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126回国会衆議院1993/05/13

政治改革に関する調査特別委員会 第16号

発言数
204
登壇者
28
会派数
5
開催日
1993/05/13

会議録

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 これより会議を開きます。  梶山静六君外二十三名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案並びに佐藤観樹君外二十四名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党交付金の交付に関する法律案の各案を一括して議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。前田武志君。

前田武志自由民主党

○前田(武)委員 ちょうど一年八カ月前のきょうですが、九月の十三日だったと思いますが、この場で、海部内閣のときに私は、政治改革特別委員会で政治改革について論議をさせていただきました。あれ以来一年半たつわけでございますが、その間の状況変化というのはどういうことがあったのかなと思うに、たしかこの特別委員会の一番最初に小渕先生が、二隻の黒船がやってきたというお話をされたように覚えております。要するに、あの前の政治改革国会のときから、米ソ体制というものが崩壊した、そしてまた佐川スキャンダル等が発生した、こういう大きな内外の動きがあったわけでございますが、言ってみればこれは、日本が戦後ずっと続いてきた日米安保体制という中でぬくぬくとやってきた、そういうものが崩壊して、前提となる大きな枠組みが崩れたということでありますから、そういう中で、さらに日本が置かれた立場、世界の平和と発展に大きな役割をしょうその責任というものが、ここ二、三年の間に急激にふえているわけでございますから、そういった状況の変化を踏まえましても、政治改革の必然性といいますかその緊急性というものは、この一年半の間にげだ違いに高まってきていると、こういうふうに思うわけであります。  そういった観点から、二、三の質問をさせていただきたいと思うわけでございます。  今、国会の方では、海外に在留しておられます邦人の救出に関する、自衛隊機を使って救出できるようにしようという自衛隊法の一部改正案が審議されております。先月の二十七日だったでしょうか、本会議で趣旨説明があったときに、私も感慨深く宮澤総理の御答弁を聞いておりました。ちょうど昭和五十年の四月の末、当時のサイゴン、今のホーチミン市が南ベトナム崩壊、陥落に伴って、邦人をどうやって救出するかというときの外務大臣がまさしく宮澤総理であったわけでございまして、そのときに邦人を救出する手だてがなかった、非常に無念な思いをしたというような御答弁をされておられました。  実は、そのとき私は、当時のサイゴンの日本大使館におきまして書記官として勤務をしておりました。まさしく、その当時は難民援助の担当をしておったわけでございますが、最後の段階になりますと、我々の仕事というのは、当時二千人以上おりました邦人を、日本人を、いかにして安全に脱出していただくかという仕事に絞られたわけでございます。宮澤総理も指摘されておりましたように、もう目前に陥落を控えたとき、日本のナショナルフラッグである日本航空は、マニラまで来て待機して、もうロケット弾等が落ちて危険だということでなかなか来れない。我々は、日本政府は助けに来ませんよ、とにかく外国の飛行機が出ている間にそれを確保して逃げてくださいと、そういうふうにあの当時サイゴンにおられた会社の方々あるいは邦人の方々、そういったところをお願いして回る以外になかったわけであります。私は四月の二十五日、六日だったでしょうか、最後にローカル機でやっとで香港まで脱出いたしましたが、大体そのときまでにはほとんどの方々が脱出を完了いたしました。  そのときに私は、本当に無念な思いと、助かったときに本当にふつふっと怒りが燃えてまいりました。一体、日本というのはこれは国家であるのか。要するに、自国の市民の生命財産を守れない。その政府の出先である我々が、日本政府は助けに来ないから逃げてくれ、勝手に逃げてくれと言う以外になかったわけでございます。そういった非常に憤りを感ずるような体験をしたわけでございますが、そのときに私は、日本の国の政治というものは、国家の本当の基本的なことについて何の議論もしてないし、解決もしてないじゃないかという思いに駆られたわけであります。それから私もこういう場に立たせていただいたわけでありますが、そのときの思いというものが私の胸の中にはずっと入っております。  昨今、いわばPKOの問題にいたしましても、湾岸危機のときのあのことにいたしましても、なかなかそういったことを議論するような国会でなかった。あるいは、そういったことに責任を持つ政治でなくともやってこれたという、たまたま日本が恵まれた環境にあったからだろうと、こういうふうに思うわけでございますが、いよいよそれでは済まないような事態になったのが今でございます。  そういったことを申し上げながら、ひとつ塩川先生、この日本の国の政治というものが、今まで本当に基本的に責任を持つ政治であったのかなんというと、これはちょっと語弊があるかもわかりませんが、そういった状況がこれからも許されるのかどうか。その辺のことについて、塩川先生の御見解を伺いたいと思います。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 私らから答えるべきにしては余りにも大きい問題でございますけれども、しかし同じ国会議員として、悩みは全く同じだと思っております。  私らも、復員してまいりましたその当時からの日本の状況というものをずっとこの四十七年間見たわけでございますけれども、大変な変わりようでございますけれども、しかし、その間に失ったものは大きいなという感じが今ひしひしとしております。その失った一番大きいものは、今前田先生がまさにおっしゃるように、国家とは何か、民族とは何か、そして我々同胞はどうしてお互い助け合うかという、そういう基本的な問題はなおざりにして、とにかく経済再建にと豊かさを求めてやってきたということは、もう非常な、私は今にして思うと、まあいわば置き去られていった、忘れ去られていったものだったと思っておりまして、これこそ今新しい政治の中に生かしていかなければならぬ。  特に、東西冷戦構造が崩壊しました後は、まさにこのこと自体、これから日本自身が自分らで決めなければならないんだという時代に来ましただけに、自分らで決めるだけのリーダーシップのある政治というものが今まで以上にさらに強く求められている時代だ。それに合わせた政治体制というものをやはりつくっていくべきであるというのが、私は、今回の政治改革法の一番の主眼ではないかと、こう思っておるところであります。

前田武志自由民主党

○前田(武)委員 同様の趣旨で、ひとつ今までの政治のありよう、そしてこれからいよいよ日本が政治改革を緊急にやらにゃいかぬということについて、佐藤先生、渡部先生にも、ひとつ御見解をお聞かせください。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 大変、サイゴンの大使館におきます実感を持ったお話があったわけでございますが、個々の政策は別といたしましても、後の質問と関連をするのかもしれませんけれども、私も二十数年国会に置いてもらって、本当にその意味では、一つは政府・与党と申しましょうか、その間に、今前田委員御指摘のように、本当に基本的なそういう問題に対するディスカッションが足りなかったのじゃないだろうか。  それは、冷戦下ということがあって、いろいろな枠組みがあったこともあるかと思うのであります。しかし、今委員御指摘のように、冷戦が終わり新しいまた問題が噴き出ているわけでありますから、その意味では、本当にきのう当委員会でもフリーディスカッションをやりましたけれども、極めて私は意義があったものだと思っております。きのうの場合には、おのおの党議決定というのを持っての話でありますが、もう少し党議決定のない問題で本当の意味でのディスカッションというのが行われる、それはまさに先生の言われたような国家の基本問題というところまで立ち入って話をすることが必要だろう。  それには、やはり今のような官僚型の政治といいましょうか、官僚主導のことを離れていかなければならぬ。我々自身がもう少し、そういう問題に十分勉強したり、いろいろなことをやれる体制自体をつくっていかなければならぬのじゃないか。政治改革というのは、国会改革もまたその一環であったり、いろいろな意味での社会改革そのものであるし、国家大改造だと言われた自民党の議員さんもいらっしゃいますが、私も同感なのでありまして、単なる選挙制度をとこか変えればという、その部分ではそうだけれども、その背景にあるものは、先生御指摘のような、本当に国家のために、国民のためにもっと基本的な問題について十分討議ができるようなものをやはりつくっていくときじゃないか、こう思っております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 お答えさせていただきます。  委員が多年にわたりまして外地にあられて大変な御苦労をされましたことをほのかに承っておったわけでございますが、今そうした実感の中から日本の政治改革の大問題をお取り上げになりまして、傾聴していたところでございます。また、私は若くして議員にさせていただいたものですから、立派なお父君の見識を何度か参考にさせていただいたことがございまして、深く敬意を表しているものでございます。  今、政治改革の問題をやっておりますと、いよいよ瑣末の議論をしなければならぬ段階でございます。しかしながら、議論の根本として、日本の国はこれでよいか、日本の行政、立法、こうしたシステムはこれでよいかという基本的な点に目配りをしながら議論しなければいかぬぞと、こういう御指摘をいただいたものと存じておりまして、今後もその点は十分心にとどめさせていただきたいと存じます。

前田武志自由民主党

○前田(武)委員 この十年ぐらいの間に、日本の人口というのは急激に高齢化が進んでまいるわけでございます。これは日本の内政においては、高齢化時代をいかにうまくソフトランディングさせていくかというのが一番大きな問題になっているわけでございますが、大体二〇一五年から二〇二〇年ぐらいにピークを迎えます。これはいまだ世界がかつて経験をしたことのないようなすごい高齢化の率でありますし、そのスピードたるや、これまたどの世界も経験したことがないといったわけでございます。  したがって、当然こういうような事態に至る間、日本の経済活力も低下してまいりましょう。GNPも頭を打ってくることだろうと思います。また、当然のことながら社会保障の支出はどんどんふえてくるわけでありまして、いろいろな試算を見ておりましても、大体において二〇一五年ぐらいから社会負担率、国民所得に対する負担率が五〇%を超えるというような予測がすべてでございます。そういうことになってまいりますと、これは高負担あるいは世代間の一つの摩擦というようなものも出てまいりましょう。こういったことに本当に対応していくには、よほど政治のリーダーシップと信頼性と公正さというものが確保されてないと、この事態を乗り切ることはできないのは自明でございます。  さらに言えば、この高齢化社会と関連して、やはり我々一人一人が喜び、悲しみ、生活をしていくのは地域社会でございます。家族が、そしてまたその地域が、お互いに幸せな充実したそういった人生を送っていく、そういう地域社会の重要性というのがこれまた格段に大きくなってくるわけでございまして、トータルにそういう我々の行政サービス等を含めて対応してもらえるのはやはり地方自治でございますから、そういっ、た面からいっても、地方分権というものはまさしく喫緊の課題になっているわけであります。  言ってみれば、負担増であったり地域間の摩擦であったり、そういった中で政治のリーダーシップを発揮して地方分権もやり、そして公正な信頼感のあるそういう政治を実行していく、そのための時間というものはほとんど残されてないんではないかなと、こういうふうに私は考えるわけでございますが、この件に関してひとつ与野党から御議論を願いたいと思うのです。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 地方分権の問題につきまして、私だちも、憲法が公布されましたときに、施行の期日が憲法の施行とそれから地方自治法の施行と同一にしたというほど、それほど地方行政というものに対しまして非常に関心が強かったし、また重要なウエートを占めておったということは、我々も認識しております。  しかしながら、戦前から続いてまいりました、要するに中央官庁主導型の国家行政組織法そのものの状態で引き続いておるというところに、現在の地方自治と中央集権との間の問題があると思っております。我々は、やはり政治の改革をし、そして官僚主導の政治からいわゆる政治主導の政治といいましょうか、政治主導の行政というものに戻していくのには、やはり地方自治のあり方というものが非常に重要な問題だと認識しております。  それでございますから、分権制度に対しまして多大の関心を持っておるところでありますけれども、しかしまだ十分にその環境を整備していく必要があるのではないかということ等思われますし、地方分権の制度の完成を一つの目標にしながら我々も鋭意努力をし、そして中央と地方が相協力して国のバランスがとれるようにしていくことが、私は政治改革への一つの大きい目標になってきておるということを思っております。

前田武志自由民主党

○前田(武)委員 いずれにしろ、そういった地方の自治の拡大、分権、これにも時間がほとんど残されてない。それをやるためにも政治改革というのをとにかくこの機会にやり上げないことには、高齢化社会というものに何ら基本的な対応ができずに、あるいはそういった地方分権等についても対応ができずに、ずるずる日本の国がピークを過ぎてしまうということを私は一番恐れておるわけでございます。  次に参ります。  宮澤総理が掲げておられます、我々が、自民党がその政策の中心に掲げております生活大国の実現、これも今までの日本のありように対する一つの反省の中から出てきたと思います。経済はこれだけ大きくなり、そして黒字もたまり、GNP一人頭も世界一と言われながら、実際に本当に豊かな生活になっているのか。これは要するに、消費者の利益を実現していくような、そういった官僚体制であったり市場原理であったり、そういったものをまた調整、そして指揮していく、統治していく政治、そういった仕組みになっていたのかどうかというところに大きな問題がある、こういうふうに思うのです。  実はここに月刊誌「選択」九二年一月号の平岩経団連会長の巻頭インタビューがあるのですが、「「衰退か繁栄か」の岐路に立つ日本」、こういうふうに題しての巻頭言なんですが、そこに経済界を代表する経団連の平岩会長でさえこういうふうに述べているのですね。「経済の分野でも、利益第一主義、GNP至上主義、過当競争、会社人間、不透明な行政指導と行政依存などと、これまで美点と思われたものがマイナスに転じてしまうのだから、その変化の衝撃は多大だ」こう言いまして、さらに「日本は、明治維新、敗戦に匹敵するような大変革に遭遇しているし、そして「日本はこのままでは“経済の侵略者”」と、要するに一年前からそうで、さらに最近のこの一方的な黒字、世界の経済を侵略しているじゃないか、こう言われているようなそういう事態の中で「日本はこのままでは”経済の侵略者”と世界から思われてしまう」として、この「日本の悪いイメージは、経済だけが突出して国家が逆に衰退し、やがて世紀末には社会の活力が失われて行く」、こういうような認識をされております。「したがって従来の仕組み、発想、慣行、行動様式を捨て去って一から出直すぐらいの覚悟が必要」である、こういうふうに指摘をされているわけでございますが、経済界のトップの方までがこれだけ深刻に今の事態というものを受けとめておられる。  世界の関係も含めて経済社会、我々の生活、そういったものをすべてを統治していくこの日本の政治が、このままで今国会で基本的に動かないということになれば、これは単にこの日本における話だけではなしに、世界に対する日本の政治の責任を放棄することになると私は考えるわけでありますが、ひとつ自民党のお考えをお聞きしたいと思います。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 非常に哲学的な話でございますが、私は、今回の政治改革の一連の動き、これは今まで自由民主党が主導して政治改革を言っておりましたときには、単なる汚職防止、政治腐敗の関連に関するものが主体であったと思うのでございますが、しかしその段階におきましては、野党の皆さん方はまだ政治改革というものは政治資金の改正だけでいいという、そういう認識に立っておった。しかし最近になりまして、与野党とも、もちろん政治と金との関係というものを解決しなきゃならぬということは当然ではございますけれども、それよりも、さらにいわば政治改革の対象というものを広げまして、やはり時代に即した政治の体制をとらなきゃだめなんだ、従来の体制はだめなんだということでお互いの認識が一致して今日の政治改革の問題、議論が起こってきた。したがって、それにふさわしい、つまり政権交代を可能にし、政治に刺激を与えていく、そういうシステムに変えようということが今回の政治改革の一つの大きい目標であるということは、これは与野党とも一致しておると思っております。したがって、政界も、先ほど財界の方がおっしゃったようでございますけれども、それ以上の危機感を持って現在政界全体がこれに当たっておると言っても私は過言ではないと思うのであります。  ただ、従来長年にわたりまして政党がそれぞれ持っておりますところの理念あるいは政策というものがございますだけに、これが一致結束して時代に即した体制の改革ということに、政界全体というものに、若干の時間はかかろうと思いますけれども、方向はまさにそちらの方に向いておると思っておりまして、経済界の方が心配されるのと同様に、我々もそれ以上に実は時代認識を厳しくとっておるということにおいては変わりないと思うのであります。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 時間もないようでございますので簡単にお答えさせていただきますが、今前田先生御指摘のように、日本の社会というのは極めて硬直化してきて、本当に活力をなくしてきている。これは、後になればなるほどこの悪いところというのはぼんぽん出てくる、既に今出始めていると思うわけであります。前に御指摘になりました地方分権のことも、そのためだけではありませんけれども、やはり社会構造自体を基本的に変えていく。それが分権することによって、我々がやることは国際問題、宇宙の問題あるいは基本的なところだけやって、実務的な行政を含めた、行政を含めだというのは、国民生活に直の問題というのは地方自治体にやってもらう。この仕分けをすることが、前田先生が冒頭言われました、国会議員として本当に国の基本にかかわる問題に、我々が本来の仕事をやっていくということにもまた通じていくんじゃないだろうか。  いずれにいたしましても、今度の政治改革のこの問題というのは選挙制度を含んでいるわけでございますので、どうしてこう社会が硬直化したかというのは、やはり政治自体が長いこと自民党さんの一党で中心に政権与党としてやってきた、これは我々の反省も含めてですよ、そのことが社会の硬直性をもたらした一つの要因だろう。まあいろいろなことで直していかなければいけないけれども、私たちの与えられた一番最大、そして一番効果があるのは、まず政治の体制自体を、自民党さんの一党与党という体制を変えることによってさらに激しい二つの意見の相克と申しましょうか、ディスカッションの中で、社会自体もいろいろな格好で変化をさせていくということが政治改革のいわば入り口といいましょうか、そういう感じで取り組んでいるつもりでございます。

前田武志自由民主党

○前田(武)委員 政党の関係について二、三お聞きしたいわけでございますが、要するにこの制度改革が成った暁には、どういう形、どういう制度になるにしろ、やはり政党というものの意味合いというのが非常に大きくなってくると、こういうふうに思うわけでございます。  これからの社会の動向なんというのはよくわかりませんが、いずれにしろ専門集団であったり官僚組織であったり、そういった国家権力を分担するいろいろな縦の勢力が、縦割りでますますこれは専門化し、また強くもなってくると思います。こういうのがまた国境を越えて世界ともつながっていく。一方で、そういう小選挙区で選ばれた我々というのは、これはもうその地域の生活者と直接つながって、そういう中から政党が国家権力を掌握していく。いわば政党というものが、これからの複雑なインターナショナル化していく社会経済構造の中で、唯一直接地域の住民から出て国家権力を掌握して、縦にそして横に民意を吸収し、集約し、そして問題を整理して、国際関係あるいはそういった政策を選択して方向づけていく、そういった非常に大きな役割をむしろしょってくるのではないか。  そういう総合的に、しかも責任をはっきりさせた形で問題を整理して解決に当たっていく、そういった本当の意味での統治の中心というのは政党政治しかないのではないかなと。しかも、それはちゃんと根っこは地域に持っているというふうに私は新しい政党政治の意味合いというものに大きな期待をかけるわけでございますが、ひとつ西岡先生、自民党の政党についての御専門家でございますので。

西岡武夫自由民主党

○西岡議員 お答えいたします。  前田委員御指摘のとおり、先ほど塩川議員からもお答えがございましたように、我が国の地方分権の問題と今回の政治改革の問題は、密接にかかわる問題であると思います。日常の国民の皆様方の生活にかかわる行政を中心として、地方分権というものがもっともっと確立されなければいけない。  一方、今回私どもが提案をいたしております小選挙区が実現をいたしました暁には、国民お一人お一人の意思が直接日本の国の方向づけに反映される、明確に一つ一つの事柄について国民の皆様方の意識が一票一票の投票行動によって表現されるという意味において、新しい政党政治というものが改めてそこに誕生していくんだというふうに私どもは認識をいたしております。  もちろん、政党政治だけが完全無欠なものであるとは考えませんけれども、私どものこれまでの長い歴史、先輩の皆さん方が築いてこられた政治の体系の中で、今考え得る一つの形としては政党政治を充実していくという以外にはないわけでありまして、そういう意味において委員御指摘のとおり、政党の果たすべき役割、その責任の重さというものはますます高まってくる、このように考えております。

伊吹文明自由民主党

○伊吹議員 前田先生おっしゃっていることはよくわかります。  同時に、そのような時代になったときには、有権者と、そして候補者になる者、そして政党、この三つのかかわり合いの中で、単に地域と密着をしているということはある意味では非常にいいことでありますが、同時に、地域の個別利益の代弁であっては決して国際社会での政治はできませんから、政党が従来の生産者本位ということをずっと守り通してくれば、当然それに対する反発は出てくる。じゃ、制度、仕組みを直し、消費者本位にしていく、しかしそれが余りにも極端に流れれば、同時に消費に配分する資源の生産はまたできなくなってきますね。そういうところをよく見きわめながら、お互いに切磋琢磨をして、時代にビビッドに対応できるような政党間の緊張感、これをやはりつくり出さなければ新しい時代の政治はできない。だから万年自民党与党もだめだけれども、万年常に野党第一党の地位を独占しているという政治も私はだめだと思っております。

前田武志自由民主党

○前田(武)委員 終わります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 松田岩夫君。

松田岩夫自由民主党

○松田委員 前田委員の質問を多少補足させていただきます。  十分というわずかな時間ですので、所見を述べてあるいは終わるかもしれませんけれども、私は、前田委員もおっしゃいましたように、今度の政治改革というものは、まさに今の日本が置かれたこの新しい状況の中で、日本の政治が未来に向かってどう生きていくかという問題、それがまず第一であって、過去にいろいろスキャンダラスな話とかいろいろあった。もちろんそういったことも朝飯前に処理すると同時に、しかし今私どもに期待されておる、本当に日本の政治が果たさねばならぬ役割を、本当に今の選挙制度あるいは政治資金規制のあり方といった中で果たせるのかということがまさに今問われておることの最たるものだ、そう認識する一人であります。  そういう意味で見ますと、正直、先般も連休をおかりいたしましてアメリカに行き、多くの友人あるいは多くの研究所、シンクタンク等で私もいろいろな方々と講演したり議論を通じてしみじみ感じたことは、日本の政治がまず極めてわかりにくい、同時にまた日本の意思決定というのは極めて不明確、向こうの言葉でいえばディサイシブでない、こういうことを多くの友人からたくさん聞かされたわけであります。それはそうでしょうね。考えてみれば、正直、今やこうして東西冷戦が終わり、まさに唯一のスーパーパワーとなったアメリカも御案内のような状況で、国内の再生に全力を注がねばならぬ。そういう中で世界はあまたの多くの問題を抱え、新しい方向づけを求めているときに、それをやらねばならぬ国はどこだと思えばもう我が日本しかない。まあ、大げさに言えば。  そういう状況の中で、我が日本の政治はそうしたことにうまく対応できるような体制になっておるのか。選挙制度もそうだし政党のあり方そのものもそうだし、そういった意味でまず基本的に私は、今回国会に提出されておる選挙制度の改正を初めとする、自民党サイドでいえばこの四法案、これはまさに序の口の改革を今やり始めていることである。そういう意味で、一刻も早くなし遂げることが我々に与えられた責務であるということを、これは皆さんそう思っておられると思うので、あえてその決意のほどをお聞きいたしません。  さて、その上に立って、一体、じゃどうしたらいいのか。当面求められておることはまさに選挙制度の改革であり、あるいは政治資金のことであります。それにつけ加えて、今いろいろありました。私は、日本の政治が最低朝飯前に片づけねばいかぬことは、今国会でやっておるこのことと、そして今出ました、まさに国の基本的な仕組みのあり方、行財政改革、いわゆる地方分権の問題と規制緩和の問題、これはある意味で国の骨格を決める大きな問題です。同時に、今国会で今議論しておりますこの選挙制度というものは、ある意味で土俵を決めておるわけでありますが、さあ土俵の上で踊る政党のあり方、これもまたもう一つ日本の政治の将来にとって大きな課題であります。この三つが、私に言わせれば三位一体解決されて初めてようやく日本の政治も本格的な質の高い政治のやっとスタートラインにつくことができるかな、それからが本当の我々の政治の勝負だ、こういうふうに考えておる一人であります。  そういった意味で、今国会においてぜひこの政治改革関連法案、与野党今までいろいろ意見が出ました。ここの質疑を通じて私も読まさせていただいて、本当にいろいろな意見が出ておりますが、結局、突き詰めていえば私は、日本の政治が、我々自民党サイドでいえば、私もまさに日々の活動を通じて感ずるわけでありますが、まさに政策、政党本位の政治になっていない、これがもう現実一番致命的な欠陥であります。そういう意味で、私は、選挙制度を基本的に変える、今の中選挙区制度から脱却する、この点に関しては、幸いなことながら、まさに皆さん意見が一致しているわけですから、どうぞひとつしっかりと議論をし、まとめ上げていく、こうしていただきたいと思うわけであります。  皆さん、あるいはお読みになったかどうか、きょうたまたま持ってきましたが、この「エコノミスト」、ごらんになりましたですかね。皆さん政治改革に御興味がある方々ばかりなんで読まれたと思いますが、これは五月一日・七日号、つい先週号でございます。ここにエレクトラルリフォーム、まさに選挙制度改革ということで三ページにわたる非常におもしろい記事があります。  これは紹介する時間もありません。もう三分がそこらでございますから紹介する時間もありませんけれども、ただ、あえてこのことに触れましたのは、今私どもが、小選挙区制とか、あるいは小選挙区併用型の比例代表とか、あるいは連用制とか、いろいろ出てきておりますが、結局それらを通じて言えることは、はっきりしていることは、どの案であれ、まさに政策なり政党本位で提案されていることであります。この点はみんな共通になっているわけです。しかも、そうすることが今の当面の目標を一歩前進させることでありますから、私は大ざっぱに言えば、どの案でもとは申しませんが、もちろん私個人の意見はありますけれども、しかし、個人の意見を言っているレベルではないのではないか。  それぞれ意見を言い尽くされました。つまり、今の選挙でいう、我々自民党サイドは特にそうであります。日々本当に同士打ちの中で個人のサービス合戦に明け暮れ、国民との間で本当に日本の行く末を考え、地域のあり方を考え、あるいは世界における役割を議論するなどということをいたすよりも、まさに日々、田の草取りを一生懸命させていただくという政治活動の連続であります。かかる政治から一刻も早く脱却する、最低のことであります。そのためにはまさに今の中選挙区制度から脱却いたしまして、政策なり政党なりが中心となる選挙制度に一刻も早く変えることだと、私は心底そう思う。皆さんそう思っておられるからこそ提案されたわけです。  私、なぜあえてこの記事に言及したかといいますと、ぜひ読んでいただきたい、両方いろいろ意見がある。たまたまこの記事は、御案内のようにイタリアがまさに比例代表を離れて小選挙区制へ移行しようとしている、そのことをとらえている。一方、イギリスは小選挙区制、これはイギリスの雑誌ですが、もともとは。小選挙区制だけれども、小選挙区制なりにいろいろ問題もある。比例代表であれ小選挙区制であれ、我々の制度はこれでは、いわばこの中途半端な比例代表制というのは今の中選挙区制。こういうことでありますが、いずれにしても、比例代表であれこの小選挙区制であれ、いろいろ問題がある。どんな国で、世界じゅういろいろ議論して、まさに民主主義の国では全部選挙制度を持ってやってきておる。それがそれぞれどんな問題を抱え、その問題が、制度から来る問題もあれば、制度ではないその国の国民性や政治家のあり方やリーダーのあり方やあるいは文化のいろいろなことで違いは出てくる。それぞれ出てくるのであって、どの制度でなければならぬなどということはない。私も、そう思います。まさにそういったことがおもしろく、おかしく、非常に具体的に書いてございます。  そういう意味で、私はこの雑誌の記事に言及しながら、ぜひ皆さんに、この機会に、現在の中選挙区制から脱却することについては一致したわけでありますから、一部の特殊な政党、一部の政党を除きまして一致しておるわけでありますから、そういう意味で——ちょっと今の失言でありますから、今この場で取り消しておきます。一部の政党を除いて一致しておるわけでありますから、ぜひ皆さんの英知を結集し、私も含めてでありますが、何としてでも一致点を見出す、そういう意味で民間政治臨調が提案した連用制という案も一つの見識のある案だと、私個人は非常に高く評価をしておる一人でありますが、多くを申しませんけれども、時間が来ましたので最後に、皆さんに一ぜひ一致点を見出して、必ずこの国会中に選挙制度改革を何としてもなし遂げる、その決意をそれぞれの代表の方からお伺いしたい。終わります。

石井一自由民主党

○石井(一)議員 大変心強い御激励をいただきまして、感激深いものを覚えております。  当委員会におきましては、熱心な論議が進み、また意見の集約もかなり高まっておるというふうに認識をいたしておりますが、御案内のとおり、私たち自民党も大変大きな政党でございまして、ここでの議論にかかわらず、別の考え方を持っておられる方も存在しておることも御承知のとおりでございます。また、社会党という別の大きな党もそれなりに苦悩を抱えておられるということでございまして、今後残された期間、党内的な統一した合意がどう集約できるかという一点にかかっておると思います。  幸い、昨日あたりから政治改革をこの国会で実現しようという大きなうねりが若手の中から署名運動等の形でも出てきておりますので、これを徹底的に高めまして、そうして実現を図りたいと思っておりますので、さらにひとつ御協力をお願い申し上げたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 松田委員の今のお話、いつも隣の選挙区でいろいろ顔を接しながら、十分お話をする機会はなかったわけでありますが、きょう聞かしていただいて、選挙制度のあり方、政治のあり方、そしてそこに含んでいるおのおの制度とそれから政治の関係ですね、その他いろいろ御指摘がございまして、私もそれに対して意見を述べたいところもあるわけでありますが、時間の関係もございますので結論だけを申し上げれば、きのうああいう形で、当委員会が自由討議という形で、特に私は、自民党の理事さんが自分の言葉で大変意のあるところ、決意を語られ、単純小選挙区制という殻の中から、穴の中からかなり前向きに頭を出された。体までは出ていませんが、頭を随分出されてお話をされた。まことに私は意を強くしたし、私たちも一番いいのは併用案だと思っていますが、重要なことは今松田委員御指摘のように、成立することが、何ら妥協点なく成立しないことと選挙制度のよしあしとを今比べる段階にもう来ている。併用案とどの案がいいかということではなくて、私たちは結論なしということは絶対に許されない、そういう観点に立って今後なお一層議論を詰めていかなければならぬじゃないか、こういうことでお答えにかえさしていただきたいと思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 お答えいたします。  何とかこの委員会で一致点を見出せという御指摘でございますが、全く同感でございます。  御質問にお答えするために、今何をすべきかちょっと相談しておりましたのですが、きのうの自由討議の間出てきた意見の中で随分一致点が見出せるわけであります。私は、この場でお答えする形ではございますが、委員長に実はお願いをいたしまして、当委員会で議論の集約を中間的に行ったらどうかと私は提案したいと思います。  というのは、何とか合意点に達するために努力するとか、できたらこの国会の中で、委員会で決議をするとか、あるいは中選挙区制はもうやめたとか、何種類かあるわけであります。そうしたことについて理事会で御協議をいただきまして、委員長御発言あるいは理事会の合意事項として発表する、それを土台にしてそこからその次の意見をするというふうにしていくと、当委員会における話はもう一歩前へ進むんじゃないかと、今松田委員のすばらしいお話を承っておって、打ち合わせをさしていただいたお答えでございます。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 星野行男君。

星野行男自由民主党

○星野委員 当委員会の皆様方が、委員会設置以来長時間にわたりまして、政治改革あるいは政治資金等の抜本的な政治改革の審議に熱心に取り組んでこられましたことに、まず心から敬意を表する次第であります。  さて、戦後四十八年、我が国は焼け跡から立ち上がり、奇跡的な復興と経済発展をなし遂げ、そうして今や世界の経済大国になりました。戦後の食う物も着る物も、そして住む家もなかった時代を考えますと、まさに夢のようなことであります。これは日本の国民の英知と勤勉の成果であると同時に、戦後の先輩政治家たちの大変な努力の結果であり、なかんずく政権与党である自由民主党の政策が基本的に間違っていなかったことを示しているものであります。  しかし今、戦後の冷戦構造が崩壊し、世界は激しく変わりつつあります。経済大国日本が世界に果たすべき役割も日々重くなっており、一歩対応を誤れば世界から孤立しかねない状況にあります。  国内に目を向ければ、高齢化は待ったなしに進行し、年金、雇用あるいは税制などを見直していかなければやっていけなくなることは目に見えております。また、ますます開く一方の東京圏と地方との格差をどうして埋め、どうして地方の活性化を取り戻すか。小手先の対応ではもう通用しない状況であります。さらに、急速に進展する国際化への対応も急務であります。課題はまさに枚挙にいとまがありません。今や戦後政治の延長線から抜け出した新しい発想で二十一世紀に向けた国づくりに取り組んでいかなければならない時代を迎えていると思います。  総括するならば、これからは国際的にも国内的にも政治の果たすべき役割が今まで以上に重くなるという意味で、今までは経済の時代でありましたが、これからは政治の時代になると申し上げてよろしいと思います。そうして現在取り組んでいる政治改革は、二十一世紀に向けた国づくりの歴史的な第一歩であるという位置づけになると考えるのでありますが、このような時代認識と政治改革の位置づけにつきまして、法案を提出をしておられます自由民主党、そしてまた社会党、公明党それぞれから御見解を承りたいと思います。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 今星野さんが御指摘されているとおり、確かに時代がもう急激に変わってまいりました。急激な変化に政治のスピード、変化のスピードがついていけなかったということは我々も認めておるところでございまして、したがいまして、今回の政治改革の一番の大きいねらいは、そういう時代の進展に伴い、しかも社会情勢全体も変わってまいりましたから、それに即応する体制に変えるということでございます。  同時に、この政治改革、もう一つねらっておりますのは、やはり政治が信頼をされなければいけない。その信頼をされるためには、政治と金との関係をきちっとしなければならぬ。この二つの目的を持って政治改革に取り組んでおる、これが自由民主党の基本姿勢であります。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 政治改革は政治改革に終わらずと、いわばこれは社会変革の突破口だという位置づけで私たちは取り組んでおるわけでございます。政治自身がそのために腐敗し切っておるところを当然これは取り除いていかないかぬし、国会議員が十二分の活躍ができるような国会改革もその一環でございますし、また選挙制度を変えることによって、長い間の自民党一党与党というこの体制そのものを突破することが国を変えていくことのまた突破口になっていくんじゃないか。その他いろいろなものが関連いたしますが、そういう位置づけで私たちは取り組んでおります。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 星野委員にお答えいたします。  今御指摘の面は、現下の大問題であると私どもも同じく認識いたしております。特に私どもが衝撃を受けておりますのは、時代認識も急激に変わったわけでございますが、既存のでき上がりました立法、司法、行政、三権の仕組みそれ自体が適応していないなという実感を私ども共通して持ち合わせていることであります。国民の不信は、単に政治資金の問題だけでごたごたしているのでは決してありませんで、まるで着物が合わないように、そして現状というもの全体が、適応しなくなった現在のシステム全般に及ぶものであり、それは思想、あるいは生き方、暮らし方、社会制度にまで及ぶべき大問題であろうかと存じているわけでございます。  私どもが現在行っております政治改革は、その突破口の一つを開くのではありますが、それが固定した現象をつくるために役立つのだとしたら、それは決していいものではない。極めて対応力の大きなシステムをつくり上げなければならないと存じております。

星野行男自由民主党

○星野委員 次に、現行中選挙区制の認識について、改めて確認をさせていただきたいと思います。  現行中選挙区制のもとで政権をとるためには、全国百二十の選挙区すべてに二人以上の候補を立て、過半数の議席を確保しなければなりません。与野党の現状から見ますと、この制度を続ける限り、自民党の万年与党、野党の万年野党が続くものと想定をされます。  自民党は、長期政権担当により大きな実績を上げながら、政財官の癒着あるいは不祥事の続発により、国民の大きな政治不信と政治離れをもたらし、民主政治の危機的な状況を招いております。また、野党第一党の社会党は、これはまことに失礼な言い方でございますが、牛歩戦術で見せ場をつくるのが精いっぱいという情けない状態であります。このようなことで、これからますます重く、かっ困難になる役割をどうして果たしていくことができましょうか。  四月二十一日付のフジテレビの調査によりますと、現行中選挙区制を変えた方がよいという人が調査対象者の六九%に上っていたということでありました。そこで、共産党を除く各党は、中選挙区制は制度疲労を来しており、変えなければならないということで一致しておると伺っておりますが、この点につきまして、現在でも変わっていないと思いますけれども、改めて確認をさせていただきたいと思います。

石井一自由民主党

○石井(一)議員 中選挙区制度がもたらしたメリットという面も評価するべき一面があると思います。それは、戦後一貫して政局を安定させ、そういう中から今日の我が国をつくってきた、その一つの基本であったということは確かでございます。しかし、制度には必ずメリットと同時にデメリットというものが存在しておるわけでございまして、委員が御指摘になりましたとおりであります。  私たちといたしましては、この際、単に政権にすがりつくというその惰性を排し、そこから、仮に政権をかなぐり捨てても、政治というものを新たな初々しいものに変えていきたい。政党、政策を中心にした選挙に、個人、派閥を中心にした選挙からこれを転換せしめたい、そう考えておるわけでございます。  また、私は、野党の皆さんも、これまで中選挙区のメリット、特にその存在を、議席を確保するという意味におきましては、野党には野党なりの評価するべき面があったと思うのでございますが、同じような大乗的な見地からこの制度を放棄し、新しい視点に立たれたということに対しまして、私は、画期的な選挙制度の改革の一つの時期が到来しておると認識をしておるわけでありまして、今日までここで訴えてまいりましたことにいささかの変更はございません。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 中選挙区制度についてどう認識するかということでございますが、現行中選挙区制度は、その選挙の結果については、大政党にやや有利な比例代表制のような結果をもたらすということは一つ言えるであろうと思います。ただ、私どもとしても、もはやこの中選挙区制度は維持できない、制度疲労に達しているというふうに認識をしております。  その一つに、中選挙区制度が、選挙に金がかかる、その諸悪の根源であるという立論が一つございますが、この点については私どもは同意できるものではありません。選挙は、いずれにいたしましても投票を依頼といいますか求める行動でございますから、そこに金が絡まる、金で腐敗するということはどのような選挙制度であつでもあり得る、排除できないことだろうと思います。したがって、金との関係については、これはまさに政治腐敗防止という別の法制度が、システムが必要であろうというふうに認識をしているわけでございます。  それはともかくといたしまして、現行の中選挙区制度では、委員御指摘のとおり、政策による選挙ができない。幾らみずからの属する政党の政策を唱えても、そのことによって自己の名前を投票していただくことにはつながらないわけでございますので、この点についてはやはり重大な欠陥があるのではないかというふうに考えております。  もう一つは、いわゆるハードルが低い。まあせいぜい一五%から多くても二〇%程度の得票があれば当選ができるということになれば、いわゆる地盤培養行為によって、日常的に金をつぎ込んでサービスをすることによってかたい自己の支持層を固めておけば、いろいろ世間から指弾され非難されるような行動があっても、そのかたい支持基盤の上に乗ってまた当選を果たし、そして選挙民によってみそぎを受けたと言って居直る。こういうことを可能にしているという意味でも、やはりもはや維持しがたいものではなかろうかと考えているわけでございます。  また、野党に関して言えば、五議席、四議席の中で一議席あるいはせいぜい二議席を確保するという一種すみ分けのような形の中で、その中に安住してしまうという側面もこれまた率直に申し上げて否定できない。  そういうことから、もはやこの中選挙区制度は維持すべきでない、こういう認識を持っているわけでございます。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 お答えいたします。  現行中選挙区制につきましては、多年にわたり、日本におきましては明治以来、こうした制度が大体日本国の国情に合うとして認識されてきたところでございます。何回か小選挙区制に移行しようとしたことはございましたが、その都度、大量な民衆自体の紛争あるいは政治資金の腐敗を惹起いたしまして、そうした試みは成功しなかったわけでございます。現在私どもは、多年にわたる中選挙区制の不公正さというものに目覚めてきたわけでございます。  その第一は、何といいましても、自民党の議員から重ねて指摘されておられますように、政策本位でなく、同士打ち型の選挙が主体として行われること。それから第二に、投票率と議席との関係が多少乖離があって、どうやらそれが黙視しがたい状況になったこと。また、急激に変化する民意に対して反応できないという弱点があること。そしてまた、自分が投票に行っても余り政治が変わらないという立場から、大量の無気力層というものを自然に再生産してきたということ。そして、言ってみれば野党もある部分で、膨大な危険を冒して大量に立候補させるということをできがたくしたという面があること等々を痛感しているわけでございます。  今回の小選挙区併用型比例代表制の私どもの提案は、その点は見事に克服できる一つの回答ではなかろうかと提案をさせていただいたところでございます。

星野行男自由民主党

○星野委員 政治改革について、腐敗防止を優先すべしという議論がございます。政治の腐敗、汚職を防止し、不祥事の根を絶つためには、政治家個人個人がまず自重自戒し、政治倫理を確立することが第一であることは申すまでもございません。しかし、政治活動に経費がかかることもまた事実であります。そして、その経費の主たるものは人件費でありまして、私設の秘書を十人雇えば年間四千万円以上かかります。働いてくれる職員に生活給を支給することは雇い主である代議士の義務であります。  私は先般、ワシントンでアメリカの上下両院議員にお会いをしてまいりました。そこで、事務所で働いている職員は何人かとお聞きをいたしましたら、十五人ということでありました。そして、その給料を全部議会から支給されているとのことでありまして、大変うらやましく思った次第でございます。  引きかえ我が国の場合は、政治家個人の金銭的負担が重過ぎます。結局、政治と金の問題で疑惑を招かないためには、政党に対する公的助成を導入するとともに、政治資金の出と入りを明確にし、ルールに違反した者は公民権を停止し政治家を失格させるという厳しい制裁を科すよりほかに方法はなかろうと、そう思うのでございます。そして、政党に対する公的助成を導入するには、今お話しのように、政党中心、政策本位の選挙制度に改めることが必要になります。  したがいまして、政治改革四法案は一括処理をして初めて政治改革の実が上がるものと考えるわけでありますが、一括処理につきましての御決意のほどを、自民党とやはり社会党、公明党から、さらに民社党からも、この際御発言を承りたいと思います。簡単にお願いいたします。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 仰せのとおり、これはもう当初から自由民主党が方針としておりますのは一括処理でございまして、政治改革は政治全体のシステムを変えようということでございますので、一括処理、変わりございません。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 委員御指摘のように、中選挙区制がどちらかといえば個人本位選挙になっていたにもかかわりませず、その弊害があらわれている。したがって、それを断ち切るときには、政党あるいは政策中心の選挙ができるようにするということが一つの大きな眼目だ。もう一つは、もちろん国民の民意になるべく相似形的な結果が出るようにというのが、もう一つの私たちは要素だと思っております。  その意味で、選挙制度と公的な助成、あるいは腐敗防止たるものは、これはいわば私たちのここに提出しております四本というのは、政党本位、政策中心という意味での哲学が一本通っているわけでございますので、私、昨年自民党さんと一緒に、一緒にというか、自民党さんに対しまして腐敗防止のためのもっと厳しい案をということを随分やってきたわけでありますが、自民党さんはすべてそれは選挙制度に帰するということで、選挙制度を変えなければということを言われ通してきたかけでありますので、そういう現状から考えてみましても、本法案というのは一括して通すことが全体を大きく前進をさせることになる、政治改革の実現にぜひ必要である。したがって、私たちとしては四本一括して成立をせしめる、このことが今必要だと思っております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 お答えいたします。  公明党といたしましては、星野委員の御指摘のとおりだと存じます。

星野行男自由民主党

○星野委員 ただいま各党がもそれぞれ大変貴重な御決意の表明をいただきまして、ありがとうございました。  なお、重ねてで大変恐縮でございますけれども、今国会に政治改革の四法案が自民党、そしてまた社公両党からそれぞれ議員提出の形で提出され、長時間にわたりまして極めて熱心に審議されているわけでありますが、これはとりもなおさず、この国会で抜本的な今の一括処理、政治改革をなし遂げる、こういう御意思のあらわれであると、こんなふうに承知をしているわけでありますが、この国会で何としても抜本改革をなし遂げる、このことにつきまして、ほんの一言ずつでよろしゅうございますが、もう一度再確認の意味で御答弁をお願いいたします。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 この機会を失しては私は改革の時期はないという、そういう信念に燃えて取り組んでおるところであります。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 当然のことながら、この国会で成立をせしめなければいけません。なぜならば、あとのいろいろな準備もございます。我々の任期は来年の二月まででございますから、そういったことを考えますれば、今国会で成立をさせ、次の選挙には新しい選挙制度のもとで、新しい政治的な変化が起きるような、そういうことを想定して私たちは臨んでおります。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 お答えいたします。  私ども公明党といたしましても、今国会で断固抜本的政治改革をなし遂げるべきである。四十年間に一回のチャンスというのは、そう簡単にめぐってくるものではないと確信いたしております。

星野行男自由民主党

○星野委員 ありがとうございました。  さて、衆議院の選挙制度改革と参議院の選挙制度改革は関連があることはもちろんのことでございます。しかしこの国会では、参議院の選挙制度を念頭に置きつつも、まず衆議院の改革からということで出発したはずでございます。ところが、最近になりまして、唐突に衆参ワンセット論が出てまいりました。衆議院の改革をやり遂げた後、引き続いて参議院の改革に取り組む、こういうことでありますれば、まさに正論でございます。  しかし、これがもしこの国会で参議院の選挙制度改革もあわせてやろうということでありますと、例えば百メートル競走でランナーがゴールを目指して一生懸命走っているのに、ゴールをさらに百メートル先に延ばすようなもので、ランナーをばかにした話ではないでしょうか。あるいは十トン荷重の橋に二十トン車を渡そうと言うに等しく、意識的に橋を落とそうとしていると勘ぐられても仕方がないのではないでしょうか。  自民党理事の皆様方は発言者にその真意を確かめる必要があると考えますが、どなたか発言者にその真意を確かめたかどうか。あるいは確かめたといたしますれば、その結果はどうでありましたか、お聞かせください。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 星野さんはえんきょくに言っておられますけれども、自民党の幹部の発言を取り上げて言っておられることだと思っております。  その発言がございました明くる日、月曜日でございましたですが、実はその発言されました方とその他の幹部を入れまして、いろいろと話し合いをいたしました。多少、報道は短絡的にされておるというところでございまして、そういう表現をそのまま申しますならば、言いましたことは、衆議院の改革と同時に参議院もやはり改革してもらわないかぬ、国会というものは衆参両方でもって国会を構成されておるんだから、衆議院の改革だけでもって終わりというわけにいかないということが、衆参同時改革というふうに解釈されてきた。何もこの法案の処理、今回の政治改革において同時に決着しなければということは、一言も言っていない。こういうことでございますので、誤解のないようにお願いいたします。

星野行男自由民主党

○星野委員 安心をいたしました。  さて、選挙制度改革につきましては、自民、社公両案につきまして各党の主張を十分お聞かせいただいてまいりました。その中で、社会、公明両党提案の比例代表小選挙区併用制は民意の反映の上ですぐれており、自民党の単純小選挙区制は民意の反映に問題があると、こういう御主張がございますが、私はこの見方に理解できません。  私は地方自治体の首長を長くやってまいりましたが、地方自治体の首長は一人でありますから、いわば小選挙区制であります。しかし、地方自治体の首長の選挙が民意を反映していないという批判は聞いたことがございません。むしろ、併用制によって小党分立になり連立政権ができることにより政策遂行がタイムリーに行われなかった場合、逆に民意を裏切ることになりはしないかと恐れます。また、今日の厳しい情勢の中で、重心の軽い政権では難局を乗り切っていくことができるかどうかということが、甚だ心配されるところであります。  国民の意思あるいはニーズ、これは非常に複雑多様であると思いますけれども、それを一つの国家意思にまとめ上げていくというのが国会の仕事であり、政治の役割ではなかろうかと、こんなふうに思うわけでありますが、この点につきまして、国権の最高機関としての国会あるいは政治の責任をどのように考えているか。これは、御提案者の社会党、公明党から御意見を承りたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 民意の反映ということでございますが、ただいま御指摘の地方の首長の場合は、これはまさに執行機関を選ぶものでございますので、もちろん当然一人に限りますので、そのような一人を選ぶという選挙制度になるのは当然であろうかと思います。  ところが、国会は、執行機関を選ぶところではございません、国会議員の選挙は。立法機関の構成員を選ぶところでございますので、その国会の中で、さらに議院内閣制のもとで行政府の長を選ぶという機能が各院に付与されていることは事実でございますが、第一義的には、やはり国権の最高機関であり立法機関、その構成員を選ぶわけでございますので、国民の各層の意見を忠実に反映する、そういう議会構成にするのが、物の道理として当然ではなかろうか、かように考えているわけでございます。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 既にお答えが行われておりますが、多年にわたって地方の首長で立派な御功績をお上げになった方でございますから、一人の首長選挙におきまして一人の候補者を選定するということが、県民あるいは市民あるいは町民等の意向を代表する仕掛けとしてこれ以外の方法はないのは、御承知のとおりでございます。  ただ、国会の場合は、しょっちゅう我々の民意を代表しているということを国民が実感するためには、自分たちの代表がなるべく国会にいるということが望ましいわけでございまして、例えばPKOの問題についても、あるいは政治改革の問題についても、あるいは減税の問題についてもと、こういうふうに問題が三つ、四つ、五つとなってまいりますと、自分と同じグループの方をなるべく当選させたい、同じ意向の人を事前に当選させておきたいと思うのは、国民のもう無理からぬ希望ではなかろうかと存じます。  その意味では、なるべく民意の広範な総意を、死票なく取り上げておくということが、これは安定した国政というものの上に必要欠くべからざるものであった。私たちのグループは国会にいないよなんということが続きますと、国政というものは必ずしもいい動き方をしないなというのが多年にわたる経験ではなかろうかと存じておりまして、その両者はどうか別のものとして御理解いただきたいと存じております。

星野行男自由民主党

○星野委員 最後に、今後の進め方でございますが、現在の衆参両院の与野党の勢力分野から見ますと、自民、社公の両案は、いずれも原案どおり成立する可能性は、残念ながら一%もないと思います。各党の案につきまして、議論は既に十分尽くされました。議論のための議論だけでは、国会の権威を傷つけ、国民の政治不信を一層増すことになるのではないでしょうか。  会期も限られておりますので、速やかに一致点を見出すための話し合いに入っていただくべきだと、こんなふうに思いますが、当委員会のこれからのそういう一致点を見出すための段取りについてどのように考えておられますか、お伺いをいたします。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 まだ実はそういうことを具体的に、私は個人としてはある程度の方法も持っておりますけれども、申し上げるべき段階ではないと思うのでありますけれども、しかし、ここで星野さんも御指摘されておりますように、中選挙区制ではだめだ、新しい制度に変えなきゃだめだということは、与野党一致しております。そして、与野党とも、その方向としてはやはり小選挙区制が基幹だということ、そこに比例代表をどの程度入れていくかということで、野党と自民党との間も全然、自民党は単純小選挙区、一番わかりやすいということでこう言っておる。そこに野党の皆さん方は死に票を生かそうと、こういうふうに言っておられます。  ですけれども、ベースとなっておりますのは小選挙区だということは、これはもう認識されると思っておりますので、私は、そこらを中心に話し合いをしていくならば、一致点は必ず見出せるのではないかなということを思っておりますが、まだ手順としてこの場で申し上げるところまでは来ていない、もう少し議論をさせていただきたい、こういうことでございます。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 私たちの案、いわゆる小選挙区併用型の比例代表制は、先生御承知のように二百の小選挙区を用意してあるわけでございます。これは単純小選挙区制と意味が若干、性格が違う小選挙区制であることは御承知のとおりであるわけでございますけれども、私たちとしても、星野委員御指摘のように、相打ちで、百何時間議論したけれども全く結論を見なかったということは許されない、全くもう後ろはないんだというふうに思っておりますので、そういった意味で連用制というものについての当委員会での審議もございました。これも一つの参考として考え、今塩川提案者の方からもございましたけれども、また、きのうのフリートーキングのようにいろいろな意見が出てきております。  したがって、私たちの方としては、自民党さんの方が単純小選挙区というのから出ていただいて、私たちの方が併用案というのがあるわけでございますので、並立案というのはもうだれも受け入れるところではないという前提に立って、結局並立案と併用案との間でどういう妥協が成るのか、その具体的な段取りというのは当委員会の問題でございますから、理事会があるわけでございますので、基本的には私は、理事会を中心にして成案を得るようになお一層努力をする必要があると、こういうふうに考えております。

星野行男自由民主党

○星野委員 どうもありがとうございました。  終わります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 佐藤謙一郎君。

佐藤謙一郎自由民主党

○佐藤(謙)委員 それでは質問させていただきます。  私、今度の連休にいろいろな有権者の方々とお目にかかることができました。しかし、十人が十人、政治改革はどうせできないんでしょうという返事が返ってきて、私は実は動転をしたのであります。私自身、政治改革特別委員会に所属をさしていただいていて、この熱気さえ国民に伝わればきっと政治改革はこの国会で実現できるという、そうした強い決意を持って臨んでいるわけでありますけれども、だけれども、月刊誌に強行採決だとか廃案だとか、そんな話が載っていますよというような話でございました。  月刊誌に、これは山花政権誕生の小説が載っているわけですけれども、ここにこんなくだりがあります。「六月十八日 自民党幹事長の梶山静六は宮沢ののんびりしたもののいい方にいらいらしていた。「総理、政治改革特別委員会で何のために強行採決したか考えてみてください。委員長の田辺国男君はネクタイをちぎられ、理事の浜田卓二郎君にいたっては眼鏡を壊されてしまった。ハマコーにいたっては委員長を守ろうとしたとき、」左近議員に胸を引っ張られ——そうは書いてなかったですが、「左手を脱臼して、医務室へ運ばれたんですぞ」」というような、そんなようなことがおもしろおかしく書いてあるわけですね。  私は、実はびっくりしたのは、強行採決なんというのは我々の選択肢から、全く視野に入っていない。なぜならば、今度この国会で政治改革を実現するためには、与野党間の信頼関係が前提になければいけない。何のためにこれだけ審議を進めてきたかというと、まさにその信頼関係を築き上げる努力に私はただただ敬意を表すると同時に、よくぞここまでまとまってきたなという思いをいたしているものでございます。  私は、そんなばかなことは絶対にあり得ないと、私に発言した方に御返事をしましたけれども、これは答えが決まっていることをあえて御質問する、お聞きするのは失礼だと思いますけれども、委員長に、そういうことはないということをここに一言御明言をいただきたいと思いますが。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 そういうことはないと思います。

佐藤謙一郎自由民主党

○佐藤(謙)委員 大変うれしい、ありがたい言葉でございます。  我々はここで、今国会で何が何でも政治改革の実を上げなければいけないということで、退路をふさぐという言葉を我々は盛んに使ってまいりました。退路を断つ、退路をふさぐということは、中選挙区への後戻りの道をまず分断するということですけれども、これは同時に、あすがあるさという誘惑との戦いだろうと思うのですね。あすに寄りかからないということだと思います。今しかないという認識を共有することしか今度の政治改革実現への道はないだろうというふうに私は信じているわけでありますけれども、この合意点をこれから求めるまでにいろいろな阻害要因がある。そうした阻害要因を一つずつ挙げて、つぶしていく作業を我々はここでやらなければいけないだろうというふうに考えております。そうした共通認識を持って、どうかこの政治改革特別委員会で合意点の一致を見出す努力をさらに進めていただきたいと思うわけです。  つまり、想定される共通の敵といいますか阻害要因は、例えば解散、例えばこの法案を継続にしよう、それからあるいは成算もないのに会期延長を進めていく、これは結局は継続や廃案への道を開くということでありますけれども、あるいはまた意味のない内閣不信任案もその一つなのかもしれませんが、そうした阻害要因を一つ一つ我々がこの委員会で一つになってつぶしていく努力が大事であろう。  その中で、まず第一、解散という問題。これは何もここで扱うべき問題じゃないかもしれませんけれども、一時、一部で解散を求める声が出てきています。私は、国民に信を問うとの美名のもとにこうした無責任な敵前逃亡以外の何物でもないこうした解散論というものを、我々のこの熱気の中で封殺していかなければいけない、私は強く考えております。私は、宮澤総理を尊敬してやまない者でありますし、一〇〇%の信頼を持って今進んでいる者であります。自民党の両院議員総会での発言に心から拍手を申し上げた一人として、どうせ解散があるんだろうというような言われ方を私は選挙区でされましたけれども、その人に絶対ないと私は答えました。解散したらどうするんだと私問われましたから、ほかの極めて重要な問題によるものでない限り、もしも解散があったら私は自民党をやめます、そういうふうにお答えをいたしました。  解散は、政治改革を水泡に帰するもの、まさに政治改革をこの国会でやり遂げようとすることに水を差し、それを捨て去る、そういう意味であることを信じているからであります。渾身の力でこの国会の成立を目指すと私は大見えを切って選挙区に入った人間でありますから、政治改革を捨てた方と一緒に私は政治活動はできない、そういう強い決意でこれからの審議に臨んでいきたいというふうに考えております。  そこで、私は、何としてでも解散というものが政治改革の最大の阻害要因の一つだということを、そうした御認識があるか、絶対阻止すべきだと思うというその決意を自民党、社会党さんにお聞きしたいと思います。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 佐藤さんの熱弁を聞いておりまして、私も非常に意を強くいたしました。解散をするということは、切腹じゃございませんで首つりみたいな恥ずかしい話でございます。そんなことはすべきじゃない。もののふの道というものはそうじゃなくて、やはり自分の責任を果たすということが大事なことだと思っておりまして、考え方は全く同様でございます。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 佐藤委員が最初に挙げられました中央公論六月号の黒河小太郎氏の文章は、委員御指摘のように「小説野党連立政権誕生す」、こういうことでございますから、あくまでこれはフィクションなのでありまして、先ほど名前をいろいろ挙げられた方の名誉のこともございますので、あくまでこれは小説であって、出版の自由は認めますけれども、そのことをひとつ大前提に申し上げさせていただきたいと思います。  それから、解散の問題につきましては、これは私も党全部を代表する権限があるわけではございませんけれども、いやしくも私が政治改革担当の副委員長という立場でこの提案者の一人として臨んでおるわけでございますが、その立場として申し上げさせていただくならば、とにかくこの四十年に一回という、こういう我々から見ればチャンス、また、国民の皆さん方に果たさなければならない責任を考えますときに、解散などということは当然頭の片隅にもない、どなたか同じような言葉を言われたことがありますけれども、であるべきである。  ただ、佐藤委員の御質問を聞いていて、当委員会としていろいろなことを、先ほど阻害要因ということを言われましたが、問題は、当委員会から発して、おのおのの政党をどうして我々の意思と一緒にしていくかということが大事なのではないかということも、あわせて申し述べさせていただきたいと思うのであります。

佐藤謙一郎自由民主党

○佐藤(謙)委員 今佐藤議員のおっしゃるとおりであると思いますが、次に、継続審議にしようという、そういう考え方を持つ方がおられるやに聞いておりますけれども、私は、せっかくここまで高まった議論を継続審議にするということは、これはもう臨時国会冒頭解散が見えてくるような気がいたします。継続審議を口実に、今口実になるであろういろんな問題が用意されていて、そのうちの一つが、例えば参議院、衆議院のセット改革論だろうと思います。  これは既にかつて言いわけに使われたことがあるわけでありますけれども、もちろん、参議院改革を抜きにしてはこの政治改革というのは成就できないことは私も百も承知しておりますけれども、ここは一つの整理をしながら、我々は衆議院改革を先行するという一つの前提の中でこうした審議の積み上げというものをやってきたわけでありますから、こうした衆参セット改革論というものが唐突に出て、それが一つの継続への口実になってはいけないというふうに思っておりますし、また、PKO問題、我々心を痛める問題でありますけれども、こうした問題や補正予算等々がここに来て浮上しております。私は、先年の湾岸問題の轍を踏むなと言いたい。結局のところ、我々は湾岸問題をとるか政治改革をとるかという、そういう選択を迫られた時代があったわけでありますけれども、シングルイシューに振り回される国会を変えねばならないというのは、我々国会改革の大変大きなテーマの一つだろうと思っております。  そういうことでは、こうしたいろいろなPKOですとか補正予算というもちろん大事な問題は、そうした問題は別建てで審議すべきであるということを我々は強く考えていかなければいけないと思いますし、また、継続審議の危うさというのは、制度が施行するまでの物理的な準備期間を考えれば、任期中に間に合わないというおそれがあるわけで、それはもう我々の常識的な考え方だろうというふうに思っております。  こうしたいろいろと衆参セット改革論やPKO問題等に口実を与えない、つまり政治改革をおくらせてしまうという、そういう口実を与えないということはこれからの政治改革の審議に極めて大事なことだろうと思いますが、このことを一つ確認を申し上げたいのと、それから、合意点を見出す努力を、きのうの自由討議をしてみますと、大変我々は力強く聞かせていただいたわけで、ぎりぎりまでそうした合意点を見出す努力というものが必要であるわけでありますけれども、不用意な会期延長というのはやはり意味がないだろう。成算もないのに会期延長するというのは、これは慎まなければいけないことだろうと思います。参議院の審議時間の問題ですとか、新しい合意案の法案化のそうした時間を考えますと、タイムリミットは大体いつまでだと考えておられるか。これは社会党と公明党さんに、今の二点について御確認をさせていただきます。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 私たちは、参議院改革については必要であることはたびたび当委員会で言わせていただきました。ただ、それがこの政治改革との関連においてセットでしなければならぬというような政治情勢でないことは、もう佐藤委員御指摘のとおりでありますので、私たちも衆議院が結論が出たら当然参議院の方も改革に着手をする。また着手するというのは、現に定数是正の問題を含んでおりますから、それとの関連で参議院さんは参議院さんの方でされるというふうに考えております。  それから、その他の課題の中でPKOの問題、これはきょうも本会議があるわけでございますし、それは日々今カンボジアで起こっておる話であり、モザンビークでも起こっておる話でございますから、これはこれなりに審議をし、一定の方向を当然出すべき政治改革の問題と絡む話ではないと私は思います。  それから、補正予算の話は、ネックに所得税減税の問題がございまして、あの梶山幹事長がバッジを外してもと言われたそうでございますので、やはりこういうことは誠実にこたえていくことが、今佐藤委員御心配になるようなことの阻害要因というのを一つ一つ取り除いていくことにつながるのではないかと思っております。  それから、国会も六月二十日まででございますので、そういった意味におきまして、きのう私、スケジュールを申し上げましたが、結論から言えば、五月末ぐらいにできれば十月の初めには遅くも新しい候補者、あるいは皆さん方のところではお国がえもあるかもしれませんが、そんなこともスタートできるのではないだろうか。そのあたりが、実際に新しい制度、新しい候補者ということを考えますと、来年二月までの任期の中ではほぼ限界ではないだろうか。事実上それで周知期間というのが三カ月のような格好になりますわね。ですから、それは五月末に法案の基本がお互いに合意したという、それは政治資金も含めてという前提でありますから、そんなに私は時間があるとは思っていないわけでございます。  したがいまして、できる限り、そういう後の日程を考えますと、佐藤委員御指摘のように、私たちといたしましては、なるべく早く、五月の二十一日まで公聴会を予定しておるわけでございますから、そういった御意見も耳を傾けながら、なるべく早く合意点を見出すという努力を水面下であろうとも一生懸命しなければいかぬというふうに思っておりまして、その意味で私は、タイムリミットというのは結構近くに来ているという認識で、本問題に取り組んでおるわけでございます。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 お答えいたします。  私はもし、阻害要因を一つずつ挙げられましたが、阻害しようと思うならば、たくさんのテクニックが国会の中に存在することは御承知のとおりでございます。私は、この際この政治改革ができなかった場合を想定いたしますと、恐らく既存政党の既存議員、特にその中でも政治改革で熱心でなかったと言われるグループに対しては壊滅的な攻撃が行われるだろうし、それに耐えて選挙戦をやるということは大変難しいということは、議員として少し考えればわかることではないか。  私は、今この政治改革特別委員会があるために、逆に全議員の方々がちょっと安心しておられる点があると思う。というのは、苦労はもうその委員会でやらせておけばいい、どうせできるかどうか知らぬけれども、多少いちゃもんをつけてもまあできるのだろうという安堵感がある。  ところが、もしできなかったとすればどういうことになるかといえば、ほこりは全部頭の上からそれこそ雪崩のようにかぶってくるのだということを他の議員の皆様方にも少し深刻にわかっていただく必要があるのではないか。当委員会の委員は、この中で議論していると同時に自分の党、自分の党のメンバーに対して説明することが大変な大きな今や課題になっているということは先ほどから御指摘のとおりでございますが、私もそれを痛感するところでございます。  したがって、阻害要因、余り国会対策の端々まで、あるいは議会運営上の問題の端々まで論及することについては、私は慎重に避けつつも、基本的な立場として、もしこれを成功させることがなかったら君らの存在はないよというだけの忠告というか恫喝というかは、当然我々がもうちょっと行っていいのではないかと、こう思っておるのでございます。

佐藤謙一郎自由民主党

○佐藤(謙)委員 タイムリミットについては。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 私は、当委員会において、日本人の感情から申しますと、どうしても長く引き延ばしてまいりますと国民の集中力を欠いてくる。我々の熱意も欠けてくる。先日、連休中に空気がすっかり冷めたという同僚議員の御指摘もあったところでございまして、私も心配しているところでございますが、何としてもこの国会中に上げるべく努力をしなければならない。それから先の問題については、ちょっといろいろなバリエーションがあり過ぎると私は思っておりまして、それは非常事態を考慮しなければならないと存じます。

佐藤謙一郎自由民主党

○佐藤(謙)委員 次に、参考のために法制局にお聞きをしたいと思うのですけれども、これから合意のための努力を一生懸命やっていかなければいけない。私は今ここで連用制をすぐ支持するという立場にあるものではありませんが、もしも連用制というものが合意されてそれを法案化するとするならば、作業にどのくらい時間がかかるのだろうか。そのことについて、二つの議員立法で大変苦労されました法制局、まことに申しわけないのですけれども、ちょっとその辺のことについてお聞きしたいと思います。

内田正文衆議院法制局第一部長

○内田法制局参事 お答えいたします。  私どもも連用制の中身についてまだ詳細に検討しておらないわけでございまして、そこら辺をはっきり何日間あれば法案ができるというようなお答えは、ここではちょっと遠慮させていただきたいと思います。そういうものが固まってくれば、私どもも誠心誠意、徹夜をやっても作業をしたいと思っております。それで御勘弁をお願いしたいと思います。

佐藤謙一郎自由民主党

○佐藤(謙)委員 もう少し具体的に日数を伺いたかったのですが、それでは次に移らせていただきます。  今大体、今度の公聴会で百六時間に及ぶ、そうした審議が続いたわけでございますけれども、これからの委員会の運営について、非常に白熱した、そしてその中でも信頼関係を先ほどから申し上げたように高めていく委員会運営ができているわけでございまして、私は委員長に大変敬意を表するところでございます。と同時に、それぞれの理事の皆さん方の大変御努力もあったのだろうというふうに思っておりますけれども、ただ、これでこれが討論会で終わってしまってはいけないわけで、私はこうした二十一日の公聴会の後も引き続き委員会審議が続けられるであろうというふうに思うわけでありますけれども、並行して、やはり合意点を見つけるための理事会協議のようなものをこれからやっていくべきではないだろうかというふうに考えております。  この四月十五日冒頭に、野田毅先生が中選挙区制の廃止について大変力強いお話をされました。それに対して、恐らくこの答弁側に立っておられる方々は、認識としては当然だということでそれぞれお答えがいただけるわけでありますけれども、それで終わってしまう。私は、そういうことを考えますと、これから合意点を見出すために、せっかくここまで中選挙区制についての大多数の政党が一致点を見出しているわけでありますから、ここで委員会の総意として、中選挙区廃止宣言というものを例えば国会決議として行ったらどうだという、そういう確認だけでも実はこの委員会でしていくべきだろうというふうに考えております。  と申しますのも、これから例えば理事会協議に入っていただく。あるいは先般の政治改革関連三法案がおととし廃案になったときに、政治改革協議会あるいは実務者会議というものができたわけでありますけれども、どうも国民にとってはなかなか見えにくい、密室で協議をされてしまうのではないかという国民のいろいろな疑念というものを私は多く聞いております。どうか、新しい段階に入ったこの時点で、踊り場にちょうど差しかかったという認識で、私は、ぜひとも理事会の協議に入る前提として、中選挙区廃止というものを強くここで確認をするということをお願いをしたい、そういうふうに思っておりますけれども、こうしたはっきりとした宣言から入るべきではないかという、そういう考え方に対して、委員長にちょっとお答えを。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 佐藤君の御意見、私どもも趣旨として賛成でございます。この点につきましては、委員会の理事会に諮りまして対応してまいりたいと思います。

佐藤謙一郎自由民主党

○佐藤(謙)委員 ありがとうございます。  次に、ちょっと並立制について御質問を一つ申し上げたいと思いますが、今は亡き並立制、政治改革並立制、先ほど佐藤観樹先生も並立制はもう論外だというふうに言われましたけれども、私はここでまた合意案として並立制を主張するつもりはございませんけれども、既に廃案になって死んだものを呼び戻すなという声があって、それに対して私は、ただただ涙なくしては語れないというか、おととしの政治改革関連三法案が廃案になったときのことを思い出すのであります。  あのときの審議未了、廃案になった審議時間、御存じだろうと思いますけれども、特別委員会で六日間、二十三時間余、本会議合わせても三十二時間しか審議がなされなかったわけでありまして、形式としては、その当時の委員長によって審議未了、廃案ということにされましたけれども、私はこれが、今度のこれだけ深刻な我々の熱心な議論を経験すればするほど、本当に実質的に死んだものと言えるんだろうかというような印象を持っているわけであります。この辺について社会党さんにもう一度お聞きしたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 私もそのときの審議に加わったわけでございますけれども、私たちの認識としましては、死んだものということでございます。それを呼び戻すのはお盆のときということでございますが、お盆までには新しい選挙制度を私たちはつくっておらなければならないと思っております。  なぜ私たちが並立制というのは死んだもの、死んだというのは、今委員御指摘のような審議経過のことも、時間の問題もございますけれども、やはりこれは当委員会でもいろいろ自民党さんの質問者あるいは提案者も言っていらっしゃいますように、選挙制度というのは、ただ社公の案、自民党さんの案、これの妥協だけを求めればいいというものではないだろう。私たちはやはりそこに、選挙制度というのは一定の期間あるいは多くの国民に保制度としてたえ得るものでなければいかぬ、意味がなければいかぬ。  その際に、並立制というのはまさに木に竹を接いだものである。あのときの三百と百七十一という数字のことは別といたしましても、いかにも二つの比例代表と小選挙区というものをまさに並べ立ててやる制度であるということ。そして結果は、これは第一党が二重の恩恵を得る、つまり小選挙区においても第一党が極めて有利であり、比例代表においてもそれなりの第一番の議席を得ていくという制度でございますから、そういった意味で私たちはとるところではないということでございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)議員 並立制、前回の特別委員会に私も委員として加わっていたわけでございますけれども、この委員会でほぼ、いわゆる小選挙区と比例代表を組み合わせる混合型ということが合意の前提だろう、こういうふうに議論が進んでいるわけでございますけれども、どちらもやはり小選挙区における過剰代表というものを比例代表によって補正をする。いわゆるできるだけ民意の反映というものを選挙制度として担保するというのが、やはり比例代表を加味することなんだろうと思うのですね。  そういう点から考えますと、並立制というのは極めて中途半端で不十分なものでございまして、世界各国の例を見ても、例えばメキシコの場合は、小選挙区で過半数をとった政党には比例代表を配分をしないとか、あるいはハンガリーの場合は、小選挙区における死に票をもう一回全国リストで再配分をするとか、いわゆる民意をどうやって反映するかということを一生懸命工夫しているわけでございまして、そういう意味で非常に中途半端で不十分な制度であって、そういう観点からいうと、連用制というのがそういう面では非常にすぐれた制度だというふうに考えておるわけでございまして、ただ木を竹でつないだとかというような問題だけじゃなくて、もっと本質的な問題があるということをぜひよろしくお願いします。

佐藤謙一郎自由民主党

○佐藤(謙)委員 今、佐藤観樹先生の答弁を伺いまして私ちょっとおかしいなと思うのは、これは社会党の癖なんでしょうかね、いつも会期末に法案を出す癖をお持ちのようなんですよね。おととしも十月四日に臨時国会が閉会されたわけですけれども、その直前の九月の二十七日に例えば社会党は政治資金規正法の一部を改正する法律案を出しているわけですね。それから、九月の三十日に野党四党で政治倫理法案ですとか、国会法の一部を改正する法律案なんかも出しているわけですけれども、こうした政治資金規正法を改正する法律案ですとか政治倫理法というのは、内容的にはほとんど今回変わってなくて出ているのに、こちらはなぜ死んでないんでしょうか。その辺をお答えいただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 個々の法案の経過については、今、私鮮明に覚えているわけじゃございませんが、いずれにしろ、そこでは自民党さんといろいろな格好で政治資金の問題についても議論してまいりました。また、昨年、御承知のようにいわゆる二十一項目というもので合意をしました。しかし、私たちの基本的な部分というのは、自民党さん、のんでくれないわけであります。  したがって、私たちといたしましては、その内容につきまして、私たちの意のあるところ、私たちの基本的な考え方を法案という形で国会に提出をしているということでございますので、今挙げられました法案の中身というのは、今提出しております当委員会への四法案の中に多分に内容的に含んでいると、公明党さんと共同でございますから、さらに手直しをしたところもございますけれども、ぞうお考えいただいていいのではないかと思います。

佐藤謙一郎自由民主党

○佐藤(謙)委員 死んだ子でもまたよみがえってくるということだと思いますので……。  それでは最後に、公明党さんに御質問をさせていただきますけれども、制度に理念や哲学というのが必要なんだろうかということ。私も当然必要だと思っておりますし、比例制あるいは今度の単純小選挙区制それぞれに理念があることは、今度の審議の流れの中で確認ができたと思いますけれども、ここは合意案をつくらなければいけないという、今そういう重要なときに来ています。合意とか妥協にも理念というものが絶対必要条件がということを公明党さんにちょっとお聞きしたいな。言いかえれば、理念と理念の接着剤もやはり理念なのかということをお聞きしたいと思うのですね。  それで私、これは例えがいいかどうかわかりませんけれども、ざるそばが食いたいという人間とカレーライスが食べたいという人間がいる。それじゃカレーそばにして食おうよという、そういう妥協案も一つですね。ところがもう一つ、ざるそばの半盛りとカレーライスの半盛りを食えば、これも一つの妥協になるんだと思います。  つまり、妥協というのはいろいろな合意点というのを見出さなければいけないのですが、さっき並立制という言葉の中で、木で竹を接ぐということを井上先生もお話しされましたけれども、なるほど実はこれからの妥協案、合意点というのは木で竹を接がなければできてこないのじゃないかとさえ思いますし、私はそういう木で竹を接ぐことについて、そんな悪いことではないな。つまり、小選挙区という理念と比例制という理念さえ踏まえておれば、その接着剤に何も理念を求める必要はないんじゃないかなというふうに思うのでありますけれども、最後に公明党さんに御質問をして、終わります。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 こういう難しい話はみんな私のところに回ってくるので困っておるのでございますが、今委員が苦心しておっしゃっておりますことは、その合意を尋ねれば、いよいよ妥協とか合意点を一致させる場合に、障害になりそうな考え方その他を今丁寧に論及されているものと存じまして、敬意を表しているわけでございます。  例えとか比喩とかといったぐいのものは、えてして問題の実態を余りあらわしていないことが多いので、使うときには私どもは気をつけなきゃならぬとかねがねいさめているところでございます。木に竹を接ぐというような表現とかあるいはカレーそばの例とか、非常におもしろいことをたくさん言われまして、恐らく落語とか漫才師でございましたらそれでいいお話にするんではございましょうけれども、我々が今大事にしなければなりませんのは、国民の合意を見出す、そして次の世の中のために少なくとも皆さんの大多数が納得できる安定性のある政治制度、政治資金に対する改革というものを合意をまとめるというところにあるわけでございますから、そうした例えで御気分を悪くされませんで、ひとつ論及されるべきことは十分論及していただき、また私どもの悪い点については十分御指摘いただきまして、まとめるようにさせていただきたい。  私は昔、民社党の春日委員長がおっしゃったことを感銘深く聞いたことがございます。実は私がまだ若いころ、ある法案で激突いたしまして、与野党もめちゃめちゃに激突していた。そして合意をつくるのに大変苦労した。苦労している真っ最中に、私たちがもう断固妥協しないで頑張っておりましたところに、妥協というのは簡単にやるんだ、それで終わったら後は理屈は貨車に乗ってやってくるとおっしゃったことがある。貨車に乗ってやってくる理屈というのはどういうものかと、若い私は大変ショックではございましたが、やはりやってみて、合意をするという一つの考え方さえあれば、その後それを説明する方法というのは何らかの意味であるのではないかなと私は思っております。そして、木で竹を接いだというふうに論及する場合は、その合意の形成がうまくいかなかった場合によく使われる例ではないかなと。カレーそばの件は非常に合意がうまくいった例ではないかなと私思いまして、今伺っておりました。  先生の御説明の巧みさに敬意を表しまして、これは回答にもならぬかもしれませんけれども、お許しをいただきます。(佐藤(謙)委員「理念だけ」と呼ぶ)理念は、その後まとまってくるということが大切だというのは重要な理念であり、哲学だと私は思っております。

佐藤謙一郎自由民主党

○佐藤(謙)委員 終わります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 新井将敬君。

新井将敬自由民主党

○新井委員 質問の要旨と少し順序を変えまして、時間が余りないものですから、連用制の問題についてお伺いしたいと思いますが、特に市川書記長が非常に連用制に積極的な考え方を表明しておられますし、骨格を余り変えないでこれでまとまろうというような発言もされて、社会党とも交渉されておられるようですし、そこで特に公明党さんにお伺いしたいなと思っております。  実は、四年前のちょうどリクルート事件のあたりに、東京で世界政治学会というものが行われました。このときに議会制民主主義、要するにその中で一番大切な概念は何だろうという話が世界じゅうの学者が集まって議論されましたときに、私はおもしろいなと思ったんですが、今この国会の場で小選挙区制あるいは比例代表制、どちらが民意の反映であるか、政権の安定であるかという議論をしておりますけれども、このときの世界政治学会の議論は、実はそういう小選挙区制の選択とか比例代表制のいろんな形の選択は、基本的にはその国の文化や歴史的な状況によって依存するので、絶対的にどっちがいいというような話はないんだというような結論でございました。これは確かに、得票率と議席の関係を考えてみましても、そういうことが現実に選挙制度によって必ずしも二党制が出現したり、あるいは比例制によって必ずしも多党制が実現しないというようなこともございますから、文化的要因が非常に強いと思うのです。  このときに、一番じゃ大切な観念は何かというときに、よく言われていることですが、ワンマン・ワンボード・ワンバリュー、要するに、一人、一票、それから価値の平等、この三つの概念、これが貫徹されていればいいんだということが、いわゆる法のもとの平等ということがこのときの結論だったということを私、四年前ですけれども、ちょうどリクルート事件の後だったものですから印象深く記憶しております。  今連用制について一つお伺いしたいところは、まず二票制の連用制をとったときに、法のもとの平等、いわゆる一票の価値の問題で実は大きな問題があるんじゃないかということをもう一度再確認したいと思います。  それはなぜかといいますと、第一票を個人に投じる、第二票を政党に投じるということになりますが、御承知のとおり、比例の方の配分はドント方式によって、小選挙区の当選者プラス一から始めるということになっております。本来このドント方式自体が、一票の価値を平等にするためにつくった提案がドント方式でして、端数の切り捨てとかいろいろ細かい技術がありますけれども、そのドント方式の基本形、ドント方式そのものが比例に投じられた一票の価値の平等ということを理念につくられております。ですから、このドント方式の小選挙区当選者プラス一というところから始めるということは、比例に投じられた票に対して、当選者を決定する以前に、大変な大きな実は一票の価値の不平等を前提としているということになります。  これは今最高裁で争われていることで、例えば定数是正の問題で、一人の一票が一対三までだというような、これ自体正しいかどうかわかりませんが、そういう判断が出ておりますけれども、例えば三百議席でもし自民党が二百五十をとった、第一党が二百五十を小選挙区でとったといたしますと、比例区の方の投じられた第一党の価値は二百五十一分の一からスタートするんです。これは一対三というような問題ではなくて、また程度の問題として許容できる、おとといの答弁でもそういう問題があったようですが、いわゆる許容できる範囲を超えた実は非常に大きな開きが生じると思うんですが、こうした、場合によっては数百分の一というようなところに数百倍というような価値の開きが比例制において出てくる。こういうことについてどう考えておられるのか、公明党さんに特にお聞きしたいと思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 私どもは、理論的に申しますと、まだ連用制に対する態度を決定していない段階なのでございます。連用制の問題全体に対して私どもが賛成しているかのごとくでございますが、必ずしもそうでもない点もあるわけでございまして、先生のお話に対する御答弁は留保させていただきたい。したがって、もしよろしければ、これは法制局の皆様方がこの問題について多年御研究でございますので、そちらからお答えをいただきまして先生の次の質問の種にしたい、こう思っているわけでございますが、いかがでしょうか。

新井将敬自由民主党

○新井委員 今そういう答えですけれども、(発言する者あり)今早川さんの方から併用制においても同じだという意見が出ました。ところが、実はこれは全然違うということです。なぜかといえば、併用制においては、まず政党に投じられた票で数を決定する場合において、一票の価値の差はありません。まずありません。それから、その数を今度決定した後で、個人の今度小選挙区における当選者を決定するときにも、数において最初から価値の差が違っていることはありません。特に超過議席を認めているということは、そこにおいて一票の価値の差が、それぞれの仕組みの中において最初から価値に差をつけているということはないんです。  ですから、併用制において二票制が、私は法のもとの平等という観点でしているので、超過議席を減らすとかふやすとか、結果論を言っているんじゃないんです。あくまでも一つの制度という仕組みの中において、一票の価値というものが候補者を決定する以前に差がついているか、ついていないかという一点に絞って法的な立場で言っているだけですから、効果の問題を言っているわけではないんです。(発言する者あり)そういう間違ったやじに対しては答えなければいけない、真摯に答えなければいけない、こう思って答えておりますが、そういう一票の価値というものに対して致命的な問題を含んでいるということは、これが得票率と議席率の間の差を単に埋めようというようなところで、例えば並立制も、比例代表と単純小選挙区の間に並立制あるいは併用制、これはもちろんいろいろな得票率と議席率の間の差を埋める技術がありますけれども、それぞれすべて一票の価値をいじくってゆがめよう、ドント方式において小選挙区の当選者プラス一からというような形で、一票の価値を比例制において徹底的にゆがめることにおいて得票率と議席率の間の差を中間値をとろうというような仕組みを考えた制度はありません。世界で実施したこともありません。これはイギリスにおいて考えられたということですけれども、少なくとも実施したことがないというのは、これはかなり重大な実は問題をはらんでいるという問題点だけを、きょうは何か決定したわけじゃないということでございますので、そういう問題点と併用制でもあるということとは全く違った議論、違ったレベルの問題であるということを申し上げたいと思います。  また、第三点は、時々間違って死に票の問題にすりかえている議論がありますが、私が言っているのは、数とか候補者を決定するその前の段階における権利であって、決定した後において出る死に雲とかという概念とは全然違うことを言っておりますから、死に雲問題としては言っていないわけです。恐らくこれが実用化された場合にも違憲審査の対象には間違いなくなるでありましょうし、その際にクリアできるというふうに私は思いません。そういうことを第一点申し上げたいと思います。  それでその次は、これは早川さんがこの間おっしゃっていたと思うのですけれども、一票制にすればどうかという話がございました。私も、この一票制について実はいろいろと考えてみたのですけれども、一票制にした場合、これはいろいろな一票制も、一票二記載にするとこれは二票制と変わりませんので、一応除外しておく。一票一記載にした場合に、例えば任意に政党名を書くか個人名を書くかを自由選択させるということになりましたときには、多分、個人名を書いたときは政党にも票があったとみなす、政党名を書いたときは、もちろん個人が出ていない場合もありますから政党だけとなる。すると、自由記載をしたときに、個人名を書くことと、政党名、まあ候補を立てていない党もありますから、政党名を書くときは政党だけにカウントするというような仕組みとか、いろいろなことを実は考えなければいけない。このときは有権者にとって非常に難しい、困難な選択を実は迫るようなことになると思います。  それを避けようとすれば、記号方式ですね。自民・新井、社会・佐藤、それからその次は、候補者がなければ公明と書いて、どれかに丸をつけてもらうという仕組みが考えられますけれども、この場合も、自民・新井というところに丸をした人は一体何に対して投票したのか。新井に投票したのか、実質問題として自民というのが消えてしまうわけですから。  すると、これもまた、私が考えると、厳密に何に対して有権者が意思表示をしたのかということが、実は記号にしてもなおかつわかりにくい、困難な問題を非常に含んでいる。というのは、政党名と個人名ですけれども、実質的には、場合によっては個人を選択したことになり、場合によっては政党を選択したことになるという、結果によって何に投票したか非常に難しいという問題が生じると思います。  そのときに、一つお伺いしたいことは、これは社会党さんにもお伺いしたいのですが、今出されている案はクロスボーティングを認めている。要するに、有権者の意思として、個人を選ぶことと政党を選ぶことは独立させて構わない、投票所に行って一票の中に独立させて構わない、こういう、クロスボーティングを認めておられますし、また、無所属の場合でもできるとおっしゃっている。  ところが、こういうクロスボーティングを、要するに有権者に二つの独立した意思を認めるというクロスボーティングを認めるという今の思想と、例えば連用制の一票制にしたときにクロスボーティングが不可能になるというそれとは、私は、有権者の選択に対して全く異質のものが実はあると思うんです。  ですから、社公案をやめて、では一票制の連用制だというときに、それはもう実は有権者というものの意思に対して大変なジャンプをしているので、そのことについてはどういうふうにお考えになっておるのか、お伺いしたいなと思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 まことに一生懸命勉強しておられることに対しては敬意を表したいと思うのですが、先生いろいろなことがごちゃまぜになっているのではないかと思いまして、まことに失礼ですが、ちょっといささか何点か申し上げさせていただきたい。  私どもは、今併用制について提案をしている立場でここへ座っているわけなんです。連用制について弁解する立場ではないわけでございまして、私は今ここで先ほど申し上げたとおりなんです。  今度は一票制と二票制の問題に論及され、クロスボーティングの問題について論及されました。それはそれなりの議論がございますが、今私どもは併用制の立場で議論しているのでございまして、連用制に行ったらそちらは全然消えてしまうだろうという御議論に対しましては、もし連用制を自民党の方が採用されますと同じような目に遭うわけなんです。つまり、この委員会で御出席の前にさんざん議論しておりましたのは、どういう形で妥協案あるいは合一案をつくるかということで、お互い思い切った決断をしなければならぬよ、それも今国会で頑張らなければいけないよということが各委員から表明され、それに対して法案提出者は苦心しながらお互いに決意を表明させていただいたところまでなのでございます。  したがいまして、その決意をするためには、一点の問題だけでなくて、いろいろなものを総合的に合意に達しなければいかぬという苦心のあるところでございます。先生は、何ポイントかある問題の中で、確かにいい点を何ポイントが御指摘になりましたことを認めます。認めますが、その一つだけについてお答えすることはいかがなものかと存じますので、これもこの辺の答弁にさせていただき、私の気持ちのあるところを御理解いただきたいと存じます。

新井将敬自由民主党

○新井委員 実は十二日にもう法案を決定するという情報があったときに質問を考えていたものですから、きょうはその決断の後になるだろうという予測でおりましたし、また正直申し上げれば、決断をされる前に問題点を実はこの場で申し上げておきたかったということで、わざわざこちらで問題点を設定して、困難なところがございますよと、早川さんの意見を途中で入れたりいろいろしながら、そういうちょっと勝手なことをやっておりますので、そこはちょっとお許しいただきたいというふうに思います。  それでまた、これは質問ということではなくなって意見の開陳ということになってしまうのかしれませんが、あと一つだけ、この連用制が持っている問題、これは併用制との選択にも絡んでくる一つの問題があるのですが、結合という問題ですね。  これは、都道府県単位で結合を認めていくという仕組み自体はちょっと論外ではないかと思います。あくまで国政選挙ですから、都道府県単位でいろいろな組み方が政党によってできるということは国政選挙のていをなさないのではないかなというふうに思います。また、この結合ということを認めますと、結果的に、イデオロギーの対立ということを統合していく要素を持つというよりも、イデオロギーが対立したまま選挙だけはうまく渡ろうという、非常に実は欺瞞的なことが生じると思うんです。例えば選挙は選挙、政策は政策、こういう非常に民意を逆に愚弄したような形になると思いますし、イデオロギーの対立ということをそのまま存続させて二大政党化をさせていくということになっていくとすれば、ちょっと後で申し上げますけれども、連合政権が不安定になるケースなんですね。  後で申し上げますけれども、連合政権が決して不安定でないということは、場合によっては安定であり、場合によっては不安定なんですけれども、不安定であるケースの一つの理由というのは、大きい政党間のイデオロギー対立が存続されているということが連合政権の一番不安定要素の一つとされておりますので、これは実はきょうはお答えをもらう予定で来たんですが、まだ決定しておられないので、意見として、結合という問題には、そういうイデオロギー対立を残したままやっていくという誘因を持っているという不安定面があることを申し上げておきたいというふうに思います。  それでは、次の問題に移らせていただきますけれども、私は、今本当に議会が小選挙区と比例併用をめぐって、信念の対立とか本質的な哲学の違いとかとおっしゃっていますけれども、そういうことを言っていては、いつまでたっても議会の機能を果たさないと思うんです。これを議席率の、得票数と議席という連続量に換算してみますと、必ずしも言っておられることが哲学の違いや本質の違いというよりは、言葉にこだわっている。野党の方は並立という言葉が出るだけで死んだ死んだということになりますし、自民党の方は併用という言葉が出るだけでもおぞましいという方も出てくるわけで、言葉にこだわっている。それを越えていかないと、要するに合意は成り立たないという気がいたします。  第一点の、得票率と議席率の差に還元するということになりますと、これは実はレープバルトという学者が不均衡指数というのをつくっているんです。これはどういうことかといいますと、各小選挙区制度であれ比例制度であれ、ヨーロッパの二十カ国ぐらいの国の選挙を見まして、その第一党と第二党の間の得票率と議席率の差というものを平均値した指標なんです。ですから、この不均衡指数が多いほど得票率と議席率の乖離は離れている。この不均衡率の差が小さいほど得票率と議席率の格差は小さいということになりますけれども、こういう指数を使って調べたところ、確かに小選挙区を選択している国では不均衡率が七・四に達する。しかし、比例区では二・〇である。日本は四・二である。これは一九四五年から八〇年で。このことをもってヨーロッパの学者は、日本の中選挙区を準比例とか比例の変形だとか言っているのは、こういうところに理由を実は持っているわけですけれども。  そのときに、おもしろいことに、小選挙区において、小選挙区より不均衡率が高い比例制度が存在するということを見つけたわけです、この学者が。小選挙区よりも比例のやり方によってはさらに不均衡が激しい比例制度が存在するというんです。その理由は、もう御承知のとおり、端数処理の計算方法、それから選挙区の大きさと定員数の配分の仕方、それから閾値、五%条項があるかないか、もう一つは併用による超過議席の存在、要するにこういう四点の組み合わせの仕方によっては、小選挙区よりさらに実はある意味では安定した議席数を確保できることも理論的に可能であるし、現実にその例があるということを実は証明というか、実証というか、見つけております。  そういうふうに考えますと、いろいろな意味で得票率と議席率の差ということを考えれば、やはりこれは歩み寄りは絶対なければいけない。ここで言葉にこだわらないで、制度の仕組みによって両方が歩み寄る可能性は絶対あるんだという確信を持っていただきたいと思うんです。このまま対立に終わる必要は何もない。  そして、次は第二点ですけれども、じゃ選挙制度が得票率と議席率という差だけの問題かというところにやはり自民党の重大な問題提起もございまして、これはよく言われておりますように、政権の安定と責任という、単に得票率と議席率の差を解消しても、政権の持っている安定性と責任性という問題はどうするんだと、これが実は質の問題というふうになると思います。  これは、自民党の方からは連合政権は不安定である、また野党の皆さんからは連合政権は安定なんだという二つの意見が出されておりましたけれども、これも実は学者が研究したものがございまして、これは野党の方から出ておりましたが、ローレンス・ドッドという学者が一九一八年から七四年にかけてヨーロッパの十七カ国を全部シラミつぶしに、戦争中を除いて調べました。このときに、七七%は実は二党制ではなく多党制だったことは認めております。二党制は極めて少ない。その中で、実はどちらも正しいんです。三分の一、三三%の連合政権は要するに四十カ月以上もった、こういう意味では安定なんですね。しかし、同じく三〇%の連合政権は九カ月ももたなかった、こういう意味では不安定なんです。要するに、同じ連合政権でありながら極端なケースが生じるんです、安定した場合とだめな場合と。  これは一体何でだろうか、なぜ同じ連合政権で多党制でありながら、一方は安定する、一方は不安定なんだ。これを考えましたのがあの有名なサルトーリという「政党論」を書いた学者で、彼の観念によって、安定した場合は、こういうことなんです。限定的多党制と分極的多党制という概念を使いまして、サルトーリの証明は、限定的な多党制は安定するというんです。この限定的多党制の条件は、先ほど申し上げた一つが、多党制下における大きい政党間にイデオロギー対立がない、決定的な対立がないということが大条件です。  もう一つは、小党を阻止する条項があるということです。要するに、小党分裂をさせない。これは、例えばドイツの五%条項とか、あるいはこういうのは憲法に対する政党の規定がなければできないかもしれませんけれども、そういう意味で政党法によって閾値が設定されている。この二つの場合には連合政権は安定する。分極的ですね。そういう閾値がないし、イデオロギー差が非常にある。これはイタリア的なんですけれども、こういうときには、イタリアは真ん中を挾んで左と右がこんなになっておりまして、しかも小党分裂ですから、このときは連合政権は実に簡単に崩壊するという意味で安定が不可能であるということを言っておりますけれども、そのとおりだと思うんです。  このときに一番いい組み合わせ、結局多党制下における一番いい組み合わせは、最小勝利提携だというんですね。というのは、何でも巻き込むというのはよくない。極めて安定した大きな政党同士がぎりぎりのところで過半数を制するような政権が最も安定するんだ。要するにこれは、逆を言えば、しっぽが犬を振るというふうにこの間おっしゃったと思うんですけれども、例えば第六党とかあるいはFDPのような小さい政党が加わらなければ政権ができないという状態になりますと、その小さい政党は大政党より、より迎合的になるというんです。ワンポイントでシングルイシュー、勝負をしかけてくる。そのことによってインフレあるいは賃金と労賃のスパイラル現象を起こしたり、そういう経験がある。ですから、いわゆる多党下における二大政党的安定政権というのが実は連合政権として最も望ましいということを言っておりまして、こういう意味では、我々の考えております政権の安定ということは、別に単純小選挙区にこだわらなくても、政権の安定ということは決して実現できないことではございませんし、比例代表を加味した中でも、いろいろな知恵の絞り方によっては政権の安定ということはやれることだということは、私は自民党の皆さんにも理解していただきたいなと思うんです。  それからさらに、責任の問題を、自民党の場合は政権交代によって劇的な責任をとる、こういう考え方でございますけれども、これも劇的な責任をとる方がいいのか、あるいはそうした安定した連合政権下において緩やかな形で責任をとる方がいいのかというところは、まあいろいろと考え方だと思いますけれども、その責任の所在というところは必ずしもはっきりしませんが、これもやはり克服できない問題ではないのではないかなというふうに思っております。  私も、実はその折衷案というのを自分の頭の中ではいろいろ考えてきたわけですけれども、この場できょうはちょっと申し上げることはいたしません。僕の個人的な考えでは、今言ったことの中にすべて含まれていると思いますけれども、そういう解決の方法もあり得るというふうに自分では思っております。  最後に、一つだけ申し上げたいことは、もう時間がございませんけれども、今ほど政治家とは何かということを私自身毎日考えてきたことはございません。それは、一つには政治不信の中で政治家をやっているという理由もありますが、やはりカンボジアで高田さんが犠牲になられたというようなことを正面に受けて、例えばマックス・ウエーバーという人は有名な「職業としての政治」の中で国家というのを定義して、正当な暴力行使の独占体であるというふうに定義しております。これはいわゆる機能的な国家論とは随分違う定義なんですけれども、要するに、言いかえると、究極的には死を与えることのできる力だと定義しております。我々は国内を見ますと、死刑の復活、死刑ということが実行された。あるいはまた国外を見ますと、少なくとも我々全員が参加して責任を負っておりますPKO法というものによって日本人の犠牲者が出た。  こういうことを考えますと、やはり政治家の責任というのは、国民一人一人の本当に死にかかわる、生死にかかわる重大なところにいるんだなという思いを改めてするわけでございまして、そういう意味で、この政治改革の場で私たちだけが危険もなく、自己犠牲も払わないで、自分の選挙が不利になるとか選挙基盤が変わるのが怖いとか、現実にあそこに行って命をかけておられる方を我々が送り出したにもかかわらず、私たちが何の犠牲も払わないでお互いに有利なことばかり考えてやるということは、本当に慎み控え、何とかここで、私の考えでは、どうしても政治改革の必要が迫られている我が党が極力歩み寄りながら、できる限り合意を図るという、やはり第一党としての責任を見せる必要があるのではないかなというふうに思っておりますので、最後に自由民主党の方にお伺いして、質問を終わりたいと思います。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 新井講師、いろいろと御説拝見いたしましたが、非常に参考になりました。  そして、最後に申された決意でございますが、私たちも同様でございまして、まさに政治が非常に重要だということは、いわば経済成長時代の政治というものと、安定してきてこれからの生活の豊かさ、そして複雑な国際化の中における政治のかじ取りというときにおける政治のウエートというものは、おのずから責任も違うということを感じまして、非常に参考になりました。

新井将敬自由民主党

○新井委員 どうもありがとうございました。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 山本拓君。

山本拓自由民主党

○山本(拓)委員 山本拓でございます。  きょうは十分間という貴重な時間をいただきまして質問をさせていただきます。できますことならば、いずれの日か十分じゃなしに、十分ひとつ時間をいただきますように陳情を申し上げておくところでございます。  ところで、私どもが初当選をいたしまして早いもので、三年と四カ月経過いたしました。この三年間を振り返ってみますれば、特に自民党の部会等で毎週政治改革、特に制度を中心とした議論をやってまいりました。したがいまして、私どもは、大体、制度につきましては小選挙区の是非、また小選挙区比例代表併用にしろ並立にしろ、また最近出てきました連用制、あれとよく似たことも私ども考えたこともございますから、そういう趣旨だけは理解をいたしているところでございます。  きょうは時間がございませんし、一点だけ御質問をさせていただきたい。その中身というのは、いわゆる決め方でございます。この決め方というのが一番重要でございまして、おっしゃるとおり、とにかく今国会中に両方の歩み寄りができて一致点ができればこれは最高でございますし、それに向けて我々も努力していかなくてはならないと考えているところでございます。  ただ、ここで一つ申し上げておきたいことは、今日の政治改革の中身につきまして、制度さえ変えればすべてがよくなると、確かに制度も変えなくてはなりません。ただ、制度というのは、我々三年間哲学論争をやってまいりました。二大政党にするのか、それとも小党分立の連立政権にするのか、それとも政党を選ぶのか人を選ぶのか。やはりある意味ではいろいろな多角的な議論をしてまいりました。だから、それを一つにまとめる場合に足して二で割るということは、なかなか国民が理解しないのではないだろうか。  例えば、腐敗防止法とかほかの分野につきましては、足して二で割るうと談合しようと、とにかく決めるんだということで話し合いをやって成案をまとめればいいですが、制度ということになりますと、これは目的でなしに手段でありますから、この手段を使った結果、我々が目的とする信頼される政治体制をどうつくるか、それを目指して手段の議論をしているわけですから、この手段を選ぶのに、結果に責任が持てないものを我々としてはそう簡単に談合するわけにはいかないのではないか。     〔委員長退席、中西(啓)委員長代理着席〕  特に今回、御案内のとおり、政党助成法がついております。政党助成法ということは、毎年二百億か三百億か知りませんが、国民の税金を政党費のために使うわけでありますから、これは国民にとってみれば、上げた結果こんなはずではなかった、ましてやみんなの顔を立てて、みんなの言い分を取り上げた制度が仮にできて、そしてそれでよかったよかったと我々だけ責任を果たしたと言ったところで、しかしそれにはすべて政党助成法がついておりますから、二十人ないし三十人の固まりさえつくれば、これは今より以上に楽な感じで、政権をとるつもりがなけりゃやっていけるんですね。  これは地域によっては、例えば農村地帯では、もう自民党でも何でもええ、とにかく農業を守るための農民党を一つつくって、そして三十人ぐらいのグループをつくって、これに談合してくれるんならば政権に乗りましょうという政党もできるでありましょうし、また遺族会のような一つの目的、またいろいろな比例代表で出ておりますああいう団体が得票を集めて、そして政党助成をもらって、そうすればもうぬくぬくと存在するわけでありますから、そういう形でやっていきますと、果たしてこれは国民が本当に求めた政治なんだろうかと。  これは、我々は選挙制度を合意する場合において、その得た結果、どういう形にするかという責任も踏まえた上で合意をしなければ私はならないと。したがいまして、ぎりぎりの二十日までとにかく議論をして、そして妥協できるところは妥協して、そして妥協できない制度の、仮にできないということであったら国民に選んでもらうべきではないかというのが、私の考え方でございます。  まだ三年も任期があるんならば、今解散をすると改革つぶしと言われますけれども、どっちみちあと七カ月ぐらいでありますから、やはり責任ある成案をまとめて、そして国民に、自民党は自民党で単純小選挙区をやりますと、野党はそれぞれ、社会党は連用、公明党は……(佐藤(観)議員「違う、違う。併用、併用」と呼ぶ)併用、ごめん。併用。連用か何か知りませんけれども、ごめんなさい。公明党も併用ですね。民社党、共産党を含めてそれぞれ、我々はこういうことで制度改革をやって、これからの国の体制をつくりますと。それで、自民党が大勝すれば、これは小選挙区が信託を得たということで、今度の参議院選挙もそれで通って、過半数をとれば強行採決すれば、僕はそれはいいと思います。しかしながら、今度のそれで過半数を自民党が大幅に割り込んだ、割り込んだときにはどこかと連立を組まなければあかんわけですから、組む相手と制度を話し合う、それが国民にわかりやすい決着の仕方じゃないか。  一説によりますと、とにかく解散をやれと言うと改革つぶしたと。とんでもない話で、今の状況で、昔と違って、解散、政治改革をやります、制度を政策に掲げて解散をやって、そして結果が出て、そして知らぬ顔なんてできるはずがない。そこまで国民をばかにしちゃだめなんです。ましてや、マスコミの目もきちっと厳しい。だから私が申し上げたいのは、これから理想的な形を議論しなくてはなりませんけれども、これからの子供たち、まだこれからの本当の日本のたえ得る、今の制度よりもよりいい制度を我々は方法論として決めるべきであって、いわゆる今よりも何でもかんでもいいというのは、私は全く無責任だということを考えているところでございます。  先般、テレビを見ておりましたら、おとといですか、久米宏さんの番組ですかね、僕は久米宏さんというのは余り好きじゃないんですが、たまたま見ておりましたら、千人アンケートが出ておりまして、今、自民党、社公の改革案が出ていますけれども、それが成立したら政治はよくなると思いますかというアンケートをしたんですね。よくなると思うというデータを見ていたら八%ですよ。びっくりしました。だから、やはりそこがまた問題ですね。  それで、今回私、連休中に選挙区へ帰りました。選挙区はかなり皆さん関心を持っております。何に関心を持っておるかと言うと、中身じゃありません。どうなるんですか、どう決着をつけるんですか、足して二で割るんですかと。  時間がありませんので、最後に一点だけ質問をしますけれども、それぞれの新しい制度のもとで、我々が新しい制度をつくるときに、まず国対政治、そして政権交代がなかった。いろいろな反省のもとで、もちろんスキャンダルが出発点でありますが、そういうことで出発しているわけでありまして、いわゆる新しい制度のもとで選挙をやる場合に、何がどういう形で争点になるのか。わかりやすく言いますと、新しい政策決定システムですね。今までの政治の批判はとにかくわかりにくい。国対政治でとにかく足して二で割って、いつの間にかできてしまっている国対政治批判が一番強い。それに変えて、やはり政権交代可能な政策論争で対立型の政治体制をつくりましょうということで、私どもは政治改革を推進してきたところでございます。  そうであるならば、やはり新しい政党ができて、政治システムができて、そこで争点をする場合に、いついかなるときに選挙をやるにしても、争点は一つではございません。今やったってPKOの問題もありますし、いろいろな複数あります。今の制度を別に肯定するわけじゃありませんが、まだ人を選ぶ、そしてまたいろいろなことを考えてこの人を選ぶ。今度からは、一つの政党が頭からしっぽまでみんな同じ制度をきちっとやるわけでありますから、そのときに、農業問題一つとらえても東京と田舎とでは違うわけですから、そういう問題はどう調整して選挙に臨むのか。新しい政策決定システムだけを最後に一言ずつお聞きいたしまして、いずれまた長い時間質問をさせていただけることを期待申し上げまして、終わります。

石井一自由民主党

○石井(一)議員 時間がないようでございますから、いろいろ申し上げたいこともございますが、一言で申し上げようと思いますが、一つは、私たちが妥協を得ることなく選挙に、国民にツケを回すということは、我々自身、政治家が失格であるということを証明しなければいかぬということにもなると思いますし、また選挙制度自体を選挙区でやりますと、福井県の場合でも、あなたはこの次向こうへ行かれるんですか、それじゃもうあなたに投票しませんよというような有権者の現実的な意思というものもございまして、まことにあなたの言われる御主張は正しいように思いますが、現実的に政治家のサイドからも、有権者のサイドからも、なかなか機能しにくい面があるということもひとつ考慮に入れていただきたいなと思います。  それから最後の質問でございますが、私たちは生意気なことを言うようでございますけれども、自民党の政策は間違っておらぬと考えておりますので、それを主張してまいります。ただ、体質なりその他の長年の長期政権の中から出ておりますうみを、この際政治改革を断行することによって処理をした、さらに今後長期的ビジョンでこれもやるという前向きの姿勢を打ち出して選挙に臨んでいきたい、そう考えております。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 私たちも、当然のことながら、主権者が国民であるということは山本委員御指摘のとおりだと思っております。  ただ、選挙制度というのは、やはり重立った各党の合意の中で、お互いの土俵でございますから、やはり決めていくことが一番正しいあり方ではないか、これが議会制度の発展につながる問題だと思っておりますので、当然のことながら、私たちは相打ちを許さない、そしてその次に起こってくるのは政権交代ということを想定をしつつ、これは何としても仕上げなければならぬ課題だと思っております。  山本委員御指摘のように、ワン・イシュー・パーティーのお話もございましたが、やはり衆議院というのは一つ政権を争う場でございますから、もちろん私たちは、野党の場合には政権に対する批判あるいは援言ということをすることも当然でございますが、やはりここでは政権ということを中心にして、やっぱり全国レベルで一つの政党というものが成り立って政権を争うということでないと、御指摘のような問題も起こっておるし、ましてやお触れになった公的助成の問題だって、金を得るために何人かがちょっと寄り集まってということは、これはやっぱり国民の税金でございますから許されることじゃない。そのためのチェックをいろいろと御提言なさっているところもございますので、これはもう少しやっぱりお互いに研究する必要があろうかと思います。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)議員 現行中選挙区制が、いわゆる定数の不均衡がなかなか是正されない、あるいは政党中心、政策中心の選挙になってない、制度疲労を起こしているんだから変えようと、こういうコンセンサスができているわけでございまして、そういう中選挙区制に対する共通の認識がありながら、今の選挙制度で、中選挙区制のもとで、じゃ国民に信を問うということ自体が自己矛盾なわけでございまして、せっかくそこまで認識が達したわけですから、やっぱり今、国会議員の責任で中選挙区制を抜本的に新しい制度に改革をするということが私たちは国民に対する責任であろうと、こういうふうに思うわけでございます。  新しい選挙制度というのは、これは自民案も我々の案も、やっぱり政党中心、政策中心の制度にしようということでございますから、当然新しい制度ができれば、いずれの制度になりましても各党が政策を、少なくとも基本政策をきちっと掲げて選挙をやるわけでございますから、やっぱりその政策、これは公約ということになるわけでありましょうから、それに対するそれぞれの政党の責任というのは明確になるわけでございまして、新しく構成された国会の中でその政党がその政策をきちっと遂行しているかどうかということが、国民の直接的な審判の材料になるというふうに日本の政治は大きく変わっていくだろう、こういうふうに考えておるわけでございます。

山本拓自由民主党

○山本(拓)委員 どうもありがとうございました。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員長代理 後藤茂君。

後藤茂日本社会党・護憲民主連合

○後藤委員 後藤でございます。  選挙制度について大変熱心な、熱っぽい論議がございまして、何よりも議会で活動している政治家としては、この選挙制度をどういうようにしていくかということは大変大きな課題でございます。ですから、勢い大変熱っぽい議論になっていくわけでありますし、昨日の自由討論の中におきましても、大変御苦労されておる各党理事、またそれぞれの提案者も、今度の政治改革の法案についてはワンセットでひとつこれは成立させていくんだ、渡ってきた橋げたは落とした、退路を断った、何としてもこれをつくり上げていくんだという強い。決意がなされたわけであります。  ただ、ちょっと気になりますのは、塩川先生にお聞きしたいんですけれども、この政治改革の特別委員会で、熱心な討議の中で合意を見つけていこう。なるべくひとつ選挙制度については、小選挙区の単純小選挙区から、併用制から、さらには民間臨調の連用制等があるけれども、それぞれいいところをとって、不退転の決意でひとつつくり上げていこう。しかし、それぞれの党の指導部がこれに対してしっかりと受けとめてくれるかどうか、若干の、言葉は正確ではございませんけれども、塩川さんも若干心配の面があったのではないだろうかという気がするわけですけれども、その選挙制度の問題につきましてこれまで長い時間をかけて議論をし、お互いの違いの面、共通点、そして、しかしこれは成立させていかなければならないというところについては意見が一致してきているわけで、特に中選挙区は変えようじゃないかということについては共通点があるわけですから、もう一度力強い決意をひとつ最初に聞かせていただきたいなと思うわけです。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 衆議院の国会議員五百十二名おられるのでございますから、各人考えておられることはいろいろあってしかるべきだと私は思っております。だからこそ民主制度だと思っておりますが、しかし、同様にこの政治改革の問題につきましても各人の、各議員の政治改革に対する基本的な考え方の違いもございますし、それを受けまして党内におけるいろんな意見も違ってきておる、各党間で違う、これはもう事実でございます。  しかしながら、一致しておりますところは、現在の中選挙区制ではだめなんだという点につきましては大方の合意がとられておるところだと思うのでありますけれども、しかしこれもまだ、確定的に各党がそれぞれの党内におきまして合意を得てきておるかといったら、必ずしもそうではないような感じでございます。  我が自民党の方につきましても、一応、中選挙区制、現在の制度のもとにおいては政権の交代ができない。したがって、そこに政治の新鮮さ、活性化がないから新しい制度に移行すべきであるということが原点となりまして現在の法案を出してきたのでありますから、でございますから、中選挙区制がだめなんで、これにかわるものとして小選挙区を出してきたという根本がちょっと違ってきております。  そういう点から見ますならば、我が党におきましても一この小選挙区制を何らかの形において変更するということになりますならば、やはり党内におきまして根本的な問題として議論をしておかなければならぬ。しかしながら、現在の中選挙区制では活性化された政治の期待はできないという点において、そしてまた新しい時代に即応する政治体制としては、政権の担当を明確にするシステムがいいんだという、そういう点においては小選挙区制がいいんだ、この点においては変わりはないということでございますので、我々といたしましては、提案しておりますこの原案に対しまして、もし違った考えを導入しようとするならば、やはり党内においてのそれだけの手続をきちっとしなければならぬと思っております。そのことは、党内においてもやはり時代の趨勢ということを自由民主党の党員は全部意識しておりますので、時代に合ったものに改正していくといいましょうか、それに適合する、対応していくということには、私は非常に敏感に対応してくれるであろうと思っておりますが、しかしその中身につきましてはやはり了解をきちっと取りつけなければならないという段階に来ておると、このように思っております。

後藤茂日本社会党・護憲民主連合

○後藤委員 今塩川さんからお話がありましたのですが、社公の方、今の点、昨日相当熱っぽく議論をいたしまして、何とか共通点を見つけ出して今国会でこれをつくり上げていきたいということで、理事の皆さん方も、また提案者の皆さん方も決意を述べておられたわけでありますけれども、しかしそれぞれの党で十分に論議をしてベストであるという形で出しているわけでありますから、それを修正をするとかあるいは妥協していくにはよほどの決意がなければできないと思うわけでありますけれども、その決意を社公両党からひとつお聞かせをいただきたい。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 既に御承知のように、私たちはこれだけ十分なる審議を進めてまいりまして、かなり争点は浮き上がってきたと思います。そして結論を得ないということは国民に対して責任がとれないということにつながるわけでありますから、決してそれはあってはならないことだと私たちは思っております。  したがいまして、私たちは制度論といたしましては、併用制というのはベストだと思っております。しかし併用制そのもので自民党さんが乗ってくださらないということならば、当然のことながらどこかに落としどころと申しましょうか、別の案を求めなければいかぬでしょう。その際に、先ほど新井委員からも御指摘ございましたように、確かに新しい案にすれば、私たちの案よりは若干欠点というのが多くなる、もう私はそのことを十二分に承知をしておるわけであります。しかしそれでも一つの結論を得た方がいい、その許容できる範囲内ならば私たちはそれでやるべきである。  しかし、これは私が今答弁させていただいておりますが、何といっても我が党も衆議院百四十一冬いるわけでございますので、今この審議の状況及びこれからの新しい展開につきまして、特にこの問題というのは選挙制度の問題だけではなくて、政権構想の問題やあるいは選挙協力の問題や、こういったものを背後に持っている課題でございますから、その辺も含めて党が十二分に国民の期待にこたえられるような、そういう政治行動ができるようにしていかなければならぬ、こういうことでございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)議員 私ども長い間の議論を積み重ねて、今回社公で小選挙区併用型の比例代表制という選挙制度を中心としたいわゆる抜本的な政治改革案を提出しているわけでございまして、この案が最もベターな案であると、こういうふうに認識をしているわけでございます。  ただ、しかしながらやはり政治改革、いわゆる腐敗と決別をし、政権交代可能な日本の民主政治を確立する、そのために選挙制度を含めて抜本的に改革しなければいけない、こういう認識では各党一致しているわけでございまして、それもこの国会中に何とか実現をしようと、こういうことでございますので、何とか合意点を見出すような努力をしたい。そして党内でも十分な議論をして、その合意点に党としてもきちっと向かっていけるような体制をつくっていきたいと、このように考えているわけでございます。

後藤茂日本社会党・護憲民主連合

○後藤委員 今両者から御決意を聞かしていただいたわけでありますけれども、この腐敗した今日の政治を変えていくためには、もうこれまでたくさん議論されてきたとおりに、やはり政治資金の規制に対してもっと大胆なメスを加えていかなければならぬと思う。それに対してこれまでの議論を聞いておりますと、特に自民党さんの方のは一番、まあ諸悪の根源という言葉が適当かどうかですが、やはり企業、団体の献金というのは、これまでの数次にわたります選挙制度審議会におきましても議論になっておりますし、あるいはまた答申の中につけ加えられたりしているわけでありますから、この企業・団体献金が今度の場合も、もう社公の方はこれはすっぱりと禁止をしたわけでありますけれども、企業、団体の献金が今度も残っている。  そのことにつきまして津島さんから、今度の自民党の案をひとつかいつまんで、もう一度繰り返しになって恐縮でございますけれども、なぜそこが残り、そして透明性についてどういうふうになっていくのか、なぜ残さなければならないのか。これまでも機会あるたびにこのことが言われているのになおこれにメスが加えられない、その実態なり考え方なりというものについて、まず最初に御説明をいただきたいと思います。

津島雄二自由民主党

○津島議員 これまでの御論議で何度も何度も御説明を申し上げ、また私としては幾らか御理解を得ているのではないかと思われるのは、そもそも議会制民主主義というものは、広く国民がそのコストを自発的に負担をしながら、積極的に政治に参加をしていくということが基本であるという点でございます。  しからばその場合に、個人であればいいが企業の場合はいけないかといえば、法律的には最高裁の判例もありますし、それからまた憲法二十一条の政治活動、結社、そして表現の自由という問題もございまして、法律的に企業であるからいかぬということは言えないであろう、こういう意見が私はやはり大勢ではないであろうか。社公の方の提案者が企業献金を禁止するとおっしゃっているのは、これを立法政策として禁止をした方がいいのではないか、こういうことであるというふうにだんだん議論が煮詰まってきているわけであります。  仮に私どもはこれを立法政策の立場から考えましても、全面禁止するというのは非常にぐあいが悪い、やはり問題の本質にさかのぼって問題を残すのではないであろうかと思っておるわけであります。一例を挙げますと、企業とおっしゃいますけれども、法人企業の大多数は中小企業でございますね。そういう中小企業の参加というものが、個人経営者はいいけれども中小企業、小さい法人企業の参加はいけないということは、どの角度からいっても私は妥当性を欠くのではないであろうか。  要は、企業の献金、政治への参加が節度を持って行われることと、それから常時国民の監視のもとにさらされていることが大切であるというふうな見地から今回の自民党の案を提出しているわけでございまして、何度も申し上げますが、確かに腐敗行為の中には企業献金がかかわってきたという事実はありますけれども、それは全部正規の政治資金制度の枠外の献金であったという意味において、私は、制度そのものというのは、やはり現実を踏まえて実行可能なものに組み立てていく議論をしなければいけないと思っております。自民党の案は、毎度申し上げておりますように、これからの政治活動は政党中心の政治活動に改めていくということの中から、政治資金の動きは政党を中心にする。したがって、政治家個人に対するものは政治資金団体を二つだけ設立することを認め、この二つの資金調達団体に対して会費程度の年二十四万を限度とする献金にとどめるべきではなかろうか。そしてさらに、政治家個人は一切政治献金を受け取ってはならない。つまり、資金調達団体によって受け取り、これを記帳をし、その収支を明らかにするという公金的な管理をしてもらいたい、こういう考え方を貫いたわけであります。  政党の方は、これまで、特に私ども自民党の場合には、中選挙区制において同じ政党の候補者あるいは国会議員が個人の立場で資金を調達して政治活動をしなければならなかったものを、政党中心に改めていくことから、個人の方は、あるいは個人にかわって行う資金調達団体の方は、厳しい制約でやらせていただく反面、政党における政治活動というものは従来よりも活発に行えるようにすべきではないかということで、政党助成とあわせて、政党に対する献金の限度額をこの際十七年間据え置かれているものを改めていただきたい、こういうことを御提案申し上げたわけであります。

後藤茂日本社会党・護憲民主連合

○後藤委員 きょうの新聞に、イタリアの最大の国営企業であるIRIの会長が不正献金で逮捕された、ノビリ会長が有力政党への不正献金のために関連会社に違法に資金を送られた疑いで逮捕された、こういうのがきょう報道されているわけです。あるいはもう一つ、金丸さんの山梨の件ですけれども、公取委がきょうでしょうか、談合容疑で検査に入る、こういうように言っているわけです。  今津島さんの、社会的存在としてあるいは政治的行為を行う自由を持っておる企業として、こういう献金の行為を禁止するということは、これはよろしくないということでありますけれども、これまでの長い歴史を見てみましても、あるいは最近の欧米のいろいろな腐敗の原因を探ってみますと、ほとんどが企業が絡んで、企業献金が絡んでいるわけですね。  ですから、主にほとんどの企業が中小企業である、それはそのとおりでございます。しかし、中小企業だったら、その社長なり役員の皆さん方が個人献金として、その所得の一部を浄財として献金をしていくということが一番望まれるんではないかと思うんです。それが百万も一千万も一億もということになると、それは個人の所得からなかなか出せないと思いますけれども、二万とか一万とかということを、これはひとつ政治活動として、民主主義政治の一つのコストとして私も応分に協力しようということであれば、何も企業献金を認めていくという必要はないんじゃないだろうか。しかも、お聞きいたしますけれども、これは五年間の猶予期間で徐々に減らしていく。減らすのはどういうことなのか。もし今津島さんがおっしゃったように、必要であるとすれば、私は減らす必要もないと思いますし、あるいはまた五年間で区切らないで、これからもずっと続けていけばいいと思うんです。  それから、政治資金の調達団体とこれまでの指定団体というのはどう違うんだろうか。このことにつきましてもちょっとお聞かせをいただきたいと思います。     〔中西(啓)委員長代理退席、委員長着席〕

津島雄二自由民主党

○津島議員 外国の例も引かれて、いわゆる腐敗行為に企業献金が絡んでいるではないかと。それはそのとおりでございまして、日本ばかりでなくて、欧米におきましてこれまで、ごく最近まで大きな疑獄事件があったことは事実でございます。  アメリカにおきましては、ウォーターゲート事件というのは、一般的には当時のニクソン大統領の選挙関係者が相手候補の事務所の中に入って書類を盗んだと言われていますが、実はそれよりももっと深刻であったのは、御本人の財政運営の中に相当の公金流用があったと言われておるわけであります。イギリスにおいても、ちょうど日本のロッキード事件と同じころ、大きな疑獄事件がございまして、これらがいずれも政治資金制度を強化するきっかけにはなっているんです。  そういう意味で、日本ばかり突出しているわけでなくて、各国ともこのことについては大変苦心惨たんをしておるわけでありますが、なぜ外国で企業献金を一切廃止するということをしていないかということを私はむしろ皆様方に考えていただきたい。ヨーロッパでは一国もございません。そして、アメリカにおきましては連邦法でそういう規定を設けましたけれども、最高裁において、例えば企業が、憲法に基づいて、一定の政治家であるとか別の政治団体と無関係に、企業だけが金を集めて自分たちの主義主張を唱道するようなことを行った場合に、これを制限できるかとなると、それは憲法上できないというわけですね。  そういう基本論があるときに、むしろ私どもの考え方は、一定の仕組みをつくって、一定の節度の中で、企業献金といえども国民の見えるところでさせるのがいいではないか。政党に対する献金というのは、現行制度では少なくとも一万円以上は全部公表になっておるわけでありますから。ですから、各国とも苦心惨たんをしている中で、私はやっぱり言えるのは、節度を持って、国民が監視をできるような、企業献金を含めた政治資金制度を確立することが大事だよということであろうと思います。そのような見地に立って、私どもは今度改めて資金調達団体というものを二つ数を限ってつくらせていただく、それに対する献金の限度額を大変厳しく改めさせていただく、こういうことをしたわけであります。  いわゆる指定団体という制度は、今の政治団体に対する献金というものが委員御承知のとおりかなり自由な領域で行われておりますし、それからまた極端に言うと、議員との関係も有形無形いろいろあってもいいと。ただ、専ら資金を集める団体というものは指定団体に指定してください、こういうことでありますが、今度の資金調達団体というのは、企業献金を受け取れる団体はこれだけですよ、資金調達団体以外の政治団体は一切企業献金は受けることはできませんよという世界の中の資金調達団体として理解をしていただければ、今の指定団体とは違うということはおわかりいただけると思います。

後藤茂日本社会党・護憲民主連合

○後藤委員 私がお聞きしたのは、指定団体と資金調達団体というのは実態は同じではないか。名前はもちろん違いますし、今津島議員の方からおっしゃったとおりだと思うんですけれども、今まで議員が無制限といいますか、青天井に指定団体ができたわけでしょう。それに対して今度は政治資金団体が、資金調達団体が……(発言する者あり)

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 速記を起こして。  後藤茂君。

後藤茂日本社会党・護憲民主連合

○後藤委員 今の指定団体と資金調達団体ですね。名称も変わる、それから今お話がありましたような実態になるでしょう。しかし、今までの指定団体とやることは変わらないのではないかというように考えるわけです。つまり、今までは後援会的なあるいは研究会とかいろいろな名称はつけるでしょうけれども、そういう指定団体に受け入れておった。今度二つに限る。二つに限るということも、なぜ二つに限るのか。東京と選挙区ということを一応念頭に置かれているのでしょうけれども、別に二つでなければならぬということはないし、大変必要なものであるとすれば三つでも四つでもいいじゃないか。しかし、今までのように制限がないということになると大変だからというので、では一体どう違うのか。  あるいは五年間の措置を講じていくということを、何も五年にしなくても、今節度ある企業の献金を受ける期間としては必要だということであれば、これはこれからもずっと続けていけばいいじゃないか。やはりそこに企業献金というのは、何も世間がうるさいからということじゃなしに、その腐敗の根源を持っているのではないか。  今、例示的には中小企業の月一万円とか二万円ということを例に挙げられましたけれども、後でまた国民政治協会のことでお聞きしたいのですけれども、今国民の皆さん方がこのことに対して非常に大きな不信感を持っておるのは、零細な中小企業の皆さん方がその企業の中から月に一万とか二万献金をしょうということに対して怒りを持っているのではないと思うのです。やはり企業、団体の献金というものに対してはこの際ひとつ禁止をしていくべきではないか、これはもう各世論調査等を見ましてもこれを腐敗防止の第一に挙げているわけですから、それは無視をしていくということはいかがなものかということを御指摘を申し上げたいわけでありまして、この指定団体と資金調達団体の中身は一体どう違うのか違わないのか、このことについてお伺いしたいと思います。

津島雄二自由民主党

○津島議員 先ほども申し上げましたように、資金調達団体と現行制度のもとの指定団体の違いは、制度の全体の姿を見てその性格を比べていただくべきでございまして、現行制度でいえば政治家本人も資金を受けることができる。それから、政治団体全体として一定の限度はありますけれども企業献金も受けることができるということの中で、政治家にかわって政治家に対する献金を扱う団体を指定する、こういうものでありますが、資金調達団体は、先ほど申し上げましたように政治家本人は一切献金を受けることができない。それから、一般の政治団体は企業献金を受けることができないということの中で、二つだけ設立することができる政治家のための資金を取り扱う団体である、こういうふうに見ていただければ全体としての性格は違うということでございます。

後藤茂日本社会党・護憲民主連合

○後藤委員 五年間にしているのはどういうことですか。

津島雄二自由民主党

○津島議員 今度の私どもの改正案は、毎回申し上げておりますけれども、非常に政治資金の流れに対しまして大きなインパクトがございます。これに対応していくためにはやはり一定の対応期間が要るということで、五年後におきまして今私が申し上げております最終的な姿が完成をするという、何と申しますか、現実的な対応をさせていただいたわけであります。  それで、この機会に申し上げたいわけでありますけれども、冒頭委員も言われて、外国でも政治資金をめぐる議論は絶えず行われておりまして、今でも、新大統領が誕生いたしましたアメリカで、クリントン大統領が主導する政治資金制度の改革案の検討が進められておりますけれども、これを読んでみて、まだ成案にはなっておりませんけれども、非常に感心をいたしますのは、非常に現実的な対応をしておる。今まで例えば連邦法におきまして企業献金をかなり厳しく禁止をしたような条項がありながら、州の段階とかあるいはPACを使うとか、いろいろ企業を含めた献金を集める仕組みがあるわけでありますけれども、これを透明性を上げるためにさらに厳しくしていこうという議論をやりながら、その中で、この部分はやはり現実的に必要だな、政治を機能させていくために必要だなという視点を絶えず持ちながら議論しているわけでありまして、私は、先ほどからの後藤委員の御指摘でございますけれども、企業献金を十把一からげでいいとか悪いとかいう議論よりも、要するに問題は、制度外の、制度に合わない資金の動きではないであろうかとか、あるいは量的に余りにも大きい献金が問題なのではないであろうかとか、そういうもう少し現実的な議論を社公を初めとする同僚議員の皆さん方はしていただきたいと心からお訴えしたいわけであります。

後藤茂日本社会党・護憲民主連合

○後藤委員 私たちは、別に企業悪を言っているわけじゃなしに、この企業献金が持っておるその構造的なものを言っているわけです。今、ヨーロッパといいますか欧米諸国、アメリカも見直しに入り始めているとか、あるいはヨーロッパにおきましても、そういうところは企業献金を禁止しているところはないとおっしゃいますけれども、最近また見直しに入り始めているのじゃないですか。そうした中で、例えば節度ある献金ということをおっしゃいますけれども、私も調べてみますと、イギリスの場合等は私は相当節度ある献金にしていると思うのですね。今度の自民党案では、一億が上限二億になってきている。これは津島さんの御説明だと、大体二十年近くたってきておって、物価も倍ぐらいになってきているわけだから、だから適当ではないかと言うのですけれども、庶民から見るとやはりこの上限というのは非常に巨額な金なんですね。  そこで、イギリスの例なんかを見てみますと、最初は年額五十ポンドを超える献金がなされておったのが、一九八〇年の改正で五十ポンド超から二百ポンドに変わってきた。この二百ポンドというのも、円に換算いたしますと四万六千円ぐらいということなんですよ。毎年約五千四百の主要な企業の年次報告書をチェックしておったレーバーリサーチ誌によると、一九八七年の二百ポンド以上の献金の企業数は四百九十五件で、総額五百七十七万ポンド、約十三億三千万円なのです。これを見ていきますと、これは田島さんという神奈川大学の短期大学部の助教授がレポートしているのを読んで私は大変感心したのですけれども、その規模や額の点では、個々の企業の献金額でも、その全体的規模においても、イギリスの献金の実態は日本に対してけた違いにつつましい水準だ、こういうふうに言っているわけです。  したがって、もし百歩譲って、今津島議員がおっしゃったような形で、企業にも献金をしていただく、民主主義、民主政治のコストとして負担をしていただくということであるとすれば、むしろ、この二億円等に引き上げていくということではなしに、これを今のような形で下げていき、そして企業はその年次報告の中に、株主に対しましても、こういうように幾ら幾らの献金をしたということを明らかにしていく方がより透明性が出てくるだろう。そうすれば、国民の皆さん方は、なるほどこういうように節度ある献金がなされているんだということを理解するのではないかと思います。この二億円にしてきたというのは、私はどうも物価が倍ぐらいに上昇したということだけではないというように思えてならないのですけれども、いかがでございますか。

津島雄二自由民主党

○津島議員 後藤委員の御趣旨は理解できるわけでありますが、まず第一に、今のイギリスの例でありますけれども、私は出典がわかりませんけれども、恐らく選挙費用の献金の統計か何かごらんになったあれだろうと思いますが、私の知る限り、企業献金について規制はないというふうに認識をしております。  ただ、イギリスの場合は、出す企業の側の規制、つまりいわゆる監査機能が厳しく働いておりまして、企業が政治献金を初めとする事業外の資金の支出をすることは極めて厳しい監視のもとに置かれておる。ましてや使途不明金などというものは、まず公認会計士の承認が得られないということは私どもも頭に置かなければならないと思いますし、それから、政治資金の提出先は政党がまたは政党の支部に対するものを中心とするということに伝統的になっておるようでございまして、そういう意味では、日本についてはやはりイギリスに比べるとかなり自由奔放に行われ過ぎているなという点は同感でございます。  問題は、政党に対する枠をどう考えるかということでありますが、昭和五十年に政治資金規正法であのような枠がつくられる前は、私もある程度聞いて知っておるわけでありますが、もう少し主要企業からは大きな献金を受けていた例もございまして、あの昭和五十年の一億円の頭打ちによって非常に厳しい党財政の制約が加わったことは事実でございます。その後におきましても、大変担当者は苦労しておりますけれども、なかなか党財政の必要を賄うのに十分でないという実態がございまして、十七年の月日の経過という重みもひとつ頭に置いていただければ、物価調整ということだけでも十分私どもの提案の線は合理性があるのではないかというふうに考えておるわけであります。

後藤茂日本社会党・護憲民主連合

○後藤委員 社公の方にもお聞きしたいのですけれども、今度資金調達団体が二つできる。それから、党の支部が恐らく、自民党案だと五百小選挙区でありますから、それぞれの候補者の地域に対しまして一つずつ、五百できてくるだろう。今、津島さんの御説明を聞いておりまして、大変透明性が出てくるようですけれども、この五百の支部ができる、そしてこれまでの指定団体では数が制限がなかった、これを二つにするんだと。しかし、実態は議員後援会と今までの指定団体と変わらないだろうと私は思うのです。ただ、議員がそこで金を受け取るとかということが、さわるということがないということであって、その活動の資金として使われるというのは同じことであろうと思いますし、そういうことを考えてみますと、支部間の融通であるとか、あるいは資金調達団体の、これのまたしり抜けというようなことが起こりはしないか。これまではもう常にそういうことが起こっているわけでありますけれども、その点は両者の方でどういうようにこの自民党案に対しまして見ていらっしゃいますか。お考えをお聞きしたいと思います。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 お答えします。  私どもの方は、政治家に対して個人献金も禁止をするということにしまして、企業献金はもともと禁止をしておりますから、いわゆる指定団体もあるいは保有金制度もすべてなくしたわけでございます。  今御質問の趣旨につきましては、確かにいわゆる資金調達団体というものを設定し、なおかつ政党から個人への献金、寄附というものにつきましてもこれは認めておりますので、おっしゃったようないわゆる不透明な事態が出てくる可能性はあるのではないかなという印象を持っておりますが、自民党案につきまして、特に私どもの方として深くその点について検討したわけではございません。私個人の考えでございます。

後藤茂日本社会党・護憲民主連合

○後藤委員 ちょっと時間がございませんので。  津島さんは党の財政局長として大分御苦労をされてきた経験の中から、今度の政治資金規正法等に対しましても大変深い研究の中でつくり上げられたのだと思いますけれども、先ほど来中小企業の二万円等の零細なということがよく言われるわけですけれども、私は、そんなに新しくはないのですけれども、大手企業の献金額の一覧をずっと見ておりまして、私の手元にあるのは一九八八年、八九年、九〇年ですけれども、上位十四社ですか、これは全部まず銀行ですね。そして今までは限度額一億ですから、見事に、例えば三菱銀行が九〇年で九千四百七十六万円であるとか、富士銀行が九千百七十六万円であるとか、国民政治協会にこういう献金がなされております、法的にそれをクリアしているわけですけれども。トータルで八七年が九十七億八千万、八八年が百六十九億、八九年が百二十五億、九〇年が百二十八億、九一年が百七十四億というような金が入ってきているわけですし、例えば石油連盟等の団体を見ますと、ちょうどぴたり一億というような形になっている。企業、団体の献金としてこういうような額というものが、これが政治にいかなる影響を与えていくんだろうか。  あるいは、私聞いてみますと、国民政治協会というのは財団法人のようですね。今度の公選法の改正で、この国民政治協会というのは何に当たるわけですか。

津島雄二自由民主党

○津島議員 国民政治協会は、従来と同じように政治資金団体でございます。  この国民政治協会ができましたことによって、私どもは、党財政に対する各界からの献金が政治をゆがめない仕組みができたというふうに考えておりまして、あれはできるときの関係者がいろいろな証言をしておりますけれども、できる前にございました疑獄事件の反省に顧みて、党に対するものだけはきちっと、党が直接受けずに国民政治協会という団体でいただいて、しかもそれを全部制度の枠内で、しかも全部公表するということで仕組んでいこうではないかということで発足をいたしまして、私の知る限り、この国民政治協会を通ずる献金について、いわゆる腐敗的な指摘を受けたことは一回もないというふうに思っております。  今百八十何億という数字をおっしゃいましたが、これは正確に理解をしていただきたいのですけれども、この中には企業献金以外のものがたくさん入っていますから、本来の意味の企業献金は百億にも達していないわけであります。私の記憶では、八十数億くらいであるというふうに思っております。

後藤茂日本社会党・護憲民主連合

○後藤委員 この「寄附行為」の項目を見てみますと、目的は「国民の政治意識を昂め、秩序と活力のある自由社会の発展と健全な議会制民主主義の確立を図ることにより、国民生活の向上に資することを目的とする。」これは公益法人で財団法人ですから、これと自民党との、これももちろん理事会で、一番この目的に合うのは自民党だということの理事会の決定で寄附行為としてなされていっているのでしょうけれども、これは米ソ冷戦構造が終結いたしまして、最近はイデオロギーの論争ではなしに、お互いが緊張関係を持ちながら日本の民主政治をどのように育てていき、発展させていくか、あるいは腐敗をどのように防止をしていくかということで各党とも議論をしているわけであります。そういうことを考えてみますと、こうした「寄附行為」の項目から見ていきますと、これは自民党だけに限らないという形も読めるわけですね。どうでしょうか。C澤島議員 その点に関しては、そのとおりてございます。

後藤茂日本社会党・護憲民主連合

○後藤委員 恐らくもし各党ともということになりますと、これは、そんなことであれば何も寄附をするつもりはなかったということになっていきはしないかと思いますが、津島さん、いかがでしょうか。

津島雄二自由民主党

○津島議員 後藤委員のお考えは、別に自由民主党ばかりでなくて、全体としての政治資金を調達するためにみんなで協力をしてやる余地もあるんじゃないかということであれば、私は一つのお考えではないかというふうに思っておりますし、また各党におかれて積極的にこのような国民から見てわかりやすい仕組みをつくって政治資金を賄われることは大変結構なことだというふうに思っております。

後藤茂日本社会党・護憲民主連合

○後藤委員 財団法人の申請を、その後各党もこういう形でということを出していく場合に、自治省の認可が、財団法人としての認可というのはおりていないわけですね。それだけ既得権だということになっているようでありますけれども、私はやはり国民の皆さん方が企業、団体の献金に対して、腐敗の根源である、これはいろいろな諸論文を読んでみましても、これまで津島さんもおっしゃいました造船疑獄のころに、ちょうど保守合同のときにこの協会の最初が生まれているわけですけれども、それから政治資金規正法の改正も、その都度いろいろな汚職、疑獄の事件があるたびに改正になってきている。またこの協会の方もそういう形で改正をされたり、名称を変えたりしてきているわけでありますけれども、この際、ひとつこうした企業・団体献金の禁止をしていく、社公がやっていると同じようにですね。  しかし、政治的な行為をしていく自由というものは、八幡判決においてもあるわけでありますから、そういう民主政治に対するコストをだれが一体負担をしていくのか。ぜひひとつ企業も利益の一部を割いてこれを負担をしていきたいということであれば、私はこういう公的な資金を、もちろん今度政党助成法があるわけで、これは国民の税金から出していく、まあ二百五十円なり三百円なりという形になるわけでしょうけれども、それとは別に、公的なそういう受け皿をつくって、多方面からこれを集めて、寄附を仰いで、献金を仰いで、それを第三者の公正な機関で政治のコストに振り向けていく、使ってもらっていくというような形が考えられないだろうか。  これは、今度の政治改革特別委員会でいろいろ議論をしておる根源は、それは選挙制度が、複数の争いの中で自民党の皆さん方が大変苦労しているとかいうことをるる言っておられましたけれども、私はもっと大きな目で、こういう国民の皆さん方から、一方においては税金でやるわけですけれども、みんなでひとつ、政治にコストがかかると。これまでは、アメリカ等を見ますと、いろいろなボランティア活動なり社会福祉あるいは社会的な貢献に対して企業もあるいは個人も大変な寄金、カンパを寄せているわけです。日本はそういう政治風土なり伝統がないものですから、恐らく一番頭が痛いのは、やはり各党とも個人献金を集めていくということはなかなか大変だということで、便法的に今の自民党の案も出てきていると思うのですけれども、これをひとつ国民の皆さん方に呼びかけて、私たちは襟を正して政治腐敗を防止していきたい。しかも企業献金、団体献金等がいろいろな点で政治を曲げでいっている面がある。だから今、透明性を確立し、またいろいろな罰則なりあるいはそれに対する連座制等をつくり上げていくということだけれども、しかしそれ以上に国民の皆さん、ひとつ任意なカンパでお互いに日本の民主政治を守っていこうではないか、こういうことの案が出てくるということになると、私は社公の方の皆さん方にもお聞きしたいのですけれども、検討に値する。  私がなぜそのことを申し上げるかといいますと、選挙制度の方は、お互いが歩み寄り、苦労しながらつくり上げていこう。一方においてワンセットでしょう。今の自民党案を見ておりますと、社公案では、これは企業、団体の献金は禁止なんです。皆さん方のところでは、これは認めているわけです。この開きは、選挙制度の妥協を超える非常に難しい問題だと思うのですね。そういう意味で、お互いに財政といいますか、資金の再配分ですから、個人が一生懸命集めてきてやっていくのか、それとも善意の献金を集めてもらって、そしてそれを配分していくのか。しかし、それだけじゃ足りないだろう、日本の政治風土から考えて。そこで、国の財政の中から一定額を政党助成としてやっていくとか、いろいろな知恵が出されていっていいと思うのですけれども、その点いかがでございましょうか。

津島雄二自由民主党

○津島議員 ただいまの後藤委員の所論は、私どもとして大変理解のできる、合意のできるお考えではないかと思っております。  政党助成を国民にお願いをする、これをぜひとも実現をしたいわけでありますけれども、何と申しましても、これは強制的に国民からいただいた税金が原資でございますから、ですから外国で同様の制度を持っている場合にも、みずから資金調達をする努力と相まってやってくださいよということがしばしば指摘をされております。  それでは、各党が財政基盤の充実のためにどうしたらいいかという点で、今おっしゃったようなある種の共通の制度をつくってやるというのは、これは外国にも例はございます。例えば、選挙制度は別でありますが、アメリカの大統領選のシステムもある意味ではそういうものでございまして、献金を集めた分だけ公的助成が出てくる。これはどの党派も同じように利用できる制度であるという発想、方法は、私は非常に健全な考え方ではないだろうか。それからまた、民社党さんがかつて提案しておられます制度も同様な考え方に立っておられるように理解をしておりますが、いずれにしましても同じような角度から議論を詰めて、そして大事なことは、やはり現実を踏まえなきゃいけませんから、現実的に政治が機能していけるような配慮の中で大いに議論を詰めてみたいというふうに考えております。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 後藤委員が、ワンセットで政治改革と政治資金の問題を成立させなきゃいかぬということの障害を取り除くための一つの具体的な御提案でございます。ただ、根本的に企業・団体献金の禁止という、これはかなり根源的な問題を私たち持っておる問題でございますので、今、後藤委員のせっかくの御提案及び御質問でございますけれども、今ここでお答えを差し控えさせていただくというのが一番いい答えではないかと思います。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時三十七分休憩      ————◇—————     午後三時二十分開議

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。菅直人君。

菅直人日本社会党・護憲民主連合

○菅委員 昨日のフリートーキングに引き続きまして、きょうは質問に立たしていただきますが、この間の議論の中で少し整理をしてみたいと思うのです。  昨日もありましたように、一括処理をめぐっては、私も一括処理すべきだということを申し上げたわけですが、つまりは、選挙制度の改革を抜きでは政治資金の改革も抜本的な改革はできないというのが従来から自民党の皆さんの強い主張であった、そのことは津島先生も昨日も確認をされていたというふうに思います。  そこで、選挙制度の問題と一括で今回政治資金の改革についての議論をしているわけですが、自民党の皆さんの主張は、自分たちが出している案でもう十分に政治資金の改革になっているんだ、問題があるとすればそれはアングラマネーであって、つまりは制度の上にのらないお金であって、そのことは自民党案だけでなく野党案でものらないんだから、そこはこれ以上法案を厳しくしたからといってよくなるんじゃないんだと。つまりは、もう少し中身で言いますと、自民党の場合に、党を通して入るお金についてはいわゆる問題を起こしたことはほとんどないと、そういうことを繰り返し言われているわけです。そうすると、その論理はその論理として、一応その論理の流れに沿って議論をしたとして、それではいわゆるアングラマネー、つまりは違法、脱法のお金というものに対して今回の改革がどういう手だてをとろうとしているのかということを言わなければ、国民の皆さんに対して、そのことは違法なんだから私たちは手が出ませんだけでは済まないと思うわけです。  つまり、この改革のまさに直接的引き金となった金丸前副総裁の脱税問題も、脱税という意味では違法ですし、あるいは政治資金規正法の量的規制という意味でももちろん違法であるわけですけれども、金丸前副総裁の場合は辞任という形になりましたけれども、しかしそれが、例えば今後発覚する人があったときに本人が辞任しなければ、そのまま居座ることになるとすれば、それは制度的には必ずしもきちんとしていないと言わざるを得ないと思うわけです。  そこで、若干整理をしてみますと、政治資金規正法違反についてさきの緊急改革で、いわゆる二十万円の罰金を二年以下の禁錮または二十万円以下の罰金というふうに変え、寄附の没収、追徴を決めた、ここまではまあ一定程度の前進であったわけですが、今回自民党案ではこの政治資金規正法違反について、たしか禁錮刑で執行猶予中の場合の、執行猶予中のみは、のみというのは執行猶予中は公民権停止というふうに決められた、提案されているように理解をしておりますが、それに対して私たちが提案をしている案では、実刑中は実刑プラス五年間、執行猶予期間はもちろん執行猶予期間、罰金の場合も五年間の公民権停止という、そういう厳しい罰則を入れることによって、アングラマネーでそれが発覚した場合の制裁を厳しくしていこうという提案をしているわけです。この点について、この自民党案では余りにもその制裁措置が弱いのではないか、こう思いますが、いかがでしょうか。

津島雄二自由民主党

○津島議員 これまで各党協議を含めて長い間一緒に議論していただいた菅委員のことでありますから、私どもの従来からの主張をかなり正確に理解をしておられるということをまず評価をいたします。  そこで、今度の自民党案がいわゆる腐敗防止、つまり認められない献金の抑止という意味でどうなんだろうという御質問でありますけれども、私どもは、やはり前回の緊急改革というものはある意味では非常に大きな改革でございまして、当時既に国民一般の批判は非常に高まっておったわけでありますから、いわゆる量的制限違反をやった者について禁錮刑を入れ、しかも没収規定を導入したということで、言ってみれば抑止措置の基本はでき上がっておる、かように思っておるわけであります。  それに加えて、問題は量的制限がちゃんと機能しないことが次に問題なんでありまして、もう委員先刻御承知のとおり、今政治団体、指定団体含めて数の制限がないわけでありますから、しかもそれが企業献金を受けられるという世界の話でございますから、そういうことについて今度はきちっと資金調達団体の数を二つに絞って、しかも会費程度のもので、それ以外は政党を除いて一切企業献金は禁止という、言ってみれば土俵をはっきり書き直した、前回の抑止措置と今度の土俵をはっきり書くという二つによって、私は必要な抑止措置は担保されているというふうに考えたわけであります。

菅直人日本社会党・護憲民主連合

○菅委員 今の言われた中で、緊急改革の中で禁錮を導入したことで相当厳しくなっているんだと津島先生はおっしゃるわけですが、では今同じような、同じようなといいましょうか、何十億かのそれこそ脱法的な、あるいは違法な政治献金というべきなのか所得というべきなのかわかりませんが、例えばゼネコンからお金がどんどん献金されたあるいは受け取ったという場合に、法律規定的に政治家として政治生命を失うケースというのは、この今の自民党案だとどうなるんです。

津島雄二自由民主党

○津島議員 まさにそれが司法の判断すべきところでございまして、例えば似たような経済事犯がございますね。収賄罪というのがある。そういうものの間の量刑のバランスというものを考えながら、しかも一つ一つの個々の犯罪事情を考慮して、まさに司法が判断をする。したがって、これはひどいなというものであれば、それは禁錮刑を含む適切な量刑が科せられるというふうに考えていいのではないであろうかというふうに思います。

菅直人日本社会党・護憲民主連合

○菅委員 それでは逆に言うと、禁錮で実刑になった場合は、もちろん実刑ですから公民権停止になる。それから、たしかこれは私の理解が間違っていなければ、執行猶予がついた場合も今回の自民党案では公民権停止になる、そう理解していいわけですね。

津島雄二自由民主党

○津島議員 そのとおりでございまして、収賄罪について緊急是正でやったところまではこれは合わせるのがいいであろうと、それを超えるのはやはり量刑のバランスを失しているのではないかということであります。

菅直人日本社会党・護憲民主連合

○菅委員 ということは、罰金の場合は公民権はそのまま残るということですね。

津島雄二自由民主党

○津島議員 そのとおりであります。

菅直人日本社会党・護憲民主連合

○菅委員 この点は、社公案では罰金の場合も含めて公民権停止を入れて、つまりはアングラマネーの問題についてより厳しい態度をとっているわけで、これは私は、政治資金問題での与野党合意をもしつくるとしたら、この間の議論をいろいろ聞いている中で、入りの問題での合意という、つまりは企業献金をどう扱うかという問題もありますが、同時に出の問題あるいはこういうアングラマネー的な問題をより一方で厳しくするからまあここはこの程度でとか、そういう可能性もあるということも考えながら、今質問をさせていただいているわけです。  もう一点、一般的に政治腐敗防止法というと、イギリスの例などでは、選挙に係る買収、供応あるいは法定選挙費用の違反という問題が大きいわけです。これについて今回の自民党案というのは、たしか連座の考え方で五年間の立候補禁止規定を入れた。これはさきの質問のときも一度申し上げたのですが、一つは立候補禁止だけでは弱いのではないか。これは率直に言いまして、社公案でも、年度は違いますが立候補禁止になっております。  私は提案者の立場でもありますが、連座という考え方を一つ超えた制度として本人の監督責任、つまり候補者本人が運動員のやったことに対する監督責任を持つという法律を組んで、そうすれば連座というよりは本人違反という形になりますから、そうすると本人自身の、つまり候補者ないし議員自身の公民権停止というものが比較的法律論的には導入しやすい。ある時期に法制局ともいろいろ検討してもらったときに、連座でという考え方では本人の公民権停止というのはなかなかバランス上導入しにくいのだけれども、本人違反という形をとるならばそれは可能であろうという見解もいただいたわけですが、もう少しこの問題、厳しくすべきではないか。  まして、年度の問題は、前回のときにも述べましたように、参議院で五年間の立候補禁止なんというのは、二回目の当選直後に裁判を確定させれば事実上全く立候補禁止の効果をなくすることができる、つまり現職のままその期間を通過することができるという意味で、明らかに制度的にその面からもおかしいし、今追加的に申し上げたことからいっても、もう少しここは強化すべきではないかと思いますが、自民党の提案者、いかがでしょうか。

津島雄二自由民主党

○津島議員 いわゆる腐敗行為をどうするかということで、一つは委員言われましたように、公選法の分野の話がございます。その点についての私どものこれまでの議論は、例の緊急是正のときにも随分いたしましたですね、公民権停止のあり方ということで。これまでの議論を踏まえて今回の提案の線で申し上げておるわけでありますけれども、今の公民権停止をどのようにするのか、それから監督責任をどうするのか、それから連座制をどうするのか。連座制の場合、監督責任の場合等においては、まあいってみればおとり行為みたいなものをどうするかという問題も入ってくる。  こういう全体をいろいろ議論いたしまして、我々としては、今御提案している線が最も現実的に説明できる線ではないかというふうに判断をしたわけでありますけれども、今の裁判の時期の問題は、これはもう委員御承知のとおり、日本ばかりでなく問題があるものですから、イギリスでは選挙裁判という独特の裁判方式で、半年ぐらいでその勝負をつけるという制度があるものですから機能している。それに対して、我が国では期日の一括指定という、日本の司法制度の中で容認し得るできるだけのことを法律上お願いをして、裁判の迅速化を図ろうということを申し上げておるわけであります。  もう一言つけ加えますと、政治資金制度の方にも同じ問題が起こる、腐敗行為のですね。こちらの問題についてひとつぜひ御理解をいただきたいのは、その構成要件でございますね。どういう違反行為が対象になるかということについて、我が国の政治資金規制制度は、私はもう世界で一番細かいことが書いてある。入る方も出る方もいわばこんなに御親切な政治資金規正法はないわけですね。そういう意味で、そういうはしの上げ下げ全部いろいろ取り仕切っていただく者に、ちょっとマナーが悪いと全部公民権停止というのは、やっぱり私は問題だと思いますよ。そこはやはり常識的な判断があっていい。だから、量刑の範囲を禁錮刑を含めて広くとっている中で、やはりそれは司法が適正な判断をすべきである、こういう点は御理解をいただきたいと思います。

武村正義自由民主党

○武村議員 大体今の答弁で済んでいると思いますが、我が党の案は御承知のように、対象を拡大したことと、刑が確定した後五年間の公民権停止を加えたこと、免責規定等でございまして、特に対象がこれでは少し不十分じゃないかという御感触でありますが、議論をすれば、イギリスの腐敗防止法の例などと比較いたしますと、あれはもう運動員全体と言っていいぐらいでありますから、範囲がまだ甘いというふうにおっしゃるのも一理あるわけでございますが、いずれにしましても、せっかく当選ができるだけの信任を得た者の権利を剥奪するということでありますから、これは最大限厳格でなければいけませんし、今回そういう意味で、候補者になろうとする者の親族と、候補者及びなろうとする者の秘書を対象に加えて拡大を図ろうとしたのでございます。  裁判確定五年云々は、これは今津島先生御答弁のように、我が国の司法制度、大変時間がかかるという現実がございまして、それに立ちますと、ここの仕組みを本当は問わなきゃいけない。いきなり選挙裁判所云々ではないにしましても、何か新しい仕組みが、学界でも提案をされておりますように、そこまで踏み込まないと、この刑の確定後の云々という議論は締まってこないなという感想を持っております。

菅直人日本社会党・護憲民主連合

○菅委員 今武村先生の言われるのはちょっとあれじゃないですか。つまり、刑が確定後五年間公民権停止というようなことを言われましたが、公民権停止になってないんですよ。立候補のたしか禁止になっているんでしょう。公民権の停止だったら、そのときからバッジを外さなきゃいけないわけですよ。

武村正義自由民主党

○武村議員 間違えました。そのとおりでございます。

菅直人日本社会党・護憲民主連合

○菅委員 ですから、そこを前回も問題にしたわけですよ。これは言葉の差じゃないわけですよ。これはもう我々はわかるのですが、一般の国民の方はなかなか、立候補禁止だったらもう今は同じじゃないかと思われるけれども。つまり刑が確定した、じゃバッジを外さなきゃいけないかといったら、バッジを外さないでいいわけですよ。次の選挙のときが、五年間以内に選挙があれば、そのとき立候補ができないということですよ、同じ選挙で。だから、参議院で二回目で当選していれば、二回目という意味はその当選無効もひっかからないという意味ですから、二回目で当選していれば、あと残り六年あるわけですから、あるいは五年半あるわけですから、五年間たてはまた立候補できるわけですから、五年半目に次の選挙になれば堂々と立候補できて、全くペナルティーになってないということなんですよ。その点、どうですか。

武村正義自由民主党

○武村議員 参議院につきましては、既に一度お答えをいたしましたが、確かに任期は六年でございますから、その計算からいえば五年は短いという御指摘でありますが、裁判が確定するまでに当然一定の年数がかかるわけでございます。今申し上げたように、我が国の裁判の実態からすれば、それは半年とか一年以内ということはまずあり得ない現実でございますから、五年で十分その目的は果たせると、こういう認識でございます。

菅直人日本社会党・護憲民主連合

○菅委員 武村さん、わかって言われているのか勘違いされているのかわかりませんが、私、過去の例を全部調べたのですよ、以前。そうしたら、実は連座制で議員をやめた国会議員というのは一ケースしか見つからなかったですね、たしか昭和三十何年に。ある人が知事選に出るからといってみずから取り下げたのですよ、最高裁を。そのときに、たしか一度だけ連座でひっかかっております。それ以外の人がなぜひっかからなかったか。もう固有名詞はやめますけれども、何人も実はひっかかるケースがあったのです。全部裁判を引き延ばして次の選挙で当選しているのです、二回目、三回目。従来の例は、二回目、三回目当選すると、当選無効は一回目の選挙の無効ですから、関係ないわけですよ、二回目で当選していれば。  ですから、今言われたのは、何か武村さんの話を聞いていると、どうせ裁判が数年かかるから、五年間で、後のところでひっかかるじゃないかと言うけれども、そうじゃなくて、逆に、一回目の選挙で違反を犯して、本来なら連座制にひっかかる場合に、裁判を引き延ばして六年目の次の選挙をクリアしておいて、そこが高裁か最高裁かに行っていれば、そのときに取り下げちゃうんですよ。これは、弁護士さんたくさんおられますけれども、弁護士さんに聞いたら、そういう技術は幾らでも御存じですよ。そうすると、取り下げてしまえば、そこで自動的に確定するわけですよ。そしたら、あと五年間以内に選挙さえなきゃいいわけですから、するりと抜けられるわけです。少なくとも社公案は、そこで参議院については七年として、最低限一回は必ず立候補ができないというふうになっているわけです。ですから私は、最低限社公案になるべきだし、あるいは連座制という考え方をさらに超えて、先ほど申し上げたように公民権停止ならいいんてすよ。確定のときにぽんとバッジを外さなきゃいけないんですから。いかがですか。

武村正義自由民主党

○武村議員 貴重な御意見として拝聴をさせていただきました。

菅直人日本社会党・護憲民主連合

○菅委員 両案が出ているわけですから、まさに検討していただいて、最終的なまとめのときに、必要なものは野党案を採用するというような形でお願いしたいということを申し上げて、余り時間がありませんが、きょう午前中の議論の中で、新井将敬委員の方から連用制の、一票制の議論等が出ておりました。これは正式にこの国会に法律としてかかっているものではないですから、なかなか議論がしにくい点はあるわけですけれども、自民党の提案者は小選挙区を提案されているんだから、答えにくいといえば答えにくいんでしょうけれども、先ほどの新井議員の問題提起なんかを含めて、どういう問題点があるとお考えなのか、感想でもいいですから、どなたか。  例えばそのとき問題になったのは、二票制でいいのか一票制でいいのか、一票制の場合にそれはそれでまた新たな問題があるんじゃないか、名簿結合を認めるべきか、認めるとしても県単位なのか全国単位なのか等々指摘をされているわけですが、これは個人的見解というのも変かもしれませんが、自民党の提案者の中で、何らかのこの問題に対する感想をお持ちであったら、ぜひ聞かせていただきたいと思います。

石井一自由民主党

○石井(一)議員 連用制は、各党の一つの接点を求めるという点で評価できますが、私は、やはりその中での第二票の取り扱いとドント方式におきますプラスワンという考え方、こういう面については非常に難解な、やや現実離れした案であり、この点を何らかの形で克服する第三の案というものもないんだろうかなというふうなことを考えております。  そして、質問の問題についてでございますけれども、一票制の場合に、例えばそれが併用である、並立てあるというふうな場合に、併用的な制度の中であれば一票という問題は、これは是認でき得るんではないか。これが並立ということになりますと、やはりそこにはセパレーションといいますか、分離というものが起こらなければいけないのではないか。しかしその場合に、小党で個人の候補者を持っておられないものに対してどういう扱いをするのか。そして、きょう新井議員が申しておりましたような、そこに一つの一票の行使という面において有権者の側からの差別と申しますか、そういう問題がまだなお残っておるのではないか、こういうふうなことを感ずるわけでございます。  それから、ブロック、府県、全国という問題から提起いたしますと、私は、五%条項とか政党要件を規制するのにはその府県の提案は非常にいいんでございますけれども、しかし同時に、やや非現実的ではないか。やはり比例としてそこから得られる、顔の見えない候補者を出していくのに府県に押し込めるというのにはいささか無理がある。これを施行するんであれば、やはり全国のベースの方がベターなんではないか。我が党はこの案を主張しておるわけじゃございませんが、菅さんの御質問でございますので、あえて私の私見を申し上げさせてい。ただいたわけであります。

菅直人日本社会党・護憲民主連合

○菅委員 私見としてまさに大いに議論をしながら何らかの、今両法案という意味での第三の道を目指す必要があるんじゃないかということで、あえてお聞きをしたわけです。  今石井提案者の方からもありましたように、私もいろいろ考えてみますと、民間臨調提案の連用制の場合に三百の小選挙区ができる。そこで二票制であれば、よく言われることですが、無所属立候補の場合の扱いがどうなるのか。これは場合によったら、党の中の規則として、そんなことをやった人は少なくともその任期が終わるまでは党に入れないとかということでできるのかもしれませんが、少なくとも制度的にはそういう問題がある。一票制にしたときには、きょう朝、新井委員も言われていましたが、例えば自民党何がし、社会党何々、じゃ候補者がいないところについて党名だけでいいのか。逆に言うと、候補者はいるけれども、党名で投票したときにそれが小選挙区の側での候補者名としてカウントできるのか。それも、書き入れる場合と丸をつける場合といろいろ違うでしょうし、扱い方によれば、三百候補者を出さないと実質上といいましょうか選挙に出られないみたいな、そういう足切りになると、これはもうとてもではないけれども、今の中規模以下の政党は全く参加の機会すら失ってしまうということになりかねない。  ですから、そういうことをどういうふうに煮詰めていけばいいのか。あるいは、今も並立の場合は一票というのは問題があるけれども、併用的な考えてあれば一票であっても憲法はクリアするんではないかと、実は法制局にも聞きたかったんですが、法制局の方はまだ十分に答えられないという、きょう午前中の答弁でもありましたので、あえてきょうの段階ではお聞きしないでおきますけれども、そのあたりを我々も検討しなければいけませんが、それぞれの立場で、法制局も含めて、提案がないからまだ検討してないと言うんじゃなくて、実質的には提案が第三者においてもされているわけですから、ぜひ検討をしていただいて、見解が必要なときには答弁をいただきたいというふうに、そのことはお願いをしておきたいと思います。  そろそろ時間が余りありませんので、話をもう一つ戻しまして、これで七十時間を超える審議が進んできているわけです。先ほど申し上げましたように、選挙制度での合意というものが難しいのはもちろんですけれども、この間の議論でいえば、選挙制度はやはり政治決断の問題で越えていけるところまで少なくとも話はだんだん煮詰まってきているんじゃないか、こんなふうに感じているわけです。  もう一方、政治資金の問題は、これはまだ政治決断というよりも、いろいろな具体的な問題での話が煮詰まっていない。やはりこれは企業献金の扱いの問題だと思うわけです。きょう、あえて企業献金を認めるべきか認めないべきかという、もう繰り返し行われたことはあえてしませんけれども、私先ほど申し上げたように、つまりは表に出たお金としてのあり方の問題と本来あるべきではない、いわゆるアングラマネー的なものの問題とが、国民からいえば同じように当然ながら見えるわけです。つまりは、ゼネコンからお金が何十億集まってくる。それが表なのか裏なのかと言われても、扱いによっては表にもなるし、扱いによっては裏、いわゆる脱税的なお金にもなるというのが、少なくともこれまでの扱いだったわけであります。  ですから、津島先生初め自民党の皆さんは、今度の新しい自民党の提案で、表に出るものは非常にきちんとしたので、あとは裏の問題なんだから、それは法律、少なくとも政治資金規制のあるいは入りの問題とは分けるべきだというふうに言われれば言われるほど、そこはそれならそういう部分に対する罰則規定を先ほど申し上げたようにより強くして、裏の部分もきちんと、その場合は百に一つでも間違ったら、百に一つはオーバーかもしれませんが、少なくとも一罰百戒的にきちんとやるんだということが相まってあるいは合意点が見えてくるのかもしれない、そんな感想も持つわけですけれども、そういった意味で、政治資金と腐敗防止の関連性について、今私が申し上げたような観点についてどのようにお考えか、最後にお聞きをいたしたいと思います。

津島雄二自由民主党

○津島議員 今、最後に委員述べられた点、私はかなりの共感を持って拝聴いたしました。  ただ、それに加えてぜひ御理解をいただきたいのは、政治資金の問題は、生き物である政治が毎日毎日きちっと機能することも大事だし、また、きちっと機能することによって有権者に対して正しい情報が送られるという面もございますから、したがいまして、今委員の御指摘のような点、つまり万が一にも間違いがあってはならないということはそのとおりでございますが、同時にその場合に、適切に必要な政治活動が進められ、そして、与えられた領域で十分に目的が達せられるような選挙制度の改正、つまり政党中心の新しい政治の場がつくられるということがやはり先決条件であるということを、ここでもう一度強調させていただきたいと思います。

菅直人日本社会党・護憲民主連合

○菅委員 終わります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 草川昭三君。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 公明党・国民会議の草川であります。  まず最初に、委員長を初め各党の発議者の皆さん、委員の皆様が、四月の十三日の本会議以来、日夜大変長時間にわたって御審議なされておみえになりますこの努力に対して、心から敬意を表させていただく次第であります。本当に皆様御苦労さまでございます。せっかくのこの努力でございますから、何とかこれがまとまるように、政治改革が実現するように、ぜひ皆様方、国民が注目をしておるわけでございますので、一層の御審議をお願い申し上げたいわけであります。  まず最初に、自民党のかつての海部内閣時代の政治改革大綱の比例代表制の問題についてお伺いをしたいと思います。  四月の十五日に武村議員は、海部内閣の当時の話でございますが、単純小選挙区制の方がはるかに多かったけれども、やはり野党の立場も考えた答申を尊重し、並立制に合意した、こういう答弁をされてみえるわけであります。今回は野党のことを考えずに自民党として提案をされたということに、裏返してはそうなるわけでございますが、どんなものかということでございますし、また、四月の二十日に池田委員がこの政治改革大綱のことに触れられておるわけでありますが、少数世論も反映されるように比例代表制を加味することも検討するとあるけれどもどうなんだという質問をされております。また、同様に、公明党の鍛治委員も質問をしておみえになるわけでありますし、また、後に宮澤総理に対しましても四月の二十一日、公明党の伏木理事も質問をしているわけであります。  そのほか、各党の委員の方々がほとんどこの問題について触れられておりますが、その答弁が非常に不十分でございます。それぞれの委員の方がこのことについて触れられておりますけれども、それはその当時の話だよと簡潔におっしゃる委員もお見えになります。あるいはまた、あれはもうあのときに廃案というんですか、終わってしまったのだから、別の立場から問題提起をしているんだよというような趣旨の答弁もあるわけでございます。  いずれにいたしましても、非常に意味の重い答申であり、当時の話ではなかったのか、こんなように考えるわけでございますが、改めて発議者の方からその点についての、少数世論も反映されるよう云々という言葉について、明確な御答弁をお願いしたいわけであります。

武村正義自由民主党

○武村議員 御指摘のように、既にお答えを申し上げたことでありますが、我が党が大綱をつくりましたときは竹下内閣でございまして、もうかれこれ九四年を過ぎたでしょうか、そのころの文章が基本にございます。その後、選挙制度調査会の答申があり、そして海部政権下の三法案、こういうふうに発展をしていったわけでございます。  自民党の党利党略で小選挙区制がいい、ベストである、しかし野党もあるから、少数世論の反映するような仕組みも場合によっては妥協でやむを得ない、こういう考えでいるわけではありません。  本来、もうこれは何回も繰り返し私どもの側から答弁がありましたように、本当に日本の政治の将来を考えて、どういう選挙制度が一番理想であるか、今回はその一点に絞って議論をいたしました。もちろん少数政党あり、価値観の多様化あり、現実もそうでございますが、そのことを踏まえながらも、しかし政治が、これは今まで繰り返してきた答弁でありますけれども、やはり大きくは多数決原理を考えますと、政府・与党を構成する過半数勢力と、それに批判的な過半数弱の勢力、こういう構図になるのではないか。その中で両勢力が厳しい争いをし、競争をして、国民の審判を得ていく、そして時々政権の交代があり、緊張がある、そういう選挙制度を目指していこうという選択をした結果が単純小選挙区制になったわけであります。ですから、党利党略で決めたわけではないということだけは繰り返し申し上げて、御認識をいただきたいと存じます。  しかし、この国会での長い議論の中で、皆さん方の御主張にも真剣に私どもは耳を傾けております。そういう意味では、昨今、単純小選挙区制を修正するという言葉はまだ出せないにしましても、皆様の御主張にも大きな論拠があるということを私どもは認識し始めておりますし、そういう中で合意案、妥協案を目指していかなければいけないという認識に近づきつつあるということも、あえて加えて申し上げたいと存じます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 従来の流れの中では新しいお考えを示されたわけで、大変敬意を表したいと思うわけであります。  今改めて十五日の武村先生の答弁を見ているわけでありますが、「やはり野党の立場も考えた答申を尊重して、並立制」というお言葉が十五日にはあるのでございますが、その後、だんだん非常に冷たい答弁でございましたが、本日、改めて、十五日をさらに上回る一つの答弁ができたことを私は極めて大切にお受けしたいと思います。  では二番目に、小渕先生にお伺いをしたいわけでありますが、これも四月の二十日でございますが、小平委員が、制度改革は衆議院、参議院のみならず地方議会まで含めてという趣旨の質問をされたわけであります。そのときに先生は「しかしながら、現下の政治不信その他考えますと、この際はとにもかくにも衆議院の制度改革を率先すべきではないかということでこういうように答弁をされておみえになるわけです。非常に明確でございます。  ところが、ここ数日来、与党の中でも、特に梶山幹事長は、選挙制度改革は衆議院、参議院セットで行うべきではないだろうかという趣旨のコメントを出しておみえになりますけれども、なぜこの時期に幹事長はそういうことをおっしゃったのか、真意を我々は疑いたいわけでございますが、小渕議員は大変幹事長にも近い方でございますので、この点をどのように評価されて、物を言われるのか。四月二十日のお気持ちに変化ありや否や、お伺いをしたいと思うわけであります。

小渕恵三自由民主党

○小渕議員 私、本会議での代表質問のときに申し上げましたとおり、本来的にいえば、衆参二院をもって我が国会は成り立っておるわけでございますから、この二つの院が選ばれる議員はそれぞれに特色のある形で議席を獲得し、行動すべきだ、そういう意味では、セットで両院の制度改革をすべきであるというのは、私自身も持論でございます。  しかしながら、申し上げましたように、現下の政治不信にかんがみまして、この際は衆議院の制度改革から進めなきゃならぬということで、我が党としては御案内の法律を提案しておるわけでございますので、ぜひ今国会においてまず衆議院の制度改革が先んじてできますように進めていかなければならないというふうに私は考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 わかりました。四月二十日の衆議院の制度改革を率先すべきだという善言葉どおりというようにお受けしたいと思うわけであります。  その次に、三番目になりますけれども、今度は津島先生にお願いをしたいわけでありますが、いわゆる政治家個人に対する企業献金を禁止し、資金調達団体を二つにした理由。これも何回かここで議論になっているわけでございますけれども、私は、ちょっと質問を申し上げたいのは、多分この二つの資金調達団体というのは、一つは地元だと思うのです。これは我々も容易に想像できます。一つは東京という御答弁を、津島先生以外の方も、本委員会でなすっておみえになります。  問題は、いわゆる中央における資金調達団体というものを非常に不用意に与党の先生方は言っておみえになるのではないか。すなわち、東京中央で一つの資金団体を認めるということは、いわゆる国会議員としてさまざまな省に、まあ族というのですか、いろいろなお仕事をやってみえる延長線で、交友関係もふえていく。もちろん学校の同級生もおるかもわかりませんけれども、多くは、何々委員会あるいは何々省庁との御関係が非常に深い。当然のことながら、その族というものを通じて資金を調達される。いかにそれが会費程度のものだとおっしゃっても、会費程度で相当な広い団体とつき合うことができるわけでございます。  そうすると、この族議員というものも、この委員会で何回か議論が出ておるわけであります。総理も、この族議員のあり方ということについてある程度意見を言っておみえになるわけでございますが、私といたしましては、いささか問題があるのではないか。だから、資金調達団体を、特にこの中央という言葉、あるいは東京というところに認めたということについての根拠をいま少しお聞かせ願いたいと思うわけです。

津島雄二自由民主党

○津島議員 改めまして今回の私どもの制度改正の趣旨を申し上げますが、第一が、まず公私混同を絶対に避ける、これが、一番最初に委員も言われました、政治家個人に対する献金の禁止でございますね。それで二番目が、透明性を確保するということでありまして、そのために、従来は指定団体を含めて政治団体はかなり自由奔放につくれるというのを、今度は、企業献金を受けられる政治団体というのはそれぞれの政治家に関係するはっきりとした二つの資金調達団体に限る、一般の政治団体は一切企業献金を受けちゃいかぬと踏み切ったわけでございますね。これで透明性はもう格段に高まる。そして三つ目は、やはり節度と申しますか、私ども常識的に考えて、企業献金であれ個人献金であれ、政治を不当にゆがめない範囲のものは何かということからいえば、まあ月額平均二万円程度ではないであろうか。そういうことであれば、今のような御心配の向きがあるかもしれませんけれども、一つであれ二つであれ、また東京であれ地方であれ、二つに限定をしてつくることによって今の目的は達せられるのではないか、かように考えたわけであります。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いささか今の御答弁では、中央における資金調達団体をなぜ認めたかという私の疑問に対してのお答えになっていない、こんなような感じがするわけであります。  そこで、次の質問に移ってから、いま一度ごちらにもう一回戻らせていただきたいわけでありますけれども、先生は、これも四月十五日、社会党の日野先生の質問でございますけれども、それに対して、昭和五十年以来、党に対する正規の献金はふえていないというような趣旨の答弁をされておみえになります。ところが、派閥というものがあるわけでありますね、もう現実に。ですから、党という方には入っていないけれども、派閥の方には、俗に言う裏金というものも中心に、相当な資金の調達がなされているのではないかと思うのですが、その点についてはどのようにお考えになるのか、お伺いをしたいと思うのです。

津島雄二自由民主党

○津島議員 御指摘のとおり、昭和五十年に政治資金規正法ができましてから、政党に対する献金はいわゆるA枠で限界が画されておりますから、その限界は全く動かされずに来ておりますから、多少の消長はありましても、党に対する企業献金というのは余りふえておりません。また、減っているときもございます。  一方、この間、いわゆるグループあるいは派閥に対する献金というものが、これも消長はありますけれども、かなり大規模に及んだのではないかと推察される事情にございます。私は、このことは全く否定をいたしません。実はそのことの中から、最近まで指摘されるような幾つかの腐敗行為が起こったと言われており、また同時に、そのことが、つまり派閥の存在というものが、今の日本の固有の中選挙区制度というものにその淵源があるとすれば、やはりそのことを一体として直さなければならない、そしてそれを直していけるのであれば、思い切って派閥に対する献金というのはほとんど不可能なところまで持っていってしまおうではないかというのが、実は今度の私どもの改革の基本的な考えでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 その今後の方針は私よくわかるのですが、おっしゃっておみえになることはよくわかるのですが、私は、今日の政権政党である自民党が、政治と金という言い方をすると大変気にさわるかもわかりませんけれども、もう胃拡張になっていると思うのですよ、日常生活全体が。だから、この胃拡張が、にわかにある日突然、もう一切使いませんということになるのかどうかという疑問を私は大変強く持つのです。  それで、例えば今宮澤さんが総理でございますけれども、総裁選挙というようなことについては、党の中でも今後争われるということになるわけでしょう。派閥がなくなるのかどうか知りませんけれども、もし自民党の、与党の単純小選挙区制が実行されたとしても、党の影響力というのは非常に強くなるわけですから、党の総裁ということになると、必ずしもいつもAさんならAさんという人だけが総裁になるわけじゃありませんから、対立をするわけですから、激しい競争になりますね。当然のことながら、総裁選挙にまた従来の派閥というのが動き出して行動をするのではないかと思うのですが、その点はどうでしょう。

津島雄二自由民主党

○津島議員 派閥の機能については、いろいろ御指摘のような面がございまして、新人の発掘等いい面もあるということは否定できませんけれども、しかし、やはり自民党は党を中心としてすべての政治活動を進めていかなければならないという点で、私は、コンセンサスは自民党の中でもできていると思っております。  それで、今の胃拡張の話でありますけれども、実はきのうも議論がございましたね。私ども、今度の新制度に踏み切るについて、実は本当に真剣に末端の活動まで精査をいたしました。つまり、今は一つの選挙区の中で同じ政党のメンバーがそれぞれ活発に積極的に政治活動をやっておりますから、場合によっては、多々ますます弁ずになりがちである。そういうことがないように、一選挙区一人、そしてそれが自由民主党代表として活動するとすると、最小限一事務所でどのくらいの例えはマンパワーが必要か、人間が必要かというところまで実は積み上げて勉強いたしまして、そしてまあまあそれを最小限に賄っていくのには、まだ足らないという意見もございましたけれども、何とかこれで我慢していけるのではないかという勉強までした上で御提案をしておるわけでございまして、私から申し上げるのもなんでありますが、今までの胃拡張と言われるような状態がもしあるとすれば、非常に健全なスリムな体格にさせるというねらいも込めておるということを申し上げたいと思います。  なお、派閥に関する問題、総裁選挙等に関する問題については、今派閥の長でおられる小渕先生もおいでになりますから、むしろ私の方からは控えておいた方がいいのではないかと思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 じゃ、ぜひお言葉に甘えて、派閥の長の方から意見を言ってください。

小渕恵三自由民主党

○小渕議員 新しい制度が導入されれば、当然のこととして、我が党としても小選挙区制度のもとにおける党運営のあり方については検討いたしていかなければなりません。今、西岡さんを中心にいたしまして、早速に検討を実は始めたところでございます。  なお、現実の派閥の運営等につきましては、私も会長になりたて、ほやほやでございまして、まだ内容について十分承知をいたしておりませんが、本来、いろいろ御指摘をいただいておるような点につきましては、新しい政策派閥としての運営について心がけ、指弾をされるような点については、我々としては絶対そうしたことのないように心がけていかなきゃならぬ、こう考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 私は、一番最初の話に戻りますけれども、民意の反映か、いやそうではなくて集約だという議論がございましたね。それで、与党の方は、いわゆる連立は不安定だからだめだということを常々答弁をされてみえるわけですよ。ということは、与党としてはやはり政権というものは放したくないというのが前提にあると思うんです。これは私は当たり前だと思うんです、与党の側からいえば。それは、もちろん日本の国の将来をという言葉もありますけれども、私は逆に、政権政党のうまみというのがあると思うのですよ。それは、個別のことは一々我々も承知をしておりませんけれども、与党は与党なりのうまみがあり、派閥というものを通じて族議員になり、族議員を通じていわゆる関係省庁とのかかわり合いというのが非常に深くなっていくわけですよ。  ですから、今も建設問題等についてもいろいろな御意見が出ておりますけれども、例えば箇所づけというのですか、どこどこの場所に新しい道路ができますよ、どこどこに建物ができますよというのは役所は一日か二日前に、野党よりも何日か前に与党の皆さんに連絡するわけでしょう。我々が幾ら、野党ですから、関係省庁にそろそろ箇所づけができるはずだ、ここにどういう建物ができるはずだとおっしゃってくださいと言っても、与党の方に早く連絡がいくわけでしょう、現実には。すると与党の方は、そういう情報を地元に一日でも二日前でも報告をすることによって、市町村に恩を売るわけでしょう。それで、恩を売ることによって自分たちの後援会をそれに紹介するわけでしょう、現実の問題としては。そういう例というのは山ほどありますよ。そんなことは、きょうはここで申し上げませんけれども。  だから、私が申し上げたいのは、そういうものの集約点が派閥になっておるわけですから、いかにきれいごとをおっしゃっても、私はやはり派閥というのは残ると思うのですよ、今のような御発想では。だから、思い切って本当に、橋を焼き切ったというお言葉がございますけれども、政治改革というのはセットで、すべてのものを一回きちっと整理しないと、一つの問題提起に答えるわけにはいかないという感じがするわけなんです。  これは、きょうはこういう場でございますから、聞き流していただきたいのです。これは、答弁はあえて求めません。実は私、昭和六十二年の、ちょっと古い話ですが、リクルート事件のときに、宮澤さんへ江副さんから五千万の振り込みがあったということにちょっと触れさせていただきたいのです。このことについての答弁は求めませんから、聞くだけ聞いていただきたいと思うのです。  たまたま宮澤さんの秘書の服部さんという方と松本さんの調書というのがあるわけです。これは、平成元年の五月の十三日に東京地検で検事に被疑者として調書をとられているわけであります。この調書は、私どもが東京地検へ行ってまいりまして、それを写してきたわけでございますから、この内容については刑事局長の方としては、あなたが写してきたんだからそういう事実はありますよという答弁は他の委員会でとっておりますから、信憑性のあることであります。  そこで、ごく簡単なことを言いますと、こういうことを言っているのですね。まあ宮澤さんは当然のことながら宏池会なんですが、「昭和六二年三月上旬ごろ、宮沢の派閥である宏池会の当時の事務総長加藤紘一代議士に「政界の主だった人に総裁選に向けて協力方をお願いして回るように」と言われました。」と服部さんは答えているわけです。そこで、いろいろな経過があるんですけれども、資金援助については、百万や二百万の少額ではなくて一千万単位のまとまった資金援助をリクルートに期待したいというので、リクルートにこの人が行くわけですね。そうするとリクルートから払い込みがあったということになりまして、その払い込みについては、もう一人の秘書の松本さんの調書があるのでございますけれども、その五千万については「総裁選の裏工作資金にでも使うつもりではないかと感じました。」要するに、総裁選というのは、裏工作資金なんですね。表の金じゃないんですね。こういうのが政権政党の中にはあったんでしょうね。  それで、この五千万については、「政治資金規正法に違反する寄付と承知しながら受け入れてしまったことについては、私と」すなわち松本さんと、「服部の両方に責任がある」というような告白をしておるわけです。「そもそも五〇〇〇万円の寄付を一個人から受けること自体が違法で、その段階で合法的な処理をする余地がありませんでしたから、総裁選のためにまとまった金が必要なこともあって、この五〇〇〇万円は裏金として処理することにした」というくだりになってくるわけですよ。それで、この五千万については「総裁選の裏工作資金として、派閥内外の自民党代議士に一人一〇〇万円か五〇〇万円ずつ配りました。配った相手の代議士の名前は私の口から絶対に言う訳にいきません。派閥外の代議士で配った相手は主として総裁候補を持たない派閥の代議士でしたがこというので、他の派閥の名前がすらすらと書いてあるわけですよ。  私は、これを見て、やはり政権政党というのは大変だなと思ったのです、率直な話が。だから、この政権政党で総裁をつくるということについては、ほとんどこれは表の金ではなくて裏金が動くんだなというような感想を持ったわけであります。  そこで私は、せっかくそういう過去のしがらみをこの際全部捨てて新しい出発をされようということで、長々といろいろと御研究になり、新しい提案が出たわけですから、それは私は積極的に評価をしたいと思うのです。  ところが、私が先ほど申し上げましたように、胃拡張になってきている。代議士自身が胃拡張になるということもさることながら、その後援会全体が胃拡張になっているわけですよ、残念ながら。だから、例えば今度衆議院の解散がいつあるかわかりませんけれども、あるというときに、やはりこれは大変なことになるわけですよ。ある日突然永田町では、もう一切金を使いませんということを決議し、本当にそういう形になるかもわかりませんね。ところが、各選挙区に帰ったら、新人の方は新人でまた別の資金ルートではんばんばんばんやっているわけですから、私はこれは大変なことだと思うのですよ。  だから、そういう意味で私はちょっと話を、まあこれはこれで与党からはまた別の機会に御意見をいただきたいわけでありますけれども、石井議員は、これも十五日の中西委員の質問に対して、我が自民党は、長年の政権に腐敗の構造ができ、金の問題が指摘をされ、ここに大きな問題になっておるということも同時に申し上げ、この際すべてを大掃除していく。だから、このすべての大掃除というのを、私は非常に高く評価をしたいのですよ。本当に大掃除ができるのかどうか。  それで、私は、大掃除をしない限りは本当の政治改革にはなりませんよというわけでございまして、ここで急に話をほかへ振って大変恐縮でございますけれども、これは社会党さんにお伺いをしたいわけでございますけれども、村山国対委員長は、選挙制度改革が困難な場合、政治腐敗防止関連法案だけでも決着をさせなくてはならないと述べられたと私どもは新聞報道で聞いただけでございますけれども、これはせっかく大掃除をやろう、それで私がさまざまなことを申し上げたわけなので、やるなら、俗に言うつまみ食いと言うと言葉が悪いのでございますけれども、やはりすべての関連法案をセットでここで一息に、つらいけれども成功させませんと、つらいからといってそちらへ流れてしまうと、幾ら腐敗防止だけ取り上げるといっても、構造、体質がそれを許さないような状況になっておるので、そこはひとつぜひ、我が公明党よりは三倍の力を持っておみえになりますし、日本の政界の中では非常に大きな影響力を持っておみえになるわけでありますから、何とかここで社会党さんに基本的な筋を通していただくならば、我々大変か弱い弟分ではありますけれども、弟分としてどこまでもついていきたいという感じがあるわけでございます。大変口幅ったいことを言って申しわけございませんが、ひとつちょっとこちらに振りまして、恐縮でございますが、お答え願いたいと思うのです。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 村山国対委員長の発言につきましては、その後私もその趣旨について伝え聞くことができたわけでございますけれども、要するに、万一この政治改革ができなかった場合の議会人あるいは各党の責任という話の文脈の中で、問われるままに、せめてこの政治腐敗防止関連だけでもできたら、それはそれで国民の皆さんから多少は評価されるのではなかろうか、こういう趣旨のことを問われるままに、思うままに話をしたということでございまして、決して意図的に選挙制度問題を切り離すとか、あるいは選挙制度問題を繰り延べしてしまうとか、つぶすとか、そういう趣旨は全くなかった、一括処理の方針はまさに不動にして微動だにしないということだそうでございます。明確にさせていただきたいと思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 ありがとうございました。  じゃ、また今度は自民党の方へ、与党の方に質問を振りまして、民間臨調の政治改革に関する提言というのがあるわけでありますが、政治資金の適正化については自民案よりもかなり厳しい案になっているわけでございますけれども、自民党の先生方の立場から、この民間臨調の政治資金の適正化ということの提言についてどのようなお考えか、お伺いをしたい、こういうように思います。

津島雄二自由民主党

○津島議員 御質問の点にお答えいたす前に、先ほどのいろいろずっとお述べになった事実について、答弁は要らないとおっしゃいましたけれども、やはり相当生々しいお話でございますから私ども申し上げたいことを申し上げさせていただきますが、要するに派閥というものが国会議員の運命共同体のように形成をされる基本がやはり中選挙区制にあるということは、もう委員よく御存じだと思いますね。だから、その構造が残る以上は、まさに今おっしゃったような問題が残るわけでございまして、私どもはそのことに思いをいたして、この際その選挙制度自体にさかのばって改革をしたいと言っている点はぜひ御理解をいただきたいと思います。  それで、さっき御指摘がございましたような、非常に違法なというか、制約、制限を超えた資金の動きが現実にあった場合に、今まではどうしていたかというと、一つは資金団体をいっぱいつくりまして、そこに分けて入れて処理をするか、あるいは全くの裏金にするかということでございますね。そうなりますと今度はどうなるかというと、まず、二つの資金調達団体の会費以外のものは一切政治団体は企業献金をもらえないという世界になる。全くこれは変わっちゃう。それから、去年の緊急是正によりまして、今のような裏金式のやつは禁錮刑の対象にまでなり、しかも没収をされる。これも世界が変わっているわけであります。ですから、この改正のインパクトの大きさに本当に思いをいたしている方というのは、私はどちらかというと、派閥のトップにおられる方々ではないだろうか、非常に大きな変化が起こっているんだということを御指摘申し上げたいわけであります。  次に、先ほどの臨調の改正案でありますけれども、私どもとして評価できるのは、やはり節度のある企業献金を政党を中心に認めるということでございまして、その点はかなり現実を踏まえた案であるというふうに思っておりますけれども、いわゆる政治家の政治活動を支える調達団体につきましては企業献金を禁止しているという点は、我々とはやはり意見は一致しない。私どもは、会費二万程度のものであれば、政治をゆがめるような政治資金の動きと考えるべきではないというふうに思っておりますし、また現実に、日本で個人献金がなかなか普及しないということも頭に入れますと、今これをそのまま採用することは難しいであろうと思います。  あと、例えば監視機構を強化するというようなお考えについては、評価できる点はあるのですけれども、ただ、新しい行政機構をつくって政治を監視させるということが、民主主義の世界でまことに軽やかに提案をされるというのは非常に危険なことでありまして、やはり一つは、国会の自主的な努力によること、それからもう一つは、仮に今の制度の中でやるとすれば、今これを所掌している行政組織をできるだけ利用することの方が自然ではないだろうか。そういう意味で、新しい機構をつくるということについては大変に慎重でなければいけないというふうに思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 俗に言うGメンの話もこの委員会で何回か出ておるようでございますので、その点は十分承知をしております。いずれにいたしましても、この民間の方から提言があったことについてそろそろ、午前中も出ておりましたが、法案ではございませんけれども、問題点を、少し交流をして浮かび上がらせることがあってもいいのではないか、そういうような時期に来たのではないか、こんな感じがして、私は今触れさせていただいたということでございます。  そこで、塩川先生にお伺いをしたいと思うのでございますけれども、この民間臨調の俗に言う連用制について、塩川先生は「これは考え抜かれた案だと思う。」というようなことを新聞のインタビューで答えられておみえになります。また、重複立候補制だとか名簿の連結について若干の疑問があるんだというようなお答えの後に、連用制には乗りにくいのですかという質問に対して、「そうは思っていない。まだ検討しなければならないことがある、と言っているだけだ。」ストライクか、アウトか、ぎりぎりのところだという、非常に微妙なお話があるんです。  これは私も、大変塩川先生のこういう趣旨というものは大切にしながら、ここからもう一歩出ていただくと与野党の共通の問題点が出るのではないか、こんなことを考えておるわけでありますが、その点についてどのようなお考えか、お伺いしたいと思うのです。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 民間臨調の方々が政治改革全般について大変な努力をしていただいておりますし、またその実績は私は非常に高いと思っておりますが、その委員会から答申が出ましたので、私は、これはゆめおろそかにすることはできないという基本的な認識を持っております。拝見いたしましたら、草川先生おっしゃるように、いろいろな疑問点は我々として持っておりますけれども、この努力というものに対してやはり敬意を表したい。  そこで、私たちも確かに単純小選挙区制で突っ張り切れるかというと、これはやはり話し合いをするという点になるならば、なかなか難しい点、厳しい点もあるなということは自分で率直に思っておりますから、そうであるとするならば、いろいろな人の案というものを、建議というものを聞いてみようではないか。そして自由民主党が、私は終始一貫提案のときから申しておりますのは、衆議院の選挙の結果、政権の担当は当然であるという責任が明確に出てくるところ、そしてそのことは政権の交代が可能であるということ、そしてわかりやすい選挙であるということ、そしてまた政治と金という関係をもっと明朗なものにすぱっとできる、さっきおっしゃった大掃除ができるような制度、こういう制度に合致するならば、それの方法をいろいろなものをとったらいいじゃないかという気持ちを持っておるものでございますから、あえて民間臨調から提案された案というものを我々もやはり謙虚に検討する必要があるんじゃないか、こういう気持ちで言ったので、採用を前提として申し上げたという意味ではないということは、ひとつ誤解のないようにしていただきたいと思うのです。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 微妙なことを言っておみえになりますが、そのインタビュー記事からちょっと続けさせていただきたいのですが、「妥協する場合、自民党はまとまるのか。」こういう質問があるわけです。すると塩川先生は、「妥協する機会はくるだろう。連休明けの空気が一番のポイントだ。」こう言ってみえるのです。きょうがポイントですかな、これは、そういう意味では。あるいはきのうかもわかりませんし一昨日かもわかりませんが、いわゆる先生流に言うと、ここ二、三日が最大のポイントではなかろうか、こんな感じがします。「なんとかやろうという気になれば第四、第五の案ができてくるだろうし、連用制も検討の中心になっていく。」こう言っておみえになるわけです。「ぼくはここまできたら、今度はやる方向にいくと思う。」なかなかいいことを言っておみえになるわけです。  その次に、新聞記者が「野党にどこまで譲れるのか。」という、これまた大変興味のある質問をしているわけです。それに対して塩川先生は、「連立政権を前提にするような制度は絶対避けたい。」先ほど私が申し上げたとおり。これは先生、終始一貫何回かの箇所でも言っておみえになるわけです。「併用制のドイツでは政党要件が得票率五%以上だが、それでもしっぽが頭を動かしている。だから併用制でも一〇%以上にすればいいという人もある。」という一つの塩川流の問題提起があるわけですが、塩川先生は、一つの条件では、要するに足切りというのですか、これは社会、公明の先生方もその点については随分微妙な答弁をしておみえになって、非常にかたいというわけではございません。ブロックに分ければ三%以上になるんじゃないかという答弁も、たしか井上さんだと思いますが、あったと思うのですが、ここは私まだお聞きしていませんけれども、柔軟な対応だと思うのです。ですから、これは一つのポイントになるのかどうか、お伺いをしたいと思うのですが、どうでしょう。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 小党排除を条件ということ、それはちょっと草川先生、そこへいくまでにはやりとりが中が抜かされておると思います。私は明確に覚えております。  それは確かに、まあちょっと私は正確に覚えておりませんが、インタビューの中で、連立政権を避けるということは小党分立を避けるということですな。小党分立の基準というものは何かあるのですかということになって、いや、そういうのは別にないけれども、できるだけ政党要件を強くすれば小党分立は避けられるだろう。そこで、例えばどんなのですかと言ったら、ドイツの五%はどうだ、まあそれよりきつくならぬとしても、しかし受け入れられるかなというような話もそこにあったものですから、その部分は抜かされて、その部分だけすぽっと出ていますけれども、私は言ったことは言った、責任を持って言ったことであります。要するに、私は終始一貫言っております。小党分立というのは政治の質に関係してくると思っておりますので、私はすっきりとした政権の責任を明確にした制度ということからいいまして、数の少ない政党間における政権の授受というものが行われるべきであろう、こう思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 もう一点だけこのインタビューでお伺いしたいのですが、そこでまた新聞記者の、政治資金関係だけを分離して成立させるということについてどうかという質問があります。それに対して塩川先生は、「それは絶対できない。野党もできないだろう。」非常に明確にお答えになっているわけです。そこで、「自民党では当選五回以上は後援会組織や資金組織ができており、中選挙区制がぬくぬくとして、このままがいい。それ以下はリクルート以降、政治資金を集めにくくなって追い込まれ、地盤の培養や事務所の維持ができなくなってきている。そこに決定的な差がある。」こんなような解説をされてみえるのです。これも、私も十分よくわかる点だと思うのです。  そこで、この「連休明けの空気が一番のポイントだ。」というところを念頭に置きながら質問をするわけでありますが、この話は、もう一歩押せば双方がぐらぐらっと私いくと思うのです。これはいろんな幹部の方々のお話し合いもあるでしょうし、いろんなことがあると思うのです。ところが、これは塩川先生あたり、筆頭の理事の先生が動くか動かぬかによって、また後退をする可能性があると思うのですね。若干私は、この連休明け、少し空気が冷ややかなような感じがするんです。私自身のこれは勘でございますけれども。これは、せっかく今日まで一生懸命皆さん頑張っておみえになったわけでありますし、国民の注視というのは殊のほか大きいわけでございますので、この当選五回以上と言われる層の方々に、私は、もう少し積極的な呼びかけというのがあってしかるべきではないだろうか。これはもちろん野党の方も同様なことが言えると思うのです。  ですから、このチャンスを逃すべきではないためにどうしたらいいのか、どういうお考えがあるのか、お伺いをしたいと思うのでありますし、それから、石井先生もたしか日曜日のテレビ番組で、同じようなことを言っておみえになったような気がするのです。テレビ朝日でございましたかね。古い連中に問題があるのだ、そんなことを言っておみえになったのですが、その点は、どういうような行動をとられようとするのか、あるいは、もうここはここだけですよ、特別委員会だけの議論ですよ、こうなるのか、お話をお伺いしたいと思うのです。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 私は、連休明けが一つの重大な山場だということは、まさにそのとおりだと今でも思っております。  これは草川さんも察しておられると思うのですが、連休までの間は、要するに、各党間におけるそれぞれの提出した法案に対する宣伝戦みたいな建前論が多かったと思うのです。しかし、連休が明けまして、議員同士のこういう対話式の討論が続くということになりますと、そこにいよいよ本音が出てきておると私は思うのです。私は、この連休明けが一つのタイミングになってくるというのは、もう今まさに本音の議論が、与野党の間だけではなくして、党内、私ども自由民主党の中でも本音の議論が、出てきておるという状況なんであります。私は、このことが非常に大事だ、それが出てこなければ、それは本当に冷えちゃうと思うのです。しかし、幸いにいたしまして、この連休明けになりましてから御存じのように、党内でも非常に過熱的な議論が出てきておりますし、野党の方もそうなってきておる。私は、そういう意味において、熱はやはりこもってきたなという感じがしております。  ついては、私たちも、一つの党内対策というものの手法、やり方を考えてはおります。おりますが、この委員会の審議の並行したものと相兼ねたものでもって党内の話し合いに進まなければ、ただ今までの延長で、とにかくお願いする、お願いするような話ばかりでは発展がありません。したがいまして、この政治特別委員会のこの空気の中で何か新しいものを私は感じ取って、それを持って党内の折衝に走っていきたい、こう思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 その本音の意見が出てきたというお話、そして、そういう時期だからこそまとめるように努力をしようというその熱意を、私ども大変高く買いたいと思うのです。  それで、今度は公明党の方にお伺いをしたいと思うのでありますけれども、公明党は、非常に熱心に政治改革ということを主張しながら、しかも社会党さんと長い間いろいろな議論をしながら、問題提起をしてきた。しかし、相打ちということを避けるために、臨調という提案についても、実は公明党の本音からいうならば、社会、公明の案よりは臨調の案の方が党にとっては厳しそうだ、厳しいけれども、こういうチャンスを逃してはという意味で非常に、実は公明党というのはまじめな人が多いのですよ、非常に熱心な議論をしておるわけです。  私は、長い間公明党の国民会議という立場で御指導を願ったり、友誼関係をつくっていただいて、今日こういう席にいるわけですが、実にそれは真剣に政治改革というものに取り組んでいると思うのです。それを時々プレスの方々から政局絡みで物を見られることについては、私は非常に不愉快なんです、なぜそういう色眼鏡で見るのかと。それは、もう先ほど来津島さんもおっしゃっておみえになりますし、総理も、派閥解消等の問題については、こういういいチャンスを逃しちゃだめだというような趣旨も何回か言ってみえるわけです。私は、これはお互いに本音だからこそこんなに連日真剣な討議が続いていると思うのです。  ですから、私はこの際、公明党に対して、この民間臨調について難しいとかわかりにくいとか、今いろいろな批判があるわけですが、まあこれでいこうというふうになるのではないかと推察をするわけでございますが、公明党として、この民間臨調についての見解をこの際お伺いしたい、こう思うのです。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 お答えいたします。  草川委員から大変御丁寧なお褒めの言葉とともに聞かれまして、大変困っておりまして、私どもは、自民党案と社公案で何とか議論を続けてまいりましたうち、お互いに相互理解が進んでき、信頼関係が増したということについては、もう掛け値なく認めたいと存じます。今まで嫌な顔つきだなと思っていた人が親しい人に見えてきたというようなことがよく世の中にあるものでございますが、ああ自民党も随分苦労して、いろいろ頑張ったなという感じが法案の質疑の間を通して伝わってきた。これなら何とか話し合いができるなという信頼関係が生まれたということはすごいことだと存じます。  そこへもってまいりまして、民間臨調の方が勇敢に連用案というのを持ち込んでこられた。全部が全部検討をされ尽くした提案ではなくて、骨格を持ってこられた。それは明らかに自民党案と社会党案という、一般国民から見れば、両案とも手の汚れている政治家がつくったものに対して白い目で見られているのに対して、これは控え目に言っているのでございますけれども、手の清潔な民間臨調の方々が救済の金の糸を泥沼の中にそろそろとおろしてきたというような感じがするわけであります。そうすると、我々は、それを頼りにして合意案をつくり上げるというのは、もう理の当然という話になってくるのではないかという予感をまず持ち合わせたわけでございます。  そして、それについて今どう評価するか。評価をきっちりここで述べますと、実はまことに申しわけない言い方ではございますが、どうも後の交渉がしにくいという状況がありますものですから、連用案に対する評価は余りオーバーに言わないように口を押さえているわけでございます。と申しますのは、この委員会で明らかに自民党と社会党という実力大政党があるわけであり、その両党の御見識がゆっくりと膨らんでくるまでの間、公明党がはね上がって余計なことをたくさん申しますと、まとまるものもまとまらなくなるぞという気持ちがございまして、抑えに抑えているわけでございます。また、党議で何かを決めたいと思ってもおりますのではございますが、率直に申して、もう知れ渡っておりますとおり、私どもの党は、そうしたものについても控えてきたというのが実情でございます。  しかし、そこまでで話を終えたとすれば、草川先生と私の間の友情もまたこれは問題でございますので、何も隠しているわけじゃ毛頭ございません。この連用案はすばらしい案だと私は思っております。そして、すばらしいのですが、どことどことどこがすばらしくて、どこにまだ問題があるかについては余り申し上げたくないものでございますから、お許しをいただければと存じております。  ただ、これは明らかに強力な、両党の、両案の合意案のための重要な案であるということは申し上げておきたい。そしてまた、それについて余りごちゃごちゃと細かい点を直しますと、臨調案A、臨調案B、臨調案C、臨調案Dというふうに細かく直しますとまた大問題が発生いたしまして、瑣末な議論は余りしないであっさりまとめる、少し我慢すべきところは我慢する、そして、後の世代にその修正をお願いする方が適切だと見られる細目の部分については余り自分の意見にこだわらず、頑張らないでいきたい。つまり、各党間で大綱について合意するためにこの案を使わしていただければありがたいという気持ちに今なっておるところでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 もうあと時間が二分しかありませんので、これは最後に社会党さんにお伺いしたいわけですが、小澤副書記長は、先月の三十日だと思うのですが、これは私は新聞でしか拝読していませんが、山口県で、民間臨調案を高く評価するという趣旨のお話をされたように新聞報道で聞いたわけであります。非常に私は、これは内心拍手喝采というのですか、これはすばらしい、ひょっとするとこれが一つのきっかけになって政局が動くのではないかと、実はそういうように直観をしたわけであります。  きょう、せっかく自民党の実力者の方々からも非常にいいニュアンスの、一歩踏み出したやの御発言も二、三あったわけでございます。ここでぜひ社会党さんがこの民間臨調というものを評価されて、もちろん、そのとおりというわけにはいかないと思うのです、いろいろな話し合いがあると思うのでございますが、いくとするならば、政治改革の大きな推進役になるのではないかと思うのです。その点について、大変失礼ではございますが、お話をお伺いして、終わりたい、こういうように思います。  以上です。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 四月三十日ようやく地元に戻ることができましたので、地元の山口県庁の記者クラブを訪れまして、問われるままにいろいろお話をしたというのが実情でございます。  三点申し上げました。  一つは、何しろ地方の記者さんでございますので、そもそも民間臨調案、特に連用制、変形ドント式についてなかなか御理解がまだなかったようでございましたので、この点について詳しく解説をしたというのが第一点でございます。これを並立制を出発点に理解をしようとすると、これも間違いではないのですけれども、ちょっと理解しにくいかな。むしろ併用制を出発点として、いわゆる過剰議席、比例配分議席をオーバーする小選挙区当選者が出た場合にはその過剰部分を他の政党にしわ寄せをする、そのことによって総議席数がふえることがない、そういう大変巧妙な仕組みであるということを御説明したわけでございます。この点が、新聞の見出しては高く評価するという表現になったのではなかろうかと推測をしているわけでございます。  第二点としては、今後、特にこの連休明け後、好むと好まざるとにかかわらず、一つの議論のスタンダードになるのではあるまいか、こういう見通しを述べたのが二点目でございます。  三点目として、問題点もありますよということも申し上げました。  その一つは、先ほど最初に説明したとおり、総議席数が浮動しないという、大変この点は一つすばらしい着眼だと思うのですけれども、そのことによって小選挙区の数と名簿議席の数を任意に設定することができる、どのように設定しても議席総数がふえることはないというわけでございます。したがって、これは並立制と併用制の中間というのはちょっと私の認識では正確ではないので、むしろ単純小選挙区制と比例制との中間、小選挙区の数をどんどんふやしていき、四百にしていき、さらに五百になれば完全な単純小選挙区制になる、どんどん減らしていって過剰議席の生ずる余地がなければ比例制そのものになる。そういう意味では、こういうものではなかろうかということを前提に、余りに小選挙区の数が多いと、比例の原則からずれてしまう。したがって、三百という数は幾ら何でも多いのじゃないでしょうかねということを一点申し上げました。  それからもう一つは、名簿結合に関して、けさもちょっと他の委員からの御議論がありましたけれども、政策協定等々の前提なしに、ただ名簿だけ結合できるというのは、いささか便宜主義的ではなかろうかなという点を指摘したというのが、私が新聞記者さんに話したすべてでございます。また、この結合については、ちょっと立法技術的にも難しいのじゃないかなということもお話をいたしました。  以上でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 以上で終わります。ありがとうございました。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 東中光雄君。

東中光雄日本共産党

○東中委員 今度の政治改革論議の中で、自民党も社会党も公明党も、中選挙区制は制度疲労したんだということを大前提のようにして言われておるわけです。私は、制度疲労という言葉は、この前も申し上げましたけれども、何のことかよう内容がわからぬということを申し上げたわけですが、この間何か読んでおったら、上坂冬子さんが金属疲労だということを言うた、それを内田健三さんが、それは金属疲労と言うのじゃなしに制度疲労と言うた方がいいというふうに言って、そういう言葉がはやったみたいな感じを私は受けているのですけれども、いずれにしましても制度疲労といいますと、疲労してない前の健全な中選挙区制というのがあるわけですね。それが制度疲労してきた、こういう発想のように見えるのです。そうしますと、いつからどういう状態が起こったのでそれが制度疲労ということになるのかという点について、ちょっと塩川さん、説明をしてください。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 それは東中さん自身が一番よく知っている話だと思うのですが、要するに、今一番国民の関心の高い一つは、一票の格差を是正しろという要求があります。この一票の格差を一対一に限りなく近くしろということになりますと、今の中選挙区制でそれを実現しようとしたらどんな状態になるかということは、これは皆さんよく御存じのはずだと思うのです。この一点を見ましても、もう既に中選挙区制ではそういうことの実現は難しい。要するに、一対一に強行するとしたら、三人区、二人区それから七人区、八人区ということが出てくるのは当然でございますし、そういたしますと、百三十の選挙区の大部分を離合、分散させて、制度が、まあ何といいましょうか、地域の代表というものがめちゃめちゃに変わってしまうということが起こってくるわけでございますから、そういう点から一つ見ましても、既にこの中選挙区制には限度があるのだということが一点であります。  それから、今まで、政治の安定を図るという点から見ましたならば、中選挙区制という制度で来たわけでございますけれども、しかしこの制度をずっと続けていくべき時代であるのかどうか、要するにもう少し政治に活力と刺激を与えるということであるならば、中選挙区制よりも小選挙区制にして、政権の帰属を明確に国民の選択によるという方がいいのではないかということは、現在の政治志向の中で国民の望んでおるところだと思っております。  そういう点から見まして、私たちは、制度は変えた方がいいという意味において、古い制度を、先ほど言いました、一票の格差是正の面から見て不適合だということからいって、制度疲労だ、こういうぐあいに位置づけたわけであります。

東中光雄日本共産党

○東中委員 それはもう言葉のあやで、制度疲労というのは、全くの自分たちの思うようにいくための欠陥制度であるかのように言う、これはデマゴギーですね。定数是正が、一対一じゃなくて一対二未満にするというのは、八六年の国会決議で自民党も含めてやったんでしょう。そして各党とも、自民党以外は、全部その定数是正をやろうということで、一対二未満でちゃんと案を出したじゃありませんか。私たちも、ちゃんと出しました。この公選特にも出しました。やらなかったのは、自民党だけなんですよ。それを、自民党だけがやらないで、それがやれないから、だから制度疲労だなんて、こんなものは、論理的に考えたら、全くいいかげんなことを言っているということを言わざるを得ないです。  それと、政治に活力が出るか出ないかというのは、それは政治の問題であって、選挙制度の問題じゃありません。中選挙区制度では活力が出ないというふうなことを言う何の説明もないじゃありませんか。いつから中選挙区制じゃ活力が出なくなったんですか。前は出ておったんですか。初めから出ないんですか。これは理屈にも何にも合わないというふうに思うんです。  社会党も十二月、中央委員会で中選挙区制はもう制度疲労をしているということを党議決定したということを、佐藤さん、当委員会で言われたことがありますが、これはどういうことが制度疲労だということになるんでしょうか。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 さきの中央委員会での我が党の議論について多分御指摘だろうと思います。  中選挙区制度についてはもう限界に達しているという認識を示したわけです。その理由については、既に何度も繰り返しておりますけれども、一つは政策による争い、選挙が基本的にできにくいものがあるということでございます。  それからもう一つは、これはたびたび申し上げているわけですが、いかなる選挙制度であっても投票を求める行為である以上、金に汚染される可能性を遮断することはできない。しかしながら、選挙制度によっては金に対する抵抗力の強いシステムと比較的弱いシステムというものはあり得るのではないか。中選挙区制度はハードルが低い。一五%程度のかたい支持者を固めておけば、いかなる世間の指弾を受けるようなことがあっても再び当選をしてきて、そしてみそぎを受けたと言って居直ることができる。日常的ないわゆる地盤培養行為によってそういうことが可能になる。そういう意味では、金をつぎ込むことの効果の大きいシステムであるということはやは旦言えるのではなかろうかということがもう一つでございます。  それからもう一つ、これは私ども率直に自己批判をしなければならないところでございますけれども、五名区、四名区で一名、あるいはせいぜい二名を手がたく当選させておけば、当選すれば、一種すみ分けによって一定の議会での議席を確保し、一定の影響力は行使できるけれども、そこに安住してしまって政権交代の実現性が薄らいできている。  こんなことから、ほかにもいろいろあるわけでございますけれども、かいつまんで言えば、以上のような観点からそろそろこの中選挙区制度はもう廃止すべきではないか、かような議論になったわけでございます。

東中光雄日本共産党

○東中委員 今言われたことは、これは中選挙区制ができたときから、少なくとも戦後は同じことが言えるわけですね。だから、最近になって制度疲労が起こってきたということを言われておるわけですが、初めから制度疲労と言うんですか。初めは制度疲労じゃなくて、健全な制度、それが疲労してきて今おかしくなっているんだ、こういうニュアンスの発言になっていますからね。  それで、しかも九〇年の総選挙のときには、社会党は、政治改革についての公約の中で小選挙区制に反対、中選挙区制に基づく衆議院の定数の二倍以内の格差是正ということを挙げておられますね。だから、中選挙区制を守っていくんだ。このときは制度疲労はなかったという建前ですね。  そして、今言われた三点というのは、ずっと前から、中選挙区制なら今言われた政策によることができないとか、一五%ぐらいで固めておけば議席はとれるとか、金をつぎ込むことの効果が比較的多いとかというふうなことというのは、それは三人区、五人区でそういう説明をしようと思ったら、それはできますわ。それだけのことなんですよ。  昨年の十二月になって、それまで言われなかった、一番近い総選挙においては中選挙区制ということを言っておられた社会党が、なぜこの時点で中央委員会で制度疲労を起こしているということを言われたのかということになれば、その前に民間臨調が中選挙区制度廃止宣言なんというようなものをやって、各党の人が、いろいろ参加されている方もあるようですが、これが十一月の十日でしたか、その後というふうになりますので、中選挙区制度制度疲労論というのが民間臨調の人たちがわっと言い出したというところに乗ってやられたんじゃないか。それ以上に、最近になって言われたということについて、この九〇年選挙のとき、一番近い総選挙のときの政策では中選挙区制度の定数是正。定数是正をやるというんだから、中選挙区制でいくというのが前提でしょう。それを変えられたということは、私は余り納得のいく説明でもないし、非常に遺憾だというふうに思っておるわけであります。  それで、公明党さんにもお伺いしたいのですが、公明党さんはその中選挙区制をやめるべきだということを言う理由について、九三年の三月二十日の公明新聞によりますと、市川書記長が説明をされている。三点挙げられていますね。これがそうなんだろうと私たちは理解するわけです。それによりますと、第一は政権交代が起こらないことだ、現在の中選挙区制では。なぜ政権交代が起こらないのかといえば、自民党は定数是正をやらない。定数是正をちゃんとやれば政権交代が起こるんだけれども、自民党が定数是正をやらないから、そういう状態での今の中選挙区制は政権交代の起こらない制度だからこれは変えなければいかぬというのが第一点だ、こう書いていますね。それから第二番目は、社会党、公明党というよりも自民党の問題なんですが、同士打ちが起こるからだ。これは自民党が同士打ちをなさるということになっておるから、だから中選挙区制はだめなんですという主張になっているんですね。それで三番目は、定数是正が一票の価値の平等原則による議員定数の抜本是正も自民党が抵抗して行われない、これはやらなければいかぬのにどうしてもやらない、やらないから、やらないことを何ぼ言っておってもしょうがないから制度改善をやる、こうなっているんですよ。  そうしたら、これは中選挙区制制度疲労じゃなくて、中選挙区制で定数是正をやらぬ自民党がおって、非常に現行の中選挙区制がゆがめられておる。そういうことになっておるから、それを正そうということを言わないで、だから中選挙区制をやめちゃうんだ、それで中選挙区制の制度疲労だなんというのは、これは論理的に説明になりませんよと私は思うんですけれども、専門家の井上さん、どうでしょう。     〔委員長退席、中西(啓)委員長代理着席〕

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)議員 東中委員御指摘のとおり、我が党の市川書記長が、中選挙区制が制度疲労を起こしているという認識について、公明新聞にインタビューの形で述べたことを引用されたんだと思いますけれども、制度疲労ということについていろいろな見方があると思うんですね。実態として、例えば自民党が定数是正をやらない、あるいは自民党の問題として同士打ちがあって、ここがなかなか解決できないということも、やはりそれが抜本的に変えられないということであれば、これもやはり制度疲労だというふうに見ざるを得ないんじゃないかと思うんですね。実態としてもそういうことだろうと思うんです。これが解決できるという見通しがきちっとあれば、この制度というのはまだそれなりに生きていくかもしれませんけれども、実態として定数是正も行われない。同士打ちという形で、金をかければある程度選挙にも勝てるという仕組み、これが抜本的に変わらない。そういう弊害がますます顕著になってきたということであれば、これはもう制度としてやはり抜本的に変えざるを得ないという認識を持つのも私は当然である、こういうふうに思うわけでございます。  先ほど制度疲労、我々も制度疲労、制度疲労と言ってきたわけでございまして、私は金属の専門家でございますから、やはり金属疲労というのは、何回も曲げたりやっている間にそれで折れてしまうという、そういうことをいっているわけでございますけれども、やはり中選挙区制というのは、先ほど小澤さんからも話がありましたように、政策本位になりにくいとか政党本位になりにくいとか、定数是正がなかなかスムーズにいかないとかということは、東中委員も同じ御認識だろうと思うのですね。  実際に、それは小選挙区や比例代表制に比べて個人中心の選挙になりやすいということは、これは当然制度として持っている基本的な欠陥でございまして、これが、やはり東西冷戦の時代はそれでも基本的なイデオロギーの対立があって、政権党と野党という、こういう枠組みが決まっているときはよかったのですけれども、やはり東西冷戦が終わって、複雑化する国際情勢にどう対応していくかとか、あるいは超高齢化社会というものについていろいろ国民の価値観が多様化している、その多様化した価値観を集約して政策決定をしていかなければいけないというときに、選挙で政策本位、政党本位に争われない選挙の結果できた政権が明白な政策選択がなかなかできないという意味で、基本的に、東西冷戦が終わってこの制度というのは特に制度として適応できなくなった、こういうふうに私たちは認識をしているわけでございます。

東中光雄日本共産党

○東中委員 制度論じゃなしに、それは政党のあり方論なんですね。あるいは選挙運動論なんですよ。制度疲労といったら、中選挙区制度がどう疲労したかということでなければいかぬので、結局最初に挙げられた定数是正ができないんだと。できないんじゃなくて、やらないのが自民党なんですよ。国会決議で自分たちも決めておいたことをやらないんだから。そういう国会決議も無視する。それから、憲法上の建前からいっても一対二未満というのが大原則ですから、それさえ守らない。そういう横車を自民党だけが押している。ほかの党は全部出している。それをやらぬからその制度自体がもう疲労したんだ、これは私は論理的には成り立たないというふうに思っています。それからあと、政党本位の選挙をやるか、あるいは個人本位でやるか、そんなことはそれぞれの政党のやるべきことであって、あるいは政治家のやるべきことであって、制度問題ではないというふうに思っています。  そこで、今度の自民党が盛んに言う問題ですが、自民党の八九年五月二十三日の政治改革大綱ですが、これで衆議院選挙制度の改革について、選挙制度の抜本的改革を言うと、その理由についてこう言っていますね。「中選挙区制下においては、政党本位でなく個人中心の選挙となりがちである。多数党をめざすかぎり、おなじ政党のなかでの同士打ちはさけられない。このことは、日常政治活動や選挙運動の重点を政策以外におく傾向に拍車をかけ、利益誘導の政治や、後援会組織の維持と膨大な有権者への手当」、膨大な有権者に手当てするんだそうですが、そのための「多額の金がかかる選挙を生む原因となった。」そして、これらが高じて政治腐敗の素地を招く、こういうことを書いていますね。  それで、私聞きたいのですが、政権党になろうと思うと、多数党になろうと思うと、複数候補を立てなければいかぬのだ、どの選挙区も過半数立てなければいかぬのだ、こういうふうに言われていますね。だから三人区では二人以上、四人区、五人区以上は三人以上立てなければいかぬのだ、こういうふうに言われているわけです。ところが、塩川さんの選挙区はずっと四人区で、二人立てられたこともありますし、最近は一人しか立てられていませんね。石井さんのところも、二人立てられたこともあるし、二人立てたけれども、石井さんも、政策本位、個人本位の、金かけて……(発言する者あり)という傾向になると書いてあるんだから、大綱によりますと。しかし、八三年には落選されたこともある。いや、そう書いてある。「日常政治活動や選挙運動の重点を政策以外におく傾向に拍車をかけ、利益誘導の政治や、後援会組織の維持と膨大な有権者への手当のため、多額の金がかかる選挙を生む」と、これは公式の文書でしょう。党議文書ですよ。  だから、政権党になろうと思ったらどの選挙区でも過半数を立てなければいけないと。塩川さん、大阪では過半数を立てている選挙区というのはありませんね。なぜ大阪は立てないのですか、お伺いします。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 それはそれぞれ土地の事情によりますから、そんなものを一概に、そういうこととそれから政治改革の問題とひっつけてやるというのは、共産党さんはいつもそういう違う理屈を持ってきてぴしゃっとひっつけるんですね。つまり、鉄と亜鉛とひっつけるというようなそういうことを、よう見たら似たような話やけれども、全然違うものをひっつけるというのがうまいんですね、共産党さんは。

東中光雄日本共産党

○東中委員 あなたの今言われていることこそが、例え話で問題の本質をそらすという手口なんです。亜鉛と鉄をくっつけるなんというようなことは私は何も言ってないです。ここに書いてあることを言っているんですよ。政権党なら複数を立てなければいけないんだ、だから社会党は政権とる気ならなぜ立てぬのだとあなた言うたでしょうが。それが大阪で、七区の選挙区ありますけれども、過半数立てているところはないですよ。一つもないですよ。なぜ立てないんですか。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 いや、大阪でも立っているところもありますし、左近さんのところなんか自民党二人立っていますよね。私の方でついこの前まで二人立っておった。だから、一人になるときもあるし、また二人のときもあるし、極端なときは三人のときもあったことがある。それはその土地によって違うということなんです。そんなもの、一律に絵にかいたようなことはできませんよ。

東中光雄日本共産党

○東中委員 あなた、何を言っているんですか。大阪二区というのは左近さんのところだと言うけれども、私の選挙区でもありますよ。そうでしょう。それで二人立ったか。この前、九〇年選挙は一人しか立ててないじゃないですか。五人区で一人のときもあるし、追加公認して二人通ったときもある。過半数を立てたことになってないじゃないか。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 だから、中選挙区制だから共産党が出てこれるのですよ。

東中光雄日本共産党

○東中委員 まともな議論をしなさい。まともな議論をしなさい。  それは、例えば八三年の選挙では、大阪の五区で自民党が、木野さんが亡くなった後で四人公認しました。四人区で四人公認した。そして四人とも全部落選をしました。そういうこともあるんですよ。だから立候補の自由なんですよ。社会党は政権とろうと思ったらもっと過半数を立てぬかなんというようなことをあなた方は言えるか。そういうことを言える立場じゃないでしょうが。(発言する者あり)いやいや違うんですよ。問題は、ちょっと待って、質問の趣旨を聞いてください。そして、複数を立てれば同士打ちになるとあなた方は言っているのですね、同士打ちになるから金がかかると。同士打ちになるから金がかかると言っているんだよ。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 ちょっと待ちなさい。あなたの質問は、ちょうど飛行機がダッチロールを起こしているような質問なんだ。そんな質問なんだ。大体あなた、聞こうと思っていたのは政治資金の話を聞こうと思っていたんでしょう。ところが、ダッチロールみたいにぐらぐら、選挙区の話に行ってしまったり、それから古い話を持ってきて、一九八九年ですか、政治大綱のあれを持ってきて、それで議論して、今度は突然選挙区はどうだと、こんなことをおっしゃったって、私はちょっと理論が一致してないように思いますね。ダッチロールだと思いますね。

東中光雄日本共産党

○東中委員 だれが政治資金のことについて聞いたのです。今は選挙制度のことについて聞いているんです。そして、選挙制度について自民党の政治改革大綱にはそう書いてある。そして、ちょっとあなた、あなたは複数立候補すれば同士打ちになる、だから政策中心でなくなるんだ、こういうふうに言っていますが、複数立候補しているところはたくさんありますけれども、自民党はそれは全部同士打ちになっているんですか。しかも、公式の文書にそう書いてあるんですね。     〔中西(啓)委員長代理退席、委員長着席〕  この間、四月二十八日に、三木武夫さんの奥さんが憲政記念館でこういうことを話をしていますよ。「自民党の人が”いまの中選挙区制だと、同じ党の人の争いになるから、いけない。一人一区なら同じ党の人が争わない”といっていました。同じ党、同じ政策だったら、なぜ争う必要があるんですか。お互い助け合って選挙をしたらいいじゃないですか。」こう言っているんです。そして「それができないで、なんで国会議員になんかなれるんですか。」と。  ところで、あなた方は、複数立ったら、同じ自民党の中であったら同士打ちになるんだ、こういうふうに言っていますね。そうすると、石井さんは、砂田さんと二人立ったときは同士打ちになって、それで砂田さんが当選した。おたくの場合だったら、あなたと古川さんがずっと立っていた。同士打ちになる。それでもう古川さんは立てなくなった、こういう格好になるんですね。そんなものじゃないでしょうということを私たちは言いたいんですよ。同士打ちになるから、だから政策本位でなくなるんだ、同じ政党だから政策本位でなくなるんだと言って、そして今度は金が要るんだ、後援会組織やらあるいは利益誘導的な政治になるんだ、こういう論理展開をよく政権党の自民党がこういう公式の文書で出すなど、私はこのとき出たときから言っているんです。政治改革フォーラムヘ出ていって、私このことを十分間ぶったことがありますよ。  だから、そういう点でいうならば、これは複数立つから同士打ちになる、政策中心にやれないというそういうドグマを押しつけて、そして今度は後援会組織やら利益誘導の政治やら、あるいはこの大綱の言葉によると、膨大な有権者への手当てのため多額の金のかかる選挙になる、こうまで書いてあるんですよ。膨大な有権者の手当て、どういうことをするのか私はわかりません。そう書いてあるんだからしょうがない。そういうことで、それを理由にして中選挙区制は制度疲労だとか金のかかる選挙だとかいうふうなことを言うというのは、これはもうまともな議論じゃない、私はそう思っております。  だから、どうしても立たなきゃいけないんだということを言っている。その複数立たなきゃいけないといったって、立たないところもある。たくさん立っているところは、同士打ちをしながら五人区で四人当選する、これは厳しい金を使ってやるんだということ、厳しい金を使った利益誘導の政治をやってこそ通るんだ、そうでなきゃ通らないんだ、こう書いてあるんだから。こんなことが前提になっている政治改革なんというのはもう言語道断だ、私はそう思っているんです。それについての御意見があったら聞かせてください。

石井一自由民主党

○石井(一)議員 前回の総選挙で申し上げますが、自民党の立候補者は三百四十九名でございます。これを選挙区で割りますと二・八等々になりまして、どこの選挙区でも大方三名立てておる。まあ大阪は例外と申し上げたいと思います。神戸も例外と申し上げていいと思います。言うなれば、大阪から出ております議員なり神戸から出ております議員は自民党の現在の政権担当に対して貢献していないと、我々は党内においていささか肩身が狭いと思いつつやっておるというのが現状でありまして、私はこの点、社会党は百五十四名、公明党が五十九名、民社党が四十四名、共産党さんはこの点だけはお褒め申し上げたい、百三十一名、こういうような状況になっておるわけで、このデータ一つを見ましても、歴然と自民党は複数の候補者が各選挙区で立ち、そしてそれが同士打ちになっておるということでありまして、例外的なところだけを取り上げて、塩川さんをそういじめんといてくださいよ。それは例外であり、現実の数字はこうであるということを御認識いただきたいと思います。

東中光雄日本共産党

○東中委員 時間ですから終わりますが、とにかく同士打ちになるとは限らぬので、一緒になって政策を進めればいいじゃないかということを言っているわけです。三木さんはそう言っています。  終わります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 柳田稔君。

柳田稔民社党

○柳田委員 本会議の質問以来八十時間がたとうとしておりまして、答弁席に座っている皆様方また委員の皆様方、大変御苦労さまでございます。また、きょう聞いておりますと、大変和やかな雰囲気で審議が行われておりまして、そろそろ選挙制度も政治資金の方ももう決着がつくのかな、そういうふうな気がしておるのですけれども、その辺で若干質問をさせていただければと思います。  先ほどから政党本位、政策本位というふうなことで、比例選挙を行おうということで今回社公さん提案をされておるということなので、若干それについて質問させていただきたいのですけれども、先日、といっても五月十一日、朝新聞を読みましたらば、カンボジアの選挙監視団に社会党も二人ほど送るというふうなことが載っておりました。これだけ言うと自民党さん、何のことかよくわからないかと思うのですが、社会主義インターナショナルというのがあります。これに加盟しておるのは、ドイツでいいますと社民党とか、イギリスでいうと労働党、フランスでいうと社会党、日本でいうと社会党さんと民社党、こういうふうな世界の主要な政党が入っておりまして、中には政権政党もおります。  この社会主義インターナショナルが、カンボジアの今のUNTACに対して全面的に和平をつくるように努力をしていこうというその一環といたしまして、今回、五月二十三日から二十七日まで選挙が行われるその選挙期間に、社会主義インターナショナルとしても監視団を送りたい。ついては、加盟の日本社会党、そして我々民社党に派遣の要請が参りました。中身は、その「選挙期間、現地のUNTACの協力を得て、カンボジアでの選挙を監視する」、これで社会党さんはお二人出される、名前は控えますけれども。ああ大変すばらしいことだなと、五月十一日朝の新聞でした。なかなかだなと正直言って思いました。  大変な前進だと大変評価をしておったのですが、ところがきょうの本会議を聞いておりますと正反対のことをおっしゃるようだ。つまり、UNTACに行っている要員を全部引き揚げろ、さらには選挙の期間をもっと延長するように日本政府としても要請しろというふうなことをおっしゃいますと、政党本位と政策本位で比例をやるということになりますと、両極端、右と左、全然違うことをおっしゃられますと、これが果たして公の場で言っていいことなんだろうか。その辺について御指示、御示唆を願いたいとまず思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 実は私、その問題については余り専門ではございません。小澤克介さんが今事務局長で頑張っていただいているわけでありますが、私の知っている限りで申せば、五月十一日の新聞がと存じます。その前から私たち聞いておりまして、要するにカンボジアの選挙につきまして、たしか今御指摘にはUNTACの監視団と、今行っていらっしゃる四十一人でしたか、あの方とは別にやはり監視団があって、その中にうちの参議院議員も含んで入って、ひとつ行こうじゃないかということで、それはかなり前から決まっておりました。決まっておりましたというのは御本人の意思でございますけれども。  ただ、御承知のように、今の情勢は極めて厳しくなっていて、パリ協定は守られておるのか、一体我々が派遣をする場合の前提条件自体が崩れていないのかという、そのことが今問題になっておるわけでございますので、そのバリ協定なりあるいはPKOの派遣五条件という前提がちゃんとしているならば、今柳田委員御指摘のように、我々の仲間の方が社会主義インターであろうとそこで行かれるということについては、平和の中に行われることについては、我々としてもそういう意思を持っておるわけでございますから、何らきょうの質問と今読まれたこととは私は矛盾はないというふうに思っております。

柳田稔民社党

○柳田委員 なぜこれを言ったかといいますと、新聞に出たのが五月十一日なんです。といいますと、いろんな今回の一連の事件が起きて後に新聞発表なされたので、これで私は、そうか、社会党さんも大変進歩されたな、進歩という言葉はよくないかもしれませんけれども、私はそうとったものですから、なかなかやるな、五月十一日付の新聞でしたから、そう思ったのです。そのときはもう既に、社会党さんのおっしゃる、今言ったのはすべて崩れておったじゃないかと言っておった後だったので、これは果たしてどうなのかなというふうに疑問に思ったので質問させてもらったのですけれども、いかがなものでしょうか。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 何にもごまかしてはおらぬのでございまして、過日本会議で質問しました嶋崎副委員長は、こういう情勢でございますけれども、やはり現地をさらに視察をしなきゃいかぬということで十五日から出発をするということもいたしまして、いずれにしろ、前提というのはもう柳田委員御承知のとおりでございまして、停戦協定が守られているというのがPKO派遣の第一条件でございますから、私たちは、その中においては当然民間の方々あるいは警察の方々が行かれるにつきましても、やはり安全性ということは確認しなきゃいかぬ。  政党の責任におきまして、嶋崎副委員長もこの十五日、あさって出発をして、つぶさになお一層カンボジアの情勢についても調査をしてくるということで対応するということでございまして、いずれにいたしましても、私たちは前から、別に十一日に発表したということではなくて、前々からその話がございまして、たまたま十一日に載ったのではないかと思いますが、その後、例えば列車の爆破事件とか随分いろいろ起こっていますよね。ですから、私たちとしましては、その二人の方がどうなっているか、僕ちょっと今つまびらかではありませんけれども、政党として今の事態について調査をしたり、いろいろな行動をするのは当然だし、前提条件が崩れてない限りにおいては、選挙監視ということについて、社会主義インターの要請ということもありまして、参加するというのは当然いいことではないかと思っておるわけでございます。

柳田稔民社党

○柳田委員 余り突っ込まない方がいいかと思うのですけれども、きょうの本会議を聞いておって、社会党さんの御意見とこの社会主義インターナショナルの目的と大分開きが出てきたな。そういった場合に、これから対応していくときに、政策本位、政党本位と言われた際に、じゃ、どちらを選べばいいのかな。国内ではこう言いますけれども海外ではああ言いますよと、その辺の一致をお願いしたいと思うし、しなければ政党本位、政策本位の比例選挙もできなくなりますのであっちではこう言って、こっちではこう言いました、両方公の場で言って、両方信用しろというのも非常に難しい問題ですから、その辺は一致していかなきゃならないのが比例選挙の基本になるんじゃないかと思いまして、冒頭質問をさせていただきました。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 PKOの方々は、これは仕事ではございますけれども派遣されるわけですね。今社会党の行動は自主的な話でございますから、そういう意味でもまた次元が違うのではないかと思います。

柳田稔民社党

○柳田委員 また追加するとあれなんですけれども、要するに選挙期間、現地のUNTACの協力を得てカンボジアでの選挙を監視するために参加いたしませんかという趣旨で、我々民社党もきのう派遣を決定をいたしました。だから、UNTACと一緒になって、このカンボジアの選挙が公正に行われるように、それも五月二十三日から二十七日の間に行われるように、我々も努力をしたいということで参加をするわけでありますから、できれば社会党さんも、同じインターに入っている仲間でありますから、期していきたいなと思っております。ですから、これが政党本位、政策本位というのが比例の基本であるわけですから、右と左と違うことを言われても困る。だから、するんだったらば一本にすべきではないかな。それでちょっと御示唆をお願いしただけであります。  今度は、選挙制度を含む政治資金の方に話題を移らさせていただきます。  自民党初め各党の真摯な努力によりまして、今日まで本委員会で大変熱心な審議が行われてまいりました。今国会において、会期が六月二十日というふうにありますけれども、何としても政治改革を実現し、国民の政治に対する信頼を回復しなきゃならない、そういう決意は我が党も強く持っておりますし、またきょうお座りの自民党さん、社会党さん、公明党さん、皆様も同じような考えであると思っております。そこで、こうした決意が実を結ぶように全員が最大限の努力をしていかなけりゃならないんではないか。もう既に八十時間過ぎようとしておるわけでありますから、マラソンで例えますと、もう折り返し点を過ぎて、そろそろ最後の踏ん張り三十五キロ地点がな、そろそろもうゴールも近づいておるんではないかな、そういうふうな気がするわけでありますから、最大限の努力をして、結果を見出さなければならないと私も考えております。  がしかし、選挙制度、企業・団体献金、これのあるなし、両党の間の差というものはまだまだ大分あるんではないか。これを埋めるのは大変至難なわざかな、そういう面もあります。こうしたことを考えますと、この委員会の審議においても、お互いがみずからの主張を行って相手の問題点を指摘する、そういったことも今まで行われてきたわけでありますが、そろそろ譲り合わなければならないような時期にもなってきたんではないか。各党が党内でいろいろと議論をこれからまた再度するかと思いますし、もう既にしているかと思うんですが、各党の決定したことについて、この本委員会の場でも合意をつくっていかなきゃならないんではないか。多分、各党それなりの状況をつくりつつあるかと思います。それがこの委員会に課せられた最大の役割である、そういうふうな趣旨のことが伝わってくるわけでありますし、そうしなきゃならないと思っております。  もちろん、今回出されております二つの提案、自民党の案、社公の案、もう既に長時間かけていろんな人の話を聞きながら、練りに練ってきて、これがベストだというふうに出されたというふうに思ってもおります。がしかし、各党それぞれ練りに練って出された案であるわけでありますけれども、今のままで無修正のまま、自民党案も無修正、社公案も無修正、これで一歩も引かないんだ、ベストだから引かないんだということになれば、答えも出てこない。そうなったら国民はどういうふうに思うだろうか。そう思いますと、高所大所に立って与野党の合意づくりに入らなきゃならないんではないかと私は思っているんです。そういうふうなことで、自民党さんにも、社会党、公明党さんにもお尋ねしたいのでありますけれども、まず一つは、相手の案ですね、修正なしで賛成できるか、各党それぞれに、これがまず一つ質問であります。  次は、もし応じられないということになるんでしたらば、もう固執できないわけですから、何かの案を求めなきゃならない、そして結果を見出さなきゃならない。今後どういうふうに対応をされるおつもりなのか、お答え願いたいと思いますのでは塩川先生、よろしくお願いします。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 長い議論を経てまいりまして、ようやくお互いに各党の主張しておること、また各党がこの政治改革に何を基調として改革をしようとしておられるかということ等もお互いにわかってきたと思っておりますし、またそれに対する熱意というものも、非常に私は熱く感じてきておりますのでございますから、これから当委員会を中心といたしまして、もう少し議論をしていただく中にいろいろな共通のベースが出てくるだろう。  今一番共通項として出ておりますのは、中選挙区制では制度疲労でだめだ、共産党はこれ、ちょっと変わったことをおっしゃいますので別でございますが、というようなところは、これは制度疲労でだめだ。そうすると、小選挙区制を中心としたものを考えていかなければならぬ。しかしそれだけでは、単純小選挙区制だけではいろいろな民意の反映ができないということが出てきておる。自由民主党の方は、小選挙区制は一番わかりやすいし、責任の帰属というものも明確に出てきておるし、金と選挙の関係も非常に大きく明朗に変化し得られるということ等を言っております。しかし、お互いに言ってきておることは小選挙区制をベースにしておることには間違いない、こう思うのであります。そうであるとするならば、そこらの何か話のきっかけというものが、この委員会においてそういう機会が私はあるのではなかろうかと思うたりいたしておりますので、もう少しその点につきまして与野党間の議論を進めていきたい、こう思っております。

柳田稔民社党

○柳田委員 社公案の今の選挙制度の原案については、大変譲歩をされて賛成する可能性はあるのでしょうか。最初の、第一の質問です。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 社会党さんの案をそのままのめとおっしゃいましても、やはり自由民主党には自由民主党の考え方がございますので、今の時点におきましては、それは難しい。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 まず、相手方の案をのめるかという御質問だったかと思いますが、単純小選挙区制をそのまま賛成をするということは到底不可能であろうというふうに思います。  もう一つは、しからばどういう態度かということでしたでしょうか。私は、提案者としてこれがベストの案であるということを一生懸命御説明をするという立場でございますので、私からどうこう申し上げるのは分を越えるかと思いますけれども、率直な感想といいますか、真情を言わせていただければ、これだけ私どもも提案者として一生懸命に努力をしているわけでございますので、議事録はいっぱいできたけれども何一つ生み出されなかったというようなことでは、提案者としても大変残念であります。当委員会において、理事さん初め各委員の御努力によって、何らかのいい成果を生み出されることを期待をするわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠議員 修正なしで自民党案をのめるか、こういうことでございますが、私どもは、この議論を通じて、恐らく自民党の皆さんがこの併用制に賛同してくださるという強い確信を持っておりますので、そういう気はさらさらございません。  それと、修正はどうかということですが、まず選挙制度は、これは手段、方法だと思うのです。土俵で言えば、どういう土俵にするかということだと思うのです。  戦後、子供も体がどんどん大きくなりまして、昔のサイズの机やいすではとてもこれは授業も満足に落ちついてできないということで、だんだんいすの高さとか机の高さも調整しますね。それと同じように、現在の、今の世界的な状況、国内的な状況を見て、選挙制度は当然変えていかなければいけません。その目的とするところは、御承知のとおり金丸不正蓄財の問題がありましたので、清潔な政治でしょう。それからもう一つは、東西冷戦が終わっていつまでも賛成と反対という、そういう教条主義的な国会運営では、とてもこれは適宜に対応できない、国際社会に対応できないということでもありましょう。そういう意味では、政権交代ということが大きな緊張感を生んでいくということは当然のことでありましょう。また、国内的には高齢化に対する諸問題、こういうふうな政治目的を達成するためには、そのルールである土俵づくりをどうしていくかということが緊急の課題でございます。  最終的に修正どうかということになりますと、これは私がここで修正オーケーというふうには言える立場じゃございませんが、しかし、政治家の見識でもって自助努力をしていけば、おのずと、マックス・ウェーバーじゃありませんが、政治家の三条件は情熱と勇気と決断力だそうですから、この三つを備えた政治家が国会の中に与野党問わずいらっしゃれば、自然と収れんをして、行き着くところに行く、こういうように思うわけです。

柳田稔民社党

○柳田委員 各党ともに、相手方の案については原案どおりではのめない、しかし、いろいろとこれから妥協の余地をつくっていって結論を見出したいというふうなお話であったかと思います。  私も、正直申し上げまして、自民党さんの案、現状のままでは賛成はできない、そういうふうに思っておりまして、この自民党さんの案、衆議院はわかりませんが、参議院に行くと当然そのままではつぶれてしまうだろう。そういうことで、自民党さんについては、ちょっと質問を今回はしません。  そこで、ちょっと併用制についていろいろと質問したいのでありますが、例えば妥協案として小選挙区制の数、今二百あるところを二百五十にしたらどうかとか三百にしたらどうか、そうすると妥協の余地が見出せるのではないかという議論があります。私は、もう時間がなくなってどこまで議論できるかわかりませんけれども、この小選挙区の数を二百から二百五十、三百に動かすということは、制度そのものを変えなければもう不可能だというふうに思っていまして、そういうふうな観点から質問させていただきたいと思います。  それで、異党派投票ですね、小選挙区で無所属で出た、当選した場合には比例の方の票の効果は認めません、いろいろと法制局も含めて答弁がありました。一票の価値の平等を図るためにこういうふうな処置をしたということでありまして、確かな、ごもっともなことだというふうに私も思います。  そこで、ちょっとこれ、考えたいと思っているのですが、逆に場合を想定して御質問したいと思うのですけれども、例えば中国ブロック、私は広島三区なんで総理と同じところなんですけれども、中国ブロック、私がどこかの小選挙区で立候補したとします。私は、幸いにして小選挙区で当選ができた。しかし、比例では民社党に対する議席は一議席も与えられなかった。それで、何人かの有権者が、小選挙区では柳田、おまえに投票した。しかし、比例では申しわけないけれども社会党さんに投票したよ。結果、さっき申したように、小選挙区では勝ったけれども、比例では一議席も与えられなかった。ところが、その投票した行為ですね、小選挙区で名前を書いた、それで比例で名前を書いた、そして社会党さんが幸いにして一議席とれたということも、理屈上は考えられるわけですね。そうすると、これは先ほど申した一票の価値の平等に反しまして、ある有権者が二議席に関与できた、極めて二票に近い票を行使したと言えるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。社会党、公明党さん、だれでも結構ですから、御答弁願いたいと思います。わからなければ、法制局でもいいですよ。

臼井貞夫衆議院法制局第一部副部長

○臼井法制局参事 お答えいたします。  社公の提案者におかれましては、超過議席は例外的に発生するものであり、また法案におきましても、超過議席がある政党についてはこれを繰り上げ補充せず、あるいは再選挙、補欠選挙におきましても欠員の算定に入れないというような例外的措置として取り扱っておりまして、例外的措置としては許容し得る範囲内のものだと考えておりました。

柳田稔民社党

○柳田委員 今おっしゃられたように、例外的なケースかもわかりません。理屈上といいますか理論上は考えられますけれども、まあ今の二百の小選挙区では、考えますと、例外的なケースだろう。つまり、許容の範囲内とおっしゃいましたけれども、その許容の範囲内かどうかというのを今ここで問おうとは思っていません。  としますと、これと同じようなことがまた起きてくるのですよ。と申しますのは、小選挙区、今二百で、これを例えば三百にふやしたとしましょうか。そうしますと、超過議席というのはもっともっと膨らむわけですよ。そうすると、一人の有権者が二議席に関与し、極めて二票に近い票を行使したという状況が多発するのですよ。もうこれは、多発した場合には多分許容の範囲内を逸脱してしまう。基本的人権ということを考えますと、そこも侵すといいますか、憲法の精神も逸脱してしまうような状況になるんではないか、そう思うのですけれども、いかがでしょうか。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 先ほど法制局の方からお話がありましたとおり、超過議席というのはあくまで例外的な事象である、小選挙区で比較多数をとった者を比例配分議席がないからといって当選を認めないということは政策的にいかがかという観点から、比例の原則からすれば例外になりますけれども、例外として認めたというものでございます。  ところで、今委員の御質問は、それでは小選挙区の数を増したら、二百五十、三百と増していけば今のような例外が非常に多く生ずるではないかという御指摘でございます。したがって、そのように超過議席が多数生ずるような制度というものは、基本的に私どもが提案しております併用制にはなじまないと思います。超過議席は基本的には決して好ましいことではない、例外的事象だと思いますので、したがって、想定されるような二百五十、三百とすること自体が妥当性を欠くというふうに考えるわけでございます。

柳田稔民社党

○柳田委員 大変的確な御答弁でありまして、朝日新聞の中に、例えば小選挙区を二百五十とした場合には超過議席が四十三議席ぐらいだろう、また三百にした場合には超過議席が八十八議席だろう、それぐらいふえるだろうというふうな予想が出ておりまして、こうなりますと、今御答弁ありましたように、併用制という制度上もうなじまないのですよね。つまり、自民党さんが社会、公明さんに、二百じゃのめないとさっきおっしゃいました。三百にしたらのめるかなというふうな案を提示されても、これはもう併用制として成り立たないという制度上の問題があるわけですね。  としますと、またさっきの繰り返しになるのですが、要するに小選挙区の数を併用の中でふやすということは、これは抜本的な見直しをしなくちゃならない問題なんです。ところが、自民党さんは二百じゃだめだけれども三百だと考えようということは、大変これはもう制度上無理なんで、これは併用の中で議席を三百にふやしてどうかというのは議論にならない。一回試算をしていろいろと法制局とも協議されたらわかるかと思うのですけれども、この超過議席というのは一人の人が二票の価値を見出す、そういうことになるわけですから、大変難しく相なるかと思います。  そこでなんですよ。となりますと、一番併用で譲歩ができる小選挙区の数をまあ三百ぐらいにふやしてどうかなという議論をしようとしたときに、今言ったようにもう無理だとなったらば、今の併用制の限度も小選挙区はマックス二百だ、これ以上ふやすことは無理だとなれば、この併用制も残念ながら自民党さんの御理解を賜るには大変難しいんじゃないかという気がします。となれば、第三の案を模索せざるを得ないんではないか。今この委員会の場で、失礼でありますから、併用制、これでもうポシャったらどうですか、引き揚げたらどうですかというような失礼なことは言いませんので……。  もう時間でありますから、最後に、この併用制、今言ったような欠点がありますから、第三の案を見出すべく社会党、公明党さんも努力をする必要があるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)議員 併用制で小選挙区の数を二百というふうに私どもが設定いたしましたのは、柳田委員おっしゃるように、現状の日本の政治状況を考えて超過議席が出ないであろうということを前提にしているわけでございます。ただ、制度の仕組み上、併用制というこの選挙制度のすぐれて持っている特色、これを生かすために超過議席というものを例外的に認めているわけでございまして、これをどの程度認めるかということは、これは立法政策上の問題だろうというふうに考えているわけでございます。  例えば原理的に言いますと、二百でもこれはかなりたくさんの小選挙区で独占するような政党が、例えば多党化して三割で小選挙区をほぼ独占した、したがって比例区では百五十しか出ないわけですから、五十超過議席が出る可能性もあるわけですから、ですから、二百だから原理的に出ないとか、二百五十だから必ず出るとか、三百だから必ず出るとかということは、制度の仕組みとしては、そういうこととはまた違うわけでございまして、実態として、選挙をやったらどの程度出るかという判断でこれは二百とか二百五十とか三百とか決める。したがって、どれだけの超過議席というものを許容するかということも含めて、これは立法政策上の問題である、私はこういうように思っているわけです。ですから、今の選挙制度の中で絶対二百、制度的に二百五十にしたら憲法違反だとか、三百にしたら憲法違反が生じるんだとか、そういうようなこととは全く違うわけでございます。  したがって、併用制の枠の中で、もし自民党の皆さんが小選挙区の数をふやせば合意の可能性がある、こういうふうにおっしゃるのであれば、これは当然話し合いということになるんだろうと思うわけでございますけれども、ただ現状では、併用制といういわゆる比例代表を基本とした制度では、やはり自民党の皆さんなかなか合意は難しいだろうというふうにこれまでの議論の中で私どもは認識しているわけでございまして、そうであるならば、第三の案というものも模索しなければいけないんじゃないかなということは、個人的にそういう認識は今持っているということを御理解いただければと思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 大変お勉強いただいているのは敬意を表するわけでございますが、この手の議論は、新聞記事の切り抜きで早のみ込みした人がしばしば議論されるところでございまして、というのは、同じ数字で、二百、三百にしようと、二百五十、二百五十にしようと、二百八十の二百二十にしようと、いろいろな、発作的にそういうふうに考えたくなるわけであります。ところが、あなたの御経歴を拝見しますと、科学者のお一人ですから、ほかの前提条件を入れますと数字が全然狂ってくるのです。したがって、シミュレーションと称するもの、あなたは朝日新聞のシミュレーションを使われました。それは、ある学者のシミュレーションでございますが、それは条件を書いてないのです。ですから、それについては理論的根拠とすることができません。  私ども、もう一つ前提として理解しなきゃならないのは、このような制度を持ち合わせてやっている場合に、私たちは多党化時代から二大政党時代へ、これはもう遠慮なく大きな歩みが進んでいくことは認めなきゃならぬと存じます。この小選挙区比例代表併用制の場合、それは何回かの選挙でゆっくりとその動きは起こることでしょう。即時には起こらないと存じます。そうしますと、どういうことが起こるかというと、例えばその一つの条件すらあなたがお認めになれば、その膨大な超過議席、人を欺く三十六議席などという恐ろしい数字は全く出ないことが、もう暗算で出てくるということは御理解いただけると思うのです。その前提条件を理解されないで、あなたの御学殖を背景とされて、超過議席出るぞ、憲法違反だぞと威嚇されることはどうぞお控えいただくと、何かと私たちの精神状態も平静になるし、それからまた次の論議もやりやすい、こう思っているわけでございまして、また精密な御議論をさしていただければありがたいと思います。

柳田稔民社党

○柳田委員 終わります。ありがとうございました。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 次回は、明十四日金曜日午前九時委員会、午後零時三十分理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時一分散会

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