農林水産委員会 第9号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1993/04/13
会議録
○平沼委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。志賀一夫君。
○志賀(一)委員 本日は、農業災害補償法の一部改正案についてお聞きをいたしたいと思います。 私も、顧みますると、農協あるいは共済組合が発足したのは、多分戦後、昭和二十二年ごろだと思いますが、当時、私も農協の発足に当たって発起人となり、そしてまた理事となってやったことを覚えておりまして、当時農協と共済組合の役員というものもまた一緒でありましたから、当然にして共済組合の理事にもなりまして、二十三、四のころ、携わってまいりました。自来、いろいろ側面から農業災害の問題等について肌に触れて接触してきたところであります。 農業災害補償法が今日まで長い間、農業及び農家経済安定のためにはなくてはならないものとして果たしてきた役割は、実に大きいものがあるというふうに思います。特に法の施行当初は、水稲、麦、蚕繭、畜産といったものがその対象になってまいったわけでありますけれども、漸次農業の多様化、そしてまたそれに基づく農家の要請もありまして対象事業が拡大されてまいったことは、皆様御承知のとおりであろうというふうに思うわけであります。 拡大されればされるほど、事業の農家密着度合いも深まってきてそれなりの成果を上げてきた、こういうふうに思っているところでありますが、最近は御承知のような農業情勢、後継者がいない、また高齢化している、あるいは農地の放棄が目立ってきている、そういうような状況がある中で、やはり農業の今後の将来というものを考えれば考えるほど、この農業災害補償法をもっと強化していかなければならないという感もまた強くしているところでありますが、しかし、今回のこの法改正をずっと見渡しますと、大変前進的な拡大をし、前進的な方向もかなり盛られてきておりますから、そういう点では非常に、大変いい面の改正もあるな、こう思っているところでありますが、それとは裏腹に、これから農村がなかなか容易でなくなってきている現状の中で、一体この法の改正でいいのかなという疑問を持たざるを得ないような点も多々あるわけでありまして、そういう点について焦点を当てながら、大臣、そしてまた当局の、政府の考え方をお聞きをして、よりよい農災法でありますように、改正されるように期待をしながら質問をしてまいりたいと思っているところであります。 最初の質問は、まず掛金国庫負担方式の簡素合理化という点についてでありますが、従来の簡素合理化の経緯等を踏まえて、次の簡素合理化を図るとして、水稲あるいは陸稲の超過累進方式、従来五〇から六〇%ということであり、また現行水準では平均約五三・五%、これらを単純に五〇%に引き下げることは、なるほど事務的には極めて簡素合理化につながるというふうに思いますけれども、特にいろいろ新しい農政で、これからまた皆さんと議論をなすその新農政の中でもかかわってくるというふうに思うわけでありますが、特にこういった地域は、私の福島県でも阿武隈山系とか会津地域とか、災害の非常に多い地域があるわけであります。そういう地域の特殊性というものを十分考慮してやらなければ、また、新農政の中で強調されております中山間地帯の対策ということにいかにすべきかという視点から考えたときには、このような改正案は角を矯めて牛を殺すたぐいのものではないかな、そう私は言わざるを得ないと思いますし、これが一層農業の破壊へとつながっていくのではなかろうかというふうに思いますので、この辺、平均五〇%というふうにした、その理由のほどをひとつ十分理解できますように御説明いただきたいというふうに思います。
○眞鍋政府委員 国庫負担の見直しでございますが、米について御質問がございましたが、これは時代によりまして、この農業災害補償制度というのは国の災害対策、政策保険でございますので、補助率につきましてはその農業の情勢に応じて累次見直しをしてきているわけでございます。 米は制度発足当初は増産時代というふうなことで、生産をふやしたいというふうなことで、いわゆる超過累進方式というふうなことで、簡単に申しますと、被害率の高い地域ほど補助率が高いというふうなことでございまして、まあそれは災害に遭っても翌年さらに作付をして生産量を確保してほしい、こういうふうなことでございまして、そういうふうに被害率の高いところほど補助率を高くすることによりまして増産効果を出そう、こういうことでやってきたわけでございます。 ところが、米も生産量が確保できまして、昭和四十六年からはいわゆる生産調整に入ったわけでございます。そういうことで、むしろその被害率の高い地域に補助率を高くして生産量をふやすということではなくて、片っ方でお米の生産調整をしながらそういう増産奨励的な措置を残すのは問題があるのではないかというふうなことで、若干見直し、簡素合理化を行ったわけでございます。 さらに六十年に合理化を行い、今回それをやりますのは、そういう依然として米の過剰状態が続いておるというふうなことで、被害率の高いところほど補助率を高くしておく存在理由がなくなってきたのではないかというふうなことと、それからさらに、一般的に申しまして稲の栽培技術が進歩してまいりまして、被害率が地域によって余り差がなくなってきておる、一般的に被害率が低下してきておる、こういうふうな状況で、それを廃止しましてもそれほど農家負担に影響が出ない、こういうふうな状況が出てきたわけでございます。 そういうふうなことで、今回これを合理化すべき部分として合理化をいたしまして、最近農業者等から要望のございますいろいろな制度改善をあわせて行いたい、こういう趣旨でこの国庫補助率の見直しを行うこととしたわけでございます。
○志賀(一)委員 米が大変たくさん生産されるようになって、しかも被害率が平均化してきた、こういうことが理由のようであります。 しかし、先ほども申し上げましたように、私の福島県の阿武隈山系や会津の山間地域というところに足を踏み入れますと、そんなに東京で考えているほど平均化している状態とは言えないと思うのであります。やはり非常に標高差もありますし、中山間地帯ということになりますと冷水もかかる、またここ二、三年の状況を見ますると、今、冬が暖かい。冬が暖かいと、逆に夏場の一番大事なときに冷夏がやってきているというのが続いているわけであります。ことしも大変冬は暖かかったけれども、このごろになってまた寒い。三日ほど前に会津に参りましたら、もう目の前の山が雪で真っ白に覆われているという状態があるわけでありますから、そういう状態を考えますと、やはりこの超過累進方式の制度というものは残してしかるべきではないのか、こういうふうに私は思うのであります。 それともう一つは、この制度を存続させないと、山間地帯や高冷地帯では、被害が多いのだからもう田んぼづくりをやめよう、若い人たちはもう簡単にそういう気持ちになってしまう。それがやはり恐ろしいし、最近皆さんも御承知のように、水田の公益的な使命、自然のダムだ、あるいは山村地域では、一定の農地が保有されて初めて自然景観もそして自然も守ることができる、こういうふうなこと。今回も中山間地帯の法案が出されて、これからいろいろと議論されるだろうと思う中でも、やはり何といっても農家は米をつくる、この考え方は変わらないと思いますし、また変わってもらっては困るという中山間地帯での地域的な、公益的な役割というものが、水田の使命というものがあります。 ですから、そういう点などを考えますと、この超過累進方式で何とかその地域に存続してほしい。私どもは常々中山間地帯にいわゆる所得政策をやるべきだというふうな考えを持っているわけでありますけれども、そういうものが議論される一方で、このような従来本当に喜ばれてきた政策が消えてなくなるということは、山村や中山間地帯から農家を追い出すようなものだ、こう言わざるを得ませんので、この制度は何としても存続していくべきだ、こういうふうに思いますが、いま一度お聞きしたいと思います。
○眞鍋政府委員 先生御指摘の中山間の実情あるいは対策の必要性については我々も十分認識をしておるわけでございます。 先ほど御答弁申し上げましたように、この農業災害補償制度は農業振興というふうなことで政策的に、時代の変化、農業の変化に応じていろいろ変えてきておるわけでございます。昔は中山間といえども全国できるだけ多くお米をつくってほしいというふうなことで超過累進方式というふうなことも採用してやってきたわけでございますが、その後の米の需給状況の変化でございますとか地域の変化、農業事情の変化、そういう中におきまして、最近の状況から見ますと、中山間では土地利用型でございますお米よりも、むしろ労働集約型といいますか付加価値の高い農業というふうなことで、畑作物でございますとか果樹でございますとか、そういうものを振興した方がいいんではないかというふうな考えを持っておるわけでございます。 そういうことで、米をつくるなということではございませんで、むしろいろいろな、先ほど御指摘もございましたように山間地の気温差でございますとか、その置かれております条件を生かした付加価値の高い農業、こういうものをぜひやっていただきたいというふうなことで、今回の改正におきましても、果樹共済の制度の充実でございますとか畑作物の制度の充実というふうな改善を図ってきておるわけでございます。 そういう意味におきまして、最近の農業情勢の変化を踏まえました中山間対策という観点を考えてみましても、合理化すべきところは合理化をして、そういうことを行いながら、中山間に役に立つような制度の改善を図っているつもりでございます。
○志賀(一)委員 二年ほど前ですが、私ども社会党の農水委員で、新潟の入広瀬村、ちょうど福島県の只見とすぐ境を一つにしているわけでございますが、行ってまいりました。そこで大変なアイデア村長さんが私どもにいろいろな話を聞かせてくれまして、その中で、たくさん小さい田んぼを整理して大きくしていると。大きくしても、私どもから見れば、平地の人たちから見れば、そう大きくなったとは言えない、そういう田んぼでありますが、その間をみんな農道を舗装してやっている。 私は、この入広瀬村という高い奥地で、しかも五月初めに行きましたら雪がまだあるというようなところで、なぜそれほどまでに田んぼをつくるのに固執するのですかと申し上げたらば、戦争中の食糧不足の実態が頭にあって、入広瀬村ではどうしても一定の食糧はよそに世話にならなくても生産しなければいけないんだ、そういう一つの信念があるわけですね。だから、今たくさん米を生産して千俵くらい移出をしている、こういう話をされたわけでありますが、そういう視点も私は大事だと思いますし、やはり何といっても今付加価値の高いものをつくっていく、それは私は決して否定しませんし、それはより積極的にやるべきだ。しかしながら、その地域では一定の畑作にならない田んぼがあるわけですから、そういう田んぼはつくっていく、山間地帯にしろあるいは中山間地帯にしろ一定の面積をその地域でつくっていただくというのは、先ほど申し上げたように、やはり自然の保護や天然のダムとしての水田の役割等々、そういういろいろな視点から考えた場合にも存続させるということが大事で、存続させるためには、災害があったときに補償する、そういう基本的な考えでそういう地域こそ手厚くやっていくという制度が必要なので、私はあくまでもこのことは継続してほしい、こういうふうに強く主張したいと思っているところであります。 これと加えまして、蚕繭についてもお聞きをしておきたいと思うのでありますが、ここでも書かれておりますように、蚕繭についても五〇%を基本として超異常部分全額、現行水準五五・二%を五〇%に引き下げるということでありますが、これもまた水稲同様、単に組合の事務の合理化ということで養蚕農家を減少させたのでは、これは米と同じように養蚕の価格の低迷で桑園が伸びほうだいという地域もあちらこちら目立っている中で、もっと中山間地帯のより付加価値の高いものとして存続させるという視点から言えば、やはりこの養蚕についても、水稲と同様な施策をなくしてはならないのではなかろうか、そういうふうに思うのでありますが、いかがでしょう。
○眞鍋政府委員 先ほどのお米の中山間の問題でございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、高付加価値農業を中山間でやっていただくということも大事でございます。米につきましては、土地利用型の作物でございますので、大規模に同じ作物、同じ品種のものを作付するとすれば、大規模な平地の形態にかなわないというふうな問題があるわけでございます。そこで、その中山間の気候なり風土を利用して平地とは異なった品種なり付加価値の高い米をつくる、こういうことが必要になってくるのではないかと思っておるわけでございます。 我々、そういう共済掛金率の高い、要するに被害率の高い地域の優遇策をやめるということでございますので、ほかの人と同じような補助率のもとで生産を続けていただくということまで排除するわけではございませんので、そこは誤解のないように。それからまた、中山間といいましても、被害率の高いところと低いところとそれぞれあろうかと思いますが、我々としましては、そういう今まで無理してでもつくってほしいというふうに奨励策を講じておったのをこの際やめさせていただく、こういうふうな趣旨でございますので、御理解をいただきたいと思うわけでございます。 それから、蚕繭共済の問題でございますが、国庫負担方式につきましては、通常共済掛金標準率というのと異常共済掛金標準率の二つにつきましては五〇%の負担率、超異常の共済掛金標準率につきましては全部国庫が負担をする、こういうふうにしてきておったわけでございますが、これは制度が発足いたしました当時、昭和二十二年でございますが、従来桑葉いわゆる桑の葉っぱの被害だけではなくて、蚕児の被害も共済事故とされたことに伴いまして掛金率が上昇をするというふうなことに対応して、その超異常災害部分に対応するものは全額国庫負担とするというふうなことで、農家負担の軽減を図ることというふうにしたものでございます。 しかしながら、現時点で見てみますと、先ほど来申し上げておりますような適地適産というふうな施策の進展とか、あるいは稚蚕共同飼育所の普及などによりまして、養蚕技術が大変進歩してまいりました。そういうことで養蚕共済の共済掛金標準率は低下をしてきておるというふうなことでございまして、超異常共済掛金標準率も低下傾向にある、こういうふうな実態を踏まえまして、今回この超異常のところを廃止するというふうな改正を行おうとするものでございます。
○志賀(一)委員 水稲、陸稲そしてまた蚕繭についても、私は今の御説明で納得し得るものではありません。桑園も、今非常に価格が低迷をしてどんどん養蚕を放棄している方々が多い現状でありますが、これに何としても歯どめをかける施策が必要で、そういう中で、こういった蚕繭共済についても引き下げをするということは農家の意欲を減退させるものだ、こう言わざるを得ないと思うわけであります。 次の点をまたお伺いいたしたいと思いますが、農林水産大臣が過去一定期間、原則二十年間における被害率を基礎として定める基準掛金率(三年ごとに改定)を下らない範囲において組合が定めるというふうにありますが、この原則二十年間、二正期間の二十年間というものを、非常に大変な災害であったという時期が十五年も二十年も引っ張られてそれが影響するということよりも、むしろこの原則二十年を五年から十年程度に短縮をしたらいいあではなかろうか、こういう話も多々聞いておりますので、これについてどのような見解をお持ちなのか、お聞きをしたいと思います。
○眞鍋政府委員 この共済制度というのは、保険の仕組みを利用しまして災害対策をやるということになっておるわけでございますので、やはり一定の期間をとりまして、その間で掛金と支払い額を均衡する、こういう仕組みをとらざるを得ないわけでございます。 そういうことで、自然災害を対象といたしました農作物共済等の作物保険でございますが、これにつきましては被害率の変動が大きいというふうなことで、短期間で収支の均衡が図られるように仕組むということは大変難しいわけでございます。保険設計に当たりましては、ある一定期間内に全体として収支の均衡を図ることといたしまして、また圃場整備の進展とか栽培管理技術の進歩等も考慮いたしまして、現在のところ二十年間の被害率を用いて料率を算定をしておるわけでございます。 それで、短期間をとったらどうか、こういう御指摘でございますが、これは短期間をとりますと、大変災害の多い年、少ない年がございますので、短期間だとこの差が大変大きく出てくるというふうなことで、その災害が多発した期間の後は非常に掛金が高くなるということがございます。逆に災害がないときの後の掛金率は低くなる。こういうふうなことでございまして、この掛金率の変動が大き過ぎて、加入したりしなかったり、こういうふうなことにもなるわけでございます。そういうことで事業の安定ということがなかなか難しいというふうな観点から、この二十年というふうなことをとっておるわけでございます。そういうことでございますので、今この短期間をとるということは難しいというふうに考えておるわけでございます。
○志賀(一)委員 次に、畑作物共済についてお聞きをしたいと思うのであります。 現在福島県の場合は五アール以上ということで対象になっておるわけでありますが、いろいろ農業情勢その他の変化等もありまして、これを三アールに引き下げてほしいということがあります。そうしないともうどんどんこの加入者が少なくなっていく、こういう実情から、そういったことの希望が出ているというふうに思うのでありますが、いかがでしょうか。
○眞鍋政府委員 畑作物共済の組合員資格たる栽培面積でございますが、現在は共済目的の種類ごとに五アールから三十アール、それから北海道では三十アールから一ヘクタール、こういう範囲内で組合等が地域の経営実態等を考慮して、定款等で定めた面積以上というふうなことになっておるわけでございます。 畑作物共済の対象作物のうち、全国的に引き受けられております大豆とか、あるいは比較的引き受けの多いバレイショというふうなものは、それぞれの組合の定款上では、ほとんどの組合等におきまして五アールというふうに決められておるわけでございます。 五アールが大きいか小さいかということでございますが、五アールの共済金額を見てみますと、全損、全部やられたというふうな場合について見ますと、大豆については約二万円相当でございます。それからバレイショについては四万五千円程度、こういうふうなことでございまして、これを下回るような金額を補償の対象にするということは、共済団体の事務の手続とかいろいろな観点から見て適当ではないのではないかというふうに思っておるわけでございます。
○志賀(一)委員 次に、園芸施設共済事業についてお聞きをしたいと思います。 特定園芸施設等の損害の額が三万円または共済価額の一割に相当する金額のいずれか小さい金額を超えるものに対して、次により算出される共済金を支払うということになっておりますが、かつて損害額一万円を三万円に引き上げた結果として、この加入者が、一たんは入ったけれどもその後一遍に少なくなったというようなことから、この損害額を引き下げてほしい、こういう要望があるわけですけれども、これに対してはどのようなお考えでしょうか。
○眞鍋政府委員 少額の損害不てん補制度でございますが、これにつきましては、農業共済団体等の事務が大変煩雑であるという割には補償の効果が少ない、こういうふうなことで設けられておるわけでございます。 その額につきましては、ただいま御指摘がございましたように、昭和五十六年度に、それまでは一万円というふうに決められておったわけでございますが、三万円に引き上げたということでございます。これは、その当時、引き上げた五十六年から十数年たっておるというふうな状況、その間の物価等のことも考えてみますと、決して高いものではないというふうに我々考えておるわけでございます。 また、御指摘もございましたように、損害の額が三万円を超えない場合でも、共済価額の十分の一に相当する金額を超える損害については支払いの対象になっておるというふうなことでございます。 そういうことで、農業共済団体の事務の面等々を総合的に考えますと、現在のところ、これを引き下げることは適当ではないというふうに考えておるわけでございます。
○志賀(一)委員 次に、広域合併についてお尋ねをしておきたいと思います。 広域合併は、事業基盤の確立によって、地域農業生産の変化や農業者の保険需要の多様化に対応した事業展開が可能である、また、総務部門の合理化、職員の専門化に伴って事業経営の効率化が図られるとしておるわけでありますが、職員の雇用条件の改善に寄与するなどのプラス面と、一方で、組合と組合員との関係が希薄化し、組合員の意見が十分反映されない結果として、組合費等の集金がなかなか困難になってくる、あるいはまた、意思疎通がないために組合から脱退をしていく、こういうような状況が非常に多くなっているというふうに聞いているわけであります。 そういうところから、組合は経営がなかなか苦しくなって、また再び広域合併をしなければならないという、こういう悪循環を繰り返す結果になっておるわけでありますが、これらの諸点を考えた場合に、あるべき合併の姿はどの程度がいいのかということはなかなか難しい問題ではないのかというふうに考えておるわけでありますが、これについて、一体統廃合の基準というものがどういうところにあるのか、そういった点についてもあわせてお聞かせをいただきたいと思います。
○眞鍋政府委員 組合の合併の問題でございますが、これは農協等でも同じでございますが、やはり合併をいたしますと、事務所なりあるいは職場が農家から時間、距離が遠くなるというふうなことで、組合と組合員の間の親密さといいますか、そういうものが希薄になる、こういう問題が指摘されておるわけでございます。 共済組合につきましても、確かに合併によりまして広域組合になりますと、時間、距離は遠くなるというふうな難点もあるわけでございますが、一方では事務の効率化といいますか、いろいろな機械、施設を整えられるというふうな問題。あるいは、例えば家畜共済に例をとりますと、獣医さんのように一人でやっていれば土日なしで働かなければいけないわけでございますが、合併することによって何人かになると交代でやれるというふうなメリットも出てくる。あるいは広域組合になってくると、人材の確保といいますか、そういう面でもいい影響があるというふうな利点もあるわけでございます。 そういうことで、さらには職員の分担関係、一人だと何でも自分でやらなければいかぬ、こういうことになるわけでございますが、合併することによりまして職員が何人か多くなりますと、分担をして、経理は経理、事務は事務、こういうふうなことができるわけでございますので、新種共済事業でございますとか、あるいは損害防止事業なんかの対応がよりやりやすくなる、こういうふうなメリットもあるわけでございます。そういうふうなことでございますので、今後ともやはり合併は進めていかなければならないと思っておるわけでございます。 ただ、そういう欠点を補うために、現在、組合等と組合員の連絡を行うために共済連絡員というのを集落単位に設置をすることにしておるわけでございます。こういう人を十分活用することによりまして、組合と組合員との間の意思疎通なりいろいろなコミュニケーションが十分図られるように、今後とも努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○志賀(一)委員 実際問題としては、今御説明いただいたようなことで組合と組合員の間が意思疎通がいくかというと、現実にはなかなか難しい、こういうふうに言わざるを得ないというふうに思っておるところであります。 ところで、広域合併をやっているものの中に、市町村の一部事務組合と、それから市町村とかかわりなしにやっているこれらの広域合併の組合というふうに二つに分けられると思うのでありますが、運営上との面で差があるのか、あるいはまたどのような利点があるのか、その辺をお聞きしたいと思います。
○眞鍋政府委員 農業共済団体の事業の運営状況は、立地条件なり実施する共済事業の種類とか損害防止施設等の整備状況あるいは職員の年齢構成等によりまして極めていろいろなものがあるわけでございます。広域組合と一部事務組合とでは、執行体制とかあるいは会計処理の方式が異なっておるわけでございまして、一概に、どちらがいいかというふうなことを比較することはなかなか難しいわけでございます。 しかしながら、農業共済事業の実施主体は、あくまでも農家の自主的な組織である農業共済組合、こういうものを原則にしておるわけでございます。こういう観点から見ますと、運営基盤を強化するため、組合等の広域合併によりまして、あくまでも共済組合を原則とした共済事業の運営ということが適当かと思っておるわけでございます。
○志賀(一)委員 私は、広域合併については、この説明の中にもありますように、単なる事務の合理化あるいはまた広域合併によっての財政負担の軽減化とか、そういうことのみで進めたのでは、それは将来過ちを招来する結果になるだろう、こういうことを強く指摘をしておきたいというふうに思います。 そこで、角度を変えまして、酪農政策について若干お聞きをしたいと思う次第であります。 最近、新聞によりますと、乳製品等の需給が緩和したために、農水省は、乳牛を二万頭というか、かなりな数を淘汰をしたい、こういうことが新聞に載っておったわけでありますが、これについて、まず、どういうお考えで対応されつつあるのか、その内容についてお聞きをしたいと思います。
○赤保谷政府委員 低能力牛の淘汰の問題についてのお尋ねでございますけれども、日本の酪農の安定的な発展を図るためには、需要の拡大を図って、その需要に見合った計画的な生乳の生産をするということが重要であるわけですけれども、最近における生乳の需給について見てみますと、生産の面では三年以降順調に回復をして拡大を続けているわけですが、一方、四年度におきまして、景気の後退だとか四年度初夏までの天候不順というようなことの影響によりまして、飲用需要が停滞をした、また、クリーム等の乳製品需要も減退をした結果、需給事情は、それまでの逼迫基調から緩和基調で推移をしているというのが現状でございます。 こういうような情勢にかんがみまして、生乳需給の均衡を早急に図ることが必要な課題となっておるわけでございまして、このため、生乳需給の調整を確実に行うための緊急的な措置として、若齢搾乳牛の淘汰を促進するための事業を行うこととしたところでございます。
○志賀(一)委員 昭和六十一年度と思いますが、牛乳が過剰になったとして、せっかく汗を流しながら生産をした牛乳を川に捨てたり、あるいは、超過分については、紅を入れて牛乳を赤く染めて捨てさせたり、あるいは牛を殺させたりというようなことをしたことは、私もまだ記憶に新たなところであります。こういうやり方が、乳が余ってきた、乳製品が余ってきたから牛を殺せ、こういうのが行政と思ったらとんでもない間違いじゃないでしょうか。まことに行政としては最低の愚かな施策だ、こう私は言わざるを得ないわけであります。 一方で、牛乳が不足すれば、どんどん牛を生産をしろ、もう叱咤激励するわけであります。そういうことをしなだがら、今度はまた一方で、足りなければ外国からも乳製品をどんと輸入する。そういうことの繰り返しを畜産行政としてはやっているということは、まことに遺憾きわまりないし、また残念だ、こういうふうに思うのでありますが、もっと別な方向での畜産行政のあり方というものが当然あってしかるべきだ、こういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○赤保谷政府委員 確かに、過去におきまして、低能力牛の淘汰のほかに全乳哺育とか、いろいろな方法で需給調整、需給のバランスを回復してきたということはございます。そういう道もないわけではございませんけれども、先ほども申し上げましたように、能力の低い低能力牛を淘汰をして、言ってみれば、経営における半群の資質の向上にも配慮する、あわせて需給の調整を図る、物量としての需給のバランスを図るということでやっておりまして、ほかにも今先生お話のありましたような手段がないわけではございませんが、緊急に需給の回復を図るというようなことで、今申し上げましたような措置をとることにしたわけでございます。
○志賀(一)委員 私は、牛の淘汰というのは低生産性のものを淘汰する、それは何も行政が指導しなくても酪農みずからが経営の面でみずからやっていることでありまして、それを単なるそういうことを理由に牛を殺せ、これでは本当の行政の指導ではないだろうというふうに思うのであります。 今、酪農経営の状況は、農水省の試算のように好転はしていない。借入金の増加、あるいは労働力の不足、後継者不足あるいは高齢化になっている。多頭飼育による汚物の処理とかを初めとした環境問題、無理な乳質改善によっての、一頭当たりの乳量は確かにふえたけれども、乳牛の障害は、疾病事故は非常にふえている。あるいはまた、牛肉の自由化政策によって、廃牛、ぬれ子の価格が極端な値下がりをしている等々、酪農環境というものは非常に厳しい状況下にあります。 そういう中で、今私は、将来を心配していますのは、中核的な酪農家が相次いでやめつつあるという実態。こういう現況の中で、表面上は低生産性の乳牛の淘汰だと言いながら、実質的には牛乳が余っているから牛殺せ、この政策では、ますます酪農離れ、農業離れを促進するようなものだ、こう私は断言せざるを得ないような施策ではないでしょうか。 もっとほかに知恵を絞って、酪農振興、若い人たちに農業に意欲を持たせるような施策は必ずあるはずだし、ある、そういうふうに思うのですが、どうです、大臣はどういうふうに考えていますか。
○赤保谷政府委員 今先生お話にありましたように、日本の酪農、今非常にいろいろ問題を抱えております。それで、やはり酪農の将来、畜産の将来、どういう展望を描けるかというのをはっきりさせてもらいたいというのは非常に強い声だと思っております。 それで、いわゆる新政策でも、土地利用型農業についての将来のあるべき姿をお示ししたわけですけれども、私ども、肉用牛だとか酪農だとか、そういう畜産の面におきましても、できるだけ早く将来展望を描いて、それに到達するための手段、単に絵にかいたもちだけではなくて、実現可能な姿を描きまして、それに到達するための手段につきましても逐次明らかにしていきたいということで、今鋭意作業をしているところでございます。
○志賀(一)委員 御承知のように、酪農というのは、この間もちょっとお話し申し上げましたが、消費者にとりましては、安心して飲める、もう既に基礎的な食糧になっていますね。かつては病人しか飲めなかった牛乳ですけれども、そういうような非常に基礎的食糧に、もうなっている。それからまた、有機質肥料の土壌への還元という意味でも酪農は非常に重要なものであり、環境保全型農業、こういうふうに言ってもよろしいし、今お話もありましたような土地利用型農業としての酪農の位置づけ、こういうもろもろのことを考えますと、酪農を安定的に発展させるという具体的な政策がやはり私は必要だというふうに思うわけです。 乳質本位に余りにもし過ぎた指導方針が、確かに乳量では世界一のレベルに上がっている、本当にそれはすばらしいものだ、それは酪農家の努力だと私は思っているわけでありますが、それにつれて、多頭飼育、そしてたくさんの乳を、一頭当たりの搾乳量をふやすことが安定した有利な酪農経営になるよという指導激励したために、牛乳がどんどん余るような状況になってきたのだというふうに私は思うわけでありますが、このことをもって、すぐ今度は余ったから牛殺せ、これでは理に合わぬというふうに私は思います。 それから、せんだってもお話し申し上げましたが、年々低下しつつある食糧の自給率、そういう視点からいって、酪農の占める位置づけというものは極めて私は重要だ、あらゆる観点からいって重要だ、そういうふうに思うわけですね。そういうことから考えれば、むしろ今の状況の中で、これから酪農家も、乳牛の数も減らないようにどうやって生産を安定的に維持していくのか、発展させるのかという視点に立った、やはり長期的な視点に立った酪農施策をこそやることによって、我が国の食糧の自給率の維持向上が私は可能だ、こういうふうに思うのでありますが、乳が余ったから牛殺せでは、このわずかばかりの補助金をくれて牛殺せでは、これではいつになっても安定した酪農と、そして食糧の自給率の向上は望むことはできないのではないでしょうか。 大臣、このことについては明確にひとつ方針をお聞かせください。
○田名部国務大臣 なかなか明確にお答えできない問題をはらんでいるのだろうと思うのです。それだけに、いろいろ苦労して政府としても努力をしておるところでありますが、何といってもやはり需要と供給、これをどうするか。 おっしゃるとおり、安定的に毎年必要な分だけきちっと生産できればいいのですが、一方には消費者というのがおるわけですね。寒いときには飲まないし、あるいはむしろ寒いときは乳量がうんとふえるといういろいろな自然の条件というものもあります。天候も毎年、不順なときもあればいいときもあればということで、そういう中でバランスが崩れていくわけです。不足すれば、これは不足にならぬように、ではうんと生産しておけばいい、こういうことでありますけれども、では今度は余ったときには一体どうするか。これは需要と供給ですから、価格がうんと下がってしまうということになる。これをどう調整をとるかというのは、非常に難しい問題なんですね。逆に言うと、余ったときには海外にどんどん輸出するということもできれば別でありますけれども、なかなかそういう体制もないということで、おっしゃることはよくわかりますけれども、なかなかその辺の調整というのはうまくいかぬ。 私どもは、そういう中でどうやって安定してもらうかということになると、やはり経営規模が一定でなければいかぬ。ある程度のものでなければいかぬ。しかも、私はよく企業的な感覚でと申し上げますのは、この間もテレビでやっておりましたが、北海道の、サイロをつくって、そうして全然使っていない。その理由は電気代が高いからだ。ですから、企業的な感覚というのは、一体それをやったときには何がどうかかって採算が合うか合わぬかというところまで計算をして、それで合わなければ一体どうするかというような農業経営をやはりしていかないと、つくってみた、補助金があるからつくった、やってみたら電気代が高くて採算が合わぬから使っていないという経営であってはほしくないのですね。 ですから、我々も最大の努力をいたしますし、そういう過程の中で、ここずっと需給が過剰ぎみということで、バターにしても相当在庫がある中で、ではどんどん生産を上げるような体制をとれるかというとそこにはまた問題があるということで、いろいろございましたが、やはり搾乳牛の淘汰をこの際やらないと過剰になってしまう、さらに過剰になるという判断で、これはやっているわけであります。
○志賀(一)委員 終わりますが、今サイロのお話が出ましたが、これは、酪農家を責めるべきじゃなくて農林省自体がみずから反省すべきではないでしょうか。サイロはほとんど外国から輸入をしてきて、このサイロをつくらないと補助金をくれないよというメニュー方式でやって、あの酪農のシンボルタワーみたいなサイロをつくらせたのです。それが逆に酪農家の大きな負担に、借財になっているというのが現実の姿なんです。 そういうもろもろのことを考え、そしてまた牛乳でも、いっときは三百万トンも二次、三次の乳製品を含めると輸入している。二年前ですか三年前か、正確には忘れましたが、そういうことをやっているじゃありませんか。それらも総合的な対策をやれば、乳が余ったから、牛乳が余ったから牛殺せのこの単純な、愚かな施策ではなくて、もっと賢明な方策があり得る、私はそう思って申し上げたところであります。 以上で終わります。
○平沼委員長 倉田栄喜君。
○倉田委員 公明党・国民会議の倉田でございます。 私は、まず、今回の農業災害補償法の一部を改正する法律案でございますが、この農業災害補償法の目的についてお伺いをいたしたいと思います。 御承知のように、本法が農業災害対策の基本的な制度である、そしてこの法律の目的とするところが、農業経営の安定を図る、それから農業生産力の維持増大、そして農業災害に係る損害防止の機能と、あわせて、地域経済の安定の機能とともに農業災害対策に係る財政負担の平準化の機能、これを本法は目的として担っていると思っているわけでございますが、今回の改正によりまして、これらの目的について変更あるいは変容というもがなされていないのかどうか、この点をまず確認の意味でお伺いをいたしたいと思います。
○眞鍋政府委員 農業災害補償制度は、農業者が不慮の事故によって受けることのある損失を補てんじて農業経営の安定を図り、農業生産力の発展に資する、こういうことを目的にしておるわけでございます。 今回の農業災害補償制度の改正案は、最近におきます農業事情の変化でございますとか、あるいは農家の保険需要の実情等に即応した制度の改善が求められているというふうなことにかんがみまして、制度運営の効率化を図りながら制度内容の改善充実を図ろうとするものでございます。 我が国の地理的環境のもとで農業生産の再生産を確保し、農業経営の安定を図るためには、本制度は大変大きな役割を果たしているところでございます。今回の改正によりまして、こういう農業災害補償制度の目的が変更されるものではないというふうに考えております。
○倉田委員 これも先ほどの質疑の中に出ておりましたけれども、今回の改正が、例えば米の需給、需要の観点から、米から他作物へ転換をする、今まで条件不利地域でつくられていた米、例えば中山間地域については高付加価値型の畑作にした方がいいだろう、こういうお話もございましたけれども、そういう米から他作物へ転換をしていく、あるいは地域特産物の振興を図る、そういう政策的目的、政策的効果、それも今回の法改正の趣旨の中に置かれているのかどうか、これを確認をしておきたいと思います。
○眞鍋政府委員 農業災害補償制度につきましては、先ほど御答弁申し上げましたような目的のもとに行っておるわけでございますが、農業事情の変化に対応いたしまして、逐次制度の見直しを行ってきておるわけでございます。 六十年の制度改正以降、生産品目が多様化をしておるなど、農業生産の実態の変化に伴いまして、事業対象の拡大でございますとかあるいは生産の実態に見合った補償の充実など、さまざまな改善の要望が出ておるというふうな実情にございます。 そういうふうなことで、事業運営の効率化を進めながら、農業者のニーズにも対応した制度の改善充実を図るというふうなこと、さらには本制度の運営主体でございます農業共済団体の活性化に資することをねらいとして制度改正を行って、農業生産の実態の変化に対応することとしたものでございます。 これは御指摘のように政策保険でございますが、これによりましてすべて誘導をするというふうなことはなかなか難しい。要するに、これは災害補償でございますので、実態の方が進んで、そういうものを支えていく、こういうふうな面もございますが、いずれにいたしましても、そういう農業政策の方向なりあるいは農業事情の変化に対応いたしました制度の充実改善、そういうことを心がけて運営をしてきておるわけでございます。そういうことを踏まえまして、今回も制度の改正を御提案しておるところでございます。
○倉田委員 基本的には、農業災害補償法が農業災害対策、これにある。保険である。そうすると、保険というものがどういうものかということを考えると、保険は本来、先ほど言いましたように災害対策である、この災害対策としての観点から見るのが一番基本ではないのか。さらにもう一つ、農業経営の安定、この視点に立ってみても、例えば、より高い被害の発生した地域においてはより高率の国庫負担を本来行うべきではないのか、こういうふうに考えるわけであります。 その視点から考えた場合、今回の改正が、例えば水稲及び陸稲については、一つは超過累進方式を廃止する、そして国庫負担率を一律五〇%にする、これは今申し上げた災害対策としての保険あるいは農業経営の安定といった視点、これから考えた場合どうなのか。国庫の負担率を一律五〇%にするということは、これらの経営条件を厳しくするものではないのか。さらには、先ほどの御答弁の中で適地適産というお話ございましたけれども、災害多発地の現行作物を、適地適産ということで、その作物変更を生産者に制度的に迫るものではないのか、そういうふうにも実は心配をするわけでございます。 現在の地域においても、例えば中山間地域においてそれぞれつくられておる作物にしても、長い間の農民の方々のいわば汗と知恵と工夫の結晶でもあり、結果でもある、こういうふうに考えられるわけですが、それを国庫負担の一律五〇%あるいは超過累進方式の廃止、そういうことで、先ほど御答弁いただきましたように、円滑に高付加価値型作物に転換をできるのであれば、それは確かに結構なことであるとは思いますが、逆に、生産をされている農家、農民個々に、いわゆる嫌農感あるいはもうつくるのやめようという耕作放棄ということで、離農を促すことになりはしないのか。これは中山間地域の農業の活性化、この視点から考えたときに、果たして大丈夫なんだろうか、こういうふうにも実は心配をするわけでございます。 例えば、高被害地域、災害多発地においては、適地適産あるいは適地適作と言われますけれども、その集落の維持ということから考えれば、安定的な農業経営の育成、そして地域集落をきちんと維持をしていく、そのことの方が大切なのではないのか。 例えば、中山間地域において米をつくっておる。土曜、日曜でも、そこはほかの仕事をしておられて、そしてその仕事の休みの間に米をつくっておるからこそ、農外所得と農業所得の収入を合わせて、そこの農家の経営が成っておる。それで地域の集落が維持されておる。こういう現状を思うときに、本当に専業農家の方々だけを対象にするような方式をこのまま導入していった場合には、やはり集落の維持は困難であり、過疎化あるいは離農、離村ということが進んでしまうのではないのか、こういうふうな心配をするわけでございますが、これは基本的なことでもございますので、農水大臣にもぜひお答えをいただきたいと思います。
○田名部国務大臣 中山間地のことでこの問題をとらえてお話がありましたが、一般的に私はほかの方まではよくわかりませんが、私の青森県の実態を見ておりますと、中山間地で農業だけで生計が成り立っている人はいないんですね。大体いない。そこで、林業をやるあるいは建設業で働く。冬は出稼ぎなんですね、もう何にもできませんので。そういう中で生計を立てておるという人は多い。ですから、出稼ぎに出ている人たちは、その金でもって機械をどんどん買っているというような実態があります。 この制度で安定的な農業経営を図ったり、地域の集落の維持を図るということとはちょっと別なのではないだろうか。それはそれとして別な手だてとして、私どもはやらなきゃいかぬ、こう思っておりますし、仮に、米で規模の大きい人は、中山間地ですからそうないと思うのでありますが、五三・五%、これが五〇と、三・五下がることになるわけですけれども、十アール当たりで百八円なんですね。ですから、金額にするとそう、だからいいとは申し上げませんが、そんなに大きな金額ではない。 そこで、今回の農作物共済の掛金の国庫負担の見直しということは、さっきも局長からも答弁ありましたように、かつては米の増産で、条件の悪いところでも何でもどんどんやったという時代、それが今大分変わってきております。もっと高収入の方がいいということで変わっているし、我々もまたそういう方向に誘導していかなきゃならぬ、所得がうんと上がるようなものをやってもらった方がよりいいということで考えておりまして、高掛金率地域、この非常に条件の悪いところの農家負担の上昇が低掛金率地域に比べてある程度大きくなる、今申し上げたようなわずかでありますけれども、あります。 今申し上げたように、全体として地域による被害率の差は小さくなる傾向にあるわけでありますから、適地適産の推進のためには、生産に中立的な国庫負担方式が望ましい、また、十アール当たりの農家負担増は、今申し上げたようにそう大きくもないし、負担し得るものだということから見直しを行うということにしたわけでありまして、制度の改善充実を図っていくためには合理化すべき部分はやはり合理化していくということから、掛金国庫負担の見直しを行ったものであり、ぜひこれは趣旨を御理解いただきたい、こう思います。
○倉田委員 私も、中山間地域対策が本制度だけでということを考えているわけではないわけですけれども、この法律の改正が、今まさに問題になっている中山間地域の集落の維持活性化ということに関してどういうふうに機能をし、どういうふうな影響を及ぼしていくだろうか、そのことを実は心配をして、議論をさせていただいたわけでございます。 今大臣は、例えば、もっと中山間地域の農家の方々においても所得が上がる作物をつくっていった方がいいだろう、こういうふうな御答弁でございました。これが高付加価値型農業としての中山間地域の一つの方向として出されているわけでございますが、これは本会議でも申し上げさせていただきましたけれども、そんなにうまくいくのかな、こういうふうな気が実はしているわけでございます。 確かに、高付加価値型のもうかる作物をつくるということは、それにそれだけの労力と時間をつぎ込んでいかなければいけない、こういうことだと思うのですね。大臣もよく御認識だと思いますけれども、現状の中山間地域というのは、いわゆる農外所得が農家所得の収入としては大きくなっている中で、いわゆる農業を中心的にやって、地域農業あるいはその地域の集落を維持されているケースはそんなに多くはないのであろう、こういうふうな認識を実は持っているわけでございます。 そういう状況の中で、本当にもうかる農業ということで、あるいは高付加価値のある作物をつくるということで、いわば農業だけでは成り立たないような状況の中で、今この保護制度の農業災害補償法の今回の改正で、適地適産、そして米の需給事情の観点から、米をもっとつくりやすいところでつくってもらいましょう、そういうことだけで果たしていいんだろうか。 例えば、災害の多発地においても、本制度が超過累進方式であり、あるいは高被害のところには高い国庫負担率があることによって、そこで作物が何とかつくられてきた、その作物がつくられてきたことによってその集落の維持もあった、こういうふうになっていたとすれば、今回の改正で超過累進方式が廃止をされ、あるいは国庫負担率が下がっていく、こういうことになったとすれば、災害の多発地であり、過疎化が進んでいるところであり、あるいは本当にもう高齢化が進んでいる、今現状において、集落としての体力、これが衰えているところにとっては、今回の法改正が逆に厳しい状況を生んでしまうのではないのか、実はこういう心配をして御質問を申し上げたわけでございます。 この点についてもう一度、局長、大臣、それぞれに御答弁をいただきたいと思います。
○眞鍋政府委員 先ほど大臣が答弁したとおりでございまして、中山間地域の対策につきましては、やはりこの制度だけではなかなか難しい面があろうかと思います。 それから、先ほど来御答弁申し上げておりますように、米についての超過累進方式の廃止というのは、まず米の増産時代にできた制度、とにかく米をできるだけ多くつくってほしいというふうなことで、被害率の高いところ、逆に言えば、必ずしも適地ではないようなところについても、補助率を高くすることによって生産をふやしてほしい、こういうふうなことでできておったわけでございますが、これが米の増産が目的を達成し、むしろ今では過剰生産というふうなことで、転作を片方では奨励金をつけて進めておる、こういう状況の中で、そういう優遇策といいますか、そういう奨励策を続けていく必要性があるのかどうかというふうな検討を行ったわけでございますが、むしろもう存在意義は失ったのではないかという判断をしたのが第一点でございます。 それから、そうはいってもそこで生活している人、あるいは米をつくっている人の経営に大きな影響を与えるのではないか、こういう御指摘でございますが、この点につきましては、いろいろ検討いたしましたが、最近、先ほど来御答弁申し上げておりますように、稲作技術もかなり進歩してまいりましたし、いろいろな対策が講じられてきた結果、被害率が低下をしてきておるというふうな状況でございます。そういう状況の中で、この補助率をそういう高被害地域について引き下げてもそれほど農家負担に耐えられないようなことにはならないであろうというふうな条件の中で、今回この制度を廃止をし、要するにそういう高被害地域についての優遇策をやめるということでございますので、何もその地域で生産を続けてはならない、こういうことではございませんので、今までそういう生産を奨励しておったような政策をやめることであるというふうに御理解いただきたいと思います。
○田名部国務大臣 今局長から答弁あったとおりでありますが、中山間地域においては、私どもは、畜産でありますとか野菜、花卉、果樹、こういう立地条件を生かして付加価値の高い、あるいは労働集約型の農業を振興する、そういうことは非常に大事だと思うのですね。そのために、この制度においても果樹共済、園芸施設共済、そうしたものを充実を図っていく。そういうものをうんと進めるためには、やはりこの制度を逆に充実していく必要があるというふうに考えまして、中山間地のことも十分検討しながらこの制度を実は考えたわけでありまして、そのために耕作放棄地だとか離農を促進するということは全く考えておりません。 逆に私は、農家の定年というものはないわけでありますから、公務員の皆さんが六十歳で定年になってあと何をしようかという心配のないような、その辺までずっと考えてみますと、やはりここで働いている人たちも各県からの出身者も多いし、いずれは帰ってそういう労働集約型の農業、花をつくるとかそういうことをやってみたいという人があれば、大いにそういうことも生きていくようにしたい。ただ後継者がいないと言って、これは、いるための努力はしますけれども、現実として将来展望したときにそう簡単にいくかということを考えると、やはりみんなが、かつて農家で生まれた人たちも十分帰って安心して農業をやれるということにも、実はいろいろ考えてやったつもりでありますから、よろしくどうぞお願いをしたい、こう思っております。
○倉田委員 中山間地域というのは国土の保全、治山治水、こういう視点から見ても非常に大切な役割を果たしているわけであって、またその役割は、その地域に住んでおられる方々、あるいは集落として存在をしているからその機能が果たされているという面もあるわけでございますので、今回の農業災害補償法の改正がそういう中山間地域の集落維持あるいは活性化にとって決してマイナスにならないように、十分対策、対応は立てていただきたい、これは強く要望をしておきたいと思います。 それから、二番目でございますが、いわゆる農業災害補償制度、当面する課題がいろいろございまして、今回の改正でそれが対応できているのかどうか、こういう視点からお伺いをしたいと思います。 まず第一点でございますが、いわゆる果樹共済それから畑作物共済、園芸施設共済、この加入率が低いという現状があります。この加入率が低いという現状に対して、加入の促進が促される制度改善となっているのかどうか。例えば、平成三年の台風襲来のときの果樹被害、これは大変なものでございました。そのときに、いわゆる果樹共済が、現行法の中では加入率等いろいろな問題がある中で十分機能していなったのではないのか、こう認識をしているわけでございますが、今回の改正はその点に十分対応しているのかどうか。そして、対応しているとして、果樹栽培、畑作物共済の引受率、どの程度上がると見通されているのか。 もう一点、それから逆に心配な点からお伺いをすると、いろいろ制度を細かく設けられることによって、この果樹共済、畑作物共済については制度が複雑になってきているのではないのか。今まで加入率が低かった一つの要因として、制度が複雑であった、これも要因の一つとして挙げられているのですが、いろいろ細かく制度を仕組むことによってまた複雑になってくる。そうだとすれば、課題としてあった加入率の促進、これは果たして大丈夫なのかな、こういう心配を実はしたわけでございますが、今申し上げた点についてのお答えをいただきたいと思います。
○眞鍋政府委員 平成三年度は、御指摘のように七回にわたりまして台風の上陸とか接近が見られまして、特に台風十七号、十九号によりまして、果樹については東北地方を中心としたリンゴの落果等、あるいは中・四国地方を中心にしました温州ミカンの潮風害が発生をいたしまして、極めて大きな被害となったところでございます。この災害を契機といたしまして、改めて農業災害補償制度の果たす役割と農業共済への加入の必要性が認識されたところでございます。 果樹共済につきましては、加入率が低かったために、大きな被害にもかかわらず、本制度の機能が十分に果たすことができないような地域が見られたわけでございます。これは我々にとっては大変残念なことでございました。そういうことも踏まえまして、鋭意加入の促進につながるような制度改正を検討すべきであるというふうなことで検討を重ねてまいりまして、今回改正案を御提案しているところでございます。 今回の改正におきましては、特に果樹共済の制度内容の改善に重点を置きまして、果樹共済が、御案内のとおり、果樹というのは価格変動が激しいというふうな特性を持っておるわけでございますので、ほかの共済と違いまして、災害収入共済方式、価格まで取り込みました災害収入共済方式、こういうものを試験実施でやってきておったわけでございますが、これを本格実施に切りかえるというふうなことで、この災害収入方式の適用になります品目も、九品目から十四品目というふうに品目が拡大をいたします。 さらに、補てんの割合といいますか支払い開始損害割合が三割から二割に下がるというふうな改善を行うというふうなこと、さらにはキウイフルーツでございますとか晩かん類というふうな共済目的を追加するというふうなことで、農業者から出ておりましたいろいろな要望も取り込んだ改正内容にしておるわけでございます。 また一方では、組合等の事業推進意欲を向上させたいというふうな観点もありまして、保険とか再保険割合の改善を行うというふうなことで、組合の手持ち掛金の増加につながるような責任分担割合の改善を行うというふうなことをしておるわけでございます。このことによりまして、組合が熱心に加入促進を図るというふうなことをねらっておるわけでございます。いずれにいたしましても、このようなことを農家の方によく説明をして加入促進を図りたいというふうに思っておるわけでございます。 さらに、今回の改正が複雑さをさらに増すのではないか。御指摘のように、いろいろきめ細かく農業者のニーズといいますかいろいろな要請、要望にこたえていこうとしますと、いろいろな制度をつくるために複雑になるというふうな点は、ある程度やむを得ない面があるわけでございます。そういうことではございますが、できるだけわかりやすく説明をするというふうなことで、いろいろな資料もつくりまして説明をこれまでもやってきておるわけでございます。今回の改正内容は、特に農業者にいろいろと複雑なことを理解いただくというふうな1品目の追加でございますとか、あるいは支払い開始損害割合が下がるというふうなことでございますので、このこと自体が制度を複雑化する、農業者にわかりにくい制度になるというふうなことではないと思っておるわけでございます。 そういうふうなことでございますが、いずれにいたしましても、御指摘のように、果樹共済はわかりにくい、あるいは複雑だというふうな声もあることは事実でございますので、さらに工夫をいたしまして、周知徹底といいますか、農家の方によく理解をしていただいて加入をしていただくように、さらに努力をいたしたいと思っておるわけでございます。
○田名部国務大臣 この台風の後に私のところに随分陳情に参りまして、私も現地へ行ってみました。確かに大変な被害でありました。そのときに農家の皆さんは、どうもこの共済制度入りにくいという意見があったし、いろいろなことを言われました。私の青森県のリンゴも相当影響を受けたのですけれども、当時一五%しか加入していない。五〇%のシェアを持つリンゴがそんな程度でどうするんだということで、今一生懸命やって三三%に上げてくれました。 ですから、趣旨というものをもう少し徹底する必要があるな。要するに、だれのためにやっているのかということが、自分たちのためだということをもっとしっかり認識を持って、そして掛金といっても預金みたいなものですから、別にどこかへ行くわけでもないし、そういうことで、災害に遭ったときのことを考えながら、やはりないものだというふうに考える。ずっとないとそうなってしまうのですね。何か掛金がもったいないという感じではいかぬということでやりまして、その中で果樹は二一%が二四%に上がってきましたし、畑作物は四六%、園芸施設が四五%。 私は、今局長も答弁しましたから重複は避けますけれども、いずれにしても、農家の皆さんにとって、言われたことを相当きめ細かく実態に直したつもりでありますし、これは変わっていくところにも対応していかなければならぬということで、特に園芸施設共済については、今までは全部覆っていなければだめだというものを、雨よけだけあればいいじゃないかということで変えてあげたり、いろいろなことをしてやってきたつもりでありまして、私どもはこれで相当意見を入れたというふうに思っておりますし、農家の皆さんも、万全かどうかというと別でありますが、相当やってくれたというふうに理解しておる、こう考えております。
○倉田委員 それから、いわゆる新政策が発表されておるわけでございますが、今回の改正が新政策に沿って、例えば個別的経営体あるいは組織的経営体育成という視点も入っているというふうに承知をしておりますが、具体的にはどのような形で、この個別的経営体、組織的経営体の育成という視点からの対策あるいは制度になっているのかどうか、お伺いしたいと思います。
○眞鍋政府委員 新政策との関係でございますが、農林水産省では、農政の中長期的な基本的方向というふうなことで、昨年の六月に新政策を取りまとめたわけでございます。この具体化についていろいろ現在検討し、具体化の進んでおるものもございますが、まだできてないものもあるというふうな状況は御案内のとおりでございます。 本制度は、基本的には災害対策の一環というふうなことで、災害による損失を補てんじて農業経営の安定を図ることを目的としておるというふうなことでございます。そういうことでございますので、こういう災害対策としての基本を維持しながらも、経営体の育成など、政策目的、新政策の各種の政策展開の方向も勘案しながら、農業者の保険ニーズに対応した制度の改善なり検討を行っていく必要がある。要するに、新政策の具体化に伴いまして、いろいろとその方向に即した検討をしていく必要があるということでございます。 今回の改正におきましては、集団営農の促進というふうなことで、今まで個人か法人でないと共済に入れないというふうに、いわゆる法人格のない生産組織というものはそれ独自で共済契約が結べなかったということでございますが、今後そういう生産組織の育成の方向も踏まえまして、生産組織単位でも共済に加入をできるようにするというのが一点でございます。 それからもう一点は、土地利用型農業の規模拡大というふうな施策が推進されておるわけでございますが、法人、個人あるいは生産組織を問わず、規模の大きい経営体に有利な補償方式が適用できるようにするというふうなことでございます。これは、農作物共済で、今までは地域指定を受けていないと全相殺に加入できなかったわけでございますが、地域指定を受けてなくても、一定の規模以上の大規模な法人、個人あるいは生産組織につきましては、そういう全相殺方式が適用できるようにする、この二点がそういう今後の政策の方向を踏まえた改正内容になっておるわけでございます。
○倉田委員 これは大臣にちょっとお伺いをしておきたいと思いますが、今まで申し上げたことをまとめる意味でもございますが、例えば、今回の改正で大きな影響を受けるのはやはり被害率の高い地域であろう、こういうふうに思うわけです。 そこで、今回の改正が農業経営の安定に大体どんな影響を及ぼしていくだろう、この視点から、大臣はどういうふうにお考えになっておられますか。
○田名部国務大臣 今回の改正におきまして、掛金国庫負担の合理化を行っているのは、例えば水稲の超過累進方式の廃止につきましては、米の需給が依然として緩和基調にある中で、累次の改正で累進は緩和されてはいるものの、戦後の食糧増産の要請のもとで実施されてきたということを先ほど来申し上げておるわけでございますけれども、だんだん米づくりから畑作でありますとかいろいろなものに転換してきた結果でもありましょうし、被害率の低下傾向が出てきておるということは言えるわけであります。 今回の改正は、こうした合理化を図るべき点についてやはり合理化をしていかなきゃならぬ、一方で、農家に対する補てん充実等、農業生産の実態の変化に対応した制度内容の改善充実を図っているものでありまして、総体として、トータルで見ますと、農業経営の安定に資するものであるというふうに私は考えております。個々に見れば下がった部分、あれした部分はありますけれども、全体で見ると、相当いい方向に改善した、こう思っております。 今回の農作物共済及び蚕繭共済の掛金国庫負担の見直しによって、高掛金率地域、条件の不利なところでありますけれども、この農家負担の上昇が、低掛金率地域に比べてある程度、先ほど申し上げたように、水田ですと十アール当たり百八円という差はありますけれども、全体として地域による被害率の差は小さくなる傾向にあることと、適地適産の推進のためには生産に中立的な国庫負担方式が望ましい、また、十アール当たりまたは一箱当たりの農家負担増というものはそれほど大きな負担でもない、先ほど申し上げたとおりでありまして、そういうことから、これを取り入れる、見直しをするということにいたしたものでございます。
○倉田委員 最近特によく思うことなんですけれども、今回の改正がいわゆる共済事業、共済組合そのものの経営基盤という視点もあるかと思うのですけれども、やはり現場の生産者、個々の農家、農民の方々にどういう影響を与えるのか、この方々に本当に営農意欲、生産意欲がわくような視点からこの制度の組み立てができているのかどうか、そしてまた、そのような運用がなされていくのかどうか、こういうことが実は、現場で働かれる方が一番大切なわけですから、重要な視点なんだろうと思うのです。そういう意味からも、ひとつこの第一線の農家の方々、農民の方々がなるほどと納得をしていただけるように、また安心をしていただけるように、そういう改正であってほしいと思いますし、またそういう運用であってほしいと思いますので、これもまた強く要望しておきたいと思います。 そこで、個別の論点について、またこれも確認の意味ではございますが、お聞きをいたします。 例えば、今回の改正で、麦に春まき、秋まきの類区分を導入されております。この春まき、秋まきの類区分を導入することのまさに現場の第一線の農家の方々の具体的なメリットは一体何なんだろうか。それから、この類区分を導入するのであれば、品種、例えば小麦とか大麦とか裸麦とか、そういう類区分を設ける必要があるのではないのか、こういうふうにも思うわけでございます。 それからもう一点。共済事故に火災を今回追加をいたしました。この火災事故の発生の態様、そして発生の見通し、及びこれを追加することによって共済掛金率に及ぼす影響、これをどんなふうに考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。
○眞鍋政府委員 今回、麦につきまして栽培時期の相違に基づきまして、秋まき麦、春まき麦の類区分を設定をすることとしておるわけでございますが、これが設定された場合の具体的な適用は、現状で見ますと、北海道に限られるのではないかと思っておるわけでございます。 北海道の麦について見ますと、全道的に全相殺方式というふうなことで実施をされておるわけでございます。従来は農家ごとに麦一本で損害認定がされていたものが、今後は秋まき麦、春まき麦というふうに区分をして損害を認定されるというふうなことでございまして、農家にとってのメリットは、要するに今までのものですと、春まき、秋まき一本でございますので、片っ方が豊作、片っ方が被害を受けても、相殺をされて被害がなかった、こういうふうなことがあり得るわけでございますが、今後はこの区分を導入することによりまして、どちらかが被害を受ければそれに応じた損害補償が受けられるというふうなことで、麦作農家の損害感といいますか、そういうものに合致したような運営が図られる、こういうメリットがあると考えておるわけでございます。 それからさらに、小麦、大麦、裸麦といった表種によって類区分をしたらどうかという御指摘でございますが、これは現在表種間といいますか、こういう小麦、大麦、裸麦の別によりまして被害の発生態様の面では余り大きな差がない、こういう現状でございます。それからさらに、都府県におきましては、麦の共済は大体一筆方式で運営されているというケースが多いわけでございます。それから各農家とも、複数の麦を栽培しているというか、どちらかというと大麦なら大麦、小麦なら小麦を栽培しているケースが多いようでございます。そういうふうな実情もございまして、現在この区分を導入するほどのメリット、要するに事務量に比較してそういう区分を設定するほどのメリットはないのではないかと思っておるわけでございます。 さらに、農作物共済に共済事故として火災を追加したわけでございますが、その発生の態様なり発生の見通しはどうか、あるいは掛金率が上がるのではないか、こういう御指摘でございますが、火災による事故を追加いたしましたのは、最近では平成三年九月に宮山県におきまして、台風によるフェーン現象というものから建物が火災に遭いまして、これが隣接をしておった圃場に類焼したという例があるわけでございます。そういうふうなことで、発生の態様といたしましては、失火によりまして家屋が焼けて農作物が焼ける、さらにはフェーン現象とか強風などの気象上の原因によりまして火災が起こってそれから類焼をする、そういうケースがあろうかと思います。 いずれにしましても、作物が焼けるというケースは極めてまれであろうと考えられますので、今回の農作物共済の共済事故に火災を追加することによりまして、共済掛金率にまで大きな影響はないのではないかというふうに考えておるところでございます。
○倉田委員 それから、今回全相殺農家単位方式というのを幅広く導入をしようということになっているみたいですが、全相殺農家単位方式を導入する場合の一定の要件、経営規模はどの程度を想定しておられるのか、またどのくらいの農家数が全相殺方式に移行すると考えておられるのか、この点を確認したいと思います。 同時に、その際、一定の要件を満たさない規模のいわゆる小規模農家、これにどのような影響を与えているのだろうか。そして同時に、集落内に異なる引受方式が導入をされることになります。そうすると、集落を基礎とする本制度の円滑な運営にあるいは影響を及ぼすのではないのか、この心配もするわけでございますが、この点についてはどんなふうにお考えでしょうか。
○眞鍋政府委員 先ほど御答弁申し上げましたが、全相殺方式は、従来は地域単位で指定をいたしまして、その地域にある人については全相殺方式が適用できる、こういうふうにしておったわけでございますが、一定の規模の大きい農家については地域指定がなくても全相殺方式に入れる、こういうふうにしようということでございます。 その規模がどうかということでございますが、現在考えておりますのは、原則として五ヘクタール以上の水稲または麦の作付面積を有しているということ、さらに加えまして、かつ乾燥調製施設の計量結果の調査によりまして収穫量の確認が可能であるという法人とかあるいは個人、さらに今回の改正によりまして組合員資格を付与される生産組織というふうなことで、五ヘクタール以上という規模を考えておるわけでございます。 それでは、どれくらいが該当するんだというお尋ねでございますが、五ヘクタール以上の作付面積を有する加入者というのは、平成三年産におきまして、水稲で約一万六千戸、麦で約一万戸があるわけでございます。こういう数の中から、現行の地域指定で対象になっている人を除いた人がこれに移行してくる、こういうことでございます。 それから、こういう方式を導入することによりまして、集落単位を基礎とした共済制度の円滑な運用が影響を受けるのではないかというお尋ねでございますが、この全相殺方式につきましては、これまで地域指定方式でやってきたわけでございますが、同じ組合の中で損害のてん補割合の異なる方式が混在をするということから、組合等の運営上の問題が生じないように、全相殺方式の採用に際しましては組合の総代会等において組合員等のコンセンサスを十分に得るようにというふうに、これまでの地域単位のものにつきましても指導をしてきたところでございます。 今回の措置によりまして、組合等の地域内だけではなくて、同じ地域の人でも損害のてん補割合の異なる保方式が混在をする、こういうことになるわけでございます。そういうことでございますので、損害防止事業等は従来同様に行われて集落機能に影響を及ぼさないように、組合員等のコンセンサスを十分得た上でこういう方式を導入するように指導をしてまいりたいと思っております。
○倉田委員 次に、蚕繭共済について、今回国庫負担の合理化がなされようとしているわけでございますが、この件についてお伺いいたします。 まず、いわゆる養蚕農家、これは非常に減少をしてきているわけでございますが、養蚕農家の方々の中にも、強い危機感を持つと同時に、外国にも負けない強い農家をつくりたいし、また競争力のある組合をつくっていきたい、こういう強い意欲で取り組まれておられる方々もまたおられるわけでございます。 そこで、近年非常に減少をしてきておる養蚕農家の現状、そしてこれらの方々が組織をされてお られる組合の現状について、まずお伺いをしたいと思います。
○高橋(政)政府委員 まず、養蚕業の現状でございますが、ただいま先生のお話がございましたように、養蚕業が現在行われている地域を見ますと、いわゆる中山間、養蚕業が行われている市町村のうち中山間の占める割合が大体六四%ということでございますので、そういったところでの農業経営上の重要な作物となって定着をしてきておるわけでございますが、最近特に高齢化、六十歳以上の皆さんが五八%いるとか、あるいは生産性の伸び悩み、あるいは国内生糸の需要の減少に伴いまして糸価が低迷するというようなことで、養蚕農家数、それから桑園面積、生産量、生産量は特に昨年は前年対比で二五%減をするというような状況でございます。 このような状況を踏まえまして、やはり今後の養蚕業の安定を図っていくには、どうしても低コストの養蚕の実現というようなことを図っていかなければいけない、こんなふうに思っております。 それから養蚕組合、いわゆる養蚕の農協組織に関してでございますが、これは今まで大体専門農協系が中心で来たわけでございますが、最近、養蚕農家戸数、生産量が減少してまいりましたので、やはりそれに伴って減少してきております。単協段階で見ますと、六十年に八百九十の組合がございましたが、平成三年には五百十五というように減ってきております。そんなようなことで、地域によっては非常に経営基盤が脆弱化しているというようなことで、これらの専門農協が総合農協系に合併をするとか、あるいは郡養連というようなものがございますが、そういうようなところの機能を強化するとかいうようなことで、機能の維持強化をしているところでございます。
○倉田委員 養蚕農家の方々にとっては非常に経営が厳しい状況にあるかとは思うのですが、そういう農家の方々にとって、今回の法改正、現行の超異常全額国庫負担方式が変更されますと、これがどういうふうに影響を及ぼすのか、この点についてはどんな認識でございますか。
○眞鍋政府委員 超異常国庫負担の廃止でございますが、これは先ほど来御答弁申し上げておりますように、適地適産というふうなこと、あるいはいろいろな技術の進歩によりまして被害率が低下をしてきておる、こういう状況の中でこれを廃止するわけでございまして、それほど大きな影響はないというふうに思っておるわけでございます。
○倉田委員 これが変更されることによって、農家の負担増、これをどの程度と考えておられますか。
○眞鍋政府委員 養蚕共済の超異常部分について、全額国庫負担方式を改めて国庫負担割合を一律五割とする、こういうふうな改正によりまして、これは概算といいますか大ざっぱに計算をしてみますと、五年度予算ベースでございますが、全国ベースで見ますと約三千万円の農家負担増が見込まれるということでございます。これを農家単位といいますか蚕種一箱当たりの農家負担増で見ますと、全国平均で一箱当たり百円、こういうふうな数字になるわけでございます。
○倉田委員 最後に、この養蚕業について、大臣にお尋ねをしておきたいと思います。 養蚕業が伝統的な日本の一つの産業である、一つの伝統であり、また文化でもあるようなところもあるわけだと思うわけでございますが、いわゆる輸入等の問題も一方であり、養蚕農家の方々が非常に減少をしてきておられる。これに対して、農水省としてまた農水大臣としてどんなふうにお考えになっておられるのか、その姿勢、国内養蚕業育成という視点からどのような対策を考えておられるのか、大臣にお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○田名部国務大臣 おっしゃるとおり、高齢化が進み、後継者が不足しておりますし、繭価が低水準で推移している、あるいは養蚕農家の農家数あるいは繭生産量とも減少傾向にあるということはそのとおりでありまして、このため、広食性蚕品種、あるいは低コスト人工飼料などの革新的技術を組み合わせた低コスト養蚕、ハイブリッドシルクなどの用途に応じた繭生産のための技術体系の早期確立あるいは普及ということが大変重要になってくる、私はこう考えておりますし、そのほかに、省力機械施設の整備をしてやらなければいかぬ、あるいは遊休桑園の利活用による規模拡大、こうしたことを中心とした生産対策を講じておるところでありますが、今後とも、これら諸対策を通じて中核的養蚕農家を育成してまいりたい、こう考えております。
○倉田委員 これは大切なことですので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。 以上で終わります。
○平沼委員長 藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 農災法改正について質問をいたします。 まず、共済掛金国庫負担制度の問題についてお伺いをしたいと思います。 共済掛金国庫負担制度が行われた理由は、一つは、国家的要請に基づく農業生産の維持拡大を期するには、国も社会保険的な見地から助成する必要があること。二つ目、この制度は農家などによる相互救済を基本として保険のシステムによって危険分散を図ることとされており、広範囲かつ有効な危険分散を図るためには、農家等の共済掛金の負担を軽減し、加入の促進を図る必要があること。三つ目は、農作物共済及び蚕繭共済について一定の経営規模以上の農家などは当然に加入する当然加入制をとっていることの裏づけとして、国の助成が必要である、こういう理由によって行われた、これは間違いありませんね。
○眞鍋政府委員 農業共済制度につきましては、農作物共済それから蚕繭共済について当然加入制というものを採用しておるわけでございます。これはやはり、戦後の食糧増産というふうな背景の中で、保険の母集団を確保して経営の安定を図る、あるいは農業生産の維持、こういうふうな観点から、共済当然加入制がとられておるわけでございます。 それからさらに、超過累進方式につきましては、農作物共済に係る共済掛金の国庫負担方式としまして、基準共済掛金率の高い組合等ほど掛金国庫負担割合が高くなるいわゆる超過累進方式、こういうものをとっておるわけでございますが、これは食糧増産等の要請に対応して農業生産を確保したいというふうなことで、特に、被害率の高い地域において高率助成を行うというふうな必要があったことによるものだというふうに思っております。
○藤田(ス)委員 私は今、超過累進制度それから超異常全額国庫負担方式、この制度は災害補償制度の根幹をなす制度ではないかというふうに考えておりますが、この点はいかがなのですか。
○眞鍋政府委員 災害補償制度として、農業保険といいますか保険の方式によって災害対策をやるというふうな方式でやってきておるわけでございますが、これはやはり政策保険でございますので、農業政策の方向なり農業の実情、こういうものを踏まえまして、そういうものを踏まえた制度にする必要があるというふうなことでございます。 超過累進方式につきましては、先ほど来御答弁申し上げておりますように、米の増産を図るというふうな観点から、被害率の高い地域ほど高率の補助をして生産を確保したいというふうなことの中でできてきたものでございまして、情勢の変化によりまして、昭和四十六年、六十年というふうにこの方式を簡素合理化といいますか、次第に改めてきておるわけでございます。 さらに当然加入につきましても、これはやはり一定の母集団を確保するというふうな観点から必要性があってできておるわけでございますが、本来、この加入脱退といいますか、加入は自由にすべきである、必要性のないものを強制するのは適当ではないというふうなことで、必要性の薄れたようなものから緩和をしてくるということで順次緩和をしてきておるわけでございます。 そういうことでございますので、それぞれの農業政策あるいは農業の状況に応じまして必要性に応じて制度を改善し、また実態に合ったような制度に直していくべきものだというふうに考えております。
○藤田(ス)委員 大変重要なことをおっしゃったと思うのですね。当然加入という制度がある以上、これはまさにだれもが当然一定の要件を満たせば加入をしてそしてやっていくというのに、将来は加入脱退も自由のところまで持っていくというのですか。大変なことなんですよ。その問題が一つです。後で答えてください。 それから、共済掛金国庫負担制度の改正については、八九年のこの政府の農業災害補償制度研究会報告においても大変強い反対が出て、両論併記の形で、国庫負担方式は現状を維持する必要がある、そういうふうな意見も出ていたんじゃありませんか。そこで出された意見、それを明らかにしてください。
○眞鍋政府委員 当然加入の緩和の問題でございますが、私が答弁しておりますのは、要するに、加入を強制するというのはその必要性があって強制をしておるわけでございます。 そういうことで、母集団として一定の集団が確保されるもの、例えば最近言われておりますのは、非常に小さな規模の農家まで加入を強制することはいかがなものか、そういう非常に規模の小さい一反や二反の兼業農家について、適当かどうかわかりませんが、二反、三反の兼業農家についてまで強制することがいかがなものか、こういう指摘もあるわけでございます。そういう中にありまして、一定の組合についてその必要性がなくなれば、そういう任意加入というふうな方式で入れるわけでございますので、強制しなくても皆さんが入っていただけるのであれば緩和をしていくべきものであるというふうなことを申し上げておるわけでございまして、条件が整えば保険の母集団として一定のものが確保できる、あるいはそれによって支障が生じないというふうな条件が整って、強制する必要がなくなれば、強制はできるだけ廃止していくべきものだということを申し上げておるわけでございます。 それから、超過累進方式についての国庫負担のお話についてはいろいろな意見がございます。けさほど来出ておりますように、いろいろな意見はあろうかと思います。しかしながら、先般来御答弁申し上げておりますように、米の増産対策として被害率の高いところに高率補助を行うというふうな制度の必要性についていろいろと関係者の意見を聞き、現段階においてはこれを存続する必要性がなくなってきておるのではないかというふうなことで、これを合理化すべきものとして合理化をし、それをほかの充実すべきところは充実をするというふうなことで、今回この米についての超過累進方式の廃止を御提案しているところでございます。
○藤田(ス)委員 ちゃんと、まともに質問したことに答えてください。そちらがおっしゃらないので、私はこれを読み上げておきたいと思うのです。 この研究会報告の中には、「国庫負担方式は現状を維持する必要があるとする意見」、これがa,b,cと三点挙げられています。 「掛金国庫負担については、適地適産という生産対策的観点からみるのではなく、災害対策としての観点からみるべきであり、より高い被害の発生した地域については高率の国庫負担を行う必要があること」二つ目に、「農作物共済及び蚕繭共済は当然加入制がとられており、農業者の掛金負担の格差を縮小しつつ農業者の円滑な加入を図るためには、現行方式を維持する必要があること」「本制度は集落を基盤として運営されており、農業者の経営規模により国庫負担割合に格差を設けることは制度運営上支障を生ずること。また、複合経営が進展しており、水稲の規模のみで小規模農業者として格差を設けることは適当でないこと」こういう意見が出されているのです。 制度的にはまさに政府部内でも意見が分かれていたわけです。それを今回、このように法改悪を強行した背景には、はっきり言って大蔵省の食管経費の削減に続いて、このままでは財政負担が大変なことになるということで、農災制度の経費削減を進めようという強い意思があるのではないですか。 大臣にお伺いしょうと思ったらいらっしゃいませんので、答えてください。
○眞鍋政府委員 今ちょっと手元にその報告を持っておりませんが、農家の規模によりましてその補助率に差を設けるというふうなことを今回御提案しているわけではないわけでございまして、要するに、被害率の高い地域ほど補助率が高くなっておるというところをやめるということでございますので、誤解のないようにお願いしたいと思います。
○藤田(ス)委員 誤解なんかしてませんよ。大変なことだ、そのことを言っているんです。これから国庫負担制度が変わりまして、六〇%が五〇%になっていく、そのことが大変なことだから言っているんです。もっとはっきりおっしゃったらどうなんですか。大蔵の方から要請されたんでしょう。大蔵大臣座っているわけじゃないから、はっきり言ったらどうなんですか。
○眞鍋政府委員 はっきり先ほどから申し上げているとおりでございまして、米の増産時代に被害率の高い地域でも生産を続けてほしい、こういう趣旨でできた制度でございます。今現時点で見て、そういう制度を続けていくことが適当かどうかということについて、研究会を含めましてその後もいろいろ関係者と議論をし、この際ここの部分は合理化をした方が適当であるということで、御提案を申し上げているとおりでございます。
○藤田(ス)委員 一体本気に米は余っていると大臣も思っていらっしゃるんですか。昨年米が足らないということで減反緩和をしたけれども、なかなか復円は進まないじゃありませんか。まじめにそんなことを考えていらっしゃるんですか。災害常襲地帯に至るや大変なんです。しかし、そういうところがあって食糧が確保できたんじゃありませんか。北海道に行っても、大臣の足元の青森に行ってもそうですよ。冷害、やませ、大変なことが起こるんです。台風だってしょっちゅう通るでしょう。そういうようなところも米をつくってくれているからあれなんですよ。 私は、先ほどからずっと聞いていて、あなた方が適地適産という言葉を使われるたびに、その上に国際的という言葉を乗せたら、これはもうそのまま米の輸入自由化につながる考え方じゃないかと、大変危険なものを感ぜざるを得ないのです。国際的にも適地適産、そういうことから米の輸入自由化の圧力がかけられておりますけれども、まさにそういうふうな物の考え方に通ずるんじゃないかと思うほどの大きな危険を感じます。 私は、大阪の農業共済事業研究会の方から要望をもらっておりますが、共済掛金国庫負担方式の見直しについては、「現行では負担割合は基準共済掛金率の高低に応じた超過累進方式で改正案では、一律五〇%とする案が検討されています。大阪府においては現在負担率は五四%で、改正後五〇%になると千七百二十六万円の国庫負担金が減少し、その分は農家が負担することになり、加入意欲の減退を招くことになります。」と。だから、こういうふうな見直しはやめてほしいという要望を昨年の秋にいただきました。 私は、地元の団体ですから紹介してますが、中山間の方は言うに及ばず、大変強い要望が出ていたのです。にもかかわらず、食糧の増産時代はもう終わったということでこういうことを打ち切るということは、国庫負担制度を見直すということは、絶対に認めるわけにはいきません。 その次に、組合員資格要件の政令の改正問題ですが、政府は新政策推進のために、今回の農業災害補償法改正に当たっても、大規模農家への対応として、生産組織の定着に対応して、生産組織単位での共済関係を成立させる方式の導入や、あるいは大規模農家など大規模経営体に対して農作物共済の有利な補償方式である全相殺方式を適用するなどの手厚い対策を進める一方で、小規模、零細農家に対しては、農作物共済加入の資格である組合員資格を、現行の十アールを超えない範囲内となっておりますのを十アール以上と政令改正しようとしておりますが、耕地面積十アール以下の小規模、零細農家の農作物共済加入の門戸を閉ざすことになるわけで、この改悪によって、全国で一体どれくらいの農家が農作物共済加入の権利を奪われるようになると計算していらっしゃるのか、お答えください。
○眞鍋政府委員 平成三年産の水稲の引き受け戸数は二百九十二万四千戸でございます。そのうち耕作規模が十アール未満の戸数は十五万七千戸、約五・四%となっておるわけでございます。そういうふうな状況でございます。 この組合員資格の下限につきましては、今御指摘のように、水稲、陸稲及び麦の耕作面積の合計が十アールというふうなことで検討をしておるわけでございます。これはやはりセンサス、農業統計等の定義といいますか対象も、土地を使うものについては十アールというのが農家という定義になるわけでございまして、そういうものも勘案して、これは政策保険といいますか農業保険でございますので、やはり十アールに満たない人まで農家として扱うのはいかがなものかというふうなことで、このようなことにいたしたいと思っておるわけでございます。 ただ、これにつきましては、組合がやっているような場合には、園芸施設共済、そういうものに入っている人はそっちで資格がございますので、十アール持っていなくても組合員資格を失うということはないわけでございます。また、今回生産組織というふうなものをやるわけでございますが、そういう生産組織に入った人もそちらで共済に加入できるというふうなことでございます。
○藤田(ス)委員 小規模、零細農家が多い、これは中山間もそうですが、都市近郊農業地域ではこの問題自身が死活問題になっているわけです。 例えば大阪府では、二万九千六百五十五人の共済加入者のうち一六・八%に当たる四千九百三十三人の組合員がこれで減少することになり、加入面積では三百六十五ヘクタールの面積が減少することになるわけです。集落内で非加入の農業者が増加するということになりますと、それ自身が共済に大きなダメージを持ち込むことになるわけでありまして、これは中山間でも全く同じことだと思うんです。この点というふうにお考えですか。 それからもう一つは、集落単位の共済加入というふうなこともおっしゃるわけです。しかし、集落加入といっても、生産組織を組めないところは加入できなくなるわけですよね。そして、組めないというのは、都市部のように農地が面的に集中していない、点在的な、農家が散在しているようなところは、まさにそういう地理的条件でなかなか困難な状態が出てくるわけです。統計上は統計をとる側の勝手ですから十アール以下を切り捨てても、私は、農業、食糧の生産という立場から見れば、現に農業を営んでいれば十アール以下だって立派な農家だ、立派な農業をやっている人たちだというふうに考えるわけでありまして、十アール以下の農家は農家でない、そういう切り捨ての考え方は納得できませんが、これは基本的なことですから、どうぞ大臣お答えください。
○眞鍋政府委員 ちょっとその前に説明をさせていただきますが、やはりこれは農業の政策保険でございまして、農家を対象にしておるというふうなことでございます。十アール以下の農業ということになりますと、やはり高度に利用していただくといいますか、例えば施設園芸をやって高収益を上げていただくというふうなことも必要かと思います。それで、先ほど来お話し申し上げておりますように、施設園芸共済に加入はできるわけでございますので、そういうふうな道もあるということでございます。 それから、全体的に見まして、十アール以下の農家までこの農業共済の対象にするということについては、国民全体の理解が得られるかどうかというふうな問題もあろうかと思います。
○田名部国務大臣 気持ちとしてはよくわかるわけでありますけれども、この組合員資格については現在下限が設けられていないわけでありまして、農業経営の安定を図ることを目的とする本制度において、極めて零細な農家まで組合員となれることは制度上問題があるということで、この下限を設定することにしたわけであります。 現在、都府県の水稲十アール未満でこれに入っている人は全体の〇・七%でありまして、今お話にありました神奈川、大阪というふうな都市近郊はそれぞれ全体の五%でありまして、そう大きな影響は私どもはないと思っているんです。そうするとすぐおしかりになりますけれども、まあこの十アール、一反歩ですが、千四百五十八円の掛金がかかって、これを仮に三・五でしたか、下げるということになっても百八円です。 気持ちとしてはわかると申し上げましたのは、百八円で一体どういうことなのだろうかということを考えると、先ほど来申し上げておりますように、飯米程度になるのか、あるいはそれ以下なのかわかりませんが、むしろもっと別な面での、施設園芸の話を局長いたしておりましたが、そうした方が農業経営としてはいいのではないだろうか、私どもはそう考えておるのでありまして、そういう小さい農家、小さいといっても農家ですから大事にしなければならぬことは当然でありますけれども、そういう観点から全国的にずっと見た場合に、一体どういうものだろうかということを考えたわけであります。水稲のお話を今申し上げておるわけですが、恐らくそれ以外のものをやっておられるのだろうと思うのです。そういうことで全体で考えていただいて、ぜひ御理解をいただきたい、こう思っております。
○藤田(ス)委員 先ほども紹介しましたが、皆さんの中でも反対意見を唱える人たちは、複合経営も多く、水稲だけでは評価できないということをちゃんと言っておられるわけです。私は、小の虫を殺すというような、わずか〇・七%ならなおさら、それぐらいという言い方はあれですが、〇・七%の価値をもっと理解してもらいたい。そんな物の考え方では、将来どういうことになるかという心配をぬぐえませんし、本当に許されないことだと思うのです。 当然加入基準の問題については、今回三十アールから五十アールの範囲内で知事が定める面積に改悪する予定でおられたのを見送られたということですが、その理由はどういうことからですか。
○眞鍋政府委員 当然加入基準でございますが、これは先ほど来御答弁申し上げておりますように、一定の必要性があって当然加入として強制的に加入をしていただくということになっておるわけでございますが、余りにも小さな規模の農家まで強制加入させることはいかがなものかということで、例えば飯米農家のようなものまで強制するのはどうかということで緩和をしてきておるわけでございます。 そういうことで、私どもはできるだけ強制というものは少なくしていった方がいいという感じを持っておるわけでございまして、条件の整ったところについては引き上げていただくように指導していきたいと思っておるわけでございます。現在の農業経営の実態などから見まして、すぐに政令改正によって全国一律に改正をする、引き上げるということについては当面見合わせて、指導で可能なところから引き上げていただいて、条件が整えば改正をしていくという考え方でございます。
○藤田(ス)委員 いみじくも指導で引き上げていくと言われたわけですけれども、これも実は大変な問題でして、もしあなた方が当初考えていらっしゃったように、現行の二十アールから四十アールの面積を三十アールから五十アールの範囲内で進めることになりましたら、大阪の場合、現在の面積全体の四七・九%が任意加入に変わってしまう。それから、組合員数で言えば七三%も任意加入ということになってしまうが、これでは農業共済事業運営が困難になるばかりか、災害対策の主柱としての本制度は特に全農家の参加を前提とすることから、現行基準を堅持するべきであるということで、このことに対して大変厳しい反対の声が出されました。 これは全国的にもそうであったということで、いきなり変えるということにはならなかったのでしょうけれども、行政指導でこれからはやっていく。しかし、将来そういう方向で上限の四〇%、四十アールまで引き上げていくということになっては、大変大きな打撃を共済組合そのものにも与えてしまうのではないかというふうに思いますが、その辺はどう考えていらっしゃるのですか。
○眞鍋政府委員 この当然加入制度でございますが、これは先ほど来御答弁申し上げておりますように、逆選択を防止いたしまして、有効な危険分散を図り得る保険母集団といいますか、必要量を確保するというふうなことで、保険設計の安定あるいは組合の経営の安定という面からは大変重要なものでございます。 ところが一方、強制される農家の側に立ってみますと、これは入るか入らないか自由にしていただいた方がいい、私は入りたくない、二反や三反の災害に遭っても自分はほかの兼業収入があるから自分で自家保険を掛けます、したがって自由にしてほしい、こういう声のあることも事実でございます。そういう中で、農業共済組合のことを考えるのか、あるいは個々の農家のことを考えるのか、こういうふうな議論が行われてきたわけでございます。 そういう中で、今回政令改正は見送ることといたしましたが、やはりこういう強制というのはできるだけ外していきたいというふうなことで、条件が整い、可能なところは引き上げていただくというふうなことで指導してまいりたいと思っておるわけでございます。
○藤田(ス)委員 次に、家畜共済事業の問題で一つだけお伺いをしておきます。 酪農家の皆さんが今最も共済事業として希望しているのは、乳牛の子牛及び胎児を家畜共済の対象にしてほしいということです。これはアンケートの中でも、対象九百五十二戸の中で七一・八%の農家が乳牛の子牛及び胎児を共済事業の対象にしてほしい、こういうふうに答えていることからも明らかなのです。それなのに、今回の法改正に当たっては、あなた方はそれにこたえられなかったわけです。一体、その理由はどういうところにあるのですか。
○眞鍋政府委員 乳牛の子牛及び胎児を共済目的に追加するということでございますが、これは子牛の販売収入が酪農経営の副産物収入として重要な地位を占めつつあるというふうなこと、さらには肥育専業農家の経営の安定が求められているというふうな認識のもとに、これを実施したいというふうなことで検討を進めてまいりました。 しかしながら、特に最近でございますが、乳牛の子牛価格が大変低迷をしているというふうなこと、さらには乳用牛の被害率が上昇してきているというふうなことで、酪農をめぐります状況に大きな変化があるわけでございます。そういうふうなことで、農家の保険需要がどうなるのかということをいましばらく見定める必要があろうというふうなことでございます。 さらには、乳牛の子牛は雄と雌によりまして、御案内のとおり価格が異なるわけでございます。そういうことで、胎児の段階でどういうふうに評価をするかというふうな技術上の問題もございます。そういう技術上の問題もございますので、こういう点を考えれば、もう少しいろいろと状況を見定め、技術的な検討を深めなければならないというふうなことで、今回はこの改正を見送った次第でございます。
○藤田(ス)委員 大臣に最後にお答えいただきたいのです。 この乳牛の子牛及び胎児を共済事業の対象にするとしていかなければいけないなと言われたのは一九八五年なんです。そのときに、だけれども保険需要が明らかでなかったということから、対象家畜とされなかったのです。その保険需要がどれだけあるかわからないという点については、もうアンケートの調査でも七十数%の人たちが、私たちはそれを対象にしてほしいと答えているとしたら、当時の理由はもうちゃんとクリアできているわけです。にもかかわらず、今度はまた新たなことを言い出して、そしてなかなか共済の対象にしない。これでは本当に酪農家は救われませんよね。 この前も随分、今酪農家が大変な危機的状況にあるということがるるありましたけれども、まさにそういうふうにあれこれと理由をつけて引き延ばして、一体いつまで待てばいいのかはっきりしてください。大臣でいいです、もう時間がありませんから。
○田名部国務大臣 アンケートではそういうことになっておるようでありますが、局長がさっきも答弁したように、雌と雄で値段が違うものですから、それがおなかの中にあるうちに、どっちが生まれてくるのかわからぬのにどうやってやるかという、これは本当に技術的に、まあ人間でも最近はどっちが生まれるかというのはよくわかるというふうに、私は経験ありませんから、聞いておりますけれども、それをやってこの共済保険制度を確立しようとすると、相当の経費がかかると僕は思うのですね。 そういう問題がありますので、今対象にするということはなかなか難しいというふうに考えて、しかし、引き続き何か方法があるのかどうか検討したいと言っているわけですから、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○藤田(ス)委員 時間が参りましたから、終わります。
○平沼委員長 小平忠正君。
○小平委員 今回の制度改正、確かに評価できる面も多々ございます。しかし、肝心の農家の負担軽減ということが、農業者がこれから営農を進めていく中において、今時に大きく問われていることだと思うのでありますけれども、この負担軽減に逆行するような、負担増になる、このことがやはり今回の改正の中で一番指摘をしなければならない大きな問題ではないかと私は思います。 確かに、この共済制度を推進するためには共済組合の存在も大事であり、その皆さんのお仕事が必要なことも事実であります。したがって、これを合併し、そして機能を高めていく、このことも理解できます。それについては、今回も政府としては、この事務補助費、これらについても軽減せずにきちんと要求どおり予算づけもしておるということについては、私は評価いたします。しかし、かわりに農家の皆さんに負担をさらに強いるということはいかがなものかなという気が私はしてなりません。 そんなことを思いながら、まず冒頭に、これは事務当局で結構でありますが、今回のこの改正に至った経過というか、ひとつ簡潔に御答弁をいただきたいと思います。 〔委員長退席、御法川委員長代理着席〕
○眞鍋政府委員 農業災害補償制度については、これまでもいろいろ改正してきたわけでございますが、六十年以来この制度改正が行われていなかったということもございまして、農業者の方から制度を充実してほしいというふうな要望がいろいろと出てまいりました。それからさらに、一昨年でございますが、台風等の災害によりまして、この制度を直してほしいというふうな要望が切実になってきたというふうなこともございます。さらには、農業共済組合もかなり合併をしてまいりまして力をつけてきたというふうなことで、もう少し自分のところで自主的に事業運営ができるように改善をしてほしい、こんなふうな要望も出てまいりました。 そういうことで、六十三年から研究会をつくっていろいろと勉強をしてきたわけでございますが、それを踏まえて、さらにその災害の状況も頭に置きながら、関係者といろいろと議論を重ねてまいりまして、ここをこう合理化し、ここをどう改善をしていくかというふうな議論を重ねた結果、こういう案をまとめまして、合理化すべきところは合理化しながら制度の充実を図って、農業の実態に合ったものにする、こういうふうな改正を御提案しているところでございます。
○小平委員 合理化するところは合理化する、それがこの共済掛金の国庫負担の簡素合理化なんですか。 私は、まずこれについてお伺いいたしますが、今回のこの改正で一番影響を受けるのは、被害率の相対的に高い地域ではないかと思います。これは特に稲作においては北海道や東北やそういう主産地であるわけなんですが、それらが、御承知のように今大変に問われている農業情勢の中で、我が国の大事な食糧の基地である、こう言えると思います。厳しい自然環境を克服しながら食糧の安定供給に努めているこういう地域が、なぜ今回の措置によって最大の被害をこうむるのか。私は、政府の姿勢に対し大いに疑問を抱かざるを得な 農政の推進に当たって最も大切なことは、これはもう何回も申しておりますけれども、農業者の農政に対する信頼であると思います。今、農産物の自由化の推進、厳しい生産調整の実施、農畜産物の行政価格の引き下げ等々に対し、多くの、いや、すべての農民、農業者はこれに大変な不満を抱きながらも何とか耐えているのが今の実態であると私は思います。今回の措置が農業者の農政に対する信頼をさらに失墜をさせることになれば、これは重大なことになる、まさしく遺憾な事態である、こう言わざるを得ません。 こういう観点において、まず大臣、私が今申し上げたことを踏まえて、大臣の率直な見解といいますか、それをお伺いをしておきたいと思います。
○田名部国務大臣 災害の起こりやすい地域の農家の掛金の問題でありますが、おっしゃるとおり、北海道、比較的東北も北の方ですね、非常に多いわけです。何といってもやはり偏東風、やませの影響を受けますので、しょっちゅう影響を受ける地域、それだけにまた掛金も高くなっているわけでありまして、いろいろと考えてみましたが、高掛金率地域、今私が申し上げたような地域ですが、農家負担の上昇が、低掛金率地域に比べてある程度大きくなるということはあります。 まあ金額にしてみるとそう大きなものではないのですけれども、しかし全体として、地域によっては被害率の差は小さくなってきておる。私の三沢地区も、かつてやませの強いところでありましたが、しょっちゅう受けるものですから、最近野菜に、もうどんどん変わっているというようなこともありまして、あるいは条件の悪いところももう大分撤退しておりまして、別なことに変わっていることから、この被害率の差というものはだんだん小さくなっていることは事実なんですね。 また、適地適産の推進のためには、生産に中立的な国庫負担の方式が望ましい。無理してつくってもうまくいかないもの、さっき私は野菜の例を申し上げましたけれども、そういうことも考えると、生産に中立的な国庫負担方式ということはあっていいのではないか。また、十アール当たりまたは一箱当たりの農家負担増はそれほど大きくないわけでありますから、負担し得るものであるということから、いろいろと考えたわけであります。 制度の改善充実を図っていくためには、さっき局長が言ったように、やはり直すところは直し、新たにやっていかなきゃならぬところにはやっていくという合理化が必要でありまして、掛金国庫負担の見直しを行ったものでありますので、ぜひ総体的にどうかということで、いろいろとまた御判断をいただき、理解いただきたい、こう思います。
○小平委員 全体的にとか総体的にという大臣のお言葉ですが、またさらに、被害も近年減少している。しかし逆に言うならば、被害が減少しているならば何も下げることないでしょう。そうでしょう。国庫の負担がふえないのですからね。ちょっと私はその論理には矛盾があると思うのですよ。 ただ、そういうことにおいて、この農災法ができましてから何度か改正がありました。当初は一〇〇%ですか、それが七〇、六〇と来て、今度は五〇と。何かこう、いろいろなところで制度改正あるいはそういう策を講じても、私はいわゆるその本体というか背骨をいじると、結果的に追い詰めていく、何かそんな気がするのですよね。あれもしました、これもしました、こうよくしました、確かに私もそれは評価しています。しかし大事なことは、やはり一本の背骨があって、いわゆる本体、それをやっていく。 先般の乳価、畜産の価格交渉でも、当初政府は乳価の保証価格をでき得れば下げたいという、そういう姿勢がございましたよね。しかし、その後の推移の中でそれは据え置きましたけれども、保証価格は下げるけれども、こっちの特別対策でもってカバーするから、何とか帳じりを合わせるからという、私はそれではいかぬと思うのですよ。やはり本体をきちんと守るということ、私はそんなふうに主張をしたいのであります。 今大臣言われました中で、いろいろとお話しされましたけれども、次に、このことをお伺いいたします。 今回のこの措置におきまして、農作物共済それから蚕繭共済並びに畑作物共済にかかわる国庫負担の引き下げが行われておりますけれども、これによってどの程度農家の掛金の負担が増加するのか、これを全国的なレベルで、特にまた、一番被害を受けると言われております北海道においてはどうなのか、これを各共済事業別に、数値だけで結構ですから御説明をいただきたいと思います。
○眞鍋政府委員 今回の掛金国庫負担の見直しによりまして、水稲、陸稲及び蚕繭は一律に五〇%、麦は二段階の超過累進方式になるわけでございます。そういうふうなことで、五〇%と五五%と・・…小平委員「それはわかっていますから、数値だけでいいです」と呼ぶ一その結果、農家負担掛金は全国計で約三十億円が増加するというふうなことでございます。それから、北海道については約十五億円の増加というふうに見込まれておるわけでございます。 事業ごとには、農作物共済で約二十六億、それから蚕繭共済が三千万、畑作物共済が四億弱ということでございます。
○小平委員 今の数値から見ましても、全体的に見たらそういう金額ではないでしょう。しかし、農民側から見れば、これは大変な額なんですよね。そこのところを御理解をしていただきたいと思います。
○眞鍋政府委員 失礼しました。農民側から見た数字でございますが、これは十アール当たりで全国の数字を御説明いたしますと、先ほど来大臣が答弁いたしておりますように、水稲では十アール当たり百八円でございます。それからバレイショが二百九十四円、それから春蚕繭につきましては百三十四円というふうなことでございます。それから大豆が百八十二円、てん菜が百四円、サトウキビが二百四円、こういうふうな数字になっております。 また、水稲につきましては最近被害率が下がってきております。そういうふうなことで、平成六年には料率改定が行われるというふうなことでございますので、そういうふうなことから国庫負担割合の引き下げに伴いまして増加する部分がございますが、まだ作業中でございますが、平成六年度から料率改定によりまして負担額が下がる、こういう面がございますので、影響は緩和される、実際の負担額はそれほど大きくないというふうに考えております。
○小平委員 私は、今もお話ししましたように、農民サイドから見ればそうじゃないと思うのですが…… それで次に、農業共済事業のそもそもの目的は、農家をいわゆる天災による被害から守る、このことに主眼があるわけですよ。政府の説明のように適地適産というか、そういうことを誘導するための措置ではないと私は思うのであります。 いずれにしましても、今回のこの国庫負担の引き下げによって大きな被害をこうむる地域に対しては、何らかの負担軽減を図る対策がぜひ必要である、私はこう思うのでありますが、政府はこれについて何らかの施策を今後用意していかれるのかどうか、それについてお答えをいただきたいと思います、
○眞鍋政府委員 今回の見直しによりまして農家負担が増加することとなるわけでございますが、北海道について見ますと、水稲の場合、今回の掛金国庫負担の見直しによりまして十アール当たり四百円程度の負担増になる、大ざっぱに試算しますとそういうふうになるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、平成六年には水稲の料率改定が行われるというふうなことでございまして、最近の被害状況から見ますと、この料率が下がるというふうなことでございますので、これらを合わせますと、負担増は小さいというふうに考えております。 それから、今回一緒に御提案申し上げております責任分担方式を改正して、組合の手持ち掛金が増加するように改善をしております。こういうふうな改善によりまして組合の財務状況も改善をしてくるというふうに見込まれますので、無事戻し機能の強化でございますとか、あるいは組合の損害防止事業の活発化、こういうふうなことも期待されるわけでございます。 そういうふうなものを合わせまして、農家の経営の安定を阻害することはないというふうに考えております。 〔御法川委員長代理退席、委員長着席〕
○小平委員 局長、そう言われますけれども、まず無事戻しと言われましたけれども、それにしたって実際には三分の二は仕方ないにしても、三分の一は三年間被害なき場合には無事戻し、これだって実際には行われていない。それで、来年度の料率見直しがあると言われました。これも被害がなければ確かにそういうことでしょう。しかし、逆に言うと、料率が下がるということは、それ自体、今後被害が多くなると逆に上がるという可能性だってあるわけでしょう。それは、単に被害がないということの前提のもとに言われていることであって、私はいわゆる根本的な説明にはならぬと思うのですね。 それから、これはもう御承知のように、ガットでは農災制度というのは、この国庫補助につきましてはグリーンボックスの範疇でしょう。言うなれば国内保護削減の対象外になっているはずですよね。こんなことも考えますと、今のことについては、私は説明にはならぬような気がするのですね。 また、今ちょっとお話ございました責任分担方式の見直し、これを言われましたけれども、確かに今回はこういう見直しがされております。組合等の事業運営の主体性の確保や活性化が図られることに対しては、これは評価しなきゃなりませんが、しかし反面、それによって組合の責任も大きくなる、そういうものがありますよね。そうなれば、逆に何か大きな災害が発生した場合には、共済金の支払いの削減、あるいは従前と比較して厳しい災害査定が行われるのではないか、こんな懸念もせざるを得ない、こう思うのですけれども、これについてはどういうふうにお答えいただけますか。
○眞鍋政府委員 今回の責任分担の見直しに当たりましては、組合等が合併によりまして広域組合が全市町村の八割をカバーするまでになって、組合等の体質も強化をされてきておるというふうなこと、さらに全般的に被害率が低下傾向にありまして、このことを背景に、果樹共済については被害の発生状況に見合った合理的な掛金率の設定の要望があるということ、さらには農業共済団体の財務基盤も充実してきている、こういうようなことから、組合等の手持ち掛金が増加するようにということを基本にしまして、各共済事業ごとの実情に配慮しながら見直すことにしたわけでございます。 これは御指摘のとおり、共済組合にとりましては、自主運用といいますか自由にできるところが広がる一方、責任もふえるではないかということでございますが、そういう組合等は、過去の被害発生状況によりまして、通常発生する程度の被害については責任を多く保有することになるわけでございますが、大災害が発生した場合には、組合等の責任部分を超える部分については連合会とか政府への保険、再保険というふうな形をとることにしておりますので、より多くの手持ち掛金を保有することになりますけれども、大災害が発生した場合でも、責任部分の多くはこの通常発生する程度の被害についての責任でございまして、共済金額の削減とか実態を無視した損害評価が行われることにはつながらないんではないか、また、そういうことにならないように指導をしてまいりたいと思っております。
○小平委員 局長、今の特に最後の言葉、これはしっかりと私も記憶しておきたいと思います。ぜひ、このことが心配する方向にいかないように、今後とも取り組んでいっていただきたいと思います。 ところで、もう一点、私ちょっとお話ししましたグリーンボックス、この考え、これについては局長どういうふうにお考えでしょうか。
○眞鍋政府委員 例のダンケル・テキストに、そういうグリーンボックス、緑の政策というふうなことで、農業共済制度については確かにそういうふうに位置づけられておるわけでございます。 そういうふうなことでございますが、それはあくまでも、そういうものをふやしても国際的に批判をされないというふうな意味でございまして、国内的にどういうふうな必要性があり、どういうふうに措置していくかということは国内の予算なり制度の必要性に応じてやるわけでございますので、我々といたしましては御指摘の点も踏まえまして、今後この農業災害補償制度が円滑かつ的確に運営できるような所要の予算措置は講じてまいりたいと思っておるわけでございます。
○小平委員 今回のこのことに対して、私は一番心配といいますか憂慮していますことは、前段にも申し上げましたように、これが農家の農政に対する信頼の低下に拍車をかけて、このことが加入率に今後影響を及ぼしてこないか。共済によっては強制、任意、いろいろありますけれども、しかし、このことがもう既に問われております。そこにもってきてこういうことでありますと、ますます信頼低下によって加入率にも影響が出てくる、こんなことも懸念しなければならないのですけれども、これについてはどうお考えでしょうか。
○眞鍋政府委員 今回の制度改正によりまして、合理化すべき部分は合理化をするというふうなことでございまして、米等は強制加入といいますか当然加入の制度でございます。 特に、加入率の低い畑作物でございますとか果樹共済でございますとか、そういうものにつきましては、今回、例えばてん菜の支払い開始損害割合を二割から一割に引き下げる、あるいはでん菜の糖分取引の導入でございますとか、あるいは大豆の全相殺方式の導入というふうないろいろの改善をやっておるわけでございます。 それと、先ほど来申し上げておりますような責任分担方式を変えることによりまして共済組合の事業活動が活発化する、こういうふうなことを期待をいたしまして、この今回の改正はそういう共済離れにつながらない、こういうふうに思っておりますが、さらにそういうふうにならないように十分指導してまいりたいと思っております。
○小平委員 確かに、今お話しのように、果樹共済、畑作物共済、それから園芸施設共済等は加入率の低さが指摘されております。私は、やはり制度上の欠陥があるからだということに尽きると思うのですね。これらについては、今もお話しのように改善をしながら、農家の皆さんに理解を得られるように進めていってもらわなければならぬと思います。 そこで、今回の法改正とは直接関係ないのですが、家畜共済、このことについてお伺いいたしますが、私も現に畜産農家の一人であります。これについてのいろいろな問題点、改善すべき点、いろいろ意見もありますが、時間もそうありませんので、 一つだけ。 今回、家畜共済、この赤字が非常にふえている。言うなれば牛肉自由化の波の中で、子牛、ぬれ子の販売が思うようにならぬという中で、酪農家の皆さんは無理な搾乳をしている。これはひいては牛に乳房炎を初めいろいろな事故が起きている、この悪循環が出ております。私は、そういう中において、この家畜共済の収支が悪化している中で、今後の対策をどうされるか、また、間違ってもこの家畜共済の赤字をほかの共済の方に転嫁しないように、その範疇におさめるように、そしてこれを解消していくように、そういうことを強く要求したいのですけれども、まず今後の対応についてどうされるのかをお伺いをいたします。
○眞鍋政府委員 家畜共済事業の収支は、近年安定的に推移してきていたわけでございますが、平成二年度以降、御指摘のように悪化をしてきております。死廃事故頭数の増加とともに、低品質規格の牛肉価格が低下したというふうなことによりまして、さらには乳用種の廃用牛の残存物価額が低下した、こういうふうなことでもございまして、共済金の支払い額が増加をしたわけでございます。平成二年度、平成三年度におきましては、再保険収支及び保険収支に不足が生じた、赤字になったということでございます。 家畜共済事業におきます収支の不均衡は、要するに乳用種の廃用牛価格の低下等、予期せざる事情の変化によりまして、被害率が掛金率を上回ったということから生じたわけでございますが、平成五年度以降につきましては新しい掛金率を適用することとして、収支の均衡を図りたいというふうなことを考えておるわけでございます。 さらには、何と申しましても、この家畜共済事業の健全な運営を確保していくためには、事故の低減を図っていく、事故をできるだけ減らすということが重要であるというふうに考えておりまして、損害の防止事業でございますとか、あるいは高被害率地域にいろいろな対策を講じまして、損害防止事業を充実してまいりたいと思っておるわけでございます。 さらに、先生御指摘のこの共済事業の赤字がほかの共済事業に影響を及ぼさないかというふうなことでございますが、これはそういうことのないように、我々としても留意し、指導してまいりたいと思います。
○小平委員 時間ですので、終わります。
○平沼委員長 次回は、明十四日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十四分散会