額とし、これを受け入れ時と再処理の実施時に分けて受け取るようにしております。 また、その処理量でございますが、この再処理事業はフル操業いたしますと年間最大再処理処理能力八百トンということになっております。これは決して大きいものではございません。一日当たりの最大の処理能力は四・八トンですので、百七十日で大体八百トンになります。しかもそれを一挙に八百トンにするのではなくて、運転開始から五年計画で八百トンにしてまいります。 また、これまで動燃の再処理工場でのいろいろな経験を踏まえまして、系列を多系列化しております。例えばせん断機とか溶解槽といったものを複数持っております。それから、かつて故障したようなものについては予備機も置くようにしております。それからまた、セルと申しまして、非常に厚いコンクリートで、またそこにはその液が漏れたときに影響を与えないようにステンレスの内張りをしたようなセルというのがございますが、これも予備のセルを設けております。こういったことすべて、かつての動燃事業団での苦い経験を踏まえております。それから、溶解槽、これは沸騰硝酸というのを使いますので非常に物を腐食しやすいものですが、かつてはステンレスを使っておりましたけれども、今後は、ジルコニウムを使っております。
○関委員 とても時間がなくなってしまうから、あなたみたいなのんきな答弁をされたら。 私が言っているのは、建設費がどのくらい、八千四百億と見るのか。それから今度は借金幾ら、現在ある借金。それからこれを返済していくのには、今八百トンと言ったならば、八百トンで幾らになるのか、トータルで。何年かかって返済が終わるのか。そのことだけ簡単に言ってくださいよ。
○佐竹政府委員 わかりました。 使用済み燃料受け入れ開始から三年で事業を開始いたします。そして、先ほど申しましたように五年かけてフル操業にいたします。また、燃料は、やがて日本原燃の工場が動きますと、その競争相手になります動燃再処理工場の再処理役務単価が現在二・四八億円、二億四千八百万円でございます、これを参考にしていただければと思います。そうしますと、使用済み燃料受け入れ開始後十五年程度で欠損の累計すべてを解消する見込みでございます。 以上のようなフル操業になれるであろうという技術的根拠、それから経理的な検討を総合いたしまして、この事業には経理的基礎があると判断いたしました。
○関委員 これは全然答弁になっていません。十五年で返還するというのは、十五年で幾ら返還するのか、建設費が幾らかかるかということですよ。トータルで言ってくださいよ。あなた何も答えていませんよ。現在借金何ぼあるのか、これからの借金は幾らになるのかこれこれやるからこうして返していくのだ、十五年だ。何も難しくないじゃないか。十五年という年数だけ言えたんだから、あと数字を答えてくださいよ。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 先生今おっしゃいましたのは、再処理での役務単価をはっきり言ったらどうかということでございます。これにつきましては、今原子力安全局長が御答弁申し上げましたように、動燃事業団の例では一トン当たり二億四千八百万ということを申し上げたところであったわけでございます。それから、前回先生が多分御指摘になったと思いますけれども、野村総研の委託の調査で一億円という数字が多分出ておったことを先生はおっしゃったように記憶するわけでございます。そういうことであるわけでございますけれども、御承知のように、動燃事業団の二億四千八百万、これは確かに研究開発要素も入っておるものでございますから、それよりも恐らくそれほど高くはならないであろうということであるわけでございます。 本来、ここで幾らだというその裸の数字を申し上げるのが本当のお答えであろうかと思うわけでございますけれども、これにつきましては、再処理事業の正確な収支見積もりということになりますと、一切、これを公開することによりまして、これからいろいろなメーカーとかあるいは関係建設業界等々とのいろいろな契約等々あるわけでございます。そういう契約その他の交渉に影響もいたしますので、今安全局長が申し上げました趣旨は、先ほど申し上げましたトン当たり二億四千八百万あるいは先生おっしゃいました一億という数字もあるわけでございます。そういうところから全体の再処理役務料金を、申請されているものはそういうことになるということをぜひ御推定賜りたいという趣旨で申し上げたことを御了解賜りたいと思うわけでございます。
○関委員 何の答えにもなっていません。これまでこの建設費が八千四百億とちゃんと出ているのです、当初の計画。ところが、八千四百億かけてつくられるだろうかと見ますというと、とても当初の計算とは違って高くつくと思うのです。ですから、ここで少なくとも許可した以上は、この再処理工場大丈夫、やっていけますよと許可した以上は、その経営の基礎というものをあなたちゃんと認めてやったでしょう。そのときに、何も一トン当たり幾らと言いたくないなら言わなくてもいいですよ。収入は再処理費から毎年何は何ぼと言ったらいいでしょう。 先ほど何と言いました、八百トンと言いましたね。八百トンというのは、うそ八百と言えば変ですけれども、今日本でやっているのだって、二百十トンのものが二百十トンやっていますか。五割もいっていないでしょう、いいところで。九十トンかそこそこなんだもの、よくなってだよ。ならして何年かかりました。パーセントでいえば一年当たり二〇%くらいにしか当たらないでしょう。我々はきちんとした科学的データに基づいて計算していますよ。二〇%と見たらどうなりますか。あなたの方は一〇〇%に見たというのでしょう。それはうそ八百もいいところですよ、あなた。フランスの再処理工場だって一〇〇%いっていますか。それぞれの再処理工場のデータを調べてみたら、これもどのくらいかなと計算できるわけですよ。何と計算したかと聞いているのだよ。計算した結果、こうでございます。何、難しいのです、こんなものに答えるのに。二億四千万。二億四千万で、じゃ、金かけてプルトニウムをつくっていいのかなというのが次に出てくるのですよ、我々の方からいけば。あなた方は本当に何でこんなに答えたくないのですか。答えてくださいよ、ちゃんと。難しくなく答えてください、頭に入るように。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 まず、全体建設費、幾らかということであるわけでございます。これにつきましては、今先生は約八千四百億円とおっしゃいました。これにつきましては、事業主体でございます日本原燃株式会社が、廃棄物と廃棄物管理を含みます再処理の事業ということの建設費の合計を、これはむしろ事業全体のあらましを広くいろいろな方々に御理解いただくために出しておりますものに入っております数字八千四百億ということであろうかと思うわけでございます。 したがって、廃棄物管理の事業と再処理の事業、両方あるわけでございますけれども、ただ恐らくこの八千四百億、これは今の数字でございますから、これから相当長期かけて建設していくわけでございます。そのうちには当然エスカレーションということもございましょう。それからコンティンジェンシーと申しますか、偶発経費もあるでございましょう。いろいろこれはトータルの建設費は変わっていくものというふうには認識しておるわけでございます。 そういうことで、御承知のように、先ほど例えば申しました動燃の普通の操業状態になったときのトン当たり二億四千八百万という数字もあるわけではございます。これに全体八百という数字を掛けていただきますならば、恐らく二億四千八百万ベースのときの年間の収入というのは出るわけでございます。もちろん、それからいろいろなこと、金利水準、いろいろありますから直接比較はできないわけでございますけれども、大体そういうバランスになっておるということを御認識賜れば幸いであるわけでございます。 それから、先生次に御指摘の、すぐフル操業できるかという、そういう御質問になるわけでございます。 フル操業につきましては、動燃事業団の工場は、これは確かにパイロットプラント的性格を持った工場であったわけでございますから、非常に全体、先生御指摘のとおりに、その稼働が予定より少なかったということは事実ではございます。 御承知のように、この日本原燃の六ケ所工場は、フランスのUP3に非常に以た設計になっていることは御承知のとおりでございます。UP3の姿を見ますと、例えば一例を御紹介申し上げますと、初年度、二年度、三年度、四年度、徐々に再処理量をふやしまして八百トンに持っていくということになっております。これまでUP3の実績を見ますと、予定されておりました再処理量をほぼこなしておるということであるわけでございます。 六ケ所につきましても、先ほど安全局長から御説明申し上げましたように、稼働の初年度、二年度、三年度、四年度、それぞれフル稼働はしないわけでございます。徐々にふえていく。実際UP3の姿を見ますと、六ケ所再処理工場の稼働につきましても、徐々にだんだん上がっていくわけでございますから、そういうことで一応予定の稼働は確保できるものと考えておるところでございます。
○関委員 まず今の答弁ぐらい粗末な答弁はありません。UP3が稼働している。UP3なんというのは、UP2の力をかりて、言うなら手助けを受けて、二本足じゃなくて、一本足のものが一本足かりてやっているでしょう、あれ、溶解槽が。UP2の方をかりて。ですから、徐々に上げているんじゃないのです。とまりとまりして、幾らか幾らかとなって、まだ半分もいってませんよ、八百トンの。そんなだれでもわかっていることをここで平気で言って、順調にいけますと言うことは、おかしいじゃないの。つまらないですよ、あなた方の態度や答弁というものは。私の方で教えてあげたいようなものだ。 とにかく、稼働率だってあなた、UP3の稼働率が幾らだと思っていますか。悪いのですよ。それが見本なんでしょう。悪いところもみんな見本になるじゃありませんか。どうしてそっちだけ悪くてこっちの八百がうまくいきますか。これだって、やっぱりうまくいかないのが起きてくるのです。必ず故障が起きるのです、これは。そういうものなんだから。そういう点からいけば、八百トン処理されて、仮に今我々は一億で勘定したから八百億ですよ。二億五千万と勘定すればあなた、いい金ですよね、二千億だ、二千億。そういう金がぽんぽん入ってくるのが計算でできているかもしらぬけれども、そうはいかないですよ、これは。 それから、八千四百億で計算したけれども、八千四百億でできるのか。だれもそう見ていませんよ、あなた。まず一兆円はかかるだろうなと言っていますよ、やるとすればですよ。ただし、やらないとすれば、また別ですよ。 私は、本当はきょう、東京電力の電事連の代表に来てもらいたかったのに、幾ら言ってもとにかくここには来れないという話ですよね。何で、一番世話になっている電事連がここへ来て、こうやりたいと言えないのかと言うんだ。言ったらよさそうなのに。幾ら委員長が願っても、理事会で願っても、出てこれないと言う。この再処理工場はだれが使うのです。電気事業団体が使うのでしょう。電事連が利用しているのでしょう。いやあ、えらい御迷惑を皆さんにかけていますということぐらいは言うべくここへ来たらいいんじゃないの。来たくても来れないのに、呼んでいるんだもの。それなのに来ないで、そうしてそのままにしているなんということは非常に残念です。本当に残念です。 電事連の場合もいいこともしているのですよ。何も悪いことばかりしているんじゃないんだから。いいこともしておる。いいことしているというのは、太陽電池から出る電気の値段は、電力会社が売る値段と同じにしているのです。売買電の価格を同じにしているのです。これは那須さんの力ですよ。きょうおいでになれば、那須さん、少しは褒めておあげしようと私は思っているんだけれども、来ない、来ない、来ないの一点張りですもの。困ったものです。 とにかく、そういうことで、こういう高い値段をかけて、そうして大借金をしたものに建てかえるようなことになるだろうか。つくることは、つくろうと思えばできるかもしれないけれども、これは後で大変な荷物になるであろうということを私は予言しておきます。 なぜかといいますと、再処理をしてプルトニウムを生むのが目的です。プルトニウムというのは高速増殖炉に使うのがまた目的です。その高速増殖炉が今やダウンしちゃっている。ダウンしちゃって、いつそれが動くかわからない。そういうときに再処理の必要があるかと言うんだ。ここで踏みとどまって少しは別なことを考えるのが私は日本の科学行政の姿勢であらねばならないと思っているのです。 青森県の六ケ所の再処理工場がプルトニウムをつくって、どこで何に使うのです。「もんじゅ」の次に第二実証炉、第三実証炉、計画はあるけれども、これをつくることができますか。どこにつくります。どのくらいの金がかかります。大変な金でしょう。引き受ける県ありますか。そこで、今度はMOX燃料でいこうというのでしょう。むだですよ。MOX燃料にするためにプルトニウムをつくるのじゃないのです。余ったのをこなすのに仕方ないからMOX燃料にしようかという話なんであって、動燃の理事長は「もんじゅ」の実験が終わった後は、あそこは高速増殖炉にするというよりは、専焼炉にしようじゃないか、こう言ったとか言わないとかとあるんだが、この点についても既にその先を見てそう言っているんじゃないのですか。これは動燃の理事長からもお答えをここで聞きたいと思います。 それから、今、私申し上げたいのは、第二、第三の「もんじゅ」の次の計画というもの、これは電力会社に持たせてやるという計画であったのじゃないですか、あるということじゃなかったですか。だから、やっぱり那須さんに来てもらいたかったのですよ。一番使う人が、おいでいただきたいと言っても来ない。あなた方、陰でどんな話をしているかわからないけれども、大変な金がかかって、やれるかと言うのです。第二実証炉、第三実証炉。どうです、それについて答えてください。 それから、最終処理場。青森県に高レベルの廃棄物だけ置いて、一時的な貯蔵だと言ってごまかしておいて、みんな死んでしまった後はだれも手をつける人がないからと言って、永久貯蔵になるおそれ十分でしょう。幌延に持っていきますと言ったって、幌延の知事はとりませんよ。立派な知事はとりません。青森県のように愚かな知事なら別としてだ。(発言する者あり)いかぬと言ったってしょうがない。遺憾にたえないのですよ、これは。そういう意味で、今の点についてお答えください。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 まず、再処理工場で回収されますプルトニウムでございますけれども、これにつきましては、前回も申し上げたところでございますけれども、軽水炉へのリサイクル利用とともに、高速増殖炉及び新型転換炉の開発計画に使う予定ということは前回申し上げたとおりでございます。 それから、その次に先生が御指摘の、しからば高速増殖炉、現在「もんじゅ」はああいう状態であるわけでございますけれども、その「もんじゅ」の次に来るべき炉はどういうことになっておるかということでございます。 これにつきましては、原子力開発利用長期計画上は一九九〇年代後半、すなわち二〇〇〇年に至るまでの間に着工ということになっておるわけでございますけれども、現在その原子力開発利用長期計画は改定の議論をしておるところでございます。御承知のように、これは今、日本原子力発電株式会社がいわゆる実証炉の建設の担当機関ということになっておるわけでございます。これにつきましては、これも先生よく御承知のとおりに、各電気事業者がその設計につきましていろいろな検討、勉強をしておるということであるわけでございます。 そういうことで、全体、高速増殖炉さらには新型転換炉でも使う。それから、実際出てきますプルトニウムといいますのは、御承知のように核的特性はウラン235に非常に似ておるわけでございます。したがいまして、それが軽水炉でも燃料として使い得る、MOX燃料としてプルトニウム、いわゆるプルサーマル利用という格好に使うということもあり得ることを御認識賜りたいわけでございます。 それからあと、動燃理事長の答弁分は別にいたしまして、最後の高レベル廃棄物の処分場のことであるわけでございます。高レベル廃棄物の処分場でございますけれども、御承知のように高レベル廃棄物につきましては、ガラス固化をいたしまして安定な形態にするということ、それから、三十年から五十年の間冷却のための貯蔵をいたします。そのいたしました後、地下数百メートルの深い地層中に処分する、いわゆる地層処分ということをやる計画で進んでおるわけでございまして、動力炉、核燃料開発事業団は研究開発の中核推進機関といたしまして積極的に研究開発をやっておりますし、それから、実際処分を実施する機関でございますけれども、国が二〇〇〇年を目安に処分事業の実施主体の設立を図るということになっておるわけでございます。 実際最終処分をいたしますのはずっと先のことでございますけれども、研究開発によりまして一歩一歩知見を積み重ね、さらには事業主体設立に向けまして準備を重ねていきまして、二〇〇〇年を目安に事業主体をつくる、その事業主体がしかるべきところを選定するという、そういうプロセスになっておることをぜひ御理解賜りたいわけでございます。
○石渡参考人 お答え申し上げます。 「もんじゅ」は現在、この秋に臨界に持っていこうということで鋭意調整を進めているところでございます。そして、臨界さらには全面的な稼働ということになるわけでありますが、原型炉といたしまして、高速増殖炉原型炉として建てさせていただきました。したがいまして、まず増殖技術を我々研究機関として取得すべきであるというふうに考えております。大体今世紀中ぐらいにその第一ラウンドが終わるというふうに考えているわけであります。 それから、その先の話でございますが、来世紀の話でございますので今申し上げるのは時期的にいかがかとは存じますが、やはり高速炉の原型炉として、高速炉の持ついろいろな可能性というものをいろいろ幅広く追求していくというのも、我々研究機関の任務ではないかというふうに考えております。そういう意味でプルトニウムを、増殖一本やりでなくて、いろいろな幅を、道を探求するというのも我々の責務であろうということを申し上げた次第でございます。
○関委員 その申し上げたことは私はいいと思っていますよ。そこで、そう申し上げざるを得ない事態に来たということなんです。高速増殖炉の将来というものが大変なものなんだということをあなたたちの方も考えたから、これは実験はするけれどもその後はそうせざるを得ないな。 そこで申し上げたいことは、再処理をお願いする、そうしてプルトニウムが来る、しかもそのプルトニウムの使い道というのはほとんどない。今原子力局長がいい話をしているけれども、いつのことかわからない。そうして、さらに再処理をしますというと、大変な量の他の廃棄物が来るわけです。これは私どもの方も、一立方メートルにつき百六十立方メートルの廃棄物になるんじゃないか、そういう計算をしているのもあるわけです。でも、先ほどのお話では三、四十倍じゃないかとか三、四倍じゃないかとか明確じゃない話をしていましたけれども、いずれにしてもおびただしいのが来ます。手をつけられないものばかり来るのですよ。そうして生産されるところのプルトニウムというものは何の役にも立たない。 高速増殖炉ができるというのは夢に終わったんです。夢の原子炉というのは文字どおり夢に終わったと見ていいでしょう。燃やした燃料以上に燃料が生まれるというので、我々が幾ら反対しても、その宣伝の前にはいたく我々の主張が退けられてきたんですよ。我々反核燃の運動をしている者から見れば、正しいことを言ってきたんだけれども、燃やした以上にこの資源のない日本にいい燃料が生まれるんですよという、この言葉には本当に参ったんです。 ところがどうです、今は。燃やした以上に燃料が生まれるという夢の原子炉と言われた高速増殖炉、FBRがダウンしちゃったでしょう。一番先に考えたのはアメリカですよ。続いてヨーロッパが考えた。みんなダウンしちゃった。恐らくアメリカの政策からいけば、今度は日本に対してもいろいろと言ってくると思いますよ。それはまた聞いていかなければならなくなるでしょう。 こう思いますというと、ドイツは既に再処理の方針を、フランスに頼むのもイギリスに頼むのもやめちゃったんです。イギリスは、千二百トンの再処理工場THORPなるものをつくって、日本の再処理を請け負うという計算をした。もう日本だって再処理の用がなくなった。先が暗くなったんです。恐らくこれも使い道がなく終わるでしょう。そうなりますというと、我が国の再処理工場というものの意味がなくなる。 そういうことを考えますというと、私は、急いで別な道を選んだ方がいい。その別な道は、科学技術庁長官や科学技術庁の担当者に頼んでもしょうがないから、あなた方はまだこの悪の誤った道を進むしか分別してないでしょうからね。これから断ち切るのはなかなか遅いんでしょう、きっと。 そこで、森通産大臣にお願いしたいと思うのですけれども、ことし、太陽電池を使って、そして三分の二の補助をしてあげますよという一つのモデル方式を選んだんです。これはいいことでした。初めて我が国の政治の中に太陽電池を取り入れる、そうして取り組んだ。だけれども、ことしの予算は八億四千万円で終わったんです。来年度予算、今我々が審議しているこの予算では十二億とちょっと出ていますよね。伸び率からいけば五割というのだから大したものだ、そう言いたいんでし占う。でも、金額からいけば大したものじゃない。 私は、これを一千億ぐらい使いなさい、一兆円ぐらいここに出しなさい、どれほど太陽電池を利用して光発電をここでつくり出していけるかわからないのです。一ワット、今コストが七百円でしょう。二十年前は三万円もしましたよ、太陽電池一ワットのコストが。今七百円。これをどうして安くするかというのが課題です。安くするには太陽電池の大量生産しかありません。大量生産は何ぼでもできます、原料余っているんですから。ですから、これを大量生産させて、太陽電池の値段を二百円まで下げるようにすることです、コスト一ワット二百円まで。できたら百円まで下げたい。そうなりますと、今出ている電気、この電気料金と匹敵するんですよ。原子力発電所を百万キロワットをつくるのに要らぬ金をかけるのに比べれば、こっちの方がどれだけ賢いがわからない。こっちの方がどれだけプラスになるかわからない。 ですから、ぜひ私は、大量生産の電池の方向に道を開く、そうして太陽電池の値段を下げる、そうして太陽の当たる地方においてはみんなそれぞれの家の屋根に太陽電池を使って、最もきれいな電気を活用するようにしたらいいんじゃないだろうか。太陽はまさに無公害ですよ。太陽はただですよ。太陽は無限ですよ。太陽は安全ですよ。そういうことのためにも、私はやっぱり踏み込むときが来たと思うのです。そうして、このプルトニウムの道というものは、これは迷いの道なんだから、ここから断っていったらいいんじゃないだろうかこう思うのです。 それがためにはとにかく、かつて文部大臣もした森さんですからね、教育についても理解があるんでしょうから、こうしたことは科学についても理解があるんだろうと思うし、そうだなとこう思い込んで、たった十二億幾らじゃなくてもっと踏み込んで、しかもこの景気の悪いときなんだから、景気浮揚対策からいってもこれはいいことなんだ。少なくとも千億ぐらいはここへ持っていこう、プルトニウムの方へ何兆円持っていくよりもよっぽどいい、こう思うのですが、ぜひひとつそれについての積極的な方針を私はいただきたいと思うのですが、どうぞ。
○中島国務大臣 残り少ない時間ですから、ごく簡単に。 関先生の長年にわたる研究また御意見、拝聴いたしました。しかし、私どもは今石油を初めとする化石燃料にエネルギーの相当部分を依存しておりますけれども、太陽熱初めクリーンエネルギーの開発というのはかなり時間がかかると思うのですね。そうすると、そういう新しいクリーンなエネルギーが開発されるまでの間、やっぱり化石燃料というのは少なくなってきますから、資源的にも有限ですから、その間どういうものでエネルギー需要を賄っていくかということがあるわけです。 そこで、現在も既に三〇%原子力発電やっておりますが、やっぱり平和利用に限って、安全性にも配慮しながら原子力の利用というものを進めていかないと、私はエネルギー需要にたえ得ないんじゃないかと思いまして、これからも技術の開発のために全力を尽くしてまいりたいという私ども当庁の考え方だけ若干申し上げておかないと、御意見を伺うだけでは私の責任が果たせませんので、ごく短くお話をさせていただきました。
○森国務大臣 お答えをいたします。 関委員、大変このことの御専門家でございます。私は小学校の一年生のようなものでございますから、むしろ先生の方がよく何事も御存じだと思っております。 太陽エネルギーは石油に代替いたしますクリーンなエネルギーであることは十分承知をいたしております。エネルギーの安定供給の確保及び地球環境保全の観点から極めて有効なエネルギーであるというふうに私どもも承知をいたしております。しかし、一般にエネルギー密度が希薄でございますし、自然条件に非常に左右される。そのためにも、現時点ではやはり普通のものよりも二十倍以上どうしてもコストが割高になるというふうな問題点がございます。 かかる問題を克服するためにも、通産省といたしましては、引き続き太陽光発電の実用化のための技術開発にはこれからも積極的に努めてまいりたいと思っておりますし、導入促進対策につきましても、税制、金融上の措置を講じるほか先生今御承知のとおり、平成五年度予算案におきましても、フィールドテスト事業の拡充等を図っているところでございます。 具体的には、公共施設等におきます太陽光発電フィールドテスト事業のための補助金を、平成四年度の八・五億円から先ほど御指摘ございましたように平成五年度には十二・二億へ増額をいたしまして、その対象件数を拡大をいたしたい、こう考えております。さらに、住宅におきます太陽光発電システムの本格的な導入のための技術実証試験というのを、これは平成五年度で約二十五億円でございますが、新たに創設をさせていただきました。 今後とも低コスト化、高効率化のための技術開発及びフィールドテスト事業等の導入促進策の一層の推進を通じまして、太陽光発電の普及促進に最大限の努力を傾注してまいりたいと存じております。 また、従来、これまで技術開発に十二分に力も注いできたところでございまして、昭和四十九年から平成四年度までには累計約八百五十億円、こうした予算措置もいたしておるところでございます。先生のお話のとおり、さらに通産省としても十二分に研究そしてまた実用化への促進を進めてまいりたい、こう考えております。
○関委員 取り組む姿勢、前向きの姿勢でということではありがたいと思いますが、とにかく金額が安過ぎますよね。ドイツでは二千四百戸の個人世帯に七割の助成をして、そうしてこれをまた進めているわけですから、我が国もまた、これは個人の家にもその道をつくってあげるように助成の措置を講じていけば、広がっていきます。広がっていけば利用度が高まるし、利用度が高まればコストが下がるのですから、そういう意味でこの後も積極的に取り組んでいただきたい、こう思います。 あと三分もないようでございますから、一番おしまいの保育料のことで、厚生大臣見えてますか、大蔵大臣もおったな。いいです、大蔵は分科会のときにまたやります。厚生大臣の方に聞きますが、保育料の件ですよ。 保育料の件で、実は夫婦共稼ぎで給料が高い家庭の子供さんの場合、一人当たり八万とか九万とかという保育料ですよね。幾ら収入があるからといっても、若い夫婦の間においては、これは大変な負担です。大学生を抱える以上に負担がかかるわけですよ。ですから、我が国の保育料一般に見直しをしなければならないなと思うんだけれども、せめてこの高額負担をしている方々の家庭のためには大幅に負担を軽減するように道を講じたらいいんじゃないだろうか。 それで、大体今のところ、措置費の総額というのは五千億。五千億のうち、国は半分だ、こういうのですから、これをもう少し国の持ち分をふやせば、そういう家庭の子供さんを持つことに対する国のありがたみと申しましょうか配慮がわかるかと思うのです。子供さんをつくれとか、子供を産めとか、子供を大事にしようとかと言っても、せっかくいい子供が生まれても、ここでまたえらい目に遭っているのであります。ですから、小学校教育、義務教育、教育は無償とするを原則としているわけですよね。未来を負う子供たちのためにはやはりその精神で私はいってもらわなきゃならない、こう思うのです。 これはゆっくりやりたいと思うんだけれども、これについて少なくとも、生活大国と言って威張っている宮澤内閣のことでもありますから、やっぱり子供が大事です、子供を大事にする日本をつくるんだということで、保育料の負担軽減というものはやっぱり大変だな。財政の豊かなところにおいては半分ぐらいにしてますよ。東京都なんかもそうですよ、だれも八万、九万とは負担させていません。半分以下でしょう。それぞれ地方によっては低くしているところがありますのでもしかし、国の方針はきちんとしてもらわなきゃならない。 商業をやっている方々に仕えている、働いている御婦人の子供さんが、おやじさんよりも保育料が高いんですよ。商店の社長さんの子供さんの保育料が安くて、そこで働いているお母さんの子供さんの保育料が高い、こういう例はたくさんあります。ここにもまた矛盾があります。ですから、できる限り保育料というものは安くしていくという方針をとって、そうして対処することが大事なことじゃないだろうか、こう思いますので、その点についてお答えいただければと思います。
○丹羽国務大臣 保育料につきましては、先生御案内のように、所得に応じまして十階層に分かれておるわけであります。先生が御指摘になっておりますのは、八百万円を超える所得の方が八万円前後の保育料を払う、負担をする、こういうことでございまして、これがいかにも重過ぎるのではないか、こういう御指摘だと思います。 そこで、私どもはたまたまでございますが、本日、厚生省の内部に保育問題検討会というのが発足しました。その中で保育料のあり方であるとか、またそのほか乳児保育であるとか夜間保育であるとか、あるいは職員の配置の問題とか、いろいろな問題を抱えておりますので、全体的にこの問題を検討していきたい、このようなことでございます。よろしく御承知のほどお願いします。
○関委員 とにかく収入が多いと言うけれども、収入の多い家庭は所得税も多いし、それから住民税も多いし、それから今度はいろいろなまた負担も多いんです。また、それぞれの方なりに能力があるわけですから、単に収入、住民所得だけで考えても私はやはり問題があろうと思いますから、まあ御検討していただくというんですから、御検討されて、ひとつよい結論を出していただければと思います。あと、残りの質問はそれぞれの方に分科会の際に申し上げたいと、こう思いますので……。
○粕谷委員長 これにて関君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十六日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時十二分散会