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126回国会衆議院1993/04/27

政治改革に関する調査特別委員会 第12号

発言数
225
登壇者
26
会派数
5
開催日
1993/04/27

会議録

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 これより会議を開きます。  梶山静六君外二十三名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案並びに佐藤観樹君外二十四名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党交付金の交付に関する法律案の各案を一括して議題といたします。  本日は、特に、佐藤観樹君外二十四名提出の各案について質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂本剛二君。

坂本剛二自由民主党

○坂本(剛)委員 きょうは社公案を中心に質疑ということでありますから、今まで随分議論も出尽くしたわけでございまして、しかし、基本的なことについてまた幾つか私もお尋ねしたいと思っております。  その前に、私ども、自民党の若手国会議員の一員として、政治改革の運動をずっと進めてまいりました。全国的にそっちこっちでフォーラムをやっております。その際、いろいろとアンケート調査も実はやっております。アンケート調査に答えてくれる方は、大体は我々自由民主党の仲間の市民の方が多い、こう思っておりますが、その結果を、これは去年の九月の調査でございますが、政治スキャンダルが続く背景は何かということについては、金がかかる選挙制度だというのが三三%で第一位です。政治家のモラルの低下も二五%。政治改革に何を重視すべきかということについては、選挙制度の抜本改革が三〇%のトップで、政治資金規正法の強化も二五%あります。そして、日本の政治を改革するのにだれが主役を担うべきかということについては、四五%の人が有権者だ、こう言っております。国民だ、こんなふうに言っております。  それから、議会制民主主義を成熟させるために必要なものは何かというと、これはもう五四%の人が健全野党の存在ということを言っております。それから、政界の再編は必要と思いますかという答えには、何と八二%の人がそう思う、こう答えているのですね。これは、圧倒的な数字がここに実はあらわれてきております。大体全国的に似たような結果があらわれております。これはおおむね保守層の方々の意見かなと実は思っております。  そんなことを踏まえながら、以下、基本的なことについてお尋ねしていきたいと思います。  選挙制度というか、民主主義の理念というものがきちっとあらわれてなければ正しい選挙制度とは言えないということがよく言われております。じゃ、そういう基本的な理念は何かというと、二つある。一つは、民意を鏡のように反映する比例代表制、もう一つは、強力な安定的な政権をつくり出す、民意は概括的に反映しつつも強力な実行力のある政権をつくっていく小選挙区制である、こんなふうに言われております。  あと、そのほかの制度も世界各国でいろいろ採用されておるようでございますが、これは妥協の産物だということを言われております。しかも、妥協した選挙制度は、本来二つの持っているいい面がいっの間にか消えてしまって、悪い面ばかりが表に出てくる傾向がある。今イタリーなんかでもそんなようなのが出たのかなと思っているし、いろいろ考えさせられるところが実はあるわけでございます。  我が国が採用しております中選挙区制も、実はあの当時の原敬政党内閣を支える護憲三派が、自分たちが生き延びて政党政治が継続することをねらった、いわば妥協というよりも党利党略、派利派略じゃないのか、そこには夢も希望も何もない、こんなような感じで私はいたのですが、今ここに来て、それらの矛盾がたくさん出ておるということが事実でございます。  理念のない党利党略に走った選挙制度を持っているということは、まことにこれは不幸なことでございまして、私たち政治に携わる者は厳に戒めなければならないことかなと、今度の選挙制度の改正などにも当たって、強くいたしておるところでございます。要するに、今我が国は大変な状況に至ってきておるわけでありまして、これに対しては思い切った対策を国会は立てていかなければならない、こんなふうに思っております。  そんなときに、国民各界各層から、もう役割は終わった、こんなふうに言われております既存の五つの政党が、さほど議席の変動もなく残るための今般社公さんが提案された小選挙区比例代表併用制というものは、一体どこに理念があるのか。私は、まさに妥協の産物以外の何物でもないのじゃないか、こんなふうなことを実は言いたいわけでございます。まことに発想の動機は不純だと言わざるを得ない。  そこで、まず第一の質問でございますが、選挙制度とは本来どうあるべきなのか、その基本的なことを一つお伺いいたします。  そしてもう一つは、議院内閣制のもとにおいての政党の役割というのは、これはもうみずからの政策で議会の多数を占め、そして内閣を組織して、国民に責任を負うということであるわけでございますが、今回の社会党、公明党さんの案では、積極的に政権をとっていこう、そして国民に責任を負っていこう、そういう意気込みが感じられないというそんな気がしてならないわけでございますが、社公案の意図するところについて、この二点、まずちょっとお伺いしたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 社公案は基本的に比例代表制でございます。決して折衷案とは考えておりません。  ただ、比例代表制、特に全国一本の比例代表制などというシステムをとりますと、大変たくさんの名簿を政党側が提示しなければならない。選挙民、有権者の側からすれば、その名簿のみを対象として、一体どういう人が具体的に議員となるのかを考慮しつつ政党へ投票するということになるわけでございます。そういたしますと、やはり人の要素、いわば顔が見えにくいということにならざるを得ない。そういう名簿だけによる比例選挙、政党のみに対する投票、こういうものよりは、人の要素、顔が見える要素を入れた方がよいのではないか、こういうことから二百議席小選挙区制を入れたわけでございますけれども、基本的には政党に対する投票で議席配分が決まるということで、比例制そのものと考えております。決して折衷案ではないわけです。  それからなお、実際的な理由としては、無所属の立候補者を排除するわけには憲法上いきませんので、その立候補を保障するという意味合いも実際的な問題としては込めてあるわけでございます。  それから、どういう基本的な考え方かということは、今委員の方から既に御指摘がありましたが、国民代表の議会でございますので、国民の意識をなるべく忠実に反映する議院の議席構成となることが理想であるというふうに考えております。  なお、議院内閣制のもとでは、議会において行政府の長を選ぶという、政権と委員がおっしゃったのは何を意味しているのかよくわかりませんが、行政権という意味だとすれば、議会において多数決原理によって行政府の長を一人選ぶということになるのが最も議院内閣制あるいは議会の機能からして当然である、かように考えております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)議員 お答えいたします。  選挙制度の基本的な考え方として、いわゆる安定政権をつくるための小選挙区と、それから民意を鏡のように反映する比例代表と、この二つのパターンがあって、それで、ヨーロッパ等でのこの混合型のさまざまな選挙制度はすべて妥協の産物であるという御認識を示されたわけでございますけれども、私は、先般、選挙制度を勉強するためにハンガリーに参りまして、ハンガリーの選挙制度を勉強してきた経験があるのですけれども、ハンガリーがいわゆる共産主義から自由化する過程の中で選挙制度をどうするかということで、国民の英知を結集して新しい選挙制度をつくったわけでございます。  委員御承知と思いますけれども、ハンガリーの場合は、いわゆる小選挙区と比例代表の並立が基本になっているわけでございますけれども、その中で小選挙区が二回投票制、なおかつその小選挙区の死に票を全国集計して、全国リストで各政党に再配分する、こういう仕組みをつくっておりまして、いわゆる並立て、小選挙区がどちらかというと中心なんですけれども、できるだけ国民の民意というものを議会の構成に反映していこうということで、大変な工夫をしているわけでございます。  ハンガリーの皆さんに言わせますと、我々の選挙制度というのはもう世界一の選挙制度である、新しい選挙制度をつくるに当たって世界じゅうの選挙制度を全部調べた、そういう中で生み出したハンガリー国の英知であると大変な誇りを持っているわけでございまして、私は、その話をずっと聞きまして、これは、決して妥協の産物とかということではなくて、やはりハンガリーが共産主義から自由主義へと移行する過程の中でどういう政治をつくっていくのか真剣に考え抜いて、そして、民意を反映しながらなおかつ安定した政権ができるようにという仕組みをつくり上げたということは大変すばらしいことではないか、こんなふうに思っておるわけでございまして、比例代表と小選挙区の間にあるものはすべて政治的な妥協であって、ある意味で理念のないものだという考え方はいかがなものかなというふうに私はまず最初に申し上げたいわけでございます。  それで、我々の小選挙区併用型の比例代表制というのは、先ほども小澤議員の方から御説明がございましたように、やはり議会というものは、選挙で示された国民の民意というものができるだけ正確に反映されていることが望ましい。なぜならば、国会というのは国権の最高機関であって、唯一の立法機関である。そこに国民の民意が反映されていることが最も重要である。と同時に、議院内閣制でございますから、その選出された議会というものは政権をつくらなければいけないわけでございまして、やはり国民の目から見ても、政権の形が明確になるようなものがその中でも重要な役割としてあるわけでございますから、そういう意味で、やはり政権を担い得るきちっとした政治勢力というものが少なくとも二つは育つような仕組みというものが当然必要である。  そういう観点からこの二百の小選挙区を併用いたしまして、小選挙区でございますから、これは定数一を争うわけでございますから、やはり最終的に定数一を争うような政治勢力また政党でなければ、これは生き残っていけないわけでございまして、私どもは、この併用制を採用するに当たって、何か現状の党の勢力というものが温存されるような仕組みを考えたわけでは決してないわけでございまして、そこには当然、その二百の小選挙区の中でどうやって勝ち抜いて、そして政権を担うかということを当然前提として組み立てたものでございまして、今の日本の政治に求められております、何とか自民党の一党支配というものを打破して、そして政権交代可能な民主政治をつくるんだ、そして選挙が政策本位、政党本位にならなければいけない、そういう今選挙制度に求められている要素というものに十分適合できる、十分それを満足できる選挙制度であるということで私どもは自信を持ってお出ししているわけでございまして、ぜひ御理解を賜ればと、このようにお願いする次第でございます。  以上でございます。

坂本剛二自由民主党

○坂本(剛)委員 ただいま御理解を賜ればというお話でございましたが、実は自民党がさきの選挙制度調査会で、党所属の国会議員にどういう選挙制度がいいか私案を出せと言ったときに、私が提案したのが、人口二十万を単位とした単純小選挙区であるわけでございます。したがって、理解を示せと言われても、何ともこれ、私も理解を示すわけにもいかないわけでございます。  そこで、比例代表についてちょっとお伺いしたいのですが、私は余り好きではないのですね。それは、今の参議院の姿を見ておっても、どうもいま一つ私はぴんとこないものがあるのです。それで、今の政治家に緊張感がないのではないかとよく言われます。それは、一五%で当選できる中選挙区制がそうさせているのかあるいはまた参議院の比例というものがそうさせているのかはよくわかりません。しかし、直間比率とは何ですかとか、あるいはまた、一生懸命台所の値段を盛んに言っていながら、自分は全然国家予算を知らなかった国会議員がいるとかいろいろなお話が実はあるわけでございます。そんなところを考えますと、私は、やはり緊張感を持たせる選挙制度というものが必要なのではないのかな、これを実は強く申し上げたいわけでございます。  比例で出てくる政治家というのは、どういう姿で国民と対話を持つ機会があるのか。私は、二百の小選挙区と言っておりますが、この二百人の人たちが有権者と強い結びつきはできても、そこからはじき飛ばされた人たちというのは、一体国政に国民の声を直に反映するということはどんなような方法をとっていくのか甚だ疑問を感じております。特に、選挙区で落選して、そして惜敗率で救済される、こうなってくるともうどうしようもないなという、実はそんな感じを私はいたしておみのです。  単純小選挙区のよさというか、私が志したものは、一対一で仮に選挙をやって落選した候補者なりその政党は、次は何としても勝つぞということで努力をするわけですね。その努力が国民の利益だ、こう私は思っておりますし、もちろん現職を倒すために、もっともっといい、現職よりもすばらしい人材を候補者として次に選んでくる。まあ言うならば、出たい人よりも出したい人という言葉がよくありますけれども、今は、出したい人なんかほとんど出られません、もう出たい人ばかりですね、出たい人ばかりが出る時代であります。したがって、政党が次の選挙に勝つためには、本当にその地区の国民が望んでいる出したい人を選べるというところに、私は、この定員一名の単純小選挙区というのはメリットがあるものと考えております。  したがって、緊張感が欠けている中には、長い間務められて、何のために国会にいるのかな、長期化による連作障害を起こしている人が随分いるような気がして私はならないわけです。こういう方も淘汰されますね、単純小選挙区のもとでは。完全に相手政党は、この次倒すために生きのいいぱりぱりした者を、スーパーマルチ人間を候補者として出してくる。こういうことで新陳代謝も図られる。固定化するのじゃないかなんという意見がよくありますけれども、あり得ないと私は実は思って、この制度を提案させていただきました。  とにかく、異党派投票が認められているという状況であれば、ますます私は、わけのわからない方々が惜敗率の中で救われていってしまうのじゃないのかな、こんな感じも実はしておるわけでございます。それと同時に、その人の人格を否定したのですね、小選挙区で負けるということは。完全に政治家として採用されなかった、政策もさることながら、私は、そういう要素が多分に小選挙区の中ではあるのじゃないかな、こう考えております。  したがって、左近正男と書いても、政党の方は自民党と書く人が多い。この方は人格が立派だ。そういう選挙が行われるわけでございまして、そういうことが自由に行われる選挙で、小選挙区で比較多数をとれなかったということは、これはやはり私はそれなりの問題あり、こう見ています。そういう方を救っていくというところに、私は、党本部の考え方と国民の考え方の差というものをどう埋めていくのかな、こんな疑問も実はあるわけでございます。  それから、比例区の名簿の登載者を決定していくのにも、私は、どういう基準で決定されるのか、そこに民主的なルールを持ち込むことができるのかどうか、こんなことも実は非常に疑問に思っているわけでございます。  それから、比例というものは、連合政権、連立政権というものを志向していく、こう思われるのですが、これは、連合や連立という制度が成功するのは、ヨーロッパのような風土のあるところだけだと私は思っています。日本の場合は、とてもじゃないけれども、政党対政党で、政党間の民主主義なんというものが果たしてそこに担保されるのかな、こんなことも実はいろいろ考えさせられます。国対政治というものがこれほどまでに主流をなした我が国の政界では、どうも連合、連立がうまくいくとは思えない。ポスト、金、法案の取引、そんなことで政治が運営されやしないかな、そういう心配もありますが、もろもろについてひとつ、どう対応していかれようとするのか、お答えいただきたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 もろもろにわたる、多岐にわたる御質問ですので、ちょっと御答弁しにくいのですが、まず緊張感の問題でございますが、私は、委員のお考えとは逆ではないだろうか。すなわち、比較的小さい、平均二十五万ですか程度の小さな選挙区であればあるほど、たとえ過半数を必要とする一騎打ち型の小選区制度であっても、対象とする有権者の数が少なければ、いわゆる地盤培養行為によって選挙区を丸ごと地盤としてしまうということがかえってたやすいのではないか、むしろ固定化するのは、比較的小さな選挙区である単純小選挙区の方ではないだろうかと私は思います。  それから、緊張感でございますけれども、基本的に政党間の緊張感、政党間における非常に緊張感を持った、有権者から見ればスリリングな選挙がこの比例制でこそ実現するのではないかと思います。仮に負けた政党は、次には非常に有権者の支持を得られるような人材をそろえて名簿に登載する。こういうことによって、次の選挙では必ず勝つんだ、こういうまさに緊張感が生じるのではないだろうかというふうに考えております。  それから、惜敗率についてお尋ねがありましたので、これについて少し述べさせていただきます。  まず大前提として、惜敗率のような方式をとるかどうかは、あくまで社公案では、各政党の選択によることになっております。すなわち、拘束名簿の原則に従って順位を完全に振ってしまう、これが本来の原則であるわけです。ただ、たまたま小選挙区にも立候補する重複立候補者については同一順位とする選択肢も残しておく。そしてその上で、同一順位者の中では惜敗率ということで当落を決めていこう、これを選択可能としたわけでございます。  これについては、委員は、小選挙区で落選した人はもう欠陥者だという御指摘でございましたが、これは当たらないと思いますね。惜しくも第一の最多得票者にはならなかったとしても、その選挙区で相当多数の人から支持を与えられたという方は、恐らく議員としてもふさわしい人格識見を持った方であろう。ということであれば、このような方を比例名簿の方で当選人とすることは何ら矛盾しない。むしろ、有権者の意思、意向がかえって反映されるのではないだろうか、私はこう理解をしております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)議員 たくさんのことをお話しいただきましたので、御意見の表明かなと思って拝聴しておりまして、質問であるというふうになかなか理解できなかったものですから、すべて答えられるかどうかわかりませんけれども、まず、例えば比例区から出てくる議員というものが緊張感のない議員なのじゃないか、それで、直間比率もよくわからないというような議員が出てくるのじゃないかというようなお話が最初あったように思うのですけれども、これは参議院の比例代表の皆様方の名誉のために申し上げておきますけれども、私は、大変すばらしい方々が、通常であればなかなか国会議員として出てこれないようなすばらしい学識経験者でありますとか良識人の方が多数お出になっていると思うわけでございます。  例えば我が党の場合、国民会議方式というのをとっておりまして、参議院でございますから良識の府であるということで、そういう学識経験のある方をできるだけお出ししたい、出たい人より出したい人をということでやっているわけでございます。  例えばエイズの問題、大変今クローズアップされておりますけれども、私どもの比例代表でお出になりました高桑栄松先生、北海道大学の医学部の医学部長でございまして、国立公害研究所の副所長をやられた方でございますが、この方が比例代表でお出になりまして、日本では八五年に初めてエイズの感染者が確認されて、そのときまだ一人だったわけでございますけれども、八六年にこの問題をお取り上げになりました。  それで、いわゆる献血の血液、エイズというのは血液感染するわけでございますから、献血を通して感染者が広がるということが非常に心配されていたわけでございまして、この問題を初めてお取り上げになりました。そして、献血のときに必ずエイズ検査を実施するように、こう御主張になりまして、そのときから約九百万人の献血者についてすべてエイズ検査が実施されることになったわけでございます。  こういった問題なんかを見ておりますと、やはりそれなりの学識経験者の人、またそういう良識の人というものが参議院の中に出てくるような仕組みが、日本の政治にとっても大変重要な役割を果たしておられる。そういう意味で、何となく比例区で名簿で出てくるから国会議員にふさわしくないんじゃないかというような論は当たらないんじゃないか、私はこう思うわけでございます。  それともう一つは、お話を聞いておりますと、単純小選挙区であればいい議員が出てくる、それで、落ちた人は人格が否定された、こういうふうにおっしゃったわけでございますが、それじゃ委員にお伺いしますけれども、小選挙区において選挙民はまず何を先に投票行動のとき判断するのかということなんですね。やはり政党政治だと、政党の勢力を争う、政権を争う選挙なんだとおっしゃっているわけですから、やはりその人がどういう政党に所属しているのか、どういう政策を持っているかということがまず最初の判断基準になって、そしてその政策やその政党を担い得るにふさわしい人であるかどうかという人格的な判断がある、それが小選挙区の制度に合致した投票行動なんだろうと思うのですね。  初めに政策や政党は関係ない、まず候補者の人格であるということになりますと、この選挙の制度の持っている意味はなくなるわけでございまして、基本的には、イギリスなんかもそうですけれども、いわゆる政党の代理人というような形でその選挙区に出ていらっしゃるわけでございまして、そこで例えば落選をした場合は、それはやはり党派の争いに負けたということであって、その人の人格がそこで否定されたというのは、これはいかにも暴論でございますし、小選挙区の持っている意味をよく御理解なさっていないんじゃないかというふうに私は逆にお伺いしたいわけでございまして、そういう方であっても、これは全体的にその政党の政策を担うにふさわしい人であれば、これは当然出てきていいわけでございます。  西ドイツなんかの例も先般申し上げましたけれども、例えばコール首相なんというのは前回初めて小選挙区でお勝ちになったわけでございまして、それまではずっと比例代表で出てきていらっしゃるわけでございます。なぜそうしたかといいますと、コールさんのような著名な方でございますから、できるだけCDUの弱い選挙区から出て、そこの党勢拡大を一生懸命やっていただくということで、弱い選挙区から出て、そこで長年かけてCDUの勢力が拡大する形で前回初めて当選なさったわけでございまして、私は、小選挙区の持っている意味、それから我々がこの併用制の中で小選挙区を併用した意味というのは実はそこにあるわけでございまして、そのことを御理解いただければ、先ほどの質問は十分おわかりいただけるんじゃないか、このように思うわけでございますので、ぜひよろしくお願いいたします。

坂本剛二自由民主党

○坂本(剛)委員 いや、逆に質問されるとは思いませんでしたから戸惑っておりますが、私は、異党派投票が可能だというところに、しかもそういうことで救済されて、余り言いたくないけれども、芳しくない人が出てくる要素は自民党が多いのですよ、社公さんじゃなくて、私が言っているのは。自民党の中に多いということを言っているのですね。だから、そんな制度はだめだ、こう私は言いたいわけなんですね。これは、いろいろな政党ありますけれども、あるいは自民党以外にも、やむを得ずそういう人を救済せざるを得ないような政党も中にはあるかもしれませんけれども、そんなことを申し上げたわけでございます。  それから、立派な人であっても、国民との接点のない姿での政治家というのはやはり緊張感を欠くもの、一面で立派であっても、緊張感を欠くんじゃないかな、私はこんな気もいたしています。  時間なくなっちゃったものですから。参っちゃったな、これは、こんなに懇切丁寧に答弁いただくと思わなかったものですから、実はさらっと流されるのかと思って……。  それで、小選挙区と比例の定数配分についてもちょっとお伺いしたい、こう思うのですが、これは、二百名の方々の名前を書いていただけるのですね。あとの人たちは名前を書いていただけない当選になるわけですが、惜敗率を採用するかどうかは別だというお話がありましたけれども、採用しない場合にしても、仮に採用した場合にしても、二百名を超えて当選する場合に、そういう名簿登載者の順位をどのように民主的に作成していくのかなということについてちょっと疑問があるわけなんです。ましてや惜敗率を採用しないとなったら一体どうなるのかなと、こういうような感じがするのですが、お伺いしたいと思います。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)議員 これは委員、単純小選挙区の場合も同じことが言えるわけでございまして、要するに、それぞれの選挙区において候補者をどう決めるのかということは、これは比例代表で名簿の順位をどう決めるのかということと同じ問題だろうと私は思うのですよ。全国五百の小選挙区をおつくりになって、その五百の選挙区、いろいろ出たい人がいる、出したい人もいる。最終的にそこを一人に決めなきゃいけないわけでございまして、それは、例えば比例代表で名簿をそれぞれブロック単位につくって各党が順位を決めなければいけない、この問題も全く同じでございまして、やはりそこは民主主義を担う政党でございますから、党内民主主義というものがどのように確立されているのかということが最終的に問われてくるのだろうと思うのです。  社公案でもそうですし、自民党案もそうですけれども、そういう候補選定の手続というものを届け出する、自治大臣に届ける、自治大臣がそれを公表する、その公表されたものが有権者の判断に供されて、実際に公表されたとおり候補選考が行われているのかどうかということが、選挙の結果を通して示されてくるということなんだろうと思うのですね。  ですからそこが、例えばアメリカのように公の制度としてまずプライマリーをやる、プライマリーをやって、そして候補者を一人に絞ってそして本選挙をやる、こういう方式も考えられるわけでございますけれども、日本の場合はそれぞれの政党があって、今それなりに民意を得て、それなりの勢力を持っているわけでございますから、やはりそれぞれ党が自主的にそういう党内民主主義というものをきちっと確立して、そしてそれを有権者に公表して有権者の判断にゆだねていく、こういうことが一番大事なんではなかろうかな、こういうふうに思うわけでございます。

坂本剛二自由民主党

○坂本(剛)委員 有権者の判断にお任せということでございましたが、私は、そういう意味では、小選挙区部分を定数過半数の二百五十、あるいは安定政権をつくることを考えるならば、それ以上の小選挙区定数を設けるべきでないのかな、こんなふうに実は思っているのです。しかし、超過議席を考えれば二百以上は出せないということになってきます。どうもその辺に何かぶつかってくるものがあるような気がして、民主的に当選者を決めていく方法と、超過議席を出さない方法というのは相矛盾するような気がしてならないのでございますが、二百五十以上三百ということ、これをやはり乗り越えないと本当に民意を反映したというか、国民の良識の判断で国会議員を確保することができないような格好になってくるんじゃないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 まず基本的に私どもは、各政党に対する国民の支持率がそのままなるべく忠実に議会の議席に反映されるのがまさに民意を最大限に酌むものだ、民意を反映する制度だというふうに考えております。  そこで、再三申し上げているとおり、併用制、これは比例制を基本とするものでございますが、こういう案を社公で最もベストの案と考えて提案させていただいているわけです。比例制を基本といたしますので、顔の見える要素を加味するとしても、四割、二百議席程度が最も妥当であろう。また実際的な理由としては、委員御指摘のとおり、超過議席が余り生ずることは基本的には好ましいことではないと考えておりますので、それらを配慮すれば二百議席程度が最も妥当である、こういう結論に達したわけでございます。もっと多くすればいいではないかという御指摘ありました。多くすればするほど顔の見える要素が増していくことはそのとおりでございますが、他方、超過議席が非常に多く生ずるということになれば、これは冗談でなく、本会議場に補助席をつくらなければならないとかいう実際的な困難もございますし、比例制の原則からすれば、ゆがみが生ずるわけでございます。  それから、ではその超過議席が生じない工夫をもう一つしたらどうだというのが今回民間臨調から提案されたいわゆる連用制だろうと思いますが、これは超過議席分を他の党にしわ寄せして、他の党の議席を減らすことによってその分を解消しようという一つのアイデアでございます。これについては、党内でも真剣に検討させていただいておりますけれども、比例制の原則からずれる、ゆがみがますます大きくなるということは、その評価は別として、事実としてはそのとおりだろうと思います。私どもとしては、現在のこの小選挙区二百という併用型比例制、これがベストの案だと考えているわけでございます。

坂本剛二自由民主党

○坂本(剛)委員 次に、補欠選挙のことについてちょっとお伺いしたいと思うのです。  小選挙区において選挙区民から選ばれた当選人が欠員となった場合には改めて補欠選挙を行う、私はこれが基本ではないのか、こんな感じも実はいたしておるのです。しかし今回の欠員補充については、社公案の場合は比例名簿からの繰り上げ当選という、どうにも不合理な方法をとられているのは一体なぜなのか。またその場合に、社公案のように、名簿登載者の数が不足をしたからという理由で欠員のままにしておくということは、これは許されないことじゃないかなと思うのです。ブロックの補欠のことについても随分問題があるのですけれども、これはまことに欠陥だらけの社公案だな、こう言わざるを得ないわけでございますが、口が悪いと驚いているようでございますが、ひとつお答えいただきたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 再三申し上げておりますが、社公案はあくまで比例が原則でございます。その上で、先ほどから申し上げているとおり、顔の見える要素を加味していった、こういう基本をまず押さえていただきたいわけでございます。その上で、小選挙区で当選した方が欠けた場合も含めて、比例原則からして、名簿から繰り上げていけば十分である、かように考えたわけです。  と申しますのは、小選挙区で当選した方というのは、いわゆる単純小選挙区などで当選するのとはちょっと質的な異なりがございまして、小選挙区で最大の得票を集めた方は、政党の枠内で名簿の登載の有無にかかわらず、あるいは重複の場合はその順序にかかわらず、その枠内で当選人としようというだけでございまして、単純小選挙区の場合のように当落という絶対的な差というものではない基本的な性格があるというところを御理解いただきたいと思います。

坂本剛二自由民主党

○坂本(剛)委員 それでは、済みません、また元に戻って、政界再編のことについてちょっとお伺いしたいと思うのですが、本当に五百十二名の国会議員が、私を離れて、まさに国家国民の立場に立って物を考えれば、選挙制度なんというのは簡単に決まってくるのですね。どうもそれが既存の政党の枠にとらわれたり、過去のいろいろなしがらみのまま来ているものですから、それを抜け切れないでいるものですから、なかなかどうもこの溝が埋まってこないと私は思っております。  国民も、国会のこのような形骸化した姿に対して、もう辟易しているのですね。既に私どものアンケートなんかでも、それがはっきり出ておりましたし、これはやはり硬直化した今の既存の政党を否定しようという意思のあらわれかな、私はこんな感じも実はしないわけでもないのですね。ですから、私たちは生き延びるためにはこれからどんなことをしていけばいいのか、政党名の変更なんかもしなくちゃならぬだろう。  この間、実は連合の山岸会長さん以下幕閣、各労組の委員長さんたちとある会合で会う機会がありました。そのとき同じようなことから、皆さん、労働組合の名前を変えたらいいじゃないか、全電通も変えてツウデンツウぐらいにしろよなんという話をして、みんな笑って、反対しませんでした。うなずきながら皆さん笑ってくださっておりましたけれども、とにかく何らかの方法を私たちはしていかなければならないわけでございますが、政界再編というのも国民の大多数が既に望んでいるし、そうなるのじゃないかという期待、いや、むしろ政治改革は政界再編になるのじゃないか、そんなふうなことを思っている国民も大分いると思うのですが、どうか両党の皆さん方から、政界再編というものを今度の選挙制度と絡めてどのようなふうにとらえているのか、そしてまたその可能性はどのように見ていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 今日までのいろいろな審議の中で、私たちが提案をしておりますような小選挙区併用型の比例代表をやった場合に恐らく自民党が過半数を割るだろう、そういうことを頭に置きながら、私たちとしましても、率直に言って、ちょっとおくれておりますけれども、公明党さんとも話をし、民社さんとも話をし、そして、国民が今求めているのは、きれいな政治をひとつやってもらいたい、金のかからない政治をやってもらいたい、まずそのことだと思うのです、具体的な政策のこともありますので。  そういった意味では、そういうことで相同調する自民党から離れてくる方もあれば、一緒にいろいろなことも議論する中で一致をすればやっていくということもありましょうし、そういった意味で私たちも、この選挙制度の問題というのは、単なる選挙制度というだけの問題に限らず、現在置かれている問題というのは、政界再編成というものに対して我が党なら我が党としてどう対応するのか、あるいは政権交代ということで国民の期待にどうこたえていくのか、あるいは選挙協力という具体的な戦術の問題もあろうかと思いますが、その上に一体選挙制度というものはどうあるべきかというふうに考えていくべきではないかととらえておりまして、今坂本委員御指摘のように、民意を反映するということですから、基本的には本来そういう問題とは絡まない話でございますが、現状における場合には、私はそういった問題と不可欠な課題であるというふうにとらえております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 坂本委員が冒頭に、みずからの手で世論調査をなさいまして、御質問をされた点につきまして私は注目いたしておるわけでございます。その中で、健全野党の存在がなければならないと言われた方が五五%、政界再編がなければならないと言われた方々が八二%と示されました。こういう実感を把握された上での御質問だと存じているわけであります。この数字は、ある意味で、自民党系の方をとおっしゃって述べられましたが、国民の中に広く存在する考え方であるということを私どももまた実感として持ち合わせているわけであります。  現在存在する各政党の存在は、おのおの歴史的経緯があり、大変な努力と研さんによって築かれたものであり、その功績を一概に否定するような傲慢な言い方など到底できるものではありませんが、私たちの目についているのは、明らかに制度疲労が次第次第に増加し、私たちにとって耐えられないような政治不信というものを醸成しつつあるという事実であります。  これにこたえて何かをしなければならないとすれば、あえて坂本委員がほのめかされましたように、政界再編も含む大きなテーマを考えざるを得ない。そして、その政界再編というテーマにこたえるためには、現在の選挙制度の問題あるいは政治資金の問題にどれだけ私たちが誠実に対応するか、そして、国民の目というものを意識しながら、どれだけ議論を精緻に練り上げていくかという点から始まるのではなかろうかと痛感いたしているわけでございます。  以上。

坂本剛二自由民主党

○坂本(剛)委員 この選挙制度の改正、今もお話ありましたように、今度の場合は腐敗の防止、それから政権交代可能な仕組みをつくれ、こういうことが国民の大きな願いであるし、また、私たちのテーマだろうと思います。どうかそのような方向に向かって、確実な成果が上がりますように、心から期待をしながら、質問を終わります。  ありがとうございました。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 渡瀬憲明君。

渡瀬憲明自由民主党

○渡瀬委員 私は自民党の立場から、きょうは主として社公案について質問せいということでございますので、絞って質問したいと思います。  既に各論につきましては同僚議員の皆さん方から細部にわたって質問が行われております。いろいろ聞いておりましても、なおかつまだよくわからないとこう、あるいはお考えが少し間違っておるんじゃなかろうかと思うところもあるわけでありまして、重複をあえて覚悟しながら質問いたしたいと思います。  最初、大変これはあるいは失礼な言い方かもしれませんが、一体、特に社会党の皆さん方は選挙をどういうふうに考えておられるのか。私も長い間議員秘書として選挙の手伝いをしてきて、どうも本当の意味で、選挙ということを少しないがしろにしておられるんじゃないだろうかという印象を持ってまいりました。  といいますのが、選挙というのは、政党が政策を国民に示して、我々を支持していただくとこういう政策をしますということが選挙のイロハのイであります。そのためには過半数を立てて、そして政権をとるその意欲がなければ、ただ政策だけではそれはもう空理空論にしかすぎないわけでありますが、そのことを再三この席でも質問がありますと、社会党の皆さん方の答弁は共倒れ論が出てきておりまして、これなんか幾ら聞いても、理由にならない理由でありまして、私には泣き言としか聞こえなかったわけであります。社会党が本当に政権を目指し、選挙に取り組んでおったならば、例えば、あれは八九年の参議院選挙でしたか、ああいう客観条件が出てきたときには政権がとれたはずであります。  今回中選挙区を放棄して、もう橋は焼いたんだという答弁もありましたけれども、そのこと自体は大いに評価し、そしてまた、期待するものでありますけれども、いろいろ非公式に話を聞いておりますと、二百人以上は実は出せないんだとか、自民党のように金がないからおれたちはだめなんだとか、そういうことも実は聞こえてくるわけでありまして、今度の案でも政権をとるために本当に真剣に考えておるという、そういう気迫が実は考えられないわけでありますが、その点をどう思っておられるのかお聞きしたいと思います。  そして、この併用制自体は、本来が、本質的に小党分立になる性格を含んでおるわけでありまして、こういうことも考えますと、本会議場でどなたかの発言に、ネズミをとらない猫のままでいたいのかという質問がありましたけれども、あえてまたそのことを私聞かざるを得ないような気がしております。今回のこの社公の併用制で本当に政権がとれると思っておられるのか、その真意をお聞きしたいと思います。  私から言わせれば、本当に政権をとるためには、社会党もこの際、小選挙区があるいはせめて並立制、その辺まで踏み込まれないと政権に近づくことはできないんじゃないかということを考えるわけであります。大変あるいは失礼な質問かもしれませんが、その辺の真意をまず承っておきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 政党である以上、我々の先輩の方々も今日まで何度か政権をとるためにいろいろな工夫をしてきたと思っております。私も二十何年議員でおらせていただいておるわけでございますが、全野党そろえた国民連合政権から、あるいは社公民でどうだ、一番近くはこの前の衆議院選挙でも、社公民社民連合わせて候補者といたしまして過半数に十名上回る候補者を出して、そして一つの政権をとろうということで一定の政策協定もしてやってきたわけであります。しかし、御指摘のように、残念ながらどれも成果を上げることができなかった。  その背景の中には、私たち自身も、中選挙区制という場合にどうしても五名区で三名立てるというのは非常に厳しいという、あるいは立てた場合にその後共倒れになって、例えば四名区で二名の場合に、二名が結果としてゼロになってしまう、そうすると、その次はまず一名議席を獲得しなきゃならぬということの繰り返しが、私も正直に申しておりますように、社会党にとりましては候補者を減らす歴史であったという背景が率直に言って中選挙区制ではございます。  したがって、私たちとしましても、この制度のままで政権交代をすることは非常に難しいという判断に立ち、腐敗の根本が政権交代が起こらないことにあるんだということと相あわせて、選挙制度自体を変えるべきであるというふうに考えておるわけでございます。  そこで、先生から御指摘をいただきましたが、せめてそれなら単純小選挙区なりあるいは並立てやれば政権をとる気迫が見えるというのは、少し私は論理のすりかえではないかと思うのであります。  私たちがなぜ単純小選挙区制をとらなかったかは、もう既に何度がお話し申し上げましたし、並立制の問題について、この基本的な欠陥についても私たちは申し上げました。したがって、私たちは、制度としては国民の民意を一番正確に反映しつつ、かつ顔が見え、かつ大体二つの極として政権交代が起こり得る制度ということでドイツ型の併用案を国民の皆さんに提示をしたわけでありますが、そこでは二百の小選挙区があるわけでありますから、当然これは出さなければいけません。  それから、政権をとるためには当然三百近い候補者を山さにゃいかぬ。したがって、小選挙区二百、比例代表百という候補者を私たちは準備しなきゃいかぬ。それは、現状においては私たち一党だけでそのことを達成しようということは申しておらないわけでありまして、いろいろ、政権構想、まだ十分進んでおりませんが、いずれ近々公明党さんとも民社さんとも社民連さんとも話をしたり、あるいは日本新党さんとも話をして、やはり三百人近い候補者をつくる、そして自民党さんにかわる政権交代が起こり得る、これが国民の皆さん方に今一番求められていることではないか。こうやって政権自身を一つ一つ一歩近づけていくことが日本の政治自体のレベルアップにもつながってくるだろうということで、決して、単純小選挙区にしないから、あるいは並立にしないから、政権をとる意欲が感じられないというのは、ちょっとこれは問題点のすれ違いではないかと私は思っております。  あくまで併用案というのは、候補者が出せない云々の問題ではなくて、最もこれが合理的な、民意を反映し、かつ政権交代が起こり得るという意味で極めて、一番合理的な案だということで私たちは提示をしておるわけでありまして、この際、こういう政局あるいはこういう政治情勢でございますから、政権交代ということに私たちとしては何としてもこたえなきゃならぬという強い意欲を持っておりますことだけはひとつ御承知おきを願いまして、私たちの案に賛成していただいて、これが通るならば、必ず三百近い候補者を、我が党だけとは申しませんが、皆さんと協力をして立てる、これをもってお答えにかえさせていただきたいと存じます。

渡瀬憲明自由民主党

○渡瀬委員 過去のことについての弁解、どうしてもやはり何か説得力が聞こえてまいりません。  私ども、国政レベルの選挙と同時に地方の首長選挙もやっておりますけれども、あれはもう一騎打ちの小選挙区です。死票論もありますけれども、当選されなかった人の無言の監視といいますか、決してそれは死票ではないわけでありまして、生きている票です。そういうことすら過去の衆議院選挙では見ることができなかった。そのことが政局に緊張感を失わせて、こういう政治不信を招く結果になってしまったということ、これはもっと真剣にひとつ御反省をお願いしたいと思うわけであります。  ところで、今度の併用制をやるとそういうことはなくなるんだという今お説でございましたけれども、私はこの案をいろいろ見てまいりましても、例えば、ブロック制の問題にしろあるいは二票制の問題にしろ、あるいはまた今お話がありました超過議席の問題にしろ、まだしっかり議論が詰まっておらぬという感じがしてなりません。  そこで、一つずつそのことについて質問してまいりますが、ブロック制をおとりになった理由はそもそもどういうことなのか、そして、ブロックの場合一人当たり大体何票ぐらいとったら一議席が確保できるのか、試算をお持ちかどうか、それをお聞きしたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 比例制の原則からすればあるいは全国一本の完全な比例代表制というのが理想かもしれません。しかし、現実には、全国一本で比例制をやりますと、名簿の数が大変膨大なものになります。これを、順位をつけたそのリストを見て、有権者がどの政党を選ぶか選択をする、これは実際問題として非現実的であろうということから、これを適当な数のブロックに分けて、そのブロック単位で比例選挙を行うのが妥当ではないか、かように考えたわけでございます。  また、この比例選挙の単位が余りに小さ過ぎると、目が粗いと申しましょうか、各政党に対する支持率を議席に反映させるという目的からすれば、目が粗くなり過ぎまして少数党が排除されてしまうということから、人口二千万を超えないところを大きい方のめどといたしまして、他方、地理的な条件やこれまでの歴史的ないきさつ等々から、歴史的に形成された地方をブロックの単位にするということで、一番小さいのが四国で十七名でしたか、ということになりますが、その程度の全国十二のブロック分けが最も妥当な、妥当性のあるところで判断をさせていただいたというところでございます。  どの程度で最小限当選確保できるかということでございますが、四国で十七でしたか、そういたしますと五、六%ということになりましょうか。それから、東関東が定数七十六でございますので、これはどうなりましょうか、八十で割りますから二、三%ということになりましょうか、ちょっと計算が余り正確でなくて恐縮でございますが、おおよそ目の子でそんな程度かなと思います。

渡瀬憲明自由民主党

○渡瀬委員 私、国会図書館に行ってその辺の計算をしてもらいました。いろいろな地域によっても違うようですけれども、大体十二万票から十六万票ぐらいの間におさまるだろうということでございました。  そこで、それを前提にして、この制度で全国にどれくらいの政党が出現するのか、その辺のことを考えてみました。これも立案者の方で試算があればお聞きしたいと思うのですが、ある専門家にこれを頼んで調べてもらいましたら、もちろんいろいろなデータのとりようにもよりますけれども、今の十二万ないし十六万という前提で計算しますと、大体三十以上の政党が出現するんじゃなかろうかという試算があります。これは、既存の政党が今九つですか、ありますけれども、そのほかに農業団体とか商工団体とかいろいろな団体が我も我もと出る、手の届く範囲内の数字であります。場合によっては、それこそ佐川急便党なんてのも出てこないとも限らぬわけでありますが、要するに、この制度でいきますと非常に小党分立になることは避けられない、それがまた政局の混迷につながっていく、そういう心配を非常にするわけであります。  今お話しのように、ブロック制はそういう提案の理由でございましたけれども、私どもが考えますには、地域的なまとまりがどうしてもこれは考えられません。それから、住民意識が非常に希薄であります。それから、今のお話のように、名簿も多くなって、よその県の人の名前なんか関心がなくなります。ぴんとこない、そういう事態が出てこようと思います。選挙に対する関心度が低くなる、そういうことを心配するわけであります。民社党は県単位を提案しておられるようでありますが、むしろそういう意味では県単位の方が住民の感覚に近いのかなという感じがしてなりません。  小党分立ということがこの制度の一番の欠陥であろうかと思うわけでありますが、ドイツのように五%条項、足切り条項ができればいいのですけれども、我が国には憲法二十一条に結社の自由というのがありますので、とてもそういうことはできません。そういうことをしますと、恐らく違憲訴訟が続出してくるんじゃないかと思いますし、そういう意味でも、小党分立の歯どめがない。その辺のことを、提案者はどういうふうに、小党分立になってしまうその歯どめをどういうふうにお考えになっているのか、御意見をお聞きしたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 渡瀬委員はすべて問題を御洞察の上で言っていらっしゃるので話が早いのでありますけれども、私たちとしては、今小澤委員の方からも申し上げましたけれども、なるべくひとつ民主的に民意をくみ上げたいという意図で十二ブロックというふうにしたことはおわかりのとおりでございますが、今渡瀬委員御指摘のような心配もございます。したがって、十分そのあたりを勘案しながらなお討議を深めていただければというふうに考えております。

渡瀬憲明自由民主党

○渡瀬委員 小党分立に対する明快な、はっきりした御答弁がないのを非常に心配するわけでありまして、これはこれから一致点を見出してやっていかれる、その過程が始まると思いますから、その点のことはひとつ真剣に御検討をお願いしておきます。決して政局の安定につながらない。単なる民意の反映というだけでは今の日本の政治は済まないわけでありますから、その辺の具体的な御検討をお願いしておきます。  それから二番目の問題は、二票制の問題であります。  社公案の場合でも、選挙区の名前は、これは個人の名前を書きますが、佐藤先生と書いて、政党名は必ずしも社会党と書くとは限りません。特に、昨今の政治情勢を見ておりますと、政党票は多分に浮動票になってしまって、例えば新党など非常に今はやりの格好のよいところに集まってしまう、そういう心配が大いにあるわけであります。私の選挙区の熊本などは、日本新党の支持率が実は二〇%を超しておると言われております。これは実は自民党より高いのです。だから、選挙区の方は仮に私の名前を書いても、政党は日本新党と書く公算が非常に強うございます。  これは何も自民党だけじゃなくて、社会党も恐らくそういうことを心配される人もおられると思いますが、こういう異党派投票の問題、これは大きな問題であろうかと思いますし、これも詰めの段階ではひとつ真剣に御検討願いたいと思います。異党派投票それ自体が本来は投票者の自己矛盾であるはずであります。  選択の幅を広げるという議論がありますけれども、かって私ども参議院選挙を経験しました、地方区と全国区。面倒なものですから、お年寄りなんかに言う場合は、もう面倒くさいから地方区の佐藤さんばかり書いておきなさいというような、そういうことを経験したこともありますし、なおさら候補者と政党ということになりますと、そういう理屈がなかなかわかりにくくなると思います。マスコミに支配される、そういう心配が非常に強いわけでありますから、この問題はひとつ重要な問題として御検討をお願いしておきます。  なお、今盛んに報道されております連用制でも、このことは特にあの連用制の一番の欠陥ではないかなという感じが私はいたしておりますが、連用制を検討される場合もここのところだけはひとつしっかり御検討をお願いしておきます。  また、二票制というのは別な側面もありまして、野党共闘をやりにくくして、例えば自民党に対抗するために統一候補を立てる、そういうことも阻害することになるんじゃないかと思います。これがまた先ほどの小党分立にもつながっていくんじゃないかなということが考えられます。  特に、この連用制から発展した問題で、社公案の中で無所属候補と比例の政党票の関係、これが非常にあいまいであります。社公案では、比例では政党名はカウントしないということに書いてありますが、これは御答弁を聞いておりますと、小選挙区にダミー候補を立ててこちらの票稼ぎをする、そういうことがないようにという御答弁があったように聞いておりますけれども、一方においては、投票する者の側に立ちますと、政党選択の自由を否定することになります。また、個人の意思を一方的に無視する結果になる、そういう心配もあるわけでありまして、大げさに言うとこれは憲法違反の問題ではなかろうかという気もするわけでありますが、その辺のことをどう考えておられるのか御答弁を願います。  それから、併用制の基本は、これは比例制で議席を全部確定することであります。比例の名簿でまず一人を選ぶ、と同時に、今度は小選挙区でも個人を選ぶわけでありますから、一人の有権者が何か二人の議員を選ぶ、そういう現象であるということも考えられないわけではないわけであります。異党派投票ではなおさらそういうことがはっきり出てくるわけでありますが、この辺が社公案では考え方として非常にあいまいだなという感じがしてなりません。  こういうことも考えますと、候補者名と政党名を一緒にした一票制がより合理的ではないかなという感じもするわけでありますが、また、かつて海部内閣で出ましたあの並立制を考えますと、今私が申し上げましたような疑問は解消するわけであります。その辺のことにつきましてどういうお考えをお持ちなのか、承っておきたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 まず基本的に、選挙というのは選挙人、有権者が共同行為として当選人を、特定の人を最終的には選び出す行為だ、こういうふうに定義づけられるかと思うのです。そこで、社公案では、まず政党名記載によって政党の議席配分を決める、そしてその上で、今度は人名記載によって各政党に配分された枠内での特定の当選人を選出する、こういう基本的な仕組みになっているわけであります。  そこで、政党名記載と人名記載と合わせて一本、合わせて一つの投票行動といいますか最終的に人を選び出す行動だという意味では、両記載が合わせて一票分の投票権の行使というふうに評価されるわけであります。そのように理解すべきだろうと思うわけです。  これを前提にいたしますと、無所属の候補者を人名のところに書いて、しかも、その方が当選を果たしてしまったという場合には、これは政党に対する議席配分の枠の外で、枠外で、それのみによって特定の人を選出するという行為として完結してしまうわけです。したがって、この人名投票、人名記載のみで一票としてのいわば価値を全部表現してしまった、その上さらに党名記載までもカウントすれば、これは二重カウント、ダブルカウントになってしまう、かえって不公平になる、こういう考え方から、無所属の方が当選した場合には、その同じ札の中の党名投票についてはカウントしない、その方がより合理的であり公平である、こういう考え方をとったわけでございます。  実際的には、先ほど委員の方から御指摘ありましたとおり、当選確実な方を意図的に無所属で立候補させるというような、比例配分の原則を壊すような戦術を排除するという実際的理由も率直に言ってあるということは申し上げておきたいと思います。

渡瀬憲明自由民主党

○渡瀬委員 今の論理は政党側の論理でありまして、国民側に立ちますと、おれは社会党に投票したんだ、しかしそれがだめになるということはけしからぬという議論は確かに出てくると思うのですよね。だから、この問題も、一刀両断ではなくて、ひとつ御検討をお願いします。二票制の持つ矛盾といいますか、あいまいさといいますか、非常にそれはあると思いますから、それの改善方法について、しっかりひとつ詰めの段階で議論していただきたいと思うわけであります。  それから三番目の問題は、超過議席の問題であります。  なぜ超過議席がいけないのか。これは何かその辺の議論、詰めた議論がないままに超過議席がいけませんというわけで素通りしているような感じがいたしますが、超過議席がなぜいけないのか、どういうふうに考えておられるのか、御意見を承りたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 御指摘のとおり、超過議席は基本的には好ましいことではないと考えております。  一つには、極めて実際的な理由でございまして、総定数五百のところに超過議席がたくさん出てくるということになりますと、予算の面から、あるいは議席をどうするか、議員会館をどうするかというような意味でいろいろな不安定要因となる、もうこれはすぐ御理解いただけることだろうと思います。  それともう一つは、超過議席が生じますと、その分だけ比例配分の原則からゆがみが生ずるわけですね。総議席数がふえれば分母がふえるわけですから、得票率と議席の配分との間に若干のゆがみが生じてしまう。超過議席を生じた、超過議席といいますか過剰議席といいますか、比例配分議席よりも多くの小選挙区当選者を出した政党は得票率よりも議席の数、比率が多くなってしまいますし、他の政党は分母が大きくなる分、得票率よりも議席配分が、比率が小さくなるという若干のゆがみが生じる、そういうことから、比例制の理想からすればどうしてもゆがみが生ずるという意味で、基本的には好ましいことではないだろう、かように考えているわけです。

渡瀬憲明自由民主党

○渡瀬委員 私は、超過議席がなぜいけないのかということをいろいろ考えてみますと、一つは、議席を例えば五百十二を五百に減らしてせっかく選挙法をつくってもそれが守られない、せっかく減らしても、超過議席がふえてしまって、行政改革という考え方からも、定数減の意味がなくなってしまうんじゃないか、そういう側面が一つ。  それからもう一つは、比例制は民意を正確に反映する制度だといいますけれども、それはそうですが、超過議席はそれを壊してしまう、今の御答弁にあったように。そういう自己矛盾があります。これは併用制では私は避けて通れない宿命ではなかろうかと思っておるわけでありまして、それを防ぐためには、先ほども言いましたドイツの例とか、そういう荒療治が実は必要なわけでありますが、日本ではそれはできません。比例制で少数意見を反映させるというのであれば、これもまた佐藤先生から怒られるかもしれませんが、この間の海部提案の並立制、これだともうぴしっとしておりますから、その方がいいんじゃないかなと思うわけであります。  試算した数字がありますから、ちょっと御参考までに申し上げながら御意見を聞きたいのでありますが、社公案では小選挙区が二百、比例で三百でありますが、これでも超過議席が出るという試算があります。その社公案を仮に比例、小選挙区とも二百五十、これは新聞でもちらちら、落ちつくところはという書き方でそういう数字が出ておりますから、あえて、比例の方は平成四年度の参議院選挙、それから小選挙区の方は平成二年度の衆議院選挙の数字で試算してみましたら、何と超過議席が四十も出る計算が出てまいりました。せっかく小選挙区をふやしても、そのふやした分がそのまま超過議席となって出てくるという驚くべき結果が実は出てきたわけでありますが、社公案、先ほどブロック制にした意味を御説明ありましたけれども、どうやらその辺は計算済みのような気がいたしております。超過議席の問題ではそのブロック案が実はぎりぎりであって、それ以上いじりようがない、そういうことだったのかなということを実は推論するわけでありますが、この超過議席の問題は、動かしようによっては大変な結果が出る心配がありますから、これもひとつお詰めになるときにしっかり御検討課題としてやっていただきたいと思います。  こういうふうに、社公案を見てまいりますと、ブロック制の問題あるいは二票制の問題、いろいろの不分明な、はっきりしない点が内包されております。特にこの小選挙区と比例の配分の二百、三百の問題は、今言いますように、動かせない案だということ、動かしたら大変な結果になるというシミュレーションがあるわけでありまして、非常に硬直化してしまっておるんじゃないかなという率直な社公案に対する感想を持っておりますが、その辺についての御感想をお聞かせいただければと思います。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 多岐にわたる御指摘があったわけですけれども、ブロック制では非常に小党乱立になるのではないかという御指摘が一つありました。  私どもは、比例制の原則からいたしますと、たとえ比較的小さな党であっても、それが本当に国民の意見の一部を代表するものであれば、やはり議会の構成の一員として迎えるのが本来であろうという基本的なスタンスがまずございます。  そうはいっても、余りに乱立することもこれまた実際問題として好ましくないというようなことから勘案いたしますと、このブロック制というのは、余りに細かいものは先ほど申し上げたとおりで排除されますし、そして比較的小さなものもすくい取っていくという、ちょうど妥当なところかなという感じを実は持っているわけでございます。  小党乱立といいますけれども、いわゆるシングル・イシュー・パーティーでしょうかね、そういう一つの政策を掲げている政党が議会に足がかりを得て進出して、そしてそれが、既存の大政党にそのシングルイシューが吸収されていくというようなことがドイツなどでも実際に経験をしているところでございます。他方、また我が国の参議院の経験などでは、シングルイシューというよりか、主として個人の人気に頼ったような比較的小さな党が進出してくるという事態もあったわけでございますけれども、これは全国一本ならそういうことはあるんでしょうが、ブロック制の場合に、そういう比較的個人の人気に頼った党というのが各ブロックでそれぞれ議席を得ていくということは、実際問題としては余りないんじゃないかなというふうにも考えるわけでございます。  それから、二票制という表現がございましたが、我々は一票のうちに二つの記載があるというふうに理解しているわけですが、これと委員のおっしゃる一票制との違いは、実質的には異党派投票を認めるかどうかという違いに尽きるだろうと思うのですけれども、これについてはいろんな考え方があろうかと思います。  御指摘のとおり、異党派投票というのは、客観的に評価すれば余り合理的な投票態度とは思えないわけでございますし、ドイツなどの経験でも、九〇%を超える、九十数%までは異党派でない、政党名と個人名が同じ政党に所属する人になっているという実績があるわけでございます。我が国の場合に必ずしも皆さんがそういう合理的な思考をするかどうかということはやや疑問があるわけでございますけれども、しかし、やはり有権者の選択の幅をなるべく広く認めようという観点から、この異党派投票も認めていこう、こういう一つの政策的な決断をさせていただいたわけでございます。  超過議席については先ほどお話ししたとおりでございまして、基本的に好ましいことだとは考えておりませんので、したがって、小選挙区の数を余りにふやすと超過議席が非常にふえる。冗談でなく、本会議場に補助いすをつくらなければならないなどという事態は、これはやはり避けるべきではないだろうかというふうに考えております。  この超過議席の問題、それから無所属当選者の処遇の問題等々、比例の原則からすればやや例外にならざるを得ない部分がこの併用制にあることは御指摘のとおりでございますが、しかし、これはあくまでも例外的な事象でございまして、このことをもって併用制のよい点が損なわれることはない、基本的には併用制の顔が見える、しかも比例選挙という極めてすぐれた特性が十分に発揮できるものである、こう考えております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 委員のお許しをいただきまして、私から一言お答えさせていただきたいと存じます。  さすがに多年にわたる御研さんの跡、御研究の深さというものが示されたたくさんのヒントを述べられ、敬意を表したいと存じます。私どももまさにこの案をつくるに当たって長い間苦労した部分について、ほとんど全部お触れになりました。  まず、小党分立の歯どめというものについて率直に申されました。  小党分立の問題につきましては、私どもは、日本の政治意識というものが成熟してくるというのに従って小党分立は少なくなるというような甘い考え方ではできないなということから始めないといけないという認識を持っているわけでございます。したがいまして、ブロック制のやり方というものが小党分立の歯どめになるとひどく大きく期待された時期があるわけでございますが、それだけでは決してできるものじゃない。例えば鳥取県と島根県を同じブロックに入れる、それがいいのかどうか、岡山県と入れた方がいいのか、広島県と入れた方がいいのかというふうに、ブロックの成立をしようと思いますと、我が国におきましては、現在執行されている都道府県制というものを道州制に、あるいはもっと大きな広域行政体制に変革しようという議論とまさに絡んでくるわけであります。その方もまだ議論の決着がついてない段階でブロック制というのをしきますと、明らかにその議論の結果を先取りする格好になるな、ここがまさにつらいところでございます。ある程度のブロック単位にする、そして今までのような都道府県単位じゃやり切れない、広域行政がいいというやんわりした合意はありますけれども、そちらへ向かっての合意がないという段階でこの案を出しますと、そのブロック制の成り立ち方、ブロックの切り方、それについて多くの議論が出てくるということは、率直に言って認めなければならないと存じます。  したがって、こうした方は同時に広域行政について、地方分権についての見解を一緒に進めていかなきゃならない。私どもは、したがいまして、この案を出す前後、自治大臣にもあるいは総理大臣にも、地方分権に対する強烈な前進をひとつしていただきたいということを何回も申し上げたわけでございますが、御答弁としてはそういう雰囲気になってまいりましたし、それから首都圏移転の問題と絡めましてそういう方向が出てまいりましたので、多少の出入りはありましても、このブロック制という方向に行くなというある程度の確信を持ち始めた。決して答えではありませんけれども、そういう方向があるのではないかなと今思い始めて、このブロック制のところに依拠しようとしているわけでございます。したがいまして、完璧な答えではございませんが、明らかに次の政治の先取りをしたというふうに御理解いただければ、何とかお許しをいただける点もあるのではないかな、こんなふうに思っているわけでございます。  それから、二票制についてでございます。  まさに一票制と二票制の問題について相当の議論がございまして、私どもが統一した考え方につきましては、一票二記載制という、それこそ憲法上の問題その他さんざん討議をいたしまして、辛うじてクリアしたというところに今論議を立てているわけでございます。後ろの方から、辛うじてクリアしたのは間違いであって、悠々クリアしたというふうに言えと叫んでおりますから、そういうふうに言い直してもよろしゅうございますが、最近連用制の議論の方でも、一票制なのか二票制なのか、やはり同じところでいろいろ御議論があるというふうに承っておりまして、私どもの意見と同じところでやはり苦労しておられるなと痛感しているわけでございます。  私どもは、この異党派投票、これはドイツあたりでは悠々と異党派投票というものを認めた上での実際の実行というものをやっているわけでございますが、私どもについては、その異党派投票をするということの文化的意義すら何か合意がまだできているようなできてないような雰囲気なのでございます。そして無所属の候補者について立候補できるように、国民の世論をなるべく吸収しようというこちらの善意があったわけでございますが、それを広げてみたところが、その無所属候補者が小選挙区制で当選してしまいますと、その方は一票であるにもかかわらず、今度は政党を指名することによってもっと多くの権利を持ってしまう、これはどう考えてもいかぬというので、無所属当選者の場合は一応こっちの政党の投票の方をオミットしてしまう、それで帳じりが合ったような感じがしておるわけでございます。  ところが、よく考えてみますと、バラエティーのある選択権を、一方の人には、こっちはバラエティーがあるが一方の方はバラエティーがないよという言い方のやり方をするということは、均衡性、均等性という意味で、均衡はとれていますが均等性を欠いておるな、こういう感じはまさに受けているわけでございまして、私たちも、それは心理的にはちょっとぎしぎししている感じを受けていることは、もう御指摘のとおりでございます。  また、無所属のダミー候補を出して何とかかんとかという作戦は、実は自民党の御提案者あるいは質問者の中に、そういう戦略をとって社会、公明両党が組んだらどうなるかという恐怖に駆られての御質問が何種類かあったのです。私どもは、まだどこと組むと何にも公明党は言っておりませんのに、最近ほかにもてておりまして、社会党からももてておりますのはもちろんのことでございますが、自民党各派からももてておるわけでございまして、こういう議論というものは、同じように、こういうダミー候補、しかも強力な候補を無所属におろしておいて、政党投票の方は別の形で取り上げていくというテクニックが実はどうしても生じてくる。それは連用制の方の御議論の中でも消化しなければならない御議論ではなかろうか、そんなことを思っておるわけでございます。  先生は並立制の御指摘をされましたが、並立制の議論の一部にはそれをクリアする方法があるのは私どもも理解しております。ただ、並立制によってしまいますと、単純小選挙区制をもう一つ悪い制度に道を開いてしまうなという心配もこちらはあるわけでございまして、この辺は十分議論さしていただけるとありがたいなと実は思っております。  それから、私どもの制度が、二百五十、二百五十に将来した場合には、超過議席が四十出るよという先生の御調査、御調査に敬意を表しますけれども、実際、具体論では、シミュレーションをもう少し詳しくいたしますと、そんなに出ないなという自信を持っております。途中で粗っぽい計算をいたしますと、確かにそういうどかんという数字が出て、大変なことになると思った時期もあるのでございますが、実はその計算式を現在の西ドイツに当てはめてみますと、実際には一ないし二ぐらいしか西ドイツで超過議席が出ない。その同じルールを考えてみますと、とてもそんな数字にはなり得ないのではないかなというふうには考えているわけでございます。  いずれにせよ、先生が大変たくさんの点についてまさにポイントをお示しいただきました。きょうは議論がそれほどたくさん、細かくお答えすることもできなかったと存じますけれども、こういうお話し合いをしてくださる態度の中に将来の合意が見出せる点がありとすれば、大変ありがたく感謝をいたしているところでありまして、さすが先生のふだんの御見識というのはこんなものかと、深く敬意を表するわけでございます。

渡瀬憲明自由民主党

○渡瀬委員 時間が参りましたけれども、最後の結びを言わせていただきます。  今渡部委員から悩みのことも率直にお打ち明けいただいて非常に感銘を受けたわけでありますが、これから詰める時点でひとつそういうところをきちんと、わかりやすい制度にしないと、国民はまたうんざりしてしまう。自分たちばっかしていいことをやっているんじゃないかという不信感が絶えないわけでありますから、その辺をきちんとひとつ詰めていただきたいと思います。  なお、きのうまで選挙区を走り回ってまいりまして、本当に国民の政治不信が頂点に達しておる、そういう実感をしみじみと持ってまいりました。いろんなここの議論ももうそのままテレビ、新聞等で報道されておりますが、政治資金の改正でも、あなたたちは入りのことばっかし議論して、出のことを何も議論しないじゃないかという批判がありました。この際冠婚葬祭も寄附もそれから供応なんかも一切やめて、政治家が自分で血を流すことぐらいひとつ法律で決めたらどうかという提言があったぐらいでありまして、国民は信用しておりません。そういうことをしみじみと感じたわけであります。どうせ今度も口先ばかりで、しないんだろうというような、冷めた目でおることも事実であります。  私は熊本の八代の出身でありますが、保守合同以来後援会をつくっておりません。みんな自民党一本でやっておりますので、党員も、十一万市民ですけれども、約七千名以上、四千円党員、一人の立てかえ党員もありません。全部党員が手分けして四千円ずつ集めております。もう二十年前に党から表彰を受けた立派な党支部でありますが、去年四千人に激減いたしました。回る人が恥ずかしいと言うのです。回って頼まれた人も、もうやめたという人が出てきております。ことしがどうなることかと思って、非常に心配しておりますが、とにかく現場の党員、非常に肩身の狭い思いをしていること、これは率直にこの場で申し上げておきたいと思うわけであります。  それからもう一つ、私は一期生の皆さん方のお世話を党から仰せつかっておりますが、せっかく志に燃えて、志を高く持って、意気盛んだった人たちが、近ごろでは相次ぐスキャンダルと、それから自分自身の金集めに追い回されて、何か屈辱感を感じておられる、そういう率直な感想も聞くわけであります。今度こそこの政治改革をきちんとしないと、そういうわけで、これは自民党のみならず、自民党は特に前のリクルートのことにかんがみて、この間の選挙では、今度はこういう具体的なことをやりますということを国民に約束して出てきておるわけでありますから、国民に対する公約。  昔、私どもは若いときに、信義という言葉を習いました。信とはおのれが事を踏み行い、義とはおのれが分を尽くすをいうなりということを朝晩唱えさせられたわけでありますが、まさに自民党は国民に対するそういう信義があるわけでありまして、これは社会党といえども決して例外ではないと思うわけであります。  今こそきちんとした政治改革をやって、そして、せっかく豊かで平和な日本を、ここまで来た、これをそのまま次の世代に私どもは引き継ぐ義務があると思うわけであります。そういう意味で、もう決意は再三聞かされておりますので、どうかきょうお見えの両党の責任者の皆さん方、そのお気持ちでひとつ必ず一致点を見出すように頑張っていただきますようにお願いをして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 河村建夫君。

河村建夫自由民主党

○河村委員 答弁席へお座りの委員の皆さん、大変御苦労さまでございます。  お聞きいたしますと、委員会始まってもうほとんど連続で、八日目になるわけでありますが、審議時間も五十時間に近づこうとしております。正確には今の渡瀬先生で四十六時間五十八分ぐらいになるんですか、何かそんなふうに聞いておるわけでありますが、既に六十名の方が質疑にお立ちになっていると聞いております。これは、消費税のときが八十時間で八十三人と聞いておりますし、それからPKO法案のときが七十七時間で百十二人、予算委員会になりますと九十八時間で大体六十人前後というふうに聞いておりますが、今から公聴会等を含めてさらに百時間に近づくんではないかと思います。大変な委員会になっておるわけであります。  それだけ国民の関心も高まっており、また、答弁席の委員の先生方も大変味のある、また本音の答弁を聞かしていただいておりまして、最近はこのディベート方式、国会も目が離せない、おもしろくなったという評価もあるわけであります。本来なら、国会がテレビを持っていて、このすべての論議が全部国民にわたるようにやってもらいたいと思っておるわけでありますが、時々テレビのある日、ない日、あるいはラジオのある日、ない日ということでありますから、こういうこともこれから国会改革、政治改革の中で考えていくテーマだと思っておるわけでありますが、いずれにいたしましても大変熱心な討議をいただいておるわけであります。  議論も相当煮詰まってきておるわけでありまして、きょうは社公案に対して主として、こういうことであります。選挙制度と政治資金を中心に、質問する側もかなり重複する面も出てきておるわけでありまして、できるだけ争点のはっきりしてないといいますか、そういうことに絞ってまいりたいと思いますが、場合によってはかなり細部にわたる質問も申し上げなきゃいかぬと思っておるわけであります。  ただ、今回のこの特別委員会、前回と大きく違うところは、自民党の単純小選挙区ということに対して、社公案といたしまして共同で小選挙区比例代表併用制、いわゆる比例代表制ではなくて、しかも中選挙区に後戻りしないんだという覚悟の上で、いわゆる小選挙区を含めた形でこの提案をお出しになったということ、これはもう大変画期的なことでありまして、この共同提案をなさったということに対して私は心から敬意を表したい、こう思うわけであります。  まさに与党が、塩川議員のこれまでの答弁等の中にもありましたように、政権交代を視野に入れた緊張ある政治システムをつくっていくんだ、こういうことでありますから、ちまたでは、両案は水と油である、こういう論評もありますけれども、私は決してそんなものではないというふうに思っておるわけでありまして、これからさらに論議を深めていく中でぜひ妥結点を見出していかなきゃいけないと思っておるわけであります。  そこで、お出しになった社公案の併用制については、今渡瀬議員からもいろいろな御指摘もあったし、私もいろいろな疑問点を抱いておるわけであります。しかし、両党がいろいろな討議をお重ねになって、これをお出しになった。これの成案については、いろいろな討議の中で、これからの日本の政治を変えていくんだといういろいろな夢をお持ちの上でこういう格好になったんだと思うわけでありまして、ぜひひとつこの際、この新しいお出しになった制度、これに対してどんな夢を抱いておられるのか、これからの日本の政治はどういうふうに変わっていくのか、グランドデザインをひとつまず語っていただきたい。  いわゆる国民の厳しい批判に対して、信頼は取り戻せるのかあるいは、社会党、公明党でお出しになったわけでありますが、我がみずからの党はどういうふうに変えていこうとされるのか、そういうことについてまずお聞きをいたしたいと思うわけであります。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 河村委員の今の御指摘というのは、非常に重要な視点を含んでいる問題だと私は思うのです。  今まで中選挙区制で来て、たびたびここでも言われておりますように、自民党さんの得票率と議席率にはかなり乖離がある、そして長いこと政権を持ってこられたということがございまして、ここで極めて国民の皆さんの意識と整合性を持ったといいましょうか、国民の意識そのものに出てくる比例代表を基本とするものに変えてくれば、その得票率と議席率のギャップというのはなくなってくるということで、自民党さんも恐らく過半数を割るようなことになるでしょう。  そこから新しいいわば政治が始まる。国民の皆さん方も、自分たちの一票がどう政治に生きていくのかという生き生きとした投票行動が始まってくるというふうに思いますので、そういった意味では、この新しい制度が導入されれば、国民の政治意識というのは、大変投票率が下がっておるのが今問題になっておるわけでありますが、もう一度本当に政治というものに目を向け変えてくれるのじゃないだろうか。  そして新たに、皆さん方はお嫌かもしれませんけれども、単独政権から連立政権へという時代に移っていく中において、だんだん二大政党化であります、化、二大政党化していくという中に国民の皆さん方が政権交代ということをさらにしゃすい、そういうことになっていくと思うわけでございます。  そのために社会党自身がどう変わらなければならないかということでございますけれども、連立政権が主体になってくるわけでありますから、当然のこと、政治に対するより一層の責任というものを当然考えていかなきゃなりませんし、いわば政党同士の政策の争いになってくるわけでありますので、私たち自身もなるべくそういうことのないように今日までしてきましたが、いわば要求型の政策提示から、整合性を持ったものにより一層近づけていくということも私たち迫られるわけでありまして、そういった意味では政党の成長ということが当然期待されるわけであります。  あわせまして、先ほど前の方も御質問がございましたけれども、私たちは一緒に連立政権のパートナーとなってくれる方と三百人近い候補者を立てる、小選挙区は二百人を立て、比例代表は百人を立て、政権を担おうということでございますから、やはり議論がありましたように、より国民政党的に我々自身もなっていくというふうに思っております。  そういった中で、三番目、国民の意識はどう変わっていくのかということでございますけれども、いわば、そういった二大政党化あるいは二つの政党を核とした中に政権が変わるんだということで、国民の皆さん方の意識も、冒頭申し上げましたけれども、かなりシビアな目と同時に、期待感を持った、政治に対する希望というものが、かなり国民の中で意識が変わっていくんじゃないかということを期待しておりますし、そのもとでは腐敗は当然のことながら許されない。個人の腐敗がもしあった場合には、それはそのまま政党の腐敗としてとらえられて、政党の得票率ががくんと下がる、こういうことになっていくというふうに私たちは思っております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 河村委員にお答えいたします。  この小選挙区比例代表併用制選挙の導入により中選挙区制時代とどう変わるかという御質問をいただいて、何というか、明るいバラ色の未来を考えるような感じがいたしまして、実はショックを受けておるわけであります。  というのは、この数週間にわたって国会で長い論議をしてまいりました。そろそろデッドロックに乗り上げるほど意見は対立をいたしておるわけでございます。一方では、その中で何か合意を得たいというふうにお互いに頑張っているわけでございまして、その先どんなに道が開くかと言われると、急に何か力こぶが抜けたような感じがするわけでございます。  私どもといたしましては、今回選挙法が改正になり、そしてまた政治資金の問題について大きな見通しが私どもの述べるように開きますならば、日本の政治はがらりと清潔な雰囲気を取り戻すだろうと思います。そして、特に私が申し上げておきたいことは、国民の期待がもう物すごいこと集まるだろうと思います。集まった次の瞬間に、余りうまく変わらなかったよという非難もまた同時に発生するだろうと私はちゃんと思っております。  ここのところで、私は特に大事なことは、自民党単独政権というものは、これはちょっと無理な段階を迎えざるを得ないなと存じます。そうしますと、政権交代しそうだという雰囲気があるだけで、国会議員の態度や、あるいは官界の態度や、あるいは財界の態度はがらがらがらと変わりまして、汚いやみ献金のようなものは、その次どういうことを言われるかわからないので急に減少するだろうと思います。  それから、国民の若い層が、政治に対して批判をしていて、そして絶望感を抱いていた方々が、政治は何か明るいものが生まれそうだというので、立派な青年たちが続々と政界へ、官界へ、また新しい意味で財界へと進出してくると思います。また、今まであきらめられてきたたくさんの政治的対立の諸問題について、あの政治改革特別委員会でも議論したのだから、これも勇敢に議論しようという雰囲気が国会の中に満ちてまいりまして、国会の議場の雰囲気は討論中心の議院というところに大きく変化してくるのではないかと存じます。  そして、これは日本の新しい民主主義の誕生として歴史に残る日になるだろうと私は思っております。そして、ここのところには、恐らくそれをなし遂げられた諸氏の名前が銅像か何かの台座か何かになって刻まれるのではなかろうかとまで私は思っているわけであります。これは絶対にひとつやり遂げなければならない。  ここのところで、逆に私が今もう本当に心配いたしておりますのは、それをみんながやらないで、しくじっちゃって、後戻りして、もとのままになって、また同じ腐敗を生ずるというところになったら、国会は恐らく国民のひどい怒りの中に、それこそバーバリズムの中に投げ込まれるだろうと私は思います。そしてそれは、私、国会の自殺であると同時に民主主義の自殺だろうと思います。  ただ、どこの党にもあることではございますが、理解の薄い人々というのがあるものでございまして、まさにこの委員会における我々は、同じ立場で危機感を共有していることだけは確かでございますから、何とか皆様の御努力によりまして、各党各派ともに説得していただき、何とかここのところではひとつまとめていただかなければならぬ、それだけはぜひともお願いしたい。私はもう心からお願いしたい。特に河村委員のように俊秀の、それこそよくわかっておられる方々におかれましては、どうか頑張っていただきますように特にお願いいたしまして、御返事をさせていただきます。

河村建夫自由民主党

○河村委員 生き生きと御答弁をいただいて、もうこれで結論ができて、もうこれでおしまいにしてもいいような話になってしまうわけでありますが、ただ、お聞きいたしておりますと、確かに社公案サイドだけでいくとそういうお話になるだろう、こう思うわけでありますが、ただ、じゃあ今そういうことで国民の関心がかなり高まってきておるが、いや今度はそういうことでうまくいくんだ、野党側の支持率もぐっと上がっておる、自民党も上がってきたかというと、必ずしもそうでない現状が今あるわけでありまして、これはもう、国民側もやや白けの中で、果たしてやり切るだろうかというところに差しかかっておるんだと思うわけでありまして、この点につきましてまた最後にもう一度お聞きをしたい、こう思っておるわけであります。  ただ私は、今までの議論をずっと通して、このままでいくならば、これはもう両者平行線のままだなという思いも一方ではしておるわけでありまして、それをどこかで妥結点を見つけていくための論議をしなければいかぬというわけでありますが、今のお話だけ聞いておりますと、併用案というのは、すべてこれはもう最高なんだということになるかと思います。ただ、いろいろ詰めていくと、先ほどの議論の中にもあるいろいろな疑問点、また、みずからも感じておられるような疑問点もあるわけでありまして、こういう点をただしていく必要がどうしてもあるんではないか、あるいは資金運営等についても、私の方でも、どうしてもただしておかなければいけない点もあるわけであります。  今の併用制というのは、一般的に聞いても、非常にわかりにくい。国民サイドから見ても、私どもも地元へ帰って後援会へ向かっても、なかなか一口で説明できない。また、わかってもらえない制度でありまして、中選挙区制が制度疲労しているところまではわかるわけでありますが、それから先になりますと、小選挙区は非常に説明がしやすいし、もう今現に、県下、全国の市町村長選挙、知事選挙、皆やっているわけでありますから、この点が非常にわかりにくいし、何で、これまで中選挙区は日本だけなんだ、こういうことで来て、これは制度疲労したんだ、今併用制というのは、聞くとドイツだけではないか、ドイツだけやっているようなやつをまた日本がやるのか、日本はドイツが好きだということで共鳴も得られるかもしれないけれどもということを言う人もおるぐらいであります。  しかし、このお話をずっと続けていきますと、これはもう平行線になっちゃうわけでありますが、私は、自民党側から出した単純小選挙区というものを、ややもすると、これだと全部自民党が勝っちゃうんだというような話をされるわけでありますけれども、もちろん三〇%で九〇%になるんだとかいうような話をされるわけでありますが、この辺については国民の方も余りすとんと落ちてない。  私のことを言ってあれなんですが、小学生五年の子供が、お父さん、小選挙区制になるの、こういう話でありますから、その方向に向かっているんだけれども、社会党、公明党でいうとこれ問題あるんだと言うんだけれども、という話をしますと、何で小選挙区だったら社会党、公明党は、特に社会党でありますが、負けるんですかということになるんです。社会党が勝てばいいじゃないの、こういうふうな話になってくるわけでありまして、まだ国民サイドから考えても、皆さんがお出しになった案というのはすとんと胸に落ちてない点がある。その辺がまだ、社公案いいぞ、やれという声に、私は、支持率等を見ても、なってきていないんではないかという思いがするわけであります。  そこで、本制度の諸問題についてでありますが、先ほどブロック制については渡瀬委員の方から詳細に御指摘がありました。特に、地域を十二ブロックにお限りになったという点がちょっと党利党略面が、特に地域の区割り方について非常に疑問点を抱いておりますが、きょうは先ほどの渡瀬委員の方でかなり突っ込んだお話されましたから、私は、非常に地域制、完結してないブロックを無理やりくっつけてそのバランスをおとりになった党利党略のにおいもするわけでありますし、問題を非常に感じておるわけでありますが、これは問題の指摘にとどめて、先ほどかなり論議が出ました二票制の問題について、もうちょっと確認をいたしたいと思うわけであります。  先ほど、一票二記載の問題、渡部先生正直に、いろいろあったんだ、辛うじてクリアしたんだというお話でありました。これは党内論議、いわゆる両者の間の辛うじてだったのか、憲法論議的なものの辛うじてであったのかという問題だと思うのでありますが、ちょっと先ほどの小澤先生の御説明でこの意図するところは理解をしたつもりでありますが、法制局の見解を改めてここで、ちょっとこの問題についてお聞きしたいと思います。     〔委員長退席、北川(正)委員長代理着席〕

臼井貞夫衆議院法制局第一部副部長

○臼井法制局参事 お答えいたします。  ただいま提出者であられる小澤先生や渡部先生の方から適切な御説明があったと思っておりますけれども、社会党、公明党両党共同提出案におきましては、一票二記載という構成をとっておられて、第一欄の記載は政党名、第二欄の記載は候補者名ということになっております。そして、第一欄の記載の意味は、政党にこれだけの議席を獲得さしたいという意義を持つものであり、第二欄の記載は、政党が獲得した議席の中にこの人を優先的に議席を入れてください、こういうふうな意義を持つものだろう、こう思っておりまして、今のような説明だと、第二欄の記載に政党所属の候補者を書いた場合に極めて有効にその意義が発揮されるものであり、二記載を合わせて一票、そのような役割を果たすものだと思っております。  一方、第二欄に無所属等の候補者の記載をされて、その者が当選しますと、それで一議席獲得、こういうことでございますので、一票が第二欄の記載だけで十分の効果を発揮してしまう。そうした場合に、第一欄の記載というのは、さらにその記載を認めることによって、なぜ一票の価値が既に発揮されたものに第一欄の記載、政党への議席を獲得する効果まで認めるのか、このような疑問が生じますために、無所属等候補者の当選に寄与した票におきましては第一欄の記載をキャンセルする、こういうことをされたのだと思っておりまして、私どもといたしましては、一票の実質的価値の平等を図るために必要な措置と考え、適切なものと判断した次第でございます。

河村建夫自由民主党

○河村委員 今の御説明で、なかなか十分わからないと思うのですね。私もちょっとわからない面がありますが、先ほどの小澤委員の説明をあわせて考えますに、一票の中の第一記載は、党の枠をまずこれでつくるのだ、まず党を示してくださいということだろうと思うのですね。そして第二記載で、それでは私をぜひお願いしたいのだ、こういうことである。さっき小澤委員の方も、この二つで完結するのだ、こうおっしゃったわけであります。  それなら、私は一票一記載でいくべきだと思うのですね。でないと、これはどう考えてみても、おかしいわけでありまして、ここに若干無理があるので、特に、クロスボーティングを認めているということになりますと、無所属候補が当選した場合、あるいは無投票も含むかもわかりませんが、無所属候補が第一番になったということになりますと、恐らくそこの小選挙区で何十万という票を得て当選してくるわけであります。その部分が全部だめになってしまうということ、これは非常に国民サイドからしてもおかしいし、よく死票、死票と言われるけれども、まさにこの比例部分は死票になってしまうのだ。これはもうネグってしまうという考え方になってしまう。  それからまた、もっと卑近な例を申し上げますと、過剰議席をとるような政党サイドから考えますと、これは今の社公案でいきますと、比例部分についてはまず議席はほとんど望めない状況になりますから、比例部分に対するいわゆる選挙運動といいますか、これはやりようがないわけでありまして、その辺も非常に問題点があるのではないか、私はこのように感じておるわけでありますが、この辺についてどういうふうにお考えですか。

北側一雄公明党・国民会議

○北側議員 もう委員既に御理解いただいておるかと思うのですが、無所属の候補者が当選した場合に、その当選した票の第一記載の話なんですね、無効になるのは、キャンセルされるのは。ほかの落選した政党候補者の第一記載については、政党欄の記載は有効なんですよ。これが大前提ですよ。その点をまず御理解いただきたいと思うのです。ですから、当然その選挙区においても政党の選挙区活動は必要だし、しなければいけないわけでございます。

河村建夫自由民主党

○河村委員 今無所属候補のことを申し上げておるわけでありまして、無所属候補が当選した場合の第一記載欄はすべて無効になるわけでしょう。

北側一雄公明党・国民会議

○北側議員 投票用紙が第一欄、第二欄と分かれています。第一欄が政党名記載、第二欄が候補者名記載ですね、小選挙区の。第二欄の、無所属候補者が立候補しておって、無所属候補者に投票して、なおかつ当選した場合の話なんですよ。当選した場合に、その当選票に、その無所属候補者の名前を記載した得票について第一欄の政党名はキャンセルをされますよという話なんですね。そのときに、無所属候補者以外に政党候補者が出ていて、政党候補者が落選をしていたならば、その場合の第一欄目の政党名記載は有効なんです。ですから、当然その選挙区においては政党の選挙区活動も必要だし、それは有効になるわけですから。  なぜ無所属当選者の当選名を書いた投票用紙の第一欄記載が無効になるかといいますと、それは政党間の争いの土俵外で当選している性質の票なわけですから、その人に投票した有権者の方は、既に比例代表の枠外で無所属候補者を書いて当選したわけですから、それは一票が行使し尽くされているということでございます。

河村建夫自由民主党

○河村委員 確かに説明はそういうことだというふうに思います。しかし、先ほど説明がありましたように、この一票二記載というものは、まず政党の枠を選んでください、そしてその中に入れてくださいということで完結するのだという答弁がさっきあったわけでありますから、その観点からいきますと、クロスボーティングを認めることそのものが非常に問題があるし、今のキャンセルするということも、これはもう憲法上の疑義というものは免れぬと思いますが、それ以上に、二票で完結するのだという考え方ならば、これは一票一記載の形をとって、投票するときは、社会党、一票一記載でいくべきであって、無所属候補は無所属何兵衛、だれだれ、こういう形でいけるわけでありますから、私は、これについて検討をされる用意があるのかどうか、お伺いをしたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 無所属候補が当選した場合になぜ政党名の方がキャンセルされるかについては、既に説明があったとおりでございますが、先ほど私が言いましたように、これまでカウントいたしますとダブルカウントになってしまってかえって不平等になる、それは先ほど説明したわけでございますけれども、したがって、死票という言葉を使われましたが、むしろ生かせばダブルカウントになるというふうにぜひ御理解いただきたいと思います。  その上で、今の御質問は、一票制の方が直截ではないかという御質問でございました。この一票二記載とそれから一票一記載、政党名を書いても個人名を書いてもどちらも政党名とカウントして比例配分に使うという考え方、これは実は民社党の案がそのようなものと私は理解しておりますけれども、これはこれで一つの考え方だろうと思います。  細かい理屈はともかくとして、どこが実質違うかというと、委員御指摘のとおり、クロスボーティングを認めるか認めないか、このことに尽きるわけです。確かに、先ほども申し上げたとおり、政党名の記載と、そこに所属しない個人を記載するということは、客観的に見れば必ずしも合理的な投票態度とは言えないと思います。したがって、一票制といいますか、一票一記載にするという政策的な選択も十分あり得ると思います。  ただ、私どもとしては、有権者の選択の幅をなるべく広くとろう、たとえ第三者から見れば必ずしも合理的でないと批判されるものであっても、御本人が、私はこの政党に投票したい、しかし自分の所属する小選挙区ではぜひこの立派な人を当選させたい、こういう率直な心情といいますか、これはこれでそのまま酌み取るのがやはり民主主義の一つのあり方かな、かように判断したわけでございます。  御批判はあろうかと思いますけれども、私どもとしてはこのように判断したということでございまして、御堂所属の方々が併用制に乗っていただいた上でいろいろ御批判いただくのであれば、これはこれでお互いに検討して詰めていけばよろしいことではないだろうか、かように考える次第でございます。

河村建夫自由民主党

○河村委員 これは、今は討論でありますから、ただ、今小澤委員言われたように、この案に乗ってくれれば、こういう話でありますが、それはちょっと話の順序がおかしいと思うわけでありますけれども、しかしこの点に非常に問題があるのだということをお認めになっておるということで、さらにひとつ検討をすべき問題だと私は思うわけでありますし、これからいろいろな妥結点を見出していく上で一つのポイントになっていく問題だと私は思いますので、今の姿勢でひとつ今後臨んでいただきたい、このように考えます。  それから、今までの議論の中でまだクリアされてないといいますか、まだ疑義の残っている問題は、政治資金の問題だと思うのであります。  今この論議の中で、いわゆる企業・団体献金の禁止の問題、これが社公案の一つの大きなポイントで、自民党案との一つの大きな争点になっていることは私も率直に認めるわけでありますが、ただ、この制度でいきますと、野党案でいきますと、これからは個人献金だ、こういうことになっていくわけであります。これまで労働組合、特に団体の禁止の中には労働組合が入っておると思うわけでありますが、労働組合から、特に社会党だと思いますが、社会党側にどのくらいの献金が今までされておったのか、数字をお持ちならお示しをいただきたいと思います。  それから、組合が献金をしないということになれば、今度は組合費の中からいわゆる個人の部分について上乗せをして出すとか、あるいはボランティアに対して組合から手当を出すとかいうような話を聞いておるわけでありますが、そういうふうなことがあり得るのではないかと思いますけれども、その点についてはどうお考えでありましょうか。  それから、個人献金制度。私は、これはこれからの一つの流れだ、こうは思いますけれども、現実に、これまでの経過からいいますと、大体一万人に対して二人もいっていないという数字が出ておるわけでありまして、非常に、まだ個人献金という考え方が国民の間に出ておりません。これについては、では、今後個人献金をふやすのだという方法についてはどういう手だてをお考えになっておるか、お聞かせをいただきたいと思うわけであります。  私は、申し上げておかなければいけませんのは、企業献金をなぜ認めるかという話があるわけでありますけれども、野党案でいきますと、あとは個人献金、そして国からの助成ということになっていくだろうと思いますが、そうなりますと、私自身の考え方では、このままいくと、すべて最終的には国の助成におんぶしてやらなければいけないということになってくる危険が私は非常に多いと思うわけであります。  今まで我々討議してきた中では、これから我々が政治活動を続けていく上においては国の助成も当然必要だ、大体三分の一ぐらいでどうだろう。それから、政党がクリーンなお金を集めて、そして三分の一ぐらい見ていく。そして、三分の一はみずからの、いわゆる個人献金等を充てながらやっていく。それが一つのこれからの政治活動をやっていく上の考え方ではないかということで、企業献金についても枠を持っておく。これは、党の運営あるいは個人の政治活動を担保するということからも必要であるというふうに考えてきたわけであります。  そういうことを考えますと、今の企業献金すべて禁止という考え方は、すべて国におんぶにだっこということで、今の場合でいけば非常に危険性がある、こう思うわけでありますが、それも含めて御答弁をいただきたいと思います。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 まず、労働組合から社会党に対する献金の問題でありますが、日常の政治活動資金に関して労働組合が党中央に対して献金をするということはないそうであります。選挙に際して献金をすることがありますが、前選対委員長の佐藤副委員長の話によれば、一選挙五ないし六億だったと記憶されているということであります。  それから、労働組合の献金、団体献金は、我々社公案では一切これを禁止をするという措置に出ております。では、それにかえて労働組合員個々人が献金するのはどうかというお話ですが、それはもうまさに、個人献金の範疇であるならば、当然それは奨励されるべき話であります。それは逆に企業献金の禁止の場合でも同じことでして、企業を構成する個人個人が個人の意思で献金をするということであるならば、それはいわゆる個人献金中心の方向に変わっていく、こうなるわけであります。  ただし、我が党案では、企業・団体献金を禁止し、そういう企業、団体が関与をして寄附集めをするというようなことまで親切丁寧に、実際上の脱法行為を防ぐために、それも禁止するという措置に出ておる、こういう考え方をとっております。  それから、あと個人献金の今後の趨勢でありますが、確かにおっしゃるように、現在のところ個人献金をするという政治的風土というのはまだ弱いと思いますが、やはりそれは今後、企業・団体献金を禁止して個人献金中心にするのだという政治風土をお互いにつくり上げていくという姿勢が必要なんじゃないのかなというふうに思っています。  実際、政府が組織する選挙制度審議会でも何回も、そういう企業・団体献金をやめて個人献金中心の政治システムをつくっていこうという提案を今までずっと日本でもやってきたわけでありまして、我々の判断では、今まさにそういう段階に達したという考え方を今とっております。

河村建夫自由民主党

○河村委員 個人献金について期待をされておるわけでありましょうが、これは私は、今の時期、その流れであることは私も認めますけれども、そう容易な問題ではないなという感じがしておるわけでありまして、これに対してどういう形でやっていくかということは真剣に考えていかなければいけない問題だと思いますので、そういう意味で、私は、今自民党が考えておるそういう形というものは、政治活動を続けていく上で必要であるというふうに思っておるわけであります。  それから、昨日鈴木委員から、御丁寧にパネルまでお出しをいただいて説明をいただきました。私も本当はああいう大きいパネルでも持ってきて説明すればいいのでありますが、時間的なあれもなくて口頭で申し上げますけれども、その中でもう一つ明確でなかった点は、いわゆる政党と公職の候補者の資金の流れの社公案の問題であります。  自民党の方は、既にあの時点で津島議員の方から説明をいたしましたように、すべて資金は資金調達団体が扱っておるわけでありまして、公職の候補者みずからがその資金を扱えないように明確にしてあるわけであります。ところが、社公案にいきますと、政党と公職の候補者の間、これが自由に流れるようになっておりまして、これは、例えば国の助成金も党に入っていくわけでありますから、そういうものがつかみ金でここへ入っていくということになりますと、非常に不明確な、不透明な、疑義を抱かざるを得ないわけでありますが、この点についてはどのようにお考えなのか、御説明いただきたいと思います。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 御指摘のとおり、公職の候補者に対して、社公案では企業・団体献金はもともと禁止していますから、個人献金もこれを認めないという立場をとっております。したがって、政治家個人としての政治資金というのは、自分の持っている資産もしくは政党から入ってくるお金、この二つによって自分個人の政治活動を支える、こういうことになっています。  そこで、今、政党から個人に入ってくる場合に、まず透明性、公開性の問題から言いますと、政党から個人にお金が出る場合に、その政党が報告をするようになっていますので、その点で、まず公開性は明らかであります。  したがって問題は、幾らのお金がその個人の候補者に入ったか、こういうことは明らかになるわけですが、受け取った個人の政治家がそのお金をどのように使ったかということについては、我々の案でも、そこまでの公開性を認めていない、法律上の義務は与えていないわけです。ただ、そこは政党活動の自由という観点で、どういう使い道をしたかというのは各政党の判断に任せたらいいだろうというのが我々の考え方です。  もう一つは、きのう、我が党の鈴木委員が自民党案に対して問題提起をしたのは、企業・団体献金が従来に比べて倍も枠を広げて政党に入っていく、皆さんの自民党案では。そうすると、かなり膨大なお金が自民党の中に、政党の中にたまるわけで、それがそういう政治家を通じていろいろな、いわゆる一種の脱法的な形で不明朗なお金がまた回るのではないかという発想があったと思うのです。  しかし私どもの案では、いわゆる企業・団体献金は一切禁止ということでありますから、そもそも入りのところがぎゅっと締まっているわけですね。したがって、政党活動の自由の範囲内で、あるいは自律の範囲内で、ここは処理をしていいのではないかというのが我々の判断です。

河村建夫自由民主党

○河村委員 きのう鈴木議員が御丁寧に間違った図面までお貸しをいただいたものですから、そこのところは明確になったと思うわけでありますが、しかし今のお話でいきますと、これは額の問題じゃなくて、特にこれからは政党助成金ということが入るわけでありますから、そこのところはやはり明確にしておきませんと、政治家が海外視察へ出かける場合とか、あるいは車を買う、秘書を雇う場合とか、そういう場合の扱いが非常に不透明になっていくと思うわけでありますが……。

北側一雄公明党・国民会議

○北側議員 委員御指摘の点は、まず自民党案でも、制度上そうなっているわけではないのですね。きのうの答弁でも、党内の規律としてそのように資金調達団体の方に回しますという御答弁だったのです。  こちらの側も、社公案もそれは全く同じなのです。社会党、公明党がそれぞれ党の規律として、党の規約として、政治家個人に入ったお金についてどう使われたかを、例えば政党が、ちゃんと政党の方に報告をしなさい、それを政党が公表するとか、また、場合によってはそういう政党交付金から流れる金についてはある政治団体を通して使いなさいとか、それは政党が自律的に決めるということでございまして、その点では自民党案も社公案も全く同様でございます。

河村建夫自由民主党

○河村委員 政党から直にということになりますと、私はそこの透明性は担保されていないのではないかという感じがいたしますので、これはやはり検討される必要があるのではないかというふうに思います。  時間もあとわずかになってまいりましたので、最後に、冒頭にいろいろなお話がございましたが、法案の成立に向けて与野党側努力をさらにいただかなければいかぬわけでありますが、私も、率直に申し上げて、国民の政治不信の状況というものは、昔からよく仏の顔も三度までというのですか、慈悲深い仏様は三度ぐらいは過ちをお許しになるだろうという話がありますが、とても今許していただける状況にないと思っておるわけであります。しかし、だからといって、世論は、すぐ政権交代だ、その受け皿があるということも言っていないわけでありまして、ここのところに大きな問題があると私は思うわけであります。まさに日本の民主主義といいますか議会制民主主義が問われておる、この危機だというふうに思うわけであります。  そこで、一番のポイントは、やはり社公案でお出しになった併用制、このところに非常に硬直性があるといいますか、二百、三百という形でお出しになった。実はきょう我が自民党におきましても、朝八時から九時半近くまで、選挙制度調査会あるいは政治改革推進本部の合同会議、二百人を上回る衆参国会議員が集まりまして、いろいろな意見交換をしたわけであります。  その中で今、我が党サイドのことをいえば、現職あるいは新人、天職を入れても、少なくとも三百六十人からの候補者を持っておるわけであります。野党のいわゆる社公案でいきますと、これは二百ということでありますから、これはもう半分。しかも、今の制度をそのまま流用すれば、考えていけば、比例部分についてはシミュレーションからいっても自民党はほとんど可能性が少ないのだ、こういうことでありますから、現実問題として半分以上の自民党の候補者たちは死んでくれ、こういう話になるわけであります。  これは議会制民主主義の危機の問題でありますから、党利党略だけの問題ではないにしても、少なくともこれまで、先ほどお話がありましたように、社会党側あるいは公明党側も、政権交代ということも考えながら来ておるのだが、努力不足もお認めになっておるわけであります。今度はみずからの、関取で言うなら、新しい土俵をつくるんだ、すべてこの中へ来て相撲をとろうではないか、こう言われても、今までのしこをしっかり踏んでいない者が急にそんなことを言っても、これは国民がそのとおりに受けてくれるかどうかということは非常に問題があると思うわけでありまして、そういう点から考えますと、どうしても歩み寄りというものが必要になってくる。今の二百、三百という考え方でいけば、これはまさに硬直した妥協のない考え方だというふうに私は感じておるわけであります。  そこで、社会党側もいろいろお考えになっておりまして、けさのニュースでは、今言われております連用制ですか、そういうことも視野に入れながら広く考えるべきだという赤松書記長のお話もあったようにも伺っておるわけでありますが、一方では、あくまでもこれでいくんだ、あくまでもというようなことで署名運動もあるような話も聞いておりますが、これからの法案成立に向けて、社会党の決意といいますかこれはどういうふうに、まさにこれまでの討議の中でも石井委員が言われましたように、もっと社会党は、野党は自信を持って制度について自民党側に突っ込んでくるぐらいの気概を持ってやれ、こう言われたわけでありますが、そういう気概を持ってこの法案の成立に向けて臨んでおられるかどうか。  あわせて公明党側にも申し上げたいわけでありますが、あのPKO法案のときには、いわゆる見識を持って、時の氏神になられたわけであります。まさに国民サイドに立った決断をいただかなければならぬ。たしか渡部先生は、さきの代表質問のときだったですか、政策の妥協ができない政党は政党でないと看破されておるわけでありまして、私はまさに名言だと思うわけでありますが、この決意で、これからの妥結点を見出す上において、このままお互いに平行線で行ったら、まさに自滅でありますから、その点についての決意をあわせてお聞かせいただきたいと思うわけであります。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 先ほどから超過議席のことにつきましていろいろと言われました。  私たちは、超過議席がないようにということも含めて五百議席のうちの二百、四割ということをこの制度では入れておるわけでありまして、それはなぜならば、自民党の支持率が保守合同以来、五〇%を切っておるからであります。したがって、そこをいじれということはあらかじめ自民党には優先的な議席を与えよということに制度的になるわけでありまして、今三百六十人候補者がいらっしゃるから三百六十人立てるような制度をということでは、私たちは、制度の新しいものはできてこないのではないかというふうに思います。  連用案ということが民間臨調から出、また連休明けに当委員会に参考人として来られるようになっておりますけれども、私たちといたしましても、国民の皆さん方のいろいろな考え方に謙虚に耳を傾けることにつきましては、何ら、私たちとしても謙虚な行動をとりたいと思っておるわけでございますけれども、何分とも自民党さんの方が、きのうも議論がありましたけれども、この単純小選挙区制というここからおりていただきませんと、私たちも形と意味は違うけれども二百の小選挙区というのは設けてあるわけでありますから、その中にひとつ入っていただく、ひとつ自民党さんの方も単純小選挙区制というものを絶対化しないという中に、初めて新しい展開があるものだと私たちは思っております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 お答えいたします。  私どもは、交渉のときのバーゲニングパワーとして、つまり交渉能力として自分の立場を殊さら厳しくするというケースがあるわけでございますが、自民党の提案者あるいは質疑者との討論の間で、私たちは、だんだんと単純小選挙区制純粋論者という方の御意見が減ってきたことを痛感しているわけであります。これは、自民党の議員がおのおの討議されているうちに見解を豊富なレベルにされたなという喜びを感じておるわけでございますが、いよいよ交渉する段になって、単純小選挙区制のところからスタートされて議論されたのでは、まとまるものもまとまらなくなるのではないかというのが心配の種なのであります。  したがって、私たちは、時の氏神としての公明党を、PKOの時点で、御指摘いただきましたのは私どもに対する褒め言葉として言ってくださったのだとは思いますが、いつの時代にも、交渉するときに実際的に動かすパワーがあるわけであります。確かに、PKOのときは私どもも一生懸命努力させていただきました。今回も精いっぱい頑張ってはいるわけでございますが、最終的な決断の力を私どもは持ち合わせておりません。  といいますのは、国会における第一党と第二党が厳然としてある中で、第三小政党である公明党が幾ら頑張ったって、頑張る力の出しょうがないわけであります。ですから、この際の最大の時の氏神はだれかと言えば、何といっても自民党さんなのであります。自民党さんが、この小選挙区比例代表併用制を持ち出して頑張っております社公両党の、これは善意であります、この善意に対して御理解をいただき、お認めをいただきまして、交渉の場におりてきていただかなければいけない。  今富士山の頂上みたいなところにおられまして、こちらが下で幾ら叫んでも、交渉の余地がない。ですから、下へおりてきていただく、人民のレベルに下がってきていただくと言いたいのであります。そういたしましたら、私たちはもう喜んで、それこそ山ほどいろいろな議論をさせていただきたい。その日が来る日をもう待ち望んでいるわけであります。その上で、ひとつ私どもは皆様方と同じテーブルに着いて、合意案をつくるために交渉しなければならない。  それは、明らかに当委員会における我々の限界を超えて、双方の党本部とか党のリーダーたちの、あるいは総理の指揮権というものが先ほどからしばしば論じられておりますが、そういう部分もあるわけでありますけれども、私たちも党の幹部に対してそれだけのことを言わなければならぬときが来ているのではないか。つまり、お互いの党に対して、本気でやる気があるかねというのは両方でもう探り合いをさんざんやったわけであります。お互いに、本気でやりますよという誓いの言葉は何十回も述べたわけであります。  問題は、各党首脳部なのであります。そこでひとつ、何とか委員の強力な政治力も向けていただけないかなと、私はもうこれはぜひお願いしたい。もちろん公明党の方は私が及ばずながら一生懸命いたしますし、共同提案者であります社会党に対しても、私はお話し合いをもういつもいつもいたしていることであることは付言させていただきたいと存じます。

河村建夫自由民主党

○河村委員 ありがとうございました。今のお話をお聞かせいただいておりますと、おのずから妥結点というものは出てくるのだという、私も確信を抱いたわけでありますが、我が党におきましても、けさのあれでも、いわゆる党首脳のリーダーシップにすべてかかってきているのだという意見であります。  私は最後に、社会党はやはり、これまでの、自民党からもエールがありましたように、勇気を持って、自信を持ってこの問題に取り組んでもらわなければいけませんし、また、参議院の状況から見ましても、公明党は政界再編のキャスチングボートを握れる立場にあるわけでありますから、今自民党だとおっしゃいましたが、私はむしろ公明党にも多いなる期待をしておるわけであります。  最後に、渡部先生に、これだけは申し上げてくれというメモが入っておりまして……

北川正恭自由民主党

○北川(正)委員長代理 簡単にお願いします。

河村建夫自由民主党

○河村委員 ワイズマン チェンジ ヒズ マインド、アンド フール ノット、君子豹変すという言葉だそうであります。  以上をもって終わりたいと思います。ありがとうございました。

北川正恭自由民主党

○北川(正)委員長代理 自見庄三郎君。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員 それでは、政治改革について質問をさせていただきたい、こう思うわけでございます。  今さっきからいろいろな論議があったわけでございます。小澤議員からも、必ずしも合理的な投票ではないというふうな大変正直な答弁もありましたし、選挙制度というのは、人間がつくるものですから、なかなか難しいところがあるというふうに私は勉強させていただいておるわけでございます。私もこの政治改革特別委員会の委員をさせていただきまして、各党各派の本当に真摯な論議を聞かしていただきまして、一つは哲学の違いが、新聞、マスコミには水と油だ、こういうふうな表現もあるわけでございますけれども、あるのではないかな。  それは、民主主義政治というのはまさに民意を鏡のように反映すべきだという一つの考えがあると思います。同時に、政治ですから、国家を統御していくといいますか、統治をしていくという分野も当然国の政治にあるわけでございますから、政治における統治と申しますか、統御と申しますか、そういった側面があるというふうに私は思うわけでございます。それがまさに自由民主党の案は、長い間先輩方の御努力で政権政党としてやらしていただいたわけでございますけれども、その中で国を、百八十一もほかに国家があるわけでございまして、いろいろ今までイデオロギーの違う国家もあったわけでございまして、そういった中でどう一億三千万人の国民の安全と平和を保障し、そしてその中でなりわいをつくって生活をしていくか、こういった大変統治の厳しさというのを私は先輩方の、あるいは我が党の案に感じたわけでございます。  しかしながら、政治における統治と民意の反映というのは、しばしば私は競合的な価値ではないかというふうな気がするわけでございまして、それをどのように妥協していくのか、あるいはどのように調和をさせていくのかということが、まさに各国各国で選挙制度というのはいろいろ違っていますけれども、その選挙制度というのはその国の置かれた歴史的な背景あるいは地政学的な背景、そういったものいろいろあると思いますよ。それから、どういった発展段階にあるのか、こういうふうに思うわけでございますけれども、しかし同時に、政治には今言いました原理原則というものがあるわけでございますから、そういった中で私は、社会党、公明党案に主として質問をさせていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。  今委員長の許可をいただきまして、「選挙法改正の急務」、実はお手元に差し上げたと思うのですが、私もいろいろ勉強をさせていただきまして、これは片山哲さんが書いておられるのです。加藤議員、片山哲さん御存じでございますか。     〔北川(正)委員長代理退席、委員長着席〕

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 もちろん我が党の初代の委員長でございます。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員 そうですね。初代の委員長でございまして、言うまでもなく、戦後の第一回の新憲法によりまして当時の社会党が第一党になりまして、内閣総理大臣になられた方でございまして、社会党の初代の委員長ということでございます。御存じのように、私もちょっと勉強させていただきましたけれども、昭和二十二年ですか、第一回の今の中選挙区に大選挙区から戻って選挙をやった後の第一党の党首ということですね。当時、民主党とあるいは国民協同党で組閣をされたわけでございます。まさにそういった時代に、恐縮でございますけれども、社会党の党首で内閣総理大臣を経験されたただ一人の人だ、こういうふうに私は思うわけでございますけれども、そのとおりでございますね。  そんな方が昭和二十九年に、これは「選挙」という雑誌でございまして、私も国会図書館に行きまして、その原本を持ってまいりました。これを読むと、実にしみじみ、我々とは党派は違いますけれども、戦後の混乱期を乗り切られた、社会主義者であった社会党の党首がこういう考えに落ちつかれたのかなというふうに、私、実は大変感慨深く読んだわけでございますから、ちょっと簡単にそのことを紹介させていただきたい、こう思うわけでございます。  もう多くは申しません。それを読んでいただければわかるわけでございますけれども、結論からいえば片山哲さんは「民主政治確立のために、私は進んで小選挙区制を主張するわけである。」なおかつ「小選挙区制の即時断行を主張する。」そしていろいろあるわけでございますけれども、小選挙区制になれば、費用がかからない、選挙区が狭い効能がある、候補者の人物、政見もよくわかる、一政党一公認主義、こういった話は今さっきからずっと委員会で出た話でございまして、中には「社会党はこの小選挙区制で右も左も別々に立候補し、お互に争うことはなく、争う相手は保守政党ということにしたいのである。政党の何れなるを問わず小選挙区制は内紛を解消するに、もってこいの区制である。」  なおかつ、この中にはっきりもう小選挙区制の、今さっきから出ております弊害も書いてあります。これ読んでみますと、地方的人物が出てくる、競争が激烈になる、あるいは新人が出られない、それから、今さっきから問題になっております代表せられざる多数票、死票と申しますか、死に票と申しますか、これがあるというわけでございます。  それで一番最後のところ、これは私本当に重たい言葉だと思うわけでございますが、「しかし全国民の総意を漏れなく反映せしめるが如きことは無理であって、やはり多数の意思の代表を、余り面倒な方法でなく、タン的に代表することで満足をすべきであると思う。これは理論闘争よりも、便益を中心に考えていゝ段階である。この意味で民主政治発展のために、簡潔な方法である小選挙区制をとることが必要なことゝ考える。」こういう文章に私はぶち当たったわけでございます。  まさに、今さっき私が最初に言いました、いろいろな哲学の違いがございますよ。まさにこの方は総理大臣をされたわけでございまして、なおかつ連立内閣でございましたから、石炭の国管法をめぐって大変内閣が紛争する。御存じのように、あの石炭の国管法ですね、自由主義経済か統制経済がという基本点の論争の違いがあったわけでございますけれども、当時連立内閣でございましたから、必ずしも首相のイニシアチブが発揮できなかった。そういった意味で、社会党の大臣も農林大臣を初めやめる、あるいは民主党の中も非常に内紛が起こる。  それでなおかつ、三木武夫さん、国民協同党のときですね。当時党首でございまして、この片山内閣の逓信大臣でございました。大臣に入っておられまして、私は三木武夫さんの近い方から聞いたんですけれども、絶対にもう連立内閣なんか、ひどい目に遭った、ああいうものは絶対組むべきじゃない、こういうふうに言っておられたということを漏れ聞いたことがあるわけでございますけれども、そういった中で、まさに社会党の初代の委員長として内閣総理大臣になられた方でして、そういった、まさに今さっきから加藤議員がまあ政権を目指してやりたいという話がありましたけれども、もう一番最初に新憲法発布のときは社会党が総理大臣だったわけでございますから、やはりこの言葉は私は極めて重たいものだというふうに思うわけでございます。  実際、政権を担当してみまして、少数、今さっきから、要するに小選挙区制であれば、よく御存じのように、議席の比率に関して、議席数がふえる、これは過剰代表制の問題だと思うわけでございますけれども、過剰代表という制度を保障していないと、やはり総理大臣になりましても議会の方から必ず賛成できないということが、やっぱりその悔しさがあったのかなとも思うわけでございますけれども、国をきちっと治めていく、そして国民の理解を得つつ、治めていく。しかし、もうこれは失敗すれば完全にまたひっくり返るわけでございますから、反対党に政権がかわるわけでございますから、その政権をとっている間は一応その人に、その党に任じてみよう、こういう制度というのは、御存じのように、イギリスにも非常に古くからある制度でございます。  ですから、そういった意味で私は聞きたいのは、ひとつ加藤議員に率直に、この片山哲さんという、我々の政治家の大先輩なんですね、私はこれ、大変感銘を受けたわけでございまして、このことにつきまして、今それは時代が変わっているとか、いろいろ言うことはいっぱいそれは言えると思いますけれども、ひとつ率直な加藤議員の、小選挙区制がいいんだと言っておるわけですから、言うなれば、――ごめんなさい、加藤先生じゃない、ちょっと興奮しまして、佐藤先生の、大変失礼いたしました、ちょっと申しわけございませんが、佐藤委員の、いずれ総理大臣になられる方だと私は思っていますから、ぜひこういった感想を聞かしていただきたいというふうに思うわけでございます。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 今自見委員の方から、片山哲さんの「小選挙区制を主張」という「選挙法改正の急務」、それから蝋山政道さんの「小選挙区制を断行すべし」というコピーをいただきまして、大変自見さんがいろいろな角度から研究されておることに敬意を表するわけでございますけれども、私が議会へ来て、昭和四十四年でございますが、その当時でも、あるいは先輩の方々からも小選挙区制の、過去そういった議論が党内的にはあった、あのとき小選挙区制にやっておけば政権はかわったのにということも私も耳に残っております。  ただ、制度というのは、言うまでもありませんけれども、いいところもあれば悪いところもあるわけで、今の時代に何が一番合うのかということが一番大事なんじゃないかと思うのです。  今、月刊の文芸春秋で、自民党の汚職史、ちょっと正確なあれは忘れましたが、汚職史というか派閥興亡史といいましょうか、それが出ておりますが、結局、読んでみますと、田中角栄首相以来、田中以後が結局これだけ金にまみれた政治になってきたということの出発点であった。金イコール力、力イコール議員の数、数イコール自民党の中で二重構造を持ってやっていこうという、こういうことが田中角栄以来始まったというのがあそこに出ておるわけでございます。  そういった意味で、制度でございますから、いろいろな角度からいえば、全くいい点がない制度なんというのはないわけでありまして、私たちとしましては、冷戦が終わり、そして自民党、社会党の基本的な枠組みというのは、論争点は当然ありますけれども、幾つか大分近づいてきているという中で、国民の選択というのが自由にでき、かつ国民の民意をできる得る限り正確に反映する中で内閣をつくり、そして政治を断行していくということが今求められている。  その結論が、私たちの小選挙区併用型の比例代表ということになったわけでございまして、片山哲氏の論文、これはこの時代では、総理経験者がこう感じられたものというふうに受け取るべきであって、だから、社会党の初代委員長がこう言ったから、四十年近くたってなおかつ我々がこれに拘束をされるということは、私たちは必要ないというふうに思っております。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員 そういう御意見だろうというふうに私も予想しておったわけですけれどもね。やはりこれは初代の社会党の委員長の話でございますし、やはり本当に社会党は初代の、新憲法下では内閣総理大臣を出した、何といいましても、日本の伝統の名門の政党でございますから、しかしながら、今ちょっとくたびれるという話がございましたけれども、やはりこれは一発、単純小選挙区制であれば政権がとれるわけですからね。やはり私は、社会党もかつての片山委員長のような覇気と気迫を持った政党に生まれ変わっていただくということをやはり国民も望んでいるのじゃないか、私はこう思うわけでございます。  そういった中で、今さっきから言いました、ぜひよく考えていただければ社公案の比例代表小選挙区併用制になるんだという話がございましたけれども、よく考えていただければ、私は社会党さんもやはり野党第一党でございますし、何回も言いますように、かつてはそういった経験もある党ですから、ぜひこの自民党案に歩み寄っていただきたい、こういうふうに思うわけでございますけれども、公明党さん、どうでございますか。  公明党さん、片山委員長が小選挙区制を断固やるべきだと昭和二十九年に言われたわけでございますね。公明党さんが当時はまだ存在してなかったのかもしれませんけれども、当然その時代生きられた議会人の先輩でございますから、もし御感想がございましたら、お知らせいただきたいと思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 お答えいたします。  自見先生がふだんから大変な御勉強家であるとは承っておりましたが、こういうふうにいろいろ古い古文書まで引っ張り出されまして、そして御議論をされることに敬意を表したいと私は思っております。  戦後五十年たっているわけでございますが、この間に、この五十年はちょっとほかの時代の百年にも二百年にも当たる時代でございますから、私どもの考え方そして環境に対する対応の仕方というのは当然発展してしかるべきだと私は思っております。もし片山先生のような見識のある方が当委員会の審議によみがえって参画されることがありとするならば、もちろんもう大手を振って、もろ手を挙げて佐藤観樹議員の御所論にことごとく賛成されるのではないかと私は思っているわけであります。  といいますのは、この小選挙区制については当時、今日ほど多くの諸外国の実践例をまだ知らず、小選挙区制の概要とか問題点とかもまだ十分に御承知のない時代においてこれだけの推論をなされたことは敬意を表しますが、その後、小選挙区制の問題点などということは、当委員会において集約されて議論されましたように、極端なる右から左へ、左から右へというような極端政治が行われるという大きな点を考えられましたならば、ちょっとぎょっとなさったのではなかろうか。  また、地方的人物が出るというこの部分についても、参議院議員の選挙において私たちはこうした問題もクリアいたしまして、確かに大きな意味で日本の政治における立派な人たちを出そうという試みが参議院でも既に実施された現在といたしましては、答えが出たお話ではなかろうかと私は思っているわけであります。  また、選挙区が狭ければお金がかからないなどという議論につきましては、奄美大島において徹底的なお金がかかった実例を眼前にしているわけでございまして、この辺もちょっと問題が起こったのではなかろうか。  また、右派、左派の社会党がおのおの一選挙区において争わないようにすればいいよとおっしゃいましたけれども、今回一の派閥が同一の地域で一人だけ立つなどという状況が想定される状況ではありませんし、大自民党などの例で見ればよくわかりますように、一選挙区において別の派閥が何人も出てきて、この小選挙区はおれが出るという争いが地下では既に起こっているのを私たちは眼前に見ているわけでありますから、こうした御所論もちょっとどうかと思いますし、こう見てまいりますと、どうなんでございましょうか、候補者の政見も人物もよくわかると申しますが、小さいからといってよくわかるわけでは決してございませんし、私は、こうした意味では、ここに書かれたテーマというものは、当委員会における議論の中で既に昇華されているテーマではないか、アウフヘーベンされているテーマではないか、こう思っているわけであります。  その意味におきまして、この立派な、蝋山先生の方に関しては私の見解を申し上げませんけれども、片山先生、蝋山先生のような、議会の大先輩の方々が選挙制度自体をかくも熱心に議論しようとし、提案を勇敢に書かれた、ここに私は着目しなければいかぬと思うのです。  今私どもがわからないのは、自民党の党首の方の御意見はほとんど不明であります。こんな論文を書いたのを見たことも聞いたこともない、ただやるぞとおっしゃっているだけである。私は何か全然わからないのでございますね。こういうぺーパーがおありでしたら、歴代の最近の総理大臣のこうしたものに関する御意見を聞いていただければ、私は非常に参考になるな、むしろ古文書よりも今の自民党の党幹部の意見をあわせてお出しいただけると、私としては大変ありがたい、勉強の材料になるな、こう思っておるわけであります。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員 いろいろな意見があって、これを国民が聞いていただくということは大変大事なことでございますけれども、一点だけ、古文書と言われましたけれども、決して古文書じゃない、今でもこの論議は、実はこの小選挙区制の批判が、反論が、今先生が言われましたように出ておるわけで、地方的人物が出るとか、競争が苛烈になるとか、新人が出られないとか代表されざる多数票とかですね。  ですから、やはりこれはイギリスではずっと続いている制度ですから、古いから私はその制度は一切だめたということは、私の聞き違いかもしれませんけれども、そういうことはないので、やはり原理原則というのはあるわけですから、その点をよく社公の方々にも、この片山哲さん、まさに論文を重く酌み取っていただきたい、こういうふうに私は思うわけでございます。  それから次に、今さっきからいろいろな質問が出ているわけでございますけれども、小選挙区併用型比例代表制というと、今さっき小澤先生からもこれは比例代表制だという話があったわけですね。今さっきからいろいろな質問が出たわけでございますけれども、現行の参議院選挙、これは当然小選挙区、例外はございますけれども、それから比例代表の並立制だということでございますが、それとの関係ですね。  二院制度というのがございます。どうも、少し勉強してみますと、二院制度というのは昔イギリスで、十三世紀の話ですか、王様がいろいろ諮問するのに、いろいろな階層、階級があったわけでございますから、市民と騎士には別なところに集まってくれ、これが下院になった。高級僧侶と高級貴族は集まってもらって、それが上院になった。  たまたまイギリスで二院制ができたのは本当に偶然だという話を読んだことがあるわけでございますが、そういったことでどんどん発展をいたしまして、二院制度ではあれ憲法下のシステムでございまして、やはり二院制度、奥野誠亮先生が最初この席でも緑風会というのがあったんだ、そういったことも言われたわけでございますが、やはり比例代表と違っても、通っておりますから、両院でいろいろな国民の方々の声が吸収できるような私はシステムが必要ではないか、こう思うわけでございます。  我が党の単純小選挙区といいますと、まさに生きた声がぱっと来るわけでございまして、参議院型の今の制度、これをミックスして、私は国民の声をよく吸い上げられるし、また国家がよく機能するのではないか、こういうふうに思うわけでございますけれども、同じような、似たような制度を導入するといったら悪いのですけれども、比例代表でございます。参議院の場合は地方区がございますから、地方選挙区がございますから必ずしもそうではございませんが、既に導入しているわけですから、そこら辺の、小選挙区併用型比例代表制ですね、衆議院に適用した場合と現行の参議院選挙についての関係と申しますか、関連と申しますか、そういったことについて御意見を承りたいと思うわけでございます。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 私たちも絶えず勉強して、世界の選挙制度あるいは世界の二院制、議会制度というものを研究しておるわけでございます。その中でも、自見先生御承知のように、なかなか一般選挙で二院制がうまくいっているなと思えるところは、アメリカ、それからドイツは完全に州の代表という形をとっておりますので、あれはあれなりにうまく機能している方じゃないか。それ以外は、どちらかといいますと、貴族院的な性格を持っておりまして、その意味で、基本的には私たちは、日本におきます二院制の効果というものは当然ある。もうくどくど申し上げませんけれども、当然ある。  したがって、しかし、選挙方法というのは基本的に変えていかなければならぬ。御承知のように、全国区というものを拘束式の比例代表制に参議院を変えたという形で現状のようになっておるわけでございます。したがって、我々の案のように、併用型の比例代表を入れた場合には、当然のことながら参議院の制度も何らかの格好で変えるべきであろう。本来なら衆議院がこうあってこういう院であるから、参議院はこうあるべきだという、本当は一体的に議論するのが本当だと思うのであります。ただ事態はそれを待ってくれないということで、改めて衆議院の方からこういう選挙制度の基本を変えるような話になってきておることは、御承知のとおりでございます。  そういう意味では、今御承知のように、参議院の方では定数是正の問題がございます。自民党さんが言われた四増四減、公明党さんが言われた十増十減、そういう中で拘束名簿式の比例代表をどうすべきかという議論も一緒に入ってきておるわけでございまして、いずれにしろ第一義的には、院が違うわけでございますので、参議院の方でひとついろいろなことを考えていただくということに我が党ではなっております。しかし、党でございますから、参議院だけで一つの結論が出せるわけではないと思いますので、そのあたりは十分私たちも検討していく。  したがって、我々の言うような併用型の比例代表ということで皆さん方がお認めいただくならば、そういうことを衆議院の方でコンクリートして、その上に立って参議院はいかにあるべきかというのは、次の議論として当然進めていかなければならぬ、こう考えております。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員 そうしますと、基本的に社公の案は衆議院の比例代表制ですから、そうなりますと、参議院の方に小選挙区を導入しようというふうなことにもなるのですか。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)議員 参議院のあり方についての御質問でございますけれども、憲法では、国会は国権の最高機関であって、唯一の立法機関、国会は衆参両院で構成する、こうなっているわけでございまして、基本的には同じ機能を持っているわけでございます。  ただ、先般から議論が出ていますように、いわゆる予算と総理の任今、それから条約の承認について衆議院に優先権がある、そういうことを考えますと、衆議院というのは立法機関であると同時に、そういう政権をつくるという非常に重要な役割を持っているということから、私どもとしては、やはり衆議院においては政党政治、政党中心の運営というものがふさわしいのではないかということで、比例代表制を中心とした小選挙区併用型の比例代表制を御提案申し上げているわけでございます。  そういう中で、参議院の役割をどう考えるかということになりますと、やはり選出方法を基本的には変えるということなんだろう、こう思うわけでございます。今参議院は並立制になっているわけでございますが、比例代表制を導入するときにいろんな議論がありまして、やはり参議院の政党化を助長するんではないかというような有力な反対意見があったわけでございますけれども、比例制が導入されたということで、私どもとしては、小選挙区併用型比例代表制が導入された段階で、やはり参議院というものの選挙制度について引き続き検討し、早急に結論を出す必要がある。  基本的には、やはり人を選ぶ選挙が一番いいんではないかというふうに考えております。良識の府として、国民の良識を代表するような方々に参議院に出ていただいて、そして、そういう個人の立場から、特にやはり党議拘束を外すということが一つのアイデアになるんじゃないかと思います。個人の立場から、衆議院から送られましたそういう法案について審議をして、結論を出していただく、こういうことで、人を選ぶ選挙というものを中心に考えたらいいんではないか。  それも、県というような狭い範囲にこだわらず、もうちょっと広域のブロックから出ていただくというふうに考えるのが一番合理的なんではないか、今このように考えておる次第でございます。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員 社会党さんの御意見を聞かせていただければありがたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 今まで社公で水も漏らさぬ答弁をしてきたわけでありますけれども、この部分だけはちょっと井上先生と違いまして、私はひとつ政策の実効性という面において、参議院というものをそういう格好で、全く個人に帰していいんだろうか。  ということは、例えば何かの法案、何かの政策を衆議院でどこかの、自民党さんなら自民党さんが責任を持ってお通しになった、今度は参議院でそれが否決されるという場合に、どこにその責任の所在があるんだろうか。みんな個人の意見で、とやった場合に、いい面ももちろん当然あるわけでありますが、一体そのときの政治の責任というのはどうなるんだろうかなということにちょっと私は疑問を持っておりまして、結論的には、まだそのことについても答えを得ておりませんので、したがって、参議院の選挙制度及び参議院のあり方自体についてなお一層、これから我々の案で皆さん方が同意をしてくださったならば、衆議院はこういう制度だから参議院はどうあるべきかということを考えていくということを社会党の公式意見として申し述べさせていただきたいと存じます。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員 今社会党さんと公明党さんと少し意見が違うという表明あったわけですね。そうしますと、今社公の案が衆議院で認められたら、それから考えたいということですけれども、やはり私は、憲法上二院制があるわけですから、衆議院と参議院というのはまさに国権の最高機関でございますから、これはちょっと聞きまして、この制度が認められたらその次の段階で考えるというのは、これはちょっと無責任じゃないかなというふうに私は思うわけでございますね。  そのことは、さきに、我が党は衆議院は小選挙区、五百人でまさに小選挙区、単純小選挙区制でやる。参議院は比例代表も既に導入しておるんですから、やはり私は衆議院の方は単純小選挙区制でやって、そこにまさに違いが私はできるんじゃないか。比例代表制の方がむしろ人は、有識者とかそういった人は選びやすいわけですから、そういった制度がいいのじゃないかなというふうに私は思うわけですね。  今の一点を見ましても、やはり社会党と公明党さん、参議院のあり方についても、率直に言えば、意見がかなり違うわけですね。  そうしますと、そういった政党が連合政権を組んだ場合、これは、私はシミュレーションをしていただいたのですよ。社公合意案に基づくシミュレーション、これは国立国会図書館をちょっと煩わしたわけでございますけれども、これは新聞でも載っていますが、参議院、衆議院、直近のデータ、第八次選挙制度審議会の区割りを三つの仮定のもとでシミュレーションをしたわけでございますけれども、これはよく御存じのように、必ずしも次の選挙は、大変私は、民意が変わっておりますから、こんなふうにいくというふうに思っておりません。我が党に大変厳しいということはもう肌身に感じるわけでございますけれども、これでも仮定の問題としてひとつシミュレーション、自民が百九十六ですね、それから社会が九十八、公明が七十七、共産が四十二、民社が二十三、新党が四十二だというふうな、これはシミュレーションでございますけれども、出ているわけですけれどもね。  今さっき私は、片山さん、片山初代社会党委員長、新憲法下での初代内閣総理大臣のことを言った場合に、まさに連立を組んで、本当に九カ月、三木武夫さんがかつて言われたというんですけれども、もうあんなものは組むものじゃない。基本的政策が非常に違っていましたからね。  ですから、やはり例えばPKOの問題にしても、自衛隊の問題にしても、これは何回も言い古された問題ですけれども、安保の問題にしても、そういったことをやはりきちっと国民の前に両党あるいは連立を組む党が一致をしておかないと、今さっき言いましたように、もうよく御存じのように、イタリアはこういった比例代表制ですから、第七番目の党首が総理大臣になっただとか、あるいは組閣するまで一カ月以上かかっただとか、いろいろな話があったわけでございます。  ですから、そういったやはり基本的な政策はきちっと一致をさせていただくことが私はぜひ必要ではないか、こういうふうに、もう答弁は要りません、そういうことを強く私から――今参議院の制度のあり方につきまして、社会党と公明党と意見が違うというわけでございますから、そんな重要な政策についてもやはり意見が分かれるというのは、政党の違いがあるのかもしれませんけれども、それをきちっと、連合を組んで政権になる場合は、やはり私は前もって大事なところはきちっと合わせていく必要がある、こういうふうに思うわけでございます。  あと、もう時間がないようですから……(発言する者あり)

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 自民党の持ち時間が決まっています。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員 持ち時間の中でやっていますよ。  そうしたら、一点は、政治献金について今さっき前の委員から質問がございましたが、自民党案は政治資金調達団体を二つつくってそれを取り扱わせる。政治家個人と政治資金との問題でございますが、社会党さんは、社公案では、政治団体が取り扱う政治資金は自民党ほど巨大な額でないので資金調達団体を設ける必要がないというふうな御答弁であったというふうに思うわけでございますけれども、やはり政治家個人の金の出し入れは、自民党案でも今度の案では禁止をいたしておりまして、そのかわり、政党から来るお金は、要するに政治資金調達団体で受ける。そこは透明性が確保されているわけですからね。  そういった意味で思うわけでございますけれども、その点につきまして、今さっきも質問ございましたが、その点だけもう一回確認をしておきたいのでございますが。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 先ほどの質問もございましたけれども、政党から個人の政治家に来るお金については、自民党案も社公案も、法律上はこれは自由というふうになっておりまして、問題はその受け取ったお金をどう処理するかということでありますが、まさに法案上は、それについて特に公表するとか使い道をはっきりさせようとかいうふうな制約は、我が党案もついておりません。それは自民党案もついてないですね。  それは結局、政党活動の一環として考えておりますので、各政党が個人の政治家に渡したお金をどのように明らかにオープン化するかということについては、各政党がその政党の判断で、自律の範囲内でやればいいでしょう。それを受け取った国民が、ああ、これは政党の政治活動に使いよったなというふうに判断してもらうかどうかは国民の自主的な判断にお任せする、こういうふうにしたらどうかということだと思います。それは、自民党さんのおやりになっている手法と基本的には考え方も変わっておりません。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員 自民党の筆頭理事がもう時間だということでございますから、まだいろいろ質問したいことがございますけれども、これにて質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時四十分休憩      ――――◇―――――     午後二時四十四分開議

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。宇都宮真由美君。

宇都宮真由美日本社会党・護憲民主連合

○宇都宮委員 日本社会党の宇都宮真由美でございます。よろしくお願いします。  もうこの委員会の議論も大分日を重ねまして、いろいろなテーマといいますか、議論は出尽くしたようにも思うのですけれども、確認の意味を込めまして、多分ダブると思いますけれども、させていただきたいと思います。  まず一番初めに、選挙制度についてでございますけれども、世間では、自民党さんの出している単純小選挙区制と、そして社公の出しております小選挙区比例代表併用制、この両案につきまして、いわば水と油のようで到底その接点が見つかるものではない、本当に今の選挙制度を変えるつもりがあるのかどうかというふうなことさえ言われておりますけれども、私は、この二つの選挙制度には大きな共通点があると思っております。  それは、要するに今の中選挙区制とは違って、国民に対して政党、政策によって候補者を選んでもらう、この点に大きな特徴があるのではないかと思うのです。これは大きな共通点であろうと思っています。そして、そのことが、今の中選挙区制のやはり大きな欠点であります、政策以外のもので国民に選んでもらわなくてはいけないというところに、また中選挙区制の大きな欠点があるのではないかと思いますので、この点、今出していらっしゃる両案とも、今の中選挙区制よりは少なくともよりいい制度であるというふうな御認識をお持ちかどうか、それぞれの出されている方にお伺いしたいと思います。

武村正義自由民主党

○武村議員 大変好意的な御指摘をいただきまして、ありがとうございます。  確かにおっしゃるとおりでございまして、両案とも、現行の衆議院の中選挙区制という選挙制度をもうやめよう、まずこの点で完全に一致をいたしております。きのうも申し上げましたが、これでもう五〇%近寄っている。そして今おっしゃったように、まあ政党本位、政策本位の選挙にしていこう、あわせて同士打ちはやめよう、これもほぼ完全に一致をしているところであります。問題は、先週来論議がありますように、民意の反映か集約がといいますか、あるいは政権の安定か。これはどっちかを選ぶのじゃなしに、両方とも欠かせない日本の議院内閣制における選挙制度の大黒柱だと思うのであります。  そういう中で、社公案にも二百の単純小選挙区制が導入されているわけであります。あれは、まあ社公さんの方の御答弁を伺っていますと、一見これは第二投票であって、第一投票で議席総数は決まって、その中で二百名は顔の見える選挙をやって優先的に当選を図っていこう。意味が違うという感じの御答弁をなさっているわけでありますが、それも一面そのとおりでありますが、よくよく考えますと、少なくとも超過議席が出るという制度である以上は、これはこれとして、まあ一票二記載ですか、とおっしゃっていますが、まさに二票制であって、超過議席の分そのものは、明らかにそこで代表が本来的に決まってしまうということを考えますと、決して一票二記載ではなしに、まさに二票制であるというふうにも思えるわけでありますが、そういう単純小選挙区制、顔の見える相対多数者を代表に選ぶ我が自民党と全く一致をいたします共通点があるわけでございまして、大変そういう意味で心強く思っております。  ですから、あとはこの民意の反映と政権の安定という、双方が強調をいたしておりますこの特色を両方がきちっと認め合えば、必ず一致点が見出せるものと私は思っております。

早川勝日本社会党・護憲民主連合

○早川議員 宇都宮委員の御質問は、中選挙区制よりは前進をしているんではないかという御質問ですが、幾つか提案がありますけれども、二つだけ申し上げます。  中選挙区制度というのは、言い方をかえれば準比例代表という表現で性格づけられている部分もございます。今の中選挙区制度のもとで死に票の問題を見ますと、大体二十から三十の間だと今思っています。その点、比例代表を中心にした制度に変えることによって、その死に票のところが解消できるという問題がございます。  それから、先ほど武村委員も述べましたけれども、政策本位が今以上に政党本位、政策中心の選挙制度に変わるということがございますし、なおつけ加えれば、死に票の問題等を含めまして、小選挙区制よりもこちらがまさっているということになるわけでございますが、もう一つつけ加えますと、格差是正の問題が我が国の選挙制度の中で一番大きな問題でございました。その点も解消できるという、およそ三点申し上げて、現行の中選挙区制よりも前進をしているというふうに位置づけております。

宇都宮真由美日本社会党・護憲民主連合

○宇都宮委員 選挙というのは、常に政策で選ぶのが私は基本ではないかと思っていますけれども、特に国会議員の選挙、特に衆議院議員の選挙は、結局、議院内閣制をとっております日本国憲法のもとでは、議員を選ぶことによって政権を選ぶことになるわけですから、やはり国民には政策によってその政権を選んでほしい、それは私は正しいのじゃないかと思っています。そういう意味で、まず政策で選ぶ選挙というのが大事だろうと思います。  そして、問題は、政策で選ぶ選挙のやり方にもいろいろあるわけで、その中でどの選挙制度をとるかということが次に来るのではないかと思うのです。単純小選挙区制と小選挙区比例代表併用制、この両案の持っております長所、短所、本質的な長所、短所につきましては、ほぼ議論は尽くされていると思うのです。死に票が少ないとか、民意を正確に反映できるとか、政権が安定するとがそれぞれ言われておりますし、それに対する反論もそれぞれなされてきました。  問題は、今の日本の状況の中でどちらの選挙制度を選ぶべきかということだろうと思うのです。私たちは今の、残念ですけれども、自民党という一つの大きな政党がありまして、それに拮抗するような政治勢力は今のところはないと、そういう状況のもとで単純小選挙区制を導入するのはちょっと無理があるのではないか。そしてまた、一方では社会も複雑になりまして、価値観も多様化しております。そういう社会の中にあっては、やはり死に票が少ない、そして正確に民意を反映できる小選挙区比例代表併用制の方がいいのではないかと思っています。  この点、今の日本の現状との関連の上で、まあ同じ答えになるのかもしれませんけれども、それぞれの選挙区制を選んだ理由ですか、それを簡単にお述べいただけますか。

石井一自由民主党

○石井(一)議員 五五年体制が崩壊をいたしまして、また、米ソの冷戦構造というふうなものが世界的にも移動した中に、我が国において先鋭化したイデオロギーの対立とかそういうふうなものはございません。  国情なり国民性なり社会構造等から考えまして、どちらが適しておるかという判断をするわけでございますが、社会経済が安定し、国民意識が比較的均質で安定志向の我が国においては、それからまた、高まりつつある国際社会での役割を十分に考えた場合に、私は、今数学的に少数意見を国会に反映をするというよりも、民意を集約した中に現実的に可能な政権交代の流れをつくっていくということが重要だと思います。野党がまだインマチュアーであるからそれができないんだというふうな議論にも聞こえるわけでございまして、しかし、制度を変えることによって抜本的に政治構造を変えていくべきではないか、私はそういうふうに考えております。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 必ずしも東西の冷戦が終わったというだけではなくて、日本の経済的な地位あるいは社会の安定性等々から申しまして、国民の間の格差というのは非常に少なくなると同時に、いろいろ言えばたくさんのことがありますけれども、その中にやはり幸福の求め方あるいは価値観の多様化というのでしょうか、一定の範囲内で、しかもそれは非常に距離が短くなった中での価値観の多様化ということが社会情勢の中にある中で、私たちとしては、なるべく皆さんの御意見を議会の中に反映をするのが一番いいのではないかということでございまして、石井さんかどう言われても、どこかの部分は切ってしまうというのはいかがなるものか。  あわせまして、現実に衆議院の場合には五党があるわけでございます。それをいつまでもこの制度が守るというつもりは全くありません。ありませんが、やはりお互いの合意のもとに政権交代ができ、新しい政治ができる、その中で国民の民意の反映として大きくなっていく政党、小さくなっていく政党あるでしょう。それは国民の民意でございますから、仕方ないことでございますが、しかしいずれにしましても、今ある中で各党が最低限のやはり合意を持てるという状況から、私は、議会制度というそれを成り立たせるところの選挙制度の問題でございますから、お互いより多くの政党が合意を持てるという制度の中で選ぶべきであるとも思っております。

宇都宮真由美日本社会党・護憲民主連合

○宇都宮委員 最後に、この選挙制度に関してはもう一点だけ。  さっきの続きになるのですけれども、今のような各政党間の力関係だと、多くのいろいろなシミュレーションが出ておりますけれども、自民党が四百もあるいは四百三十も議席をとるのではないかというふうな今状況にあるわけですね。そういう状況の中にあってもやはり単純小選挙区制がいいのだと、例えばこの五百人の衆議院議員のうち、四百人が自民党の議員になってもそれでも単純小選挙区制度がいいと、併用制よりまさっているとお考えになる理由はどこにあるのですか。

武村正義自由民主党

○武村議員 マスコミ初め幾つかシミュレーションなるものが発表されておりますが、どうでしょうか、宇都宮さんもよく考えていただいたら、これは過去の選挙の実績なんですが、どうインプットするかによって結果は随分違うわけですね。  実は自民党もこの単純小選挙区制、自民党の党利党略である、今よりもっと有利な状況をつくるために自民党は出しているという、こういう御批判もございましたが、そんなことなら自民党党内、余り何百回も議論しないですっすっと決まったはずでありますが、物すごくしんどい作業でした。党内、やはりけさの大衆討議でもなお、党議決定した後ですが、中選挙区制がいいと言わんばかりの主張も堂々と出るぐらいで、これはやはり連合、連合といいますか社公民なり野党の皆さんが選挙協力をされますと、大都市を中心としてこれは票を足せば明々白々でございますが、一挙に情勢は逆転するわけであります。  今までは不幸にしてというか、こちらにしては幸いでありますが、野党協力が成就しなかったわけですが、この選挙制度が実現したらあしたから野党協力が実ることもあり得るわけで、またそういう意欲をお持ちのはずであります。そうなりますと、もう自民党はあっちこっちで大変厳しいシミュレーションの結果になりまして、五百の案が通りましても、最初の選挙で過半数を割ってしまうことだって計算上はあり得るわけであります。  そんなところもぜひ御理解をいただいて、私どもはやは方それでも、それでもやはり日本の政治のためには、むしろ政界再編のときでもありますし、自民党の党利党略を超えて、まさに日本の政治の将来のために大胆な党議決定をしたというふうに思っている次第であります。ぜひ御理解をいただきたいと思います。

宇都宮真由美日本社会党・護憲民主連合

○宇都宮委員 いろいろな仮定を入れて、選挙協力をすればこうなる、そういう仮定を入れるとどういう話でもできるんですけれども、素直に見た自民党、社会党あるいは公明党の今の力関係だとそういうシミュレーションになる。確かに自民党も、まあ政権党は政権を維持するために必要な人数、最小限必要な人数がいればいいわけで、四百人もその上もの議員さんは必要ではないと思いますけれども、ただ、現状のまま仮定を入れなければそういう、まあ四百以上とるような制度であると言えるのではないかと思っております。  選挙制度につきましてはいろいろ今までも出てますので、この程度でやめたいと思いますけれども、ただ、一番最初に言いましたように、両案には大きな共通点がございますので、この選挙制度のいかんが私は必ずしも政治腐敗と関係しておるとは思いませんけれども、政見で国民の皆さんに選んでもらうという選挙制度にするために、ぜひこの共通点を生かして、まあ民間政治臨調からも有力な案が出ておりますので、その案も一つの参考にしていただいて、ぜひこの国会でまとめて選挙制度については合意案を見つけていただきたいと思います。  次に、企業献金の問題について質問さしていただきたいと思います。これにつきましても、ほぼずっと議論を聞いてますと出尽くしたとは思うんですけれども、ちょっと私としてはかみ合ってないんじゃないかというふうに思われる部分がありますので、その点をまず確認さしていただきたいと思います。  まず八幡製鉄事件なんですけれども、この事件も、企業献金は認めていいんだというふうな根拠としてずっと引き合いに出されておりました。この判決が言っているのは、この判決というのは昭和四十五年の判決でございますので、まあざっと今から二十三年前の判決でございます。そして、事件そのものはそれより十年前ですから、今から三十三年前の事件です。だから、この判決の中身が今なお妥当するかどうかというのは大いに疑問はあるんですけれども、その点は置いておきまして、この判決が言っているのは、企業が政党に寄附をするのは、定款に直接書かれてなくても会社の権利能力の範囲内だということが一点。そして、企業が政党に寄附をするのは憲法に違反しない。個人と違って参政権のない企業が寄附をするのは憲法に違反するんじゃないかというふうな主張に対してですけれども、企業献金は憲法に違反しない、これが二点目。そして三点目に、合理的な範囲である限り企業献金は取締役の忠実義務にも違反しない。この三つの点が判断されていたと思います。  そして、ここで問題になりますのは、第二番目の点なんですけれども、企業が政党に寄附をするのは憲法に違反しない、だから自民党の先生方は企業献金は認められるんだというふうに持っていってらっしゃいます。それで果たして、社公の皆さんにお聞きしたいんですけれども、社公案は企業献金は廃止、認めないという立場に立っておられます。まあ私もそれに賛成するんですけれども、社公の皆さんは、この最高裁の企業献金が憲法に違反しないという判断に対して反対をされているのか、そうじゃなくて、そうじゃないけれども企業献金は廃止すべきだと言われていみのか、その点を確認しておきたいと思います。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 ただいま委員御指摘のとおり、八幡製鉄所事件判決では、企業献金は会社の権利能力の範囲内に属する行為であるという認定をしておるわけですね。当時この裁判例につきましては、学界等から随分激しい反対の論調が出てきたわけです。それは、もう権利能力としてもそもそも持ってないんだ、企業献金をする能力持っていないんだという主張が中心だったように思うんです。  まあ我々の場合、一応最高裁判所の判断として、企業献金をする権利能力を有するというこの判断は尊重する。ただし、先ほど御指摘のとおり、会社のそういう企業献金をする能力も公共の福祉に反しない限りと、あるいは判文の中にありますように、企業献金が起こったときにいかなる規制をするかについては立法政策の問題だという指摘もこの裁判例にはありますから、私どもはまさにその裁判例に沿って、この判決が出てから数十年たちました。大変多くの不祥事、金権腐敗的な不祥事がいっぱい起こってきたわけで、そういう不祥事の根源には企業献金というものが存在する、こういう判断から、今回アメリカの例に倣って企業・団体献金は一律に禁止をして、もうこういう不祥事が起きないような日本政治の風土をつくろうじゃないかという決意で我々の法案を提出した次第です。

宇都宮真由美日本社会党・護憲民主連合

○宇都宮委員 要するに、立法政策として企業献金は廃止した方がいいというふうに考えられるんだろうと思います。ということは、この最高裁の立場とまさに同じ立場だろうと思うんです。  この最高裁の判例も、要するにこういう企業献金が政治を腐敗させるという主張に対してですけれども、どう言っているかといいますと、そういう企業献金が政治を腐敗させるという論調に対して、  所論は大企業による巨額の寄附は金権政治の弊を産むべく、また、もし有力株主が外国人であるときは外国による政治干渉となる危険もあり、さらに豊富潤沢な政治資金は政治の腐敗を醸成するというのであるが、その指摘するような弊害に対処する方途は、さしあたり、立法政策にまつべきことであって、憲法上は、公共の福祉に反しないかぎり、会社といえども政治資金の寄附の自由を有するといわざるを得ず、これをもって国民の参政権を侵害するとなす論旨は採用のかぎりでない。 ということで、最高裁も要するに企業献金を認めるかどうか、あるいは制限をするかどうかということは、立法政策にまつべきであるということを言っているわけです。  そして、ここはまさに立法府なわけですから、憲法に反しない限りでいろいろな法律をつくって政治腐敗が起こらないようにする、そういう立法をするところ、法律をつくるところだろうと思うんです。それが、それにもかかわらず自民党さんの方は、立法政策としても企業献金は認めなければならないというふうに言われるんでしょうけれども、その理由はどこにあるんでしょうか。

津島雄二自由民主党

○津島議員 非常に懇切丁寧に考え方を提案者とともに述べられて、今確かめられたんですが、私どもの議論はそれじゃ基本的に食い違いないんです、立法政策の話。  ですから私どもは、立法政策のあり方としてどうかということを真正面から実は野党の提案者の方々にも、また委員の皆様方にお訴えしているわけですけれども、そのまず第一に、企業献金に絡む不祥事がいっぱいあった。確かにそれは残念なことですが、同時に私どもの方が申し上げたいのは、不祥事はほとんど全部違反の、つまり量的制限を超えたり、つまり今政治資金規正法上正規に認められている企業献金の枠外で起こっている、これをまず申し上げたいわけであります。つまり、言ってみればルール違反の状態の中で起こっている。ですから、まず第一に、私どもとしてはそのルールをきちっとより守らせる。そのためにまた公開をさせて、国民の監視も行き届くようにしようということとあわせて申し上げている私どもの立法政策の立場なんですよ。  そのようないろんな問題があるから、それじゃ企業献金を全部やめているかどうかというと、そこで外国の例もいろいろ参考にしなければならない。ヨーロッパでは一つもございません。企業献金を立法政策上、アウトライトに全部アウトと言っているのはありません。アメリカの例については、毎度申し上げておりますが、連邦法では厳しく規制をされている、禁じられているかのごとくでありますけれども、いわゆる団体、つまり企業を含むところの団体を含めて、みずから独立して政治のために積極的に資金を使うことを抑制するのを憲法違反だと、そこのところではっきり、言ってみれば立法政策では入ってはいけないところを示されて、つまり、そこは企業といえどもみずから資金を使って積極的に政治活動をやってもいい分野が認められているわけですね。  そういういろいろな姿を見た中で、今我が国がどういう立場をとるべきかについて、私どもはやはり政党、政策の選挙や政治を確立していくためには、広く企業を含めて参加をしていただくという基本原則は、やっぱりヨーロッパの各国みたいに守っていくべきであろう。ただ、そこに厳しい節度が要求をされていることは事実であって、我々のような節度の範囲内で行ってはどうでしょうか。裏からいえば、今野党のというか社公の提案者の御提案のように、企業献金、団体献金を全廃したときに、政党が国の税金による助成金を専ら頼りにして政治をやるということになりかねないじゃありませんか。  それからまた、企業といえども、まあ皆様方がしばしば言われているような大きい会社よりも、数からいえば中小企業の方が圧倒的に多いわけですから、ですからそういう中小企業を含めて政治参加をしてもらうということについては、私どもはやはり肯定的に考えた方が日本の民主的な政治のためにはいい、こういうふうにお訴えをしておるところであります。

宇都宮真由美日本社会党・護憲民主連合

○宇都宮委員 腐敗の原因になっているのがほとんど政治資金規正法違反の、枠外の献金だというふうに言われましたけれども、問題は、その枠外がどうかというのはわかりにくいし、私たちの目にとまった腐敗した事件というのもほとんどが犯罪というか、そういうのに絡んで出てきて、そういうのがなければ司直の手はこういう政治資金、政治家の政治活動資金の面にはなかなか入れませんので、そのあたりも問題はあるんですけれども、やはりこれだけ政治腐敗が大きくなってくれば、国民のむしろ信頼を取り戻すためにも、諸外国がどうだというのではなくて、日本で、日本の政治腐敗の資金源というのはほとんどが企業献金なわけですから、この際企業献金をやめてみて、それでも政治がきれいならないとか、あるいは税金に頼り過ぎて政治家がだめになってしまうというふうなことが起これば、また企業献金を認めるようにすればいいわけですから、何も今廃止したからといってずっと廃止しなければならないというわけでもなし、前の方がよければ前に返ることもできるわけですから、これだけもう国民の信頼を政治家が失っている今、政治腐敗の原因である企業献金は全面的に一応カットする、そのぐらいのことをしてもいいと思うのですけれども、その点いかがでしょうか。  じゃ、社会党の方にお願いします。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 御指摘のとおり、司直の手にかかる、つまり事件になる例は数を数えられるほどですし、確かに非常に典型的な立件のしやすい、明らかに政治資金規正法違反の違法事態ということだと思うのですね。しかし、私たちはやっぱり、例えば今度の金丸脱税事件なんか見ておりましたら、いわゆるなぜ企業献金というものが起こるのか。それは結局、政権交代が起こっていないということが一つの背景にありますけれども、中央に許認可権限が集中していて、その許認可権限を発動させるために政治家と行政官が癒着をする、そこに企業が利益を見出すという、いわゆる族議員と言われる者の癒着現象とか、それがちょっとかいま見えておりますが、そんなものがもし全面的に解明されるようなことにでもなれば、これは大変な事態になるだろうと思うのです。  それからもう一つ、企業献金の問題として我々が注意をしなきゃいけないのは、やはり膨大な企業の献金力ですね。お金の資金力ですよ。その資金力と言われるものが政治家に対して与える大きな影響力、その影響力は、選挙の場合にも、一般の政治、政策決定についても大変大きな影響力を与えているわけです。それが結局余りにも大き過ぎて、いわゆる参政権を有する自然人たる個人、個人の政策決定に果たす役割といったものが非常に後退をさせられておるという現象も、また要するに否定しがたい現象だ。これは別に法律でどうのこうのじゃなくて、政治家の政治判断の問題だと思うのですが、そういう面から見ても日本の現在の政治土壌は、一度企業献金あるいはそれと並べて団体献金の影響力から一回すっぱり切ってみて、そして理想的な姿とされる個人献金を中心としたそういう政治の姿を今つくっていくべきではないか。そうしないと、根本的な政治浄化という問題ができないのではないかというのが我々の政治判断の問題です。それから、国民も今それを求めているということだと思うのですね。  以上です。

武村正義自由民主党

○武村議員 我が国は自由経済を建前にした社会でありますし、市場原理が働く国でございます。私人であれ私的法人であれ、それぞれ自由に経済活動を行いながら日本の国を栄えさせている、そういう建前の国であります。そういう中の企業、活力ある企業の経済活動の中で出た何千分の一か一万分の一が、例えば新日鉄でいいますと一億円の献金枠ですが、年間の売り上げは一兆円としますと一万分の一ぐらいですね。そのくらいの枠で企業献金が認められているわけですが、それはまさに節度のあるルールだと私どもは思うわけであります。  私は、逆にお聞きしたいのですが、企業性悪説に立っておられるのかどうか、恐らくそうでないとおっしゃるのですが、しかし、じゃ企業とか団体の政治への参加、特に松原さんも参政権云々をちょいちょいおっしゃいますが、参政権のない法人が政治に関与するのがいささか問題があるかのごとき論陣にも聞こえるわけでありますが、献金以外の団体、法人の政治活動、労働組合も宗教団体も入りますが、こういう問題にも広がってくる議論だと思うのであります。公明党さんは、創価学会という宗教団体が当初は政党を設立されております。これは立派なことであります。そういうことも自由であります。もちろん選挙になれば、企業も労働組合も、法人、団体すべて政治活動は自由であります。そういう中で献金、お金のかかわりだけは絶対だめだ、全面的にだめだとおっしゃる論理は、やや粗いような感じがして仕方がありません。  今、津島委員が申し上げましたように、少なくとも問題を起こしている企業献金というのは、ルールの下といいますか、枠外の、まさに法に触れる分野の話であります。ルールの中で起こしたことは一度もない、政党への献金についても起こしたことは一度もないわけでありまして、数からいっても、恐らく九九%は企業献金は問題を起こしていないということも言えるわけでありまして、問題は、法を犯して献金をする、違法な献金をした法人、あるいはそれを受けた政治家をどう罰するか、そこにむしろ一層焦点を合わして私どもは論議をすべきではないかというふうに思うわけであります。  なお、率直に言ってこの国では、企業献金をやめて個人献金を中心にした考え方をとるといたしますと、なかなか個人献金では政党や政治家の活動費を十分賄うことが難しい。これはもう社会党も私どもも、実感として知っていることであります。  もし社会党さんが企業献金全面禁止をされますと、今、年間六十数億の党の会計でありますが、収支報告でありますが、恐らくこれは社会民報その他が大半を占めていて、企業献金も一部入っておりましても、個人献金というのは一体どのくらいの比率があるのか、党の六十数億の中に個人献金というのはどのぐらいの比率があるのか、将来どの程度ふやしていこうというお考えなのか。それと、三百億を現在の議席数で割った約八十億ぐらいの公的な助成とのバランスを考えると、今後社会党としては、個人献金で何億ぐらい集めて、それから公的助成でこの八十億という金額とのバランスをどう考えていかれるのか。この辺は、ぜひどこかの答弁でお教えがいただけるとありがたいと思っております。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 企業献金、団体献金の禁止、献金の禁止ということと、それぞれの団体の政治活動の自由ということについては、私は分けて当然だと思うのです。実際、例えば労働組合にしても企業にしても、みずからの設立目的の範囲内では自分たちの政治的主張といったものはもちろん持ってしかるべきですし、それはできるだけ保護されるべきだ。そのことと、いわゆる政治活動の一部たる企業献金あるいは団体献金に着目して、これについては禁止をするということは分けて考えて成り立ち得る話だと思うのです。  それから、我々は市場経済もちろん認める。でも、市場経済の社会においては、では企業献金は全部これ認めなければいかぬのかということになりますと、そうじゃないじゃありませんか。市場経済のいわばチャンピオンと言われるアメリカだって、企業献金の禁止を立法政策で行っているではありませんか。こういうことをずっと私らは重ねているわけでありまして、同じような立法政策上の判断で、今の日本の現状では企業・団体献金の一律禁止まで踏み込まなければいけないのではありませんかというのが私たちの問題提起であります。  それから、今後のありようですが、確かに、個人献金で成り立っているという状況は、日本の今までの風土からいうとそう多くないように思います。確かに数字上出てきていると思うのですが、そういう状態をつくらなければいけない、それが本然の姿だというのも、またこれ、いわゆる本来のありようだと私は思うんですね。実際、たびたび指摘しておりますように、第一次選挙制度審議会では企業・団体献金の禁止をすべきだという意見を出していますし、第五次選挙制度審議会では、個人献金を中心とした政党献金のありように変えていくべきなんだという、いわゆる政府に対する答申を出したりしているわけです。我々はそういうことを基本に置いてこれからやっていきたい。  ただし、企業・団体献金で今まで政党が成り立ってきたわけですが、それをやめようというのですから、それにかえるに、政党交付金によって国民の皆さんの税金の御負担をお願いしたい、こういうことから始める。そのうちに、本来の政治のありようというのは個人献金を中心にすべきなんだという思想を国民の皆さんにずっと理解をしてもらうことによって、個人献金の負担割合をずっと上げていくというふうに考えるべきじゃないかと私は思います。

宇都宮真由美日本社会党・護憲民主連合

○宇都宮委員 ところで、献金なんですけれども、昭和五十年の改正で献金に関する量的制限が付されたと思うのです。そのことについてもちょっとお聞きしたかったのですけれども、時間がたちましたので……。  ただ、ここでお聞きしたいのは、企業献金を認めるのが仮にいいとしても、個人の場合は二千万なんですよ、最高が。幾らしたいと思っても、政党と政治資金団体に限りますけれども、二千万しかできない。にもかかわらず、企業は資本金の割合によって、今度の改正認めますと七百五十万から二億円になるんですかね、上限二億円まで認める。このことは余りにもちょっと、参政権のある個人が二千万しかできないのに、企業に対しては二億円まで認める、これは余りにちょっと、企業に対して政治に影響力を与え過ぎることを認める結果になるのじゃないかと思うのですけれども、この点はいかがお考えでしょうか。

津島雄二自由民主党

○津島議員 現行法の建前については、正確には昭和五十年にこれが提案されたときの議事録等を参考にすべきですけれども、私が大体常識的に聞いておるところでは、やはりそれぞれの負担能力というものを考慮したのであって、例えば企業について、資本金に基準してふやしているということは、労働組合の場合の組合員の数でやはりふやしているのと軌を一にする思想であろうと思います。  それから、企業献金を一切やめて助成制度にするという、さっきの松原提案者のあれでございますけれども、私は、これは国民の理解を得られるかどうか。政党が専ら国民からの助成金を中心としてその政治活動をやるというところになってしまうと、外国でもそういう判例もございますし、私は、政党のあり方としてやはり問われるところであろう。特に、将来、例えば日本に大きな第二党、政権交代の可能な第二党が出てくる場合に、それがいつまでも選挙のときの得票数と議員数に応じた資金だけで国民にアピールをしているというのは、甚だ消極的な姿勢であって、アメリカの例をいろいろおっしゃいますけれども、アメリカで第三の大統領候補があそこまで追い上げることができたのは、やはり各州における独立した企業を含むところの、ペローを上げようという運動があったからであるということも、ここで選挙と政治の実態という意味で申し上げておかなければいけないと思います。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 ただいまの中で、社会党は公的助成にのみ頼るという方向性ではないか、これは全くの間違いでございますので、明確に指摘をさせていただきたいと思います。すなわち、個人献金にむしろシフトしていこう、こういう方向性を持っているわけです。  外国では、特にヨーロッパでは企業献金認められているではないかという御指摘が盛んになされるわけですけれども、率直に申し上げて、外国の企業と日本の企業と、そのビヘービア、行動が全く違いますね。さらにさかのぼれば、ヨーロッパの資本主義には、その精神的なバックボーンとしてプロテスタンティズムの倫理があるというような指摘もあるわけですけれども、(「儒教があるぞ」と呼ぶ者あり)我が国の企業がまさにそうなんです、儒教倫理。これはまさに集団主義でございましてね、まずエゴが確立していない。そして、集団のためには違法なこともあえてやってしまうという方が、残念ながら企業の中にいらっしゃるわけですよ。そういう風土、そういう中で、政策的にとにかく個人献金にシフトしていこうではないか、こういう方向性をどうして自民党の方が出していただけないのか、そこが私残念でしょうがないんですね。  政治家個人が受け取るものについては、企業献金を制約していこうという方向性は明らかに出しておられる。にもかかわらず、政党に関しては企業献金からの枠を拡大していこう、この矛盾を一体どう説明されるんでしょうか。個々の政治家は、企業から金をもらえばどうも不都合なことになりやすい、一本釣りに遭いやすい、でも政党ならば構わないというのは、これは、一本釣りはいけないけれどもトロールで丸抱えなら構わない、こういうまことに奇妙な論理ではないだろうかというふうに思います。

津島雄二自由民主党

○津島議員 御質問にどうしても答えさせていただきたいと思うのでありますけれども、過去の審議会の答申なぞを触れておられたのですが、戦後の相当長い議会制民主主義の歴史の中で、やはり一つ私どもはだんだん踏まえなければならないのは、どうしても日本では個人献金というものが、あれだけみんなが力を入れたにもかかわらず十分ふえなかったということであります。そのことを前提といたしますと、労働組合を含めて企業、団体からの献金を一切やめますというのは非常に、何というか思い切ったあれのように見えますが、結果としては、私は関係の政党の財政に相当大きなマイナス、負担になること、これは火を見るより明らかでございます。それを御提案している一方で、一定の税金からの助成金をやはり当てにするということについては、まあ小澤委員がどういうことを言われても、私はやはり国民は納得しかねるものがあるのではないかということを申し上げておるわけであります。

宇都宮真由美日本社会党・護憲民主連合

○宇都宮委員 一番最初のさっきの私の質問に戻りますけれども、要するに企業の方が負担能力が大きいからたくさん献金できるんだ、してもいいんだというふうな理由、個人と企業とで献金の上限が違うのはそういう理由だというふうにお聞きしたんですけれども、確かに負担能力においては違うかもしれません。だけど受け取る政党の側にとってみれば、二千万は二千万、二億円は二億円、やはり十倍の影響力があると思うんです。ということは、やはり参政権のある個人よりも企業の方が政党に対して影響力を持つことを認めているんじゃないか、このあたりを私は心配するわけです。  だから、自民党さんも多分献金は将来的には個人献金にシフトするのがベターであるというふうには考えていらっしゃるだろうと思うんですけれども、それであれば、まず少なくとも企業の献金も個人と同じレベルくらいまで下げる、そのくらいのことはしてもいいんじゃないかと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。

武村正義自由民主党

○武村議員 率直に私の実感を申し上げますと、私も、月一万円、年十二万円の献金をあちこちにお願いをしてまいりました。大方は法人、企業であります。個人も、お医者さんとかお坊さんとか、一部農家も二、三人いますが、まあ何十人かあるんですが、やはり個人の方が非常にいただく側から見てもさばさばして受けやすいかというと、大企業が月一万円、年十二万円献金してくれる方がはるかに義務感というか、かかわりは薄く感じられて、個人が、まあ米作農家でかなりの大規模であっても、年収数百万ぐらいの農家が月一万円出してくれているのは、物すごいこっちは意識するんですね。個人献金ですよ。  だから、そういう意味では、売り上げで考えても、月間例えば数百億とか一千億の売り上げを上げている大企業が月一万円の献金をしてくれた場合と、月給が二十万、三十万の人が月一万円献金してくれた場合と、この比率で割ればわかりますように、法人の方がはるかにさばさばする、むしろ個人の方がじめじめと、出していただいているという気持ちを感じなければならない。個人だっていろいろなことを頼みに来るわけですから、利害がつきまとうこともあるわけでありまして、そういう意味では、個人献金はフェアでクリーンで、企業献金は何かダーティーだという、そういう考え方そのものも、私のささやかな経験からいっても何となく納得できない感じがするわけであります。その辺もお考えをいただいて。  問題は、なかなか日本では個人献金が広がらない。これは私は余り正確な数字じゃないと思うのですが、ある人から聞いた数字ですが、山本七平さんという人が本を書いていますが、日本人には古来から、古代からボランティア精神がない、人様にお金を、社会にお金を出す精神のない民族だということを書いていたのを記憶しているわけですが、それで、ある人の数字なんでこれは定かではありませんが、アメリカ人は平均年収に対して二・一%ぐらいの寄附をしている。これは教会とか学校とか、環境問題とか政治とか、いろいろあると思うんですよ。でも、一千万の人なら二十一万円ぐらい出している。日本はそれに対してどのぐらいだとお感じになりますか。〇・一%だということで、日本の場合は、まあ町内会とか、農村ですと義務的な寄附はありますけれども、本当に真っ白な気持ちで社会のために、人のためにぱっと金を出すという習慣というか伝統が、どっちかというと比較的薄い民族であるということを、山本さんの文章と重ね合わせて私は感じているわけですが、そういう中で企業献金を、日本の経済の源泉である企業からの献金を閉じてしまって全く個人だけで頼るという道は、下手をすればもう公的助成をどんどん拡大していって、一〇〇%に近い政党の活動資金を国家に仰ぐ、税金に仰ぐ、こういう逆立ちした状況になっていく、そういう道を歩み始めることにもなりかねないというふうに、私はいささか心配をしているわけであります。

細川律夫日本社会党・護憲民主連合

○細川議員 公的助成を導入するということは、これは国民の皆さんからの税金を政党がいただく、こういうことですから、それには国民の皆さんがやはり納得のいく形でこれは導入をしなければいけないんじゃないかというふうに思います。  今、国民の皆さん方が大体どういうふうに企業献金を考えているかといいますと、これまでにも出ましたけれども、四月六日の朝日新聞の調査によりましても、この世論調査ではこういうふうになっております。企業の政治献金についてどう思いますか、条件を厳しくして認めてもよいと思いますか、それとも一切禁止をすべきだと思いますか、こういう問いに対して、一切禁止をすべきだというのが六五%、条件を厳しくして認めてもよいというのが二八%。一切禁止をするというのが六五%と大変多いわけなんです。したがって、そういう人を納得をさせながらということになりますと、やはり公的助成を導入するには、私は企業献金を一切禁止をする、そういうことでなければならないんじゃないかというふうに思います。

宇都宮真由美日本社会党・護憲民主連合

○宇都宮委員 私も、政党助成金ですか交付金ですか、大体約三百億ですか、国民一人当たり二百五十円ということですので、それだけの税金を国民の方から政党としてちょうだいする以上、やはりそのかわりに、これは何かのかわりに、要するに腐敗した、政治が汚れる可能性のあるそういうお金のかわりに、きれいな国民の税金を政党に渡そう、交付しようというわけですから、そのかわりにやはり企業献金というものは廃止するということがなければならないと思うんですけれども、さっき細川さん言われたのと同じことを考えているんですけれども、その点は自民党の方はどのように考えていらっしゃるんですか。

津島雄二自由民主党

○津島議員 ここは、政治のあり方についての本当に真剣な議論の必要なところだと思うんですけれども、私は、やはり政党を含めて、民主主義の政治のあり方が主として国民の税金によるという世界になっては断然いけないと思っています。やはり、私は本会議でも御答弁いたしましたように、基本的には自発的に国民の皆さん方が、有権者の皆さん方がコストの負担にまで参加をしていただく、自発的にですよ。助成金というのは税金で取るわけですから、自発的に参加をしていただくということを基盤にして、初めて生き生きとした議会制民主主義が機能すると私どもは考えておるところであります。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 津島さん、石井さん、武村さんのお話を聞いていますと、要するに自民党さんは、企業献金がなければ党は運営していかれない、貧血を起こすんだ、こういうお話に尽きると私は思うわけであります。じゃ一体、企業献金がほとんどない、非常にそういう関係の薄い政党はこれからどうしていくんだ。我々自身がそうでありますし、六十数億の本部の会計というのは社会新報を売ったり――社会民報じゃありませんので、社会新報というんですから。社会新報を売ったり、そういう党費なりなんなりでやっているわけであります。なるがゆえに、皆さん方のところでは財政的には極めて、金満病の自民党対金欠病の社会党、こういう格好になったことが政治の本質、今腐敗ということが出てきてしまって、永久政権になってしまったというところに問題がある。  私たちは、企業の参政権というのは非常にすれ違いがあるんであって、企業そのものが確かに政治に参加することについては、我々答弁団、弁護士たくさんそろえておるわけでありますが、否定をしておらぬわけであります。ただし、それがお金を出すということについてどれだけの弊害を持ってきたか。今、政官財の癒着ということが言われ、政治と財界との関係の問題でいろいろなことが言われている問題というのはもう言うまでもないわけでありまして、私たちはお互いに経済政策をやる。私は、たびたび言いますように企業性悪説はとりません。企業があるがゆえに、また企業が発展するがゆえに、我々及び働く人の雇用が守れるわけでありますから。ただ、物事は何事も、行き過ぎがあるものにつきましては、公正取引委員会等でチェックをするということを社会の機構としてやっているわけであります。  しかし、本来企業活動という非常に重要な活動に対しましてチェックをしなければいかぬ立場の政党が極めて、企業献金をもらっているということで、どこかに控えがある、あるいは十分なことができないということになれば、これは日本の政治全体にとりましてはまことに私はあるべき姿ではない。今度の政治改革というのは、そこまで含んだ、社会構造、経済構造まで全部含んだ改革であるべきである、こういうふうに思っているわけでありまして、したがって、私たちは公的助成だけに頼るわけではなくて、当然我々自身の政党活動として、事業活動なり党員をふやすことなり一生懸命やっていかなければいかぬ。六十億は中央だけでありまして、地方を合計しますと八十億近くたしかなると思いましたけれども、そういう中ではやはりお金の面においても対等の立場に立つ。  皆さん方も、多くは中小企業だというなら、中小企業の社長その他重役に、個人個人に自民党の党費なり、自民党へ対しまして企業献金じゃない、これは個人献金をもらえばいいのであって、企業献金がなければ貧血起こしちゃう、死んじゃう、心筋梗塞だというなら、それはそれでそう言っていただければいいんでありますが、変な理屈をつけるから、今の現状から、私たちは本当にこれが政治改革だろうかということを言わざるを得ないのであります。

宇都宮真由美日本社会党・護憲民主連合

○宇都宮委員 ありがとうございました。終わります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 大野由利子君。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 政治改革法案の質疑に入ります前に、初めに、女性の政治参加ということについて伺いたい。自民党、社会党、公明党、皆さんの党に伺いたいと思います。  現在、我が国は、衆議院は御存じのように女性議員は十二名でございます。全部で二・三%という状況でございます。九〇年の二月の総選挙ですから消費税国会が終わった後の国会、マドンナブーム等々も言われまして、割と女性議員が当選しゃすい状況ではなかったか、そのように思うわけですが、なおかつ二・三%という、そういう状況でございます。今、世界で議会制度をとっています国が、全世界百三十一カ国のアンケートが戻ってきた中で日本は百十番目という、そういう状況がございます。  これは、一九九一年九月に発表されましたジュネーブにあります列国議会同盟の調査結果をもとにして市川房枝記念会が集計したもののデータでございますが、念のために申し上げますと、一位がフィンランド三八・五%、日本の約十七倍でございます。二位がスウェーデン三八・一%、三位が南米ガイアナ三六・九%、四位がノルウェー三五・八%、キューバが三三・九%、六位がデンマーク三三・〇、アイスランドが二三・八%。これは、いずれも国会の第一院、下院とか衆議院における女性議員の占める割合でございます。このように、概して北欧五カ国、比例代表制をとっている国では女性議員の割合が非常に多い。少なくて四分の一から三分の一強を女性議員が占めている、そういう状況がございます。  日本は、女性の政治参加という意味においても非常に後進国ではないか。金権腐敗という意味でも後進国、政治の後進国最たるものであるわけですが、女性の政治参加という点からもまさに途上国である、そういう状況がございますが、この事実をどのように思われるか。なぜこのようになっているのか。特に政権党であります自民党、二百七十議席以上の過半数をとっていらっしゃる自民党に一人も女性の議席がないということは、まさに残念至極というか、これはちょっとまさに問題ではないか、そのように思うわけですが、この辺の原因、理由をどのように認識し分析していらっしゃるかについて、それぞれお答えをいただきたいと思います。

石井一自由民主党

○石井(一)議員 大野議員が大変いい問題の提起をしてくださったと思っておりますが、我が党でもそういう議論が党内にあったことは事実でございます。  自民党の方から本会議の席を見ておりますと、あちらの方には美しい姿がたくさん見えておるのに、我が方を見ますと全く古色蒼然、若い議員もたくさんおりますが、なぜ女性が出てもらえないのかということを選挙制度に当てはめました場合に、やはり激しい同士打ちという問題があるのではないかと思います。組織政党で、政党と個人とが合体して、私が繰り返し申しておりますように、御見などの場合は、党の組織とその他の組織と個人の力とが一体して動いておりますし、公認候補と決められますと、他の候補が出てくる余地はございません。  しかし、自民党の場合の中選挙区の場合にはその余地が存在しておるわけでございまして、女性候補に対抗しようという男性が出てくる。そういうふうな中から、党としての十分な秩序が保たれずに、まさに弱肉強食のようなことが起こってくるというふうな状況がございまして、一人減り、また一人減り、終戦直後には、二院制をとりましたときには相当の自民党所属の女性議員が出ておりましたという記録を見ておりますけれども、最近に至りまして存在がなくなっておるということは非常に残念だと。私たちは常に、適任者に会いますと立候補を勧めたり、入党を勧めたりするんでございますが、女性の方はなかなかそれに関心を示されない。また、その裏には過当な同士打ちと、それからやはり経済的負担というふうな問題等もあるのではないかということは、容易に想像されるところでございます。  今回、党で議論をいたします中に、婦人の参加をさらに積極的に求めていくという条文を加えまして、小選挙区を断行した場合には一区に一人の公認候補が決まるわけでございますから、我々としても前向きに、積極的に女性候補を今後擁立していき、女性の声を代弁していきたい、そういうふうに念願いたしております。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 この問題は、私は、社会というものが男性と女性で、あるいは女性と男性でと言ってもいいと思いますが、両方で初めて成り立っているということを、どれだけ重要な要素として感じているかどうかに尽きるのではないかと思うんであります。  私も五年間、党の選対委員長をやらせていただきましたし、たまたまそのときは土井委員長だったこともあります。もちろん、その前から女性議員はいらっしゃるわけでありますけれども、やはり社会の構成からいってほぼ男女、人口的にいっても一緒であるわけですから、政治の世界だけがまことに今大野さんお挙げになりましたように、日本においては女性の議員の数が異常に少ないというのは、私はこれこそ本当におかしいと思うわけでございまして、我が党におきましては、意識的に女性候補をふやそうということで、しゃれて言うわけじゃありませんが、女性候補が出る場合には助成金というのを出して、これは助ける成るという字を書くわけですが、助成金というものを出して、幾らかでも出やすいようにしていこう。また、周りの党員なり組合の方あるいは御支援いただく団体にも御理解をいただいて、なるべく出ていただけるような環境をつくっていこうということで、今もそれはずっと続けておるわけでございます。  それで西ドイツ、今はドイツ社民党がたしか四割というのが当面の目標だったかと思いますけれども、そこまでいかないけれども、せめてまず第一段階として三割ぐらい、議員なら議員レベルでおってもいいのじゃないか。今うちの党内のいろいろな役員を決めますときには、大抵女性を一人役員に入れるというようなことも意識しながら、いずれにしましても、私たちは、女性と男性というのは、これは当然のことながら、いろいろな意味での感覚の違うところがまた非常に重要なことなんでありますので、対等な立場で参加をしていただく。社会進出の中にハンディキャップが若干ありますけれども、それを幾らかでも補いつつ、男女共生という形で政治の世界もやっていくことが非常に重要なことではないかという意識で、今日までやってきております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 大野委員から重要な問題を提起されたと思っております。  この問題につきましては、政治改革、大きな意味での政治改革で当然扱わなければならないテーマだと存じますし、今まで日本の政治の中で何回か討議されても、決してうまく解決ができなかったテーマではなかったかと存じております。国会議員、衆議院議員五百十二名のうち十二名で二・三%、衆参合わせましても四十九名、六・四%しかない。そのパーセンテージは、明らかに政治の中の一つのゆがみでしか考えられないと存じます。  石井委員が弱肉強食の社会の中で一人減り二人減り、何というか、告白というのでしょうか、ざんげを述べられましたが、私はそういう弱肉強食型の議会であってはならないと存じておる一人でございますし、女性議員のお立場を見ておりますと、余りにも残虐な議論が横行するときは座っていにくいんだろうという感じがいたしますしょっちゅう強行採決があったり、殴り合いがあったり、だましがあったり、大汚職があったりというのは、本来清楚なるべき清潔な母性愛に満ち満ちた女性議員にとっては、心理的な打撃を感ぜざるを得ないんだろうと思います。  しかし、私はそれがいいと言っているのではなくて、今後において、やはり佐藤委員がおっしゃいましたように、また先駆的な北欧諸国で述べられましたように、あるパーセンテージを設定して、目標値を設定して女性議員の数を増加してくるということは、当初段階において必要なのではないかと存じておりますし、その方向に向けてある程度我が国は努力をすべき段階に来ているのではないか、こう考えているわけでございます。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 我が国が戦後、ひたぶるに高度経済成長の路線を走りまして戦後復興を遂げてきた。そういった意味で、男性主導型の政治の中で成功してきて今日に来たのかもしれませんが、今もはやいろいろな問題に破綻を来している。まさに政治のありようにさまざまな大きな問題点、ほころびが生じてきている、そういう現状でございます。  経済優先の政治から生活者優先の政治というものに転換をしていくためにも、私はやはり生活現場で最も実感を持って生活をしている女性の意見というものが反映できるような政治システムにしていかないと、本当の意味での女性の民意、人口の半分以上を占めます女性の民意というものが政治に十分反映できないのではないか。  今どうしても、例えば一つの例を申しますとお米の問題、これは都市型の議員にとっては消費者の問題としての米問題は切実だけれども、生産者の問題というのはやはり余り切実でない。やはり農村の人たちの方が生産者の問題は切実に感じる。それと同じように、やはり女性が今社会の中で置かれている問題、子供を産んでまた社会で頑張っていくのは非常に頑張りづらい構図があります。その証拠に、女性の一生の間に産む子供の数がどんどん減ってきている。合計特殊出生率が一昨年は一・五三にまでなって、昨年はもっと下がるだろうと言われております。  そういう、やはり切実なものを切実に感じている人の意見がもっと反映できるシステムというのをつくっていく必要があるのではないか、そのように思うわけですけれども、今自民党さんが主張していらっしゃる単純小選挙区制、それぞれの選挙区でだった一人の候補に絞られるわけですけれども、中選挙区はいろいろ同士打ちがあって女性に厳しかったという話がございました。単純小選挙区制になると女性議員がふえるということを予想していらっしゃるのかどうかということについて、伺いたいと思います。

石井一自由民主党

○石井(一)議員 当然、私たちはそう予想しております。党が主導で公認候補を決定するわけでございますから、無所属の立候補というのは、立候補ができたとしても非常に当選の確率が低くなるというふうなことにもなるわけでございまして、また個人後援会なり個人の企業献金を求めるというような、そういうふうな手続なり時間というふうなものもセーブされてくるということにもなるわけでありますから、党のそういう女性重視の態度というふうなことが確実に議席にあらわれてくる制度である、そういう意味からも小選挙区制というものは女性の味方であると考えております。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 私の記憶が間違いかなければ、衆議院というところは体力的に女性が出るところではないのだと言った自民党の議員さんがいらっしゃったことを、私の記憶が間違いなければ、これ自民党さんの議員のかなり有力な方の御発言として報道されたのを思い出すわけでございますけれども、私は、参議院の選挙をやってみて、参議院の比例といっても全国を歩くわけですからこれはなかなか大変でございますけれども、政治活動の密度ということからいいますと恐らく、こう言うと怒られるかもしれませんが、比例代表の方が密度の面から言いますれば幾らか楽なのじゃないだろうか。そういう意味では、小選挙区になった場合、石井さんはああいうふうに言っていらっしゃいますけれども、私はそれは極めて疑問が多いと言わざるを得ないと思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 現実の問題といたしまして、大野委員の御指摘になりましたように、小選挙区制では女性の議員は当選しにくいと存じます。  といいますのは、従来とも一人区あるいは時々例外的にある二人区等におきましては、自民党の方におかれましても女性議員はほとんど当選していない、これはもう数字的に明らかに出てくるところであります。三人区以上、四人区あるいは五人区、そういうところで当選してこられる方が多かったという事実が雄弁に語っていると思うわけであります。女性が社会参加の実力があり、現代の問題に対して最高の発言者であるという、価値観の判断の転換を行わなきゃならぬところに私たち男性の議員は来ているのではないか。そのためには、当初制度をつくって放置して、競争すればいいというやり方ではなくて、やはり比例区のような党の意向が十分に反映する組織において、そして女性候補の立派な方々がたくさんおられるわけでありますから、社会常識と少し違うかもしれないけれども、女性議員を登用する意思を各党が持ち合わせるということが、一番先に道が開くのではないか。  その点については多くの委員が同感のうなずいておられる気配を私は察しますと、自民党の議員みずからが我が小選挙区併用型比例代表制に賛同いただいて、そして比例制の中では女性のパーセンテージをふやす、こういう党の意思をここで表明するかどうかが大きな問題ではなかろうか、そこから道が開くのではないかと思うわけであります。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 列国議会同盟のシンポジウムにおきましても、選挙制度が女性の進出に影響を与えるかどうかというシンポジウムの中で、比例代表制の方が小選挙区多数代表制より女性にとって非常に進出をしゃすい、そういう意見が大変多く見られたわけでございますし、調査結果におきましても、比例代表制によって選ばれる議会では女性の議員の比率が高い、そういうデータもこれは厳然と出ております。  そういった意味で、私、先ほど自民党の石井議員があのようにおっしゃいましたけれども、比較的小選挙区、レディーファーストの国であってもやはり小選挙区の国は女性の進出は非常に厳しい。日本はましてレディーファーストの国ではございませんし、夫唱婦随という国、選挙区でだった一人の候補となるとどうしてもやはり男性に道を譲ろう、そういうことが非常に傾向としては強い国でございますので、日本の国情とかそういうものに照らして考えてみても、単純小選挙区制になると現在の中選挙区よりはるかに女性にとっては厳しい体制になるのではないか、そのように思いますので、私は、女性の政治参加という観点からも単純小選挙区制は絶対に反対をしなければならない、そのように思っております。  ちょっと一つだけ例を申しておきますと、フランスにおきましても、一時多数代表制で選ばれていたときは少なくて、その後比例代表制になったときは女性議員が非常にふえて、その後また多数代表制になってから女性議員が減った、そのようなデータもございますし、そういう点について、単純小選挙区制を考えていらっしゃる自民党の議員さん、ぜひ再考をお願いをしたい、そのように思います。  時間がございませんので、次の質問に入ります。(発言する者あり)もう答弁は結構でございます。  政治改革特別委員会での委員会質疑、既に四十二時間を超えました。本会議も六時間五十分ですか、合わせてきょう間違いなく五十時間を超える、そういう時間になってまいりまして、非常に特別委員会の委員の皆様、答弁席に座っていらっしゃる皆様方、御苦労をしていただいて大変だと思いますが、今回の論議は、今までの論議と違って大変活気がある、大変おもしろいということで、国民の皆さんから大変な好評を呼んでおります。私は、この政治改革法案の中身について質疑をさせていただきます前に、いよいよあすは参考人質疑、議員の一般質疑は運休前ではきょうが最後と伺っておりますので、きょうその中身に入ります前に、今国会での一般質疑、運休前の質疑として、私は、選挙制度の改革を含む抜本的な政治改革を今国会でなし遂げる決意に変わりがないかどうか、きょうは答弁席にいらっしゃる全議員の皆さんに御決意を伺いたい、そのように思います。  では、自民党の議員さんからどうぞ。短く、よろしくお願いします。

石井一自由民主党

○石井(一)議員 当然決意に変更はございませんし、ここの委員会におりますと、決して社公の併用案が正しいという気持ちはございませんけれども、何とかどこかに接点がないだろうかというような気持ちにもなるわけでございます。  しかしながら、また国民の世論もこの我々の議論を注目して見ておられまして、それなりに我々が本当に当事者能力があるかということを注視されておると思うのでありますが、けさ、我が党では合同総会が行われました。しかしながら、党の意見としては、やはり生易しい、何と申しますか現実的妥協を排せよという意見が非常に強いわけでございまして、私は、一つの厳しさを実は合同総会に出て痛感をいたしたようなことでございます。  ここだけの議論で物がまとまるのなら結構なんでございますが、大変大きな後方部隊がございます。また、私は他の、社会党を初めほかの党でもそういう問題というものがあるのではないか。私は、願わくはこの連休中に多くの議員がそれぞれの選挙区へ帰り、本当に国民が何を求めておられるかということをもう一度国民と同じ視点に立って話し合いを続けていただき、そしてこの連休中のその帰郷運動というものが、それが終わりました後に、この法案がまとまる最大の起爆剤になってもらいたい、そういう気持ちでございまして、気持ちは一つも変わっておりませんけれども、この問題がいかに難しい問題かということを新たに認識をいたしておるところでございます。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 時間がございませんので、御決意に変わりがあるかないか、イエスかノーでお答えいただきたいと思います。

津島雄二自由民主党

○津島議員 これまでの議論で、食い違いもありますけれども、共通点の方がはるかに大きいという感じを受けています。ですから、この機会を逸することなしに、中選挙区制から脱却をして、政党・政策ベースの政治にしたいということで、何としてもやり遂げたいと思います。

武村正義自由民主党

○武村議員 決意をますます固めております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 一応全員の方に伺っておきたい。

額賀福志郎自由民主党

○額賀議員 私は四時二十分からということであったのですが、せっかくですからお答えをさせていただきます。  一生懸命頑張りたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 社会党としても、決意に全く変わりはありません。そして、今論議になっております選挙制度の問題だけではなくて、日本の政治風土自体を変える政治資金の問題も、また一括してやらなければいかぬことを強調させていただきたいと存じます。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 私も決意に変わりはございません。そして、これに反対するようなグループがもし存在したり、抵抗する議員があったとしたら、それはもう滅びの道しかないと存じます。断じてやるべきであり、それしか国民にこたえる道はないと存じます。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 今日のこの盛り上がった機会に、ぜひとも政策で争える選挙制度、そして個人の広く薄い献金に依拠する政党の運営、そしてまたもう一つは、さらにこの議会が本当に民意を代表して国民の諸要求を政策として、最高の政策機関として政策として吸い上げ、これを法律にまで高めていく、そして行政機関をしてそれを執行させるという本来の機能を果たす、そういう議会に、議会をして本当に議会たらしめる、立法機関たらしめる、そこまで含めた政治改革の機会としたい、断じてやり遂げたい、かように思っております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)議員 五十時間になんなんとする議論を通して、与野党とも意見が一致しているところは、相打ちで現状維持は許されない、今国会中に決着をつける、次の選挙から新しい選挙制度でやる、これだけは一致しているというふうに私は理解をしておりまして、断じて改革をなし遂げる決意でございます。

北側一雄公明党・国民会議

○北側議員 今国会中に。与野党で選挙制度改革を含む抜本的な政治改革について合意ができるように全力で頑張ってまいりたい、そのように決意をしております。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 今国会中に必ず改革をやり遂げる、あそこに座っておりましてますますそういう意思を固めております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠議員 ルビコンはもう渡ったつもりでございます。まだ渡り切れずにうろうろしている人が何人がおりますけれども、我々が先導的に頑張れば必ずや成就する、こういう決意でおります。

細川律夫日本社会党・護憲民主連合

○細川議員 国民の皆さんの政治不信というものを解消するには、今国会で政治改革を実現するしかないというふうに思います。そのために一生懸命やりたいと思います。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 今皆さん、御決意を伺ったわけですが、与野党が大変自己の政党の案に固執をしておりますと、与野党相打ちになって廃案になってしまう。ベストの案はベストの案として、これを成立させるためには妥協をすると申しますか、双方が歩み寄ってそして一つのものにする、そういう妥協が必要であるわけですが、選挙制度で妥協する意思があるかどうかについて、イエスかノーで一言で結構でございます、お答えいただきたいと思います。

石井一自由民主党

○石井(一)議員 何らかの形で国民の期待にこたえるため、模索し、前進を続けていきたいと考えております。

津島雄二自由民主党

○津島議員 妥協という話になりますと非常に難しいあれで、一生懸命やるという言葉に尽きると思います。

武村正義自由民主党

○武村議員 ある時期が来れば、お互いに歩み寄らなければ実らないというふうに思っております。

額賀福志郎自由民主党

○額賀議員 お答えいたします。  妥協するということは、みずからのスタンスを持っているということであります。相手によります。相手次第だと思います。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 懸命に努力してまいります。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 大野さんの御質問にこたえられるように、今十分審議を深め、かつ、いろいろな角度から勉強しつつある、これをもって回答にさせていただきたいと思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 現在提出中の法案の論議を通じましてお互いの理解がますます深まったところでありますけれども、もう少しこの理解を深めていきたいと存じます。それと同時に、多方面にわたって努力いたします。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 それぞれの認識がますます深まってきていると思います。妥協という言葉が必ずしも妥当かどうかわかりませんが、共通の認識の中からお互いに知恵を絞って、単なる足して二で割るということではなくて、本当の到達点に行くべく最大の努力をすることが今の議会人の使命だろうというふうに思っております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)議員 論議を通して、おのおの目的とするところ、お互いに理解が深まったんじゃないか、必ず一致点を見出せるんじゃないか、このように確信をいたしております。

北側一雄公明党・国民会議

○北側議員 いずれにいたしましても、与野党の合意を得なければ成立しないわけですから、その与野党の合意が得れるように頑張りたい、そのように思っております。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 私は大胆な妥協が持論であります。それでまとめるべきだと思います。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠議員 三月の終わりにニューヨークへ行きまして、成田に着きました。荷物を持って出口から出ようと思いますと、中年の紳士が、あなたは国会議員かと言いました、バッジをつけていましたから。そうですと言ったら、きょうは不愉快だ、国会議員と一緒に飛行機に乗っておった、こう言われました。これは、恐らく多くの方々がそのように我々を見ていると思うのです。これをもって日すべきことでありまして、そういうことが言われないような、政治不信を回復するために、断じて妥協もあり得ると思っております。

細川律夫日本社会党・護憲民主連合

○細川議員 政治改革が実現するように、最大限の努力をしていただきたいと思います。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 民間政治臨調が提言いたしました小選挙区比例連用制は、私は一つの有力な妥協案ではないか私個人の意見でございますが、そのように思うわけですが、この連用制案についてどのように思われるか。  これは自民党、社会党、公明党、代表お一人ずつで結構でございます。手短によろしくお願いいたします。

石井一自由民主党

○石井(一)議員 それなりの評価をいたしておりますし、民間の皆さんがそれなりの研さんを積まれ、また我々に対してそういう援言をされたということに敬意を払っております。  ただ、制度はそれぞれの特徴、それぞれの主張の一つの中間点にあるわけでございますが、まあいろいろ議論をしておりますと、そういう形の妥協ということも土俵づくりでございますからやむを得ぬかと思うのでありますが、私たちといたしましては、政治改革をやり制度を変えてどう変わったのかというときに、大体勢力も同じ、またやることも同じじゃないかということが言われることのないような、一つのやはりビジョンというものが少し足りないのではないかな、そういうふうなことを考えて今もだえておる、こういう状況でございます。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 民間政治臨調で大変な御努力の上であのような案を提案をされた、そのことに対しては心から敬意を表するものであります。  せんだっても申し上げましたが、私どもは社公案が一番ベストであるという基本的な考え方でこの委員会に臨んでいるわけでございますが、我々はまさに国民の代表として議論しているわけで、我々だけの身内の議論であってはならない、国民の各層の御意見も十分に検討しなければならないというふうに考えております。  連用案ですか、十分検討の対象としなければならないと考えております。問題点もいろいろあることは事実でございます。現時点ではその中身を正確に知ろう、その上で党内でも議論を進めよう、こういう状況であろうかと思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 お答えいたします。  既にこの場所でも他の委員の御質疑の際に申し上げたかと存じますが、運用案を提言なさりました民間臨調のグループの皆様方の御努力に敬意を表したいと思っています。  それと同時に、この内容については非常に当委員会の審議に影響を与えておりますので、十一日に参考人として民間臨調の方々がここで御説明になると承っております。そういたしましたら、その法案あるいは法案要綱等も含めまして十分に審議をさせていただきたい。現在におきましては、双方の案が激突している中で、非常に有力な一つの提言として評価したいと存じております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 この民間政治臨調の提言の中に、政治資金規正法に基づきます監督機関として、政治資金委員会を総理府の外局として設置することを提言しております。この政治資金委員会の活動の中身とか構成とか細かいことにはいろいろ異論があるかと思いますが、このような第三者機関が一定のチェック機能を働かせるということについてどのような御見解を持っていらっしゃるか、伺いたいと思います。

額賀福志郎自由民主党

○額賀議員 我々が一番考えなければならないことは、政党の政治的な自由というものを常に確保していかなければならないということであると思います。したがって、公的な権力が個々の政党の活動に対して介入するおそれがあることは、これは一つも許すことができないというふうに我々は考えております。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 発想としては私たちも当然わかるわけであります。今の政治資金報告書というものは、一体どれだけ信頼性を国民の皆さんが持っているのだろうか、いざ事件が起こってみると全く事実と違うではないかということで、その意味での監視あるいは検査機構をつくったらどうかという発想は、私たちもわからぬわけではないので、かつて二年ぐらい前に我々もかなり真剣にそういったものを考えたことがございます。  しかし、実際いろいろ詰めてまいりますと、一番肝心かなめな政治活動の自由というものと裏腹になってくる。この支出自体が金額的に正しいかどうかならまだしも、内容的に正しいかどうかというところまできますと、これは政治活動の自由に大きく触れる問題がございまして、私たちは、なるがゆえに腐敗防止のところで政治資金規正法違反者に対しましては公民権停止というものまでかけるということまで考えて、違反をした場合には、それが明らかになった場合には厳しい出口がありますよということをもってこの報告書を担保をするという方が、健全な民主主義の発展のためにいいのではないかというふうに今考えております。ただ、新たな御提言でございますので、党内的にはいろいろさらに勉強はしてみたいとは思っております。

北側一雄公明党・国民会議

○北側議員 非常に私は参考になるなというふうに思いましたのは、政治家から報告されました収支の報告書、これが今国民の皆さんがその収支の報告書を調べようと思いましても、一つにまとまっておりませんのでなかなかわかりにくいという問題点がございます。  それで、この政治資金委員会の内容の中で、その収支報告書を統合しまして、そしてそれを収集し、整理し、そして検索が容易にできるようなシステムをお考えになられております。私は、国民の皆さんが容易にそういう政治の収支に対する情報、これに対するアプローチが、アクセスが容易になるという意味で、非常にすぐれた方法であるなというふうに思っております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 私も、活動の中身はもちろん政党の自由が保障されなければいけないわけですが、金額のこととかそういった意味で、やはりこの政治資金も税控除の対象になっているわけですから、不当なものがそこに介在しないようなこうした第三者機関のチェックは必要なのではないか、そのように思っております。  それから、非常に多くの疑惑を招いてまいりました政治家や政治団体に対する寄附でございますが、今回、自民案、社公案ともに透明性を高めて、この寄附行為についていろいろ公開性を高くしているわけでございますが、私は、会費について触れられていらっしゃらない、その理由を伺いたい、そのように思っております。  会費は、企業、団体の献金の場合は会費も寄附とみなされるわけですが、個人の場合はこれは寄附とみなされない。会費は会費でございまして、会費は総金額と件数のみ報告すればいいというふうになっているわけですね。名前まで公表されないようになっているわけですが、この点について、まず社公の方から伺いたいと思います。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 個人の会費ですね。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 はい。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 政党及び政治団体にしましても、やはりそれが成り立っていくためには、個人の参加といわれるものが保障されていないとこれは成り立っていかないわけですね。したがって、個人の会費についてはこれを寄附とみなしたりすることもなく、当然の政党、政治活動にとって必要な措置だという扱いで対応いたしております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠議員 これは現行制度でも、党費とか会費というものは、それぞれの政党なりその政治団体の規約によりまして決めるものでございます。そして、その構成員である会員なり党員の方がいわゆる債務として、払うべきものとして払うわけですね。そういうことで上限はないわけです。問題は、じゃ会費が百万とか党費が何十万ということがあり得るかというと、まあそういう例はないだろうということで、一応上限は現行法でも設けておりませんし、私どもも会費、党費については上限はなくてもよかろう、あくまでもその政党なりその政治団体の自浄能力があれば十分対応できるのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。

額賀福志郎自由民主党

○額賀議員 お答えをいたします。  我が党も個人会費につきましては、サークルだとかあるいは研究会だとか勉強会だとか党だとか、いろんな会がありますと、その会則とか取り決めがあるわけでありますから、それにのっとって支払われる会費につきましては、これは当然会の皆さんが趣旨それから目的に賛同して参加することでありますから、問題はないと思っております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 自民案では資金調達団体というものを設けていらやしゃいまして、自民案によりますと六十万円を超える資金調達団体への個人献金、政党への献金は名前を公表するとなっているわけですが、資金調達団体も会費であれば、毎月十万の会費で年間百二十万円払っても名前は公表されない、そういう矛盾があるんですが、この点についてはいかが思われますか。

額賀福志郎自由民主党

○額賀議員 資金調達団体は、候補者、政治家個人がみずからが主宰する政治団体の場合と、あるいはそういう候補者、政治家を支援してくれる団体と、いずれかになるわけでありますが、私どもは、政治活動を裏づけする政治賃金の調達に当たりましては、この資金調達団体につきましては企業からのものでございます。企業、団体のものでありますから、これは寄附行為に当たりますので、きちっと収支が明らかにされなければならないというふうに思っております。     〔委員長退席、中西(啓)委員長代理着席〕

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 個人献金に関しまして、確かに会則に基づくものであるわけですけれども、会費という名目で一つの脱法行為が行われるというふうなこと等も考えられますので、私は、この法案の中に、会費もすべて寄附とみなすというような、その辺の規定が必要ではないか、このように思っております。  続きまして、政治資金の企業・団体献金、社公案は一切禁止をしているわけですが、自民案では、資金調達団体を議員一人当たり二団体まで認める、額は一企業年間二十四万円を超えることができない、そのようになっているわけでございますが、五年間の経過措置を設けていらっしゃいます。附則の中で、施行日の属する年は百二十五万円以内、翌年が百万円以内、翌々年が七十五万円以内、その次は五十万円以内、その次の年は二十五万円以内という五年間の経過措置を設けていらっしゃるわけですが、これ、理由はどうしてなんでしょうか。

額賀福志郎自由民主党

○額賀議員 お答えをいたします。  この経過措置を設けましたことにつきましては、これは、我々は連日連夜、毎日政治活動を続けているわけでありますが、政治活動を続けていくに当たってはそれなりのコストが要る。そのサービスを継続的に維持していくということ、あるいはまたソフトランディング的にうまく円滑に処理していくために、一定の経過措置をつくったわけでございます。必ずこれは、逓減をしていくことによって当初の法律の目的は達成するわけでありますから、御理解を得られるものと思っております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 今のお話を聞いていますと、要するに五年の経過措置を設けて、二十四万円までにいくまでのソフトランディングとして徐々に、一挙には厳しいから徐々に減らそう、そしてスムーズにこの制度ができるようにというために設けられた、そういう制度である、そういうことでございましょうか、もう一回確認させていただきたいと思います。

額賀福志郎自由民主党

○額賀議員 おっしゃるとおりであります。  それから、そういう政策的な問題のほかに、政党内における、あるいは個人的な政治家の事務所だとか秘書だとか、そんなものもこの法律が通ることによって個人中心から政党中心に転換していくわけでありますから、いろいろなそういうことも踏まえて経過措置をつくらせていただいたということであります。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 そういう御趣旨だということなんですが、ただし、この受け入れ団体が制限がないわけですね。場合によっては、今より受け入れ団体を、五年未満に限りますとふやすことも可能な制度になっているわけでございましで、私はこの自民案を見る限り、国民の皆様に対しては、徐々に減らしていきますよ、五年間の経過措置の後にはこういうふうにするのですよというふうに、そういう青写真を描きながら、五年間は幾らでもまだ政治資金を受け入れられるようになっている。いかにも減らしていくように見せながら、実態的には無制限にその五年間は企業・団体献金を受けられる、そのような抜け道がここにできているのではないか、そのように思いますが、これはいかがでしょうか。

額賀福志郎自由民主党

○額賀議員 我々は、今度の政治改革におきまして、政治と金の問題に対する政治不信を解消すること、議会制民主主義をどうやって活性化させていくか、そういうことを目的にこの改革に臨んでいるわけでございます。これは、全国民あるいは多くの企業、団体の皆さん方が注目をしているわけでありまして、政治家が、我々が自粛し、改善の方向、目的を示せば、企業、団体の皆さん方もそれに呼応してきちっとそういう対応がなされてくるものと思っておりますから、委員が御指摘のようなことは起こらないというふうに思っております。  しかも我々は、今度の政治資金の問題につきましては、透明性を持って、しかもなおかつ、いろいろと御指摘があったような問題につきまして、政治家個人に対する金の出し入れは絶無にするとか、いろいろな対策を講じておりますから、私は、信頼関係の中にこういうものが構築されていくものと信じております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 信じられないから今法制化を図ろうと、今までの法律でいろいろ問題があるということで検討しているわけでございまして、政治家が信頼できるのであればこうしたことを検討する必要もないのではないか。そのためには、本当にもっとちゃんとした法律をつくっていく必要があるのではないかと思いますので、私は自民案に関しまして、政治資金受け入れ団体、調達団体を二団体にする、しかしそれに向けて政治団体も今より減らしていくのだという、団体の数においても経過措置というか徐々に減らしていくというものがなければ、これは要するに形だけであって、実質は企業・団体献金を減らしていく方向にはならない、そのように思いますので、その点ぜひ御検討をお願いをしたいと思います。  それから政治資金、社公案では「株式、土地その他」による政治活動に関する寄附を禁止しておりますが、この理由について。また、「株式、土地その他」の「その他」が入っておりますが、ほかにどのようなものが考えられるか、お答えいただきたいと思います。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 株式、土地は極めて投機性の強いものでありまして、いわゆる政治資金の透明化という面につきましては不明朗な状況が発生するおそれがありますので、従来これについても問題が生じましたので、したがってこれを禁止することにしました。  「その他」というものにつきましては、これは政令に任せられることになっておりますけれども、私どもとしては、いわゆる投機性があったり、あるいは値段がつきにくいもの、例えば絵画ですね、そういうふうなものにつきましては、これを認めるといわゆる政治資金の脱法的な状態を発生させるおそれがありますので、そういったものについて政令で禁止をしてもらいたいという希望を持っております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 自民案にはこれが入っていないのですが、どのように考えていらっしゃるのでしょうか。

額賀福志郎自由民主党

○額賀議員 自民党といたしましては、そういう政治資金につきましては、預貯金に限定しようという考え方であります。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 これは預貯金以外はあれなんでしょうか、この政治資金規正法の旧法の第九条に「当該寄附の金額(金銭以外の財産上の利益については、時価に見積もつた金額。」とございますが、これ、預貯金以外も入っているはずですが、どうなんでしょうか。

額賀福志郎自由民主党

○額賀議員 お答えいたします。  ただいまのことにつきましては、自民党は金銭と有価証券だけに限るというふうにしております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 いろいろリクルート事件等々もあったわけでございますので、この辺、やっぱり有価証券についても果たしていいのかどうなのか、この辺の御検討が必要ではないか、そのように思います。  それから、政治資金規正法の施行期日に関して伺いたいと思いますが、この政治改革法案が一括、もしことしじゅうに成立した――ぜひ成立させなければいけない、そのように思っているわけですが、ことしじゅうに成立をして、そして来年の一月一日からこの公職選挙法が施行されるようになったと仮定をいたしまして、この政治資金規正法はいつから実施されるようになりますでしょうか。自民案について伺いたいと思います。

額賀福志郎自由民主党

○額賀議員 公選法が施行されると同時に行われるようになっております。一月一日からということであります。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 本当でしょうか。これはその翌年じゃないんじゃないでしょうか。来年の一月一日に公職選挙法が実施されれば、再来年の一月一日からですよね。間違いないですよね。

額賀福志郎自由民主党

○額賀議員 翌年の一月ということであります。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 私は、どうして公職選挙法が施行されてから政治資金規正法が施行されるまで一年の間があるのか、これは同時でいいんじゃないでしょうか。どうして違うんでしょうかお答え願いたいと思います。

額賀福志郎自由民主党

○額賀議員 いろいろと告知準備期間というものもあるし、また政治資金が一定の政治団体に集められておったときに、その政治資金を全部使ってないような場合があり得るわけですね。そういったときにも、一定の時間を置いてきちっと整理をさせていただくというようなこともあると思います。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 別に使い切ってなくても困らないわけでございまして、継続してそのまま、政治団体は別にそれで一たん打ち切るわけでも何でもないと思いますので、政治資金規正法の施行が一年おくれることの理由にはならないのではないか。私は、これは自民党さんが、本当に何としても、公職選挙法が施行されて、同時に政治資金規正法も本当に抜本的にやるんだという決意がないあらわれじゃないか。できるだけ先延ばし先延ばしにして、そしてやっていこうということじゃないか、そのように思いますが、もう一回、じゃ御答弁を伺いたいと思います。いや、経過はわかりますよ。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員長代理 どっちですか自民党ですか。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 はい、もう一回自民党に伺います。ちょっと先ほどのは納得がいきませんでした。

額賀福志郎自由民主党

○額賀議員 でありますから、翌年から実施されるということは一定の告知期間が必要であるということ、また、長い間政治資金的に応援をいただいているわけでありますから、そういうことを合理的に整理をしていくということ、それからまたもう一つは、これまでは保有金制度なんというのがあったわけでありますから、そういうものがきちっと整理されていくためには、どうしても新しい仕組みができて、新しい資金調達団体とかそういうものが生まれた上でないと整理されないということで、一定の期間があるわけであります。また、政治資金は暦年の中で整理をされておりますから、そういうことも勘案して、私は大変合理的なやり方であるというふうに思っておるわけであります。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 じゃ、もう時間がございませんので、最後に、社公案では政治資金規正法、政党交付金の交付に関する法律の施行日に合わせる、そういうふうになっているわけですが、なぜそういうふうにされたのかということと、あわせてその政治資金についての考え方について、ぜひ社公で考えていらっしゃる政治資金の考え方、自民党との考え方と対比してどのように考えていらっしゃるかについて伺いたいと思います。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 新しい政治資金規正法では、政党交付金法の施行の日に合わせることになっています。なぜかと申しますと、我々の政治資金規正法では、今回、企業・団体献金の禁止を一番大きな眼目にいたしておりますので、それにかえて交付金の交付を国民の御負担でお願いをしたいという考え方になっておりますから、したがって施行日をそれに合わしているということであります。  それで、自民党案との非常に大きな違いは、やはり企業・団体献金の禁止を求めるのか求めないのかというところに一番大きな違いがございます。あと罰則等につきましては、公民権停止の件については罰金についてまで社公案がこれを取り入れて公民権停止させるとか、罰則についても社公案の方が厳しいという特徴を持っております。  以上です。

北側一雄公明党・国民会議

○北側議員 今の松原委員の答弁に若干追加いたしまして、我々社公案の政治資金規正法違反の場合の罰則の強化について公民権停止規定を設けておるのですが、これは二年前の海部内閣の内容と同じ公民権停止規定になっておりますね、罰金においても公民権を停止する。ところが、今回の自民党案によりますと、公民権停止規定が禁錮刑に処せられて執行猶予中の者というふうに、二年前の海部内閣の際の政府案よりも後退をしているという違いがあると思います。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 政治資金についての考えを最後に。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 お答えいたします。  政治資金につきましては、私どもの考え方は、何としても多年にわたる大問題を惹起した企業献金をこれはやめて、そして個人献金の方向へ向かって進めようという決意を示したものであります。この点について、個人献金の方は集まらないからやることができないのだという御説明は、私は自民党側の提案者からは何人も伺いましたけれども、それは全くどうも聞きにくい議論だと存じます。というのは、努力をすればいいのであり、テレビその他のマスコミの機材もたくさんあることでございますから、国民の理解を本格的に得るとなれば、それはそれなりに国民の政治改革に対する気持ちと合致するならば、容易に方向は転換されるものと思うからであります。この点が全部抜けておりまして議論が行われるということにつきまして、ひどく残念な気がするわけでございます。  先ほど、恐縮でございますが額賀議員は、自民党案ではいただくものは金銭と有価証券だけとおっしゃいましたが、あれは間違いでございますね。そこは規定が書いてないのであります。この点は、私どもがこの点まで厳格に言いますのはなぜかと申しますと、今まで贈答品に絵画が使われて、そしてその絵画の値上げ益を贈ったというような週刊誌その他の報道というものがひどく多いわけであります。あるいは株券が一定方向に上昇するときに、それを買え、それを売れという指図をすることによって実質的な贈答をしたというような暗いうわさが政治家の周りに絶えないわけであります。そういたしますと、こうした献金の対象といたしまして、金銭あるいは有価証券というふうに厳格に限られる方向があるとすれば自民党案は大した前進であったわけでございますが、遺憾ながら今回のところでは盛り込むところまではおまとめになれなかったなと私たちは見えるわけであります。  きょうは、御担当された箇所でなかったと存じますので、御答弁を求めるのは無理だと存じますから、この点は十分御研究されまして、両案で議論を合わせるときには、どうかその点についても十分考えを一歩前進さしてお話し合いをしていただくようにお願いをしたい。そうでないと、その辺までひっかかっていたんじゃ、もう全然何にも私たち進まないからでございまして、ぜひお願いしたいと思っているわけでございます。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 では、以上で終わります。ありがとうございました。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員長代理 東中光雄君。

東中光雄日本共産党

○東中委員 企業・団体献金禁止についてお伺いするのですが、九一年に海部内閣の政治改革三法案が廃案になったのを受けて、各党代表による政治改革協議会、同実務者会議、一年余り開かれました。我が党は、政治改革において企業・団体献金禁止が最優先の課題だということを一貫して主張してまいったわけであります。この協議会、実務者会議に佐藤さんも公明党の代表も出席しておられました。しかし社会党、公明党両党は、この企業献金、団体献金の禁止については自民党とどうしても不一致だからということで、その問題が協議の先送りの議題になってきたわけであります。  それで、今回社公案は、企業・団体献金全面禁止というものを提案されました。それに対して自民党は、政党への企業献金の枠拡大という、平行線じゃなくて全く逆の方向への提案を出してきているわけであります。私たちは、この問題は政治改革の中心課題だと思っておりますから、この問題について先ほど来も大胆な妥協を、それが必要なんだというふうに発言されておった提案者もいらっしゃいますが、企業・団体献金禁止と枠拡大という自民党案に対してどういう接点を求められるのか、どういう大胆な妥協をやられるのか、そういう点、社会党、公明党にお伺いしたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 今、主に前の質問を、私の方は妥協すると言っておらぬわけでございますので、いろいろな案については謙虚に耳を傾けることは表明をしておりますけれども、妥協するという言葉も使っておらぬわけでございますが、この企業・団体献金の禁止というのは、これからの政治のありようの本質の問題だと思っております。  したがって、ここで随分委員長席の頭の上をいろいろな議論が飛んでやりとりをしているわけでありますけれども、私は先ほど結論的に申し上げましたように、政治というものは本来、企業活動そのものにもある程度のチェックをしなければいかぬ問題はたくさんあるわけですね。そういうものに対して、片や企業献金もらっておってできるだろうかあるいはそれ以外にもいろいろな事件が起こってきておるじゃないかということで、私たちはやはりこの政治改革というものは、企業からの独立ということも考える必要がある、それだけの内容を持っておるものだというのが私は政治改革の本質的なあり方だと思っておるものですから、そういった意味では、私たちの方は大胆な妥協と言ってないので、それに答える必要はないわけでありますけれども、このことをひとつ貫徹していく。  したがって、私が申しましたように、選挙制度と政治資金の問題というのは表裏一体のものである、一括これを処理するということはそういう意味であるというふうに御理解いただければ幸いだと思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 抽象的な用語を具体的なテーマに直して議論するのは大変難しいことでございますが、恐らく同僚議員の中に大胆な妥協という用語を用いた方がありとすれば、それは御本人にとって大胆な妥協という言葉で表明されたのだろうと思いますが、用語の観点から見てどういう意味合いを含んでいたかは、これは今後の問題だろうと存じておるわけであります。

東中光雄日本共産党

○東中委員 四法案の一括処理ということを言われておるわけですが、これは政治改革の基本にかかわる問題で、企業・団体献金禁止は何としてもやらなければいかぬ。それに自民党が全く逆方向のことを言っておる限りは、残念ながらそれは突っぱねて頑張るという意思表明をされたように佐藤提案者の発言をお聞きしたのですが、それでよろしいのでございますか。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 東中議員から激励を受けるような格好になるのは何とはなく面映ゆいような気もいたしますが、いずれにいたしましても、これだけの議論を通じ、これからより一層マスコミの中でも、自民党さんは一体金権一掃ということをどう考えていらっしゃるのだろうか、先ほどいろいろ答弁がありましたけれども、当分の間、今御指摘がありましたように、企業献金というのはふえていくんだと私は思っているわけです。少なくも二倍になった分だけは、いろいろな格好で言いますけれども、政治団体は、一つの団体に入ってくるのは少なくなるけれども数は制限ないのですから、あの五年間というのはふえていく。あるいは、今まで政治団体に十分じゃなかった、つまり百五十万までいってないものについては、これは政党へ行けばいいわけですから、確かに一万円以上のものは公表するということはありますけれども、政党をろ過器に使えばふえていくということでありますから、私はそういう金権というもの、金の力で何でもたくさんやっていこう、こういうものについてやはり一掃していくことが今度の政治改革の非常に重要な要素だと思っておりますので、そういった意味で、今後とも論議を深める中で、自民党さんに反省と改変をぜひお願いをしたいと思います。

東中光雄日本共産党

○東中委員 渡部提案者にも、具体的な問題をテーマにするのは難しいとおっしゃったのですが、どうもその趣旨がよう解し得ないのですが、あなたの方の案では企業・団体献金禁止ですから、それを変えることもある、あるいはそれは変えるわけにはいかない、どっちなんでしょうか。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 私はただいま提案者として、社公案の提案をいたしております。これは企業・団体献金の禁止をうたったものでございまして、この提案者である以上は断固それを譲るつもりは毛頭ございませんで、御誘導になるつもりはいろいろあろうかと存じますが、それはまた別の話ではなかろうかと存じております。

東中光雄日本共産党

○東中委員 妥協のつもりはないというふうにお伺いしたと思います。  それで、政治資金の収支公開についてお聞きします。  政党または政党支部がする政治家に対する寄附または交付、政治活動に関する寄附ですね、これは社公案でも自民党案でも、一切記録に載せる、公開する必要はないという案になっておると思うのですが、去年の十二月に提出された社会党案では、指定団体に直ちに入れるというふうになっておりましたね。政党から出された交付金なりあるいは寄附金なりを、それを一切政治家はどこにも報告する必要もなければ、記録することもなければ、もちろん公表もされない、ブラックホールになる。そういうふうになっておるのは、それで一体透明性ということを言われるのはどういうことで言われているのか、趣旨をお伺いしたいのです。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 指定団体をなくしたのは、いわゆる企業・団体献金を禁止する、個人の政治家に対する寄附も禁止をしたから、指定団体あるいは保有金制度をなくすというふうにしたわけであります。そうしますと、個人の政治家が使えるお金というのは、自分の持っている資産か、もしくは政党から受け取る資金か、この二つになるわけであります。  そこで、政党から受け取る資金につきましてどういう公開性の問題が立つかといいますと、政党が政治家にそのお金を渡した場合には、いわゆる支出もしくは寄附の項目でディスクロージャー、開示をされる、したがって金額の行き先はわかります。問題は、それを受け取った政治家ですが、政治家自身がそれをどのような政治目的に使用したかということにつきましては、とりわけて法的な規制をする必要はないだろう、これは自民党案とも同じです。問題は、それにもかかわらず一体どういう使い方をしたんだということが不明朗になるかどうかということにつきましては、その党が、政党が構成員たる政治家の方にお金を渡しておるわけですから、それは党の自律性の問題として、どういう扱いをしたのか、あるいはそれをどの程度公開するのかというのは、党の自律性の問題として解決をすればいいだろうというふうに判断をした次第です。  それからもう一つ、我が党の場合はいわゆる企業・団体献金を禁止をしますので、いわゆる個人献金中心になります。そうしますと、莫大なお金が政党に入ってそれがどう抜けていくのかということを考える必要はないという判断であります。

東中光雄日本共産党

○東中委員 今の御答弁は、質問の趣旨からいうとおかしいです。  昨年十二月に社会党が提案された指定団体にするという案のときには、企業・団体献金禁止に入っているんですよ。入っとって指定団体にしたんです。そういうことでしょう。それから、政治家個人に対する献金は、一般からの禁止はしたけれども政党からの禁止はないわけです。しかも政党から出される金というのは、税金で出てくる交付金があるでしょう。これは膨大な額じゃありませんか。これの使途は、政党としてはちゃんと出すについては帳簿をつくらにゃいかぬでしょう。しかし、もらって実際に使う政治家は、一切それは何にも帳簿をつくる必要がない、もうブラックホールだ、こういうことになっておる。これはもう非常に重要な問題です。  それで、自民党案もそうなんですから。自民党の「政治家個人として寄附を受けた場合の保有金の取扱いについて」というのが出されていますね。それによると、改正案では、政党から「制限なし」に政治家に行くと書いてありますがな。そして政治家は「自ら管理」と書いてあるんです。そして「総枠・個別の制限なし」に資金調達団体へ送ることができる、その場合は資金調達団体は収支報告をする、こういう仕組みですね。そこで政党から、政党で企業献金をいっぱい集めたやつがおりてくるでしょう。政党支部で集めたやつがおりてくるでしょう。あるいはパーティーで入ったやつもおりできますね。政治家に入ってくる。その政治家は「自ら管理」だけなんです。「自ら管理」と書いてあるでしょう。あなたの方の文書で言っているのです。それだから、みずから管理するんだから、どう管理したらいいのかという基準は何にもないわけや。だからワリシン買おうじゃないか、これも管理ですね。あるいは、何に使うかということは何にも制限がないです。制限あるんだったら、どういう規定がありますか。

額賀福志郎自由民主党

○額賀議員 東中委員の御質問にお答えをいたします。  法律どおり読みますと、東中委員のおっしゃるとおりであります。したがって、政党から政治家個人にお金が流れる仕組みになっております。しかし我が党は、きのうも私ども御答弁をさしていただきましたけれども、党則において、これは政治家が即座に資金調達団体に入れまして、そして政治資金団体における収支報告で明らかにして透明性を保っていきたいというふうに思っているわけであります。

東中光雄日本共産党

○東中委員 それは党の方針であって、その党の方針がどうされようと、今私たちがやっているのは政治資金制度をどうするか、制度を問題にしているんですよ。その制度ではこういうふうになっているんだから、自由に管理ができるんだから。だからその管理で、そういう中で金丸さんの問題が起こってきたんやないですか。あのワリシンやらワリコーやら買うたというのも、私たち常識で考えられぬことが現に起こったでしょう。この今度の制度でそれができるようになっているんですよ。そこが問題だということを言っているのです。  だから、そういう点では社公の皆さんは、そんなごつい企業献金が入ってくるわけじゃないから、そんな大した金じゃないとおっしゃるけれども、今度は国から出てきた国民の税金の交付金がありますね。その交付金の使い先は、これは当然会計検査院法の二十三条からいえば任意検査事項の対象になりますね。  会計検査院法は、「必要と認めるとき又は内閣の請求があるときは、左に掲げる会計経理の検査をすることができる。」として、一号から七号まであります。その三号には、「国が直接又は間接に補助金、奨励金、助成金等を交付し又は貸付金、損失補償等の財政援助を与えているものの会計」直接、間接ですから、政党を通じて議員に来る、その公的な政治活動ということで来るんでしょうから、これは当然入ってこれるはずです。適正に使われているかどうか、必要があればできるという会計検査院法、この適用があると思うのですけれども、そのときに何の記録も何もない、そういう制度でいいんでしょうか。  私は、重大なこれもブラックホールにして、税金も取るな、あるいは自民党の場合は企業献金も全部そこへ入れちゃう、そして表向き出てくるのは全く別のことだ、こういうことになったのでは、これはもう重大な欠陥だ。その点いかがです。

細川律夫日本社会党・護憲民主連合

○細川議員 東中委員の質問では、政党の方から政治家個人に大変な膨大な金が流れる、こういうように何か私は誤解をされているんじゃないのかと思うのです。  というのは、今度の政治改革の法案で私どもは、いわゆる政党本位、政策本位のそういう政治を実現をしていこう、こういうことですから、通常の、政治家が普通やるような政治活動というのは、これはもう全部政党の活動として政党が全部面倒を見るわけなんですよ。だから、おたくのところだってそういうふうにやっているわけでしょう、今だって。それと同じように、全部私どもは政党として政治活動をやる、そういうところでお金を使うわけなんです。  それで、ただ考えられるのは、選挙のときにいわゆる政治家個人に政党の方からまとまったお金が渡るということは、それはちょっと考えられますけれども、それは選挙のときには公職選挙法の規定によってちゃんと会計報告をしなければいけないということになっておりますから、そこで十分きちんと監督がされるんだろうというふうに考えております。

東中光雄日本共産党

○東中委員 「政治活動に関する寄附」、選挙活動の分は除く、政党から個人に対して出てくるの、条文にそう書いてあるじゃありませんか。あなた、言っているのまるっきり違いますね、条文と。私は今制度の問題を言っているんですよ。どうやっているか。我が党はきちっとやっていますわ。おたくもきちっとやっているかもしれません。しかし今やっているのは、それは私知りません。しかし、それは知らぬけれども、制度としてはもうこれはブラックホールになってしまって、まるっきりこれではだめだ。  しかも、会計検査院は検査に入れるという見解ですか、入れないという見解ですか、そこの点をはっきりしてください。

細川律夫日本社会党・護憲民主連合

○細川議員 そもそも基本的には、これは政党が交付金で受けたお金をどのように使うか、その使途については全く制限はない、こういうことになっております。会計検査院の監査というのは予定をしておりません。

東中光雄日本共産党

○東中委員 会計検査院の検査を予定していないといったって、会計検査院法の二十三条にちゃんとそう書いてあるんだから、それを否定するようなことを言う根拠はどこにもありません。  そして、確かに二条の二項に、今話があった「国は、政党の自由な活動が議会制民主政治の発展にとって不可欠なものであることにかんがみ、政党交付金の交付を理由に、政党の行う政治活動及び政党交付金の使途について、いかなる制限も加えてはならない。」これは自民党案にも書いてあります。これは使途について、政治活動及び政党交付金の使途についていかなる制限を加えてもならない。だから、制限は加えないですよ。しかし使った後について、それが適正に使われているかどうかという会計検査院のなにを拒むということは、これは法理上全然出てこないです。そういうごまかしがある、この法案は、ということ。  それで、政党のそういう活動について会計検査院が一々入ってきて調べるということになったら、これは政党に対する介入になるのです。政党に対する介入になるような、そういう国の資金をそこへ入れるからいかぬのです。政党というのは自由なものなんだから、国の金を入れたらいかぬのです。入れたら入ってくるのです。だから私たちは、交付金の制度は間違いだということを考えておるわけであります。  それで、その政治活動に関する費用というものについてお聞きしたいのですが、私は今、塩川さん見えましたので、塩川さんの政治団体で虚心会、平成三年の収支報告書、検討させてもらいました。それを見ますと……(発言する者あり)いやいや、私、今質問しているわけじゃないですから、さしてもらいましたという経過を言っているわけです。そうしますと、政治活動費という項目がありますね。それで、塩川さんはこの委員会でも、年間一億五千万ぐらいの政治資金が要るというお話されましたね。そのうちの支出の部分を見ますと、政治活動費の八四・〇%が組織活動費ということになっています。組織活動費は六千九十八万円です。組織活動費の内訳は、組織対策費というのがあります。主な内容は接待費と品物代。接待費は、福田家、たか井、たい家など赤坂の料亭や、千代田カントリークラブ、ザ・ゴルフクラブ竜ヶ崎などのゴルフ接待の経費というふうになっています、二千三百七万円ですか。そのほかに交際費というのがあります、政治家の励ます会やパーティーなどの会費。こういった料亭、ゴルフでの接待費と政治家パーティーの会費が組織活動費、政治活動費というふうになっておるわけであります。トータルしまして五千七百三十七万円になっています。  もう一つ、私、調べてみましたら、これは宮澤総理の九一年度の収支報告書でありますが、ここでの組織活動費、会合費というのは二千二百八十万円。内訳があります。その中身は、福田家六回で六百六十八万円、大久保亘六十七万円、四回、藍亭四百九十二万円、五回、こういうふうになっているのですね。その額が二千二百八十万円。そのほか、交際費ということで千六百四十一万円、贈答品代、生花代、接待費、この接待費も比較的安い料亭の、これ全部載っているのです。これが政治活動の費用だということで載っておるわけであります。  私は、国民の税金から交付されたその政党助成費が政治活動に使われるということで、料亭での会合費、料亭の費用、これ見ますと、一晩百万ぐらいのが随分あります。私たちの常識では考えられません、国民的感覚から言うたら。こういう代表的な人がですよ、これが政治活動費なんだということになっているのです。公私混同を峻別せないかぬということを言われておりますが、公的な政治資金とそしてゴルフ接待というのは、それは公的な政治資金で私的な費用でないということが言えるのかどうか。そういう点で、政治活動費というものの限界ですね、そういうものをどういうふうに考えておられるか社公の皆さん、ひとつ言ってください。     〔中西(啓)委員長代理退席、委員長着席〕

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 最初にお断りしておきますけれども、先ほど東中委員の質問の中で、一方的に本政党交付金法につきまして、会計検査院が入るということを言われましたけれども、我々の方では、今読み上げられました第二条ですかのこともあり、そしてかわりに公認会計士あるいは監査法人の監査をもって充てるというふうになっておりますので、その条文につきまして、あるいはその説明につきましては、法制局の方から説明をさしていただきます。  それから、今東中委員から言われましたように、読み上げられました。まことにそういうことがはっきりわかることは、これはディスクロージャーとしていいことだと思うのです。それが政治活動費かどうかというのは、それは政党の体質あるいは政党の考え方であって、それは東中さんが――それは私も個人的には思います。それが政治活動費がなということは、私も政治活動という概念からいったら極めて個人的には疑問に思いますが、それは公になっているわけですから、有権者の方々がそれは判断をすることでいいんじゃないでしょうか。ましてや政党交付金法が公布をされて、政党から出たそういった報告書が、今、東中さんが挙げられたようなことがもし政党交付金のお金でされているとすれば、それは私の考え方でいえば、当然のことながら、一体この政党はどういう政党だろうと国民の皆さん思うと私は思います。なるがゆえに、我々はディスクロージャーが必要である、こう言っておるわけでございまして、なお、会計検査院の問題につきましては、ひとつ法制局の方から正確に答弁をさしていただきたいと存じます。

塩川正十郎自由民主党

○塩川議員 東中さんの、何かどこで調べてきたのか、やっぱり公表されていますからね、それだけ私は正直に出しているんだな。私は、秘書がこれ報告出していますが、なかなか正直に出しているなと思っています。それは、いろんな手練手管を下したらいろんな方法があるんだろうと思いますけれども、まあ要ったものは正直に領収証をとって出せということが、私のところの政治資金の管理をしている人の責任者の方がそういう方針でございますので、そうやっているんだと思うのです。今、社会党の佐藤さんは非常に正確な答弁をしていただいたので、私それ以上言う必要はないと思うのですが、こういうことをきちっとやっておれば問題起こらないと思うのです。  ただ、何に使ったかとあなたいろいろ余計なことおっしゃっているけれども、我々は、それはやっぱり政治を円滑に進めるためには必要な会合であり、必要な行為であったということに対する負担金として出しておるものが多いのです。自分で勝手に食事をするために出しておる、そんなものじゃございません。そんなもんやったら、金の支払い、そんなことで出しません。そんなことで出さないで、もっと方法はあるだろうと思いますが、私のところはそんなことはしない。きちっとしておるから、ちょっと見習うたらどうだろうと思いますので、どうぞ。

東中光雄日本共産党

○東中委員 残念ながら見習うわけにはまいりません。というのは、これは冗談じゃありません。  今度の制度は、政党から金が入ったら、政治家個人に入ったら表に何も出さない、出してもいいけれども出さないというふうになっているのです。社会党の十二月のときに出された案でいけば、直ちに指定団体に出さなければいかぬ、こういうふうに直ちにと書いていましたね。それが今度は全然なくなっているのです。ブラックホールになっているのですよ。しかも、その公に出されている記録を見ても、ゴルフの接待がなぜ政治費なんだ。福田家の会合で一晩百万円出すことが政治活動費だといったら、これは料亭政治の活動費でしょう。しかし、私たちは民主政治を言っているのです。国民の税金でそういうことをやるのがいかぬということ、そこへメスを入れないかぬということを私たちは一貫して言っているのです。  そういう点で言いますならば、この政治資金規正法の体系というのは、これはもう全く金権腐敗政治をなくするどころか、むしろ不透明な状態をつくっていく、一番肝心なところで不透明にしているということを、公開どころか全部、会計さえつくらなくていいということになっているじゃありませんか。そういう点では断じて容認できない。  選挙制度について言う時間はありませんけれども、時間ですから終わります。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 十二月の社会党案で指定団体があったではないかという御指摘ですが、確かに昨年の十二月の段階では、我が党案でも政治家個人が個人献金を受ける、こういう考え方に立っておりました。したがって、受けた個人献金を指定団体で経由させるという必要があったから指定団体の存置をさせたわけです。ところが今回の法案では、個人献金も受けない、許さないというふうになりましたので、指定団体の制度、保有金制度をなくしたということであります。

東中光雄日本共産党

○東中委員 ただし政党からのものは除くと書いてあるじゃないの。除くと書いてあるのに何を言っているんですか、あなた。

松原脩雄日本社会党・護憲民主連合

○松原議員 政党から受けたものについては先ほど申し上げました。政党から受けたものについては、政党内の問題として自律に任せたらよろしいでしょう、それが政党活動の自由というものに配慮した措置であろうというふうに最初に申し上げました。指定団体の問題については必要がない、個人献金及び企業・団体献金は禁止したし、個人献金もやめさせましたので、したがって指定団体を設ける必要はないのだ、こういうことで、全く論理的な整合性は保っていると思います。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 時間が参りました。  高木義明君。

高木義明民社党

○高木委員 私は、政治改革の背景についてまずお尋ねを申し上げます。  今日までの一連の政治腐敗事件の続発によりまして、今我が国は未曾有の政治不信に陥っていることは言うまでもありません。こうした政治不信を何とか払拭すべく、政治改革に関する法案を今回まとめ上げられました自民党、社会党、公明党に対しまして、法案の内容についての評価は別といたしまして、まずもって私はその姿勢と真摯なる審議に敬意を表する次第でございます。特に本日は、社会党、公明党案について質問することになっておりますので、あしからず御了承をいただきたいと思います。  社公案につきましては、各法案の中で我が民社党案と共通している部分も多うございます。いわば政治腐敗の根絶に対する熱意は我が党と共通であるという、そういう認識を私は持っております。しかし、そうした政治改革に対する熱意は必ずしも国民には伝わっていないのではないか。事実、各種の世論調査を見ていますと、政治不信を引き起こした当事者である、いわゆる政権与党である自民党の支持率の低下は当然でありますけれども、この自民党を離れた人々の支持が、残念ながら我が党を含め既成政党に吸収できないでいる。これらの人々は、支持政党なしかあるいは日本新党等々への支持へと移っております。このように、今日国会で政治改革論議が真剣に行われているにもかかわらず、単に自民党不信にとどまらない、既成政党全体への不信感が国民に強まっている現実を、我々はやはり謙虚に受けとめなければならないと私は思います。何がその原因なのか、どのようにこの状況を打開していかなければならないのか、これが今この国会に求められておるものだと私は考えております。また、国民の多くは、これまで続いてまいりました五五年体制と呼ばれる現在の既成政党の枠組みに魅力を感じてない、むしろ一九九三年体制ともいうべき新たな政治構造の枠組みを求めているということも、各方面で指摘をされておるのであります。  まずそういうことを踏まえて、社公案提案者の皆さん方にお伺いを申し上げますが、こういう私が先ほど述べました点についていかに受けとめられ、そしてどのように反省をし、かつ展望を持っておられるのかこの点についてお尋ねをしておきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 今、高木委員の言われるお言葉を一つ一つお伺いしていて、基本的には大体認識は一緒だなという感じがまずいたします。  五五年体制ということで、自民党対社会党あるいは民社党という体制で来、また公明党さんも出てこられるということで来たわけでございますが、今ここまで政治を腐敗させてしまったのは一体どこに原因があったか。腐敗の主たるものは自民党さんがほとんどなわけでありますし、我々としましては、我々の周辺にいる者は、何で我々がこれだけ批判を受けなければいかぬのだという気持ちも率直に言って幾らかありますが、しかし、これだけ日本の政治を腐敗させてしまった一つの原因は、やはり政権交代が起こらなかったこと、ここに基本的なところは尽きると思っております。そういう意味で、我々が自民党に対する第一野党としてまだいろいろな努力が足りなかったのじゃないか、そのことが今高木委員言われましたように、自民党の支持率が下がっておれば、ロッキードなりリクルートのときは社会党の支持率が上がったのでありますけれども、今や既成政党全体の責任として見られているというのが、今私たちを取り巻く環境ではないかと思っております。したがいまして、今公明党さんと一緒に議運に出しております政治倫理法案も含めて六法案出しておりますが、当委員会で審議をされております四法案も含め、これを完璧に仕上げることが国民の皆さん方に対するお答えになるだろう、また腐敗を一掃することになるし政権交代が起こり得るものになると思っております。  そして、私たちは展望といたしまして、過去の数字からいうならば、併用制という比例代表にしていくならば自民党さんは恐らく過半数をとれないのではないか、とれないであろうということを考え、その際に、やはり私たちとしては政権構想というものをより明らかにしていく、あるいはそれは政界再編をも含むかもしれません。いずれにいたしましても、自民党さんにかわる政権をつくることと、その根本というのは、とりあえず国民の皆さん方が思っておるのは、まずひとつきれいな政治をつくってもらいたい、このことに尽きると思いますので、私たちはこの法案を完成させる過程の中で、汚職に汚れない、金権にまみれない、そういう政治をひとつつくっていく、統一した戦線をこの審議を通じる中でだんだんとつくっていく必要があるのではないかというふうに思っております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 お答えいたします。  私どももこの委員会でいろいろな議論をしているわけでございますが、振り返るたびにだんだん深刻になってくるわけであります。というのは、自民党案あるいは社公案と並べて議論をしているわけでございますが、議論としては幾らでもできるわけでございます。今回の場合、しばしばテレビ等で撮影されているので、それが国民の目にとまってこられて、議会活性化してよかったねというような、非常に愛情のあることをおっしゃってくださる方もあるんですが、その反面、まるで自分の手の汚れた泥棒が分け前をめぐって相談しているみたいに見えるよというような、厳しい反応があるわけなんですね。  私も、けさここへやってくる前にタクシーに乗ろうといたしまして、衆議院と言った途端に、そのタクシーの運転手さんがひどく怒った雰囲気にはっと変わられまして、もう嫌だと、衆議院なんかに行くのは。それは、私が乗り方が悪かったわけではないんですけれども、ああいうけた外れの悪党の集まり、そしてしかも、最近政治改革と称してまたお金をもう少しもらおうという算段をしているそうではないか、何を相談しているんだと、普通の世間でいったら全員首を洗って出直すと、あるいはもうさっさと全員辞表を書くと、あるいはもう政党は解散するというのが当たり前ではないかと私は思いますが、あなたどう思いますかと、こういう丁寧な口調ですが、当委員会で言われたいろいろな発言をかなり聞いておられたんでしょう、そういう発言でございました。私は、これに答えるのは、いわゆる政治不信にこたえるなどという生易しい表現でできることではないなと、深刻にまたきょうも思ったわけなんであります。  そして、私たちがその不信にこたえるのは、私たちが社公案として出した、自民党案で出したこと自体にもう不信がある。既存の政治家がうまくやっているじゃないかと、どうせ抜け穴がたくさんあるのだろうと思われているようでは議論がやりにくいなと、私は痛感せざるを得ませんでした。こんなことを言いますと、すべての我々の努力が全部むだになってしまうみたいな発言に聞こえたらお許しをいただきたいと存じます。  我々は我々として、今日までの政治腐敗あるいは政治の停滞の原因を多方面からおのおの議論ができた、しかもこうしてフランクにお話し合いができたということは、私は大成功だったと思います。しかし、その答えは容易ではない。その容易でないというのは、その国民の信頼という鋭い目にどうこたえるかという部分にいつも思いをいたしてから議論しなければいけないのではないか。つまり、小さな傷におもしろがって照明を当てて罵倒し合うというようなやり方の議論でこれをやるとしたら、これはさらに不信が増大するだけであり、何も生まないのではないか。よいものをとり合い、さらにそれをお互いに積み重ねていく、そしていつの間にか大きな信頼がこの委員会を通して生まれていくというようにしないといけないのではないかと、私は自分の態度も含めて反省をさしていただいているわけでございまして、委員の御指摘のテーマは極めて根本的な姿勢をお話しいただいたと思いますので、あえて申し上げさしていただきました。

高木義明民社党

○高木委員 社公案の具体的な問題に入る前に、もう一つお伺いしておきたいと思います。  今日の政治腐敗の背景には、よく言われます政官財の癒着構造、こういうことが言われておりますし、また事実でございます。社公案には、この政官財の癒着構造を断ち切る、こういう規定はどのような形で設けられておるのか、またこの法案が通れば政官財の癒着構造は完全に断ち切れると考えておられるのか、もしこの法案だけではだめだとするならば、ほかにどういった改革案なり制度の確立が必要であろうか、この点について御所見をお伺いをしておきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合

○佐藤(観)議員 大変鋭い御質問だと思います。  政官財の癒着構造について私もたびたび発言をさしていただきましたが、今度の法案の中で一番大事なことは、企業・団体献金の禁止ということは政界と経済界、財界というものとの関係を金の面で断ち切る、それによって政治家も堂々と財界や経済界に対して言うべきことを言い、チェックすべきことはするという力が私は発生するというふうに思っておるわけでございます。  また、もっと根本にいえば、自民党の単独一党政権というものが変わってくることによりまして、私は過日の答弁の中で、あの大平内閣が過半数を割ったときに社会党に役人の皆さん方がどれだけたくさん押しかけてきたかということを申し上げましたけれども、それと同様に、きょうの渡部さんの御答弁にもありましたように、政治が変わる。自民党だけに頼っていちゃこれは自分の地位も危ないということになってくれば、どんどんとその意味で情報も流れてくるわ、知恵も出てくるわということで、そういった意味で、直接効果というよりは、間接効果は随分大きいのではないかと思っています。  ただ、今高木委員言われましたように、これで完全かと言われますと、そうもいかないと思うんです。これはいろいろ考えていかにゃいかぬし、また非常に難しい問題で、行政の職にあった者は汚職になるけれども、あるいは直接的に議員の発言がどこかの業界から依頼されたものならなるけれども、党の役員というのはならない。政策の決定、族議員と一緒になってやられるものについてはチェックのしようが今の法律体系はない。しかし、この法律体系をつくることはなかなか政治活動の自由との関連で難しいということがございまして、完全に断ち切る次の方策は何かというのを、高木委員にこれがありますというふうに今ちょっと思いつかないので、申しわけないのであります。  いずれにしましても、やっぱりそういう視点を持って、私たびたび申し上げておりますように、ここで選挙制度をどうするか、政治資金をどうするかということも大事だけれども、今御指摘ございましたように、地方分権の問題も含めて、この政治改革というのは、そういった社会構造そのものを変えていく一種の突破口というのがこの政治改革でなきゃならぬという視点を持って、お答えできなかった分は今後も研究、勉強さしていただきたいと存じます。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)議員 佐藤委員が大部分お答えになりましたので端的に申しますが、政官財というこのトライアングルは、ほうっておきましたり悪意があったりいたしますと大変に汚職、腐敗が発生しやすいトライアングルであると思います。そしてまた、反面、それはよい仕事をするときにはそのトライアングルが組み合わさって権力構造自体を運行してゆく性能があると存じます。したがって、一番先にしなければならないのは、特定の勢力がそのコントロールのボタンをいつも持っておるという現実を変えなければならない。そのためには政権交代が第一番の対策であり、地方分権が第二の対策ではないかと、こう思っております。

高木義明民社党

○高木委員 次に、連立政権ということについてお尋ねをしてみたいと思いますが、委員会の中で社公案の短所の一つとして、連立内閣となれば政権が不安定である、こういうことがよく言われております。私はこのことは誤解であると、このように信じております。  まず一つは、比例代表制は必ずしも連立政権に結びつくものではない。すなわち比例代表でも国民の五〇%以上が支持をすれば、これは単独政権が可能になるわけであります。また一方、どの政党も過半数に満たない、支持が得られない、いわば国民が連立内閣を望んでおる、こういうふうな状況では連立内閣が生まれる。だから、比例代表制は内閣の姿を含め、国民の民意が率直に、忠実な形であらわれる、私はこのように認識をいたしております。  ただ、そこで私はぜひ大事なことは、連立内閣が安定をしておるということであります。したがって、まあ各世界を通じましてこの連立政権の安定度についてはいろいろなデータがあるわけでありますが、単独内閣よりもむしろ安定しているということも聞かれております。社公案の提案者はこの連立内閣の安定性についてどのように考えておるのか、この安定する条件とは一体どういうものなのか、この点についてこの際お考えをお尋ねしておきたいと思います。

早川勝日本社会党・護憲民主連合

○早川議員 高木委員御存じのように、連立政権というのはいろいろな形でつくられるわけですけれども、教科書的に申し上げますと、三つのパターンがあったと思います。一つは大連合という形、つまり国家的な危機のときにつくられる、第一党と第二党でつくるような連立政権もございます。それから同時に、連合政権、つまり二つの政党、三つの政党がやがて一つの政党に移行していくという形の連立政権があると思います。  今お尋ねの問題は、この比例代表を中心にした政権をつくると連立政権になる。その安定、不安定という問題がございますけれども、委員みずから言われましたように、必ずしも連立政権になるということは断定できないわけですが、連立政権がつくられたときに、諸外国の例、ヨーロッパはほとんど連立政権ですね、御存じのように。イギリスを除いてはそうなんですが、条件の問題というと、そのときの僕は選挙に当たって何が最大の争点になるかというもの、つまり国民がその選挙戦に当たって、そしてまた政党選択をするときに何を基準にして選ぶかということで決まると思います。  その場合に、例えばヨーロッパの方をよく考えてみますと、割と経済的な問題、失業の問題等々を争点にして選挙戦が行われて、そしてそれに対する打開策をそれぞれの政党が提示をして、そしてそれに基づいた結果としまして連立政権が組まれるということで、問題は、国民が選択をする基準と、そしてそれを掲げた政党が組めば非常に安定するわけです。その問題に対して打開策を提示して取り組んでいくということですから、その連立政権に対して国民の支持は高い、これが大前提になると思います。  したがいまして、連立政権も、あるいは政権交代を含めて、一般論になりますけれども、やはりその政権はどのような形で変わっても政策の継続性が一方にあるわけでして、同時に改革の問題が必ずあるわけです。すべてが変わるということはあり得ないわけです。そういうことを考えますと、先ほど言いましたように、その選挙に当たって何を基準にして、どういった政策をもって有権者が判断をして、そしてそれぞれの政党が支持され、そこの上に立って政権を組むかということで私は決まるというふうに考えております。

高木義明民社党

○高木委員 次に私は、超過議席の件についてお尋ねをいたしたいと思います。  私は、両党案に対して、初めに申し上げましたように、敬意を表すればこそ、単に足を引っ張ったり批判をするのみのものではない。今後、大胆な妥協ということが言われておりますので、やはりこの際、言われておるところの問題点については十分に考え方を聞いておきたい、そのことが私は大切なことであろう、こう思うからであります。  社公案の短所の一つとして、超過議席が発生をするということが指摘をされております。今の案でありますと、小選挙区が二百でございますから、これは各種のシミュレーションによりますと超過議席の範囲は一けたにとどまるであろう、こういうことでございますが、この小選挙区の数をふやしていくと、私は現在の政治情勢では超過議席が大きくふえる可能性があるということを考えております。  超過議席の問題は、きょうも指摘をされておりますが、これは単なる予算の問題とかあるいは議席あるいは議員会館、こういった問題以外に問題点が三つあります。一つは、比例代表制の前提である、民意の各政党議席への正確な反映が崩れるのではないかということが一つ。二つ目には、各政党が単独過半数を得るために何議席必要かということを選挙前に戦略を練るわけでありますが、定数が定まっていないことによってこういった戦略が立てにくい、これが二つ目。三つ目には、選挙区がブロック制でございます。ブロック制でやりますので、超過議席が発生することによって地域のアンバランスが出てくるのではなかろうか、こういうことを私は率直に危惧いたしております。これは、小選挙区の獲得議席と比例区の配分議席との差という、いわゆる異党派投票の有無によって起こる。これは合理的な理由だとは思われません。  こういった問題点を社公案も認識をされまして、いわば超過議席が余り発生しないように小選挙区を二百に設定したと思いますけれども、超過議席の許容範囲、限度、これをおおむねどの程度ならいいとお思いになっておるのか、この点についてお尋ねいたします。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 超過議席が生じた場合の問題点、三点お挙げになりました。まさにそのとおりだろうと思います。おっしゃるとおり、超過議席が生じた分だけ得票率が議席の比率に反映するというところが若干ゆがんでしまいますし、それから過半数が浮動するということもまさしく問題点であろうと思います。それから、おっしゃるとおり、ブロック間のアンバランスも結果的には生じる。したがいまして、超過議席は基本的に好ましくないという認識は当然持っております。  そこで、御指摘のとおり、小選挙区を二百程度にとどめたというのは、理論的な面のほかに、実際的には余り超過議席が生じないようにという配慮も当然あったわけでございます。どのぐらいまでが許容限度かと言われますとなかなか難しいのですが、まあ常識的に見て、一けた台かなという印象を持っております。

高木義明民社党

○高木委員 時間も迫っておりますので、先に急ぎたいと思います。  超過議席のもう一つの問題点で、無所属候補者が小選挙区で当選した場合の措置でございます。社公案によりますと、無所属当選者に投票した票の比例部分については無効にする、このようにあります。わかりやすく端的に申し上げますと、例えば私が九州において民社党から出ますけれども、小選挙区の中で当選をしたとします。その場合に、私に投票した人は、高木と書き、そして比例区には例えば社会党と書いた。そうなりますと、私という議席も生きますし、そしてまた、社会党に比例区で投票したその票も社会党の比例区に生きるわけであります。いわゆる一人の有権者が二つの議席を、力を持ったということに私はなるのではないか。そうした場合に、無所属の当選候補者にした有権者のもう一つの比例区が無効になるというのは、私は選挙の公正さからいうと問題があるのではなかろうかと思っておりますが、この点について御見解を賜りたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 午前中にも他党からの御質問に対して御答弁申し上げたので、若干重複するかもしれませんが、もう一度御説明させていただきたいと思います。  選挙は、基本的に選挙人、有権者が集団で、共同で当選人を選出する行為であるわけです。そこで、社公案の場合には、政党名記載によってまず政党の議席配分が決まります。そして、その枠内で今度は人名記載によってその特定の人を選出する、こういう基本的な仕組みになっているわけです。したがいまして、政党名の記載と人名記載と合わせて一本、合わせて特定の議員を選出する行為として完結する一票の行使という性格を持つわけです。一票二記載という表現がございましたけれども、まさにそのとおりになるわけです。  この合わせて一票という本質からいたしますと、一方その無所属の候補を人名記載の方に書いてしかもその方が当選を果たした場合には、これは政党に対する議席の比例配分の枠外で計算いたしますので、それのみで一人の議員といいますか、当選人を選出するという行為が完結しているわけです。つまり、それのみで一票の投票行為としての価値が十分に満たされてしまっている。その上にさらに党名投票の方までカウントいたしますと、いわばダブルカウントになってしまう、かえって不公平になりはしないか。そういう配慮から、当選した場合にはこの政党名記載の方はカウントしない、こういう仕組みとなっているわけでございます。よく考えていただければ、その方がかえって公平であるということはおわかりいただけるものと確信しております。

高木義明民社党

○高木委員 ここで、連用制についての対応についてお伺いをしておきます。  今回私は、今国会で政治改革関連法案、成案は図るべし、こういうかたい決意を持っておるわけであります。しかし、よく言われておりますように、自民案と社公案がお互いに突っ張っていても、答えは出ない。そういう中で、恐らく連休明ければ大胆な妥協が出てくるのではなかろうか、こういう希望的観測もあるわけでございますが、この際、社会党さんにおかれましても、あるいは公明党さんにおかれましても、それぞれの幹部、あるいはまた自民党さんにおかれましても、それぞれの立場の方々がいろいろな発言をしておられます。  したがって、今後この連用制についてどのように態勢をとっていくのか。あるいはまた一方の方が、例えば社公の方々で一方の方が連用制に乗ろうということになった場合に、せっかく今まで一緒に社公の皆さん方、足並みをそろえてこられましたが、今後のそういう手続はどうなるのか。これはないようにお願いをしたいのでありますが、この辺、重要な時期でありますので、ぜひその点の決意をお聞かせいただきたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲民主連合

○小澤(克)議員 前の他の委員からの御質問の際にもお答えしましたが、民間政治臨調が大変な御努力をしてあのような提案をしていただいておりますことについては敬意を表したいと思いますし、また十分検討の対象にし、十分勉強、研究させていただきたいな、かように思っているところです。  いわゆる連用制は、民間臨調案にはいろんな要素がありますけれども、連用制に限って申し上げますと、これは要するに超過議席をどう処理するのかということについて、大変新しい工夫があるというふうに思います。すなわち、ある特定の党について超過議席が生じた場合に、その分を他の党の議席を削ることによって総議席は膨らまないという工夫をされたわけでございます。このことによって小選挙区の数を任意に設定できる、どう膨らましても少なくとも総議席がふえるという事態が生じないというところが、大変な御工夫だろうと思うのです。  ただ、その場合に、先ほど委員がまさに正確に指摘されました超過議席についての三つの問題点、このうちの、過半数が浮動するという欠点は除去されますし、それからブロック間のアンバランスが生じるという欠点も除去されるわけです。ただ、民意の正確な反映に関してはよりゆがみが大きくなるというのは事実だろうと思います。  そういうことで、その辺含めて十分検討をさせていただきたいな、こう考えている次第でございます。

高木義明民社党

○高木委員 時間が来ましたので、終わります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 次回は、明二十八日水曜日午前九時理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時五十六分散会

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