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126回国会衆議院1993/04/15

地方行政委員会 第11号

発言数
253
登壇者
37
会派数
3
開催日
1993/04/15

会議録

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林守君。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 社会党の小林守でございます。  まず最初に、緊急な総合景気対策につきまして政府、大蔵省等にお聞きをしておきたいというように思います。  去る四月十三日に決定されました自民党の緊急総合景気対策を受けまして、政府は総合経済対策を閣議決定したところでありますけれども、それによりますると、公共事業等の執行促進及び追加、社会資本整備の新たな展開、住宅投資や民間設備投資の促進等を内容とする総合的な経済対策を講じることとなったわけであります。この経済対策の中で、住宅の取得促進を図るため税額控除率を引き上げることとしたことや、中小企業の投資や省力化、合理化投資を促すための税制措置を講じたこと、また、教育等の諸出費がかさむ中堅層に対する税の負担軽減を講ずるなど、税制上の措置が講じられようとしているわけであります。  これを受けまして政府は、今国会にその内容を盛り込んだ補正予算を提出する予定であると聞いております。地方議会では考えられないことなんですけれども、そこで、与野党で合意した政策減税について歳入予算の補正を行うのか、行うとすればその歳入予算の減収額はどのぐらいになるのか、お聞きをしたいと思います。

木村幸俊大蔵省主計局主計官

○木村説明員 お答えいたします。  大蔵省といたしましては、先般策定いたしました新しい総合経済対策を踏まえまして、今国会に補正予算を提出したいと考えております。  その具体的内容についてでございますが、現在検討中のところでございまして、まだ確たることを申し上げる段階ではないということでありますが、その御指摘のございました減税につきましては、所得税及び法人税につきまして約一千五百億円程度の歳入の減額補正を行う方向で検討しているところでございます。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 今年度で一千五百億円ぐらいの政策減税になるというようなお話でございましたけれども、そういうことになりますると地方交付税の総額も当然これは影響することになるわけであります。平年度にならしますと一千七百億円というような記事もちょっと読んでいるのですが、今年度について一千五百億円の政策減税が行われた場合に、その影響額は地方交付税の中でどのぐらいになるのか、お示しをいただきたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 ただいま大蔵省の方から御説明がございましたように、政策減税が行われますと、地方交付税の対象税目でございます法人税、所得税の減額が行われるわけでございますが、法人税、所得税の減額補正額が仮に千五百億ということであれば、その三二%が影響額になるわけでございますが、約五百億円前後というふうに見込まれるものだと思っております。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 今、五百億円の影響を受けるというようなお話がございました。実際に全国の三千三百に及ぶ地方公共団体は、国の当初予算を踏まえまして新年度の財政運営を行っているところであります。しかし、今回の国税の減税措置によりまして地方交付税の総額に五百億円程度の影響を受けるということになると、大変問題が生じるだろうというふうに思いますけれども、地方公共団体の財政運営について支障が生じないように何らかの措置を政府の責任で講ずるべきである、そのように考えているわけでありますが、大蔵省はどのようにその措置について考えているのか、お聞きしたいと思います。

木村幸俊大蔵省主計局主計官

○木村説明員 補正予算におきまして歳入減額補正を行うという場合には、ただいま財政局長からも答弁がございましたように、地方交付税にもその影響が及ぶわけでございますが、その場合には、平成五年度の地方財政の円滑な運営に支障が生じないよう所要の補てん措置を行うこととしたいと考えておるところでございます。  ただ、その具体的な方策についてでございますが、今後自治省とよく相談いたしまして適切に対処したい、そういうように考えております。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 所要の補てん措置をとる、その際には自治省と十分協議をしていきたいというようなことでありますが、少なくとも私は、既に自治省と何らかの打ち合わせというか、そういうものがされてこういう形になっているのではないかな、そんなふうに思っていたんですが、実は政府、大蔵省が、いわゆる地方固有の財源である交付税についてまた起債の問題も含めまして何かもう大蔵省で決めて、政府で決めて、あとはもう自治省に協議するんだというような、どうも認識がおかしいのではないかなというふうに思えてならないのですが、いずれにしても、所要の補てん措置をとるという前提のもとにこのような決定をされているということでありますから、ぜひ十分な自治省との協議を調えて、地方団体がいささかなりとも不安や不信がないようにお願いしたいというふうに強く要望しておきたいと思います。  それで、実は細かい話になってまいりますけれども、交付税の減収分については当然補てんされなければならないわけでありますけれども、昨今の年度途中の景気対策、例えば昭和六十一年度や平成四年度では、やむを得ず資金運用部から長期の借り入れを行って交付税総額を確保した例があります。しかし、今回の景気対策においては、現在四千億円の特例減額の内容が盛り込まれた交付税法案を審議しているところでありまして、そういうことを考えますると、この補てんの仕方について、先ほども申したとおり、地方が納得がいくのかどうか大変私どもも憂慮せざるを得ないわけであります。額的には、五百億円の影響ということになるならば、大した額ではないと言うとちょっと語弊がありますけれども、これは大変な問題だろうというふうに思います。  そういう点で、いずれにしても、先ほど申したとおり、地方団体であるならばこんなことはあり得ないことなんですよね。しかし、我々にも責任がある。国会で決めるということになりますから、地方と国との仕組みの違いもあろうかと思いますので、まあ一概に全部政府の責任だと言うわけにもいかない面もあろうかと思いますけれども、それらについて自治大臣の見解をお聞きしたいと思います。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 実は、このたび総理が訪米をしてクリントン大統領と話し合われる、そしてまた現在はG7の七カ国の外務大臣・大蔵大臣会合が催されておる、こういう重要な時期に当たって総合景気対策についての御相談がこのところありました。もちろん宮澤内閣の景気浮揚策でございますから、これに対しては閣僚として十二分に協力をしておるところでございますが、ただ、今小林議員の御指摘になりました地方交付税の措置については、平成五年度の予算における四千億の措置等がございます。また従来の措置もございまして、これらの措置は大蔵大臣と私とよく相談をしてまいらなければなりませんし、今大蔵省からも御答弁がありましたが、今後その対処方については地方自治が損なわれないように十分な協議をして対応するつもりでございます。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 この総合経済対策において総額十三兆二千億円、公共投資等については一般公共事業として三兆六千四百億円、教育、研究、医療、社会福祉等として一兆一千五百億円、地方単独事業では二兆三千億円など、公共投資関連では総額十兆六千二百億円ということになるわけでありまして、昨年度の経済対策を上回る史上最大とも言われておるところでありますけれども、大きな規模になっているわけであります。  平成五年度の地方財政計画において、地方単独事業は対前年度伸び率が一二%だったわけですね。今回これにさらに二兆三千億円上積みをしようとしているわけでありますから、果たして地方団体はこれを発注する段階でこなせるのかどうか、消化できるのかどうか、お聞きをしたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 御指摘のとおり、平成五年度の地方財政計画で地方単独事業が前年度に比べまして一二%、約一兆七千八百億円の増ということで合計十六兆五千八百億円を確保したわけでございますが、これを受けまして地方団体に対しまして、景気の状況も踏まえてこの地方財政計画に盛り込んだ内容を積極的にこれに対応していただきたいということで、機会あるごとにお願いをしたところでございます。  全都道府県の予算編成の状況を見ますと、一二%の伸びを上回った地方単独事業が計上されているところでございまして、そういう点で各地方団体は非常に積極的に私どもの御要望にこたえていただいたというふうに考えているところでございます。  そして、この予算編成を踏まえまして、今回の景気対策におきましては、上半期の契約執行率を七五%を上回る率で実施をするということが国の方で閣議決定で決められたわけでございまして、地方も国と同一の基調でこれも対応していただきたいということを一昨日事務次官名で各地方団体に要請をしたところでございます。  昨年の例を見ましても、私どもの御要請に対して対応していただけるものだと考えますと、上半期にかなり事業が集中してくるということで、昨年もそうでございましたけれども、下半期の事業量がなくなってしまうのじゃないか、それについてはどうするんだという議論が随分ございました。そういうことを考えまして、平成五年度におきましても下半期の事業量の確保ということを考えました場合には、地方単独事業についてさらに二兆三千億程度の追加を決定するということは、これは事業の消化の上からも可能なのじゃないか、こういう判断で今回二兆三千億の追加を決定したところでございまして、これにつきましても各地方団体は積極的な対応をしていただけるものというふうに期待をしているところでございます。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 さらに、今回の景気対策、経済対策に伴いまして、特徴的に言えることは、地方単独事業を初めとする公共投資を行おうとするとき、その財源は地方債、これに求めざるを得ない状況にあるわけであります。  ところが、平成五年度の地方財政計画によりますると、平成五年度末の地方債残高は御承知のように八十一兆円、前年度に比べまして十兆円残高がふえている状況であります。また公債依存度は八・一%ということで、昭和六十三年度以来五年ぶりに八%を超える状態になっております。それで、今回さらに昨年度の経済対策以上の地方債を発行するということになるならば、地方団体における公債残高はさらに増加をして、公債依存度も当然高くなるわけであります。地方団体といたしましては、経済対策の必要性は十分理解をしていただけるものと思いますけれども、地方財政の景気対策における役割というのはまさに主である、中心的な大きな役割を今果たしているわけであります。しかし、地方財政に対して、景気対策イコール地方債発行、こういう形で不景気になったら景気対策として地方にどんどん借金してもらおうというようなやり方では、地方財政の健全化については大変憂慮すべき事態が考えられるというふうに思います。  そういう点で、将来にわたって過重な公債費負担が地方団体にかからないような地方財源の確保を当然政府、自治省の責任で確保していかなければならないというふうに思うのですが、これらについて御見解を受けておきたいと思います。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたが、宮澤総理の訪米、そしてまた七カ国外相・蔵相会議に際して、去る四月十三日に経済対策閣僚会議を開催し、その後で臨時閣議をやりまして、実は自民党からも私に直接これについての協力の御要請があり、そして総理大臣に対しましても、私は全面的に総合景気対策に協力をする、自治大臣としてこれに対応するということを閣議でもはっきり申し上げました。  そこで、政府としては、現下の経済状況にかんがみ、今後の景気の足取りを確かなものにするために、平成五年四月十三日に今申し上げました総合的な経済対策を策定し、これに公共事業等の追加四兆一千七百億円、地方単独事業二兆三千億円、公共用地の先行取得費一兆二千億円の追加等が盛り込まれております。  そのために生じる後年度負担につきましては、今小林委員が指摘されましたように、各年度の地方財政計画の策定に当たりまして、地方債の元利償還費を適切に見込み、そのための財源を確保することといたしまして、地方財政の運営に支障が生じないように大蔵省ともよく相談をして適切な対応をしたい。私は実は自治省育ちでありまして、財政局で自分で計算機も回した経験があるわけでございます。そして、そういったことについては総合的にしっかりと責任を持つのだという確信を持っておりますので、お任せをいただきたいと思います。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 それでは、今力強いお言葉をいただきましたので、ぜひそういう方向で頑張っていただきたい、そのように思います。  それでは、今回の交付税法の一部を改正する法律案にかかわる質問に移りたいと思いますが、過ぐる二月二十五日、衆議院本会議におきまして、日本社会党の谷村啓介護員が、我が党の地行委の理事でございますが、代表質問で、九三年度の地方交付税の問題として、三年連続した附則第三条に基づく特例減額を取り上げまして、これが地方団体の固有の財源である交付税の総額の確保を求める地方団体の意に反するものであり、また、九二年度、百二十三国会の衆参両院の地方行政委員会決議を踏みにじるものであり極めて遺憾であるという旨の表明がなされました。政府、大蔵省は、公経済バランス論を主張して自治省を押し切る形で国の財政事情の矛盾を地方団体にしわ寄せしたとただしたわけであります。公経済のバランスや車の車輪だなどと言っても実際の権限と財源は現実に国が握っておりまして、国と地方が対等な関係にはない現状からするならば、公経済バランス論というのは御都合主義と言わざるを得ないのであります。  谷村氏は、システムとして公経済バランス論を成り立たせるために、その一方式として地方団体の長年の念願であります交付税特別会計への直入制度の導入を提案いたしました。地方交付税は、本来地方の税収入とすべきものを国がかわって徴収し、地方に再配分することとされている地方共有の固有財源であり、地方自治の理念を実現していくための重要な財源であるというふうに言えると思いますが、この本質にかんがみまして、地方交付税の総額を国の一般会計を通すことなく、国税収納金整理資金から直接に交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れるべきということでございます。  このような趣旨の質問に対して、総理及び大蔵大臣はその答弁の中で、現行制度は昭和二十九年度の地方交付税制度創設以来とられている制度であって、これを変更することは国の予算制度あるいは会計制度に大きな影響を及ぼすものであり、極めて問題が多いと思っているという答弁をしております。  そこで、最初に大蔵省にお伺いしますが、大蔵省は、交付税の特別会計直入方式への変更について国の予算制度あるいは会計制度に大きな影響を与えるため問題が多いと言っておりますが、具体的にはどういうことなのかをお示しいただきたいと思います。

木村幸俊大蔵省主計局主計官

○木村説明員 お答えいたします。  この問題につきましては、もう小林委員非常にお詳しいところでございまして、また繰り返しになることをちょっと恐縮でございますが、ただいま委員からも御指摘がございましたように、一般会計から交付税特別会計に地方交付税を繰り入れるという現行の制度につきましては、まさに二十九年度以来の制度でございます。さらにさかのぼれば、昭和十五年創設されました配付税制度のもとにおいても同様の取り扱いがなされているところでございます。  それで、私ども従来からこれを変更するということにつきましては非常に問題が多いというふうに答弁を申し上げているところでございますが、今具体的にという御質問でございますが、少しく詳しく申し上げてみますと、現行制度の長所ということで申しますと、地方交付税につきましては、歳入面では、税制の根幹をなす所得税、法人税等の税負担の状況をトータルで示す、また歳出面では、国、地方相互間の財源配分の状況をそれぞれ一覧性のある姿で示す、そういうことによりまして国及び地方を通じます財政運営の総合的調整を行うための有効な資料を提供するとともに、これらの状況に対します国民の理解と判断を求めることができるという点で、すぐれた制度ではないかと考えておるところでございます。また、これも委員よく御承知のところでございますが、交付税特会に直入するということになりますと、交付時期等の問題が生じてくるという問題もございます。  以上でございます。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 今のお話は昨年の質問で聞いたことと全く同じなんです。実は、二月二十五日の村田自治大臣の答弁では、「自治省といたしましては、その実現を図ることが望ましい」、このように答弁されております。同じ政府という立場からするならば、これはまさに閣内不統一ではないかと言わざるを得ないというふうに思いますが、今の大蔵省の答弁も含めまして大臣はどのように認識されているかお聞きしたいと思います。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 この点はまさに小林委員御指摘になっておるとおり、ポイントなんです。私は、昭和二十四年のころ、県におきまして、あのころは地方財政平衡交付金と言いましたね。大蔵省からお話があったように、昭和十五年の配付税方式以来だんだん変化して、今の地方交付税方式になったのですが、要は、いかに財源の配分をいたしましても、非常に商工業の発達している県と農山村県では財源に偏在がございます。したがって、交付税という方式で、酒税、法人税、所得税の三二%、消費税等二税の一定率を繰り入れるという交付税方式は確立をして、そしてそれは地方団体の固有財源であるという観念は確立をしました。これは私は確かに地方自治の一つの金字塔だと思います。  私の方からいえば、委員のおっしゃるような直入方式が望ましい。だから、総理大臣の前でも、そのことをはっきりと本会議で明言をしたとおりで、これからもその意見を強く持ってまいりますが、恐らく、大蔵大臣と私とは非常に仲がいいのですけれども、その点だけはなかなか意見が簡単に一致しないと思います。しかし、公経済の一翼を担う自治大臣は極めて重要な役割でございますから、今後とも大蔵大臣に対して、公私を峻別いたしましてはっきりとひとつ、公経済に協力し合うということを申し上げるつもりでございますが、ひとつその点で各党の非常な御理解をいただきたいと思っております。  基本的な認識はそういうことです。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 大臣の方のお考えについては私も大いに支持をしたいというふうに思っておりますし、頑張っていただきたいと思うのですが、そうはいっても、政府は政府であります。実は、昨年の五月十二日の衆議院のこの委員会の決議におきましても、直入については制度を検討すべきである、これは全会一致で出されているわけであります。昨年に制度を検討すべきであるということを言っているわけでありますが、今のお話ですと、何かこれはされていないのではないかと言わざるを得ない感じがいたします。  要は、我々サイドから、地方団体や国民というサイドから見た場合、今のお話は省益あって国益なし、そういうふうに受け取れるわけなんですよ。そういうことで、省益をお互いに拡張していく、これが何か生きがいみたいな発想ではなくて、まさに省庁縦割りの問題を国民サイドからもう一回見直していくということになるならば、やはり国益という観点から地方分権の時代という立場に立つのが大方の意見ですよね。だれもこれは反対していないのですよ。  そういうことから言うならば、やはり財源も地方分権の形をつくっていかなければならぬということがいろいろな答申でも出されているわけでありますから、そういう方向での、今すぐ直入にしなさいということになるならば私もいろいろな問題や影響が大きいと思うのですよ。ですから、それに至る方向での、そういう方向での、一歩一歩でも結構なんですが、改善検討のシステム化というのですかね、システムを一つずつつくり上げていくというか、じゃあことしはこの辺まで、そういう方法で協議して決めていこうではないかとか、ここまで決まったというようなことが少しずつでもいいから毎年ないと、これはまさにいつまでも省益にへばりついていると言わざるを得ないのですけれども、大蔵省いかがですか。

木村幸俊大蔵省主計局主計官

○木村説明員 お答えいたします。  昨年五月の本院におきます特別決議につきましては、我々としても十分承知しておるところでございます。ただ、本当に繰り返しになって恐縮でございますが、ただいま申し上げましたとおり、交付税の特会への直入という問題につきましては、やはり極めて問題が多いんじゃないかということは認識しておるところでございますが、いずれにいたしましても、自治省ともよく意見交換をしながら引き続き慎重に検討すべき課題であると考えております。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 今政治改革で、自民党案と社公案でいわゆる選挙制度の問題で真っ向から対立している。これが破綻した場合どういうことになるのか、大変な状況になるだろうと思うのですよね。  そういうことと同じように、これは何か今の話を聞きますと、もう二十年くらいこういう話をやってきているんじゃないでしょうか。やはり一歩でもいいから前進していくという方向、方向は地方分権の方向には間違いないわけでありますから、ぜひそういう方向でもう一度大臣の決意をお願いしたいと思います。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 非常に重要な問題点でございますから、再度御指摘いただいたのは非常に感謝をいたします。  私は現内閣に根本的に協力するという立場でございますが、今御指摘になった地方交付税上の問題点は、これは中央行政それから地方行政の長く続いた懸案であり、そして今地方分権が非常に強く叫ばれ出した、これは各党の共通点であると思いまして、まさに時代的にも大きなポイントが来ておると思っておりまして、地方分権の中でこの問題を前向きに対応してまいる決意でございます。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 それでは、次に特例減額の問題についてお伺いをしたいと思います。  地方交付税総額は、平成五年度においては交付税法附則第三条に基づきまして四千億円減額することとされておりますが、これで三年連続して交付税が減額されることになったわけであります。  この附則第三条は、昭和五十九年度においてはもっぱら当年度における交付税総額の安定的確保に資するための特例措置として設けられたというふうに聞き及んでいるわけでございますが、その当時は、まさに総額の安定的確保、その年の安定的確保をしていくんだというような考え方で交付税特会の借り入れの問題を解決しようという形で出されたんだというふうに思います。  しかし、去年、おととし、ここ一、二年の特例減額の問題に対しては、将来にわたっての交付税総額の安定的確保という意味で、将来にというようなものが大分強調されるようになったというふうに思いますけれども、その当時の附則三条ができた時点で将来的というような意味が、ということはいわゆる年度間調整機能、年度間調整財源としての機能をこの附則三条に持たせるんだという意味が最近とみに強くなっているのではないか、そのように思うのですが、当初からそういうねらいはあったのかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 御指摘のように、地方交付税法の附則第三条の規定は昭和五十九年のときに改正で入ったわけでございますけれども、当時は非常に大幅な財源不足が生じて、特別会計で多額の借入金をするというような状況でございまして、これをいつまでもやっていくと国も地方も大変なことになるということで、この際こういう制度を断ち切って、そして附則第三条の規定によって、特例的な措置ということで毎年度毎年度の交付税を得ていくべきだ、こういうことになったことは今御指摘のとおりでございます。  それは、やはり基本的には毎年度毎年度の地方交付税の総額を安定的に確保していくということでございますから、当該年度の交付税の総額の確保と同時に、やはりそれ以降の問題につきましても考慮に入れながら安定的な確保というものを考えていくべきだというふうに考えたものだと私どもは理解いたしております。  そういう意味で、国から特例的に加算をしていただいている場合もありますし、また最近のように減額をして、それを将来返してもらう、こういうような形での安定的な確保を図るということでございますので、将来にわたっての安定的確保という目的ではなかったんじゃないかという点については、安定的な確保というのは、当該年度だけの安定的な確保じゃなくて、やはりある程度の期間というものを見据えた総額の確保ということが視野の中に入れられるべきものではないかなというふうに考えるわけでございます。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 そういう立場に立って、私の考え方も含めてさらに展開を進めてみたいというふうに思うのですが、将来にわたって交付税総額の安定的確保もあるんだ、理論的にもあるというふうに実際に言えるとは思うんですが、その際に、将来的に本当にその地方の固有財源であるものが安定的に確保されるのかどうか、これが大変心配なわけであります。  なぜかと申しますと、例えば交付税法附則第四条第四項に基づきまして、平成五年度においては三千二百九十四億円加算する、後年度に加算することというふうになっていたはずですよね。ところが、このうち二千九百二十四億円は平成九年度以降に加算するという形で先送りされたわけですよね。この方式が、財政事情によってどうのこうのというような形で理由はあるんでしょうが、結局将来加算する、しかしその年になったらばまた苦しいからまた先延ばしにしてくれということをどんどんやっていけるということの道を開いているわけですよね。  そういうことになりますと、とにかく将来的に加算して安定財源の確保なんだと言いながら、どんどん借金の返済の先延ばしができるんだということになりますというと、私は将来にわたっての交付税総額の安定的確保とは言えないというふうに思うんですが、自治省いかがですか。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 御指摘のとおり、交付税法の附則第四条第四項に基づいて、平成五年度において加算されるべき金額は三千二百九十四億円でございます。  これにつきましては、一つは、平成三年度の特例措置で国にお貸しした分が四千五百二億円ございますから、これの返還分と申しますか精算増分の三百七十億円は、やはり交付税の本体から特例減額したものでございますから、これは返してもらわなければいけない。それ以外のものにつきましてはそれぞれの年度の国と地方とのいろいろなお約束事で決められたもので、これを具体化したものが二千九百二十四億円残っているわけでございますので、これは交付税本体から出たものではないという点が一つございます。これはもちろん交付税法で加算していただくということをお願いしていたものでございますから、基本的にはそれはその年に入れてもらうのが筋だとは思うのでございますけれども、やはり将来の交付税の安定的な確保、それから特にこれからの高齢化社会の到来というものを考えた場合に、将来の交付税の展望というものもやはり相当しておくべきではないかというようなこともございます。  この分につきましては、これは法律に基づいて、今回の法律改正をお願いしているわけでございますから、その法律改正において、御理解を得てこれを先に送りたいということでございまして、これを先送り、先送りということで最後はうやむやになるというようなことではなしに、やはり法律で規定された額でございますから、これは必ず最後は加算していただくということでございますけれども、この法律の規定に基づきまして今回はこれを、総額の安定的な確保のために先送りをさせていただきたいというふうに考えているものでございます。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 今の局長の答弁では、いただきたい、将来にわたって加算をしていただきたいというようなお話がありました。いただきますじゃない。いただきたいというんじゃ、これはちょっと安定的な確保の答弁にはならないと思うんですよ。しますというふうに言ってくれないと。これは相手さんのある話のことでしょう。そこで、何か立場の違いがはっきり出た言葉じゃないですか。その問題については、ぜひ地方の共有の財源を預かっているんだという意識で、責任を持っていただきたい、そのように要望しておきたいと思います。  それで、そのほかに、後年度加算の問題として、今年度では、自治・大蔵大臣の覚書に基づいて加算されることになっていた総額四千三百十七億円でしょうか、これについて、これもまた法令化されたということについては、明らかになってきたわけですから地方は一応安心だ、法令に載った。覚書というのは我々見えませんからね。しかし、法令化されたということで一応安心ということにはなるんですが、これも平成九年度以降に加算するという形に先送りされちゃったわけですね。こういうことがしょっちゅうこれから出てくるということに、もう大変な心配になるわけですけれども、よくわからないのですが、要は大蔵大臣とそれから自治大臣の覚書交換、この覚書というのはどういう性格のものなのか。  何か外から見ておりますと、自治省と大蔵省で、政府の中での談合ではないか、そのように、我々にとっては不透明であります。また、財政民主主義に反するのではないか、そういうふうに言わざるを得ないのですが、素人から見ての話だというのだったらば、それはそれでよく説明をしていただきたいし、国民は、よくわからぬ、政府の中で我々の財源を談合でやりいいようにやっているだけではないか、そのために覚書をつくっているんではないかというふうに、素人判断では覚書というのはよくわからない。  しかも、それもまた平成九年度に延ばしちゃいましょうという話ですから、これはちょっとおかしいなというふうに思いますので、これらについては、覚書というのは、特に覚書なんかになりますると、公経済バランス論で、何というのですか、踏み倒すというか、もうとにかく大蔵省が泣きに泣いて踏み倒すということだって、これは将来的にわからない、ほごにされるということだってあり得るのではないか。大臣がかわってしまえば、これは私のときのあれじゃありませんなんということにならないように、ぜひこの点については大蔵省並びに自治省から明快な答弁をいただきたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 覚書につきましての問題でございますけれども、私どもは、この覚書につきましては、毎年度毎年度国と地方の財政の関係の中で地方財政対策を講じていくという場合に、我々の主張と国庫当局の主張というものは必ずしも同じ方向にあるものではございません。その場合に、それをいかに最終的に予算編成に結びつけていくかというためには、お互いに協議をし、話し合いをして、一定の方向を決めるべきことになるわけでございます。  その場合に、そこで決まったことをきちんと将来法律に規定をするとか、あるいはお約束をどう守っていただくかということは、やはり一つの文書にして明確にしておくということがどうしても必要でございます。口頭の約束で、後でうやむやになってしまうということは、これは逆にまた問題がある。だから、それぞれの年度の地方財政対策を決める場合には、それに基づいた両者の話し合いの結果というものを明確にしておくという意味で、これを文書にしておく、そして両大臣で確認をしていただくということは、やはり必要なことではないかというふうに考えております。  その覚書というものは、両省で決められたものでございますから、これをやはり法的な措置で具体的に担保していくということをしていくべきものではないかと思いまして、この覚書に基づいて決められたことは交付税法等によってきちんと書いていく、書いて国会で御審議をいただくということを常にやっているわけでございます。  今御指摘のように、覚書で決められただけで、まだ交付税法の附則第四条第四項の規定の金額に入っていないものがあるんじゃないか。確かにあるわけです。これは、一つには、その年度に来ないと金額が確定しないというものがございます。例えば、臨時財政特例債というようなものが発行されて、その元利償還金の一定割合を国から特例加算していただくという場合に、では臨時財政特例債という金額が一体どれだけ発行されるのか、それに基づいて幾ら国からの補てん額というものが出てくるのか、これはその年にならなければわからないというような問題がございます。そういうものにつきましては、当面の法律でその金額を具体的に書くわけにまいりませんので、覚書において、加算すべき年度が来たときにそこでその具体的な金額を決めまして、そしてそれを当該年度にいただく場合もございましょうし、あるいは安定的な確保のために附則四条四項の規定の中にそれを足し込んでいく、こういうことをやっているわけでございます。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 それでは、再度今の答弁については十分検討して、研究して後につなげていきたいというふうに考えておりますが、次に、もう一つお聞きしておきたいのは、平成三年度の特例減額四千五百二億円、この際に自治大臣は、地方団体に実損はかけない、そういうような答弁をしております。そのことから考えますると、平成四年度の八千五百億円、それから今年度の四千億円、これらについて、まさに四千五百二億円については実質的にはこれは借金を返すような意味があったわけですから、それはよくわかるのですよ。しかし、去年の八千五百億円、今年度の四千億円についてはまさに純然たる貸しなんですよ。そうしますると、実損をかけない、将来にわたってこれは返しますから実損をかけないんだということであるならば、当然貸し借りの問題ですから、利子の問題はどうなっているんでしょうか。利子はちゃんと入れてもらえるのですか。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 平成三年度におきまして、実損がないという御答弁があったことは承知いたしております。このときの実損がないという意味は、特例減額を四千五百億したわけでございますけれども、それと同額特別会計で借り入れをしていた、その借り入れをしている償還と、特例減額によって返していただく金額がちょうど同額ずつやっていけば、借金をしている分をこの特例減額の返還の財源で帳消しにできるだろう、そういう意味で実損がないというふうな御答弁だったと私は記憶しているわけでございます。  御指摘のように、昨年は、八千五百億円につきましては、当時は借り入れをしておりませんでしたから、そういう意味で、借り入れと減額とが同額ずついくというような意味での状況ではなかったことは事実でございます。ただ、その後、昨年の途中から景気の変化もございまして、交付税の総額が減額になる。このために昨年の十二月に補正予算をお願いいたしまして、特別会計の借入金を一兆五千億以上やらしてもらったというようなこともございまして、今借り入れの方も二兆を超える金額がございます。他方、国に特例減額という形で実質的にお貸ししているのは、この四千五百億のうちの、返還した分が一部ございますが、それと去年の八千五百億、ことしの四千億もお願いしておりますが、そういうようなもの等考えてみますと、特別会計で借り入れているものの方がむしろ多くなっているというような状況になっております。  ですから、そういう意味での実害、実損という点にかんがみますと、特別会計で借り入れているものと国に貸している分というのとでは、平成三年度当時のように貸し借りがイコールだというような形での姿ではないわけでございますけれども、もともと特例加算、特例減額については、五十九年度の地方財政対策において借り入れ方式というのはやめようという考え方からできたものでございますので、お互いに利子はっけないというお約束でこれは始めたものでございます。結局精算という形でやっていこうということでございますので、そこのところは、利子は今回もその分としていただくということにはなっておりませんけれども、そういうことで附則三条の規定の趣旨というものを御理解いただければありがたいと思っているわけでございます。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 ちょっとまだよく理解はできないのですが、六十一年度とか平成四年度のいわゆる資金運用部からの長期借り入れ、これが相当の額になりますね。これらについては利子はどうなんですか。政府の方は、返すときには利子まで取るんですか。これはどうなっているのですか。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 昨年の年度途中で借りました一兆五千億の借り入れにつきましては、これは資金運用部からお借りいたしますから、当然利子負担が必要でございます。その利子負担につきましては、これは国の方で負担をしていただくということは、それこそその覚書で決めましてこれを加算してもらうことになっているわけでございます。その加算も含めまして、先ほど申し上げました覚書の加算、いわゆる特例加算というものが毎年度毎年度の具体的な金額というのが出てまいります。この分をこれからも加算をする場合には、附則四条四項の規定の中で加えていくということになっているわけでございます。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 それでは、次に、公共事業等に係る国庫補助負担率の簡素合理化、簡素恒久化措置に伴う昭和五十九年度ベースによる地方負担増の財源措置についてお聞きしたいと思います。  国庫補助金の恒久化に当たって、公共事業等臨時特例債が創設されております。各地方団体の個別の影響を考えると、この制度は激変緩和のためにしばらく継続することが望ましいと考えておりますが、昭和五十九年度ベースで言うならば、六千九百億円の影響額が出るということなんですが、個別の自治体、団体ではそういう形のいろいろな財源の問題が出てくると思いますが、これを今後三年なり五年なり、将来にわたってずっとというのもちょっと恒久化の意味で無理だろうという感じもするのですが、サンセット方式にしろ何年かの措置をとって定着化を図るべきだ、激変緩和措置は単年度じゃおかしいというふうに思うのですが、いかがですか。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 今御指摘のとおり、補助率の恒久化に伴いまして影響する地方負担額について、平成五年度はとりあえずこの激変緩和ということで暫定措置を講ずることにしたわけでございます。今も先生御指摘のように、これは恒久化したわけでございますから、恒久化すれば、可能な限り既存の今の事業の財源措置の中に溶け込ませていくというのが本来の姿だと思うわけでございます。  そういう意味で、当面この制度をやって地方団体に障害が生じないようにしたわけでございますので、この措置というものが、恒久化によって溶け込んでいくまでの間の措置ということで考えていただければ、単年度ですぐやめられるものかどうかということについてはなかなか問題があろうかと思います。ただ、何年間ということを今の段階で申し上げるのもちょっと難しいものでございますので、当面の問題として、ことしはこういう形でやりましたが、明年度におきましても、地方財政の状況などをよく考えて適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 それでは、ぜひそういう方向でお願いしたいと思います。  それからもう一つ、今回幾つかの国庫補助金が一般財源化されました。これについては私たちも、地方団体が自主的に、自律性を持って地方分権の時代をつくっていくという観点からも望ましい方向であると基本的には考えているのですが、特に零細な補助金等についてはそういう方向が望ましいわなんですけれども、しかし、すべて交付税に算入するというようなやり方ですと、確かに交付税総額が伸びているときにはのみ込める、すき間に入っていって大丈夫なんですけれども、厳しい状況になってきますると、それが全部やはり地方債に回っていく、財源を補てんせざるを得ないという形に振りかえられていきますね。  将来に対して借金を背負うことになってくるわけでありますし、そういう点から、国庫補助金の一般財源化ということであるならば、本来ならばその分の財源を別枠としてとって入れるのが筋だと私は思うのです。例えば、毎年一千五百億円くらいありますね、これについてその分に見合うように、一般財源化した場合には、何かのパーセントを少し上げるとか、消費税の交付税の算入率が二四%ですか、それを二五%にするとか、そういうことで、本来ならば別枠にすべきだと思うのです。それが交付税のわなに、ブラックホールみたいなところに落とし込められていくというようなことで、大変心配もあるのです。  将来にわたってこの一般財源化を進める方向では我々も大いに結構だという立場に立っているのですが、しかしながら、財源の保障という点では、やはり交付税の措置をとる限りは、政府の責任、自治省の責任というのは随分あるのだろうと思いますから、将来にわたってどう保障しようとしているのか、その辺をお伺いしたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 国庫補助負担金の一般財源化につきましては、国庫補助金の持つ機能というものは否定するわけにはいきませんけれども、地方の自主性、自律性というものを高めるという観点からは、これはできるだけ前向きに整理合理化をすべきものだというふうに考えております。特に地方の仕事として同化定着していたもの、あるいは国から地方に権限が移譲されているものとか、今御指摘のように零細補助金だとかいうようなものは、これはやはり一般財源化することが望ましいのではないかと思うわけでございます。  その場合に、その分は国費が助かって地方費がその分ふえるのではないか、この御指摘も確かにあるわけでございますけれども、その金額というものの大きい、小さいにもよると思うのでございますけれども、これをのみ込めるのかどうかということできるかどうかということを判断するのは、地方財政計画を毎年度作成しておりますから、地方財政計画の中でそういうものがうまくのみ込んでいけるものかどうかということが一つの判断材料になるのじゃないかと思うわけです。  今までの一般財源化におきましては、毎年度毎年度の地方財政計画の策定の過程におきまして、一般財源化されたものをのみ込んだ上で、他の施策にも影響なく財政計画が策定できたということで、そういう措置が講じられたわけでございますので、中長期的に考えます場合には、地方税の税源の充実でございますとか、あるいは一般財源である地方交付税の拡充というような問題を視野に入れながら、毎年度毎年度の地方財政計画の策定を通じましてきちっと財源措置をしていく、こういう態度が必要なのではないかというふうに考えております。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 それでは、もう一つお聞きしますが、昨年の十二月に公職選挙法の一部を改正する法律によりまして、地方選挙の公営化が拡充されたというふうに言えるわけでありますが、今年度の地方交付税の中でどのような財政措置がされているのか、お聞きしたいと思います。

谷合靖夫自治省大臣官房審議官

○谷合政府委員 御承知のように、昨年のいわゆる緊急改革によりまして公職選挙法の改正が行われまして、地方選挙でも公営の拡大が図られたわけです。その一つは、今まで国政選挙と知事選挙までとされておりました選挙運動用の通常はがきの無料交付、それからもう一つは、いわゆるこれは都道府県と市に限りますけれども、それぞれの条例で定めれば、いわゆる国政選挙で認められておりますような選挙運動用自動車の使用の公営、それと同じような形でございますけれどもポスターの作成の公営、こういうのが認められたわけでございます。  申し上げました二つの部分については、それぞれの団体が条例で定めればということでございますけれども、最初の通常はがきの無料化については全選挙に適用されますので、これについては本年度の交付税の中で措置を予定させていただいているというところでございます。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 通常はがき以外のほかのものについては条例化された状況に応じて考えていくということなんですか。その辺についてちょっと触れていただきたいと思います。

谷合靖夫自治省大臣官房審議官

○谷合政府委員 お答えいたします。  今までも任意制の公営制度があったわけですが、やはり実施状況に応じて交付税措置をさせていただいております。始まったばかりでございますので、今後の実施状況を見ながら対応させていただきたい、かように考えております。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 それでは、時間も大分迫ってまいりましたので次に移りたいと思いますが、国連カンボジア暫定機構に対する選挙監視分野の自治体職員の派遣の問題等については、後で我が党の議員が触れられることになると思いますので、私の方も出しておいたのですが、大変恐縮なんですが、後の方に譲りたいというふうに思います。  それで、私の方から一つお聞きしたいのは、不法滞在の外国人の未払い医療費の問題について、私も毎回ぐらいにこの委員会の中で取り上げてきているのですけれども、実は御承知のように、新聞報道で知っているのですが、神奈川県や群馬県では新たな取り組みというか、新たな展開が出てきたというふうに言えると思うのですね。これはあくまでもやむを得ず立てかえ払い的なやり方なんだというふうに聞いておりますけれども、これは国が早急に何らかの対策を講じるまでという措置なんだという形で、自治体も大変苦慮して対策をとってきているわけなんですね。確かに、理論的、法的に難しいし、整合性というのをどうつくっていくか、人道上の問題だとはいいながらも、やはり問題はあるのだろうというふうに思います。そういうことで、自治体では、医療機関が診療拒否をしないでくれ、これはまた法律的にできないわけでありますから、そういう実態も含めて苦慮に苦慮を重ねて、例えば国際交流協会で見ていくとかいろいろなやり方が最近自治体で出てきております。  これらについて前回、前々回も含めまして、今関係省庁で検討、勉強会を進めているのだというようなことを御答弁いただいておりますが、今このような自治体の状況も受けて検討状況はどのようになっているのか。それから、このような地方団体における新たな展開、取り組みの状況についてどう把握しているのか。どう評価するかということになるとやぶ蛇になろうかと思いますので、どう把握しているのか、厚生省の方にお聞きしたいと思います。

伊原正躬厚生省健康政策局総務課長

○伊原説明員 お答えを申し上げます。  昨年、先生から不法滞在の外国人の医療費につきまして御質問を賜りましたが、非常に難しい問題であるということを御答弁させていただいたわけでございます。  ただいま先生の方から御指摘のございましたように、一部の自治体、群馬県、神奈川県におきまして立てかえ払いということを平成五年から実施する、そして医療機関に対してこれに係る助成を行う事業が開始されるというふうに聞いておりますが、現在、各県におきまして実施方法等の細部については実施要綱等の作成というふうなことで検討中であると聞いておりまして、私どもで細部については把握はしておりません。  一方、国の方でこれについてどう対応するかということで、これも昨年の御指摘に基づきまして関係省庁の間で連絡会議を持ちまして、本年一月にもその会議が開かれましてこれについての考え方を出しておりますが、非常に困難な問題があるが、何らかの対策が講ぜられないか引き続き検討を重ねていくということになっております。この問題につきましては、昨年もお答え申し上げたところでございますけれども、不法滞在ということに絡む問題でございますので非常に難しい問題がございまして、引き続き鋭意検討させていただきたい、こういう状況でございます。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 今回の答弁では「鋭意」という言葉が入りましたので、少し期待をしたいというふうに思います。  それでは、最後になりますが、ことしの二月九日に栃木県の足利市で、民間委託の清掃事業職員がごみ収集車に巻き込まれて二名が死亡するという極めて悲惨な事故がありました。私も実際すぐに行って現場の状況も見たりしたのですが、ごみを巻き込んでいく回転板の、すき間は本当に五センチから十センチもないのです、五センチぐらいでしょう、そこのどころに、いわゆるギロチン式ですよね、二人の方が首だけ挟まれて持っていかれてしまったのです。ですから体形はそのままなのですが、骨は完全に砕けてしまっているという状態なんだろうと思うのですけれども、とにかく想像すると恐ろしくなるような死亡事故だったのです。  このような労災事故において、消防や警察それから労働基準監督署、これらについて、真っ先に駆けつけたのは消防だったそうでありますし、その後、同時的に警察も駆けつけたそうなんですが、要はまだ生きているのではないかということで、人命救助最優先ということでありますから、油圧組織のパイプを切断して回転板を少し緩くして死体を取り出してというようなことのために四十分ぐらいかかったそうなんです。  そういう状態になりますと、確かに、現場に駆けつけて消防の人たちが人命救助をしているときに写真を撮っているというのはちょっとどうかなという感じはするのですが、ただ、将来的にこういう事故を二度と起こさないというためにはやはり現場確認というのですか、機械の構造とかそういう問題で再発防止対策の原因究明のためにやはり現場はこうだったというのが確認されないと、本当にどういう形で、なぜああいう形で二人が巻き込まれてギロチン的に事故に遭ったのかということがちょっとわからないのです。だけれども、確かに死んでいるのは間違いないわけでありますから、そういうことで、今我々も再発防止のためのいろいろな角度からの検討を、現地調査も含めましてきょう実はやっています。  そういうことでしっかり取り組んでいきたい問題なんですけれども、実は、労働基準監督署はそのときこの事件をマスコミから、テレビ報道で知ったというのですよ。本来、事業所がこういう事故が起こったならばすぐに労働基準監督署には報告をしなければならない義務になっているはずなんですね。全くお粗末な話でマスコミで知った、それから慌てて動き出した、なおかつ国会議員が動き出して現地調査にも来るというようなことで大分本腰が入ったというふうなお話を聞いているのです。  そんな状態で、連絡体制とかそういう問題について極めて問題があると言わざるを得ないわけなんですが、警察や消防も含めまして労働基準監督署について、警察はやはり犯罪があるのかどうかという調査になろうかと思うのですが、そういう点で通報システムそれから再発防止のための原因究明にどういう措置が必要か。システム化されるべきではないのかな、そんなふうに思うのですけれども、労働省それから警察庁等にお聞きしたいと思います。

露木保労働省労働基準局安全衛生部安全課長

○露木説明員 お答えいたします。  先生から御指摘の足利市の事故の件でございますが、大変悲惨な事故でございまして、通常私ども死亡災害が発生した場合につきましては、労働安全衛生法、法令によりまして、事業者は遅滞なく所轄の労働基準監督署に報告しなければならない、こういうふうに義務づけておるわけでございます。労働基準監督署におきましては、日ごろ事業者に対しまして、特にこのような死亡災害等重大災害につきましては、直ちに、電話でも何でもいいからまず連絡するように、こういうふうな指導をいたしているところでございます。また、事故時、やはり現場は混乱しているようなケースもございまして、なかなか監督署に報告がない、まずは人命救助、こういう観点もございますし、そういう意味で、労働基準監督署におきましては、あわせて消防署あるいは警察署、これらの機関と連携を密接に図りまして、早急に、早期に災害の発生を把握するよう努めているところでございます。  今回の事故につきましては、先生御指摘のとおり、事業者から労働基準監督署への連絡がおくれまして、労働基準監督署におきましては残念ながらマスコミ報道によって知らざるを得なかった、こういうふうな状況でございます。今後とも、事業者に対しまして、緊急連絡、こういうものにつきまして一層指導に努めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。

國松孝次警察庁刑事局長

○國松政府委員 御指摘のとおり、お尋ねのような事故が発生いたしました場合、警察といたしましても、生存の可能性が少しでもある方がおられる場合には、やはり人命救助活動を最優先させるというのが鉄則でございますので、これは関係機関と所要の協力を行いながらそういった活動をするわけでございます。  それとあわせまして、そういう事故が起こり、人の死傷があるという場合には、やはり私どもといたしましては、捜査機関といたしまして関係者の刑事責任を追及するということがございますので、その事故原因の究明はそういった観点から徹底してやるということになっておるわけでございます。  本件につきましても、お亡くなりになったということで、そのことにつきましての関係者の刑事責任というものがあるのかどうかということを追及をいたしますために、実況見分その他、目撃者からの事情聴取を含めまして、現在所要の捜査をし、事故の原因を究明してまいりたいということで、栃木県警察の方においてやっておるところでございます。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 時間が参ったという通告をいただいたのですが、一つだけ、大変申しわけないのですが、清掃行政の担当であります厚生省の方で、この問題について再発防止のための指導を今どう進めているのか、お聞きをして、終わりにしたいと思います。

三本木徹厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○三本木説明員 再発防止対策は極めて重要だというふうに私ども考えておるわけでございます。機会があるごとに、例えば清掃事業における安全管理要綱の内容を周知するとか、あるいは昨年法律改正がありまして施行されたわけですが、施設には技術管理者という監督をする立場の方々を置く、そういうような法律の内容になっておりますので、こういう技術管理者が適切に管理監督ができるような内容の講習会等、こういったものを行っていきたいというふうに思っております。  さらにまた、この事故を起こした業者というのはいわば市の委託業者でございますので、従来厚生省は、市町村直営の部門に対してかなり周知徹底ということをやってきているわけでありますが、あわせて委託業者に対しても、市町村の責任のもとで適切に安全管理が行われるように周知徹底あるいは指導をしてまいりたいというふうに考えております。

小林守日本社会党・護憲民主連合

○小林(守)委員 終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 斉藤節君。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 私は、公明党・国民会議の斉藤でございます。地方交付税関係の質問をさせていただきたいと思います。  まず第一に、特例減額についてお尋ねいたします。  特例減額は今回で三年度連続であり、その総額も一兆七千億円にも及んでいるわけでございます。本委員会において採決のたびに行われました決議に反するものと私は言わざるを得ないと思うわけでございます。地方自治の確立に逆行する特例減額の実施に当たって、自治省は、どのようなお立場で大蔵省との話し合いに臨んでおられたのか、お伺いしたいと思うわけでございます。また、特例減額についての今後の歯どめについてどのように考えておられるのか。まさか恒久化してしまうというようなお考えはないと思うのでございますけれども、その辺いかがでございますか、お伺いしたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 毎年度の地方財政対策を予算編成時に決めるに当たりましては、国会で御議決をいただきましたいろいろな決議を十分念頭に置きながら地方財政対策の折衝をしていくわけでございまして、三年連続の減額という点については、私どもも、できれば減額がないやり方ということが望ましいことはもう申すまでもないわけでございますけれども、この折衝に当たりましては、明年度の当面する財政需要に的確に対応できるような財政計画ができるかどうかという問題がまず一番の問題でございます。そして、そういう観点に立った場合に、歳出面において地方の単独施策が充実できるかどうか、こういう観点がやはり一番重要ではないかと考えたわけでございます。  そういう意味で、ハード面におきましては、地方の単独事業を景気の状況も踏まえて大幅に増額をするという問題でございますとか、あるいは福祉の問題につきましても地域福祉基金を積み増すことができないかどうかとか、あるいはソフトの社会福祉系統の関係の経費というものを伸ばすことができないかどうか、その他山村・森林対策の問題でございますとか環境の問題でございますとか、地方団体が当面している主要政策課題に的確に対応できるような、そういう財源措置というものを講じなければ困るわけでございますので、そういう意味の財源措置というものを詰めていったわけでございます。  そういう過程で、国からは、非常に厳しい財政状況というものを背景にいたしまして協力要請というものもあったわけでございます。この点については、事務レベルにおきましても相当たび重なる折衝が行われたわけでございますけれども、特に今回も大臣折衝を二回やっていただきまして、二回にわたる大臣折衝で非常に厳しいやりとりをしていただいて、その結果で当面する主要政策課題に一応対応し得るという見込みが立った時点で、国に対する財政の協力というものもやむを得ないということで、四千億円を減額して国に実質的に貸し付けるということにしたわけでございまして、この貸し付けに当たりましては、私どもも相当厳しい立場で国庫当局とは折衝してきたということをぜひ御理解をいただきたいと思うところでございます。  また、歯どめの問題につきましても、減額がずっと続いて恒久化してしまうのじゃないか、こういうことは私どもは考えておりません。やはり毎年度毎年度の地方財政対策をつくる上におきまして、地方財政計画できちんと地方財政が立ち行くかどうかということを検証しながら交付税の総額の確保ということをやっていかなきゃならないわけでございますので、今後とも地方財政計画の策定を通じまして、地方の一般財源の充実には努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 よろしくお願いしたいと思うわけでございます。  次は、現在検討されております不況対策によって地方債の増加が見込まれるわけでありますが、地方債依存度が増加することについての御見解を伺いたいと思います。  九二年度の自治体の地方債発行残高は約七十二兆円、このように言われているわけでございます。それで、大変負担になっているんじゃないか、そんなふうに思うわけでございます。また、深刻な不況によって地方税の減収が余儀なくされると予想されるわけでありますが、この場合、昨年の補正予算同様に、地方債つまり減収補てん債で対処するお考えがおありなのかどうか、お尋ねしたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 今回の景気対策におきましても、地方財政の立場から政府全体の景気対策に御協力を申し上げるということで、地方単独事業の増額あるいは公共用地の先行取得などを中心にいたしまして、景気対策の中に盛り込まれたわけでございます。こういう施策を行うに当たりましては、当面の状況では地方債を活用してこれに対応せざるを得ないということでございますが、金額も今御指摘のようにかなり多額なものになってくるわけでございます。  ただ、こういう景気の状況でございますので、地方団体が公共投資に占める割合が非常に高いということを考えますと、やはり地方財政の立場からもその役割を果たしていかなければならないというふうに考えたところでございまして、地方債の増額という観点から見ますと、確かに問題はあろうかと思います。特に、今御指摘のように、地方債の現在高、借入金の残高というのが現在でも八十一兆円を超えるのではないかというふうに考えられますし、また、公債負担比率を見ましても、相当の団体が高い比率、一五%以上の団体が約四割になっているというようなことを考えますと、公債費負担というものをよほど注意してこれから地方債の運用をしていかなければならないということは御指摘のとおりだと思います。  そういう意味もございまして、中長期的には私どもも公債費負担を幾らかでも減らしていこうということで、近年におきましては、御案内のとおり交付税の特別会計の借入金を繰り上げ償還いたしましたり、あるいは特例的に発行いたしました財源対策債とかあるいは臨時財政特例債の一部を繰り上げ償還するための措置を地方財政計画で計上するというようなことで、中長期的に財政の健全化が図られるような措置も過去においてもとってきているわけでございまして、この点についてはよく注意をしながら、しかしまた、こういう時期でございますので、やはり地方債を積極的に活用して仕事はしていただく、その公債費負担についてはよくよく私どもも注意をしながらやっていく、こういう両にらみの方法で当面対処をしていかなきゃならないというふうに考えております。  特に、今御指摘の地方税の減収の問題、この点については、まだ年度が始まりまして間がないわけでございますので、これからどういうふうに推移するかはわかりませんけれども、当初の地方財政計画におきましても、法人関係税とかあるいは利子割等の税収につきましては前年よりもむしろ減額というように相当かたく見積もったわけでございますので、今政府一体として景気対策に取り組んでいるわけでございますから、この景気対策によって景気の足取りが確かなものになってくれば税収の方も心配なくなってくるというようなこともございますので、これからの税収の状況というものによく注意してまいりたいというふうに考えているところでございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 そこで、今申しました地方債の増加が見込まれる中で、国は国家財政の悪化を理由に、昭和六十年度から地方公共団体に対する経常経費や投資的経費に係る国庫補助負担率の引き下げなどを実施してきておりますけれども、この間に、地方関係団体からその復元措置が叫ばれているにもかかわらず、経常経費については平成元年度から、また投資的経費については平成五年度から恒久化されておるわけでございます。  この引き下げに伴う地方財源の補てんについては、そのほとんどを地方債の発行とこれに係る元利償還費の地方交付税額への算入により措置することとされているのであります。しかしながら、交付税の不交付団体にとっては、補助負担率引き下げに伴う減収額については、当該年度は地方債の発行によって賄うとしても、その元利償還費は地方税の充当を余儀なくされることになると思うわけであります。都市基盤整備を初めとする行政需要への対応を迫られている地方公共団体にとっては、自主的、主体的な行政展開の制約につながると考えるわけであります。このことに関して政府はどのようにお考えになっておられるのか、お尋ねしたいと思うわけでございます。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 今年度におきましては、公共事業等につきまして、これまで暫定措置で補助率が決められたものでございますが、これをいつまでも不安定なものにしておくということは国と地方の財政関係からいっても望ましくないということで、昨年から関係省庁御協議をいたしまして、今回恒久化をすることにいたしました。  基本的な考え方は、行革審などでもいろいろと御指摘がございましたように、国の直轄事業というものは、これは国の責任が重いものでございますから、基本的に国が三分の二、それから国の補助事業というものは、国と地方とがお互いに責任を持ち合う分野だというふうに考えますと、それぞれ半分ずつ、二分の一というような基本的な考え方に基づきまして、公共事業の補助率の簡素化という観点も踏まえて、今回恒久化をさせていただいたわけでございます。  そういう面から見ましても、復元したもの、復元といいますか、今までの暫定措置よりも補助率が上がったものもございますし、また逆に引き下げられたものもございまして、これを五十九年度の水準と比較いたしますと地方負担がやや増加するということは、今御指摘のとおりでございます。そういう点について支障のないようにするために、当面の暫定措置といたしまして、激変緩和措置といたしまして、公共事業等の臨時特例債というものを今回は特例的に措置をいたしまして、この元利償還金を全額交付税の基準財政需要額に算入しよう、こういうことにしたわけでございます。  そうしますと、交付税の基準財政需要額というのは、該当事業がございますれば全団体に需要額として算入されるわけでございますから、そういう意味では、交付団体とか不交付団体とは関係なしに基準財政需要額にはつぎ込まれるわけでございます。その上でなおかつまだ不交付であるという場合もございましょうし、こういう需要を計上したことによって不交付団体から交付団体になるという団体もございましょう。不交付団体のままずっと続けるという団体については、理論的には今申しましたように財源措置はしたことにはなるわけでございますけれども、具体的な財政運営という立場から見ますとやや苦しくなるという点も確かにあろうかと思います。そういう点については、個々の不交付団体の財政運営の状況を見ながら、私どももその団体とよく御協議をしながら財政運営に支障のないような、そういうことを御協議をしてまいりたいなというふうに考えております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 不交付団体は現在は市町村の場合には大体百四十三団体ですかね、少ないわけです。また、都道府県では四団体ですから比較的少ないわけでありますけれども、いずれにしましても、私の住んでおります東京、特に八王子市は大変この点で困っておるという話でありますので一度お尋ねしておきたい、そういうふうに思いましてお尋ねしたわけでございます。  では、次の質問をいたしますけれども、地方経済の現状をどのように把握されておられるのか、深刻な不況についてどのように対応されるおつもりか、お尋ねしたいと思うわけでございます。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 斉藤委員にお答え申し上げます。  平成五年四月の月例経済報告で明らかにされておりますように、我が国の経済は、設備投資は製造業を中心に減少し、個人消費は低い伸び率となっているというようなことから、依然として調整過程にある。引き続いて低迷をしているものの、一部には明るい動きも出ておるということは考えられるわけでございます。  政府としては、このような状況にかんがみまして、今後の景気の足取りを確かなものにするために、四月十三日に先ほど申し上げましたように総合的な経済対策を臨時閣議を開いて決定をしたところでございます。この対策において、地方財政の面におきましても国の方針と軌を一にして機動的そして弾力的に対処するということといたしまして、公共事業の施行促進を地方団体に私からしっかり要請をするということをお約束をいたしました。そして、地方単独事業費二兆三千億円、公共団体の公共用地の先行取得一兆二千億円の追加を要請することとしたわけでございまして、この景気対策について国家財政と軌を一にして地方財政も全面的に御協力を申し上げる、こういう気持ちでやっておるところでございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 じゃよろしくお願いいたします。  そこで次に、国庫補助金の一般財源化についてお尋ねしたいと思うわけであります。  国と地方を通じる行財政運営の効率化と地方公共団体の自主的な財政運営を推進するためには、可能な限り国庫補助金の整理合理化を行うべきであると私は考えるわけでございます。現在これは交付税率の引き上げ等を伴っていないため実質的な交付税の削減となるおそれがあるばかりではなく、不交付団体にとっては実質的な財源のカットとなっておるわけであります。経済の低成長下において税収の増加が期待されない状態では、毎年厳しい財政運営を強いられることとなっております。  したがって、国庫補助金の一般財源化を促進する場合、財源の移譲による財源の再配分がなされるべきであると考えるわけでありますが、御所見を承りたいと思うわけでございます。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 国庫補助金の問題につきましては、この制度というものの意義を考えますと、やはり一定の機能というものがあるわけでございますから、これを全面的に否定するわけにはいきませんけれども、基本的にはやはり地方の自主性、自律性を高めるという観点からいけば、地方の財源で地方の仕事をしていくというのが最も望ましいというふうに考えております。  そういう意味から、既に地方に同化定着している事業でございますとか、あるいは非常に零細な補助金だとかというようなものは廃止をしてもらって、これを一般財源化してほしいということを私どもは各省庁にもお願いをし、これを積極的に方向としては取り組んでいくということでやっているわけでございます。そういう場合に、国の補助金を廃止するわけでございますから、その分は国が財源が浮いて地方はその分がふえてくるということでございますから、その財源のやりとりというものをすべきであるということ、これも一つの論点だと思っております。  そういう点については、一般財源化をすることによって出てくる地方の負担というものが、他の今まで行ってきた地方の事務のための経費に圧迫にならないかどうかということをよく検討していかなければならない。その検討していくのは、やはり現在の制度では地方財政計画という土俵の中でそれが可能か不可能かということを判断していくというのがやり方として一番適当なのじゃないかという考え方から、毎年度毎年度地方財政計画を策定する過程におきまして、一般財源化をした場合にそれを地方財源として負担し得るかどうか、そういう検証を常にしながらこの一般財源化というものをしているわけでございます。中長期的には、お話しのとおり地方税源を拡充するとかあるいは地方交付税の充実という問題、これも視野に入れなければなりませんけれども、毎年度毎年度の検討という点から見ますと、地方財政計画というものを通じましてこれが的確に負担し得るかどうかというものを判断していく、これが今の段階の私どものやっているやり方でございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 そこで、国庫補助金の一般財源化については、国から地方へ負担を押しつけたにすぎない財政の御都合主義のように私は思うわけでありますけれども、今後一般財源化について自治省はどのような方向を考えておられるのか、また、国の財政負担を地方に転嫁するやり方を今後も認めるのかどうかについてお伺いしたいと思うわけでございます。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 ただいまも申し上げましたとおり、一般財源化というのはやはり地方の自主性、自律性を高めるという観点から行っていくということでございますから、国の財源がそれだけ助かって地方の負担がふえるという意味からいくと、地方に負担の押しつけじゃないか、こういう御議論もございますけれども、私どもはそういう観点よりも、やはり地方の自主性、自律性というものを強化するためにはむしろこういうことをやっていく方が望ましいのではないかという方向でこの問題については検討しているわけでございます。  ただ、この地方負担がふえた分を今の地方財政で負担できないということになれば、これは幾ら一般財源化しようと思ってもできないわけでございますから、これをするために可能かどうかという点については毎年度の地方財政計画をきちんと見積もっていくということが必要ではないかと思います。幸い、今のところ、この数年間の一般財源化におきましては他の施策にしわ寄せせずに地方財政計画の中で適切に負担することが可能だということがわかりましたので、これを負担することにしたものでございまして、今後もそういう観点からこの問題については取り組んでまいりたいというふうに考えております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 特例減額だとかあるいは加算額の後年度繰り延べなどによって、将来法律に定めることにより加算されることになる金額の総額を明確にしていただきたいと思いますけれども、いかがでございますか。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 法律によって後年度地方交付税の法定額に加算する額というものは、交付税法で毎年度御審議いただいているところでございます。今回の改正法によりまして、改正法案の中で附則第四条第四項の改正をお願いしておりますが、平成六年度以降国から地方に加算されることとして御審議いただいている金額、合計額が四兆一千二百九十五億円、こういうことになっております。  これらは、これまでの各年度の地方財政対策におきまして、国と地方との財政運営上必要なものとして大蔵省との間でお約束をいただいたものでございまして、この中にはことしの四千億円の国にお貸しした分の返済分といいますか、こういうものも入っているわけでございまして、全体としては、今申しました四兆一千億余りということになっているわけでございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 また、この金額がさらに将来繰り延べされることはないんでしょうか。その辺、お伺いしたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 この法律に毎年度加算される金額というものを書いて御審議いただいておりますので、この金額を、本来であれば当該年度に加算してもらうというのが筋でございます。ただ、全体の国の財政、地方の財政の状況等を勘案したり、あるいは交付税の安定的な確保という観点から見まして、今までも繰り延べたという事例はございますので、繰り延べをこれから全くやらないというようなことは、これは今申し上げることはできないかと思いますけれども、いずれにしても、これについては交付税法で金額を具体的に書いて御審議いただいているとおりでございますので、この金額を変えるというようなことは、これは私どもは予定をしておりませんし、そういうことをやればここで法律の御審議をしていただけなくなってしまいますから、そういうことのないようにきちんとやらなければいかぬと思っております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 そこで、昨年の補正予算によって増加した地方単独事業は年度中にすべて消化できたのかどうか、また積み残しはあるのかどうか、あるとすればその額はどれくらいになるのか、お尋ねしたいと思います。

松本英昭自治省大臣官房審議官

○松本(英)政府委員 昨年八月二十八日に決定されました国の総合経済対策におきましては、地方単独事業は一兆八千億円掲げられておるわけでございますが、これに対しまして、私どもが調査いたしましたところによりますと、地方団体において九月補正で一兆九千億円の公共事業等の追加を予算計上しているところでございます。  追加補正した分のみの執行状況というのは、地方団体が必ずしも区分をして計上しておりませんので、経理をいたしておりませんので、その額だけを申し上げるわけにはいかないわけでございますけれども、現在、各地方団体において、これらの追加事業を含めた全体の公共事業等の円滑な施行に最大限の努力をしていただいているところでございます。  都道府県だけについてでございますけれども、これを見てみますと、施行促進の対象となる公共事業等の追加後の予算額の総額でございますけれども、全体を基礎といたしました一月末の契約率は八六%となっておりまして、私どもで現在把握できます契約のベースで申し上げる限り、過去の同時期の契約率と比較しても、おおむね順調に推移してまいっているんじゃないか。ただ、年度末、三月末はまだ把握いたしておりませんので御了承いただきたいと思うわけでございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 そこで、今後さらに不況対策による地方単独事業が増加した場合、すべて年度内に消化できるとお考えかどうか、お尋ねしたいと思います。

松本英昭自治省大臣官房審議官

○松本(英)政府委員 先ほど大臣からお話しございましたように、四月十三日の閣議におきまして、平成五年度上半期における公共事業等の事業施行等につきまして地方団体に対しましても協力要請がなされたところでございます。これを踏まえまして、自治省といたしましては、同日付で各都道府県知事、指定都市市長あてに自治事務次官名の通知を発して、地方単独事業を含む公共事業等の上半期末の契約済み額の割合が全体として七五%を上回ることを目途として可能な限り施行の促進を図るよう要請したところでございます。  自治省におきましては、平成五年度に向けまして既に三月九日付で、地方単独事業を含む公共事業等の円滑な実施が必要であるという観点から、債務負担行為の積極的活用、契約事務の迅速化、都道府県段階におきます市町村施行事業に係る事務処理の促進などによります公共工事の発注の平準化等につきましてあらかじめ十分御検討をいただくようお願い申し上げる旨の要請を行っておりまして、地方団体においては事業の執行体制等については所要の検討を行っていただいているものと考えておるところでございます。  また、今回の総合的な経済対策において、地方単独事業等を含む公共事業等の追加を行うことにより切れ目のない事業の施行を図ることとしているところでもございます。  なお、平成五年度におきましては、総合的な経済対策が早い時期に定められていること、また平成四年度の総合経済対策における地方単独事業の大幅な追加を含めた公共事業等が先ほども申し上げましたとおりおおむね順調に推移していることから考えましても、平成五年度の地方単独事業についても総合的な経済対策で要請された事業を含めまして順調に執行されるものと期待をいたしているところでございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 次は、地方特定道路整備事業など国と地方で共同で行う事業の展開により地方単独事業が増加しているわけでありますけれども、地方が自由に事業展開が図られるよう根本的に国と地方の事業のあり方を見直す時期に来ているのではないかと思うわけでありますけれども、この辺、御所見を承りたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 御指摘の地方特定道路整備事業は、昨年、平成四年度から、建設省と協議をいたしまして、補助事業と単独事業を効果的に組み合わせることによりまして事業を進捗させよう、こういうことで創設したものでございます。  地方団体のこの制度に対する評価は非常に高うございまして、重点的に道路整備などを行う場合に、やはり補助事業だけではどうしても年度ごとに細切れになってしまう、これを比較的短期間で事業が執行できるというようなことで、非常に期待も大きゅうございます。それからまた要望も非常に多いわけでございまして、そういう意味では、平成四年度に行いました結果では、初年度からかなり規模が大きいものになりました。  ただ、この制度につきましては、地方団体からは、もう少し弾力的に運用できないかなというような要望も確かにございます。そんなこともございまして、この制度をつくるに当たりましては、とりあえず二年間でこの仕事をやってみよう、その二年間の反省に立って六年度の事業をどうするかはひとつ検討しようじゃないかというようなことでこの制度を始めたものでございますので、いろいろと今地方団体からの御要望あるいは問題点というものを洗いながら、明年度の地方財政対策までに建設省などともよく協議をして、これをよりよい制度にしていきたいなというふうに考えているところでございます。  いずれにいたしましても、単独事業は単独事業、国の事業は国の事業ということでてんでんばらばらにやるというのも、これも事業の効率からまいりましてもいろいろ問題もございますから、補助事業と単独事業を効果的に組み合わせるということが可能ならば非常に事業の進捗も図れるわけでございますから、こういうやり方というものをもう少し充実できないかと考えております。幸い、この制度ができたことを契機にいたしまして、今年度から、例えばふるさと林道、ふるさと農道というようなものも補助事業と単独事業をうまく組み合わせていこうということで農水省とも話し合いができたということで、各省ともよくこういう点について御協議をしながらこういう制度の拡充をしていきたいなと考えているところでございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 では、次に移ります。  今お話のありましたふるさと事業の問題もあるのですが、ふるさとづくり事業を推進するとしておりますけれども、これまでの第一次分のこの制度の活用状況について、また第二次分についてはどの程度活用されるとお考えなのか、お伺いしたいと思います。

遠藤安彦自治省大臣官房総務審議官

○遠藤政府委員 お答えを申し上げます。  これまで第一次と私ども申し上げておりますけれども、ふるさとづくり事業においては、六十三年からいわゆるふるさと一億円が契機になって、ふるさとづくり特別対策事業とか地域づくり推進事業とかいうことでやってまいったわけでありますが、実績という御質問がございましたが、ハード事業については全国で約四兆六千億ぐらいの事業がなされましたし、それから、ソフト事業については約一兆三千億ぐらいの事業が実施されたところでありまして、全国各地で地域の特性を踏まえた個性的な地域づくりが積極的に展開されているというように認識しておりますし、ある程度地方団体の積極性も発揮されてきているというようなことで成果が上がってきているというように思っています。  そういう成果を踏まえて、平成五年度以降、新たに第二次のふるさとづくりを推進することとしています。この第二次のふるさとづくりにおきましては、これまでの自主的、主体的な地域づくりのための取り組みをさらに着実に浸透、定着させる、あるいはより明確な地域づくりの理念あるいはテーマに基づいて重点的に事業を推進していくといったことによって、豊かさとゆとりを実感できる地域社会の実現を図っていこうということを基本的な考え方として、一応期間としましては三年間、ソフト事業それからハード事業から成るふるさとづくり事業を推進していこうということでございます。  やり方につきましては、従来の地方債と交付税を組み合わせた事業、あるいはソフト事業については交付税の基準財政需要額に算入するというようなやり方でございますが、三年間の初年度として、ハード事業としては約一兆円を見込んでおりますし、ソフト事業については、三千三百の団体に平均して一億というような考え方から、三千三百億を見込んで地方財政計画に計上いたしております。これまでと同様、いろいろな地域に密着した自主的、主体的な公共施設の整備あるいは人材の育成、文化の振興その他の各種のソフト事業が地方団体の自主性のもとに積極的に推進されていくものと期待をいたしております。三年間でございまして、全体をどうするかということはありますけれども、地方団体の実情を勘案しながら、今後とも自主的、主体的な地域づくりに対して積極的な支援をしていきたいという基本的な考え方でやっていきたいと思っております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 そこで、生活関連の社会資本整備が望まれているわけでありますけれども、土地開発基金を取りやめてしまったわけでありますけれども、その理由はどういうわけでございましょうか、お尋ねしたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 御指摘のように、社会資本整備を行う場合には用地がどうしても不可欠でございますから、計画的に公共用地を取得していかなければならないということがございます。この公共用地の先行取得に当たりましては、地方団体は今三つの手段を持っております。一つは土地開発公社を使ってやっていくもの、もう一つは先行取得債という地方債を起こしましてこれで買っていく場合、それから今御指摘の土地開発基金を使ってやっていく、この三つの方法を組み合わせまして先行取得をやっていくということでございまして、この土地開発基金は先行取得にとっては非常に有効な手段の一つでございます。  そういうこともございまして、三年度、四年度のニカ年で五千億ずつ一兆円の積み立てができるような財政措置を行ったわけでございまして、これについては過去にも財源の許す範囲で積み立て措置が行われてきた関係で、平成三年度の積立現在高が全国で二兆四千億ございます。それに四年度の五千億が全額積み立てられるとすれば、約三兆円の土地開発基金ができるということでございますので、かなりの積立金額が確保できたということもございまして、ことしは税収も非常に厳しいというようなこともございますので、恐らく三兆円を超える積立金になると思いますが、その積立金で支障がないじゃないかという判断もございまして今回は積み立てをやめたわけでございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 地方自治体の一般財源に占める地方債の償還費の割合、いわゆる公債費負担比率ですけれども、これをまずお示ししていただきたいと思います。この比率について、今後の見通しについてどのように考えておられるのか、御所見を承りたいと思うわけでございます。  昨年の総合経済対策や平成五年度の地方財政計画によってもかなり比率は高まってきておりまして、さらに不況対策による地方単独事業の大幅な増加が見込まれていることからも負担比率は増加すると考えられますけれども、どのように対処されるおつもりか、お伺いしたいと思います。

松本英昭自治省大臣官房審議官

○松本(英)政府委員 お尋ねの公債費負担比率につきましては、昭和五十年度以降地方財政の財源不足に対処するために大変多くの地方債を発行したわけでございます。これによりまして、昭和五十年度以降一貫して上昇してまいってきたわけでございますが、その後、税収の比較的好調な時期には地方債の発行を抑制ぎみにしてきたこともございまして、五十九年度及び六十年度の一四・三%をピークとして徐々に低下してきております。最近五年間の推移を見ますと、昭和六十二年度一三・五%、六十三年度一二・四%、平成元年度一一・三%、二年度一〇・九%、三年度一〇・八%と三年度の決算までが今出ておりますので、これを見る限り低下をしてきているということでございます。  また、中長期的に地方団体におきます将来の公債費負担を軽減する観点から、既に財源対策債償還基金費として平成元年度から平成三年度まで五兆四千二百億円、臨時財政特例債償還基金費として平成四年度一兆一千九百億円を措置し、今後の公債費の負担に対処しているところでございます。  地方団体におきます公債費負担の将来の見通しというお尋ねでございましたが、これは今後の地方債の発行の動向等によりまして大変変わってまいりますので、自治省としてこの見通しを立てることは大変困難なわけでございますが、いずれにいたしましても、今後地方財政は、自主的、主体的な地域づくりとか、あるいは生活関連社会資本の整備、あるいは高齢化社会を迎えた対応というような現下の重要政策課題を推進してまいります上で今後一層大きな役割を担うことが求められておりますので、そのために地方債の活用も図っていかなければならないだろうと考えております。そういうときにおきましても、財政の健全化を一層推進しつつ、適切に対処してまいりたいと考えております。  それから、昨年の補正、そしてことしの当初予算、それから今回の不況対策等で大幅な地方債を発行することになったが、そのことによって公債費負担率が上がると考えるが、どう対処するかということでございます。これは先ほどから財政局長の方からも答弁がございましたが、地方財政計画の全体におきまして適切に見積もって対処していきたい、こういうふうに考えておるところでございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 そこで、公共事業についての国庫補助率の簡素合理化については、実施に当たって自治省の考えが明らかにされないままに実施されたように思うわけでありますけれども、今後国庫補助負担金について自治省はどのような方向性を考えておられるのか。また、明確なスタンスなしに国の財政負担を地方に転嫁するやり方を今後も認めるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 国庫補助負担率の恒久化の問題につきましては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、昭和六十年以降暫定措置というものがずっと続いてきておりまして、国と地方との財政関係が非常に不安定であるというふうなこともございまして、平成四年度において関係省庁が協議した結果、五年度から恒久化していこうという話になったわけでございます。  その恒久化していこうという議論をする場合に、お互いに話し合う一つの土俵となったことは、行革審におきましてこの国と地方との、国の負担問題についての御答申がございました。その中で、国の直轄事業のように国に責任のあるものは三分の二、国と地方とでお互いに責任を持ち合う補助事業というようなものは国が二分の一、そういう負担割合で、今公共事業の負担割合というのは非常に複雑多岐にわたっておりますから、これをできるだけ簡素化していくべきだ、こういう御答申もございまして、そういうものを受けまして、今回の恒久化に当たりましてはお話し合いをしていったわけでございます。  結果的には、四分の三というような高い負担率が五十九年度までにはあったわけでございますが、そこまでは戻すことはなかなか難しいわけでございますが、直轄事業については三分の二というものを中心にして、それよりやや高いものはそれよりちょっと率を高目にするとか、あるいは二分の一を中心にして、国にやや責任のあるものは少し率を上げようとかというような細かな配慮をしてもらったわけでございますけれども、基本的には三分の二、二分の一、こういうことで簡素化をし恒久化したものでございます。これは、やはり今までの公共事業の補助負担率の状況から見ますと、非常にすっきりした形になったんじゃないかというふうに私ども考えておりまして、この機会にそれでは恒久化しよう、そのかわり、それに伴う影響額については当面激変緩和措置として特別の地方債を措置しよう、こういうことにしたわけでございます。  国庫補助負担金の全体の問題といたしましては、やはり地方の自主性、自律性を高めるという観点からは、できるだけこの国庫補助負担金というものは整理合理化すべきものだというふうに考えておりまして、地方の自主性、自律性を高めるという観点から、各省庁とお話し合いのできたものについては、これはできるだけ一般財源化もしてまいりたいと思っております。その場合には、その一般財源化に伴う地方負担の増、これは地方財政計画で措置ができるかどうかということをよく検討して判断をいたしまして、それを受け入れていく、こういう考え方でこれからもやってまいりたいと思っております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 どうもありがとうございました。  では、厚生省の方いらっしゃいますか、高齢者保健福祉の推進についてお尋ねしたいと思います。  厚生省が示しました「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、いわゆるゴールドプランでありますけれども、これによりますと、平成十二年までにこの戦略を達成するために七つの重点項目を示しておりますが、この実現のためには、財源措置のほかマンパワーの確保が必須の条件であると考えるわけです。すなわち、保健婦それから看護婦、ホームヘルパー等の人材の確保が必要であります。これらの人材の育成、確保のための制度の確立がぜひとも必要であると思うわけでありますけれども、どのように考えておられるのかお伺いしたいと思います。

矢野正子厚生省健康政策局看護課長

○矢野説明員 お答えいたします。  今委員の質問にございますように、二十一世紀の本格的な高齢社会を国民が安心して暮らせるようにするために、やはり良質な医療を提供できるようにということで、医療供給体制の整備とともにこれを支える医療の従事者、とりわけ現在不足が指摘されております看護職員につきまして、その確保が重要な課題となっております。  このため、平成元年に策定いたしました看護職員の需給見通しというものがございまして、これを平成三年の十二月に見直しいたしまして、その中で「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、さらに労働時間の短縮等の動き、それらの要素を織り込みましてこれを見直し、取りまとめたところでございます。この見通しにおきましては、平成三年に、不足数でございますが、約七万四千人という看護職員の数が出ておりますが、平成十二年にはトータルで百十五万九千人で需給が均衡するであろうというふうに見込んでおります。  対策の方でございますが、従来から養成力の強化でありますとかあるいは処遇の改善、資質の向上あるいは就業の促進ということで、仕事についていない方々、そういった方々を掘り起こすというような各般の施策を講じてきたところでありますけれども、今後は、昨年成立いたしました看護婦等の人材確保の促進に関する法律及びこれに基づきまして昨年の十二月に基本指針を策定いたしておりますので、それを基盤といたしまして、離職の防止それから就業の促進というところに力点を置きまして、先ほど申し上げました需給見通しの達成に向けて、確保対策を推進していきたいというふうに思っております。

大田晋厚生省社会・援護局施設人材課長

○大田説明員 社会福祉関係の従事者のことについて追加をさせていただきたいと思います。  委員御指摘のとおり、このゴールドプランの実施の中核をなすものはまさにマンパワーの確保であるという認識でございます。この福祉関係の人材につきましては、一番大きな外枠といたしまして、二〇〇〇年、今世紀の終わりでございますが、ここまでに百十一万人の人材が要るであろう。現在七十五万から八十万人いますので、その差をこの残された期間に埋めていかなければならない。この大きなニーズは、ゴールドプランの実施、すなわち介護関係の職員がそのニーズの中心になろうというふうに考えております。  こういった観点に立ちまして、昨年六月、おかげをもちまして福祉人材確保法案が成立いたしました。この法案の中には、一つは、人材のニーズ、需要と供給をマッチングさせるということから、福祉人材センターの全県設置というふうなことが盛り込まれております。さらに、先ほどの看護職員と同じでございますが、基本指針というものの制定も求められておる。さらに、福利厚生センターという、よりゆとりのある豊かな職業生活を送っていただくためのセンターというものの設置も見込まれております。  このような観点から、つい先日、実は昨日でございますけれども、福祉人材確保の基本指針を厚生大臣告示で発したところでございます。  このように、人材センターの設置、基本指針の策定、さらには福利センターのこの秋の設置を見込みまして、総合的な対策を打って、人材の確保に全力を挙げてまいりたいと思っております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 また、さらに厚生省さんにお尋ねしますけれども、外国人に対する医療制度についてお尋ねしたいと思います。  現行法では、不法滞在者であることを理由に医師はこれらの外国人の診察を拒否できないことになっているわけであります。しかし、本人に治療費の支払い能力がない場合、医療関係機関の負担になっておるわけでありますけれども、さまざまな問題が生じているわけであります。  この解決のために、国において救済制度を確立する必要があると考えるわけでありますけれども、お尋ねしたいと思います。

伊原正躬厚生省健康政策局総務課長

○伊原説明員 お答え申し上げます。  先生お尋ねの不法滞在の外国人の医療費の問題でございます。  まず、外国人のうち、一つは、適法に日本国内に居住する者につきましては、内外人平等の原則に立ちまして、国籍を問わず、所要の負担のもとに必要な医療が受けられるような仕組みになっております。  しかしながら、先生のおっしゃいます我が国に不法に滞在する外国人につきましては、次のような問題がございます。  不法滞在でございますので、それが判明いたしますれば、出入国管理及び難民認定法の規定に基づきまして退去強制等の取り扱いの対象となること、これが一つ。それからまた、二点目といたしまして、医療保障を行うことが不法滞在を容認、助長するおそれがあるということなどの理由から、不法滞在を前提にして医療保障を行うということは難しい、かように思っております。  しかしながら、先生おっしゃいますように、医師法に基づきまして、医師は正当な理由がなければ患者からの診療を拒めないという応招義務というのが定められております。こういったような関係で、外国人が診療を受けた場合、医療費が払えない場合には、その費用が医療機関の負担になってくるという事例が生じておるわけでございます。この不法滞在の外国人の医療費の未払い問題、これに基づく医療機関の負担をどう措置するかということでございますが、これも、一方的にいたしますと不法滞在を容認するということにつながりかねない問題でございまして、なかなかこの点、非常に難しい問題がございます。  私ども政府としましては、この問題には関係省庁が非常にたくさんございまして、現在各省で連絡会議等を設置しまして鋭意検討しておるところでございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 時間がなくなってしまいまして、通産省さん、せっかくおいででございまして、また建設省さんもおいでになっていらしたのですが、もう時間が一分少々になってしまったものですから、いわゆる廃棄物処理の問題と広域幹線道路についての問題、これはまた別の機会にやらせていただくことにしまして、最後に大臣にお尋ねして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。せっかくおいでいただいたのに申しわけありません。  最後に大臣にお尋ねいたしますけれども、地方分権についてお伺いしたいと思います。  現在、パイロット自治体制度について議論されておりますけれども、昨年十月の朝日新聞のアンケートでは、「評価できる」と答えた知事はゼロでございます、「評価できない」と答えた知事は十六都府県の知事が答えておるわけでありまして、法制化を伴わない制度についての地方の率直な反応であったと私は考えるわけです。それに対する自治大臣の御所見をお伺いしたいと思います。少なくとも、地方分権のためには何らかの法制化が必要であると思うわけでありますけれども、いかがでございましょうか。大臣の御所見を承りたいと思います。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 御指摘のように、地方分権特例制度、いわゆるパイロット自治体の制度は法制化を伴わないものでございます。この制度のもとにおいて許認可等の運用について改善が行われ、地方の自主性、自律性が高まることになれば一歩前進である、こういうふうに考えておりまして、自治省としては、この制度が地方分権の一層の推進を図るために実効のあるものとなるように適切に対処してまいりたいと思います。  ところで、地方分権を進める具体的方策はいろいろなものが考えられますので、どれが実効があり、また現実的なものであるか、十分検討したいと思います。  実は、一昨日、経済関係閣僚会議がございまして、総理それから後藤田副総理も出席をして、そのときに規制緩和、ディレギュレーションについての総務庁長官の発言がありました。これは今御指摘になられた地方分権とも非常に関連があり、ぜひ規制緩和をこれからやっていかなければならぬ、こういうことで総理も御要望なされたわけでございます。私は、昨日、総務庁長官と会いまして、地方分権に非常に役立つということで、ぜひ規制緩和を進めてほしい、それから、パイロット自治体制度についてもお互いによく研究をしようじゃないか、こういう申し入れを具体的にいたしまして、鹿野総務庁長官もこれに対して、ぜひそうしましょう、こういうことでございました。  これは一番新しいことでございまして、地方分権それから規制緩和、これは宮澤内閣のもとでしっかり進めるべきことだと私は思っておりますので、御答弁申し上げます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 どうぞよろしくお願いいたします。  これで終わります。どうもありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 斉藤節君の質疑は終了いたしました。  午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時十七分休憩      ――――◇―――――     午後一時一分開議

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。北川昌典君。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 私は、法案の質問に入る前に、けさ新聞で報道されましたカンボジア問題についてお尋ねを申し上げたいと思います。  去る八日に、カンボジアにおきまして、国連選挙監視員としてボランティアの参加をしておりました中田厚仁さんが殺害されました。悲しい出来事でございますが、謹んで御冥福をお祈り申し上げたいと思います。  こうした事件の冷めやらぬ昨日、けさの新聞によりますと、カンボジアで文民警察として活動いたしておりました警察官が武装した集団に襲われて自動車と現金を強奪される、こういう事件が発生したと報道いたしております。また、カンボジアは急速に治安が悪くなっている、こういうふうにも報じておりますし、日本人がねらい撃ちにされている、こういうような報道もあるわけでございますけれども、これではせっかくの国際協力に対する国民の感情というものも非常に悪化をしていくのではないか、このように心配しますし、カンボジアに派遣されている皆さん方の不安も募るばかりではないかと思うのですけれども、こうしたカンボジア情勢を総理府はどのように把握されておるのか、お尋ねをいたしたいと思います。

貞岡義幸総理府国際平和協力本部事務局派遣担当参事官

○貞岡説明員 御説明いたします。  カンボジア情勢全般につきましては、従来より緊張が高まっているのは事実でございます。しかしながら、依然として我が国の国際平和協力法に言ういわゆる五原則は遵守されていると考えております。  昨日の我が国文民警察要員が強盗に遭った事件でございますけれども、協力本部事務局としましても非常に遺憾であると考えております。それで、早速現地に派遣されている要員に対しまして再度一層の注意を図るように指示を出したところでございます。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 中田さんが被害に遭ったその後、地元のUNTACとあわせてどのような対策というものが具体的にとられてきたのか。

貞岡義幸総理府国際平和協力本部事務局派遣担当参事官

○貞岡説明員 先般の中田さんの不幸な事件を踏まえまして、現在UNTAC本部におきまして具体的な安全対策というのが検討されておる最中でございます。例えば警備の程度を従来よりも強化する、あるいはカンボジア全国に設置されます投票所の数を縮小する、そういうふうないろいろな安全対策について現在UNTACで検討中でございまして、我が方としましても外交ルートを通じまして鋭意情報収集を行っている最中でございます。  それから、我が国の要員の安全確保につきましては、外交ルートを通じましてUNTACに対して一層の強化をするように申し入れている最中でございます。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 今度の被害者は警察官でございますけれども、警察庁として、職員を送り出した側でございますが、この事件についてどういった御意見をお持ちでございましょうか。

田中節夫警察庁長官官房総務審議官

○田中(節)政府委員 お答えいたします。  昨日、文民警察隊員が強盗に襲われるという事件が発生いたしました。警察庁として極めて遺憾に存じておるところでございます。  今回の事件に関しまして、私から総理府の国際平和協力本部事務局長に対しまして、我が国から派遣されております文民警察官の一層の安全確保を図るために情勢の変化に対応した方策が講ぜられますよう要請したところでございます。また、私からも、直接現地に対しまして安全確保のため適切な行動をとるよう注意を喚起したところでございます。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 こうした事件が続いてまいりますと、もちろん治安が非常に悪くなっておるということでございましょうけれども、派遣されておる皆さんは大変不安の中で従事しなければならない、不安というよりか恐怖の中で従事しなければならないという状況ではなかろうかと思うわけでございます。したがって、これは警察官あるいはまたボランティア、こういった区分でなくて、PKOに参加しておる皆さん方が安全の中で職務を遂行できるような対策というものを、対応というものをとっていかなければならないと思いますし、自治体の職員も行くわけでございますから、行っておるわけでございますから、そういう対応について、自治大臣はどのようなことをお考えになっておるのか。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 まず、私からも、ボランティアである中田さんがお亡くなりになられたことに対しまして心からお悼みを申し上げる次第でございます。  ただいまお尋ねになりました文民警察隊員が強盗に襲われるという事件が発生いたしまして、極めて遺憾でございます。被害に遭われた隊員に対して心からお見舞いを申し上げますとともに、今後このような事態が二度と生じることのないよう、文民警察のみならず、すべてのUNTAC要員の安全が確保されることを強く望むものでございます。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 今後の対応を十分とるように、しかとお願い申し上げておきたいと思います。  それでは、交付税関係に移りたいと思いますけれども、まず地方交付税の性格の問題でございます。  これまで自治大臣は、地方自治体固有の財源である、こう明言されて、すっきりした認識を示してこられました。また、昭和四十四年の当時の福田大蔵大臣も、固有の財源である、したがって地方自治体の自主財源だ、こういう答弁をされてまいりました。したがって、国の機関としては全部一致しておるか、私たちはこう思っておったわけでございますけれども、昨年の当委員会でのこの問題の議論の中で大蔵省は、地方から見てこれは固有の財源である、こういう答弁をされました。もちろん参議院の本会議では羽田大蔵大臣が、固有の財源だ、こういう言い方をされておりますけれども、若干ニュアンスが違うのでございます。  こうした考え方の違いが自治、大蔵の中であるということは、まだこの固有の財源だということが国の機関の中ですとんと落ちていない、決着していない、このように受け取るわけでございます。その点、大臣はいかがお考えですか、お尋ねします。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 北川委員の御質問、非常に重要な点であると思います。  地方交付税は、地域的に財源が偏在をしているという実態を踏まえまして、本来地方の税収入とすべきものを国がかわって徴収し、地方へ再配分することとされているものでございまして、国が地方にかわって徴収している地方税ともいうべき性格を有しておる、そういう性格を有した地方団体共有の固有財源であると考えております。この点については、私は大蔵省、自治省を通じて全く異論はないところであると思っております。  また、地方団体がその判断で自主的にその使途を定めることができる、地方団体にとって極めて重要な一般財源である、地方税と同じ一般財源である、このように認識をいたしております。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 大蔵大臣のこれに対する認識についてあした加藤委員の方からお尋ねすると思いますが、今おっしゃられたように、自治大臣としては、地方自治体の固有の財源、このことをさらに大蔵の方にも詰めていただいて、ぜひお互いがかみ合うようにしていただいて、そして今後の交付税の運営というものをしていただくようにお願い申し上げておきたいと思います。  次に、特例減額についてでございますけれども、昨年、一昨年と続いて減額措置がとられました。昨年は八千五百億、ことしはまた四千億円が提案されております。  昨年、ことし限りということをお約束になったと思うのです。また、我が党の中沢委員も昨年、仏の顔も三度、これ以上やられたら困りますよということで議論をしたと思うのですけれども、あに図らんや、ことしもまた四千億という減額措置が出されておる。これは地方自治体にとっては、市町村にとりましては、県を含めてですが大変なことなんで、昨日の参考人に出席されました二人の首長さんたちも、減額は困るんだ、つめに火をともして自治体の財政を守りながら、福祉を進めたりいろいろな住民サービスのための行政を進めておる、こういうお話がございました。しかし、口では言われなかったけれども、国がおっしゃることだからやむを得ないというふうにあきらめておるようなお話もございました。そのように、この交付税に対する首長さんたちの期待というものは大きいわけであります。したがって、このような繰り返し繰り返しの減額というものはまことにまかりならないことだと思うのですけれども、この点についての大臣の御意見を……。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 毎年度の地方財政対策を検討するに当たりましては、地方団体が当面する各種の財政需要に対応できるかどうかという点についていろいろと検討を加えているわけでございます。  平成五年度におきましても、そういう地方財政対策として十分措置ができるだろうかという観点からまず検討したところでございまして、いわゆる最近の景気の動向を踏まえました地方単独事業を思い切って増額できるかどうかとか、あるいは福祉関係につきましては、地域福祉基金、非常に評価されておりますが、この地域福祉基金の積み増しが可能かどうかとか、あるいはソフトの社会福祉経費の充実ができるかとか、環境保全の問題あるいは森林・山村の問題、いろいろな問題が地方団体にはあるわけでございますから、そういう政策課題に取り組めないような財政措置では困るわけでございます。そういう点について一つ一つ詰めていったわけでございます。  他方、地方交付税の問題につきましては、最近の非常に厳しい国の財政事情というものを背景にいたしまして、国庫当局からもまたことしも協力要請がございました。決して私ども安易にこの問題に対応したわけではございません。厳しい折衝を事務レベルでも随分続けたわけでございますが、大臣にも、大蔵大臣との間で二度にわたりまして折衝をしていただきました。この種の折衝は、大臣同士は一回で最終的に解決をするというのが通常のものでございますけれども、二回にわたりまして非常に厳しい両大臣の間の折衝もしていただきまして、その結果、やはり公経済全体のバランスのとれた運営を図るというために、やはり国に対して地方として四千億円を協力しよう、しかしこれは法律で将来きちんと返してもらうということを決めて、そして今回の法案の中にもこれを織り込んで御提案しているところでございまして、決して安易にこの問題に取り組んだわけではございませんけれども、以上、申し上げましたような事情を御勘案の上、御理解を賜りますようお願いを申し上げたいと思うわけでございます。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 公経済のバランス、こういうことでございますけれども、昨年までは大蔵から出るいろいろな文書等では地方財政の富裕論というのが盛んに宣伝されました。ことしは大蔵のいろいろな文書の中にもそれは影を潜めたようでございます。かわって公経済のバランスという言葉がたびたび出てくるわけなんですけれども、この公経済のバランスというのはどういう意味なのか。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 行政事務を行うのは国と地方団体が共同して行っているわけでございまして、住民に身近な行政はできるだけ地方自治体にお願いをして行政をする、こういう建前でやっているわけでございますから、国と地方との間にはいろいろな形での関連がございます。権限的にも国と地方との間の権限の問題がございますけれども、財政問題におきましても、税源配分一つをとりましても、国と地方との間でどういう税源配分をしていくか、どういう税目を国税にし、どういう税目を地方税にしていくかというような問題がございますし、国の補助金というのは御案内のとおり非常にたくさんのものがあるわけでございまして、こういうものがお互い入り組みながら、円滑な運営のもとに我が国の行政が行われているというふうに私どもは理解しているわけでございます。  そういう意味で、地方だけが非常にうまくいって、国がうまくいかないということになりますと、どうしてもここのところの行政事務というものが円滑にいかなくなってしまう、こういう問題がございますので、やはりこれは国と地方との間でバランスのとれた状態で、お互いに国と地方とが密接に関連し合いながら行政をしていく、こういうのが一番望ましいというふうに考えまして、地方の財政を保障した上で国とのバランスというものを考えながら御協力をする、こういう考え方で今回四千億の減額をしたものでございます。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 確かに国の経済も厳しい、だから、一方では地方の財政が豊かだとはならないわけで、国の財政も確かに厳しいが、地方の財政も厳しい。その中に手を突っ込んでくるということは、やはり地方自治体にとっては本当に耐えがたいことなんです。したがって、こういった特例減額というのは、ことし限りにしていただきたいという首長さん方の声も強いわけなんですけれども、そこらあたり、どうなんでしょうか。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 地方財政対策なり地方財政の需要というものは地方財政計画で積み上げていくわけでございますけれども、他方、歳入面におきましては、交付税は御案内のとおり、今国税五税の一定割合ということになっているわけでございまして、自動的にこれは地方の固有財源として保障されるということでございますから、この固有財源というものは、基本的には地方に属するものだというふうに考えなければならないものだと思います。  そういう過程の中で地方財政対策を講じていくわけでございますから、年々の財政状況はなかなか予測できない問題がございまして、今回限りとかということはなかなか申し上げにくいわけでございますが、こういう国に対する貸しというものがずっと続くということは、これは私どもにとっても本意ではないわけでございまして、できるだけ地方の財源を充実していくという方向から申しましても、こういうやり方はやはりやりたくないわけでございますので、明年度以降も、財政対策を講ずる上に当たりましては、厳しくそういう点について検討していくということをやってまいらなければならないと思っております。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 やりたくないことはやらない方がいいわけでございますので、できるだけやらないように努力をしていただきたいと思うのですけれども、この点については、大臣、いかがでございましょうか。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 お答え申し上げます。  私は、この制度には長く直接かかわっておりまして、この実務もよく存じておりますが、もちろん国の財政に地方交付税から貸しをするということは、望ましくないことはよくわかっております。  ただ、公経済の両翼を担うという点で、実は昨年の十二月十一日、総理から自治大臣に就任を要請されましたときにも、特にこの問題、地方交付税ずばりではございませんが、地方財政全体について国家財政とともにいろいろな御協力をいただかなきゃならぬというお話がございました。そして、大蔵大臣の査定の際には、私は関係大臣の査定に立ち会って、大蔵大臣とともにこれを聞いたわけでございます。そして、どのような財源が必要であるか、どういう事業がどういうふうになっておるかということを一々聞きました。  そしてまた、先ほど財政局長が申し上げましたように、総理からの重ねてのお話があり、この問題については公経済の両翼として受忍すべきものと決意をし、そしてまた、これは大蔵財政に対する地方財政の貸しであるから、だから必ず返していただくということを確約してお貸ししたわけでございます。もちろんこのようなことは二度と起こらないことが望ましいわけでございますが、そういった経緯がありまして、四千億の貸しに応じたという経緯がございます。  したがって、今後も国家財政、地方財政の間でいろいろな相談がありますが、これについては誠実に対応しつつ、しかもこれは地方財政の国家財政に対する貸しであるから必ず返していただくという前提で対応をしていくことになります。もちろん、こういったことが再び起こらないことを心から望んでおるものでございます。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 ひとつぜひ今後は頑張っていただきたいと思います。  次に、交付税の直入問題でございますけれども、原油等関税あるいは電源開発促進税とか地方道路税、こういった税金については国税収納金整理資金会計に直接繰り入れております。ところが、交付税については一たん一般会計の歳入として入れて、そしてそれを歳出に出し、そして特別会計への繰り入れ、こういう方式がとられております。なかなかややこしい方式がとられているわけでございます。  先ほども大臣、認識をお示しになったように、地方交付税は自治体の固有の財源である、こう言う以上は、特別会計に直接繰り入れてもいい性格のものではないかと思うのですが、これも毎年毎年同じことが議論されます。なぜこれが直入できないのか、お聞かせをいただきたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 この交付税の特別会計への直接繰り入れの問題につきましては、ただいま御指摘のように随分長い経緯がございます。また、地方制度調査会の答申などにおきましてもしばしば御指摘をいただいている問題でございまして、自治省の立場からすれば、地方団体の共有の固有財源であるということを明確にするという見地からすれば、それは特別会計に直接繰り入れてもらうことが一番望ましいものだというふうに考えておりまして、こういう点から、毎年度この予算編成時期には、私どもから国庫当局に対しましては直入問題についての議論をしているところでございます。  大蔵省の立場からすれば、この交付税を一般会計から除きますと、一般会計の規模が国の財政を反映しなくなってしまう、非常に大きな金額を交付税が占めているということもございます。また、収納実績に応じて交付するということになりますと、現在は、交付税は四月、六月、九月、十一月、この四回が普通交付税、それから十二月と三月に特別交付税を交付するわけでございますが、この決められた交付時期に今の法定額を交付できなくなるのじゃないか、こういう問題を指摘されておりまして、なかなか国庫当局との間で合意ができるような状況にまで来ていないということでございます。  私どもはかねてから、この問題については直入すべきだということを言い続けておりまして、その実現に向けまして今後とも努力をしていきたいというふうに考えております。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 自治省に頑張っていただいて、大蔵省がこれを拒否しているという状況はやはり固有の財源でないということをあらわしておると思うのですけれども、今後ともそれは御苦労ですけれども大蔵に対しての交渉を続けていただくようにお願いを申し上げて、直入ができるように頑張っていただきたいと思います。  次に、森林・山村対策についてお尋ねをいたしたいと思います。  森林を抱えているところの首長さんたちの一番の悩みは、何といいましても高齢化社会の中での福祉の問題、あるいは森林をいかに育てていくのか、守っていくのか、あるいは点在する集落をどう維持していくのか、こういった悩みが常にあるわけでございます。そういった意味で、私ども、この森林・山村対策をこれまで強く要求してきましたけれども、新しい年度におきまして交付税で森林・山村に対する諸施策が措置されたということは一定の評価をいたしたいと思いますし、また、山村を抱える首長さんたちもこのことについては大きな期待を持っておるわけでございます。これは自治省を初めとしまして、国土庁、林野庁の御健闘の結果であるし、敬意を表したいと思います。  そこで、せっかくこうした交付税措置をとっていただきましたが、これが基準財政需要額の中に一般的に組み入れられていくものなのか、それとも単年度で終わるものなのか、そのあたりが十分わかりませんので、お聞かせいただきたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 森林・山村対策につきましては、昨年から関係省庁とも御協議をしながらこの問題に取り組んできたわけでございます。そして、山村地域の振興、それから森林の持ついろいろな公益的機能の維持増進を図るという観点から、地方財政の立場からも一定の支援をしていきたいということで、地方財政計画で千八百億円の金額を確保いたしまして、これを地方債と地方交付税で措置をしていく、こういうことにしたわけでございます。  この問題は非常に息の長い問題でございますから、平成五年度に初めてこれをやるわけでございますけれども、まだいろいろと御意見もあろうかと思います。あるいは足らないところもあろうかと思いますので、これを骨子にいたしまして、これを充実していくということを検討していかなければならないというふうに考えているわけでございまして、決してことし限りということではなしに、今後ともこの施策を充実させてまいりたいというふうに考えているところでございます。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 山村対策は、これまでとられてきました過疎対策、過疎法に基づく対策あるいはまた山村振興対策法、こういった施策と連動していかなければ実効は上がらないと思うのでございますが、そういった意味で、その実効を上げるためには、かなり長い期間といいますか、できますならば今全国の山村を抱える首長さんたちが強く要求されております森林交付税、こういったものに発展的にしていただく、このことも大事ではないか。きのうも参考人の首長さんがおっしゃっておられましたけれども、やはり財源の傾斜配分をぜひお願いしたい、これは三千三百のうちのかなり多くの部分の首長さんたちの声だと思うのです。そういった意味で、この交付税措置については将来的にさらに検討いただくように、これはお願いを申し上げておきたいと思います。  次に、今度の交付税措置の中で林道の整備事業が出てまいっております。時宜を得た一つの施策だと思っておりますけれども、集落を維持していく、そのためには何としても点在する集落と集落の間の道路が必要でございますし、そのことによって集落も支えられていく、そして余り人も外に出ていかない、こういう状態ができるわけでございまして、そういった点で今度の交付税措置は大きな前進であろうと思います。  こういう中で、今までの例をとりますと、そういった集落との連絡道あるいは道路がないために長年続いてきた集落が崩壊していく、集団移転をしていく、こういう事態が私の宮崎県でも起きております。山間地域にはそういう崩壊寸前の集落、いわゆる限界集落というそうでございますけれども、こういったものがかなりあると思うのですが、この限界集落、このままほっておくと崩壊につながるというような集落は全国にどのぐらいあるのか、国土庁、お見えになっておりましたらお教えいただきたいと思います。

小濱本一国土庁地方振興局総務課過疎対策室長

○小濱説明員 集落の移転が必要な崩壊寸前の集落がどのくらいあるのかという御質問でございますが、これに直接お答えする数字はございません。参考になるデータといたしまして御説明申し上げますが、平成元年に国土庁で行いました実態調査によりますと、千百五十七市町村中集落移転あるいは再編成が望ましい集落につきまして、あるのかないのかということに対しまして、今申し上げました千百五十七市町村のうち二百一市町村があるというふうに回答しているところでございます。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 こういった集落が崩壊寸前、崩落寸前という集落のようでございますが、やはりこうしたものを崩壊を防いでいく、このことが大事なことであるし、そのための施策として林道、こういったものがなされておる。したがって、先ほど申しましたが、単年度といいますか短い年度でこれが終わるということではなくて、かなり長い期間をかけての措置というものをお願いしておきたいと思うわけでございます。  さらに、崩壊しました集落、この前も私ちょっと例を申し上げましたけれども、宮崎県の寒川という集落がございまして、前は二百五、六十人住んでおった、何百年も続いた歴史のある集落でございました。分校もございました。ところが、その道路の行き詰まりとかこういったこと、また水の管理もなかなかということで、若者が今の状態ですから都会に出ていった。残ったのはわずかに十三名。集落の維持ができない、水の管理もできない、環境整備もできないということで、結局集団移転をしたわけでございます。  ここにやはり一つの問題があるわけですが、この集団移転をするに当たっては、今まで住んでおった家を壊すかあるいは住めない状態にしなければ移転の対象にならないということで、この対象者の皆さん方は、泣く泣くそういう状態をつくられて、市がつくった市営住宅に移転されたということがございます。私もこの問題に直接かんだことがございますが、家を壊さなければならないという条件、こういったものはまだ今も続いておるのでございましょうか。

小濱本一国土庁地方振興局総務課過疎対策室長

○小濱説明員 お答えいたします。  集落の移転でございますから住居を移転するということについては必要でございますが、先生お話がございましたような移転前の住宅をそういう形で撤去しなければならない、こういうようなことは要件とはしておりません。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 かつてもそういうことはなかったのでしょうか。今申し上げたところはそういう条件で屋根をはがして、そして移転せざるを得ない、もう住めないという状態があったわけなのです。それは県の方が国との制度の違いを誤解しておってそういうことをさせたのか。私たちも何遍も県と折衝しましたが、これは制度上だめなんですということがあったことも事実でございます。それがないというのなら、それはいいと思います。  ただ、今後の一つの問題として、二百近くあるということですが、これが今後どうなっていくのかわかりません。しかし、これが集団移転するなりしたときにそこの跡地をどう活用するかというのも、山村振興のために大きな問題が提起できる、私はこのように思うのです。  こういうように何十戸もあった集落である、また何百年も続いた集落というのはかなり歴史を持っているわけですね。山間地域ですから、石垣を高く積んだ屋敷とか、こういう今ごろなかなかできない状況の屋敷が段々であるわけなのですね。それから、家も古い頑丈な昔のつくりの家ということですから、こういったところをいわゆる都会との、都市の人との交流の場にするとか、あるいは農水で考えているようでございますけれども、自然との触れ合いという中で、一時的に滞在してそこで農作物をつくるとか、こういったように、もと住んでおられたところの地域が将来的に生きていくような施策というものが、活用方式というものがとられないのか、そういったことは今までお考えになったことはないのか、お尋ねしておきます。

小濱本一国土庁地方振興局総務課過疎対策室長

○小濱説明員 過疎地域集落再編整備事業等で移転した後の空き家あるいは跡地につきまして、御指摘のとおり、その地域の特性に応じてその活性化のために活用することが可能なことも十分あり得るのではないかというふうに考えます。また、そういう活用をすることによりまして廃屋等による景観の悪化を防止するだとか、あるいは土地等の保全が図られるだとか、あるいは都市との交流入口の入り込みによって当該地域の活性化が図られるだとか、そういった効果も期待できるというふうに認識しております。  国土庁といたしましても、そういうような観点から、空き家についての有効活用あるいは整備を行うことによりまして都市との交流の場等としての再生を図るための補助事業でございますが、ふるさとC&Cモデル事業というものを設けましてそういったことの推進を図っているところでございまして、今後ともこういった事業を活用いたしましてそういった事業の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 林道問題になりますが、そういったものを有効に活用していく上にも道路というものは整備されなければならないし、林道というものは整備されなければいけない、こう思うのです。  このふるさと林道と今度は連結するアクセスというものも必要なのですが、このため、林野庁では、従前といいますか、かなり前から大規模林道の整備にかかっておられます。私のところにも、大分県の宇目から須木村のところにつながる大規模林道、もう三十年以上になるのではないかと思うのですけれども、まだ目に見えてないというのが実態でございます。この宇目・須木線の進捗状況と今後の完成見込み、どのくらいかかるのかお聞かせいただきたいと思います。

青柳朋夫林野庁指導部基盤整備課長

○青柳説明員 大規模林業圏開発林道事業につきましては、全国七地域、十七道県で実施しております。お話のあります大規模林道、宇目・須木線につきましては、昭和四十九年に事業を着手しております。総計画延長百三十七キロメートルに対しまして、平成四年度末現在で四十二キロメートルが完成しております。したがいまして、進捗率は残念ながら約三〇%ということにとどまっております。このような事業の進捗状況から見まして、全線開通までにはなお相当な年数を要するものと考えておりますが、林野庁といたしましては、大規模林業圏開発の基幹的な林道開設事業として、その重要性あるいは地元の皆様の期待の大きさにかんがみまして、今後とも本事業の進度を高めていくべく努力してまいりたいと考えております。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 長い距離でございますから、そう簡単にということにはいかないでしょうけれども、ただ、この建設の仕方の問題として、山村地域で集落等との連結ができるとか、供用開始によって実効の上がるような箇所を優先的といいますか先に工事を進めていく、そしてその地域のいろいろなものに資していくということが大事ではなかろうかと思いますけれども、そういった方法はとっておられるのかどうか。

青柳朋夫林野庁指導部基盤整備課長

○青柳説明員 先生御指摘のとおり、この宇目・須木線につきましても、いわゆる工事区間としまして三つ設定してございます。それぞれの工事区間におきまして何カ所かで工事を着手するという形で、その工事区間が完成あるいは部分的な完成を見た場合には順次供用して皆様の御利用に供するという方向で進めているところでございます。今後とも進捗につきまして努力していきたいと思います。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 そういった点はやはり、計画にのせたからそのとおりということではなくて、地元のいろいろな状況も判断され、地元の要求というものも受け入れられて工事を進めていただくようにお願いをしておきたいと思います。  そういう林道等の整備が進む中で、やはり一番問題なのは、山の担い手いわゆる山林労働者の不足が非常に大きな問題であると思います。そういった点で、今度の交付税措置で担い手対策として五百億円の基金が出されております。これは一つの福音であろうかと思いますけれども、これもまた実効あるものにしていただかなければならないわけで、受け皿はできましたが、その中に入る者がおらないとこれはどうにもならないわけでございまして、そういった点で、後継者といいますか担い手をどうつくり上げていくか。基金はできたが、さてその基金を使う担い手、どこが対象になるのかということになっては意味がございませんので、この担い手対策についてはどのようにお考えになっておるのか、お尋ねしたいと思います。

関川和孝林野庁林政部森林組合課長

○関川説明員 先生御指摘のとおり、林業労働力、担い手の減少、高齢化が山村では大きく進行しているわけでございまして、それを安定的に確保するということが林政の重要な課題であると私どもは認識しているわけでございます。このため、林業事業体の規模拡大等の体質強化あるいは高性能林業機械の導入、雇用の長期化、安定化などによります就労条件の改善あるいは労働環境の改善といったことを重点といたしまして諸施策を推進しているところでございます。  特に平成五年度におきましては、これまでの施策に加えまして、青年林業者等育成確保資金あるいは林業労働福祉施設資金の創設といったことを内容といたします法制度の改正ですとか、あるいは流域を単位といたしまして事業体の体質強化、機械化の促進、林業労働力の確保を図るための流域林業サービスセンターを設置するといったような事業も予定しております。また、先生今お話もございましたように、所要の交付税措置といったことも関係省庁の御支援によりましてスタートするということでございます。またあわせて、林業へ労働基準法の全面適用を行うといった改正も今国会に提出されているところでございます。  私どもといたしましては、このような予算、金融、法制度、さまざまな措置を総合的に活用いたしまして林業の担い手の育成、確保に努めてまいりたい、こう考えております。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 こうした担い手の減少でどうにもこうにも山の経営ができなくなったというところで、私が知っている限りでは宮崎県の諸塚村という村がございます。それから愛媛県の久万町、高知県の大豊町、その周辺の三つ四つ、それから熊本県の小国町、こういったところでは若者育成、いわゆる林業の担い手として若者を育てていく、そしてそれを職業として山を守ってもらう、こういう意味で役場と森林組合それから経営者で第三セクター的なものをつくって、役場職員並みの条件で雇用して今運営をしておる。  これはそれぞれの自治体によって人数は違いますけれども、ただ、山が今のような状況でございますから大変運営は厳しい。せっかくつくり上げたものが先行きが不安ということではこれは困るので、したがって、こういった知恵を出してやっておられる第三セクター的な、その主導的役割を果たしている自治体に対して何らかの支援というものも必要ではないかと思うのですが、今度のこの交付税措置の中では全く考えられないのか、ほかに方法はないのかお尋ねしたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 森林管理のために第三セクター方式によって運用していくということは、今御指摘の市町村で現実にやっておられるようでございまして、やり方として非常に有効な手段の一つではないかというふうに評価をされているということを私どもも伺っているところでございます。  平成五年度におきましては、そういうことも踏まえまして第三セクターを設置する場合におきます出資でございますとかあるいは第三セクターの立ち上がりのときの人材養成の経費、こういうようなものについて交付税措置を講ずることといたしております。  今御指摘のように既存の第三セクター、こういうものについて直接的な支援措置はまだできていないわけでございますが、例えばこういう既存の第三セクターが増資を行うとか、これに対して地方団体が増資を行うとか助成を行うというようなことが考えられるわけでございますので、これらの点につきましては今後具体的な事例に即して検討してまいりたいというふうに考えております。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 これはせっかく育ちつつあるものですから、その芽をつぶしてはいけない、育てなければいけない。したがって、そういう意味で何か特別交付税等で措置はできないのか。今のところ数は全国的には知れているわけなんです。ただ、やはりセクター全体の運営が厳しい、そのためには役場がかなり金を出さなければならない、役場だって財政が厳しい、こういうことでございますから、そこへの支援というものを考えていただきたいと思うのですが、いま一度。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 今までございます第三セクターを設置している市町村は自分たちの財源でこれを設立するということでやってきたわけでございまして、一つには平成元年度からの例のふるさと一億円という措置が毎年毎年行われているわけでございますから、まさにこういう事業に対してこのふるさと一億円がソフトの経費として充てられるべきものではないかと思いますし、そういうことでお使いになっている市町村もあるというふうに伺っております。具体的な状況をよくお伺いいたしまして、具体的な事例に即してこれからも検討してまいりたいというふうに考えます。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 今からつくるところにはいろいろな増資とか出資等には出すわけでございますから、今までの分と思えば、これは検討していただくことも大事なことではなかろうかと思いますのでお願いしておきたいと思います。  それと担い手基金の配分でございますね、五百億。東京都あるいはまた大阪、こういうわけにもいかないでしょうが、どういった基準でこの基金は配分されるお考えなのか。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 担い手基金につきましては、県ごとに担い手対策のための基金を設けていただこうということで、都道府県分に基準財政需要額で算入をしたいと思っております。指標といたしましては林業就業者数とかあるいは林野面積などを指標として算定をするということで、そういう方々の多いところあるいは面積の大きいところに傾斜的に配分されるような、そういう算定方式を検討したいと思っているわけでございます。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 山を守っていく担い手の問題も含めて、森林組合の持つ役割というのは非常に今から大きいと思います。今度の新農政の中でも農林省が出しておりますのは、森林組合に山間地域の農業を委託するという考え方も出ているようでございまして、そういった意味では大変森林組合の役割は大きいわけでございますけれども、そういう森林組合の活動をより円滑にするために考えていただきたいことがあるわけです。  組合法の二十六条によりますと、組合がみずから経営すると認めた森林及びそれに附帯する事業を行おうとするときには組合員の三分の二以上の書面による承諾、同意が要る、こういうことになっているようですけれども、これだと、三分の二以上の書面の同意を得るのには一年かかるときもあるらしいのです。それぞれ出稼ぎに行ったりしていらっしゃらないところもございますので、こういった三分の二以上の書面による同意でなくて何かいい運用面での方法はないのか、これは今の時代に適しているのかどうか、こういった点、林野庁いかがでございましょうか。

関川和孝林野庁林政部森林組合課長

○関川説明員 先生お尋ねの件は、森林組合がみずから森林経営を行うということについての御質問かと存じます。  先ほどから議論も出ておりますけれども、近年の山村の過疎化などに伴いまして不在村者所有の森林がふえる傾向にあるとか、あるいは経営意欲の低下によりまして森林所有の管理が粗放化するなどといったことによりまして、森林の持つ機能の維持増進が困難になっているといった場合も見受けられるわけでございます。  このため、森林組合が組合員の経営する森林の施業ですとかあるいは経営の受託を行うほか、地域の森林の適切な管理の確保という観点からみずから森林経営の事業を行うことが補完的に認められるということでございます。この場合、森林組合は、本来組合員である森林所有者の森林経営のために共同利用事業を行うということを目的としているものでございます。したがいまして、組合がみずから森林所有者となって組合員経営と競合が生じることのないよう、特に配慮する必要がございます。このような観点から、本事業を開始する際、御指摘のような所要の手続を必要としているということでございます。  森林組合の森林経営事業につきましては、林業の採算性が低下する中で森林の取得ですとかあるいは経営を行うための財務基盤がないといったこと等が推進のネックになっていると考えられます。このため、森林の持つそういったいろいろな機能を円滑に増進していくといったことのためには、森林組合がみずから森林の経営を行うことも一つの方法であるということでございます。地域の実情に即しまして適切な森林管理が行われますよう、例えば森林取得資金の融通ですとか、造林なり間伐事業等の支援の措置を活用しながら、円滑な推進が図られるよう務めてまいりたいと考えております。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 山林所有者を圧迫するわけではないわけですよ。今、経営ができないので放置されつつある、荒廃しつつあるというのが森林の現状なんです。それを森林組合がかわって経営していこうか、そのためにはこういった三分の二以上の書面による承諾なんかがありますとなかなか進まないわけなんですよ。一年前に計画して三年先にしかそれが実現しないということでは、今の山を守るということがなかなかできない。したがって、こういった法的な規制というものをある程度緩和する、このことはできないのかと。そうでないと、山は荒れていくばかりになってくるわけなんです。  今度の交付税の中でも公有化の問題、担い手がおらないあるいは荒廃しておるところは、環境の面から必要なところは公有化していくという交付税措置も出てきておるわけですから、それと同じように、管理できない森林を森林組合が引き受けてやろうじゃないか、こういう事業に対しての問題ですから、金を貸すとか貸さないとかいう問題じゃないと思うのですよ。いかがですか。

関川和孝林野庁林政部森林組合課長

○関川説明員 今ほども申し上げましたけれども、森林組合の組織の性格づけといいますか、極力その地域内の森林所有者がみずから地域内の森林の管理なり経営をやっていただくというのを基本にしてございます。先生おっしゃられるように、確かに山村におきましてはそういった担い手がなかなかいない、あるいは減っているといった状況にございます。したがいまして、御承知のとおり、八割の森林組合が直接の作業班を持っております。そういうことで森林の施業の受託をしますとか、あるいは経営を受託するとか、それは先ほど申し上げましたけれども、いろいろな資金を利用しながら、あるいは造林なり間伐事業も支援しながらそういったことを円滑に進めてまいりたいと。  ただ、この森林組合が直接みずから経営を行うといった場合も、地域によっては考えられるところでございます。そういった面で所要の手続と申し上げましたけれども、例えば先ほどの同意にしましても、これは個別に、そのたびごとに同意をとっていただくのじゃなくて、そもそも森林組合がそういう経営をやろうというときに、包括的に事前に一回とっていただければよいということでございますので、またいろいろな具体的な事情がございますれば、私ども十分に御相談にあずかってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 次に、消防問題に移りたいと思いますけれども、一つは、交付税の基準財政需要額の中の消防職員の算出基準と消防力の基準、これに大きな乖離がある。例えば標準団体、人口十万で四十人程度の差が生じる、こういうふうに言われております。  この乖離の一つの原因には、基準財政需要額は人口ベースで行われておる、消防力基準については人口、それから密度数、気象条件、面積に応じて車両数が算出され、その車両に応じた勤務形態で職員数が決まる、こういうようなことのようでございますからこの乖離があるわけですが、この消防力基準に基準財政需要額の算出基準による人数を近づける、こういうことが今必要ではないかと思うのですが、その点、いかがでございましょう。

浅野大三郎消防庁長官

○浅野政府委員 必要があればまた後ほど財政局長の方から答弁があると思いますが、まず消防サイドから説明させていただきますと、今標準団体につきましては、私は消防力の基準と交付税の算定基礎というのは合っているというふうに申し上げてもいいのじゃないかと思います。と申しますのは、これは標準団体というのは一つのモデル設定でございますから、そのモデル設定におきましては、そういう団体において一体どういう行政規模が必要なのか、あるいは職員配置がどういうものが必要なのか、これは消防力の基準によってやっていただいております。  ただ、問題は、具体的に交付税を算定いたします場合には、これはもうそれぞれの団体によって事情が千差万別でございます。それで、まさに消防力の基準を個別の団体に適用いたします場合には、先ほど御指摘いただきましたように、やはりその地域の状況、特に気象条件だとか中高層の建築物だとか、そういうようなものが大きな影響を与えることが多いわけでございますが、それだけでもございません。そういうもろもろの状況によって必要な機材というものが出てまいる、そうすると、その機材に張りつく人間が要るだろう、こういうことで算定いたしたものですから、個別の団体については、これは差が出るという場合もあり得るわけでございますが、標準団体に関しては、先ほど申しましたとおり、合わせて算定するようにしていただいておるということでございます。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 人口がベースでございますから、例えば過疎地域になりますと、面積は広くても人口が少ないということで、基準財政需要額の中では数が消防力基準よりも少ない。そういったところが都市の場合と地方の場合の違いというものもあるわけでございまして、そういった面では消防は過疎地域では福祉対策も一つ含んでおるわけですから、そういう消防力を増強していくような対策というものも検討いただいておきたいと思います。  救急救命士のこともございますが、これは一応抜かしまして、徳島県の三好郡に行政組合が、これは複合組合でございますけれども、できておりまして、広域消防をつくっております。これは八カ町村だそうでございますが、この八カ町村に一本部五署あったのを、今度二町村の分署を合併して一署にする、こういう案が出され、そして四月一日からこれが実施されておるようでございます。  これまで、これは名前を挙げますと、西祖谷山村、東祖谷山村、この二つに署があったわけでございますけれども、この署を統合して一つにする、それまでの職員は十三、十三でございましたから二十六名、これを統合して十二名にする、こういうことで今スタートをしておるようでございます。さらに、救急車を一台のけまして、タクシー会社に救急車を渡して搬送業務を委託する、こういうことで四月一日から合併しているようでございますけれども、救急業務はまだ契約は結ばれていないということです。こうした救急業務がまずタグシー会社に委託できるのかどうか、お聞かせいただきたい。

浅野大三郎消防庁長官

○浅野政府委員 まず救急業務というものをどういうものとしてとらえるかということを先に、定義的で恐縮でございますけれども、やや厳密な議論をした方がいいかと思いますので申し上げさしていただきたいと思うのでございます。  私どもは、救急業務というのは、消防法で規定されているところの救急業務、こういうものであるという前提に立ちまして考えますと、これは消防法の施行令で救急隊の編成基準その他もちゃんと決めておりますし、こういうものは当然消防機関が自分でやるものだ、そんなものを委託することは予定しておらない、こう考えております。  ただ、そういう消防法の救急業務とは別に、便宜、病気になった方を、病院に行くのに大変でしょうからいろいろな手だてを講じてあげるとか、こういうのが福祉政策として行われるとすれば、それはまた我々がやっております救急業務とは別の世界の問題でございますから、そこについてはちょっと私ども何ともコメントのしようがないということでございます。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 福祉業務は消防がやるということじゃないわけで、まさに山村地域はすべての行政が福祉を抜きにしてはできないという意味で先ほどは申し上げたわけで、今消防とあわせて言ったわけじゃございませんので、御理解いただきたいと思います。  しかし、それが現実にやられようとしているわけなんですね。救急車をタクシー会社に渡して、タクシー会社がこれを委託して搬送する、こういうことのようですが、運転手さんは一人。搬送するにしてもこれは大変なことになると思うのです。したがって、今おっしゃったようにこれはちょっと問題があるということであるならば、この消防組合に御指導いただきたいと思うのです。これは調査をされた後でもいいのですが。  それともう一つは、十二名で今の週休二日体制の中で消火活動とか防災活動、いわゆる消防業務が可能なのかどうか。十二名の体制で二十四時間交代勤務です。

浅野大三郎消防庁長官

○浅野政府委員 具体の事例についてのお尋ねでございますが、私考えますのに、この問題はやはり当該団体、あるいは組合でございましょうか、そこの行政、あるいはもっと広い、政策と言ってもいいのかもしれませんが、そういう判断としてどう考えていくのがいいのかという問題に、範疇に入るような事柄ではないのかなという気がしておるわけであります。  と申しますのは、救急自動車のことを例としてお示しいただいたわけでございますが、実はお尋ねの組合は人口が五万八千ぐらいなんでございまして、そこで従来六台救急自動車を持っておった。消防力の基準で救急自動車というのはどういうふうに決めておるかといいますと、人口五万につき一台、こういう感じで決めておるわけでございまして、あとは地域の事情によって、そこの判断によって非常に幅があるわけでございます。そこのところをどう考えるかということでございますものですから、なかなか基準に照らして非常に少ないとかなんとか、そういうことになってこない話があるということをひとつ御理解いただきたいと思うわけでございます。  それからもう一つ、職員配置の問題でございますけれども、これもモデル計算として、一つの自動車にどういうふうに職員が張りつくか、そういう計算ができるわけでございますが、実際にはどうかといいますと、ポンプ自動車と救急自動車というものをある署で持っておって、それを両方のにらみでどういう職員を配置するかとか、あるいはその地域の火災発生件数がどうであるかとか、消防団との連携がどうか、そういうようなことをいろいろ考えながら、最もうまくいく体制はどうかというようなことで具体的には配置が決められているのだと思います。一概にその数だけをとらえて、これがどうかということは、なかなか判定が難しいような面があるということも御理解いただけたらと思います。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 これは、私も現場に行ったことではございませんので十分この実態は見ておりませんけれども、そういう実態があるということです。今まで二十六名でやっていたものが十二名ということになると、その地域の消防活動というものは制限されてくるわけなんです。そこを一遍調査をしに行きたいと思います。  それと、この組合は行政組合でございますけれども、極めて組合としての形態を整えていないと私は思うわけでございます。この合併は、一つの原因は財政的に厳しくなったから、西祖谷山村、東祖谷山村に署がありまして、組合でございますから組合に対して負担金を出さなければならないのが、本部費は出して、そしてあとは西祖谷山村、東祖谷山村がそれぞれの署に金を出すということで、所属する町が運営しているような消防行政になっているわけなんです。ここに問題があると思うのです。したがって、この一部事務組合は複合事務組合でありますけれども、こういった運営のあり方について自治省としてはどのように指導されておるのか。

紀内隆宏自治省行政局長

○紀内政府委員 一部事務組合の経費の負担方法につきましては、地方自治法の二百八十七条というところに規定がございまして、関係の地方公共団体の協議を経て定められる一部事務組合の規約というものに必ず記載しなければいけない、こういう定めになっております。その協議に当たりましてはそれぞれの構成団体の議会の議決を経なければならないということになっておりますし、またその経費支弁の方法につきまして変更を加える場合も同様の手続を必要とするということになっているわけでございます。  通常その負担がどういうふうになっているかといいますと、負担金による場合が通例でございましょうが、その場合の負担割合などにつきましては個々の組合におきまして、その共同処理する事務の性質でございますとか、あるいはそれぞれの団体の住民の受益の程度であるとか、あるいはそれぞれの団体の財政力とか、そういう諸般の事情を勘案して関係団体が合意をして決めているものと思っております。  御指摘の組合につきまして、具体的な事情は存じませんけれども、このような一般原則に基づいて、所定の手続を経て、関係団体の合意に基づいてできているんではなかろうか、このように考えております。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 こういった一部事務組合というのは往々にして極めて非民主的な運営がされていくという可能性もあるわけなんです。現にここがそうなんですが。立派に運営されているところもありましょうけれども、住民の側に立った行政組合であるわけですから、そういう面での民主的な運営について、今後御指導をもお願いしておきたいと思います。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 北沢清功君。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 私は、先ごろのカンボジアにおける国際ボランティアである中田青年のあの悲惨な死の中から、これから実施されようとしております選挙監視員等を含めて、これは非常に自治体職員との関連があるわけでありますから、その点に絞りまして御質問をいたしたいと思います。特に先ほど小林委員がその面の質問を残しましたので、それらを若干含めて、これから初めに総理府、そして自治省、最後に大臣の御意見をお伺いいたしたいというふうに思っております。  これから自治体職員の派遣ということで、自治省からそれぞれ選挙要員の要請が自治体にされたわけでありますが、これらの具体的な身分はどういうふうになるのでしょうか。また、不幸にして事故が起きた場合において補償はどうなるのか。これは総理府に御答弁をお願いしたいと思います。

川口雄総理府国際平和協力本部事務局総務担当参事官

○川口説明員 お答えいたします。  国連カンボジア暫定行政機構、いわゆるUNTACでございますけれども、ことしの五月の末に憲法をつくる議会、憲法制定議会、この選挙を行うことにしております。この要員の派遣につきまして、日本時間の四月十三日に国連から要請がございまして、日本側としては受領したところでございます。  我が国の要員の派遣につきましては、今後カンボジアの諸情勢を総合的に勘案し検討していくことになりますけれども、正式に派遣する、こういったことになりました場合には、地方公共団体から推薦された職員につきましては、当該地方公共団体を一たん退職いたしまして、それで一般職の国家公務員といたしまして任期を定めてカンボジア国際平和協力隊の隊員として採用することになります。その任期につきましては、今のところおおむね一カ月と考えておりますけれども、その任期が終わりました段階におきましては一般職の国家公務員を退職することになりまして、その後は当該地方公共団体に改めて採用される、こういうことになりまして、カンボジア派遣につきましては一般職の国家公務員という身分になります。  それから二点目でございますけれども、万が一事故が起きたときの補償の問題でございます。  私どもといたしましては、万が一あってはならないことでございますけれども、そういった場合の補償につきまして、まず第一点目といたしまして賞じゅつ金制度というものを設けました。これは補償額、最高額が五千万円でございます。それから二点目に、閣議決定を行いまして特別ほう賞制度というものを設けました。これは最高額が一千万円でございます。そのほかに、国家公務員でございますので、国家公務員災害補償法という既存の制度がございますけれども、こういった公務上の災害を受けた場合について通常支払われる補償額、それに五割相当額を加えた額、いわゆる五割増しと言っておりますけれども、こういった制度も新たに設けたところでございます。繰り返しになりますけれども、そういった万が一のことがないように我々努力いたしますけれども、そういった場合につきましても万全な補償体制を設けているつもりでございます。  以上でございます。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 UNTACへの派遣の候補者は既に選考が済んでおるというふうに聞いておりますが、その選考の結果はどうなっているか。それから、これらの派遣の決定について手続はどういうふうにしたのか。そこら辺について総理府にお尋ねをいたしたいと思います。

川口雄総理府国際平和協力本部事務局総務担当参事官

○川口説明員 まず第一点目の選考の結果でございますけれども、現在全体で、正式に決まった場合に要員ということで派遣候補者が五十数名、選考といいますかリストアップしてございます。それで派遣が正式に決まった段階におきまして任命する、こういうことになります。そして現在研修を行っておりまして、今一部研修を終わりました。そんな状況になっております。  それから今後の手続でございますけれども、カンボジアに正式に派遣するということになりますれば、閣議決定をもって実施計画というものを定めまして、そこで正式には派遣が決定されるわけでございますけれども、それにつきましては実施要領という、これは本部長たる内閣総理大臣の決定でございますけれども、その手続を経て派遣を決定いたします。それから要員につきましては政令を設けまして、それは一種の組織を設けることになりますので政令を設けて、その政令が公布され次第、採用という格好になります。  以上でございます。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 それでは、特に最近カンボジア情勢が非常に緊迫しているわけでありますが、こういう情勢の中でいわゆる派遣候補者本人の辞退の意思表明の機会はどのように確保されているのか。また、派遣決定後も無条件で辞退できなければならないというふうに考えるかどうか。また派遣後に帰還をすべき事態が生じた場合、また本人の私的な事情によって帰還をする場合は、どのような費用その他において帰還をさせるのか。お尋ねをしたいと思います。

川口雄総理府国際平和協力本部事務局総務担当参事官

○川口説明員 お答えいたします。  最初に意思の確認でございますけれども、私ども国際平和協力本部事務局といたしましては、現在のカンボジア情勢、いろいろな出来事がございますので、その都度各候補者の方々に資料等情報を提供しておりまして、そのたびごとに意思の確認は行っております。それから、特に地方公務員につきまして、採用という形をとりますので、いずれかの時点で最終的な意思の確認を行いたいと思っております。  それから、派遣後に辞退するということでございますけれども、そのときも基本的にいろいろな事情があろうかと思いますので、その辺の事情を勘案しながら適切な処置をとってまいりたいと思っております。  それから、カンボジアに派遣されてから帰国せざるを得ない、こういった場合、例えば病気なんかが入ると思いますけれども、そういった場合につきましては、基本的に派遣される要員の交通費につきましては国連が負担することになっておりますけれども、その辺は国連との調整の上、国連が出してくれないといった場合は日本側で負担して帰国させる、そういったことになります。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 派遣の候補者が意思決定に際して総合的な判断ができるようカンボジアの情勢というものを正確に、具体的な情報をできる限り詳細に提供するべきだと考えるのですが、派遣候補者への情報提供は今どのように進められているのかどうか。特に新聞等の報道を見ますと、既に現実、ボランティアの皆さんも非常に不安を持っておるし、また投票そのものも農村部ではやらなくて都市部だけをやる、いわゆる治安の確保できるところに限ってやるというような投票をするとか、または一方の軍隊だけで投票箱を武力で守るとか、そういうようなことが言い伝えられておるのです。  そういう意味で、今回もこの中田さんの死をめぐって、既に前からそういう脅迫があったということも最近の情報においては言われております。加えて、そういう情報と同時に、いわゆる丸腰で一番危険なところへ皆さんが派遣をされて、自衛隊は一番安全な地域で仕事をするということになっておるわけです。国際貢献という面から文民による貢献ということは非常に大事なんですが、国民の中でこのことによって死がもたらされるということになればこれは大変なことでありまして、いわゆる冷静な判断というものが非常に必要じゃないかと私は思うわけです。  ですから、危険なところへ行かないという大前提に始まったはずのPKOの実態が実際にはUNTACの要請によってなし崩しに変わっておりますし、また現地の情勢も非常に日々憂慮すべきものになっておるわけでありまして、危険性がないはずの自衛隊も先ほど申し上げたような武器携行をやるという意見も防衛庁から上がっておるわけでありまして、こういう状態にあって、何も持たない丸腰の民間人を送り出すに当たっては、特に自治体職員を送り出すということに当たっては安全性の確認について自治省はどのように配慮されておるのか、また時には、最終的に判断をされる場合の基準については確認をされるおつもりなのかどうかを、まず自治省の方へお尋ねいたしたい  と思います。

遠藤安彦自治省大臣官房総務審議官

○遠藤政府委員 お答えをいたします。  自治省といたしましても、このカンボジアの選挙監視要員を正式に今派遣する場合には、地方公共団体の職員を含めて現地における安全の確保、それに選挙監視要員となる本人の意思の確認が一番大切であるというように考えております。したがって、大臣の指示もございまして、この旨、所管部局であります総理府の国際平和協力本部に対しては繰り返し申し入れをしているところでございます。  特に安全の問題につきましては、国際平和協力本部からはUNTACに対して要員の安全確保のための特段の措置を講ずるように申し入れたということ、それに対して、UNTACとして特に文民要員の安全確保のためにUNTACの軍事部門を最大限に展開する、あるいは投票所は治安維持の観点に基づき設置するとか、UNTACが投票所に対する直接の保護を与えるといったような措置をとることになったというように私ども聞いているところでございます。  いずれにいたしましても、安全ということはやはり最優先に考えていかなければならないし、それに対して最終的に本人の意思というものも確認していただきたいということは非常に大事なことであろうと考えております。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 それでは、自治省関係、それぞれの自治体からの、先ほど五十数名という話があったのですが、その中で大体どのくらいの人たちが決定をされ、行こうとしているか、その辺について知り得る範囲でお答えをいただきたいと思います。

川口雄総理府国際平和協力本部事務局総務担当参事官

○川口説明員 お答えいたします。  国連からは、全体で正式に五十名日本側から要員を派遣してほしい、現在の派遣候補者としてリストアップしてございますのは五十数名でございますけれども、そのうち地方公務員については十数名という格好になってございます。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 十数名ということでありますから、詳しくは正確には御答弁なさらないわけですが、このことは自治省の要請でありますから、自衛隊の心配という以上に、非常に私は重い内容を持っているというふうに思うわけです。特に、けさの朝日の報道では、群馬県においては内定の選挙監視の二人が派遣辞退、そういう情報が伝えられておりまして、当事者というものは非常に不安の中におると思いますので、国際平和協力隊員になる自治体職員が決して不利益にならないように自治省が配慮すべきだというふうに考えるが、いかがでしょうか。

遠藤安彦自治省大臣官房総務審議官

○遠藤政府委員 群馬県の問題につきましては、私ども確認したところでは、まだ県として正式に決定したことではないという返事をいただいております。  しかし、いずれにしても、先ほど来御指摘があるように、選挙監視要員の安全ということは一番大事な問題でありますので、私どもとしましても、協力本部に対しましてたび重なる要請をいたしているわけでありますが、それが現実問題として安全が実現されるように努力すべきものだと思っております。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 私は、カンボジア情勢というものをよほど慎重に見ていかないと、今後ももっと大きな問題点が出てくるのではないかという心配を非常に持っているわけです。特にポル・ポト派における選挙妨害というようなことを中心に、特に日本を敵視するというようなことも公然と言われている中ではなおさらそういう心配が多いわけです。  もともとPKOの五原則にしても、またパリ協定についても、現実的にはその内容というのが、前提条件が非常に大きく崩れておるのではないかというふうに私は思うわけでありますが、自治大臣はどのような見解を持たれるか。また、今日の緊迫したカンボジア情勢の中で、自治省として、政府またはPKO協力本部に対して自治体職員の派遣の中止を申し入れるべきではないかというふうに考えるわけですが、この点についてもあわせて御答弁をいただきたいと思います。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 北沢委員にお答えをいたします。  政府といたしましては、現時点において停戦合意を含む国際平和協力法上のいわゆる五原則は満たされておる、パリ協定に基づく和平プロセスの基本的枠組みは維持されている、こういうふうに判断をしておるところでございまして、私としてもさように理解しておるところでございます。  なお、カンボジア情勢が緊迫している現状で、自治省としては、政府PKO協力本部に対して自治体職員のUNTACへの派遣の中止を申し入れるべきだというふうに考えるがいかがかという御質問でございますが、政府としては現時点においての停戦の合意を含む国際平和協力法上のいわゆる五原則は、ただいま申し上げたように満たされているという判断であると承知しておりまして、このたびの国連からの選挙監視要員の派遣の正式要請を受けて、さらに諸情勢を勘案し、派遣について慎重な検討を行うものと聞いております。  自治省としても、カンボジアの選挙監視員を正式に派遣する場合には、地方公共団体の職員も含め選挙監視要員の現地における安全の確保、それから選挙監視要員となる本人の意思の確認が一番大切であるというふうに認識をしておりまして、この旨、総理府国際平和協力本部に対しましても繰り返し申し入れているところでございます。     〔委員長退席、増田委員長代理着席〕

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 私は、政府部内でもこのことに対しては幾つかの考え方が交錯しているというふうに思っております。これから、厳しい情勢というものを見るときに、今言ったような情勢にかんがみてよほど慎重な配慮をして対処していただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。  それでは、次に水の安全性というものについてお尋ねをしたいと思います。  このところ地球環境保全の関心が高まりまして、国連では水の日がつくられました。世界的に水への関心が大きく高まっておるのですが、従来、我が国は非常に豊かな水に恵まれまして、安全な飲み水が安価に供給されることは当然とする意識が大都市を除いては一般にあったように思われるわけであります。今はそのような認識は根本から改めなければならない状況にあることは御承知のとおりでございます。  特に自然浄化能力というものが限界を超して、水道水源、特に川下から川上に至るまで大きく目を向けていかなければならないわけでありますが、先日、報道によりますと、全国の水道事業者の中で日本水道協会というものがつくられておりまして、その調査によると、飲み水の水源である河川などの上流開発、ゴルフ場だとか産廃の投棄場も含めて、また農薬、工場排水であるとか、特に最近の生活の変化による家庭雑排水などによって汚染をされて、もはや上水段階の処理は限界に来ている。水道水源を守るためには新たに水質保全法などの規約強化がないとこれからは深刻な実態が明らかになる。  そういう中にあって、特に厚生省では水道水源の水質保全に関する有識者懇談会が開かれまして、この二月に非常に興味深い報告書が出ております。飲料水の安全を守る立場においての厚生省は、こうした報告についてどのように見解を持たれているか、また、今後どのような対処をされていくのか、お伺いをいたしたいと思います。

浜田康敬厚生省生活衛生局水道環境部水道整備課長

○浜田説明員 お答えいたします。  先生御指摘になりましたように、去る二月四日に水道水源の水質保全に関する有識者懇談会、これは厚生省の中に設けました専門家の懇談会でございますけれども、ここから報告書を私どもいただいておりますが、その報告書におきましては、安全で良質な水道水の確保のためには水道水源の水質保全対策を総合的に推進していく必要があるという考え方に立ちまして、工場排水、農薬、生活排水に関します規制的な措置あるいは生活排水処理施設の整備などの事業を水道水源地域におきまして一体的かつ計画的に実施していく必要がある、さらには、水質汚染事故発生時の対応等につきまして幅広い内容にわたります大変貴重な政策提言をいただいたというふうに思っておるわけでございます。  厚生省におきましては、この提言の御趣旨に沿うべく、現在、水道水源の水質保全のための実効性のある、かつ総合的な対策の確立に向けまして、関係各省庁と対策に盛り込まれるべき基本的な内容につきまして御相談をさせていただいておるところでございますが、特に現在では、やはり水質保全行政を従来から所管してこられました環境庁と協力して取り組む体制を整えることが重要であろうという考え方に立ちまして、環境庁を中心といたしまして御相談をさせていただいているという状況にございます。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 現在、水質保全にかかわる法律というのは非常に各省各庁にまたがっておりまして、公害対策基本法であるとか水質汚濁防止法であるとか森林法、鉱山保安法等さまざまであるわけであります。このほかに、全国の県や市町村などでは各自治体が独自に条例などを最近決定しまして、上乗せ基準をしている例が多いと思われますが、私も二度ほどこの委員会で、長野県の水資源環境保全条例の問題の中で特に環境保安林の買い上げ等を中心に質問したことがありまして、今回このことが自治省で森林・山村対策という形で明確に五百億という金で始動するということになっておるわけですが、その主たる内容を含めて実態はどうなっているか、これらの条例を制定したところの自治体の数や、その取り組みを含めて、また、こうした条例の実効性についてどのように判断をされているか、教えていただきたいというふうに思います。

浜田康敬厚生省生活衛生局水道環境部水道整備課長

○浜田説明員 ただいま先生も御指摘になられましたように、最近、特に昭和六十三年ごろから水道水源の保全に関します地方条例あるいはこれに準じます要綱などを制定している地方公共団体が増加をしてきておりまして、私ども平成四年十一月現在で把握しておりますところによりますと、こうした条例、つまり水道水源の保全ということを目的といたしました条例を制定されている地方公共団体の数は、今先生のお話にもありました長野県も入れまして三十四というふうな状況でございます。これにさらに要綱などを含めますと百五十を超える地方公共団体において何らかの水道水源保全のための対応策、制度を制定される動きでございます。  また、これら条例等の主な内容でございますけれども、大まかに申し上げますと、まず水道水源保護のための区域を設定いたしまして、その区域内で行われます水道水源を汚染するおそれのあります各種の事業行為を特定いたしまして、その行為者に事前に協議を行わしめるというふうなものでありますとか、あるいは各事業の内容に応じまして排水水質に関します厳しい基準を設けまして、その基準への適合を求めるといった内容のものというふうに整理できるかと思っております。  こうした条例、要綱等の効果でございますが、いろいろな見方があろうかと思いますけれども、各自治体の御意見を聞きましても、やはり地方の行政区域内に限る対応でしかないということでございますけれども、水道水源の汚染問題は広域にわたる場合が多うございますので、一定の限界を感じておられるというふうな話を伺ったことがございます。  以上でございます。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 今お答えがありましたように、各自治体の水質保全というものの条例化ということは、広域的な面や、また冒頭申し上げたような我が国の水資源の環境保全という立場から見ると、実効性を上げるにも法律の裏づけがないとなかなかできないというふうに思います。加えて、日本の水にかかわる各種の基準とか取り締まり等においてはいわゆる縦割り行政でありまして、本来の意味の住民にかかわりのある重要な水の問題にこたえるには、縦割り行政というのは改めなければならぬのじゃないか。そういうことで、一日も早い立法化をぜひ検討いただきたいというふうに思っております。  また、厚生省は昨年十二月に水道水質の基準の大幅な改定をされまして、今までの二十六の基準から四十六というふうに大幅に改定をされました。これらは本年の十二月一日から施行されると聞いておるんですが、その場合、検査機械や水道事業者の負担の増であるとか、または小さい町村や小さい事業体においては、基準は決めたけれどもほとんど今のような能力では実施できないんじゃないかというふうに、現実に今でさえも基準の中での検査というものが規定に反してなかなか伴わないという情勢の中で、私どもとしては大変心配しているわけであります。  そういったような整備が必要となる場合において、特に水道の事業者というものはほとんどが自治体の経営にかかわるわけでありまして、先ほど申し上げるような小さい自治体ほど大きな負担になるということから見て、自治省としてはこのことについて支援をされるつもりがあるかどうかを特に申し上げて、お伺いをいたしたいと思うわけであります。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 水道水の水質基準を保つために水質の検査体制というものが非常に重要になってくるということは仰せのとおりだと思います。そのためには、やはりそれぞれの自治体の水道行政におきまして、その検査体制のための要員あるいは資機材の整備というようなことをこれから検討していかなきゃならないと思っております。水道事業というのはもともと水道料金で運営していくのが基本的なものでございますので、いろいろな合理化をしながらそういう検査体制の充実については十分対応していかなきゃならない、そのためのいろいろな支援というものも今後検討していかなければならないというふうに、考えております。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 ぜひこのことについては、非常に大事な問題でありますから、自治省等においても積極的にひとつ取り組んでいただきたいというふうに思うわけであります。  私は、本来、我々人間にとって太陽だとか空気だとか水というものはもともとこれはただでいいわけでありまして、各事業体の水道料の格差というものは全国的に非常に多いんです。もう少ないところと大きいところとの差は何十倍も、三十倍とか十五倍と言っていますけれども、そのように非常に一つの水をとってみてもこの水道料というものは格差があるということ、それが特に中小の町村に非常にこの負担が多いということでありますから、なおさらこのことには、そういう格差をなくするためにも一定の必要とする環境保全については国がある程度見ていただかないと、本当の意味の自前でということにはなかなかできがたいんじゃないかというふうに感じておるわけです。ぜひこのことについては、末端での事業体についても容易ならない情勢でありますから、御検討を格別いただきたいというふうに思います。  私は、次に、水道協会の報告の中で、先ほどもちょっと森林の問題が出ましたけれども、森林の伐採についての影響も深刻でありまして、一度伐採をすると降雨のときには汚濁で、流れてしまって非常に泥水等で飲むに耐えられないという状態の簡易水道は非常に多いということです。ですから、水源の保安保全林の確保というものも非常に急務になっておるわけでありまして、先ほど申し上げるような自治省の施策の森林・山村対策の中における公有林化ということの推進事業に持ち込まなければならないと思うわけで、そういう意味では今回の施策というのは大変時宜にかなったものである、そういうふうに考えるわけでありますから、この施策を対象としたそうした水源林の保全というものの考えはどうでしょうか。改めてこれらについて重点的に進めるかどうかということ、またこうした施策は一時的なものではなくて性格的には持続的に必要になってくるわけでありますから、この点についても自治省の明確な対応、御答弁をお願いをいたしたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 森林は、御指摘のとおり、水源の涵養でございますとかあるいは大気の浄化ある  いは緑の保全というような環境の保全の機能を持っておりますし、また砂防でございますとかそういう意味の国土保全という機能も持っているというような形で、非常にいろいろな公益的機能があるわけでございます。  今回平成五年度から新規施策として森林・山村対策を創設するに当たりましては、こういう森林の持つ公益的な機能というものを維持増進させるために森林の公有化というものを検討してはどうだろうかということで、保全すべき森林というものの公有化を推進するための事業を地方団体の支援事業として創設をしたところでございます。さらに、この公有化した森林については、先ほども御指摘のように荒廃してはいけませんので、その適正な管理を通じてこの公益的な機能の維持増進をする必要もございますので、そのための管理経費の一部についても交付税措置をしたところでございます。  この措置は短期的なものでは効果が上がらないわけでございますので、長期的な対応が重要であるというふうに考えておりますので、恒久措置として今後とも内容を充実してこの制度を維持してまいりたいというふうに考えております。地方団体の方も積極的にこの施策に対応していただくことを期待しておりますし、また、私どもも地方団体に啓発、普及をしてまいりたいと思っております。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 今回の自治省の措置については私は非常に高く評価をしております。ぜひ大いに啓発をして、早くそういう問題が解消されるような取り組みを格別お願いをいたしたいと思います。  あと時間がございませんからはしょっていろいろ単刀直入にお尋ねをいたしますが、今僻地とかまたは離島等における医療について非常に私どもは心配をしておるところでありますが、こういう僻地医療の現状というものをどういうふうに厚生省は把握されているか。それからまた、医師の確保という面でどのような状況で、どのような具体的な対策をお持ちであるか。また、それに対する自治省としての財政支援の措置についてもあわせてお尋ねをしておきたいと思います。

今田寛睦厚生省健康政策局指導課長

○今田説明員 御指摘のように、山村、離島等の僻地におきます医療の確保、大変重要な課題として従来から取り組んでまいったわけでございますが、特に昭和三十一年からへき地保健医療計画を策定いたしまして、僻地中核病院それから僻地診療所の整備、さらには巡回診療の実施あるいは僻地勤務医師の確保などの施策を講じてまいったところでございます。私ども、いわゆる無医地区という定義をしておるわけでございますが、その地区に該当いたします箇所が昭和四十一年に二千九百二十カ所でございましたけれども、平成元年に一千八十八カ所と逐次減少してきておるわけでございます。また、これらのうちで四百二十七カ所につきましては巡回診療を実施いたしております。  御指摘のように、無医地区対策につきましては、僻地における医師の確保が最も重要な課題であるというふうに認識をしておるわけでございますが、このため平成三年度からの第七次へき地保健医療計画に盛り込みました事項といたしまして、大学病院等から一定期間の医師の派遣をお願いいたします僻地勤務医師等確保事業を導入したところでございます。これによりまして安定的な確保を図りたい、かように考えておる次第でございます。また、僻地の医師に診療上のバックアップをしたいということから、僻地中核病院におきまして画像伝送装置を大きな病院とつなげる、そういった装置の導入につきましても盛り込んだところでございます。これからもそのような意味で僻地対策には一層努力をしていきたいと考えております。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 僻地医療につきましての全般的なお話は厚生省からのお話のとおりでございますけれども、この僻地医療の確保というために、医師の確保対策あるいは巡回診療、それから僻地診療所の整備等々につきまして所要の財政措置をこれまでも講じてきたところでございます。平成五年度から新しくこれらの措置を充実するために、厚生省とも協議いたしまして、このへき地保健医療計画の内容に沿って、都道府県が関係市町村と協議をして事業実施計画をつくっていただく、その事業実施計画の中で、僻地診療所に対する応援でございますとか、代診医師の設置に要する経費あるいは僻地巡回診療に要する経費、それから僻地診療所などの僻地医療の充実に必要な施設設備の設置に要する経費、こういうものについて財政措置を拡充することといたしました。  それで、この旨をことしの二月に各都道府県に通知をしたところでございまして、この通知に従って各都道府県で対応していただくことを私ども期待しているところでございます。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 自治省においても非常に積極的に対応されるということで、これは都市部だとか比較的恵まれたところに比べますと非常に大変な問題だと私は思うのです。そこに生きるための一つの手段として不可欠なものでありますし、先ほど救急医療の問題についてもちょっと触れられておりまして、私も聞いておりまして、救急医療もそうですが、これは人間の行き着くところの生命の最後のとりでなんですよ。最後のとりでなんです。そういうことを思ってやらないと、僻地医療もそうですけれども、そういう意味で非常に重要なことでありますから、これらも含めてさらに充実した医療が日本の国の隅々までわたるように特にお願いしておきたいと思います。  それでは、もう二つありますが、不況対策なんですけれども、一昨日ですか、政府からも新たな不況対策が出されたわけでありまして、今日の不況の中で一番大きな痛手を受けているのは、円高不況も含めてやはり中小零細の企業が一番受けていると私は思うのですね。なかなか銀行も弱いから対応しない、また、しても金利が高い、大企業との金利の差も非常にあるわけでありまして、そういう意味で自治体における中小企業向けの緊急融資というようなものが国の公庫資金のほかにそれぞれの自治体で対応しているのです。  これは、前からも無利子、無担保というようなものも地方自治体でやったりしておるのですけれども、そういう中で最近額が非常に対応し切れなくなって、どんどん政府系金融にあわせて市町村の、自治体の単独のそういう制度が非常に好評を博しているということも事実でありますから、今後中小企業の倒産防止であるとか雇用の確保を図るために、ぜひ地方自治体のそういうような緊急的な措置、私に言わせればふるさと融資と同じような仕組みでもよいと思うのですけれども、自治省においてもこれらをよく指導され、そしてそれらについても実態をよく明らかにしながら、ぜひ何らかの対応をしていただきたいということを特に要請をしまして、お考えをお聞きしたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 最近のこの景気の状況を踏まえまして、個々の地方公共団体におきましても、制度金融のほかに地方団体独自の緊急融資、特に中小企業に対する緊急融資制度というものを設けてそれに対応しているという事例をよく聞いております。  それで、これは基本的には、現在地方団体が行う緊急融資のやり方としては、地方公共団体の持っている歳計現金を金融機関に無利子あるいは低利で預託して、そして金融機関に協力をしてもらってこの緊急融資に対応してもらう、こういうやり方をしているところが一番多いのじゃないかと思うわけでございますが、それにいたしましてもいろいろと各種の経費がかかってまいります。従来からこういう点につきましては交付税上の措置も講じているところでございますけれども、内容をよく精査をいたしまして、私どもとしてもきちんと対応してまいりたいというふうに考えております。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 それでは、警察庁の方へ、これは不況対策と言っては場違いかもしれません。むしろ基本的に取り組まなければならない問題であろうというふうに思いますが、私は、今、日本の交通政策の中で、いわゆる総合的な政策が必要であると思いますし、また交通安全も非常に重要な仕事であるというふうに思うのですけれども、たまたま交通渋滞というものが非常に重要になってきていることは、私ども末端で本当によくわかるのです。交通渋滞の解消ということになると、いろいろ道路をこしらえるということもありますが、今回の不況対策においてコンピューター等を非常に利用してといういわゆる新社会資本というようなものが大きく取り上げられていますね。  それで、そういう意味で、私はたまたま長野県ですが、長野市におりましたり松本市におりまして、いわゆるコンピューター制御による、正式な名前はわかりませんので教えていただきたいと思うのですが、連動的な交通制御というものは当時非常に驚くほどの渋滞解消になりますし、また、自動車がその都度不規則に発進をする意味での排気ガス等における公害も含めて救われている。私はこの間実は清瀬市に行きまして、清瀬市の商人の方から、この地域はかつては十分ぐらいで来たところが今は四十五分かかるというふうに言われておりまして、これは今の佐川急便の怒りもさることながら、この渋滞の悶々さというものは非常にうっせきされているのではないか、これからの整備の中でもっとそういう位置づけがされなければならないというふうに私は思っているのです。  そういう意味で、そういう施策が当然警察庁にかかわりがあるわけでありますから、これらについての計画なり、またそれらの達成状況とか、また今後における計画とかそういうことについて、大切なことでありますから、特にお聞きをしておきたいと思います。     〔増田委員長代理退席、委員長着席〕

関根謙一警察庁交通局長

○関根政府委員 信号機が交通渋滞解消施策のために大変重要な役割を果たしているとの御指摘は、全くそのとおりかと存じます。現在全国で十四万基ほどございますが、その信号機の中で、単独制御と申しまして、信号機がそれ自体で赤、黄、青、黄、赤で循環するという定周期式のものが約四万一千基、それから押しボタン式の信号機が二万一千基ほどでございまして、ここら辺が余り高度化されていない信号機でございます。  先生御指摘のコンピューターと連動した交通制御のための信号機は、地域制御化と私ども名づけておりますが、これは面で交通量を車両感知器ではかりまして、それでその一定の面の中にある道路網の中で、どこの交差点にどのくらいの青信号時間を配分すれば最も効率的に車が流れるようになるかというのをコンピューターで計算しまして、その都度信号機に現示をするというシステムでございます。その地域制御化されたものが十四万基のうちの四万四千基ほどございます。  それから、そういう面でとらえたものでなくて流れとして、大きな幹線道路なんかで、例えば埼玉県の方から東京都内に入ってくる道路では、一つの主要道路に細い横断の道路が入っておりますが、そういったところでは、東京に入る幹線道路を順次青にしていくというような系統式をするとスムーズに流れるということで、系統化ということがございます。その系統式になっているものが十四万基のうちの二万基ほどでございます。  さらに、各信号機の段階でそれぞれの交差点における交通量をはかりまして、その交通量に応じて縦の道路、横の道路に青信号時間を配分するといった信号機がございまして、これを感応式と呼んでおります。その感応式信号機が約一万基ほどございます。ということで、高度化された信号機は全信号機十四万基のうちの七万五千基ほどでございまして、全体で五三%余りでございます。  私どもは、残りの六万二千基等につきましても逐次高度化してまいりたいと考えておりまして、施策を講じておるわけでございますが、ことしの当初予算で計画しております事業規模は、特定事業と申します、国が補助をする事業全体で三百億円余りの事業規模でございますが、そのうちの二百五十億円余り、八〇%以上でございますが、これを信号機の高度化関係の事業に充てているところでございます。  まだまだ信号機高度化というのは十分でございませんので、さらにいろいろな機会を通じて信号機の高度化に努力をしてまいりたい、このように考えているところでございます。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 今御答弁がありましたように、取り組んでおられるわけですが、これはまだまだ相当、その住民の実際の末端の政治に寄せる期待というものから見ればもっともっと強い要請を持っておるわけでありますから、ぜひひとつその面は大幅に伸ばして、国民の暮らし、そしてその中における渋滞にかかわる問題ですから、これは有形無形の膨大な国家的な損失であるというふうに私は思いますので、これらについてはひとつ格別な来年度に向けての取り組みを特に大臣に要請をしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 交通安全対策、これはもう極めて重要な問題でありまして、今警察庁の交通局長から信号機等について詳細な答弁がございましたが、全体として交通安全対策というものは年を追うごとに広がり、そして深さも深くなっております。全体としてこれらの問題を、国民の安全のために一層の努力を図っていく所存でございます。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 最後に、行政手続法の問題については、たまたま私も内閣委員の方に所属しておりますから、そちらで質問いたしたいと思いますから、せっかくですが、時間がございませんので、御出席をされた方に特におわびを申し上げたいというふうに思っています。  最後に、私は、山の問題、水の問題から森の問題というふうに先ほどお願い申し上げたところでありますが、特にこの二月の十幾日ですか、和歌山県の本宮町というところでいわゆる全国の自治体、特に山村を持っている自治体のフォーラムが百十という自治体が参加をされて熱心に討議をされたというふうに聞いております。これは、まさに今日の山の状況というものを危機感としてとらえて、町村独自で地域に合ったような、そういう意味での施策というものをすることが非常に大切である。今回自治省の出された森林・山林対策も重要でありますけれども、それをしても、今の森林の持っている価値が、この間の農林白書では三十何兆円という実は森林の持っている貨幣価値といいますか、金にかえての価値があるということでありますから、そういう地帯を守っていただける皆さんにどういうふうにするかということは、一にかかって森林交付税の創設ではないかということは、これは我が党の昔からの議論でありますし、私も何回もこの委員会でも申し上げてまいりました。どうか、それらについてどのように受けとめておられるか。また前の塩川自治大臣それから吹田元自治大臣も非常に熱心でございまして、私もそういう論者だということをはっきり申し上げて答弁にありましたので、それらを含めて自治省としてのこの問題の提起にこたえていただくような取り組みを一層強めていただきたいということを申し上げて、簡単に御答弁で結構です、決意のほどをお聞きをして、私の質問を終わりたいと思います。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 北沢委員の御識見をずっと承っておりまして、非常に感銘するところが多かったわけです。森林は、国土や自然環境の保全あるいは水資源の保全等に極めて重要な機能を果たしております。一方で、最近林業の収益性の低下あるいは人口の流出などによって森林の保全整備の懸念される状況になっていると聞いております。  自治省といたしましても、かねてより山村地域の振興については極めて重要な課題であると認識をしておりまして、平成五年度地方財政計画におきましても、森林・山村対策に要する経費として千八百億円を計上し、所要の財政措置を講じておるところでございます。  森林交付税の創設という御提案につきましては、その具体的な内容等まだ承知をしておりませんので評価は差し控えさせていただきますが、いずれにいたしましても、今後とも山村地域に対する地方交付税や地方債の配分等を通じてその振興、整備に積極的に取り組んでいく所存であります。  なお、北沢委員は長野県の御出身でございまして、私は今から二十五年以上前に愛知県で水道部長という経験がございます。したがって、水についての御卓見を非常に承りました。例えば、ライン川の水は人体を何度流れるとか、あるいは淀川の水は人体の中を流れて大阪へ出てくるとかいろいろなお話がありますが、木曾川は非常にきれいな川でございます。そして、広域水道という面で私どもは長野県には大変な恩恵に浴したわけでございますが、水をきれいにしていく、この問題について厚生省等からも熱心な御答弁がございました。非常に重要な問題点だと承知しております。森林、山村の涵養、そして水の保全について、今後心して対応してまいるということをお約束申し上げます。

北沢清功日本社会党・護憲民主連合

○北沢委員 今、大臣の御答弁、しかと受けとめますし、また、非常に温かく感じまして、力強く感じました。どうかよろしくお願いをいたしたいと思います。ありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 山口那津男君。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 公明党の山口那津男でございます。  まず初めに、地方交付税の性格について、あすは大蔵大臣に対する質疑も予定されておりますので、改めて見解を確認いたしますが、この地方交付税は地方固有の財源であるという考え方は既に確立されておるとは思っておりますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 この問題につきましては、山口委員御指摘のとおり、あすは林大蔵大臣が出てきて御答弁をしていただくということで非常に期待をしておるわけでございますが、地方交付税は、所得税、酒税、法人税等々の五税の一定部分を交付税法で地方に流すということで、地方の一般財源、本来ならば地方が自分で徴収をすべきところを、非常に財源が偏在してるので、それが地方交付税という形で徴収をして、自治省を通じて地方に流されるというわけでございまして、どこまでも地方団体の固有財源であり、極めて重要な一般財源である、このように認識をしております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 ところで、昨年度、一昨年度に引き続いて、今年度も交付税が四千億円の特例減額をされるという事態になっておるわけでありますが、三年度にわたって連続して交付税が減額されるということは、今おっしゃられた交付税の固有の財源、一般的な財源という重要な意味からしても非常に問題であると思います。  昨日の参考人の質疑、参考人の御意見を聞いた中にも、二人の自治体経験者がおられたわけですが、お二人ともこれについては否定的な見解を示されておりました。しかし一方で、出口ベースといいますか、実際に自治体に配分される金額の面では実害はない、こういう評価もあったわけですね。したがいまして、実害がなければこういうことがずっと続けて行われてもいいのかというと、これはやはり財政の健全性という意味では好ましくないと私も思います。今後どのように対処していかれるのか、これを伺いたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 平成五年度の地方財政対策を検討するに当たりましては、まずこの地方団体の抱えておりますたくさんの財政需要につきまして十分な、的確な財源措置ができるかどうかということ、これが一番大切な問題でございました。  これにつきましては、特に景気に配慮した地方単独事業というものを大幅に増額をして確保する必要があるだろう、また、福祉対策につきましても、地域の実情に応じたいろいろな福祉施策を実施するための財源あるいは福祉基金、地域福祉基金という去年からやっております基金の積み増しというものをこれからやっていかなければならないという問題とか、あるいは環境保全、それから森林・山村対策に対する支援措置というような、いろいろな主要政策課題というものがあるわけでございますが、こういう点につきましてきちんと財源措置を行うということがまず第一の問題でございまして、これにつきましてはかなり幅広く講じ得る見込みを得たところでございます。  そういう中で、一方で地方交付税につきまして、地方交付税は先ほども御指摘のとおり、国税五税の一定割合を当然地方に帰属させるという意味におきまして地方団体の共有の固有財源であるという考え方からいきますと、これを国に簡単に協力をするということは、これは厳に慎まなければならないことは当然のことでございますけれども、今年度の国の厳しい財政事情というものを踏まえまして大蔵省当局とも随分厳しい議論を、折衝を私どもいたしました。最終的に、公経済全体のバランスを確保する必要があるという観点から四千億円の減額をいたしまして、これを自主的に国に貸す形にしたわけでございます。  この点については、この四千億は交付税法に規定をいたしまして、きちんと明年度以降で返還をしてもらうということは今回の提出いたしました法案の中にもはっきりしているわけでございますが、こういう減額というものを続けていくということは、これは私どももよく考えて運用していかなければならない問題でございますから、今回につきましては、そういう事情もございましたのでやむを得ずこういう措置をとったものでございまして、その点、御理解を賜りたいと思うわけでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 やむを得ずとった措置という御説明ですが、交付税の仕組みからして国税に依存しておる。それから、国税の中でも景気変動に影響されやすい税源である。それから、国の政策とやはりリンクしてこれが財政調整にも使われる。こんなことをもろもろ考えますと、やむを得ない措置といいながら、これは交付税の制度に内在してくる問題であるというふうに私は思うんですね。ですから、御努力にもかかわらず、今後も状況によってこういう事態がやはり繰り返される可能性は当然あると思うんです。  ですから、これを抜本的に改善する必要があるというのであれば、やはり仕組みそのものを再検討する必要が私はあるんではないか。もし実害が生じないで現行の枠内で是正が十分図られるんだ、いわば、その制度の中におのずと補正する措置が仕組まれているんだ、こういう理解であれば、それはそれで短期的な現象と理解すればいいと思うんですね。大臣は、この交付税の仕組みについてどのようにお考えになりますか。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 私は自治省の出身でございますから、四十年も前に日本有数の農村県、鳥取県の財政課長をいたしたことがあります。そして二十数年前には愛知県で部長をしておりました。したがって、商工県、いわば財政的には富裕県と言われる県と貧困と言われる県と両方を経験したわけでございますが、鳥取県の財政課長をいたしましたころに、あの当時、日本劇場の入場税が鳥取県全部で徴収をするどれだけの税金に匹敵するという統計をとったことがあります。非常に税源が貧困であるという例でございます。どんな形をとって税金を取りましても、東京や愛知県や大阪などの県は税源が非常にたくさんございますし、逆に鳥取県やあるいは東北の諸県では税源が少ないわけでございます。  しかし、本来地方自治でありますから、地方分権でありますから、交付税というシステムはそれを担保するために国が確約しておる制度でございまして、したがって、交付税の四十数年前あるいは五十年以上前の戦前の配付税と言われたころから見れば、地方の固有の財源である、そして、これは地方にかわって国が徴収するだけのものであるから、地方の一般固有の財源であるという観念が定着をいたしました。したがって、今言われましたような、いかなる税源の配分の仕組みをとってみても、そういった財政的に富んでいる県と財政的に貧困な県のバランスをとることは、現在の地方行政上は不可能であります。したがって、普通交付税あるいは特別交付税、こういう交付税制度は、よくよく考えられた末で、先人が今まで生み出された非常に貴重な体験である、このように認識をしております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 ところで、現在の景気動向について、午前中大臣から御見解が述べられたわけでありますが、改めて、一部のマクロ的な指標をとりますと、特に鉱工業生産指数とか株価とか、そういったものは上昇傾向、回復傾向が一部では見られます。しかし、消費の動向を見ると、相変わらず冷え込んでいる、こういう実態もあります。そこで、もう少し突っ込んだ大臣の分析を伺いたいと思うわけですね。  今回、政府の総合的な経済対策というものが発表されたわけでありますが、これについては、この回復基調がこれから連続していくとなれば、少し行き過ぎる、過熱ぎみになるのではないか、こういう指摘も一部にはあるわけですね。そうした意味で、消費は依然回復していない、こういう主張と、一方でやり過ぎるという主張と、二つあるわけですが、少し分析的にお伺いしたいと思います。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 全般的な問題でございますから、私からお答え申し上げます。  平成五年四月の月例経済報告で明らかにされましたように、我が国経済は、設備投資は製造業を中心に減少し、個人消費は低い伸びとなっている。そして、依然として調整過程にあって引き続き低下しているものであり、一部に明るい動向、例えば住宅投資などは見られるけれども、まだ全般としては低調である。政府としては、このような状況にかんがみまして、今後の景気の足取りを確かなものにするために、一昨日、四月十三日に総合的な経済対策を策定したところでありまして、経済対策閣僚会議、そして夕方に緊急の閣議もありまして、新たに十三兆円強という総合景気対策を講じたわけでございます。  これは、クリントン大統領と宮澤総理が会見をされるためのいろいろな足固めでもあり、この際しっかりと国としての方針を確立しておかなければならない、こういうことでありまして、いわゆる景気が上昇していくために、民間の設備投資は冷え込んでおる、そしていわゆる住宅投資は上向きになりつつあるが、ここのところは公共投資を中心に浮揚させていくより仕方がない、公共投資をひとつしっかり組んでいこう、こういう趣旨でございます。  したがって、この経済情勢が進行をしていくにつれて、例えば過熱状況が起こるのではないかというような予測や、いろいろなものが現在行われておることは事実であります。四月十三日までには自民党の幹部から、あるいは総理からいろいろと総合経済対策についての御指示、御要請がありまして、私どもはこれに対応して、地方財政をしっかりと対応させたいというところから、今回の景気対策に全面的に協力することとしたところでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 地方自治体の経済活動は、もちろん日本の経済全般に与える影響、非常に重要なものがあるわけでありますが、特に地方の財政支出、これが日本の経済にどのような影響を与えているのか、どのような役割を担っているのか。この点、近年、地方単独事業の大幅な伸びと相まって、国全体の経済政策の中で非常に大きなウエートを占めつつあるのだろうと思います。この日本経済における役割をどのように考えておられるでしょうか。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 景気の問題は地域経済に係ることであって、かつ公共投資の七七・五%を都道府県、市町村等の地方団体が実施をしておる、そしてその約六割が地方単独事業でございます。こういった意味で、景気浮揚は地方からというのが私のキャッチフレーズでありまして、もうことしは初めからそれを、四十七の都道府県の知事が来られれば要請をし、あるいは政令都市の長が来られれば要請をし、あるいは文書の形でも私の名前で要請する等をしておりまして、私は、景気浮揚にもたらす地方団体の役割というのは極めて大きい、これはむしろ地方団体がイニシアチブを持っておると言ってもいいと思っております。  私自身の経験でも、自治省で一生懸命地方財政計画をやっておりましたころと現在を比較してみますと、確かに相当大きな変化が行われました。かつて自治省は、各省に対して、何を言われてもだめですという答えをする時代がございました。それは、財政的にどうにもならないという嘆きの言葉であったわけでございますが、今は四十七都道府県、全国三千数百の市町村に広範に、個別に相談に乗れる、そういう大きな力を国民のおかげで与えていただいておると思っておりまして、こういった任務をしっかりと持ちながら、大蔵大臣あるいは総理の御指示のもとでひとつしっかり対応していきたい、このように思っております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 日本経済は世界の経済へも多大な影響を与えていることも事実であります。アメリカ合衆国を初めとして諸外国も、日本の景気動向あるいは政府の経済対策に非常に強い関心を持っております。とりわけアメリカ合衆国におきましては、貿易不均衡の是正の問題と絡めて、日本の内需の拡大ということを盛んに要望してくるわけでありますね。そうした意味で、この地方財政、従来世界経済との関係というのは余り議論されなかったかと思いますが、直接、間接にさまざまな影響があるだろうと私は思っております。大臣の御所見を伺いたいと思います。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 私は八年ほど前に通産大臣の経験をいたしました。したがって、四極通商関係の大臣会議等々、いろいろ経験をしておりまして、当時でも今でも指標は大体よく似ておりますが、アメリカとの貿易額は日本全体の貿易額の約三割です。輸入が少なく輸出が多い。したがって、片貿易になる傾向があるのですが、日米が全体の三割、それから中国、韓国あるいはオーストラリア、カナダ、そういったところとの貿易額は、大体アメリカと日本の貿易額の約六分の一でございます。そして旧ソ連邦、今のロシア共和国等との貿易額は日米の三十分の一でございます。したがって、いかに日米基軸外交というものが経済の上ではっきりしておるかということは、この指標を見ても明らかなわけですね。  したがって、私は、今ロシア支援が盛んに言われておりますが、日米基軸外交の中でロシアを支援していかなければならないという原則を強く持っております、私は自民党の日ロ議連の会長でありますから。そういった意味で、そういう全体の世界の展望に立ちながら、日米基軸外交の中で例えば中国、あるいは韓国、あるいはASEANその他、対ロシア、対EC、そういったものをしっかりと格付をして、その中で全体のバランスをとるということが必要であると思っておりまして、このことは自治大臣に就任した今でも同じ認識を持っております。  今、G7の関係の会議が東京で開催をされておりますが、この行方を見守りながら地方財政についても誤りなき見通しを立てたいと思っております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 ぜひ世界経済とのリンクというものを認識していただいて、頑張っていただきたいと思います。  さて、今回、政府の総合経済対策が発表されたわけですが、この経済動向の中で、昨年度も実は行われたはずであります。その際に、地方において単独事業等を積極的に追加補正するなどしていろいろな対策が講じられたわけでありますが、その執行の状況がどうなっているのか、非常に順調にいっているのか、いろいろな問題が出てきているのか、その執行の状況についてまずお伺いしたいと思います。

松本英昭自治省大臣官房審議官

○松本(英)政府委員 お答え申し上げます。  昨年行われました総合経済対策におきましては地方単独事業は一兆八千億ということであったわけでございますが、これに対しまして、私どもの調査では、地方団体においては九月補正で一兆九千億円の公共事業等の追加を行ったと見ております。この追加補正した分のみの執行状況というのは、地方団体の経理が追加部分と当初部分と区分をして経理をいたさないところが多うございますので、その部分だけの執行状況というのはわかりませんが、各地方団体におきましては、これらの追加事業を含めた公共事業等の円滑な施行に最大限の努力をしていただいているところでございます。  都道府県について見ますと、施行促進の対象となる公共事業等の追加後の予算総額、これは当初と追加と合わせた額でございますが、これを基礎として一月末の契約率を見てみますと、八六・〇%となっております。そういうことで、私どもが現在把握できます契約ベースで申し上げますならば、過去の同期間の契約率と比較しても、おおむね順調に推移しているものと考えているところでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 その中で、さっき一月の数字をとられましたけれども、これは契約ベースで結構なんですが、平成四年度の年度内に執行し切れないで翌年度に繰り越された分、これがどのくらいのボリュームがあるのか、これについてお伺いいたします。

松本英昭自治省大臣官房審議官

○松本(英)政府委員 ただいまのところ、まだ三月末、年度の締め切りに伴います統計調査をいたしておりません、地方公共団体も出納閉鎖期日が五月末でございますから。そういうことで、現在のところ、契約ベースでも、三月末、いわゆる年度内の契約率が幾らになるかということは確かに把握をいたしておらないところでございますが、できるだけ早期に調査をいたしたいと考えておるところでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 後ほど、前倒しの議論のときにはた今の問題に触れたいと思います。  次に、平成五年度の当初予算において、地方公共団体の財政の関係で景気対策にどのような取り組みをしているか、これを概括的に伺いたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 平成五年度におきましては、地方財政対策を検討するに当たりまして、こういう景気の状況を踏まえまして、地方単独事業を積極的に地方団体にお願いしようということで、単独事業費を、前年に比べまして一二%増、金額で一兆七千八百億円の増加ということで総額十六兆五千八百億円を計上いたしました。この地方財政計画を計上すると同時に、私どもとしては、各地方団体に対しまして、あらゆる機会を通じまして、平成五年度の地方団体の予算編成に際してこの地方財政計画の策定方針に積極的に対応していただきたいという御要請をしたところでございます。  その結果、全都道府県、都道府県段階だけの数字でございますが、全体で、地方財政計画の単独事業費の伸び、今申しました一二%を上回ります一三・三%の伸びを確保することが判明したわけでございます。市町村分につきましては、今いろいろと調査をしておりますが、非常に数が多うございますので十分な作業になっておりませんけれども、恐らく都道府県のこの状況あるいは市町村の抽出的にお伺いしている範囲では、この地方財政計画の伸びを全体としても確保できたんじゃないだろうか、こういうふうに今考えているところでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 このたび、政府の平成五年度における新たな総合経済対策が方針が示された。まだこれは補正予算という形にはなっておらないわけでありますが、基本的にはこの当初予算の景気対策ではまだ不十分、こういう認識のもとに追加的な方針を示されたのだと思っております。  そこで、この新しい総合経済対策の中で地方としてどのような景気対策がとられようとしているのか、これについて御説明いただきたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 今回政府が決めました経済対策を受けまして、国はこれから本格的な予算編成、補正予算の編成をやるわけでございますが、地方団体におきましても、これに関連いたしましてこの政策、対策に盛り込まれたうちの地方団体に関連する部分、それは一つは公共事業の施行促進の問題、これは国は閣議決定で、七五%を上回る率で上半期を執行したいという閣議決定が行われました。私どももその日付で事務次官名で各自治体にお願いをいたしまして、七五%を上回る国の方針に沿って御協力をいただきたいということを要請をいたしました。  それから二つ目は、公共事業の増額がございますが、これに伴いまして地方負担の増加が出てまいります。この地方負担の増額が、今のところ全体の補正予算の額がわかりませんから具体的にはわかりませんが、地方負担の額は恐らく一兆円を超えるんじゃないかというふうに考えますが、こういう地方負担の額をきちんと確保していかなければならないだろう。また、地方単独事業につきましても、二兆三千億円の増額を盛り込まれたわけでございますので、これに伴う財源措置というものを対応していかなければならないと思いますし、公共用地の先行取得につきましても、一兆二千億の金額が計上されておりますので、これらもきちっと財源措置をしてまいらなければならないというふうに考えているところでございまして、そのほか中小建設業者に対する発注の確保の問題でございますとか、あるいは資機材とかあるいは労務対策というような問題につきましても、円滑に事業が実施できるようなそういう配慮というものを地方団体にもお願いをしなければならないというふうに考えているところでございまして、こういう対策ができた以上は、こういう今申しましたような地方自治体の関連する部分について積極的に対応していただくように、これからもお願いをしてまいりたいというふうに考えております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 当初予算及び来るべき補正予算ともに、地方単独事業というのは地方債の増発を中心に財源を確保する、こういう方針だろうと言われておりますが、昨日の参考人の意見の中には、地方債はいずれ返さなきゃならぬ、この償還のことを考えると、単独事業をどんどんやりなさいと言われてもなかなか難しい面が出てくるのではないか、昨年度においては何とかこなしたけれども今後不安を覚えるとか、限界があるのではないかとか、こういう御指摘がなされました。  この点について、その財源の確保、それからこの事業を十分やっていけるのか、その点の見通しをお伺いしたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 平成五年度は地方税収につきましてもかなり厳しい状況でございますから、財源面におきまして、各自治体におきましてはいろいろと苦慮をして予算編成をしたということを聞いております。地方財政計画の平成五年度の分につきましても、この点は税収の伸びの鈍化というような形で反映されているわけでございまして、建設事業を行うに当たっては、こういうときには地方債を活用して事業量を伸ばしていくということはやらざるを得ないわけでございます。そういう意味から、地方におきましても、地方債の充当率を引き上げるとか、あるいは地方債の弾力的な運用というようなことを含めまして財源を確保し、事業を執行していただくということにならざるを得ないと思います。それはおっしゃるとおりでございます。  そういうことを考えますと、借入金の残高が相当ふえてくる、ふえてくるということは将来にわたる地方財政の健全性という観点から見るといろいろ問題が出てくるわけでございます。それで、今後の公債費の負担というものを細心の注意を持って見ていく必要があるのじゃないかと私は思っております。そして、こういう時期でございますから地方債を活用いたしますが、景気が回復してきたときには、地方債を今までのように増発していくとかいうことではなしに、けじめをつけていくということも必要だと思いますし、また、近年におきましては、過去において特例的に発行いたしました地方債を繰り上げ償還する措置もいろいろと講じたわけでございます。そういうことをやりまして将来の公債費負担を軽減していくということを地方財政計画の中でもやってきているわけでございますので、これからもそういうことを念頭におきながら公債費負担の軽減というものは十分考えていかなければならないのじゃないかなというふうに考えているところでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 ぜひ健全性を維持しながら、個々の自治体における適切な指導もあわせてお願いしたいと思います。  そこで、このたびの総合経済対策に基づいてこれから補正予算を組まれるわけでありますが、今回の対策の中で、住民生活に直結するような、いわば豊かさを実感できるような事業に力を注いでいくべきだというふうに思うわけです。これがこの対策の中でどのように具体的に配慮されているか、この点の御説明をいただきたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 今回の経済対策におきましては、景気刺激をするための社会資本の整備ということを掲げたわけでございますが、これは現在の情報化あるいは高齢化社会というようなものを踏まえまして、豊かさが実感できる「生活大国五か年計画」というものが政府全体の計画としてあるわけでございますので、こういう計画に示されました将来の展望を踏まえながら対応していくべきものだと思うわけでございます。  公共事業の内容につきましては、これから補正予算の作成過程におきまして個々の事業の張りつけが出てくると思うのでございますけれども、聞いております中では、快適な生活環境の形成に役立つ事業、例えば下水道事業とか農村集落排水事業とかいうようなもの、こういう生活環境の形成に資する事業に特に配慮していろいろな事業が執行されるというふうに聞いております。また、地方単独事業につきましても、地域の実情に応じてその地域の住民の身近な社会資本の整備というものをこの機会に積極的にやっていただきたい、生活道路とか下水道の整備、公園の整備、一般廃棄物処理施設の整備というようなもの、あるいは既にかなり老朽化してきている公共施設、公用施設の大規模な改造をやってもらうとかいうようなことを期待いたしまして、二兆三千億円の地方単独事業費を見込んだものでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 今回の対策の中で減税措置というのも出ておるわけですね。国税レベルで一千五百億円程度、こういうわけですが、これに伴う地方税のはね返りというか、地方の収入に対するはね返りというものも出てくるだろうと思います。午前中の質疑では、これが約五百億円ほど、こういうふうに言われておったと思いますが、五百億円といえども、これは非常に貴重で、かつ重要なお金でありますから、これが地方へしわ寄せされるということは厳に避けなければならないと思います。  そこで、この減税措置に伴う地方財政のへこみ分をどうやってカバーするか、そこまで措置をとり、かつ説明をしなければ地方団体としては安心できないだろうと思うのですね。その対処の方針について伺いたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 今回の経済対策におきまして、投資減税を含みます国税の政策減税が行われたわけでございまして、この投資減税あるいは教育減税というようなものは所得税、法人税の税収に影響してくるものだということでございます。そして現在の試算額では、今年度におきまして千五百億円程度の税収減があるということでございますので、これの三二%に相当する約五百億円前後が地方交付税に影響を受けるということになるわけでございます。  これは具体的な方針が、経済対策としてそういう方針が決められたということでございまして、これを会計上どう処理するかという問題はこれからの問題になるわけでございますので、具体的にこの地方交付税の減収の補てんに対してどういうふうな対処方法でいくかということにつきましては、これから大蔵省と十分詰めていかなければならないというふうに考えおりますけれども、その補てんの仕方につきましては地方が納得いく方法で対処しなければならないと思っておりますので、こういう点を踏まえまして大蔵省と十分協議をしてまいりたいというふうに考えております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 ぜひその際に、従来の例えば特別会計借入金というような安易な方法にはよらないで、十分な納得のいく対策というものを配慮していただきたいと思います。  そこで、この景気対策の一環として、前倒し七五%を上回る、こういう方針が示されて、昨日実務的な分野で、これが七五・七%というふうに言われたようであります。これの基本的な考え方を伺いたいのですが、何に対して七五%なのか。これは例えば本年度の当初予算のみなのか、それとも前年度からの繰り越し分を含むのか、あるいはこれからの追加措置を含むのか、その七五%を算定するにおいてその分母にはどのようなものが入るのか、その範囲について教えていただきたいと思います。

松本英昭自治省大臣官房審議官

○松本(英)政府委員 契約済み額の上半期目標率七五%に係る契約率の算出方法でございますが、分母は、平成五年度における対象事業に係る当初予算額プラス平成四年度からの繰越額、こういうことに相なっております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 そうしますと、平成四年度からの繰り越し部分については数字がまだつかめていない、先ほどこういうお話でしたね。ですから、これをなるべく早くつかんで、その上でこの七五%ということを促進するような手を打っていかなければならないわけでありますから、ぜひその点をお願いしたいと思うのです。  そうしますと、今回の対策に伴う追加補正の部分はこの七五%に含まれないわけですから、この七五%の残りの二五%分と、それからその追加補正に伴う分というのが下半期に及ぶ、こういう考え方でよろしいのでしょうか。

松本英昭自治省大臣官房審議官

○松本(英)政府委員 お答え申し上げます。  まず最初の、契約率の七五%の分母には平成四年度からの繰越額が入るから地方においてもこれを考えて事業の促進を図ってもらいたいというお話でございますが、地方公共団体におきましても、この繰越額というのは予算現額として計上されてくることになりますので、したがいまして、当然その部分を含めて執行の促進が図られるものと考えているところでございます。  それから、後段のことでございますが、したがいまして、平成五年度におきましては、上半期については現在の当初予算額プラス繰越額というものをベースとして施行促進をする、そうして後半期には追加部分というものが主として表に出てくるのではないか、こういうふうに考えていただいていいのではないかと思っておるところでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 地方に対しては、自治省としては、これはあくまで別な組織体ですから、要請するということになるわけでありますが、地方だけに要請をして国がやらないというわけにはもちろんいかないだろうと思います。  そこで、直轄事業あるいは補助事業、国の絡む分野についてこの前倒しの具体的な措置を伺いたいと思うのですが、特に、まず初めに建設省に伺いますが、直轄事業を扱う分野が多いだろうと思います。それから、補助事業については、これはその手続がいろいろあると思うのです。この手続面の簡素化、迅速化ということをあわせて図っていかなければかけ声倒れになってしまうだろうと思います。これが今年度においてどのような簡素化、迅速化の努力がなされているか、この点あわせてお伺いしたいと思います。

木下博夫建設省大臣官房会計課長

○木下(博)政府委員 お答えさせていただきます。  先日の委員会でもちょっと申し上げたのですが、建設省が所管しております事業の中には、お話がございました直轄、補助あるいは公団関係、それぞれございます。先ほども自治大臣からお話がございましたように、私どもも補助事業――単独事業はちょっと話題は別といたしましても、地方にお願いしてやっております事業が大変ございますので、これらに対して十分日ごろから配慮しておりますが、今回とりわけ、いわゆる切れ目のない事業執行という点から、事務の簡素化は私どもとしては大変重大な課題であると認識しております。  念のため申し上げますと、私ども昨日、事務次官を筆頭といたします連絡会議で、建設省は国の意向を受けまして七七・五という昨年より〇・五ポイント高い上半期の目標を立てましたが、その中で補助事業は七九・六、直轄は七八・四という目標を一応立てております。もちろん、これらにつきましては、当然事業間での連携といいますか、相互関係をやっていかなければなりませんので、どちらの事業が前倒しされて、どちらの事業がおくれてもいけないと私どもは思っております。  まさにお話ございましたように、事務の簡素化、合理化でございますが、若干個別に入りますが、やはり直轄、補助を問わずに、私ども今そういう意味での事業促進という観点から事務の簡素化を図っております。ちなみに申し上げますと、例えば継続事業などのヒアリング、これはもう極力我々としては省略したいと思っておりますし、その際の提出書類等も簡略化を図ってまいりたいと思います。それから、設計とか発注の段階におきましても、いわゆる標準タイプのようなものにつきましては、できるだけ一つの画一化された標準方式で発注なり設計をやってまいりたいと思っております。  こういうようなものをもろもろあわせまして、私どもも事務の簡素化を図りたいと思っていますし、それから権限もできるだけ、私ども直轄の場合におきましても、出先の事務所にも権限を相当おろしてまいっておりますし、それから県の方で設計等を変更なさるときに、従来若干細かく我々目を通させていただいておりましたが、そのあたりも対象の金額を少し上げまして、私どもの本省までわざわざ御相談をいただく件数をできるだけ絞りたい。  これらを全部まとめまして、先般来事務次官通達を二度にわたり、あるいは官房長通達などで趣旨の徹底を図っておりますが、今後ともその趣旨を十分徹底してまいりたい、こう思っております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 補助事業については、運輸省、農林水産省もかなりのボリュームをお持ちだと思うのですね。それぞれ運輸省、農水省の順番で、この事務の簡素化にどう取り組んでおられるか、簡潔に御答弁いただきたいと思います。

和田敬司運輸省港湾局管理課長

○和田説明員 お答えいたします。  運輸省が所管いたします港湾関係補助金等の交付決定にかかわる事務手続につきましては、従来からいろいろな形で見直しを行いまして、その改善を逐次図ってきております。  今年度におきましても、その申請書の様式を簡素化するとか、あるいは審査のやり方につきまして、従前執行の適正化を図る観点から二重チェックしていたのを、最初のチェックで審査の適正化を全うするというような形でなるべく迅速化、簡素化を図るということで、審査の効率化、また迅速な交付決定を行うというような努力をしておるところでございます。他の公共事業についても、同様なつもりで迅速化、簡素化に努めておるところでございます。  以上でございます。

蛎灰谷操農林水産省大臣官房経理課長

○蛎灰谷政府委員 農林水産省におきましても、五年度の当初に発注する予定の公共工事につきまして、特に予算成立後補助事業の執行が直ちに行われるように、三月中にできる分は準備を行った上で、例えば事前審査の迅速化による内示の早期化でありますとか、保安林の解除につきまして、後年度に工事する分も含めまして今回一括処理する等事業実施に関する許認可事務の迅速化を図るとか、あるいは早期着工分につきまして、分割申請の制度を活用したり、事前準備による審査期間の短縮化等交付決定時期を早める、それからさらには交付申請の添付書類の簡素化を図る、こういったことをもちまして補助金に係る事務の一層の迅速化及び簡素化を図っているところであります。  なお、こういったことを通じまして上半期の政府の契約目標を達成するとともに、第一・四半期においてもできる限り多くの契約を行えるよう努めてまいりまして、早期の景気回復にも貢献をしてまいりたいというふうに考えております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 以上のような国としての努力があるわけですが、この地方の単独事業においては、直接の執行者でない自治省といたしまして、この七五%を超える達成についての御決意を伺いたいと思います。

松本英昭自治省大臣官房審議官

○松本(英)政府委員 お答え申し上げます。  自治省におきましては、去る四月十三日の「総合的な経済対策の推進について」という閣議を受けまして、地方団体に対しまして同日付で各都道府県知事、指定都市市長あてに次官名の通知を発し、地方単独事業を含む公共事業等の上半期の契約済み額の割合が全体として七五%を上回ることを目途として、可能な限り施行の促進を図るよう要請したところでございます。  また、既に三月九日付で、地方単独事業を含む公共事業等の円滑な実施が必要であるという観点から、債務負担行為の積極的活用とか、契約事務の迅速什とか、都道府県段階における市町村施行事業に係る事務処理の促進等による公共工事の発注の平準化等についてあらかじめ十分御検討いただくようお願い申し上げる旨の要請を行っておりまして、地方団体におきましては事業の執行体制等について既に所要の検討を行っていただいているものと考えているところでございます。さらに、地方債事務処理の迅速化、弾力化ということにつきましても、昨年も行ったところでございますけれども、今年は昨年以上にこの迅速化に努めてまいりたいと思っているところでございます。  今後、地方団体においては、単独事業を含む公共事業等の上半期の契約目標率について国に準じて方針をお定めになると考えているところでございますが、本年度と同様の大幅な施行の促進を要請いたしておるところでございまして、今回の総合的な経済対策が早い時期に方針が定められているということ、あるいは昨年の上半期での達成率等を勘案いたしまして、私どもとしては今回も全体として順調に執行されるものと期待をいたしているところでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 公共事業に絡みまして、例えばやみ献金ですとか談合ですとか、こういう不明朗な問題がいろいろと今日指摘をされております。その中で使途不明金というものが問題化しているわけでありますが、これについて幾つかお伺いしたいと思います。  まず、国税庁ですが、この使途不明金の実情につきまして、例えば平成二年の実態については、使途不明金の総額が調査をした集計によりますと四百七十六億円、そのうち使途が判明しなかったものが三百七十億円、これは資本金一億円以上の法人について行ったものでありますが、その一億円以上の法人が三万二千四十社、そのうち実地調査を行った対象が四千九百八十三社。中でもこの使途不明金は建設業が圧倒的なボリュームがありまして、その四百七十六億円のうち実に三百五億円という多額であります。これは建設業について調査を行ったのが六百社ありまして、そのうち二百社からこういう実数が浮かび上がってきたという実態であります。  さて、平成三年度についての同様の分析を含めてこの使途不明金の実情についてお伺いしたいと思います。

藤井保憲国税庁調査査察部調査課長

○藤井説明員 お答え申し上げます。  ただいま委員から御指摘がございましたのは、私ども使途不明金につきまして御指摘のとおり資本金一億円以上のいわゆる大法人につきまして、かつ、実地調査を行いましたものにつきましてその計数を把握しておるわけでございまして、ただいま平成二事務年度に係る数字を御披露されたところでございますが、平成三事務年度におきましては、いわゆる大法人の数は三万三千七百二十八社ございまして、そのうち実地調査を行いましたのが一四%に当たります四千七百二十二社、把握しました使途不明金の総額が五百五十八億円、そのうち使途が解明できなかったものは四百十九億円でございます。なお、先ほど申しました五百五十八億円の使途不明金総額のうち、業種別に見ますと建設業が三百八十二億円、このようになっておるところでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 平成三年におきまして今の数字でいきますと、使途が判明しないものが使途不明金総額のうち七五%に及んでおる、そして建設業の占める割合は実に六九%に及ぶ、こういう実態であります。恐るべきものがあると思うのですね。  それで、この調査対象の企業を選ぶに当たっては何か特別な基準があるのですか。あらかじめ内偵に基づいて怪しいところを選択したのか、それとも全く無作為に選んだのか。それによって全社での推定額というのがどれくらいに上るかというのがある程度類推できると思うのですが、その点いかがでしょう。

藤井保憲国税庁調査査察部調査課長

○藤井説明員 お答え申し上げます。  私ども、適正課税を実現するという観点から、常にあらゆる資料、情報を収集いたしまして、その中から特に問題があるというものを抽出しております。そうした中で、私ども、法人にもいろいろ規模がございますので、やはり大法人に傾斜したその選定ということもやっておりますが、基本的には、先ほど申し上げましたように問題のある法人を選ばせていただいておる、そのようにやっておるところでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 そうしますと、単純な推定は成り立たないのでありますが、この調査をした中でこれだけの実態が浮かび上がった。これを単純に引き伸ばすと、年間で三千億円は下らないだろう、こういう数字も出ているわけでありますが、これは確かな推定とは言えないと思いますが、ただ資本金一億円以上の会社について調べてこれだけ出てくるわけですから、これを全企業に広げれば、これはもう莫大な数字になるだろうと思います。  そこで、この使途不明金の処理は税法上どうなされているかといいますと、例えば法人税基本通達では「その費途が明らかでないものは、損金の額に算入しない。」要するに、この損金あるいは必要経費というものは、納税者側が立証できたものについてこれを納税者側の利益に認めるという制度ですから、立証できなければ損金あるいは必要経費として認めない。いわば当然のことが通達で書いてあるわけでありまして、別段使途不明金について特別な処置がなされているわけではありません。  そして、例えばこの使途不明金の事実があったとしても、その法人が赤字であれば何ら課税という結果には結びつかないわけであります。黒字の場合のみ、その黒字幅において課税という結果に結びつく。ですから、巷間、課税を覚悟で使途不明金を出している、こういう言われ方をするわけでありますが、課税とこの使途不明金の額とは直接には結びつかないわけですね。  先般問題になりました金丸事件、これに幾つかの建設業がやみ献金をした、こういう報道もなされました。それは、幾つかの会社の実態調査によりますと、全部使途不明金として会社内では処理しているのだ、こういう供述もあるようであります。  翻って、この使途不明金なるものを考えてみますと、一般論として申し上げますが、私は弁護士として実務に長年携わってきたわけでありますが、弁護士がさまざまな事件にかかわるときに、やはり企業にはこの使途不明金というのが浮かび上がってきます。その使い道を調べていきますと、これが違法な行為に使われている、こういうことがやはり少なくないわけですね。例えば政治資金規正法に違反して政治家に献金がなされるとか、あるいはわいろであることを承知で贈賄として使われるとか、さまざまな違法な行為に使われておる、こういう実態があるわけであります。  したがいまして、さらに申し上げれば、今回の政治改革法案、これは与野党ともに幾つかの考え方を出しているわけでありますが、自民党案におきましても、政治家個人に企業、団体が献金をするというのは違法だ、やってはならない、これを犯罪として処罰する、こういう立て方をいたしております。それから、社会党、公明党の案におきましては、もう全面的に企業、団体の献金は禁止する、こういうことで犯罪として取り扱っております。ですから、今の時代の流れを見れば、使途不明処理をして政治家個人に献金をするということは与野党ともに認めない、違法である、こういう認識に立っていると言わざるを得ません。そのほかにも、このやみ献金に限らず使途不明というのはわかっていながら違法な使途に使われているということが実情であることにかんがみますと、これは税法の世界では必要経費性が立証できなければ納税者の不利益にというふうに扱われるわけでありますが、この使途が合法性の立証ができなければこれは違法という推定が働く、こういうふうに基本的にとらえるべきだというふうに私は思うわけですね。  そこで、その使途不明金を出した場合には、やはり何らかの法的制裁を考える必要がある。現行法ではどこを探しても使途不明金という規定は出てきません。したがって、これを抑制するという仕組みがありませんので、野放しになっているというのが実態だろうと思うのですね。それが証拠に、国税庁の調査におきましても、過去十年近く見ましてほとんど減っておりません。減るどころか微増している、だんだんふえてきているというのが実情であります。したがいまして、これを違法という認識のもとに何らかの制裁を工夫していく必要がある。  そこで、お尋ねですが、まず大蔵省に伺います。  税制の面からいきますと、これまでは何ら対策を講じない、これを商法、刑法の分野の問題だということでずっと取り扱ってきたようであります。しかし、使途不明金を出すということは、受け取った側は当然納税に結びつかないということにもなるわけでありますから、その意味でこの使途不明金を出した側が受取人側の本来払うべき税金をかわって負担をする、いわば代替して納税をする、こういう考え方も成り立ち得ると思います。それから、税法の中には重加算税というような、いわば所得に課税をするというのではなくて、一種の隠ぺい仮装に対する制裁、こういう手だても含まれているわけですね。ですから、この使途不明金に対しては制裁をする、こういう考え方もあるだろうと思います。そして、先ほど申し上げましたように赤字、黒字で課税の結果には結びつかない、しかも、課税されたとしても直接使途不明金の額とは関係ない、こういうのが現行法の建前でありますから、私はこの代替課税あるいは制裁課税という考え方に立ちまして、この使途不明金の額そのもの、これは調査をすればわかるわけでありますから、この額そのものに対して何らかの課税措置をとるべきである、このように考えるわけでありますが、大蔵省の考え方はいかがでしょうか。

清水治大蔵省大臣官房企画官

○清水説明員 使途不明金について税制の立場で何らかの抑制をするようなことが考えられないかという御指摘でございますが、先生御指摘のように、現在、制度あるいは取り扱いにおきましてどうなっているかと申し上げますと、使途不明金、法人が経費として支出したと称しておる、ただその使い道なり支出先がわからないというものでございます。やはり税制の考え方といたしましては、支出されたものがどこに帰属している、真実の所得者がだれであるかということを見きわめまして、できる限り使途を解明してその支出先に対して適正な課税を行っていくということが基本だと思っております。  こういうような観点から、国税当局におきましても最大限の努力をして使途の解明に努めているというところでございますが、ただ、どうしても使途がわからない、不明である場合につきましては、所得計算上の経費としての性格を否認する、税法の言葉で申し上げますと損金不算入という形によって結果的にその部分について課税を行っていることになっているわけでございます。法人税制の中では、収益から経費を引きました所得に対して負担を求めていくという仕組みになっておりますので、いろいろ御意見があるかと思いますが、法人税制の枠内の措置といたしましては、その経費性を否認することによりましてできるだけの、最大限の措置を講じている、こういうことになるかと思います。御指摘のように、それぞれの法律の関係での問題というものもあるかと思いますが、税制の枠内としてはこのようにできるだけの措置を講じているということを御理解いただきたいと思います。  なお、先ほど先生御指摘のように、税制調査会におきましても、昭和五十八年の答申におきまして、この使途不明金の問題について、本来何らかの経費としての性格を持つ支出を損金不算入として全額を結果的に課税する、そういうことは法人税制の枠内の措置としては限界であると考えられる、これ以上の措置を講じる場合については商法なり刑法などの関連で検討されるべき問題である、そういった指摘があったということを述べているところでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 時間も参りましたけれども、今おっしゃられたことは、要するに税法上何の措置もとっていない、制度化されていないということをおっしゃったにすぎないのですね。五十八年の答申を出されましたけれども、その後一向に改まっていない。この事態にどう対処するかということを聞いているわけですから、新たな立法論を検討すべきだと私は思います。あした大蔵大臣にたっぷり伺いたいと思います。  そこでもう一つですが、会社法の関係では、現状では特別背任罪に問うとか、あるいは監査を充実させるとか、あるいは株主の責任、役員の責任追及に任せるとか、いろいろなことが考えられるのでありますが、実際にはそれは機能しません。ですから、違法性の推定という考え方に立ちまして、この使途不明を出した会計責任者あるいは役職員を直接に処罰する、こういう法制が検討されなければ一向になくならないと私は思います。そうした面での立法論も御検討いただきたいと思いますが、法務省に最後にこの点の御認識を伺って、私の質問を終わりたいと思います。

岡光民雄法務省民事局参事官

○岡光説明員 会社法の立場からお答え申し上げますが、商法におきましては、委員御案内のとおり、会社の財政状態あるいは経営実績を把握するために、計算書類等におきまして会社の財産それから損益の状態を明確に記載するようにという要請が規定されておりまして、いかなる支出につきましても会計帳簿に何らかの形で記載するという要請があるわけでございます。  それでありますから、使途不明というものが帳簿上出てくるということはないわけでありますが、いずれかの記載にしてありながら、よくよく調べてみると裏づけの資料がないというものにつきまして、結果的に使途不明金というふうに扱われてくるわけでありますが、その一事をもちまして直ちに責任が生じるという法制になっていないのは御指摘のとおりでございます。  ただ、現行法の対策といたしましては、こういった使途不明の支出に関しまして取締役等会社執行部に不実の記載をしたというような事跡があれば、科料に罰せられることもございますし、場合によりましては損害賠償責任を負うこともございます。それから特に悪質なものにつきましては特別背任罪というものもあるわけでございます。  それをさらにより実効性あるように、ワークできるように、立法的な観点から何か考えてはどうかという御指摘かと思いますが、使途不明というその一事で直ちに責任を生じるということになりますと、そこはこれから慎重に検討していかなければいけない事柄だと思います。ただ、今国会で法務委員会の方で御審議願っておりますけれども、私どもの方で用意いたしました商法の改正法案におきましては、株主からこういった会社執行部の責任を追及する手段といたしましてより実効性のあることができないかという観点の改正項目を幾つか出しております。例えば、代表訴訟という形で会社執行部を追及していく場合の仕方につきまして、少し楽にしていく、例えば訴額の観点からいたしまして、経費が小額であっても代表訴訟を提起できることであるとか、それから会社の帳簿を閲覧する持ち株要件につきましても少し緩和した形で、少数の持ち株しか用意していない株主さんであっても帳簿閲覧ができるというふうなことも改正案としてお出ししておりますので、そういった努力を今後ともしてまいりたい、かように思っているわけでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 五十嵐広三君。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合

○五十嵐委員 村田自治大臣は大変文化人でありまして、みずから詩集なんかもお出しになるという詩人でもあります。私ども大変尊敬をするわけでありますが、そういう意味で自治大臣としての地域文化振興に御在任中ぜひひとつ特色ある御尽力を賜りたいというふうに期待をいたしたいと思う次第であります。  今お手元に私どもの党のシャドーキャビネットの自治委員会で去年の春に出したものなのですが、改めて地域文化について少し勉強してまとめてみたものでありますので、お暇な折にまたごらんいただきたい、こういうぐあいに思う次第であります。  そこにも少し書いてあるのですけれども、私ども国会に出てみて感ずるのは、やはり国会での文化的な議論というのはほとんどないので、これは文教委員会も含めてそういうことを痛感するわけであります。今度地方財政対策で、五百億でありますが、文化振興について特に枠を設けたということは、そういう意味で大変評価をいたしたい、こういうぐあいに思う次第であります。  文化庁からおいでいただいておりますので、まず国の方の文化予算について簡単にお聞きしたいと思いますが、これはもう余分な説明は要りませんので、数字だけお話しいただければ結構でございます。平成五年度の文化庁予算額は幾らかということと、対前年比の伸び率はどうなっているか。それから二つ目は、そのうち文化財の保護予算等を外して、芸術文化振興関係予算は幾らで、これは対前年比の伸び率はどうか。それから三点目は、平成五年度の文化庁予算額が国の一般会計に占める割合は何%か、これは前年はどうであったか。それから四つ目は、芸術文化振興基金、これは六百億ですね。国が五百億と民間から百億、合わせて六百億で基金をつくった、これは大変よかったと思うのですが、それの平成五年度の運用による認可予算額は幾らか、これはまた前年はどうであったかということについて、数字だけで結構ですからお答えいただきたいと思います。

中西釦治文化庁文化部文化普及課長

○中西説明員 お答えいたします。  まず、平成五年度の文化庁の予算額でございますけれども、合計で五百三十八億九千七百万円になっております。これは、対前年度の伸び率といたしましては八・七%の増ということでございます。  それから、この全予算に占めます芸術文化振興関係の予算額でございますけれども、全体で百三十億七千四百万円になっておりまして、対前年度に比べまして伸び率は八・三%の伸びになっております。  それから、三番目のお尋ねの平成五年度の文化庁予算額が国の一般会計に占める割合でございますが、〇・〇七%でございまして、前年度も同じく〇・〇七%の比率になっております。  最後に、芸術文化振興基金の助成額、平成五年度の認可予算額でございますけれども、三十億一千八百万円になっておりまして、この額は前年度と同額でございます。これはいわゆる六百億の利子収入でやっておりますので、前年度額を一応確保するということでことしはやっていきたいというふうに考えております。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合

○五十嵐委員 しかし、六百億で三十億というのだから五%、なかなか大変ですね。少ない予算で文化庁はよく頑張っているというふうには思うのでありますが、それにしても余りに少ないという実感がいたします。  これは文化庁でもあるいはどこでもよく承知しているように、大体一般会計に占める割合でいうと、フランスが〇・八%ぐらい、それからイタリアが〇・七%ぐらい、ドイツで〇・三、四%ぐらいですか、まあ我が国の〇・〇七%というのはいかにもこれ一けた少ないという感じがします。  これは、文化庁はできてからことしでちょうど二十五年ですね。二十五年前、今長官、初代長官が初登庁の記者会見でこう言っているのですね。近い将来文化省にしたい、こういうことなんかも言っておられて、それはもう大変な情熱で、それは長官だけではなくて全職員がそういう意気込みでスタートしたと思うのだけれども、なかなかそういかないのですね。  殊に、八〇年代は私どもかなり期待していた時期なんですが、結局十年間で、これは僕はあのときの臨調、行革審なんかの文化に対する対応というのはちょっとどうかなという感じが今するのですが、結局、文化予算が集中的に抑えられた。あのときは十年間で四百億のところでもうずっと固定して動かなかった。途中では三百六十億ぐらいまで落ち込んだこともあった。ようやくここ二、三年、少し伸びてきているという感じなんですね。それでもこの程度なんです。いや、情けない話なんですが、しかし、そういう中で頑張っているのはやはり地方だと思うのですね。  同じその八〇年代十年間で、地方における文化振興予算というのは二倍以上に伸びたのですね。これはおたくの方の資料で、文化庁の方の資料で、地方公共団体の文化関係予算の推移というのが昭和五十五年以降表があるようですが、ただ、最近は平成元年度までしか出ていないようですね。平成元年度で、都道府県が千三百六十三億、市町村が三千四百六十三億、合わせて四千八百二十六億、この十年間で二・四倍になっているのですね。国の方は全然動かないで、しかし地方の方は随分やった。平成元年度で四千八百二十六億ですから、その間二・四倍になっているわけですから、私は、元年以降今日までの伸びを考えると恐らく六千億ぐらいになっているのではないかという感じがします。国の方は六百億に満たない。しかし地方は、今や六千億の文化予算を持って頑張っている。しかも、それは地方の場合はほとんど文化財の保護なんというのはわずかなもので、いわゆる芸術文化そのもののハードなものあるいはソフトなものについての努力を重ねてきているわけですね。今我が国の場合の文化の担い手というのは地方だ、こう言ってもいい状態になってきたというふうに思います。  そこで申し上げたいのですが、今度五百億というのがついたけれども、これだって、しかし実際には、あれでしょう、上積みが五百億というのではないですね。今までのものがあって、それにある金額が積み重なって五百億になった。しかし、それでも大したものですよ、恐らく二〇〇%以上の伸びになっているのだろうから。これはどういう金額になっていましたか、わかりますか。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 御指摘のとおり、今回の地方財政計画において地域文化振興費という形で五百億円を措置したわけでございます。従来、この五百億円というのは主としてソフトの関係経費、ハードの面につきましては、これは施設整備の関係はまた別途措置するわけでございますから、主としてソフト経費という形で計上したわけでございます。  御案内のとおり、地方財政計画の一般行政経費ソフト分というのは余り細かな区分をしていないわけでございます。ですから、これまでこの文化の分として幾ら計上したかということは、これは正直言ってわからないわけでございまして、今回改めて別枠としてこの五百億を創設した、こういうふうに御理解を願いたいと思うわけでございます。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合

○五十嵐委員 私ども、やや聞いているのでは、まあ二百五十億ぐらいだろうというふうに聞いていますけれども、そこで、さっき言った、恐らく六千億ぐらい地方でやっているだろうというのは、これは人件費は入っていないわけですからね。それだけの仕事をやっているのです。しかも、猛烈に新たな文化に対する行財政の需要というものは高まってきているわけですね。  さっきのパンフレットにもちょっと書いておいたのですが、これは余暇開発センターの調査によるものなのですが、市民の各文化活動への参加なんですけれども、音楽で見ると、合唱で四百万人、楽器演奏で七百万人、これがママさんコーラスだとかいろいろな格好で参加しておるわけですね。音楽会、コンサートなどには実に二千三百万人が入場しているという報告がありますね。美術鑑賞が約千五百万人、それから、みずから創作をしようという方なんかだって七百万人ぐらいいるんだというんですね。物すごい数だと思いますね。それから文芸の創作が七百万人、陶芸が二百万人ぐらいになって、まさに一人一文化という状況に市民の方はなっているわけですね。そういう大変な市民の文化への熱い参加というものがあって、その中で地方自治体はとにかく一生懸命対応していこうという努力を続けてきているわけですが、恐らくこれからも文化へのそういう市民の期待というもの、それに対する自治体の対応しなければならぬ措置といろいろな対策というようなものはますます高まるに違いないと思うわけなんですよ。  そう考えますと、五百億は、いや、それは今までなかったというか、これを一つの枠につくったわけだし、二百五十億ぐらい上積みしたんだし、そのことは僕ももちろん評価しますよ。評価しますが、しかしまだまだ実際に地方自治体がやっている仕事から見ると、これはもう全然けたが違うなという感じがしますですね。だから、ことしの文化振興に対する自治省の対応というものを契機として明年以降本格的に取り組んでほしい、こう思うんですよ。この点ではいかがですか。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 五十嵐委員にお答え申し上げます。  五十嵐委員は若くして北海道旭川の市長になられ、三十八歳と承りましたが、「買物公園」という構想だとかいろいろな試みを承っておりまして、私は大変高く評価をさせていただいております。  今お配りをしていただいた「市民文化の時代」でも、こういった願望、欲求の大きな発露であると思いますし、文化は地方からという考え方は私は正しいと思うのです。今東京に何もかも一極集中しておりまして、人も金も物も情報も皆一極集中していて、まるで東京でなければ文化でないようなそういう考え方が一部にある。これは明らかに過ちだったと私は思うのでありまして、全国どこへ行っても何々銀座というような、東京の銀座を模倣する町づくりというものが一時流行した、これも間違いであると思います。  地方の時代というのはまさに多極分散型の国土をつくること、それはまた多様な文化を生むことであると私は思っておりまして、例えばヨーロッパなどに行きますと、市においてオーケストラがいろいろ各地でやっておられるとか、いろいろな文化の表象を見せていただくわけでございますが、本来日本もそういうものがあったわけでございまして、これからは地方自治の時代、地方文化の時代であると私は思っております。したがって、今、国の施策、文化庁の予算についても御所見がございましたが、まさにこれから地方文化を振興していくために私どもは地方自治をしっかり強化をしなきゃならない、これが全体の考え方であろうと思っております。  日本社会党のシャドーキャビネットの自治大臣は五十嵐先生であるというふうに承っておりますので、これからいろいろな問題で、私は地方分権とか地方自治ということは与野党という概念が余り当てはまらないと思うのです。むしろ与与与与野党ぐらいじゃないかと思っておるのですが、その意味で大いに与党化をお互いに相談をしながら、地方文化のことについてもあるいは地方財政、地方分権のことについても御相談を申し上げていきたいと思っております。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 今の大臣の御答弁で尽きているわけでございますけれども、最近の余暇活動という中でやはり豊かな市民生活を営んでいこうという方々が非常に多くなってきているわけでございまして、こういうものを受けまして初めはやはりハードの面でいろいろな施設をつくっていこう、音楽ホールをつくったり美術館をつくったり博物館をつくったりというようなことから始まったと思うのでございますけれども、そういうものをつくるとその中に入れるものをどうするかという問題がどうしても出てくるわけでございまして、これからはむしろ、施設整備と並行いたしましてそういうソフトの面でそれぞれの地域で芽生えた文化というものを育てていくということが非常に重要になってくるのではないかと思うわけでございます。  そういう意味から考えまして、ことしは五百億ということで、先生の方から見ると余り多額ではないのでございますけれども、こういうものを一つの芽にいたしまして、これからたくさんの方々の御意見をいただきながらこれを育てていきたい、こういうような感じでいるわけでございます。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合

○五十嵐委員 そうですね。ぜひ大きく育てていただくように期待したいというふうに思いますね。今のお話のようにやはりソフト面を特に力を入れていく必要があるというふうに思いますね。  それで、まあしかし地方を見ると、いろいろなところでこのごろはソフト面でもおもしろいことをやっているんですね。これはというのが随分あるんですね。ですから、自治省あたりも対策を講ずる上では本当に全然不自由しないぐらいたくさんのアイデアが目の前にあるというふうに思いますから、ぜひそれらを取り入れていいソフト政策を立ててほしい、こういうぐあいに思うのです。  そこで、ソフト政策という意味でいうと、また余り小さいことをきちっと上から決めておろすなんという仕掛けのものじゃないですからね。あるいは各地方自治体の行政の面でも、余り行政が直接手を入れてどうこうするということよりはある程度任せてしまう、文化なんかという芽を。これは水戸の市長なんかがよく言うのですが、文化政策というのは、行政は金は出しても余り口を入れないようにする、舞台づくりが行政の役割だというふうな言い方をしていますが、僕は本当にそうだと思うのですね。そういう意味からいうと、基金づくりというのは大事ですよ。これは場合によっては、自治体から出す金だけでなくて民間からのお金なんかも、そういう面では税制上の措置さえきちんとしていれば協力する人は随分いるわけですから、そういうものも入れながらきめの細かいソフトに対応する基金の運用というものを考えていって、その運用に当たっては、余り役所が直接さわるというよりは専門家、しかるべき信頼のできる専門家がそれぞれこれに協力してくれるということが一番いいように思うのです。  それで、やはりそういうところは地方自治体も着目をしていて、早いところはもう一九七〇年代から基金づくりをやっているんですね。スケールの大きいところでは大阪府が基金が百億円を超えたのです。国の基金は六百億ですか、しかし大阪府で既に百億を超えた基金がある。あるいは県レベルでは愛媛、岡山、福島、岩手、大分、長崎などがそれぞれやっているようですね。市のレベルでは、これもかなり大きいのでは神戸市が三十五億、藤沢市が十八億、姫路が十億、そのほか倉敷だとか札幌だとか広島などいろいろ既に設けているわけです。それにしても全体というものでもないですね。  これは僕はそういう意味からいうと、この芸術文化振興基金をそれぞれが造成して、そこを根拠に地域文化が花開いていくような、そこに自治省は協力していく、そういう援助の仕方が一番いいのではないかというふうにも思うのですが、この点は局長、どうですか。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 文化振興につきまして、行政的な立場から支援をする方法をどういうふうに考えたらいいかということを私どもも中ではいろいろ議論をしてみました。  一つは、一定の五百億なら五百億というお金を毎年度地方団体に使っていただこうということであれば、交付税の基準財政需要額に毎年度五百億ずつ包括的に文化的な経費として計上いたしまして、それを需要額に積むことによりまして、その分は包括的なものですから、ひもを余りつけないで地方自治体が文化事業に使っていただけるのではないか、こういうような考え方が一つございます。  それからまた、基金に積んで、その基金の運用益でやっていただくということもございますけれども、基金の運用益を使うということになりますと、相当大きな基金の規模になりませんと、五百億ずつ毎年使うという経費を仮に基金の運用益でやるということになりますと、これは相当の額の基金を積んでいかなければならぬという問題が一つございます。  どちらを選んだ方がいいのかなということで中でいろいろ議論しました結果で、最初は、毎年度使えるお金で包括的に文化事業に地方団体が使えるようなお金を需要額に積んでいったらどうだろうということでやってみたわけでございます。今の基金という問題も確かに一つの有力な手段でございますので、この点もよく考えながらこれからも検討したいと思います。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合

○五十嵐委員 それから、ちょっと基金に関係して思い出したから言っておきますが、例の地方拠点都市で、あれに基金というのがあるわけでしょう。この間僕、ちょっと聞いたのだけれども、おやと思ったのだが、あの基金の運用対象に文化が入っていないんだって。そうなの。そうだとすると、これまたひどい話だなと思うのだが。

松本英昭自治省大臣官房審議官

○松本(英)政府委員 先生御指摘の地方拠点法に基づきます基金といいますのは、市町村が共同して活動のソフト事業に充てるための基金であると思います。その基金の運用益はどういう事業に使うかというのは、それはそれぞれの地域が広域的に見てそれぞれ地域の一体性を増すあるいはアイデンティティーを増す、そういう事業に使っていただくということでございますので、文化が入っておらないということではないと思います。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合

○五十嵐委員 そうですね。文化庁さん、そういうことのようでありますから御安心をいただきたいと思います。  それからもう一点、これは今度の景気対策をめぐって、この間来我々もない知恵をひねったり、また自治省の皆さんともいろいろ議論したり、各党とも話し合ったりしている中で、いろいろな建造物等をつくる上で個性のあるものをつくっていこうじゃないか、こういうことが出てきているわけですね。僕は、全くもうそのとおりだと思うのですね。今までのところ、正直言って金はかけて何百億の建物をつくったって、これこそ後世に残していこうと思うような建物というのは余りないですよね。それから、本当に市民がその建物にほれるといいますか、それを町の誇りにするというような面が必ずしもないと私は思うのです。  一%運動というのがあって、我が国でも神奈川を初めとしていろいろやられているわけですが、諸外国ではこれは随分従前もやられていて、古いのではフランスが一九五一年に制度化されているのですね。ドイツ、イタリア、スウェーデン、デンマーク、オランダ、アメリカなどでそれぞれ行われて、それに必要な予算のほかに一%ないし二%の予算をつけてやらせているわけですね。このごろでは国内でも、学校であるとかいろいろな文化会館であるとか、あるいは病院だとか老人ホームに至るまで、いろいろな建造物にレリーフであるとか美しさを加味していくというものに一%を別につけるというようなこともされ始めてきているので、これをいろいろな公共事業における建造物等についてもぜひ考えていただきたいと僕は思うし、自治省も考えているのではないかなと思うのですが、その辺はいかがですか。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 御指摘のように、全国どこへ行っても同じような建物ということでは個性ある文化というものが育たないわけでございますから、個性のある建造物をつくることは地域文化を振興する意味でも大変重要なことだと思います。  例えば学校などの場合も、戦後建てられた小中学校の校舎がどこへ行っても割合同じような建物だということで、これはぐあいが悪いのじゃないか、むしろ個性のある建物にしていこうということで、その部分は、国庫補助対象にならないけれども、地方の単独で埋めてもそういう個性のある建物をつくっていこうというようなことを最近はやり始めております。  その他のいろいろな施設につきましても、今やっておりますふるさとづくりの事業などを見ますと、そういうものも単価に加味をして、できるだけ個性のある建造物をつくっていただこう、こいうことを今の地方債の運用の中では配慮しながらやっているつもりでございますので、具体的に一%必ずというようなことではございませんけれども、地方の個性のある建造物をできるだけつくるような指導を私どももやってまいりたいと思っております。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合

○五十嵐委員 同時に、今度の地方財政対策でこれも評価したいと思う一つは国際交流に関してです。  これについても少し御質問申し上げてみたいと思うのですが、ただ、これをどういうぐあいに交付税の上で見ていくかということになれば、恐らく人口であるとかそういう要素の上にカウントしていくことだろうと思うのです。  しかし、見てみると、実は地域によってそれぞれ特性がありまして、私は北海道ですから北海道を見ているのですが、御承知のように横路知事などというのは、サハリンとの交流、極東との交流を物すごく情熱的にやっているのですね、あるいはビザなし交流を北方四島ともやりながら、これは外務省等も非常に評価をする地域における国際交流として成果を上げているわけなんですね。  あるいは北海道の町村などで見ると、例えば稚内市というのは、日本列島の一番北の端でサハリンの入り口なんです。あそこの間は四十二キロぐらいしかないのですから、天気のいいときにはサハリンが見えるようなものですね。そうすると、サハリンとの直接的な交流というものがみんなあそこを通じて出てくることになる。一生懸命熱心にやっているものですから、私もこの間、どのぐらい金を使っているんだということでちょっと聞いてみたのです。そうしますと、例えばサハリンにずっと残留している日本人がいるのですよ。これはようやくこの間から厚生省とも協力して一時帰国をし始めた。去年、第六次まで来たのですね。それがみんな稚内に船で上がって、そこでまず、半世紀ぶりに祖国に戻って、そして足を入れた感激の中で、稚内の市民は一生懸命それを温かく迎えているわけですね。例えば、それの支援の関係で三百三十二万六千円のお金が出ている。あるいはこの間、北海道の各友好都市、サハリンとの友好都市をしている人たちが北海道からもサハリンからも来て、稚内で姉妹都市の交流サミットをやった。これが、稚内でやったものですから千九百万ほど金がかかっている。しかしそれは、内容を見てみると、非常にそれぞれ成果を上げた。ざっとメモしたもので、五千五百万くらい使っているようですよ。  それはどこでもやっているかといったら、姉妹都市ははやりですからどこもやっているわけでしょうが、しかし、そういう姉妹都市の友好的交流だけでないこういう意味のある仕事をやっているのは稚内だけではないと思います。それは例えば、韓国との近くでは下関だとかそういうところでもあろうと思いますね。  つまり、ここのところは、聞きますと、特交か何かで姉妹都市一市について二百万円、二市以上は百万円ずつ積むというようなやり方をしているというふうな話も聞くのですが、やはりそれでいいのかなという感じがちょっとするのですね。それから、今度のやつにいたしましても、一千億をどういう配分にしていくのか、そこにはやはりそういうアクセントがなくていいのかという感じも一つにはするのですね。この点を特交で見るのがいいのかどうか、やはり配慮が必要でないかというふうに思いますが、いかがですか。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 最近、地域レベルの国際交流というものが非常に多くなってきているということもございまして、これも平成五年度から地方財政対策の中で一千億円の国際交流経費というものを別枠で計上することにいたしまして、これを一般的には普通交付税で算入をするということにしたわけでございます。  普通交付税で算入するということになりますと、勢い標準的な経費ということになりますから、人口とかその他の補正を多少掛けましても比較的画一的な計算しかできないわけでございまして、それを補う意味で、今御指摘のように、姉妹都市の場合には一件当たり二百万とかというようなことでやるわけでございますけれども、確かにおっしゃるように、具体的にその地域の特性に応じて国際交流をやらなければならない地域、一般的な地域、いろいろあると思うわけでございますので、そういうものをどういうふうに財政需要としてつかまえて私どもの財源措置ができるかということ、余り主観に頼りますと今度は逆に不公平感というものが出るかもしれませんので、どういう形でそれを標準化していったらいいのかという点については、少しお時間をいただいて検討させていただきたいと思います。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合

○五十嵐委員 つまり、考えなければならぬ点だと思いますので、問題提起をしておきますので、どうかぜひ対応していただきたいと思います。  それから、いわゆる内なる国際化の問題があるわけです。  これは法務省からきょういただいたのですが、平成四年六月末現在の外国人登録の員数表、これは各県別にずっとあるのですが、これによりますと、合計で百二十六万一千人ということになっているのです。それぞれの民族、国籍を言うと、それはもう物すごいいろいろなところから来ているようですね。それから、特に最近問題になっている不法残留者の数ですが、これも法務省の入国管理局からいただいた資料でございますが、平成四年十一月現在の総数で二十九万二千七百九十一人と推定される、こういうことですね。これは一年前から比べると七万六千三百九十二人増です。だから、いかに最近激増しているかということが言えるのですね。  これがみんなそれぞれの自治体、地域で住んでいるわけですね。しかも、ふえるだけではなくて、最近は家族を呼んだり持ったりして、一人一人でいるという状況じゃなくて、まさにもう家族とともにその地域で共生しているという状況になっているわけですね。しかもそれは、この間神奈川では十万人以上、十数万の外国人が住んでいると言っていましたが、それぞれの地域の模様を聞きますと、人口比でも三%だとか五%だとかいうところが結構あるのですね。そういうところはそういうところで、外国人が住民として住んでいるということに基づく新しい行政需要があるわけですね。しかも、それは複雑で非常に苦労の要る、しかし、やはりその一人一人の人権というものを考えるとゆるがせにできない大事な行政需要が生まれてきているというふうに思うのですね。  それは、国でやるべき措置もそれぞれあると思いますが、しかし、それぞれの地域、地帯の話を聞くと、例えば、医療の関係では救急医療の問題であるとか、言葉がわからないわけですから、どこが痛くてどうなのかと言うためにはやはり言葉を通訳する方法がなくてはいけないというような問題だとか、それから家族がいる、子供が生まれる、子供が育つ、そうすると小学校、中学校、高校をどうするかということも出てくる。あるいは福祉の問題もそうでありますし、住宅の問題がまた大変ですね。これはもう一番悩みの種じゃないですかね。こういうさまざまな事情というものが新たに生まれてきているということもこの際よく考えていただきたいというふうに思うのですね。  そうなると、例えばさっき言いました「外国人登録国籍別人員調査表」というのがあって、これは都道府県別にずっとあるわけですが、たくさんいるところもあるし、そうでないところもある。表を見るとそこのところはもういかにも明確ですね。山、谷があるわけですね。ですから、ここもべたでいくということではなくて、そういう状況に応じた措置というものが必要ではないかというふうに思うので、この内なる国際化に対しても、地方自治体は非常に苦労しながら一生懸命やっているわけだから、これにしっかりと的確に対応した交付税措置が必要ではないかと思うが、いかがですか。

遠藤安彦自治省大臣官房総務審議官

○遠藤政府委員 お答えを申し上げます。  御指摘のとおり、近年、外国人労働者の増加によりまして地方公共団体においてさまざまな新しい行政需要が生まれていることはそのとおりであります。一つ一つを分析いたしますと国がやるべき仕事ではないかというような議論のあるところもございますが、しかし、行政需要が生まれて経費がかかっているという現実を直視しなければならないという面もあるわけでございまして、具体的に外国人の相談窓口を設置したり日本語教室を開設したりあるいは外国語によるガイドブックを作成したりと、そういうやや普遍的な行政をしているところも多いというようなことでございますので、そういうところに当たりましては財政需要は普通交付税の中で国際化経費の中で見させていただいているっ  それから、今おっしゃられたように、市町村によって外国人登録の人数が著しく異なるわけでありまして、普通交付税だけでは必ずしも個別の財政需要を見るのに適当ではないかというようなこともありますので、そういう外国人の登録者数を一つの指標にした特別交付税の算定をするというようなことで、地方団体の財政需要をカバーしてきている現状がございます。  こういったことというのは、やはり外国人の方々の人数が多くなればなるほど財政需要というのはふえていくわけでございます。個々の地方団体の財政状況等よく伺いながら適切に対応していくことが必要でないか、またそういう方向で検討していきたい、対処していきたいというふうに思います。(五十嵐委員「そうすると、既にやっているわけだ」と呼ぶ)はい。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合

○五十嵐委員 そういう需要が高まっている折でありますので、これもことしの千億を契機にしてぜひひとつ今後また一層の御尽力をお願い申し上げたいと思います。  それから、まずこれもうんと評価をしたいのですが、森林・山村対策ですね。これは本当に地域に行きますと皆喜んでおります。千八百億円の財源措置というのは画期的なことであったというふうに思うわけであります。  そこで、関連して二、三お聞きいたしますが、一つは、担い手対策のための基金の設置についてです。これは五百億でしたね。これは一方で、既に二十二県で基金制度を持っているということで、これに加えたりあるいは新たに基金が設置されるということもあるのでしょうが、それぞれこれから運用されていくわけでありますが、この運用益の使途は恐らく都道府県にそれぞれ任せるということであろうと思います。  私、その二十二県の今やっている基金の制度の資料をとってみたのですが、やはりそれぞれ非常に多様に、おもしろい仕事などもしている。例えば埼玉県では、一つは共済契約者に対する掛金助成、あるいは森林組合の作業班員の長期従事者に対して、就労日数に応じて本人掛金の五ないし八倍の奨励金を支給するというようなこと。あるいは富山県では、下刈りの作業学生の導入のための、草刈り十字軍として参加してくる学生を受け入れる森林組合に対して、さまざまな助成措置をとっている。あるいはまた山梨県では、森林組合等に雇用される林業労働者に通年就労奨励金の給付を行っている。あるいはまた京都府でありますが、ここは京都府林業労働者共済会の行う長期就労奨励事業と国の林退共制度の二つの事業について、市町村が労働者及び雇用主に援助を行う場合に府が援助して、その掛金を積み立てることによって退職時に長期就労奨励金と林業退職金を同時に支給するというようなことに使っている。あるいは和歌山県では、年末一時金の掛金の一部助成、林退共の掛金の一部助成、それから三十歳以下の労務職員または振動障害軽快者を雇用して三年以内の森林組合に対して、その者の賃金の一部を助成するというようなことであるとか、あるいは広島県では、森林組合作業班員の就労日数に応じて奨励金を支給するとか等々、いろいろなことを各県が実情に即してやっておられる。恐らく今度の基金もそういうことで活用されるのだろうというふうに思いますが、そこのところはもう都道府県に任せてやるものということでよろしいですか。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 この森林・山村対策を設置いたしましたときに、この対策を決めるに当たって私どもが考えている意図と申しますか期待といいますか、そういうものを込めた文書を一月二十日に各都道府県に出しております。その中で、今御指摘の担い手対策のための基金の設置につきまして財政支援をするということで申し上げた中では、この運用益を活用していくということを一応期待しているわけでございますが、地域の実情に応じて創意工夫を凝らしながら、森林整備担い手対策の実効が上がるよう、関連施策の拡充に充てるということでひとつやってほしいという気持ちをこの通知文書の中には言っております。具体的な内容は、これはそれぞれの地域の実情に応じてやっていただきたい、ただし、重点的、効果的なものとしてこれをお使いいただきたい、こういうことで申し上げているわけでございます。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合

○五十嵐委員 林業労働者の、特に若い働き手の確保というのは大変な厳しい状態になっていますから、それぞれの自治体で、それはむだなことを考えるわけはないのですから、わずかな金でも生かしながら一生懸命やっていると思いますので、ぜひそこは地方に任してやらせてほしいと思う。  それから、この制度で、市町村がこの基金による事業と共同して行う経費について支援する、こういうことになっていますが、これはどの程度支援するのですか。満額ですか。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 都道府県がこの基金を使いましていろいろな事業を実施した場合に、市町村がこれに対応していただく場合には、県と市町村が協調していただくという意味からいけばほぼ同額を措置をする、ただし、この基金で積むということは、市町村ごとに県とは大分事情が違いますから、これはその年度年度の事業費という形で措置ができないかなというふうに考えております。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合

○五十嵐委員 これは特交で見るということですね。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 当面の措置といたしましては、普通交付税でとりあえず措置をいたしました。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合

○五十嵐委員 ぜひひとつその辺も十分なお手当てをお願い申し上げたいと思います。  さて、そこで最後なのですが、大臣、この間から村田大臣の交付税の、殊に特例減額等に関するお答えをずっとお聞きをしていたところなわけです。しかし、私はずっと聞いていて何となく歴代の大臣のお答えから見るとちょっと言葉が足りないといいますか、お気持ちはあるのだけれども、言葉が足りないのかなと思います。そこのところは、いわゆる公経済バランス論のところに最近はずっと言われているものですから、そこにウエートがかかる関係からなのかなと思いますが、きょうも先ほど答弁がありましたが、固有の財源としての確固たる立場というものを自治大臣はお持ちいただかなくてはいかぬのではないかと私は思うのですよ。どうもそういう点で何かこう、すっと通りがよ過ぎるように聞こえまして、ここはちょっと大臣に聞いておかなくてはいかぬというふうに思うところなんです。  大臣の答弁を言おうとは思いません。言おうとは思いませんが、例えば塩川大臣の答弁はどうであったかということを申し上げておきたいと思いますが、これは去年の二月二十八日、衆議院本会議における答弁です。この規定、つまり法附則三条を応用して貸し借りを進めることは決していいこととは思っていない、したがって、この措置をいたさないようにするためにもそれぞれ努力が必要であることは当然であると言い切っているわけです。あるいはこれは小谷委員に対する答弁でも、「私は、現在のような状況で推移するとするならばこういうことは避けていきたい、やはり交付税の基本に立った運営をいたしたい、こう思っております。」と言っているのですね。それで、少し古くなりますが、これは福田大蔵大臣のころですから大分古い話ですが、昭和四十九年四月の本委員会での答弁であります。今回の措置は今回の非常の事態に際しての臨時的異例の措置である、かようなことをみだりにいたすべきではないと大蔵大臣の立場で答弁しているのです。  そういうことを考えますと、公経済論で何か同じ財布にあるので困ったときにはまあということだけでは、私はやはりいかぬような気がするのですね。少なくとも三年も続いてきているのですから、ここは大臣、これはもう今年限りにしてもらわなければいかぬ、来年はそんなことはうまくないということは自治大臣の立場ではっきりしておいてもらわなければ困る。我々も、今交付税法に対する態度をそれぞれ明確にしなければだめな時期でありますから、そこのところはきちっとしておかなければならぬというふうに思いますので、お答えをいただきたいと思います。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 本日の答弁におきましてもあるいは本会議の答弁におきましても、それに対する自治大臣の決意ははっきり述べたつもりでありますが、今五十嵐委員が御指摘になりましたので、ここでもう一度はっきりと決意のほどを申し上げたいと思います。  地方交付税は、地域的に財源が偏在しているという実態を踏まえて、本来地方の徴収すべきものを国がかわって徴収し、地方へ再配分することとされているものでございまして、いわば国が地方にかわって徴収している地方税ともいうべき性格を有している地方団体共有の固有財源であると考えております。  したがって、先ほど福田元大蔵大臣の御表現等を借りて御指摘になりましたが、私も地方財政の厳しさというものは長年にわたってよく感じておるものでございます。したがって、ことしの四千億の貸しにいたしましても、こういった財源措置は一年限りにすべきものであるということをはっきりと申し上げておるところであり、また、これは国に対する、国と地方とのはっきりとした貸し借りであるから必ず返していただくということを本会議でも申し上げておるところでございます。  したがって、こういった問題についての私の表現がソフトであったとすれば、それは決して私の本意ではないのでありまして、地方財政というものは地方分権そして地方自治のために絶対確保すべきものという認識を持っておることをはっきりと申し上げたいと思います。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合

○五十嵐委員 つまり、それは明年以降も、これで三年続いたがまた四年、五年というようなことになるものではない、自治大臣の立場では、しかも今日の立場ではそういうことであろうというふうに思いますが、できれば後でもう一言、そうならそういうぐあいに言っていただきたいと思います。  それから、きょう同僚議員からもお話があったと思いますが、例のいわゆる国の減税措置に関連して五百億ぐらい穴があくということにもなるわけです。これは当然の話、その交付税の減額に関しては国が責任を持って対処すべきものというふうに思いますが、それはもちろんそういうことであろうと思います。  その二点について、二点といいますか、さっきのはちょっとくどくて恐縮ですが確認とあわせてよろしくお願いいたします。

村田敬次郎自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○村田国務大臣 五十嵐委員のおっしゃるとおりでありまして、私は地方財政を守る、地方自治を守るための自治大臣でありますから、強い認識に立って今後対応していきたいと思います。四千億の貸しというものは、もう来年度はそういうことは行わせないようにするという決意で臨みます。  五百億は、これは交付税繰入率に基づいて五百億というものが出てくるのであって、これはもう返してもらうのは当然のことでありますから、大蔵大臣との対応においてきっかりとやらしていただきます。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合

○五十嵐委員 どうもありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 五十嵐委員の質疑は終わりました。  次回は、明十六日金曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十九分散会

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