予算委員会 第6号
- 発言数
- 235 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1993/02/05
会議録
○粕谷委員長 これより会議を開きます。 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。串原義直君。
○串原委員 東京佐川急便事件に関連する資料について、既に我が党が要求しておりますけれども、改めて要請をいたしたいと思います。二点であります。 第一は、金丸信氏に対する政治資金規正法違反事件、平成四年(ハ)第〇一三四五号事件、平成四年九月二十八日略式命令の確定記録全部。 第二は、東京地方検察庁に係属する被告人渡邊廣康、同松沢、同早乙女、同大内、同庄司に対する商法違反事件において、公判廷で取り調べ済みの調書。 以上、理事会で協議願い、速やかに取り寄せ、当委員会の審議に供せられるようお願いをいたしたいと思います。委員長においてお取り計らいのほどお願い申し上げます。
○粕谷委員長 後刻、理事会で協議をさせていただきます。
○串原委員 お願いいたします。 東京佐川急便事件は今入り口、つまり審議が玄関に立ったところであると我々は理解しているところであります。我が党は、証人喚問を初め関係する事実あるいは資料等によりまして、徹底究明をしてまいります決意を改めてこの際強調しておきたいと思います。 そこで、まず総理に伺います。 総理は施政方針演説で、我々が追求してきた基本理念は、自由、民主主義、市場経済であると述べ、また、「我が国は、戦後一貫して平和主義、国連中心主義を堅持して」きたと述べておられますね。同時に、「国際政治において軍事力の持つ意味が相対的に低下し、東西対立にかわる新たな世界秩序の構築が模索されている今、この理念の実現が現実的な課題となって」いるとも述べておられるのであります。 そこで伺います。 総理が言う平和主義とは、国際紛争は平和的に解決するという日本国憲法の精神と条項を外交の基本原則に置いていることだと理解してよろしいかどうか。総理は、平和主義の立場をとる日本の外交原則はおのずから武力を背景としたアメリカの外交原則とは異なるものであります、こう考えていらっしゃるかどうか、お答えを願います。
○宮澤内閣総理大臣 我が国の平和主義の考え方は、ただいま串原委員のお述べになられましたとおりでございます。 なお、他国の外交政策につきましては、批判にわたるおそれもございますので、特にこの際申し上げません。
○串原委員 つまり、総理は既に施政方針でお述べになったように、将来ともに憲法の原則である平和主義の立場をとって外交を進めてまいります、こういうことである、この点についていま一度御回答願います。
○宮澤内閣総理大臣 御指摘のとおりでございます。
○串原委員 総理は、国連を中心とする国際的努力に対してできる限りの協力をしたい、それが我が国の責務である、こう述べておられるわけでありますけれども、非常に重要なところでありますので私は伺いますが、「できる限り」というのはどういう意味であるのか。憲法が禁止しておりますところの武力行使に触れるような国際貢献はできない、こう恐らく考えていらっしゃると思うのでありますが、それとも、一昨日になりますか、総理に提出されたようでありますけれども、自民党の小沢調査会の答申、この中ではどうも国際平和の維持回復のためには実力行使、理解によりますというと、つまり武力行使というものは憲法前文や憲法九条に禁止しているものとは考えていないというような立場をこの答申の中には盛られているという話も聞いているのでありますが、非常に重要なところでありますので伺いますけれども、この国際貢献はできる限りやらなきゃならぬと思うけれども、少なくとも武力行使にかかわるような貢献、協力はできない、あるいは小沢調査会答申の中に盛られているような問題との整合性、どうお考えになっていらっしゃるか、お答えを願いたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 いわゆる小沢調査会の答申の考え方でございますが、湾岸戦争が起こりましたときに幾たびか国連の安保理事会の決議が重ねられまして、サダム・フセインに対する対応が行われたわけですが、この軍事行動そのものは、国連によるものではなく、いわゆる多国籍軍であった。このことについて小沢調査会の考え方は、やはり多国籍軍に我が国が参加することは問題があ るというふうに答申は考えております。後方の支援であればともかく、多国籍軍そのものに、いわば軍事行動に参加することは問題があるというのが小沢調査会の考え方でございます。その点は私も同様に従来から考えてまいりました。 他方で、将来、国連憲章第七章に従って国連軍というようなものが仮に構成されたときには、それは国連の旗のもとに、国連の指揮のもとに働くというものである場合には、それに我が国がどういうふうに対応すべきかという問題提起をいたしておりますけれども、国連軍というものが現実には存在していないということから考えますと、この問題提起は将来のある可能性を考えてしたものであろう、私はそういうふうに調査会の答申を読んでおりまして、したがいまして、串原委員の言われますような国連による武力行使というようなものは、現実には国連軍というものが存在いたしておりませんので、もし、実は国連という名の多国籍軍ということであれば、それはやはり我が国としてはそのような武力行使には憲法上非常に問題がある、私はそういうふうに考えております。
○串原委員 お話しのように、国連にはまだ国連軍が組織されているわけではない、湾岸戦争が教えたように、多国籍軍というものはこれからも構成される可能性はある、しかし我が国は憲法上それには協力、参加することはできない、こういうことですね。これを確認させていただきます。もう一度御答弁ください。
○宮澤内閣総理大臣 多国籍軍の名において、そのもとに我が国が海外において武力行使をするということは、私は政策として適当なことでないと考えますし、憲法上やはり疑いがあるというふうに伝統的に考えてまいっておりまして、そのとおりだと思います。
○串原委員 さて、そこで、今月の十五日からですか、国連のガリ事務総長が日本にいらっしゃるということでありますけれども、そのガリ国連事務総長が、昨日でございましょうか一昨日でありましょうか、この報道によりますと三日と書いてありますが、NHKとのインタビューあるいは共同通信とのインタビューで重要な発言をされているようであります。テレビ、新聞等でガリ総長の言っていることを理解をさせていただきました。これは重要なところでありますから、ぜひ私は総理からお答えを願わなきゃならぬ、国是にかかわる問題とも理解をいたしましたので、そう考えます。 そこで、まず第一に伺いたいのでありますけれども、これはテレビにも出ておりましたが、「従来の国連平和維持活動(PKO)にとどまらず、憲法を改正してでも重武装で紛争を終結させる「平和執行作戦」に」あるいは平和執行部隊と言ってもいいのでしょう、「に参加するようにとの強い期待を表明した。」というのであります。私は、ガリさんがいらっしゃって総理に対してこの意向を伝えられた場合に、これは大変だなあと、こういうふうに実はこの報道を聞いて受けとめたのであります。このお話があったら、会見の際、総理はどうお答えになりますか。
○渡辺国務大臣 総理がお答えをする前に、私からお答えします。 ガリ事務総長の考え方は一部知っておりますが、新聞に出ているようなことについてじかに日本政府に申し入れがあったわけでもございません。いずれ近いうちに日本においでになるわけですから、そういう席でもっと具体的に話を聞いてみたいと、その上で答えを出したいと、そう思っております。それは一つの考え方であるかもしれませんが、日本が現在の立場でできることもあればできないこともあるわけですから、その点は、こういうことはできますがこういうことはできませんというお答えしかないですね。そう思っています。
○宮澤内閣総理大臣 ただいま渡辺外務大臣から答弁をされたように私も対応したいと思っております。
○串原委員 今のお答えでは、どういう話があるかわからないけれども、お話があったときにまた考えてみましょうと。それはそうでしょうね。その話はわかりますよ。それはわかりますよ。 しかし、問題は、私が指摘をいたしたいのは、従来のPKO、国連平和維持活動、それにとどまらず、ガリさんが構想されていらっしゃるのでしょう、その平和執行軍、部隊、平和執行作戦、重武装で紛争を終結をさせる、ある意味では軍隊とも言える場面もあるかもしれませんが、それに日本が参加をされることを期待いたしますと、こういうふうに報道されているのだけれども、この報道と同じような御発言がガリさんからあったとするならば、総理としてはどうお答えになりますか。大事なところですから伺っておきます。
○宮澤内閣総理大臣 それは、そのような重大器を持った平和の執行でございますかという考え方は、今まで国連において行われたことはございません。多国籍軍がやったことはございますけれども、それは別の話でございますから、国連の責任において国連のコマンドのもとに、旗のもとにそういう行動が従来行われたことはございません。 したがいまして、そういう構想は、ブトロス・ガリさんが、今国連が世界から大変頼みにされ、あちこちで平和をつくり出さなきゃならないというそういう状況の中で、事務総長として何とかイニシアチブをとらなければならない、いろいろ考えておられる、それはよく理解のできることですけれども、かつて国連憲章第七章に基づくような、そのような発想というものは実現をしたことはございませんので、したがいまして、もしそういう発想を事務総長がされるならば、それは国連加盟国がみんなで議論をまずいたさなければならないことでございます。 これは、渡辺外務大臣が国連総会において、我が国として、もしそういう考え方があるのならば、それは新しい問題として検討する必要があるというふうに言われましたのは、従来そういう構想というものは現実になったことはないわけでございますので、国連憲章の恐らく四十三条に基づいてどういうものをつくり、また各国との間でどのような特別協定をつくるのかというような内容になるのであると思いますけれども、そのことは、事務総長のお考えはお考えとしまして、国連自身がそれについてまず議論をすることが先決でなければならないと思います。我が国はその議論に参加することはもとよりやぶさかではございません。 ただそれは、そういう場合に、我が国が、仮にそういうものができましたときに、それに参加することができるかどうかということは全く別の問題でありまして、国連がそういう議論をするというのであれば、それは我が国もその議論には参加をいたしますけれども、我が国自身が今度は、何かできました場合に、それに参加するかどうかということは、そういう議論、検討とは全く別の問題であるというふうに考えております。
○串原委員 今お話しのようにこれは新しい問題でありますから、平和執行作戦といいますか部隊といいましょうか、この構想は新しい問題でありますから、言われるように、これから国連で議論をすることになるわけでございましょう。 総理が言われるように、それに参加するかしないかは別の問題であるということでありますから、そこで伺うわけでございますが、ガリ事務総長は、前提としてこの作戦は軍事行動という意味合いを強く持たれているわけでしょう。したがって、日本は憲法を改正してでも、なお期待を込めて、日本は憲法を改正してでもこの作戦に参加することを期待すると、こういう立場で発言をされているというふうに報道、明確に載っているのであります。 だといたしますと、ますます私は重大問題であろうという理解に立つわけです。少なくともこれから国連の中で検討されることは、それは結構でしょう。けれども、重装備、重武装をしたこの平和維持作戦、軍とも言えるかもしれませんが、これに参加するためには、ガリさんが言われるように、日本の憲法は支障があるので、改正をしてでも日本はこの構想に参加してもらいたい、こうい う発言をされているようであります。 これに対しては、何としても私は、そうですかと言うわけにはいかない。先ほど申し上げますように、あるいは総理が御答弁になりましたように、日本の憲法、外交方針は一貫しているはずであります。そうなりますと、ガリ事務総長の言われる立場に立つ平和維持作戦に参加するというわけにはいきません。したがって、平和維持作戦が前にあって、それに引っ張られて、引っ張られたという表現はいいかどうかわかりませんよ、関連をして、連動をしてというような形で憲法改正まで考えるというそのあり方というものは、何としても私は承知をするわけには、日本の立場はいかない、こう考えているのです。総理、いかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 事務総長のお立場からこれからの国連の責務を考えられて、いわば使命感からいろいろ発想していらっしゃることと思います。そういうイニシアチブは私は評価をいたしますが、もしただいま串原委員の言われましたようなところまで現実の問題として私どもにお話があるということになれば、それは日本の考え方を十分に御説明を申し上げなければならないと思います。
○串原委員 いま一点、重要なところですから、総理から明確にお答えを願いたいのでありますが、ガリ事務総長はこの話と関連して、「国連に対する日本の軍事的貢献の拡大が安全保障理事会常任理事国への道を促進する」ものである、こういう見解を明らかにしたというのであります。これもなかなか我が国にとりましては重大関心事となる事柄だと思うのです。この見解をガリさんが述べられたことを総理はどう受けとめられますか。
○宮澤内閣総理大臣 安全保障理事会の問題は、過日来この委員会でもいろいろ御議論があり、外務大臣も私もお答えを申し上げておるところでございますが、なかなかこれは、国連憲章全体の改正ということにも関係をいたしますし、我が国だけの問題でもありませんから、急速に展開をする問題ではないのであろうというふうに考えておりますけれども、そのことと、今の御指摘のような我が国の国連に対する軍事的な貢献といったようなこととは全く私は別の問題である、そういうふうに考えております。
○串原委員 今総理は明快な見解を述べられましたが、私も、このことと常任理事国入りとの関係は連動するものではない、こう明確に理解をしている者の一人であります。私は、きちっと今の御答弁を踏まえてこの問題には対処していただきたい、強く要請をしておきたいと思う次第であります。 そこで伺いますけれども、今若干触れてまいりましたけれども、日本が行う国際貢献と憲法というのは不可分の問題を含んでいるわけでありますが、それと関連をして伺いたいわけでありますが、カンボジアの問題であります。 このところの各種の報道は、私は、心配すべき、憂慮すべき事態であろう、こう理解をしているわけでありますし、一昨日来の本委員会における議論の中でも、とても苦になる、心配さるべき論議が交わされてまいりました。私は、同じ立場での議論はここで繰り返しませんけれども、つまり、PKO活動参加五原則、これはもう崩れたと理解すべき事態になっているのではないか、こう思っております。したがって、いま少し情勢を的確に把握すると同時に、自衛隊の撤収、この問題が政治判断さるべき状況に来ていると思う。この政治判断がおくれまして万一不測の事態が起きた場合、あってはならないけれども、万一自衛隊員に犠牲者が出た、こんなことになったとするなら大変な問題だと思うのでありますけれども、そういうことを想定したくはないが、そういう場合どのような政治的責任をとるおつもりであるか、お答えをいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 きのうも事務当局からるる状況の説明がありましたから余り詳しいことは申し上げませんが、たくさんある州の中で、その州のごく一部分で戦闘らしきものが幾つかあったということは事実です。しかし、それは鎮静化に向かっていることも事実。したがいまして、今の段階で日本が合意が破れたからさっさとともかく引き揚げるんだというようなことを決定すべき段階ではない、そういうように認識をいたしております。 自衛隊の皆さんが本当に、体を張ってと言っては語弊がございますが、本当に命がけで危険な場所にいるということは事実です、これも。どこでいつゲリラが出てくるかわかりませんし、マラリアにかかるかわかりませんし、疫病に取りつかれるかもしらぬというような危険な場所にいらっしゃるわけですから、だから、そういう点においては我々は常に心配をしておるわけです。しかしながら、国連の旗のもとで自衛隊は出ておって、しかも、特に危ない、危険度の多いPKFの部分は目下のところ担当していないというのも事実ですから、他国の人たちはもっと危険なところに実はさらされておる、これも事実であります。 したがって、日本の自衛隊は全体から見れば、カンボジアの中ではほかの人たちと比べて比較的、比較的ですね、危険性の少ない地域に守備範囲を大部分の者は持っておる、これも事実であります。したがって、そういうような、全体的に見て比較的安全な地区に大多数がいるという日本の自衛隊が、一番先にここで引き揚げるというようなことを日本が今決めるべき段階にはない、そのように考えております。
○串原委員 今外務大臣から御答弁になったところでありますが、その安全であるかないかという判断、これは非常に問題だと思うのですね。一体安全だという判断はだれがするのか、安全でないという判断はだれがどこでするのか、ちょっとこの問題、二、三議論を私はしてみたいと思っているのであります。 といいますことは、私はかつてPKO特別委員会、国会に設置をされまして、今大蔵大臣をなさっていらっしゃる林さんが委員長で、私は社会党の理事で、いろいろな議論をさせていただきました。そして、あの議論を思い起こしまして、やはりあのときに我々が心配いたしました点が現実になってきたのかなという憂慮の念を強く抱いているものでありますから、どうしてもこの点は触れさせていただきたい、こう思っているわけです。 最初に触れておきますが、あの特別委員会でさんざん議論をいたしました点は、我が国からPKO協力隊を派遣した、ところが危険だと思ったら、我が国の判断、我が協力隊の責任者の判断で撤収をいたします、国連の司令官の判断ではなくて、コマンドに従うではなくて、我が協力隊の責任者の判断で撤収をすることにいたしますから心配ありません、こういうことでありました。そうであってほしいと思う。 ところが、昨日までの議論をお聞きをしていて心配になったことに加え、先ほどここで総理とやりとりをさしていただきましたガリ国連事務総長はこう言っているのであります。いいですか。自衛隊部隊、つまり日本の自衛隊部隊ですね、このカンボジアからの撤退論議に関連をして、「軍事力を維持することが、国連のプレゼンス(存在)を維持することを意味する」と語り、国連の視野には撤退の選択肢はないとの考えを示した。」というのであります。 だといたしますと、率直に言って、国連の立場、UNTAC、これはどうも心配だなというんで、撤退をするという選択肢は持ち合わせていない、こうするならば、危険である危険でないという判断を即座にして撤収するというのは、挙げて我が方から派遣をされた責任者の判断によるべきものである。昨日までの議論を聞いておりますと、何かしらUNTACの司令官、責任者の判断に任せるがごときお答えもあったように受けとめられる。これは大変だというふうに思うんです。したがいまして、あくまでも我が国の協力隊派遣責任者、この判断によって一切撤収なりをする判断はいたします、こういうことであるのかどうか、明確にお答えをまず願って議論に入りたいと思っているんです。
○柳井政府委員 お答え申し上げます。 串原先生、法案の審議の際もずっと御議論いただきましたので余り長くお答えする必要はないと思いますけれども、全く念のためにこれまでの議論を若干整理させていただきますと、政府が法案に関しまして繰り返し御答弁申し上げてまいりましたことは、危険な場合には撤収するということではございませんで、これはあくまでもいわゆる五原則に照らして、五原則のうち特に初めの三つの原則が崩れた場合、そういう場合には撤収することもあり得る、こういうことでございます。 そして、この判断はだれがするのかという点の御指摘ございましたが、これも従来からの若干の繰り返しになりますけれども、特に今問題になっております。その五原則のうちの第一の原則、すなわち停戦の合意が崩れたかあるいは崩れてないかという点でございますが、この点につきましては、停戦の合意が崩れたといったような状況は客観的に認識できる場合でございまして、その場合には、まずは業務を中断するかどうか、それからもしそういう状況が長引く場合には撤収するかどうかということが問題になるわけでございます。そして、そのような状況の判断は、我が国としては国連側と緊密な連絡のもとで行いますし、また我が国のいわゆる五原則につきましては、既に国連側に十分御説明し、御了解を得ておりますので、我が国の判断と国連側の判断が食い違うということは想定しがたい、そういうふうに従来、法案の審議の際に、いろいろな機会に御答弁申し上げたわけでございます。 ただ、にもかかわらず、その国連の判断と我が国の判断が違うこともあるんじゃないかという御指摘もしばしばございました。その点につきましては、全くの仮定の問題といたしましては、国連側の判断と我が国の判断が異なるような例外的な場合もあるかもしれない。その場合には、国連側に連絡の上、我が国としては中断あるいは撤収ということを我が国独自の判断でできるというのがこの五原則の趣旨であり、また法案の仕組みであるというふうに申し上げてきた次第でございます。この国連側に連絡の上と申しますのは、国連の長年の慣行で確立した手続でございますが、いわゆる事前通告、事前の連絡の上で加盟国がその軍隊なり自衛隊なりを撤収することができる、こういうことでございます。
○串原委員 今御答弁いただきました。私は五原則ということを承知の上で発言しているつもりで、直訳の立場で危険、こう言ったのでありますが、誤解があるといけませんから、やっぱり五原則と言った方がいいかもしれませんね。つまり、五原則が崩れたかどうかの判断というのは、先ほど申し上げますように、PKO特別委員会の審議の際に繰り返し繰り返し議論されてきた大事な柱であったところであります。ところが、その五原則が崩れたかどうかの判断は、我が派遣隊の、協力隊の責任者の判断で決めてまいります、こういうことでありました。そうであってほしいし、そうでなきゃならぬ、こう思っています。 ところが、改めて私が今これに触れておきたいのは、先ほど申し上げますように、ガリ事務総長さんは、軍事力を維持することが国連の存在を維持することを意味するので、国連の視野には撤退の選択肢はない、こう発言されているというのでありますのであるならば、UNTACの場合、相当な武力行使があったとしてもと踏み込んでいってもいいでしょう。それでも撤退の選択肢というものを持ち合わせていない、こういうことになりますと、PKO特別委員会の際に審議してまいりました大きな論点の柱が危険にさらされると思わなきゃならぬ。したがいまして、改めてこの際本委員会において明確にしておいていただきたいことは、ガリさんはそうおっしゃったといたしましても、我が国の協力隊は我が国の協力隊の責任者の意思、判断によって撤退をすることがあります、撤退を五原則が崩れたらいたします、こういうことでなければならない。明確な御答弁を願っておきたいと思うんです。
○柳井政府委員 ガリさんの御発言につきましては、私、正確に承知しておりませんので、国連の方針がどのようなものであるかということは知りませんけれども、政府の考え方、そしてこの法律の仕組みというものにつきましては先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。したがいまして、停戦の合意が崩れたというような場合につきましては、国連の判断も我が国の判断も一致すると思いますけれども、万が一そのような判断に一致がないという場合におきましても、この法律の仕組みといたしましては、最終的には我が国の判断で撤収することもできる。ただし、その場合には、いわばある日突然撤収するということではございませんで、事前に通告をした上で撤収をするということである、こういうことでございます。
○串原委員 この点は、繰り返すようですけれども、まことに重要な点ですから、明確に方針を堅持しておいてください。要請をしておきたいと思うのです。 そこで、カンボジアの情勢について認識が甘いのではないかということを昨日来の議論を聞いていて私は感じましたので、触れておきましょう。 昨日我が党の伊藤委員の質問に答えまして、カンボジアのポル・ポト派支配の五州に対する攻撃があったことは事実でありますけれども、それは五州の中の一部の村であって、なおかつポル・ポト派一万人程度の兵士、プノンペン政府派四、五万人程度の兵士であって、日本の二分の一の面積であるカンボジアにおけるこの数は、それほど大変な事態にならないのではないかという意味のお答えを昨日されたように思う。これは間違っていたら訂正してください。結構です。私はそう受けとめた、お聞きをいたしました。 私はこの話を聞いていて、認識の甘さに驚いた。あの国は、今さら私が繰り返して申し上げるまでもありませんけれども、日ごろ働いていらっしゃる庶民といったらいいのでしょうか国民あるいは農民の方々が次の日は兵士になる。昼は働いていて夜兵士になるというような軍隊編成の中で銃を手にして戦う歴史であった。したがって、長い年月カンボジアの戦争は果てしなく続いて現状に至った。 この事実と歴史、私は憂慮すべき事態だったと思うのですけれども、このことを横に置いておいて、今申し上げたようなポル・ポト派の軍隊は一万人、プノンペン派は数万人、この程度の兵隊さんが、兵士が、軍隊が衝突してもそれほどのことにはなるまいという認識をお持ちであるとするなら、これは議論のすれ違いもあるかもしらぬけれども、この認識の甘さというものはやはり直してもらわなきゃならぬ。認識の甘さが基本にあってカンボジアの情勢判断をすると、時によると情勢判断が甘くなって間違うのではないか。いや、まあ大丈夫だ、心配ないということが先行するというふうに私は憂慮いたしますだけに、この点についてもう一度お答えを願っておかなきゃならぬ、こう思うのです。
○池田政府委員 お答えを申し上げます。 私の昨日の発言でもし誤解を招くような点がございましたら、私の舌足らずのせいだと思います。ただ、私が申し上げた兵士の数といいますのは、これはUNTACに登録されて、UNTACが証明した数字として申し上げたわけでございます。これは、ポル・ポト派につきましては現在一万人程度である、それからプノンペン政権については四、五万人であるということでございます。 したがいまして、私は純粋な兵士として申し上げたわけでございまして、もちろん今先生が御指摘になられましたように、基本的にカンボジアの情勢はゲリラ戦争的な様相でこの十三年間続いてきたわけでございますから、そういう意味で一般の人たちが兵士に近いような活動を行うということもあり得るかと思います。しかしながら、UNTACが中に入りましてからはかなりそのあたりのことはきちっと整理されるようになってきておりますので、そういった意味で申し上げたわけでございます。 それから、日本の国土の半分で、全体が今のような兵士だから大したことはないということは私は申し上げませんでした。私自身としましては、第三国のことであるから断定的なことを申し上げることは差し控えたいということを申し上げております。 したがいまして、将来について私は必ずこうなるとかいったような楽観的な見通しを述べたわけではございませんし、それから日本として、平和強力維持のために日本の要員の方々が出ておられるわけですから、万全の努力を行っていく。和平協定の促進、それから要員の安全のために最大限の努力を行っていく必要があるということも申し上げた上で、ただいまのような兵士の数を申し上げたわけでございます。
○串原委員 いや、私の申し上げたのは、兵士の数だけ取り上げて申し上げたのじゃないんで、ポル・ポト派の支配している五州の中でも一部の村、集落に対する攻撃があっただけだみたいな御答弁があったから、認識の甘さがあってはいけませんよということを強調をした次第であります。謹聴して判断をしてください。 そこで伺いましょう。五原則が崩れたかどうか、この判断はまことに重要だということを申し上げてまいりました。そこで伺うわけでありますけれども、この紛争は武力行使と判断したらいいのか、あるいは戦争状態に入ったなという判断か、あるいは本当の小競り合い、小さな紛争というような判断、そうでないそうであるという判断は、これは難しいとはいいながらも何をもって判断をされるのか。これは国連協力隊を派遣している立場から考えますと重要な点だと思うのです。どうお考えですか。
○柳井政府委員 五原則との関係では、まず第一に、この停戦の合意が崩れたかどうかという点の判断が重要であろうと思います。御指摘のごとくこの判断は重要であり、また場合によってはなかなか難しい点があると思います。 実際の状況につきましては非常に複雑でございますので、あらかじめこのような点がこうなったら崩れたということはなかなか申し上げにくいところでございまして、従来から申し上げているとおり、これはそのときどきの具体的な状況に照らしまして総合的に判断しなければいけないことであるというふうに考えております。 一例でございますけれども、一部の地域で戦闘があったということだけをもって、あるいは停戦違反というものがふえてきたからということだけをもって、全体としての停戦の合意が崩れたということには一般論としてはならないであろうと思います。仮に、あえて申し上げれば、例えば戦闘が全面的に再開されるというような状況になれば、それは一つの重要な判断基準になろうと思います。
○串原委員 いや、この判断が難しいことはわかる。わかるけれども、判断は厳しくすべきものである、甘くしてはいかぬ、ここが重要な点であることを強調しておきたいと思う。 そこで、例えば五原則が崩れたとの判断の一つに、カンボジアに四派ありますね。パリ協定ができている。これを破棄した場合には五原則が崩れた、こういうことになるわけですけれども、この四派の中の一派だけが、パリ協定には全然言及しないで、あるとき戦闘開始になった。地域であっても紛争を起こした、武力行使をやった。こうなった場合には、パリ協定には言及しないでもそういう行動に出たとした場合、これは五原則が崩れたと判断すべきものだと私は思うのですけれども、その判断はいかがですか。
○柳井政府委員 今御設定になったような状況ということも一つの理論的な可能性として考えられるわけでございますが、ただ、実際にこの停戦の合意が崩れたかどうかということは、今おっしゃったことだけでなかなか判断しにくいと思います。結局、繰り返しになりますけれども、そのときの具体的な状況に照らしまして総合的に判断するというほかはないであろうと思います。
○串原委員 じゃ、いま一つ伺いましょう。これは報道もございました。政府の方でも承知をしていて御検討なさっていると思う。これは、ひところ紛争が起きまして、ポル・ポト派攻撃が始まったから好ましい状態ではないということになりまして、ポル・ポト派支配地域とそうでない地域との間に緩衝地帯をつくってはいかがか、こういう構想、検討が始まっているというふうに聞いているわけです。なるほどそれも一つの方法かな、手段かな、こう思って伺いました。しかし私は、緩衝地帯を設置するというようなことで、具体的にこの事実が双方話し合いの上でできたといったようなことになった場合には、これは停戦合意は崩れたものと判断すべきものだ、こう思うのです。この判断、政府はどうお持ちですか。
○池田政府委員 最近、プノンペン政権の方からUNTACに対しまして、今先生の御指摘になられましたような提案が行われたというように私ども承知しております。すなわち、二月の二日にフン・セン首相から明石代表に提案が行われました。それから、UNTACの軍事混合委員会というところがございますが、ここにも同時期にプノンペン政権のメンバーの方からの提案がございました。そうして、それに対しましてUNTACとしましては、いかなる提案も検討するという立場であるというように聞いております。 一般に、このカンボジアの現在の戦闘は基本的にはゲリラ戦闘でございまして、大変入り組んだ支配地域がありますから、三十八度線で北と南にはっきり分かれて正規軍が対峙しているという、そういった様相ではございません。基本的にはヒット・エンド・ランでありまして、農村地域を中心にしてそういう状況が続いているわけでございます。したがいまして、事実として、そういった複雑なところに具体的に緩衝地域をつくるということが可能かどうか、たやすいかどうかという問題はあろうかと思います。しかしながら、もしその紛争当事者間に強い政治的合意があって、何とか接触の機会をできるだけ少なくすることによって事故の発生を防ぐ、あるいは軍事的緊張を和らげるという合意があるのならば、それは停戦合意の精神に合致するのではないかと思います。 したがいまして、私どもとしましては、関係諸国とも協議する必要があるかと思いますが、そういう考え方は停戦合意の精神に合っているということで、一つの検討の価値のある案ではないかと考えております。
○串原委員 私は今の答弁まことに不満です、心配です。これはプノンペン政府、つまりUNTACとの話し合いは、そういうことはあるかもしれませんね。それはUNTACの考え方等々で現実になるかもしれませんね。しかし、繰り返して言うようでありますけれども、PKO特別委員会で審議した際、五原則をつくったときには、五原則を確認したときは、戦争が仮に行われていた場合、停戦が終わって平和の時代になって何も心配がないという事態になって、双方から日本に協力隊を要請されたときに出かけていきます、協力をするために出かけていきます、こういうわけであったわけであります。 したがいまして、繰り返すようですけれども、安全な、心配のないところへ協力隊は出かける、これが原則であるはずであります。そうでなきゃならぬ。にもかかわらず、これは武力衝突的な行為が起きた、これは心配だ。双方が話し合って、危険だから緩衝地帯をつくりましょう、つくり方にもよるでしょうね、ということになると、いつどうなるかわからないということを認めることになるわけです。この認めるという立場を踏まえて、あなた、今御答弁になった局長、停戦合意の範疇でしょうという判断は間違いだと思う。これは承知できない。何としても承知できない。もう一遍明確な答弁を願いたい。
○柳井政府委員 緩衝地帯につきましての御指摘でございますが、今アジア局長が答弁したことに基本的には尽きると思いますけれども、ちょっと私の方からは別の角度から御答弁申し上げたいと存じます。 第一点は、これは御承知と思いますけれども、今までいろいろな国連の平和維持活動が行われてきておりますが、その基本的な原則というのは、 やはり停戦の合意がまずあって、しかし、長年戦ってきた紛争当事者間では一たん合意してもなかなかそれが完全に守られることはない。すなわち、和平は脆弱である。そこで国連が行きまして、これを確固たるものにするというのがまさにPKOの目的であり役割だと思います。そのような中にありまして、これまでも紛争の再発を防ぐために緩衝地帯を設けて双方の当事者を少し遠いところへ置いておく、そしてこれを国連が監視するということはしばしばやってきたわけでございます。したがいまして、私は、一般論として申し上げれば、停戦の合意ということと緩衝地帯の設置ということとの間には矛盾はないというふうに考えます。 それから、第二点でございますが、そのような考え方に立ちまして、我が国の国際平和協力法におきましても、三条の三号というところでいろいろな業務を列記してございます。そしてそのロというところ、イ、ロ、ハ、ニといろいろありますけれども、そのロというところで、「緩衝地帯その他の武力紛争の発生の防止のために設けられた地域における駐留及び巡回」という業務を掲げておりまして、これも停戦の合意ができた上で、なおかつ紛争の再発を防ぐためにこのような緩衝地帯を設けていわば駐留するあるいはパトロールをするということも一つの有効な方法であるという前提で考えている次第でございます。
○串原委員 これは私は了解できない。まことに重要な点なんですね、将来のために。 私は、先ほど申し上げますように、安全な地帯へ、安全なところへ要請があったら出かける、それは紛争当事者双方からの要請があった場合に出かけていって協力をする、心配ありません、こういうことであったはずであります。この方針は毫も変更されるべきものではない。ところが、不幸にしてたまたま、小さいか大きいかは別にして、紛争が起きた、これは困った、双方話し合いをして、関係する機関が話し合いをして、緩衝地帯をつくりましょう、つくった。先ほど申し上げたように、つくり方にも差異はあるでしょう。それにしても、そういう状態になりましたときに、PKO特別委員会の際に議論をした安全地帯と言えるのか、平和な地域と言えるのか、平和な国と言えるのかというところに戻らなきゃいかぬ。私はもう一度、御両者から答弁がありましたけれども、これはきちっとしてもらわなきゃいかぬ、まことに将来にとって重要な点だ。政府のきちっとした統一見解、もう一度まとめてもらってお示しを願いたい。これは文書にしてもらいたい。それまで審議をするわけにはまいりません。
○粕谷委員長 串原委員に申し上げますが、新たな提案で今文章で回答を欲しい、こういうことですが、それには今すぐ間に合いませんから、それが作成されるまでの間、角度を変えた御質疑を続けていただく、これをお願いいたします。串原委員、質疑を中断したような状態をこのまま続けることは委員の本意でもないと私は思います。ですから、もし答弁が委員を納得させるものでなかったらもっと突っ込んで追及をする質疑を続行していただきたい、委員長としてはそれをお願いいたします。――委員、御発言をお願いします。――串原委員の御発言をお願いいたします。
○串原委員 じゃ、統一見解を出してくださいよ。
○粕谷委員長 委員長からお尋ねしますが、統一見解ができなければ次の発言に移れないんですか。
○串原委員 じゃ、統一見解を出してください、早く。
○粕谷委員長 統一見解を出すには時間がかかろうかと思いますので、その間、別の角度からの御質問を続けていただきたい、これをお願いをしているんですが、御理解いただけませんか。
○串原委員 じゃ、答弁してください。
○柳井政府委員 重要な点でございますので、繰り返し御答弁申し上げたいと思います。 先生の御指摘が、もし緩衝地帯を設けるということがすなわち停戦の合意が崩れたということの証左ではないかということでございましたら、その点につきましては、先ほど申し上げましたように、これまでのPKOでも、停戦の合意があってかつ緩衝地帯を設けたこともあるという点が第一点でございます。それからもう一点は、我が国の国際平和協力法の三条におきましても、同じような考え方に立ちまして、緩衝地帯を設けて、そしてそこにPKOが駐留しあるいはパトロールを行うということも業務の一つとして掲げているわけでございます。このようなことから見まして、緩衝地帯をつくるということ自体がすなわち停戦の合意が崩れたことの証左になる、あるいはそういう緩衝地帯をつくるということはもう停戦の合意が崩れたことと等しいということではないということを申し上げているわけでございます。 ただ、その他の状況から判断いたしまして、例えば全面的に戦闘が再開するというようなことになれば、これはまた別でございますけれども、緩衝地帯を設けるということ自体につきましてはそのように考えている次第でございます。
○串原委員 この問題はしかし重要な問題でありますから、私は今の答弁をまことに不満であると、そういう問題ではないと、それほど簡単な問題ではないよということを厳しく指摘をして、機会を改めてこの問題を取り上げることにいたしまして、委員長の要請にこたえる中でひとつ進めてまいりましょう。 さて、それでは次の問題に移りましょう。 選挙があるわけですね、カンボジアに。これは総選挙というふうに言っていいのかもしれません、日本流に言うと。その選挙が行われる。ところが、どうしてもポル・ポト派は選挙に参加しない、こう言われているようであります。これは四派一致して選挙が行われなければ、私はカンボジアの選挙とは、総選挙とは言えないのではないかというふうに考えているわけであります。したがって、実施強行はまことに好ましくない事態だなあというふうに思っているわけでありますが、まあそれはカンボジアが判断することといたしましても、選挙に対して我が国から総選挙監視要員として五十人くらいですか派遣をする予定で準備をされているというふうにお聞きしているわけであります。 まず、私伺いたいと思うんですけれども、我が国としては協力隊を派遣している立場もあって、ポル・ポト派除外の選挙に政府はどのような見解をお持ちなのか、お示しを願いたい。
○池田政府委員 お答えを申し上げます。 私どもとしましても、カンボジアの総選挙におきましては四派すべての派が参加した形で公平、中立の選挙が行われるということを強く期待してきたわけでございます。そうして、そのために外交的にもいろいろな努力を尽くしたわけでございます。しかしながら、ポル・ポト派が参加しないということになって、やむを得ず選挙をその他の派を中心に行う。しかしながら、今でもポル・ポト派に対して全く門戸が閉ざされているわけではございませんで、ポル・ポト派が協力して選挙の過程に入ってくるならば、いつでも門戸をあけておくという姿勢でございます。 もちろん、考え方によっては、ポル・ポト派が入らないのに選挙をやるべきではないのではないかという考え方もあるかと思います。しかし、そうしますと選挙がいたずらにだらだらと先に延びて、結局和平プロセスが一つの派の拒否のために動かないということになってしまいます。そういったことはやはり望ましくないということで、やむを得ず今の状況になったわけでございます。それで五月の二十三日から三日間の総選挙が行われる、そういうことでございます。 しかしながら、私ども日本政府としましても、これまでもポル・ポト派に対しましていろいろな働きかけをしてまいりました。私自身渡辺外務大臣の命を受けて、ポル・ポト派のキュー・サムファン代表とはタイと協力しながらこれまで数回にわたって交渉をいたしまして、ポル・ポト派が武装解除に応じる条件、それから選挙に加入する条件ということを非常に細かく突っ込んで議論し たわけでございます。しかしながら、具体的な成果にはそれは結びつきませんでした。しかしながら、そういう過程を経て、やはりどこが無理を言っているのかということも国際的にもかなりわかってきて今のような状況になっているわけでございますから、こういう事態で、もしポル・ポト派が入ってこないとしても、ある程度やむを得ないのではないかというように考えております。
○串原委員 やむを得ないという答弁をなさったわけてありますが、そうすると、まだ正式には国連から要請がないようですけれども、今のところ今御答弁になった立場に立ってこの総選挙監視要員を派遣するということで考えているわけですか。
○柳井政府委員 選挙についての認識につきましては、今アジア局長から答弁したとおりでございます。 国連からは、今回のこれからの選挙に対しまして五十名の選挙監視要員の派遣の可能性につきまして非公式に打診してきたことがございます。まだ正式な要請は受けておりません。ただ、今後国連から正式な要請を受けました後に、そのときの状況を勘案の上、正式に政府としての対応を決定することになるわけでございますけれども、最終的に派遣することになった場合に備えまして、私どもとしてはその場合に適時適切に対応できるようにということで準備をしております。 具体的には、既に私どもの方にこの選挙監視にはぜひ行ってみたいという方の申し出も随分受けておりますし、それから関係省庁に対しまして、そのような方々がおられるかどうか、その辺の情報を提供してほしいということをお願いしている段階でございます。
○串原委員 今後の情勢もあるでしょう。しかし、私はこの情勢を踏まえて、昨日ですか本日ですか、それぞれの新聞で報道されておりますね。自治体では大分心配しているようです。これは派遣して大丈夫なんだろうか、こういう危惧の念が広がっていて、例えば広島市では、職員の派遣推薦をしていたけれども、見合わせるというような話になっているようですね。まあ無理もないと思う。その他の自治体においても何カ所かありまして、とてもこれは心配だということで迷っている、こういう話があるようでありますが、私はこの情勢を踏まえて余り急ぐべきではないのではないか、そう考えます。 したがって、自治大臣、伺いますけれども、こういう心配を抱えながら出かけるということには私は余り賛成しかねるけれども、要請があって出かける場合には、この安全に対する保障をどういうふうに監視要員の諸君に保証してやるのですか。どうです。
○村田国務大臣 串原委員にお答えいたします。 実は先ほど外務省から御答弁がありましたように、そういった協力要請を受けて、各都道府県から選挙監視要員を出さなければならないということで、協力的に事務を進めております。広島の事例も承知をしておりますが、全国的には協力姿勢が強いわけでございます。したがって、そういったいよいよ監視に派遣をするという段になれば、今委員の御指摘になった点は十分外務省とも協力をし相談をしながら対応をしてまいる、それが適切であろうと思っております。
○串原委員 つまり大臣、派遣するということになれば、外務省と相談をして、心配のないように保障制度は確立をいたします、こういうことですね。お答えください。
○村田国務大臣 お答えいたします。 事人命に関することでありますから、そのことについては万全を期してまいらなければならないと思っております。
○串原委員 さて、そこで総理に伺います。 カンボジアの問題に触れてまいりました。特に、私は先ほど申し上げましたように、紛争地帯という格好になってきて、緩衝地帯を設けるようなことになると、これは停戦合意に触れてくる。それは心配ないというような答弁がありましたけれども、しかし、それはほかの地域にもあった、事例がありましたというような答弁がありましたけれども、それはほかの国にはあったかもしれません。かつてあったかもしれません。しかし、私は我が国の国会において、PKO特別委員会で議論をした経過を踏まえて、そういう心配なところへは出てまいりません、心配が少しでも出てきたら撤退をいたします、こういう議論をしてきたわけですから、あのときの委員会における審議とずれが生じるような対応をしてはいけません、答弁は承知できない、こういうことを言ったのでありますが、先ほど申し上げるように、その議論は少し時間を置いて、次の機会に譲ることにいたします。 そこで伺いますけれども、このPKO協力法というのは、私はまだ百点満点の成熟した法案ではないという理解に立っているのであります。まだ検討すべき点がある、こう考えているわけでありますが、それは改めての機会にするといたしまして、PKO協力法に関しこのところまことに閣内不統一が目立つのであります。まことによろしくない、これは。総理は、さきのASEAN訪問の際、PKO協力法の早期見直しは行わないと述べておられた。また、その立場に立ってそれぞれ御発言になり、この委員会でも御答弁になった。ところが、渡辺外務大臣はPKFの凍結解除を発言されたようです。これはそういう議論をするときもあるでしょうね。しかし、このことを副総理である外務大臣が軽々に発言をする、凍結解除を発言する、言及する。それからさらに、昨日も我が党の伊藤委員が少し触れておられましたけれども、柿澤外務次官はPKO五原則の緩和、定員を、今二千人ですけれども、これをふやしたらどうかというような発言をしているわけです。次官というのは一体何だ。国会で審議したことに対して、ああだこうだと言う資格と権限があるのかなと思うくらいであります。ちょっと一言だけでなく、二言も三言も多過ぎると思う。いずれにせよ、これは重大な閣内不一致だと思う。これは総理の責任になりますね。これはよろしくない。総理、閣内不一致をどう統一されますか。
○宮澤内閣総理大臣 具体的に政務次官の発言の内容を存じませんけれども、まあやはり国連に対して協力をしたいという立場の職責を持っている人たちからいえば、できるだけのことをしたいという気持ちがそれは私はございましょうと思います。政府がもともと提案を申し上げました法律案の内容のようなことまで日本としてもやりたいという気持ちを、それは持つのは私もっともだと思いますけれども、しかし、現実にはあの法律案は国会において長い御審議をいただき、また国民的な関心も集めまして、その結果としてああいう形で国会の御審議を終え成立したわけでございますから、そういう気持ちは気持ちといたしまして、やはり全体のこの法案の審議にあらわれた国会の御意思というものはこれは大切にしなければならない、それが民主主義というものだと思います。 そういう中で現実に自衛隊の諸君を初め皆さんが隊員として現地に行ってくれて、そして国づくりを手伝っている仕事を国民の多くは見ておられて、なるほどかつて考えたことは杞憂であったなというような理解は私は徐々に深まっているというふうに考えますけれども、やはり我が国としては初めてのことをやっておるのでございますから、一年、二年よりは遠い将来まで我が国が国連に対して本当に協力をするというそういう国民的な支援、理解を築くということがやはりもっと大事なことだと思いますので、私として今この見直しを急ぐということはそういう意味からいえば余り賢明なことでない。そういう意見を持っている人の考え方は十分私も聞きます。それも大事なことでありますけれども、大局的な判断としては私はただいま申しましたように思っておりまして、これが内閣としての意見でございます。
○串原委員 そうでなければいかぬ。 そこで、私は意見はあっていいと思う。それは否定しませんよ。少なくとも渡辺外務大臣は副総理ですね。それから、柿澤外務次官は――次官というのはだれが任命するのですか、教えてくださ い。
○渡辺国務大臣 法律上は、所管大臣が推薦をして内閣が任命するということになっております。
○串原委員 つまり、所管大臣が推薦をして総理大臣が任命するということですね。したがって、委員会、国会で議論をした法律に基づいて、例えばPKOの五原則の見直し、これは三年後ということになっているわけですよ。そういうようなことを承知をしながら軽々にその辺で発言をする、こういうことは慎んでもらわなければいかぬ。私はそういう意味で、総理、柿澤次官に少し注意をしてください。どうですか。
○宮澤内閣総理大臣 出張から帰られましたら、外務大臣からもその辺の真意を聞いていただくようにいたしたいと思っています。
○串原委員 それでは、次の問題に移りましょう。 このところ好ましくない事態といたしまして、アメリカ軍のイラク攻撃の続行、これは私はどういうふうに弁解をいたしましても国連決議を逸脱しているのではないかなと思うのです。これは欧州各国を含めて批判と懸念が非常に多く表明されている、これは報道されております。総理の見解を伺います。
○渡辺国務大臣 これも見方の問題でございます。まあ少しやり過ぎではないかという人もあれば、やむを得ないことではないかという国際世論も、多少ニュアンスの違いがあるのは仕方のないところだと存じます。
○串原委員 そんな答弁ではどうかと思う。外務大臣、私の質問を聞いていなかったのではないかな。いい、今度は総理が答弁してくださいよ。 アメリカのイラク攻撃の続行というのは好ましい状態ではないと思う、どう考えても。国連決議を逸脱しているのではないかと思うくらいであります。したがいまして、ヨーロッパの各国々ですら大変な批判がある。ちょっと行き過ぎではないかということも含めて批判がある、あるいは懸念が表明されていることは御承知のとおりであります。したがって、政府はどう考えますか、特に総理の見解を伺いたい、こう言ったら外務大臣が御答弁になったのですけれども、総理、答弁してください。
○宮澤内閣総理大臣 イラク、サダム・フセイン氏が国連の決議を履行していない、これに違背をしているという事実はこれは明らかでございますから、我が国としてはそれに対するアメリカ等々の行動を支持しておる立場でございます。 大事なことは、そういう違反の事実がございますから、これに対して矯正をすることは大事でございますけれども、目的と手段との間にはやはり相応の、何と申しますか対応というものは当然あるはずであって、その目的と手段との相互関係というものをやはり関係者はみんな大事にしていく必要がある、そういうふうに考えます。
○串原委員 では、次の問題に移ることにしましょう。 さきの百二十五臨時国会で私は、JRが発足して五年を経過したことにかんがみて、日本国有鉄道改革法附則第四項に基づき政府が改革の実施状況を国会に報告する最終年に当たっていることから、国鉄改革、JR五年間の検証について議論をいたしましょうということを提起をいたしました。それに対し政府から通常国会で十分議論することを約束いただきましたので、幾つか政府の見解を伺っておきたい、こう思う次第であります。 昨年の三月末をもってJRは五年を経過いたしました。以降、政府・運輸省は、改革法附則第四項に基づく報告のほか、「国鉄改革後五年間の成果と課題」と題して広く世間に考え方を示されているのであります。また、マスコミ等においてもさまざまな議論が行われておりまして、JRの主要な労働組合でも、「JR五年目の検証」と題し、各界からのアンケートを集約し、報告を行っています。いずれも五年間を総括し、今後の鉄道事業、JRの発展に向けて議論されていることは評価すべきだというふうに私は思っているのであります。以上の報告と議論に基づき、成果と課題について指摘することといたします。 まず、成果として、JR各社の経営状況についてでありますが、輸送量は旅客で五年間の年平均で四・五%、貨物は六・一%と増加し、経営状況も順調な業績をおさめているようであります。また、改革前の国民の負担は年六千億円前後でありましたが、JRになってからは各社が大きな納税額を計上し、納税・納付金等が政府補助金を上回るに至っていると聞いております。 このように輸送量が増大し経営が順調に推移してきた要因として、さきの労働組合のアンケートを見ると、労使双方が意識改革を行ったこととサービスの向上を挙げているのであります。また、JR各社は、発足以来基本的に運賃値上げを行っていないこと、内部疾患者及び精神薄弱者の運賃割引を実現したこと、これは前国会の中で私も運輸大臣に強く要請をしたことでありますけれども、このようなことや、あるいはJR東日本やJR北海道では、体にハンディを持っている人や交通遺児の皆さんを労使一体で旅行に招待したり沿線植樹など社会に大きく貢献するなどは評価してよい点ではないかと考えるのであります。このような評価が――平成四年六月、政府の発表した二十一世紀に向けての交通政策の基本において、鉄道の復権と言われるように鉄道を軸とした交通網の整備を強調しているのであります。 以上の国鉄改革、JR五カ年の成果を見ますとき、国鉄改革は定着したと考えるのか、政府の見解を伺いたいのであります。
○越智国務大臣 ただいま先生から貴重な御意見をいただきましたが、国鉄改革後五カ年を振り担ってみまして、国鉄改革の進捗状況につきましては、JR各社の積極的な営業施策の展開、また地域に密着したダイヤの設定等によりまして、JRの鉄道輸送量は国鉄時代と比較して全体として着実に増進をいたしております。また、収支の点におきましてもおおむね順調に推移をして、国鉄改革は着実に定着しているものと考えております。 しかし、最近の金融及び不動産を取り巻く環境の変化により、極めて厳しい状況にある国鉄長期債務等の処理、JRの完全民営化の実現等、残された課題の解決に向けて今後あらゆる努力を進めていかなければならない、こういうふうに考えております。 でありますから、お説のとおり、非常にこの五カ年順調に進んでおる、こういうことであります。
○串原委員 大臣、今お触れになりましたけれども、国鉄改革の積み残しの一つに債務の償還問題がありますね。これは大きな問題です。 これは、JR本州三社と貨物会社で四・七兆円の債務を継承いたしましたが、五年で順調に償還が進んで、三・四兆円くらいに減少しているようであります。しかし、国鉄長期債務と鉄建公団、本四公団債務、年金負担等々を含む二十五・五兆円の債務を抱えた清算事業団は、五年を経過した平成四年には二十六・四兆円に増加していると言われます。この背景には、政府の地価対策として一般競争入札の凍結などにより土地の処分が進んでいないというようなこともその要因に挙げられているわけでありますが、しかし、これはできるだけ早く処理、償還、解決をする方策を講じなければいかぬ大事な政策ですね。 これはいつごろまでに解決しようというふうに考えているのか、あるいは債務償還について見通しをお示しを願っておきたいと思うのでございます。
○越智国務大臣 先ほども申し述べましたが、債務処理ができていない、このことにつきましては、実はお説のように地価の暴騰の問題等これあり、経済政策上ちょっと高値で売却できない、こういうことであります。また、株につきましても平成四年度に売り出す予定でございましたが、これをストップいたしております。とりあえず平成五年、JR東日本の分を売却するように準備を進めております。また、地方公共団体等に土地の売却、この点につきましても極力進めてまいる所存 であります。金利負担が非常に重いものですからなるべく早く処理をしたい、こう思っておりますが、今のところできるだけ五年度に処理をしていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○串原委員 鉄道共済年金の財源問題につきましては、国鉄改革で積み残された大きな課題ですね。 この財源問題の根本原因は、戦後外地からの引揚者を含めて、当時私どもの友人も多くおりましたけれども、大量に国鉄に採用されて復興業務に携わった。ひところ大変な人員でしたね。この人々が順次退職をして年金受給者となり、一方、国鉄は石炭から石油へのエネルギー転換に合わせて近代化、合理化を進めた結果、あるいは国鉄改革などにより、職員は一番のピークのときは六十万人余いらっしゃった、それが二十万人に減った。こういう事態の中で、ここに鉄道共済年金問題の最大の原因があると思います。今日まで自助努力として、社員は負担率のアップ、受給者は給付金のカット、スライドの停止措置などに協力をしておられます。 昨年十二月十五日、公的年金制度関係閣僚懇談会は、制度間調整事業懇談会から提出された報告書に基づき、財政見直しの細目について決定をいたしました。これにより政府は見直し措置を平成五年度予算案に盛り込み、今国会に制度間調整事業法の改正案を提出する予定になっております。鉄道共済年金問題の根本的解決を図るためには、平成七年度に向けた公的年金制度の一元化に向け、スムーズに移行できるよう特段の配慮と施策を行うべきだと考えるのであります。 あわせて、これまでの自助努力などについては平成七年度の段階で解消しなければならぬ、解消してあげなければならぬ、こういうふうに考えるのでありますけれども、見解を伺っておきます。
○丹羽国務大臣 お答えをいたします。 まず御理解をいただきたいのは、年金の分野では今、一人のお年寄りを六人で支えております。これが三十年後の二〇二〇年には、一人のお年寄りを二人で支えなければならない。大変深刻な高齢化社会がやってくるわけであります。そういう中において、公的一元化というものは避けて通れない課題であります。 政府といたしましては、ただいま先生御指摘のように平成七年を目途にいたしまして、その一元化に向けて現在検討を進めておるわけでございます。その間の暫定的な措置としていわゆる制度間の調整、こういうものを行っておるわけであります。今国会にも、御案内のように平成五年、六年の暫定措置として、鉄道共済にはいわゆる厚生年金などから九百七十億円の支援をお願いをしておる、こういうことであります。この法案も提出することになっておるわけでございます。 平成元年にこの制度間調整法というものが創設された際に、先生御案内と思いますけれども、自民党、社会党、公明党、民社党、各党の御協力によりまして、実は修正でその自助努力を行っていくべきだ、こういうことを決定した経緯があるわけでございますので、私どもといたしましては引き続き鉄道共済につきましても自助努力をお願いをしたい、こういう考え方に立つものでございます。
○串原委員 大臣、つまり七年度の一元化の際に、やはり先ほど触れておきましたこの自助努力というものは清算をされるべきものだ、そういう方向で一元化をスムーズに行える対策を考えるべきだ、私はこう思うのであります。この点についてもう一度お答え願えませんか。
○丹羽国務大臣 先生御案内のように、鉄道共済につきましては、先ほども申し上げましたように、厚生年金であるとかあるいは地方共済であるとか、そういうところからたくさんの御支援をいただいておるわけでございますので、その辺のところも十分に調整をいたしまして、今の問題につきましてひとつ検討をしていきたい、このように考えているような次第であります。
○串原委員 JRの経営が順調に推移してまいりました要因として、労使の協力、意識改革を挙げることができると思うのであります。そこから労使の信頼性が高まり、労使関係が安定し、安全、安定輸送が確保され、良好な経営状態がつくられ、発展するというふうに言えると思います。 ところで、五年目の平成三年に入って、箱根から西で国鉄改革を進めてきた労働組合が分裂をして、不当労働行為事件、会社を相手とした損害賠償請求事件、人権擁護委員会への請求申し入れ、あるいは会社幹部とのトラブルなど、不法、不正、差別などによって職場は暗く、風紀は乱れていると聞いているのであります。このような職場環境は輸送業務にとっては最大の使命である安全を脅かすことは必然で、信楽高原鉄道事故、JR東海の「ひかり」、「のぞみ」事故についても何度も国会で取り上げられていることは周知のとおりであります。 そこで、緊急に解決しなければならない次の点について、政府の考え方を伺いたいのであります。 一つには、箱根から西のJR東海、西日本、九州で昨年三月ストライキがありました。組合員の要求に、安全について話し合いましょうということを求めているようでありますが、これがなかなか話し合いがつかないと聞いております。どうしてだれも理解する安全問題について対立するのであろうか。 二つ目。JR西日本で昨年十二月、四日間のストライキが行われ、大きな影響を利用者、学校関係者などに与えたと言われておりますが、その紛争の原因を聞いてみますというと、労働時間短縮のあり方をめぐる問題だというのであります。仕事のための待ち合わせ拘束時間を労働時間としないことを組合に求めたと聞いているのであります、この件について労働省は、それは労働時間である、こういう見解を発表していると聞きます。この現状とその対応はどうなっているんだろうか。これは運輸大臣と労働大臣、それぞれの立場でお答え願います。
○越智国務大臣 お話しのとおり、民営化いたしましてストライキがなく進んでまいりました。非常に労使双方大変な努力をせられた、かように思っております。 ところが、昨年三月に東海、西日本、九州の一部でストライキがございました。利用者の皆さんに大変御迷惑をかけたと、かように思っております。先般来、この使用者あるいは労働組合の皆さんも見えましたので、できるだけ話し合いで解決をしてもらうように要請をいたしております。 また、お説にございましたように、この折り返し運転等の時間、この時間の問題でなかなか話し合いがつかないようでございますけれども、これもぜひ話し合いで進めてもらいたい、かように思う次第であります。 また、今この安全問題につきましては、これは交渉というより、労使ともに話し合って、安全がもう第一でございますから、この点についてもぜひやってもらいたい、こういうふうに要請をいたしておるところであります。
○村上国務大臣 御指摘のように、労働省といたしましても憂慮にたえないことでございまして、JR西日本は昨年十二月の八日から四日間ストライキ等々をやって、引き続き問題解決がされてない。私は、やはり今御指摘の安全という、事故防止ということから、労使間でうまく話し合いがつかないということはそういうことにもつながっていく。また、JRという性格からいたしますと、国民生活に非常に影響を持つ国民の足でございますので、本当にそうした大局的な立場に立って、労使でしっかり話し合いをして、一日も早く解決をしていただきたいということをこいねがっております。 そうした中で、私は、基本的には労使で解決することではございますけれども、けさも労政局長等々にも、労働大臣が何らかの形で解決のためにお役に立つならばあえて火中のクリでも何でも拾うと、そうした気持ちではおりますことを委員に御理解を賜っておきたい。 以上であります。
○串原委員 国鉄改革、JR五年間の検証の基本部分について触れてまいりましたけれども、なお細部、各論につきましては、当委員会やあるいは続く他の委員会等で同僚委員が質問をされると思いますから、JRの健全発展のために誠意ある対応をこれからも要請をいたしまして、私は次の質問に移ることにいたします。 防衛計画の大綱の見直しでありますが、私がここで申し上げるまでもないほどなんですけれども、重要なことでありますから触れておきますが、大綱の国際情勢の記述は、東西冷戦構造を前提にした分析であります。これは論をまちません。アメリカを初め西側諸国は、数年前からいち早く、冷戦の終結、グローバルな紛争の可能性の消滅という情勢認識を前提に、大胆な戦略転換、軍事力の縮小と再編に着手しているのであります。見直し作業が九四年までかかるというのはどうも私は納得できないのであります。中期防の修正などでその場しのぎの手直しといった対応に終始し、見直しに着手する時期を繰り延べてきたという姿勢は、私は余り褒められたことじゃないと思うのです。すぐにでもこれは着手してよろしいと、こう考えます。 防衛庁には、新しい時代に対応して、その新しい時代の、冷戦後の情勢について私はここで触れませんけれども、防衛政策を抜本的に見直すという真摯な姿勢に欠けているのじゃないかなというふうに思えてなりません。見直し作業の取りまとめ時期を、よく前倒し前倒しと言いますけれども、公共事業だけではなくて、国の基本にかかわる大事な作業でありますから、まさに前倒しをして一刻も早く見直しに着手してもらいたい、着手すべきではないか、こう思うのです。いかがでしょうか。
○中山国務大臣 防衛大綱の見直しにつきましては総理からもたびたび御答弁をいただいているところでございますが、先生が御指摘のように、常に国際情勢の変化に対応しながら柔軟な姿勢で対処をしていくということはおっしゃるとおりでございます。 ただ、冷戦の崩壊後、いろいろな努力で平和の方向に向かっているということは確かでございますけれども、総理のお話にありましたように、ヨーロッパはある程度の体制ができたような感じがしますが、我が国の周辺、アジア・太平洋地域におきましては、冷戦崩壊後の新たな事態に即応をした平和機構の構築というものがまだできていない、非常に複雑な情勢であるわけであります。冷戦後この地域がこれからどういう方向に向かっていくのかということは大変不透明なところだろうと思います。たまたま中期防におきましては平成七年度までに大綱の見直しを含めた修正を行うということになっておりますが、それまでにあと二年、三年という時間があるわけでございまして、その辺の変化を見きわめながら、大綱といいますとある程度中長期の防衛の方針を確定しなくてはいけないわけでありますから、その辺の様子を見ながらこの大綱の見直しを謙虚に行っていくのがいいのではないかなと思っておりますし、その前に大きな変化があればまたそれに対応していくという姿勢でございます。
○串原委員 大臣、そこが私はわからないのですよ。世界の情勢は、ここでいろいろとあれこれ例を挙げて繰り返す時間はありませんけれども、昨年、一昨年の暮れあたりから大きく変わっているわけでしょう。ソ連の変化、東欧の変化、これは大変な変化であります。したがって、それに対応してそれぞれの諸国は大幅な、先ほど申し上げるように、防衛計画の見直しをやっていますね。我が国だけが防衛計画大綱を後生大事に抱えていまして、アジアはまだちょっと心配だみたいな御答弁をなさる。そこが私はわからないのですよ。そんな状態ではない、アジアも変わっている、この認識をまずあなたが持つことが大事ですね。どうですか。
○中山国務大臣 言葉が足りませんでしたが、御承知のようにアメリカの防衛というものと我が国の防衛とでは全く性格が違っておりまして、御承知のように専守防衛、本当に最小限度の力であらゆる攻撃に対応する。しかも、武力に直接対応するのではなくて、こういう防衛をやりますよという国民的な覚悟を形の上であらわすということが、この地域の安定、また日本に対する、我が国に対する侵害を防いでいくということが御承知のように大綱の精神でございますのでありますから、これまでの変化の中でもその大綱の精神というものはまだ生きているというふうに考えておりますし、また、なおこれ以上の変化が起きましたときにはまたそれなりの対応、修正などを考えていくということでございます。
○串原委員 大綱をつくったのはしばらく前ですから、御承知のとおり十数年前。あれから世界はどんなに変わりました。あの緊張状態の中で、確かに専守防衛だ、我が国土防衛という格好の立場で大綱をつくられた、これはそのとおりです。でありますけれども、それは各国々、それぞれの地域の情勢を踏まえて大綱はつくられたはずであります。 ところが、音を立ててというほど大きな表現をしても間違いないほどに世界は激変をいたしました。ソ連も変わりました。朝鮮半島の南、北の話し合いも進むという状態になりました。東南アジアの情勢も随分と変わりました。これをこうだああだということを一々挙げる時間はもうないというふうに先ほど申し上げましたが、ありませんが、そういうように大きく音を立てて世界情勢が激変したという状態の中で、専守防衛ではありまするけれども、我が国の防衛計画だけは、いや、ちょっともう少し、三、四年様子を見なきゃなんというような話は、大臣の感覚はちょっといかがかと思うのですよ。いや、そう思います、私もそう思う、できるだけ早く大綱見直しに努力をする、こういう姿勢でなければ、私は当面する防衛庁長官としてはいささかいかがだと思いますよ。 国際情勢をもう少し的確に把握していただきたい。決断を時によればしなきゃならぬ、あなたは。いや、それは早いと言う人もあるかもしれませんよ、大勢の中には。防衛関係者の中にはあるかもしれませんよ。しかし、その情勢を政治家のあなたは判断をして、いや、防衛庁長官としては現況をこう思う、やはり現況に対応できるように、即応できるように考えていこうじゃないか。決断をするのはあなたですよ。決断を求めますよ。
○中山国務大臣 長くは申し上げませんが、国際情勢の変化、防衛の大綱ができてからの大きな変化ということにつきましては私も先生と認識を同じくしているわけでありますが、これからの防衛をどうしていくか、大綱の見直しを含めて、これが今我々が課せられている一番大きな課題であろうと思います。 その大綱を、これからの防衛というものを考えていくそのスタートを切る大任を私は任されているのではないかというふうな覚悟でこのいすに座っているわけでありますので、今後ともそういう意味での先生方の御指導をいただきながら、先ほどから何回も申し上げておりますように、柔軟にこの対応をしていくということを重ねて申し上げまして、御了解をいただきたいと思います。
○畠山政府委員 大臣から申し上げたことに尽きるわけでございますけれども、若干補足をさしていただきたいと思います。まず第一点は、先生よく御存じの話でございますけれども、防衛計画の大綱といいますものが、基本的に、軍事的脅威に直接対抗するよりも、我が国みずからが力の空白となって周辺地域の不安定要因とならないように、独立国として必要最小限の基盤的な防衛力を整備しよう、こういうことででき上がっておりますので、個々の国際状況の変化に直接的に応ずる、こういうことではございません。基盤的な防衛力構想というのはそういうものでございます。 ただ、おっしゃるように、さはさりながら、それに基づいて出てまいります具体的な防衛力の水準がどうあるべきか、これは全体的な国際情勢に もよるところがございます。 そこで、大臣からも申し上げましたように、現在の国際情勢は御指摘のとおり大綱制定時からは大きく変化している、これは事実でございます。しかしながら、主としてアジア・太平洋地域を中心といたしまして、その変化したものが、まだいわば今後の推移について見きわめる必要がある。何となれば、今後中長期にわたっての防衛政策のあり方を策定するという場合には、やはり相当な視野を持った形で、国際情勢がどう安定していくのかということを見据えないといけない。そうしますと、ソ連崩壊ということに象徴されます変化から一年ちょっとでございますので、そしてそのソ連自体が命いろんな保守主義というようなことで、どういう方向にまた安定していくのかというのがまだ必ずしも見えてきている状態とは言えないのではないか。 いろいろなことを考え合わせますと、世界の情勢は大きく変化しておりますが、なお今現に変化を続けている状態ということでございますので、この我が国の基本的な防衛政策のあり方を決める場合には、そうした中長期的な視点に立って国際情勢を見きわめた上で、そしてこれを判断していく必要があるのではないかということを大臣から申し上げたと理解しております。
○串原委員 時間が参ったようでありますから、最後に伺って、残余のところはまた機会を改めて防衛計画についてあるいは自衛隊の装備について伺いたいとは思っていますが、そこで、大綱を見直す作業を進めたい、そういう姿勢に立ちます、しかしそれは広い視野、長期的な視野を持って取り組むということでありましたが、大綱を見直して検討に入るとするならば、その大綱見直しは、本文はもちろんでございましょう。いわゆる別表についても検討するという意味の答弁をかつてなされましたから、別表とともに本文はもちろん検討していくと、こういうことですね。確認しておきます。
○中山国務大臣 大綱の大幅な見直しということになりますと、もちろん別表の方もこれは見直すということになろうかと思います。
○串原委員 いやいや、大臣、本文はもちろんですね。
○中山国務大臣 先ほど大綱と申し上げましたのは本文の方でございまして、もちろん別表も連動してくるものというふうに思っております。
○串原委員 終わります。
○粕谷委員長 これにて串原君の質疑は終了いたしました。 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ―――――◇――――― 午後一時一分開議
○粕谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川であります。 昨年の臨時国会から持ち越されました東京佐川急便の疑惑解明は、国民の政治への信頼を回復するために避けて通れない問題でありますし、また、国民の信頼がなければどんな立派な政策を打ち出してもそれを実行できない、こう思います。そこで、ぜひこの疑惑の徹底解明と関与した政治家の政治的道義的責任を明らかにする、また関連する後ほど要求をいたします方々の証人喚問をぜひ実現をさせてもらいたい、こういうことを含めて、きょう私の方から問題提起をしたいと思うわけであります。 そこで、法務省の刑事局にまずお伺いをいたしますが、平成四年十一月二日に開かれました東京佐川急便事件の公判でございますけれども、早乙女、庄司両被告人の公判がございました。そこで佐川急便社主である佐川清氏の平成四年九月十五日付等の検察官調書が取り調べられておりますけれども、この日付の日に、すなわち昨年の九月十五日、この日付の日に佐川清氏を取り調べたのは事実かどうか、まず刑事局長にお伺いしたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 検察当局におきまして、委員が今御指摘になられましたとおり、佐川清氏を取り調べたものと聞いております。
○草川委員 今刑事局長がおっしゃいましたように、昨年の九月十五日に佐川清氏は検察の取り調べに応じたということでございます。これは特に私ども、後ほど申し上げますが、佐川清氏の証人喚問を要求をしておりますが、その大きな前提の一つがこれで明らかになったと思います。 そこで、今から当日の公判廷の傍聴メモを私どもが読み上げますので、これらの検察官調書に今から私が申し上げるようなことがあるのかどうか答えていただきたい、こう思います。傍聴メモでございますから、言葉の端々で多少食い違う点があるかもわかりませんけれども、全体の流れはそんなに間違っていないと思うので、お答え願いたいと思います。 まず、平成四年九月十五日付の佐川清氏の検察官調書であります。 「渡邉廣康の不正が分かり、告訴しようとしていた平成三年七月十二日ころ、渡邉が」、渡邉というのは東京佐川の社長であった渡邉です、「京都にいる私を訪ねてきたので、」佐川清さんのうちへ来た、「告訴のことを伝えたところ、渡邉は「私には金丸と竹下がついているので、日本の警察は私を逮捕することはできませんよ。」などと大きなことを言うので、私は」、佐川さんですが、「私は「それならそれでいいじゃないか。」と言い放った。渡邉が、私に正面切って反抗的な態度を取ったのは、そのときが初めてだった。」いわゆるこの調書には渡邉を告訴した経緯などが述べられております。これがまず一つです。 二番目、これは平成四年九月十五日、同じ日付でございますが、別の佐川清氏の検察官調書であります。 「告訴した直後」、これは渡邉を「告訴した直後の平成三年七月末ころ、小針暦二の名前で「告訴を取り下げなければ、佐川会長自身が、罪に問われることになる。」という、半ば威しめいた文書が郵送されてきたりしたが、」また、「金丸信さんからと思われる電話は四回あった。時期は明確でないが、記憶では平成三年十月~十一月ころ四~五日おきに三回あり、いずれも居留守を使い、お手伝いさんに電話を切ってもらい、電話に出なかった。四回目は平成四年一月ころで、入院先の金沢の病院にかかってきた。」とあります。これはいわゆる告訴取り下げの働きかけを受けた経緯に関する調書であります。 また、別の佐川清氏の検察官調書には、佐川清オーナーが渡邉東京佐川急便元社長の紹介で暴力団石井進に会った経緯が要旨で述べられております。すなわち、「昭和六十三年十二月の前ごろ、渡邉東京佐川急便社長、石井稲川会の会長、庄司」、庄司というのはこれも被告でありますが、この「庄司が京都の佐川オーナーを訪れ、」佐川宅を訪れ、「石井会長がやっているゴルフ事業の資金援助要請にきた。東京佐川急便の名前や信用を石井会長に貸したとしても、ゴルフ場開発の借入なので、東京佐川急便や佐川急便グループに石井会長の借金のツケが回ってくることはないと考えた。又、石井に資金調達をした場合は当然その資金はゴルフ場開発資金にだけ使われるものと思っていたし、後で判明したような株購入資金など他の用途に流用されるとは思ってもみなかった。その後、石井会長からは、」、「その後」ですね、この日付はちょっとわかりませんが、「その後、石井会長からは、病気の見舞いとして、現金一千万円及び現金五千万円を贈られたが、暴力団から金を受け取ると、結局それ以上の大きな頼みごとをされて大損をするし、後が怖いと思って、受け取った金額以上の贈り物を、渡邉社長を通じて石井会長に贈った。」とありますけれども、そのとおりか、刑事局長にお伺いをしたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 今委員が御指摘になられたような供述内容につきましては、今委員が仰せになられましたように法廷で朗読された、あるいは要旨の告知があった供述調書についてメモをとられたということでございますので、そのような記載があることを否定することは、材料は持っておりません。そのとおり、おおむねそのとおりというふうに承知いたしております。
○草川委員 今刑事局長がおおむねそのとおりだ、こういう答弁がございましたので、私先ほど申し上げた、こういうことがあるだけでも私は当然のことながら佐川清氏にその背景、全貌というのをぜひ我々はお伺いをしながら、一体日本の運輸行政というのはどういう形で今日までこの会社を認めてきたのだろうか、いろいろなことを聞きたいと思うわけであります。 それで、重要な点は、佐川清氏はこの調書の中で非常に問題な点を供述をしております。「東京佐川急便の名前や信用を石井会長に貸したとしても、石井会長のゴルフ場開発事業の借入れのことで、東京佐川急便や佐川急便グループに石井会長の借金のつけが回ってくるなどの迷惑をかけることはないだろうと考え」ていた。また、「ゴルフ場が完成すれば、当然それに投下された資金の回収は十分できるものと思っていた。」「株購入資金など他の用途に流用されるとは思ってもみなかった。」すなわち、暴力団の行う事業に運送会社であるところの佐川急便が資金協力していることをみずから認める供述をしているわけです。ただ、「借金のつけが回って」きたり、「株購入資金など他の用途に流用され」たことが石井会長の約束違反だったような口ぶりを言っておるわけであります。 そこで、昨日来から運輸省に、運輸省の許認可事業である運送業の責任者としてあるまじき行為ではないか、こういうことを運輸省はどのように把握をするのかというので、これは実は昨年来から私は運輸省といろいろと話し合っておるわけですが、明確な答弁がございません。 そこで、改めて新しく運輸大臣になられた方、私の今のこの話を聞いていただいて、公判廷で明らかになった、佐川オーナーと暴力団のこんなかかわり合いが明らかになったわけですから、一体どのように御判断になるのか、運輸大臣としての御答弁を願いたいと思います。
○越智国務大臣 以前の事実関係については政府委員から答弁をさせますが、六社が合併したときには佐川さんは役員には入っておりません。ただの株主で、大株主であるということは事実でございますが、それ以上のことは、合併後は経営者ではなくなっておる、こういうことであります。
○草川委員 昨年合併をしたから、合併をしてからは経営からは引いていただいた、いわゆるオーナーだけですよと、こういうことを言っておみえになるのですが、私の言いたいのは、これだけ世間を騒がしておるならば、運輸業者、いわゆる許認可事業である運送業の責任者がこういうことをやったということならば、もっときちっとした指導というものを、明快な指揮というものが行政はあってしかるべきではないかと思うのですが、いま一度反省の弁なきや否や、お伺いをしたいと思います。
○越智国務大臣 先ほどお答えいたしましたように、合併のときにお引きいただいたというか、実質的にお引きになったのか、その点はつまびらかでございませんけれども、それ以上、今の運送業者としてのことについてはちょっと私もわからないというところであります。
○草川委員 要するに、運輸大臣が今のような答弁をしているからこそこういう事態になったのではないかと思います。ひとつ運輸省は、悪い点は悪い点できちっとした対応を示していただきたい。きょうは、運輸大臣を相手にこの話を続けませんから、十分、こういう事実を指摘したわけですから、役所としてきちっと調査をして、過去の点でいっこういうことをやったのか、少なくとも当時の関係者を呼びつけて、他の業界にも示しをつける意味でも指導をお願いをしたい、こういうように思います。 そこで、今度は国税局にお伺いをいたしますが、実は、私どもの調査によりますと、佐川急便、いろいろな主管店があるんですけれども、佐川急便の主管店の現職の幹部社員から、佐川急便グループの主管店は――これは当時の話です、今ではありませんよ、佐川急グループの主管店は経常利益の一%を佐川清オーナーに現金で上納をしているという情報を私どもは入手をいたしております。これは国会で問題になった売り上げの何%を出して新潟へ持っていったというのとは全然別な話ですよ。全然別な話です。経常利益の一%をオーナーに現金で上納をしたと言っておみえになるわけであります。このことは取り調べのときにもかなり追及をされた。だけれども、それはオーナーに贈ったのではなくて、その取り調べの際には一般的な経費というのですか、営業用の対応だとかいろいろなことを言ったやにその本人は言っておりますけれども、実は、本当のところはオーナーに渡したんだと言っておるわけであります。 このような場合、関係法人及び個人の課税関係はどうなるのか、お伺いをします。
○瀧川政府委員 一般的に、法人が取引先等に金品等を供与した場合の課税関係ということになると思いますが、その供与した法人について申し上げますと、その金品等の供与の実態に応じまして、交際費あるいは寄附金等として取り扱うことになるわけでございます。一方、その金品等を受け取った個人でございますけれども、それが個人の場合には、その金品等の額は、原則としまして、各種の所得の計算上収入金額に算入されるということになります。 なお、これはついでになりますけれども、金品等を受け取った者が法人である場合には、当然のことながら、それは益金の額に算入される、そういうことになります。
○草川委員 要するに、今当たり前のことを答弁したわけですね。 では、続いて国税にお伺いをしますが、国税当局は、この問題について主管店を調査し、適正に課税をしたのかどうか、お伺いをします。
○瀧川政府委員 たびたび一般論になりますけれども、私ども国税当局としましては、国会において議論された事件については大変関心を持っておりまして、その国会での御議論も含めてあらゆる資料を、課税上有効な資料情報というものの収集に努めております。そして、こういった資料情報と、それから納税者から提出された申告書等の資料、そういったものを総合検討させていただきまして、課税上問題があると認められる場合には実地調査を行うなどによって適正な課税に努めてきたところでありますし、また、これからもそうしていきたい、こう思っております。
○草川委員 要するに、国会で議論になったことは、その情報をきちっと把握をして課税をしておる、こういう答弁だと思います。 ところで、佐川清氏の最近の公示金額はどのようになっているのか、お伺いをします。
○瀧川政府委員 お尋ねの佐川清氏について最近三年間の所得税の公示税額を申し上げますと、平成元年分につきましては四億八千八百万円、平成二年分につきましては四億七千百万円、平成三年分につきましては二億八千七百万円となっております。
○草川委員 今、四億八千八百万から四億七千等々の答弁が出ましたが、この佐川急便グループの主管店から佐川清氏に流れた上納金は、言うまでもなく裏金でありますから、当然申告はされていないはずであります。この上納金の情報は国税当局にとって新たな情報のはずでありますから、当然調査をすべきであると思いますが、その点はどうでしょう。
○瀧川政府委員 私ども国税当局は、ただいま委員が御指摘になりましたような個別の事柄も含めまして、大変国会で行われました議論につきまして興味を持ち、また関心を持っております。先ほども申し上げましたように、繰り返しになりますけれども、こういった資料情報とそれから各納税 者の申告書等を総合的に勘案さしてもらいまして、必要な場合には実地調査を行うなどによりまして適正な課税に努めていきたい、かように思っております。
○草川委員 興味を持ち、関心を持ってぜひ対応を立てていただきたいと思うわけであります。 そこで、以下の理由から佐川清氏の証人喚問を要求をしたいと思いますので、特に委員長初め与党の理事の方はしっかりと聞いておっていただきたいと思うわけであります。 まず、何よりも佐川急便事件の全体像解明には、佐川急便グループのオーナーである佐川清氏の国会証言が不可欠であります。検察官調書から明らかなように、佐川清氏は暴力団に対する資金協力を公判廷でみずから認めています。これが佐川急便グループの実は体質を物語っているのではないかと思うわけであります。金丸氏から皇民党対策を依頼された東京佐川の渡邉元社長が稲川会の石井会長に協力を求めた背景には、このような佐川清氏の最高責任者としての姿勢が反映をしているのではないかと思うわけです。皇民党問題解明には、私は、佐川氏の証言が極めて必要になってまいります。また、当然その場では皇民党関係を我々も持ち出して、いろいろと証人喚問したいと思っております。 渡邉元東京佐川急便の社長を、東京拘置所に出張尋問を私どもは行いました。その出張尋問の際、渡邉被告は私の質問に対して、佐川清オーナーに相談をせずに独断でやった部分は二割程度だと私の質問に答えました。しかしその二割も、例えばセンターの増設だとか、いわゆるトラックターミナルのセンターという意味ですが、そういう増設なんかは佐川オーナーには相談をしなかったと証言をしました。 また、法廷でも一月の二十二日、東京地裁の刑事六部の法廷でございますが、証人として、皇民党事件解決のお礼とされる六十二年十月二十九日の竹下元首相、金丸前自民党副総裁との会食の事実を、これは渡邉被告の方ですが、認め、さらに北洋産業や北東開発に対する東京佐川の債務保証や貸し付けについて、佐川前会長の同意を得ているということを証言しております。だから、佐川社長というのはかなりの部分知っているわけですよ。この東京佐川の渡邉氏が言う、実は私は独断でやったのは二割なんだ、しかもその二割というのはルーチンワークというのですか日常業務なんだということは、暗に八割の多くの点についてはオーナーが焦っておるということを言っておるわけでありますから、これは佐川清氏にここへ来ていただく大きな私は理由ではないかと思うのです。 また、東京佐川の事件に関連をして、この事件の重要な場面でしばしば登場するのは小針氏でございます。小針氏というのは福島交通の会長でございますけれども、この小針氏の名前で告訴の取り下げを要求する手紙、告訴というのは佐川オーナーが東京佐川急便の渡邉氏を告訴したのですが、それの取り下げの手紙が来たことや、また、金丸信前自由民主党の副総裁から同様の趣旨の電話が再三かかってきておる、金丸さんから再三かかってきたということを供述をしているわけですから、この間の経緯について私は確認する必要がある。だから、金丸さんにももう一回来ていただかなきゃいけない。 どういうつもりで金丸さんは、被告人であるところの東京佐川急便の渡邉氏がオーナーから告訴された、それを取りやめる旨の電話を自由民主党の副総裁ともあろう金丸さんがやったのか。前回、小田原の市民病院で私どもも証人出張尋問をいたしましたが、病床でございます、我々も随分それなりの対応をさしていただいたわけでございますから、今はもう入院から退院されておみえになりますので、改めてこういう新しい事実についてぜひお聞きをしたいために、金丸さんにも同様の再喚問をお願いをしたいわけであります。 また、佐川清氏はグループ企業から裏金を取っていたという証言を私どもは本日ここで持ち出しました。こういうことについても佐川清氏から直接、どういう趣旨で受け取り、それをどのように配られたのか、これも聞きたいところでございます。 また、平成四年九月十五日付の検察官調書からわかるように、佐川清氏は、入院中にもかかわらず東京地検の事情聴取に応じたわけであります。私の調査では、東京都内でも事情聴取が行われているという、こういう情報をつかんでおります。刑事局はそういう内容については一々発表をいたしませんからなかなかこれは裏がとれませんが、私どもの調査した範囲では、少なくとも一回は東京までわざわざ本人が来ているわけであります。入院加療中を理由に参議院での証人喚問は実現ができませんでしたけれども、東京地検の事情聴取に耐え得るわけでありますから、国会での証言は可能であります。ですから、これはぜひ委員長、それからまた与党の理事の方々は、私どもの証人喚問の要求について、その要求理由が根拠薄弱だというような趣旨のことを言っておりますが、少なくともこういう事情を申し上げれば、佐川清氏の証人喚問も私はこたえていただけると思うのであります。これはいずれ後刻理事会でしかと議論をしていただきたいと思うわけであります。 また、これはプライベートなことになりますから細かいことはちょっと差し控えますけれども、私用で外出をする佐川氏のいろいろな模様を証言する関係者もおります。 それで、次に小沢一郎氏の証人喚問についての根拠を申し上げたいと思います。 これは昨年の十二月十一日、生原元金丸氏の秘書の証人喚問、ここで、これも私の質問でございますけれども、金丸氏が五億円献金問題で辞任の記者会見を、八月の二十七日でございますか、しました。その直前、小沢一郎代議士と東京佐川の邊元社長の主任弁護士らが会合を持っていたことがこの生原証言で初めて新事実として明らかになりました。主任弁護士は赤松幸夫さんというのでしょうか。金丸氏はこの直後に行われた会見で、五億円受領の時期について邉元社長の供述と食い違う発言を金丸さんはやられたわけであります。この会合の持つ意味は非常に大きい。受領時期のつじつま合わせが行われた疑いがあると私はその際も指摘をしたわけでありますが、生原氏によれば、話し合いには、小沢一郎氏と弁護士の二人だけの話し合いが銀座のホテルで行われた、こういうことを言っておるわけでありますから、一体五億円、金丸さんがどのような形で受領したか、その時期の特定、あるいはまた小沢一郎氏がその場で東京佐川急便の主任弁護士である赤松弁護士と会われたという内容については、これも真相究明のために極めて重要な点でございますので、ぜひ小沢一郎氏の証人喚問は先ほど申し上げました福島交通の小針暦二氏同様に行わなければいけないと思うわけであります。 また、今しばしば私の発言の中にも出ておりますけれども、金丸、小針あるいはまたさらに後で申し上げます竹下さん、また八七年十月五日の東京プリンス会談で五億円問題の経緯を知る小沢一郎さんと生原さん、小沢さんの件については今申し上げましたが、さらに生原さんの証人喚問をぜひ要求をしたいと思うのですが、委員長、しかとこの私の要求を取り上げていただきたいと思いますが、どうでしょう。
○粕谷委員長 後刻、理事会に諮りまして、協議をいたします。
○草川委員 そこで、総理にお伺いをいたしますが、このように佐川清氏と暴力団との関係あるいは政治家への金の流れを明らかにするために、佐川清あるいは小沢一郎氏、金丸さんの再喚問、あるいはまた、後ほど申し上げますが、竹下さん、生原さん、小針氏等々の証人喚問を実現すべきと思いますけれども、自由民主党総裁としてのお立場から真相解明にも努力をする、協力をすると言っていただいておるわけですから、総理、どのようにお考えになるのか、お伺いをしたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 一連の事件につきましては、政府といたしましてはおのおののつかさつか さにおきまして調査、捜査等を進めてまいったところでございます。また、自民党におきましても、自民党独自の立場から真相の解明に努力をいたしてまいりました。国会におきましても、御熱心に国政調査のお立場から本件についての真相解明をやってこられました。今後どのようにそれをさらに推進されるか、推し進められるかということにつきましては、これは国会における御決定でございますので政府として意見を差し控えますが、もとより国会の国政審査をお進めになられるにつきましては、行政府として最大の協力を申し上げることはもちろんであります。
○草川委員 党としてもあるいは行政府としても協力をするというお言葉を前向きに実証するように、ぜひこれは委員長、十分聞いていただいて、後日の理事会に反映をするようにお願いをしたいと思います。 次に、平和相互銀行関係のことについて申し上げます。これは、実はきょう皇民党との関係の接点ということを私ども申し上げてみたいと思うので、ちょっと経緯を私から、なぜ平和相互銀行の問題を持ち上げるのかということを申し上げますので、後刻これはまた総理にお伺いをしますので、ちょっと聞いていただきたいと思うのです。 旧平和相互銀行の乱脈融資事件が表面化をしたのが昭和六十年の夏です。東京地検特捜部は六十一年の七月、平和相互銀行の関連会社である太平洋クラブが所有をしておりました神戸市屏風地区、土地の名前ですが、その土地の売却をめぐって、特別背任容疑で平和相互銀行の旧経営陣ら七人を逮捕し、立件をいたしました。七月の二十六日、八月の十二日に起訴をしました。 この捜査の途中で乱脈融資の主な舞台、主舞台となった屏風の土地売買の仲介役として事情聴取を受けた人に元右翼団体の主宰者豊田一夫氏という方がおみえになります。これは十一月の二十六日、昨年、衆議院予算委員会の竹下証人のときに、私が豊田さんを御存じですかと、こういう質問に対して面識ありと重言をされました。この当時の豊田さんの供述で、五十八年、五十九年に当時の平和相互銀行から馬毛島という、鹿児島の南に島があるのですが、この売却の工作資金として二十億円を受け取った。そのほぼ全額を十人以上の国会議員に贈り、自衛隊のOTHレーダー基地用地として馬毛島を買い上げてもらうよう工作をしたとあるわけであります。 この取り調べのときにこういう話が出たわけです。この平和相互グループから豊田氏に二十億が渡された経緯については、本人の供述だけではなくて、元平和相互銀行融資担当部長が六十一年八月十二日付の検事調書でこれは裏づけているわけであります。また、関係者の一人である大野という方がいるのですが、この被告も六十一年十二月十五日の第四回公判で、平和相互銀行伊坂弁護士の秘書と豊田一夫宅に第一回目の金を運んだと実は証言をしておるわけであります。これはすべて法廷の証言、あるいはまた弁護士等に開示をされた資料等々から私どもが調査をしてきた経緯があるわけでございます。 ところが、問題は、国会議員のだれに幾ら渡したかという核心部分については、豊田氏は一切口を閉ざしているため、明らかにされておりません。本来はそのときに東京地検特捜部は、政治家に渡ったというわけですから、それを徹底捜査をすべきでありますけれども、これは残念ながら打ち切られているわけであります。この六十一年の八月十二日にせっかく検事が平和相互銀行の関係者を取り調べて、豊田氏へ金の受け渡しがあったという供述を得ておきながら、同じ日に捜査は打ち切りという形で会見が行われているわけであります。つまり、東京地検特捜部は、馬毛島疑惑については有力な証言を得たにもかかわらず、その日に捜査は一段落をしたと、幕を閉じだというのが、実は私自身も、他の同僚もやったと思うのでございますが、私は当時の決算委員会でこの問題を取り上げ、あるいはまた質問主意書を出すなど、さまざまなことをして追及をした記憶がございます。 こういう経過があるわけでございますが、ひとつこの際また国税庁に答弁をお願いをしたいわけであります。 私は六十二年の四月の六日に決算委員会で同様の趣旨のことを言っておりますが、また質問主意書も出しておりますけれども、平和相互銀行が馬毛島の売却工作資金として豊田一夫氏に二十億を渡したと言われていますが、このような場合はどのような課税関係が生じたのか、お伺いをします。
○瀧川政府委員 先ほど御答弁申し上げたものと若干また重複するわけでございますけれども、整理のため、もう一度繰り返しも含めて御答弁させていただきます。 一般的に法人が個人に金品等を供与した場合の課税関係でございますけれども、これも先ほど申し上げましたとおり、その供与した法人につきましては、その供与の実態に応じまして交際費または寄附金等として取り扱うことになります。 一方、個人が法人から受け取った金銭についての課税関係でございますけれども、これはもう名目のいかんにかかわらず、それが例えば役務等の対価であるときあるいは法人からの贈与であるとき、そういったときは、原則としまして、各所得の計算上、収入金額に算入されることになります。 なお、個人が法人から預かった金銭を単なる仲介人として、いわば右から左へ第三者にすべて払ったというような場合とか、あるいはそれが真実借入金であるという場合には、当該個人につきまして所得が発生しないということは当然のことだろうと思います。
○草川委員 一般論ですけれども、もう少し進めます。 仮にほかに所得のない人が、例えば昭和五十八年ごろの話ですが、昭和五十八年に売却工作の報酬として二十億円をもらったとしたらどれだけの所得税を納めなければならないのか、念のために金額を教えてください。
○瀧川政府委員 一般的に、他に申告する所得のない人が物件の売却に関しまして仲介等を行う、その報酬として二十億円を収受した場合の課税関係でございますけれども、原則として雑所得として所得税の課税の対象となるわけでございます。雑所得として課税される場合には、収入金額から必要経費を差し引いた残額が課税の対象となるということになりますのですが、この場合、仮に必要経費が全くない、ゼロで、かつ所得控除が基礎控除だけだという仮の姿で計算いたしますと、所得税額は十四億八千五百五十四万円というように計算されます。
○草川委員 ちょっと御関心のない方は何を言っておるかおわかりにならないかもわかりませんけれども、要するに単なる仲介人である、政治工作をしたにすぎない、金銭は素通りしたけれども支払い先を明らかにしない場合、十四億八千五百万を仲介者は納税をしたというんですか課税をされたわけです。国税当局は馬毛島の売却工作資金について適正に課税をしましたか、お伺いします。
○瀧川政府委員 御質問の趣は大変個別にわたる事柄になりますので、具体的に答弁さしていただくことは差し控えさしていただきたいわけでございますけれども、まあ先ほど来一般論として多々申し上げました。先ほど申し上げましたような基本的な立場に立ちまして従来とも適正な課税の実現に努めてきましたし、また今後ともそのような考え方でやっていきたいと思っております。
○草川委員 要するに政界工作資金の仲介をした人物は課税されたんですよ。ところが、課税された人間は、実は政界工作に配ったということを既に検察調書の中でも述べておるわけであります。自分が、十四億か十五億か知りませんけれども、かぶっちゃったわけです。ざまあ見ろというわけにいかぬでしょう、事の流れは。 そこで、今度は警察庁にお伺いをします。 報道によれば、報道ということを前提に私は聞きますが、豊田一夫氏と日本皇民党の亡くなりました稲本総裁は親交があったということでありま すけれども、警察ではこの関係をいかに把握をしておりますか。 また、実は大元良一という人物がいます。これは豊田さんと非常に親交のある方で、おやじ、おやじとこの豊田一夫さんに言うわけであります。それで、神戸の屏風の土地の売買についても、この大元良一氏というのは、実際上、平和相互銀行と売り主との間に、仲に立ちます。いろんなお話を調査をしてまいりますと、おやじが、おやじがという言葉で豊田一夫氏との関係が出てまいりますが、この者と故稲本前総裁との関係はいかなる関係にあったのか、この際お伺いしたいと思います。
○菅沼政府委員 お答えいたします。 豊田一夫という人物は、本部を東京に置く日本青年連盟という団体の前会長でありますので、その立場上、右翼運動を行う人々と一定の交流があったものとは考えられますが、故稲本日本皇民党総裁との関係につきましては、巷間いろいろ報道されていることは承知しており、それぞれしかるべき取材に基づいて行われているものと思いますけれども、警察といたしましては、両者の関係についての具体的事実は確認はいたしておりません。 また、大元良一なる人物と稲本前総裁との関係につきましては、同人大元良一なる人物が、日本青年連盟の前身であります殉国青年隊という団体に属しておりまして、北九州、四国地方を中心に活動いたしておりましたことから、九州、四国地方で右翼運動をしていた人々と一定の交流を持っていたものと考えられます。香川県に本部を置いておりました日本皇民党の稲本前総裁ともそういう意味で交流はあったであろうというように考えておりますが、詳細につきましては承知いたしておりません。
○草川委員 今ここで、豊田一夫氏と大変親交のあったこの大元良一氏という方と皇民党の前稲本総裁とは交流があったであろうと思われるという形で、一つの接点が出てきたわけであります。私が今いろんな推理をいたしておりますけれども、その延長線上で、要するに平和相互銀行関連というものは、右翼団体の間ではかなり問題点が当時から指摘をされておりました。要するに、平和相互銀行の土地問題、あるいは後ほど触れますけれども屏風問題、これらに実は今申し上げました方々というのは名前が出てくるわけでございまして、皇民党との接点が出たのではないかと思います。平和相互銀行から土地売買に関して出たところの政治工作資金は右翼の手を通じて政界に流れた、仲介をした右翼の方は相手先を言わない、そこで課税をされる、これを知った関係者がどういう反応をしたのか。一つの接点として、私どもは今後、なぜ竹下氏が右翼にあれだけ長期間にわたって褒め殺しをされたのかという真相を我々は究明をしなければならぬと思うのです。 そこで総理にお伺いをしたいけれども、私、ずっとこの予算委員会に参加をしておりますが、総理に皇民党が竹下元総理の褒め殺しを行った理由についての御感想を実は聞いていないわけであります。皇民党が竹下総理の褒め殺しに出た理由あるいは経緯等については当然当時大きな話題になりましたし、また、これだけ国会でも問題になっておるので、どのように認識をされたか、なぜ竹下さんはあんなに攻撃を受けたのか、どうお考えになっておられるのか、感想を聞きたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 全く私にはわかりません。
○草川委員 わからないというのは我々もわからないんです。それはいいんです。わからないのではなくて、どうして、総裁選挙に立候補されたその当時、まあライバルというんですか、競争者の一人であるわけでございますが、あの右翼が執拗にやられたという理由について関心を持ったか持たないのか、お伺いしたいと思います。関心の度合いを聞きたいんです。
○宮澤内閣総理大臣 その選挙の当時は別段関心を持っておりませんでした。その後、こういういろいろ御指摘がありますので、どういうことであったろうかとは思いますけれども、具体的に知り得る方法もありませんで、今日現在存じません。
○草川委員 じゃもう一つ、こういう質問をしたらどうでしょう。どうお答えになられますか。 平和相互銀行による馬毛島の工作資金の疑惑、あるいは後ほど上申書のことをちょっと言いますけれども、金屏風購入資金融資にまつわる疑惑について、その当時もっと真相解明がきちんとして行われているならば皇民党の褒め殺しも行われなかったのではないかと思うんでございますが、その点はどうでしょう。これは私どもも質問主意書といって、内閣にこの間の経緯を質問をしておりますし、決算委員会等、あるいはまたその他の委員会でも随分議題になっておるわけでございますが、どうお考えでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 ただいまお話を伺っておるわけでありますけれども、どうも大変入り組んでおって、十分その間の因果関係といいますか、どうもわかりかねておる、そういうことでお話を伺っております。
○草川委員 まあわかりかねているというのが本当のところでしょう。それは、お互いにその真相というのをきちっとしていないと後日大変な問題になるわけでございますから、私どもも今回のこの佐川急便事件も全貌を徹底解明をしなければいけないという実は結論を持っておるわけであります。 ところで、今東京地方裁判所で、旧平和相互銀行をめぐります金屏風というものがございます。この金屏風問題で、住友銀行を原告とし、コンサルティング・フォーラムという会社が被告でございますが、これが貸し金請求事件として争われております。その平和相互銀行の当時の監査役でございました伊坂重昭というのですか、この被告が屏風購入をめぐりまして、普通の、俗に金屏風と、こう言っておるわけでございますが、竹下登元首相に対してやみ献金疑惑があるという趣旨の上申書を今出しておみえになるわけです。 念のためにこの金屏風疑惑というのをちょっと簡単に申し上げておきますと、元平和相互銀行の監査役の伊坂という方が、昭和六十年の夏、平和相互銀行の株が当時のオーナーから第三者に渡りましたので、その株を買い戻したいというときの条件として、大正時代に旧財閥の三井家が京都市内の工芸店につくらせました屏風、金屏風と言うのですが、蒔絵時代行列、時代行列の蒔絵があるわけでございますが、これを都内の画廊から購入をしました。しかし、買い戻しは実現せず、平和相互銀行は六十一年の十月、住友銀行に合併をされます。当時からそのときに屏風を買うのに四十億の金が支払われたということで、その融資金の一部が銀行再建に絡んで政界工作に使われたと指摘をされまして、竹下登元首相の名前も国会で取りざたされているわけであります。 この上申書の、これが昨年の十二月の二十五日に弁護人から出ておるわけでございますが、その最後にこういうことが書いてあるわけです。これをちょっと委員長もよく聞いていただいて、竹下さんをもう一回この国会に来ていただきたいという一つの理由になるわけでありますが、この上申書の最後に、「思うに、本件「金屏風事件」は、その後明るみに出ることになる「住友・イトマン事件」、「佐川急便事件」、「皇民党事件」に連なり、さらには「平和相銀事件」における東京地検特捜部の政治的な事件処理を暴露する、わが国の支配の構造を明らかにする今日もっとも中核的な事件に他ならない。そこで、被告としては、貴裁判所に対し、本件訴訟の一切の進行を今後は公開の法廷で行なわれるよう求めるとともに、貴裁判所の崇高な使命を毅然として果たされ、司法に対する国民の期待と信頼に真正面から答えられるよう切望する」という、こういう上申書になっておるわけであります。これが実は二月の十六日に行われまして、この伊坂という被告みずからが証言に立つ、こう言われております。我々にとりましても非常にこの件は重大な関心のあるところであります。 しかも、伝えられるところによりますと、大蔵省出身の、当時の平和相互銀行の田代社長とこの平和相互銀行の株を取得していた佐藤茂という方がおみえになるわけでございますが、この佐藤茂氏と竹下元総理の秘書の青木伊平氏が、金屏風代金の処理をめぐって二十数回にわたって、電話等を含めた回数でありますけれども、連絡をとり合っていたという、これまた検事の取り調べに応じたという情報があるわけであります。 また、これは一部の報道にも出ておりますが、六十年六月十八日、これは一部の報道と違うということを私は言いたいのですが、報道と違うというのは内容が違うということを私は特定したいわけでありますが、六十年の六月十八日、銀座の料亭松山で竹下元首相の秘書である青木伊平氏とこの平和相互銀行の監査役である伊坂氏とが会談をしております。このとき伊坂氏は、平和相互銀行の株の買い戻しについて二時間にわたって話し合ったという事実がつい先ほど判明をいたしました。 ところが、ここからまた非常に重要なんでございますが、私の調査によりますと、この直前、すなわち六十年の六月十八日の直前、伊坂・青木会談の三日前でありますけれども、六十年の六月十五日、問題の金屏風の売り主である八重洲画廊の真部という社長と伊坂監査役が富国生命ビルの中にあります伊坂事務所で会っています。そのときに真部氏は、この伊坂事務所において伊坂氏に、佐藤茂十五億、竹下とだけ書いたメモ、竹下に三億、伊坂に一億というメモを真部氏は伊坂氏に見せているわけであります。よろしゅうございますか。わずか三日前ですよ。わずか三日の間に、平和相互の株買い戻しにまつわる政界工作資金の話と、当時の大蔵大臣の腹心の秘書と平和相互銀行の幹部とが会談を行っていたという事実が浮かび上がったわけであります。竹下氏周辺が今申し上げた経過を見ても暗躍をしたことは明らかであります。そして、電話等にも、二十回もかけたという控えもある。 証人喚問は、私はこれだけでも新しい事実として十分だと思っております。ぜひ竹下氏の再喚問はこの際きちっと委員会において取り決められることを求めたいと思います。 そこで、今度は一般論として法務省にお伺いをいたしますが、大臣秘書官及び国会議員の公設秘書の職務権限というのは一体何か、お伺いをしたいと思います。 それから、時間がどんどん過ぎておりますので、もう一問追加をします。一緒に答えてください。 また、その具体的な職務内容を問いたいと思うのです。どんな行為をした場合その職務に該当することになるのか、あわせてお答えを願いたい。
○濱政府委員 お答えいたします。 まず、前段の御質問の関係でございますけれども、秘書官は、これはもう委員御案内のとおり、国家行政組織法十八条二項によりますると、「各省大臣の命を受け、機密に関する事務を掌り、又は臨時命を受け各部局の事務を助ける。」とされているわけでございます。また、国会議員の公設秘書につきましては、国会法百三十二条によりますと、議員の職務遂行の便に供するため、各議員に二人の秘書を付するとされているわけでございます。 このような秘書官ないし議員の公設秘書は特別職の国家公務員とされていることは委員も御案内のとおりでございまして、今申し上げました各法律に規定された職務を行う権限を有するというふうに考えられるわけでございます。そして、そういう意味で、秘書官ないし議員の公設秘書は国家公務員とされております以上、収賄罪等の主体にはなり得るものというふうには考えられるわけでございます。 しかし、これまでに、今委員が後段の御質問でお尋ねになっておられます、職務内容ということについてのお尋ねでございますけれども、この点につきましては、具体的にどういう行為が今御質問になっておられます秘書官あるいは議員の公設秘書の職務に該当するかということにつきましては、これはこれらいずれの法律につきましても法務当局がその有権的解釈をする立場にはございませんので、具体的に申し上げることはできないわけでございます。 ただ、御指摘の、後段でお尋ねの点、職務内容が具体的にどうかということにつきましては、今後、例えば収賄罪というような刑事事件として問題となりました場合には、その際に当該秘書の具体的な仕事の内容等の実態に即して調査検討することになるものと思うわけでございます。
○草川委員 法務当局の非常に今後の検討課題としての答弁も出ておるわけでありますが、いずれにしましても公設秘書、職務権限あり、あるいはまた竹下元首相の秘書の場合は当時の大蔵大臣であるわけであります。しかも腹心と言われた方であります。青木伊平氏が本当は、生存しておみえになるならば当然私どもの証人喚問の対象でもあるわけでございますが、そういう条件にはございません。ぜひ私はかわって竹下氏からその間の事情等々をお伺いをしたいと思っておるところであります。 委員長、よろしゅうございますか。この点についても。
○粕谷委員長 後刻、理事会で協議をしたいと思います。
○草川委員 そこで、総理にもう一度お伺いをしますが、今度は、この竹下氏の元秘書青木伊平さんが平和相互銀行の合併や金屏風事件等に介在をしていたということは、私が申し上げたように明らかであります。また、法務当局も、国会議員の秘書という地位の高さということを非常に重要視しておるわけでございますが、たまたまこの場合、竹下事務所の青木伊平さんでございますが、いずれにしても金屏風事件等に介在をしていたことは事実であります。竹下氏を再喚問することが佐川事件の全容解明にもぜひ必要だと思うのですが、総理からぜひ、総理というよりも総裁として、また先輩として竹下さんに、この際洗いざらいどうでしょうというような御忠言があってもいいと思うんですが、御感想を賜りたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 ただいまお話を伺いました限りでは、そういうような考えは私に起こっておりません。
○草川委員 要するに、この程度ではそういうことを言うに足らぬ、こういう御見識だというように私は理解をしておきます。 ではもう一問だけ。総理はこれまでの証人喚問で佐川事件の真相解明ができたとお考えかどうか、簡単にひとつお答え願いたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 国会におかれまして長い時間をかけられ、喚問も尋問もされました。国会としてベストを尽くされたものというふうに心得ております。
○草川委員 ベストは、みんな一生懸命やっているんですよ、我々も。お互いに一生懸命やっておるんですが真相解明に至らずということで、私どもも声をからして今一生懸命総理に聞いてもらいたいということで言っておるわけであります。どうかひとつ、きょうはこの場で再度質問はしませんけれども、本当に重要なところまで来ておるわけでございますし、政治に対する信頼がもう本当に疑われております。与野党を問わず、真相解明、証人喚問のために努力をしていただきたいことを申し上げておきたいと思います。 では、次に移ります。 今、金融界が抱えている不良債権という額は余りにも巨額ではないかと言われております。大手の二十一行だけでも十二兆三千億というのが大蔵省の推計ですけれども、全体では三十兆円を超すのではないかと言われております。中でも緊急避難的な重要問題の一つが、不動産投資の焦げつきで経営危機に陥っている住宅金融専門会社、略称住専の取り扱いではないかと思っております。個人住宅ローンを主な業務にしていますけれども、不動産業向けなどの事業金融にも手を広げまして傷を深くした。住専八社、この中には協住ローン も入っておりますけれども、不良債権は数兆円に上ると言われております。 そこで、きょうは時間がございませんので、ポイントだけ、農林大臣と大蔵大臣と総理大臣にお伺いをしたいと思うのです。 この住宅金融専門会社の借入金残高というのは、昨年の九二年九月末で十四兆五千億、それで、その中できよう主たる問題点として申し上げたいのは、いわゆる農林中金、それから各県の信用農業協同組合連合会、俗に言う信連、それから共済連等々の貸付残高が、これまた九二年の九月末で六兆二千六百億を超えると言われております。これが三月期だとか六月期によって大分違うわけでございますけれども、特に、各都道府県における信用農業協同組合連合会の住専向けの焦げつきというのが非常に大きくなっております。まあ私どもも、金利減免の要請が行われている、そういう心配があるわけでございますが、経営から見て本当に大丈夫なのかどうか、こういうことを申し上げたいわけであります。 それで、住宅金融専門八社に対する信連の貸し出し状況を各都道府県別に上位から見ますと、静岡、東京、三重、神奈川、千葉、北海道、大阪、兵庫、岐阜、福岡、岡山、栃木、ずっとこう続いていくわけであります。この信連の総貸出額というのが約十五兆九千二百十四億八千百万、これは総貸出額です。平成四年の三月ですから昨年の三月です。それで、四十七都道府県の信連の住専八社に対する貸出残高というのが三兆七千八百八十八億というふうになっております。これはたまたま平成四年の六月現在の貸出残高です。これは、総理は広島県ですからちょっと申し上げておきますと、総理の地元の広島県の信連は六百八十四億です、貸出残高は。大蔵大臣の山口県の例を見ますと、七百二十八億です。ついでながら、外務大臣は農林も経験しておみえになりますから申し上げますと、これは千十六億。 こういうのを見てまいりますと大変なことになります。しかも、総貸出高の中で住宅金融専門、住専の比率というのが、静岡なんかは四一・四%、三重は七六・三%等々で、大蔵大臣の地元なんというのは四六・五%ですね。茨城なんかでも五四・二%、栃木でも四七%というように非常に大きいのです。 それで、私はこの一覧表をここに、手元に持っておりますけれども、今いろいろと都銀の方は信連に対して、預金の引き揚げを待ってくれ、引き揚げられたらえらいことだと、では金利はきちっと払ってくれるね、こう言うと、それはちょっと交渉だ、こういう今の現状でしょう。綱引きをやっているわけであります。それで、信連側にしてみると、都銀が安定資金だから保証すると言うわけですから、シンジケートを組んでいわゆる住宅ローン、日本住宅金融、日本ハウジングローン、住総あるいは第一住宅金融、住宅ローンサービス、総合住金、地銀生保住宅ローンあるいは農林中金関係の協同住宅ローン、それぞれ分けて各信連は預託をしておるわけです。運用を任しておるわけです。これは今非常に重要な問題になっておりますが、大蔵大臣、まずどのようにお考えか、お伺いします。
○林(義)国務大臣 草川議員の御質問にお答えいたします。 いわゆる住専問題というのは、大変難しい問題だということは委員のお話のようなことでございますが、私は、まず申し上げておきたいのは、今いろいろと数字を出してお話がありました。いろいろなその数字の問題について私の方からどうだこうだと言うことは、個別の問題にわたりますから、この点につきましては差し控えたいと思いますけれども、大変厳しい状況になっておりますし、特に、これから金融の自由化とか株式市場の低迷等によりましてまた厳しい状況が続いておりますし、また、いろいろな一部の銀行におきましては経営改善を積極的にやらなければならない、こういうふうな状況も出てきておるところも事実でございます。こういったこともございますので、金融のシステムの安定化というものを目指しましていろいろと話をしていかなければならない、こういうふうに思っております。 関係のところ、これは金融機関もございますし、今お話のありました農業関係の機関、その他のところに対しましても、またお互いが協力して金融システムが崩壊しないように、おかしくならないようにという形でやっていただく。基本的にはやっぱり、金を貸したりなんかしたわけでありますから、お互い同士の話で自己責任ということを原則にいたしまして、それぞれで立て直しをし、金融システムが崩壊しないような、おかしくならないような形に持っていくように今お願いをしてやっておるところでございます。 大分話が進んでいるというふうに聞いておりますが、まだはっきりした結論まで至っていないのが状況でございますが、一刻も早く状況が整理されるように、私たちとしては期待をして見守っているところでございます。
○草川委員 そこで、農林省に今度はお伺いをしたいと思うのですが、今大蔵大臣の方は、非常に金融システムの問題から重要だと認識はしておるけれども、話し合いが行われておるので見守っている、こういうことですが、実際上は焦げついてしまったんですよ。回収は不能なんですよ。だから、何らかの抜本的な対応を急がなきゃいけない。 ある人によると、信連側にしてみると、いいかなと、先を読んでみると。ところが、母行であるところの都市銀行が心配するなど言ったと、大蔵省の方も一札を入れたという説があるんですよ、心配するなという一札が入っておると。その一札を見せると言うんですが、それはないとおっしゃるんであれでございますが、要するにこれだけ大きなシンジケートを組んで信連が半分以上の運用資金を特別なところに集中をしたというのは、よほどの保証がなけりゃやりっこないですよ、これは。だから私は、これは大蔵省銀行局の責任なり、都銀が何らかの保証、ギャランティーをきちっと各信連にすべきだ、こういう主張でございますが、私のこの意見を踏まえて、農林大臣の見解を求めたいと思います。
○田名部国務大臣 お答え申し上げますが、個々の会社の経営が一体どうなっているかということにもよるんだろうと思います。 ただ、一般的に信連の経営状況を見ますと、金融の自由化による業態間の競争が非常に激化をしておる、あるいは有価証券市場の低迷によって厳しいものになっておることは事実であります。したがって、この住専問題の対応につきましては、こういう厳しい経営状況も踏まえて一体どう決めるかというのは、やっぱり民間同士の話し合いになるわけでありまして、そこから先は私どもも立ち入ってどうこうと言うわけにはいきませんが、経営状況に応じた協力というものは一体どうなのかというのは、これはわかりませんが、そういうことで、今当事者間で話し合いをしておるというふうに承知いたしております。
○草川委員 そもそも農林省関係の協同住宅ローンは、内容はしっかりしておるんですよ。だから、住専八社と言うな、協同住宅ローンを除いて七社というふうに言ってもらわないと名誉のために困るというのが事務局なんです。どうしてかといったら、協同住宅ローンについては、過去私どもも大分批判をしましたので、姿勢がきちっとしておるから焦げついていないという、こういう答弁でございましたので、その旨も名誉のために、協住のために、以後七社というふうに言いますけれども。 まあそれはそれとして、今農林大臣がおっしゃったように、都銀の姿勢が悪いんです、協同住宅ローンに比べると明らかに焦げつきが多いんです、そちらの方は。だから公的資金を導入するということについて社会的な批判があるわけです。やれないわけですよ。だけれども、このまま放置をするとするならば、これは全国の農民あるいは信連というものを信頼をして預託をした多くの国民の方々に大変申しわけないというので、これは押し問答になりますから、ここで総理にお伺 いをしたいと思います。 今私どものこの話を聞いていただいて、住宅金融専門会社の経営の実態について総理はどのように認識をされたのか、あるいはまたその再建について公的資金の導入も含めてどのようなお考えがお伺いをしたい、こう思います。
○林(義)国務大臣 総理からお答えがある前に私から申し上げておきますが、金融の問題に関連しますから私の方から申し上げた方がいいと思います。 確かにいろいろと難しい問題がありますけれども、また先ほどお話がありましたように、保証をしたとかどうだとかというようなお話がありますが、いずれにいたしましても民間同士の話でございまして、相当大きく貸し出しをしているのは農林関係のところが多い。その間でやはり自主的な努力でもって話し合いを詰めてもらうということが私は大切なことだろう、こう思っております。 そうした意味で、関係金融機関、それらが自己責任の原則のもとにやるということが私は基本であるし、公的資金の導入が求められるべきものではないんだろう、やはり民間でやっていただくということが基本原則でなくちゃならないのじゃないかなというふうに考えていることを申し上げておきたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 大体の事実関係は存じております。不幸中の幸いと申しますか、関係者が全部事実関係を明白にしておりまして、そして今大蔵大臣も言われましたが、結局自分たちが自分たちの責任においてこれは片づけなければならないということで、非常な努力を続けておるようでございます。まさにそうなければならないことでありまして、私としましては、かなり厳しい自己責任になることは避けられないと思いますが、しかしそれによって問題が片づくと考えておりまして、国民の皆さんに御迷惑をかけるようなことはない、こう思っております。
○草川委員 国民の皆さんに迷惑をかけることがないという答弁を非常に大切なものとして、次に移っていきたいと思います。 時間がもうあとわずかしかございませんので、まだ二問ございます。一つは、これからの農民の方々に対しては安い機材というものを与えるように我々は努力をすべきではないか。これは昨年も主張をいたしましたが、きょうは具体的にわかりやすい事例として段ボールを皆さんに聞いていただきたいと思います。 農民の方々は青果物の出荷、例えばキャベツでもタマネギでも何でもいいのですけれども、当然のことながら段ボールに入れて市場に出荷をいたします。農民の方々は、まず段ボールに詰めたキャベツならキャベツを農協へ持っていきます。農協は経済連へ持っていきます。そして、経済連、全農を通じてそれぞれ我々市民の手に入ることになりますが、段ボールというのは幾らぐらいなんだろうというので、私いろいろと調べてまいりました。 段ボールの大きさにもよりますけれども、例えばキャベツ十五キロが入る段ボールは、深さ三十三センチ、横四十八センチ、縦三十三・二、大体これが普通のキャベツを入れる箱でございまして、十五キロ入ります。三Lという大きさだと七個から八個しか入りません。小さなSというところだと十六個から十八個、あるいは二SSだと十九から二十二入る、こういうことですが、この段ボールというのは農協を通じて買いますと、大口でたくさん買いますと百四十五円、それでまあ小口といっても千とか二千という単位になりますが、百五十円で大体農家に入るわけであります。これはキャベツの一箱、Lサイズ十一個入るのですが、売り上げが全部で千百円です。その中で、段ボール代が今申し上げましたように百四十円とか百四十五円ですから、まあこの際わかりやすく百四十円とします。運賃、保険料、手数料で五百円引かれます。農家の収入は一箱の段ボールにキャベツを詰めて四百六十円、こういう収入になります。 私は、この段ボールをもっと安く農民が手に入れる方法はないだろうか、こういうことで随分農協へ行きましたし、それから段ボール屋へも行きましたし、段ボール屋さんはしんを買わなければいけませんから、そのしんを供給する大手の製紙会社も全部行きました。そうしたら、ほとんど情報が集まりません。去年も申し上げましたが、全農が怖いから草川さんだめだ、こう言うんですよ。それぞれ上場している大手の製紙会社へ行って、何であんたみたいなでかい会社が全農怖いか、こう言ったら、草川さん、そんなことやぼだよ、我々は、コーンスターチといって、要するにトウモロコシの粉を紙の上へ、今いろんなきれいな紙がありますから、これを塗らなきゃいけない。もう今はジャストイン・タイムですから、二十四時間フル稼働する、その瞬間に、経済連から、港から入ったコーンスターチを持ってこなきゃいかぬ。三十分おくれたらもう大赤字ですよ、だからもう全農に我々は首根っこつかまれている、こう言うわけですよ。 それから、農民が経済連を通じなくて直接段ボール屋さんから、今私どもが調べていきますと、一箱百円ぐらいで買えるんです、この同じもの。九十円でも買える。同じJIS規格なんです、通産省のJIS規格。同じ仲間、規格。それを買って、もし市場へ搬入しようと思うと、市場は、悪いけれども経済連を通じないとだめですと言って断るわけです。しかも、全農は、製紙メーカーから指定したその板紙を買って、それを段ボール屋に売るわけですよ。だから、そこで全農はマージンをかけるわけですね。余分に一工程かけるわけです。その全農を通じない段ボールを買うと、それは全農の許可を得ない段ボール屋さんは農民に売れないわけですよ。なぜ売れないかというと、市場で競りをやってくれぬから。だから、結局全農がたくさんマージンを取るということを私は去年から言っているのです。 だから、この全農というものを私は解体しろとは言いませんけれども、ここにメスを入れないと農民がかわいそうだということを私はここ五年間ここでやっているんです。肥料カルテルもあるじゃないかと。きょうは公取の意見聞かにゃいかぬのですが、時間がないので、また一遍別に私は言わなきゃいかぬと思うのですが、そして全農は、そういうメーカーから、マージンが安いものですから、普通の商社に比べて手取りが少ないのでバックマージンを取る。事業雑収入といって、今百十八億ですよ、ことしは。去年私がここで言ったときには百七億の雑収入があった。本来農民に還元して安く機材を買わなきゃいかぬのに、後でバックマージンを取っているわけですよ。 これは農林大臣にも申し上げました。個人的には農林大臣もいろんなことを言っておみえになりましたし、他の大臣からおまえいいこと言ったといって後で随分激励を受けたんです。だめだというんだ、農林大臣としてそういう答弁をしてくださいと私は言ったことがあるのですが、この全農というのは本当に何ともならぬわけですよ。七兆、八兆の大商社になってしまった。Aさん、Bさんが悪いんじゃないんです。組織というものがそうなってしまったというところにメスを入れない限り、日本の農民は解放されません。自由に競争させなければだめなんです。若い人はみんな競争させてくれと言うんです。いいものをつくってなるべく付加価値の高いものを消費者に買ってもらうんだ、わしら自信があると言っているんです。だから、しがらみを外してくれ、この流通経路を外せというのが、私は本当に日本の農業の今後のあり方だと思うんです。 このことについて農林大臣と総理大臣、一問ずつ答弁をしていただきたいと思います。
○田名部国務大臣 お答え申し上げますが、昨年のこの予算委員会でもいろいろと御指摘を受けまして、全農と話し合いをいたしました。おっしゃるとおり、もともとは農協は農業者の自主的な共同組織なんだ、したがって、地域の農業の振興にも役立っておるかもしれぬし、あるいは地域の活性化にも大きな役割を果たしていると考えてはおりますが、近年のこの我が国の農業あるいは農村 をめぐる状況が変化する中で、組合員の期待に十分対応し切れていないという御指摘もあるところであります。 そういうこともございまして、農協系統においては、一昨年の十月に、第十九回農協大会においても、三段階を原則二段階にするという改革を決議したわけでありますが、何といってもみずからの事業、組織の具体的な見直しに取り組んでいく必要があるというふうに私どもも考えております。 いずれにしても、おっしゃるとおり、農家のためにある組織でありますから、これを忘れて事業だけに専念をするということはやはり考え直してもらわぬといかぬ。協同組織としての原点に立って、期待される役割というものも果たさなきゃいかぬし、またそれぞれ役員もおりますから、そういうところで、内部でしっかりしたことを、外から指摘されるまでもなくやるということが第一義的に必要である。私ども、また指導してまいりたいと考えております。
○宮澤内閣総理大臣 以前にもこのことは草川委員から御指摘を受けたことがございます。今、政府の態度は農林大臣が話されたとおりでございますが、なお努力を続けてまいらなければならないと思います。
○草川委員 あと五分ございますので、外国人労働、特に外国人労働に伴いまして我が国のODAによる被援助国の雇用創出ということについての問題提起をしたいと思うのです。 きょうの昼のニュースにも、外国人労働者が日本に大変多くなってきておるというような報道がございましたが、これは景気の調整弁になっているわけですよ、現実には。それで、景気が悪くなったから外国人は帰れ、こういうような問題が随分山積をしております。景気の調整弁になっている外国人労働者を放置をするということは大変問題があるわけであります。 そこで、政府の開発援助、これはODAのことですけれども、これを、もっと被援助国の雇用創出ということに視点を置いてこのODAというものを適用したらどうだろうというのが私の意見であります。 そこで、きょうは少しこれに時間を割こうと思ったのですが、もうあと四分しかございませんので、検査院からと総理からだけの答弁をとりたいわけでございますが、検査院にお伺いをしますが、検査院は、検査権限がない中でこれまでいろいろと工夫をしながら検査報告をやってきたと思うのでありますけれども、主として、援助事業が効果を発現というんですか、あったかどうかという観点からやってきたと思うのです。援助効果が上がっているということを検討することはもちろん重要なことですけれども、それに加えて、私どもが今指摘をしたように、雇用の創出だとか経済性の観点からも検査というのができないのか。 例えば、無償資金協力の食糧増産援助では肥料の調達に必要な資金を供与していますけれども、化学肥料のトン当たりの単価は、国内価格と輸入価格とでは大幅に差があるわけです。国内価格が二倍以上もする場合があります。したがって、価格の妥当性についても検査院というのは検査をしたらどうかと思うのでございますが、この点についてひとつ検査院の答弁を求めたいと思います。
○阿部会計検査院説明員 お答えいたします。 ただいま先生から貴重な御指摘いただきました。先生の御指摘も参考にさせていただきながら、今後のあるべき検査のあり方ということにつきまして引き続き鋭意研究してまいりたい、そう考えております。
○草川委員 最後に、総理からひとつ
○宮澤内閣総理大臣 本来、ODAは、やはり雇用の現地における創出ということが非常に大きな目的でありまして、インフラを主とする公共事業は、現地でかなり雇用を吸収いたします。それから、しかし、やはり新しくだんだん下請企業といいますか中堅企業といいますか、例えば鋳物であるとかメッキであるとかあるいは板金であるとか、そういうものをつくってほしいという、これは雇用につながってまいります。 あとは技術教育といいますか訓練、そういったようなことで現地に雇用をつくるということは、先ほどお話しになりました日本へのいろいろ外国からの人々の問題も含めまして、大変に大事なことと思います。
○草川委員 もう時間が来ましたのでこれで終わりますけれども、どうかひとつ、雇用の創出という視点は今までなかったと思うのであります。どうかひとつ、それもこれからの援助の大きな基準として配慮をしていただきたいということをお願いをしておきます。 それから、最後になりますけれども、きょうの前半で私がくどく申し上げましたように、証人喚問ということをただ私どもは口先で言っておるわけではございません。きょうは、すべてではございませんけれども、ごく初歩的なところのみ要求の根拠といたしました。どうか委員長としても、後刻この理事会で、我々野党が要求をする証人喚問について、誠意ある前向きの態度をとられることを強く要望をしておきたいと思います。 なお、警察庁あるいは公正取引委員会等々に事前要求をしましたが、質問ができなかったことをおわびをいたしまして、私の質問を終わります。以上です。
○粕谷委員長 これにて草川君の質疑は終了いたしました。 この際、三野優美君の残余の質疑を許します。三野優美君。
○三野委員 私の質問が下手なものですから、通告しておったけれども全部できませんので、きょうは総理に主としてお尋ねをしてみたいと思うのです。 一つは、総理が、政治改革にすべてをかける、こう何回も言われていますね。私どもが漏れ聞くところによると、その政治改革は、公職選挙法の改正、政治資金規正法、公的資金にかかわる問題、これらはすべて、自民党でお決めになったと言われるいわゆる単純小選挙区制、これを何かパッケージとかいうのだけれども、私はわかりませんが、一まとめにして一本の法律で出す、こういうことについて総理が強い熱意を示して党に指示したということなんですが、それはそうでしょうか。これが一つ。 もう一つは、せんだって総理が議長になられまして、皇太子の嫁さんが決まりましたわな。嫁さんと言うのはいかぬですか。いや、何か結婚が決まったようです。何か今度、五月か六月になされるようですが、まああなたが仲人ではないのだろうけれども、それに近い状況で五月か六月に決めた。これに伴って、国民の中では、また恩赦やるんじゃないか、こういう話があるわけなんです。 ここにも新聞に大きく載っておりますが、過去の恩赦を見ると、「罪は消えても消えない不信」と、こう書いている。これも政治不信の一つではないでしょうか。私は、これについてはするべきでないと思うのですが、この御結婚に当たって、せめて、私は恩赦一般を言いません、これは聞くところによると何か封建時代の残物だという話もあるのですが、それはそれとして、選挙違反、政治家にかかわる事犯についてはすべきではないというのが世論ですね。過去もそうなんです。したがって、この点について総理のお考えを、したらいいと思うか、せぬ方がいいと思うか、そこのところをひとつ聞いておきたいと思うのです。
○宮澤内閣総理大臣 政治改革の問題でございますけれども、自由民主党で「政治改革の基本方針」というものを既に決定をいたしました。この法案化につきましてただいま党内でも鋭意検討しておりまして、これをおっしゃいますようにどういう形の法案にするかということ等々、まだ決定をいたしておりません。党内でただいまその辺を検討中でございますので、いずれ決まりましたらまた申し上げることにいたします。 恩赦につきましては、法務大臣からお答えを願います。
○三野委員 いやいや、総理に聞きよる、総理 に。総理に聞きよるんじゃがね。だめだ。
○宮澤内閣総理大臣 というのは、これは私は法務大臣にお任せしようと思っておりますから、それで法務大臣からお答えします。
○後藤田国務大臣 お答えを申し上げます。 最近、新聞紙上で御成婚に関係して恩赦の問題について記事を散見することがございますけれども、内閣といたしましては、現時点においてはまだ白紙である、かように申し上げた方が正確であると、こう思いますが、ただ、何しろ恩赦の問題というのは、終戦後も今日まで過去の積み重ねがずっとございますね。そういった積み重ねもあるし、また憲法上の制度でもございます。こういったようなことを考えながら、事務当局としてはこの際勉強だけしておいてくれということで、担当の法務省の中の局で勉強をしておるというのが実情でございます。 そこで、ただ、恩赦というのは、言うまでもありませんが、戦前と今日では性格が変わっています、おっしゃるように。ただしかし、やはり法の画一性とでもいいますかあるいは固定性とでもいいますか、そういう見地から見ると、やはり恩赦制度というものは、刑事政策上考えても、これはやはり尊重しなければならぬ制度である、私はかように考えます。ただしかし、何といっても、行政権の作用で裁判所の結論をなくしてしまったり、あるいは消滅さしたり、あるいは国家の刑罰権そのものを消滅させるといったような極めて重大な、三権分立の上から見て、制度であると私は思います。 そういうことを考えますと、やはりこれの運用については慎重でなければならぬ、こういうような観点で私どもとしては勉強をしておる、かように御了承を願います。
○三野委員 本当は、今のは答えになってない。どう思うかというのを、思うことを言ったらいいんだけれども、検討といったって、もうあなた、五月、六月、すぐなんですよ。 過去のを見ると、選挙違反を起こして公民権停止になった人が控訴して、裁判中であって、もう恩赦があると思ったら取り下げてすぐまた立候補するとか、こういう例があるでしょう。そこに政治不信があるんですからね。そんなことは本当は回答にならぬですよ。 さて、総理、選挙の改正、政治改革、決めてないの。だからあなたは一括して出そうと考えているのか、そう思っているのか。いや、それぞれにできるところから改革しようと考えて、三つなり四つの法案にしようと思っているのか。そのあなたの考え方をちょっと教えていただきたい。
○宮澤内閣総理大臣 党に推進のための機関をつくっておりますので、これから基本方針をどのように法案化していくか、具体化していくかということをただいま党内でみんなに検討をしてもらっているところです。
○三野委員 総理大臣としての見識が一つもなしに、あなた、これに政治生命をかけるなんて言ったって、それは問題にならぬでしょうがな。とにかく、いずれにしてみても、この法案をあなたは今国会中に出すと言う。政治改革――(発言する者あり)いや、言葉を知らぬからちょっとこらえていただく。私、ちょっとよう言葉がわからぬで、済みません。 総理、あなたが政治生命をかけると言っているわけですから、いずれにしてみてもこれを出してみて、これは内閣の命運をかけるんですね。それだけ聞いておきましょう。
○宮澤内閣総理大臣 この法案を国会でぜひ御審議を願いたいと考えておるわけですが、党首会談等で承っておりますと、各党ともおのおの御自身のお考えを法案等の形で御提出になるような御様子でございますから、国会において国民の見ている前で十分にガラス張りの御議論を願って、この会期においてぜひ結論をお願いをいたしたいと思っています。
○三野委員 私が命運をかけるんですかと言ったら、命運をかけるとは言わないということは、命運をかけないわけだわな。そう受け取っていいですね。(発言する者あり)気が小さいから余り言われたら質問できぬがな。何をごてているんだ。ちょっと委員長、それではおれはできぬ。
○粕谷委員長 御質問をしてください。(発言する者あり)御静粛にお願いを申し上げます。発言を続けてください。三野君。(三野委員「静かにしてくれなきゃできないよ」と呼ぶ)静かになりました。
○三野委員 それでは、竹下問題についてお尋ねをいたします。 もう私が言うまでもありませんが、この国会が始まってからもうずっと議論されていますように、竹下元総理の衆参の国会における証言、金丸元副総裁の尋問、そして生原元秘書の証言、これらをさまざま考えてみると、もう竹下さんが、総裁選挙に当たって、渡邉東京佐川の社長を通じて暴力団石井会長の介在があった。本人も金丸さんから直接お聞きになっているわけね。後からだけれども聞いた。 そして、八七年の十月五日、田中邸訪問前日の、竹下さん、そして金丸さん、渡邉さん、その他もおられたようでありますが、東京プリンスにおける会談、このときにぜひ田中邸を訪問しろと言ったときに、これはひょっとしたら褒め殺しの中止の条件ではないだろうか、あるいはまた、行けばそうとられるんではないかと思って自分の心の中で非常に葛藤があったということは本人も認めているわけです。これはそれに非常に重要なかかわりがあるということを知っているわけ、総裁選挙の大分前。総裁選挙の二日後には金丸さんから聞いているわけです、関係あったということは。 したがって、金丸さんを含めて、竹下元総理が渡邉元東京佐川の社長を通じて関係があったということはお認めになっているわけでありますから、その経過の中で、国民世論は、竹下さん、政治的な責任をおとりなさい。国会の中でも、野党はこぞってその責任をとった方がいいと言う。自民党の中にもありますね。こういう状況の中で、総理は、自民党総裁としても、友人としても、竹下さんにこの状況の中でとるべき態度について何かお話をしたことはありますか。
○宮澤内閣総理大臣 これは何度も申し上げていることでございますけれども、お互い政治家といたしまして選挙民から信頼を受け、負託を受けてこの仕事をしておるわけでございますから、その信頼にこたえられないあるいは負託にこたえることがもはやできないと考えるかどうか、それによって自分の進退を決めなければならない。それは本質的にはやはり一人一人の問題であるというふうに私は考えております。
○三野委員 いや、この問題については、私はあなたが何か竹下さんに総裁としてあるいは友人として、あなたが総裁に選ばれる際にお世話になった恩人として何かお話ししたことがありますかと言ったら、何もしてないんですか。冷たいね。昔からよくエリートは冷たいと言われるが、冷たいと思う。やってないんですね。 私は前にもあなたに言ったことがあると思うが、我が党の同僚の中で、事件の真相は知らぬけれども、真里谷に関係していた、一緒に旅行していた、事務所を借っていたということが問題になった。そのときに、残って真相解明をする義務があると言ったけれども、私は、それはいかぬ、政治家の今とるべき態度は、県民に、国民に対してそれをわびることなんだ、真相解明は議員でなくたって、野におったってできるではないか、この政治不信の状況の中で政治家としてとるべき態度は一つしかない、こう言って私は彼を説得しました。彼はそれに応じてくれたわけです。 あなたは本当に竹下さんに、この事態の中で、友人として、総裁として何も言わなかったの。
○宮澤内閣総理大臣 先ほどから申し上げておりますとおり、これは一人一人が自分で決めるべき問題だというふうに私は思っております。
○三野委員 問題になりませんね。 続いてあなたにお尋ねしますが、政治家をめぐるさまざまな事件が起きたときに、よく秘書が秘 書がという言葉が出る。議員と秘書との関係というものについて、あなたはどういう位置づけをして、どんな理解をしていますか。
○宮澤内閣総理大臣 自分の仕事をまあいわば手伝ってもらう、半ば片腕、半身のようなものでございますから、大変大切に考えております。
○三野委員 一心同体とは思いませんか。
○宮澤内閣総理大臣 そういう、こう抽象的な言葉にお答えができませんので、まあ自分の分身のように思っております。
○三野委員 総理あなたはエリートだから、秘書も、お仕えもしたこともないだろう。私は、実はわずかの期間だけれども、秘書の経験があります。青木伊平さんという秘書は竹下さんの生涯にかけた。秘書というのは、忠実であればあるほど、自分が仕える政治家をぜひ立派な政治家にしたい、自分の生涯と家族を含めてささげるんだ、これが秘書なんです。そういう認識はありませんか、あなた。
○宮澤内閣総理大臣 先ほどから申し上げております。
○三野委員 だから困るんだよ。だから困るわけ。私も、今言ったように、わずかの経験だけれども秘書をしてきた。立場は違っていても、やはり党の首脳部にしたい、そして滞りなく任務を果たしてもらいたい、そのためには本当に血みどろになるのです。青木伊平さんも恐らく竹下さんに、いつ秘書になったか知らぬけれども、秘書になってから後は竹下さんにすべてを尽くしただろうと思う。大臣のいすに座ってもらおう、歴代大臣のときにはちゃんとこなしてもらおう、そしてかつて、田中派の首脳として田中派をまとめるために努力しよう、分裂をした、そのときの仲間づくり、資金づくり、さまざまなことをしてきたと思う。そして、よく言われるように、リクルート事件、さっき出ていた屏風の問題、そして佐川の事件、もろ刃の剣の上を歩きながら竹下さんを支えてきました。そして、念願の政治家としての最高の地位、総理・総裁にした。恐らく秘書である青木さんは自分の目的を達したと思ったでしょう。 ところが、だんだんだんだんそのために歩んできた道を包囲され、検察の手がずうっと回っちゃった。青木さんという方は、私が成田委員長のすべてを知っていたと同様に、竹下さんのいい面も悪い面もすべてを知っているわけ。そして、ついにこれ以上居場所をなくして去っていったわけですよ。そういう秘書の役割というものを政治家が知ってもらわな困る。だからあなたもリクルートのときに秘書が秘書がと言ったんだ。恐らく私は、秘書としての百戦錬磨の達人の青木さんもついに刀折れ矢尽きたんだろうと思いますよ。そしてああいう事態になってしまった。そこで国民は、そのことも含めて竹下さんは何とか政治的責任をとりなさい、こう言っているわけ。野党もみんな言っているわけ。それでもあなたは、総裁として、友人として、今なお何にも言う気持ちはありませんか。
○宮澤内閣総理大臣 秘書というのはいわば自分の分身のようなものでございますので、代議士と秘書との関係というのはもともとそれぐらい近いものである。よその者がかれこれ申すまでもなく、それは御本人同士がわかっておられることと思います。
○三野委員 今度の一連の事件で、金丸先生は自分が……(発言する者あり)話だから聞いたらいいじゃないの。金丸先生は五億円問題について、当初僕が聞いたところによると、新聞での報道ですよ、渡邉社長から金を渡すと言ったけれども、いや、そんな金は要らぬと言った。しかし、結果的には持ってきた、事務所へ。事務所の隅に置かれておったという。これは生原さんが受け取ったのでしょう。余りにも金額が大きいものですから、自分個人ではなしに同志に対する陣中見舞いだと思った。そしてそれは生原さんに任したというのです、分け方を。これも秘書ですね。しかし金丸先生は、秘書がやったことだけれども、私の性格として秘書に責任を転嫁することはできぬ、秘書と政治家との関係において私が責任をとるということでおやめになったわけ。これが金丸さんなんです。 一方、竹下さんは、先ほど言ったように、青木さんがどうかかわったかは知らぬけれども、しかし過去の経過から見ると青木さんが深くかかわってきたことはもうはっきりした。そして、自分の身の置き場もなくついにこの世を去った。けれども秘書だと言う。ここが私は、立場は違いますが、どっちが好きとか好きでないではない。金丸先生と竹下元総理の私は人間の違いだと思うのです。私はこのことを考えてみるときに、余りにも竹下さんのとる態度、これは政治家一般ではないでしょう。こんなことで秘書を使い捨てにされたのでは、今もやっている秘書の方たちは人間としてたまらぬですよ。 どうです、この二人のとった態度の違いについてあなたの見解を聞いておきたい。どう見ますか。これは総理のあなたの見識を問うているわけなんです。
○宮澤内閣総理大臣 お答えは御遠慮させていただきます。
○三野委員 総理、私はやはりこういう問題について政治家がちゃんとしないところに、今政治不信、世間から批判を浴びているわけなんですよ。この点をあなたも一党を率いる党首としてちゃんとしてもらわないと、何ぼ国会でいろいろと言ってみても、トップのあなた自身がそういう態度では私は政治不信はなくならぬと思いますよ。ぜひ竹下さんに今あなたが考えていることを申し述べてもらいたい、伝えてもらいたい。私はここに竹下さんに来てもらいたい。もちろん恐らく証人喚問のところで来るだろうと思う。しかし、こんなことを竹下さんに言う場所ではないと思いますから、どうぞあなたから伝えてください、政治家らしくしろって。そう言ってくださいよ。 次にお尋ねしますが、総理、あなたが、かつては韓国、フィリピン、そして東南アジアを訪問されました。ここは、もう言うまでもありませんが、第二次世界大戦において日本が大変迷惑をかけた。迷惑をかけたということで陳謝したということを聞きました。そして、日本とそれぞれの国が平和条約を結びました。そして、長い年月がたってみたのだけれども、当時は日本も再建復興の段階、政治的にも経済的にもまだ十分ではなかった。これらの国々も第二次世界大戦のときには大変な被害があって、社会的にも経済的にも非常に不振な状況が続いた。ようやく落ちついて、たってみると、強制連行の問題、強制労働の問題、そしてもう新聞を見るに忍びないような従軍慰安婦の問題が出てきました。 あなたはアジア諸国を回って、これらの戦後処理について、国家的補償はしたけれども、個人のそういうものが埋もれたまま表へ出てなかった。向こうの政府もわからなかった。日本も十分資料を調べていなかったのかもしらぬ。そして、今国内では大変な問題になっている。せんだって韓国も、日本が何とか調査をまずすべきだわな、こういう報道をされています。これについて、アジア・太平洋地域をあなたがお回りになった場合に、どういう措置をされると言ってきましたか。
○宮澤内閣総理大臣 韓国につきましては、これは昨年のことでございますけれども、その後いわゆる慰安婦の問題について政府の調査も進んでまいりまして、国がある程度かかわり合ったというようなことについても具体的にわかってまいったわけですが、それに対して、法的には先ほど御指摘のように両国間の処理はついておりますけれども、そのような耐えがたい苦痛を受けられた方に国の気持ちをどうやって表示すべきかということを今関係方面でいろいろ検討してもらっておりまして、そのことを韓国にもお伝えをしておるところでございます。 このたび訪問をいたしましたのは、インドネシアとタイとマレーシアとブルネイでございますけれども、それらの地域ではこのような問題についての指摘はございませんでした。ただ、私から、そういう慰安婦とかいうことでなく、第二次大戦 中においてたくさんの人に非常な迷惑をかけたということについてはまことに相済まないことに思っているし、過去のそのようなことについては、これから育っていく若い日本の人たちにもいろいろな教育の方法を通じて伝えていきたいと思っているということを述べてまいりました。
○三野委員 韓国に対しては、従軍慰安婦を含めて強制連行その他について調査をして、それなりの対応をすると言ってきたんですね。そのほかはまだ言っていませんね。 いずれにしても、かなり大きなさまざまな問題がある。しかし、平和条約が締結されたという経緯からいうと、国際的にも解決しなきゃならぬが、しかし同時に国民の合意も得なきゃならぬ、国内においては。したがって、そういう立場からいうと、調査を含めてどう対応すべきかということについて、私は、国民の代表である国会が、調査の委員会を設置して、綿密にしかも時間をそう延ばさないでそれぞれ対応するという仕組みが必要だと思うんですが、総理、どう思われます。
○宮澤内閣総理大臣 政府といたしましては、それらの国あるいは戦後我が国から独立した国等との関連では、講和条約あるいは個別条約、共同声明、共同宣言等々で法律的な処理をいたしております。それは法律的には終了しておると考えておりますが、そのことをなお国会で御認識の上で、国会におかれていろいろ国会のお立場から調査をなさるあるいは問題をお取り上げになる、これは国会のお立場において御決定いただくことだと思います。
○三野委員 次に、一昨日の問題について、委員長、私、この際、途中で終わっていますので、触れておきたい。 この間、政府当局の方から私に対して答弁いただきました。答弁書を、一部ですけれども、見てみました。そこで、その中にこんなことがあるんです。 「金丸前議員の指定団体の収支報告書には金丸前議員からの多数回にわたるあるいは多額の寄附がなされている旨の記載があるわけでございまして、金丸前議員の保有金報告書は提出されていないということとも相まって、金丸前議員においては、自己に対する政治献金をすべて指定団体に寄附することによってそこに集中させて、保有金」は持っていなかった、こういう事実がうかがえることなどを総合的に判断をして、「金丸前議員あるいは生原元秘書の供述、その点に関する供述は信用性のないものとは言えない」。で、「指定団体に入ったという事実が認められる」、こう言っているんです。「指定団体に入ったという事実が認められる」というんです。 指定団体、私どもはこれ見ることはできますからね。見て、記録の分で起こしてみました。この金丸信先生の関係、新国土開発研究会、検察庁はいるね、その分を調べてみると、金丸先生からのこの指定団体への寄附は四十二回。平成二年の分ですね、一月から十二月まで。三千三百九十五万円、四十二回。このどこを見ても五億というのはない。にもかかわらず、本人の供述、国会での生原さんの証言、そこらで、入ったと思うと言う。被疑者でしょう。結果的には二十万罰金納めたけれども、罪を犯したことは間違いない。その人が言ったことを検察が一方的に信じたというだけであって、国民はだれも信じてないからわあわあ言っているわけです。そして検察の方は、刑事訴訟法四十七条に基づいてそれから向こうは言えぬわなと、こう言う。 私は法律はわかりません。市民も法律上のことを言っているんではない。しかし、これを読んでみても、「但し、公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、この限りでない。」公開してもいいと書いているわけです。国民世論は、ぜひはっきりしてくれ、政治資金であるのかないのか。 これは、しかもその際に検察当局は本人に一度も会っていない。一度も直接聞いてもいない。そして、上申書という形で弁護士が中に入って処理をした。これは、私どもの四国の方では、捜査とかあるいは取り調べと言わない。こういうのは談合と言うんだ。しかも、その談合にはだれか重要な政治家が入っているでしょう。当時、新聞では、ずっと姿を見せずに検察対策をやっていると新聞は報道していた、私はよく知りませんが。それもついでに言ったらどう。 ですから、私どもが言っているのは、法律論を振り回して国民をごまかすのではなしに、国民の声にこたえるのがあなた方の任務でしょう。国会も検察庁も裁判所も、そして各省庁公務員も、特定の政治家のために存在するんではなしに、国家国民のために存在しているわけ。そこのところを忘れて、ごまかして通そうなんということはだめです。 国会は検察庁ではありません。本人を逮捕状を出して呼ぶわけにはいかないわけ。捜査し、調べるのは検察庁の仕事なんだ。検察庁が捜査し、取り調べた経過と結果を国会に報告し、それを国会はその実情に基づいて政治的判断で決着をつける、これが今度の佐川事件の国会に課せられた課題なんだ。 新聞が言っておるように、新しい事実を国会が出さぬじゃないか。我々は捜査権も何もないんだ。国会の仕事ではないんだ。したがって、国民は国会が佐川問題に対して機能しないと言っている。その機能しない原因は、捜査の経過と結果を報告しないんだ。談合して隠しているわけなんだ。私もその責任はあると思う。 委員長、この責任のある委員会のかなめとしてあなたは委員長席で指揮をとっているわけです。したがって、私どもも責任ありますが、あなたも重大な責任があるということを考えて、この問題をちゃんと処理してください。
○粕谷委員長 三野委員、私にちゃんと処理してくれというちゃんとという意味は、どういう意味でしょうか。
○三野委員 失礼しました。委員会運営についてちゃんとしてもらう。だから、向こうから出してもらいたい、検察からね。出してもらってください。
○粕谷委員長 また一問一答になりますが、何を出してもらうんでしょうか。
○三野委員 だから、政治資金であったと、そこへ入っているということを国民にわかるように立証してください。それだけです。
○粕谷委員長 私は一昨日来から聞いておりますが、ここの中に入っていないと答弁をしていると承知しております。記載はされていないと明確に言っております。しかし、認定は、あらゆる背景、客観的情勢、それから関係者の重言によって、政治献金として使われている、こういう答弁をなさっているんですが、どこの辺が不都合であるのか、きょうは篤と納得のいくように御追及をなさってください。私は公平に取り扱いますから、何回でもあなたの質問を時間内はお許ししますから、どうぞ。 私が申し上げるといかがかと思いますが、感情論と法律論は別ではないかと私は思っております。(三野委員「感情でありません」と呼ぶ)それでしたら御質問してください。――質問をしてください。――三野委員に申し上げます。この時間はカウントします。――三野君、発言をしてください。 ただいまの三野君の御質問に対しまして、濱刑事局長からお答えをさせます。
○濱政府委員 お答えいたします。 先日の私の答弁におきまして、今委員が御指摘になられましたように、五億円が金丸前議員からその指定団体を経由して約六十名の候補者に分配されたと見られるというふうに御説明したわけでございますけれども、正確に御理解をいただきたいと思いますので、ちょっと時間をいただいて、その趣旨について御説明を申し上げたいと思うわけでございます。 まず御理解をいただきたいと思いますのは、先日私がお答え申し上げましたのは、一月二十九日に、検察当局が量的制限違反事件の告発、政治資金規正法上の量的制限違反事件の告発事件につき まして、金丸前議員及び約六十名の候補者を嫌疑不十分の理由によって不起訴処分に付したことに関しまして、検察当局の検討の経過を御説明するためのものでございます。 申し上げるまでもなく、検察当局は、現行法のもとにおきましては、犯罪とされる事実について捜査を行いまして、証拠によって特定の犯罪事実につき合理的な疑いを入れない程度に証明することができると確信した場合に限って公訴を提起することができることとされているわけでございます。 今回、検察当局が不起訴処分を行いましたのは、金丸前議員が直接政治資金規正法所定の制限を超えて約六十名の候補者に政治活動に関する寄附をしたという告発事実についてでございます。検察当局に求められました判断は、この事実について合理的な疑いを入れない程度の犯罪の証明ができるのかどうかという点に尽きることになるわけでございます。 そこで、検察当局における判断の手順といたしましては、まず、この告発事実を積極的に認定する証拠が存在するかどうかということを検討するということになるわけでございます。この点に関しましては、先日もるる御説明申し上げましたとおり、検察審査会は、金丸前議員の指定団体に五億円の出、入りの入出金に関する記載がないということ、及び五億円が金丸前議員個人の裏金、これは先日申しましたとおり、つまり収支報告書等において公表されていない金である、そういう意味での裏金として渡邉元社長から寄附されたことを理由として、金丸前議員が直接約六十名の候補者に政治活動に関する寄附をしたという疑いがあるというふうにしているものでございます。 たびたび、先日も御説明いたしましたように、政治資金規正法自体が収支報告書不記載の罪を規定しておりますことなど、収支報告書に記載されない裏金というものがあり得ることを想定しているわけでございます。収支報告に記載されていない寄附というものは存在しないというふうに決めつけるわけにはいかないわけでございます。 五億円が金丸前議員から直接分配されたとなりますと金丸前議員の保有金を構成することになるわけでございますが、金丸前議員からは保有金報告書も提出されていないこと、さらには金丸前議員には届け出に係る指定団体が存在することからいたしますると、政治家個人の政治資金を取り扱うための政治団体としての指定団体の制度の趣旨からいたしましても、金丸前議員個人が受領した裏金である以上、金丸前議員個人の裏金のまま保有され、支出されたということも困難であるということなどの問題があるわけでございまして、告発事実について合理的な疑いを入れない程度の証明ができるとすることはできないというふうに考えられるわけでございます。 ところで、検察審査会の議決書にもこれは明らかにされているわけでございますが、先ほど委員は、金丸前議員あるいは生原元秘書を取り調べていないというような御発言があったかと思うわけでございますけれども、検察審査会の議決書にもこれは明らかにされているわけでございますが、捜査の過程におきまして、金丸前議員や生原元秘書は、五億円は金丸前議員がその指定団体に一たん寄附して、その団体から約六十名の候補者に分配したというふうに供述しているところでございます。 これを前提とする限り、金丸前議員につきましては、指定団体に対する寄附をしたものとして、また約六十名の候補者につきましては政治団体がする寄附を受けたものとして、いずれも犯罪が成立しないところでありますけれども、これらの供述につきましては、これも先日るる御説明申し上げましたとおり、従前から指定団体に政治資金を集中して保有金は有しない取り扱いをしてきたという金丸前議員サイドにおける政治資金の取り扱い状況とも矛盾するものではないわけでございます。 先ほど委員のお尋ねの中に、この金丸前議員が政治資金規正法の罪によって処罰されたものであるということであるから、その供述の信用性について疑いがあるのではないかという観点からの御指摘もあったかと思うわけでございます。ただ、これは委員も御案内のとおり、金丸前議員、生原元秘書両名につきましては、偽証罪の制裁のもとで証言を国会で行われている。したがって、違反行為を行ったということがあるという理由だけで証言の信用性がないというふうに決めつけることには問題があるものと言わなければならないわけでございます。 それから、委員の方から多岐にわたるお尋ねがあったわけでございます。 一つは、捜査資料を国会に提出するようにというお話もあったかと思うわけでございます。これはたびたび……(発言する者あり)
○粕谷委員長 御静粛に願います。
○濱政府委員 たびたび御説明申し上げておりますけれども、検察官は、いかなる犯罪についても犯罪を捜査して、刑事事件について公訴を行い、裁判所に法の正当な適用を請求することをもって最も重要な職務の一つとしていることは申すまでもないわけでございます。犯罪を捜査するために必要とするあらゆる取り調べをすることが許されているわけでございまして、場合によっては令状を得て被疑者を逮捕したり、また他人の住居について捜索をし、証拠物の差し押さえをするなどの強制処分を行うことができるものとされているわけでございます。このような強い権限に基づいて犯罪の捜査を遂行するのでございますから、人の秘密にわたる事項に触れるのはもとよりのこと、取り調べの内容につきましても秘匿を要すべきものがあるとともに、捜査の遂行上、捜査の方針、技術、方法など秘密とすべき事柄もあるわけでございます。 つまり、検察が、起訴されず、そのために公になっていない具体的事件の捜査の内容を秘匿しなければならないのは、他人の名誉、人権を保護しようとするにとどまらず、捜査の内容自体を秘匿しなければその職務の遂行そのものに支障を来し、現在及び将来にわたる検察の運営に重大な障害をもたらすおそれがあるからであります。したがいまして、検察権を適正に行使し、司法の公正な運営を確保するためには、刑事訴訟法四十七条が規定しておりますように、起訴されなかった事件等の捜査内容の秘密は、これは厳重に保持させる必要があるところでございます。 また、捜査資料は、もともと捜査機関が法令上の権限に基づいて、人の名誉や秘密にわたる事項を含めて、刑事裁判における証拠とする目的で収集したものでございます。その意味からも、仮にこれを裁判以外の目的に使用したり、その結果その内容が外部に明らかになることがありますると、先ほど申し述べましたように、関係者の名誉、人権の保持及び裁判に対する不当な影響の防止の上からも、今後における捜査一般に対する国民の協力を確保する上からも、重大な問題が生じることになるわけでございます。 刑事訴訟法四十七条が訴訟関係書類の公判開廷前における非公開の原則を定めておりますのはこのような趣旨に基づくものでございまして、捜査資料を提出することができないのはこのような理由によるわけでございます。このことは、ロッキード事件、リクルート事件あるいは共和事件等の政治家がかかわり合いのあった事件におきましても一貫してとられてきた原則でございまして、現に国会でもその旨お答えをし、また捜査当局が捜査によって収集した捜査資料を国会に提出したこともないところでございます。 そういう意味で、刑事訴訟法四十七条の制約があると先日私の方から申し上げたのはそういう趣旨でございますので、御理解を賜りたいというふうに思うわけでございます。
○粕谷委員長 三野君。――委員長から申し上げます。 三野優美君の質疑の時間は経過をいたしましたので、これにて三野君の質疑は終了いたしました。三野君は速やかに質問席から退席をしてください。三野君、次の質問者が待機しておりま すので、発言席を退いてください。 次に、竹内猛君。
○竹内(猛)委員 今度の国会の中心が、政治の改革、それから不況、それから米を中心にした農業、こういう問題が大きな柱になっているはずですね。そういう中で、今までも質問は政治改革とか不況に中心があったけれども、農業問題が毎日のように新聞にも出ているにもかかわらずほとんどその集中的な議論がされていない。私は、大変地味だけれども、この農業問題についてこの際質問を集中したいと思っております。 そこで、これは総理以下外務、それから通産、自治、農林と、この各大臣に次のことを質問します。 世界の国々では、先進国あるいは発展途上国、そしてまた社会主義の国々というように三つの枠がありますけれども、それぞれの国はそれぞれの農政、農業目標について政策を立てて、それを一貫して進めてきているわけですが、我が国の場合には、戦前は農村が富国強兵のもとになった。そういうわけで、農地改革後においては、これは土地所有を中心としていろいろな制度がありますけれども、主として自民党の政治基盤になっていたように思うのですね。そういう中で農業基本法ができたけれども、その農業基本法ができて三十一年たっておりますが、農業基本法の趣旨に沿って農村が豊かになっていない、これは一体どういうことなのかということに一つ問題があるんですね。 私はこれを補助金に導かれた霞が関の農政だ、こういうふうに言っているのです。補助金が悪いというわけじゃありません。そういう補助金が、ニンジンをぶら下げて馬が歩いていくというような形で、馬と言ってはちょっと言葉が悪いかもしれませんが、そういうような農政がずっと続いてきて、だんだんだんだん農村が衰弱をしてくる、こういう問題がある。やはりここには、猫の目農政と言われる、農政の哲学というものが不足をしているのじゃないか、こういう感じがしますね。その点についてぜひそれぞれの大臣から聞かせてもらいたいし、あるところでは、霞が関と違ったことをやればいいんだということも言われているけれども、それはある意味じゃ皮肉かもしれません。 私は長い間農林水産委員会で農業のことをやってきたけれども、農林省を搾ってみても油も血も出ない、これは総理大臣以下関係者に尋ねなければいけない、こういうことでこの委員会で質問をすることになったわけですが、したがって総理大臣以下先ほど申し上げたそれぞれの大臣から農政について、農業についてひとつお言葉をいただきたいと思います。 〔委員長退席、中川委員長代理着席〕
○宮澤内閣総理大臣 農林大臣からお答えをお願いいたします。
○田名部国務大臣 お答え申し上げますが、農業というのは、今お話にもありましたが、第一義的にはやはり農家が何をつくるか。その地域の実情というものもありますし、その特徴を生かす、あるいは創意と工夫や、そういうものをして、それでやっていく。特に新農政、新しい食料・農業・農村政策の展開に当たって、何といっても農家を初め地域の関係者の理解を深める、その意向を十分反映した形で政策を展開していきたい。 私は、上から押しつけることは一切しない。地域の方々や農家個人が、こういうことをすれば子供や孫に魅力のある農業を引き継いでやれるという自信を持った案を出してくださいということを今申し上げまして、昨年も現地懇談会を開催して、私みずから出向いていきまして、そうして広く関係者の意見を伺ったところであります。今後も地方農政局だとか都道府県、市町村等を通じまして直接的な話し合いをいたしまして、関係者の意見を聞くことに十分努めながら、新政策の方向、この方向は出しております。やはり他産業並みの所得があって、労働時間も他産業並みにする。しかも、ただ働くだけではなくて、この農村社会というものの環境を変えていくという、あわせながらやはりやっていこう。 ですから、何回も申し上げますが、農家がみずから取り組む、何に取り組むかという選択。ただ、米等に関しては、これは需給の関係がありますから、好きなものをつくっても売れなければ困るわけでして、そういう情報でありますとか、そういうものはやはり農林省として提供してあげなければならぬというふうに考えております。
○村田国務大臣 農山村の過疎化について御質問になりました。これは極めて重要な問題だと思います。 というのは、自治省では、農山村の活性化というのを来年度の重点施策にし、今後もふるさとづくりとの関連においてこれを大いに進めていきたいということで、地方債の措置や地方交付税における特別財政需要等にも算入をしていくということに極めて前向きに対応しております。 これは、竹内委員が御指摘になりましたように、明治以後百年以上の歩みの中で、文字どおり都市に人口が集中し、今では東京に人も金も物も情報も集中するという大変な過密過疎化が起こっておるわけでございます。したがって、私なども、自分のふるさとにおける農山村をどうやって活性化していくかというのが非常に重要なテーマになっているわけでありますが、したがって、これからの地方行政、地方分権の推進、そしてまた地方の過疎化をいかに防ぐか、そして国土全体としていかにバランスのとれた開発をしていくか、そのことを一生懸命追求をしておるところでございまして、御指摘の点はまさに正しい視点であると思います。
○渡辺国務大臣 何を答弁していいのかちょっとわかりませんが、私は日本から農業がなくなることは絶対ないと思っています。それは、世界の人が、日本は世界で一番最優良のマーケットであるとみんな言っているわけですから。 ところが、人口が多いからといえば、それじゃ中国の方がもっと多いじゃないか、なぜマーケットと言わないんだと。それはやはり高いものを惜しげなくお金を払って食べてくれる人が日本にはたくさんいる、だから非常にいいマーケットだ、こう言っているわけですから、一番近間におる日本の農村が、それだけの大きなマーケットを持っておって、自分はできないのだということには私はならぬのじゃないか、そう思っておるのですよ。したがって、やり方次第である。 今から三十年前、私が県会議員のころは農業就労人口が幾らあったかな、二十何%かですよ。今は七%か六%か、その程度ですよ。農家戸数はその割に減りませんが、それでも減っていますよ。就労人口が減るということは、これは土地が同じだから、土地の面積がどんどんふえないのですから、土地は一定している、むしろ減っているわけでしょう。そこで、生産性を上げていかなければならぬ。値段だけどんどん上げるというわけにはいかない。ということになれば、やはり大型化するとか機械化するとか、機械化して余剰労働力が他産業に移る、これはもうやむを得ない必然的な問題であって、むしろ農業は、総合所得で、農村は総合で自分のうちの家計を見ていくということにならざるを得ないし、我々はそれをバックアップしてきたわけです。ですから、兼業農家が一番楽なんです、今。むしろ専業農家よりも兼業農家の方が比較的裕福な、裕福と言っては言い過ぎかもしれませんが、楽な生活をしている。 だから、私はやり方によって、日本の確かに農業で働く人の数は今後も減るでしょう。減るでしょうけれども、私は、日本から農業がなくなることはないし、そういうふうに仕向けていく必要もまたある、そう思っております。
○森国務大臣 私は今、立場上通商政策の担当をいたしておりますが、竹内先生からは農業についてどう思うかというお尋ねだろうと思います。先生は長い間国会で本当にまじめに農業問題を、本当にそれに専念してやってこられましたから、何か今入学試験の面接を受けているような感じでございます。 私は、日本の農業は、今農林大臣も、それから 渡辺大臣もおっしゃいましたように、それに尽きるわけですが、やはり日本の農業の一番難しいところは、日本列島が非常に長いということですね。北海道から沖縄まであるわけです。極めて気象条件が違う。それに画一的な農業をやっていこうと今まではしていたと思うのですね、いろいろな意味で、それがやはり管理農業的な傾向がなかったとは言い切れないと思うのです。 それからもう一つは、日本の農業というのは、農業、農をなりわいとするというのか、最近では営農と、こう言いますから、農業を商売にして、そしてそれによって収入を上げる。ましてや、農産物を外国へ売るなんという考え方はもともと日本の農家にはなかったと思うのです。ですから、本来いえば、私も石川県、農業王国ですけれども、どちらかといえば農業を楽しんでいる。そして田んぼを持って、そのことに対する一種のステータスシンボルみたいな感じもある。そういう農業を無理やりに営農に持っていくということにもやはり農家の抵抗もあるのじゃないかな。 そういう意味では、やはり本当に農を楽しんでいこうという人と、先祖伝来の土地を大事にしていこうという人と、大型化をして、農業というものを営業として成り立つようにしていこうという人と、このあたりからやはり私は分かれていくべきだろうと思うし、先ほど草川先生のお話にもございましたけれども、よその官庁の問題に触れてはいけないと思いますけれども、やはり農業団体も私は考えなければならぬ。全部日本じゅう同じような仕組みに物を押しつけていってはやはりいけない。そういうふうに、いろいろな、これから多様なテーマに、このいろいろな、ウルグアイ問題ということを一つの機会として、こうした問題にみんなで真剣に取り組んでいく、そういう大事な時期に来ていると思いますので、どうぞまた先生から御指導いただければと思っております。
○竹内(猛)委員 なぜ総理以下各大臣にこういうことを聞いたかというと、共通するものがあるはずです、農業というものに対して。総理の答えを聞いてないけれども、これは総理、だめだよ、言わなければしょうがない。 というのは、ガット・ウルグアイ・ラウンドがここの段階に来て、総理大臣のガットに対する答えは、時にはやむを得ないと言ってみたり、時には後退をしたりして、わけがわからない。外務大臣は、もうここまで来たらやむを得ない、あれは受けなければならない、こう言っているのです。何とかしなければならない、こう言うのです。農林水産大臣は、一生懸命になってから、ガットは、あれはもうこれ以上自由化はだめだ、こんなの絶対に許さないという国会決議を忠実に守っているわけだ。森通算大臣は、政調会長のころにやや怪しいことを言った。自治大臣は別に怪しくはない。これを共通してみて、やはり一番欠けておるものは哲学がない。農業というものに対する哲学も愛情もない、ここが問題なんだ。渡辺外務大臣なんというのは県会議員から当選してきたときは、これは暴れん坊だ。それはもうベトコンの親分。米価を上げろと言って一生懸命やっておった。あのとき皆さんは、渡辺さんは神様、仏様に見えた。最近の渡辺さんの顔を見ると、どうも鬼じゃないか、怖い、だんだんだんだんとそういう顔に見えてきた、これぐらいに世間では言っていますよ。 だから、問題はこういうことなんですよ。やはり農業、いいですか、これはちょっと予定から外れちゃったんだけれども、大体日本ぐらい先進国で外国から食糧を輸入している国はない、わかっているでしょう。農林予算が三兆三千億ですよ、今。輸入食糧は四兆超しているじゃないですか。こんな先進国がありますか、外務大臣。ないでしょう、そんなのは。そして、だんだん農村人口が減って、後継者が千七百人でとまっちゃった。もう後は後継してくれない。そして、農業だけではやれないから、それはそのとおりですよ、農業だけではやれない。だから、通算大臣が言ったように、ほかのものとかみ合わせてやっている。 ところが、一番大事なのは、世界でもそうですけれども、人口が、現在四十七億ですが、やがて六十億になり八十億、百億になるという。毎年大体千七百万平米も山林が壊されて、農地が六百万平米、日本の農地と一緒ですね、それがまただめになる。二千三百万。人口がふえる、荒れる、それから食糧がなくなる。大変なことですよ、これは。そういうことを考えると、環境も荒れるわけですから、やはり私は、農業、食糧、人口という問題は非常に大事な問題ですから、ガットなんかで余り難しい議論をしないで、それは別なOECDとかFAOとか、そういうようなところで議論をすべきで、少しガットから外していったらいいじゃないですか。農林水産省はガット十一条二項から外そうということで頑張っている。 ところが、まだある。外務大臣が一番これは悪だ。ガットをだめにしたら日本がえらいことになる。だれが得をしてだれが損をするんですか、ガットの問題で。今アメリカとECが手を組んだと言っている。さっきは談合という言葉で浜田さんに大分しかられたけれども、これはやはり談合なんだよ。談合ですよ。談合で食糧過剰国が世界市場をとろうということだから、これはだめだ、そんなのは。また、どうしてもまとまるはずがないんだから。そうだとしたら、やはり日本は日本の立場から新しい提案をしていくべきだ。それはOECDがやっているようなそういう形でやるべきじゃないですか。もう六年間これはガットやっているんですからね。渡辺外務大臣は頭がいいんだから、余り拘泥しないで、少し転換したらどうですか、頭を。これは外務大臣から聞きたい。
○渡辺国務大臣 私は別に鬼でもなければ蛇でもないんです、実際は。私は農村に対しては非常に愛情を持っていますし、農家の出身でもありますし、選挙区が私のところはみんな農村なんですから、だから愛情持っていなかったら私は当選してこないんですからね。私がちゃんと愛情持っていることを知っている人は知っていますから、いろいろな理屈は言ってもそれは支持してもらっているんですよ。 要は、我々は農村の問題を考えた場合において、結局農家、先ほど言ったように、農家は農家だけで豊かな生活をどんどん進めていくといっても非常に難しくなった。機械化が進めばそれは人手が余って、田んぼで二十人手間だったんですよ、一反歩当たり二十人手間。今は何人ですか、もう五人とか四人手間とかそういう数字じゃないですか。それでやられている。トラクターができたり、田植え機ができたならそうなっちゃうんですよ。そうすると余っちまうわけですから、人手がうんと。それを他産業なりなんなりで働いてやっていくんですから。しかし、働き場所がなければ、それはだめですね。したがって、やはり日本の経済というものをよくしていかなければならない。 ところが、日本の経済というのは日本だけよくなるということはないんですから、やはり自由貿易というものでこれだけになっておれば、世界の経済はみんなこれは相互依存関係にあって、日本だけ栄えてほかがつぶれていいというわけにならない。みんなが持ち合いでやっていこう、それがいわゆるガットなんですよ。だから、そういう意味において日本だけの繁栄を持続させるというのは無理なんです、それは実際は。 だから、我々は、やはり通商国家として日本が繁盛をしてきたということになれば、ここでいろいろ保護的な、保守的なところに逆戻りをしていくということになると、自給自足ができない日本としては一番困るわけですから、だから一方において農家の幸福、農家の生活というものを考えなきゃならぬ。それと同時に、やはり次男、三男の就職口も考えなきゃならぬし、おやじさんの出稼ぎの口も考えなきゃならぬということになれば、経済全体の立場から農業問題も考えていかなきゃならぬ、そう思っているんですよ。だから、私は決して鬼でもなければ蛇でもないし、現実的に農家を豊かにするにはどうするか一緒になって考えましょうということをやっているわけですから。
○竹内(猛)委員 ガットの問題に今入る前に ちょっといろいろ先に質問しなきゃならないことがあったんだけれども、ガットへ入っちゃったんだけれども。 やはり私は、これは総理大臣に聞いた方がいいと思うんだけれども、農業と工業というものを一緒に議論するということ自体が問題だと思うのですね。いいですか。そんなことはだれだって知っているわけだ。農業というのは、自然あるいは気候、土地、技術、こういうものがある。それから、さっき言ったように、長い日本の傾斜地もある。工業というのはそういうことは関係ないんですよ。金と資本と技術と工場があれば、二十四時間これは回転するわけだ。だから、工業と農業を一緒にして物を考えていくということ自体の中に農村がどうもうまくないところがある。 こういう点では、やはりガットの原則というのは、主として工業製品を輸出をしていく。ただ十一条二項(c)というところに救いの道があって、安全保障であるとか減反であるとか、貿易外のものをやろうということになっている、あれだけなんです。あとは全部工業の原則なんですね。そして、今十五品目がやられているけれども、それはサービスだっていろいろあるでしょう。それで、農業だけが敵にされているけれども、ほかのことだって問題になっているんだ、これは。そういうようなことですから、これは総理大臣、農業と工業というものを同じ次元で物を考えるのじゃなくて、やはりこれは農業の理論がある、環境保全もある、水も緑もある。そういうものがどうにもならなくなったときには日本は大変な国になるのですから、農業と工業というものに対する扱い方、見方、これについてひとつ。これは哲学的なことを聞きたいんだよ。さっきみたいな技術的な話はどうでもいいんだ。――いや、外務大臣はいい。外務大臣の話はわかっているんだ。だめだ、あなたの話は長くてぼかすから。
○宮澤内閣総理大臣 それは確かに私は今度のような交渉で問題にすべきところだと思いますね。例えば、農業を企業であると考える世界の国がたくさんございます。ケアンズ・グループなんかはこれは非常に大きな農業をやりますから、農業は業として、企業として成り立つ。そういう意味では、企業であるという意味では工業と似たような考えがありますが、アメリカの農業も大きゅうございますし、フランスの農業も大きいですから、ある意味でこれは業として、企業として考えられるということだと思いますけれども、そういう意味では、我が国の米を中心とした農業というのは、おっしゃるようにまさに工業と同じベースで考えるわけにはいかないわけですから、そういうケアンズ・グループやアメリカやフランスの農業と日本の農業とを同じベースで考えるとするとああいうダンケルのような考え方に私はなっていくんだと思うので、そこに問題がある、確かにあると思います、私も。それから、いわんや環境とかということからいえばなおさらですけれども、まさに日本の農業というのは、そういうケアンズ・グループやアメリカや何かの農業と同じベースで考えることはやはり無理があるのではないかと思います。
○竹内(猛)委員 そのお答えは大体満足ですね。渡辺外務大臣に言うとまた余計なことを言うから、いいよ、外務大臣は黙っていて。それはいいです。今の総理大臣の言葉でほぼ満足したいと思いますね。 そこで総理大臣にちょっとお聞きするんですが、総理が自民党総裁の選挙をするときに資産倍増諭ということを言いましたね、資産倍増論。また、最近は生活大国ということをおっしゃる。資産倍増論というのはもうでき上がったんですか。成功したのですか、失敗したのですか。どうも最近の話を聞くと、株も下がっちゃったし、土地の値も下がっちゃって半分に減っちまったと言うんだ。こういう点で、それがだめならだめだということを言って、これはだめだから今度は生活大国と言う。生活大国というのは一体何ですか、これは。 さっきからここの皆さんも生活大国、生活大国と非常に言うけれども、中身は知らないで言葉だけが運動しているじゃないですか、運動を。いいですか。農村における、例えば平均一町歩でもいいですよ、北海道は二十町歩ぐらいですけれども、生活大国というのは一体何なんだ。あるいは通勤者が、まあ私は六年前に物価の委員長をやったときに、中堅サラリーマンの年間所得の五年分でマイホーム、五十坪の土地に三十坪ぐらいの家を建てられるということで大体これは合意をしたはずなんです。最近の施政演説を見ると、やはりそういうことを言っているんです。言っているんでしょう。 そうすると、地価が最近高いでしょう、これは。言うけれどもなかなかできない。そうなると、今の減税とか、あるいは通勤距離とか、あるいは地価とかという問題が上がってきて、そういう問題をどういうふうにしたら生活がうまくいくのかという、そこをやらなければ、生活大国、生活大国と言葉だけあって、中身のないような、そんな話じゃだめだ。いかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 最初、資産倍増と言いましたのは、私はあのとき家だとかなんとかいうことを実は思っていたのですけれども、ちょっと結果としましては、その後、株だの土地だのの値上がりが始まったものですから、貨幣価格で見る限り資産というのは倍増しちゃった、思わないことが起こりまして、やや事志とたがったといいますか、名前のつけ方がやはり不注意であったというふうに思い直しまして、それであの生活大国ということに言いかえましたんです。社会資本ということを言いたかったんですが、その言葉がなじまなかったために資産と言ってみましたけれども、やはりこれは十分にうまく理解されなかった。 生活大国って何だとおっしゃいますから、それはまさに今お話しのように、サラリーマンが五年ぐらいの年収でもって自分のアパート、マンションですか、家を持ちたい。東京でしたら七十平米ぐらいの規模のものでしかないですけれども、そういうふうにしたい。今六・五倍ぐらいになっておりますから、もうちょっとということですが、そういうことであったり、あるいはなるべく下水道を普及させたいし、高齢化になりますから、福祉サービスなんというのは、やはり学校の一学区に一つぐらいはステーションがあって、そこへお年寄りは毎日行ってもらえるような、そういうことにもしたいし、勤労時間も千八百時間というところに下げていきたいし、押しなべて生活の内容を豊かにする国にしたい。 それは、ですから、都会ばかりに限りませんです。農村が、そういう今のようにいろいろな文化的な施設がだんだん入っていきますと、住宅事情は農村の方が楽でございますから、そこで、やはり農村なりのし尿処理であるとか、そういう方途がいろいろございますから、そういうものができていけば農村でも生活大国、むしろその方が可能性が大きいと言えるかもしれない。都会だけのことじゃございません。
○竹内(猛)委員 これは注文を申しますけれども、やはり今総理大臣が言われたようなことを具体的に示してもらわないと、言葉が独走して、何か生活大国と言えば、だれもが生活大国になったような感じがする。これはやはりだめです、うまくないですね。うまくないから、そういう形にどういうふうにしたらなるのか。例えば、家を建てられる能力のある人はまだいいですよ。ところが、間借りをしている人が多いですね、間借りを。家賃というのは一体所得の何%ぐらいが適当か、こういう話だって出てくるんだ、これは。出てくるんですよ、現に。大変ですよ、これは。そういうことも含めて、これは注文です。 さてそこで、ガット・ウルグアイ・ラウンドの話に入るのですけれども、ガット・ウルグアイ・ラウンドというのは一体窓口はどこがやるんですか、窓口は。
○小倉政府委員 これは先生御承知のとおり、ウルグアイ・ラウンドといいますのは非常に幅広い、農業のみならず特許権とか工業品の関税の問題、幅広い問題でございますので、交渉のその都 度その都度だれが交渉の前線に立つかということについては、必ずしも外務省ではないものもございますけれども、全体としまして交渉の統括というのは外務省が窓口と申しますか調整と申しますか、そういう意味でやっております。
○竹内(猛)委員 去年からことしの新聞をずっと見ていると、ガット・ウルグアイ・ラウンドの問題で農林水産大臣は現地で非常によく、農林省は国会の決議を忠実に、誠実に守っている。ところが、外務大臣はもう脱線、これ転覆脱線だ、どこへ行っても。もうひどいものだ。総理大臣もどうも怪しいことを言う。例えば、もうこれは仕方がないから二兆か三兆の金をくれて手切れ金で始末をしようか、こういうような考え方を持ったことがあるでしょう、新聞に出ていますよ、ちゃんと。通産大臣は、それは黙っているからもう言わない。こういうふうに、国会の決議というのは三回も決議をしている。そして、これを守らなきゃならないんだ、決議というものは。あれはあのとき決議したが、情勢が変わったからどうでもいい、それなら決議なんかしない方がいい。そういうようなものじゃないと思うのですね。 そこで、この際やはり閣僚の皆さんの意見を統一してもらいたいんだ、これは。統一してもらいたい。渡辺外務大臣、大丈夫ですか。ここでは統一するけれども、すぐ何かしゃべるんじゃないですか。舌禍があるんでね。これはまずいんだ。だから、そういうことのないようにするために、しっかりここで統一をして、これでいくんだ。もう本当に瀬戸際ですから、まずそのことを一つお願いしたい。どうですか、総理大臣、まとめてくださいよ、これを。
○渡辺国務大臣 決して私が脱線しているわけじゃありません。やはり国会の決議というものは尊重されなければなりませんし、そういう立場を踏まえて、極力我が国の主張というものを反映されるように努力をしておりますということを言っているわけです。したがって、例外なき関税化ということは、私はじかに言っているわけじゃありませんが、大使を出しまして交渉をしているわけですから、そういうことについてはだめですよということを、例外なき関税化はだめですということを言っているわけですね。したがって、前へ進まないわけですよ。これも現実。そういう状況なんです。 だから、だからといってウルグアイ・ラウンドを、それじゃ日本が壊す、壊してしまった方がいいのかということになると、そう簡単にはいかないんですね、これは。どこの国でもウルグアイ・ラウンドを成功させようと言っているんですから、日本だけがウルグアイ・ラウンドを壊してしまえなんということは言えるはずもない。一番恩恵を受けている国の一つですよ。ですから、ウルグアイ・ラウンドは曲がりなりにも、少しずつでも、譲り合ってでも、みんないろいろと困難な立場があるわけですから、少しずつは我慢し合って、そしてまとめていこうというのが今の段階なんです。だから、決して脱線などいたしておりません。
○竹内(猛)委員 いや、それは脱線、それは外務省がおかしいんだよ。去年の九月の十三日だったか、今大臣ですね、中村団長でスイスやフランスや北欧に我々は政経調査に行ったんです。それで、フランスに行く前に、スイスで大使に会いましたよ。大使に会って、その席上でガットの話を聞いたら、いや、その話はもう既に解決しているんだ、アメリカとECの話は決まった、問題はいつそれを明らかにするかということだけなんだ、もし日本が壊して失敗すればスーパー三〇一条で日本は報復手段を受けるからそれはまずいというのが大使の言葉でしょう。まあ三十万トンぐらいの米はしょうがないじゃないか、こう言うんだよ。 国会議員が八人もいるときに、それはあなた何を言うんだと。そうしたら、ほかのところの大使もやや同じようなことを言うんだな、これは。言葉は違うけれども、やや似ているんだよ、ガットの話は。そのときにはフランスはマーストリヒト条約の批准をしましたよ。あれは一・五%ぐらいでまあ通過したけれども、事実上は否決と一緒だ。アメリカは大統領選挙でしょう、大統領選挙。ブッシュが負けたじゃないですか。そういうような状態のときに、外務省は少し先走っているんじゃないかと、これは。そうしたら、そんなことはないと言うけれども、どうも外務省の発言が怪しくてしょうがない。 だから、総理大臣、ひとつ国会決議を守って、外務省の発言も時々見守ってもらわなきゃ。今渡辺外務大臣はそういうわけではないと言ったけれども、この人が危ない。この人は非常に危険人物ですから、赤マークをつけなければいけない。赤マークをつけていかなければならない人で、どうしてもこれはしっかり頑張らないと。 それで、今度アメリカへ行くんでしょう、十一日ごろから。アメリカへ行ってガットの話をするんですか。やるんだったらしっかりやってくださいよ。日本が反対しているんじゃないんですよ、これは。反対している国はいっぱいですよ、ほかにだって。日本だけが悪者になっているようなことを言うからおかしいんだ。日本じゃないんですよ。みんな修正案を出しているでしょうよ、修正案を。修正案ということは、ダンケルの案に対して意見があるということでしょうよ。 それを、何か日本だけが悪者になるのは困るなんて、そんな話じゃないんです。日本だけが悪者になることはない。日本は、いいですか、四兆円も買っているんだよ。そのうち八割はアメリカですよ。最大のアメリカの農産物輸入国日本がこれでもまだ頭を下げる。そんなことは必要ない。どうですか、その十一日からの話は。
○渡辺国務大臣 今回訪米をするに当たりまして、特別に個別案件で交渉事で行くわけではないのです。やはり新政権になって、一つは、顔見せというのはちょっと語弊があるが、お互いに知り合うということが大切ですし、しょっちゅう電報とか電話だとかで今後も話し合いをしていかなきゃならぬ。会ったこともない人よりも一遍会っておいた方が後の連絡等がしやすくなるということがありますから、それが主たる目的であります。 もちろんグローバルな問題でいろいろなことについては、日米間で意見の交換をするということは、それはあるでしょう。ですから、今回ウルグアイ・ラウンドの交渉をしてくるわけじゃありませんから。
○竹内(猛)委員 日本だけが反対しているからウルグアイ・ラウンド壊れたなんということのないように、ひとつ各国と足並みをそろえてくださいよ、これは。今、農協中央会の皆さんだけじゃなしに、消費者も、それから多くの人々が、世論調査をすればわかるように、これは安全性という問題があって、きのう目黒さんが大分輸入問題で虫の問題や病虫害の問題をやったけれども、あれぐらいの問題もある。あれは一部なんだ。危険の一部なんだ。もっと危険なものがありますからね、これから申し上げますけれども。 そういう点からいうと、やはり日本だけが反対をしているという印象で、何か早くやらなければぐあいが悪いということのないように、これは十分に注意をしていただきたいということを要請をする。もし間違ったら、またここであれしなければなりませんね。大丈夫ですか。皆さんもいいですか、間違いないですね。 それじゃ具体的に聞きますけれども、一月十九日からのガットの貿易交渉、ダンケル事務局長は早期決着のための政治的な決断を各国の政府に求めている。今後の交渉の期限については言及を避けたと伝えているけれども、一部には、アメリカの政府の交渉権、ファストトラックの期限切れとの関係で、これが三月二日前の二月の下旬が山場になる、こういう憶測も流れているが、まず今後のラウンドの見通しというものについてはいかがなものでしょうか。
○小倉政府委員 全体の見通しということで、最初若干事実関係について申し上げさせていただきますが、先生御指摘のとおり、一月の中旬に貿易 交渉委員会が開かれまして、そのときにダンケル事務局長が、今先生がおっしゃいましたような趣旨のことを、今先生が引用されましたのは記者会見だと思いますが、言っております。 すなわち、一応アメリカのファストトラックの期限が三月二日に、期限自身は五月三十一日でございますけれども、いろいろな理由から三月二日が一つの節目になっているということも踏まえて努力しなければいけない、そのために皆さん一生懸命やりましょうという趣旨のアピールと申しますか訴えをいたしまして、今現在は、多数国間の貿易交渉委員会がいつでも開かれる状態にしておこうということで、一種の何と申しますか、ベルが鳴ればみんな集まってくださいよ、そういう趣旨にはなっておりますが、御指摘のようなアメリカの権限の問題がございますので、その様子も見る必要があるだろう、こういう状況でございます。
○竹内(猛)委員 昨年の十二月から一月にかけてジュネーブで行われた断続的な交渉の中で、米国の政府は、反ダンピング規制や三〇一条などの米国の独自の通商法がダンケル案によって弱体化されることに反発をして、紛争処理分野の交渉でダンケル案の基本的な修正を求めている。米国側のねらいは、米国企業がダンピング提訴をより容易にやれるようにダンケル案を修正しようとするところにあることは明らかだろうと思います。 さらに、米国政府は、紛争処理機能などを強化をするなどガットを格上げする多角的貿易機構の構想にも公然と反対をしていると言われている。こうした動きは極めて重大であり、ウルグアイ・ラウンドのみならず、ガットそのものの基本にもかかわる問題だと認識しています。そこで、ダンケル案の修正というよりラウンドの開始宣言の基本的な修正であると言っても過言ではないだろう。こうした米国側の動きに対して、政府としてはどう対応するか。
○小倉政府委員 先生が今おっしゃいました点は、ガットの交渉の場と申しますか分野という意味から申し上げますと、いわゆる第四トラック、すなわち全体のガットの交渉の全部を見回して、さらに何が調整を必要とするところかという最終段階と申しますか、非常に全体を見渡して利害を調整をする際に、何を持ち出してお互いが最後の利害調整をするかという意味で第四トラックと言っておりますが、その分野での交渉の際に何を各国が出すかということが、ようやく交渉がいわば一種の最終的な段階に入ったという意味で、昨年から、テーブルの上に各国が自分の出したいものを、修正要求と申しますか、自分が非常に最後の段階で重要と思っているものをテーブルの上に出し合った。 その際に、アメリカが、おっしゃるようなダンピングの問題あるいは国際貿易機構と申しますか、新しくつくられるべきガットにかわる国際機構の問題について、アメリカとしては今のまますなわちいわゆる通常言われておりまするダンケル・テキストと申しまする一つの妥協案の内容のそのままではのめない面があるという趣旨のことを言っているのは事実でございます。 これは、ただ、今のところテーブルの上にのっただけでございまして、まだ深い議論はしておりません。したがいまして、アメリカの態度そのものについて、日本から具体的にその問題について日米交渉したとか、あるいはガットの中で非常に詳しい交渉が始まったというわけではございません。どちらかといえば自分の立場を説明した、テーブルの上にのせて説明した。 ただ、アメリカもそういうことを言っておることでございますが、日本につきましては、御案内の包括関税化、例外なき包括関税化は日本としてはのめないんだということをきちっとテーブルの上に出しておる、そういう状況でございます。
○竹内(猛)委員 それは正しい態度でしょうね。 それでその次は、ウルグアイ・ラウンドの成功のためには、米の市場開放も不可欠であるかのような主張がずっと報道されているのですね。どの新聞を見ても大体そういうことを言っていますね。それは基本的には私はやはり誤っていると思うのですよ。誤っている。それは後から説明します。 こうした議論が一方的に出てくる背景には、次のような二つの問題がある。 第一は、政府自身が、ガット体制の中で最大の恩恵を受けているのは日本であり、自由貿易体制を維持していくためには日本もラウンドの成功に貢献しなければならないと言っている。しかし、何で貢献するのか、何で譲歩をするのか。先ほど外務大臣は、何かの譲歩をしなければいけないだろう、こうおっしゃいましたが、何で貢献し、何で譲歩をするのか。国民の間で、米の市場開放をすれば、それでラウンド成功への貢献になるといった誤解が生じていますね。どうも余り反対し過ぎるんじゃないか、こういう誤解が生じている。だから、そういう点について、まず大臣から。 それから、ウルグアイ・ラウンドの十五の交渉分野で日本がどのような提案をしているのか。ダンケル案では何が問題なのか。そして、日本の国益という観点から、何を守り、何を譲歩しようとしているのか。政府が積極的に情報を国民に知らせないために、ラウンドの成功へ日本としてどのような貢献をしたらいいのかという問題に関して、国会を含めて、議論も判断もできない状態なんです。米以外でも国民が知りたい情報がたくさんあるはずだ。 例えば、金融や証券、損害保険というような業界を守るために、外国企業の参入に対し規制緩和を日本側は拒否しているなどと伝えられている。これらの分野で外国の企業が日本国内で我が国の消費者にさまざまな商品を提供することを規制することが国民生活にとってどのような利益があるのか。外国人労働者の問題も先ほど話があったけれども、これはどうなるのか。ビデオなどのレンタル業界はどうなるのか。輸入農産物の検疫問題、きのうもありましたが、どうなるのか等々、国民生活に直接関係のある問題がガットの本部で協議されているはずでありますけれども、この農業交渉しか報道されていない。これでは本当の実態が知らされていない。その実態を隠そうとしていることこそ問題じゃないのか。こういう点ですね。これはいかがですか、この点については。
○小倉政府委員 先生のおしかりを受けるかもしれませんけれども、何分交渉中でございますので、確かに交渉者が内容につきまして十分御理解を得るような努力をしていないという面が多少やむを得ずあるかと思いますけれども、しかしながら、私どもといたしましては、今御指摘のように、ウルグアイ・ラウンドというものが単に農業の問題のみならず、例えばアメリカのユニラテラリズムと申しますか一方的な措置、あるいは今御指摘がありましたまさにダンピングの措置をどのようにやるかというような問題、あるいは輸出自主規制の問題、あるいは今も御指摘がありましたサービス産業の問題、そういったものにつきまして非常に幅広いものである、非常に多くの分野を含んだものであるということについては、いろいろなところでいろいろな御理解を得る努力をしてきたつもりでございます。 ただ、そういったおのおののことが具体的にどのような意味を直接個人の生活で持つかということにつきましては、実は、物によりましては非常にわかりやすい説明ができるものもございますが、非常にたくさんの分野を含んでおりますので、これからもそういった意味で、具体的な生活にどういうような影響を及ぼすかという点について、私どももさらに努力いたしまして、いろいろ御理解を得るようなことを啓発なりあるいは情報なり、そういうものを提示して、御理解を得るような努力をしていきたいと思っております。
○竹内(猛)委員 交渉の過程だから言えないことがあることも承知しています。それはよくわかっていますけれども、余り米だけが問題になって、何か米に偏ってしまって、ほかのことはまるっきり無視されちゃっている。これはおかしいですよ。だから、米、米、米、そういうことを言っ て、ほかのことは全然問題にならない。 そこで、ラウンドにかかわっているすべての省庁は、日本側の提案、ダンケル案の問題点、ジュネーブでの交渉経過等について定期的に記者会見を行って、広くできる限り自分の問題点を公表していく、こういうことがまずできないかどうか。これはやってもらいたい。 それから次の問題は、これは委員長に要請をするのですけれども、ダンケル案によってどのような産業がどういう利益を得ているのか、あるいはどういう損失をしているのか、政府として具体的に我が国にとってのラウンドのバランスシートというものを試算をして、広く明らかにしてもらいたい。少なくても公正な判断を可能にするため、国会議員には提出してもらいたいと思う。先ほどの提出は、どうも刑事訴訟法四十七条というところでばかにこだわっているけれども、これは刑事訴訟法とは関係ないんだよ、この問題は。このくらいのものが出せなかったらおかしいですよ、国会へ。そうでしょう。どうですか。これは外務大臣だな。外務大臣だよ、それは。
○小倉政府委員 先生のおっしゃいます点につきましては二つ要素があると思いますが、いろいろな省庁、これは外務省のみならず総理官邸にもお願いしまして、時々いろいろウルグアイ・ラウンドについての連絡会議、そういったものをやっておりますので、そういったところを通じまして、またそういった機能の中からいろいろ国民の皆様に御理解いただくようなことをさらにやっていくということが一つあると思います。 それからもう一つは、外務省が全体を取りまとめている観点から、今先生がおっしゃいましたように、ウルグアイ・ラウンドは非常に幅広いものである、そういったものにつきましての啓発の資料につきましては、さらに努力いたしまして、そういうものを利用する、もう既に幾つかございますけれども、さらに幅広く活用できるような体制を充実してまいりたいと思います。
○竹内(猛)委員 これは、どういう産業が損をしてどういう産業がもうけたか、こういう話なんだということを言っているわけだからね。それは、全部がもうかれはそれはいいけれども、農業などというものは、これは被害大きいですよ。オレンジ・牛肉だってそうじゃないですか、三年前。今ひいひいしているよ。ミカンをつくっても、牛肉やってもぎゅうぎゅう言っているよ、牛が。 こういうような状態が、もう今度は、渡辺さん、おれたちは一生懸命頑張ったけれどもついにだめだったということを言っちゃだめですよ、これは。そういうことを言いたいのでしょう。牛肉やオレンジで一生懸命頑張ったけれども、ついに押し切られちまった。米だって一生懸命に頑張ったけれども、ついにやられてしまったなんということじゃだめなんで、そんなものじゃない、米は。牛肉やオレンジとはちょっと米は性質が違うのですがね。 だから、これも含めてひとつガットの問題でも、ほかにだって十数品目あるのですからね、まだ。まだある。関税との関係のあるもの、これは通産省がかんでいるのかな、あるから、大蔵省も関係しているんだ。そういうものも含めて、もうこれ以上外国のものを入れるということがよくないんだよ。 どこかでやはりこの障壁、後で言うけれども、農業基本法第十四条はそういうことが書いてある。これだって守られていないんじゃないですか、早い話が。守られていないんだよ。法制局長官、農業基本法だってできてから三十一年、一つも守られていないんだよ、あそこであれで守られているのは、農政審議会と白書とそれから長期見通しだけだ。これはみんな合わない、そんなものは。そういうものだけ。あとはあるだけの話だ。これも法律ですよ。刑事訴訟法四十七条だけじゃないんだよ。 そういうことを考えてみると、法律は守らなければだめだよ、それは。十四条を守りなさいよ、はっきり。いかがですか。これは農林大臣か。
○上野(博)政府委員 多分竹内委員のお話は十三条の規定のことではないかと……(竹内(猛)委員「十三条もあるんだ」と呼ぶ)じゃ、十三条の話ということで承りましてお話を申し上げたいと思うのですが、この条文は確かに輸入に係る農産物をどういうふうに調整をしていくかということを規定をいたしておるわけでございますが、この輸入農産物に対する競争力強化に必要な施策、あるいは輸入農産物と競争関係にあるような農産物に係ります関税率の調整、輸入の制限、そういうようなことができるということを書いてございまして、これはガットの規定に整合したような形でそういう条項を発動してまいるということになるというふうに考えておるところでございます。
○竹内(猛)委員 これ以上議論してもしょうがないから、もう少しガットの話をしていきますね。 今回のウルグアイ・ラウンドの問題は、関税の協調的な引き下げという今までのラウンド交渉と違って、サービス貿易等の新しい分野で新たなルールをつくろうとしたり、農業分野では各国の農業政策そのものの中身まで規制をしようとしている。しかしながら、こういったラウンドの仕組みそのものにそもそも無理があるのではないかと私は思います。 最近特に痛感していることは、農業交渉が問題であるということは言うまでもなく、自然を相手にする農業では、各国の自然条件の違っていることにより各国にそれぞれの違いがあるのは当然であって、農業政策も各国の歴史あるいは社会的な事情によって独自につくられてきているわけです。こういう各国の農業政策を画一的に規定をし、ある規律のもとに置こうという考え方は、これは非現実的だと言わなければならない。それに、世界の人口の増大と環境破壊等の問題を考えた場合に、ガット交渉はその基本的な目的を根本から見直していく必要があるのではないかと考えます。 したがって、そういう観点から次のような二点を提案をして、これに対して一つの、これは総理大臣以下の意見をひとつ聞きたいわけですね。 先ほど総理大臣は農業と工業との違いを明らかにされたのは大変結構だと思いますけれども、この農業交渉は、保護の削減ではなく、地球上の食糧生産を長期的にどう確保し、食糧配分の不平等をどう改善をしていくか、そして、環境を守りながら、人口増大に対応できる世界の農業生産体系をどのように確立していくかという、こういう問題に関しての挑戦を新たな課題とするよう、日本政府がガット加盟国に働きかけてもらいたいということです。ガットの十一条二項(c)というものをもっと拡大をして頑張ってもらいたいということなんです。 それからもう一つは、もしガット農業交渉の軌道修正が不可能である場合には、農業問題をウルグアイ・ラウンドから外して、全く別の枠組みの中で、世界の公正な農産物貿易ルールというものをつくって、それを策定していくように国連の場を通じて努力をしてもらいたい。この二点です。 〔中川委員長代理退席、委員長着席〕
○小倉政府委員 二点、先生がおっしゃった点があると思います。 最初の、農業というものにおいて、貿易のみならず、ほかの環境とかその他のいろいろな要素も勘案すべきではないかという点が一つ先生の御指摘にあったと思いますが、この点につきましては従来から日本がいろいろ主張していることでございます。それで、いわゆるダンケル提案と申しますか、ウルグアイ・ラウンドの長年にわたる交渉の結果として、一つのまあ妥協案と申しますか出てまいりました御承知のダンケル提案におきましては、食糧安全保障及び環境保護の必要性を含む非貿易的関心事項にも配慮すべきであるということがこのダンケル提案に載っておりまして、幾つがその反映といたしまして、環境問題についての補助金の取り扱いとかいろいろな配慮がなされているのは御承知のとおりでございます。 もう一つ、今おっしゃいました第二の点、すなわち農業を別扱いすることも考えるべきではないかという御指摘でございますが、実はウルグアイ ・ラウンドの始まりました一九八六年の、プンタデルエステの宣言と通常言われておりますウルグアイ・ラウンドの始まりましたときに、各国がいろいろ考えまして、農業も工業品もあるいはサービスも、それから知的所有権の問題も、一括して、通常シングルアンダーテーキングという言葉を皆さん使っておりますが、一括して扱うということに各国合意しております。 これは、例えば開発途土地域の国々から見ますと、農業を全然、農産物と申しますか、熱帯産品とかそういうものを含めましての農産物でございますが、そういうものを除外して、サービスとか工業品だけで交渉をやられても、開発途上国の地域から見ますと、非常に、全体としてその交渉にのれないというようなこともございますので、そういう意味で一括してやるというような合意がありますので、今はそのラインと申しますかその方向で、そういう合意がございますものですから、その基礎の上に今交渉している、こういうことでございます。
○竹内(猛)委員 そういう経過があるにしても、最近、フランスのパリでOECDが農業と環境という問題で今話し合いをしているし、ハーグでもそういう話し合いをしている。だからこれは、話し合いをすることに対して関心を持っていくということは決して悪いことじゃないと思うのですね。 つまり、さっきも言ったように、人口と食糧と環境という問題は、これは不可分の関係にあるわけで、発展途上国が一番ふえるでしょう、人口は。中国もふえるし、インドもふえるわけだ。それで、先進国というのは、まだ今のところはちょっと食糧は過剰になっているわけだから、じゃ自分たちだけが物を食べて減反をして、それで発展途上国は飢えていてもいいのかということになる。そんなことは許されないです、国際的に。 だから、そういうことから考えると、発展途上国も含めたそういう環境、食糧、人口という、こういう一つの、あるいは去年ブラジルで開かれた世界環境会議というものは、非常に大きな関心を持ったけれども、そういうものもあれに入れていかなくちゃならない。このガットの交渉だって始まってからもう六年たっている。六年もたっていてこのざまなんだから。だから、状況は変わっていますよね。大統領も幾人かかわっているんだよ。情勢も変わっているんですからね。 そういうことから考えてみると、これは外務省、余り頭をかたくしない方がいいよ。もっと頭をやわらかくした方がいい。日本の外務省は頭がかたいことで有名なんです。もう多角的外交をやらないとだめですよ。アメリカの顔ばかり見て外交をやらないで、あらゆる国々を見て多角的外交をやっていこうとしなければいけない。 このついでに外務大臣に申し上げますが、私は何年か前にイタリーに行ったことがある。そうしたらイタリーの参事官が、名前は言わないけれども、日本は非常に人口も多いし発展しているが、外務省の人数というのはイタリーと同じだ、こういうふうに言う。だから、もう少し人をふやして、銭をふやして、事務的なことだけじゃなくて、地域の人間とのおつき合い、本来の情報活動をさせるようにしてくれないか、こういうふうに言う。最近予算を聞くと、この間百四十人ふやしたそうだね、大蔵大臣、百四十人。その前には百五十人ふやした。特別なのも千五百人ぐらい入れるといいんだが、それぐらいじゃだめなんだよ。 もっとやはり、まあ国力という言葉を使っちゃ悪いが、それにふさわしい外交をしなきゃ、日本の主体的な外交がとれない。いいですか、そこは外務大臣に頑張ってもらいたい。これは外務省を応援するんだ、おれは。しょうがない。ここはしょうがない。だけれども、姿勢はだめですよ、姿勢はだめ。それは姿勢は許せない。姿勢はやっぱりもう少し多角的に、アメリカの方ばかり向かないで――向いておっても構わない。けんかしろとは言わない。仲良くしながら、ほかとももっと、特に発展途上国なんか大事ですからね。ソ連ばかり余り行かないで……。 そこで、さっきのガットの話に入っていきます。 一月十九日には米国の上院の財政委員会で公聴会があった。そこでカンター通商代表は、昨年十一月二十日の米国とECによるところの農業合意の内容に懸念しているという見解を示すとともに、ダンケル案の全体を詳細に検討していく、最大限に大きな合意を追求する必要はないかもしれないと述べて、ウルグアイ・ラウンドヘの対応方針としてかなり突っ込んだことを言っているようだが、米国のクリントン政権のラウンド対応について政府はどのような認識を持っているのか、まずこの点から伺いたい。
○小倉政府委員 クリントン政権も発足して間もないわけでございまして、先生御案内のとおり、まだいろいろな意味で政策を固めるという段階でございまして、はっきりとした意味で、いろいろな意味での通商政策、貿易政策というものが、ウルグアイ・ラウンドも含めまして、はっきりとしたものが出てきているということはなかなか言いにくいと思いますが、今先生が引用されました議会におけるカンターさんの証言といったこと、あるいは財務長官の証言、国務長官の証言といったことを見ますと、やはり今度の政権は非常に経済問題、貿易問題、それに真剣に取り組もうという姿勢であると思います。 したがいまして、それから推察いたしますれば、当然ウルグアイ・ラウンドにつきましても一生懸命やる。また、カンターさんも現に、今先生がおっしゃいましたように、米、ECのこの間の合意につきましてはよく研究してみる必要がある、必ずしも自分としては十分これでいいと言うかどうかわからないという趣旨のことを確かに証言では言っておりますけれども、同時に、必要あらば法律の権限の問題も議会と真剣に議論したい、早く一生懸命どうするか議会の方々と相談したいということを言っておりますので、こういった相談したいということは、逆に言えば、早く国内の政策を決定をして、ウルグアイ・ラウンドができる限りスムーズにいくように努力したい、こういう趣旨であろうかと私どもは受けとめております。
○竹内(猛)委員 米国の政府の交渉権限であるところのファストトラックは三月二日で実質的に期限が切れる。それから、米国の議会の内部からは半年とか二年とか延長すべきだというような意見も出ているようです。政府は延長必至と見ているのか。もし延長された場合には、その後の交渉がどう展開すると予想するか。ことしの七月には東京サミットが開かれる。そのサミットには、この問題が議題になるのかならないのか、その辺について。
○渡辺国務大臣 新政権の方針がまだ決まりませんし、いずれにしても、三月二日はそれは難しいだろうというのが普通の見方です。しかし、それが何カ月になるのか、どれぐらいになるのかは、これは予断を許すことはできません。(竹内(猛)委員「わからない、議題にはしないの、議題」と呼ぶ)これはそのときの状況によるでしょうが、まとまってなければ話の場で話題には、議題にするかどうか総理に聞いてみなきゃわかりませんが、話題にはなるでしょう。
○宮澤内閣総理大臣 それは恐らく、この三月二日のファストトラックを仮に延ばすということになりましたときに、どのくらい延ばすかということ、今実ははっきりわかっていないわけでございます。 非常に楽観的にというか、何とか早くという人たちに言わせますれば、これからそれまでの肝に詰めまして、そうするとせいぜい三月か半年ででもいけるじゃないかと、大変急いでやろうという人はそういう意見を持っている人もおります。そうしますと、ちょうどサミットあたりのときにそういう議論にぶつかるかもしれません。しかし、そうじゃなくて、やっぱり一年とか二年だなということになりますと、どうしてもそこで一息入れなきゃならぬということになりますので、そうな りますと、サミットで詰めた議論にはやっぱりならないんじゃないか。ですから、このファストトラックの延ばしようにかかるんじゃないかと思います。
○竹内(猛)委員 ECは昨年の十二月に農産物の関税化計画を含めた国別約束表を提出したと伝えられている。ゆうべのテレビでそのことについて細かく紹介をしましたね。ところが、EC側はダンケル案に示されている国境措置の関税化の考え方を独自に解釈をして、ミニマムアクセスの部分について域内消費量の三%になっていないとか、あるいは穀物セクターとか酪農セクターとかといった考え方を導入して、しかも、そのセクター内部で品目間の調整を行い、輸入をしたくないような作物には高い関税をかけるなど、実際にはほとんど輸入がふえないというものもあると伝えられている。そのために、米国側は、ECの関税化はまさに汚い関税化であり、ダンケル案の悪用だと反発を強めていると言われている。 しかし、この内容は公表しないとの約束になっており、マスコミも取り上げられないでいるが、日本政府としてECの関税化計画をどう評価しているのかといった見解まで公表できないはずはない。こうした情報がきちんと国民に知らされないために、米国とECは農業分野で合意した、日本の米市場開放は決定的といったマスコミ報道が平気でなされてしまう。 ECの関税化計画はなぜ汚い関税化と米国政府は反発をしているのか、かつ日本政府はそれをどう評価するのか、これについて見解を伺いたい。
○眞鍋政府委員 お答えいたします。 アメリカとECの間で農業につきましていろいろと問題があって交渉してまいりました。そういう中で、大体話がついた部分とついてない部分がございます。 御指摘の関税化の具体的な方式につきまして、どのように関税率を算定するか、あるいは品目をどういうふうにくくるかという点につきましては、両者の間で争いがございましてなかなかまとまらなかったわけでございますが、結局話がつかずに、御指摘のように、ECは自分らの主張に沿いました関税化といいますか、具体的な試算を行いまして国別表を提出した、こういう状況でございます。 いずれにいたしましても、ガットのウルグアイ・ラウンド交渉はマルチ、多国間の交渉でございます。二国間の交渉ではございません。そういうことで、二国間の合意につきましても多国間の場へ持ち出しまして、そこで十分検討していく、こういうことでございます。したがいまして、我々といたしましてはそれらの内容もよく検討し、我々の抱えております、あるいは各国の抱えております問題とともにこれから十分議論をしてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 出せる資料というものはなるべく出した方がいいですね。テレビに放送されて、それから追っかけて質問するなんて、こんなやぼなことはちょっと恥ずかしい話だ。ぜひそれは資料を出して公表して、そして堂々とやはり議論をすべきです。そのことをまず要請します。 そして、ウルグアイ・ラウンドは米問題を論議しているところであるかのような誤解が一般の間には広がっている。こうした極めていびつな状況をもたらしたことについて、報道関係者だけを責めるのではなくて、政府の情報提供そのものに根本的な問題があったんじゃないか。ウルグアイ・ラウンドというのは、十五もの分野にわたって議論をしているわけです。その中で確かに農業、サービスというのは非常に難しい問題であることは承知はしているけれども、十五ある。そういうことから考えてみて、国民生活やほとんどすべての産業に影響を与えるような内容がずっと話し合いをされているわけですから、我々の国会論議でさえも、交渉に関する実態がほとんど提供されないままにしてこうやって質問していかなければならないというのは非常に残念だ。農業以外の分野で日本政府はどのような提案をしているのか、交渉の問題点ほどこにあるのか、さらに日本政府はウルグアイ・ラウンドの成功のために何をどのようにしようとするのか、さらにウルグアイ・ラウンドの決着によって国民生活はどのような影響を受けるのか、こうした情報が提供をされなければ、これはどうにもならない。 以下、この問題について三点にわたって私はやはり質問したい。 第一は、ラウンドの成功のために日本は貢献しなければならないと総理初め関係閣僚は繰り返し繰り返し言っておられます。別に我々もそれは壊せとは言ってない。一体何でどう貢献するのか。今次のラウンドの成功によって、日本の貿易黒字がさらに増大するようなことになることはもはや望めないし、それを期待してはならないというのが現在の国際関係ではないだろうか。 もし日本政府がラウンド成功のかぎを一層の輸出拡大に置いているならば、米国初め世界じゅうから日本は袋だたきにされるであろう。まさか、米市場開放を差し出せば、日本はラウンドの成功、世界経済の活性化に貢献したと評価されるなどと日本の政府が考えているとは思えない。仮に米百万トンの輸入をした場合でも、三億から四億ドルでしかない。一千億ドルの貿易黒字という中で、それは一体どういう価値があるのかということをこれは声を大にして聞きたい。したがって、日本はそれじゃガットの成功のために何を譲歩するのかということもあわせて聞きたい。これが第一点。 第二点。例えば、サービス貿易の交渉では、日本政府は何のサービス事業分野で譲歩をするのか、守ろうとするのは何なのか、あるいはどのような例外扱いを求めているのか。また、外国人の弁護士問題も論議になっております。日本政府は、日弁連の強硬な反対で、外国人弁護士への規制緩和を拒否していると言われている。こういう問題は国民生活にどのような影響を与えるのか。さらに、外国人労働者の大幅な受け入れ緩和を途上国側は要求している模様ですけれども、日本政府はこの問題にどのような対応をするのか。 そしてまた、日本政府は農業以外の分野でもさまざまな例外的な扱いを追求しており、米がこれらの犠牲にされる危険がある。それに米だけが国際的に批判されるような状況では甚だこれは困るわけでありますから、米国やECの最終的なねらいが日本の黒字減らしにあるのは明白だと思いますから、米で少しくらいの黒字が出たとしても、それは本当に満足するものにはならないだろう。 三番目が、外務省は、ラウンドの実態に関して、農業以外の分野を含めて、的確な情報を国民に知らせていくべきであり、そのために少なくとも定期的な記者会見を行うべきじゃないか。 政府は、国益を守るという理由で、交渉の実態に関する情報を公表したがらない。特に外務省、通産省は、米問題に国民の関心を集中させて、そうして背後で一層輸出振興策を追求をしている。このために、米国の反ダンピング規制など米国政府の独自の報復権限がガットの場に移行されることを、日本の財界はラウンド最大のメリットと期待をしている。外務省が記者会見ができないなら、農林水産省は記者会見等をやれるのか。要するに、もっと公表しなければ、情報を秘密にしておいたら何もできないということになる。 この三つについてお答えをいただきたい。
○小倉政府委員 非常に多岐にわたる御質問でございますので、あるいは私が質問を必ずしも理解してないところがございますればお許しいただきたいのでございますが、第一点につきましては、まず輸出利益の問題を御指摘になったと思いますが、私どものウルグアイ・ラウンドに対する態度は、必ずしも日本の輸出利益を守るためにウルグアイ・ラウンドに参加している、それだけでウルグアイ・ラウンドに参加しているというわけではございません。もちろん、日本の輸出というものが妨げられるようなことはあってはなりませんので、例えば先ほど申し上げましたダンピングとか、あるいは一方的措置とか、そういうものがなされないように確保する、ウルグアイ・ラウンドの中でも確保していくことは大事でございます が、例えば、たしか昨日だったと思いますが、本委員会でも御議論ございましたが、衛生、検疫の規則、こういったものは輸出利益の保護というよりも、むしろ消費者保護の問題と密接に結びついております。そうした問題についてどのように日本が対処するべきなのかということで、できる限り消費者利益とかそういうことも頭に置いた、輸入国としての立場、これを頭に置いたものでなくちゃいけないということで対処しているつもりでございます。 第二に、サービスの問題につきまして何をやっておるのかという御指摘がございました。 これは私どもとしましては、サービスにつきましては日本は比較的世界的に貢献できる立場にあるのではないかということで、できる限り各国を引っ張っていくと申しますか、そういう立場にあるというふうに認識しておりますが、といいますのは、私は同時に日本の利益にもなるというふうに感じております。これはいわゆる今御指摘ありました弁護士の問題とかそういうことに限りません。 例えば、日本の、卑近な例を一つ申し上げますと、農協の方もいらっしゃるかもしれませんが、ツーリストと申しますか旅行者の方がイタリーに行かれる。すると、ローマで日本語の観光ガイドを雇いたいとお思いになるとしましても、今のイタリーでは日本人が観光ガイドにそのままなるということはなかなか認められないような状況になっております。ところが、イタリー人で日本語もできる、日本人のガイドができるということはなかなかないわけでございますので、そういった問題、ささいな問題ではございますけれども、そういったこともサービスの交渉の一つとして私どもとして確保しなくちゃならない点ではないかというようなことでございます。 それから第三点として、例外をたくさん要求しておる、それとの見合いでお米の問題がというような御指摘ございましたけれども、私どもはできる限り、例えばサービス分野におきまして、いわゆるMFN、何と申しますか、最恵国待遇の例外を要求する際には、なるべくそれを少なくいたしまして、そういったことのゆえに日本の交渉の立場が弱まって、ほかのところで譲歩を余儀なくされるようなことがないようにという努力はしているつもりでございます。ただし、御指摘のような問題もございますし、法律上一定の制約がどうしてもある分野がございます。そういったものにつきましてもちろん例外を要求し、これはこれで強く交渉していかなくちゃいけないと思いますが、そういう態度でやっておるわけでございます。 それから最後に、先生御指摘の記者会見その他の問題でございますが、先ほども申し上げましたように、できる限り情報を流し、また同時に啓発活動をしていかなくちゃいけない、それはそのとおりだと思いますが、ただ、何分この交渉は非常に多岐にわたり、かつ交渉中でございますので、若干の限度があるということにつきましては御理解いただきたいと思いますが、さらに努力いたしたいと思います。 以上でございます。
○竹内(猛)委員 いろいろ質問を続けたいんだけれども、予定した時間がだんだん過ぎてしまって、ほかの問題に入れないから急いでいきますけれども、最後に、ウルグアイ・ラウンドが一九八六年九月から開始をされて、今既に六年半も交渉している。この間にこのラウンドをめぐる国際情勢というものは大きく変化をしている。例えば、北米自由貿易協定、ECの統合、経済の地域化の動き、あるいはソ連の崩壊、東西ドイツの統一、あるいは環境問題等々が盛り上がってきている、核問題も平和の方向に進んできている。私は、やはりこの二十一世紀というのは平和と環境と人権、この三つが柱だと思うのですね。日本はやはり加工貿易の国だから、それは戦争などということは絶対あってはならないし、してはならない。そういう意味では、平和憲法というものをがっちり守るべきだ。最近宮澤総理は、憲法論はちょっと先延ばししろというのは非常にいい。河野官房長官も非常によく頑張ってくれた。これは感謝しますね。大変いいことだ。そういうことで、平和、環境、人権、これがやはり二十一世紀の大きな柱だ。 そういうときに、世界がそういう方向に動いているのですから、ウルグアイ・ラウンドを最小限の合意で早目に決着させて、そして譲るべきものは日本の場合にはほとんどないでしょう。米など絶対譲ってはいけない。そして、情勢に適応するように、新たな対応をしていくために、人口、食糧、農業という問題に対する取り扱いをしてもらいたいというのが一つの問題になる。 それから、国際経済研究所理事のフレッド・バーグステンという人がこういうことを言っています。ラウンドをめぐる情勢がこれほど変化をしても、当初の目的をあくまでも実現するべきだと考えているのか、それとも部分的に合意をして、新たなラウンドヘ引き継いていくことも日本政府としては支持できるのではないか。まとまったものだけまとまって、まとまらないものは外していくということですね。その際には、農業保護の画一的な削減ではなくて、国際的な食糧配分の不平等などという問題、あるいは環境重視型の持続的農業の振興、食糧危機への対応、農産物貿易の公正なルールといったような課題へ総合的な対応をしていくために、交渉目的そのものを変えていくべきじゃないかという問題を提案をしているけれども、これについては、これは外務大臣かな、その話は。 それからもう一つ、ガット農業交渉の場で環境問題を重視していくことは極めて重要なことだということを私はしばしば申し上げてきました。今農林水産省が提起をしている新しい農業政策の中でも、環境保全型農業、それから地域の資源を活用する、そういう農業、中山間地帯を生かしていこう、これは環境庁も一緒になって考えているようですけれども、これは私たちも全く賛成なのであって、そういう環境と農業というものを結びつけていくためには、安ければどこでつくったものでもいいということにはならない、これは。そういう点で、今後さらに国際的な問題も考えながら、米国のゴア副大統領も環境保全政策を重視する、こう言っているのです。貿易の拡大を考えながら同時にそのことも頭に入れていくと。 ガットという問題についても、地球規模的な大きな立場から物を考えていく必要がある。日本の水田はまさに環境保全に重要な役割を果たしておりますから、五十一億トンという水をためて、それを計算すれば六兆一千億という金額になるという、これは大変なことですね。そういうような役割をしている水田をつぶしてしまうなんということになったらこれは大問題だということでありますから、ぜひこの農業という問題について、特に米という問題は、商品でなしに、これは日本人の心であり日本そのものだ、こういう認識を持ってもらいたい。これが私たちの、日本の国民の持つ、総理大臣が持つ農業に対する哲学でなければならない、こう思っております。いかがですか。
○小倉政府委員 簡単に最初の問題、地域統合の問題だけ先に申し上げますと、まさに先生がおっしゃるとおり、これは非常に重要な問題に発展しておりますので、したがって、原産地表示の問題とかあるいは迂回ダンピングの問題とかそれに伴った問題、地域統合といったような状況を踏まえてのウルグアイ・ラウンドヘの対処ということは十分考えていかなくちゃいけないと思います。 それから、第二の環境につきましては、御案内のとおりウルグアイ・ラウンドは非常に幅広いことの交渉でございますけれども、しかしながら、新しい分野につきましては必ずしも全部交渉の中に取り入れることができないわけでございまして、環境と貿易との関係ということにつきましてはむしろウルグアイ・ラウンド後の問題ということで、OECDあるいはガットでそれぞれの作業が既に始まっております。したがいまして、ウルグアイ・ラウンドの中で処理できる部分と、それからウルグアイ・ラウンド後の問題として検討されている部分と両方があるというようなことでご ざいます。
○林(大)国務大臣 先生の御質問にお答えいたします。 環境問題が特に近年、これはもう世界的な問題になってきております。先生のおっしゃるとおりでございます。特にOECD、二十四の先進国が集まってつくっておりますが、その中でも環境政策と農業政策のどこでこれを統合するかという大変重大な課題を提起されておりまするし、しかも一九九〇年のヒューストンにおけるサミット、それ以来毎年のサミットでこの問題は大きく取り上げられてまいりまして、先ほど先生もお触れになりました昨年六月のブラジルにおけるリオの地球サミットにおきましても、環境と経済の統合ということを世界的なテーマに押し出してきております。これは御承知のとおりでございます。日本ももちろんこの問題を大変大事に考えております。 先ほど先生がおっしゃいました、農業は哲学がなければいかぬという仰せでございますが、私も全く同感でございまして、元来農業の農という字は自然と人間の共生なんですね。つまり、自然と人間の一元化なんです。これはなぜそうかというと、農業も命を育てるものである、人間も命を大事にしなければならぬ。そういう意味におきましては、生命尊重という哲学は、自然と環境、農業を貫く私は哲学であると思っております。 そういうことから推しましても、これからの農業はやはりそこを中心に考えるべきでありますが、ただ一つ残念なのは、経済活動の面から見ますと大変生産性が劣ります。したがいまして、経済の面から見ますと本当に難しい職業であります。それだけに、やはりいかにして、生命を尊重するこの仕事を別の面でもこれは支えなければならない、そういうことになってきておると思いますので、特に環境と農業の両立につきましては、環境庁としても真剣に取り組んでまいりたいと思っております。
○竹内(猛)委員 環境庁長官が非常に力強い話をしたが、環境庁は予算がないから。大蔵大臣、予算を回さなきゃだめだ、これは。考え方は確かだ。考え方は確かだし、非常にいいですね、哲学がちゃんとあるから。それに予算で裏づけをしなければ本物にならない。 そこで、その次、最後です。これはガットの最後。 最後に、二月二日、一昨日、「コメ輸入の関税化」受入れを求める国民委員会というのがアピールを出した。その事務局が財団法人日本国際フォーラムというところにあり、賛同者の取りまとめや報道対応などを行ったわけですけれども、そこは、元外務大臣であり、大元老ですね、お年寄りの大来佐武郎さんという人が会長をしている。この日本国際フォーラムと日本政府それから外務省はどういう関係にあるのか、この団体と。日本政府のガット提案を否定をするような国民委員会に事務局的なサービスをもし外務省がしているとしたら、これはちょっと問題ですね。つまり、その団体に外務省がお金を出しているとしたら、これは大きな問題。よく調べて。報告と違うのですからね、これは。確かに日本の国論が、あるいは学者の間でも二つに分かれていることは事実だが、それは自由です。言うことは自由だが、政府が金を出したところにこれを反対されたのじゃかなわない。どうですか。
○小倉政府委員 今先生が御指摘の「コメ輸入の関税化」受入れを求める国民委員会のアピールというものにつきましては、今までとりあえず私どもとして調べましたところ、これは、この「コメ輸入の関税化」受入れを求める国民委員会というものからこのアピールと申しますか呼びかけが行われておりまして、これはむしろ個人の資格として参加した民間人によって組織された任意の団体であるということを言っております。 それで、今先生が御指摘の財団法人日本国際フォーラムとの関係につきましては、確かにその財団法人日本国際フォーラムのメンバーの何人かが今申し上げました国民委員会に参加しているという事実はございます。が、このアピールそのものは、あくまでこの国民委員会の名においてやっておるというふうに私どもとしては理解しております。
○竹内(猛)委員 その国民委員会というものの設立の時期、予算、メンバー、これは後でひとつ届けてください。それで、そういうところへ――それは時期が悪いよ、そんなもの。この時期にあのようなことを言うというのは、これは不見識だと私は思います。 そこで、時間がだんだん来ちゃったから、本来の農政の問題に触れられなくて、ちょっと時間が足りないですけれども、農業基本法が昭和三十六年にできた。あのときには、衆議院で二百二十三名ほどの出席で、社会党は欠席、共産党も参加してなかった、民社党が反対討論をした、それで二百二十一票ぐらいで通した法案なんです。それほどまでにして農業基本法を通して、三十一年たった。その農業基本法の実態、つまり所得均衡、国際関係、こういうものはまさに生まれていないですね。どこを探したってないですよ、それは。二町五反歩の農家を百万戸つくるなんというものは、そんなものはありゃしないし、都市と均衡の、所得を一致させるなんという話もない。それで今全く逆なことになっている。あるものは、さっきも言ったように、農業白書、長期展望、それから農政審議会というものは、これはやっている。そのくらいのものじゃないですか、これは。これなら、ない方がいいか、ある方がいいか。守れない法律だったら、これは修正するか、やめた方がいいですね。残しておくなら、やっぱり守らなければいけない、これをはっきり。これが第一点。 第二点は、今度出す新しい農業・農村・食料といういわゆる新政策。この新政策は、十年先に一・五の労働力、つまり中心と補佐で、生涯所得、一千八百時間から二千時間働いて、十ヘクタールから十七ヘクタールぐらいになるでしょうかね、七百万から八百万ぐらいの所得があって、二億三千万から二億五千万を保障すると、こうなっているのだ。これはまた、十年先の話だから夢じゃない。その過程で生産法人、農事組合、あるいは時には株式会社にも参加をさせよう、こういう話になっている。私は、農業に、農村地帯に株式会社などという利益を中心にするものが入っていったら絶対よくない、これは入れるべきじゃないと思う。二五%ならいいじゃないかなんという議論が農林省内部にもあるらしいけれども、それはだめだ、そういうのは。やっぱり土地というものは、これは家族経営というのが中心ですよ。ソビエトのコルホーズ、ソホーズ、中国の人民公社、これがみんなだめになっていくのは、一つはノルマと給与制だ。やはり土地というのは、その土地に愛着を持ち、愛情を持たなければだめだ。だからそういう点で、株式会社のように、損をしたら株式は成り立たないのだから、それではいけない。そういうものは、規制をするということがあるけれども、外していく。 それで、どういう順序でいくかということは、それをつくるのは結構だから、それに対する予算措置、それから土地をどれぐらい活用するのかという土地面積の確保、それから食糧自給。カロリーでも、五〇%というカロリーが今四六%にカロリーは落ちちゃった。穀物自給率だって、三一というのが二九%に落ちているでしょう。ますますますますそっちの方は落ちてしまう。これも農業基本法によって長期見通しを立てた中の一こまなんだ。守られていない。そこへもってきて、今度は跡取りがいない。だから、今度は企業体をつくって集落を一つにし、あるいは旧村を一つにしてやっていこうと、こういう話なんだ。これでもなかなか進まないものがありますね。それには、農林予算というものをちゃんと、しっかり組み立てる。農業基本法のころには一六・五%ぐらいあったかな。現在はその半分以下でしょうね。少なくとも国の一般予算の一割ぐらいは農林予算にやる。そして、単年度とやや長期、土地改良なんか十年計画もあるけれども、そういうふうにして、農家にわかりやすい方法を示さないと、若い 人たちは魅力を感じない。 この間、青年館で、農協の青年部の人たちが議論をした。やはり米の自由化が行われるのじゃないか、米の値が下がるじゃないか、それじゃ新農政は魅力がないよとはっきり言っているじゃないか。言っているんだよ、これは。事実なんだ。どれだけ演説をしてもこれはだめなんだ。事実を示さなければいけない。これはいかがですか。
○田名部国務大臣 御質問の趣旨が必ずしも定かでなく、いろいろなことをお話しになりましたので、どれが質問の部分か、ちょっと答弁が間違っているかもしれませんが。 農業基本法のことにお触れになりましたが、確かに制定以来、畜産や施設園芸の分野を中心に生産性が向上してきた。それで、決めたときから見ると相当農業の分野も実は変わってはおりますけれども、農家総所得が勤労者の世帯を上回るに至ったということは、一定の成果があった。しかし、七〇%ほど二種兼業、要するにどこかへ勤めながら農業をやる人たちは所得が非常に高い。しかし、一方では土地利用型農業、ここが生産性の向上、上がらないとなかなか日本の農業というものは難しい、こう考えておりまして、そこには担い手も減少しておるし、あるいは高齢化、規模拡大のおくれ、耕作放棄地がだんだんふえていく、まあいろいろなことがありまして、そういう変わったところを新たな政策で補っていくよということを実は考えておるわけであります。 時間がありませんから余り申し上げませんが、予算のことにもお触れになりましたが、まあ一般歳出に占める割合が八から九%で推移をして、三年度以降は着実に増額が図られておるわけであります。平成五年度でも、今申し上げたような考え方で農業政策をやっていこう、しかも十年後の農業、農村のあるべき姿を念頭に置いて予算計上をいたしたところであります。ですから、既にこの国会でも必要なものについてお願いをしておりますし、法律の改正もお願いして、逐次準備の整ったところからスタートさせたいということを考えております。 株式会社のこともございましたが、決して無理にそれを進めているわけではありませんが、農家の選択肢は広げておきたい。実は人と物と金でありますから、物は農家が持っておるが金と人がいないというところで、例えば農産物の加工でやる、その地域全体で農業の多様な就労の場というものも確保してやらなければいかぬわけですから、そうしたものが販売、そういうものと一体となってやれる、あるいは給料さえもらえて、他産業並みの給料でやっていけるということになったら、それでやる人もおっていいのではないか。いろいろに考えて、選択は農家がどうするかということでありますから、決してそういう法律があったから無理にそれをやらせるとかそんなことは毛頭考えておりません。農家が本当に他産業並みの生活ができる、余裕もあるということで、私は、やりたいというところがあれば結構な話でありまして、販売等もテレビを通じてコマーシャルを流すとかいろいろなことは考えられるわけです。ただ、今の農家にそのことを全部求めてもなかなかできませんし、そういう考え方で何とかしたいというふうに考えておるわけでありまして、どうぞ御理解をいただきたいと思いますし、答弁漏れがあったのかどうか、ちょっと私も自信ありませんが、以上でお答えにさせていただきます。
○竹内(猛)委員 新農政のあれが出たときに、その前文、第一部はほぼ賛成です。農業の認識に関しては一致をしている。ただ問題は、政策をやるための第二部について今疑問を持っているし、僕が疑問を持っているだけではない、それは農協の専門にやっている青年の諸君も疑問を持っている。 私たちは、三年前のオレンジ・牛肉のときに、やはり食糧自給率、地域農業、それから土地の回転率、利用率について提案をした。あのときに、農林大臣は堀之内農林大臣でしたが、それは社会党は無責任だ、けしからぬということで大分しかられた。けれども、選挙の結果は、いいですか、定数一名区の二十六地区で二十三まで自民党は議席を失いましたよね、本当に、一名区で。ここら辺にみんな大臣いらっしゃるけれども、その地区でみんな負けたんだ、これは。そういうことになった。そうして、社会党と連合がこれは勝った。事実だ、これは。それから三年たった。またここで米が問題になっている。だから社会党はその中で、地域農業を振興しよう、地域の声を聞こう。霞が関の補助金の農政をやってきたけれども、それも結構だが、地域の声を結集してそれでいこうじゃないか、地域農業の振興。それから、中山間地帯、これは面積にして四割、生産力で三七%、土地にしてもやはり四割ぐらいあるでしょうかね、そういう地域がどうにもならない。日本には十四万近い集落があるけれども、そのうち二千が既になくなってしまっている。この中山間地域に特別な助成をしようじゃないか、それから、後継者を育てようじゃないかという三つの法律を出して努力をしている。 その点では、農林水産省も、項目だけはほぼ同じ項目で中身は違うものを出しているが、ほぼそういうことで争いのしょうがないような形にはなってきているのだけれども、今度は条件不利地帯の中山間地帯の今どうにもならない地区に、西欧ではデカップリング方式というものをとっているが、日本ではそれはなじまないと、こう言う。特に法制局がそういうことを言っている。なじまない、そんなことはと。ところが、よその国でできるものをなぜ日本じゃできないのか。おかしいじゃないか、それは。だから、関係省庁が一つになってその地域を活性化していくために骨を折るということは当たり前の話だ、これは。そういうことについてはなじまないじゃなくて、勉強をしてこれを実現するという方向でいかなければどうしようもない。この点については総理大臣の決意を聞きたいですね、最終的に。
○田名部国務大臣 中山間地の御質問ですが、約四割を占めております。私ども、この山村振興、定住対策、こうしたものを初め各般の施策を推進しておりますけれども、特に経営の担い手の減少、高齢化等あります。そういうことで、各省と連携をとりながらこの中山間地の活性化を進めておるところでありまして、今回もそういう意味では自治省、国土庁、いろいろと連携しながら対策を進めていきたい。 デカップリングについては、もうかねがね何回かお話し申し上げておりますから申し上げませんが、あと、後継者につきましても、農業後継者対策室を設けて一生懸命、新規参入の若い人たちをどうするかとか、いろいろな対策は考えてやっております。
○宮澤内閣総理大臣 中山間地域という言葉がとうとうほぼ市民権を得たということは、やはりそういう問題についての意識をこれから高めていく上で大事なことであったと思います。これは農業だけの問題ではございません。やはり環境の問題であったり交通の問題であったりするのであろうと思いますので、そういう総合的な政策をやはり考えていかなければならないであろう。 デカップリングのこともございましたけれども、これはそういうことが我が国の生産者あるいは消費者、農業の実態に沿うかどうか、いろいろ研究をすべき問題ではないかと私自身は思っております。
○竹内(猛)委員 これで終わります。
○粕谷委員長 これにて竹内君の質疑は終了いたしました。 次回は、来る八日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十八分散会