法務委員会 第7号
- 発言数
- 199 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1993/04/20
会議録
○浜野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、商法等の一部を改正する法律案及び商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。
○沢田委員 朝から御苦労さんです。もうそれぞれ同僚議員からもいろいろな視点を持って質問も行われていると思いますが、今回の法の改正、それぞれ改正の経過はあるようでありますが、特に、バブルがあり、バブルの崩壊があって、この商法の改正を出そうとするその意図、それは那辺にあるのか。余り長くじゃなくて、箇条書きで結構ですから、ひとつその意図を明らかにしていただきたいと思います。
○清水(湛)政府委員 お答えいたします。 今回の商法改正の要点、大きく分けて三つございまして、一つは、株主の権利の拡充を図る、つまり株主による会社の業務執行に関する監督是正機能を強化する、こういう点が第一でございます。第二は、会社の監査機能を強化する、つまり監査制度の充実強化を図るという点、これが第二でございます。第三は、企業の資金調達の方法としての社債制度についてこれを合理化するということ、具体的には社債発行限度規制の廃止、またこれに伴う社債権者保護措置を講ずる、こういうことを内容とするものでございます。いずれもこれは、会社をめぐる最近の社会経済情勢等にかんがみまして、それぞれ株主の権利の強化とか監査制度の強化を図る必要があるということ、そういうようなことから今回の改正がされたものでございます。 また、このうち第三番目の社債の発行制度の合理化につきましては、これはかねてから我が国の商法の発行限度規制というのは合理性がないのではないかというような指摘があったわけでございますが、単純に発行限度規制を撤廃するだけでは足りない、周辺の環境整備あるいは商法自体に社債権者保護のためのきちんとした制度を設けるということを前提にしてのみ廃止が可能であるというような観点から、従前より長期間にわたって検討されてきた問題でございます。
○沢田委員 これは提案をされる前にバブルがあり、この経過を見ると、最初のスタートがちょうど五十年ごろですから、若干時間がたって、その後五十五、六年ごろになって提案をされている。そうすると、バブルが起きて、バブルが崩壊した、この経過、このときにおける企業、会社といいますか、それの社会的な責任、役割、そういうものは考慮されないということ、前と同じだと言えば話は別でありますが、この間に大きく変わったと思うのですね。この変わった経過が取り入れられなかったということは、これがこういうふうに審議会にかけて決まっちゃったから考慮に入れられなかったんだ、こういうことになるんですか。それでも、遅ればせながら加えて提案する用意があってしかるべきではなかったか、こういうふうに考えますが、その点いかがですか。
○清水(湛)政府委員 特にバブルの問題というものと直接リンクするというわけではございませんけれども、今回の特に監査制度の改正というのは、当委員会等でも行われました証券・金融不祥事等をめぐる会社の監査制度、監査機能の不十分性というような問題の指摘が、その背後に重要な要因としてあったわけでございます。そういうものを踏まえて、監査制度の強化という点が今回の改正の議題になりました。 監査制度につきましては、委員既に御承知のように、昭和四十九年に極めて大きな改正がされております。これは、三十年代、四十年代の要するに企業の大型倒産、粉飾決算、粉飾経理等を是正するということを目的とするものでございました。さらに、その四十九年改正経過というものを踏まえまして五十六年改正がされているわけでございますけれども、これは当時のロッキード、グラマン事件等を背景とした会社経理の適正化とい う点が一つの背景にあった、こういうふうに申し上げることができると思います。 今回の改正は、そういうような点をもさらに踏まえながら監査制度のより充実強化を図る必要がある、具体的には証券・金融不祥事等をめぐる国会の諸議論等を踏まえまして、このような改正をするということにいたしたわけでございます。
○沢田委員 もう一つですが、頑強に否定される意味はわかりますが、答申は平成二年なんですよ。平成二年に答申されて、それを了解して提案をしたというふうに考えるのですね。そうすると、それ以後における、今日の経済状況における会社なり企業のあり方あるいは起こってきた犯罪、そういう経過、そういう反省点はこの法案の中にはついに入れることはできなかった、これは事実の問題として認めざるを得ないのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○清水(湛)政府委員 今回の改正についての法制審議会の答申というのはことしの二月にされているわけでございまして、先生御指摘の平成二年の法制審議会の答申というのは、平成二年度におきまして商法改正が既にされているわけでございます。いわばことしの二月にされた法制審議会の答申というのは、まさにそういういわゆるバブルの崩壊等をめぐる企業の不祥事というものを十分に意識してこの答申がされているというふうに思うわけでございます。 ただ、この基本的なスタンスといたしましては、先ほど申し上げましたように、四十九年改正あるいは五十六年改正によって企業における監査役の権限というのは十分に強化されましたけれども、しかし残念ながらそれが適時適切に行使をされるということにはなっていないのではないかというような反省がございまして、これを実効的に、有効に行使し得るようなシステムづくりをしてみる必要がある、こういうような観点が非常に色濃くあらわれているのが今回の改正法でございます。 具体的には、例えば監査役の任期を延ばしましてその地位の安定を図るとか、特例法の大企業につきまして監査役の員数を増加するとか、あるいは監査役会というような組織をつくりまして、一人で行動するよりか会議体として組織的に行動する方がその権限が行使しやすい、こういうようなことがあるわけでございまして、私どもといたしましては、強化された監査役の権限が適切に行使されるようなシステムをつくることが大事である。これは今日までの経済界におけるいろいろな不祥事を十分に意識しながら、バブルの崩壊等も含めまして法制審議会で論議がされたと考えているわけでございます。
○沢田委員 平成四年の四月に出されたのは、証券・金融の不祥事や日米構造問題、そういうようなものを受けて監査役、会計帳簿の閲覧、代表訴訟権が新たに加えられた。これはわかる。それで、企業の社会的責任、株主総会制度の改善、役員会の改善、株主制度の改善、それからいわゆる公開の制度、合併・分割、最低資本制度、こういうようなものが当初言われてきたわけですね。一部改善されたものもありますけれども、そういう基本的なものでなくて、今回の提案が、さっき三つ言われたわけでありますが、企業の監査制度、株主の保護、資本の開拓といいますか拡充があった。企業の社会的責任とか株主総会とか取締役会、監査会は別ですが、そういう分については今後も引き続いて改善をしていくというふうに受けとめていいわけでありますか。
○清水(湛)政府委員 今回の改正、特に株主の権利の拡充の問題、監査機能の強化の問題、これは私ども商法所管庁として独自に問題意識を持っていた問題でございますけれども、同じような問題が日米構造協議でも提起されたということも当然今回の改正の背景にあるのは御指摘のとおりでございます。 先ほど委員御指摘のように、会社法のあり方につきましては、実は先ほどちょっと私触れました昭和四十九年改正の際に当委員会の附帯決議がございまして、企業の社会的責任だとか、株主総会のあり方だとか、企業のディスクロージャーの問題だとか、監査制度のより一層の強化というような問題が指摘されたわけでございます。そういうようなものを踏まえまして、先ほど御説明申しましたように、昭和五十六年改正が主として株主総会の制度の改善策に向けた改正であった、あるいは株式制度の改善、改革を目的とするものであったということが言えようかと思います。それから、平成二年度改正は、四十九年の当委員会における附帯決議で指摘されましたいわゆる最低資本金制度を導入するということを主体とした改正であったと私どもは考えているわけでございます。今回の改正は、そういう改正の延長線上の問題であるというふうに認識いたしております。 もとより、企業の社会的責任については今後とも私どもは商法の立場から考えていかなければならないと思っております。この場合、企業の社会的責任についてどう考えるかということが非常に重要な問題でございますけれども、今までの基本的な考え方といたしましては、会社制度を整備いたしまして、企業がそういう会社法の諸制度を遵守して行動をすることを通じて社会的責任を果たすことができるようにする、つまり諸制度を整備することを通じて企業の社会的責任を全うせしめたいと考えるべきだと私どもは思っているわけでございます。そういうような観点から、今後とも会社法についてはなお検討しなければならない問題がたくさんございます。 さしあたって、私どもは現在作業として継続している問題といたしましては、企業の合併・分割の問題、有限会社法の全面的見直し問題、さらに根本的には大小会社区分の問題というような大きな問題が残されているわけでございまして、そういうものについて現在法制審議会を中心といたしまして議論が重ねられている状況にあるわけでございます。
○沢田委員 今回もまた一里塚の一つである、今後もこれからの時代に対応してやって、もちろん貿易摩擦などもありますからさらにまたより深刻な問題も起きてくるだろうと思うのでありますが、そういう形で引き続いてこれは改正へ努力をしていくということだと思うのです。 これから私は質問をしていきますが、会社法、特に商法でありますが、日本の国の経済活動の重要な役割を占めている、こういう認識は一緒だと思うのですね。これはつぶそうなんというふうな気持ちは毛頭持っていないのです。要すれば、公人という立場で社会的責任を持って国民にある意味において奉仕をしてもらう、そういう立場で商社あるいは企業がそれぞれ行動をしてもらう、そういうのが大前提にあるだろうと思うのです。これは大臣もたまに立ってもらった方が眠気が覚めるかもしれませんね、これは冗談でありますが。会社なりが社会的に持つ役割は何なんだろう。ただ物をつくってもうければいいということではないだろう。それなりに社会的に、また効果を分かち合う、そういう役割あるいは社会的な責任を持っている、そういうことが大前提にならないと日本の資本主義経済、自由経済は育っていかないと思うのですね。この点は大臣から、副総理という役割もあるわけでありますから、日本のためにお答えいただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 企業の社会的責任といえば、企業活動を通じて物を生産し、それを流通させ、それを国民の生活に役立たせる、その間に適正な利潤を上げるということを基本にしながら、一つは、企業はたくさんの社員を抱えておりますね、そうすれば、やはり社員の生活を守ってやるということは大きな一つの役割ではなかろうかな。それと同時に、企業は多くの人から資金の提供を受けておる、つまりは資本参加ですね。投資されておるわけですから、投資家の保護ということを経営者、企業としては全うしていく、基本的にはその三つですね。要するに、国民経済に奉仕するということ、職員の生活を支えるということ、そして投資家の保護を全うする、こういうことが大体企業の基本的な責任ではなかろうかなと考えているわけでございます。
○沢田委員 順は不同になりますが、現実の問題としては、例えば企業の貸借対照表、損益計算書がいろいろ新聞等に発表されます。これは定款で決められて出すわけでありますが、特別損失というのが出てきますね。その特別損失という文字で中身がわかりますか。商法なりその他は、特別損失は限定されて一つ出ている。今はそうじゃなくなってきているのですね。だから、特別損失と書かれて、あなたが一般の市民だったときに、これはどういう損失だったのかというのがわかりますか。
○清水(湛)政府委員 企業は法務省の定めるところの計算規則に従いまして貸借対照表あるいは損益計算書というものを作成しなければならない、こういうことになっております。通常の場合には、当該営業年度の期間におきまして投じた費用とそれに対応する収益という形で経常の損益を計上するということになるわけでございますが、それ以外に、固定資産の売却損益その他異常な利益とかあるいは損失についてその内容を示す適当な名称を付した科目を設けて記載をするという特別損益の部があるわけでございます。 会計的に非常にわかりにくいという面があるわけでございますけれども、少なくとも計算規則上は、先ほど申しましたような異常な利益、損失についてその内容を示す適当な名称を付した科目を設けて記載をするということになっておりますので、だれにでもわかるということかどうか、それは私どもちょっと自信はありませんけれども、私どもとしては一応の理解はできる、こういうふうには一応考えておるわけでございます。
○沢田委員 だから、いろいろな言い回し方をあなたはしていたけれども、特別損失、上がるわけですね。その中身が何だかわかりますか。特別損失というのは中身がいろいろ、昔は単純だったのですが、今は非常に複雑なものが、株の損もあるかもしれぬし土地の損もあるかもしれぬし、あるいは今日のような価格の異常な暴落によって生まれた特別損失もあるかもしれぬ、あるいは出資して損したのもあるかもしれぬ。とにかく特別損失という項目にみんな入ってきているのですね。中身がわかりますか。ただわかるかわからないかだけ答えてもらえばいい。今度は聞くから、新聞に出てきたこの特別損失は何だと。
○清水(湛)政府委員 いろいろな異常な利益または損失の分類と申しますか、そういうものによってこれをまず区分けして、例えば土地の売却損であるとか株式の売却損であるとかいろいろな形で細かい費目に分類されて記載されるということになろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、そういうことにつきまして明瞭に記載をしなければならないというのが一般原則としてこの計算規則にございます。そういう観点から、いわばわかるようには記載すべきものとされておるというふうに考えているわけでございます。
○沢田委員 今のではさっぱりわからないのですね。特別損失の中では少なくとも三項目とか四項目は最後の欄に、特別損失は土地なりあるいは株券なりあるいは詐欺に遭った損失なり、とにかくその多くは項目ぐらいは計上するぐらいの義務はあるのじゃないですか。どうですか。ただ特別損失で包括的に計上すること自身は少しおかしいのじゃないですか。
○清水(湛)政府委員 どこまで記載すればわかりやすくなるかという程度問題でもあろうかと思いますけれども、例えばこの計算規則の四十六条でございますか、附属明細書の記載事項というものが定められているわけでございまして、その明細書には貸借対照表とか損益計算書及び営業報告書の記載を補足する重要な事項を記載しなければならない、こういうことになっているわけでございます。計算規則上、どこまでわかればいいかという問題は別途あるかと思いますけれども、基本的な事項は明瞭に記載されるということに制度上はなっているというふうに理解しているわけでございます。
○沢田委員 だから、特別利益もありますが、特別損失などについては少なくとも重要なウエートの三つくらいはその欄外に、当面私は欄外と言っておるが、欄外にでも、特別損失の主なものはこれとこれです、そのくらいは株主なり何かに、株主総会に行けばわかるのかもしれぬが、質問なんかできないから、結果的にはその程度は公表していくということがやはり企業の本当の姿をあらわす、全部出せばいいのだけれども全部は出せないでしょうから、主なもの三つくらいは計上するくらいのことは、法務省としても、国民の利益を守る立場からも当然必要なことじゃないですか。
○清水(湛)政府委員 恐らく、損益計算書等に重要なものについては注記しろ、こういう御趣旨の御質問だと思います。附属明細書で重要な事項を明らかにすることにはなっておりますけれども、これがすべての者に自由にいつでも見られるという状況ではございませんから、そういうような損益計算書等に注記をするということは一つの考え方として十分に検討に値する考え方だというふうに考えます。
○沢田委員 これは何も損失だけ言っているのではなくて、利益の方もやはり、主な利益は株でもうけたのか土地でもうけたのか、あるいはどういうふうに特別利益が上がったのか、やはりそれも同じようにその三つくらいは知らしていくということが必要だと思うのですね。 ちょっと、今までもいろいろ同僚議員からも出ていましたから、前に飛ばしというのがあったのですね。これは大蔵などでは飛ばし、それから損失補てん、随分やったわけです。この二つとも若干問題があるのですが、飛ばしについては、法律的に解釈すると、わざわざ濱刑事局長にも来てもらったのですが、飛ばしと損失補てんと二つあるのですが、性格は違うのですが、飛ばしは法律的にはどういうふうに受けとめておられるわけですか。
○濱政府委員 今委員が御指摘の飛ばし行為につきましては、御案内のとおり一昨年のいわゆる証券不祥事の中で問題とされたわけでございまして、損失補てんの規制に関する証券取引法の改正におきましては、第三者からの損失補てんあるいは第三者への利益提供による損失補てんの禁止という形で、その一部が犯罪に当たるとされたものというふうに理解しているわけでございます。 委員がお尋ねになっておられますのは、御指摘の飛ばしについて、あるいは詐欺罪等との関係も含めてお尋ねになっておられると思うわけでございますが、このいわゆる飛ばしということについて法律上明確な定義規定というものはないわけでございますけれども、偽装あるいは粉飾決算につきまして証券取引法の上では上場会社等の有価証券報告書の虚偽記入行為等が処罰の対象とされているところでございますけれども、このような虚偽記入行為等を伴わない飛ばし行為につきましては今申し上げた証券取引法上の罰則の適用がないことは当然でございますし、また先ほど申し上げました詐欺罪、これも委員御案内のとおり、特定の相手方に対して欺罔手段を講じて錯誤に陥れてその結果財物を取得した場合に成立するという構成要件になっているわけでございますから、社会的に見た場合に偽装的であるとされるような行為がすべて詐欺罪を構成するものでないことももちろん申すまでもないことでございます。
○沢田委員 もう一つ、損失補てんは法律上どう受けとめていますか。
○濱政府委員 御指摘の損失補てんにつきましては、これも一昨年のいわゆる証券不祥事の中で問題とされまして、国会におきましてもその適法性とか、あるいは将来に向けての法規制のあり方についていろいろな御議論があったと承知しているわけでございます。 もちろん犯罪とされるのは法律によって構成要件が明確に定められた行為だけでございまして、行為がいかに反社会的なものであったといたしましても、法律により犯罪として定められていないものにつきましては刑罰を科することができない、これを処罰するということはこれは申すまでもなく罪刑法定主義の原則に反することになるわけでございます。 国会におきましては、今申し上げましたような観点から、いわゆる損失補てんとされるものにつきまして、証券取引法に明確に定義規定を置いた上で、そのような行為を罰則つきで禁止したというふうに理解しているところでございまして、この証券取引法の改正によりまして、今申し上げましたような禁止規定に触れる行為は犯罪であるということが定められたものというふうに理解しているわけでございます。
○沢田委員 遅まきながら禁止になり、それは社会的な不公正あるいは社会的な犯罪である。これは後でつくられたものでありますが、後でつくられたということは、同時に、その前の行為も好ましからざる行為であったということだけは言えるのではないかと思うのです。これは感想になりますが、後から法律ができたから前のがどうだというのじゃなくて、それはやはり好ましいことではなかったということを証拠立てたようなものだというふうには一般的には言えるんじゃないかと思うのですが、どうですか、それは。
○濱政府委員 先ほどちょっと申し上げました一昨年の証券不祥事の御議論の中で、今委員が御指摘になられたような観点からもいろいろな御意見があったというふうに記憶しているわけでございます。もちろん、いわゆる飛ばしあるいはいわゆる損失補てんの行為につきましても、いろいろな態様があるわけでございましょうから、一概に既存の刑事罰則でとらえられるかどうかということは当時もいろいろ御議論があったかと思うわけでございます。 今委員がお尋ねになられましたように、それぞれ、今申しました飛ばし行為あるいは損失補てん行為にいろいろな態様のものがあるといたしまして、その中に非常に反社会的なものがあるということであるといたしましても、やはり法律で犯罪として定められたものでなければこれは刑罰を科すことができないというのは、これは先ほども申し上げましたように罪刑法定主義の定めるところでございますので、そういうことも踏まえまして、先般の証券取引法の改正において構成要件を明確に規定して罰則を設けることとしたというふうに理解しているわけでございます。
○沢田委員 そういう場合の損失について補てんをするという契約は、民事契約でありますが、あったことは確認をされましたか、されませんか。そのどっちかだけお答えください。損失補てんの方です。
○濱政府委員 ちょっと私、委員のお尋ねを誤解しておるようであれば御指摘いただきたいと思いますが、個々の事案において今委員がおっしゃられましたような契約関係があったかどうかということは、それぞれの事案によると思いますので、必ずしも一概には申せないかと思うわけでございます。
○沢田委員 いわゆる契約があってその義務を果たした場合と、それから証券会社が任意的に、あなたに損かけちゃって申しわけなかったということで提供をした場合と、それが会社であるか個人であるかはまた別として、それがいわゆる一定の裏づけがなくして行われたとすれば贈与になるんだろうと思うのですね。寄附になるか贈与になるかになるわけです。だから、それは一定の契約なしに行われたかどうかのものを、あなたの方ではどういうふうに調べたか調べなかったかを含めて、これが不当だという以上、若干調べたんだろうと思うのでありますが、刑罰の対象にならない、これはそれで結構ですが、内容だけは調査をされたのかどうか、ちょっとお答えいただきたいと思うのです。
○濱政府委員 それぞれの具体的な損失補てん行為等の事案において、今委員がお尋ねになっておられますように、どういう契約関係があったのか、あるいはそういう契約関係がなしに、証券会社の方から内意というか自発的に行ったのかというようなことについては、これはいろいろなケースがあると思いますので、当時としてその辺について調査したかどうかということは必ずしも承知しておりません。 おりませんけれども、証券取引法上の新たに設けられた罰則との関係で申し上げますと、これは一般論として申し上げるわけでございますけれども、契約関係があった場合ももちろんございましょうし、あるいはそういう契約関係がなしに、証券会社の方から自発的に補てんしたという場合ももちろんありましょうけれども、いずれにしろ、新しく設けられました証券取引法の五十条の三でございますかの新たな規定によって処罰されることとなったというふうに理解しているわけでございます。
○沢田委員 損失補てんの方だけ一応いきますが、国税庁は、損失補てんで支払われたものは、さっき貸借対照表その他で言いましたが、これは特別利益に値するのですか。それとも、これは何の欄に計上される金額になるのですか。
○藤井説明員 お答え申し上げます。 今のは、損失補てんを受けた方の立場でございましょうか。個人、法人でもちろん異なりますが……(沢田委員「出した方もありますよ」と呼ぶ)実態に応じてそれぞれでございますが、実際に有価証券の売買等を通じて、その差額として損益が出る場合もございます。したがいまして、まさに取引に応じて個々である、非常にまちまちであるという状況だったと承知しております。
○沢田委員 いや、私は帳簿上の処理、金の種類、色分けを聞いているのです。それで国税庁に聞いているわけです。国税庁としては、そういう金はいわゆる特別利益と見るのか、あるいは、損失補てんですが、結果的には普通の会計に入れてしまうということなんですか。それとも、特別利益、こういう形になるのか、あるいは贈与になるのか。どういう位置づけでするのか、こう聞いているわけです。
○藤井説明員 お答え申し上げます。 私ども国税当局といたしましては、それが損失補てんに当たるかどうかということにかかわりませず、証券会社等が有価証券取引等を通じまして特定の顧客に特別の利益を供与したかどうかということで判断いたしまして、その実態に応じまして例えば交際費等として処理する、こういうことになるわけでございます。まさに取引に応じまして、これは一般の損金ではなくて交際費である、そういう認定をいたすわけでございます。したがいまして、特別利益かどうかということにつきましては、私どもちょっと承知していないということでございます。
○沢田委員 もし契約があったとすれば、それは出した方はどうなりますか。それから、受け取った方はどういう形になりますか。
○藤井説明員 契約の有無につきまして、それがあった場合とない場合で、先ほど申しました、私どもが特定の顧客に特別の利益を供与したかどうかの判断をいたします場合に差が出てくる場合があると思いますが、私どもはその実際の取引で、そういういろいろな状況を現場で判断いたしまして先ほど申しましたような条件に当てはまるかどうか、こういう判断をいたしておるところでございます。 一般論として申し上げますと、その判断をする上で、契約があったかどうかということも一つの判断材料であるというふうに考えておるところでございます。
○沢田委員 結局、いろいろ聞きましたが、不労所得であることは、後の法律を持ち出すまでもなく、当時においても不労所得であったことは間違いないのですね。いわゆる社会的慣行の法令あるいは契約、そういうものにかかわらず、特定の者が利益を得たのでありますから、不労所得であることには変わりはないわけですね。ですから、一般の損をした人と特別に補てんをされて損害がカバーされた者が税法上も同じ扱いになるということは、理解しがたいところなのです、法規上の問題はあるが処罰規定がないということでこれは免れたということなのでありますが。税務上も、これは出した方が交際費ということなら交際費でいいですよ。全部交際費として処理すれば、それは交際費の枠内ではおさまらないでしょうから、当 然そのことは課税対象になっていわゆる重加算税がついていく、こういうことになると思いますから、それはそれで理解をいたします。 続いて、飛ばしなのですが、飛ばしは、損失を持っていた会社が次の人にやるのには契約がそれぞれあるわけですね。それから、その契約があって、受け取ったことにして片方は経理をする、その後どんどん次々といけば、それが連鎖反応を起こしていくわけですが、両者だけでやったといった場合にはこれは会計上の粉飾決算になるのではないか、こう思われますが、その点はいかがですか。
○清水(湛)政府委員 いわゆる飛ばし行為がどういう具体的動機、態様で行われるかということでございまして、個々具体的な事実関係のもとで判断すべき事柄だと思いますけれども、一般論として、本来利益がないのに利益を計上するための手段、あるいは本来は損失であるのに損失を隠ぺいする手段としてそのような決算をするということでございますと、いずれまたそれが次の決算期にはこちらの方で高値で買い取らなければならないということになるわけでございますから、その結果として会社に損害を与えるということもあり得るわけでございまして、一種の粉飾決算、不正経理に該当する場合もあり得る。ただしかし、これはあくまでも個別のケースによって判断をしなければならない問題ではないかというふうに思うわけでございます。
○沢田委員 その程度でいいです。全部が粉飾決算だと国会で言い切っては、また問題が起きる。まあ九九%これは粉飾決算のためにやったことでありますから、目的もそういうことであるし、そう措置されるのが当然だというふうに思います。もう三月ですから、それで皆それぞれやっているわけでありますから。あなたのおっしゃったことそのまま大蔵省なり法務なりがそれぞれちゃんと適正にひとつ監視をし、またそれを執行してもらいたい、こういうふうに思います。 経理公開というのは、要するに、常に企業が公正に国民とともに生きていくという姿勢をあらわすための開示制度なのですね。何か間違いが起きると、会社の社長がいつの間にかかわって、責任をとりました、こういう形で事が済むものではないのですね。ですから、本来ならば経理の公開、ディスクロージャーというものはきちんとやっていかなくちゃならぬ、こう思うわけでありますが、飛ばし、損失補てん、公開、こういうことについては通産省としてはどういうふうに受けとめてどういう解釈をしているか。また、経理の公開、こういうものが今日的な課題で、世界的にも求められていることだ。外国人も株を買っているわけですから、それを内密にしておくということはかえって日本の保護主義につながる、こういうことにもなるわけでありまして、その辺は通産省はどういう立場で受けとめておられるのですか。
○梅原説明員 お答え申し上げます。 まず先生の御指摘の第一点、いわゆる損失補てん問題についての私どもの考え方でございますが、基本的にはただいまの法務省からのお答えと同じでございます。 一般論といたしましては、損失補てん問題については基本的には証券市場のあり方の問題ではないかと思います。証券市場のあり方については、証券業界のみならず投資家である企業の側においても、やはり社会的責任を有する主体としての自覚が非常に重要であるというふうに考えております。こういった考えから、通産省としてもこのような企業の自覚を強く期待しているところでございます。 先生の第二点目の御指摘の点でございますが、これも一般論になるかもしれませんが、いわゆる財務諸表などによるディスクロージャーの強化によって企業の活動を市場メカニズムを通じてコントロールしていくということは、昨今叫ばれておりますコーポレートガバナンスという観点からも、我々としても一つの方向として期待しているところでございます。 以上でございます。
○沢田委員 きょうは大臣が来ているわけではありませんし、期待をしまして、これからもいろいろな面で摩擦が起きてくるわけでありますから、求められて開くということとみずから開いていくということとは、相手に与える印象というのは非常に違うと思うのです。 守るというのは、一方において自分も損することなんですから、一つを守るということは、今度は逆に一方が阻害される、こういうことにもつながるわけで、やはり貿易の自由化ということを言う以上、プラスとマイナスはついて回るものなんです。ですから、双務性を持っているものだということを理解していかないと、うちは得するが相手には損をかけても構わないという論理は、これはお互いの間でも通用しない論理なんですね。 それは耐えがたいものもありますよ。ありますけれども、それが自由貿易の基本なんです。ですから、そういうことはえてして身内に甘くなり外に対して強くなるという傾向なしとしないのですが、それは公正な貿易とは言えないと思うのです、私の意見が特別なのかもしれぬが。選挙をやる身としては、えてして自分の身内に水を引くことになりがちなんでありますが、これは大臣も政治家ですから、そういうことを勇気を持っていかなければ正当な貿易にならない。下手に言うと過保護の子供になってしまう、こういうこともあるわけです。その点は若干他の委員の意見と違うかもしれませんが。私は、公正な貿易というのは双務性である、そういう前提で、資源のない日本がこれからも正常に発展していくためには、お互いに一方に犠牲が生まれることはある程度受忍していかなくちゃならぬと思っています。 次に、この法案の中身の監査役会に対しては、今度はわざわざ会にした。第一点は、監査役会というのは規則ができるんでしょう、政令もできるんでしょう。まずそこから聞いていきたい。監査役会にはいろいろと規則とかルール、あるいはどこまでの権限があるとかないとか、そういうことはこれから政令その他によって補充していくものと解釈しますが、その点どうですか。
○清水(湛)政府委員 今回の改正によりまして、いわゆる特例法による大会社について監査役会という制度をつくりました。これは法律に設けたわけでございまして、その職務とか権限あるいは監査役会の議事及び運営、そういうものにつきましては法律ですべて自足的に規定されておるというふうに私どもは考えておりまして、さらに政令とか省令でこれについての規定を設けるということは、目下のところ考えてはいないわけでございます。
○沢田委員 例えば監査役会をやって、ある監査人が出金伝票以外に海外における伝票まで見ようというふうに主張して、見せろと言った。では、それは監査役会に諮って決めるんだと、国会でいえば、理事会に諮って決めるんだと、こういって理事会に行ってみたら、だめになったという場合、それはどうなんです。
○清水(湛)政府委員 今回の監査役会というのは監査役固有の権限を取り上げるということではございませんで、監査役は本来そういった先生御指摘のような問題について、疑義を持てばみずから調査をする権限があるわけでございます。ただ、大会社の場合にはいろいろ業務範囲が多岐にわたっておりますので、監査役が効率的に監査事務を行えるように監査役会において分担を決めるとかあるいはいろいろな調整をする、こういうような意味で監査役会を定めたものでございます。 したがいまして、監査役本来の調査権限、これはあるわけでございますから、御指摘のような問題、もしそういうような問題がございますれば監査役としては独自に調査をすることができる、こういうことになろうかと思います。
○沢田委員 その「いろいろな調整」というのは何ですか。これは法律用語でもない。その後何か役会を開いたとか、談合の場所にしてこれはうまくやっていこうじゃないかというためのもの、私も監査をやったこともあるけれども、そういうことになってしまうのじゃないですかね。監査役会 として今度行動するということになってくると、まあこの辺はなんということになる場所をつくっていくということにも——独自の監査権がそのまま存在し、独自にやらせるという場合でいけば、例えば今の国の会計検査院のやり方だって、ことしは何を重点にといって、全部やれるわけじゃないですからね。これは私の想像ですよ、私がやっているわけじゃないんですから。しかし、ことしはどういう分野を重点に見ていこうかというのはそれぞれ決めていくわけですから、そういう意味においての理解はできます。それぞれ個人は独立してはいるんだけれども、いろいろな意味でそこで役会をつくるのは、ではそれは何のための目的を持ったものなんだ。政令も要らない、その他の通達も要らない、あとは監査役会で勝手に決めなさい、こういうことですか、そうすると。
○清水(湛)政府委員 商法というのは、法務省が例えば商法をもとにしていろいろな監督を、具体的に行政監督をするということを前提にはいたしておりません。要するに、組織相互間あるいは組織の構成員相互間の利害を調整する、こういう規定でございます。この監査役会につきましても、法律の条文に従いますと「その決議をもつて、監査の方針、会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項を定める」ということになっているわけでございます。 具体的には、先ほど申しましたように、大会社におきましては三人以上の監査役が今度置かれるわけでございますが、各監査役が役割を分担する、あるいはそれぞれ調査した結果を持ち寄って相互の調査を相補う、あるいは会社の業務についての必要にして十分な認識を共通する、相互の意見の内容や根拠について相互に検証し合う、こういうようなことによってより監査の質を高めると申しますか組織的な監査をして、会社に対してきちっと言うべきことは言う、こういうことでこの監査役会の制度を設けたわけでございます。具体的な監査役会の招集とか会議の運営等については、別に取締役会に関する商法の規定を準用するという形になっております。 さらに、その細目について監査役会でいろいろなルールを決める、これは妨げられておりませんのであるいはそれぞれ監査役会が独自に規則をつくるということもあろうかと思いますけれども、基本的な枠組みというのは今回の改正法の中で充足をされている、こういうふうに言っていいと考えているわけでございます。
○沢田委員 私がこんなものを持ってきたのは、この百分の三でどれだけのディスクロージャーができるのかということを、大手というのも上場している大体この部分を言うんでしょうから、ちょっとこうやって見た。ところが、果たしてどれだけの効率が上がるのか。大体三社ぐらいなんですよ。三社から五社。 一つというのは、例を挙げていいかわからぬが、ある会社が出資しているわけですから、その会社はその人以下あと三%以上持っている人はいない。だからその百分の三でいいですよ。一歩譲っていいです。そのかわり、上位十位の株主はその検査権を百分の三とみなすとか、一つしかない、何もないのですから効率が出てこないのです。五〇%以上持っていれば、あとは皆二%台しか持っていないとすれば、この法律の効果は出ない。だから、せめて百分の三の効果は、逆に言えば上位十社はそういう権限を持つというようなことがつけ加えられなければ余り効果がない。私もちょっと見たが、一社しかないのが大分あるんですよ。どこまで大手と言うか、これがだんだん普及されてくるんだろうと思うのですが。昔の会社はなおさらなんですね。大体出資者がほとんど持っている。 今後できてくる会社はなるべく多く資本を集めなければいけません。それでも二・七とか二・六とかということになるのですね。銀行あたりだってそうですよ。ですから、このディスクロージャー、せっかく民事局が骨を折ったんだけれども、やはり抵抗が相当多かったんだと思うんだね。帳簿の閲覧というのは、だから二段階に分けたらどうだったのかという気もするのですね。いわゆる監査人が見るような帳簿の種類のものと、一々出張の先まで調べていく見方をするのかどうかということと、そういうものと違うと思うのですね。全体の経理とかそういうものを見ていくのと個々の見ていくものとを分ければ、そうすればもっと有効なものになったのにという気がする。 ですから、せっかくつくってよくなったような気がして見たら、結果的には自分の出資元しか見られないということになってしまったのでは、これはいけない。画竜点睛を欠きますね。だから、この施行に当たっては、上位十社ぐらいがやはり見られるというぐらいな任意性を持ってもらった方がよかったんじゃないか。民事局長の答えはわかるよ。いいよ。だけれども、大臣、わかるでしょう、言っている意味は。つくってみたけれども、ちっとも役に立たない。役に立たないというか、だからせめて十社ぐらいは、上位十人ぐらいの株主はできる、それでなかったら社会的責任を果たしていくというチェック機能が果たせなくなってしまう、そういう意味なんです。 ちょっと念のためですが、大臣、ノンバンクで二億出資しているのです。二億を出資して始めて、二億配当しているのですよ。次の年もまた二億配当しているのですよ。自分だけなんです。一人で出していればいいのですから。一人で二億出してノンバンクをつくって、次の年には二億配当をもらっているのですよ。そしてまた次の年にもバブルだから二億配当をもらっているのですよ。何のことはない。二年で四億もらっている。出資金はそのまま残っている。そういうのもあるのですよ。だから、一社だけという形でいくと、それはやはりチェック機能が及ばなくなる。それは大臣知っていましたか。知らなかったでしょう。そういうのもあるのですよ。 二億出して翌年は、ノンバンクですから金利がべらぼうに高いでしょう、二億また配当をもらっているのですよ。また次の年も配当二億もらっている。まあ税金は取っているでしょうけれども。これだってわかりゃしないけれどもね。とにかくそういうのもある。だからチェック機能というのはやはりもう少し厳しくしていく。大体答弁はわかりますからいいですよ。いいですけれども、そういう機能を持たせなければ意味をなさないということを言っているわけですから。もし何だったら、調査権の範囲の企業の秘密もあるわけですから、これはいいですよという中で決めたらいいと思うのですね。 どうですか。答えますか。
○清水(湛)政府委員 株主の帳簿閲覧の持株要件を今回十分の一から百分の三に緩和したわけでございますけれども、この緩和自体についてもいろいろ議論がございました。これは日米構造協議でも問題になったわけでございますが、日本には、御承知のように株式会社だけでも百三十万社あるわけでございまして、大中小それぞれにおいていろいろな株主の分布状況があるわけでございます。 大会社だけについて見ますと、これは百分の十持つ会社なんというのは、そういう株主がいるというのは大変少のうございまして、私ども、例えば「会社四季報」という雑誌がございますから、それを丹念に洗ってみまして上場会社約二千百社について調査いたしましたところ、これは概数ですが、十分の一だと、これに該当する株主の数というのは千三百ぐらいだ。これを百分の三にしますと一万二千、約十倍になるというような、これは余り根拠が確かとは言えませんけれども、大体そんな感じを持っております。 そういうような株主の帳簿閲覧権の要件緩和ということでございますけれども、基本的には、我が国の会社制度は、株主総会で選任された監査役が株主にかわって会社の業務執行を監査するというシステムをとっておりますので、株主の直接そういう監査機能についてはやや厳しい要件がアメリカ法等に比較いたしますと定められておるということが言えようかと思います。アメリカの場合 ですと、一株でも持っていればこの閲覧権があるというようなことが言われているわけでございますけれども、その辺は制度の違いが根本的な前提としてある、こういうふうに私どもは考えるわけでございます。この百分の三をさらに将来どういうふうに緩和していくかというようなことにつきましては、その実態等を踏まえながら今後検討、研究する必要がある問題かもしれないというふうに思っているわけでございます。
○沢田委員 続いて、監査役会に対する質問権なんですが、株主は、本当は総会に行ってしゃべれと言えばいいのですが、大体十五分か二十分しかたたないで株主総会終わっちゃうのですから。例えば今言った損失補てんとか飛ばしとか、そういうようなことについて株主が監査役会に対して質問をするということを、これは何も制度、法律改正とかそういうものでなくていいと思うのですが、そういう形で可能にする道はありませんか。
○清水(湛)政府委員 監査役会自体に株主が出席してということはこれはちょっと考えられませんけれども、株主総会に監査役は出席をして、そして株主の求めに応じて株主総会において説明をする義務を負う、こういうことになっているわけでございます。したがいまして、この株主総会における説明義務というのは、これは監査役会が説明をするのではなくて、あくまでも各監査役が基本的な監査権限を持っているわけでございますから、各監査役の義務としてこのような株主の質問に対して答えをする義務がある、こういうことになるわけでございます。
○沢田委員 それはわかっているのですよ。だけれども実効性がないでしょう、今日。実効性がないから、その窓口を幾らかでもあけていくために、チェック機能を果たすために、株主が文書で例えば監査役会に質問を出す。それは任意的なものですから、監査役会が取捨選択をしてもらって結構なんですよね。そして、これは必要だと思ったら、その質問者に対してこういうことなんですということを説明していく。株主総会に出ていったってとても発言する状況にはないのですから。そうすれば、監査役会が必要と認めたものについて回答をしていってやる。それは本人に、質問者に対してですよ。何も公表しろというのじゃないのです。その程度の機能を生かしていって、それがたくさん世論で集まるようなら今度は株主総会で聞いてくれということになるでしょうし、あるいは違った方法がまた生まれてくるかもしれませんし、監査役はその質問によって自分の監査の場面を広げていくかもしれませんからね。情報かもしれませんから。 そういうことで監査機能を強める。やはり国民というか投資者参加という中の監査機能、そういう意味においては国会における質問通告と同じようにそういうものを出して答えてもらう。何も公表しろというのじゃないのですから。これはまずいと思うのは監査役会で没にすればいいわけですから。これはお答えできません。そういう機能を多く発達させていくことが必要だ。 原則的にどうですか、これは。
○清水(湛)政府委員 私、先ほど法律的な制度を述べたわけでございますけれども、監査役というのは日常会社の業務を監査しておるわけでございまして、そのために使用人に対していろいろな報告を求めたり説明を求めたりということをするわけでございます。それと同時に、株主の方から、あるいは場合によっては社員の方から、こういった点について問題があるから監査役会はどう考えておるかあるいは監査役はどう考えておるかというようなことを、これはいろいろな形で意見を述べ、あるいは質問をするということは事実上大いにあってしかるべきだというふうに思います。 それに対して監査役の方で、そういう指摘を受けてこういう方針で監査をしてみようとか調査をしてみよう、こういうようなことがまた次の行動として出てくることも考えられるわけでございまして、監査の目的を達成するために必要なその種の事実上の質問とかいろいろな意見の申し出というのは、これは事実上の問題だとは思いますけれども、大いにやってしかるべきではないかというふうに思うわけでございます。
○沢田委員 時間の関係が出てきましたから、おいでになっていただいた方に申しわけありませんから、IASCの問題で若干聞きますが、これも法務大臣には関係があるわけですが、いわゆる世界の会計基準にだんだん日本を近づけていかなきゃならぬ。一挙にこれは改正するということが可能なのかどうかわかりませんが、そうなるといわゆる資産勘定もいろいろ変わってくるわけですが、これも外国からはいろいろ言われている条件なんですね。 ですから、こういう状況をそのままにしていけるかどうかということは非常に難しい、税制上も難しいのですが、原則的に見ればIASCに参加した経済の仕組みというか会計の仕組みをつくらなくちゃならぬ。そういうことについて、これも一挙にいけるいけないは別問題として、原則的にどうお考えですか。
○西方説明員 ただいまお話のございました国際会計基準につきましてでございますけれども、日本、米国、ヨーロッパ、各国の会計基準につきましては、それぞれ違いがあることは事実でございます。会計基準の調和を目的として一九七三年に設立されました、各国の職業会計士の団体から成っております国際会計基準委員会というのがございまして、これは強制力がございませんけれども、現在国際会計基準の設定につきましていろいろ議論をやっている、そういうような状況でございます。 我が国もこういった議論の推移というのは注目しているところでございます。また、国際的にもこの国際会計基準委員会における作業を踏まえまして、これは今度証券の監督者の会議がございます、IOSCOといっておりますけれども、そういった場でその委員会の成果を踏まえながら議論される見通しになっているということでございます。 私どもといたしましても、国際的な会計基準の調和を図っていくということはある意味で大変大事なことだということで、こういった議論に積極的に参加をしていきたい、そういうふうに思っております。
○沢田委員 その程度で事が済めばこれは簡単なんだが、そういかぬのじゃないかと思うのですね。 これはなぜ今大蔵省が答えたのかわからぬが、損益はまた別ですよ。損益は別ですが、会計基準を採用するかどうかは、やはり大蔵省ですか、所管は。所管は大蔵省、ああそうか、首を縦に振っているから、そう。しかし、これによると法務省も十分関係があると思ってどうなのかなというふうにお伺いしようと思ったら、大蔵省なら私の委員会ですから、自分のところへ行ってまたやりますからそろそろこれで打ち切りますが、法務省は関係ない、こういうことでいいですか。
○清水(湛)政府委員 関係がないということではないんだろうと私ども思うわけでございまして、商法の三十二条に「商業帳簿ノ作成ニ関スル規定ノ解釈ニ付テハ公正ナル会計慣行ヲ勘酌スベシ」、こういうことになっております。ここで言う「公正ナル会計慣行」というものの最も代表的なものがいわゆる企業会計原則、これは企業会計審議会で定めるというか、そこで検討されておる企業会計原則だろうと思います。今大蔵省のお答えになったのは、そういう企業会計審議会における企業会計原則と国際会計基準との関係という面からの御答弁だと思いますけれども、まずさしあたっては大蔵省における研究、検討を踏まえまして、それが我が国の商法の中に「公正ナル会計慣行」として「勘酌」され得るものになってくるのかどうか、こういう意味では関係がある、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。
○沢田委員 いろいろ議論の中身は、本当にこれだけでも全部使われるような議論なんですが、そういうことを考慮しなければならない段階に来つつある、そういうことを申し上げて、大臣もそうなんですが、そういう意味において今のような、 例えばマッカーサーがいたと言っているところが三千五百万で今でも帳簿価格になっていると言われるようなことがまかり通っている会計では国民はだんだん納得しなくなるということを私は言おうとしているわけでございますが、その点は今後ひとつ期待をすることにしてこの程度にしておきますが、大蔵省の方でこれはまた進めていただくということにしたいと思います。 続いて、これは国税の方もかかわり合いを持つんですが、要すれば社債の管理会社は手数料はどのぐらい取るんですか。 時間がないから簡単に聞いておきます。
○東説明員 先生の御指摘は現行の受託手数料の水準、こういう趣旨だと理解しておりますが、この受託手数料につきましては、基本的に個々の起債の都度発行額あるいは当該社債の格付等を踏まえまして発行会社と受託会社との間で個別の交渉により決定される、こういうものであると理解しております。このような受託手数料につきまして現状の水準、こういうことでございますが、一つの資料といたしまして公社債引受協会の資料、こういった資料に基づきまして見ますと、例えば発行総額が五百億円かつ年限が七年物の社債、こういったケースにつきまして、日本の場合は受託手数料は一億五千五百万円、五百億円に対して一億五千五百万円、こういう水準でございます。
○沢田委員 一般の預ける方はどのぐらいの程度なんですか。社債を持っている個人が預ける方は。これはゼロですか。
○東説明員 質問の御趣旨を必ずしも私自身よく理解しているかどうか定かではございませんが、社債権者が受け取ります利率、そういった面でとらえますと、そのときどきの金利水準のいかん、年限のいかんにもよりますが、例えば六、七%とかあるいは五%とか、そういった水準になろうかと存じます。
○沢田委員 結局任意制は認めないんでしょう、個人の任意制は。社債会社に預けないということはこれは義務的なことだ、大体こうなっておるようですね。その辺の問題が一つあるわけなんです。
○東説明員 私ちょっと誤解しておりましたようで、預けるという御趣旨が社債の管理、社債の請求とかあるいは償還金の受け入れとか、そういった社債管理機能につきまして現行商法のもとであれば受託会社を経由して社債権者が処理するかどうか、こういう点だといたしますと、現行商法のもとではそういった社債の受託会社を置くかどうか、これは任意になっております。かつ、先ほど申し上げました受託会社が受け取る手数料でございますが、これは発行会社が右代表で受託会社に支払う、したがいまして社債権者が直接にお金を払う、そういう関係ではございません。
○清水(湛)政府委員 預けるという趣旨でございますけれども、今回の法律で社債権者保護のために設置を強制しております社債管理会社が社債券を預かるということは予定しておりません。つまり、社債管理会社が社債を預かるということはない。したがって、もし社債をどこかに預ける、あるいは証券会社が保護預かりで預かるというようなことがあるのかもしれませんけれども、管理会社が預かるということは想定をいたしていないわけでございます。
○沢田委員 ある会社が社債を発行する、そして私たちが買います。買った社債は当然私のもとへ来ますね。それは管理会社に預けなくてもいいのですね。任意制なんですね、あくまでも。もし預けた場合、幾らの手数料が一年なら一年、半年なら半年で取られるのですか。一番初歩的なものを聞いているのですから。
○東説明員 預かりという御趣旨が、先ほど私ちょっと舌足らずだったかもしれませんけれども、社債の償還につきましてもろもろの管理機能があるわけでございますが、その管理機能を社債権者みずからが行使せずに受託会社がかわって行使する、これが現行の受託会社の機能でございます。そういった機能につきましては、これは現行商法上は任意でございます。それと、別途、具体的に社債券そのものの保護預かり、こういう関係もございますが、その保護預かりの関係と受託会社の機能とは基本的には別途のものである、そういうふうに理解しております。
○沢田委員 これは念のためですが、募集の受託会社は銀行または信託会社でなければならない、こういうふうになっていますから、結果的には、ある会社が委託をするのは銀行か信託会社になる、これは施行法でこういうことになっているのですね。それはもう決まっていることだ。ただし、会社が委託をする場合にはそうだけれども、それからもらう個人、投資家というか社債の購入者はそれはどこに置こうと自由である、そういうことに理解していいですね。それでまた、もし銀行または信託会社に請求した場合は手数料は幾ら取られるのですか、こう聞いているわけです。
○清水(湛)政府委員 現行法では社債の募集について受託会社、委託募集をする会社というものを観念いたしております。そして、委託募集の会社が社債の募集事務と管理事務というもの、二つをやっておりました。だから、証券会社みたいな仕事もできるようには一応商法上はなっていたわけでございますが、証券取引法上はできないということになるわけでございます。 今回の改正案におきましては、社債の具体的な発行事務あるいは募集事務については証券取引法の分野に任せる、証券会社の分野に任せる。ただ、そういう社債を募集する場合の条件として専ら社債権者のためにいろいろな行動をするための管理会社というものを発行会社にその設置を義務づけたということでございます。したがいまして、具体的に募集された社債を証券会社に保護預かりという形で預けるか、あるいはどこかの金庫に預けるかということはあるかと思いますけれども、今回の法律で出てまいります社債管理会社がこれを預かるということはない、したがってそれについての手数料というのはない、こういうふうに私どもは考えているわけでございます。具体的に証券会社が例えば保護預かりをするについてどういう手数料を取るかというのは、これは別途の問題だろうと思います。
○沢田委員 これも後の同僚の議員に残りは任せます。 そこで、国税庁、この会計基準で棚卸資産の、こういう物価が非常に異動をしているときに、今の時期は物すごく、半分の、四割引きとか何かになってきているのですね。今あるパソコンにしてもテレビにしてもそうですが、皆四割ぐらい引いてある。そうすると、三月三十一日決算のときに棚卸資産として見るときには、現実に売り出すとすれば四割引きで売らなくてはならなくなってくる、しかし会計上は取得価額であるところのものをもって棚卸資産に計上していくわけですね。四月一日に出せば四割差し引かなくてはならない。もしあなたの方で三年後あたりに見に行く、そのときにはそういう今の事情というのはどういうふうに理解することが可能なんですか。また、どういう受けとめ方で棚卸資産を確定するわけですか。その点ひとつお答えください。
○藤井説明員 お答え申し上げます。 御指摘は棚卸資産一般の話。原則として、御案内のとおり原価主義ということでやっておる、税法上もそういう考え方でやっておるところでございます。評価につきまして、私ちょっと今詳細なあれを持っておるわけではございませんが、実態に応じまして、著しく減価した場合の評価がえの規定はもちろんございます。そういった税法上の規定を適正に執行していくということでございます。
○沢田委員 細かいことまで事前通告してありませんでしたから若干不十分さは免れませんけれども、これは検討してください。 もう一つ、通産省お帰りいただかないでいるから、よく我々議論するLPガスの板で囲ってあるものですね。あなたは担当じゃないからわからないかもしれない。あれは減価償却七年なんだ、板で囲ってあるのが。そんなばかな話ないでしょう。板でちょっと囲ってあるのが七年なんだ。こ れは大蔵省もそう見ている。こんなばかな話ないんだ。板は何のためにあるのかと今通産省の保安課長に聞いたら、回答が来ない。あれはブロックでつくってある場合が七年なんだろうと思うのです。だけれども、果たしてあれで何を守るのか、何のためにあるのか。あなたらは通産省だから、知らないから、これは大臣だけに言っておくことなんだ。そういうのがある。 それからもう一つだけ、これは大臣に言っておかなくてはいけない。これは警察の方に言っておく。 今度、道路交通法が変わりまして、四十キロオーバーすると反則行為であるというふうに変わるんですよ、高速道路は。高速道路、標準が六十キロなんですね、首都高速あたりは。それから、ほかのところは大体八十キロなんです。そうすると、百二十キロというのが限界だ、反則行為になります、こういうことなんですね。遅い方も取り締まらないと、三車線のうち一車線は、非常に優雅な方々が占有していっているわけです。急がず騒がずゆっくりとという人が一車線行って、あとの二車線の中で急いでいる人が走っている。だから、上も縛るなら下も縛らないと道路の円滑な行動ができないんです。 大臣が元そうだったから、来てもらっているから言っておくんですけれども、やはり円滑な運営というと、よく十七号でも、その他もそうですが、五十キロで行けばずっと青で行けますよと。今度できてきましたね。そういうつもりで流れをよくするということが道路交通の基本だと思うんですよ。刑事局長の方の関係か、法務大臣の管轄だから言っておいてもらいたいのですが、要するに円滑な運営のためにどうしたらいいかということで考えてもらうことが重要な課題です。大臣、そうですね。だからうんと遅いのも困る。 それからもう一つだけ、これは時間の関係で言っておくのですが、過積みであったり、物を簡単に載せておいて、高速道路の中で荷物をおっことしてしまって、あるいはトラックが横転して全部渋滞を来すんですね。これは公衆に重大な迷惑をかける。少なくとも荷主は百万円ぐらいの損害賠償金を払って、そんな百万円で済むわけじゃないけれども、迷惑料を払ったっていいんじゃないかという気がしますよ。それがそのまま、事故ですから何もなく済まされているということは、これはやはり社会、公共の福祉に沿ってはいない。だから、そういう油断をしないように荷主は考えなければいかぬ。委員長もそうですが、そういうことを考えてちゃんと処理していくという義務があると思うんです。そういう点は何とはなしに大まかにされていまして、みんなが迷惑を受けている。これも許されることじゃないと思うんです。 ある人が、余り信号をつけ過ぎれば、かえって交通渋滞ができると言う。何でもつければいいというものじゃないんですよね、金使えば。かえってない方がいいと言う。時にまた交通巡査が入ると余計渋滞してしまう、こういう意見もあるんですから、そういうことをよく判断して、バランスをどうとっていくかということをそれぞれの担当が考えてもらわなくちゃいかぬと思うんです。平素言いたいことがいっぱいあったから、ここのところずっと言えなかったから、ここで一度に言ってしまったんですが、笑い事じゃなく、それぞれの担当は十分そういう点を配慮してほしいと思うんです。 最後になりましたが、国税庁、さっき言ったものを、損失補てんの分については課税対象となるかどうか。それから、飛ばしの分について、粉飾決算のおそれはあるという結論は出たけれども、その点についてどういう措置を講ずるか、その点の決意のほどだけひとつ聞いて、私の方は、若干早いのですが、まだ時間もありますが、次の方もおられますから終わりたいと思います。 国税庁の方からこのお答えをいただきたいと思います。まだ大臣には一つありますから。
○藤井説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘の飛ばし、損失補てん、それぞれ必ずしも定義がはっきりしていないという面もございますが、それぞれの取引の実態に応じまして、支払い側、受け取り側それぞれの課税処理を行うということになるわけでございます。私どもとしては、あらゆる機会を通じまして有効な資料情報の収集に努めまして、そういったものの分析を通じて、課税上問題があるという場合には、実地調査を行うなどによりまして、今後とも適正な課税に努めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○沢田委員 これも社会的な公正を期すための一つの道であります。どんな法律をつくろうと、その執行に当たる行政官が適切にやらなければ、法はまさに抜け穴になるだけで意味がなくなるわけでありますから、その効果を適正たらしむるために御努力をいただきたいというふうに思います。 あと、商法の今いろいろ問題になった点は今後も引き続いて御検討をいただくということと、交通の問題とかその他にも触れましたけれども、大臣その他を含めて一応それぞれの分野において御検討いただきたい、こう思いますが、いかがですか。お答えを聞いて、終わりたいと思うのです。
○後藤田国務大臣 おっしゃることはよくわかりまするので、さように心得ております。
○沢田委員 では、終わります。
○浜野委員長 草川昭三君。
○草川委員 公明党の草川であります。 商法等の一部を改正する法律案の審議に入る前に、ちょっと大臣に政治改革についての決意のほどをお伺いしたいと思うのです。なかなかこういう機会がありませんので、後藤田さんにお伺いしたいわけです。 後藤田大臣は、大平内閣のときにも自治大臣をやられましたし、中曽根内閣のときにも内閣官房長官など重要な職責を果たしておみえになるわけでありますが、その後自民党の政治改革本部長の代理を長く務められてき、また最近では副総理という大変な要職につかれたわけであります。 何か、お話によりますと、首相からも、政治改革の問題で政府と党の間に立ってやってほしい、いろいろなお話もあったやに報道ではお伺いをしておるわけでございますが、政治改革についての見解をこの際お伺いをしたい、こういうように思うわけであります。
○後藤田国務大臣 私は、四年前から党員として政治改革の問題に取り組み、今また法案を提出しておる内閣の一員でございます。 政治改革というのは、基本的には議会制民主主義の活性化、そして健全な与野党間の対立の中で当面するいろいろな政治課題を国民の要望に沿うような形で、議会政治のもとでそれが達成できるような政治の仕組みをつくっていく、これが政治の抜本改革である、私はかように考えておるのです。 その改革の切り口としては、今一番国民の不信を買っているのはやはり政治と金の問題でございますから、政治と金の問題についてのけじめというものをはっきりつける、それと同時に、なぜそうなったかということになると、現行の中選挙区制度のもとにおける同士打ちといったようなことが大きな原因になっておる、さらにはそれを背景にして常日ごろの政治活動に大変金がかかり過ぎる、こういうことであろう、こういうことを考えまして、平成元年の五月二十三日に、当時の総裁竹下さんでございましたが、答申をし、そしてそれを政治改革大綱として自由民主党としては一応の党議決定をし、過去の四回の選挙で国民にその実現の公約をしておるわけでございますので、我々といたしましては、何としてでもこの公約を守るということが、これは政党なり政治家にとっての国民に対する一番守らなければならぬ基本の責任であろう、私はこういう考え方を持っておるものですから、何としてでもこの政治の改革はなし遂げなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。 ただいま、御承知のように四本の法律案を自由民主党から議員立法の形で提案をして特別委員会で御議論を願っておるさなかでございますが、野党からもいろいろな御意見が出ておるように承っ ておりまするので、この特別委員会で何とか政治の抜本改革、それがために政治資金なり選挙法なりあるいは政治倫理に関連するもろもろの規定の改正なり、いろいろなことが一括して成立できまするように、そして一括してでき上がりますれば、それによって物理的な時間の余裕がある限り次回の選挙からそれを適用して政治の改革の一歩を踏み出したい、かように私は考えておるわけでございまして、政府としても、議員立法ではございますけれども、政治改革の重要性にかんがみて、できる限りこれに対して協力を申し上げたい、これが私の政治活動に対する基本的な考え方でございます。 もちろん、私どもとしては、我が党が出しておる案が最善の案である、かような考え方を持っておるわけでございます。しかし、これは共通土俵をつくるという仕事の性格上、やはり野党の皆さん方からもいろいろなお考えが出るでございましょうから、それらは国会審議の場で十分議論を闘わせていただいて結論を得て、何としてでも政治の抜本改革だけはやり遂げるということが大事であろう、かように考えておるわけでございます。
○草川委員 この際、ちょっと時間をいただいて、せっかくの機会ですから、ぜひ後藤田大臣の見解をお伺いしたいわけです。 御存じのとおり、野党の方も社会、公明両党で、比例代表ということが大きなウエートにはなっていますけれども、小選挙区制を併用して改革をしようという大変踏み込んだ方針をつくって今議論をしておるわけです。この野党案もそれなりの苦労した経過があって提案をしておるわけですが、率直なところ、このような野党の案に対しての御見解を差しさわりのない程度でいいですから、この際お伺いしておきたいと思います。
○後藤田国務大臣 草川さんのせっかくの御質問でございますけれども、今、特別委員会でかんかんがくがくの議論をやっていらっしゃる。この議論は、今日まで新聞で拝見するところは、それぞれのお立場に立って我が党の案が一番いいんだということで、言葉は悪いので、これは新聞に出るとぐあいが悪いかもしれませんけれども、建前論議で今は議論をしていらっしゃるな、私はさように見ております。 ただしかし、国会というものは、論議の場であり妥協の場なんですね。そして、どれが一番日本の政治にいい影響を与えることができるかということを見出すのも国会、与野党超えての責任だと思いますから、そこらはひとつ十分委員会で御議論をしていただくということが肝心なので、私はきょうのこの場でのお答えだけはひとつお許しをいただきたい、かように思います。
○草川委員 お話は大変よくわかるわけでありますが、確かにおっしゃるとおりで、我々も苦悩しているわけです。それで、今のままでいきますと建前ということになりますが、相打ちだとかという言葉が今出てきておるわけですよ。それで、おっしゃるように、どこかで妥協をして新しい方法を見出さないと国民は承知をしないというところまでぎりぎりの瀬戸際だ。私も過日、本会議で議員の職を賭してもやるべきではないか、こんな決意を申し上げ、与党の方の答弁も求めた経緯があるわけであります。 たまたまそういう時期に民間臨調の方から連用制という新しい言葉で、どちらかといえば並立制の延長線のような考え方のものが過日新聞報道等で出ました。後藤田大臣もどこか地元でそのことについてのコメントをなされておりまして、これも新聞報道では出ておるわけでございますが、この連用制なるものについて、選挙制度改革の一つの行方ではないだろうか、こう思うのでございますけれども、どのような御評価をなされるのか、お伺いをしたいと思います。
○後藤田国務大臣 私の今の立場は自由民主党の案が最善である、こういう前提に立っておることをまず申し上げまして、二番目には、ここまでくると、この国会でこういう問題について与野党ともに何もできなかったということは、国民は絶対にこれを許さぬであろう、だからこういうことも一つの前提として考えておるわけでございます。 そういった立場を踏まえながら、連用制についての個人的な意見ということになろうかと思いますが、あの案は、現有勢力に大きな激変はないであろう、しかし相当な影響を受けることは、改革ですから当然なきゃならぬ、しかし大きな激変はないんじゃないか。 それから、今、議会制民主主義で私は一番大事だなと思うことは、一つはやはり、長年自由民主党のいわば永久政権のごとき観を呈した政治が続いておるわけですが、議会政治の活性化ということは、肝心なことは健全な野党が存在をするということだ、そして時に与野党間で政権の交代がある、そうすることによって緊張した政治の関係が続く、そういった中から国民の要望を実現していく、これが私は議会政治の本来のあるべき姿だと思いますね。 そういう観点から見ますと、私自身は小選挙区が一番いい、こうは思っておるのですが、運用案は、やはりそういった政治の再構築に向けての大きなきっかけになり得る内容を含んでおるのではないか、こう私は思います。 そういう意味合いから、私は、申し上げた二つの点で、個人的にはこれは評価をするに足りる案である、こう考えております。ただし、もう一遍繰り返しますが、私は小選挙区制度論者でございます。
○草川委員 新しい内閣の副総理というお立場もあるわけでありますし、政治改革本部長代理等をやっておみえになったので、当然その前提で御答弁を願ったわけで、それは大変敬意を表します。 そこで、先ほど妥協の場が必要だということをおっしゃったわけでありますし、たまたま個人的な立場からも再構築のきっかけになる、こういうことでございますが、実際、けさの新聞等を見ますと、与党の方も大変きつい縛りをかけておるようですね。この縛りをかけているというのは、せっかくこういう時期にきながら、思い切って縛りを外してフリーで議論することが大切だ。また、事実特別委員会ではかなりフリーな、活発な討議が行われているわけです。せっかくこのいい雰囲気にきておるところに与党の方が縛りをかけるというのはいかがなものか。アンケート等についても慎重にというようなことがあるようでございますし、それはまた他の党にとって、私どもも同じでございますが、個々人がこの際本当にかくあるべきだという議論をすべきだ、こう思うのでございますが、その点についてどのようなお考えか、これまたちょっと踏み込んで大変恐縮ですが、お伺いしたいと思うのです。
○後藤田国務大臣 私、全然箱口令をしかれたことはありませんし、それから世論調査に余り軽率に応じるなというような文章も見たことがありません。ありますか。私は実は見たことがないのです。しかし、率直に言いますと、これだけの重要な問題、ここまできますと、私は政党政派を乗り越え、党利党略、個利個略、こういうものを乗り越えて今政治家としていかにあるべきかということを真剣に考えるべき時期ではないのかな、私はさように考えております。
○草川委員 ありがとうございます。 では、この件についての最後の一問ですが、臨調側も相当有識者の方々が参加をなすっておみえになりまして、大変御苦労なすっておみえになるわけでございますが、当然、長い間与党の政治改革の本部長代理のお仕事をやっておみえになるわけでございますから、事前に何か御連絡はあったんでございましょうか。御相談はどうでしょう。
○後藤田国務大臣 全く相談はありません。ただ、発表の前日に委員の一人の方がお見えになりまして、そうですね、二、三十分間説明がございました。それだけで一切事前の相談はございません。
○草川委員 ありがとうございました。 では、本題の方に質問を移していきたいと思います。 まず、民事局の方にお伺いをいたしますが、今 回の法改正につきましては日米構造協議の場に問題がさかのぼるのではないかと思うのです。この日米構造協議の場で米国側から日本企業の閉鎖性の見直しというのが非常に強く求められた経緯がある、こういうように私どもも承知をしております。その中で俗に言うところの会社法だとか商法の見直し、こういう問題提起があり、その際、日本側として商法改正による企業内容の明示すなわちディスクロージャー、あるいは株主の権利拡充を公約というのですか、約束をした経緯からこのような法改正になったのではないかと思うのですが、改めてその経緯についてお伺いをしたい、こういうように思います。 〔委員長退席、田辺一広)委員長代理着席〕
○清水(湛)政府委員 お答えいたします。 御指摘のように日米構造協議でアメリカ側から日本の会社法における諸制度につきまして各種の問題点の指摘があったことは事実でございます。私どもはそれに対しまして、アメリカ側の指摘を受けるまでもなく日本独自の立場から商法の改正作業を現在継続中であるということを指摘したわけでございます。そういうような議論の過程でアメリカ側がいろいろ持ち出した問題の中には、いろいろ日本の法制を必ずしも正確に理解した上での問題提起ではないのではないかというように思われるものもございまして、そういうものについては説明をして撤回をしていただくというようなこともいたしたわけでございます。 そういういろいろなやりとりがあったわけでございますが、この平成二年六月の最終報告におきましては、会社の合併法制の弾力化あるいは会社法におけるディスクロージャー制度の拡充とか代表訴訟制度の合理化、これはディスクロージャー制度の拡充とつながる問題ではございますけれども、株主の会計帳簿閲覧制度の改善等の検討を現在日本政府としてはいたしておるところであるというようなことを報告事項に盛り込んだわけでございます。その後、平成四年のこのフォローアップの第二回報告書では、自己株式の取得・保有規制の見直し等の問題も指摘されております。 私どもといたしましては、こういう日米構造協議の過程でアメリカ側に日本政府として約束をしたというふうには考えておりません。アメリカが提起した問題について日本側における検討状況を説明した、その中にはアメリカ側の問題意識と我々が検討作業を続けている際における問題意識と一致するものがあった、そういうようなことでございまして、今回の改正の具体的な内容についてアメリカ側といろいろな約束があったというようなことは一切ないわけでございまして、例えば代表訴訟の改善につきましても日米構造協議の具体的な内容は一切触れられていない、こういうことでございます。そういう意味で約束ではございませんけれども、アメリカ側からそういう問題の指摘があったものについて、たまたま私どもと問題意識が一致したものについて今回の改正となったということでございます。 また、例えばアメリカとの日米構造協議で社外取締役ということが非常に問題になったわけでございますけれども、社外取締役というようなアメリカ法的なものの採用というのは非常に難しいわけでございますが、今回社外監査役ということで形を変えて法案に盛り込まれておる、こういうことが言えようかというふうに思うわけでございます。
○草川委員 確かに公約ではない、ただし問題提起があり、今回の法改正の中に入れるものは入れた、こういう御趣旨のようであります。 そこで、あのときにはたしか、日米構造協議の問題は日本側からも随分アメリカの問題点を提起したと思います。そんなこともあっていろいろな経過があるわけでありますが、例えば日本企業の株の持ち合い制あるいはまた日本企業の系列化、談合というようなものもなお残っておるのではないか、こう思うわけでありますが、これは商法とはいささか問題を異にしておりますけれども、一応今度の商法改正でアメリカ側の問題提起というのはクリアした、こういうように見ていいわけでございますか、改めてお伺いします。
○清水(湛)政府委員 日米間に存在する貿易不均衡の原因となる構造的な問題の解決のための次官級協議であるという日米構造問題協議におきましては、系列問題の一つとして会社法の見直しということについて米国側の要請が出されているわけでございます。アメリカ側の主たる関心事は、会社の所有者である株主の利益が十分に守られるようにするための株主の権利の拡充というところに一番のポイントがあるわけでございますが、今回の改正におきましては、株主による会社の業務執行に対する監督是正機能を強化するというようなこと、それからその具体的な方策として株主の代表訴訟の目的の価額を九十五万円とみなす、これは実は現行法の解釈として議論、対立があったわけでございますけれども、いわば株主に有利な方の解釈論をとってこれを法制化したということになるわけでございまして、これによって代表訴訟が安心して起こせるということにもなるわけでございます。 また、代表訴訟に勝訴した株主は会社に対し勝訴のために支出した費用の支払いを請求することができるとか、あるいは株主の帳簿閲覧権の持株要件を百分の三以上に緩和するというようなことが盛り込まれております。これらの改正は、株主の権利の強化のための方策という意味では米国側の要請の趣旨に沿うものでございます。 それから、先ほどちょっと申し上げました社外取締役による監査委員会の設置というアメリカの要求に対しましては、これは私どもは当時そういう考え方は持っておりませんので報告書には盛り込みませんでしたけれども、その後の各委員会、草川先生にも一度そういう指摘を受けたかと思いますけれども、社外取締役を変えて社外監査役という形で今回の改正案に盛り込んだわけでございまして、これもアメリカ側の関心事に対して一つの回答をしたことになるのではないかと思っております。
○草川委員 バブル景気の崩壊過程で明らかになった証券・金融不祥事、あるいは国会でも証人喚問、参考人出頭というような経緯があったわけでございますけれども、あの際のことを思い出しますと、株主無視あるいは企業経営の私物化という企業のあり方が随分批判をされたのではないかと思います。このような企業経営者の行為を法制面からチェックすべしということも一つその際出たのではないかと思うのでございますが、今回の商法改正で、証券・金融不祥事のような会社不祥事を防止することができるのかどうか、これもまたお伺いしたいと思います。
○清水(湛)政府委員 商法というのは、行政庁側が会社に対していろいろな監督権限を行使するという意味の規定ではございませんで、株主なりその他会社のいろいろな機関がそれぞれ適切に権限を行使して会社の不祥事をあらかじめ防止する、そういうシステムを提供するというのが会社法の建前でございます。 そういう意味から見ますと、今回の株主の代表訴訟制度の改善だとかあるいは株主の帳簿閲覧権の改正によりまして、株主の代表訴訟が提起しやすくなる、帳簿閲覧の機会も拡大する、さらには監査役制度の改正によりまして、取締役の業務執行に対する監査役の監査が充実強化される。監査役というのは非常に力が弱いと言われているわけですが、そもそも一般的に監査役の任期を延ばして地位を安定させるということがまず前提にあるわけでございます。大会社について監査役の人数をふやすとか、あるいは監査役会というような制度をつくることによりまして会社の業務執行部に対して組織的に物申せるという形のものにする、そういうことによりまして監査役の監査が充実強化されることになろうと思うわけでございます。その結果、取締役の違法な業務執行を事前に防ぐ、あるいは事後的な責任追及の方法が整備されるということになりまして、そういう意味で会社の不祥事の防止のために一層有効に監査役の権限を行使することができるようになったと私どもは考えるわけでございます。 具体的にそれぞれの会社において、監査役が法律で与えられた権限をどの程度行使し、あるいは株主がその権限を行使するかということにつきましては、それぞれの企業経営者あるいは企業経営のあり方の問題として考えていかなければならない問題ですが、法制度は一応整備いたしたと私どもは考えているわけでございます。
○草川委員 では次に一社債制度の問題についてお伺いしたいと思うのです。大蔵省の公社債市場室長と審議官がお見えになっているので、純資産の二倍の限度枠撤廃とか今回いろいろな問題があるわけでありますが、ちょっと私も不勉強ですから大蔵省にお伺いしたいわけです。 昭和初期の金融恐慌というのですか、そういう時代に社債発行について、伝えられるところによりますと何か浄化運動ということがあったようですが、どういう動きがあったのか、まず概念、経過をお伺いしたいと思います。
○西方説明員 昭和二年のいわゆる金融恐慌に端を発しまして、昭和初期の恐慌時におきまして多数の社債が元利の償還不能に陥ったことがございました。当時のことを回顧した文書によりますと、こうしたことの反省に立ちまして、デフォルト社債の例がほぼ出そろった昭和六年六月ごろに、銀行とか信託とか保険会社から成る会合が持たれまして、その後発行する社債を原則としてすべて担保付にするということ、また償還を確実にするために減債基金付にするということで意見の一致を見たようでございます。これは銀行を中心とする引受会社が社債を担保付債として発行いたしまして、担保の受託会社により社債権者の権利を法的に守ろうとしたということだと思います。 さらに、昭和八年五月には、この一致事項の実施につきまして関係者間で協力の申し合わせが行われたということでございます。引受会社間のこうした協調の動きは、社債制度の信頼を取り戻そう、混乱に陥っていた起債市場を浄化しよう、そういった意味合いがあったということで、社債浄化運動と呼ばれているようでございます。
○草川委員 古い昭和初期の金融恐慌のことをあえて持ち出したのは、これまた後で少し触れたいと思うのですが、例のワラント債の状況で、いわゆる新株割当の権利が実際上は紙くずになってしまったというような例が昨年来随分出ているわけであります。そんなことから、また今回この社債制度の問題について新しい提起があるものですから、あえて昭和の初期の金融恐慌時代の社債の発行問題をお聞きしたわけであります。 そこで、純資産の二倍の限度枠撤廃、無担保の社債は純資産ということになっているわけでありますけれども、この社債の発行限度枠の撤廃は将来不良社債の発生を誘発するのではないだろうか。昭和の初期と結びつけるつもりはありませんけれども、一応お伺いをしたいと思います。これは法務省になりますか。
○清水(湛)政府委員 実は、先ほどの社債浄化運動というものが起きたのを契機といたしまして、昭和十三年に社債法のかなり大幅な改正がされておる。商法の面でも社債法の整備をしてきたわけでございます。ところで、今回の社債発行限度の規制の撤廃という問題でございますけれども、社債というのは、要するに一般大衆を相手にして企業が金を借りる一種の消費貸借類似の契約である。有価証券という社債を発行はいたしますけれども、基本的には消費貸借あるいはそれに類似する契約というふうに言われております。したがいまして、社債発行制度の中で社債権者を保護する、不良社債が発行されて社債権者が不利益を受けることが絶対にないようにするということが一つの基本的な前提であると私どもは理解いたしております。そういう意味で、現行の社債発行限度規制は、一つの社債権者保護の手段としてある種の機能を果たしていたことは否定できないと思います。 ただ、問題は企業の方が社債という形ではなくて一般に銀行から金を借りようと思えばこれについては何らの制限がない、無制限に借りられる、こういうような問題がある。さらにはまた、発行限度規制は、発行するときにはこういう厳しい規制があるけれども、一たん発行してしまうとその後に会社の資産状況が悪くなってもそれをどうこうするという手段は何も講じていないというようにいろいろ問題がある。これは結局、明治の初期に日本の商法をつくる際に、イタリア商法などの影響を受けて、とにかく社債権者保護のためにむやみに発行させないようにしたらどうかという、かなり規制的な発想でこのような限度規制がされたというふうに言われているわけでございます。 そういうような状況から、そもそも発行権限規制というのは余り合理的ではないのではないかというような指摘が前々からありまして、企業が一般の市場から資金を調達する手段として限度規制を撤廃すべきであるということは昭和四十年代から強く指摘されていたわけでございます。しかし、私どもといたしましては、少なくとも資産状況が悪い会社が社債を発行することができないという意味では一つの有力な歯どめですから、それなりの意味があるというふうに考えて、この限度の撤廃には踏み切らず、暫定的に発行限度をふやすという形で対応してきたということは既に御承知のとおりでございます。 私どもは、社債権者保護という観点から、限度の規制を撤廃するためには単純に社債の発行限度規制の規定をやめればいいというのじゃなくて、それをやめる以上、それにかわる社債権者保護の措置というものがしつかりした形で法律の中に規定されなければならないということがまず第一条件、同時に、商法だけではなくて証券取引法その他によって、企業が社債を公募する場合の規制が非常に厳しくきちっとした形でされるような周辺状況が整備されるということが第二の条件、こういうふうに実は考えてきたわけでございます。 そういうような意味で、昭和五十年代あるいは昭和六十年代に入りまして、この発行限度の問題について議論してきたわけでございますが、第二の条件として私が申し上げました証券取引法その他の関連する諸制度の面におきましては、例えば社債の格付制度が定着するとか、あるいは証券取引法による公募社債発行の際における有価証券届出書あるいはその後における有価証券報告書の制度等が非常に整備されてきた。つまり、ディスクロージャーの制度が非常に整備されて社債権者保護の環境が整ったということ、こういうような状況が出てまいりましたので、この際、商法上社債権者保護のための制度を強制する、つまり、現在も委託募集会社、これは任意の機関としてあるわけでございますけれども、これは発行会社のためでもあり社債権者のためでもあるという、そういう一種の中間的な機関でございますけれども、それを整理いたしまして、専ら社債権者の利益を図る、保護するための社債管理会社というものの設置を強制することといたしまして、今回この発行限度規制を撤廃するということにいたしたわけでございます。 したがいまして、単純に限度規制の撤廃ということではなくて、商法上は商法上のきちんとした手当てをする、その他周辺の環境状況の整備も整った、そういうようなことを総合的に判断いたしましてこういうようなことにいたしたわけでございまして、昭和の初期に起こったような不良社債の多発、それから社債償還不能というようなことは、今後起こることはないというふうに考えているわけでございます。
○草川委員 今受託会社の話が出ましたが、ちょっとその前に大蔵省にお伺いしたいのですが、限度枠を使い切った企業というのは現在どの程度あるんでしょう。お伺いします。
○西方説明員 企業の国内の無担保普通社債にかかわる社債の発行限度枠の使用状況でございますけれども、平成四年の三月末現在、社債発行残高を有する上場企業について見ますと、この上場企業というのは、電力とかNTTとか銀行、証券等の、そういった特殊なところは除きましていわゆる一般の上場企業につきまして、千二百八十一社につきまして調査いたしました。その結果、商法上の社債発行限度枠が存在していない企業が七十 八社、全体の六・一%存在する、そういうような状況でございます。
○草川委員 では、また法務省の方に戻りますけれども、社債の受託会社というのが今回新しくできたわけでありますけれども、過去のいろいろな反省の上からいいまして、社債権者にとって十分保護をされるかどうか、その点についてお伺いをしたい、こう思います。
○清水(湛)政府委員 社債管理会社としては銀行あるいは信託会社ということになっているわけでございますが、現実には銀行ということになろうかと思います。銀行としましては、これは銀行業法の面から大蔵大臣の厳しい監督を受けておる、企業の経理内容というものも十分に熟知をしておる、こういうようなことに当然のことながらなっているわけでございます。 そういう意味で、社債管理会社というものを設置することによりまして、しかもこれはそれぞれの規定に社債管理会社の権利義務というものが定められているわけでございますけれども、一般的なルーチンのワークとして社債の償還とか利払いの事務を行うほか、場合によっては社債の発行会社に対する業務及び財産の状況の調査権が与えられるというような権限の強化が図られるということとともに、あわせて社債権者に対して非常に重大な義務を負う、善良な管理者としての注意義務を負うほか、一定の場合には社債権者に対して社債権者がこうむった損害の賠償もしなければならない、こういうようなことにいたしているわけでございます。すなわち、社債権者となり得る者を銀行等に限定するとともに、社債権者のために行使すべき強い権限を与え、同時に義務も強化をするということによって社債権者の権利は守られるというふうに思うわけでございます。 もちろん、その前提といたしまして、先ほども説明いたしましたが、証券取引法による有価証券届出書あるいは報告書等による大変厳しいチェックが同時並行的にされているということもあわせまして、十分にこの社債管理会社が機能し得るというふうに私どもは考えているわけでございます。
○草川委員 十分保護をされるということの答弁ですが、そういうことになりますと、今度は受託手数料というのが一体どういうことになるのかというわけです。 それで、日本の銀行というのは、言うまでもなく、従来の社債の取り扱いについても債券の取り扱いについても欧米諸国に比べて非常に高い、こう言われているわけでありますが、今回の受託会社の方の手数料はどういうところに位置づけされるのか、お伺いをしたいと思います。
○東説明員 現行の受託手数料の水準でございますが、公社債引受協会の資料によりますと、発行総額五百億円、年限七年物の無担保の普通社債、こういう前提で見てまいりますと、日本の場合は一億五千五百万円、米国の場合は三千三百六十万円、ユーロ円市場におきましては一千四百万円、こういう状況でございます。我が国におきます受託手数料は、このように欧米に比べて高水準になっております。具体的な比率を見ますと、アメリカに対しまして約五倍、ユーロ円市場の約十一倍、こういう状況でございます。
○草川委員 べらぼうに高いわけですが、それは今後どういうように平準化するというのですか指導をされるのか、改めてお伺いしたいと思います。
○東説明員 今回の改正におきましては、このような従来の受託会社の機能が社債の管理面に純化される、このような社債管理会社に純化される、こういうふうに承知しておりますが、このような新たな商法上の構成を通じまして市場行政の観点から見ますと、まず第一に、引受証券会社といわゆる受託会社、受託銀行でございますが、この両者の間での役割あるいは責任の分担が明確化する、こういったことを通じまして、機能面での市場におけるより適正なバランスの確保が可能になります。こういったことを通じまして、ひいてはコストの負担の面を含めまして、先ほど申し上げましたような国際的な比較の観点、こういう観点から見ても、我が国社債市場が効率化するあるいは高度化する、こういった点が大いに期待される、こういうふうに承知しております。 大蔵省といたしましても、このような改正を機に、市場関係者に対しまして、改正後の社債管理会社のあるべき機能に即しつつこのような方向でのコストの軽減、こういったものが可能となりますように、市場関係者に対しまして促してまいる所存でございます。
○草川委員 ヨーロッパに比べて十一倍ですか、十倍はするわけでありますから、手数料が高いわけですから、それは強く指導をされたい、こう思うわけであります。 そこで、ちなみに、これも大蔵省にお伺いをいたしますけれども、バブル時代に発行したワラント債の償還がことしは約十兆円に上ると言われているわけですが、当然のことながらその資金調達に追われるわけでございます。こういう資金調達に今回の改正は大変喜ばしいことになるのかどうか、これは大蔵省にお伺いしたいと思います。
○西方説明員 ただいまの質問に関連いたしまして、まず直近のワラント債の発行に関する償還の関係を御披露申し上げたいと思いますけれども、御案内のように、ことしはワラント債、転換社債の償還のピークの年になっております。年間を通じて、今お話がございましたように十一兆円ぐらい見込まれるということでございます。 そこで、上半期を見てみますと約六兆三千億円が見込まれておりますけれども、このことにつきまして私どもの方で、抽出的でございますが調査をいたしたわけでございます。この調査で得た感触では、調査時点で償還資金の手当てのめどをほぼ立てているというところが大変多うございまして、この資金繰りという意味では特段の問題はないというふうに思われます。具体的に申しますと、償還資金の約七割が手当て済みでございまして、残りの三割の内訳を見ましても、社債の発行とか銀行借り入れとかCPの発行によって資金繰りを行うというところがございます。 こういった償還につきまして、社債は大きな力を発揮することはあると思いますけれども、この商法の発行限度規制の撤廃というのは、先ほど法務省さんの方から御答弁ございましたように、これは長い間の検討の経緯を踏まえて、この問題だけではなくてもろもろの問題を含めてこの発行限度規制の撤廃が行われたというふうに理解しております。
○草川委員 今お話がありましたように、限度額の撤廃ということは、企業にとっては大変、新しい資金調達の展望が開けるわけでありますから、これはこれで結構だと思うのですが、ぜひ大蔵省に、やはり根本は欧米の水準化というところから来ておるわけでありますから、せっかくこういう商法改正があっても、受託会社が手数料がべらぼうに高いというようなことであってはまたこれは問題が生まれてくるわけですから、並行して大蔵省の指導というものを関係業界に望んでおきたいと思うわけであります。 そこで、今度は監査役制度に話を戻してお伺いをしたいと思います。 今回の改正で、大会社の監査役の員数というのが二人から三人以上、また任期が二年から三年、また監査役会というのも新しくできたわけであります。資格等についてもいろいろとあるわけでございますが、監査役を増員し監査役会を新しくつくる、また社外監査役という新しい制度ができたわけでありますが、どういう経過からこれも行われるようになったのか、お伺いをしたいと思います。
○清水(湛)政府委員 監査役の権限強化ということにつきましては、昭和四十九年改正により抜本的な権限強化が図られたということでございます。しかしながら、その後の状況によりましてこの監査役の権限はどうも十分に行使できないというような問題がございまして、昭和五十六年改正で、例えば監査役が取締役に対してその営業状況の調査報告を求めるという権利はあるわけでござ いますが、それを使用人、例えば部長さんとか課長さんを直接呼んで監査役が業務状況の報告を求めるというようなこともできるようにいたした、こういうことになったわけでございます。しかしながら、その後依然として企業をめぐるいろいろな不祥事があるわけでございまして、そういうものがいわば会社の経理不正というか粉飾とかと結びついている、このようなことが指摘されたわけでございます。証券、金融の不祥事などもそういう面での問題が指摘されたわけでございます。 そこで、今回の改正におきましては、このように十分に強化された監査役の権限を行使しやすくするというような観点、つまり、監査役の数が例えば大会社については二人以上ということになっているわけですが、多ければそれだけ監査役が一致団結して会社の不正をチェックすることが可能になるであろうというようなことから、監査役の員数を増員する、あるいは監査役会を創設いたしまして、いわば個人的なプレーで会社の不正をチェックするよりか監査役会としてその意思を表明するということがより効果的であり、しやすいのではないかというようなこと。 それからさらに、えてして監査役というのは会社の従業員の中から選ばれて、実際問題としては会社の社長以下の執行部の下に入ってしまうということで、本来与えられた監査役の権限を十分に行使し得ないうらみがあるというようなことから、例えばそういう影響を離れた人を監査役に加えるというようなことも一つの重要な問題ではないかということが指摘されまして、これがいわゆる社外監査役でございますが、法律的には就任前五年間会社等の従業員等でなかった者というような要件でそういうものを加える、こういうことにいたしたわけでございます。 法律的に与えられている監査役の権限を実際に実効的に行使し得るような制度を整備する、こういうような観点から今回の改正がなされたわけでございます。
○草川委員 日本監査役協会というのがあるのですけれども、ここの調査によりますと、一社当たりの監査役の人数は三人にいっていませんね、二・九人です。平均任期は三・四年、こういうような状況に置かれていますけれども、法務省の方として、民事局としてどのように御判断なすっておみえになるか、お伺いしたいと思います。
○森脇政府委員 お答えいたします。 監査役の員数、在職期間についてお尋ねでございますが、実は私どもとしては正確な資料は入手しておらないわけでございます。先生が今御指摘になられました、社団法人日本監査役協会が平成四年四月にその所属会員に対して行ったアンケート調査の結果というものが公表されてございます。これによりますと、三人以上の監査役を有する会社は上場会社全体の約七〇%に上るという数字が出ております。 また、同じ調査結果によりますと、この調査は千三百九十五名の監査役に調査時点における各監査役の監査役在職年数を問うた調査でございますが、三年以上監査役に在職していると回答した者は全体の約三八%でございます。調査時点における平均在職期間は三・四年ということになっております。したがいまして、この結果から直ちに監査役の平均在職期間が三・四年だということではなくて、現在監査役を務めている者がその時点でどれだけ在職しているかという調査の結果が平均三・四年、こういうことでございます。
○草川委員 大蔵省さん、もう質問ありませんから結構です。どうぞ退席してください。 それで、監査役の役割は非常に重要になってきているわけですけれども、一般的に監査役というのはどういう評価があるかといいますと、監査役の「監」というのは「閑」という字になっているのです。そういう陰口をたたかれておるということを御承知でしょうか。これまたちょっと変な質問になりますけれども、お伺いしたいと思うのです。その前提は、要するに社長に任命されるということなんですよ。ですから、どうしてもそういう形になるのではないだろうか、こんな感じがするわけですが、皮肉な意味を込めて、どう評価をしておみえになるのか、お伺いしたいと思います。
○清水(湛)政府委員 商法を所管する法務省としてそういうことを知っているというふうに答えた方がいいのか、知らないというふうに答えた方がいいのか、ちょっと判断に悩むわけでございますけれども、おっしゃるように監査役が監査役としての機能を果たし得ない、実際上は社長以下会社の経営執行部の影響下にある、こういうような指摘がまさしくされておるということは御指摘のとおりだと思います。 そこで、私どもといたしましては、そういうことであってはならないということで、例えば監査役の選任、これは当然株主総会で監査役を選任する、それから監査役の選任につきましては会社の方で候補者を決めまして議案として株主総会に提案するわけでございますが、この議案を決定する取締役会には監査役も出席する権限があるわけでございますし、また意見を陳述する権限もあるし、また監査役候補者の選任について監査役みずからが意見を述べる、こういうようなこともできるようにいたしているわけでございます。そのほか商法上、営業報告の請求権とか業務・財産状況の調査権とか取締役から報告を受ける権限とか子会社についての営業報告請求権とか、場合によっては監査役が取締役会を招集する、こういうような強い権限も与えられているわけでございます。 それから、例えば昭和五十六年改正でございましたか、監査役の報酬につきましても、それまでは取締役、監査役の報酬を一括して株主総会で決議をして、それをどういうふうに分けるかということは具体的には社長さんの一存で決まるというようなところがあったというふうに言われているわけでございますけれども、これについても取締役の報酬と監査役の報酬を分けて株主総会で決めるというようなことにする。いろいろな形での権限強化に努めたわけでございます。 それと同時に、先ほど名前が出ましたが、社団法人日本監査役協会、これは法務大臣認可の公益法人でございますけれども、そういうところで各大会社の監査役さんが集まりまして、どうやったら適正な監査をすることができるか、どうやったら会社の執行部に対してきちっとした意見を言うことができるようになるか、あるいはそのために監査役はどういう勉強をしなければならないかというようなことで、監査役の横のつながりを深めていろいろな研修等をやっておるというような実態が出てきておりまして、それがかなりの成果を上げつつあるというふうに思っております。 そういう意味では、制度の改善と運用の改善についてそれぞれ、制度の改善については私どもが努力をし、また運用の改善についても監査役みずから、あるいは大きな企業におきましてはその監査役の重要性というものを十分に認識されましていろいろな改善措置を講じておられるということを私どもいろいろな例を聞いているわけでございます。そういう意味で、かなりよくなってきていると思いますけれども、先生の御指摘のような「監」が「閑」であるというようなことがもし、全く私は実態がないとは言えないというふうに実は言いたいのでありますが、それは認める気持ちは十分にあるわけでございますが、そういうことにならないように努めたいというふうに考えているわけでございます。
○草川委員 率直な御答弁結構でございますが、取締役会に出席できると言うのですが、今の企業というのは、上場企業なんか特にそうですけれども、取締役というのは大体イエスマンで、オーケーなんです。問題は、日常的にどういう議論があるかと言えば、やはり常務会だと思うのですよ。その常務会の中で非常に激しい議論、経営方針についてもあるいは社債の発行についてもいろいろな議論があると思うのです。あるいはまた、経営会議というのがあると思うのです。これはオフィシャルな会合ではありません。時には労働組合なんかも入るような経営会議というのがあるわけですが、経営会議だとか常務会にこの監査役が 参加できる、そしてそこでチェックできるということが少なくとも私は前提だと思うのです。残念ながら私は今の法律では常務会に監査役は参加できないのではないかと思うのですが、どうでしょう。あるいはまた、経営会議等があればそれに参加するように指導をされるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○清水(湛)政府委員 現在の大企業におきましては、取締役の数が非常に多い。恐らく二十人、三十人、あるいは四十人の取締役を擁するという企業があるかと思います。そういう企業では先生御指摘のような常務会というものがいわば取締役会の中の機関として設置をされているという状況がございます。それからまた、経営委員会とか経営会議というような、これはヨーロッパの会社法の影響かもしれませんけれども、例えば労働組合の代表者も参加するというような形での経営会議構想というものも論じられておりますし、現実にそういったものを事実上やっておられるところもあるというふうに聞いております。 そこで、そういったようなものに監査役が参加して意見を述べることができるようにするかどうかということも、従来から例えば先ほど申し上げました監査役協会あたりからも一つの問題点として私どもの方に指摘されております。ただしかし、常務会あるいは経営会議というものが、現行法のもとにおきましては、これは事実上の機関でございまして法律上の制度にはなっていない、こういうような面がございます。そういうことでございますから、そういうものに参加するかどうかということにつきましては、結局それはそれぞれの会社の中でその参加を認めるかどうかというようなことを判断していただくということに現在ではならざるを得ないと思うわけでございます。 昭和五十六年改正で監査役の中に常勤監査役というような制度もつくられたわけでございますが、中には常務会にそういった監査役の方が参加されるというような例もあるというふうに聞いております。五十六年改正の際に議論されながらやはり取り残された問題の一つであるというふうに私どもは認識いたしておりますけれども、今回の改正には盛られておりませんが、実際問題としてこれを法制化することが妥当であるかどうか。もしそういうことをするとすれば特例法による大会社、これは約八千社ございますけれども、そういう会社に強制をするということになるわけですが、上場会社だけでもまだ三千社に満たないというような状況でございますのでなかなか難しい問題も含んでおるという面もございますので、今後における引き続いての検討課題ではないかなというふうに考えております。
○草川委員 監査役の責任というのはまた非常に重要になってきますので、ぜひ常務会、少なくとも経営会議には常時参加できる、そういう条件にすることが大切ではないか、こういうように思います。 それから、社外監査役でございますけれども、社外監査役をどういう人を念頭に置いて採用するか、これは非常に難しいと思うのです。今の例えば上場企業を念頭に置きますと、ほとんど事業部制ということになっていますし、しかも非常に専門化してきておりますし、それから技術革新の時代ですし、また金融等についても従来の延長線ではない新しい金融体系というのもあるわけでありますから、そう簡単に社外監査役といいましても本当に実態がわかるのかどうか。例えば取引銀行のOBが来るとかあるいはお役所の出身者も採用するあるいは弁護士を採用するとか、いろいろなことが念頭にあると思いますけれども、この社外監査役というのはそう簡単なものじゃない、また日本の従来の産業界の中では余りなじまない存在ではないかと考えるのですが、どんなことを考え、あるいはどう実態を把握しておみえになるのか、お伺いしたいと思います。
○清水(湛)政府委員 社外監査役の制度につきましては、先生御指摘のような問題点があると私どもは実は考えているわけでございます。先ほども説明をいたしましたが、例えばアメリカには社外重役という制度がございます。アメリカには監査役制度はございませんで、取締役会が会社の業務を監査することになっておりまして、その中にいわゆる社外取締役を入れて事実上の監査委員会みたいなものをつくるというようなことがあるわけでございますが、そういうものが株式上場基準として要求されていると聞いております。しかし、アメリカの議論なんかを見ましても、大所高所から社外重役が経営について適切な意見を述べられるという効果を非常に強調する論文と、結局よくわからないまま祭り上げられてしまっておる、要するに形骸化しておるというような議論を指摘する論文などもございます。 私どももこの社外監査役を考える場合にどういう理念でいくかということが一つの問題であったわけでございますけれども、会社の従業員がそのまま最後に監査役という形で会社を終える、非常に極端なことを申しますと、取締役になれない八が監査役になるというような形での監査役の実態も現実としてないとは言えないという状況があるわけでございまして、そういうような観点からいきますと、会社の中で長く生活した人であれば会社の内部に通暁しているというメリットはあるわけでありますけれども、しかしまた上部の命令に左右されやすいという欠陥もあるというような面もございます。 そういうようなことも考慮いたしまして、一応そういうラインから離れた人、いわば会社を外部から眺めるということにたけたと申しますか、そういう訓練を経ている人に社外監査役になってもらって、冷静な第三者的な立場から会社の業務執行をチェックしていただく、こういうことが日本では必要になっているのではないか、今までの経緯からいきましても。そういうことが日本では今求められている段階にあるのではないか。アメリカとはそういう点は事情が違うのではないかということから、今回こういう社外監査役制度の導入に踏み切ろうとしたわけでございます。 具体的にどういう方が監査役として適当か、経営にいろいろな経験を積んだ方がなるということもございましょうし、あるいは弁護士とか公認会計士とか、会社の業務執行外にあって会社の業務の実際に明るい人たちが監査役になるということもあり得ると思いますが、基本的には第三者的な立場で会社の業務執行の適否を判断し得る能力がある人を何とかして各会社とも選んでいただきたいと考えているわけでございます。 〔田辺(広)委員長代理退席、委員長着席〕
○草川委員 時間がどんどん過ぎてきましたので、まだたくさん残っておりますけれども、ここで監査役について大臣に私は問題提起をしたいのですが、監査役は役員大事についても意見を述べることができるというようなことになりますと、この監査役、これは監査役会でいいと思うのですけれども、がらっと条件が変わってくる、本来法務省が言われた監査役の位置づけができるのじゃないかと思うのです。 それからもう一つは、これはどうしても大臣に聞く以外にないと思うのですが、監査役制度を実効あらしめるためには監査役のもとにスタッフが必要だ。今の場合はどこでも監査役室というのはありますよ。あるいはまた、今度社外監査役を入れられて、部屋も大きくなるかもわかりませんが、そこに専従のスタッフを置かないと、先ほど言いましたように、各事業部にわたって、しかも専門化し、しかも関連会社がある、しかも海外にたくさんの関連する子会社もあるというようなことになってまいりますと、その監査役が日常活動として当該職場のスタッフを呼んで話を聞くといっても、当該職場は忙しいわけですから、監査役に一々つき合っている暇はないわけですよ。そういう意味で、私は、スタッフを何人か監査役につける、そういう制度を指導しませんとせっかくの法改正が生きてこないのではないかと考えるので、その点についてお伺いをしたいと思います。
○清水(湛)政府委員 現行法上も、監査役は取締役会に出席して、会社が株主総会に提案すべき取締役あるいは監査役の選任議案について意見を述 べることができることになっているわけでございます。そういう意味での権限は与えられている。だれを取締役にするのが適当か、あるいはだれを監査役にするのが適当かというようなことについての意見を述べることができることになっておりますので、それを十分に活用していただく必要があるのではないかと思います。 それから、先生御指摘のスタッフの充実、これは私どもも大変大事な問題だと思っております。監査役が一人でんといて、実際上は手足がいないということでは、今のような大企業組織の中では十分に監査役としての活動ができない。当然のことながら、手足がなければ活動ができないということになろうかと思います。そういう意味で、ぜひとも監査役のもとでその手足となって働く監査スタッフの充実を図っていただきたい、そのために各企業に大いに努力をしていただきたいと思います。 実は、そういうような観点から昭和五十六年の改正、私は先ほどちょっと触れましたけれども、監査役が直接に使用人に対して、例えば部長とか課長を直接呼びつけて今の会社の業務状況はどうなっているのかということを調査し、あるいは報告を求めることができるようにしたわけでございます。それまでは取締役に対してそういう請求をする、取締役に請求をすれば取締役の命令を受けた使用人が監査役に説明をするというような形になっていたのでございますけれども、そういうような使用人に対する営業報告あるいは説明請求の権利を認めました。 それを認めることによって、事実上監査役の下にもそのようなスタッフを置かなければ対応できない、それを裏づけるためには、そういう権限がしばしば行使されるということになりますと、そういうスタッフも置かないと企業としては実際上は困ることになるのではないかというようなことも考慮いたしまして、間接的に監査スタッフの充実強化を図ろうとしたわけでございます。まだそれが十分ではないというような実情の指摘がございますので、それぞれの企業におきましてなおその点について努力をするように私どもとしては期待をいたしたい、制度上の改善に加えまして、運用上の改善につきましても大いに努力をしていただきたいと思っているわけでございます。
○後藤田国務大臣 今局長から申しましたように、監査役の仕事の重要性からかんがみまして、運用の面でスタッフを置くということは大変有力な御提言だと思います。そういったような会社に対するサジェストとでもいいますか、指導とでもいいますか、これをやらなければならないと思いますが、人がいますかね。問題は、会社経営そのものに対しても監査をするわけでしょう、見張るわけですからね。そのスタッフを会社の中の人間で、先行きのことを考えますと、本当にどっちを向いたスタッフになるかわからぬおそれもあるわけですからね。御提言は非常によくわかるのですが、実現となると、私は人選がなかなか容易でないのではないかなと思います。しかし、御提言の趣旨はまさに必要だと私は思います。
○草川委員 時間が過ぎてきましたので、これはまた今後の課題としてぜひ御検討のほどをお願い申し上げたいわけであります。 それじゃ、残された時間は刑事局の方にお伺いしたいわけでありますが、佐川急便事件についての中間報告が過日報告をされました。 それで、中間報告というものの性格は一体どういうものかということと、それから、我々はこの衆議院で証人喚問をいろいろとお願いし、やってきたわけですが、中間報告が衆議院にはないのですよ。参議院だけしかないわけです。それは一体どういうことか。我々は一生懸命やってきて、新聞で、どうも参議院に中間報告をされたと。衆議院にあるだろうといって、私どもは予算委員長にもどうだと言ったら、一向にないという話なのです。 恐らく法務省に言わせてみれば、出てこいと言えばいつでも報告に来るよという答弁だと思うのだけれども、私は、そういう答弁を先取りして、少しそれはないのじゃないかと。参議院に中間報告をするならば、同じ日に、委員会は開かなくても結構ですが、少なくとも、議長に出すのかあるいは予算委員長に出すのか、どこの委員会に出すのか、これは相談の上だと思うのですが、その点も含めてお伺いしたい、こう思います。
○濱政府委員 まず、委員の前段のお尋ねでございますけれども、刑事事件の捜査処理に関する国会への御報告としましては、今委員も御指摘になられましたように、昨年の十一月三十日には衆議院予算委員会におきまして、また、十二月九日には参議院予算委員会におきまして、それぞれ東京佐川急便事件の捜査処理に関する中間報告を行ったわけでございます。さらに、本年四月二日には、今委員が御指摘になられました参議院予算委員会における金丸前議員らの所得税法違反事件の捜査処理等に関する報告というものを行ったわけでございます。 これらの御報告の中には、検察当局の捜査の経緯あるいは捜査の結果として把握した事実関係など、本来刑事訴訟法四十七条の本文によって秘匿しなければならない捜査の内容にかかわる事柄も含まれているところでございますが、これらの御報告は、いずれも委員会から法務省に対しまして各事件の捜査処理等について報告を行うようにとの国政調査権の発動としての御要請がなされたわけでございまして、国政調査権の行使は同条ただし書きに言う公益上の必要性がある場合に当たるものと解されておりますることから、関係者の名誉、人権の保障、あるいは司法権の独立、並びに現在及び将来の捜査、公判への影響等に配慮しながら、相当性が認められる範囲で国政調査権の行使に最大限の御協力をするという観点からなされたものであるというふうに理解するわけでございます。 委員がお尋ねの後段の御質問でございますが、憲法六十二条におきまして国政調査権は院の機能とされておるわけでございますが、現実にはもちろん両議院の各委員会がこれを行使されているところと承知しているわけでございます。 これは改めて申し上げるまでもないことでございますが、刑事事件の捜査処理に関しまして、法務・検察当局が刑事事件の公判以外の場でみずから捜査の内容に関する事項を公にすることは、先ほど申し上げました刑事訴訟法四十七条によりまして原則として禁止されている事柄であるわけでございます。金丸前議員らの所得税法違反事件につきましては、参議院予算委員会の方から国政調査権に基づきましてその報告を求める旨の御要求がございましたことから、先ほど御説明したような趣旨にのっとりまして、刑事訴訟法四十七条ただし書きの規定を根拠として御報告を行ったものであるというふうに理解しているわけでございます。
○草川委員 きょうはもう時間がございませんし、本会議でもございますのでこれで私、質問を終わりますから、特に要望だけ申し上げておきたいわけです。 衆議院の場合でも何回かの証人喚問もやってまいりました。それで、必ずしも国民の皆さんからは評価を受けていないわけであります。国政調査権といいながら、あるいは証人喚問といいながら追及弱しというような批判もございまして、我々も非常に苦悩をしておるわけであります。しかし、私どもは、国会というのは永田町裁判所ではないわけでございますので、政治家として、政治的、道義的な解明をしなければいけない、問題提起をしなければいけないというつもりで頑張ってきたわけであります。 そういう意味では、検察と国会というのは、それぞれ目的と職責は異なるわけでありますけれども、疑惑を解明するという意味では車の両輪ではないか、こういう立場を私どもは持っておるわけでございますので、どうかひとつ検察の方も、捜査資料なり公判で開示された証拠というものを国会に明示願い、そしてまた、我々も、今いわゆる偽証の疑いということを、きょうも実は十二時から予算委員会の理事会で議論をしておるわけでご ざいますので、ぜひそういうものについての協力を求めておきまして、本日は時間もございませんので以上で終わりたい、こういうふうに思います。 ありがとうございました。
○浜野委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十六分休憩 ————◇————— 午後三時五十七分開議
○浜野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。和田貞夫君。
○和田(貞)委員 まず、今回の商法改正の直接的な経緯といいますか、動機といいますか、それをお尋ねしたいわけでございますが、前に商法の改正がなされてから、その後いろいろと耳にしたことがございます。自社株を保有させるようにしてはどうかというような、そういうことも法務省の方では検討しているというようなことを仄聞したのですが、今回それは載ってないんですが、そういうことも検討しておられるのかということを含めて、まずお聞きしたいと思うわけです。
○清水(湛)政府委員 今回の商法改正の経緯という御趣旨の質問でございますので、私の方から答弁させていただきたいと思います。 会社法につきましては、戦後の経済の高度成長というようなものを背景に、戦後しばしば改正が繰り返されてまいりましたのでございますけれども、私どもの今回の商法改正の出発点というべきものは、実は昭和四十九年の商法改正でございます。その際に会社法の抜本的な見直しをせよといった趣旨の附帯決議がされまして、それ以来、会社法につきまして大きく問題を分けまして、そのときどきの経済状況というものもありますけれども、根本改正の作業ということでこの作業を継続いたしたわけでございます。 さしあたって、昭和五十六年には、株式会社の株主総会というのは非常に問題である、これは形骸化しておる、あるいは総会屋がばっこして、適正な株主総会の運営がされていないということから、会社の最も大事な機関である株主総会についての改正をいたしました。それと同時に、株式制度につきましても、一株の額面金額を五万円とする抜本的な改正をいたしたわけでございます。 さらに進んで、平成二年には、株式会社の最低資本金制度あるいは有限会社についての最低資本金制度を導入するという、これも根本改正の継続作業でございます。そういう改正を受けて、さらに、従前から強化されておりました監査役、監査制度の問題とか株主の権利の拡充の問題とあわせて、従来の改正作業と並行して、問題として指摘されておりました社債法制の全面見直しを取り上げてこの改正案といたしたわけでございます。 今回の改正の過程で、自社株取得の規制の問題が指摘されましたけれども、御存じのように、現在の商法はごく例外的にのみ自社株取得を認めているわけでございます。この規制が諸外国に比較いたしまして厳し過ぎるから緩和したらどうか、これを完全に自由にするという意見はないわけでございますけれども、その程度が実は問題ですが、少しく緩和したらどうかというような意見も出ました。 これは資本充実の原則という会社法制の基本にかかわる問題であると同時に、株式の取引をめぐる種々の不正の温床になる可能性もあるということから、この点につきましては問題点を整理しまして、現在各方面の意見を聞いておる段階でございます。そういうことから今回の改正法には盛り込まれなかったという経過があるわけでございます。
○和田(貞)委員 確かに景気が悪いわけでございますから、株を上げなければいかぬとか、土地もいいかげんに上げなければいかぬというような議論をする人もあるわけです。土地の問題はそうならなかったとしても、持株保有というのは必ず操作が伴いますから、これは株のバブルという形で土地以上のものになってくる可能性もあるわけです。これはいろいろな意見があってしかるべきだと思うし、また議論するのもそのとおりだと思いますけれども、一歩誤ると今度は法務省の責任になりますから、議論があったとしてもぜひとも慎重にやってもらいたいということをつけ加えておきたいと思うわけでございます。 そこで、商法の改正に当たって、確かに株主が会社の業務執行に対する訴訟を極めて平易にやれるようになったことは、会社自体の運営の民主化のために、あるいは株主のために非常にいいことだと思うわけでございますが、それとあわせて監査機能の強化、確かに考えておられることはわかるわけです。二名の監査役を三名以上にするということ。それであれば、なぜその会社に全く関係のない者を監査人にするということにしないで、五年間という期限を付してあいまいもことした結論になったのか、それをお聞かせ願いたい。
○清水(湛)政府委員 お答えいたします。 今回の改正法におきまして、いわゆる商法特例法上の大会社の監査役のうち、「一人以上は、その就任の前五年間会社又はその子会社の取締役又は支配人その他の使用人でなかった者」でなければならないというふうに新たな規定を置いたわけでございます。従前はこのような五年間という規制はございませんで、監査役はその会社のあるいは子会社の取締役または支配人等を兼ねてはならない、こういう規定でございましたが、今回は五年間は少なくともそういう者でなかった者でなければならないといたしたわけでございます。 この監査役というのは、会社の業務執行の適正を保持する上におきまして非常に重要な機能を担っているわけでございますけれども、どちらかと申しますと累次の商法の改正によりまして権限は強化されましたけれども、現実に監査役の任に当たる人たちの多くは社内の職員の中から選ばれるということが多くの企業の実態であったわけでございます。もちろん、中には自発的に全くその会社と関係のなかった人たちを監査役に迎えて、業務の適正を図っている会社も現実にはあるわけでございます。しかし、多くの会社につきましては、社員の中から監査役を登用するというようなことでございました。 そういう人はそういう人なりに会社の実情をよく承知しておりますので監査もしやすいという面もあるわけでございますけれども、反面において会社の執行部の言いなりになってしまうという面がございます。そこで、そういうものとは離れた人に監査役になっていただいて、第三者的な公平な立場から会社の業務の適正な執行を監査することが必要ではないかということになったわけでございます。 この際、例えばそういう意味では会社と今まで関係のなかった第三者を監査役に迎えるように法律で強制したらどうかというような意見もございました。しかし、現実の問題といたしまして、いわゆる社外監査役を置かなければならない会社の数は約八千社あるわけでございますけれども、その会社のすべてについて、そういった全く会社と関係のなかった者を監査役にすることを強制するのは非常に難しいのではないか。また経済界におきましても、五年というのは少し長過ぎるのではないかとか、十年というのは長過ぎるとか、何年ぐらいがいいのだという議論もありまして、いろいろな意見を調整しました結果、この改正案のように五年間ということになったわけでございます。 私どもといたしましては、五年間という期間が長いか短いか、それはいろいろ議論があるところでございますけれども、さしあたって初めてこのような社外監査役という制度を導入いたしまして、これによって会社の業務の執行が適正なものになることを期待いたしたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○和田(貞)委員 五年であろうが七年であろうが、ない方が余計にいいではないですか。公認会計士が諸表を含めて経理的な監査をやられるわけでございますが、監査役というのは業務の面に至るまでの監査をやるわけでございますから、公認 会計士が企業の会計監査をやるという、これは外部ですから、それと同じように外部の監査役を導入するということであれば、五年とか七年とか十年とか、そういうことではなく、全く企業との関係のない外部から導入するという方がよりこの目的に合致をする、そういうことになると思いませんか。
○清水(湛)政府委員 この社外監査役が今回の改正によりまして強制される会社というのは、御指摘のように、既に外部監査といたしまして、監査法人あるいは公認会計士、これは全く会社と関係のない者でございますけれども、そういう外部の会計専門家によって会計監査を受けなければならない、こういうことになっているわけでございます。 それとの関係で申しますと、監査役による監査はいわゆる内部監査でございまして、企業の内部においてみずからの業務の執行の適正を図ろう、こういう趣旨で設けられたものが監査役の制度でございます。そういう意味から申しますと、必ずしも外部の人でなければならないということにはならないわけでございますけれども、現実の問題といたしまして、内部の人間であるということになりますと、なかなかうまくいかないという面がある、こういう認識からこの社外監査役の必要性というものが主張されており、大方の支持を得ているわけでございます。 その際、先生御指摘のように、五年といわず七年の方がいいじゃないか、あるいは十年の方がいいじゃないか、あるいはもう最初から無関係だった者がいいのではないか、こういうような議論、これは立案の過程においてもあったわけでございます。しかしながら、いろいろと会社の実態というものを踏まえ、各方面のいろいろな意見を私ども聞いてまいったわけでございますけれども、さしあたって、現段階においてこれを商法特例法上の大会社に強制するということになりますとやはり五年程度が妥当である、大方の意見がそういうところに落ちついたわけでございます。 仮にその会社の取締役とかあるいは使用人でございました者でありましても、その地位を離れた後五年程度を経過すれば、会社の業務執行を現に行う者との関係におきましてもそれが希薄となりまして、独立した立場から監査を行うことができるのではないか、こういうような期待のもとに五年といたしたわけでございます。あるいは今後の課題として七年、十年等の期間がまた考えられるのかもしれませんけれども、新しい制度といたしまして、私どもは現在の大方の意見の一致する点としての五年というものを改正案の内容といたした、こういうことでございます。
○和田(貞)委員 これは三年がいいか、七年がいいか、十年がいいかということを議論してもしようがないことであって、外部監査役を導入するということであれば、全く無関係の者を導入した方がより趣旨が生きていくということはわかっていただけると思うわけでございますが、これは意見にとどめておきたいと思うわけでございます。 さらに、監査役制度で、監査役というのは、個々に外部の者の新しい目でひとつ監査をやってもらおうという趣旨で導入されたと思うわけですが、内部の既往の監査役が複数あれば、それぞれ一人一人が異なった形、考え方での監査というのをやられるわけですね。したがって、この監査役というのは、その一人一人独立した、取締役会のように合議に基づいて会社の運営をどうするかとかということと違うわけですから、それはやはり三人おれば三人、四人おれば四人、五人おれば五人五様で、それぞれの意見があったということの方が、監査役の機能を果たす効果としてはいいと私は思うのですね。それをわざわざ監査役会、そういうものを組織するということは、せっかく外部から監査役を導入しても、あるいはそのいい意見が企業のために役立つようなことを指摘しても、大方の意見によってつぶされてしまう、これはそういうことになりはしないですか。
○清水(湛)政府委員 今回の改正によりまして、特例法上のいわゆる大会社につきましては監査役の員数を三人以上といたしまして、かつ監査役会を組織する、こういうことにいたしたわけでございます。ただ、この監査役会というのは、取締役会と違いまして、すべて監査について決定権限を有する、あるいは監査役の権限をすべて監査役会の名において行使するということではございませんで、基本的な法制の仕組みといたしましては、御指摘のように、監査役は本来監査役の名においてすべての権限を行使することができる、こういう基本は崩していないわけでございます。 ただ、現実の問題といたしまして、複数監査役制をとる大会社におきましては、実際問題として一人の監査役がすべての会社の業務を監査するということは事実上不可能でございます。いろいろな事業部制をとっておりまして、いろいろなところでいろいろな事業活動を行っているというような実態がございますので、そういう意味におきまして、各監査役が役割を分担してそれぞれの調査をした結果を持ち寄って相互の調査を相補うとか、あるいは会社の業務についての必要にしてかつ十分な認識を共通にするとか、あるいはそれに基づく相互の意見の内容、根拠について相互に検証し合う、あるいは組織的な監査を実現する、こういうような観点から監査役会の制度を導入しようとしたわけでございます。 先ほど申しましたように、監査役本来の権限はあるわけでございますので、監査役会におきまして監査役の調査事務の分担を決めるとか、A監査役はこの方面を専門にやっていただきたい、B監査役はこの方面を専門にやっていただきたいというふうな分担を決めるとか、あるいは情報を交換するとか、そういうような意味におきまして、監査役がそれぞれ効率的な監査を実行することができるようなものとしての監査役会というものを考えているわけでございます。 したがいまして、例えば監査意見なんかにつきましても、最終的な取りまとめは監査役会の名でするわけでございますけれども、当然各監査役がそれについて意見を異にするということになりますと、それぞれの意見を監査報告書に書き込むことができる、こういうことにいたしているわけでございます。あくまでも監査役本来の監査権限というものを損なうことがないような形で監査役会というものを考えておるということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○和田(貞)委員 これはひとつ、社によっては自主運営というのがありますから、その点はやはり法の趣旨を徹底してもらいたい、こういうように思います。 そこで、次の三番目に入る前に、商法でございますから、商いという、我々関西では商いというのですが、商売、商業活動ですね、この定義をちょっと教えてくれませんか。
○清水(湛)政府委員 商いというか、要するに商法では商行為というふうに呼んでいるわけでございます。 具体的に条文をちょっと読みますと、まず商行為には絶対的商行為と営業的商行為という二種類のものがある、さらに附属的商行為というものもある、こういう三分類がございます。 絶対的商行為というのは、これは条文にきちっとそれぞれ列挙しているわけでございますが、「利益ヲ得テ譲渡ス意思ヲ以テスル動産、不動産若クハ有価証券ノ有償取得又ハ其取得シタルモノノ譲渡ヲ目的トスル行為」つまり利益を得る目的で物を売ったり買ったりするという行為は、これはすなわち商い行為、商行為である。そういうような形で商法五百一条一号から四号まで個別に列挙しております。 例えば二号には「他人ヨリ取得スヘキ動産又ハ有価証券ノ供給契約及ヒ其履行ノ為メニスル有償取得ヲ目的トスル行為」というようなことがございます。「取引所ニ於テスル取引」も、これは商行為である。「手形其他ノ商業証券ニ関スル行為」も絶対的商行為であるといたしております。 それから今度は、五百二条でいわゆる営業的商行為というものがございます。これは「営業トシテ之ヲ為ストキハ之ヲ商行為トス」。先ほど述べ ましたのは、営業でなくても絶対的に商行為でございますが、営業としてなした場合に初めてこれが商行為となるというものが幾つかございます。 例えば「賃貸スル意思ヲ以テスル動産若クハ不動産ノ有償取得若クハ賃借又ハ其取得若クハ賃借シタルモノノ賃貸ヲ目的トスル行為」、こういうようなものがございます。それから「他人ノ為メニスル製造又ハ加工ニ関スル行為」、例えば洋服なんかを頼まれてつくるというようなことがあるわけでございますが、これは営業としていたしますといわゆる「他人ノ為メニスル製造又ハ加工ニ関スル行為」として商行為になる。それから「電気又ハ瓦斯ノ供給ニ関スル行為」とか「運送ニ関スル行為」、運送に関する行為なんかも営業としてするということになりますと商行為になる。それから「作業又ハ労務ソ請負」、これも営業としてすることになりますと商行為になる。「出版、印刷又ハ撮影ニ関スル行為」とか「客ノ来集ヲ目的トスル場屋ノ取引」「両替其他ノ銀行取引」「保険」「寄託ノ引受」「仲立又ハ取次ニ関スル行為」「商行為ノ代理ノ引受」、こういうふうに営業的にする行為、つまり継続的に業としてこれをするという場合には商行為になるということがございます。 それからもう一つは、株式会社とかそういうものは商人でございますけれども、「商人カ其営業ノ為メニスル行為ハ之ヲ商行為トス」というふうに、商人がする行為であるから商行為である、こういうふうな規定が五百三条にあるわけでございます。 商いというような普通の言葉で呼ぶ行為につきまして、商法は少し難しい表現で五百一条、五百二条、五百三条に具体的に、個別に列挙してこの定義をしておる、こういうことになるわけでございます。
○和田(貞)委員 その場合に、絶対的商行為の場合は、これは営業でないわけですからなんですが、業として継続的に、あるいは商人が行う行為、これはやはり相手をだましたらいかぬと思うのですね。そして、公正に取引せにゃいかぬと思うのですね。 そうなってまいりますと、だます行為というのは、金を取引してだまして商行為をするということは、これは許されますか。
○清水(湛)政府委員 これは、商人のみならず商人でない何人におきましても、他人をだましていろいろなものをとるというようなことは、これは刑法自体が禁じておるところであるというふうに考えます。
○和田(貞)委員 これはだますにもいろいろあると思うのですけれども、商売をやっていて、これは百円で仕入れてきたんだ、だから二百円で買ってくれというような、こういう正直なことはなかなか言いませんわね。これ二百円だ、本当に損だけれどもぎりぎりやということで二百円で売る。百円で仕入れてきたということを言わないで、さも二百円に近い値段で仕入れてきたんだという、これは私は許される範疇だと思うのです。 けれども、効用のない薬あるいは効用のない医療機器、そういうものを効用があるように売ったり、あるいは効用がある機器だということでだまして客に売るということ、そういう商行為は私は許されぬと思うのですが、それもやはり商行為だということになるのですか。
○清水(湛)政府委員 商行為というのは、これはやはり一定の利益を上げることを目的とする行為でございますから、利益を上げる過程での駆け引きと申しますか、うそを言っているわけじゃございませんけれども、いろいろな商売上のテクニックというものは私はあろうかと思います。それは一つの商業取引と申しますか、商業道徳の範囲内において容認されている行為であるというふうに思います。 ただしかし、うそを言うと申しますか、事実に反することを言う。例えば、この機械は何も効能がないのにあたかも効能があるかのごとく偽って宣伝をする、善良な一般の市民がその事実を見破ることができず、つまり通俗的な言葉で申しますとだまされる、高い金を出してそれを買ってしまう、こういうことになりますと、これは完全に詐欺行為であるというふうになるわけでございまして、これは刑法的にも詐欺であり、民法の原則あるいは商法の商行為の原則からいきましても不法行為でございます。不法行為について商行為ということはあり得ないというふうに私どもは考えております。
○和田(貞)委員 消費者がやはりだまされるんですね。かつての豊田商事というような悪らつなものもあったわけですね。今なおやはりネズミが続いているわけですよ。ひとつ追われたらまた別の角度で何かをしてかしよるわけですわ。だからずっと続いているんです。やっているやつは同じやつだ。 そこで、消費者保護という意味で、いろいろな手口を見て訪問販売法だとかあるいは割賦販売法だとかいう法律、消費者保護の法律をつくってそういうことを取り締まるようにしているわけですが、割賦販売だということであれば割賦販売でないような仕掛けを考える、訪問販売で取り締まられると思ったら訪問販売でないような仕掛けを考えるわけですわ。通信販売だったらさも通信販売でないような方法を考える。そこでなかなか取り締まることができない、そういう問題があるんです。 今一番私たちが頭を悩ましておりますのはどうしたらいいかということで、私は商工委員会でございますから、議論しておるのは、これは継続的役務の問題、継続的役務の商行為をやっている。普通、散髪屋さんなんか、理容とか美容とか、パーマだとか散髪とかいうのは、行ったら現金を払って一回払いですわな、これは。ところが、エステというのがあるでしょう。これはいわば全身美容なんですよ、大臣。それを、三カ月、六カ月分の金を先に取りよる。そして、これをやったらあんた、やせまっせ、スタイルがよくなりますということで女性を勧誘する。ところが、行ったかてなかなかやせへん。それで、途中でやめようと思いましてもやめさしてくれない。やめるのは勝手にやめたらいいけれども、払い込んだものはもう返さぬ。払い込んだら返さぬような仕掛けをまたつくりよる。 私なら私がそういう商売をやったら、私が直接するんじゃなくて、結局ファイナンスを利用するわけですね。直接私らが金を受け取るんじゃなくて、そういう銀行の、いわばバブルで非常に迷惑をかけた貸金業、そういうようなところまで利用してやるわけですよ。そうすると、途中でやめようと思ってもやめられない。そこで、そういうようなものを何とか取り締まるようにできぬやろうかということで、私らは議論するんですよ。 このエステだけじゃないわけですね。塾の問題もある。塾と教材等を六カ月間、一年分ということで契約する。当然その教材を買ったら家庭教師を派遣してくれるだろうと思っておったところが、家庭教師が来てくれない。本だけ買わされた。だまされたということで途中解約したいと言っても、これまたできない、こういう問題があるわけですね。 資格取得の商売もあるわけです。司法書士になれます、弁護士になれます。国会議員になれますということはこれは選挙だから言わぬけれども、こういうようなことで、なれない、これはどうも怪しいということで、途中で解約しようと思ってもできない。これを新しい法律をつくる、あるいは、訪問販売法は品物だけじゃなくて役務を入れましたから、割賦販売法に役務を入れたらどうだということを議論してみたら、やせるといってもやせる体質の者とやせない体質の者とがあるから、これは必ずしもだましたということにもならぬじゃないかという議論がまた出てくるわけですよ。割賦販売法に役務を入れるというようなこともまだなかなか結論にならぬというのは、そういうことなんです。 だから、そういうようなことを何ぼ追いかけっこをやってもなんですので、私は、先ほどお答えいただきましたように、人をだます行為によって 金を受け取るというようなことは商行為ではないということであるならば、何とか商法自体にそういうことを書き加えるような商法の改正案ということは検討できないものかなということで、きょうはお願いかたがた質問に来たのです。
○清水(湛)政府委員 商法の問題でもあるのかもしれませんけれども、基本的にはやはり契約の問題だろうと思います。つまり、民法における契約の成立の問題。契約というのは当事者が自由なる意思をもって対等な立場で合意をするということによって成立するわけでございますけれども、その成立の過程に詐欺的な行為が入る、強迫的な行為が入る、あるいは、例えば未成年者との契約の場合でございますと、これは本来なら親権者の同意が必要になるわけでございますけれども、そういうものが抜けてきてしまう、こういうことがその場面として問題になってくる。 民法の規定によりますと、詐欺または強迫によって意思表示をする、つまり詐欺または強迫によってそういうエステに関する契約とかあるいは教材とか語学教育に関する契約をする等々のことがされるという場合に、そこに民法の定めるような他人を欺罔に陥れて意思表示をさせるというような詐欺行為がございますと、それは民法の規定によって契約を取り消すということが、当然のことながら可能になると思うわけでございます。 恐らく、そういったたぐいのものを個別の形で民事裁判を提起して訴訟を起こすということになれば、あるいは裁判所はそういう詐欺による契約であるということでその取り消しを認めるということもあり得るのではないかというふうな気がいたします。 ただしかし、先生御指摘のように、恐らくそういった業者は、詐欺なら詐欺あるいは強迫なら強迫にならないように非常に巧妙にいろいろな仕組みを考えているだろうと思います。ですから、現実に、例えば訴訟になったときに裁判所でそれを立証することは非常に難しい、こういうことだろうと思います。 そこで、その次の問題として、そういう行為を対象とした消費者保護の立法をするということが一つの問題になるのではないか。そのために例えば訪問販売法等の法律がつくられているということは私ども承知しているわけでございますけれども、詐欺あるいは強迫による契約に該当するなら別として、そういう該当しない行為について民法なり商法の中にそういうものを類型化した形で書き込むというのは相当難しいのではないか。 これはやはり一つの基本法でございまして、恐らくそういった行為は民法の定めるいろいろな行為を連鎖的に積み重ねた一連の行為でございますので、やはりそれ自体を対象にした特別な立法なりなんなりが必要になるのではないかと私は思います。商法は商い法というふうにも読めるわけでございますけれども、いわゆる商法典という意味での商法の中に入れるというのは、これは研究、検討させていただきたいとは思いますけれども、ちょっと難しい話ではないかなというふうに思います。
○和田(貞)委員 これは、なぜそういうことを私は議論させてもらうかといいましたら、実は私たちの方は党の部会で去年から議論をやってきているのです。ところが、法案の大綱までいかないわけです。これは政策大綱でとまっているのですよ。今御指摘になったように、これは継続的役務の契約についての規制に関する法律案というようなものを考えると同時に、現在のこの割賦販売法に訪問販売法と同じように役務も包含する、こういう二つを持っていけば大体いけるんじゃないか、こういうわけですね。 ところが、そのエステだけが、教授の商行為だけがとか、こういう議論が出てくるのが法制局なんです。割賦販売法に入れようと思ったら、それはその体質によって必ずしもだめだということにはなりませんというようなことを言うのが法制局。これは、内閣法制局もそうであるし、院の法制局もある。ずっとたどってみたら、その法制局の方にあなたのところの、あなたのところのと言ったらおかしいけれども、法務省から行かれている方がやはりあるでしょう。どうもあなたのところから行っている者が、新しい法律をつくるについては極めて慎重過ぎるわけです。そういうようなことで、新しい法律をつくらなければいかぬということを答弁いただいても、そのとおりに受けていこうと思ってもそこでとまってしまった。 これは、その問題が解決できないのですよ。被害者があれば、行政指導の範囲を超えて法的に取り締まりもし、行政指導もし、保護するということをやはりやらざるを得ぬわけで、行政指導は行政指導でやっておりますけれども、行政指導には限界がある。法的な根拠のもとに行政指導をやらぬと、先ほど申し上げたように悪いことを考える者が必ず別の形を考えるわけですからね。ひとつそういうことで、ちょっと聞いてもらっても結構です、何とかならぬのかと。おまえらがどうも壁をつくっておるらしいやないかというようなことも言ってもらってもいいし、あなた方自身でこの商法というものについては、今検討してもらうという、ちょっとにおわせてもらいましたけれども、何かの形でこれは保護してもらう。人権を守る法務省ですからね。そういう被害者を救うという立場に立っても、何らかの御協力をいただかぬと、せっかくきょうは勇んでここへ寄せていただいたのにお土産持って帰れませんのでね。大臣、どうですか。
○清水(湛)政府委員 立法するとすれば、これは法務省ではなくて、あるいは通産省かどこかちょっと私にはわかりませんけれども、内閣法制局なり衆議院の法制局で御意見を求めておられるということでございますけれども、やはり法律をつくるということになりますと、規制対象というものを明確にしなければならないし、規制対象の行為形態、どういう行為でこういうことをすればどうなるか、こういうような一つの行為の形態というものを明確に定義しなければならない、こういうことだろうと思います。そういうことについての難しさというか、あるいは規制するとした場合にどういう内容の規制をすることにするか。エステにいたしましても教材にいたしましても資格に関する商売にいたしましても、すべてが悪いのか悪くないのかという問題も実はあるのかもしれませんけれども、そういうようなことが恐らく問題になるのではないかというような感じがいたします。 私ども、そういう面では、実は法務省としては研究、検討するような場がないわけでございますけれども、それぞれの関係省庁において取り上げる必要があれば取り上げるべき問題であろうというふうに思う次第でございます。
○和田(貞)委員 どうですか、大臣、何かひとついい知恵、あなたが知恵出してくれぬと、もう知恵ないわ。
○後藤田国務大臣 私もそれほど知恵がないものですから、勉強させてもらいます。
○和田(貞)委員 ひとつこれは立法府としても考えなければいかぬことで、努力し、頑張らなければいかぬと思いますので、ひとつ行政府の方も、法務省としてぜひとも力になってください。力をかしてください。そのことをぜひともお願いしておきたいと思います。できるならば商法の中に入れられぬかと思うのですが、しつこいようですが、商法の中には無理ですか。
○清水(湛)政府委員 商行為の概念は一つの概念としてあるわけでございますけれども、急にどうするかと言われましても、ちょっと難しいのではないか。私ども、伝統的な、基本的な商法というものを常に念頭に置いておりますので、つまり基本法としての商法を考えておるという前提から考えますと、やはりそれは何か必要な特別法で対応すべき問題ではないか、こういうふうに思う次第でございます。
○和田(貞)委員 知恵出ましたか。何か知恵出ませんか。まあ何とかひとつ検討するというくらい言ってください。
○後藤田国務大臣 今も後ろの専門家と相談をしておったのですけれども、割賦販売法なのか訪問 販売法なのか、何かそういう世界で、検討するとすればそうでなければ、商法では無理だな、こういう感がいたします。
○和田(貞)委員 それじゃ、ひとつ新法をつくることに立法府の方も努力しますので、知恵をかしてください。それで、法制局、邪魔せぬようにね。この機会をおかりいたしまして強く要請しておきたいと思います、法制局が一番後ろで糸を引く方だから。 そうすると、次に、エステティックや教授業というようなものは基本法ではどうにもならぬので、特別法をつくるなりあるいは割賦販売法を改正するなりで処理をするとしても、今度の改正案の三つ目の問題といたしまして、企業の資金調達の方法を合理化する、そして社債権者の保護を強化する、そういう目的のために社債管理会社を置くことを義務づけておるわけですね。しかも、この社債管理会社は銀行、信託会社または担保付社債に関する信託事業を営む会社の資格を有するということで、いわば銀行なら銀行の子会社ということになるんでしょう。そうじゃないのですか。
○清水(湛)政府委員 現実の問題としては、これは銀行の子会社ではなくて銀行そのものが債権管理会社になるというのが通常と申しますか、ほとんどすべてはそうなるであろうというふうに私ども考えています。
○和田(貞)委員 銀行の子会社をつくるんじゃなくて銀行自体がその管理会社を兼ねるということですね。そうすると、この間国土庁が地価公示を行いまして、二年連続、地価が東京圏でも大阪圏でも名古屋圏でも、あるいは地方の中堅都市においても下降の方向ということですね。これはまだ底をついておらないわけでありますから、まだ緩めてはいけないし、一面やはりこれをざらに、宮澤内閣が言っておるように五年間の勤労者の収入で家を取得するというところまで、まだ努力してもらわなければいかぬわけですね。 ところで、全国でバブルの影響でいわゆる金融機関が、銀行が不良資産というか、不動産を担保として預かっているわけですね。銀行が抱えているわけです。その不動産の在庫額が百兆円とも百五十兆円とも言われている。百兆円といったら、四国よりまだ大きい、九州全土の宅地資産額に匹敵するくらいですからね。それだけ大きな不良資産を抱えているというように言われているのが今日の金融機関の現状ですよ。だから、いまだに中小企業が金を貸してくれといったところで、金を貸さぬ。 だから、あすも商工委員会では中小企業の金融の貸し付けの引き上げをやったりする措置を議論するのですけれども、政府の金融機関を利用せざるを得ない。なかなか銀行は金を貸さない。金を貸さない理由は、不良債権を抱えているからですね。そういうような銀行が、私は子会社と思っていましたら銀行それ自体だった。そういうような今日の現状の銀行、金融機関が、株式会社の資金調達の方法を合理化し、社債権者の保護を強化するということをここにうたわれておりますが、これで社債権者の保護ができますか。この管理会社をもう一回管理しなければいかぬ会社が要るんじゃないですか。これはどうですか。
○清水(湛)政府委員 社債管理会社というのは、個々の社債権者にかわって社債権者のためにいろいろな権利を行使するという会社でございます。社債というのは企業が大衆からいわば借金をするための制度でございますけれども、その大衆個々人は非常に力の弱い立場に立つものである。そこで、きちっとした管理機関を置きまして社債権者の利益を守る、こういうことが必要になるということから、社債管理会社の設置を義務づけることにいたしたわけでございます。 その際、それじゃ社債管理会社というのはどんな会社が一番適当なのかということでございますけれども、結局、発行会社の財務状況が思わしくないような状況になった場合に積極的に社債権者のためにいろいろな権利を行使する、あるいは必要に応じて発行会社の財務状況を調査する、こういうような重要な職責を負っているわけでございますから、管理会社の債権管理についての経験とか知識、能力が十分に備わっていなければならない、こういうことになるわけであります。 このような観点からいたしますと、従前から、これは社債募集の受託会社としてでございますけれども、主務官庁である大蔵大臣の監督のもとに社債の償還等の事務を担当してきた銀行、信託会社が最もふさわしい。あるいは現実に社債管理会社、社債権者の保護のために何らかの管理会社を置くということを考えた場合には、やはり銀行とか信託会社が最もふさわしい存在であると考えられるわけでございます。 御指摘のように、バブルの崩壊によりまして銀行がかなり多額の不良債権を抱えている状況にあるというようなことにつきましては私どもも新聞等により承知しているわけでございますけれども、それでもやはり我が国の銀行は、大蔵省の厳しい監督のもとに十分に社債管理会社としての職責を果たし得る力は持っているというふうに私どもは考えるわけでございまして、その点について特に心配することはないと思っているわけでございます。 〔委員長退席、星野委員長代理着席〕
○和田(貞)委員 局長、私も、銀行、金融機関というのは社会的な責任を果たしておるし、また果たさなくてはならぬと思うわけでございますので、信用もしたい。しかし、小泉郵政大臣は郵便局より銀行の方がいいんだということで民営化を言っているけれども、私は銀行より郵便局の方が安堵感がありますよ、安心しますよ。確かに、一般的に国民は金融機関を信用しているのですね。また信用しなくてはならないわけです。 ところが、国民の皆さんが余りにも銀行を信用してきたばかりに、バブルの中で甚だ迷惑をかけて、いまだに大変な苦労をされて、いつ死んだらいいだろう、早く死なないと子供がかわいそうだというような事態になっておる問題があるのですよ。それが変額保険の問題なんです。銀行が宅建業者だとか土地をいらう方だとか企業に対してどんどん金を使ってくれということで土地を買わせたでしょう。それと同じことをやっているわけですよ。本来、変額保険というのは、皆さん方のように金のあり余った人に変額保険に入ってもらって、我々のような金のない者は定額預金、定額保険。そして、金のあり余った者にいろいろと利用してもらって、それで運用して、非常に保険会社がもうけてくれれば保険金が上乗せされる。ところが、逆の場合は、うんと保険金が損をするということですね。これは本来保険会社の仕事なんです。変額保険というのは保険会社の商品なんです。 そこで、今局長は銀行を非常に信用してほしいと太鼓判を押された、その太鼓判を押した銀行だからということで今の変額保険の被害者が乗ったのです。銀行だからというので信用しておった。銀行が介在をして保険会社にその客を紹介する。紹介してもらった保険会社も安田生命、明治生命、日本生命ということだからこれまた信用する。一流の銀行と一流の保険会社が来て、あなたは、失礼なことを思わせるように言って、土地が大変上がってきているでしょう、相続には困りますよ、一つ相続に困らない方法があるのです、実はかくかくしかじかのということで変額保険の内容を、もうける分だけを話す。これは豊田商事のやり方と同じことなんです。 もうける場合もあるし、損をする場合もあるというのが普通の言い方なんですね。正式な変額保険のしおりにはそのことが書いてあるのです。ところが、そういうものを見せないで、もうけることだけを話す。しかも、保険会社の社員であっても、変額保険を扱うのは、保険協会の研修をして、試験を受けて一定の資格を持った者でなければ変額保険の勧誘をしたらいかぬということになっている。まして、銀行の行員にはそんな資格があるはずがない。少なくて二千万、三千万という被害でございますが、そんなものは知れたものです。最高五十六億という被害者があるのですよ。二十億、三十億の被害者がざらに出ている。 この間も私のところに三人が訴えてこられました。訴えられた一人は、言っておられますのは、これは大変なことであります。もうそれぞれ六十五、六から七十歳にかけたお年寄りの人たちばかりであります。そういうお一人の中に、こういう訴えがございました。 明治生命と三菱銀行が来た。これは信用するでしょう、明治生命と三菱銀行といったら。そして、平成元年に二億の契約をした。土地を担保にして銀行から金を貸しているわけですね。その金が、本人の懐に入るのじゃなくて、横に、保険会社に行っているわけです。二億の変額保険の契約をしておる。ところが、この間言ってきて、もう担保能力がなくなりましたよ、どないするのですかと。二億のお金を借りて二億の契約をして、そこで初めて五千五百万円の負債ができたということがわかった。何とひどいじゃないですか。どうしようもない。一日も早く死なないと損をするのですよ。一日も長く生きるのじゃなくて、一日も早く死なないとどうにもこうにもならぬという状態になっておる。 私らの方に訴えてまいりました弁護士さんは、一日で百二十件抱えておるのです。この間、東京の第一弁護士会が一一〇番をやったら、その日に一一〇番と同じ百十件駆け込みの相談があったのですよ。これは余りちまたでとやかく言われていないのですが、こういう問題があるのです。 一日も早く死ななくちゃならぬ。お父ちゃん、あんた自殺してというように奥さんが言うたという世帯もあるのですよ。おれは何でもおまえの言うことを聞くけれども、死ぬことだけは堪忍してくれというのです。そういうような事態が起きている。そういうような銀行を、あなたが今言われたように、胸を張って信用しなさいと国民に言えますか。
○清水(湛)政府委員 変額保険というのは非常に利益が上がることもあるけれども損をすることもある、私は変額保険の専門家ではありませんけれども、いろいろな雑誌等でそういう知識は得ているわけでございます。そういう危険な変額保険に銀行が積極的に融資をして加入させたということだろうと思うわけでございます。しかし、その結果、バブルの崩壊によって、融資金は返済しなければならない、しかし変額保険の保険金はぐっと下がってきてしまっている、こういうことだろうと思うわけでございます。いわゆるバブルの崩壊を契機として、金融機関をめぐるいろいろなそういうトラブルが起きているということも、私ども直接の担当ではございませんけれども、承知していないわけではございません。 ただしかし、今回の社債の管理会社という面について見ますとき、実は現在でも、社債を募集する場合には委託募集の会社として銀行を指定する。これは法律上の強制ではございませんけれども、委託募集の機関として銀行がこの働きをするということになっているわけでございまして、現実には銀行にそういう委託をすることにいたしております。ただ、現行法上の銀行というのは、社債を発行する会社のために社債を募集する行為をすると同時に社債権者のために一種の社債管理をするという、いわば発行会社と社債権者両者のための機関であるというような形になっているわけでございます。そういうことでございますけれども、そのために社債をめぐって不祥事が起こったということは今までないわけでございます。 今回の改正におきましては、そういう銀行の立場、つまり発行会社の立場にも立ち社債権者の立場にも立つというような立場ではなくて、専ら社債権者の利益を保護するための機関として位置つける、社債の募集という行為は銀行の行為ではなくて証券会社等証券取引法上の規制に任せる、こういうことにいたしたわけでございます。 このようなことから見ましても、長年社債の管理という面、発行会社の代理人的な要素も今まで持ってはおりましたけれども、社債の管理という面について銀行がエキスパートであり、しかも社債管理という面において特段の不祥事はなかったというような実績を踏まえまして、今回の改正案におきましても、社債管理会社として銀行と信託会社等とした、こういうことでございます。 先生御指摘のような、銀行が悪いのかどうか、私どもちょっとわかりかねますが、いろいろ銀行の金融をめぐってのトラブルがある、弁護士会等でもそういうことを問題にしているということは私ども承知しておりますけれども、その問題と銀行を社債管理会社とすることとはちょっと違う面があるのではないかな、こういうふうに思う次第でございます。
○和田(貞)委員 私、そうあってほしくないのですが、この問題は大蔵の方の問題ですからまた大蔵の方で議論しますが、一例を挙げたのです。 銀行というのは社会的に信頼の置けるものなのだ、これは言われるのは当然です。また、そうなければいかぬ。ところが、その社会的に責任を持つ金融機関がこういうことをやっているから、今や、中小企業の皆さんや銀行から迷惑をかけられた皆さんは、そんなもの、銀行なんて何だというようなことですよ。 だから、いわばあなたの方はせっかく銀行を信用して法の改正をされたのだけれども、もしもそういう管理会社がまた企業に迷惑をかけるようなことになったら、何でこんな法律を改正したのだといってしりを持ってきたらいかぬので、銀行に対する行政指導というのは、大蔵省だけじゃなくて、法律をつくった、商法を改正して銀行に管理会社という仕事をやらそうということを考えたあなた方の方からも銀行の指導を手を緩めないでやっていただきたいということをひとつこの機会にお願いしておきたい、こういうように思うわけでございます。 せっかくの機会でございますので、これは大臣か、法務省と言ったらいいのか、ちょっとお答えしてもらいたいのですが、ここで大臣と話をするのも十分できる、局長と議論するのもできるわけです。ところが、私たちが法務省へ行きましたら、なかなかガードがかたい。局長に会おうと思ったって会われしませんで。ほかの通産省だとか厚生省へ行ったら、局長にすぐ会えます。法務省へ行ったら、局長に会われしません。どないしたらよろしいか、ちょっと教えてください。
○則定政府委員 お答えします。 大変ガードがかたいようなお話でございますけれども、事前に電話その他で御来意をいただければ、アポイントメントを極力調整させていただいて、誠実に対応させていただいているもの、こう考えておるわけでございます。
○和田(貞)委員 いえ、そんなしていたら言えへんがな、これ。法務省には、局長の会い方あるいは部長の会い方、課長の会い方という内規でもあるのかねと私思っていました。 来月の二十三日になりましたら、私たちが何とかというように思っております狭山事件の石川一雄君が逮捕されてから三十年になるんですよ。三月の八日にも私は千葉の刑務所へ行ってきまして、所長さんとお会いして、陳情これ努めてまいりまして、石川君の最近の事情はどうやというようなこともお聞きして、そしてそれでわかったと いうことで、帰りしなに法務省に寄った。それで、保護局長に会おうと思ったら、会わしてくれしまへんがな。私ら議員が帰りしなに寄って、五人行きました。それで、小森さんの秘書も一人連れていったんです。これは解放同盟の職員を兼ねているんですよ。深田君という参議院議員の秘書も一人連れていった。それで、私の方の党の職員を一人連れていった。 秘書は何ぼ入ってくれても構へんけれども、事務員は一人しかいかぬと、こう言うのです。そのときに僕も意地悪だったんで、事務員は一人や、秘書二人やと言うたらいいんやけれども、意地張った。ほんならあなた、約束と違う、事務員二人はあかん、一人ならいいと。一時三十分の約束でございましたので、やはり待たないかぬ。一時四十分になりましたので、局長さんはお見えにならなかったので帰らしていただいたわけです。そういうことで局長さんにお会いする方法をひとつ具体的に教えてほしい、ひとつお願いしたいと思 う。
○杉原政府委員 お答えをいたします。 私のことが問題になっておりますので、一言釈明をさせていただきます。 私ども保護局といたしましては、国会議員の先生とお会いするのに基準を定めたような内規も特別定めておりません。私どもといたしましては、先生とあらかじめお会いするアポイントメントに従って誠実に対応しているつもりでございますし、今後もそのつもりでおります。 ただ、国会議員の先生方とお会いする際には、議員の先生方と直接いろいろお話をしてお話を伺うということを趣旨にしていることでございますから、それ以外の方につきましては、例えば記録するのに必要だという範囲内で人数を限っていただいておりまして、先生御指摘の三月八日のお約束の際にも、あらかじめ私の理解では、先生方委員の方五名と秘書の方、記録係として一名に限っていただくということでお約束をしたつもりでございます。 それが、お約束の一時半になりまして、たしかそれ以外に二名別に同行されたということでありましたので、それではちょっとお約束が違うので、一応お約束に従っていただければということをお願いしておりましたところ、約束の時間以降、五分後にお帰りになってしまったということで、私としても結果として大変失礼なことになってしまったのではないかというふうに思っておりますけれども、私どもといたしましては、国民の代表でおられます国会議員の先生方を特に軽視しているということではございませんので、誠実に対応させていただくつもりでおりますので、そのように御理解いただきたいと思います。
○和田(貞)委員 こんなことを余り言ってなにだけれども、保護局長、議員だからとか議員でないからとかというのではなくて、役所というのは、やはり国民の皆さんが人権問題についてあるいは法のいろいろな改正問題についてあるいは保護の相談について、窓口を法務省としている政府に対して陳情に来られればこれは積極的にお受けする、会ってあげる必要があるのではないかと私は思うのですよ。 私は、ちょうど三十五年ほど前だったですが、もっと若かった、地方議員になりましてはやほやのときにある消防署へ行ったのですよ。ある消防署へ行っていろいろ話をしていたら、じっと座ったままで、うんうんと、こうですわ。顔も見ぬ。私はこう立って物を言うとるわ。それで、おいと言うたら、慌てて目を覚まして、ぱっと立ちよるわけや。そこで、僕は大きな声でどなったのです。議員であるからとか議員でないからとか、そういうことで差別したらいかぬと私は思う。 私たち議員というのは、やはり国民の代表なんです。国民の代表というのは、何も国民より偉いことじゃない、国民の皆さん方の何万人かの代表として国会へ寄せていただいているだけのことなんです。私は、私たちよりもむしろ国民の皆さんに奉仕してもらいたい。私らは断っても、国民の皆さんが来たら会ってやってもらいたい。そういうような姿勢になってほしいということを私は法務省に言うのですよ。これは厚生省に行ったかて通産省に行ったかて、法務省みたいなことはないですよ。 ついでに言っておきますが、局長の場合はその付き添いは一人しかあかん。そのときに言うた、一人ですよ。五人聞いておるのだから、言わぬことない。局長は、一人しかいかぬ、しかし議員の秘書は何人でもよろしいと言っておるのですよ。課長は、何人でもそんなことおまへんと言う。だれが来てもかましまへん。私は、それから矯正局の保安課長のところへ行って、お茶を出してもろうて、えらい長い間懇談して帰ってきましたよ。言うとおりや。課長の場合は何人でもいい。そんなら、大臣に会おうと思うたら、どないしたらいいんよ。それで、そういう内規があるのかということをわざわざ聞いているのです。よそはそうじゃないのですよ。 そういうことを言われるから、私は法務省というのは、失礼であればひとつお許しいただきたいと思いますが、官房長から局長七人、そのほとんどが全部検事さんですよ。まるで法務省というのは最高検察庁の出店やないかというふうに人に言われるわけですよ。法務大臣は最高検察庁を指揮しなければいかぬ。逆にあなた、最高検察庁の出店が法務省やというふうに悪口を言う人もあるわけですよ。そういうことがあってはならないと思いますので、私はしつこく言いませんが、法の番人であり、人権を守らなくてはならない政府の窓口でありますから、やはり国民の皆さん方から部長さんにお会いしたい、局長さんにお会いしたい、課長さんにお会いしたいということであれば、それはあなた、おらないのに会わせいという無理なことを言う者はほっておいたらよろしい、おる限りはやはり対応は積極的にしてあげる、こういう法務省の姿勢になってほしいということを私はこの機会に強く言っておきたいと思うわけであります。 あなたに会いに行ったときのことだけじゃないのです。実は、刑務所では受刑者の皆さんが、ここでは家具をつくり、ここでは靴をつくり、ここでは何をつくりしておるでしょう。私のそばには大阪刑務所があるのです。ちょうど大臣の地元、出来島の、徳島刑務所、今、徳バスになっておるけれども、もう今は徳島の刑務所は宿がえしましたけれども、私のところは宿がえするところがあれへん、これは。大阪府下の中でよそへ持っていくところがないのです。 それで私は、刑務所というのは、地域の皆さんとやはり親しくなってもらわないかぬという思いで、一回堺の刑務所で、大体千五百人ぐらい受刑者がおる、年末に、大みそかにそば食べさそうかなと思って千五百食、どうや、そば持ってきたろうかと言うたら、いやいや、もうそんなんしてきてもろうたらこんなんできしまへんということで断られたんです。そういう気持ちがあるんです。 広島の刑務所と富山の刑務所で子供みこしをつくっておるんですね。刑務所のそばに展示場があるんです。それを見て、子供会のことやからちょっとでも安くしてもらえないかという陳情を子供会の人から受けたので、私はある日大阪刑務所へ行ったんです。さっきの話と同じこと。私は、やはり守衛さんに、所長さんか総務部長さんにお会いしたいんだということで名刺を出した。ほなちょっと待ってくれということで、帰ってきた。 それで、所長に会わしてくれるのか部長に会わしてくれるのかわからないけれども、だれの指図か知らぬけれども、何の用ですかと言うから、いや、所長さんか部長さんにひとつ相談したいことがある。また行った。また帰ってきた。何の相談ですかと言う。そんなんだったら別に所長や部長に会わぬかて守衛と話したらそれでいいわけや。それはだれが言ってんのや、部長が言ってんのか、所長が言ってんのか。いや、これは上司がそう言ってます。そんなもん、もう何から何まで言わなかったら所長や部長が会えぬと言うたら刑務所へ入られしまへん、これは。そうでしょう。そういうことも、法務省の姿勢がそこにあらわににじみ出ているように思う。そんなことじゃ、私たちは、地域の刑務所の皆さんと地域の住民の皆さんと何とかというように気持ちがあっても、これは近寄れませんよ。そういうようなこともあるということを、大臣、ひとつ耳にしておいてください。 それで、もうしようがないから帰ってきて、ちょうど前の秘書課長さんを通じて注文せなしゃあない。余りまけてくれへんかったけれども。しかし、まけてくれる、まけてくれぬにかかわらず、そういう市民の皆さん方が欲しいということであれば、これは刑務所で分けてもろうたんやということで、祭りに子供が刑務所で分けてもろうたみこしをかついで喜ぶわけでしょう。そういうところにつながりというのができていくわけですから、やはり私は心してもらいたいということをこの機会にお願いをしておきたいと思うわけです。どうぞ法務省も、ぜひとも人権を守らなくて はならない政府の窓口でございますから、そういう面でいろいろなお話を申し上げましたけれども、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。 そんなことで、この法律の運用に当たってはぜひとも国民に迷惑をかけないように運営してもらいたい、こういうように思いますが、最後にひとつ大臣の方からおっしゃっていただいて、質問を終わりたいと思います。
○後藤田国務大臣 どういう経緯があって和田さんに御不満をおかけするようなことになったのかわかりませんけれども、いずれにせよ、役人はやはり役所の窓からだけ世間を見ておってはわかりにくいということですから、本来的ないろいろな忙しい仕事もありますから、時間の制約等は御理解願わなければなりませんが、できる限りは外部の人とよくお会いもするし、御意見も聞いて、そして初めて全体の動きがわかる、これが行政の上に適切に反映する、こう思いますから、そういうつもりでこれからはやっていただきたいな、私自身はさように考えておりますので、そのつもりでやっていきたい、こう思います。
○和田(貞)委員 ありがとうございました。終わります。
○星野委員長代理 小森龍邦君。
○小森委員 大分遅くなりましたが、慎重な審議ということで、私の方からもしばらくお尋ねをしたいと思います。 まず、質問の着眼点といいますか、そういうものについて御理解を賜って、そして的確な答弁もいただきたい、かように思うわけであります。 私は、商法であれ、私どもが審議いたしましたこれまでの例えば外国人登録法であれ、あるいはまた借地借家法の問題にしても、入国管理法の問題にしましても、少しずつ改正をしてきておるその歩みというものは、時代の動きといいますか時代の発展に即して法律が改正をされておる、簡単に言うとそういうことだと思いますけれども、その時代の動きと同時に、日本の社会の持っている体質というものが相当程度おくれておる。 これは明治の改革のときもびっくり仰天して、慌てて驚いて、諸外国との関係から見たら大分ギャップがあったわけでありまして、そういう意味で、私は、今回の商法の改正も、日本社会というものの持っている前近代的不合理性といいますか、江戸時代さながらではないですけれども、おくれておる点を一つずつ是正していこうという取り組みではないか、こういうふうに思っているんです。そういう観点で、そこを一つずつ確かめるということは、社会の経済的な動きというものと商法は非常に深い関係があるわけで、社会の経済的な動きの集約されたものが個々の人間関係に反映をしておる、私はかねてからそう思っておるのであります。 その最も私どもが頭を痛めておる問題は、部落差別です。部落差別というものは、全く社会の経済的な動きと関係なしに、いわば徳川封建幕府の時代の封建的感覚の残滓というような単純な見方をしてはいけない、こう思っておるわけで、これは部落問題のみならず人間の関係をどのように合理的にしていくかということがすなわち民主主義を追求する道でありますから、そういう意味で、きょうは全体の質問の流れというものがそんな考え方で尋ねておるわけでございますので、それをひとつ念頭に置いて個々の具体的な問題についてもまた言及していただきたい、かように思います。 そこで、けさほどでしたか、どなたかの質問に対して民事局長が答弁されておるのを聞いておりまして、今回の商法改正はアメリカとの構造協議に基づくものであろう、こういう意味の質問者に対する答弁が、いやそれももちろんあるけれども、それ以前に日本政府とすれば考えておったことで、たまたま意見が一致したことだ、こういう意味の答弁がございました。果たして真にそうなのであろうか。 外国人登録法の問題だって、韓国との話し合いによって、これは国際的な約束だから早くやれ早くやれと言って私らせかされたものであります。あれこれやはり日本の社会というのは、外圧に対してはかなり機敏に動くけれども、みずからの主体的な動きで民主主義というものを実現していくということについては少しテンポがとろいのではないか、こう思いますので、構造協議との関係で、たまたま一致したと言われるならば、それまでのこの問題に対する、今回の商法改正に対する事前の行政側の準備というものが果たして構造協議とは別に独立して物が前に進んでおったかどうかということも確かめたいと思いますので、その点をちょっと説明いただけませんか。
○清水(湛)政府委員 日米構造協議におきましてアメリカ側が日本の会社法、会社制度のあり方についていろいろな問題提起をしたというのは事実でございます。 そういうような背景にはいろいろな考え方があると思いますけれども、一つには、我が国の会社法というのが戦前は主としてドイツ法、大陸法系のスタイルをとっていた、それが昭和二十五年にアメリカ法が一部取り入れられたというようなことから若干アメリカ法的でもあり、しかしアメリカ法的ではない、そういうような食い違いの点があるわけでございます。どちらがいいかということはそう簡単に言える問題ではないとは私ども思っておるわけでございますが、そういうことから、アメリカ法の立場から見た日本の会社法というものにつきましていろいろな問題提起が実はされたわけでございます。 そういう問題の中には、私どもの方から見ますと完全な日本の会社法の誤解ではないかとか、あるいは到底それは日本の実態に照らして受け入れられない、問題にならないというような意味で押し返した問題も多々あるわけでございますが、一方におきまして、私ども先ほどもちょっとお答え申し上げましたけれども、昭和四十九年改正を契機といたしまして会社法の根本改正作業というものを実は継続的に始めているわけでございます。それが一つには昭和五十六年改正であり平成二年度改正である、こういうことになるわけでございまして、平成二年度改正におきましてもさらに会社法の整備改善を図れということでいろいろな附帯決議もいただいているところでございます。 そういう議論の過程の中で、例えばいろいろな会社の不祥事が起こるというような問題がございまして、株主の権利をもっと強くするとか監査制度の強化を図るという議論が実は法制審議会の内部でもされていたわけでございます。そういう時期にアメリカ側からも株主の権利の拡充の問題、これは社外重役というような形での問題提起でございましたけれども、この監査制度の問題というような形での問題提起、そういうものがございました。特に株主の代表訴訟、株主の帳簿閲覧権の問題につきましてはかなり強いアメリカ側の問題提起があったわけでございます。しかし、具体的に例えばどういうふうに改善をしろとか、あるいはどういうふうな要件のもとに株主の帳簿閲覧権を考えるという議論にはなりませんで、そういう点について日本側はどう考えておるかというような問題提起でございました。 私どもといたしましては、そういう問題については十分に問題意識を持っており、現に法制審議会の商法部会で検討を進めておるところであるということを述べまして、実はそのとおりにそれぞれの年次報告書に記載されているわけでございます。したがいまして、今回の改正というのは、アメリカ側に日本政府が約束としてこれをし、その約束の履行としてこの改正をする、こういう筋合いのものではございません。私ども、あくまでも日本政府の立場から現在の会社法のあり方というものを素直に眺めまして、さらに改善すべき点があるということでこのような改正案をまとめ上げた、こういうことになるわけでございます。
○小森委員 そうすると、法制審議会の商法の部会においてそういうことはやろうと思っていたんだというアメリカに対する答弁は確かにあったのでしょうが、先ほど言われるようなことは事実の裏づけとして、商法部会で例えば、私は記録を見 ようとは思いませんけれども、記録を見てもそれは同時並行しておったものだということが客観的に言い得るのですか。それとも、単にアメリカに対して格好よく、いや、うちもやろうと思っていたんですと言うたのか、その辺はどうでしょうか。
○清水(湛)政府委員 例えば、最初の平成二年六月の日米構造協議問題に関する最終報告では、「商法によるディスクロージャーの制度及び株主の権利の拡充並びに合併の弾力化等について、今後の法制審議会において検討する。」という日本政府の意思を表明いたしております。既にその当時、商法によるディスクロージャー制度というのは大変な問題でございまして、実は平成二年度の改正の審議の際にも御議論がございました。日本の大会社、特に中小会社の計算の適正化、これを対外的にディスクロージャーするということについてどういう方策をとったらいいかというようなことで、昭和五十年代から議論されている問題でございます。 それからまた、株主の権利の拡充の問題につきましては、実は五十六年改正で株主総会の制度の抜本改善をして、株主の提案権あるいは質問権というようなものを法制化するということをいたしました。その後、さらに株主の権利を強化するにはどうしたらいいかという視点からの議論がされていたわけでございます。さらに、当時もう既に合併の弾力化、これは最終報告では「合併の弾力化等」となっておりますけれども、私どもの昭和四十九年以来の商法の根本改正作業の問題として、最低資本金制度をいわば片づけた後においては企業の合併・分割等についての問題に着手をするということに一つのプログラムがつくられていたわけでございますから、そういうものについて現在日本政府としては一生懸命やっていますよということをアメリカ側に伝えたということでございます。 そういうような最終報告を受けて毎年フォローアップの年次会合が開かれているわけでございますが、そういう議論の過程の中でアメリカ側がさらにそれに関連するいろいろな細かい問題点を指摘しておるということでございまして、アメリカ側の問題意識と私どもの方の問題意識がいわば合ったものについてはフォローアップの年次報告書にも記載をされている、意識が合わないものについては私どもの方が拒否をするという形で、アメリカが一方的にそういうコメントを発表するということが行われてきたわけでございます。
○小森委員 そういうふうに客観的に既に物事が始まっておったということを聞かせてもらいまして、少しは私も、日本の歴史的な進行方向についてそれならまだ慰められるところがあるな、こう思うわけです。 そこで、余り宙に浮いた議論だけをしておってはいけませんので、例えば今回提案になっておられます株主の代表訴訟の目的価額を九十五万円にして、これは訴訟がやりやすくするという意味だと思うのですが、このことをめぐってアメリカならアメリカ、大体アメリカもそれはやりやすくするように努力してきていると思いますが、大げさに言えば国際比較、日本はどの辺の水準か、この辺どうですか。
○清水(湛)政府委員 この代表訴訟の活性化ということについてアメリカ側が非常に関心を持っていたということは間違いのない事実でございます。実は、アメリカにおける会社訴訟、この代表訴訟というのは非常に多いというふうに言われているわけでございますけれども、日本では非常にこれが少ない。一体それはなぜなのかというような議論がございました。それは、例えば代表訴訟を提起した場合に、場合によっては裁判所が担保の提供を命ずるということがネックになっておるのではないかというような指摘がありましたけれども、いや、これは悪意のある訴えの提起がされた場合に裁判所が担保の提供を命ずるということであって、これはむしろ、戦後、アメリカのカリフォルニア州法を参考として日本がつくった制度であるというような切り返しをして、納得をしていただいたということになっているわけでございます。 ところが、訴額、つまり九十五万円とみなすというようなことにつきましては、アメリカ側からは具体的な問題提起はなかったというのが実情でございます。むしろ、現実の問題として、ついこの間も裁判所の判決例が出たかと思いますけれども、裁判所の窓口で株主が代表訴訟を提起する場合の請求権の価額、つまり請求権の価額に応じて印紙を貼付するべきなのか、あるいは今回の改正案の中身となっておりますように、一種の訴額算定が不能であるというようなことで九十五万円とみなすという扱いにするのがいいのかということ、こういうことで、裁判所の窓口の取り扱い自身が少し乱れていたと申しますか混乱をしていた、こういうような背景があるわけでございまして、いずれ最高裁の判例が出れば解決するということがあるかもしれませんけれども、現実に訴訟を起こすという立場から見ますと大変な問題でございますので、これはきちっと法律で明らかにした方がよろしい。 その場合どちらをとるかという問題が一つあるわけでございますけれども、代表訴訟を提起しやすくするという意味であるならば、訴訟の目的の価額を九十五万円とみなす、具体的には八千二百円の印紙を張ればこの訴えを提起することができるわけでございます。そういうような観点から今回の改正案がつくられておる、こういう経過になっているわけでございます。
○小森委員 そうすると、これは従来の、つまり現行法からいくと、そういう訴訟の目的の価額というものが、事によると裁判所によって違うということが今まであったわけですか。その点、どうですか。
○清水(湛)政府委員 代表訴訟の訴訟自体その数が少のうございますけれども、ある裁判所によってはこの九十五万円とみなして印紙を貼用させており、ある裁判所は逆にその請求金額に応じて印紙を貼付させるというようなことがあったというふうに指摘されているわけでございます。具体的にどこの裁判所でどうであるということはちょっと申し上げかねますけれども、そういう事実が指摘されていたということでございます。
○小森委員 これは、私が衆議院の法務委員になってから、何かほかのことの審議中にも、株主の代表訴訟ではないけれども、訴訟の目的の価額というものが裁判所によって随分違うんだということを聞いて、私は驚いたことがあるのですね。それは、日本という国が封建制を、ホウケンセイというのは、性質の性も制度の制もひこじっているということは、私が生まれてオギャーと言ってから今日まで有形無形の差別を受けてきておりますから、それは痛いほど知っています。 しかし、事もあろうに裁判所が、こっちの裁判所とこっちの裁判所が言うのが違う、場合によったらその金額の定め方が余りに多くて訴訟がやりにくいというようなことがあるということに私は驚いたのです。だから、胸を張って我が国社会が——ヨーロッパ社会が、フランス革命というかイギリスの議会制度というか、二百年ないし三百年前から歩んできた近代化の方向とは非常に遠いところを日本は歩んでおったのじゃないか、こういうふうに私は思うのですが、それは君のひがみだ、それは君が受けた君の生育歴から余りにも日本社会を変に見ておる、こういうものかどうか、大臣の頭を煩わすようですが、大臣、どうですか。
○後藤田国務大臣 私は、小森さんが一番最初に御質問なさった日本の社会といいますか法律の制度といいますか、いろいろなあれは、日本の国民の意識とでもいいますか、そういう面に大変に前近代的な残渣が色濃く残っておるではないか、そしてとかく外圧がなければ改革ができないといったような点がありはしないかという御質問がございまして、私は率直にそれはそういう傾向があるということは認めざるを得ないと思います。これは日本社会全体のことであろう、こう思います。 ただ、それじゃ役人がどうかなといいますと、 私も三十年ばかり役人をやっておりましたので感じるのですが、政治はやはり時代の動きというものを敏感にとらえて、先見性を持って、そして国民的な政治課題、こういうものを一つ一つ解決をしていく、ここに政治の値打ちがあると思います。その政治が決めたことを役人というのは法律あるいは予算といったようなものを通じて行政としてそれを施行する、こういう立場ですから、長い経験から見まして、やはりこういうように、またまるっきり違う社会へ飛び込んでえらく違う社会の比較ができるのですが、何といっても役人というのは保守的です。これだけはもう間違いがございません。殊にまた法務省という役所は、担当しておる仕事の法律そのものが、商法にしろ刑法にしろあるいは刑訴、民訴、すべての法律が、何といいますか、ほかの省と違って一番基礎的な一番難しい法律の施行を担当しておるということで、改革ということには非常に難しい立場にあるのではないかな。 だから、こういう法律を直そうとしますと、私はよく言うのですが、例えば刑法改正なんていうのも、刑法の草案というのはできて何年になりますかね。草案ができて、それでもまだ全然できてない。あるいは刑法にしろ民法にしろ商法にしろ、ともかくまだいまだに片仮名のベカラズ法律ですね。言葉自身が今の人にわからない。早く直せばいいではないかと私はすぐ思うのですけれども、何せ基本法でございますだけに慎重にやらなければならないな。そうなると、冬柴さんなんかもあるいは御関係があるのかどうか知りませんが、法制審議会という、僕らの頭で見たら、これぐらいなかなか勉強もするんだけれどもかたい審議会も世の中にはないなと思うぐらいの制度の仕組みの中を通らないとできないといったようなところがあるのですね。 だから、ここらは小森さんにも法務省というものの仕事の性格を何とかひとつぜひ御理解をしていただきたいな。しかし、法務省の役人の諸君もそういった雰囲気、環境の中で、やはりこれだけ時代が変わるんだからそれに従ってきちんとやるべきことをやろうという考えは、私はどの職員も持っておるんだ、この点、まだ私は疑いを持っておりません。ただ小森さんがおっしゃるように、いかにもおまえらは前近代的で話のわからぬやつではないのか、こうおっしゃられるとそこを否定するというわけにもいかない。しかし、それが置かれた役所の立場でも実際はあるのだということをぜひひとつ御理解をしていただきたいな、かように思うわけでございます。
○小森委員 主に民事局長とやりとりをするわけですから民事局長を私がほめるわけではないですけれども、やはり事が民事の仕事ですから、私の感触では、いたけだかではないし割合懇切丁寧にやってもらえる。したがって、法務省が全部いけないという考えは私は持っていないのです。ただ、大衆との触れ合いのところで、従来の古い感覚で権力的に出なければならないという習慣に浸っておるところはやはりかなり権力的である、こう私は思うのです。 この間私、決算委員会で、通産省相手の決算委員会でしたので経済のいろいろな問題の分析を私なりにさせてもらって、そのときに同和対策審議会の答申が経済の二重構造ということを指摘しておるし、そのずっと前の五年か七年前に、昭和三十二年ですか昭和三十七年ですか、そのあたりで経済白書も経済の二重構造ということを分析しておる。私は、日本の農村の構造を明治以後の動き、地主の数がどうふえて、耕作反別がどういうふうに小作人と地主との間で面積が移っていったかというようなことを調べると、これならば日本の封建制が頑強に根を張っておるのは無理もないわいと思ったことがあるのです。 その経済の二重構造のやりとりをしておるときに実は法務省の人権擁護局長にも出席をしてもらって、経済の二重構造が封建的であるということは同時に人間の頭の方もそれに見合うたような照応関係にあるのではないか、その事実をあなたは認めるかという意味のことを私は尋ねたのです、明快な答えはなかったですけれども、そこらはうまくごまかしますね、官僚はうまいこと難しい答弁はさっとほかのことを言ってやりますが、私はそのときにちょっとほかのことを考えておって、もう一つのことで、答えやすいことで答えてもらって、私は気分をよくして素通りしたのです。 その気分をよくしたのは何かというと、実は広島県の尾道市というところで結婚差別の事件がありまして、それは直接結婚が壊れたというのではなくて、ある女性が、どういう思いなのか県の教育委員会とか市の教育委員会にどんどん電話をかけて、「私は言っておきますけれども部落の者とうちの子が結婚するといったら反対しますからね。反対するのが何が悪いですか」と、何を思うたのか問わず語りにばんばんやったという事件があるのです。尾道市ももう辛抱ならぬ、我慢ならぬということで、尾道市と尾道市の教育委員会が広島法務局の尾道支局へ、人権侵害でひとつ啓発なりしかるべきことをやってくれと頼みに行ったことがあるのです。その問題が実はたったこの間、七年か八年前のことですよ、たったこの間説示になったのです。説示というのは言って聞かすということなのです。 それで、それはけしからぬじゃないかと私が人権擁護局長に言うたら、前の人権擁護局長と違って今度の人権擁護局長は、率直なといいますか、それはどうも申しわけがありませんでした。そんなに長くかかったということは申しわけありませんでしたと言われたから、私は気をよくして、先ほどのことは答弁をもらわずにすっといったという経過があるのです。 法務大臣、法務省の中の状況というのは、そんな明々白々たる差別言辞について、今すぐ注意をしてくれれば、市民も関心を持っておるし社会啓発が前に進むんだが、何とかしてくれないかということで私が尾道の法務局に頼みに行ったときには、しなかったのです。七年間たってようやくしたのですよ。そして、そういうことをしたということも報告もしてくれないのです。何も報告義務はないけれども、あなたが心配されておったことはこうなりましたよというのが本当だと思うが、それもしないのです。一例ですけれどもそれだけ問題があるので、ひとつ法務省全体を指揮監督なさる法務大臣としては、そういう非常におくれたものがあるということだけは頭に置いていただきたい、かように思います。 そこで、話をもとに戻しますが、代表訴訟に勝訴した際に、要するに株主に対して費用弁償することは当然のことでありますが、今回は、単に弁護士費用のみならず、その他の費用という文章が条文の中にあるわけでありまして、それはどういうものを想定するかということについて御説明いただきたいと思います。 〔星野委員長代理退席、委員長着席〕
○森脇政府委員 代表訴訟を提起して勝訴した株主が会社に費用償還請求できるものにつきまして、従来は、先生御指摘のとおり弁護士報酬が定められていたわけでございますが、このたびの改正案では、そのほかに「其ノ訴訟ヲ行フニ必要ト認ムベキ費用ニシテ訴訟費用二非ザルモノ」というのを加えたわけでございます。 これの具体的内容は何を意味しているかという御質問でございますが、例えば訴訟提起に先立って事実関係の調査をしたといったような場合のその調査費用といったものがこれに含まれると考えられるところでございます。それ以外の費用としましては、訴訟委任のために弁護士の事務所への往復に要した旅費あるいは書類提出のため裁判所に出頭した場合のその旅費、あるいは司法書士に支払った費用といったようなものがこれに含まれるというふうに考えております。
○小森委員 それは大体常識的に考えられるところでありますが、ひとつ私は具体的に私の考えるところを提示して、それがこの法律の考えておる中身に合致しておるかどうかをお尋ねしたいと思うのであります。 代表訴訟で会社の問題点をある程度証拠固めを して訴訟で勝とうと思うと、やはりいろいろな準備をしなければならない。例えば私立探偵に頼んで、興信所みたいなものに頼んで、自分が想定しておるこういう事実があるかないか調べてもらいたいというようなことにかかる費用というのはこの法律の範囲内に入るでしょうか。
○清水(湛)政府委員 先ほど審議官の方から答弁いたしましたが、結局事実関係の調査費用、訴訟を起こすということになりますと、弁護士さんに対する報酬というものもこれはかなりの金額になる場合があるかと思いますけれども、その前提として、あるいは弁護士さんに頼んだ後もそういうことが起こるかもしれませんが、事実関係を調査する費用というのは相当のものが考えられるわけでございます。その事実を調査する方法としてどういう方法が最も合理的かということになると思いますが、合理的な方法を用いての、私立探偵というのが具体的に合理的な方法であるかどうかというのはケース・バイ・ケースで判断せざるを得ないと思いますけれども、そういった関係の費用も含まれ得るというふうに考えているわけでございます。
○小森委員 そうなればかなり代表訴訟がやりやすくなるということで相当合理性が、その幅を持ってきた、こういうふうに判断をすることができると思います。 それで、問題は、今政局を騒がせております佐川急便の金丸五億円事件に端を発し、さらに不正蓄財というような問題が起きた際に、もらう方も問題だが出す方も問題だ、こういうことになりますので、いっか法務大臣もこの使途不明金ということについてここで答弁をなさっておるのを私は聞いたことがあるのですが、使途不明金というものについて国税庁は、こういう扱いというものはやむを得ざる処置としてその意味は極めて消極的である、こういうことなのか、いや、それは会社のプライバシーを守る、産業、経済を発展さすためには積極的な意味を持っておるんだと言われるのか、その点をちょっと国税庁の方から聞かしていただきたいと思います。
○藤井説明員 お答え申し上げます。 国税当局といたしましては、使途不明金を使途不明のままにしておいてよいという考え方はとっていないところでございまして、私どもは、使途不明金というものがございますれば調査等に当たりまして、その使途の解明、支出先の把握に特段の努力を払っているところでございます。 ただ、私ども、税務調査はいわゆる任意調査を基本としておるところでございまして、どうしても使途を明かせないというような事態がございまして最終的にその使途が判明しない、こういうことがあることも事実でございまして、そういう場合には、委員が先ほどその御質問の中で言われました言葉をおかりすれば、やむを得ざる措置として、その使途不明金につきましては損金の額に算入しない、こういう取り扱いをしているところでございます。
○小森委員 先ほどの代表訴訟の問題もある程度合理的に割合やりやすくなったり、後ほどまた問題にしたいと思います会計帳簿の閲覧謄写権の問題も十分の一から百分の三ということで、数字的に見たら割合前進しておる。しかし、実際の今日の我が国の会社において百分の三というのがどれくらいの意味を持つかということはまた後ほどの議論にいたしますが、そういうふうなことで、不透明であったものがかなり透明になるということはわかりますが、なるべく使途不明金はないようにしたいんだ、こういうことなんでありますが、何か制度的に歯どめをかけるというようなことについては、国税庁は今そういう物の考え方にまでは到達されていませんか、どうでしょうか。
○藤井説明員 お答え申し上げます。 私どもといたしましては、あくまでも使途を解明していくということで努力を続けてまいっておりますし、これからも続けてまいりたいと思っています。 最終的に使途が不明なものについての扱いについてさらにどういう措置がとれるかということにつきましては、私ども執行当局でございますので特に発言は控えさせていただきますが、現在これを損金に算入しないという扱いをしておるところでございまして、現行税制上の措置としては可能な限りの厳正な措置をとっておる、私どもはこのように考えておるところでございます。
○小森委員 後ほど法務大臣の意見も再度聞きたいと思いますけれども、やはり使途不明金というものがいわゆるやみ献金に回る可能性が強い、こういうふうに思っているわけであります。それで、ここのところをきれいにするということも何本かの柱の一つだ、政治をきれいにするといううちの何本かの柱の一つだ、こういうふうに思っているわけであります。 そこで、政治の腐敗の問題のところまでつい私も言及をしてしまいましたので、ついでのこと、ひとつ法務大臣に御意見を承りたいと思います。 今、政治改革の重要なポイントとして、選挙制度の改革というものが俎上にのっております。私どもは、もちろん社会党と公明党がいろいろ協議をして提案をしておるものが最良、最善のものであると思っております。しかし、自民党の方は小選挙区制を打ち出されておる。それぞれ一つの物の考え方、政治哲学に基づいてやっておるわけで、その哲学の領域にまでわたっていろいろ議論をするということはできませんが、私はこの間から衆議院本会議でも、また先般後藤田法務大臣がどなたかに答弁をされておることを聞いて、一つ非常に気になることは、つまり現在の中選挙区は金がかかる。 金がかかっておるという事実は認めますけれども、金がかかるということの言葉の中には金をかけているということもあるわけで、金がかかるという言い方だけでいくと、政治家の政治倫理というものが後ろの方へ回されて、陰に隠れる可能性があろうと思うのですね。だから、やはりいかなる制度になろうが金をかけないような、つまり高い倫理観と、その倫理観を裏打ちする金をかけない一つの規制、政治資金の規制、そういうものをやらなければならぬのじゃないかと私は思うのです。 そこで、私が言いたいのは、それはごく一般論なんですけれども、今から言いたいことは、私はやや法務大臣に対する反論じみた意見を持っているのです。 例えば私の広島三区は五人区です。自民党は三名出ておるのです。それで、金を使われる人も使われない人もおられますけれども、常識的な選挙をされる人もおられるし、いや、ひどいなと思う人もおられるわけですね。 例えば具体的な事情はこうなんですよ、法務大臣。私は選挙前だから電話をつけようと思って、今まで三台ほどある事務所の電話機に加えてもう三台ほどつければ、私らの選挙はそれでやるのです。それで、電話をつけにきた人が、小森さん、あなた、けちくさいことをしますな、こう言うんですね。どうしてかなと言ったら、どことは言わぬけれども、今八十台つけてきたんですよと。私はそんな事務所を状況判断として知っていますけれども、選挙区内に十も十五もあるのですよ。これでは自民党の他候補も困るだろうが、野党の他候補も困るのです。 それを何か、本会議で議論を聞いていると、後藤田法務大臣もちょっとそういうことを言われましたが、複数で出る者だけが困っておるというような言い方をされるのですね。複数で出ておる、いわゆる内輪だけが困っておるような言い方をされる。そうじゃないのですよ。むしろ同じ党内の人は、張り合うて、競り合うて、競り勝ちをするとかいうような感じのある意味でバイタリティーが出るけれども、我々ははじき出されてしまいますよ。 だから、これは中選挙区が金を使うというよりは、使う人もいる、使わない人もいる。自民党の中でも使わない人もたくさんいるのです。法務大臣、そこがちょっと今の議論としては抜けておるのではないですか。我が党の政治改革の議論で、この間、土井たか子議員が、それは金がかかるの ではなくて金をかけておるのではないですかと言うから、私はちょっと拍手を送ったんですけれども、今私が言うようなことを明らかにしての議論にまだなってないと思いますね。法務大臣、どうですか。
○後藤田国務大臣 おっしゃるように、政治と金の問題、基本はやはりそれぞれの候補者の倫理観といいますか道義心、これが基本になきゃならぬことは当たり前の話です。 さて、それが基本に仮にあるとして、一体金が今かかっておるのはどうなんだということになると、これは確かにそういう観念の薄い人の場合には、かかる以上にかけ過ぎておるということも事実だと私は思いますね、それは。ただ、野党の皆さん方と私どもの違いは、同じ選挙区で複数立つ、そうしますと、社会党や公明党や共産党の皆さん方の悪口を幾ら言ってみても、非難、攻撃してもこれは別段どうにもなりません、どうしてもお互いの中のとり合いになってくるのですね。それで、中のとり合いになってくるというと、これは政策の争いではなくて、ましてや党対党の戦いでもない。しかも、今の制度だと、大体一〇%ぐらいとれば当選できるんですね。そうなると、やはり常日ごろのサービス合戦。そして、それが特殊利益、特別のそういう一〇%の人相手のサービスだけでも確保すれば当選する。勢い、お互いにそういったことで、派閥ももちろんそういう意味でできてくるし、それから選挙の際にも、どうしてもサービス合戦。 選挙の前の段階の政治活動、これもまたやはり個人の後援会、それを中心に、何といっても後援会という城をつくらぬことには選挙にならない。そうすると、城をつくるのには金がかかる。これは本丸のある城だけでは足りませんわね。そうなるというと、同じ保守の中で、相手のところへ切り込んでいって出城をつくるわけですね。そして、本丸の方もできるだけ堀を深くして、そして幅も広げる。攻め込まれないようにしなきゃならない。出城の方はできるだけあっちこっち出城をつくっていく、こういうような選挙運動が私は実態だと思うのです。自民党の先生方、今お三人いらっしゃいますが、いかがでございますかね。大体そういうようなことになるものですからね。かけ過ぎていることも事実なんです。 土井さんのあれもよくわかる。よくわかるが、土井さんのところでは、社会党はああいう選挙区は全国にはそうようけない、自民党は常態ですけれどもね。堀さんという人がおるんですね。このお二人の競争たるや、これはまた激しい争いがあるんですね。だから同士が相打つ選挙というのは、やはり小森先生、金がかかるんですよ、かかる。かけ過ぎも事実だけれども、かかる。 だから、私は、やはり今のような制度というものは、日本人的な割合ソフトな結果の出る選挙でありますけれども、有権者の諸君が政権の選択をやるというのが選挙だということの観点に立てば、今の選挙をいま一度見直して、お互いにひとつ再出発をする一つの時期に来ておるのではないかな、こう思います。 小森さん、お金は実際かかります。私自身がかかっていますから。かけ過ぎているとは思いませんよ、私の場合は。しかし、やはりかかる。社会党の諸君とは比較にならない。私は、自分のおいが同じ選挙区におりますが、こいつは社会党の議員ですからね。私は自民党。おかげさんで、与野党で党が違いますから、けんかしたことはありません。 しかしながら、今度は、先ほど小森さんがおっしゃいましたね、自民党の中でそういう激しい争いがあると、それは自民党だけでなしに野党にも影響を及ぼすというお話がありましたね。これは事実です。それは、激しく保守が争うと、どんなことしても社会党なり公明党さんの方にも票の影響が及ぶ。そうすると、どうやるかといえば、だんだん社会党も公明党さんも、率直に言いまして、それは昔のやり方とは変わりましたね。金が相当かかり出してきておるのではないかな。ボランティアという運動がほとんどなくなってきておるのが実態ではないのかな、かように考えるわけでございますから、ここらでお互いにこの制度はひとつ、今はまだ建前論でやっておるようですけれども、お互いに話し合って、何とかひとつこれは改めたいものだな、かように思います。
○小森委員 これで余り時間をとってはいけないのですけれども、もう少し物を言っておかなければいかぬと思いますので申し上げるのですけれども、結局、自民党が競り合って社会党が影響を受ける、公明党が影響を受ける。これは事実ですね。しかし、私らが言いたいのは、その自民党が金を使うから、不公正競争で我々が影響を受けるのです。ここのところを考えてもらわないと、だから私は倫理観が大事だと思うのですね。 この間も、本会議で、私の隣の方から、おまえら多数党になってみろというやじが飛んだのです。私は、おう、金を同じように使ってみるか、お互いに負けんぞ、こう言うたのですよ。それは本当によく考えてみて、電話機三台や五台と八十台と勝負して、余り違わぬくらいとるのですからね。だから、金を同じ使うたら絶対負けぬぞと言ってやじで応酬したのですがね。 つまり、何か今の小選挙区制を議論する場合に、自民党の中の金の使い方による競争によって、自民党だけが迷惑をこうむって、ほかの者が迷惑をこうむっておる一むしろほかの者の方が迷惑をこうむっておると私は思うのですけれどもね。そういう点も考えてもらって、自分の党の都合だけでこの論理を組み立ててもらっては困るということが一つですね。 それから、法務大臣、一つはこういう点があると思うのですよ。 私の広島県三区でも、今まで一番、二番、三番が全部自民党で、四番、五番が社会党と公明党と民社党がときどき入れかわったりやっておったのです。だから、広島三区は定数三と定数二の選挙区が二つあるんだ、こういう意味のことをよく新聞から冷やかされておったのです。けれども、やりょうによればどういう結果が出てきておるかといったら、この間の区には、自民党のある候補が二万票減った分私が二万票ふえておるのです。一つ一つの町を見るとわかりますわ。これは例えば宮澤さんの票が減っただけが私になったとか、あるいは亀井さんの票が減っただけが、どの村はわしの方になったとかいうことわかりますわ。 そうすると、結局、自民党の中の内輪げんかでなしに、選挙区は選挙区としての機能を発揮しておると私は思うのです。けれども、私は、中選挙区制に今こだわるというのじゃないのですよ。それは党が方針で出しておるのですからその方向に向かっていくわけですけれども、しかし法務大臣、議論の仕方というものをもうちょっと考えて、客観的なのをやっていただいて、そうしないと歩み寄るいっても、議論のところからそこが整理されないとみんな納得しないですからね。そういうことをつけ加えておきたいと思います。 それで、もとの商法の問題に戻りますが、会計帳簿の閲覧謄写について、今度は発行株式の百分の三になって、従前は十分の一ということで、実際問題としては十分の一が百分の三になる。つまり、十分の一から思うたら、この数字は随分持株の低い数字で会計帳簿の閲覧謄写ができるということに条文を見たら見えるわけですが、実際は何かこの程度のところまではできるんだ、例えば百分の三の株式を持っておる者は、ある会社からいったらどれぐらいの人がおられる、上位例えば百人くらいまではそのくらい持っておられるのだとか、あるいは上位十人ぐらいしかそこは手がたわぬのだとか、ちょっと私ら株式会社のことについては詳しくないから、おおよそ頭で整理できるような数字的なことで答弁していただけないでしょうか。
○清水(湛)政府委員 十分の一から百分の三に緩和したわけでございますけれども、その結果、これによって例えば百分の三以上に当たる株式を有する株主が何人ふえるのか、こういうことだろうと思いますけれども、法務省としてはそういうものを正確に把握するデータというものは実は持ち 合わせていないわけでございます。 そこで、試みに一般に公刊されている資料なんかで上場会社約二千百社について当たってみましたところ、その資料には大株主の数が出ているわけでございますけれども、それによりますと大体一万一千人ぐらいではないか。現在、十分の一ということになりますとこれは非常に少なくて、上場会社だけについて申しますと千三百ぐらいだということでございますが、それが一万一千になるということでございます。そういう意味では、これによって株主の数がどのぐらいふえるかという点について、多いと見るか少ないと見るかといういろいろな考え方があろうかと思いますけれども、かなりの数の増加にはなるというふうに思うわけでございます。 基本的に、結局その持株要件をどう見るかという根本論にもかかわってくるわけでございますけれども、御存じのように我が国では会計帳簿等の監査は株主総会で選ばれた監査役が見るという前提をとっておりますので、株主自身の直接の権利としてはかなり制約的なものになっておる、むしろ監査役がその機能を十分に発揮するということの方がより重要だというふうにも言えるわけでございます。しかしながら、そうは申しましてもやはり株主の直接的な監査ということも大事でございますので、今回十分の一から百分の三というふうに緩和した、こういうことになるわけでございます。
○小森委員 おおよその見当はつきますが、要するに今までは千三百ぐらいなのが一万一千ぐらいだということですが、大手企業の株主とすれば、代表的な我が国の三百社なら三百社ぐらいのところを想定してもらって、どの会社ということを私は言うのじゃないのですが、一万一千ぐらいになると何番目ぐらいの株主ということになるのでしょうか。
○清水(湛)政府委員 大手の会社でいいますと、恐らく大株主といっても五%以上持っている株主というのは非常に少ないのではないか。だから、三%ということになりますと、その中にかなりの株主の数が含まれてくるのではないかというような感じがいたします。私ども、この持株要件の緩和というのは大手の会社だけではございませんで、株式会社一般について要件を緩和したわけでございます。 そこで、一番問題になりましたのがいわゆる上場会社以外の非上場の会社あるいは中小、小会社というのは余り問題にならないのでございますけれども、中規模の会社、そういうところがまた一つの問題になったわけでございますけれども、そういうところが比較的株主の数も少なくて、しかも一〇%とか二〇%を持っている株主が多い、こういうような現象もある。株主の数自体が少のうございますので比率的には少ないということになるのかもしれませんけれども、そういうような問題も実はあるわけでございます。中小企業の方から見ますと、要件を緩和し過ぎであるというような指摘も実はあったわけでございまして、その辺の調整を考えながら十分の一から百分の三にするということにしたわけでございます。
○小森委員 それは会社の経営者からすれば緩和し過ぎだということになるだろうし、会社の経理の不透明なこと、特にそれが政治と絡んで不透明ということになると、これは要するにその関係者は直接自分らの権利というものが行使できないばかりか、政治を毒されることによってまたもう一つの迷惑をこうむるというようなことになりますから、立場によって緩和し過ぎというような考え方も出るのでしょう。 しかし、これは審議の途中で申し上げるのはどうかと思いますけれども、やはり我々とすれば、今の代表訴訟の問題にしても会計帳簿の問題にしてもこれから言及いたします監査役の問題にしても、できるだけ透明性を高くできるようにするというのが近代社会の合理性というものではなかろうか、こういうふうに思いますので、これは附帯決議などでお願いしようかと私は思っているのですが、将来に向かってもっとよいものにしてもらいたいということを申し上げたいと思っておるのですが、一応答弁は答弁としてお聞きしておきましょう。 それで、この間どなたにもらった資料であったかちょっと私は忘れましたけれども、ある大学の先生の書かれた資料を読んでおりましたら、かねてからテレビなどでも私はよく見ておったのですけれども、株主総会が大抵の場合十五分か二十分ぐらいで賛成、わあって済む。それから、その大学の先生が分析されておるのを見ると、株主総会で全く発言なしというのが九四%。千六百四十八社について調べたら、千五百五十社が全く発言なし。これは何とか実際の血を通わせることをやらなきゃいかぬと思うのです。これは余談で、結論を出すわけじゃないですけれども、これがやはり私が言うところの制度の封建性、封建的性質ももちろんその制度の中から出てくるのですけれども、制度的な意味合いを持つ封建性、こういうふうに思うのですが、民事局長どう思われますか。
○清水(湛)政府委員 実は、会社法の中で非常に大きな問題が株主総会の活性化ということでございます。要するに、株主というのは実はこれは会社の所有者でございまして、最も発言力が強く、かつ現実にその発言権が行使される場というものが幅広く提供されなければならないというふうに会社法上はなっているわけでございます。ところが、現実の我が国の株式会社の実態というのは非常に株主総会が形骸化しておる、形だけのものになっておるのではないかというような指摘がかねてからされていたわけでございます。 そこで、商法の改正の問題といたしまして、この問題をまず第一に取り上げたというのが昭和五十六年改正でございまして、株主総会の活性化という観点から、例えば株主の質問権を法定化するとかあるいは株主の提案権を法定化する。さらには、株主総会が活性化していない、それほど十分な議論が行われていないという一つの背景にはいわゆる総会屋というものがあるのではないか、企業の方で総会屋を使って善良な株主の発言を封じておるということがあるのではないかというようなことから、この議決権の行使に関していろいろな利益供与をいたしますとそれが犯罪となるというような、いわば総会屋対策をねらいとした商法の改正というものを昭和五十六年にいたしたわけでございます。それによって株主総会の活性化を図ろうとしたわけでございます。 私ども、直接見聞しているわけではございませんけれども、例えばドイツの株式会社の株主総会あたりは、昼食を挟んで一日がかりの株主総会というものがある。株主と会社の執行部がちょうちょうはっしの議論をするとか、あるいはアメリカにおきましても相当長時間にわたる株主総会というものが開かれるというようなことを聞いておりますので、そういうことを念頭に置きながら五十六年改正をいたしたわけでございます。 しかしながら、その結果として相当株主総会が活性化したという評価もあるようでございますけれども、なおまだそれほどではないというような御意見もあるようでございます。一体その辺についてどういうような問題があるのか、会社の経営がきちんとしておるので余り活発な議論がないということなのか、あるいは活発な議論があるにもかかわらずそれが意図的に封じられておるのか、その辺については今後とも十分に見きわめていく必要があるのではないかというふうに思っているわけでございます。
○小森委員 総会屋の問題も出ましたので、ちょっとこの際に一言触れておきたいと思いますが、総会屋をもって株主総会における善良な発言を封ずるということも、それもあることはあるのだろうと思いますけれども、むしろ逆に、総会屋が会社へたかるために揺さぶりをかけて、その後に何か折り合い話でうまい汁を吸わせてもらおうと思って言うことの方が私は多いのじゃないかと思いますがね。だから、総会屋に抑えられておるから物が言えない、そういう一方からだけ見る見方でなしに、総会屋の問題はやはりもう少し逆の、総会屋自体の暴力的なむちゃくちゃな理屈で 会社に揺さぶりをかける、こういうものではないかと思うのです。 それで、私は法務大臣にもこの点をよく聞いておいてもらいたいと思うのですけれども、実は盛んにえせ同和ということが言われた時期がありますね、えせ同和。同和運動とか部落解放運動のえせというのが出てきたということを盛んに言われたことがあるのです。それで、私らも十把一からげにされて、何かえせ同和のたぐいのように見られたり、困ったことがあったのですが、その総会屋どもが商法改正に基づいて締め出されたものですから、行き場がないものですから、今度は地方自治体に因縁つけに回り出したわけです。 それで、因縁つけるにすれば、手ごろな理屈が見つからぬものだから、おまえのところ、同和問題どういうふうにやっておるか、あれもせにゃいけまいが、これもせにゃいけまいがと言って本当の解放団体でないものが全国六百ほど、同和ということを名乗った団体ができてきてそれがやり出した、こういう時期があったのです。それとても、私はやはり我が国社会の持つ、またそれに対して少し恐れおののく自治体の主体性のないあり方も我が国社会の前近代性じゃないか、こういうふうに思うのです。 これは大臣も現地調査をしていただいたりなど以前されておられまして、相当深い関心を持っておられると思いますので、もう余りえせ同和ということは言わなくはなりましたけれども、実は腹の底から言わせてもらいますと、法務省人権擁護局が、まともな運動とまともな運動でないのが、そこが識別がつかないのです。これはひとつ大臣、心がけておいていただきたいと思いますし、もちろん我々の運動が変なことをするのはそれはやはり許しておけないですから、それは運動としては手厳しくいかなければいかぬ、こう思っておるわけです。しかしながら、では満足に一〇〇%いい点がつけられるかといったらそうもいかない。我々の運動の過ちというものはあろうと思いますけれども、巷間言われてきた問題はそういう流れでなってきておった。この点をひとつぜひ御理解いただいておきたいと思います。 さて、経済の仕組みについて、なるべく透明性があるようにということを主眼に置いて質問してきたわけでありますが、日本とアメリカの貿易摩擦ということについて、私は日本の経済の構造なり会社のあり方の不透明性、要するにアメリカからいえば、日本の生産構造とか産業構造というものはアンフェアだ、要するに民主主義的に人権を守っていきよったらそんなに国際競争力はつかぬはずだ、こういうことが腹の底にはアメリカはあると思うのですね。 その証拠には、構造協議の中をずっと読んでみると、日本のこの商法のことについても、日本はやりおったとはいうものの、向こうも指摘をするというのですから、そういう気がかりがあって指摘しておるわけですが、もう随所に恣意という言葉が出てくる。恣意とか不合理性とか、そういう言葉がいっぱい構造協議の言葉の中で出てくるのです。これは日本のいわゆる前近代的な社会の立ちおくれですね。 明治の初めに気がついてみたら随分おくれておったので、追いつけ追い越せでいろいろやったのだが、戦闘部隊の生産力を上げるというところはどんどん追いつけ追い越せでやったけれども、生産力を上げるためにむしろ前近代性を使ったということ、これが典型的な部落問題ですけれども、部落民を近代産業から疎外をして、上を見て暮らすな、下を見て暮らせという考え方を、広範なその周辺の働き手にそういう意識を持たせるというその問題点であったと私は思うのですけれども、今の貿易摩擦の問題と、経済企画庁は日米構造協議が問題にしておるところとか、私が言うところの経済の二重構造というような問題について、どういう関連性を理解されておりますか。——きのうレクチャーでそれをやったと思うのですが。 それでは、日本とアメリカの貿易で日本が黒字が多い、これは国際競争力の問題だと思うのですが、いわゆる日本的体質とアメリカ的体質というのはどこにどういう問題があるか、そういう質問ではどうでしょうか。
○大守説明員 日米摩擦というようなものの中に、相互の社会あるいは市場経済システムの差に基づくものがあるという認識は私ども持っております。ただ、それが必ずしも不透明性、あるいはアメリカのシステムがよくて日本のシステムが悪いというものばかりではないようにも認識しております。 それから、貿易摩擦あるいは黒字問題との関係で申し上げれば、こうした日本市場の抱えるさまざまな問題点が黒字の一因になっているかと思いますけれども、それ以外にもマクロ経済的な問題もあるかという認識を持っております。
○小森委員 それは日本の技術がすぐれておる、これはもう否定できないと思うのですね。例えば自動車でもよく聞く言葉ですけれども、燃費が安い、故障がない。アメリカ人が日本の自動車を買おうという気持ちになることは当然のことだと思うのですね。しかし、そういう技術がよいということと、それから今の燃費が安いというようなことは、これは自動車会社は自動車会社なりに、これは経済学的にいうところの言葉としては適当かどうか私は経済学の専門でないからわかりませんけれども、社内の保留分といいますか利益を、普通それは研究費用に物すごく充てる。何か研究費用に物すごく充てるということはいかにも近代的なことのようですけれども、そのかわり労働分配率が少ない、こういう問題と私はセットになっておると思うのですね。労働分配率が低いということは、これは要するにアメリカとかヨーロッパ諸国に比べて日本はやはり低賃金ということでしょう。単位時間からいったら安いということじゃないですかな。 そういうことからすると、日本の社会の経済の構造とか社会の全体的な仕組みというものと深くかかわっておることがアメリカとの貿易摩擦に具体的には現象しておる、こういう見方にはなりませんか。
○大守説明員 突然のお尋ねなのでデータを持ってまいりませんでしたけれども、確かにおっしゃるように、日本経済の体質というのがどちらかといえば生産を重視しておりまして、国民生活の面をややもすれば軽んじたというような傾向があることは御指摘のとおりだと思います。 昨年につくりました経済計画でもその点の反省を込めて、今後の政策的な対応をしたいということをうたっているところでございます。ただ、賃金水準につきましては、これは必ずしも国際的に先進国の中で低い状況にあるということではないと思います。
○小森委員 労働時間がドイツと比べて年間五百時間も違うというようなことや、日本の生産力の高さというものも考慮に入れて、全体的に見て割安、こういうことを私言いたいのです。きょうは数字をもとに議論しようということは言っておりませんから、大まかなところを、経済企画庁の考え方というものを聞いておきたいということで質問を申し上げたわけであります。 そこで、ついでに、この際ですから経済企画庁の方にお尋ねをしたいと思いますが、今度発表されました十三兆二千億の景気浮揚策、これの目玉は何ですか。
○筑紫説明員 お答え申し上げます。 四月の十三日にいわゆる新総合経済対策ということで閣議で新たな総合的な経済対策を決定したところでございます。 その目玉ということでございますが、まず何と申しましても、現在調整過程にある我が国経済を一日も早く回復の過程に持っていくということで、そのために公共投資関係の施策を掲げておる、これが第一であろうかと思います。 具体的には、公共投資関係の中でいわゆる前倒し、これは五年度当初予算でお認めいただきました公共事業につきまして、上半期に七五%以上の施工を行う。それに続きまして、公共投資そのものの拡大ということがございまして、これで公共 投資等も含めまして全体として十三兆二千億円の施策をとっておるということでございます。 それから、特徴の二番目といたしましては、現在かなりの円高が進んできておりますけれども、円高で影響を受けておる中小企業、それからまた約二年に及びますこの調整過程、もしくははっきり言えば不況ということでございますが、この調整過程において影響を受けておる中小企業というものに対する施策をとっておるということでございます。 具体的には、これは財政投融資を通じました政府関係機関を通じる融資、その中でも運転資金、設備資金というふうに分けられますけれども、こういうふうな融資それから中小企業に対する政策的な設備投資減税というようなものがとられております。 それから三番目に、雇用対策というものを挙げることができると思いますが、これもいわゆる調整過程の長期化に伴いまして雇用の不安というのが徐々に生じてきておるところでございますが、これに対してもかなり思い切った対策をとっておりまして、金額的には二百八十億円ということでございますが、例えば雇用調整助成金の拡充というような施策をとっておるところでございます。 以上、申し上げました三点が今回の対策の大きな柱であろうかというふうに思いますが、そのほかにも輸入の促進とか住宅対策というようないろいろな施策をとっておるところでございます。
○小森委員 公共事業に重点を置いておるということでございまして、これはこの間の十兆七千億円のときも公共事業に重点を置いておるというふうに私は理解をしておりますが、この際に建設省の方にお尋ねをしたいと思います。時間が大分迫ってきましたので、一点だけ問わずに、尋ねたいことを二つ尋ねます。 一つは、その公共事業費というのが我が国の他の製造業と同じように、大手のゼネコンが請け負った仕事が、第一次下請、第二次下請、第三次下請と、大体下請、孫請、ひ孫請ぐらいのところが実際に親方が指揮して建設作業員を使って仕事をしておるというのが現状ではないかと思うのです。 そうすると、この間もテレビでやっておって、なるほどそういうことも考えなければいかぬなと私は思ったのですけれども、第一次が、仮に百億円の仕事を請け負ったゼネコンが十億円ピンはねするとしますか。ピンはねといったって、自分らも経費が要るんではあるけれども、一応下請に渡すときの契約は九十億で渡すとしますか。九十億で受けた者は、次に渡すのは八十億で渡すとします。さらに、実際に工事をする者には七十億とか六十五億で渡す。大体六割くらいで仕事をする者はしておるというのが通り相場ですよ。 そうすると、このたびの十三兆二千億円のうち公共事業費は十兆余りだと思いますが、その公共事業費は十兆円を組んでおるが、実際の働きというものは六兆五千億くらいにしか動いておらぬのではないか。四兆円の所得減税をどうするとかこうするとかいって与野党間で今大問題になっていますが、それくらいのものは、この公共事業の我が国の建設工事をする実際の作業過程を通じて景気を刺激するところへ金が行かずに、金が利益として眠っていくというところに行っておるのではないか、これを一つ質問します。これは結論が出るか出ぬかわかりませんけれども。 それからもう一つは、先ほどから私が申し上げておりますように、我が国の産業経済の仕組みというものは極めて封建的である、前近代的である。つまり、この近代社会の一番中心になるべき定量性思想、それを裏返して言えば、公共工事の場合は一般指名競争入札ということではあるが、一般指名競争入札の指名そのものの中に、国なり地方公共団体の対建設業者に向けてかなりえこひいきというか権力の恣意が働く。 それで、金丸さんの事件は、皆保険料を払うつもりで金を金丸さんに貢いだ、こういうことだと思うのですが、この間の決算委員会で建設大臣からも建設省の官房長からもちょっと聞きましたが、私の持ち時間が短くてどうにもならなくて、十分に聞くことができませんでした。きょうも残り時間が少ないですから十分に聞くことはできないと思いますけれども、一般指名競争入札にかわって少しは合理的なことをやるんだという意味のことがございましたので、入札制度についてはどういう合理性を加味したものを今考えられておるか、この二つをお尋ねします。
○小野(邦)説明員 お答えいたします。 最初に、公共工事につきまして十兆八千億のお話がございまして、このうちどのぐらいの部分がいわゆる孫請あるいはひ孫請のようなところに、実際に工事をおやりになる方々、直接の施工を担当する方々のところへ行くかという議論でございます。 実は十兆八千億あるいは十兆何がしという数字自体は、用地の補償費でございますとかあるいは用地費といったような、直接請負契約自体の金額以外のものも含んでおる数字でございまして、具体的な数になると、その十兆何がしの数字と対応いたしましてどのくらいの金額が請負工事に回っていくのかというのは必ずしもはっきりしないわけでございます。私どもの公共工事につきましては、一般的に二二%くらいが用地補償費と言われておりますので、それを差し引きまして、あるいは諸経費等抜いた上で、それが実際の工事にかかる、こういうことになるわけでございます。 ただ、御案内のとおり、そのうちの確定をいたしました契約あるいは工事費の部分のどのくらいの部分が下請の方々の直接の工事費になるのか、こういうお尋ねだろうと思うわけでございますが、御案内のとおり建設工事につきましてはやはり専門工事業者の方々に直接の施工を担当していただくというのがどうしても不可避でございまして、建設生産システムというのは基本的にはやはり元請の方々と下請の方々の分業関係というものによって成立をする、こういうことになるわけでございます。 ただ、それにつきましては、元請の方々は非常に経済的に有利な立場に立たれることが多いとか、あるいは不必要な重層下請というものが効率性で大変問題があるとか、いろいろな点から問題もございまして、私どもといたしましては、建設生産システムを何とか合理化するようなことがないかということで、昭和五十三年に定めました元請・下請との生産あるいは元請・下請の指導要綱というものを平成三年に改正をいたしまして、元請と下請の方々が対等な立場で建設生産システムに繰り込めるような、そういう対等な関係での生産システムを目指すということで合理化指針というものをつくりまして、これを各建設業者の方々、団体の方々あるいは発注者の方々にも御理解をいただくようにいろいろPRをいたしまして、何とか対等な関係での元請と下請の生産システムが確立できれば、こういうような形で今指導しているところでございます。 それから、予算委員会等で御質疑をいただきました定量性の思想と申しますか、一般制限競争あるいは制限つきの一般競争と指名競争契約制度の関係でございますけれども、御案内のとおり、現在会計法におきましては、制限つき一般競争がどちらかというと主流、これが原則であるという規定の仕方になっております。ただ、私どもが請負契約あるいはコンサルタント契約等いわゆる建設サービス契約を業界の方なり業者の方々にやっていただく場合には、指名競争契約を運用上の基本ということでやっております。 これはなぜかということでございますが、ちょっと時間が長くなって申しわけございませんけれども、やはり指名競争契約でございますと、より以上に信頼できる業者の方々を選定することができる、あるいは指名競争契約におけるいわゆる公平性というものを一番この契約によって確保していくことができる。やはり税金を使いました国の事業でございますから、なるべくいろいろな方々に参加をしていただく、特定の、大変技術的にもすぐれたあるいは強い企業にどちらかというと偏って一般競争の中で仕事をしていくというよ うなことにならないように、できるだけ多くの方々に公平性の観点から仕事が回るように、こういうことから、できましたら指名競争契約におけるそういう利点というものを利用することによってより的確な契約をするようなことに持っていければ、こういうふうに考えておるわけでございます。 ただ、御案内のとおり、指名競争契約も完璧なものではございませんで、いろいろ透明性あるいは競争性の確保ということからいろいろな改善を加えなければいけない、こういうことが私ども基本的な考え方でございます。 それで、三月の末に私どもの大臣の方から、指名競争契約の改善点、あるいは新しい指名競争契約であってもその中でいろいろ透明性あるいは競争性に配慮した新しい契約方式というものを発表いたしまして、これを実施していこう、こういうふうに今考えたところでございまして、この具体的な指名競争契約のあり方あるいは新しい契約方式というものにつきましては、特に技術力を中心とする競争にしたらどうか、こういうことを考えておりまして、詳細につきましては、もう一人の技術担当の審議官の方からお答えをさせていただきたいと思っております。
○小野(和)説明員 ただいま小野審議官の方から入札制度についてお話しいたしましたけれども、新しい入札制度につきましては、ただいま御説明申し上げましたように平成四年十一月の中央建設業審議会の答申において、現行の指名入札制度についてより一層の透明性、競争性を確保する観点から多様な入札契約方式の検討の必要性が指摘されております。 本答申を踏まえまして平成五年度から、今小野審議官が説明しましたような新たな入札方式として、一つは技術情報募集型指名競争入札方式、それからもう一つは施工方法等提案型指名競争入札方式を大規模で技術的に高度な工事を対象にいたしまして具体的な箇所を定めまして実施することといたしまして、四月の五日に七十一カ所を公表しております。 具体的な手続といたしましては、まず発注者が指名に先立ちまして工事内容の掲示を行います。対象ランクのすべての登録業者がこの工事内容に合わせまして、当該工事と同種工事の過去の実績、配置予定の技術者、施工方法等から成ります技術資料を提出することでその工事に対する参加希望を表明することができるわけでございます。こういった技術資料に基づきまして、発注者は技術審査会を設けまして、提出された技術資料を厳正に審査いたします。 この技術審査会で合格した業者はすべて指名委員会にかけられまして、不誠実な行為等がない限り指名されるということでございまして、建設業者がみずからの意欲を持って幅広く自分で手を挙げて入札参加ができるという一般競争入札方式の透明性の長所を生かしますとともに、良質な施工を確保するために必要な技術的要件等の事前審査を行いまして、競争力の確保というものもあわせて行うという方式でございます。
○小森委員 時間がもうほとんどありませんので指摘だけにとどめますが、つまり技術力というものによって今までの一般競争入札の弊害を除去するというか少しでも改めるということは、一般競争入札の弊害というのは、つまり権力側、行政側がどの人を指名するかといういわば生殺与奪の権利を持っておって、それが一定のところでたらい回しをされるから談合するのです。今度はおまえとれ、おまえとれ、こうなるのですね。今度は技術力云々というとまたそれに輪をかけたことになりはせぬかと思うのです。きょうはそこを議論できないのですが、それを言いたかったために言うたんですけれども、私は質問が下手だから、とうとう時間が来てしまって、残念ですけれどもまた機会を改めます。 そこで、最後に、きょう私の質問の予定は、監査のところまでいこうと思って、余談のことを言ってとうとう監査のところまでいけなかったですが、つまり私企業といえども、会社といえどもこれだけの世の中になってきたらそれは社会的責任ということが非常に大きな問題になってくると思うのです。それで次のときにはた、もう少し私時間がありますので、これから社債の問題にも入らしていただきますが、最後に一言民事局長に尋ねておきたいのは、そういう社会的責任というのは、会社の中の経理がうまくいっておるとかいっておらぬとかというようなことだけでなくて、社会的正義というようなことが、監査役とか今度の監査役会、そういうようなことに今度の法改正というものは想定されておるのかどうか、それをちょっとお聞かせください。
○清水(湛)政府委員 会社の社会的責任という言葉がございまして、そういう意味での重要性が非常に強調されているわけでございます。私どもは会社の社会的責任というのは、結局会社が、これは会社法はもちろんのことでございますけれども、いろいろ各種の法令というものがございます。そういう法令を誠実に遵守して行動することがとりもなおさず社会的責任を果たすことにつながる、こういうふうに思っているわけでございます。 例えば、先ほどの建設の下請の問題もございましょうし、あるいは独占禁止法による公正取引の問題もございましょうし、いろいろな金融・証券等の不祥事、これをすべて見ますと、いろいろな形での法令違反というものがある意味において行われているというふうにも見ることができるわけでございます。そういう意味におきまして、会社が各種の法令に誠実に従って行動することができるように、そういうことをまた確保するために適切なチェックシステムを確立するということが大事なことである、そういう意味におきまして、今回の監査制度の改正あるいは株主の帳簿閲覧権の要件の緩和等は寄与する面が大いにあり得るというふうに考えているわけでございまして、当然先生の御指摘のようなことを念頭に置きながら常に法令の整備に努めておるということでございます。
○小森委員 きょうはこれで終わります。どうもありがとうございました。
○浜野委員長 次回は、明二十一日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時散会