政治改革に関する調査特別委員会 第3号
- 発言数
- 34 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1993/03/17
会議録
○田邉委員長 これより会議を開きます。 政治改革に関する件、特に現行選挙制度及び政治資金制度等の問題点について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りをいたします。 本件調査のため、本日、参考人として政治改革推進協議会会長亀井正夫君及び政治評論家屋山太郎君の御出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田邉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 また、来る二十四日午前十時から、参考人として評論家田原総一期君及び弁護士堀田力君の御出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田邉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 —————————————
○田邉委員長 この際、亀井参考人、屋山参考人に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本委員会での審議に資するため、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 次に、議事の順序でありますが、亀井参考人、屋山参考人の順序でお一人二十分程度にお取りまとめて御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず亀井参考人にお願いをいたします。
○亀井参考人 亀井でございます。 今回ここにお呼びいただきまして、現行選挙制度及び政治資金制度等についての改革意見を述べるようにということでございますので、これから申し上げたいと存じますが、私が申し上げたいことは四点ございます。 第一は、政治改革の問題を今国会で必ず実現をしていただきたいということが第一でございます。第二は、そのためには自民党さんを初め社会党その他野党の方々が三月中にそれぞれの政党の改革の御案を国会に提出をされて、そしてオープンにその長所、短所あるいは二十一世紀に向けての日本の選挙制度あるいは政治資金はどうあるべきかということを国民にもわかるように、ひとつぜひとも活発な討論をお願いをしたいということ。第三は、政治改革の問題につきましては、選挙制度、政治資金あるいは腐敗防止あるいは公的助成あるいは区割りの委員会の設置問題、いろいろございますが、これを全体を一括をして処理をしていただきたいということ。第四点は、日本の政治のあり方につきまして、政権交代の可能性のあるような制度に持っていっていただきたい。こういう四点をこれから申し上げたいと存じます。 まず第一に、今国会でぜひともやっていただきたいと申し上げますのは、政治改革の問題はここ一、二年の問題ではございません。リクルートの事件がありましてからもう既に五、六年の歳月を経ております。ここに持ってまいりましたが、リクルートが起こりましたときに、自民党におかれまして政治改革推進本部を設けられて、非常に熱心に議論されて、平成元年五月に政治改革大綱というものを発表されました。 その冒頭にこういうことを言っておられます。「いま、日本の政治はおおきな岐路に立たされている。リクルート疑惑をきっかけに、国民の政治にたいする不信感は頂点に達し、わが国議会政治史上、例をみない深刻な事態をむかえている。」こういう御認識は自民党だけではなくて、その当時において野党においても持っておられたと思います。それからの問題でございます。 しかし、それから政治改革の実は上がっておりませんが、その後リクルートに続きまして共和、佐川急便あるいは今回のまことに不幸な金丸さんの逮捕というふうな事件が起こりまして、国民の政治不信というものはもう頂点を脱して極限に達しておるという状況ではないかというふうに思います。そのあらわれ方が、例えば昨年の参議院選挙において投票率が五〇・七%というふうな、半分の人が投票所に行かない、あるいは各地方の知事選挙なんかを見ますと三〇%しかない。それを要約しますと、結局現状の支持政党なしという層がどんどんふえつつある、これは非常に議会制民主主義の危機ではないかというふうに思われます。そういうことでございまして、国民が自分たちが選んだ政治家を信頼しないということほどその国にとって不幸なことはない。 また、私は先週シンガポールへ参りましたけれども、シンガポールの政府当局、向こうはまあ政府と政治家、同じようなものですが、日本は一体これからどうなるんですかというふうな、国際的にもいろいろな不信感とか信用が落ちるという状況にあります。在留邦人三千人の方々もみんな口々に心配をしておられる、こういう状況でございます。 そういう意味におきまして、今回を逃しては恐らく日本というものは不幸になっていくんではないかということで、今国会が本当の最後のチャンスではないかというふうに思いますので、そういうことをひとつ御了承いただきまして、与野党ともに政治改革についての決意を示していただきたいと思います。国民もそれを期待し、また見守っておる状況ではないかというふうに思うわけでございます。 次に、法案の問題でございますが、新聞で見ますところ、自民党さんは小選挙区を中心にする案を御検討であり、社会党、公明党においては比例代表と小選挙区との併用制をお考えであり、民社は府県を単位にする比例代表制というような案を鋭意おっくりのようでございますが、ぜひともこれを三月中に国会に各党自主的な法案をお出しいただきまして、選挙制度あるいはすべての制度というのは必ず制度には長所もあり短所もありますから、それをオープンにひとつ議論をしていただいて、国民に問題の所在点がはっきりわかるような開かれた国会で討論をお願いをしたい、それによって国民の政治に対する理解というものは進むように思うわけでございます。 第三に、政治改革というのはやはり選挙制度が中心になると思いますが、最近の事象を見てみますと、どうもこの政治資金の問題が悪いんだ、あるいは腐敗防止をしっかりやれ、こういう意見もあるようでございますけれども、やはりこの選挙制度と政治資金の問題というのはこれは非常に密着をした問題ではないかというふうに思われます。例えば悪いかもしれませんが、ある病気でがんというものがあって、そしてその出てくる現象はおなかが痛いとかいろんなことであります。そこを頓服を飲んだりしてそれをとめても、ますます病状は悪くなるということがあるんではないか。中選挙区というものは大正十四年以来ほとんどこの制度で六十数年やっておられておりますけれども、現在においてはこれのメリットよりも弊害の方が非常に大きくなったというふうに思われるわけでございまして、やはり政治資金と選挙制度というのは非常に密着をしておる。 そして政治資金については私どもの主張は、ひとつ政治資金の流れというものを透明性を確保すること、罰則を強化をすること、そして監視機構を整備することということによってやる。しかし、それだけで非常にきれいなことになった場合にいろいろ問題がございますから、どうしても諸国でやっておるような、国民の税金から政治に対して寄与するという公的助成の方法も考えなきゃならぬじゃないかと思いますし、また、この区画割りというのは、これは失礼ですが、国会議員の皆さん方には直接非常に利害の関係の深い問題でございますから、第三者でこれを策定をするというのが、そしてそれを国会が尊重するという制度がいいと思います。それを、どうしても一括をしてここで処理をするという建前で議論をお願いをしたい。 それでなければ、かつて三木内閣のときにある程度の政治資金の規制をやられました。その後出てきたのが、今度はルートによらない裏の金が動くというふうな現象がますます出てきた。言って語弊がございますけれども、例えば共和ですと、あれはかご抜け詐欺の金ですね。あるいは佐川急便ですと、あれは特別背任罪の金。こういうものは流れるようになってくるのであって、全体を統合してきれいなシステムに変えるということが基本ではないか。どうしてもこの一つだけのつまみ食いというのは政治改革の抜本改革のためには許されないというふうに私は思うわけでございます。 そして、第四点の政権交代可能性のあるシステムを申し上げたわけでございますが、日本におきましては、昭和三十年に自由党と民主党が統合され、社会党は左派と右派とが統合されて、そしていわゆる五五年体制ということになりましたが、それ以来現在まで、四十年近くすっと自民党の政権である。政権交代は一度も行われなかった。まあ途中、新自由クラブというのが加わるという形は一時ありましたけれども、全体はそう流れてきた。結局、悪い言葉で言いますと、長く自民党が権力の座にあられた。 そうしますと、これは英国の政治学者のアクトン卿、ロード・アクトンが言っておられますけれども、権力は腐敗をする、こういうことであります。そして、権力の座といいますか、いわゆる政権がとれない政党というものは本当の意味で政策を考えないというふうな退廃というものが生じております。そこが現在の日本の政治の不幸ではないかというふうに私は思うわけでございます。 健全な議会制民主主義というものを日本の憲法においても国民は望んでおるわけでございますが、英国はこれが割合にスムーズにいっておる。これを、三年前にサッチャーさんが見えましたときに伺って、英国の議会制民主主義は模範ではないかと言いましたら、それの原則的なプリンシプルがあります、その一つは、いつでも政権交代可能な健全な野党があること、これが第一の条件、第二は、政権交代が、クーデターとかあるいは革命によらずにスムーズにその授受が行われる、英国はそういうふうにいっておりますという答えでございましたから、どうしても、この選挙制度をお考えになる場合にも、政権交代可能なシステムというのは何だろうかということを基本的にお考えをいただきたいというふうに思うわけでございます。 以上四点でございますが、あと政治改革については、現在は衆議院の選挙制度あるいは全般の政治資金の規制の問題、あるいは公的助成という問題を取り上げておりますけれども、政治改革という問題は、もっと広い問題が、宿題がございます。 一つは、衆議院だけではなくて参議院の選挙制度、あるいは参議院のあり方ということもここで見直すべき問題があろうかというふうに思いますし、また、現在の日本の国会の運営の仕方、討議の仕方というものは、旧帝国憲法時代のいろいろな慣習というものが非常に残っておって、本当の意味の主権在民という形の民主的な運営というのが行われておるかどうか、あるいは国会というものが国民に対する政治的関心あるいは政治教育の場になっておるかどうか、こういう点について踏み込んでの改正というものが要るのではないかというふうに思います。 第三の問題としては、中央と地方の問題であります。 日本は行政制度においても非常に強い中央集権制度である。とにかく年末になりますと、全国津々浦々の市町村長とか地方議員の方々、そういう方が群れをなしてこの永田町、霞が関へ予算編成の陳情に歩き回っておられる。こういう制度はどうもほかの国には全然ないようでございます。私も大蔵省の友人がおりまして、それにああいう制度はどうなんだ、あれはほかの国で例があるのかと聞いたときに、これは万邦無比の制度である、大久保利通の太政官政府以来の伝統でやっておるという話でありました。 したがいまして、国政レベルでやる問題と、それから地方住民の密着した行政、そういうものとの仕分け、政治、行政というものを仕分けをするということで、やはりこれからの国際情勢というものが非常に激動の時期でございますから、国会の先生方が、全国の端々のいろいろな福祉施設とかそんなことに気を使わずに、基本的に日本の外交の問題、あるいは激動する世界の中で日本の安全をいかにして守っていくかというような問題、あるいは為替とかその他の国際的な経済の問題、あるいは官僚制度とか税制とか基本的な問題に集中をして日本の方向をどうやっていくかということをやることが必要ではないか。 あるいはきょう、私が申し上げることは、衆議院の選挙制度あるいは政治資金と限定以上のことを申し上げましたけれども、そういうことが二十一世紀の日本国を、本当に国民の安寧を保ち、そして幸福に最も大事なことだと感じておりますので申し上げた次第でございますが、先生方におきましては、言葉が足りませんでしたけれども、私の意のあるところをお酌みいただきまして、ひとつぜひとも、ここに決意を新たにしてこの政治改革の問題に取り組んでいただきたいということをお願いする次第でございます。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
○田邉委員長 ありがとうございました。 次に、屋山参考人にお願いをいたします。
○屋山参考人 屋山でございます。 私がきょう申し上げたいのは二点ございまして、一つは行政改革との絡みでありますが、私、縁があって土光臨調以来ずっと行政改革に携わってきましたけれども、最近非常にむなしくなっております。 といいますのは、小さな権限を一つ一つはがしていこうということなんですが、権限を一つやめる、小さな制度を一つやめるというときに、いわゆる族議員というのか、官僚の方は、族議員が後ろにいるからといって絶対におりないですね。それで、いよいよそれをおろそうと思うと、今度は本当に族議員が直接出てきまして、その制度を動かすことは相ならぬ、こういう話になりまして、結局小さな改革でさえできない。 一方で、今我々が直面しているのは国家的なリストラクチャリングでありまして、よほど大きな改革をやらなきゃいけないのじゃないか、そういう時期に来ております。 例えば、省の二つや三つつぶす、あるいは思い切って地方分権に持っていくとか、そういう国家的な大事業というか、私自身は非常に見えている気がするのですけれども、とてもそんなところまでいけない。せいぜい車検を簡素化してくれとか、その程度の話にしかならないのでありますが、私は、こんなことをやっていると本当に日本がつぶれるのじゃないかという恐怖心を時々持つのであります。 今、日本の貿易黒字が千三百億ドルでありますが、これは日本人がよく働いたとかいうこともあるかもしれませんけれども、非常に構造的なものだと思うのですね。つまり、日本からは向こうに輸出しやすくて、向こうからは日本に入ってきにくい。いろいろな非関税障壁がめちゃくちゃにある。例えば独禁法の適用除外というのが四十二法律あります。それで、六十七制度ありまして、これは世界に冠たる規制大国ということが言えると思うんです。 それから、これは公取が産業連関表を使って調べたものですけれども、これで規制がかかっているものをずっと調べていくとGNPの四割の部分で規制がかかっている、そういう半社会主義国家だ、こう私は言っているんですが、要するに、いわゆる欧米の自由主義、自由経済という立場から見ると、半分について、大体四割について規制がかかっているという国は、これは本当に異質の国なんではないか。アメリカなんかに日本異質論というのが出てくるのも当然でありまして、最近はドイツでもそういうのがあったし、それからフランスのル・モンドでも、日本とはまともにつき合わない方がいいんじゃないか、そういう論説が、つい二十日ほど前に論説が出ました。今のままいきますと、本当に日本は特殊な国で終わる。特殊な国なら特殊なつき合い方をしようというふうになってくるんではなかろうか。 そういう意味で、欧米並みの流通、透明性のあるそういう市場にしなければいけないんですけれども、それに全部がかわってくるのが官の規制であります。この官の規制を思い切ってやらなければいけないんですけれども、百やらなければいけないというときに、我々行革審でやっている仕事というのはそのうちの三とか二とかですね、そのくらいの小さなところで物を動かそうとして、しかし、それも最近は官僚にすっかりなめられてにっちもいかない、そういう状況なんであります。 そこで、こういう、いわゆる官僚と業界と族議員、そういうものが一体になっているということが改革を妨げているものでありまして、ダイナミックな改革、例えば地方分権について亀井さんがやっていらっしゃる民間政治臨調というのが、ことしの一月五日に市町村長さんと国会議員と知事さんの世論調査をやりましたけれども、中央集権の行き過ぎだと答えている人が国会議員の九七、八%、知事さんの一〇〇%、そう思っているんですね。そういう意味では、みんながダイナミックな改革は絶対に必要だということについてはコンセンサスがあるのに、国会の方からはそういう声が全然出てこない。これはもう、何といいますか、官と業界の結びつきというのは、これは規制するものとされるものというのでいたし方ない、これからも永久に続くだろうと思うんですけれども、ここで政治家が、政が一段上に立って、そういうものを要るとか要らないとか、あるいは改革すべきだというものを、指導的な立場に立つものは政治家しかいないと私は思います。 今の制度ではそういう立場を発揮できない。なぜできないかいいますと、やはり選挙とかいろいろなことで政治家が官僚と業界というのに世話になっている、それから離れたら政治資金もままならない、こういう状況だろうと思うんです。そういう意味で、国家のリストラクチャリング、行政改革というものと政治改革というのは一体のものだ、政治改革がなければリストラは何もできないんじゃないか。そういう意味で、亀井さん同様、今度の政治改革のチャンスというものに非常に大きく期待しております。私も前身は政治記者でありまして、三十数年こういうことをやってきたんですけれども、いまだかってないほど、何か曙光が見えてきた、初めてだな、そういう感じがして今の事態を見ております。 そこで、政治改革についての私の考え方なんですが、私はまず小選挙区にするということが必要だと思うんですね。やはり今の中選挙区こそ、お金がかかり、それで族議員を生む温床だ、そういう認識からどうしても小選挙区にすべきだ。一党から一人しかその選挙区では立たない、こういう状況がぜひとも必要だ。そうすれば、党ごとで、党対党でサービス合戦ということはあり得ないんで、やはり論争が非常に政策的なものにならざるを得ない。どっちの政党がいいかという、政党を選ぶ、そういうふうになると思うんです。小選挙区で、今自民党の単純小選挙区制というイギリス型のやっと、もう一つは社公両党が推されているドイツ型の併用制というのがありますけれども、これは確かに似て非なるものではありますが、妥協できないものじゃない、小選挙区という一点でつながっているわけですから。ここを何とかぜひ妥協していただきたい、こう思うんであります。 それから二つ目は、やはりイギリス型の腐敗防止法、非常に厳しいものをそこに導入する。連座制とか企業・団体献金の禁止とか、それから、違反した者についての公民権の停止とか、非常に厳しいもの、これは思い切って厳しいものを入れて結構だ、こう思うんですが、これを入れる。 それから三番目は、そのかわりに議員が自分でお金を集めなくて済む。それは、一万円以下の個人献金を集めるとか、そういうことはもちろんいいんですが、要するに今までみたいな、選挙の費用を、個人後援会の費用を全部自分で賄ってくるというようなことは一切不要だというほどの政党助成をやる。私は、これが結局国民経済的に見て一番経済的だと思うんですね。税金を思い切り入れる、そのかわり、悪いことしたらやめてもらいますよということをはっきりさせるわけですから。政党助成というのを思い切って出す。 これ、もう一つ加えれば、区割り委員会の話がありますけれども、これは非常に事務的なことで進めればいいんで、政治改革の柱は小選挙区制、腐敗防止法、それから政党助成、これは三位一体でありまして、この中から腐敗防止法だけ、あるいは政治資金規正法だけ先にやろうという意見がありますけれども、これは、もしそういうことになれば、今の選挙制度のまま、つまりお金がべらぼうにかかるという制度のまま、お金が入ってくるところを締めようというんですから、恐らく私は余計悪いことになるんじゃないか、もっとお金が深く沈んで悪質なことになるんじゃないかという懸念がありますから、この三つはやはり一体のものだ。 例えば政党助成なんかでも、今の中選挙区制のままで政党助成やればどうなるかというと、国民の税金で、複数立っているところは自民党の方が多いわけですけれども、自民党さんなら自民党さんに行くと、そのお金で各議員は地元のサービス合戦をやる、こういうことにお金が使われるわけですから、私は今のままで政党助成というのは反対であります。それから、腐敗防止法というのも今のままでは無理だろうというんで、そこで、どうしても小選挙区制というのを導入していただきたい。そういう大きな選挙制度を変えれば、国家のダイナミックな変化ということが国会のイニシアチブで、政治家のイニシアチブでどんどん変わってくるんじゃないか。 先ほど亀井先生が、陳情というのは日本だけだということをおっしゃいましたけれども、私もたまたま今イタリアの地方自治というのを調べているのですが、イタリアの地方自治も、あそこは日本と同じような中央集権国家でありまして、自主財源が三割というところも日本とそっくりなんですが、違うのは、向こうは七割が国から来る。日本も七割国から来るわけですが、日本の場合は、七割について国の注文がいろいろつく。例えば、公園をつくりたいと言うと、どういう公園ですかと。滑り台にブランコに砂場ですと言うと、それじゃ補助金を上げましょう。こういうので、日本じゅうの公園がブランコに砂場に滑り台、こういうふうになって、いわゆる一律化といいますか、ミニ東京といいますか、そういうものが日本じゅうになって、それがあらかた百二十年も続いて、おかげで地方の特色はなくなった。イタリアの場合は、七割国からもらってきて十割にしますと、その十割は、ちょっと例外はありますけれども、ほとんど地方自治体の使いっ切りなんですね。どういうふうに使うかというのは一切その首長に任せられている。そういう意味で、あらゆる都市がみんな個性がある。 それから、イタリアというのは、今中央政界は日本どころじゃない話なんですが、地方の経済というのは非常に落ちついているのですね。私も去年ずっと視察に行ったのですけれども、地方経済は中央にスキャンダルがあろうとなかろうと実に揺るぎない。日本みたいに中央が風邪を引くと地方も一気にいっちゃう、そういうことじゃありませんで、非常に地方は落ちついて、個性的である。それで、陳情なんかに行ったことはない。大体、陳情という言葉を説明するのが一苦労だったですね。通じないのですね。なぜ行く必要があるのかなんと言って反間されましてね。 やはり、これから地方自治をやるにはそういうシステムに日本もやっていかなきゃいけない。そのためには、中央の権限を思い切って地方に移さなければいかぬ。それの一つの試みが行革審でやったパイロット自治体、特例制度だったわけですけれども、これなんかは、名前はできたけれども、実際にそれに名のりを上げて自分がパイロット自治体になるというところはないんじゃないかと思うのですね。というのは、それに名のり出たら、おまえいい目に遭わないよとおどかされているわけですから。そういう意味では、地方分権なんと言っても日本の場合だめなんです。 そこで、行革から地方分権から山積していると私は思うのですけれども、それをやってくれるのは、政治家が一段上に立って、それでいわゆる政治家の見識を示す。それで、とにかく官僚とか業界という利害の上に立つという以外には、そういう国家のリストラはできないのでありまして、今のままなら、世界じゅうから総スカンという状況にもなっておりますし、それからもう政治が行き詰まっているのですね。地方行政も行き詰まっている。そういうことをブレークスルーするには政治改革しかないんだということを私なりに、説明が下手でしたけれども、行政改革と政治改革は一体なんだということを特に申し上げて、終わりたいと思います。(拍手)
○田邉委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○田邉委員長 これより両参考人に対する質疑に入ります。 この際、委員各位に申し上げます。 議事整理のため、質疑のある委員の方は、挙手の上、委員長の指名により発言されますよう、また、発言の際は、所属会派及び氏名並びに質疑をする参考人の氏名をお告げいただきたいと存じます。なお、お一人一回の発言は五分以内にまとめていただくようお願いをいたします。 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
○石井(一)委員 冒頭に御指名をいただきまして大変恐縮です。私は、自民党の石井一でございますが、両参考人に同じ問題についてお答えをいただきたいというふうに思います。 まず、亀井参考人の御意見を伺いまして、民間臨調の宗主として大変な御努力を賜っており、民間臨調の声は、経済界のみならず、労働界なりマスコミ界なり学界なり、広い日本の有識者の意見をまとめられておる。その中で四点の提示がございましたが、これは、四点が四点ともまことに堂々たる主張だと思います。私は、これをこのとおりやるということが、今回この時期に政治改革を断行する最も重要な一つの、まさにこの基調演説を拝聴させていただいたような気持ちがいたすわけでございます。 我々は不退転の決意でこの国会で実現をし、もちろん党の意見を集約し三月中に提出をいたします。また、一括処理の問題につきましてもまさにそのとおりだと認識いたしております。 そこで、政権交代の可能性のある制度をひとつ導入していただきたいというふうに言っておられるわけでございますが、亀井参考人としては、その制度はどういう方向のものなのかということ、どういうふうにお考えになっておるのか。 今、第三点目の一括処理との関連で申し上げますけれども、一部には、金丸前自民党副総裁のこういう不祥事件もございまして、資金だけ解決したらいいじゃないかというふうな議論もございますし、腐敗防止法を先行せいということもありますが、これは断じてやってはいかぬというふうに思っております。しかし同時に、政権交代の可能性のあるという場合に、例えば小選挙区制をとりますと二大政党を志向するというふうな方向になるのじゃないか、また併用の部分が多くなりますと、民意を鏡のごとく映し出すという、美しい言葉ではありますが、小党分立の中に、非常な一つ、政界の不安定というふうなものも起こってき、実際にスムーズに政権交代が可能なのかどうか基本的な疑問がありますが、この点につきまして参考人は、政権交代の可能性のある制度というふうなことについて、どういう御所見を持っておられるのかということをお伺いしたいわけでございます。 同時に、屋山参考人に対しましても、政治が一段高い立場で行政改革、地方分権を断行せい、まさに御指摘のとおりだと思います。我々は、政治改革を断行した後にそれらの問題についても参考人の意見を外し、今後努力を続けたいというふうに考えておるわけです。 そこで、ただいまの選挙制度の問題に関連をいたしまして、与党と野党サイドの主張というのは、一見違っておるようだけれども似て非なるものではない、中選挙区を絶対に廃止しなければいけないし、小選挙区を導入すればいいんだというふうに言っておられるわけですけれども、この点に関しまして参考人は、イギリス型の政党政治の制度を我が国に導入するのがいいのか、あるいは西ドイツ型の政党制度を、選挙制度を我が国に導入するのがいいのか。 私は、非常に大きくて厳粛な問題と認識しておりますのは、制度が、単なる制度だといいますけれども、五年たち、十年たち、それ以上たちますと、確実に政治機構を構築してしまいます。我が国の中選挙区制度は七十年近く続いておりますが、結局は三人から五人の選挙区をつくったために五党が存在する、自民党の中にも幾つかの派閥が存在する、そういう形になっていくわけであって、今ここで基本的な方向を決めて、二十一世紀の日本の政治形態がどうあるべきかということ、これは似て非なるものでなく非常に方向が違う、ここでの基本的な姿勢というものがいかに重要か、こういうふうに認識をしておりますので、この点についての御所見をお伺いしたいと思います。以上でございます。
○亀井参考人 ただいま石井先生の御質問でございますが、政権交代可能性のある制度という点におきましては、やはりイギリスあるいはアメリカがやっておるような小選挙区制というものが一つの模範ではないかというふうに思っております。 ただ、先生がおっしゃいましたように、今度は広範なる価値観の多様化の社会においての民意の反映ということでは比例代表制と思いますが、比例代表制を重点に置くということに私が異議を持っておりますのは、かつての世界の政治史におきまして、一九一八年にドイツが負けた後、ワイマール憲法に基づいて完全な比例代表制をやられた、大変なたくさんの小党分立という状況になった。それで、あれで聞いておりますのは、一九三三年ヒトラーが政権をとる、十五年間に二十回政権がかわった、そしてインフレは進行するということで、結局ヒトラーがとるというふうな時期になってきた。結局、小党分立て政権がしょっちゅう交代するということは、やはり二大政党では安定度が高いのでございますけれども、小党分立てついたり離れたりということになると非常にがたがたする。 あるいは、これは屋山先生の方が御専門ですが、イタリーにおいては、とにかく、あそこは下院の方は比例代表制をとっておられるために小党分立の状態で、ある政権ができるのに五つも六つもの政党の妥協によってやるということで、事実三カ月も、ひどいときは六カ月もしないと内閣ができないということがあったようなことも聞いておりますが、そういう意味では望ましい制度ではないのではないだろうか。 したがいまして、現在の日本の中選挙区制というのは、これは大正十四年に、やはり人の和というのですか、あのときにありました政友会と憲政会と革新倶楽部、三つの政党がおのおの出るようにということで、あのときの知恵によってできたのだと思いますけれども、六十何年やってみると、いろいろな弊害が出てきた。したがって、ここで変えるとすれば、やはり小選挙区と比例代表制、これの長所短所を組み合わせてどういうふうな考え方をとるか、あるいは小選挙区一本でいくか、あるいは比例代表制と小選挙区を組み合わせるか、その組み合わせ、そういうところが基本の問題になるのではないかというふうに思います。 いずれにおきましても、現在の中選挙区制というのは、先ほど申し上げましたように、過去三十何年間自民党が常に単独政権であった、野党は全然政権がとれなかった、こういう実証があるわけでございます。そういうことでは、この際、この中選挙区制をここでやめて、新しい制度がいかにあるべきかということを国会で議論をしていただきたいというのが私どもの考えでございます。
○屋山参考人 私も、単純にイギリス型とドイツ型とどっちがすぐれているかというと、やはりイギリス型の方がいいのじゃないか、ただ、それが政治的にどうしてもできないということであれば、この前の選挙制度審議会が出したように、半分は小選挙区、あとの残りは比例代表並立制でやる、そういう妥協も必要かと思うのですが、端的に何がいいかと言われると、やはり小選挙区がいいと思うのですね。今恐らく、小選挙区にすれば自民党が圧勝して片一方が惨敗する、そういうことを政界で心配されている方がおられると思うのですけれども、例えば五百人の中で四百五十対五十なんというようなことが何年も続くとは私は思えない、いずれ政権交代可能なバランスがとれるだろうというふうに思いますので、ベストは単純小選挙区だ、ベターは比例代表並立制だ、こういうふうに思います。 先ほど私、民社党の都道府県による比例代表制というのをわざと言わなかったのは、これはイタリア型になるという可能性があるのですね。小党分立て、イタリアは四十八政党、グループまで入れたら何百となるのですが、そうなりますと必ず連立政権になる。これはもう、要するに一党で五割とるということはないのですから、必ず連立政権になる。その連立も、二つぐらいじゃだめなんで、三つも四つもになる。一度六年ぐらい前に、スパドリニという共和党の党首が、ほかの六党からどうしても与党になってくれということを頼まれて、どんな条件でものむ、そこで、それでは本当にどんな条件でものむか、こう言いましたら、六党が何でものむと言ったので、それじゃおれを総理大臣にしろというので第七党の総理大臣ができたということがありますが、これは四%の政党でありまして、そういうことが起こり得る。国民の方は、落ち目たりとはいえキリスト教民主党に三〇%近く入れているわけです。 たまたまこのスパドリニという人は大変立派な人だったので問題がないのですが、国民の方から見るといかにも、四%の総理大臣というのは民意を反映しているかというと、やはりしていないと思うのですね。ですから私は、やはり多党化現象が進むような制度というのはよくないのじゃないか、なるべく少し、ドイツみたいに五%条項があって三つの党が組み合わせが変わったりしながらやっているというのが、あれが最小限だろう、それ以上に政党がふえるということはよくないというのが私の考え方であります。
○田並委員 社会党の田並でございます。 亀井先生と屋山先生、大変参考になるお話を聞かせてもらって、ありがとうございました。 選挙制度と政治資金の関係で両方の先生からお答えをいただきたいと思うのですが、選挙制度の関係は今西先生とも、小選挙区制が望ましい、こういうお話でございました。私どもは今、小選挙区比例代表併用型を目指して公明党さんと一緒に努力をしているわけですが、実は、もう三年前ですけれども、一九八九年の十二月から九〇年の一月にかけて、日本選挙学会選挙制度研究グループというのが、会員の方々に対して、文書でもっていろいろと選挙制度のあり方について調査をしているのですね。これはもちろん一つの調査ですから、これがすべてとは言いませんが、その中では、現在の中選挙区制は最良だと言っているのが七・五%、小選挙区制もしくは小選挙区比例並立制、いわゆる小選挙区が重点ですが、これが二一・七%、比例代表制全国一区とそれから併用型で、これはブロック、県単位、いろいろ含めますが、要するに比例代表を重点とする併用型も含めた選挙制度というのが三七・一%の支持を得ているわけですね。これは最良というのと妥協できるものというふうに二つで調べているらしいのですが、この妥協できるものを見ても併用型の評価が高い。 なぜかということで、さらにこの選挙制度を考える場合の重点として考えるべきことを三つ挙げなさいということでアンケートをとっているのですが、一つは、これはトップですが、議席配分に民意が正確に反映できるようにする。これは三個ずつ選択していますから、当然足して百以上になります。五二・八なのです、これが。さらに二番目が、政党・政策中心の選挙が行われるようにするというのが五一・九、政権交代を可能にするというのが四七・二、選挙に金がかからないようにするというのが三九・六、一票の価値ができるだけ等しくなるようにというのが三七・七、七番目に、安定した政権ができるように、こういうことになっているのですね。それで、少なくも私どもは、小選挙区制あるいはその並立型というのはどうも最初から連立政権は否定をして、単独政権が安定政権なのだ、要するに統治型の選挙制度ではないか、私はこういう気がしてならないのです。 先ほど亀井先生の方から、ドイツですか、例が話になりました。私はその当時と今の日本の民主主義の成熱度から考えて、一概に亀井先生の言われるような形にならないのではないだろうか。 例えばあるテレビ会社が最近、金丸さんの脱税事件を初めとして一連のこの事件に対して国民に責任があるのかないのか、この問いに対して六一%の人が、国民にも責任がある、もちろん政治家にも大きな責任があるけれども国民にも責任があったのだ、こういう回答をしているわけですから、私は決して国民の皆さんが、かつてのドイツの、民族も優秀でありますが、その時代と今の民主主義の成熟の度合いを考えてみて、私は決してそうにはならない。特に主権在民という考え方からすれば、何といっても民意が正確に反映できるという、こういう制度を入れるのが当然であろう、こういう気がいたします。先ほど先生方は小選挙区制がベストである、こういうお話をされましたが、改めてお聞かせを願いたい。 もう五分たちましたでしょうか。五分たってしまったから、では資金の問題はまた別にします。済みません。
○亀井参考人 では、田並先生にお答えいたします。 この政治の場で、民意の反映というのは確かに非常にきれいな言葉であり、学問的に理論闘争すれば、民主主義というのはそういうものであろうかと思います。ただ、政治というのはもう一つの反面では非常に現実的なものであり、しかも国の運命というものを預かっておるものである、こういう前提から考えまして、民意の反映といいますけれども、現実をお考えになりますと、いろいろなマスコミでの世論調査であると、自民党支持は二二、三%、社会党支持が一二、三%、そして公明党七、八%ですか、あとは一〇%未満というふうな状況で、全部足しても四五、六%というふうになり、あとは支持政党なしという民意なのですね、現実は。そういう格好で、そうすると民意の反映というのはどういう形であらわれるのでしょうか。これはやはり現実を見て考えないと、理想だけを追うということは非常に無理があるのではないかというふうに思うわけです。 それから第二に、この中選挙区制というのもある意味では比例代表制なのですね。例えば一〇%くらいの支持しかないところは、やはりとにかく一〇%とれば五人区だったら一人は出れるというふうな状況で比例代表制的になっておる。しかも投票する側から、例えば私も有権者でやるときに、私はある政党のこの人にと投票しても、それが本当に当たるか当たらないかわからぬのです、ざっと出て、ということですね。これが一人一区であれば、自分の区から、例えば選挙制度審議会の案は三百区でございました。これは四十万人に一人ということ。今度の自民党さんの案は五百区ですから、二十五万人に一人でしょう。そうすると、自分の区から唯一の一人しか代表者が出せないということになると、投票者はこれは真剣に考えると思うのですね。自分の地区を代表して全国的にふさわしい人を選ぼうではないかという気持ちが動いてくるのであって、これは私は小選挙区のメリットを説いたときにあるマスコミの方から、四十万だと、例えば尼崎の市長くらいの人物が出るのではないかとか、二十五万人だったら二十五万人程度の市長が、それとは全く違う。 日本の歴史を考えてみると、大正十四年までは制限選挙制でありましたけれども、これは小選挙区ですね、大体明治二十三年からほとんどの間は。その間においては、尾崎行雄という人は三重県から郷党の誇りとして常にコンスタントに出してきた。あるいは犬養木堂先生というのはやはり岡山の人が地域の誇り。あるいは戦前において齋藤隆夫というふうな、反軍演説をあえてあの時期にやった方は兵庫県の北の豊岡というところから、我が党の誇り、我が郷党の誇りとして出してきた。こういう心情というのは、特に日本人には隣を配慮するということで、非常にすぐれた立派な人を選ぼうではないか。しかも、市長やら町長を選ぶのと国政を担当するレベルとは投票者の判断基準も違うと思うのですね。そういう意味で私はマスコミに、君は全く勉強不足だ、政治のあれをもっと、私も素人だけれども君らも勉強せいと言ったことがある。 そういう意味におきまして、私は、現在の理論とか何かすっきりするとかいうことよりは現実の問題の、極論すれば、今までここまで落ちてきた政治をどう改革するかというときには、現実も見詰めて日本の将来をどうやっていくかという、しかも国際情勢が非常に激動しております、海外からいろいろな要求もこれから出てくるかもわかりません。そういう時期に連合政権であってなかなか結論が出ない、じんせん時を過ごすということは国民にとっても非常にマイナスになるという現実面からの配慮もぜひ国会で討論でお願いをしたいというふうに思います。
○屋山参考人 民意の正確な反映というのも確かに必要なんですけれども、政治にもう一つ必要なのは、責任の所在が明らかになるということが大変必要なんで、先ほどのイタリアの話ですけれども、あそこはいつも連立政権なものですから、選挙のときに訴えた政策と、連立を組むときに連立綱領というのをやりますけれども、そこで出てきた政策というのは、これは全く今までどの党も訴えてなかったという妥協の産物がそこに出てくるので、私、イタリアにいたことがあるのですけれども、選挙のたびに非常に不思議な気がしたのですが、要するに連立綱領で出てくる政策というものは今までどの党も何も言ってなかったという、日本でいうと国対か何かでまとめちゃったようなものがいきなり飛び出してくるというので、あれは政党の公約と似て非なるものなんですね。ですから、そういうところに非常に問題があるなというふうに思いました。 それからもう一つは、単純小選挙区にすると四九%が死票になる、こういうふうによく言われますけれども、これは死票じゃないので、五一%とった人は、二%ひっくり返ればそれは次のときは落ちるのでありまして、この四九%の票が常に圧迫といいますか刺激になっている。そういう意味では四九%の意見を無視して政治は行えないということでありまして、私はこの単純小選挙区だと死票が多いという意見にはどうも承服しかねるというふうに思っております。
○戸塚委員 自由民主党の戸塚でございます。 お二人の御意見を伺って大変感銘いたしました。亀井参考人に四点それから屋山参考人に二点お伺いします。 最初に亀井参考人にお伺いしたいことは、成立しなかった場合、今度一括の場合にこれが成立しなかった場合の日本国民に与える影響として、例えば政党否定あるいはまた国会否定あるいは経済界にまで大きな影響があるんじゃないかと私は思っておりますが、その点についてどうお考えか。 二点目。政党交付金、助成金の問題でございますが、屋山参考人は、思い切って出せというお話がありました。前回の政府案では三百人の小選挙区、二百人の並立制で三百億ということでございましたが、もし仮に五百人の単純小選挙区だった場合は、私はそれを上回ってもいいのではないか、そのかわり献金は思い切って切るということの方がいいのではないかと思いますが、その点についていかがお考えであろうか。 三点目は、国会の運営について御意見がございましたが、私はやはりどちらかというとアメリカ式にして、大臣は公聴会か何かに出てくる、あとは議員同士が大いに法律案について議論するとか、世の中の方にたくさん来ていただいてそういう方の御意見を伺うとか、そういう方式の方がいいんじゃないかと思いますが、これについてどうお考えになるか。 最後の四点目は、参議院の運営のあり方や参議院の選挙制度について、これをあわせて考えるべきだとお話がありましたが、亀井参考人はこれについて何かお考えがあればお聞かせ願いたい。 それから屋山参考人にお伺いしたいことは、第一に、イギリス型の腐敗防止がよろしいと言いましたが、イギリスの場合には議員が贈収賄なんかの罪には問われない。そのかわり、議院の侮辱ということで議会の中で徹底的に糾弾されて、場合によれば議員をやめるというところに重点があると伺いましたが、そのような方式ということをお考えでございましょうか。 もう一点は、最近、地方分権に関連して道州制ということを言われておりますが、屋山委員はこの地方分権に関して、道州制というお考えをどうお考えになるか、以上お伺いいたします。
○亀井参考人 四点御質問がございましたが、まず第一に、成立しなかった場合ということですが、私はぜひとも成立をしていただきたいのですけれども、もし成立をしなかったという場合は、一つは国民が日本の政治というか、政治家諸公に大変な失望をする。そして、今以上に各政党に対する国民の支持というのは落ちてしまうということで、非常な混乱を生じ、先ほど申し上げたような、今度はファッショ待望的な気分が出たときは大変な日本の不幸になるのではないかというふうに思っていますのと、第二は、国際的にも、日本のスキャンダルというのは即日いろいろ国際的に行っております。そうすると、今でも日本の国の国策とか外交方針が見えないじゃないか、顔が見えないという批判に対して、いよいよ日本は何かだらしのない国になるのじゃないかというふうな、国際的な批判もされて、日本の国際的地位も低下をせざるを得ない。それを国民は甘受するかどうかという岐路に立っておるというふうに思います。 それから、公的助成については、選挙制度審議会のときには国民一人当たり二百五十円、今度の自民党さんの案で合計三百億ということですが、私個人としては、国民の理解さえ得られれば、しかも、その政治資金を本当の透明度の高いものにする、公私の峻別をする、はっきりすればもっとふやすべきではないかというふうに考えております。 それから第三の、国会運営の問題でございますが、これはやはり英国のような与野党の本当の討論の場にしていただきたい。さしずめ、私も国鉄改革のときに予算委員会なんかに出していただきましたけれども、あそこで政府委員という制度ですね、あれはもうやめてしまって、本当に政府の大臣あるいは政務次官、あるいは自民党の方と野党の方との本当の討論をやるというふうなことに生かして、国民が政治に関心を持つようにしていただきたいと思います。 それから参議院については、これは憲法をやったときには、大体が上院というものは良識の府ということで、各政党の枠にとらわれない良識の府であって、衆議院に対して均衡、抑制、補完の機能を果たすということでありました。しかし、現在の運営は全く政党化してしまいまして、衆議院でやったことを参議院で全く同じことの質問をやられる、こういう手間暇のかかる繰り返しということになっておるわけですね。 それから、選挙制度についてもいろいろこれから、衆議院が決まったらそういう趣旨からの別の選び方ということを参議院でお考えになるべきでありますが、それと同時に、やはり全国区というような制度は、残酷区と言われるぐらいあれだけのあれですから、もっと別の選び方ということを考えるべきではないか、そういうふうに、簡単でございますがお答えいたします。
○屋山参考人 イギリス型の腐敗防止法を入れて、イギリスは議員の不逮捕特権というのがあるので、不逮捕特権の陰で悪いことをしている人というのはかなりいるらしいのですけれども、やはりそれが表ざたになりますと議院の中の政治倫理委員会というのが機能して、それで追放を決めるとか、これはイタリアも同じなんですけれども、例えばロッキード事件のときに、タナッシという社民党の委員長とクイというキリスト教の大物が議会の倫理委員会で永久追放になったわけですけれども、日本にも私はそういうことが必要だと思うのですね。 要するに、検察が何かしてくれるまでどうにもならないということと違って、政治家の倫理というのは一般人の倫理とまた違ったところにあると思うのですね。新聞記者なんかでも、新聞記者倫理というのは一般と全然違うわけですね。例えば取材先でちょっとお金借りた、普通の人ならば何ということないのですけれども、それだけで首になるとかですね。別の倫理があってしかるべきなんで、政治家についても議会の中の倫理委員会というもの、それをきちっとすればよろしいというふうに思います。 それからもう一つは、私が道州制がというのですが、そこは非常に悩むところなんで、私が基本的に必要だと思うのは、昔の幕藩体制のころの三百諸侯だと思うのですね。一番小さなのは三百諸侯で、これは三百諸侯がばらばらだというとやはり広域行政とかいろいろあるわけですから、その上に五つか八つぐらいの道州制を乗っけて、その上に国があるという方がよろしいのじゃないか。 道州制にこだわるのは、例えば国立大学九十八ありますけれども、ドイツもアメリカも国立大学というのはないのですね。全部州立大学は持っている。県立大学でもいいのですが、県だと持ち切れないと思うので、そこで道州制にして、大きな土木工事なんかでも道州単位の方がよかろうというので、そういう意味で私は道州制にして、国立大学はみんな州立大学に持っていく。そうすると国が、今の国立大学は本当にがらくた同然になっておりまして、それはお金がないというので十年間切ってきたわけですから、それで国の都合で全部悪くなってしまう。そこへいくと、ドイツでもアメリカでも各州によって、おれのところは貧乏しているけれども教育だけは金使うとか、そういう差が出てくるので、そういうことが必要だろう。 ですから、道州制というのが理想かな、これはいまいち確信が持てないのでありますが、道州制を考えております。
○井上(義)委員 公明党の井上義久でございます。 本日は、両参考人におかれましては、大変貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございました。 金丸自民党前副総裁が所得税法違反、いわゆる脱税で逮捕されまして起訴されたわけでありますけれども、政治に金がかかる、こういうふうに言いながら、実は私腹を肥やしていた。本来国民に奉仕しなければいけない政治家が、立場を利用して私腹を肥やす、これは断じて許せない、こういうことだろうと思うのですわ。やはりこの問題、一つは自民党前副総裁のところにお金が集まってくる、この構造というものを変えなければいけない。もう一つは、こういうことを可能にした制度を変えなければいけない。 そういう意味からいいますと、いわゆる選挙制度を含めた一括で改革をなし遂げる、そして政権交代可能な状況をつくり出す、こういう亀井参考人の御意見は全くそのとおりだと思うわけでございます。もし、分離してやるというような議論もあるようでございますけれども、本当に金の問題を解決しようと思えば、企業・団体献金は一切禁止をする、収支を透明にする、そしていわゆる罰則を強化して公民権停止を含めて、違反を犯せば二度と政治家、政治生命は失う、このくらいの改革がやれればそれなりに効果はあるのではないかと思いますけれども、現行制度の中ではとてもそれはできないというのが現状ではないかと思います。そういう意味では一括処理をする。 ただ、先ほどからお伺いして気になりますのは、やはり日本は議院内閣制の国でございますから、議会が内閣を構成する。内閣は直接的には議会に責任を持つわけでございまして、したがって、議会というのは民意を正確に反映したものであるべきだ。これが私は民主主義の基本だと思うわけです。小選挙区制の議論が先ほどありましたけれども、いわゆる大統領制の国が多いわけでございまして、議院内閣制で小選挙区で主要先進国といいますとイギリスだけじゃないかと私は思っておるわけでございまして、国民から見て自分たちの代表を選ぶ、直接政権を選挙しておるわけじゃありませんから、やはり民意の正確な反映というのを第一義にすべきである。その上で政策本位に、あるいは政権交代可能な政治をつくらなければいけないということで私どもは併用制を今提案をさせていただいているわけでございます。それから、もう何か最初から連立はだめ、こういうような議論というふうにもお伺いしたわけでございますけれども、ドイツなんかの例もございますし、連立がだめだという前提に立つのはちょっと飛躍があるんじゃないか。特にこれだけ価値観が多様化しておるわけでございますから、やはりいろいろな政党間の話し合いによって政策決定がなされていくということも今の時代には必要なことではないか、急激な変化を起こさないという意味で必要なことではないかというふうに私は思うわけでございます。 お伺いしたいことは、この民意の反映ということをやはり第一義に考えるべきじゃないかということと、それから連立制が必ずしもノーということじゃないんじゃないかということ。それから三点目は、これからの議論の進め方で、単純小選挙区制と併用制という議論になるわけでございます。先ほど屋山先生からもお話がございましたけれども、小選挙区というところで一致点があるんじゃないか、似て非なるものというような議論もございますけれども、私どももこれが単純小選挙区、併用、これでにっちもさっちもいきません、今国会で決着がつきませんということになってはいけないというふうに思っておるわけでございまして、具体的にいろいろな、片方は民意をどう正確に反映するか、片方はどうやって政権を明白に選択できるか、この二つの議論の妥協点をやはりどこかで見出していかなければいけないんじゃないか、こういうふうに思っておるわけでございまして、何かお考えがございましたらぜひお伺いしたい。 それから最後に、地方分権、今回の金丸問題、やはり中央集権の弊害というのは端的に出ていると私は思うわけでございますけれども、この地方分権の進め方ということで行革審なんかで大変御苦労なさってきて、遅々として進まないというのが現状でございますけれども、この地方分権の進め方ということについて、具体的な方法論についてお考えがあればぜひお伺いしたいということでございます。
○亀井参考人 まず第一の民意の反映という問題です。これは言葉はきれいなんですけれども、民意というのは常に動揺して動いておる要素が非常に大きいと思うのですね。例えば、昨年の参議院選挙の済んだ後の翌日にNHKで政治討論会がございました。そのときにNHKでアンケートをとられた。非常に簡単な質問でございましたが、政治家は国民の生活や日本の将来を真剣に考えていますかという質問。八百人から回答があって、そう思うというのはわずか二二%、そう思わないというのは七六%という数字があって、私は慄然としたのです。 アンケートというのはいろいろしようで、先ほどからも御質問ございますけれども、そうすると今の国会に選んだ人は、二二%だけが政治をやっていることになる、これもやはり民意なんでしょうかという問題がありまして、ここあたりは現実の問題とリンクしながら、しかも政治というのはすぐれて現実的な解決のテーマが非常に多いわけでございまして、民意、民意と、そのときそのときに移ろう民意というものをもとにするよりは、やはり政治にリーダーシップがあってパブリックオピニオンというものができていく過程が非常に望ましいのではないか。あるいは選挙のときに、前は自民党に入れた。今度は共産党に入れた。何で共産党に入れたかといったら、自民党が憎らしいから。この次また入れるか、いや今度は自民党がましになったら入れる、こういうような個々で、本当の政治的な民意というものは非常にまだ残念ながら日本では醸成されていないというふうに思います。したがいまして、選挙制度も、小選挙区を中心にした制度で国民が真剣に政治に対して考えるというシステムをまずここでとるということが必要ではないかというふうに思っております。 それから、連立政権というのは結局、先ほども申し上げたように非常に決定がおくれ、しかも、責任の所在が不明確になるということでございまして、やはりイギリスのようにそのときそのときで多数決原理で、あるときには国民が次にかわってもらいたいと言ったらかわってやっていく。そこに政界浄化ということも非常に働くということで、私はなるべく連立制というものは避けていただいた方がいいというふうに思っています。 それから、地方分権の進め方でございますが、これは私どもの政治改革推進協議会で昨年末に地方分権に関する提言を出しました。そのときの枠組みといたしまして、先ほど申し上げました国政レベルでやる問題、府県レベルでやる問題、市町村レベルの問題ということを、今は相互関連、ごちゃまぜになっておるということなんですね。したがって、これを仕分けるために地方分権基本法。国政レベルでやる問題、府県政レベルでやる問題、そして市町村レベルでやる問題、政治は何かということを仕分けて、そして地域住民に近い行政というのはできるだけその地域の市町村レベルというところへ権限を持っていく。そしてあわせて財政権も、現在は中央が六、地方が四、あるいは場合によると七、三ですか、これを逆転をして地方に財政権を与える。こういう地方分権法というものをここでひとつ基本に考えていただきたいということを言っているわけで、手順としてはやはり地方分権法ということで本当に国会で議論をしていただく。むしろこれは政府から出すのではなくて議員立法としてここに、これからの二十一世紀に向けて日本の行政、政治というものはどうあるべきかということで、議員立法でひとつ地方分権法、こういうもののいわゆるレベル、レベルの問題を考えていただきたいと思います。 余談になりますけれども、リクルートの後の政治改革が問題になったときに、自民党さんでは各国の選挙制度なり政治制度をお調べになる、そのときに羽田さんがオーストラリアとニュージーランドに行かれたそうですが、向こうの国会議員の方が日本の政治家は忙しいですかと言ったら、いやもうそれは、いろいろな陳情を聞いたり補助金の面倒を見たり道路のあれとかで忙しいと言ったら、向こうの人は、それは地方議員がやる仕事じゃないですか、国会議員のやる仕事というのはすぐれて国の方角あるいは国策的な問題、国際的な社会における国の進むべき道、いわゆる外交の問題とか為替の問題あるいは国の安全の問題であるとか、基幹的な制度という問題をやって、あとは地方にやるというのが基本じゃないかと言われて、そう言われればなるほどそうだな、しかし、現実には日本の政治を変えないとこれはどうにもならぬなというのが結論だということを伺ったことがあります。ひとつ御参考までに申し上げます。
○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。最初に亀井参考人にお伺いをいたします。 リクルート、共和、佐川、金丸巨額蓄財事件と、国民の政治に対する信頼が全く失われた、議会制民主主義の上でも大変重大な事態だとおっしゃられました。そのとおりだと思うのです。九二年の参議院選挙の投票率が五〇%、また世論調査でも支持政党なしが過半数、大変ゆゆしい事態だと思うのです。問題は、なぜ今国民の政治に対する信頼、政党、政治家に対する信頼がここまで失われてしまったか、その根源の問題だと思うのです。私は、各方面から指摘されていますように、根本にはやはり政治が金で買われている。巨大な企業の巨額な政治献金、それは表の献金もあるでしょうし、今度のやみ蓄財事件に見られるようなやみの献金もあるでしょう、そこだと思うのです。政治が企業の金で買われている、利権が企業の金で買われている、そこに国民が信頼を失った根本原因があるのではないかと。そうしますと、そういう、政治を金で買う基本は企業献金ですから、それを断ち切ることなしに国民の政治に対する信頼は回復できないのではないかと思うわけです。 そこで、亀井参考人にお尋ねするのですが、かつて参考人は、企業献金はそれ自体が利益誘導的な性格を持っているという趣旨のことを述べられたようでありますが、参考人は企業家として金を出す方の立場に立たれていた方でありますので、本当のところ、企業が一体何の目的で政治に金をつぎ込むのか、その真意をひとつお伺いをしたいと思います。 二つ目には、今言ったように、政治に対する国民の不信を根本のところから断ち切るには、やはりその潤滑油であるのは企業献金なわけですから、それを完全に禁止することなしに選挙制度をどういじくるかでは信頼回復できないと思うわけなんで、企業献金全面禁止が急務だと思うのですが、これに対する参考人の御意見をお伺いしたい。 三つ目は、昨年の十月三十一日の政治改革推進協議会、いわゆる民間政治臨調の討論集会の中で、参考人は、憲法改正を実現していくためにも政治改革をぜひ実現していかなければならないと考えている、そのような御発言をされたようですが、その真意、政治改革と憲法改正との問題、どのようにかかわってくるのか、御説明を願いたい。 それと四つ目には、政権交代の可能性ある制度を論じてほしいというふうにおっしゃられましたけれども、朝日新聞その他の試算によりましても、また我が党の試算によりましても、一九八六年の国会決議がなされている現行中選挙区制での定数の抜本是正、最大格差二対一未満に基づく抜本是正が行われれば、もう既に自民党は単独過半数を大きく割り込んで政権交代可能な状態が生まれていたはずだという指摘があるわけであります。その点について、これはもう全党が一致して八六年の国会決議を上げているわけでありますから、それをやることが政権交代の可能性をもたらす上でも意味があることではないかと思うわけですが、それに対する御意見をお伺いしたい。 最後に、屋山参考人にお伺いしたいわけでありますが、既に同僚委員からも御指摘がありました現行議会制民主主義、議院内閣制のもとにおける選挙制度で、最も基本的な尺度は何かという問題でありますが、これはやはり民意の公正な議会への反映、民意が正確に議席に反映されることだと思うわけであります。 そういう観点からいいますと、今自民党が検討されておるとお聞きしております完全小選挙区制は、現在の自民党に対する、さきの衆参選挙での支持率でも四〇%台でありますが、この四〇%台の支持率で九十数%、五百のうち四百八十を超える議席をひとり占めしてしまう。また、さきの八次審の答申における小選挙区比例代表並立制におきましても、四割台の得票で八割の議席をひとり占めしてしまう。議会制民主主義のもとでの選挙制度のもとで一番大事な尺度である議席配分に対する民意の公正、正確な反映という面から見ると、いずれにしろ小選挙区制は最悪の制度だと見ざるを得ないと思うのですが、屋山参考人のお話をお伺いしますと、選挙制度で大事なのは、民意の反映よりも責任の所在をはっきりさせる内閣をつくることだとおっしゃられているのですが、これは全く飛躍ではないかと思うのですが、それについての御意見をお伺いしたい。 死票で四九%でも現実には影響を与えておるんだとおっしゃっておりますけれども、現実に四九%の国民の意思を代表する議員が国会に出ていけなければこういう場で意見すら言えない、表決にも加われないというわけでありますから、それは論理が通らないのではないかと思うわけでありますが、御答弁を願いたい。
○亀井参考人 大変たくさん質問をいただきましたので簡単にお答えしますが、まず政治献金の問題、政治資金の問題でありますが、結局、今まで企業が金を出してきたというのは、数年前までは世界が冷戦構造といって対立構造であった、そして、一方の方はマルクス・レーニン主義というものをとり、社会主義あるいは共産主義という政権であった、これが大体が国有化とかいろいろ者やっていくという考え方ですね。それで我々は自由主義経済というのを日本の経済界でやってきて、それで伸びてきた。したがって、自由主義経済を守るという建前から、それを支持する政党には企業献金を法律の枠内で出していくというのが建前でございました。したがって、まあ贈賄とか収賄とか起こりますけれども、そういう利権でこれでやってどうやってもらうという思惑のあるのは経済界の中でも私はごく少数であるというふうに、そのごく少数が非常にトピックとして取り上げられたのにすぎない。 ただ問題は、世界の枠組みは変わりました。ソ連においてももう自由主義経済をとる、中国においてはきのうの人民大会においては、より自由主義経済、そういうものにシフトする、こういう時代に変わりましたから、これからは企業として考えるべき問題に当面しておるわけでございますけれども、この議会制民主主義というものにはやはりコストがかかるわけです。そのコストをどういう格好で負担をするかという問題になってくると思います。 それでありますから、先ほど御質問があるかと思いましたから、公的助成ということで全部賄う、例えば国会議員の方に一億すっ七百五十億という金を出すか、そうすると、これは今の世論なりマスコミは恐らく反対でしょう。そうすると、そのコストをどういうふうな負担をするかということで企業は悪だという決めつけをやられるのは私はおかしいと思うので、ある程度社会的存在として健全な議会制民主主義を維持するためにはあるコストを負担しないと。しかし、漸次それは漸減をしていくということが望ましい。できればアメリカのように、個人がやるということで、個人がディストリビュートするということに変わりました。ここに行くまではまだ時間がかかる問題ではないかというふうに思います。 それから、そういう制度をこれは国会でも議論をしていただいて、個人がコントリビュートをする場合には免税をやるという、あるいは公的助成ということをやるかどうか、これは選挙制度審議会のときに共産党の代表の方にヒアリングしたときには、公的助成は共産党は反対である、自前で資金があるからというお話でございました。それで、今度は我々の委員の一人が、それでは公的助成法が通って各政党へ出すときに、共産党はお断りになるのですかと聞いた。もちろんもらいますというお答え、非常に私は頭の中に印象に残っています。 それから、信頼を回復するということは、信頼があるということは、やはり国会議員の個々の方々が公私の峻別をし、身ぎれいにするということが基本ではないか。これは中選挙区ということによって金というものの基準が変わってきたということですね。新聞情報ですと、何か山梨県でまんじゅう一個というのが百万円単位というようなことが言われておると。そういうふうに我々経済界の人間は一万円の金でも非常に貴重に扱ってやっております。そういうことでけたが外れてくるということになると、公私のことが非常にあいまいになってくる。ここをやはりこの際きれいにするということを国会で真剣にお考えをいただきたいと思います。 それから、憲法改正をやれとは私は毛頭言っておりません。今の憲法というものが終戦直後に、しかも占領中にできた問題であり、日本の経済も国際的に地位も非常に低い時代にできたものであった。いろいろ国際情勢も変わり、あるいはあの憲法条文というものも非常に翻訳調でわかりにくいし、いろいろなあの条文に矛盾がある。だからこれを絶対的にタブー視せずに国民の場でオープンに議論をする、そういう空気をつくるべきではないかということを申し上げたわけで、絶対に、こことこことを直すべきだというようなことは考えてますが、オープンに憲法というものを、不磨の憲法というのは明治憲法ですが、今も何か不磨の憲法的なことで言うことは、やはり言論の自由の世界であったらもう少しフリーに、これはタブーから離すということが日本の将来のために必要ではないかというふうに考えております。 それから、定数是正の問題については、前国会において十減九増ということをやりましたけれども、これはまだいまだでありまして、一般世論は、あれはやはり二倍未満にすべきである、あるいは逆転区のこれを直すべきであるということは強いわけでございまして、しかし、これをやろうとすると、現在において二倍以上が二十七、八ある、逆転区というのは十六ぐらいある。そうすると、これを合わせても四十三ですから、減らすと八十幾つやらなければいかぬわけですね。それを十減九増でもあれだけ御苦労になったのですから、やはりここで制度を変えるというときでないとなかなか定数是正というのは難しいという意味で、ひとつ共産党におかれても抜本是正ということをぜひやっていただきたいというふうに思います。
○屋山参考人 先生のお話は、忠実に民意を反映した議席になるというのが最善だ、こういう前提でお話しになっていられる、こう思うのですが、私は必ずしもそう思わないのです。民意の反映という意味では、イタリアの選挙なんかはまさに本当に一%の支持があれば議席も一%取れるという意味で非常に正確なのですけれども、今イタリアで問題になっていますのは、このままでは政治が結局動かない、それから政治不信も広がるというので、選挙制度の改正というのが当面の話になっておりまして、四月には恐らく改正論というのが出てくるだろうと思うのですが、そこで民意の反映か絶対にいいというのは当たらないのじゃないか。 もう一つは、今のままで選挙をやれば、小選挙区にすれば四割の得票率で八割の議席を取るということを言われましたけれども、もしそうならば、かつて土井さんブームのときにあれを当てはめると政権はかわっているはずなんでありまして、ですから過剰代表という、つまり四割なのに、今の自民党は得票率がたしか四六%で議席が五二、五三%、つまりその分だけ過剰じゃないかといういわゆる過剰議席論というのがありますけれども、過剰議席はやむを得ない、その方が政権の責任がとれるのでいいんだ、私はそういう価値観に立っております。
○川端委員 民社党の川端達夫でございます。 両参考人、大変貴重な御意見、ありがとうございます。お話を伺っておりまして、そして今日の政治状況を考えるときに、やはり今一番大きな政治改革の根本というのは政権交代可能な政治状況にするという御認識であったというふうに思いますし、私も全くそのとおりだというふうに思います。サッチャー前首相のお話を引用されまして、亀井参考人が、政権交代可能な健全野党が存在しているということが非常にいいことなんだというふうにおっしゃった、私も全くそのとおりだと思います。 逆に言いますと、権力は絶対的に腐敗するという言葉も御引用されましたけれども、今こういう腐敗事件が続発する中で、国民の目から見て、自民党けしからぬな、だからかわりにここにやれと思っていただける勢力が数及び中身において存在しないというのがやはり日本の政治の一番の不幸ではないか、そして、それは私たちの大きな責任でもあるというふうに、じくじたる思いを持っております。そういう意味で、政権交代可能な勢力をつくるということがなかなかできないという中で今いろいろな議論がされているんだというふうに認識をいたしております。 そういう中で二つお伺いしたいのですが、一つは、その考えておられる中で、政権交代可能なもう一つの勢力ができなければ政権交代可能な政治状況というのは生まれないわけですから、そういうときにその勢力というものは、どういう条件というのですか、どういうものであるというふうにイメージされているのか。私たち民社党は、米ソ冷戦構造崩壊というのもおっしゃいましたけれども、政権を持っている政党ともう一方の政権をうかがう勢力というものが米ソの代理戦争で対決するという状況はもうあり得ないという中で、その価値観という意味では、国の基本的な政策、防衛や外交、安全保障あるいは国民生活やエネルギーという問題に関しては基本的にその勢力間で共通の認識を持っている、しかし、主に国民生活にかかわる内政上の問題に関しては、その政策において相争うというのが政権交代可能なもう一方の勢力の持つ状況ではないかということを我々は思っておりますが、両参考人においてはどういうイメージを持っておられるのかということが一つ。 それからもう一つは、そういう状況に変えていく政治構造と選挙制度というのは、私は密接な関係があると思います。イギリスにおいて、地域的にあるいは階層的にほぼ代表するのが労働党と保守党という二つの政党に仕分けができたという状況であったから、私は小選挙区制が非常にフィットしているんだと思います。そういう中で、今自由民主党という勢力が、選挙の支持率では二十数%取りながら今の選挙制度で数%しか議席が取れない、だから彼らは比例代表制にすべきだという議論で、この前の総選挙でも一つの大きな争点になったというのは御案内のとおりだと思います。そういう意味で政治構造と選挙制度というのは非常に密接にリンクしている。 私たちは本来的には政界再編をすべきだ、そして、その政界再編が行われる過程でそれに一番適した選挙制度というのが考えられるというのが理想だというふうに思っています。しかし、現実にはなかなかそれがいかないし、参考人のお立場から見て、国民の立場から見て、もういいかげんにしろと、だからという御提案をいろいろいただいているということだと思いますが、そのときに理想的には再編が先だと思いますが、現実には最低私は、選挙制度の改革と再編というのはセットに、同時決着的にされるべきであろう。屋山先生の御説の、制度を先にやれば後からその中身はついてくる、四百五十と五十になっても、しばらくはそれであっても、必ず変わるんだということには、私は少し疑義がございます。例えば四百五十取れば四年間は恐らく解散はないでしょう。そして、今日の政治状況の中で小選挙区でそういう状況をつくれば、ますますその政治の構造を変えない、利益誘導の中で選挙地盤が完全に安定するということも懸念されるということを思うわけですが、この制度と政界再編というものの時系列的なイメージというものについてはどうお考えなのかということをお伺いしておきたい。この二つをお尋ねしたいと思います。 それから、これは補足でありますが、屋山先生は民社党の案をお引きになって、イタリア型ということで、いろいろ新聞にも載せていただいたんですが、我が党は小党乱立を避けるという意味で、五%条項云々、憲法上という意味のことをおっしゃいましたけれども、そういうことではなくて、選挙区ごとの法定得票という制度を導入してそういうことを避けるということもいろいろ工夫をしておるということを申し添え、また後日資料もお届けさしていただきたいと思います。 以上でございます。
○亀井参考人 これからの政治の流れということでございますが、私は政権交代可能ということを申し上げましたけれども、今までは日本の流れというのは、これはいわゆるマスコミの用語ですが、保守革新という二つに分かれておられるのですね。野党の方を大体革新と称されるのですが、これは、世界が冷戦構造で東と西が対立した、その構造が日本の政治にある形で投影されておったのではないか。ところが、二、三年来この冷戦構造というものは構造が壊れました。したがって、世界の情勢と合わせて日本の政治のいわゆる保守革新、私はどうも保守革新というのはおかしいと思っておるのですけれども、そういうものをやはり修正するという時期に来たのではないかというふうに思います。 そこで参考になるのが、今から三十何年前、一九五九年ですか、ドイツの社会民主党は、バートゴーデスベルクで十日以上死ぬような討論をやられて、そしてそのときの結論は、政党となった以上は単独でもとにかく政権をとらなければいかぬ、とるためには階級政党から脱却して国民政党になるんだ、こういう議論をされたのですね。そして左派を切られた。それからそのときに、国民政党になるためには国の安全について国民に責任を持つ政党になる、第二には今までは労働組合とだけ接触したけれども、経済界とも広く接触をして国民政党の名をとりたいという結論を出されて、十年たって政権をとられたということを聞いております。 そういう意味におきましては、やはり今までは日本において冷戦構造の谷間で割合にのんきに暮らした、これからは日本の地位を考えると独自の立場、独自の観点、そして国民の安全と安寧というものに政党は責任を持ってもらわなければならぬ。そういう政党が何であるかということをこれからは国民が問うてくることになろうと思います。 そういう意味におきまして、これから変わるのは、今までの既成政党というのはもう支持者が五〇を割ったという状況でありますから、今新しい流れとしては、日本新党であり、あるいはシリウスとか、いろいろな流れも出てきております。そういう意味で、私はこれは素人ですから、抽象的に考えると、政治の場においてもやはり国の安全とかなんとかいうのは基本的に一致していただく。これはイギリスにおいてもドイツにおいても国の安全を守るということの政策は大体一致しておると思うのですね。基本的にそう対立はない。ところが、日本はまだ残念ながらいろいろな意味で対立がございます。そこが一つ調整されることが大事であろう。 それから、政治の流れとして、人間というのは本性的に保守的な人と、状況の変化によって改革しようというタイプの人がある。そうすると、やはり先ほどのように、憲法は絶対死守するというのか、憲法を少しオープンに議論しようかという、そういう政治の考え方。 あるいは福祉の問題では、これから高齢化というものがどんどん進んでいきます。そういった場合に恐らく二十年先には大変な高福祉高負担になる。そうすると、私どもが屋山先生と一緒に臨調でやった自立自助を基本にするような考え方で気の毒な人を救済しようという考え方の政策を持つ方もあるでしょう。 それから、中央と地方の問題で、今までどおりの中央集権がいいのだというのか、地方に思い切って任せていこう、そういういろいろ政策点の違いでおのずからそこに政党ができ、国民にそれぞれの政策を訴える、こういうことになろうか、こういうふうに思っておる次第でございます。
○屋山参考人 私は、選挙制度を変えれば政界再編を促進するのじゃないかというふうに思っているのです。といいますのは、今の場合、自民党を負かそうと思えば、野党の方は寄ってたかってやる、統一候補を出す、そういう必要に迫られるのだろうと思うのですね。ですから、今政界再編志向の動きがいろいろ出ていますけれども、頭を押さえられて突破口がないという状況だろう。そこへ選挙制度の改革というのがあれば、私は自民党の候補者よりもこっちがいいというような人をみんなが担ぐ、そういう状況になって随分中身も変わってくると思うのですね。似たような人というか、十分に対抗できる人を野党の方も担がなければいけない、こういう状況になってくると思うのですね。 さっき極端なこと宣言って、四百五十対五十ということを言いましたけれども、どこの国を見てもそういう極端なことが長続きしてないわけです。ですから、仮に最初にそういうことが起こったとしても、私はとても二回も三回もそういうことが続くというふうには思えないということで、これは各国にそういう例がないということしか根拠がないのでありますが、そういう意味で余り心配してないのです。
○小林(守)委員 社会党の小林守でございます。 先ほどからの両参考人のお話の中で、今国会において政治改革関連法案の一括実現、処理ということについての考え方が示されました。これについては、私も原則的に大賛成でございますし、一致をしているところでございますし、また、そうでなければならない、そのように思っている一人でございます。 ただ、お二人が共通して言われていることは、政治資金と選挙制度というものは深く密着をしているというようなことで、政治や選挙には金がかかるという前提のもとに政治資金や腐敗根絶や選挙制度の改革というものが発想されているというふうに言えると思うのですけれども、どうも一けた二けた違う立場でのお話のような気がしてならないのです。要は、選挙や政治に金がかかるという点については、かからないとは言わないわけですけれども、一定の限度というのはおのずからあるのだと思うのですよ。要は、かかるから変えるのだというのではなくて、いかにかけないかというような発想が原点にないと国民の合意を得て関連法案を実現していくということは無理ではないのかな、そういうふうに私は考えているところであります。 その一つとしては、例えば金丸前副総裁、代議士の脱税事件につきましては、国民の多くは激しい怒りを持って、政治に金がかかるとは何事だ、冗談ではないという気持ちがいっぱいなのではないかと思うのですね。特に、政治資金の乱用というか、それを利用して個人的な蓄財行為が疑われているわけでありますけれども、そういうことを考えまするならば、政治には金がかかる、選挙には金がかかる、だから政治改革なのだ、選挙制度改革なのだという論法は国民の理解は得られないし、公的助成だというようなお話はとんでもないというような国民の一般的な感情ではないのかな、そんなふうに思うのです。ですから、要は総体的に一括処理していくという前提は私も大賛成なのですけれども、しかし、国民の合意のもとに実現していくためにはやはり金をかけない、そういう考え方が相当詰められていない限り国民の合意のもとでの一括処理というのは難しいのではないか、そのように思えてなりません。 また、即単純小選挙区制の問題に、それがベストなのだという形で政治資金と選挙制度の改革の問題を単純小選挙区制に結びつけられて述べられていると思うのですけれども、しかしかがら、その小選挙区制がお金がかからないという保証は全くないわけでありまして、この点からも疑問に感じざるを得ないところでありますので、そのところをお二人にお答えいただきたいな、そのように思います。 それからもう一点は、地方分権にかかわることなんですが、屋山先生の方から、今は国家的なリストラが必要だということについては私も同感でございます。国会議員は、一段高い立場から国際的な社会における日本の役割とかそういう大きな問題を考え、また、地方における生活大国実現のための諸施策等について大所高所の見識を示してほしいのだ、しかし、実態として官僚や業界のお世話になっていて、それができないのが現実ではないかというようなお話でございまして、そこまでは全く同感でございます。しかしながら、それがなぜ単純小選挙区制に結びつくのか、ちょっと論理の飛躍がおるのではないかな、そのように思えてなりません。 というのは、既にパイロット自治体が施行されようとしておりますし、先ほどお話の中では、手を挙げるところはないのではないかというようなこともありましたけれども、決してそうではなくて、確かに不十分な、かなり骨抜きをされたような評価のものですけれども、しかし一定の前進はある中身だと思います。そういう点で、手を挙げてくる自治体、準備している自治体が現実にあります。それからもう一つ、地方拠点都市地域の指定の問題とか、さらには地方制度調査会の中核市の構想や広域連合の制度化、これらについても間もなく答申が出されてくると思います。それぞれ特色を持った、それぞれの機関から出されてきている地方分権のシステムの施行だと思うのですけれども、そういう取り組みが既に進められているということでありまして、地方自治体におきましては、行政能力や、また住民の自治意識、参加意識、こういうものについては相当な成熟を見ている、そのように言って間違いないと思います。 それから、現実に国の省庁が取り上げている新しい政策、施策などは、既に三割は自治体で先行的に施行している。そういうものを国が追認するような形で全国的に施策として取り上げているというのが、もう既に三割ぐらいいっているという実態ですね。そういうことを考えますと、地方分権を進める方式の中で、中央でまず最初に地方分権の仕組みをつくっておろすのではなくて、地方自治体が、地域がみずから主体的、自主的につくり上げていくのが地方分権の本来の姿ではないのかな、私はそんなふうに思うわけであります。 そういう点でも、地方分権の進め方は、即政界再編、単純小選挙区制がいいのだという発想にはちょっといかない。現実に進められているものをどんどん評価し高めていく、それが我々国会の仕事ではないのかな。そういう国民の声をつくっていくならば、必ずや各省庁の厚い壁も解けていくのではないか、そのように思えてならないのですが、その二点についてお二人からお聞きしたいと思います。
○亀井参考人 小林先生の、これからの選挙制度を金をかけない制度にすべきだというのは全く賛成であります。議会制民主主義ではやはりコストがかかる。しかし、それを個人が集めるのではなくて、党中心に持っていくということが理想である。と同時に、中選挙区制というのは非常に金のかかる制度ではないか。 と思いますのは、具体的に言いますと、私がかつて住んでおりました西宮、これは兵庫二区ということになりますか、尼崎から西宮、芦屋、そして神戸市と明石市を除いて、淡路島までが選挙区の面積なんですね。これは大変広い地域です。その間を運動され、いろいろやられて、やはりコストはどちらの政党もかかっておるのではないかと私は思うのですね。これが、例えば三百区にしたら四十万、尼崎市一つということになると運動の範囲の面積は限定されます。それから、狭いところですから監視もよくきくわけですね。そういうことでは小選挙区の方が中選挙区よりは金がかからないのではないか。 もちろん、一極集中式に金を非常に投入するということで小選挙区は金がかかるという議論もございますけれども、この狭いところであの政党は派手なことをやっておるぞということを、監視機構をやれば今度は統制できることではないか。広いところでの問題と、狭いところ。運動範囲、先生御自身も御経験になっていると思いますが、狭い区になれば楽だなというお気持ちもあろうと思いますから、そういう意味でやる。 それからもう一つ、冒頭に申し上げたけれども、中選挙区は、多数の、過半数をとる政党というのは複数の者を立てなければいけない。そこで同士打ち、サービス合戦ということでだんだんエスカレートしてきたというのが現状で、もう極限に達したからここで変えたらどうでしょうかということでございまして、やはり政治資金と選挙制度とは、先生がおっしゃるように、今の制度は泣いても笑ってもどうしたって金がかかる制度になっておる。それで、その金が我々庶民とは違うようなけたになってきた場合に、やはり金銭感覚というのは麻痺する、公私混交になるということで今度のようなスキャンダルが出てくるわけでございますから、ここで改めて制度を変えて、清新な気分をもって新しい日本の政治に向かうということが非常に大事ではないかというふうに思っております。 それから、地方分権の問題は自主的にやるべきではないか、これも基本的にはそうです。ところが今、がんじがらめに、地方の公民館とか何をやるにも結局厚生省とかなんとかへ皆行かなければいかぬという現状、それから切ってやらないとできないわけですね。ですから、自主的にやれというのはごもっともですが、やはり制度を変えてやらないと自主的にできないというふうに思います。
○屋山参考人 今の選挙になぜ金がかかるかというのは、社会、公明、民社、共産というところは余り切実感が、例外的に二人立てているところはありますけれども、余り切実感がないのじゃないかと思うのですね。自民党さんは、二人、三人、四人と立っているので、結局自民党同士の戦いで、けたが違うくらい金がかかる。つまり、個人後援会を維持していかなければ今の選挙制度に対応できない、こういう姿だからけた違いなのだろうと思うのですね。これの弊害というのは、派閥はできる、年功序列にはなる、もうとにかくいろいろ、弊害がきわまったというところまできているわけです。だから、この制度をそのままにしてお金だけ締めるというのはやはり無理な話ではないかということ。 もう一つ、選挙制度と行政改革は直に結びつかないじゃないか、こうおっしゃるのですが、そこのところを私もどうしても説明したいのは、行政改革をやると、とにかく、族議員という方がどんな制度にも必ずいるわけですね。あらゆる制度で、今役所の、何といいますか、縄張りに入っていないというのはコンパニオンだけで、あとは全部縄張りに入っているわけですね。その縄張りに必ず族議員というのがくっついている。だから、一つ何かやめようというのは大変なことなんです。なぜそうなるかというと、族をやっていなければお金にならないわけですね。ですから私は、族をやらなくても済むスタイルにしないと虚心に物が考えられないのじゃないかと思うのです。そこがどうしても両者が不可分だという理由なんです。
○田邉委員長 深谷委員、お願いします。時間が大分詰まってまいりましたから、簡潔にお願いをいたします。
○深谷委員 自民党の深谷隆司でございます。 お二人にお尋ねしたいのですけれども、私は前回小選挙区制に反対論をふった議員の一人でございます。それは幾つか理由がありますが、大きな理由は、衆議院に比例制を持ってこようとしたからであります。 参議院においては比例制というのを入れておりますが、私は、衆議院はあくまで直接選挙であるべきだ。参議院と同じものを衆議院に持ってきたのでは、二院あることの意味が全くなくなる。だからあくまでも、参議院には比例、直接選挙、両方あることは結構だが、衆議院にそれを持ってくるのは本質的に反対である。そういう意味では現在、単純小選挙区制の姿を打ち出しておりますから、私どもは協力しているのでございます。この点についてどうお考えになるのか。先ほどもありましたが、もう一度伺いたい。 それからもう一点は、どちらかというと政治改革というと選挙制度の改革が先行しているという嫌いがありました。しかし、国民の不信というのはあくまでも政治家にまつわる金の流れの問題でございまして、これを先にまず解決するということが政治改革の本体でなければならぬと考えていたのです。今度の場合には、個人の献金を極端に抑えて、政党に献金を許す、あとは公的助成を行う、こういう形で従来の政治家の金の流れをかなり明瞭なガラス張りにしていく。しかも、政治家個人への献金とあるいは資金調達団体同士のお金の流れというものをとめて、派閥の領袖から議員に配るというようなものも断ち切る、こういうことまで今度は加えてまいりましたので、従来と随分違いがある。ここを考えてまいりますと、当然選挙制度において政党代表選手が戦うような小選挙区にせざるを得ない。そこで初めてこれらが一括として上程され、解決されなければならぬという、こういう理論構成になるものでありますから、私どもはそれに納得しているわけでございます。 小選挙区制度が先にあるのではなくて、ガラス張りにする選挙資金制度というものをどう変えるか、これを政党中心に変えていくならば、当然選挙は政党代表選手の争いの小選挙区になっていく。ここいらの議論の流れというものがもっともっと国民に理解されることが非常に大事ではないだろうか、そんなふうに考えるわけでございますが、その点についての御意見を承りたい。
○亀井参考人 ただいま深谷先生から非常に造詣の深いお話がございまして、感銘いたしました。 小選挙区というのは、私は、英国では非常に成功しておりますからいいと思いますが、もう一つ、この政治資金と選挙、結局選挙があるから金が要るということで、これはもう密接な問題なんですね。したがいまして、やはりこれは両方一緒に解決しないといけないんじゃないかと思います。 それから、政治資金というのは、議会制民主主義にはコストが要りますから、これのコントリビュートの仕方は、透明化をすると同時に党中心にする。そして英国のように、個人は選挙の場合に五千ポンドから六千ポンドしか使わないといいますね、党は使うけれどもということをサッチャーさんは言っておられましたが、そういうふうな理想にぜひ持っていっていただきたいというふうに思います。
○屋山参考人 私は、政治改革が選挙制度に直結するのはおかしいという議論がありますけれども、考えると、やはり選挙制度も悪いからあらゆる問題が派生じているので、ですから、政治改革をやるには選挙制度をいじる、そこが一番本命だと思うのですね。そこをいじればいろいろなものがほどけてくる、こういう関係じゃないかと思います。
○田邉委員長 それでは、質疑はまだ尽きないところでありますが、予定の時間が参りましたので、本日の参考人に対する質疑はこの程度で終了することといたします。 参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 次回は、来る二十四日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四分散会