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126回国会衆議院1993/02/15

予算委員会 第8号

発言数
334
登壇者
41
会派数
3
開催日
1993/02/15

会議録

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これより会議を開きます。  平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松浦利尚君。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 冒頭、外務大臣にお尋ねをいたしますが、高熱を押してアメリカに行かれて、新大統領を初め要人と会談をしてこられたようでありますが、冒頭、その内容について若干お尋ねをしておきたいと思うのです。  カンター新通商代表が一月の十九日に指名承認の公聴会で証言をしておられるのです。その中で、日本に対米黒字の計画的削減を要求する、通商法スーパー三〇一条復活を後押しすると表明しておるわけですね。また、個別通商問題では、国家経済会議関係閣僚を招集して意思決定を行うという新たな方向づけを既に公聴会で発言をしておられるのです。こういうことを事前にわかった上で行かれたと思うんですが、帰ってきた御報告を聞くと、結果的にそのことが裏づけられたというだけのことを確認をして帰ってこられたという形に私どもは理解をするんですが、そのためにわざわざ高熱を押してアメリカまで行かれたのか、そういうことを事前に防ぐためにどういう要求を日本としてなさったのか、その点を具体的にお聞かせいただきたいと思うのです。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺国務大臣 カンター代表と個別的な会談をしたわけではありません。クリストファー国務大臣が招集されまして、そういう中で、私の隣だったのです、席が。先輩がいっぱいいるものですから、先輩との間でいろいろな話が出ましたし、一言二言話は出ましたが、具体的にどこをそうしてくれの、ああしてくれのという話が強く出たというようなことはありません。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 極めて抽象的なお答えでしたけれども、大統領は、相手方の出方次第では三〇一条を復活させるというようなことをあなたに言われたのじゃないですか。それに対してあなたはどうお答えになりましたか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺国務大臣 いろいろ話をしまして、三〇一条はいい法ではない、こういうものは発動すると余計まとまる話もまとまらなくなってしまう、だからこれは話し合いの上で、今交渉中なんだから、そういう間にやるべきものではないという話をしたのです。それはまあよくわかる、わかるけれども三〇一条なんというのは珍しい中でも珍しいレアケースとして、それでもやらないということは言えないという趣旨、言葉遣いは別にいたしましても、中身はそういうことです。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 外務大臣、非常に疲れておられると思うのですね。風邪等で体調不調ですから、非常に歯切れのいい答弁じゃないですね。今お聞きしておって、少し私の頭が悪いのかわからぬけれども、理解がしにくいんです。  それで問題は、私たちが非常に心配するのは、そういうことがわかっておる以上は、行く以上はこちらの方の政策というものを持っていって、ある程度対置して話をしておかないと、恐らく今うわさされておる――総理にお答えいただければいいと思いますが、早期訪米、早くアメリカに行ってクリントン大統領と会って、日米首脳会談をやりたい。アメリカ側では、その予備会談的なものとして、あなたがクリントンさんやらあるいは国務長官と話された内容を受け取っておるんじゃないですか。ですから、今度総理が行くときには、それに対応した日本の政策というものを持っていかなければ話し合いにならないというふうに私は思うんですけれどもね。そういう危険性はないですか。大丈夫ですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺国務大臣 要は、我が方の言うことだけ一方的に言うというんでなくて、我々としては、向こうも本当にレアケースだと言うんですから、しかしながらその場合には、どうしてもいい法じゃないんですから、適切な対応措置を講じなければならないような事態になるということ、だれに言ったかわかりませんが、そういう趣旨のことを責任者の方には言っています。わかりますか。  もし三〇一条を出すというんだったら、それに対抗する措置を、我が方としても何らか適切な措置をやらざるを得ないんですよ。そうすると、せっかく話し合いをしていこうというやさきにそんなことになっちゃったらいかぬから、だからそういうような、やるかどうかわからないような措置に対して今から具体的にこういう措置をやるんだよというようなことを言うわけにはいかない、そういうことですよ。当たり前の話じゃないかと私は思うんですがね。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 どういうことをするのかというと、こういうことをしますよと、それは言葉ではわかりますね。それじゃ具体的に、前から提案しておられるように、日米経済政策会議などというのを設けようという提案か何かなさったんですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺国務大臣 要は、私の行った最大の目的は、一つは、主要な閣僚と知り合う、全然会ったこともない人に電報をぶったり、いろいろこれからやるわけですよ、やったけれども、どんな人だか見たこともないし知ったこともないというようなことでも困るから、それはベンツェンさんなんか知っていますよ、議員ですから。私は一緒に食事したこともあるし、そういう議員の人は知っていますよ。知らない方もありますよ。だからそういうような、大統領は一番知らないわけですから、会ったことないですから、そういう方にこちらの要するに考え方を説明して、まずは日米両国というものは安保条約で結ばれてきているんだ、今まで。この重要性について、こうこうしかじかである、どういうお考えですか、今までのようにやはりこれを尊重していくということが必要じゃありませんかということについては、それはそうだと。国防大臣のアスピンですか。国防大臣などは、全くそうだと、そう言うわけですよ。それはクリストファーも、そうだと。そういう基本的な問題について日米両国が一致をしていけば、要するに、根っこから幹の部分はわかるわけだから、枝葉になってくると、それは多少違いがあったってやむを得ないことなんです、実際は。  中国では要するに求同存異、日本では大同小異、こう言っているんだ、それはこうこうこういう意味ですよと。だからそれは、細かい食い違いはみんなきれいになくしちゃう、しかし、ぶすぶすは一切ないというわけにはいかぬじゃないですかと。問題は、基本的に一致をするということになれば、話し合いが全くつかないということを今から想定する必要はないのであって、だからまずその基本を、考え方が一致するかどうかだと。考え方はみんな一致しているわけですから、だから、だれが、どっちが大事かというようなことで、その根本にひびを入れちゃうというようなことはアメリカも日本も決して得策でないし、だからできるだけ我々は協力をしていく、こういうことですよ。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 何となくわかったようなわからないような感じだけれども、まあしかし、言われたように、外交担当者として相手側を知って知人を得るということはいいことだと思いますね。しかし、そういう余裕は現実的に日米間にはないのですね。アメリカ側というのは、もう御承知のように景気の回復の兆しは確かに見えてはきておるのですが、しかしいずれにいたしましても、財政赤字削減という大目標に向かってクリントン新政権はスタートしておるわけでしょう。ですから、当然日本に対して、一千億ドルを超える、特にそのうちの四割が対米黒字という状況の中では、やはり黒字減らしということですから、日本に対する輸入拡大と市場開放、あるいは経済成長拡大の要求をしてくるというのは、これはもう理の当然なんですね。  ところが、現実的にそれじゃ日本側はどういう対応をしておるのかといえば、あなたがいみじくも言ったか言わないかわかりませんけれども、けさ方のラジオで聞いておりましたら、飛行機の中で、来年度の成長が二%を割ったら経済成長のためなら何でもやる、こういうことを言われたと、こう言っておられるのですがね。そういうことは飛行機の中で、非公式、公式は別にして、外務大臣、言われましたか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺国務大臣 その前に……(松浦(利)委員「その前じゃないんですよ、今言った質問」と呼ぶ)その前の話をしないとわからないかな。わかればいいですけれども。  今言った結論を言うと、それに近いような話をしましたよ。それは、日本の経済がどんなに落ち込んじゃったって構わないんだと、そういうことはできない。それはアメリカのためじゃないんだ、我々のため、日本だね。それは、内閣としてはそういう事態は考えられないが、強いて言われれば、心配しなさんな、やるとなったらやりますからということを言わないと安心しないからね、言いましたよ。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 何も言ったことが悪いと言っておるんじゃないんですよ。言ったら責任を持たなきゃいかぬ、私はそのことを言っている。だから、あなたが言ったことを決して批判しておるんじゃないですよ。当たり前のことを言われたと思うのです。  ですから、逆に言うと、三・三%の成長というのは、これはある意味ではもう既に国際公約的なものになっているんですよね。首ひねっておるけれども、現実的には世界各国、そう見ておると思うね。ですから、来年度の経済成長が三・三%になっていくということは、私は日本における一つの宿題だと思っている。当然、日米首脳会談が行われるときにはその問題が私は重点課題になってくると思いますね。七月の経済サミットだって恐らくそうだと思うのですよ。  ですから私は、今これは事前に質問通告はしておらなかったのですけれども、やはり来年度の経済成長というのは、確かに予算の問題もあるでしょう。しかし現実的には、昨年の予算委員会でも私は、公共事業の前倒し等をやったら必ず後半に息切れをして補正予算を組まなきゃいかぬ状態になるよ、三・五%の成長は維持できないよと、こういう主張をしたけれども、軽くいなされて、結果的には補正予算は組んだ、三・五%、下方修正して一・六%、げた等を差し引いたら一%以下になるかもしれぬという状況でしょう。  今度だって、この予算が通ったら大丈夫だ、大丈夫だと言うけれども、結果的に補正予算を組まなきゃならぬ状況に必ずなってくる、こういう状況じゃないですか。三・三%の主張に対して民間企業は全部二%でしょう、民間の経済研究機関は。三・三よりも下回っている。ですから私たちは口先だけで内需拡大だ、どうだこうだ言ってみても、具体的な政策として示していかなければいかぬ。だから、一月の二十日に、あなたのところの税制調査会長といったら偉い人でしょう、武藤嘉文さんが、まだ予算案の審議もしない最中に、一月二十日ですよ、所得税の減税をやらなければいかぬ、戻し税だ。これは税制調査会長が言ったんですよ。それで野党各党も全部減税、大幅減税をやらなきゃならぬということを主張しておるでしょう。こういうことについて、あなた方は現実的に、いや、大丈夫だ、大丈夫だと言うだけだ。  この際、私は総理大臣にお尋ねをしておきたいと思うのです。やっぱり私は外務大臣の言われたことが正直だと思いますよ。やっぱり日本の内需拡大を含めた経済成長を維持しなければ世界の孤児になっていくんだよ。そのためにはあらゆる手段を講じなければいかぬ。私は、そういう意味では今度の日米首脳会談に臨まれる総理にお尋ねをいたしますが、こうした問題について、今言った住宅減税でもいい、公共事業の拡大でもいい、そういったもろもろのすべての政策を包含して三・三%を何としても維持するというそういう対応をしていかなければ、日米関係にひびが入る。そういう意味で、総理が三月に行かれるのかどうかわかりませんが、いつごろ行かれるのかお見通しがあればお聞かせいただきたいと同時に、どういう格好で、外務大臣、きょう来たばかりでまだ報告を受けておらぬでしょうから、どういうふうに対応なさるのかお聞かせいただきたいと思うのです。――いや、外務大臣、今度総理大臣になられてからお答えいただきたいのですがね。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺国務大臣 いえ、その前にちょっと言うことがあるのです。まだ総理に帰朝報告してないんだから、実際のところ。今、ここでちょこちょこと話しただけで、何も具体的に、あるものを……(松浦(利)委員「わかりました。怒らぬでください」と呼ぶ)いや、怒りも何もしませんが、まだ話してないんです。  三・三%の約束をしたということも事実ないんです、そんなことは。それは政府の要するに目標として、見通しとして出したのは、それは事実だ。だから、その見通しどおりにいくかどうかはそれはわからない、実際のところ。今までも見通しが外れたことはしょっちゅうあったわけだから。だけれども、前車の轍を踏まないように、少なくとも二%を割るというような事態が発生、まあするかしないか、しないように組んであるんだが、もし万が一そういうときには何でもやるんだということは当たり前ですね。  問題は、何で赤字になったんだ。アメリカと日本の関係、そこなんですから、問題は。  これは通産の資料なんですが、要するに、八六年は日本の貿易の収支というものは八百二十七億ドルの黒字だった。対米の黒字はそのうち五百十四億ドルだ。今度、二年ごとの八八年は、アメリカに対して四百七十六億ドル、九〇年は三百八十億、だんだん減ってきたわけですね。九一年は三百八十二と、ほとんど同じだ。それが九二年になってから四百三十六になる。九三年が五百に乗っかるかどうかということで、まあ実際からいえば八六年よりはまだ低いのは低いんですよ。せっかくずうっと下がってきたものが、じゃ何でそんなに黒字がふえたんだということになると、結局バブルの崩壊によって、そこに原因があるわけですからね。だから、それが原因だ、これはこうこうしかじかだという説明をすればよくわかるんですよね。だから、今度は崩壊をしちゃったんだから、どうしててこ入れをしてこれを正常な形に持っていくかという努力は大いにせねばならぬ、そう言ってきたのは、これは事実ですよ。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 先ほどから外務大臣が説明しておられますとおりですが、三・三%という経済見通しを我々は立てて、これを達成をしなければならないと思っておるわけです。それは何よりも我々自身のためであるというふうに考えておりますが、そのために昨年の夏以降十兆七千億等々の総合経済対策をとり、補正予算の成立が多少遅延いたしましたから全体の効果というのは今年に入りまして大きくあらわれてくると思っておりまして、御承知のように、GNPに対する一年間の乗数効果は二・四だというふうに言われておるわけでございますが、その大部分はこれから出てくると考えています。そして、御審議中の平成五年度予算もその延長線上で組んでおりますので、政府としては、中央地方あわせまして最大の努力をいたしておるということでございます。  この数カ月間の経済の推移は非常に大事でございますので、絶えず注意をしながら必要があれば機動的な対応をしてまいりたいということも申し上げたとおり、そのように考えておりますし、また、金融面等々でもそれなりの対応をしつつあることも御承知のとおりでございます。  ですから、全体といたしまして経済見通しを達成をいたしてまいりたいというふうに考えておりますし、何よりもそのためにはこの予算を御審議願いまして、できるだけ新年度から早々に執行させていただきたいというふうに考えておりますことも御承知のとおりでございます。まずこの予算を成立させていただいて、これを執行をさせていただきたいと思っております。  それからもう一つ、日米間の問題は、実は四百億ドルを上回るところの貿易収支の問題でございますが、これは今渡辺大臣が申されましたように、我々の内需振興のこと、あるいは多くの問題は日米間の協議にゆだねられるわけでございますが、長年議論をしております、十数年議論をしておりますお互いの間の努力というようなものがやはり今後も必要であろうというふうに思っております。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 総理、三月に今の予定では訪米なさる御予定ですか。それとまた、七月のサミットを、ECあるいはフランスは繰り上げて四月ごろにやってくれぬだろうか、こういう御意見もありますしね。こういう点については、総理、どういうふうに判断しておられますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 渡辺、林両大臣からまだ詳しくお話を伺っておりませんのですけれども、基本的には今クリントン大統領の当面の一番大きな仕事は、今週の水曜日に、十七日に出しますところの最初の、何と呼ぶのか知りませんが、一般教書のようなものでございますが、この中でアメリカの経済をどういうふうにするつもりかという、この部分が今一番大事なところのようでございます。  御承知のように、就任後の百日間というのは、やはり大統領が基本的に議会に対して考えていることを提案をし、そして一番実現しやすいのが最初の百日間と言われておりますので、それを内政問題にエネルギーを集中したいというのはまことにもっともなことだと私は思っていますので、それで、大統領が対外関係について、日本との関係について話をされる、そういう段階になりましたら、私はいつでも喜んで参りたいということはかねて申し上げておりまして、今のところはまだ内政についてのいろいろな諸施策を立てることにお忙しいようであります。  三月になりますかどうか、したがいまして、その点まだ確たることは申し上げることができませんが、いずれにしても、今度外務大臣が国務長官と、大蔵大臣が財務長官といわば顔合わせをされてお互いの間の問題の話をする、同じような意味で私も大統領にお会いをしてお互いの間の話をしておくということは、すぐに答えが出るものではございませんけれども、大事なことだと思っておりますので、そういうふうに考えております。  それから、サミットを繰り上げるという考えがあるかということでございますけれども、実は、御承知のようにサミットの準備は、各国の首相なり大統領の個人代表、俗にシェルパと言われておりますが、シェルパが準備をいたすのでございますけれども、政権交代の事情があってアメリカのシェルパというのがまだ任命をされておりません。したがいまして、シェルパ同士の会合がまだ行い得ない状況になっておりまして、したがいまして、議長国にはなりましたけれども、議長国としてこれからサミットをどう運んでいくかという相談の場が実は現実にはできておらないという事情もございまして、ただいまのお答えにつきましては、したがいましてG7の間で相談をする場が実は設定されていないというのが現状でございます。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 それから、大蔵大臣にお尋ねしておきますが、円高誘導の問題ですね。そういう話は全然なかった、こういうことですが、現実的に対米黒字四百億ドル以上のものが仮に減らないという状況になれば、金融当局だったかどうかわかりませんけれども、上院の有力議員だったか、氏名は忘れましたが、やはり今より以上の円高はいいんだというような発言がアメリカ国内で行われておるわけですね。そういった話は財務長官との間では全く出なかったという報道をされておるわけですが、現実に大蔵大臣としてそういうものについては発言をなさらなかったのかどうか、ちょっと聞かせてください。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○林(義)国務大臣 アメリカに行きまして、ベンツェン財務長官といろいろなお話をいたしました。この話は、ベンツェンさんも議会人でありますし、私も議会へ長く勤めておりましたし、共通の認識を持っているということでありますから、議会のいろいろな御要請を踏まえた上で向こうもやっていかなければならない、私たちもやっていかなければならない、こんな気持ちでフランクなお話し合いをして、別にかた苦しい、公式発表するとかなんとかというのでなくて、意思疎通を図っていくことが必要ではないかなということでお話をしたところであります。  そういった中で、いろいろな打ち解けた話をいたしたことは事実でありますが、為替の問題につきましては、共通に持っていますのは、ファンダメンタルズがやはり為替相場に反映されるべきであるというような基本のことにつきまして意見の一致を見たというか、お互いの共通の認識を得たところであります。ファンダメンタルズというのはお互いの生産性であるとか財政の力であるとかいろいろな問題がありますから、そういったものをやはり総合的に判断をしていくことが必要ではないか、こういうふうな話のことで認識の一致を見たところであります。  もう一つ付言して申し上げますならば、経常収支の黒字の問題、これはやはり向こうも懸念を持っておったことは事実でありますけれども、私たちの方はこの予算でODAの予算などというのは六・五%も成長しているという話をいたしました。それ以上にまた話を進める話でもなかった。最初でありますし、時間もないからということでありまして、この辺は私たちも何か考えていかなければならない問題だろう、そういうことで認識を持っておりますが、まだ具体的に今どうしていきましょうかというようなことまで決めているわけではありません。向こうもその点は十分に理解をしていると思っておるところであります。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 これは突然で申しわけないんですが、経済企画庁にお尋ねしておきますが、今度、春闘というのがやはり内需拡大に影響を与えてくると思うのですね。それで、今巷間いろいろ労使で発言が出されておりますけれども、仮に賃上げが三%だったときには大体消費をどれぐらい押し上げるのか大ざっぱに言って○・三%消費を押し上げる、あるいは四%になったときには一・五ぐらいじゃないかということを言われるのですけれども、現実的にそれは今年度の消費よりも少ない伸びになるわけですね。ですから、春闘の相場というのは労使間で決めるものではありますけれども、大体内需拡大という意味で、経済企画庁長官あるいは労働大臣でも結構ですが、こういうものについてどういうふうに判断をしておられるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

船田元自由民主党経済企画庁長官

○船田国務大臣 お答えいたします。  今の雇用所得に関する、特に春闘の問題でございますが、今松浦先生おっしゃいましたように、春闘そのものはやはり労使間の真摯な話し合いで決定をされるべき問題である、我々が差し挟む問題ではない、このように考えております。  ただ、景気の問題ということからいたしますと、確かに昨今雇用所得の伸びが若干鈍ってきているということは指摘ができるかと思っております。もちろん、そのことが勢い景気の問題ということに結びつくわけではないと思っておりますけれども、ただ、客観的なあるいは総合的な状況判断としましては、雇用所得の伸びがやはりおる程度確保されているということが景気に対してばいい効果をもたらすのではないか、こう考えておるわけでございます。  先日も私自身、記者会見等でこの春闘をどう思うか、こういう質問がございまして若干お答えをしたわけでございますが、私としては、ベースアップの問題等も含めまして、ベースアップ等ができる企業というものは、これはやはりできるだけベースアップをお願いをしたい、しかしながら、それをすべての企業にお願いするということもなかなか状況としては難しいのではないか、こんな話もさせていただいたわけでございます。ただ、私どもの気持ちとしては、ベースアップのことも含めて、やはりこの雇用所得の伸びというものを確保するということが景気にはいい影響を与えるだろう、このようには思っております。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 労働大臣、何か言うことがあればどうぞ。ありますか。

村上正邦自由民主党労働大臣

○村上国務大臣 経済企画庁長官が精いっぱいの御答弁をなさっておられますので、春闘の相場について私がここで言及するということはいろいろ影響もあろうかと思いますので慎みたい、こう思っております。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 それでは、外務大臣がアメリカに行かれたことについての質疑を一応、また後で一般質問等でさせていただきたいと思うのです。  実は、きょうは外務大臣が帰ってこられたばかりで、外務大臣ばかりに質問が集中するような形になって申しわけないのですが、お許しいただきたいと思うのです。  まず、ガリ事務総長がきょうおいでになるわけですけれども、六月の二十三日のガリ事務総長報告の資料、全文を和文にしたのを下さいと言ったら、これをくれたのですよ、外務省が。全文英文ですよね。それは、ここにおられる先生方はもう英語ぺらぺらの人ばかりでしょうからね。私なんかこれを見たってなかなか読めないのです。国連、国連と言っておって、いざ資料を要求したら、外務省の方からこれをぱっとくれましてね。それで仕方がありませんから、今度は私たちは国会図書館のレファレンスにお願いをして全文を解釈した資料を手に入れるというようなことなんですね。これは外務大臣にお聞きするのは酷ですから、大体これからもこういうやり方をなさるのでしょうかね。  ガリ総長報告なんというのは、全国会議員が目を通すべき内容なんですね。それをこんなものでぱっと来て、これでおまえら見ておけ、まさにこれは不親切というもの以外の何物でもないでしょう。これは私は外務省が外交を独占しておるという姿だと思うよ。何だ、国会議員が何を言うか黙っておれ、外交は全部外務省がやるんだというそういう典型的なあらわれがこれじゃないですか。私はこういう姿勢が非常に問題だと思う。だから、秘書を通じて和文のをくれと言ったら、そんなのはありませんと言う。私はこれは失礼だと思うね。これからもこういうことをなさるのですか。なぜこういうことをなさるのかその所信を聞かしてください。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○澁谷政府委員 国会からの審議のために必要な資料の御要請につきましては、職務上の秘密に属するものである場合等――問題のない場合には政府としてはできるだけ可能な限りこれに御協力するというのが基本方針でございます。  国連関係資料文書につきましては非常に膨大なものが多うございます。これを翻訳するには事務官の不足、それから物理的な事務量の問題等もございまして、非常にやむを得ない理由によって原文のまま提出せざるを得ない場合がございます。その点、ぜひ御理解いただきたいと思います。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 言われることはわかりますよ。しかし、こんな大切なものがなぜ翻訳されないのですか。それは人数が足りないからやらぬということですか。私はそのことを言っているのです。ですから、もうあなたが言われたからこれ以上申し上げませんけれども、これからこういうことについてはっきりした、大切なものはやはり和文にして、翻訳して私どもにいただけるということだけをここで確約してください。全部とは言いませんよ。できるものはやってもらいたい。こんなのはいつも議論になることだから、これは。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○澁谷政府委員 先生からのこの「平和の課題」のための資料の提出御要請につきましては、たしか昨年の六月か七月の時点であったかと思いますが、その時点では我々も出たばかりで翻訳をしておりませんでした。そこで、とりあえず原文だけを提出申し上げた次第でございます。その後、国連広報センターがこれを和訳いたしましたので、これはコピーいたしまして、御要望に応じてお届けしております。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 外務大臣、ぜひ所管大臣として御協力をお願いいたしたいと存じます。  そこで、きょうはたまたま事務総長が来られるので、大切なことですから、外務大臣にお尋ねをしたいと思うのですけれども、要するに、国連総会の下部機関である特別政治委員会、ここでこのガリ事務総長報告の提言の下敷きになっておる決議が二つあるのですね。  その一つは、加盟国が任意に軍事監視団、文民警察、人道援助物資などを含め、PKO予備軍を設置することを奨励するよう事務総長に要請する、こうした内容の決議が採用になった。これは要するに、事態に即応できる態勢をつくろうというのがねらい。  また、同委員会で、PKO要員に対する挑発攻撃で作戦が妨害された場合、要員の安全確保のため、安保理が国連憲章に基づきさらに適当な手段を講じることを明確にするよう勧告するという決議、これも採択されておるのですね。ところが、これはPKOがこれまでのようにたとえ攻撃されてもおとなしくしているだけでいいのかという意味が込められておる決議なんです。これが下敷きになって、実はガリ事務総長の「平和のための課題」という提言がなされておるわけですね。  ところが、これについて、従来の抑制的なPKOから一歩踏み込んだPKOという方に進もうとしておるこの決議に、日本政府が共同提案国になっておるわけですよね。国連代表部というのは外務省、外務大臣の訓令がなければ私は共同提案国等にはなれない仕組みだと思うのですが、こういうものについて外務省の方から訓令を出して、共同提案国になってよろしいというようなことをなさったのですか。これはどうです。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○澁谷政府委員 確かにガリ報告に盛られた考え方の中には、通常のPKOを超える提案もございます。  特別政治委員会の決議、昨年秋の決議案につきましては、確かに日本も共同提案国になっておりますけれども、この決議案はガリ報告の内容を支持するということではなくて、ガリ事務総長が昨年一月の安保理首脳会議の声明の要請に基づいてこういったガリ報告をつくって各国に配付したという点を歓迎するということを申しております。これはたしか第四十二節だと思いますけれども、そういうことでその内容自体を支持するということではないと私どもは了解しております。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 共同提案国になっておることは事実なんですよ。  そうすると、また波多野国連大使が、これは持ち回りの安保理の議長国にたまたまなっておられたからだと思うのですけれども、ことしの一月の十一日、安保理事会を開く前に、アメリカの記者団と懇談をいたしまして、そしてCBSのテレビで、安保理事会を開く前ですよ、議長国として安保理を開く前のインタビューに答えて、こういうことを言っておるわけですね。我々は、この我々は国連のことですね。我々はイラクに対し強硬に対応しなければならぬ、こう言っておられるんですね。ところがアメリカでは、強硬な対応というのは軍事力ということを意味する。日本は、大体私が知る限りにおいては国連のもとでは軍事力行使は法的に不可能という立場をとってきたはずでしょう。ところが、実質的には安保理を開く前のCBSのインタビューに答えて、強硬な手段をとらなきゃならぬということを日本の国連大使が言っておるわけですよね。これはあなたが訓令したのですか。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○澁谷政府委員 この十一日の波多野国連大使のインタビューは、確認しましたところ、ぶら下がりのインタビューだったということでございますけれども、確かに委員がただいまおっしゃったような内容が日本では報道されております。  しかし、波多野大使はその際次のように述べております。武力行使を直ちに容認することはせず、我々は他の方法でイラクに圧力をかけ続けるべきであるというのが正確な波多野大使の発言でございまして、これは一月十二日のワシントン・ポストにもこのとおり報道されております。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 総理にお尋ねをいたしますけれども、御承知のように国連は、国連創設五十周年を目前にいたしまして、国連改革というものがどんどん進んでいる。その国連改革の中心になっておるのが、常任理事国の問題も含めて安保理の問題あるいはPKOの強化の問題等々、多くの議論がこれから展開をされていくのですね。  そういう中で、今たまたま国連局長の方から、実はそうではなかったんだという言いわけめいた発言が出されておりますけれども、アメリカのこれも新聞の報道するところですから、私が直接知ったわけではありませんけれども、軍事力行使は一種の悪として絶対に拒否するというのが従来の日本代表だった。しかし、その日本代表が軍事力行使のおどしをかけるというようなことが国連の舞台の中で最近は表面化してきておるということが言われておるのですね。  これは私は、大変申しわけないけれども、渡辺外務大臣があちこちで、憲法がどうしても邪魔なら直せとか、あるいは自衛隊の三割、四割はいつでもPKOに行くようにせいとか、あるいは足の長い輸送機を持てとか、そういうことをどんどんどんどん言われていることと、外務省の訓令をもって動いておる国連の日本代表部というのが何か帰一しておるのですね、何か動きが。これは非常に私は危険なことだと思う。外交そのものが、国会とか宮澤内閣だとかいうことを離れて、何か外務省だけがそういった動きを示している。私は非常に危険なものを感じますな。  この際、宮澤総理に、こうした国連の動き、国連の日本代表部の動きについてどう思われるのか、それでこういう誤解が生まれないようにどうなさろうとされるのか、私はこの際総理大臣という立場で明確にお答えいただきたい。これは大変なことですよ。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺国務大臣 前座を申し上げます。  その日本の代表部が武力による威喝とか武力行使を認めるというようなことはけしからぬ、憲法違反だという議論はありますよ。それは、この間のイラクのあのフセインのクウェート侵入という問題について、一緒になって、これはもう出ていきなさい。シェワルナゼ当時のソ連の外務大臣ですが、彼なんかは、もうあそこは軍隊の指揮官は二千人も出しているし、兵器はほとんどソ連製のものだし、軍事顧問が二千人も行っているし、それから向こうの兵隊さんの将校もソ連の軍事組織の中で訓練した人ですから、そういう人が戦いで惨敗するようなことは、メンツもなくなるわけですね、これは。だから、もう戦わさせたくない。したがって、これは何回も何回も交渉したわけですから。それでも、次の年の一月の十五日か、それまでに回答しない場合は軍事行使もやむを得ない、だから何とか引きなさい、引きなさいとソ連は一生懸命にやったのです。それで言うことを聞かない。 ということになって、イラクの同盟国というところまで安保理二十カ国集まって相談、最後の決を決める、腹を決めるというときになって、大国は反対したところはないのですよ。中国だって反対だと言ったわけじゃないのですよ。ただ、棄権したということは事実ですね。反対したのはどこか、キューバとどこかと二つ小さな国がありましたよ。だから、そういう中で日本は、ではキューバと一緒になって、これは武力を行使するということはわかっているのだから、これには反対か。ソ連や中国まで反対だと言わないのに、日本だけが反対だ、そんなことはできっこないのです、これは、現実の問題として。  したがって、これはもう正義を確保するためにはやむを得ないという措置をとったわけですから。しかし日本は、措置はとっても、軍事には直接参加しない。そのかわり、戦争の費用に関連のある九十億ドルというものは国民の増税によって出した、これも事実なんですね。国民もこれを認めてくれた。我々はやむを得ない措置だと。それが現実でしょう。  ですから、今度はなるべくそういうようなことをやりたくないから、世界の全体の大勢がほとんどそういうようなときには、ともかくそういうことになりますよと。だから、そのように世界の大勢にどこまでも徹底抗戦でやるというようなことはおやめになったらいいという意思表示の一つなんですね。私はそう考えていますので、特別にとがめることはしておりません。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 ただいま外務大臣が言われましたように、いわゆる湾岸戦争に当たって、サダム・フセイン大統領に対する国連の決議が大変にたくさん積み重ねられまして、安保理事会の決議によってサダム・フセインの侵略に対応したわけでありますが、それは安保理事会の決議の積み重ねによったものでありますが、しかし、実際に動員された軍隊は多国籍軍でございますので、我が国はこの軍事行動には参加をいたしませんでした。それは、我が国の憲法による制約というものが一番大きな理由であったというふうに考えます。  次に、一応戦闘は終了いたしましたが、サダム・フセイン氏に課された幾つかの国連決議による責務、例えば大量破壊兵器をつくってはならないとか、あるいは飛行禁止区域を設定しなければならないとかいう幾つかございましたが、その国連決議をサダム・フセイン大統領が十分に守っていないということから先日の行動が行われたわけですが、これは国連の決議の示すところに従って、国連決議によってこの行動が行われたわけでございますので、我が国としてはそういう行動そのものは支持をいたしました。しかしながら、前からの同じ脈絡であって、我が国としてはそのような軍事行動に参加をすることはいたしておりません。そういうことはいたしておりません。これが第一の問題であります。  次に、第二の問題としてお話のありました、ブトロス・ガリ事務総長がこれからの国連のあり方について述べておられる中で、いろいろな、平和執行軍、平和執行部隊とでも申すべきような、先ほどお話のありました、従来国連では行われなかったような構想についての指摘もございます。  このような「平和に関する提言」そのものは、今後の国連のあり方として、私どもは、そういうイニシアチブを事務総長がとられること自身は有意義なことだと考えておりますが、こういうようなことは国連でかつて行われたことがありませんので、十分国連加盟各国の間で新しい問題として議論をすべき問題だという立場を我々はとっております。議論をすることはいかぬという立場はとっておりません。そういう論議はいろいろ行われることが大事であろう。  しかしながら、その議論の結果として、仮に平和執行部隊というようなものができますというときに、我が国は議論に参加をすることはありましても、我が国がそういう平和執行部隊に参加をするかどうかということは全く別の問題であって、国連としてそういう部隊が必要だということを仮にお決めになるのは、それは一つの国連の意思の決定でございますけれども、しかし、それに我が国が参加できるものとできないものとある、これは明確に我が国の立場から考えていかなければならない。我が国連代表部は基本的にそのような訓令に基づいて行動をいたしております。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 総理の言われたことでちょっと気になるのですが、先ほど言いましたように、特別政治委員会で一定の方向づけをするときに議論するのはいいですね。議論するのはいいけれども、決まったことについて共同提案国になることも許されるわけですか。軍事行動を伴う政治委員会の議論に参加をするのはいいですね。しかし、それの提案の共同提案国に日本政府がなることについては許されるのですか。今言われた総理の範疇に入るのですか。これは非常に重要な問題です。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 ブトロス・ガリ事務総長の「平和のためのアジェンダ」というのが書かれましたのは昨年でございます。これからこれを中心にいろいろ国連の中で議論が行われていくであろうというふうに考えていますが、その議論には我が国は参画をいたしたいと思います。最終的に、しかし、国連の決定がなされるときに我が国がどういう態度をとるかは、それは私は決定いかんによることだと考えております。それが第一でございます。  それから第二に、決定いかんにかかわらず、我が国としてそのような行動に参画できるかできないかということは、また別の問題として考えなければならない、こう思っております。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 総理、もう一遍、大切なことですからお聞きしておきますが、先ほど言いましたように、特別政治委員会で軍事力を伴う議論が展開をされた、それに参加することは、総理はいいんだ、こう言っておられますね。しかし、最終的に一つの方向が出て、そしてそれが総会の方に提案をされる。その提案をされるときには、軍事行動力を伴う提案を総会にする場合に、日本がその共同提案国になることは、外交上、日本の憲法上許される範囲に入るのかどうか、この判断です。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それは私がお答えをいたしますとやや政治的な問題として取り上げられる心配がありますので、本来なら政府委員がお答えした方がいいのですけれども、しかし、政治的な意味でないという意味でお聞き取りをいただきたいと思います。  国連が安保理事会の決議によって軍事行動をとるということは現実にございます。それはサダム・フセイン大統領に対してやっておることがそうでございますが、これは多国籍軍の行為であって、国連の指揮のもとに行われているものではございません。それはまず一つ明らかにしておきます。したがって、今後ともそういうことはあり得ることであるということも申し上げておかなければなりません。  次に、ブトロス・ガリ事務総長の言っております平和の援言の内容は、もう少し詰めないとわかりませんけれども、場合によりましては、国連の旗のもとに重大器を持った平和維持活動が入り用なのではないかということを言っておられるわけであります。  このことは、本来国連憲章の中で、将来いずれかの時期には国連軍というものができるということが考えられておりますので、それに至る、何と申しますか、あるいはそれの手前の一つの、もっと申しますと、国連軍というものは国連憲章の七章に書いてあるわけですが、それ以前のいろいろそれに至らない行動は六章に書いてあるわけです。六章半という、仮にわかりやすい表現でガリ事務総長は言っておるわけですが、場合によって、例外的に国連の旗のもとに重大器による行動をすることが大事ではないか。そうでないと、一々あちこちに頼んでいたのでは三月もかかる。三日で行動したいといったような立場からいえば、何かそういうものがあればいいなというのがガリさんの言っていることでありますが、まあこれは七章の国連軍というものがかつてできたことがないということから考えましても、国連の中でいろいろ議論になって、それは私は随分長い時間がかかるであろうと思っています。  その結末いかんによって、国連の旗のもとに平和を力をもって執行するような行動、これが許されるべきであるかどうか、最終的にはそういう議論になっていくことであろうと思っていますが、その帰趨はまだ実は大変不明でございます。六章半というようなものは現実にはない話でございますから、十分そういう議論をこれからやっていくことはいい、我が国はその議論には、そういう議論が行われ始めれば参画をいたしたいとは考えておりますけれども、その結論、そういうものはどういうものができるかによって我々の、やはり考え方をいかにすべきかは決定しなければなりません。今からそれを予測することは困難でございますから、どういう立場をとるかということをただいま申し上げることは、現実に草案というものは決定しておりませんから、困難だと思います。  一言でもう一遍申しますと、議論には参画をいたしますが、その結論を支持するかしないかは結論のいかんであろう。さらに、その結論に、我が国がそのような行動に今度は参画できるかどうかということはまたもう一つ別の問題である、こういうふうに御了解をお願いいたします。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 総理の言われたことでよくわかりました。  だとすると、先ほど言いましたように、国連のもとで特別政治委員会で出されたガリ報告を受けての二つの共同決議、これに日本政府が共同提案国になる、総会に提出する議案の共同提案国になるということは、外務大臣、少し総理と違っておるんじゃないですか。総理は、議論に参加はしてもいいが、しかし、そういう軍事力等を伴うようなものについては、結果が出るまでは対応を保留したい。しかし、結果が出たものに対して、共同提案国になっておるわけですから、重大器を持ってやっていいんだということの共同提案国になっているわけでしょう。ということは、賛成しておるということです。ですから、アメリカで、主張はすれど参加せずという批判が現実にマスコミ界で起こったわけでしょう。大臣知っておられると思いますよ、主張はすれど参加せず、日本は。それは、できないから。しかし、共同提案国になること自体は、結局少し、総理の発言からいえば行き過ぎだったんじゃないですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 私の説明との関連でございますのでもう少し補足させていただきますが、我々が支持したのは、国連の平和維持活動をより有効的なものにする必要があるということについては支持をいたしました。しかし、先ほども申しましたような重大器を持って平和維持部隊を国連の旗のもとに編成するというようなことについては、渡辺外務大臣自身が昨年の国連総会において、それは各国とも十分検討しなければならない新しい課題である、こういうふうに表明をしておられまして、それが我が国の基本的な態度でございます。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 ちょっと、総理の言われんとするところはわかるんです。ところが、もう現実に共同提案国になったわけですよね、日本政府が。先ほど申し上げましたように、一つは、局長の報告はちょっと内容が違っておりますけれども、私が把握する限りでは、PKO要員に対する挑発攻撃で作戦が妨害された場合、要員の安全確保のため安保理が国連憲章に基づきさらに適当な手段を講じることを明確にする勧告をやる、それに日本は共同提案国になった。それはどういうことかといえば、攻撃されっ放しじゃいかぬぞ、今度はおとなしくしておりませんぞ、やれ。要するに、一歩踏み込んだ内容の共同決議なんですよ。それから、PKO予備軍を設置することを奨励するなどを事務総長に要請をする、緊急な場合ぱっと出れるように。そういった意味では従来の内容と違っておる。そういった意味の決議に対して日本が共同提案国にもう既になったわけですよね。  ですから、そういうのは総理が言われるように、議論はするけれども、結果、武力行使等を伴うものについてはその段階でやはり検討を加える、慎重に扱いたい、こういうお話ですけれども、僕は、総理が言われたように、そういうときには提案国にならないという対応をとるのが正しい道だと思うのです。  ところが、それが現実に共同提案国になったわけですね。ですから、この食い違いはどこからくるんですか。総理とは無関係に外務省なら外務省だけがどんどん先行してしまうと、全く大変なことになるんじゃないか。だから、さっきから言うように、外務省、私は渡辺さんがなられて大分変わったとは思うんだけれども、体質として、こういうものを見せて、できるだけ外交問題は知らせないように、要するに国民に知らせないように、国会議員にも知らせないようにどんどん進行して、結果が出てきたときに、さあどうする、こういうふうに持ちかけてくるようなそういう体質、それが小さなことに見えるけれども、これは非常に大きなことなんだ。だから、私はくどいように聞いておる。  このことを、委員長、私はお聞きしておるんですから。国連局長の話は聞きました。だから、そういう点についてどういうふうに判断されたか、これからどうなさるのか、ちょっと打ち合わせしてください。はっきりしてあげてください。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 松浦君に申し上げます。  政府委員がもう一度補足説明を兼ねて詳しく御説明したいといって発言を求めておりますから、もう一度聞いてやってください。国際連合局長。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○澁谷政府委員 これは特別政治委員会の下部組織としてPKO特別委員会というものがございまして、今議員が御指摘になった点は、そのPKO特別委員会の議論の報告書だと思います。  特別政治委員会は、この報告書をどう扱ったか、決議案でどう扱ったかという点でございますけれども、この点につきましては、この報告書を支持するということは言っておりませんで、テークノートする、テークノートという表現を使っております。まあそういう報告書があったという事実は認めるということだと思います。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 あれは事務総長関係の報告に関連をして非常に重要な委員会なんですよ。そして、それの決議について、今言われたことは局長の報告です。しかし、現実的にはこの共同提案国になるという状況がやはり私自身はどうしても理解できません。  ですから、その意味についてはぜひ、今後も起こることですから。起こった結果に対してどうこうでないんです。総理が言われたことがどう外交ルートを通じて国連に反映するかということがより重要ですからね。だから、そういう問題についてどうなさるのか、的確にひとつお答えをいただきたい。そのために、ひとつ総理の方と具体的に打ち合わせしてみてください。それは出せるでしょう。非常に重要なんですよ。  しかも、ガリ事務総長、来られるでしょう、きょう。憲法改正したらどうかということは発言を訂正されましたけれども、事務総長が来られる。チャンスですよ、これは。我が国の現在の状況をぴしっと教えるチャンスですよ。だから私はしつこいように聞いておるんです。委員長、ちょっと配慮してください。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 松浦委員の御指摘の点について委員長からお答えをいたします。  総理と外務大臣との間で調整をしていただくことにいたしまして、質問を先に進めていただいて、その間に調整をしていただくように私から申し上げます。それでいかがでしょうか。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 結構です。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 松浦委員に申し上げます。  総理と外務大臣の間の答弁は、整理してこの質問中に申し上げるそうでございますから、先に進めていただきたいと思います。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 いいです。結構です。  それでは、この問題は別枠にして、PKOの関係についてお尋ねをいたしますが、具体的にPKO――今の問題に関連をしてひとつ外務大臣にお尋ねしておきますが、この事務総長の報告、「平和のための提言」の中に、平和維持活動に関して、各国に対して、新しい活動の必要性が出たときに派遣できる訓練された要員の種類と数に関する情報を提供してもらいたいということがガリ事務総長報告で求められているのです、各国に。これは報告なさいましたか。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○澁谷政府委員 これはたしか質問がございましたのは一九九〇年の時点でございまして、我が方はまだPKO関連の法律等も持っておりませんでしたので、回答しておりません。(松浦(利)委員「現在までも」と呼ぶ)はい、回答しておりません。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 現在までも報告しておらぬ、こういうことですから、それはわかりました。  それでは、次にPKOの関係についてお尋ねをしたいと思うのですが、このPKO関係で、今日まで十月以降UNTACがポル・ポト派等から攻撃を受けた具体的な事実、それからまたポル・ポト派が政府軍に、これはプノンペンですね、政府軍との銃撃戦があった件数、こういったものについて把握しておられると思いますので、それについて何件ずつか、お答えいただきたい。

池田維外務省アジア局長

○池田政府委員 お答えを申し上げます。  一般的にカンボジアの中では、パリ協定が締結されました後もプノンペン軍とポル・ポト派軍との間で緊張関係がございます。そして、これは地域的にはコンポントムとかバタンバンとかシエムレアプの州を中心でございますが、実際にその州の中の郡あるいは村落の単位において銃撃戦とか砲撃戦が行われるというのが実態でございます。  そして、ただいま先生の御指摘になられました具体的な、UNTACが関与しました状況でございますけれども、これはUNTACの報告によりましても、UNTACを標的としたものであったかどうかについては不明な点が多いということで現在調査中のものが多うございますが、例えばヘリコプターが何者かによって銃撃されるような事件というものが数件ぐらい発生しておりますし、それから十二月前半から一月にかけまして……(松浦(利)委員「何件でいいです、何件というので」と呼ぶ)その何件というのは、特にUNTACとしても数では言っておりません。したがいまして、数件と申し上げておきます。去年の十月から十一月、ヘリコプターの事件でございます。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 結構です。  現実にこれは新聞に報道されたところですから、どこがどうということはわかりませんけれども、うちの党で調べた範囲内のことを申し上げますと、ポル・ポト派等によるUNTACへの攻撃は、十月の十六日にヘリコプター一機が銃撃を受けて以降二十一件に及んでおるのですね。それから、ポル・ポト派と政府軍による交戦といいますか、これがやはり十月の四日以降二十八件。これに漏れておるものもあるのです。  それで、しかも御承知のように、これも新聞の報道するところですが、たまたま文民警察の方が休暇中に宿舎が攻撃された。おられたら、恐らく一命は失っておられたはずです。そしてまた、アンコール・ワットに旅行中の邦人がホテルで銃撃を受けておる。これもわずかの差で命は取りとめて、殺傷から免れている。また、NGO、女性の方がボランティアで活動しておるところにも銃撃が行われて、幸いなことに殺傷は免れておる。非常に危険なんですね。現実に、今PKOで行っておる施設大隊というのは安全なところを道路でやっておるのですよね。ところが、選挙監視とか文民警察とか、ボランティアの人たちは非常に危ないところをやっておられるのですよ。  外務大臣、お尋ねをいたしますが、今まで人命に支障がないからいいのですが、仮にそういう状態が発生したときには、PKOは引き揚げることになるわけですか、引き揚げようと思われますか、どうされますか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺国務大臣 それはケース・バイ・ケース、部分的に引き揚げるというか、行動を中止するという場合もあるでしょうし、何十カ所もある中で一カ所だけそういう問題があったから全部引き揚げちゃう、そういうことはないと思います。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 宮澤総理も御存じだと思うのですが、やはり昔から、出ていくのは非常に簡単なんですよ。引くときが一番問題なんですよ。一遍出てしまったら、外国の目がありますからね。日本の事情でさっと引き揚げるということはもう到底不可能。私は今でも思い出すのですが、東条英機さんが陸軍大臣のときに番記者から、これ以上戦線拡大するのはやめたらどうか、こう言われたときに、坂を転げ出した石を、君、とめることはできぬのだ、こう言ったんだね。私は、けだし名言だと思いますよ。  PKOで行っておる人たちが、仮に死傷者が出たとしても、そんなことはあってはならぬが、仮にそこで死者が出たとしても、引き揚げられないんだ、もう一遍出てしまったら。外務大臣は今そのことを言っている。仮にそういう事態が起こったって、PKOは引き揚げませんよと、それは部分的にあるかもしれぬが全体的にはやらないだろうと、必ずこうなるのです。  だから、私たちはあのPKO派遣のときに非常に議論をして、しかし結果的にこうなった。しかし、その責任を私たちは今どうこうするつもりはない。問題は、こういうところにPKO派遣をしたら、必ず現実問題として死者が出るんだ。今までも大変な、UNTACの人たちが亡くなっておるのですね。現実にとうとい命が失われているんだ。ですから、私たちはこの際勇気を持って、五原則というのがある、少なくとも五原則に違反をしたときには直ちに撤収をする、それは法律の定めなんだから。その法律の定めの拡大解釈をして、いつまでも居座るなどということはあってはならないことだ。  だから、私は総理に明確にお答えいただきたいと思うのですが、やはりあの法律で枠をはめた五原則に違反する状態が出たときには、我が国は直ちに撤収するということについて、明確にここでお答えをいただいておきたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 法律に定められたところによりまして派遣をいたしております。ですから、法律の条件が欠けるようになりましたときは、法律に定めましたように行動を一遍中断するとかいろいろ決めております。その法律のとおりにいたさなければならないのはもちろんでございます。  ただ、先日来御説明申し上げておりますように、全体としてはUNTACの活動というのは、私はやはりまあ百点満点ではありませんけれども、選挙に向かって、難民の引き揚げも終わりましたし、まずまずの実績を上げつつある。クメール・ルージュの全面的な賛同を得られないことは残念でございますし、散発的に事故があることもまことに残念でございますけれども、考えてみますと、十三年間戦争をやっておった後を終結するとすれば、多少のことはやはりあるであろうと、そこはそう考えておかなければなりませんが、全体としてはまずまずの経緯をたどっているというふうに考えております。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 先ほど私が申し上げておるのは、こういう状況を見ましても、総選挙を目前にして非常に重大な局面を迎えようとしておるわけですから、五原則に違反をしたという状況のときには直ちに撤収をすると。いろいろ理屈をつけて、メンツがあるからとか外国の目があるからとか、一方的に日本がそれじゃ撤収できるのかという議論ではなくて、国内法である五原則に違反をしたときはもう撤収するのだということだけはぴしっと確立をしておいてもらわないと、まあまあ主義では私は一生懸命努力をしておる皆さん方の期待にこたえることにならない。僕は、やはり文民警察の人たちは大変だと思いますよ、第一線で無防備でやっておるわけですから。だから、そういう意味では、私は総理にそのことをぜひお願いをしたい。現状は今言われたとおりかもしれないけれども、そういうことを強く訴えておきたいと思うのです。  それから、これは大蔵大臣にお尋ねしておきますが、カンボジアにODAで五億円、農業食糧増産対策援助資金として五億円出しましたね。どうですか。

川上隆朗外務省経済協力局長

○川上政府委員 お答え申し上げます。  御質問の点につきましては、そのとおりでございます。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 そのうちの一億円は農薬ですね。

川上隆朗外務省経済協力局長

○川上政府委員 そのとおりでございます。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 私が知る限りにおいては、カンボジアそのものには農薬というのが必要でない。従来の農業が、天敵と害虫とが非常にバランスをしておって、カンボジアの農業というのは農薬を必要とする場所ではない。しかも、ポル・ポト派ならポル・ポト派が上流の方から仮に農薬を流すというようなことになれば、河川が汚染される。これはポル・ポト派を含めての五億円の援助でありますから、当然ポル・ポト派のおる地域についても農薬が行かなきゃいかない。そうすると、ポル・ポト派というのは全部山岳地帯におるわけでしょう。上流地帯でしょう。  そういうことを考えると、ODAの調査等でも全部そうですが、事前に基本調査というのを必ずしなきゃならぬことになっておるはずですね。実際にこれを援助していいかどうかという基本調査というものが全くなされておらない。基本設計調査、そういったのを外務省やりましたか。基本設計調査、農薬をやって大丈夫かという。

川上隆朗外務省経済協力局長

○川上政府委員 カンボジアの食糧増産援助につきましては、先方から、先方はSNCでございますけれども要請を受けまして、これは、カンボジアは今十五万トンぐらいの食糧不足に悩んでいるということで食糧増産計画に励んでおりまして、そのコンテクストで我が方に対して農業資機材、これは生産増強のための農業資機材でございますけれども、その要請をいたしてまいりました。その中で肥料、先ほど申しました農薬等々の要請をしてきたわけでございます。これにつきましては、昨年の三月から四月にかけましてカンボジアODAの援助を再開したばかりの時点でございましたが、農業分野全体の調査ということを実施いたしております。  具体的には、農業事情につきまして種々の情報収集を行うとともに、先方側といろいろな食糧増産に関する対話を行ったということでございまして、その際、緊急的な措置といたしまして、旧ソ連、東欧等から供給が停止しておりまして絶対量が不足しておりました肥料、農薬それから農業機械等の資機材の供給が必要であるということについて確認いたしておる次第でございます。  農薬につきましては、この調査のほか、カンボジア側からの要請を受けまして、国内解析におきまして、カンボジアにおける病害虫の発生状況、農薬の使用状況、使用体制等を確認いたしております。また検討を行うに際しましては、過去に我が国が行いました調査、それから国際機関の作成をいたしておりますレポート等も参考にいたしております。その際、カンボジア内での農薬の使用というのは収量増加のために必要であるという結論でございますが、人体、環境に及ぼす影響をも踏まえまして慎重に行うべきである、そういうような対処方針でやっております。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 松浦委員の質問の途中でございまするけれども、ただいま委員各位の席の後方に、イルッカ・スオミネン・フィンランド共和国国会議長御一行が本委員会を傍聴に見えております。御紹介申し上げます。できましたら拍手を……。     〔拍手〕

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 それでは、質疑を御続行いただきます。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 局長、農薬のことだけ聞いたのですよ。一億円でしょう、農薬はね。あなた、ほかのことを言うものだから。アメリカなどは既に、御承知のように、国際開発局では農薬を使用しない害虫対策及び農薬依存度を減少するための実践を行うことを中心にしておるのですよね、援助する場合。ですから、そういう意味ではカンボジアに対する農薬の援助などというものについても極めて危険なんですよね、信じたいけれども、農薬を上流から流せば河川が汚染されていくわけだから。  そこで、外務大臣にお尋ねをいたしますが、現実にポル・ポト派の経済問題を支えておる力というのは鉱山資源あるいは木材資源ですね。そういうのが回り回って日本商社の手を通じて日本に来ておるというのですね。現実にポル・ポト派の資金は日本が輸入を通じて渡しておるということを言っても過言じゃないのですよ、現実問題として、日本の商社等を通じて。そういうことは把握しておられますか。

池田維外務省アジア局長

○池田政府委員 ポル・ポト派の資金源につきましては、普通、木材と宝石というように言われております。  木材につきましては、既にSNCの決定というのが出まして、それを踏まえまして安保理が支持をいたしました。そして、関係国はその決定に基づいて輸入禁止措置をとっておりまして、我が国におきましても、本年の一月の八日から貿管令に基づきましてこの木材を輸入禁止にするということを決定いたしました。  最近、一部の報道では、カンボジアの原産の原木が日本に一部来ているのではないかという報道が行われておりますが、これにつきましては、一月八日以前の段階で船積みされたものか、既契約分であるか等につきまして、UNTACとも連絡をとりながら調査中でございますが、少なくとも二月に入りましてから、そういうことはないというように承知しております。それから、一部報道にありましたものは、いずれにしましても港の倉庫に入っておりますから、これにつきましては、まだ輸入の承認をしておりません。したがいまして、適法か違法がということを調べた上で措置をとるということになっておるわけでございます。  それから、もう一点の宝石でございますが、この宝石につきましては、最近のSNCで具体的な決定を行うということで基本的な決定はございましたけれども、まだ各国とも、それに基づいた具体的な措置をとっている段階ではございません。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 今お聞きいただいたように、非常にあいまいなんですね。実態がつかめない。タイを通ってきておるという話もありますしね。  そこで、私は外務大臣にちょっとお尋ねしますけれども、やはり軍事力にかわる方法としては経済制裁があるわけでしょう。ところが日本の場合は、御承知のように外為法による関係ですよね。その外為法の運用によって制裁を加える。ところが、各省庁間で手間取りましてなかなかすぱっといかないわけですよね。なかなかすぱっといかない。ですから、それを軍事力にかわる手段として、経済制裁をぱっとかけ得る方法として、経済制裁法案というようなものをやはり外務省あたりでは検討を始めておられるやにお聞きをしているのです。  ただ問題は、そのことがスーパー三〇一条とイコールで見られがちになるので、その点についての一定の法律的な枠をはめなければならぬことは事実ですけれども、現実問題として、各省庁間でばらばらでやっておる外為法というものは間に合わない、調整が。ですから、そういった意味では、経済制裁法案というようなものを具体的な日程に上げて現在議論を展開しておられるのかどうか、そういう点について、簡単でいいです、お聞かせいただきたいと思います。通産大臣でも結構ですよ。

池田維外務省アジア局長

○池田政府委員 ポル・ポト派の資金源に関係します措置につきましては、これはSNCでとられたわけでございます。そうして、今の経済制裁云々といいますのは、いわゆる国連憲章の七章に基づく措置のことを考えておりますが、これにつきましては、まだ国際的にもカンボジア各派の間でも議論はされておりません。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 日本政府は。

池田維外務省アジア局長

○池田政府委員 日本政府につきましては、現在のところ、カンボジア各派それから関係国と協議をするということでございますけれども、別にそれ以上のことは現在のところ考えていないわけでございます。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 外務大臣、今度のカンボジア問題にいたしましても、PKOで出るのはいい、結果的に。しかし問題は、経済制裁そのものについてしり抜けになって、逆に言うとポル・ポト派を日本側が支援をするという、資金援助をするという形ができ上がってしまうのです、今のような状況じゃ。だから今言ったように、確かに国連憲章の中にあります。しかし、国連憲章の枠組みの中で議論をしておったんじゃ、日本のように経済大国で常に世界各国から意識されて、黒字だ、どうだこうだという批判を受ける側から見ると、そういったときには直ちに日本国内で対応できるという軍事力にかわるそういったものを、私は、外務省なら外務省で、通産との縄張り争いになってもいかぬですが、いずれにいたしましても、そういったものをやはり検討する時期に来ておると思うのですね、これは。  そうしなければ、外為法では適応できない時代がもう来ておるんだ、我が国の状況から見て。経済アニマル的なものがそういうところに出てくるわけですから。そのことを、私は必ずしも何でも法律の網をかぶせてどうのこうのと言うつもりはありませんけれども、最終的にはそこで規制を加えてしまうということは、私は検討してしかるべきだ、こう思うのですね。どうですか、外務大臣。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺国務大臣 検討してしかるべきであります。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 それから、これも大蔵大臣がアメリカに行かれたときに、日本の豊かな黒字をODA等を通じて還流すると。そういう意味では、ODAというのは極めて重要な位置づけになると思いますね。事業予算として一兆九千億近くになるわけですから。二兆近くのODAですからね。  それで、私は大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、実はつい最近まで日本も世界銀行から新幹線の建設資金等お借りをして、やっと全額返還が終わったわけです。ですから、我が国が行うODAと同時に、世界的な規模における世界銀行の役割というのは非常に大きい位置を占めておると思うのですが、ただ残念なことは、タスクフォース報告というのがありますね。これは「効果的実施―開発インパクトへの鍵」という内容の報告なんです。これは取り扱いがマル秘というスタンプが押してあるんですね。マル秘というスタンプが押してあるんです。日本で言えばマル秘という意味のスタンプが押してある報告書ですが、これは世界銀行が公式的に調査を命じて、そして報告を受けた内容なんです。ところが、その世界銀行融資の全体の中で、三件に一件は失敗だと書いてあるんですよ。世界銀行が融資した中の三件に一件ですから、三割強が失敗だという報告になっているのです。これは見られましたか。

中平幸典大蔵省国際金融局長

○中平政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたように、世界銀行は、かつて我が国にも大変な融資を行ってくださいましたし、その融資活動を通じまして、開発途上国の経済開発にこれまで貢献をしてきております。その世界銀行の部内におきまして、世銀融資が効果的に実施されているかどうかを分析をいたしまして、これがその開発効果をさらに向上させることができるようどうしたらいいか、その方策につきまして世界銀行の内部で検討を実施をしております。そういう段階で、いろいろなレポートも中でつくって、部内でただいま検討をしておるということは事実でございます。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 ここの復興開発銀行副総裁は大蔵省御出身の柏谷さん、国際復興開発銀行の理事さんは河原さん、大蔵省御出身ですね。これはなぜ大蔵大臣等に御報告はなさっておらないのですか。

中平幸典大蔵省国際金融局長

○中平政府委員 ただいま申し上げましたように、世界銀行は部内で検討をいたしまして、その融資の実態をみずから世界銀行の内部で、先ほど先生おっしゃいましたようにタスクフォースをつくりまして、そこで検討をして、そして改善の方策を講じていこう、こういうことになっているわけでございまして、そういう検討をしておるということは大蔵大臣にも報告をいたしております。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 それは大蔵大臣、報告があったそうですが、この報告書によりますと、具体的に三割強のものが失敗だったという報告内容ですよ。そうすると、世界銀行に出しておるお金というのは、我が国も多額出資しておるわけなんですが、資金を提供しておるわけですが、せっかく金を出しても有効に使われておらない。きょうはもうODAの問題を質問する時間がありませんから、一般質問で集中的にODAの関係は御質問しようと思いますが、開発銀行においてすら内部資料でこういう状況でしょう。  今まで日本は、金を出せばいい、要するに黒字減らしだ、政府専用機をもう一機買えばいい。もう非常に単発的ですな。せつな主義ですよ。確かに、政府専用機を一機買えばそれだけ黒字が減るでしょう。それは一過性のものなんだ。ところが、そうじゃないんですよ、これは。こういう世界銀行、しかも副総裁を出しておるところで、こういう失敗をしてかしておるわけでしょう。国民の血税が有効に使われておらないという事実が明るみになっておるでしょう。まだ私はここにODAの関係、いっぱい持っていますよ、いろんな問題を。こういう点が率直に言って、ただ金を出せばいいだけじゃなくて、どうやってこれをフォローするのか、効果をどうやって上げるのか。どぶの中に金を捨てるようなことはやめてもらいたい。これは大蔵大臣、どうしますか。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○林(義)国務大臣 世銀の副総裁から世銀の内部資料として報告がありました。いわゆるワッペンハンス報告というんだろうと思いますけれども、お話がありましたことは、私も報告を受けているところであります。ただ、これはあくまでも世銀の内部資料、検討資料ということでありまして、今三分の一というような話で、大体三〇%のものがいろいろ問題があるという話があります。  しかし、私が思いますのに、世銀の融資、確かに日本もいろいろ出資をいたしましたり、また世銀債の購入をいたしましたりして資金協力をやっておりますが、どんな融資がいいかというのは、私はこれで全然むだだという話ではない、いろんなことを考えていかなければならないのが融資の問題だろうと思いますし、特に世界銀行のように世界の復興開発銀行、こういうことでありますから、世界のためにどうなることがいいのかというのは、いろんな私は判断基準があるんだろう、こう思っております。  そういったことも踏まえ、また先生からお話もありましたようなこともございますから、私たちもその辺につきましては十分に考えていかなければならない問題だろうと思っております。一概にだめだからどうだという話ではないんじゃないかな、こういうふうに思っています。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 総理、ちょっとよく聞いてください。  「世銀は“本部から与えられる政策を優先させるために地元からの情報をないがしろにする”」これが失敗の原因の一つ。それから二番目、「他の借入国官僚は、世銀スタッフは「顧問としてではなく、交渉する者の立場を取る―彼らの頭の中では既になすべきことができあがっていて、借入国が言いたいことには聞く耳を持たない。」」これが二つ。「世銀は「時代が変わると教義を変える。私の知る限りでも、六〇年代には輸入代替を唱えていたが、輸出代替となり、社会問題となり、今では環境問題を唱えている。」」行き当たりばったり。「優良なプロジェクトを実施することへの願望よりも、貸付を行うことへの心理的圧力によって動いている」。貸し付けをどうやってするかということに中心が置いてある。それから、「国際コンサルタントが導入されることでプロジェクトの質が下がることになる。これは、ニューヨークやロンドンから来たコンサルタントに当該国での経験が無いから」だ、これは具体的に指摘しておるんですよね。  ですから、こうしたことが改善をされない世界銀行に日本が来年度もさらに資金を提供する、これはどうなんですか。資金を提供するからには責任を持たなきゃいかぬ。そういう点について大臣から的確にお答えいただきたい。

中平幸典大蔵省国際金融局長

○中平政府委員 ただいま世界銀行の中では、世界銀行の中におきまして、外部から指摘をされたということではなくて、その内部におきまして、今先生の御指摘のありましたように、世界銀行の融資が途上国に対して一層効果的になるようにするにはどうしたらいいか、世界銀行というものは大変大きな組織でございますので、その第一線でプロジェクトをするためにどういう問題があるかということを、みずからのイニシアチブのもとに検討しておるところでございまして、これは大変私どもは健全なことだと考えております。したがいまして、私どももこうした議論に建設的に参加をしてまいりまして、世界銀行の融資がより一層途上国のためになるように、私どもも努力をしてまいりたいというふうに考えております。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 言っておられることはそのとおりだと思うのですよね。しかし、世界銀行の副総裁を出しておって、内部チェックして今わかった、これじゃ副総裁を出しておる日本という立場はないんじゃないですか。そうでしょう。ですから、済んだことをとやかく言っても始まらない。しかし、金だけ出せばいいという体質、黒字だから出しておけばいいという、そういう体質がこういうことを見過ごしてきたんだ。たまりかねて内部でこうした議論をしてみたら、三割強が失敗だった、それでこれからどうしたらいいかということの議論が始まっておる。  しかし、副総裁を出しておらなければ、あなたの議論でいいわけよ。副総裁を出しておるという現実が、私は責任ある国家、日本国として、世銀の内部でこういう議論をすることはいいけれども、日本政府自身の、日本自身の姿勢をぴしっとしておかないと問題があるのではないか。こういう結果が起こって反省しておるからいいじゃないかでは済まされぬのじゃないか、国民の側から言わせれば。  どうですか、大蔵大臣、外務大臣答えられますか。どうぞ両方答えてください。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺国務大臣 現場の話ですが、これは各省、企画庁にもわたること、外務省も現地におりますから。もっと人手が足りないんですな、一つは。しかし、世界銀行の方はまだいいんですよ。それは国内でやるやつの方がもっと人手がない。だけれども、世界銀行の方でやってもらえば調査は徹底をする。  一番いい例がフィリピンなんだ。フィリピン、昔のマルコス時代のでたらめ。あれは当時、フィリピンの大蔵大臣でピストル自殺して死んだ人がいるんだが、立派な人で、この人が私に言った。アメリカのようにやったらいいじゃないかと。日本は二、三人しか行ってない、アメリカは二十五人も現場監督に行っている。設計とか採用から落札から施工から竣工検査から、それから経済効果、そういうものまで全部報告をきちっとやるからいいんだ。ところが、これを日本がそこまでやると、特に東南アジアなどは難しいんです。経済侵略じゃないか、経済侵略だ、こうやられる。したがって、世銀なんかと協調融資をやるというような場合の方が、世銀は国際機関だから、だからそういう点ではむしろやれる、そういう利点があるんですよ。  だから世銀にもっと詳しくやってもらいたいということが一つと、それから、やはり現実というものを見に行かなければいかぬし、要するに国会でいじめられるのが嫌なものだから、失敗があったとしても、そいつをありのままに報告しない嫌いが昔はあったんですよ。しかし実際は、それは知らない地域で知らない習慣のあるところで、そういうところでやるんですから、世銀でも五割ぐらい失敗したことがあるというそうです。だから、そういうのは、失敗の実例を挙げてきた人はむしろ褒めてやるんですよ、よくおまえこれをつかんできたと。前の仲間の人のざん訴をするようなものだけれども、しかし、それは前の人だって、それはそこまでわからない。  それを黙っていられると、また次の間違い、同じことをやっちゃう。それがいけない。だから、国会で余りいじめないことなんです、大事なことは。そしてむしろ、失敗があったのを報告が出たらば褒めてやるぐらいのことをして、もっとそういうのを探してこいといったようになると、勇気が出るんですよ。それを余り失敗したといって、遠くへ出されていじめられたら、だんだんすくんじゃって、なるべくだったら見つからないように、おれどこかへ転勤するまでじっとして待つというようなことになるのが普通なんですな。だから、そこよろしく頼みますよ。(松浦(利)委員「もういいです。一緒でしょう」と呼ぶ)

林義郎自由民主党大蔵大臣

○林(義)国務大臣 一緒だというお話でございますから、私申し上げますけれども、世界銀行というのは、先ほど申しましたように、世界の復興開発のためにやっているんですから、いろいろな点で注意をしていかなくちゃならない。発展途上国に貸すというのは、なかなか金融に本当言ったら難しい問題があると思います。その国の事情も考えたり何かしなくちゃいけない。その点で、御指摘があったところは私はあるんだろうと思うんですね。しかし、そこをやはり直していって、本当にいい、皆さん方に信頼されるような世界銀行になることが私は大切だ、こう思っておるところでございます。  簡単ですが、御報告だけ申します。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 それじゃまた改めて、もう時間が来るようですから、ODAの関係に関連をして、世銀の関係はもう一遍やります。しかし、外務大臣に言葉を返すようじゃないけれども、余り失敗されると金を出す方はたまらぬですからね。だから、そのことをひとつぜひ外務大臣、頭に入れておっていただきたいと思うんです。  それから、こういう話は具体的に出なかったと思うんですが、防衛庁にちょっと思いやり予算のことで、もう時間がありませんから簡単にお尋ねをしておきたいと思うんですが、最近思いやり予算というのが、枠がどんどん広がっていきまして、いつの間にか米軍の軍事施設というものにまでずっと発展をしているんですね。  それで、これは公明党の大久保さんが質問しましたときに、当時の瓦防衛庁長官ですか、お答えになりまして、提供施設整備に関する防衛庁長官の発言としては、「安保条約の目的達成との関係、我が方の財政負担との関係、社会経済的影響等を総合的勘案の上、個々の施設ごとに我が国の自主的判断により措置してまいりましたが、御指摘の点も踏まえて、さらに国民の理解を得られるよう慎重に検討してまいりたいと考えます。」これは、思いやり予算がだんだん広がっていって、提供施設整備というものにウエートがかかってきておるということに対する、大久保さんの防衛庁に対する一種の警告だったんですよね。  ところが、最近私どもは思いやり予算、思いやり予算とこう言いますけれども、実質的には米軍の施設にかかわるところが非常に多くなってきておる。例えば協定によって、廃止する施設をどこかに移す、こういうときには当然特別協定によって我が国が負担しなければなりませんね。ところが、三沢とか佐世保とかそういったところにある軍の施設、例えばジェット戦闘機の掩体ごうとか、あるいは桟橋だとか、あるいは司令部だとか、こういったものが何か思いやり予算という形でどんどんでき上がってきておるわけですね。  ところが、防衛庁、施設庁の公表は、これは倉庫とか医療とか宿舎とかそういったものだ。等という言葉で表現していますね、何々等と。だから、何々等というのが、いつの間にかこういった施設に発展をしてきておるんです。もう時間ありませんから多くは申し上げませんが、ここに平成二年度からのものを見せてもらいましたけれども、私が調査をしたものが、表現が違いますけれども、大体同じようなものがここに出てきておるんです。  そこで、私が心配になるのが、これもアメリカの公聴会で国防総省の方が証言をしておるんですけれども、その内容がクリントン新大統領の政策とぴたり一致をする。要するに、外に向かっての経費をなるだけ抑える、内政中心の政治を中心にしている。ですから、だんだん海外における米軍の駐留地も返還をされたり縮小している。そういう中で、日本における米軍の基地というのは極めて重要な役割を持ってくることは、もう御承知のとおりなんですね。  そのときに、この人はどういう証言をしておるかというと、日本は九五年度まで、給料を除くですよ、給料を除くというのは米軍の給料ですよね、駐留しておる米軍の給料を除く在日米軍の経費の七五%を負担することになるだろう。九五年ですから、再来年ですね。在日米軍の給料を除く施設、七五%の経費をこれから日本が負担することになるだろうということを、公聴会で証言しておるんです。  そうすると、実際に冷戦構造がなくなったから、どんどん防衛大綱を見直して、防衛予算を削減をする。国民のニーズに合って、防衛庁の編成がえも行う。ところが、片一方では米軍の思いやり予算という形での七五%は私、相当な金額になると思うのだけれども、そういう負担が日本に押しつけられてくる。しかも、これは何ら協定のない、施設提供という形でこういうことが現実に今進行しているんですな。これが現実の思いやり予算の姿なんです、今。私は非常に危険に思いますね。  ですから、今の特別協定も間もなく見直しに入ると思うんですね。この際、防衛庁長官、どうでしょう。こうした思いやり予算の施設提供については、瓦防衛庁長官が言われた、これは公明党の大久保さんにお答えになった「我が方の財政負担との関係、社会経済的影響等を総合的勘案の上、」「我が国の自主的判断により措置して」まいりますということだけでは歯どめがかかってこないのではないか。この点について、防衛庁長官の御返事を承りたい。

中山利生自由民主党防衛庁長官

○中山国務大臣 ただいまの御質問のお答えにつきましては、先ほど松浦委員が読み上げられました瓦長官の答弁と一言一句変わっておりませんが、具体的な御指摘の点につきましては、政府委員の方からお答えをさせていただきます。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○畠山政府委員 御指摘の報告書でございますけれども、米国防省が七月に議会に提出した報告書のことであろうと思いますが、そこでは、米国は一九九五年までに日本が在日米軍駐留経費の約七三%を負担するものと見積もっているという記述がございます。  これは、九五年までということはどういうことかといいますと、現在の特別協定がそこまでの期間、五年間かけて徐々にふやしていくというスキームになっております。したがって、そのスキームを実施するならば、今の日本の提案によれば、あるいは日米の合意によれば、事実としてそうなるであろうということを述べたわけでございまして、新たなことを云々ということではなくて、今の計画をそのとおり実施すればそうなるでありましょうというアメリカ側の見通しを述べたというふうなことであろうと思います。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 局長の答弁はそれでいいのですよ。官僚ですから、そういう答弁で結構ですよ。  しかし問題は、政治的にクリントン政権からそういうことを日本側に言ってきたときにどう歯どめをかけるのか、それが問題でしょう。歯どめがないんだから。あなたの一存で、思いやりであなたがやるという時代はもう終わった。どこかでぴしっとしておかなければ、際限なく向こうは財政再建に協力してくれ、そのためには在日米軍の経費をもっとふやしてくれよと。そうなってきたときにさじかげん一つで、いや、それならこうします、こうしますでは、今まではよかった、今度は、若いクリントン大統領というのはそういったことに関係ないんだ。みずからが内政中心の赤字削減だという立場で臨んでくるわけだから、今までのなあなあ主義はもう終わった。今の官僚答弁じゃ、もう終わるんだ。そういう時代はもう過去のものだ。アメリカのためには厳しく日本政府に要求してくる。受ける側の日本にそれに対応するものがなければ、今言ったように、まあまあそれはこうこうでございましょうでは済まされぬでしょう、そのときになって。  ですから私は、防衛庁長官のそうしたものに対する政治的判断、一体どうするんだ。そうなったときにどうしましょうじゃ遅いんですよ。私はそのことをあなたに求めておる。

中山利生自由民主党防衛庁長官

○中山国務大臣 新しいアメリカの政権ができまして、クリントン政権が我が国に対してどのような応分の負担を求めてくるかということはまだはっきりしておりませんが、これまでのいろいろな発言などを聞きましても、恐らくかなり強化をしてくるのではないかという予想があるわけでありまして、松浦委員もその点を大変御心配になっていると思いますが、先ほどの瓦長官の答弁にもありましたように、我が国の財政力などを踏まえまして自主的な判断をしていくということが一つの大きな方針であるわけでありますが、これからどのような要求をしてくるかということをよく見きわめながら、これは政府あるいは財政当局、また防衛そのものの自主的な判断のもとに、きちっとした態度をとっていかなくてはいけないというふうに覚悟をしております。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 思いやりという言葉を使う時代はもう終わった、そのことだけ宮澤内閣、心してください。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 松浦委員にちょっと申し上げます。  先ほど松浦委員の質問中、特別委員会での共同提案にかかわる答弁保留分につきましては、整理された答弁を澁谷国連局長より答弁をさせます。

澁谷治彦外務省国際連合局長

○澁谷政府委員 お答えいたします。  PKO特別委員会における平和の維持の問題に関する議論を取りまとめた報告書の取り扱いについて、その上部委員会である特別政治委員会の決議案に我が国も共同提案国として参加した。しかし、この決議案の趣旨は、この報告書及びガリ報告の内容に支持を表明するものではない。例えば、決議案はPKO特別委員会の報告書をテークノートするとしており、また、ガリ報告についてもこれを歓迎するとのみ言っており、その内容に支持を与えるものとはなっていない。  この報告書の内容は、今後国連で議論されることとなろうが、我が国はこの議論に積極的に参加していく方針である。ただし、議論の結果出された結論に対しいかなる態度をとるかは、その時点で改めて検討すべきと考える。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺国務大臣 ただいま国連局長が読み上げたとおりの見解でございます。

松浦利尚日本社会党・護憲民主連合

○松浦(利)委員 終わります。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これにて松浦君の質疑は終了いたしました。  午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五分休憩      ―――――◇―――――     午後一時開議

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。宮地正介君。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 公明党を代表いたしまして、総括質疑をさせていただきたいと思います。  最初に、二月の十一、十二日と渡辺外務大臣、また林大蔵大臣訪米、大変に御苦労さまでございました。時差の問題で大変に御苦労も多いと思いますが、重要案件でございますので、何点か確認をしながら御質問をさせていただきたいと思います。  まず宮澤総理に、けさほど内閣官房長官から、日米首脳会談については四月からの大型連休前の三月中にも予算委員会の状況等を勘案をして早期に訪米をしたい、こういう記者会見が午前中行われたと報道されております。総理御自身として、今回の日米外相会談あるいは渡辺・クリントン会談あるいは林・ベンツェン会談、こうした一連の日米会談をごらんになりまして、総理としてどのような決意を固められ、またこの日米首脳会談について、いつごろ、どのような内容をもって会談に臨まれようとされておられるか、この点について見解を伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 けさほども申し上げたところでございますが、クリントン新大統領として最初の就任百日間余りというものはできるだけ内政に専念したいということは、これはよく理解できるところでございますので、その時期が過ぎましたら私としてお会いをしたいということをかねて申し上げておるところでございます。  ところで、通例でございますと、よく五月の連休のときに外国訪問をいたすわけでございますが、七月にサミットがあることもございますので、ちょっと五月の連休より早く訪米をできればいいなということは考えておりますけれども、第一に大切なのは国会の御都合でございます。それから次に先方の都合でございまして、そういうことで、ただいまどのあたりということをまだ確定いたしておりません。  今回、渡辺外相、林蔵相が訪米をせられましたが、その結果として特に急ぐというようなことではございませんけれども、全体の予定としてはただいま申し上げましたような中で決めてまいりたいと思いますけれども、今いつということを申し上げるまでに至っておりません。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 今回の日米会談において、私は非常に重要なポイントがアメリカ政権から示されたと理解をしております。  一つはやはり日本の貿易黒字、昨年の一月から十二月まで、世界的には一千七十一億ドルという大変な資金が日本に集まっております。特にその中で、対米については四百三十七億ドル、対ECが三百十二億ドル、対東南アジアが四百七十億ドルとまさに日本に資金が集中しておる。中近東マイナス百四十、中国マイナス五十、差し引いて、プラマイで一千七十一億ドル、こういう状況であります。まさに日本の貿易黒字、資金還流問題あるいは市場開放の問題、日本の今後の内需拡大策、この点については大変クリントン政権としても日本に強い要請があったと私は理解をしているわけでございます。  また、もう一つは、新たな東西冷戦の崩壊という中の新しい世界の安全保障の問題、日本の国際貢献の問題、こういう重要な課題が今回も議論されたわけでございまして、そういう中において私は、クリントン新政権と日米首脳会談をできるだけ早期に開催をし、また日本の事情というもの、また日本が世界に果たす役割、責任というものを総理みずからが先陣を切って対応すべきである。そういう点について総理は今明確な時期を示さなかったわけでございますが、私は、そういう中で三月中には遅くとも実現をするべく努力をすべきではないか、それだけ差し迫った重要課題を日本が放置することはかえって国益に反するのではないか、こう考えておりますが、総理、もう一度この点について明確な答弁をいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 我が国の貿易収支、経常収支が非常に大きくなりつつありますことは、ただいま宮地委員の御指摘のとおりでございます。対米関係は四百三十億ドルぐらいでございますから、従来に比して非常にふえたというわけではございませんけれども、改善の兆は示していないということでございます。  おっしゃいますように、我が国がこれだけ大きな経常収支あるいは貿易収支の黒字を集めておるということは、やはり一つは、これをリサイクルによってなるべく国際社会に還元をしていくということが考えられなければならない対策だと思っていまして、そのことは今各省庁に早急に作業をするように申してございます。と申しますのは、昨年をもちましてODAの五カ年計画が終わりましたことと、同じく昨年をもちまして六百五十億ドルというリサイクルが終わっておりますので、新しくこれを考えなければならないと思っております。  それは御指摘のように大切な施策であると考えておりますし、クリントン大統領とお話しする機会があればそういう説明もいたしたいと思っておりますが、ただ、その時期につきましては、先ほども申しましたように、一応クリントンさんの内政についての諸般の施策あるいは検討が終わられた後、その時期になろうと思いますので、その一番早い時期というふうに先方にはお伝えをいたしてございます。その場合、こちらには国会の御都合がございますので、両方がいましたときにと思っておりまして、五月にならないうちにそういう時期を得たいと思っておりますけれども、今いつということをまだ申し上げかねておるというのが実情でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 今回の日米外相会談の中で、特に米の市場開放の問題について、まさに日本の市場閉鎖の象徴である、場合によっては日本の努力次第で三〇一条の発動もあり得る、こういうようなことが報道されております。  日本政府として、この米の市場開放問題、現在行われているウルグアイ・ラウンド交渉、例外なき関税化反対、この政府方針は何ら変わりないかどうか、今回のこの外相会談においてのクリストファー国務長官の発言を踏まえ、今後どのように対応されるつもりなのか、この点について総理、御確認しておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺国務大臣 行ってじかに話をしたのは私ですから、まず私からお話を申し上げます。  要するに、インバランス問題についてアメリカが非常にいらいらしている、これは事実です。ともかく、しかしながら、八六年五百十二億ドルのインバランスが、七年、八年、九年、九〇年とこう下がってきているわけですが、また九一、九二、九三、これがどうっと上がってきましてね。アメリカはほかの国についてはまあ少なくなっている、日本だけがまたもとへ復活しそうになっちゃったというところですから、一番の問題は。それは要するに、日本のバブル経済によって日本の経済の落ち込みだということも話をしたのです。要するに、向こうは、市場開放をして、アメリカへばかり一方的に売り込まないで、こちらからも売り込ましてくれという話ですよ、平たく言えば。  だけれども、具体的に、ウルグアイ・ラウンドを成功させようというのは一緒ですから、だから何もウルグアイ・ラウンドというのは米だけじゃないじゃないか、アメリカの方だってあるじゃないですか。金融の問題、一州だけしかできないという問題ですね、許可もらってもほかの州は関係ない。それから海運の問題、それからウエーバーをどうするんだという問題などなどいっぱいあるんですよ。だからそれについては、まあ議会の様子を見ながらと。どこの国にだって議会はあるんですよ、私の方も議会があるんだから。それは言うべきことは言わなければなりませんから私は申し上げました。  向こうは、米はしかしシンボリックなものじゃないかと言うから、シンボリック、シンボリックといってもちっちゃい金額じゃないの、仮に五十万トン、仮にここ六年間で売り込んだとしても一億五千万ドルか二億の話で、五百億近い赤字の対策にはならない、そんなものは。他に方法は幾らでもある、だからそこは話し合いじゃないですかということを言って、それ以上の話はしておりません。  いずれにいたしましても、ウルグアイ・ラウンドというのは、いろいろそういったくさんの中でお互いにつまみ食いだけしようといったってそううまくいかないし、日本なんか鉱工業製品なんかはもう百点に近い、関税なんかはもう世界で一番安いんだからね。そういうこともやっているんですから、だからそういうものを見ながら、片っ方において多少六十点か七十点かのものが部分的にあったとしても、それはお互いに妥協するということでなければいつまでたってもまとまらないじゃないですかというような話をしたことは事実です。  だれに話したかといったって、今ここに手元に資料ないからあれですが、要するに会った人は限られているわけですから、各人ともに似たり寄ったりの話を時間に応じてやってまいりました。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 外務大臣の話を聞いていると、この間の百点満点にはならないが七十点でまあまあ、こういう何を言っているかわけのわからない内容なんですね。具体的にやはり中身のある合意が必要だというカンター通商代表の発言もあるわけで、今回の日米会談において、相当やはり米の市場開放問題に対して日本の例外なき関税化反対という立場については、クリントン政権はより厳しい姿勢で臨んできた、こんな感じを我々受けとめているわけです。  農水大臣、今回のこの日米会談に対して農水大臣は、今までの政府の方針に変わりない、これで今後とも行くんだ、こういう決意をお持ちかどうか、また、今回のこの会談をどういうふうに感じられておるか、御答弁いただきたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 お答え申し上げます。  直接お会いしたわけでないのですが、いろいろと伺いますと、あるいは今までのアメリカの言ってきていることを総合的に判断して、従来からのことをそのまま申し上げておるなということであって、新たなことを申し上げたというふうには私は受け取っておりません。従来からもこのことをずっと言い続けておりますから。私どもはそれに対して、国会決議等を体して国内産で自給する、その間の事情はいろいろ申し上げておりますが、こういうわけで包括関税化は受け入れるわけにはまいりませんということを申し上げておりますが、恐らく外務大臣も私たちの日本の立場というものを明確に先方に伝えたなというふうに実は私、受け取っておるわけでありまして、いずれにしても、ウルグアイ・ラウンドにつきましては従来の基本方針どおり対処してまいりたい、こう考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 もう一点、非常に重要な問題は、ロシアのエリツィン大統領の東京サミット招請問題でございます。外務大臣は、今回のエリツィン大統領の招請については、北方領土の問題と東京サミット招請の問題はリンクをしないで対応したい、まさにエリツィン大統領の東京サミット招請を日本政府としては了とする、こういう発言をしたと報じられておりますが、事実でありますか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺国務大臣 了とするというところまでは言ってないのです、それは。日本は議長国ですから、日本だけで一方的には決めません、関係国の御意向も参考にして、それで最終的には議長である宮澤総理が決めますということで、これを排除するということも言っておりません。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 総理御自身は議長としてこの問題についてどのように今検討されておるのか。ニュアンスとしては、先進七カ国の中でアメリカもあるいはヨーロッパ諸国の皆さんも、エリツィン大統領のこの七月の東京サミットヘの招請には大変前向きの姿勢にあるように見受けられます。しかし、我が国におきましては、昨年来の急遽訪日中止、こういう状況の中で国民の中には余り好ましい感情を持っておりません。この辺のやはり国民のニーズと、またこれからの世界の中におけるロシア支援の問題、そういう中においての対応というものは大変重要である。議長国として総理自身この問題についてはどういうお考えを持っているか、明らかにしていただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 ただいま外務大臣の答えられたことに尽きるわけでございますけれども、実は議長国にこの一月からなったわけでございますが、御承知のようにこの運びをいたしますのに、各国の個人代表、シェルパというものが選ばれまして、その会合を何回か重ねまして運びをつくるわけでございますが、この問題も当然各国の意向を受けなければなりませんので、それはシェルパの会合で議論をしてもらいたいところでございますが、実はアメリカのシェルパがまだ任命されておりません。このたびも、その促進方を渡辺外務大臣からワシントンでお願いをしておったところなのですが、政権交代でシェルパが任命されておりませんので、東京サミットの準備がまだ進行いたしておらないわけでございます。ただいまの問題は、そこで各国の意向、意見交換をするはずの問題でございますので、したがいまして、まだ議長国としてこれについての各国の意向を聞いておらないということが一つございます。  それからその次に、もう一つ、これもシェルパで議論をしてもらいたいと思っておりますのは、昨年、ミュンヘンでエリツィン大統領と私どもが会合をいたしましたときに、対日支援ということを、IMFのロシアとの接触、スタンドバイをつくりますためのコンサルテーションとも申すべき協議を下敷きにして七カ国の支援を考える、こういうことであったことは御承知のとおりですが、ついにIMFとソ連との協議が調いませんでした。したがって、一九九二年は進行いたしませんで、九三年になりましたが、ただいまのところはどうも具体的な進行の兆しがない。それは、ロシアの経済が御承知のようなことでございますので、なかなか具体的な相談ができにくいのであろうかと思いますが、そういうミュンヘンでやりましたような相談の下敷きになりますIMFとロシアとの協議というものが一向に進展をいたしておりません。したがって、そういう場合にどういうことを、仮にロシアと話をするときに、すべきかということの内容が整っておりませんで、このこともシェルパで討議をしてもらいたい一つなんでございますけれども、そういう機会はまだ実現しておりません。いずれアメリカのシェルパが任命され、シェルパの会合を開くことができましたら、一つの大事な協議事項として、ただいまのことは各国の意見を聞いてみたい、こう思っておるところでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 総理は、アメリカのシェルパがまだ決まっていないのでというように非常に消極的に、まだ踏み込んでおりませんが、私は、今回国務長官が、非常に前向きにアメリカがとらえておる、これは非常に大きな影響力があろうと思いますね。シェルパが決まっていないから日本はそれを待つという待ちの姿勢がいいのか、やはり一歩踏み込んで早い時期に対応をきちっとするのがいいのか、これは政治判断だと思うのですね。この点について、私は総理のリーダーシップといいますか、政治判断を誤らない対応を期待したい、こう思うのです。  それともう一つは、東南アジアのいわゆる議長国であるインドネシアの大統領の招請問題、これも総理が東南アジア歴訪の中で要請された、こう伺っているわけですが、この問題も非常に重要な問題である。これは、かえって今度はヨーロッパや他の先進国は余り積極的でない、こういうふうに聞かれるわけでございます。この点については、総理としてはどういうふうに手順を踏んで対応されようとするのか、お伺いをしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 非同盟百八カ国の議長として昨年の非同盟会議の結論というものを先進七カ国に伝えたいとお考えになるのは、私は無理からぬことである、よく理解のできることでございますが、どういう形でそれをサミットに反映していくかということ、これもまさに、言われましたように、各シェルパなり各国の合意を必要といたしますので、これもシェルパ会議の話題にいたしたいというふうに考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 ぜひ議長国としての判断の誤りのないように、先手先手の対応を期待したいと思います。  もう一つ、私は、今回の日米会談で重要なのが、林蔵相とベンツェン財務長官の会談の中で日本の景気回復、これにさらなる財政出動、これを要請をされた、こういうふうに伺っているわけでございますが、まさにこのさらなる財政出動となれば、これは本予算の成立の後、恐らく大蔵大臣は、昨年の補正予算とかあるいは十兆七千億の公共事業の問題とか本予算の中身、こういうものを御説明された。それを承知の上でベンツェン財務長官が、さらに日本の財政出動を期待するということ、景気の回復を期待する、残るのは、さらなる公共投資の追加とかあるいは消費を喚起するための所得税減税あるいは政策減税、こういうものを期待を含めて新たな財政出動の要請があった、こういうふうに私は理解しているのでございますが、蔵相はどういう理解で受けとめてこられたのか、さらなる財政出動についてはどういうお考えを持っているのか、この点について伺っておきたいと思います。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○林(義)国務大臣 宮地委員の御質問にお答え申し上げますが、私は、今回参りましたのは、最初の話でもありますし、外に発表しない、フランクなお話をいたしましょう、こういうことで話をやってきたところでございます。  その中で、日本から、私の方から、日本が内需拡大に対して、今お話がございましたように、昨年の総合経済対策、平成五年度予算、さらには公定歩合の引き下げ等々でいろいろとやっているということの話を申し上げました。アメリカ側もその辺はうなずいておられましたし、一般論といたしまして、先ほどちょっとお話がありました経常収支の黒字問題に関連をいたしまして、日本が内需拡大等々の問題についていろいろと考えてもらうという話がありましただけで、具体的に今のような所得減税をどうしろとか公共投資をどうしろというようなお話はなかった、ありませんでした。これははっきりと私からもお答え申し上げておきたいと思っております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 さらなる財政出動の要請は、これはあったのですか。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○林(義)国務大臣 先ほど申しましたように、世界経済が全体として停滞ぎみにありますし、また、日本の異常なると申しますか大きな経常収支の黒字がございますから、そういった点に関連いたしまして、内需拡大というものが一般論として必要だろうという話がありまして、それから先にどうしろとかこうしろという話はなかった、こういうふうに御理解いただければいいと思います。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 これは非常に大事な問題であろうと思うのですね。内需拡大を要請された、中身については細かな議論はなかった、しかし日本の今日的な貿易収支の一千億ドルを超える黒字幅、これに対して日本が今景気が低迷しておる、輸入が減少してきておる、消費が冷えておる、こういうことについて相当アメリカとしても心配をされ、世界経済を引っ張っていく日本に相当な期待をされたのではないか。またアメリカも、財政赤字を抱え、失業を抱え、クリントン政権がアメリカ経済の再活性化として登場してきた大統領である。内政を大変重視した議論が行われておる。そういう中で、日本政府としてこの内需拡大策について、ぼうっと受けとめておったら大変なことになるんじゃないか。具体的な、やはり本予算の成立に現段階で精力的に取り組まれるのは当然ですが、アメリカは、その後の日本の追加景気対策、ここに期待をされているのではないか。そこにどう日本政府が対応していくか。外務大臣も機中で記者懇の中で、GNP二%を割るようなことになれば何でもやるよというような発言をされたと聞いておりますが、大変これは重要なベンツェン財務長官からの要請である。内需拡大策を要請されるということは、そこまで承知の上の要請ではなかろうか。  特に、この最近の貿易収支の特徴として、景気低迷の実情が明らかに数字の上にも出ているわけですね。例えば、輸入を拡大するといっても、製品輸入の面においては前年度よりマイナスになっているのが実態であります。九〇年には製品輸入においても一〇〇%超えておった。しかし、最近は一〇〇%切っておる。特に鉄鋼などは大変な輸入減であります。まして最近は、ダンピング問題等で自動車とか半導体とか家電とか、大変なアメリカの失業問題、経済活性化の中で、アメリカが日本に対して今厳しい対応を迫っておるわけでございます。私は、そういう中で、ただ内需拡大の話があったなどというそんな感じでもし日本政府が受けとめていたら、これは間違いであろう。もっとシビアに受けとめて、本予算成立後の対応についても十二分に今から検討して対処していかなくては、私は日本は世界から孤立化してしまうのではないか、こう心配しております。  総理、この点についてどういう御決意で取り組まれようとされておるのか、お伺いしておきたいと思います。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○林(義)国務大臣 ベンツェン長官のお話でございますから、私からお答え申し上げますけれども、ベンツェンさんとお話ししましたのは、日本の経常収支の大幅な黒字についてやはり懸念をしておられる。そのためには日本が一層の内需拡大を、こういうふうな話でありまして、私どもも日本の国内景気の問題についていろんな政策をやっています。昨年の総合経済対策をやり、また平成五年度の予算におきましても、公共投資、財政投融資、また地方単独事業等々について大変な配慮をして、いわゆる国内不況に配慮したところによりまして日本の内需を拡大していこうという予算でやっておる、こういうことを申し上げまして、それから先の話はまた先の話であろう、どうせまた今回限りではございません。また近々会わなくちゃならないというような話もございますし、常に密接な連絡をとりながらやっていくということが必要であろう、こんな話をしてきたところでございます。  そうした意味で、今回そんなことが何か出てきたとかなんとかということではない。それは今宮地委員御指摘のように、背後にいろいろとお話がある、それはまあいろんなことでありましょうけれども、今の段階でお互い一番大切なことは、この予算をできるだけ早く成立さして、国内に対してまた国際的にも、予算が成立して日本が持続的成長への道を進んでいくんだということをはっきり明示することが一番のことだというお話を私は申し上げたところでございまして、私は、そういった意味で方向としては間違っていない、アメリカ側としても日本の立場をよく理解をしてくれているものだと信じておるところでございます。  それから、いろんな諸問題がございますけれども、貿易の問題、これは通産大臣からお答えになるかと思いますけれども、私は、そういったような一つ一つの景気の問題もありますが、今問題になっておりますのは、やはり大きな経常収支の黒字の問題、アメリカの財政赤字の問題、そういったところが大きなことでありますし、アメリカも十七日の日には新しい政策を発表される、こういうことでありますから、そうした展開を待ってこれから話し合いをしていかなければならないものだろう、こういうふうに考えているところでございます。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 クリントン大統領あるいはむしろベンツェン蔵相でございますか、ベンツェン財務長官の指摘をまつまでもなく、この問題は当委員会におかれましても、もう委員会初日以来しばしば御議論のあったところでございます。また、一九九二年の国際収支につきましても先般発表がございまして、非常な大きな金額になっている。これもお互いのよく気がついているところでございますので、したがいまして政府として、昨年来の総合経済対策、それからその延長線上にございます御審議中の平成五年度予算、その上でしばしば申し上げておりますとおり、この数カ月の経済運営には十分注意をしてまいりますので、必要があれば機動的に対処を怠らないということも申し上げております。  そういう心構えの中で、ともかくまずこの予算の成立をお願いをいたしまして、早期に執行いたしたいと考えておるところでございまして、この点はベンツェン財務長官の指摘をまつまでもなく、この委員会にも申し上げ、また私どももその心組みをいたしておるところでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 それでは、日米会談についてはこの程度にしまして、次に若干、佐川急便事件とこの真相究明の問題について少しお伺いをしておきたいと思います。  まず、明日、いわゆるこの十六日でございますが、民事裁判の公判が開かれまして、元平和相互銀行監査役伊坂重昭氏の証言が大変今国民の間で注目をされておるわけであります。まさに、いわゆる金屏風事件と竹下元総理の疑惑ということで大変に注目をされているわけでございます。  まず、法務省に伺いたいわけですが、金屏風事件というのは、いわゆる金屏風の売買にかかわるところの住友と平和相互銀行との合併問題、もう一つ屏風地域の土地の問題、二つこの金屏風事件というのはあるわけですが、いわゆる土地問題については特別背任罪でこの伊坂氏等の捜査が大変進んでおる。しかし、いわゆるこの三井財閥の持っておったと言われる金屏風、この売買に絡む事件捜査、これは一体どうなっているんだろうか。国民の声の中には、大変にこちらの捜査については甘いのではないか、なぜとんざしてしまったのだろうかこういう疑問を持っているわけですが、法務省当局の見解を伺っておきたいと思います。

濱邦久法務省刑事局長

○濱政府委員 お答えいたします。  検察当局におきましては、いわゆる平和相互銀行に関する特別背任事件の捜査の過程におきまして、今委員が御指摘になられました点をも含めたいろいろな報道等をも念頭に置きまして捜査を進めたわけでございますが、お尋ねの金屏風絵巻の取引に関しましては、犯罪の嫌疑は認められなかったというふうに聞いているわけでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 あしたのこの伊坂証言というものがどういう形で証言されるか、非常に国民注視の的であります。それを受けまして明後日には竹下元総理の証人喚問、こういうことで、この金屏風疑惑と竹下元総理の関係が明らかになっていくわけであります。  私は、今回のこの佐川事件というものをいろいろ見るにつけまして、大変残念なことは、昭和四十七年に田中内閣が発足をいたしまして、そして以来、ロッキード事件、リクルート事件、共和、佐川、こうした疑惑の事件が発生をしてまいりました。この二十年間、まさに金権腐敗の政治に対する国民の不信は怒りに今変わってきているわけであります。そういう中で、ちょうど私も昭和五十一年当選をさしていただきまして今日に至っておりますが、残念ながら一国の総理大臣のいわゆる被告人の扱いあるいはこの国会における証人喚問、ここに総理大臣を経験した人が出てこなきゃならない。中曽根元総理、竹下元総理、そして田中角榮元総理の被告人の身、これはまことに私はゆゆしきことであり、本来ならば自民党政権はやはり交代をしなきゃならない、そのくらい重大なこの二十年間であったと思います。  そういうことを考えましたときに、今回の佐川急便事件というものは、私はもう二度とこうしたことを断じて起こしてはならない、そのためのやはり再発防止、総理大臣を経験した人が再びこの証人喚問に立たなきゃならないようなことをなくさなきゃならない、その徹底した再発防止、そのためにはこの佐川急便のけじめ、これは非常に大事な問題であろう。  そういう意味合いにおいて、竹下元総理、皇民党事件とのかかわりについては、結果として青木秘書がかかわっていた。また、この金屏風事件で新たなまた疑惑が今明らかにされようとしておる。私は、日本の政治の刷新のためにも、竹下元総理が本当のステーツマンであるならばみずからの手で腹を切るべきである、議員を辞職すべきである、これは日本の政治を一歩、民主政治を前進させるための捨て石になるべきである、こう思っております。  しかし、宮澤総理は、この問題については本人自身の進退問題であるということで、何か一歩消極的な、引き下がった立場でこの問題を見ているように見えてならないわけです。私は、あすあさってのこうした証言のいかんによっては、総理は勇気を持って竹下元総理に議員辞職の進言をすべきではないか、日本の民主政治の前進のためにもやるべきではないか、こう思っておりますが、総理のお考えを伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 このような出来事の再発を絶対に防止しなければならないという御所見については、まことに同感でございます。  そのために、いろいろなことがございますけれども、やはり我々一人一人の政治家の倫理の問題並びにその倫理が誤りなく実現いたしますためのもろもろの制度の改変の問題、既に政治改革につきましては緊急改革分をお願いを申し上げましたが、抜本改革分が残っておりまして、これにつきましてもこの国会におきまして御審議をお願いいたしたいと思っておりますが、そのような問題、さらに加えまして、真相をしっかり究明をしておくという問題があると思います。政府におきましても、もろもろのつかさにおきまして究明については努力をいたしておりますが、国会におかれましても先ごろ以来この究明のために非常な御努力をしておられる、またそれをお続けになっておると承知をいたしております。真相解明は、今後、事態の再発を防ぐために極めて大切なことであると存じますので、政府といたしましても国会の国政調査につきましては全面的に御協力を申し上げることはもとよりでございます。  なお、国会議員の進退の問題につきましては、私の所信を今まで申し上げてまいりました。ただいまの段階におきましては同様に考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 私はその点について、本当に竹下元総理と宮澤総理が真の友情関係であり真のステーツマン同士であるならば、この際、進退問題は本人自身の問題でありますけれども、真の友情を持って対応するのが人間宮澤総理ではなかろうか。恐らく心の中では葛藤と苦衷にもがいているものと私は察します。しかし、日本の政治の発展のためには、この際、身を捨てても真の友情を守るべきではないか。ましてや大蔵大臣を経験したお二人であり、嫌というほど政治の中身を知っているお二人ではなかろうか、こう私は思っております。  再度、総理、全く今まで同様で変わらないのか、心の中には葛藤があるにせよ、日本の政治を救済するんだというリーダーシップをおとりになる考えはないか、この点についてお伺いしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 御発言の御趣旨はしかと承っておきます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 国税庁に伺っておきたいと思います。  国税庁は一月の二十日ごろから佐川急便の本社の任意調査に入っておられます。当然、佐川本社でございますから、法人税、消費税の問題、そして使途不明金の問題、あるいは金丸元副総理に渡ったと言われる五億円献金の問題等々、そうした調査に私は入っておられると思います。個別案件でございますからこの場で答弁はできないと思いますが、一般論としても、既に捜査当局が佐川に入って、いわゆるあなた方の言葉で言えばブツはすべて捜査当局の手に入っております。今任意調査に入られて、本当に佐川の実態が調査できるんであろうか。  私は、過去において、平成三年二月に税務調査をして申告漏れ発覚で約十八億円の追徴金、昭和五十三年には五億三千万円の脱税摘発四社、昭和六十一年には約六十億円の申告漏れを指摘して、それなりの成果を上げた実績は多としたいと思います。国税当局は、一般論的に見ても常識的に見ても、ある段階において任意調査から査察に切りかえていくのが当然と国民は見ております。この点について、個別案件でございますから具体的答弁はできないにせよ、一般論としてそういう可能性はあるのかないのかお答えいただきたいと思います。

瀧川哲男国税庁次長

○瀧川政府委員 御指摘のとおり一般論でお答えさしていただきます。  今任意調査のことをまずおっしゃいましたけれども、私どもの税務調査というのは、各税法に規定されております質問検査権というものに基づいて行う任意調査、これが実は基本でございます。この税務職員の質問検査権というのは、考えておられるよりも強力なものでございまして、納税者はこれに答弁しあるいは検査を受ける義務が課されておりまして、もし不答弁あるいは虚偽答弁があった場合には罰則によって担保されているというものでございます。したがって、質問検査権による調査の全過程におきまして取引等の実態が明らかになるいこのように考えているわけでございます。  なお、御指摘のような査察の問題でございますけれども、同じくこれも一般論で申し上げますけれども、査察調査と申しますのは、大口かつ悪質な逋脱の疑いのあるものにつきまして、検察官に告発してそして刑事訴追を求める、こういったことを目的としたものでございまして、国税犯則取締法に基づいて強制調査権を発動して行うものでございます。そのためには大変厳しい法律上の構成要件がございまして、まず、偽りその他不正の行為があること、第二番目に、逋脱の結果が発生していること、そして三番目に、一般の刑法犯と同様でございますけれども、犯意、つまり故意があること、こういったことが必要とされているわけでございます。こういったことにつきまして立証し得る見通しがあるかどうか、そういったものを慎重に検討した上で査察調査の要否を判断する、こういったのが私どもの姿勢でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 時間がありませんから、私は一般論的に、国民の今回の任意調査についての監視は相当厳しいぞと。真剣に当然おやりになっていると思いますが、常識的にはこれだけの大きな事件に発展している佐川の問題でありますから、当然査察に切りかわっていくなという見方があるわけですから、この点については十分に公正にして、どうか国民にわかりやすい、国民にまた国税庁に不信が出ないように私は御喚起を申し上げておきたいと思います。  そこで、総理、もう一つの重要な問題は政治改革です。  何といいましても、この国会の最重要課題は、先ほども総理がいみじくも申しておりました佐川急便事件を契機にどう日本の金権腐敗の政治をなくして新しい日本の政治改革をやるか、こういうことであるわけでございまして、総理は所信表明の中にも不退転の決意でこの問題に取り組むことを表明されました。  総理は、昨年の十一月までに政治改革を行うことを提案する公約を国民にされております。しかし、いまだに政治の抜本改革案はこの国会に提出されておりません。自民党の中ではいろいろ四つの法案等が議論されているというふうには聞いております。緊急避難的な暫定措置はさきの国会ででき上がりました。しかし、国民の期待は抜本的な政治改革であります。先ほど申し上げましたように、この二十年間にわたるロッキード、リクルート、佐川にまつわる、一国の総理大臣が被告人になったり、この場に証人喚問で出てくるような、こうしたものはもうやめてもらいたい、そういうようなことの起きない新たな日本の政治改革、制度改革をやるべきである、これが今国民の怒りの声であり、また期待であろうと私は思うのです。  総理として、まずこの抜本改革案は今国会にいつごろ提案されようとしているのか、また、どういう内容の提案をしようとしているのか、まずその点についてお伺いしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 私が自由民主党の総裁に就任いたしました後、昨年の初めでございますが、平成四年の十一月ごろまでに党内における政治改革の案をまとめてもらいたい、十一月の末ごろまでにということを要望いたしました。なお、それにつきましては急を要するものがあるので、その部分は緊急改革として三月ごろまでにはまとめてもらいたいということを党内に要請をいたしまして、前者はそのとおり党内の案がまとまりまして、過般、国会において緊急改革として成立をさせていただきました。後者は、予定どおり十一月の末には党内の意見の改革案が実はできたわけでございます。したがいまして、これを今、法案にすべく、党内で「政治改革の基本方針」に基づきまして法案化を急いでおるところでございます。  ところで、昨年末に党首会談を予算関連でいたしましたときに、幾つかの党の党首から、抜本政治改革についてはおまえの言うとおり次の国会でぜひ議論をしよう、自分の党においても案を具して、ひとつお互いの案を国民の前でガラス張りで議論をして決めていこうではないかそういう申し出が二、三の党首からお話がございまして、私もまことに同感でございます、その準備を自民党もいたしますと申し上げまして、私どもの党における準備は順調に進行いたしております。  それは、言われますような幾つかの政治倫理の問題であり、あるいは資金の問題であり、あるいは選挙制度の問題であり、その他場合によりまして、恐らくは選挙に対する公的資金による支援といったようなことも入ってくることがあるかと思いますが、そのような幾つかの問題にわたりましてただいま法案化を鋭意進めておるところでございます。  私といたしましては、他の党におかれましても恐らく同様の政治改革の具体化を進めておられると思いますので、これをどういう形かで、国会において国民の見ておられる前で審議をし討議をしていただきまして、結論をこの国会においてお出しをいただきたいということを心から期待をいたしておりまして、自由民主党の案は間もなくそのような形で法案化を進めて、各党の御審議、御討議の対象にいたしたいというふうに準備を進めておるところでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 今国会に提案をしたい、そういう意思はわかりました。問題は、会期は六月二十日までであります。今国会に提出をし今国会中に成立をさせるための努力をされようとしているのか、そして次の衆議院解散・総選挙にはその抜本改革案を適用されようという意思が働いての対応なのか、この点についてはどうでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それはかかって、この国会におけるこの関連の法案の御審議の進捗状況によるであろうというふうに考えております。各党とも御異存のない合意が全体についてできますならば、その施行をいつにすべきかということも、これも各党の御意向に従っていかなければならないというふうに考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 今その内容の中で選挙制度改革というものを含まれておるという話がありました。今、自民党内で議論されているのは単純小選挙区制であります。これは野党はオール反対です。今野党が模索しているのは、比例代表制を加味した比例代表選挙区制というのがいろいろ野党の中で議論され、また我が党としても今提案しています。今の衆参のねじれ現象の議席の状況であれば、単純小選挙区制は提案されても通りません。そうしますと、抜本改革案は提案をされた、しかし現実には、もし平行線でいけば、これはオシャカであります。本当に抜本改革案の中の制度改革もやるんだというのであれば、野党の比例代表選挙区制度というこの提案と自民党の単純小選挙区制をぶつけ合って、その合意点を見つけようという努力を自民党また宮澤内閣はやる考えがあるのかどうか、平行線でいくのか、どちらでしょう。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 政治改革の中でなかんずく選挙制度の問題は、いわば各党の間の、あるいはお互い議員同士の間の土俵の問題でございますから、これはやはり皆さんに十分議論をしていただかなければならない。最終的には何かの決定をしなければならないかもしれませんけれども、お互いの土俵の問題はやはりお互いで相なるべくば決めていただくことが私はいいのだろうと思いますので、宮地委員のお言葉をそのまま拝借すれば、自民党は自民党の意見を申し上げる、また、よその党はよその党の幾つかの御意見があって、それが十分にぶつかり合い、討議をした結果、一つの結論が生まれるというのであれば、やはりそれがベストであろうと思います。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 総理は、お互いに話し合いをして、接点を見つけていくところに努力は惜しまない、こういうふうに私は理解をしておき、また、今後は具体的に公職選挙法等の特別委員会等で議論してまいりたい。  少し一般的に重要な政治課題について残された時間をお伺いしていきますので、答弁は簡潔に明快にお願いしたいと思います、案件が非常にたくさんございますので。  一つは、エイズ対策の問題について少し伺っておきたいと思います。  このエイズ問題は、大変に今国民的また世界的に重要な政治課題になってまいりました。まず、今回の日米会談の中でも、東京サミットにエイズ問題を取り上げるようお話もあったと伺っております。そういう中で、まず確認をしておきたいと思います。  文部大臣、このエイズの教育について、義務教育、高等学校教育、保健体育の中などにカリキュラムとして具体的に導入していく考えはあるのか、今実態はどうなっているのか、今後どうこのエイズ教育をやっていこうと考えておるのか、お伺いしたいと思います。

森山眞弓自由民主党文部大臣

○森山国務大臣 お答え申し上げます。  学校におけるエイズ教育につきましては、小学校の段階から発達段階に応じて正しい知識を身につけさせることによりまして、エイズを予防するとともに、エイズ感染者に対する偏見や差別を除くということも大切でありまして、人権尊重の精神を育てるということを一つの眼目として実行しております。  具体的には、エイズ教育は、小中高等学校を通じまして、病気の予防などを扱う体育・保健体育、他人とのかかわりや偏見、差別などについて取り上げる道徳、健康な生活態度の形成などについて扱う特別活動などを中心に教育活動全体で推進するように指導しております。  特に小学校におきましては、体育科の六年生の保健領域におきまして、病原体がもとになって起こる病気の予防としてエイズの予防を指導することや、中高学年の道徳におきまして、病気の人への思いやりの観点からエイズに伴う差別をなくすための指導を行う、また中高学年の特別活動におきまして、けがの手当てに関連しまして、エイズ予防のための血液の適切な取り扱いについて指導するなどを行っております。  このようなエイズ教育が適切に行われますように、小中高等学校教師用指導の手引の作成、配付、また高校生用教材の作成、配付、教職員に対する研修などの施策の推進を図っているところでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 労働大臣、企業内においてもこのエイズ教育、非常に大事になってまいりました。この点についてはどう対応されようとしているか。

村上正邦自由民主党労働大臣

○村上国務大臣 ちょっと聞き漏らしましたが、もう一度。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 企業内教育。エイズの企業内教育。

村上正邦自由民主党労働大臣

○村上国務大臣 ああ、難しいですね。今文部大臣が御答弁なさったと思いますが、同じような考え方で臨んでまいりたいと思います。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 企業だから、企業、企業内はまた違う。今、小学校、中学校、高等学校の教育を、企業はまた、働いている人の、サラリーマンに対してだから。

村上正邦自由民主党労働大臣

○村上国務大臣 エイズですか、あれは難しい問題ですね。これは厚生大臣に、じゃやってもらいましょうか。所管がこれ全然、エイズとなりますと、労働省といいましても、それは範囲が広うございますけれども、これはやはり専門的な答弁をしてもらったらいいと思いますので、申しわけありません、うっかり聞き漏らしておりまして。これは厚生大臣にひとつやってもらいましょう。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 宮地委員、厚生大臣でよろしゅうございますか。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 いやいや、もう時間がないから、要らない。  労働大臣、連合だとか企業の中には、もうエイズ教育を始めているのですよ。労働大臣もしっかりしてください、しっかり。  小学校、中学校、高等学校、大学、こういうところの学生さんの教育、それから、もう就業した大人もやらなければいけないのです。もう既に始めているのですから、もっと実態をしっかり把握して、労働大臣、このエイズの企業内教育についてしっかり指導してください。きょうは時間がありませんから、その点だけ指摘しておきます。

村上正邦自由民主党労働大臣

○村上国務大臣 よく承知いたしました。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 そこで、エイズについては厚生省も大分真剣になってまいりまして、エイズストップ作戦、こういうことで本年度から約百一億円、昨年に比べますと約五倍の予算をとってストップ作戦に御努力されていることは、大変に私は敬意を表したいと思います。 しかし、その中で、エイズといいましても、一つは血友病患者で、いわゆる昔は非加熱の製剤を投与して、それでエイズに感染した方がいらっしゃるわけです、千人以上。これについては、私はもう数年前に厚生省、製薬会社、大学病院のずさんなことを指摘しまして、その後エイズは熱に弱いということで加熱製剤を投与するということになりましてから、血友病患者のいわゆるエイズ感染はとまったわけです。ところが、その後急激に今エイズが伸びているのは、いわゆる異性間の問題とか同性愛の問題とか、こうした問題によっての感染が急激にふえてきたわけであります。  まず一つ、前者の血友病患者でいわゆる感染したこの方々に対して、今回平成五年度から三万三千円、毎月いわゆる補助をするようになりました。しかし、私、大変に残念なことは、この名目が研究協力謝金というのですね、研究協力謝金。研究に協力したから、感謝の意を込めて三万三千円支給する。これは、この血友病患者の人権といいますか、そうしたものを冒涜するのじゃないか。悪い意味で言ったら、人間をモルモット化する。堂々と、これは、厚生省の非加熱の製剤投与を認可していたときに血友病患者はエイズに感染したのですから、国の責任があるわけなんですから、そうした方々には三万三千円は、これは研究協力謝金じゃないんだ、皆さんに、少しばかりですが何とか今後の健康管理、生活費にお使いくださいと、私は、三万三千円ぐらいじゃなくて、本来なら十万円ぐらい出してもいいんじゃないか、このくらい思っております。この点について、厚生大臣また政府として、この名目を変えていく考えはあるか。また、三万三千円をさらに補助額を今後拡大していく、私はその決意をまず伺っておきたい。  それから、いわゆる同性愛とか異性の間の感染の問題について、検査体制、これが平成五年度から一歩前進をいたします。総理も御存じかと思いますが、保健所に行って匿名で検査ができるようになる。今大体エイズの検査は千六百円から二千四百円。ところが、カウンセリングを受けなきゃだめなんです、これは。条件つき。一般のお医者さんとか病院に打っちゃ、これはだめなんです。これは昨年検査を十三万人ぐらい受けているのです。今回予算で八千万円で十万人ぐらい。私は、これは保健所で匿名で無料で検査することのできるシステム、一般の医療機関や病院でもできるようにやるべきである。この点についても、そうした考え方が政府としてできるかどうか。  まず厚生大臣、この二点についてお伺いをし、それで総理にフォローしていただきたい。時間がありませんので、結論から言ってください。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 お答えをいたします。  まず前段の御質問でございますが、この事業は、感染者の方々に発症予防のために定期的に医療機関に通っていただくとか、あるいは栄養補給をしていただく、こういうことを目的にして、少しでも免疫能力を高めて発症をおくらす、こういうことでございます。そして、そのことを御報告をいただきまして、いわゆるエイズ感染者の発症の予防に役立てていこう、こういうことでございます。率直に申し上げて、今この問題で訴訟が行われております。そういうこともございまして、ひとつこういうようなことで、私どもは、調査研究事業ということで思い切って今回予算を計上させていただいたわけでございますので、御理解をいただきたいと思っております。  それから第二点でございますけれども、今度保健所において原則として無料で匿名でエイズ検査ができるようになったわけでございます。これは大変画期的なことである、こう自負いたしておるわけでございますが、先生の御指摘の点は、いわゆるこれを一般の医療機関まで拡大したらどうか、こういうことではないかと思いますけれども、私は、このエイズというその特性というものを考慮して、まずいわゆる公衆衛生の第一線の機関である保健所においてこれを行っていく、このことが先決でありまして、いろいろな検査がございまして、そういう検査とのバランスも考えながらこの問題は今後検討していきたい、このように考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 大蔵大臣、これは内幕を言いますと、大蔵省が関係しているんですよ。予算のいわゆる適用項目の中に、この血友病患者に関しての補助の対応について、今、一生懸命厚生大臣は、研究事業だ、研究事業だ。ですから、何とか研究協力謝金で対応したんですと。これは実は、大蔵省の財政の担当の当局の対応はこうせざるを得ないんだというところにあるのですよ。財政手法なんです。そうじゃなくて、やはり大蔵大臣は政治家ですから、私は、財政手法の項目に力を入れるんじゃなくて、実態面から見て、研究事業の範疇で補助するのじゃなくて、非加熱製剤を投与したために千二百人の人がエイズに感染して、そして今度はエイズ患者になる、これを防ぐために出している、こう言っているわけです。これは研究じゃないんですよ。感染から患者になることの防止のための金なんです。モルモットじゃないんだ。堂々と、私は、予防の補助金として、健康管理のために使いなさい。こういう項目を立てて厚生省に渡すべきですよ。今回約五億円です。これは検討してください。  それから、先ほどの、保健所に行けば、無料で匿名、八百円の補助、都道府県が八百円、で、千六百円で無料、こうなっているのです。これも医療機関でなぜできないか。一般の医療機関だって、病院で匿名で検査できるようにすればいいじゃないですか。これも補助との関係なんですよ、都道府県の。全部財政当局の財政面からの立場が強く浮き出て、実際のエイズの予防に対する検査体制の強化とか、血友病患者の皆さんに対する感染予防の、健康管理というその基本の実態面から、私は、政府として同じお金を出すなら堂々と出すべきだ。研究事業だとか、保健所でなければだめだなんて制限を加えることはないですよ。まして厚生大臣の経験もあるし、大蔵大臣はその点詳しいんですから。私は、これはまさに政府の政治決断でできる問題であろう、こう思っております。  きょうは時間がありませんから、後でゆっくり議論していただいて、今後の予算措置をついては十分に検討してもらいたい。総理、この点について御感想を伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 平成五年度の予算は非常に大きな伸びを実現をしようとしておりますけれども、それでもおわかりいただけますように、この問題については私は金を惜しむべきではないというふうに思っています。できることはすべてやらなければならない。大蔵大臣にもそういうおつもりでこの問題を考えていただきたいと思っています。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 今回は八千万円予算計上ですが、全体の枠からすると十万人分ですが、十五万人ぐらい恐らくことしは検査数が伸びてくると思います。しかし、全体の予算の中でやりくりできるという確認をしておりますから、ぜひそうした、同じお金を政府として汗をかくなら、やはり患者さんの立場、エイズの本当の本来的な予防の本質に立って私は措置していただきたい、こういうふうに強く要請しておきたいと思います。  次に、けさのNHKで報道しておりましたが、私は報道される前からいろいろ勉強しておりましたが、マルチ問題、これをちょっと触れておきたいと思います。  このマルチの対策は非常に重要な、最近不況の波に乗って大分マルチが横行してきております。きょうは時間がありませんから結論から申しますが、まず警察庁、今マルチの摘発が実態としてどういうふうになっておるかまた、このマルチの摘発に当たって訪問販売法の十一条、十二条の構成要件の立件について相当物理的に苦労しているように伺っておりますが、その実態について簡単に御報告いただきたいと思います。

中田恒夫警察庁刑事局保安部長

○中田(恒)政府委員 お答えいたします。  過去三年間におきます訪問販売法違反事件、すなわちマルチ商法違反事件でございますが、この検挙状況は、平成二年に三事件、二十三名、平成三年に四事件、二十五名、平成四年、昨年は八事件、四十四名となっております。  このマルチ商法事件についての典型的な事例等でございますけれども、昨年検挙したもので簡単に申しますと、再販マルチ形態のものとしては、福岡県警において検挙した株式会社アスキーによりますマルチ商法事件、これは健康食品を再販売する者を勧誘する際に、法律に定める書面を交付せず、しかも確実にもうかるというようなうそを申し向けたということで、十一名を検挙しております。また、あっせんマルチ形態のものとしては、昨年高知県警において検挙した株式会社シェレーヌ・コスメティックによる事件でございまして、化粧品のあっせんをする者を勧誘する際に、法定の書面を交付せずに、また、みんなもうけているということを申し向けたということで、四名を検挙しております。  これらの事犯を初めといたしまして、最近検挙したマルチ商法事件の特徴としては、主に商取引の知識経験に乏しい二十歳代の若者を対象として勧誘が行われているということでありまして、こういった世代の人たちが容易に悪質業者にだまされていって、多くの被害をこうむっているところであります。  この種の事件でございますけれども、何分被害者から警察に対して被害の申告が行われる時点までに既にかなり大規模な事犯に発展しておる、そういうことが多うございますし、しかもこれらの商法でとられます取引形態が極めて複雑でございますので、訪問販売法に定めます連鎖販売取引の構成要件に該当するか否か、これを解明するためにその問題会社の経理を解明したり、あるいは多数の関係者から事情を聞くということなどが必要でございまして、相当長期間の捜査を要するというのが実情でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 通産大臣にお伺いしたいと思います。  このマルチの被害の実態は今警察庁が答弁されたとおりで、経企庁にも、国民生活センターには大変な、大体年間六千件ぐらい苦情相談が来ている。今不況の大変な状態の中でこのマルチが横行しているわけです。このマルチの訪問販売法というのは、これは実質的には禁止法なんです。これが訪問販売法改正のときの天谷前審議官等の答弁で、通産省はこのマルチ訪問販売法というのは実質的にこれは禁止法なんだと、単なる行為規制ではあるけれども、禁止法なんだと。我々は、あのネズミ講が発生したとき、ここにおります松浦先生とネズミ講防止法というのを議員立法でつくりまして、これは禁止法としてつくり上げた。しかし、また最近、先ほどちょっとお話ししましたが、十一条、十二条、構成要件の立件で警察庁も物すごい苦労をしているわけです。一年から一年半かかる。ですから、八件とか四件しか摘発できないのですね、今。ところがもう六千件ですよ、苦情相談。  私は、時間があれば経緯を全部御説明しながらお話ししたいのですが、この訪問販売法の改正を六十三年にやりましたが、最近の実態面から見た場合に、実質的禁止法というのであれば、この訪問販売法の十一条、十二条、特に十二条は統括者並びに統括者の補佐となっている、これでは行かないのです、上に。ネズミの場合は、あの平松というトップまで逮捕して刑務所にぶち込みましたよ。マルチは行かないのです。これは十一条の構成要件の問題もしかり、十二条、ここを本当に実質的禁止法に変えないと、私は行政指導はもう限界に来ている、こういうふうに理解しているのです。通産大臣、その御決意があるかどうか。

森喜朗自由民主党通商産業大臣

○森国務大臣 この数字は平成三年度のものしか掌握いたしておりませんが、私ども通産省に寄せられました消費者相談を見てまいりますと、確かに数字としてはふえております。しかしながら、これを詳細に見ると、もちろん今先生も詳細のお話をしてもいいがということでございましたが、マルチ商法やそれに対する法制度についての質問とかあるいは業者の信頼度についての問い合わせというのが非常に多うございまして、直ちにこれが法律違反を形成するものでない事例もかなりございます。消費者相談件数と摘発件数とを一概に比較することはできないのではないかというふうに考えております。消費者の利益を実質的に保護する観点からは、消費者苦情そのものを実際に少なくしていくことが重要だというふうに考えております。  このため、通産省といたしましては、消費者相談などから得た情報をいろいろとこれを検討いたしまして、これに基づいて業者の指導を行う。そして、法の運用機関である、実質的にはこれは都道府県が指導していくわけでございますので、都道府県段階で十分な対応ができるような、職員を対象とする研修を本年度から開設をしたいと考えております。法律のさらなる適切な運用に努めているというところでございます。  私も、この問題、先生から御質疑があるということて、通産関係者ともいろいろと協議をいたしました。確かに私も、基本的には政治家の立場でこれをなくしていくということが本来重要だと考えております。しかし、今の法の運用からまいりますと、でき得る限りこうしたことが起きないように、あるいは消費者をできる限り保護していくというこういう立場をとって、そういう意味での都道府県等の指導をしていくという考え方に今なっておりますが、先生から御指摘いただくようなお話があれば、私どもとしてもやはり十分考えていかなければならぬ問題だなというふうに、今先生のお話を伺ってそんな感じがいたしました。厳正なる指導をしてまいりたい、このように考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 ぜひ通産大臣のリーダーシップに期待をしたいと思いますので、実態と法律の関係、また国会における実質的な禁止法というそうした答弁の経緯がありますから、どうか精査の上、よろしく御努力いただきたいと思います。  同じ消費者問題ですが、最近憂うるべきことは、日銀とか横浜銀行とか武富士とか、銀行の銀行なる日銀とか地方銀行のトップとかノンバンクのトップとかこういうところでいわゆる名簿の漏えい事件が発覚しまして、いわゆる預金者のプライバシーが非常に侵害されている実態が社会面をにぎわしているわけです。  私はこの問題、やはり大蔵大臣、真剣に――いろいろあります。これはまさに不況の中の金融戦争的なこともあります。内部告発だとか、その名簿が漏れた問題がいいお得意先をとろうとか、あるいはこの間なんかはテレビを見ておりましたら、ある県の保証協会の名簿が何か焼却するところの途中でトラックからおっこってはらまかれて、それを一生懸命二、三十人の職員が拾っている、こういうずさんな処分管理の問題もあります。  しかし、結果として預金者のプライバシーが侵害されることだけは、これは防止しなければいけない。特に日銀がそんなことでミスをするなんというのはとんでもないことでございまして、本当は日銀の総裁をここへ呼んできょう一発指摘しておきたかったのですが、時間の関係、ございません。大蔵大臣、この問題について、今後の行政指導の姿勢を伺っておきたいと思います。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○林(義)国務大臣 お話のございました金融機関からの資料の漏えい問題、これは、基本的には私は、各金融機関が自己努力でもって、自分の責任においておやりにならなければならない話だ、こう思います。しかしながら、プライバシーの問題等もございますし、それが漏れるということはやはり金融機関としてやってはならないことだろう、こう思っておりますし、さらに一層厳正な対応を各銀行、金融機関にもやっていただくようにお願いをいたしたい、こういうふうに考えておるところでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 時間が参りましたので、終わります。どうもありがとうございました。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これにて宮地君の質疑は終了いたしました。  次に、関晴正君の質疑に入ります。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 総理に第一にお尋ねしたいと思うのですが、とにかくこの予算委員会においても入れかわり立ちかわり、佐川急便の問題について真相究明きちんとしろ、こう言われておるわけです。どんなに言われても、この問題の真相がなかなか出てまいりません。どこに原因があるのか、こう考えますと、私はやはり、宮澤総理が真剣になってこの問題にぶつかればおのずから展開されるのじゃないだろうか、こう思うわけです。  特に、我が国の総理大臣をされた方あるいは自民党の副総裁をされた方、全く偉い方々ばかりであります。それらの方が佐川から五億の金をもらい、あるいはまた皇民党の褒め殺し事件などというようなものがあっては困るというので、それをとめてもらうためにいろいろ工作をした、その結果として総理になった。だが、暴力団のおかげでおれが総理になったなどということはどんなことがあっても言えない、そんな恥ずかしいことは断じてないんだ、こうまた竹下さんは頑張っているわけですよね。我が国の中に暴対法なるものがあって、何としても暴力はこれは取り締まらなければならない、またこれは防がなければならない、だが、大きな暴力団体、こういうものがのうのうとしておるんじゃないだろうか。そしてまた、こういう暴力団体にそれぞれがまた、機関の最高の位置にある方々がかかわって、利用したり利用されたりしているという姿があるわけです。  ですから、今度の問題を解決しようと思えば、あるいは究明しようと思えば、まず総理が竹下氏なりあるいは金丸氏なりによくお話をして、お尋ねをする。嫌でしょうけれどもそのくらいのことはして、どこまでが本当なんだろうか、そしてどこまでが話の中なんだろうか。今六十人の諸君に金が渡ったというのだけれども、本当に渡ったのだろうか。渡ったというならば、同じ自民党の皆さんの中なんですから、もらった者はだれかと尋ねて、出てこい、そういうことを言って調べたらいいんじゃないでしょうか。しかし、ないとするならば、これはないでいいのです。ないということがはっきりするならば、金丸氏に行った金というものは、金丸氏にきちんと税制上の措置というものを私はしてやればいいと思うのです。それをするでもない。そして、入ったか入らないかわからないけれども、政治団体に入ったと言うのだ。行った先ほどこかと言えば、わからない。これでは国民は、自民党の言うなれば政治権力の中にあって、この政党はどうなっているんだろうか、だれしもこれは疑問を持つところなんです。ですから、何のことはない。長い時間かけて佐川急便、佐川急便と言って佐川急便の宣伝活動ばかりしているようなものだ。それよりも真相究明のためにきちんとやった方がいいのではないだろうか。  宮澤さんは、とにかくさわりたくないかもしれません。しかし、あなたがさわることなくしてだれがこれはさわりますか。おのずから決断すべきだと思うのです。竹下さんに会って、どうなんだ、これほど日本の国民に、また日本の国の権威に大きな失墜を与えているわけなんですから、解決すべきじゃないかと思うのですが、そういう意味において、総理のお考えを私は明確にしていただけないだろうか、こう思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 真相究明が大切であるということは関委員のおっしゃることと私も同様に思っております。  それで、まず政府の立場におきましては、これはおのずから法を犯した行為があるかないかということになるわけでございますが、調査、捜査等々の方法によりまして、このたびの事件につきましてはつかさつかさが全力を尽くしておるというふうに私は考えております。また、既に公判廷に付されたものもございます。  それから、私どもの党におきまして、これは法律違反とかいうようなことでない別の観点から事実関係を調べるべきだということも、私どもそう考えましたので、時間をかけまして関係の方々から真相をお尋ねをしたという努力もいたしております。  国会におかれましても、長いことこれにつきまして真相の解明に御努力中でありまして、また近く国政調査がさらに行われるというふうに承っております。もとよりこれにつきましては、政府は全面的に御協力をいたさなければならないと考えますが、そのような形でいろいろな立場から真相の解明というものが行われておりまして、そういう意味では、このような事件の再発がございませんようにお互いに全力を尽くさなければならないし、また全力を尽くしてまいっておるというふうに私は考えております。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 五億円の金が仮に金丸の政治団体に入ったとして、その金が六十名余の自民党の諸君に、国会議員の諸君に渡ったとするならば、これは聞けばわかることじゃないでしょうか。そして、これがわからないままに終わっていいと総理はお考えですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それは、どう申しますか、それにつきましても、疑いがあるかないかにつきましては、国の立場においてなすべき調査はいたしたというふうに私は承知をいたします。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 私が聞いているのは、その六十名余の自民党の諸君に渡ったという金が知らないままに、知らぬふりしたままで、そして終わっていいのか、自民党の総裁でもある宮澤さんにその点についてのお考えを今問うているわけなんです。知らないままになっても構わないと思っておるのか。これは、自民党総裁としてとにかくきちんとさせます、もしもらっているとするならきちんとさせます、もらっていないというならば、はっきりもらっていない、だれもいないということを明らかにしてくれれば私はそれで済む問題だと思う、そこのところは。その点についてどうです。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 これは法律に関する問題でございますので、そのつかさにおいて必要な調査をいたしたものというふうに私は聞いております。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 捜査したものということは、捜査したのでしょう。捜査したけれども、出てこないのでしょう。だから、出てこなければ出てこなくてもいいとお考えなのか。これはやはりきちんとしなければならないよ、天下の自民党がそんなことを放置するわけにはいかぬ、こういうお考えになられませんか。  それと、あわせてもう一つ、皇民党事件というのを総理はどのように見ておられますか。二つ。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 前段の問題につきましては、法律を犯した行為があるかないかということについての調査が行われているというふうに私は存じておりまして、それをもって事実の解明にすべきではないかというふうに考えておるわけでございます。  それから、皇民党でございますか、これにつきましては幾つかのことが言われておりますけれども、竹下、金丸両氏ともこれについておのおの証言をしておられまして、その証言において論点がいろいろあるということを承知しておりますけれども、それは国会における尋問あるいは喚問の場でのやりとりでございますから、私どもそれをそれとして伺っておる。立ち入って政府として国会の喚問、尋問にコメントを申し上げることは適当ではないのではないかと思います。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 皇民党の事件について、暴力団の言うなれば代表的な人がお手伝いをしてとめたというんでしょう。とめるのに手伝いしたというんでしょう。そういうような暴力団と政治家のかかわりについて、総理はこれはやむを得ないものと思っているのか、そういうことがあってもいいと思っているのか、そういうことは我が国の国際的信頼においても絶対に許すことができないものだ、こう思っておられるのか、どうなんです。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 暴力団といったようなものは社会から排撃しなければならないものでございますから、政治家がかかわり合いを持つというようなことはあってならぬことだと思います。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 私はモンゴルの国を訪ねました。これはもう七、八年になります。モンゴルの国を訪ねまして一番感激したことは、とにかくあの国は、小暴力といい、中暴力といい、大暴力といい、暴力と名のつくものは一切許さない、こういう国であることを知りまして、文化の程度は日本より低いかもしれないけれども、すばらしい国だなと思いました。我が日本は、今日世界に冠たると言えば言葉が過ぎるかもしれませんが、まあ文明といい、文化といい、生活の態度といい、本当に進んでいる国だ、こう思います。この国が何で暴力団なるものを放置しておかにゃならないんだろうかと思うんですよ。小暴力は許さない、暴対もつくられましたよね。しかし、暴力団を許さぬよ、こういうような手を打つような日本にならなきゃならないんじゃないだろうかと思うんです。  そういう点からいけば私は、法務大臣、法務大臣は経験からいっても一番よく御存じになっているんじゃないだろうかとも思いますので、とにかく我が国におけるこの暴力団の存在をなくする、そういう日本の社会にしなきゃならないんじゃないだろうか。そういうためにはどうすることが必要なのかとお考えになっておられるか、これは必要悪として、つぶすことができないものだと思っておられるのか、その点でお答えできればと思いますが。

後藤田正晴自由民主党法務大臣

○後藤田国務大臣 暴力団を、許すことのできない社会集団であるという、こういう認識のもとに、違法行為に対しては徹底した取り締まりをやらなきゃならない、私はこう思っております。しかし、それじゃこれはなくなるかということになりますと、日本の昔からの古い社会構造の中に根強く巣くっておる一つの団体でございますから、右左急にというのは私の経験からいってもなかなか容易でないなとは思います。しかし、だからといって放置していいという筋合いのものでもない。それだけに、あれは何年ぐらい前でしたかね、暴力団取締法を警察としても制定をしまして、そして今またその法律に基づいて指定の団体がどれくらいになりましたかね、半分以上ぐらいになっておりゃせぬかと思いますが、そういったことで全力を挙げて今取り締まりにかかっておるわけですが、これは何といいましても成果を上げるのには社会の皆さん方の捜査に対する協力ですね、これがないとなかなか実際問題としては容易でないな、こう思います。  同時に、先ほど来御質問のようにこれが政治にかかわってくる、あるいは政治家と暴力団の関係なんということになるとこれはもう全く許しがたい、これはそういうことがあってはならぬ、かように考えております。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 とにかく、日本の最高の権力につく者が暴力団の世話になって、そうしてついておる。当時は知らなかったかもしれないけれども、後ではわかった。しかし、後ではわかったと言うけれども、関係している方がそのときに何にも知らないなんということを信ずる人は恐らくないだろうと思うんです。あの当時それにかかわった方々はみんな、竹下の周囲にある者どもは心配して、入れかわり立ちかわり皇民党の本部を訪ねては頭を下げて何とかということをしたわけなんです。中にはそんなことする必要ないだろうといって意見を言う者もあったりまあその方は近く喚問されてまた明らかにされることでありましょう。  とにかく、いずれにしてもこういうゆゆしき大事が起こって、そうして文化国家だというけれども、何が日本は文化国家なんだろうか。せっかく憲法にいいことをうたっていながら、暴力国家じゃないだろうか、こう情けなくなるわけであります。  ですから総理も、そういうことがあったとするならば、直ちに対処して、私は竹下氏と語るべきだと思うんです。あるいは金丸氏とも語るべきだと思うんです。それから金丸の秘書にも言って、おまえさん、六十人のところへ配ったと言うなら、どこどこへ配ったんだ、はっきりしなさい、こう言っていいんじゃないだろうかと思う。そのことが明らかにならないためにどれほどの国内におけるエネルギーの損失でございましょうか。また、国会においても大変なエネルギーの損失だと私は思っているんです。  そういう意味において総理並びに法務大臣、それから自民党の指導的立場にある人たちにおいては、暴力団とくみすることはしないんだ、かすり傷でもそんな話があるならば我々はもう道をとらないよ、こういう態度を私は持ってもらわなきゃならないと思うんです。はっきりすればするなんて。まあ法律の場合は、疑わしきは罰せずですよね。政治家の場合は、疑わしきは罰するなんです。政治家というのは道の上に立つものであって、法の下にあるものじゃないんですよ。ここが私は欠けているから、今日、物はあるけれども心のプアなるものがはびこってしまったんだろうな、こう思うわけですので、ひとつ今後のこれからの取り組む姿勢においても、総理も七十歳を超えておられますけれどもなおまだ若いんですから頑張っていただいて、これに取っ組んでいただきたい。そうして、日本の将来のためにも暴力団なんというものはわしの力でなくしてみせる、それが今の与えられたといいますか、その果たすべき使命になるんじゃないだろうか、私はこう思いますので、その意味において以上意見を申し上げて、次に入りたいと思います。  次は、PKOの問題でございます。  PKOという問題についてどれほどこの予算委員会も国会も、それで論じたかわかりません。そうして、我々も国際貢献というものを否定するものじゃありませんから、国際貢献結構であります。そういうことで今自衛隊の一部がカンボジアに出かけている、そうして道路補修、それぞれにおいてまたやられておられます。  だが、このPKOに参加するに当たっては一つの大きな原則を立てました。その原則は、停戦協定に合意をする。紛争当事者が受け入れることに合意をする。同意であり、合意であり、それから今度は中立を堅持する。そういうようなことで送られたし送ったわけなんですが、今のカンボジアの姿というものを見ますときに、この停戦協定の合意が果たされていると思われますか。  なるほど破棄すると言う者がないから、あるかもしれません。あるかもしれませんけれども、この協定というものが守られているのかとなったら、守られていないでしょう。至るところにおいて撃ち合いが始まっておる。こうなりますというと、私どもが、とにかく我が国の憲法上容易じゃないことであったけれども、この五原則を立てて押し出すことにはなったんだが、原則の第一項、私どもはもはや生きているとは思わない一項がそのまま認められるような状況に今ないんじゃないだろうか。そうなりますと、やはりこれは、本部長たる者は即刻働きを中断させる、中断の後には撤収させる、こういかなきゃならぬじゃないだろうか。ところが、守るべき場所、携わるべき地域の拡大をされておりますよね、政府は今回。どういう考えでそうなるんだろうかと不思議でならないのです。  とにかく、プノンペン軍とポル・ポト派の対立というものは、これは容易なものじゃない。今度はポル・ポト派が攻勢に出てくるであろう、撃ち合いをしますよというような宣言までしているんじゃありませんか。そうなりますと、とてもこのまま置くわけにはいかなくなるんじゃないでしょうか。作業地域を広げるなんというのは、何という見境のないことを平気で打ち出すんだろうかな、こう思います。私は、もう即刻撤収する、そういうことをすることがその国のためにもなるんじゃないだろうかと思うのですが、その点、総理、どうですか。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○柳井政府委員 お答え申し上げます。  ただいま二点御指摘になったと思います。まず第一点は、基本的な原則が守られているかどうかという点だったと思います。それから第二点は、担当地域の拡大の問題であったと思います。  まず第一点でございますが、御指摘のごとく、もとよりいわゆる五原則というものが私どもの国際平和協力法の基本でございますから、私どもの派遣もこれに従っているわけでございます。確かにカンボジアにおきましては、いわゆる停戦違反と思われる事件あるいは武装集団による攻撃事件というのが起こっておりまして、一月の末から二月の初めにかけてかなり大きな事件が報ぜられておりましたけれども、そのような、そのころの事件は次第に鎮静化に向かっていると思います。その後、武装集団による攻撃事件というのも残念ながら起こっておりますが、ただ、いずれにいたしましても、このカンボジアにおいて全面的に戦闘が再開されているというわけではございません。パリ協定に基づく和平プロセスの基本的な枠組みは維持されていると思いますし、したがいまして、和平の合意、停戦の合意を含む五原則というものは守られているものと認識しております。  また、UNTACによりますれば、プノンペン政権及びポル・ポト派の両派ともパリ和平協定を守る旨表明していると承知しておりまして、UNTACといたしましても和平プロセスの基本的枠組みは維持されている、そういう同様の立場であると理解しておる次第でございます。確かに停戦違反というものはございますけれども、ただいま申し上げたような認識でございまして、停戦の合意という基本的な条件というものは今も満たされているというふうに考えている次第でございます。  それから、第二点のいわゆる施設部隊の担当地域の拡大の点でございますけれども、これは我が国の施設部隊の担当地域の変更だけではございませんで、一般的にUNTACは、五月の選挙に向けましていろいろな部隊の担当地域というものをカンボジアの州の境界に合わせたわけでございます。その一環といたしまして各国工兵隊の担当地域も、従来必ずしも州の境界と合っておりませんでしたが、これも州の境界に合わせたということでございまして、我が国の施設部隊の場合には、南部の諸州のうちプノンペン以南の地域における道路、橋等の修理というものが担当であったわけでございますが、これまで対象でございました幾つかの州のうちプノンペン以北に若干出るところがございまして、その部分を入れて州の境に合わしたということでございまして、我が国の施設部隊の担当地域が非常に大きく広がるというものではございません。基本的には今までと大体同じような、南部の地域の担当であるということでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 カンボジアにおける実態と申しましょうか、今度、総選挙が五月の二十三日から行われるというのですけれども、この総選挙がスムーズに行われるだろうかということについての懸念が相当にありますよね。これがスムーズに行われることがなくともPKOは引き揚げないんだ、一たん出した以上はそう軽々に引き揚げるわけにいかないんだと、こういう考え方で終始するつもりなのか。PKOがとにかく一戦を構えますよ、容認しませんよ、こういうことで打ち出してくるようになりますと、これはとても置くわけにはいくまいと私は思うんです。  そういう意味からいけば、合意だとか同意だとか、それは壊れていないというのは、宣言しないから、口で言わないから壊れていないと言うかもしれないけれども、姿において壊れてしまっているわけですよね。そういうことになりますというと、五原則のうちの一、二、三のところですよ、三のところでの判断です。これはやはり大変である、こういう判断をして中断し、撤収しなきゃならないことになるんじゃないだろうか、こう思うんですが、そのおそれ、その心配は絶対ない、こう言えますか。見通しについてお答えください。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○柳井政府委員 ただいまお触れになりました選挙というものがパリ和平協定のいわば最終目標であると思います。自由、公平な選挙を通じまして新しい民主的なカンボジアの政府をつくるというのが目標でございます。なかなかこの道のりはこれまでも平たんではなかったわけでございますが、現在UNTACは、加盟国多数の協力を得まして何とかこの選挙を平穏無事になし遂げようということで努力をしているわけでございまして、今後の見通しにつきましては不確定なところも確かにございますけれども、現在軍事部門だけでも三十二カ国、ボランティアを出している国を含めますと約百カ国の国から人が集まってUNTACというものを支えているわけでございますが、こういう形で全世界的な努力をして何とか平穏にこの選挙を実現しようというところで、そういう方向で努力をしているところでございます。  現状につきましては、先ほど申し上げたとおりの認識でございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 我が国が独自に撤収するということは、UNTACの動向によって決定するのですか。UNTACが何と言おうと日本独自の判断でこれは撤収だ、こうなるべきものだと思うのですけれども、その考え方はどうです。これは総理しかないだろうと思うのですよね。やはり総理の判断だろうと思うんです。日本独自の判断で撤収する。UNTACが何と言おうと、よその国が何と言おうと我が国はこの五原則に従って対処するわけですから、その意味においては独自に判断をして、撤収するときは撤収する、こうあるべきじゃないだろうかと思うのですが、どうですか、総理。

柳井俊二総理府国際平和協力本部事務局長

○柳井政府委員 法律との関係もございますので、まず私の方からお答えさせていただきたいと存じます。  独自の判断という点につきましての御指摘でございます。これは先生もよく御存じのとおりでございますけれども、法案の審議に当たりましてもこの点非常にいろいろと論議がなされた点でございます。確かにこの五原則に基づきまして、五原則が崩れた場合、特に合意、同意、中立という原則が満たされなくなった場合におきましては、最終的には我が国政府の判断によって引き揚げることができる、処理をすることができるというのが法律の仕組みでございます。ただ、実際問題といたしまして、この停戦の合意が崩れるというような事態と申しますのは、通常例えば全面的に戦闘が再開されるというような客観的に明らかな場合が多いと思いますし、いずれにいたしましてもUNTACとは常々密接に連絡、協議をいたしておりますので、そのような認識におきましてUNTACの認識と我が国政府の認識が食い違うということは通常想定されないということも法案の審議の際繰り返し御答弁申し上げたとおりでございます。  ただ、その場合にも、御指摘がございましたけれども、にもかかわらず認識が一致しない場合にどうするか。すなわち、UNTAC、国連側としてはまだ合意は崩れてないという、しかし我が国としては崩れたと判断するというような仮定の問題でございますが、認識が不一致の場合どうするかといえば、それは我が国の判断に従って、その場合には事前に通告の上我が国として撤収することができるというのがこの国際平和協力法の仕組みであり、また、この点につきましては法案の成立後も国連側に説明をいたしまして、その点は了解を得ているところでございます。繰り返しになりますけれども、通常、国連の認識と我が国の認識というのがこういう重要な点について食い違うということは想定はしがたいということでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 よその国の立場と我が国の立場とは異なっているわけですから、そういう意味においてUNTACの考えというものはよその国の立場の方が強いだろう、こう思うのです。そうしてそれに任せられた格好で対処するのではなくて、我が国はやはり我が国独自の方針のもとに出してやったものですから、判断するときも独自の判断を誤らないようにして私は当たっていただきたい、そういうことを特に申し上げ、そうして対処していただくことを希望して、次に入りたいと思います。  次の質問は、プルトニウムの問題であります。また、青森県の再処理工場の許可の問題であります。  さきに、とにかく世界を騒がせましたよね、このプルトニウムの輸送の問題。全世界を騒がせたと思っております。何で日本がプルトニウムの大量輸入に当たって全世界を騒がせることになったのか。このことについて一つの現状認識と申しましょうか、これがきちんとしておらないと次の対策もまたうまくいかないと思うのですが、とにかく大変な騒ぎになった。この騒ぎになった最大の原因は何と心得ておられるのか、総理に伺っておきたいと思うのです。     〔委員長退席、中川委員長代理着席〕

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 一番基本的には、我が国が資源、殊に燃料に関する資源というものに非常に恵まれないということにあるであろうと思います。特に、ウラン鉱といったようなものをもちろん産出いたしません。全量輸入をいたしておりますから、そういう立場からいたしますならば、プルトニウムを核燃料として平和利用していくということは、我が国の燃料資源を持ちません将来にとって、殊に原子力発電といったようなものを通じまして非常に大事なことではないか。火力はもともとそのための原燃料を必要といたしますし、水力は御案内のようにもう開発するところはほとんどしてしまっている、そういったようなことが背景であると思います。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 私の聞いているのは、どうして世界においてこれほど問題が、日本のプルトニウムの輸送、やがては百トン近くもプルトニウムをためる国になるであろう、そういうことについての各国の懸念ですよね。したがって、日本がその道を歩いて、そうして我が国は資源の不足な国だからその道を歩くしかないんだ、こう決め込んでおるこの実態ですね。私は、このことについて非常に分析なりこれまでの研究なりが極めて不用意である、こう思っているわけです。  不用意であるという意味は、プルトニウムが生かされて、そうしてウランの何十倍も役に立つ、これはエネルギー源になるんだという一つの夢があったと思うのです。とにかく、ウランを使うよりはプルトニウムを使った場合の効用、価値というものが六十倍ぐらいある、こういうものですから、まさしく永久にエネルギーに心配のないものにプルトニウムがあるものだ、こう期待したと思うのです。ところが、この期待というものはすっかり外れましたよね。すっかり外れた。そうしてこのプルトニウムは何に利用されるかとなるというと、原子爆弾のもとですよ。核兵器の材料として使うしか使い道がない、そういうことがわかってきたわけです。ですから、なおそれでもまあ六十倍までは、夢の原子炉というところまではいかなくても、二、三倍ぐらいは使えるのかなというところまでは科学的な研究でなされているかもしれません。また、なるかもしれません。ただし、四、五十年後だろうというのが専門家のまた話なんです。  ですから今、世界の人たちが心配をして、日本が核兵器を持つ国になるんじゃないだろうか、一番の心配はそこだろうと思うのです。何も、エネルギーの問題で日本が幸せになること、これに反対する国はない。このプルトニウムで幸せになるわけではないし、ましてや最も恐ろしい核兵器のものを日本がどっさりためるということになるんですから、これは大変だ、これが近隣諸国の一番の心配であったろうと思う。そうして持ってくる途中における事故が起きたらおれたちの地域がどうなるだろうか、海域がどうなるだろうか、こういう心配であったと思うのです。  そういう意味においてプルトニウムの効用というものがどの程度あるものか、これは総理に聞いても総理はわからないでしょうから担当の方でも結構でありますが、とにかく夢の原子炉という時代は、まだ夢の原子炉ですよといって、燃やした以上に燃料が生じますよというこの御宣伝を政府はするつもりですかどうかその点でお答えください。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 お答え申し上げます。  今、関委員御指摘のとおりにプルトニウムは、膨大なる資源でありますウラン238を現実に原子炉で燃やすというためには、このプルトニウムの形にして燃やすということがぜひ必要であるわけでございます。その意味ではプルトニウムは、将来的には高速増殖炉、すなわち高速中性子を核分裂の連鎖反応の媒介として用います核燃料、核分裂性物質でございますが、これを増殖する原子炉、高速増殖炉で用いるというのが一番うまい燃やし方であるわけでございますけれども、高速増殖炉が実用化いたしますためにはなお時間がかかるということもあるわけでございます。しかし、これが実用化の暁には非常に膨大な量の核燃料を実質使えるわけでございますから、将来のエネルギー供給、電力供給の安定化に非常に大きな力があるということで、動力炉・核燃料開発事業団で一貫してこの開発を進めてまいりましたことは御承知のとおりでございます。  それに至るまでの間も、新型転換炉で、既に福井県の敦賀におきまして「ふげん」で発電をしておりますし、さらには、現在我が国の電力の三割弱を供給しております軽水炉におきましても、プルトニウムの熱中性子炉利用、軽水炉利用が可能でございます。そういうことでございますので、まさにプルトニウムは我が国の原子力の将来を担う技術エネルギーということで今後とも一貫して開発を進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 全く現状理解において目をつむったお答えだな、こう思います。  高速増殖炉に使う、そして使うことができればなるほどある一つの前進でありましょう。だが、この高速増殖炉というものが、今日どうですか、これが生きてすばらしい結果を生んでいるという国がございますか。あったら教えてください。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 お答え申し上げます。  高速増殖炉につきましては、御承知のように、アメリカではカーター政権当時に高速増殖炉の開発計画につきまして抑制的な政策をとりまして、現在大きな炉の開発は行っていないわけでございますけれども、EBRⅡという原子炉を運転中ではございますし、幾つかの研究炉も動かし、あるいは設計する構想があるわけでございます。  ヨーロッパにおきましては、ドイツはSNR300、これは中止のやむなきに至ったことは御承知のとおりでございます。イギリスにおきましては、現在プロトタイプ・ファスト・リアクター、PFRという原子炉を動かしておりますけれども、これも近々とめる予定であるということも承っております。  フランスでございますが、御指摘のように原型炉フェニックス、それから実証炉のスーパーフェニックスという二つの原子炉がございます。両方の原子炉につきましては、これもとまっておるのではないかという、そういう御指摘であろうかと思いますが、スーパーフェニックスにつきましては現在とまっておりまして、御承知のとおりに昨年の夏、ベレゴボワ首相がフランスのポリシーを出した。それをフォローいたしまして、昨年の暮れにキュリアン研究宇宙大臣がキュリアン大臣としてのお立場でのレポートをおまとめになったということは御承知のとおりでございます。それから原型炉フェニックスにつきましては、これもいろいろな理由でとまっておったわけでございますけれども、このほど再起動いたしまして、現在一定の出力で運転中というふうに承っておるわけでございます。  さらに、旧ソ連、ロシアでは、かなり前から高速炉の概念につきましていろいろ研究をしております。現在、二基の高速増殖炉は電気を出しながら運転中というふうに認識しておるわけでございます。  かように世界各国いろいろな事情はございます。いろいろな事情がありましてそれぞれ開発には非常に苦労いたしておりますけれども、御承知のように、これができますれば必ず将来核燃料を非常に大きく増殖できるという、そういう潜在性は持っているわけでございます。フランスも、今フェニックスで申し上げましたように、決してこの路線を放棄しているわけではございません。そういうことも含めまして、この高速炉の技術は非常に重要な技術であるというふうに認識しているところでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 とにかく、夢の原子炉だといって宣伝し、そうしてフランスにおいては百二十四万キロワットのスーパーフェニックスが活動し、ああうまくいったのかなと実は思わせました。でも、稼働して五年の間に動くことわずかに五カ月でダウンしてしまいましたよね。百二十四万キロワットの最高のスーパーフェニックス、言うなれば高速増殖炉です。これ見よがしに我が日本はこれをまねして、そうして突き進んでいけばいいと考えて、今日までこの方策をとってきたのであります。だがしかし、これがダウンした。  今、石田局長のところでは、幾らか動いているというお話がありました。なるほど幾らかは動いているでしょう。動いている、あるいは動かそうとしている意味は、増殖の方はやめる、そうして動かそうかということでしょう。何も夢の原子炉としての動かし方じゃないのです。高速の方でやっておいても増殖の方はやめようというのだ。何でそうなったか。それはやはり高速増殖炉の内部が複雑であるということです。それから、冷却材がナトリウム材で、ナトリウム液材というものがどんなに扱いにくいかわからないものだからなんです。  アメリカが一番先に後退しましたよ。その次はイギリスも後退した。イギリスは欧州の仲間において率先してやろうとして進めてきたけれども、これはもうだめだ。ドイツは九五%までできておって、六千億もかけていながら、やっぱりやめた。今、ロシアの話をしましたね。ロシアなんて、言っちゃ悪いけれども見習っていいところの国だとはなかなか言いかねますよね。  そうして、我が日本ですよ。日本の科学というものは、それは世界においても進んでいる科学ですから、頑張るという意思はわかりますよ。頑張りたいということもわかります。だが、少なくとも高速増殖炉の問題においては日本は後進国です。アメリカやフランス、ドイツの方が先進国です。先進国においてあきらめた。学んだらいいじゃありませんか。教訓というのは何のためにあるのです。それを教訓とせずして、我が日本ならばいけるだろうという、これは何の根性と申しましょうか、匹夫の勇と申しましょうか、よく聞いたことがありますよね、よしきたというのが。これは全く意味のないことなんです。むだ遣いの最たるものなんです。ですから私は、自分の方が金を出さなくても、よその国の失敗に学べば、このプルトニウムを活用して高速増殖炉をつくってやっていくということはちょっと待たなければならない。少なくとも良識があれば、待たなければならないというのが良識でなければならない。いい見本があるのですもの、他の風に学べば次の道がまた生まれてくるでしょう。  今、日本がやっと二十八万キロワットの「もんじゅ」に入るというのでしょう。その「もんじゅ」も、ことしの春にやるつもりのものがまた延びた。本当は去年の秋にやるつもりだったのですよ。春に延びた。春からまたことしの秋に延びた。秋になれば次はまた延びるのじゃないだろうかというのが我々の観測です。それは経験に学べばそうなりますよね。  それで私は、とにかく今日本がプルトニウムを一トンは持ってきた。一トンは持ってきて置いておるけれども、この一トンをどう使うのかな。これは「もんじゅ」の言うなれば燃料交換のために使うというわけですよね。時が来て使うことになれば、これは使えばいいでしょう。だけれども、わずか二十八万キロワットの「もんじゅ」に投ぜられた日本の金は幾らだと思っていますか。総理、御存じですか。六千億ですよ、六千億。プルトニウムの問題が何で一番問題になるかというと、金がかかるということなんです。危険であることがその前にあります。危険であって扱いにくくて金がかかってしょうがないというのがこのプルトニウムなんです。何に使うかといえば、核兵器に使うしか使い道がない。日本は核兵器に使うなんていうことは、これはできない。我が国の非核三原則の国是からいってもできないですよ。  ですから、これをとにかくうまく活用して、そしてエネルギーにしようといっても、当初は六十倍のエネルギーが生まれるな、そうも思ったのだけれども、この道は閉ざされたんです。そうして、じゃどのくらい、六十倍まではだめだとしても、じゃどのくらいならば活用の価値があるんだろうか。これは研究したらいいでしょう。三倍くらいになるだろうと言っている人がありますよ。でもそうなるとしてもそれは容易じゃないことだと言っている。ですから、何のことはない、プルトニウムの問題をやたらに、我が国は少資源の国だからこれに頼るしかないんだというこの考え方はやはりわきに置いて、新しい日本のエネルギーの開発の道を私は探るべきだと思うのです。  もう一つ聞いておきたいんだけれども、きょうは電力会社の関係、代表においでいただきたいと言っておるんだけれども、ちっとも見えてこない。私は、理事会の方で、きょうはぜひ電事連の会長さんに来てもらって、本当に電力会社がプルトニウム政策を考えているのかどうか、そうして第二実証炉、第三実証炉、その実証炉の計画について、金を負担してもやる意思があるのか、これを聞きたいと思っているのです。逃げるでしょう、恐らく。大変な金ですもの。国で持ってくださいと言うに決まっている。  そういうことをも思いながら、おいでいただきたいと思ったのですが、何か自民党の皆さん方がかばって、民間からの人だから、民間からの人だからと言って大分遠慮しているようですね。選挙資金をもらっているからかどうかわからぬけれども、とにかく大事なこの予算の審議において、プルトニウムの問題が予算にあるわけです。そうして、プルトニウムを使った後の再処理の今度は施設をつくろうじゃないかというのが今度の予算にありますよ。青森の再処理が承認された後は、今度はウランの再処理じゃなくてプルトニウムの再処理、その施設をやろうじゃないかと、こう考えている。こんなことをしたらどうなるんだ、こう思っておるわけです。とにかく私は、今のプルトニウムの問題については非常に問題がある、そういうことだけは十二分承知して当たってもらわなきゃならないと思うのです。  そこで、今回日本に輸送されたところのプルトニウムというものは、あれは日本の使用済み燃料のプルトニウムなのか、外国の使用済み燃料のプルトニウムなのかわからない。何を持ってきたのだか答えていただきたいと思うのです。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 お答え申し上げます。  このたび運びましたプルトニウムは、まさに我が国のプルトニウムといたしましてフランスから日本まで運んできたものでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 我が国のものですか。どうして我が国のものです。我が国のものと認定した理由を答えてください。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 お答え申し上げます。  我が国の使用済み燃料をフランスの再処理工場に再処理委託いたしまして、それから日仏原子力協定及び事業者当事者間、すなわち日本の電力会社とフランスのコジェマ、すなわちフランスの原子燃料公社あるいは核燃料公社とでも言うのでしょうか、フランスのコジェマとの間の再処理契約に従いまして、再処理工場で抽出されましたプルトニウムを我が国で運んでまいったわけでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 今度運ばれましたプルトニウムの組成について御報告ください。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 お答え申し上げます。  まず組成の問題でございますが、十月の初めごろコジェマ社より非公式にその組成の報告がございました。あくまでこれは非公式のベースでございます。ただ、公式になりましても数字は変わっておりません。  その内容につきましては、前回科学技術委員会で御報告したとおりでございまして、念のために、プルトニウム238、一・二、239、六三・三、240、二三・六、241、八、242、三・九%、プルトニウムフィサイルとしまして七一・三%というものが今回運んだものでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 その組成の率から推定しますと、そのプルトニウムの燃焼度は何度と見られますか。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 燃焼度の計算は非常に入り組んでおりまして難しゅうございますが、同じ電力会社のものを我々動燃事業団の東海事業所で再処理しておりまして、これは二万二千五百時間の燃焼度でございますが、数字は大体似ております。ただ、フランスから持ち帰りましたものの方が若干高次のプルトニウムが多いわけでございまして、それでは恐らく三万時間近いものというふうにこれは想定しているところでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 我が国のものを入れたときの燃焼度は、何度のものを入れられました。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 お答え申し上げます。  全体、燃焼度と申しますのは、御承知のように原子炉の中でどの部分で燃えるかでかなり違ったりいたしますので、なかなかこの辺の推定は難しいところであるわけでございますけれども、私どもが推定、計算しております平均で申しますと、平成四年十月末までにフランスに運び出しました使用済み燃料の平均燃焼度はおよそ二万五千メガワットデー・パー・トン、すなわち一トン当たり二万五千メガワットデーというそういう値であろうかと推測しておるところでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 自分の国の使用済みの燃料を再処理するのにフランスにお願いする。そのときには日本のそれぞれの電力会社は燃焼度幾ら、数量幾ら、こういうことをきちんとしてやらなければ、返ってくるところのプルトニウムについての計算ができませんから、ちゃんとやっていると思うのです。ちゃんとやっていると思う。ところが我が国は、今局長が言ったように、高くて二万五千メガワット、燃焼度が。そうして今返ってきたところのプルトニウムのその組成からいきますと、組成から裏返してみますというと、燃焼度が三万五千メガワットから四万メガワットになりますよね。そうなるでしょう。それをあなた方は、大差がないのですよ、それから、さほどのことがないなんというのは一体何です。  持ってくるときに物を見て持ってきたんですか、見ないで持ってきたんですか。受け取ったのはだれです。政府ですか、動燃ですか、電力会社ですか。電力会社から動燃が買ってくるときにはどういう方法で持ってきました。こんなおかしいものを受け取れない、こう思うことがありませんでしたか。それとも何の疑念もなく、何の疑いもなく持ってこられましたか。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 今回輸送いたしましたプルトニウムの受取人は私ども動燃事業団でございます。去る昨年六月十日に電力各社と契約を結びまして、フランスのラアーグにある日本電力所有のプルトニウム約一トン、一トン強の取得の契約を結びました。それから、その内容につきまして、電力を通じましていろいろとコジェマのデータをもらったわけであります。  その十月初めに入手いたしましたデータを先ほど御報告申し上げました。その組成を見ますと、我々が東海事業所で再処理しておりますプルトニウムの組成と大差ないというふうに判断をしているわけでございます。  もう一度申し上げますが、東海事業所でのプルトニウムのフィサイルは七〇・八%でございまして、今回輸送したものは七一・三%でございますので、若干二万二千五百時間よりも燃焼度が高いものというふうに判断をいたしている次第でございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 あなた、今数字間違っているじゃないですか。何が七三%です、あなた。そんな高い率で来ていませんよ。六三%でしょう。間違っちゃ困りますよ。何を見て答えているんです。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 プルトニウムのフィサイルで申し上げました。  プルトニウム239が六三・三%、241が八・〇%、合計七一・三%でございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 だからどうだというんです。二万五千メガワットの燃焼度だというんですか。フランスのIPSNの資料によりますというと、その程度のものはもう四万近い燃焼度とこう出ていますよ。これが間違っていますか。  あなたの方の東海村の再処理工場のデータが正しいと言うならば、そのデータは、燃焼度は幾らで、組成は幾らで、言ってみてください、データがあるならばですよ。そのデータとフランスの発表しているデータと合いますか合いませんか。どっちが本当になりますか。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 フランスの規制当局が発表いたしましたデータ、十月のたしか二十九日で、フランスの規制当局がフランスの工業省に報告した数字でございます。この数字は、前回、昭和五十九年、一九八四年にフランスから日本に送ったもののデータであるということが、その後規制当局から確認いたしている次第でございます。したがいまして、今回のものは、私が先ほど御報告申し上げた数字になるわけでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 動燃の理事長に聞きますけれども、フランスの核防護安全研究所、いわゆるIPSNですよね。IPSNでは、プルトニウム239が六三となりますというと四万メガワットに近いデータになりますよね。あなたの方の再処理工場では六三%といえば幾らの燃焼度になっているんですか。具体的に答えてください。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 私どもが「もんじゅ」初装荷燃料用として再処理いたしました使用済み燃料の平均の燃焼時間は二万二千五百時間でございます。そして、そこから出ましたプルトニウム239は六二・一%でございました。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 今あなたが答えたところの、プルトニウム239が二万五千までいかないで二万二千で六二・一%。しかし、フランスの発表しているものによれば、これでいけば七一%になりますよ。こんなに違うんですか、同じものを燃やして組成の率が。化学になりませんね、これ。無理して答えていませんか。どっちが本当なんです。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 フランスIPSNが発表いたしましたプルトニウム239の値でございますが、六二・六から六八の間という報告になっております。燃焼時間については触れておりません。  ただ、この数字は、前回、一九八四年にフランスから日本に運んだものの数字であるということをIPSN当局は確認をいたしております。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 この燃焼度の問題とそれから組成の問題と、受け取るときにはどんな確認をして持ってきているんですか。だれが立ち会って持ってきているんですか。答えてください。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 一番正式なデータは、十一月七日、すなわち船が出港します直前に日本政府の代表も立ち会いまして正式データを確認いたしているところでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 その責任者というのはどなたです。そうして、どういう内容で確認されました。

佐竹宏文科学技術庁原子力安全局長

○佐竹政府委員 お答えいたします。  科学技術庁の職員がプルトニウムが容器に完全に入ったかどうかを確認いたしました。安全性の面からのチェックの目的で確認に立ち会いました。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 聞いておることはそんなことじゃありません。日本からの持ち出したところの燃焼度とこの組成の率とがぴちっと合って引き受けて持ってきたかと聞いているんです。  これは外務省、関係あるでしょう。言うなれば保障措置の問題で、IAEAの保障措置のもとにこれが動いているわけですから。当然外務省もこれに立ち会っているはずですよね。外務省どうです。

須藤隆也外務大臣官房審議官

○須藤(隆)政府委員 お答え申し上げます。  日仏協定上は日本から再処理を委託した核燃料物資の返還義務は特に定めておりませんで、返ってくるプルトニウムの組成につきましても特に定めておりませんので、仮に組成が違ったとしても協定上の問題はないわけでございますが、返還されるに当たりましては、科学技術庁の職員も立ち会った上で、確認の上引き取ったものと了解しております。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 とにかく、核ジャックが怖いとか、核防のためにいろいろな報道まで規制して、それこそ水も漏らさぬ布陣でプルトニウムを持ち出すこと、持ち運ぶことについて苦労しているわけです。そうしていながら、持ってくるときに、持っていったものの、これは再処理したものであるかどうかのこの確認ですよね、この確認がどうなされているんだろうかと実は思うわけです。  ただいまのお答えになられた動燃の答弁、これは私は全部信用できません。私ども、権威あるところの学者の調べによって、またフランス政府の発表しているこの内容において、燃焼度と組成の率というものがきちんとある。東海村にあるものだけ、どうして燃焼度の低いものが組成の率においてまた低いんです。燃焼度が低ければプルトニウムの239というものが余計に生まれるはずです。燃焼度が低くて高いのと同じだというようなことは、これは聞いたことがありません。ここで答えるためにあなた方がつくってきたのかしらと私は疑わざるを得ません。今お話しになり、今答えたことは全部議事録にも載ることです。いいかげんな答えをされては困りますよ。ただの話じゃないんですよ、これ。  それならば、日本の使用済みの燃料は間違いなく日本のものだけ再処理して日本に来るんだ、他国のものが来るなんということは協定上もないんだ、かように理解してよろしゅうございますか。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 お答え申し上げます。  コジェマの再処理工場、UP3でございますが、このUP3では日本だけではなくてドイツ、ベルギーあるいはスイス等、他の国の使用済み燃料をも再処理いたしておるところでございますし、また再処理は連続した工程であるわけでございまして、御承知のように、分離、抽出、精製等の工程がこう流れていくわけでございます。そういうことで、物理的に我が国のプルトニウムが他の国のプルトニウムやあるいは他の電力会社の使用済み燃料から出てまいりますプルトニウムとまざることはあり得るというふうに認識しておるわけでございます。  したがいまして、我が国に返還されますプルトニウムの同位体比、すなわち、今先生のおっしゃったプルトニウム239が何%あるかというようなことでございましょう、それが必ずしも搬出した使用済み燃料中に含まれますプルトニウムの同位体比と全く同じになるというわけではないというふうに思っておるわけでございますけれども、その中で核分裂性のプルトニウム、すなわちプルトニウム239とプルトニウム241につきましては、再処理依頼分と等量のものが含まれるようなことで処理をするということになっておるわけでございまして、この点は我が国を初めといたします各国の再処理事業の顧客、カスタマー、これは電力会社であるわけでございますが、これとコジェマとの間で合意されておるということであるわけでございまして、また国際機関による保障措置上も問題ないというふうに認識しておるところでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 合意されているというのは、どう合意されているのですか。他国のものが来てもいいと合意されているということですか。どういう意味です、ただいまの合意されているということは。どのくらいまでならまじってもいいという意味なのか、違うものが来てもいいという合意なのか、合意の意味がわかりません。お答えください。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 お答え申し上げます。  我が国の電気事業者とそれからフランスのコジェマとの間で交わされております再処理契約上、そういう分裂性プルトニウムで等価でバランスをとるということはでき得ることが定められておるということでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 それは電力会社と向こうのコジェマとの契約でそうなっているということですか。日仏原子力協定から抵触しませんか。

須藤隆也外務大臣官房審議官

○須藤(隆)政府委員 日仏原子力協定上は、先ほど申し上げましたとおり、特に我が国から持ち込んだ核物質等の返還義務あるいは同じ組成のものを返還しなければいけないというような規定はございませんので、この問題はむしろ再処理契約上の問題だと理解しております。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 今の答えは何ですか。日仏原子力協定上からいけば、日本の使用済み燃料を日本に返すということには定めがない、こういうことですか。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 日仏原子力協定の解釈の問題にかかわりますので私から答弁させていただきたいと思います。  今科学技術庁及び外務省の政府委員の方から御説明申し上げましたけれども、整理させていただきますと、再処理工程の性質上、日本の使用済み燃料に含まれますプルトニウムが他のプルトニウムと混合されるということによって、再処理後発生するプルトニウムが物理的にいずれの国の起源のものか判然としないということは、これはあり得ることで、それは先生お認めいただけると思うのです。  ですから、問題は、そういうぐあいに精製されたプルトニウムのうちで、要するに計量管理によりまして、日本の使用済み燃料をこれだけインプットすればこれだけの等価のプルトニウムが出てくるということで、比例配分ということをやるというのが国際的な慣例になっておるので、まさにそういう案分比例で、先ほど石田政府委員から申し上げましたけれども、分裂性プルトニウムの等価性ということによって計算しておるということでございます。  この点は私先ほど国際的な慣例であるということを申し上げましたけれども、まさに例えばカナダとフランスとの再処理協定なんかを見ますと、やはりそういうことが前提になって協定ができておるわけです。ですから私たちも、この日仏の議定書でございますね、それをつくるに当たっては、そういう国際的な案分比例の概念というものを前提にして協定をつくっておる。そういう意味で、その協定には明文では書かれておりませんけれども、協定上当然の前提としておる、そういうことを御説明申し上げてきておる次第でございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 今のお話、何か物理的に物がまじってくる、予期しないような状態があってくる、これはまあ作業の内容によってあるいは出てくるかもしれませんよ。しれませんけれども、ただのものじゃないですよね、使用済み燃料というのは。言うなれば厳格な監視のもとに、そうしてIAEAの保障措置のもとに動いていっているわけですよ。日本のものを入れました、途中でドイツのものも入れましたなんということはないでしょう。そんなことできますか。それよりも私は、まあ何かの残りかすで入ってくれば入ってくるようなことはあるかもしれない。それは私もわかりません。だがしかし、日本の再処理してお願いするものがどこへ行ったかわからなくて、よその国の再処理したものがここへ届いたんじゃないかと、こうなりますというと、これはゆゆしき大事だと思うのです。日本のものはどこへ行ったんだろう。     〔中川委員長代理退席、委員長着席〕  何のためにこの質問をしているかというと、我が国の良質のプルトニウムがどこへ行ったんだろうか、こういう疑問があるからこの問題を提起しているわけです。そうして、フランスのフェニックスの方に核兵器の材料として使われているようなことになっているんじゃないだろうか、そういう懸念があるものですから、日本のものが、日本のものでないものが来るなんということは許されない。そうして、もし来ていいというならば、日本のものはどこへ使われているのかということを明らかにしてもらわなきゃならないのです。  そういう意味で、今外務省が答えましたね。明文上そういうことは書いてないけれども、それに近いことが行われているかもしれない。カナダとフランスの例を言いました。私はカナダやフランスの例はわかりません。わかりませんけれども、この論議をしたときの過程において、日本のものは日本に返るのだということを原則として我々は論じたつもりです。これは参議院の我が同志の稲村君の質問に対しても、そう理解してよろしいということで論がなされております。  ですから、今のように他国のものが来てもいいんだとかということは、いつからそうなったんです。そうして、そういうことを認めるということは、外務省が認めてきたということですか。わからないことは、日本のものでないものが来て、それでもいいんだということになるならば、これはアメリカもそういうことを承認していますか。日本のウランというものは、来るに当たって、これは製錬されているところはアメリカですからね、アメリカ本国の旗のもとにこれは動いているわけですから、アメリカにおいても、かわったものが行ってもよろしゅうございますということに承知されておりますか。そして、電力会社と電力会社とにおける契約の中にそれが明文化されておりますか。この二つ、答えてください。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 先ほど私、国際的な慣例であるという御説明の中でカナダとフランスと申し上げましたけれども、これは日本とカナダということでございます。訂正させていただきたいと思いますけれども、日本とカナダの原子力平和利用協力協定の改定議定書の処理ぶりを見ますと、先ほど申し上げた案分比例によるということが非常に明確になっておるということを申し上げた次第でございます。日仏の議定書につきましても、そういう国際的な慣例ということを前提として私たち本件を処理したつもりでございますということを申し上げた次第でございます。  そこで、もしそういう場合には、それでは日本から行ったもので他国のプルトニウムになってしまった場合に、それが果たして軍事的なものに使われないかという懸念はどうなんだというのが先生の御質問の第一点だと思いますけれども、この点につきましては、次の二つの理由によりまして、私たちは、もともと日本起源のプルトニウムが混入して外国に行った場合、それが他国によって軍事的に利用されることは考えられないというふうに考えておる次第でございます。  まず第一点は、先ほども御説明の中にございましたけれども、現在フランスに再処理を委託しておりますのはドイツとかベルギーとかスイスとかそういった国でございますけれども、これらの国はNPT加盟国でございまして、非核兵器国の事業者でありまして、そういう意味では核兵器を持つことは禁じられておるということが第一点でございます。  それから第二点の、フランスを起源とみなされるプルトニウムの場合につきましては、ラアーグ再処理工場で再処理されておりますところのプルトニウムといいますのはそのプルトニウムの組成上民生用のものでございまして軍事用のものと違うということは、この問題の専門でおられる先生よく御承知のところでございます。そういう点から、私たち、先生の前段の方の懸念は当たらないのではないかというふうに考えておる次第でございます。  後段の方につきましては、担当の政府委員の方から答弁させていただきたいと存じます。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 追加してお答え申し上げます。  このことにつきましては、先ほども申しましたように、電気事業者とそれからフランスのコジェマとの間におきます再処理契約におきましてもそのように定められておるということでございますし、これは国際原子力機関が行います保障措置のシステムにおきましても問題のないものというふうにされておるところと認識しておるところでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 アメリカもこれを認めているということですか。

須藤隆也外務大臣官房審議官

○須藤(隆)政府委員 アメリカと、日米原子力協定上の包括同意によりまして特にこの点について問題は提起されておりません。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 問題は提起されていないということは認めているということにならないでしょう。どうです。

須藤隆也外務大臣官房審議官

○須藤(隆)政府委員 このようなやり方はIAEAの保障措置上も認められていることでありまして、アメリカも認めているということでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 あいまいなお答えはしてもらいたくないと思います。少なくとも日本の使用済みの燃料がかわって他国のものが来てもいいんだなんということは、これは大変なことだと思うし、そしてそれが来る過程の中に電力会社と電力会社の間の契約でそういうことをしているとすれば、その契約は一体何に基づく契約になるんだろうかということにもなります。  とにかくウランの問題は、これは原籍地である、製錬したところの国であるアメリカもこれを承知をして、よろしい、こう言っているならば、そう言っていますということだけでもいいから答えてください。推定でなくて答えてください。

須藤隆也外務大臣官房審議官

○須藤(隆)政府委員 フランスの再処理工場におきまして日本からの核燃料物質がほかの国の起源の物資と一緒に処理されるという性格上、ただいま御説明ありましたようなみなし処理ということは国際的に広く行われていることでございまして、IAEAもアメリカもそういうやり方は認めているということでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 みなし処理とおっしゃいますけれども、そういうみなし処理はそれでわからないわけではありませんが、これは等量という意味だけではないのですか、等質も含めますか。

須藤隆也外務大臣官房審議官

○須藤(隆)政府委員 分裂性プルトニウムの量で同量のプルトニウムを再処理契約上我が国のプルトニウムとみなすということでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 量が同じでも質が異なる場合、同質の等量、同質以上の等量、そうなっているのじゃないでしょうか。どうです。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 お答え申し上げます。  基本的に、御承知のように、ラアーグの再処理工場UP3は軽水炉の使用済み燃料の再処理工場であるわけでございます。したがいまして、ここに持ち込みます使用済み燃料は、先ほど燃焼度がどれだけか、二万五千、三万、三万五千、その他いろいろと議論がございました。いずれにいたしましても、軽水炉の使用済み燃料であるわけでございまして、そこから出てまいりますプルトニウムは、これまた先ほどプルトニウム239の割合が六十何%という議論がございましたけれども、いずれにいたしましても、これはいわゆるリアクターグレードのプルトニウムであるわけでございます。その意味で確かに、UP3で再処理する、そういう姿を見た場合に、燃焼度の相違によりましてプルトニウムの組成、239の割合が、これは239では当量にするわけでございますが、それを含む非分裂性のプルトニウムの量の違いによりましてパーセンテージが若干上下することはあろう。あっても、基本的にいずれもいわゆるリアクターグレードのプルトニウムであるわけでございまして、それを各国で平和利用していくためにはさほど問題ない、そういうことで現在のプラクティスが成立しておる、かように認識しておるところでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 ただいまのところ、我が国のものについて、明確にこれは我が国のものであるというようなことが非常に難しい内容のプルトニウムの返還であった、こう思うのです。ですから、私はこの問題で、今この程度論じましたから、これ以上さらにまた時間を食うわけにもいきませんので、いろいろお答えがあったけれども、いずれも私はそのお答えは不確かなお答えである、こう受け取っておきます。  そうして、この問題については次にまたさらに追及を、追及と言えばなんですが、質問をして明らかにしてもらわなくてはならない。特にフランスのきちんとしたデータに基づく資料を、日本の動燃がこれをひっくり返すような大変な御発表をなされておりますので、ここに大きな疑問が生じておりますから、そういう点で、この問題は次のときにもまたなお続けていきたいな、こう思いますので、組成にかかわるプルトニウムの問題はこの程度にして、次に入りたいと思います。  次は、青森県の再処理工場の許可をなされましたよね。この再処理工場の許可というものは、これは技術的にも経済的にもきちんとしておって初めて許可になると思うのです。これは原子炉等規制法第四十四条の二の要件に合致しているかどうかという点で聞きたいと思うのです。  特に、技術的能力の問題については、これは安全委員長が来ておられると思うので安全委員長に聞きたいのですが、トリチウムにしろクリプトンの85にしろ、全部垂れ流しですよね。垂れ流しをしてもいいというような安全委員会の判断というのは、私は非常に適正を欠いていると思うのです。ドイツにおいては、とにかくトリチウムであれクリプトン85であれ、できる限り把握して除去しよう、それでもなおかつうまくないということで、これはやめました。日本の場合は、六ケ所にできるそれについては、全部一〇〇%垂れ流しですよね。クリプトン85やトリチウムを垂れ流しをして何の害もないと考えていることは、今やこれは当てはまらないんじゃないか。地球環境上においても天候上においても、トリチウムあるいはクリプトン85が与えている影響というものは、いろいろ今取りざたされていますよね。そういうことについてどれほど吟味したのかということが一つあります。  その次は、あの場所というのは名立たるアメリカ軍事基地のF16の演習場でもあるし、航行する下にあるわけです。驚くなかれ、年間四万二千回も飛行機が飛んでいるその空の下ですよね、ここに三千トン近い使用済み燃料をプール漬けしておいた場合に、爆弾が落ちたらどうなるんだろうか。事実、二千ポンドの爆弾が昨年落ちているわけですよね。そういうことにおいて、その爆弾はまだ拾われてもおりませんよ。チェルノブイリの事故以上の事故がここに発生するようなものです。  また、地震もしばしば起きております。この間は、まあ震度五を六と間違ったりしたこともあるのだが、本当は六であったのか五であったのかも明確でないほどの大きな地震があったわけです。この影響もあの場所については考えておかなきゃならない問題です。そうして活断層のあるところです。  ですから、地質的にいっても、それから地上から見ても、それから空から見ても、何一ついい条件というもののないところにこれを許可してしまった時の原子力安全委員長のお考えというものは那辺にあったんだろうかということが一つ。  いま一つは、経理的基礎が、これがやはり適合であるとか適合しないとかという点についても重要な要件であるはずです。  その二点について、経理的基礎の方については、これは政府側の方、どちらからでもいいです。それから、安全性の問題について安全委員長の方から、どういうお考えであったのか、この点だけはきちんとお答えいただきたいと思います。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 青森の六ケ所村に最近事業の指定がなされました再処理施設につきまして、四点ほど今先生から御質問ございましたけれども、経理的問題につきましては事務局から答弁していただくことにいたしまして、安全審査にかかわりまして、まず技術的能力につきましては、日本原燃産業の構成が、各電力会社あるいは動燃からの専門家が参加しておりますし、法定上必要な資格のある運転員あるいは技術者が十分そろっておるということ、並びに動燃におきます経験が十分に今回の民間の再処理施設につきましても反映しているということ等を考えまして、技術的能力が十分にあると判断したわけでございます。  次には、クリプトン85とトリチウムのことでございますけれども、これはあくまでも評価の問題でありますが、クリプトン85は御存じのように物理化学的に不活性な希ガスでございますので、同じ放射能でありましても人体にそう大きな影響をする問題ではございません。それからトリチウムにつきましては、これは水として入るわけでありますが、いずれにしましてもクリプトン85、トリチウムは、大部分が気体あるいは液体として放出されるというように評価されておることは今先生御指摘のとおりでありますけれども、ほとんど全量が放出されたと考えましても、人体に対する、周辺人口に対しては十分に安全が確保される、すなわち、法定上決まっております一ミリシーベルト以下に比べまして非常に小さな影響しかないというように判断いたしましたので、安全上問題ないと考えているところでございます。  それから、米軍の訓練空域のことでございますが、これは模擬爆弾の投下による演習であるということは十分理解しておりまして、その影響が、再処理施設の安全上重要な施設に直接投下されるという間違いはまずほとんど考えられないと理解しておりますけれども、それにもかかわらず、安全上重要な施設につきましては、投下されました模擬爆弾等が衝突いたしましても十分に安全が確保されるような施設が設計されておりますので、その点を踏まえまして審査をしたところでございます。

佐竹宏文科学技術庁原子力安全局長

○佐竹政府委員 お答えいたします。  初めに、内田委員長、会社の名前を原燃サービスと申されましたが、正確には日本原燃と名前が変わっておりますので、訂正さしていただきます。  それから、経理的基礎でございますが、一般に再処理事業のような大きな事業を行います場合には、資本金以外に借り入れを行って行うのが通常のケースと考えられます。日本原燃の再処理事業の指定に当たりましても、再処理施設の建設工事に要する資金の調達計画あるいは事業開始後の収支見積もり等の資料を十分に審査いたしました結果、再処理事業に必要とされる資金は自己資金及び借入金により調達される計画であって、この確保に見通しがあると判断いたしました。  また、再処理施設が運転を開始いたしますころの日本の原子力発電所の使用済み燃料の年間の発生量を見ますと、約千トンぐらいと見込まれております。一方、この再処理施設は、年間の最大処理能力が八百トンでございます。また、国の方針も、今後は再処理については国内で行うことを原則としておりますので、能力八百トンを最大限に利用して操業することが予想されます。したがいまして、建設に要しました資金は今後の再処理役務による売り上げをもって回収される見通しがあると判断いたしました。  このような判断から、日本原燃に再処理事業を的確に遂行するに足りる経理的基礎があると判断いたしました。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 経理的基礎の問題で、大丈夫経営が成り立つというお答えのようですけれども、これは再処理の価格を一トン幾らということに計算してのお話ですか。そうして、いつごろまでに借金がなくなるという計算になっていますか。その点を一つ。  それから、原子力安全委員長には、クリプトン85あるいはトリチウムの問題で、人体にさほど影響がないということを強調されておりましたけれども、それはどういうデータから出てきておるかわかりませんけれども、もっと目を開いてと言えばいいですけれども、このクリプトン85の持つ影響というものが、自然にこれが三十三京ですよ、あそこにその一年間に降り注ぐ、投げられる量が。天候上、気候上大変な異変を生ずるというようなことも言われているんじゃありませんか。酸性雨が相当になるんじゃないだろうか、あるいは遺伝子に影響を与えるようなことが出てくるんじゃないだろうか、トリチウムの問題でもですね。そういうようなことが世界的にも言われているわけですよね。ですから、そういうことが考慮されたのかされないのか。  それからもう一つ、青森県には、クリプトン85にしてもトリチウムにしても、これを除く建屋をつくるというような計画がありましたよね。当然これはできているものだろうと思ったんだが、これはオミットされていますよね。こういうことはやはり安全委員会としてはチェックして、青森県に、示されているような信義も守るように、守らせるようにしなければならなかったのじゃないでしょうか。よくも思い切って、垂れ流し結構とやったものですね。ドイツに見習ったらいいんじゃないですか。何でそういうふうにしたんです。安全委員長じゃなくて危険委員長になっちゃったのじゃないですか。その二点、お答えいただきます。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 クリプトン85とトリチウムを一緒にいたしまして、放射能であるけれども安全上人体に余り影響がないと申し上げましたのは言葉が少し足りませんが、クリプトン85は希ガスでございますので、もちろんこれの評価としては、空気中に含まれていますクリプトン85の外部からの放射線の問題、それから、呼吸しましたときに入ったときの問題はもちろん評価してございます。  それから、トリチウムを見ましても、影響評価としまして、呼吸摂取による内部被曝ばかりでなしに、農産物、畜産物の摂取によります内部被曝及び海産物摂取による内部被曝を対象としまして評価しているところでございます。ただ、クリプトン85は希ガスでございますので、ベータ線、ガンマ線を出しますけれども、体内に直接入るというような、体内に取り込まれるというような問題はないものだと考えられておりますので、ほかの放射能等に比べますと、同じ例えばキュリー数でありましても影響が比較的少ない、そういうふうに理解しておるということを申し上げるつもりでございました。  それからもう一つは、何か原燃産業が地元で配っております説明書と違うようなお話でございましたけれども、それは実態は私はよく存じません。ただ、クリプトン85を取り去るということは技術的には不可能ではないとは思いますけれども、相当の費用もかかりますし、私は素人でありますけれども、例えば凍らせれば理論的に取れないわけではございませんが、ただ、安全委員会といたしましては、そういう施設が審査の対象になっておれば評価いたしますけれども、ほとんどすべてのものが出るというふうに評価しましても、一ミリシーベルトよりも十分小さな影響しかないということが申請書にも出ておりますし、話も聞いておりますし、また、原子力安全委員会が決めております安全評価の指針におきましてもそういう解析がされておるわけでありますので、安全上問題ないと報告をしたところでございます。

佐竹宏文科学技術庁原子力安全局長

○佐竹政府委員 お答えいたします。  再処理単価につきましては、事業者より企業機密として公表を差し控えるよう依頼されておりますので、申し上げられないので、御了承いただきたいと思います。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 何という話です。企業秘密。あなた方が経済的基礎について審査したでしょう。審査したときに、再処理の値段は幾らというのも出ているでしょう。例えばあなた方が、健全な経営ができる、こう言っていますけれども、全く違うでしょう。借金に借金を重ねていかなければ運営できないような姿でしょう。現実に、仮に一兆円かかるとすれば、どれだけの金が十年に入ってきますか。予定どおりいったって、どれだけの金が入ってきます。二十年でもいいですよ。ほとんど借金の利子払いで経済的につぶれてしまうしかないんじゃないですか。再処理する、そういうこともなくなってしまうでしょうからね。再処理の要がなくなると思うんですよ、私はやがて。あると思っても大変な借金ですよ。  あなた方が頼んでいるところでは一トン一億となっているでしょう。企業が何と言っているかわからぬけれども、出しているじゃありませんか。そういう計算で出していけば幾らになります。いつ借金が返りますか、一〇〇%活用してもですよ。再処理工場の運転能力というのは、運転率というのはどのくらいになっています。年間二〇%もというところが今の状態でしょう。一〇〇%なんていくわけはない。そういうことを見ますというと、経済的基礎なんというのは、この再処理工場の許可においては成り立たないと私には見えるのです。どうです。  あなた方、企業の秘密なんて、企業の話を聞いているんじゃないですよ、私は。経済的基礎としてこれが成り立つかどうかということを聞いているときに、あなた方、成り立つというなら、それじゃ幾らと見ましたかと聞いているんです。とにかく、大変な金を日本開発銀行からこれは借金している会社でしょう。借金に借金ですよ。大変な金です。一兆円の借金を返すといったって、年間何ぼの金が出てきて返していくんですか。具体的に答えてください、調べたというならば。認めた以上、適用条件に適しているというならば。

佐竹宏文科学技術庁原子力安全局長

○佐竹政府委員 お答えいたします。  委員御質問のような内容につきましては、企業機密として事業者より公表を差し控えるよう依頼されておりますので、それが妥当と考え、公表を差し控えさせていただきます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 企業の用足しじゃないんですよ、国は。国は、この経済的基礎があるかどうかということを診断し、判断し、そして許可するんです。そして宮澤総理の名前で、よろしゅうございますと言うんですよ、これは。その場合に、一番大事なその再処理の値段を幾らと見たかというのを答えない。  再処理の総量、では年間何ぼいくか。これは八百トンの再処理工場ですから、完成すれば八百トンといくでしょう。でも、八百トンを目標にしても、八百トンいくかといえばいかないのです。東海村の再処理工場というのはこれは二百十トンの再処理工場。何年休んだかわかりません。そしてやっと一〇%になり、今は二〇%ぐらいになったかなというところでしょう。例えば通算でいけば、まあ大体二百十トンの五割、百トンまではいきませんよ、九十トンかそこらですよね。ですから、年数からいけばならして二〇%ぐらいです、現在で。できてからですよ。何年たっています。  そういうことを見ますと、この八百トンの再処理工場というのは、本当にできるのかどうかまだわかりませんけれども、せいぜいプール漬け、使用済み燃料のプール漬けだけで終わって、これが再処理の活動をするということは、とてもじゃないけれども経済的に成り立たないんじゃないだろうかということで、私は、ギブアップするんじゃないだろうか、こう思っているのです。それが健全な、経済的な分析で、言うなれば商業的な再処理工場だと言うけれども、この商業的再処理工場は商業が成り立たないだろう、こう見ているんです。でも、成り立つものとしてこちらは許可するわけですから、許可する者にそれだけの責任がありますよね。ですから私は、これは無理な許可をした、こう思っているんです。ですから、お答えができないなんというようなことはよくありませんからね。  これは、野村総合研究所の方にお願いしているとき、一トン一億とやっているじゃありませんか。それよりもっと高くなるんですか低くなるんですか、それだけでもいいです、答えてください。

佐竹宏文科学技術庁原子力安全局長

○佐竹政府委員 お答えいたします。  再度のお尋ねですが、再処理単価の市場価格につきましては、企業機密としてお答えできません。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 これは、少なくとも許可しているわけですよ、国が。勝手にやる企業の市場競争の話をしているんじゃないんだ。国の許可の中に、この経済的基礎のことも適していると判断する、その判断するときに幾らと計算しているんですか。試算でいいんですよ。会社が何ぼでやるかはまた別としてもいいですよ、試算として見れば成り立つというのは、何ぼとして成り立つのですか。そのくらいの答えはしてくださいよ。ないなら、この次によく聞いて答えるならこれでもいい。時間がありませんから、こんなことで時間を過ごしたくはありませんから、後刻でもいいですよ、今お答えできなければ。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 関委員の御質問ですけれども、今お申し出のように後刻でもいいということでありますれば、委員長から政府委員の方に、きちんと答弁を整えてそしてお答えをするようにということを命じますから、それでよろしゅうございますか。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 はい。名委員長だな。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 では、先に進めていってください。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 では、それでいいですから、出させてください。こんなことも出さないで、予算委員会は、この再処理工場の許可を了としましたの、どうのという話にはなりませんからね。  あと、再処理工場、ここでつくられて、まあ一歩譲って、一歩も二歩も三歩も譲りましょう、譲ってですよ、六ケ所の再処理工場から生ずるところのプルトニウムは何に使うのですか、使い道を教えてください。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 お答え申し上げます。  六ケ所の日本原燃の再処理工場から出てまいりますプルトニウムでございますけれども、これはまさに我が国におきます各般のプルトニウム利用に使われるわけでございまして、一義的には、いろいろなものがございます。すなわち、軽水炉で使いますいわゆるプルサーマルという使い方も当然あるわけでございます。それからそのほかにも、将来、高速増殖炉実証炉計画というのがあるわけでございますので、それにも使う。あるいは新型転換炉等のこれからの進展もあるわけでございます。そういうものをすべて含めまして、全体のそのときのプルトニウム需要に合わせまして使い切っていくというのが私どもの考え方であるわけでございます。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 全くでたらめな答弁だと思いますのでたらめな答弁だというのは、MOX燃料に使うなんて今返事しましたね。MOX燃料なんというのは、これはプルトニウムを使う目的のものではありません。やむなくプルトニウムが生じたからウランとまぜてプルサーマルにして、軽水炉の発電所に使おうかということなんです。主たる目的はMOX燃料じゃありません。あくまでも高速増殖炉に使うためにこれはやるのです、「もんじゅ」のために、あるいは「常陽」のために。それから、次の第二、第三の高速増殖炉の計画なんか成り立つかというのです。二十兆円近くかかりますよ。十兆円や十五兆円じゃききません。そういうようなかかる金のことについて思うときに、この道はこれは大変な道だ、こう思うはずです。  でも、これはもう時間がありませんからこの次にまたやりますけれども、とにかく我が国のプルトニウムに注ぎ込む国の力こぶの入れ方というのは異常だと思うのです。世界の先進国に学ぼうとする構えが一つもない。情けない限りです。研究している学者のためにやっているんじゃないはずです。国民経済も考えなければなりませんよ。そうして、本当にこのプルトニウムが夢の原子炉として活用される時代が来るんだという見通しが科学的に立証されてやるというなら別です。全くその道はありません。そういう意味において、私は、深くこの道は断念して、太陽光発電だとかソフトエネルギーの方向に日本は転換する方が国民のためにもなるし、我が国の経済の将来のために省エネの道を強化するためにも私は役に立つことじゃないか、こう思いますので、その点を申し上げて、あと五分ありますから、五分のところでひとつお尋ねしておきたいと思います。  それは、日本輸出入銀行の総裁がお見えになっていると思いますが、お見えになっていますね。大変にお待たせして済みませんでした。  実は、インドネシアにおける原子力発電所の計画がありまして、その原子力発電所の計画の中で、事前の調査というものが必要だ。その事前の調査を日本の関西電力の下請機関が契約をとって、これに今取りかかっておる。取りかかっておるのだけれども、資金がないと見えて十五億の金を輸出入銀行から仰ぎたい、こう言っているのです。しかし、私はあのインドネシアの国を見ますときに、総理、この間おいでになって三億の金をくれることで喜ばせてきましたけれども、とにかくあの国の姿を見ますときに、私はあの国に原子力発電所をつくらせて、そうして進めるということが果たしていいことなのかどうか。  私はこの間、テレビで中学三年生の女の子が自転車であの島を横断して走っているのを見ながら、インドネシアに行ったことありませんよ、ありませんけれども、あの国の自然な姿、こうして頭の上にたくさん果物を載せてそして売り歩いている姿、そうしてどれも明るい顔をしている表情、何も電気機械が多く入ったからといって国は幸せになるとは思いませんよ。自然を生かし、そこに喜んで生きている人間の将来のために何が幸せであるかといえば、私は、やはりそこの文化なりそこの伝統なりそこの制度なりが生かされてお互いに生きているのが一番幸せだと思う。そういう意味で、ここに日本がフィージビリティースタディーのために出かけていって、そしてやがて原子力発電所の手伝いを日本がしていくのかなと思いますというと、これはちょっと問題があるのじゃないだろうか。  そう考えますと、この日本輸出入銀行というのは、これは国民の金ですよね。そして世界が今すべて原子力から後退してきている、先進国は後退してきている、そういうときです。ですから、私は、あそこの国に電気が欲しいというので考えるとするならば、ちょうどいいですよ、太陽光発電、太陽電池をどんどんあれするようにしたらいいと思うのです。これだというと、ODAでも認めてあげられるのじゃないかと思う。ところが、日本輸出入銀行がこういうことに手伝いをする、そういう労力に手伝いをする、輸出入銀行とはこれは関係があるのだろうか、こういう思いもします。  何を輸出するのか、何を輸入するのかということになりますという、一つの労働力ですよね、他国にもあるわけですから。他国にも依頼をしてインドネシアはやっているんだけれども、どういうわけか今度は日本がそういうことで関西電力の関係の会社がやることになったわけです。やっていけばやがてあの国にも原発を日本が手伝いをするということになるでしょう。しかし、あの国のあの島の周囲というものは、これはサンゴ礁ですね。大変遠浅ですね。そういうようなことを見ますというと、これはむげにそれを進めてよろしゅうございますというわけにいかないじゃないか。  ですから、軽々に十五億の金を出してやるなんということはせぬで、もう既に一年たっていますから、あとことし十一月までやれば終わるわけでしょうから、資金の手当てはこちらでしなくても、電力会社なり電事連の方で、今のプルトニウムのむだ遣いをするよりははるかにいいことですから、そちらから分けてもらって済ませたらとも思うし、分けてやればいいというものでもありませんけれども、そういうことで、ひとつ総裁、軽々にこれには乗らないようにして、念には念を入れて、吟味の上には吟味を重ねて対処していただければと思うのですが、そのお考え、ありませんか。

山口光秀日本輸出入銀行総裁

○山口説明員 インドネシアにおける原子力発電の導入をどう考えたらいいかという点について今るるお話がございましたが、私どもは、原子力発電の導入自身については主権国家としてのインドネシア政府自身が判断するものであろうかと思います。私どもは、それについて是非を判断し得る立場にないと思います。  ただいま御質問のございました案件は、インドネシア政府が原子力発電についてフィージビリティースタディーをやりたい、原子力発電所を建設するという話ではございません、発電の是非をめぐってのフィージビリティースタディーをやりたいという案件でございます。  内容といたしましては、インドネシアにおけるエネルギーの需給予測、二十一世紀の初頭にはインドネシアは石油の輸入国になるという説もございます。それから、従来の発電との比較検討を含めた原子力発電の経済性、それから肝心なことでございますが安全性、これに加えまして温排水、気象、地震、文化財あるいは植生等環境面への影響も含めた立地の適否等の調査を内容とするものでございます。既に、日本の企業が受注し調査を始めている問題でございます。  私どもといたしましては、政府も既に為替管理法上の許可も与え、通産省も貿易保険上の付保も行っている案件でございますが、金融上の諸点について、つまり輸出金融でございますからOECDのガイドラインとの整合性、それから債権保全についてのいろいろな問題点等をただいま検討中でございます。慎重に審査して結論を得たいと思います。

関晴正日本社会党・護憲民主連合

○関委員 とにかく、輸出入銀行が動いていくのに、この銀行の目的等とも照らし合わせて、そしてインドネシアの姿というものを見ますときに、国の意思があるからどうのこうのじゃなくて、この金を出すことによってその機関が動いていく将来図というものを見るときに、日本がそういう手伝いをするということはどうかということも考慮に入れて、そして慎重に対処していただくように、これは希望しておきたいと思います。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これにて関君の質疑は終了いたしました。  次に、楢崎弥之助君。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 一時間五十分もあるものですから、ゆっくりさせてもらいますが、今日までの予算委員会のやりとりを聞いておりまして非常に印象を深くしたのは、宮澤総理だけが点数を上げたんじゃないか。支持率もちょっと上がりましたね。なぜだと思われますか。今、創憲とか改憲とかいろいろわかりにくい言葉が出てきた中で、総理が護憲という姿勢を明確に示されたからじゃないでしょうか。私はそのような感じがいたします。そして、女房役の河野官房長官がテレビ等で非常にわかりやすくそのことを演繹している。できれば私はその姿勢をずっと持ち続けていただきたい、支持率が落ちないように。今から質問することで、またその支持率が変わるかもしれません。  それで、いろいろなスキャンダルが起こったときに、自浄能力を発揮する。今度、佐川問題が起こって、竹下さんの問題も起こった。総理は、総裁として自民党の中でもよく調査すると公約をされました。そして、四役が竹下さんをお呼びになってお調べになったところ、何らとがめるところはないという結論が出たやに、これは新聞ですからあれですけれども、本当にそうであろうか。私は、もう一遍その問題を明確にしたい。  勧善懲悪というのは世の常ですよね。悪いことは悪い。土井委員長はよく、だめなものはだめと言って人気を博しましたけれども、それが庶民の常識ですよ。けじめをつけるということがまた世間の道理じゃないでしょうか。道筋と言ってもいい。だから、テレビでもそうでしょう、勧善懲悪物がほとんどを占めているでしょうが。刑事物でもそうでしょう。最後にワルが逮捕される。時代劇でもそうでしょう。西村晃さんのあの黄門はどうですか。ワルに対して、助さん、格さん、懲らしめてやりなさい。そうすると、助さんがあの印籠をこう見せて、これが目に入らぬか。それで大体片づく。まだありますよ。里見浩太朗の「長七郎江戸日記」、印籠をこう出して、おれの名前は印籠がわり、迷わず地獄に落ちるがいいと言ってぱっとやるのですね。まだありますよ。松方弘樹、「遠山の金さん」。ワルを相手にしてもろ肌脱いで、この金さんの桜吹雪、散らせるものなら見事散らしてみやがれと言ってワルを切る。これだから受けるんですよ。だって、それが庶民の世界ですよ。庶民の代表である国会でもその勧善懲悪というものを明確にしなければ、政治に対する信頼は私は回復しないと思います。私は、そういう国民のあるいは庶民の常識にもう一遍返る必要があるんじゃないか、価値観を。  ちょっと話は違いますが、私は、皇太子の婚約のあのとき、感動したことが一つある。相手を選ばれるについて、価値観を同じにする人。お互い価値観を同じにしたいと思いますよ、本当に。  それで、せんだって富塚委員が質問しましたね。総理が、政治家と暴力団のかかわり方について、かかわりがあってはいけない。きょうも後藤田法務大臣がおっしゃいました。それで富塚さんが、暴力団のかかわりとは一体何だと聞かれた。そのときに、総理は冠婚葬祭等を例に挙げられた。私が竹下さんに申し上げたいのは、冠婚葬祭に出られる程度じゃないんです。そのものじゃないかということを今から言いたいのです。  去年十一月三十日に、私は五十分間集中審議で質問させていただきました。質問の相手の竹下さんがおられないものだから、何か独演のような形になって、私も非常に残念でした。それで、あのとき私は半分しかしなかった。あれだけ言えば竹下さんは当然議員をおやめになる、こう私は思っておったのです。ところが何か開き直られて、暴力団とかかわりがあるということで議員をやめた、責任をとったということになると、それを証明したことになるからやめない、何かわけのわからないような理由で今開き直られておるわけじゃありませんか。私はそっちの方が、今の態度の方が国際的には恥ずかしいと思うのですよ。  それで、要するに私が昨年十一月三十日やったのは、竹下さんと白神英雄という人との兄弟杯の事実を明らかにしたのであります。ああいう開き直られておりますから、これから以上やりますと若干個人のプライバシーに触れるかもしれないから、その辺は私も注意をしながら、英語の頭文字等を使いながらやりますが、おわかりの方は、警察関係は私はわかっていると思う。  それで、まさかきょうやる五日前の二月十日に週刊文春が記事を出すと思わなかった。あの記事はいいんですよ、私もやりやすくなったから。それで、あのインタビューに出ておる笠原幸男という人は、あの杯の立ち会いをした生き残った三人の一人であることは間違いありません。あの中に述べられておることはほとんど間違いありません。足らないことがたくさんある。私をあの記事の中で大変ばかにしたようなことをおっしゃっているけれども、そんなことはどうでもいいんですよ、あの人が知らないことを私が今から言いますから。  それで、文春の「独占スクープ 私は見た、竹下元総理と白神組長の「兄弟盃」」題がそうなんです。さっき申し上げたとおり、これは三人生き残っておられる立会人の一人であることは間違いない。あと二人いるんですね。そのうちの一人があの笠原さんの記事に出てくる頭文字のIという方です。あの人もわざわざIと、本名知っているはずのIと言っているから、私もIと言っておきましょう。私はY・Iと言ってもいい。その人が二人目ですね。もう一人いるんです。笠原さんのあのインタビューでは、楢崎はだれにも接触しないであんなことを言ってと。もう一人おるんですよね、これが。これは名前は言えませんけれども、私はそれだけはっきり言っておきますがね。  その杯の場所が、私は昨年十一月には東京都とだけ言いました。笠原さんは浜町の料亭脚半ということを明らかにした。それもそのとおりです、杯の場所は。ところが、彼は脚半がどこにあるか言っていない。私がはっきり言っておきましょう。マスコミさんは飛んでいくかもしれない。現在は、当時のおかみさん、もう三十年前だから今九十歳超えているはずです。いまだ健在ですよ。実質的には六十ぐらいの娘さんがやっている。それで、脚半という名前を今は変えて、花生という名前で、これは明治座の真裏、角にあります。電話番号を言っておきましょうか。三六六八―三九六三。正式の住所は、日本橋浜町二丁目三十九、はっきり言っておきます。これはあの笠原さんのところに書いてなかった。私はちゃんと確かめているんです。  笠原さんが言った中で、笠原さんとIという人がともに山口組系南道会白神組の組員であったことを書いておる。これは間違いありません。そのとおりであります。そして、Iという人は昭和四年生まれ、そこまでしか彼は言ってないが、詳しく言いましょう。昭和四年一月二十九日、大阪市西成区鶴見橋北通六丁目一番地、ここで出生をしております。私は戸籍謄本をとっているから間違いありません。  それで、あの記事の中で、女優の杉田弘子という人と三十七年九月十日、大阪グランドホテルで結婚式があって、その媒酌を務めたのが、その三十七年の明くる年、三十八年から九年にかけて通産政務次官をされておった竹下登さん夫妻が媒酌しておる、これは事実であります。それで恐らく、私もマスコミさんから聞きましたが、そのIという人と杉田弘子という人の結婚の媒酌をしたことは認められたようです、これは又聞きですが。しかし、Iという人はそういうやくざの人とは知らなかった、そうおっしゃるであろうと私は思っておった。それを知らないはずがない。なぜか。笠原さんも言うとるでしょう、竹下さんに言ったと、おれたちは白神組でIも白神組だと。あの記事に書いてあるでしょう。後で私、それを証明しますけれども。  それから、あの記事の中にOという者が出てきます。これは公明党の草川さんがせんだって質問をされました大元という人ですね。大元良一さんです。これはもう時間がないから、草川さんもやられたのでどういう仲であるかは省きます。私もよく知ってます。  それで、あの中で私の悪口をさんざん言っていますが、人気取りだとかなんとかかんとか、私はもう今さら人気とる必要ないんですよ。知名度も、笠原さんが知っているぐらいだから十分じゃないでしょうかね。だから、そういうことはどうでもいいのですが。  私は、聞いておきますが、笠原氏とこのIという人、警察はおわかりだと思う。白神組の組員であった事実を警察はつかんでいますか。

廣瀬權警察庁刑事局暴力団対策部長

○廣瀬政府委員 お答えいたします。  週刊誌に、笠原幸男氏なる人物とIなる人物が昔白神組の舎弟であったという記載があるということは承知をいたしておりますが、この報道内容だけではその人物の特定が困難でございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思い、ます。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 あの報道内容だけでは足らないなら、私のところへ来てください。詳しく申し上げます。  それで、あのインタビューに応じた笠原という人物は、こういう人物であるやに私の調べではなっておる。それが事実かどうかをまたお答え願いたい。  白神氏は、昭和四十九年に八紘会というのをつくる、そして八紘連合というものをまたつくる。だから、八紘会はその中核組織になる。その中に国民社という組織があります。その会長がK・Yという人であります。このK・Yという人も白神組の出身であります。故稲本氏と極めて近い関係にある。このK・Y氏は、今ではT組に転じております。そしてY会というものをつくっておられる方です。山口組きっての情報通と言われておる方です。笠原氏はこの白神組の舎弟であって、現在は、さっき言ったK・Yという人の相談役のはずであります。こういう事実はつかんでいませんか、笠原幸男なる人物について。

廣瀬權警察庁刑事局暴力団対策部長

○廣瀬政府委員 お答えいたします。  笠原幸男氏の名前で週刊誌に対応されておられるわけですが、その氏名並びに報道されております経歴等に基づきまして本人を最終的に特定するというのはいまだ至っておりませんので、答弁を差し控えさせていただきます。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 これからはっきりさせていただきたいと思います。そのためには粕谷委員長の御協力がぜひ必要であろうと、後から申し上げます。  今私が言った笠原という方の大体人物像は間違いないと思います。私が去年十一月三十日に質問したら、明くる日、十二月一日付で次のような手紙が北海道の江別から参りました。表紙はここにありますが、中身は別にここにワープロで打っております。こういう手紙が来ました。「十一月三十日の国会の予算委員会での先生の質問を拝見致しました。白神一朝氏と竹下氏との関係について、私が聞いたことをお知らせします。」白神英雄は世間に出ている名前で、一朝という名前を知っている人は本当に白神を知っている人ですよ、これは言っておきますがね。だから、この手紙の主は知っている人です、白神という人を一朝と書いているから。カズアサと言うのでしょうか。「昭和六十一年十一月初旬より一朝氏死亡後三月末まで」、あそこで死ぬんですね、サイパンで殺されて。「白神組のアネさん」、書いてあるとおり言います。二十四から二十五歳、名前は英語のK子としておきます、「と言っていたように記憶しています」、その「アネさんの仕事を手伝っていましたが、当然の如く一朝氏が現れサイパン行きを誘われたりその当時彼が極道を抜け出して右翼運動家になろうとしていることなどの話を聞かされたりしました。その中に先生御指摘の竹下氏との兄弟盃を交わし、しかもそれを返していないから」つまり、杯をまだ竹下さんは白神に返していないからという意味ですね。「それを返していないから「アイツは俺に絶対頭が上がらない」というのがありました。」「アイツ」というのは竹下さんのことを指しているのでしょう。「私は、彼等一流のハッタリと思い感心してみせただけで何時、何処でというような質問もしませんでした。この兄弟盃云々は、白神組系の組長連中は皆聞いているのではないかと思われます。」そのとおりです。  それで、「六十一年十一月頃、白神氏は大阪市内(鶴橋付近)の湯川病院(ノーベル賞の湯川博士の親戚とか聞きました)に入院中、系列の組長(五~六人)を集め「自分は極道を止めて右翼活動をする、俺についてくる者は来い、厭な者はそのままでよい。尚、白神組二代目は考える必要はない」というような話をしました。その席に京都会津小鉄会の人が立会い人的な感じで同席しておりましたが、今思えば三神という名前だったような気がします。」よく今まで出てきましたね、予算委員会でも。もう省きます。  「その年の十二月に一朝氏と一緒に上京、帝国ホテルのスイートに泊まりました。その頃もう金銭的にかなり行き詰まっており、ホテルに何人かを呼び寄せて持参の宝石類を売却させたりしていたのに、よくこんな処に泊まれるものだと不思議に思いました。(一泊三十万円位だったと思います)」それから先、よく聞いておってください。「その夜若い者に「極道の妻たち」」これはオンナと言うそうですね、極道の妻(おんな)。「「極道の妻たち」の家田荘子氏との連絡をとらせていましたが(取材を斡旋したのが白神氏)連絡がつかず何処かのテレビ局のプロデューサーに「俺の役どころに、あんな俳優を使いやがって……」というような内容の電話をかけていたこともありました。」「竹下氏周辺へブラフをかけたとしても不思議ではないように想像します。 私の名前、住所はこの通りですが、電話もないような処に隠れるように住んでいます。以上のような話のソースは伏せて頂きたく存じます。平成四年十二月一日」  それで私は大阪に三日間、北海道にも江別に人をやりました。そしてこれの裏をとりました。この手紙は完全に真実を述べております。  先ほど言いました白神組のあねさん、二十四歳から二十五歳、英語のK子、この方は健在です。たしか五、六年前、週刊現代に寄稿されております。それから、右翼運動家になろうとしているのは、さっき言ったとおり八紘会のことですね。  それから、六十一年十一月ごろ大阪の湯川病院に入院したと書いてありますね。これは、私は大阪で確かめました。確かに、湯川病院に彼は入院しています、六十一年。正式に言うと、湯川胃腸病院であります。湯川さんの親戚筋に当たる。大阪市天王寺区堂ケ芝二の十の二、電話〇六―七七一―四八六一。そして、入院期間、昭和六十一年十月八日から十月十二日並びに昭和六十一年十一月一日から十一月四日。病名、胃潰瘍。注、入院と入院との間は通院加療を行っておりました。これを調べました。だから、この手紙のここは裏が完全にとれております。  それから、問題は、私はこの接触した人から会社の名前は出してくれるなと言われました。ところが、あの週刊文春で既に笠原氏が言っておるのですね。だからもう私も言っていいんだろうと思いますが、富士車輌ですね。この富士車輌をつくった方が、島根の竹下さんと同じところなんですね。そして、初代がJ・Iと言う。二代目社長はT・Iという弟さんです。三十五年ほど前までは大阪の狭山というところにそのお父さんの本宅がありました。その長男さんはもう亡くなっておられます。それで、次男がさっき言ったY・Iという方であります。この人が杉田弘子さんと結婚した。現在、Y・Iさんはハワイにいるそうであります。これは私が調べた去年十二月の段階で、今聞きますと、何か大阪に帰ってきたやに聞いております。それから、杉田弘子さんはかわいそうなことに、戸籍を見ますと、昨年の三月に亡くなられております。芸名と本名と同じです。それで、私が調べたところでも、このY・Iという人は、白神組の子分になっておられます。だから、この手紙は真実であります。ここに戸籍抄本もあります。  そこで、私は、これからちょっとおかしいと思うところを申し上げたいと思います。どうしてかというと、笠原さんのあのインタビューでは、結婚のことは書いてある。その結婚が、実は異様な結婚であった。昭和三十七年九月十日の入籍になっておる、杉田弘子さんは。杉田弘子さん、私は知っています。年配の方は知っておられる方があるかもしれません。非常にユニークな女優さんでした。だから、この人が結婚するといえば、芸能誌はずっと押しかけるはずですよ。だから私は、地元から助手を呼んで、二日間、国会図書館でその当時の週刊誌を全部読みました。全然出てこないのです。なぜだろうか。やっと探し出しました。二年後に出ているのです。  どういうふうに出ているか。週刊誌にきちんと出ているのですね、二年後に、昭和三十九年、こう出ている。「九月十日、大阪グランドホテルで披露宴を行なったが、新郎側の希望で報道陣はいっさいシャットアウト。出席者も少なく地味だった。媒酌人は現通産政務次官の竹下登代議士」このとおりです。  なぜでしょうか。なぜシャットアウトしたんですか、マスコミを。媒酌人になればその異様さに気がつくはずです。花婿、花嫁の紹介も媒酌人はするわけですから。だから、そういう形式になるとしたら、恐らく数日前竹下さんの耳に、マスコミはシャットアウトするということが耳に入っておかぬとおかしいですよ、これは。だからなぜか。つまり、花婿側の希望によってそうなった。花婿側がいわゆる極道ですから。この笠原さんもそうですが、笠原さんも出ている、極道さんが出ているんですから。詳しいことは私はあさって本人に確かめます。  それで、私は十一月三十日に、後藤田法務大臣はまだ予算委員でありましたね。あのときに私は言ったはずです。これが、この事実が、つまり杯の事実が六十二年、中曽根さんが総裁指名の前に公になっておったら、後藤田先生はこの大事なそのとき官房長官だった、恐らく指名しなかったんじゃないですか、竹下さんを。つまり、竹下さんにとっては、総裁指名を受けるについて、いろいろほかにもあるかもしれないが、最も知られたくない事実じゃなかったんでしょうか。もし指名前にこの事実がはっきりしておったら、中曽根さんは竹下さんを指名されたんでしょうかね。女房役の後藤田官房長官はどうお考えになりますか。

後藤田正晴自由民主党法務大臣

○後藤田国務大臣 私は、中曽根内閣の最後のころ官房長官をやっておりました。その当時、次期総裁をだれに指名するかといったようなことでいろいろな人が動いており、また、そういった関係での情報等も承知をいたしておりましたけれども、自由民主党の総裁というものは、即現状では総理大臣になるわけでございますから、したがって、私は、だれを中曽根さんが後継総裁に指名するかということについては、一切意見は言わないということにいたしておったわけでございます。  ただいまおっしゃったような竹下さんにまつわる暴力団との関係等は、全くございません。そのことは長い間の竹下さんとのおつき合い、さらにはまた政治の先輩として大変裏表にも私は実は承知をいたしておりますが、私の知る範囲において、楢崎さんがおっしゃるようなことは竹下さんについては全くなかったということを私はお答えをいたしたい、こう思います。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 後藤田法務大臣がそうおっしゃるのはよくわかります。しかし、御存じないんだと私はここで断定をしておきたい。  したがって、私は、これは中野寛成委員が同じような質問をした、杯の話はされなかったけれども。大阪では竹下さんと白神組長の親密な仲がいろいろ言われておるがということを竹下証人に中野委員が聞かれた際に、竹下さんは、中野さんは言いもしないのに、その種の怪文書は読みましたと自分で言うので、語るに落ちるんですね。そして、そこに出てくるものは一切知りませんと。つまり、白神さんも知らぬということですよ。もし私が言ったことあるいはその立ち会った笠原という人が言っていることが本当ならば、竹下さんは知らないわけないでしょう、白神氏を。杯しているんだから。そして、杯を返す前に亡くなっているんだから。あの世界では杯を返せば縁が切れるわけです。杯がそのままであれば兄弟というその位置は変わらないんだそうです。だからその仲間じゃないですか。  それで、これは偽証に当たる。当委員会は偽証をすべきであると私は思いますよ。それで、私は、手続がややこしいから委員長にお願いしたいのは、この笠原幸男という人は立ち会いをした人ですから、みずから名のっておりますから、理事会に呼んでいただいてその真偽を確かめていただきたい。そして、もし本当であれば、これは当然与党の方も偽証であるということで承知なさると思う。  なお、念のために言っておきますが、マスコミの一部はこのときの写真を手に入れておるそうですから、それだけは言っておきます。  それで、その点は委員長にお願いをいたします。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 ただいまの委員のお申し出ですが、後刻理事会で協議をいたします。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 大事なことですから、ぜひそれをお願いします。公よりも理事会の方がいいと私も判断をいたしますから、そのようにお願いをいたします。  それで、富塚委員がいろいろ質問されたときに、右翼、暴力団とすぐ続けられるが、切り離してくれと総理はおっしゃった。ところが、真正右翼もあれば、右翼暴力団と言われる方もおるのですよ。  ここに「FBI捜査官」という本が出ております。これはウィリアム・E・オライリーという人が書いておる。このごろ出ておる、先月。そして、この冒頭に白神氏のことが書いてある。そのFBIが追っておった。つまり、日本のいろいろ出回っておる麻薬やけん銃のことについて追っておったようにこれに書いてあります。その方が私の質問を聞かれて非常に興味を持たれて、証人喚問のときは別の本を見せますけれども、どんなに右翼と暴力団が一緒であるか、宮澤総理はまじめなお方ですから余り御存じないと思いますが。(写真を示す)つまり私が言いたいのは、こんなふうに早変わりするんです、右翼と暴力団が。それをちょっと言っておきたかっただけです。  それで、これに書いてありますが、こんなふうに、たまがったと。日本語ではたまがっただよ。驚いだということです。「今は世界的に有名な旅先での日本人のマナーの悪さなどはその典型ではなかろうか。一般旅行者のマナーが悪いのだから、同じ国民であるやくざがそのまねをしたからといって、それを責めることはできないであろう。」というようなことなんかを書いてずっとなっておる。  それで、右翼といわゆる暴力団、どう区別したらいいんでしょうね。大体私は、暴対法、新法もできました、それで分けるのは無理があると思うのです。行為で分ける必要があるのじゃないですか。つまり、暴力を使ったり恐喝したり脅迫したり、そういう行為で分けるべきではないか。名前の右翼と暴力というふうに分けずに、行為で分ける必要があるのじゃないか。そう思いますが、いかがでしょうか。総理でも法務大臣でも結構です。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 せんだってこの委員会で、右翼、暴力団という、ちょっと続けて何度か御発言がございましたですね。  それで、今こういうお話の続きでお答えするのは少しちゅうちょしますけれども、私は本当に考えておりますのは、暴力というものはどういう場合にも許せないものだと思うんですね。ところが、右翼とか左翼とかいうものは、純粋にそれ自身で考えますと、それは私は思想の問題だろうと思うんです。結構極端な思想であることもございます。がしかし、思想である限りは、我が国の憲法では思想の自由というものはございます。それをはっきりしておかなければいけない。しかし、暴力の自由というものはありません。それを一緒にしちゃいかぬということを私は実は申したかったのです。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 全くそのとおりですね。この前、一月の七日の日に、右翼です、右翼連合のことを去年の十一月三十日に言って、自由と平和を守る会という名前になっておるが、毎年八月六日にやっている、北海道から九州まで装甲車で。そうしたところが、私に会いたいと、こう来ました。七日の日に、私の質問に関することですから、後で問題が起こっちゃいけぬから、議運とそれから会館の責任者に相談をして第二議員会館で会いました。五人にしてくれと言っておったのに七名来ました。当方は楢崎一人です。  そこで私はいろいろ言った。私は同じことを言った、今、宮澤さんと同じことを。つまり、結社の自由があるのだ、それで、法令に触れない限りはつくられても別に何ということはないでしょう、私はそう思うということを宮澤さんと同じように言ったのですよ。つまり、暴力行為があったのじゃ、そのときから暴力団と変わらなくなる、このように私は思うのですね。  それから無言の圧力、それが褒め殺しです。そのときに、こう言いました。名誉会長に竹下さんを何であれしたんかと聞いたのです、その右翼の人に。そうしたら、最初は、勝手にやったのだ。勝手にやることはよくないじゃないかと言いましたら、何と答えたか。暗黙の了解があります。それは私が言ったのじゃなく、右翼の代表が言った。竹下さんは竹下輝励会ですかこれが地元の島根と高松にできています。皇民党です。主宰者竹下登というのです。私の調べただけで六年間続いておる。どうして竹下さんは文句を言わないんですかね。森さんもそんなことでいじめられたでしょう。同じ名前でしょう。そういう無言の嫌がらせ、圧力もあるんですよね。だからその辺を私はきちんとすべきであろう。この暴力団の関係はこのくらいにしておきましょう。  次に、私は、中国の敦煌の莫高窟の学術調査団のことについていろいろお聞きしたいことがあるから、団長をされた平山郁夫画伯を、日中友好協会の会長さんですけれども、ぜひ参考人として来ていただけまいかと委員長にそれをお願いした。それで、委員長から私のところに返ってきたのは、血圧が高い、自宅療養中、まあそこはいいでしょう、よく使う手だから。  その次です。これを委員長、お読みになりましたか。その次です。さっき言ったとおり、私の要求は、敦煌石窟学術調査に関する件、それしか書いてないんですよ。それをお答えの方はこうなっている。「巷間言われていることは、文部省、法務省、警察当局も何のいわれもないこととして了知している」、何ですか、これは。私が聞きもしないこと。委員長、おわかりになりましたか、この意味。首をひねられたからわからぬでしょう。委員長がわからないことを私がわかるわけがない。何ですか、これ。「巷間言われて」、巷間何が言われているのです。そして「文部省、法務省、警察当局も何のいわれもないこととして了知している」そうですね。  じゃ、一々聞きましょうか。文部省、文部大臣、巷間言われておるとはどういうことですか。

吉田茂文部省大臣官房長

○吉田(茂)政府委員 先生御指摘の文書と申しますか手紙につきましては、文部省としては承知をいたしておりません。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 法務省はどうですか。こう書いてあるんですよ。何が言われておるのです。

濱邦久法務省刑事局長

○濱政府委員 法務当局のお答えも全く同様でございます。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 警察当局はどうですか。「文部省、法務省、警察当局」「何のいわれもないこと」、世間で言われておること、そう言っておりますというのが返事ですから。警察当局は何か世間で言われておることを御存じですか。

菅沼清高警察庁警備局長

○菅沼政府委員 お答えいたします。  どういうことであるか、私どもとしては承知いたしておりません。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 委員長にお願いします。  さっき委員長は御存じないでしょうと言ったが、委員長は御存じない……

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 皆目わかりません。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 そうですね。事務局から来たそうですから。  今お聞きのとおりです。ちょっと予算委員会を軽視しているんじゃないですか。幾ら竹下さんと仲がいいからといって、こんなことで済ましてどうなるんです。私は、平山さんが来たら聞きたいことがある。答えてくださいよ。もし答えられぬようだったら、平山さんをもう一遍呼んでください。委員長、どうでしょうか。こういうことを聞きたかった、平山さんに。いいですか。  必ず報告書を出さなければいけませんね、文部省、調査団を出したとき。そうでしょう。どうですか。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川政府委員 文部省が支出いたします科学研究費補助金によって学術調査を行われた場合には、必ず文部省の方に終了時点で報告をいただくことになっております。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 その文部省に来た報告書をどうしますか。文部省だけでとどめておきますか。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川政府委員 これはすべて学術調査がきちっと行われたという証拠になる物件でございますので、それは文部省にとどめておきます。調査報告書というのは、そのほかにもたくさん関係のされた方がおられるわけでございますから、その調査に当たられた団が適切と思われるところに配付されるというぐあいになっております。ただ、そのうち必ず文部省には報告するということでございます。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 それは違っていますね。違っています。法律があります。文部省の科学研究費補助金研究成果報告書、どう利用されるか。国立国会図書館法二十四条を見てください。どこが係ですか。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川政府委員 報告書につきましては、国立国会図書館の方に提出するケースがほとんどでございます。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 やっと答えが出ましたね。二十四条、そうなっておりましょう。読んでみませんか、そこで。皆さん御存じないから。図書館に必ず出さんならぬ。しかも、どう書いてありますか、この二十四条。読んでごらんなさい、ちょっとそこで。大事な点があるから。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川政府委員 ただいま手元に持っておりませんので、お読みすることはできません。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 平山さんがおったら、これを聞きたかったんだ。そういうことを知ってあなたは措置したか。  こうなっているのです。二十四条ですよ。出版されたら直ちに国立図書館に納入しなければならない。直ちにです。出版されて国立図書館に納入されたのはどうなっているか。三回派遣しています、調査団を。第一回目、刊行された、それが出版されたのが六十年の三月、図書館に行ったのは三年後、六十三年八月一日。これが直ちにになりますか。第二次、これは六十二年の三月に出版された。これが一年半後、六十三年の十一月二十日に入館された。第三次、平成元年三月に出版された。いつ納館されたか。二年後です、平成二年の三月一日。法律違反ですよ、これは。こういうことを平山さんが知っておるか、聞きたかった、私は。これには意味がある。意味があるからですよ。なぜか。なぜすぐ納められなかったかですよ。報告書に問題があるからだ。  それで、私は以下まだ聞きましょう、平山さんが来たら聞こうと思っていたことを。  第三次報告書、ちょっと今見当たりませんが、覚えておりますから。第二次報告書は、エックス線を向こうから、莫高窟のいわゆる顔料とか試料をちょっちょっちょっと持ってきて、そして国に帰ってきてエックス線で第二次の分は分析している。第三次はどうなっているか。立教の原子力研究所で原子力を照射している。そして、その分析をしています。  科学技術庁長官、立教の原子力研究所にそういうことを依頼する場合のルールがあるはずです。どういうルールがありますか。

佐竹宏文科学技術庁原子力安全局長

○佐竹政府委員 お答えいたします。  原子炉の使用の目的につきましては、原子炉の設置許可の段階で行政庁、科学技術庁におきまして厳重に審査を行っております。熱中性子放射化分析を行うことが許可内容に入っておりますれば、原子炉において熱中性子放射化分析を行うことができます。  また、立教大学の原子炉につきましては、その使用の目的として放射化分析が挙げられており、設置許可の段階において放射化分析を行うことを前提にして科学技術庁で厳重な審査を行い、許可をしております。したがいまして、立教大学において放射化分析を行うことは可能です。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 法律の名前がありましょう、もう少し細かい。申し上げましょう、時間がないから。放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律、これがありましょう、まず。そして、それをやるときには科学技術庁長官の許可が要りましょう。許可しましたか長官は、この分析について。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 挙手をしてください。――原子力安全局長。

佐竹宏文科学技術庁原子力安全局長

○佐竹政府委員 お答えいたします。  立教大学は許可をとっております。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 そして、その原子力を照射する、つまり、その物体はいわゆる被曝をしているわけです。これを動かせますか、法律的に。

佐竹宏文科学技術庁原子力安全局長

○佐竹政府委員 放射化した物は適当な状態で管理することもできます。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 そんなでたらめを言っちゃだめですよ、これは法律でやっているんですから。  運搬するときも法律があるんです。どういう法律が、覚えておきなさい。放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された物の工場又は事業所の外における運搬に関する技術上の基準に係る細目等を定める告示というのがあるはずです。昭和五十五年十一月十八日科学技術庁告示第九号、運搬する人間はこれに従わなければいけない。今どうなっています、その物質は。まだ立教の原子力研究所にありますか。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川政府委員 ただいま先生御指摘の試料と申しますのは、敦煌の研究員が保存、修復の作業中に採取いたしました剥落あるいは劣化した顔料の小さな破片だと思います。一つ当たりの破片が〇・〇〇二グラム、長さが〇・二ミリメートルというようなことを聞いております。  それで、この試料を持参いたしましたのは、中国から東京芸術大学に客員研究員として来日した研究者でございまして、研究用として試料を持ち込んだものでございます。これを分析いたしました後、放射性廃棄物として処理されたものにつきましては、当然持ち出しできないわけでございまして、持ってきたものと持って帰るもの、持ってきたのは試料七点、持って帰ったものについては試料六点というぐあいに聞いております。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 だから、今どうなっていますか。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川政府委員 これは放射性廃棄物として処理されたというぐあいに聞いております。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 あなたはそれを調べて言っているんですか。あなた、ちょっと、どなたか知らぬけれども。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川政府委員 これは、そういうぐあいに東京芸術大学の方から報告を受けておるわけであります。(楢崎委員「うそを言っちゃいけませんよ、そんなうそを言っちゃいけませんよ」と呼ぶ)

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 楢崎委員、まだ御発言の許可を与えていません。楢崎君。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 そんなことを言うはずがない。うそを言っちゃいけませんよ。学術調査団が知らないんだから。立教の原子力研究所にあるはずです。物体が被曝しているからなかなか難しいのです。うそを言っちゃいけませんよ。  もう一つ聞いておきましょうか。今あなたが、その向こうの研究員が持ってきた、Dという人です。それは書いてある、報告書に。日本人はもちろん、外国人はもちろん、たとえ中国人であろうと、その物を持ち出すためには中国の法律がありましょう。御存じですか、文部省。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川政府委員 中国の方におきましては、当該の研究院長の了解、それから中国文物局外事処の持ち出し許可というものを受けたというぐあいに東京芸大から報告を受けております。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 どういう法律があるかと聞いているのです。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川政府委員 中国側の法律につきましては、詳しいことは存じません。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 もし平山さんが向こうに行ったら、歴史的にも向こうの中国の大事な古仏ですから、当然そういうことをしていいかどうかの法律ぐらい知っておかなきゃいかぬ。私は、平山さんにそれを聞こうと思うのです、知っているか。あなたが知らないぐらいだから、平山さんが知るわけないでしょう。ここにあります。中国課の人おりますか、外務省。

池田維外務省アジア局長

○池田政府委員 法律につきましては、私は残念ながら存じ上げておりません。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 どうしましょうかね、これ。(発言する者あり)委員長の許可を得ると私も言われましたが、許可をもらって発言してください。(「許可もらっているよ」と呼ぶ者あり)だれがですか。いや、今その辺で言った人です。(「不規則発言に相手しちゃだめですよ」と呼ぶ者あり)いや、余裕があるからね。

佐竹宏文科学技術庁原子力安全局長

○佐竹政府委員 楢崎先生、先ほどその試料はまだ立教大学にあるというふうにおっしゃいましたが、私どもが確認しておりますところでは、その試料はもう日本アイソトープ協会の方で廃棄されております。日本アイソトープ協会は、法令に基づきまして輸送の許可また廃棄物を廃棄する許可を持っております。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 廃棄しちゃいけないんですよ。送り返さなくちゃいけないんですよ。そういうことも平山さんに聞きたかった、団長として行っているんだから。  委員長、これがその法律です。中国語です。だから、私は中国語のわかる人がおったら訳してもらいたかった、私の訳が違っておったら困るから。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 私も浅学でして、これをちょっと見てもすぐ即座に読めませんから、お預かりしておきます。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 正式に外務省に記させてください。私が、中国語のわかる人に訳してもらったそれを披露しておきます。  この法律の名前は、中華人民共和国文物保護法、これが法律の名前。これの第六章、文物の海外持ち出しという項目がある。  文物の海外持ち出し申告、文物の輸出及び個人の文物海外持ち出しはすべて事前に税関に申告しなければならない。国家文化行政管理部門の指定の省、自治区、直轄市の文化行政管理部門が審査をする。審査を経て輸出許可証が出される。文物の海外持ち出しは必ず指定された港から出さなければならない。どんなに小さなものでも。そして審査される。審査の結果持ち出しができない文物については国家が買い取ることができる。国務委員の批准を得て海外で展覧会を開催する以外は、重要な歴史的、芸術的、科学的価値のある文物は一切海外に持ち出すことはできない。ぴしゃっとこうなっている。  こういう法律を平山さんはクリアしたのかどうか、文部大臣、平山さんに聞いてください。責任持って聞いてください。だから、私は、これを平山さんに聞きたかったのですよ。  何も私は問題にしてもいない、これからするかもしれませんけれども。巷間言われていることは文部省、法務省、警察当局も何のいわれもないこととして了承しているとは何ですか、これは。ふざけるなと言うのですよ。呼びなさいよ。理事会で相談してください。答えられぬでしょうが。だから、団長は知っておるかもしれぬからと思って、だから、ぜひこれは参考人として私は呼んでいただきたい。ぜひお願いをいたしておきます。委員長の御見解を聞いておきます。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 後刻、理事会で協議をさせていただきます。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 まだ私は平山さんに聞きたい重要なことがあったのですよ、実は。それが巷間言われておることに関係するから。あの人は自分でわかっておる。それで、先にこんなことを言っているのですよ、私が言わない前に。だから、今度お見えになったときじっくり聞きますから、この巷間言われておることは。  それで、こういうことどもがあってなかなか報告書はすぐ図書館に出せなかったのです、総理。法律は「直ちに」と書いてあるのに出せなかった。そういういわれがある。  まだあるのです。これは竹下さんが総理大臣になられてすぐ、六十二年の十二月たしか二十六日、総理の「動静」というところに平山郁夫という人の名前が出てきた。そして、問題の画商、福本邦雄さん。念のために申し上げておきますが、今問題になろうとしておる金屏風とこの平山画伯、福本邦雄さんは関係があります。念のため申し上げておきます。そういうことどもが世の中で言われておるということではないかと思うのですけれども。  それで、私は河野官房長官にちょっとお願いをしたいことがあるのです。そういう記録が官邸にあるかどうか。つまり、六十二年、もう随分前になりますが、十二月二十六日だったと思います、さっき言った「動静」に平山さん、福本さんが出ている。そのときに、東京佐川の渡邉さんを官邸で平山さんに紹介したんじゃないですか、竹下さんは。だから、渡邉東京佐川旧社長がそのとき来ておったかどうか、官邸に記録があればぜひ河野官房長官にお願いをしたい。なければもうしようがありませんけれども。それを証言する人がおりますから、念のために官房長官、どうでしょうか。

河野洋平自由民主党内閣官房長官

○河野国務大臣 お尋ねの件、一遍調査してみます。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 そして、平山さんからも言われたんでしょう。  もう一つ長官に調べておいていただきたい。  三井の八尋さんが、ちょっとわけを言いますと、私もあの三井三池の大闘争に参加をいたしましたが、今はあの跡地が大変なんですね、荒尾市、大牟田市にとって。そして跡地の一部が、三井グリーンランドというものが今できています。そこに新しくその三井グループが株式会社アジアランド企画というものをつくって、一緒になって、その敦煌の莫高窟の大レプリカ、三百メートルに及ぶレプリカですよね、要するに、それを持ってきて、そしてそれの意匠権なんかもとってきて商売する。そのために今言いましたアジアランド企画というのができた。  それで、竹下さんは総理になられた明くる年、八月二十五日に日中首脳会談をされましたね、北京で。そのとき、二国間の経済文化協力をあれされた。それはいいんです。私は歓迎します。間違っておったら間違っておると言ってください。そのとき、総額約八千百億円の第三次円借款を約束されたはずです。二番目に、日中平和友好条約締結十周年記念の大型無償資金協力も約束されている。三番目に、今申し上げた、これは平山さんからあふられて、あるいは三井からあふられて、敦煌遺跡の保存協力、文化交流促進、それを約束された。これは日中の二十一世紀委員会で検討が進められるようになった。外務省、間違いありませんか。

川上隆朗外務省経済協力局長

○川上政府委員 事実関係につきましては、正確に後ほど確認させていただきたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 後ほどと言いますから、答えがあったときに質問する時間を与えてください。どうでしょうか。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 理事会でまた御協議をさせていただきます。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 もう一つ、じゃ宿題を与えておきましょう。どうせ答え切れぬと思うから、今の状態だと。  その竹下さんが訪中された際に敦煌の遺跡の文化財保存のために十億円の支出を表明された。間違いありませんか。

川上隆朗外務省経済協力局長

○川上政府委員 敦煌の石窟の文化財につきましてはいろいろな経緯がございまして、六十三年の八月の竹下総理大臣、当時の、訪中の際に文化財の保存にかかわる協力を中国側に表明いたしております。その後、中国側から正式な要請が出てきて、金額等について合意に至ったという経緯でございます。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 平成三年度はその十億のうち幾ら、四年度は幾ら出されましたか。そして合計幾ら。

川上隆朗外務省経済協力局長

○川上政府委員 本件の協力は一九九〇年度、平成二年度から始まっております。詳細設計から始まりまして、九一年度第一期、九二年度第二期ということで、それぞれ金額を申し上げますと、〇・七二億円、一・二億円、八・五五億円、合計九・七五億円ということになっております。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 約十億弱ですね。  それで、その後、日にちをはっきり言っておきますが、六十二年の十月二十五日、国土庁は地域拠点整備法案というものを出したんじゃないですか。国土庁長官、どうですか。

井上孝自由民主党国土庁長官

○井上国務大臣 突然のお尋ねでちょっと記憶がございませんが、六十二年……(楢崎委員「十月二十五日と聞いております」と呼ぶ)ああ、そうですか。よく調べてみます。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 これも答弁ができないそうですから、答弁されたときに質問の時間をいただきたい。  これは、申し上げておきますけれども、四全総の柱である多極分散型国土づくり、こうなっています。その中で基本構想に盛り込むのにふさわしい候補プロジェクトとして、この熊本、福岡にわたる、先ほど申し上げた九州アジアランド構想を後押しする構想を国土庁は示しておる。これは一体どうなったんだ。これもどうせ後ほどになりましょうが、調べて御報告ください。  それから、六十一年十二月三十日、通産省、これは中国、東南アジア地域との人や技術や文化など幅広い交流の拠点づくりを推進し、その一つとして熊本県、三井物産など三井グループと共同で九州アジアランド建設計画を進めることを通産省は明らかにしました。十年計画、総投資額約千八百億円。通産省は六十二年度予算で、たしか三井鉱山に五百万円の調査費を計上しているはずです。これは調べてください。熊本県もそれに応じて六十二年度に熊本県も調査費を具体化しておるはずです。  一体どうなったかということです、私が聞きたいのは。これほど国土庁も通産省も竹下総理も応援をしたこの計画は一体どうなったか。アジアランド企画、どうなったか。全部ぶっ壊れたんでしょう。責任はだれが一体とるんです。  それで、これはいろいろ私は原因が考えられると思う。まず、三井グループの考えが甘かったのではないか。そんなに三百メートルにわたる大レプリカを許すはずないですよ、中国側が。現に十五回交渉をやって、それができなかった。最後は一個か二個かという話になったらしいが、それでは商売にならない。  まだあります。財団法人の文化財保護振興財団、これが昭和六十三年六月一日につくられましたね。文部省どうですか。

佐藤禎一文化庁次長

○佐藤(禎)政府委員 お尋ねの文化財保護振興財団につきましては、昭和六十三年六月一日にその設立が許可をされております。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 その運用資金はどうなっていますか。どこから集めたんですか。

佐藤禎一文化庁次長

○佐藤(禎)政府委員 これは、設立当初の収支その他入り組んでおりますので必ずしも分明ではございませんけれども、もともと財団法人は民間の発意によって発足をするものでございますので、関係者の御寄附を仰いで発足をしたもの、このように理解をしております。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 幾ら集まりましたか。

佐藤禎一文化庁次長

○佐藤(禎)政府委員 私どもに出ております六十三年度の決算額によりますと、当期の収入額は約三億八千万円というふうに報告をされております。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 今、時間が余りないぞという理事の注意がありました。それで、はしょっていきましょう。  つまり、この文化財保護振興財団、これを登記で見てみますと、こうなっていますね。「シルクロード周辺地域及び精神文化の基盤となった仏教伝来の経路の地域を主たる対象とする」、ここまではいいです。その次、「第一段階として、敦煌莫高窟の保護援助事業を行う。そして敦煌石窟の芸術陳列館をつくる。そして石窟内部の壁画の模写、あるいは塑像の複製を展示する」、アジアランド企画と同じです、これは。アジアランド企画と全く、目的が。そのために文化財団をつくったのです。何でこんなむだなことをするんです、三井グループのために。はっきり言っておきますが。だから私は、なぜこの企画が御破算になったか、明確にしてもらいたい。これは文部省も責任がある。竹下さんはもちろん責任がありますよ、大きなことばかり言ってきたのだから。  それで、私は、平山さんですね、失礼ながら仲は知っていますよ、竹下さんとの仲は。それは立派な芸術家です。そのことを私は否定しません。竹下さんのあの二十五周年の絵も平山さんがかかれた。ただ、ちょっと行動が芸術家の行動をはみ出している点があるのではないか。私はそれを平山さんが来られたら指摘をしたいと思います。それで、ぜひ平山さんを呼んでいただきたい。そのときに以下のあれをやりたい。何でこれは御破算になったか、株式会社九州アジアランド企画が御破算になったか。それも、文化庁でも文部省でもいいから明確にしてください。きょうは大分宿題を与えておりますけれども。  ちょっと、せっかく質問の項目に書いておりましたから、しておかぬと悪いと思いまして、言っておきますけれども、大蔵大臣、あなたの責任ではないけれども、千代田生命、私は何年か前ですが、生命保険会社のあり方について問題にしたことがある、予算委員会で。株式会社になっているのは一社か二社のはずです。あと全部、いわゆる保険料を出している人が社員になっていましょう。株主総会やら、ないんです。自由なことができる。そうすると、これの監督責任はどこにありますか、生命保険会社の。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○林(義)国務大臣 とっさのお尋ねでございますからあれですが、保険業法に基づいて大蔵大臣が監督している、こういうふうに了解しております。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 係が来ておりますからね。生保を管轄するのは大蔵省銀行局保険部のはずです。間違いないですか。

鏡味徳房大蔵省銀行局保険部長

○鏡味政府委員 先生のお話のとおりでございます。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 千代田生命がバブルのときに非常に金をばらまいた、保険契約者から取った金をですよ。それで今あっぷあっぷ。不良融資債権はどのくらいありますか、この千代田生命の。調べていますか。

鏡味徳房大蔵省銀行局保険部長

○鏡味政府委員 私ども行政当局が特定の生命保険会社の不良債権を公表することにつきましては、当該生命保険会社の信用に影響を与えるとともに、保険契約者等の判断に影響を与えかねず、ひいては保険契約者等の保険事業に対する信頼に影響を及ぼし、事業の円滑な運営を損なうことになりかねないこと、また、生命保険に対する行政監督は一般に行政当局と生保会社との信頼関係に基づいておりますが、この信頼関係は秘密、秘匿を前提に成り立っているものでありますために、行政当局が監督上知り得た情報を公表した場合には、そのような信頼関係が崩れ、円滑な行政執行に支障を来すおそれがありますことですから、この点に関しましては答弁を差し控えさしていただくことをお許しいただきたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 口に出せないほど、みんなびっくりするほどの不良債権を出している。具体的に私は挙げてもいいですよ。挙げましょうか、じゃ。  私が調べただけでアイチ、ちまたの金融の帝王と言われておるMという人がやっていますけれども七百億円、M個人に十八億三千万、そのほかに二人の娘さんに十八億円、十二億円出しておる。あのチョウネクタイで有名なホテルニュージャパン、Yという人です。東洋郵船七百五十億、私が調べただけで。まだ多いと言われておる。日本トライトラスト、有名な鶴巻グループ、有名というよりも、悪名高いと言った方がいいです。なぜか、後で明らかにしていきます。ここは四百億円出しているはずです。不動産会社の愛時資百五十億円。この愛時資というのは、平和相銀の不良債権にも出てきますから、後で問題にします、いずれ。  しかし、そのほかに日本オートポリス、これは鶴巻、九州、大分県上津江村、いわゆるF1を回すサーキットをつくる会社ですね。それで、これはどうなりました、このオートポリス。どうなったでしょうか。建設会社間組、未払い何百億円とある。それで間組の社長さんは責任とってやめたんじゃないですか。こういうことは、大蔵省調べておかぬといかぬですよ。  それで、そのオートポリスのことについて、九州ですから、ちょっと聞いておきますけれども、この日本オートポリス、大分県上津江村、社長鶴巻智徳、F1のサーキットをつくる。警察にお伺いしますが、この方は逮捕歴があるんじゃないですか。

廣瀬權警察庁刑事局暴力団対策部長

○廣瀬政府委員 お答え申し上げます。  一般的に逮捕歴があるのかどうかということは答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 そういうときには、あるということなんですよね。大体、そういう答弁をするときにはあるということで、ないときはないとはっきりおっしゃるのだ。まあそれはいいでしょう、あるんだから。  暴力団の稲川会との関係を把握していますか。

廣瀬權警察庁刑事局暴力団対策部長

○廣瀬政府委員 お答え申し上げます。  一般論として申し上げざるを得ないのでありますが、ある特定の人物が暴力団と関係があるかどうかということにつきましては、当該人物が暴力団と関係して行った行為を犯罪として検挙した場合等、警察として公表すべきと判断した場合以外は、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 今法務大臣がお笑いになっていらっしゃる。ああいう答弁のときはあるということなんです。もういいですよ、それ以上言わなくて。  私が言いたいのは、もっとある。この日本オートポリスが九〇年十一月三十日、全日空ホテルでまことに派手なオープンセレモニーをやった。この日本オートポリス、F1というのは非常に流行的ですよね。ここに、竹下さんと日本電気の小林宏治名誉会長さんが出られておりますね。そして祝辞を述べておられる。大体出席した人は、はあ竹下さんと日本電気の小林さんが来れば、これはといってみんな信用するんじゃありませんか。それでこの日本オートポリスの信用供与を与えるのに竹下さんは協力された。  私が言いたいのは、消費税、我々は反対しました、もう定着しておるようですけれども。その消費税の生みの親は竹下さんでしょう。そうでしょうが。そうしてこの消費税導入でうまい汁を吸った企業がたくさんありますが、自動車業界もその最たるものである。だからこのオートポリスのオープニングセレモニーに協力するように依頼した、竹下さんが。それで竹下さんはのこのこと出て行って褒めたたえて、それでおまけに、オートポリスのオープニングセレモニーに協力するように依頼を頼まれたのは、その自動車業界の日本自動車工業会総務委員長です。名前は言いません。その委員長は、会員の十数社の幹部に竹下さんの意向を伝えた、日本オートポリスを応援せよ、と。それで、大体、暴力団と関係のあるこの鶴巻氏が率いる企業に竹下さんは結果的に便宜供与したことになる。しかも依頼した先が、先ほど言ったとおり消費税で一番うまい汁を食った自動車業界。だから、これは私は問題があると思います。これがつぶれた。一体、間組のことをさっき言いましたけれども、どうなるのです、これは。どうなるのですか。一民間企業じゃない、竹下さんがわざわざ出かけていって激励、奨励している。その責任を私は明確にしてもらいたい。  そして、ついでに言っておきますが、この千代田生命保険の社長さんである神崎安太郎さん、この方は竹下さんの後援会の登会に入っておられる。そして竹下さんから頼まれて旧竹下派の若い人の親睦会をつくられておるはずです。その名前はもうよしておきましょう。よしておきます。だから、竹下さんがこの鶴巻氏に非常に関係があるということだけを私は申し上げておきたいと思います。  あと、実は久しぶりに、今まで五分とか六分やったから、私が勉強した外交、防衛、なかなか手が届かなかった。きょう外務大臣がああいうことになられてまことにお気の毒だと思います。入院されて気の毒だと思いますよ。そうでしょう。見舞いに行きたいくらいでありますよ、かわいそうに、あなた。テレビ見ていたら顔が青かったですよ。私は心配しておった。案の定と言っては悪いが、無理をされぬ方がいいですね。それで、外務大臣はよろしゅうございます。  私は、総理、こういう考えを持っているのです。今、私は政党としては社民連です。社会党と院内統一会派を組ませていただきました。社民連は、安保条約については、これはまだソ連が崩壊しない前ですよ、必要である、アジアの枠組みというものがあって。だから、今一方的に日米安保を壊すというのはその枠組みが崩れる。ソ連がそうなる前ですよ。あの安保条約というのは二つから成っておるでしょう。河野さん、御承知でしょう。最初の方の項目を見てごらんなさい、経済協力ですよ。その次が軍事面の安全保障です。だから私は、この経済協力の面をなるだけ拡大していく、そして、できれば軍事面を減らしていく。それが我々の考えです。  ついでに自衛隊のことを言えば、私どもは、我が国は独立国家として個別的自衛権は固有の権利としてあるという立場です。したがって、自衛隊が専守防衛である限りは、これは合憲と我々は思う。ただし、これから先です、安心してはいけません。これから先言いますことを守っていただきたい。  それは安保基本法でもいい、あるいは防衛基本法でもいい、特につくって、そして専守防衛の枠をはめる、法律的に。例えばCBRですね、核兵器あるいは化学兵器、生物兵器、これらの禁止三原則を明確にする。あるいは武器輸出禁止三原則を明確にする。海外派兵はだめだ、あるいはその招集はだめだ、こういった幾つかの大事な専守防衛としての枠組み。それから、持つ兵力は足の長いやつはだめだ、日本の領空、領海、領域を守る、それにふさわしい兵器に限る。そしてシビリアンコントロールを厳格に行う。こういう枠をはめれば、私は自衛隊は合憲ということが言い得ると思う。現在そうなってない。違憲の面がたくさんある。その最たるものは、今度取り入れることになったAWACSです。  その前に言っておきますけれども、横須賀でも佐世保でもいい、湾岸戦争のときに横須賀、佐世保を母港にしたアメリカの艦船が、どういう艦船が出かけていきましたか。

佐藤行雄外務省北米局長

○佐藤(行)政府委員 お答え申し上げます。  具体的な名称は今直ちに出てまいりませんが、横須賀におりました米軍の艦船が何そうか湾岸に行ったということは承知しております。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 時間がないからはしょって言いますけれども、今度やりましたね、巡航ミサイルを、ペルシャ湾から。あれに参加した艦船で横須賀を母港にした艦船がおったんじゃないですかトマホークを発射した駆逐艦が。

佐藤行雄外務省北米局長

○佐藤(行)政府委員 二つだけ申し上げさせていただきたいと思います。  一つは、今回の作戦に参加した船が何か、私、今この場でつまびらかにいたしません。それから第二に、今母港と言われましたけれども、我が方にいる、母港という概念はいろいろございます、先生に申し上げるまでもないと思いますが。その点で直ちにどういう意味か、言葉の違いがあるとは思いますが、ただ、私、この場では船の名前は承知しておりませんので、お答えはいたしかねます。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 私が冒頭、安保条約は必要だという認識のもとに、だからこそ、だからこそです、あの六条、五条、事前協議、極東の範囲、どれだけ我々の先輩が議論しましたか。北海道の横路君のお父さんあるいは飛鳥田さん、岡田春夫さん、石橋政嗣さん、やったでしょう。あれだけ厳しくやったんでしょう。政府が発表しておるでしょうが。あのうち駆逐艦ヒューイット、そこから出ておるでしょうが。これは外務省の資料ですよ。今あなたが言ったようなことが書いてあるよ、言わぬでもいいようなことを。「質問の「母港」の意味が定かでないが、」言うとおりだ。「米海軍海外家族居住計画に基づき我が国に乗組員家族を居住させている艦船」、我々は普通それを母港と言うんだ。去年外務省は当委員会の資料として出しておるでしょうが。ここにありますよ。ここへ来なさいよ。これがおたくが出した資料ですよ。よろしゅうございますか。駆逐艦ヒューイット……(佐藤(行)政府委員「わかりました」と呼ぶ)わかったでしょう、わかったならいいです。  これがペルシャ湾に行って巡航ミサイルを、トマホークを発射している、これは司令部の発表です。いつから極東の範囲がペルシャ湾まで広がったんですか。言ってくださいよ。

佐藤行雄外務省北米局長

○佐藤(行)政府委員 安保条約をめぐるいろいろな解釈につきましての論議は、先生の方が私よりもはるかに先輩でございますので、御承知のことを繰り返すのはまことに恐縮でございますが、これまでの安保条約の論議で、いわゆる極東の範囲の問題について、安保条約の目的の問題とは別に、我が国から離れて外国に行きます艦船の行動につきまして従来から問題になりましたのは、戦闘行動の基地として我が国を使う場合の問題と事前協議にかかわる問題としてこの問題は随分議論されたわけでありますが、今回のように日本国を出ましてからかなりの航行をして、そしてある特定の戦域に至って、そこで戦闘作戦行動に入るということは、我が国の安保条約の問題とは関係ないということは従来お答えしたと思います。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 私が聞いているのは、そうじゃない。恐らくあなた、そう言うだろうと思っていた。いいですか。事前協議は、途中で出撃命令を受けたら事前協議の対象にならない、そう言いたいんでしょう。私が言っているのはそうじゃない。だから、六条ですよ、安保条約の。日本の区域を使う、米軍は。使うのは極東の範囲に限られている。それを言いたいんです、私は。そして、どこまで拡大されたか。  拡大されても、政府が統一見解を出している、昭和三十五年二月二十六日。もともと極東の区域は、「在日米軍が日本の施設及び区域を使用して武力攻撃に対する防衛に寄与しうる区域」ですよ。イラクが何で寄与しますか、日本の平和に。「かかる区域は、大体において、フィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域であって、韓国及び中華民国の支配下にある地域も」含まれる、これがベトナム戦争のときに問題になった。それの周辺まで含む、ベトナムは周辺に入る、そこまで拡大解釈した。ペルシャ湾まで含むなんてだれも解釈してないですよ。これは外務大臣が健在になられたときに、あなたごときと言っちゃ失礼だけれども、政府の代表に聞かないと、重大な安保条約のこれは拡大解釈だ、そのように私は思います。  まだたくさんあるのですけれども、一言だけ、ちょっとさっき大事なことで忘れておりました。あしたですかね、伊坂さんの公判があるのは。いわゆる金屏風に関係する問題でしょう。一つだけ聞いておきます。  国税庁長官、八重洲画廊の、青山の、真部社長、これは簡単に言えば平和相銀が分裂して勢力争いして、そして伊坂さんなどは守りたいという方であったんですね。ところが、有名な川崎定徳の佐藤茂さんが、三三%の株を買い上げた。その金がどこから出たかはもう時間がかかるから言わない、言う機会はあるから。そこで伊坂さんは真部さんから、この金屏風を四十億で買ってくれたら取り戻せる、株を、佐藤茂さんから。そう言われたはずです。現実には取り戻せなかった。  それで、ほかの雑費を含めて四十一億になっているという。真部さんは四十一億手にしていると。国税庁、四十一億に対する所得税の税金かけましたか。幾らかけましたか。

林義郎自由民主党大蔵大臣

○林(義)国務大臣 国税庁が来ておりませんので、私から御答弁を申し上げますけれども、国税庁でいろいろ調査したりしているんだろうと思いますが、個別の問題にわたる事案でございますので、答弁は差し控えさせていただきたい、こう思っております。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 この問題は、ほかのは私は全部了承しましたよ、そういう答弁で。この問題はそうはいきませんよ。その四十一億からいろいろなところへ流れているということが問題になり、あした伊坂さんがその内容を明らかにするはずだ。だから、国税庁はその四十一億から幾ら取っていったか。残りが真部さんの手元に残っているんですよ。そうすると、もしばらまいたなら、その残りの金からばらまいておるはずだ。そうなりましょうが。  だから、これははっきりしてもらわぬと困るんです、幾ら取ったか。簡単なことじゃないですか。しかも今問題になっているんでしょう。これはぜひ明らかにしてもらいたい。もしできなければ、私は委員長にお願いします、理事会だけでも、はっきりさせてください、一般化できないならば。どうでしょうか。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 担当の政府委員もおりませんことですから、後刻理事会で協議をさせていただきます。

楢崎弥之助日本社会党・護憲民主連合

○楢崎委員 なお、申し上げておきますが、いつも残念なことに、竹下さんの名前が出るときには佐藤茂さんの名前が出る、画商の福本さんの名前が出る、平山さんの名前が出る。なぜでしょうかね。  この金屏風の鑑定は一体だれがしたんですか。だれがしたんです。平山さんが来たら聞きたかったんです、きょうは。鑑定を頼まれたのは平山さんじゃないんですか。頼んだのは福本さんじゃないんですか、画商の。もしそうだとすれば、このいざこざの中に、三億か五億、多くて五億ですよ、三億と言われている、それを四十一億で荒らした責任は鑑定人にもあるじゃないですか、もしそうなら。これも私は、平山さんが見えたらはっきりしたいところであります。  きょう大分私は宿題を与えました。答弁できないからだ。私は、元来審議はとめないんです。とめないんです。とまるんです。そこの区別は大事なんだ。私はとめ男じゃありません。とまるんだ、答弁できないから。普通だったら、じゃ答弁されるまで待ちましょうと、こうなるんだ、とめるんじゃなしに。  きょうは、さっき委員長が時間を与えると、理事会で、答弁が出てきたら、そういうお約束をいただきましたから、時間が来ましたからきちっとこれで終わりますけれども、私が宿題を出したのは厳密にひとつ答弁をいただきたい。あとは理事会によろしくお願いいたします。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これにて楢崎君の質疑は終了いたしました。  次回は、明十六日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時二十四分散会

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