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126回国会衆議院1993/04/14

地方行政委員会 第10号

発言数
78
登壇者
9
会派数
5
開催日
1993/04/14

会議録

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案審査のため、参考人の皆様方から御意見を聴取することといたしております。  御出席いただいている参考人の方々は、全国市長会財政分科会委員長、守山市長高田信昭君、北海道上川管内町村会長、北海道町村会常任理事、鷹栖町長小林勝彦君、関西学院大学経済学部教授林宣嗣君、以上三名の方々でございます。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  参考人の皆様方には、御多用のところ当委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、議事の順序は、初めに参考人の皆様方からそれぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、次に委員からの質疑に対し御答弁をお願いいたしたいと存じます。  それでは、まず高田参考人にお願いいたします。

高田信昭全国市長会財政分科会委員長・守山市長

○高田参考人 全国市長会財政分科会の委員長をいたしております守山市長の高田でございます。  衆議院の地方行政委員会の諸先生方におかれましては、日ごろから地方行政の諸問題につきまして格別の御支援、御高配を賜っておりますことに対しまして、この席をおかりいたしまして、まずもって厚くお礼を申し上げさせていただきます。  本日は、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして意見を申し述べる機会をお与えいただきましたので、直接都市行政に携わっております市長の立場から意見を申し述べさせていただきます。  まずお願いいたしたいことは、ただいま本委員会において御審議中の地方交付税法等の一部を改正する法律案の早期成立についてでございます。  御高承のとおり、我が国の経済情勢は、生産、消費の停滞により景気が低迷をいたしておりまして、地域経済においても極めて厳しい状況下に置かれております。政府におかれましては、昨十三日、総合経済対策を閣議決定をされましたが、その追加事業規模は十三兆円を超え、昨年八月の経済対策を上回る規模となっております。このうち地方単独事業は二兆三千億円、公共用地先行取得に一兆二千億円が追加されているほか、公共事業の前倒し施行等も明示されているところでごさいます。地方団体におきましても、都市基盤整備のための公共投資、中でも地方単独事業の積極的、円滑な実施が強く望まれているところでございます。これらの事業実施には、その裏づけとなります財源の確保が不可欠でありますが、とりわけ地方一般財源の重要な地位を占めております地方交付税の総額や算定方法を早期に確定していただくことが必要と存じますので、本法案の速やかな成立に格段の御高配を賜りたいと存じます。  さて、都市におきましては、豊かで快適な市民生活の実現を目指しまして、生活関連社会資本の整備、高齢化社会に対応する福祉施策の充実等、その果たすべき役割はますます重要なものとなっていると存じます。今回の地方交付税法改正案には、地域づくり、地域保健福祉の増進、都市環境づくり、森林・山村対策、国際化の推進等当面する行政需要に対する財源措置が講じられておりますが、以下、その主なものにつきまして所感を申し述べさせていただきます。  第一は、地方単独事業の拡充についてでございます。  平成五年度の地方財政計画におきましては、投資的経費に係る地方単独事業は対前年度比十二%増と大幅に拡充をされておりまして、特に都市生活環境整備に着目した経費の増額が図られておりますことは、まことに時宜を得た措置であり、高く評価をさせていただいているところでございます。今後とも、地域振興に果たす地方単独事業の役割の重要性や公共投資基本計画に基づく身近な社会資本の整備促進の観点から、引き続き地方単独事業の拡充について先生方の御理解と御支援をお願いしたいと存じます。  また、ふるさとづくり事業につきましては、地域の魅力を生かした自主的、主体的な地域づくりを行うことによって、豊かで活力のある町づくりを進めていく機運が大変盛り上がっておりますので、ソフト事業分を含めぜひとも引き続き充実を図っていただくようにお願いをいたします。  二番目は、福祉施策の充実についてでございます。  本格的な高齢化社会に的確に対応してまいりますため、都市においては、国が打ち出していただいております「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の着実な推進と相まって、地域住民のニーズにマッチしたきめ細かな独自の福祉施策を展開する必要があると存じます。今回の地方交付税法改正案では、社会福祉系統経費について大幅な増額がなされ、さらに、高齢化社会に対応し地域福祉の向上を図るための地域福祉基金の積み増しも昨年に引き続き大幅に増額されるなど適切な配慮がなされております。今後とも、ホームヘルパー等の人材確保に対する支援策とともに、地域福祉基金のさらなる増強等、財政措置の一層の拡充をお願いしたいと存じます。  三番目は、国保財政の健全化についてでございます。国民健康保険をめぐります状況は、高齢化社会の進展、医療費の増大等によりましてますます厳しくなってきており、これが及ぼす国保財政への影響もはかり知れないものがあります。今回、国保事務費負担金の一部の一般財源化とともに国保財政への支援策等があわせ講じられており、これらは一体として国保財政の健全化、安定化に寄与するものと理解をしておりますが、今後とも、医療費の適正化、給付と負担の公平化、保険料負担の平準化等の抜本対策を推進し、国民健康保険の運営に支障を来すことのないようにお願いをしたいと存じます。  このほか、公有林の適正な管理及び森林整備の担い手対策のための基金設置等森林・山村対策が新たに設けられましたが、地球環境の保全の観点から、また森林資源の確保が山村地域の地域振興に大きな足がかりを与えるものでありますことから、今後とも財政措置の充実をお願いしたいと存じます。  ところで、昨年の秋ごろから地方交付税の総額の圧縮が伝えられまして、私ども大変心配をいたしておるところでございます。地方交付税の総額の圧縮は、公共投資基本計画に基づいて行っております都市基盤施設の整備や「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の実現に大きな影響を及ぼしますことから、私ども地方団体は全国大会を開催する等の運動を行いました。また、諸先生方にも大変御尽力をいただいているところでございます。結果的には、地方交付税の総額から四千億円の特例減額措置を行うことで決着を見たところであります。  この件につきましては、先ほど申し上げましたとおり、地方財政対策において地方単独事業の大幅な拡充、地域福祉の充実など、地方団体が当面必要とする各種施策に対する措置が講じられた上で行われるものであります。しかも国の予算編成が、税収において前年度当初税収を下回るという厳しい状況の中で、建設国債の増発や税外収入の可能な限りの確保に努めてもなお厳しい状況にあったこと、また今回の減額分については後年度に法律に基づき返済されるものでもありますので、この際やむを得ないものと考えているところでございます。  ただし、この際一言申し添えさせていただきますと、いわゆる交付税の総額をめぐる議論の中で、地方交付税が三年連続して減額されることなどをとらえて、いわゆる地方財政余裕論を展開する向きがあることでございます。これらの特例措置は、あくまでも異例に厳しい国の財政に資するためにとられた緊急避難の措置であり、地方団体が我が身を削りこれに協力してきたものであると存じております。内政の担い手たる地方団体が今後推進しなければならない施策が山積をいたしておりますこと、税収の動向が厳しい情勢にありますことなどを考えるならば、決して財源に余裕などはございませんので、到底納得し得ないものであることを御理解賜りたいと存じます。  次に、せっかくの機会でございますので、この際、地方団体が抱える当面の重要課題について何点か要望させていただきます。  まず第一点は、地方交付税率の堅持等についてでございます。  御高承のとおり、地方交付税は、憲法で保障された地方自治の本旨を実現するための地方団体共有の固有財源であり、国の他の歳出とは性格を異にするものと存じます。現在、緊急の政策課題となっております各種社会資本の整備、高齢化社会への対応、地域の振興などの施策の多くは地方団体によって行われているところでございまして、これら地方団体に課せられた責務を果たしていくためには、地方交付税は不可欠の財源であると存じます。今後とも、地方交付税率の堅持及び総額の確保につきまして先生方の格段の御理解と御支援を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。  第二点は、地方への権限移譲についてでございます。  私どもは、地方分権を推進し都市自治の確立を図る立場から、都市自治体の人口規模、能力等に応じた大幅な権限移譲とその財源付与を機会あるごとに要望してきたところでございます。この問題に関しましては、かねてから地方制度調査会、臨時行政改革推進審議会等におきまして審議されているところでありますが、私どもといたしましては、都市自治体への積極的な権限移譲の一日も早い実現を願っているところでございます。諸先生方におかれましても、引き続き御支援、御協力を賜りますようお願いを申し上げます。  第三点は、国庫補助金等の整理合理化についてでございます。  国庫補助金等の整理合理化に当たっての私どもの基本的な考え方は、事務事業のあり方そのものを抜本的に見直した上で、その整理縮小を行うとともに、国と地方の機能分担、費用負担のあり方を十分検討し、地方の自主性にゆだねるべきものにつきましては、必要な財源措置を講じながら一般財源化を図るべきであると考えているところでございますので、よろしく御高配賜りたいと存じます。  以上、当面する地方行財政の諸問題につきまして、お願いかたがた忌憚なく意見を申し述べさせていただきましたが、目下、私どもの最大の関心事でございます本法案の速やかな成立を重ねてお願い申し上げまして、私の公述を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 ありがとうございました。  次に、小林参考人にお願いいたします。

小林勝彦北海道上川管内町村会長・北海道町村会常任理事・鷹栖町長

○小林参考人 北海道町村会常任理事を務めております北海道鷹栖町長の小林勝彦でございます。  衆議院の地方行政委員会の諸先生には、日ごろから地方行政全般にわたりまして格段の御配慮と御指導をいただいておりますことを、心からお礼を申し上げたいと思います。  今回は地方交付税法等の一部を改正する法律案についての意見を求められたわけでございますけれども、町村行政を担当する者の立場から率直に申し上げさせていただきたいと思います。  最初に、現在町村が当面する地方自治の課題について二、三申し上げたいと思います。  最初に景気浮揚の問題でございます。長期にわたります景気浮揚の対策といたしまして、公共事業の早期発注であるとか、あるいは自治体におきます一般単独事業を最大に行いまして、地域の経済の底上げをいたしておるところでございますけれども、その意味からも今回提出をされております地方交付税法の改正につきましては、速やかな成立を私どもといたしましても期待をする次第でございます。  第二点は、豊かさを実感できる地域の生活環境の整備でございます。公共下水道等を初め、いろいろな形で都市との格差がございます町村部のいろいろな問題につきましては、私どもも交付税のいろいろな支援をいただきながら対策をとっておりますけれども、このことについても大きな課題がございます。  第三には、一次産業あるいは中小企業の担い手対策でございますけれども、これらも町村の限られた施設の中でそれぞれ対策をとっておる次第でございます。  第四点は、国保財政の強化の問題でございます。現在、町村の財政にとりましては国保の問題は非常に大きな課題でございまして、いろいろな課題に取り組んでおりますけれども、構造的な問題もございまして、なかなか改善がされておりません。しかし、今回の地方交付税法の改正の中でいろいろな面で御支援をいただいておりますことに対して、町村といたしましては大変感謝をいたしておる次第でございます。  第五点は、福祉の充実についてでございます。御高承のとおり、この四月一日から老人福祉等に関します知事の権限が市町村長に移管をされました。地方分権を進める上から、あるいは住民に直接接触いたします我々首長の立場からいきましたら、当然のことでございますけれども、いろいろな点で戸惑いがございます。  例えば北海道には百八十の町村がございますけれども、昨年、福祉施設運営財団を組織をいたしまして、百八十町村が共同して措置費を円滑に支払いをするという対策をとりましたが、いろいろな形で創意工夫を図りながら、与えられました福祉の問題に対して町村長としての最大の努力をしている次第でございます。特にゴールドプランの推進の問題あるいは急速に進んでまいります福祉の問題等に対しましては、我々町村がいろいろな形で自分の町の身の丈に合ったものを考えながら、長期にわたって根気強く地域の福祉力を高める努力をしているわけでございますが、単なる行政だけで対応できる問題でございませんので、在宅福祉の充実あるいは施設の充実、あるいは社協とか民間ボランティアの活動とか、そういったものを総合的に力を発揮しながら、私ども地域の福祉力を高めるということについての努力をしておるところでございます。  そのような課題を抱えながら、今回の地方交付税制度の改正についての意見を申し上げたいと思います。  御高承のとおり、憲法に保障されました地方自治の本旨に基づきますこの交付税は、我々地方公共団体の共有する固有の財源でございまして、私どもといたしましては、特に自主財源に乏しい町村にとりましては、極めて大きな、歳入上の大宗を占めるわけでございます。  私たちの町は人口七千二百、面積百三十七平方キロの稲作農業を中心とする純農村地帯でございますが、過去三年間の決算を見ましても、歳入に占める地方交付税の割合は四〇・二%に達しております。また、私どもと同じような全国の類似団体におきましての平成二年度の決算を見ますと、四四・一%という高い歳入の割合を占めておるわけでございまして、文字どおり、地方交付税は町村財政にとりましては収入そのものであると言っても過言でないと思う次第でございますので、そんな意味で私たち、課題をいろいろ解決をしながら進めております町村にとりましては、交付税の一部改正法律の早期成立ということは極めて大事な問題でございまして、重ねてお願い申し上げたいと思います。  次に、地方交付税の特例措置の問題についての意見を申し上げたいと思います。  御承知のとおり、いろいろな紆余曲折を経ながら、平成五年度の地方財政計画の中では四千億円の特例減額措置がされたわけでございますけれども、考えてみますと、地方交付税は全体としては一・六%の減でございましたが、平成四年度の臨時財政特例債の償還基金を除きますと、全体としては七千七百億円の増、いわゆる五・二%の増加になります。私ども、交付税特別会計は国の経済とのやりとりの中でいろいろな問題があることは承知をいたしておりますが、基本的には我々都道府県、市町村にどれだけの交付税が交付されてくるか、いわゆる出口ベースでの関心を我々としては持つわけでございます。幸いにいたしまして五・二%の増ということでございまして、困難な経済情勢の中では、地方財政計画の中で十分な御配慮をいただいたと思っておる次第でございます。もちろん、国と地方とはそれぞれ同じような規模で公の経済を支えるものでございますから、その立場からいきましたら、この四千億の減額という問題は、後年度にいろいろな措置がとられていくことを考えますとやむを得ないものではなかったかと考える次第でございます。  ただ、累次にわたります交付税特別会計のやりとりがございまして、いろいろな報道の中で地方が財政的に余裕があるとかいうことが出されておることに対しましては、現場といたしましては非常に迷惑をいたしておる次第でございます。現在まで地方財政の危機的な財源不足を、昭和五十年代から六十年代の初めにかけて地方がみずからの努力で借金をしながらしのいできたわけでございまして、その解消のために健全化を進めておるわけでございますから、このことをとって地方財政が富裕であるとか余裕があるとかいう論議をされますことは非常に残念なことでございます。私どもといたしましては、地方交付税の総額の確保の問題等を含めて、これからいろいろな点で御配慮をいただきたいと思います。  また、財政計画の中で財源不足の生じた場合におきましてはいわゆる地方債の発行で補うということがたびたびとられてまいりましたけれども、交付税本来の性格からいきましたならば、やはり交付税の増額によって行われるべきものと考えておりますので、今後とも国と地方との信頼関係を考えてまいりますときに、安易に地方債に頼るという従来の方法についてはいささか疑問を持つものでございまして、できる限り総額確保という点で御配慮をいただきたいと思う次第でございます。  今回の地方財政計画の中ではいろいろな点で御配慮をいただきました。特に、冒頭に申しましたとおり、地方は細かな政策を展開しながら地方単独事業を伸ばしておるわけでございますけれども、今回も一二%の地方単独事業の増加を図っていただいたことに対しては、大変感謝をいたしておる次第でございます。特に、地方特定道路の問題あるいは河川等環境整備であるとか、ふるさと農道の問題あるいは林道緊急整備事業の創設、また我々町村としては非常に大きな関心があります第二次ふるさとづくりの問題、あるいは地域福祉基金が特に市町村分について大きく上積みをされたこと、あるいは森林・山村の対策ということに対して大変幅の広い御配慮をいただいておりますこと、また環境保全に対する地方自治体のいろいろな行政需要に対して経常費の増加があるわけでございますけれども、このことに対してもきめ細かな配慮をされておりますことに対しては、私どもも大変感謝をいたしておる次第でございます。  特に、私ども町村にとりましても、これから世界に目を向けた、いわばグローバルに対処をするために国際化という問題は避けて通れるわけではございません。また、地域の細かな文化を育てるということも極めて重要でございますけれども、町村に縁が遠いと思っておりました国際化であるとか文化振興とかいった面についても今回の地方財政計画の中では御配慮いただいたことについて、非常に感謝をいたしておる次第でございます。  また、地方交付税の改正とは別でございますけれども、公立学校の建築単価の是正であるとか、あるいは公営住宅の単価是正であるとか、いわゆる地方の超過負担の問題につきましても、自治省、大蔵省、厚生省あるいは文部省等のいろいろな形での三省協議の中で大きく前進をされましたことについては、町村といたしましても非常に評価をいたしておるところでございまして、心からお礼を申し上げたいと思う次第でございます。いろいろな課題を抱えておりますけれども、単独事業の中でいろいろ御配慮をいただいておりますことで私どもは勇気を持って独自な政策を展開いたしておるわけでございます。  今まで御配慮をいただいておりますけれども、我々町村の立場から特にお願いいたしたいことが二、三ございます。  人口減少傾向の見られます町村に対する交付税の傾斜配分の問題でございます。現在の交付税制度はやはり人口重点でございますので、広大な国土を管理運営し、それを守っていくという町村の立場からいきますと、もう少し面積要件を配慮していただきたいという点がございます。  もう一点は、非常に急激な形で人口減少傾向がございますけれども、これらの人口急減の補正につきましても御配慮いただきたいという問題。  それから東北、北海道等寒冷地に共通する問題でございますが、御高承のとおりスパイクタイヤ禁止に伴います道路の整備等についてのいろいろ細やかな配慮が必要になってまいります。このことについても交付税のいろいろな補正措置の中で配慮をされておりますけれども、十分御配慮をいただきながら、ひとつ交付税の内容の充実をしていただきたい、このように考えておる次第でございます。  我々町村長は、自由な発想の中から特性を生かした地域づくりという問題を自治の立場からいろいろ考えてまいりましたが、従来財源的に十分なものがございませんで、考えながらもそれを展開するという点で非常に苦しみがございました。その点では、ここ一、二年の地方単独事業についての非常な御配慮は、町村の自主的な自治を目指す個性豊かな地域づくりの中で大きな役割を果たしている次第でございます。特に、地域総合整備事業債等の活用によりましていろいろな対策がとられているわけでございまして、その町のいわば一つの存在感を示す個性のある地域づくりが展開されておりますことは、地方自治を担当する我々といたしましても感謝をいたしております。  このことに対します交付税の算入措置の拡充というようなことについての御配慮をいただきたいこと、それからいろいろな施設をつくり、あるいは地域の充実をしてまいりますと、維持管理に必要な経費が相当に増大をしてくるわけでございます。このことに対してもいろいろと地方単独事業の推進の意味での御配慮をいただいておりますことに感謝を申し上げますけれども、一層の御高配をいただきたいと思う次第でございます。  地域総合整備事業債を中心といたしまして積極的に活用し、特色のある町づくりをする、そのことによって町村自体の交付税そのものもふやしていくといった面の仕組みもございまして、自主財源に乏しい町村にとりましては非常にありがたいことでございまして、単に他と競争するとかそういう意味ではなしに、自分の町の将来を考えながら、自分たちがやれなかったことをこの地域総合整備事業等によりましてきめ細やかに展開し、本当の自治を展開していくという点につきましては、私どもとしても非常に自信の持てる政策でございまして、このことについての皆様方の一層の御配慮をいただきたいと思う次第でございます。  私たち町村は非常に大きな課題を抱えながら、そしていろいろなことで苦労しながらも、自信を持って次の世代のために自分たちの町をつくっていく努力を最大限に行っておるわけでございますけれども、このことに対する地方交付税のいろいろな形での法律の改正という問題は我々にとりましても大きな課題でございまして、たびたび申しますとおり、本法案の早期の成立を心からお願い申し上げる次第でございます。  率直に意見を申し上げましたけれども、どうぞそういった面におきまして私ども町村の抱えるいろいろな課題を御理解いただきまして、本法の改正案成立につきましての委員の先生方の格段の御高配を重ねてお願い申し上げまして、参考人としての意見を申し上げる次第でございます。ありがとうございました。(拍手)

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 ありがとうございました。  次に、林参考人にお願いいたします。

林宣嗣関西学院大学経済学部教授

○林参考人 関西学院大学の林でございます。本日、このような場で私見を述べる機会を与えていただきましたことを感謝いたしております。  私は、大学に勤めておりますので、さきのお二人の行政に携わっておられる方と少し違った視点から交付税を考えてみたいというように思っております。  私は、この三月まで一年間イギリスに研究に行っておりまして、英国における国と地方の関係の大変貌というものをこの目で見て、見聞を広めてまいりました。  ここ十数年の間にイギリスの地方制度というのは非常に大きく改革されておりまして、地方税の改革とともに、本日議題に上っております我が国の地方交付税に相当いたします補助金、これは交付金ですが、これも非常に大きく変化を遂げております。そして、そのプロセスにおきまして、イギリスの交付金の仕組みそのものが非常に日本の地方交付税に似通った形に変化してきているということを知ったわけでございます。また、交付金に地方の歳出を抑制するそういう機能を持たせるといったようなことも行われているわけでございまして、イギリスだとかあるいはドイツ、アメリカといったようなところで導入されておりますそういう交付金と日本の地方交付税を比較してみますと、私自身は、我が国の地方交付税というのは世界に誇れる仕組みを持っているというように考えております。  御案内のように、地方交付税というのは、たった一つの制度を通じまして次のような三つの大きな機能を果たすということが考えられております。  第一は財源保障機能でございます。各地方公共団体がその地域の実情に応じて標準的な行政サービスを提供するために必要となるような財源を保障する、これが財源保障機能でございます。第二は財政調整機能、いわゆる地域間の財源の再配分あるいは再分配、これが二番目の機能でございます。財源保障機能を遂行する過程におきまして、財政的に豊かな地域から貧しい地域に財源を移転する、これが財政調整機能でございます。そして第三に、地方交付税はその交付総額の決定を通しまして国と地方との間に財源を配分する、こういう財源配分機能を副次的に果たしております。近年では地方の支出を奨励するというような機能もつけ加わってきておるわけでございます。先ほど私が世界に誇れる制度であるというぐあいに申しましたのも、こうした複数の機能をたった一つの制度でやってのけるという点に注目してのことでございます。  ただ、そういった多くの目的を一つの手段でやってしまうあるいは達成してしまうということが、逆に落とし穴になる可能性があるということを私は忘れてはならないのではないかというように常日ごろ感じております。これは、経済政策を初めといたしまして、政策におきましてはまりやすい落とし穴になるわけでございますけれども、この点につきまして少し述べさせていただきたいと思っております。  平成四年度におきまして、地方交付税の不交付団体、これは市町村でございますけれども、市町村数三千二百三十七のうち、交付税を受けなくても行政がやっていける団体はわずか百四十三団体にすぎません。つまり、ほとんどの市町村が地方税だけでは標準的な行政サービスを維持できないという構造になっているわけでございます。我が国の地方交付税は財源保障という性格を強く持ち過ぎているのではないかというのが私の率直な感想でございます。  こうした財源保障的な色彩を薄める、このためにはどうしてもやはり地方税源の拡充が必要になるわけでございますけれども、地方税源拡充論に対しましては、いつの時点におきましても次のような反論が出てまいります。地方税源を拡充すれば豊かな地域の税収が上がり、そして格差がますます広がっていくではないか、これが地方税源拡充論に対する反論でございます。確かに、自主財源の比率を高めていくということと地域間格差を縮めるということとの間にはどうしても避けることのできないトレードオフの関係があることは認めなければならないだろうと思います。  したがいまして、私は、第一は、地方税源の拡充を行うときに地域的な偏在度の少ない地方税制の構築というものがやはり前提条件になるだろうというように思っております。前回起こりました地価高騰によります固定資産税の格差の拡大、あるいは東京一極集中に伴う各種地方税の格差、これが東京一極集中によって非常に大きくなってきているということは事実でございます。地方税の原則の一つであります普遍性というものが今問い直されているだろうというように思います。  それから第二に、確かに地方税収入の格差が拡大をするわけでございますけれども、一方で、税収がふえる都市部には、現在の地方交付税の中における基準財政需要額の中に潜在的に含まれているあるいはその基準財政需要額の中にはあらわれてこないような潜在的な行政需要があるのではないかという気がするわけでございます。  現在の基準財政需要額は、御案内のように費目ごとに、測定単位でありますとか、あるいは単位費用でありますとか、あるいは補正係数、そういった三つの要素を使って、極めて精緻に、そして複雑な算定式によって決定されております。けれども、これを単純に人口と面積でどの程度説明できるんだろうかということを計算をしてみますと、ほぼ一〇〇%に近い、もう九〇%を超える部分が人口と面積で説明が可能だというような実証分析がございます。せっかく苦労をして補正係数などを用いて財政需要額を計算しましても、結果的に人口と面積で一〇〇%近いものが説明できるのであれば、それでは算定方式をもう少し簡素化してはどうかというような主張が出てくるのが、この人口と面積でほぼ一〇〇%近いところが決定できるという実証分析から出てくる一つの政策的な帰結でございます。  しかしながら、私は、逆の方向からこの一〇〇%近い比率というものを眺めてみたいというように思っております。つまり私は、一〇〇%近くが人口と面積で決まってしまうという基準財政需要額が本当に多様な地方のニーズを的確にとらえているだろうかというように、逆に疑問を投げかけてみたいと思うわけでございます。  前回の地価高騰の後遺症は依然として各都市自治体に残っております。さらには、地価で割り引きますと地方の財源というのは決して大きくはございません。さらには、福祉問題あるいは住宅問題、交通問題といったようなさまざまな都市問題を各自治体が抱えているわけでございますけれども、そういうニーズを抱えている都市自治体が財政的に余裕があるというようなことは私は言えないのではないだろうかというのが実感でございます。画一的な地方税制を全国にあまねく適用することにやはり限界がありますように、同じように基本的には、全国一本の算定式で補正係数によって自治体間のニーズの違いを考慮するといった現行の基準財政需要額の計算の方法にはやはりおのずから限界があるのではないだろうかという気がしております。  私は、先ほど、一つの制度で複数の機能を果たすことは落とし穴が待っているというぐあいに申しましたけれども、これによってそれぞれの機能が中途半端に終わってしまっているのではないだろうかというのが私の危惧するところでございます。財源保障、財政調整、そして国と地方の財源配分という従来からの地方交付税の機能に加えまして、先ほど第四番目の機能として申し上げましたように、近年では一定の地方の支出を奨励するという機能が地方交付税に追加されております。時代の変化とともに行政需要も大きく変化をいたしております。それは、行政需要の多様化であり、ポスト・ナショナルミニマム行政時代の地方行政の個性化であろうかと思います。  こうした地方行政需要の変化に対応いたしまして、地方交付税は、従来のナショナルミニマムの達成、そして一律的行政の実施から、地方の選択的行政の支援、地方単独事業の支援という新しい方向を現在模索しているところだと私は感じております。自治省の方の言葉をおかりいたしますと、新しい地方交付税の算定方式というのは、画一的算定から多様性の算定へ、一律的な財源付与から地方団体の行う仕事量に応じた算定へ、国庫補助事業の算定から地方単独事業の算定へ、よりきめ細かな財政需要の算定へ、こういうキャッチフレーズで新しい地方交付税を形容しておられます。  私は、かねてより地方交付税の国庫支出金化が気になっておりました。このような最近の地方交付税の算定方式の変化を見ておりますと、従来のように一件一件査定されるような国庫補助金ではなくて、使い道に幅を持たせるといいますか、そういうブロック補助金とでも呼ぶような、そういう国庫支出金と果たしてどこに違いがあるのだろうかという率直な感想を持たざるを得ないわけでございます。  ナショナルミニマムあるいは地域のリージョナルミニマムの行政を全国のどこに住もうとすべての国民が同じ税負担で享受することができる、このような目的を達成するために財源の地域間の配分をする、これが地方交付税の役割だと私は考えておりましたし、現在でも考えております。したがいまして、仕事量に応じた算定、あるいは国によって定められた一定の目的に沿って事業を行った場合に地方交付税を与えるという方向は、これまで私が持っておりました地方交付税のイメージを大きく変えてしまうものでございます。行政の多様化、個性化を推し進めることは非常に重要であり、国が何らかの後押しをしなければならないことも事実でございます。ただ、この機能をただ従来からある地方交付税にそつくりそのままつけ加える形で行っていこうとすることが果たして適当かどうかという疑問は、やはりぬぐい去ることができないというのが私の感想でございます。  国庫補助金は国からの補助であるからその使い道は国が検査をする、これに対して地方交付税は地方団体共有の財源であるからその使い方に国の検査は及ばず、したがって地方団体の自主性を尊重することになる、そういった点から、地方交付税によって行う政策と国庫支出金を使うというのは大きな違いがあるのだという主張も確かに成り立とうかと思います。しかしながら、地方団体共有の財源でありますからこそ、その財源がすべての地方団体が納得のいく使われ方をする必要があるのだろうと私は思っております。  地方団体がみずから考え、みずから行う地方自治体へと変身することを求められておりますし、現在のところはこのような後押しができるのは地方交付税しかないという事情も私は十分に理解するところでございますけれども、しかしながら将来的に省庁の壁を取り払った、例えばリージョナルな補助金でありますとか、あるいは地域政策金融で初期投資を賄って、その後は利用者の負担で返済をしていくといったような方法はどうなのか、また地方税の拡充ではだめなのかといったようなことを含めまして、十分に御検討をいただければ幸いだと思っております。  私は、最後に申し上げますけれども、平成五年度分の交付税総額の特例措置につきましてはやむを得ない措置ではないだろうかというように思っております。しかしながら、私は、地方交付税が国の財政状態の調整機能を引き受けるというようなことは極力避けるべきだと思っております。特に、地方財政をマクロでとらまえて、地方財政に余裕があるから交付税率を引き下げるというような方向は決して望ましいものではないだろうというように思っております。地方交付税が果たすべき役割、そして地方交付税によって手当てされるべき経費の範囲と水準、こういった点を十分に見きわめた上で総額の議論をすべきではないだろうかというように思っております。  以上、中長期の課題を含めまして、私の地方交付税に関する私見を述べさせていただきました。(拍手)

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 どうもありがとうございました。  以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  なお、参考人の皆様に念のため申し上げますが、発言の際はその都度委員長の許可を得ることになっております。また、委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中谷元君。

中谷元自由民主党

○中谷委員 本日は、高田市長さん、小林町長さん並びに林教授の三名の参考人におかれましては、大変お忙しいところ本委員会にお越しいただきまして、現場に即した大変貴重な御意見を述べていただきまして、まことにありがとうございました。  それでは、二、三参考人に対して質問をさせていただきたいと思います。  まず、現場の御意見ということで守山市長さんと鷹栖町長さんから御意見を聞かしていただきたいと思うのですけれども、今の国の方針として地方分権だとか生活大国だとか、こういうキャッチフレーズで行政が推進しているわけでありますけれども、この国と地方の関係の現状の率直な感想を一言述べていただきたいというふうに思います。  それからもう一点は、公共投資基本計画の達成に向けて社会資本の整備だとかゴールドプランの推進などの高齢化社会への対応並びに環境や国際化にも対応した魅力ある地域づくりということで、今後地方公共団体に対する期待はますます高まっていくと思いますけれども、それに対して具体的にどういう事項を実施しているのか、そういう地方の実施例等も紹介していただくとともに、その場合に国にどういう点を希望したいかというような点も踏まえて御所見をいただきたいと思います。  では、まず守山市長さんの方からお願いいたします。

高田信昭全国市長会財政分科会委員長・守山市長

○高田参考人 お答えを申し上げます。  地方分権とか生活大国とか言われておるが、地域としてはどういうように受けとめるか、率直な感想をということでございますが、ごもっともな御意見とは受けとめておりますけれども、それは地方へおろしてきたときに本当にすっと入るかということに戸惑いを多少感じております。しかし、そのことを、国の方で言われておりますことを十分に理解をして、まず地域としては豊かな、ゆとりのある町をつくっていきたい、こういうことに直接的には手をつけていきたい、こういうように考えております。  それで、市民への呼びかけといたしましては、私はやはり、地域が安心して生活のできる、安定、安全という町にしていきたい。それにふさわしい町に成長をし始めておりますことが、そのまま生活大国とかいうことにつながっていくんじゃないか。ほかの幾つかの事例におきましても、富裕ではございませんけれども、比較的ゆとりのある地域社会でございますので、即応していくことができるのではないかと考えております。  それから、これは地方分権の問題でございますけれども、先ほど先生もおっしゃっていただいておりますけれども、思い切ってやっていただきたいと思っておるんです。そのことにつきましては普遍の問題がございます。しかし、やはりそれぞれの自治体で考えたものに耳を傾けていただきまして、そういう中から力を入れていただく。そのことを御理解いただいて力を入れていただくということにつきまして、私の町は滋賀県のほぼ南部に位置しておりまして、人口六万でございますけれども、昔から蛍が何万匹と飛び交っていた水のきれいな町でございます。  これが人為的な原因によって全く一匹も蛍がおらないという状態になりましたので、長年蛍の飼育に取り組んでまいりました。今、成功をいたしましたので、各企業あるいは他の全国の市町からいろいろとそのノウハウを分けてもらえないかという話、お金ではございませんけれども、知らせてもらえぬかという話が参ります。建設省の方が、野洲川改修というのを守山はやっておりますが、そういう中で、そういうことであれば、野洲川という琵琶湖に注ぐ一番大きな川ですけれども、その中で蛍が飼えるようにふれあいの河川をつくってあげましょうということまで進んできておりますので、そのことにおいて私は人と自然との心の触れ合いをしっかりと構築していきたい。そのことをやらせていただくことで、地方分権等をお願いしております。自分たちの町のやりたいことに対して御理解いただければ、ぐっと力を入れていただきたいということに尽きるのじゃないかと思っております。  簡単でございますけれども。

小林勝彦北海道上川管内町村会長・北海道町村会常任理事・鷹栖町長

○小林参考人 大変重要な問題についてのお話をいただきました。私どもの地方分権というのは地方自治を進める上で極めて重要な問題でございますし、当然我々地方自治体が国のまねをする必要はございませんけれども、国と地方との機能をきちっと分担をしながら、そこでやはりお互いの特一色を生かして国全体の行政のレベルを上げていくということが極めて大事だと思っております。  特に、先ほど申しましたとおり、我々北海道の場合はまだ歴史が浅うございますので、いろいろな形で、生活大国とかいろいろなことを言われておりますけれども、生活の豊かさを実感できるような地域づくりをしよう。一番課題になっておりますのは公共下水道の問題でございます。特に農村のお母さん方、おばあちゃんたちが言われるわけですが、都会から来た孫たちが、現在のトイレとかそういう環境の中ではどうもなじんでこない。ですから、せめてすべての家庭が水洗トイレができるような、そういう体制をとりたい。  これは、一口でいいましてもなかなか難しゅうございまして、公共下水道の問題もございますし、あるいは農水省の集落排水の問題がございますし、また厚生省の合併浄化槽の問題等ございまして、それぞれの町村が特色を生かしながら、できる限り早い機会にせめて都会並みにすべての家庭がトイレの水洗化ができる、そして生活の豊かさというものを日常の生活の中で実感できる、そういったものを考えていただきたいということで努力をいたしておりますが、残念ながら、公共事業の省庁別のシェアがきちっと固まっているという現在の状態の中では、なかなか豊かさを実感できるような生活環境の整備という問題に行き届かないという点もございまして、これらの壁を破っていただくということも極めて大事な課題ではないかと考えております。  次に、我々地方公共団体にとっては、それぞれの町で自分の身の丈に合ったいろいろな努力をいたしておるわけでございます。私たちの町は、先ほど申しましたとおり人口七千二百ぐらいの町でございますが、昭和四十二年に公立の病院を民営一に移しまして、いわゆるホームドクターを定着させながら、都市の二次、三次の医療機構を十分活用いたしました安心できる鷹栖町独自の医療体系というものをとりまして、北海道は非常に医療費が高いところでございますが、おかげさまで本町の場合は全国の水準を下回るという形で非常に健康な町という努力をいたしておりますし、特にすべての住民の健康の記録がコンピューターにインプットされております。私どもこれを健康戸籍と言っておりますけれども、それぞれの役所に戸籍はありますが、生きている人間が生まれてから死ぬまでのトータルな健康記録というのはほとんどございませんので、そういったことをしながら、三十歳以上の住民に対する人間ドックの実施であるとかいろいろなことをしてきめ細やかな対策をとりながら、健やかに老いるという対策をとっておりますことも一つの特徴であろうと思います。  それから、私たち歴史の浅い北海道でございまずけれども、従来なら北海道というのは北の端という感じがいたしましたが、もうそういう感じはいたしませんので、やはり北方圏の中での中心的な位置づけであるということも考えながら、百年余りの歴史を反省しながら、国際化に目を向けようという努力を小さな町村でしております。毎年のように農業青年を十名近く海外に派遣をしたり、あるいは中学生が半月余りオーストラリアにホームステイするという形を体験をしたり、あるいはオーストラリアの町から国際交流アシスタントを雇用いたしまして一年間勤務していただいて、中学校や若妻に対する英語の指導であるとか、いろいろな生活文化の違いを体験をしながら、そこで地球の裏側の文化に触れながらこれからの国際化の問題を考えていくとか、そういういろいろな努力をいたしております。  これらの問題も財源的にはふるさと創生資金等を活用したものでございまして、従来の町村ではやってみたいなと思いましてもなかなかチャレンジできない問題が、いろいろな施策の展開の中で独自なものが展開されつつある。これはいろいろな試行錯誤がございますけれども、そういうものを通じながら独自な地域づくりというものが、その町の特性を生かしながら人まねではなく長続きするものとして行われていく、そういったことがそれぞれ、うちの町の例を申しましたが、北海道百八十の町村の中におきましてもいろいろな努力をいたしております。  それらが幾分ずつ芽が伸びており、花が咲きっっあるという状態でございまして、この問題に対して我々も継続して、住民と一緒になりながら、人まねではなく長続きのすることに取り組んでいきたい、こういう努力をしているところでございますので、御理解をいただきたいと思います。

中谷元自由民主党

○中谷委員 どうもありがとうございました。  それでは林教授に質問でございますけれども、先ほど英国の地方税、交付税のことについて御所見がありました。  私たち、英国について、イメージですけれども、ロンドンという町は公園のような大変きれいな町並みで、また家も庭のある広い家で、中世に基盤整備が終わっているようなそういうイメージでありますし、また地方へ行っても芝生のなだらかな丘の中に教会を中心とした大変牧歌的な町があるというイメージでとらえているわけでありますけれども、現実に、そういう町のあり方と、そして地方分権という面で、国税と地方税の関係だとか地方の権限だとか、そういう点は日本と比べて進んでいるのか。そういう点で、いい面と悪い面、それから地方税の仕組みにつきまして参考になる御意見をもう少し聞かせていただきたいと思います。

林宣嗣関西学院大学経済学部教授

○林参考人 私、一年間おりましてイギリスの町を見ておりますと、古いものを非常に大切にするということ、これはイギリスだけではなくてヨーロッパ各地、パリもそうですし、いろいろな町がそのような古い町の顔というものを残しております。イギリスも同じように古い町並みを残そうとしておるわけでございますけれども、しかしながら、私はイギリスのソフト面を見てみますと、非常に惜しげもなく政策あるいは制度を変えていく、今までの地方制度あるいは国と地方の関係の中でこの十年間が一番大きな変革の時代であったのではないだろうかというように思います。  イギリスというのは地方自治の母国であるというぐあいに常日ごろ言われておりまして、私はそのつもりでイギリスのことを少し勉強をいたしました。そうしますと、地方自治という言葉がイギリスにどの程度あるのだろうかという疑問を現在のところ持たざるを得ないということに気がつきました。  それはどのようなことかといいますと、イギリスの場合には非常に政策が変わる。それはどういうことかというと、保守党と労働党の間で政権のとり合いをする。二大政党に絡まったそういう特殊事情がございます。その中でサッチャーさんが政権をとりまして、その後、いわゆる小さな政府を志向する中で国の財政支出を何とかしよう。一方で、日本ほどではございませんけれども、やはり地方財政支出をカットしていかなければ小さな政府というのは達成できないということから、地方の財政支出を何とか抑制したいというのがサッチャーさんの希望であったわけでございます。  そこからサッチャリズムにのっとった国と地方の関係というものが出発するわけでございますけれども、いわゆる中央政府の保守党と、とりわけ大都市圏にあります労働党支配の地方自治体との間でかなりの対立がございまして、サッチャーさんは先ほど申し上げましたような補助金、交付金を使って、ある過大な支出をするような地方公共団体に対しては補助金をカットする、交付金を削減するというような対抗措置で地方の支出を抑制しようとしたわけでございます。  しかしながら地方公共団体は、レートという唯一の地方税がございまして、その地方税の税率をどんどん引き上げることによってそれに対抗をしてまいりました。結局、そのような保守党と労働党、あるいは国と地方の対立の中で、保守党は地方税に、レートキャッピングと言いますけれども、制限を設けます。これによりまして、イギリスは唯一地方自治と言われているもの、経済的に見ますと、税率の水準を自由に変えることができることがイギリスの地方自治を守っている、これが生命線だというように私は今まで思っていたわけでございますけれども、しかしながら現実のイギリスの地方税は税率に非常に制限が出ました。このようなことから、国と地方の関係がかなり中央集権的な方向に向かっているということで、例えばマクロで見ますと、地方税の地方の歳入総額に占める割合というのは二割に満たない、十数%というのがイギリスの現状でございます。  このようなことを考えますと、どうもヨーロッパの各国、フランスもそうですが、地方分権の方向に進んでおる中で、イギリスだけが唯一孤立をして中央集権の方向に進んでいるのではないかというような印象がございまして、したがって私は、イギリスのことを勉強する中で、これを日本に持ち帰って何かを日本の参考にしようということがどうもできないのではないかということを感じて日本に帰ってきたということでございます。

中谷元自由民主党

○中谷委員 もう一問林先生にお伺いさせていただきますけれども、交付税の配分について、先ほどは全国どこでも同じ税負担をするのが理想であるということでありますけれども、地方によっていろいろ能力の差があると思うのです。例えば、町長さんの行政能力だとか、その土地に工場があるかとか、オフィスがたくさんあるかとか、こういう生産条件がもともと違う中で生活している人にとって交付税をどのようにもらうかということについて、先ほど人口と面積で一〇〇%説明できる算定方式の簡素化というような話もありましたけれども、これから地方分権を進めていっていわゆる道州制の方向に移行する場合に交付税についてどのように配分したらいいのかということを、もう一回ちょっと御意見を聞かせていただきたいと思います。

林宣嗣関西学院大学経済学部教授

○林参考人 おっしゃるとおりでございまして、地方団体が三千数百ある中で、税源の格差が存在する、しかも地理的な条件も違う、そういったさまざまな条件の違いの中で、しかしながら、私たちは東京に住んでいるから同じサービス水準をこれだけの低い税率で獲得できる、そして鹿児島に住めば税源が少ないわけですから税率が高く、そして東京と同じサービス水準だというのは、やはり不公平である。ですから、地方交付税というのは、さらに標準的な行政を達成する上で必要な一般財源の所要額からその地方公共団体で調達できる税収を差し引いた差額を補てんすることによって、東京に住もうが北海道に住もうが沖縄に住もうが、同じ税率であれば同じサービス水準でなければならない、これが私は地方交付税の最大の目的だろうと思います。  そうしますと、それじゃその目的を実現するために一体どうすればいいのだろうかということになりますと、やはりその場合に、例えば高齢者の人口の比率も違う、そして例えば人口密度が違えば当然公共投資の効率性も違ってくる、そういっ一たような違いを十分に基準財政需要額というものの中に算定をし、そしてまず基準財政需要額がその地域の実情に合った需要額でなければならない。そうした上で、収入の方は比較的簡単に計算することができるわけですから、そういう意味では、その差額が補てんされることによって、先ほど申し上げましたような目的が達成されるかどうかは、ひとえに基準財政需要額がその地域の実態をうまく反映した形で計算されるかどうかというところにかかっているだろう。  それが現実に、先ほど、計算をしますと一〇〇%近くが人口と面積で決まってしまっているということは、しかもその決まり方が年々一〇〇%に近づいていっているわけですね。ということはどういうことかというと、今までは一〇〇%にはならなかった。つまり、人口と面積だけでは説明ができないような地域の事情を基準財政需要額がうまく取り込んでいたのではないか。ところが最近はそれがだんだん一〇〇%に近づいてくるということは、結局そういった地域の実情といいますか、それは平準化の過程であるのかもしれないのですけれども、しかしながら、例えば大都市はやはり大きな行政需要を抱えている、そして一方で地方はまたそれなりに行政需要を抱えている、それを全国一律にはかって補正係数で調整をしていこうというようなことは非常に難しいわけでありまして、そういうような現実の中で人口と面積で一〇〇%近くが説明できるというのは、これはそういった地域の実情を逆にうまく反映させていないのではないかという検証の一つの材料として使うことが可能ではないのか。  ですから、今後の課題は、確かに地方の支出を奨励するとかいったようなことをどうするかというような問題もございますけれども、現実の基準財政重要額が果たしてどの程度地方の真の行政需要を反映しているかどうかということの科学的な分析といいますか、そういうものが今後一方で必要になってきている。それは恐らくそういうことをやっておられるだろうと思いますけれども、しかしながら、私自身見てみて、それがどの程度実態を反映しているのかどうかということになってきますと、どうも自信を持つことができないというのが現状だということでございます。

中谷元自由民主党

○中谷委員 大変貴重な御意見、どうもありがとうございました。以上で私の質問を終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 続いて、谷村啓介君。

谷村啓介日本社会党・護憲民主連合

○谷村委員 御三名の参考人の皆さん、本当に御苦労さまでございます。お忙しいところをありがとうございます。  小林町長さん、きょうは五十嵐先生が見えておりませんのですが、きのう、きょう人間ドックへ入っておりまして、よろしくお伝えくださいということでございましたので、御了承賜りたいと思います。  時間が残念ながら二十分しかございませんので、簡潔にぜひお願いしたいと思いますが、高田守山市長さん、そしてまた小林鷹栖町長さん等からは、地方交付税についてはとにかく総額を確保してほしいということを前提にされながらのお話がございました。ただ、減額についてはやむを得ざることではないのか。こういう御出張があったわけでありますが、林先生の方からは、英国の例を引かれまして、地方交付税制度というものがいかにすぐれておるかという点についてもお話がございました。三つの機能あるいは四つの機能になるかもしれない、こういうお話がございましたけれども、今も御指摘のように、基準財政需要額の算定が余りにも人口と面積に偏り過ぎてはいないのか、こういう御指摘もあったわけでございますし、言ってみれば国庫支出金と同じような性格になりつつあるという点の指摘がございましたし、同時に、交付税が国の財政の調整機能となってはいけませんよという御指摘もあったわけでありますが、そういうことを前提にしながら簡潔にお尋ねいたします。  地方交付税というのは、もちろん地方の固有財源であるわけでございますし、平成五年度においても四千億の減額がされる、特例減額でございますが、されたわけでございますが、これは国に貸すという建前を一応三カ年継続してとっておるわけでございますね。しかし、今までお聞きした御主張を合わせて、来年度の問題が既に問題になっているのですね。国の方も依然として厳しい。特に最近の景気情勢から見ると大変厳しいわけですね。そういった中で、林先生の御指摘のような、また国の財政の調整機能のような役割を果たすのじゃないかという心配があるわけでございますが、その点についてお三方に順次御意見をいただきたい、こういうふうに思います。

高田信昭全国市長会財政分科会委員長・守山市長

○高田参考人 先ほどお話がありましたように、今回の四千億円の減額につきましては、やむを得ないものとして容認させていただいております。いろいろ問題がございますけれども、やはりそう受けとめていくということが素直な対応ではないかと思っております。  しかし、そういう中で、交付税につきましては、地方に認められております特定財源という解釈、理解をしております。そういうところから、一般会計に入れたらよいということだけでなく、交付税の特別会計に直接入れていただいて、そしてその目的に沿ったものとしての固有財源らしい、一般財源の取り扱いをしていただければありがたいというように考えておるわけでございます。  そういう中で、地方公共団体の共有の固有財源という性格の中で、その性格をもうちょっと明確にしていただけないだろうか、こう思っておるわけでございます。そのことにおいて、今申し上げたような取り扱いをしていただけるとありがたい、心配がなくなる、こういうように考えておるわけでございます。

小林勝彦北海道上川管内町村会長・北海道町村会常任理事・鷹栖町長

○小林参考人 私たち、地方交付税は国の一般歳出の科目とは違うものだと考えております。何かいろいろな形で、地方がそのときの都合によっていろいろな形をされてくることについてちょっと疑問を持ちますけれども、ただ、地方財政はむしろトータルからいけば国の財政の規模を上回るわけでございますから、大きな国の公の経済を国と地方がそれぞれ分担し合うということからいけば、そのときどきの中での財政調整的なことがあっても差し支えないのではないかと考えておりますが、この地方交付税というものは総枠の中で確保されておりまして、いろいろな国の歳出の都合によって左右されては困るというふうに考えております。  しかし、今回の四千億の特例措置の問題につきましては、後年度の措置が明確になっておりますし、それから私たちは、自治体は、余り大きな経済の変動は特に町村の場合はございませんけれども、国税三税はやはり景気によって非常に動く点もございますので、交付税そのものがある程度中期にわたって安定的に確保されるという点からいけば、そういった調整というのはやむを得ないのではないか、このように考えております。しかし、あくまでも地方交付税は地方自治団体が地方自治の本旨にのっとって行政を進めるための共有する固有の財源である、国の一般歳出とは違うものだ、そういう認識をお持ちになって対処されていただければありがたいと考えております。

林宣嗣関西学院大学経済学部教授

○林参考人 私もお二方と全く同じ意見でございます。  ただ、現在のように例えば地方交付税の交付税率が三二%であるということが適正かどうかとか、あるいは地方交付税というのは一体どのような特徴を持つべきなのか。大蔵省の「補助金総覧」には、補助金になっております。私が学会で補助金だというぐあいに言いますと、学会の席上から、それは補助金じゃないというような批判もございました。それを一体どのような性格を持たせるべきなのか。そして、今国庫支出金に限りなく近づいている。国庫支出金は一般財源化の中で地方交付税に繰り入れる、そのような形で地方交付税と国庫支出金というものが非常に歩み寄っている時代の中で、交付税というのは一体どのような性格を持たせるべきなのか。そういうことを議論しないと、今のままでいきますと、私は、来年度もし特例措置があったとしても、これはやむを得ないのではないだろうかというように思っております。ただし、後年度にきっちりと加算されるということの前提つきでございますが。

谷村啓介日本社会党・護憲民主連合

○谷村委員 先ほどの小林町長の御指摘でも、公共事業、単独事業ですね、これは安易に地方債に頼るべきではないという御指摘がございましたし、これらもできるだけやはり交付税でやれるようになったらなという意見の開陳があったというふうに思います。  同時に、よくこの委員会でも議論されるのですが、やはり特会へ直入をしていただければ、そうするとさまざまな問題が整理がつくのではないか、こういう議論があるわけです。つまり、譲与税のように交付税特別会計に直入すべきだという意見ですね。絶えずこの議論は古くて新しい議論なんですが、これに対する参考人の皆さんの御意見を聞いておきたいと思います。

高田信昭全国市長会財政分科会委員長・守山市長

○高田参考人 私どもの方は交付税を、国税三税の中からの収入を配分するという形において、貸すとか返すとかいう問題がずっと生じておりますので、私どもの受けとめ方は、一般財源として受けとめさせていただいております、ありがたく受けとめさせていただいております。  ところがそれが、交付税の中にも、福祉に基金を積みなさいとか、国保の安定基金とかですね、そういうふうに最近ある程度条件がついてまいっておりますね。そのことがいい悪いは別にしまして、やはり基本的には私は、地域的に税源が偏在しているということを是正するということで、地方の受け方としては、一般財源化という形で何にでも使える、だから先ほど申し上げたようなそういう特徴のある地方自治体行政がやっていける、こういうふうに受けとめている。それの重要な財源としていただいているんだ、こう受けとめるのですけれども、そこに、ひもとは言いませんが、そういう条件が間々ついてまいりますと、それは差っ引きしていかなければなりませんね。その辺、私どもとしてはできるだけそういうことのないように、理解をしておりますような一般財源として交付税が、今回見ていただいているような、順次実情に合わせて増願していただけるような体制に進んでいただきたいということを念願しておるという意味で申し上げたわけでございますので、御理解をいただきたいと思います。

小林勝彦北海道上川管内町村会長・北海道町村会常任理事・鷹栖町長

○小林参考人 私たち、先ほども申しましたように、歳入の中に占める割合が地方交付税が四〇%を超えるという自治体でございますので、やはり景気に左右されることなく安定して地方交付税が一般財源として確保される、このことが極めて大事だと思います。そんな点からいけば、おっしゃるとおり、従来の国庫補助金のような形の支出じゃなしに直接入れてくる、そういったことが一番わかりやすいと思います。  ただ、国税三税、非常に景気に左右されてくるものですから、総額が不足した場合の国との財源調整はどういうふうになってくるんだろうか、そういう問題が不安でございまして、ことし特例で減額をされましても、後年度に補償されるという問題がありますし、また平成十三年までいろいろな形での別な意味での交付税の充実がされるということの前提があるわけでございますから、そういうものを見ながら、自治体にとっては五年、十年の中期的な交付税の安定的な確保、こういった問題が非常に大事だと思いますし、現状の中では、国税三税が減ってくれば交付税率を上げるということが妥当だと思いますが、なかなかいろいろな点で難しさがあろうと思います。従来、交付税が不足する場合については、地方債を発行して、それで財源補てんをするとか、そういうことをとられましたが、基本的には町村の、地方自治体の固有の財源ですから、あくまでも交付税そのものは不足を地方債発行に依存すべきではなくて、総額確保という点で行うべきではないか、こんなことを期待いたしております。

林宣嗣関西学院大学経済学部教授

○林参考人 私は、先ほど来申し上げておりますように、交付税というのはやはり地方の固有の財源である、そしてその性格をもっとはっきりさせる必要がある。そのためには交付税特会への直入、これは賛成でございます。

谷村啓介日本社会党・護憲民主連合

○谷村委員 次に、具体的な問題を町長さんと市長さんにお伺いしてみたいと思うわけであります。  今回、老人福祉法等の改正が行われまして、老人福祉施設及び身体障害者更生援護施設に係る措置権が、福祉事務所を設置していない町村にも移譲されることになったわけですが、現実問題として、財政規模の小さな市町村と言えば語弊がございますけれども、今後事務がどんどん移譲されるというふうなことが起きた場合に、一体市町村サイドでちゃんと対応ができるだろうか、人員、機能等の問題についてそういう不安がやはり私どもの方にはあるわけですね。そういう点についてちょっと意見をお伺いしておきたいと思うわけであります。

高田信昭全国市長会財政分科会委員長・守山市長

○高田参考人 簡潔に申し上げますと、少し時間をいただきまして財源を確保できるという仕組みになりますと、私どもは、市町村規模によって大きく違いますので、ごく小さい規模の市町村におきましては大変な問題だとは思いますけれども、そのことに対して私ども今取り組みを始めている段階でございますけれども、そういうようにして多少時間をいただきまして、そういう中から財源というものが計画に基づいて的確に配分される、送っていただけるということであれば、まずは財源取得の道を講じていただくということであれば、必ずやっていけるというように考えております。

小林勝彦北海道上川管内町村会長・北海道町村会常任理事・鷹栖町長

○小林参考人 先ほども申しましたけれども、私たち、この四月一日から老人福祉あるいは身障者につきましては知事の権限が移譲されてまいりました。その中でいろいろな形で議論がされてまいりました。  いろいろな問題が分権で地方に権限がおりてくるのは大事なことですが、それが全部交付税措置をされるということについて現場の町村長から不安もございました。例えば、措置費の総額が交付税に入ってきた場合に、都道府県に来た分が市町村に移るわけですから、総枠的にはそう問題はないのかもしれませんけれども、本当にその額が確保されるのかどうか、こういう問題がございまして、私たちの町も施設を二つ持っておりますので、措置費だけでも総額二億四千万ぐらいに達します。それらが本当にふえてくるのかどうかという議論がございましたが、今回の措置の中ではそれらについて明確に措置費部分は交付税で上乗せをされますので、不安が減ってまいりました。  それから、いろいろな形で措置権の移譲に伴いまして事務が移ってまいりますが、これらの問題もやはりいろいろな議論がございまして、分権はいいけれどもそれに伴う財源措置の問題があって、これとこれが権限が移譲されたらその分はこういう形で国から補助金が来るんだとか、交付金が来るんだとか、それがわかりやすいという意見もございました、しかし地方自治は交付税を中心にしてトータルに行うべきものだからそういう一つ一つの分権についてひもつきであるべきではないという議論もございまして、我々はやはり地方自治の上からいえば後者の意見に立っております。  うちの町の場合も、現実に特別養護老人ホームがございますけれども、五十人ベッドでございますが、大体八〇%ぐらいは町内の者でございますが、それ以外に道内の各施設に十一カ所ぐらい利用させていただいています。北海道百八十町村を例にとりますと、施設のないところもございますが、大体一つの町で七カ所ぐらいの施設に老人があるいは身障者が入っておって措置がされておる。それが円滑に金を支払いできるかどうかという問題は、全部これを手作業でやりますと、一つの町でやはり一人半ぐらいの人件費増が伴ってまいりますが、北海道では、冒頭陳述で申し上げましたとおり、百八十町村共同で、北海道庁の支援も受けておりますけれども、四名の職員で全百八十町村の措置費を円滑に支払うという体制を昨年とらせていただきました。そういう知恵を出し合いながら、分権に伴ういろいろな地方自治体の力というものを確かめながら、やはり単なるひもつきではなしに、トータルな行政として老人福祉という問題あるいは身障者福祉という与えられた福祉をこなしていくのが我々の仕事ではないかな、そんなことを考えながら取り組んでおります。

谷村啓介日本社会党・護憲民主連合

○谷村委員 小林町長さんから取り上げられましたし、また高田市長さんからも御指摘がございましたが、国保財政について大変厳しいという状況でございますが、一般会計からの繰り出しに頼っているのが現状でございますね。この一般会計の繰り出しは国保財政の健全化に実際に効果をあらわしていると言えるのか、また今後の国保財政はどうあるべきなのか、どうあるべきとお考えなのか、そういう点についてお伺いをいたしておきたいと思うのであります。

高田信昭全国市長会財政分科会委員長・守山市長

○高田参考人 私どもの国保会計は、おかげさまをもちまして結構たまっております。ちょっと珍しい感じでございます。ただ、国保税につきましては県下の中庸よりやや高いくらいでございます。  それから、応能、応益の関係は、応能が大体八五でございますので、もう少し応益をふやしなさいという御指導をいただいておりますが、応益を余りふやしますと納付するのに困難な人が出てくるわけですね。住民の間からは、それだけ健全な財政であれば国保税を下げたらどうかという話がりますけれども、御案内のように非常に変動の激しいものでございます。また、老人医療でございますとか高齢化医療が年々一〇%近く、非常に増高をいたしておりますので、お返しすることは御勘弁いただきたい。ただし、基金を私ども年二億くらい持っておるのですけれども、毎年取り崩さなければならぬなという取り組みをしながら一億を取り崩さないで数千万積み立てるということは、医療施設が集中しておりますので割に初期診療がいいのではないか。それから低額の方に高額の医療費を負担していただく部分がありますが、幸いにそれが最近ございませんので、国保については、十分注意をしながらやっていくという形の中で、私どもとしては、応能、応益を多少直さなければならないけれども、何とかやっていけるのじゃないか。そのためには、レセプトの点検でございますとか、いわゆる三%の問題でございますとか、必死な努力を続けているということは申し添えさせてもらいたいと思います。

小林勝彦北海道上川管内町村会長・北海道町村会常任理事・鷹栖町長

○小林参考人 小さな自治体にとりましては、国保の問題、非常に全国共通の課題でございます。私たち、国保事業につきましては、やはり事務費については全額国庫が負担すべきであるという主張を続けてまいりました。この問題についての事務費の一般財源化、あるいは助産費の一般財源化等につきましては大変歓迎すべきことだと思っております。  ただ、現在農村におきましてもだんだんいろいろな産業構造が変わってまいりまして、うちの町の場合も、かつては住民の八〇%が国保の加入者でございました。現在は四五%を割ってまいりました。そんな中で加入しているのはやはり自営業者等を含めて非常に経済基盤の弱い人たちでございますので、実は私ども農村でございますから地方税の徴収は年二回に分けて徴収をいたしているわけでございますが、国保税に限り四回に分けて徴収し、また人によりましては毎月その人の能力に応じて徴収しなければならない、非常に徴収における負担がふえてまいりました。普通の地方税は九九%近い徴収率でございますが、努力をいたしましても国保税は九五、六%の徴収ということで、非常に苦労がございます。  それから、いろいろな形で国保の限度額がございますけれども、今回五十万に上がるわけでございますが、本町の場合でも限度を上回る加入者が十二%ございます。それから軽減対象になる加入者がやはり二〇%ございます。中間の六五%にどうしても税負担が集中しがちであるという点もございまして、これらの問題についてもやはり課題がございます。  それから、国保の税率を含めいろいろな形で千差万別あるわけですが、平準化すべきであるという議論もございますけれども、このことについても、当然のことだと思いますが、これはまた安易に取り組まれても困る。ということは、その町村におきましては非常に努力をしながらいわゆる保健活動を展開し、あるいはいろいろな知恵を絞りながら、国保のいろいろな構造的な矛盾を考えながらもそれを是正しているところもあるわけでございまして、北海道の場合は市を含め二百十二市町村ございますけれども、そのうち四十ぐらいの市町村は例の安定化指導の対象になっているわけでございます。  北海道は広くて寒いから医療費が高いということでございましたが、しかし北海道全体、マップにおろしてみますと、決して北海道の医療費は寒くて広いところが高いわけではない。札幌が一番高うございますし、いわゆる雪の降らない南の方が高うございます。ですから、むしろ私どもを含め北の方の雪の降る地帯、広い地帯はいろいろな努力をしながら住民の健康を確保して、医療費の抑制じゃなくて住民自体が健康を保持しているということでございます。  そういう市町村のいわゆる保健活動に対する自主的な活動という問題がやはりこの国保財政の中には反映しておりますから、そういった現実の個々の努力というものを余り考えないで一般的に平準化してまいりますと、せっかく努力をしてきたところが、努力をしないと言うとおかしゅうございますが、そういったところのものをかぶってくるという点もございますので、やはり国保の財政的な強化という問題と住民の保健福祉という問題とを相互に考えていかなければいけない。  特に老人の問題は、福祉的な要素、いわゆる老人の生きがい対策等が伴ってまいります。老人が多く病院に入ってしまうという傾向になりまして、北海道の場合でも、医療費の高いところは七十歳以上の老人の一年間の入院日数が平均して六十五日ということでございますし、北海道全体で四十五日でございまして、入ったらもう帰ってこないという状態でございます。ところが、私の町を含め、低いところは老人の平均入院日数は十五日でございますから極めて短い。ですから、病院におるよりも地域に帰ってきていろいろな活動をする方が生きがいがあって楽しめるというそういった形、そういうトータルな福祉行政を進めてまいりませんと、医療の問題だけに偏ってまいりますと、国保の力ではぬぐい切れない大きな課題を抱えてくる。  そういうことを考えてまいりますと、平準化の問題は、やはりそういうことを考えながら、全体的に十分個々の町村の意見を聞きながら時間をかけて取り組むべき問題ではないか、このようなことを考えております。

谷村啓介日本社会党・護憲民主連合

○谷村委員 時間が終わりました。ありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 山口那津男君。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 公明党の山口那津男でございます。  参考人お三方には、本当に御多忙のところ貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございます。  時間も限られておりますので、私の方から数点にわたって御質問させていただきます。重複するところもあろうかと思いますが、どうぞお許しいただきたいと思います。あわせて、ぜひ率直な御意見、感想とかフィーリング程度のことでも結構でございますので、どうか個人的な意見をどしどしお述べいただきたいと思います。  まず初めに、高田参考人、小林参考人にお伺いいたします。  四千億円に上る特例減額が今年度も行われたわけでありますが、これが三年にわたって連続して来ておる、これは好ましい傾向ではない、決して地方財政に余裕があると受け取られては困る、こういうお話だったろうと思います。しかし、この特例減額については、それを補う措置といいますか、そういう代替措置も盛り込まれているわけですね。それで、実際に参考人の自治体で、この特例減額が行われることによって、こういう点が困っているとかこういう点を改善してもらいたいという点があるのかどうか、それとも代替措置がうまく行われているから特に問題はない、このように御評価されておられるのかどうか、それぞれお伺いしたいと思います。

高田信昭全国市長会財政分科会委員長・守山市長

○高田参考人 交付税の減額措置でございますが、トータルしますと大分大きいです。しかし、本年の四千億につきましては、十分お話し合いをさせていただいて、対応策も講じていただいて、償還財源もはっきりしていただいてやっていただいておるので、やむないというように考えております。しかし、いつまでもこれを続けてもらうと大変だと思いますので、一日も早くそういうことをおやめいただきまして、一部に話のありますような地方にはお金があるんだということは毛頭ございませんで、まずその辺は各市町村とも本当につめに火をともすようにして頑張っておるわけでございますので、御理解をいただきたいということを率直な意見としてお答え申し上げておきたいと思います。

小林勝彦北海道上川管内町村会長・北海道町村会常任理事・鷹栖町長

○小林参考人 私たち、国の財政、財源調整の中で、いつも予算の段階で地方財政の問題が最後まで残るわけでございますが、非常に複雑なやりとりがございまして、なかなか田舎の町村長では理解できない点もございます。  しかし、考えてみますと、私たち都道府県、市町村に実際に交付される額がどうなってくるのか、このことが一番の関心事でございまして、我々地方団体ではこれを出口ベースと称しておりますけれども、交付税そのものは一・六%のマイナスでございますが、実際に地方公共団体に交付されますものは五・二%増でございますから、その点からいけば、地方財政計画に示されました地方自治体の予算の伸びを二・八%程度に抑えるといった点からいけばそれを上回っておりますので、直接的な地方自治体の財政運営には支障が来ていない。しかし、たびたび申しますとおり、安易にこれを国と地方との財源調整だけに依存すべきものではないというふうに理解をいたしております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 今のお二方のお答えですと、現実にいわゆる出口ベースで困っていることはない、こういうお話でしたから、この特例減額について建前としてはよろしくない、こうおっしゃるのは当然でありますけれども、しかしいささか観念論の繰り返しなのではないか、こういう気も率直にするわけでありますね。そこで、そういうことがなぜ行われるか、それは財政調整措置の一環である、こういう機能が果たしてどれほど重視されるべきなのかということを本当はもっと突っ込んで議論をすべきなんだろうと私は思うのですね。  さて、次にまたお二方にお伺いしますが、地方分権という議論が非常に盛んに行われております。いろいろある主張の中には、もうオールクリアに近いような制度の変革を求めるような、そういう方々もいらっしゃいます。そこで、現実に自治体をお預かりになる立場から、権限の配分あるいは税源の配分として、私どもの自治体ではこういうところが実際に配分されると非常にやりやすいな、こういう点があれば、具体的にその権限と税源を挙げていただければありがたいと思うのですね。我が自治体では、実際にナショナルミニマムといいますか住民の基本的な生活水準を達成するためには、自治体の範囲では税源が見出しがたい、したがってさまざまな調整措置を必要とする、こういうお考えがあるのかもしれません。その点も含めて、どうぞ率直にお考えをお述べいただきたいと思います。

高田信昭全国市長会財政分科会委員長・守山市長

○高田参考人 お答えをいたします。  地方分権がやかましく言われておりますが、それだけ中央集権が抜きがたいものがあるということではございませんでしょうか。ですから、地方分権とおっしゃっていただく文字どおりの形のものが一日も早く実現するようにということを私どもは切望をいたしております。  そういう中で、ちょっと異質なことを申し上げるかもわかりませんけれども、私は、県というものは市町村の包括団体だと思っておりまして、上にあるものではないと思っているのです、これは学問的に違うかもわかりませんが。だから、各府県を包括するのが国だと思っている。それを、補助金を出すという上からの形で、どうしても抜きがたいそういう思いを持っていらっしゃるのではないだろうか。最近はそれが大分変わっておりまして、各省におきましても、地域はどうですと言ってわざわざ訪ねてきていただける。私は大きな黎明期が来ているというように受けとめさせていただいておりまして、非常に喜んでおるわけでございます。  そういう中での地方分権というのは、文字どおり、先ほど申し上げましたような環境の整備、人と自然との触れ合いというものは恐らく数十億の投資をしなければならない、その中でせっせと積み上げて、ようやく今、大きくぐっと力を入れていただいたら伸びるのではないか、やっていけるのではないかという時期に来ているから、そういう面に耳を傾けていただいて大きく支援していただくような改善がしていただければ非常にありがたい。それも、自治省なんかでいろいろなことでやっていただいていますけれども、お金貸してあげますよということでは、貸していただけるのはありがたいけれども、返さなければなりません。その辺のところが、やはり上から物を見ていらっしゃるのと違うかな、これはちょっと言葉が過ぎましたらお許しいただきたいと思いますが、そういうことでございます。

小林勝彦北海道上川管内町村会長・北海道町村会常任理事・鷹栖町長

○小林参考人 私たち、地方分権というものを国全体から考えますと、中央政府と地方政府があるんだ、我々小なれどもやはり地方政府である、ローカル・チーフ・ガバメントだ、こんなことを考えながら取り組んでおりまして、このことは憲法の中にも明記されているわけでございます。住民に常時接触いたします首長がいろいろなものをこなしていくのは当然だと思いますし、国と地方との機能の分担とかいろいろな問題は、もっともっと詰めていかなければならない問題がたくさんあるだろうと思います。  ただ、私たち、特に高齢者福祉とかそういう問題が地方団体は大きな課題でございますので、従来はみんなで何とか標準的なことをやっていけばよかった、こういうことでございますが、この平成五年からは、極端に申しますと、老人の福祉をとりましても、その住む町によって非常に手厚い行政サービスがされるところ、それからそれが比較的おろそかにされていくところが出てくるだろうと思います。  北海道の場合も、今現在二百十二市町村ございますけれども、例えばデイサービスにしろショートステイにしろナイトステイにしろ、あるいは介護支援センター、そういったいろいろな措置がございますけれども、ゴールドプランが目指す十年後の数値を現在一〇〇%こなしているところも相当ございます。  例えば本町の場合も、デイサービス等については百名の住民が週二回のサービスを受けておりますし、ナイトステイ、ショートステイにつきましても、十分ではございませんけれども、いわゆる在宅介護で苦労している、特に女性の方に対して解放感を与えるとか、そんな面で非常に大きな役割を果たしております。それから、昨年から在宅介護支援センター等をつくりまして、二十四時間いつでも老人に対応できる、まあ老人一一〇番的なものを特養施設の中に付設をいたしておりますが、そういうところもありますし、まだ特別養護老人ホームも持てないし、またデイサービスもショートステイも全くやれないというところもございまして、住む町によって随分差が出てくるな、そういう感じがいたします。  ですから、これがいわば本当の地方分権なのかもしれませんけれども、しかし、そうは言いながらも、サービスというものは線香花火で終わっては困るわけでございますので、一定の期間長続きをしなければならない。そして一定の努力をしながら、私たちが職員あるいは住民とよく話し合っていることは、身の丈に合った町づくりをしていこう、身の丈に合った福祉を展開していこう、こういう努力をいたしておりまして、いろいろな問題がございますけれども、そういうことを考えながら、地方分権というものを与えられた市町村長の力量がこれから問われる時期だ、そういうことを考えて責任の重さを感じております。  それから、たまたまいろいろな形で施策の展開をしようと思いましても、なかなか自治体はできませんので、その点では一般単独事業の中で、特に地域づくり特別対策等につきましては、それらの努力をすれば三〇%から五五%の範囲内で財政力に応じて交付税がふえてくる、事業費補正でふえてくるという道も開けてまいりまして、派手なものではございませんが、いろいろ特徴のある施策がそれぞれの自治体で展開されていく、これがまた一つの地方分権だと思いまして、それを支えているのが現在の地方交付税の一般単独事業の各種の事業費補正ではないか、このように理解いたしております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 林参考人にお伺いいたしますけれども、イギリスでの経験に余り学ぶところがないかもしれない、こういうお話でありましたけれども、せっかくですから教えていただきたいのですが、イギリスの地方へのお金を配るシステムといいますか、交付税といいますか交付金といいますか、そういうシステムの概要を教えていただくと同時に、その税源、これは日本の場合だと直接税中心のものになっているわけでありますが、イギリスではそれがどういうものになっているのか、あわせてその機能が日本の交付税のような機能と同様のものになりつつあるのかどうか、この点をもう一度御説明いただきたいと思います。

林宣嗣関西学院大学経済学部教授

○林参考人 参考にならないというのはちょっと私も言い過ぎかもしれませんでして、逆に言えば、イギリスのもともとのレート援助交付金というのがございまして、レート・サポート・グランツというのが、税収面の格差是正をする部分とそれから歳出面の格差是正をする部分と二本立てでございました。そのときに、それでは非常に非効率である、日本のように一本にしてしまうことによって二重手間を避けることができる、例えば、コスト面では交付しなくてもよくても税収面で交付しなければならないとか、それを相殺してしまうことが可能だということで一本化されたわけでございます。  そのときに、一方で需要額の計算をどのようにしてやるかというときに非常に大きな議論が出ました。もともとイギリスというのは、地方が行っている事業の実績に基づいて補助金を算定しようということになっておりました。そのためにますます地方の財政を膨らませてしまうというようなことがございまして、どうもイギリスの場合にそれが問題だということで、結局、日本のような基準財政需要額と同じような形でいわゆる標準的な経費を算出いたしまして、それを上回るものについては補助金の対象にならないといったような形に移ってきております。ところが一方で、今の日本の地方交付税が、ちょっと私の誤解かもしれませんけれども、そういう事業量に応じて補助金、交付税を出していきましょうということになりますと、どうもイギリスの逆の流れが日本にあるのではないか。イギリスはそれを廃止しようとしたという意味で少し参考になるかなというようなことでございます。  それから、交付税の財源でございますけれども、イギリスの場合はいわゆるひもつきではないわけでございまして、ただ、一つ申し上げておかなければならないのが、地方税が新しく、スコットランドが八九年、イングランド、ウェールズが九〇年から従来のレートからポールタックス、いわゆるコミュニティーチャージに変わりました。これが非常に大きな議論を呼んでおるわけでございまずけれども、私もイギリスにおるときに一年間で約三百ポンド弱の税金を私と家内で別々に払いました。非常に安いわけですけれども、それですら非常に徴収率が悪い、非常に低いのですね。  そのために地方の財政が非常に困ってしまうということで、歳入不足を埋めるために逆に国は付加価値税の税率を引き上げた。それで一五%であったものが現在一七・五%になっております。その二・五%の分は何に使うかというと、要するに、地方への補助金というような形で使っているというようなことを聞きますと、これは非常に今の税金の評判の悪さ、それでまた九三年からは新しく税金がレートとポールタックスのちょうど中間あたりにあるような税金に変わるわけですね。  ですから、このように大きく抜本的な改革が短期間の間に何度もなされるということが、これは非常に柔軟なところでもありますし、また一方で、民間の行動に対して予測不可能なことになってしまっているということがこれまた一つ大きな問題であります。ところが、日本のようになかなか制度が何十年も変わらないということ、これもまた非常に大きな問題ではないかと思いまして、したがって、補助金も含めて地方交付税もやはりこのあたりで抜本的に見直してみる、考え直してみる時期に来ているのではないかというようなことを考えております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 もう一度林先生にお伺いいたしますが地方分権を進めるために税源の配分をしなければならない、そのためにはその税源が偏在していないようなものを選ばなければならない、こういうお話でした。  ですから、その場合に、日本の実情に合わせて、どういうところにその分権に必要な税源を求めていったらいいのかという点と、それを進めたとしても、格差を是正するために調整をするといいますか、こういうシステムも必要だろうと私は思います。その場合に、今のような直接税中心のものがいいのか、それとも間接税的なものに求めていく必要があるのか、つまり景気の変動になるべく左右されない税源をもとにするのがいいのかという視点でありますけれども、その二点についての基本的なお考えをお聞きしたいと思います。

林宣嗣関西学院大学経済学部教授

○林参考人 分権を進めていく上で、その前提になりますのが地方の安定的な財源であるということを考えますと、交付税というものはこれは確かに一般財源である。しかしながら、一方で、地方税で財源を賄う場合と交付税で財源を賄う場合というのは、これは非常に違いがあるだろうと私は思います。例えば、その地方公共団体が明確に自分の行政を自分のところで集めた税金で行っているのだというような意識、つまりこれは責任の明確性とでもいいましょうか、そういうものが表に出てくるためには、同じ一般財源であっても地方税で賄うということの方がこれは非常に重要な意味があるだろうと思います。  したがいまして、その地方税を考えていくときに、それでは地方の税金というのは一体どうあるべきなのだろうかという点から出発をしなければいけない。それは交付税というところからの出発ではなくて、むしろ、地方税とはどのようなものであるべきか。私は、地方税というのは応益的な税金であるべきだ、これはもう従来からずっと言われてきていることでございますけれども、やはり応益的な税金であるべきだ、どうして地方税に累進的な所得税を導入しなければいけないのだろうというようなことを常日ごろ考えております。そうなりますと、地方税というのはその地方の受益を明確にうまく反映するようなものにすべきであるというような点から、例えば今は国税の消費税でございますけれども、付加価値税を地方税へ導入するとかいったようなことも一つの考え方であろうと思います。  一方、税源を移譲した、あるいは拡充したときに、当然これと格差が出てくるわけでございますから、その格差につきましては、今のような経済の弾力性が非常に大きいような税収を基準にして交付税を算定することが果たしていいのかどうかというのは、私はちょっとそれは問題だろうというように思います。やはり、地方の行政というのは、一方で財政が悪いから削ることができるといった性格のものではございませんので、そういう意味では安定的な財源というものが確保されるべきだというような趣旨からでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 最後に、お三方に伺います。  地方単独事業のウエートが高まってきております。これがこれからどうあるべきかということについて実務の立場から、それから最近の評価について林先生から、それぞれお伺いしたいと思います。簡潔で結構でございます。

高田信昭全国市長会財政分科会委員長・守山市長

○高田参考人 地方単独事業としてやらなければならないものは、各市町村にあふれるほどいっぱいございます。それで、起債を多く認めていただけるという状態になってきておりますが、時期が来ますとお返ししなければなりません。公債費率の向上が一番頭の痛い問題である。先にツケを残すような単独事業を、そのことを今考えないでやっていくことは非常に困難でございますので、交付税算定に大きく入れていただけるように希望しておきたいと思います。

小林勝彦北海道上川管内町村会長・北海道町村会常任理事・鷹栖町長

○小林参考人 地方単独事業が非常に特色のある地域づくりあるいは地域経済の細やかな振興のために非常に役割を果たしていることは、たびたび申し上げたとおりでございます。そのような形で、後年度負担の問題を選択しながら、私どもいろいろ取り組んでおるわけでございます。現在、地域づくり特別対策事業等につきましても、財政力指数によって最高限度五五%ぐらいまでの交付税参入措置があるわけでございますが、もう少し上限を高めていただいて、後年度の負担を極力減らした中で地方単独事業が自治体でもう少し自由に選択できるような道を広げていただきたい。大変手厚い対策をとっていただいておりますけれども、重ねてその点をお願い申し上げておきたいと思います。

林宣嗣関西学院大学経済学部教授

○林参考人 私は、地方単独事業がふえてきているということに対しましては、非常にいい傾向であるというように思っております。と申しますのも、やはりナショナルミニマムの行政というものがある程度けりがついたといいますか、ナショナルミニマムも年々引き上がっていくことはございますけれども、おおむね充足されてしまった中で、これからはプラスアルファの行政をやっていくべきだということで、単独事業が増加していく方向にあるだろうし、またそれが望ましい方向であろうと思います。  ただ、その場合の財源調達のあり方は、例えば箱物をつくった場合にそれを利用者がきっちりと払っていくようなものもありましょうし、料金を取れないようなものも恐らくあろうかと思います。したがいまして、どういった財源調達をしなければならないのかということは一概に言えない。ただ、そういうサービスの種類あるいは公共施設の種類に応じて地方の側でどのような財源調達をしていくべきなのかということを受益者負担も含めてきっちりと検討していくということが、地方分権の一つの取っかかりなのではないだろうかという気がしております。  以上でございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 ありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 吉井英勝君。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 本日は、参考人の皆さん方、どうも御苦労さまでございます。  私は、まず一つ、特例減額の問題にかかわって伺いたいと思うのです。  九三年度も四千億円の交付税の特例減額、これで三年続けての措置ですが、こうした特例減額に加えて、九三年度に交付税特別会計に繰り入れられるはずの法定加算、覚書加算も先送りされております。ですから、九三年度の交付税のカットの額は一兆円を超えるものになりますが、こうして先送りされた額の合計は四兆円を超えているわけです。一方、返さなければいけない方は大体二兆円ですから、四兆円の財源があるならば二兆円の借金返しに充てたらいいではないか、こういう意見もあります。こういう点について、高田、小林両参考人はどういうふうにお考えになっておられるのかということ。  また、当該年度の交付税はその当該年度に配分するのが法の趣旨であると思いますが、こうした年度をまたがる財政調整についてどのような見解を持っておられるか、これは林参考人に伺いたいと思います。

高田信昭全国市長会財政分科会委員長・守山市長

○高田参考人 四兆円ものいわゆる交付税に対するなにがあり、ことしは四千億円特例減額ということで、それがなければもっと仕事ができるのにという思いは持っております。持っておりますけれども、それは現実としてあるわけでございますので、そのことを否定する上で、先ほどやむないものとして受けとめている、こういうふうに申し上げておるところでございます。これがなかったらなという思いかないと言ったらうそになりますので、それは切実に感じております。  幸いに国の方でも十分検討いただきまして、四千億円を含め今日までのいわゆる前借り措置の返済につきましては明らかにしていただいておりますし、また地方団体の当面しております課題につきましては積極的な財政措置を講じていただいているという中で、気持ちよく、先般も理事会がございましたけれども、会長からもその由やむないものとして、交付税の改正を認めてもらえる、成立できるようにという姿勢でいきましょうというお話もございましたので、そういう受けとめ方をいたしております。

小林勝彦北海道上川管内町村会長・北海道町村会常任理事・鷹栖町長

○小林参考人 私たち、基本的には地方交付税は固有の財源でございますから国との財源調整を安易に行うべきではないと考えておりますけれども、公経済全体のバランスを考えてまいりましたときに、国と地方の関係は相互に依存するものがございますので、現在の制度ではある程度においては是認しなければならない問題ではないかと考えております。  ただ、たびたび申しますとおり、都道府県、市町村、地方公共団体に直接交付される交付税がどういうものであるべきかということについては、平成五年につきましても五・二%の増という形になっておりますので、私どもとしてはそう不安を持っておりません。同時にまた、交付税制度が長期にわたって安定的に地方自治団体の一般財源として確保されるような、そういった意味での見通しを持った国全体の財政運営というものが図られるべきではないか、こんなことを期待いたしております。

林宣嗣関西学院大学経済学部教授

○林参考人 財政の年度間調整というのは、国の場合と地方の場合がございまして、地方の場合の年度間調整というのは、地方がおのずから地方財政の中でやるべきであると私は感じております。したがいまして、国の財政との絡みの中で間接的に地方が年度間調整をしなければならないというようなことは、これは本筋ではないだろうと思います。  しかしながら、これも従来から申しておりますように、現実の問題として国の財政が厳しいといったようなこと、それから後年度加算をするというようなことを考えますと、これもいたし方がない。というのは、実際に交付税率の三二%というのが果たして望ましいのかどうかという議論がどうしてもやはり出てくるのではないかというように思うわけでございます。このあたりを解決しないと、ひょっとすると三二%よりもっと高いところに行くのかもしれないし、ひょっとすると地方財政の実際の行政需要をきっちりとはかったときには三二%よりも少なくて済むかもしれない。今その移行期といいますか、考慮中だということであればやむを得ない措置だけれども、しかしながら、地方財政というのはやはりその地方財政の中で年度間調整はやるべきというのが筋だろうと思います。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 次に、地方単独事業の執行に関して、高田、小林両参考人に伺っておきたいと思います。  投資的経費に占める地方単独事業の割合は、実績で見ましても、八七年度決算の四三%が九一年度で五八・一%と大きく増加しております。九三年度の地方財政計画では前年度比で十二%の増と三年連続して二けた台の伸び率確保となっております。住民生活に身近な事業を地方自治体の場合取り組むわけですし、それが伸びること自体は望ましいことですが、三年連続二けたの伸びに加えて、昨年度で一兆八千億円、今年度は予算が通って一カ月もしない間に二兆円の地方単独事業が追加されようとしてきているわけでありますが、幾ら望ましいといっても、これだけ事業量をどんどん積み増しをしていきますと、財源の大半は借金ですから、先ほども少し議論がありましたが、実際執行できるのかどうかという問題。  それから、公債費負担比率が九一年度の決算では高田参考人のところで十三・〇%、小林参考人のところで一七・六%のようでありますが、全国平均で二・三%ですから、一時ほどではないにしても非常にまだまだ高い水準を維持しておりますし、大量の地方単独事業の執行が公債費負担比率をぐんぐん引き上げていくということになるのは必至だと思われるわけです。自治体の責任を任されていらっしゃる方として将来の財政運営については一番心を痛めておられると思うのですが、特にかつて公債費負担比率などがぐんぐん上がっていったときに、自治省の方は財政健全化の指導というのをかなり強力にやった時期もありますが、昨年そしてことしと地方単独事業がどのように予算に計上されてきたかということと、また、地方単独事業を進める上で今本当に気を配っていらっしゃるところですね、その辺のところについて率直なところをお二人から伺いたいと思います。

高田信昭全国市長会財政分科会委員長・守山市長

○高田参考人 率直に申し上げまして、地方単独事業をやっておるのは、ささやかなもので積み上げていこうということで、大きいものでやりたいことがありますけれども、今御指摘のような問題がございまして、それが心配でございますのでまだ手がついていないというのが一つでございます。  それから、執行でございますけれども、これは年度の事業によって多少異なってまいります。ということは、私のところで昨年は学校なんかやりまして、補助残の仕事で単独が非常に多かったということでございますが、それだけに早期発注をいたしまして、八〇%を超える発注ができております。ところが、ことしはきめ細かいそれぞれの事業でございますので、国の言われておるようなところまで行けるかどうか。よほどの努力をしなければならない。しかし、消化はできると考えておりますので、そういう点で非常にありがたいというふうに受けとめておるわけでございます。  将来の大きなツケが回ってくる問題につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、一例で申し上げますと、いわゆる開発事業でやっております下水道事業でございますが、一定の管種以外は全部単独事業で、起債は認めていただいております。その公債費率が年々目を見張るほど増高を来しておりますので非常に心配をいたしております。そういう状態でございますので、その辺のところを見きわめながら、事業をセーブしていかなければならないということは非常に心づらいわけでございますけれども、その辺の均衡、適正を図って努力していきたい、こういうように受けとめております。

小林勝彦北海道上川管内町村会長・北海道町村会常任理事・鷹栖町長

○小林参考人 地方単独事業は、それぞれの自治体の事情によりまして自由に選択できる幅が非常に広がってまいりまして、私たちその点では感謝をいたしているわけでございますが、ただ何分にもすべてが交付税措置をされるわけではございませんので、やはり私ども、単独事業といいながらも後年度負担はどうなっていくのかという問題を検討しながら取り組んでおります。  本町の場合は、平年度大体一般会計五十億前後のところでございますので、現在公債費率は、うちの町は平成五年度末で想定されますのは一一・一%になるわけでございますが、平成五年度末の今の事業を遂行していく中での地方債の残額が五十六億程度になろうと思います。一般会計の額とほぼ同じぐらいが地方債残高になってまいりますが、しかしそれらも無計画にしているわけではございませんで、大体二十四億ぐらい、大体五〇%近いものが交付税算入をされてまいりますので、そんな点では財政運営の節度を保ちながら積極的に取り組んでいるという形でございます。  例えば、一般単独事業で地域特例のいろいろな地域づくりの事業がございますけれども、本町の場合を考えてみましても、ここ三年ほど前は事業費補正が二%程度でございましたけれども、いろいろな形で地域づくり特別対策を進めておりまして、事業費補正が平成五年度の予算では七・八ぐらいになってまいります。そんな形でいろいろな努力をし、特色のある地域づくりをすれば、それらの事業費補正で交付税総額がふえてくるというそういう一つの仕組みを我々は十分活用しながら、十分長期にわたる財政運営の節度を考え、そしてその町の実態に合ったものを努力をしている現状でございます。  ただ、本町の場合、一日も早く全戸の水洗化をしたいということで取り組んでおりますけれども、町内全体で公共下水道で水洗化率大体五〇%、それから厚生省の合併浄化槽で大体一二%、大体六三%ぐらいの水洗化率でございますから、町村としては高うございますけれども、できれば一般単独事業を、これらの問題を解決できれば一日も早く水洗トイレ化が一〇〇%成っていくということで、いわば豊かさを実感できる地域づくりができるかな、そんなことを期待しながら国の政策を待っているのが現状でございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 次に、補助金の問題についても伺っておきたいと思うのですが、公共事業に係る国庫補助金の補助率が、直轄事業については三分の二、補助事業については二分の一を基本にして恒久化されましたが、暫定補助率から見れば改善ということにはなりますが、もともとの、補助金カットが始まる前の水準に戻っていないということになります。今回の結果についてどういう御感想をお持ちか、高田、小林両参考人に伺っておきたいと思います。  また、二つ目に、九三年度も教員の共済費追加費用の補助金、保健所運営費交付金などの補助金の一般財源化が予定されておりますが、使命を終えた補助金が廃止となったり、あるいは少額な補助金が統合される、また地方財源で措置されるということは当然あり得ることでありますが、ただ、当然そのことによって必要な事務や定員までが縮小されるという結果になってはならないわけで、このことは地方の住民が一番危惧しているところですよね。そこで、一般財源化ということになれば、事務を行うかどうか、人員を配置するかどうか、これはひとえに地方団体の姿勢ということにかかってくるわけでありますから、こういう住民の声にどういうふうにこたえていこうとお考えか、この辺のところについての御意見。  それから三つ目に、かつて共済費が一般財源化されましたが、一般財源化されたことによって共済費整備の進捗がどのようになったか、もしこの点おかわりであればお聞かせ願えればと思うのです。  以上、三点。

高田信昭全国市長会財政分科会委員長・守山市長

○高田参考人 国の補助金、直轄三分二、それから補助事業二分の一を基本として恒久化されたということにつきましては、御苦労が多かったのによくそこまでやっていただいたというふうに受けとめております。その間には真剣な論議を交わしていただいたということをお礼を申し上げておきたい、このように思っておるわけでございます。そして、恒久化に伴います地方負担の増加分についての補てん措置も講じられることになっております。そのことは、率直に受け入れていきたいというように受けとめております。  交付税が一般財源化されまして、まず私たちが気をつけなければならぬ問題は、一般財源、何に使ってもいいというふうにできましたらもうほいほいと使ってしまうということがあったら絶対にあかんというふうに気をつけていかなければならぬと私は思っております。ですから、その手法、効果的な活用、それらについては真剣な勉強もしていきたいと思いますが、方向としては、やはり一般財源化という形で一日も早くできていくことが、地方自治、地方分権の時代と言われているときの自治体に対する期待と希望の星であるというように受けとめていきたいと思います。それを推進していきたい、推進していただきたい、このように受けとめております。

小林勝彦北海道上川管内町村会長・北海道町村会常任理事・鷹栖町長

○小林参考人 国庫補助金が直轄三分の二、それから普通が二分の一になりましたことについては、これからの事業を安定的に推進していく上では極めて評価すべきものだと思っております。  ただ、先生から御質問のございました教職員の人件費関係あるいは保健所等の関係につきましては、都道府県関係なものでございますから、我々市町村は無関心でおるわけではございませんけれども、それなりの関心を持っておりますが、かつて農業改良普及員の人件費問題についての論議がされたことがございます。その中で、やはりそういったものが、都道府県によって行政のウエートの置き方で変化しないのではないかという不安はございましたが、北海道に関する限り、むしろ農業改良普及員については、北海道の一次産業の中心であります農業でございますので北海道が手厚く配慮したということで、私たちの不安は解消されております。  ただ、保健所等につきましては、これからゴールドプランを推進していくわけで、極めて重要な課題を持っております。そんな中で保健所はどういう形で運営をされていくのか、このことが一般財源化によっていわゆる地域の住民にどういう影響を与えていくのか、このことは町村にとりましても関心を持っておりまして、その都度、知事を初め道に対していろいろな町村側としての意見を申し上げているのが現状でございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 あと時間が短くなってまいりましたので、林参考人の方に伺いたいのですが、「地方分権論」に関連して、共著で書かれた「地方財政論」の中で触れておられることで、「イギリスでは地方団体はいかなる一般的機能も付与されていない」ということを指摘しておられますけれども、せっかくきょうはイギリスの話を伺いましたので、その辺少し具体的にどういうことになっているのかなということを伺いたいのと、他方支出の抑制の手段として交付税削減、補助金削減、地方税のコントロール、そういう趣旨のことも書いていらっしゃいますけれども、先ほども少しお話がありましたので、こちらの方についてはこれ以外に何かつけ加えるべきことがあればお聞かせいただければ結構ですし、三つ目に、イギリスは国と地方の税源配分で十三・〇%、これは表を見せていただいておりましても、税収や経常収入に占める地方税の割合など、イギリスはうんと低いわけですが、何か歴史的経過等があるのか、その三つのことについて最後に伺って、私の質問を終わりたいと思います。

林宣嗣関西学院大学経済学部教授

○林参考人 イギリスの場合は憲法で地方自治というものが保障されているわけではございませんで、したがいまして、議会の力の中でイギリスの地方の役割というものがどんどん変わっていくわけでございます。したがいまして、そういう意味では、一たんたがが外れますととめどなく地方の力というのは弱くなっていってしまうというようなことが現実に起こっているのではないかと思います。  それから、いわゆる国と地方の関係の中で、地方税の比率というのは、イギリスというのは単一税の国でございます。したがいまして、地方税のウエートというのは非常に低くなってしまう。ところが低くなっていったとしても、その税率を自由に変えることができるということの中でイギリスというのはやはり地方自治を確保してきたというように私は思っております。ところが最近、先ほど申し上げたように制限税率が出てくるとか、そして従来地方が持っておりました事業用のレート、これが国の側に吸い上げられてしまうというようなことで、いわゆる国からの譲与税という形で地方に回ってくるといったようなこともございまして、その中で急激に地方税のウエートが下がってきているということでございます。  第二点は、先ほど来申し上げているとおりでございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 神田厚君。

神田厚民社党

○神田委員 参考人の皆さん方には大変貴重な御意見をありがとうございました。  二、三質問をさせていただきます。  まず、現在地方分権ということが非常に多く言われているわけでありますが、道州制とか連合とか、現在の都道府県、市町村の枠を変更すべきだ、こういう主張も強力にあるようでありますが、都道府県、市町村の枠を変更する必要性は現在あるのかどうか、それぞれからお答えをいただきたいいと思います。

高田信昭全国市長会財政分科会委員長・守山市長

○高田参考人 久しく道州制問題が議論されておりますことは私も承知はいたしておりますけれども、まだその時期までは大分遠いんじゃないかというように今率直に受けとめております。道州制というものは、都道府県がなにをするわけですので、一緒になることは別れるよりも難しい問題が大分出てまいりますので、その辺のところで道州制につきましてはもう少し時間がかかるのではないかというように考えております。  端的なことを申し上げまして恐縮でございます。

小林勝彦北海道上川管内町村会長・北海道町村会常任理事・鷹栖町長

○小林参考人 私は北海道でございますので、いわば道州制の中におるような形でございますが、ただ、北海道は余りにも広過ぎて知事が忙し過ぎるということで、逆に分権論がございます。しかし北海道分権論も、四つに分けるという議論がございますけれども、まだ道内の世論になっておりません。  むしろ、それでは具体的にどうなのかとなってまいりますと、どういう線引きをされるかとなりますと、こういういろいろな交通アクセスが変わっている状態の中では、北海道分権論というものは北海道の中では世論の中で強いものになっておりません。私ども、広い北海道でございますから、本州と違いまして十四支庁に別れておりまして、支庁長に知事の権限が相当大幅に委譲されまして、そうしてまた北海道の二十のブロックだけの広域経済行政圏をとられておりますので、事実上、小さな自治体、大小にかかわらず一つの自治体で自己完結型の行政はできませんので、幅広く広域的なものを展開いたしておりますので、道州制というものについて余り私ども北海道の自治体としては関心を持っておらないような現状でございます。お互いに広域的なものを考えながら、どうやって北海道全体の行政水準を高めるのかということについて努力をしておるのが現状でございます。

林宣嗣関西学院大学経済学部教授

○林参考人 私は関西におりますので、道州制の議論だとかあるいは分権論だとかといったようなことが非常に盛んに行われる地域でございます。  道州制だとかいったような議論のときに必ず出てくるのは、これは広域行政じゃないかという議論でございます。しかしながら、確かにそういう側面もございますけれども、やはり分権をするときの受け皿をつくるという意味での広域的な地域づくり、これは私は非常に重要なものではないだろうかというように思います。  それと、もう少し柔軟な形で対応できるような広域行政システムはないだろうかということだろうと思うんですね。といいますのは、一方で、ナショナルミニマム要請のときには、すべての自治体が、府県が比較的似通ったような行政をしていた。ところが先ほど来ずっとお話がありますように、個性のある行政をしていく場合に、これを一くくりにして、さあやりなさいというわけにはなかなかいかなくなってしまった。したがって地域の合併といったようなことは現実問題として非常に難しい。そうなりますと、そういう広域行政のメリットを、あるいは分権の受け皿としての広域的な地域のメリットを生かせるような何かシステムづくりというものが今求められているのだろうというように思います。

神田厚民社党

○神田委員 私ども、地方分権基本法というのをつくって、これから国会の論議にしようと思っておりますので、いろいろ地方分権についてお聞かせいただきたいのでありますが、この地方分権の現実的なあり方として、国と地方を通ずる権限を再検討して、順次国から地方に権限移譲を進めることが必要ではないかと思っております。  そこで、地方公共団体は、先ほどもちょっと質問がございましたが、地方自治推進のために早急に地方におろしてほしい国の権限というものは現在どのようなものがあるでございましょうか。

高田信昭全国市長会財政分科会委員長・守山市長

○高田参考人 先ほど申し上げたのですが、地方分権は最近特に議論が沸騰しておりますし、大事なことだと思っておりますけれども、ただいたずらに分権で与えたら消化できるというものでもないと思うのですね。私どもは、やはり消化できるように時間をかけ財源を調えていただいて、しっかりと用意をしてかからないと、これは言うだけに終わるということになる。ですから、私は、もう大体人間性がそういうことかもしれないけれども、議論だけやっていくのは嫌いでございますので、やはり着実に一歩一歩どのように進めていくかという議論をしていく中で、地方分権の問題が成功していくように我々の言うべきことは率直に言わせていただきます、こういう形で進んでいくことが一番望ましいもので、お国のためでもあるというように私は認識をしております。

小林勝彦北海道上川管内町村会長・北海道町村会常任理事・鷹栖町長

○小林参考人 私たち地方分権を進める中で、あるいはいろいろな形で私たちの地域の活性化を目指す中で、いろいろな国の制約でございまして、これらが少し疑問の点ではありますが、特に農地のいろいろな問題等について知事の権限が余りにも少な過ぎるという点がございます。ですから、これからいろいろな形での新農政プランの展開の中で、都道府県、市町村一体になって地域の農業の新しい展開をしていくということの中におきまして、やはり農地の転用とかいろいろな利用であるとかそういったことについて、あるいは地域全体の土地利用全体について、もう少し権限が知事に任されてくることが必要ではなかろうか、そんなことを考えております。  それから、同時にまた土地利用という問題は、地方自治体が相当責任を持ちますので、将来に悔いを残さないように、いろいろな形で自分たちの地域の土地あるいは都道府県全体の土地利用というものを考えていかなければならない。そういう中で、地域の活性化のための制約とかそういった問題を自治体がこなし得るような分権が必要ではないかなと感じておりますし、それだけにまた我々も責任の重さを感ずるわけでございますけれども、それぞれやはり自分たちの自治体のこなし得る能力の限度もございますので、そういった問題をいろいろ検討しながら、適宜地方に任すべきものは大胆に地方に移譲していただきたい、そしてそれらが地方の中で責任を持って処理できるようなものであってほしい、そんなことを期待をいたしております。

神田厚民社党

○神田委員 次に、道路整備の問題につきまして、道路整備費用について地方公共団体から、道路整備財源の拡充を求める意見書あるいは自動車諸税の負担緩和を求める意見書、これが非常にたくさん届いております。こういう点から、道路整備費用に国の一般財源の投入を拡充する必要があるのではないかと考えておりますが、皆さん方のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

高田信昭全国市長会財政分科会委員長・守山市長

○高田参考人 道路財源確保のためにということで、全国市長会におきましても道路財源確保の決議をいたしまして御要望申し上げているところでございます。最近は高速とか大きいプロジェクトは進んでおりますけれども、地方の道路整備につきましては非常に高額な経費を要します。そういう中で、ごれを一般財源の中ですべて充当していく、あるいはまた起債によって後世にツケを残していくというわけにはまいりませんので、こうした特定財源をぜひとも私どもに御配分をいただきたいという趣旨の御要望を重ねているところでございます。

小林勝彦北海道上川管内町村会長・北海道町村会常任理事・鷹栖町長

○小林参考人 道路整備の長期計画の策定に当たりましては、全国の都道府県、市町村それぞれ道路財源の確保につきましては諸先生方にたびたび強く要請をしてまいりました。結果として、いろいろな問題はございますけれども、地方都市にとりましてもほぼ満足すべき状態の中でされたと思っております。  ただ、今のところいろいろな地方道の整備を含めて特定財源、いわゆる道路財源そのものは確保されつつありますけれども、もう少し一般財源の中で地方道等に対する援助があってもいいのではないだろうか、こんなことを考えながら、特にガソリン税の問題等含めていろいろな財源調整についての意見が、中央において地方の立場を大変理解をされた中で配慮されたことに感謝申し上げたいと思います。  同時にまた、まだまだこれから地方道の整備につきましては課題が山積しておりますし、特に建設省所管の事業につきましてはどうしても都市優先になる傾向がございますので、町村に対するそういった財源の配分等についてはおくれがちでございますので、そういった点についての是正も今後とも町村側としては要請を続けていきたい、このように考えておる次第でございます。

林宣嗣関西学院大学経済学部教授

○林参考人 私は、道路に限らずいろいろな社会資本につきまして、財源調達のあり方というのは地方と大都市圏とではおのずから違ってくるのじゃないだろうかという気がしております。つまり、地域の活性化なりを達成するための道路の建設と、そして現在の東京のように混雑が起こっている道路を何とかするための道路の建設であります。そのためには、恐らく地方の方は私はやはり一般財源なり国の財政でやるべきであろうというふうに思います。しかしながら大都市圏の道路につきましては、これは混雑緩和ということを考えていきますと、非常に経済学的になってまいりますけれども、混雑税といったような財源を使って道路の建設をする、そして道路の利用量を減らしていきながら、一方で、道路の混雑というのは私は総合的な交通政策の中で解決していかなければならない問題であろうと思いますので、そういう意味では、一方でバスあるいは地下鉄といったような中大量輸送機関への補助といった財源措置というようなことも大都市圏の方では考えていかなければならないだろうと思います。

神田厚民社党

○神田委員 私は、道路関係で自動車取得税のようなものが道路の費用財源になっているというようなことは問題があると思っているのです。こういういろいろな陳情が来ておりますから、今後ともそれは検討をしていきますけれども、そういう意味では一般財源化、これを拡充する方向をとっていかなければならないのではないかというふうに考えております。  最後に、特別交付税のあり方について、林先生から先ほどもいろいろな関連のあることで発言をされましたが、まとめて端的に教えていただけますか。

林宣嗣関西学院大学経済学部教授

○林参考人 実は私、正直に申し上げまして、特別交付税というのが一体どのような性格を持っているのだろうというような感じが率直な意見としてしております。私たちが学習をするときに、年度間に不意に何か行政需要、財政需要が起こったときにそれを使うんだとかいったようなことを教えられてきましたけれども、しかしながら、どうも特別交付税そのものが一体これは補助金なんだろうかというような印象を持つわけでございまして、そういう意味ではいま一度特別交付税の趣旨に戻って見直してみる必要があるのではないかというように、これは率直な感想でございます。

神田厚民社党

○神田委員 終わります。どうもありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして心から厚く御礼を申し上げます。  次回は、明十五日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十分散会

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