予算委員会 第5号
- 発言数
- 334 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1993/02/04
会議録
○粕谷委員長 これより会議を開きます。 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松前仰君。
○松前委員 きょうの私の質問の内容を通告をしてございますけれども、ちょっと順番を変えたいと思っております。まず第一番目に佐川等政界浄化ということにしてありますけれども、これは一番最後に持っていって、一番最初に、今非常に大変な状況を迎えております釧路沖地震の問題について質問をさせていただきたいと思います。御了解いただきたいと思います。 さて、先月の一月十五日、成人式の日でございましたけれども、日本列島皆成人式ということで大変、若い人の祭典ということでございましたけれども、釧路においては大きな地震が発生いたしました。御承知のとおりだと思いますけれども、最初は被害がそんなに大きくないという報道があったので私たちも安心をしておったのですけれども、非常に大きな規模なのに何か被害が少ない、こういうことであったのですが、だんだん調べていくと、日がたつにつれて被害が非常に甚大であるということがわかってきた。 そして、その後新たにわかったことは、一番注目されるのは、地震による直接の被害じゃなくて、ガス中毒の事故、ガス管が壊れたというようなこと、ガス中毒の事故とか、それからたくさんの家庭でガスの供給が停止してしまった。非常に今釧路は寒い時期ですから大変だろうと私は思うのです。こういう日常生活に大変な支障を来しているという状況があるわけでございまして、恐らく政府の方も対策を講じておられると思うのでありますけれども、この際、その被災をされた皆様方、これから政府として万全の対策をするということをやはり保証をしてもらわなければいけない、そう思って一番最初に御質問を申し上げたいと思っている次第でございます。 まず第一点、釧路沖地震によりますガスに関する被害の実情というものをお知らせいただきたいと思います。
○森国務大臣 お答えを申し上げます。 松前さん御指摘のとおり、大変大きな被害になりました。震度六という関東大震災に匹敵するというそういう地震の発生でございまして、もう既に被害状況等は御承知だと思いますが、釧路ガス供給区域におきまして、総需要家総数約七万戸のうち九千三百戸が供給を停止という事態になりました。それから、まことに不幸なことでございましたが、ガス中毒者が三十七名発生をいたしまして、うち一名の方がお亡くなりになりました。まことに哀悼の意を表する次第でございます。入院されました方は十二名ございましたが、既に全員退院をされておられます。 状況はそういうことでございます。
○松前委員 今お話しいただいた内容だと、大変、死者も出ている、亡くなった方もいらっしゃるということで、本当に私ども一生懸命やらなければいかぬということはよくわかったわけでありますが、それではこれまでの復旧の状況、一生懸命対処されておられると思いますけれども、復旧の状況と今後の見通しというもの、これについてお答えをいただきたいと思います。
○森国務大臣 通産省といたしましては、十六日、翌日でございますが、北海道通商産業局に局長を本部長といたしまして災害対策本部を設置をいたしました。担当官も現地に派遣をいたしまして、実情の的確な把握に努力をいたしました。さらに、広域的な復旧応援体制を組みつつ、全力を挙げて早期復旧に取り組んだ次第です。 復旧までの期間、各家庭の生活に可能な限り支障を来さないようにカセットコンロ、ストーブなどを無料で貸し出しをいたしましたし、さらに日本瓦斯協会に要請をいたしまして、その対策に当たっていただきました。この機会に日本瓦斯協会会長渡辺さんを初めとして、全国のガス関係会社の皆さんに本当に心からお礼を申し上げたいわけでございますが、釧路ガスが、やはり小都市でございますから大規模な企業でもございません。そういう意味で、全国から三十四社一団体のガス事業者等が応援をしてくださいました。応援要員が約七百七十人、これが全国から集まってくださったわけです。合計九百人体制で昼夜を問わず全力で復旧作業を実施をいたしました。きょう、けさ方の未明までに九千百五十五戸が供給を再開しております。残る供給停止区域の一日も早い復旧に向けて今後とも懸命な努力をして生活支援に万全の態勢で対応していきたいと考えております。 なお、現地では釧路市長による激励、それから地元婦人会からの手づくりの料理、それから栄養ドリンクをいただいたり、お汁粉を炊いていただいたり、地元の婦人部の皆さんが全国から集まりましたまさに九百名の応援隊に対して大変な手厚い対応をしてくださいまして、昼夜を問わず、特に開栓事業なんて夜中にやるわけでございますが、毎朝八時に全員集まってミーティングをやって、八時半から仕事を始め、夜中に開栓作業をするというそういう対応に対しまして、ここにも地元の新聞のファクスが来ておりますけれども、市民が心からこの支援隊に感謝をしておるというニュースが出ております。 私どもとしても、ガス関連会社に心からお礼を申し上げて、同時にまた地元のそうした対応にも感謝を申し上げたいと思っております。
○松前委員 全国からガス関係の皆さんが大変応援をしていただいた、本当に頭が下がる思いでございますが、その結果としてもうかなりの復旧がなされているということをお聞きしまして、一応ほっとしたということでございます。ただ、まだ残っているところがあります。復旧ができてない地域、線ケ団地区というのでしょうか、三百七十七戸あると思うのですけれども、この辺についてどういうような予定になっているか、その辺もしわかりましたら。
○森国務大臣 これからは当面残りました供給停止地区の復旧に向けて全力を挙げてまいりますが、昨日エネルギー庁の担当部長が帰りました。おおむね二月十日ごろまでには残りの家庭につきましても全部開栓を、栓をあけるのですね、開栓を終了したい、このような報告が来ております。 なお、復旧が終わりました段階で、今回の災害について徹底的な調査分析、先ほど先生からお話しのとおり、直接の地震の被害よりも、こうした地中に埋めたガス管というもの、それに対する影響、どういう対策をしたらいいのかということの分析はこれからやっていかなければならぬと考えておりまして、省内におぎまして検討の場を設けるために、学識経験者によります。そういう検討の機関を設けたいと思って、今事務当局にそれを命じております。 なお、十日には衆議院の災害特別委員会、森井委員長を中心に各党で現地に御派遣をいただくように伺っておりますが、ぜひ詳細をいろいろとお調べいただきまして、またお教えをいただければと思う次第でございます。
○松前委員 今回のこの災害は、直接に建物が壊乱たとかそういうことよりも、インフラストラクチャーの破壊ということで大変な影響のある状況でありましたから、近代国家といいますか情報化社会といいますか、それもあるし、そういうような国が豊かになることによって起こる新しい災害じゃないか。ですから、どうか地震対策については、今お話がございましたけれども、専門家の皆さんの英知を絞っていただいて、そして今後こういうことが起こらないように、そしてもし起こってもすぐに対処ができる、そういうようなことを考えていっていただきたい、そのようにお願いを申し上げる次第でございます。 それでは次に、カンボジアの問題等について御質問をさせていただきます。 きのう夜、テレビをちょっと見ましたけれども、まだカンボジアでは戦闘が続いているということが報道されておりました。もとより、国民の皆さんに過大な心配をさせるわけにはいかないわけでありますけれども、しかし、戦争、事戦争に至りましてはルールが武器で、武力で破られるというのが常道なわけでございます。だから、今の時点で、状況把握といいますか、そういうことで安心だと言っているわけにはいかない。あらゆる手段を通じてパリ和平協定、これを守れるように努力が必要だと思っておる次第でございます。 五月に選挙がある。そしてまた、自衛やバランスのために武装解除も中途半端である、中途で停止しているという状況もある。こういう状況の中で、今のような事態が起こっているということは、私は大変心配だ。特に、派遣されています自衛隊の皆さん、それから文民警察、特に私は派兵とは申し上げませんが、派遣されている、その地向こうに行かれている日本の方々の安全が心配でなりません。 今、プノンペンとは、何かきのうのお話ですと連絡はよくとれているというようなことをお話しいただきましたけれども、ただ、奥地との連絡はまだそうではない、文民警察が入っているそのところが心配だというお話も伺いました。だれがどんな法律で入っていようとも、国会で大議論を行ったわけです。そしてまた、国民世論が私どもは二分したというように感じておるわけです。そういう中で、あの法律が、いわゆるPKO法案というものが通過していったわけですから、責任は我々国会にありますし、特にそういうことは予見して、世論の非難を受けながらも、いわゆるPKO法案に反対してきた私どもの責任は大きいと思っております。 ですから、政府に要求するのは、一人たりとも死者を出してはならないと私は要求したい。それを実行することはできますか。外務大臣、お願いします。
○渡辺国務大臣 残念ながらカンボジアにつきましては、ポル・ポト派の一部とプノンペン政府の一部の中で、ところどころ戦闘があったことは事実でございます。 しかしながら、これにつきましても、プノンペン政府側は、官公の守備範囲以上には攻め込む意図はないということをはっきりしていますし、きのうもるる局長から説明ありましたが、バタンバンの二十キロ近くまで行ったんだが、今や四十キロというふうに離れたところに駐留をしておるということでございます。特に、我が国からの派遣の部隊は、大半は南の方の戦闘の少ないところにおりますが、一部、文民警察等は、各国と一緒におりますから、北部その他のところに散在しておることも事実でございます。 したがって、我々といたしましては、特にUNTACを通しまして、両方がパリ協定をきちんと守るようにしてもらうことと、またプノンペン政府に対しましては、UNTACを通じ、またはじかに日本の今川大使を通しまして、武力行使を自重するように近日も申し入れをしておるところでございます。身の安全につきましては、できるだけ注意を払ってまいる所存であります。
○松前委員 今の最後のところのお答え、それを言葉じりをとらえてわざわざ言うこともないと思いますが、大変不満な御発言があったと思います。できるだけというようなことは、これはちょっと問題が大き過ぎる。できるだけというのは、一人でも亡くなってもいいということですか、外務大臣。
○渡辺国務大臣 できるだけという言葉が悪ければ、もう最大限のという、それは不可能なことを言うことはできませんから、それはもう全力を尽くして、これ以上できないというところまではやります。
○松前委員 今の問題は後へちょっと送りまして、今お話を聞いたのは、ずっと経過を聞かせていただきましたけれども、きのうの御答弁と同じなんですよね。これは、戦争といってはいけないですけれども紛争、そういうような状況になった場合は、一日一日が大きく変化していくわけですね。 ですから、きのうの御答弁はわかりますが、きょうはどうなんでしょうか。連絡は既にあって、そして政府の方はその対策を考えていらっしゃるのかどうか、その辺ちょっとお聞かせいただきたい。
○渡辺国務大臣 私は、戦闘は非常に鎮静化の方向に向かっていると聞いておりますが、現況説明については担当局長から説明をさせます。
○池田政府委員 お答えを申し上げます。 これまでに入っております情報を総合いたしますと、大規模な全面的な軍事的衝突というものは発生いたしておりません。そして、むしろ全体の状況は鎮静化の方向に向かっているということを申し上げることができると思います。 すなわち、我々が一番懸念しておりましたのは、ポル・ポト派の拠点になっておりますパイリン、これはただいま外務大臣の方から御説明がありましたバタンバン州の州都でございますけれども、このパイリン地域におきまして、これまで近くまで寄っておりましたプノンペンの政府軍の方は撤退をいたしまして、そういった意味で軍事的なにらみ合いというものは緩和されたということが言えるわけであります。これが私どもの一番懸念していた場所でございました。 ただ、それ以外にもちろん北部等におきまして幾つかの州で若干の小競り合い等はあります。しかし、この小競り合いにつきましては、これまでもポル・ポト派とプノンペン政権軍の間では何度がにわたって繰り返されてきたところでございまして、例えば乾季に入りますと、この軍事的な緊張が若干高まる。そして、去年の十二月くらいからポル・ポト派の方の支配地域の拡大という動きもございまして、今回の動きはそれに対する若干の反発、反応というようなことも言えるかと思います。しかしながら、私どもの感じでは、基本的なそういった緊張というものはなくなっているわけではございませんけれども、大きくパリ協定の粋ないしは停戦の合意というものが崩れたというようには認識していないわけでございます。 ちなみに、昨晩、今川大使からプノンペン政権のフン・セン首相に会談を申し入れまして、その結果会談が成立いたしましたが、その中でもフン・セン首相は、パイリンを攻撃する考え方は全くない、そして自分たちもパリ協定を遵守するということを言っております。 もちろん日本としましては、こういうように関係当事者に対してできるだけの自制を、今後とも続けていきたいというように考えておりまして、先生の御指摘のような日本の要員の方々の安全を守るために最善の努力を尽くしたいというように考えております。
○松前委員 パリ和平協定、それから停戦の合意、これは崩れていないというお話がございましたが、パリ和平協定というのは、カンボジア四派の七〇%が武装解除をする、各派がすべて参加する総選挙を通じて国民和解の新政府を樹立するということです。各派がすべて参加する総選挙というのが可能になっているかどうか、カンボジア四派の七〇%の武装解除ができているかというようなことになれば、パリ和平協定だって今や怪しくなってきていると言わざるを得ないし、今お話ありました内容を聞いておりますと、大変楽観的である。武器をもって紛争を起こす、そういうものについてはそんな甘いものではないということをやはり認識しなければいけないと思うのです。 今お話ありました中で、特にそんなに、このパイリン地区ですか、その辺の状況が鎮静化しつつある、だからいいんだ、こう言う。それは見た目の話。だけれども、その裏に大きなことがあるわけです。五月に総選挙がある。この総選挙が、ポル・ポト派は参加しないということになっている。そういうことは、もう既に大変な事態が五月周辺で起こる可能性があるということじゃないか、私はそう思うのです。 それに、プノンペン政府とばかり話をしておりますけれども、そちらに偏り過ぎているということ。これはいろいろな理由もつけておるようでありますけれども、そういうような状況のある中では、大変これは危ない、危険な感じがするわけであります。(「SNCにはポル・ポト派も入っている」と呼ぶ者あり)ポル・ポト派も入っているかもしれませんが。いずれにいたしましても、この状況、現状は非常に一触即発の状況にあることは皆さん御承知のとおりだと思います。ですから、非常に現状の把握が甘いのじゃないか、そういうふうに思っております。 それで、もしこれがもっと拡大をして、そして停戦の合意といいますか、それを崩すような格好になる。それとも、停戦の合意は崩れていなくても、この中で何人かの死者が出るようなことが起こる、それでも停戦の合意が崩れていないというようなことだってあるのじゃないか、そういうふうに思うわけでございます。そうなると、やはり向こうに派遣された自衛隊、これはこの停戦の合意について、UNTAC側の考え方と、また日本政府の考え方とは異なってくることもあると思うのですけれども、その辺はどのようにお考えですか。
○渡辺国務大臣 我々は、国連の決定に従って、それにUNTACのもとでPKO活動をやることを理解して参加をしておるわけでございますから、それは何十カ国という国が参加しているわけですから、できるだけその人たちと同じような行動をやりたいと考えています。しかしながら、我が国には我が国の制約がございますので、その制約を、法律の制約を超えることはできない、これも仕方のないことでございます。しかしながら、十分に注意をいたしながら、できるだけ与えられた法の範囲内で最大限の努力をして国際貢献をしなければならないという考えは同じだろうと思います。 ただ、一部戦闘があったからといって、じゃ日本だけが、もうこれは危ない、じゃ、先にごめんなさいというわけにもなかなかこれはいかないわけでございますから、そこらのところをよく見据えて、鎮静化にまず最大限の努力をしながら、身の安全も並行的に考えていくしかないのじゃないか、そのように思います。
○松前委員 いわゆるPKO法案の審議の過程において、停戦の合意、このことについて、これが崩れているかどうかということ、この認識ですね、このことについていろいろな議論が闘わされたと思っております。 その議論の中で、この派遣した自衛隊を引き揚げる、そういうような場合において、停戦の合意が崩れたということ、これをUNTACの考え方によるのではなく我が国の独自の判断、これで行うということをはっきりと確認をしたと思うのでありますが、その辺いかがですか。
○柳井政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のとおり、法案の審議に当たりましては、この問題につきましていろいろな議論が行われたわけでございます。事態が悪化する、一部戦闘が激化するというような場合につきましては、いわゆる業務の中断という考え方がこの法律の中にあるわけでございます。それを行いますのは、まさに停戦の合意が存在しなくなったというような場合、あるいは当事者の同意がなくなった、あるいは国連の活動が中立的でなくなったという場合であることは法律に明記されているわけでございます。 このような場合につきましては、このような状況は客観的に認識できる場合である。また、業務の中断というものは国連側との緊密な連絡のもとに行われますし、また、我が国のこのような方針につきましては国連側にも十分説明し、了解を得ているわけでございます。したがいまして、この業務の中断あるいはこれが長引いた場合の業務の終了ということにつきましては、我が国の判断と国連の判断が食い違うということは想定しがたいということを法案の審議の過程で累次御答弁申し上げたわけでございます。 ただ、それにもかかわらず食い違う場合があるのではないかという御指摘もございました。この点につきましては、仮定の問題となりますけれども、このような状況が客観的に認識できると判断されるにもかかわらず、国連側が我が国と異なる認識を有するといったような例外的な場合につきましては、国連側に連絡の上で我が国の要員は実施計画に従い作成される実施要領に従いまして我が国の業務を中断する、あるいは長引けば終了して引き揚げるということを御答弁申し上げてきた次第でございまして、この点につきましては現在も同じでございます。ただ、いずれにせよ、業務の中断に関しまして我が国の判断と国連の判断が食い違うということは、実際問題として想定しにくいということでございます。
○松前委員 委員会、PKO法案の審議の過程においては、独自判断、撤収などの判断は日本政府が独自に判断する、そういうことをはっきりと明言をされておる。そういう中から今の御答弁が出たと思いますけれども、私は今のお話を聞いていて、できるだけ一致をさせていきたい、国連とかUNTAC、そういうようなところと同じ考え方で、撤収時点も同じでありますが、そういうようにしていきたい、こういうお話でございましたけれども、例外もあるでしょうというお話もございました。 私は、恐らくこの独自判断というのが、そういう話をなされるということになると非常に難しくなってくるんじゃないか。我々が撤収の条件ですよと言っても、UNTAC側は、まあもう少し残ってください、もうちょっとやってくれないとこれはちょっと困るんだ、こういうことも出てきてしまう。そうすると、日本政府としては、いやそうはできません、全部引き揚げます、こういうことはなかなかできなくなってくるんじゃないかということですね。そうしますと、我々が非常に危険を感じて撤収をさせたい時点から大分後ろに下がってしまう、行ってしまう、後ろといいますか、時間が先へ行ってしまう。 ということになると、危険がどんどん拡大をしていって、そして何人かの死者が出ないとこれは撤収にしないということになってはきませんかいかがですか。
○柳井政府委員 実際に中断あるいは終了、すなわち撤収をするかどうかという判断につきましては、この時点でこれからの問題につきまして予想する、あるいは仮定に基づいていろいろ申し上げるのは難しい点でございまして、これはそのときどきの具体的な状況に照らしまして総合的に判断して決めていくというふうに申し上げるほかないと存じます。 ただ、その間において、先ほど渡辺外務大臣からも御答弁ございましたように、要員の安全ということはこれはもう一番重要な点でございますから、その点につきましては、もとよりUNTAC側がまずはいろいろ措置をとるべきことではございますけれども、私ども日本側といたしましても最大限の努力をして安全を図っていくということでございます。また、その前提といたしまして、我が国から派遣しております要員との連絡ということも緊密に行うべくいろいろな措置をとっている次第でございます。
○松前委員 今の御答弁でも非常に私は心配でなりません。きょうのずっと外務大臣のお話から聞いておりまして、情報の収集もそれほど十分にできていないし、そして非常に楽観的である。そういう中で、この停戦合意等の問題がそういう、先ほどお話がありましたようないろいろな考えをしなければいけないということになると、対処が非常におくれてしまう、撤収の機会を失うということにもなりかねない、こういうことが私たちは起こるんじゃないか、そう想定してあのPKO法案について反対をしてきた経緯があるわけでございますが、今もう既にカンボジアに自衛隊は行ってしまっている、そしていろいろな方々も行っているということになれば、これはもっと真剣に考えていただかないと、一人の死者も出してはならぬということで対処をしていただかないといけないと思うわけでございます。 総理、その辺いかがでございましょう。
○宮澤内閣総理大臣 万全の注意を払ってまいります。
○松前委員 外務大臣、ちょっとお伺いいたしますけれども、ガリ事務総長がカンボジアに行かれるのを中止したということでございますけれども、これは停戦合意が崩れたと判断したから、そんなようなことも報道されておりますけれども、その辺いかがでございましょう、外務大臣。
○澁谷政府委員 ガリ事務総長の訪日関連の日程につきましては、日本には来る、その後カンボジアに行く予定にしているということでございました。したがって、ソマリア情勢あるいはユーゴ情勢との関連もございまして非常に多忙多端を極めているということで、確定はしておりませんでした。したがって、訪日だけに今回はとどめるというぐあいに私どもとしては了解しております。
○松前委員 話をちょっと先へ進めますが、最近政府の方でソマリア、モザンビーク、ここへPKOを派遣するというような検討を始めているということを聞いておりますけれども、ソマリア、それはあの飢餓ですね。百万人近い人たちが大変な状況になっているのは、テレビで見ると何とかしなければいけないと私たちも思うし、また、あのオードリー・ヘップバーンが行って、そして子供たちと手を握っている姿を見る、そしてまた、そのヘップバーンは亡くなってしまいましたけれども、やはり人間として何とかしなきゃいかぬという気持ちを私たちも、私も持つわけでございます。 ただ、そこのソマリアに、だからといって簡単にPKOを派遣をする。これは、今武力紛争が起こっていないということによって、多国籍軍が入っていっておさめたということで、そしてそれが引き揚げる、そういうことで日本にやってもらえないか、こういうことだろうと思うのでありますけれども、あそこの状況は、私が非常に心配するのは、ソマリアというのはたくさんの武器を保有しております。結局、米ソの冷たい戦争の中であそこの東アフリカの角と言われる地域、これが米ソの冷戦の場所に利用された。そして、それが冷戦が終わって後骨抜きになったという段階でいろいろな部族が武器をもって主導権争いを始めたという、ざっと言えばそういうことだと私は思うのでありますが、多少違っているかもしれませんが、大体そういうこと。 そうしますと、その武器がもうあり余るほどあそこへ供給されているということなんですね。それが、多国籍軍が行ったときには静かにしておるけれども、日本のPKOが行った、武装していない、そうしたらこれはまた、あの武器をもって食糧を略奪するようなことをやってきた、あれが復活するんじゃないか。だから、このソマリアに対する派遣というものはカンボジアとはちょっと違う。いろいろな条件がそれぞれのところにおる、そういうふうに思うわけでございますが、だから、カンボジアもああいう状態なのに、ソマリアやモザンビークまで手を伸ばして我々ができるんだろうか。一体どういうお考えなのかと私は疑わざるを得ないんでありますが、この辺は本当にそういうようにされるおつもりですか。
○渡辺国務大臣 結論を先に申し上げますと、今言ったような状況にあるのでございますから、今後、ソマリアの情勢を見きわめながら、PKOの派遣問題は慎重に検討をしなければならないというのが結論でございます。
○松前委員 この今のお話、慎重に検討するということは、これはやるということも含めて考えていらっしゃるということであると思うんでありますが、私は、そんなところまで、まあそんなところと言っちゃ申しわけない、言い方が悪かったら謝りますが、そこまで我々が手を伸ばすことはないじゃないか。もっともっと、ソマリアに行くならば、PKOじゃなくて民間の人が行ったらどうだ。あの飢えた人たちを救うためには、そういうことはできるはずであります、人道的に。国際協力事業団の海外青年協力隊、本当に立派な仕事をしている。ここに対する予算は大変少ない。今度ふやしていただきましたけれども、まだまだこういうような人道的な仕事というものに対して政府の認識が少ない、私はそういうふうに思うわけでございます。ぜひとも私は、ソマリアにPKOなんという話よりも、国際協力事業団のようなああいう仕事の方を、ソマリアに影響を与えるように、そういうふうにしていっていただきたいと思う次第でございます。 そして、先ほど申し上げましたけれども、武器の供与でありますけれども、世界の武器輸出国のトップは今アメリカですね。ロシアが今一生懸命輸出をしようとしている。そして、武器をあらゆるところに売り込もうとして、自分の経済を立て直そうとしている。そういうような状況を、私は大変将来について、またソマリアと同じことを起こすんじゃないかと心配をしております。ぜひとも日本政府も、武器の供与といいますか拡散というもの、それについて国際舞台で、ぜひそれはやめてもらいたいという大きな声を出していただきたい。外務大臣、その辺。
○渡辺国務大臣 もう御趣旨のとおりでございまして、かねてより我が国は国連等において、通常兵器の移転の登録制、こういうようなものを提案し、採択をされ、これの着実な履行を各国に国連を通して求めておる。その先頭に立っておるということは事実。そして、日本は武器輸出禁止という国是を持っておりますから、声を大にして言うだけの資格があるわけでございます。 なお、第二番目、ソマリアの問題でございますが、これは、慎重に検討するということは、出すということを前提に物を言っているわけではありません、慎重なんですから、慎重。だから、条件が整わない限りはもちろん出すことはありませんし、まして、PKO、自衛隊も出られないところへ民間の人に出てくれるように政府がすすめるなんということはもう余計できません、これは。 しかしながら、国際社会のやっていることは、もう暴力団のような、部族が武器をもって向こうのために与えられた食糧も途中でとっちまう、こういうようなことを放置しておくということは、やはり世界の、国際社会の正義という通念からすれば放置できない。したがって、国連の、まあ多国籍軍でしょう、統ータスクフォースというものがそこに重大器を持って入っていって、そして武装解除を強制力をもって進めているということも事実で、私はやはり、まあ武器の使い方が、民衆に向かってどんどん使われるような人たちに武器を与えておくことはいけないと思うのですね。国際社会全体としてもそういうことはいけないということで、国連の容認のもとで、そういうふうな国が何カ国か参加をして強制的に武装解除をやっているというのは事実です、これは。これはやむを得ないことだろうと私は思います。 したがって、これに対しましては、我々は、別な面で何かそれに協力できれば、国連のやっている、国連といいますか、国連に参加している中で多くの国がやっていることについて、日本は日本なりに、やはり人道上の立場から協力できることはないかなというように考えてはおります。もちろん、一部援助資金等を出しておるのは御承知のとおりでございます。
○松前委員 ソマリア等の問題は、何といいますか、武器の輸出、これを非常に、輸出というか供与というか、あの冷戦のときにどんどん送り込んだものが残っている、そういうようなことがあるし、今度は経済の問題でどんどん武器が送り込まれるということになると思います。これはたとえ核兵器がなくなったとしても、これから先の世界というのは大変な状況に、泥沼になっていく可能性があるから、そういう新しい事態を踏まえて、政府は、もっともっとそういうような方向にならぬように、PKOが行くということは逆に刺激をするということにもなりますから、そういう点で注意をしながらやっていかなきゃいかぬと思って、これから努力をしていただきたいと思うわけでございます。 そして、三菱がアメリカにアクティブ・フェーズド・アレーというのを……(発言する者あり)
○粕谷委員長 御静粛にお願いいたします。
○松前委員 アクティブ・フェーズド・アレーというのがあるんですよっAWACSのような、いや、AWACSじゃないと思いますけれども、わからないんですけれども、レーダーみたいなもの、こういうものを輸出をするというのですよ。これは初めてのようですね、武器として。武器とは言わないか、何か、武器でしょう、きっと、AWACSも武器ならば。そういうことでありますけれども、日本が率先してそういうことをやっていくということ、これはやはり非常に問題があるんじゃないかと思います。 専門用語ですから、アクティブ・フェーズド・アレーといってもなかなかおわかりにならぬと思いますけれども、レーダーの一種でございます。今人工衛星で上がっております、フェーズド・アレーというアンテナを使った地球観測衛星があるんですけれども、それの技術のようでありますけれども、そういうものが米国国防省に輸出をされる。これは武器輸出三原則に反しませんかという、もし全くおわかりにならなかったら、後でお調べいただいてまた適当な機会に御答弁いただければと思いますが、いかがでしょうか。どなたか知っていると思いますけれども。
○白川政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘の件につきましては、これは従来より、日米安全保障条約の実効を確保するために、武器輸出三原則の例外として、対米武器技術供与の枠組みのもとで行われているものでございます。
○松前委員 武器輸出三原則、こういうのが私どもあるわけでありますが、国際紛争当事国に向けてもしそれが行くということになれば、やはりこれは一つの問題になる。間接的に行くということになりますからね。今ここでこの問題について議論を闘わすあれはございませんけれども、そういうことがあるということ。これから先さらにそういうことが起こってくると、これは大変な問題になります。ですから、十分気をつけていただきたいと要望しておきたいと思います。 さて、時間も大分過ぎましたので、バブル経済の関係をちょっとお伺いしたいと思います。 今不況だということで、大変世の中が不況不況というムードになっております。そして、実際にその不況が一般国民を痛めつけているという状況でございますけれども、私の視点は、バブル経済。バブル経済というものができて、バブルができて、そしてそれが崩壊をした。それは一体何なんだったんでしょうか。バブル経済ができて崩壊をした、何のためにこれをやったんでしょうか。私どもは、これはプラスの面があったとは思えないんです。たくさんのマイナスの面を生み出してきた。このバブル経済というのは、一体どういう目的があったんでしょうか。その辺をお答えいただきたい。
○船田国務大臣 お答えいたします。 バブルのマイナス面あるいはそのバブルの目的というお話でございましたが、別にその目的がどうのこうのという議論、私は、余りなじまないのではないかと思っております。 御承知のように、一九八五年の九月にいわゆるプラザ合意ということが行われ、その後長期にわたって金融の緩和が行われていたわけであります。そういう中で、景気の持続的拡大を背景として、やはり株価及び地価が経済の実勢から離れて高騰しまして、いわゆるこのバブルというものが発生をした。そのことが家計の耐久消費財購入等ももちろん増加させたし、あるいは、エクイティーファイナンスなどを利用しまして企業設備投資も非常に大きく拡大をしたというわけであります。 しかしながら、一九八九年の五月末に金融引き締めに転じた後は、株価が九〇年度の初めから下落を始めまして、また、地価も九〇年の後半から大都市圏で下落が始まりまして、それが広範な地域に及んでいる、このような資産価格の大幅な下落ということが、バブルの崩壊というふうに位置づけられているわけでございます。 この影響というのは、御承知のように資産デフレというものを生みまして、それが家計消費やあるいは設備投資にマイナスの影響、逆資産効果というふうに呼んでおりますけれども、こういう状況になって実体の経済にも大きく影響を与えている、こういう事情である、このように理解をしております。
○松前委員 突拍子もない質問をいたしたものですから、お困りになったと思いますけれども、私は、バブルが崩壊して今不況だということ、そしてそれを一生懸命令対策を講じている、その対策についてだけの論議が行われているということは、これから先の日本の将来に大変大きな問題点を残すんじゃないか、そう思って、バブル経済、バブルというものを起こした理由というものをはっきりしておかないと将来大変なことになりますよ、そういうことでちょっとお聞きをしたわけでございます。 バブルの発生原因、これは全く人がつくり上げてしまった、全く外部の要因でもってでき上がってしまったというようにも受け取れるような御発言だったと思うのでありますが、目的はやはりあったんだと思うのですね、このバブルというもの。 これは何かというと、これまでの日本のやり方というもの、これをもっともっとやはり活性化しなければいけないというようなこと。活性化、これは何によって活性化するかということが大変問題になるわけでございますけれども、それは、活性化の方向として、これまでは何か地道にいろいろやってきたけれども、どうもこれはうまくいかぬぞというようなこと。それと同時に、もっともっと自由化しなければいけないじゃないか、規制緩和しなければいけないじゃないか、規制が問題だ、こういうことでずっと規制を取り除いていく。その辺まではよかった。ところが、それをもっともっと金融のところまで取り除いていった。そして金融緩和という、未曾有の金融緩和があったということ。すなわち、この日本の社会を金融中心の社会にしていこう、お金中心の社会にしていこうというような方向がありありと見受けられたわけだと私は思うのでありますが、お金中心というのは、お金によって、お金を操作することによってこの日本の経済を高揚することができるという、それが考えられたということだと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○船田国務大臣 お答えいたします。 先ほども若干お答えをいたしましたが、やはりこのバブルの一つの原因として、一九八五年九月のプラザ合意があり、その後急速に円高が進んだ、そしてそれがいわゆる円高不況ということになりまして、その状況をやはり一日も早く脱却をしなければいけない、その一つの政策として金融緩和ということもあったわけであります。それが引き金であったかどうかという議論はまだほかにあると思いますけれども、確かに一つの理由ということではあったろうというふうに思っています。 しかし、そればかりではありませんで、やはり全体として過剰流動性ということが我が国の経済の中に蔓延をした。そういうこともあり、さらには、これはガルブレイスも若干説いているところでございますけれども、いわゆる自己増殖作用あるいはスパイラル現象ということで、いわゆる信用が信用を生むというような状況、あるいはマインドの面もかなりあったのではないかというふうに理解をしております。もちろん、金融緩和というのは一つの引き金ではあったけれども、すべての原因ではなかったというふうに私は理解しております。
○松前委員 バブルを促進をする、促進をするというのは言い過ぎかもしれませんが、促進されてしまったという言い方もあろうと思います。もっともっと適当な成長をするはずだったものが、金融緩和というものになって、それがさまざま、金融となりますと、これはコンピューターでぱっと処理される、そうすると、一気にもう新しい利益があっちこっちお金を移動していると出てくる、同時に土地も売買の対象に入ってくる、そういうことになると、一気に加速をされていくということがあったわけですね。だから、それでバブルができてきたということも言えるのですが、それを予測はしていないということは、私は絶対なかったと思うのです。 こういう説があるけれども、これは一体どういうふうにお考えでしょうか。バブルは必要だと言う人がいるのですね。バブルは必要、バブルして、そしてそれを崩壊させることは必要だと言う人がいる。これは何かというと、バブルをつくり上げて崩壊させますと、これは当然リストラ、リストラクチャーしなければいけない。そこで反省が出てくる。そのリストラのため、それを促進させるための荒療治だということもあるのですね。それを公然と言う人だっている。こういうことはなかった、まさかあったとは言わないと思いますが、それはどうでしょうか。
○船田国務大臣 いわゆるバブルの崩壊があり、資産デフレ、そしていわゆる逆資産効果、そのようなことも今回の不況の大きな原因である、これは言うまでもないことでありますけれども、だからといって、それを起こすことがこの企業のリストラを進める、そういう順番ではなくて、やはりバブルが崩壊してしまった、そして景気が非常に悪い、こういう状態だから、やはりリストラでそれを乗り切らなきゃいけない、こういう企業の努力が今行われているわけでありまして、その因果関係は、私は逆ではないかというふうに思っております。
○松前委員 因果関係逆と、私もそういうふうに思いたいわけでございます。 結果的にリストラをせざるを得ない状況になってきている。これは大変なツケになってきているわけでございますが、バブルの経済とその崩壊はどういうことを残したとお考えですか。
○船田国務大臣 バブルの発生、それから崩壊に至る過程、詳しく申し上げるつもりはございませんけれども、一つ、国民がこうむった損失という点から一言触れておきたいと思います。 私どもで国民経済計算、いわゆるGNP統計をやっておりますけれども、そこからちょっと数字を、恐縮ですが申し上げさせていただきたいと思います。 一つは株価でございますが、これはいわゆるバブルが発生した一九八〇年代の後半には毎年大きなキャピタルゲインが生じております。とりわけ、これは暦年でございますが、一九八八年には百七十七兆円、八九年には百九十四兆円に達しておりました。しかし、九〇年以降株価が下落に転じたために、九〇年には三百七兆円のキャピタルロスが発生をし、翌九一年にも五兆円のキャピタルロスが発生をしたという状況でありました。 もう一つの地価の変動、ここをとってみますと、地価高騰によりまして、八〇年代後半には株式資産のキャピタルゲインを上回る地価の値上がり益が生じております。例えば、八九年には三百十兆円、九〇年には二百三十二兆円という巨額に達しました。しかし、九〇年の後半から始まりました地価の下落によって、九一年には二百二兆円のキャピタルロスというものが生じたわけでございます。九二年、この数字はまだ入ってきておりませんが、株価、地価、これは前年より下落しておりますので、株式資産、土地資産、いずれにおきましても相当なキャピタルロスが生じている、このように見られます。 このような資産価格の下落は、家計のマインドを慎重化させる、あるいは企業収益の悪化等を通じて企業家の投資マインドを萎縮させる、こういうことで実体経済に非常に大きな影響を与えている、こう理解をしております。
○松前委員 今の御説明、株と地価ですね、そこだけの話ですよね。要するに、今度のバブル経済、バブルが膨れ上がって、そしてつぶれた。これは株と地価、それが悪いと言うのじゃなくて、そのとおりだと思いますが、株と地価の問題、ここにほとんど全部集約されると言っていいと思う。 そうしますと、私ども庶民、特に東京に住んでない人たちにとってみれば、一体バブル経済というのは何なんだったろう。何か東京の方で、何か物すごくもうかって、そして地方には何の恩恵もなくて、そしてそれがわあっと株が下がってきた、そして地価が下がっちゃった。大騒ぎをしている。そしてよくよく考えてみたら、自分たちも何か不況になっている、そういう感じですよね。 これは、一般の国民の多くの方々がそうじゃないかと思うのです。株をやっている方は、これは別でございますけれども。何か子供たちがテレビゲームをやって、テレビゲームばかりやっておるというような非難をされるけれども、株をやっている方々は毎日数字をにらんでゲームをやっている。大人が子供たちの非難なんかできないですよね。株に走っちゃって、そして、かけですよね。ギャンブル経済と言ったっていい。それはどこかの本に出ていましたけれども、そういうようなことがある。 そして、この結果として何があったか。宮澤総理は生活大国というお言葉を使っております。大国というのは、私は大変、これは余り好きじゃないのでありますが、大国というのは、これは……(発言する者あり)そうです、思い上がりであります。日本の国は大国なんというものじゃないです。生活大国、経済大国なんというものじゃないです。そんなに思い上がっちゃだめだと私は思うのであります。この言葉はぜひやめてもらいたいと思いますけれども。その生活大国、今はそういう言葉になっておりますからその言葉を使わしていただきますけれども、その内容と全く逆行してないかということ。私はそういうふうに思うのです。 例えば、細かい数字は申し上げませんけれども、企業は財テクをして、そして土地持ちは労せずして億万長者になれる。勤労者は一生働いても家が手に入らない、住むための家が手に入らない。年収の五倍で自分の住むところが持てるようなそういう計画ではあるけれども、土地の値上がりによってこれができなくなってくる。そしてどんどんどんどん資産インフレが起こった。そしてそれがデフレになったけれども、まだ前まで戻っちゃいないですよね、土地なんか。戻っちゃいない。バブルをつくっておいて戻って、もとへ戻るのならまだいいけれども、戻っちゃいないです。これは、勤労者にとっては全く損失ですよ。勤勉な労働が正当に報いられないという社会がつくり上げられる。お金を操作すれば労せずしてお金が手に入る。まるでギンブルそのものです。 勤労者は一生懸命働いたってはかばかしくなってくる。だから、どんどんサービス産業とかそういう金融の方に行ってしまう。理工学部の生徒が銀行にどんどん行った、そういう時代がありましたよね。一生懸命働く人たちにはただ金をくれてやって、不況だから少し経済を守り立てるためにお金をくれて、そしてニンジンを目の前に置いて走れ走れ、考えろ、こういうような時代になってしまったんだ。おまえたちは頭を使って考えろ、そして新しいものをつくって、それを経済に貢献さしてやるから、こういう感じにすらなってきている、私はそういうふうに思います。言い過ぎかもしれないけれども、極端に言うとそういうことになるんじゃないか。 そして、一極集中ですね。どんどん一極集中になってしまったのです。私は、毎日満員電車に乗ってきております。おとといは私の乗る駅で一人倒れておりました。もう三人見ました。満員電車で貧血を起こして倒れる。そして、電車の中では、急ブレーキをかけると女の人がひっくり返ってみんなに踏みつぶされそうになった。大丈夫ですかと言ったら、大丈夫ですと言って、安心しましたけれども、そんな交通の問題も起こってきている。一極集中、この現象がこういうことを起こしてきている。 科学技術の停滞です。科学技術が全く停滞しているんじゃないでしょうか。その価値がなくなってきてしまう、そういう世の中をつくってしまったんじゃないでしょうか。創造性社会へのスピードなんというものはどんどん鈍化をしてきている。お金中心の社会だとそういうふうになってしまう。 バブルの利益というものは本当は多くの人が享受しなければいけなかったのが、これが一部の人に集中してしまった。そして、労働力は不足する、外国人労働者をどんどん採用する。そして、今それがはじけてくると、今度は外国人労働者の問題が出てくる。人道的問題が出てくるということ。いろんなツケをこのバブル経済、バブルの盛り上がりと崩壊というものはつくり上げてしまった。これを何とか立て直さなきゃいけないということは当然でございます。だけれども、やっぱりこれから先はこういう経済はやめてほしい、そういうふうに私は心から思うのでありますが、宮澤総理、その辺お考えはどうでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 我が国のGNPが世界の二番目になりましたので、経済大国というのは我々が言ったのではなくて外国人が言ったことですけれども、私が申したのは、それにしてはいかにも生活環境というのは貧しいので、どうせ言われるんなら経済大国じゃない、生活大国と言われるような努力をしようじゃないかということを実は言おうとしたわけでございます。 物をつくるということ、サービスをするということ、汗を流してそういうことをするということは、やはりマネーゲームというものばかりではなかなかあのGNPというものはつくり上げていけない。おっしゃることは、私は同感をする点が多うございます。
○松前委員 マネーゲームだけだと新しいものができていかないと私は思います。ですから、その新しいものができていかない経済というのは、恐らく相手、敵が必ず出てくる。 私は日米間というのは、これは協力関係というお話、協力しなければいけないですけれども、しかし経済に関しては敵対関係じゃないか。消費者と生産者の関係、自動車の場合には日本が生産者で、そして向こうが消費者、こういうことになれば当然、同じ分野の中で争うならばけんかは起こる。逆に向こうが生産者の場合は、米ですね、こっちは消費者、そういう関係だと向こうがどんどん圧力をかける。だから、同じ中でもってアメリカと日本がやっている場合には、戦って経済を繁栄をさせっこしているという状況では必ず摩擦が出ている。それにまた影響をこうむる。 ですから、先ほども最初に経済企画庁長官の方からお話がありましたように、バブル経済ができ上がったときはあのプラザ合意とか円高ですかその不況、その対策をしなければいけなかった。本当はそういうことをしないでいきたかったけれども、せざるを得なくなっちゃったというのがありますよね。それから、バブル経済が崩壊するとき、このときだってイラク戦争ですか、たしか起こったと思うのですけれども、イラクのあの紛争、そのことによってアメリカを助けなければいけないという状況もあったと思うのです、金利等の問題で。 ですから、アメリカに全部今影響される日本の経済。なぜだろうかとこう考えると、私は、何か日本は今まで外国依存型の経済をやってきたからじゃないか。それが悪いとは言いません。これまでの日本の成長はそれによってでき上がった。これはその方針でございますね。資源がないんですから、資源がない国がいかにして先進国に追いつくかといったら、これはそういう方向しかなかった。そして、アメリカの市場というものがあって、アメリカの寛大さもあって、そして日本はアメリカを市場として繁栄をしてきていた。だけれども、その経済を追い抜こうとしている。追い抜いたかもしれません。 そういうところに来たら、これは前と同じことをやり続けているというわけにはいかないんじゃないか。それが国際貢献だとか、いろんな話になって今出てきている。それだけ、国際貢献とかそういう問題だけで私は解決しないと思っております。外国依存の経済体質を変えなきゃいけない。イラクの問題が起これはすぐPKOの話が出ちゃう。ですから、エネルギーをあそこに全部依存を、全部ではありません、あそこを中心にして依存をしなければいけないような経済、もっともっと我が国の中で新しい努力をしていく必要があるんじゃないか、そういうふうにも思います。 それから、市場にしたって、アメリカに物を売り込む、それからヨーロッパに売り込む、物をつくって売り込むというシステム、これは全部一遍にやめろというわけにいきませんけれども、その方向はそれは少し下げながら、我々はもっと知識の、何といいましょうか、知的所有権というのかそういう知的レベル、これを高めて技術を売り込んでいく。例えば開発途上国、その経済の繁栄のために我が国でつくり上げた技術というものを移転をしていく、そしてその中でもって、開発途上国が自分の力で物をつくって経済繁栄をしていく。日本が売り込んでやるとかODAとか、そういうんじゃなくて、自分の力をふやしていく、そういう方向が何か求められていいんじゃないかな、変えていった方がいいんじゃないかな、私はそういうふうに思うのです。 それで、我々のところは一体どうするかというと、そんなに外に出してやってはかりいたら頭が空っぽになっちゃうじゃないかということもあるけれども、だから我々はもっともっと一生懸命努力をして、新しい例えば技術、基礎技術をどんどんやりなさいというお話がございますけれども、そういう方向に転換をしていったらいいのではないかな、そんなように考えますが、大蔵大臣、御感想を。
○林(義)国務大臣 松前先生のお話いろいろと聞かしていただきまして、私も基本的には先生のお考えと方向は合っていると思います。 これからやはり日本が堅実な生活態度、また堅実な精神を持っている国民でありますから、その精神を伸ばしていく。やはり技術開発をやっていくことであるとか、創造性豊かな国民性を養っていくことであるとか、これは私は本来日本人が持っていた性格だろうと思いますし、そういったものを生かしていくことが必要である。バブル経済のような問題も、確かにあのときに金融の問題、非常に緩和した、いろいろなことがありました。私たちは、それはそのときに一つの問題として内需拡大云々ということが要請があったからでありますけれども、それがもたらしたところにはプラスの点もあったし、マイナス面もあった。今マイナスの点は御指摘ありましたが、マイナスの面をいかにして排除していくかというのがこれからのお互い考えていかなければならない問題だろうと思っております。 また、もう一つ申し上げますならば、国際的な問題、いろんな対立があると申しますが、私は世界的な経済の問題で申しますならば、拡大均衡というような格好にお互いやっていく。日本がいい物をつくって売っていく、そのかわりアメリカもいい物をつくったら、どうぞ日本も買いましょうというような精神、そしてまた日本の技術をアジアやなんかに与えていく、それによってこれらの国々が発展をしていくというような、私は世界全体が伸びていくような方向を我々は目指していくべきではないだろうかというふうに考えておるところでございまして、今松前先生から御指摘の点は、私も大体におきましてその方向で我々もやっていかなければならない問題だろうというふうに考えております。
○松前委員 大分生意気なことをたくさん申し上げたかもしれませんが、いずれにしても、私はこのバブル経済をずっといろんな勉強をさせていただきますと、どうしてもこのバブルが起こったことが、まず起こったこと、これが日本が考えていたこととちょっと違う方向に行ってしまったという、これは外の影響が随分あった。それからバブルが崩壊する、ここのところでもやっぱり日本が考えていたことがちょっと外圧によって変えさせられてしまうという、そういうことがあるし、また第一次石油ショック、第二次石油ショック、みんなこれは外の影響だったわけでございます。 ですから、そういう中でアメリカと同じ範囲、分野の中で競争し合っていれば、必ず向こうからいろいろと圧力がかかってくる。こっちの経済が成長すれば必ずかかってくる。ですから今、農業交渉の問題だって、それだって本来はそんなものは入るはずがないのに出てきてしまうというようなことも私はあるのではないかと思うわけでございます。将来これがそういう方向でもって進んで、結果が出ないと話はわからないのでありますけれども、どうもそういう感じがして仕方がない。ですから、これからも我が国は金融でもってただただギャンブル経済をやっているんじゃなくて、本当に堅実な経済というものをこれからしっかりとつくり上げていくという方向に持っていっていただきたいと思うわけでございます。 そして私は、あと二つございますが、一つ、経済企画庁の方ですけれども、これまで経済予測を随分やってこられました。当たるだの当たらぬだのいっていろいろ問題を醸し出しておりますけれども、私はもっと経済の状況をとらまえる能力を高めてほしい。経済企画庁が何人で将来の経済を予測していらっしゃるのか私は知りませんけれども、もっとスタッフをそろえて、民間レベルが何かいろんなことを言って、政府が言うのに対してみんな違うことを言っているようじゃ、これでは本当に何を信用していいのかわからない。 だから、本当にそういう力強い頭脳というものをそろえて、そして経済をきちっとその範囲を、このぐらいからこのぐらいまでの間に成長しますよ、三・三はできるかも、できるに違いないというようなそういうあいまいなことでなくて、この範囲とこの範囲の間には確率九〇%で入るんですよというぐらいの予測ができるようにしてもらいたい。そうしないともう国民は本当に心配てしょうがないですよ。不況と言われればああそうか、好況と言われればそうかそういうことがわあっといって、それに流されてわっといってしまうということだってあるでしょう。それをねらっている人もいるかもしれないけれども、そういうことではないと思うけれども、そういう感じがいたします。総理、いかがでございましょうか。
○船田国務大臣 松前委員の御指摘につきましては、大変私自身としてもこれは心してかかっていかなければいけないなということを痛感をしたわけでございます。 もちろん、従来から申し上げておりますように、今回のバブルの崩壊ということがやはり資産デフレを生み、それが従来のいわゆる景気循環とは若干違った要因といいますか、これまで余り経験をしてこなかったそういう要因というものがあって、それが予測を非常に困難にしていたということはあるいは事実だったろうと思っておりますが、しかしながら、私どもとしてもできる限り、月例経済報告などでもなるべく経済の実態というものを的確に把握をして、そしてそれを見通しという点においてもつなげていかなきゃいけない。今後ともその努力は続けてまいりたい、このように思っておりますが、委員の御指摘のことは十分心にとめながら頑張っていきたいと思っております。
○松前委員 十分心に入れながら頑張るというのは、大体やらぬということになるのですけれども、絶対それは前進をさせていただきたいと思います。 いろんなバブルの実態などを数字として私は持ってきているわけでございますけれども、これを一々ここで報告する必要はないと思います。いずれにせよ企業間の格差、中小企業が大変だというようなこと、それから三十歳代から広がっていきます賃金格差とか産業のシフトとか消費の冷え込み、いろいろな問題がたくさん今出てきてしまっている。 何とかこの不況を乗り切るために一つの対策を講じていかなきゃならぬ、そういうことで減税というようなことも今提案をしているような状況でございますけれども、これは一般消費者、サラリーマン、そのレベルの消費の冷え込み、こういうことでやっているわけでございますが、そういうところになると消費税という問題も一つ出てくるわけですね。 消費税というものが今取り入れられておりますけれども、その消費税をこれから先、何か減税しておいてその財源に消費税とか言うよりも、逆に消費税を減らすという方向が考えちれると私は思うわけでございますが、その辺はどうお考えでしょうか。
○林(義)国務大臣 消費税を減税をしたら、こういうふうなお話だと承りましたが、今出ております御議論は、一般にありますのは所得税を減税して消費税を上げたらどうかというような御議論が大半のように承っております。 私は思いますのに、消費税も御承知のとおり、長い時間をかけまして国会で御議論いただいてやっとできたものでございまして、私は、今のところこの消費税というのは有効な財源としてやっているし、また大方の皆さん方の御理解をいただいておりますのは、高齢化社会に対応していろんな財源が要るからそれのことにするんだ、こういうふうなことを大まかな形としてやっている。また、すべての人に税金が漏れなくいただけるという、やはり広く取るということは一つの考え方でございますから、そういった形で所得税その他のところで脱漏がある、エロージョンがあります、こういったことを避けるという意味においてもやった方がいいではないかというようなことでできていると私は思っております。 御議論は御議論でございますから心にはとめておきたいと思っておりますが、今消費税を減税するという考え方はなかなか難しいのではないかなと思っております。
○松前委員 バブルの話をさっきいたしておりましたけれども、結局、我々の、庶民の上のところで何か金が動いてバブルがふえて、そしてつぶれた、そして消費者が困っている、そういうところですよね。それで、サラリーマン減税をしておいて、そしてそれを消費税にかぶせるなんというのは、全部すべて消費者にかぶせることになってしまうでしょう。これは何かおかしいと思いませんか。だから、これは逆に消費税を減らすぐらいな、そういう方向の方がこの今の景気を取り戻すことができるというような感じもするのですよ。これは詳しく計算はしていないけれども、そういう庶民の声もあります。 ですから、その減税財源で消費税をふやすなんて、これはもう絶対そういうことをしないと公約しておりますから、そんなことは私どもは一切させませんけれども、そのほかにバブルでもってこうやってもうかったところだって随分あるし、それで、それがつぶれたからまたそこに政府が援助してやるなんて、こんなことをやっているようじゃ本当にもう庶民は一体どうなるでしょうか、私はそういうふうに思います。——答弁しますか。
○林(義)国務大臣 お話の趣旨は私もいろんな方から聞いてよくわかるつもりでありますけれども、やはりそこをどうしてやっていくかというのが私は大切なことだろうと思っています。バブルの影響で大変な影響が出てきた。それで、バブルでもうけた人がおってそれが失敗したんだからしょうがないではないか、こういうことも私は一つの考え方だと思います。それがもたらすところの悪い影響がそこに出てくるところを一体どうするかというのが私は考えていかなければならない問題ではないだろうかな、こういうふうに思っているところでございます。 すぐに消費者にそれが影響する、あんなところで変なことをしているんだからおれの方も何かと、こういうふうな話かもしれませんけれども、やはり私は堅実な消費動向というか、堅実な生活者というものが育っていくようなことを地道に考えていかなければならないものだろう、こう思っております。 そうした意味で、先ほど言葉が悪いとおっしゃいましたけれども、生活大国を目指していくという考え方、住宅を五年間ぐらいの所得でもってやれるような形でできるようにするということであるとか、あるいは労働時間の短縮であるとか、その他いろんな問題につきまして、生活大国という一つの大きな方向づけを出しているわけでございますから、そういった方向に向かってお互いが努力していくべきものではないだろうかこういうふうに考えていることを申し上げておきたいと思います。
○松前委員 税制のリストラ、これは政府はお考えになっておりますでしょうか。
○林(義)国務大臣 税というものは、今すぐに議論ございますのは景気刺激のために減税とか云々の話でありますが、そういったことは考えておりませんけれども、長い目で見て税というものをどうするかということはこれからの私は課題だろうと思っています。たった四、五年前に税制の大改革をやって、所得税、法人税の大幅減税をやりました。引き続いて消費税の導入ということをやりました。そういった形で考えていかなければならない私は大問題であると思います。 税のリストラと申されますけれども、やはり税というものが消費、所得、資産にわたりまして均衡のとれた形でもってやっぱり構築されるということは常に考えていかなければならない問題だろうと思います。いつやるかとかなんとかということは今申し上げられませんけれども、常に私たちは頭に置いておかなければならない問題だろうと思っております。
○松前委員 そういう問題を、検討は当然されなければいけないと思いますが、国民的議論にしていただきたいと思っております。 それから、今回の予算の中身をずっと見させていただきますと、生活大国というような方向でいろいろ御苦労いただいて、そしてまたこの不景気、景気対策ということで苦労されて組まれたことはわかりますけれども、しかし、これは足を引っ張るといいますか、本当に思うような予算になっているかというと、そうなっていないと思う。 これはやはり行政の硬直性というものがある。行政のリストラということ、これも私は十分考えていかなきゃいかぬ。行政改革という言葉があって、この改革が何かこれまでのやってきたことは庶民、国民の方を痛めつけるような感じ、労働者を痛めつけるようなものばかりだった。だけれども、今ここで行政の問題、この予算を見ると、そんなに生活大国といったってその構成が変わっていないということはよくわかるのですね。だから構成、構成比はみんな似ている、去年と。全体の構成を大きく生活大国に向けたということは、そんなに見えないわけでございます。これは恐らく行政そのものの各官庁縦割り行政、これがあると思います。その辺も十分これからの検討、国民的検討としてやっていってもらわなければいけない。また、我々もそれを考えて提案をしなければいけないと思っております。 この経済の問題で最後に一つお伺いいたしますけれども、これから先バブルは起こらない、保証できますでしょうか。
○林(義)国務大臣 バブルというのをどういうふうに定義されるかということも問題あるだろうと思いますが、私はバブルというものは、あのような形での経済運営というものを目指したりなんかするべきものではもちろんありませんし、また、そういったことが起こらないような格好でいろんなことをやっていかなければならないと思います。 ただ、資本主義社会でございますから、全部統制してやっているわけじゃありません。だから、そこでスペキュレーションというものがある程度まであるということは必然的な話でありますし、私は、それはどの程度までどういうふうな話でやっていくかというバランスの問題ではないだろうかなというふうに考えております。
○松前委員 総理が委員会、この委員会でしたか御答弁いただいた中に、我が国は海図なき航海をしているんだというようなお話がございました。海図なき航海という言葉は私はいい言葉じゃないと思っています、政府が言う言葉としてはですね。やはり一定の方向、これをこういう方向に進めるんだという、そういうはっきりした態度が政府の方にないと、大体これは何をやったらいいのかとみんなそう思ってしまう。 ですから、海図なき航海と言われれば、またバブルが起こるんじゃないか、バブルが起こるとまたはじけるじゃないか、そうしたらまたみんなこんな苦しんじゃうじゃないか、何か消費が低迷しちゃうじゃないか、また不況対策しなきゃいけない、そして、不況対策で無理やりいろんなことをやらなきゃいかぬ、四百三十兆円のアメリカからの圧力による公共投資も必ずやらなきゃいかぬ、いろんなものがたくさん積み重なって、その中で不況対策をやりなさいなんということになったら、もうそれこそ国民の皆さんはほとんど利益がなくなってきてしまう。もうバブルは、やって、そしてつぶれるとその分だけ僕は世の中停滞するように思うんですよね。この何年間かはもう進歩がないように思う。逆に後退しちゃったんじゃないか、そういうことを繰り返していったんじゃ、これはちょっと若い人に望みは与えないのじゃないか、そんなような気がいたしますが、総理はどんなお考えお持ちでしょうか、海図なき航海というその辺について。
○宮澤内閣総理大臣 なるほど、海図なき航海という言葉をお受け取りになる向きによっては、どうもやみの中で全く見当つかぬ、こういうふうに受け取られましたら、それは私の本意ではございませんでした。我が国もここまで来ましたので、内外ともに今まで経験したことのない、まあそういう高いといいますか、国際的にも国内的にもかつて来たことのない高みまで来ましたから、今まで経験した道ではない新しい道を歩まなければならない、こういうことを申そうとしたのでございますので、御理解をいただきたいと思います。 もう一遍バブルというものがあるかないかということを今大蔵大臣と一問一答をなすっておられましたけれども、例えば土地について申しますならば、いわゆるこの土地のあり方というものは今度のバブルで随分お互いに学んだと思います。 行政の面でも、いわゆる土地神話と言われたようなものが再び生まれないような仕組みをいろいろに考えておりますし、株についていえば、これはもう文字どおり自由に市場は構成されますけれども、しかし、例えばキャピタルゲインというものはそれとしまして、やっぱりインカムゲインというものも考えなきゃならないということは諸外国のやっていることなんかからも学びつつございますので、そういう意味で、今度のこのバブルというのは大変貴重な、高くついた教育でございますけれども、それからお互いまた学ぶところも必ず学んでいくだろうというふうに私は考えております。
○松前委員 まあ新しい経験という言葉を海図なき航海、そういう言葉にあらわしたということで了解したいと思いますけれども、いずれにしても非常に経験を積んだわけでありますから、経済企画庁の方ももう大いにこれからのこの経験を将来のところに生かしてもらわなきゃいかぬ、そして国民の皆さんを安心さしてくれなきゃいかぬ、そう思います。 まあ素人ですから率直に申し上げると、株と土地が問題になったというなら、土地は価値がないものにしたらこれは全部解決するのじゃないかな、そんな気がいたします。公共投資の大半は土地に食われるとか、それから家を持てないとか、土地は価値がなかったらそれはもう買えるわけですよね。土地さえそこに変な高騰さえなきゃ問題なかった、そんなような感じもするんだけれども、これはもっとちゃんと計算しなければいけないけれども、そんな感想を持っております。 以上で経済の問題については終わらしていただきますけれども、最後に、一番最初のやつを最後に持ってまいりましたが、佐川の問題等今回の政界浄化、この問題についてお伺いをしたいと思います。 昨日の同僚議員のやりとりの中で、金丸前議員の五億円の問題、政治団体に入れば個人からの献金ではない、個人からの献金か、それともそうでないかということで、まあいろいろと検討がされたわけですけれども、結局政治団体に入れたということ、それを、入ったという記載はないわけですよね。それでも政治団体に入ったという。それは一体どういうことかということで、きのうは随分議論がございました。そうしたら、それは供述証拠だと、それからもう一つは金丸前議員のこれまでの政治資金の扱い方から認定した、こういうことでよろしいんですか。
○濱政府委員 私が昨日お答えいたしましたのは、ほぼ今委員が仰せのような趣旨のことをお答えしたつもりでございます。 ちょっとつけ加えて申し上げさせていただきますと、昨日お答え申し上げましたように、この金丸前議員に渡った五億円をめぐる量的制限違反事件については、ほかの政治資金規正法上の収支報告書不記載罪あるいは所得税法違反事件等とあわせて告発がなされておったわけでございまして、この量的制限違反事件の捜査の結果について御説明する形で昨日お答え申し上げたわけでございます。 結論的には、今委員も御指摘になられましたように、金丸前議員が受領した五億円は金丸前議員から指定団体に寄附されて、その指定団体から約六十名の候補者に寄附されたものと見られる。告発事実にあるような、金丸前議員から指定団体を経由することなく直接約六十名の候補者に分配されたとするには依然として証拠上嫌疑が不十分である。したがって、これはもう改めて申し上げるまでもないことでございますけれども、今申しました告発事実について、刑事裁判で要求されるところの合理的な疑いを入れない程度の証明を行うことは到底困難であるという判断がなされたことから、嫌疑不十分として不起訴処分を行ったという説明を昨日申し上げたわけでございます。その説明の中で今委員仰せのようなお答えを申し上げたわけでございます。
○松前委員 金丸前議員のこれまでの政治資金の扱い方というのが一つの大きな証拠になってくる。それによって政治資金が政治団体に入っていった、こういうことに認定したということなんでございますけれども、そうしますと、金丸前議員がこれまでやっていたことはほとんど全部裏金で処理をしていたということになるわけですが、いかがですか。
○濱政府委員 もうこれは委員十分御案内のとおりだと思いますけれども、現行の政治資金規正法の考え方というのは、例えば個人が受けた政治活動に関する寄附につきましても、それをできるだけ個人の保有金ということではなしに、指定団体の届け出をして、その指定団体に集中させるという考え方を原則としてできているものというふうに理解しているわけでございます。 今御指摘になられました金丸前議員の場合にどうかということにつきましても、従来の金丸前議員に係る政治資金の取り扱いの実情がどうかということについて、それまでの経過等をも捜査して取り扱いの実情を判断し、それを一つの情況証拠と申しますか根拠として、今回の五億円が指定団体に入ったのではないかという判断をしたということでございます。
○松前委員 そうしますと、やっぱり裏金でほとんど処理をしていた、それが取り扱いの実情であったということになる。裏金で処理すれば二十万円で済むということなんですね。 それでは、この議員がまじめな議員だったらどういうふうになるんですか。裏金で処理していなかった議員がこの問題にひっかかってしまったということになれば、どういうことになりますか。
○濱政府委員 お答えいたします。 今の委員の御質問の趣旨をあるいは私ちょっととり違えているようであれば御指摘いただきたいと思いますけれども、その裏金と申しますのは、要するに収支報告書に記載されていないあるいは個人の保有金として届け出がなされていないというものを裏金というふうに私は申しているつもりでございますけれども、先ほど、金丸前議員サイドにおける従来からの政治資金の取り扱いの実情がずっと裏金で処理していたということであれば、それで済むのかというような、ちょっとそういう御趣旨の御質問がと思うわけでございます。 そういうことを申し上げたのではないわけでございまして、従前の金丸前議員への政治献金の取り扱い状況について関係証拠を検討いたしますると、金丸前議員の指定団体の収支報告書には、金丸前議員からの多数回のあるいは多額の寄附がなされている旨の記載があるということを一つ申し上げたわけでございます。したがって、金丸前議員の保有金報告書が提出されていないということとも相まちまして、金丸前議員においては、自己に対する政治献金をすべて政治団体に寄附することによってそこに集中させて、保有金を有しない取り扱いをしてきたという事実がうかがえるのではないか。そういうことを考えると、金丸前議員あるいは生原元秘書の供述、昨日申し上げましたように、これは検察審査会の議決書でも明らかになっているわけでございますが、そういう供述はあながち信用性のないものとは言えないのではないかということを申し上げているわけでございます。
○松前委員 私は、まじめな議員がこういう状態になったら所得税法違反とかそういうものになってくるんじゃないか、まじめな人の方が損するじゃないか、裏金を扱っていた方は得するじゃないか。こんなのはおかしいですよ。 だから私は、その認定した裏金、取り扱いの実情というものを示していただきたい。
○濱政府委員 お答えいたします。 まず前提として申し上げておきたいと思いますことは、確かに委員が御指摘になっておられますように、裏金として処理された場合に政治資金規正法上の例えば収支報告書の不記載罪が成立するかどうか、あるいは所得税法違反があるかどうかということは、これは先ほどお答え申し上げましたように、委員の御疑問と同じような形で告発がなされているわけでございます。 もう一度申し上げますと、裏金として処理されたということであれば、それは政治資金規正法上の収支報告書不記載罪に当たらないか、あるいは所得税法違反にならないかという観点からの告発がなされているわけでございます。この告発事実につきましては、現在なお東京地検におきまして捜査を継続しているところでございます。
○松前委員 私の質問は、取り扱いの実情について資料を出してください、こんな不公平なことは容認できませんよということです。
○濱政府委員 委員のおっしゃっておられますのは、起訴されなかった事実に関する証拠を、あるいは捜査資料を提出するようにという仰せかと思うわけでございます。 これはいつも申し上げておりますように、起訴されていない事実関係あるいはこれに関する証拠資料等につきましては、もう改めて申し上げるまでもないわけでございますが、刑事訴訟法の四十七条等を初めといたしまして法令上の制約が課せられているわけでございます。その範囲内で、その法令上許される範囲内で、実は昨日、証拠関係について立ち入ったお答えはできませんですけれども、その理由等について若干詳しく御説明させていただいたつもりでございます。 したがって、起訴されてない事実関係についての捜査資料等を提出するというようなことは、これは先ほどお答え申し上げましたように、法令上の制約が課せられている関係から、いたしかねるということでございます。(発言する者あり)
○粕谷委員長 松前君の質疑中ですけれども、答弁の食い違いがあるというようなことでございますが、委員長として取り計らわせていただきますが、これは答弁の内容にも答えておりますように、刑事訴訟法の四十七条というところが一つのネックのように私は思っております。各党の理事の方々と御相談しました結果、とりあえずこの御質問は保留という形、七分残っておりますが、本会議の予鈴も鳴っておりますことでございますので、質疑はここでとどめさせていただいて委員会を休憩にさせていただく、しかし、理事会でただいまの質疑のことについての取り扱いを協議をさせていただく、こういうことにいたしたいと思いますが、よろしゅうございますか。 それでは、これをもちまして休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 —————◇————— 午後一時一分開議
○粕谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。目黒吉之助君。
○目黒委員 目黒吉之助でございます。 きょうは、私は、ガット農業交渉に関係をいたしまして、政府がガット農業交渉において提案をされている事項、あるいはかかわっておられる事項等について、たくさんありますけれども、検疫・衛生措置について、これが一つ。二つ目は、食糧安全保障について。この二つをまず質問をさせていただき、伝えられております米・EC修正案につきましてお尋ねをしていきたいと思っております。まあ時間の配分の関係もありますけれども、OECD、経済協力開発機構が出しました環境問題の提案等についても触れていきたい、こう思います。 それから大きな二つ目は、佐川事件について重ねてお尋ねをしていきたいと思います。 まず最初に、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉について、日本政府が提案をしておる問題の一つに、検疫・衛生の措置についてがございます。伝えられるところによりますと、この検疫・衛生措置につきましては各国がほぼ承認をした形で今それほどやかましい議論になっていない、これは合意をされておる、こう伺っておりますが、合意の内容について概略ひとつ説明をしていただきたい。これは外務大臣でしょうか、農林大臣でしょうか、どちらでもいいですが、お願いをします。
○小倉政府委員 御案内のとおり、ウルグアイ・ラウンド交渉は現在進行中でございますので完全な合意というものができたわけではございませんが、先生おっしゃいますように、大体、衛生規則、検疫の問題につきましては、およそのところ各国のコンセンサスと申しますか意見の一致が見られつつあるということじゃないかと思います。 ではどういうことであるかということでございますが、御案内のとおり、検疫・衛生措置につきましては国際的にいろいろ基準がございますので、各国ともまずそれを守るということを一つの基準と申しますか、ベースと申しますか、基礎にしようということが第一でございますが、第二に、これが日本が主として主張したところでございますけれども、さはさりながら、日本のように非常にそういった点について注意深く行政をやっておる国、あるいは消費者の関心、いろいろなところの観点を考えますと、単に国際的基準であればそれでいいというわけでもなかろう、それより厳しいものを採用するということについてはどうであろうかということがございまして、その点議論がございました。それで、結果的には、今のところは科学的正当性がある場合にはそういった国際的な基準を超えたものでありましても厳しい基準を採用し得る、そのような方向で意見の一致が見られつつある、こういうことでございます。
○目黒委員 非常に大事な問題ですので、指名したことにつきましてはやはり担当の大臣からまず先に答えていただきたいと思うのですが、今のものはそれでいいですから。 そして、どなたでしたかああいう答えじゃだめですよ。大体、国会を軽視していますよ。いいですか。この合意事項というのは「国際基準が存在する場合には、自国の検疫・衛生措置を国際基準に基づかせることを原則とする」というのです。「原則とするが、科学的正当性等がある場合には、国際基準よりも厳しい措置を採用し、維持することができる。」こうなっているのですよ。例外部分しか説明してないのですよ。こういうのはだめですから。だから担当の大臣から、この辺はちゃんと答えてもらわなければいけません。そういうことですね。 質問を続けますけれども、そこで総理に伺いますが、検疫・衛生ということになってきますと、検疫・衛生、日本で適用する中身は食品の安全性です。食品の中に残留農薬がどれぐらい入っているのを人が食べてもいいか、こういう問題なんです。こういう問題ですので、ウルグアイ・ラウンドの場で合意して国際基準に合わせるというのは極めて重要な問題なんですよね。日本人の健康をどうやって守るか、こういう問題でありますので、私もその点はもう決して玄人でも何でもない素人ですので、一生懸命勉強させていただいたつもりでありますけれども、そういう点で、総理もこういった細かい点について恐らくなかなか見ておられる機会もなかろうと思いますので、若干、失礼になるかもしれませんけれども、申し上げさせていただきまして、見解をまず伺いたいのです。 私の方からこの点について、以下ちょっと説明させていただきます。 今私が説明しました、あるいはお答えがありました合意された検疫・衛生措置というものにつきましては、我が国では検疫につきましては、動物検疫、植物検疫、こういうものにつきましては農林省が所管をしております。それから衛生措置。私がこれから質問いたしますのは食品の安全性と考えていただきたい、食品の安全性。これは厚生省が担当している。 それから食品衛生にかかわる問題がなぜガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉の場で合意されるのか。一般の人にはこれはなかなかわかりにくいところなんですね。わかりにくいところなんです。この辺は、日本の基準が非常に強ければ外国の農産物を輸入するのに非関税障壁になる、こういう前提なんですね。あとは申し上げませんが、そういう前提でガット・ウルグアイ・ラウンドでこの問題を取り扱っておる、こういうふうにひとつ御理解をしていただきたいと思います。 で、農産物を生産するときには必ずこれは農薬を使います。それから、自然界にもそういった化学物質がありますから、植物あるいは穀物、食品の中に入ること、これはありますから、絶対にゼロという数字はない、私もこの辺はそのように理解をしておるつもりです。特に食品を輸送、貿易の場合は船で長い時間かけて輸送しますから、ここでカビが生えたり腐ったりしたのでは食べ物にならないということで、船に積み込む前に、一たん収穫したものを船に積み込む前にたくさん農薬をかけて食品としての特性を維持する、こういう実は農薬の使い方が一つございます。 これは俗に言われておるポストハーベストという農薬なんでございますが、いわゆる有毒物質なんですね。全部がそうだとは言いませんが、これから申し上げる厚生省が決める、あるいは環境庁が決めておる基準に該当するようなものは、一応健康を害するおそれがある、あるいは環境を害するおそれがあるということで基準が決まるわけでありますが、そういういわゆる有毒の農薬が混入されて初めて食品という特性を維持して船に載せて、日本に来る場合は横浜なり門司なりの港に揚げる、こういう手順になってまいります。 これらの農薬が、微量ではありましても食卓に上る食べ物の中に残っておる。私が食品と言いますのは穀物も含めての話ですが、一々食卓の上にのっている料理された食べ物を言っているわけじゃございません。そのもとになる輸入穀物なんかには残っているわけですから、上るにもどうしても残る、こういうわけでありまして、これを一般に残留農薬と言われております。 これはもう大変微量でありまして、百万分の一グラム単位の実は基準になって、これよりたくさん入っていれば食用に回さない、回しちゃいかぬ、こういう基準は定めなきゃならぬわけですから、これはもうそういうふうに定めている。健康を害さない程度のものを、それこそ科学的に証明できる実験、動物実験などをやりまして、そうして残ってはおるが何とが食べられる、いわゆる残留農薬基準というものを定めます。 ところが、この基準はそれぞれの国によって、同じ食べ物でも違うわけですね。なぜかといいますと、同じその食べ物をたくさん食べる国と少ししが食べない国があるわけですね。でありますから、基準が違う。 まあ例えて言いますれば、マラソンという農薬は、残留基準、日本では米について〇・一ppm、アメリカでは八ppmと、こういうことになっているんですね。こういうことになっておりますから、とてもなかなかアメリカの米をそのままこの日本で輸入することはできないわけですね、この基準であれば。これはもう当然ですね、アメリカは米をたくさん食べませんから。日本はもう三百六十五円、毎日食べていますから、たくさん入っている物をたくさん食えば、これはもう健康を害するということになりますのでそういうことになるわけであります。八十倍です。 そういう問題を今度は「国際基準に基づかせることを原則とする」、こういうのに、今ほど話がありましたように、さして問題はなく合意に至っておる。御案内のとおり、もうウルグアイ・ラウンドというのはワンパッケージですから、ほかのものがまとまらなければこれは流れるかもしれませんけれども、この点についてはそう議論のないところということで今日に来ております。 総理、こういうおのおのの国がそれぞれの食べ物を食べて健康を維持しようとする基準が多分違うのですから、国際的に統一をされるというこのガットの約束について、総理は一体どう考えられますか。
○宮澤内閣総理大臣 最初に一般論を申し上げるわけですけれども、例えば安全とか衛生とかいう基準は各国によって当然のことながら違っておりまして、エアゾールの缶の薄さであるとか、あるいは口紅に含まれておるある薬品の量であるとか、あるいは金属バットであるとか、過去にたくさん例がございます。 問題は、これらのことが非関税障壁として現実に利用されているかいないかということは、もう長いこと、随分長いこと、あっちこっちの国と国との間で争われてきたわけでございますが、それでガットが考えましたことは、非関税障壁を整理するために、そういう言いわけに使われるような要素を何とかして少なくしたいということで、それで彼らはハーモナイゼーションと言っておると思うのですが、規格の一種の統一をしよう、それはそれとして理解のできることでございます。各国によって、一緒ではないけれども、しかし、まあまあ平均値というものはあるだろう、その平均値に合致している限りは、そのゆえをもって非関税障壁に使ってはなりませんというのは、ガットとして伝統的な長い間の考え方であるわけでございますが、それが今目黒委員の言われました具体的なケースになってくるわけです。 しかし、実際には国によりまして、使用の頻度にもよりますけれども、おのおの国々でそういうことの基準というのはおのずから違いますので、まあ国の発展段階にもよりますし、それから、おっしゃいましたように、慣習上、ある物は非常にたくさん食べる、ある物はたくさん食べないということもありますが、当然のことながら平均値を求めるということにはかなりの無理がございます。求めるとすると、やはりそれはいわば甘くせざるを得ない。そこで、厳しく取り締まっている国からしますと、何も自分たちは非関税障壁に使っているのではないので、真実に自分の国の安全なり衛生なりの見地から、どうしても危険なものは入れられないという主張は、これは言いわけでなくて現実にあり得ることですから、それでそういうハーモナイゼーションはするけれども、科学的に見て合理的な根拠があるという場合にはより高い厳しい基準を用いることも、これも認められなければならないではないかというのが、今の政府委員の申し上げた答えのいわば背景だと思うのでございます。 それは、私はあっていいことではないか。ハーモナイゼーションそのものは長い間のガットの考え方ですから、私は、そういう努力は認める、大事だと思いますけれども、だからといって、非関税障壁のいわば言いわけとして使われるのではない、真実のおのおのの国の衛生基準あるいは安全基準、より高いもの、それを一概に否定し去るわけにはいかないではないか、こういうふうに考えます。
○目黒委員 今総理のおっしゃった点については、後から改めて具体的な関係で質問させていただきます。 最初に、概念的なことになりますが、理解をするために伺っておきたいと思うのですけれども、こういう方向でガットの場ではこの問題は収れんに向かっておるということについて、こういうことを日本政府が承認をすることによって、我が国の消費者の健康増進にどのくらい寄与するというふうにお考えになっておるのかどうか。これは厚生大臣ですが、それからもう一つ、この合意によって、食品の中に残留している農薬は、具体的に我が国では減ることになるのか、ふえることになるのか、この辺の概略的な厚生大臣の考え方を伺っておきたいと思います。——ちょっと待ってください。 委員長、また政府委員が答えるようですけれども……。
○粕谷委員長 いえ、厚生大臣です。
○目黒委員 そうですか。いや、悪いと言っているのではなくて、政府委員が答える場合に、例えばコーデックスとか、これは国連食糧農業機構と、それから国連保健機関の合同委員会ということになるわけですが、それだけ使われますと、後で議事録を読んでいただく方、私、たくさんの人に読んでもらっておりますが、とても片仮名辞典がないとわからない内容になりますので、必ずコーデックスなんというときはちゃんとそういうふうに説明を入れて説明をしてください、政府委員が答える場合ですね。
○丹羽国務大臣 お答えをいたします。 ただいま委員からも御指摘がございましたように、ウルグアイ・ラウンドでは、農薬の摂取量につきまして国際的に協調していく、こういうようなことで合意がなされておるわけであります。 それで、先ほどからお話がございましたように、例えば日本の場合には米を主食にしておる。ドイツの場合は恐らく、私の想像ですけれども、ジャガイモをたくさんとるんじゃないかとか、いろいろそれぞれの国によって食生活のパターンが異なっておるわけでございます。そこで、私どももその点を十分に主張をしてきたわけでございますけれども、その国の実情に合った科学的正当性、根拠といいますか、そういうものがある場合には国際基準よりも厳しいことも容認する、こういうような方向で了解をいただいておるわけでございますので、我が国の国民の健康を守る上ではもう全く心配がございません。 先ほど、減るかふえるかというお話でございますが、減る場合もあればふえる場合もあるし、そのときどきによって、その食品食品によって異なってくるのではないか、こういうふうに考えております。
○目黒委員 我が国では六千三十七銘柄の農薬が登録されておりまして、これを有効成分別に分類するわけですが、四百五十一種類。この四百五十一種類の化学物質を含む農薬を使用することによって人や動植物あるいは土壌、水、こういうものに害を及ぼすおそれのある農薬については、まず環境庁が農薬登録保留基準というものを定めて、害を及ぼさないようにするための基準をつくります。この基準の定めのある農薬は今二百五十九種類ございます、ちょっと細かくて申しわけないんですけれども。 また、厚生大臣は、食品の中に残る残留農薬から人の健康を守るために残留農薬基準を定めるわけでありますが、これが今、日本の場合、五十五種類設定されております。厚生大臣の設定基準は極めてまだまだ設定率が低いと申しますか、危険として登録されているにもかかわらず五十五種しかないという意味では、大変これ低いわけです。ここのところもちょっと、なぜ低いのか、理由をお聞きしたいんですけれども、余り時間がなくなってしまいますので、もし理由がちゃんとしておりましたら答えていただきたいと思います。
○粕谷委員長 柳沢生活衛生局長。 局長に申しておきますが、目黒委員からの御要請のように、片仮名あるいは専門用語で、できるだけ平易にお答えのできる部分は平易にお答えをしていただきたい。
○柳沢(健)政府委員 残留農薬基準、厚生省では一日摂取許容量をもとにいたしましてその基準を定めているわけでございますけれども、特に私どもここ一両年、その残留農薬基準の設定の必要性を痛感いたしまして、現在鋭意作業を進めているところでございます。 先ほど先生おっしゃいましたように、今現在のところ五十五でございますけれども、現在諮問中の農薬数として六十九ございます。それから既に、これは昨年の十月でございますけれども、三十四農薬につきましては告示をいたしたところでございまして、今御指摘のように、その必要性から見てできるだけ早急にこの基準を取りまとめたいという考えで、現在作業を継続中でございます。 〔委員長退席、小杉委員長代理着席〕
○目黒委員 先ほど申し上げましたように、環境庁長官は基準は定めますけれども取り締まる権限が与えられておりません。取り締まるのは厚生省、厚生大臣ということになるわけでありますが、これはだめだということになれば、輸入したものを送り返すとか廃棄処分するとか、こういうことを厚生大臣の権限でおやりになるわけであります。 それで、これまで厚生大臣が定める残留基準がない場合は、環境庁長官が定める基準、以下基準と言わせてもらいます、農薬登録保留基準、これを環境庁の基準、こう言わせていただくことにしますが、環境庁の基準がそのまま我が国の農薬残留基準として、いわゆる厚生省が所管する基準として扱われるということに決まっております。 ところが、今話がありました昨年十月に三十四種類の農薬の残留基準を定めるに当たりまして、環境庁の保留基準を千倍も上回る基準緩和がなされておる。例えばバレイショの発芽防止に使われるクロルプロファムは残留基準が五〇ppmと定められることになりまして、これまで環境庁が登録保留基準に定めておりました〇・〇五ppmから比べますとちょうどこれは千倍です。それから小麦に使う、貯蔵に使う薬品ですが、マラソンは同じように比べますと十六倍になっております。 なぜこんなに大きな差が出たのか。ここのところをちょっと説明をしてもらいたいのですがね。
○丹羽国務大臣 お答えいたします。 環境庁の基準というのは、農民の皆さん方の安全やあるいは例えば土壌汚染を防止する、こういう観点から農薬の使用基準というものが決められておる。私どもの方は、先ほどからお答えいたしておりますように、消費者が食糧を摂取してその許容量の限度、こういうものを基準にして、そしてどういうものをどれだけ食べるか、こういう観点から設けられたものであります。したがいまして観点そのものが違う。ですから、場合によっては厳しい場合もあるし、場合によっては今先生が御指摘がありましたような緩和されているものがある、このように聞いております。
○目黒委員 これは厚生大臣、ちょっと急で悪かったかもしれませんが、あなた、いささか取り違えておられるように思いますけれども。 と申しますのは、農薬取締法第三条第一項第四号から第七号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件、これは告示されていますね。この中に「当該農薬の成分に係る同項の規定に基づく規格が定められていない場合には、当該種類の農薬の毒性及び残留性に関する試験成績に基づき環境庁長官が定める基準。次号口において同じ。」ということで、環境庁の基準をそのまま適用することになっているんですよ。どうなんですか、基準が違うんだというお話ですが。
○柳沢(健)政府委員 厚生省といたしましては、食品衛生法に基づきまして農薬の残留基準を定めているところでございます。 先ほど先生御指摘の問題でございますけれども、例えば当該農薬につきましても、厚生省で定めましたのは発芽防止のための使用のための基準である、それから環境庁の方のは除草のための基準であるというふうに理解しているところでございます。
○目黒委員 だから、環境庁の基準と厚生省の基準、厚生省に基準の定めのないものは環境庁と一緒なのでしょう。環境庁と厚生省が別々に試験をして農薬残留基準を決めるわけではない。同じ人たちがやっているんですよ、全部同じだとは言いませんが。ばらばらの基準をつくってどうしますか。人間の体の中に入る量をばらばらにつくるはずはないんですよ。ばらばらにつくっているんですか。 環境庁いかがですか。
○林(大)国務大臣 お答えいたします。 目黒先生、大変御専門でございますので、細かいことは私の方で説明する必要もありませんけれども、環境庁の任務といいますか命ぜられておる内容からいいまして、環境庁の場合ですと、先ほど先生の御発言にもありましたように、農薬登録保留基準というものを定めるということで、この基準に合いませんと農薬の製造ができない、こういうことになっております。 したがいまして、環境庁として、先ほど先生おっしゃいましたようなマラソンにしましても、そのほかの農薬にしましても、それだけの基準を実は中央公害対策審議会、ここに全部任せまして、そこの専門家の知恵をかりまして、そしてそれぞれの農薬の基準を定めたものでありますので、一日の摂取量の問題とはまた違うものでありますから、そういうことの違いをもって環境庁としては農薬としての役目を果たせるようにつくってございます。
○目黒委員 お聞きのように、科学的根拠を求める場合に、基準は同じなのです。 なぜこれだけ緩んだかということについて、私の方から先に申し上げますと、「農産物の残留農薬基準の設定について」、設定の仕方は、「当該農薬の一日摂取許容量等の安全性に関する資料」「各農産物の摂取量を基に各農産物の農薬残留実態を考慮のうえこここから後が問題なのですね、「国際機関、諸外国の基準を参考として、食品衛生調査会の答申に基づき設定する。」というのが厚生省の決め方なのでしょう、厚生大臣の。 これが基本になっていわゆる残留農薬基準を定めるわけでしょう。だから、時として大変緩い基準が出てくる。この設定をされますと、環境庁の基準というのは事実上消えるのですよ。だから今度の倍率の高い基準が設定されることになった、こういうことなんじゃないですか。
○柳沢(健)政府委員 先ほど先生おっしゃいました、厚生省、環境庁、基準が同じだというのは、正確に申し上げますならば、国民の食事を通じての農薬の摂取量が、ADIと申しますか、一日最大摂取許容量、これにつきましては同じであるということであるというふうに理解いたしております。厚生省といたしましても、もちろんその一日最大摂取許容量を決して超えないように設定いたしているわけでございます。 そして、その際に、さらに食品の国際流通の見地から、基準値としてFAO、WHOの基準でありますとかあるいは諸外国の基準等も、これも参考にしながら、最終的には一日最大摂取許容量を下回るような、そういう数値をもって設定し、国民の健康、安全を確保するということでございます。 なお、これにつきまして、環境庁は恐らくADIにつきましては厚生省と同じであろうかと存じますけれども、それにさらに農薬の使用規制等の目的からの、汚染防止の観点からの考え方をそこに導入しているというふうに私どもは理解いたしているところでございます。
○目黒委員 これ以上ちょっとそこは踏み込まないですけれども、今のお話を聞いておりますと、どうやらニュアンスとしては、基準を緩めたものについては今度は農水省の農薬使用指導要綱ですかこういうものを少し厳しくしてというようなニュアンスの発言がありましたが、農水大臣、そういう準備、あるのですか。
○田名部国務大臣 お答え申し上げますが、基本的には残留基準については、今厚生省からいろいろお話があったように、食品衛生行政にかかわっておるわけであります。 しかし、そう言いながらも、近年、特に食料品等に対する国民の安全性といいますか安全志向の高まり、そうしたものが非常に強いわけでありまして、私どもも、残留農薬基準の定められております農薬につきましては、農薬取締法というものをつくりまして、これに基づいて国内で使用される農薬の使用時期あるいは使用方法等につきまして農薬安全使用基準を定めて万全な体制をとっておる。ですから、無制限に何でもかんでも使っていいということにはならぬわけであります。
○目黒委員 今度改正されることによって、厚生省が定めた基準に合わせるように農薬を使うように指導するのかどうかという質問にちょっと答えておられないようですけれども、そこはちょっと後回しにさせていただきます。 厚生省が定める基準は、昨年十月までは二十六種類あった。この二十六種類については環境庁の基準と整合性があったわけですけれども、今度のものは、先ほど言いましたように大きな違いが出てしまった。これはやはり基準を決める基本的な考え方の中に国際基準を参考として決める。これは、参考にする基準というのはあるのかどうか知りませんが、どなたかがさじかげんで、例えばよその国は八ppmだが日本は○・一ppmで、ここを参考にして合わせるというようなことをおやりにならなければ、あるいはまた国際機関、諸外国の基準、こういうものを取り入れなければ、そんなに今までと違った数値の開きが出てくるはずはないと思うのですが、昨年十月定められたものについて、国際機関及び諸外国の基準というのはどのように参考にされたのですか。
○柳沢(健)政府委員 厚生省で設定いたしております残留農薬基準でございますけれども、それにつきましては、先ほど来申し上げていますように、一日摂取許容量等の安全性に関する資料あるいは農薬が使用される各農産物の摂取量のほか、国際基準等を参考にして設定いたしているわけでございます。もちろんこの際に、国際基準等をそのまま残留農薬基準とした場合に安全性に問題が生じるというような場合には、採用は当然しないところでございます。 なお、先般告示いたしました三十四農薬が環境庁の基準に比べて経過ぎるという御指摘でございますけれども、これは先ほど厚生大臣からもお答え申し上げましたように、緩いのもあれば厳しいのもあるということでございまして、例えばクロルピリホスという農薬につきましてのミカンの基準というのは、私ども告示いたしましたのは○・三ppmであるのに対しまして、登録保留基準は○・五ppmであるというような、そういう状況になっているところでございます。
○目黒委員 何も答えておられないですね。国際機関——国際機関というのは何だかというのもはっきりしていないのですけれども、諸外国の基準を参考にする場合にどういう参考にさせてもらって使っておるのかということを私は聞いているのですよ。ガットでは原則合意しておる問題ですから。 繰り返しますけれども、日本が厳しい基準を持つことによって外国の農産物を輸入する場合の非関税障壁にならないようにというのがガットの目的であるわけですね。そういう立場に立って、この問題をきちんとやはりお答えをしていただかぬと、大変国民全体の健康にかかわる問題ですから、お願いをしたい。
○柳沢(健)政府委員 厚生大臣の諮問機関でございます食品衛生調査会、これは専門家のお集まりでございますけれども、そちらの方でもって、国際基準をとってADI等の観点から見て問題がない場合にはそれは国際基準をとる、それから、日本人の摂取量等の特徴からいっていろいろ問題が生ずるおそれがあるというような場合には日本独自の基準を定めるというような、そういう考え方で今後とも進めてまいりたいと存じます。
○目黒委員 国際基準に合わせることによってハーモニゼーションすることを認める認めないというのは、これはどなたがおやりになるのですか。その場合に国際基準を参考にといってありますので、国際基準をつくるときには国際機関の中にこういうものをつくる専門家がいるわけですよね。この専門家たちが現在つくっておりますのは、農薬で百二十、作物で三十。この点我が国と比べますと、我が国は、農薬で先ほど言われますように五十五、対象作物が百三十、こうなっています。 私の言いたいことを先に申し上げますと、国際機関の方は対象作目を、まだ全体に及んでいない。にもかかわらず、農薬の残留の方だけずうっと決めちゃっているんですよ。これはもう農薬の残留基準だけ決めてしまえば、それ以下のものであればどんどん入ってくることになります。我が国の場合はまだ農薬で五十五しか決めていない、対象作物は百三十ある、こういう状態になっておるということを念頭に置いて、そして国際機関と言われる機関がどのような基準を今持っているのかということも、一々説明は要りませんけれども、そういう状態になっておるからこれを参考にするんだということを言ってもらわなきゃ、何だかわかりませんけれども、どこかの研究所のさじかげんで決まると理解する以外にないんじゃないのですか、いかがですか。
○柳沢(健)政府委員 先ほども申し上げましたけれども、基準の設定に当たりましては、厚生大臣の諮問機関でございます食品衛生調査会、これは専門家のお集まりでございますけれども、こちらの方へ御検討を依頼しているところでございます。食品衛生調査会の方では、もちろん国際基準ばかりではなくて、各種の資料、データ等を十分に精査して答申を厚生大臣に出しているわけでございます。現在まで八十五の品目につきまして、厚生省としては食品衛生調査会の方へ諮問申し上げているところでございます。
○目黒委員 どうなんですか、この答え。どうですか全然これはなっちゃおりませんね、答えが。
○小杉委員長代理 ではもう一度、柳沢生活衛生局長。(発言する者あり) 御静粛に願います。
○柳沢(健)政府委員 食品衛生調査会の方の専門家の方でもって、先生御指摘の問題等が起こらないように十分御検討いただきながら、今後とも基準の設定に努めてまいりたいと存じます。
○目黒委員 このお答え自体が私には答えになっていない。人任せですよね。お答えになる担当が確信を持ってこうだから差し支えないという答えがちっとも返ってこない。 しかも、これは相当権威がなきゃだめなわけでありますけれども、国際機関の、我が国の基準を変更するに足る、あるいは参考にするに足る、信頼性のある、信憑性のある研究結果というものについて何らあなた説明されていませんので、ちょっとそういう意味では前に進めないのですけれどもね。 いかがですか委員長。
○柳沢(健)政府委員 国際基準という場合には、FAO、WHOで専門家の集まりでの一日最大摂取許容量、それをもとにして決めるわけでございます。それらの決められたときのデータ等は私ども入手いたしまして、そして日本の専門家の集まりでございます食品衛生調査会、ここでもってさらに十分の御検討をいただいて、そして国民保健上万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○目黒委員 ちょっとこれ横道にそれますけれども、私の時間がないと思っていたのですが、今お話しになりましたFAO、WHOの合同機関が定めておるのは、私ここに資料を見せてもらっておりますが、先ほど申し上げた農薬の百二十ですね、作目で三十。ここに作目書いてあります。作目がありますが、三十。これは国際社会における食品の数ですから、日本には全くないものも含めて三十なんですね、作目は。作目というと、百姓して、とれて、人間が食べるものをいうわけですね。これは一口に食品と言っているけれども、あなた方の管理の中では。これは三十しかない。農薬については百二十決めておる。 ただ、最初に総理に申し上げましたように、各国によって食べ物が、同じものでも量が違うものですから、国際機関は世界を幾つかに分けて地域ごとにくくって出したんじゃないですか。御存じだと思いますが、日本はどこへ入っているのですか。
○柳沢(健)政府委員 先ほども申し上げましたけれども、ADIは、これは国際的にも共通のものだというふうに一応考えられるわけでございますけれども、各国それぞれ食生活のパターンが異なるわけでございますので、私ども、例えば国民栄養調査等をもとにいたしまして、その摂取量、それを考慮いたしまして、そして日本独自の基準を定めてまいる。もちろんその場合に、外国の基準と一致する場合もございますし、日本独自の基準、結果的にそういう数値になるという場合もあるわけでございます。
○目黒委員 これは全然わかりませんからね、さっきの話と全然違いますから。
○小杉委員長代理 説明員は、質問の趣旨をよく聴取の上、答弁してください。 柳沢生活衛生局長。
○柳沢(健)政府委員 その当該農薬が日本に、該当する作物が日本でどのくらい消費されているんだという、そういう消費実態、それは国民栄養調査等をもとにいたすわけでございますけれども、それをもとにいたしまして、その農薬の残留基準の設定の際に資料として使用しているところでございます。
○目黒委員 問題になりません。
○小杉委員長代理 ちょっともう一度趣旨を言ってください。委員長から申し上げます。質問者は、もう一度整理してきちっと趣旨が通るように質問してください。
○目黒委員 もう一度申し上げさせていただきます。 先ほどお尋ねしたときに、日本の専門機関に頼んでつくらせてもらっております、国際基準を専門家の皆さんが参考にしてつくるとおっしゃったものですから、私は、国際基準、国際機関の基準というのはこうなっているんじゃないですか、こう申し上げたのですけれども、そのときに日本は、世界各国ブロックごとに分けてここに出ておりますから、日本はどこに入っておるのかということが一つ。これをお尋ねしておる。 〔小杉委員長代理退席、委員長着席〕 ところが、今のお答えでは、さっきの専門家の皆さんが国際基準を参考にして決めるという部分を取り除いてしまって独自に決めたという答えなんです、今あなたの答えは。こういうことについてちゃんとしてもらわなければ、これはもう日本の国民の皆さんの健康は守れませんよ。 そういうことなんです、委員長。
○柳沢(健)政府委員 失礼いたしました。 日本はアジアのブロックに入っているわけでございますけれども、農薬ということに関しましては全世界共通的な見方であるということでございます。
○目黒委員 さっきの基準を参考にするというのと、今あなたがおっしゃった日本は独自で決めましたという、これは重大なことなんですよ。そこのところはどうなんですか、質問、もとへ戻ったわけですけれども。
○柳沢(健)政府委員 残留農薬の設定に当たりましては、もちろん国際基準、FAO、WHOの基準等を参考にいたすわけでございますけれども、あくまでも最終的な基準値設定に際しましては日本独自の数値ということになるわけでございます。
○目黒委員 国際基準値を参考にしながら最終的には日本独自のものだということなんですが、私、とにかく明らかにしたいと思っておりますのは、これからずっと、ガット合意に基づく国際基準あるいはまた諸外国の基準等を参考にしてというものが基準設定に当たって入ってまいりますから、そうだとすると日本の基準というのはやはり緩められる。先ほどちょっと例に挙げましたが、クロルプロファムでは千倍を超えるような開きが出てくる。こういうふうにならないようにするにはどうしたらいいのかというのが私の考えの中にあるわけでありますが、なぜそんなに開きが出たのかという根拠について、あなたのお答えが国民の皆さんを納得させるに足る科学的な信憑性のある答えになっているかというと、なっていないんですよ。 とにかく日本の基準と国際基準とあって、それを合わせるというのが総理のお答えのようにハーモニゼーションなんですから、ハーモニゼーションをやるには何らかの物差しがあるでしょう。ここに書いてあるのは参考にしてということになっていますから、どういうふうに参考にしたのか、こうお尋ねすると、それは学者先生の皆さん方がやりました、こうなっていて、そこからちっとも出ていないんですよ。どうなんですか。
○柳沢(健)政府委員 国際的なFAO、WHO等の基準はもちろん参考にいたしますけれども、最終的にはあらゆる文献、データ等を調査会の専門家の先生方が判断いたしまして、それをもって何ppmが適当であるという答申を私どもにいただくという形になっておるわけでございます。
○目黒委員 そうしますと、最初に御指摘を申し上げました国際機関の基準に合わせることを原則とするという合意については、日本政府としては取り入れない、あくまでも科学的根拠に基づいて日本政府の基準は独自に決めます、こういう態度であるというふうに理解していいですか。
○柳沢(健)政府委員 国際基準等について、それが専門家の御判断でもってどういうものであるかということの上に立って、日本独自の食生活パターンその他を十分に考慮して決めるということになるわけでございます。
○目黒委員 だめです、これは。独自の食生活をパターンにして決めるなんというのは当たり前のことですよ。私は、さっき日本独自の基準をつくると言うから、じゃ国際基準を原則として当てはめるといういわゆるハーモニゼーションは日本政府はやらない方向で、これから厚生省が今検討しております残留基準を決めるに当たって適用しているのか、それとも国際機関の基準を参考に受け入れてやっているのかという、これは大変重要なところですから、そこのところをきちっと答えるようにしてください。
○粕谷委員長 委員長から申し上げます。質問の要旨をよく頭に入れて、的を外さないように簡明に答えてください。
○柳沢(健)政府委員 原則が受け入れられるものにつきましてはその原則を受け入れ、さらに必要なものをそこへつけ加えるということでございます。
○目黒委員 ちょっとこれは質問、だめですね。じゃ、受け入れるのなら参考にする基準をちゃんと言ってもらわぬと。——それは後でちょっと話してください。私、資料はもういただきましたから。
○柳沢(健)政府委員 安全上受け入れられるものにつきましては、それを受け入れるということでございます。
○目黒委員 これは、後日それぞれの担当でやっていただきたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、こういうハーモニゼーションをやるという方向になってまいりますと、よその国の基準が日本に当てはめられてくるという大変危険な要素を含んでおります。例えば、基準値が同じであっても、アメリカの場合は六十キロ体重で計算しますし、日本の場合は五十キロ体重で計算をして当てはめるということになりますから、そう簡単に国際基準が統一されていいものではない、私はそう思っております。 ともあれ、大変重要な役目をしていらっしゃる皆さんですから、今さら申し上げるまでもありませんけれども、やはりこれこそ健康にして文化的な生活を営む原点になりますからね。食品衛生法もそれに基づいて決まっているわけなんです。今まで一つの基準があったのを、国際基準に合わせることによって高めるなんていうようなことを導入されたらこれは困るわけでありまして、いろいろな御指摘も消費者の間からあるようですから、その点についてこれ以上私は踏み込みませんが、そういう観点に立ってひとつこの問題は取り扱ってほしいということを強くこの点では申し上げておきたい。ともあれ、農薬入り食品が、このままだったらたくさん市中に出るということなんですよね。そういうことにならぬようにしていかなきゃならぬ、こう強くひとつこの点は要請をしておきたいと思っております。 それで、先ほどあなたが説明になりました一日最大許容量を計算するに当たって、私もいろいろ皆さんから勉強さしていただいて、大変わかりやすい資料もいただいておるわけでありますが、私は、今なら間に合うんですが、先ほどあなたは、日本政府として原則の部分を守らなきゃならない義務があるのかどうか、それから例外というか日本の科学的な根拠でいけるのかどうかということをしつこく質問したわけですが、これは国際基準等を参考にすることによって上がった部分、私はこれ取り消してもらいたいんですよ。あなたはさっき下がった、環境庁と比べて低い数字の部分だけ取り上げてここで説明されましたが、問題は、低い基準の方がいいんですから、国際機関の基準を参考にして基準が上がる、上げた部分、あるいは上がった部分については、これはもう取り消してもらいたい、このことも申し上げておきます。 それで、総理お聞きのとおりなんですが、国際基準に合わして、やはり不安を広げるような措置というのは私は適切じゃないと思うんですよね。決していいことはない。私は、この点はどうもガットの場で議論になじまないんじゃないかという感覚を持っているわけですが、総理は、この辺どうお聞きになって、思っていらっしゃいますか。
○宮澤内閣総理大臣 それは具体的なケースについて論じなければいけないのだと思いますけれども、我が国としては、いわゆる非関税障壁として過去において利用される弊のありましたそういうスタンダードというものを、基準というものを、いわば各国の間の合意で一つの、仮にハーモナイゼーションと言っておりますので、そのまま言わしていただきます。ハーモナイゼーションを図ろうということは、我が国は基本的に賛成である。それによって非関税障壁という言いがかりを取り除くことは、ガットの立場からいって進歩であろうと思います。そういう基本がございます。 しかし、その上で、先ほどから御説のように、国によりまして、その基準というものは従来伝統的に違っておる。大変にたくさんの量を摂取する種類の食物もありましょうし、あるいは食物以外でも、その国自身の文化的な伝統とか経済発展の段階の違いで甘い辛いといろいろございますので、それは具体的にハーモナイゼーションを受け入れたという前提に立って、その前提に立って、しかしこれはどうしてもその国としては、科学的な根拠に基づいて、これぐらいのものはどうも厳しくしなきゃならぬといったような主張は、ケース・バイ・ケースでやっぱり私は考えていくべきだと思います。
○目黒委員 私はその点について申し上げますと、日本政府が、先ほど言われますように十四年間基準を決めないで来た。ここへ来てにわかに、昨年は三十四、今お話聞きますと約六十検討に入っている。それはハーモナイゼーションをしようということで合意ができ上がりそうになったものですから、やはりこの基準と合わしてどんどんつくっていくというような状態になっているんじゃないかということを心配するんです。 本当は、なぜ今までつくらぬでおいて、国際機関がつくるまで待っておって、そしてそれに歩調を合わしてつくって、その結果国民の皆さんが健康を害するようなことがあってはならない、こういう観点が一つです。 それからもう一つは、おっしゃいますように、ガットの場というのは貿易交渉の、自由、公正なルールをつくる場所ですから、そういうものの基準、そういうものが農薬残留基準によって非関税障壁になるというようなことで人の健康が犠牲になるなんということは断じてあってはならぬことだ。だから私は、むしろこの問題は、やはりガットルールづくりの一端に位置づけるのではなくて、ちゃんと人の健康をどう守るかという、それこそ専門の機関で取り扱うべきものである、こう思いますが、この点はどうですか。
○宮澤内閣総理大臣 それで、お尋ねの冒頭に私が口紅とかエアゾールの缶の薄さとか金属バットとか申し上げましたのは、みんなおのおの、それぞれの立場においては主張に理由のあることだと思いますけれども、しかし、そういうものを理由にして輸入を許さない、輸入障壁に、それが非関税障壁ですけれども、なっておったという例は、実は世界にたくさんある。我が国にもあったとまあ言われるわけですけれども、ですから、ガットが非関税障壁を退治しようとすれば、どうしてもそういう分野に入っていかざるを得ない。いかざるを得ませんが、ただ、それによって人の健康に害があるとかあるいは物理的な安全に障害があるとかいうことではこれはいけませんから、それで、今のは恐らくFAOとWHOだろうと思うんですが、そういうものの意見も徴しながら、ガットとして許し得る限りのハーモナイゼーションをやっていきたいという、そういう努力は私は認めていいと思います。
○目黒委員 ハーモナイゼーションを認めていってもいいというのが総理の基本姿勢のようでありますが、私が全部知り得たというのじゃないのですけれども、この関係をよく調べてみますと、まだ世界各国、さっきは世界をブロックに分けて、そういう基準を決めているというわけでありまして、しかもまだ対象農作物なんというものについて全体像ができていない。農薬だけが、基準だけが走っちゃったのですね。こういう中でハーモナイゼーションをするというのは極めて危険なことでありますから、そうすることによって基準値を引き上げるようなことについては、やはりやめてほしい、やめるべきである。そしてハーモナイゼーションなんというのはまだまだ、それは遠い先どうなるかわかりませんけれども、実行できるような段階にはない。ここのところはひとつガット論議の場から切り離して、仕切り直して議論をすべきである、こういうふうに申し上げて、まあ答弁は求めませんが、ひとつ総理の方からこの点は考え直していただきたい、こう思っています。 それから、ちょっと時間がなくなってまいりましたので、食糧安全保障についてはひとつ簡単に御指摘を申し上げて、実行をお願いをしたい、こう思っております。 日本政府はガットの場で例外なき関税化反対のいわば最大の理由として食糧安保というのを強く打ち出してまいっております。食糧安全保障の問題につきましては、私がやはりこれを考える場合、一つは国際社会の中における需要と供給の関係が現在どうなっておって、将来どう見通されるのかという視点と、それから国内の需給見通しといったようなものがきちっとなきゃならぬと思うのですね。 この点については、実は私、後からわかったのですが、五カ国農業大臣会議に当時の鹿野農水大臣、出席されましたね。これは平成二年一月、フロリダであった会議です。これはまた実にいいこと言っていらっしゃるのですね。私、読んでいるうちに黄色くなってしまいましたよ。実にいいこと言っていらっしゃる。ただ、中には所得政策、直接所得補償しないだとか幾つかちょっと賛成しかねる部分もありますが、安全保障とはこういうものであると述べていらっしゃいます。 少し引用させていただきますと、「食料安全保障について」「討議に際し念頭に置くべき視点」、こうして、食糧安全保障を考えるに当たっては、世界的に見た食糧供給の維持という視点と、各国それぞれの状況を踏まえた各国における食糧確保の視点の双方を念頭に置く必要がある。それから、まず第一として、世界的な視点では、世界の農産物需給が需要サイド及び供給サイドの両面から見て、中長期的にどのような問題を含んでいるかを考えてみる必要がある。 それから国内ですね。それぞれの国の、自国では食糧確保という視点に立っていろいろなことをしなきゃならぬけれども、ここちょっと省きますが、おっしゃっているのは、私が特に強調したいのは、輸出国、輸入国あるいは先進国、発展途上国の別を問わず、国民の生存を維持するに必要な食糧の供給を行う、これは最終的には主権国の総合的な安全保障の中で考慮されなきゃならない、その場合において各国が果たさねばならない最も基本的な課題だ、こういう指摘をされて、そして、我が国のように先進輸入国であっても、食糧供給を海外に過度に依存してはならないんだ、こういう指摘をされて、そして世界的にあるいは国内的に需要面、供給面はどうなっておるかと指摘されておるのですね。御案内のとおり、世界人口は毎年一億人ずつふえる。そして地球上の耕地は七億ヘクタールしかない。人口に合わせると、一ヘクタール当たりで養う人口というのはどんどんふえてくる。こういうことをきちっとおっしゃっているのですね。 こういう点は本当になかなか立派に、私どもなかなかここまで言えないようなことが書かれておりまして、私としましては、世界的な需給面というものについて、将来を見通し、新しく出されました我が国の食料・農業・農村政策については、中長期的には逼迫傾向にある、こうなっておりますが、この点非常に大事なところなんでして、総理は一体どういうふうに見ていらっしゃいますか。世界の食糧バランスですね。
○宮澤内閣総理大臣 それはどのぐらいな期間をとって考えるかにもよりますし、いろいろ説があるというふうに聞いておりますけれども、どの説が正しいのか、私、十分判断できずにおります。
○目黒委員 どの説が正しいのか判断できないとおっしゃっているわけですが、農水省が定めました、あるいは示しました新しい食料・農業・農村政策というのでは、やはり逼迫基調ということを前提にして、食糧安保というものを考え、かつ日本国内の生産計画を立てていかなきゃならぬ、こういうことになるわけですが、この点は、じゃちょっと違うのですか。
○宮澤内閣総理大臣 新しい食料・農村・農業についての、いわゆる農林省の新政策ですけれども、基本は、本当に合理的な経営をする意欲のある農家というものを育てていこう、米を中心として。そのためにはある程度の反別も大きくなっていかなければならないし、他方で後継者の問題もあるというようなことから、積極的にそういう農家を育成していくべきであるという、そういう私は基本に立っておるのだと思います。その背景に、あるいは今目黒委員の言われますような中長期的な世界の食糧の需給関係についての見方があるのかもしれませんけれども、それは私つまびらかにいたしておりません。
○目黒委員 世界の食糧需給関係というのがどうなるかについてはわからないとおっしゃるのですか。どうですか。
○宮澤内閣総理大臣 学者にも実務家にもいろいろな説がございますので、どれにくみしていいのか、私としては十分の知識を持っていない、こう申し上げておるわけであります。
○目黒委員 我が国が新しい農政展開をするに当たって、じゃそのことはわからないまま走っておる、こういうふうに理解していいですか。
○宮澤内閣総理大臣 そう申しておりませんので、どういう場合でも個々の農家が経営として成り立っていかなければならない、またそういう意欲を持った農家によって経営されなければならない、それを中心にして経営されなければならないという思想は、背景いかんにかかわらず私は本当であると思っております。
○目黒委員 国際的な需給関係については、考慮されていない、わかっていない、それも前提にはしていない、そういうふうに理解していいですか、総理のお答えは。
○宮澤内閣総理大臣 新しい食料・農村・農業についての基本というのが、今言われましたような背景についてどのような前提をとっておりますのか私はつまびらかにしないと、こう申し上げているのです。
○目黒委員 わかりました。 では、農水大臣いかがですか。
○田名部国務大臣 お答え申し上げますが、具体的な数字はそのときどきで若干変わってくるんだろうと思いますが、詳しい数字については、もし必要であれば政府委員の方から答弁させていただきますが、基本的にこの中長期的、仮に十年の見通しでも、これも人口の予測でありますから、そのとおりになるかどうかは別として、およそ十億人がふえるであろうと。そうすると、一年に一億、これだけの人口がこの先もふえ続けていくというふうに予想すると、食糧は環境問題等いろいろ制約を受けてまいりますから、相当タイトになっていくということを考えると、非常に切迫した状態であろう。現に食糧の相当余剰な国もあるし、既にこれを買えないために食糧が不足して飢餓の状態にある国もある。ですから、まあ全体的にどこの国も安定的に食糧というものを確保するという立場に立っていろいろと検討していくということが必要であろうと思うのでありますが、いずれにしても、食糧全体で見ますと、そういう感じで私どもは受けとめていかなきゃならぬし、だからといって、金に飽かしてそういうときにどんどん食糧を買うということが国際的にどう判断されるかということ等も踏まえながら、いずれにしても、国内で自給できるものは積極的にやっていかなきゃならぬという立場と、今総理からお話しになったように、それだけでやるわけではありませんが、自給率の向上等も図りながら、政治として国民に安定的な供給をするというこの責任でやはりやっていかなきゃならぬ。そのためにも、担い手の不足とか放棄地とかいろいろ、高齢化の問題等出てまいっておりますので、それら総合的に勘案して、世界のことと我が国のこととそういうことに考えて対処してまいりたいと思っております。
○目黒委員 一点だけ関連して申し上げて、次に進みたいと思います。 それは、今おっしゃいましたように、食糧問題というのは、世界的に見て確かに不透明な部分がたくさんある。気象変動に大きく左右されるというような面で、どうやって一国の食糧の安全を確保していくかということになるわけでありますが、我が国の場合は、当然のことといたしまして、自国産、それから輸入、それから備蓄、一定の期間の安全を確保するための備蓄、あるいはまた、いざというときに次の生産ができるような生産基盤の維持というようなことが考えられるわけでありまして、そういったものをきちっとやはり国の方針として定められていく必要があるんだろうと思うのです。 そこで、特に私強調したいと思っておりますのは、やはり食糧資源の、輸入する場合の食糧資源の多角化を図っておきませんと、ある国だけ依存しておるというようなことをいつまでも続けますと、やはり過去に何回かありましたように、その国が災害等で自国の分もなくなったというときには、もう食糧を輸出する能力を持たなくなるわけでありますから、安全上極めて大きな支障を来す、一国の国民の生命を守っていくのに大変大きな支障を来すということにもなるわけでありますので、そういう過度な一極に集中をした依存をするのではなくて、やはり分散型にしていく必要があるだろう、こう思いますが、この点はどう考えていらっしゃるかというのが一つでございます。 それから二つ目は、国内生産について農業として、農業という産業が成り立つような姿に、アグリミニマムとでも申しましょうか生産をして自給する水準というようなものが一体どこなのかということについては全く定まっていないんですね。輸入食糧がどんどんどんどんとふえる、それだけ国内生産が落ちる、こういうことをずうっと繰り返してまいりました。私は、やはりこの辺で農業をそれこそきちっとした産業として位置づけて、そして国内生産の計画と見通しをきちっと持っていくには、申し上げましたような国内生産のそれぞれの、作目全部というわけではありません、主要部分について、一定の水準はきちっと決められるべきであろうと、こう思うのです。 この二点についてどう思いますか。
○田名部国務大臣 最初の分散ですけれども、これは当然どこの国がどういう凶作になるかということは定かでないわけでありますから、基本的にはそのとおりだろうと思います。ただ、価格の面でどうしてもやはり安いところのものが入ってくるということは、なかなか避けがたい点も考慮に入れなきゃならぬと、こう思っております。 それから、自給率の基準でありますが、これはもう委員御案内のとおり、平成二年の一月の閣議決定で「農産物の需要と生産の長期見通し」、これで供給熱量が五〇%、平成十二年ですね、それを目指すということに御決定いただいておる。これに向かって「新しい食料・農業・農村政策の方向」でも、何といっても、自給率の向上を図るための条件整備をひとつやろう。それは特に土地利用型農業が、これに力を入れませんと自給率というものはそう簡単に向上しない、それをやろうとすると、だれがやるかという、意欲的な人あるいは経営体というものを育てないと、この達成というのは難しい。それから生産基盤の整備、これもしてあげないと大型機械の導入等が非常に困難だという、そういうことで私は優良農地、こう言っているのですが、生涯にわたってこの一角は農地としてもう保全していくという体制というものが必要だし、そのままではいかぬのであって、バイオテクノロジー等を中心とする先端技術、そういうものをこれに取り入れて、そして生産性が上がる方法を考える。加えて、農村社会定住条件というものを整備して、そして所得は他産業並み、労働時間も他産業並みにしたい、こういう理想に向かって全力を挙げていかなきゃいかぬというふうに考えております。
○目黒委員 ちょっと今の関係で総理に、これは最後になりますが、伺っておきたいと思います。 竹下総理のときに、日本の穀物自給はおよそ三分の一と、穀物自給率を三三%に置きたいというのが一度ありました。それから、海部総理大臣はカロリーで五〇%、こうおっしゃいました。 ところが、現在の穀物自給率でいいますと二九%、それからカロリーベースでいいますと四六%、これは大変な落ち込みなんですね。海部総理が目指そうとしたのは、そんな遠い昔の話じゃないのです。ついこの間なんです。目標と現実との間には既に四%の開きがあるのですよ。 でありますから、そんなことにならないようにきちっとミニマムを決められたらどうですか。もう決めなければなりませんよ、これは。そういうことを申し上げているのですが、カロリーベースの五〇%達成というのはこのままでは大変困難だと思いますが、総理はどう思っていらっしゃいますか。
○田名部国務大臣 お答え申し上げますが、主要農産物の自給率ということで五〇%にするという目標はきちっと一応できております。小麦でありますとか、大麦、裸麦、これはいずれも一〇%程度でありますので、これを一四から一六%にしよう。一つ一つ申し上げません、野菜はどう、肉はどうというものはあります。 ただ、もっと、穀物で五〇%ぐらいはどうかという御意見等随分伺うわけであります。しかし、国内産で穀物をそれだけ上げるとすれば、約四百万ヘクタールの農地が必要になってくる。今五百二十万程度しかありませんので、これを四百万ふやすということは、これは不可能でありますし、いろいろ試算をいたしておるわけでありますが、今の限られた農地の中で環境を維持しながらやれるということでいきますと、先ほど私が申し上げたような形で自給率の確保、向上を目指すということがまた実際に可能でもあるというふうに考えております。
○目黒委員 その点をぜひひとつ、カロリーベースあるいはまた穀物ベースでも目標達成ができますようにそれこそ努力をしていただきたいし、私どもも努力をしてまいりたいと思っております。私どもの目標がそれでいいということではありませんが、努力をしなければならぬ、こう思っております。 次に、ウルグアイ・ラウンドの場で大変大きな出来事として報道されましたアメリカとECの基本合意についてお伺いをしたいと思っております。 この基本合意はガットの場から離れまして二国間交渉の形でまとめられたと報道されておるものでありますが、今ガットの場は、これらの修正と申しますか、案をめぐって交渉に入っておる、つまり、ガットの交渉は修正交渉に入っておる、私はそのように理解をしておるわけでありますが、この修正交渉というのはなかなか見通しがつかない段階というふうに伺っております。 私は、後から申し上げますけれども、この米・EC合意というのはとても受け入れられないやはり談合ともいうべき中身があるというふうに理解をしております。外務大臣からこの合意案全文下さいということはしておらなかったものですから、全文はわかりませんけれども、伝えられるいろいろな情報によりますと、幾つかの課題が盛り込まれておりまして、以下申し上げますように、なかなか各国政府も納得できないような内容が含まれておるというふうに思っておりますので、その点についての考え方を伺っておきたいと思っております。 まず第一に、日本政府は、この米、ECの基本合意というのはダンケル合意案の修正案として扱って同じテーブルに着く、こういう理解でいらっしゃるのかどうか、ちょっと確かめさせていただきたいと思います。
○田名部国務大臣 お答え申し上げますが、これもまた随分すれ違いが多くて、私どもは修正だ、こう主張する、向こうは枠内で数字を変えたということの主張をずっとしてきておりますが、いずれにいたしましても、国内支持について、ECの共通農業政策、これはCAPと呼んでおりますが、これに伴う直接所得補償支払いに相当する補助金、今までわかりやすく申し上げますとグリーンだとか黄色だとかこう言ってきたその黄色の部分も削減の対象外とする、あるいは個別品目ではなく農産物全体でやろう、こういうふうに変わってきておる。それから、輸出補助金の数量ベースでの削減率を二四%から二一、この辺は枠の中で数字を変えたと言っていることだろうと思うのでありますが、いずれにしても、私どもはダンケル合意案の修正につながる内容を含んでいるということでいたしておりますが、我が国としては、この米・EC間の合意は多国間交渉の場で検討しなければいかぬ、両国でいろいろやっておってはだめなんで、そこで検討することが必要だというふうに言っているわけです。 そういうところで、お互いまた国へこれを持ち帰ると譲り過ぎたとか足りないとかということでなかなか交渉が進展しない。しかも、多国間交渉でやろうということになりますと、各国が持っておる困難な問題、それについても同様の現実的な解決を図れということが当然出てくるわけでありまして、いずれにしても、私どもは従来の基本方針にのっとって食糧輸入国としての我が国の立場というものが交渉に反映されるように全力を挙げて努力をしてまいりたい、こう考えております。
○目黒委員 次に、私、今談合と申し上げましたので、この点だけはちょっと触れさせていただかなければなりませんので申し上げるわけでありますが、アメリカとECの間では今まで貿易戦争がありまして、ガットに提訴したり、特に初めにありましたのはECの油糧種子でガット提訴をやりまして、これはクロと出たのですけれども、その後はアメリカはまたアメリカでワインの報道措置をとるといったようなことでやり合いをこうしてきました。 今回、そういう中で二国間交渉が基本的合意に達したという理由の一つに、お互いにやはり譲り合わなければ合意に達しないわけですから譲り合いをした一つに、ECはアメリカに対して、日本の市場に補助金つきの牛肉は入れませんよ、入れませんよ、つまりアメリカさん自由にやってください、こういうこと。それから二つ目は、輸出補助金の問題が最大の問題であるわけですけれども、財政で三六%、つまり政府補助で三六%削減するというのがダンケル案であり、それから輸出数量で二四%削減するというのが数量でのダンケル案なんです。これを先ほどおっしゃいますように二一%で妥協をするわけですが、一体全体ここの点については何があったのかということになってまいりますと、ECにとって断じて譲られない所得政策、直接所得補償政策、これは譲られない。そのかわりアメリカに対してはアメリカの不足払いの部分を、削減対象を国内支持、削減の低い方に回しちゃう、こういうことでいわばでき上がった合意であるということになってまいりますと、これは農産物国際市場を米、ECでもって分割する談合でしかない。私は内容から見てそう申し上げたわけです。 こういうことでガットがまとまりそうになっていますから、日本も例外なき関税化について何らかの対応をしなきゃならないなんという状況じゃない、こう強く申し上げたいわけでありますが、これは先ほど申し上げましたように、外務省というか外務大臣からいただいた資料で私申し上げているわけじゃないものですから、もしこういうことであったとすればこれはもう大変なことでありますので、私は基本合意をもとにして修正案だとか新しい提案だとかというそういう合意内容ではない、むしろ談合だ、世界市場分割をねらった談合にすぎない、こう思うのでありますが、この点についてはそういう情報あるいは基本合意の中身として理解をしていらっしゃるのかどうか。もしそうであったとすれば、これはもう対応の仕方は別になると思うんですが、いかがですか。
○渡辺国務大臣 いずれの国も少しでも自国に有利に働くようにしよう、これはどこの国も同じなんですよ、その点は。しかし、各人が一方的なことだけ言っておったんではこれは交渉まとまりませんから、そこでこれは農業だけでなくて、まあ農業ではこれしか譲れないが他の部分ではこれだけ譲りますよとか、いろいろ交渉分野というのはたくさんあるわけですから、そういうところでみんな譲り合う中は譲り合って、総体として何かまとめられないかというように我々は言っているわけです。 しかしながら、ECとアメリカとの間では、今言ったようにもう関税化は関係ないわけですから、これはまあ輸出補助金の問題、アメリカにとっては国内支持価格あるいは不足払いについての問題等がいろいろあって、ECの、フランスの議員がこの間私のところに来て言うのには、要はECに千六百万農家、千二百万と言ったかな、農家がある。アメリカ、六十万か七十万じゃないか。で、もらっている補助金は同じぐらいじゃないか。だから二戸当たりにすればもう何倍もアメリカの方がもらっている。まあ規模が違うんでしょうがね。しかし、そういう見方もそれはあるんでしょう。いずれにしても到底のめないようなことを言っていました。一番フランスは強い立場をとっていることも事実。 で、アメリカの新政権がどういうふうな立場をとるか知りませんが、いずれにしても我々といたしましては、世界の最大の食糧輸入国の立場にあって、将来の食糧問題というものは、まあ今のように入口がふえていくということになればそれはもう不足するということは当然でしょう。しかし、そういうようにどんどん、人口政策、手放しで、野放しでおくかどうか、これはまた別な問題ですから。だから食糧が不足しないようにいろいろやるでしょうが、いずれにいたしましても、我々は今までの基本路線というものを強く今後ともぎりぎりまで要求をしていきたい、そう考えております。
○目黒委員 今外務大臣から御答弁いただきましたが、私が指摘した点については否定も肯定もされなかったというふうに理解をしておりますので、それぞれ各国が自分で得になるようなことをするんだ、こういう中の一つに入ったとか入らぬとかはおっしゃいませんけれども、否定も肯定もされなかった、こう受けとめております。 ちょっと時間がなくなってしまいましたので先へ進ましていただくしかないのでありますが、最後に、もう何度も議論になっております佐川関連につきまして二、三私の方からもお尋ねをして終わりたい、こう思っております。 まず総理大臣に伺いますけれども、佐川事件に対する国民の感覚というのは、例えば一万円でも五万円でも、よくあることでありますけれども、お金を持って役人さんのところへ行って、そして特定の仕事なり利益をとにかく得るということになってまいりますと、これは贈収賄ということでみんな罪に、しかも厳しい罪に科せられる、受け取った公務員というのはやっぱり懲戒解雇になる、こういうのが一般市民の感覚なんですよね。新聞にもずっと出ますし。ところが、政治家の場合は五億円受け取っても二十万円の罰金で済む、こういう比較対照の見方というのがある。これでは余りひど過ぎるんじゃないかというのが率直な声になって残っていると思うんですよね。 法務大臣が、政治家には私が今挙げたような例に当てはめていくには職務権限の壁があったり政治資金規正法の壁があったりして、なかなか世間一般が理解しているように対処することは現行法の構成の枠内では無理でございます、こういうことを再三にわたって述べられて、あるいは答弁されてきましたことは私十分承知しておるのでありますが、五億円、これに比べますと、一企業がぽんと、それにしても一企業がぽんと出すことが二十万円で済むというのは、幾ら説明されてもここのところはもう理解できないところになっているんじゃないかというふうに思っておりまして、まあこれを一般にある贈収賄事件などというのと比較するというのは、これはどだい専門家の間では無理な話かもしれませんが、何遍も何遍も構成要件に該当しないから取り締まれないんだと説明されても、これはもうわかりましたということにはならない。 それで、これはやっぱり犯罪性のある金銭のやりとりだというのはもう深く浸透しているんじゃないかと思うのですね。そこで、ここをどうするか。ここをどうかしないと政治不信、政府も含めまして既成政党はもちろん政治の不信というのがずっと広がってくる。これがそのまま走ったんじゃやっぱり民主主義の危機だ、こういうところにつながるんだろうと思います。やはり一般社会が見ておる悪いこと、犯罪性のある金銭授受とでもいいましょうか、あるいはまた反社会的な金銭授受、社会が認めない金銭授受、幾ら説明しても認めない金銭授受、こういうのはやっぱり何らかの法益というものを設けて二度と再びこういうことができないような措置をするということが必要なのじゃないか、こう思っておりますが、そういう責任も、やはり総理大臣なり法務大臣なりといったような地位にいらっしゃる人には当然課せられておると思うわけであります。 恐らく、そのために政治改革をやっているのだ、こうおっしゃるのだろうと思うのでありますが、政治改革ということになってきますと、この事件に対応する答えはこれだというのができ上がるのは、なかなかこれは容易じゃない。もしそういうことに位置づけておられるなら、直ちにやらなきゃなりませんね。こういった不信を解消するのに総理は一体どういうふうに考えていらっしゃるのかというのが一つ。それから、この点法務大臣どう考えていらっしゃるのかというのが一つですね。 それから、政治家が暴力団と関係するなど、これはあってはならぬことだ。総理は何遍もこれも言っていらっしゃいます。議員辞職は本人が判断されることだ、こう言っていらっしゃいますし、それから辞職をせよということを言うにはこれは個人としてなかなかできない、国会の三分の二の賛成が必要なこと、あるいはまた選挙民の信頼を得て出てきておることなどを挙げて、この点についてはずっと逃げて、私に言わせれば逃げていらっしゃいます。 なぜかというと、竹下元総理辞職勧告決議というもので三分の二の賛成があればこれはできるわけでありますが、なかなかそういった御提起もない。そのほかに何か別な手だてをされたかというと、総理としてほとんどこの点については、直接国民に見える対応姿勢を打ち出されたことは、私はまだ一度もないのじゃないかと思っております。もし仮に、国会、では三分の二で決議しなさいとおっしゃるのであれば、これはもし出た場合総理は賛成されますか反対されますか、これが二つ目。 それから、このままでは、国会はもう何にもできない場所なんだ、あれだけ悪いことをしていても国民にわかるように何にも示すことができないで終わる、こういうことに私はなってくるのじゃないかと思うのですね。政治的道義的責任をやはり明らかにしていかなければならぬわけでありますが、総理として、同じ総理大臣、もっと先輩の総理大臣ですから、物が言えない立場でもないと思うのですがね。やはりこういう国民の世論あるいは政治不信、政党不信、これだけ出ているものについて総理が態度表明できないというのは、これはいかにもやはり情けないのじゃないかと私は思うのですが、何かそこに行動を起こしていかなければならないと思います。 特に、暴力団とつき合うなんというのは断じてあってはならないと総理は言っていらっしゃるわけですが、竹下議員はそれを犯したわけですよね。犯したわけです。やはりけじめをどうつけるか、けじめをどうつけられるのかというのが一番関心のあるところだろうと思うのです。この点は一体どういうふうに考えておられるかというのが三つ目です。 それから、政治改革とおっしゃいますけれども、これも何度も議論がありますが、やはり政治改革の第一歩は、こういうスキャンダラスな事件の解決をきちっと決まりをつける、あるいはまたけじめをつけてからでなければ、私はやはり本当のものはでき上がらないのじゃないかと思うのですね。この点、総理は一体どう考えていらっしゃるのか。たくさんの皆さんの質疑を聞かせていただきましてもなかなかわかりませんので、ひとつお答えをこの際重ねてしていただきたい、こう思います。
○宮澤内閣総理大臣 まず、政治資金規正法違反の行為に対して二十万円の罰金で済んでしまったということ、これは国民にとっては非常に理解しにくい出来事であって、そこから政治の不信が生まれたという、私は一つの大きなこれが理由であったということは御指摘のとおりと思います。しかし、これは検察当局をとがめることは酷なのであって、そういう法律になっておるわけでございますから、いわば強いて申せば立法における問題であったと申さざるを得ないと思います。 それで、そういうことは私ども気がついておりましたので、緊急改革で政治資金規正法の改正を国会にお願いをいたしておりました。いたしておりましたが、いろいろな御都合で予定どおりにこれが成立をいたさなかった。いたしておりましたらということは別な話でございます、行為がそれより前に行われておったとすれば別な話かもしれませんが、この改正がようやく成立をいたしましたので、これからの問題としては、寄附の量的制限違反には禁錮刑が導入をされる、また寄附制限等の規定に違反した寄附は没収をされるということでございますので、これであれば国民の方も、もちろんいいとはだれも言われないけれども、なるほど法の裁きとしては理解ができる、こういうふうに言われたでございましょうから、これは立法における私は強いて言えば欠陥であったと思います。 これはしかし一つの出来事でありまして、またまた政治資金規正法関係にはいろいろしなきゃならないことがございまして、私ども自由民主党では、「政治改革の基本方針」ということで党内の意見を集約をいたしました。やがて国会で立法をお願いしたいと考えておりまして、各党にも御主張はおありでしょうから、いろいろ御議論の上立法をぜひこの国会でお願いをしたい。これは急ぎます。これは、国民におっしゃるような不信があることにかんがみましても急ぐことであるというふうに思いますので、ぜひお願いをいたしたいと思います。 それから、竹下元総理と暴力団にかかわり合いがあったというふうに先ほどおっしゃったようにちょっと聞こえましたけれども、何度も申し上げますが、このことの関連で私どもが知っておりますことは、昨年の九月二十二日の東京地検の冒頭陳述、それは被告人渡邉氏について述べられている部分であります。もう一つは、竹下議員の当院における証言に関すること。そのいずれも総裁選に暴力団が関与したということについて直接には裏づけていないということだと思います。 それで、政治家の進退については、もう毎々申し上げますので繰り返しませんが、やはり選挙民の信頼、その負託にこたえるということがお互い政治家の務めでございますので、それをなし得るか否かという、やはり本質的には自分自身の判断が基本にならなきゃならないと思いますが、先ほど国会がもし議員の身分を失わせる、あるいは議員を除名するということについて決議をすることになったらおまえはどうするかというお尋ねがありました。それは、どのような理由によってそういう決議がなされるかによってお答えは異なるであろうと思います。
○後藤田国務大臣 今回のこの佐川の五億円のお金をめぐって国民の間に、そのこと自身けしからぬ、同時にまた、そのことをめぐっての検察の捜査についてけしからぬではないかといったような不信感が非常に国民の間に高まっておるということは、私は十分承知をいたしておるわけでございます。 こういう事件の際には、やはり我々としては、法律の枠の中で最大限どこまでやったか、こういうことが一番問われるところではないかなと思います。国民の立場でいいますと、それよりさらに踏み越えて、けしからぬではないか、なぜこれに手が入らぬのだ、こういった私は怒りであろうと思うんですね。 それなりに私は、国民の側から見て、五億円という大金が動いておるにかかわらず、どうも処罰の罰条もわずか二十万円でおかしい、しかも、それがさらに六十人の政治家に渡っておる、それについては一体どうなっておるんだ、これまた捜査が不十分ではないかと、こういったようなことが、今回の事件をめぐっての多くの、何といいますか告発事件とか、あるいはまた検察審査会の、検察の不起訴相当に対する扱いに対して、それはよろしくない、こういったような議決があった理由である、こう思います。 ただ、率直に平たい言葉で言いますと、あるいは誤解をしないようにしていただきたいと思うのですが、我々の立場からは、けしからぬ罪という罪はないわけでございます。これは、やはりそこをはっきり線を引いて我々はやらざるを得ないんだというこの検察の立場、そして私は、今回の捜査の経緯、詳しいことは、捜査内容というのは私ども承知をしておるところではありませんけれども、今まで報告を受けておる範囲内で言いますと、現行法の枠内で精いっぱいの努力をしておるのではないかな、私はさように考えておるのです。まあ、罰条等については、これはやはり二十万円けしからぬというのはわからぬではないんですけれども、それが最高利ならばいかんともしがたい。 これは、幸い国会において是正をしていただきましたから、今後はそういうことはなくなると思いますが、いずれにいたしましても、精いっぱいやっておるんだということ、そして枠の中、けしからぬということについてはまた別の角度でこれは御論議を願わないとどうにもならぬことである、かようにお答えをいたしたいと思います。
○粕谷委員長 これにて目黒君の質疑は終了いたしました。 次に、富塚三夫君。
○富塚委員 私は、最初に宮澤内閣の政治姿勢の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 宮澤内閣が改造内閣の発足とともに、変革の問題、あるいは社会党なども、我々なども、激動、変化、改革。両者の情勢認識もだんだん私は近寄ってきているとは思うんですけれども、世界は、東西冷戦構造の崩壊による新しい世界平和の構築、地域経済の統合、日本は、バブル経済の破綻、高齢化社会の到来、そして安定成長への移行。大きな政治経済の転換の中で、豊かな成熟社会を求めるには何をしていかなければならないか。今問われている行動や目標、その変革の目標とは何かということになると思うんですが、今、佐川問題に象徴されていますように、私は、この変革の座標軸を求める前に、信頼の政治、国民に信頼される政治、それをどうつくっていくかということをきちっとしないと変革の展望を切り開いていくことはできない、こう思います。 ロッキード、リクルート、そして共和、佐川と次々に政界汚職事件が発生をしてきたのですけれども、やはり一党支配で来た自民党政権、つまり政権与党に批判が集中してきていることは間違いないと私はそう思うんであります。そうすると、清潔な政権与党になるために、総理として、自民党の総裁として、一体自浄能力をどう発揮されてきているのか、されようとしているのかということが私は今問われている大事な問題であると思うんであります。 そこでお尋ねするんですけれども、私は、ロッキード事件で受託収賄罪が確定をした国会議員を、なぜ自民党、党の、政権与党の中枢幹部に任命しなければならないのか、なぜされたのかということが、どう見ても国民の側からは自浄能力を発揮するということのポイントが欠けているんじゃないかと思われるんですが、自民党総裁としての宮澤さんの御意見をお伺いしたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 前段にお話しになられましたことは私も同意でございまして、やはりこの変革の時代をリードする、これは政治の役割でございますが、その政治への信頼が欠けるということであってはその役割を十分に果たすことができない、殊に政権与党についてそうであると言われましたことは、私もそのように思っておりますこと、過日の施政方針演説でも申し上げました。 後段の具体的な問題でございますが、一つの事件に連累をして、そして一定の刑罰を受けたということは、人の人生においてあり得る、間々あることでございますが、しかしそれだけの法律上の勤めを終えて、しかも国会議員としてさらに選挙民から新しい信頼と負託を受けたという場合に、そういうケースをどう考えるべきかということでございますけれども、私はそれはやはりお互い政治家として、選挙民がもう一度負託を与え、そうして信頼を寄せて、ひとつ国のため、我々のために働いてほしいと言われた場合には、政治家はそれなりの信頼と負託を受けたと考えるべきであろう。 過去において一つのことがあった、しかしそれはそれとして、法律的には処理をされておる、終了しておるということであれば、私はそう考えていいのではないかというふうに思います。
○富塚委員 竹下元総理の議員辞職問題の要求についても総理は総裁としてたびたびそうおっしゃいますけれども、有権者はそれぞれの選挙区で国会議員を選ぶ。国会議員になったら国民のための政治を行う国会議員である。ということになれば、有権者が再び投票しで当選をした、選挙の洗礼を受けたというだけで問題は、私は、国会議員として国民にこたえる立場にはならないんじゃないか。 そこのところが、もうどんな汚職をしても、汚職、収賄に問われても、裁判の判決が出ても、洗礼を何回受ければあとはいいんだということでは、政権与党としていかに自浄能力を発揮していくかというポイントに私は欠けると思う。そこの点が総理の認識は非常に甘いと思うんですが、どうですか。
○宮澤内閣総理大臣 一般論として申し上げることはなかなか難しいかと思いますけれども、しかし一般論でしか申し上げようがございませんので、やはり申しますならば、そのような、人として一つの過ちを犯した、法の制裁を受けた、そしてそれについての法律的な処理は終わったという人にもやはり人権はあると考えるのが私は本当であろう。その人が公民権を持ち、そうして選挙民から信頼を受け、負託を受けたというときに、なおその人に対しておまえは過去にこういうことがあったと言うことは、人権を尊重するゆえんではないのではないか、一般論としては私はそう思います。
○富塚委員 一般論として、選挙の洗礼を受けた、後はそれで国民に対するいわゆる理解は得られる、信頼は得たというだけのもので、私が聞いているのは、あなたは自民党の総裁であり、政権与党の総裁であり、総理大臣であるわけですね。その政権与党の総裁が、自分たちのいわゆる政党の中枢な地位に有罪判決を受けた人をなぜ据えなければならないのか。そこで、その人が音頭をとって政治改革をやるという意味は国民はどう受けとめるのかというところの問題は、一般論としてでなくて、あなたが自民党総裁としてどうお考えになるかということを聞いているんです。
○宮澤内閣総理大臣 有罪判決を受けたということは、それはそれで法律的な処理は終了しておると考えていいのではないでしょうか。しかし、仮にそういう過去を持った我々の同志がおられる、選挙民から信頼を受け、負託を受けたという場合に、その人その人の資質なりあるいは今政治家として持っておられる信念なり情熱なりというものを、それをやはりそれなりに私は考え、評価しなければならない。そのことと過去におけるそういう事実とは、おのずからやはり具体的に比較考量して考えていいことではないだろうか。 過去にそういうことがあったので、いわばそういう人材は選挙民の負託を受けたけれども採用できない、すべきではないということになりますと、それは選挙民の負託、信頼というものが一体どういうことになるのかということにもなりますから、そこは具体的な私は判断ではないかと思っています。
○富塚委員 そうすると、いわゆる自然な形の人事ではない、そういうふうに、つまり主要なポストに選ばれたということは決して自然なものではない、こうお考えですか。
○宮澤内閣総理大臣 選ばれる価値のある人であれば選んでよろしいことだと思います。
○富塚委員 信頼をされておるということに受けとめていいわけですか。
○宮澤内閣総理大臣 信頼をいたしましたから選んだのであります。
○富塚委員 越智元建設大臣、現在運輸大臣でおられます。地元町会議員のいわゆる右翼恐喝事件にかかわったというのが、昨年の十一月の末に出ています。 つまり、愛媛県の吉海町というんでしょうか、重松町会議員が自宅近くの公有水面約百六十平米、県の許可を受けずに埋め立てた。平成二年九月ごろに右翼団体、つまり政治結社愛国誠友会会長らが、重松自宅周辺に街宣車数台で押しかけ、議員をやめるなどと宣伝した。これに対して平成二年十月八日、この右翼団体に九百万を渡して街宣活動を中止させた。十月七日に越智代議士は仲介の労をとって、金で解決をつける、九百万で話をつけてやる、私のところに持ってこい。その後の各新聞の報道によると、捜査当局からの事情聴取もあったということを認められて、いわゆるその介入を越智代議士は認められた。仲介の正当性を強調されている、悪いことをしたとは思っていない。 まず、現運輸大臣になられた越智さん、そのことをお認めになりますか。
○越智国務大臣 少し今の筋道がちょっと違っております。 私の近くに吉海町というところがありまして、重松町会議員というのが、今お話のありましたような埋め立てで少し境が違っておった。そのことは県との話し合いで片づいたのであります。ところが、その近くに、宮窪町というところに右翼がおりました。その右翼が重松町議のそばに来て街頭宣伝をする、そういうことで私に相談がありました。 まず、重松町議に警察に話しなさいと言いましたが、警察は、何か傷害事件か何かないと、宣伝活動だけでは、気をつけておるが取り締まりができない、こういう話であった、こういうことであります。事実、警察も何回かそのそばに立ち寄ったようであります。そうして、その街宣活動がどうしてもやまない、こういうことでありますから、私も警察に電話をいたしました。同じような答えであります。 でございますから、別の右翼が私の地元、今治におりましたので、そこの若い方でありますが、これに、何とか話つかないか、こういう話をいたしました。そういたしますと、いろいろ話してくれたのでありますけれども、やはり幾らか金を出さないと宣伝活動はやめない、こういう話でありました。その旨を重松町議に伝えたようなことであります。 そういたしましたら、金が要ってもいいから、女房も子供も疎開をしているような状態で、するから、ひとつ何とか話してくれないかと言うから、私は金のやりとりの話はできないから、君が出てきて話をしなさいと、こういうことで、その右翼の若い連中が話はしたのであります。それが、どちらも顔を知らないものですから、私の事務所の別の応接で話をさしました。これが実情であります。 以上です。
○富塚委員 お認めになっておられると思います。当時の報道も、ほとんどそのように書かれておりますけれども。 当時、予算委員会、十一月三十日に公明党の草川さんも総理大臣に質問をしているわけです。この越智さんの問題で質問されているのを覚えていらっしゃると思うのですけれども、一般論として暴力団などの団体にかかわりを持つべきではない、こういうふうには答えられている。 それで、十一月末に起きて、十二月の半ばですよね、内閣の改造の行われたのは。こういう事実を知っておって、暴力団に越智元建設大臣、代議士がかかわっておられるのを御承知で閣僚に任命をされたのですか。そのことは大した問題ではないと総理はお考えになったのですか。
○越智国務大臣 今お話ございました中で、暴力団ということでありますけれども、どちらも、私は暴力団であるかないかそんなこと知っておりません。暴力団のように思っていなかったのであります。暴力団といいますと、かなり名前が通っている方でないと暴力団ということ私どもわかりませんので、ただ右翼の、私の方でいいますのはおらび屋というような部類でございますのでございますから、暴力団というようなことは一切感じておりませんし、そういうふうに思っておりません。
○富塚委員 それはうそじゃないですか。この当時の新聞、全部私見ていますけれども、各新聞社は全部あなたが事実をお認めになったと、九百万円で中止させたことをお認めになったということを全部この新聞はそのことに、記者会見の中であなたは明らかにされたと言われている。この報道は間違いですか。
○越智国務大臣 今お話しの暴力団ということは一切知っておりません。知っていない。そして、今の右翼の、私の方の言葉で先ほど言いましたが、おらび屋ということでありますのでございますから、暴力団ということを認めていなかった。後で暴力団であったというようなことを書いておりますが、今もそれが暴力団であるかないか、私は存じておりません。
○富塚委員 私は、その街宣を中止させるこの右翼団体にあなたが口をきいて、一千万を値切って九百万払った、そして中止させたという事実は、警察にも参考人として呼ばれて調べられたと書かれておりますし、そのことは事実としてお認めになっておるわけでしょう。
○越智国務大臣 今のお話でありますが、警察に本人も連絡をとるし、私もお願いをした。しかし、そのままでは、今の状態ではどうにもならない。こういうことでありますから、それなれば方法がないということで、何か話がつかないかということを私の知っておるこの右翼、それも時々機関紙を売りに来るような部類であります、その人にお願いをし、その人が話したが、金を少しやらないとやめない、こういうことでありますから、その話は二人でしなさいと、本人がそれよりほかに方法がない、とまる方法がない、そうして妻並びに娘が疎開を長くしておる、こういう状態でありますから、そういう話を、仲介ではございません、紹介したということであります。紹介をいたしまして、それで二人が話をして話をつけた、これが実情であります。
○富塚委員 じゃ、この右翼団体とかかわったということは事実ですね。右翼団体にかかわりを持っだということは間違いありませんね。
○越智国務大臣 紹介をしたということは事実であります。
○富塚委員 そこで、重ねてお尋ねしますけれども、総理は公明党の草川議員の質問に予算委員会で答えられている。当時の新聞を見ると、大分苦しい答弁をされておったというふうに書かれておりますけれども、そういう事実を知っておられても、この越智代議士の問題は大したことがないといって運輸大臣に、そのことは予算委員会で質問されてあなた自身が答えられて、暴力団、右翼とのかかわりはよくない、こう言われておるのに、それをお認めになって登用されたのですか。
○宮澤内閣総理大臣 具体的なことは今越智大臣がお話をされたようなことであると思いますけれども、暴力団ということでかかわり合われたのではないというお話でございます、右翼と今言われましたけれども。それは特に犯罪に関係のあるような団体に属する人たちというような意味合いではなかったように思います。
○富塚委員 これだけ竹下問題が皇民党とのかかわりで問題になって国会でも取り上げられているというときに、少なくとも慎重を期して、右翼とのつき合いなどはやっちゃいけない、こういうことがあってはならない、右翼、暴力団のかかわりはよくないとあなたは何回もそのことを答弁されているわけですね。 しかし、現実に十一月の末に起きておって、これだけ新聞に書かれて騒がれているその人を閣僚に任命するというあなたのセンスは、一体どういうことなんです。やはり、佐藤総務会長のことを申し上げたけれども、自分で政権与党の総裁として、総理大臣として自浄能力を働かしていくという意欲があるのですかないのですか、お尋ねしたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 そこのところは、好ましい好ましくないということと、いい悪いということは、やはりきちんと考えておかないといけないと思います。私が暴力団に政治家がかかわり合い云々ということを申し上げましたときに、暴力団とは何かということを自分で知った上で申し上げておるつもりでございます。漠然と暴力団というようなことを申し上げているわけではありません。 それに反して、今右翼とおっしゃることについては、右翼というものは何かという定義を私は存じません。右翼、暴力団と二つくっつけておっしゃいますけれども、右翼と暴力団というものは、暴力団には少なくとも法律があって定義がございます。右翼というものには私は定義を聞いたことがないのですから、両方一緒に考えるということにきちんと、ここは難しい、きちんとしなければならぬ問題でありますから、好ましい好ましくないということではない、いいか悪いかということになれば、そこは分けて考えなければならぬのじゃないかと思います。
○富塚委員 この町会議員の自宅に街宣車数台をもってがあがあ騒ぎ立てて議員はやめろ、こうやっているというのは、それは右翼であって暴力団じゃない、そういう、つまり暴力団と右翼との定義、そんなことを考えられているのですか。私は一般の概念として右翼、暴力団と俗に言われますけれども、やはり右翼とのかかわり合い、街宣車を出してわあわあわあわあ騒いでいるということは、それは当然あり得ることだというふうにお認めなんですか。
○宮澤内閣総理大臣 毎々申し上げますように、いいこと悪いことということを今議論しているのじゃありません。きちんとこれは排除すべきこと、排除すべきでないということを言わなければなりませんので。 暴力団というのは法律もできております。暴力団というものは何かということは一つの法律上の概念が私はあると思いますけれども、右翼とか左翼とかいう言葉は、漠然とは我々わかっておりますけれども、しかしだからこれは法律上排除されなければならないというふうに考えられているわけではない。その街宣車を持ってきてわあわあ、やめろやめろなんてことはまことに好ましくないことである。しかし、法律上禁止されていることでないということもまた残念ながら認めざるを得ないのだと思います。
○富塚委員 一般に今我々は暴力団追放のこともやろう、盛んにみんなで地方自治体も含めていろいろな努力もしている。それで、右翼皇民党の竹下政権ができる当時のかかわり、そういう問題も、つまり総じて総理大臣の答弁は、一般論として右翼や暴力団のかかわりを政治家は持つべきではないということを繰り返し繰り返し録音機のように申されているわけでしょう。 私は、やはり越智さんはそういう右翼とのかかわり合いを、しかも佐川のその問題が出ているときに、竹下問題が出ているときにそういう問題があったということは、やはり地元のこの新聞に報道されている一般庶民の感情からしても許されないという感覚はきちっと持たないといけないのじゃないか、そう思っているのです。 そして、どうですかこの越智さんの、「越智運輸大臣のご活躍を祈ります。」全部地元の各議会とか団体が、これは一日の新聞じゃないですよ、一週間ぐらい毎日違う新聞、愛媛新聞に全部出ているわけです。物すごい宣伝をされているわけです。こういうのがされております。見てください。これは毎日テーマが変わる、推薦者が違っているのですよ、こういうふうに。そして、運輸大臣の就任おめでとう、運輸大臣で働きます、地元のために頑張ります。運輸行政全般のことを全部やっているわけですよ。 我々みたいな議員の立場からしたら、本当に尋常のさたじゃないということをちょっと思いますよ。これは明らかに、いわゆる右翼にかかわったこの町会議員の問題を決着をつける、そういう問題から、内閣に登用されたということに対して本人は地元にキャンペーンを張ろうとしたことだと私は推測しているのですけれども。 そこでお尋ねいたしますのは、総理大臣、きのうも我が党の議員の質問にも答えられておりますけれども、昭和四十一年から四十二年、佐藤内閣のときは黒い霧、五十一年は、田中、三木内閣はロッキード、そしてまたリクルート、その都度、問題が起きるたびに政権与党は政治倫理を掲げて国民の前に頭を下げて、自党の役員や閣僚の登用を自粛すると何回も言ってきた。いつの間にか風化して国民の目をそらして、またそっくり同じことを繰り返している。ということをそろそろこの辺できちっと断ち切ることをやらなければ、国民は信頼しないんじゃないでしょうか。そこを私はぜひ言っておきたいと思う。 そこで総理大臣、あなたは暴力団とのかかわりはよくない、あるいは右翼とのかかわりはよくないとおっしゃっているんですが、一体がかわっていい、悪いの基準というものを示してくれませんか。一般論とばかり、こう言っておられますけれども、例えば、選挙区で冠婚葬祭、結婚式にお葬式にお祭りに、いろんな集まりに呼ばれたときに、これは顔を出していい、悪い。やはりあなたは、一般論としてよくないよくないとだけおっしゃっておりますけれども、やはりここで、これだけ右翼、これだけ暴力団について国民の批判が政治家に集中しているんですから、あなたはそのことの基準を明らかにしていただけませんか。——あなたに聞いたんじゃないんです。僕は総理に基準を示してくれと言っているんだ。
○粕谷委員長 運輸大臣、指名しておりません。委員長は指名しておりません。お席にお戻りいただきます。 内閣総理大臣。
○宮澤内閣総理大臣 それははっきり申し上げられると思います。 まず暴力団というものは、法律にも定義がございますが、これは非常にはっきりいたしておると思います。しかし、それ以外にも、今のお尋ねはおのおの地方地方の問題でございますから、暴力をいわばなりわいとしているような人たちというものは大体その地方ではわかります。そういう人たちとやはり政治に志す者は、私はつき合うべきでないというふうに思います。ですから、お葬式もどうも感心いたしませんが、冠婚というようなことになれば、そういうところへ顔を出すというようなことはやはり避けた方がいいと私は思っています。
○粕谷委員長 富塚委員、委員長の方からちょっとお願いがあります。 あなたの御発言で一身上に触れた言葉がありまして、それに対する釈明だろうかと思いますから、運輸大臣を発言させます。運輸大臣。
○越智国務大臣 先ほどの質問の中で、新聞広告のことがお話しになりましたが、私は新聞広告を一人にもお願いするというようなことを一切やっておりません。私はむしろ断っておる方であります。ところが、地元のいういろ私の後援者等が新聞広告を申し込んでやっておるということでありますので、誤解を招きますからそのことだけ申し上げたい、かように思う次第であります。一切私からお願いしたものではございません。
○富塚委員 あなた、それはぶり返して言うつもりはないけれども、こういうもの全部並べてみましょうか、ここに。一週間全部違うんだ、この団体とか全部。県内に全部ばらまいて、それで運輸大臣就任おめでとう、御活躍を祈ります。毎日違うんですよ、全部。これを、私は全然知りません、そんな、まあそれ以上聞きませんけれども。 私は、だから総理、言うんです。今申し上げたように、総理もお答えになったが、お葬式だ、結婚式だ、お祭りだ、何かというのは、大体地元にあれば政治家はわかる。ましてや秘書もわかる。でも、知らないでやった、だれかがやった、秘書がやった、おれは知らぬ。で顔を出したら暴力団だった、右翼だったなんていう、そんな理屈が通用している時代じゃない。そこが政治家が今問われているんじゃないでしょうか。それが政権与党の総裁として、総理としてはっきりさせなければ私はだめだということを言っているんですよ。 だから、暴力団のかかわり合いの、どこまでやっていいとかという基準をはっきりしてくださいよ。きょうじゃなくてもいいですから、総理、約束してくださいよ。
○宮澤内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、暴力をなりわいとしているような人々と我々はつき合うべきでないと思います。 それから、冠婚葬祭でございますけれども、最近は、冠婚葬祭に花輪を出すとかあるいは電報を打つとかいうことは基本的にはもう自粛をすることになっておりまして、だれかれにかかわらずそうなっておりますので、なおさらのことだというふうに思います。
○富塚委員 竹下元総理が皇民党事件に、右翼皇民党にかかわっている問題で、これだけ国民の注目を集めている、国会の論戦もある。しかし、竹下さんは一切議員辞職しようとしない。いろいろそれで総理もいろいろな答弁を繰り返してやっておられる。 私は、いずれこの問題は、竹下さんの問題も、先ほど言ったように、選挙区の人は竹下さんを支持しても、国会議員になったら国民のために政治を行う国会議員であるわけなんだ。ましてや内閣総理大臣などをやった人は、より国民のために責任を負わなければならない国の大変な責任者であるわけなんだ。そういう人が右翼とのかかわりがあったら、それはあなたは総裁として、どうぞおやめをいただきたい。我々の党だってすぐに離党させる。いろんなことをすぐ自浄能力を働かせる。いろいろ苦慮をしながらも者やっていますよ、幹部の人たちが。 だから、あなた自身もこの竹下問題について、恐らくここで議員辞職を約束させますなんてことは言わないと思います。しかし、少なくとも右翼とか暴力団のかかわりがあってはいけないという一般論だけじゃなくて、国民は、どういうふうに政治家がかかわり合いを持つのか、持つべきじゃないのかということを思って見ていらっしゃるんだから、そのことは、例えば冠婚葬祭なども一切顔を出すな、そういうことにかかわってはいけないというふうにしていくのが今回の佐川問題のけじめの一つじゃないんですか。そのくらい、どうでしょう、総理、やりましょう。
○宮澤内閣総理大臣 暴力団、暴力をなりわいとするような人々とのつき合いをお互い政治家はすべきでないということは、私ははっきり申し上げてよろしいと思います。
○富塚委員 やはり内閣としてこの問題を取り上げてもらって、国会議員のそういった政治倫理の一環として右翼とか暴力団のかかわり合い、そういうものは自粛するとかやめるとかという問題は、明確に政府が打ち出していくべきでないでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 きちんと申し上げなければなりませんから、右翼というような言葉はどうもはっきりいたしませんので、暴力団あるいは暴力をなりわいとするような人々ということで私はいいのではないかと思います。
○富塚委員 竹下さんの問題も、やはりうちの議員が、同僚議員が質問しているように、本来もう国会議員をおやめになって、襟を正す。そして、自民党所属なんだから、総裁としてそのことをきちっと本人に勧告するなりということはできないのですか。 私が言っているのは、ロッキードで判決を受けた人が党の主要な人にいたら、あなたが命令したってそんなことできませんものな。一般論でそう見ますよ。だから、もっとそこのところをきちっと襟を正して、具体的に政治浄化のために、倫理確立のために、この佐川問題のけじめは竹下さんにやめてもらう、それが国民が一番望んでいることであり、そこが政権与党の新しい出発であるというふうに考えていくということに踏み切れないですか総理。
○宮澤内閣総理大臣 国会でもその点につきましては、竹下証人に対していろいろ事実関係の調査をされたわけでございます。竹下前総理が暴力団にかかわり合ったことは自分はないというふうに言っておられる、そういうふうに私は承知をいたしておりますけれども、それはそれといたしまして、政治家の進退というのは、私は、やはり最終的に個人的なものである、御本人の意思によって決せられるべきものであるというふうに考えていることは毎々申し上げるとおりであります。
○富塚委員 私は、この国会でやはり佐川問題の決着をつけて新しい出発をするには、この問題は避けて通れない、あなたが決断をすべきだ、あなたが政治姿勢をはっきりすべきだ。 私は非常に不思議でしょうがないのは、政権与党が問題を起こすたびにいろいろな政治倫理あるいは自粛、申し合わせをしても、時間がたてば風化して、いや有権者の洗礼を受けた、そしてまた同じことを繰り返す。そういうことはもうこの辺できちっと断ち切っていくという宮澤さんの姿勢に立つべきだ、私はこう思います。 そこで、もう一つ大事なことは、こういった汚職事件が発生するというのは、何といっても政官財のもたれ合いだ、癒着の構造だ、一般にそういうふうに指摘されています。ここをどう断ち切らなければならないのかということの問題で、既に行革審の中でも答申が何回か出されています。残念ながら官僚の皆さん根回しするせいもあってか、明確なところ、くさびを打ち込むところにはなかなか入っていないのは私は残念だと側から見ていますが、しかし、やはり許可制とか認可制とかそういう問題について積極的に規制緩和をして、もたれ合い、癒着の構造をなくしていくという、そういう流れをとるべきだ、そういう方向をとるべきだと思いますが、既に行革審答申、三回出ていまして、第三次、平成四年六月十九日にかなり各論で詳しくこの問題が提起されているわけです。 このことについて、一体どの程度まで踏み込んでやろうとしているのか、総務庁長官にお伺いをいたします。
○鹿野国務大臣 今先生申された公的規制の緩和というものは行政改革にとりましての大変重要な柱であります。そういう考え方で従来、臨調、行革審答申に沿って推進を図ってきた、こういうことであります。 今言われました三次答申を受けまして、昨年の十二月に平成五年度の行革大綱を閣議決定をいたしました。その中には、例えば具体的に、いわゆる自動車の運転免許あるいは旅券の有効期間の延長とかあるいはまた独禁法の適用除外制度というふうなものなり、あるいは再販売価格維持制度の見直しというふうなものを期限をつけて検討していこう、こういうふうなところまでその中に盛り込んでおるわけでありまして、さらに積極的にこれからも推進をしていきたい、こういう考え方であります。
○富塚委員 期限をつけてきちっとしたいわゆる改革の方向を打ち出していきたい、そういう答弁と理解をして、ぜひ総務庁に努力をしていただきたい、こう思うのですけれども、やはり信頼される政治という問題は、私は冒頭にも言ったように、単なる選挙制度を改革するというだけの問題じゃないです。そこだけにすりかえるべき問題じゃない、僕はこう思っています。 やはりどういうふうに政権与党が自浄能力を働かしていくか、野党もそのような形で対応していくのかということが本当に国民の目に見えるようにしなければならないし、何回か繰り返した汚職が、やはり汚職構造の中にあるこの政官財のもたれ合いとか言われている項目は、やはりきちっと一刻も早く是正をしていくことを国民の前に示すべきだ。とかく行政改革の答申の場合にも、答申を受けたときはまるっきり一生懸命やるみたいな政府の態度をとりますけれども、これもまた時間がたてば風化されていきます。 総務庁長官、なかなかやり手ですから、大いに期待をしておりますから、ひとつメスを入れてもらいたいということを要望しておきます。 次に、きのう自民党の小沢調査会が、国際社会における日本の役割に関する特別委員会、小沢調査会が、国際社会における日本の役割、安全保障町題に関する提言をなされたと聞いています。これは現行憲法のもとでも正規の国連軍に限り武力行使を目的とした自衛隊の参加は可能であると考える、一言で言うとそうだと思うのです。 船田経企庁長官、閣僚になる前にはこの調査会の事務局長をしておられたというのですが、あなたの個人的な感想はいかがですか。この答申について賛成ですか、反対ですか。
○船田国務大臣 富塚先生にお答えいたしますが、現在私は宮澤内閣の閣僚でありまして、小沢調査会事務局長は現在やめておりまして、もちろん、その以前においては事務局長という役割はやっておりましたけれども、おのずから立場というものが違うものと考えております。 ただ、個人的に一議員としてあるいは政治家として申し上げさせていただければ、これは、もちろんこれが直ちに自民党全体の考え方になるとか、あるいは方針になるということではありませんで、これはあくまで小沢調査会において議論してきた一つの結論として、こういうことがいいのではないか、そういう考え方を示させていただいたということでございまして、私自身としてはそこにかかわっていたということもありまして、個人的には、これからの国際貢献の一つの考え方ではないかこう理解をしております。
○富塚委員 宮澤総理は党の機関に諮って検討したい、こうおっしゃっているが、どういう手順でこの問題を取り扱っていくのか、この基本的な考え方にはあなたは賛成なのか反対なのかお尋ねします。
○宮澤内閣総理大臣 今の問題は大事な問題でございますし、実はこの提言も、私が読みましたらば、そこのところは非常に丁寧に慎重に書いてございますので、まず何が提言されておるかということを私の理解する限りで申し上げた方がよろしいと思うのですが、この提言の考え方は、例えば湾岸戦争のときに多国籍軍というものが編成されました、この多国籍軍へ日本が協力をできるか、後方は別といたしまして、実力行使を目的として参加できるかといえば、それはむしろ問題である、現行の憲法ではそれにはやはり問題があるであろうという、そういう立場をとっております。 その次に、これが今富塚委員の言われたことでございますけれども、その国連軍云々というのは、この提言によりますと、国連憲章第四十三条の規定に基づいて、仮に国連軍、かつてこういうことはないわけですが、というものが編成され、それが国連軍という呼称を許され、国連旗を使用し、国連の指揮のもとに国際平和維持を行う場合、この場合ということを言っておるわけでございます。 かつて国連には四十三条でそういうものが置かれたことがございませんし、議論を十分されたこともございません。また、そのためには各国と特別協定を結ぶということになっておりますけれども、その内容も明白でございません。そういうことを全部仮に捨象いたしまして、つまりこの提言の考え方は、恐らく国連の指揮というのは事務総長でありますか国連総会議長でありますか、そういう純粋に国際的な性格を持った、各国の主権から抜け出してしまった国連軍というものが国連の旗のもとに、国連の指揮のもとに働く、そういうようなものができた場合にはと、こういう大変きちんとした想定をも置いて主張しておるわけでございまして、そういうものには我が国としても積極的な協力、参加を行う必要があるであろう、こういう提言でございます。 したがいまして、現実にそういう事態が今まで議論されたことがございませんし、どういうものができるかということも明白でございません。ですから、このこと自身にすぐ、いい、悪いを答えることは私は困難だと思いますけれども、少なくとも、多国籍軍というようなものには参加をすることには問題があるという問題意識から出発しているというところは、私は一つの考え方の、私流に言えば、かなり考えられた物の見方ではないかという感じは持っておりますけれども、かってこういうものができたことがございませんので、それについてこれ以上突っ込んだコメントをすることはちょっとできにくうございます。 なお、これをどうするかということでございましたけれども、私としては、まず丁寧に読みましたつもりですが、その上で党の執行部にこの扱いについて相談をいたしてみたい、こう思っております。
○富塚委員 外務大臣は小沢調査会の答申についての感想はいかがですか。
○渡辺国務大臣 総理の言ったとおりであります。
○富塚委員 ガリ国連事務総長が今月の半ばに来日されると報道されています。私も、社会主義インターのこの人は幹部であったからよく人柄も知っているつもりですけれども、いわゆるガリ提案、ガリ論文、従来の平和の維持の仕方、あるいは平和が侵されるときの予防外交、PKFの事前展開、あるいは停戦が崩れたときの平和執行部隊の創設、こういうことを提起をされておって、一月の十一日にはドイツを訪問されて、コール首相に対してこの考え方を説明をされて、ドイツにも改憲の提案を間接的に迫った、こういうふうに報道されています。 基本的に日本にも同じようなことを言ってこられる可能性があるのではないかと見られるのですが、このガリ国連事務総長の訪日について、どのように話し合いをしていこうとするのか、基本的な態度についてひとつお尋ねをいたしたい。外務大臣。 〔委員長退席、小杉委員長代理着席〕
○渡辺国務大臣 どういうような話をするか、これから相談をするわけですが、国連の問題について、ガリ提案という問題につきましては我々興味は示しておりますが、すぐについていけるような状態にはない。御承知のとおりPKOでも、日本の場合は任務遂行のための武器使用についてはさらに法律を必要とするということで、各国並みのPKOをやっていないわけですよ、カンボジアにおいても。 したがって、そういうようなまず当面の問題からよく国民の認識を得て前進をしなければならぬということであって、さらに一層の重武装をして、そしてその地域の治安確保、民生の安定について、正義の実現を図るというガリ提案そのものは私は悪いと思いませんが、我が国が今すぐついていけるという状態にはないということも事実であります。したがって、そこいらを踏まえて話をしてみたいと考えております。
○富塚委員 国連活動への全面参加という問題がやはり大きな問題になってくるという流れに一つはなっている。PKO問題、それぞれカンボジア派遣の問題ではいろいろな論争が、見方がなされています。しかし、基本的な宮澤内閣のスタンスはどういうふうに今とろうとしているのかということについて、やはり国民ははっきり知りたいと思っているのではないかと私は思います。 そこで、総理にお尋ねします。 ASEAN諸国訪問をされたときに、アジア政策の四原則を表明された。その後の記者会見の中でも、五十年という歳月は長いようで短い、かつての軍事大国化の間違いをしてはいけない、憲法のことは議論することはよいが大事にしなければならない。また、政界再編が護憲か改憲かで進むという見方もあるがという質問に、それは憲法にとって大変不幸なことだ、どこをどうするということを考えないでこれを政治の旗印にすることは危険だということを言われています。 それで、やはり宮澤総理大臣は、憲法は改正をすべきではない、現行の憲法のままで国際貢献を考えていくべきだ、現行の憲法の枠内で国際貢献を考えていくべきだと基本的にお考えになっているという節に私は受け取ったのですけれども、その点はそのように理解してよいでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 憲法論議、憲法を改正すべきかどこを改正すべきか、する必要はないといったような論議は、国民的にいろいろ私は広く行われることが憲法を十分に理解するゆえんであると思っておりますので、そのことは私は基本的に少しもとめるべきことでない、タブーだというふうには考えない、それが第一でございます。 第二に、しかし今の段階において、ここをこう直そうではないかという具体的な提言というものがコンセンサスを得つつあるというところまで私は来ていないと思っておりますので、現実な問題として内閣として憲法の改正を考えるという、そういう具体的な日程の問題としては私は考えていない、それが第二でございます。 それから第三に、憲法は、我々が自分の国の自衛のために武力行使をすることは認めておるというふうに私は考えております。しかし、それ以外、自衛のため以外に武力行使をするということは非常に危険なことであって、いろいろな危険をはらみますので、それは私はすべきことでないというふうに自分で考えております。したがいまして、これから国連貢献をいろいろにやってまいらなければならないと思いますが、私は、そういう原則が認める範囲内において国連貢献というものはぜひとも積極的にやらなければならないと思っていますけれども、その原則というのは、我が国は自衛以外のために武力行使をすべきではない、そういうふうに自分は考えております。
○富塚委員 外務大臣どうでしょうか。外務大臣の考え方はいかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 それは外務大臣としては総理大臣の言ったのと同じですよ、それは。しかし、我が党は、もともと自由民主党というのは、できたときには綱領がありまして、自主憲法を制定するというのが立党の精神なんです。毎年、ことしも一月、党大会で決定をしているわけですから。党員たる者は、そういうことについてどういうふうにすべきかということは義務なんです。しかしながら、内閣としては、現実に政権を預かっているわけですから、だから政治日程に内閣としてはそれはのせない、これは総理と全く同じ意見だと私は思います。 だけれども、どういうところで問題があるか大いに議論をすることは、これは御自由な話でありまして、やはり憲法の解釈問題その他については国民世論ですよ。国民世論が、それはこれくらいは当然じゃないかというふうになれば、おのずから国会の空気だって変わるし、大体国民世論が一番大事なんですよ。そういう点について国民の理解を求めるというのを政党がキャンペーンすることは何ら差し支えないことだ、私はそう思っています。
○富塚委員 私は、憲法改正論が、例えば首相公選論とかあるいは国民投票論とか、いわゆるそういうことで改正の問題とかと言う方々もおりますけれども、今大事なことは、やはり新しい世界秩序の時代を迎えて、一国平和主義であってはいけない。それなら国際貢献はどうするのか、憲法の枠内でやるのか、憲法改正に向けて突っ走ろうとしていくのかということが、今国民は大変な注目をしている、これからの選択の問題になっていかざるを得ない、こう思うのです。 しかし、宮澤さんは、宮澤内閣のうちは憲法問題は政治日程にのせない、これは一つ安心いたしました。しかし、やはりガリ国連事務総長が来られて国連への新たな協力の問題を提起される、あるいは小沢調査会の答申がある、さまざまな意見が出てくるという中で、いたずらに混乱をさせるような議論を国民の前に示すべきではない。やはり国民のコンセンサスを得られるような基本的な、与野党が合意できるとか、あるいは政権与党としてきちっと問題点を整理をしてやらないと、私は、その点は閣内不統一であってはならない。 総理大臣が努力されていることもわかります。しかし同時に、やはり外務大臣は、外務大臣個人としての意見はもちろん政治家だから持っておられる。しかし、国民の前に改憲問題などを提起するときには、きちっとした今日の情勢の受けとめ方、あるいはこれからの国際貢献のあり方、そういう問題を、国民の大多数のコンセンサスを得られるような一つの筋道をきちっとして、骨組みをきちっとして提起してやらないと、大変な混乱を起こすことになるのではないかというふうに私は思っています。 ですから、総理は、宮澤内閣のうちは政治日程にのせない、これはそういう前提を受けて立ちます。 総理がASEAN訪問の中で、今回回ってみて、PKOについて少ししっかりという意見も出ているが、だんだん我々の心配が減ってきてありがたい、図に乗るようなことがあってはならない、こういうふうにおっしゃっている。それは、ASEAN諸国を回ってみて、象徴的にアジアの諸国から、PKOを通じて軍事大国化の道へ進むのではないかという批判ということをかなり懸念として受けとめて帰られたのです。その点の御感想を伺いたい。
○宮澤内閣総理大臣 一般的に、我が国が今度訪問いたしました四国からはかなりの信頼を寄せられておるというふうに感じました。 それは、我々が長いことよかれかしという努力をしてきたからではありますが、在留邦人の諸君が、外務省の出先もそうでございますけれども、大変に注意をして、その国のよき市民であろうという努力を長いこと続けてきておられることに負うところが多い。これは私は非常に特筆すべきことだというふうに思っていまして、将来に向かってこのことは大変大事なことと思います。 それから第三に、日本はどうやら軍事的な、侵略的な意図は持っていないということについて、多くの国がほぼ我々の気持ちがわかってくれてきたというようなことを申し上げてもいいのではないかと思います。私が今度重ねてそのことを申しましたのは、申すまでもないことではあるけれども、そういう気持ちはない、何か紛争があったときにも日本が警察官であるということは思わないでほしいということまで実は申しましたが、それは、我々の気持ちを率直に伝えておく方がいいと思いましたので。 そういう観点から、カンボジアにおいて平和協力活動が行われていることは、現実にこの人たちもテレビ等で国づくり、橋をつくったり道を直したりを見ておられるのだと思いますが、そういうところから、これは日本として当然やってもいい、歓迎していい貢献ではないかという理解が深まっているように私は印象として受けたわけでございます。
○富塚委員 総じて、一般的に、世界は複雑で多元的なポスト冷戦時代を迎えた、こう言われているわけですが、新しい国際秩序のイメージがなかなか全体的に確定していないということですよね。そうすると、一国平和、一国繁栄主義であっては日本の立場は通用しない。新たな国際貢献という点で、改憲問題もいろいろ提起されているいろ議論されようとしている。 しかし、この複雑で多元的な国際情勢というものを、私は、もうしばらくじっと見詰めていくという立場であっていいのじゃないか。ということと、ケース・バイ・ケースの貢献のあり方で、決して無理をして日本が今の状況を変えていくなんということをしない方がいいのじゃないかという点で、私は物すごく、宮澤総理のASEAN訪問の記者会見の印象というものが胸の中に落ちました。 そういう点で、やはり複雑で多元的な国際情勢の推移というものをもうちょっとじっと見詰めていくという、いわばケース・バイ・ケースの当面は対応をするという点で首相の気持ちを理解をしていいでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 人に迷惑をかけるということは、あるいは危害を与えるということは、与えた方は忘れやすうございますけれども、受けた方はなかなか忘れにくいことであるということは常に覚えておく必要がありまして、そういうことを、殊にASEANの国々とつき合うときには我々長く忘れてはならないことだと思っております。 殊にASEANの国々は、幸いにして非常に開かれた、また多様的な社会でございますから、何かそれを一つにまとめて一つの方向にといったような、その物の考え方そのものが、だれが考えようと私は余り適当でないのだと思っていまして、いわんや、我が国が今そういうことを言うべき立場にはないというふうに思います。
○富塚委員 そこで、ASEANを訪問されている中で、インドネシアのスハルト大統領が、南北問題がポスト冷戦時代の最優先課題ということで基本的に認識がその会談の中で一致された、こう言われておりますし、特に今度のG7、先進国首脳会議、日本が議長国になるという点で、いわゆるこの場に非同盟諸国のリーダーたちがぜひ出席をして、いろいろな話し合いをしたい。まさに複雑で多元的な世界情勢の推移を見きわめていくという点で、いわゆるポスト冷戦時代に向けてそういうことをしていく、極めて私はいい提案がなされた、こう思うんですが、どうでしょう、総理。もっと大上段にこのサミットに日本の立場としてこのスハルト大統領の提案を受けて立つということにはならないんでしょうか。 何かお聞きするところ、新聞の報道を見ると、ちょっと戸惑いを感じておられるように見受けられますが、もちろん根回しも必要だと思いますけれども、やはり、せっかく七年に一回回ってくる東京のサミットでは、アジアの問題を端的に率直に話し合う場として、しかも東西の枠組みから非同盟諸国のいわゆる第三世界の人たちも含めて話し合うという場にするには、いわゆる積極的なイニシアチブをとるには絶好の機会だと思うのですが、いかがでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 これは渡辺外務大臣とも御相談をしつつあることでございますけれども、サミットをどういう形で、どういう内容でやるかということは、加盟国のおのおのの意見を聞いて議長が最終的に判断をすることでございますが、まだ正式に各国の意見を聞く場がございません。年が改まりまして議長になったばかりでございますのでございませんが、非公式に、今のスハルトさんのお話は、昨年の実は秋に東京へ来られたときにございました。 その後非公式に各国の意見を聞いてみておりますと、やはり、しかしセブンというのはセブンで話をするということに伝統的な意味があるのであって、別の場ならともかく、セブンはセブンで話をしていくべきではないかという、どうやらそういう反応の方が多いように思われますが、まだ公式には申し上げる段階でございません。 私がスハルトさんに申し上げましたのは、そういう非公式な反響も頭に置きながら、少なくとも東京サミットにおいて主な討議内容の一つに発展途上国の問題を置きたいということ、それから途上国問題を一つの重要な議題としたいということ、それから百八カ国の非同盟会議の議長としてのスハルトさんのお考えというものは何かの形で東京におけるサミットに反映をさせるように、何かの形で反映ができるように自分として最大限の努力をしてみます、こういうことを実は申し上げてあるというのがただいまの現状でございます。
○富塚委員 外務大臣、東京のサミットは、政治的テーマ、経済的テーマ、どちらがことしは主要なテーマになるとお考えなのでしょうか。一体、どういうふうなテーマが主要なテーマになると議長国として今お考えなんでしょうか。
○渡辺国務大臣 それは両方なると思いますが、議長に直接聞いてください。
○富塚委員 それでは宮澤総理。
○宮澤内閣総理大臣 先ほども申しましたようなことで各国の意向をまだ正式に一遍も聞いていない段階でございますけれども、一般的には、やはり冷戦後の世界の問題、それから旧ソ連邦、殊にロシアを中心とする旧ソ連邦の問題、それと今の開発途上国の問題、私は、大きな問題としてはその三つを中心に考えてみたらどうかということを準備会議が始まりましたら言ってみようと思っております。
○富塚委員 ちょっと聞いておきたいのは、経済のブロック化というか、ECも一月から経済が共同体になった、アメリカも北アメリカ・ブロックをやろう。アジアの経済ブロック化ということの問題では具体的に考えられることは持っておられるのでしょうか、その点。
○宮澤内閣総理大臣 それは、今度も訪問して申しましたのですが、私はぜひそういうことはないようでければならぬ。幸いにして、各国がみんな違った発展段階であり、違った伝統を持ち、宗教を持ち、国柄がみんな違います。そういう意味では非常に多様的であるし、かつ開かれた形できょうまでの殊にこの数年の発展をしてきておりますので、これが我々のこの地域の強みでなければならない。将来に向かってそうでなければならないし、また、そういう立場から今富塚委員の言われましたような、ともすればそうなりがちなECやNAFTAに対して、我々は態度によってやはり開かれたものでなければならないということを示すべきではないかというふうに私は各国の首脳と話してまいりまして、概してそれは同じような意向と察してまいりました。
○富塚委員 クリントン政権にかわってもアメリカはやはり経済がよくならない。それで結局、貿易の不均衡の問題から日本の内需拡大政策に迫られて、そして今提案されている新年度予算案が、かえなければならない、修正しなければならないみたいな事態が起きやしないかとも考えられるのですけれども、どうでしょう。アメリカのいわゆる日本に対するサミットを通じての具体的な要求、問題提起というものは、ヨーロッパとは別に、ECとは別に際立って出てくるということが懸念されるんじゃないですかいかがですか。
○渡辺国務大臣 クリントン新政権のはっきりした政策というものが具体的にまだ表に出ておりませんから、何とも申し上げられません。ただ、今ではクリントン大統領が選挙中にいろいろ演説をなさったというようなことや、それからこの間クリストファー新国務長官等大臣クラスの人たちが議会においていろいろ証言をしていますから、大体物の考え方というようなものはそういう点からある程度読み取ることはできます。しかし、果たしてそのとおりになるかどうかということは、またもう少し過ぎないとはっきりわからぬのではないか、さように考えております。
○富塚委員 今、総理が、サミットでいわゆる北方領土問題などの課題を念頭に置いてだと思うのですが、ロシアとの関係を経済援助問題を含めてどうするかということで、恐らくこの問題も日本では大事な問題だと思うのですが、去年はたしかサミットでは政府は事前にこの問題を根回しして主要国の理解を得て持っていった、まあうまくいきそうになった。ところが、ソ連邦の崩壊、ああいうようなエリツィン大統領、ロシアができて、エリツィンは五段階の解決論といって北方領土問題で固執して日本に来なくなった。その後、日ロの交渉、まああなた、外務大臣は積極的に努力されているように見受けられますけれども、一体今度のサミットにどういう態度で臨むのかということが非常に難しいんじゃないかこうちょっと私は思いますけれども、政経分離論というものは、やはり原則として北方領土問題は貫いていくという政府の基本的考え方はあるわけですか。
○渡辺国務大臣 どこの国でも政治と経済というのは大体ある程度関連性があるんですよ、どこだって。例えば海外経済協力をする場合においても、政治が関係なく、ただ困っているから援助するというだけじゃありませんから、やはり軍事大国になるために準備して国民が困っているからその分を援助するとか、そういうことはないわけですから、だから政治と経済というものは、これはやはり関連性があります。 ただ、今までは、ややもすると政経分離というのは、北方四島が日本に返ってくるということがはっきりしない限り積極的な協力はできないというようにとらえておったことも事実でございます。 我々といたしましては、ソ連の崩壊というものを契機といたしまして、そして法と正義に従って、歴史的事実を認めて世界に通用するようなお話をなさるのであるならば、それは返還の時期や様態、条件等については御相談に応じましょうということで、以前とはかなり違った柔軟な対応をしているということは事実であります。したがって、いわゆる今までのような硬直した姿勢ではない。 よく日本がソ連に対して協力の仕方が足らぬとかおっしゃる方がありますが、そんなことはありません。 私は、この間ECその他歩いてまいりまして、日本はこうこうこれだけのことをやっていますよと、知らない人の方が多いですよ、それは。日本とソ連では、例えば六十数億ドルの債権残高があっても、そういうものは何十年か棚上げしましょう、利息はこうしましょうというようなことをやっているわけですから。パリ会議といったら、日本に関係ないんじゃなくて日本がやっているようなものですからね、これは。だから、そういう点でロシアとの正常な関係はなくとも、要するに現在のロシアの民主主義への移行や市場経済や人権尊重やそういうものはバックアップしようということで、日本はかなり国際的一員として役割を果たしているんだということは、私は声を大にして国民に知ってもらおうと思ってやっておるわけであります。 したがいまして、決してサミット等において日本は消極的ではありません。ただ、ドイツと同じくやってくれと言われても、これはできませんよということも私ははっきり申し上げておるのであります。
○富塚委員 私は、去年の秋にポーランドのワレサ大統領に会ったときに、今やポーランドや東欧諸国とかロシアに対する経済的な再建策、援助というのは国際的な大きな命題になっている、こう言うわけなんです。 まあよくよく考えてみると、何を言っている、自分の国がろくな再建もできないでと、こういう言いたい気持ちは、あるいは北方領土を返さないで何を言っているのかという気持ちは、日本国民の中にもあると思いますよね。ワレサ大統領の発言の中にも、何を言っているのかと、こういう気持ちもないではない。しかし、やはりロシアに対する経済援助とか、ポーランドとか東欧に対する経済援助はもっと積極面を持っていいのではないかと私は思っているんです。 かつてワレサが「連帯」議長のときに、あのグダニスクのストライキがあって、私は行ってきた。なるほど、そのときには労働者の要求よりも国家体制を変えたい、共産党のいわゆる官僚主義をつぶさなきゃだめだ。数年でもって彼も大統領。ゴルバチョフ大統領も出てきた。そして、ペレストロイカをやった。やはり彼らが、皆さんの中には、ああ共産主義の崩壊だ、そら、ざまを見ろとか、いろいろなことを見ている人もあるかもしれませんが、しかし、新しい国際秩序をつくる流れをつくったという点では、やはり日本は評価をしてやるべきだと私は思っているのです。 そういう点で積極的にロシアの経済支援という問題、ポーランドを初めとする東欧の支援の問題などについて日本は取り組んでいくべきだと思うんですけれども、外務大臣も努力されているように思いますが、どうでしょう。そこのところを余り北方領土にこだわらないでと言えば語弊がありますけれども、やはり経済援助が何よりも今日の課題である。もちろん発展途上国の問題も大事ですが、そこのところはどうなんでしょう。
○渡辺国務大臣 きょうの新聞、どこかに書いてあったが、エリツィン大統領は日本が北方領土を棚上げしてくれればあしたにでも来るようなことを言われていると。そういう論評もあるでしょう。 しかし、私は外務大臣といたしまして、それは北方四島はもともと日本のものであることは歴然たる事実でありますから、それを全然要求もしないで棚上げしちゃいますなんということを言える立場にないでしょう、これは。それは我々主張するのは当たり前のことですよ。だからといって、すぐにこれは解決できるというふうにも私は思っていませんから。それは現在の置かれているエリツィンさんの政治的背景、そんなことも知っていますよ。だけれども、やはり北方四島の問題については主張すべきはちゃんと主張しなきゃならない。 それで、ドイツとなぜ違うと言ったかといいますと、ドイツは、それはソ連に攻め込んで、千数百万殺したか何百万殺したか知りませんが、レニングラード、モスクワまで行ったわけですから、二千万か。そして戦争が終わって、負けて、それで領土はとられておったのだが三分の一ぐらいの領土を返してもらって、ともかく統一ができてということになっているわけでしょう。 日本は中立条約を破られて、攻め込んでこられて、そして白旗上げてから六十万人も連れていかれて、五万数千人を殺されて、ごめんなさいの一言もなくて、そしていまだに占領されておって、それで申しわけありません、こちらが謝る理由は全くないのです、これは。だから、そういうことはちゃんと言うべきことは言って、そして認めさせるものは認めさせなきゃいかぬし、応援するところは応援しましょうと、そう言っているのですよ。 だから、ポーランドその他についてもやりますが、日本政府は打ち出の小づちを持っているわけじゃありませんから、じゃ財源はどうするんだと。まあ一兆円からのODAもあるけれども、これはほとんどかなりのものはアジアを中心にして行っていますよ。じゃアジアのやつをカットしてソ連、ポーランドにつき込むかと。総反対じゃないですか、これ。アジア、総反対。私は歩いても言われるのですから、ソ連支援も結構だが、アジアの援助を忘れないでくださいよと。アジアのやつもカットして向こうへ持っていかれるのじゃ反対なんですから、アジアもふやす、ソ連もふやすなら、それはどうぞと。 じゃ、その金はどこから出すんだ。現に今減税もできる財源がない、やれ今度は不況対策をやるにも財源もない、そういうときに、それは気持ちとしてはわかりますが、具体的に何千億というふうな、何兆とかという金が右から左というわけにはいかないのですよ。したがって、そういう全体のものを考えながら、できるだけ先進国としては、役割は決して恥ずかしくないだけのことを、国民の皆様にも我慢してもらって、それはやりますと言っているのであります。具体的にそれじゃ幾らと言われても、今それは具体的な数字をここで言えるほどのことはありません。
○富塚委員 援助には質的な援助、量的な援助とありますからね。だから、何も南を全部、アジアを削って持っていけなんということを私は言っているつもりではなくて、それはエリツィン大統領、間際まで訪日するというのがぱっと来なくなったんだから、まあ我々が腹が立つのは、ちょっと非常識だと思うのは、だれも考えますよね。その気持ちはみんなが、政府も持っていると思う。しかし、ソ連や東欧のやはり改革に協力をしてやるという基本的な姿勢で、私は質的な援助もあるんだから、例えばポーランドなどは技術協力とかそういう問題を望んでいるということで、ぜひそのことに努力をしてもらいたい。 ポーランドに対して五億ドルの日本輸出入銀行の融資とか、三億五千万ドルの貿易保険枠の設定なども、これはぜひひとつ急いでいただきたいし、ワルシャワ大学の日本語講座の拡充に四千四百方今度出していただけるということで、それなりの努力は買いますけれども、私は時間がないから、本当は言葉の障害が非常に東ヨーロッパの関係はありますから、日本と言葉の障害がありますから、日本語の教育、これは我々も民間レベルでそれなりに協力し合ってやっているんですけれども、これはひとつ外務省と文部大臣にもお願いをして有効な手を講じていただきたい、こういうふうにお願いをしておきたいというふうに思います。時間の関係がありますので、お願いをしておきたい。 そこで、どうでしょう。PKO問題がいろいろ今議論されています。政府の立場では、慎重に情勢の推移を見たい、こういうことですよね。何回もこうおっしゃっているのはそういうことだと思うのですけれども、しかし一方では、余りカンボジアが成功したって図に乗っちゃいけないと総理もおっしゃっている。 さて、国連とのかかわり合いの問題から考えてみると、やはりかつて三党合意をされたような一連の問題提起もあるわけだし、思い切ってPKO問題を、例えばカンボジアから撤収をして、そして新たな枠組みで国際貢献を考えていくというみたいなことを、やはりガリ事務総長も来られることを契機にして、もう少しためらいながら、迷いながらいろいろ進めていく、しかしスタンスは慎重でなければならない、様子を見なければならない。そこのところをどうするか、もう一歩突っ込んでどうするかという判断を、私は、国連に対してきちっと日本の立場を言って、また政府はそういう態度で臨むべきだと思うのですが、どうでしょう、総理。
○宮澤内閣総理大臣 この点は富塚委員とあるいは違う考えを私持っておるかもしれませんけれども、ああやって非常な御審議、御議論の結果、法律案が修正成立をいたしまして、それに従いまして国際平和協力隊の諸君が今カンボジアで国づくりなり文民警察なり停戦監視なりをしておってくれる。 当時国民としては、この平和維持活動というのは非常に何か危ないものである、我が国の憲法の平和的な意図と相反するものであるというような危惧を多くの国民が持っておられたと思いますけれども、現実にああいう六百名余りの諸君の活動を見ておって、国民は、うん、これならば我が国としてはやはりやってよかったと、そういうふうに多くの国民が今思っておられるのではないかというのが私の受け取り方でございます。 そこで、そうであれば、この芽を大事にしていきたい、ああいう実績を積み重ねて国民の理解を深めていきたい、それが一番目下大事なことだというふうに考えておりまして、そして、そう申し上げている意味の一つは、やはりあれだけの貢献ができるのは、主として中心は自衛隊でございますが、その組織力であるとか経験であるとかあるいは規律であるとか、そういうものがあずかって力がある、こう考えております。 当初、ボランティアが行ってやればいいではないかというような御議論もございましたが、多くの国民が見ておられるように、実は飲み水をどうするのかという問題から問題があるわけでございますので、やはりああいう部隊でなければあの仕事はこなせないということは、私どもが想像していた、あるいはそれ以上だというふうに思っておりますので、したがいまして、別のものをつくって、そして新しい組織がああいう仕事に取りかかるということは実際上、実際問題として現実的でない。非常に長い時間をかけましたら、そういう人が集まってそういう組織ができていくことはないとは言えないかもしれませんけれども、しかし、仮に輸送を一つ考えましても、その人たちをどうやって輸送するのかということすら実は、あるいは機材等々もそうでございますけれども、やはり自衛隊の諸君を中心にこの仕事を担ってもらったことが私は間違っていなかったというふうに自分としては考えております。
○富塚委員 国連常任理事国入りという問題が一九九五年を目標に努力されようとしているという政府の態度がある。国連憲章五十三条、百七条の旧敵国条項の撤廃と安保理常任理事国入りが我が国の目標だと言って、非常に分担金も多いというのですけれども、あるいは拒否権は要らないから欲しい。かつてのブラント提案や、あるいはイタリアのアンドレオッチの提案などもいろいろありますけれども、余り急がなくても、じっくりと国際情勢の推移と国連の役割、率直に言ってここ三、四年国連のウエートが非常に高くなっている、重要視しなければならぬ、当然ですけれども、もうちょっとじっくりと国連への常任理事国入りの問題なども考えていくべきではないのか。何か分担金が多いから、あるいは何々だと、拙速にやるということについて私は非常に疑問を持っておるのですが、どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 御高見であると思いますね。余り慌てることももちろんありません。しかしながら、負担金だけどんどんどんどんふやして政治的発言力もないというのも、これも困るということです。しかし、日本から手を挙げて走り回ってという状況ではないと、そう思っております。
○富塚委員 次に、時間の関係もありますので、二〇二〇年に日本の高齢化はピーク時代を迎える。果たしてその高齢化時代にどう福祉政策を考えて対応していくか、財源はどうなのか、いろいろな問題がまだこれも非常に不確定要素で、大蔵大臣もこれから議論を進めていきたいといろいろ答弁されているわけです。 私は、やはりこれだけ東西の冷戦構造が崩壊をして、平和の配当として福祉政策を重視していくという意味では、日本の政治のあり方というものをもう一回考え直していくべきだと、こういうふうに思うのです。 ここ過去十年間の各省庁の概算要求と予算の決定があり、一覧表を見せていただきました。あるいは防衛費の伸びに対して、社会保障関係費の伸びがどうかということもいろいろ。しかし、総じてやはり各省庁の概算要求と予算の配分というのはちっとも特徴がない、バランスばかりを考えてやっているような感じだと私は思うのです。これではせっかく平和の配当として福祉政策を重視すべきだ、そういう転換をしていくという意味で、私は、ここ二、三年日本の政治は大事なそういう転換を図っていくべき時期に来ているんじゃないかと、こう思っている一人です。 そうなりますと、年金問題あるいは医療問題、避けて通れない問題に実はなってきますけれども、この福祉政策を重視していくという意味で厚生省のやっている一つの作業を見ると、ケース・バイ・ケースで、いわゆるこれだけ老人がふえる、寝たきり老人をなくしたい、いろいろなことでやられますけれども、基本的にどう高齢化社会に対応していくかという政策について、政策のそういった新しい考え方というものをお持ちになっているのですか、どうですか。厚生大臣に。
○丹羽国務大臣 お答えをいたします。 社会保障に大変御理解の強い先生からこのような御質問を受けまして、大変恐縮でございます。 私ども今、高齢化社会が、欧米に比べまして三倍ないし四倍のスピードで高齢化の波が押し寄せてきておるわけでございます。そういう高齢化時代にあっても長期的、安定的な揺るぎない医療体制そして年全体制のため、一生懸命令努力をいたしておるような次第でございます。 なお、厚生省関係の予算でございますが、平成五年度は十三兆一千七百億円でございまして、国の歳出予算の全体の三分の一を占める大変膨大なものになってきております。そういう中で、ただいまも御指摘がございましたように、特に医療関係が五兆円、そして年金関係が四兆円、大変な数で急激にふえてきておるわけでございますけれども、私どもは、今後ともこの医療、年金、こういった社会保障の水準を落とさないように国民の皆さん方の御理解と御協力を得ながら、ひとつしっかりとした厚生行政を進めていく決意でございます。
○富塚委員 国民の理解と協力を得ると言っても、どういう柱を立ててこれから臨んでいくのかということを政府が示さなければ、財源のつじつま合わせだけでやっているという感じでは、これはやはりこれから対応していけない。 私は、まさに東西冷戦時代と違って新たな平和構築の時代、平和の配当として福祉政策を重視していくという意味で、具体的なその転換を必要としていくんじゃないかこういうふうに思うわけです。 そこで、年金問題も平成七年に公的年金一元化で一応の方針を決めています。国民年金を受ける側、あるいはこれも大変いろんな層においていろんな問題もあります。あるいは厚生年金あるいは共済年金、それぞれ問題が全部ありますけれども、やはり六十五歳支給ということにならなければ財源のつじつまが合わない。しかし、六十五歳までの雇用の問題は必ずしも保障される状況ではないということなどになると、一体どこのところに一つの基準を置いてやっていこうとするのかというのは、もちろん財源の負担の問題もありますけれども、高福祉高負担だけの問題じゃなくて、いかに政府が、国家がこの問題に負担をしていくという問題を考えていくべきかという点で、今消費税を上げて財源にしたらいいんじゃないかとか、いろんなことを言っている人もありますけれども、どうなんですか。 大蔵大臣、どういう手順で財源問題などを議論していく方がいいのか。やはり、厚生省が柱を立てても大蔵省がお金でノーと言えばそれでうまくいかないんだから、これから議論をしたいとあなたは言っておられたけれども、大蔵大臣としてはどのように考えておられますか。
○林(義)国務大臣 富塚議員の御指摘の問題は、私は、今平和の配当というお話がございましたけれども、日本にとってこれから一番大きく考えていかなければならない問題だろうと思います。 高福祉高負担とこういう形にするのか、いわゆる言います中福祉中負担というような格好にするのかというような諸問題も含めまして、私は考えていかなければならない問題であると思います。 財政の立場に立って申し上げますならば、百八十二兆円にもなるような大きな公債残高を抱えているという問題がございます。しかも、それが、実は御指摘の二〇二〇年ぐらいに高齢化社会のピークになる、子の時代になってくる。そのときに一体そのツケをどういうふうな形で払っていくかという問題もありますから、そういった問題も考えながら私たちはやっていかなければならない、こう考えております。 御指摘のように、公的年金、共済年金であるとか厚生年金であるとか、いろいろな形の一元化の問題があります。そうした問題の中で、いろいろこれからどうしていくか、それと同時に、年金制度を一体どういうふうにしていくのか、さらには医療保険その他の問題もありますから、こうした諸問題を総合的に考えていくという体制を徐々にやっていかなければならないと思います。 どういうふうな形で負担をするかというのは、最終的にはやはり国会の御決定あるいは国民全体の合意を得てやっていかなければならない諸問題ではないかな、こういうふうに考えておりまして、今まだどういうふうな手順で、どういうふうにやっていくかなどというような具体的な問題を考えているわけじゃございませんけれども、いろんな点を考えながら、これからこの基本問題に取り組んでいかなければならないのじゃないかな、こう思っておるところでございます。
○富塚委員 大蔵大臣、消費税の問題などを、引き上げようとかなんということは安易に考えていらっしゃらないですね。
○林(義)国務大臣 今申しましたように、長い財政の赤字の問題もございます。そういった問題をどうするかという問題もありますが、同時に、やはり今所得税を下げて、それで賄おうというようなことではなくて、一体今のような問題について、所得、消費、資産、そういったものについてのバランスのとれた税体系というのはどうあるべきだろうか、そういったことを考えながら、全体の中でやはり考えていくべきものじゃないかな、こう思っているところでございます。
○富塚委員 政府のゴールドプラン計画もいろいろ見せてもらって、それなりにやっていると。だけれども、基本的にもっと見直して、私は先ほど言っているように、新しい平和の配当としての福祉政策として、とりわけ高齢化社会の対応としてどういう柱を立てていくべきなのかと。この財源の方ばかり先に考えて、柱の方が全然ケース・バイ・ケースで、それこそその都度の問題、措置ではいけないと思うのですね。 現に医療制度なんか見ても、例えばがんとか心臓病とか血圧とか、いろいろ治る病気、治らない病気あるけれども、お医者さんのやり方ももっとメスを入れて検討しないと、薬だけ山ほど出してくれる、医療費がかさむ、いろんな問題も実はあるわけです。どう淘汰していくかという問題も現実にあるわけですね。そして、国民が努力すべきことはどうなんだ。やはり生きがいのある生活が送れるように高齢化社会の展望をしていくには、私は福祉政策の柱を立ててもらいたい。それはぜひ厚生大臣、どうでしょう。 〔小杉委員長代理退席、委員長着席〕
○丹羽国務大臣 お答えいたします。 まさにそういった観点から、平成二年度から十カ年計画でゴールドプランというものが立てられておるわけであります。ことしで四年目を迎えるわけでございます。 ゴールドプランには、ショートステイ、デイサービス、在宅、三本柱を中心として、あるいは特別養護老人ホームあるいは中間施設、こういったものの充実を図っていかなければならない、こういう計画を立てておるわけでございますが、一番私どもが頭を痛めております問題は、実はそういった施設よりもマンパワー、人材の確保であります。 御案内のようにホームヘルパー、これ実は、昨年は年間百万円ほど待遇を改善いたしました。それから、看護婦さんの不足も大変指摘されております。看護婦さんも昨年の診療報酬で平均して二〇%ほど上げたわけでございますけれども、まだまだ実際問題といたしまして大変深刻でありまして、そういったいわゆる人材確保を中心にして、これから国民の皆さん方が老後を安心して過ごせるような長寿社会、そのために全力を挙げて頑張っていきたい、このように考えている次第でございます。
○富塚委員 ぜひお願いをしておきたいのは、どうしても政府は、単年度の各省庁の政策決定とか予算の裏づけをつくるために審議会方式をつくって、そこで答申を得れば大蔵省にお墨つきをもらうみたいな感じで内閣がやっていく傾向が非常に強いわけなんです。それをやっている限りは本質的な、本格的な改革というのは私はできていかない、こう思うのですね。そこらを見直すように、ひとつ総理大臣、努力していただきたいのです。
○宮澤内閣総理大臣 それはごもっともだと思っていまして、今のゴールドプランなどは、したがって十カ年ということで計画を立て、年次別に着実にやってまいるつもりでございます。
○富塚委員 時間がありませんので、最後に、景気の問題でちょっとお尋ねしたいのですけれども、近年に至る何回かの景気後退、一つは証券・金融危機を招いた一九六五年の不況、あるいはイザナギ景気後の後退、第一次石油危機後の一九七五年でしたか、あるいは第二次石油危機後の一九八〇年の不況、そして円高不況の一九八六年、その都度日本経済の構造不況説が高まったと言われておりましたが、しかし、実際にはどのような経済ショックの後でも、日本は景気後退に入って一、二年のうちには中長期的な成長のトレンドに復帰したというふうに見られているわけです。 しかし、今回の景気後退に入って二年ぐらい。本年中に中長期的な成長トレンドの軌道に復帰するとは見られているが、実際のところは、今回の不況は既に円高不況を上回る底の深さとなっている。本年の夏には底割れとなって二段底になるのじゃないかとも言われているのですが、基本的に今回の不況は消費の不況だと思うのですけれども、そういうふうに、どうでしょう、お認めになりますか。
○船田国務大臣 お答えいたします。 今、富塚委員御指摘のように、今回の景気の低迷、確かに長引いているなという感じはいたしております。これは従来型の在庫循環だけではなくて、やはりバブルの崩壊ということによって資産デフレが生じた、それが逆資産効果ということで、消費にもそれを冷やす影響があり、それから企業家のいわゆる設備投資、そういうものにも影響を与えているということは、これは否めない状況だと思います。 特に、消費の問題でございますが、確かに個人消費が低い伸びとなっているということは言えると思います。これはもちろん、物価が引き続き安定はしておりますけれども、やはり雇用者数とかそれから資金の伸びが低下している、そのために名目の雇用者所得の伸びが鈍化しているということが指摘できると思います。それに加えまして、耐久消費材のストック調整、これが家計において現在続いているということもあり、それから先ほど申し上げたように、資産価格の下落等によって消費のマインドの慎重化が見られる。そういうことを総体として考えてみますと、やはり消費性向が低下しているという現実、これはある、このように理解しております。
○富塚委員 減税の問題は、またそれぞれの質問者あるいは政党の代表が提起されている。 国民の中にもう一つ残っているのは、消費税の食料品の非課税の問題が、自民党がそのことの修正提案をしたといういきさつがあるだけに、ここのところはやはり、一たん政権与党が約束したことをなぜやらないのかという国民の疑問は非常に強いのです。消費税論争、過去のものだとは言われてみても、私は、やはり国民の間に根強く残っている問題だと思うのですが、どうでしょう、食料品の非課税。自民党が約束したことをもう一回やってみるという、必ずやるという、そういうことをやる気はないでしょうか。
○林(義)国務大臣 富塚委員も先刻御承知のとおりでございますけれども、この問題は、平成二年三月に小売段階の非課税化等の特別措置を含む消費税見直し法案を提出いたしまして、国会でお諮りをいたしたところでございますが、この法案、御審議の末、結局廃案となったといういきさつになっておりまして、この結果を踏まえまして、国会におきましては税制問題等に関する両院合同協議会が設置をされまして、いろいろなお話をしたんですが、各党会派の意見の一致が見られなかったという報告がなされたという経緯がございます。 こうした経緯を踏まえて今まで対処をしてきたところだというふうに御理解を賜りたいと思います。
○富塚委員 ぜひやはり、社会党が政権とってやったわけではないのですから、与党が国民に公約したことなんだから、消費税が定着していっているからもうしばらくだんまりを決め込んでおこうなんというのじゃなくて、私は、きょう議論いたしませんけれども、先ほど申し上げたように、これから高齢化社会を迎えて、福祉政策を新たな柱を立てて充実をしていく国民のコンセンサスを得るために、その負担を要請をしていく、どういうあり方をするかということの問題は、柱を立ててやっていかなくちゃいけないと思いますよ。 そのときに、かつて消費税で約束をしておったことも守らないで、じゃ、またこちらの消費税値上げして、こちらをこうしてなんという財源のつじつま合わせだけでは、今のこれからの時代を乗り切っていくことはできない、国民に信頼を得ることはできないという点で、どうですか、総理。——いや、総理ひとつ。
○林(義)国務大臣 先ほどお話を申し上げたことの繰り返しになりますけれども、本来やはり消費税というのは幅広いベースの税金であるべきだろうというのが、私は大原則だと思います。それでまた、この前もいろいろな点で御議論がありました。また私たちも、実はここにおられますけれども、堀先生からもいろいろなお話がございました。私たちもそういったことを踏まえていろいろなことを考えていかなければなりませんが、まだ今の段階でやる話ではない。 ただいま、消費税を上げてこちらを減らすとか、そういったようなことは私は非常におかしな話じゃないかな、そんなことを今すぐやる話ではなくて、むしろ基本的な問題としてこの問題は考えていくべき話ではないだろうかな、こう思っているところでございます。
○富塚委員 国の政治ですから、歳入歳出のバランスをとっていく、赤字国債をつくってはいけない、さまざまなことはやはり当然内閣としても我々も責任を持たなければならぬ、それはわかりますよ。しかし、今減税をなぜ必要とするのか、きょうはやりませんけれども、必要とするのか。あるいは、これから新しい福祉政策を柱を立てていくためには、国際貢献をしていくためにはというものが、国民の間で、今までとってきた政治の、先ほど政治姿勢の問題もいろいろあった。やはりきちっと理解をして、筋道を立てて次の議論に持っていきませんと、林さんが大蔵大臣をやっている間はうまくいったからいい、後はもう別になんというふうに考えられたのでは困るという点で、やはり重ねて消費税の食料品の非課税だけは僕は約束どおりやってもらいたいと思うのです。それはそれとしてきちっと受けて立っていただきたい。 最後に、もう一つの問題は、時間短縮の問題なんです。「生活大国五か年計画」で、総理も施政方針演説で、年間総労働時間千八百時間達成を目標とするということで、大分意欲を表明をされているわけです。だけれども、本当にそのように総理、真剣に労働時間短縮の問題について、ドイツやフランスやあるいはイギリスと比較してもはるかに多いこの労働時間を短縮することこそが、今やはり国際的にも国内的にも大事な課題であるのですが、その決意は、総理、変わりないのでしょうね。
○宮澤内閣総理大臣 それは、施政方針でも申し上げましたように、労働基準法の改正を今政府部内で急いでおりまして、大変労働大臣も苦労しておられますが、これを御提案をして実現をしてまいりたいと思っております。
○富塚委員 私も河野さんも、選挙区では二宮尊徳の銅像があって、二宮尊徳が生まれたところなんですよ。だから、労働大臣が、その就任の際に、記者会見で、私としては千八百時間という時短目標については、ずしんとくるものがない、よその国は働かないから日本やドイツに比べて随分経済差が出てきている、そういう中で時短を考えなければならないのかということを言われた。ちょっとぐあい悪くなって撤回された。(発言する者あり)撤回してないの……。 二宮尊徳というのは非常に勤勉であった。しかし、聞くところによると、夜、電気がないから夜は勉強してなかったらしいのだね。だから、非常に勤勉であるというその理念ということと、今国際的に開かれた日本が時間短縮の目標を設定して先進国並みになっていこうという一つの流れを求めているときに、しかも前の労働大臣は意欲的にその問題に取り組んでいたのに、なぜ新労働大臣はそんな発言をされるのか。
○村上国務大臣 私、最近、あっちこっち行きますと、尊徳大臣と言われて非常に光栄に思っております。(発言する者あり)黙ってください。あなたに言っているんじゃないんだから。答えている。 私は撤回したわけじゃないんですよ。私は勤労の価値観について、あの二宮尊徳翁のお話を申し上げた。といって、私は何も二宮尊徳翁の研究家でも何でもないのですけれども、私が要するに申し上げたかったことは、資源の乏しい我が国が今日のような経済的発展を遂げることができたのは、日本人の勤労の美徳、働く価値観を大切にしたからではないだろうかこう申し上げたわけであります。営々と今日の日本を築き上げた先輩たちのこのような哲学、すなわち勤勉、実直、創意工夫の象徴として、私は小学校のころ校庭に行きますと、まきを背負って本を読んでおるあの銅像を見たときに、その象徴としての二宮尊徳翁ということを申し上げたわけでございます。(発言する者あり)聞きなさいよ。あなたは何言っているんだよ。質問者に答えているんだよ。冷静ですよ、心配要らない。 そこで、先生は今おっしゃられたように二宮尊徳先生の選挙区を抱えておられるのですが、私は、この発言をいたしましたときに、それぞれいろいろな文献やいろいろのお手紙をちょうだいいたしますが、そのときに、関東学院大学教授の加藤教授からこういうお手紙をいただきました。 「報徳の四綱領」四綱領というのは四つの綱領でございますが、「尊徳の教えの中に四つある。その中の勤勉ということについて、」もう時間がありませんから、四つごとに言いません。「勤勉ということについて、勤勉はむだと無理とをなくして、早く楽に仕事をすること。尊徳は土木技術者としても人を使うにも一〇〇%能率を上げさせた。これはそうしながら、みんなが極楽普請だと喜んだ。これは時短の先駆者だ」というふうにおっしゃられた文書をいただいた次第でございます。 いずれにいたしましても、働く人々がゆとりと豊かさを実感できる時間的余裕を持ち、家族とのコミュニケーションや健康の維持等により、心身を健全にし、能率を上げて、よりよい仕事をするための重大な課題である。内閣の掲げる生活大国実現のためにその大きな責任があるということを私は自覚をいたしております。 以上です。
○富塚委員 もう次の質問者に迷惑かけますから、二宮尊徳の評価とか理念論争は今する気はないですけれども、何といっても生活大国に、千八百時間にしたいと総理以下皆さんが内閣方針を決めているのに、事もあろうに時の所管大臣が二宮尊徳の思想を学べなんと言っても、今の世の中は通用しないのです。まして閣僚がそんなことを、まあいい、そのことは議論しません。 しかし、今私は労働時間の短縮が非常に大事である、そしてまた、今景気問題が議論されて減税もある。それから労働組合も、春闘が始まってこれまた労使間の問題も出てくる。さまざまな問題がある時期ですよ。時期ですが、やっぱり働く人たちがよくなる社会をどうつくっていくのか、生活の質をどう高めていくのか、大臣に問われているときでありますから、労働大臣の発言は慎重にされることを期待をいたしまして、終わります。ありがとうございました。
○粕谷委員長 これにて富塚君の質疑は終了いたしました。 次に、伊藤忠治君。
○伊藤(忠)委員 これから二時間というのが一番肉体的にもきつい時間なんで、お疲れだろうとは思いますが、ひとつよろしくお願いをいたします。 まず初めに私は、国際貢献に関連をしまして、質問要旨でごらんいただいております順序に従いまして進めてまいりたいと思います。 それで、まず最初はPKO派遣に関連をしまして、国連等の手続の問題について二、三お伺いをいたします。 まず第一点です。外務省の資料でいただいておりますのが、九一年八月の十四日、ニューヨークで野村準備室長さんとグールディング国連次長との会談がなされまして、つまり国連のPKO基本方針と我が国が参加する場合のPKO五原則、これとの調整が図られているわけですが、調整の中身が具体的に明記をされているわけです。で、この九一年八月の両者の会談以降にも、PKO法は昨年の六月の十五日に成立しておりますから、その後直ちに再び会談がなされたと聞いておりますが、同じことなんでしょうか中身は。その点について説明をお願いいたします、まず第一点。
○澁谷政府委員 野村審議官とグールディングの会談は、昨年の六月十六、十七日に行われました。つまり、法案が国会の承認をいただいた直後でございます。ここで法案の英訳それから説明資料、これも英語でございますけれども、これを向こうに手交して説明したということでございます。したがって、野村審議官の説明は法案が固まった後でございますので、我が国の正式の法律の枠組み、基本方針を御説明したということでございます。
○伊藤(忠)委員 ということになれば、一回目の会談で中身は煮詰まっていて、二回目は、したがって、法律が成立をいたしましたから、それでいきましょうやと、こういう流れなんですか。
○澁谷政府委員 九一年の八月の会談は、当時の野村内閣審議官がグールディングと会っております。その際には、暫定的な、こういう方針でこの法案をつくるつもりだという概略的な説明をしております。昨年の六月十六日の説明は、よりはっきりした形の説明になってはおります。
○伊藤(忠)委員 その二回目の内容をひとつ明らかにしてほしいんです。資料として私も請求をしているんですが、外務省さん意外とかたくてこの資料がなかなか手元に入りませんので、一回目の中身は私持っていますが、二回目の、つまり翻訳だと思います、日本語に翻訳した資料になると思いますが、会談記録をぜひとも提出願いたいと思います。
○澁谷政府委員 失礼いたしました。先ほどの発言を修正させていただきます。九一年八月の会談は、当時の河村審議官がグールディングと会っております。二回目の会談は野村審議官とグールディングの会談でございます。 その第一回目の会談におきましては、主として五原則について説明しております。 次に、野村審議室長とグールディング事務次長との会談でございますけれども、発言の内容をまず申し上げます。 最初に、二年間にわたる作業の後、国際平和協力法の成立にこぎつけた。このことは大きな政治的意義があって、国連平和維持活動への我が国の参加が実現することになりました。我が国としては、同法実施体制の早急な整備のため全力を尽くします。同時に、UNTACに可能な限り貢献するため最善の努力を行うつもりです。我が国が国連平和維持活動に参加するための前提条件である五原則については、従来重ねて御説明したところであります。これは河村審議官の説明でございます。国際平和協力法はこの五原則に基づき、我が国の国連平和維持活動を行うことになっております。(伊藤(忠)委員「ちょっと、それは長いんでしょうから、くれますか。別に今読んでもらわなくてもいいですから」と呼ぶ)はい。わかりました。
○伊藤(忠)委員 ですから、私は気をきかして言っているんです。五原則のことは一回目のときに大体決まっていたんでしょうと、二回目のときには法案が成立をしたから、その上に立って野村さんがグールディングさんと会われて、今言われたようなことなどを中心に報告をされて帰って来られたんでしょうと。だから、いずれにしても時間がかかりますので、二回目の野村さんがグールディングさんと会われた会談の中身は資料として入っていませんから、それは資料としていただけないでしょうかと、こういうふうに言ったんです。それについてイエスかノーか答えていただければ結構です。
○澁谷政府委員 概要をお出しいたします。
○伊藤(忠)委員 なるべく簡単にいきましょう。 政府の広報、総理府が発行しております「世界の平和を育む日本であるために」という、国際平和協力法の言うならパンフレットなんですね。宣伝広報ですが、この中にQアンドAで問いに答えているわけです。一、二、三、四、五、ちょうど終わりの方なんですが、「国連平和維持隊へ自衛隊が参加することは、武力行使を禁止している憲法第九条に違反するのではないでしょうか。」というところで、PKO、国連の基本原則が書かれまして、それに対する我が国の五原則が説明をされているわけです。 これに関連をしまして、「協力業務を中断または終了する際には、どのような手続きを行うのでしょうか。」こういう質問に対して、答えはこういう表現になっております。「国連平和維持活動に我が国が参加する前提が崩れた場合、我が国の部隊は業務を中断します。」中断する際には、「国連の司令官と連絡をとりながら行動します。」「短期間に再度停戦が実現する見込みがない場合には、我が国は業務を終了させます。この時も国連事務総長に通報します」このときは「通報」になっているんですね。「国連側がこのような日本の決定に異議を唱えることがないことは確認されています。」こういうことなんです。 これは違うんですね。国連の司令官と中断の場合には連絡をとる、それから業務を終了させる場合には事務総長に通報します、こうなっております。それでいいんでしょうか。質問です。
○柳井政府委員 お答え申し上げます。 中断につきましては、停戦の合意が崩れたのではないかというような事態が生じましたときに、まずは我が国といたしましては、我が国から派遣された部隊あるいは隊員といたしましては、事務総長の代表であるUNTACの司令官、直接には司令官ということになりますが、と十分密接に協議をいたしまして、そして、そこにはまだそこまで書いてございませんけれども、その後実施要領というものを決めたわけでございます。その場合には、本国、すなわち我が国政府と連絡をとってその指示を仰ぐということにしておる次第でございます。また、その指示を仰ぐようないとまがない場合には、これは事実上安全を確保するという意味におきまして、一時休止ということを行うということになっております。 そしてもし、先ほどもお読み上げになったと思いますが、中断の状態が非常に長引きまして、なかなか短期間に回復しないという場合には、これも我が国政府の判断によりまして終了するということはあり得るということでございます。 それから、通報の点でございますけれども、これは、国連のこれまでの国連平和維持活動で積み重ねられました慣行に従って事前に通報しなければならないということになっているわけでございます。 なお、この中断あるいは終了ということに至る事態かどうかということにつきましては、これまでもいろいろな機会に御答弁申し上げておりますけれども、停戦が崩れだというような場合は非常に客観的に明らかな場合が多いと思います。そういう場合には国連側と十分協議をしていく必要がございますが、その場合、国連の判断と我が国の判断が食い違うというようなことは想定しがたいというふうに考えておる次第でございます。
○伊藤(忠)委員 前置きが長いのでポイントがどうもぼけてしまうのですが、私が聞いていますのは、この表現をこのように違えているというのは、別にわざわざ違えているのではなくて、こういう手続でやるということを国民に対して明らかにしているわけですからそうなんですねということを聞いているわけで、国連事務総長に通報するということはまさに通報して撤収するわけですよね。これはやはり日本の独自的な判断がそこに生きているということをあらわしているんじゃないですかということを聞くのですが、どうです、そうでしょう。
○丹波政府委員 先生が先ほど言及されました一昨年の八月の河村国連局審議官とグールディング事務次長の会談の中で、これは国会に資料としてお渡ししておりますけれども、河村の方から、先ほどから御説明申し上げたその日本政府の三つの条件というものが崩れた場合には第四原則に従って撤収することもありますという認識を述べたのに対しまして、グールディング次長は、「日本が政府の方針として基本的前提が崩れたことを理由に撤収を決定する権利は当然有する」ということを述べておるわけでございます。 ちなみに、今柳井事務局長の方からちょっと言及がございましたけれども、従来のこのPKOの慣行を一つのモデル協定といたしました国連の文書の中にPKOからの撤収の通告というものがございまして、第二十六項ですけれども、参加国政府は国際連合事務総長に対して適切な事前の通告を行えば撤収することができるということを明文で書いてある、このことも先生御承知のとおりでございます。 私たちはまさにこういうことを念頭に置いて、撤収の場合には国連に通報することで可能であるということを申し上げている次第でございます。
○伊藤(忠)委員 ですから、結局結論で申し上げますが、一回目のグールディングさんとの会談の中身はお読みになりました。そこで言っていることと広報で言っていることとは合っているということなんですね。これ、違っていたら大変なんですよ。だから僕は問題にしたので、結局独自性の判断ということは、この中に盛り込まれて国連との間にきちっとこれは確認されているのですから、それに基づいて広報もつくられているから、表現をこのようにされているのは一緒なんですね。それのイエスかノーかを言っていただければいいのです。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○柳井政府委員 そういう御趣旨でございましたらおっしゃるとおりでございまして、国連側と当時すり合わせたこととこの広報に書いてございますこととは一致しておると考えております。
○伊藤(忠)委員 そういう意味ですね。 その次に、こういう印刷、表現になっているのですね。これは答えなんです。「実施計画が決まれば国会に報告することになっていて、その際には、国会で議論が行われることになるでしょう。」あと凍結の問題が説明されていまして、「また法案が国会で審議される過程で、当面凍結の対象となっている自衛隊の部隊によるいわゆる平和維持隊の本体の業務については、将来これを実施するには事前に国会の承認を必要とする、との修正が加えられました。」 なぜ私がこれを問題にするかといいますと、法案成立の審議の過程を政府の広報で出されるというのは本来おかしいじゃないかと思うのですよ。そうでしょう。法律というものが決まったわけですから、決まった法律の中身はどうなんでしょうかそれはこうなっておりますから、国民の皆さん、平和協力業務はこうなんですよというのがこの目的だと思うのですね。ところが、ここだけが特別に項が起こされておって、つまりこの凍結の事情がこう書かれているわけです。それで、凍結解除はこういうことなんですよということの説明がわざわざこの「更に」というくだりで入っているわけですね。 これはこういう見方ができると思うのです。つまり、政府としては、PKF、言うならば初めの案でいきたかった、ところが三党の皆さんの合意があって修正をされて今回こういうふうなPKO法になったのですということをわざわざこれは解説しているわけですね。政府の意図というのはどうもこれはほっこりしないということを言っているわけですね、政府広報の中で。こういう広報の中身にすること自体に私はこれは大変問題があるんじゃないか、こう思うのですよ。 これは広報はどこがやられているのですか。どこが発行されているのですか。これはあれでしょう、いわゆるPKOでしょう。準備室だと書いてあります、平和協力本部準備室、総理府。これはそう思いませんか。適切じゃないと思うのです。
○柳井政府委員 この広報は法案の成立後に、まだたしか施行される前だったかと思いますが、に準備されたと記憶しております。いずれにいたしましても、この部分につきましては、いわゆる凍結の経緯を書いただけでございまして、それ以上の意図はなかったというふうに考えております。
○伊藤(忠)委員 いずれにしましても、どんどんこういうのは配られるわけですから、やはりそういうふうに、なぜこの政府広報の中でこの部分だけがどうも強調されるような表現になっているなということは私、首をかしげたわけですが、これは私だけじゃない、こう思います。 次に移りますが、つまりUNTACの任務とそれからカンボジアの選挙問題について話を進めてまいりたいと思います。 UNTACの任務は、言うまでもございませんで、文民の分野と軍事部門において業務が遂行されているわけですね。特に軍事の部門では、停戦監視と武装解除それから地雷の処理、この三つが主な仕事になると思います。停戦監視は順調にいっているのです。武装解除は進んでないのですね。地雷処理はどのあたりまでいっているのかといいますと、これも思うようには進んでないのだろうと思っています。 それから文民の仕事としては、難民の帰還から行政管理、警察それから選挙実施、復旧の仕事、こういう任務がUNTACにございます。難民の帰還は大体いったのだろうというふうに言われていますが、後でこれも地雷処理と難民の問題をまとめて現状報告、どこまで進んでいるのかお聞かせいただきたいと思います。警察業務は、文民警察、我が国からも行っていただいていて大変御苦労いただいておると思います。選挙実施の問題は、選挙人登録は大方進んだ、こういうふうに聞いておりますが、今申し上げた点について政府の方からひとつ現状の実施状況というのですか、現状の報告をいただきたいと思います。
○池田政府委員 お答えを申し上げます。 難民でございますけれども、難民はタイとの国境におりました全員が既にもう帰りました。大体二十七万人というように言われております。 それから、選挙に向けましての有権者登録というものは進んでおりまして、これは既にUNTACによりますと四百六十四万人の有権者登録が行われました。これは全有権者の九割以上ではないかというように見られております。ポル・ポト派の支配地域についてはちょっと総人口がわかりません。そういう意味で全体の分母がわかりませんので九割程度ということでございますが、それだけもう有権者登録が進んだということでございます。 それから地雷処理につきましては、これはUNTACはもちろん地雷処理に当たっておりますが、それ以外に、UNTACが中心になりまして、カンボジアの人を訓練いたしまして、訓練チームをつくりました。そして、カンボジアの各派がこの地雷処理にみずから当たるという形をとっております。しかしながら、これは具体的にどの程度進んだかということについては、なかなか難しい問題でございまして、恐らくカンボジア全土に地雷が散逸いたしております。特にカンボジアというのは、御案内のように、日本の約半分ぐらいの面積を占める国土でございますけれども、そこに、いろいろな地域に地雷は埋まっているはずでございますから、そういった意味で、大体どの程度が処理されたかということはちょっと数字的には申し上げられないと思いますが、以上申しましたように、カンボジア人自身もそれに当たりつつあるというのが現状でございます。
○伊藤(忠)委員 UNTACの任務で、特に選挙を実施して新政権を樹立させる、新たな政治体制をつくって戦後復興を本格的にやり遂げていけるような体制をUNTACがつくるというのはこの暫定機構設置のねらいだと思うのですが、そういう本来の任務の遂行からしますと、UNTACの遂行しなければならぬ課題というのは、武装解除はできないし、地雷処理は進んでいない。難民の帰還はもちろんやったのですが、選挙人登録は一応これもできた。警察も、文民警察でかなり苦労されているが、進んでいる。結局、大きな仕事というのはなかなか思うように進んでいないのですね。これがUNTACの抱えている今日の非常に大きな問題点だろう、こう私は思っているわけです。 さて、そういう状況の中で、このUNTACの、これは司令部でございますが、報道されたわけですけれども、三日のプノンペン現地の報道によれば、UNTACの軍事部門の司令部、ここに陸上自衛隊の幹部三名の方が、つまり幕僚として、幹部として頑張っておられる、こういう現地の報道なんですね。かなりこれは具体的に書いてあるわけですが、一佐の方が一人、三佐の方が二人、一佐の方は特に軍事部門全体の基本的な作戦活動あるいは計画、言うならば中枢のセクション、事実上の次席責任者として電話番号のリストにも載っているよと、こういう記事なんですね。あと、お二人の三佐の方も、同じくUNTACの中枢の仕事に携わっておられるという、こういうことなんです。 まず、これは事実があるかどうなのか。事実だと私たちは考えているわけですが、その点について、これは防衛庁ですか、お答えいただきたい。
○畠山政府委員 カンボジアに派遣されております六百人の施設大隊の中の人間が、こちらのUNTACの本部の方に三人、連絡調整、情報収集という任務で行っておる、連絡情報調整官と言ったらいいのでしょうか、いわゆるLO、リエゾンオフィサーという形で行っておるということは事実でございます。 今お話の中に一佐というお話がございましたが、二佐の者が一人、三佐の者が二人ということでございます。
○伊藤(忠)委員 六百名の施設大隊のうちの三名、その方が連絡要員として行っているのであって、この記事に書いてあることは正しくないと、そういうことでしょうか。 ここには、こういうふうに皆載っていますよ。三名、つまり二佐一人、三佐二人、合計三名。それで、二佐の方は、 三十二カ国、計一万五千人を超す軍事部門全体の基本的な作戦活動、任務の方針、計画などを統括する中枢セクション「計画部」の事実上の次席責任者。 また、三佐のうち一人は部隊の移動や物資の輸送を管轄する「移動統制部」で航空担当の作戦調整官を務め、一人は自衛隊の派遣施設部隊も所属する「工兵部」の配置。三人はUNTACの電話番号リストに幕僚として職務、氏名、階級が記載されており、UNTAC筋も「全員、名実ともに司令部の幕僚」と事実を認めている。 こう書いてあります。これはうそですか。
○畠山政府委員 基本的に情報収集、調整という役割でございまして、若干詳しく御説明いたしますと、二等陸佐の者であります。これは計画部というところにおります。ここでは、我が国施設大隊の円滑なる業務遂行に必要なUNTAC軍事部門司令部との間の連絡調整、すなわち施設大隊の交代要領の調整等といったようなことです。それから、選挙の円滑な実施の面を中心とした情報収集。これは具体的に言いますと、停戦違反事案等といったようなことに関して連絡調整、情報収集を行っておる。 それから他の三佐は、それぞれ、一人は工兵部、一人は兵たん部におりますが、UNTAC軍事部門との連絡調整ということで、例えば橋梁補修資材、アスファルトの配分、督促といったような、実際の施設大隊の実施に必要な連絡調整を行っておる。あるいはプレハブ建設についての部隊配置との関連におきまして、そういったものの情報収集といったようなことをやっておる。それから兵たん部の方は、陸上輸送の面を中心とした情報交換といったようなことでございます。
○伊藤(忠)委員 ということになれば、常駐の形でUNTACの司令部に座っているのではなくて、いつもいるのは施設大隊の基地にいまして、施設大隊の基地とUNTACの連絡調整の役に言うならば往復して走っている。だからその三名の方は、いつもいる場所というのは、常駐の場所は施設大隊の司令部というのですか、そこの言うならば責任者のいられるところに拠点を移している、拠点をそこに置いていて、そこからUNTACの本部に連絡調整に走っている、こういうことなんですな。
○畠山政府委員 実際にどういう勤務ぶりをしているかということについて御説明いたしますと、UNTACの司令部に専用のいす、机がございまして、大体そこでもって意見交換その他情報収集等を行っておるということでございまして、それで、むしろ不定期にタケオあるいはプノンペンのしかるべきところに赴く、あるいは電話で連絡をするといったような連絡を行っておるということでございます。
○伊藤(忠)委員 そうすると結局、それはUNTACの司令部にいつもいるのですか、常駐しているのですか。それが一つ。二つ目は、これは行った施設大隊の言うならば都合からそのように任務を決められて、UNTACの本部へ行かれているのか。UNTACから、来てくれというので常駐して座られているのか。この二点について回答してください。
○畠山政府委員 勤務の状態といたしましては、第一点でございますけれども、先ほど申しましたように、大体、UNTACの司令部の本部のところにふだんおる、必要に応じ週に数回出向いて現地のタケオの者と連絡をとるという形をとっておるのが実態でございます。 それから第二点目の、UNTACというか国連の方から要請があったのかという点でございますが、それはそうではございませんで、私どもとして、施設大隊の円滑な運用を図るためにはUNTACの本部と連絡調整を密にした方がいいということから、情報収集も兼ねまして、そういう者をLOとして派遣するという形にしたわけでございまして、各国ともどういう形であるかは別にして、本部との連絡を密にするということはこれは行われているところでございます。 私どもとしては、要請を受けたということではなくて、私どもの方の必要性からそういう形をとって連絡調整役を設けたということでございます。
○伊藤(忠)委員 いずれにしても、この三名の方の氏名ですか、職務、階級ですか、これは階級は新聞ではありましたが、正式にひとつ防衛庁の方から今の名簿を提出いただきたいと思います。
○畠山政府委員 恐れ入りますけれども、今までのこの施設大隊あるいは海上自衛隊、航空自衛隊それぞれにつきましてですが、大隊長とかその隊の長のところまで氏名を明らかにさせていただいておりますけれども、その他の者については、これは個名につきましては公にしておらないということもございますので、そこのところはひとつそういうことで位等は御理解をいただきたいと思います。
○伊藤(忠)委員 それは納得できないと思いますよ。こちらが必要に応じて施設大隊から幹部の三名を派遣しているわけでしょう。ですから、別にどうってことないじゃないですか。秘密の事項に携わっているのですか。そんなことないんでしょう。拒む理由はないと思いますよ。 〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
○畠山政府委員 それは確かにそういう意味で拒む理由は全くございません。ただ、これは全員についてという話にいずれなってまいりますと、実は安全の観点からやはりちょっとどうかなということがございまして、そういう意味でこれを公にするということは避けさせていただきたいという形で今までお願いをしてきたわけでございます。そのほかの他意はございません。
○伊藤(忠)委員 提出を要求しますので、拒まれる理由はないと思います。どうしても嫌だと言うんだったら、この先、審議進みませんよ、これは。防衛庁、ひとつそれぐらいのことはやられたらどうですか。そのいただいた名簿を何か流用するだとか、そういうことを言っているわけじゃありませんからね。
○畠山政府委員 それでは、そういうことでございましたら、その三名につきまして名前を明らかにして、ぜひ内々にということでよろしくお願いしたいと思います。
○伊藤(忠)委員 それはそういうことで、ひとつ提出をお願いします。 それで、いずれにしても、そのカンボジアの選挙というのは一月二十八日のSNCで、ことしの五月二十三日から二十五日までの三日間実施されるというふうに決まったと私たちは聞いているわけですが、今の施設大隊の行かれる期間というのはことしの九月までなんですね。そうすると、選挙が終わってもなおそれ以降、九月までの間は残られているわけですね。これはどういう理由ですか。
○畠山政府委員 UNTACの方の事業が、選挙が終わりましても八月まで続くというふうに私どもは聞いております。それで、私どもの実施要領で十月いっぱいという形になっていると思いましたが、それはなぜかという御質問がと思いますけれども、そこは実を言いますと、事業が終了いたしましてから、それを引き揚げるために、いろいろとその機材その他を整理してこれをまとめてこん包し持ち帰る準備をしなきゃいけない。それからまた、船で運びますから海上にいることが数週間あります。それらはいずれも法律上は、これは国際平和協力業務ということになっておりますので、国際平和協力業務の期間としては十月末までということになるわけでございます。
○伊藤(忠)委員 予定どおり選挙がうまくいっても、いろいろUNTAC全体として動くからすぐには帰れませんよという説明だろうと思うんですが、それはそれでそれなりの理由は私はわかるんですが、問題なのは選挙の成功の見通したと思うんですよ。 これは外務大臣も現地の事情お詳しいのでよく御承知だろうと思いますが、それと今回のプノンペン政府軍の大攻勢とは私はもう表裏一体の関係にあると、こう見ているわけです。今もアジア局長の報告にございましたとおり、選挙人の名簿登録ですか、これは完了したと言われているわけですが、ポト派の支配下の住民は手つかずの状態なんですね。そのパーセンテージというのは一〇%なのか一五%なのかというのは、なかなかこれも把握ができない。 カンボジアの人々の四派に対する支持率というと、まあきちっとした世論調査というのは難しいんだろうとは思いますが、現地に入ってみて、聞き取り調査もあればマスコミの皆さんのいろんな角度からの調査報告もされているわけですが、意外とプノンペン政府に対する支持は低いということですね。これが特徴だと私は思っているわけです。 それは、見方が私と違うと言うのでしたらこれはもう見解の相違なんですが、やはり一番支持率が高いと言われていますのがラナリット派です。これはシアヌーク殿下とのかかわりがございますからよくわかります。まあ規模は小さい派ですけれども、非常に人気がいい。その次にはフン・セン派かポル・ポト派かというところにくるんですね。これを私は非常に注目しているわけですよ。ポル・ポト派の、例のあの内戦状態の中で大変なああいう罪を犯してきたというのは許すことができませんし、そういうことは僕らとしてはなかなか感情としてはぴたっとこないわけですが、現地の人たちはもちろん忘れていないと思いますけれども、じゃそれ以降、内戦が一応やんで、まあUNTACも来た、そして平和な状態が一応保たれて、これから戦後復興をやっていくという中で、どうしてプノンペン派に対する、フン・セン派に対する支持がそんなに低いのかという中身を私たちは知っておく必要があるんじゃないかな、こんな気がしてならぬわけですね。 それで、その要因として、現地をずっといろんなところへ歩いてみますと、こんなふうな感じを私は強くするわけです。最近だんだんと、UNTAC景気と言われまして犯罪がふえていますよね。強盗、かっぱらい、こういうのほかなり頻々と起こっているわけですが、まあ軍律の低下あるいは月給が安い、官僚は汚職がひどいじゃないかというようなこともあって、やりきれないという、こういう軍人の酔っぱらったあげくの発砲行為というのが随分とトラブルを起こしているわけですね。殺傷事件にまで発展しているのが非常に多いわけですよ。それから、公務員の皆さんの、行政改革をやっていこうという過程で、随分私たちも具体的なケースにぶっかったわけですが、どう考えても、こういうことをなぜやるのかなというような、まあ悪政に近いような格好でかなりやられているわけですね。 そういう中で、生活するのに精いっぱいだという国民全体の中で、どの派があなたは好きなんですか、支持しますかというふうに聞かれていくと、やはり今言ったような傾向がどうしても出ると思うんです。これはやはり民意の動向としては非常に重要な私はポイントではなかろうかな、こう見ているわけです。この点ですね、見方が違えばかなり今後の対応も違っていくと思うんです。 ですから、私は非常に不安を抱いていまして、五月に選挙をもしやったとしても、選挙が終わりまして新たな政権ができた、政権だけできたって、これは新たな軍隊が編成されなければ非常に不安定な政権はもたないと思っていますよ。そうすると、新たな軍隊ができない、ポル・ポトは選挙をボイコットしている、勝手にやる、自派の支配地域の拡大を図ってくるということになれば、どんな格好で新たな政権ができてもその後に来るのは僕は新たな内戦状態の再現みたいなものになるのじゃないのかな、こんな気がしてかなわないわけですね。そういう気が非常に強くするわけです。 そういう状況もありましょうから、現地では今川大使なんかを中心に御苦労をいただいているわけですが、シアヌークさんにひとつ大統領選挙に出てもらおうじゃないかという問題が浮上してきたのも、実はそのこととは無関係ではなかろうなという気が私はしたわけですね。まあシアヌークさんが受けるかいつやるかということでは随分とこうございまして、シアヌークさんの人柄も非常にあれですから、なかなかうまくいかないという苦労がその中にあるわけですが、しかし、このことは五月の選挙と絡みまして非常に政治的な重要な意味を持ちますから、重大な意味を持ちますから、大統領選挙は実施されることに決まったのか、決まったとするならば、それは総選挙の前なのか後なのかということは絞ってちょっと聞きますので、お答えいただきたいと思います。
○池田政府委員 カンボジアで制憲議会の選挙が五月の二十三日から三日間開かれますが、今御指摘の大統領選挙につきましては、この間の北京でのSNC会合の際に、シアヌーク殿下としては制憲議会の総選挙が終わった後で大統領選挙をやってもらえればという希望を出しました。そういうことで、今のところは一応五月の選挙が終わった後に大統領選挙を行うということになっております。 しかしながら、ほぼそういうラインで固まったとは言えますが、まだ最終的にカンボジア各派、それから主要関係国の間で決定が行われたということではないと思います。したがいまして、大統領選挙を行うということはもう確定ですが、日にちについては若干流動的な要素が残っているかと思います。
○伊藤(忠)委員 まあいずれにしましても大統領選挙が行われるということは、大統領選挙がないよりはあった方が非常に民意の結集という点からいってもいいのでしょうねと、私もこう思っておりますが、でも、なお不安が起こるのですね。ですから、UNTACとしては、基本的な任務の中で、私も触れたのですが、武装解除が進んでない、それから文民のやらなければいけない仕事もまだまだ残っているという中で、この選挙にこぎつけるまでにはまだまだ障害が横たわっているでしょう。 選挙を成功させて、と同時に、言うならば今のこの戦闘状態というのは、後で触れますが、どうしても一掃できないということになるならば、UNTACとしてはこの選挙を文字どおり成功させていくために一体どういう対策、手だて、有効なものが、努力するとしたらあるんだろうか。我が国としては何をなさなければいけないのか、何をなすべきかという点で、これは外務大臣、どうお考えなのでしょうかね。非常にそのあたりが、今やってきていることだけを積み重ねていけば、私は、選挙も成功して、新たな政権が生まれて、平和なカンボジアがつくられていくのですよというふうにはなかなか思えないからこういう質問をするのですが、どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 日本はやはりやり過ぎてもいけませんね。専らUNTACに協力をしていく、国連で決まったことにできるだけ協力するということだと私は思います。そしてまた、きょうもお話ししましたが、プノンペン政府等の行き過ぎなどがあれば、友人国としてそういうものは自重してほしいという申し入れなどもやっておりますから、そういうこともやったらいい。 いずれにせよ、選挙が実施できるように最大限努力をする。選挙の結果が、ポル・ポト派が完全に入らないのか入るのかまだよくわかりませんが、入るようにできるだけ最後まで努力をする。選挙の結果、それはだれが勝つか、それはわかりません。それは委員の言うとおりになるかもしらないし、そうでないかもわからない。しかしながら、選挙の結果はこれは尊重されなければならないことであって、それでなければ民主主義が成り立たないわけですから、だから選挙の結果が尊重されるように、また仕向けていかなければならぬ、そう思っております。
○伊藤(忠)委員 いずれにしても、その選挙を成功させるためには、今回のこのプノンペンの大攻勢ということは、もちろんプノンペン政権もそのことを意識して政治的に判断をしてやったのでしょうが、かなり大きな規模でやられたと私は判断するわけですね。 総理は、今回のこの攻勢というのは局地的なもので、どちらかというと余り大したことはないというような印象で昨日も答弁をなさっているわけですね。後でもお考えを伺いたいと思いますけれども、私はそう思ってないわけです。なぜかといいますと、二十九日から始まった大攻勢なんですが、これは十九州ある中の五州でやられているわけですね。この五州というのは、もう皆さん専門家ですから御承知のとおり、ほとんどポル・ポトの拠点じゃないですか。ここが集中している点なんです。だから、ポル・ポトの拠点に、言うならば同時に多発的に全面的に攻めたという言い方が私はできると思います。展開したと思いますね。それに対してポル・ポトは、本気でまた構えなければいかぬという状況にあると私は思うわけです。言うならば、ポル・ポトに対してプノンペンとしては全面対決の姿勢を今回は示した、こう見るべきではないのかな、こう思うわけです。 ですから、次にまたこういう規模の、これはもう大規模だと思います、大規模な戦闘が繰り返されるということになれば、これはもう大変なことになる、私はこう思っているわけです。そういう可能性はないと見るのか、あると見るのか、これは大変これからの情勢を判断する場合に重要なポイントではないかなと思いますが、これはアジア局長あたりはかなり現地に詳しいと思うのですけれども、その辺はどう判断されておりますか。
○池田政府委員 ただいま先生御指摘になられました点は大変重要な点だと考えております。もちろん第三国のことでございますから断定的に申し上げることはなかなかできないわけでございまして、今までのカンボジア紛争の過去の一種のパターンであるとかあるいはそういったものにないような新しい要素があるかどうかとか、そういった点を総合的に判断していく必要があるかと思います。したがいまして、私もこの場でそういうことは全くないだろうという断定をするつもりはございません。 しかしながら、今回のいわゆる大攻勢と言われているものに関します限りは、若干事実ではないようなイメージを与えたのではないかという感じがいたします。これはUNTACの報道官もそういう趣旨のことを言っております。 まあ、繰り返しになりますが、私自身は、もちろん西部のパイリンで行われました衝突の可能性のあった事態、これはある意味で心配していたわけでございますが、ここはその後両軍の接触というものがほとんどなくなっておりまして、著しくこの緊張は緩和しております。 それから、先生の御指摘になられました北部の、例えばコンポントムであるとかあるいはクラチエであるとか、そういった州におきます軍事的な緊張、これは我々、州で申しますから全部で二十一の州がございますが、その州の中で例えば五つであったと言いますと、全州のうちの五つ、二十一の五つで大戦争が行われているのかというように想像しがちでございますが、実際にはその五つの州の中の地方の村を中心にして小競り合いとか若干の銃撃とか、場合によっては、接触はしません、迫撃砲はありませんが、まあ砲弾を撃ち込むといった、そういったことがあるわけですね。しかし、これは村の単位でやっているわけでございまして、したがって、五つの州であるからといって、これが極めて大きな、五つの州を全部巻き込んだような戦争だというようにも解釈できない。例えばクメール・ルージュ、ポル・ポト派が全体で一万人程度と言われております。それからプノンペン派の軍が四、五万人程度と言われておりますが、カンボジアの面積は日本の半分でございますから、その地域で一万人の兵と四万人の兵が全部でぶつかってどの程度のものになるかということで御想像いただけるかと思います。 しかしながら、もちろん私どもは、そういったことで武力行使が行われることについて楽観をして、これを放置しておいていいというようなことは毛頭考えておりませんで、そのためにやはり双方に対して自粛を申し入れていくということでございまして、そういうことをやっているわけでございます。
○伊藤(忠)委員 いずれにしましても、これは大変なことなんで、明らかにこれは停戦合意の違反行為なんですね。片方で停戦に合意しておいて片方でドンパチ始まるというのは、これは明らかに停戦違反行為なんですね。だから、これがもう一回反復してこういうお互いに戦闘行為が、規模の大きい全面戦闘がやられるということになりますと、これはもう大変なことになると思いますね。それは事実上停戦合意の状態が崩れるということになっちゃうと思いますよね。 そういうふうに見ますと、これはやはり危機に瀕している。だから、こういう状態が起こらないように、停戦合意が崩壊するというような状態が起こるということはよくないことなんですけれども、これはもう起こる可能性だってあるわけで、だれも見通せないということだと思いますね。だから、現在の状態というのは明らかにこれはもう危機に瀕しているんだ、私たちはこういうふうに見てかからないと、これからのいろいろな我が国のPKO派遣の問題についても後手後手に回ったりすることがあり得るのではないかこんな感じがしてならぬわけですが、この点について総理、どうお考えでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 昨日でございましたか、堀委員に申し上げました際にもただいままでのところということで申し上げておるわけでございます。もちろん毎日、柳井事務局長のところでは、毎日と申しますより毎時と言ってもいいぐらい現地との連絡はできておりますので、現地の中での奥地ということになりますと別でございますが、かなり情報はその時点その時点で的確に把握しておると思います。 今政府委員が申しましたように、パイリンを本当にフン・セン派が奪取しようとするのかどうかというところは一つの判断のしどころであったと思いますけれども、まあ失地を回復した程度で、そこからは戦闘行動にならなかったというあたりのところは、まあフン・セン派がUNTACに対していろいろ不満を持っておりますから、過去何カ月かの間にクメール・ルージュが奪取したところの失地を回復したということであったのではないかというのが今政府委員の申し上げました大局的な判断でございますけれども、何分にも我々も部隊も人も出しておりますので、殊に文民警察は随分中の方に、先の方に出ておりますので、十分に毎日毎日を注意してまいらなければならないと思っております。
○伊藤(忠)委員 まあ、いずれにしても、この種の状態が繰り返されるということになったらこれは大変なことですから、私たちはそういう立場に立って見ていかなければいかぬ、こういうふうに思っております。それで、その場合には、この議論でも法案審議の過程でございましたとおり、独自の判断で中断、撤収ということをきちっとやはり求めていかなければいかぬし、対処しなければいけない、こう思っておりますから、その点を強調しておきたい、こう思います。 次なんですが、PKOに対する政府首脳の見直し発言と書いたのですが、実はこれは柿澤政務次官の発言、私は新聞報道で詳しくは読んだのですが、御本人がお見えにならないと思うのですが、だれかかわって答弁いただけますか、具体的に聞きますけれども。外務大臣と意見が、恐らく外務大臣も一緒なんですか、そうしたら聞きやすいのですが。私、言いましょう。質問させていただきます。 こういうことなんですね。三点言われていまして、そのうちの第一点がPKO協力法に定めた停戦の合意など受け入れ五条件の緩和と、こうあるわけですね。 それで、五条件の緩和といいますのは法全体の見直しのことなんですよね。五原則の緩和ですから、法全体の見直しの部分に入るのですよね。つまり五条件の緩和、逆に聞きますが、附則二条なのか三条なのか、いずれのことを言われているのかということから聞きましょうか。だから私は初めに言っておるのです。本人が来てもらってないし、どうしましょう。呼んでもらいましょうか。外務大臣、責任持って答えてくれますか。どちらでもいいですよ、私は。
○渡辺国務大臣 柿澤政務次官が何を言ったか私はよくわかっておりませんが、願望を言ったのかもわかりません。いずれにしても法律でも、二年とか、見直しの時期というものはおのずから決まっておるわけでございますから、それを待つというのも一つの方法でしょう。しかしながら、それよりも早く見直す必要がどうしてもあるという事態になれば、それはそのときで決めればいいことであって、今直ちにということは考えておりません。
○伊藤(忠)委員 法の見直しというのは、今回のPKO法で「施行後三年を経過した場合」というふうにはっきり書いてあるわけですよ。だからそれを早急に見直せということは、決めて守らなきゃいかぬ政府が、政府のこれは柿澤さんが言われたんですから、次官という大変重要な地位におられる方が、その決めた法律を、まだ昨年六月に決めた法律、日もたってない、にもかかわらず早急にこれを見直すべきだというような言い方は、これは私は許せないと思うのですよ。そんなことが軽々に言えるんだったら、これは一体、法を執行する立場の方の責任ある態度とは言えないでしょう。非常にこれは人を食った話だと思いますから、これは私承知できない、そう思っているわけですよ。 ですから、外務大臣がかわって私答弁と言われましたけれども、外務大臣も恐らく私は一緒じゃないかと思ったら、本音が出たのですが、そんなばかなことは、これは聞くわけにいかぬですね。法全体の見直しというのはちゃんと法で明記されているんですもの。三年経過した後となっているのですからね。それを早くやってくれ、早くやってくれということはできませんよ、これは。凍結と違うのですよ。凍結というのはそういうことになっていませんからわかるのですけれども、これは承知ならぬと思いますよ、私は。
○渡辺国務大臣 今外国に行っていますから、帰ってきたら事情をよく聞きまして、厳重注意をします。
○伊藤(忠)委員 いずれにしても、私は御本人が帰国されましたらもう一度やらしていただきます。本人に厳重注意と大臣が言われるのは、もちろんそれは大臣の立場でわかりますが、これは僕は重要な問題点を含んでいると思いますので、もう一遍改めて私はやらしていただきたい、こう思っているわけであります。 次に、これは柿澤発言、外務大臣ももちろん発言を今日までされてきて、関連しているわけですが、国連事務総長の「平和への課題」ですか、ガリ事務総長の報告ですね、これとの関連ではっきりさせておきたいなという点がございます。 まず初めに、法制局に伺いたいのですが、我が国の憲法と集団的自衛権について、法制局の見解を明らかにしていただきたいと思うのです。
○大出政府委員 集団的自衛権と憲法との関係ということについてのお尋ねでございますが、この関係につきましては、政府といたしましては従来から次のように今考えてきておるわけであります。 国際法上、国家は、集団的自衛権、すなわち、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利を有しているものとされているということであります。 ところで、我が国が国際法上このような集団的自衛権を有しているということは、主権国家である以上当然である。だが、憲法第九条のもとにおいて許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると、そういうふうに解しておりまして、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されない。 以上のような考え方を従来からとってきているところでございます。
○伊藤(忠)委員 この見解はずっとこれからも変わらないでしょうね。
○大出政府委員 現行の憲法の解釈としてこのような解釈が出されてきておるわけでございまして、今後とも変わらないということだろうと思います。
○伊藤(忠)委員 法制局長官の今の見解表明がございましたが、この見解表明と総理の考え方は変わらないんでしょうね。
○宮澤内閣総理大臣 ただいまの見解でよろしいと思っていますひ
○伊藤(忠)委員 外務大臣はどうなんでございましょうか。
○渡辺国務大臣 それは、内閣としては法制局長官の解釈でいいんじゃないかと思います。
○伊藤(忠)委員 いいんじゃないかというのは他人事みたいでしょうが。それに基づいて外務大臣としてあるいは私としてはそうやっていきますというのが他人事じゃ困りますので、もう一度きちっと言ってください。
○渡辺国務大臣 内閣におるわけですから、内閣の見解しかないんですね、これは。
○伊藤(忠)委員 それで、このガリ報告といいますのは、既にこう報道もされまして、私も一読させていただいているわけですが、これからの国連の機能強化をどう図っていくかという中身が具体的に書かれていることだろうと思っているわけです。 それで質問いたしますが、理解を間違うといけませんので質問さしていただきますが、予防外交の関連で予防展開ということがございますね。この予防展開というのは、人道的な援助あるいは主権、領土保全、国家統一ですか、そういう働きを言うならばPKOに関連させるような格好でやっていく、言うならばソマリアのああいう多国籍軍というんですか、ああいう行動のことをこれは言っているんでしょうか、どうなんでしょうか。そのあたり理解を間違えますと後の議論とも関係をしますので、これが一点でございます。 それから二点目は、平和の創造の中で言われておりますのは、一つは平和の執行部隊の問題が提起をされていて、もう一つは軍事力の行使の中で国連軍の創設、という表現が正しいかどうかは別にしまして、その二つのことをガリ報告の中では提起しておるように私は理解をするのですが、間違っているんでしょうか、それでほぼいいんでしょうか、その辺の答弁をいただきたいと思うのです。
○丹波政府委員 国連憲章の解釈との関連もございますので私の方から御説明させていただきたいと思いますけれども、まず第一に、昨年の六月に出ましたガリ事務総長の報告は、昨年一月末のいわゆる安保理サミットを受けて出た報告でございますけれども、これは国連全体に今後の国連の平和維持のあり方について問題提起を行ったということでございまして、先生もお読みになられたと思いますけれども、これを読みますと、必ずしも詳細なところまで、何と申しますか、分析して書かれているわけではございませんので、まさに今後国連の中でいろいろな議論を通じて明らかになっていく面が非常にあるんだろうと思うのです。 例えば先生がおっしゃる、といいますかガリ報告で言っておる予防展開でございますが、これは国連の憲章から見た場合に、第六章からいっているのか七章からいっているのか、必ずしもそこのところははっきりしないわけでございますね。これに対しまして、例えば平和実施部隊につきましては、国連のこれは憲章第四十条を使えないかということでございますと、これは七章のことを言っているなということはわかるわけでございますけれども、そういう意味で、予防展開軍と実施部隊につきましては、特に前者につきましては憲章上の根拠がわからない。したがいまして、例えば日本との関係で、そういうものに入っていけるのかどうかというのもこれだけではわからない。ガリさんが日本に来られますから、そういうときを利用してガリさんの意見も聞いてみたいと思っております。 それから最後に、第三点目としてお挙げになられた国連軍、これはもう憲章上四十三条にはっきり書かれてございますけれども、ただ、現実の問題としては、昨日総理等からも御説明申し上げてございますけれども、過去にこういうものが、特別協定が結ばれたこともないし、そういう意味で実際どういう国連軍ができるかもよくわからないという状況でございまして、日本との関係におきましては、そういうことでございますので、現在政府としては今後の事態を見きわめつつ検討中である、研究中であるということを以前から申し上げておる次第でございます。 以上でございます。
○伊藤(忠)委員 そうしますと、外務省に聞きますが、ソマリアはあのように行動を起こされているわけですが、あればこの今の予防展開なのか平和執行部隊、いずれにも該当しないのですか。あれは多国籍軍の何というか行動ということに区別した方がいいのですか、質問しておるのです。
○丹波政府委員 これは、ソマリアに関します安保理決議、これも先生お読みになられたと思いますけれども、決議七百九十四でございますけれども、国連憲章として引っ張っているのは第七章なんでございますね。したがいまして、その第七章の何条とは書いておりませんけれども、国際の平和と安全に対する脅威が生じておるという認識で七章が引っ張られておる。目的は、飢餓で死にかかっているような方々がたくさんある、そこに物資を援助しようとしているけれどもなかなか到達しない、そういう到達する環境というものをつくるためにこの七章を根拠にして関係各国の援助というものを要請するというのがこの決議の趣旨でございまして、いわゆる俗に言う多国籍軍と称されておりますけれども、しかし、湾岸のときの多国籍軍に比べますと相当国連の色がもっとあのときよりもついているという違いはあろうかなというふうに考えておる次第でございます。
○伊藤(忠)委員 関連して質問いたしますが、結局ガリ報告というのは、これまでPKOもあり、多国籍軍もあり、PKOの展開もケース・バイ・ケースでさまざま違いはその都度あったと思うんですが、そういう国連としての実績を持ってきた。そういう実績を、冷戦が終わった今日、二十一世紀に向けて新たな世界秩序を形成するために国連の機能強化の言うならば一環として、今回事務総長としては加盟国に対して、私はこうこうこういうふうに思いますよ、だからこれはたたき台なんで、こういうことを各国に検討してくれないか、私はこのように体系づけていきたい、という考え方なんでしょう。違うんですか。
○澁谷政府委員 ガリ事務総長の報告の中には、従来のPKOを一歩踏み出した考え方が盛られております。この報告の取り扱いにつきましては、昨年九月、国連総会の折に渡辺大臣はガリ事務総長と会談されましたけれども、そのときの総長の言い方は、今すぐこれに賛成していただくつもりはない、これをまさに委員が言われましたようにたたき台にして大いに考え、大いに議論していただきたいということを申しておりました。
○伊藤(忠)委員 ですから私は、近く来日されるということなんでしょう。そうすると、自分としてはこういったたき台を提起をしておりますと、日本を訪れましたと、日本国としてはどのようにお考えなんでしょうかと当然言いますよね。また、そうでなければ実効ある訪日とは言えないわけでして、聞かれたときに我が国がどういう意見を出すかということだと思うんですよ。 それは、自分が参加をするかしないかとは別なんですよね。国連の言うならば今後のあり方について日本としてはこういうふうに考えますよと、全面的な意見展開ができない場合もあるんでしょうが、少なくとも現時点我が国としては考えていることはこうなんですよということと、国連に望むことと、我が国はここまでしかできませんよ、国内法の関係がありますよということだけは、この初期段階の意見交換、議論のときにきちっとやはり言っておかないと、私は将来に禍根を残すことになりはしないか。 大体、日本の政治というのはめり張りがきかない。外から見ているといつの間にか変わってくる。まあまあという言葉があるように、まあまあというのは一体何を言っているのかというようなことで外人にはわからない有名な言葉なんですが、そういうふうに、そんなことになっちゃいかぬわけでして、やはりはっきり物は言うべきところは言っておいた方がいい、私はこう思うんですね。 ですからそのときに、我が国の憲法体制のもとではここまではいいんですよ、これ以上はできないんですよということをはっきりしておいた方が、言うならば常任理事国になってくれないかなった方がいいぞという国際世論だってあるわけですからね。なるならぬということと、これとは別ですよ。それはセットにならないと思うんですよ。そこのところはきちっと区分けをしながら、言うべきことは言うべきだと私は思うんですが、そういう物の考え方についてはどうでしょうか。
○渡辺国務大臣 私は、ガリさんの言っていることは何となくわかる。わかるけれども具体性に乏しいんですよ、まだね。いろいろ聞いてみたいことがたくさんあるんですよ。したがって、将来の国連のあり方としては、私は評価できると思います。思いますが、だからといって日本がすぐ参加できるかどうかこれは別問題だと思います。 要は、御承知のとおり冷戦構造が崩壊した、お互いに軍縮をどんどんどんどんやっていこうということで今始まっているわけですから、そういうのを進めるということは日本人で反対する人はいないと思いますね。しかしながら、局部戦争があっちこっち出てきていることもこれも事実。これを放置していい、これもいませんね。したがって、フセインのような人が世界におるわけですから、そういうのをだれかが取り押さえていかないと世界的な法と秩序が乱れちゃう、これも事実。したがって、仕方がないからみんなでそれは抑え込んでいこうじゃないか。そのためにはロシアとかアメリカとか一国が支配するというんじゃなくて、本当に国連が中心になって各国からお金も集め人も集め、そして本当に世界の警察官的な治安維持の役割を果たしていこうという考えであるならば、その考えはとんでもない考えだとこれは言えないんじゃないのかな。 だからといって日本は今の状態では参加はできませんよ、これも仕方のないことだ。だから日本は、国民が、いやそれは参加するようにすべきじゃないかということになってくればまた別な話なわけですから、余り先のことまで今決めてかかる必要は私はないんじゃないか、ただそう思っているわけです。
○伊藤(忠)委員 私が言いたいのは、結局日本は、今後国連はこういうことをやっていこうじゃないか、このようにやれる範囲だってあるじゃないか、整理をしようじゃないかと言うことと日本が参加することは別、当たり前の話なんですよね。ただ問題は、そのときに実績をずるずる積み上げられていって、いつの間にか多国籍軍に入っていかなければいかぬというような格好になりますと、これは決してよくないと僕は思うんですよ。 そういうことじゃなくて、これは総理も言われていますように、現在の、言うならば現在でもつまり国連として国連軍を持とうと思えば持てるわけでしょう、なかなかすぐにはいかないでしょうけれどもね。そういうことになれば国連軍の方がすっきりしているわけですよ、多国籍軍でずるずるいくよりも。そうでしょう。私はそう思っているんですよ。 ですから、つまり新しい形につくり直すというその過程でずるずる実績を積み上げられて、結局日本も、初めのころはいやいや、ノーノーと言っていたけれども、だんだんとそれは、常任理事国という声も聞こえてきた、まあそういう時期がやってきたか、国際世論もある、それじゃ今のPKOをもう一つ跳び越えて、飛び出して多国籍軍にまでいこうかなんということになっていくというのは私はよくないと思いますから、どうも日本型の政治というのはそういうものが多いものですから、その点は私はめり張りをきちっとつけておいた方がよかろう。 それで、そういう新たな国連をつくっていくというのは一体だれがつくるのかといったら、これは加盟国がつくるわけですからね。常任理事国だけでつくるわけじゃないでしょう。そうしたら非常任理事国に入っている日本としては、きちっと初めの段階から言える範囲でのものはきっぱり言っておいた方がよろしいよという気持ちがするものですから私は強調したわけでございます。 まあこのことの議論はなかなか尽きませんから次に移らせていただきますが、だからそういう考え方に立って、ぜひとも国連の、言うならば平和のための機能強化が実っていくように御努力をいただきたいな、こう思っているわけです。 時間の関係がございますから次に移らしていただくのですが、自衛隊法の三条と百条業務の関係です。これは今の、私が多国籍軍はだめだけれどもきちっとした国連軍ができるんだったらその方がすっきりすると言ったことと関係しておるのです。つまり言いたいことは、自衛隊の歴史ですね。これもずるずるで来たのですが、憲法の拡大解釈で今日までやってきたのですけれども、警察の予備隊から始まって保安隊、今日は自衛隊と言うのです。ところが実態は世界に冠たる軍事力を持つ自衛隊にまでなったわけですね。それで、国際的には自衛隊というふうに呼んでいることがさまざまこれは不便があるわけですよ。外国へ行って自衛隊と言ったってわかりませんものね。軍隊と言わなければわかぬわけです。それを自衛隊で通してきているわけですよ。 なぜ自衛隊と呼んでいるのでしょうか、防衛庁。
○畠山政府委員 この問題につきまして、先生もよく御承知のとおり、長い経緯のある話だと思います。我が国の専守防衛という立場を端的にあらわして、みずからを守るという意味が込められているのではないかと個人的にはそう想像いたしますけれども、政府として自衛隊を、なぜ自衛隊という呼称になっているかということについて正式の説明ぶりをまとめたというものではございません。
○伊藤(忠)委員 こだわるようですけれども、自衛隊というこの三つの言葉には特段の意味はないんですか。特段の意味はないんですか。これは軍隊というふうに名前を変えてもいいんですか。そうでしょう。変えられないはずですよ。そこのところを聞いているんですよ。
○村田政府委員 突然のお尋ねですが、私の記憶によりますれば、たしか佐藤内閣のときであったかと思いますが、自衛隊を軍隊と称することはしないというふうにお答えしておるかと思います。
○伊藤(忠)委員 そういうことを聞いているんじゃないんですよ。なぜ自衛隊というふうに呼び続けてきたのかと、そのことには意味があるんでしょう。つまり、その自衛隊の性格をきちっとここで規定しているんじゃないか。自衛隊と言うとおかしいな、いわゆる自衛隊というこの軍隊組織の基本的な性格を自衛隊と呼ぶことによって性格づけているのじゃないですか。法体系もそうなっているんじゃないですか。これが軍隊だったらもっと違うと思いますよ、全部仕組みが。もう皆さんプロですけれども、私もそう思っておりますが。そこのところを聞いているんです。
○畠山政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、通常の軍隊とは違う意味で自衛隊と言っておりますのは、あくまでも我が国としては必要最小限度のものとして我が国を、みずから守るという機能のみを持たせるという意味合いにおいて通常の他国における軍隊とは違う、そういう意味で自衛隊と称しているというふうに私は理解いたしております。
○伊藤(忠)委員 これは総理か、それとも法務大臣でしょうかね。法制局ですか。総理大臣どうです。
○宮澤内閣総理大臣 これは、私の沿革的な記憶では、憲法第九条の二項でございますか、前項の目的を達するため、陸海空軍はこれを持たないということが書いてございまして、その条項に忠実であろうと、これが基本の気持ちであって、しかも目的はもう専守防衛、自衛のためでございますから、それならば自衛隊という言葉が適当ではないかというのが沿革であったと思います。
○伊藤(忠)委員 今の答弁で私は納得するんですがね。そういうことだと思いますよ。でなければ、全部法体系も組みかえなきゃいけませんものね。 実は、その自衛隊法ですね、これの改正問題が浮上しているわけです。 これはもう防衛庁長官だと思いますが、前防衛庁長官のときから自衛隊法を改正してはどうかという、こういう議論が出ているわけですね。それで、私はそれは困ると、それは同意できないと。なぜかといいますと、三条で規定しておりますのは言うならば国土防衛の仕事なんですね。これはタカ派の仕事なんですよ、戦争するんですから。百条で規定しておりますのは、PKOもそのうちの一つですが、これはハトの仕事ですよ。タカの仕事とハトの仕事を一緒にしようというのは、これはもともと無理ですよね、目的違うんですもの。だから、目的が違うから現職自衛官をストレートに出してもいいんだ、憲法違反にはならぬのだというのが、これはもう政府・自民党さんの一貫した見解だったんですよね。そういう論理からいっても私はまさにそうだと思っているわけです。 そのタカ派の部分は今防衛庁がつかさどっていらっしゃるわけですね。それでハトもタカと一緒にして抱き合わせたような格好で自衛隊法を改正をする。そうすると、一人の自衛隊員が国土防衛の戦争もやるわ、ある日は命令を受ければカンボジアやソマリアヘ出ていってPKOに従事をしなければいかぬというのは、二つの全く異なる仕事を一人がやる、一つの省庁がしようということは、これは私はおかしい、こう思っているわけです。 そういうことを、そういう方法をとるよりも、ハトの部分の仕事というのは国際貢献庁というものをきちっとつくって、新たに国際貢献庁を設置をして、その国際貢献庁の中で百条業務を実施すべきである、このように私は考えるわけです。別組織、別組織と言いますけれども、具体的に言えばそういうことであります。 そして、その国際貢献庁というその中でやります百条業務に、言うならば自衛隊の持ちます組織力やノウハウが必要であれば有効に活用していくということだろうと思うんです。それは身分移管をすればいいわけで、これは国連軍をつくったときでもそうだと思うんです。日本の自衛隊が国際公務員として国連軍に入るんだと思うんですね。民間人がある日突然国連軍に行くということはまずあり得ませんから、そういう格好になると思うんです。まあ身分移管というのはそういう類のものだと思うんですね。 それで、問題なのは、北欧型の待機軍方式というのが言われていますが、私たちもそれに学んでいくべきだと思っていますし、とりわけ二十一世紀に向けてはやはりそういう方法というのを考えていく必要があるだろう、このように思っているわけです。 そこで、アジア諸国が、言うならば我が国の果たす役割も大きいが、アジアの中の一員ですから、経済大国になった日本というのは本当にアジアの諸国から見て信頼するに足るなというような状況をますますつくっていくためにも、アジアの皆さんが、言うならば待機軍方式で一緒になってPKOとしていこうじゃないか、こういうふうな形をつくることができれば、そういう編成をして平和貢献で汗を流すことができれば非常にこれは有効じゃないのか、そういう時代が一日も早く来ることを私たちは望みたい、こう思っているわけです。 先般の議論の中で公明党の市川書記長が、PKOの訓練センターをアジア地域につくってはどうか、我が国がその資金を出してはどうかという提起がございましたが、私は、待機軍方式のアジアのそういうPKO部隊を編成をしていくためにも、言うならばアジアにつくるんじゃなくて、我が国内にそういう訓練センターをつくる、そして各国から、アジアの各国から来ていただいて、もちろん日本も参加をして、そしてそういう待機軍方式のPKOのアジア部隊を訓練を重ねることによって編成をして実現をしていくということが、まあ角度を変えればこれは平和の保障ではないか、こんなふうに私は思うんですが、そういう提起に対してどなたに、外務大臣ですがお答えいただきたい。
○渡辺国務大臣 私は、大変一つの立派な御高見であると高く評価をします。 問題は、しかし、今のように兵力引き離しもやらない、地雷も取らないというふうな、武力行使はやらないというようなことでアジアの国が日本と一緒にやると言うかどうか、これはわかりませんよ、実際は。だから、アジアの諸国がやっているようなことは日本もやりますというんだったら、それは一緒にできないことはないでしょう。 したがいまして、将来の理想からいえば、委員のおっしゃるようなことになって、世界は本当に大陸間弾道弾もなくなる、中距離ミサイルもなくなる、航空母艦もなくなるというような時代が来て、そして本当に世界が平和になる、しかし小規模な争いがあるからそういうものは抑えていかなきゃならぬし、戦った後は治安を回復しなきゃならぬ。そうしたら国連軍も活用できるかもしらぬし、それは多国籍軍を出すよりも国連軍を出した方がすっきりするとあなたおしゃったけれども、それは一つの貢献ですよ、立派な。だから、こういう議論を大いにやってもらうことがよろしいと私は思います。
○伊藤(忠)委員 ですから、私が今申し上げたのは一つの考え方なんでしょうが、そういう考え方で、もし各党もそれはいいことじゃないかというんだったら、その前に、法の全面見直したとか凍結の早く解除だとかと言う前に、世論を二分してやるよりも、一致できる点でみんながやっていこうじゃないかというんだったら、目的が一致しているわけですから、そういう方向で新たな言うならば国際貢献の枠組みをもう一遍つくり直していくということについて、私は、ぜひとも政府としても勇気ある決断をいただいていいんじゃないか、総理、こう思うのですが、どうでしょう。
○宮澤内閣総理大臣 いろいろありますけれども、せっかく建設的なことをおっしゃっていただいておりますので、よく考えさせていただきます。
○伊藤(忠)委員 あと二つの問題について質問あるいはお願いをしたいと思いますが、経済不況対策等と大きく出ているんですが、具体的には厚生年金加入者の貸し付けの拡大なんですね。経済不況の対策とももちろんこれは関連をするわけでございますが、次のような考え方でおるわけです。 今、厚生年金の積立金、これは平成四年度の見込みで九十一兆円です。国民年金は五兆円なんですね。厚生年金は九十一兆円でございます。それで、この受給者の内部貸し付けは、住宅金融公庫に当たった人でなければ借りられないという非常に厳しい制度なんですね。年金の給付条件を見ましても、共済組合年金と比べますと厚生年金の皆さんはやはり格差がございます。今日のように経済大国を築いてきた、それの貢献度といえば、同じようにというかそれ以上に民間の皆さんの働きは僕はあったと思うのですね。にもかかわらず、言うならば報いているかということになりますと、格差が目立ちます。 それで、現状を少しでも改善をしていくべきではないのか、こういう声も非常に強いですし、私はそれを早急にやるべきだ。とりわけこの不況の中で生活条件も厳しくなっているわけですから、それを少しでも具体的に改善をしていくということについて政府が力を入れていただくという時期に来ているんじゃないか、こんなふうに思いまして、次のような具体的な改善の提案をさせていただきたいと思います。 それは、貸付対象者をまず次のように制限をする。これは実現をする、させなければいけませんから、そういう前提で貸付対象者を、厚生年金に加入されている皆さんで加入年数通算二十年以上。なぜ二十年以上にするかといいますと、これは、仮に加入者が不幸にして死亡された場合でも残された遺族に遺族年金が入りますから、それで二十年ということにこだわるわけです。でないと、やはり返済能力のことがございますから、したがって貸付対象者をそのように絞りまして、さらにもう一つ制限を加えてはどうか。 それは、一部上場、二部上場に働いていらっしゃる厚年の方はそれぞれの社内でもって、企業内で措置が加えられておりますから、まあこういう皆さんはちょっと横に置いていただく。実現をしていくためにはまず一歩でもということですから、その制限をもう一つかぶせますということにしまして、貸付内容をどうするか。 これは子女の進学、それから子女の結婚費用で要るでしょう。それから本人の住宅の建築費として使いたいなという人に融資ができるということにしようじゃないか。それから四つ目は、家族で病気になられて、そして非常に困ってみえる御家庭だってあるわけですから、家族の医療の言うならば助けになればということを考えまして、貸付内容は今言った四つのケースに絞りまして、さて貸付限度額ですが、これは三百万円、アッパーリミット三百万円、十五年ローンということで私は実現してはどうか。そうすれば非常に、厚年の加入者の中で、なかなか貸付制度といっても狭いわけですから、余りないんですよ、そういう皆さんに非常に報いることになるのではないかこんなふうに思いますので、私のこの提案に対して、これは大蔵省それから厚生省の関係だと思いますが、前向きのひとつ実現に向けての御答弁をいただきたい、こう思います。
○丹羽国務大臣 お答えをさせていただきます。 現在、先生御案内のように、被保険者がマイホームを購入する場合には、平成五年度の予算が成立いたしますると二十万円アップして七百八十万円を限度として住宅の貸し付けが行われる。それから年金の今度は受給者でございますけれども、五十万円アップして二百五十万円、これは使い道は特別に指定がありません。この二通りだけが現在貸し付けされておる道でございます。 今、先生の方からいろいろな御提案がございましたけれども、私自身といたしましては、今後十分に検討した上で、例えば御提案の中で加入者の子女の高校、大学の入学金などの教育費、あるいは高齢化社会の中で年老いた親御さんに対する介護サービスというのが大変深刻でございますので、こういった方面を中心にして拡大する方向で前向きに検討をしてみたい、こう考えております。
○伊藤(忠)委員 それでいいですか、もう厚生大臣の答弁で。大蔵の方もいいんですか。
○林(義)国務大臣 御趣旨はわかりますし、厚生年金の方は年金福祉事業団でいろいろと住宅資金の貸し付けなどやっておりますし、今回もいろいろな点で改善を図ってきたところでございます。 ただ、御指摘のような問題を一律に全部やるということになると、一体そういったところでの貸し付けになじむかどうか、制度としてやれるのかどうか。例えば結婚費用をやるというような話になりまして、一体どうかねというような問題は私いろいろあるだろうと思いますので、方向としては何かやっていかなくちゃならないと思っておりますが、どういうふうな具体的な形にするか、さらに検討させてもらいたい、こう思っております。
○伊藤(忠)委員 趣旨は御理解いただいたと思いますので、両大臣の御答弁をいただきましたが、いずれにしても、具体的に前進をするように検討をぜひともお願いを申し上げたい、こう思います。 さて、最後になりますが、部落実態調査の問題についてお願いを申し上げたいと思います。 一つは、この実態調査に関連をしまして、現在同和地区の箇所数は六千カ所と言われております。そのうち四千六百三カ所が指定地区になっていまして、問題は、未指定のまま放置されている地区が残りということになるわけですね。で、その地区について今後政府としてはどのように対応していかれようと考えておるのか、その基本的な見解を明らかにしていただきたいと思います。まず、これが第一点でございます。 それから、続けて申し上げますが、第二点は、地対協の意見具申によりまして部落の実態調査をすることになっているわけですが、たしかことしの六月ですか、することになっているわけですが、未指定地区約一千カ所ですね、これは調査から外されているわけです。調査から外すということは、この意見具申の中でも、「二十一世紀に差別を残してはならない」こういうかたい決意を持って施策に対応するというくだりがございますとおり、その一環として実施をされるものでありますから、部落問題の根本的解決に資する実態調査であるならば当然未指定地区を含めるべきではないか、このように考えます。 この二点について、これはどこですか、お願いします。
○池ノ内政府委員 ただいまのお尋ねは、いわゆる未指定地区につきましてその対応をどうするのかということでございます。 御案内のとおり、いわゆる同和対策につきましては、同対法あるいは地対法、それからただいま地対財特法というようなことで二十数年にわたってやってきておるわけでございます。その間、いわゆる指定地域と申しますか、地域住民の合意とそれから地方公共団体の判断のもとに事業を実施したいというような地区につきましてはすべて対象地域としまして、ただいま申し上げましたような事業を実施してきております。したがいまして、ただいまお話ございましたように、仮にいわゆる未指定地区というものがありますといたしますれば、これは本来的には特別対策としての同和対策、いわゆる地域改善対策事業としてではなくて、いわゆる一般地域として一般対策が適用される、こういうことでございますので、今後も事業の必要に応じまして一般対策を優先的に採択するというようなことで対処すべきではないかというふうに考えております。 それから、来年行われますいわゆる実態調査でございますが、それに今お話がございました未指定地区を対象にすべきではないかこういうことでございますが、そもそも来年実施しますこの実態調査でございますが、これはただいまお話ございました地対協の意見具申に基づくものでございますけれども、その意見具申の中では「これまでの地域改善対策の効果を測定」するため、かように申しておるわけでございます。したがいまして、調査の対象となる地域は、これはあくまでも特別対策として事業を行ってきました対象地域ということでございまして、一般対策が適用されるいわゆる未指定地区につきましては調査を行う考えはない、かように考えております。
○伊藤(忠)委員 いずれにしても我々が要求しますのは、全体の実態を把握しないことには本当の意味での、言うならば今後の対策を立てるという点でもやはりそのことは避けて通れないでしょうと、抽出調査になっているわけですしね。ですから、そういう意味からしますと、つまり指定地区と未指定地区、これで全体で調査をして全体の実態がわかるわけですからね。時間の関係がありますから余り深めて議論ができないわけですけれども、何としても私たちとしては、約一千カ所ありますこの未指定地区を含めて調査をしていただきたいということを強く要望したいと思います。 それから次は、地対協委員の選任とそれから実態調査検討委員の選任の状況ですね、これがどうなっているのか、ひとつまとめて答弁をいただきたいと思います。
○鹿野国務大臣 地対協委員の選任状況につきましては、地域改善対策協議会の学識経験委員につきましては昨年の十二月六日に任期が切れたことから現在慎重に選任作業を進めているところであります。私といたしましては、できましたらば年度内に新しい地域改善対策協議会を発足させたい、このように考えているところであります。
○池ノ内政府委員 地対協の委員につきましては、ただいま大臣から御説明したとおりでございます。 それから、同和地区の実態調査の検討委員会でございますが、これは既に一月二十五日発足をしております。構成といたしましては、かつて同和問題の調査をやってきました学者の先生二人、それから地方公共団体の関係者四名、これは県二名、政令都市一名、一般都市一名でございます。それから、総務庁の地対室並びに統計局の専門官ということで構成をしております。 なお、このうち地方公共団体につきましては、地域的な偏りがないようにというようなことで、県、政令指定都市、一般市の中から調査の実績のある団体を選んで選任をしております。
○伊藤(忠)委員 今も大臣及び政府委員の方から答弁ございましたけれども、地対協のこの選任ですね、前回非常に空白期間が多かったでしょう。ですから、早く選んでいただいて、しかも、その当事者の選任については必ずその意を満たしていただきたいというのが私たちの要望でございますので、ぜひともそれを踏まえて、実現方御努力をお願いを申し上げたいと思います。 最後になりますが、差別の問題ですね。やはり人権の尊重というのは何よりも大切なことでございますので、これまで私たちもそのことを強く要求をさしていただいたし、政府の方も現在は地対財特法の五年間延長ということでやってきているわけですが、やはりこれは解放基本法の制定というものがどうしても必要だと思っております。そして、それは人権の基本法につながっていくという展望を私たちも持っているわけですが、いずれにしましても、差別をなくする、人権を尊重するということについて総理大臣の見解を伺って質問を終わりたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 この問題につきましては、御指摘のように二十五年近くの間努力をいたしてまいりました。また、地対財特法も成立を見たことでございます。政府といたしましては、伊藤委員の言われましたようなことを目的に、この行政を立派に目的を達しますように遂行してまいりたいと思っております。
○伊藤(忠)委員 終わります。
○粕谷委員長 これにて伊藤君の質疑は終了いたしました。 次回は、明五日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時散会