内閣委員会 第6号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1993/05/13
会議録
○牧野委員長 これより会議を開きます。 この際、議事に入るに先立ち、謹んで御報告申し上げます。 国際平和協力隊の隊員としてカンボジアに派遣され、文民警察の分野において御活躍されておられました高田晴行君が、去る四日、殉職されました。まことに痛惜の念にたえません。 ここに、謹んで、委員各位とともに哀悼の意を表し、御冥福を祈りたいと存じます。 ――――◇―――――
○牧野委員長 行政機構並びにその運営に関する件、特に国際平和協力業務について調査を進めます。 この際、内閣官房長官より、国際平和協力業務の実施状況、特に、カンボジアの治安状況、UNTACの活動状況、特に日本政府との連携状況について、及びカンボジア派遣隊員の状況等について説明を聴取いたします。河野内閣官房長官。
○河野国務大臣 我が国文民警察要員死傷事件及びカンボジア情勢等について申し上げます。 去る五月四日、カンボジアにおいて国際平和協力業務に従事されていた我が国文民警察要員五名が他国のUNTAC要員とともに武装グループに襲撃され、うち、高田晴行さんが殉職され、残る四名の方々も負傷されるという痛ましい事件がありました。 かかる事件の発生に対し、深い悲しみと強い憤りにたえません。高田さんの御冥福をお祈りし、御遺族に衷心よりお悔やみを申し上げるとともに、負傷された方々の一日も早い御回復を祈念するものであります。世界平和のために努力してきた前途有為な人材を失ったことはまことに断腸の思いであり、我が国にとりましても残念のきわみでございます。 この我が国文民警察要員に関するまことに痛ましい事件を初め、カンボジアにおいては、最近も種々の暴力行為、テロ事件が発生しており、また、ポル・ポト派が選挙への不参加を表明し、プノンペン事務所を閉鎖するなど、不安定要因が存在しております。しかし、カンボジアでま、局地的な停戦違反等はあるものの全面的に戦闘が再開されているわけではありません。また、カンボジアにおける紛争当事者各派は、パリ和平協定に署名し、UNTACの活動を受け入れております。ポル・ポト派もパリ和平協定に反対しているわけではなく、パリ和平協定が厳格に履行されるべきこと、ベトナム軍がいまだ残留していること、SNCが十分権限を行使していないことなどを問題にしており、UNTACの舌動を全面的こ否定するような行動をとっているわけではありません。 したがって、パリ和平協定に基づく和平プロセスの基本的枠組みは依然維持されており、停戦の合意を含む国際平和協力法上のいわゆる五原則は満たされていると考えているところであります。 他方、我が国が、カンボジアにおける国連平和維持活動への協力を継続していくに当たっては、派遣要員・部隊の安全確保に万全を期してまいる所存であります。 また、我が国文民警察要員の中には、地域により治安情勢が厳しく、文民警察の業務を遂行することが困難であったり、水、食糧等の入手が困難な生活環境に置かれていること等から、文民警察としての職務を十分に遂行することが困難になっている場合もあるという声があることは事実であり、こうした声には、政府として十分誠意を持って対処していきたいと考えております。 政府といたしましては、先般、村田自治大臣兼国家公安委員長をカンボジアに派遣し、我が国要員を含むUNTACの選挙要員や文民警察要員の安全確保の強化について、UNTACに対し重ねて申し入れるとともに、我が国要員に対する装備品の支給、現地支援体制の一層の充実強化により、政府といたしましてもあとう限りの努力をしているところであります。村田自治大臣兼国家公安委員長と明石特別代表との協議により、選挙要員はそれぞれの国の部隊の配置先に配置されること、文民警察要員の配置場所等については投票所数の削減などと絡めて検討されること、文民要員等に対し既に六千着の防弾チョッキが配付されることが確認されております。 また、村田自治大臣兼国家公安委員長の報告を受け、昨日開催した国際平和協力業務安全対策本部の第二回会合において、危険と考えられる地域への文民警察要員の配置については、関係国とも協議しつつUNTAC側と早急に話し合うこと、我が国文民警察要員をプノンペンに集めて安全対策の会議を開催することについては、選挙プロセスの終盤であることや移動の危険性に関するUNTAC側の示唆を踏まえ、早急に地域の巡回を実施すること、さらに、現在手薄となっているUNTACの輸送手段を支援するための我が国としての措置を早急に検討することの三点につき確認し、早速行動に移したところであります。 カンボジアにおきましては、UNTACのもとで、世界の各地域から派遣された二万人以上の方々が和平を確固たるものとするために活動を続けております。また、パリ和平協定に従って行われることとなっている制憲議会選挙には、ポル・ポト派の不参加にもかかわらず、有権者の約九割以上と推測される約四百七十万人の人々が選挙登録を行っており、これは、多くのカンボジア国民が選挙の実施を強く望んでいる証左であり、さらに、五月十日にはシアヌーク殿下も選挙への参加をカンボジア国民に訴えているところであります。 政府といたしましては、カンボジアの平和と民主主義の確立のため、選挙が予定どおりかつ安全に実施されるようUNTAC、関係諸国とともに努力していくことが肝要であると考えており、引き続き我が国が果たすべき役割にふさわしい貢献を積極的に行ってまいりたいと考えております。 何とぞ関係各位の御理解と御協力のほどよろしくお願い申し上げます。 ―――――――――――――
○牧野委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上喜一君。
○井上(喜)委員 冒頭、委員長の方から御報告がございました高田さんの殉職でございますけれども、この殉職に対しまして、心からのお悔やみを申し上げるものでございます。 また、高田さんに先立つ国連のボランティアの方でありますけれども、中田さんも殉職されるという大変痛ましい結果があるわけでございます。御両氏とも大変優秀な方だったと思うのでありまして、心からの哀悼の意を改めて表したいと思うものでございます。 選挙が近づくにつれまして、カンボジアの方の情勢が刻一刻大変緊迫をしてきた状況のように思うのでございますけれども、こういった事件が相次ぎますときに、日本政府としても安全対策につきまして十分な配慮をしなくてはしけないということは当然でありますけれども、同時にまた、こういった暴力事件といいますか本当に残念な行為に対しまして、私ども、日本国民を代表いたしまして、本当に激しい怒りを覚えざるを得ないのでございます。こういった犠牲がございまして、私どもとしましては、この際、何としてもカンボジアに平和をもたらすような努力を一層しなくてはいけない、そういったことを痛感するのでございます。 そこで、私は、この安全対策につきまして、まず御質問をいたしたいと思うのであります。 PKO活動といいますのが時として危険を伴うということは当然のことでございまして、こういう要員の安全確保について、常々この配慮がなされてきているとは思うのでありますけれども、特にカンボジアの場合は、長い間の内戦、そしてその後の経緯を見ますと、特に安全対策につきまして注意を払わないといけない状況だったと思うのでございます。また、他面からいいますと、カンボジアにおきましては、安全対策を実施をしなければPKO活動の実施ができなし、任務を全うできない、こういった状況ではなかったかと思うのでありますけれども、どうも私どもの感じでは、現地の治安の状況の把握につきまして幾分現地と日本政府側との間に溝があったんじゃないか、ギャップがあったんじゃないか、そのことのために安全対策についてもう少しやるべきことがあったのではないか、こんな感じがいたすわけでございますけれども、こりいった点こつきましての官房長官の、あるいは事務当局でも結構でありますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○河野国務大臣 委員が御指摘になりましたように、カンボジアにおきますPKO活動が当初考えておりましたよりも条件が厳しいということは、率直に言ってそのとおりだと思います。 もちろんPKO活動は、委員御承知のとおり、停戦の合意を受けて、そして当事者の同意を受けて、他国からUNTAC要員が行っているわけでございますから、つまり私の申し上げるのは、戦闘の場に行く、戦いが継続しているところに行くというのとは全く違って、停戦の合意がなされて、停戦が確認をされて、そしてまた、当事者からの依頼を受けて、同意を受けてそこに行くわけでございますから、それは、本来その作業はそう危ないものであるはずがないわけでございます。しかし、そうはいっても、一方で十年を超える長期にわたって内戦が続き、相互に何といいますか憎しみ合いというものがあったわけで、それが停戦の合意を受けて戦いをやめたとはいえ、その停戦の合意を受けての和平にはやはり脆弱な部分があることは残念ながら認めないわけにはいかないわけで、そうしたことに対する認識を持って臨むということもまた必要であると思うわけでございます。 政府といたしましては、UNTAC要員として我が国の人的貢献をなすためには、カンボジアに何度かの調査団を派遣をいたしまして現地の状況はっぷさに調査をしてまいったところでございますし、また、現地大使館も十二分に調査能力を発揮してくれたと私は確信をしております。さらに、UNTACからも十分な情報の提供を受けて、現地の状況に十分対応できる体制をつくって人員の派遣を行ったというふうに考えております。 そういう状況でございましたけれども、いよいよ和平プロセスの大事な段階、つまり選挙が間近に迫るという状況になりまして緊張の度合いが高まっている、そういう緊張の高まる中でいわゆる停戦合意に違反するような暴力事件あるいはテロ行為、そういったものが出てきた、これはまことに残念なことでございまして、世界各国、国際社会が一致してカンボジアの和平を支援するために貢献するという気持ちで参加をしている状況の中でこうした事件が起こるということは、カンボジア国民にとっても重大な挑戦であると同時に、国際社会からのカンボジアの永続的な和平を実現するために参加をしているUNTACに対してもこれは重大な問題だというふうに考えるところでございます。
○井上(喜)委員 最近の状況についてさらに現地の調査をするということで、きょう御出席の萩次長あるいは村田自治大臣などが現地に行かれまして、明石代表を初め、現地の日本人の要員とつぶさに話をされ、また遠く現地にも赴いて関係者の方と話をされたというふうにお聞きをしているわけでありまして、官房長官の最初の報告にもございましたように、文民警察要員等に対する警護のさらなる強化等についてUNTACの明石代表に申し込まれ、しかるべき回答があったということをお伺いをいたしたのでございますけれども、状況に応じましてさらにこの安全対策を強化していくということは当然のことだと思いますし、そういった方向でこれからも取り組んでいただきたいと思うのでありますが、具体的に、それでは文民警察要員あるいは選挙要員あるいは停戦監視要員、施設部隊等の派遣要員についての安全対策といいますか、それぞれ現地駐在場所は違うと思うのでありますけれども、こういうようなカテゴリーごとにどういうような安全対策が講じられているのか、あるいはこれから講じようとされているのか、少し具体的にお話をいただきたいと思います。
○萩政府委員 先生おっしゃいましたように、カンボジアには協力隊員として四種類の隊員が行っておりまして、もちろんそれぞれの安全対策は違うわけでございます。 まず、文民警察要員につきましては、一応ピストルを持っていっておりますが、諸般の事情から、持たない方がかえって安全だろうということで丸腰で勤務についております。基本的には、そこの勤務先の地域を担当しております歩兵部隊、それぞれオランダ、バングラデシュ、インドネシア、フランス等々の管轄区域がありまして、そこの歩兵部隊がその文民警察の警護に当たるということになっております。カンボジア、二十一州ございますが、それぞれUNTACの方でハイリスクの地域といいますか危険度の高い地域、中ぐらいの地域、危険度の低い地域ということに分けて、それぞれ歩兵部隊の警護の仕方に差があるということでございます。丸腰でございますので、行動するときには必ずその歩兵部隊と一緒に行動をともにする。 これは、やはり丸腰の停戦監視員、日本の場合は自衛隊員でございますが、その場合も同様でございます。必ず歩兵部隊が同行するということになっております。 それからやはり非武装の選挙要員。選挙要員はお一人ずつになって、一つの投票所を一人で監視する。それで選挙行動そのものは地元の選挙管理員というのかその人たちが選挙、投票活動を行いますので、それを一人で全部一カ所の投票所を監視するというのが仕事になっております。この選挙要員に対しましては文民警察官が絶えず同行をし、それから運転手と通訳も同行する、それでそれを歩兵部隊が取り囲んで警護する、そして場合によりましてはそこから少し離れたところでございますが三派のそれぞれの軍隊が遠巻きにするということで、UNTACの選挙部門におきましても選挙要員の安全ということには最大の努力を払っております。 それから日本から行っております施設部隊でございますが、これは原則は自分で自分のことを守れということでございますが、施設大隊が駐在しておりますタケオ州それからカンポート州、この地域はフランスの歩兵部隊が管轄をしておりまして、施設大隊と絶えず連絡をとり合って、施設大隊が基地外におきまして行動をとるときには必ずフランスの部隊がエスコートをする、こういう体制になってございます。施設大隊も最近の事態の推移にかんがみまして警護を強化している。 大体大まかに申しますとそんなところでございます。
○井上(喜)委員 PKO要員の安全確保ということが仕事をする上に不可欠である、そういう状況になってきておりますので、これからも状況の推移を見ながら安全確保につきましては遺憾のないようにお取り組みをいただきたい、このように考える次第であります。 それから、官房長官の御報告にもありましたように、和平の枠組みが壊れていない、崩れていない、こういうことで日本政府としては引き続きカンボジア和平のために努力をしていく、そういうことをお伺いしたのでございますが、私といたしましても、このPKOへの参加に当たっての五原則というのがございますが、この五原則が崩れない限り努力をしていくべきである、こんなふうに考えるのでございます。 しかし他面、この停戦協定が一部崩れてきているというのも事実でございまして、いろいろな事件が起こってくる、あるいは武力の衝突があるということが見られるのでございますけれども、こういうことをもう少し、基本の枠組みは崩れてない、したがって紛争当事者の間で停戦の合意が依然として成立しているのだというようなことをもう少しわかりやすく御説明をしていただきたいと思うのであります。つまり、どういう状況になればこの停戦の合意が崩れるというようなことになるのか、そういったことも例として、これはいろいろな状況が考えられますのでなかなか難しいことでありますけれども、例えばの例として引用しながらもう少し具体的にわかりやすく御説明をいただきたいのでございます。
○河野国務大臣 委員が御指摘になりましたが、五原則に基づいて我が国からUNTACに人員を派遣しているわけでございまして、その五原則のうち主として三つ、停戦の合意ができているかどうか、それから当時者間が派遣に同意をしているかどうか、そしてUNTACそれ自身が中立であるかどうか、この三つがまず派遣の一つの前提でございます。もちろんそれ以外に中断、撤収が日本の独自の判断でできるかどうか、そして武器の使用、これが五原則でございますけれども、まず最初に、停戦の合意ができているかどうか、当事者の同意があるか、そこにある国連のUNTACが中立的であるかどうか、この三つを確認して我が国は人員を派遣をするということになるわけでございます。 停戦の合意は、先ほども申し上げましたように、カンボジア国内にございます四つのグループがそれぞれ合意をして、パリの和平協定でカンボジア四派がそろって署名をしてこの停戦を確認をいたしました。その停戦を確認いたしました四派は今日でもなおその停戦協定への署名をそのまま遵守するということを言い続けているわけです。例えば五月の六日でございましたか、北京におきまして、シアヌーク殿下の呼びかけによって四派が集まるという会合がございました。当日はポル・ポト派は欠席をいたしましたが、ポル・ポト派を除く三派は北京に参りましてシアヌーク殿下のもとで会合を開いておりますが、その会合が終わりました後で共同コミュニケを発表いたしております。十項目から成る共同コミュニケでございますが、その共同コミュニケには、パリ和平協定の遵守ということを確認をし、和平プロセスとしての選挙の実施を確認をしているところでございます、これは三派でございますが。 そして、その会合に欠席をしたポル・ポト派も翌五月七日に独自でプレスブリーフ、記者会見を行いまして、そのプレスブリーフの中でパリ和平協定を厳格こ実施をすることを求める、こういう会見をしているわけでございます。これはパリ和平協定を否定するのではなくて、むしろパリ和平協定をもっと厳格に実施しろということを求めているわけでございまして、ポル・ポト派が和平協定を否定するとか破棄するとかいう言動をしたことはございません。またSNC、その四派によりますカンボジアの最高機関と言われているものでございますが、そのSNCからポル・ポト派は脱退をするということを言ったことはございません。 したがいまして、一堂に会しての発言あるいは共同コミュニケであれば我々ことってはもっとわかりやすいわけでございますが、残念ながら三派とポル・ポト派は分かれてそれぞれ共同コミュニケを出し、一方では記者会見を行ったわけですが、二つに分かれましたけれどもそれぞれ和平協定を遵守するということを言っているわけでございまして、このことはパリ和平協定の柱となります停戦の合意をそれぞれが確認をしているということと考えてよろしいかと思います。停戦の合意、合意というのはまさに意思の問題でございますから、それぞれがこれを確認をするという意思を表明するということは、これは停戦の合意を確認をしたと考えてよろしいかと思うわけでございます。 それでもう一つは、UNTACが中立的であるかどうかという問題があろうかと思います。このUNTACの中立性については、UNTAC自身、選挙を行うに当たって四派の選挙への参加を終始求め続けてまいりました。ポル・ポト派はこの選挙への参加を今はしないということを言っておりますが、UNTACといたしましては常にポル・ポト派に対して門戸を開いて、参加をするということであればいつでもその参加を認めるという態度をずっととり続けてきているところでございます。したがって、ポル・ポト派による選挙不参加という意思の表明はございますけれども、UNTACがポル・ポト派を締め出したとかということはないわけでございまして、UNTACの中立性は当然保たれているというふうに考えているわけでございます。 外国からのUNTAC要員のUNTACへの参加は、停戦の合意と同じように各派ともにこれを認めているところでございますから、五原則の最初の三つはそれぞれしっかりと保たれている。 そしてさらに、その次の二つ、独自の判断で中断、撤収、これはもう我が国はそうした考えを法律によって確認をいたしておりますし、UNTACへの参加に当たりましても、我が国は国際平和協力法にのっとって参加をするということを説明し、理解を得ているところでございますから、当然その五原則は維持されている、こう考えてよろしいかと思うわけでございます。
○井上(喜)委員 当面は選挙に向けて、それが成功できますように、選挙ができるだけスムーズに実施できるように最大の努力をしていかないといけないことは当然でありますけれども、しかし率直に言ってこの治安の状況もだんだん難しくなるということが予想されますし、いろいろなニュースが飛び交っておりますけれども、ポル・ポト軍が何か移動したとかあるいはポル・ポト派を除く三派の間がぎくしゃくしているとか、そんなことが伝えられるのでありますが、率直に言って選挙が実施できる見通しはどうなっているのか、その点をお聞きいたしたいと思います。
○池田政府委員 ただいま官房長官からも御答弁がございましたように、現在のカンボジアにおきまして、種々の暴力行為あるいはテロ活動が発生しているということでございまして、これは全土にわたるものではございませんが、一部においては治安状況は明らかに悪化しているということは否定できない事実でございます。 UNTACとしても、こういう可能性に備えて現在投票所の数を削減するとか、あるいは投票所の警備に当たって安全対策を強化していくとかというようなこともやっておりまして、何とか選挙は実施したい、予定どおり実施する、しかも、それも犠牲者を出さないで安全に実施するということで行いたいという構えを示しております。そして、私どもといたしましては、このUNTACの努力に対してこれまでどおり支援をしていきたいというように考えているわけでございます。
○井上(喜)委員 選挙に向けて努力をしていくということだったと思うのであります。 それで、時間の関係で、あとまとめて御質問いたしたいと思うのでありますが、一つは、殉職者の方、高田警視、それから重軽傷を負われた方がございますけれども、こういった方々に対する補償あるいは名誉を顕彰するようなことは、当然これはやらないといけないと思いますし、また、そういったことを通しまして広く国民にPKO活動というものが理解されるようになるんじゃないかと思うのでありますけれども、現在までにとられた措置あるいはこれからとられようとしている措置について御説明をお願いいたしたいということ、これが一点であります。 もう一点は、国連のボランティア活動について政府の方としてはどんなお考えなのか。日本の場合は概してボランティア活動というのは、どちらかというと余り評価されない分野だと思うのでありまして、これから国連のボランティア活動にとどまらず全体としてやはりボランティア活動を評価するような仕組みといいますか手だてをつくっていかないといけないと思うのでありまして、この点についてどういうようなお考えがあるのか。特に国連のボランティア活動についてのお考え方あるいはそれに対する対処、どういうようなことをしているのかというようなことをお聞かせいただきたいと思います。
○萩政府委員 まず、我が国文民警察官でありました高田晴行警視に対しましては、国際平和協力業務に従事する者に対する特別ほう賞実施要領というものを決めてございまして、それこ基づきまして先般、内閣総理大臣特別ほう賞が行われたわけでございます。それからもう一つは、最高額を五千万円とする賞じゅつ制度がございます。さらに、国家公務員災害補償給付制度がありまして、特別な場合には五割増しにするという規定がございます。そういったものを最大限利用をして高田警視に報いたいということで、でき得る限りの措置をとる方向で今検討を進めておるところでございます。 それから、国連ボランティアの中田さん、これはまた海外における社会奉仕活動従事者に対するほう賞という制度がございます。それに基づきまして内閣総理大臣ほう賞、外務大臣表彰が行われました。 また、より一般的に邦人国連ボランティアの方が事件に遭った場合の政府の補償のあり方、これは現在、政府内で検討を行っているというところでございます。 いずれにいたしましても、カンボジアにおける国際貢献で亡くなられた方の功績をたたえ、また国民の御理解を得るということからもさまざまな褒賞制度それから補償制度、こういったものを最大限生かして亡くなられた方の功績に報いたいということを考えております。
○井上(喜)委員 もう時間が参りましたので、このカンボジアにおけるPKO活動が成功裏に終わりますように、しかも安全に目的が達成されるように心から期待をいたしますとともに、今カンボジアで起きておりますようなこういう経験が、モザンビークに要員派遣が既に始まろうとしておりますけれども、こういった中に生かされますことを心から期待をいたしまして、質問を終わります。
○牧野委員長 大出俊君。
○大出委員 本題に入ります前に、外務省に前もってお願いをしているのでありますが、三月の二十五日でございましたが、私の質問で、神奈川・横浜に御親戚がお住まいである箱守平造さんという方、つまりおじさんに当たる方が、ちょうどソビエトのスターリンの大粛清の時期でございまして、野坂さんの問題なども出てきておりますが、相前後してスパイ容疑ということで銃殺をされていたことがわかりました。 これはテレビ局の皆さんが、モスコー州のKGBといったらいいのでしょうか、KGB本部にキャスターの方々がお出かけになりまして、これはフジテレビの方でございますけれども、一九九一年十月十六日、十一月一日、二回フジテレビで放映されておりますが、私も見ておりまして、ここにテープがございますが、モスコー州のKGB本部のスタッフの方が出てきてキャスターの皆さんに説明をしている。見直しをしたのだけれども無実であった、しかし日本の外務省には伝えていない、こう言っているわけであります。これに出てまいります。ところが 御遺族の皆さんの方にすると、お盆が来ると命日のない位牌を飾って関係者みんな集まって涙を流すようなことが続く、どうしたんだろうかと言う。 したがって、渡辺美智雄外務大臣にあらかじめいろいろ私申し上げておきまして御答弁をお願いしたのでありますが、御指摘のような事情であるとすれば、これはソビエト側が見直して無実であると言っているのであるとすれば、日本側の遺族の皆さんに一日も早く事の真相を明確にしてあげなければならぬと思う、だからそれなりの努力をするという御答弁がございまして、欧亜局のロシア課の皆さんから前もって何か二、三回連絡がございましたが、私は枝村大使に直接と思ったりしたのですけれども、どうかひとつ、ことしもお盆が参りますから、その後の状況を冒頭に答えておいていただきたい。箱守平造さんの銃殺事件にかかわる問題でございます。
○野村(一)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘の点につきましては、先生から三月二十五日の時点で問題提起をいただきました。その後、外交ルートを通じましてロシア外務省それから保安省に対して事実関係の調査を申し入れました。同時に、やはりこういう人道的な問題につきましてはきちんとロシアとの間で事実関係をはっきりさせるべきだという考えに基づきまして、先般、G7の閣僚合同会議にコズイレフ外務大臣が参りましたが、その際に別途日ロ間の外相会談が行われました。その際に、私どもの武藤外務大臣の方から、本件につきましてコズイレフ外務大臣に対しましてきちんと取り上げをいたしました。 現在、これまでのところまだ調査中であるという域を出ておりませんけれども、ただいま申しましたように、外相レベルでの問題提起を踏まえまして、きちんとこの点につきましては外交ルートを通じましてはっきりさせるようにいたしたい。 結果があり次第、やはりこういった点につきまして、御本人のプライバシーの点にもきちんと配慮する必要があろうかと思います。そういうことをきちんと念頭に置いた上で、御親族の方への情報の伝達ということにつきましても遺漏なきようにしたい、そういうふうに考えている次第でございます。
○大出委員 御努力いただいている点に感謝をいたします。 実はこの一族、箱守一族と言うわけでございますが、NHKテレビの太平記がございまして、あの「太平記の里」という報道に、茨城県の関城町関舘というところなんですが、大きく取り上げられまして、南朝を支持している一族で、楠木正成の時代、同じように北畠親房等を中心にして戦ってきた一族なんです、箱守一族というのは。ちょうどこれを私調べている時期にそこらが表に出てまいりました。そういうこともございまして、非常に関心を持つ方もおられる。ぜひひとつ、今の御答弁に従いました御努力をお願いしたい。 これは一人じゃないのでありまして、六人おりまして、沖縄にはまだ銃殺された方の奥さんと娘さんがおるわけでございます。相当な年で、奥さんは病院に入っておられる。そういうこともございますので、ファイルがあって、銃殺された日本人六人の写真が張ってあるわけですから、それが先方で見直したら無罪だったというのですから、こんなばかなことは放任できませんので、ぜひお願いしたい、こう思います。 ありがとうございました。 そこで、本題に入らせていただきますが、昨日の宮澤さんの記者会見でございますけれども、テレビで見たり、けさ新聞で慌てて読んだりいたしてみましたが、何かどうも不自然な感じがいたします。本来、金で平和は買えないのでありまして、ここまで来てこういう痛ましい、高田さん以下五名の方、重傷、軽傷の方を入れて五人になるだろうと思うのでありますけれども、これも後で警察庁から承りたいのですが、本当に残念、断腸の思いどころじゃないのです、私にすれば。 私自身が旧軍の兵隊でございますからね。出征兵士でございますから。しかも豊橋陸軍予備士官学校の十一期でございまして、卒業して見習い士官になった途端に、私は一中隊の一番だから幹部候補生教育の教育要員に残された。鐘紡の会長をやっておった伊藤淳二君なども、これは三中隊、私は一中隊ですが、一番だから教育要員で残った。ついこの間死んだ大正大学の学長の安居香山君なども教育要員で残った。まだ一人、今生きていますが、目黒の雅叙園観光ホテルの総支配人工藤勉君なんというのは、沖縄本島に行くつもりだったら宮古に行った、ほんのわずかだから一番先に殺されると思ったら米軍が本島だけ攻めたから助かっているというのもいる。それだけに、この諸君をそういう戦場に送る召集令状、学徒出陣で出ていってからずっと一緒にいたのですから、それこそ断腸の思いどころじゃないのですね、出ていけば死ぬだろうと思っているのだから。それで、私が一番なんですが、二番の武川君という慶応の空手部の主将、後で沖縄戦史を調べてみると一番先に戦死しているのです。それだけに沖縄の返還国会を私は一生懸命やった一人なんですけれども。 PKOの問題をめぐりましても、これは私はある意味では戦死だと思うのですよ。だから、そこらを考えると、これは断腸なんというものじゃない。我々の生きているうちに二度と再び日本の若い人が外国に行って鉄砲の弾で死ぬというようなことがあってはいけないんだ、広島の原爆のところの碑じゃありませんが過ちは再び繰り返さないということになっているのだから、そういう気持ちが強いのであります。 総理は、仕方がないななどと言って非常に不評判でございましたが、仕方ないなと言ったのは、軽井沢をお出になるときにどういうおつもりで言ったかわかりませんが、仕方ないな、この辺で業務停止でもするかというのなら話はまた別なんですけれども、そうではない御発言だけに私も非常にかちんときておりました。 そこで河野さんに承りたいのは、どうも決意先行、不安が残るということでございまして、緊急支援の実効性に疑問を感ずるのですが、百万ドルというのはどういうつもりなんでしょうか。具体的に何に使うのか。国民の金ですから、一億一千万というのは。あわせて、今まで日本はカンボジアにどのくらいの資金提供をしておりますか。そこを二つ承りたい。
○小西説明員 お答え申し上げます。 UNTAC要員の一層の安全対策強化のためには、カンボジア各地で活動を行っている要員のための水や食糧などを初めといたします物資の輸送やUNTAC要員の移動のための手段としてヘリコプターなどによる輸送能力の強化が必要とされておるわけでございます。そのために国連は、各国に対しまして輸送能力の増強を柱とするUNTACの安全対策強化に向けた一層の協力を要請しておるわけでございます。 政府といたしましては、国連からの要請にこたえまして、UNTACによる輸送能力増強のための経費に充当するため、国連に対して百万ドルをめどとする緊急拠出を行うことを決定したわけでございます。これは安全対策強化の一環として我が国が行う貢献ということで決定したわけでございまして、詳細については今後国連と協議することとなっております。
○大出委員 百万ドルと丸い金額でございまして、普通積算をするとすればそう簡単に百万ドルというようなことにならぬですよ。 私は断っておきますが、河野さんの、官房長官の御見識は、もう同じ神奈川でございますし、あなたと二人で知事候補の応援をやったこともありますし、知り過ぎているんで決して官房長官を疑おうとはしませんが、どうもこの握りで百万ドルなんというのは、閣内で小泉さん、これも神奈川だから、私の隣の選挙区だからちょっと困るけれども、この小泉さんの言ったことに対する河野さんの御発言もあるんで聞かざるを得ないと思っておりますが、小泉さん流の御発言は、非常にたくさんある、多い少ないは別ですが、国論を二分して、私どもは牛歩までやってさんざん皆さんに怒られた。議員辞職まで出してめちゃくちゃになった。しかし、さっき私が申し上げたように、私も旧陸軍少尉だから、戦友たくさん殺しちゃっているんだから、私も必死でやりました。だからそっちを支持する方もたくさんいるんですよ。だから小泉さんがああ言ったら、いいことを言ってくれると言う方がたくさんいるんですよ。これは自衛隊の皆さんの中にもいるんですよ。警察官の中にもいるんですよ。そうでしょう。そうするとこれは大変だという気になるんだと思うんですよ、総理宮澤さんにすれば。これは、選挙制度、政治改革も必要だけれども、一つ間違うとこれはえらいことになるということになるでしょう。 緊急記者会見で百万ドルと、そこがどうも解せないんですよ。何で百万ドルなんだ。今のお話じゃさっぱりわからぬ。だから、もしきちっとした積算の根拠でもあるんなら後からお出しをいただきたい。 そして、トータルで一体幾ら国民の税金をカンボジアにはお出しになっているのかをお答えいただきたい。 それから、万全を期す、協力の続行に決意を表明をされて、選挙をやるんだ、つまり、こちらから行っている自衛隊の皆さんにしても、あるいは選挙監視の皆さんにしても、あるいは文民警察官にしても、こういう方々の安全に対しては万全を期す、こうおっしゃっている。しかし中身がない。万全を期すと言うんだが、どういう中身なのか。村田さんが行かれたけれども、さっぱりどうも、日本だけそんなことを言ったってそんなことはできませんよというので終わっている、結果的には。そこをどうお考えなのか。 三点お聞かせいただきたい。
○河野国務大臣 PKO法審議の際に大出委員初め多くの方々から貴重な御意見をいろいろお聞かせをいただいて、さらに今御披瀝になりましたように御自身の戦前の御体験もあるわけでございますから、そうしたお話は拝聴をするのは当然と心得ております。 しかしながら、国際平和協力法が成立をいたしました今、その法律に基づいて新たな国際社会の中における平和維持活動あるいは平和秩序を模索するために我が国としても法律の範囲内ででき得る国際貢献をしていこう、こういうことに今なっておるわけでございます。 問題は、そのために人的貢献をいたしますときには、その人的貢献はあくまでも安全の確保があって、そして一人一人がみずからの能力をそこに発揮をして国際貢献をしていくということでなければならないのは当然のことでございます。したがいまして、カンボジアにおきます七百名の日本から派遣をされておりますUNTAC要員を初めとして、世界各国、各地からおよそ二万人を若干超える人数の人たちがカンボジアの永続的和平を築き上げるためにあの地へ行っているわけでございまして、これらの人々がカンボジアの国民の希望、期待、そういうものを達成するためにカンボジア国民とともに永続的な和平をつくり上げるプロセスを一つずつ築いていく、そういう作業が行われているわけでございますから、日本といたしましてもこれに参加をし、こうした目的達成のために貢献をするということになれば、ただ単に人的派遣を行うだけではなくてこのUNTACの活動の目的が達成されるようにさまざまな支援をする。資金的な援助ももちろんする、技術的な援助もできるものはするべきだ。と同時に、安全確保についてもやれることはやっていかなければならないと思うわけでございます。 そこで、委員が今三つお尋ねになりました。資金が今幾ら提供されているかについては政府委員から後ほど御答弁を申し上げますが、万全の対策をとる、こう政府は言っておるわけでございまして、一体何が万全の対策か、こういうお尋ねがまず第一点ございました。 私どもは、基本的に申しますと、UNTAC要員の安全はUNTACが行うというのがこれはまあルールでございます。したがって、我々が横から自分たちの関係者だけの安全を云々するということは、これはまあルールからいうと必ずしもいいことではございません。したがって私どもは、日本人UNTAC要員を含むUNTAC要員全体の安全についていろいろと考えて、また提言もしてきたわけでございます。 その中には、例えば文民警察の方々が現在おられる地域の中でもし生活環境が極めて劣悪になって、何といいますか生命維持の最低レベルも維持できないというような地域があれば、当然それは本来の職務も遂行できないわけでございますから、そういった地域については場所を変えるということは、これは何も日本人の要員だけを変えるという意味ではなくて、そこにおられる文民警察全体の移動ということまで含めてお考えになってはいかがかというようなことまで提言をしているわけでございます。 さらに、防弾チョッキの問題にいたしましても、どうもそれぞれがそれぞれの判断で防弾チョッキの着用をする、あるいは防弾チョッキの質の問題についても問題があるということもございまして、これらについても私どもはもう少しレベルの高い、安全度の高いものに防弾チョッキを取りかえるあるいは支給をしてほしいというようなことも申し入れるというようなことも申しました。 それから、選挙要員につきましては、自国から部隊を派遣している国はでき得る限りその部隊の周辺にむしろ配置することがいろいろな意味で安全度も高まるし、それから仕事の効率も高くなるのではないかというようなことを申し入れをいたしましたり、我々にとりまして今やり得る最大限の問題を集まり協議をし、申し入れをするというようなことを何度となく繰り返してきているところでございます。 また、村田大臣はそうしたことを明石特別代表と高いレベルで協議をし、提案をし、そしてそこで問題があれば直ちにその問題解決のために努力をする。 先ほど来お話がございます日本からの拠出金にいたしましても、政府委員が御答弁を申し上げましたように、例えばヘリコプターという輸送機材が今UNTACではおよそ三十機しかない、あるいは三十機もあるという判断もあるかと思いますが、明石特別代表から、三十機のヘリコプターではこれはもう足らない、これから雨季にもなるし陸路を動くことはなかなか難しい、そこでヘリコプターの数を何とかしてふやしたいという強い御要請もあったというふうに伺っておりまして、これらについても我が国として、日本から機材を持っていくというわけには時間的にもなかなか間に合わないわけでございますから、直ちにチャーターをする等の措置がとれるような手配をするといったようなことまで含めて考えているところでございます。
○大出委員 時間が短いわけでございますから具体的に承りますが、私は、その程度のことで安全の確保はできない。万全を期すなどというのは言葉だけの表現で、UNTACがやっているのは全部UNTACがやるのだということであれば、あそこの安全の責任はUNTACが負うわけですから、その中で日本でやれることだけをやるということでしょう。日本側でできることは日本がやる、しかし全体としてはUNTACが安全も含めて責任を負う、こうなんですから。 ですから、そういう意味でいきますと、世の中に今いろいろな議論があり、小泉純一郎さんが閣内でしゃべったというように、血を流すという議論はしていないのですよ。私ま、これまたくさんございますけれども、大分方々にお骨折りをかけましたが、議事録をこんなに集めてみた。この間の国会、予算委員会や特別委員会や何かでどういう議論があったのか、海部さんは何を言って、宮澤さんは何を言ったのか。血を流すなんという議論は一つもしていないのですよ。安全だ、安全だ、安全だと。言い方はいろいろありますけれども、いけなけりゃ日本独自の判断で帰ってくるのだ、全部そういう答弁なんですよ。たくさんありますよ。 海部さん、一番早いものからいうと平成二年十月十九日。これは湾岸戦争がござしまして、あのときもクルドや何かありましたから、PKOという問題が出ている。法案も国会に出されている。ここで結論だけ申し上げますが、「皆が戦火を開かないでどうして平和解決するかを願っておるところであります。もし始まったらどうするかと言われたら、その段階で判断いたします。危険なところへは出しません。」これは海部さん。これは当たり前、「危険なところへは出しません。」と答えている。 ここから始まりまして、時間が全くもったいないから少し後の方を申し上げますと、これは平成四年二月四日、宮澤さんの答弁。「国連から要請がございまして、しかも紛争当事者の間で停戦の合意ができて、その上で、ひとつぜひ来てくれろと、」こうなっている、広島弁かどうか知りませんが。「ぜひ来てくれろと、」こうなっていますね。「ぜひ来てくれろと、当事者ばかりでなくその周辺の国々も我が国の参加に同意をし要請をしているということが必要でございます。あと、そうやって派遣されました維持隊は、いずれの紛争当事者にも偏ることなく中立てなければならない。」これは法律に書いてあるとおりです。「そしてまたその仕事を執行いたしますにつきましては、仕組みを設けまして国連のコマンドのもとで仕事をしなければならない。そうして、今申しました原則が満たされないときには、これは我が国の憲法の特殊性からいたしまして参加した部隊は行動を中止する、また撤収をすることができる。」と、はっきり言っているのですね。 だから、とんでもない、こんな危ないものになるなんということは議論してない。ところが後藤田さんの発言など、PKOというのは本来危険と紙一重でどうなるかわからないものだなんというようなことを今になって言い出す。あのときにそういうふうに言っておかなかったのがまずかったなんという意見も皆さんから出てくる。これは間違いだと私は思うのです。 だから、これは国民に対する約束なんですから、そういう意味で、私の考えを先に申し上げておきますが、ここまで来たら日本は、小泉さんじゃないけれども汗はかいても血を流すことを国会で議論したのじゃないのだから、批判があっても何でも、ここで約束したとおり、中断するものは中断する、撤収するものは撤収する、それを直ちに検討する時期に来ている。でなければ、次の犠牲者が出たらどう責任を負うか、ここのところをひとつはっきりしてください。小泉発言をどうお考えなのか。そして、今申し上げた、二つしか挙げませんが、たくさん議事録があるのですが、総理が国民にはっきり約束しているのだから、その時期ではないか。
○河野国務大臣 まず、郵政大臣の御発言でございますが、閣議の中で大臣から特に御発言がございまして、我々は汗を流すということは言ったけれども、血を流す、血を流しに行くというようなことは言っていない、汗を流しに行くと言ったのであって血を流しに行くというようなことは言っていない、こういう事態になれば相当考えなければならぬというような御発言がございました。 しかし、その御発言も、全体の御発言、そしてその御発言の最後の締めくくりは、政府において十分慎重にやってほしいということを言われて、結論的には、内閣の方針には自分はもちろん閣僚の一人として従うのですよという御発言でございました。つまり、我が国の国際貢献において要員が死傷するような事態は極めて遺憾な事態であって、要員がこれ以上危険に瀕することのないようにその安全対策を最大限に努力してやるべきだ、今後の事態の進展をよく把握していく必要がある、こういう趣旨で述べられたというふうに伺っておるわけで、それは私は、閣僚が閣僚としてさまざまな事態に御自身の御意見を述べられる、私どもが実は担当しておりますから、担当しております私どもに対していろいろ御注意があるということは、それはもう当然のことであって、ありがたいことだと思っております。それに対して、私どもも答弁をし、考え方を述べる、結果として、十分UNTACに対しても申し入れをするし、慎重にやれよということで内閣の方針に従っていただく、それは当然のことだ こういうやりとりでございました。 それで、おっしゃるように十分注意をしてやっていかなければならぬというふうに思っておりますが、これはもう釈迦に説法でございますから余り長く御答弁は申し上げませんけれども、もともと本来PKO活動というものは、武器を持たないで、信用と説得というものをいわば武器として行うという、つまり和平を実現するというのが本来のPKO活動でございます。そして、宮澤総理がおっしゃったという今の議事録のとおり、まさに停戦の合意がなされて、当事者からUNTACが歓迎して迎えられて、各国要員がそれぞれかの地に赴いて、そしてUNTAC自身も中立的な姿勢を保ってやっている、今そういう状況でございますから、確かに総理もおっしゃったように、そういう状況がなくなったということであれば、それは委員がおっしゃるように次のことを考えなければなりませんが、現状は五原則が守られているという認識を私どもはいたしておりますので、どうかその点は御理解をいただきたいと思います。
○大出委員 官房長官の時間があるようですから、もう一つ、おられるときにと思って、実は五原則は崩れたりという立証をしたいのですけれども、時間がなくなってまいりましたから、さっきいみじくも官房長官の報告の中に、SNC、最高評議会の問題、それからベトナムの諸君がいるという問題をポル・ポト派、民主カンボジアの皆さんが言っているのですね。 ここで一つ、議論こ余り出てきていないから具体的に取り上げておきたいのですが、官房長官の時間がありませんから続けて言いますけれども、調べてみますと、一九八九年九月二十二日に、数十万とも言われたベトナム軍がカンボジアから撤退する、国際的な圧力もありまして。中国などもいろいろ言ってました。このとき、私は調べに行ったことがあるのですが、ベトナムのグエン・コ・タク外相は、撤退に際しての声明で、四万人の志願兵を、志願兵と言わざるを得なかったと思うのですよ、私は後で調べに行きましたが。四万人の志願兵をカンボジアに残すことを声明の中で明言しているのですよ。これは議論になったと思うのです、志願兵とは何だと。四万人。だから、少なくともこれ以上の残留のベトナム軍、しかもその後もカンボジアとベトナムというのは自由に行ったり来たりしているのです。ふえることはあっても減らない。この見方が出てくるのは当然なんですよ、これが一つ。まあUNTACはベトナム兵八名しか表に出していないのですが。 そこでもう一つ申し上げますが、実は今ポル・ポト派の皆さんが反対をしている焦点の一つは、私はポル・ポト派の肩を持つのではないのですよ。私の本当に親しいお医者さんが、河野さんも御存じだが神奈川県病院協会の会長の小野肇先生が、この間、アンコールワット、アンコールトムがなくなってしまうというので写真を撮りに行った。そうしたら、ポル・ポト派の時代に百三十人ぐらいいたそれを守っている文化人的な方々がみんな連れていかれて帰ってこない。三十人くらいしか残っていないというのですよ。手の打ちようがない。憤りを感じまして、ふざけるなという気になったのです。そんな気持ちを持っていますよ。持っていますが、物事を正確に判断するのには、両当事者の言い分がはっきりわからなければ判断できませんよ。そういう意味で申し上げたいのです。 現在、撤退したときを境にしてカンボジアにいる新旧のベトナム人の数は二百四十万人に達している。具体的に数字を挙げているのですよ。そして、うち百三十万人は既にカンボジア人ID、つまりカンボジアの人間の権利を取得している。ベトナム人なんだが与えられている。UNTACに有権者としてこの百三十万人の方々が登録をされている、こう言っている。これまどこで言っているかといいますと、一九九三年三月九日にキュー・サムファン民主カンボジア議長、これはSNCのメノバーなのですが、声明を出しているわけです、なぜこういう方向で我々は行くのかということを。 そこで、時間がないからあわせて申し上げておきますが、カンボジアの人口というのは幾らあって有権者は幾らなのですか、後で答えていただきたいのです。だから、ベトナムの人の数は小さな数じゃないのです。 そしてポイントは、九一年十月二十三日のパリ協定というのは二つ問題の焦点があると言うのです。この声明の中で明らかにしている。 一つは何かというと、すべての外国軍は撤退しなさい。外国軍というのはベトナム軍だ。再び復帰することがあってはならないのだ、その検証をUNTACはするのだ。はっきりしている。 それからもう一つは、国の防衛、公共の安全、外交、財政、情報というような選挙の結果に直接影響を与える可能性のある五つの主な分野を、SNCに権限を与えてUNTACが一緒に協力、監督をする、こういうことになっておる。 確かに、ここにございますが、協定を読んでみてもそうだ。第四節第八条。第四節は「外国の軍隊の撤退及びその検証」、第八条、最後のところだけ言いますが、「カンボディアに残留しているすべての外国の軍隊、軍事顧問及び軍の要員は、その武器、弾薬及び装備とともに、カンボディアから撤退し、また、同国に復帰してはならない。」こうなっている。これはパリ条約ですよ。そして「UNTACの検証に従う。」となっている。その検証をしないというのはどういうわけだということですよ。八名しか表へ出さないじゃないか、何だというわけだ。 それからもう一つは、今申し上げたように、長くなりますから避けますけれども、つまり武器にしても七〇%まで減らしていくというのから始まりまして、SNC、最高評議会に選挙に直接関連する五つの問題の権限を与えて、それをサポートしていくのだということになっている。 ところが、ポル・ポト派の方から幾ら申し入れたって何にもしないじゃないかというわけですよ。やっていることは何だと。「内外のカンボジア人は、UNTACを「ユオンタック」または「ユオンテック」または「ユオンタ」と呼んでいる」。この注釈として、「ユオンはベトナム人の蔑称」である。「彼らはまた、UNTACがベトナム人売春婦に快楽を求め、ベトナム侵略者と共謀する以外のことは何もしていない」。UNTACの人たちがベトナムの女性と一緒に車に乗って走っているのですよ。こんなことをされて黙っていられるかという憤りをぶつけているわけですね。私も大きな批判をポル・ポト派に持っているが、これを見ますと、こういうことになるのですね。 カンボジアの歴史というのは本当にひどいもので、過去はこういうことなのですね。七〇年のロン・ノル政権を米軍が入っていってつくって以来、今度は逆に民主カンボジアの統一戦線ができて、共産党も反共産党もみんな一緒になってやった時代。そしてとうとうシアヌークさんが政権をとる。その後今度はポル・ポト派になる。ポル・ポト派の数年間を経て、一九八四年に今の政権、ヘン・サムリン政権ができる。ソビエトがサポートして、表にベトナムの軍隊が出て、大挙して軍隊がカンボジアに入ってポル・ポト派をタイの国境に追いまくっておいてヘン・サムリン政権ができる、八四年から八九年、五年間。そしてベトナム軍カンボジアから撤退、こうなのです。 今申し上げたように、これをやってないじゃないか。ここのところを本当に片づけるつもりでなければ。河野さんの時間がないから結論を先に申しますが、実は私が先を見て撤退しなければえらいことになると考えているのは、仮に選挙が終わっても内線だと思うからですよ。アンゴラを見てごらんなさい。武装解除ができなかった。犠牲を払って選挙をやった。やったのだが、終わった途端に選挙は不正があるというのでいきなり内線が始まってもとに戻ってしまった。壮大な何十億ドルという金、だから国民の金を幾らかけているのだと聞いているのだけれども、もとのもくあみでもとに戻ってしまったのでは意味がないじゃないですか。日本の信用にもかかわるでしょう。国連のPKOも大変信用を落とすでしょう。それも私は心配するのです。だから、明石さんがポル・ポト派を名指しで批判して、ポル・ポト派を除いたプノンペン政権を初めソン・サンさんのところやラナリット氏のところに話をして三派で守れ、投票所をそこにつくるのだからおまえたちやれ、協力してUNTACもやるからと表に出したこの姿勢は中立じゃないですよ。一つ間違ったら、明確にポル・ポト外しです。最近は武器まで戻しているわけでしょう。明石さんはつらいと思いますよ。つらいとは思うけれども。また日本政府も、ちゃんと国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の第三条の一号の終わりに「いずれの紛争当事者にも偏ることなく実施されるものをいう。」となっている。国連もそうなのだ。 こういう状況でまず聞きたいのは、ベトナム軍が撤退をするときに四万人志願兵を残してきた、今百三十万人が登録している、二百六十万人ぐらい帰ってしまっている、こういう具体的な数字の指摘。カンボジアにいる新旧ベトナム人の数は二百四十万人に達している、そのうち百三十万人はカンボジアの籍を取って登録している。だから、今カンボジア人というのは有権者を含めて一体どれくらいいるのだ。これが事実なら大変なことになるのですから。だからそこのところを明確にして、これからどっちの方に向いて進むかを考えてくれないと困るので、ちょっと答えていただきたい。
○河野国務大臣 数字その他細かいことは政府委員から後まど答弁をさせていただきたいと思いますが、非常にラフなことをまず最初に申し上げますが、現在のカンボジア人の人口はおおよそ六百万、いや八百万と言われております。そして有権者登録を、今選挙人登録を進めておりますから、推定有権者の中でその選挙人登録はおよそれ割近くまで進んでいる、こう言われているわけでございます。有権者の九割近くが選挙人登録に応じているということは、これは有権者のかなりの部分がというか、ほとんどの人たちが今回の選挙に参加をする意識を持っておる、今回の選挙に期待も持っておるということの証左と申し上げていいかと思います。 そこで、今大出委員がおっしゃいましたように、ポル・ポト派の存在というものがやはり何といっても非常に気がかりでございます。ポル・ポト派と言われる人たちの中には、UNTACに対して懐疑的、疑問を持つ人たちが中にはおられるということも、あるいはそうであるかもしれません。あるいはまた、先ほどもちょっと申し上げたところでございますが、選挙が近くなると各派ともにそれぞれさまざまな宣伝合戦もあればいろいろな戦術もあって、選挙の結果を予測してその後起こるであろう事態を考えれば、この場面ではどういう態度をとるか、対応をとるかというようなことを含めた宣伝合戦も行われるということもまたあるかもしれません。我々は、今日の状況でさまざま行われていると思われる宣伝合戦、情報を集めるということは何より大事でございますから、さまざまな情報を集めると同時に、その中でどの情報が正確に当を得た情報であるかどうかということを選別しながら細心の注意を払っていかなければならぬと思います。 そこで、話が前後いたしますが、これだけ多くの人たちが選挙に参加をするということを示しているということも踏まえて、我々はUNTACを支持してきたわけでございます。 今大出委員がおっしゃるように、UNTACは果たして中立かという御指摘でございますが、UNTACがこれまで終始四派に対して呼びかけを行い、選挙に参加しないというポル・ポト派に対しても門戸を開き続けて、いつでも参加をする意思があれば参加できるという態度をとり続けてきているということもまた事実でございまして、こうした態度は明石特別代表も中立性を保つために大変に努力をしておられるというふうに我々は考えていいと思っておるわけでございます。こうした努力、特別代表の努力は当然UNTACの姿勢を示すものと考えて、UNTACの中立性は、選挙が近づくに従ってさまざまな状況の変化はありますけれども、中立性は保たれているものというふうに私どもは考えてUNTACを支持したい、そしてまた和平のプロセスの上で極めて重要なこの選挙戦を何としても安全、公正に行われるようにサポートをしたい、こう考えているわけでございます。 さて問題は、選挙が終わった後どういうことになるかということでございますが、現在の時点で選挙の結果を予測することは極めて困難でございますし、その予測困難な選挙後の状況を予測することはさらに困難なことでございまして、当面は選挙が公正に行われるようにできる限りのサポートをするというのが私どもの姿勢で、そのためにも安全対策をできる限りやろうという態度でございます。 あとは政府委員から御答弁をさせていただきます。
○大出委員 河野さん、ありがとうございました。 後で事務局の方で数字は聞きますから。私はこだわるのですよ。ベトナム軍が撤退するときに四万人を残していったことは間違いないのだから、減ってないことも事実だと私は思っている。そこらも含めて後で聞きます。 防衛庁長官、御出席いただいて本当に恐縮でございます。ありがとうございます。 一つ長官に先に承っておきたいことがあるのです。 ここに、これは実は実物をいただいてないのですけれども、防衛庁で昨年の六月十六日付で部隊幹部に配った文書があるのです。この文書、「現地で安全が確保されてから派遣することになっています。万が一にも武力衝突に巻き込まれることはありません。」ここにこのコピーがある。一、二、三の三のところに「また、PKOに参加する前提が崩れた場合には業務の一時中断、さらには派遣を終了することができるので、万が一にも武力衝突に巻き込まれることはありません。このような五つの前提については、我が国が既にPKO法案を策定する際に国連との間で合意を得ています。」こうなっている。長官、この文書が事実かどうか、コピーが来ているのだから私は事実だと思うのですけれども、これでいきますと危険は全くないということになるのです、この中身からすると。PKOは危険と隣り合っているのだなどと後藤田さんは言っているけれども、これはそうじゃないでしょう。全く心配ないと言っているのですよ。しかも国連との間に合意ができている。 さてそこで、その合意の方も長官に聞いておきたいのですが、これは外務省かもしれませんけれども、もし所管が違えばごめんなさい。私は合意ができてないのだと思っているのです。つまり国連との間で協定ができるものとばかり思っていた。できていないのですね。これは国会における約束じゃないか。五原則、そしてこういう場合には引き揚げる。コマンド、これは指図で指揮権というのはこういうものだ、幾つかの統一見解を出されましたが、それはよく話をして、それなりのコンタクトをとってちゃんとします、こうなっている。協定ができていない。口上書なのですってね。それではその日上書を出してくれと言ったら出さない。だから、「日本の独自行動」という防衛庁がお出しになったこの文書に書いてあるのは、つまり自己満足みたいなことであって、国連の側はそう受け取ってないし、協定上の約束になってない、私はこういうことになると思うのですが、もし見当違いであれば済みませんが、長官、よろしゅうございますか。
○中山国務大臣 ただいまの先生の御指摘のありました文書のことにつきましては私もつまびらかにしておりませんが、現在、UNTACと我が国の派遣部隊との関係、もう御承知のように長い間の各派の対立、混乱、流血ということが続いてきた中から、五月に行われる制憲議会の選挙によって新しい平和な国を取り戻そうというカンボジア国民の悲願、これに国際社会がこたえて今回のUNTACという姿になったのだと思っておりまして、UNTACが選挙がまだでき得る状態という判断をしている間は私どもも全面的にこの新しい国づくりに協力をしていくというふうな考えでおるわけでありまして、もし五原則が崩れる、選挙ができないという判断を下すような状況になった場合には、これは当然我が方としてもそれなりの判断を下さなくてはいけないし、またUNTACとも十分に協議をしていかなければならないというふうに思っておりますが、ただいま御指摘のありました文書につきましては政府委員からお答え申し上げたいと思います。
○大出委員 私がなぜ申し上げるかといいますと、私の知っている著名な軍事評論家なりルポライターなりは、次の標的は自衛隊ではないのかという見方を非常に強めているのですよ、最近聞いてみますと。 というのは、河野さんがいるときに聞こうと思ったのだが聞き損なったのですが、三月二十五日にベトナムの総理が日本に来て、官房長官同席をされて、一時間ぐらい会っているのですね。あのときのラジオ放送があるのですよ、ポル・ポト側の。そこらから、日本は敵だというわけですよ。これだけ民主カンボジア、ポル・ポト派の方はベトナムと対決をして、今度の選挙をこのままやられたらカンボジアのベトナムへの合併という選挙になる。有権者の中にも、さっきここで申し上げているようにたくさんのベトナム人が、カンボジアが与えた権利に基づいて有権者登録している諸君が百何十万もいる、全体で二百四十万もいるということだから、八百万しかいない人口なんですから。そういう意味で、そういうことなら、そこに協力をするなら、明石さんも日本人ですからという危惧がございます。したがって、防弾チョッキもいいのだけれども、それを使うようになったら困るのだ。これは大変なことになる。 防衛庁長官でいらっしゃるわけですから、そこのところを、私は本当だと思うのですが、この文書にございますように、そういう心配にならないように、どうすべきなのか。私は停止をして撤収すべきであると思っています。思っていますが、大臣の立場じゃなかなかそうもいかぬのかもしれない。しかしそこはよほど慎重に、自衛隊というこの国の将来に向かって大変な部隊を抱えておられるわけでございまして、信用という問題、国民の信頼という問題、いろいろな問題あると思うのです。そういう意味でちょっと今取り上げたわけなんですが、自衛隊に焦点が行きそうな感じが、「平成の軍隊」なんという著書をお書きになっている方なども、つい最近、次は自衛隊じゃないかなというようなことを言い始めている。そこらはどうお考えか、どうお感じになっているか、御答弁いただきたい。
○中山国務大臣 先生の御指摘がありましたような問題につきましては、私は、ポル・ポト派が今パリ協定の枠の中で、このパリ協定遵守ということを隠れみのにしながら今回の選挙あるいは選挙後の政治勢力を温存しようといういろいろな駆け引きを行っていると思うわけであります。そういうわけで、私は、いろいろな妨害活動をあるいは試みるかもわかりませんが、国際社会から派遣をされております部隊に対して直接的な行動をとるということは考えられないというふうに考えております。 ただ、私がポル・ポト派の指導者であって、たまたま日本の新聞とか世論を見るときに、この妨害工作の最も効果的なやり方は日本の部隊を攻撃することではないかなと思うかもしれないという危惧は持っております。しかし、そのことと、攻撃を受けた場合の安全性につきましては、御承知のようにPKO法の中でも、部隊に対してその状況に応じた緊急避難とか業務の中断とか、いろいろなマニュアルが与えられております。我が部隊に対する大規模な攻撃等がある場合には、恐らく事前にある程度の情報が入ってくるであろうと思います。青報収集についてま最大限の努力をしているわけでありますが、そういうことを通じて我が自衛隊員の安全については極力万全を期していきたいというふうな考えでござします。
○大出委員 今の御答弁でございますけれども、もしポル・ポト派ならばと。私はこれはいろいろなものをずっとフォローしてきていますが、選挙後に、おっしゃるとおりだと思うのですね、相当な力をポル・ポト派は残していこうという。 そこで、いろいろな説があってはっきりしないのですが、ポル・ポト派というのはどのぐらい実人員を持っていてどうなっているのかというのは、どなたかずばっとおっしゃっていただけませんか。さっき幾つか事務的に申し上げたことについてお答えをここで一緒にちょっといただけませんか。
○萩政府委員 ポル・ポト派の勢力につきましては、先生おっしゃいましたようにいろいろな説がございますが、UNTACが見ておりますのは、かたい勢力として一万をちょっと超えるぐらいではないかということを言っております。 ただ、純粋な軍隊のほかに、当然のことながら協力者もおりましょうし、それから民兵的な、時々銃を持って行動に参加する、ふだんは農作業をやっているというような周辺の人もおりますので、そういう準軍隊的なものを含めると二万数千人だという説もございます。必ずしも明らかではございませんが、幅を持って言えば、一万数千から二万数千というのが一番多い考え方といいますか見方でございます。
○大出委員 せっかく長官おいでいただいて、本当にありがとうございますが、モザンビークにお出しになるわけでございますね。先遣隊ですから六名ですか、おいでになった。 これは私も前からずっと調べてきておりますけれども、「ここは地の果てアルジェリア」という歌はあるけれども、アルジェリアどころじゃないのですよ。本当にケープタウンに近いような、南の外れに近いのですね、このモザンビークというのは。大変なところなんですね。しかもここは、南ア連邦が後ろにいたゲリラ部隊みたいなものとソビエトが後ろにくっついていた政府軍的なものとの争いが十六年ぐらい続いていたわけですね。大変なところなんですね。ところが、ソビエトは解体をする、南アも力をなくした、静かになった。だが武器は山のように持っている。それは大変な武器なんですね。こんなにべらぼうな武器があって内戦が簡単にこれで、今落ちついていますけれども、果たしておさまるのかなと私は非常に危惧をする。ゲリラは国連に武器を引き渡すかな。そこらのところはどういう分析をされて安全だということにされたのか、できればちょっと伺っておきたいのですが。
○萩政府委員 今おっしゃられましたように、モザンビークの場合は政府側と反政府側、反政府側はRENAMOと言っておりますが、二つに分かれて十数年にわたって内乱を続けてきたわけであります。それが昨年になって、ローマにおいて和平協定を結んだということでございます。 それで、一つには、本当に政府側、反政府側が簡単に武器を手放すのかということは当然あるわけでございまして、現在、現地の国連は、ONUMOZと言っておりますが、ONUMOZで計画を立てております。その計画では、全国に四十九カ所集合地点を設けまして、政府側二十九カ所、反政府側二十カ所、ここに双方の全軍隊を集結させて武装解除を行うという計画を立てております。その武装解除を行うものは歩兵大隊、五個大隊各国から抽出するということで、イタリアの大隊は既に展開完了しておりまして、そのほかの部隊も今次々展開をしておるところでございます。それで、その四十九カ所の、アセンブリーエリアと言っておりますが、その設定が少しおくれております。したがって、武装解除が予定より若干今おくれているということはございますが、ONUMOZの計画では、武装解除は必ず実施して、その後に初めて選挙をやりたい、こういう計画でございます。 それで、本当に今後武装解除が成って静かになるかということでございますが、私も調査団で行ってまいりまして、政府側それから反政府側双方の責任者とも話を聞きましたが、政府側も反政府側も武装解除は必ずやるということを明言しております。したがいまして、その約束を期待するとともに、今後歩兵大隊が展開して完了することを期待しております。
○大出委員 最後に。アンゴラでも双方、各派みんな武装解除に応じると言ったのですよ。九一年十月二十三日のパリ協定のときもそうなんですよ。だから、七割武装解除して武器をみんな返すと、集結する場所まで話し合ったのですよ。 ところで、モザンビークもこういうことなんですよ。政府軍が約七万人いる、ゲリラ部隊が約二万人、武装しているのですよ、みんな。なぜかというと、ソ連から受け取った自動小銃、三百万丁あるのですよ。三百万丁ですよ。ところが、百万丁だけは行方がわかっているのだが、あと二百万丁はどう調べても行方がわからないのですよ。刀狩りといって刀を集めるのだけれども、隣からすぐ入ってくるから、これはもう浜の真砂みたいになってしまう。そして、マプトの停戦委員会の再開には応じていない。武器や兵力を全国四十九カ所に集中させる計画も全く手がついていない。まず、どこでやるかの争いから始まってしまっているわけですからね。ですから、こういり状態なんだから、長官にぜひこれはお願いがあるのですが、モザンビークも地の果てなんだから、安易に大丈夫なんだというのではなしに、やはり防衛庁の側であらゆる情報を、どうも最近の政府の情報収集は危なくてしようがないので、ぜひ調べていただきたい。 最後に、警察庁の方にお願いしているのだけれども、五人の方、神奈川県警からおいでになっている川野辺さんと鈴木さんとお二人ある。これが十三人ぐらいの方ですか、タイの国境から出てきた。現地司令官に言わずに来たとかなんとかというので、戦線離脱だとかなんとかと新聞にでかく載りまして、私もそれは知らぬわけではないけれども、そんなことではないんだということがはっきりしておるように思うので、名誉のためにもこれはきちっとしておいていただきたい。 二点だけ、ひとつお願いしたい。
○萩政府委員 まず最初に、モザンビークの武器の話でございますが、AK47自動小銃がソ連から大量に政府側に渡されたということは事実でございます。何百万丁かは必ずしも把握しておりませんが、既に旧ソ連からの補給が絶えておりますので、そのうちのかなりのものが使い物にならなくなっているだろうということと、それから南アフリカの反徒に相当流れているという話もございますので、モザンビークに渡された武器が全部そのままになっているとは必ずしも考えられませんが、いずれにいたしましても、おっしゃったようないわゆる刀狩りをできるだけやりたいというのが現在の国連の計画でございます。 それから、文民警察の件でございますが、今のお話は、フオンクーというところにおりました四名、そのアンビルの五名のうち助かったといいますか比較的軽い傷を負った二名、合わせて六名がタイ側に出た話と承知しております。この六名は、ともに現地の上級指揮官、具体的には副本部長といいますか、許可を得てプノンペンに出るためにヘリを待っておったのですが、そのヘリが来ない、あるいは乗れないということで、一たんタイ側に出て、それからプノンペンに向かうということで出たものであります。
○大出委員 あと持ち時間五分あるという通知をいただきましてありがたしのですがそこで、さっき申し上げたように、カンボジアの人口というのは皆さんどういうふうに見ておられるのか。そして、有権者がどのくらいあるのか。官房長官、さっき六百万なんてちょっと口にしたが、おおむね八百万のはずなんですが、有権者はそのぐらいで、カンボジアにいる、ポル・ポト派がしきりに言っているその中身は随分細かいんですよ。細かいベトナム人というのは二百四十万本当にいるのかどうか、皆さんどう考えているのか。しかも、百三十万の有権者登録をしている。だから、八百万の人口の中の有権者というのは仮に四百万だとすれば、その中の百三十万の有権者がベトナムから行っている人だなんということになると、ある意味ではカンボジアのベトナム併合だという論理は成り立つのですよ。そこのところをきちっとひとつ皆さんの方で答えていただきたいのです、先にそれだけちょっと。
○萩政府委員 カンボジアの総人口、それからその成人といいますか選挙権を持つ人の数、これはほとんど推定しかございませんで、いわゆる権威のある数字というものはございませんが、推定で総人口は八百数十万と言われているものと八百七、八十万ぐらいではないかというものとが多い意見でございます。それで、有権者総数ですが、これは先ほどお答えがありましたように、今登録が終わったのが四百七十万ということで、多分有権者総数の九十数%ではないかと言われておりますので、五百万ぐらいの有権者があろうということが推測の根拠でございます。 それで、ベトナム人がどれぐらいかということも、実はこれもうわさぐらいしかございません。正式な記録というのはございませんが、先生がおっしゃいましたような二百数十万という話もございます。それから、百万以下だという話もございます。いわゆるベトナムとの国境で、例えばスバイリエンという州などがあるのですが、ここは住民の半分以上がベトナム系であるということが言われておりますように、歴史的に見ても、あるいは最近のいろいろな動乱、ベトナム軍の侵攻、そういったものを見ても、全く平らな地続きのところでございますので、ベトナム系、カンボジア系双方にかなり自由に行き来しているということが現状でございますので、大変実態の把握が難しい状況でございますが、多数のベトナム系の人々がいるということは事実でございます。
○大出委員 さっきちょっと不明確でしたが、アンビルからタイのアランヤプラテートに出て、文民警察の方々が記者会見をやっていますね。その記者会見の中身というのは、ここに細かくあるのですが、私の出身の神奈川県警の方が川野辺さんとおっしゃる警部の方と鈴木宣明さんという巡査部長の方、二人おいでになるのですね。至近距離から、三メートルぐらいからロケット弾を撃ち込まれそうになって、車列をつくっている二台目、三台目におられたわけですね。そこで、この鈴木さん、肩を貫通しているようですけれども、上半身裸のままで飛びおりて、ジャパニーズだと言って大声で叫んで、日本人だ、撃つなと言って、それでこう見ると、回れ右してロケットの照準を据えていた人たちが帰っていった。撃たれたら全部飛んでしまっていただろう、これは47というのは相当な威力を持っているのですから。小銃でもそうですからね。だから、そういう意味ではまさに非常に危険な状況だったと思うのですが、それが戦線離脱だヘチマだという話になったのでは迷惑なので、そこのところはどういうふうにとらえているのですか、きちっと答えてください、そうではないならないと、こういうわけだというふうに。
○萩政府委員 フオンクーの四名と今先生がおっしゃられた川野辺警部を含む二人の負傷者、アンビルの負傷者がタイ側に出てプノンペンに向かおうとしたわけでございますが、彼らは直接の上級者の許可を得て出ておりまして、プノンペンに行く、戻る意思を持っておりましたので、私どもは、そういった勤務離脱というようなことでは全くないというふうに考えております。 四名は既に戻っておりますが、負傷した二人は今バンコクの病院で手当てを受けております。鈴木さんは、一時期私どもは貫通しているというふうに聞きましたが、まだ弾の一部が体に残っているということでございます。余り痛みがないので、バンコクの病院よりは日本に帰って後で取りたいというようなことも希望されておるようでございますが、お二人とも大変順調な回復を示しているというふうに聞いております。
○大出委員 では最後に、長官、これで終わりですが、日本から土のうを何万袋なんというふうにお運びになって掩体をつくっておられる。私も昔軍隊でさんざん掩体づくりをやった一人ですけれども、しかし、見ていますと、迫撃砲、今性能がいいですから、これを撃ち込まれるというと、掩体とかそんなものつくったって意味ないんですね。ここで申し上げると時間が長くなりますからやめますが、武器も全部調べてみましたけれども、対戦車ロケット砲を改良してきた今のロケット砲というのは大変な威力ですよ、戦車が飛ぶんですから。だから、そういうものを撃ち込まれただけだってえらいことになる。手りゅう弾の投てき範囲に人が寄れるのであればそれだけで――掩体の中にぶち込まれればえらいことになる。こういうわけですから、これ以上のそういうことがあってはならないし、ないだろうとは思っていますけれども、私のよく知っている何人かの方々がしきりに次のターゲットは自衛隊になりゃせぬかという危惧を持っておいでになる。 したがって、そこのところは長官、どうも心配てしようがないので、ぜひ本当に慎重に情報を集めていただいて、これではいかぬというならば即応できる態勢をおとりを願いたい。お願いしておきたいのですが、いかがですか。
○中山国務大臣 大出先生からいろいろと温かい御心配をいただきまして本当にありがとうございます。 先ほどから安全対策につきましては万全を期していると申し上げておりますが、今おっしゃいましたようなロケット砲であるとか、あるいは本当に文字どおりの奇襲であるとか、なかなか避けがたい攻撃等もないとは言えないと思うわけでありまして、そういうことを含めて、また私どものできる範囲内でございますけれども一生懸命努力をしてまいりたいと思っております。
○大出委員 ありがとうございました。終わります。
○牧野委員長 山田英介君。
○山田委員 後ほど官房長官がお見えになりましたら同じ質問をするようになるかもしれませんが、まず防衛庁長官にお伺いしたいわけでありますが、防衛庁長官は、パリ和平協定は大枠として守られておる、五原則の中の特に停戦の合意、受け入れの同意、それから任務、義務の中立性、これは大枠として守られておるという御説明がなされているわけでありますけれども、長官としては基本的にどういう御見解をお持ちでございましょうか、お伺いをしたいと思います。
○中山国務大臣 お答え申し上げます。 パリ和平協定が守られていないというその判断のもとになるのは恐らくポル・ポト派の活動を見てのことであろうと思うわけでありますが、ポル・ポト派自体がパリ和平協定というものは厳格に守っているということを再三表明しております。これにつきましては、表明することによって自分たちの安全、あるいはUNTACへの攻撃、選挙の妨害ということに有利に、安全に行おうという意図があるというような批判もあるわけでありますが、私どもはそれをもって、またポル・ポト派を含めて各派が、ポル・ポト派は選挙には参加しないと言っておりますけれども、大きな流れの中で選挙、制憲議会、そして新しい政権の発足という流れそのものは認めているのではないかという考えを私は持っておりまして、そういう意味でパリ和平協定というものはまだ崩れていないというふうに私自身も、これは個人の考えでありますけれども思っております。
○山田委員 今の御答弁との関連で、ポル・ポト派は、一方において和平協定を我々は遵守をする、SNCの構成当事者たる地位も放棄をしないと。しかし現実に武器を使用しての襲撃事件などを繰り返しておる。そうすると、断定的にすべてポル・ポト派の犯行であるという確証は残念だがない、こういうことになるかもしれませんが、それは限りなく心証はクロに近いわけでありまして、そう一方で守ると言いながら、他方でこのような武器を使用しての襲撃事件を繰り返しておるこのポル・ポト派の行動、実はここが一番わかりにくいわけですよ、停戦の合意があるのかないのかとかですね。 そこは長官、どうお考えになっておられますか。一方で守るというのであれば、じゃそういう武器を使っての襲撃などということはこれは常識的にあってはならないわけでありますが、彼らがそれを繰り返しておるという実態についてどういう御見解をお持ちでしょうか。
○中山国務大臣 今カンボジアで発生しておりますいろいろな問題につきましては、どうもポル・ポト派元凶説が強いようでありますが、ポル・ポト派もそういうことは表面上は否定をしていると思うわけであります。先ほど大出先生の御質問にもお答えいたしましたように、ポル・ポト派、これまでの四派の激しい殺し合い、そういう中から新しい政権をつくり、国の再建をして、その中で自分たちも何とか発言権を確保していきたいという気持ちで、先ほど申し上げた選挙から制憲議会あるいは新しい政権という流れの中で今いろいろな駆け引きをやっているんではないか、そう思うしか判断のしようがないわけでありますが、これがもし全面的な各派の抗争、各派が武器をとってお互いに争い合うということになれば、もうパリ和平協定というものは根本から崩れてしまっているというふうな感じを持っております。そういうことを含めまして、ポル・ポト派のこれからの動き方というのは注目すべきものがあると思います。 しかし、選挙はもうあとわずかの期日に迫っております。私どもは、やはり選挙というものを何とかしてとりあえず実現をさせていきたいというふうに考えておるところでございます。
○山田委員 現在タケオに施設大隊がいて国道の補修とか建設をやっておられるということでありますが、昨日、四十一名でございますか選挙監視要員がカンボジアへ向けて出発をされた。それで、UNTACと日本政府との合意の中で、要するにタケオ州にすべてこの選挙監視要員は配置、配属がされる、オペレーショナルな分野というのはこれはUNTACの一つの権限というか指揮下に入る、こういうことであります。 それで長官、その我が国から出発をした四十一名を、基本的にはその国の部隊が駐留をしている、駐屯をしているそのそばに配置をするというPKOの慣行があるそうでありますけれども、基本的にこの選挙監視要員とタケオにおられる自衛隊の部隊との関係について御説明をいただきたいと思います。
○萩政府委員 御指摘のとおり、四十一名の選挙要員はタケオ州に配属をされるということになりました。これは、慣行というよりはUNTACがこのカンボジアにおいて各国にそういう基本的な制度をとろうということを決めたわけでございまして、日本の四十一名がタケオ市周辺すなわちタケオ州に配置されるということになったわけでございます。 それで、その基本的な考え方というのは、要すれば自国の部隊の近くにおれば、もともと軍事に対しては全くの素人で、もちろん非武装ですし、訓練も受けていないという人でございますので、部隊の近くにいることによって何かと便利であろうという発想から出たものでございます。 自衛隊の部隊とそれから選挙監視要員の人との関係ということになりますと、施設部隊でございます、歩兵部隊ではございませんので、彼らを護衛するという任務、それから能力もございません。したがいまして、その任務ということになりますと、例えば食事を上げる、給食それから給水、移動するときに車に乗せてあげるといったような輸送の分野、それから泊まることがあれば泊まらせたりあるいは作業をするようなことがあれば場所を提供してあげる、こういったような関係になろうかと思いますが、近くに日本の部隊があるという何よりも大きなことは、心理的な安心感ではないかと私どもは思っております。何かあればすぐ駆け込むことができるということは何にも増して安心感があるのではないかと期待をしております。
○山田委員 カンボジア全土を見て、全州を見て、タケオ州が一番安定しておると見られておるわけであります。しかし、隣接するコンポンスプー州はかなりポル・ポト派の浸透が深くなされているところだとも聞いているわけです。ですから、部隊の近くと言っても大きな州でありますから、選挙監視要員がそこで百カ所前後の投票所にそれぞれ配置をされるということになりますから、場所によってはかなりタケオ市から離れたコンポンスプー州の地域に配属されるという場合も当然あるわけであります。給食とか宿舎の提供と同時に、輸送について、選挙監視要員の移動について自衛隊が便宜を図るというか協力をする、そういうことを今御答弁されたわけであります。今、タケオの施設大隊は軽機関銃まで持っていっておられるんだと思いますが、選挙監視要員について移動のときに車に乗せてあげる、協力してあげる、そういう場合に、けん銃あるいは自動小銃、こういうものを常時携帯、携行しないで済むような中でカンボジアの総選挙が終わることを当然切実に念願をいたしておるわけでありますけれども、実態としてこういう状況があるわけですから、展開してきておるわけですから、選挙監視要員を任務につく場所に送るあるいは迎えるというときに、タケオの施設大隊のそういうメンバーがそのような小火器を携行するという御方針は決めておられますか、また検討されておるのですか。
○畠山政府委員 基本的には施設大隊長が必要に応じて判断することが通則、一般原則でございます。最近の実情を踏まえまして、そこのところの判断をより厳しくしているという実情にはあろうかと思います。 御指摘の選挙監視要員を輸送するという場合に、輸送に当たる自衛隊員が小銃等を持っていくかどうかという具体的なケースについて、これは隊員及び選挙監視要員の安全の確保の観点から、具体のケースについてこうでありますということを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論として申し上げますと、最近の傾向としては、車両の移動時、特に夜間においては当然でありますけれども、そういう場合には一応武器を持っていくのが一般的な原則であろうかと承知しております。
○山田委員 その場合に、いわゆるけん銃になるのか自動小銃まで御検討の対象になっているのか、あるいは軽機関銃まで夜間等の状況においては検討せざるを得ないということなのか、その辺もうちょっとわかりやすくお願いしたいと思います。
○畠山政府委員 施設大隊がそもそもカンボジアに参りますときに小銃とけん銃だけをそれぞれ一人一丁ずつ、幹部職員及び警務隊員はけん銃を、その他の者については小銃をという形で持っていっているわけでございまして、機関銃というのは携行いたしておりません。したがいまして、今のお話ではその位によりまして小銃ないしけん銃を携行していくことがあり得べしということでございます。
○山田委員 いずれにいたしましても、タケオが安全だというふうに、比較対照の上で論ずればそういうことになるのかもしれませんが、今日的な事態というのはかなり深刻なんだろうと私も思うものですから、安全確保にはどうぞ油断なく十分力を尽くしていただきたい。 それから、今文民警察官が殉職なされたという大変衝撃的な局面であります。極めて残念なことであります。したがって、文民警察を含めた特に文民についての安全対策、そこに議論が集中しておるわけでございます。極めて大事なことでありますが、と同時こ、逆に、タケオにいる国が派遣した自衛隊の施設大隊、自衛隊の部隊が不測の事態に巻き込まれるあるいは攻撃を受けることがあれば、これは全くあり得ないことだとはだれも言えないわけでありまして、そこのところはぜひひとつしっかりとした対応をお願い申し上げておきたい。 それから、新たにつけ加えられた任務、承諾した任務の中に、具体的に言えば投票箱等に象徴される選挙道具等の輸送こも協力する、こういうことになっていると思いますけれども、この選挙道具、投票箱等の輸送協力、具体的にはどういうことになっているのか、ぜひわかりやすく御説明をちょうだいしたい。
○萩政府委員 選挙は今月の二十三日から二十八日まで、前半が固定投票所における投票、後半が移動投票という計画になっていると聞いております。それらに対して施設部隊がどういう具体的な協力をするかというのは、実は現在、それぞれの州にUNTACの州本部それから選挙本部というのがございまして、そこがプノンペンの本部と協議をしながら具体的にどこに何を頼むかということを検討していると聞いております。 したがって、私どもは投票箱を運べというコマンドを受けているわけではございませんで、いわゆる選挙支援の一環として輸送もお願いしますよ、こう言われておりますので、その輸送するものの中に恐らく投票箱も入ってくるかもしれませんが、具体的にいつどこからどこへ何をというのは、その州の選挙本部なりUNTACの州本部から具体に依頼が来るのだろうと思われます。そこのところは細かいことがまだ来ておりません。
○山田委員 細かいところがまだ要請が来ていないというお話ですけれども、二十三日から投票が具体的に始まるわけですね。それはちょっとどうなのかなという感じなのですけれども、もうちょっとはっきり言っていただけませんか。
○萩政府委員 あと十日足らずということで、現地も大わらわでやっておるんだろうと思います。 御存じのとおり、昨日出発しました日本の選挙要員、合わせて約千名弱は、現在タイのパタヤというところで研修をやっておりまして、三日間の研修の後それぞれの任地へ行きまして、また現場で二日間研修をやる、そして二十三日の選挙に備えるということでございますので、何を具体的にどうするかという話は、かなりぎりぎりまでかかるのではないかと思われます。 それから、お話がいろいろありますように、今投票所の数を減らそうという計画をやっております。その関係も最終的に影響してくるんではないか。ただ、タケオの場合には比較的リスクが低いということで、多分、投票所の数、まあこれは百ちょっとと言われておりますが、基本的に余り変わらないのではないかなとは思っておりますが、まだ最終的な決定というのは聞いておりません。
○山田委員 念のため確認でございますが、先ほど、選挙監視要員の輸送協力にはケース・バイ・ケースで武器の携行あり得べし、こういうことでありますが、この投票箱等の輸送を実際にUNTACから個々具体的に要請があった場合に、その輸送の期間中は武器等の携行は考えておられるのですか。
○畠山政府委員 先ほども申しましたように、基本的には大隊長が必要なときにおいて判断するということが一般原則でございますけれども、車両移動時におきましては、人を運ぶか物を運ぶかのいかんにかかわらず、その状況に応じましてしかるべく対応する。最近の傾向を一般的に申しますと、最近の実情を踏まえて考えますと、そういう武器を携行しつつ車両での輸送に当たるというのが一般的な傾向であろうと思います。
○山田委員 外務省にちょっとお伺いしたいのですけれども、一説によると、北京の言うこともポル・ポト派は聞かなくなった、それほど自制を失っておるというような言われ方も一方にあるわけでありますけれども、実際に我が国政府として、北京に対して、ポト派に対する影響力行使、それは同じくタイ国にも言えるわけでありますけれども、そういう外交努力はどういうふうになさっていらっしゃるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○高野説明員 お答え申し上げます。 カンボジア和平のプロセスに日本としてこれまでいろいろな形でかかわってまいったわけでございますが、例えば昨年におきまして、四回にわたりまして、タイと共同でポル・ポト派を和平プロセスに参加するようにという説得を行いました。また、このような説得、働きかけは、ポル・ポト派に対してタイ及び中国の影響力がやはり一番大きいという認識のもとに、我が国から両国に対しまして、機会をとらえましてあらゆるレベルで申し入れてきている次第でございます。
○山田委員 何回交渉したということも大事でありますけれども、それでどうなんですか、外務省の評価は。
○高野説明員 今進んでおります和平プロセスを成功裏に進めなきゃならない、あるいは選挙に関してもこれを実施しなければならないという立場に立って、タイも中国も基本的には我が国と立場を同じくしております。その中で、中国もタイも、我々の承知する限りでは、直接ポル・ポト派に対して、静かな形の話しかけという形をとることが多うございますけれども、働きかけはしているというふうに私どもは承知しております。
○山田委員 それで、その努力がこういう形になっていますよというふうに、具体的にどうなんですか、そういうふうにやらなかったらもっとポト派は暴れただろう、何かそういう具体的な評価を聞いているわけですか。
○高野説明員 これは、私どもが中国ないしタイといろいろ協議ないし話し合いを行う際に受ける印象では、ポル・ポト派の対応に関しましては、ポル・ポト派の要求、すなわちSNCの強化、ベトナム軍を撤退させる、あるいま主要五省庁における各四派の均等な影響力を与えること等の点において、これまで我々が承知しているポル・ポト派の対応ないし要求を両国に対しても行っているというふうに聞いております。
○山田委員 防衛庁関係でもう一つ伺っておきたいのですが、選挙監視要員も出ているんだと思いますけれども、こちらの安全対策はどういうことですか。停戦監視要員も個人で参加をされているわけです。日常的に身を守るすべ等の一定の訓練を受けている方々が任務についておられるのだろうと思いますが、勢い、やはりカンボジアの北部を含めた、かなり監視を必要とする場所に行くということでありますから、一定の危険な地域、大変な地域ということが想定されるわけでありますけれども、この辺につきまして安全確保はどういう形になっておりますか。
○萩政府委員 選挙要員それから停戦監視員、それから文民警察もそうですが、こういった非武装の要員に対する警護というのは、第一義的に各地域を管轄しております歩兵部隊が担当することになっております。全国十一の管区に分かれてやっておるわけでございます。タケオ州はフランスが担当しておりますので、一義的にはこのフランスの歩兵部隊がこれら非武装の要員の警護に当たるということになっております。UNTACの計画では、ハイリスク、ローリスクそれからその中間ということに分けて、それぞれにおける警護の仕方を若干は書いておるようでありますが、いずれにしましてもその歩兵部隊が第一義的に警護を行うということでございます。 したがいまして、先ほど先生の御質問で、タケオの施設部隊が選挙要員を車両に乗せて運ぶときに、けん銃、小銃の携行のことを言われましたが、これはあくまでも施設部隊がそういった選挙要員とか選挙箱を警護するという任務は与えられておりませんので、要するにみずからの防衛の一環として小銃、けん銃を保有するということでありまして、したがって、それらの携行もみずからの防衛ということが中心になるわけでございまして、一義的には、必要に応じてフランスの歩兵部隊の同行、エスコート、これを要請するという形になろうかと思います。
○山田委員 官房長官お見えこなりましたので、先ほど大出委員と防衛庁長官とのやりとりの中で、ちょうど官房長官は席を外されていたのですが、ポト派がタケオに駐屯をする我が国自衛隊の施設大隊に直接攻撃を加えるということは考えにくい、しかし油断なく、そういう脈絡の中で、仮に直接的に部隊が攻撃を受けた場合には、これは要するに任務の中断、中断ということは撤収にもつながる判断になるわけでありますけれども、そういうことがなされるであろう。それまそれでよくわかるのですけれども、文民の場合、ある意味では直接的に部隊ではない個人として実態としては直接攻撃を受けたわけですね 受けておるわけです。そちらは、ではだれがどうやって判断するのですかという問題です。部隊の方は今の防衛庁長官の説明でもわかるのですけれども、部隊だからそういうことであって、文民は、直接攻撃を受けているわけですよ。部隊と個人の違いはあるにしても、直接攻撃を受けておる。ここのところの説明はどういうことになるのですか。要するに一時休止でしょう、政府の方針は。実施要領にある一時休止なんですよ。パリ和平協定が大枠で守られているという前提がある限り中断、撤収というのはないのですよ、これは。だから実施要領で一時休止という立て方なんですね。それはそういうことなんですけれども、個人が、結局文民が直接攻撃にさらされたという実態に即して考えたときに、国民感情としてはもう一つ割り切れない部分があるのではないか、わかりにくい部分が出てくるのではないのか。しかも、タケオに駐屯をしておるから、部隊の責任者とその隊員との意思の疎通あるいは指揮命令系統というのは非常に明確なわけですね。文民の場合には、例えば警察官でいえば山崎隊長ですか、タケオにいらっしゃるのでしょうか、プノンペンなんでしょうか、その七十数名の文民警察官は全土に散って任務についておられるわけです。ここのところが部隊と比べますと非常に厳しいのではないかということです。その辺、官房長官はどういうふうにお考えでございますか。
○萩政府委員 派遣をしております協力隊には二種類ございまして、いわゆる部隊として、組織として行っているものと個人参加という形態と二種類あります。部隊として行っておりますのは施設大隊だけでございまして、あとの文民警察、停戦監視、選挙要員は、基本的に個人としての参加でございます。もちろんそれぞれにリーダー的な人は置いておりまして、山崎文民警察の隊長も、これは日本側の都合としての隊長でありまして、UNTACの組織としての指揮命令系統ではございません。選挙監視要員も一応全体の取りまとめ役というものは置いておりますが、基本的には個人参加でございます。それで、個人参加と部隊の場合の一時休止ということでございますが、部隊の場合は一時休止するかどうかの判断は部隊長が行います。個人参加の場合はそれぞれの個人が行うわけであります。一時休止の要件といたしましては、日本本国とも連絡がつかない、UNTACとも連絡がつかないような緊急な事態であって、身の安全を図るために必要と、部隊であれば部隊長が、個人派遣であれば個々の個人が判断した場合に、その判断によって一時的に業務を休止することができる、こういう形になっております。 中断、業務の終了、これは撤収のことですが、これの判断は本部長たる内閣総理大臣が判断をするという形になっておりますので、そのときはもちろん通信連絡手段がある場合ということになるわけでございます。
○山田委員 そこで、ポイントの一つは、個人参加の文民が今答弁がありましたようなそういう状況を踏まえて一時休止をしたい、あるいはまた、言葉の問題ではないと思います、現実にそれは業務を中断するという形であらわれるわけですから、言葉のやりとりはしたくないのですけれども、その場合に一時休止、要領で言う業務の中断というものの実効性がちゃんと担保されているのかどうかということが一つには大きな問題だと思います。それは個人参加ですから個々人がそれを判断するわけです、それは当然のことです。東京にいてわかるわけがないのですから、あるいはタケオにいてわかるわけがないのですから。それは行っている文民の一人一人が直接感じること、判断できることであります。そのときに、例えば宿舎の中にじっとしているのが一時休止なのか、駆け込むべき自国の施設大隊がないところで、じゃ他国のPKFが展開しているその地区、駐屯地に駆け込むのか、あるいはタケオに戻りたい、戻るという形で一時休止をしたい、あるいはプノンペンに戻りたいというふうに、これもやはり個々の現場で任務についておられる個々人が判断することですよね、その危険の度合いというのはあるわけですから。 その場合に、そういう文民がじゃ実際に安全に移動できるのかということですね。これをどういうふうに担保してあげるのですか。
○牧野委員長 萩次長、きちっと答弁してください。
○萩政府委員 一時休止の制度は、先ほど申しましたように、部隊であれば部隊長、個人であれば個人が判断するわけですが、その判断をするときには、通信連絡が途絶をして大変危険な状態であって、みずからの身の安全を図るためにやむを得ないということで、かなり緊急避難的な要素がございます。したがいまして、そのときに家の中の穴に閉じこもるのか、あるいは近くのほかの部隊へ駆け込むのか、あるいはタケオなりプノンペンまで逃避するのか、その場その場によっていろいろな方途があろうかと思いますので、一概には言えないかと思います。したがって、例えば職場を離れるにいたしましても上司の許可があればこれは一時休止ということではありませんで、いわゆる正当な業務の一環ということになるわけであります。伝えば、私が向こうこ行っておりましたときに、シソフォンというこれはかなり北部の危険なところなんですが、ここから停戦監視の人がプノンペンの私どもの事務所にやってまいりました。それはきちっと上司の許可を得て、日本側が買いそろえました防弾チョッキを受領にきたわけであります。ですから、その間四、五日勤務場所を離れるわけでありますが、これは上司の許可を得た正規の行動ということでありまして、何ら一時休止とかそういうものには当たらない、そういう形になるわけでございます。
○山田委員 それはちょっとおかしいんじゃないですか。そんな考え方でいいんですか。もっと切迫しているのでしょう、個々人が判断する場面というのは。ですから僕が聞いているのは、要するに文民の場合には個人の意思というのが非常に尊重されて、それを大事にして派遣をされているわけですよ。しかも個々人が現場で判断をすることだとはっきりおっしゃっているわけですから、国が決めたこういう場面に一々当てはめて、該当しないからもっといるように説得するみたいな、そういうニュアンスではこれは非常にきついと思いますよ。本当に高い志を持って、停戦の合意が崩れている、崩れていないということにかかわらず、自分はカンボジア和平のために貢献したいという志を持って行っている人が現場でそういう一定の判断をみずから下した場合に、その判断を大事にしてあげる、尊重してあげるという基本的な姿勢がなければならないだろうと私は思うのですよ。ですから、その場合に輸送とかの実効性をどうやって担保してあげるのですか。山崎隊長が巡回なさる御方針だと聞いてますけれども、例えばその場合にヘリコプターで移動するという場合に、もし個々人がどうしてもここは危ない、志は持ち続けているのだけれどもこのままではどうにもならないというような隊員の判断があった場合に、希望があった場合に、それは官房長官のいろいろな御説明の中に、まずそういう障害を除去してあげることが先決だ、それはそのとおりだと思います。なおかつ本人がという場合には、ちゃんとそのヘリコプターに乗っけてタケオへ戻ってくるとかプノンペンへ輸送してあげるとか、そういう話を聞いているわけですよ。
○牧野委員長 ちゃんと今の質問こ答えてください。
○萩政府委員 一時休止の際は本人の判断によるというのは全くそのとおりでございまして、そのために実施要領で本人の判断で一時休止ができるという、まさに本人の意思を尊重しているわけでございます。 ところで、そのことと最近危ないから自分は任地を離れたいという話はちょっと別のものでございます。個人で参加をしておるわけですが、UNTACの組織に入った場合にはその組織内の一員ということになるわけでございますので、正規の業務の場合は必ず上級者の命令に従って行動するということになるわけでございます。したがって、通信連絡がとれ、あるいは上級者が同じ地域にいる場合にはその上級者の命によって行動するということになるわけでございますので、原則として、自分はもうここにいたくない、だからそこの場所から別のところに移りたいといって山崎隊長なりに相談をしたとしても、そのことを決定できるのはその上級者のみということになっております。 他方、一時休止というのは、先ほど申しましたように、緊急避難的な行為として定められた本人の意思の尊重という制度でございますので、これは通常の業務のできるような状態とはいささか趣を異にするということでございます。
○山田委員 官房長官、いかがですか。
○河野国務大臣 個人の判断を大事にするということだと思います。 ただし、今政府委員が御答弁申し上げましたように、全く一人一人が単独で配置されているわけではなくて、何人かの集団をつくっているケースがほとんどでございます。例えば停戦監視要員は、委員も御承知のとおり、五、六名が一つのチームをつくりまして、それはそれぞれの国から一人ずつの停戦監視要員が出て、六人のチームでございますとおおむね六カ国の停戦監視要員が一つのチームをつくって行動しておるということでございますし、文民警察の方々も、地域によって人数は違いますけれども、四人一組であったり五人一組であったり、あるいはもう少し少ない人数の場所もあるかと思いますが、いずれにせよ、今申し上げました四人一組というのは日本人が四人一組で、そしてそれ以外にもよその例えばスウェーデンの文民警察のグループでございますとかその他の人たちがその周辺におって、言ってみれば一つのチームとしてその周辺の作業に当たっているというケースが多いわけでございます。したがって、今政府委員が御答弁申し上げましたように、行動をする場合には、可能であればその地域のチームリーダーといいますか上司の判断、上司の了解を求めて行動するというのが、これは平時、通常のときには当然のことでございます。 ただ、委員が恐らく頭の中に描いて御質問になっておられるのは、もう緊急の場合ということであれば、まさに緊急避難的な行動をとる。その場合には、時には上司、同僚との連絡をとるいとまもないというようなことはあり得ると思いますが、その場合には、本人の判断で動くというのは当然のことだと思います。ただ、その場合には、今委員がお尋ねのように、全く仮説でございますけれども、山崎隊長はヘリでそこへ行った、この山崎隊長の行動はUNTACの了解を得て動いているわけでございまして、その山崎隊長がヘリで現地に行った、そのヘリがそこに到着をして二人が話し合うというような状況がもしできるとすれば、それは緊急避難的に動くという状況ではないだろう、その場合には組織の中の了解がなければ動くことはないということを政府委員は申し上げたというふうに思っております。
○山田委員 ですから、長官どうなのですか、もうちょっと言っていただきたいのですけれども、本当に緊急避難というか本当に切迫した事態というのはまさに突発的に来るわけですよね。その突発的に来てからでなければ何も対応できないという話に聞こえるのですよ、それだけですと。そうすると、なかなか国民の理解を得るところまでいかない。じゃそういう突発的な事件が起きて、さらに新たな犠牲が重なって、それからなんですかということになる。これは通らないのですよ、理屈としては言えるのですけれども。ですから、どうなのですか、御発言というか御方針、修正されたのですか。そういう突発事件は起きてないけれども、起きてもおかしくないぞというような治安状況の悪い地域に配属されている我が国要員も含めて、それは官房長官、そこの現場にいる他の国のメンバー、そういう国々とも共同歩調をとつてUNTACに事前に了解を得る、そういう努力をなさるというのじゃなかったのですか。
○河野国務大臣 昨日、安全対策会議を開きまして、今委員御指摘のような方針を決めております。 問題は、そこにいることができない状況、これは非常に危険だという状況もございましょう。あるいは表現は適当でないかもしれませんが、その状況が、生活環境といいますか最低限度の生活をすることができないような、水とか食糧の供給もないというような状況になれば、当然それはそこにはいられない、あるいはそこでの職務の遂行はできないという判断をすれば、それは動かなければなりませんから、そこで動くわけですが、その動くときには、先ほども申しましたように、日本だけがそこにいるわけではなくて、その周辺にほかの国の人もいるだろうから、その何カ国かの国の人がいる中で日本だけが生活条件が整わない、まあそういう場所もあるかもしれませんが、そうではなくて、日本人も非常に厳しい条件にさらされているけれども、その隣にいるよその国の人もそういう条件がきっとあるに違いないということであれば、そうした国々と語らって、語らってというのは妙な言い方ですが、連絡をとって、ここではもう生活の条件も整っていないしということになれば、職務の遂行も可能性がない、意味がなくなったのではないかということをUNTACに話をして、むしろきちんと職務が遂行できるような生活環境その他、環境の整ったところへこのグループといいますか、その地域にいるそうした人たちが移るということがUNTACとして適当な判断ではないかということを申し入れるということをきのうも会議で決めたわけでございまして、その作業のために今関係各省が努力を始めたところでございます。それは委員の御指摘のとおりでございます。
○山田委員 二十三日から投票が始まって二十八日で基本的に終わるという理解でございますが、これ以上新たな犠牲者が出ないように、それはもう本当に万全の努力をしていかなきゃならないことは当然のことでございます。したがって、一つの区切りとしては、五月の二十八日投票終了ということが言えると思いますが、しかし投票終了をもって現在のカンボジアの情勢が劇的に安定へ向かう、あるいは劇的に治安がよくなるとか、そういうことでもないのだろう。ということになると、これはちょっと言葉が過ぎたらおわびいたしますけれども、ポーズだけではなくて実効性をちゃんと確保してもらいたいわけです。 じゃ伺いますけれども、現時点で政府としてどことどことどこが文民がこれ以上任務につくということは適当ではないのではないか、当然それは検討されていなきやおかしいですよ。どこですか。
○河野国務大臣 安全対策会議の中では、当然地域についても具体的に検討いたしておりますが、どこの地域がどうかということを申し上げることはさらに安全確保について問題が出てくるという可能性もあるということを配慮いたしまして、私どもは内部で検討するということにとどめて外部には発表しないということにいたしておるわけでございます。それは、我々がこの地域がどうだ、この地域がどうだという話をすることが、その地域におられる方々あるいはその地域におられる方々の御家族の方々に対してもいろいろな心理的な問題、御心配をより多くかけるという問題もございます。もちろん、その地域に対して政府がより一段と細心の注意を払うということで御安心をいただくということもございますけれども、やはり具体的な地域については外に発表することは控えようということが安全対策会議の合意でございます。 また、情報をでき得る限り集めて、そういう特定の地域のみならずすべての地域について細心の注意を払っていかなければならぬ。つまり、現状では日によって事態が流動的でございますので、いろいろな角度からすべての地域について配慮を怠ってはならないもの、そう考えております。
○山田委員 もう一つ、ちょっとこれは重要な問題と私は考えておりますので、お願いといいますか確認でございますが、当初UNTACは、投票箇所を全土千八百カ所以上、こういう計画を持たれていた。これを約四百ほど縮減をして一千四百カ所ぐらいに方針を修正をした。なお状況の変化によってはさらに縮減、絞り込むということも検討しておる、こう伺っているわけであります。 したがいまして、そういう中で文民の中でも選挙監視要員は、投票所がなくなるわけですから、当然別の当初計画の残存する投票所にまた再配置されるというふうに考えるのが自然でしょう。そういう中で文民警察官は、いろいろUNTACの一つの戦略といいますか戦術といいますか考え方として、選挙監視要員は選挙をそこではやらないのだから再配置は当然だけれども、治安とかという部分はまた違う次元ではないか。したがって、当初計画をした投票箇所を持つ地域、そこのいわゆる文民警察官というのはじゃ同じように再配置するかといえば、それはまた別の話ですよ、こういう考え方が出てきているように思います。しかし、事はPKO、カンボジアに参加するという形で人的貢献という国際貢献と、それからいま一つは、やはりなぜ参加五原則を法律の中に盛り込んだのかという、それはまさに安全確保という側面があるわけですね。憲法に抵触をしない、あるいは武力行使というものにつながらない、やらないということを担保するために参加五原則というのは入れたわけです。と同時に、それは裏返せば、派遣をされた一人一人の隊員の命を守る、安全を確保する、そういう五原則なんです、この意味というのは。ですから、じゃこちらですよというワンサイドに割り切ることは、これはなかなか困難である、難しいと思います。しかし我が国は、UNTACの中からあるいは国際社会から、要するに日本の要員の命だけ守られればいいのですか、そういうたぐいの一定の批判は甘受してでもやはり政治判断というのは必要なんじゃないか。 したがいまして、私が申し上げているのは、仮にUNTACが、投票しない、その意味ではそこの投票という意味においてその地域を撤収すると決めたところへ、文民警察は違うよ、まだ治安の維持に当たってもらわなければならないとか、あるいはそこはカンボジアの四派の中のある一派の最後の残された地域だから、そこから文民警察が引いてしまうというのは政治的に極めてまずいのではないかというようなそういう判断、方針に我が国政府がごもっともということで何も申し上げないというのはどうなのかな。そういう方針がUNTACから出されているということについての確認、あるいはもし確認されてなければそういう事態になった場合の政府の御対応について官房長官からひとつ。
○河野国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、我が国文民警察を含めてすべての文民警察の安全を確保するという見地から、私どももいろいろUNTACに対して提言をしております。しかしUNTACは、私の見ておるところでは、選挙の公正さといいますか、あるいはこの選挙自体がすべてのカンボジア人の参加によって行われたということを確保したいという意味もあって、我々の提言についてもちろん検討をしてくれるということになってはおりますけれども、UNTACにはUNTACの思いもまたあるのだろうと思っております。しかし、私どもはあくまでもUNTAC要員の安全ということを考えてほしいということを繰り返し要請を続けてきているところでございます。こうしたことは、我々にとって当然考え、なすべきことでございますから、これは繰り返し我々は要請を続けてまいりましたし、実は本日もまた国際平和協力本部の柳井事務局長をプノンペンに出張を命じておるところでございます。 ただ、文民警察の再配置の問題については、依然としてUNTACの方針はまだ決まっていないわけでございまして、方針が明らかでない段階で私どもが余りこの方針について、我々の考えを申し上げることは当然だと思いますけれども、それがどういうことになるだろうかという予見を申し上げることは控えた方がいいのではないかというふうに思います。いずれにせよ、私どもはUNTAC要員全体の安全確保を図ることが我が国の要員の安全確保につながることだというふうに考えて、村田大臣もUNTACの明石特別代表と協議をしてきたところでございます。
○山田委員 ですから国連は一つの思いがあり、あるいはより大きなカンボジア国民の合意あるいは総意に近づけた形で仕事をなし遂げたいということは、それはそれであるんだろうと思うのですね。と同時に、日本人だけのというふうに僕は一貫して言っているつもりはありません、UNTAC要員のすべての今、安全を確保するという要請が一方にまたあるわけですから。そこのところでどこかやはりきちっと判断をする場面がなければならないんだということですよ。あいまいにしておくということは、これはよくないんですね。その意味で、そういう思いがあるUNTACが、この地域からは投票所を撤退させますという基本的な方針はもう明らかなんですから、それはどことどこというのは別としてですよ、どこを残すというのは別として、その場合に、その地域において文民警察だけはいろいろな他の要請、考えがあるから日本の要員も含めてそこへ置いておくよという、もしそういう方針をUNTACが打ち出してきた場合に、我が国政府としては、ある一定の批判というものを甘受してでもそこは政治的に判断をして、UNTACが引き揚げるところはやはり危ないわけですから、そこへ丸腰の文民警察をまだ置いておくということに余り関心を払われないとか、その改善に何か弱い姿勢でしかUNTACに言えないとかということではならないんだろうと思うのです。僕はそれを言っているわけですよ。 時間も参りましたが、官房長官、そこのところをもう一回、要するに国民に対してわかりやすく、ひとつ明快こ、政治判断をするときもそれはあるんだ、あり得べしというぐらいの答弁が出なきゃこれは納得できないですよ。PKO参加は、要するにその理解をより広げ、支持をより広げていくという大きな仕事もまたあるわけですから、そのぐらいのことも言えないような、そのことで起こされる一定の批判を国際社会で恐れてとか――今要するに全面的にパリ和平協定が崩れて、したがって中断して、様子を見て長期化すれば撤収するという判断をすべきだと僕は言っているんじゃないのですよ。そのくらいのことは官房長官、明確にしてくださいよ。もしUNTACがそういう方針を決めたら、我が国政府としては、そこに一緒にいる他国と相談して、力を合わせてUNTACに強硬に再配置、あるいはタケオへ引き揚げるということを交渉するというくらいのことを言えなくてどうするのですか、官房長官。
○河野国務大臣 御趣旨に沿って努力をしたいと思います。
○山田委員 終わります。
○牧野委員長 午後四時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十五分休憩 ――――◇――――― 午後四時三十一分開議
○牧野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。三浦久君。
○三浦委員 官房長官にお尋ねをいたします。 高田晴行さんの死亡事件をきっかけにいたしまして、今、国民は政府のPKOに対する態度に大きな不信の念を抱いていると思います。それは、PKOは安全だ、安全だ、安全でなくなれば日本独自の判断で引き揚げる、中断する、こう言ったけれども、どうも実際まそうはなっていないらしいぞということに国民が気づき始めたからだというふうに私は思うのです。政府は、この法案の審議の際でも非常に安全性というものを強調いたしました。同時に、この政府の安全性の点に関する宣伝というものは、実に念の入ったものだったというふうに思います。 例えば、恐らくこれは自衛隊がつくったものだと思われますが、「PKO及び国際緊急援助活動と自衛隊」というパンフレットがあります。これを見ますと、「隊員と隊員の家族の皆様の理解を深めるため作成したものです。」こういうふうに書いてある。それで そこに「武力衝突に巻き込まれることはありません」という項目がありますが、いろいろ参加五原則について説明した後に、「万が一にも武力衝突に巻き込まれることはありません。」こういうように断定しているのですね。万が一にもない、これが政府の宣伝です。 また、総理府の出している資料があります。これは広報資料ですが、これでも「国連平和維持活動は停戦の合意が成立してから活動を開始するもので、戦いが行われている場所に行くのではありません。」「その意味でも武力衝突に巻き込まれることは考えられません。」こういうように断定をしているわけですね。 ところが現在、高田晴行さんのとうとい犠牲が発生いたしました。今日でも、政府は今後ともこういうように万が一にも武力衝突に巻き込まれることはないんだというふうに断言することができるのでしょうか。それともまた、あの後藤田副総理が言っているように、いや、PKOというのは犠牲がつきものだというふうに言われるのでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○萩政府委員 私どもが参加しておりますPKOと申しますのは、いわゆる伝統的なPKOと呼ばれているものでございまして、その基本的な考え方というのは、停戦合意があって、双方の受け入れの同意があって初めて成り立つというものでございますので、そもそもの基本的な考え方というのは、武力衝突というものが起こり得るはずがないということを目指してのものであることは間違いございません。 ただ、一つ御理解をいただきたいのは、PKOというのは、要すれば長い間の戦乱の後始末の一種でございますので、そこにはどうしても脆弱な和平というものが存在し、しばしばその和平が崩れかかるということがあり得るわけであるがゆえに各国とも軍隊を主体として出すという性格のものでございますので、その辺のところ、破られやすい和平の存在があり得るということは残念ながら事実でございます。
○三浦委員 そうすると、審議の過程で万が一にもそういう武力衝突に巻き込まれることはないなどと言ったということは、それは法案を通すための方便だったということになるじゃありませんか。私はそういうことは国民が許さないというふうに思うのです。 毎日新聞が五月十日付で「列島百人アンケート」というものを実施した結果を発表いたしております。それによりますと、百人のうちの九十二人がPKO参加五原則は守られていないというふうに答えています。それから、一昨日のニュースステーションを見ておりましたら、八六%が停戦合意は守られていないというふうに答えておるわけであります。 官房長官は、こういう国民の声をどういうふうに受けとめられますか。政府の認識とは相当隔たりがあるというふうに思われるのですが、いかがでしょう。
○河野国務大臣 昨今のテレビその他の報道では、カンボジアから暴力行為、テロ行為などのニュースが流されております。それが起こっていることはそのとおり事実だと思います。 しかしながら、そうした暴力行為やテロ行為のすべてが政治的背景があって政治的意図によるものであるかどうかは、確認をされているものばかりではございません。件数のみを考えれば、大変に暴力行為、テロ行為が多いというふうに受けとめられる方は、停戦の合意が崩れているというふうに印象を持たれるということもあるいはあるかもしれません。 しかし、我々が考えなければなりませんことは、停戦の合意というのはカンボジアの四派が一堂に会して、世界の多くの国々の支援を受け、多くの国々が見詰める中で四派はそれぞれ停戦の合意に署名をしているわけでございます。それは明らかに合意という意思を表明しているわけでございます。この合意という意思の表明が破棄されたということはないわけでございまして、散見される暴力行為、テロ行為、こういったものの中には、これはもう委員も御存じだと思いますけれども、野盗といいますか物取りといいますか、そういったことも中にあるかもしれない。それからまた、特定の集団によるものもあるというふうにも思います。それらを全部ひっくるめて停戦の合意が崩れたという印象を持たれるということは、これはそれらを一つ一つその背景について説明がなければ、そういう印象を持たれることもあるいはあるかもしれません。しかし、私どもはそうした印象、背景を考えない印象だけで物事を決めていくというわけには政治的にはいかないということもまた御理解をいただきたいと思います。
○三浦委員 しかし、今、武力衝突が非常に頻繁に起こっているということ、そのことはやはり、五月二十三日から実施される選挙、これを目前にしてポル・ポト派がその選挙を妨害をする、そういうためにやっているものが多いのではないですか。ですから、今ぐっとそういう件数がふえてきておるということも事実ですね。もちろん中には物取りもあるかもしらぬ。しかし、全体の流れから見れば、五月二十三日の選挙に向けてそういうテロ、ゲリラ活動が活発になっているということは、やはりそれは政治的に我々は判断していかなければならない問題だ。確かこポル・ポト派のしわざだというふうに何か裁判でもって判決が出たというものではありませんけれども、しかし政治的な判断としては、ポル・ポト派のテロ行為だ、ゲリラ活動だというふうに見るのが正しいのではないか。したがって、国民のそういう判断も我々は尊重するに値するものだというふうに思います。 今官房長官ま、ポル・ポト派が合意を破棄していないということを言われましたね。これは明示の意思でもって破棄はしていない。しかし、現実的には破棄をしているのと同じじゃございませんか。これは私何回も申し上げましたから実態については省略いたしますけれども、現実的にはこれは破棄しているのと同じであります。政府は、明示の破棄がないということと、もう一つは全面的な戦争になっていないということを合意が破棄されていないということの理由として言われていますけれども、しかし、私は、これは国民の常識とも合致しないちょっとおかしな議論だと思うのですね。 例えば、何でポル・ポト派が停戦合意を破棄したと言わないのか、またパリ協定を破棄すると言わないのか。なぜ言わないのかといえば、彼らは停戦の合意の当事者になる、パリ協定の当事者にしてもらったことによってあの大量虐殺から免罪されている。そして国際的な一員としていわゆる市民権を得ているわけです。ですから、みずから、停戦の合意はもうやめますとか、協定は破棄しますと言うわけはないのです。あくまでもパリ和平協定や停戦合意にしがみついて、守る、守る、守ると言いながら、現実的には武力でもってどんどん自分の支配地を拡大していくとか、また選挙を妨害していわゆる制憲議会の成立を阻止するとか、そういうことをねらってやっているわけじゃないですか。これは私は、常識的にそう判断するのは当たり前だというふうに思うのですね。 ですから、政府が今言っているような、全面的な戦争になっていない、明示の破棄の意思表示がない、だから合意は崩れていないんだということになれば、これは現実にはあり得ないことを条件にして、その条件が満たされない限りはポル・ポチ派がどんなに停戦違反を繰り返し行い、そしてUNTAC要員とか住民こ対して残虐な行為を行っても、それでも合意は維持されているんだということになってしまうわけですね。私は、これでは犠牲者がこれからもどんどんふえ続けていくばかりだというふうに言わざるを得ないと思う。何人死ねば帰れるんですか、あの現地で文民警察官の人が言ったそうですけれども、私はこれはまさに悲痛な叫びだと思うのですね。それほど現地の文民警察の人々は危険にさらされているわけです。 私は、再度、カンボジアからの自衛隊等の撤退というものを要求して、次の質問に移りたいと思います。 きょうも本会議でちょっと問題になりましたけれども、文民警察が権限を逸脱した行動をカンボジアでやっているのではないかという質問がありました。日本人の文民警察の業務内容というのは国連平和協力法第三条第三号チに掲げられておる業務で、警察行政に関する助言、警察行政に関する指導、警察行政事務の監視、いわゆる助言、指導、監視、これに尽きるものではないでしょうか。どうでしょうか。
○萩政府委員 おっしゃいますとおり、文民警察要員の任務は、現地の警察行政事務についての助言、指導、監視でございます。
○三浦委員 このように文民警察の業務内容を助言、指導、監視に限定した理由は何でしょうか。海外での警察権の行使はしないという意味ではないかと思うのですが、そう理解してよろしいでしょうか。
○萩政府委員 警察の行います業務は治安の維持ということで、他国において直接その治安の維持に当たるということはその国の内政に深く関与する、干渉するということになりますので、助言、指導、監視というのが国連の伝統的な考え方でございます。
○三浦委員 そうすると、海外での警察権の執行はPKO活動としては禁止されているということになるわけですね。しかし実際には、カンボジアに派遣された文民警察の人たちは助言、指導、監視の範囲を逸脱して、例えば政党事務所の警備、こういうような業務に当たっているのではありませんか。そのほかにもいろいろありますけれども、ちょっと問題を絞りたいと思いますが、いかがでしょうか。
○萩政府委員 実際に現地カンボジアの警察に対して助言、指導、監督を行うわけですが、例えばプノンペン政権軍は国土の八割くらいを一応支配しておりますが、そこの警察官はプノンペン政権の警察官、それからラナリット派の警察官、それからソン・サン派の警察官、それからポル・ポト派にはポル・ポト派の警察官がそれぞれいるわけでございます。したがって、それぞれの地域のそれぞれの警察に対する助言、指導、監督というのを行うわけでございます。 先ほどありました御質問の政党事務所の問題につきましては、例えばカンボジアの警察が選挙に干渉しないように選挙要員に同行してパトロールを行う、それから警護業務の指導を行うというようなことはございます。例えば、現在選挙キャンペーンの真っ盛りでありますが、往々にしてプノンペン政権側の警察が反対派の政党事務所を襲撃したりという、警察官が犯罪行為を行うというようなケースが多々見られるということから、現地文民警察要員の一つの任務として、選挙要員に同行して、それらに対する、発生がないように監視業務を行っているということはございますが、これは先ほど言いました業務の一環であろうというふうに考えております。
○三浦委員 それはおかしいじゃないですか。警察官が不法な行為を行う、その不法な行為をやめさせるということは警察権の執行じゃありませんか。警察権の行使じゃないですか。そういうように、元来、指導、助言、監視、これを逸脱した行動を文民警察はカンボジアでやっているのではありませんか、どうですか。イエスかノーかで答えてください。
○萩政府委員 今申しましたのは、言葉足らずだったかもしれませんが、要すれば選挙に干渉しないよう選挙要員に同行して警護業務の指導を行っている、こういうことでございまして、直接その治安行動を行っているということではございません。
○三浦委員 それは事実と違うんだ。 警察庁にお尋ねいたします。 五月十一日、衆議院の地方行政委員会で、城内警察庁長官は吉井議員の質問に対して、「パトロールとかあるいはVIPのエスコート業務あるいは政党事務所の警戒活動というのは、現地へ参りましてから現地においてそういう事務が付加されたというふうに私ども承知しております。」というふうに答弁しておりますね。これは間違いありませんね。
○萩政府委員 ちょっとその前に。 したがって、先生が危惧されますようにそういう行動は往々にしてその助言、指導、監視というのを逸脱する可能性があり得るので、警察庁からも申し入れを受けておりまして、それに従って現地の大使からUNTACにそういうことのないように注意をするようにという申し入れを行っているということでございます。
○三浦委員 警察庁、御答弁願います。
○櫻井説明員 国際平和協力法の解釈につきましては、最終的には総理府で判断されることでございますが、ただいま御指摘の政党事務所の警戒という業務あるいは要人の警護というものにつきましては、業務執行の態様によっては平和協力法の規定に基づく警察行政事務に関する助言、指導、監視に含まれないものもあるというふうに理解しております。
○三浦委員 結局、権限の逸脱をした行動をさせているということじゃありませんか。そして、おとといの地方行政委員会では、城内警察庁長官は、これはPKO協力法の第三条三号のチに該当するそういう行動とは読めない、だからそんなこと我々は承諾してもいないんだ、だから再三にわたって協力本部に是正方を申し入れておる、こういうふうに言っておるんですよ。だから現実に権限違反の行動をさせているんじゃないですか。そして協力本部はそれを知りながら今までずっと黙認してきたということになるんじゃないですか、どうなんですか。
○河野国務大臣 御指摘の事柄については私自身が具体的に事実関係を把握しているわけではございませんが、恐らく場所によっては非常に困難な状況の中で従来、本来の職務と申しますか業務を遂行しながらもさらに例えば要人の案内を依頼されるというようなことがあるいはあったかもしれない。これは私、まだ事実関係をよく確認いたしておりませんが、そういったようなことがあって御注意があるとすれば、それは当然UNTACの本部にその意思が伝えられなければならないと思います。それは、UNTACの組織を通して伝えられるというのが本来の筋だと思います。 しかし、なかなかそういう本来の組織にのっとってそうしたことが、その意向が伝わらないという何かがあるとすれば、我々もまた、日本の法律に基づいてこういうことはできないことになっておる、こういうことはしないことになっておるということを警告をし、我々の気持ちを伝えなきゃなりませんから、そういうことで先ほど政府委員から御答弁申し上げましたように現地の今川大使を通してUNTACにも要請をしております。 今御指摘がございましたが、さらに再度の申し入れをする準備が今整いつつございますから、これはそう遠からず早急にその申し入れをするということになると思います。
○三浦委員 そうすると、今の御答弁を総合すると、日本の文民警察に対して権限逸脱の行動をさせたことがあったということですね。そうすると……
○河野国務大臣 ちょっと待ってください。私は今そういうことを申し上げたのではないということだけははっきりさしておきたいと思います。そういう事実を私は確認をしていないが、もしあるとすればそういうことをしなければならぬと思いますし、そういった本来の任務、本来の職務を外れるような要請がもしあったということであれば、それはそういうことは直してもらわなければならぬということを申し入れようということを申し上げたわけです。
○三浦委員 しかし、既にもう今官房長官のお話ですと申し入れてある。権限逸脱の行為をさせないように申し入れてあるということでしょう。それで今度また五月の十日、警察庁からの申し入れを受けて検討しておる、こういうことでしょう。そうすると、今川大使を通じてUNTACに対して権限逸脱の行動をさせないように申し入れたというんですから、それは当然その前に前提として権限逸脱の行動をさせておったということにならなきやおかしいじゃないですか。
○河野国務大臣 そういうことがあるかどうかを確認を含めてUNTACに対して申し入れているわけでございますから、UNTACはそういう行為をさせておったかどうかを含めて調べていただくことになるんだろうと思います。
○三浦委員 それは違うんです。おととい城内警察庁長官がはっきり、さっきも言いましたように政党事務所の警戒活動というものが現地で付加された、そうしてそれは警察権の執行だからできないと言って再度その是正方を申し入れておる、協力本部に対して申し入れている、UNTACに対して直接は申し入れられないから協力本部に対して申し入れているんだということを言っているんですよね。だからそういう事実があったかなかったか、その確認も含めて申し入れる、変な話じゃないですか。そんなあやふやなことでUNTACに皆さん申し入れいたしますか。城内長官が答弁しているように、やはり権限逸脱の行動というものをさせられておったんじゃないですか。ですから、私はきのう警察庁から聞きましたよ。そうしたら警察庁はこう言っている。ポル・ポト派の攻撃がうんとひどくなってきた。特に一月に文民警察の宿舎が襲撃された。しかし、幸い留守で負傷者はいなかった。あのころから事務レベルでは、いわゆる協力本部と警察庁との事務レベルではずっと、そういう権限を逸脱したいわゆるVIPのエスコートとかそれから政党事務所の監視だとかそういうものはやめさせてくれというふうに何度もお願いをしている、そう言ってました。そして四月の中旬にようやく今川大使からの申し入れがあった。しかし、その後何の変化もないというんだな。何の変化もない、そういう状況なんですね。それで政党事務所の警備というのはやられているんです。 これは、ことしの二月十三日にガリ事務総長が安保理事会に出した報告書であります。ここでどう述べているかというと、「一九九三年二月一日、こうした措置をさらにきめ細かくしたものとして、UNTAC」まあこれをちょっとそのまま読んでもしようがないのですが、「UNTAC文民警察は軍事部門と協議し、カンボジア警察と協力のうえ、攻撃がもっともおこりやすい夜間に、もっとも危険になると思われる政党事務所への固定警備を開始した。」こう報告があるんですね。ですから、UNTACの文民警察の仕事として、政党事務所、今は選挙事務所になっているでしょう、その政党事務所の警備というものが業務内容になっているということなんですよ。そうすれば日本の文民警察だけがその例外だということは言えないじゃありませんか。どうですか。
○萩政府委員 私どもは、政党事務所の監視が行われたとしても法律に定める助言、指導、監視の一環であろうと思っておりますが、こういう行動はえてして逸脱したりあるいはしているとみなされる傾向があるということもあるものですから、UNTACに対してそういうことのないようにという申し入れをし、またもう一度しようとしているということでございます。
○三浦委員 それはちょっとおかしな答弁じゃありませんでしょうかね。何かそういう権限逸脱の誤解を与えるというのであれば、それは日本内部の問題なんですから、警察庁と協力本部と話し合えばいいことであって、何もUNTACに是正の申し入れをするなんということは必要ないことじゃありませんか。事実だから、警察庁の言っている権限逸脱の行為をさせられているということが事実だから、あなたたちは四月中旬に今川大使をしてUNTACに業務内容の是正方を申し入れたというのが事実じゃないですか。何でそんなことを隠さなければいけないのですか。あなたたちが隠すということは、結局国民の前にカンボジアの実態を知らせないということなんです。これはいけませんよ。やはり国民の前に実態を知らせ、真実を知らせ報告し、そして仰ぐべき批判は仰ぎ、そして本来あるべき姿へ戻していくということが必要なことじゃありませんか。真相はこうだった、後でわかったなんとしうよりなことではまるで大本営発表と同じことじゃないですか。そんなことは私は絶対に今の社会にあってはならないことだと思いますね。 もう時間がありませんから意見だけ申し述べますけれども、今まで協力本部がそういう権限違反の行為を文民警察にやらせているということを知りながらずっとそれを放置してきた、四月の中旬までそれを放置してきた、これは一体何を意味するか。それは、文民警察であろうと自衛隊であろうと国連平和維持活動に参加してしまえば、いわゆる今度の問題でいえばUNTACに参加してしまえばUNTACの指揮下に入ってしまう、そして、日本の法律がこうなっている、ああなっているといったって、外国と一緒にやっているわけですから日本人だけ例外にすることはできない、だからもうUNTACの方針どおりやらなければならないということを意味していると思うのです。そのことはまたPKO協力法の違反をずっと継続してやらせてきたということなのですよね。私はこれは非常に大きな問題だと思うのです。 そういう意味で、文民警察、この安全を確保する。非常に危ない仕事ですよ。パトロールだとかVIPのエスコートだとか、それから選挙監視要員の警護だとか、非常に危ない仕事です。私は、こういう危ない仕事から文民警察を解放させる、安全を確保する、そのために、文民警察は今違法な仕事をさせられているのだから直ちに撤退させるべきだということを要求して、質問を終わりたいと思います。
○河野国務大臣 委員がいろいろ述べられた御意見は拝聴をいたしましたけれども、私どもといたしましては、文民警察が本来の任務にきちんとついて、本来の目的達成のために努力をされるように最大の努力を引き続きいたしたいと思います。本来の任務が、職務が遂行できないような問題があればそれを取り除くということが私どもの今なすべきことであって、撤退を主張されますけれども、私どもはその考えをとっておりません。
○牧野委員長 和田一仁君。
○和田(一)委員 本会議でも申し上げましたけれども、あと十日たちますとカンボジアにおける制憲議会のための選挙が行われる、こういう事態になりました。PKO活動に参加した日本といたしましても、何とかこれを成功させて和平への実を上げていかなければいけないな、こういう思いを強く持つわけでございます。ただ、現地の治安というものは我々が考えている以上に非常に厳しいように思うわけで、これから先の十日間、何事もなく目的の選挙が行われるように心から念じておる次第でございます。 そこで、カンボジアの和平に当初から非常に力を注いできた日本として、その選挙が終わった後のカンボジアの実態についてどういう予想を立てておられるのか。パリ和平協定ででき上がったプロセスのようにUNTACが粛々と引き揚げられるような、そういう環境ができ上がるとお考えになっているか。あるいは時と場合によっては、UNTACではなくてもまた新たな国連の関与が必要とされる、そういう状況を想定されているのか。私は、ここまでUNTACが非常に努力してきた以上、このまま終わったからよろしいというだけでなしに、やはり行く末まできちっと責任を持って見ていくということが非常に大事ではないか、こう思うのですけれども、その辺の見通しについて官房長官の御見解をまず伺いたいな、こう思う次第であります。
○河野国務大臣 十日後に迫った選挙でございますが、この選挙の結果を予測することは、これもまたなかなか困難でございます。我が国のように発達したマスコミ、マスメディアがあって選挙前に綿密な予測、予想などを立てるという状況ではないようでございますから、私どもは一般的な状況は把握をいたしておりますけれども、この選挙の結果がどうなるかということをここで申し上げることはなかなか難しいということをまず御理解いただきたいと思います。 しかし、段取り、手順は、ここで制憲議会選挙が行われて、その選挙の結果を受けて、そこで憲法が制定をされる。その憲法がどういう憲法になるかということは、これもまたこの結果を受けてのことでございますから、今何とも申し上げられる段階ではございません。一説によれば、その憲法に大統領制が書き加えられるであろうという説もあれば、新たにまた議会の議員を選ぶ選挙が別途行われるという説もあれば、またこの制憲議会選挙の結果を受けてこれが最高の意思決定機関になるかもしれないという説もあって、段取り、手順ははっきりいたしませんけれども、いずれにせよ憲法がそこで制定をされるということになるわけでございます。それで、その選挙を受けて、今申し上げましたように、大統領選挙が改めて行われるのか、あるいはそのまま政府がそこで樹立されていくということになるか、ということに段取りはなるということになろうかと思います。 さて、もう一方考えなければなりませんことは、選挙の結果によって、これまでカンボジアの政治に大きな影響力をお互いに持ってきた幾つかのグループ、四派といいますか、この四派、しかもそのうちの一つは今度の選挙はボイコットをするような意向でございますが、これらがどういう形で選挙後の政治にかかわっていくか。これは選挙に勝った勝者といいますか、勝者が一体どういう態度をとるか、あるいは敗れた側がどういう態度をとるかによってもまた変わってくることでありましょう。あるいはまた、それらの人たちがシアヌーク殿下を推戴して、もっと幅の広い何かをお考えになるということもあるかもしれません。 繰り返しになりますが、今ここで選挙後の予測をすることは、今回行われる選挙の意味をまた小さくしてしまうということもございますから、そうしたことを予見するということは私どもはなるべくしないということにいたしておりますが、いずれにせよこの選挙が公正で意味のある選挙であるということが何よりもこの和平のプロセスの大事なことというふうに理解しております。
○和田(一)委員 私が伺いたいのはちょっと角度が違うのですが、それでは、今ポル・ポト派は、合意したといいながらこの選挙に対して参加はしない、むしろ積極的な妨害をしていきたい、選挙は公正、公平に行われていなかったではないか、したがってその結果を認めるわけにいかないというような姿勢が強いわけですが、このポル・ポト派の抵抗、これをどんなふうに感じておられるのか。 私が申し上げたいのは、シアヌークという方がやはり国民統合のシンボルみたいに国民は思っているのかどうか。また、本人もそういった使命感を自分は感じて、こういった選挙の結果を踏まえて自分がやるんだというような姿勢を強く持っている、SNCの議長さんをやりながら、私は、いろいろ言っている言動を見ていると、余りそういったところに力点を置いて今度の選挙を見ていると、結果としてはそういった予想どおりいかないのではないか。どの派が勝つかは別ですよ。別ですが、どういう結果になろうとも、自分が担ぎ出されたら自分がやるんだということを言っている人のように私は思えない。 このシアヌークさんに対する評価を今官房長官に求めても私は非常にお答えにくいと思うので、私の感想を申し上げれば、自分の国のこの困難なときに自分が再建の中心になっていくんだという気概も気迫も意欲も見られない。こういう人を頼りにしないといけないといってやっているUNTACのあり方そのものは、僕は、これはちょっと何かすると苦しくなってしまうのじゃないかという感じすらするのですね。 非常に言いにくいことを申し上げますが、私らならば勝手にしろと言いたくなるような姿勢が見え過ぎる。そういう人をSNCの議長さんとして大事に奉って、そしてその選挙の結果はお任せしておかないといけない。私は、選挙の結果によってでき上がる新しい制憲議会、これを通してできてくる政権というものは、これは新生カンボジアにとって国際的に認知される、そういう立場のものだと思うのですね。ところがそれが期待されている人の姿勢が余りにこういうものだから、私は、ひょっとするとこの選挙の結果いかんによってはまたもとに戻るような雰囲気がありはしないか、こんな気がしてならないものですから今お伺いをしたわけなので、お答えになれる範囲でひとつ。
○河野国務大臣 カンボジアにとってすべての国民が参加をして民意を示すという選挙は随分久しぶりのことでございますから、これは国民にとっては、大いに希望をする、期待を持ってこの選挙に取り組まれるものだと思います。それが推定有権者の九割を超える人たちが選挙登録をしたということにもあらわれていると思います。 今委員が御指摘のとおり、まさに民意を問うているわけで、これは投票率が一体どのくらいになるかとか、どういう選挙の態様になるかとか、いろいろ問題はあると思いますけれども、いずれにせよ、この選挙がカンボジアにおいて本当に十数年ぶりでしょうか、久しぶりに民意を問う選挙ということになるわけで、この結果はやはり我々にとって大きな意味のあるものとしなければならないし、そうなるに違いない、こう考えておるわけでございます。 シアヌーク殿下の政治的対応ぶりについてはさまざまな評価、判断があるということで、私も、シアヌーク殿下についてはカンボジア四派がそれぞれ信頼をする唯一の人物というふうに思っております。いずれカンボジアの国内でさまざまな議論があって、御本人は今北京にいらっしゃるわけですから、カンボジア国内でさまざまな議論が起きたときこ、時の氏神と申しますか、そういう形で出馬をなさるという場面もあろうかというふうには思っておりますが、これ以上のことを申し上げるのは控えさせていただきたいと思います。
○和田(一)委員 私も時間の中で聞きたいことがありますので、またの機会にいたします。 防衛庁長官、おいでいただきましてありがとうございます。 お尋ねしたいのですけれども、先般、高田さんが犠牲になられた、現地の治安が非常に悪い、こういうことで、内閣としても安全対策のために自治大臣が飛んでいかれたわけですね。そして、何とかそのエスコートをきちっとしてくれ、こういう要請をされたと私どもは理解しております。だめならば安全なところまで集結させてくれ、こういう要請もされたように聞いております。防衛庁長官として部下をタケオに出しておられる立場で、施設隊といえどもこれは日本の自衛隊の隊員であります。自治大臣が飛んでいって、自国の文民警察官の安全を確保するために何とかエスコートしてもらいたいという要請をUNTACにするときに、いや、そう言うなら、おれのところの日本の自衛隊員が行っているんだから、それをまず施設業務から外してでもそういう目的に使いたいという思いは起きませんでしたか。いかがでしょ、う。
○中山国務大臣 防衛庁、自衛隊のことに関しまして常々深い関心をお寄せいただいている和田先生らしい御質問でございますが、防衛庁長官にとりましては大変厳しい御質問であろうと思います。 申すまでもなく、カンボジアに派遣されている自衛隊員の安全ということは、私としても第一に考えていかなければならないものでございますし、そのほかの選挙監視要員、停戦監視要員あるいは文民警察官、同じ同胞でございますから、これの安全につきましても同じように大きな関心を持っているわけでございます。 また、今度のPKO法によりますと、何とか自国のそういう要員の方々に対する安全のために自衛隊もできるだけのことをしなくてはいけないということになるわけでありますが、施設の提供とか、たまたま自衛隊以外の要員の方々が襲撃に遭ったときに居合わせるとか、そういうとき以外にはなかなか防衛ということができない。例えば、防衛の目的のために、護衛の目的のために選挙監視要員と一緒に行動をするとか、あるいは文民警察の方と一緒に行動をするということは、先ほども申し上げましたPKO法で厳重に抑制をされているところでございまして、そういういろいろな苦しみ、いろいろな事態を経験しながら、今度のPKOに対する自衛隊の参加というのは何分にも初めての経験でございますので、その経験の中からいろいろと学びとって、また国民の皆さんの御理解を得ながら、十分な効果のあるような国際貢献のあり方というものを考えていくという必要はあろうかと私は思いますが、現在のところPKOの枠から逸脱して行動をするということは考えておりません。
○和田(一)委員 できるだけのことをしなければならないというお言葉がございました。そのとおりでありますけれども、できるだけの範囲が余りにも限定されている。今のPKO法と現状からいけば私の言ったことはできない、それはもうよくわかっております。しかし、気持ちとして、そういうときにはやれるようにしておかないといけないなという思いがおありになるかなということを私は今聞きたかったわけなんで、現行の中ではもうどうにもならないがというあれがにじみ出ていたのでわかりますけれども、そういう意味で私は、今回初めて出したこのカンボジアPKO活動というものの当面したいろいろな犠牲やら障害というものをこれからの活動の中にどうしても生かしていきたい、同じことを繰り返していたんじゃだめだ、こういう気がしてならないんです。 そこで、私はもう細かいことを申し上げる時間がありませんので、かねてから提案していることをきょうもう一回聞きます。 自衛隊法ができたのが五四年で、その後五六年に国連に日本は加盟をいたしました。したがって、自衛隊法は日本が国連加盟して国連参加の活動に参加するようなことは全く想定していなかった。、しかし、その後国連に加盟して、その重要性を国としてきちっと理解し、認めてきたわけですね。その結果が、今こういった国際貢献を強く求められている。それに対応するのはPKO活動というものを通して自衛隊諸君に汗をかいてもらう、こういうことになったわけですね。ならば、その自衛隊の任務の中に、前から申し上げていますように、第三条における自衛隊の本来任務の中に、自衛隊ができた後に変わってきたこの情勢を踏まえて、やはり国際貢献のための任務というものをきちっと明記すべきだ。南極観測の支援に行くのであるとか、あるいは災害に出ていくのであるとか、そういうのも大事ですよ、あるいはどこかの運動会の支援に行くとか、北海道の雪の彫刻のお祭り、あれの雪を運ぶ支援をするとか、そういう任務と同列に扱うような、そういう任務と違うと私は思うんです。したがって、これだけ大事になってきた国際社会の中での日本のPKO活動に対して、これからも自衛隊に骨を折ってもらうというのであれば、第三条の改正をやはり積極的にやっていかないといけないと思いますが、その点はいかがでしょう。
○中山国務大臣 先ほども申し上げましたように、自衛隊が国際貢献で海外に出動するということは今度が初めての経験でありますし、現在の国内の世論の中でもまた国会等においても、自衛隊を国際貢献に派遣するということのコンセンサスというのはまだまだ十分に実っていない。私どもはカンボジアでの経験というものを貴重な教訓としながら、国民の皆さんの御理解をいただきながら、できれば法の改正も必要であるということであれば、私どもももちろん反対はできないわけでありますけれども、しかし三条を変えるということは自衛隊そのものの性格を大きく変えることでありますから、装備、人員等につきましてもこれは大変な変革になるわけでございます。 そういうことを踏まえまして、今回の経験を生かしながら、今御承知のように防衛計画の大綱の見直しというようなことも進めつつあるわけでありまして、その防衛全般の中から、また我が国の国際的な立場から国際貢献というものがどれだけ必要なのかというような重要性等をはかり合いながら、これからいろいろ研究を進めていきたいと思っているところでございます。
○和田(一)委員 世論ということも大事です。それはしかし、そういった議論をしないと世論は喚起できない、こう思うので私はあえて申し上げたりしておりますし、それから、付随任務として今回やったにしても大激論だったんだ、大変なんだというのはわかりますけれども、しかし、そういったことをクリアしていって、やはりきちっとした任務にして、その任務遂行のための十分な能力をつくっておくということはこれから国際貢献を果たしていくという上では非常に大事だ、こう思っておりますので、私はこれからも繰り返しこのことは申し上げていきたいと思います。 そこで、きょうはもう時間がなくなりましたので一つだけどうしても聞いておきたい、おまえ聞いておけと上の方から命令されました。 この間、モザンビークにいよいよ派遣が決まりまして、機材を運ぶことになりました。私もちらっとテレビで見たんですが、小牧から車両等の運送が行われることになりました。その車両の運送にCCCPのマークのついた、あれは何という飛行機ですか、大型輸送機を使った。そして、確かに旧ソ連のマークがついていたと思うんですが、私もちらっと見ました。これまどういりことなんだという問い合わせがやはり非常に来た。この辺の経過について簡単に説明してください。私はまだ申し上げたいことがある。
○畠山政府委員 御指摘のようなことでございますけれども、これは指名競争入札によりまして民間会社に輸送をまず委託をいたしました。それで、その輸送を請け負った契約相手方、これは日本通運でございますけれども、これが英国の航空会社が手配する飛行機を使うということになった。その結果として、それがたまたまロシア機とウクライナ機、それぞれ一機ずつということになったわけでありますが、じゃなぜその機材が選ばれたかという点について若干敷衍して御説明いたしますと、現地のマプトの空港が支援機材といいましょうか支援体制が十分に整っていない、つまり積みおろしを行うためのメインデッキリフトローダーというもののようでありますけれども、自動的に上げ下げができて、高いところからおろすことができるというものが備わっていない。したがって、それを必要とするような機材ではこれは使えないということから、特別の仕様を持っている、つまりそういう支援機材がなくてずっと自動的に斜めにおりてくる、おろせる、そういう機材を選ばざるを得なかった。それは、契約相手方に対して我が方の輸送所要とそれから現地の状況とを与えまして、それを運ぶに足りる機材をということでやって選定されたのが、結果としてこのロシア機とウクライナ機であった、かような経緯でございます。
○和田(一)委員 防衛庁長官、三日にワシントンでアスピン国防長官と会談されましたね。新聞で私も拝見いたしました。日本とアメリカのPKOに関する協力関係というものが新しく打ち出されてまいりました。その中に、これはアメリカの方からも積極的に申し出たように受け取っておるのですが、米軍機による自衛隊のPKO要員輸送の申し出があった。アメリカにはギャラクシーという非常に大きな輸送機が横田基地にあるのですよ。それは、マプトについても同じような能力を持っていると思う。なぜ使わないのですか、そこまで向こうが協力を申し出てきているのに。 私は、これからPKO活動全体に対する日米関係というものが密接こだんだんなっていくということは非常にいいことだと考えています。そういうことからいうと、米軍はそういう会談が行われたのは承知しているし、やがてそういうオーダーがあるだろう、こう思っているにもかかわらず全然別の方法でやった。そういったトップの話というのは一体どういう意味だったんだ、こうとられても仕方がないと思うのですが、違うのですか。
○中山国務大臣 我が国のPKO活動の参加につきましてま、アメリカからも、これまでも情報の 提供その他いろいろと支援をいただいております。 ただ、輸送業務につしての協力ということは今度初めて具体的なお話があったわけでありまして、そのときには既にモザンビークヘの輸送の段取りというのは決まっていたということもありますし、まあお話があってすぐに飛びつくということもどうかな。 しかし、帰りに太平洋軍司令部に寄ってまいりまして、太平洋軍の守備範囲等いろいろお話を聞いてまいりましたが、南アフリカ連邦の大西洋岸に至るまでの間が守備範囲、したがいましてモザンビークは太平洋軍の守備範囲ということもありまして、今度モザンビークへ行きました我が輸送調整中隊、自己完結型ではありませんで、これから諸外国から出てきております軍隊のお世話にならなくてはならない部門もたくさんございます。それがうまくスムーズにいくのかどうか。それから、一部に言われておりますような内戦の再発というようなことがもしあった場合とか、いろいろなときに緊急の支援としてアメリカにいろいろお願いしなくてはいけないのではないかなという感じは強く持ってきたわけでありますけれども、しかし、今すぐにそれができるような国内等のいろいろなすり合わせ等まだできておりませんので、これからそういう場合には十分に期待できるのではないかなという感じを持っているところでございます。
○和田(一)委員 時間的に無理だったという点は私も理解しないではありません。したがって、そういった大事なお話し合いを踏まえてこれからの協力関係は強めていく、こういうふうに私は理解しました。 というのは、私は、冷戦後の日米関係というのは非常に微妙な関係になっていると思うんですね。特にクリントン政権になりまして、冷戦後の経済立て直しに目が向いてしまった。国内政策に傾斜しております。そういう中で、アメリカと日本は国際社会での共通の価値観を持っているんだということをしっかり示さないと日米安保そのものがおかしくなる、こう私は思っているんですよ。これは、経済と防衛、安全保障はリンクしないのかするのか、当然あるのかどうかわかりませんよ。しかしリンクされてもおかしくない。そういうときに、日米の同盟関係という中で今長官が話し合ってこられた、PKOの協力などというものに前向きに取り組んでこられたということは非常にいいことなんです。したがって、PKO活動は日本とアメリカがきちっと手をつないでやっていく、そういう体制というものを積極的につくっていく努力を、これはやはりタイミングの問題であるとか能力の問題を超えてでも考えていくべきときだと私は思う。こういう思いが強いものですから、こういうことを申し上げたわけなんですね。 きょうは小西さんお見えのようですが、ぜひ外務省の方々、そういう観点に立って、日米関係がおかしくなってしまったら何にもならない。クリントンさんも、これは世界の中の一番大事な二国間関係だ、こういう認識は持っているんですよ。したがって、それが壊れないようにきちっきちっとしていくということは、経済と同盟関係、安全保障の両面で骨を折るということは非常に世界にとって大事だ、こう私は思っております。したがって、そういう意味での質問をさせていただきました。 官房長官、うなずいておられましたので、感想を聞かせていただいて、終わらせていただきます。
○河野国務大臣 いつもながらの卓見を拝聴いたしまして、まことにありがとうございました。
○牧野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十六分散会