内閣委員会 第5号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1993/04/22
会議録
○牧野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、皇太子徳仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律案及び日本国憲法第八条の規定による議決案の両案を議題といたします。 趣旨の説明を求めます。河野内閣官房長官。 ————————————— 皇太子徳仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律案 日本国憲法第八条の規定による議決案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○河野国務大臣 ただいま議題となりました皇太子徳仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律案及び日本国憲法第八条の規定による議決案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 まず、皇太子徳仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律案についてでございます。 結婚の儀は、皇太子殿下及び皇太子妃殿下が結 婚の誓いをされる儀式であり、国事行為として、平成五年六月九日に行われます。 本法律案は皇太子殿下の御結婚に際しまして、国民こぞって祝意を表するため、結婚の儀の行われる日を休日とするものであります。 なお、附則において、この法律に規定する日は、他の法令の規定の適用については、国民の祝日に関する法律に規定する日とする旨を規定しております。 次に、日本国憲法第八条の規定による議決案についてでございます。 皇室が、財産を譲り受け、または賜与するには、日本国憲法第八条の規定により国会の議決に基づかなければならないことになっておりますが、皇室経済法及び皇室経済法施行法の規定によりまして、天皇及び内廷にある皇族について一年間にこれらの方を通じて賜与する価額の合計が千八百万円、譲り受けの価額の合計が六百万円に達するに至るまでの場合には、そのたびごとに国会の議決を要しないこととなっております。 このたびの皇太子殿下の御結婚に当たりましては、ただいま申し述べました場合のほか、皇室が、平成五年七月三十日までの間において、社会福祉事業の資に充てるため、五百万円以内を賜与することができるようにし、また、平成五年六月一日から同年七月二十日までの間において、内閣の定める基準により、皇太子殿下の婚姻を祝するために贈与される物品を譲り受けることができるようにする必要がございます。 以上が、本法律案及び本議決案の提案理由及び内容の概要であります。 何とぞ、慎重審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
○牧野委員長 これにて両案についての趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○牧野委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福田康夫君。
○福田委員 皇太子徳仁親王殿下が小和田雅子さんと来る六月九日、いよいよ御結婚をなさるということでございます。まずもって、このことにつきまして、国民の一人として心からお喜びを申し上げたいと思います。 個人的な感想を申し上げますと、七年前にお妃候補として小和田雅子さんのお名前が世に出たわけでございます。以来、私は、皇太子妃としましてはこの人以外にすぐれた方はいないのではないか、このように確信をいたしておりました。長い年月がたちまして、この間に昭和天皇の御崩御というふうなこともございました。時間はかかりましたけれども、最終決定がおくれたとは申せ、このようなすばらしい決着を見たことは、私はこの上もないすばらしいことであるというふうに感じておる次第でございます。 国民は、天皇、皇室御一家に対しましては大変親近感を持っていらっしゃるようでございます。このことは各種の調査で明らかになっていることでございますけれども、皇太子殿下についても全く同じような傾向がございまして、例えば毎日新聞の平成二年の十二月の調査によりますと、皇太子殿下には好感を持つという方が三二%、親しみを持つ二四%、また尊敬する一〇%、このように肯定的な回答を寄せる方が七〇%近くもおいでになる。その反面、明確に反対をされるという方はほとんどいない、ありましても一ないし二%、こういうふうなことでございますから、国民こぞって皇室に対してはかなりの親近感を持っていらっしゃるというふうに思ってよろしいのじゃないか。こういうふうな好ましい皇室と国民の関係ということが申せると思います。 このように天皇家が国民にとって近い存在になっております最大の原因と申しますのは、やはり美智子皇后陛下が民間からお出になられたということもございますけれども、それと同時に、皇室御一家が国民との距離を縮めようと努力をずつとされていらっしゃるというふうなことによるものだと私は信じております。このたび、小和田雅子さんがまた民間から皇室に入られるというふうなことでございます。このことと、皇太子殿下の率直なるお人柄、このことが相まって、私は、これからの皇室というのは国民との距離をますます縮めていくのではないか、このように思い、また大変好ましい状況であるというふうに思っております。 そういうふうなせっかく良好な関係にあるわけでございますから、この天皇家と国民との好ましい関係を今後とも最大限維持するように関係御当局の御配慮と御努力をお願いしたい、このように思っておるところでございます。 そのような観点から申しまして、今回の御結婚を考えましたときに、この御結婚に対し国民がどのような感じ方を持っているか、そのためにこの御結婚の盛儀が国民とどのようなかかわりを持つかということが極めて大事なことだと私は思いますけれども、この御結婚が国民とどのような接点を持つのか、また国民が祝意をあらわすためにどのような方法があるのかということを考えますと、今まで報道されている部分を総合いたしますと、例えば御結婚の当日を祝日とする、これはただいま審議中でございますが、記念硬貨を発行する、これは三千七百万枚に及ぶと伺っております。また、贈り物を各都道府県ごとに一点ずつ差し上げるというふうなことも伺っております。また、新聞報道によれば、パレードをする、皇居から御所に参る間のパレードをされるというふうに新聞で見ております。 祝意を表する方法としては、また記帳という方法があると思いますけれども、以上私が述べました以外にも祝意をあらわす方法があるのか、また、国民との接点がどのような形で存在するのか、これをまずお聞きしたいと思います。
○河野国務大臣 委員からも御発言がございましたように、私どもにとりましても、皇太子殿下の御結婚はまことに久しく待ち望んでおりました御慶事でございます。心からお喜びを申し上げたいと存じておりますが、国民の祝意の表し方はあくまでもお一人お一人各人の自主的な、自発的な気持ちをあらわすということであることが何より大事であろうと思っております。国民の皆様方にはそれぞれのお立場にあって皇太子殿下の御結婚をお祝いをする、そういうお気持ちをそれぞれの考えで表していただければそれが一番いいと思うわけでございます。 今委員おっしゃいましたように、結婚の儀の翌日、すなわち六月十日には皇居で祝賀の記帳をすることができるという準備があると伺っておりますし、また、幾つかの民間団体におきましても奉祝のための行事を計画しているところもあるというふうに伺っておるわけでございまして、冒頭申し上げましたように、そうした行事なり、準備されておりますパレードとか記帳とかそういうことに国民お一人お一人がそれぞれの自主的なお気持ち、自発的なお気持ちで参加をし、祝意を表していただくということが何よりいいことではないかと考えているわけでございます。 〔委員長退席、井上(喜)委員長代理着席〕
○福田委員 国民の祝意のあらわし方としては、今の基本原則と申しますか自発的な気持ちでもってあらわすというのが好ましい、こういうふうにおっしゃられましたけれども、全くそのとおりでございます。 例えば記帳について私の私見を申し上げれば、記帳をもしなさるのであれば、なるべく記帳する場所は多くした方がいいのじゃないかな、こういうふうに考えます。また、期間を土、日が入るように四、五日間はとっていただきたい、このように思います。また、記帳に参りますと、記帳してサイン、署名をするだけであるということでございますけれども、これは何となくそっけない感じがいたしまして、私もかつてしたことがございますけれども、これは何かいい方法がないかな。例えば全くの私案でございますけれども、スタンプを用意して、持ってこられた紙にスタンプを押してあげるとか、もしくは、スタンプを印刷しましたカードをお配りするという方法もありますし、また、そのカードに菊の紋章でも入っていれば大 変皆様が喜ぶのじゃないかな、こんな感じもいたしますので、この辺ちょっと御工夫をお願いしたい。 記帳は、この間の納采の儀では一万二千人近くの方々が皇居の坂下門まで来られているというふうなことも伺っております。ですから、これは大変簡単に参加ができる、また祝意をあらわせるいい方法ではないかというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 それから、この皇太子殿下の御結婚に伴いまして恩赦を実施されるということは、法務大臣の過日の正式表明ということで報道をされております。また、本日報道されているところによりますと、選挙違反関係者は含まない、また規模も縮小する、こういうふうなことが報道されておりますけれども、それはそのとおりでございますか。 〔井上(喜)委員長代理退席、委員長着席〕
○栃木説明員 お答えいたします。 選挙が公正に行われるということは議会制民主主義を維持する上におきましても極めて重要なことであるというふうに考えられますし、選挙違反者に対する罰則の適用につきましては、これはもう厳正に行われるべきであるというふうに思われるところです。 また、恩赦というものは司法の決定を行政によって変更するという重大な作用を持つものでございまして、その運用につきましてはあくまでも慎重でなければならないと考えられるところでございます。 しかし、皇太子殿下の御結婚に際しましてどのような恩赦を行うかということにつきましては、現在事務当局におきまして検討しているところでございまして、その内容についてはまだお答えする段階ではないというふうに思います。
○福田委員 極めて慎重なお答えをちょうだいしましたけれども、この恩赦につきましては、この四年間で、今回もし実施すれば三回目ということで、ただでさえ回数が多い、こういうふうな批判もあるわけでございます。 そしてまた、選挙違反関係者につきましては、御参考までに申し上げますけれども、必ずしも評判がいいものではないということでございます。恩赦自身については、実施してもよろしい、そういうふうな世論の一定の回答はございまして、これはまた大所高所の判断で結構だと思いますけれども、これは実は毎日新聞の調査でございますけれども、この恩赦の中に選挙違反関係者を入れることについては六三%の人が反対をしているというのが、前回平成二年の調査でございます。そういうことでございますから、ただいま現在、政治改革、政治姿勢を正そうという議論を国会で一生懸命しているというさなかでございますし、国民に背を向けるような形で政治的な判断をされるということも好ましくないというふうに思います。せっかくの皇太子殿下の御慶事ということでございますから、そういうことに水を差すようなことはしていただきたくないなというのが私のお願いであるわけでございます。 そういうことにつきまして、ひとつ官房長官に政治的な判断をお願いいたします。
○河野国務大臣 恩赦につきましては、過去の先例などを調べて、先例にできるだけ即した形をとるということが大事であると同時に、今委員が御指摘になりました今日の政治を取り巻く状況その他も十分に勘案する必要があるのであろう、これは私の個人的な意見でございます。 しかし、先ほど法務省からもお答えを申し上げましたように、現在法務省当局において検討をしている状況でございます。まだその内容等について私どもも承知をいたしておりませんが、恐らく法務大臣もそうしたことをお考えになっておられるのではないかというふうに私ども感じておるわけでございます。御趣旨よくお伺いをいたしまして、十分慎重に検討いたしたい、こう思っております。
○福田委員 以上です。
○牧野委員長 山中邦紀君。
○山中(邦)委員 私からも、このたびの皇太子徳仁親王の御婚儀に心からの祝意を表しながら、以下質疑を行いたいと思います。 まず、憲法八条の規定による議決案件についてお伺いをいたします。 平成五年七月三十日までの期限で五百万円の限度における賜与という案でありますけれども、この価額、これはどういう基準で定められようとしているのか、御説明をいただきたいと思います。
○宮尾政府委員 皇室におかれましては、国民の福祉ということに大変お気を使っておいでになりまして、いろいろな節目には社会福祉事業等に御下賜金を賜る、こういうことが折々あるわけでございますが、今回もそのようなお気持ちから、五百万円以内の賜金を社会福祉事業に御下賜いたしたい、こういうふうにお考えになっておいでになるわけでございます。 この五百万円というのが何か根拠があるのかというのが御質問の御趣旨のようでございますけれども、これは別段特に一定の算出基準というものがあるわけでございませんで、皇室のそういう国民の福祉等に対するお気持ちというものをあらわしたい、それは三十四年のときに百万円の賜与がございましたので、そういうものも参考にしながら今回そういうお考えをお決めになられた、こういうふうに承知をいたしております。
○山中(邦)委員 この議決案の冒頭といいますか、主語は「皇室は、」とあるわけであります。それは日本国憲法八条が「皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、」と書いていることを受けているというふうに思いますけれども、この議決案に則して考えた場合は、この「皇室」というのはだれを指すのですか。
○宮尾政府委員 極めて短い言葉で申し上げれば、内廷というお考えでよろしいかと思います。 両陛下、皇太子殿下並びに皇太后陛下、紀宮殿下を含めた内廷から賜る、こういうことでございます。
○山中(邦)委員 この憲法八条の「皇室」というのは、私人としての天皇及び皇族の個々人でありますから、この辺は明確にしておいた方がよろしかろうということでお尋ねをしたわけであります。 それから、国会における議決の後に「内閣の定める基準により、」という文言があります。これはどういうことを考えておられますか。
○宮尾政府委員 「内閣の定める基準」につきましては、本議決案を御議決賜った後に、内閣におきまして決定されることになるわけでございますが、その内容といたしましては、おおむね次のようなことを案として考えておるわけでございます。 一つは、いずれも団体から、団体としておまとめしていただくという考え方に基本的になっております。第一は、衆議院、参議院、内閣または最高裁判所の構成員等によるもの、それから第二は、都道府県等、第三は、海外にある邦人によるもので、在外公館の長の意見を聞いて宮内庁長官が特に認めるもの、この大体三つを考えておりますが、これは御即位のときに同じような議決をいただいたわけでございますが、それと大体同じ考え方でいきたいというふうに思っております。
○山中(邦)委員 このたびの御婚儀につきましては、いろいろ儀式が予定をされているというふうに承知をいたしておりますけれども、いつからいつまで幾つの儀式が予定をされておりますか、また、その予算関係等御説明願いたいと思います。
○宮尾政府委員 今回の皇太子殿下の御結婚に関係をする儀式といたしましては、本年四月九日に行われました神宮神武天皇山陵及び昭和天皇山陵に勅使発遣の儀、これから始まりまして、六月二十九日に予定をされております昭和天皇山陵に謁するの儀まで、大体十五くらいの儀式になるわけでございます。これらのうち、本年四月十三日の閣議におきまして、結婚の儀、朝見の儀及び宮中饗宴の儀の三つの儀式は国事行為として行うという御決定をいただいております。その他の儀式等につきましては皇室の行事として行う、こういうことに相なります。 それから、これに伴う予算の関係でございますが、今回の御結婚に必要な経費は、国事行為として行う結婚の儀 朝見の儀 宮中饗宴の儀に必要な経費、並びに妃殿下が御使用になる乗用車の整備等に必要な経費を予定をお願いいたしておりまして、これらの経費は全額予備費使用で対応をすることにし、去る二十日の閣議におきまして、宮廷費で二億八千六百万円の予備費を決定をしていただいているところでございます。
○山中(邦)委員 四月十三日の閣議で三つの儀式について国事行為として行われることが決まった、こういうお話であります。当然、内閣の助言、承認を要するという御趣旨だと思いますが、結婚の儀、これはどういう形で行われますか。また、予算的にはどうなりますか。
○宮尾政府委員 結婚の儀の具体的な行われ方、こういうことでございますが、まず、皇太子殿下のお使いがお妃となられる方のお屋敷の方にお妃となられる方をお迎えに行く、こういうことから始まりまして、賢所におきまして神饌・幣物をお供えをし、その後、国民の代表の方々が参列して立ち会われる中で、お二人が賢所において拝礼をし、それから皇太子殿下が結婚のお告げ文を奏され、お二人で御神酒を召し上がられて、退出をする、こういった一連のことが行われる、こういうことになるわけでございます。 それから、結婚の儀にどれだけかということでございますが、ちょっと行事別に区分けをすることはなかなか困難でございますので、先ほど申し上げましたようにこれらの三つの儀式が国事行為とされ、それらを費目別にいろいろ積み上げまして総体が二億八千六百万。結婚の儀については今ちょっとテキストを持っておりませんので……。
○山中(邦)委員 結婚の儀には天皇も列席をされるのですか。
○宮尾政府委員 賢所で行われます結婚の儀には天皇陛下は御出席にはなりません。
○山中(邦)委員 宮内庁からいただきました儀式の説明書には六月九日賢所で皇太子、皇太子妃が結婚の誓いをされる、こういう御説明であります。そのとおりでありましょう。また予算面につきましては、三つの国事行為合算して二億八千六百万、結婚の儀にはどれぐらいかかるか今判然としない、こういうお話でございます。結婚の儀はそれほど費用がかかるというようなことはなかろうかというふうに思います。二億八千六百万というのも相応に根拠があっての数字だと思いますので、そう理解をいたします。 ところで、結婚の儀はだれが行われるのです。だれが主宰をされるのですか。
○宮尾政府委員 結婚の儀は国事行為でございますから、その主宰者は天皇陛下でございます。
○山中(邦)委員 結婚式はそれこそ憲法にあるとおりに結婚する両性の合意ということが主体である、当然のことでありましょう。また、結婚式も新たに夫婦になる人が主宰をする、こういうふうに理解をいたします。 ただいまの御説明は、国事行為であるから天皇が主宰される、これは順序が逆であろうというふうに思いますね。その場所に列席をされ、そうして儀式を主宰されるということであれば、これは天皇が主宰をされる。そうして国事行為かどうかという議論については私はいろいろ意見がありますけれども、きょうは法制局も呼んでおりませんから余りその議論に入らないとしても、天皇の行為ではないというふうに見るのが素直じゃありませんか。いろいろ大事だというような観点から重点を置いて国事行為というふうに考えて、さかのぼって天皇が主宰される、こういう理屈になっているんじゃないでしょうかりこの点はどうですか。
○宮尾政府委員 賢所におきまして行われる結婚の儀の流れというものは先ほど申し上げましたようなことで進むわけでございますが、その中心的なといいますか、その一番重要な部分というのは御承知のようにお二人がそこで結婚の誓いを交わされるというところにあるわけでございます。 皇族男子につきましては、結婚の成立の要件というのは、そういう結婚の儀を行うこと、結婚式を挙げること、そこに結婚の成立要件があるわけでございます。一般国民の場合には市役所に届け出るということが結婚の成立要件でございますけれども、皇族男子の場合にはそういうことにはなっておらないわけで その儀式 式を挙げることが成立要件、こういうことになっております。そこで、皇室の伝統によりまして賢所で国民の代表が立ち会っておられる中で結婚式を挙げる、これが皇族の場合には結婚成立の要件、こういうことになるわけでございます。 これを国事行為とするかしないかという考え方の基本は、皇太子殿下は皇位継承権第一位の地位にあられる方でありまして、将来国の象徴として即位をされる、そういったお立場にある。したがいまして、そういう大変国家的にも国民的にも慶祝に値するようなものであり、重要な憲法上の地位にあられる方の結婚の儀につきましては、これを国事行為として行うことがしかるべし、こういう考え方に立っております。 国事行為をなさるについて天皇陛下はそこに御臨席にならないわけでございますが、主宰者は天皇陛下である、国事行為として行う結婚の儀というものの結婚の場をそこに陛下がいわば設定をされる、こういう考え方に立っておるわけでございまして、これはそういう考え方で行っておるということを御理解いただきたいと思います。
○山中(邦)委員 今度の御婚儀に関しまして結婚の儀を行うことが婚姻の条件だ、要式行為だというような感じのお話ですけれども、何に決まっておりますか。
○宮尾政府委員 これは御承知のように皇族、皇室につきましては戸籍というものはございません。戸籍法の枠外でございます。一般の国民の場合には結婚の要件といりのま届け出をもって成立をする、そういうことが民法に明確に書かれておりますけれども、皇室の場合にはこれは皇統譜に登録をされる。皇族の結婚成立の要件というのは民法の規定からは外れるわけでございますので、旧皇室親族令等の考え方からいきまして、皇族の結婚については結婚の儀、結婚式を行うということによって結婚の要件が成立をし、これが皇統譜に登録をされ官報等にも告示される、こういうことで成立要件となっているというふうに考えておるわけでございます。
○山中(邦)委員 この問題についてはこの程度でおさめておきたいと思いますけれども、現在の天皇はかつて、憲法を守って職務を果たしていく、こういうふうに述べられたことがあったはずでございます。当然今度の御婚儀その他についてもそういうことの気の配り方というのは大事なことではないのかというふうに思います。それで、結婚の儀を天皇が主宰をなさるということは国事行為として大事だからということで、結論からさかのぼったようなお話に伺えます。また、今宮内庁次長のお話では、皇位継承権の関係で大事だから国事行為、皇太子の国事行為という観念があればですよ、そういう説明をなさっているかにも見えるのですね。 それで長官に伺いたいのですけれども、今までの話をお聞きになってどうお思いになりますか。ごく普通に考えれば披露宴を親が費用負担し、主宰するということはあるでしょうけれども、結婚式の当事者はこれは新たに夫婦になる当人ではないかという感じがいたします。また、今度の結婚の儀は賢所で神前に結婚の誓いをなさるということでもあります。こういう観点から本当に国事行為という要件を満たしているかどうか。また憲法二十条の儀式の宗教性、あるいは八十九条の同種の宗教上の事業こ費用を出してまならない、こういう問題についてはどうお考えになりますか。
○河野国務大臣 ただいま御説明を申し上げましたとおりでございますが、私どもといたしましても、皇室の持つ長い伝統というものを大事にするということも極めて重要だと思います。 そこで、結婚の儀でございますけれども、結婚式は、結婚をする当事者が望む方式によって行うというのが社会の慣例でございます。この定着している社会の慣例ということを頭に入れまして、 閣議決定に当たりましては、この社会の慣例というものに従って、両殿下が望まれる方式を受けて結婚の方式というものを考える お二人が望まれない方式を国が決める、押しつけるというようなことであってはならないわけでございまして、当事者であるお二人が望まれる方式、望まれる結婚の場というものを設けることが重要だ。つまり、国はあくまでもお二人のお考えというものを受動的に、受けとめて、そして結婚の儀というものの方式を認めるといいますか受けとめるということが大事だというふうに考えているわけでございまして、国が積極的にあるいは主体的に結婚の儀の方式でございますとか場でございますとか、そういうものに関与するものであってはならないし、そうではないということでございます。 それで、山中先生御指摘の後段でございますが、結婚式が宗教上の儀式として行われる、これは仏式であれ神式であれあるいはキリスト教の教会で行われるものであれ、一般人の結婚式にはそれぞれあるわけでございますが、しかし、一般人のそうした結婚式場選びと申しますか、結婚式の形式というものが一般人の宗教的感情を特に刺激をしているというふうにも考えられないわけでございまして、結婚の儀を国の儀式として行ってもあるいはまたこれに要する費用を国費から支出することといたしましても、津の地鎮祭に関する最高裁判決の趣旨などに照らしまして憲法二十条第三項の禁止する宗教的活動をすることにはならないし、また憲法第八十九条が禁止する公金の支出とは言えないというふうに考えますので、今先生御指摘の憲法二十条第三項及び第八十九条に違反するというふうには考えない、そういう判断を下したものでございます。
○山中(邦)委員 今の問題はこの程度にとどめますけれども、釈然としない。そうして、国の方が受動的に考えるのだということはいささか異論がございます。国事行為として扱うかどうかは、国の方がいろいろな事情を点検をして、これは憲法に沿って自主的に責任を持って考えるべきことであるということを申し上げておきます。津の地鎮祭問題に関する最高裁判決を引用なさいましたけれども、少なくとも結婚の儀に関しては、これまで私が申し上げたようなことと相まって、国事行為として扱うべきかどうかは大いに疑念があるというふうに思うのです。 それから、先ほど福田委員もお尋ねをしたわけでありますけれども、恩赦の問題であります。 このたびの慶事に際して、ことしの一月ごろから恩赦に関する報道が時々なされておりまして、検討中、事務当局に検討させているのだというような話でずっとまいりましたけれども、四月二十日には新聞報道がなされました。二十日の午前、閣議の後で後藤田副総理・法務大臣が「当然、実施するということを前提に、検討を進めている」こうお話しなさった旨報道されております。そうして、選挙違反者の救済についても、「特定の罪を除外すると、法律の公平な運用という点から問題がある」という理由で公職選挙法違反者も対象に含める方向になった、こういうことが報道されたわけであります。 ところで、けさテレビを見ておりますと、福田委員が指摘をされたとおり、復権に関しては選挙違反の関係は含まないという方向で方針が出てきた、政治改革の議論が盛んな折からそういうことになりそうだ、ただし自民党内でもいろいろな意見があるので結論が出るまで紆余曲折があるだろう、こういう報道でありました。 私はこの慶事について、国民の皆さんとともにお祝いをするという点では人後に落ちない、やぶさかでないわけでありますけれども、慶事に絡んで、悪く言いますと、皇室の慶事を利用してああでもない、こうでもないというような恩赦についての議論がなされている、そういう報道がなされている、この事態は決してお祝いをしているというような感じには受け取れないわけであります。 長官はその辺はどうお思いになりますか。この問題についてはいつ政府は結論をお出しになるのですか。
○河野国務大臣 御慶事に当たってこれを利用するごときものは好ましいことではないという山中委員のお気持ちは、私もよくわかります。 恩赦につきましては、先ほども福田委員に申し上げましたように 前夜と申しますか先例に従って検討をなさっておられるというふうに思いますが、いずれにしても、今日の政治に対する社会的なお気持ちなども恐らく考慮に入れて御検討、御勉強が法務省の中で行われているのではないかというふうに私は推察をいたしております。しかし、いずれにいたしましても、まだ事務当局において検討中でございまして、考え方が固まって報告をなさるという段階ではないと承知をいたしております。また、今御質問のいつになるかということにつきましても、まだ私のところには、いつ幾日、検討しておるあるいはもし仮に検討しているとすればその考え方が固まるというようなことについては御報告はございません。 重ねて申し上げますが、事務当局内部での検討がなされているというふうに私どもは伺っておるところだけでございます。
○山中(邦)委員 事務当局は一体どういう検討をしておりますか。法務省の行刑当局はむしろいわゆる政令恩赦などは現在の刑事政策のあり方を乱すものだということでいろいろ批評しているところであります。こういう復権令あるいま恩赦令を出せば、こういう方々が救われるとか、そういう趣旨の検討はしておりましょうけれども、最後は内閣が決定するのでありますから、政治判断だということになろうかと思います。 御担当は法務大臣でありますから、法務大臣にお聞きするのが筋だとは思いますけれども、きょうは法務委員会がおありだそうでおいでをいただいていないわけでありますので、指導的な与党の政治家でもあり、また内閣の女房役でもある官房長官は、今度の恩赦で、公民権停止を受けている選挙関係の違反を犯した人たちを一斉に、全部一挙に救うというような恩赦についてはどういう御意見をお持ちになりますか。
○河野国務大臣 いずれにしてもこの問題は、まず法務省でお考えがまとめられ、法務大臣から御報告があって、それに対して最終的な決断を、まさに委員御指摘になりましたように政治的な判断を下すという場があるかもしれません、あるいはそういう場がないかもしれません。まだそこまで申し上げる段階ではございません。 私の個人的な気持ちは先ほど来申し上げておりますように、慎重に検討してほしいというのが私の気持ちでございます。
○山中(邦)委員 合意は、含むところのお気持ちは大体察することができるわけでありますけれども、戦後の恩赦について評判がいいのは一つもないですね。そして、いろいろ批評がなされておりまして、政治家の政治家による政治家のための恩赦だというような批評がなされております。これは相応の意味のあることでありまして、政府も、明るい正しい選挙推進事業として十六億の予算を出しておられる。そして、全国で二千八百七十のボランティアの団体があって、一生懸命、明るい正しい選挙の推進運動をやっている。片や法務当局もこういうあり方はよろしくないと本当は思っていながら、文書で発表したものもございます、結局政治判断で、特に私が言いたいのは選挙法違反関係者の復権でありますけれども、これを一律にやっている。 この辺は慎重にというところをもっと深めていただきまして、官房長官の御意見を閣議できちっと表明していただきまして、今度はやらない、選挙違反関係者については復権はやらないということを鮮明にする、そういうことがあってもいいのではないか。政治改革についていろいろ議論をされているところでありますし、そういうことをお考えいただきたい。 また、恩赦については、これは法務省の御担当だと思いますけれども、一括恩赦、一般的な恩赦については内閣が決める前にしかるべき審議会のようなものをつくってそこの意見を聞けという恩赦に関する審議会の答申が以前出ております。ま た、議員立法で同趣旨の法案が出たこともございます。参議院で通過をし、衆議院は解散で、結局法律として成立をしなかったわけであります。 おとといでしたか、昨日でしたか、宮澤総理は、政治不信解消のラストチャンスだということをおっしゃったようであります。選挙区制についていろいろ議論をしているその傍らで、選挙違反者を復権させる。個人的な事情はいろいろありましょう。それは個人的な復権の作業の中に組み入れればいいことであります。私はそういうふうに思います。 けさのテレビで、自民党の中にはいろいろ意見がある、こういう話でありました。今まで、恩赦についてはいろいろ法務委員会なんかで議論があったようであります。 恩赦は原則として国事犯、政治的な犯罪に施すのが第一である、こういう議論も以前なされたようであります。国事犯は恩赦の第一の対象になるべきだと。「選挙違反というのは、御承知のように政治的な関心の深い人、政治的に熱心な人、国家のため地方のために一生懸命やらなければならないという、そういうふうな国事に熱意のある人たちの勇み足であるというのが現状でございます。」こういう議論をされた方がおります。 また、前に法務委員会におきまして、委員長が委員長代理を立てて自席に戻り、公民権停止を受けた方が自粛して生活をしているにもかかわらず次の選挙に出られない、これは大変なことである、ぜひ恩赦にあずかるようにすべきではないかという趣旨の意見も申されたことがあります。これは委員長御自身の関係の違反者を前提にしたものではないと思います。それだけは名誉のために申し上げておきますけれども、こういう議論が横行するようでは、選挙区割りをいじり、選挙制度を議論しても、とても国民は本気に思わないのではないか、不信を抱くだけではないのか。 早々に、今度の御慶事に際して選挙違反関係者の復権はしないということをお決めになるべきではないか。これだけを申し上げて、御意見を伺い、終わらせていただきます。
○河野国務大臣 大変貴重な御意見を承りました。ただいまの御意見は十分頭に入れて対応したいと思っております。
○山中(邦)委員 終わります。
○牧野委員長 午前十一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十時四十七分休憩 ————◇————— 午前十一時三十二分開議
○牧野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山田英介君。
○山田委員 まず、今回提案されました法律案の質疑に入ります前に、今般の皇太子殿下の慶事に関し、国民の代表の一人として一言お祝いの言葉を述べさせていただきたいと思います。 皇太子徳仁親王殿下におかれましては、正式に小和田雅子さんとの結婚を調えられました。去る十二日の納采の儀に続き、十三日には、結婚の儀、朝見の儀、宮中饗宴の儀を国事行為として行うとする閣議決定もされ、また、一昨日の二十日には、結婚の儀を六月九日に行うことを小和田家に伝える告期の儀が行われるなど、御多忙な日々をお過ごしになられることと存じます。ここに、小和田雅子さんとの結婚の儀を御無事に迎えられますことを心よりお祈りを申し上げますとともに、皇室の末長い御繁栄をお祈りを申し上げたいと存じます。 それでは、今回提案されました皇太子徳仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律案及び日本国憲法第八条の規定による議決案につきまして若干の質問をいたします。 まず、この休日法についてでございますが、今回の法案が内閣提出の法律案として国会に提出をされたことについてでございます。 この皇太子殿下の御結婚の儀に伴う休日についての先例は、昭和三十四年に行われました現天皇陛下の結婚の際のときのもの以外にはないわけであります。このときは第三十一回国会でありますけれども、この休日法については、当時の一部の議員を除きました衆議院議員が共同提案者として名を連ね、この法案が提出をされました。恐らく趣旨は、憲法に明定されております「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。」との規定にのっとり、皇太子明仁親王殿下の結婚を国民こぞって祝うためであったと理解をいたしております。 そこで、今回はこの法律案を内閣提出に係るものとして提案をされたわけでありますが、なぜそういうことになったのか、官房長官から御説明を願いたいと思います。
○河野国務大臣 委員も十分もう御承知のとおり、皇位継承第一順位者である皇太子殿下の御結婚は、まさに国民的な慶事であるだけでなく、その結婚の儀は閣議決定により国の儀式として行われるなど公的な性格が極めて強い行事でございます。政府といたしましては、この結婚の儀の行われる日を休日とすることを政府として提議することは、十分合理的かつ有意義なことと考えております。 そこで、委員お尋ねのように、内閣提出でこの休日を決めるか、議員立法によって決めるか、こういうお尋ねでございますが、最近の休日に関する法律制定の例を見ますと、昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日とする法律、これは平成元年でございます、さらに即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律、これは平成二年でございますが、これらはいずれも内閣が法案を提出をいたしております。いずれがいいかということについては特別の決定的な理由があるわけではないと思いますが、最近のこうした法律制定の流れに沿って、今回もまた内閣提出とさせていただいたわけでございます。
○山田委員 次に、この結婚の儀の行われる日でありますけれども、さきの閣議におきましては、この儀式は国事行為として行い、日時等の細目は宮内庁長官が定める、こうされておるわけです。「国の儀式として」ということですから、いわゆるお手元金である内廷費からではなく、国民の税金を使って行われるということであります。このような重要事項を、総理府の外局である宮内庁の長官がこの日を定めるということにしたわけでありますが、平成二年の即位礼のときは、この期日につきましては閣議で決定をしておる。当然といえば当然だと私は思うのですが、今回は同様に閣議決定事項としなかったのはどういうことでありますのか、これも御説明いただきたいと思います。
○宮尾政府委員 結婚の儀が行われる日を閣議決定の中に盛り込むということも当然考え方としては十分あり得るわけでございますが、ただ、この結婚の儀が行われる日を特定をするためには、皇室におきますいろいろな諸行事との関連等で日取りをどうするか、あるいは小和田家の御都合等もいろいろありまして、そういうものとの調整ということもいろいろあるわけでございまして、そういうことから、閣議決定におきましては大きなめどを、六月の上旬ごろというふうに一応めどを閣議決定で決めていただきまして、そして具体的な日にちの決定につきましては、先ほど申し上げましたようなもろもろの皇室行事なりあるいは小和田家の都合なり、そういうものを十分固めたところで具体的に決めていただく、決めさせるということで、そういう具体的なところを宮内庁長官にゆだねていただいた、こういうふうにさせていただいておるわけでございます。
○山田委員 次に、議決案について伺いたいと思いますが、憲法第八条の議決案でございますが、伺うところによりますと、皇室が贈与される物品を譲り受けることを可能とするためのこの第八条の規定による国会の議決が行われましたのは、昭和三十四年の現天皇陛下の御結婚と平成二年の天皇陛下の御即位に際してのもの、この二つの例のみでございます。 そこで、この議決案が国会で可決をされた後に閣議決定されるでありましょう「物品の譲受けに 関する基準」につきまして、前例と対比をしながら御説明をいただければと思います。
○宮尾政府委員 前板といたしましては、今お話の中にございましたように、三十四年のときとそれから平成二年の御即位のときの二つがございます。 そこでまず、昭和三十四年の、現在の陛下の御結婚時におきまして、国会の議決をいただいた後、どういう内閣基準を定めたかということにつきましては、これは五つございまして、第一は「衆議院、参議院、内閣又は最高裁判所の構成員がそれぞれ共同して贈与する場合」。それから第二は「都道府県等が贈与する場合」。第三が「海外にある邦人の組織する団体が贈与する場合」。それから第四が「皇室と特別の縁故のある者が贈与する場合」。第五が「都道府県知事の具申に基き、宮内庁長官が特に適当と認める場合」、この第五は当然個人でございますが、個人の方が知事に申請をしまして、そこから宮内庁長官の方に進達が参りまして、特によろしいという場合には受ける。こういう五つの事柄を三十四年のときには内閣基準で定めておりました。 そこで、平成二年のときには、この三十四年の例等も参酌しながら内閣基準を決めていただいたわけでございます。このときには、「次に掲げる団体から贈与される場合」ということで三つのケースを挙げております。第一は「衆議院、参議院、内閣又は最高裁判所の構成員等によるもの」。それから第二が「都道府県等」。第三が「海外にある邦人によるもので、在外公館の長の意見を聴いて宮内庁長官が特に適当と認めるもの」。こういうふうにいたしております。 この三十四年のときと平成二年のときの違いというのは、大体四番目と五番目、特に個人からの物品の贈与というものについては、平成二年のときにはそれを内閣基準に入れておりません。それはどういうことかといいますと、やはり個人の方からそういうお祝いの品物をいただくということになりますと、大変これはいろいろな申し出があり得ますし、皇室としては、そういう国民の方々のお志があるならば、そういうものをむしろ福祉の向上とかあるいは国土の美化というような方面に生かしていただきたい、そして国民からのそういうお志については、例えば都道府県等がまとめて、そういうお志を含めた意味で都道府県単位で一つに限っていただく、こういうふうに平成二年のときには考えまして、そういう整理をさせていただいたわけでございます。 今回も、この平成二年の御即位のときの例に倣って同じような内閣基準を定めていただいたらどうか、こういうふうに今考えておるわけでございます。
○山田委員 この贈与された物品につきましては、さきの即位の礼の際のものは皇居の東御苑において公開されたと私伺ったのですが、しかし、昭和三十四年のときのものは贈与された件数さえも公表されていない。皇室と国民とのかかわり、そういう大事な要素もあるわけでありますので、これはちょっとお考えでいいんですが、どうしてもそうしてもらいたいとか、すべきであるとか、そういうことではなくて、非常に国民の関心が高いわけでありますから、昭和三十四年のときはどういうものが献上されたのかな、そういういい意味の御関心というのはまたあるのだろうと思うのです。三十数年たっているわけでありますから、それを公にしていただいてもいいのかなという感じがいたしますものですから、ちょっと御見解を。
○宮尾政府委員 三十四年のときには国会の議決もいただき、またそれに定める基準に従いまして物品の譲り受けを受けたわけでございますが、お話にありましたように、どういうものをいただいたかということは、当時は公表しておりませんでした。 それで、大分前のことでございますので、これを改めて何か品物を公開するということはちょっといかがかと思うのでございますが、件数でちょっと申し上げますと、いわゆる三権の構成員の方々から共同していただいたものが四件、それから都道府県等が贈与する場合ということで三件、海外にある邦人の組織する団体が贈与したものが二十二件、第四番目の特別縁故者からのものが十二件、第五番目の知事からの具申に基づいて宮内庁長官が特に適当と認めたものというのが百六十件、合計二百一件、こういうことになっております。なお、このほかに外国元首等から贈られてきた品々等もございまして、これも五十五件ということでございます。 これを改めて公開するということはちょっと今の段階ではあれですが、平成二年のときには、私ども、こういういただいた品物については公にし、またそれを国民の方々に御披露する、そういう場を設けるべきであるということで皇居内にそれを展示いたしまして、約一週間余にわたりましてごらんいただいた、こういうことでございます。今回もそういうことは考えていきたいというふうに思っております。
○山田委員 時間がありませんので最後でございますが、これは新聞報道でありますけれども、結婚の儀の当日に行われるパレードには、昭和三十四年の現天皇陛下の際には華やかな馬車が使用されたと思いますが、今回はオープンカーが使われるという記事がございます。三十四年ぶりの慶事でありますので、オープンカーもそれはよろしいわけでありますが、華やかな馬車などを御使用になられてもまたいいのではないかという点が一つ。 それから、たしかあしたから天皇皇后両陛下が沖縄を訪問されるわけでありますが、その際に使用される車両について、警備当局と宮内庁との間で若干見解の相違があるようにも伺っておりますが、あわせて、簡潔で結構でありますので、最後の質問としてお願いいたします。
○宮尾政府委員 今回の御結婚に当たりましては、三十四年の前例に倣いまして馬車等でパレードをしたらどうであろうか、こういう御意見はいろいろな方面にもございまして、私どもとしても、そういうことが可能であればそういう方式の方がいいのではないか、こういう基本的な考え方を持っておるわけでございますが、三十四年当時と交通事情も大変変わっておりますし、それから社会環境もいろいろな変化がございます。そういう中で、当然警備の問題等もあるわけでございますが、諸般の事情を総合的に勘案いたしますと、今回残念ながら馬車列でお帰りをいただくということは断念せざるを得ない、こういうふうに判断をいたしまして、即位の礼の祝賀御列の儀と同様な形になりますけれども、自動車列でお帰りをいただくということに決定をしておるわけでございます。 それから、沖縄御訪問に際しての両陛下の御使用される車についてのことでございますが、確かに新聞等において若干そういう感じの報道があったことは私も承知をしております。これはいずれの行幸啓の場合にも、奉迎をいただく県民の方々とできるだけ親しく接していただくということと同時に、他面警備という問題も当然ついてまいるわけでございまして、そういう点について事前にいろいろと警察当局を含めて関係のところと協議をした結果、しかるべくそれなりのこともしていただく、こういうことで、警察当局と宮内庁が大変けんかをしておるというようなことではございませんので、そこは十分話し合いができておることでございますので、御了解をいただきたいと思います。
○山田委員 重ねてお祝い申し上げまして、質問を終わります。
○牧野委員長 三浦久君。
○三浦委員 官房長官にお尋ねをいたします。 休日がふえるということは、長時間労働で苦しんでいる労働者は喜んでいる、そういうように思います。しかし、天皇家や天皇制に対する国民の考え方というのはまちまちでありますので、いやしくも国民に祝意を強制するというようなことがあってはならないというふうに思います。 結婚の儀を休日にすることによって、企業、学校、町内会などでパレードへの動員、またさまざ まな団体がさまざまな祝意をあらわす行事を行うということが予想されております。それぞれについて、祝意を強制する または強制していると誤解を与えるような行動は慎むべきではないかというふうに思いますが、官房長官の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○河野国務大臣 先ほどもお答えをいたしましたけれども、祝意の表し方は各人それぞれ自発的、自主的なものであることが何よりであろうと思います。しかし一方で、今回の慶事が国民久しく待ち望んでいたものであるとお考えの方も多いということにもかんがみまして、御結婚の当日は休日とするという法律を御審議をいただいているところでございます。 しかしながら、その休日が、休日にするからといって祝意を強制するという筋のものでないということだけは、ぜひ誤解のないようにお願いをしたいと思っております。
○三浦委員 宮内庁にお尋ねをいたします。 宮内庁の御答弁を聞いておりますと、皇太子の結婚は皇位継承の第一順位の立場にあるから結婚の儀式などを国事行為にしたんだ、こういうふうに言われていますね。しかし、皇位継承の第一順位の立場の者であっても、その結婚というのは天皇家の私事ではないでしょうか。国政への機能を有しない天皇家の私事を国事行為として、不況のもとであえいでいる国民の血税を二億八千万円もかけるというのは、私は納得ができないというふうに思います。 皇室典範でも、儀式は大喪の礼と即位の礼しか規定されておりません。天皇の国事行為というのは、これを拡大しないで、むしろ逆に厳格に限定するというのが憲法の趣旨ではないかと私は思うのであります。 結婚の儀を国事行為とすることは、そういう意味で憲法や皇室典範の拡大解釈だというふうに私は思いますけれども、いかがでございましょうか。
○宮尾政府委員 御結婚ということは、当然それはいわゆる私事に属することであることは間違いございません。ただし、皇太子殿下の御結婚ということになりますと、これは皇太子殿下が皇位継承の第一順位者であるということになっておりますし、我が国の憲法におきまして皇位の世襲制を定めておる。そして、天皇は国の象徴であり、国民統合の象徴であるという地位にあられるというわけであります。そしてさらには、今回のそういうお立場にある皇太子殿下の御結婚というものは、国民が久しく待ち望んでいたことでございますし、国民の関心が非常に高く、国民的慶賀の対象となるものであります。 そういったことから考えまして、一連の諸儀式、諸行事の中で、特に根幹をなすような結婚の儀、朝見の儀、宮中饗宴の儀、これにつきましては、憲法第七条第十号に定めております儀式として行うことが適当であるという判断をいたしまして、そういったことをお決めいただいたということであります。
○三浦委員 私は、皇室典範にもない儀式を国事行為にしていけば、国事行為は際限なく広がってしまって、憲法の精神に反するようなことになるんではないかということを心から危惧をいたしております。 官房長官にお尋ねをいたしますが、結婚の儀は、天照大神の御神体と言われる三種の神器の一つ、神鏡が祭られている賢所で誓いを立て、守護を願う明白な神道儀式であります。こうした儀式を国事行為として、しかも公金を支出することは憲法二十条の政教分離、第八十九条の宗教への公金支出の禁止に反するのではないでしょうか。いかがでしょうか。
○河野国務大臣 結婚式は、結婚をする当事者が望む方式によって行うということが社会の慣例として定着をしていると考えられておりますから、さきの閣議決定に当たって、国はこの社会の慣例に従って、両殿下が望まれる方式を受け入れて、そのような方式による結婚の場を設けることにしたものでございます。その意味では、国は結婚の儀の方式に積極的、主体的に関与するものではございません。 また、我が国におきましては、結婚式が宗教上の儀式として行われたとしても、一般人の宗教的感情を特に刺激するものではないと考えられることなどをも考慮すると 結婚の儀を国の儀式として行っても、津の地鎮祭に関する最高裁判決の趣旨に照らしまして、憲法が禁止する宗教的活動には当たらないし、政教分離の原則には反しないと考えるものでございます。
○牧野委員長 もう時間が来ましたよ。
○三浦委員 はい、わかりました。質問しません。 個人とは比較にならない影響を持っている。したがって、神道への援助といいますか神道を助長する、そういう傾向を生み出す可能性というのは非常に高いということを指摘して、質問を終わりたいと思います。
○牧野委員長 和田一仁君。
○和田(一)委員 皇太子殿下の御婚姻が正式に決定せられたことを国民の一人として心よりお喜び申し上げる次第でございます。 皇太子殿下は、皇位継承順位筆頭にあらせられ、将来、憲法第一条に定められる日本国の象徴、日本国民統合の象徴となられる方であります。さらに、広く日本の文化、伝統の連続性を体現されるみ位につかれる方であります。その意味で、国民こぞってこのたびの御慶事をお祝い申し上げたいものだと思います。 日本の皇室は世界の数ある王室の中でも類例のない長い歴史を持つものであり、現在もなお脈々と受け継がれているのであります。諸外国の王制は、そのほとんどが国内の権力闘争や外国との騒乱の中で消滅してきました。そう思いますとき、権力の次元をはるかに超越し、権威を持って国民を統合してきました日本の皇室の歴史は、総じて日本が平和であり、対外的にも平和な関係に恵まれてきたことのあかしであると考えております。今世紀には第二次世界大戦という不幸な事態がありましたが、幸運にも皇室伝統は受け継がれました。我々は、このかけがえのない日本国民の誇りある伝統を永遠に伝えていきたいものだと思います。 皇太子殿下の英資、英邁、英風は国民のよく知るところであります。また、皇太子妃としてお選びになった雅子様は将来の皇后にふさわしい方だと拝察いたしております。その意味からも、今回の皇太子殿下の御結婚を心よりお喜び申し上げる次第であります。 また、政府、宮内庁は、この御慶事が国民こぞって奉祝できますよう特段の努力を払われますように要望いたすものでございます。関係官庁及び官房長官の御決意を伺って、私の質問を終わります。
○河野国務大臣 お話がございましたように、今回の御慶事は国民が久しく待ち望んでいたものでございます。この御慶事が滞りなく多くの国民の祝福の中で行われますよう万全を期すつもりでございます。
○宮尾政府委員 ただいま官房長官から御決意の表明がございましたが、宮内庁といたしましても、万遺憾のないように、この御慶事が国民挙げて慶祝の中に粛々と行われますことを腹に据えまして一生懸命やってまいりたいと思っております。
○和田(一)委員 終わります。
○牧野委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○牧野委員長 これより両案を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、皇太子徳仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○牧野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。次に、日本国憲法第八条の規定による議決案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○牧野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○牧野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○牧野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三分散会 ————◇—————