地方行政委員会 第14号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1993/04/22
会議録
○中馬委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉井英勝君。
○吉井(英)委員 私は、せんだって犠牲になられました中田厚仁さんの御冥福を祈りますとともに、不幸なことが起こらないように、そのことを願いながら、最初にカンボジアの選挙監視問題を伺いたいと思うのです。 まず第一に、ポル・ポト派はパリ和平協定遵守と言っているから枠組みは壊れていないとしてきているわけでありますが、パリ協定の枠組みといえば、まず停戦合意の遵守それから武装解除、選挙人登録から中立的環境での総選挙実施、こういうことになってこようと思うのですが、現在、ポル・ポト派はこれらの枠組みの中でどういう点を守っているか、まずこの点を具体的に伺っておきたいと思うのです。
○小島説明員 お答え申し上げます。 ポル・ポト派にも平等に選挙参加の機会が開かれ、我が国を含む関係国、UNTACがたび重なる外交努力を行ったにもかかわらず、先生御案内のとおり、先般ポル・ポト派はみずからの選択として選挙への不参加を表明し、さらにプノンペンの同派事務所を閉鎖するに至ったこと、これは事実でございます。しかしながら、同派といたしましても、SNCにとどまるということは言っておるわけでございますし、また先ほどの御質問のとおり、パリ協定は遵守するというふうに述べておるわけでございます。 私どもといたしましては、さまざまなテロ事件あるいは暴力事件も起きてはおりますけれども、カンボジアにおきまして全面的な戦闘が行われているというふうには考えておるわけではございません。したがいまして、パリ和平協定の基本的枠組みというものは維持されているというふうに認識しておる次第でございます。
○吉井(英)委員 全面的な戦争状態になっているかどうかとか、私はそのことを今言っているのじゃなくて、まずパリ協定の枠組みがありますね、その枠組みの中で具体的にポル・ポト派はどの段階を守っているのか、それを伺っているのですよ。それについてはどうですか。
○神余説明員 お答え申し上げます。 パリ和平協定の枠組み、そしてパリ和平協定の実施につきましてはさまざまな段階がございまして、これにつきましては委員つとに御承知のとおりだと思います。確かに、委員御指摘のとおり、ポル・ポト派がパリ和平協定のいわゆる第二段階と申す武装解除に応じず、パリ和平協定が履行されてないという状況があることについては、私どももつとに承知しておるところでございます。 しかしながら、問題といたしましては、パリ和平協定の一番大きな枠組みというのは停戦の枠組みである。カンボジアの全土において戦闘が展開されておるかどうかといったような観点から見た場合に、パリ和平協定の大きな枠組みの前提である停戦といったものは基本的には維持されておるということによって、そのパリ和平協定の枠組みは基本的に維持されておるというふうにお答え申してきておるところでございます。
○吉井(英)委員 今おっしゃったように第二段階にまだ入れない段階なんですね。もともと、その後選挙を考えていたのが枠組みなのですね。そして、選挙準備とか選挙そのものを、武装して襲撃する、こういう事態が起こっているわけですから、パリ協定の枠組み全体からすると、選挙準備とか選挙への襲撃というのは明らかに協定違反になってくるのじゃないですか。この点はどうなんですか。
○神余説明員 第二段階の停戦といいますか、武装解除が順調に行われてない、したがって順調に第二段階に入れてないではないかという御指摘につきましては、私どももそのような事実関係があるということは承知しております。他方で、しかしながら選挙をするということにつきましては、UNTACの基本的なベースになっておりますパリ和平協定の中の大きなその目的になっておりますので、一部の義務の履行違反があるということをもって、そのパリ和平協定の極めて重要かつ大きな目的である選挙が実施できないといったような状況にあるというふうには認識しておらないところであります。 したがいまして、選挙につきましても中立的な政治的な環境を維持しながら、安全を確保しながらその目的を達成するということで今UNTACが全力を挙げて取り組んでおるわけでございますから、基本的なその枠組みを維持した枠組みの中で我々としてもUNTACの努力を最大限支持していきたいというふうに考えております。
○吉井(英)委員 まず、武装して襲撃してきたから不幸な犠牲者も生まれているわけです。これはだれも否定できない事実なのですね。今もおっしゃったように、第二段階の武装解除に全く応じていないということも事実だし、そして選挙の妨害その他について発言していることも事実なのですね。ですから、そういうことをやりながら、一方でポル・ポト派が口先でパリ協定を遵守するんだと言っておれば、実態がどうであれ、そういうことはもう政府の判断材料にしないということは、やはりこれは私はおかしいと思うのですが、この点はどう考えているのですか。
○神余説明員 ポル・ポト派の行為が部分的にパリ和平協定の義務を履行してないということについては、先ほど述べたとおりでございますけれども、全般的な観点から申しまして、そのパリ和平協定の枠組みであります停戦の基本的な枠組みは守られておる。それからさらに、選挙につきましても、ポル・ポト派を除きました各派は選挙の準備を開始しておりますし、またポル・ポト派に対しましても選挙に参加する門戸はいつでも開かれておるということでございまして、言ってみればポル・ポト派はみずからその権利を放棄しておるといったような状況でございますので、投票に不参加をするということにつきましては、それはポル・ポト派の要するにパリ和平協定に規定されておりますところの権利のみずからの放棄ということで我々としては理解しております関係上、このまま選挙に入っていくということにつきましては、パリ和平協定の枠組みの中で行われるものだというふうに理解しております。
○吉井(英)委員 この前の宮澤総理の答弁では、SNCにポル・ポト派も入っているからパリ和平協定の基本的な枠組みは崩れていない、そういうスタンスできちっと答弁してきているわけですね。先日来そのポル・ポト派は、中田さん殺害事件を初めとして、規模の大きな攻撃をしかけてきたりとか、それからキュー・サムファンがSNCから出てしまって戻らないと発言したり、またUNTAC軍事部門の会議、各地域の混合軍事件業部会からもポル・ポト派は抜けると発言して実際連絡将校を引き揚げてしまう、こういう事態が起こっていて、ですから停戦協定を協議する場も失われてしまっているわけですね。そういう中で、パリ協定の基本的枠組みは、総理はポル・ポト派も入っているから壊れていないと言う、しかし、現に出てしまって、これでも枠組みは壊れているというふうには認めないわけですか。
○神余説明員 委員御指摘の点につきましては、ポル・ポト派がプノンペンにありますポル・ポト派の事務所を閉鎖してプノンペンを退去したという事実がございます。その際に、ポル・ポト派がシアヌーク殿下に対して書簡を出しまして、その書簡の中で述べておりますとおり、ポル・ポト派は引き続きパリ和平協定を遵守するということを明確に申しておりますし、過去においてもそうであったし今後ともそうであるということを明確に述べております。それが第一点でございます。それから第二点は、その後、プノンマライというタイ、カンボジア国境におきましてポル・ポト派が先週の土曜日でございましたか記者会見をいたしましたけれども、その際もポル・ポト派のスポークスマンは、SNCから離脱をするものではない、そしてパリ和平協定については今後とも遵守をしていくということをはっきりと述べておるということからいたしまして、基本的にポル・ポト派として、パリ和平協定を守らない、あるいはSNCを離脱するというふうに公式に宣言しているものではない。そういう関係からいたしましても、実際のその会合に出る出ない、これは別の次元の問題ではございますけれども、そういう枠組みから出ていくということがないという意味で、和平協定及びそれをめぐるカンボジアの和平プロセスについては、基本的には枠組みは維持されているというふうに考えております。
○吉井(英)委員 口では遵守をする、現実には守らない、そういうことが今進んでいるわけですよね。それでポル・ポト派の方は、総選挙の妨害も宣言しておるし、同時に、総選挙によって今度生まれてくる政府と総選挙によっては選ばれていない自分たちとの救国政府といいますか連立政府といいますか、それをつくることも主張をする。こうなってくると、パリ協定の中身そのものの否定ということになるわけですよね。それが中立、公正な選挙と言えるのかどうか、選挙は可能なのかどうか、この辺は極めて大事なところなわけですが、今でもこれは可能だという見方ですか。
○神余説明員 選挙につきましては中立的な政治的な環境の中でこれを行う、これはパリ和平協定の中にも書いてあるとおりでございます。UNTACは、選挙運動が開始されました時点から、あるいはその前後から、そのような環境を醸成するためにそれぞれ各派の選挙違反行為等につきまして厳しく取り締まっておりまして、これは、例えばプノンペン政権側の違反行為に対しましても特別検察官を派遣し逮捕する、逮捕状を発行するといったようなこともやっております。パリ和平協定に書かれております規定の中で、その精神を体現すべく最大限の努力をしておるということでございまして、なおかつその選挙が妨害なく行われる、これがパリ和平協定に書いておりますところの精神でございますので、中立的な環境の中で妨害なく行われるという状況を何としても確保しなければいけないということで、今UNTACは関係の各派とともに協議をし、そして協力をしながら努力をしている。ポル・ポト派については、残念ながらそのような協力についてはみずからそれに応じていないという状況がございますけれども、全体として見るに、そのような状況の中で選挙をすることがパリ協定の枠組みに反するというふうには考えておりません。
○吉井(英)委員 やはり物事は現実から出発しなければいけないと思うのです。カンボジアの現状はどうか、選挙監視要員が中立、公正な立場で安全に仕事ができる状態か、ここのところが非常に大事な点だと思うのですが、先日貞岡参事官の方は、UNTACに投票警護を期待する、ポル・ポトの対戦車砲に対抗して小銃程度でなく、より重装備のものでという答弁もしておられました。 そこで私、二点まず伺っておきたいのですが、UNTACの重装備には具体的にどんな武器があるのかということ、そして、具体的にはどんな重装備での警護を期待しているのか、この点はどうなのでしょうか。
○神余説明員 委員の質問にお答え申し上げます。 UNTACが所有している武器、一体どういうものがあるのか、どういうもので選挙の警護をやろうとしているのかという御質問であろうかと思います。 まず第一点につきましては、日本が、UNTACに参加しております各国の部隊の要員が携行しております武器について、具体的にどういうものかということをこの場で述べるということは適当ではないというふうに考えております。我々が把握しておりますのは、各国が、国連の決めました、事務総長の決めておりますいわゆる標準行動規範、SOPと言われているものでございますけれども、その範囲の中で各国が武器を携行しているというふうに承知をしております。 ちなみに日本の部隊について申し上げますならば、これはもう委員御承知のとおり、施設部隊につきましては個人用の武器として小銃またはけん銃、これを携行しておりまして、九ミリけん銃七十八丁、そして六四式の七・六ミリ小銃五百二十二丁を携行しておるということでございます。
○吉井(英)委員 SOPの範囲内でということなのですが、そうすると、日本としてはどういう重装備での警備を期待しているかという点、相手は対戦車ロケット砲でやってくる、こちらはピストル、ライフル程度で、それで警護ができるのかどうかという問題が逆に出てくるわけですね。皆さんの方としては、SOPの中には重機関銃から百二十ミリ迫撃砲まであるわけですが、そういうものを含めて警護を期待している、今のお話はそういうふうに理解しておいていいのですね。
○神余説明員 先生の御質問につきまして、具体的に選挙の際に投票所の警備に当たってどのような武器でもって防護をするのかということにつきましては、現在UNTACにおきまして、連日のごとく各部門が協議をしておる、選挙部門とそして軍事部門との間で連携をとりながら協議をしておるところでございまして、まだ結論は出ておりません。したがいまして、実際の投票所の警備に当たって、警備を担当する歩兵部隊あるいは軍事要員がどのような武器を持っていくかということについては、そういう協議の結果を踏まえて具体的に決められるものと思いますので、この場で具体的に申し上げることは差し控えたいと思います。
○吉井(英)委員 実際にどういう武器が行っているのかとか、それからどういう重装備での警護を期待していらっしゃるのか、結局答弁がないわけです。ただ、一言先ほどおっしゃったのはSOPの規定の範囲内でということですから、従来の例からしますと、百二十ミリ迫撃砲とか重機関銃を含む枠内で、こういうことで理解をしておいていいというふうに思っていいわけですね。
○神余説明員 およそUNTACの軍事要員が携行しております武器についてはSOPの範囲の中であるということは、これは全くそのとおりでございますので、具体的にその投票所の警備行動あるいは警備の態様がどのようなものになるか、これはまだわかりませんけれども、その範囲の中であるというふうに推察をしております。
○吉井(英)委員 次に、選挙人登録とか選挙準備、選挙監視などの仕事に当たった国連ボランティアの人たちがUNTACに対して非常に不信とか不満を持っていらっしゃる。危険な事態にあるのに対応していないということとか、あるいはカンボジア各地に散らばっているボランティアにも世界にも情報がちゃんと伝わっていないということなどを述べているのを私は報道で見ましたけれども、どういう意見が提起されているかを少し具体的に伺っておきたいのですが。
○神余説明員 UNTACにおいて活動しております国連ボランティアにつきましては、その数は大変多いわけでございまして、四百八十五人が今その選挙の監視に当たっておるということは先生御承知のとおりだと思います。そのうち、日本人は約三十名おりまして、そのうちの二十七名が選挙活動に従事しておるわけでございます。他方、中田ボランティアの銃撃死という事件を契機にいたしまして、ボランティアの中においてより一層の安全確保を求めるという声が出ていることは、これもまた事実でございます。 そういうこともありまして、UNTACとしては、ボランティアほぼ全員をプノンペンに集めまして、今週の前半から金曜日ぐらい、本日、あしたまでかけましてUNTACとボランティアとの間で安全についてのいろいろな措置を協議をしておるということでございまして、ボランティア側の方からは十項目にわたる要望が出てきております。十項目の要望につきましては、ここで具体的に述べることは差し控えさせていただき、御要望でありましたら後でまた御説明いたしますけれども、もう新聞等でも報道されているとおりでございます。UNTACとしては、そのうちのすべての項目を満たすような対策を講じていくのか、あるいはそのうちの部分的なものしか対策ができないのか、いろいろな可能性を検討しながら協議をしておるところでございますので、そういう安全ということについてUNTACとしても万全の措置をとるように努力をしている、そういうことでございます。
○吉井(英)委員 今の点、後ほどで結構ですから資料でいただきたいと思います。 それで今、現実には停戦合意が崩れ、紛争状態になってきておりますが、地方自治体への要請ですね。地方公務員の中で候補者として待機している人は十六人というふうに伺っておりますが、PKO法十二条により本部長が自治大臣に要請したのは五十名、国家公務員五名と地方公務員四十五名、四十七県と政令市に五十九名要請し、十六名の立候補があった。民間、他省庁を合わせて五十数名というふうにも伺っているのですが、数はそういうことでいいわけですか。これをちょっと確認しておきたいのですが。
○遠藤政府委員 お答えいたします。 私ども、協力本部からの要請に基づきまして、ことしの一月七日に各都道府県、政令指定市に対しまして候補者を出していただくようにお願いを文書でしたところでありまして、それに基づいて候補者が出てまいりましたので、それを協力本部の方に御連絡をして、協力本部の方で面接等しかるべき手続をして候補者を選定をしているというように聞いております。 人数の問題につきましては、最終的に態度を決めているわけではないわけでありまして、せんだっての答弁では、五十数名中十数名程度地方公務員だという協力本部からの御答弁がありましたけれども、恐縮でございますけれども、正確な数字を公表することは差し控えさせていただきたいというように思います。
○吉井(英)委員 秘密にしなくてもいいようなものまで差し控えさせていただきたいとか、何とも不透明になってくるものですから、私としてはこれは困った事態だなと思うのですよ。 先日、自治大臣答弁では、安全確保をやってくださいと協力本部に言っている、貞岡参事官の答弁では、現在UNTAC内部で安全対策を検討中で停戦合意が崩れたかどうかはUNTACの判断に合わせている、こういう答弁がありました。 PKO法の五原則の判断というのはUNTACに右へ倣えじゃなくて、日本政府の自主的な判断だろうと思うのですよね。選挙監視の候補者の安全確保の問題を協力本部任せとかUNTAC任せではなくて、日本としてはどう考えるのかと。私は、十六名と言われている候補者の方たちに対しても、やはり要請するからには責任ある態度が必要だというふうに思うわけですよ。特に自治大臣はPKO本部の一員でもあるわけですし、ですから、今の状態を見たときに公務員派遣をできる状態でないということをやはりみずから判断をしなければならないと思うのですよ。全面戦争でなくても今の状態でも日本人がねらわれる危険があるということをPKO本部の会議できちっと私は言っていただく必要があると思うのですが、この点は大臣、どうなんですか。
○村田国務大臣 吉井委員にお答え申し上げます。 私の方では協力本部からの要請に基づいて、自治大臣として地方公共団体から出ていただく方々の要請をしておる、そしてそれについては本人の意思の確認とそれから安全性の絶対確保を申し上げておると。そしてこれに対する窓口は協力本部でございまして、そういったスタンスでございます。もちろんこれは絶対に安全であってくれなくては困るわけでありますから、そういうことは協力本部に強く要請をしておるところであり、今後も、その今委員がお触れになりました点は重要な点でございますので、協力実施本部と連絡をとりながらやっていきたい、このように思っています。
○吉井(英)委員 ですから大臣、本部の方から自治省は要請を受けるという立場とともに、あなた自身は本部の一員なんですから、全体の状況判断とか、それはやはり物申すという立場にいらっしゃるわけですよね。 ですから、私、重ねて伺っておきたいのですが、実際上、停戦合意が崩れて公正な選挙ができないという状況下では、このPKO本部長に対して公務員の派遣を断念するように進言して、そして地方自治体に派遣の働きかけをやめることとか、候補者にはやめるように話をされたり、派遣計画をやめていくという、やはりそういうことを、実際上停戦合意が崩れてきている中では、自治大臣の立場としてはやっていただくことが大事だと思うのですが、この点、この問題の最後にあなたのお考えを伺っておきたいと思うのです。
○村田国務大臣 吉井委員の御要請はよくわかります。私もそういった協力の一員でもちろんあります。ただ、現在の情勢でパリ五原則は堅持をされておる、こういう認識をしておりますし、また、カンボジアに対する御協力という意味でPKO法可決の経緯もあり、現在の段階で今派遣を中止するとかそのようなことを絶対に申し上げる段階ではないと思っておるわけでございまして、委員の御発言はよく御発言として伺っておきます。
○吉井(英)委員 カンボジア問題について私は、UNTACがどう判断をしておるかということとは全く別に、日本政府としてこの現状をやはりきちっと正確に掌握して、日本政府としてのこのいわゆるPKO法に基づく五つの原則ということで皆さんは言ってきたわけですから、その点を踏まえた判断を今みずからするべきときだ、このことを申し上げて次の問題に移りたいと思いますので、協力本部と外務省の方は結構です。 次に、金丸問題というのは、国の公共事業が、地方もそうですが、大手建設業者と政治家の癒着によって食い物にされている、こういう実態を明らかにして、とりわけ公共事業というのは国民の税金でありますし、この点では地方交付税や地方税の使われ方にかかわる重要な問題だというふうに思うわけです。 最初にちょっと建設省に伺っておきますが、社団法人日本土木工業協会、これは建設大臣認可の団体だと思うのですが、どうですか。
○風岡説明員 お答えいたします。 先生御指摘の社団法人の日本土木工業協会、通称土工協といっておりますけれども、これは前身の団体を昭和二十四年に建設大臣の許可をしておりまして、その後名称が変更されておりまして現在に至っておるわけでございます。建設省の認可した団体ということでございます。
○吉井(英)委員 そういう建設大臣の認可団体であったりとかあるいは公益法人となりますと、今総理府次長を議長にして各省庁の官房長が集まって連絡会議を持っておりますから、各省庁の公益法人全部、自治省の関係も含めて当てはまってくるわけですが、今回の金丸問題を契機に姿勢をきちっとしなければいけないときに来ていると思うのですよ。私自身全国あちらこちらの選挙で目にしているわけですが、実際にそういう大臣認可の団体であったりとか公益法人が直接選挙にかかわってくる、それが随分大きな問題を持っているということを、きょうは少し、具体の事例としては今行われておる名古屋の市長選挙なんかでも伺っておきたいのです。とにかく全国的にこういう問題があるときですから、私は、これは今きちっと姿勢を正さないと国民の不信を本当に受けて、不信は深まるばかりだということを最初に申し上げておきたいと思うのです。 社団法人日本土木工業協会の中部支部が、現在行われている名古屋の市長選挙に関連して特定の候補者を応援しております。この中部支部が出した文書、標題は「二十一世紀をめざす市民の会動員について」というものによりますと、「標記の件につき二十一世紀をめざす市民の会より動員の要請がありました。土工協中部支部は市民の会の推薦団体となっており、これに協力致したく誠に急なお願いで恐縮ですが、別紙の通り宜しくお願い申し上げます。」として、四月十八日の日曜日には名鉄メルサ前に十時十分、東山公園前には十二時四十分、名鉄メルサ前には清水建設や三井建設、奥村組など十社から各社三名ずつ動員してください。十六時に栄・噴水前にはランクAクラスなら各社四名の割で二十七社、ランクBの会社は各社三名で二十九社、このランクAとかランクBというのは公共事業発注の際の基準ということになっているわけです。 建設省は、認可法人は不特定多数の利益の実現を目的とするものでなければならないという立場をとっておられると思うのですね。こういう特定の候補者を推薦したり選挙運動をするということはもともと建設省は予定していらっしゃらないと思うし、それは認めていらっしゃらないと思うのですが、いかがですか。
○風岡説明員 公益法人のいわゆる政治活動ということでございますけれども、これは建設省の関係の法人ということに限らず、一般的に私どもは、公益法人はその目的の範囲内において政治活動をするということは法律上許容されているというふうに考えております。
○吉井(英)委員 余り変なことを言ったらおかしいんですね。公益法人指導監督連絡会議で、さっき言った総理府次長を議長にして集まられて、前身は事務局は内閣総理大臣官房管理室に置かれておって連絡協議会という時代がありましたが、それが後に今の会議に発展していくのですが、そこで七二年三月二十三日に、「公益法人監督事務連絡協議会申し合せ事項」というのをまとめていますね。 これは当然御存じのはずだと思うのですが、その「1目的」の部に「後援会等特定個人の精神的、経済的支援を目的とするもの。」は、これを認可しないとしているんじゃないですか。
○風岡説明員 公益法人は当然公益的な目的ということで設立の認可をされているわけでございまして、例えば土木工業協会、これは土木工事の技術の進歩あるいは経営の合理化とか、そういった社会公共の福祉の増進ということを掲げておりまして、個別的な事業としては、例えば土木関係の施工技術の改良とかそういった事業をいろいろ掲げております。そういった事業活動を実現することを目的とするという関係において、それにつきましてのいろいろな理解を得られる方についての所要の働きかけということは当然あり得るわけでございまして、そういう意味で、目的の範囲内ということであれば許される行為も当然あるのではないかというふうに考えております。
○吉井(英)委員 工業協会としてではなく、例えばその工業協会に属する会社の社長がどこかの党 の党員であったとしても、あるいは後援会員であったとしても、それは個人の範囲の場合は別ですよ。しかし、今問題になっているのは公益法人、その公益法人設立許可申請に当たっては、「後援会等特定個人の精神的、経済的支援を目的とするもの」については認可しないということを皆さん申し合わせをしたわけでしょう。私が言っていることはよくおわかりだと思うんだけれども。個人はだれだって政治活動の自由はあるわけです。しかし、公益法人というのはそれをしないんだ、認可しないということを、皆さん集まって申し合わせをしたわけですよ。 土工協中部支部の支部長である鹿島建設名古屋支店長は、二十一世紀をめざす市民の会の常任理事に名を連ねるとともに、土工協の支部長名でもって一定の行為、これは文書等で出ておりますが、をしていらっしゃるわけですから、こういう場合は公益法人の申し合わせに照らしても合わないんですよと、だからこういうことを続けてもらったら困るんだと、その場合は認可の取り消しになるわけですから、あなたが責任をとって土工協中部支部長をおやめになって、土工協そのものが選挙から撤退するといいますか、やはりそこはきちっと区別しなければいけませんよと、それを指導するのがあなたの立場じゃないですか。
○風岡説明員 先生今御指摘がございました土工協の中部支部の件ということでございますが、正直言いまして私どもは事実関係について全く承知をしていないところでありますので、そのこと自体を前提とした答弁というものについては差し控えさせていただきます。 先ほど御指摘がありました、特定の個人というものを前提にしたいろいろな支援というようなことについては設立の認可として行わないという基本的な考え方というのは、当然のことであろうと思いますけれども、一般的に私が申し上げますのは、先ほど申し上げましたような特定の団体がその公益的な目的を達成するために、その個人の支援だけを目的とするというのではなくて、その範囲において自分たちの目的を実現する上でいろいろな形での協力を求めるとか働きかけをするということ、このこと自身は法人の目的としての事業の実施の内容としてあり得るのではないかというふうに申し上げたところであります。
○吉井(英)委員 あなたが一般的にとおっしゃるなら、一般的にしても、その公益法人の団体の傘下の個人も、個人としては政治活動の自由を持っているわけですよ。だからどの党に入られようと、私はそれをとやかく言っているんじゃない。しかし、建設省が認可する公益法人が、それはまさに特定個人の、市長候補となれば特定個人です。「特定個人の精神的、経済的支援を目的とするもの」については認可しないということを皆さんがお決めになっているわけだから、今の個々具体の例について物を言いにくいのだったら一般的でもいいです。しかし、一般的にしても、そういう事例についてはやめていただきたいと物申す、それをやめないときには認可を取り消します、こういうことをやるというのが皆さんが申し合わせた内容ではないのですか。
○風岡説明員 繰り返しになってまことに恐縮でございますけれども、公益法人は、その目的の達成のためにいろいろな活動ができるのはもちろんのことであります。また、公益法人の活動は、第一義的にはその法人自体がその目的に照らして適正に行うべき立場にあるということです。ただ、法人の活動について我々一切関心を持たないということではもちろんありませんで、目的の範囲内で適切な活動が行われることについては、私どもも公益法人を所管、指導する立場として当然問題意識、関心を持って対応しているところであります。
○吉井(英)委員 おっしゃったように、技術の推進のために何かをやることとかを悪いなどと僕は言っているのではないです。だけれども、ここにはっきり言っているのは、後援会等特定個人の、つまり市長候補なら市長候補の精神的、経済的支援を目的とするものは認可しないとしてきているわけでしょう。私は、ほかのことについてあれこれ規制しろとか、そんなことを言っているのではないのです。また、公益法人というものではなくてその団体傘下の人は、個人の思想、信条の自由はあるわけですから、それを規制するようなことを言っているのではないのです。 しかし、少なくとも公益法人の名においてやることはできないのだということを今までずっと皆さんはやってきたわけだから、その目的に反するときは認可しないとしてきているわけですから、この点はきちっと筋を通すべきではないのですかということを言っているのです。そこをちゃんとはっきりしてください。
○風岡説明員 まことに申しわけございませんけれども、個別の事案について事実関係を掌握いたしておりませんので、それを前提にした答弁は差し控えさせていただきますけれども、公益法人はその目的を達成する上で社会的に認められる活動をするのは当然のことでありますので、そういう意味で、個別事案についての評価はともかくとしまして、今後とも公益法人の目的及び手段が適正に実施されるような指導は我々は行っていきたいと思っております。
○吉井(英)委員 私が言っているのを話をそらさないでください。このたった一行なのです。「後援会等特定個人の精神的、経済的支援を目的とするもの。」は公益法人として許可しない。だから、これは筋を通すべきではないですかと言っているのです。あとの、個々の人が何をしようと、その思想、信条、そんなことを私はあれこれ言っていないのです。せっかく皆さんが決めたことなのだから筋を通すべきではないか。この点だけ、話をそらさないで言ってください。一般的に書いてあるわけだから、一般的で結構です。
○風岡説明員 法人の事業活動といたしまして、その目的を達成するために、その目的について非常に理解されている方々に対して必要な働きかけをすることは、個人自体を支援するあるいは援助するということのみを目的とするものではない、あくまでも法人の事業活動の一環としてそういったことを行っているケースもあるのではないかと思っております。
○吉井(英)委員 これは自分で決めたことを建設省がみずから守らないということになると大変なことだと思うのです。それで、特定個人の支援ではなくて何か全体を支援するようなお話だけれども、ここに「後援会等特定個人の」とうたっているわけでしょう。「特定個人の精神的、経済的支援を目的とするもの」については認可しないということにしているわけだから、これも筋を通さないということになると、何か最初からこんなことはもうどうでもいいんだ、どうぞ公益法人であってもやりたいほうだいおやりなさい、そういう立場だというふうに私は理解しますが、そういうふうに理解していいのですか。やりたいほうだいで公益法人はどうぞこれからもおやりなさい、こういうことですか。
○風岡説明員 公益法人の活動につきましては、目的というのを定め、公益的な目的を達成するために社会的に認められる手段というものが当然あるわけでございますので、やりたいほうだいという表現ではなくて、やはり適切な活動ということは当然のことながら必要なことであるし、私どももそのこと自身は十分な指導をしていかなければならないというふうに考えております。
○吉井(英)委員 私は、今これだけ国民が金丸問題で、建設業協会であるとかあるいは土工協であるとかそういうところが公共事業と結びながら表金も裏金も入ったり選挙の支援を求めるということについて不信を持っているときに、その肝心の建設省からしてどうぞおやりなさいという調子でやっておったのでは、とてもではないが今の金権腐敗ということに対する国民の怒りあるいは政治不信だけではなしに、官僚不信になると思います。こんなことをやっておったら日本はむちゃくちゃになります。あなたの発想は、どうもむちゃくちゃになっても官僚としてのけじめもつけようとされないようです。 次に、ちょっと伺っておきますが、鹿島建設の名古屋支店は、二十一世紀を目指す名古屋市民の会が開いた、市長候補である人の、ここに資料を持ってきておりますが、西尾たけよしを励ます集いの二万円パーティー券を、枚数は明らかにしておりませんが購入したことを認めています。パーティー券の購入であっても、それが市長選挙に関した購入すなわち寄附であれば公職選挙法百九十九条に触れるというふうに思うわけですが、この点は自治省どうですか。
○佐野(徹)政府委員 公職選挙法百九十九条では、請負その他特別の関係にある者につきましての選挙に関する寄附を禁止しておる規定がございます。先ほど申されましたパーティー券の購入の関係でございますが、これは政治資金規正法関係で、一般的には事業収入として位置づけられておるものでございまして、先ほどお話ございましたように寄附といった取り扱いがなされるかどうか、一般的な議論といたしましては事業収入として取り扱われているものでございます。
○吉井(英)委員 まず、この呼びかけが土工協の支部長名で行われているということで、明らかに特定の候補者の支援の活動を公益法人がやっているということになります。そして、その政治資金を集める呼びかけ人にも入って、この政治資金パーティーというのはもともと金集めが目的でありますから、百九十九条の逐条解説の中でも、この法の趣旨に沿い個々具体の場合について健全な常識で判断しなくてはならないとしているのですが、私はやはり健全な常識で判断したときに、それはとてもではないが国民の前では通用しない。リクルート以来あれほど政治資金パーティーというのが大きな問題になりながら、形を変えた寄附行為だということはみんな知っているわけです。建設業協会だけで段取りして一千人に買ってもらった。一枚二万円ですから二千万円ということになるのですが、これは私は健全な常識の判断をはるかに超えているということを申し上げておきたいと思います。 これは今全国各地でこういうことが当たり前のように広がっているのです。本当に常態化しております。公益法人の名古屋建設業協会もパーティー券二千万円分を扱って、名古屋建設業協会様、設営のお願いという役務の提供まで公益法人に求められている。その役務の提供にこたえているということがあるのですが、実は、この土工協の中部支部にしても建設業協会にしても、傘下の団体の人たちは、断れば仕事をとられてしまう、それが怖いんだという発言をしているわけですよ。やはり直接の利害関係にあるからこそ金も出させる、政治資金パーティーも出させる、そして選挙の活動もやらせる、その言われた方は断り切れないという、これはまさに金丸問題に見られる構図そのものだと思うのですよ。これをどうしてもっと国民の理解、納得の得られるような、そういう関係を断ち切った公正なものにするかということが今大事だと思うのです。 この点で、特に選挙に関して行われればパーティー券購入というのは百九十九条違反になると私は思いますが、この点でやはり厳正に対処すべきだと思うのです。そして、取引関係のあるところ、そこに役務の提供を求めるということは、役務の提供というのは結局金銭と、寄附行為と同じ意味を持ってくるわけですから、今こそ公共事業をめぐって発注する行政に、政治家絡みで公共事業を受注する側から政治献金をもらうということとかあるいは選挙をやらせるとか、こういう政治の仕組みが国民の疑惑を生んでいるときですから、政治改革というならば、やはりこういうところにメスを入れなければいけないと私は思うわけです。 大臣、私はきょうは百九十九条の解釈論をここでやろうとは思いません。ただ、やはりこういう選挙とか政治資金の問題とか、今国民の不信、疑惑が高まっている時期に、少なくとも政治家のモラルとして確立すべきときだと思うのです。少なくとも公の側の長であった人が公の仕事を請け負う者に対して資金提供を求めたり選挙の直接の役務提供を求めるとか、それは会社の経費で皆やるわけですが、そういうことについて今疑惑、不信が生まれているわけですから、政治改革というのならば、特に地方自治体での公共事業を発注する側と受注する側の癒着と見られるようなことを是正していく、ここのところをきれいにするということが私は今すべての政治家に求められている点だと思うし、これはモラルという点でもやはり少なくともそこを確立しないと、政治家だけじゃなしに、さっきの建設省のあれに見られるように役所もみんな不信を受ける側になってしまうと私は思うのです。だから、個々具体の例になったらあなたも言いにくいでしょうから、少なくとも政治家のモラルとしてきちっとするべきところをするという点についてだけはあなたのお考えを聞いておきたいと思います。
○村田国務大臣 吉井委員にお答え申し上げます。 一般的には企業は、社会的存在として選挙運動を含め相応の政治的行為を行うことは許されていると考えております。 昨日、実は政治改革委員会で東中委員から御質問が政治資金に関連してございました。その折、吉井委員も同席をしておられたと記憶をしておりますが、そういった不祥事件等が起こったために私は政治改革の問題が大きく出てきておると思います。これに対しては自民党、社会党、公明党、民社党、共産党、各党を含めて非常に真剣な対応が選挙制度あるいは政治資金規正法の規制関係等々で今非常に話題になっており、まさにその問題を中心にしてこれからの政治改革が論議をされておるわけでございます。そして私は、この政治改革のためには地方分権であるとか行政改革であるとか、そういう具体的な対策がぜひ必要だと思います。 したがって、行政改革は、ディレギュレーションですね。今一万九百件以上あると言われるその官庁の許認可権限を思い切って地方公共団体に、つまり都道府県や市町村におろす、そういうことのためにいろいろな新しい制度を提案しようと思っておるところでございますが、今各党で熱心に御議論をいただいております政治改革は、今政府の段階でどれがいいとか悪いとかということを申し上げるのではなしに、そういったことについて真剣な御討論が結実をすることを心から望んでおるわけです。それが結実をしてくる段階になれば、私どもはこれに敏速に誠実に対応するというスタンスでございまして、今の委員の御質問に対しては、私としては以上のようにお答え申し上げるところでございます。
○吉井(英)委員 腐敗防止の方策については、きょうはその議論をやろうと思っているのじゃないのです。ただ、少なくとも仕事を請け負わせる側の自治体と請け負っている側の企業、これが選挙のときに金を出したり、選挙の活動を直接公益法人等がする、それをやらないと仕事を干されるという、こういう関係というのは幾ら何でも異常なんです。ですから、私は、ほかの腐敗防止の方策等については、別途議論しているところもありますからきょうはそれをここでやろうとは思いませんが、しかし、それだけのことは、地方自治体でもこのことが大きな問題にもなっているし、かなり頻繁に地方自治体でも汚職が起こったりしている大もとにこれがあるわけですから、少なくとも仕事を請け負わせる側と請け負っている側がそういう不信を招くことだけは、これは倫理の面でもきちっとけじめをつけるべきだ、私はこのことを言っているのです。何かその点について、けじめをつける面で御意見があれば伺っておきますが、それ以外でしたら、ほかの舞台でやっておりますから置いておいて、次に移りたいと思います。 次は、特例減額四千億円の問題ですが、この理由は何ですか。
○湯浅政府委員 平成五年度の地方財政対策を検討するに当たりましては、例年のことでございますけれども、それぞれの明年度の地方団体の抱えるたくさんの財政需要につきましていろいろ検討するわけでございます。特に平成五年度におきましては、景気の状況が低迷しているというようなこともございまして、地方単独事業を思い切って増額すべきであるというような問題もございましたし、また福祉関係につきましては、今後の高齢化社会を迎えるに当たりましての準備ということもございまして、福祉関係の単独施策につきましても財源措置の充実を図るべきだという考え方がございましたし、また、過疎化に悩む森林・山村地帯というようなものの振興をどういうふうに図っていくかというようなこと、いろいろな問題があったわけでございまして、そういう当面する政策課題に地方財政として十分対応していくべきだという考え方からいろいろと検討いたしました結果、今お示しの地方財政計画に盛られておりますいろいろな財政対策が講じられたわけでございます。 また他方、交付税につきましては、地方交付税というのは国税五税の一定割合ということでございますので、これを地方交付税として計上するということを前提に議論をしたわけでございますけれども、最近の厳しい国の財政事情を背景といたしまして国庫当局から強い協力要請があったわけでございます。そういうことを踏まえまして、歳出面におきます各種の政策課題に対応する財源措置を講じられることを一応見た上で、国に対する協力要請ということから四千億円を減額をしたものでございまして、これはあくまでも特例減額ということでございますけれども、将来にわたってこれは返済をしてもらうものだ、これは今御提案中の交付税法の中で将来きちんと返済してもらうということが書かれているものでございまして、そういう意味から交付税の総額の安定的確保にも役立つのじゃないか、こういう観点から今回四千億円の特例減額をしたものでございます。
○吉井(英)委員 いろいろおっしゃったけれども、要するに国の財政事情が厳しい、それで国と地方の公経済のバランスも考えて地方へも減額のお願いだ、それを受け入れた、こういうところですか。
○湯浅政府委員 基本的には今おっしゃるような考え方でございます。やはり国と地方というものが行政を運営しているわけでございますので、一方だけが非常に財源的にきちんと的確に措置できても、他方で措置ができないということになりますと、いろいろな面で国と地方の間では財政関係が複雑に入り組んでおりますので、これが運営に支障を生ずるということが考えられますので、こういうバランスというものを考えながら運営をすべきじゃないかということでございます。
○吉井(英)委員 そうすると、特例減額というものについての考え方が変わってきたのじゃないか。 かつてこれは八四年四月十七日、石原財政局長は、国と地方の財政状況のもとで、地方財源に不足が生じた場合には特例加算をする、また状況によって、事情が許せば特例減額をして留保する、そういうことで今度の新しい方式を御提案申し上げていると答弁し、このときはそういう立場で提案したわけですね。しかし、最近になって地方財源の過不足が交付税法附則第三条の措置がとられる理由という説明から大分変わって、国と地方の公経済のバランス論に変わってきているというふうに思われるのですが、これは理由づけを変えてきたわけですか。
○湯浅政府委員 交付税法附則第三条の規定は、今御指摘のように、たしか昭和五十九年度でございましたが、その改正で盛り込まれたものでございます。 当時は巨額の地方財政の財源不足がございまして、大変大きな借金を特別会計で抱えていたわけでございますが、こういう特別会計の借入金というものをこのまま続けていくと非常に大きな問題になるだろうということもございまして、法附則第三条の規定を設けまして、そして特例措置というものを設けたわけでございます。その場合の基本的考え方は、交付税を安定的に確保していく、毎年度安定的に確保していくということがやはり一つのねらいではなかったかと思うわけでございます。 そういう意味からいきますと、今回の特例減額につきましても、この減額いたしました四千億については、将来一定の年度の中でこれを交付税の中に加算をしていく。また、加算していく年度を考えてみますと、これからいよいよ高齢化社会が進んでくる、あるいは単独の社会資本の整備というものも今以上にまた必要になってくるかもしれない、こういうことを踏まえて交付税の安定的な確保に資するという面もございましたので、今回の措置も講じられたということを先ほども申し上げたとおりでございます。
○吉井(英)委員 公経済のバランス論と言われるときには、これはせんだっての二月の大臣の答弁の中にもありますが、前提として所要の地方交付税総額を確保した上で、現下の国の厳しい財政事情にもマッチした公経済のバランス論と、必ずそのまくら言葉がまずついていますね。 さっきもおっしゃったように、地方の行政需要は随分あって、それを満たす財源ということを考えたときには、決して地方も財源は豊かじゃないわけです。そういう中で、しかし公経済のバランスだということで減額ということなのですが、この減額された交付税というのは、結局九三年度についていえば、総額確保ということをまず言っているわけですから、総額確保してまだ四千億円あるということは、四千億円は余剰財源という見方ですか。
○湯浅政府委員 今回のこの特例減額をするに当たりましては、歳出面におきまして地方がいろいろと当面する財政需要に対応できるかどうかということを検討しながらとったものでございます。しかし、全体といたしまして考えた場合には、当時地方の借入金の現在高は八十一兆円を超えるだろうというような状況でもございましたし、また公債費の負担比率が一五%を超えるという団体が四割近くもあるというようなことを考え、かつ地方税の税収見込みもこの景気の状況で非常に厳しいというようなことを考えますと、国に対して貸すということもこれはなかなか大変な問題でございまして、いろいろ検討を重ねました。 先ほど申しましたように、国と地方とのバランス、それから将来の交付税の安定的確保というような観点から今回やったものでございまして、決して平成五年度の財源が余剰があるということでやったものではございません。
○吉井(英)委員 交付税総額の過不足を、特会借り入れ方式ではなくて一般会計からの特例加算とか減額というやり方でやっていくというのが附則三条の改正の趣旨でしたよね。それで、四千億の減額というのは、この附則三条に基づくものであることははっきりしているわけですよ。一方、もう一つ確認しておきたいのは、九三年度に必要な財政需要というのは全部算入しているはずなんですよね。この点は両方ともそうなんでしょう。
○湯浅政府委員 平成五年度の当面する財政需要については、私どもは極力それを地方団体が対応できるような、そういう財源措置はしたつもりでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、地方財政が抱える厳しいいろいろな条件というものはあるわけでございますが、そういう中でやむを得ず特例措置といたしまして四千億を減額をした、こういうふうにお考えをいただきたいと思うわけでございます。
○吉井(英)委員 九三年度でいいますと、基準財政需要額と基準財政収入額との差、これで交付税がバランスしているかどうかというところなんですよね。しかし、交付税が多かった、そこで四千億円の減額をした、こういうことになってくるのじゃないですか。
○湯浅政府委員 形式的に考えますと、今おっしゃるように、地方財政計画というものは歳入と歳出は均衡させるということでございますから、それに基づいて計算いたします交付税の基準財政収入額と基準財政需要額というものは、これは減額後の交付税にマッチするような形になるということでございます。 ただ他方、地方財政計画をつくるに当たりましていろいろ厳しい条件があったわけでございますので、そういうことを考えました場合に、これを余剰があったからお貸しをするというようなものではなかったというふうに御理解をいただきたいわけでございます。
○吉井(英)委員 これは四千億だけじゃないわけですね。九三年度では、交付税総額に加算される法定加算分の二千九百二十四億円、それから覚書加算分の四千三百十七億円、これも留保されてしまって、合わせて一兆一千二百四十一億円が先送りということですね。必要な財政需要は算入してあると言っているわけですが、法律に則して考えるならばこれだけ入ってこなければいけないものが入らないわけですから、この一兆一千二百四十一億円分、これが九三年度では財源余剰だ、こう考えざるを得ないかなと思うのですが、この点はどうですか。
○湯浅政府委員 仰せのとおり、この特例加算、法定加算の分も今年度は後年度に加算することにいたしまして法律改正を今お願いをいたしております。 しかし、こういうものが余剰だから先送りするということではなしに、やはり国と地方とのバランス、国の歳出の状況というようなものも考えながら地方の歳出というものも考えていくべきでございますし、特に国の補助事業というものは国の予算が決まりますとおのずから地方の財政歳出規模というものが決まってくるわけでございますから、地方の単独施策をそれに幾ら上乗せできるか、そういう問題について、当面する地方財政需要に対応して地方の単独施策がどれだけできるかということでいろいろと検討したわけでございます。先ほど申しましたように、地方の単独事業あるいは福祉施策等につきましてかなりの伸びを確保することもできたわけでございます。 他方、地方債の活用というものもございましたけれども、そういうことで、国と地方とのバランスをとりながらやっていかなければならない、こういう財政事情にあったことをひとつ御理解いただきたいと思うわけでございます。
○吉井(英)委員 だから、国と地方の公経済のバランス論というところでそこを何とか説明されようとしているのだけれども、基準財政需要額等を計算するときの自治省基準、そのものをすべて我々是認しての議論ではないのですが、自治省基準に基づいて計算しても、基準財政需要額、基準財政収入額を積算した結果、特例減額とか加算額の先送りというのはなされているはずです。もし基準財政需要額に比べて収入額がうんと少なければそんなことはないわけですからね。そうすると、これは当該年度の交付税の余剰分になっている、こういうふうに考えるのがこの法律に則した素直な見方ではないかと思うのですが、この点についての自治省の見解を聞いておきたいのです。
○湯浅政府委員 基準財政需要額、収入額の検討と並行いたしまして、地方財政計画で歳出と歳入というものをどう検討していくかということは、これは両方ある意味では並行していく話だと思うわけですね。その場合に、地方の歳出規模をどの程度にしていくかという問題あるいは国との関係でどういう形で歳入というものを考えていくかというような問題、こういうようなものを総合的に考えて地方財政計画というものはつくられるのではないかと思うのです。 その場合に、先ほど申しましたように、地方の財政が非常に厳しい、その一つの理由として借入金の残高が非常に大きいという場合に、ある年では、特例的に発行した地方債でございますとかあるいは特別会計の借入金を繰り上げ償還をするというような措置を講ずるというような場合もございますし、今年度の場合のように、歳入的に地方税の収入も厳しいということで、そういう特例的に発行した地方債の繰り上げ償還というようなものは今回見送るとか、やはりこういうような全体的な判断というものはしていかなければ毎年度毎年度の財政運営をすることはできないわけでございますので、そういう年度間のいろいろな調整を含めて地方交付税の総額の安定的な確保というようなものを考えながら地方財政計画を策定し、基準財政需要額を算定していく、こういう作業を毎年度続けていくわけでございますから、今年度に限って一兆一千億が先送りになったからこれは財源余剰だというふうに考えるというようなことはできないのではないかと私は思っているわけでございます。
○吉井(英)委員 今年度限りではないのですね。当該年度の交付税というのは当該年度に配分するというのは、これは交付税法の趣旨からして当然のことですが、実際には、当委員会で自治省はそう答弁してきておりますが、八九年度で四千八百四十四億円、九〇年度で一千百五十四億円、九一年度で九千五百八十三億四千万円、九二年度で一兆四千四百七十三億円、今年度の一兆一千二百四十一億円、つまり先送りされた交付税総額というのは合計四兆一千二百九十五億四千万円になるのですね。これは今年度限りの話ではなくて、なぜこれほどまでに交付税の先送りをどんどんしていくのか、やはりここのところが問題になってくると思うのです。この点はどうですか。
○湯浅政府委員 毎年度の財政規模を決めるに当たりましては、国の財政規模と地方の財政規模というものとある程度パラレルでいかなければならないという面もあろうかと思います。また、歳入が地方にとって非常に順調なときもあるし、逆に国の方が歳入が順調なときもありますから、こういうものをある程度中長期的に見ながら財政規模というものを決めていく必要があるのじゃないかなというふうに考えているわけです。 そういう観点からいきまして、今御指摘のような特例加算の部分を毎年度将来に後送りしているという措置を講じていることも事実でございますけれども、他方では、既に特別会計の借入金が昨年の補正後の額を入れまして二兆一千億という金額にもなっておりますので、この償還も明年度以降やっていかなければならないわけでございますから、その償還財源というものもそういう特例加算の中から考えていくという必要もあるかもしれません。そういうある程度中長期的な観点からの総額をにらみ合わせるという点も安定的な確保という観点からは必要なのではないかなというふうに考えるわけでございます。
○吉井(英)委員 せんだっての大臣の答弁で、「地方財政は多額の借入金残高を抱えております。そしてまた、今般の国・地方を通ずる税収の落ち込み等から、厳しい状況にあるものと考えております。」地方財政の実態について大臣自身そういう認識を持っておられます。同時にまた、大臣自身の地方交付税とはどういうものかということについてのお考えがはっきり出ていたのが、二月のこの委員会での答弁にありますが、「国が地方にかわって徴収している地方税という性格」、「本来地方団体共有の固有財源であるという考え方」、それから、「地方団体がその判断で自主的にその使途を定めることができる、地方団体にとって極めて重要な一般財源である。」こういうふうに、地方交付税とはどういう性格のものかということは大臣はきちっと示しておられるわけです。 そういう認識でおられたらなおのこと、大臣自身が地方財政は非常に厳しい状況にあるという認識で、交付税というのはもともと地方の固有財源なんだ、こういうお考えなんですから、まさに厳しい状況にある地方に配分して少しでもその厳しさを緩和していこう、そういう発想があってしかるべきだと思うのですが、この点はどうなんでしょうか。
○湯浅政府委員 地方交付税の性格につきましては、過日大臣からも御答弁がございましたように、地方団体共有の固有財源でございますし、また、これは使途を制限されない、自主的に地方団体が決めることができるという意味で地方税と同じ重要な一般財源である、こういうことでございますから、これを交付税法の法律どおりに確保していくということ、これはまず第一の原則であろうと思います。 ただ、先ほど来申し上げましたとおり、国と地方とのバランスの問題あるいは将来の地方交付税の安定的な確保という観点から考えましてこれを特例的に減額をするということでございまして、これは、決してこれを減額したものを国に差し上げるということではございません。先ほど来申し上げましたように、次年度以降一定の期間できちんと加算をしてもらうというお約束のできているものでございまして、ことしの場合におきましても、既に特例減額いたしました四千五百億のうちの三百七十億を特例加算をしているというようなことでございまして、これは将来の交付税の安定的な確保にも役立つというふうに考えるわけでございます。
○吉井(英)委員 せんだって示されました総合経済対策で二兆三千億円の地方単独事業の追加ということになっていますね。その財源措置は地方債ということですが、昨年も一兆八千億円の地方単独事業の追加をやりました。そのときも地方債で財源措置。こういう借金政策を続ければ当然のことながら公債費負担比率が上がってきます。これまでも自治省は、自治体の公債費負担比率を抑えなければいけない、そのために健全化方策をかなり指導されたときもありました。そういうことであれば、自治体が少しでも借金をしなくても済むように、今物すごい額を先送りしているわけですから、交付税として配分をしていく、こういうことを今やはり考えるべきだと思うのですが、この点はどうなんですか。
○湯浅政府委員 御案内のとおり、今年度の当初で試算をいたしましたところでも地方団体全体の借入金の総額は八十一兆円、それから公債費の負担費率は平成三年度の決算で見ましても一五%を超える団体が四割近いということでございますから、公債費の負担が増高するということには十分細心の注意を払う必要があろうかと思います。 しかし他方、最近の経済状況を考えますと、地方も国と一緒になって景気対策をやっていかなきゃならない。その景気対策をやっていく財源といたしましては、当面は地方債の活用しか手はないわけでございますので、当面の措置として地方債の活用をするのはこれはやむを得ないのではないかと思います。しかし、先ほど来申し上げましたように、公債、借入金残高が非常に大きいということを考えますと、これを永久に続けるということは不可能でございますから、景気が回復して一定の軌道に乗った場合にはこの対策につきましてもきちんとけじめをつけていく必要があろうかと思います。 また、近年行いましたように、特別会計の借入金でございますとか、あるいは特例的に発行した地方債を繰り上げ償還する措置を地方財政計画でも行いましたけれども、こういう借入金を減らす努力、これも将来きちっとやっていく必要があろうかと思いますが、当面の措置といたしましては、地方債を活用することによって景気を何とか向上させるということをやはり当面の問題としてはやらざるを得ないのではないかというふうに考えているところでございます。
○吉井(英)委員 いずれにしても、地方の固有の財源を、これをすっと持っていっているわけですよ。私は、このやり方というのは、やはり地方自治という本旨に照らしてみても根本的な問題をまず持っていると思うのです。 先ほど来議論してまいりましたように、先送りされた交付税総額は四兆一千二百九十五億円でしょう。これは自治体に交付される総額の大体四分の一です。そして、八四年の特例制度が導入されてから大体十年近くなるわけですが、どういうねらいで導入されたかという結果が今十年たってみてここに出てきていると思うのです。この間、国の一般会計からの特例加算分、つまりプラスになる方が五千七百八十二億円、特例減額で、つまりマイナスになるのが一兆三千五百億円、加えて先送り分の一兆七千百七十四億円がマイナスですから、プラスマイナス二兆五千億円近い交付税が結局減額されているわけですよ、この十年間でトータルしてみて。 私は、ここに制度導入のいわば本当のねらいがあったのじゃないか、こういうことを言わざるを得ない。少なくとも結果としてはそうなっていると思うのですが、この点についての自治省の見解を伺っておきたいのです。
○湯浅政府委員 交付税法附則第三条をつくったときの経緯というのは、先ほども申し上げましたとおり、その当時は逆に地方の方が非常に巨額の借入金がございまして、この借入金をいつまでも続けるということは問題があるということで、これをやめて附則三条の特例措置という制度を設けたわけでございます。そういう観点から見ますと、決して地方交付税を減らすためにこの措置をつくったということではなしに、やはり「交付税の総額の安定的な確保」というものを目指してこういう措置を当面講じていくべきではないかという考え方からできたのだと思うのでございます。 たまたま最近においては、国と地方との状況を見ますと、国の財政状況が極めて悪くなっているというようなことで地方からの貸しがあるわけでございますが、これはいつまでもそうなっているかどうか、これは先の話はよくわからないわけでございますから、逆に今度は地方の方から国に対して特例加算を要求するということが出てくるかもしれません。これはあくまでも将来の話でございますが、特例措置というものが地方から国に対して減額をするという意図のためにできたのでは決してないということははっきり申し上げられるのではないかと思います。
○吉井(英)委員 地方財政が厳しいときというのは、これは法律によって交付税率の引き上げとか制度の改正を行う、そういう対処をするべきであって、それを、附則三条で「交付税の総額についての特例措置」、この制度導入に際して、財源不足があれば特例加算があるなどと説明しておったわけでありますが、現実に十年たって、その結果は、不足を補てんするどころか交付税を減額することに役割を果たしてきたということが実態としてははっきり出ておると思うのですよ。そこで、地方財政の中長期的観点からなどと言って先送りをする説明をしたりとか、あるいは国と地方の公経済のバランス論だとか、いろいろと今盛んに強調されるわけですが、これは当初言ってきた財源不足の補てんなどというのがいつの間にかどこかへ行ってしまって、十年たった結果として出ているわけですから、私は、やはり結局ねらいはここにあったんだなと思わざるを得ません。 もともと当該年度の交付税はその年度に地方に配分する、この原則を守るべきでありますし、本当に地方財政が厳しいという、これは大臣の答弁にあるわけですが、そうするならば、お預けをするというやり方じゃなくて、財源不足が生じれば、この附則第三条の規定とか本則六条の三の二項の規定もあるわけですから、先送りをやめて地方に配分をする、今は地方の財政が本当に厳しい状況にあるし、財政需要はどんどんふえているわけですから、やはり私は、そのことについて大臣としてのきちっとした打ち出しといいますか、それが今求められているときだと思うんです。この点は最後に大臣に伺っておきたいと思うのです。
○村田国務大臣 大変根本的な問題でありますから、ぜひ私自身の考え方を申し上げたいと思います。 例えば平成五年の予算で、交付税対象税目の総額が五十一兆余円のうちで、所得税が二十七兆余円、法人税が約十六兆円、酒税が二兆余円、たばこ税が一兆円、消費税が五兆余円というようなことになっておりまして、地方の交付税としてそのうちの三二%等が譲与されるわけですね。まあ譲与という言葉はいけません、これはまさに地方の持つ一般財源でありますから、地方としてはこれを独自で徴収する権限があるというぐらいに考えていいんだと思います。 しかし、先ほど来の吉井委員の御質問の中でもありましたように、どんな税源の配分の仕方をしても、富裕団体と貧困団体というのがあるわけでございまして、それを直接地方団体が担税者からいただくということは非常に難しいわけでございます。したがって、公経済の両翼論という意味では、地方が日本国を離れて存在するわけではありませんから、私は、その間に財源のやりくりがあることは当然だと思っておりまして、それが十年間のところでこうなっておるという御指摘は地方財政のことを思って御指摘をしていただくのでございますから、このことはそれなりに承るわけでございますが、地方交付税全体として十五兆四千数百億、それから国庫支出金が十二兆何千億円地方債が六兆二千億円というような平成五年度の地方歳入を見てみますというと、そういう国と地方のいろいろな財政のやりくりの中でぜひこれを、四千億は認めてほしいという意見が総理からも大蔵大臣からもあったわけです。 それで、私は大蔵大臣とともに大蔵省へ赴きまして、各省に対する査定に全部立ち会って、そしてこの四千億がやむを得ないことを納得をしてことしはお貸しをしたというわけでありまして、これは国家財政の地方財政からの借金でありますから、必ず返してもらうわけです。ですから、行きっ放しになるということはないわけで、公経済の両翼という意味で私は納得をしておるわけでございまして、したがって、その点は総理からも高く評価をされておると思っております。これは、国家財政、地方財政全部、総理も責任があるわけでございますから、そういう考え方のもとにやってまいりました。 そして今、国の公債残高がたしか約百八十兆円ぐらいですか、地方の公債残高が八十兆円ぐらいになっています。そのことをいろいろと考えてみますと、国家経済の全体の規模、これは七十二兆余円ですね。地方財政の規模、これは七十六兆余円でございます。そういうところの中で、私どもは国家の一員でもあり、そしてまた地方財政、地方行政を担う責任者でありますから、そういった意味で運営をしておるのでございまして、地方のことをもちろん吉井委員とともに一生懸命考え、そして今後も対応していきたい、そういう責任感は強く持っておるつもりでございます。
○吉井(英)委員 まず、先送りの四兆円そのものを、今の国の財政全体の中でこれを返済していくのは容易ならざる問題だということを指摘しておきたいと思うのです。簡単に来るとは思えません。それから、制度が発足して大体十年ですが、当初言っていた制度発足時の趣旨が、国と地方の公経済のバランス論ということへうんと論点がすりかえられてきてしまっている。私は、ここに大きな問題があるということを指摘しておいて、次へ移りたいと思うのです。 当初国保の問題を予定していたのですが、時間が大分なくなってきて中途半端になりますので、厚生省の国保の関係の方はせっかく来ていただいたのに悪いのですが、建設省の方もいいですから、どうぞ。 水道の水質基準問題について、最後のテーマとして伺いたいと思います。 ことし十二月から新しい基準が適用となりますが、改正基準によりますと、水質基準が二十六項目から四十六項目にふやされる。これは、おいしい水を供給するということに着目して水質監視をきっちりやっていこう、非常にいいことだと思うのです。問題は、これだけのチェックを、チェック項目がふえるわけですから、体制とそれから機器があるのかどうか、この点がまず問題になってくるのですね。 まず厚生省の方から、せっかくの基準をよくしよう、厳しくしていい水をという発想は結構なことなんですが、まず、水質の検査体制の現状はどんな状態ですか。
○浜田説明員 水道水の水質検査体制についてのお尋ねでございますが、水道水の水質検査につきましては、水道法に基づきまして、原則として水道事業者による自己検査ということでございます。また、単独の事業者で検査が行えない場合には、複数の事業者によります共同検査体制の整備ということで従来私どもも指導してまいったところでございます。 ただ、現実は、大規模の水道事業におきましてはこうした体制は十分整いつつございますが、中小のところでは、一部共同で実施がされておりますものの、それによりましては検査がまだ実施できないという部分がございます。これにつきましては、地方公共団体の機関、つまり都道府県の衛生研究所、保健所など、あるいは水道法に基づきます厚生大臣の指定検査機関がございますが、こうしたところを活用していただきまして必要な水質検査が実施されているというふうな状況でございます。
○吉井(英)委員 九一年度末の調査結果では検査体制が極めて弱体ですね。現行の水質基準二十六項目、水道用水供給事業七十六事業体で、上水道事業千九百五十事業体とありますが、ここは一〇〇%検査をやっているのですけれども、簡易水道事業は一万百八十二事業体の中で項目によっては全然検査をしていないという事業体が今ありますね。 それで、今おっしゃったようにやはり自己検査体制が非常に弱い点がまず特徴だと思うのです。さらに項目をふやすわけですから、一つは検査機器がことし十二月一日までにちゃんと設置されるようになっているのかどうか、この点が一点。それから、特に自己検査体制が基本だということは生活環境審議会の答申でもそう示しているわけですが、そうなると検査機器の整備とともに、それを扱う技術者の確保、養成、ここらが問題になってきます。当然自己検査体制にしても共同検査体制にしても技術者の確保ということで人員の増員が必要になってくると思うのですが、この二点については大体手当てをしていくめどはついていますか。
○浜田説明員 新しい水質基準を先生のお話にありますように昨年十二月に制定いたしまして、本年十二月一日から施行するということになっております。それに向けた水質検査体制の整備、これにつきましても昨年十二月に私どもから通知を出しまして、鋭意各事業体で御努力いただくようお願いしているところでございます。また、都道府県に対しましても、こうした水道事業体が新しい水質基準のための水質検査が適正かつ計画的に実施できるように、都道府県単位の水道水質管理計画をつくっていただくようにということでお願いをいたしておりまして、都道府県からも必要な水道事業者に対する御指導をお願いをしているところでございます。 その中で二つございますが、先生御指摘のように一つは検査機器、新しい項目を分析できるような検査機器の整備という問題が一点目ございます。 これに対しましては、大規模の水道事業者はほぼ対応できる状況にあるのではないかというふうに思っておりますが、中小につきましてはできるだけ共同の体制をおつくりいただくように考えております。そうした共同の検査センターというようなものを整備する場合には、国から、従来から私ども厚生省から補助金を交付いたしておりまして、そうした財政支援をやっておるわけでございますが、平成五年度予算におきましてはさらに、共同ではなくても地域の中核的な水道事業者が周辺の水道事業者の分析も実施できるようにするために今、単独の水道事業者でありましても中核的な事業者に補助をするというふうな補助制度の改善を図っているところでございまして、こうした補助制度を十分御活用いただきながら検査体制の整備に努めていただくよう、私どもも引き続き努力をいたしたいというふうに思っております。 また、二点目の検査要員の問題でございますが、具体にどうした要員を配備していくかということにつきましては、これは各水道事業体にお任せをしているわけでございますけれども、厚生省といたしましては、特に新しい検査に対応できる検査要員の質的向上といいますか、そうした技術力を備えていただくための講習会の実施等を関係団体等にお願いをしておりまして、こうした中で要員の確保につきましてもできる限り御支援をしていこうという姿勢でございます。
○吉井(英)委員 これは全国の水道関係者の方から私もいろいろな話を伺っております。せんだっても大阪府の水道部の部長をやっておった人が今度東京事務所の所長で来たので、水道の話をしておったのですが、東京都の水道局の技監のお話では、水道項目数の増加と、低濃度レベルの分析のウエートが高まってきたことから、高度の分析機器類の操作技術に習熟した職員の確保の必要性及び分析精度管理の重要性が一層増大してきておる。ですから、いずれにしろ機器の拡充と、要員をきちっと確保する、こういう点で、せっかく国としてもいい方向を示しているのですから、これは自治省としても、厚生省とともにうんとバックアップをしていただきたいと思います。 あわせて、せっかく検査をしても、その公表の問題、これは年報などで一部公表はありますが、全国的な集約をしていないのが現状です。これはやはり全国的にも集約するとともに、成果をおさめるようにしてほしいと思いますし、特に消費者団体との連携の努力なんかはやってほしいと思います。 最後に、鉛の問題が一つあるのです。これは審議会の水質専門委員会では、世界保健機構のまとめた新基準〇・〇一ミリグラムを採用するということで一たん合意したということですが、その後どうもややこしい動きになってしまって、それで結局水質専門委員会の検討概要によりますと「給水管等に係る衛生対策」という項目を特別に列記して、「日本における水道水中の鉛の基準を〇・〇五ミリグラム・パー・リッターとする」。WHO基準の五倍甘いわけなんです。これを速やかに当初予定していた基準にしていくことも必要だと思いますし、とりわけWHOその他でも世界的に指摘されているのは、鉛について言えば、ずっと低い濃度でも乳幼児に精神発達のおくれを起こすことが明らかになってきております。それで、アメリカの方では理想水質の目標値は鉛はゼロなんですね。こういう点で、厚生省の方は、なぜこういう後退になってしまっているのか、私はぜひこれは後退させないということで今からでも頑張っていただきたいと思うのですが、この点については厚生省の方に質問しておきたいと思います。 なお、鉛管の基準を厳しくということは、水道管の鉛管の取りかえが必要なんですね。自治大臣、石綿セメント管なんかの老朽管更新事業というのは、漏水を防ぐという財政的な観点もあって随分今年度から前進させようとしているときです。だから同じように、鉛管の方は漏水というより、これは健康にかかわる問題、特に乳幼児にかかわる問題ですから、特に国の補助をふやしていくこととか、早く鉛管の布設がえが促進できるように、これはぜひ取り組んでいただきたい。 時間が参りましたので、厚生省と、最後の方は大臣に伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○浜田説明員 水道水質基準の改定に当たりましての鉛の基準の考え方についてのお尋ねでございますが、この水質基準の改定に当たりましては、生活環境審議会の中の水質専門委員会におきまして二年余にわたる非常に慎重な御議論の結果御答申いただいた値をもちまして、新しい水質基準ということにしたわけでございます。 その中で、当然鉛につきましてもさまざまな知見をもとに御議論をいただいておりますが、その結論によりますれば、日本におきましては鉛のトータル摂取量というのは諸外国に比べればかなり低いということが血中の鉛濃度から推定をされておりまして、そうした中で、当面新しい水質基準として〇・〇五ミリグラム・パー・リッターというような基準の強化によりまして……(吉井(英)委員「WHOより五倍ですよ」と呼ぶ)ええ、しかし、トータル摂取量という観点から水道水の基準をその程度に抑えておけばまず十分に安全であるという御見解をもとに、今回の基準を設定したものでございます。 なお、長期的には、さらに知見の収集に努めながらまた専門委員会で御議論いただいてまいりたいということで対処していく所存でございます。
○村田国務大臣 水を制する者は天下を制すると言いますが、その水の問題について技術の問題、検査の問題、いろいろと御指摘をいただいたところでありまして、これは厚生省の関係の政府委員から詳細に申し上げたわけでございますが、なおいろいろ今後のことは気をつけていかなきゃならぬと思います。 自治省は横糸の役所でございますし、これは私個人的なことを申し上げて恐縮ですが、今から二十五、六年前に愛知県で水道部長をやったことがあるのですね。水道部長経験の国会議員というのは恐らく非常に少ないと思うのですが、その当時、私は広域水道ということを盛んに言ったのです。それはどういうことかというと、水は大体、水道事業でもあるいは簡易水道事業でも市町村が主体になることが多い、これからは広域水道でやっていかないと広範な住民の需要に応じられないんだというので、御指摘になった技術者の養成もあるいはいろいろな問題も注意をしたわけでございます。 公共用水域の水質の保全に関する法律だとか、いろいろな法律の規定等も踏まえてやっていったわけでございますが、日本の水は全体としてはなかなかいいのですね。特に私の扱った木曽川の水というのは、これは極めて上質でございます。その意味では、淀川などは人体を恐らく一度も二度も通ってから出てくる水だから、大変御苦労されておる。そういう関係の部分については、今後厚生省としっかり連絡をとりまして、今委員の御指摘の点に対処していきたい、このように思います。
○吉井(英)委員 終わります。
○中馬委員長 これにて吉井英勝君の質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時四十七分休憩 ――――◇――――― 午後三時二十八分開議
○中馬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山口那津男君。
○山口(那)委員 公明党の山口那津男でございます。 私の方から、まず鉄道事業について。 私の選挙区は東京十区というところでありまして、足立区、葛飾区、江戸川区、こういう東の地域であります。この地域におきましては、鉄道の設備というものは必ずしも十分でありませんで、運輸政策審議会の答申によりまして現在かなりの路線が計画をされております。例えば、足立区では舎人新線、これは新交通システムによるものということになっております。それから常磐新線、これはもうかなり具体化され、進んでおります。それから地下鉄が営団の八号線と十一号線の延伸という路線が計画されておるわけであります。 在来線でいいますと、千代田線、常磐線というものが同じ路線を通っておるわけでありますが、これを中心にして非常に厳しい混雑があるわけですね。とりわけ北千住とか松戸とかというターミナルの駅では、混雑のために人身事故が時々起きるわけであります。ついこの間も松戸駅で死傷事故が発生をいたしました。そんなことで、混雑緩和のための鉄道事業の促進というものは非常に地域からも待望されておりますし、また住宅開発等、鉄道事業の促進に伴うさまざまな波及効果というものを期待されているわけであります。 そこで、まず地下鉄について運輸省に伺います。この建設費の補助金については、その額が必ずしも十分とは言えないという声がありますけれども、平成五年度の当初予算においてどれくらいの額が確保されているか、十分なものかどうか、この辺の状況をまず御説明いただきたいと思います。
○丸山説明員 御説明申し上げます。 平成五年度当初予算におきまして、地下鉄補助金につきましては、厳しい財政事情のもとではございましたが、総額五百四十七億円を計上いたしております。これによりまして、名古屋、大阪、神戸、三市の三つの新規路線の着工が可能となりましたほか、建設中の路線につきましても十分な工事量を確保することができたと考えております。 運輸省といたしましては、従来から地下鉄の整備を最重要課題の一つとして取り組んできたところでございます。今後とも、財政上の制約は非常に厳しいものがあると思っておりますけれども、必要な地下鉄の整備が図られますよう予算の確保に努めてまいりたいと思っております。
○山口(那)委員 この当初予算の中では、私が申し上げました営団地下鉄の八号、十一号の延伸等については何らの措置がなされていないということだろうと思います。しかし、先ごろ発表になりました新しい総合経済対策の「社会資本整備の新たな展開」という項目の中にこういうくだりがあります。「通勤・通学の混雑緩和を目指した都市鉄道の整備」こういう抽象的な文言にはなっておりますけれども、これの具体的な展開として、八号ないしは十一号の延伸について措置がなされるのではないかという期待をされておるわけであります。 具体的に北千住の駅ですと、混雑緩和のために十一号線が仮に押上等まで伸びまして、そこで東武伊勢崎線が北千住で乗りかえなくして都心へ直結する、こういう人の流れができますとかなり混雑緩和に資するであろうと思うわけですね。そこで、この十一号線は現在水天宮前でとまっているわけでありますが、その延伸についてどのような具体的な計画をお持ちか、それをまず伺いたいと思います。
○安富説明員 営団十一号線の水天宮前から松戸方面の延伸につきましては、昭和六十年七月の運輸政策審議会答申七号で、今後の首都圏の混雑緩和及び地域の活性化の観点から重要な路線ということで認識して位置づけております。 十一号線の扱いにつきましては、先ほど先生がおっしゃいましたように、四月十三日の政府経済対策閣僚会議決定で「総合的な経済対策の推進について」の中において、「社会資本整備の新たな展開」として通勤・通学の混雑緩和を目指した都市鉄道の整備を推進するということがうたわれております。これを受けまして、同線の水天宮前から押上間について整備の実現を図るということで、今回の補正の対象ということで検討対象に上げまして、我々現在財政当局との間において具体的な調整を図っているところでございます。 この水天宮前から押上間の整備が図られますと、東武伊勢崎線と相互直通を図るということで、北千住駅の混雑緩和、それから北千住駅から都心方向の千代田線、日比谷線の混雑緩和、さらに現在開発が計画されております押土地区、錦糸町地区の開発計画、こういうものが促進されるということで大きな意義があると考えております。 それから、押上から先の扱いでございますが、これについては今後沿線の需要動向、それから沿線の開発状況、そこら辺を見ながら関係者の間で今後詰めてまいりたい。それを受けまして我々としても適切な対処を考えていきたいと考えております。
○山口(那)委員 押上までは今度の追加補正で延伸が可能、見込みがかなり高いというふうに今判断いたしますけれども、押上から先、松戸までの延伸、もしこれが松戸までつながりますと、今度は北千住だけではなくて松戸からさらに枝分かれするということで、一層の混雑緩和になるだろうと予測されます。 この松戸までの路線は、用地の面から言えば、水戸街道に沿った路線が考えられますので、新たな用地取得のための経費とか工事とかという面ではかなりやりやすい面があるだろうと思うのですね。そして、今いろいろな調査検討をしているというお話でしたけれども、押上から四つ木あたりまでは八号線との共用になるはずですね。八号線は亀有まで延伸が計画されておりますので、この共用区間の調整を、十一号、八号どっちを優先させるかとか、運行の調整をどう図るかというようなこともあわせて早急にこれは課題を詰めていただきたいと思うわけです。その点の御認識を伺いたいと思います。
○安富説明員 お答えいたします。 先生先ほどおっしゃいましたように、押上以遠の問題につきましては、亀有までつながる八号線、それから松戸まで延伸する十一号線とございます。この両線の整備につきましては、先ほども申しましたように、今後の輸送の動向、それから開発の状況を踏まえて、地元、営団を含めまして具体的にいろいろ検討してまいりたいと考えております。 いずれにしましても、通勤混雑の緩和のために、特に常磐線の緩和という観点からこの二路線をどういうふうに扱っていくかというのは重要な課題でございますので、今後勉強させていただきたいと思います。
○山口(那)委員 もう前から随分勉強しているわけでありまして、答申では平成十二年の開通を目指してという目標もあるわけですね。ですから、これは今現在検討中であるということですと、とても平成十二年まで開業できるのかなと疑問視せざるを得ないわけであります。 さらに、八号線について言えば、もう免許申請は出ているわけですね。ですから、これが何ら応答なくずっとさらしたままになっている。この点でも地元地域住民の要望はますます強くなる一方なわけです。この点、免許の申請の審査も含めて、一体どういうところが具体的に問題になっているのか、もう少し具体的に答弁していただけませんか。
○安富説明員 先生今お話ありましたように、八号線については既に申請が出されておるということでございますが、正直申しまして、八号線、十一号線、いずれにしても需要自体がどの程度あるかということについていろいろ難しい問題を抱えておりますが、もう一つ大きな問題は、我々としても、財政状況から整備を行う財政的な基盤が少ないということもございまして、今後こういう点も含めまして、財政当局ともいろいろ勉強させていただきたいということで検討していきたいと思います。
○山口(那)委員 この地域については歴代の運輸大臣も非常に強い関心を持っていただいていると思うのですね。以前、江藤大臣は現場をごらんになられました。それから、二年前に私が大野運輸大臣に御質問したときも、ぜひ自分の目で確かめてきたいという決意を表明されたこともあります、実際に行かれたかどうかわかりませんけれども。それから、本年当初、越智大臣も北千住の駅を視察された。こういうことで非常に強い関心を持っていただいておりますので、ぜひともその関心を具体的な結果にあらわしていただきたい、この八号線、十一号線のさらなる延伸についても早急に具体的な回答をいただきたいと思います。 そこで、この十一号線の追加補正の計画のほかに、新聞報道によりますと、埼玉高速鉄道の七号線と言われるようなところについても新たな補助制度ができる見込みである、このように報道されておりますが、これが実際どういう内容になっているのかというところをまず伺いたいと思います。
○安富説明員 埼玉高速七号線につきましても、先ほど申しました経済対策の中において都市鉄道の整備促進の一環として現在財政当局と具体的な調整を行っているところでございます。この助成制度につきましては、補正という性格もございまして、建設初年度の事業に対し、いわゆる五年度に立ち上げるために一部の助成をするということで現在考えておりまして、平成六年度以降につきましては、いわゆる鉄建公団のP線工事で行うということで考えております。
○山口(那)委員 さっきの話に戻しますけれども、営団十一号と埼玉高速鉄道七号、それぞれの金額、補正の規模、これについては具体的にどの程度を考えていらっしゃいますか。
○安富説明員 具体的な補正の額につきましては、先ほど来より申しておりますように、財政当局と具体的に調整中でございます。したがいまして、明確な数字はまだ固まっておりませんが、我々としては、この十一号、埼玉七号が平成五年度、十分立ち上がることができるような額はぜひ確保したいということで頑張っておるところでございます。
○山口(那)委員 今、平成五年度というふうにおっしゃったわけですが、平成五年度限りの予算措置となりますと、これは一時的な景気対策という話になるわけですね。しかし、立ち上げた以上はやはり工事の早期促進ということを当然図っていかなければならないわけでして、そのためには相当な財政出動というものもなされなければいけないわけですね。ですから、この一時的な予算措置というだけではなくて、やはり立ち上げのときに立法も含めたこの恒久的な制度化というものを図っていただかないと、先の見込みというものが明確に立たないということになろうかと思います。そうした意味で、ぜひこの恒久的な制度改正を含めた措置をお願いしたいと思うのですが、その点いかがですか。
○安富説明員 先生のおっしゃるとおり、今後の都市鉄道の整備を充実していく、促進を図る、特に先ほど来より我々の経済対策の中でも言っておりますように「社会資本整備の新たな展開」ということで今後考えていく、通勤通学の混雑の緩和を図る、そういうことと、住宅供給を図る、こういう観点から運輸省としても最重要課題としてとらえております。今後、平成六年度以降の問題につきましては、具体的に国それから地方公共団体の協力も含めまして関係者といろいろ協議し、その整備促進を図るための方策について十分勉強していきたいというように考えております。
○山口(那)委員 運輸省も、そうした意味での制度改正も含めた恒久的な措置は検討していかれるわけでありますから、ぜひともこの点、今回だけの予算措置に終わらせないで、制度改正を含めて実現を図っていただきたいと思います。 そこで、さっきの答弁にもありましたように、国庫の補助制度というのは必ずしも十分でないところがあります。この地下鉄にはさまざまな営業形態というのがあるわけでありますが、例えば都営地下鉄のような公営の地下鉄、これらの経営状況というのは大変厳しいというふうに伺っておりますけれども、実際の現状はどうなっているのか、そしてまたそれを改善するために自治省としてどのような対策を講じられているのか、この辺の御説明をいただきたいと思います。
○湯浅政府委員 公営で行っております地下鉄事業につきましては、現在国と地方の一般会計からいろいろな助成措置を講じているわけでございますけれども、建設費に非常に膨大なお金がかかるというようなことで、その経営状態は極めて厳しい状態になっております。平成三年度の決算を見ますと、今営業中の都市が九都市ございます。九都市の地下鉄事業の決算では、経常収支が千七百七十二億円の赤字となっておりまして、前年度に比べてこれはちょっと補助金の勘定のやり方を変えたという点もございますけれども、前年に比べまして九百六十四億円の赤字ということでかなり大きく赤字額が増加しております。 そういうようなことを考えまして、地下鉄建設のために従来から地方債と地方交付税によりまして所要の措置を講じているわけでございますけれども、平成五年度におきましては、平成四年度までにとられておりました地下鉄事業の特例債制度、これは建設事業に伴う地方債の孫利子と考えていただければいいと思いますが、こういうものに対する措置を講ずるというようなことで、これに対する助成制度も、国からも新しいものも一部入れていただいております。 いずれにいたしましても、地下鉄というのは都市機能の維持発展に不可欠な都市インフラとして非常に重要な役割を果たしておると思います。それから、長い目で見ればこれは黒字になるわけでございます。短期間で見ますと、建設事業費が非常に大きいものでございますので、どうしても赤字になるわけでございますけれども、長期的に見ればこれは黒字に転ずる余地の大きいものでございますから、私どもも、地方債、交付税というようなものを活用しながら、これからも積極的に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○山口(那)委員 国の側としても今後鉄道の整備財源を充実していく必要があるわけでありますけれども、先日の新聞報道によりますと、鉄道整備基金を一兆円追加する、こういう構想が一面トップで報道されておりました。これが実現するならば、大いに心強い次第なんでありますが、この発表された構想というのは現在ではどういうふうに具体化されつつあるのか。
○丸山説明員 御説明申し上げます。 先ほど来先生のお話にもございますように、鉄道というものは通勤通学の足として、あるいは地域間の輸送の担い手として非常に重要な社会資本基盤であるというふうに私ども認識しております。したがいまして、その整備の促進を図ることが国民生活の充実のために不可欠であると考えております。そういう観点から、鉄道の整備方策につきまして、今先生がおっしゃいましたような財源問題を含めまして中長期的な課題として勉強をしてきております。いろいろな案がございますけれども、それを種々の角度から検討しておるというところでございます。 いずれにいたしましても、何らかの形で今ございます鉄道整備基金というものを活用いたしまして必要な鉄道整備が図られるような実効ある方策というのは何なのかということにつきまして、関係各方面の御理解と御協力を得ながら検討を進めまして、国、地方公共団体、利用者等の適切な負担と協力のもとに一歩でも二歩でも鉄道整備の推進が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
○山口(那)委員 今のお話はまことに抽象的で、精神論に終始した感じなんですが、もっと具体的な話が新聞で報道されているわけですよね。ですから、これが根も葉もないことなのか、それともかなり具体化されつつあるのか、あるいは運輸省がこれからのこの実現のためにどういう努力をされているのか、もっと具体的な回答をいただきたいと思います。
○丸山説明員 御説明申し上げます。 新聞報道にございました一兆円の基金構想というものにつきまして、そういう構想が報道されたということにつきましては私ども承知しております。ただ、今回の総合経済対策の中でこれをどう位置づけるかということになりました場合に、経済対策でございますので、即効性とかそういうことを見ました場合に、今回基金の積み増しをするということについてはいかがなものかという議論がございました。したがいまして、中長期的な課題といたしまして、鉄道整備基金の充実を図るということにつきましては、引き続き勉強してまいりたいと思いますけれども、今回の経済対策といたしましては、十一号線の着工、埼玉七号線の着工、この二点に絞りまして総合経済対策の一環としてやってまいりたいというふうに考えております。
○山口(那)委員 そうしますと、今回のこの追加の補正の中ではこれは具体化できなかった、残念でした、こういうお話ですが、それじゃ来年の予算に対して、これをさらに一歩進めていく方針があるかどうか、この点どうですか。
○丸山説明員 御説明申し上げます。 これからまだ補正につきまして財政当局といろいろお話をさせていただこうという段階でございまして、来年の予算について具体的にどうこうということは非常に申し上げにくいのでございますけれども、先ほど申し上げましたように、何らかの形で鉄道整備基金というものを充実して鉄道整備を図っていきたい、これは中長期的な課題であるというふうに運輸省も認識しておりまして、六年度予算で何ができるかということを含めまして、今後とも勉強してまいりたいと思っております。
○山口(那)委員 せっかく追加の対策の中に盛り込もうとして努力されたわけですが、今回の追加には盛られないということがほぼはっきりしたようですから、ぜひこれを来年度の予算に反映できるように、一生懸命勉強していただいて、実現していただきたいと思います。 さて、自治大臣に伺いますけれども、この鉄道事業につきまして、例えば私どもの地域の人々は、東京の都心から西と東に分けた場合に、西の方がこういう基礎的なインフラ、下水道にしても道路にしても鉄道にしても、比較的先によく整っている。しかし東側、これは埼玉県、千葉県そして茨城県と東京の北東部を含めた話ですが、あらゆる面で非常におくれている。しかし、かなりの人口の集積もありますし、これからのいろいろな分散型の地域づくりということを考えると、やはりこの地域のインフラの計画的な整備というのは非常に大事なことだろうと思うのですね。ですから、そういう住民の声にこたえる努力はやはり政治が示さなければいけないだろうと思います。 そこで、今回のこの総合的な新しい対策で示された中で、「通勤・通学の混雑緩和を目指した都市鉄道の整備」、こう書かれているわけであります。これはほかの施策とは異なりまして、社会資本の整備、その中でも鉄道というのは極めて重要なインフラ、中心的なインフラだろうと思います。しかも、輸送手段として道路等と比較してみれば、今環境の問題がいろいろ言われている折、その大量輸送性、安全性、それから環境負荷の少なさ、こういう点からいって、輸送手段としては非常にすぐれたものがあるだろうと私は思うのですね。ですから、投資の効果という意味では道路にまさるとも劣らないといいますか、そういう効果があるだろうと思います。 そうした意味で、この東京の北東部の鉄道については、短期的な視点ではなくて、中長期的視点に立った制度化というものを積極的に推し進める必要があると思うのです。閣僚のお一人として、また自治体をお預かりになる大臣として、御所見をお伺いしたいと思います。
○村田国務大臣 山口委員にお答えいたします。 東京の東北部それから西部の発展に差があるというのは御指摘のとおりでしょうね。これは自然条件、気象条件その他でございまして、衛星都市としても、衛星都市という言葉が当たるかどうか知りませんが、横浜だとか川崎だとか、ああいう方面と、それから埼玉、千葉の発展にはおのずから若干の進み方の差があると思います。これは、港とか水とかいろいろな条件があると思いますが、そういうことに対応して、これからの東京圏、それからまた東京一極集中の排除というような点もいろいろ考えてみますと、今御指摘になった鉄道その他のインフラストラクチャーを整備しなければならない、これには非常に社会政策的な意味もあると思います。 したがって、御指摘になった点は、これは地方公共団体でそういうものを営む場合とか、第三セクターでやる場合とか、民営でやる場合とか、いろいろあると思いますが、今御指摘の点をよく考えながら、東京圏の今後の動向ということを都市計画的にもいろいろと考えながらやっていかなければならぬ。自治大臣としては、それに対して非常に大きな関心と、それからまた責務もあるという感じがしておりまして、委員の御指摘の点をよく注意してまいりたいと思います。
○山口(那)委員 この地方行政委員のメンバーは、私以外に千葉、埼玉、今私が申し上げた関係の地域の方がたまたま多いということでありまして、これは私が皆さんの総意を代表して申し上げた、こういう御理解でぜひとも強力に取り組んでいただきたいとお願い申し上げます。 次に、住宅の問題についてお伺いいたします。 東京一極集中というのがかねてから指摘されているところでありますが、バブル時代を通して土地代あるいは家賃の高騰は実に激しいものがありまして、若い人あるいは普通の所得層の人はなかなか都内に住宅を求めることができなくなってきている、まして住むことすらおぼつかなくなってきている、こういう現状であります。ですから、この住宅の開発及びその関連の施設の整備ということは積極的な措置が期待されるわけです。 そこで今回、住宅宅地関連の公共施設整備事業に対して地方財政措置が講じられることになった、このように伺っておりますけれども、その背景、なぜこういうところにこういう措置をとるようになったか、そしてまた、その具体的な内容はどういうものか、これを整理して御説明いただきたいと思います。
○湯浅政府委員 ただいまも御指摘のとおり、住宅宅地の供給を計画的に行う必要がある、また、計画的に行うことが我が国におきます居住水準の向上に非常に大きくかかわっているということでございまして、地方団体におきましても、かねてからこの住宅宅地関連の公共施設の整備には積極的に取り組んでいたわけでございますけれども、この際、この点についてさらに積極的な取り組みが必要であろうということで、所管省でございます建設省と私どもとでいろいろと御相談をいたしまして、地方財政の立場から支援できる面がないかということで御協議をしたところでございます。 その結果、平成五年度から、大きく三つの方法で地方財政の支援措置を考えたいと思っております。 まず第一は、国の補助事業でございます住宅宅地関連公共施設整備促進事業にかかわります地方負担、この地方負担に対する財政措置につきまして、これは道路とか河川とか公園とかいろいろな事業がこの中にまざってきておりますけれども、そういう事業の種類には関係なく、一括して一般単独事業債を充当いたします。そして、この事業債の元利償還金について、後年度事業費補正として三〇%を算入していきたいということが一つでございます。 第二といたしましては、補助事業でございます住宅宅地関連公共施設整備促進事業に関連いたしまして、その事業区域あるいはその周辺地域において地方の単独事業として行われます生活道路とか小公園、緑道、河川環境等の住宅宅地関連施設の整備に対しましては、新しく地方財政上の支援措置として、一般単独事業債のうちの都市生活環境整備特別対策事業という事業の事業債の対象にしたいと思っておりまして、その元利償還金については、後年度交付税の基準財政需要額に事業費補正として四〇%を措置したいと考えております。 それから三番目でございますが、これは公営企業関係になりますが、住宅宅地関連公共施設整備促進事業のうちの公共下水道あるいは流域下水道にかかわります地方負担、またこれに伴います地方単独事業分につきましては下水道事業債を充当いたしまして、通常の下水道事業債と同様の財政措置を講ずる、こういうことにいたしたところでございまして、これによりまして地方団体の事業がさらに積極的に取り組めるようにしたいというふうにしたわけでございます。
○山口(那)委員 今お答えのありましたように、地方財政措置を講じたこと自体は非常に前向きでよいことだろうと思いますけれども、この住宅、従来は箱物とごく附帯設備といいますか、外構工事といいますか、その辺を整えた程度の話だったわけでありますけれども、やはり良好な周囲の環境というものを整えていく上でこの関連公共事業というのは重要性をますます帯びてきている、こう言えると思います。 そこで、これも単なる予算的な補助という視点だけではなくて、住宅に関する思想というものを加えまして、法的措置をとった上、これを他の公共事業の長期計画、例えば道路五カ年計画とか港や空港の整備等それらの公共事業長期計画と同列のもの、あるいは住民の生活に直結した非常にもっともっと基礎的な、重要なものかもしれません。そうした長期計画との関係も明確にして、この予算措置のみという枠を脱皮していただきたい、こういうふうに思うわけでありますが、建設省、いかがお考えになりますでしょうか。
○松野説明員 お答えいたします。 住宅宅地関連公共施設整備促進事業は、良好な住宅及び宅地の供給を促進するため、これに関連して必要となります道路、公園、下水道、河川等の公共施設の整備について、通常の公共施設整備事業に加え、別枠で補助を行うものであります。 その際、住宅宅地事業に合わせたそれぞれの公共施設整備事業の機動的かつ弾力的な執行を行っているものでございます。したがいまして、こういう機動的かつ弾力的な執行をするという性格がございまして、関連する公共施設についてあらかじめ長期的な事業量を定めるということがなかなか難しいという性格がございます。したがいまして、長期計画に量的に位置づけることやあるいは各事業法の中に位置づけることは現時点では難しいのではないかと考えております。 また、その実施に当たりまして、現在の住宅宅地事業に関連いたしました公共施設であることに限定しておりますが、そのほかは、採択基準とか補助率等において同種の通常の国庫補助事業と全く同様となっております。したがいまして、各事業法と独立して単独に法律に位置づけるということについても、現時点ではやはり難しいのではないかというふうに考えております。
○山口(那)委員 今回の予算措置によって、今おっしゃられた他の事業と同列のものになった、こういう御説明でしたが、従来は同列でないがゆえに、制度はありながら充実した利用というものがなされてこなかったのではないかとも思うわけですね。ですから、今回そういう意味で、差がなくなった、機動的に利用できるようになったということでありますから、他の事業との関連も含めて総合的な利用形態といいますか、この制度の利用というものも検討してしかるべきだろうと思いますので、この特性は配慮しつつも、大いにこの制度が利用されるように総合的な対策というものを考えていただきたいというふうに思います。 さて、次ですが、特定優良賃貸住宅の制度、これについては、昨日建設委員会で法案が可決されたというふうに伺っておりますが、これが従来、私どもの党では家賃補助制度というものを強力に主張してまいりまして、なかなか国における制度化というのはなされなかったわけですね。これがまず、全国で江戸川区が先駆けて部分的な家賃補助制度というものを実現いたしました。そして、二十三区あるいは部かの市町村あるいは大阪等地方へも広がっていきまして、都道府県のレベルでもこの家賃補助制度を採用する、こういう制度を経て去年からやっと国も制度を実現した、こういういきさつがあったかと思います。このたびこの制度がさらに拡大した形で充実されたことは、非常にいいことだろうと思うわけであります。 ところで、この方式を利用した住宅建設は、民間の事業者と住宅供給公社等の公社、それから地方自治体そのもの、こういう三つの事業主体が考えられると思うのですが、それぞれの役割分担はどうなっているのか、また、この制度、法律はどこを中心に期待をしているのか。このような基本的な御説明をいただきたいと思います。
○那珂説明員 お答え申し上げます。 我が国の居住水準でございますが、全体として見ますと着実に向上していると言えますが、大都市圏を中心に借家世帯の居住水準の改善がおくれ、特に世帯人員が三人ないし五人、そういう中堅層について必要とされる良質な賃貸住宅ストックが不足しているという状況にございます。 お尋ねの特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律案は、このような状況に対応いたしまして中堅層向けの良質な賃貸住宅の供給の促進を図るために、民間の土地所有者等による賃貸住宅の供給を促進し、これを地方住宅供給公社が借り上げること等によりまして公的賃貸住宅としても活用するということを基本とする制度でございます。したがって、その供給の中心は都道府県知事により供給計画の認定を受けて供給する民間主体によるものと見込まれるわけでございますが、地方住宅供給公社等の地方公共団体以外の公的主体も、民間に準じましてこの特定優良賃貸住宅を補完的に供給することとなるというふうに考えております。 一方、民間による特定優良賃貸住宅あるいはその他の中堅所得者向けの賃貸住宅が不足し、借家の居住水準の改善が進まないというような場合におきましては、地方公共団体みずからもその建設に努めなければならないものとしたところでございますが、具体的には、地域の住宅事情、民間による特定優良賃貸住宅の供給の動向などを踏まえまして、それぞれの地方公共団体が判断することとしているところでございます。
○山口(那)委員 今、この制度は民間事業者が主として行うべきものである、地方団体も補充的な役割を担っている、こういう御説明でありました。その地方公共団体が建設する場合に、地方財政法等の趣旨からいって、一応収支均衡という原則があるのだろうと思いますが、この点の問題がどうなっているのか、これを地方団体にどう指導していくのかという点について整合的な御説明をいただきたいと思います。
○那珂説明員 公共団体の役割でございますが、土地所有者等により供給されます特定優良賃貸住宅に準じ地方公共団体が賃貸住宅の建設を行う場合に、国は建設費の三分の一を補助することといたしております。この賃貸住宅の家賃は、近傍同種の家賃の額と均衡を失しない、いわゆる市場家賃とするというふうに定められております。したがって、地方公共団体が建設する場合の国庫補助以外の負担分につきましてはこの家賃収入により賄われることとなります。さらに、地方公共団体が建設する場合には、建設等にかかわる地方負担額、そして家賃収入の見通しなどを踏まえまして、過大な負担とならない程度の期間で収支が均衡するような計画のもとで事業を実施することが適切であると考えております。 このような観点から、収支見通しを十分検討の上建設するよう地方公共団体を指導してまいりたいと存じます。
○山口(那)委員 数は民間と比べて少なくなるものの、そうやって地方団体に負担が及ぶわけでありますから、果たしてその収支均衡という原則が貫けるかどうかというのはやはり問題があろうかと思うのですね。ですから、今御説明のような建前はあるものの、果たしてこの制度でうまくいくかどうかというところはいろいろな意見があろうかと思いますけれども、この点は自治省としてはどういうお考えをお持ちですか。
○湯浅政府委員 基本的には、いわゆる特賃住宅というものは公営住宅と違いますから、一般的な住民の方々が普通の借家を借りる場合と同じ住宅の供給を受けるということになるのではないかと思うわけでございます。ただ、民間の住宅でなかなか質のいいものが得られない場合に補完的に地方団体がそれを供給するというようなシステムが基本的なこの特賃住宅のシステムだと思いますから、特定の個人の行政サービスに対して地方の一般財源を出すということは、これはそれなりの公益がなければ、公共目的がなければ難しい話だと思うわけでございます。 そういう観点から、この特賃住宅制度を建設省がいろいろと検討されているときに、私どももそういう意見を随分申し上げたわけでございます。国の助成なり、あるいは地方が持つとするならば、一体どういうところに地方の一般財源を入れることによってこの住宅制度というものが成り立ち得るのか、ここをよく検討しようじゃないかということででき上がった成果品が、先ほど来建設省から御説明のある制度になっておるわけでございます。したがいまして、当面のやり方といたしましてこの制度でやっていただいてどういう問題が出てくるのか、これをよく見きわめた上で検討したいなというふうに考えております。
○山口(那)委員 この制度は、昨年、同様のものが発足して、五千戸ということで実施されたと思うのですが、この内訳といいますか利用状況、そこから出てきた問題点等について、今わかる範囲で結構ですから、ちょっと御説明いただきたいと思います。
○那珂説明員 この特定優良賃貸住宅制度の前身でございます地域特別賃貸住宅制度というのがございます。これは昭和六十一年度から予算措置をもって実施している制度でございます。平成四年度までの累積で約二万戸の供給実績を一応上げているところでございます。 この制度のやってきた問題点というお尋ねでございますが、強いて申し上げますならば、我田引水でございますが、やはり予算措置でやってきたというようなこともございまして、特に入居管理の点等につきまして公平さ、適正さの担保において若干不安が残っております。したがいまして、そういう点も含めまして今回特定優良賃貸という、名称は変わりましたけれども、法的な裏づけをもって制度を発展的にこういうふうに変えさせていただいたということでございます。
○山口(那)委員 もしそうだとすれば、今回の法的な裏づけを持った制度化というものは非常に大きなターニングポイントになるだろうと思うのでありますが、しかし、全体として今年度は二万戸という規模でありますから、とても実際の社会の需要を満たすことはできないだろうと思うのですね。ですから、来年、この制度の利用のされ方を踏まえた上でさらに一層の拡充が望まれるだろうと思うのですが、この点、建設省はどうお考えでしょうか。
○那珂説明員 ちょっと紛らわしい数字でございますが、本年度、平成五年度予算で計上させていただいている戸数が二万戸でございます。先ほど申し上げたのは、前身の地域特別賃貸住宅の実績の累積戸数が二万戸ということでございます。実は平成四年度の地域特別賃貸住宅の実績が一万戸でございます。それを今回、制度を改めることもございまして倍の二万戸という戸数を計上し、都道府県を通じまして各自治体あるいは実際に供給主体となる民間の地主の方々等の要望を、非公式な形ではございますが、いろいろお聞きしています。その段階で申し上げますと、予算戸数二万戸近い要望もあるということでございます。 先生お尋ねの二万戸では到底足りないではないかということでございますが、新しい制度でもございますので、とりあえず平成五年度は二万戸の実施を適切に執行させていただきまして、また全体の住宅事情等よく勘案いたしまして平成六年度以降の計画につなげていきたいと存じます。
○山口(那)委員 たまたま私の居住している半径一キロ以内のところにこの制度を利用して三棟既に建設が始まっているものがあるんですね。ですから、やはりかなり潜在的なニーズはあるだろうというふうに見たわけでありますから、ぜひともこのニーズにこたえられるようなそういう制度の拡充をお願いしたいと思います。 それから、国としてこの民間の住宅あるいは公社等が行うこの住宅の建設、これを支援するために資金上の配慮、融資制度等を含めてどのような配慮をされているか、これについても御説明を伺いたいと思います。
○那珂説明員 民間土地所有者の方が建設するこの賃貸住宅につきましては、公益性が高く、また居住水準の向上というような観点から、廊下、階段などの共用通行部分あるいは緑地それから駐車施設などのいわゆる共同施設に対して地方公共団体がその三分の二を補助する場合、国はその半分を補助することとしております。また、地方住宅供給公社等が建設する場合におきましては、全体工事費、住宅本体も含めまして全体工事費に対して地方公共団体が三分の一を補助する場合、やはり国はその二分の一を補助することといたしております。 さらに、民間あるいは住宅供給公社に対する住宅金融公庫の融資に関しましては、基準金利、現在は四・一%でございますが、基準金利による基本貸付額が通常の場合ですと工事費の約六〇%くらいになろうかと思いますが、この特定優良賃貸住宅につきましては実質融資率を八〇%まで引き上げて、全体の建設コストの引き下げを図ることとしております。
○山口(那)委員 次は、ごみ発電とエネルギー政策について伺いたいと思います。 折から環境基本法が提出されまして議論しておるところでありますけれども、エネルギーを考える場合に、この環境問題あるいは地球温暖化防止という観点はこれからますます重要になっていくだろうと思います。これまで化石燃料を使った発電というのが主体でありまして、さらにまた原子力という新しい大量発電電源というものを考えられたわけでありますが、これもまたいろいろな意見があるところであります。したがいまして、新しいエネルギー源、電源というものを開発する必要はあるわけでありますが、にわかに有力な大量電源というものはなかなか見つからない状況であろうと思うのですね。そうかといって、従来の電源に頼っているだけでは能がありませんので、やはり身近な、利用できるエネルギー源、電源というものはきめ細かに開発をしていく、拾っていく、こういう視点も必要であろうかと思います。そこで、廃棄物を資源として活用すること、あるいは廃棄物の焼却廃熱そのものを有効利用するということもその選択肢の一つとして有力に浮かび上がってきております。 そこで、現在日本各地でごみ発電、これはごみ焼却場に発電設備を敷設して有効利用を図る、こういう方式で実施されている、こういうふうに聞いておりますが、現状どの程度の数があって、どの程度の電力を供給できるのか、この辺の御説明をいただきたいと思います。
○湯浅政府委員 現在全国で約二千カ所のごみ焼却施設がございますけれども、平成三年度末ではこのうちの百十三カ所の施設におきましてごみ発電が実施されております。ただ、自家用と申しますか、発電した電気を外にまで売れるというほどの力を持っているものはこの百十三のうちのさらに五十三、五十三施設については余剰電力を売電するだけの力を持っているようでございますが、この五十三カ所の最大出力が二十五万千三百十キロワットということでございまして、まだ現段階ではそれほど大きな能力があるということは言えないわけでございますけれども、地方団体の取り組みといたしましては、これから意欲的にやっていこう、そういういろいろな意向は私どもにも伝わってくるわけでございます。
○山口(那)委員 今実態の説明があったわけでありますけれども、このごみ発電を一つの地方公共団体の事業として推進していくべきであると私は考えますが、平成五年度から新たにスーパーごみ発電事業を推進していく予定である、このように伺っております。このスーパーごみ発電事業の内容及びその推進の方法というものを御説明いただきたいと思うのですが、従来のごみ発電事業とどこが違うのか、従来のごみ発電事業をどのように推進してきたのか、それとの違いが鮮明になるように御説明をいただきたいと思うのです。
○湯浅政府委員 先ほども申し上げましたとおり、廃棄物を資源としていろいろ活用したり、あるいは焼却廃熱というものを有効利用していこうという考え方は地方団体にもかなり浸透してきたと思っております。 実は平成四年度から、一般廃棄物処理施設におきます焼却廃熱を利用した発電、いわゆるごみ発電でございますが、これを自家用以外に余剰電力として売電するという事業を新しく発電事業、電気事業の中に地方公営企業としても位置づけまして、それで関係省庁とも連携を保ちながらごみ発電をやっていこう、こういうことにしたわけでございます。 さらに、その間にスーパーごみ発電事業、技術もだんだんと成熟してきたということで、この内容についても昨年いろいろと私どもも検討してみたわけです。このスーパーごみ発電というのは、ごみ焼却施設から発生する蒸気をガスタービンなどほかの熱機関を利用してさらに高温化いたしまして、通常のごみ発電の効率をさらに引き上げていく、こういうものをスーパーごみ発電と称しているわけでございます。平成五年度から、こういうことをやることによって電気を売るという事業を起こした場合には、これも新たな電気事業として位置づけまして、そしてこれを地方団体に積極的に利用していただこう、こういうことで今回も地方債計画に、全体まだ十億円でございますけれども計上いたしまして、そして地方団体に積極的に対応していただくようにお願いもいたしましたし、関係省庁とも連携を保ちながらこの事業促進を図ってまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○山口(那)委員 従来、ごみ焼却場の廃熱利用等を私なりにイメージしますと、むだに放出するよりはいろいろと利用した方がよかろうということで、温水プールですとか熱帯植物園とか床暖房の休養施設を併設するとか、そういうことを思い浮かべるわけでありますが、しかし売電ということになってその発電効率を高めるということになりますと、これは企業的な思考がかなり入ってくるわけで、性格が異なってくるだろうと思うのですね。こういう方向で推進しようとされる積極的な目的といいますか、その制度目的、こういういい面があるんだということを何点が御指摘をいただきたいと思うのです。
○湯浅政府委員 御案内のとおり、廃棄物の処理という問題は、環境問題などと関連いたしまして今非常に都市の行政の中で大きな問題になっております。一つは廃棄物をできるだけ出さないという運動も進めているわけでございますけれども、やはりこれだけの高い文明を持っている我が国の消費生活というものは、これを全く出さないというわけにはいかないわけでございますから、せっかく生産をしたものが廃棄物として出されたときにそのまま捨ててしまうということはいかにも問題があるわけでございますから、先ほど先生も御指摘のように、最初はこれを焼いた余熱を使って温泉プールとか植物園だとか、あるいは老人施設に給湯するとかというようなことでやっていたわけでございますけれども、ただそれだけでエネルギーを使ってしまうのももったいないではないか、せっかくそれだけのエネルギーを使うのであれば、これをまた資源に還流して公共目的に使う、こういう選択もあるんじゃないか、こういう発想からこのごみ発電ということを我々は考えたわけでございます。 こういう未利用のエネルギーというものを、先ほども御指摘のように小さいところから少しずつでも取り出して、省エネルギーの対策に使っていこうという一環として売電をするというのは一つの刺激にもなるのではないかということで、地方団体にも積極的に対応していただけないかということでお願いしているところでございます。
○山口(那)委員 通産省に伺いますけれども、エネルギー全体の問題からして、このごみ発電あるいはスーパーごみ発電事業、現在の予定されるボリュームというのは大した量にはならないだろうとは思いますけれども、これをさまざまな政策目的から考えてどのように位置づけておられるか、そしてこれからどの程度の供給見込みを立てていらっしゃるか。この点の評価をお伺いしたいと思います。
○藤野説明員 今御指摘ございました廃棄物の焼却廃熱の利用ということでございますが、こうした廃熱の利用というのは、我が国全体のエネルギー供給の中でその効率性を高めていくということにつながって、大きい意味では石油依存度の低下あるいは環境負荷の低減を通じた温暖化問題等の環境問題への対応という観点から重要な問題だというふうに考えております。 九〇年十月に「石油代替エネルギーの供給目標」というものを閣議決定いたしておりまして、そこで二〇一〇年の供給目標というのを決めておりますが、二〇一〇年に向けましていわゆる新エネルギーというものを五・三%ぐらいのウエートまで高めていこうというのが政策目標でございます。ただいまの廃棄物エネルギーの利用ということにつきましても、導入が期待される新エネルギーの今申し上げた数字の中ではございますけれども、その中に位置づけておるところでございます。 廃棄物発電の現状につきましては、財政局長の方から御説明がございましたけれども、現在の状況でエネルギーのシステムとして考えました場合に、やはり発電効率の問題あるいは供給の安定性の問題といった面での技術的課題ないしは経済性というコストの面での課題、こういった問題はまだ残されている問題であろうというふうに考えておりまして、資源エネルギー庁としましても、発電効率の向上につながるような腐食対策を中心にした技術開発あるいは金融・税制上の導入支援策というものをこれまで講じてきているところでございますが、あわせまして昨年の四月に、電力会社におきまして余剰電力の購入条件のメニュー化ということを行って公表を行っております。さらに、本年度からの新規事業でございますけれども、効率の面あるいは供給安定性の面での向上が期待されますコンパインドサイクル型の廃棄物発電、先ほどございましたいわゆるスーパーごみ発電でございますが、この一部につきましてモデル事業としてこれを支援していこうということで、新たに予算を計上いたしておるところでございます。 今後、こうした施策を通じまして、冒頭の代替エネルギーの供給目標の達成に向けて努力の一環として、廃棄物発電の導入ということに取り組んでいきたいと考えております。
○山口(那)委員 現在稼働しているごみ発電の中で、例えば、私どもの選挙区内にあります葛飾清掃工場というのが東京都の施設としてありますが、ここは焼却能力が一日に千二百トン、それで最大出力が一万二千キロワットという状況であります。最も効率のいい都内の施設でありますと大田第二工場というのがありまして、ここは焼却能力が一日に六百トン、そして生み出す出力は一万五千キロワット、葛飾と比べてはるかに効率がいいわけです。ですから、従来のごみ発電でさえこれだけ効率の差があるということでありますから、これは、技術開発によってますますこの効率が高まるという余地は多分にあるだろうと思うのです。ですから、このスーパーごみ発電も含めて、今通産省が御指摘になったさまざまな問題点はあろうかと思いますが、克服は十分可能な分野だろうと思いますので、ぜひともこの点は推進をしていただきたいと思います。 さらに、このごみ、廃棄物利用というだけではなくて、未利用の地域エネルギー源といいますか、そういったものはほかにも多々あろうかと思うのです。ですから、そういう新しいエネルギー源の利用を含めて、今後自治体として未利用のエネルギーの利用といいますか、有効な利用方策、これをどのように考えておられるか、御説明をいただきたいと思います。
○湯浅政府委員 地球温暖化防止のために環境問題が非常に大きな問題としてクローズアップされているわけでございまして、そういう中で未利用エネルギーというものをできるだけ活用していくということが、やはりその中の大きな課題になろうかと思います。そういうことで、地方公共団体におきましても未利用エネルギーの有効活用というものをいろいろな角度から考えていかなければならない。 現在は、今まで御指摘のように、ごみ焼却の廃熱というものがエネルギーの量としては一番大きな量だということで、これを中心にしてエネルギーを何とか有効活用できないかということでやってまいりましたけれども、例えば下水の廃熱なども最近では一部利用がされております。下水道の処理施設で得られる下水の廃熱を使ってその施設内の冷暖房に使うとか給湯するとか、あるいは地下鉄の駅舎などからの排気筒から出てくる排気、こういうものも地下鉄の駅舎の中とかあるいは交通局の庁舎の暖房用の熱源に使うとかいうようなことが既に一部の都市で行われてきているというようなことでございまして、こういうごみとか下水とかあるいは地下鉄の廃熱とかいうようなところで一部実用化されているものもございますので、これから各都市におきましても、こういう未利用のエネルギーを身近なところで活用するようなそういう方策が出てきた場合には、それに積極的に対応していただくように、そしてまたそれを私どもも支援をしていく、こういうことで積極的に対応してまいりたいと思います。
○山口(那)委員 それでは次に、老人保健福祉の問題に移ります。 昨年新しい法律ができまして、それに基づいてこの老人保健福祉計画というのを自治体ごとに策定をする、これは市町村が主体になるわけでありますが、現在の策定状況は順調に進んでいるのかどうか、またこれが見込んだ期間内にちゃんと策定ができ上がるのかどうか、この点の現状の御説明を厚生省にお願いしたいと思います。
○水田説明員 老人保健福祉計画についてお答え申し上げます。 この計画は、平成二年六月のいわゆる福祉八法改正におきまして市町村に義務づけられたものでございますが、平成五年の四月一日に施行されたものでございます。国といたしましては、この平成五年度中に計画をつくっていただきたい、こういうふうに市町村にお願いをしているところでございます。 策定状況でございますけれども、平成五年、ことしの一月八日現在で申しますと、三割の市町村が計画を作成中ないし原案作成済みということになっておりまして、残る七割が高齢者実態調査、これは計画づくりの前提になりますニーズ調査を実施中または準備中ということでございました。この準備中の市町村は、一月八日現在では八十四市町村ございましたけれども、この三月三十一日現在でもう一度お伺いしましたところ、現在のところ六村のみとなっております。したがいまして、全体としては順調に計画策定作業が進んでいるというふうに考えております。
○山口(那)委員 そうしますと、今年度中にはこの計画が出そろうだろう、こういうふうに見ていいのかと思いますけれども、この目標数値が出そろいますと、これを積み上げていくとかなりのボリュームが出てくるわけですね。従来ゴールドプラン、いわゆる福祉十か年戦略ということでの目標数値というのがあったかと思いますが、これは算定の時点が相当ずれておりますので違いが出てくる可能性もあるわけですね。この計画の目標の積み上げとゴールドプラン上の数字の積み上げとどういう関係にあるのか、そしてまた違いが出てきた場合にどういうふうに処理をされていかれるつもりなのか、この辺のお考えを伺いたいと思います。
○水田説明員 高齢者保健福祉推進十か年戦略、いわゆるゴールドプランにおきましては、全国ベースで、またこの十年間で在宅、施設にわたりますサービスを大幅に拡充して、高齢者が必要とする介護サービスを適切に供給できる体制づくりというものを目指しているわけでございます。これに対しまして老人保健福祉計画におきましては、市町村が、いわば地域をベースといたしまして寝たきり老人などのニーズを踏まえ、また四年次目に入りましたゴールドプランによりますこれまでの整備、こういったものを踏まえつつ、在宅、施設福祉につきまして整備目標を設定するということになっておりまして、十か年戦略それから老人保健福祉計画の積み上げの間に大きな食い違いが生じることはないというふうに考えております。 お尋ねの仮に食い違いが生じた場合ということでございますが、これは将来の話でございますのでなかなかお答えしにくいわけでありますけれども、仮にそういったことが出ました場合には、どういう原因でそういう数字の違いが出たのかということを精査するということになろうかと思います。
○山口(那)委員 将来の仮定の話ばかりしていてもしようがないわけでありますが、しかし、これは同じ政策目標に向けての違いでありますから、大きな差は出ないにしても福祉計画の積み上げの数値がゴールドプランを上回る、こういう状況が出てきた場合には、やはりボリュームの大きい方に合わせるという形での上方修正ということを考えるべきだろうと思うのですね。ですから、今年度中にこの計画が出そろう見込みだろうと思いますので、ぜひその中身を精査していただいて、前向きに取り組んでいただきたいというふうに要望いたします。 さて、特別養護老人ホームなどの社会福祉施設の整備が、実際、都市部においては大きなおくれといいますか、なかなか進んでいかない。これは用地の取得難等もあるわけであります。また一方で、質の違いといいますか、一見非常に高級に見えるものとかなり簡易に建てられているものといろいろあるわけでありますが、この整備に当たって超過負担というのがかなり出ているだろうというふうに推測するわけであります。その実態をどのように把握されておられるか、厚生省に伺いたいと思います。
○水田説明員 特別養護老人ホームなどの施設整備につきまして、国庫補助基準額と実際の費用に乖離が生じることがあることは認識をしております。しかしながら、標準以上の面積それから仕様ということによりましてこのような乖離が生じることもございます。したがいまして、このようなものにつきましてはいわゆる超過負担が生じているとは一概には言えないと考えております。
○山口(那)委員 一概に言えないのはそのとおりかもしれませんけれども、これが発生している場合に、やはりこの解消のためにいろいろな措置を講じなければならないと思います。厚生省として、この超過負担の解消のためにどのような施策をとられているか、これを御説明いただきたいと思います。
○水田説明員 特別養護老人ホーム等の施設整備に関します国庫補助単価につきましては、これまでも随時引き上げを行ってきておりまして、平成五年度におきましても二%の引き上げを行っております。また、これに加えまして、建築費用が都市部におきましては高くなりがちでございますので、平成五年度におきましては都市部の十か年戦略対象施設等につきまして一〇%以内の特例割り増し単価を設定することとしております。こういう措置を通じまして老人福祉施設の整備費につきましては、今後とも適切に対処していきたいと考えております。
○山口(那)委員 次に、社会福祉施設を充実していく必要は今後ますます高まるわけでありますけれども、これについて地方財政措置としてどのような措置を講じているかということで、ソフト面、ハード面、いろいろあるだろうと思うのですが、まずハードの面から御説明をいただきたいと思います。
○湯浅政府委員 社会福祉施設の整備という観点からは、従来から特別地方債などを使いまして、これは国の補助事業でございますが、国の補助を受けていろいろな施設を整備する、その場合にその地方負担について地方債を充てて実施をしていく、こういう形のものが一般的だったわけでございます。最近になりまして、やはり地方の単独の施策としていろいろな福祉施策をやっていく、そういう一環として、ハード面におきましても単独施策を充実していくべきじゃないかという議論がございまして、最近では、地域福祉推進特別対策事業という事業を創設しまして、地方の単独事業を中心にしてやっていくことにいたしまして、これについて地方債と交付税で支援措置をしてまいりたいということで今やっておるわけでございます。 平成五年度におきましても、対象事業において従来ございませんでした看護婦等の養成所の施設整備、これなども今申しましたこの特別対策事業の対象事業の一つに加えまして支援の充実を図ってまいりたい。特に、最近言われておりますのはマンパワーの確保という問題、福祉の場合どうしてもマンパワーの確保という問題が出てまいりますが、そのときに一番問題は、やはり看護婦さんとかそういう方々の供給というものが大変難しい、そのための養成所というものがこれから必要になってくるだろう。その前には大学、短大、看護大学とか看護短大等についても同じような財政措置をしたわけでございますが、ことしはそういうような措置も対象に加えまして、今までの国庫補助事業だけではなしに、地域の実情に応じましたそういう単独で行いますハード面の整備につきましても支援をしてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○山口(那)委員 次に、ソフト面でもさまざまな対策が考えられるかと思います。例えば地域福祉基金、これを三カ年度にわたって積み増してきまして相当な量になったかと思うのですね。この活用状況等も含めて、ソフト面の施策というものについての御説明をいただきたいと思います。
○湯浅政府委員 補助事業のほかに、福祉の面というのは、その地域の実情に応じていろいろとやっていかなければならぬ面が非常に多うございますので、地方の単独施策としてソフトの面でいろいろとやっていく仕事が多いであろうということで、今御指摘のように地方財政計画におきまして、一つは社会福祉系統のソフト経費について、昨年もたしか一〇%ぐらい伸ばしたわけでございますが、ことしは九・四%伸ばすということで、ここの部分について大幅な経費の増を図っております。これを、交付税の基準財政需要額の中で主として社会福祉費の経常経費分の基準財政需要額をこれで積み上げていく、非常に増額をしているわけでございます。 それからもう一つは、地域福祉基金の積み増し、これが平成三年度、四年度、五年度三カ年間で合計で九千六百億の社会福祉基金の積み立てが可能になっているわけでございますけれども、昨年度調査したところによりますと、たしか七千八百億円ぐらいもう既に積み上げているわけです。さらにことし四千億円、五年度で地方財政措置をいたしておりますから、これを入れますと相当の金額がこの地域福祉基金として計上されると思います。この基金は、もちろんそれぞれの自治体の自主的な判断でお使いになるわけでございますから、いろいろな使い道がございます。地域の事情によっていろいろな使い道がございますが、主として使っておられるのを見ますと、民間団体がいろいろと福祉活動をするときの支援をするための経費、あるいはいろいろなボランティア活動の支援のための経費、こういうようなものに使われている例が多いのではないかなというふうに考えておりますけれども、こういう福祉基金とかあるいは福祉系統の経常経費というものをこれからも充実してまいらなければならないのじゃないかというふうに考えております。
○山口(那)委員 今まで鉄道それから住宅あるいはエネルギー源、そして老人福祉の問題をいろいろ取り上げてまいりましたけれども、補正についてはほぼ方向は決まっていると思いますので、今論議した点をぜひ来年度の予算の要望に生かしていただいて、前向きの発展をお願いしたいと思います。 これで終わります。
○中馬委員長 神田厚君。
○神田委員 まず最初に、地方分権の問題につきましてお伺いをいたします。 地方分権について政府の基本姿勢をお伺いしたいと思っております。制度的には保障されている状態でありますけれども、地方自治を確立するためにも地方分権を断行する必要があると思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただきます。
○村田国務大臣 お答えを申し上げます。 地方分権問題は今非常に大きなキーワードになってきたと私は思っております。昨日も政治改革の特別委員会におきまして、この問題について御質問があり、総理からも極めて前向きの御答弁がありました。二、三日前に、地方制度調査会で地方分権についての答申を行ったのですね。これは中核市制度であるとか府県連合であるとかいうことが中身になっておりますが、その根本思想は地方分権でございます。 今委員がおっしゃいましたように、制度的には地方分権は保障されておるはずでございますが、実際には例えば許認可事務は一万九百幾らというようなことで、これは過去よりもむしろ増加をしておるそうです。これはまさにディレギュレーション、規制緩和という意味で、国の監督行政というものをもっと排除しなければならない。そして、今言われておる政治改革というものは、地方分権と一緒にやっていくことが本当に国民のためになるのだと私は思います。 その意味で、総理もたびたび御答弁をしておられますが、地方自治法や関係法で保障されておるはずの地方自治、地方分権というのが実際まだまだ実施をされていないというのは、いかにもこの問題についての中央集権的な傾向が今まで強かったということでありまして、これはどう考えても民主政治、日本の自由主義の進展のためにならない。そして、今非常に大きな政治的改革の課題となっております政治改革は、この地方分権問題と必ず一緒にやっていかなければならない問題だと私は思っておりまして、ぜひこの機会に超党派的にお考えをいただいて、地方分権を推進していただきたい、基本的にはまずそのように思っておる次第でございます。
○神田委員 昨日も民社党の伊藤英成議員の質問に大臣がお答えになっておるのを聞いておりましたけれども、ひとつ前向きにお取り組みをいただきたいと思っております。 次に、許認可権限の見直し問題についてお伺いいたします。 これまで政府は地方自治の尊重と地方分権の推進を唱え続けてきましたが、現実に実行されているとは到底思われない。ただいま大臣からお話がございましたが、許認可件数は、八五年度末一万五十四件だったのが、九二年度現在で一万九百四十二件と増加をしています。例えば人口十万人に満たない市町村は、開発許可や建築確認権限を持たないために自由な町づくりもできないような状況になっております。この辺、大変大きい問題があると思うのですが、許認可権限の大幅な移譲を断行すべきであると思いますが、御見解をお聞かせいただきます。
○紀内政府委員 初めに、国と地方公共団体を合わせましたいわゆる官の側からの民間の活動に対する規制につきましては、今大臣から御答弁申し上げましたように、民間の自立を強めるという方向で、許認可そのものを少なくしていくことが基本であろうと考えております。そういう前提のもとでございますけれども、地方分権の核心をなしますものは、あくまでも国から地方への権限移譲でございます。特に地域づくりとか住民の生活に密接に関連する許認可といった権限につきましては、地域の実情に応じた自主的な運用が可能となるよう、地方への権限の移譲を積極的に進めるべきであるというふうに考えております。 この問題につきましては、従前も地方制度調査会の答申などで繰り返して指摘されているところでございますし、また、行革審の答申等に基づきまして一括法等によって対応するなど一定の努力がなされているわけでございますけれども、地方公共団体の要望等から見れば、なお不十分な点がございます。今後ともこの権限移譲等に一層努めてまいりたい、このように考えております。
○神田委員 次に、行政事務の再配分につきましてお伺いをいたします。 抜本的な地方分権の実現には、国と地方を通ずる行政事務のあり方について抜本的に再検討することが求められておりますが、事務再配分に当たっては、国、都道府県、市町村の機能分担を新たに明確化し、特に地域住民に密接する事務は、その総合性が発揮できるよう市町村に重点配分する必要があると思われます。国の事務としては、国の存立のために直接必要な事務、都道府県の事務としては、市町村の区域を超える事務で市町村では有効に処理ができないもの、また、その他の事務は残りすべてを市町村に渡すべきだというふうに考えておりますが、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○村田国務大臣 神田委員の御指摘は非常に正論だと私は思います。 これは包括的に申し上げますと、昭和二十四年ころシャウプ勧告というのが出ました。そして、シャウプ勧告に基づいて地方行政調査委員会議という会議が総理府に設置をされました。私は自治省の出身でありまして、その地方行政調査委員会議の事務局のメンバーでございました。そして当時は、国の事務、府県の事務、市町村の事務というのを明確に区分をして、財源もそれに応じて配分をすべきだというはっきりとした考え方で、いわゆる神戸委員会でございますが、やったわけでございます。この答申のとおりに地方自治あるいは地方分権が推進されれば問題はないのでございますが、実際はそのようにならなくて、中央集権がいまだに非常に根強く続いておるというところに問題があると思います。 今御指摘になられたように、国の許認可権が一万九百もまだ残っておる。これはとんでもないことでありまして、一番身近な行政というのは住民といつも密着をしておる市町村や都道府県のような地方団体に全面的に委託をするのが――委託するといいますか事務として考えるのがいいのでありますし、国はいわゆる外交とか防衛とか、そういう基本的なものを持つしなやかな小さな中央政府というのが民主主義の理想だと私は思います。その意味で、地方分権なりあるいは中央集権の排除というのは、古くしてしかも今最も新しい課題であると思っております。したがって、そういった事務の区分と同時に財源も、この地方行政委員会でしばしば御指摘になっておられるような、地方の財源をしっかり保有をしてやっていく、財源と事務の配分ということが必要だと思います。 そこで、時代が非常に進んでまいりましたので、いわゆる広域行政というのが一般化しております。市町村の広域行政は、要するに、府県と今の市町村との間には政令都市という規定がございますが、これは御承知のように人口百万以上ということに大体なっております。その百万以上の市とそれ以外の市町村との間が権限の上で非常に明確に区分をされておるというところに問題があるのであって、実際は自治能力の十分にある市を中核市というような制度で引っ張り上げたらどうかというのが地方制度調査会の答申でございます。 それから府県については、最近道州制ということを言われることが非常に多いのでございますが、要するに四十七都道府県では多きに過ぎる、もっとその中間的な組織が必要なんじゃないかという広域行政の発想でございます。例えば大阪圏などはまさに道州制ということについてそれが当てはまるような面があるいは一部あるかもしれません。しかし私は、府県の広域行政というのはやはり地方制度調査会の言うような府県連合、いわば自治体であって、そして府県単独では処理できないものを府県の広域連合でやるという考え方、これは正しいと思うのです。したがって、一足飛びに道州制に移るというのではなしに、府県の広域行政のいわば協力方式というものを研究していくべきじゃないか、その中でいわゆる規制の緩和でございますとか、あるいは広域行政の面でございますとか、そういうことをしっかりとやっていくべきだ、そういうふうに考えておりまして、これは神田委員はきょう御質問をしていただいておりますし、昨日は伊藤委員からも御質問がありました。それから自民党の奥野委員からも質問のあったところでございまして、まさに私は新時代に対するキーワードであり、二十一世紀に向かうグランドデザインだと思っておりまして、ぜひひとつこの点を御検討いただき、そういった国政の、国会議員の中でそういう動きが非常に活発に起きていただくということが必要であると思っております。
○神田委員 それから機関委任事務につきまして、これは五百前後ありますが、地方公共団体の権限事項とされていないために議会の関与が制約されているほか、超過負担の発生原因となり、事務処理の煩雑化をもたらしているなど弊害が大変多いのであります。よって、内容を再検討し、廃止あるいは整理に踏み切るべきである、こういうように考えておりますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○紀内政府委員 機関委任事務につきましては、国と地方の適切な機能分担という観点からいたしますと、基本的にはその数は必要最小限にとどめるべきであると考えております。これまでの一連の行政改革におきまして各省庁所管に属する機関委任事務の見直しを行っておりまして、昭和五十八年の行政事務の簡素合理化及び整理に関する法律というものによりまして四十五法律、また昭和六十一年には地方公共団体の執行機関が国の機関として行う事務の整理及び合理化に関する法律というものによりまして三十四法律について整理合理化を進めてきたところでございます。 今後とも新法の制定に当たってはできるだけ機関委任事務をふやさないようにするということとともに、既存の機関委任事務につきましても絶えず見直しを図るということによりましてその整理合理化を図ってまいりたい、このように考えております。
○神田委員 次に、補助金制度の改革問題でございます。 現行の補助金制度は、算定基準が低いために地方に超過負担を余儀なくさせていること、交付時期が遅いため事業がおくれがちになること、一件当たりの補助金額の小さいものが多く補助効果が上がらないこと、補助金交付に伴い国が地方に強く介入することなど、数多くの問題がございます。それで、縦割り行政のむだを排除し、地方が自主性を発揮するためにも補助金の交付に当たって期限を設け、その施策を定期的に見直す、いわゆるサンセット法と言われておりますものですけれども、このサンセット法を制定すべきであると考えておりますが、いかがでございますか。
○湯浅政府委員 国庫補助金につきましては今御指摘のような問題も一方にございまして、この機能そのものを考えますと、国と地方が協力して事務事業を実施するのに当たりまして一定の行政水準を維持したり特定の施策を奨励したりという、そういう政策手段としての機能というものも全く無視するというわけにはまいらないわけでございますけれども、逆に今御指摘のような地方行政の自主性、自律性を阻害するというような問題、あるいは財政資金の非効率的な使用を招きやすい、こういう面がございますから、やはり国庫補助負担金というものは極力整理合理化をしていくべきではないかと思うわけでございます。 そういう観点から、今お話しのように一定の期限を設けて補助金の整理合理化をするというのは非常に有効なやり方だと思っております。従来から国庫当局におかれましても、終期の設定されていないものは期限を設定するようにしたり、あるいは新規の補助金については原則五年以内で終期を設定するとかいうような、いわゆるサンセット方式を極力導入しながら補助金行政を運営しているということを伺っております。したがいまして、今後ともそういう方向で、補助金の整理合理化に当たっての一つの有力な手段としてこういう方式というものを採用していくべきではないかというふうに私どもも考えております。
○神田委員 縦割り補助金のむだ、地方公共団体の日常業務の多くを補助金関係業務に忙殺されている現状を是正するために、前述しました、ただいまお答えのありましたサンセット法に基づく定期見直し制度のほか、地方に同化定着したものの地方一般財源化、零細補助金の廃止、人件費補助の廃止、類似ないし同一目的の補助金の統合メニュー化、事務手続の簡素合理化などを行うべきであると考えておりますが、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○湯浅政府委員 ただいま御指摘のとおり、国庫補助負担金につきましては、地方の自主性、自律性の向上とかあるいは行財政運営の簡素化、効率化を図るという観点から見ると、やはりもっと整理合理化を進めていく必要があるのではないかというふうに考えております。その方法といたしましては、ただいまも御指摘のようにもうやめてもいいんじゃないかというような仕事につきましては、そういう仕事そのものを廃止していただく。そうすれば国庫補助金もそのまま整理されるということになるわけでございまして、これが一番望ましい。それからもう一つは、地方団体の事務事業として同化定着しているものについては、もう補助金をやめてもらって、地方の一般財源に振りかえてもらう、いわゆる一般財源化をしていただく、あるいは交付手続を簡素合理化していただくとか、補助負担金の総合化、統合化、メニュー化というような補助方式の改善をする、あるいは零細補助金の廃止、人件費補助金を廃止していく、こういうような形での具体的な補助金の整理合理化が必要ではないかと思っております。この場合、一般財源化をした場合にはそれに相応する所要の地方財源はきちんと確保するということを踏まえて、適切な補助金の整理合理化を進めていくべきではないかというふうに考えております。
○神田委員 次に、財源の再配分についてお伺いいたします。 地方自治財源の確保も以上述べてきたことに劣らず重要な課題でございますが、現行制度では全租税の六三・五%を国が徴収し、残り三六・五%を地方公共団体が徴収する、こういうことになっておりますが、最終の使途割合は逆に行政の五九%を地方公共団体が担当しております。よって、国と地方の租税徴収割合を少なくとも五〇%、五〇%にすべきである、こういうふうに考えております。いかがでしょうか。
○村田国務大臣 神田委員のおっしゃるようになるのが理想なんですけれども、これが実は難しいのですよ。というのは、四十七都道府県で非常に財政力の差があります。したがって、例えば所得税、法人税、酒税、それから消費税なんというのが国税の中心でございますけれども、これらは非常に財源が偏在しているのですね。大都県では非常にたくさんの税金が取り上げられますし、それから財政貧弱県では非常に税源が少ない、それはどんな配分の仕方をしても全国一律にはならないのです。その意味で、財源の再配分というのは今の交付税制度で、基準財政需要額と基準財政収入額の差額に対して交付税を手交する、支給するという考え方、これが私は現在において考えられる非常にベターな方式だと思うのです。 だから財源の再配分は極めて必要でありますが、それは今交付税制度、地方債制度等々いろいろな形で工夫されてきたものが地方財政、国家財政について非常にいい形であると思っておるのでありまして、これをなお、もっともっと地方財源をふやすようにするにはどうしたらいいのか、それは交付税の繰入率をもっと上げることなのか、その他いろいろな工夫があると思いますが、そういうことで国会で大いに工夫をしていただくべき問題だと思います。問題点がそこに非常に大きいということについては、神田委員と全く同感でございます。
○神田委員 最後に御質問をいたします。 我が党は地方分権推進基本法の大綱骨子を既に発表しておりますが、この民社党案につきまして大臣はお目通しをいただけたでしょうか。また、御見解があればお聞かせいただきたいと思います。
○村田国務大臣 民社党が発表なさいました地方分権推進基本法は、地方分権の理念、目的や行政事務、財源の再配分の手段、手続などについて定めることを提言されているものでございまして、地方分権を積極的に推進するための一つの方策として示唆に富んだものと理解をしております。 この御提言で述べておられるように、地方分権の推進のためには、国と地方の役割分担を明確にいたしまして、住民生活に身近な行政は思い切って総合行政主体である地方公共団体に、都道府県や市町村にゆだねる、そして国は小さなしなやかな政府ということで留保をしなければならない、国の義務だけを留保するということを考えておるわけでございます。 そのために、実は明治時代には七万ぐらい市町村があったのですね。それが戦争が過ぎました後では一万数千になった。そして、市町村合併を促進して今三千数百になっています。それから、都道府県は明治初年で決まって以来、大体現在の四十七という形で来たわけでございますが、この国、都道府県、市町村の上で地方分権を推進していくためには広域行政の需要にこたえていかなきゃならぬ。例えば犯罪の捜査などもそうでございますね。あるいは道路でもそうでございます。水でもそうでございます。そういう広域行政的な需要にしっかりこたえていかないといけないわけでございまして、地方分権推進基本法は、民社党で言っておられるその考え方は同じ基礎に立つものと思っております。したがって、今後各党の御相談の上で、地方分権を進めていただく上に非常に私は示唆に富むものと思います。
○神田委員 大臣の非常に御理解をいただいたようでございまして、ぜひとも我々としましても各党と御相談をしてしっかり頑張っていきたい、こういうように思っております。 ありがとうございました。終わります。
○中馬委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○中馬委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。増田敏男君。
○増田委員 自由民主党の増田敏男です。 私は、自由民主党を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の討論を行うものであります。 今回提出された地方交付税法等の一部を改正する法律案は、平成五年度分の地方交付税の総額について特例措置を講ずるとともに、地方交付税の単位費用を改正することなどを内容とするものであります。 まず、地方交付税の総額については、地方交付税法第六条第二項の額に三百七十億円を加算した額から、特例措置額四千億円及び交付税特別会計借入金元利償還額千八百二十四億円を控除した額とすることとしております。このうち特例措置額四千億円に相当する額については、平成六年度から平成十三年度までの地方交付税の総額に加算することとしております。 また、平成五年度分の普通交付税の算定については、地域振興に要する経費、福祉施策に要する経費、教育施策に要する経費、公共施設の整備及び維持管理に要する経費、快適な環境づくりに要する経費、森林・山村対策に要する経費、地域社会における国際化・情報化への対応及び文化の振興に要する経費等を措置するとともに、高齢化社会に対応し地域福祉の向上を図るため、平成五年度に限り、地域福祉基金費を設けることとしております。 これらの措置を内容とする政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案は、現下の経済情勢、国及び地方の財政状況等を考慮するとともに、地方財政の円滑な運営を図る見地から適切なものであると認め、本案に賛成するものであります。 なお、最近の景気動向にかんがみ、政府としては、昨年度、今年度と大規模な経済対策を講じましたが、地方団体は、地方単独事業を積極的に計上して対応するなど、その役割の重要性はますます高まっているところであります。政府におきましては、地域社会の健全な発展と地域住民の福祉の向上に果たす地方団体の重要な役割にかんがみ、今後とも地域振興を積極的に推進するとともに、地方財政運営の健全化を図りつつ、地方団体に対する財源措置の一層の充実に努めるよう強く希望するものであります。 以上をもちまして、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の討論を終わります。
○中馬委員長 小川信君。
○小川(信)委員 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、賛成の討論を行います。 さて、本案は、一昨年の四千五百二億円、昨年の八千五百億円に引き続いて三年連続の特例減額が行われ四千億円が減額されています。この減額について政府は公経済バランス論の立場から説明していますが、地方財政余剰論にはさすがに立脚していないとはいえ、地方団体共有の固有財源であるという地方交付税の性格や、昨年の本委員会での論議の経過、昨年秋の補正による特別会計からの借り入れ、今後の地方財政対策への影響を考えますと、極めて遺憾であります。 しかも国民健康保険の国庫負担縮減を初め、文教、厚生関係におきまして国の負担金の理念なき 般財源化として事実上の地方転嫁が行われております。私たちも一般財源化自体には賛成ですが、権限の移譲や財源の移転もなく国の都合で国の負担金を地方へ押しつけることには問題ありとの指摘をせざるを得ません。このような交付税額の圧縮や負担金の地方転嫁は、国の財政困難を地方財政に依存して切り抜けようとすることであり、地方税収の伸び悩みや地方債の大幅増発、公債費の増大を考え合わせると、今後の地方財政に与える影響が懸念される極めて残念な措置であります。したがって、地方自治、地方財政を尊重するならば、政府案は重大な問題を有していると言わざるを得ません。 一方、政府案の中にも評価すべき点がないわけではありません。 その第一は、森林・山村対策の創設であります。保存すべき森林の公有化、林業担い手基金の設置、林道整備の促進は、自治体からも要望が強く評価できるものであります。 第二は、環境保全対策経費が増額され二千億円が計上されたことであります。今後ともリサイクルの推進を初め地域における環境保全は大きな課題であり、一層の充実が必要であります。 第三は、地域福祉の充実であります。地域福祉基金が四千億円計上されたのに加え、社会福祉系統経費も大幅に伸ばされております。ゴールドプランの着実な推進をするためにも来年度以降も拡充を図っていくべきであります。 さらに、地域文化に対する支援措置や国際化対策などにつきましても地財計画に盛り込まれましたが、一層の充実が望まれます。 日本社会党・護憲民主連合は、地方財源を十分確保した上で国への貸し付けを行ったというような政府の主張を受け入れるものではなく、特例減額については反対であることは一昨年、昨年と同様であり、不変であります。しかし、歳出面の前進と現下における経済情勢を勘案し、法案に対しては決議を採択することによって、交付税減額についての歯どめ措置を盛り込むとともに、今後の地方財政の充実・改善を期待し、賛成することといたしました。 最後に、二度とこのような特例減額が行われることのないよう強く訴えまして、私の賛成討論を終わります。
○中馬委員長 山口那津男君。
○山口(那)委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する賛成の討論を行うものであります。 我が国経済の実態はいまだ深刻な状況にあり、不況の長期化による日本経済の潜在成長力の低下や高齢化社会への準備の大幅なおくれなどが懸念されております。 このような深刻な経済状況が地方にも大きな影響を及ぼすことは必然であるにもかかわらず、本改正案において、一昨年度の五千億円及び昨年度の八千五百億円に引き続き、本年度も四千億円もの特例減額が行われております。 不況の深刻化、一般財源比率の低下、地方債依存度の上昇等を考えるならば、交付税総額への加算額の後年度繰り延べ措置を含め、三年度にも及ぶ国の財政事情優先による地方への負担の転嫁は、極めて問題であると言わざるを得ません。 地方交付税が地方共有の固有財源であり、地方財政において重要な役割を担っていることからも、国の財政の確保のために交付税を減額することは、地方自治の確立に逆行するものであり、このような措置は二度と行わないよう政府に強く求めるものであります。 また、地方財政の確立のためにも、現下の不況を克服するための措置を早急に講ずるべきであり、所得税減税を含む総合的な対策を求めるものであります。 今回の改正案については、さきに指摘したような問題点を含んではおりますが、地方単独事業の拡大やふるさとづくり事業の推進、地域福祉基金の拡充、国際化対策及び地域文化振興対策経費の拡充など、改正案が全体を通じて住民福祉の向上と住民生活充実の方向にあると考えます。 さらに、地方財政に与える影響と地方経済への早急な対応の必要性などを考慮した上で本改正案に賛成することにしたわけであります。 以上、本改正案に対する問題点を指摘するとともに、賛成の理由を申し述べてまいりましたが、今後、地方行財政の長期的な安定と発展を図るための施策の一層の充実を求め、討論を終わります。
○中馬委員長 吉井英勝君。
○吉井(英)委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 第一に、地方の固有の財源と言いながら、その交付税を減額していることであります。 昨年、一昨年に続いて、九三年度もまた特例分だけで四千億円、先送りされた額を含めれば一兆円を超える交付税が減額されようとしています。その理由を自治省は将来の交付税の安定的確保と説明しますが、減額されて先送りされた額は実に四兆円を超え、地方に配分される額の四分の一にもなるのであります。口で地方財政の厳しさを言いながら、やることはそのときどきの国の財政を最優先させる、こうした態度は改めるべきであります。これだけ巨額の交付税の留保がなぜ必要であるか。交付税総額の確保についていえば、法第六条の三第二項などの規定があります。こうした規定がありながら、なお巨額の交付税を留保するということは、規定の活用を初めから放棄していると言わざるを得ません。地方財政が厳しいというなら、その地方の財源である交付税は地方に配分することを最優先すべきであります。 第二は、国保財政の地方への負担の転嫁であります。 本来、保険料と国庫負担金で賄われるべき国保財政は、八四年の国庫負担率の引き下げ以来、国保財政の収入に占める国庫負担金の割合は年々減少し、一方、保険料は加入者の所得の伸びを上回って引き上げられております。八八年からは、かつて自治省みずからがよこしまな道だと批判をしていた国保財政への地方負担が導入されました。国庫負担金の削減と国保加入者の保険料と地方への負担の転嫁、これが国保財政の最大の特徴であります。そもそも保険基盤安定制度への国庫負担金は、国が新たに負担金を支出するから地方も財政負担をしてほしいと、地方負担導入の発端となった制度であります。その制度の国庫負担金五百六十億円のうち四百六十億円を地方に転嫁するという今回の措置は、この制度からの国の撤退を意味するだけでなく、当初の国の負担は国保財政に地方負担を導入する手段であったと言わざるを得ません。地方負担が導入されてしまえば国は撤退するという今回の措置は到底容認できません。 第三は、公共事業の補助率引き下げであります。 九四年度見直しとされていた公共事業の暫定補助負担率を一年早めて、直轄事業は三分の二、補助事業は二分の一を基本に恒久化することにしていますが、直轄事業の多くは負担率を一律カットが始まる前の八四年度水準にまで戻しているのは当然としても、補助事業については八四年度水準比ではほとんどのものが引き下げられており、九一年度水準に比べても引き下げられているものがあるのであります。こうした見直し、恒久化の結果六千七百億円もの地方負担が生じますが、この額は補助金一律カットが行われた初年度影響額五千八百億円を上回るものであります。しかも、経常経費の補助負担率の恒久化が行われた際にとられた事務、権限の委譲という措置もとられず、文字どおりの地方への負担の転嫁が行われているのであります。 最後に、年度当初の一二・〇%と大きく伸ばされた地方単独事業が、その後の政府の総合経済対策でさらに二兆三千億円も上積みされるという新たな財政需要とその財源の手当てが求められております。こういう状況であるからこそ地方の財源は地方が優先的に使えるよう、国の財政優先ではなく自治体の立場に立った地方財政の運営を行うべきであることを申し添えて、討論を終わります。
○中馬委員長 神田厚君。
○神田委員 私は、民社党を代表して、ただいま議題となっております地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し賛成の討論を行うものであります。 民社党は、地方自治の確立のため、特に地方財源の拡充を最重要課題として取り組んできてまいりました。この見地から、今回政府から提出をされました平成五年度の地方交付税法の一部を改正する法律案については一応の評価ができるものであります。 しかし、日本経済の深刻な不況は、国のみならず地方財政にも及んでおり、地方財政の運営に大きな支障が生じております。自治省がまとめた平成三年度の都道府県普通会計決算の概要によりますと、実質単年度収支は昨年に引き続き七十一億円の赤字を計上、また、市町村ベースで見ても五百三十九億円の赤字であることが明らかになっております。当然のことながら、四年度決算においてはさらに厳しい状況が予測されております。 しかるに、政府は、このような厳しい状況下にもかかわらず、地方固有の一般財源である地方交付税交付金を、平成三年度五千億円、平成四年度が八千五百億円特例減額したのに続き、今年度についても四千億円の特例減額をする方針を示しております。このように特例減額を続けるならば、国から地方への返済は実質的に棚上げされ、地方交付税は減額され続ける結果になり、地方公共団体に大きな影響を生ずることは明白であります。 さらに、昨年度の交付税改正案採決の際に決議された、政府は特例措置の慎重かつ適正な運用に努めることという趣旨を無視していると言わなければなりません。国の財源が不足をし、地方の財源余剰が表面上続いていることを理由に、今後も特例減額を実行するならば、実質的に国から地方への返済は棚上げ、地方交付税はカットされ続けることになり、今後に問題を残すものであります。 しかし、地方交付税改正案の成立が滞ることになれば、地方公共団体へ大きな影響を与えることは確実であり、ひいては日本経済の混乱が起こることと予想もされます。よって、我が党は、大局的見地から、以上の諸点を指摘しつつ賛成するものであります。 今後、地方財源の拡充をすることと、地方交付税の特例圧縮を実施しないことを強く求めて、私の討論を終わります。
○中馬委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○中馬委員長 これより採決に入ります。 地方交付税法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中馬委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中馬委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○中馬委員長 次に、地方財政に関する件について調査を進めます。 この際、岡島正之君外三名から、四派共同提案に係る地方財政の拡充強化に関する件について決議されたいとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。谷村啓介君。
○谷村委員 この際、地方財政の拡充強化に関する件について決議をいたしたいと存じます。 本件につきましては、理事会等におきまして、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議及び民社党の四会派間で協議が調い、お手元に配付してあります案文がまとまりました。 案文の朗読により、趣旨の説明にかえさせていただきます。 地方財政の拡充強化に関する件(案) 地方行財政の長期的な安定と発展を図り、地方行財政の課題に的確に対応し、地域の特性を活かした自主的主体的な地域振興と住民福祉の向上、環境問題への対応と生活関連社会資本の整備等の諸施策を着実に推進するため、政府は、左の諸点について善処すべきである。 一 地方交付税は、国と地方の事務分担、経費負担区分に基づき、国と地方との税源配分の一環として設けられている地方団体共有の固有財源であり、とりわけ地方交付税法附則第三条に基づく特例措置については、昭和五九年度改正の経緯及び地方交付税制度の趣旨にかんがみ、その慎重かつ適正な運用を図ること。 また、地方交付税を国の一般会計を通すことなく、国税収納金整理資金から直接交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる制度を引き続き検討すること。 二 地方財政計画の策定に際しては、住民の要請に応えるため、地方団体の意見を反映させ、地方団体が必要としている財政需要について、的確に計上するようさらに見直すこととし、より地方の実態に即したものとしてその充実に努めること。 三 地方行財政の自主性の向上並びに地方自治・地方分権の推進に資するため、地方団体への権限の移譲を推進するとともに、補助金等については一般財源化を含めその一層の整理合理化に努めること。なお、一般財源化された諸事務・事業については、国は十分その趣旨を踏まえ、地方行財政の自主性を高めるよう配慮するとともに、地方団体への負担転嫁にならないよう適切な財政措置を講じることとし、とくに不交付団体に対する財政措置に留意すること。また、存続する補助金等については超過負担の解消を図ること。 四 高齢化社会に対応し、よりきめ細かな地域福祉を推進するため、地方団体が単独で行う社会福祉経費の拡充及び地域福祉基金の充実を検討すること。 また、国民健康保険における住民負担及び地方団体の財政負担の現状にかんがみ、国保財政の在り方についての抜本的な検討を進めるとともに、その改善を図ること。 五 地域の実情に応じた生活環境及び住民生活に密着した社会資本の整備を推進し、自主的・主体的な地域づくりを更に進めるため、地方単独事業の一層の充実を図ること。 また、交通、上下水道、病院等の基幹的社会資本を担う地方公営企業については、特別会計と一般会計との関係の見直しを含め、その整備運営に関する財政措置の充実を検討すること。とくに地域において中核的役割を担う公立病院に対する経営基盤安定のための財政措置の充実を検討すること。 六 地方団体が環境問題に対して積極的かつ主体的に取り組めるよう、環境保全経費の一層の充実を図るとともに、とりわけ森林・山村対策については引き続き充実を検討すること。また、国土保全上重要な公益的機能を有する農山漁村に対しては、これらの地方団体の財政力が脆弱であることにかんがみ、適切な財政支援措置を行うよう検討すること。 七 地方団体の行う国際交流、海外支援事業を推進するとともに、在留外国人等に関する新たな財政需要に的確に対応するため、財政措置の充実を検討すること。また、地域における文化活動を積極的に支援し、とくに文化振興に対する財政措置を検討すること。 八 地方団体における完全週休二日制を推進し、住民サービスの向上を図るための財源措置を検討するとともに、地方財政計画において高齢者福祉、地方単独事業、環境保全等の推進のために、必要となる職員について、適切な人員の確保を図り、かつ十分な処遇を行うこと。 また、安全で安定的な生活機能を維持し、かつ住民生活の安寧に資するよう、災害対策に万全を期するとともに、必要な消防力及び救急体制の整備に努めること。 九 現下の経済状況にかんがみ景気対策を行うにあたっては、円滑な事業の執行を図るため適切かつ十分な財政措置を行うとともに、将来の地方財政に対する懸念のないよう配慮すること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ、皆様方の御賛同をお願いを申し上げます。(拍手)
○中馬委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 これより本動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中馬委員長 起立総員。よって、地方財政の拡充強化に関する件を委員会の決議とするに決しました。 この際、村田自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村田自治大臣。
○村田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
○中馬委員長 お諮りいたします。 ただいまの本決議の議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中馬委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。 ――――◇―――――
○中馬委員長 次に、内閣提出、銃砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。国務大臣国家公安委員長村田敬次郎君。 ――――――――――――― 銃砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○村田国務大臣 ただいま議題となりました銃砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。 最近、けん銃等の不法所持事件が急増しており、とりわけ暴力団員以外の者によるけん銃等の不法所持事件やけん銃等を使用した凶悪犯罪が多発し、大きな社会問題となっております。 この法律案は、こうした実情にかんがみ、けん銃等の不法所持の根絶を図るため、けん銃等の所持、輸入及び製造に関する罰則を強化するとともに、けん銃等の譲渡し、譲受け等を禁止するほか、けん銃等を不法に所持する者がそのけん銃等を提出して自首した場合には当該所持等に係る刑を減軽し、又は免除すること等をその内容としております。 以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。 まず、第一に、罰則の強化についてであります。 これは、けん銃等の不法所持を抑止するため、けん銃等の不法所持罪の法定刑を十年以下の懲役又は二百万円以下の罰金から一年以上十年以下の懲役に引き上げるとともに、新たに不法所持罪の加重類型として、けん銃等を実包等とともに携帯し、運搬し、又は保管した場合に三年以上の懲役を科すこととし、あわせて、けん銃等の密輸入及び密造を抑止するため、けん銃等の密輸入罪及び密造罪の法定刑を一年以上十年以下の懲役から三年以上の懲役に、それらの営利犯の法定刑を一年以上の懲役から無期又は五年以上の懲役に、また密造罪の営利犯の罰金については三百万円以下から密輸入罪の営利犯と同じ五百万円以下に、それぞれ引き上げることとするものであります。 第二に、けん銃等及びけん銃部品の譲渡し、譲受け等の禁止についてであります。 これは、けん銃等の不法所持の蔓延を抑止するため、新たにけん銃等及びけん銃部品の譲渡し、譲受け等を禁止し、けん銃等の譲渡し、譲受け等をした者を一年以上十年以下の懲役に、営利の目的でこれらの行為をした者を三年以上の懲役又は三年以上の懲役及び二百万円以下の罰金に、これらの行為の周旋をした者を三年以下の懲役にそれぞれ処すこととする等所要の罰則を設けることにより、およそ不正取引に関与した者については確実に処罰されるようにすることとするものであります。 第三に、けん銃等を提出して自首した者に係る刑の減免についてであります。 これは、けん銃等の不法所持罪の法定刑を大幅に引き上げる一方で、不法所持者がそのけん銃等を提出して自首した場合に当該所持等に係る刑を減軽し、又は免除することにより、不法に所持されているけん銃等の提出を促すこととするものであります。 その他、これらの改正に伴う所要の規定の整備を行うこととしております。 なお、この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
○中馬委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る五月十一日火曜日、理事会、委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十五分散会 ――――◇―――――