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126回国会衆議院1993/03/24

政治改革に関する調査特別委員会 第4号

発言数
41
登壇者
13
会派数
5
開催日
1993/03/24

会議録

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 これより会議を開きます。  政治改革に関する件、特に現行選挙制度及び政治資金制度等の問題点について調査を進めます。  本日は、本件調査のため、参考人として評論家田原総一期君及び弁護士堀田力君に御出席をいただいております。  この際、両参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本委員会での審議に資するため、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  次に、議事の順序でありますが、田原参考人、堀田参考人の順序で、お一人二十分程度に取りまとめて御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。御発言は、着席のままで結構でございます。  それでは、田原参考人にお願いをいたします。

田原総一朗評論家

○田原参考人 こういう場でお話をしますのは初めてなのでどういう話をしていいのかよくわかりませんが、ここへ来る前に幾つか注意をいただきました。その一つに、委員の方々には質問をしないでくれと言われました。あるいは私はテレビの番組で皆さんに嫌な質問をするのできょうはしっぺ返しをしてやろうということではないと思いますけれども、自由討論で質問ができないのはいかがなものかという感じがいたします。  先週、実はここへ亀井さんと屋山さんが来られまして、その記録を読ませていただきました。きょうの堀田さんを初め皆さん政治改革に詳しい方々でして、その点では私はいわば素人の一ジャーナリストですから、きょうは外野席から見ているジャーナリストとして、皆さんに少しでも刺激になれば幸いだと思っています。  まず、佐川急便事件が起きました。金丸前副総裁が逮捕されました。この問題については、私自身を含めてジャーナリズムの責任の問題が大いにあると思います。この問題では考えなきゃいけないと思いますけれども、これはまた別の機会に考えたいと思います。  この佐川急便事件、金丸逮捕事件などで、改めて政治と金の問題がクローズアップされました。そこで、改めて、とても大事な、いわば政治の根幹とも言える問題についてどうも日本では欠落している、絶対なくてはならない重大な問題がないことが当たり前だと私たちが思ってしまっていることを改めて思い知らされました。何かといいますと、このところ、総理大臣あるいは自民党の総裁選といってもいいのですが、その選挙のときに、本来政治というものは、私はこの国をこうするんだ、私はこんなことがやりたいという政策があって、そして総理大臣あるいは自民党の総裁が選ばれるべきだと思うのですが、このところ、政策を掲げて総裁選に登場した人を私は知りません。長い間お目にかかってない。だれも政策を掲げて登場してない。  これは皆さんの前で申し上げるのはおこがましいと思いますけれども、そもそも政治家というのは、この国をこういう国にしたいんだ、こういう政策をしたい、今の政治はここが間違っているんだということを掲げて、そのことを実行するために政治家になられているのだと思いますが、このところ見てますと、目的と手段が逆転しておりまして、何か総理大臣になることが、あるいは大臣になることが、もっと言うならば国会議員になることが目的になっているかのごとく思えます。国民からは少なくとも思えます。これを目的と手段を取り違えているというふうに言えるのでしょうが、目的と手段が逆転してしまっている。議員になることが目的になっている。総理大臣になることが目的になっている。私の友人の政治学者の岩井奉信さんは、これを目的と手段の取り違いであり、ここにいらっしゃる方は違うと思いますけれども、一般的には議員になることが目的、つまり当選第一主義になっている。この当選第一主義の人たちが選挙制度改革を考えるというのは大変矛盾があると思います。いかがなものかと思います、ここにいらっしゃる方は違うと思いますけれども。  さて、しかし今までは政策がなくても、国家をどうするかという基本理念がなくてもまあ何とかやってこられた。なぜならば、多くの日本人は、この日本をソ連のような国にはしたくない、東欧のような国にはしたくないと思っている人たちが多かったと思います。その点では自由民主党は、ソ連のような国にしたくない、あるいは日本はアメリカと仲よくやっていきたいんだということを強く打ち出して、とにかく多くの日本人の支持あるいは賛成を得てきたのだと思います。それに対して野党の方々は、いわば自民党だけに政治を任せておくとどこへ暴走するかわからない、しばしば暴走しますから、それのウォッチャーとして、会社でいえばいわば監査役としての役割を果たしてこられたんだと思います。その一番いい例が憲法問題でして、自民党が憲法を改定して軍事大国などに暴走すると危ない、だから少なくとも三分の一を確保する、三分の一以上確保するというのが日本の野党の主たる役割であったのではないか、私のような外野席にいる者から見るとそう見えます。  しかし、ソ連が崩壊した、東欧が溶融しまして、世界は大きく変わりました。そこで、特に今の自民党政府に対して国民の求め、ニーズが変わってきました。ソ連のような国にはしたくない、共産主義の国家にしたくない、しかしそういう脅威はなくなった、さて新しい時代に日本の政府は、自民党はどうするんだ、何をするんだ、どういう政策でこの新しい時代に日本を運営していくんだ、新しい政策を、言ってみれば新しい商品を求め始めました。野党に対しても、もし自民党にかわって新しい政権を担おうとするならば一体どういう商品を提供するのか、どういう国にするのか、新しい商品を求め始めていました。  ところが、現在ただいまのところどうもその商品らしきものは出てこない。私はここが最大の問題だと思います。新しい商品が出てこない。商品は何かと国民が突きつけていったら、出てきたのは商品ではなくて、次から次へとスキャンダルだった。ここが問題だと思います。今までも自民党が汚い党だということは国民の多くは知っています。何だ、うさん臭いことをやっているということも知っています。しかし、日本国がソ連のような国にならないためには、まあ大目に見ていた、それでもいいじゃないかと。しかし、今新しい商品を突きつけたときに、商品が出てこないでスキャンダルが次から次から出てきた。ここが私は問題だと思います。こういう政治にはうんざりだと多くの国民が思っていると思います。  そこで、国民が今の政治に突きつけたいわばニーズといいますかキーワードが政治を変えなさい、政治を変えてほしいということだと思います。ところが、政治を変えろ、政治を変えなさいという言葉を、ここにいらっしゃる方は取り違えていらっしゃらないと思いますけれども、どうも政界の永田町の方々の多くは取り違えていると思います。重大な取り違えがあると思います。  ここに先週三月十六日に私の毎週やっていますサンデープロジェクトでボイスリンクという調査をやりました結果があります。ボイスリンクというのは、大変短時間にコンピューターによる無作為調査で多くの調査がとれるので特徴があるのですけれども、サンプル数が千三百四十六件。その中で、今投票するとすればどの党に投票しますかという調査をしました。自民党が二四%、社会党が一七%、公明三、共産三、民社一となっています。大事なことは、それに対して日本新党が一〇%、そして支持政党なしが四〇%、日本新党と支持政党なし、つまり既成政党以外のものを支持したのが五〇%あります。これは自民党と社会党と合わせた四一%をはるかに上回っているということです。  つまり、国民の多くが今求めているものは、政治を変えなさい。政治を変えなさいというのは、今の政治嫌なんだ、今の政治を変えないならやめてほしいという、率直に言えばそういうニーズだと思います。それを、政治を変えるというのは政治資金規正法の改正だとか選挙制度改革だとか思っている人がいる。これは間違いだと思います。そうではなくて、今の政治を変えてほしい、新しい政治をつくるというのは、つまりこの国をどうするんだね、政策を掲げて政治をやりなさい、そのことを国民は求めている。繰り返し言いますけれども、それを、政治を変えるというのは選挙制度を変える、政治資金規正法を変えるのだというふうに思っていらっしゃるのは、それはまさに目的と手段の取り違えです。選挙制度を変える、政治資金規正法を変えるというのは、これは手段の問題です。ここでどうも永田町と国民の間に大きなギャップがあるかのごとく思います。  そこで私は、実はこの選挙制度改正は賛成なんです。もちろん政治資金規正法も賛成なんです。しかし大事なことは、今の政治を変えることです。政策あるいはこの国をどうするんだということが出てこない、そこが問題なんです。それを、繰り返しますが、あたかも選挙制度を変える、政治資金規正法を変えるのが目的であるかのごとく錯覚して、皆さんは違うと思いますが、選挙制度をどう変えれば我が党はどう得するのか、我が党の議席がふえるのか減るのかという計算をしていらっしゃる方が少なからずいるようです。まさに党利党略で選挙制度の改正を考えている方が、皆さんは違うと思いますが、います。これは言語道断です。こういう人はやめていただきたい。今国民が突きつけているカードは、とにかく今の政治はよくありません、変えてほしい、変えられないならばやめてほしいと言っているのです。そこを、政治資金規正法を改正するとか、選挙制度を変えればいいんだろうと思っていらっしゃるのは大きな取り違いだと思います。この点をまず御指摘したいと思います。  そこで、問題の選挙制度改正あるいは政治資金規正法の改正ですけれども、さっき言いましたボイスリンクのデータでこういうおもしろい調査が出ています。選挙制度を変えるべきかどうか。イエス、選挙制度を変えるべきが六四%あります。それに対して、政界再編成が必要かどうかというのに対する答えとして、イエス、政界再編成七〇%。実は政界再編成が選挙制度改正よりも多いです。これは大事な問題です。さらに言いますと、選挙制度を変えるとは一体何かといいますと、これははっきり言えば、今の自民党一党支配の構造を変えてほしい、政権交代できるシステムをつくってほしい、これが政界再編成ということだと思います。政権交代できるシステムをつくってほしい、そういうシステムに変えたい、これが政界再編だと思います。しかし、政界再編を言っていてもできるかどうかわからない。自民党のどこかが脱党して、分裂して、野党のどこかと組み合わさる、それで新しいシステムができればそれでいいのだけれども、できるかどうか不確定要素が多い。それに対して選挙制度の改正は、これはやれば、努力すればできるものなんです。だから、よりベターな方向としては選挙制度の改正をやってほしい、こうなるんでしょう。  さらに、じゃその選挙制度の改正をする場合にどんな制度がいいか、これに対してもボイスリンクの調査をやりました。それに対して、単純小選挙区制、自民党がどうも出すと言われている単純小選挙区制がいいと答えた人が一七%、それに対して比例併用がいいと答えた人が四〇%です。社会党、公明党が出すと言われていますけれども、比例併用がいいと答えた人が四〇%。それに対して、どちらでもいい、あるいはよくわからないと答えた人が三六%あります。単純小選挙区が大変少ないことが特徴です。  じゃ、なぜこんなに少ないのか、私はこれは、比例代表あるいは比例併用に比べて単純小選挙区が悪いということよりは、単純小選挙区を自民党が出しているという問題が大きいと思います。ともかく今の自民党の政治を変えたいんだ、これが大きいですね。それに対して、しかも自民党の先生方がぬけぬけと、単純小選挙区でやれば自民党は議席がふえますよ、ふえるからその自民党が二つに割れればいいとか、そういうことを言っている。そうすると、今の自民党の政治に問題があるんだ、しかもその自民党が選挙制度を改正して自民党がふえるんじゃおかしいじゃないか、率直な気持ちはこれだと思います。もしも社会党なり公明党が単純小選挙区と出したら、こっちが多分ふえたと思いますね。単純小選挙区がよくないよ、この支持率が低いのは、単純小選挙区が選挙制度として低いというよりは自民党が出しているから低いのだということが大きいと思います。このことを自民党の議員の人たちも野党の議員の人たちもよく考えていただきたいと思います。  さらに、じゃ今単純小選挙区じゃなくて併用あるいは並立、いろいろなものがありまして、どっちがいいかという議論がありますが、正直言って国民の多くはよくわかりません。実は私はきょうこの場でお話しするにつきまして自民党の方にも野党の方にも相当取材をしました。取材をしてよくわかったことは、どの議員さんもよくわかってないということがわかりました。よくわかってなくて、それはむしろ併用か並立かという問題です。これからむしろ詰めて議論をしていくんだ、だから大事なことは、これからの議論をどういう形でどうなされるかということが大事だと思います。  さらに、この取材をする過程である重大なことを発見しました。それは自民党の中で、もうここまで来ると政治資金規正法と公的助成と選挙制度改革は一本一括だという意見の方が多いのですが、その意見の中に実はある思惑を持った推進派がいます。絶対に一括でやるべきだ、妥協は一切許せないよ、こう言っている人がいます。妥協は一切許さない、一括でやるべきだという人は、実は妥協を一切許さなければ野党が反対するだろう、野党の反対で通らない、廃案になる。実は、断固やるべき、妥協は一切許さないという人はむしろどっちかといえばそうして廃案になることを求めているのじゃないかと思います。こういう心やましい人は、やはり皆さん断固、これは実は表面賛成、裏は反対だぞということをどこかできちんとやっていただかないと、国民はこういうものに対して惑わされます。  これから大事なことは、これはせっかく自由討論だそうですから、これから選挙制度を詰めていくところでこの討論の仕方がとても大事になってくると思います。一つ提案したいと思います。  その前に、ですから、並立制とか併用制というのはいわば連続線上にあって、これは議論をしていけばどこか多分解決の場所はあるだろう。それを、断固守る、あるいは一括でここは妥協しないというのはむしろ廃案へ走ろうとするやましい気持ちではないか。まあ余計なことを言いました。  さて、とても公開したわかりゃすい議論を進めていただいて、この問題についてはせめて採決の部分で党議拘束を外していただきたい。実は、自民党の方々、社会党の方々も公明党の方々も、実際に取材しますと随分違いがあります。この選挙制度の改革、今度の政治改革というのは、実は今までの自民党がどうなるか、公明党がどうなるか、社会党がどうなるか、正直言ってどうでもいい問題なんです。そうじゃなくて、新しい政治をつくりたいんだという基本の問題ですから、討議拘束を外すというぐらいの決意でやっていただきたいというふうに思います。  勝手なことをいろいろ申しましたが、とにかく申し上げたいことは、どうも政界の方々の認識と国民のこの問題に対する認識とに大きなギャップがあるようだ、ここは変な建前、駆け引きなしで、野党、与党皆さんが本気のけんかをやっていただきたい、こう思います。  雑駁な話を失礼しました。(拍手)

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 どうもありがとうございました。  次に、堀田参考人にお願いをいたします。

堀田力弁護士

○堀田参考人 堀田でございます。  特捜部の検事をしておりました当時にお目にかかりました方は一人もおられないのでありますけれども、法務省の官房長をしておりましたときに大変お世話になりました方がいろいろとおられまして、どうも本日大変発言しにくいわけでありますが、その点は御勘弁願いまして、全くの一市民の立場で私の意見を申し上げさせていただきます用意見は、政治の手段であります政治改革と政治資金の問題が一つ、もう一つは選挙制度の問題、これが二つ、この二点についてであります。  政治資金のあり方につきましては、これは何と申しましても、今の金丸被疑者の脱税事件の国民に対する影響というのは非常に大きいし、これが政治の一番基礎である政治家に対する信頼そして政治に対する信頼を非常に損ねておる。これを何としても早く回復する、このことがこれからの政治を進める一番緊急の事態であるというふうに思います。  それで、どういう点で市民は信頼を失っておるのか。一つは、政治のためにお金を出してもそのお金が個人の利益に、個人のために使われてしまうという部分があるということがしかも相当大きな額で目に見えたということが一つであります。そういうことになりますと、これは国民の方としては政治献金しようという気持ちには当然ならない、非常に絶望的な気持ちになると思います。それからもう一点は、政治家が政治家であることの地位を利用してあんなにお金を集めることができるのか、そしてそれを私することができるのか、この点についても国民は非常に深い絶望感を持っておるというふうに言ってもいいんだろうと思います。  したがって、これはやはり政治家、当然政治をやるためにはある程度お金がかかる、そのこと自身は国民だれも知っておると思います。そのお金を出したら、すべてこれは公正に国民のための政治にお金を使ってもらえるという、そういう制度的保障があるということを今国民に示すということがこの基礎を回復するために一番大切なことじゃなかろうか。でありますから、政治家に対して入りますお金、これは正当な事業をやっておられて入るお金とかそういうものは除きまして、寄附の形、贈与の形で入るお金、これはそれがどういう趣旨で入るものでありましょうと、だれからどんなお金がいつどれだけ入ったのか、このことがまずすべて明らかになる、そしてそれをまた何に使ったか、これもすべてわかる、こういう制度をきちんとつくって国民を安心させるということが最も必要な対策ではなかろうか。  そこで、そういう観点から考えますと、政治家に対する寄附、贈与、これはすべてまず個人として受け取らずに政治団体に入れるということ、個人の受領を禁止し、罰則をつけるということ、これぐらいのはっきりした措置が必要であろうと思います。それから、受け取る政治団体は一つというのが一番国民にわかりやすいと思います。そして、その入ったお金はすべて預金口座を通して、調べようと思えばすぐ調べられる形にしておくということが大切であろう。  もう一つ、そのようにして入りました収支はすべて公表する。これは額が、百万はもちろんのこと、六十万とか二十四万とかいろいろなややこしい額でなくて、もうこの際でありますので一万と。これはカンパで千円とか二千円とか全く匿名で、パーティーといいますか会のときに集まるようなお金もあろうと思いますので、千円、二千円はいいと思いますけれども、少なくとも一方になれば、それ以上のものは、それがどこからのどの金であろうとすべて公表する、報告するというふうにいたしまして、しかもその報告は、現在は自治省にすることになっておりまして閲覧だけになっておりますけれども、これはコピー代を出せばだれでも謄写できる。だから、国民が見ようと思えば、一万円以上の寄附についてすべてが明らかになり、それを何に使ったかもすべて明らかになる、そういう制度にしましたよ、そういう制度をつくって国民に言うこと、これが今失われた大きな信頼を取り返す一番端的な方法ではなかろうか。  そして、国民に対して、寄附されたものを明らかにするということは非常に神聖な義務だと思いますので、その報告書の中に虚偽の報告があれば議員の資格の失格、公民権の停止というくらいの非常に厳しい、国民をだましたことに対する失格の制度、このことをはっきりさせておく。大変厳しく響くとは思いますけれども、それぐらいの思い切った制度にし、しかもそれをこの国会で通すこと、それもこの国会の会期末ぎりぎりの取り引きというのではなくてもっと早い機会、例えば四月上旬に案がそろいますならば四月いっぱい、連休前に通すというくらいのことが、政治に対して失われでいる、しかもこれからじわじわと失われていくであろうというそれを防ぎ、信頼を回復する喫緊の必要事ではなかろうかと私は思います。  以上が政治資金についてであります。  それから次に、やはりこれも政治の手段としての選挙制度のあり方について申し上げます。  今は選挙制度をどうするかということが大変大きな議論になっております。中選挙区制については大方が、かなりの多数の方々が非常に問題があるというところまでは来ておるのではなかろうかと思います。この中選挙区制がなぜ今ごろこういうふうにして非常におかしいということになってきたのか、戦後ずっとこれだけ続いてきたのか、私はこれはやはり政治のあり方と非常に関連しておるのではなかろうかと思います。大体戦後からおおむね十年ぐらい前までの期間というものは中選挙区制がその当時の日本の政治のあり方あるいは日本国民の全体としての意思に沿う制度ではなかったかこういうふうに私は思います。  先ほど田原さんの方からそれを外交面あるいは体制の面でおっしゃいましたけれども、これは国内の国民の意思という面から見ましても、戦後で大変に経済がぺちゃんこになりまして何としても戦後復興を遂げなければいけない、あるいはその後経済成長を遂げなければいけない、それが国民の幸せの道であるという時代であり、国民もそういう考えでありましたので、中選挙区制の中で経済成長を政策とされる自民党が多数をとられ、幾つかの野党が分かれて、そして国民がずっと自民党を選んできた。これは経済成長を遂げたいという国民全体としての意思のあらわれである。そして野党の方は幾つか分かれておりまして、自民党の方に行き過ぎがありますと、これはおきゅうを据えると言うと失礼な言い方でありますが、そういう意味で野党の方の票をふやす、ただ、野党の方に政権担当してもらっては経済成長路線という願いが達せられないので、野党の方の票はふやすけれども一つの党に政権が担当できるほどにはふやさない、そういう形で国民はずっと意思表示を続けてきたというふうに思っていいんじゃなかろうか。だから、そういう意思表示をするにはこの中選挙区制というのは適しておった制度ではなかろうかというふうに思います。  しかしながら、経済成長がある程度の段階に達しまして、国民はもはや経済成長だけという路線、政策路線は求めなくなったんじゃなかろうか。経済成長を遂げるほかにも、生活を充実したい、消費者としての利益を守りたい、福祉を大切にしたい、いろんな国民の意思が多様化してきた、選択が多様になってきた。したがって、そのころから国民が求める政策の提示の仕方といいますか、選挙での選び方というのは、一つは経済成長を遂げるという従来の自民党がとってこられた路線、もう一つは経済成長はほどほどでいいからもう少し生活を大切にしよう、例えば勤務時間を短縮するとかそういう形で生活を大切にしていこうという生活者路線といいますかあるいは消費者路線といいますか、そういう二つの国民の政策への願望が出てきて、この二つの路線といいますのは体制の選択のように決定的に矛盾するわけじゃない。ある場面では生産者の利益と消費者の利益が一致する場面もあるし、ある場面では対立する場面もある。そして、そのどちらに重点を置くかということは、そのときどきの経済情勢、社会情勢によって国民の意思が微妙に揺れ動く。  なぜなら、国民それぞれが生産者としての面と消費者としての面がありますので、その情勢に応じて、大変に不況であれば何とか成長をもう少し伸ばしたいという成長路線の方に動きますし、ある程度豊かな生活が続けば、それほど経済成長しなくても、勤務時間の短縮もどんどん進め、もっと生活を大事にしようじゃないか、そういう路線も進んでくる。ですから、これは二つの利益の選択といいますか、二つの政策の方向の選択といいますか、そういうことを国民は求めるようになってきたのじゃなかろうか。  それで、そういう現在の経済社会情勢、それから生まれる国民の政策志望がおおむね二つのどちらかということになってまいりますと、これは二つの政策の方向を標榜する二大政党、あとプラスアルファですか、主として二大政党、この二つがそれぞれの方向でその都度政策を提示する。一方は、もう少し経済成長を遂げよう、今回景気をもっと回復させようというような路線、もう一方は、少々不景気でつらいかもしらぬけれども、せっかく主人も夜早く帰ってきたことであり、生活の方をもっと大事にしよう、地価の方も我慢してもっと下げてもらおう、こういうような生活の路線、こういう政策の二つの方向がその都度提示される、そういう政党が欲しい。  それは、一つは従来の経済成長路線の自民党、もう一方は生活者の利益とか消費者の利益を重んじられる政策をとられる政党、この二つの政党が時代時代に応じ、国民の意思に応じて政権を担当する、それぞれ政権交代する、そういう形になることが国民の意思を吸い上げるのに最も沿ったような政策の提示であり、選挙のあり方じゃなかろうか。そういう形が望ましいとすると、形としては小選挙区制というものがそういう政党の選び方をするのに最も適しておる形になるのじゃなかろうか、そういうふうに私は思います。  したがいまして、今の国民の政治に対する志向、要望を一番うまく吸い上げる政党のあり方、そういう形での政界再編がどんどん進み、政策を中心にした政界再編が進み、政策を中心にして国民の意思が問われるという形の選挙が望ましい。その形として小選挙区制が望ましい。そして政治家はその政策をもって、それぞれがきめ細やかな政策を国民の中に入ってもっともっと足で運動して訴え、そして国民の声を吸い上げて、それを国会審議の中で生かしていただきたい、そういう形になることを国民は望んでおるのじゃなかろうか。そういう形になりますと、今政治に非常に白けております層も政治の方に帰ってくると思いますし、広く薄く政治資金を出すようにもなるのじゃなかろうか。そうすれば、広く薄く資金を出すという形で今のスキャンダルのもとも断たれるのではなかろうか、そうなることを私は願っております。  以上でございます。(拍手)

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。     —————————————

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 これより両参考人に対する質疑に入ります。  この際、委員各位に申し上げます。  議事整理のため、質疑のある委員の方は、挙手の上、委員長の指名により発言されますよう、また、発言の際は、所属会派及び氏名並びに質疑をする参考人の氏名をお告げいただきたいと存じます。なお、一人一回の発言は五分以内にまとめていただくようお願いをいたします。  それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。

津島雄二自由民主党

○津島委員 委員長、ありがとうございます。自由民主党の津島雄二でございます。  田原さん、堀田さん、お二人のお話、大変参考にもなりましたし、教えられる点が多くて大変ありがたく思っておりますが、さらに理解を深めるために、まず田原参考人に向けまして三つ御質問させていただきたいと思います。  第一点は、政治を変えていく必要がある、本当に政治の目的である政策中心の、政策が選択できるような姿にしてほしいということを力説しておられたのでありますが、私は、それをするためにこそ政治の枠組みである選挙制度を変えなきゃいけない。先生は、どちらかといいますと、目的は政策をはっきりさせることであって選挙制度はその手段にすぎないと言っておられたのですが、私は、これは全く不可分の関係である。今の中選挙区制では、国民、有権者が選択をするときに、例えば自民党の候補が何人か金太郎あめのような同じような政策を掲げて立候補した場合に、政策による選択ができないじゃありませんか。それぞれの政党が政策によって争う仕組みをつくるためにはどうしても選挙制度を変えなければならないという意見が強いわけでありますが、その点を第一点お伺いいたします。  第二点は、しからば選挙制度を変えた場合にどういう仕組みがいいかということについて、先生は、民意を正確に反映しなきゃいけない、一党ばかりがやたらに多くなるような制度はいかぬという言い方をされましたけれども、民意の反映というのは、それは確かに一つの要請でございますよ。しかし同時に、政治というのは国民に対して責任をだれがとっているかということをはっきりさせなければならないものがあります。例えば比例代表制を併用しておる国でも、ドイツで比較的うまくいっているのは、五%条項がありまして、選挙のときだけ出てきて非常に耳ざわりのいいことを言って支持を求めるようなあれはまず出てこれない形にしている、一つの一貫した政策を主張できる政党を対象にするような仕組みにしているからあれなんでありまして、それは政治の責任を重視しているということであろうと思うのでありますが、先生はとにかく、例えばイタリーのような姿になってもいいから民意が多様に出てくる、さっきおっしゃったようなボイスリンクで出てくるような線に沿って国会における代表が選ばれるのが一番いいとお考えになっているかどうか、それが第二点であります。  第三点は、政界の再編成が必要だ、それは私はある意味でよく理解しておるのでありますけれども、政界を再編成するといいましても、大事なことは基本政策でありますね。例えば安全保障のあり方であるとかエネルギー問題であるとか、その基本政策について本当に一致するものでなければ、それが違う人たちが野合して一つの動きを起こすときに、それは国民にとって幸せかどうか、これが問われるところであります。だから、したがって、政界再編成をやるために、この主張の人もあの主張の人も一緒になって何かやるのがいいという議論にはどうも相当のあれがありますけれども、この点についてお伺いいたしたいと思います。  最後に、堀田先生に対しまして、公私の峻別が必要だというのは全く同感でございまして、自民党で今出しております政治資金制度の改革についてどういうふうに評価されているか、お伺いいたしたい。  以上でございます。ありがとうございました。

田原総一朗評論家

○田原参考人 こういうときは本当のことを言ってもいいのですか。それじゃ、津島さんにあえて申し上げたいのですが、私がどうも日本の政治が腐敗したなど一番感じたのは、ニューリーダー二人が総裁を争ったときです。宮澤さんと竹下さんと安倍さんです。あのとき、三人にテレビの番組で、あなた方はどこが違うのだ、どういう政策を持っているのだと何度も聞きましたが、何にも出てこなかった。名前は言いません。とにかくその中の一人が私にこうおっしゃった。田原さん、それは無理だよ、おれたちは大企業の専務みたいなもので、専務が社長になろうとしているのだ、専務にそれぞれ考え方の違いがありますかあるのを求めるのは無理だと言った。で、三人とも笑われた。つまり、おまえは素人でわからないなという意味で私は笑われたのですが、そのとき、この政治はだめだぞというふうに思いました。  まずその点ですが、この人たちは、総裁になって、総理大臣になって一体何をしようとしているのではないのですね。総理大臣になることが目的なのですね。つまり、手段と目的を取り違えている。津島さんさっき選挙制度改革は政治を変えるために必要だ、私もそう言っています。取り違えられたのか、マイクが悪かったのかわかりませんけれども、私は、選挙制度の改革を含めた政治資金規正法一括、これは全部新しい政治をつくるための手段として必要だ、こう申し上げている。  二つ目です。民意の反映ということをおっしゃいました。政党は政治に対する責任を持たなければいけないとおっしゃいます。そのとおりだと思います。ところが、今の自民党は国民に対して責任を持てていますか。ここが問題です。例えばさっき、津島さん気に入らないかもしれないけれども、ボイスリンクをもう一回使います。自民党はこのボイスリンクの中で二四%、これは多過ぎると思いますけれども、二四%の支持しか得ていないわけですね。まさに国民の支持を得ていないわけでして、政治に対する国民の信頼を得ていないわけです。ここが大問題なわけですね。こういう政治を変えなければいけないのでしょう。  さらに、津島さんに逆に聞きたい。聞いちゃいけないかもしれないけれども、これはぜひ聞きたい。私が言いたいのは、あなた方の政治は既に破綻しているんでしょうと言いたい。金丸さんや竹下さんみたいな人が次から次へ出てくるのですよ、こういう政治を続けたら。変えなければいけないんでしょう、と。つまり、仕方がないから変えるんじゃなくて、今の政治が破綻していて、あなた方このままいったらもう当選できないのだから変えなければいけないんでしょう、そこまで追い詰められているんですよ、こう言いたい。だから、とにかく変えることが第一で、じゃどういう方向に変えるのかという議論だ。その議論でいうならば、私は、併用制、並立制さらに単純小選挙区制を含めて討論の余地ありだ。これは皆さん議員さんに取材したら、みんな討論の余地ありだ。極端に言えば、それはその間にいいところが見つかるよと言っています。  聞きますが、津島さんは、詰めていって何か落としどころというか新しい着地点を見つけるのは不可能だと思っていらっしゃるのですか。

津島雄二自由民主党

○津島委員 委員長の御許可がありませんので、また別途御議論したいと思います。

田原総一朗評論家

○田原参考人 だめですか、聞くのは。  もう一つ質問されています。三番目です。政界再編成の問題です。  基本政策が一致しないところで政党が連合なり連立するのは、一体化するのは野合じゃないかとおっしゃった。私は、近い将来に日本の中でもしも政策が大きく対立することがあるとすれば、それはやはり憲法九条をめぐる問題が一番大きいと思います。ところが、憲法九条をめぐってはあなたの党の自民党ですら対立しているのですよ。これはそういう意味じゃ野合だということになりますよ。これも質問しちゃいけませんか。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 田原参考人に申し上げます。  衆議院規則の規定によりまして、参考人は委員に対し質疑することができないこととなっておりますが、これは、参考人は議会の構成員でなく、議員側がその御意見を聴取するものであることによるものであります。ただ、委員の質疑の趣旨などを明らかにするために御質問されることは結構でございます。

堀田力弁護士

○堀田参考人 委員長からの発言指示でありますので、私はおとなしい人間ですから、質問はいたしませんけれども。  いただいた御質問は、自民党の最近の案をどう評価するかという御質問でございます。  私は一般市民ですので、新聞紙上でしか内容は知らないのですけれども、新聞で最近の案を拝読いたしまして、大変に思い切ったいい方向でやっていられる、よくこれだけの案をまとめられたなと思います。非常に意義は大きいと思います。これが審議の中で最初に申し上げましたような線にさらに近づくようにしっかりしたものになりまして、今国会じゅうに成立するということを望んでおります。

大畠章宏日本社会党・護憲民主連合

○大畠委員 日本社会党の大畠章宏でございます。  ただいま田原参考人からは、国会議員の目的は何か、あるいは国民は政治を変えてほしいと強く希望している、しかしこの問題については、政治制度を変えればいいというのではなくて、この国をどうするかというのが大変重要なポイントであるというようなお話をいただきました。  また、堀田参考人からは、政治資金のあり方、そして選挙制度について二大政党制を目指せという趣旨の内容のお話をいただきましたし、この問題についてはこの国会じゅうに必ず決着をつけてほしい、そういう意見もいただきました。  現在、社会党、公明党で共同して政策をまとめ、また自民党の方でも四月上旬にはお互いに案を出そうということでありますが、会期が六月二十日でありますからどうなるか、大変その先行きが難しいわけでありますが、私自身も、ぜひこの会期中に堀田さんがおっしゃったように決着をつけなければ、国民の信頼は得られないと考えております。そういう観点に立って、今の田原さんあるいは堀田さんの御意見をもとにしながら、田原参考人と堀田参考人に二つお伺いしたいと思います。  一つは選挙制度についてでありますが、前回の亀井参考人また屋山参考人等からも、どちらかというと単純小選挙区制が日本の選挙制度としてはふさわしいのじゃないかという趣旨の発言がございました。この問題についてちょっと別な観点から、いわゆる田原参考人からありました、一体この日本をどうするのか、そういう観点から意見を述べながら御意見を伺いたいと私は思います。  今、この単純小選挙区制のいいところとして、アメリカ、イギリス等の二大政党制というものを云々する御意見がございましたけれども、確かに日本がアメリカ型社会を目指すのか、あるいはまたヨーロッパ型社会を目指すのか、アジア型社会を目指すのかいろいろありますが、アメリカ社会も大変大きな課題を抱えています。例えば人種差別の問題あるいは失業者の問題、暴力ざたの問題等々の課題を抱えていまして、決して二大政党制の繁栄した国が安定したいい社会になっているということではないと思うのですね、貧富の髪もかなり激しくなっていますし。またイギリスにおきましても、近々にありました、十歳の少年が二歳の少年をかどわかして惨殺するという事件も起こりました。果たして、イギリス社会の行き着く先というのはそういうものかというような論調の意見も出されました。  私は、そういうことからしますと、決して二大政党制というのが日本の目指すべき社会ではないのじゃないか。いわゆるこれだけ多様化した、情報化した社会の中において日本人の選択肢を二つに絞るというのは、これは絞り過ぎだろう。したがって、ある程度の多数党の存在のもとにいわゆるヨーロッパ型の連立政権、確かに単一政党による政権よりも不安定さはありますけれども、余り我を出さないあるいは独走をしない、お互いにある程度協調しながら、確かに歩みはのろくなるかもしれませんけれども、安定した歩みができるそういう政治が連立政権によって行われるのじゃないか、そういうことからすれば、私どもは、比例代表制がふさわしいのじゃないか、いわゆる比例代表に小選挙区制を入れた併用制を提案しようとしておりますが、そういう意味でそういう社会を目指すべきじゃないか。いわゆるアジア型の思いやりが加味された資本主義といいますか、資本社会というものを目指すべきじゃないかと私は思うのですが、この問題について田原参考人と堀田参考人はどう考えておられるか、ひとつ伺いたいと思います。  さらに、政治資金の問題でありますが、この問題については近々の問題に絞りますが、ゼネコンいわゆる総合建設会社等々からコンクリート一立米当たり百円が政治の方に回るような仕組みが出ていた、そういう話がありましたが、この百円というのはまさに公共事業であれば税金そのものであります。それが政界にまた返ってくるというこの仕組みが非常に問題になってきていますが、この資金源としていわゆる企業の使途不明金、これを今どうするかということが言われているのですが、今平成四年度で五百六十億円程度あるということが言われているのですけれども、この使途不明金についてどういう形で再発防止のためのメスを入れるべきなのか、その件について田原参考人並びに堀田参考人からお伺いしたいと思うのです。  以上であります。

田原総一朗評論家

○田原参考人 まず最初に、政治資金規正法の問題とそのメスの入れ方は堀田さんが専門なので私は申しません。  まず安定と、つまり単純小選挙区制とそれから比例代表制の問題ですけれども、私は実はイギリス、ドイツ、フランスは取材に行きました。おもしろいことは、どの国も現在の選挙制度を変えたがっています。去年、イギリスの選挙の真っ最中に行きました。もしもあのときに保守党が負けていれば比例代表制導入を提案したと思います。単純小選挙区制はよくないという意見が強かった。たまたま保守党が勝ってしまったから今は黙っていますけれども、フランスも同じです。ドイツも同じです。どこも、今ある選挙制度はよくない、変えたいという希望が強いのです。つまり、選挙制度というのはそういうものだと思います。続けていれば古びてくるのだ。変えるものだ。特に、並立なんというのは世界のどこもやっているところがないわけでして、いいか悪いかやってみないとわからないところがあると思います。だから私は、問題は、どういうふうに詰めていくかという論議は大事だと思います。その論議を十分にわかりやすい形でやっていただきたい。  それから、五%条項について言うと、これはもともとドイツが、私はよく知りません、皆さんの方が専門家だと思いますけれども、五%条項を入れたのは、これは東西ドイツが対立していてあのベルリンの壁があったということが一つ大きな問題があると思います。冷戦構造が終わった後でこの問題は改めてきっとドイツで大きな問題になってくるだろうと思います。だから、ここは論議をしていただきたい。そして、もちろん小党分立て余り不安定な政権ができるのはよろしくないと思います。  それからもう一つ、これは堀田さんの意見と少し違うのですけれども、東西冷戦構造つまり東西対立の時代が終わって、A対B、二大政党で基軸を、二大政党という形で政策を争うという時代はむしろ少し時代おくれになってきているのじゃないか。もっと、つまり政党の基軸は、よって立つべき基軸はふえてくるのじゃないかと思います。だから私は、単純小選挙区よりも比例代表を何らかの形で加味した方がこれからの時代にやわらかく対応できるのじゃないかと思います。  それから、政治資金規正法の問題では一つだけ申し上げます。  企業献金についてはどうかと財界人に問いました。多くの人たちが確たる返事はありませんでした。確たる返事がないということは、よくないと思っているはずです。その多くの意見を私なりに総合しますと、今すぐ企業献金をゼロにすると我々の支持している自民党がやっていけなくなるだろう、だから最小限度ある期限をつけて、つまり三年で終わりとか五年で終わりとか何か期限をっけたらどうかいなというのが財界の人たちの本音の意見だったのです。重ねて申し上げますが、企業献金については、なぜ企業献金が必要かという意見は、余り私が納得するような意見は聞こえませんでした。  以上です。

堀田力弁護士

○堀田参考人 二点について私の意見を申し上げさせていただきます。  まず、小選挙区制か、あるいは比例代表制、あるいはそれを加味したものにするかという点についてでありますけれども、私はちょっと田原さんとニュアンスが違いますが、最終的な方向として、今の日本の社会情勢、経済情勢を前提にすれば、当分の間は小選挙区制というのがいいのだろうとやはり思っております。というのは、日本の政策の選択、これはもちろん選択肢を非常に厳密に区分けいたしますれば幾らでも分かれますけれども、大まかな政治の方向としては、従来の経済成長路線でいくのか、あるいはもっと消費者を重視する路線でいくのか、大体この二つの路線に収れんされるのではなかろうか。そのあたりで大まかに二つの余り党議拘束のないファジーな政党があって、これが国民のそのときどきの意向をそれぞれ吸い上げてやっていくという形が当分の間はいいのじゃなかろうか。そうしまして、二大政党になりますと政権交代があって、みずから政権を担当して責任ある政治を実施できる立場になる、それによってその政党も成長するし投票した人たちの票もより生きる、そういう形になるというメリットが大変大きいと思います。  それから、やはり民主主義の基本のあり方は多数決ということで、この多数決原理にまさるものはないのでありますが、この多数決原理を前提にいたしますと、そこでの問いかけはAかBかCかDかという問いかけじゃなくて、AかAでないか、要するに賛成か反対か、そういう形で常に問いかけがなされ意思表示をする、そういう仕組みになっておりますので、これはやはり異なる傾向の二つの政党にまとまって、どちらかという選択を提示するというのが民主主義の多数決原理にも合っているのじゃなかろうかというふうに私は思います。  ですから、最終的には小選挙区制がいいと思いますが、ただ途中の過程で今一挙に二大政党、プラスアルファがありますから、二大政党の方に進むかどうか、これは現実論としては一つの過程のあり方というのはあると思います。したがいまして、今よりもさらに一歩前進する、そちらの方向に向けて一歩前進するという意味では比例代表制を、並立制でも併用制でも、少しでも小選挙区制に近い方がいいと思うのですが、そういう制度を今の段階でとり、それを一つの経過としてやるということもそれは十分あり得るのじゃなかろうか、そういうふうに思っております。  それから、二番目の使途不明金について対策はないかという御質問であります。  これは、使途不明金が非常によろしくないことはもうだれも異論がないと思います。国税当局にしても、明らかにされないことについて切歯扼腕しておるだろうと思います。しかし、それについてやはり明らかにしない利益の方が大きいから使途不明金というのはどうしても残っておる。これが純粋制度的に見ましても大変にまずいのは、大体使途不明金になるようなお金というのは経費として認められないようなお金が多いのじゃなかろうか。ですから、そもそもこれは経費として認められないことがむしろ当然の中身を持っておる。しかも、経費として認められずに贈与として相手方に渡したもの、こういうお金というのは、当然に相手方に所得が発生する。その内容はいろいろあるでしょうが、贈与税を相手方に課さなければいけない、あるいは相手方の所得として相手方から税金を取らなければいけない。ところが、使途不明金処理をいたしますとその分が取れないわけであります。  したがつて、国家から見ましても、これは大変な損害である。したがって、つまりその相手方に課税すべき分を課税されないという意味で国家債権を侵害しておるという意味、もう一つは非常に不明朗なことで正当な税取手続を回避しておるというこの二点、この二点にかんがみまして非常に大きな加算税、今の加算税以上の大変大きな懲罰的な性格を持った加算金を加えていいのじゃなかろうか、そういう手段によってこの使途不明金をなくしていくということが当面の方策として考えられるのじゃなかろうかと思います。

北側一雄公明党・国民会議

○北側委員 公明党の北側でございます。  田原参考人と堀田参考人に共通して二点、そして別に堀田参考人に簡単に二点質問させていただきたいというふうに思っております。  今求められておりますのは小手先の政治改革ではなくてやはり抜本的な政治改革でなくてはならない、そのように思います。その意味では、こういう抜本的な政治改革をする必要性があるという認識におきましては、私、きょうこの委員会の部屋におります委員は共通した認識を持っているというふうに確信をしております。政治改革というのは、私は一言で言うと、やはり政権交代のある日本の政治にすることが私は政治改革の眼目であるというふうに考えております。そういう政権交代のある日本の政治にして緊張感のある政治にしないといけない。誤った政策とか、それから腐敗行為を行ったならば政権がかわってしまう、またかえることができる、そういうふうな日本の政治の仕組みにしなければいけないと思っております。その意味で政界再編をしていかなければならないわけでございますが、選挙制度の改革もしなければならない。現行の中選挙区制ではやはり現状の追認にしかならないと思うわけでございます。また公的助成をする一方、企業献金を廃止していくというような思い切った政治改革が必要ではないかと思うわけでございます。  そこで両参考人に質問でございますが、まず、選挙制度改革の問題と政治家と金の問題、腐敗防止の問題、この二つの問題が一括処理でなければいけない。一部の意見で、選挙制度の改革はともかくとして政治と金の問題だけを先行してやっていこうじゃないかという御意見があるようでございますが、やはりこれは一括してやるべきではないかという意見を私は持っております。その点いかがでしょうか。  それから二点目が、先ほど堀田参考人のお話の中にもあったわけですが、今国民の選択というのは非常に多様化していると私も思います。価値観が多様化している、また政策課題も非常に多様化している中で、やはり選択の多様性というものを酌み取るような選挙制度というものが求められるのではないかと私は思っておりまして、そういう多様な民意を酌み取るという意味では果たして単純小選挙区制ではいかがなものかと思っております。この点いかがでしょうか。  次に、堀田参考人に別に二点お願いしたいのですが、収賄罪の問題でございます。  収賄罪が成立するためには職務権限がなければなりません。ところが実際に権限を持っている公務員、政治家と、収賄罪が成立するための職務権限がある人、ここに大きな食い違いがあるわけでございます。特に、今後この選挙制度が変わって政党中心の選挙になっていけばますます政党の権限というのが大きくなってくる。そういう中で今の収賄罪のあり方でいいのかどうか。やはり実際に権限がある人たちに収賄罪の適用ができるような仕組みに変えていく必要があるのではないかと考えておりますが、その点いかがでしょうか。  もう一点は、これまで証人喚問等、事件が起これば事実解明をやってきたわけなのですけれども、こういう事実解明のあり方にも私は大きな疑問があると思うのです。現実問題なかなか大きな成果が得られない。予算委員会等に国政調査権はありますけれども、事実上の強制権がないとかさまざまな問題がありまして、なかなか国民が期待するような事実解明ができない。そこでこういう事実解明のあり方についても変えていかないといけないのではないかと私は思っております。その点何か御意見ございましたらぜひ聞かせていただきたい。  以上でございます。

田原総一朗評論家

○田原参考人 今聞かれたことの前提からお話ししたいのですが、今のお話だと、あたかも中選挙区制があるために野党は政権がとれない、自民党の一党支配が続いているというふうに私は聞き取れた。これは間違いだと思います。つまり、中選挙区制の中で野党が今みたいな居心地のいい形を自分でつくってしまった、この責任は野党にもあると思います。だから今、このチャンスに選挙制度を改革すればおれたちは政権がとれるかもしれない、こういう気持ちで選挙制度を改革されるのならやめた方がいいと思います。そうじゃない、今の政治を基本から変えてほしいのです。公明党なんというものはつぶしてほしいのですよ。これはまた誤解されるといけないんだけれども、公明党がいけないからつぶせと言っているのじゃないのですよ。それは、公明党、社会党などを解体して新しい政治をつくる、そういう気持ちでなかったら、要するに議員をやめてほしいのです。これが第一点です。  それから一括か分離がという問題です。ここが問題ですが、もしも一括でやらないならば、これは自民党にお願いしたい、政治資金規正法だけを通すのではなくて腐敗防止法という形でこれを完成してほしい、もし一括でやらないならば、分離するならば。それで、腐敗防止としてきちんとするならば当然企業献金の禁止というのが入ってくると思います。それを入れるならば、選挙制度はやらなくても国民は納得すると私は思います。企業献金の禁止まで入れて、それは分離する。日本の国民は大変気がいいのです、わかりがいいのです。今企業献金を禁止したらこれはもう皆さん当選できないだろう、じゃあ選挙制度と一括で五年なり三年なり先に企業献金の禁止を目指していく、まあその辺で納得しようかこう思っているのですよね。そこを取り違えないでいただきたい。  もう一回答えます。もしも分離ならば、腐敗防止法としてこれをきちんとしたものにすべきだ。それには企業献金の禁止を入れるべきだ、こういうふうに思います。

堀田力弁護士

○堀田参考人 四点御質問をいただいております。  まず選挙制度の改正と腐敗防止法、これは一括でやるべきであると思うかどうか。  それはもちろん私は一括でやることが望ましいし、ぜひ一括でやってほしいというふうに思います。しかしながら、一括でするのか別々にやるのかというのは手続問題でありまして、一括でなければゼロだというのは、そういう選択肢で問題提起されますと市民側としてこれは納得できない。ともかく一括でやることを目指して一生懸命やっていただきまして、会期末になって、どうも選挙制度の方だけは審議の関係で無理だ、あとの方は審議が上がっておる。こっちの方がやれるのに片方が成らないからだめだというのは、これは選択としてゼロか一部がとなれば、やはり一部の方がいい。ただ、政党助成法だけのつまみ食いだけはちょっとまずいと思いますけれども、そうでない限りは、最後のぎりぎりの段階で一部だけなら成立するという状況になったら、それは一部だけの方がやはりいいと思います。  それから二番目の、国民の選択肢が多様化しておるのでこれを酌み取る制度として単純小選挙区はどうであろうかという御疑問だと思います。  確かに選択肢は多様化いたしておりますけれども、これはそもそも多数決という一番基本の原理が、ABCDのそれぞれの選択肢にABCとランクをつけて選択するようにはなっておりません。やはり政策ですから、Aという政策をとるのかとらないのかという決定をせざるを得ませんので、多数決というのはそういうふうにもともとある程度はさっとまとめて、二つにまとめて、どっちかだという判断をする制度である。これにまさる制度が出てくればいいのですけれども、どうも民主主義の制度としてこれ以上の採決方法が出てきませんので、そうなってくると、多様化しているとはいいましても、基礎的に同じような方向というのは、ある程度小異を捨てでまとまって、二つに分けて問題提起するという形が結局実質的に一番民意を吸い上げる形かな、私はそういうふうに考えております。  それから、収賄罪の職務権限が実態と乖離しているのではないかという三番目の御質問であります。  これは、裏の実力者などとおっしゃるような方が出られていろいろあると思いますので、乖離している面はあると思います。その点をきちんとやるのであれば、おっしゃるとおり、政党法の中で政党の活動自体も職務権限ありということで収賄罪の対象にするという立法が考えられます。そういうふうにすればその問題は一挙に解決いたしますが、そういたしますと、政治というのは国民の方からいろいろこうしてほしいと望みを吸い上げなければいけません。ですから、国民がいろいろな望みを言ってくると思います。同時に、あわせて政治献金もした方がもちろん好ましいわけですから政治献金もある。そうするとかなりの部分が、形式的に当てはめますと贈収賄罪が成立する。普通の今やっておられる政治活動自体にも増収賄が成立するという問題が起こることをひと一つ十分御考慮いただきまして、そういう一般の正当な活動までに影響しないようにしながら、どうすればうまく裏の不当な活動を取り締まれるか、そういう点を御検討いただくということが必要かなと私は思います。  それから四番目の、国会の事実解明のあり方についてという問題であります。  これは例えば従来の例でいきますと、一方で捜査をやっておる、捜査をやっておりますので大変に国民が問題にする、その同じ事項について国会でいろいろ質問される、しかしのらりくらりということでなかなか事実が出てこない、これが今までずっとやってきたパターンであろうと思います。その点では事実解明の能力ということが大変に問題になっております。  まず事実解明する対象について、私は、刑事事件になるようなものは、捜査機関がやらないというならともかく、やっておるのであればとりあえずこれに全部やらせることがやはり事実解明に一番早いのじゃなかろうか。ところが、刑事事件にならないけれども国民が問題にするような疑惑というのがあります。例えばおっしゃるように、三番目の質問で出ておりました、職務権限はない、しかしながら、こういう金をもらって政治家の地位を悪用しておる、罪にはならないけれども政治的には非常に大きな問題である、そういうような事実関係があろうと思います。これは捜査機関としてはやれないわけでございまして、これこそまさに国会で徹底的に事実解明をし、責任体制を明らかにすべき対象ではなかろうか。ですから、まず対象をきちんと選別し取り上げるという、そういう作業が必要じゃなかろうか。  今の行為規範は一条が非常に漠然としておりまして、何が議員として不当な行為なのかというのがいわば白地規定のようになっておりまして、新聞で問題になったらいけない、こうなっちゃうというようなことになっていると思います。これでは政治倫理の確立上余り好ましくないんじゃなかろうか。罪にはならないけれども好ましくない行為というのはやはりもう少し類型化して、それに当てはまる疑いがあればその事実について徹底的に事実解明をする、そういう体制が必要ではなかろうか。  それではどういう体制でやるのか。これは、事実解明を衆人環視の中でやるということは人権上も非常に問題があるし、また効率上も非常に非効率であると私は思います。人の見ている前で自分の非常に恥ずかしいようなことを言うということは非常に酷なことでありまして、なかなかそういうことを言いません。これは人間として当然のことであります。ですから、事実解明を徹底的にやるというのであればそういう委員会をつくられて、そこにある程度の権限、調査権を与えて、そして手足もつけて、そういう手足の方々が権限を持って徹底的にまず秘密裏に人の見てないところで調べて事実関係を相当解明する。そしてある程度固まったところで、これは容疑もはっきりしておるし、これならもう公開の場でぶつけてどんどん聞いても、もちろん聞かれる方はつらいけれども、事実が相当固まっておるからこれはいたし方ない。そこまで事実解明できたところで公開の場でやっていただく、そういうような手続を考えていただくことが必要がなと私は思います。

細田博之自由民主党

○細田委員 ありがとうございます。  私は新人でございますのでこれまで三年間偏見なしに、野党の皆様方がどういうふうな意見を言われ、どういうふうに対応していかれるかを見てきたわけでございますが、一言で言って、野党の方々は非常にまじめに考えておられ、しかも責任を持った政策を実施しておられると私は思うわけですね。例えばPKOについても、参議院の逆転の中でどのように実現をするかというときに、公明党、民社党両党が修正案を出し、それに応じて自民党も、自民党の党是とは少しずれたわけでございますけれども、妥協をして通したわけでございます。非常に大きな役割を果たされた。  しかも社会党はといえば、党是としてこれは基本的に賛成できないわけでございますからああやって牛歩戦術をされましたし、みんなが一生懸命、笑ったとかそういうことはありますけれども、実際は歴史から見ると、あれはまた当然の行為であって、しかも安保のときと違いまして民主主義のルールをしっかりと守って、三日、四日というのは長かったかもしれませんが、牛歩戦術によっても民主的ルールに従ってあの法案を通したと思うのでございます。そしてまた社会党はどうかといいますと、企業を固有化するかといえば、政権をとってももうしないでしょう。原発も現状を認める、自衛隊もまあ認める、日米安保、日韓その他非常に柔軟な政策を出してきているわけですね。したがいまして政権交代を自民党から社会党にすることができないかのようなことを世の中の人はよく言いますが、そんなことはないと私は思っているわけですよ。  すなわち、テレビなどを見て感じることは、自民党はけしからぬと言いながら、しかしやはり自民党じゃなきゃいけないから、社会党をたたいて、ああいう人たちには政権を任せられないよということばかり言って足を引っ張っているんじゃないかという気さえするというのが第一点でございまして、今現在行われておりますこの国会運営は明らかに連立政権でございます。参議院を通らないわけでございますから、自公民または自社の、あるいは自社公民の合意によって法律が通っているわけでございまして、ほとんど事前に調整が行われて、中小企業の法律あるいは景気対策その他通っておるという実態でございますから、先週もそうでございますが、今週の皆様方もそうでございますが、なぜ、野党が変わらなければ政権交代はできない、そのためには選挙制度を変えなければそういうことは実現できないとおっしゃっているのか。なぜ野党に任せられないのかということをもっとはっきりおっしゃっていただきたいということが第一点でございます。  それから第二点は、選挙制度を変えなければ政党再編ができないだろうと言って、政党再編をさせるために選挙制度を変えるべきだということをおっしゃいますが、実は例えば公明党という立派な党は、東京、神奈川、大阪、福岡と全部で二十その選挙区がありますが、そのうち公明党という党は二十三の議席をとるぐらい立派な政党でございまして、しかも参議院の比例区においては一〇%以上の高い得票率を得るわけでございます。共産党にしても民社党にしてもある程度、数%以上の票をとっているわけですが、そういう党は、先ほど極端に言えば要らない、再編成してしまえ、こうおっしゃるわけでございますが、一体選挙制度を変えて、まず靴をつくって足を合わせるという議論が本当に民主主義的なアプローチなのであるかどうかという点をもう一度考えなければならないわけでございます。  そうなると、もし小選挙区がいろいろな資金面、腐敗面でいいとした場合にどういうふうに考えていかなければならないかというと、やはり現状をできるだけ反映しながら、小選挙区にある程度いろいろな制度を加味しながら、現状つまり国民の支持率というものを考えながら、それが反映するようにやらなければならないということでありますが、我が自民党としては従来最高の衆議院選挙でも五〇%程度しか得票率がなく、悪いときには四三%から五%ぐらいしか得票率がないわけでございますから、この傾向が続く、多党化が進むと見れば、どう選挙制度を変えてもそう簡単に五割を超えて安定自民党政権が続くとは思われないわけでございます。  しかしやはり安定政権が欲しいと特に先週の某氏はおっしゃいましたけれども、そういうことが一体できるのかどうか。できないとすれば、第一の質問に戻るわけでございますけれども、一体多党化なり連立というものをそんなに嫌う必要があるのか。もっと進めば、今の最大野党というものはそんなに信頼ができないものなのだろうかという二大政党論の根本論に立ち返って議論をしなければならないと思いますので、以上二点についてお二方の御意見をもう一度お願い申し上げます。

田原総一朗評論家

○田原参考人 あきれ果てた議論だと思います、今のは。つまり、自民党が一党で安定した政権を担当してきた矛盾が今露呈しているわけでしょう。そのことに全く気づいてないというのは、あなた何党の人ですか。金丸問題というのは一体何なのか。一体どうして業界が金丸さんにあんなに金を献金するのか。あれはまさに政官財癒着の凝縮したものじゃないですか。そのことの危機感にあなたが気づいてないということは、自民党の人たちはどうなっているのですか。つまりそういう話を全然してないのですか。自分たちの足元が崩れかけて、今のような選挙はやっていけない、こういうことではもう党の運営はできない、だからどうするかという話なんでしょう、基本は。違うのですか。(発言する者あり)ちょっと黙りなさい。今どきまだこういう会で今みたいな意見が出るというのは、あきれ果てたわけです。これはやはりぜひこういうことは中継してほしいよ。これはちょっともう何も言うことはない。これはもう自民党、あなたがもしも自民党員で自民党の中でそういう意見がまかり通っているとすれば、じゃ選挙改革をしなければいけないと言っている人は、これはつまりにせものなんですか。

堀田力弁護士

○堀田参考人 大変厳しい御発言の後で私は素直に申し上げますけれども、御発言は、要するに野党さんしっかりいい政党になって政権をとってくださいとおっしゃっているようにも聞こえます。それで、その中でばらばらの、多様化している中でどういう形をやっていったらいいのかという問題もいろいろあろうと思いますけれども、ずっと申し上げておりますように、結局従来の例そして多数決原理の中では、多様化している一つの独自性を出した案だけでは絶対通らないわけでありまして、結局野党側の意見が通るという場合には、細田委員がおっしゃいましたようにそれぞれ協議しでまとまって共通の地盤に立ったとき初めて通るわけであります。ですから、通すために共通の地盤に立とうという努力はこれからも十分できるわけであり、それを通すためには、通すということは、つまり自分たちに投票した人の民意を最後まで生かすということですから、通すための努力、話し合いを一生懸命やっていただく、それによってその民意が生きるという形に進んでいくのだろうと私は思っております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。  最初に、田原参考人と堀田参考人に共通する質問でありますが、より深く佐川急便事件、金丸巨額蓄財脱税事件からどういう教訓を引き出すのか、金と政治との問題についてさらに質問をしたいと思うわけです。田原参考人は、改めて政治と金の問題がクローズアップされてきたとおっしゃられました。堀田参考人も、金丸脱税事件は政治に対する信頼を損ねている、これの回復が急務であるとおっしゃられました。  具体的な中身の問題について質問したいのですが、例えば金丸前代議士への裏献金ルートに中央の大手ゼネコンが深く関与していた事実が今明らかになってきています。鹿島、大成、青木、三井など大手建設会社が今東京地検の事情聴取を受けているわけですが、会社には金丸担当が置かれていた、毎年の盆暮れや選挙前に本当に巨額なやみ献金が届けられていたと言われています。山梨県の建設業者の政治団体である建信会を通じてのやみ献金も今明らかにされてきているわけですね。公共事業をとりたければまんじゅうを持ってこいと言われる。まんじゅう一個が百万円である。上納相場は大体受注金額の三%とも言われているようです。選挙時のカンパ、盆暮れのつけ届けはコーヒー代と言われているようで、一杯百万円単位だというわけですから、全くあきれ返る姿なわけですね。実は大手建設会社からの献金というのは、こうしたやみ献金だけでなくて、自民党の政治資金団体へ表の献金だけでも膨大な金額になってお るということは既に我が党の国会質疑などでも明らかでありますが、これに加えてはるかに上回るやみ献金が渡されていたというのが明らかになっていると思うのです。  それが政治にどういう影響をしているか。例えば、破綻と都民へのツケが大問題になっている東京湾臨海副都心開発を強引に進めたのが建設業界から莫大な金を吸い上げている金丸氏だと言われております。また、環境破壊につながっていると環境団体から厳しく世界的にも批判されている岐阜の長良川河口堰問題でも、環境庁長官に推進の圧力をかけたのも金丸氏だというわけです。これら一連の事実は、やはり企業献金がどんなに今の自民党政治というものをゆがめているか、具体的に示していると思うわけです。  実はことし三月十四日の東京新聞の社説では「古い政治の卒業式を」という社説の中に「公民権を持たない法人企業が、公民権を持った選挙民以上の威力を発揮して、選挙の結果を左右してもいいのでしょうか。」というような言い方もして、企業献金はもうやめなければいけない、まさに企業献金こそが政治をゆがめている、政官財癒着の中心問題ではないかと指摘をしているわけです。  堀田参考人は先ほど、寄附の受け手を個人ではだめなので政党にすればいい、そして透明性を高めればいいとおっしゃられましたが、それも大事なのでしょうけれども、それでは根幹にメスが入ったことにならない、この際企業献金を全面禁止にするのが急務ではないかそこが勘どころではないかと思うわけです。田原参考人が、今の政治を変えることが大事だ。変える中心問題はここではないかと思うわけですが、お二人からさらに、具体的な金丸事件、佐川事件の教訓について、金と政治をどう考えるか、お答えをいただきたい。  二つ目に、堀田参考人に選挙制度論について、選挙制度を論じる一番基本は、議会制民主主義ですから、国民の意思がいかに正確に議席に反映されるかということだと思うのです。堀田参考人の先ほど来の御意見にはこの一番大事な根本が全く欠落しているのではないかこの問題についてどう考えるのか、お聞きをしたいと思います。

田原総一朗評論家

○田原参考人 さっき言ったことの繰り返しになると思うのですけれども、金丸さん逮捕で、いわばプロの政治家の錬金術のシステムが露呈された、こう言っていいと思いますね。  ただ、その金丸さんを頂点とする、あるいは自民党を頂点とすると言ってもいいのですけれども、そういう癒着、談合の体質の中に、木島さんのところの政党は知りませんけれども、野党も組み込まれていたのだと私は思います。その体質をこそ国民が今問うているわけでして、時々分け前にあずかった人が出てきたりしますけれども、そういう構造こそ今変えなければいけないんだ、こういうことを国民が気がついている、多分皆さんもそれに気づいている、ここが一番の問題だと思います。金丸個人とかあるいはそういうだれだれ個人の問題じゃなくて、ここは構造の問題がある。それが自民党だけの問題じゃなくて、野党までを含めた大きな構造の問題がある。ここを変えなければいけない。だからこういう政治改革をどうするかという話になったのだと思います。

堀田力弁護士

○堀田参考人 二点、まず企業献金を廃止するのが最も基本ではないかという御質問であります。  これは、非常な理想論を言いますと、何年先か、三十年先か五十年先か知りませんが、最終的には個人献金で賄えるというふうにあるいは進めば大変いいと私も思います。  ただ、今の一般市民の立場で物を考えますと、今の一般市民は政治に全くお金を出しません。政治に口も出さない。一般市民というのはおとなしいですから、口も出しませんが、政治活動もしないし、政治献金もしない。こういう中で企業献金を一挙に廃止してどうなるのかという問題はやはり考えなければしょうがないかなと思います。一般市民の感じからいけば、企業というのは社会に存在してそれぞれ我々よりもうけておるのだから企業が金を出してくれてもいいじゃないか、自分たちに出せというなら出すけれども、企業の方だって出していいじゃないか、今のレベルで言えば、大変残念ですけれども、そういうところが大体の感覚じゃなかろうか。  ですから、企業献金の廃止を論ずるとぎには、一般市民が広く薄く出せるシステムを考え、それによって政治が賄えるようにしていく。そういうふうにしていけば、おのずと企業献金は廃止していっていいわけでありまして、そういうふうに、ただ廃止するということだけじゃなしに、一般市民参加の広く薄くお金を出すシステムをつくる。その前提としては、一般市民が自分たちのために政治をやってもらっておると感じられるような政治をやる、つまり、一般市民の声が十分吸い上げられていると思うような形にしていく、そういう形で進めていくのが、迂遠なようではありますけれども、王道ではないかと私は思います。  それから二番目に、私の選挙区制に関する意見は、国民の意思が議席に反映されることが一番大事であるのに、その点基本を無視しているではないか、こういう御質問であります。  私は別にその点を無視しているつもりはありませんで、国民の意見を全部正確に反映することを非常に厳密にやりますと、国民一人一人意見が違いますので、結局全国民がその都度参加して政治をしなければいけないというような形になるわけで、そんな政治はあり得ないわけであります。  そもそも政治制度というのは、ある程度の国民の意見をまとめて、そしてそれを政策に生かしていくことをこれは制度上当然前提にせざるを得ないわけであります。そこで、どの程度まとめるのが国民の意思を生かすのに一番いいかそういう点から物を考えますと、議席に反映されるということが一体大事なことであろうか。議席に出てきてもずっと五%政党で、その政党だけ独自の主張をしておって、ほかの政党が全部反対している場合のその反対意見、あるいはその五%政党だけの独自の意見というのは絶対に通らないわけでありまして、そういう意味ではその五%に投票した人たちの意見、立場というのは結果から見て政治に全く反映されていない、そういうことになるわけでありまして、だから、そういうことではなくて、議席に反映されるその意見がさらに議決、政策の実施という面で反映されるような制度を考えるということが必要かなと私は思っております。

川端達夫民社党

○川端委員 民社党の川端達夫です。よろしくお願いします。  初めに田原参考人にお伺いをしたいのですが、御指摘の御意見、同感な部分がほとんどでございましたが、要するに今の政治構造を変えなければいけない、変えてほしいと国民も思っているし、我々もそうだというときに、与党である自民党はこれだけ腐ってしまってどうするんだということだと思いますし、しかしさりとてその中で、背景には、今政権を持っている部分をやはり放したくないという中でのもどかしさがある。そして野党は国民に、いろいろな選挙制度のもととはいいながら、おまえたちかわりにやってみろと今まで言っていただけなかったという責任が非常に大きくあるという中で、各党がというよりも各政治家がどういう行動をするかというのが今問われているという御指摘だったと思いますし、私もそのとおりだというふうに思います。  そういう中で、大きく構造を変化させる一つの手段あるいはきっかけ、起爆剤として政治改革、特に選挙制度というのが非常に焦点として出てきています。それで、選挙制度というもの以外に、政界再編要するに新しい構造をつくろうというキーワードみたいなものが、何か思っておられるものがあるかどうかということ、これが一つのポイントになるという部分でお感じになっていることがあればぜひともにお聞かせをいただきたいということであります。  それから堀田参考人に対しましては、いわゆる国民の政治の信頼回復のために、政治にまつわるお金の透明性の確保と腐敗防止をやらなければいけない。具体的にも幾つかお触れいただきました。そのことは我々が主張していることとほとんど一緒のことでもございます。そういう中で、過去の経緯で海部内閣のときにもつぶれ、いわゆる一体処理ということの中で埋没した経緯もございます。そういう中で、先ほどの参考人のお話という部分は、いかなる選挙制度でやろうとも政治家として基本的にクリアすべき条件として求められている問題ではないのかなというふうに私は思います。現実に処理しようというときに、それに一番やりやすいという部分で選挙制度も一緒に変えていくべきだということはもちろんそうなのでありますが、それができなければゼロでいいというのはいけないということ。確認になりますが、そういう部分で私は、この問題はいかなる選挙制度のもとであっても政治家として必ずやるべき基本的な条件であるという認識をまず持つべきだというふうに思うのですが、そのことについて改めて確認をさしていただきたい。  それから職務権限で、いわゆる国の大きな政策決定に実質的な権力、影響力を及ぼしている人たちに職務権限を付与すべきではないか、いわゆる贈収賄に関係して。この部分でいろいろなもろ刃の剣的なことをお話しになりましたけれども、やはり政党の一定の役職以上の者に関してはそういう職務権限等を認定すべきだ、みなしをすべきだというのを我々は主張しているのですが、そのことに対しての御見解をお教えいただきたいと思います。  以上です。

田原総一朗評論家

○田原参考人 いいアイデアはありません。ただ、政界再編成というのは、基本は、自民党とか民社党あるいは社会党という枠を壊してほしいというのが基本だと思います。だから、自民党が政権を担い続けるとか野党が野党連合で政権をつくるなどという話ではないのですね。その枠を壊してほしい。  枠を壊してほしいと私が感じたことを二つ申し上げます。  一つは、野党からいきますと、例えば、私の番組に田邉さんに委員長のときに出てもらいました。あるいは伊藤さんに出てもらいました。皆さん大変話がわかりやすいのですね。いいことを言うのです。ところが、党へ帰るとみんなひっくり返っちゃうのですね。これは党が邪魔だとしか思えないのですよ。個人個人はとても話がわかりやすいのに、党へ帰るとひっくり返るというのは、どうも社会党という党が今の時代にもう対応できなくなっているな、これは壊した方がいいんだ、これが実感です。  自民党の話をします。  自民党で竹下派、経世会が一党で指揮したときに、私はこれはとっても危ないと思っていたのですよ。ほかの派閥の人たちに、これは批判しなきゃいけないよ、このことについてはもう断固やらなきゃいけないと幾ら言っても、そういう竹下派、経世会に対する批判を私の番組ではだれも言えなかった。初めに言ったのが三塚派の塚原俊平さんだった。これはもう番組で言ったので繰り返します。去年の八月です。何であなたたちは言えないんだ、金丸さんが佐川急便からもらったというこを言った後に金丸批判が出てこない、おかしいんじゃないか、どうして言わないんだと言ったら、塚原さんが、だって怖いんだもん、こう言ったのですね。これはよくない、この党はやっぱり解体しなきゃいけない、変えなきゃいけないよと思った。それで経世会、竹下派が分裂しました。石井さんに申しわけないのですけれども、分裂しました。では、分裂して今はうまくいっているかというと、今はだれもシナリオを書く人がいない。どっちへ行っていいのかよくわからない。これもやっぱり変えなきゃいけないんだと思います。  いずれにしても、あとの党のことは言いませんけれども、私が私の番組で自民党、社会党の人たちに会いますと、これは、今の党は、今の枠組みは変えないと新しい政治はできないとつくづく痛感しました。  以上です。

堀田力弁護士

○堀田参考人 私がちょうだいしました御質問は、一体処理か、あるいはそれが無理なときには腐敗防止、基本なので先に成立さすべきか、そういう御意見についての確認をということでありました。  申し上げましたとおり、全く同意見でありまして、何としてもたくさん一挙に通してほしいけれども、どうしても無理なときには成立するものを通してほしい、そういうふうに思います。  それから二番目の職務権限につきまして、政党役員について職務権限ありとみなす法案についての意見であります。私、個人的に賛成であります。大変な覚悟が要ると思いますけれども、そうしていただければと思います。

細川律夫日本社会党・護憲民主連合

○細川委員 社会党の細川です。  私の方からは、政治資金の集め方というか、その点についてまずお聞きをしたいと思います。  先ほど堀田先生の方からは、企業献金の禁止については、これをやめるのが理想的ではあるけれども、なかなかそこまではいっていない、そうして個人献金についても、理想としては広く浅く献金をしていただくのがいいんだけれども、これもまた今の段階ではそんなにいっていない。そういうことを考えますと、私自身は、企業献金は、見返りを期待しない企業はないわけでありまして、そしてまた企業というのは利潤を追求するものでありますから、そういうことを考えると、これは禁止をすべきだというふうに思います。  しかし、政治にはいろいろ必要経費的なお金がかかる。そうしますと、それを公的な助成で出していただけないものか。広く薄く国民の皆さんからもらうのと同じように、年にコーヒー一杯分ぐらいのお金を公的助成として政党の方に交付をしてもらう、そういう制度をつくることによって企業と政治家の癒着は断ち切れるというふうに私は思います。その点について、公的助成について御意見をお聞きしたいというふうに思います。  それから選挙制度の問題なんですが、憲法上国会は二院制をとっているわけであります。それで、衆議院の方は中選挙区制、参議院の方は比例代表それから小選挙区の並立のような、そういう形でございます。二院制があるということはそれぞれ存在理由があるということでありますから、その二院制との関係で衆議院の方の選挙制度も考えていかなければいけないのではないかというふうに思います。私は、比例代表併用制がいいと思いますけれども、二院制との関係で衆議院の方の選挙制度はどうあるべきかということについてお聞きをいたしたいと思います。  それから、最後になりますが、質問ではないのですけれども、委員長の方にちょっと御意見として申し上げたいのですけれども、政治改革というのは国会改革でもあろうかと思いますので、質問だけで、それに対応した討論ができないようなそういう委員会では活発な議論にもならないと思いますので、ぜひそういうものを変えていただくようにひとつやっていただきたいというふうに御意見を申し上げまして、一応私の質問は終わります。

田原総一朗評論家

○田原参考人 公的助成については、これは堀田さんと同じ意見ですけれども、つまりこれの食い逃げだけではだめである、それはやはり一括でやるべきだということです。それで、公的助成は必要だと思います。  それから参議院の問題、もちろん参議院の改革必要でしょう。それについては、私は外野席の人間ですから、参議院をどう改革するかということは英知を集めていろいろアイデアを出していただきたいと思います。

堀田力弁護士

○堀田参考人 公的助成の問題、田原さんのおっしゃったとおり、私も同じ意見であります。一括で大変厳しい腐敗防止法それから選挙制度の改革を行われれば、公的助成もあわせてするということは意味があると思います。  ただ、若干、私は、公的助成につきましてもできれば、これは税金から出すのではなくて、現実に国民が広く薄く出すシステムにしてほしいということを非常に強く思っております。例えば、税金の申告の際にチェックをすることによって所得税のうちの一%、五万円以内とかある程度限度は要りますが、そういう形で国民がみずから出したという制度の方が、国民が積極的に政治に参加してくるという意識を養成する意味で、公的助成、あっさりと税金で出してしまって、国民の方はそれは知らぬというようなものよりはさらにいいのじゃなかろうかとは思いますけれども、まあ次善の策ということで公的助成も一括ならばいいと思います。  それから、二院制と選挙制度の改革でありますが、これも田原さんの御意見と同じであります。制度の問題ですので、ここで御審議いただくのがいいなと思います。

武村正義自由民主党

○武村委員 田原参考人から、テレビと同じように大変厳しい御指摘をたくさんちょうだいをいたしたわけでありますが、おおむね国民の皆さんの御意見を代弁していただいていると思いながら、こちらも率直に聞かしていただきました。  ただ、自民党も、宮澤総理をもちろん初めとして、この事態というのは未曾有の深刻な事態であるという認識を持っておるわけでありますし、今回の自民党のまとめようとしております四法案も、そういう意味では自民党挙げて非常な決意をこの四法案に盛り込んでいるというふうに私どもは思っているわけであります。  本来自民党の党利党略でいえば、戦後一貫して政権が担い得た今の中選挙区制が一番合っているというふうに思います。ただし、もうこれではスキャンダルが続発をしてきて日本の政治全体が没落してしまう、こういう危機認識のもとに今回抜本改革にも取り組んでいるわけでありますし、「政治改革大綱」も昨年の暮れにまとめた「政治改革の基本方針」の中にも、既存の一党の方針としては枠をはみ出して、政権交代というふうな言葉をもう使っております。暮れの「基本方針」では政界再編を視野に入れてこの改革を決断するという言葉も党の公式文書の中に入れているわけです。政界再編あるいは政権交代というのは、自民党の立場からいえば本当は公文書では言うべきでない言葉でありますが、そこまで表現しているということは、日本の政治の行方を深刻に眺めながら、党の枠を超えてやはり改革を断行しなければいけないという考え方に立っているということをぜひ御理解をいただきたいと思います。  そこで、全体か部分かの話がございましたが、私個人としては、この春、自民党、公明党、社会党そして民社党等々、現行の中選挙区制はもうだめである、したがって、それぞれ内容は違いますけれども、抜本的な衆議院の選挙制度改革案をこの国会に出すということは、もうそれで既に五〇%ぐらい改革は実現に近づいていると私自身は大変喜んでいるわけであります。少なくとも一昨年の政府案を出したときには野党の皆さんは、時期尚早であるのか絶対反対であるのかわかりませんが、現行中選挙区制維持という前提で定数是正その他の法案を出してこられました。あの時点ではまだ野党さんは中選挙区制を変える必要はないという御認識であったと思うのでありますが、一年半の時間の経過で既にここまできている。与野党ともに現行制度は思い切って変えようという点で一致をしてきているわけですから、大変そういう意味では明るい状況になっているというふうに思っております。  問題は、部分改革、全体改革の議論があります。田原さんも腐敗防止法、どうしてもだめなら腐敗防止法とおっしゃったし、堀田さんも、ゼロか部分ならまだ部分の方がベターだというお話もございました。  ぜひ御認識いただきたいのは、もうおわかりのことでありますが、病気に例えれば、発疹とか皮膚のただれがあちこちに出てきて、こう薬を張るとか頓服を飲むことも大事であります。対症療法としてはそれも大事かもしれませんが、原因がやはり心臓にある、血液にあるということがお互いにはっきりわかってきたわけであります。そのときにこう薬を張ったり薬を塗るような対症療法を繰り返していてもこの病気は治らない、そう認識をしておるわけでありますから、それは選挙制度改革こそまさに腐敗防止のための公職選挙法の改正である、ここはきちっと御認識をいただきたい。  もう中選挙区制、同士打ち、一々申し上げません。その認識があるから、そこにメスを入れなければ、政治資金その他の改革をやりましても、確かに企業献金をやめればかなり大胆な改革が進むというお考えのようでありますが、この選挙制度が残っていれば、病が血液に残っていれば、これはもうどんどん転移していくわけでありまして、裏に、アンダーテーブルのお金にますます腐敗化してゆがんでしまうことだと私は思っておりますから、どうぞそこのところは、全体だというのは何も反対のための全体でなしに、まさに矛盾を正面から見据えてまじめに取り組もうとしている考え方だというふうに御評価をいただきたいと思います。むしろ、できなければ一部でもというよりも、まだこの四つでも足りないぞ、今も職務権限その他もございましたが、そのくらいの激励をマスコミにしろ新聞社にしろ御主張をいただきたいというふうに思っている次第であります。  この二つだけ申し上げて、質問になっていませんが、御感想をいただきたいのですが、田原さんは、ずばり言って、選挙制度についてはどれも相対的で絶対のものはないから、私はこれがいいと断定はしないというふうな御主張のように感じました。何が一番ベターだとお考えでしょうか。  堀田さんに一つお伺いしますのは、かつて一度自民党でお聞きしたときに、税額控除の御提案がございました。きょうはおっしゃいませんでしたけれども、この案についてはその後考え直されたのか。今なおお考えなら、この考え方についてもお触れをいただきたいというふうに思います。

田原総一朗評論家

○田原参考人 ちょっと余計な確認ですけれども、つまり政治資金規正法と公的助成とそれから選挙制度改革ワンセットでやるべきだ、これはまず重ねて主張します。ただし、ワンセットでやるべきだということについては不退転の決意で臨んでいただきたい、選挙制度改革については極めて柔軟性を持って対処していただきたい、ここが大事だと思います。これが逆になると困るのです。  それから選挙制度改革については、基本は小選挙区だろうと思います。それに比例代表制をどう入れていくかということだと思います。それをどう入れるかについては、実は私自身もよくわかっていません。何人にも聞きましたけれども、聞いた方もわからないようです。ここは多分、例えば併用とか並立とかいろいろなものがあるけれども、やはり連続線上にあるものだろう、論議すればそこである地点を見出せるものだろう、また見つけなければいけないのだろうというふうに思います。

堀田力弁護士

○堀田参考人 まず感想とおっしゃいました点、おっしゃる趣旨は大変よくわかりますし、それから自民党の方で政権交代までおっしゃるということは、大変それは立派なことで尊敬いたしております。  一括処理についてのことですけれども、私の感じで言えば今この段階で一括処理がどうかということを一生懸命議論しなくてもいいのじゃないかともかくやれる限り一括処理に向けて一生懸命、ともかくまだ六月の二十何日まであるのですからやっていただいて、その一番最後のぎりぎりの段階でどうにもならぬときの選択肢の問題として出てくるのかな。そして、そのうち一部成立してもそれで終わりということではなしに、例えばイギリスの例の腐敗防止法も二年ほど間を置いて成立しておりますが、その後も続けて残った部分の成立に向けてさらに努力していただく、さらにそのほかの部分についても考えていただく、そういう不断の努力をしていただくということはすばらしいことだと思います。  それから、御質問いただきました税額控除、これは先ほどちょっと申しましたが、要するに国民が広く薄く献金するシステム、しかもしゃすいシステムとして、例えば納税の際にその申告書あるいは源泉徴収関係の書類にチェックをすることによりまして、例えばどの政党かということでチェックすることによりまして一%が自動的にその政党の政治献金に回る、チェックしなければ税金に取られてしまう、そういう形であれば国民も相当積極的に政治献金をするのじゃなかろうか、 政治献金をすることによって自分が政治に参加しているという意識も生じ、いろいろ政治に対する要求も出てくる、国民の政治参加という機運も生まれるのではなかろうかということで、私はずっと提唱しておりますし、今も国会以外の、講演を求められましたとき、あるいはマスコミ等に対しましては一生懸命それを言っております。しかし、これは国民みんなで出しましょうという話でありますので余りここでする話ではなくて、ここでは国民がもっと出せる気持ちになるようにいい制度にしてくださいということが主眼だと思いましたので、その点ここでは余り申し上げませんでした。

後藤茂日本社会党・護憲民主連合

○後藤委員 社会党の後藤茂でございます。  一点だけ職務権限の問題について、重ねての質問になって恐縮でございますけれども、今堀田参考人から政党法の中でひとつこの問題は規定していったらどうか、あるいは川端委員の質問に対しまして、政党役員はこれに該当するという形にしてはどうか、これは賛成だ、しかし政党活動全般にかかわる問題ということで、これは自民党さんの方も、また野党の方でも出しておる政治改革関連の中でなかなかこの問題は触れていくのに難しいのですけれども、堀田参考人はそういう点で経験豊かでございますので、もう少し踏み込んで、こうした職務権限の問題について法整備がどうあったらいいだろうかということでお考えがあればお聞かせいただきたい。  それから、同じ問題でありますが田原参考人にお伺いしたいのですけれども、昨年金丸問題が起こったときに朝日新聞の「論壇」で「この政治の異常さと危うさ」ということでお書きになられた。その中で、国務大臣、時としては総理大臣以上の影響力を持つ人間が裏金として大金を得ながら、その影響力との関係、あるいは影響力の責任、つまりわいろ性を全く追及されていない、これはいかがなものかということを厳しく指摘されているわけであります。この点もまた職務権限の問題にかかわってくるわけでありますけれども、田原参考人、このことについて法律的にどういうようにあったらいいだろうかということをもしお考えがございましたらお聞かせいただきたい。この点だけを御質問させていただきたいと思います。

田原総一朗評論家

○田原参考人 その文章を書きましたのは、職務権限よりも、自民党が大変異常な事態にある、その責任を持たない人が具体的に自民党を取り仕切っている、しかもこれが政権を担当している政党だ、これは異常であるということをまず言いたかった、これが第一です。  どうやれば法律でそれを縛れるかというのは、これは隣に専門家がいらっしゃるわけでして、私よりも堀田さんの方が時間のむだがないと思います。

堀田力弁護士

○堀田参考人 御質問を受けました点についてだけ申し上げさせていただきます。  政党法で役員について職務権限をみなすという案についてどうかということで、個人的に賛成と申し上げました。これは取り締まる方の感覚みたいなことで言いますと、一歩前進というようなことになるから賛成と申し上げたわけでありますが、これはなかなか問題がたくさんあります。役員選挙をするのにお金をばらまいたから贈収賄になる、その程度の取り締まりであれば余り意味がないわけであります。ですから、役員が役員たる地位を利用して不当に官庁その他に圧力をかけて、その代償としてお金をもらったとか、そういうような行為をやはり対象としては選ぶべきであろう。  したがいまして、普通の贈収賄であると、何らかの職務権限に関してもらえば全部これは取り締まることになりますが、そういたしますと、そもそも政治というのは国民の意見を吸い上げて、そしてそれを生かす、一方政治献金をもらうということですから、これは一般的な贈収賄を持ってきますと余りに広くなって、政治家としての活動を全部逼塞させてしまうことになりますので、やはりそこは構成要件を絞って、不正または不正にふさわしいような不当な要求を例えば公務員に対してするということの見返りでお金をもらうというような行為に、仮に立法するならば相当絞った立法をしないともろ刃の剣という面があろうと思います。私は、限度としてはその程度のことかな、と。  ですから、やはりこの辺は大変微妙な、政治家としての活動の自由とかかわる分野でありますので、一方でそういう取り締まりをお考えいただくと同時に、ちょっと北側委員の御質問にも答えましたけれども、刑事事件としてやれない、しかし不当な、ふさわしくない行為というのがあるはずですから、その分の類型をもう少しきちんとして、国会で調査して、そういう行為が起こらないようにする方策を考えていただくということもあわせてやっていただくことが大事がなと思います。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 石井委員、時間が大変残り少なくなりましたので、簡潔にお願いします。

石井一自由民主党

○石井(一)委員 前回発言しましたので、きょうは発言する気持ちはございませんでしたが、最後に一言だけ申し上げたいと思います。  きょうのキーワードは、政治を変える、政界再編成、そして政権交代、こういうことだと思います。その場合に私は、野党の皆さんさっきデータも示されましたが、例えば主張されておる比例代表併用制で展望が開けるのか。社会党のパーセントというのは百二、三十の議席です。公明は四、五十です。民社はそれなりのパーセントです。世論もそれを示しております。そういたしますと、その新しい野党の提案の制度で政界編成なり政権交代なり、現状は変わらない。これは国民が求めてないと私は考えるのですね。小選挙区の場合は平成元年の参議院のようなこともございますから、劇的なチェンジというものが可能性があるというふうに私は見るわけでございます。  そういうふうな意味で、これはこれから十分議論をしていこうというふうに考えておるわけですが、冒頭田原さんの発言の中に党議拘束を解けという言葉がございました。私は、本来こういう七十年続いた制度を変えるなら、我々だけで党利党略で物を言わずに、国民投票をしてもいいぐらいの問題だと思う。そういう意味で、野党の皆さんもシミュレーションスタディーもやり、将来の展望を考えていただいた中にみずからの御提案をもう一度検証していただいて、そういう中で場合によっては今の提案も考えていったらいいのじゃないか。私は多くを申し上げませんが、そういうことを強く感じましたので、申し上げたいと思います。

田原総一朗評論家

○田原参考人 最後に、せっかくチャンスが与えられましたので、一言申し上げたい。  実は、テレビの番組で選挙制度の改革をやりますと視聴率が低くなるんです。落ちるんです。突然ぽんと落ちます。なぜかといろいろ考えてみますと、つまり、選挙制度の改革の論議になりますと、一つは党利党略になる、二つ目は手段、テクニック論になるのです。なぜ一体選挙制度を改革するのか選挙制度を改革すれば政治がどう変わるのかというビジョンを示せない。これは皆さんが余りにも専門的になり過ぎて示せないのかあるいはビジョンを持ってらっしゃらないのかわかりませんけれども、そこがこれから大事な点になってくると思います。  以上です。

堀田力弁護士

○堀田参考人 参考人をだしにして野党におっしゃったように私には聞こえましたのですが、私とも抜きでじっくり議論を詰めていただくというやり方も大変大事だと思います。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 それでは、質疑はまだ尽きないところでありますが、予定の時間が参りましたので、本日の参考人に対する質疑はこの程度で終了することといたします。  参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時二分散会

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