地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1993/02/23
会議録
○中馬委員長 これより会議を開きます。 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古屋圭司君。
○古屋委員 古屋圭司でございます。自由民主党を代表いたしまして、質問させていただきたいと思います。 まず、自治大臣にお伺いをしたいと思います。 東京への一極集中が限界に達していると言われて久しいわけであります。昨今では、いわゆる地方分権をうたった数々の書物が続々と発売をされております。このことは、多くの国民が人、経済、情報、文化、行政、政治等ありゆるものが東京に集中していることに大きな疑問とその抜本的な対策を真剣に考えていることのあらわれだと思います。何もしなければ、このまま今後、首都圏に年間二十万人くらいふえ続け、五年で百万人もふえると予測をされております。 このような状況の中で、昨年十二月の臨時国会におきまして、国会等移転に関する基本法が成立をいたしました。御承知のとおり、この法律は、国会等を首都圏以外に移転をさせることにより、人口の過密、生活環境の悪化、大規模災害時における危険の増大を解消し、地方における過疎、経済的停滞あるいは文化の画一化というものを是正し、名実ともに真の地方の時代を構築しようという、いわば我が国の二十一世紀のあるべき姿を示した基本法であります。 昭和六十三年に総理府が行った調査では、首都機能を移転させたらいいというのは全体の五・九%しかありませんでした。しかし最近では、あるアンケート調査を見ましても、中央官庁の課長クラスの方あるいは大企業の部課長、文化人、中小企業の経営者等々、賛成が圧倒的多数を占めている、こういうデータが出ております。 村田大臣は、本基本法成立時の委員長として大変な御活躍をされたわけであります。また、この首都機能移転問題につきましては、大臣は二十年間以上にわたりまして研究し、熱心に取り組んでおられることは私も十二分に承知をいたしております。大臣も、また私も、有力移転先の候補地の一つとされる中部地区の選出の議員であるということはさておきまして、国会の移転によりまして一極集中の根本的是正と、そして何よりも究極の政治改革がもたらされる、私もそんなことで、この首都機能の移転につきましては推進論者の一人であります。大臣の所信表明におきましても指摘されておりますとおり、多極分散型国土形成を進めるため、国から地方への権限の移譲あるいは国の関与の整理合理化に努めていきたいとのことであり、今般、自治大臣に御就任をされましたことは、地方の側から見ても極めて時宜を得たものと考えます。 そこで、地方公共団体の自立性あるいは自主性の推進と地方分権に向けまして、今私が申し上げましたよりに 夢物語から現実に向け第一歩を歩み始めました首都機能の移転問題とも絡みまして、大臣の所見及びその哲学等々についてお伺いを申し上げたいと思います。
○村田国務大臣 お答え申し上げます。 一極集中の是正ということは今や国是であると私は思っております。現に、御指摘になりましたように、人も、金も、物も、情報も東京圏に集中しておるという現実でありまして、これを歴史的に見てみますと、明治初年の東京の人口は百十五万であったということが記録をされております。現在は東京都で一千二百万、東京圏で三千万、大変な、空からもし日本を見ていれば、この百年の間にすべての集中が行われたということがはっきりわかるわけであります。 司馬遼太郎さんの「菜の花の沖」という小説を読みますと、あの江戸時代においては、上方でいろいろなものを仕入れて江戸へ運んだ、そうすると、江戸は行政の中心ではあったが、経済の中心はいわゆる大阪つまり堺、京あるいは兵庫等であって、物資の集散地はむしろ上方、大阪、京、兵庫であったということがはっきり出ておるわけでありまして、したがって、明治維新後のまさに一極集中であるということがわかるわけであります。 明治初年の日本の本あるいは外国の本を見てみますと、その当時の東京は、非常に緑の多い、そしてすばらしい水の多い、いい大都市だった、こう書いてあります。事実、いわゆる江戸時代等を通じて明治までの日本は人口が三千万くらいしかありませんでした。それはなぜ三千万であったかといえば、食糧において限度があったからであります。したがって、明治以後、いわゆる自由主義、民主主義という新しい経済体制になって、文字どおり食糧は輸入をしていけば幾らでも東京で住めるというような状況が来て、実際にはこんなに大きくなってはならないところまで一極集中の利益を追求して、東京圏に人が集まったということが歴然としております。 その証拠には、明治初年の鹿児島県の人口、山口県の人口、いわゆる薩長土肥と言われる明治維新を起こした地域の人口と現在を比較してみますと、山口県、鹿児島県では二倍になっておりません。一・八九倍程度でございます。ところが、東京圏は十倍になっておる、一番ふえたのは北海道でありますが。そういういろいろな一極集中がこの間に行われたということは明らかであります。 したがって、一昨年の十一月七日に、衆参両院において国会等移転の決議が行われました。そして国会等移転の基本法が御指摘になったように昨年の十二月十日、国会を通過したわけでございます。したがって、この問題については、まさに自社公民各党が、一極集中を是正していかなければならぬ、多極分散型の国土をつくらなければならぬという意味で一致をしておると私は信念を持っております。 したがって、これからの国のグランドデザインは、政治改革、その大きな一環として新首都の建設というものがあると私は思っております。ぜひそういったグランドデザインを築いていかなければならぬ。だから、国会等の移転法に基づく調査会も恐らく年度内には発足をする運びになっておりましょうし、私も自治大臣として、横糸の役所でありますから、この国会等の移転問題には深く参画をして、今後の国の将来に対しての意見を申し上げていきたい、このような信念を持っておりまして、ただいま古屋議員の御指摘の点は同感であります。今後とも一生懸命努力をしてまいる決意でございます。
○古屋委員 大臣から、二十数年間にわたりまして研究をされているその内容の一部を私も今改めて認識をさせていただくことができました。この首都機能の移転問題というのは、表向きには地方分権、地方の士気の活性化というものをもたらすことであろうし、一方では、今政府改革論議が盛んに行われていますが、最終的にはこの政治改革を抜本的に進めるための切り札と申しますか、ここにもつながると思います。確かに長期的な問題として取り組んでいくべきでありましょうけれども、ぜひとも自治大臣の御在任中にそういった意識を大いに植えつけていただきますように御活躍をお祈りを申し上げたいと思います。 さて次は、第二次ふるさとづくり関係につきまして御質問申し上げたいと思います。 みずから考えみずから行う地域づくりを原点といたしまして、昭和六十三年より各自治体が自主的、主体的な地域づくりに取り組んでおりまして、これを契機として、全国的に地域の特性を生かしたふるさと創生が大いに推進されてきたことは特筆に値すると思います。今回、その第二弾として第二次ふるさとづくりを推進するに当たりまして、従来にも増して地域の特色を生かしつつ、ソフト、ハード両面にわたりましてさらに充実したものを提供していくべきと考えます。自治大臣の御見解を賜りたいと思います。 また、これに関連いたしまして、ちょっと私の地元のことでございますけれども、昨年に二つの圏域がいわゆるふるさと市町村圏に指定をされました。この事業の特徴は、何といっても広域でその事業を推進をしていこうということだと思いますが、これは一つの例にすぎませんけれども、これからは一市町村単位での事業展開というのはおのずから限界が来るということはもう明らかでありまして、そこで、各地方団体におきましては、今後広域単位での事業推進というものを図っていくべきだと考えます。この場合、将来的には自治体の再編成といったようなことも避けては通れないと思いますけれども、このような点につきまして、以上の二点につきまして、大臣の御見解をちょうだいをしたいと思います。
○村田国務大臣 ふるさとづくり、創生関連施策についての御質問であります。 御指摘のように、昭和六十三年度から平成元年度にかけての一億円事業あるいは平成二年度から平成四年度までの地域づくり推進事業等によって、これまで全国で約四兆五千億円のハード事業と約一兆三千億円のソフト事業とが実施をされ、全国各地で地域の特性を踏まえた個性的な地域づくりを積極的に展開をしておる、これは非常に大きな成果が上がってきておると思います。 どこへ行っても何々銀座というような名前で金太郎あめのような都市開発をやったのでは地方の個性が生かされないということで、できるだけ地方の個性を生かした地域づくりをしていただきたい。そして、こうした成果を踏まえて、平成五年度以降新たに第二次ふるさとづくりを推進することとしております。 第二次ふるさとづくりにおいては、これまでの自主的、主体的な地域づくりのための取り組みをさらに着実に浸透、定着させるとともに、より明確な地域づくりの理念、テーマに基づいて重点的に事業を推進し、豊かさとゆとりを実感できる地域社会の実現を図ることを基本的考え方としており、その核となる事業としてふるさとづくり事業を創設することとしております。ふるさと事業においては地域づくり推進事業に準じた財政措置を行うこととしておりますが、今後とも地方公共団体の自主的、主体的な地域づくりに対して、ハード、ソフトの両面にわたって積極的に支援してまいりたいと思います。 また、今後の広域行政についての御質問がありました。 まさにこれは地方行政の最も大きな問題点の一つでありまして、地方自治、地方分権というのは、例えま戦後のシャウプ勧告以来の非常に大きな国是である、古くしてしかも最も新しい一番大切なものであると私どもは信念を持っておるところでございます。したがって、例えば市町村の合併であるとかあるいは府県の広域的な協力であるとか、そういう問題をこれから大いに議論を巻き起こしていただきたいと思っておるところでありまして、要は、地方自治のないところに民主主義は育ちません。だから、すべてが東京の模倣をするという考え方まもう非常に古い考え方であって、これは第三次全国総合開発計画、第四次全国総合開発計画でも多極分散型国土をつくるというのは、言うなれば国是と申し上げてしいと思います。そういった信念に沿って今後地方分権、地方自治を推進をしてまいります。
○古屋委員 ありがとうございました。 先ほどの第一問の質問とも関連があることだと思いますけれども、やはり多極分散、地方分権ということで、実は先ほど私は大臣にぜひお答えをいただきたいなと思っていたことがございまして、それは、いずれはこの首都機能の移転問題につきましても、場所の問題も出てくると思います。そして、大臣は、いつも場所の問題が出てきたときには、以前の委員長の時代から自分なりの考え方を持っておられたと思いますが、ぜひここでそれを披露していただきながら、いずれ将来に向かっての自治体の再編成、こういったものにもつながっていくかと思いますので、その辺も含めて御答弁をいただければありがたいと思います。
○村田国務大臣 大変大事な問題だと思います。私は、場所の決定については、御承知のように国会等移転の特別委員長をしておりましたが、あるいはそれ以前から一言も具体的な場所について言及したことはないのです。現在も、これからも言うことはないと思います。なぜならば、この問題についてもし我田引水というような現象が起これば、このことは絶対に実現しなくなる、これは個人的な利害で言うべきことではなく、国家的な利害に基づいて発言すべきことだと思っておるからでございます。 ただ、抽象的に申し上げれば、非常に水の豊かなところ、土地が広々と得られるところ、そして東京圏、今の首都であります東京から恐らく交通至便なところで、例えばリニアモーターカーのようなものを使って一時間以内くらいで行けるところが望ましいんじゃないか。それから、大災害の起こる可能性の少ない土地。これは、江戸、東京の土地は、元禄大地震以来、安政大地震、関東大震災それから戦争中の大空襲による大災害等を数えますと、三百年足らずの間に四回も大災害が起こっていますから、それでは東京都民のためにも日本国民のためにもならない。こういう条件のもとに選んでいけば、何カ所かの土地が必ず浮かび上がってくると思います。 今までも、シンポジウムで行きましたところは、北は仙台から、あるいは福島、新潟、名古屋、大阪等々たくさんございます。そのいずれの土地も非常に首都移転という問題、国会等移転の問題等について大変な熱意を持っておられるところで、特色として言われることは、そこへシンポジウムのパネリストあるいは基調講演等に参りますと、何百人かの方々が最後まで一人も帰らないで聞いてくださる。この問題がまさに国民的な課題になってきたと思います。 私は、自分自身が歩み続けてきた今までの政治生活の中でも、例えば国会議員が加入をしております新首都問題懇談会、昭和五十年に始めたときは十三人の方が月五百円の分担金を払って来ていただきました。今では二百三十三人の方が加入をしておられまして、これは文字どおり、自社公民、広い分野を含む、優に国会を動かす勢力の先生方でございます。この数字を見ても、いかに国会等の移転が国民的な課題として今やなってきたかということが言えると思います。したがって、私は、この問題を自己の使命感としても、また国民的な課題としても追求をしていきたいと心から思っておるところでございます。 具体的な論議はこれからいろいろ出てくると思いますので、それに対応して申し上げたいと存じます。
○古屋委員 ありがとうございました。 それでは、大臣の大変壮大なお話の次に、大変細かい話で恐縮でございますが、先ほどのふるさと創生関連につきまして、実は私の選挙区の自治体からの要望もありまして、次の二点について事務当局から、簡単で結構でございますのでお伺いしたいと思います。 まず第一点に、第二次ふるさとづくりにおきまして、事業期間が三カ年となっているということでございますけれども、これを延長することができないのかということが一点。第二点は、近年公共施設の老朽化とか機能の陳腐化などによりまして、全面的な建て直してはなくて寺代に即した施設を付加したり修復したりという改良事業を行いたいケースが多いということでありまして、この場合、起債対象とならないで結果として地方財政圧迫につながっていく。したがって、このようなケースでも起債対象となるように処置はできないものか。この二点につきまして、簡単で結構ですので答弁をいただきたいと思います。
○遠藤政府委員 お答えを申し上げます。 御指摘のとおり、平成五年度から始めます第二次ふるさとづくり事業の実施期間は、平成七年までの三年間を当面の事業期間として設定をいたしております。これは、事業期間を例えば五年にするとかもつと長くするとかということがいろいろ考えられるわけでありますが、やはりふるさと創世の起爆剤としてふるさと一億円を始めたときから、やはりみずから考えみずから行う地域づくりという観点、そういう意味で一定の期間を区切って、その期間内にふるさと創生の着実な浸透、定着を図るとか、あるいはある一定の期間内に地域つくりの理念あるいはテーマというものを選んで、それに基づいて事業を重点的こ推進していくというような背景があるわけでございまして、そういった意味から今回も三年間の事業期間が適当ではないかというように設定をしたわけであります。 それからもう一つの御質問は、改良について財政支援を講ずることはできないかということでございます。確かに御指摘のとおり、戦後建築したものあるいま比較的最近のものでも、中身を時流に合わせるために大規模な改造を実施したいという地方団体が非常にたくさんあるわけであります。基本的には、この大規模な改良につきましては、まちづくり特別対策事業でありますとか地域つくり推進事業など、各種の施策を活用してこれまで財政措置を講じてきたところであります。 工夫をすれば交付税つきの起債でこういう大規模な改造事業ができる仕組みになっているわけでありますが、過去に地方団体が整備した施設の中に、先ほども申し上げましたように、今後改良、改修が必要なものもたくさん出てくるというようなことではございますので、こういった今後始まります第二次ふるさとづくり等の事業の中で消化をしていただくのがいいのではないかというように思っております。ただ、事業メニューとしてこういう大規模改造というようなものを挙げるのがいいのかどうかといった点はあるわけでありますので、そういった点はこれから検討をしていきたいなというように思っております。
○古屋委員 次に、公共用地の先行取得の拡大についてお伺いしたいと思います。 公共事業の円滑な推進のためには、公共用地の確保が不可欠であります。補助事業用地のほかに、近年大幅に拡大している地方単独事業用地につきましても積極的に先行取得を促進すべきと考えます。特に、平成五年度は景気対策という観点から地方の単独事業を大幅に伸ばしまして、地財計画でも十六兆六千億円が確保されていますけれども、この円滑な実施のためにも用地の確保は大切だと思います。このためにも、自治省として地方団体の公共用地の先行取得に対してどのような対応をしていくのかにつきましてお伺いしたいと思います。
○湯浅政府委員 御指摘のように、地方が公共事業を行う場合こま必ず用地というものが必要になってくるわけでございます。この用地につきまして、最近、これまでのいわゆる土地の高騰などもございまして用地のストックが非常に不足してきているということが言われているわけでございまして、これからの社会資本の整備を積極的に行うためにも用地の確保というものが非常に重要な要素になってきているということでございます。とりわけ、昨年以来景気対策ということで公共事業のほかに地方単独事業を大幅に増額をしてきておりまして、これを円滑に実施するためにも公共用地の先行取得というものが不可欠のものになっているわけでございます。 このために、昨年の総合経済対策におきましても、特に十兆七千億円のうちの一兆円を地方の公共用地の先行取得のために充てるということで計画の中に入れていただいたわけでございますけれども、こういうことを継続的にやはりやっていかなければならないだろう。その場合の手段といたしましては、地方債でございます公共用地の先行取得債を活用する方法、それからこれまで各自治体において積み立てられました土地開発基金を活用していく方法、それから土地開発公社を活用していく方法、おおむねこの三つの方法をうまく組み合わせながら用地の先行取得をやっていくべきではないかなということで、関係の地方団体に対しましても、地域の実情に即した方法によりまして円滑な公共用地の取得のために努力をしていただくよう要請をしているところでございます。
○古屋委員 次に、地方団体は時代の変化に敏感に対応していくためいろいろな財政ニーズに直面しておるわけでありまして、特にその中でも、高齢化社会に向けた対応というのは各自治体が頭を悩ませているところでございます。御承知のとおり、国ではゴールドプランを推進しています。私の岐阜県におきましても、デーサービスを中心とする在宅ケア三本柱を初めとする高齢者対策については総合的観点から積極的に取り組みまして、数年分の前倒し実施というものも取り組んでいるわけであります。 つきましては、自治省として今後地方団体の高齢者福祉対策には大いに積極的に支援していただきたい。これは、時間がございませんので、答弁は結構でございます。よろしくお願いを申し上げたいと思います。 次に、固定資産税の土地の評価についてお伺いいたしたいと思います。 固定資産税は市町村の基幹税目でありまして、市町村財源を支える重要な財源として、住民の信頼に基づく税制でなければならないわけです。固定資産税における次回平成六年度の土地の評価がえにつきましては、既に政府においてはその方針が決められ、地価公示価格の七割程度を目標に評価の均衡化、適正化を推進するとしておりますが、これも固定資産税に対する信頼を確保するためのものと理解しております。しかし、今回の評価の見直しは、固定資産税制にとってはいわば抜本的な見直しと言えるものであります。 そこで、自治大臣にお伺いしますが、平成六年度の土地の評価がえに対する基本的な考え方についての所見、また先日、国土庁の短期地価動向調査で、三大都市圏においては引き続き地価が下落していると報じられました。市町村では平成六年度の評価がえに向け、平成四年七月一日を基準日として評価がえの作業に入っていると聞いておりますが、こうした最近の大都市圏を中心とする地価の下落傾向をどのように評価に反映していくのか、大臣の見解を伺います。
○村田国務大臣 固定資産税の問題は非常に重要であります。御指摘になられたように、平成六年度の評価がえにおいては、公的土地評価の相互の均衡と適正化が図られるよう努めるという土地基本法第十六条の趣旨等を踏まえて、御指摘のように、宅地について地価公示価格の七割程度、これを目標に評価の均衡化と適正化に十分配慮しながら進めてまいりました。 このように、平成六年度の評価がえは基本的に評価の均衡化、適正化を図ろうとするものであることから、これに伴う納税者の税負担については急激な変化が生じることのないよう、総合的かつ適切な調整措置を講じてまいりたいと思っておるところでございます。また、固定資産税の土地の評価がえは一億六千万筆に及ぶ極めて大量な土地について行われなければなりませんので、従来から賦課期日の前々年の七月一日を価格調査基準日として作業を行ってきたところでございますが、平成六年度の次回評価がえにおいても平成四年七月一日を価格調査基準日としているところでございます。 しかしながら、御指摘になられましたように、大都市圏を中心とした最近の地価の下落傾向にかんがみまして、特例措置として、市町村の評価がえ作業のタイムリミットと考えられる平成五年一月一日時点における地価動向も勘案し、地価下落に伴う地価変動率を求めることによって地価変動に伴う時点修正を行うこととしております。 いずれにしても、税は極めて重要でありますから、公平の概念に基づいてこれに臨んでいく決意でございます。
○古屋委員 時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○中馬委員長 引き続いて、五十嵐広三君。
○五十嵐委員 しばらくぶりで地方行政委員会に戻ったものですから、ちっともよくわからない状況で、しばらくは一生懸命勉強したいというふうに思いますので、きょうの質問もそんな意味でいろいろひとつ懇切にお教えをいただきたいというふうに思う次第であります。 ことしは地方財政対策が大変大事な問題だと思うのですが、今回の質問は手分けをいたしまして、財政の方は後ほど谷村委員から専門的に御質問があるというふうに思いますので、私の方は大変大事な今日的な政治課題である分権の問題を中心にいろいろお伺いを申し上げたい、こういうぐあいに思う次第であります。 最初に、地方分権の推移といいますか、そういうようなものを眺めるために若干の数字的なお教えをいただきたいのですが、総務庁の方で年々御報告をいただいているわけでありますが、まず許認可の総数、これについてはたしか第一回目の調査が昭和六十年であったと思うのでありますが、それ以降昨年の暮れ第七回が示されておりますが、その増減の流れなどについてお教えをいただきたいと思います。
○熊谷説明員 お答え申し上げます。 国の国民等に対する許認可の総数把握につきましては、私どもで閣議決定に基づきまして昭和六十年以降実態把握をいたしておるところでございます。以降毎年実施いたしておりまして、第七回、昨年の平成四年三月末現在のものが最新のものでございます。各省庁合計一万九百四十二件、こういう数字になっているところでございます。
○五十嵐委員 昭和六十年の第一回の報告によりますと、当時は許認可の総数が一万五十四件ということでありますから、今御報告がありましたように去年の三月末で一万九百四十二件であれば、八百八十八件六年間で増加している、こういうことになるわけですが、これは臨調、行革審等いつの場合も許認可等の縮小について強く求められる勧告が出ているわけですが、どうも実情は逆行しているわけですね。九百近くむしろふえているということは、総務庁のお考えではどのような理由によるものですか。
○熊谷説明員 お答え申し上げます。 増減の状況でございますが、まず一つは規制の強化に伴い新設されたものというのがございます。これは例えば昨今国際的にも大きな問題になっております麻薬対策あるいは廃棄物処理対策、これの関係で国民の生命財産の安全確保を図る、あるいは資源、環境の保護、そういう新たな事態に対応するというものが一つでございます。 それと規制の緩和、従来禁止されておったものを一定の条件のもとに規制を緩めるといったものに伴いまして新設される許認可というものがございます。例えば新しいもので申しますと、救急隊員の応急手当て充実のために救急救命士の免許、そういったものが新設されました。従来、医療行為あるいは医療補助行為といったものは医師または看護婦、そういった者にしか認められなかったわけでございますが、救急医療の充実という要請にかんがみそういう免許制度がとられたというものでございます。
○五十嵐委員 総務庁に聞きたいところは、そういうこともあるんでしょうね、あるんでしょうが、しかし臨調、行革審その他のさまざまな機関の強い要請等もあって総務庁もそれを調査し、また各省庁も努力しているはずなわけでありますが、しかし、なかなかどうも縮まっていかぬということに関して 今の御発言だけではやや肯定するような感じですな。やむを得ないというようなお話しぶりなわけでありますが、趣旨はそうでないと思うのですね、おたくの方は。 去年の暮れ示されたのでは運輸省が二千十七件、通産省が千八百七十件、この辺が一番多いようでありますが、許認可というのはそれなりに一つの、世に言う利権といいますか、そういうことがつきまどうものであります。殊に昨今の政治腐敗等の中で、許認可の整理縮小ということは非常に強く求められていることであって、国が許認可を集中していって一手に握って、その頂点のところで癒着が生じ、腐敗していくという構図は、やはり政治改革をする上で我々は非常に重要に考えながら、そのテーマに全力を挙げて努力していかなきゃならぬ対象であろうというふうに思うわけであって、どうもこれが一向に減らないということについては残念に思う次第であります。 ちょっと総務庁からの報告の表を見ましても、なるほどこんなにあるのかと思ったのです。つまり許認可等の用語、言葉ですね。許可、認可、免許、承認、指定、認定、確認、証明、認証、試験、検査、検定、登録、届け出、提出、報告、交付と、これだけあるのです。いやまあ本当に十七種類ですよ。いかがなものかと思うのですね。 総務庁に続いてお伺いするのですが、国の関与の総数ですね、これは御調査になりましたのは第一回目が昭和六十三年で、昨年は第四回のものが示されているのでありますが、この推移はどういうことになっていますか。
○熊谷説明員 お答え申し上げます。 国が地方公共団体に対して許認可等の手段によりましていろいろかかわっている、関与している、これにつきましても、やはり閣議決定に基づきまして、総務庁におきまして総数の把握をいたしているところでございます。第一回目は、六十三年の十二月末現在ということで三千七十五件でございます。その後、毎年度末現在で総数把握をいたしておりまして、最新のものが昨年、平成四年三月末、これが第四回目でございます。これが三千百三十四件ということで、この間五十九件、約二%の増加というふうに相なっております。
○五十嵐委員 二%とこう言っておりましたけれども、二%が少ないのか多いのかというのは見方だと思うのですが、しかし、これもいつでも臨調、行革審では国の関与は縮小せいということで、強い勧告を受けてきているところであります。 多いのを見てみると、建設省が五百六十二件、農水省が四百九十二件、自治省が三百七十八件、厚生省が二百九十三件、文部省が二百三十六件等々となっているようであります。これもまあ用語で言うと、権力的な関与の用語としては承認、許可、命令、指導監督、指示、許可取り消し、その他となっているようでありますが、非権力的関与というのがあって、これは報告、届け出、通知、提出、勧告、協議、助言、その他ということのようであります。報告のように五十九件、これもふえている。 国の関与の中の機関委任事務、これは我々非常に関心の深いものなんでありますが、総務庁の報告によると、国の関与の内訳が示されているわけであります。総務庁、ちょっと御報告お願いします。
○熊谷説明員 お答え申し上げます。 国の関与と申しましてもいろいろございます。地方公共団体が行ないます機関委任事務、これに対して国が関与する場合、それと団体事務、これに対して国が関与する場合等があるわけでございますが、先ほど申し上げました最新の時点、全体で三千百三十四件の国の関与があるわけでございますが、このうち、機関委任事務にかかわる国の関与というのが九百十四件ございます。
○五十嵐委員 国の関与は、機関委任事務では、第一回の報告、これは昭和六十三年、八百十六件、今御報告がございましたが、九百十四件というのは延べ数で、実数では八百二十二件と、こういう報告になっているようであります。 ちょっとわかりづらいのは、機関委任事務の件数、我々がいつも自治省等から説明を受けているものと、この勧告の内訳で機関委任事務で延べの九百十四 実数の八百二十二とで数字が違うものですから、私もちょっとこれは初めわからなかった。しかし、説明を聞いてややわかったのですが、ちょっとこれ、総務庁、説明しておいてもらえますか。
○熊谷説明員 お答え申し上げます。 私どもの行っております国の関与の把握の仕方でございますが、法律あるいは政省令の条項、項単位で把握いたしておるわけでございます。ですから、例えばある事業計画について国が認可するという条項があれば、その単位で押さえておるということでございます。それで、その事業計画の変更の認可というのがまた別途の条項に規定がございます場合は、それはそれでもう一つというような勘定を、数え方をいたしておるところでございます。したがいまして、地方自治法の別表の整理の仕方とは若干異なるというふうに理解いたしております。
○五十嵐委員 そういうことだそうですな。しかし、御調査になる上は、機関委任事務のすべてについて関与の有無について調べたわけだろうから、調べた対象の機関委任事務の数といいますか、これはもちろんおわかりなんでしょう。それはわからぬということではないでしょう。
○熊谷説明員 私どもの把握の方法は、まず国の関与ありきといいますか、国の関与があるものについてまず把握する、それを見ていくと機関委任事務であったり団体委任事務に対する関与であったりという整理の仕方でございます。
○五十嵐委員 だけれども、あなた、事務はずっと皆さわるわけでしょう。だから、機関委任事務が何件調査の対象になったかというのはわかるでしょう、それは。しかし、これは事前にもお聞きしたのですが、なかなかお話がなかったわけで、今聞いても恐らくそういうお答えは出ないのでしょうな。出ないのでしょうが、しかしちょっとよくわからないなという感じがしますね。 一方、自治省の方では、いわゆる地方自治法別表に機関委任事務の項目が載っている。これは、平成四年地方自治法改正後で、別表三が三百六十二、別表四が百八十四で合計五百四十六項目ということになっているわけであります。しかし、このほかにもあるわけでしょう。これは自治省ですね。
○紀内政府委員 御指摘の数字でございますけれども、これ以外にございますものは、義務づけられていないもの、することができるというふうな趣旨での規定のもの、これはこの別表には整理されておりません。 申し上げたいことは、今の数字の中には義務づけられているものが挙げられている、要するに、権限を付与されていて、することができるというふうな位置づけになっているものについてはこの数字に含まれていない、こういうことでございます。
○五十嵐委員 済みません、それの件数はわかりますか。
○紀内政府委員 ちょっとその数字は把握しておりません。
○五十嵐委員 今のは後ほどお話しください。 よく知事さんあたりとお話をすると、知事さんらは、県でやっている仕事のうちの大体七割ぐらいは機関委任事務なんですね。それから市長さんらと話をしていると、大体五割ぐらい。これはしかし大づかみのことだかり何割がどうなのかわかりませんけれども、ちょっと肝をつぶすような話ですね。これはつまり、そのぐらいのところかと聞いたってちょっと返事のしようがないかもしれぬが、しかし日常、自治体のベースや我々のところではそういう話になっているものだから、やや大づかみでそんなようなものなんですか、どうなんですか。
○紀内政府委員 お尋ねは恐らく事務の量という形であろりかと思いますけれども、実は事務の量についてはなかなか計量が困難でございます。さらに、具体的に現場におきましては機関委任の事務とそれかり団体の事務とはいわばあわせて執行されるということが多いものでございますから、これを定量的に表現することは困難であろうか、このように考えます。
○五十嵐委員 まあそうなんでしょうけれども、しかし実際にちょっとやそこらの話でないわけです。ですから、これは自治省では一遍そういうことを調べてみるとか、調べてみたとか、ちょっとやはりやってみるかとかいうような考え方はないものですか。
○紀内政府委員 私も地方公共団体に籍を置いたことがございまして、具体的に各組織の議論をしたり定数の議論をしたりする場合に事務量の計測ということをいろいろ手がけたことがございます。しかし、実際にはこれは極めて困難でございまして、まして、今申し上げましたように機関委任事務は独立して他の団体事務と完全に仕分けがきくものではございませんものですから、原理的に困難な事柄であろうかなという感じを持っております。ただ、御指摘のように、機関委任事務というものを処理するために相当のエネルギーを使っているということは事実であろうと思います。
○五十嵐委員 それこそ古くて新しい問題で、地方制度調査会はもとより臨調、行革審等各機関からも本当に機会あるごとに勧告を受けているのでありますが、なかなか、減るどころかふえているという現状なわけであります。 これは大臣、歴代の自治大臣もこれに関しては明確に、きつく言う人は、梶山大臣のときであったと思いますが、このときなんかは廃止すべきものだ、整理して国は国、地方は地方できちっと仕分けるべきだ。私はしかし、両方でやらなければだめな部分もあると思いますね。しかし、それはやはり対等の立場で委託してやるというものも必要だとは思いますけれども、この際、自治大臣として機関委任事務の整理についてお考えをお聞きしたいと思います。
○村田国務大臣 先ほどから御質問を承っておりまして、五十嵐委員の御真意はわかったような気がするのです。事実、地方自治法施行以来、いわゆる機関委任事務と団体事務というものの区分の中で、実際には国が関与する面が多過ぎるのですね。だから、例えば戦前の地方自治というのはまさに中央集権のもとで与えられた地方自治だったと思うのです。第一、自治省というのは旧内務省だったわけです。そのころはまさに中央集権の府であった、内務省というのは。自治省というのは地方自治の府であるべきでありますから、五十嵐委員の御指摘になる、できるだけ規制を緩和して本当の意味で地方自治を強化したい、こういうお気持ちであろうと思いますし、また実際、市長としていろいろなことをやっておられて、市町村長というのは文字どおり住民の自治の中に入っていくべきだという考えでございます。 私は自治省採用の自治省育ちの自治大臣でありますから、御指摘になる点はよくわかっておりまして、中央官庁の関与をもっともっと少なくしたい、そして地方自治を確立したいというのは全く同感でございます。努力をいたします。
○五十嵐委員 これは昭和二十七年の年には機関委任事務が二百五十七件という数字があるのです。昭和三十三年は三百五十六件、平成四年の自治法改正後が五百四十六件でありますから、流れから見ると相当な増加ぶりであると思いますので、特にその整理縮減についての御努力を御要請申し上げたいと思います。 私は北海道で、北海道も東京事務所を持っているわけで、我々も厄介になっているのでありますが、どのぐらい都道府県の事務所があるのか、あるいは政令市の東京事務所はどうか、一般市もあるわけですし、少し聞いてみたのですが、都道府県で、これは臨時職員は含んでいないようでありますが、都道府県の東京事務所に勤務している人が千四十六人になります。それから、政令市で事務所を持っているのは十二、この職員が百五名、一般市が三十五事務所で百六十人、合わせて千三百十一名ということなんだそうです。これなども、本当にそんなにたくさん東京事務所を置かなきゃだめなのかなという感じもするのですが、これも今の中央集権をうかがわせる一つであろうというふうに思うわけであります。 ついでにちょっとお伺いしたいのですが、今各省のうちで自治省の職員というのは非常に少ない方ですね。これは並べているのを見ますと目立って少ない。いや、これでよくやるものだと思うぐらいなのでありますが、今自治省の職員の定数といいますか数、しかしその中で地方に出向している、出向といっても一遍国家公務員はやめて、地方公務員として手続はとるらしいですけれども、しかしこれはまた戻ってくることでしょうね。言っておきますけれども、私はそれが悪いと言うのではないですよ、それは僕はある程度、地方と国のそういう交流というのはあっていいというふうに思う方なものですから。 しかし、ちょっと聞いておきたいのですね。自治省の職員の総定数は何人で、今出向しているのは何人いるか、あるいは逆に、自治体の方から来ているのもあると思うのですね、これがまた今何人ぐらいか、もしおわかりであればお聞きしたいと思います。
○吉田(弘)政府委員 自治省と地方公共団体の人事交流の関係でございますが、自治省の総定数は約五百八十名でございます。 自治省と地方公共団体の人事交流をやっておりますが、これは御案内のように、地方団体の要請に基づいて自治省から人事のあっせんをしますし、また逆に地方団体の職員を自治省の方に受け入れるというようなことで現在人事交流をやっておりまして、本年の一月一日現在の数字で申し上げますと、都道府県それから政令指定都市の幹部職員として在職しております自治省の関係者の数は約百六十名でございます。また、地方公共団体から自治省に採用されている職員の数は約百四十名でございます。
○五十嵐委員 相当なものですね。しかしお互いに、自治省にしてみれば、地方に出て地方の実態を勉強してくるわけだし、地方にしてみると、またこちらでいろいろ勉強しながら戻っていって一層役に立つという意味では、効果のある交流というのは僕は結構でないかというふうに思います。 ただ、ちょっとこの間もある数字を見ていますと、副知事に十六人、総務部長に二十六人、それから財政課長が二十六人なんていうような数字がありまして、しかし地方がいろいろ求めてくるということもあるのでしょうけれども、相当な数字だなという感じがしますね。特に、これは選挙があるのだから、選挙を経たものだから、そのことについてどうこうと言うのはいかがかと思うのですが、自治省出身の知事さんというのが実に十七人になったということで、これまた、しかしなかなか優秀な知事もおりまして、これは尊敬する人は随分いるのでありますが、ただ、眺めてみると、その数からいうと、四十七のうちですから、いや、やはり相当なものだなという実感がするということはちょっと申し上げておきたいというふうに思います。これは御返事は要りません。 さてそこで、分権が言われているけれども、なかなか進まない。いろいろ最近の各機関からの分権に対する提言というものを拾ってみましても、八九年の五月には経団連行革推進委員会で「国と地方の関係等の見直しに関する意見メモ」、八九年の七月には全国市長会で「第二政令指定都市構想」、九〇年の十月には日本青年会議所で「地方分権へのいざない」、九〇年の十一月には行革国民会議地方分権研究会で「地方主権の提唱」、九一年三月には岡山県二十一世紀の地方自治研究会で「連邦制の研究報告書」、九一年五月には連合の総研で「生活者優先の地域創造をめざして」というのが示されたり、あるいはこの年は関西経済連合会で「都道府県連合制度に関する提言」、九二年の四月には、たしかこのときには全国知事会での分権のシンポジウムがあって、兵庫宣言なんかも出されたのでありますが、ここで貝原兵庫県知事の中央集権制限法の提言があった。あるいは九二年の六月には第三次行革審豊かなくらし部会の例のパイロット事業等を含める部会報告があった。それから、ことしに入って民間臨調、政治改革推進協議会から地方分権に関する緊急提言があったというふうに、分権の提言が相次いでいるわけであります。しかし、どうも実態としてはなかなか動いてこない。 私はそういう意味では、村田大臣が御就任になったということは非常に期待しているのですよ。それは例の、先ほどもちょっと御質問にありましたけれども、国会等の移転に関する特別委員会で首都機能移転についての情熱を今日まで非常に傾けてこられた。私もあそこの委員会にしばらくおりましたから、よく拝見をしておりまして、尊敬もし、期待もしているわけであります。特に昨年の暮れ、当時、国会等の移転に関する法律、いわゆる基本法ができた。あの基本法を策定する過程の中で、首都を移転するだけで東京の一極集中というのは片づく問題ではないのではないか、地方分権が同時並行して進められなければやはりうまくないぞということで、あの法律の中に前文のところとそれから第二章のところでそれぞれ分権に関する文言が入った。その文言をめぐっての委員会における議論等もあったわけでありますが、そのときの委員長であった村田先生が自治大臣に御就任になったということで、私は本当にそういう意味ではいいタイミングで期待できるなというふうに思っているのですよ。 そこで、あの国会等の移転に関する法律の中で書き込まれている、関連して進めるとかあるいは多極分散と一体的に進めるとかということ等について、大臣として改めてお話をいただきたいし、殊に分権についての意欲あるお話をお伺いしたい、こういうぐあいに思うのです。
○村田国務大臣 先ほど委員がごらんになっておられました「自立する地方 地方分権推進法とプログラムの試み」も読ませていただきました。大変立派な冊子であると思います。 国会等の移転は、地方分権が両立しなければ意味がないのですね。これは国会等移転法をつくる際に委員にも本当にいろいろと御意見を述べていただいて、最初の法案の修正も、各党の御意見を入れて地方分権、地方自治を入れたところでございます。だから、これからの二十一世紀以降に向かう地方自治というのはまさに地方分権、地方自治の上に成り立つのであって、国会等の移転はその一つの動機である、しかし非常に大事な動機である、こう思っておりまして、委員がかねがね申されております地方分権の御主張は私は全く同感なのです。 だから、これからこの地方分権を推進するに際して、先ほど来御指摘になっておられますいわゆる規制の緩和といいますか、むしろ排除ですね、中央集権が行われておることを。もっと地方自治、地方分権の理念のもとに新しい国をつくっていかなければならないという考え方で、これは先生の考え方と全く同様でございます。
○五十嵐委員 この前の代表質問に対する答弁等を聞いても、宮澤総理は余り自治、分権についてはぴしっとしたお答えがなくて残念だなと思う機会も多いのですが、しかし、この国会等の移転に関する特別委員会における十一月二十六日の総理の答弁というのはなかなかいい答弁をしておりまして、同僚の渡辺委員からの質問ですが、答えで、「憲法で定めております幾つかの課題の中で、一番進行が十分でないのは地方自治ではないかということを私は以前から考えておりますけれども、そういうことに向かってもやはりこの地方分権ということは大切なことであるし、」と言っているのですね。この認識については議論のあるところだろうと思いますけれども、しかし、総理がここまで言ったというのは、これはかなりの話ですよ。「憲法で定めております幾つかの課題の中で、一番進行が十分でないのは地方自治」だというのですから。 それから、これは私の質問に対しての答えですが、 実は、この首都圏の懇談会の有識者懇の席上で、たしか宇野さんでいらっしゃったと思います、これは行革審をお願いしているものですから、言われましたことが私の頭に残っておりますが、首都圏の機能を移転するということは、今持っている権限をみんな持っていくことではありませんよ、何も持たないで行けるくらい、それより前に権限をお分けなさいということを言われて、それはごもっともだと思って聞いたのです。したがいまして、今の行革審には地方分権について再度の御答申をお願いしようと実は思っておりまして、 こう言っているのですね。この日の二カ所のお答えは、私は実は非常に忘れられない言葉で、ぜひ総理にも本当にこの言葉どおりの認識で頑張ってほしいというふうに思うし、ぜひまた大臣には、この総理のお気持ちにも沿って最善の御努力をお願い申し上げたいというふうに思うのです。 この前、本通常国会の代表質問の中でそれぞれ各党が、実は基本法的なものをつくったらどうだということの提案があったわけですね。私どもの方の山花委員長は代表質問の中で、これは自治、分権をこの際抜本的に進めるために地方分権推進法の制定をすべきだと思うがいかがか、こういうことなんですね。それかり公明党の方では、これはちょっと名称が違いまして、地方分権基本法という名前でこれもやはり提案があるのですよ。それから民社党の方はこれをミックスしたような格好で、地方分権推進基本法という名前でこれもやはり代表質問で提起があった。日本新党なども、日本新党の場合は地方分権確立基本法とかという名前でしたね。自民党の三塚先生の質問の中ではそういうのまなかったのですが、憲法の論議に関して述べておられて、憲法の中の自治についてもっと強める必要があるのではないかという意味の代表質問の御提起があったのです。 つまり、各党はいずれも、今までの中央集権から分権への努力というものが厚い壁に突き当たってなかなか思うようにいかない、こういう中でもうこの際は思い切って抜本的な改革を基本法的なものでやるべきだという考えでやや一致してきている。それは民間臨調の場合には地方分権基本法の提起ということになっています。いろいろなところから同じような提起がそれぞれなされているわけです。これは大臣、そういう時期だと僕は思うのです。この際、地方分権の基本法的なものに踏み切ることについて大臣の御見解を伺いたいと思います。
○村田国務大臣 五十嵐委員の御提案は大変重要な問題であると思います。新日本国憲法、それからまた地方自治法、その骨格が昭和二十年以来ずっとできているのです。そして、今御提案の問題は、地方自治法あるいは憲法の条項にさかのぼってまでそのことを根本的に検討しなければならないかどうかという御提案だと思います。 私は、地方分権、地方自治は、先ほど五十嵐委員の御質問にお答えしたように全く賛成で、二十一世紀以降の日本にとって絶対にやらなければならないことだと思っております。その点では信念が一致しておりますし、各党からも地方分権についてのいろいろな法律案が出ておることもよく承知をしております。これらの基本的な提案を踏まえながら、今後の地方自治のあり方について本当に検討していかなければならないと思うのです。 かつて、シャウプ勧告が昭和二十四年に出ました。あのときに、国・地方の事務再配分をやるということで、私は北海道の担当をしたのです。北海道では一級町村制、二級町村制以来の大変な中央集権が締めつけておった。そういうことから実際に五十嵐委員が市長をやっておられた実感というのは本当によく承りました。今後、この問題は基本問題でございますから、この地方行政委員会の舞台あるいは本会議の舞台等を通じてよく勉強をして対応してまいりたいと思っております。
○五十嵐委員 今申しましたように、各党それぞれ名称は違いましてもやや同じ考え方でいっているわけです。できればこれは大臣にもお骨折りをいただかなければいかぬけれども、本委員会の委員長を初め各党それぞれ話し合って、例えば僕らの方は推進法といりのを出しているけれども、名称なんというのはどうでもいいです。推進法という言葉には全然こだわらないです。内容的にも、すり合わせて一致できるものならそれでいいというふうに思うのです。ですから、この際ぜひひとつ、本委員会などが舞台であろうと思いますけれども、各党力を合わせて分権法の制定に向かって努力することへの御協力もお願い申し上げたい、こんなふうに思う次第であります。 実は、分権に当たっていつでも壁の一つとして言われるのは、そんなことを言っても分権しても地方はやっていけるのかという、その受け皿に関しての地方の能力論的のようなものだろうと思うのです。しかし、私ども見ていまして今の地方自治体はそういう意味では随分力を持った、それは質的にももちろんそうですし、その受け皿の上では、スケールの面で言われることも少なからずありますが、まずそのうちの質的なもの、地方自治体の質は今は中央の官僚の皆さんと比較しても、そうおくれをとらない立派な地方の幹部は随分いるというふうにも僕は思うのですが、そういう質的な能力について自治省あたりはどんなふうにごらんになっていますか。
○紀内政府委員 権限移譲の受け皿として地方公共団体の行財政能力が議論されることはよくございます。その場合の地方公共団体の行財政能力というのは、恐らく個々人の能力ではなくて組織体としての能力の問題であろうかと思いますが、お尋ねは多分前段の個人としての資質という点であろうかと思います。 その点につきましては、担っている職能が違うものですから、例えば国の場合は専門分化が進んでいる、したがって特定の分野についてのスペシャリストとしての能力というふうに考えますれは、これは国の役人がすぐれているのでしょう。しかしながら、地方公共団体の職員は、そういうものを具体的に現場に適用し、かつ限られた人数でまんべんなく対処するわけでございますから、ゼネラリストとしての能力が非常に発達している。しかも、それを具体的に現地に応用する力はむしろ地方の方がすぐれているのではなかろうか、このように思いまして、一長一短それぞれあり、具体的に現場で総合行政を展開する地方公務員の能力としては私は決して国の役人に一般的に劣るものとは考えておりません。
○五十嵐委員 非常にお上手なお答えで、両方立てていただきました。しかし、ちょっと異論があります。僕は、地方は現場としての能力だけではないと思うのです。最近の政策だとか立案能力などを見てみますと、地方の方が結構おもしろいアイデアをどんどん出している。割合に規制のそう厳しくなく自由な裁量が可能な分野においては、どんどんそういうものが出る。 私も去年実は地域文化政策を少しまとめてみたのです。これなどは文化庁自身もお認めになっているようですが、はるかに地域の方がおもしろい多彩な文化政策というものが行われているのです。文化の分野だけでなくていろいろな分野でもそうで、そういう先駆的な政策を案外地方では御活用になっている部分も少なからずあるというふうに思って、何か企画の方はこっちの方が専門だが、地方の方は現場の方が専門だ、そうではないですね。きっと僕の言うのは少し誤解に基づいているのかもしれません。ちょっと聞き直しましょう。
○紀内政府委員 私が申し上げましたのは、専門的知識とか知見といった領域ではそういう情報に接することが多く、深く掘り下げられるという意味で中央の方が幾らか長があるかなということでございまして、決して地方の公務員に企画立案能力がないと申し上げているわけではございません。今お話しのように、現場の現実の行政需要に即して、そこからエネルギーを供給されていろいろなことを思いつくという能力は地方公共団体の職員には十分にある、このように思っております。
○五十嵐委員 そこで、もう一つのスケールの問題です。やはりもっと連合するなり合併して大きくならなければ、そんなに権限を移してもとてもやれないではないか、それがあたかも条件のような感じになっているのですね。これは私はやはり必要なスケールを広げることは、しかしそれは民主的に自主的にということでなくてはいかぬように思いますが、これはあってもいいことだというふうに思います。ですがしかし、それがなされなければ権限を渡されないというのはいかがなものかという感じがするのですね。やはり権限が移って、そういう中で、しかしスケールも大きくしていかなければだめだなというところで大きくしていくべきものであって、スケールを大きくすることが分権の前提になるというのはいかがなものかというふうに思うのです。 私は、そのほかに、このごろはいろいろな本も出ているし、資料もありますものですから、ちょっとそんなものを引っ張り出して、手づくりで地方自治体規模の国際比較を私なりにやってみたのですよ。州や県レベルを我が国の県と比較をする。そうしますと、県といいましても、国によって中間的なところはさまざまなシステムですから一概に言えないとは思いますが、しかし、大ざっぱに見て、僕は、我が国の県なんかはやや国際比較からいうと適度なところにあるなという感じですね。 それから、基礎自治体の場合は、これも、三千三百というのはちょっと多しと、う方うに我々何となくいつも思うのですが、しかし、これはほかから見ると、例えばアメリカなんかは御承知のように一万九千二百ですね。それからフランスはコミューンで三万六千。イギリスは少ないですね、イギリスはいろいろ整理をして三百六十五。それからドイツがゲマインデですか、八千五百。イタリアがコムーネで八千。人口はいずれも日本よりずっと少ないわけですからね。 平均人口でいいますと、州でいうと、アメリカは五百万、フランスは二百五十六万、ドイツが三百八十三万、イタリアが二百八十六万。県でいうと、県というのは言い方がちょっとおかしいのかもしれませんけれども、アメリカは、いわゆるカウンティーですが、八万人、フランスが六万人、イギリスが百二十二万、ドイツが二十六万、イタリアが六十一万、日本は一県平均二百六十三万ですからね。ですから、州、県とこう並べても、まあこれは小さくて幾つか一緒にしなければ、いわゆる道州制的なものがなくてはというのは国際比較の上からいうとどうも出てこないなという感じがちょっとします。しかし、不十分な勉強だと思いますので、あるいは後でいろいろ誤りがあったら教えていただきたいと思いますが、そんな感じがする。 そういう意味からいっても、僕は、自治体が能力があるとかないとかというものではないというふうに思うのですが、このスケールの面ではどうでしょうか。
○村田国務大臣 根本問題でございますから、考え方を申し述べてみたいと思います。 今各国のいろいろな例を挙げて非常に詳細にお話しになりました。地方制度は、その国自体の歴史があり、そしてまたいろいろな事情がありますから、一律に大きい小さいということは言いにくいのですが、日本の場合は都道府県と市町村ですね。市町村は明治維新のころは三万ぐらいあったのです。それが、その後一万ぐらいになって、昭和二十年以降現在の三千幾つということに、町村合併促進法等によって数を少なくしてきたのですね。それから都道府県は、現在四十七都道府県ありますが、これも明治以降大体その制度ができてきた。 その場合に、市町村は基本的な地方自治体でありますから これをしっかり権限をおろして強化する、これはもう全く異論がありません。ただ、まだ市町村合併をする必要があるかないかというのはこれからの大きな課題だと思います。そのために、今拠点都市であるとかあるいは地方中核都市であるとか、いろいろな概念が出ておりますが、いずれにしても現在の市町村を基盤にして地方自治を確立する、その根本は同じですね。 それから、四十七の都道府県の府県連合組織等が昭和三十年代以来非常に言われていて、府県連合という考え方もあれば道州制という考え方もあります。その基本になるのは、もし国の行政組織としての道州制であるならこれは屋上屋であって、否定をしなければならぬと私は思います。ただ、地方自治体としての道州制ならばどうか、こういう問題でございます。 実は、四十七都道府県、私は人口の小さい県も大きい県も勤務をしていました。そして感じますのは、東京圏や近畿圏や中部圏のようないわゆる広域行政が非常に必要な地域の道州制に対する必要性、それから、主として農山村等が中心になっております地方の県についての広域行政の必要性、これはそれぞれ違うと思います。だから、実態的に言えば、東京圏とか大阪圏ではまず道州制をやったらどうかという議論も成り立つのですが、しかし、四十七の都道府県をそういうふうに分けて考えることが妥当かどうかということになれば、私は、一部事務組合のような組織で広域行政を進めるのが人間の知恵だろうと実は思っておりまして、これからそういう広域行政のあり方をよく検討をしていただかなくてはならぬと思っております。 ただ、そのスケールメリットの点で地方自治をおろしたらどうかということ、これは私は、五十嵐委員のおっしゃるとおり、規模が小さいからおろしていけないということではないと思います。私の地方には、人口二百数十の全国有数の小さい村もあれば、人口二百数十万の名古屋もあるわけでございますが、地方自治を強化するということは大きかろうと小さかろうと同じであって、それに権限を付与していく、そういうことについては五十嵐委員の信念と同一だと思います。私は、この問題については与野党という区分がないのであって、むしろ各党がこぞって相談をしていく基礎がしっかりとできつつあるということを考えております。
○五十嵐委員 クリントン大統領もアーカンソー州知事をしておられたのですが、あそこが二百三十五万の州ですね。日本は平均的に県は二百六十三万というのです。だから、小さなものは合併しなければ分権しないんだなどというのは余り適当ではないというふうに僕は思いますね。 さて、この分権の意味でも一つの実験的なものであろうと思いますが、パイロット自治体制度であります。当初期待しておりまして、初めは、あれはおととしの暮れですかな、行革審の部会の方から中間報告的なものが出たときには、社会党というのは今まで行革審に評価コメントは出したことがなかったのですけれども、あのときは私はシャドーキャビネットの委員長として初めて評価コメントを出したのですよ。しかし、その後、内田健三先生が苦労しながら、最終的にまとまったものを見ると、これはちょっとがっかりしたですね。 その経過の中では大変いろいろなことが、御苦労があったようで、そんな意味では少し残念だなというふうに思いますが、しかしできたわけですし、同時にまた、そういうパイロット自治体制度というのは、いろいろ仕事の中身をパイロット的に改革のさまざまなことを探りながらいくということもそうでしょうが、パイロット自治体制度そのものが初めてなんだから、その制度のシステムそのものも五年後に見直すということになってはいるが、しかしその途中でもさまざまに見直しながらいっていいのではないかなというぐあいに私は思うわけなので、ただがっかりだけしないで、パイロット自治体に関しても有効に活用していくということは必要じゃないかというふうに思います。 しかし一方で、今地方制度調査会の方で、この間来いろいろ御審議いただいていて、いわゆる地域中核市制度構想が固まってきているわけですね。ここのところはかなり似たシステムで、違うといえば違うけれども、これはどういうふうに関連づけ、位置づけていくことなのか、この辺をちょっとお知らせいただきたい。
○紀内政府委員 まず、現在地制調で議論をしております中核市の制度というのは、規模、能力の比較的大きな都市につきまして、事務権限を強化して、できるだけ住民の身近で、住民に身近な行政を行わしめるということを考えているわけでございまして、答申がまとまれば法制化の検討が行われるわけでございまして、いずれこしても、恒久的な地方自治制度ということで法律上の位置づけを考えている、こういう性格のものでございます。 一方、地方分権特例制度、いわゆるパイロット自治体制度につきましては、これは目的は地方公共団体の自主性、自立性の強化という点で共通しております。しかし、この位置づけは暫定的なものである、という意味は、平成十年度まで、場合によって五年間延長するかという話でございますし、また試行的なものである、つまり、その結果によって一般的な制度への移行を検討するという趣旨のものでございます。また、この段階では法律による制度でないという点で中核市の制度とは異なっているものでございます。 ただ、パイロット自治体制度が所期の成果を上げることができまして、将来一般制度へ移行するということによりまして、将来、国から地方へ、都道府県から市町村へと権限移譲が進むようになりますと、中核市の事務権限の強化というものにも資すると思います。また、中核市の制度ができ上がりまして具体的にこれが発足した場合には、さらにそこに許認可の運用の改善等のパイロットの対象としてこれが選ばれるというふうなこともあり得るということでございます。
○五十嵐委員 総務庁にお伺いしますが、パイロット自治体制度の実施要領、お伺いすると、例示を含めて自治体でもわかりやすい格好で実施要領を出そうという作業をしておられるようですが、これはいつごろ出るのか。自治体の方は、これはみんなこいつを見ているという感じですよ。まだ余り大して手を挙げてないですね。手を挙げてないけれども、それはやはり例示を見て状況を判断して、そこでどうしようということだろうと思うので、これはいつごろ出るのか。本当はもう出るような話でなかったのですかね。その辺をちょっとお知らせください。
○堀江説明員 お答え申し上げます。 先ほど来いろいろとお話がございましたように、この地方分権特例制度、いわゆるパイロット自治体制度といいますものは、新しい考え方に基づく新しい仕組みであるということでございまして、政府部内でもいろいろと検討して昨年の十二月の閣議決定になったということで、実施することはもう決まっておるわけでございます。 そこで、その実施するための具体的な手続等も含めましてただいま実施要領というものを作成の途上にあるということでございますが、先ほど来ございましたように、これは地方分権を進めるための一つの試みとして非常に大きな意義があるというぐあいに我々考えておりまして、できるだけ早くこれを実行に移す必要があるということで鋭意作業を進めておるところで、実施要領につきましても、できるだけ早期に政府部内の取りまとめをやりたいということでございます。これは政府部内でいつということを確定しておるというわけではございませんけれども、できますれば私どもとしましては今年度中にも実施要領が作成できないものか、そういうような目標を持って各省と相談を進めていきたいというぐあいに思っております。
○五十嵐委員 今年度中に実施要領を策定するとすると、あと、それから募集に入って、決めてということになってくるのか、その後の作業も少し教えてください。
○堀江説明員 その後の手続も含めましてただいま検討中ということでございますので、いつごろどうなるということは現時点で申し上げるのはやや適切でないかと存じますけれども、行革審でのいろいろな検討の経過を見ましても、これを閣議決定でやってみようということはスピーディーに実行に移されるであろうというような期待が込められておるわけでございますから、実施要領が作成されますと、速やかにいわば募集といいますか、そういうような手続に入りたいということを考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、政府部内でしろしろと早急な検討を進めて、早急に自治体の方にもいろいろとアプローチもしていきたいというぐあいに考えております。
○五十嵐委員 さっきもちょっと触れましたように、パイロット自治体制度というのは、生まれるときに法制化が困難になってしまって、結局運用ということで、これは多くの自治体関係者の失望を買ったという経過があるわけです。ここでその実施要領等をめぐってまた関係各省庁からああだとかこうだとかクレームが相次いで、それでまたへんてこなことにならないかということも心配の一つ。恐らくそれで苦労しているんじゃないか、少しおくれているのはそのせいかというような見方もないわけではないので、どうかひとつ、これ以上後退しないように、実施要領を早目に、しかもわかりやすく、趣旨を貫いてお示しいただくように御要望申し上げておきたい、こういうぐあいに思う次第でございます。 あと時間がそうありませんので、一、二点なお、お聞きしておきたい点を申し上げますが、地方拠点法の都市地域指定がこの前、第一次がなされた。これをめぐって、特定省庁の関与について知事会が緊急要望をしたというようなこともあって、いろいろ物議を醸した経過もあるわけでありますが、しかしともかく第一次はそれぞれ決まって、そこで、私は北海道なものですから、これは国土庁が窓口なのだろうけれども、しかし関係省庁としては自治省もあるわけだから、自治省としての見解だけで結構なのですが、各県それぞれ一ないし二カ所ということになっていて、しかし北海道のような場合にはこの限りでないというふうにも聞いているのですが、北海道の場合は広さ等からいうと東北六県に新潟を足したぐらいの広さで、人口も相当なものでありますから、ぜひ特別な配慮をお願い申し上げたいと思うのですね。 殊に、北海道内の地域バランスというものも道内的には非常に大事なことであって、北海道というのは道央と道北と道東と道南、こう大体四つに地域的には分かれるところでありますが、地域指定については北海道の場合にはそれ相当の配慮をするということであろうと思いますが、いかがですか。これは知事がやるものではありますがね。
○紀内政府委員 地方拠点都市地域の数につきましては、昨年主務大臣が定めました基本方針の中で「その数は、都道府県の人口、面積等に応じ、原則として一都道府県当たり一箇所又は二箇所を限度とするものである」、このようにされているわけでございます。この趣旨とするところは、何分拠点でございますから、拠点としての意義を希薄にしない、また重点的な整備が可能となるようにやはり絞り込みが必要であろう、こういうことでございます。 現在までの経緯を申し上げますと、お話にもございましたけれども、昨年暮れに三十二の地域についての申請がございまして、三十二の地域について、いずれも知事の指定権限というものを最大限に尊重して正式の協議の対象とするという扱いをとったわけでございます。具体的には、事務の円滑な処理という観点から、十四の地域について正式な協議の手続を進め、協議自体は先般終了いたしまして、現在それぞれの県において正式の指定が行われているという状況でございます。これに続きまして、十八の地域について近々その協議の手続を進めていく、こういう運びになります。その後、三十二の地域に含まれなかったいわゆる未申請の都道府県でございますけれども、そういうところからのものが出てきてその後を追う、こういう形になろうかと思います。 私どもとしては、とりあえず各都道府県に一カ所ずつの指定がなされて、それに基づいて計画がつくられるわけでございますが、その辺の状況を見定めながら二番目というものについての扱いを検討する、こういう運びになろうかと考えております。 これも御指摘にありましたように、私ども主務大臣のうちの一つにすぎませんけれども、私ども自治省といたしましては、北海道というのは極めて広大な面積を持っているというようなこともございますので、この原則どおりとするかどうかについては考慮の余地があるものではなかろうか、このように考えております。
○五十嵐委員 ぜひひとつ実態に合うように御配慮いただきますように、もちろんこれは知事の方でいろいろ努力をしながら御要望申し上げる筋だろうと思いますが、よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。 以上で質問を終えたいと思います。どうもありがとうございました。
○中馬委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ————◇————— 午後一時三分開議
○中馬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。谷村啓介君。
○谷村委員 質問を行いたいと思いますが、新大臣の村田敬次郎先生の経歴を拝見いたしますと、私一年生ですから、自治省出身で初の自治大臣ですか、そのよりですね。それだけではありませんが、まさに著書の中にも「メガロポリスへの挑戦」、「新広域行政論」、「国土をデザインする」、ここまでは余り驚かないのですが、詩集「創生の悲歌」、エレジーですか、詩人でもあるようでございまして、さきの塩川大臣に続きましてまさに地方行政にとってすばらしい大臣を迎えたな、こういう気持ちでございますが、きょうは大臣の所信について質問をいたしたいと思いますので、どうぞひとつよろしくお願いを申し上げたいと思うのでございます。 まず初めに、自治大臣に我が国の景気動向についてお伺いしたいと思います。 最近の景気低迷の状況を見るとまことに憂うべきものがあるわけでございまして、例えば有効求人倍率の動向を見ても、平成三年度では一・三四倍であったものが、四年の十月では〇・九六倍、十一月では〇・九三倍と大変下降をしておる、こういう状況でございます。また、完全失業率を見ると、平成三年で二・一%であったものが、四年十月で二・二%、十一月では二・三%となっておるわけでございます。 このように、雇用情勢を見てもこれだけ厳しい状況となっておるわけでございますが、そこで、現下の景気動向について、まず自治大臣の御所見を伺いたいと思うのでございます。
○村田国務大臣 谷村委員の御質問にお答えいたします。 我が国の経済は今非常に厳しい。月例経済報告というのがありまして、これで関係閣僚会議をして報告を受けておるわけでございますが、これでも明らかなように、引き続いて低迷をしておりまして、資産価格の下落もあって、極めて厳しい状況にあるものと考えております。 政府としては、このような厳しい状況にある我が国経済の現状を踏まえて、平成五年度の国の予算は、公共投資等について国の公共事業のほか財政投融資計画において近年にない高い伸び率、一二・四%という伸び率を確保いたしますとともに、平成五年度の地方財政計画においても地方単独事業費を前年度比一二%、一兆七千八百億円増の二八兆五千八百億円と大幅な増額を図るなど景気に十分な配慮をしていることとしております。したがって、我が国の経済ま、これまで財政施策や公定歩合の引き下げ等による金融施策も含め、こうした政府の施策努力によって民間の活力が引き出され、内需を中心としたインフレなき持続可能な成長経路に移行をしていくものと期待をしております。 いずれにいたしましても、景気動向について一番大きな影響があるのは民間設備投資、それから住宅投資、さらに公共投資の三つであるということがよく言われるわけでございますが、民間設備投資は今在庫の積み増しなどがありまして、なかなかこれが活性化することが望み薄でございます。住宅投資は漸次言えてきておりますが、わけても公共投資をしっかりとふやしまして、そして景気浮揚を図りたい。わけても地方自治の面におきましては、地方単独事業が先ほど申し上げましたように一二%増、しかも国・地方を通ずる公共投資の約八割が地方の都道府県、市町村を通じて施行される状態でありますので、私は担当自治大臣として、景気回復は地方からということをキャッチフレーズに頑張ってまいりたい、そういうことで市町村や都道府県にもいろいろ御協力をお願いしておるところでございます。
○谷村委員 景気対策等についてもお触れになりましたけれども、今ちょうど地方議会が県、それぞれ各級議会が開かれておるわけでございますし、あるいは目前に迫っておるところもございますが、そういった意味で、来年度の地方の取り組みの状況というものを今の議会の状況に照らしてどうお考えになっておるのか、とらえられておるのか、この点について。
○村田国務大臣 非常に重要な御指摘だと思います。実は、景気対策に関連をして景気の活性化のために協力を懇請をされておりまして、先ほど申し上げましたように、公共事業の施行を非常に督励をしておるわけでございます。わけても地方債、交付税等、交付税は特別交付税の交付時期でございますし、地方債についてはできるだけ公共投資を増していくという観点でこれに対応していきたいということで、きめの細かい施策を講じていかなければならない、このように考えておるところでございます。
○谷村委員 今盛んに新聞等にも報道されておりますが、私ども野党としても、所得税減税などを含む景気対策、これは大変重要だというふうに考えておるところでございます。特に、GNPの六割を占めると言われている個人消費の問題等々にやはり何らかの措置を打たれないといけないのではないかという感じがありますが、地方も不況の深まりに伴って地域経済の不振が深刻な状況であるということは御存じのとおりでございます。 したがいまして、地方税収の落ち込みという問題がございます。それにもかかわらず、自治省は、地方税を約五千億円の増収がある、こういうふうに見ておるわけでございます。地方団体の税収はそれぞれ異なっており、団体一つ一つの状況を見なければならないわけでありますが、今後の地方税収の動向について自治大臣の御所見を伺っておきたいと思うわけであります。
○村田国務大臣 平成五年度の地方税収の見込みにつきましては、三十四兆五千億円余と前年度に比べて一・六%の増にとどまっております。これは、最近の景気動向等を反映いたしまして、法人関係税、それから利子割等において大幅な減収となるわけでございますが、しかし、前年所得課税である個人住民税や固定資産税等についてはある程度の税収の伸びが見込まれることによるものでございます。 いずれにいたしましても、来年度の税収見込みは引き続き厳しい状況にございます。政府経済見通しに見込まれているような経済が推移すれば、この地方財政計画上の地方税収入見込み額は全体としては確保し得るものと考えております。自治省では、御案内のように、地方財政計画を策定いたしまして、国家財政に対応してこれからの責任を果たしていくところでございますが、できるだけ増収に努力をいたしたいと思います。
○谷村委員 大臣の方から御答弁をいただきましたが、地方税収の動向というのは、きのうきょうあたりの円高の状況等を見ましても、経済動向というのは確かに予断を許さないという状況でございますので、どうぞそういう点についても注意深く見守っていただきながら、地方の財政に支障のないようによろしくお願いしておきたいというふうに思うわけでございます。要望です。 さて、二十一世紀を間近に控えて、我が国社会は国際的にも国内的にも大きな変革期を迎えておるわけでございます。このような社会情勢のもとで、地域社会の果たす役割も一層増大するものと考えられるわけであります。一方、地方自治を取り巻く行財政環境には依然として多くの課題が山積をしておるわけでございまして、そういう多くの課題について、二十一世紀に向けて求められる地域社会はどのようなものであると大臣はお考えになるのか、その点についてちょっとお伺いしたいと思います。
○村田国務大臣 我が国は世界でも類を見ない経済発展を遂げておりまして、その経済規模は世界でも有数なものとなっておりますが、経済全体の豊かさと個人の実感との間に乖離が見られるということが指摘をされております。これは、特に住宅等に原因があるのでしょうが、また、人口や産業等の諸機能が東京圏に一極集中いたしまして過密の弊害が顕著となっている一方、地方では人口減少に伴う過疎化と高齢化の同時進行、地域活力の低下等の問題が生じております。非常にアンバランスになっておるわけでございまして、これからの地域社会は、こうした東京一極集中を是正し、二十一世紀以降にふさわしい多極分散型国土の形成を図りながら、住民の一人一人が豊かさとゆとりを日々の生活の中で実感でき、多様な価値観を実現できる社会の実現を目指すべきであると考えております。 そのためこま、首都機能等諸機能の地方分散や地方分権、午前中の御審議でも非常に強調されましたが、地方分権を一層推進しながら、住民相互の連帯をはぐくむ自主的、主体的な地域づくりを進めて、個性豊かな魅力ある地域を日本全国につくり上げていくことが何よりも重要であると考えております。
○谷村委員 今日、我が国は地球的規模の視点を踏まえつり、先まどもおっしゃいましたが、国民一人一人が豊かさとゆとりを実感できる社会を築いていく、そういうことが求められておるわけでございまして、そういう点ではまさに同感でございます。こうした生活大国の実現に向けて地方団体の果たす役割というものは今後一層拡充していく、そういうふうに考えられるわけでございますが、大臣の今後のそういう面での取り組みというものをどうお考えかという点についてもお触れ願いたいと思うのでございます。
○村田国務大臣 谷村委員が御指摘になりましたように、今世界の中で日本が置かれておる環境は新たな段階を迎えておると思います。その意味で、地球環境問題やエイズ問題や、いろいろそういった国際的な問題もありますが、地方自治ということをよく考えてみますと、生活大国の実現のためには、生活感覚に根差した住民のニーズを的確に把握できる立場にある地方公共団体、市町村、都道府県の役割が極めて重要であると思います。 このため、地方公共団体がそれぞれの地域の特性を生かして創意工夫を凝らした施設を積極的に展開することができるように、地方財源の充実強化を図るなど、自主的、主体的な地域づくりを積極的に支援をしてまいらなければならないと思っております。 また、そのためには地方公共団体の権限強化、地方分権を図ることが重要でありまして、国の権限の地方公共団体への移譲、機関委任事務の整理合理化等に積極的に取り組んでいくことが重要であると考えております。
○谷村委員 次に、地財対策等について若干お伺いしておきたいと思うのであります。 地方財政の状況及び交付税の性格論につきましては、昨年の委員会の場で数々の議論があったわけでございますが、毎年度大蔵省が行っている予算の説明におきまして、ことしはさすがに地方財政余剰論等の表現は使われていないのであります。これは大蔵省としての地方財政の状況に対する認識の変化と考えるわけでございますが、交付税の性格論にまでは触れておりません。 そこで、新自治大臣の交付税の性格についての御認識をこの際明確にしておいていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
○村田国務大臣 私は自治省で採用された人間でございますので、地方財政平衡交付金と言われておるシャウプ勧告によるこりした制度の実施のころから実際実務に計算機を回しておりました。 地方交付税は、御案内のように、地域的に税源が偏在しております。東京のような富裕、まあ富裕という言葉がどうか知りませんが、財源的に豊かな団体もあれば、鳥取のように財源的に非常に窮屈な団体もあります。そういう全国にわたっておる財源を地方交付税というもので配分していくというシステムなんですね。今自治省で考えているのは、国が地方にかわって徴収している地方税という性格を地方交付税に考えておるわけでございます。 したがって、本来地方団体共有の固有財源であるという考え方が現在地方行財政を通じて我々の信念でございます。地方団体がその判断で自主的にその使途を定めることができる、地方団体にとって極めて重要な一般財源である。したがって、その意味では地方税と同じ、一般の固定資産税等の地方税と同じ一般財源である、こういう認識で対応すべきである、こう思っております。
○谷村委員 この交付税についての性格の論議は、今年度も大蔵大臣と我が党の中沢委員との間に相当なやりとりがございました。余剰論とは一体どこから出てくるのかというような問題、あるいは富裕論という言葉もございましたけれども、そんな中で大蔵省というのはなかなかその論を曲げなかったわけですね。自治大臣の方はあなたがおっしゃるようなきちっとした御答弁をいただけるわけですけれども、大蔵の方はなかなかそこまでおりてこない、よほどねじ曲げないとおりてこない、こういう議論があったわけでございますが、どうぞひとつその点については新大臣、先ほども申し上げましたように大変造詣が深い方でございますから、その点はきっちりとこれからもそういう認識を堅持をしていただきたいと思うわけでございます。 その問題と非常にかかわりの深い特例減額の問題がやはり今回も起きてまいりました。今回、地方交付税の総額について、御承知のように四千億円の特例減額措置が講じられた。三回目ですね。これは総額確保を求める地方団体の意に反するものでもございますし、また衆参両院の地方行政委員会の決議がございますけれども、国の財政状況を理由に行うというようなことは大変遺憾だ、やはりこういうふうに言わざるを得ないのでございます。 先ほど言いましたように、平成三年度以来の三年連続の特例減額になぜ応じられたのか、その理由をぜひとも伺ってみたいわけでありますけれども、今までの議論の中にもございましたように、特例減額については、何とかこれは、地方も大変ニーズが多いわけですから、公経済バランス論というようなものに押されてこちらが譲歩せざるを得ないというようなところは一体どこにあるのか、この点についてもぜひお尋ねをしておきたいと思うわけでございます。
○村田国務大臣 大変重要な御指摘です。実は、昨年十二月十一日の組閣のときに総理から直接お話がございましたのは、地方財政についてひとつお骨折りを十分お願いをしたいというお話でございました。その後、大蔵大臣と相談をいたしまして、地方財政に極めて関係の深い例えば厚生省、建設省、農林水産省、国土庁等々の各大臣と大蔵大臣を中心にいたして、私もそこの席に出まして、予算折衝にいろいろと御相談を申し上げたわけでございます。 平成五年度の地方財政対策に当たりましては、地方団体が当面する財政需要に十分な対応をし得るような的確な財政措置を講じるとの基本的な考え方に立って対応したところでございます。その結果、地方団体の抱える多様な財政需要について、例えば住民生活の質の向上や地域経済の維持拡大に向けた地方単独事業の思い切った増額、地域福祉基金の積み増し、それから地方福祉の充実のための経費の強化、環境保全のための財源措置の充実、それから御承知の農山村対策で森林・山村対策に係る支援措置の創設など、当面する主要政策課題に対する財源措置を幅広く、そしてかつ的確に講じる見込みを得たところでございます。 そこで 一方で地方交付税の問題については、現下の異例に厳しい国の財政事情を背景として国庫当局から協力要請が先ほど申し上げたようにありまして、私としては、国の極めて厳しい財政状況を踏まえ、委員が先ほど御指摘になられました公経済の一翼を担うという責任ある立場から、ただ単に地方の財源のみを確保すればいいということではなくて、国の財源もまたその円滑な運営が可能となり得るような公経済全体としてのバランスのとれた運営を図りたい、そういうところでその必要性を認め、総合的に勘案して四千億円を地方交付税の総額から減額をいたしました。そして国の財政に貸すことにより協力する措置を講じたのでありますが、この四千億円は法律の定めるところによって将来きちんと返済をしてもらうわけでございまして、交付税総額の安定的確保にも資するものだ、こういう総合的な判断に基づいて決断をいたしました。
○谷村委員 大変苦労されたといいますか、そんな状況はよくわかるわけですね。塩川前大臣にも私ども何回か会いまして、ことしこそそんなことはひとつ断固拒否してましい、そういう申し入れもした覚えがございます。 今おっしゃるように、確かに国も百八十兆円を上回る借金、しかし地方も八十兆円を上回るようなことになったわけですからねしかも、先ほど指摘したような税収の問題も大変悲観的でございますし、そういう状況の中でありますから、こうなりますと、恐らく来年度も再来年度も、経済の好転がはかまかしくない限り、国の財政の好転がはかばかしくない場合には同じようにずるずると行く可能性があるように私は思います。 なるほど大臣御指摘のように、きっちり返してもらえるのだからそれはいいんだというような考え方というものが一体いいのかどうか。さっきも指摘しておりますように、地方団体というのは総額の確保というものは絶対ですよ、お願いしますよということがいつも聞こえてくるわけですね。そういう点についてはいかがでしょうか。
○村田国務大臣 谷村委員の御指摘は大変ごもっともだと思います。しかし、私は長年地方財政に携わってきておりまして、そういった貸し借りというのは今までの歴史でもたびたびありました。そして、これは現在の非常な経済的な事情を勘案して御協力を申し上げたものでございまして、私は景気は必ずある時期に好転をするものという信念を持っております。したがって、今御指摘のような、来年も再来年もというような心配をしないで、むしろ来年、再来年はもっと積極的に地方自治を確立していくんだ、そういう考え方を持っております。
○谷村委員 この議論はここまでにしておきましょう。どうせこの委員会では続く議論だと思います。 それでは個別の問題に入ります。 我が国の国際化が急速に進展する中で、地方公共団体も地域レベルの一層の国際化を推進するためさまざまな取り組みを行っておるわけであります。平成五年度の地方財政計画において国際化推進対策のための財源の充実を方針として掲げられておりますけれども、自治省としてこうした地方公共団体の国際化の取り組みに対しどのような支援策を講じていくつもりか、国際化の時代だけにお伺いしておきたいと思うわけであります。
○村田国務大臣 御指摘のとおりでございます。最近の地方自治における一つの特色は、国際交流活動が非常に進んでおるということでございます。したがって、外国の都市と姉妹提携等をしておる都市が大変ふえてきております。こういった国際交流活動は草の根レベルの国際的相互理解を深め、世界に開かれた地域社会づくりを進め、さらに地域の活性化に資するという極めて重要な意義を持っておると考えます。自治省としても従前よりさまざまな支援策を通じてその適切な推進を 図ってきているところでございます。 平成五年度においては、御指摘になりましたように、地方財政計画に新たな国際化推進対策経費を創設いたしまして、一千億円を計上いたしました。これを受けて、外国青年の招致を行うJETプログラムの招致人数の拡大を図るとともに、新たに韓国からの招致を加え十カ国からの招致とするほか、姉妹提携関係等を通じた文化経済交流の促進、国際交流のためのイベント開催、国際協力のための専門家の派遣、研修生の受け入れ、それから急増しておる在住外国人に対する対策等の地方自治体の国際化推進のための取り組みに対する財源措置を拡充するために、交付税の単位費用を大幅に増額することとしておりまして、こうしたことを通じて地域の国際化が一層推進されるようにやってまいりたい、こういうところでございます。
○谷村委員 次に、カンボジアではことし五月ごろに総選挙が行われる、こういうことを言われておるわけであります。自治省は、カンボジアに対する選挙監視分野への要員の派遣について、各地方団体に協力依頼の通知をされたとお聞きいたしております。しかし、現在のカンボジアの情勢というのは御承知のとおりで、武力衝突などの発生あるいは緊張の度合いを非常に強めておる、パリ和平協定の前提である紛争当事者間の停戦の合意や安全性の確保さえ危惧されている状況であります。 このような情勢のもとでは、選挙監視分野への地方団体職員派遣の募集を凍結すべきではないか、私どもはこう考えるのですね。自治労等におきましても、そういった不安といいますか、そういうものも表明をされておりますし、自治省等にもそういう申し入れもされておるやに聞いておるわけですね。実際問題として、こういう状況のもとでは、これはやはり凍結した方がいいのではないかなという気持ちも私どもいたすわけでございますが、いかがでしょう。
○村田国務大臣 カンボジア問題、大変重要でございます。自治省では総理府国際平和協力本部から要請がございました。そして、ことしの五月に実施されることが予定をされておりますカンボジアの制憲議会議員の選挙に係るUNTACの選挙監視分野への要員の派遣、これは委員の御指摘になりました要員の派遣について、一月七日付で各都道府県、政令指定都市に協力依頼を行ったところでございます。 これは、要員派遣について国連より正式に要請を受けた後我が国として派遣を行うことになった場合に対応できるように、前もって国内的な所要の準備を進めておる、こういうわけでございまして、総理府国際平和協力本部及び外務省によれば、カンボジアの情勢についてはその推移を慎重に見守る必要があるが、現時点においてパリ和平協定に基づく和平プロセスの基本的取り組みが崩れたという認識はしていないということであって、引き続き所要の準備が進められている、こういう状況でございます。 自治省としては、派遣が実施される場合の要員の安全確保、これは委員が御指摘になられましたように最も重要な問題でございまして、最優先の課題と考えて、適切な対応がなされるよう今後とも要請をしてまいりたい、現在このように考えております。
○谷村委員 今大臣のおっしゃったようなことは、UNTACの方もそう言っているし、政府の方もそう言っているわけですけれども、私ども戦争については余り詳しくないわけでございます。しかし今の状況というものは、決してパリ協定が完全に守られておるという状況ではないというふうに思えてなりません。この間も、五人の警察官でしたか、たまたま休暇をとって出張しておるその宿舎が攻撃をされたというふうなこともございましたですね。もしも休暇でなくてあそこにいらっしゃったら大変なことになっているんじゃないかという気も実はするわけであります。選挙監視でございますからちょっと先の話にはなりますけれども、どうぞひとつ実態をよく見きわめながら、自治省は自治省としての慎重な判断というものを持たれながら主体的に応じられるように、そういったことをぜひひとつ要望をしておきたい、こういうふうに思うところでございます。 さて次は、我が国の高齢化は著しい速度で進展しておるのでございます。二〇〇七年にはいよいよ五人に一人が六十五歳になると最近よく言われておるわけでございますが、これについて地方団体におきましても積極的に老人福祉計画の策定を推進すべきであるというふうに考えるわけであります。自治省としてはその計画が実効あるものとするためにどのような支援策を講じていらっしゃるのか、具体的にお伺いをいたしたいと思うわけでございます。
○湯浅政府委員 御指摘のように、最近におきます本格的な高齢化社会を迎えるに当たりまして、先般老人福祉法の一部改正がございまして、各地方団体におかれましてそれぞれの立場で老人福祉計画を策定すべきであるということが決められているわけでございます。この規定に基づきまして、現在各地方団体におきましてそれぞれの立場で老人福祉計画を立案中でございます。基本的には平成五年度中にはつくるべきではないかというようなことになっているわけでございまして、これに基づいて市町村や都道府県がそれぞれの地域の老人福祉計画を積極的に推進するということになるわけでございます。 そこで、自治省といたしましては、それぞれの地方団体が計画いたしました老人福祉計画に対しまして積極的に支援をするということが必要であると思っております。 具体的には、まずこれを実現するためには、一つは国庫補助事業がございます。いわゆるゴールドプランに基づきます各種の国庫補助事業がございますけれども、この国庫補助事業にかかわります地方負担については、これは地方財源措置をきちんとするということをまず考えなければいけません。それから、それぞれの地域特性に応じて自主的にいろいろな老人福祉対策を行うという場合に、そのための経費に充てるための方法としては、一つは地域福祉基金を拡充していく必要があるだろう。これは既に平成三年度から、明年度もこの積み立てをお願いしているわけでございますが、この地域福祉基金を拡充する。と同時に、単独の福祉施策を行うための経費、特にソフト面の単独福祉の経費というものを地方財政計画上充実をいたしまして、これを交付税の基準財政需要額に的確に参入していく、こういうことを考えていくべきではないかと思っているわけでございます。今後ともそういう方向に沿いまして、私ども積極的に対応してまいりたいと思います。
○谷村委員 先ほども触れられましたけれども、さきの老人福祉法等の一部改正に伴いまして、本年の四月一日より養護老人ホーム等への入所決定権、いわゆる措置権限が都道府県より町村へ移譲されるなど、住民に身近である市町村がこれからの福祉の担い手として重要な役割を果たしていくことが望ましいと考えられるわけであります。したがいまして、地域の実情に応じた福祉政策を十分に展開できるように市町村、とりわけ町村について財政措置を充実すべきだというふうに考えますね。 私ども故郷へ帰りまして、町村をよく歩く場合が多いのですね。もう選挙が近いですから余計歩いていますけれども、町村へ行きますと、やはり先ほど午前中の質問の中でも町村の能力の問題等についてお話がございましたが、いやいや一生懸命やっていますよ、一生懸命やっていますが、やはり十分に前へ進まないという、そういう悩みを持っていますね。それから財政的な悩みを持っていますね。それで、それぞれ市町村の力関係によって進捗の度合いが大変アンバランスがあるという面も見えるわけであります。それはともかくとしても、町村に対する支援策というものをやはり十分に考えないと、絵にかいたもちに終わるのではないかなという気がいたしておるわけですが、杞憂でしょうか。
○湯浅政府委員 今御指摘のように、老人保護の措置権がこれから町村に移譲されるということでございますので、住民に身近な地方団体がこういう福祉の担い手になるということは非常に望ましいことではございますけれども、他方、財源面から、あるいは人手の問題から見ましても、なかなか難しい問題があることも事実でございます。そういうことも踏まえまして、明年度以降の福祉対策を考える場合に、今御指摘のように市町村に対する福祉的な財源、福祉の財源というものを充実する必要があるであろう、これはもう御指摘のとおりだと思います。 それで具体的には、例えば地域福祉基金というものを平成三年度、四年度、それから明年度も積み立てをお願いしようと思っておりますが、いずれの年におきましても、都道府県に比べまして市町村分をかなり多目にお願いしている。具体的には、平成三年度では県分は七百億でしたが、市町村分は千四百億、それから平成四年度は県分を七百億に据え置きまして、市町村分が二千八百億、倍にいたしました。それから明年度も、これから交付税法を御審議いただくわけでございますが、県分は七百億に据え置きまして、残りの三千三百億を市町村分に持っていったらどうだろうかということで、県分は据え置いて、できるだけ市町村分の方に、この地域福祉基金の積み立て分の基準財政需要額を市町村の方に重点を置いて積み立てをしたいということを考えているわけでございます。また交付税の、これから御審議いただきます社会福祉費の単位費用の算定に当たりましても、都道府県の分の単位費用の伸びに比べまして、市町村分の単位費用の伸びを多くしていくというようなことも考えて、御提案をさせていただいております。 特に、今御指摘のように町村分に厚い手当てができないかということもございまして、こういう点は、例えば高齢者の人口を指標にいたしまして各種の補正を考える。やはり老人人口の多い地域というのは町村部でございますので、そういう指標をとることによりまして、町村部の方にできるだけ財源が手厚く行くような措置も検討していかなければならないと思っているわけでございます。
○谷村委員 次に移りますが、大臣は、「自ら考え自ら行う地域づくり」事業を契機として高まってきた自主的、主体的な地域づくりの取り組みをさらに積極的に促進するため、平成五年度以降「第二次ふるさとづくり」の推進を図ると言っておられるわけであります。 昭和六十三年度以降現在までの地域づくり推進事業に対して、どのような評価をされておるのか、午前中もちょっとお触れになりましたが、また、平成五年度以降の第二次ふるさとづくり事業については、自治省としてどのような施策展開を考えていらっしゃるのか、重複しますが、ぜひお願いしたいと思います。
○村田国務大臣 昭和六十三年度から平成元年度にかけて一億円事業が実施をされております。それから、平成二年度から平成四年度までの地域づくり推進事業などによって、これまで全国で約四兆五千億円のハード事業と約一兆三千億円のソフト事業等が実施をされました。 全国各地で展開されているこうした地域づくりによって、地域の特性を踏まえた、創意工夫に基つく個性的な事業が積極的に推進をされ、地域の活性化に大きく寄与しているものと評価をしております。また、こうした事業によりまして、改めてふるさとのよさが見直され、地域の発想に基づく自主的、主体的な地域づくりを一層促す契機となっておると考えます。それから、事業の内容をみずから考える過程を通じて、市町村の企画力を向上させる契機ともなっておる、地域住民の積極的な参加によって、市町村行政を身近なものにしているなどの効果も出てきております。 平成五年度以降推進する第二次ふるさとづくりは、これまでの自主的、主体的な地域づくりのための取り組みをさらに着実に浸透、定着させるとともに、より明確な地域づくりの理念、テーマに基づき重点的な事業を推進し、豊かさとゆとりを実感できる地域社会の実現を図ることを基本的な考え方としておりまして、その核となる事業としてふるさと事業を創設し、地域づくり推進事業に準じた財政措置を講じることとしております。 また、個人住民税においてふるさと寄附金控除制度を創設したしました。そして さるさと財団融資、ふるさと市町村圏振興整備等の関連施策の積極的推進を図ってまいる決意でございます。 今まで非常に創意工夫が各地方で図られて、それぞれ各地域の活性化に役立っていると思います。
○谷村委員 次の質問に移りますが、平成五年度の地方財政計画において、山村地域の振興や森林の公益的機能の維持増進を図るために、森林・山村対策のための経費として一千八百億円が措置されているのであります。 この森林対策については、この委員会でも去年、今年度は議論を相当集中的にそれぞれ政党から質問がございました。今の村、集落を支えておるのはまさに山林と水稲でありますが、どちらも非常に厳しい状況でありますだけに、今までの縦割りの森林行政だけではなかなか難しい。したがって、前大臣はそれを地域からとらえ直すんだ、森林の保全あるいは担い手対策等も含めて緑を守るという意味もございましょう、環境という問題もありましょう、あるいは村の文化という問題もあります。 今、日本地図から千以上の集落が消えていると言われておるのですね。それはやはりそういう二つの大きな、主要な原因があるわけですが、そういう観点から、もちろん自治、国土、農水省等が大変な努力をされまして、実地調査などをやられました経過はよく承知しておりますけれども、その結果、千八百億円というものが新しい予算に計上されている。これは実に私どもは喜ばしい、積極的な方向が打ち出されたなというふうに大変評価を惜しまないわけであります。 具体的にひとつ、この千八百億円というものをどう使われようとしておるのか、この際ちょっとお尋ねしておきたいと思うわけであります。
○湯浅政府委員 今御指摘の森林・山村対策につきましては、昨年来の当委員会の御審議を賜りまして、これを参考にしながら関係省庁と詰めてまいったわけでございます。具体的なものといたしましては大きく四つございます。 一つは、保存すべき森林の公有化を推進していくという問題でございまして、これには二つございまして、例えば、県民の森というような住民が利用する地域環境保全林、こういうものを公有化していったらどうかという問題。それからもう一つは、防災上、あるいは水源の涵養、あるいは環境上ここはどうしても保全しておこうという意味の公益保全林、これを公有化していこう。こういう二つの森林を保全するという方向で、これに対しまして地方債と交付税を組み合わせることによって五百億円を考えております。 それから二番目には、今申し上げました公有化された森林というものを適切に管理していく必要がございます。それから、今まで持っている公有林もなかなか自前では管理できないというような問題がございますので、こういう今まで持っている公有林も含めまして管理をしていくための経費、これを三百億円予定をいたしております。これは交付税で措置をしてまいりたいと思います。 それから三つ目は、この山村地域の定住環境を改善するために大きな役割を果たす林道の整備、いわばふるさと林道と申しますか、こういうものを整備するための経費といたしまして、これも地方債と交付税を組み合わせることによりまして仕事をやってまいりたいと思いますが、これに五百億円。これ以外にも、いわゆる林業そのものの施業条件の向上に役立つためのいわば作業林道と申しますか、そういうものもあわせて整備をしたいなというふうに考えております。 それから四つ目は、森林整備のための担い手対策の問題でございまして、現在の林業従事者の方々が非常に劣悪な条件のもとで仕事をしている、なかなか後継者が育たないというような問題もございますので、こういう林業従事者の方々の労働安全衛生の充実でございますとか、あるいは技術、技能の向上、福利厚生というような観点から、森林担い手の対策のための基金を都道府県に設置をしたらということで、これを五百億円交付税で措置をするということで、合計千八百億円を一応予定をいたしております。 関係省庁の林野庁あるいは国土庁におきましても、それぞれ国費によります一定の予算措置も行われたようでございますので、それらを組み合わせまして対策を講じてまいりたいと思いますが、何せ初めてのことでございます、これからも十分御意見を伺いながらこの施策について充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
○谷村委員 具体的な御説明を賜りましたが、ちょっと一、二点お尋ねしておきたいのは、例えば岡山県の場合は、次の後継者対策あるいは労働者対策のために基金をもう既に積んでいるのですね。五億だったか十億だったか積んでいますね。その果実でもって社会保障費等を支出しているということになっているのですが、その上にこれを積むという意味なのかどうなのか、それが一点。それから、もちろんこの千八百億円という措置は単年度措置ではないのでしょうね。
○湯浅政府委員 まず第一点の、既に基金を設けている府県、これはかなりございますが、仰せのとおりですね。この基金の運用益を使いまして担い手対策を既にやっておりますが、私どもは新規に五百億円を積み立てるための財政措置をするわけでございますから、現在の基金にさらに基準財政需要額で算入した分をぜひ積み立てていただきたい、こういうことでお願いをしたいと思っているところでございます。 それから、この措置は単年度かどうかという点でございますが、こういう事業というものはある程度息の長い事業でございますので、単年度の措置で事足りるというものではないと思うわけでございます。そういう意味で、明年度以降もいろいろとまたお教えをいただきながら経費の充実に努力してまいりたいと思っております。
○谷村委員 それでは次に、消防行政についてお伺いをいたしたいと思います。 平成三年度中には年間約二百八十三万件の救急隊が出動をしておるわけでございますが、救急は住民生活に大変かかわりの深いものとなっておるわけでございます。今後高齢化の進展等により、救急隊による搬送は一層増加することが予想されます。また、救急現場における傷病者の救命率の一層の向上を図る上でも、救急業務の高度化は喫緊の課題であるわけでございまして、積極的に推進していくべきだと思いますが、いかがでしょう。
○浅野政府委員 御指摘いただきましたように、救急出場というのは非常に件数がふえてきておりますし、恐らくこれは今後ともふえると思っております。かつまた、より高度な処置というものを求められておると思いますので、私どもとしては、よりふえる救急需要により高度な対応をしていくということが課題であると思っております。 具体的には、マンパワーの問題、それから資機材の整備の問題、二つあると思います。マンパワーの整備につきましては、特に救急救命士の問題、これは全国的に救急振興財団でやらせていただいておるわけでございますが、さらにここで積極的に養成をするように努力をしてまいりたいと思います。それから、資機材の整備につきましては、これは交付税を通ずる財政措置ということも非常に大事だと思います。それはそれとしてお願いをいたしておりますが、もう一方、国庫補助金につきましても、特に高規格車というものを頭に置きまして、平成四年度よりもかなり台数なんかもふやして、高規格救急自動車ができるだけ早く整備されるように努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○谷村委員 消防庁にぜひお願いしておきたいのは、これは前の委員会でも御指摘したのですけれども、地方交付税で基準財政需要額の中にせっかく入れてもらっておろしている。それと実際に、自由な財源ですからそれは文句は言えないわけですけれども、しかしせっかくきっちり算定をして積み上げて、そして算入されておる。この間あるところへ出初め式に行きましたら、岡山県ですけれども、消防団の年間の手当というか、一万八千円ほど実は交付税上は来ておるが、実際は一万二千円しか配っていないですね。せっかく皆さんが予算の面で努力されても、下部へ行くと、それは自主財源ですから文句の言いようがないと言ってはしようがないのですけれども、しかしその心というか、そういうものが全部下部へ通ずるような何らかの措置をぜひお願いしておきたいなというふうにそのときも思いました。これは要望です。 それでは警察庁の方に移りますが、国民の平穏な暮らしや企業の健全な活動に対して脅威となっております暴力団に対して対処する切り札として、昨年三月に新暴対法が施行されてから一年が経過したわけでございます。一刻も早く社会から暴力団を排除することが国民の願いであると思いますが、この新暴対法によって実はどのような効果があらわれたのか。一年ですからそうぎりぎりと言うつもりはございませんけれども、大変国民の期待が大きいわけでございますが、どういうふうな効果が実際にあらわれてきたかという点についてちょっと御説明願いたいわけであります。
○廣瀬政府委員 お答え申し上げます。 警察におきましてま、昨年三月の暴力団対策法の施行以来、全国警察を挙げまして暴力団犯罪の徹底検挙、暴力団対策法の運用によります暴力団被害の未然防止、あるいは地域、職域からの暴力団排除活動を積極的に推進してきたところでございます。 このような取り組みの結果といたしまして、従来の法令では必ずしも有効に規制できなかった民事介入暴力の抑止が図りれつつあるところでございます。また、暴力団の対立抗争事件が暴力団対策法成立以前に比べまして約三分の一に減少いたしております。さらには、暴力団の組織内部の動揺によりまして暴力団構成員の組織離脱化傾向が見られるなど、暴力団対策法の施行を初めとする暴力団対策の効果が徐々にあらわれてきているものと考えております。
○谷村委員 今も廣瀬さんの方から御説明がございましたが、確かに効果は上がりつつある、こういうふうに思いますが、また反面、非常に巧妙化して、下へ潜っちまったというようなことも言えるわけでありますが、今もお触れのように暴力団からの離脱者が増加している。これは各県ともそういう傾向のようでありますが、暴力団を抜けて社会復帰を行おうとしている人に対してもさまざまな問題があると聞いておるのであります。例えば、暴力団を脱退しても就職が思うようにできないためにまたほかの組員になってしまう、そういうような事例も間々あるようでございますが、このままでは暴力団総合対策の効果も半減をしてしまうのではないかという憂いも、心配もあるわけでございます。 新しく改正法等も用意されているようでありますが、そういう問題を含めて、ひとつそういう点については今後どうするのかということもお尋ねしておきたいと思うわけであります。
○廣瀬政府委員 先生御指摘のとおり、暴力団の人的基盤に打撃を与えるということは極めて大切なことでございます。暴力団離脱者が正業につかずに他の組に入ってしまうという現象も結構あるところでございまして、本当に暴力団をやめたいという者の社会復帰対策というものは極めて重要なことでございます。 現在、これは二十二都府県でございますけれども、社会復帰対策協議会というものが設置されまして、ここには職業安定機関の方々、さらには本当に暴力団をやめるのならうちの企業で雇ってもいいという大変ありがたい申し出を受けております企業の方々、こういう人が一緒になりまして社会復帰対策協議会というのができておりまして、二十二都府県で事業を開始したところでございます。何とかこれを全国的な仕組みにいたしまして、ある県で暴力団をやめてその県で就職いたしますと暴力団から仕返しを受けるというようなこともございますので、全国的な規模で社会復帰ができるというようなシステムをつくってまいりたいというさりに考えております。 また、御指摘の暴対法の一部改正を現在検討中でございますが、暴力団から離脱することの一番の阻害になっておりますのは、指詰めをされるあるいは入れ墨を入れられるということでございますので、このような指詰めあるいは入れ墨を強要する行為に対しまして措置命令をかけるべく法改正を考えているところでございます。また、国家公安委員会といたしましても、本当に暴力団をやめたいという人たちが確実に社会復帰できますように、これを援護するいろいろな仕事をやってまいりたい、そういうことも法律に書いてまいりたいということを考えております。
○谷村委員 せんだってでしたか、暴対法の小委員会でも話題になりましたね。せっかく抜ける決意をして、あるいは周囲の皆さんの大変な指導で抜ける、それで就職をする、そういうふうに自分が努力してもやはり社会というものがなかなか受け入れない。これは無理もない点もあるわけですけれども、その際には、御指摘のような指詰めなどの問題が、形がありませんからね。ですから、これは本当に難しい問題も含まれておると思いますね。 これは思いつきのような話ですけれども、この間も話題になりましたように、何か医学的な処置によって足の指をつけるとか、そういうことが今現実になされているようですね。それは効果があるのですか、それともどうなんでしょうね、非常に深刻な問題ですが。
○廣瀬政府委員 お答え申し上げます。 これは神奈川県でございましたが、暴力団をやめたい人はここへ電話してきなさいということで、離脱相談電話というのを開設いたしました。たくさんの暴力団員本人あるいは家族の方々から相談があったわけでありますが、その際、これは福井県にお住まいの先生でございますが、指がなくて就職できないで大変困っているなら私が一肌脱いでもいいぞという大変ありがたい申し出がございまして、先生御指摘のとおり足の指をつなぎ合わせるということで、完全に全部曲がるというわけではなくて、若干曲がるということで、外から見た目には一般人と余り変わりがないということで、かなりの技術を持たれている方のようでございます。そういうありがたい申し出がございましたので、本当にやめる方々はそこにあっせんするというようなことも神奈川県ではやっているようでございます。
○谷村委員 廣瀬部長はその医者に会いましたか。やはり行って、どういうものか本当に実地に見られて、一人に任せるのじゃなくて、そういう方法があるのならほかでも、警察も病院を持っているわけですから、警察の病院は優秀じゃないんですか。そういうこともやはり大事なことなんですよ、本人にとっては。大変大事なことなんですね。ぜひひとつその点は要望いたしておきたい、こういうふうに思います。行ったんですか。
○廣瀬政府委員 行っておりません。
○谷村委員 それじゃ、次に移りたいと思います。 最近、覚せい剤やシンナーに加えコカイン、ヘロイン等の乱用薬物の多様化が進んでおる。薬物乱用が少年や婦人等の一般市民層へも浸透しておる。これら薬物の乱用者による犯罪は年々深刻さを増している現状にあります。将来の日本を担う青少年を薬物犯罪から守るための対策が大変必要だ、最近よく言われておる問題でございますが、どういうふうに具体的に取り組まれておるのか、お尋ねしておきたいと思うわけであります。
○村田国務大臣 薬物問題についての御質問がございました。 御指摘のように、薬物問題は国際的にもまた我が国の治安上も重要な課題でございます。殊に、青少年への乱用の拡大は十分警戒しなければならないと考えております。 このため、今後、青少年に害悪をもたらす薬物犯罪の徹底した取り締まり、広報、啓発活動の一層の強化を図るように、警察を督励してまいりたいと思っております。
○谷村委員 今の質問に対して警察の方は、現場の方はどういう取り組みをしていらっしゃるのか、ちょっと詳しくお知らせ願したし。
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。 薬物乱用が少年や主婦層等に広がっている折から、特に青少年を薬物犯罪から守るための対策をどう考えておるかというお尋ねだと思います。 最近におきます薬物情勢につきましては、委員御指摘のとおりでございまして、乱用の多様化あるいは青少年を中心にした乱用の拡大、あるいは薬物に起因する事件、事故というものが多発しておりますのは御指摘のとおりでございます。依然として大変深刻の度を増しておるということであろうかと思います。 今後私ども警察といたしましては、海外から持ち込まれます薬物の供給の遮断、あるいは青少年等に薬物を供給しております暴力団等を中心といたします密売組織の壊滅のための取り締まり等を強化するとともに、特に御指摘の青少年についての対策といたしましては、薬物を乱用している青少年を早期に補導、検挙する。そして薬物と手を切らせること、そしてまた青少年に対する薬物相談業務を充実させることがまず大事でございますので、そのよりな活動に今後一層努力してまいりたいと思います。 またこれとあわせまして、文部その他の関係省庁とも連携をいたしまして、家庭なり地域なり学校と一体となった乱用防止のための啓発活動、これを強化いたしまして、薬物の危険性を早い段階から青少年に周知徹底することに努めるなどいたしまして、こういった諸施策を総合的に推進することによって薬物犯罪かり青少年を守るために一層努力をしてまいりたいと考えております。
○谷村委員 次に、交通事故の発生状況等について、あるいはその対策等について承っておきたいと思うのであります。 平成三年中、死者数というものは前年を下回った、こう言われておりますが、しかし、一万一千人を超えるとうとい命が失われておるのでございます。交通事故発生件数や負傷者数は前年を上回っている状況だ。深刻な交通戦争は続いておるところか、大変事故発生等がふえておる、こういう状況であることは申し上げるまでもないわけであります。安全で快適な交通社会を実現するため交通安全対策は極めて重要である、こう考えるわけでありますが、なぜこうふえ続けるのか。相当な対策も立てられておるわけでありますけれども、そういう点についてやはり何らかの施策というものがもっと別に必要なのかな、こういう気もいたしますけれども、そういう点についてぜひお聞かせ願いたいと思うわけであります。
○関根政府委員 お答え申し上げます。 交通事故は、先生御指摘のとおり平成三年には平成二年に比べまして死者数が若干減少いたしましたが、平成四年は平成三年に比べましてまた増勢に転じております。平成四年の交通事故死者数は一万一千四百五十一人でございます。この一万一千四百五十一人という数字は、昭和三十七年、平成四年のちょうど三十年前でございますが、昭和三十七年の数字とほぼ同じでございます。昭和三十七年当時は一万一千四百四十五人でございました。 ただ、内容が異なっておりまして、運転免許保有者数、自動車保有台数を見てみますと、昭和三十七年当時は運転免許保有者数が千四百万人弱、それから自動車保有台数は五百万台弱でございます。それが、まま同数の死者数を出しました昨年のそれに比較してみますと、運転免許保有者数は六千四百万人余り、自動車保有台数も六千四百四十万台余りでございまして、運転免許人口で四・六倍、自動車保有台数に至っては十三・六倍、こういう状況でございます。これに対処すべくいろいろの施策を講じているところは先生御指摘のとおりでございます。 従来から行っております施策はいわゆる三Eの原則と申しますか、交通工学的な施策ということで交通安全施設整備、それから交通教育、エデュケーションということで、運転者教育を初めとする交通安全教育の充実、さらにロー・エンフォースメント、執行ということで、著しい速度超過などの危険性の高い違反に重点を置いた取り締まり等を進めてきたところでございます。しかしながら、確かにこれだけではこのような交通環境の変化に適切に対応する施策であるとは言いがたいということで、最近では特に自動車乗車中の事故死者数の増勢に対処するため、シートベルトの着用の徹底ということを図るべく努力をしているところでございます。 それとあわせまして、交通事故の原因がどういうところにその要因を持っているかということを人、車、道路といったそれぞれの要素ごとに調査をいたしまして、これを組み合わせた事故防止に役に立つような事故分析を行うべく、そのためのシステムを設ける等の努力もしております。 さらにまた、私どもだけの努力というのでは不十分でございますので、関係の団体、例えば自動車のディーラー団体の方々に、そのユーザーであります若者に対して自動車の安全な運転の仕方を教育してもらうようなディーラー団体交通安全対策推進協議会といったようなものを各都道府県に設けていただき、ディーラーの方々からも自動車の安全な使い方について教えてもらうというようなことも進めております。 また、各都市において違法駐車を初めとする比較的規範意識の少ない違反に対処し、規範意識の醸成に努めてもらうような施策を講じていただくべく、違法駐車防止条例というものをつくっていただきまして、都市と警察が一体となって規範意識の醸成に努めるというようなことも進めているところでございます。 いずれにしましても、交通事故死者数、これは国際的な広がりを持つ実は大きな問題でございます。各国とも事故死者数を減らすべくいろいろ努力をしておりまして、それらの諸外国の努力の例も参考としながら、さらに一層事故死者数の減少に向けて努めていきたい、そのように考えております。
○谷村委員 最後の質問になるわけでございますが、これは全く異なった質問になるわけでございますけれども、最近よく問題になっております骨髄提供者の休暇制度についてお伺いをいたしたいと思うのであります。 骨髄バンクはその登録を募ってから一年余り経過したわけでありますが、一月末現在で一万六千九百二十五名のドナーの登録となったわけでございます。ただ、目標としておりますのは十万人のドナーでありますから、これからというわけでございますが、地方公務員としても率先して協力できる方策が大変必要だ、こう思います。もちろん国家公務員もそうでありますが。自治省は、新聞報道によりますと、地方団体に対して骨髄提供を病気休暇の対象とするというところまで努力されてまいった。しかし、積極的に特別休暇制度の検討を進めるべきだというふうに思うのですね。 実は私も数年前に娘を、一人娘でしたが、急性骨髄性白血病で二十八歳で亡くしました、孫二人を残しまして。そのときの体験ですが、何とか骨髄移植ができないものかなと、親ですから当然考えるわけでありますが、数年前、七年ほど前ですから、なかなかそういう体制は田舎にはないのですね。そういう手術ができるところは全国的にもまだ限られているのですね。しかも、当時はまだまだドナーというのも、例えば財団もできていませんし、法人化されていません。とにかく四人兄弟がおってそれで一人、HLAつまり骨髄の血液型といいますか、それが肉親で、兄弟で合うか合わないか。他人の場合は恐らく十万人単位でないと対象が見つからない、中には五百人で見つかる人もあるわけですけれども。全体から見ると、したがって目標を十万人に置いておる、こういうことなんですね。 そういうことですから、だんだんと民間の皆さんが、それぞれの肉親の皆さんが相寄ってこの運動を起こしたのですね。それで、来年度の予算、ことしの予算もそうですが、相当国の方も理解を示されまして、日赤などを通じましてこのドナーをもっとふやそうじゃないかというための予算も年々大きくなりつつあります。これは大変感謝をしておるわけですね。 ドナーというのは大臣、大臣じゃなれぬのですよ、二十歳から五十歳までですからね。私もなれません。したがって、私も岡山県の中の支援する会の一人としてその運動を進めておるわけです。そういうふうに非常に特殊な条件というものが要るのですね。ドナーになってもらうためには二日、三日の検査が要ります。大体輸血をしていただく人の中で成分輸血ができる人、こういう人の間からドナーが選ばれるということになるわけですけれども、その上にこのHLAという骨髄の血液型のようなものが検査されて、それぞれ登録される。それと患者との間でコーディネーターが合わせていって、両者わからないのですよ。患者の方はわからない、提供する方もわからない、もちろん秘密は守られますけれども、そういうふうな形式で実際の骨髄移植が行われる。 骨髄移植というのは、臓器移植のようにこちらの臓器からこちらの臓器へ持ってくるという手術じゃないのですね。注射器で骨髄をとって、注射器で返していく、患者の方に入れていくというそういう形式ですかり、臓器移植とはちょっとまた違うのですが、ただ、そのために三日ぐらい検査が要る、決意された人が。それから実際にぴったり合った、この間二件ぐらいできましたね。それができて、今度は輸血のような注射をして骨髄を移すわけですから、その間にやはり一週間ぐらいドナーの方も入院しなければならぬわけですね。いろいろ前後の検査があったりして、入院しなければできないのですよ。 ですから、前後入れますと、検査と合わせますと、決意してくださった人も都合十日ぐらいの休暇が要る。それで、ドナーになる決意をなさった方でも、そういう休暇ということになりますとやはりヘジテートする、善意はあってもちゅうちょされるのです。ですから、民間の皆さんもボランティアでたくさん一生懸命運動をやっているのです。地方公務員の皆さんあるいは国家公務員の皆さんにぜひ御協力願いたいというのは、本当に大勢じゃないのです。それはごくわずかです、合う人が少ないわけですから。ですから、率先してそれができるような環境づくりというものをやっていただくと、またそれが全国に、民間の会社にも広がっていくという効果が期待されるのです。 さきの新聞によりますと、「自治省は十八日までに骨髄移植の提供者、ドナーになる地方公務員の入院期間などは特別休暇とするか、それと同等の措置を認める方針を決めた。人事院が国家公務員について認めるのを受けた措置で、人事院勧告のある八月までに制度の詳細を詰める」というふうな実はニュースが流れておりまして、関係者に大変な勇気を与えておるわけなんです。 きょうはせっかく人事院の方も見えていただいているはずなんですけれども、さっきのような状況ですので、あるいは他の臓器移植の関係もあるからというようなことをおっしゃらずに、ひとつ性格が違うということも認識くださって、この報道どおりなら早く特別休暇等について方針を打ち出していただきたい、こう思うのです。 同時に、自治省の方も、せっかく方針化されるのでしたら、時期を早めてきっちりした方針をひとつ出していただきたい。大勢に該当する要件じゃないのですから、ぜひその点をお願いしておきたい。御答弁を願いたいと思います。
○福島政府委員 ただいまの御要望の趣旨を踏まえまして検討していきたいと思っております。 今お話にございました骨髄の提供者、いわゆるドナー休暇の問題につきましては、これまで国会においてもたびたび取り上げられております。そして我が方にも関係団体ないし厚生省、また自治省の方からもお話がございましたけれども、その強い要望もございます。そして先ほどお話がございましたように、現に各地において移植の提供がなされております。そういう状況を踏まえて考えますと、この問題につきましては、検討する、検討すると申し上げてまいりましたが、その検討を急いでいかなきゃなりなし重要な課題の一つであろうかと思っておりますので、ひとつその方面から考えていきたいと思っております。 そして、先ほどお話が出ました八月云々の件でございますけれども、それについては、当方から出た情報ではなくて、どこから出た情報かわかりませんけれども、先ほど内閣委員会でもこの問題がございまして、当方の総裁が答弁いたしました。その答弁の中で総裁の方からお答えいただいたのは、個人的見解という前提はございましたけれども、八月まで待つわけにはいかないのではないか、それ以前にでも結論が出ましたら早目に措置していきたいというふうな答弁がございましたので、その点、ひとつ御披露しておきたいと思っております。
○石川(嘉)政府委員 骨髄バンクへの登録者の確保の問題は、自治省といたしましても大変重要な問題であるという理解はしておりますが、他方、地方公務員の勤務条件につきましては、国家公務員あるいは他の地方団体の職員とのバランスをとらなければいけないという大原則も一方でございます。したがいまして、地方公務員独自の制度として特別休暇制度を国に先行してつくるということはなかなか困難でございますので、ただいま人事院の方からの答弁もございましたが、人事院の作業と平仄を合わせまして自治省としても対応してまいりたいと考えております。 なお、せんだっての、御指摘の報道の件ですが、私どもの方も、これはどこから出たのか当該新聞社というかニュースを書かれた方にも確認をしたのですけれども、確認をとれないという全く奇妙なことがございまして、私どもも非常に困った、困惑したことがございます。それだけ申し添えさせていただきます。
○谷村委員 この新聞は、これはいいかげんな新聞じゃないわけで、恐らくニュースソースはちゃんとつかまえていらっしゃるんだと思います。 それはともかくも、やはり、先ほど内閣委員会で人事院総裁がお答えになったようですけれども、八月というのは人勧との関係で八月ということに書いてあるようですが、それより以前に、さっきおっしゃるような方向で検討を早めて、この休暇によってその本人が何らかのマイナスにならないような状況、特別休暇等をやはり実施していただくということをぜひこの際重ねてお願いしておきたいと思いますが、さっきの答弁いけませんよ、あれは。総裁がこう言ったから紹介しておきますじゃいけませんよ、あなたは人事院を代表して見えているんですから。もう一回どうぞ。
○福島政府委員 私も全く同様に考えているところでございまして、時期についてはっきり申し上げることは現実にできないことは大変失礼でございますが、できるだけ早目に措置していきたいというふうに考えております。
○谷村委員 できるだけ早目にじゃ、先ほどの回答より後退しているじゃないですか。八月より以前にということをはっきり言わなければいけませんよ。
○福島政府委員 それは失礼いたしました。当然のことながら、八月以前ということを含めて早目ということでございますので、ひとつそういうふうに御理解いただきたいと思います。
○谷村委員 自治省の公務員部長さん、今そういう答弁があったわけですから、自治省突出してというわけにいかないけれども、よく相談をしながら、今のような方向で、打ち出されるならばそういう方向でいきたい、こういう御答弁をぜひお願いしたいと思います。どうです。
○石川(嘉)政府委員 国の決定と同時に行いたいと思います。
○谷村委員 ありがとうございました。
○中馬委員長 御苦労さまでした。 続いて、斉藤節君。
○斉藤(節)委員 私は、公明党・国民会議の斉藤でございます。 大臣、御就任まことにおめでとうございます。大臣のこのたびの所信表明に対してまして、若干の質問をさせていただきたいと思っております。よろしくどうぞお願いします。 まず、大臣は、「「生活大国」の実現のためには、それぞれの地域の住民が誇りと愛着を持つことのできるふるさとづくりを進めていくことが不可欠です。」このように申しております。そして、みずから考えみずから行う地域づくりの取り組みをさらに積極的に促進するため、平成五年度以降第二次ふるさとづくりを推進します、このように述べておられます。 まず、大臣の言われますところの「生活大国」とはどのような大国なのか、その定義をしていただきたい、こう思います。また、ふるさとづくりとの関係について教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○村田国務大臣 斉藤委員にお答え申し上げます。 まず、「生活大国」とは、国民一人一人が豊かさとゆとりを日々の生活の中で実感でき、多様な価値観が尊重され、美しい生活環境のもとで簡素なライフスタイルが確立される社会だ、こういうふうに考えております。こうした「生活大国」を実現するためには、住宅や生活関連社会資本の充実などによって快適な生活基盤を整備するとともに、各人が家庭や地域で安いで、かつ充実した個人生活を送ることができる環境を整えることが必要でございます。 このためには、住民に最も身近な存在で、生活感覚に根差した住民のニーズを的確に把握できる立場にある地方公共団体、つまり市町村等の役割が大きく、地方公共団体がそれぞれの地域の特性を生かして、創意工夫を凝らした自主的な、主体的なふるさとづくりを積極的に展開することが極めて重要であると思っております。 そして今まで第一次ふるさとづくり、これは竹下内閣のころから熱心にやってこられたんですね。そして昭和六十三年度から平成元年度にかけての一億円事業、例の一億円事業や、平成二年度から平成四年度までの地域づくり推進事業等により、これまで全国で約四兆五千億円のハード事業と約一兆三千億円のソフト事業が営まれてまいりました。非常に個々にいろいろなケースを聞いておりますが、なかなか実績が上がっておると思います。全国各地で展開されておるこうした地域づくりによって、地域の特性を十分踏まえた、創意工夫に基づく個性的な事業が積極的に推進をされて、そして地域の活性化に大きく寄与しているものと評価をしております。
○斉藤(節)委員 私が次に質問を申し上げようと思いましたところまでお話しされましたからあれですけれども、まず、第一次のふるさとづくりに対する大臣の評価はどうでございますか。大変よくいっているという話ですけれども、具体的にはどんな評価ですか。
○村田国務大臣 私自身、自分のふるさとでもそういった一億円を交付するというような市町村のケースをいろいろ聞きました。あと、私は自治省と非常に親しい関係でありましたから、ふるさと創生事業についての今までの実績をいろいろ聞いてきたところでございます。そして、第二次ふるさとづくりの問題がこれからの問題でございますが、平成五年度から平成七年度までの三カ年を当面の事業の期間として、また、同事業では、これまでの自主的、主体的な地域づくりのための取り組みをさらに着実に浸透、定着させるとともに、より明確な地域づくりの理念、テーマに基づく重点的な事業を推進して、豊かさとゆとりが実感できる地域社会の実現を図るということが基本目標であると考えております。
○斉藤(節)委員 では、第二次ふるさとづくりに関しましては、いわゆる第一次のような一億円事業というようなことはおやりにならないわけでございますか。
○遠藤政府委員 お答え申し上げます。 第二次のふるさとづくりの事業内容でございますけれども、私ども、やはりソフト事業とハード事業を組み合わせて事業展開を図っていきたいというように考えております。したがって、ソフト事業につきましては、従前と大体同じ考え方で、交付税によるいわゆる平均的な一億円事業というものを実施していく、全国規模では三千三百億円になります。それから、ハード事業としましては、平成五年度から平成七年度まで、今までの地域づくり事業と財政支援措置としては同様な措置の事業を展開してまいりたい。来年度につきましては、事業規模で約一兆円を予定しているということでございます。
○斉藤(節)委員 どうもありがとうございました。 では次に、大臣は、情報化社会について、「地域CATV事業の促進など地方公共団体が実施する高度情報化推進事業を積極的に支援してまいりたいと存じます。」このように述べておられます。このCATV事業でございますけれども、地域によっては大変経営上困難を来している自治体があるわけでございます。多額の赤字を出して困っているようであります。 例えば、私が住んでおります八王子でございますけれども、きょう資料を取り寄せましたところでは、「損失金処理案」というのがございまして、これが昭和六十一年の一月二十七日に発足したわけでございまして、六十一年には次期繰越損失としまして、百五万七千四百七十三円だったのです。それが年々見てまいりますと、例えば抽出しまして、昭和六十二年度なんか見ますと、五千八百六十六万七千六百五十八円、このようにふえてきております。それが平成年度に入りまして、もう時間があれですから、最後の平成三年度について申し上げますと、何と三十億一千八百三万二千二百二十八円と、これは次期繰越損失なんでございます。こんなふうに大変な赤字がだあっと物すごく膨れ上がってきているわけであります。 このような事業、大変困っているわけでありますけれども、ある自治体によっては、条例で住宅を新築する場合にはCATVを導入することを義務づけたらどうかとか、そんなような話も出ているわけです。こんなことはまず大変なことですからやれないことだと思うわけでありますけれども、自治省としてCATV事業促進にどのような支援をし、またどのように指導していかれるか、お尋ねしたいと思います。
○遠藤政府委員 自治省における情報の問題でございますけれども、やはり東京に人、物、金に加えて情報も一極集中しているという状況でありまして、情報の地域間格差というのを是正していかなきゃならない、そういうことによって住民福祉の向上と地域の活性化を図っていく、そういういわゆる地域情報化施策ということを進めていくことが必要だろうというように私どもは痛感しておるわけであります。その一環として、CATVの全国的な整備も促進するという物の考え方で現在やっているわけであります。 御指摘のように、いろいろ第三セクター等をつくって困っている団体もあるやに伺っておりますが、地方公共団体が自分で経営する、あるいは第三セクターで整備するというような場合に、CATVのうち一定の要件を備えたものについてでありますけれども、いわゆる公共的性格を有するということで税財政措置を講じることとしております。 具体的に申し上げますと、地方公共団体が整備するCATVのうち、地方公営企業として独立採算で経営が成り立つというようなものについては、その施設整備費を地方債の対象にして事業に要する経費に充てる、それからもう一つは、運営費等でいわゆる公共情報を流すという部分については一般会計等が支援することが適当であるという意味で、そういった経費については特別交付税の算定上配慮していく、そういうような措置を講じているわけであります。 それから、過疎地域だとか辺地では市町村が直営でCATVを設置するケースもあるわけでございまして、こういう場合には、過疎債だとか辺地債だとか、いわゆる交付税で元利償還が賄われるような有利な起債の活用も利用することを可能としているわけであります。 それからもう一つは、非常に先導的な意味でこういうCATVをいわゆるリーディングプロジェクトとしてやっている市町村というのが全国で若干ございますけれども、そういった場合にも所要の財政措置をしています。 それから税制面では、第三セクターの場合、これは民間でございますから、そういうCATVにつきましては、地方公共団体の専用チャンネルがあるというような場合については固定資産税だとか事業所税だとかの軽減措置を講じている。そういう自治省としてできる財政支援措置を講じてCATVの全国的な整備を促進しようとしているわけであります。 それだけでは必ずしも十分ではないのではないかというような意見もあるわけでありまして、地方公共団体自体が事業主体となってやるCATVのうち一定のものについて財政措置のあり方をもう少し広く研究をしていこうではないかというようなことで、現在省内で検討を進めているところでございます。
○斉藤(節)委員 次は、行政改革について質問を申し上げます。 まず、地方分権についてでありますけれども、新聞の「声」の欄に次のようなものが出ておりましたので、ひとつ参考までこ読み上げてみます。これは、朝日新聞の「声」の欄でございます。二月六日でございます。 私は今の金権政治を変えるには、地方分権を強力に推進すべきであると考える。 票を集めるため、国会議員は住民を接待するが、その資金は特別な権益を与えてくれるように要請した者から搾取する。今回の佐川急便事件がよい例だ。 国会議員が、許認可権限を持った官僚に圧力をかけ得る現在の政治システムが、これを可能にさせる。 中央省庁の一部官僚に、日本全国に及ぶ許認可権が集中している中央集権的システムを国会議員は、上手に利用している。すなわち、特定の者に特定の権益を与えることを副業とし、そこから金をねん出しているのだ。 金権腐敗政治を打破するには、副業が出来ない構造、つまり、中央省庁の権限を大幅に地方に移譲することが必要であり、これにより資金源を断つことが出来る。 副業がなくなれば、議員は外交、国防などに専念できるので、国際化に対応出来る質のよい議員も生まれる。また、中央省庁自身の人員削減も可能となり、小さな政府が出来上がる。 今、必要な抜本改革は、小選挙区制でもなければ首相公選制でもない。地方分権なのである。 これは一地方公務員の意見であります。私はこの人の意見に全面的に賛成しているわけではありませんけれども、ある部分同感し得る点がある、こんなふうに評価しております。 また次に、さらに私の住んでおります八王子の例を出して申しわけありませんけれども、先ほども出しましたので。八王子市長からいただきました「地方自治体における問題点」と題する次のような提案がありますので、ちょっと読んでみたい一と思います。これは「地方分権について」ということで、(4)まであるわけでありますけれども、私が取り上げたいのは(2)と(3)であります。最初はちょっと割愛いたしますけれども、 この許認可等の申請手続に煩雑なものが多く、事務量が増大しており、その上審査から許認可までに寺間がかかり、効率的な行政執行が阻害されている実態にある。 次は、このように述べていますね。 地方分権を実現するためには、現在、国の権限で行っている事務のうち、特に市民生活に深く関連するものについては、地方自治体に権限を移譲し、住民の意思に基づき、地域の実情に即し、地方自治体が処理できることが必要と考える。 このような提言がなされておるわけであります。 また、行政改革につきましては、もう既に大臣御案内だと思いますけれども、財界や労働界などでつくっております政治改革推進協議会、これは民間政治臨調でありますけれども、亀井正夫会長、この民間政治臨調では、二月三日付で「地方分権に関する緊急提言」を発表しました。これによりますと、「利益誘導政治を断ち、東京一極集中を是正するには、明治維新や戦後改革に次ぐ分権革命に取り組むことが必要だ」として、地方分権基本法の制定などを提唱しておるわけであります。 我が党もこのような方向を考えているわけでありますけれども、まだはっきり出しているわけではございませんけれども、そんなような考えを持っております。 私も、この民間臨調の意見に賛成するものでありますけれども、これら三つの意見、今申し上げました「声」の欄の投書の意見と、それから八王子市長の提言とこの民間臨調の提言、これらを踏まえまして、地方分権について、大臣の時代にどの辺までおやりになろうとしておられるのか、御決意のほどをお伺いしたいと思います。
○村田国務大臣 地方分権についての信念をお述べになりました。私は、今挙げられた三つの例をよく理解することができます。これは、小さな政府、中央は小さな政府で、地方は住民に直結した身近な行政をやるというのが理想でしょうね。 しかも、今までの日本の地方行政というのはどうであったかといえば、まさに戦前の地方行政というのは、いわゆる大陸法系のフランスやドイツに学んだ地方集権制度が非常に色濃かったと思うのです。今私が働いておりますのは自治省という役所でございますが、私の今いる部屋は、内務大臣の部屋なんですね。大久保利通の額がかかっています。そのころの内務省というのはまさに中央集権の府であった、今の自治省というのは地方分権の府であると思っております。 したがって、今斉藤委員の御指摘になられましたような地方分権をしっかりと推進しなきゃならぬ。いわゆる中央行政官庁の持っております許認可権限というものが非常に巨大で各方面に及んでいるというのは御指摘のとおりでありまして、どうしても小さな政府に、もっと身軽な政府にしなきゃいけません。そして、身近なところに住民の自治を持ってこなきゃならない、こういうふうに考えておりますから、基本的な見解は恐らく斉藤委員の御指摘になった点と非常に共通のものがあると思っております。
○斉藤(節)委員 このことは、今新聞の投書欄でもありますけれども、やはり政治腐敗の根源になっているかもしれません。そういう点では、一日も早く行政改革を、特に地方分権をやっていただきたい、そんなふうにこいねがうわけでございます。 そこで次は、ちょっと質問を変えますけれども、公務員の完全週休二日制についてお尋ねしたいと思います。 自治省の調べによりますと、隔週二日制の実施のときよりペースが非常に速い、そんなふうに述べておられるわけでありますけれども、現在の進捗状況について、お知らせしていただきたいと思うわけでございます。 また、実施がおくれているとか、あるいは導入の考えはないという自治体もおありのようでありますけれども、そのような自治体がどれぐらいあって、どのような理由からそのようなことになっているのか、お伺いをしたいと思います。また、それに対する自治省のお考えなどについても御答弁いただければありがたいと思います。 〔委員長退席、岡島委員長代理着席〕
○石川(嘉)政府委員 自治省が一月一日現在で行いました調査によりますれば、都道府県では、昨年末までに全団体が完全週休二日制を導入しております。それから、市区町村につきましては、昨年十二月議会までに関係条例が提出されましたものが二千五百六十七団体で、全体の七八・八%に及んでおります。 今後の予定といたしまして、完全週休二日制の法施行一年後に当たります今年の四月中までに実施を予定しておりますものが、さきに述べました既に提案されたものを含めまして二千六百七十八団体、全体の八二・二%が実施をする予定ということになっております。四週六休制のときと比べますと、非常にテンポが速くなっているわけでございます。 なお、当面導入する予定がないと答えてきた団体が八十団体ございまして、その団体の主な理由といたしましては、近隣市町村の動向を見定めたいでありますとか、地域における週休二日制の普及のおくれなどを挙げております。 自治省といたしましては、これらの団体に対しまして、他団体でのいろいろ実施をいたしました場合の、さまざまな工夫をしながら実施をいたしたそういうよい例なども参考にしながら、早期に導入ができますように、今後とも指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○斉藤(節)委員 今お聞きしましてわかりましたけれども、大体、実施できないというのは、市町村が多いわけでございますか。
○石川(嘉)政府委員 そのとおりでございます。
○斉藤(節)委員 いろいろの事情がおありだと思いますし、また地方によっては、公務員はいいななんていうふうに言われちゃうおそれもありますから、そりいり点で、実施は非常に難しいかもしれませんけれども、やはりこれは、規則は規則でありますので、大いに進めていっていただきたい、こんなふうに考えるものでございます。 さて次は、防災体制について御質問申し上げたいと思います。 消防防災体制につきましてお尋ねをいたしますけれども、消防防災行政につきましては平成四年版の消防白書を拝読いたしました。これからもよくわかったわけでありますけれども、例えば、火災の場合、ほとんどの場合死者が出ているのが実情であります。きょうも朝からニュースがありまして、火災があって亡くなっているという状況が報道されておりますけれども、これには建築材料あるいは建築構造材料等から発生する有毒ガスが問題になっている場合も相当あると思います。がしかし、やはり人命尊重を基本とする立場からどのような体制づくりをなさっておられるのか。特に、住宅建物も高層化しておりますが、いろいろ新体制づくりなども努力されておるようでございますけれども、それに関しまして御説明いただければと思います。
○浅野政府委員 特に今私ども、最優先で考えなければいけないのは、火災による死者を出さないことだというふうに思っております。もちろん、火災そのものを防ぐということは大事でございますけれども。 それで、従来からいわゆる用途によりまして特別に消防設備なんがに配慮するということはやってきておるわけでございまして、デパートでありますとか旅館、ホテルのたぐい、それからただいま御指摘になりました高層建物、これは必ずしも用途ということとは別に、建物の構造自体からしてやはりいろいろ配慮をしなければいけないという点があると考えております。つまり、高くなりますから、救助をしたりあるいはそこで避難をしたりすることがより難しくなりやすいということがございますし、それから、私はそれほど専門的知識があるわけじゃございませんが、いろいろ聞きますと、やはり高い建物になりますと煙が非常に複雑な移動の仕方をするとか、そういうこともあるようでございます。そういうことで、高い建物につきまして、やはりこれまた消防上特別の配慮をする、スプリンクラーをつけるとかいろいろなこともやっておるわけでございます。 しかし、それとともに、特に私どもとして考えなければいけないのは、案外一般の住宅において死者がたくさん出ているということでございます。消防白書をお読みいただいたところでございますので御承知のとおりでございますけれども、建物火災のうち圧倒的多くの部分は、実は住宅火災で死者が出ておるということでございます。平成三年でいきますと、八百三十二名の方が住宅火災で亡くなっている。しかもそこで問題なのは、高齢者の方が多く亡くなっていらっしゃる。八百三十二名のりち半分は六十五歳以上の方が亡くなっているということでございます。 それで、私どもとしては、やはり特に住宅防火ということを重点に進めていかなければいけないのじゃないか、こう認識をいたしております。具体的には、国民の方々に住宅防火というものに対する意識をより高めていただくということと、それからいろいろな防災のための機器、物品等もあるわけでございますから、そういうものの普及も努力をする、そういうようなことで今後努力をしてまいりたいと考えております。
○斉藤(節)委員 特に最近、航空消防防災体制というのでしょうか、こういったようなこととか、それから救急救命士のことなどが挙げられておりますけれども、この辺についてはいかがですか。
○浅野政府委員 航空消防体制、具体的にはヘリコプターを活用してということでございますが、私どもはできるだけ早く全国的にそのヘリコプターのネットワークというものを整備していきたいと考えております。現在まだ三十二の県の区域ではおよそ消防防災用のヘリコプターというものがございません。もちろん、警察とか防衛庁、海上保安庁、いろいろなところでやっていただいておりますが、やはり消防防災用のヘリコプターというものを各県に少なくとも一機はできるだけ早い時期に配備していく、こういうことがいいのではないかと考えておりまして、そのための財政措置あるいは地方団体に対するいろいろな働きかけ、そういうようなものもやって努力してまいりたいと考えております。 それから、救急救命士の養成につきましては、これは大都市はみずからそういう養成施設をつくってやっているところもたくさんございますが、これは、半年間八百三十五時間、しかも医学の専門的な勉強をしなければいけない、それから病院の実習もあるということでございますから、なかなか各県でそういう施設というわけにはまいりませんものですから、全国都道府県が一緒になりまして救急振興財団で養成の取り組みをいたしておる、この充実についてさらに努力をしてまいりたいと考えております。
○斉藤(節)委員 次に、地域防災対策でもってよく活躍しておられますのは消防団員、消防署員の方じゃなくて消防団の方でございます。このような方の慰労会などに私たまたま出させていただいているわけでございますけれども、こういう方々は申すまでもなく別な職業を持って、そして一たん緩急あるときにはそういう消防活動に従事しなければならないという大変な仕事だと思うわけですけれども、こういうような方々に対する教育訓練はどのようにされておるのか、そしてまたどんなような処遇をしておられるのか。私はボランティアとは言いませんけれども、ああいう言ってみれば非常に献身的に地域の防災のために努力していらっしゃる方々でありますから、そういう方は特に大事にしなければならぬと思うわけであります。その辺どのようにお考えになっておられるか、長官、御答弁願いたいと思います。 〔岡島委員長代理退席、委員長着席〕
○浅野政府委員 まず教育訓練でございますけれども、それぞれ団の歴史もございますから、その地域によっていろいろやり方もあると思いますが、極めて一般的な形で言えば、それぞれの団としておやりになることと、それから県の消防学校等を使っての教育訓練というのもございます。私どももそれは非常に大事なことだと思っておりますので、いろいろな形で訓練がさらに充実されるように努力をしていかなければいけないと思います。 例えば平成五年度でございますが、実際に団員を指導される方がこの消防団員の中にまたいらっしゃるわけでございまして、そういう方はいろいろ苦労しておられるわけですから、例えばそういう指導的な立場にあられる団員の方に対して指導員手当というようなものを出せる、あるいはまた現に出していられるところもあると思いますが、そういうものを政府としても財政措置を交付税の中で考えていったらどうか、そういうようなこともさせていただいております。 それから、体力錬成ということも大事だと思いますので、これは消防団の拠点施設なんかをつくる場合、あわせて体力錬成のための施設をつくる、そういうものに対する補助も新たに取り上げていきたい、こういうふうに考えております。 次に、処遇の面でございますけれども、これはもう御指摘のとおり、実際に防災活動をやるのは数の上からいっても圧倒的に多いわけでございまして、消防団員の方々でございます。現に常備の消防職員の七倍ぐらいの数の団員があるわけでございます。しかもこれはお金をもらって仕事をするのではなくて、みずからの郷土を守るために自発的に働くんだ、こういう形で活動していただいております。ですから、いわゆる勤労の対価というのにはなじみませんが、しかしそれだけ自分の仕事を犠牲にしても活動してくださるんですから、それに対する配慮というものがやはりあってしかるべきだということで、消防団員に対する報酬というのはどの市町村でももちろん出していると思います。 私どもとしてはそれを地方交付税等の需要額を算定する場合に しかに的確に需要として見込んでいくかということになるわけでございまして、これは財政局の方にもいろいろお願いをしながら年々改善の努力をしておるつもりでございます。平成五年度につきましても、平均しますと一〇%以上報酬を引き上げるような財源措置をというふうに考えておるところでございます。今後とも努力をしてまいりたいと思います。
○斉藤(節)委員 ああいう方々に対する表彰制度も随分充実しているよりでありますけれども、大いに表彰して褒めてあげないといけないと私は思うのです。そういう点をよろしくお願いしたいと思うわけでございます。 次は、交通問題及び防災対策に関しまして御質問申し上げますけれども、特に東京近在の市町村の駅付近の自転車の放置駐車について御質問申し上げたいと思うわけです。 先ほども申し上げました八王子市長の提言の中に次のようなことが言われているわけでございます。ちょっと読み上げてみますと、「自転車駐車場の整備について 駅前広場及びその周辺の路上はどこも放置自転車にあふれ、景観はもとより、車イス利用者をはじめ歩行者の安全が妨げられている実態にある。自転車駐車場の整備については、現在の法律では鉄道事業者に対しては協力義務となっているため、用地取得などに過大な負担を自治体は負っている」このように述べているわけでございます。 私は、さらに緊急の場合の消防、避難あるいは救急活動にも支障を来すおそれもあると思っているわけでございます。この問題に関しまして自治省としての考え、また対策についてもお伺いしたいと思います。
○遠藤政府委員 自転車駐車場問題に対する自治省の考え方ということでございます。 御指摘のとおり、近年、特に大都市地域におきまして自転車の利用がふえてまいる。駅前広場あるいはその周辺に大量の自転車が放置される。御質問の中にもありましたが、景観を損なう、あるいは歩行者の安全が妨げられるというような実態にあることは、私どもも認識しているところであります。 このため、多くの地方公共団体において、自転車の駐車場の整備を初め放置自転車対策を講じているところでございますが、現在、自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律といういわゆる自転車法という法律がございますけれども、この法律においては、自転車駐車場の設置について、八王子市長の御指摘もありましたが、鉄道事業者に対しては単なる協力義務が課されているにとどまっているということで、鉄道事業者から用地の提供等の具体的な対応が必ずしも得られないというようなこともあって、地方公共団体の負担が過重になっているというケースもしばしばあるようでございます。 ただしかし、先ほど言ったようにいろいろ問題がございますので 地元の地方公共団体といたしましては、現実問題として、自転車駐車場の整備について努力せざるを得ないという状況でございます。したがって、自治省としては、こういった地方団体が自転車駐車場の整備ができるように各種の財政支援措置を講じているところであります。 ただ、御質問の御趣旨は、法律等に基づく、鉄道事業者等からより一層の協力をもっと得るようにすべきではないかという御趣旨ではないかと思うわけでありますが、その点につきましては、大変ごもっともなことでございますし、今後とも、地方団体の意見も聞きつつ、関係省庁とも連携をとって、そういった方向にいくように推進していかなければならないというように思っております。
○斉藤(節)委員 どうもありがとうございました。 そこで次は、警察行政についてお尋ね申し上げます。 昨年中の刑法犯の認知件数についてお尋ねいたします。一昨年は約百七十一万件で、前年度比約七万件の増加となっております。最近は悪質な知能犯的な犯罪も多くなってきているように思われるわけでありますけれども、昨年の刑法犯の認知件数は一昨年と比較してどのような傾向がありましょうか。また、件数及び主な犯罪はどのようなものがありますか。また、それに対する警察庁の対策についてお伺い申し上げます。
○國松政府委員 平成四年中におきます全刑法犯の認知件数は百七十四万二千三百六十六件でございまして、一昨年に比べまして三万四千四百八十九件、約二%の増加となっております。 また、一昨年との比較における犯罪の傾向といいますか、主な犯罪の動向ということにつきましては、主な点として三点ほど申し上げたいと思います。 一つは、捜査本部を設置した凶悪重要事件、私どもは、殺人など重要な凶悪事件が起こりますと捜査本部というタスクフォースを設置いたしまして集中的な捜査を行うわけでありますが、そうした捜査本部設置事件が百四十件でございました。これが、一昨年に比べますと十七件、一三%強もふえているということが第一番目の特色でございます。 二番目といたしましては、深夜スーパーマーケットを対象とする強盗事件などを初めといたしますいわゆる強盗事件、これが年間二千百八十九件の発生となっておりまして、一昨年に比べまして三百四十一件、一八・五%の増加となっていることが二番目でございます。 三番目といたしまして、来日外国人による犯罪がふえたということでありますが、来日外国人による犯罪は、検挙件数は七千四百五十七件、人員にいたしますと五千九百六十一人でございまして、件数で四百六十七件、人員で千百四十八人の増加でございます。これは過去最高をさらに去年も更新をしたという状況でございまして、この三つのほか、いわゆる銃器を使用した犯罪、あるいは都道府県の境界を越えた広域犯罪などが発生していることが目立っている特色であろうと思います。 私ども警察庁といたしましては、全国の都道府県警察を指導いたしまして、全刑法犯の中でも特に国民の被害意識の高い重要犯罪あるいは侵入盗など非常にこれもまた被害意識の強い犯罪、窃盗、これを重要窃盗というように指定いたしまして、そういったものに対しまして重点的な取り締まりを行いまして、犯罪傾向を少しでも鎮静化しようと努力をしておるところでございます。
○斉藤(節)委員 年々犯罪認知件数がふえてきているということは、大変憂えることでございます。何とか減少させていきたいなと思いますし、また、国際化がだんだんされてくるに従いまして、なお一層外国人による犯罪もふえてくるようでございまして、非常に今まで考えられなかったような、そういうような対応をしていかなければならぬこともあるかと思います。警察庁の方は大変だと思いますけれども、よろしく大いに頑張っていただきたいと思うわけでございます。 そこで 大臣の所信表明の中にもありましたけれども、「捜査環境がますます困難化する」、このように述べておられます。しかし、捜査に協力したために、あたかも犯罪を犯した者のような扱いを警察官にされた、そんなようなことを言われることも聞かれるわけでございます。もっとも、先日ありました事件のように、第一発見者が実は犯人であったというような例もありますから、一概に何とも言えないわけでございますけれども、しかし、やはり捜査協力しやすい環境づくりというものが必要じゃないかな、そんなふうに思うわけでありますけれども、いかがでございましょうか。
○國松政府委員 御指摘のとおり、捜査活動に対する国民の理解と協力を得るということは極めて重要なことでもございます。また、実際の場合における犯罪の捜査をしておりますと、最近の犯罪は大変悪質巧妙化をいたしておりまして、御質問の中にございましたように、第一発見者が犯人であるというようなこともございます。そういうことがありますれば、これはまた真相究明という立場から適切に対応しなければなりませんが、しかし、仮にも本当の捜査協力者が犯人扱いをされるということは、これはあってはならないことでございますので、私どもといたしましても、早期に事件の筋を追いまして、適正な捜査指揮を行いまして、そのような過誤と申しますか、思い違いというものは絶無にするということにしなければなりませんし、一層被害者、参考人に対する適切な応対というものをしてまいりまして、国民の皆様からの捜査協力が得やすいようにしてまいる必要があるというように考えておるところでございます。
○斉藤(節)委員 そこで、次は暴力団対策についての質問でございますけれども、暴力団対策法の施行によって、暴力団内部での状況も変わってきておる。これなどは先ほどの委員の質問にもありましたけれども、新聞にもかなり大きく報道されているわけでございます。これはよいことだと私は思うわけでありますけれども、最近、暴力団から暴力団員の離脱者が増加している、こういうふうに報道されております。 離脱者の社会復帰について、これは大変難しい問題だと思うわけであります。先ほどもいろいろ質問の中にありましたから私も聞いておりましたけれども、大変難しい問題だなというふうに思うわけでありますけれども、やはりこれは何とかやっていかなければならない、そんなふうに思うわけでございます。その辺、どのようにされているのか。これは警察庁の方ばかりではなくて、やはり自治省の方も、地方自治団体においてもこういうような人の受け入れというものは何らかの形でやっていかなければならない、そんなふうに思うわけでありまして、その辺お伺いしたいと思います。
○廣瀬政府委員 暴力団をやめたいという者の社会復帰の現況はどうかということでございますが、先生御指摘のとおり、例えば指詰めがあるとかあるいは入れ墨があるというようなことで、なかなか就業は難しいという状況でございますし、また、就業しました場合にも長続きしないというようなこともございまして、社会復帰には相当の困難が伴うという現況でございます。 そこで、職業安定機関の協力等を得まして、暴力団離脱者の就業を支援する仕組みづくりを現在進めておるところでございますが、今日ただいま全国で二十二都府県に社会復帰対策協議会というものができたところでございます。ここで、いろいろ暴力団をやめたいという者の相談に応じながら、かつ真に暴力団をやめるならうちで雇ってもいいという民間の企業の方の御協力を得ながら、就業の支援を進めておるところでございます。まだ二十二都府県でございますので、今後このような仕組みを全国に広げてまいりたいと考えておりますし、またそれぞれの社会復帰協議会の連携をしっかりとりまして、実効が上がるようにしてまいりたいと考えております。
○斉藤(節)委員 これは大変困難な作業だと思いますけれども、よろしくやっていただきたいと思うわけでございます。 次は、先ほどの方も質問がありましたけれども、薬物乱用についてお尋ねしたいと思うわけでございます。乱用される薬物の多様化が進んでいるというふうに言われておりますけれども、どのように多様化しているのでありましょうか。コカインだとかそのほか大麻とかそれ以外のものなど、どんなものがあるのか、お尋ねしたいと思うわけでございます。 また、警察庁のまとめによりますと、コカイン汚染が進み、しかも特に女性あるいは少年の乱用が深刻だ、このように報道されております。また、外国人による薬物犯も急増しているということでありますけれども、これは一体どうしたことなのか、私は不思議でならないわけであります。この辺をお尋ねしたいと思います。これから国際化が一層進展するにつれまして、なお一層の増加が予想されるわけでありますが、これに対する警察庁の今後の対応について質問申し上げます。 また、少年の薬物犯が増加しておりますが、私は教育の面での指導というものをもっともっと重視していかなければならない、そんなふうに考えております。警察庁は、既に行っているかと思うのでありますけれども、文部省とどのような協力、連絡あるいは連携をとっておられるのか、その辺もあわせてお伺い申し上げたいと思うのであります。
○中田(恒)政府委員 最初に、最近におきます薬物事犯の傾向、特に多様化の内容等についてお尋ねでございます。 最近におきます薬物事犯の検挙状況の推移を見てまいりますと、我が国での従来からの主要な薬物事犯であります覚せい剤とシンナー事犯の検挙人員でございますが、これは依然として高水準で推移しているということに加えまして、世界的に問題となっておりますコカインでございますが、このコカイン事犯も我が国におきまして昨今検挙人員が急増しております。コカインは我が国におきます警戒を要する新しい問題となってきておるということでございます。さらに、大麻、ヘロイン、向精神薬事犯の検挙人員も、いずれも増加しておりまして、特に大麻事犯におきます昨年の検挙人員は過去最高を記録しております。 このようなことで、薬物乱用の広がりが顕著でございますが、もう少し詳しく申し上げますと、例えば検挙者の中に占める少年の割合でございますが、シンナーはこれまでどおり、吸引する末端の使用者という立場でいきますと、ほぼ全員が少年でありますほか、覚せい剤については、五年前の昭和六十三年におきます割合が六・二%でありましたが、年々わずかずつではありますがふえておりまして、平成四年、昨年は六・六%とふえております。また、大麻事犯については、五年前八・九%に対して昨年は一三・八%と増加しておる。また、性別で見ますと、覚せい剤事犯に占める女性の割合は、昭和六十三年当時二八・四%でありましたものが昨年は一八・九%と増加しておる。また、地域的に見ますと、他の薬物事犯と同様にコカイン事犯などが全国に拡散しておるという傾向がございます。 それからまた、委員御指摘の外国人の問題でございますが、薬物を海外から密輸入する、あるいはこれを所持して入国などいたしまして検挙された来日外国人の数は、平成四年はその前年に比べまして八三・五%増加しておるという状況にございます。 このようなことから、全般的に多様化が進んでおるというふうに考えておるところでございまして、私どもこのような状況を踏まえまして、外国捜査機関等との情報交換を強化いたしまして、海外からの供給源の遮断を図る、そして外国の組織を含めました薬物密売組織等に対する取り締まりを徹底する、さらには税関等との連携によりまして水際対策を強化するということを行いますとともに、青少年の乱用防止のために、家庭なり地域なり学校と一体となった啓発活動にも力を注いでまいりたいと考えておるところでございます。 あわせて、文部省等との連携はどうだというお尋ねでございます。 国におきまして、薬物問題に対する総合的なあるいは効果的な対策を推進するために、関係行政機関で構成されております薬物乱用対策推進本部というのがございます。ここにおきまして、平成四年度におきましても、学校教育全体を通じてシンナー等の薬物の害悪等心身の健康に関する指導の一層の充実を図ることなどが決定されておりまして、関係機関がこれに沿った諸対策を実施しているところであります。 御指摘の文部省との連携につきましては、この推進本部におきまして、情報なり意見の交換を行っておりますほか、さらに、両省庁の指導のもとに、都道府県レベルでございますが、全国に、小中高の学校ごとに約三千近い学校・警察連絡協議会というものが設置されております。この場を利用いたしまして、乱用少年の早期発見、早期補導等が適切に行われるよう、学校と警察が緊密な連絡を保っておるところでございます。 このほか、学校側の要請に応じて、警察の承知しております乱用の実態に関する資料でありますとか、あるいは警察が作成した広報資料を生徒指導用に提供しておりますほか、学校での生徒に対する講習会等がございますれば、警察職員を派遣する等の協力も行っておるところでございます。 今後とも、文部省を初め教育関係者との連携を一層緊密にいたしまして、青少年の薬物乱用の防止に努めてまいる所存でございます。
○斉藤(節)委員 どうもありがとりございました。 それから次は、けん銃対策についてであります。 相当厳しく取り締まられていると考えるのでありますけれども、しかし、どのようにしてか暴力団にけん銃が行き渡り、また一般市民の中にも持っている者がいるというようなことも聞かれるわけでありますが、これは私は非常に不思議でならないわけであります。その点、警察庁はどのように分析しておられるのか、お尋ねしたいと思うわけでございます。また対策はおありなのか、あわせて御質問申し上げたいと思います。
○中田(恒)政府委員 昨年来の厳しいけん銃情勢を踏まえまして、警察といたしましては、昨年春に全国警察に専従のけん銃摘発班を設置いたしますとともに、特別な摘発期間を設定するなどいたしまして、摘発に努めておるところでございます。 昨年一年間のけん銃押収数でございますけれども、千四百五十丁ということでございまして、過去五年間の最高となっております。このうち暴力団からの押収が千七十二丁、暴力団以外のものからの押収が三百七十八丁でございまして、この三百七十八丁というものは、全体の構成比でいいますと二六・一%になります。暴力団以外のものからの押収丁数が前年に比べて四〇%ほど伸びたこと、そしてこの暴力団以外のものからの押収丁数というのは、従来は構成比で一〇%にも満たなかったものが二六・一%と飛躍的に伸びておるというようなことが大きな特徴でございます。一般人への拡散傾向が認められるということであろうと思います。 この原因等でございますが、定かではございませんが、暴力団につきましては、依然として武装化を進めておりまして、みずから海外からけん銃密輸入をやっておる、あるいは他の暴力団から組織や人的なつながりを通じて入手しているというものであると考えております。また、暴力団以外のものにつきましては、元暴力団あるいは暴力団と交友のある者などが扱っているというケースもあるわけでございますけれども、目立ちますのは、いわゆるけん銃マニア等が所持しているケースが多くなっているわけでございます。 さらに注意を要しますのは、犯罪を敢行するために一般市民が暴力団関係者からけん銃を入手する例もあるわけでございまして、けん銃が広く蔓延していることをうかがわせるということかと思います。けん銃に対する規範意識が薄れてきているのではないかという危惧も持たれるところでございます。 政府におきましては、このような情勢にかんがみまして、御案内のとおり昨年七月に関係省庁連絡会議を設置いたしまして、政府を挙げて取り組んでいるところでございます。警察といたしましても、今後とも、全国警察に設置いたしましたけん銃摘発班を効果的に運用すること、それからコンピューターによりますけん銃情報の管理システムを構築いたしまして、情報を効果的、効率的に捜査に活用すること、それから海外とのけん銃情報の交換を一層推進すること、あるいは税関等関係機関との連携をさらに緊密化することなどによりまして、国内に拡散しておりますけん銃の摘発と水際におけるけん銃の摘発を継続的に推進してまいりますとともに、あわせて法制度の整備等についても検討を進めてまいりたいと存じております。
○斉藤(節)委員 もう時間がなくなってまいりましたので、二問合わせて御質問申し上げますので、よろしくお願いします。 大臣が述べられておりますように、「交番、駐在所の活動を中心とする地域警察は、住民にとって最も身近な存在であり、すべての警察活動の基盤として、我が国の治安を根底で支えてまいりました。」このように述べておられます。私は、全くそのとおりであると存じます。 そこで質問申し上げますけれども、せっかくそのような大事な交番、駐在所の中で、無人交番があります。これでは交番としての十分な役割を果たせないのではないかと考えるものであります。これは予算その他の要因でこのようなことになっているのであろうと思いますが、大臣が言っておられるように、住民にとって最も身近な存在であり、我が国の治安を根底で支えている存在であるならば、大変残念なことであると言わなければなりません。 そこで、提案でありますけれども、無人交番をなくするために、例えば、リタイアした元警察官で就職されておられないような方に、パートでもいいですから働いてもらうための予算措置は講じられないものでしょうか。その辺、お尋ねしたいと思います。 それからもう一つ、もう時間がなくなりましたので、あわせまして、最近警察官の不祥事が多く聞かれているわけでございますけれども、これはいろいろなファクターが複雑に絡み合って起きているのであろうと思われるわけであります。しかし、一般市民から最も安心と信頼が得られなければならない警察官の不祥事件というものは、非常に残念でなりません。 私は、警察官の業務は大変厳しいし、しかも危険な職業でありますから、十二分以上に処遇の改善や勤務環境の整備に努めるべきであると考えるわけでございます。そうすれば、警察官の不祥事はかなり減るのではないかな、そんなふうに思うわけでありますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思うわけでございます。
○村田国務大臣 交番の問題、また警察官の勤務の問題を御指摘いただきました。 いわゆる不在交番でございますが、臨時に不在となる交番に対しては、近隣の交番等が応援の警察官を派遣したりする措置を講じ、来訪した住民の方が目的を達することができなかったということが少なくなるようにしたいと思っております。 御指摘の警察官OBの交番への配置等につきましては、現在既に北海道、福島、兵庫、奈良、福岡の五道県において運用しておりますが、これは警察官OBを地理案内や各種相談等の業務に従事させるものでございまして、住民からも大変好評をもって迎えられておると思っております。 日本の交番、警察官制度は、住民の中に非常に定着をしておりますので、御指摘の点は善処いたしてまいりたいと思います。 それから、最近の警察官の不祥事でございますが、全国の警察職員は文字どおり昼夜を分かたず黙々と職務に精励している中に、ごく一部の者によるものとはいえ、不詳事件が発生していることはまことに遺憾でございます。 こうした不祥事を防止するためには、お説のとおり、日夜第一線で厳しい勤務に従事している警察官一人一人が誇りと使命感を持って職務に精励することが肝要でありまして、そのために処遇の改善を図っていくことは極めて重要であると認識しております。私といたしましては、今後ともその改善に積極的に取り組んでまいる所存でございます。
○斉藤(節)委員 どうもありがとうございました。これで終わります。
○中馬委員長 吉井英勝君。
○吉井(英)委員 昨年末の十二月二十四日付でありましたが、全国的に各新聞の一面あるいは社会面などでかなり大きく取り上げられた問題の一つに、大阪の羽曳野警察署と右翼の癒着の問題がありました。大体市民の皆さん方は、右翼団体が物すごい装甲車で、黒色に塗ったりして、日の丸や軍歌をがんがん鳴らしておがっていく、そういうものに対して非常に迷惑も受ければ威圧も受けて、警察に連絡されてもなかなか対応してもらえない。しかし、警察に非常に期待をしておられるのですね。そうしたら右翼と癒着しておったということで、羽曳野市民はもとより、大阪府民にとっても全国民にとっても、これは非常にびっくりするような出来事でありました。 警察の皆さんは、非常に残念な事態だと思うのだけれども、まずこの件について、経過等について御報告をいただきたいと思います。
○井上(幸)政府委員 ただいまお話しの件というのは、大阪府の羽曳野警察署等に勤務いたします警察官四名が、昭和六十三年七月ごろから平成四年十二月ごろまでの間に、管内に事務所を構えております右翼団体の関係者から、新年会や忘年会ということで接待を受けたり、中古テレビあるいは中古の自転車等を受領した、さらにはせんべつあるいはタクシー代というようなことで金品等を受領した、こういった事案であろうかと思います。 この羽曳野署の事案につきましては、この署の管内に右翼団体の事務所があるわけでありまして、日ごろから所要の視察活動等を行っておったのでありますが、ちょうど昭和六十三年の七月ごろに、羽曳野署の警察に勤めております警察官の一人がたまたまベルト等を受領したというようなことがきっかけになりまして、どうもこの右翼団体の構成員との交際がやや深みにはまっていく、こういうことになったようであります。この事件につきましては、昨年の十二月の半ばに、一般の方から羽曳野署の警察官が右翼と癒着しているのではないかというような通報がございまして、大阪府警の監察の方では、その通報を端緒といたしまして、本事件を鋭意取り調べたところであります。その結果、冒頭に申し上げましたような事態が明らかになったところであります。 いずれにせよ、この四人の警察官の行動というものは、いずれも個人の立場で行う私的な行動ということではあったようでありますが、何にしても、私的な行動とはいえ、おのずからそこには守るべき節度というものがあるわけでありまして、その節度を越えて、一般国民の皆様方の警察に対する信頼を裏切ることになった。こういう点に思いをいたしまして、平成五年一月十四日付で、当該四人の警察官については、一名を諭旨免職処分、それから三名については減給処分を行ったということであります。さらには、関連する上司につきましても、戒告等の所要の措置をとったというふうに聞いているところであります。
○吉井(英)委員 これは、四人が四人とも警備課にずっと勤務しておったということじゃなくて、入れかわり立ちかわりといいますか、変動しているわけですね。ですからこの点では、申し送りが課の中でされていたという点では、やはり非常に組織的なものにとられざるを得ないという内容だと思うのです。 私も大阪府警の方でも聞いてきたのですが、警備課長、警部に当たる方は、忘年会に二回、新年会に一回、発隊式としりのですか 一回の接待を受け、参加し、応接セットを個人的にもらったり、すしの差し入れ等はかなりよくもらったりとか、警備係長で警部補だった人は、サングラスやベルトをもらったり、商品券を十万円ももらっておったとか、もう一人の警備係長で警部補は、忘年会、新年会合わせて四回、自転車や腕時計をもらい、警察署をかわっていくときのせんべつに十万円現金でもらっておった、巡査部長も商品券十万円、これは確かに個々のことになるのですが、この羽曳野警察署の警備課そのものにテレビや応接セットや食器棚、何度もすしの差し入れがあったということになりますと、これは署全体としてやはりこの問題は深刻に受けとめられなければいけないと思うわけです。 私が大阪府警で聞いた中身というのは大体このとおりですが、ほかにどういうふうなことがあるのですか。
○井上(幸)政府委員 交際の中身、受領したもの等につきましては、おおむねおっしゃるような事柄であろうと思います、一部応接セットというようなものはなかったようでありますが。それから、何といいましても、確かに警備課長が中古テレビ等をもらったりしたというようなことであります。 この一番の問題点は、やはり幹部が、もうちょっと自分自身をしっかり管理しながら、そして部下をまとめ上げていくというのが大事であろうと思うのでありますが、その辺のところがうまくいかずに、要するに、それぞれ個人個人が勝手に動いておった、こういうことでありまして、今おっしゃるような、必ずしも組織ぐるみで、組織的にということではないと私どもは認識しております。 なお、この件につきましては、当然のことながら署長等にも報告がなされておらない、こういうような状況の中で、いわばそれぞれ個人個人が特定のつき合いの中において複合的にこういう事態が起きておった、こう認識すべきかと思っております。
○吉井(英)委員 それで、何しろ羽曳野警察署の警備課の中にまでいろいろテレビその他入ってくるわけですから、普通で考えますと、これは幾ら個々の人がやったといっても、ちょっとここの課はおかしいんじゃないかというのは、警察内部でもやはり組織としてチェックすることが私は当然大事じゃないかと思うのです。大阪府警の方では、今後、情報収集といえども忘年会の参加はだめ、酒をやったりもらったりはだめだ、きちっとけじめをつけるんだというふうに言っておりましたが、これは警察庁の方針としてこういうふうに理解しておいていいんですね。
○井上(幸)政府委員 当然のことながら、いわば私どもが犯罪の一般的予防の立場から視察するような団体があるわけでありますが、そのようなものとの接触の中において、金品を受領したり、あるいは忘年会をともにするというようなことがあってはならないことは当然でありまして、従来から、特に情報活動等を含めましての部分におきましても、そのようなことがないように、また疑念を招くことがないようにということは、一般的に指導しているのはそのとおりであります。
○吉井(英)委員 羽曳野署の警部の方では、著名な右翼系の作家の作品からとって、この右翼団体に鳳凰隊というのですか、関西鳳凰隊という団体名の名づけ親にまでなってやったというなかなかの御関係であったようでありますが、この関西鳳凰隊と暴力団との関係というのはどういう関係だったのですか。暴力団系の右翼団体だったのか、そこはどうなんでしょうか。
○菅沼政府委員 お答えいたします。 右翼団体の一部には、暴力団と深い関係を有するものや、あるいは暴力団が右翼運動をあわせて行っているというようなものもございますが、御指摘の関西鳳凰隊という団体につきましては、そうしたカテゴリーに入る団体ではないというように承知しております。
○吉井(英)委員 先日、二月九日の暴力団対策小委員会でも、私質問をいたしました。それで、山口組系の右翼団体が百二十団体あって、暴対法施行後これは実は二十団体新たにふえているんだ、つまり暴力団が右翼団体の装いを凝らして存在するというものがかなりふえているということも御報告いただきました。右翼の半分近いものが暴力団系とも聞いておりますし、さらに、暴力団員は一人一丁のピストルを所持する、これも警察の方の発表であります。それだけに、右翼と警察が癒着しているということになりますと、これは本当に全国民にとって、市民にとって、極めて心配な、不安を持つ事態でありますし、こういう点では期待を裏切った、こういう残念な事態だと市民の皆さんは見ておりますので、ここのところは非常に重く受けとめておいていただきたいと思うのです。 ところで、実はマスコミがこの警部の方とインタビューした一問一答が紹介されておりました。ふだんのつき合いかないと、羽曳野署の○○だと言ってもそれがどうしたと言われて、これから人を殺しに行きますなどと言ってきたときに、待てと制止できなくなるんだ、こういう発言までこの警部の方が言っておられるわけです。 私も、実は何度か右翼の街宣車で、吉井殺せ、吉井殺せとシュプレヒコールまでやられたことがあります。よく見てみますと目の前にパトカーもいるわけなんですが、何もしない。ですから、公然と殺せと言っているんだから、これは外形的には脅迫行為という嫌疑があるわけですから、五台なら五台、十台なら十台、シュプレヒコールで吉井殺せと言っているものについては、直ちに任意同行を求めて、一体だれがそれを言っているのかとか、その一人一人の関係者の住所氏名の確認とか、そのときにそれは殺意を持って言っているのか、殺意の有無あるいは脅迫意思の有無、こういうのを繰り返し確認するということが私は警察の犯罪防止の第一の仕事だと思うわけであります。 また、なぜ殺せと言っている者を野放しにして放置しておくのかという市民の皆さんの疑念とか、殺せとか、およそ日常社会とはかかわりのない問題を宣伝カー等でがんがんやられるだけでも市民の皆さんも恐怖を覚えられるわけでありますから、やはり最低限度任意同行を求めて、そういうことにきちっと対応するというのはできるはずだし、これからの問題としてやはり検討をしていかないと、なかなか市民の皆さんの期待にこたえられないと私は思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○菅沼政府委員 お答えいたします。 右翼の街宣活動につきましては、騒音の面それからその内容、形態等の面につきましてもあわせて取り締まりを行っているところでございます。お話のございました右翼街宣車が大変粗野、乱暴な脅迫的言辞を弄しているということは確かにそういうことはございますけれども、個々具体的に、どういう状況下でどういう背景のもとにやっているのかというようなことをケース・バイ・ケースで検討いたしませんと、お答えいたしかねます。 ただ、一般的に粗野な言動をしているというだけで任意同行を求めたりあるいは犯罪として検挙するというのは難しいというように考えております。個別に検討して、そういう容疑があり、蓋然性が高ければそれなりの捜査等はするということでございます。
○吉井(英)委員 私は、一般的な粗野な言辞とちょっと違うと思うのですね。吉井殺せということを右翼の街宣車でシュプレヒコールをやる、それを単なる粗野な言辞として見ておくということには、やはりいかないと思うのですね。実際、殺せという殺人のあおりだけなのか、本当にそう思っているのかというのは、現にそういう外形的な脅迫という形がとられて、嫌疑があるわけですから、とりあえずは任意同行を求めて、だれがそれを言ったのかとか、住所氏名の確認とか、そして殺意を持って言ったのかどうかとか、こういうことは私は犯罪を防止する上での第一歩だと思うのですね。 国家公安委員長、昨年三月に金丸氏に対する右翼のピストルによる暗殺未遂事件もありました。それから、昨年二月には自民党本部にもピストル、日本刀を持って侵入するというのもありました。なるほど、今から殺しに行くんだと言って行くときもあれば、殺すぞ殺すぞと言うだけでやらない場合もあるでしょう。それはおっしゃったようにケース・バイ・ケースかもしれない。しかし、ただの粗野な言葉じゃないのですね。 少なくとも大臣は、先日「右翼についても、テロ、ゲリラ志向を一段と強めているところから、今後の動向には厳重な警戒が必要」と所信表明を行っておられますが、もちろん酒食をともにしないとか金品のやりとりをしないということは当然のこととしても、かつて裁判の宣誓証言の中で日本共産党や民主団体の集会、行事の情報を与えていったという証言も右翼団体からありましたが、それの情報を与えないという、つまりけじめをきちんとつけるということは当然のこととして、さらにだれだれ殺せと言っているときには、金丸氏に対する暗殺未遂のようなこともあるわけですから、それを言っている者については直ちに任意同行を求めて、そしてだれが言ったのかとか、住所氏名の確認とか殺意を持って言ったのか、あるいは脅迫だけの意思だったのかとか、その辺も考えながらきちっと調べるところから、厳重な警戒といいますか、所信で言われたことが本当に生かされてくると思うのですよ。またそれが今市民の皆さんの期待にこたえていく道だと思うのです。 国民は羽曳野署に見られる事態を見て、非常に信頼を裏切られたり、残念な思いをしているわけですから、やはりそこはきちっとした対応をとっていく、これが今一番大事なことだと思うのですが、この点についてはひとつ国家公安委員長としてのあなたの御見解を伺っておきたいと思います。
○村田国務大臣 羽曳野署の事件、それから今吉井委員が御指摘になった宣伝車による、何々を殺せというような事案、それから金丸先生のときの狙撃事件、いろいろ承りました。これは具体的な事案に対していろいろと考えなければならないわけですから、この場で、それを聞いただけですぐ、こうであるということを申し上げるのが困難なこともございます。 というのは、私が選挙の関係の事務を自治省でやっておりましたときに、よく似たような例であるかもしれませんが、選挙公報にだれだれを殺すというようなことを仮に書いてしまった場合、選挙公報というのは、その書いてあることが明らかに犯罪に該当すると思っても、これを修正することができないという原則があるのですね。そのことをすぐ連想したのでございますが、いずれにしても、治安維持の任に当たる警察官が、たとえ私的な行動であったにせよ、節度を踏み外した交際によって警察に対する国民の信頼を損ねるということはまことに遺憾であって、そういうことはあってはならないと思います。 警察は、いかなる立場からするものであれ、違法行為は看過しないという基本方針のもとに厳正な取り締まりを行っていくということが基本方針であると思います。 個々のケースにつきましては、この場ですぐに具体的なお答えを申し上げるのは差し控えさせていただきます。
○吉井(英)委員 私も個々の話について伺おうとは思いませんが、ただ少なくとも、黒塗りの街宣車等で殺せ殺せとか走れば、市民の多くの皆さんは非常に不安感とか恐怖感を覚えたりしているわけだし、現に私なんかは殺せと言われて、これは私に対する、政治家に対する一つの脅迫行為でもあって、それが犯罪としてちゃんと立件できるかどうかというのはまたその後進められるべき事柄だと思うんですよ。しかし、現に殺せと言っているんだから、任意同行ぐらい求めて、そしてだれが言ったのかの確認とか、あるいは殺意を持っての話かどうかとか、住所氏名の確認、これぐらいのことは、個々の事案というんじゃなくて、少なくともこれぐらいのことはきちっと対応しなかったら、大臣が所信で述べられた、動向に厳重な警戒して対処するということにはならないと思うのです。 私は一般的な粗野な言葉まであれこれ言わないですから、少なくともこういうことだけはきちっと対応するのが一連の殺人未遂その他を防止する上でも大事だと思うのです。だから、この点だけもう一度大臣の見解を伺っておきたいと思うのです。
○村田国務大臣 今吉井委員の述べられたことは、私は個人としては全く理解できます。ただ、逆の立場からいえば、非常に警察権が強大であって、一般私人の身柄を拘束するとか、そういうことにまで随時及ぶということは、逆に危険であると思います。したがって、具体的なケースの判断に従ってそれは申し上げるべきだ、こういうことを申し上げたのでございます。 今委員のおっしゃられた意味は、それから気持ちは理解することができます。ただ具体的な、この場合は逮捕だとか、この場合は任意同行だとかいう判断は、具体的に起こった場合でないと、国家公安委員長が直ちにこうだということを申し上げるのは尚早であると思うわけでございます。
○吉井(英)委員 これは具体的に起こってからというので、最初は殺せ殺せと言っておって、そのうちに本気になってぽんと殺されて、殺人事件が起こって、事件になってからというのでは、事この問題は私は遅いと思うのです。だから、ほかの粗野な言辞の場合と違って少なくとも殺せコールとか、それらについては、だから私も大臣と同じなんですよ、直ちに逮捕とかそんなことを言っているのじゃないのです。少なくとも、任意同行を求めて、だれが言ったのかの確認とか、その人の住所氏名の確認とか、殺意を持ってのことなのか、あるいは脅迫的意思を持ってのことなのかとか、最低それぐらいのことは、だから任意同行ですから強制的にということじゃありませんが、少なくともそれぐらいのことはやってきちっと対応する。それはやはり右翼のテロ、ゲリラに対する厳重な対処という点では私は国家公安委員長としてはそれだけの姿勢は示されて少しもおかしくないと思うのですが、もう一度その点ちょっと伺っておきたいのです。
○井上(幸)政府委員 極めて現場的な問題でありますので私からお答えいたしたいと思いますが、先ほど警備局長からも一般論という形でお話しし、事柄はケース・バイ・ケースでというふうに申し上げたわけであります。 その中で、具体的なケースとして、委員より吉井を殺せというようなことでというふうなことがありましたが、粗野な言辞の中には本当の真意はどうか判断に苦しむ場合もありますし、また紛議のある場合において警察官が現場において同じような場面に遭遇しているわけであります。あの警官をいてまえというようなことを言うケースが幾らでもあるのですね。ですから、そういうものについて一々これを、やれ任意同行だ、やれ住所氏名を教えろというようなたぐいのものではない。やはりそれは個々具体的のケースに従って判断していかざるを得ない、こういうふうに考えております。
○吉井(英)委員 私は、今の御答弁というのは、ふだんのつき合いかないと羽曳野署の○○と言ってもそれがどうしたと言われる、これから人を殺してきますわと言ってきたときに待てと制止できなくなる、この発想と、大変悪いけれども余り変わらないと思うのですよ。なるほど、現場の状況によっていろいろ変わるでしょうけれども、しかし、少なくとも不穏当な言葉で市民の皆さんが物すごく恐怖を覚え、そしておよそ非日常的な状況が生まれているときに、それは現場のことでということで、それでたとえ殺せ殺せと言っておってもあいまいに見過ごされる。私は、そういう中から金丸氏に対する暗殺未遂のようなことが、あいまいにしていたら出てくると思うのですよ。やはりそういうことがきちっとした対応がなされて初めて二度とああいう金丸氏に対する暗殺未遂のような事件が起こらないような、そういう対応が生まれてくると思うのですよ。私は、こういう点では、今の御答弁じゃこれはちょっといただけませんね。 そして、私だけじゃなしに、恐らくそれは国民的感情といいますか市民的感情として、警察の皆さんがこんなことを言っておったら、幾ら何でも、即逮捕というようなことをみんな言っているのじゃないのです、何ぼ何でも殺意があって言っているかどうかぐらいは確認するだろうと普通の市民的常識からして思っているのに、それもやらないんだということになってくると、そうしたら一体これは市民の信頼はどこへ寄せたらいいのですか。 私は、この点をもう少しこれは国家公安委員長として——なるほど現場段階の問題だと思うのです、直接の対応は。しかし、少なくとも人を殺せなんというようなことを平然と言っているときに、それについてそれを任意同行ぐらい求めて意思を確認したり、だれがそんなことを言っているんだとかあるいは扇動しているんだとか、それぐらい確認することは私は少しもおかしくないと思うのです。これはやはり公安委員長として、ここのところは先日の所信で述べておられるわけですから、これぐらいのことはやはりきちっと通していくんだ、そうしてテロやゲリラについては毅然として国家公安委員長としては対処するんだ、そういう決意というふうなものは伺っておきたいと思うのです。
○村田国務大臣 吉井委員は非常に精緻な頭脳で判断をして言われておることだと思いますが、私は、例えば非常に危険な言葉を吐くということと、それなら殺すということとの間には大変な距離があると思うのです。殺せ殺せと言ったから皆殺すということであれば、そんなことは現実にはあり得ないことでありますし、やはり政府委員が申し上げたように、これは未必の故意というか、よくわからないわけですね。その段階ですべて任意同行を求めて取り調べるということになると、これは一方、警察権の飛躍ということがあるいはあったら大変ですね。ないことをもちろん望みますし、日本の警察は民主警察でありますからそういうことはないと思いますが、そういった意味で、今の吉井委員の発言の類推の中に一つ論理の飛躍があるように私は思います。 やはり人権を守るという意味で、暴言を吐く者といえども人権は十分あるわけでありますから、それを十分考えながらケース・バイ・ケースで対応するという政府委員の答弁が正しいと思います。
○吉井(英)委員 私は、この件というのは、ただの粗野な言葉でそれで事件が起こる、起こらないの場合と違って、少なくとも殺人ということにつながるものについては、おっしゃるように、言ったからすぐ走らない、それは当然ですよね。しかし、言っている中で、非常に異常な精神を高揚する人たちとかいろいろいるわけですから、ですからそれは、殺意を持っているのかどうかの確認とか、それから、だれが少なくともそこで言っているのか、その現場での確認とか、これは任意同行を求めてきちっと対処をする、それぐらいのことは私は当たり前のことだと思うのですよ。それをほっておいて殺人事件が起こりました、あるいは殺人事件とまではいかなくても未遂事犯になった、事件になったから対処したというのでは、少なくともこの問題は遅いわけでしょう。 だからそういう点で、少なくともきちっとした対応が必要なんだと、そういう気構えだけは——何か国家公安委員長のお話を伺っておりますと、これからも殺すと言って走り回ろうと、あるいは、言っているうちに本当にその気になってしまってやりよったとしても、なったら事件だけれども、それまではしゃあないわいという感じになりますよね。私は、それではあなたの所信が少しも生かされないことになると思うのです。だから、もう一言でいいですから、恐らくあなたも慎重に考えての御答弁だと思いますが、少なくとも、こういう問題について毅然とした態度だけはとるということだけは一言やはり決意を伺っておきたいと思います。
○村田国務大臣 暴力に対して毅然たる態度をとるということが私の信念です。だから、もし私がどこかで殴られるというようなことがあればそれには毅然として対応しますが、おまえを殺すと言っただけで任意同行を求めて徹底的に調べるというのは、私は、吉井委員の論理の飛躍だと思います。
○吉井(英)委員 終わります。
○中馬委員長 小平忠正君。
○小平委員 大臣、御就任おめでとうございます。今、地方の存在が非常にいろいろな面で多難なときに地方自治行政のために御出精あらんことを、まずもって心から期待申し上げます。 冒頭から苦言を呈することになりますが、経済情勢ですが、政府が甘い経済分析を続けたことによりまして対策が後手後手に回ってきた結果、日本経済は深刻な不況に今直面いたしております。実質経済成長率は、昨年の四月から六月期は〇%、七月から九月においてはマイナス〇・四%、最悪の事態に陥っているわけであります。昨年の十月以降有効求人倍率は一を下回り、大量の従業員、パート、内職者が職を失っているのが実情でございます。また、この不況はこれまでにない深刻な消費不況となっており、乗用車や家電製品などの耐久消費財を中心に消費が低迷する異常事態が生じております。特に百貨店販売額の伸びは、昨年三月以降マイナスを続けております。 こういう不況の波は地方財政にも大きな影響を与えていると思うのでありますけれども、自治大臣のこれについての御認識と地方財政に対する対策について、まずお伺いいたします。
○村田国務大臣 小平委員の御質問にお答えをしたいと思います。 現在の経済不況は非常に深刻でありまして、これが地方税収等にもいろいろと影響しておりますことはよく認識をしております。月例経済報告におきましてもこの点が明らかにされており、景気の低迷それから資産価格の下落、非常に厳しい状況にあるというようなことが述べられておるわけでございます。こうした厳しい経済不況の影響によって、平成四年度の地方税収についても、まだ年度途中の段階であり確定をしたことは申し上げられませんが、十一月末現在で法人関係税や住民税利子割が、企業の業績低迷や金利低下の影響等によって、当初見込みを大幅に下回る状況に推移をしております。 したがって、国の補正予算あるいは平成五年度の予算におきましても、こういった状況を踏まえながら公共事業等の大幅の予算化が行われておると思っておるのでありまして、地方においては、いわゆる公共事業の国・地方を通ずる約八割近くが都道府県、市町村によって施行されておる現状でございます。したがって、公共投資を通じて景気を上昇させていくということに自治大臣としても非常に心しておりまして、各都道府県、市町村にも公共投資のできるだけ前倒し的な施行をお願いを申し上げていきたいということで、平成五年度予算通過までにそういった諸準備を整えていきたい、このような心構えで対処をいたしております。
○小平委員 公共投資だけではないと思いますけれども、ひとつしっかりとお願いしたいと思います。 大臣の所信表明では、地方公共団体がその機能を十分発揮し、豊かさとゆとりを実感できる生活大国の実現、多極分散型国土の形成等を進めていくために、国から地方への権限移譲、国の関与の整理合理化等に努めており、今後とも地方制度調査会及び臨時行政改革推進審議会の答申等を踏まえ、一層の地方分権を進める、こう述べられております。 しかし、私は、この大臣のお言葉は本当に大臣の本心なのか、そこのところをお伺いしたいと思うのです。というのは、行革、権限移譲については、政府は国鉄、電電公社、専売公社の民営化などを除いては成果を見ていない、このように私は思うのであります。許認可数は一九八五年末では一万五十四件だったのに九二年末は一万九百四十二件、また省庁の官房、局の数も七九年以降百二十八のままと、政府は行政改革どころか行政の肥大化を放置している、こんなふうに思われる次第であります。このことを勘案いたしまして、地方への権限移譲について、具体的な施策といいますか、それをお伺いしたいと思います。
○村田国務大臣 地方分権、大変重要な御提案であると思います。事実、地方分権化が叫ばれてから非常に久しい。これはもう戦後シャウプ勧告以来ずっとでございますが、現実には許認可権限が国で留保している数が増加しておるという小平委員の御指摘はよくわかります。だから、これは本当に今後の地方分権をしっかりと増大をしていくためにも、私は国・地方を通じてそのことを大きく叫ばなければならないと思います。 自治大臣をさせていただいておりますので、そういった立場に立って地方分権がいかに重要であるか、そして東京への一極集中を避けて多極分散型の国土がいかに大切であるか、これは法律の改正も必要とするものがたくさんありましょうし、それからムードとしてもそういう地方分権のムードを国・地方を通じて盛り上げていかなければならないと思います。 この地方分権の信念は宮澤総理も全くそういうふうにお考えになっておられると思いますし、また朝からの諸先生の御意見もまさにそれでありますから、コンセンサス的には一致をしておるわけで、それを具体的にどうやって進めていくかというのはこれからの問題だと思います。心をもって地方分権を進めてまいりたいと思います。
○小平委員 一極集中を排し多極分散を進める、もう言い古された言葉でありますけれども、遅々として進まないという実態がございます。例えば総理官邸にしても新築されるとか、そんなことから例をとってみましても、果たしてこれが政府の言うとおりのことなのかという疑問を大いに私は感じております。 そこで、関連して地方拠点都市法についてお伺いいたします。 地方拠点都市法は、私も昨年の本会議で質問した経緯があるのですが、地方の自立的成長を牽引するものであって、大いに推進すべきである、こう思います。今後地方拠点都市地域の指定に当たっては前回の指定に際してのさまざまな経緯を十分踏まえるべきだと考えるのでありますけれども、政府の方針を伺いたい。 また、あわせて、指定地域の数については、基本方針では原則として地方拠点都市地域指定は一都道府県当たり一カ所もしくは二カ所、こうなっておりますが、地域のさまざまな諸事情等を考慮すればより弾力的に対応すべきである、こう思うのでありますが、これについてもあわせて御見解をいただきたいと思います。
○村田国務大臣 地方拠点法につきましては、これは非常に重要な問題でありまして、足らないところは政府委員から答弁してもらいますが、これは地方の自主性、主体性の尊重を基本理念としておりまして、同法に基づく地方拠点都市地域の指定につきましては、都道府県知事が関係市町村及び国との協議を経て行うこととされております。また、昨年十月に地域の指定等についての国の基本的な考え方を定めた基本方針におきましても、地域指定の基準は最低限必要なものを規定するにとどめたところであります。 知事による最初の地域指定に向けての国との事前協議につきましては、昨年十一月までに三十二地域について関係知事から申し出があったところ、十二月十日には、地域の指定については知事に指定権があることにかんがみ、申し出のあった地域については最大限尊重することとしてすべて協議の対象とすることを主務大臣で合意をしております。今後も地方自治の自主性、主体性の尊重という本法の基本理念に基づいて、いろいろ各地域で、各県で事情はありますが、地域指定の協議に当たっては適切に関係大臣として対処をしてまいりたい。 このことは、なぜこういうふうに申し上げるかと申しますと、昭和三十年代に新産都市・工特地域の指定がありました。その後いろいろなときに拠点地域となるべきものについての国の方針が決まっておるのでありますが、今回は地方自治を尊重して知事の指定ということになったわけであります。したがって、その知事の指定という趣旨を踏まえて関係大臣はこれに最大限協力するという方針のもとに対応したい、こう思っております。 なお、残余の部分は政府委員から申し上げます。
○紀内政府委員 基本的な点は大臣からお答えしたとおりでございます。 具体的にその地域指定に当たりまして数のお話があったかと思います。御承知と思いますけれども、昨年、この法律を実施するに当たりまして、法律の実施に係る基本方針というものを定めております。それは、六省庁が寄り集まって定めたわけでございますけれども、その中で、数につきましては、「その数は、都道府県の人口、面積等に応じ、原則として一都道府県当たり一箇所又は二箇所を限度とするものである」、こうされているわけでございます。 この数を絞る趣旨につきましては、何分拠点でございますので、拠点としての意義を希薄にしてはいけないということと、やはりそこを重点的に整備していくということから、数に限定をかけていこうという基本方針が示されたわけでございます。 具体的な地域の指定そのものにつきましては、大臣からお答え申し上げましたように、知事がこれを指定する、これに先立って関係市町村及び主務大臣と協議する、こういうことになっているわけでございます。現在の状況は、これも大臣からお話し申し上げましたけれども、三十二地域のうち十四地域が既に正式の協議を終えて指定の段階に入りつつある、残りの十八地域については引き続いて協議の手続を進めていきたい、こう考えております。三十二以外の未申請の地域がまだ残っているわけでございますけれども、ここについてもその後に協議の手順が進められる、こういう運びになろうかと思います。 私ども、いずれ全国の都道府県にこれが一巡した場合において、原則一ないし二の地域というものについて二番目の話が出てくるわけでございますが、そこをどのように考えていくかを相談していきたいということで、まだ具体的に相談している段階ではございません。ただ、人口、面積等に応じて一ないし二地域に限定することを原則とするという扱いでございまして、原則でございますから、その原則の扱いをどうするかということを含めて今後の議論になろうか、このように考えております。
○小平委員 まず知事が指定する、確かにそういう決まりは私も承知しておりますけれども、要は、このことによって地方の一極集中が是正されるように、私はこのことが大きなポイントだと思いますので、ぜひ弾力的にこれの推進方を図られたい、こう要望いたします。 次に、地方交付税交付金の特例減額、この問題についてですが、私が今いろいろと質問しましたことは既に各党からも出ていると思います。しかし、重要なことですから、重複いたしますけれども、私はこの問題については特に御意見をお聞きしたいのであります。 政府は、我が党や地方公共団体の強い反対にもかかわらず、地方固有の一般財源である地方交付税交付金を、平成三年度は五千億円、平成四年度では八千五百億円特例減額いたしました。また、今年度も四千億円特例減額しよう、こういたしております。これは、昨年、一昨年度の地方交付税法改正案の採決の際に決議された、政府は、特例措置の「慎重かつ適正な運用に努めること。」という趣旨を全く無視していると言わなければならない。国の財源が不足し、地方の財源余剰が表面上続いていることを理由に今後も特例減額を実行するならば、実質的に国から地方への返済は棚上げ、地方交付税は減額を続ける、こう言えると思います。 私といたしましても、地方交付税交付金の特例減額は断じて認めるわけにはいかない、こう思うのでありますけれども、大臣、これに対する御所見はいかがでしょうか。
○湯浅政府委員 地方交付税の特例減額につきましての御質問でございますが、この問題を検討するに当たりまして、まず平成五年度の地方財政対策につきましていろいろと検討したわけでございます。そして、地方団体が当面する財政需要にどう対応できるか、また、どういうふうな的確な財政措置が講じられるかということを基本にいたしまして、いろいろと検討したわけでございます。 そして、現在地方団体が抱えておりますたくさんの財政需要の中で、例えば地域づくりをどう持っていくかとか、あるいは社会資本整備の充実を行うために地方の単独事業を思い切って増額できるかどうか、あるいは高齢化社会を迎えるための地域の福祉施策というものに十分対応できるものができるかどうかというような点、あるいは環境保全、森林・山村対策等々いろいろな問題があるわけでございます。こういう問題について、当面財源措置として的確に講じ得るという見込みが一応できたわけでございます。 他方、地方交付税の問題につきましては、ただいま御指摘のように、平成三年度、平成四年度におきまして特例措置が講じられているということもございまして、この問題については慎重に考えたところでございますけれども、ともかく、現下の非常に厳しい国の財政事情を背景にいたしまして、国庫当局から強い協力要請がございました。 もちろん私どもは、昨年も当委員会で特別決議をいただいているということを十分頭に入れながらこの問題につきまして検討してきたわけでございますけれども、やはり国と地方というものが公経済のそれぞれの一翼を担っている、そして、国と地方の財政関係というものは極めて複雑に入り組んでいるわけでございまして、一方だけがよくて他方はどうでもいいというわけにはなかなかまいらない。公経済がうまく回っていくためには、やはり国の財政も地方の財政もバランスよく運営がなされるということがどうしても必要になってくるわけでございます。 そういうようなこともございまして、総合的に勘案した結果、四千億円を地方交付税の総額から減額するということにいたしまして、国に実質的に貸すということにしたわけでございます。この四千億円は、法律の定めるところによりまして将来きちんと返済をしてもらうということはもちろんでございまして、将来の安定的な確保という面を考えましても、この点につきましてやむを得ざる措置であるというふうに考えておりまして、その点御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○小平委員 地方自治体にとりましては、交付金というのは財源の中では大きな要素であります。私は、税の徴収において、国と地方とのバランスが、国が多いわけですね、これを少なくともフィフティー・フィフティーというか、そこは正すべきだと主張したいのです。また、第二交付税等々問題はあります。きょうは時間がありませんのでこれは割愛いたしますけれども、特例減額ということは地方にとっては大きな減ですね。私は、今御説明がありましたけれども、これはやはりどうしても賛成できません。そのことを強く申し上げておきたいと思います。 次に、森林・山村対策といいますか、そういう観点ですが、農山村においては、混住社会化の進展による土地、水等の利用秩序の混乱、過疎化及び高齢化の進行等に伴う農業生産活動の停滞と耕作放棄地の拡大等の問題が深刻化し、その活力が失われつつある地域が増加いたしております。 この状況に対処し、活力ある農村社会を建設するためには、地域の実情に応じて生活環境施設の整備の推進、農地、農業用水の保全等の施策を行うとともに、山間地域の基盤整備促進のため特別な法体系の整備が必要であると主張いたします。 今回、地方財政計画では、森林・山村対策として千八百億円の対策を講じておりますが、これについてはそれなりの評価はしたいと思います。しかし、今後さらに省庁の枠を越えた積極的な行政支援措置が必要 こう考えますが 森林・山村対策の具体的な取り組みについての御見解、林野庁の方、よろしくお願いします。
○伴説明員 今先生から指摘があったところでありますが、森林・山村地域は、林産物の供給やら水資源の涵養と非常に重要でございます。このため、林野庁としては、山村地域の産業の大きな問題であります林業の振興を図るということが一点でございまして、もう一点は、人が住むという意味で生活環境の整備を図るということを重点としておるところでございます。 そういうような観点から、一つは森林整備事業計画ということで、造林、林道等のいわゆる公共事業の推進というものがありますし、また、林業の構造改善、それからシイタケ等のいわゆる特用林産物の振興、それから森林の総合利用というものを積極的に進めておるところであります。こういう方法と一緒に、林野庁それから自治省等との連携で、森林・山村の検討会というような場で広く森林・山村問題の幅広い検討を行っているところでございまして、本年度からは千八百億ということでの地方財政措置といりことも決定しているところでございます。 今後とも、関係省庁との連携を深めまして、こういうものの拡充に鋭意邁進したいというふうに考えておるところでございます。
○小平委員 この問題は、過般農水省が発表しました新農政プランにも大いに関連がありますので、この中山間地域の振興、これらもあわせまして、今お話のありましたよりこ関係省庁と大いに連携をとりながら、これが充実強化のためにひとつよろしくやっていただきたいと思います。 次に、高齢者の福祉対策なのですが、今後近い将来到来する高齢化社会において全国画一的な行政サービスの確保以上に、国民個々の要求に対応したきめ細かい福祉政策の展開が必要であると思います。 そのためには、主体をなす地方への権限移譲が不可欠である、こう思います。その観点から、地方公共団体が実施する高齢化対策を支援する高齢者保健福祉推進特別事業、この推進は当然のことであります。将来の高齢化社会において、憲法の規定する「健康で文化的な最低限度の生活」、これは最低限の保障でありまして、すべての人が豊かさとゆとりを実感できる福祉社会建設のためにも、一層の高齢者福祉、生きがい対策の拡充を進めるべきと考えますが、大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○村田国務大臣 小平委員の御指摘になられた高齢者対策、政府はゴールドプランということで取り組んでおりまして、高齢者の保健福祉に関しましては、政府として、このゴールドプランを定めて積極的な推進を図っているところであります。 これに加えて、地域の実情に応じて地方団体が独自に行っておる施策について、自治省としても積極的な支援を行っていくことが必要であると考えております。この観点に立って、地方団体が地域の特性に応じて自主的に実施する高齢者保健福祉推進施策を支援するために、地域福祉資金の拡充を含め、地方単独事業についても十分な額を確保することとしております。 今後とも、地方団体が高齢者保健福祉施策を推進するために必要な財源につきましては、適切な地方財源措置を講じてまいるように協議をしてまいりたい、このように思っております。
○小平委員 自治省という役所では、非常に多岐にわたって、言うなれば戦前の内務省ですから、本当に幅広い分野があります。これも大事な問題でありますから、せひ進めていただきたい、こう思います。 次に、消防防災対策であります。我が国は、地震、噴火、風水害等の自然災害や都市化の進展等により複雑多様化する各種災害に的確に対応するためには、地方公共団体の総合的な災害対策の基本となる地域防災計画の常時見直し、情報収集、伝達体制、警戒避難体制の強化を行うとともに、消防防災に関する組織、人員、施設、装備等の充実強化を進める必要があると思います。 その観点からも、消防防災ヘリコプターの配備は大いに推進すべきと考えられますが、平成四年度末のヘリコプター配備見込みを見ると、消防ヘリコプターは二十三機、防災ヘリコプターは七機が保有されているにすぎず、未配備都道府県数は全体で三十二県にも上がっている。私は、ヘリコプターが消防、救急、防災に大いに効果がある、このことは皆さんも実証済みであると思われます。配備が遅々として進まないことは大いに遺憾であると思います。 私も、先般、釧路沖の地震の視察に災特でも行ってまいりましたが、私が指摘しましたように、我が国は災害の常襲地であります。そういう中では、特にこの地震、風水害を中心にして、今申し上げた観点でありますが、特に空からのそういう防災、救急、消防体制、この充実強化は我が国の地理的な状況等から見ましても非常に効果がある、こう思いますので、これが充実強化はぜひ必要と思いますが、これについてはいかがお考えでしょうか。
○浅野政府委員 御指摘のように、防災消防用のヘリコプターの導入をできるだけ早く図っていくということが極めて大事な課題だと認識いたしております。問題はやはり一つ、その財源の問題があろうかと思います。それで、平成五年度から交付税等による財政措置につきましても大いに的確に措置をいたしまして、そういうことを通じてあわせて各未配備の県に対しては早急に整備の計画を立てるようにお勧めをいたしまして、今後大いに導入を促進してまいりたいというふうに考えております。
○小平委員 最後に、確かに財源の問題はございますが、我が国は今申し上げたように地震、災害の常襲地であるということを考えますと、やはり人命救助は何にもまさる最優先の政府の課題ですね。このことを考えると、そこはひとつ十二分に配慮をして、これが強化策を練られたい、このことを要望して、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○中馬委員長 以上で大臣に対する質疑は終わりました。 次回は、来る二十五日木曜日午後二時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十九分散会